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平成26年  9月 定例会(第316回) 09月22日−03号




平成26年  9月 定例会(第316回) − 09月22日−03号







平成26年  9月 定例会(第316回)



 平成二十六年

        第三百十六回定例奈良県議会会議録 第三号

 9月

    平成二十六年九月二十二日(月曜日)午後一時開議

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          出席議員(四十二名)

        一番 宮木健一          二番 井岡正徳

        三番 大国正博          四番 阪口 保

        五番 猪奥美里          六番 尾崎充典

        七番 藤野良次          八番 太田 敦

        九番 小林照代         一〇番 大坪宏通

       一一番 田中惟允         一二番 岡 史朗

       一三番 畭 真夕美        一四番 乾 浩之

       一五番 森山賀文         一六番 宮本次郎

       一七番 山村幸穂         一八番 欠員

       一九番 松尾勇臣         二〇番 上田 悟

       二一番 中野雅史         二二番 神田加津代

       二三番 安井宏一         二四番 奥山博康

       二五番 荻田義雄         二六番 岩田国夫

       二七番 森川喜之         二八番 高柳忠夫

       二九番 今井光子         三〇番 和田恵治

       三一番 山本進章         三二番 国中憲治

       三三番 辻本黎士         三四番 米田忠則

       三五番 出口武男         三六番 新谷紘一

       三七番 粒谷友示         三八番 秋本登志嗣

       三九番 小泉米造         四〇番 中村 昭

       四一番 欠員           四二番 山下 力

       四三番 梶川虔二         四四番 川口正志

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        議事日程

一、当局に対する代表質問

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○議長(山下力) これより本日の会議を開きます。

 会議時間を午後六時まで延長します。

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○議長(山下力) ただいまより当局に対する代表質問を行います。

 順位に従い、八番太田敦議員に発言を許します。−八番太田敦議員。(拍手)



◆八番(太田敦) (登壇)皆さん、こんにちは。また、奈良テレビをごらんの皆さん、こんにちは。日本共産党の太田敦です。ただいまから、日本共産党を代表して質問を行います。

 まず、ブラックバイトについてです。

 今、学生のアルバイトに異変が起きております。若者を使い潰すブラック企業のような違法、無法な働かせ方が学生アルバイトにも広がっております。メディアでも毎日、読売、東京新聞で、それぞれ「急増!『ブラックバイト』」「違法行為が横行し、学業に影響するほどの長時間労働を強いられるケースも」などと取り上げられ、大きな社会問題になっております。大学教員からも、授業中バイト先から連絡が入り集中できない、シフトの変更がききにくくゼミ合宿の日程が決められないなど、告発の声が上がっております。バイトと学業を両立できず、留年や大学中退に追い込まれる深刻なケースまであり、ブラックバイトは学生生活と大学教育の障害となっております。

 かつては、学生バイトといえば、あくまでも正規雇用の補助でした。低賃金だけれども、責任は軽く、テスト前には休むことができ、バイト先も比較的自由に選べる、それが学生バイトの従来の一般的なイメージではないでしょうか。しかし、現在はそうしたイメージが通用しなくなっています。低賃金・低処遇にもかかわらず、正社員並みの過度な責任やノルマを課せられる例が多くあります。

 私たちはこの間、民青同盟奈良県委員会と一緒に、大学の門前や駅頭で、学生の皆さんにブラックバイトの根絶を訴えると同時に、学生の置かれている実態について、独自に聞き取りを行いました。そこでは、県内の私立大学の一回生の男性は、ほぼ毎日飲食店で午後六時から深夜零時までホール係として働いているのに、店に客がいないとして、待機扱いになり、出勤中でも給料が支払われていません。幾ら抗議しても、社長が改めようとしない、それで何人もバイトをやめていったと語ります。月のバイト収入は三万円ほどにしかなりません。大阪から通学している四回生の女性は、洋服販売のバイトで、ノルマがあり余った商品を買わされる、やめたいのにやめさせてもらえない、こんな回答をいたしました。コンビニで週三回から四回バイトしている二回生の男性は、時給は七百十円と、奈良県の最低賃金と同じ水準です。休日に出勤を求められる、生活費や学費を稼ぐためにバイトしているが足りない、給料が安過ぎると実情を話します。

 このように、奈良県でも、バイトで働く学生の実態は深刻で、働く人間としての権利も無視した働かせ方、ただ働きや罰金などの違法・脱法行為が学生バイトに広がっております。しかし、アルバイトは法律上短時間労働者です。雇い主との法律上の関係は正社員と変わりません。

 なぜ、このブラックバイトがここまで広がったのでしょうか。第一に、非正規雇用の比率が現在は四割近くにもなり、かつては正社員が行っていたような仕事をアルバイトなど非正規に肩がわりさせる動き、非正規雇用の基幹化が進んだことです。その結果、若者を使い捨てにする劣悪な労働環境が、学生バイトにも容赦なく広がっております。第二に、多くの学生が、学生生活を維持するためには、バイトからの収入を途絶えさせることができない状態にあることです。国民の所得が減り、両親の仕送りが減る中で、学生のバイト依存が高まっております。こういった二つの理由により、ブラックバイトが広がっているのです。まさに学生の置かれている、学費や生活費をみずから稼がなければならない状況に追い込まれていることを逆手にとり、学生の社会経験の未熟さや、また労働法・雇用のルールへの知識の乏しさにつけ込んだ違法・脱法行為で成り立っております。

 県としても、アルバイト学生等に対して、働くルールを周知するとともに、違法な労働実態を的確に把握し、奈良労働局とも連携をして、指導・監督を徹底する、あるいは企業名を公表するなど、ブラックバイト対策を進めることが必要だと考えますが、いかがでしょうか。

 そして、働く人間を使い捨てにする社会は、若者から希望を奪い、格差と貧困を広げ、日本社会から活力を奪っていきます。人間らしい労働の実現こそ世界の流れです。学生バイトであっても、国の労働行政には違法・脱法行為をなくして、適正な労働環境にしていく責任があります。県として、政府に対し、ブラックバイトといわれるような状況を放置せず、学生バイトの労働環境を適正化するための取り組みを行うよう求めるべきだと考えますが、いかがでしょうか。

 次に、県内産業の振興について質問を行います。

 先日、県内の製造業の社長が、大手企業による買いたたきや消費税増税の影響などから、自分のところで生産した商品の価格を自分たちで決められないと話し、また家電店の経営者は、激しい家電量販店の出店攻勢とポイント値引などの価格競争で、身近な商店がなくなりつつある、このまま量販店と同じように価格競争を続けていたら潰れてしまう、切実に訴えられておりました。取引先の企業からの価格押しつけに加え、海外からの輸入品の激増で、小規模また零細企業の経営は困難を増しております。県が五千社の事業所を対象に実施した産業実態調査では、県内五一%の事業所が、不況による市場の縮小で業績が低下したと答えております。市場競争が激しくなる中で、事業者はこの改善のための経営課題の一位と二位に、いかに販売単価や売上高を向上させるかを挙げております。

 製造業者は、県に求める支援として、親会社や問屋からの下請型の生産体質を改善し、消費者志向、ライフスタイルの変化、近年の流行である本物志向に対応した、自社のオリジナル商品を販売することのできる技術支援を求め、また商業やサービス産業の事業所は、販路拡大への支援を求めております。これに対して、県は、産業・雇用振興部の課題として、新しい産業をつくり地域産業を伸ばすためのターゲットを絞った支援、意欲のある企業、起業家への重点支援を掲げております。その一つとして、脆弱な経済体質を強靱化するための企業誘致の推進を予算化しておりますけれども、基準が高く、なかなか簡単に受けることができません。

 こうした中、天理市では、ハードルの高かった交付要件を大幅に緩和し、事業所誘致のために三億円以上の投資としていた交付要件を一億円に引き下げ、中小企業は一千万円以上とさらに低くして、地域経済の活性化を目指すことが検討されております。また、大和高田市では、三千万円以上の商工業への投資に対する支援制度ができるなど、県内市町村では、商工業者などを誘致するための奨励金交付を定めた取り組みが広がっております。県の企業立地に関する補助金の対象になるには、工場や研究所を設置するために、原則五億円以上の投資をしなければならないとされておりますが、県内の中小企業支援のために、補助対象を工場などに限定せず、商工業者の少額の投資に対しても補助する制度が必要だと考えますが、いかがでしょうか。

 また、奈良県の地場産業の一つであります靴下でございますが、現在では海外製品に押されながらも、奈良県の靴下産地というのは日本最大で、多数のメーカーがこの奈良県に集まっております。ところが、奈良県の靴下の知名度としてはまだまだ高いとは言えず、産地としての優位性を十分に発揮しているとは言えない状況でございます。

 先日、私は奈良県靴下工業協同組合でお話を伺ったところ、現在まさに品質の基準策定に向けて取り組みを進めているところで、将来的には、消費者にわかるように、基準をクリアした靴下には認証マークをつけるなど、検討しているということでございました。県内の靴下事業は、高度な生産技術を持ちながら、商品の企画、デザインを流通企業等に提案する機能や、また自社の持つコア技術を生かした自社ブランド製品を生産・販売する機能が十分ではないという、こんな課題がございます。県としてどのように支援を行っていくのか伺います。

 そして、商店街の活性化についてですが、大和高田市は以前、中南和地域の商業の中心として多くの人々が集まり、商都としてにぎわったところでございます。しかし、二〇一〇年六月に駅前のサティが撤退をいたしました。そのことによって、隣接していた商店街の人通りが減り、地場産業の不振もあって、まち全体の活気がなくなっていたことを、以前にも議会で取り上げました。現在、この片塩商店街では、新たなスーパーの出店や公民館機能を持った公共施設の建設計画を通して、何とかにぎわいを取り戻そうと必死の取り組みが続いております。

 しかし、その他の市内の商店街にお話を伺いに行くと、もうずっと売り上げは減り続けて現在も減っています、こんな声や、実は生活が困窮していて国民健康保険税を滞納しているんです、深刻な相談をお聞きいたしました。また、高齢者の皆さんには、近くに買い物できる場所がなくなった、昔は人通りが多くて肩をぶつけ合いながらでなければ通ることができなかった商店街が、今では車が普通に通っている、寂しくなったこのまちを何とかしてほしいといった、まちのにぎわいを取り戻してほしいという市民の声が広がっております。

 この背景には、二〇〇〇年に施行された、大規模小売店舗立地法の影響が挙げられます。それまであった中小小売業の事業活動の確保という文言が削除されて、地元の商店街を無視して、もうかる郊外には巨大な店をどんどん出し、もうからないまちの中心部からはさっさと出ていくという現象が起こってしまったのです。日本共産党は、大型店の出店から地域の商店街や小売店の営業を守るために、国に対して、大型店出店の規制を強化せよと訴えているところです。郊外への大型店の出店が相次ぐ中、まちのにぎわいが失われ、日常の買い物に支障が生じております。誰もが安心して暮らせる環境を守るためには、身近なところで買い物ができるよう、商店街の活性化を図るべきだと考えますが、県としてどのように支援しているのか、お伺いをいたします。

 次に、平城宮跡について、質問をいたします。

 平城宮跡は、木簡など埋蔵文化財の調査研究を進める場であり、古代都城文化に触れて学ぶ場であるとともに、市街地の貴重な緑のオープンスペースとして、散策や野鳥観察など、レクリエーションにも活用されております。また、地下遺構と遺物、草原や湿地、それぞれ宮跡の重要な価値を構成する要素になっております。この価値と構成要素を明確にした上で、その自然や歴史環境を含めて保護し、管理することが重要だと、私たちはこれまでも訴えてまいりました。

 こちらのパネルをごらんいただきたいと思います。

 二〇一二年九月二十五日、平城宮跡中心部の造成工事が、国土交通省による国営公園の第一次朝堂院の広場整備として突然始まり、国民に説明がないまま性急に進められました。現在では、写真のとおり、遺物を守ってきた草原はなくなり、土とセメントで舗装されてしまいました。工事に当たっては、県も平城宮跡の管理団体として、現状変更の手続に奈良市とともにかかわっており、指導する役割を県教育委員会が担っております。今回の舗装工事は、平城宮跡の現状変更の本来の計画から逸脱したもので、平城宮跡の往時の姿とは違う整備となっております。舗装の中止を求めた四万筆の署名に背を向け、草原を埋め立て、三百三十トンものセメントを使い、土を固めたものです。埋蔵文化財に与える影響を、国は、最後まで否定することはできませんでした。私は、この舗装工事の強行に改めて強く抗議をいたします。

 さらに重大なことは、朝堂院跡を土系舗装するというのは、二〇〇八年に策定された国の公園基本計画には全くなかったということです。この基本計画では、第一次朝堂院跡は奈良時代にどのような場所であったかわかるよう、調査でわかった遺構を表示する区域に位置づけられている、遺構表示エリアでございます。ところが、実際の整備は、朝堂院の遺構をあらわすどころか、平面フラットの土系舗装となっております。

 奈良文化財研究所によりますと、これまでの発掘調査では、朝堂院の真ん中を南北に伸びる幅二十四・五メートルの通路、また広場を東西に結ぶ通路が確認され、路面は土系ではなく、遺構からバラス敷きだったと考えられております。今回の舗装では、それらの往時の遺構についてうかがい知ることができません。平城宮跡の第一次朝堂院の土系舗装工事は、国営平城宮歴史公園の基本計画から逸脱をし、発掘調査の知見に基づかないものであり、重大な問題があると考えますが、知事の所見を伺います。

 また、私は、昨年の六月の一般質問で、日本共産党の山下芳生参議院議員が提出した、平城宮跡の保存と継承に関する質問主意書に対する安倍内閣総理大臣からの答弁書、平城宮跡保存整備基本構想推進計画に基づいて、奈良県が国などと連携して策定することとされており、同県において策定されるものと認識しているとの回答について質問いたしました。県において、この平城宮跡の保存管理計画を策定すべきとの私の質問に、知事は、計画の策定についてはやぶさかではないとの答弁がありました。また、十二月議会でも質問したところ、保存管理計画は国と協議していく必要がある、そして五者会議で協議をしながら進めていくことが望ましいと考えているとの答弁がありました。平城宮跡の保存管理計画について、現在どのように進められようとしているのか、知事にお尋ねをいたします。

 次に、浸水常襲地域の減災対策について、お伺いをいたします。

 八月十九日の深夜から二十日未明にかけて、広島市内が大雨に見舞われました。この大雨では、一時間の雨量が百ミリメートルを超すような記録的なものでございました。広島市内で土砂災害が相次ぎ、新聞報道などによりますと、死者七十四名、重傷者八名、軽傷者三十六名になっており、甚大な被害を出しました。亡くなった方とご家族、被害を受けた全ての方々に、心からご冥福とお見舞いを申し上げます。

 奈良県におきましても、八月八日から十一日にかけて、県南部、東南部から大和川水系にかけて豪雨が襲い、十津川村平谷の観測所では、総雨量が七百ミリメートルを記録いたしました。河川では六十六カ所、道路では五十七カ所が被災し、また大和川水系を中心に、床上浸水二棟、床下浸水は七十棟の被害が出ました。県内では毎年のように大雨による被害が広がり、住民の間でも心配の声が広がっております。

 大和高田市では、浸水被害の減災対策として、ため池貯留施設の整備や、小・中学校のグラウンド及び公園内の施設を利用した雨水貯留浸透施設を整備するなど、さまざまな雨水をためる取り組みを行っております。また、市民からは、市内を流れる大きな河川や水路に問題があるのではないか、こういう声が上がっていることを、私も紹介をし、当時、浸水被害が問題となっていた甘田川の河川改修を県に求めてきたところ、一昨年度から、この甘田川については河川改修が進められております。

 一方、浸水被害の軽減に向けて、大和川流域総合治水対策協議会が開催され、浸水被害が起きやすい地域だけでなく、上下流が一体となって、流域対策をはじめとする総合治水対策に取り組む必要があるということが再認識され、基本方針である、よりためるということに基づいて、さらなる対策を進めていくことが必要ですが、ためる対策である、市町村の流域対策の進捗率はまだ四五%程度という状況でございます。

 そこで質問をいたします。本年八月の台風十一号でも、八十戸程度の家屋の浸水被害が発生しておりますが、浸水被害の原因は河川からのあふれる水だけではなく、内水、水路の断面不足など、さまざまな要因があります。県では、昭和五十七年大和川大水害以降に、三回以上浸水被害が発生している地域を浸水常襲地域とし、平成十九年度に、国や県、市町村の対策を盛り込んだ減災対策緊急プログラムを策定し、減災対策に取り組まれておりますが、大和高田市をはじめ、現在の取り組み状況と今後の進め方についてお尋ねをいたします。

