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平成26年  9月 定例会(第316回) 09月24日−04号




平成26年  9月 定例会(第316回) − 09月24日−04号







平成26年  9月 定例会(第316回)



 平成二十六年

        第三百十六回定例奈良県議会会議録 第四号

 9月

    平成二十六年九月二十四日(水曜日)午後一時開議

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          出席議員(四十二名)

        一番 宮木健一          二番 井岡正徳

        三番 大国正博          四番 阪口 保

        五番 猪奥美里          六番 尾崎充典

        七番 藤野良次          八番 太田 敦

        九番 小林照代         一〇番 大坪宏通

       一一番 田中惟允         一二番 岡 史朗

       一三番 畭 真夕美        一四番 乾 浩之

       一五番 森山賀文         一六番 宮本次郎

       一七番 山村幸穂         一八番 欠員

       一九番 松尾勇臣         二〇番 上田 悟

       二一番 中野雅史         二二番 神田加津代

       二三番 安井宏一         二四番 奥山博康

       二五番 荻田義雄         二六番 岩田国夫

       二七番 森川喜之         二八番 高柳忠夫

       二九番 今井光子         三〇番 和田恵治

       三一番 山本進章         三二番 国中憲治

       三三番 辻本黎士         三四番 米田忠則

       三五番 出口武男         三六番 新谷紘一

       三七番 粒谷友示         三八番 秋本登志嗣

       三九番 小泉米造         四〇番 中村 昭

       四一番 欠員           四二番 山下 力

       四三番 梶川虔二         四四番 川口正志

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        議事日程

一、当局に対する一般質問

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○議長(山下力) これより本日の会議を開きます。

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○議長(山下力) ただいまより当局に対する一般質問を行います。

 順位に従い、十番大坪宏通議員に発言を許します。−十番大坪宏通議員。(拍手)



◆十番(大坪宏通) (登壇)次世代の党の大坪宏通でございます。議長のお許しをいただき、一般質問をさせていただきます。

 次世代の党は、日本維新の会の分党に伴い、八月一日に設立され、九月十六日に結党大会を行ったばかりの新しい政党であります。自立・新保守・次世代の理念のもと、その基本政策では国民の手による新しい憲法、自主憲法の制定、自立した外交及び防衛力の強化による安全保障体制の確立、集団的自衛権に関する憲法解釈の適正化、全ての拉致被害者の早期救出、安全かつ安定的なエネルギー政策、新エネルギーの開発や原子力技術の維持等、電源の多様化による脱原発依存等を掲げています。

 先人や親世代に対し敬意を払い、感謝をし、今の世代がそれぞれの分野で全力を尽くし、次世代に守るべきものは守り、伝えるべきものは伝え、変えなければならないものは変えていく。断絶ではなく継承という縦の時間軸を重要視し、この奈良県政の場においても、このような考えをもとに活動させていただくことをお誓いし、質問に入らせていただきます。

 本県のエネルギー施策について、特に地域でつくるエネルギーを地域で使うという観点から、地産地消型のエネルギーの大部分は、大規模な発電所等で集中してつくられ、それぞれの地域に供給されていました。

 しかしながら、平成二十三年の東日本大震災以降、このようなエネルギーの供給体制の見直しが進められています。

 本年四月に閣議決定された国のエネルギー基本計画においては、今後二十年程度の中長期のエネルギー需給構造を視野に入れ、今後取り組むべき政策課題と、エネルギー政策の方針が示されています。

 県でも、平成二十五年三月に、奈良県エネルギービジョンを策定し、奈良らしい新たなエネルギー政策を推進するため、多様な再生可能エネルギーの普及拡大など、さまざまな取り組みを進められています。

 県内における再生可能エネルギーの導入は、一カ所で大規模な発電を賄うことは、地理的条件等から難しいと思われますが、地域の中で分散して、小規模でもその地域で活用するエネルギーを生み出す地産地消型のエネルギーに取り組むことは可能であり、この取り組みは、非常に意義深いことだと考えています。

 まず、第一に、災害など緊急時におけるエネルギー源対策についてです。

 大規模災害時には、道路交通網の遮断による地域の孤立のほか、送電及び配電設備が被害を受け、大規模停電が長期にわたり発生することも想定されます。現に、平成二十三年の紀伊半島大水害では、本県においてもピーク時には十六市町村で延べ二万八千五百九十軒が停電し、住民の方々の生活に大きな支障が生じました。災害時に地域で確保できるエネルギー源を持つことは、非常に重要であると考えます。

 国では、本年六月に大規模自然災害への対応指針として国土強靱化基本計画と、その着実な推進を図るための国土強靱化アクションプランが策定されました。この中でも、エネルギー分野の取り組みとして、エネルギー供給源の多様化のため、再生可能エネルギー等の自立・分散型エネルギーの導入を促進することとされています。

 県民が安心して生活するためには、国にだけ任せるのではなく、県でも緊急時のエネルギー対策について対応を進めるべきではないかと考えます。

 そこで、知事にお伺いします。

 エネルギーの地産地消などによる緊急時のエネルギー対策として、県ではどのような取り組みを進めていこうとしているのか、お聞かせください。

 次に、木質バイオマスの利活用についてお伺いします。

 かつて人間社会の営みに必要なエネルギーは、森から切り出した木からその大半を得ており、森はエネルギー源として、なくてはならないものでありました。それが、産業革命以降において化石燃料が使えるようになり、エネルギーを大量に消費するライフスタイルが普及して、森のエネルギー源としての役割は小さくなっていきました。しかし、近年では化石燃料の価格上昇や地球温暖化防止などの観点から、先進国では再生可能エネルギーへのシフトを目指した政策転換が進み、再生可能エネルギーの割合が少しずつ高まりを見せ、東日本大震災以降はさらにその重要性についても見直されてきたところです。

 このような状況を踏まえ、本県における木質バイオマスの利用について二つの観点からお伺いをします。

 まず一つ目は、国の再生可能エネルギーの固定価格買取制度、いわゆるFIT制度がスタートし、ことし四月末までに全国で八十一カ所が稼働もしくは計画中となっている木質バイオマス発電についてです。木質バイオマス発電は、豊富な森林資源をはじめ、山林に放置されている未利用間伐材や製材端材を有効活用するもので、エネルギーの供給とあわせて新たな雇用の創出と地元林業の振興などへの波及効果が見込める、地産地消型のエネルギーとしてすばらしい取り組みだと私は考えております。本県においても、大淀町で平成二十八年三月操業に向け発電施設の整備が進められており、県南部・東部地域の振興に大きく寄与してくれる取り組みであると期待しているところです。しかしながら、木質バイオマス発電には大量の燃料木材が必要となり、それらの木材をいかに継続して安定的に確保できるかが大変重要な問題であると思われます。

 そこで、現在整備が進められている大淀町の木質バイオマス発電施設における原料木材の調達計画はどのようになっているのか、お聞かせください。

 二つ目は、木質バイオマスの熱利用についてお伺いします。

 ことし、地域エコノミストの藻谷浩介氏の著書「里山資本主義」が大いに話題を呼びました。同書では、オーストリアやハンガリー、また、国内では岡山県真庭市などの木質バイオマス活用の先進事例を取り上げ、マネー資本主義からの脱却と里山資本主義の魅力について紹介をされています。私も大いに関心を持って読ませていただいたところであります。

 我が国は、森林資源に恵まれており、本県も県土の約八割を森林が占めております。遠く海外の国からの化石燃料に頼るのではなく、豊富な木材をもっと活用するべきで、それにより、山そのものの環境もよくなるのではないかと考えております。特に、給湯施設やストーブ、ボイラーなどの熱利用においては、その利用拡大の可能性が非常に大きいのではないでしょうか。

 そこで、農林部長にお伺いいたします。

 現在整備が進められている大淀町の木質バイオマス発電施設における原料木材の調達計画はどのようになっているのか、また、木質バイオマスの熱利用モデルの構築に向け、今後どのように取り組む予定なのでしょうか、あわせてお聞かせ願います。

 次に、営農型太陽光発電についてお伺いします。

 最近、工場や住宅の屋根などのほか、農地転用等により土地に直接太陽光パネルが設置されている光景を見かけるようになりました。地域の資源として太陽光発電などの地産地消型のエネルギーを推進することは、大変重要なことです。しかし、狭い国土であり、土地の有効利用ということも考えなければなりません。特に、我が国の食料生産基盤である農地については、極力保全することも大事なことであります。農地の保全、農村地域や集落の定住化を考えた場合、農家がこれからも住み続けていくためには安定的な副収入があって農業を続けられることが重要で、そのため、地産地消のエネルギーを推進すべきと考えます。

 一つの手法として、ため池を利用した太陽光発電が考えられます。桜井市にある倉橋ため池では、堤体を利用した太陽光発電が、ことしの三月から稼働していると聞いています。県内には五千以上のため池がありますが、ため池の堤体や水面を利用した太陽光発電に取り組むことにより、農村地域が活性化し、農村集落の維持にもつながるのではないかと考えます。

 また、最近もう一つの有力な手法として、農地で営農を継続しながら上部空間に太陽光パネルを設置し発電を行う、いわゆる営農型太陽光発電設備が注目されていますが、これについて質問します。昨年三月末、農林水産省は、この営農型太陽光発電設備について、農地転用許可制度上の取り扱いとして、パネル下部で営農が適切に継続される場合は、支柱部分を一時転用許可の対象とすることとされました。つまり農地を永久的に転用せずに、農業生産を行いながら発電を行うというものです。この取り扱いが示され、その後全国各地で設置が進んでいると聞いています。

 我が国の農業が、高齢化の進展に伴う農家戸数の減少、耕作放棄地の増加といった状況にある中で、この営農型太陽光発電は、農地として農作物を生産しながら発電するため、農地の有効利用に資するとともに、農業収入に加えて固定買取制度による売電収入があるため、農家にとっては、収入増や収入安定、農業経営が安定することが期待され、離農や耕作放棄地発生抑制の効果もあるのではと考えます。

 今後、営農型太陽光発電の推進について、県はどのように考えているのか、また、全国や本県での設置状況はどうなのか、お伺いをいたします。

 次に、林業の振興についてお伺いします。

 本県では、県土面積三十六万九千ヘクタールのうち、森林面積は二十八万四千ヘクタールを占め、森林の占める割合は、実に八割に達しています。森林は、木材をはじめとした林産物を供給することで、木の文化を育み、社会経済の発展に寄与しているところです。さらには、美しい景観を構成するとともに、自然災害を防ぎ、生物の生態系を保全し、豊かで清らかな水を蓄え、潤いと安らぎの場となるなど、県民にさまざまな恩恵をもたらしています。

 しかしながら、昨今の森林を取り巻く状況を見ると、社会全体において少子高齢化が進む中、特に山村地域においては、過疎化と高齢化の進行が著しく、地域の基幹産業である林業の担い手不足も深刻な状況に陥っております。また、長期にわたる国産材の価格の低迷が、林業経営を圧迫し、下刈り、間伐などの手入れが十分に行われず、森林の持つ土砂の流出防止、水源の涵養などの公益的機能の低下が憂慮されております。この林業経営の不振は、森林所有者の林業に対する関心を薄れさせ、地域の森林を捨て、都会で居住する、いわゆる不在村森林所有者の増加や、森林の境界が不明となる原因ともなっております。

 先日、高知県を視察しましたが、県土に占める森林の面積が約八割を占め、急峻な地形であることなど、奈良県と森林の環境はよく似ているのではないかと感じました。高知県においては、一定の面積を持つ森林を集約化し、森の工場と名づけ、その中で実施する間伐材の搬出や作業道の開設、架線集材施設の設置や高性能林業機械の導入等の事業へ集中して補助を行っています。これにより、森林所有者や林業事業体の森林整備や生産活動への取り組み、低コスト林業や木材の安定供給体制の構築を推進しているところです。また、川下での利用拡大に向けて、中高層木造建築物を可能にすると注目されているCLT技術の導入にも積極的に取り組んでおられました。これらの県のバックアップにより、林業の生産活動が活発になれば、森林所有者が森林に関心を持つようになり、雇用も生まれ、ひいては、森林整備が行われることで山村地域が活性化し、森林の持つ公益的機能の発揮につながることが期待されます。

 そこで、農林部長にお伺いいたします。

 山村地域の活性化や森林の公益的機能の持続的な発揮には、林業の振興が不可欠だと考えますが、林業の大きなかぎとなる県産材の安定供給について、どのように取り組んでおられるのか、お伺いいたします。

 次に、子どもたちの規範意識についてお伺いいたします。

 六月に開催された奈良県・市町村長サミットにおいて教育をテーマに議論されました。その中で、奈良県教育の基礎検討課題として、学力・学習意欲の向上、体力の向上、規範意識の醸成の三つの課題を県教育委員会は上げておられます。

 先月、文部科学省が発表した平成二十六年度全国学力・学習状況調査の結果が発表されていました。本県の平均正答率の全国順位が小学校で二十七位、中学校で十七位でありました。また、質問紙調査によると、勉強が好き、勉強が大切など学習意欲にかかわる項目において全国を下回る結果になっています。

 また、文部科学省が実施している全国体力・運動能力、運動習慣等調査における体力テストの体力合計点において本県の小学生は男子女子とも低位であったが、改善傾向、中学生は依然低位のままであります。

 そして、規範意識については、先ほどの全国学力・学習状況調査の質問紙調査において、「学校の決まりを守っていますか」との質問に、「当てはまる、どちらかといえば当てはまる」と答えている児童生徒の割合が、小学生八八・六%、中学生九〇・三%と改善傾向にあるものの、全国平均を下回る結果になっています。

 本県の子どもたちの課題について、学力・学習意欲の向上、体力の向上、規範意識の醸成と三つを横並びで議論がされているわけでありますが、私の持論としては決して横並びではなく、これらの課題の根底にある課題は規範意識の醸成であると考えています。社会のルールを守る、公共心を持つ、社会を構成している一員であるという自覚をしっかり持つなどのことができることが、まず基本であって、その上で学力であったり、また体力について議論すべきであると考えています。

 そこで、教育長にお伺いいたします。

 まず、本県の子どもたちの規範意識の現状はどのようなものであるのか、また、規範意識の醸成のためにどのように取り組んでおられるのか、お聞かせ願いたいと思います。

 以上で、壇上からの質問を終わらせていただきます。(拍手)



○議長(山下力) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)十番大坪議員から幾つかの重要なご質問がございました。

 私に対しましては、緊急時のエネルギー対策のご質問がございました。議員お述べになった質問にもございましたが、電源の多様化という重要なこと、それに対して再生可能エネルギーを分散型にする、分散型にしますと地産地消型になる、その中で緊急時のエネルギーを捻出するといったストーリーのように拝聴いたしました。