 次に、土砂災害に対する減災対策についてでございます。

 奈良県は、三年前に、紀伊半島大水害という大きな災害が起こり、いまだその復興の途上にあります。そんな中、ことしの八月に広島市内で土砂災害が相次ぎ、甚大な被害を出しました。奈良県の紀伊半島大水害以降も、大雨による土砂災害が全国各地で起こっております。これらの事態は、大雨が急に降ったからということで、想定外ではなく、想定内のこととして対策を立てていかなければなりません。知事は、三年前の大規模災害の被災を教訓に、災害でひとりの命も失わない奈良県づくりを表明いたしました。これは県民みんなの願いでございます。しかし、この間の災害の状況を見ておりますと、自然災害はその発生をとめることができません。いつどの程度かはわからないけれども、必ず起こるものと考えなくてはなりません。そのときにどう対処するかが厳しく問われております。

 現在の防災計画では、災害が発生したときの対処体制を明らかにし、被災した人を救援する、復興・復旧を直ちに行うことに力が入っております。しかし、一方で、甚大な被害が起こらないようにする対策、すなわち減災対策についての計画は不十分ではないでしょうか。土砂災害だけを見ましても、防災白書では過去十年間、年間一千件以上起こっているということです。相当の量や規模で起こっています。災害のために命を落とされる方が全国で、また毎年起こっているということを考えますと、日本の国土は非常に脆弱な状況にあります。当然、避難することも大切ですが、土砂災害を未然に防ぎ、減災を強化し、災害にならないためにどうするかということが大切ではないでしょうか。県では、局地的豪雨等の水害や南海トラフ巨大地震等の災害に備えたハード・ソフト両面の対策により、被害を最小限に抑え、拡大を防止することを目指すとしていますが、県の土砂災害に対する取り組みについて、お伺いをいたします。

 次に、公立小・中学校の普通教室にエアコン設置を求める質問を行います。

 六月ごろから九月の末までの間、子どもたちからは、暑過ぎて勉強に集中できないという声が相次ぎ、熱中症が心配です。この間、大和高田市の小・中学校に行ってお話を伺いますと、小・中学校の普通教室には扇風機が各教室に設置されておりますが、暖かい空気が循環するだけで、室温はほとんど下がらないという実態であるとのことです。

 地球温暖化の影響で、ここ数年、猛暑で統計史上最高記録が更新されています。同時に、熱中症で搬送される人が増え、県内の熱中症による救急搬送状況は、今年度九月九日現在で五百三人となっております。また、小中学生の熱中症の発生、これは九月八日現在で五十九人となっております。こうした状況を反映して、全国では、公立学校の普通教室にエアコンを設置するというのは、大きな流れになっております。

 こちらのパネルをごらんください。

 県内の公立小・中学校におけるエアコンの普通教室での設置状況は六・一%で、近畿では最下位であり、全国平均の三二・八%からも大きくおくれております。進んでいるところを見ますと、例えば東京都は九九・九%で、ほとんど設置されております。神奈川県でも七一・三%です。近畿では、隣の大阪府で四八%、京都府が六八・一%、滋賀県が五〇・三%です。奈良県の六・一%というのが、非常におくれているのがわかります。

 文部科学省の学校環境衛生の基準では、最も学習に望ましい温度は、冬季では十八から二十度、夏季では二十五から二十八度程度であることと定められておりまして、エアコン設置の取り組みというのは急務ではないでしょうか。しかし、県内の市町村の小・中学校全ての普通教室へのエアコン設置には、多額の費用が必要となりまして、現在の国庫補助制度を活用しても、数億円の予算が必要となるところが多くございます。また、施設の老朽化への対応など、児童・生徒の安心・安全に係る施設整備を優先的に計画的な整備を進めなければならないというのが、県内市町村の実態ではないでしょうか。一方で、設置率が九九・九%の東京都は、都独自の補助金を創設することで推進をいたしました。奈良県としての取り組みを強く求めます。

 そこで、教育長に質問いたします。現在、奈良県で設置がおくれている公立小・中学校へのエアコン設置ですが、市町村だけに任せず、県としても設置を支援すべきと考えますが、いかがでしようか。

 最後に、食育の推進について質問を行います。

 子どもたちが健全に育つためには、適切な栄養摂取による健康の保持増進を図り、日常生活における食事について正しい理解を深め、望ましい食習慣を養うことが重要であります。特に、成長が著しい中学生には、食に関する指導を充実させることが大切であり、中学校における完全給食の実施による、食育の推進が図られなければなりません。

 県内の中学校給食の完全給食の未実施は、七自治体、三十三校、生徒数にして約一万七千人です。奈良市と香芝市、大和郡山市、広陵町、安堵町では、実施時期が決まっております。あと一歩で完全実施というところまで来ております。昨今の経済状況も反映し、共働きの家庭もふえて、中学生の子どもさんを持つお父さんやお母さん方にとって、中学校給食というのは切実な願いとなっております。

 私は、今井議員とともに、七月二十九日、昨年九月から自校調理方式により全八中学校で給食を実施している、箕面市を訪問し、研修させていただきました。子育て支援を市政の中心に据えたい、このような市長の決意のもと、教職員や保護者や子どもたちとの話し合いを重ね、事故の発生を防ぐための手だてをよく協議して準備され、自校調理方式で実施されたことがわかりました。また、全校に配置された栄養教員は、養護の先生や各担任と連絡を密に、家では残念ながらまともな食事ができていない生徒がいれば、個別の具体的な援助を実行し、また、アレルギーの生徒には、これもまた個別の詳しい面談や医師の診断などを踏まえる仕組みになっておりました。そして、市が農業公社を立ち上げ、軌道に乗せ、地場の農産物を取り入れ、また、だしはカツオと昆布でとるなど、食材は新鮮な地場のものをできるだけ仕入れる取り組みは、中学校給食を導入することによって、食育が大きく進んだことがわかり、大変参考になりました。

 大和高田市では、現在、中学校給食実施計画策定会議が開かれております。現場からは、アレルギーを持つ生徒への対応など、不安の声もありますが、これらを乗り越えて、生徒や保護者、教育委員会、学校などが一体となって取り組むことができるよう、中学校給食の実施に向けて進められることを期待しております。つまり、県内全ての市町村の中学校において、私が冒頭に述べたように、栄養バランスのとれた安全・安心でより豊かな学校給食が実施され、生徒に、学校給食を通して、食の大切さを教育の現場で学ばせるべきだと考えております。

 そこで、子どもたちの心身ともに健全な育成を図るためにも、さらなる食育の推進が図られるべきだと考えますが、県教育委員会ではどのような取り組みをされているのか、お尋ねをいたします。

 以上で壇上での質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○議長(山下力) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)八番太田議員のご質問がございました。

 第一問は、ブラックバイトと呼ばれる現象についてのご質問でございます。

 いわゆるブラックバイトと呼ばれるものの定義は明確ではございませんが、国では、日本再興戦略というものに基づきまして、若者の活躍促進の観点から、過重労働や賃金不払い残業など、若者の使い捨てが疑われる企業への対応を強化することとされたところでございます。

 職場における労働関係のトラブルを解決するためには、相談窓口が地方では重要な役割を持つと考えております。県、労働局、県弁護士会等のそれぞれの機関において、若年労働者の労働条件などを含めたトラブル解決をサポートするための相談窓口が設けられておりますが、関係機関で構成される連絡協議会を設置し、情報の共有を図っているところでございます。

 平成二十五年度における県の相談窓口への労働相談は、百四十八件ございました。そのうち非正規社員からの相談が七十三件と半数を占めております。内訳といたしまして、相談の内容でございますが、労働時間、休日・休暇に関することなどの、労働条件に関するご相談が六十四件となっております。

 議員お述べの学生アルバイトについても、労働基準法や最低賃金法等の労働関係法令の適用を受けることとなっております。雇用における法律上の関係は正社員と全く同様になっております。

 労働者の権利保護には、企業の意識も大事でございますが、働く人みずからが労働関係法令を知って、みずからを守ることも必要でございます。法が権利を守るということでございます。県、労働局のそれぞれにおいて、働く上での基本となる関係法令について、わかりやすく解説する冊子などを作成するとともに、県内の高校や大学で説明会等を実施し、周知に努めております。また、県ホームベージにおいて、これまでの労働相談記録を類型化して、問題解決の手がかりとなる情報を容易に検索できるようにしておるところでございます。

 労働者の権利保護に関しまして、国が直接、企業に監督・指示する権限を持ち、県の権限はございませんが、県での労働相談等で法令違反の事実が判明した場合には、監督・指導権限を持つ労働基準監督署に積極的に情報提供するなど、労働局と連携を図り、労働者の権利保護に努めてまいりたいと考えているところでございます。

 県内産業の振興についての幾つかのご質問がございました。

 まず、県からの企業に対する補助についてのご質問でございます。

 今、地方創生について話題になっております。地方創生を旗印に、地域間の産業振興競争が一層活発になってきているものと感じております。本県の地域経済の活性化を図るためには、県内外からの新規の企業立地と県内の既存企業の振興が車の両輪と考えております。新規の企業立地によって、既存の県内企業が刺激を受け、県内取引が活発化し、県内雇用が拡大することを期待しております。

 補助制度は、県内に工場等を新たに立地する、または既存工場の拡張を実施する企業に対して支援する企業立地促進補助金、企業活力集積補助金をはじめ、県内企業による安定的かつ継続的な企業活動を促進するための企業定着促進補助金など、企業の投資規模に応じたメニューを用意しております。また、制度創設後も特定の物流施設を補助対象に追加したほか、情報通信業向けの補助制度を新設するなど、補助の見直しや拡充を行ってきたところでございます。

 工場の立地や多額の設備投資によって、長期にわたる操業と持続的かつ安定的な雇用を期待して、補助制度を設計、維持しているところでございます。議員お尋ねの少額投資を行う商工業者に対しては、低利の保証つき融資でございます県制度融資や、公益財団法人奈良県地域産業振興センターの小規模企業者等設備導入資金貸付事業を活用していただくこととしております。事業者からの具体的な相談がある場合には、きめ細かく丁寧に対応することとしているところでございます。

 産業の振興についての、特に県内で優勢であります靴下事業者のブランド商品化ということについてのご質問がございました。

 奈良県の有力な地場産業でございます靴下でございますが、その生産額は国内生産額の五〇%を超えるシェアを持っております、日本一の靴下生産県でございます。しかしながら、県内企業の多くは、OEMという、ブランドは他県のメジャーのブランドを使い、下請でありますことから、奈良県で生産されているということは、あまり知られていないのが現状でございます。ブランド化を図るとリスクも生じる、販売の促進の投資も要るということから、OEMに甘んじている業界というふうに言われております。

 しかし、それから脱却する動きがございます。奈良県靴下工業協同組合では、県内で生産されたもので、高い品質の靴下について、奈良ブランドとして広くアピールされようとしております。新たに「奈良靴下」の認定基準を設け、自主的にブランド力向上の取り組みを始められました。高く評価をいたします。県といたしましても、こうした組合の取り組みと連携しながら、知名度の向上の支援をしていきたいと考えております。

 また、県では、このような業界の自主的な取り組みをバックアップするため、例えば高齢者にとって歩きやすい靴下を企業と共同で開発するなど、技術的な側面からの支援も行ってきております。さらに、大手百貨店と連携した靴下ブランドの開発支援や、東京やニューヨークへの販路開拓の支援など、川下におけるご支援も強化しているところでございます。

 また、ブランド化や販路拡大の経営課題を持つ企業に対しましては、本年六月に、公益財団法人奈良県地域産業振興センターに設置いたしました「よろず支援拠点」においても、総合的・先進的なアドバイス、先進県の取り組みのご紹介をするといったようなご相談を実施しているところでございます。

 県内企業の振興について、商店街の活性化についてのご質問がございました。

 高齢化の進展により、身近なところで買い物ができる環境のニーズはますます高まってきております。そこで、身近な商店街に少しでも往時のにぎわいを取り戻し、地元の人がよく歩けるような、新しい取り組みが大切だと考えております。

 このため、今年度、商店街や民間グループなどが市町村と協働して、地域商業の活性化に取り組むモデル事業を実施したいと思っております。また、商店街の活性化に欠かせない、魅力あるお店の出店、創出のためのセミナーや勉強会を県が実施しており、新規出店や既存店舗のリニューアルを促進しております。既存の商店街から空き家や常時シャッターがおりている店をなくしていこうという取り組みに、ご支援を申し上げているところでございます。

 次に、本年十月から、外国人旅行者等への消費税免税制度が見直されまして、これまで対象外となっておりました消耗品を含め、国外へ持ち出される全ての商品が免税対象となります。このため県では国と連携し、八月に、消費税免税制度の改正に関する説明会を開催いたしました。このような機会に外国人の方に免税を利用した商品販売を強化していただくという試みに、ご支援を申し上げているところでございます。商店街の皆様には、外国人の訪問客は絶好の機会であるというふうに考えていただきまして、売り上げ増加を目指して、この免税店制度の活用をしていただければと思うところでございます。

 さらに、ことし四月の消費税引き上げに伴う消費の冷え込みを緩和するために、この十月から使用できる県発行のプレミアム商品券を準備しております。三十億円を超える商品券でございます。商店街の皆様には、この機会をうまく利用していただき、たくさんの人が訪れ、買い物していただけますように、いろんな仕掛けづくり、企画を町々でしていただければというふうに思います。一五%のプレミアム、おまけがつく県商品券でございます。

 平城宮跡の保存についてのご質問がございました。

 第一次朝堂院は、奈良時代において、国家儀礼や饗宴、催事など、現代で言う大規模な催し物が実施された場所でございます。大勢の人がこの場所を歩いていたところでございます。

 昭和五十三年五月に文化庁が策定いたしました特別史跡平城宮跡保存整備基本構想や、平成二十年五月策定の推進計画におきまして、第一次朝堂院は、遺構表示ゾーンに位置づけされました。既に朝堂をはじめとする代表的な建築物群は、盛土張芝などにより、遺跡上に表示されているところでございます。

 朝堂院は、外国の使者を接待した場所でございますが、そのような使用の意味やこれに先行する構想、計画を踏まえまして、平成二十年十二月に国土交通省により策定されました、国営飛鳥・平城宮跡歴史公園平城宮跡区域基本計画でも、第一次朝堂院は、大極殿院などとともに、シンボルゾーンとして、往時の平城宮の様子が感じられるゾーンに位置づけられようとしております。そのゾーンの中で、遺構表示エリアとして、往時の平城宮や平城京の広がりを体感できる整備を行うこととされており、今回の整備は、それに基づき実施されたものでございます。

 具体的な整備に当たりましては、その工法や材質などとともに、地下水位への配慮など、遺構に与えるさまざまな影響を勘案した上で、文化庁の現状変更の同意を得て、実施されており、整備後も継続して水位観測を行うなど、経過観察を行っているところでございます。

 以上のことから、県といたしましても、現在実施されている第一次朝堂院をはじめとする国営公園整備について、文化庁が策定した構想・計画や、国土交通省が策定した基本計画に沿って進められておりますが、この計画の実行は適切で、問題がないものと考えているところでございます。整備された朝堂院広場における催しは、使いやすくなって感じがよくなったという、県内外に大きな反響を呼んでおります。今後も同広場を活用して、さまざまな催し物を展開するなど、往時と同様のにぎわいの創出に努めていきたいと思っているところでございます。

 保存管理計画についての進捗のご質問がございました。

 平城宮跡の保存管理計画の策定につきましては、以前にもお答え申し上げましたが、国土交通省、文化庁、奈良文化財研究所、奈良県、奈良市の五つの関係機関で構成する協議会、いわゆる五者会議で協議してまいっております。

 そのため、昨年十二月に開催されました五者会議の連絡会議におきまして、保存管理計画の策定に関して、協議の場を持つように提案を県から行いました。

 平城宮跡では、文化庁は土地所有者としての管理を行いますが、国土交通省が国営公園事業として、大極殿院回廊基壇や便益施設などを整備し、奈良文化財研究所が学術的な発掘調査や研究を行うなど、各機関がそれぞれの役割に応じて分担をし、事業を進めているところでございます。保存管理についても五者会議の場などを通じて、適宜調整協議をしていただいているところでございます。

 また、平成二十年五月に文化庁が策定いたしました、特別史跡平城宮跡保存整備基本構想推進計画におきましては、保存管理計画のあり方としての、当該計画の骨子が記載されており、その中で、各機関の緊密な協力関係と役割分担に基づく管理運営体制の確立が必要とされているところでございます。

 このような経緯と実情がございますので、平城宮跡保存管理計画の策定に当たりましては、整備事業でつくられた施設の今後の管理主体をはじめ、関係機関の役割分担の協議が進むことを踏まえながら、検討していく必要がございます。そのことを、本年七月に開催されました五者会議においても、確認したところでございます。

 平城宮跡の適切な保存管理に関して、引き続き五者会議の場で協議を継続してまいりたいと思っております。

 残余の質問については、担当の者がご答弁申し上げます。



○議長(山下力) 加藤県土マネジメント部長。



◎県土マネジメント部長(加藤恒太郎) (登壇)八番太田議員の質問にお答え申し上げます。

 私には、浸水常襲地域における減災対策と土砂災害に対する県の取り組みの二点につきまして、お尋ねがございました。

 まず、浸水常襲地域における減災対策につきまして、お答えを申し上げます。

 本県におきましては、平成十九年七月の集中豪雨によりまして、県内において、一千戸以上の家屋浸水被害を受けました。この災害を受けまして、庁内に知事、副知事、関係部局長などから成る、浸水常襲地域における減災対策検討会議を設置いたしまして、昭和五十八年度以降三回以上浸水被害のありました九十六地域を、浸水常襲地域と定めまして、浸水原因の分析ですとか、具体的な減災対策について取りまとめを行いました、浸水常襲地域における減災対策緊急プログラムを策定いたしました。

 この浸水被害の原因は、議員ご指摘のとおり、河川や水路からの溢水ですとか、内水の氾濫ですとか、さまざまでありますことから、関係機関が一体となって対策に取り組む必要がございます。河川改修ですとか、下水の整備、水路の改修や流域対策といった、さまざまな減災対策を実施する計画となってございます。

 平成二十五年度末の当プログラムの進捗状況でございますけれども、四十八地域におきまして、減災対策が完了しておりまして、残る地域におきましても、減災対策を進めているところでございます。

 大和高田市におきましては、十一の浸水常襲地域がございましたけれども、このうち四地域で対策が完了をいたしまして、残る七地域についても、減災対策を今進めておるところでございます。例えば、大和高田市の築山地区でございますけれども、当該地区におきましては、以前は累計八十ミリメートル程度の降雨でも浸水被害が発生しておりましたけれども、県の河川改修と大和高田市の下水道整備を連携して実施をいたしました。平成二十二年度に対策が完了いたしましたが、その後は、累計百五十ミリメートル以上の降雨がありました平成二十五年、昨年の台風十八号の際にも浸水被害は発生しておりません。

 今後とも進捗状況の見える化などに取り組みながら、関係市町村、関係部局が連携して、減災対策に取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。

 次に、土砂災害に対する県の取り組みについて、お答えを申し上げます。

 本県における土砂災害対策につきましては、平成二十二年五月定例会において議決をいただきました、奈良県土砂災害対策基本方針に基づいて進めておるところでございます。

 具体的には、地域住民の安全な避難、こういったものを念頭に置きまして、危険な箇所の区域指定ですとか、住民の迅速な避難を促す情報伝達、こういったソフト対策の充実に最優先で取り組んでおります。さらに、砂防堰堤などによりますハード対策につきましても、崩落ですとか、その兆候が見える箇所の対策に加えまして、避難所など防災上の重要な施設、こういったものを先行的に保全するなど、選択と集中による計画的、重点的な取り組みを進めているところでございます。

 また、本県におきましては、紀伊半島大水害の経験を踏まえまして、大規模土砂災害に対する監視・警戒・避難システムの検討を進めてきております。この九月五日には、深層崩壊の危険度を把握していただき、警戒・避難に生かすための深層崩壊マップを公表いたしました。今後は、こうした情報が地域の防災力の向上につながりますよう、市町村や地元の地域住民の皆様と連携いたしまして、ソフト対策のさらなる充実を図ってまいります。

 先月八月二十日の広島市における土砂災害によりましても、適切に避難行動をとっていただくことが、最も基本で最も重要であるということを改めて認識したところでございます。今後とも引き続き、ソフト施策とハード施策を連携させた総合的な土砂災害対策を推進することによりまして、県民の皆様方の安全・安心の確保を図ってまいりたいというふうに考えてございます。

 以上でございます。



○議長(山下力) 吉田教育長。



◎教育長(吉田育弘) (登壇)八番太田議員のご質問にお答えをいたします。

 私には二点の質問をいただいておりまして、一点目は、公立小・中学校の普通教室へのエアコン設置について、県が市町村を支援して促進すべきと考えるがどうかとのお尋ねでございます。

 本年四月一日現在の文部科学省調査では、県内公立小・中学校のエアコン設置率は、特別教室の設置はほぼ全国平均並みでございますけれども、普通教室のエアコン設置率が、議員お述べのように全国平均を大きく下回っております。県教育委員会では、この要因を確認するため、まずは各市に対してエアコン設置の考え方や計画の有無等について、追加調査をいたしました。

 その結果、財政面からは、エアコン設置後のランニングコストも含め多大の負担となり困難、また児童・生徒の身体面からは、エアコン設置により身体調整機能が低下するおそれも考えられ、現状では扇風機やグリーンカーテン等で対応できる、そういった等の回答で、現時点では、いずれの市もエアコン設置の計画はございませんでした。

 また、県教育委員会では、熱中症の防止対策として、気温・湿度など環境条件に配慮した運動の実践やこまめな水分・塩分の補給及び休息のとり方、児童・生徒の健康観察など、健康管理の徹底につきまして、毎年五月から必要に応じて数回にわたり、市町村教育委員会を通じ、各学校に周知をいたしております。

 教育基本法では、国に対して、全国的な教育の機会均等と教育水準の維持向上を図るための施策の実施を求めています。さらに、国及び設置者である地方公共団体に対して、教育の円滑かつ継続的な実施のため、必要な財政上の措置を講ずるよう求めております。

 このことから、小・中学校の普通教室へのエアコン設置は、市町村の判断に基づいて、国及び市町村で進められるものと考えておりますけれども、県教育委員会といたしましては、さまざまな角度・観点から研究をしてまいりたいと、さきの委員会でも回答をさせていただいております。現在、国に対しましては、全国都道府県教育長協議会の予算要望など、各種機会を通じて財政支援の拡充を要望するとともに、市町村に対しましては、国庫補助金の確保や情報提供など、必要な支援を行っているところでございます。

 二点目は、子どもの心身の健康育成を図るために、食育の推進を図るべきと考えるが、県教育委員会の取り組みについて伺いたいとのお尋ねでございます。

 食育基本法では、食育を知育、徳育、体育の基礎となるものと位置づけ、食に関する知識と食を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てる、このような食育を推進することが求められております。

 学校におきましては、給食の時間や保健体育、家庭科など教科の中で、食育の視点を生かした指導が行われております。特に学校給食を生きた教材として活用することは、地産地消、食文化、生命、自然や環境等の理解を深めるなど、食育を推進する上でその果たす役割は大変大きなものであると認識をいたしております。

 県教育委員会では、本年度、学校のさらなる食育の推進を図るため、小学校一校をモデル校に、スーパー食育スクール事業を実施いたしております。この事業では、体験活動を生かした指導など、栄養教諭を中核に、県内大学や生産者等と連携した食育プログラムを開発するとともに、その事業成果を全県的に広めてまいりたいと考えております。

 また、食育は、学校給食と関連づけながら取り組むことで充実が図られることから、学校給食施設の新改築について検討している市町村へは、国の交付金の活用に関する助言を行うとともに、文部科学省に対しましては、制度の拡充等の働きかけを行っているところでございます。

 今後も本県の子どもたちが食に関する正しい知識と望ましい食習慣を身につけることができるよう、積極的に食育の推進に取り組んでまいります。



○議長(山下力) 八番太田敦議員。



◆八番(太田敦) それぞれご答弁いただきました。ありがとうございました。

 まず、ブラックバイトについてでございますけれども、私は、県においてもこの問題の本質をぜひご理解いただきたいと思います。現状は、学生がお小遣いを欲しい、お金が欲しいということで、学生の本分を忘れてアルバイトにのめり込んでいるという問題ではなくて、本人は試験だからあるいは授業だから行かせてくれと言っているのに休ませてもらえない、こういう現状がまかり通っているということでございます。かつてであれば、それぞれアルバイト先には正社員がおりまして、その人に休ませてくれとお願いするという関係だったのが、今はアルバイトが店をやっている、そして、学生自身がアルバイトリーダーとして、シフトも含めて本人が組んでいる状況で、休ませてくれと言う相手がいないということでございます。

 今、フリーアルバイターやフリーターの低賃金という問題は、既にワーキングプアということで問題になってきたわけでございますけれども、これらの問題はそれとも違って、このブラックアルバイトというのは、学業と両立しない、これが学生のブラックアルバイトの問題の本質、重大さだというふうに思います。

 また、先ほども私が述べましたように、ブラック企業やブラックバイトというのは、学生の社会経験の未熟さや労働法、雇用ルールなどについての知識がまだまだ十分でない、こういうところにつけ込んだ違法・脱法行為で成り立っていると言わなければなりません。本来であれば、高校までに労働法の基本や雇用のルールなどをきちっと身につけてもらう必要がありますが、今はそれがほとんど行われていない以上、私は、県の役割、また先日も私は県立大学の方に行ってまいりましたけれども、ここではブラック企業の問題については講習会などを開いている、またブラックバイトということについては、県内ではまだ確認をしていないということでございましたが、ぜひこうした講習なども進めていただきますように、お願いをしたいと思います。

 次に、県内雇用の振興でございます。

 県経済を活性化させ、そして中小企業の不安の声に応えて、企業を元気にする決め手というのは、安倍政権の成長戦略に追随し、そして優良企業の育成に的を絞った支援や、単なる工業団地形態による生産拠点整備の事業だけではだめだというふうに思います。私は、今県がなすべきことというのは、中小企業を支援する予算を大幅にふやして、そして産業総合振興センターが、小規模や零細産業・企業を応援する機能を充実させることが、大事だというふうに思っております。

 地域に広い裾野を持ち、そして日常生活に欠かせない靴下をはじめとする繊維、また食品や木材などの衣食住の関連の地場産業への支援で、産業の底上げを図ることが、私は大切だというふうに思います。市の方からもプレミアム商品券、今回この事業に四億円ということでございますけれども、同時に、私はこうした地場産業、そして金融支援などによって、魅力ある商店街施策で、県内での消費拡大に努めることが極めて大切だと思います。中小やまた零細企業が着実に成果を上げることができれば、その存続というのは、地場産業と地域の活性化につながるというふうに思います。

 まさに大和高田市ではこの二つの地場産業あるいは商店街というところが、非常に厳しい状況に追い込まれています。先ほど融資などのお話がございました。しかし、実際に大和高田市などで行っているのは、奨励金という形で支援をしております。ぜひ、このような取り組みも県にも求めていきたいと思っているところでございます。

 三問目ですけれども、平城宮跡の問題でございます。

 知事の方からも答弁の中で、平成二十年十二月、国土交通省による平城宮跡区域の基本計画、ここでは第一次朝堂院というのは遺構の表示エリアというふうになっております。この遺構表示エリアというのは、原位置にわかりやすい表示を行い、そしてその解説を実施すると書いております。ところが、実際の整備は、朝堂院の遺構をあらわすというよりも、全面フラットの土系舗装になっております。私は、これは明らかに計画から逸脱をしているというふうに思います。空間の表現なども言われておりますけれども、平城宮が営まれた奈良時代の姿から外れた表現などは、私はあってはならないというふうに思います。実際に朝堂院の事前協議の場で、文化庁は、遺構を再現することにはならない、真砂土舗装、今行われている舗装はそぐわないという、こんな意見も述べておりました。

 今回のこの土系舗装というのは、本来の計画に照らせば、私は全く質の違う整備をしたことになるのではないか、このように思いますが、再度、知事の所見を伺いたいと思います。

 次に、水害対策についてでございます。

 先ほど浸水常襲地域に対する県土マネジメント部長のお話がございました。この八月九日でございますけれども、私も大和高田市で水害が起こった地域に行かせていただきました。有井と池田、春日町、築山、この地域では、確かに床上・床下浸水という形での被害はなかったものの、住民の方々が本当に表に出て必死の取り組みを行って、そして水害対策を行った、その現場を私は見てまいりました。また、この住宅かいわいの道路は小学校の通学路で、住民の避難路でもあります。地域には高齢者も多く、命と安全が守られないと、このようにお話をされておられました。

 浸水常襲地域に対する取り組みを進めておられるということでございますけれども、私は、今のペースで進めるのではなくて、例えば大和川総合治水対策、これを進められておりますけれども、市町村の中でまだ四五%程度しか進められていないといった状況、そして今この浸水常襲地域に対して各市町村がそれぞれ独自の取り組みを行っておりますが、そこに私は県の支援を進めていただきたいと思いますが、その点についてお伺いをしたいと思います。

 そして、最後に、エアコンの設置でございます。

 検討を進めていくというお話でございました。今回、私はこの質問をするに当たって、熱中症で一体どれぐらいの方々が大変な目に遭っているのか、このことを調べましたら、先ほど申し上げましたように救急搬送で五百三人、そして小・中学生に限って言いますと、熱中症という病気にかかっている子どもが、九月八日現在で五十九名ということでございますから、私は、このような状況、そして今、奈良県が県下でも非常に設置率がおくれているということも踏まえて、本当にこのエアコンの取り組みというのは県の支援なしには進まないと思いますが、その点再度お尋ねをしたいと思います。

 以上です。



○議長(山下力) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 第一次朝堂院の遺構の表現ということについての再質問がございました。

 議員とは意見が全く違うというふうに、私は感じました。第一次朝堂院は、ご存じだとは思いますが、奈良時代、国際的なおつき合いが日本で一番歴史上も盛んであったところでございますので、外国人の使節を歓待する施設でございます。その遺構ということでございますので、宮廷人が歩いていた場所でございますし、また外国人の人が来たときに立派な国だと感じてもらうような、仕組みが満載されていた地域であるわけでございます。そのような再現を、今すべくもないわけですけれども、そのような遺構であるということを表示しなさいよと言っておられますので、草原を残すとか、デング熱の疑いもあるような草原はない方がいいに決まっていると私は思いますが、そのような場所であるということを十分認識していただきますと、そこで少なくとも宮廷人が歩いていた場所だ、歩きやすかった場所だというのは、当然遺構の表現の中心的なテーマになるものと思っております。

 人工の、言ってみれば今の永田町、霞が関、あるいは迎賓館のあるような、迎賓館であったわけでございますので、そのような認識をちゃんと持った上での遺構の表現が適切だというふうに思う次第でございます。



○議長(山下力) 加藤県土マネジメント部長。



◎県土マネジメント部長(加藤恒太郎) 浸水常襲地域でのさらなる対策の促進という観点からの再質問をいただきました。

 この浸水の常襲地域における対策というものは、大和川の総合治水と一体のものとして進めていくものというふうに理解をしてございます。大和川の総合治水につきましては、流域協議会という場ですとか、検討会の場ですとか、そういう機会がございますので、こういう機会を通じまして、関係市町村とも認識の共有化を図りながら、また県といたしましては、市町村等に対する技術的なアドバイスですとか、こういったものもしながら、連携して、さらなる一層の推進に努めてまいりたいと考えてございます。

 以上でございます。



○議長(山下力) 吉田教育長。



◎教育長(吉田育弘) エアコンの設置についてでございますけれども、まずはなぜ必要であるのかという観点、それはもちろん熱中症を含めた健康面の観点から、それから地域性もございますでしょうし、学習環境の観点から、最後には予算も含めたさまざまな観点から、やはり研究協議をしていきたいというふうに考えているところでございます。



○議長(山下力) 八番太田敦議員。



◆八番(太田敦) それぞれご答弁いただきました。

 まず、平城宮跡についてでございますが、私は、再度質問に述べたとおり、朝堂院の真ん中には南北に伸びる二十四・五メートルの通路、また東西を結ぶ通路が確認され、土系ではなくバラス敷きだった、こういう発掘の中でわかってきたこと、この知見に基づく遺構表示というのが、本来あるべき姿と思います。知事がおっしゃっているのは、まさにあそこをイベント広場として利用されようとしているのではないか、こういう心配があるわけでございますが、私は、その背景といいますか、なぜそうなっているのかといいますと、県が文化財保護法に基づく特別史跡平城宮跡の管理団体としての責任を十分とってこなかったところに、問題があるのではないかと思います。危ぶまれる遺跡や遺構を確実に保存管理するためにも、県が保存管理計画をやはりしっかりと策定し、そして、五者協議会の管理団体としての県の役割をしっかりと私は果たすことが大事だと考えますが、この点について、再度知事にお尋ねをしたいと思います。



○議長(山下力) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 五者が一緒に協議するという意味はおわかりだと思いますけれども、県が勝手にやるとか、一つの党派の考えで押し通すとかというのと全く対極でございまして、民主的に決めようということでございますので、五者協議のメンバーを見ていただきますと、文化財の権威のある方たち、あるいは公園整備の権威のある方たち、また奈良文化財研究所という遺跡発掘を長年携わってきた人たちが一緒にいるわけでございますので、奈良県あるいは奈良市はそのような遺跡の管理についてはまだ新参者でございます。そのような人たちの意見をよく聞いて、県が実行させていただくのは、全くやぶさかではございませんが、このようにすべきだというのはよく勉強した上で言わないと恥をかくんじゃないかというふうに、私は思う次第でございます。この歴史の意味とか使い方について、広く民主的に意見を聞いた上で、その大勢に従って県は管理をさせていただくという姿勢が、謙虚で望ましい対応じゃないかというふうに思っている次第でございます。