 本県のエネルギービジョンにおきまして、緊急時のエネルギー対策を基本方針の一つに上げております。国土強靱化の観点からも、自然災害などによる大規模停電時に人命を守ることを最優先に、地域で生み出し、利用できる再生可能エネルギーなどの自立分散型電源が必要でございますので、その確保に取り組んでいるところでございます。

 具体的には、本年三月に、大淀町福神地区において、蓄電機能を有する電気自動車を利用して、メガソーラー発電所から避難所などへ電気を運ぶ、供給するシステムを、県・大淀町・近鉄の三者が中心となり、全国で初めて整備をいたしました。今月、地域住民が参加し、電気自動車で電力供給を行う訓練を実施したところでございます。

 小水力発電の分野でございますが、吉野町殿川地区におきまして、手づくり水車で発電した電気を蓄電し、ためて、避難所の非常用電源として活用する取り組みがございます。本県では、このような先進事例を他にも、ほかの地域にも広げるための普及啓発や財政支援を実施しているところでございます。

 さらに、孤立可能性のある大規模避難所などに適した取り組みといたしまして、熱と電気の両方に活用できるLPガス発電がございます。本県では、紀伊半島大水害で孤立した十津川村の避難所である県立十津川高等学校に、本年二月、都道府県で初めてLPガス発電を整備いたしました。五月には、県・十津川村・十津川高等学校・地元住民による操作手順の確認訓練や、炊き出し訓練などを実施いたしました。

 また、災害時の拠点となります県庁舎におきまして、熱と電気の両方に活用できるシステムでございますガスコジェネの導入可能性について、平常時も含めた効果的な活用方法や、有利な国庫補助について導入すべく、引き続き検討してまいりたいと思っております。

 さらに、先般、環境省のグリーンニューディール基金事業に、本県分として十六億円が採択、配分されました。今後は、平成二十八年度までの三カ年、この基金を最大限活用いたしまして、県や市町村の防災拠点や避難所等に、太陽光発電などの再生可能エネルギー設備と蓄電池の整備を行うことにより、緊急時のエネルギー対策を進めていきたいと思っております。

 残余は、関係部局長から答弁をさせていただきます。ご質問ありがとうございました。



○議長(山下力) 福谷農林部長。



◎農林部長(福谷健夫) (登壇)十番大坪議員のご質問にお答えをさせていただきます。

 私には、三点の質問がございました。

 まず一点目といたしまして、現在整備が進められている木質バイオマス発電施設における原料木材の調達計画はどのようになっているのか、また、木質バイオマスの熱利用モデルの構築に向け、今後どのように取り組んでいくのかというご質問でございます。答弁をさせていただきます。

 木質バイオマスのエネルギー利用につきましては、建材として使用できない小径の間伐材、曲がり材等を有効利用できることや、地域の雇用創出につながるなどの観点から、積極的に推進すべき重要課題と認識をしております。

 まず、木質バイオマス発電につきましては、大淀町で民間事業者による発電施設が平成二十八年三月の操業開始に向けて整備中で、当発電施設の年間売電予定量は四万四千メガワット、一般家庭に例えると約一万二千世帯分に相当するものでございます。県といたしましては、事業の必要性を踏まえ、国の予算を活用して全体整備費約三十三億円に対し、十四億円を無利子で貸し付けしたところでございます。

 同発電施設におきましては、必要とされる燃料木材は年間七万二千トンでございます。その内訳は、未利用材三万六千トン、残りの三万六千トンはリサイクルチップなどで賄われる計画となっております。未利用材の確保につきましては、国の貸付要件となる森林所有者などの林業事業者との安定供給協定の締結に加え、その確実性を担保するため、本県独自に貸付期間である十五年を超える供給契約を要件としたところでございます。発電事業者は、これらの条件をクリアしております。リサイクルチップについても、同発電事業者が調達する予定の県内事業者の取扱量を踏まえると、十分に調達できるものと考えております。また、国の電力固定価格買取制度、いわゆるFIT制度の認可を受けており、今後二十年間にわたって有利な価格での燃料木材の買い取りが可能となっております。

 次に、木質バイオマスの熱利用につきましては、その採算性を確保することが重要な要素であるというふうに考えております。このため、昨年度より県有林を利用したペレットの製造及びストーブや農業用ボイラーでの利用などの実証実験を進めております。その中で、木材搬出コストの低減やペレット製造の効率化など課題が見えてきたところでございます。今年度は、本県の狭い作業道でも効率的に稼働できる奈良型の林業機械の開発・導入やペレット製造機械の改良など、さらなるコストの低減に取り組んでいきたいというふうに考えております。

 今後も、これらの取り組みを推進するとともに、市町村やNPO団体と連携をし、利活用検討会議やフォーラム開催など普及啓発の取り組みをあわせて進め、本県の実情に即した熱利用モデルの構築に取り組んでまいりたいというふうに考えております。

 続きまして、二点目といたしまして、営農型太陽光発電の推進について、県はどのように考えているのか、また、全国や本県における設置状況はどうかとの質問でございます。答弁をさせていただきます。

 営農型太陽光発電は、議員お述べのように、農地を維持し、農作物と再生可能エネルギーを同時に生産することができる有効な手段であると認識をしております。

 営農型太陽光発電設備の農地転用許可制度上の取り扱いにつきましては、支柱設置箇所などの営農できなくなる農地部分を、一時転用の許可の対象としております。

 全国では、平成二十六年三月末現在、二十九の県で、ミョウガ、フキなどを作付する九十七の事例の営農型太陽光発電設備が許可をされております。本県におきましては、この八月に県下で初めての許可をいたしました。それは、ガーデニングに使われるタマリュウという作物を作付されるもので、ある程度日照量が制限された環境が生育に適している作物でございます。

 営農型太陽光発電設備の一時転用許可に際しましては、通常の審査基準に加えまして、営農の適切な継続を前提として、下部の農地における農作物の収量が平均的な収量と比較して二割以上減少しないことなどを条件としております。このことから、農林部内で農業栽培の専門家を加えるなど審査体制を整備し、円滑な対応に向けて、運用しているところでございます。

 営農型太陽光発電につきましては、日照量が少なくなる中で、いかにして八割の農作物の収量を確保するかが課題であるというふうに考えております。そのため、今後、国に対しましても、農作物ごとの生育に適した栽培環境の研究の実施及び研究データ等の情報提供を要望するとともに、他府県での事例等の情報収集に努め、さらに県みずからの取り組みについて引き続き検討をしてまいりたいというふうに考えております。

 続きまして、三点目といたしまして、林業の振興について、山村地域の活性化や森林の公益的機能の持続的な発揮には、林業の振興が不可欠だと考えるが、振興の大きなかぎとなる県産材の安定供給についてどのように取り組んでいるのかとの質問でございます。答弁をさせていただきます。

 県では、林業や木材産業の振興を図るため、奈良県森林づくり並びに林業及び木材産業振興条例及び同指針に基づき、県産材の安定供給に取り組んでいるところでございます。

 県産材の安定供給につきましては、路網の整備や林業の機械化による生産コストの縮減が不可欠であることから、県ではこれらに意欲を持って取り組む林業事業体等に対する支援を平成二十三年度から実施をしております。

 具体には、まとまった森林区域におきまして、本県の急峻な地形や降雨の多い気象条件に合った奈良型作業道を重点的に整備をし、高性能林業機械を積極的に導入する林業事業体等に対し、支援をしております。加えて、議員お述べの高知県の振興対策事業である森の工場活性化対策事業を参考に、今年度より架線集材と作業道を組み合わせた木材搬出システムを導入する林業事業体等に対しても支援を行うことにより、県産材の計画的・安定的な供給体制の構築を図っているところでございます。

 現在、二十の林業事業体等が四千五百ヘクタール余りの森林を集約化し、約五十二キロメートルの作業道を新たに開設をして、効率的な木材生産に取り組んでいただいております。県といたしましては、これらの取り組みを推進し、現在、年間十五万立方メートルの木材生産量を、平成三十二年度には二十三万立方メートルから二十五万立方メートルに拡大をしてまいりたいというふうに考えております。

 また、これら川上側の取り組みとあわせまして、その受け皿となる川下側の取り組みにつきましても強化をしております。主なものを申し上げますと、県庁玄関ホールや奈良県立大学など公共建築物の木造・木質化の推進をはじめ、暮らしの道具や土産物など建築物以外での利用拡大、首都圏など新たな販路の開拓などであります。このほか、大手建材メーカーとの連携による県産材フローリングなど新製品の開発にも力を入れているところでございます。議員ご指摘の木造の中・高層建築物を可能にする直交集成板であるCLT技術の導入につきましても、今後の研究課題としてまいりたいというふうに考えております。

 さらに今年度、本県の林業や木材産業の振興に向けた新たな取り組みを検討をするため、幅広い分野の方々に参画をいただき、奈良の木利用拡大検討会を設置をし、運営しているところでございます。今後、議論を深め、施設の充実に向けてまいる所存でございます。

 以上でございます。ありがとうございました。



○議長(山下力) 吉田教育長。



◎教育長(吉田育弘) (登壇)十番大坪議員のご質問にお答えをいたします。

 私には、本県の子どもたちの規範意識の現状と、その醸成にどのように取り組んでいるのかとのお尋ねでございます。

 子どもたちを取り巻く社会環境が大きく変化する今日、問題行動の予防や解決と児童生徒の健全育成に当たっては、児童生徒一人ひとりの規範意識を高め、自己を律し、社会自立を進めていくことは極めて重要であり、規範意識の向上は全力で取り組むべき課題であると認識をいたしております。

 本県の児童生徒一千人当たりの暴力行為の発生件数は、平成二十四年度には全国平均四・一件を下回る四・〇件まで改善をしているものの、本年度の全国学力・学習状況調査で、学校の決まり・規則を守るという問いに対して、肯定的な回答をした奈良県の児童生徒の割合は、議員お述べのとおりでございますけれども、全国順位に直しますと、小学校で四十三位、中学生で四十六位と、依然低位となっております。

 これまでの同調査の分析から、学校の決まり・規則を守るという問いに対して否定的な回答をした児童生徒は、同時に基本的な生活習慣や学習習慣が身についておらず、地域との関係も希薄であり、特に自尊感情が低い傾向にあることはわかっております。

 このことから、地域住民の参画を得て、子どもたちを育む環境づくりを行う、地域とともにある学校づくりのほか、地域住民と小・中・高校生が協働してボランティア活動等に取り組むことで、社会性や自己有用感を育む、地域ぐるみで取り組む小・中・高校生規範意識醸成事業などに取り組んでおります。

 また、家庭において、幼児期に親子のコミュニケーションをふやし、挨拶や手伝いをすることで、子どもの自尊感情を育む、おはよう・おやすみ・おてつだい約束運動も進めているところでございます。

 今後とも、学校の教育活動を中心としながら、家庭や地域とも連携を図り、児童生徒の規範意識の向上に全力で取り組んでまいります。



○議長(山下力) 十番大坪宏通議員。



◆十番(大坪宏通) どうもありがとうございました。

 エネルギーの地産地消などによる緊急時のエネルギー対策についてでありますが、さまざまな取り組みをしていただいているというお答えをいただきました。

 栃木県の真岡市において国内初の内陸火力発電所が建設をされることになり、二〇一九年から二〇二〇年の完成を目指しておられるとのことです。これは首都直下型地震に備えられているようであります。本県においても南海トラフ地震に備え、エネルギーの自給、そしてまた関西圏のバックアップ機能、こういったものを図るためにも、太平洋側から日本海側、例えましたら和歌山県から奈良県を通って、そしてまた福井県の方、こういった方向に向いてパイプラインなどが通ることにより内陸型の火力発電所といったものの整備環境を整えておるのも一つではないのかなというふうに思う次第であります。

 また次に、木質バイオマスの利用促進についてでありますが、木質バイオマス発電については、やはり原料木材の調達に林業の振興というものがもう重要であると、そこに尽きるかと思います。熱利用についても、ペレットの製造、これも非常に大事なことではあるんですが、もとになるボイラーやストーブの普及、何よりも発電施設への供給を上回る材料が出てこなければ、そういったものの普及というのもなかなか難しいと思いますので、さらなる取り組みをお願いしたいと思います。

 次に、営農型太陽光発電の推進についてでありますが、私は食料自給率の向上、そして非常時の食料備蓄の観点からも、水稲をはじめとする穀類の栽培が望ましいと考えております。三重県伊賀市においても、一昨年、昨年と栽培されました日照率六〇%の営農型太陽光発電施設下の水田での米の収量は、平成二十四年がコシヒカリ八〇・六%、キヌヒカリ八一・六%、平成二十五年はコシヒカリ八〇・五%、みえのゆめ八二・〇八%であったと聞いております。また、県の方でも幅広くデータの方を収集していただき、本県においても農村の維持、自給率、備蓄の観点からも積極的に取り組みをしていただきたく、お願いを申し上げます。

 次に、林業の振興についてでありますが、高知県の取り組みも参考にされているとのことであります。高知県においては、高知県産業振興計画の中で年間原木生産量を平成二十二年の四十万立方メートルから平成二十七年に七十二万立方メートル以上を目指すとしており、そのために大型製材工場の整備促進、CLTの推進、木質バイオマスの利用促進等に積極的に取り組んでおられます。CLTについては、森林組合連合会の建物や町役場の庁舎などにもCLTを使った工法での建築を検討されているようであります。法整備が進めば、あらゆる分野への活用が期待されます。本格的な普及のためには、全国各地での拠点が必要であるとのお話も伺いました。ぜひとも、本県においても研究をしていただいて、全国的に見ても早い段階からの取り組みをしていただいて、奈良県林業の振興に生かしていただければと思っております。

 最後に、子どもたちの規範意識についてでありますが、やはり学力を上げるにしても本人の意欲の問題、そして授業を受ける態度を身につけることが重要であり、体力を上げるにしても向上させようという意欲、精神力、そしてよりよい生活習慣、睡眠や食事をきっちりととる、そういった条件が整わないと体力の向上というものにはつながってこないと思っております。子どもの貧困による格差などということも言われますが、貧しいから学力が低い、経済面がよくなれば学力が上がるという単純な問題ではないと考えております。学力体力ともに問題点が、その原因がどこにあるのか、またしっかりと分析をしていただいて、特に規範意識の問題が深く影響を与えていると私自身考えておりますので、関連性についても研究をしていただきたく思っております。

 今回、奈良市の市街地に住む議員でありながら、農業地域や中山間地域、そして林業に関することを質問させていただきました。実は、私の父は今回視察に行かせていただいた高知県大豊町の出身であります。大豊町は、昭和三十年の大豊村合併時に二万人の人口を数えておりましたが、現在は約四千人にまで減少をし、四国で唯一の限界自治体という形になっている町であります。私たちの家も大阪や奈良に出てしまいまして、私自身もふるさとに対して申しわけのない思い、そしてまた寂しい思いというものをずっと持っておりましたが、今回の視察で、このままではいけないという強い思いを持って高知県、そして大豊町、そして地域が一体となって取り組んでおられるという姿を見て、うれしく感じるとともに、日本全体がこれから直面する問題であり、取り組んでいかなければならない問題であるということも強く感じました。奈良市や市街地にお住まいの方々にはあまり関心が薄い問題ではあるかもしれませんが、水にしても食料にしても、あらゆる生産物もほとんどが農山村や森林、河川からの恵みであります。奈良県では、東部・南部地域があり、それぞれの地域が存続していき、そして農地や森林や河川が守られてこそ我々の生活が成り立つわけであります。奈良の県議会議員として県全体の問題として、これからも取り組んでまいりたいと思っております。

 以上で、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。



○議長(山下力) 次に、二十六番岩田国夫議員に発言を許します。−二十六番岩田国夫議員。(拍手)



◆二十六番(岩田国夫) (登壇)ご指名をいただきましたので、一般質問させていただきます。

 まず最初に、豪雨への対策について二点お伺いいたします。

 一点目は、大和川の流域対策についてであります。

 昭和五十七年八月の大和川大水害では、田原本町での大和川の破堤や、王寺町での葛下川の氾濫など、大和川流域全体で大きな被害が発生しました。床上・床下浸水は、一万戸以上に上り、戦後最大の洪水災害になりました。これを受けて、大和川流域では、昭和五十八年に国・県・流域市町村が一体となって、大和川流域総合治水対策協議会を設置し、流域全体で水害に強いまちづくりを行う、総合治水対策に取り組まれています。この総合治水対策とは、河川改修やダムの整備・遊水地の整備など、安全に水を下流に流す治水対策だけでなく、雨水貯留浸透施設の整備や、ため池の治水利用など、ためる機能と保水機能により、河川への流出を抑制する流域対策をあわせて行うものであります。

 しかしながら、大和川水系の奈良盆地は、流域に占める山地の面積割合が少なく、流域の保水力が弱いこと、河川が放射線状に集まり、盆地内で合流しながら一本の流れとなり、亀の瀬の狭窄部を抜けること、さらに都市化の進展により、支川から大和川に一気に雨水が集まることなど、浸水被害を受けやすい地形となっています。大和川流域には、県人口の九割、資産の八割が集中していますが、平成七年の水害では、二千戸以上の床上・床下浸水被害が発生し、平成十年、平成十二年、平成十九年にも、一千戸以上の床上・床下浸水被害が発生するなど、台風や豪雨によって、甚大な浸水被害が発生しています。

 これらの課題を踏まえ、国においては、平成二十五年十一月、国管理区間による大和川水系河川整備計画が策定され、遊水地の整備が位置づけられました。また、大和川流域総合治水対策協議会においても、県及び市町村の役割として、雨水貯留浸透施設とため池の治水利用について、それぞれ目標量を定めて、流域対策の推進に取り組んでこられました。

 しかし、現在、県においては、その目標量を達成しているものの、市町村によるため池の治水利用が進んでおらず、対策率は四割程度と、近年伸び悩んでいる状況にあります。

 そこで、知事にお伺いします。

 雨水貯留浸透施設の整備や、ため池の治水利用等によるためる施策は、近年、日本各地で発生している局地的な豪雨への対策にも有効であると考えますが、県では、大和川流域総合治水対策における流域対策にどのように取り組んでおられるのか、お伺いいたします。

 二点目は、砂防ダムの整備についてであります。

 新聞報道によれば、先月、八月二十日の未明に広島市北部で発生した大規模な土砂災害において、広島県が被災地周辺に設置した砂防ダム二十一基の下流域では、いずれも人的被害や建物損壊が出ていなかったことが広島県の調査でわかったとされています。一方、土石流で多くの方が亡くなった安佐南区八木周辺では、国が九基の砂防ダムを計画していましたが、一基も完成しておらず、砂防ダムの整備状況が大きな被害の差を生んだ可能性が出てきたとされています。砂防ダムの建設には多大な費用と時間がかかるなどから、砂防ダムの全国的な整備率は二割程度にとどまっていると聞いています。

 しかし、今回の広島市北部の土石流被害においても、砂防ダムが完成していれば、流れる土砂を減らすことができ、住民の生命や財産を守ることができたのではないかと私は考えています。

 そこで、知事にお伺いします。

 先月発生した広島市北部の土砂災害を教訓として、本県においても、土砂災害のおそれがある地域においては、土砂災害防止対策の大きな柱の一つである砂防ダムの整備を推進すべきと考えますが、県の土砂災害防止に関する今後の対応方針についてお伺いいたします。

 次に、歴史文化遺産の活用についてお伺いいたします。

 改めて申し上げるまでもなく、奈良は三世紀から八世紀まで約六百年もの間、日本の首都的な役割を果たし、政治・経済・文化の中心として栄えてきました。このため、現在も、多くの歴史文化遺産が残っています。県内にある重要文化財の数は約千四百件で、東京、京都に次いで第三位であります。また、重要文化財のうち特に価値の高い国宝は二百十三件で、全国の国宝の約二〇%が県内に残っています。また、古墳や城跡などの史跡は、全国約千七百件のうち百二十一件が県内にあり、全国第一位であります。

 その施設の一つで、私の地元、天理市にある黒塚古墳は、全長約百三十メートルの前方後円墳で、平成九年から平成十一年にかけて発掘調査がされました。その調査で、銅鏡のほか、刀剣類、鉄鏃、鉄製品、甲冑など、多数の副葬品が出土しました。中でも、三角縁神獣鏡は三十三枚出土し、一カ所から出土した数では全国で最も多いということです。これらの出土品は、平成十六年に国の重要文化財に指定されています。現在、この黒塚古墳や出土品を解説するガイダンス施設として、古墳のすぐ横に黒塚古墳展示館が設置され、石室や出土品が展示されていますが、残念ながら、施設基準等の関係で、本物ではなくレプリカが展示されています。日本では、遺構が発掘されても、調査が終われば、保護のために埋め戻されてしまう。多くの人が実物を見る機会が非常に限られています。

 一方、中国には、世界的に有名な兵馬俑があります。本物が展示されています。兵馬俑は、兵士や馬を形どったものですが、兵士にはどれ一つ同じ顔をしたものはありません。私は、三度訪れましたが、訪れるたびに、兵馬俑のすばらしさを体感することをできました。

 また、日本の登呂遺跡のような水田の遺構でも、中国では、体育館のような建物の中に組み込まれた足場から、本物の遺構を見ることができるところもあり、文化の振興や誘客促進において、大きな役割を果たしている例が見られます。遺物や遺構の保護が重要であることは当然ですが、地域の文化振興や誘客促進のため、本物を現地で見ることができる展示施設等が整備されることを願う次第です。

 黒塚古墳だけにとどまらず、県内には多くの歴史文化遺産が残っています。この奈良県にある本物の文化財をうまく活用し、例えば、これらの歴史文化遺産を集めた地域の資源を一体化してPRするなど、県民をはじめ全国の方々に奈良県の歴史文化遺産を広く知ってもらい、本物や本物が奈良にあるというすばらしさ、奈良の歴史の奥深さを体験してもらうことが重要だと考えます。

 そこで、知事にお伺いします。

 奈良県の文化財をはじめとした歴史文化遺産を活用し、現地で歴史を味わえる取り組みが重要だと考えますが、知事のご所見をお伺いいたします。

 次に、在宅サービスの充実についてであります。

 介護保険制度は、平成十二年制度創設以来、十四年間で、全国での六十五歳以上の被保険者数が約一・五倍に増加するとともに、介護サービスの利用者数も約三倍となり、高齢者の介護を支える制度として、今や定着しています。この間、介護保険制度は、平成十八年に予防給付や地域支援事業の創設、施設給付の食費・居住費の見直し、地域密着型サービスの創設など、大きな改正が行われ、前回の平成二十四年改正では、介護保険施設の定義から、介護療養型医療施設が削除され、経過期間を経て、平成三十年三月末をもって廃止されることとなりました。

 また、本年六月には、いわゆる医療介護総合確保推進法が成立し、地域包括ケアシステムの推進に向けて、医療・介護の一体的な制度改革が行われることになりました。こうした中、制度施行当時、約九百万人だった七十五歳以上高齢者は、現在約千五百万人となっており、さらに、いわゆる団塊の世代が七十五歳以上になる平成三十七年には二千万人を突破し、五人に一人が七十五歳以上になると見込まれています。我が国は、世界に前例のない早さで高齢化が進み、世界最高水準の高齢化率となり、どの国もこれまで経験したことがない超高齢化社会を迎えようとしています。このような超高齢社会においても、できる限り住みなれた地域で、人生の最期まで尊厳を持って自分らしい生活を送りたいというのは、多くの人々に共通する願いだと思います。私は、介護保険制度の持続可能性を確保しながら、こうした願いをかなえるためには、ぜひとも、医療・介護・予防・住まい・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムを各地域の実情に応じてつくり上げていく必要があると考えています。

 県では、地域包括ケアシステムを構築していくため、本年四月に、地域包括ケア推進室を新たに設置し、市町村における課題整理や検討体制の構築に対する支援を行うとともに、幾つかのモデルプロジェクトの実践に取り組まれていると聞いております。私は、このような地域包括ケアシステムを推進していくことは重要であると考えると同時に、その中でも、今後、重度の要介護者、単身や夫婦だけの高齢者世帯、認知症の高齢者がますます増加していくことを踏まえますと、ひとり暮らしで重度の要介護者の方でも在宅で生活できるように、定期巡回・随時対応型訪問介護看護や、小規模多機能型居宅介護など、市町村が整備することとされている地域密着型サービスのさらなる普及促進を図っていくことが、特に重要であると考えています。

 そこで、健康福祉部長にお伺いいたします。

 介護保険の地域密着型サービスは、在宅サービスの一つとして地域包括ケアシステムを支える重要な介護サービスであると考えますが、その整備に向けて、県ではどのように取り組んでいかれるのでしょうか。

 次に、幼稚園と保育所の一体的な運営、いわゆる幼保一体化の推進についてお伺いいたします。

 全国的に人口減少が深刻する中、国の、まち・ひと・仕事創生本部の設置に先駆け、県では、既に先月、部局横断的に少子化対策や女性支援、産業振興などに取り組む奈良県地方創生本部を立ち上げられました。今後、人口減少対策の大きな柱である少子化対策の強化に向けて、さまざまな施策が検討されることと思います。少子化の改善のためには、結婚や妊娠・出産、子育てといった各ライフステージに応じて、地域の実情に合った取り組みを幅広く強力に展開していくことが必要だと考えていますが、中でも、安心して子どもを産み育てることができるよう、子育て環境の充実に、もっと力を入れるべきだと考えています。

 さて、私の地元、天理市の人口の推移を見ると、平成十六年の約七万一千人から、平成二十五年には約六万八千人となり、約十年間で四%減少しています。また、六歳未満人口には、約四千人から約三千三百人となり、こちらは一六%も減少しています。このような人口減少の中、天理市内の幼稚園に通っている児童数は、平成十六年は約千百人でした。平成二十六年には八百三十一人となっており、十年間で二六%も減少しています。

 一方、保育所入所児童数は、違った様相を見せており、平成十六年は約千百人でしたが、平成二十六年には千二百八十三人となり、こちらは十年間で一七%も増加しています。最近、子育て中の方々から、保育所になかなか入れないので困っているという話をよく聞きます。確かに、女性の就業の状況を見てみますと、平成二十二年の国勢調査結果では、奈良県の女性の就業率は全国最下位であるものの、三十代前半の女性の就業率は、平成十七年は五三%でしたが、平成二十二年は六〇%と、五年間で大きく上昇しています。いわゆるM字カーブの底上げが進んでいることから、少子化が進む中にあっても、県内の保育ニーズが高まっていることがうかがえます。今後、ますます、女性の活躍が期待される中で、女性が安心して仕事と子育てを両立することができ、乳幼児の健やかな成長を支えるためには、保育と幼児教育の量と質を確保することが、非常に重要だと考えています。

 児童数が減少していく中、幼稚園と保育所に分け、幾つもの施設を運営し続けるには、大きな経費が必要です。幼稚園の施設と整備を保育に使えるようにすると、保育所待機児童の解消にも役立ちます。天理市では、平成二十四年度に、幼稚園と保育所を一体的に運営する幼保連携型認定こども園、天理市立やまだこども園が設置され、親が働いている・働いていないにかかわらず、地域の子どもたちが同じ施設に通い、集団保育が実施されています。

 そこで、こども・女性局長にお伺いします。

 天理市立やまだこども園は、子どもが減少している地域での幼保一体化の取り組み例ですが、待機児童が発生している地域を含め、認定こども園の普及による幼保一体化をより一層推し進めるべきと考えます。県では、どのような方針で幼保一体化の推進に取り組んでおられるのでしょうか。

 最後に、天理市内の道路整備について一点要望いたします。

 県におかれましては、厳しい財政状況の中、天理市内の道路整備に精力的に取り組んでいただき、誠にありがとうございます。長年の懸案であった、天理環状線の狭隘な前栽踏み切りの拡幅がいよいよ来年度に完成し、杉本町の車が離合できない危険箇所は、今年度中に拡幅が予定されています。さらに、福住農協前の国道二五号線の改良工事も今年度でおおむね完成する予定と聞いています。また、福住横田線櫟本工区の歩道整備も、継続して工事を進めていただいており、天理環状線の海知池北側の道路拡幅も今年度から工事着工の運びとなりました。県職員の皆様が、地元調整をはじめ重点的に取り組んでいただいているおかげで、天理市内における、長年における道路の課題も目に見えて改善されつつあります。この場をおかりいたしまして心から感謝申し上げます。

 さて、今回の要望は、長柄運動公園や天理工業団地と既存の四車線の天理王寺線を結ぶ、九条バイパスについてであります。この道路は、平成十八年に県中南部から中央卸売市場への円滑なアクセスの確保や地域の安全確保を図る目的で、県により事業着手されました。