○議長(山下力) 八番太田敦議員。



◆八番(太田敦) 先ほどご答弁がありました。

 今回のこの平城宮跡の舗装というのは、やはり四万筆の方の反対の署名が集まって、あの遺構を舗装するというのはおかしい、こういう声が集まってまいりました。平城宮跡を含む古代奈良の文化遺産は、日本における八世紀という時代の最高の文化と技術が結集した場であり、それを物語る遺構や遺物、建造物が良好に保存されている。私は、ここにこそ世界遺産ともなった奈良の値打ちがあると思います。歴史の生き証人とも言える文化遺産の価値をおとしめるような現状変更というのは、絶対に許されないということを再度強調したいと思います。

 そして、先ほど水害対策の問題についてのお話とエアコン整備についてのお話がございました。これにつきましても、地元地域では大変本当に切実な問題でございます。水害対策は、一昨年はたしか九月十五日ごろに起こりました。これからまだ起こるかもしれないということで、地元の方は何とかしてほしい、こんな声がたくさん広がっております。

 また、これから運動会のシーズンに入ってまいります。学校の先生がこまめな水分補給ということを呼びかけながら、そして熱中症にならない対策をいろんな形で、皆さん学校の先生が模索されております。しかし、実際には今学校では耐震補強工事などに追われておりまして、なかなかエアコン設置まで手が回るような状況にはございません。また、大和高田市などでは、これから中学校給食の検討に向けて話が進められております。そうした中で、私はやはり県としてエアコンの設置補助を大いに進めることによって、東京都がそうだったように、この奈良県でもエアコンの設置、公立小・中学校に進められますことをぜひともお願いをいたしまして、私からの代表質問を終わらせていただきます。

 以上です。



○議長(山下力) しばらく休憩します。



△午後二時十三分休憩

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△午後二時二十八分再開



○副議長(井岡正徳) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 次に、四十四番川口正志議員に発言を許します。−四十四番川口正志議員。(拍手)



◆四十四番(川口正志) (登壇)川口正志です。私は、御所市民の皆さんとご支援をいただく支援者の皆さんに感謝をいたしながら、なら元気クラブを代表して、質問をさせていただきます。

 私は、南部議員連盟の代表でもあり、南部地域を元気にすることを使命だと考えております。巷間言われているところの限界集落の危惧、消滅可能性をぶっ飛ばすようなことを念頭に置きながら質問をいたしますが、知事、教育長のそれこそ潔い答弁をお願いしたい、かように思っているわけであります。

 さて、紀伊半島大水害から三年が経過しました。道路はずたずた、山は大きく崩れ、河川も河床が上がり、この被災地域はどうなるんだろうという思いでしたが、国、県、市町村が大水害からの復旧を最優先課題として取り組んでいただき、さらに住民の皆さんの頑張りもあり、復旧工事は順調に進んでいるようであります。

 先日の台風十一号では、大水害の再来かと心配をいたしました。復旧工事の進捗により、人命にかかわるような大きな被害もなく、ほっとしたところでございます。

 四月には十津川村の皆さんが、七月には野迫川村の皆さんが避難生活を解消され、ようやく元の生活を取り戻しつつあることを大変うれしく思っております。一方で、五條市大塔町の方はいましばらくかかるとのこと。県土木においては懸命に工事を進めてもらっているようではございますが、一日も早くお帰りいただけるよう、さらに奮闘していただきたいと願う次第でございます。

 ここで一つ紹介をしておきたいことがございます。十津川村と北海道新十津川町との交流のことでございます。

 明治二十二年の十津川大水害の三カ月後、二千六百人余りの被災者たちが北海道に新天地を求め、はかり知れない苦難と闘いながら築き上げた新十津川町では、奈良県を母県、十津川村を母村と呼び、百二十五年経過した今もなお、深いきずなに結ばれています。

 三年前の紀伊半島大水害では、甚大な被害を受けた母村の十津川村に、新十津川町からいち早く職員三名が派遣されるとともに、町から五千万円の見舞金と町民から二千万円を超える義援金が贈られたと伺っています。また、先月二十日に十津川村で行われた水害慰霊祭には、私も出席させていただきましたが、新十津川町から植田町長と西永副議長らがみずから出席し、大水害により犠牲となられた方々の御霊に哀悼の誠を捧げられました。こうした先祖を敬う気持ちと支援の心が継承された両町村の交流に深い感銘を受けている次第でございます。

 さて、質問に入りますが、まず、南部・東部地域の振興への取り組みについて、幾つかの要望・質問をいたします。

 まず、漢方のメッカ推進事業についてお尋ねをいたします。

 近年、超高齢化社会を迎え、健康長寿とともに医療費削減の観点からも、漢方が大きく注目されています。漢方というと、中国の医学だと思われがちですが、実は日本の伝統医学です。漢方が日本独自の医学であるということを知っていただくためにも、私は、日ごろから漢方、漢方薬とは呼ばずに、あえて大和漢方、和漢薬と呼ぶようにしております。

 日本書紀における推古天皇の薬猟の記述や、正倉院に生薬が納められているなど、奈良県と薬のかかわり合いは深く、古来から薬草が栽培され、御所市、橿原市、高市郡など中南和地域における地場産業として、配置薬業発展の礎となった、他府県にはない歴史的特徴がございます。

 奈良県の生薬は、主に南部・東部の中山間地域を中心に、農家の貴重な換金作物として生産されました。しかし、近年、安価な中国産の流入で、価格低迷などにより採算が悪化したため、生産者が減少しました。現在、国内で主に使われている生薬の使用量の八割以上を中国からの輸入に頼っていますが、その輸入価格が年々高くなっており、今後、国産生薬の需要が増加する中、県産生薬の安定供給を可能にする産地の育成が重要であると考えます。

 先日、南部・東部地域振興対策特別委員会で、宇陀市の薬草農園を視察しましたが、大和トウキの栽培は、除草、害虫駆除など手間がかかり、費用や収量の不確実性等、栽培コストなどに課題を抱えておられました。栽培の省力化、低コスト化の研究、優良種苗の開発、栽培者の人材育成が、県産の生薬供給を拡大していくためには急務であり、県産生薬の産地の復興につながると考えます。

 一方、県産生薬の活用による薬業振興は、中南和地域の発展の観点から重要な課題です。そのためには、県内製薬企業と薬事研究センターが連携し、大和トウキなど、奈良大和の生薬を配合した和漢薬を開発すべきと考えます。県立医科大学においても、漢方医学薬学に関する教育・研究・診療活動の充実を図るため、本年三月に、大和漢方医学薬学センターを設置されました。センターの名称に大和漢方という言葉が入っており、私の思いに通じるものがあり、今後の活動に大いに期待するところでございます。

 現在、奈良の薬業は厳しい状況にありますが、くすりどころ奈良の和漢薬を「大・和漢薬」というブランドで普及させるなど、漢方のメッカ推進プロジェクトの幅広い取り組みにより、薬業振興はもとより、県産業活性化に結びつけてほしいと考えています。

 以上、私なりの思いを述べましたが、特に次の点について知事にお尋ねをいたします。

 約二年間進めてきた漢方のメッカ推進プロジェクトにおいて、薬草の産地育成にどのように取り組んでおられるのか。また、薬業振興はもとより、県の産業活性化のため、どのように取り組みをなさっていくのでしょうか。

 次に、御所インターチェンジ周辺の産業集積地の整備についてお尋ねをいたします。

 県南部地域は、過疎・高齢化が進展し、地域産業の活性化など、多くの課題を抱えています。一方、奈良県は、用途地域面積に占める工業系の割合が全国最下位であり、他府県と比較しても工場適地が少ない現状にあります。このような課題を解決する一つの施策として、京奈和自動車道御所インターチェンジ周辺において、産業集積地を形成する事業が、いよいよ本格的に予算化され、推進・実施にご尽力をいただいています。

 御所インターチェンジ周辺は、中南和地域の通勤圏内であり、この地域に就業の場が確保されることは、若年層を中心とした人口流出の阻止、Uターン、Iターンを促進するなど、南部地域の振興に寄与いたします。そのため、この事業に対して、私の地元、御所市はもちろんのこと、通勤圏内となる天川村、黒滝村をはじめ、吉野・県南部地域の方々の期待は大きいものです。今まで以上に、県、御所市にご尽力いただき、本事業の一日も早い完成を願うものでございます。

 私は、本年二月定例会にて質問・要望をいたしましたが、京奈和自動車道御所インターチェンジ周辺の産業集積地事業において、どのように企業の誘致活動を展開していくのか、また現時点での事業の進捗状況はいかがか、あわせて御所東高校の跡地を、産業集積地としてぜひ活用されることを要望し、知事のお考えを重ねてお尋ねいたします。

 次に、金剛、葛城、二上地域の魅力向上と観光振興についてお尋ねいたします。

 県南部地域、とりわけ金剛、葛城、二上地域には、古事記、日本書紀の舞台ともなり、多くの先人の修行の場となった地で、今なお日本の原風景が残っています。この地域には、我が国最古の官道と言われている竹内街道や葛城古道が整備されており、多くの方が訪れ、沿道の自然景観に浸りながら歩いて、ゆっくり歴史文化を体感されておられます。

 一方、昨今、中高年の登山ブームや山ガールと言われる女性ハイカーに、自然とのふれあいや健康づくりの場として注目されている金剛葛城自然歩道、いわゆるダイヤモンドトレールもこの地域のこの地域の新たな魅力で、多くの方が訪れています。このダイヤモンドトレールは、香芝市の屯鶴峯を北の起点とし、二上山、葛城山、金剛山を経て、大阪府の槙尾山までを結ぶ全長四十五・三キロメートルの自然歩道で、金剛生駒紀泉国定公園内に位置しています。

 平成二十三年には、ダイヤモンドトレールとその周辺エリアの魅力を再発信するため、奈良県、大阪府、周辺の市町村が参画して、ダイヤモンドトレール活性化実行委員会が発足し、連携を図りながら、春の山岳マラソン、春・秋にはハイキングイベントを実施するほか、歩道周辺整備などの取り組みを行っていると聞いています。ダイヤモンドトレールなどの観光資源を整備、充実することで、金剛、葛城、二上地域の魅力を向上し、より多くの観光客に訪れていただけるような取り組みが必要と思います。県の施策・支援を求める次第です。

 あわせ、葛城山頂における移動支援について要望し、お尋ねします。

 葛城山では、山頂からの眺望はもとより、春は一目百万本と言われるツツジ、夏は納涼、秋はススキや山野草、冬は樹氷・霧氷と四季折々の風景、自然を満喫でき、観光地として魅力のあるすばらしい地域です。葛城山頂へは葛城登山口駅からロープウエーで葛城山頂駅まで登ることができ、山頂までは散策路が整備されていますが、坂道も多く距離も長いことから、高齢者の方などにとって、困難な道のりです。また、地元の人たちからも、もう一度眺望美しい葛城山に登ってみたいという声も聞きます。高齢者も含め快適に気楽に散策登山ができるよう、例えばゴルフ場にあるカートなど、移動支援となるようなものを導入してはどうでしょうか。移動支援導入に際して、さまざまな課題があると思いますが、高齢者、身体障害者の方などのためにも、地元市町村などの関係機関と連携し、導入に向けて検討していただくよう要望し、知事の所見をお尋ねいたします。

 次に公立学校における運動部活動など、学校の特色化についてお尋ねいたします。

 八月に開催された全日本中学校体育大会では、白鳳中学校の生徒が、水泳の背泳ぎで、百メートル・二百メートルで優勝するという快挙をなし遂げました。また、十津川中学校の男子剣道部が、県大会で団体・個人ともに優勝し、近畿大会、全国大会でも活躍するなど、県内中学校には各種競技で優秀な成績を上げる生徒がたくさんいます。

 しかし、優秀な成績を上げた生徒が県内にとどまらず、県外の高等学校へ多数進学しているのも事実であります。また、県南部・東部の中学校では、生徒数が減少していることから、部員不足が生じて、野球、サッカーなど団体で行う運動部活動ができない状況であります。このような現状の中で優秀な生徒が県外へ出て行かなくてもよいように、また南部・東部の生徒がやりたいスポーツを自由に選択できるよう、高等学校における運動部活動の充実が重要と考えます。

 県内では、体育系の学科を添上高等学校、大和広陵高等学校に設置し、トップアスリートの育成や、生涯スポーツの指導者養成に取り組み、特に部活動では、陸上競技部、レスリング部は全国優勝に輝く成績をおさめています。また他の学校でも、全国的に公立学校では近年類を見ない活躍で花園をにぎわせる、御所実業高等学校のラグビー部や、国体やインターハイなど男女合わせて全国優勝八十回を超える、高田商業高等学校のソフトテニス部、さらに榛生昇陽高等学校の自転車部、王寺工業、奈良朱雀高等学校のボクシング部も全国のトップレベルで、奈良県の名を全国にとどろかせています。これらの卒業生は、日本代表として世界大会にも出場し、好成績を残していることも、奈良県のスポーツ振興に大いに貢献しており、高く評価できます。

 県教育委員会では、これまで教育課程の中でさまざまな学科、コースを設置し、高等学校の特色化を図ってこられましたが、新学習指導要領でも明記された部活動も、学校教育活動の一環として、それぞれの学校の特色として捉え、スポーツを志向する若者が受験したいと思われるような学校づくりも必要ではないかと考えます。その際、県北部地域の生徒が、南部・東部地域の学校へ通う場合、県の寄宿舎を活用することも工夫した支援になると思われます。

 なお、御所実業高等学校のラグビーフェスティバルは、毎年夏季に開かれ、全国高校生ラガー強豪校二十五校が勢ぞろいします。合宿所の提供も支援すべきです。県外からも奈良県の高等学校に憧れ転入してくれる大いなる奨励につながり、よいのではないかと期待します。このような取り組みを行うことで、南部・東部の活性化、なかんずく県全体の活性化にもつながります。

 県教育委員会として、県立高等学校における運動部活動を生かした魅力ある学校づくりについて、あわせ文化部活動をも含め、県外からも奈良県の公立学校の魅力に注目、憧れ志望される学校に門戸を開放する奨励策を検討されたいと存じますが、教育長の所見をお尋ねいたします。

 次に、過疎地域における教育の取り組みについて、お尋ねをいたします。

 全国的に子どもが減少し続け、今後とも減少が見込まれます。本県の南部・東部の過疎地域においては、平成十年度に二万人近く在籍した児童・生徒が平成二十五年度には一万人余りになり、この十五年間で半減しています。奈良県全体の八〇%程度の減少と比べても急激な減少です。また、この間、小・中学校の統廃合も進み、この十五年間で二十校以上がなくなりました。その地域に住んできた者のよりどころであり、人生の思い出、憩いの場所である学校が消えていくことは、たまらなく寂しいものであります。

 国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口では、全人口のうち〇歳から十四歳までの割合が、全国や奈良県全体では、平成二十二年に一三%程度であったものが、平成三十二年には一二%程度に下がる見込みです。本県の南部・東部地域においては、平成二十二年に約一〇%であったものが、平成三十二年には八%になってしまう見込みであります。今後さらに子どもたちが減少し、過疎地域の教育環境はますます厳しさを増していく状況が想像にかたくありません。今、過疎地域で学び育っている子どもたちの学習を確実に保障していくことは、極めて大事でございます。

 県では、以前から複式学級の編制基準を国の基準より引き下げ、教員の配置などを配慮されていますが、市町村でも独自に講師を配置し、子どもたちの学ぶ環境の向上に取り組んでいます。しかしながら、複式学級が残り、多人数の集団による学習機会が少ないなど、恵まれぬ状況にあります。県教育委員会においては、複式学級の課題克服や市町村費負担講師の解消を含め、過疎地域における小・中学校の学習環境の改善になお取り組まれるべきであります。今後の方針も含めて、教育長にお尋ねをいたします。

 次に、ふるさと納税への取り組みについてお尋ねをいたします。

 ふるさとを後にして都会へ移住している人、とりわけ過疎地域では、やむなく都会へ移住している人がふえています。しかし、そういった人々にふるさとを顧みない人はいないと、私は思っています。古い言葉ではありますが、ふるさとに錦を飾りたいという気持ちを持っている人は、多くおられるに違いありません。これらの人々にとって、ふるさと納税は、ふるさとに錦を飾るための一つの役割を持っていると言えます。

 一方、ふるさと納税を受ける側においても、ふるさとを忘れられぬようつなぎとめるような努力をすることも重要であります。近頃は、ふるさと納税をされた方に、その地域の特産品や記念品を贈呈する自治体がふえ、注目されています。これらの自治体では、ふるさと納税額の増加が見られ、地産地消の奨励にもつながっているものと思います。

 私は、一九九九年、平成十一年の二月県議会で、この過疎の現象と原因を捉えた課題として、ふるさと活性化のためのふるさとへの寄附に優遇税制を国政に願求すべきだと知事に提起したことを思い出しております。また、税制度が二〇〇八年に制定された翌年の九月県議会においても、これの奨励・啓発を訴えたことを思い出してもいます。ふるさとを思う心とふるさとを守り振興をさせたいという心の合体のために、この納税施策の改善と効果を奨励すべきだと考えます。今、我が国では、人口減少や過疎・過密などにより、将来的には多くの市町村が消滅する可能性があると指摘されています。