 しかしながら、天理市や地元の調整が難航したことにより、やむを得ず、九条バイパスは棚上げとなりました。現在、天理市は、並河市長に交代し、現市長は九条バイパスの実現に大いに力を注いでいます。市長は、新たなにぎわい拠点として天理駅前の再整備に取り組んでおり、さらに、長柄運動公園を健康づくりの拠点として活用したいと考えています。車はもちろんのこと、コミュニティバスや自転車利用による、天理駅前と長柄運動公園を結ぶ市南部との連携強化は、市のまちづくりのために必要不可欠です。

 天理工業団地には、約五十社の企業が立地し、地域に多くの雇用や税収をもたらしていますが、道路のアクセスが弱いままだと、この工業団地で操業している企業が、市外または県外に移転してしまうおそれがあります。また、工業団地周辺には新たな企業を誘致するスペースもあります。

 知事は、政策的に工業団地へのアクセス強化に取り組んでおられますが、天理工業団地のさらなる活性化のためには、名阪国道や西名阪自動車道とのアクセス強化が必要不可欠です。このように、まちづくりや工業団地の活性化などにより天理市が今後さらなる発展を遂げていくためには、九条バイパスの整備がぜひとも必要です。私をはじめ市長や多くの市民が、その早期実現を願っています。私も、予算確保や地元調整等、早期実現に向けて精力的に取り組んでいく所存です。県におかれましては、厳しい財政事情と存じますが、九条バイパスの早期実現に向け、前向きに取り組まれることを強く要望しておきます。

 これで、壇上からの質問・要望を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○議長(山下力) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)二十六番岩田議員のご質問が幾つかございました。

 最初は二問、豪雨への対策についてでございます。第一問では、大和川流域の総合治水対策の取り組み状況です。最近集中豪雨が頻繁でございますが、ご存じのように、亀の瀬というところが大変狭隘になっておりますので、大雨のとき、十分下流に水が流れない構造になっております。平地でございますので、ダムをつくろうというのは難しいわけで、亀の瀬上流で、大雨が降ったとき、水をできるだけためるということが基本になるわけでございます。このようなため池利用は局地型豪雨には多少ダムよりも役に立つ面があるようにも思うところでございます。

 さて、大和川流域のこれまででございますが、昭和五十七年の大水害を契機に、国・県・関係市町村が連携して、流域全体で水害に強い大和川流域にしようという計画をつくりました。また、組織的には、大和川流域総合治水対策協議会を県、市町村参加でいたしました。その中の柱が二つございますが、河川改修によって流す対策をすると、できるだけ大阪湾へ無事に流すということと、ため池の活用などによってためる対策をあわせて実施しようということでございます。最近、研究している条例案では、避ける、あまり危ないところに家を建てないようにしようということも付加していきたいということを考えております。

 このうち、ためる対策でございますが、昭和五十七年の大水害を契機に、県・市町村ごとに目標量を定めてまいりました。議員お述べになりましたように、県は進捗を完了いたしましたが、市町村の取り組みは、まだらでございまして、平均といたしましては平成二十五年度末時点で四四%の進捗率でございます。下流の水害のあるところは進捗が進んでおりますが、上流の市町村は進捗が遅いといったような事情がございます。

 こうした状況を打開するため、私も入りまして、近畿地方整備局長と一緒に流域市町村長に直接呼びかけを行いました。平成二十五年四月と平成二十六年一月に、先ほどの申し上げました大和川流域総合治水対策協議会を開催いたしまして、市町村によるためる対策の進捗のおくれや、取り組み状況のばらつき等について、直接的にご説明申し上げて認識の共有化を図りました。上流と下流の市町村長が一緒に席に並べて、こちらの方がおくれておられますよということを申し上げた次第であるわけでございます。多少、効果があったように思います。

 県といたしましては、大和川流域を四つのエリアに分けて検討会を設けて、流域によるエリアを分けて治水効果が期待できるため池はここですよということを選びながら、そのため池を、整備の必要性を訴えてまいりました。さらに、昨年度からは、ため池のほかに、水田のため池、水田貯留の話が積極的に出てまいりました。水田のあぜをかさ上げして、余計に水害のときはためておこうということでございます。市町村で熱心な長がおられますので、水田にためる対策をしていこうということも始めました。

 これらのため池、これらの二つのやり方でございますが、その結果、ため池の治水利用につきましては、平成二十四年度は治水利用をしていただいたのは、生駒市、天理市、香芝市の三市だけでございましたが、平成二十六年度に至りまして、十市町にふえました。大和郡山市、御所市、葛城市、斑鳩町、田原本町、上牧町、広陵町でございます。また、水田貯留の話が出てまいりました。これは、田原本町長が積極的におっしゃいまして、一緒に進めてまいりました。その取り組まれる市町村もふえてまいりまして、平成二十六年度には八市町村にふえてまいりました。田原本町のほか、大和郡山市、橿原市、大和高田市、桜井市、川西町、広陵町、明日香村の八市町村でございます。抜けているところもございます。

 県といたしましては、先ほど申し上げました大和川流域総合治水対策協議会の場を活用しながら、今後とも流域市町村としっかり連携して、ためる対策の推進に取り組みたいと思いますが、一方、国に対しましては、直轄遊水地の整備をお願いを申し上げております。大和川下流域の亀の瀬の上流で大きな直轄遊水地をつくっていただくということでございますが、関係の町村の協力は欠かせないわけでございます。具体的には、斑鳩町、安堵町、川西町ということでございます。温度差があるようでございますので、できるところから早くしていこうというふうに思っております。

 その次は、砂防ダムについてのご質問がございました。

 八月二十日に広島市で発生いたしました土砂災害は、議員ご指摘のように、集中豪雨により起きたものでございます。本県の地形を見ましても似たような地形で、山の麓に住宅地が張りついていましたり、土質も同じ花崗岩でございますとか、大分心配が奈良県でもしなきゃいけないなと思っているところでございます。

 このような土砂災害につきましては、平成二十二年五月の本議会でご議決いただきましたわけですが、奈良県土砂災害対策基本方針をご議決いただきました。それに基づきました総合的な土砂災害対策を進めております。

 ハード面とともに、ソフト面を重視する対策になっております。ハード面の中では、議員ご指摘のとおり、砂防ダムが典型的な対策でございます。土砂災害の抑制に大きな効果がございますが、砂防ダムを一挙につくるのはなかなか難しいわけでございます。一定の時間を要しますので、その間、ソフト対策をあわせて打ちながらということを進めております。

 ソフト対策の内容でございますが、命をまず守ってもらうという観点から、危険な箇所の区域指定をはっきりするということと、住民の迅速な避難を促す情報伝達をソフト対策の最優先事項にしております。また、ハード対策でございますと、砂防ダムにつきましても、数多くの工事が要るわけでございますが、防災上重要な施設がある箇所から優先的に、危ないところ、有効なところからつくろうということを図りながらしております。

 現在、本県の砂防ダム工事でございますが、三十六カ所で砂防工事を進めておりますが、これらの事業において全体で五十三基の砂防ダムが計画されております。そのうち、これまで十四基が完成しておりますが、今年度はそのうち九基について工事を実施し、うち四基については今年度に完成する見込みでございです。

 今、申し上げましたように、ハード対策とともに、命を助ける観点からのソフト施策も充実していきたいと思っております。

 歴史文化遺産の活用について、お地元の天理市は歴史文化の遺産、遺跡が多いところでございます。奈良県の文化遺跡の特徴は、大変社会的にも珍しい希有な特色があるように思います。一つは、外国の文化を直接受け入れた文化があると。その文化遺産を今まで守り続けてきたと、その結果、原産地には伝わってきた、もとにはないものも数多くあるということでございます。そのような文化財保存地域というのは、世界でも大変まれな地域でございます。このような文化遺産を良好に保存して、その意味を伝えていく奈良県の責務があるように思います。奈良の奥深い魅力の基本にあると思っております。

 史跡等の整備活用でございますが、従来は教育委員会の人と研究者のみが熱心でございました。また、保存と研究に傾注を、努力を使ってきておられました。しかし、近年の文化財に対する見方でございますが、文化財の保存だけでなく、文化財の意味をもっと知ろうと、文化資源学という学問が発達してまいりました。文化資源学になりますと、考古学だけじゃなしに、背景となる歴史とか、社会環境をもっと勉強しようという学問が発達してまいりました。文化財に対する理解を広く深く勉強しようということでございますので、奈良県にとっても大きな意味があろうかと思います。その結果、訪れていただく一般の人たちが、文化財の意味をより深く、広く、わかりやすく理解していただくということになり、観光にもつながるわけでございます。

 奈良県では、平成二十四年度に新しい史跡等整備活用補助金を創設していただきました。これは、従来市町村の教育委員会が発掘・調査・保存の申請をして、国庫補助を要求して、県が補助をしていたわけでございますが、市町村長を通っていなかったということでございまして、市町村長が知らない間に、文化財の保存整備事業が行われていたということでございまして、やはりまちの活用では市町村長の理解がないといけないということで、市町村長の理解を得て、県に申請してください、市町村長の理解を得た申請は、県が上乗せの補助をしますよという、大変独自の補助金を創設していただきました。

 その結果でございますが、どんどん活用はふえております。平成二十四年度は二千九百万円の交付でございましたが、平成二十五年度は四千七百万円になりました。本年度の予算では、五千三百万円を認めていただいております。年々、このタイプの補助金が増加しておりますのは、議員のご指摘の文化財保存活用の趣旨に沿うものというふうに思います。

 また、奈良では本物の文化財が現地にあるわけでございます。本物を見ていただき、感じていただくということが基本になろうかと思います。修復の現場を見ていただくことや、遺跡発掘現場を見ていただく、出土品の意味を説明して、感じていただくといったような努力は、今まで十分ではなかったと言わざるを得ないと思います。このような奈良の奥深い魅力を伝えるためには、文化財がこのようにあるよと言うだけではわかりません。その意味とか、背景にあるストーリーをちゃんと説明する必要があろうかと思います。

 来訪者が多いわけでございますが、現実は、来訪者の方々の方がそのようなことをよく知っておられるというのが実情でございまして、残念ながら、我々も来訪者から聞いて、奈良の文化財はすごいんだなというふうに感激する例も結構あるわけでございます。まだまだ知られていない文化財が多いわけでございまして、発掘、発見のしがいのある文化財保存地域というふうに思います。そのような中で、よく知って、よく説明するという歴史展示というテーマを奈良県の大きな観光のテーマにしております。どのようなものがあるのか、そのようなものをできるだけ広く展示する手法は、まだまだこれからでございます。

 奈良は、未発掘の文化財が多いワンダーランドであろうかと思います。まだ世界がびっくりするような発掘、発見がこれからも出てくる可能性があるように思う次第でございます。東京オリンピックに向けて努力を傾注する値打ちがあるように思うものでございます。天理市にも宝物がおありになるようにも思う次第でございます。

 ご質問ありがとうございました。



○議長(山下力) 江南健康福祉部長。



◎健康福祉部長(江南政治) (登壇)二十六番岩田議員のご質問にお答えをいたします。

 私に対しましては、介護保険の地域密着型サービスにつきまして、その整備に向けて、県ではどのように取り組んでいくのかというお尋ねでございます。

 介護保険の地域密着型サービスにつきましては、事業所の職員と利用者が顔なじみの関係をつくりまして、住みなれた地域内で介護サービスの提供と利用が完結するという点に特徴がございます。このことから、議員お述べのとおり、高齢者が地域において安心して生活を営む上で、大変有用であると考えております。

 このうち、特に小規模多機能型居宅介護と定期巡回・随時対応型訪問介護看護の二つのサービスにつきましては、顔なじみのヘルパー等により、自宅で施設並みのサービスや随時訪問によりまして、在宅生活全般の支援を受けられることから、地域包括ケアシステムを担う中核的なサービスとしてふさわしいものと考えております。

 しかしながら、小規模多機能型居宅介護事業所は県内三十四カ所、定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所は県内八カ所でございまして、一層の整備が望まれる状況にございます。

 したがいまして、これらのサービスにつきましては、制度の普及・啓発と事業者の参入を図るために、今年度新たに、市町村の担当者や参入を希望される事業者等を対象にセミナーを開催することとしております。

 また、現在、各市町村は平成二十七年度からの第六期介護保険事業計画に向けて、内容の検討を進めているところでございますが、県では、その検討状況のヒアリングの機会を捉えまして、地域密着型サービスの住民への周知や普及・啓発に向けた取り組みにつきまして情報提供を行ってまいる所存でございます。

 以上でございます。



○議長(山下力) 上山こども・女性局長。



◎こども・女性局長(上山幸寛) (登壇)二十六番岩田議員のご質問にお答えいたします。

 私に対しましては、認定こども園の普及による幼保一体化をより一層推し進めるべきと考えるが、県では、どのような方針で幼保一体化の推進に取り組んでいるのかとのご質問でございます。お答えいたします。

 認定こども園は、親の就労の有無にかかわらず利用可能であり、地域の子育て支援の取り組みを行う施設でございます。また、認定こども園は、待機児童の解消に役立つほか、児童数減少地域においては、適切な規模での集団保育の場を確保することができることから、その普及は、平成二十七年度から始まります子ども・子育て支援新制度における重点的な取り組みとなってございます。

 県におきましても、認定こども園は、幼児期の学校教育と保育の場だけでなく、地域の子育て家庭の育児不安を軽減するなど、子育て支援の核となる施設として位置づけ、普及に努めてまいりました。

 県内の認定こども園は、平成二十一年度に初めて奈良市内で創設され、昨年度までの設置数は八施設でございましたが、今年度については、既に新たに七施設設置されており、現在は十五施設となってございます。

 県では、認定こども園を普及するため、幼稚園や保育所から認定こども園への移行希望がある場合は、県が定める一定量までは、原則として、それを認めるという新制度における特例制度を活用し、移行を促進していきます。

 この県が定める一定量につきましては、奈良県こども・子育て支援推進会議における審議を経た上で、今年度中に策定する(仮称)奈良県少子化対策プランに盛り込むこととしてございます。

 認定こども園は待機児童の解消や、親の就労状態が変わっても継続利用できるなど、地域や親の多様なニーズに対応できるというメリットがあることを広く関係者に理解していただけるよう、今後も引き続き、新制度についての説明会等の機会を通じて丁寧に説明し、積極的な普及に努めてまいります。

 以上でございます。質問ありがとうございました。



○議長(山下力) 二十六番岩田国夫議員。



◆二十六番(岩田国夫) 前向きな答弁ありがとうございます。

 先ほど、知事さんからも答弁を受けましたが、やはり大和川流域、亀の瀬の河床を下げるということが重要ですけども、なかなか下流の大阪府内の堤防を整備し、河川改修するというのは必要ですけど、ただ、長い年月もかかると思います。