 そこで、私は、ふるさとの歴史に誇りを持つ郷土愛によって、ふるさと活性化が円滑に進められるよう、その一助として、ふるさと納税をさらに促進すべきであると思いますが、これまでの奈良県におけるふるさと納税の実績を踏まえ、今後どのように展開されるのか知事にお尋ねをいたします。

 次に、消防体制の充実についてお尋ねします。

 近年、消防を取り巻く環境は、災害の多様化・大規模化や救急搬送件数の増加など大きく変化し、その果たす役割は極めて重要でございます。このような状況の中、本年四月には構成市町村が三十七市町村、管轄人口九十万人規模の奈良県広域消防組合が発足し、全国でも例を見ない消防の広域化を達成しました。さまざまな災害や事故から県民を守る上でも、消防体制が広域化により充実強化されることは、誠に喜ばしい限りでございます。

 消防の広域化に当たっては、段階的に総務部門や通信部門を統合効率化し、人員を再配置することによる現場体制の強化、情報の一元化や統一的な指揮のもとでの、管轄区域を越えた増援体制の構築や出動時間の短縮が図れるものとして、消防力の飛躍的な向上が期待されます。

 広域化によるメリットが発揮されるまでにはまだまだ時間が必要かと思いますが、引き続き県としても支援していかれるものと期待しております。奈良県広域消防組合が発足して約六カ月が経過しておりますが、広域化に伴いどのようなよかった点があったのか、また今後の奈良県広域消防組合の充実強化のために、県としてどのように取り組んでいかれるのか、知事にお尋ねをいたします。

 次に、リニア中央新幹線の駅の場所やルートの早期決定に向けた、県の取り組みについてお尋ねします。

 この八月にJR東海は、環境影響評価の手続を経て、国土交通大臣に対して、工事実施計画の認可申請を行い、東京・名古屋間では二〇二七年の開業に向け、リニア中央新幹線の建設が今まさに始まろうとしています。

 一方、名古屋・大阪間においては、環境影響評価の手続すらなされていません。国の基本計画や整備計画において、主要な経過地として奈良市附近と決定されていますが、ルートについては、国の審議会で二十キロメートル幅の範囲が示されているのみで、より詳細な駅の場所やルートは明らかにされておりません。昨年十二月に、県内の三十三市町村が参加した「奈良県にリニアを!」の会が、東京・大阪間の全線同時開業、ルートは整備計画どおりの三重・奈良ルートとすること、駅を交通結節性の高い場所に一本化することについて決議しました。また、これまでに県内三十四市町村の議会においても、同様の決議がなされております。

 私たち南部振興議員連盟のメンバーは、南部地域のさらなる振興と活性化のためにも、駅の場所やルートについては、開業による便益が県南部を含む奈良県全体に、また紀伊半島地域をはじめとする、より広い地域に波及するよう、国の審議会で示された二十キロメートル幅のできるだけ南側の交通結節性の高いところが望ましいと考えており、早期に決定をしてほしいと思っております。今後、リニア中央新幹線の駅の場所やルートの早期決定に向け、県はどのように取り組んでいくのか、知事の所見をお尋ねいたします。

 次に、人権文化と少子化問題にかかわって、要望し、お尋ねします。

 今年も七月を差別をなくす強調月間として、県、市町村挙げて、人権啓発等の事業に取り組まれました。感謝を申し上げる次第です。奈良の地から起こされた人間の尊厳を輝かせる水平社運動の伝統を継承する、私たち部落解放同盟を中核とする運動体に呼応して、これまで奈良県政は同和問題をはじめ、あらゆる人権課題の解決に向けた政策を推進されてこられたことに、私たちは感謝をいたしております。

 市町村にあっても、引き続き市町村長がそれぞれ人権・同和問題啓発活動推進本部長となり、かつ市町村人権・同和問題啓発活動推進本部連絡協議会に結合され、人は等しいを強調して、四月十一日には人権啓発一斉の事業をも進められています。そして、インターネットステーションを設置機能化させ、今日のインターネット上を駆けめぐる悪質な差別インプットへの対応尽力にも改めて感謝を申し上げる次第であります。しかし、残念ながら、部落差別だけでなく、さまざまな人権侵害事象が各地で起こされています。

 私たちが重ね開催してまいりました第四十一回奈良県人権・部落解放研究集会は、香芝市の協力を得て、九月二十八日に開催いたしますが、テーマを、「地域と人に、元気と希望を。−−さまよう社会の不安に向き合う−−」とし、両側から超える、貧困と人権、超高齢社会の介護問題、過疎問題と地域の継続発展、企業と人権などの分科会を設定し、今日の人権意識の希薄化や社会常識の不足など、クローズアップされているもろもろの人権課題を直視し、積極的に向き合います。

 とりわけ東京都議会におけるセクハラ野次問題は、公の場だから問題ということでは済まされぬ問題であります。この女性に対する差別と偏見は、男尊女卑の歴史性とそこから根づいてきた男たちの女性蔑視感、すなわち社会意識としての差別観念の根深さを露呈したものであります。こうした差別意識はあらゆる人間関係の中に醸成されています。これらの言辞は、克服すべき人権の諸課題に普遍性を持つ社会意識として位置づけ、人権文化の昂揚を願う次第であります。私たちの部落差別撤廃を求める運動の方向は常にあらゆる差別の撤廃への普遍的推進であります。

 こうした考えのもと、本研究集会では、少子化等、今日の出産環境の変容について考えるというテーマを掲げた特別分科会を設けました。この課題に取り組まれてきた研究者の調査研究の報告を受けます。

 かつては出産に限らない日常の育児サポート、住民からの厚い信頼のあった産婆さん、いわゆる取り上げばあさんの活動の聞き取り調査から、女性を支えようとしてきた動きに感銘した事柄と、現在の医療分野に依拠集約される出産の実態を語っていただき、これらの経緯を追いながら、現代社会が失いつつある人と人とのかかわり合いに、今日の少子化問題対策への視点があり、人権課題の根幹があると考え議論することにしました。

 私たちは、今日までの部落解放運動史の継承に自信を持って、両側から超えるを今日的モットーに、あらゆる差別撤廃・人権確立を願っています。ご理解を願い、県政にあってもさらに人権文化を広める対策の充実を求め、知事の所見をお尋ねいたします。

 最後に、奈良県山の日・川の日条例についてお尋ねいたします。

 奈良県山の日・川の日条例では、海に面していない奈良県ではあるが、美しい奈良の山や川は貴重な財産であり、これを育み、次世代に引き継ぐという趣旨のもと、毎年七月の第三月曜日を、奈良県山の日・川の日としています。そして、この条例に基づき、県では普及啓発活動に取り組んでおられますが、その成果でしょうか、七月の下旬から八月にかけては夏休み時期ということもあり、奈良県でも、山や川にふれあうイベントが多く催されるようになりました。

 県民の皆様にも、七月の第三月曜日は、国の祝日では海の日だけれども、海のない奈良県では山の日・川の日という認識が広がりつつあるように思います。私は、山・川・海の恩恵について認識していただくための普及啓発活動やイベントを実施するには、七月、八月が絶好の機会であり、県、市町村、団体等が現在行っている取り組みは継続されるべきと考えております。

 一方、国では、山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝することを趣旨として、八月十一日を山の日とする祝日法の改正が本年五月に成立し、平成二十八年度から施行されます。七月第三月曜日の奈良県山の日・川の日と、八月十一日の祝日である山の日にあまり間がないため、県民の意識が散漫になるのではと心配しております。

 また、これも国での動きですが、祝日法で七月第三月曜日となっている海の日を、制定当時の七月二十日に日を固定しようという動きもあるようです。国での山の日の制定、海の日の日付を変更する動きを受けて、奈良県山の日・川の日条例について、どのような対応をお考えでしょうか、知事にお尋ねをする次第であります。

 以上、多岐にわたる内容でございましたので、早口になりましたことをおわび申し上げて、まずは壇上からの発言を終えます。ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○副議長(井岡正徳) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)四十四番川口議員のご質問にお答え申し上げます。

 第一問は、南部・東部振興の取り組みについてのご質問でございます。

 まず、その中で、漢方のメッカ推進事業についての取り組み状況についてのお問い合わせがございました。

 漢方の推進につきましては、平成二十四年十二月に、漢方のメッカ推進プロジェクトというネーミングで立ち上げました。栽培から関連商品の創出までを視野に、川上から川下までのさまざまな取り組みを、部局横断的に積極的に推進してまいる仕組みでございます。栽培、研究、薬剤の商品化・販売促進などでございます。

 その中で、薬草産地の育成には、まず、優良種苗の開発と高品質・安定生産技術の確立が必要でございますが、それとともに栽培技術を継承するための人材育成が重要であると認識をしております。

 このため、本県では、薬草研究の拠点として、この四月に果樹・薬草研究センターを設置し、薬草科を新設いたしました。当センターでの研究は、大和トウキなどを対象に、一つには、ゲノム育種等を活用して、生薬となると根の収量が多くなるよう、大苗でも花が咲きにくい品種の育成をすること、二つ目には、発芽率の高い種子の採種及び増殖方法の開発をすること、三つ目には、通常なら一年かかる育苗期間を半年程度に短縮できる加温ハウスでの育苗技術の開発をすること、四つ目には、登録農薬の拡大による除草作業等の省力化や低コスト化などのポイントに注力をして、研究を進めております。

 次に、栽培者の人材育成についてでございますが、薬草の栽培技術を持つ県内業者三名に講師を依頼させていただきまして、平成二十五年度から栽培技術の実地研修会を実施しております。本年度は、県立磯城野高等学校と連携し、薬草の栽培研修を授業に取り入れております。また、薬草栽培を振興する市町村に対しましては、実証ほ場の設置や加工品の試作、農業研究開発センターが開発した技術導入等の取り組みを支援しているところでございます。

 今後とも薬草の研究、栽培技術の普及並びに人材の育成に努め、県南部・東部の重要な地域特産物であります薬草の産地育成について、積極的に取り組んでいく所存でございます。

 この漢方推進プロジェクトの県産業活性化との結びつきについてのご質問がございました。

 漢方産業の活性化というテーマでございますが、重要な課題と考えておりますことが、四つございます。生薬原料のブランド化、次には漢方関連製品の開発、その次には流通機能の強化、最後に漢方関連市場の拡大でございます。

 まず、生薬原料のブランド化でございますが、大和トウキなど、県産生薬の薬効に着目し、県内産の優位性について検証する必要があると思います。品質を数値化することでランクづけをして、よいものを認定し限定して販売することにより、ブランド化を進めていきたいと思います。

 次に、漢方関連製品の開発でございますが、製薬企業と県産生薬を配合した医薬品、化粧品などの開発を進めています。また、来年の一月に大相撲初場所で初めて贈呈予定の奈良県知事賞でございますが、ちゃんこ大和づくしを三百名分ほど副賞に組み込んでおりますが、その食材として、トウキ葉入りつくねの試作に取り組んでいます。これを食べると勝つぞという宣伝をしたいと思い、多様な分野で漢方関連製品の創出を目指しております。

 三つ目の流通機能の強化につきましてでございますが、栽培コスト、取引価格など、薬草の流通にはさまざまな課題がございます。栽培者と製造企業のマッチングが進んでいない状況だと認識をしております。県といたしましては、生薬原料のニーズ調査や栽培者データベースの充実を図るなど、製造者と流通者の間を取り持つ商社機能を県が発揮するという心構えで、川上・川下のマッチングが効率よく進むように取り組んでいきたいと考えているところでございます。

 最後に、漢方関連市場の拡大につきましては、神奈川県、富山県、民間企業、奈良県も加わって設立いたしました、一般社団法人漢方産業化推進研究会というものがございますが、国内市場はもとより、海外展開も見据えた取り組みを進めていくことにしております。

 産業おこしに取り組んでいる中で、七つの産業おこしの一つに漢方を挙げておりますが、漢方は他分野にも広くかかわりを持つことがわかってまいりました。特に薬業に取り組んでこられた南部・東部地域におきましては、漢方の産業化が地域の発展に寄与するものと考えております。引き続き積極的に進めさせていただきたいと思っております。

 南部・東部振興の中で御所インターチェンジ周辺の産業集積地の整備についてご質問がございました。

 企業誘致活動を展開するためには、二つの方法があるように思っております。第一には、立地環境や優遇策など、奈良県の魅力を多くの企業に伝え、関心を促すことでございますが、第二には、立地意欲を持つ企業の情報をいち早くつかみ、個別に働きかけ、企業との接点を速やかに構築して、その持続的なコネを継続的に利用するという、二つの方法があるように思っております。

 京奈和自動車道御所インターチェンジ周辺の産業集積地におきましても、このような考え方におきまして、本年七月には、大阪で企業立地セミナーを開催いたしました。御所市長とともにトップセールスを行い、立地環境など中南和の優位性を積極的にアピールしてまいりました。御所市あるいは五條市は遠いんじゃないかというふうに、大阪の方でもまだ思っておられるわけでございますので、ジャンクションができるとそんなに遠くないですよということをアピールしてまいりました。また、十月には東京において、トップセールスを行うこととしております。

 現在県内に立地を検討されている企業などから、分譲の開始時期や事業の進捗状況など、具体的な問い合わせをいただいている状況でございます。また、最近では、土地価格の調査におきまして、奈良の工業用地の一部が値上がりに転じたことなどもプラス材料でございます。今後も多くの企業に対して、中南和地域の魅力、便利さを発信するとともに、金融機関などとともに連携を図りながら、立地動向の個別的な把握に努め、具体的な企業にアプローチできるよう、積極的に進めていきたいと思います。

 また、この産業用地造成事業の進捗状況でございますが、現在、造成設計に必要な地形測量が近く完了する見込みでございます。今後、地元の方々と調整を行いながら、速やかに用地測量というものを実施していきたいと思いますが、それとともに、土地の買収手続に入りたいと思います。あわせて、御所市とともに、地元の方々に対して事業の進捗状況を丁寧に説明し、引き続きご協力を得られるように努めてまいりたいと思います。

 また、近接する御所東高校跡地につきましては、御所市から産業集積地の一部として利用したい、産業集積地に使いたいという意向を伺っております。跡地は地元の意向を最大限尊重して活用することが必要と考えております。県としては、産業集積地などに活用したいと考えており、さらに関係者と緊密に協議を重ねてまいる所存でございます。

 南部振興の取り組みの一環として、金剛、葛城、二上地域の魅力向上と観光振興についてのお問い合わせが二問ございました。

 まず、金剛、葛城、二上地域は、神々の里として数々の神話の舞台となり、古代から連綿と続く重厚な歴史文化と四季折々のすばらしい自然環境に彩られた、観光資源を数多く有する地域でございます。ストーリーがあり、自然環境がいいといった地域でございます。

 議員お述べのダイヤモンドトレールは、特に多くのアクセス道がございます。自由度の高い縦走コースとして人気があります。ここを訪れる観光客やハイカーなどに、気持ちよく過ごして歩いていただく場所になっております。このため、アクセス道を含めた周辺整備をはじめ、彩りを添える花木の植栽、支障木の伐採、眺望点の配置を、奈良県がやっております、なら四季彩の庭づくり事業の一環として、この当地も整備をしていきたいと思っております。

 かつて議員はこの本会議場において、葛城山のご訪問をお勧めになりました。先日、ことしでございますが、ツツジの盛りが過ぎた直後にひとりで山越えをいたしまして、大阪富田林までおりて帰ってまいりました。大変厳しい道路で、へとへとになりましたが、無事に奈良までたどり着きました。ダイトレ、ダイトレとかと言っておられましたが、大変すばらしい地域だということを、上りも下りも自分の足で歩いてまいりました。

 また、このような自然と文化、ストーリーのある、こうした地域に多くの観光客にお越し願えたらと思いますが、さらなる環境整備の充実と新しい魅力の創出が必要だというふうにも思います。ストーリーの一環といたしまして、本県では、記紀・万葉プロジェクトの取り組みの中に入る目的地だと思います。JR、近鉄など交通事業者と連携した、なら大和路探訪キャンペーンを、来月から、御所市をはじめ六市町村でこの地を目的地として展開をしたいと思っております。また、地域の歴史文化資源を生かした、市町村・民間団体による観光・文化振興イベントなどには、県の持続的観光パワーアップ補助金や新たな文化活動チャレンジ補助金を活用いただいているものでございます。

 このほか、一昨年より、オフの、特に冬の観光閑散期をできるだけ埋めるという誘客対策を実施しておりますが、宿泊観光商品の造成として、奈良うまし冬めぐりを実施しております。この地域は大変葛城おろしの厳しい地域でございますが、當麻寺の特別企画を冬の旅行商品として用意しております。

 今後、これら地域の新たな取り組みや社寺の伝統行催事を観光のコンテンツとして、広域的に周遊観光していただくモデルルートや着地型旅行商品、地元でアイデアを出し造成する動きをご支援申し上げたいと思います。