 そのために、先ほど言われましたように、国土交通省の大和平野における遊水地を早急に進めてもらうことを、また知事の方からもお願いいたしたいと思います。

 ため池のためることは、先ほども言いましたが、市町村の方がまだ進んでいないので、できるだけ進めるようにもお願いしたいと思います。

 そして、ダムの堰堤のことですけど、私は紀伊半島大水害の直後に、災害現場を視察してまいりました。そのとき見たのは、黒滝村では黒滝川の上流の山腹が崩壊して、土石流が下流の集落を襲いました。家屋や橋に被害が出ましたが、死傷者が出なかったことが不幸中の幸いでありました。集落の上流の方へ上がりますと、山の斜面が大きく崩壊しておりました。県がつくった砂防ダムが土砂に埋まったり、崩壊しておりましたが、しっかりと大量の土石をためていたことにより大きなことにならなかったと思います。もし、砂防ダムがなかったら、本当に黒滝川の横の家は、もう恐らく一軒もなかったかなというような、当時の所長と、ぞっとしたことを覚えている。そういう意味で、今回の広島市のこととあわせて、できるだけ一日も早く砂防ダムを、また砂防ダムも治山事業と、そして砂防事業と重ねて建設を話し合って、連携して、協力してやっていっていただきたいなということもお願いしておきます。

 歴史文化遺跡の活用ですけども、年々、文化財保護のためには、空調による湿度や温度管理の保存技術も本当に進歩していると思います。例えば、私が昔、大英博物館やエジプト考古学博物館で見たミイラは、白い布、包帯がぐるぐると巻いているようなものでありましたが、ことしの夏にベトナムに行かせていただいて、ホー・チ・ミン廟でホー・チ・ミンのミイラを見たときに、そのままの姿で保存をされておりました。これを例にしても、本当に保存技術が進んでいると思います。そういうことで、今後、橿原考古学研究所を通じてでも本物が出たときに、できれば、先ほども言いましたが、本当に私、登呂遺跡と同じものが中国で見たときに、水田の登呂と一緒ですけど、体育館みたいなんで囲って、その中で足場でずっと見て歩く、そして空調を切ったりして、いつまでもそういう状態でありますから、やはり実際そのものを見たら、文化のことにも、また誘客にもつながっていくと思いますので、知事の方から橿原考古学研究所を通じて文化庁に、できるだけこれからそういうものが出たとき、保存ができるものは直接見られるような状態にお願いをしていただきたいことを強く要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。



○議長(山下力) しばらく休憩します。



△午後二時二十七分休憩

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△午後二時四十四分再開



○副議長(井岡正徳) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 次に、一番宮木健一議員に発言を許します。−一番宮木健一議員。(拍手)



◆一番(宮木健一) (登壇)議長のお許しをいただきましたので、感謝を持って一般質問をさせていただきます。

 自由民主党、宮木健一です。

 まずは、私が在籍しております県立大学における教育の充実についてお伺いいたします。

 ことしの五月一日現在、日本では国立八十六校、私立六百三校、合計七百五校の大学がありますが、昨今、少子化の影響もあり、地方の大学の多くが定員割れを起こし、廃校にまで追い込まれる大学が出ている一方、東京や大都市部の大学に学生が集中するように見受けられます。奈良県においても、大阪府や京都府、兵庫県に多くの大学がひしめく中にあって、本県には十二の大学がありますが、教育・健康福祉・医療系の分野の学部が多く、県内の高校生の多くが県外の大学に進学している状況です。

 公立大学は、地方公共団体が設置・管理するという性格から、地域における高等教育の機会の提供と、地域社会での知的・文化的拠点として、中心的役割を担っており、今後とも地域への貢献が期待されています。

 奈良県立大学は、地域創造学部地域創造学科の一学部一学科のみを有する一学年の定員が百五十人という全国的に見ても小規模な大学ですが、小規模な大学ならではの特性を生かし、ぜひとも地域に貢献できるすぐれた人材を輩出していただきたいと思います。既に県では、県立大学改革を進めておられるところでありますが、改革を肌で感じる在学生の一学生として、また一県民として、この県立大学の改革の充実についてお伺いしたいと思います。

 そこで、知事にお伺いいたします。

 県立大学では、今年度よりコモンズ制を導入するなど、教育面での改革を進めておられますが、平成二十七年四月の公立大学法人化に向け、今後、どのように教育の充実を図っていかれるのでしょうか。

 次に、子どもが親しみやすい県立美術館づくりについてお伺いします。

 ことしの六月から七月にかけて奈良県立美術館で、「美の最前線・現代アートなら」という展覧会が開催されました。私もこの展覧会に参加させていただきました。巨大な樹木が信じられないような角度で曲げられた作品や、自由にさわったり座ったりして遊べる石の彫刻など、大人だけでなく、子どもも大いに楽しめる内容の展示が行われていました。私はこの展覧会を見て、県立美術館が、観覧者に対してできるだけ敷居を低くすることを意識され、美術の愛好家だけでなく、誰もが気軽に訪れ、自由に感じ、楽しめる美術館になるよう努めておられると感じました。

 このような質の高い展覧会の継続は奈良の文化力を高めることとなり、こうした展覧会を通じて、これからの時代を担う子どもたちを、心豊かで人格的にもすぐれた人を育てていくことが、美術館の重要な役割の一つであると考えます。小中学生のころは、特に感性が磨かれる時期であります。こうした大切な時期に、子どもたちができるだけ美術とふれあう機会がふえるよう、美術館として子どもが興味を感じる取り組みを積極的に行い、子どもが親しみやすい美術館にすることが必要と感じます。

 全国各地の美術館でも、子どものため、さまざまなプログラムが行われているようであります。例えば、石川県にある人気の高い金沢二十一世紀美術館も、オープン当初から子どもを美術館に呼ぶことに大変力を注いでおられるとお聞きしています。

 そこで、知事にお伺いいたします。

 子どもが親しみやすい美術館にするために、県立美術館ではこれまでどのような工夫をされてきたのか、また、今後、展覧会やイベント等において、どのような取り組みを行われようとしているのか、お聞かせください。

 続いて、まほろば健康パークについてお伺いいたします。

 まほろば健康パークは、この七月一日にオープンしました。この公園はファミリー公園前駅に隣接しており、立地条件にも恵まれていると思います。電車の中から公園の状況をよく見ることができる位置にあり、白を基調とした建物が並んでいる景観もすばらしいと感じました。このように電車や車を利用して、この公園を利用できる環境にあることで、広域的な来園を期待しています。

 さて、まほろば健康パーク及びその主要施設であるスイムピア奈良は、健康増進・リハビリ中核施設、福祉型スポーツ施設、県内の水泳競技の拠点施設を施設のコンセプトとして、利活用されていることになります。

 スイムピア奈良については、水泳競技の拠点施設ということで、私もオープン後の利用状況について関心を持っていたところです。七月上旬から、県内外から各団体のトレーニング、競技大会で利用されており、またこの九月十一日から十六日にはアジア競技大会の水泳競技に向けたシンガポール代表が、大会前のトレーニングをこの施設で実施されていました。国内にとどまらず、海外のスイマーにも利活用されているということで、本当にさい先のいいスタートが切れたことができたと考えています。

 なお、スイムピア奈良のプールは競技大会など、団体利用だけでなく、一般の方にも利用できるようになっています。利用料金も細かく設定され、平日は二十二時まで利用できるようになっており、利用者の多様なニーズに対応していただけるだけでなく、同一料金でトレーニング機器の利用もできるお得な施設となっております。さらに、障害者や高齢者の利用については割引きを行っており、幅広い方に利用していただけるよう配慮をしていただいていると感じました。

 まほろば健康パークは、このスイムピア奈良以外にもファミリープール、テニスコート、野球場など、運動施設を備えています。特にファミリープールについては、まほろば健康パークオープン後の七月十九日から八月三十一日まで四十二日間営業していましたが、開催期間中、利用者が楽しんでいる様子を電車の中から、よく見受けられるとお伺いいたしました。

 さて、この施設は指定管理者により維持管理・運営される施設であることから、利活用の状況については今後継続的にモニタリングを行っていく必要があると認識しています。オープン後、間もない状況ですが、ファミリープールが先月末に営業が終了していることから、供用後の状況について確認する段階にあると考えています。

 そこで、まちづくり推進局長にお伺いします。

 七月にオープンしたまほろば健康パークの利活用の現状と、今後の取り組みについてどのように考えておられるのでしょうか。

 次に、小・中学校における英語教育の充実についてお伺いします。

 厳しかった暑さも和らぎ、いよいよ秋の行楽シーズンが到来です。ここ県庁周辺の奈良公園をはじめ、本県には多くの外国人観光客が訪れています。また、近年、各地で外国人労働者の姿を見かけるようになり、社会のグローバル化が進んでいることを肌身に感じるようになりました。これまで以上に、外国語、特に英語を使ったコミュニケーション力が必要となり、英語教育の役割は一層重要となると考えております。観光客をはじめ、多くの外国人観光客が訪れ、外国人とふれあう機会が多い本県では、子どもたちにとっても、英語で会話してみたいという意欲が喚起される環境にあると思います。

 こうしたことから、私は、かねてより小・中学校における英語教育に関心を寄せていました。先般、地元の小学校の保護者の方から直接意見を伺う機会がありました。現在、小学校では、高学年で週一時間の外国語活動が行われていますが、外国語活動を通して子どもたちが、英語に興味や関心を持つようになった、県内の世界遺産を訪問する外国人にインタビューをしたり、地元のことを英語で紹介したりする学習活動を通して、外国の人と臆することなく接することができた等の声をお聞きすることができました。学習において、英語を実際に使用する体験を設定することは、大いに子どもの学習意欲を高めるものだということを改めて感じました。

 一方、小学校では体験的に英語を親しむ機会が多いが、中学校になると英語を実践的に使用する機会が少なくなっているというお話もお聞きしました。小学校で育んだ英語力を、中学校での英語の学習は十分伸ばし、高めることができていないのではないかというふうに思いました。外国人との会話を通して、実際に英語が通じた、英語がわかったという成功体験を積み重ねていくことが将来外国に留学してみたい、国際社会で活躍してみたいという意欲を醸成し、グローバルに活躍する人材育成につながると私は考えております。外国人とふれあうことのできる環境に恵まれた本県において、小・中学校を通して、継続的に、実践的に英語を使う学習の機会を設定することが非常に効果的ではないでしょうか。

 そこで、教育長にお伺いいたします。

 小・中学校の英語教育において、グローバル化に対応し、英語によるコミュニケーション能力を育成するために、国際性豊かな奈良の特性を生かした学習を充実すべきだと考えますが、いかがでしょうか。

 最後に、公立小・中学校の普通教室へのクーラー設置について、要望いたします。

 ことしの六月から八月の平均気温が昨年よりも少し下がってまいりましたが、それでも平均三十度を超えており、夏休み前の六、七月でも三十度を超える日が多くありました。外気温がこの温度ですから、子どもたちが学習をする教室の中の温度はさらに上がっていると想像されます。子どもたちはこのような苛酷な環境のもとで学習をしています。

 文部科学省が本年五月に発表した、四月一日現在の全国の公立学校設置の空調設備の設置状況によりますと、全国の公立小・中学校で冷房機が設置されている普通教室の割合が三二・八%で、平成二十二年十月の前回調査時の一六・〇%に比べると、三年半で倍増しています。近年の急激な温暖化により、保護者の方々からの要望で冷房化を進める自治体がふえている状況がうかがえます。本県の設置状況といいますと、小・中学校で六・一%と全国的にも非常に低く、近畿の中でも低い状況です。前回の調査では四・三%ですが、三年半前に比べて、わずか一・八ポイントしか伸びていません。

 私も小学校、中学校、高等学校のPTA会長を務め、これまで学校の普通教室へのクーラー設置については、市に要望するなど積極的に取り組んでまいりました。その結果、高等学校はPTA、育友会等が結集し、保護者が負担することにより、許可を受ければクーラーを設置することができました。しかし、小学校は義務教育であることから、保護者の意識としては、当然市が設置すべきものであり、保護者が負担して設置するというような考えは、まずありません。当然のことです。また、高等学校は行きたい高校を自由に選択でき、クーラーのある高等学校を選ぶことができますが、小・中学校は校区が決められているため、私学を選択しない限り、学校を選ぶことはできないのです。

 最近、私のもとへ、お子さんを小・中学校に通わせている保護者の方々から、教室にクーラーをつけてくださいという要望がたくさん寄せられています。教室へのクーラー設置は、子どもや保護者の強い願いであり、教育環境を設備することは子どもの学習面や健康面に大いに寄与することと私は思います。

 近年の異常気象を考えると、今後、夏の猛暑が十分考えられ、公立小・中学校の普通教室へのクーラー設置が、各市町村において一日も早く進むよう、県として積極的に取り組んでいただくよう要望いたしまして、私の質問は終わります。(拍手)



○副議長(井岡正徳) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)一番宮木議員から私に対しまして二問ご質問がございました。

 一問目は、県立大学における教育の充実の内容、方向についてのご質問でございます。

 本県では、現在、来年四月に県立大学を公立大学法人化する予定で作業をしております。公立大学法人化になりますと、県が中期目標を立て、学校が計画を立てるという関係になって、独立性が強くなるわけでございます。六年間の中期目標を大学と協議をしながら進めている段階でございます。

 その中で、新しい、ユニークな大学をつくるべきということでございますが、コモンズ制と議員がおっしゃいましたが、コモンズ制というのも一つの特色にしようとしております。簡単に言いますと、手塩にかけて一人ひとりを大事に育てるというやり方のようでございます。小さな大学だからできる方式だというふうにも思います。

 今、申し上げました中期目標は、四つの柱で目標を立てております。教育・研究・地域貢献・国際交流の四つでございます。

 教育が一番大事な目標でございます。その中での目標、具体的な目標でございますが、今申し上げましたコモンズ制でございますが、複数教員と少人数の学生が議論を交わしながら学習すると、対話型少人数教育と言われるものでございます。それを全面的に展開するというのが、大きな特色でございます。

 二つ目は、社会人になっていただくための必要な教養を重視しようと、リベラルアーツを重視しようという方向でございます。

 三つ目は、就職の内定率、この学校は大変高いものでございます。現在でも、一〇〇%に近い、ほとんど一〇〇%の就職率でございますが、一〇〇%をずっと続けられるような就職支援を行おうということでございます。

 また、学校を地域に開けた学校にするために、またコモンズ制という少人数対話型にふさわしいように施設を整備しよう、今の改築だけじゃなしに、キャンパスを全面的に構成し直そうといった、大変建学以来の大きな作業を現在行っているところでございます。

 さらに、優秀な学生を報償する意味で、給付型奨学金を導入しようと、優秀な学生をもっと招いて、ここでいい勉強をしてもらうと、このように教育内容は大変充実した方向で検討を進めている、全国でもユニークな、最も小さい大学でございますが、最もユニークな大学になるように、理事長候補でございます北岡伸一先生と頻繁に検討会を重ねながら、中期目標をつくっております。

 教育の次には、研究分野でございますが、教員の採用もユニークでございまして、全ての教員を任期付きにしようと、これは全国の大学でも初めてのことだと聞きましたが、テニュア制という制度、テニュアトラック制と言われるものでございますが、三年間、五年間の任期の、全採用職員を任期教員にして、再評価して、いい人には残ってもらおうということでございます。既存の大学でも、みんなできたらいいのになと言われるぐらいでございますが、もちろん教員の方の抵抗はあるわけでございますが、小さな大学でございますので、伊藤学長が率先して、各教員を説得して、全教員、テニュア制が実現する方向で動いております。

 もう一つは、奈良らしい研究を行うセンターをつくろうということを計画しております。これも、新しい試みでございますが、奈良県の歴史を踏まえますと、ユーラシアとの交流が大きな特徴でございますし、先ほど岩田議員のご質問にもございましたが、広い地域から文化財が来た、国際性の大変盛んな時代の奈良県の文化の意味が、この地域に漂っているということから、奈良らしい研究を行うセンターが設置できないかということを、北岡先生も提案されて、今、研究中でございます。

 三つ目の柱は、地域貢献でございますが、教員、学生が住民とともに地域課題に取り組む、住民も一緒になった地域支援というのをテーマにしようということでございます。もう一つは、ことしから新しく始めましたシニアカレッジでございますが、五百名のシニアの方が本当に熱心に、現役の学生がたじたじとするような熱心さでキャンパスを闊歩していただいております。また、いろんな機会に知り合いました優秀な講師さんに来ていただいて、市民に開放、県民に開放する特別講座などを、県立大学の場所に展開しておりますが、これも定着しようということでございます。このような新しいユニークな活動が文部科学省でも認められまして、地(知)の拠点、地域の「地」と知識の「知」とかけているようでございますが、地(知)の拠点整備の採択がございましたし、また最近、総務省が立ち上げました公立学校の力を生かした地域活性化研究会ができ上がりましたが、その委員に奈良県の職員が選出されました。国においても注目されているユニークな取り組みであるように、なってきているように思います。

 四つ目の柱の国際交流でございますが、海外大学との交換留学制度を設けたいと思います。行くだけではなく、招いて勉強してもらうということでございますが、それを実践しておりますのは、東アジアサマースクールでございますが、大変活性化して、大変優秀な若いアジアの学生が県立大学で学んでいただいております。

 このように内容豊富な中期目標でございますが、十二月議会に提出させていただきたいと思っているところでございます。

 二つ目のご質問は、子どもが親しみやすい県立美術館の工夫をもっとしたらどうかというご質問でございます。

 議員がご指摘のように、子どもの時代の感性を刺激いたしますと、その後、大変立派な感性の豊かな、バランスのとれたお子さんに育つように思っております。美術館で、すぐれた作品に接することも、感性を磨く大きな、大事な機会だと思います。

 県立美術館は、大変小さな美術館でございますが、子どもを対象にした取り組みをしておりますが、平成二十四年度から小学生対象のギャラリートークと言われる、その中で美術品を前に対話を、講師から話を聞くということだとか、昨年は子ども向けの解説シートの作成やガイドパネルの設置を準備しております。また、作家の方が子どもに直接指導していただきます体験講座の開催などもしております。まだまだ少ない小規模の取り組みでございます。

 一方、昨年度の小・中学生の入館者は、全体、全入館者の一・四%と大変少ない割合でございます。ただ、展覧会の内容を見ますと、平成二十四年度開催の藤城清治影絵展では全体の六%近くが小・中学生でございましたし、平成二十五年度開催の、やまとぢから展は全体の三%は小・中学生でございました。内容と展示の仕方によって、小・中学生が、より多く来てもらえるようになると思います。魅力的な企画が大事だとともに、展示方法の改善が必要だと思います。わかりやすい、子どもさんにもわかりやすい展示解説からさわったり、試したりできる作品を展示する、同時に開催して、子どもさん向けのイベントを行うといったようなことは、各美術館で工夫をされておりますので、奈良はお子さんたち、また修学旅行生に向けても美術館だけでなく、周りのいろんな県の施設を利用して、奈良で楽しく学べるといった展示を充実させていきたいと思います。

 とりわけ、議員お述べの幼児期の感性を養うことは、重要であろうかと思います。美術だけじゃなしに、音楽など、芸術に触れていただくと、感性が大変発達し、神経が発達して、バランスのいい、頭のいい子が育つように私は思いますので、県もそのような努力をして、成果が出るように、就学前教育ということになりますが、美術館もその一助になるような展示展開をしていきたいというふうに思っております。

 ご質問ありがとうございました。



○副議長(井岡正徳) 林まちづくり推進局長。



◎まちづくり推進局長(林功) (登壇)一番宮木議員のご質問にお答えさせていただきます。

 私に対しましては、本年七月にオープンいたしましたまほろば健康パークの利活用の現状と今後の取り組みについてのご質問でございます。

 まほろば健康パークや、その主要施設でございますスイムピア奈良は、七月の供用開始から間もなく三カ月が経過いたします。これまで指定管理者により適切に維持管理・運営されているところでございます。

 まず議員お尋ねのスイムピア奈良についてですが、既に年度を通じまして競技大会の開催が予定されております。また、指定管理者の自主提案事業でございます水泳教室についても、世代別、習熟度別のカリキュラム実施がされております。これまでの利用状況は、月平均一万三百人利用の想定に対しまして、七月から八月の二カ月間で月平均約九千六百人の実績となっております。

 次にファミリープールについてでございます。今シーズンは、天候不順もあり休業日もございましたけれども、利用者合計は約六万四千八百人と当初想定の約二万二千七百人を大きく上回る皆様に利用していただいたところでございます。

 その他の施設の状況でございますが、昨年度から稼働しておりますテニスコートの場合、前年の同月比で約二〇%の利用率が向上しております。

 このように維持管理・運営につきまして、これまでおおむね順調に推移していると考えておりますが、今後につきましては、各種イベントや自主提案事業の実施、さらにはその広報によりまして、まほろば健康パークやスイムピア奈良に関する県民の皆様の認知度をさらに高め、施設の利用拡大を図ることが必要であると認識しております。

 具体的には、十一月にまほろば健康パーク一帯で、おでかけ健康フェスタを開催いたしまして、来場の皆様にスイムピア奈良をはじめまして、公園内の各施設を実際にご利用されるということを考えております。今後、リピーターになっていただくことを目指しておるものでございます。

 あわせまして、継続的に広報を進めることも検討しておりまして、今後指定管理者と連携し、県民だより奈良の活用をはじめ、指定管理者の自主的広報活動の強化など、積極的な取り組みを図ってまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○副議長(井岡正徳) 吉田教育長。



◎教育長(吉田育弘) (登壇)一番宮木議員のご質問にお答えをいたします。

 私には、小・中学校の英語教育において、国際性豊かな奈良の特性を生かした学習を充実させるべきとのご質問でございます。

 現在、小学校では、積極的に英語でコミュニケーションを図ろうとする態度などの育成を目指し、五年生から外国語活動が導入されています。また、中学校では、全ての中学校に外国語指導助手、いわゆるALTが配置をされており、ALTは発音や聞き取りの支援だけではなくて、子どもが自分の考えなどを英語で話したり、スピーチをする、そういった支援も行っており、生徒のコミュニケーションの能力の向上に役立っております。

 県教育委員会では、これまでにも奈良の歴史文化遺産などを例に挙げ、すごろく遊びを通して英語に触れることができる小学校外国語活動の教材や、実際に外国人へインタビューしたり、奈良の文化や行事を説明したりする中学校英語科の指導例などを作成し、指導の充実を図ってまいりました。

 具体的な学習活動の例といたしましては、今年度開校しました県立青翔中学校では、外国語の授業時数を独自に一時間ふやし、地元御所市の昔話を英訳した紙芝居を作成して文化祭で発表するなど、地域の特色を生かした実践的な英語教育を進めております。

 また、今年度からは、国の指定を受けまして、県内三つの小・中・高等学校を指定いたしまして、各学校間の円滑な接続についての研究を進めております。とりわけ、小中高それぞれの段階で児童生徒は英語を使って何ができるようになるのか、そういった観点から学習到達度の目標を設定し、一貫してコミュニケーションを重視した英語教育を進めることといたしております。

 こうした実践的な英語学習の取り組みをはじめ、教育のさまざまな営みを通して、国際性豊かな奈良で育つ子どもたちに、広い視野を持ち、異文化を理解し、多様性を尊重するグローバル・マインドを養うことも大切にしてまいりたいと考えております。

 以上でございます。ありがとうございました。



○副議長(井岡正徳) 一番宮木健一議員。



◆一番(宮木健一) 各ご答弁ありがとうございました。

 県立大学についてですが、知事の答弁の中に、一人ひとりの学生のことを考え、また将来のことを考えというのを実感して伺いましたので、ありがとうございます。

 総務省と文部科学省では、地方の公立大学の魅力を高め、若者の地方離れに歯どめをかける対策に乗り出してきました。本県においては、いち早く県立大学において改革を始め、大きな転換期に来ていると思います。県立大学は、地元の企業、先ほどの教育等もありましたとお話がありましたが、地元の企業との連携強化を通じて、また就職率一〇〇%を目指し、地域経済社会の活性化を中心として活躍していただきたいものです。また、その魅力を向上させ、若者が地元の公立大学に入りたくなるような環境づくりに期待したいと思います。

 次に、県立美術館の利用についてです。

 知事のお話の中でもありましたが、平成二十五年度の奈良県立美術館の入館来館数は、約六千五万人、そのうち小・中学生は一・四%、高・大学生は三・三%、一般は九・五%と、学生の比率が非常に低くなっています。このときの展示は、江戸時代から中期の着物であったり、正倉院の宝物と近代奈良の工芸と、一般の方が興味を持つ内容でした。これにより、学生の来館数が少ないのは当然のことと思います。

 しかし、幅広い、特に若い世代が興味を持つ展示も、今後大切だと考えます。例えば、先ほどお話しした、この夏、金沢二十一世紀美術館で展示された、また十月より兵庫県立美術館で開催が予定される、木梨憲武さんの展示会等も興味深いものだと思います。また、ちょっと年齢を下げますと、子どもが興味を持つようなことを考えた場合、注意すべき点としまして、貴重な作品を保護しながら展示することは、子どもにとって、またそんな場所に行って、退屈以外、何ものでもありません。目で見て、手で触れ、そして体験参加型の展示だと、子どもたちは楽しく、また体全体で五感をフル活用し、そして来館数の子どもたちの数もふえると思います。この美術館で展示することが開かれた場合、美術館の大きな、子どもたちへの一歩となると私は考えています。他府県いろいろなところの美術館等があると思いますが、あえて奈良県立美術館で開催されることが、今後の大きな一歩になると考えています。また、今盛大に開催されている奈良県大芸術祭も幅広い方の参加として開催されていますので、今後もまた、来年期待したいと思います。

 それと、まほろば健康パークについてですが、私も家族で利用させていただきました。利用者の方にお伺いしますと、オープン間もないために、メンバーではなくビジターとして来ておられるという状況でした。というのは、スイムピア奈良が本当にメンバーとして入って今後利用できるのかというのを確認しながらやっておられるためというふうにお聞きしました。私も、今後も状況を見守りながら、確認していきたいと思います。

 英語教育についてです。

 文部科学省の行った小学校へのアンケート結果でありますが、英語を話せるようになりたいという質問に、八〇%の子どもたちが「はい」と答えました。英語だけでなく、テレビや映画も見れるようになりたいですかというのに対しては、七〇%の子どもたちが「はい」と答えました。子どもたちは、英語への興味は、興味深いものを持っていると思います。

 しかし、なかなか地域では、地域社会の中で英語を話せる方というのが非常に少ないものですから、学校での英語教育というのは、非常に重要だと考えます。先ほどの、教育長のお話にもありましたが、県内の中学校の中で、英語教育強化地域拠点事業として指定されている学校もあるとお聞きしましたので、さらなる英語の教育を期待しています。これから国際社会のど真ん中に突き進む現在の子どもたちにこそ、本当に使える英語が必要だと思います。

 以上をもちまして、質問及び要望を終わります。



○副議長(井岡正徳) 次に、三十八番秋本登志嗣議員に発言を許します。−三十八番秋本登志嗣議員。(拍手)



◆三十八番(秋本登志嗣) (登壇)きょうの質問は、私で最後でございますので、少しの間、またおつき合いのほどをよろしくお願いいたします。

 それでは、質問に入らせていただくその前に、紀伊半島大水害に対するこれまでの取り組みに、改めてお礼を申し上げたいと思っております。

 私の地元である五條市を含め、県の南部地域に極めて甚大な被害をもたらしました紀伊半島大水害から早くも三年が過ぎました。県内では十四名のとうとい命が奪われ、十名の方が今も行方のわからない状態でございます。八月三十一日に、県警察、奈良消防組合、五條市消防団などの皆様方にご協力を賜り、行方不明者の一斉捜索を行われるなど、今も懸命な捜索が続けられています。行方不明の方々が、一刻も早く発見され、ご家族のもとにお戻りいただくことを、心より願うところであります。

 また、九月四日には、五條市大塔町で犠牲者の追悼式及び行方不明者の早期発見祈願が催されました。荒井知事をはじめとして、松谷副知事や関係部局の方々に、ご多忙の中、多数ご参列いただきました。そして、心からの追悼とお見舞いの言葉を賜りましたこと、地元の住民の一人として厚くお礼を申し上げます。この九月議会においても、大変うれしかったことは、各会派の皆様方から厚い追悼の言葉をいただきました。被災地のことを、三年経過した今も心にとめていただいていますこと、地元の議員の一人として本当にありがたく、感謝を申し上げたいと思います。