 また、そのような動きを受けまして、来月、首都圏におきまして、旅行エージェントやメディアにプロモーション活動を展開する、奈良県観光キャンペーンなども活用し、積極的なPRに努めていきたいと思います。このようなPRをいたしますと、婦人雑誌やいろんな雑誌に奈良のことが載るわけでございます。歴史雑誌や婦人雑誌に奈良のことが非常に魅力的に載せていただくという効果がございますので、それで人がたくさん来ていただく結果になっております。

 当地の政策につきまして、葛城山上駅から葛城山頂までの坂道が続く長い道のりの移動について、高齢者、障害者などに対する移動支援の手段はどうかというご質問がございました。

 鳥が非常に鳴く通りもあったかと思いますが、高齢者や障害者の方には、移動手段の提供があればいいかと思います。奈良市では難しい状況であろうと思いますが、県内各地ではそのような移動手段の提供が、いろいろおもてなしの一環として続いております。例えば、天川村では、世界遺産大峰奥駈道が一望できる面不動鍾乳洞の電動モノレールを、観光客向けに整備され、大変眺めのいいところを小さなモノレールが走っており、そのようなおかげで天川村は大変お客が伸びている実情でございます。また、明日香村では、来月から国の補助事業を活用して、超小型電気自動車を導入して、周遊観光事業がスタートすることになっております。

 高齢化社会を迎えますので、このような高齢者にも優しく移動していただく手段を提供する取り組みは、大変効果があり、各地で競って導入されている実情があるように思います。今後、各地の事例なども十分調査して、議員お述べになりました山頂・山上駅の移動手段につきましては、地元御所市をはじめ関係機関とも協議を重ね、さらなる葛城山の魅力向上につながるようになればという思いで、勉強をしたいと思います。

 教育長へのご質問がございまして、その後、ふるさと納税の取り組みについての私へのご質問があります。

 ふるさと納税を今後どのように展開するのかというご質問でございます。

 ふるさと納税は、寄附を通じて生まれ故郷の自治体などを応援する制度でございます。奈良県では、平成二十年五月にふるさと奈良県応援寄付金制度を設けております。

 これまでの受け入れ額でございますが、平成二十年度から二十五年度までの六カ年の累計で八百二十七件、四千八百万円余をいただいております。送っていただいた地域別では、東京都在住の方が最も多いわけでございますが、続きまして奈良県、大阪府、神奈川県の順になっております。また、複数回の寄附をしていただいた方も二割程度おられます。寄附をしていただいた方々に感謝を申し上げたいと思います。

 これらの寄附は、寄附していただいた方の希望に応じて、その分野に使用させていただくこととしております。例えば、医療提供体制の充実、あるいは文化財の保存と活用、観光の振興、あるいは紀伊半島大水害からの復旧・復興などの事業でございます。寄附していただいた方全員に、事業内容の説明と事業担当部署からのメッセージを添えて、このように使いましたというお礼状をお送りしております。

 また、県外にお住まいの方々には、一定金額以上のご寄附をいただいている場合、大和茶や大和牛、大和肉鶏をはじめとする県の特産品や、奈良県ビジターズビューローが運営する奈良ファンクラブの会員資格などの中から、ご希望の品を特典として贈呈しております。大和牛の人気が一番高いようでございます。

 その結果、寄附金額は堅調に推移しているものの、ふるさと納税をさらに推進していけば、工夫の余地があろうかと思います。近ごろは寄附を集めるために豪華な特典を競っているような風潮がございますが、そのような方面で競うのではなく、奈良県では、奈良の奈良らしい振興に寄附したいと思っていただいている方の寄附が多いようでございますので、そのような方々に心を込めて感謝をするような工夫の方向で考えたらと思います。そのためには、奈良県の今はこうなっていますよ、このように頑張っていますよということを、しっかりとお知らせできるジャーナル等をお送りすることに加えまして、県が行っている新たな試みや行事、例えば今年度開催する大古事記展のような、魅力ある展覧会の観覧券などもお送りして、実際に奈良の今を感じていただき、奈良の振興に向けた取り組みを見ていただけるような工夫も考えていきたいと思います。

 ふるさと納税は、奈良県と奈良県出身者のコミュニケーションの場でございます。県産品のPRや観光の振興にも役立つ面もあろうかと思いますが、今後とも工夫を凝らして、この趣旨にかなうような発展ができたらと思う次第でございます。

 奈良県の広域消防体制の充実の進捗についてのお問い合わせがございます。

 奈良県広域消防が発足して六カ月でございます。目ぼしい成果というほどのものはないようにも思うわけでございますが、この間、例えば成果といたしまして、管轄区域を越えた近隣署所からの現場へ増援出動した部隊の運用が、この四月以降、統一的指揮のもとでなされております。これは広域化の本来的なメリットでございます。そのように報告を受けております。

 さらに、施設面の整備でございますが、広域化のメリットでございます財政規模の拡大を生かしまして、桜井消防署や大淀消防署などの機能充実強化のための整備が行われたり、天理消防署の支援車両の配備や橿原消防署への高度救助隊の設置に向けた検討などが進められていると聞いております。

 一方、県もご支援申し上げてきておりますが、現在進められている高機能消防指令センター、デジタル化等の整備に地方債元利償還金への財政支援をするほか、県から職員二名を派遣する人的支援を実施しております。私も顧問に就任させていただき、県が全面的に支援する態勢をとっている次第でございます。

 今後は全国的にも例を見ない、広域化した消防組織にふさわしい人材を育成する必要がございますが、東京消防庁などを参考にしながら、またご協力を得ながら、県と組合が一体となって、倒壊した建物からの救助訓練など、高度な教育訓練を実施するカリキュラムなどの検討を進めているところでございます。また、施設の面で老朽化が著しいのは、県の施設でございますが、消防学校でございます。その新施設の整備についても、検討を進めてまいりたいと思います。

 今後とも県ができることを一生懸命させていただき、全国に誇れる消防に奈良県広域消防組合がなるように、必要な支援を行ってまいる所存でございます。

 リニア中央新幹線に対する県の取り組みについてのご指摘、ご意見、ご質問がございました。

 リニア中央新幹線は、新幹線の駅も空港もない、全国三つの県の一つに奈良県はなっております。我が国の国土軸から外れていて、発展がおくれがちである象徴でございます。極めて重要なプロジェクトでございまして、経済活性化だけでなく、本県の性格が変わるほどの大きな効果があるプロジェクトだと思います。

 リニア中央新幹線の奈良市附近駅の位置やルートにつきましては、建設主体でございますJR東海が調査検討を行い、決定されることになりますが、環境影響評価の手続を進める過程で、超電導リニアの技術的制約、地形・地質や環境要素による制約などがございます。この分野は地元、県が全面的に協力すべき事項でございますが、そのような調査の結果、おのずからルート、駅は絞り込まれてくるものと考えております。

 奈良市附近駅、また三重・奈良ルートの早期確定に向けましては、一日も早く名古屋・大阪間の環境影響評価の手続に着手していただくことが必要でございます。これまでもその点を強く訴えてまいりました。三重県や本県の経済団体とも連携して、国やJR東海に対して、この点を訴えてきております。去る九月三日におきましては、三重・奈良両経済団体が第五回三重県・奈良県リニア中央新幹線建設促進会議を開催いたしまして、両県の国会議員、県会議員の先生方にも参加していただきました。これを踏まえまして、この十一月十二日には、三重県知事とともに上京して、国などに対し、直接強い働きかけをさせていただきたいと思います。

 また、リニア中央新幹線の建設に当たりましては、必要となる建設用地の取得やトンネル残土の処分、駅前広場の整備や交通アクセスの確保など、地元となる地域に対して、さまざまな協力が期待されております。このような地元の協力がないとなかなか進まないのが鉄道整備でございます。受け入れ体制づくりも地元として必要でございます。本県といたしましては、具体的にどのような協力や受け入れ体制の準備が、JR東海様またこのプロジェクトに対して役立つか、先行的な研究をしっかりと進めていきたいと思っております。

 次のご質問は、今日の少子化問題対策と人権問題との関係についてでございます。

 本県におきましては、議員のご努力の大いに発揮された分野でございますが、これまで人権課題の解決に向けて、県・市町村の各種施策と、関係機関・団体の種々の取り組みが連携し、成果を上げてきたところでございます。今後もこの歴史を大事にしながら、人権施策の推進に努めてまいりたいと思います。

 昨今の重要課題でございます少子化対策でございますが、この対策についても、人と人とのかかわりが重要というご指摘でございますが、県の調査によりますと、六歳未満の子どもの子育て中の母親の約半数が、心理的・精神的な不安・負担を感じられております。この相談相手の数は減少傾向になってきておりますので、子育ての安心感の低下が少子化の一つの足かせ要因になっているとも思われるものでございます。子どもが育てやすい環境をつくることが重要だと思います。

 子どもを育てるには、いじめや児童虐待の未然防止、障害者や高齢者の自立・社会参加の促進、男女共同参画社会の実現等、さまざまな人権課題と同じ課題が横たわっているものと思っております。人権課題が共通する課題として、今、眼前にあらわれているように思います。

 県におきましては、このような課題に直面し、これまでの豊かな人権文化の創造をしてまいりました奈良県が、さらに努力をして、この施策の推進に努めていき、少子化対策にも貢献できる人権文化を根づかせる努力を重ねていきたいと思う次第でございます。

 奈良県山の日・川の日の条例の今後についてのご質問がございました。

 海のない本県でございますので、国民の祝日、海の日を祝う日は、なかなか直接祝いにくいということがございましたこともあり、山の日・川の日を条例でつくっていただきました。奈良県山の日・川の日条例は、山と川が果たす役割の重要性及びその恩恵について、認識を新たにして、県民が誇りと愛着を持つことができる、奈良の美しい山と川を育むという趣旨でございます。平成二十年六月議会でご制定いただきました。

 この条例制定に伴いまして、山と川に親しむ機会などのイベントに取り組んでおります。夏休み期間を山と森林の月間と定め、奈良県山の日・川の日には、いろんな活動をしております。この月間には、市町村や各種団体の主催を含めますと、百以上のイベントが開催され、県民の方に山と川にふれあっていただいております。奈良県山の日・川の日が県民に定着してきているものと思っております。

 条例の今後の対応につきましては、奈良県山の日・川の日は変えることなく、従来の山と森林の月間を山と川の月間と改め、「山は川を育み、川は海を育む〜山・川・海の自然の恵みを未来に〜」ということで開かれます、「全国豊かな海づくり大会〜やまと〜」の理念の継承もあわせて、引き続きイベントの展開をしていきたいと考えているところでございます。

 ご質問ありがとうございました。



○副議長(井岡正徳) 吉田教育長。



◎教育長(吉田育弘) (登壇)四十四番川口議員のご質問にお答えをいたします。

 私には二点の質問をいただいておりまして、一点目は、公立高等学校の部活動による特色化のための、県外からの生徒募集についてのお尋ねでございます。

 県教育委員会では、平成十六年度から、県立高等学校の再編に取り組みまして、スポーツ・芸術に特色のある学校として、添上高等学校のスポーツサイエンス科、大和広陵高等学校の生涯スポーツ科、高円高等学校の音楽、美術、デザイン科、桜井高等学校の書芸コースを設け、学校の魅力化を図ってまいりました。本年度におきましては、大和広陵高等学校のレスリングアジア大会への出場や、桜井高等学校の全国高等学校総合文化祭書道部門での特別賞の受賞など、輝かしい実績を残してくれております。

 また、平成二十一年度に、本県を主会場に開催されました、近畿まほろば総体におきましては、学校の運動部を強化するために、平成十九年度から競技別の強化指定校を定め、県内生徒を対象とする特色選抜入試の中で、スポーツ特別選考を行いました。その結果、近畿まほろば総体では、公立高等学校として橿原高等学校の弓道団体をはじめ、個人では榛生昇陽高等学校の自転車競技、高田商業高等学校のソフトテニスの優勝など、すばらしい成果をおさめ、これらの学校では、その後も引き続いて全国大会などで実績を上げております。

 議員お述べのように、すぐれた能力を持った県内の生徒が、県内の高等学校の中から進路を選択できるよう、また他府県からも奈良県の公立高等学校へ入学したいと思われるような、一層魅力と活力ある学校づくりを推進してまいります。

 なお、県外生徒に受検の機会を与えることにつきましては、他府県においても、全国的に類を見ない学科やコースについては可能としておりまして、本県でも御所実業高等学校の薬品科学科、吉野高等学校の森林科学科では、近隣府県からの受検を可能といたしております。また、部活動におきましては、全国の例を見ますと、中学校での競技実績をもとに、受検資格を定めているところもあり、今後、県教育委員会として、地域振興あるいはトップアスリートの育成の大きな観点も含めながら、県外からの募集を前向きに検討してまいります。

 二点目は、過疎地域における小・中学校の学習環境の改善に向けての取り組みの、今後の方針についてのお尋ねでございます。

 本県の複式学級の編制基準につきましては、議員お述べのとおり、国の基準を小学校では二名引き下げることにより十五学級の複式学級を、中学校では全ての複式学級を解消いたしております。

 また、市町村におきましても、独自に市町村費教員が配置をされまして、小学校で十四学級が解消されております。なお、へき地における市町村費講師への対応といたしまして、県では、今年度からへき地学校教員共同設置事業を立ち上げまして、複数の市町村が共同で常勤の教員を設置した場合、経費の二分の一を補助する事業も実施をいたしております。

 結果といたしまして、本年度、県内の複式学級は小学校で十五学級となっておりますけれども、国語や算数等の学習指導につきましては、校内指導体制の工夫によりまして、多くの学校で複式を解消しております。複式で指導を行う際には、二個学年の児童を同時に指導するため、指導内容や方法に工夫を要し、県教育委員会では手引書を作成し、教員の支援に努めてまいりました。昨年度には、複式学級を担任する教員の意見を受けまして、手引書に具体的な指導事例や年間指導計画等も取り上げて、改訂をしたところでございます。

 さらに、過疎地域におけるタブレットの導入など、ICTを活用した学習環境の整備を行いたいとの、村教育委員会の意向を受けまして、教育研究所でICT機器の効果的な活用方法についての調査研究を行い、タブレットを活用した学習や、他校との生徒の意見交換による交流学習などを支援してまいります。こうした成果については、へき地教育研究大会など、さまざまな研修の機会を捉えて、周知を図る予定でございます。

 今後、県教育委員会といたしましては、へき地における教育環境充実のため、国に対しまして、複式学級編制基準の見直しを引き続き求めていくとともに、児童・生徒の学習環境の充実や教員の指導力の向上、へき地教育研究大会への支援などに積極的に取り組んでまいります。

 以上でございます。



○副議長(井岡正徳) 四十四番川口正志議員。



◆四十四番(川口正志) 答弁ありがとうございました。

 いま少し要望したいと思いますが、漢方・生薬にかかわって、知事お述べの神奈川県、富山県、奈良県、プロジェクトを組んでの展開をされているとよく伺っております。これが功を奏することを願ってはおりますが、私は少年のころから富山の薬、大和の薬という、富山と大和を比較すりゃ大和の方が首都だから、大和の方が大きな体制だと思っておったのが、現実は随分と富山と比べりゃ距離があいているように思う。何としてもやっぱり日本の生薬は大和の薬が一番だというような、そういう体制になるように、ひとつ精力的なご尽力をお願い申し上げておきたいと、このように思うわけです。また機会を見ていろいろ意見交換ができればと、このように思っております。

 それから、リニアの問題ですが、これは何といったって、JR東海が動いてくれなきゃどうにもならんというような状況だと、私は思っております。過般、私もJR東海のかなりの有力者とも交流をいたしました。なかなかいろいろな障害があるようでございますが、私どもはやっぱり何といったって名古屋・東京間と同時に大阪・名古屋間が開業できるような方向で、JR東海を動かさないかんと、このように思います。どういう手だて、いろいろ考えなきゃならん、あるいはまた強力ないろんな手だてを組み立てなきゃならん、このように思うわけですけど、私は、奈良、その周辺の二十キロメートルの範囲、これをなぜ南の方へと、こう申し上げたのは、かつて私は知事からも激励をいただいたように思いますが、やがて北高南低じゃなしに、均衡ある奈良県政の発展ということで、県庁を橿原市に持ってきてもらいたいと、この夢をまだ持ち続けたいと思いますので、できるだけやっぱり南の方へ、つまり中央の方にリニア奈良駅がつけられることを願ってやまないと、このように思う次第です。要望し続けると、世論を広めてまいりたいと、このように思うわけであります。

 もう一点、人権の問題がありますが、私は、あえて申し上げているのは、私どもの同和問題と言われながら、いろいろな形でやゆ、中傷がございますが、部落解放、水平社の原点というのは、人間性の原理に覚醒し、人類最高の完成に向かって突進しようと、みんな幸せにならないかんのやという、この理想に燃えているということですね。だから、部落解放同盟がいろいろ人権問題を取り上げるのは、同和問題オンリーじゃないということね。これだけは皆さんにご理解をいただきたい。私ども水平社の闘いのエネルギーがこれからもずっと広がってまいりますようにと、そういう願いで、あえて申し上げているわけです。同和問題に偏った形で一方的なことを取り上げたつもりは、今日の歴史の中に全くなかったということだけ、あえて強調を申し上げておきたい。今後とも人権の尊厳がますます広がってまいりますように、切にご協力をお願い申し上げて、終わりたいと思います。

 ありがとうございました。



○副議長(井岡正徳) しばらく休憩します。



△午後三時四十四分休憩

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△午後三時五十九分再開



○副議長(井岡正徳) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 次に、十二番岡史朗議員に発言を許します。−十二番岡史朗議員。(拍手)



◆十二番(岡史朗) (登壇)十二番岡史朗でございます。高市郡・橿原市選出でございます。公明党を代表して質問をさせていただきます。

 私ども公明党は、本年十一月十七日に結党五十年を迎えます。政党の離合集散が激しい中で、一貫して国民政党としてその役割を果たしてこられたのは、何があっても公明党を支援してくださった、県民皆様方のおかげであります。ここに改めて感謝を申し上げます。これからも立党の原点である大衆とともにの精神を大切に、県民の皆様の期待や希望をしっかり背負いながら、時代の変化に柔軟に対応し、地域住民の皆様方のニーズに的確に対応してまいる決意でありますので、どうかよろしくお願い申し上げます。

 それでは、質問に入らせていただきます。

 なお、質問については、一部重複するところもありますが、あえて重要な事項でありますので、さらに詳しくお尋ねいたしたい旨思いましたので、質問項目とさせていただきました。ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

 初めに、災害発生時の被害拡大防止の取り組みについて、知事にお伺いをいたします。

 去る八月二十日の未明の広島市における豪雨災害で、多くの方々が犠牲者となられました。お亡くなりになられました方々に心よりの哀悼の意を表するとともに、被災された皆様方が一日も早くもとの生活に戻られますことを、心よりお祈り申し上げます。

 さて、最近は、地球温暖化の影響と考えられるゲリラ豪雨が全国各地で発生いたしております。そして、このような状況は今後頻繁に起きることが想定されます。

 このたびの広島市の豪雨災害は、死者七十四人を含む百十八人の方々が人的被害に遭われ、物的被害も甚大なものに及んでおります。マスコミ報道によりますと、行政の住民に対する避難勧告等が十分機能しなかったのではないかとの一部報道もあり、今後に多くの課題を投げかけているのではないかと考えます。

 また、このような豪雨災害は真夜中から未明にかけて起きることが多く、私たちの生活リズムの弱点をつくケースが多々あるように思われます。したがって、これらの課題も含め、いつ、いかなるときに急な災害が起きても、住民の安心を確保することは大変重要なことであると思います。そのための対策として、まず避難勧告等の情報がリアルタイムで的確に地域住民に伝えられ、その結果、住民の安全が守られる仕組みの構築が重要と考えます。

 そこで、まず最初に知事にお伺いをいたします。

 いつ起きるかわからない自然災害に対して、二十四時間三百六十五日、的確かつ迅速に対応するため、県ではどのような体制をとっておられるのでしょうか。

 一方、避難勧告等については、原則市町村長が判断し、指示することとなっております。しかしながら、そのとき、市町村長が判断し得るに足りる情報が十分でない場合や、避難者の受け入れ体制が不十分な場合では、その判断がおくれたり、または間違ったり、ちゅうちょすることが考えられます。一刻を争う緊急災害時においては、的確かつ迅速な判断が重要であります。このような場面を考えますと、日ごろから県の市町村長に対するサポート体制とコミュニケーションが大切かと考えます。

 そこで、知事にお伺いをいたします。

 市町村においては、住民の生命を守るため、適切なタイミングでの避難勧告等の発令や避難場所の確保が重要と考えるが、県ではどのような支援をされているのでしょうか。

 先人の言葉に、「災害は忘れたころにやってくる」との言い伝えがあります。また、一般的に自分のところだけは大丈夫という思い込みがあります。最近の災害報道の中で、何十年も住んでいるがこんな災害は生まれて初めてと語る住民の声が多く報道されております。また一方、日ごろの避難訓練のおかげで被害を最小限にくいとどめることができたとの報道もございます。自分の命はまず自分で守ることが何よりも大切であります。そのためにも、日ごろから心構えや意識啓発、災害を想定した避難訓練が大切かと思います。

 そこで、知事にお伺いをいたします。

 災害から命を守るためには、住民一人ひとりが自分自身の命を守る行動をとることができるよう、平素から意識啓発や訓練を行うことが重要と考えるが、県ではどのような取り組みをされているのでしょうか。

 次に、地域包括ケアシステムの推進について、知事にお伺いをいたします。

 この件につきましては、ここ最近、私ども公明党は、毎回質問をさせていただいておりますが、大変重要な事柄であり、課題が山積していることもあり、今回も引き続き質問をさせていただきます。

 七十五歳以上の高齢者、いわゆる後期高齢者は現在、全国で約一千五百万人以上となっており、平成三十七年、二〇二五年には二千万人以上になると予測されております。いわゆる団塊の世代が七十五歳以上となり、単身や夫婦のみの高齢者や認知症高齢者がピークに達するものと考えられております。

 こうした中で、在宅での介護や療養に対する国民全体の希望が高まりつつあります。厚生労働省の調査によりますと、介護が必要になった場合でも、七割以上が自宅での介護を希望されており、医療においても六割以上の方々が自宅での療養を希望されております。本県でも、健康長寿日本一を目指して、県民の健康長寿への取り組みが始まっております。

 二〇二五年まであと十年余りで、この十年間の間に、できる限り住みなれた地域で人生の最後まで尊厳を持って自分らしい生活を送ることができる社会の実現に向けて、医療、介護、介護予防、住まい、生活支援が一体的に提供される、地域包括ケアシステムの構築を実現しなくてはなりません。社会保障制度改革国民会議の報告書では、疫病構造の変化を踏まえた病院完結型の医療から、地域全体で治し支える地域完結型の医療への改革の中で、在宅医療・介護の一体的なサービス提供体制の見直しが求められております。

 地域包括ケアシステムについては、高齢化の進展や地域資源に大きな地域差がある中、市町村や都道府県が、地域の自主性や主体性に基づき、地域の特性に応じて、ご当地ケアをつくり上げていくことが重要であります。昨年成立した持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律、いわゆるプログラム法の文言が明文化され、地域包括ケアシステムの構築に向けて、いよいよ積極的に取り組みを進めることが求められております。

 しかしながら、現状に目を向ければ、多くの課題が足元に横たわっております。中でも医療と介護の連携のあり方について、今後どのように取り組んでいかれるのか、特に行政と医師会、訪問看護ステーション、介護事業者の連携、さらには地域団体との連携において、誰が主体者となってどのような方法で連携していくのか、課題は多種多様であると思います。

 しかしながら、いわゆる二〇二五年問題を乗り越えていくためには、どうしても地域包括ケアシステムの構築をなし遂げなければなりません。限られた資源の中で、高齢者の皆様方の安心と希望をかなえるためには、関係者全員で英知を絞らなければならないと思います。

 そこで知事にお伺いをいたします。

 地域包括ケアシステムの構築において、重要な医療・介護の連携をどのように進めていかれるのでしょうか。

 さて、私ども公明党県議団は、過日、高知県中央東福祉保健所に視察に行ってまいりました。そして、田上所長をはじめ、スタッフの皆様と意見を交換してまいりました。目的は、地域包括ケアシステム構築における先進地の情報収集であります。高知県の取り組みにおいて、医療・介護・福祉の連携、いわゆる顔の見える関係づくりが最優先の課題であること、そして関係づくりにおけるコーディネートのキーマンは保健師であることを学びました。また、市町村と県の保健師が密に連携をとることがシステム構築には必要不可欠であることが理解できました。

 ちなみに、高知県の就業保健師は、平成二十四年末現在、人口十万人当たり六十四・二人と全国トップクラスであります。一方、本県は同じく十万人当たり三十三・五人となっており、下から八番目という状況でございます。本県においても、今後、地域包括ケアシステムの構築は取り組まなければならない課題であり、その取り組みにおける保健師の役割が重要になると考えます。行政と専門職とのつなぎ役として、コーディネーターとなり得る人材、さらに地域の保健行政に明るい人材といえば、保健師がキーマンとして最適であると考えます。もちろん保健師だけがキーマンになれるとは申しませんが、今、総合的に考えたとき、本県においても保健師の重要性を認識し、保健師の専門性の強化を図っていくことが必要と考えます。

 そこで、知事にお伺いをいたします。

 地域包括ケアシステムの構築に向け、在宅療養の体制を支える保健師の役割は重要であると考えるが、県内における保健師の人材育成・人材確保に向け、どのように取り組んでおられるのでしょうか。

 次に、県立医科大学及び周辺のまちづくりについて、知事にお伺いをいたします。

 このテーマについては、今まで何回も質問させていただいてまいりました。私の地元、橿原市においては、近年にはない大事業であり、市民生活そのものが大きく変わることにもなります。そして、県立医科大学附属病院は、橿原市及びその周辺に住まいしている者にとって、命の安心のよりどころとなる医療施設として、大変重要な病院であり、今後ますますその役割は大きくなるものと考えます。

 平成二十七年度中にオープンされる予定のE病棟は、今、その威容をあらわし、がん拠点病院の機能の強化とともに、高度医療への県民・市民の期待が大きく膨らんでおります。ますます進む少子高齢化社会の中で、病院を中心とした福祉のまちづくりは、大変重要な視点の行政課題の一つでもあります。

 さて、県立医科大学周辺のまちづくりについては、過日、平成二十六年度の取り組みについての説明がありました。県立医科大学の将来を見据えた大学附属病院のあり方、将来像の策定、バスによるアクセスの改善、現県立医科大学及び県立医科大学新キャンパスのゾーニング・動線の検討等の説明がありました。しかしながら、近鉄橿原線の新駅設置について、今回は触れられておりません。恐らく近鉄との話し合いが進展していないためと思われますが、最近の県当局の対応を見れば、新駅設置は諦めたのではないかとの憶測も流れております。私は、このたびのプロジェクトにおいて、新駅の設置を外せば、将来において大きな禍根を残すことになると、大変心配をいたしております。

 そこで、知事にお伺いをいたします。

 県立医科大学及び周辺のまちづくりを進めるに当たり、近鉄橿原線の新駅設置が重要と考えますが、現在の取り組み状況と今後の見通しはいかがでしょうか。

 農業研究開発センターの跡地に建設予定の県立医科大学新キャンパスは、周辺が緑に囲まれたすばらしい環境であると思いますが、この際、全国に誇れるキャンパスづくりを願うものであります。そして、県立医科大学附属病院との連携がしやすいアクセスやゾーニング・動線の検討が重要であり、さらには医療施設や教育施設にふさわしい環境整備が大切かと思います。また、緑に囲まれたキャンパスに建設される校舎は、奈良県の特産品である木材をできる限り活用し、ほかでは見られない、奈良県らしいものにされてはどうかと強く進言するものでございます。

 そこで、知事にお伺いをいたします。

 県立医科大学の移転に当たっては、現県立医科大学及び移転先の両方において、医療施設や教育施設にふさわしい環境となるようなまちづくりを進めることが必要と考えるが、いかがお考えでしょうか。

 さて、県立医科大学附属病院整備と関連して検討しなければならないのは、ドクターヘリの活用であります。本県のドクターヘリ活用に関する取り組みは、当初、和歌山県との共同利用のみでありましたが、その後、大阪府とも共同利用することとなり、さらに昨年よりは奈良県独自のドクターヘリの導入を検討するに至っております。私どもは一貫してその必要性を訴えてまいりましたが、ようやくその方向に動き出していることに関し、知事のご決断に深く感謝申し上げるものであります。昨年度は県独自のドクターヘリ導入を検討するため、八百万円の調査費を計上され、今年度も引き続き五十五万円を計上され、今後のドクターヘリの運用についてどのようにするのか、検討されていると伺っております。

 さて、私は以前より、県立医科大学附属病院にドクターヘリのヘリポートを設置すべきと主張してまいりました。その理由は、言うまでもなく、県立医科大学附属病院が三次救急医療を扱う、奈良県の中核的拠点病院だからでございます。また、最近では、基幹災害拠点病院として、災害医療において果たすべき役割が大きくなってきております。特に、奈良県の山間部に近い県立医科大学附属病院の役割は、大変大きいものと考えます。県立医科大学附属病院の整備にあわせて、近い将来の導入が期待されているドクターヘリや防災ヘリの離発着が可能なヘリポートを設置すれば、中南和地域はもちろんのこと、県全体の救急医療体制にも大きく貢献できるものと考えます。

 そこで、知事にお伺いをいたします。

 県立医科大学附属病院にドクターヘリが離発着できるヘリポートの設置が必要と考えますが、現在の検討状況はいかがでしょうか。

 次に、京奈和自動車道大和御所道路の整備について、知事にお伺いをいたします。

 京奈和自動車道は、今年度に御所インターチェンジから御所南インターチェンジの間が開通する予定であり、さらに南側の五條北インターチェンジまでの開通見通しも決まっていると伺っております。これらが実現すれば、奈良県内における京奈和自動車道は、五條市までつながり、大変便利になるものと思われます。

 一方、橿原市内における交通渋滞で特にひどいのは、京奈和自動車道の橿原北インターチェンジの南側で中和幹線と交差する土橋町南交差点と、国道二四号と中和幹線が交差する葛本町交差点であります。これらの渋滞箇所の根本的解決を促進するためには、まず京奈和自動車道の橿原北インターチェンジから橿原高田インターチェンジの整備が必要と思います。特にこの間は一般生活道路と交差しており、交通事故も頻発しており、交通渋滞も大変な状況であります。さらにこの間の交通渋滞は、京奈和自動車道の高規格幹線道路としての価値を著しく阻害するものでもあります。一日でも早くその対策を推進することが、喫緊の課題であります。

 そこで、知事にお伺いいたします。

 橿原市内の道路交通の円滑性や安全性の向上にもつながる、京奈和自動車道大和御所道路の橿原北インターチェンジから橿原高田インターチェンジの間の整備の見通しはいかがでしょうか。

 次に、障害者への介護給付費等の支給について、健康福祉部長にお伺いをいたします。

 障害者福祉施策は、平成十五年度からノーマライゼーションの理念に基づいて導入された、支援費制度により、その充実が図られてまいりました。

 しかしながら、その問題点も指摘されております。例えば、障害種別ごとに縦割りでサービスが提供されており、施設・事業体系がわかりにくく使いにくいこと、さらにはサービスの提供体制が不十分な地方自治体も多く、必要とする人々全てにサービスが行き届いていない、すなわち市町村間の地域格差が大きいなどの制度上の課題があり、それらを解決するとともに、障害のある人々が利用できるサービスを充実し、一層の推進を図るために、障害者自立支援法が制定されました。その後、障害者制度改革推進本部等における検討を踏まえて、平成二十五年、障害者総合支援法が施行されたわけでございます。

 障害者を対象としたサービスは、市町村が行う自立支援給付と、都道府県と市町村とが役割を分担して行う地域生活支援事業があります。

 さて、法施行後約一年半経過しましたが、市町村ではまだまだその対応に追われているのが現状ではないかと思います。その中でも、当初、障害者自立支援法の改革の狙いの一つであります、公平なサービス利用のための手続や基準の透明化・明確化があります。しかしながら、市町村においてはそのための体制づくりに温度差があり、障害者・児の要望に十分対応できていないのではないかと心配をいたしております。

 そこで、健康福祉部長にお伺いをいたします。

 障害者への介護給付等の支給決定に係る事務を公平・公正に行うため、県としてどのように取り組まれているのでしょうか。

 次に、森林環境の保全について、農林部長にお伺いをいたします。

 本年十一月十五日から十六日に、海のない本県において、「第三十四回全国豊かな海づくり大会〜やまと〜」が、通例であれば天皇皇后両陛下のご臨席のもと開催されます。この大会が盛大に開催され成功されること、そして県南部地域の紀伊半島大水害からの復旧・復興につながることを期待してやみません。

 この大会のテーマとなっております、「ゆたかなる 森がはぐくむ 川と海」にありますように、本県は、県土の七七%が森林で、そのうち民有林が九五%の豊かな森林県であります。そのため、平成二十一年度に奈良県森林づくり並びに林業及び木材産業振興条例を制定し、平成二十二年度からは同指針に基づいて、木材生産を目的とした森林施業が持続的に行われる森林を木材生産林、それ以外で施業が放置された人工林及び里山林、そして立ち入り利用や眺望活用など、県民が利活用できる森林を環境保全林と位置づけ、その環境保全林を対象に、施業放置林の解消に取り組むことによって、豊かな森林を守ってきていることは、承知いたしております。しかしながら、林業の不振により手入れができなくなった森林や、生活様式の変化により利用されずに荒れている里山林は、まだまだたくさん存在し、継続してその対応に取り組んでいかなければならないと考えます。

 この環境保全林において展開されている、豊かな森づくりの取り組みをさらに発展させるためには、森林の現状と県の取り組みを、多くの県民の皆様に知っていただく必要があると考えます。そのためには、県民の皆様が気軽に参加できるような、さまざまなイベント行事が最も効果的だと考えます。