 さて、被災から三年経過したきょう、これまでの県や国などのご尽力により、道路や河川の復旧は、目に見えて進んでいます。県管理の道路復旧は百二十六カ所のうち百二十一カ所で、河川や砂防事業は百十四カ所のうち百八カ所で既に工事が完了しております。こうしたインフラの復旧などには、五條市内だけでも百億円を超える事業費を県より投入いただいているということを伺っております。地域で暮らし続けるための基盤整備も整ってまいりました。おかげをもちまして、ピーク時には五條市だけでも二百人を超える避難者がいましたが、今は二十五名に減少しています。この方々も来年の一月末までには帰宅できると聞いております。本当にありがたいことだと感謝いたしております。

 また、十月五日には、五條市で南部地域を元気にするイベントとして、なんゆう祭二〇一四を開催いただけるとのことです。にぎわいを取り戻すきっかけとなることを大いに期待をいたしております。こうした県を挙げての復旧・復興の取り組みに対し、改めて知事はじめ関係機関の方々に、心より感謝を申し上げますとともに、引き続き、被災した地域が、安全に安心して生活が続けることができる地域になるよう、一層のご支援・ご協力をいただきますようお願いを申し上げまして、一般質問に入らせていただきます。

 まず、災害時に孤立した集落に対するヘリコプターによる支援についてお伺いいたします。

 昨年九月の県議会本会議でも質問し、ご答弁をいただいていたテーマでございますが、非常に重要な問題と考えておりますので、論点を絞って、再度ご質問させていただきます。

 ご承知のとおり、本県の南部東部の中山間地域に、山合いに多くの集落が存在しています。これらの集落にお住まいの皆さんは、都会に比べると公共交通機関が少ない、商店が少ない、介護・医療施設が少ないなど、ふだんからさまざまなご不便を抱えながら、それでも古くからの伝統やご事情から、その土地土地での生活を営んでおられます。そして、これらの集落は、地震や風水害により、集落に通ずる全てのアクセス道路が車両通行不能となれば、たちまち孤立してしまう危険性にさらされます。

 県が国の依頼を受けて平成二十五年十二月末時点で実施されました、本県の中山間地域には四百余りの孤立可能性集落があるとのことをお聞きいたしております。台風などで周りの状況がわからないときには、自宅の裏の戸ががたがたと鳴っただけでも、非常に恐怖を覚えるという話をお聞きしたことがあります。

 このような孤立集落への対策について、道路の損壊を防ぐこと、集落において十分な物資の備蓄を行うこと、衛星携帯電話等により通信手段を確保することなど、さまざまな取り組みが考えられますが、私はとりわけ、ヘリコプターによる救援の体制を整備することが重要と考えております。地上からの道が途絶した場所でも、ヘリコプターなら飛んでいくことができます。小学校の運動場等の広場があれば離着陸できますし、それが無理な場所でも、ホバリングしながらつり下げ、つり上げ等もできます。かつて、自衛隊の方と意見交換をしたときも同様の意見をお聞きいたしました。

 ヘリコプターによる支援を有効なものとするためには、二つの観点が必要であろうと思います。一つは、支援を受ける集落側の条件の整備、そしてもう一つは、支援をする側の条件の整備。

 まず、支援を受ける集落側では、ヘリコプターの臨時離発着場、ホバリングが可能な場所の確保や整備が必要です。いかにヘリコプターといえども、あまりにも急峻な地形や高い木々が生えていれば、そういう場所では十分近寄ることが不可能でございます。

 また、救援活動を行う側についてでも、さきの紀伊半島大水害の折にも、県の消防防災ヘリコプター、県警察のヘリコプターには大変頑張っていただきましたが、大規模災害時に、現地での救援活動を行う部隊を迅速に輸送・展開するためには、自衛隊のヘリコプターの活動基盤、救援物資の集積、配送の拠点を整備することも重要と考えております。

 先ごろ提出された防衛省の来年度予算の概算要求によりますと、奈良県に対して広域防災拠点となり得る自衛隊の展開基盤を確保し、大規模災害への実効的な対処体制を確立するための基本構想業務に係る経費が計上されているとのことです。このような動きは、今後の本県への陸上自衛隊駐屯地にもつながるものとして大変期待いたしておりますとともに、県でもこれと歩調を合わせた支援拠点の整備について、検討を進めていただきたいと思うのでございです。

 そこで、知事にお伺いいたします。

 災害時の孤立集落対策のためには、ヘリコプターによる支援が有効と考えますが、県は、集落側の受援体制の整備のためにどのように取り組んでいかれるのか、また、救助や物資輸送、さらには自衛隊の部隊展開の拠点についても整備が必要と考えますが、いかがですか。ご所見をお伺いいたしたいと思っております。

 次に、新宮川水系の治水対策についてお伺いいたします。

 新宮川水系では、電源の開発のため、昭和十年代より九尾ダム、川迫ダムが建設されました。戦後、吉野熊野総合開発計画により、昭和三十年代から、風屋ダム、池原ダム、二津野ダムなどの大規模なダムや発電所が建設されました。また、十津川・紀の川総合開発事業により、かんがいなどの目的で猿谷ダムが建設されました。現在、新宮川水系には十一基のダムがありますが、これらのダムの全てが、治水機能を有しない利水ダムなんです。

 以前にも申し上げました。私は、三年前の紀伊半島大水害を振り返るときに、新宮川水系に治水ダムがあれば、下流域への被害がもっと抑えられたのではないかと考えています。また、昭和十年代に建設された古いダムが、将来も長きにわたり、安全なダム機能が維持できるのか、本当に心配をしております。

 風屋ダム、池原ダム、猿谷ダムに、利水ダムでありながら治水利用に取り組んでいると聞いております。災害に強い、山間地域の人々の安全・安心な生活の確保のためには、新宮川水系に治水ダムが必要であると考えますが、いかがですか。県土マネジメント部長にお伺いいたします。

 次に、紀伊半島大水害から復旧・復興についてお伺いいたします。

 さきに申し上げましたとおり、紀伊半島大水害の復旧・復興は、関係各位のご努力により着実な進展を遂げていることでございます。これからの質問は、残っております災害復旧工事の現時点での進捗と、今後の見通しなどについて県土マネジメント部長にお伺いをいたします。

 まず、五條市大塔町惣谷地内の通称クマミ谷における地すべり対策工事についてですが、この工事の現場においては、その中を通っている県道篠原宇井線が長期にわたって通行どめとなっております。奥に住まいする住民の皆様方は、日々、大変なご不便を強いられている状況が続いているのでございます。

 特に冬期においては、迂回路となっているのは林道殿野篠原線が、標高の高い尾根筋を通る林道であるため、積雪や凍結により通行どめとなる場合も多く、集落の孤立化により緊急時の対応などに不安を抱える状況となっております。住民の皆様方は、一刻も早く、対策工事が完了し、県道の通行再開を待ち望んでおります。

 そこで、地すべり対策工事が進捗し、県道の通行が可能となる時期はいつごろになるのか、お聞かせをいただきたいと思います。

 また、堆積土砂の撤去についてですが、深層崩壊や斜面崩壊により、大量の土砂が流出し、熊野川に堆積しております。災害復旧事業で堆積土砂の撤去を進めていただいているところでございますが、堆積土砂撤去の現状と今後の予定についてお伺いいたします。

 あわせて、先ほど岩田議員の質問にもありましたが、砂防ダムについてですが、私は、砂防ダムに堆積した土砂についてお伺いします。

 特に紀伊半島大水害以降、砂防ダムは絶対必要である、できるだけ多くつくってもらいたい、今現在も砂防ダムはつくっていただいております。本当にありがたいことだと思っております。しかし、砂防ダムに雨が降るとすぐに土砂が満杯になります。そのような状態の中で、大雨がまた降ると、土砂がせきとめられず、堆積土砂の上をむしろ勢いを増して下流に流れるのではないかと、地域住民の皆さん方は不安を抱いております。

 土砂が堆積すれば、その都度撤去すべきと考えますが、県ではどのように対応されているのか、お伺いをいたしたいと思います。

 次に、高等養護学校の分教室の設置についてお伺いいたします。

 先日、私は、奈良県社会福祉総合センターで開催された、公益法人日本ダウン症協会奈良支部の十周年記念のイベントに招待を受け、参加しました。そこで、特別支援学校高等部に在籍する生徒が、普通の高等学校の部活に参加し、ともに活動しているということをお聞きいたしました。

 その生徒は、特別支援学校での授業を終えた後、週五日程度、自宅近くにある五條高等学校の野球部で、高校生とともにキャッチボールや素振りなどをしながら部活活動を頑張っているとのことです。この生徒は、ダウン症なんです。彼のために用意された練習メニューに、一生懸命取り組んでいるそうで、本当にありがたいことだと思っております。

 最初はうまくいかず、指導される先生から注意を受けたこともあったそうですが、二年になった今では、周りのチームメートの様子を見て、自分が何をすべきか、しっかりと考え、また、どうしたらよいのか部員に尋ねて、次の練習の準備などに進んで取り組むことができるようになっていると言われます。

 親御さんは、大好きな野球を高等部になってからも続けられること、そして、高校生と一緒に活動することが、これまで以上に、積極的な姿勢が見られるようになってきたと、大変非常に喜んでおります。

 彼が今あるのは、何よりも親御さんの深い愛情とご努力のたまものであろうかと思いますが、それに加えて、これまでかかわってこられた先生方が、日々の集団生活の中で子ども同士が学び合い、育ち合うことを大切にされてきた指導が結実したのではないかと私は感じております。特別支援学校の高等部になった彼が、周囲の高校生たちとともに過ごす中で、主体的に判断して行動する力が育っています。高校生たちとの自然なかかわりが生まれていることに、私は深い感銘を覚えました。

 この取り組みは、県が推進されている特別支援学校生徒の高等学校における副学籍による指導の研究として実施されているところでございます。この世に生を受けて生まれてきた子どもと、今後ダウン症の子どもを育てる親の励みにもなり、学校生活への意欲につながる。このすばらしい取り組みがこのままで終わらず、いろいろな教育活動に広がるように願うと同時に、県全体のシステムとして考えてもらいたいと思います。

 ところで、平成二十六年二月に、障害者の権利に関する条約が我が国においても効力が発生しました。現在、障害のある者と障害のない者がともに学ぶ、インクルーシブ教育の推進が求められています。誰もが互いに人格と個性を尊重し、支え合い、多様な存在として相互に認め合える共生社会の実現に向けて、今こそ、私たちは前進していかねばならないと考えております。

 折しも、平成二十八年度から県立高等学校に分教室が設置されると、県教育委員会の方から発表されました。社会に巣立つ準備段階とでもいうべき高校生のときに、ともに学び合う機会をつくることが大変な、重要な取り組みだと思います。

 そこで、教育長にお聞きします。

 県立高等学校へ高等養護学校の分教室を設置する意義、県教育委員会として、今後どのように取り組んでいかれるのか、お伺いをいたします。

 最後に、もう一点だけお聞きします。

 昨年四月、妊婦の血液から、胎児の染色体を調べる、新しい出生前診断が始まりました。新聞やテレビの報道では、ダウン症などのと説明されています。

 診断が始まってから一年で、全国で約七千七百人が診断を受け、百四十二人が染色体異常の疑いがある陽性と判断されました。そのうち百十三人が羊水検査などで、異常ありと診断されたそうです。ちなみに、百十人が中絶を選択したと発表されております。

 この新しい出生前診断について、先ほど申し上げました公益法人日本ダウン症協会奈良支部のイベントでは、診断の実施や技術の進歩が悪いという見解ではなく、必要とする人がいることもわかるが、ダウン症の子どもを産まなくて済む方法として解釈されて社会に広まることや、現に生活をされているダウン症のある人たちへの影響が危惧されるという声を聞きました。

 話をお聞きして、私は、妊婦やご家族の方を支える体制は整っているのか、具体的には、診断を考える妊婦やご家族の方が、十分考えた上で判断できるよう、検査そのものや子育てについて正しい情報を得ることができるのか、そのために、悩みや不安を身近に相談できることや、診断を実施する医療機関で十分な説明が受けられることが重要ではないかと思います。

 そこで、妊婦の血液から、胎児の染色体を調べる新しい出生前診断を考える妊婦や家族に対し、県ではどのような相談体制を設けているのか、また、県内では唯一医科大学附属病院で診断が行われていると聞いていますが、診断を受ける方やその家族へのサポートのために、どのような運営をされているのか、医療政策部長にお伺いします。

 以上で、壇上での質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)



○副議長(井岡正徳) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)三十八番秋本議員のご質問がございました。紀伊半島大水害についてのご質問がある中で、私に対しましては、災害時に孤立した集落に対するヘリコプター支援の取り組みについてのご質問でございました。

 議員お述べのとおり、孤立集落への支援にヘリコプターを活用するのは非常に有効な手段でございます。今、地域防災計画の見直しを行いまして、ヘリコプターの利用について、県は運航体制の保持を効果的に行うというふうに決められる一方、市町村は受入体制を整えるように努めるということを記載していただいております。

 救助のためのヘリコプターの離発着場所は、空港、飛行場でなくても、臨時離発着場としていろんな場所が使用可能でございます。また、議員お述べになりましたホバリングという空中停止で、いろんな救助活動、救助者をつり上げたり、救援物資をつり下げたりすることも可能でございますが、南部のような急峻な山間地では、あらかじめどのような場所にヘリコプターを派遣するかということを計画上、行っておく必要があろうかと思います。

 市町村の地域防災計画の見直しの支援を、平成二十六年、平成二十七年の二カ年で行うこととしております。その取り組みの中で、市町村もヘリコプターを使うように、支援をまた県ができるように、指定の促進をしているところでございます。

 県は、消防防災ヘリコプターと県警察ヘリコプターという二つを、防災に役立つヘリコプターを持っております。災害時におきますと、例えば空中からの被害情報の収集やヘリコプターに積載されたテレビ電送システムによる映像情報の直送などができるようになります。また、災害の救援の人や物資の輸送にも使えるわけでございます。

 しかし、県が持っておりますヘリコプターは、大変小さい容量で、機数も少ないために大きな災害のときには、他の地域からの救助を仰ぐ必要があるわけでございまして、災害訓練でもいろんな地域からのヘリコプターの展示、出動をしていただいている状況でございます。

 その中で、議員は、自衛隊のヘリコプターについても言及されました。自衛隊は、我が国で唯一、自己完結型の救助活動が行える組織でございますが、とりわけ陸上自衛隊は大型のヘリコプターによる救助活動の専らできる部隊でございます。議員お述べの孤立集落への対策だけでなく、いろんな災害に対しての救援活動が可能でございます。とりわけ、南海トラフ巨大地震の際の他府県への支援の基地として、今要求しております五條市の自衛隊ヘリポートは大いに効果があるものと言われております。

 防衛省におきまして、昨年の調査費に続きまして、本年度予算においても調査費の要求をしていただいております。概算要求書に奈良県という地名も載っております。福井県と奈良県が、それぞれ四百万円ずつ、合わせて八百万円の調査費が計上されております。

 防衛省では、自衛隊の展開拠点確保に関する基本構想経費として、本県と共同検討しようという申し出がございます。非常に心強いものでございます。ヘリポートを有する自衛隊駐屯地の誘致は、この地域の規範と全体の救援活動の強化、国土強靱化に必要なことだと思います。県におきましては、国の自衛隊の防災基地ができますと、県の防災基地も併設できたらというふうに思っております。来年度予算で場所が決まりますと、県の防災基地をそこの場所にレイアウトをはっきりさせた上で、できるだけ早く整備するというふうに心がけていきたいと思います。

 防災基地ができますと、国の自衛隊にしろ、県にしろ、災害救助要員のベースキャンプが可能になりますし、救援物資の蓄積・配分の機能、また、紀伊半島の隅々まで小型のヘリコプターで配分することも可能でございます。文字どおり、広域防災拠点ということが可能になってまいります。そのような、今、運動の最中でございます。五條市の基地が、規範と全体の救助支援の基準になる可能性も出てきておりますので、そのような心がけで調査を進めさせていただきたいと思う次第でございます。

 残余の質問は、関係部長がお答え申し上げたいと思います。ご質問ありがとうございました。



○副議長(井岡正徳) 加藤県土マネジメント部長。



◎県土マネジメント部長(加藤恒太郎) (登壇)三十八番秋本議員のご質問にお答えをいたします。

 私には、新宮川水系の治水対策と、紀伊半島大水害からの復旧復興、大きく二つのお尋ねがございました。

 まず、新宮川水系の治水対策についてお答えを申し上げます。新宮川水系に治水ダムが必要ではないかというお尋ねでございました。

 治水ダムは、洪水を貯留することによりまして、下流での河川の水位を下げ、治水安全度を向上させるというような機能がございます。

 紀伊半島大水害の際には、長時間にわたる豪雨によりまして、熊野川では既往最大の出水となり、下流の和歌山県、三重県において、各所で河川の水位が堤防を越えまして、広い範囲で浸水による被害が発生をいたしました。治水機能があるダムが上流にあれば、こうした被害を軽減できたのではないかという議員のご指摘は、まさにそのとおりだというふうに思います。

 しかしながら、新たな治水ダムをこれから計画して建設するということは、非常に長い期間と多くの費用を要するばかりでなく、集落ですとか、公共施設の移転が必要になる、そういったようなこともございまして、課題が少なくないというふうに考えてございます。

 このようなことから、新宮川水系に十一基ございます既存のダム、これらのダムは議員ご指摘のとおり、全てかんがいですとか、発電のための利水ダムでございますけれども、関係機関とも協力いたしまして、まず、これらのダムの治水運用、こういったものを進め、有効活用を図ってまいりたいというふうに考えてございます。

 既に、平成二十四年度から、電源開発株式会社の池原ダム・風屋ダム、そして国土交通省の猿谷ダムにおきまして、大規模な洪水が予想される場合には、事前の放流を行い、空き容量を確保して洪水時のダム放流量の低減を図るというような運用が始まってございます。また、平成二十五年度からは、電源開発株式会社の二津野ダム・七色ダム・小森ダムにおきましても、こうした取り組みが始まっているところでございます。

 近畿地方整備局の発表によれば、こうした既存利水ダムの運用改善によりまして、熊野川下流の地点におきまして、昨年九月の台風十八号では約二メートル、ことしの台風十一号では約一・二メートルの水位低下が図られたというようなことでございます。

 このように、既存の利水ダムの運用改善の取り組み、そういったものが既に一定の成果を上げてございますので、河川管理者、流域市町村、ダム管理者からなります熊野川の総合的な治水対策協議会、こういった場におきまして、さらなる発展的取り組みについて検討が進められるよう、積極的に働きかけをしてまいりたいというふうに考えてございます。

 次に、紀伊半島大水害からの復旧・復興についてお答えを申し上げます。

 まず、県道篠原宇井線の地すべり対策でございます。

 県道篠原宇井線は、紀伊半島大水害によりまして、惣谷地区で地すべりが発生をいたしました。のり面の崩落など変状が生じましたので、交通の安全を確保するため当該区間において通行どめとさせていただきました。そして、林道に迂回していただくようにお願いをさせていただいたわけでございます。

 その後、現地におきまして、地すべりの調査と対策の検討を進めまして、平成二十五年七月から対策工事に着手をしております。しかしながら、幅が三百メートル、長さが七百メートルを超えるような大規模な地すべりということでございます。こうしたため、工事の完成は平成二十七年度になる見込みでございます。

 迂回路となっております林道でございますが、議員ご指摘のとおり、標高の高い尾根筋を通っておりますので、冬季には降雪により通行ができなくなるなど、地域の皆様方にはご不便をおかけしております。県道の早期再開につきまして、強いご要望を頂戴しているところでございます。

 現地の地すべりにつきましては鎮静化もしてまいりましたので、現在は工事の作業ヤードを確保するため県道敷を利用しておりますけれども、施工方法を見直しまして、車両の通行スペースを確保するための仮設の桟橋、こういったものを設けるようにしてまいりたいというふうに考えてございます。この冬からは、時間的な制約は残りますけれども、県道をご利用していただけるようにしてまいりたいというふうに考えてございます。

 災害復旧工事の完成には、もうしばらくの時間をいただくわけでございますけれども、地域の皆様方にはご不便をおかけいたしますけれども、ご理解を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。

 二点目でございますけれども、熊野川における堆積土砂の撤去についてでございます。

 熊野川の堆積土砂の撤去につきましては、紀伊半島大水害により、大規模な土砂堆積のありました十津川村宇宮原地区、五條市大塔町宇井地区をはじめ、全部で八カ所で事業をしてまいりました。昨年度までに六カ所で堆積土砂の撤去を終えてございます。今年度は、熊野川につきましては十津川村宇宮原地区と、神納川の十津川村内野地区、この二カ所で堆積土砂の撤去を進めてございます。八月末時点での堆積土砂の撤去の進捗状況でございますけれども、これは全体でございますけれども、当初目標の二百二十一万立方メートルに対しまして、九六%、二百十三万立方メートルの撤去を終えておるというような状況でございます。現在、進めておる二カ所につきましても、年内に紀伊半島大水害の関連分でございますけれども、堆積土砂の撤去を終えるというような予定になってございます。

 しかしながら、ただいま申し上げた二カ所につきましては、昨年九月の台風十八号でも新たな土砂の堆積がございました。さらに、神納川におきましては、ことしの八月の台風十一号でも、また大量の土砂が堆積をしたというような状況になってございます。

 神納川につきましては、現在、災害復旧事業の申請手続を進めておるところでございます。十月には、国の災害査定を受けるというような予定になってございます。

 堆積土砂の撤去に当たりましては、土砂処分地の確保というのが大変重要な要素となってまいります。地元の市町村と密に連携しながら土砂処分場を確保いたしまして、効率的に土砂撤去を進めたいというふうに考えてございます。今後とも、また河道の土砂の撤去状況につきましては継続的に把握を行いまして、地域の皆様が安心して暮らせるよう、適切な河道の確保、こういったものに努めてまいりたいというふうに考えてございます。

 最後、三点目でございますけれども、砂防ダムに堆積した土砂の撤去についてでございます。

 まず、砂防ダムの機能についてご説明をさせていただきたいと思います。大きく二つございます。

 一つ目は、土砂がたまる前の機能でございます。上流からの土砂ですとか、土石流をため込みまして、下流への流出を軽減させるという機能でございます。

 そしてもう一つ、二つ目でございますが、これは土がたまった後の機能ということになってまいりますけれども、土砂がたまりますと河床勾配が緩やかになりますので、こういうことによりまして、河道の侵食を防ぐですとか、また洪水時に上流から土砂が流出してきた場合にも、河床勾配が緩くなっているということから、勢いを衰えさせて、流出してきた土砂が下流に出ていくのを軽減するというような機能もあるわけでございます。

 このように、砂防ダムというのは土砂がいっぱいになってからも効果を発揮し続ける、そういう機能を持った施設でございます。

 したがいまして、これはあくまでも一般論としてでございますけれども、土砂がいっぱいになったから直ちにこの土砂を撤去するということではございません。

 しかしながら、上流に不安定な土砂が大量にあるような場合などは、砂防ダムの背後の土砂を撤去するというようなことも即効性のある一つの選択肢というふうに考えておりまして、これまでも、黒滝村の黒滝川ですとか、五條市大塔町の鍛冶屋谷においても土砂の撤去をしてきたところでございます。

 したがいまして、今後とも、個々の砂防ダムごとに渓流内の不安定な土砂の状況ですとか、あるいは下流の人家、保全施設、そういったものの状況についてよく把握をいたしまして、個々それぞれ砂防ダムの状況に応じて対応してまいりたいというふうに考えてございます。

 以上でございます。ありがとうございました。



○副議長(井岡正徳) 吉田教育長。



◎教育長(吉田育弘) (登壇)三十八番秋本議員のご質問にお答えをいたします。

 私には、県立高等学校へ高等養護学校の分教室を設置する意義と、今後の取り組みについてのお尋ねでございます。

 議員お述べのとおり、中学校での部活動経験のある生徒が、特別支援学校に進学した後も、地元の高等学校において同じ部活動ができるようにするための実践研究を行い、現在二年目を迎えております。特別支援学校の生徒と高校生が部活動を通してともに学ぶことは大変教育的に意義深いことであり、インクルーシブ教育の重要性を改めて認識したところでございます。

 県教育委員会では、インクルーシブ教育を一層促進するため、本年五月には、高等養護学校の分教室を設置する高等学校三校を、インクルーシブ教育推進校に指定をいたしました。生徒同士が可能な範囲で、ともに学ぶことができる機会を設けることで、高等養護学校の生徒には、より積極的な社会参加と、専門的な知識・技能の向上を図ること、高等学校の生徒には、広い視野や多様性の理解など、共生社会の形成者として必要な資質を身につけることを期待いたしております。

 あわせて、職業教育の充実を図るため、高等学校の職業教育に関する専門性と、これまで高等養護学校が培ってきた、職場実習先の開拓や計画的な実習の実施といった、これらのノウハウを融合させてまいります。

 来年度より、高等養護学校に入学する生徒は、職業に関する基礎的な学習をした後、二年生になりますと各分教室で、福祉・暮らし、農園芸、芸術表現などのコース別の学習を開始することとなります。コース選択という一つの節目を設けることで、自分のやりたいことを自分で決めるという、非常に大切な力を培うことができると考えております。

 また、分教室設置により、一人ひとりの発達やその課題を踏まえた生徒理解が深まり、高等学校における特別支援教育の充実にもつながると確信をいたしております。今後、ともに学び、ともに生きるインクルーシブ教育をさらに充実してまいる所存でございます。

 以上でございます。ありがとうございました。



○副議長(井岡正徳) 渡辺医療政策部長。



◎医療政策部長(渡辺顕一郎) (登壇)三十八番秋本議員のご質問にお答えいたします。

 私には、新しい出生前診断ということで、妊婦や家族に対しまして、県、それから県立医科大学附属病院での相談体制、診療体制についてご質問いただきました。

 県では、妊娠・出産に関するあらゆる悩みに対し、不安を軽減し、健やかな妊娠・出産を支援するため、専門職によるきめ細やかな相談、妊婦健康診査などの情報提供を目的に、平成二十年より奈良県妊娠なんでも一一〇番電話相談を開設しております。

 議員お述べの新しい出生前診断につきましては、今年度初めて、保健所や市町村の母子保健担当者を対象に、必要な情報提供が行われるよう、出生前診断の正しい知識等を学ぶための研修会を開催いたしました。

 今後も、奈良県妊娠なんでも一一〇番のさらなる周知を図るとともに、研修会を開催するなど、母子保健担当者の資質の向上に努めてまいりたいと考えております。

 また、県内で唯一、日本医学会の認定を受けまして、新しい出生前診断を実施しております県立医科大学附属病院におきましては、臨床遺伝学の知識を備えた臨床遺伝専門医を六名配置し、遺伝カウンセリングを実施、診断を希望する妊婦の方やそのご家族に対しまして納得いただくまでご説明、ご相談に応じることとしております。カウンセリングは、診断の前後だけではなくて、診断後のケアについても実施し、診断を受ける方やそのご家族の不安や葛藤をサポートする体制をとっているところでございます。

 以上でごす。ありがとうございました。



○副議長(井岡正徳) 三十八番秋本登志嗣議員。



◆三十八番(秋本登志嗣) どうもありがとうございました。

 知事、本当に申しわけないんですけども、ひとつ自衛隊の誘致等々に大変ご苦労いただいております。また、防災拠点基地の一つの建設も、できるだけ早く、それを実現できるような方法で、よろしくお願いをいたしておきます。

 県土マネジメント部長よき答弁なんですけども、ちょっと私との考えが、治水ダムの関係の違いが出てきていますので、また一遍ゆっくり時間をとって、お話をさせてください。よろしくお願いをしておきます。

 出生前診断の関係、医療政策部長さん、それにつきましては本当に出生前診断という一つの知識が保健所の窓口においても、市町村、母子保健のところにおいても、それだけの知識をしっかりつけるということ、しっかりつけた知識をもって対応してやっていただけたらありがたい。もうそれのみですので、よろしくお願いをしておきます。

 教育長、大変、何かにつけてダウン症の関係についてもご苦労いただいております。いろいろとまたご無理も申し上げております。本当にありがとうございます。私は、きょうちょっとお願いしておきたいことが、もう時間がないもんですから、一つだけ。今、副学籍で五條高等学校にお世話になっておるのは、名前を言えば●●●●君なんです。●●●●、ええ名前やろ。その子自身が今まで一生懸命努力してきています。いろんな先生方にもご迷惑かけています。その中で、●●君にまつわってきた方々の、どういう●●君と扱って、どういうことを認識したかということを、各先生方に事情聴取をしていただいて、それを参考にして、これからの障害教育というものを、伸ばしていただけたらありがたいと思いますので、よろしくお願いします。

 終わります。

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○副議長(井岡正徳) 十五番森山賀文議員。



◆十五番(森山賀文) 本日は、これをもって散会されんことの動議を提出します。



○副議長(井岡正徳) お諮りします。

 十五番森山賀文議員のただいまの動議のとおり決することにご異議ありませんか。

     (「異議なし」の声起こる)

 それでは、さように決し、明、九月二十五日の日程は当局に対する一般質問とすることとし、本日はこれをもって散会します。



△午後四時十二分散会