 そこで、農林部長にお伺いをいたします。

 「ゆたかなる 森がはぐくむ 川と海」を大会テーマとする「第三十四回全国豊かな海づくり大会〜やまと〜」が開催されることを契機に、今後、どのように森林環境の保全に取り組み、どのように県民の皆様に普及・啓発しようとされておられるのでしょうか。

 次に、飛鳥川の未改修区間の安全性確保について、県土マネジメント部長にお伺いをいたします。

 橿原市内を流れる飛鳥川は、万葉集にも数多く歌われており、歴史とロマンあふれる河川でありました。しかしながら、時代とともに川の姿は大きく変わり、今や生活排水の流入もあり、とても清流とは言えない状況になっております。

 一方、最近は、地球温暖化の影響と思われるゲリラ集中豪雨が頻繁に、しかも全国的規模で起こっており、いつどこでゲリラ豪雨災害が起きても不思議ではない状況にあります。特に飛鳥川においては、橿原橋から上流付近、すなわち南八木町と兵部町付近は、河川の幅も大変狭く、大雨が降ればいつ決壊するかわからない状況で、大変心配をいたしております。

 かつて昭和二十年代に、この箇所が決壊したことがあり、今井町付近では膝を越える浸水があったと聞いております。橿原市民の皆様にとっては、飛鳥川が住民生活に潤いを与え、そして河川付近の住民が安心して生活ができることを、強く願っておられます。

 そこで、県土マネジメント部長にお伺いをいたします。

 橿原市内を流れる飛鳥川の未改修区間の安全性を確保するため、河道に堆積している土砂や草木の除去を行うべきと考えるが、いかがでしょうか。また、未改修区間における今後の整備の予定についてもお伺いをいたします。

 以上で壇上からの質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○副議長(井岡正徳) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)十二番岡議員のご質問にお答え申し上げます。

 最初のご質問は、災害発生時の被害拡大防止の取り組みについてでございます。

 まず、県の体制についてのお問い合わせでございます。

 自然災害に対する県の体制でございますが、まず休日・夜間に発生した災害に対しましても確実な初動体制を確保する必要があると思っております。平成十九年七月より、防災関係課職員と知事部局の課長級職員の二名による宿日直体制をとっております。

 次に、台風接近に伴う大雨等の大規模な災害が発生するおそれのある段階で、奈良県地域防災計画に基づき、危機管理監を本部長とする災害警戒本部を設置し、県内各市の被害情報を収集・分析する等の警戒体制をとることにしております。さらに大規模災害発生時には、知事を本部長とする災害対策本部を速やかに設置し、人の命を守るために必要な応急対応を総合的に推進することとなっております。

 警戒体制や宿日直を行う県防災統括室内の一室には、市町村等との連絡を行う防災行政無線、気象庁から気象情報が伝達される防災情報提供システム等の各種の機器が常時配置されております。これらの機器は、情報を受信すると、確認の操作を行うまでアラーム音が鳴り続けるなど、県職員に確実に情報を覚知させる仕組みとなっております。これらの体制により、いつ起こるかわからない自然災害等の迅速対応を心がけておるところでございます。

 次に、災害発生時の被害拡大防止の取り組みについてのお問い合わせがございました。

 県では、台風に伴う大雨等により災害発生のおそれがある場合は、市町村に避難勧告発令の判断に利用される、気象情報等を迅速に伝達しているだけでなく、市町村からの問い合わせに対して助言するなど、市町村と連携を図りながら、災害への対応を行っていますが、避難勧告などの発令の判断が難しいという声も、市町村側から聞かれているところでございます。

 避難勧告等の発令は、市町村長の権限でございますが、適切なタイミングで発令するためには、河川の水位や土砂災害警戒情報の発令状況を確認することなどにより、一定の基準に達した場合には適切に発令できるよう、具体的な基準を事前に定め、計画化しておくことが非常に重要だという認識を持っております。

 このため、この五月には、奈良地方気象台と県とが合同で、全市町村に対して、防災気象情報の見直し等に関する説明会を実施いたしました。

 このほか、避難勧告発令の判断基準につきましては、専門的な知識が必要でございますので、気象台や河川事務所等、国の機関の協力も得て、具体的な基準づくりを支援してまいりたいと考えております。

 次に、切迫した危険から一時的に逃れるための、避難場所の確保につきましてでございますが、遠方の施設や民間の施設等も含め、土砂災害のおそれのない施設や、想定される浸水の深さ以上の高さを持つ建物の上の方の階を指定するなどの事例を紹介して、安全な避難場所の確保・指定が進むように、市町村とともに検討を行っている事情にございます。

 今後は、今年度から二カ年で、住民避難を最重点課題といたしまして、市町村が防災計画の見直しを終えられ、市町村の防災力が向上するよう、県として積極的な支援を行う期間としていきたいと思います。

 被害拡大防止の取り組みについての、次のご質問でございますが、日ごろからの意識啓発や訓練を行うことの重要性をお述べになりました。

 議員お述べのように、大規模災害が発生した直後の段階では、住民一人ひとりがご自身の命を守る正しい行動をとっていただくことが大切でございます。過去の災害の例、例えば阪神・淡路大震災では、救出された人のうち約九八%が、自力、家族、近隣住民による救出であったとの調査報告があります。みずからまたは身近な人の救助が命を救う事例のほとんどでございます。

 県では、県民や地域の自主防災組織等が主体となって地域における防災活動を推進することが、県民が安心・安全に暮らせる、災害に強い地域社会の実現にとって重要であると考えておりますが、県民などの役割やこれを推進する施策の基本的事項を定めた、奈良県地域防災活動推進条例を今年四月に施行させていただいた次第でございます。

 条例の中では、災害の種別ごとに、地震、水害及び土砂災害に関する防災の日をそれぞれ定めております。防災訓練や意識啓発のための講演会を開催して、意識の醸成を図っております。災害の対応の仕方がそれぞれ違ってくるという観点の考え方でございます。

 具体的な訓練の内容でございますが、地震防災につきましては、地震防災の日でございます七月九日にしておりますが、地震から身を守る基本行動の確認を一斉に行う、シェイクアウト訓練というものを最近実施し始めました。ことしは約八万三千人に参加していただきました。水害防災につきましては、八月二日に、大和川河川敷において、水害の災害現場を想定した防災総合訓練を実施して、防災関係機関や地域住民約千二百人に参加をしていただきました。さらに、自主防災組織が中心となって実施する避難・誘導訓練及び避難所運営訓練に対してアドバイザー派遣等の支援をしております。

 また、意識啓発の面でございますが、土砂災害防災の日でございます九月三日から四日を中心とした期間に、歴史から学び未来につなげる防災講演会などを開催いたしましたほか、地域の防災活動の中心的な役割を担うリーダーの養成研修を実施しました。

 災害自体の発生を防ぐことはできませんが、このように災害のタイプに応じた避難・防災・減災訓練を進めることによって、減災を図っていきたいと考えているところでございます。

 地域包括ケアシステムの取り組みについての質問が幾つかございました。

 まず、地域包括ケアシステムの構築についての、医療・介護の連携についてのお問い合わせでございます。

 高齢者が疾病や要介護状態になっても、住みなれた自宅で安心して暮らし続けることは重要でございますが、その中では在宅医療の充実が不可欠でございます。地域における医療・介護の連携による包括的かつ継続的なサービスを提供する仕組みが重要でございますが、地域包括ケアの考え方でございます。

 一方、地域における医療・介護連携の推進主体は、県、市町村で違いがございます。市町村では、これまで医療とのかかわりが希薄でありますとともに、市町村長の意識の差や組織横断的な検討体制が未整備である等、医療・介護の連携を進める上での課題が見受けられるところでございます。しかし、地域医療・介護連携の推進主体は市町村が中心になるべきでございますので、県といたしましては、全面的にご支援申し上げる必要があると考えております。

 本年四月に設置いたしました地域包括ケア推進室と保健所で、包括ケア推進支援チームを県では編成いたしまして、個々に市町村を訪問して、医療関係者を含めた多職種による地域ケア会議の創設や運営等について、助言・指導を行い、地域包括ケアシステム構築のための体制づくりに積極的に支援を行ってきております。

 また、病院からの在宅復帰が円滑に行われるよう、今年度から、県下四ブロックで、訪問看護師と病院において退院調整を行う看護師との連絡会議も開催をしております。

 また、地域包括ケアシステムの構築には地域の実情がいろいろ違うところがございますので、地域の実情に応じた仕組みをつくろうというのが県の方針でございますが、そのような中で、奈良市や宇陀市及び西和地域、南和地域において、県主導でモデル事業を取り組んでいるところでございます。性格の違う地域におけるモデル事業というふうに考えているところでございます。

 これらの地域におきましては、参加していただく方のメンバーでございますが、地区の医師会、病院、薬剤師会、訪問看護事業所、市町村及び地域包括支援センターなどでございます。関係機関が参画する協議会や勉強会を頻繁に開催して、医療・介護連携を推進するための、顔の見える関係づくり、コネクションをつくる関係づくりを進めております。これらの取り組み過程で、県や市町村職員においても医療・介護連携のためのノウハウが形成されつつございますので、そのような市町村、行政側の能力アップも期待しているところでございます。

 県におきましては、今後、健康福祉部と医療政策部が中心となって、介護保険事業支援計画と地域医療ビジョンの、これは両方とも県の計画でございますが、整合性をとりながら、必要な医療と介護のサービスを確保し、それらが互いにしっかり連携する仕組みをつくる、奈良のモデルを先行的につくる努力をしていきたいと思っております。

 人材の確保についてのご質問がございました。とりわけ重要な役割を果たします保健師の人材確保のご質問でございました。

 地域包括ケアシステム構築の要は保健師であると、県では考えております。地域医療連携のコーディネーターとして、地域の課題にオールマイティーに対応できる能力のあるのは、保健師さんでございます。

 昨年度から、県保健師と市町村保健師等が一堂に会し、全国でも例のない取り組みだと言われております、保健師ネットワーク全体会議を立ち上げました。これは県を退職された保健師、川口さんがこのようなネットワークが要るよと言い残された事例に基づいて、これはつくるべきとしてつくり始めた会議でございます。今は大分県におられますが、立ち上げて、専門性を生かした保健師間の連携を強化し、人材育成につながる県・市町村を通じたネットワークによる人材育成の体制をつくるという志でございます。

 また、西和地域、宇陀市、南和地域では、市町村支援担当保健師が中心となり、多職種から成る協議会を開催していただいております。地域包括ケアのモデル事業を推進するなど、保健師ぢからを頼りにしているところでございます。

 県といたしましては、地域包括ケアや健康長寿まちづくりを構築するという志からは、保健師の果たす役割は極めて重要だということは、議員のご指摘と同感でございます。積極的な人材育成と確保に努めていきたいと思っておるところでございます。

 県立医科大学周辺のまちづくりについてのご質問が幾つかございました。

 議員が幾度もご質問になった分野でございますが、県立医科大学の教育・研究部門の移転は、開学以来の大事業でございます。したがいまして、今後、三十年、四十年以上先を見据えた、県立医科大学の将来像をまず第一にしっかりと踏まえておくことが重要なことだと思います。このため、県立医科大学の目指すべき将来のあり方、果たすべき役割について、県と県立医科大学とで議論・検討を進めております。医大の将来像策定会議と呼んでおります。私も毎回出席いたしまして、月一回のペースで現在進めているところでございます。

 このような中で、課題の一つにまちづくりがございます。教育、研究、臨床、まちづくりというふうに部会が分かれております。このような中で、まちづくりの中での新駅設置は、大きな病院のそばに駅があるまちとして、魅力を高め、病院へのアクセス性を大きく向上させる威力のあるものでございます。このために、その線路を持っておられる近鉄にとりましても、新駅設置の投資をするメリットがあることだと思っております。近鉄には、整備費全額を地元が負担する、いわゆる請願駅ではなく、そこで収益を得ることができる鉄道事業者として、みずから応分の負担をする形での新駅設置を前向きに考えていただきたいということを、引き続き訴えていきたいと思っております。これは通例のことでございます。

 県といたしましては、全国の最近の新駅設置事例を参考にして、駅と相乗効果を発揮できるまちづくり、鉄道事業者が駅を設置できる条件などについて、引き続き検討したいと考えておりますが、一方、新駅の設置にかかわらず、病院へのアクセスをよくすることが重要でございます。鉄道で来られる方、自家用車で来られる方、バスで来られる方、徒歩で来られる方がおられるわけでございます。近い将来は病院へ直接バスが乗り入れできるように、病院の敷地内にバスターミナルを確保したいと考えております。

 このように、県立医科大学の移転、病院の再整備を契機に、バス交通を充実させるための第一歩として、またこれを先取りする形として、病院駐車場や周辺道路の混雑を少しでも緩和させる効果も期待できますので、この十月から、奈良交通の既存バス路線の経路変更と大和八木駅からの往復バスの運行により、病院玄関前までのバスの乗り入れを試行的に行いたいと考えております。県といたしましては、これらのバス運行に係る経費を補助いたします。収益を除く赤字部分を県が負担することとしております。

 鉄道事業者が新駅を設置しないにしても、バスによる交通の便をよくすることで、新駅設置を前提としないまちづくりも並行して考えておかなければいけないと思うところでございます。

 移転先と移転跡の環境づくりについてのご質問がございました。

 県立医科大学の教育・研究部門の移転に当たりましては、県立医科大学の将来像を踏まえて、老朽化・狭隘化した施設を再整備したいと考えております。また、あわせて県立医科大学周辺のまちづくりについても、ご質問がありましたように検討していきたいと思っております。

 このようなことから、県立医科大学周辺のまちづくりの段取りでございますが、玉突き方式になるわけでございますが、農業研究開発センターの移転・再整備がまず第一でございます。第二は、農業研究開発センターの跡地に県立医科大学の教育・研究部門を移転し、新キャンパスの整備を進めることでございます。第三に、県立医科大学の教育・研究部門移転跡地での病院部門の再整備・充実を図るという手順になると思います。これを順次玉突きで、かつ重複しても検討を毎日先行して進めるということにしております。

 まちづくりの検討に当たりましては、県有地を有効に活用することといたしまして、新たなキャンパスには、学生だけでなく、地域の方々にも利用いただける図書館や体育館、緑地、健康づくりセミナーなどが行える交流ホールなどをゆったりと設置して、オープン化をしていきたいと思います。さらに周辺の緑豊かな景観や環境を生かして、健康ウオーキングコースなども整備したいと考えております。地域に開かれたキャンパスになるようにしたいと思っております。

 一方、移転後の現県立医科大学の敷地でございますが、臨床医局、外来部門、立体駐車場など、医療施設の再整備、古くなった施設の再整備が必要でございますが、そのほか新しく整備が期待されております医療と介護を一体的に行う高齢者施設、通院者向け短期滞在施設など、病院がそばにあるという立地環境を生かした投資、施設の集約も期待できますので、これらの配置も勘案した計画の検討を進めていきたいと思います。

 県立医科大学を中心としたこのエリアは、橿原市にとっても、まちづくりの一つの核になる大きなプロジェクトでございます。周辺の公有地や民有地の活用について、橿原市の考え方も伺いながら、県、県立医科大学及び橿原市とが緊密に協議し、まちづくり構想の検討を進めていきたいと考えているところでございます。

 ドクターヘリについてのご質問がございました。

 新奈良県総合医療センター、北にあります奈良医療センターと南和広域医療組合が大淀町で建設を進めている救急病院に、ヘリポートが整備されますと、今後はドクターヘリが直接傷病者を病院へ搬送できる環境が整います。県では、昨年度より県独自のドクターヘリ導入に向けた検討を、議員のご要望もあり、始めたところでございます。

 昨年度は、地域住民の方々の理解を深めるためのデモフライトや騒音調査等の基礎調査を行ってまいりました。また、有識者や急性期の医療者で構成する、奈良県ドクターヘリ導入等検討委員会において、独自導入した場合のニーズや課題を検討いたしました。

 検討委員会からのご意見でございますが、例えば、ドクターヘリの常駐病院としては、南部・東部の山間地域に最も近く、搬送時間の短縮が期待できる南和の救急病院に整備するのが望ましいというご意見や、さらに二次救急病院である南和の救急病院では対応が困難な、生命にかかわる重篤な三次救急病院の受け入れ体制の充実を図るため、高度救命救急センターを設置する、県立医科大学附属病院のヘリポート整備についても、早期の検討が望ましいといった提言をいただいているところでございます。

 したがいまして、県立医科大学のヘリポート整備は、目指すべき県立医科大学の将来像や施設整備に係る基本的な考え方として策定をしております、医大の将来像策定会議の中での検討テーマの一つとして、検討を進めたいと思います。また、議員お述べのように、災害医療や救急医療に大きく貢献できる可能性のあるヘリポートの整備について、同じような考え方で検討を進めたいと思います。

 京奈和自動車道大和御所区間の整備、混雑が一番激しい橿原市周辺の道路でございますが、京奈和自動車道は本県の産業振興や観光振興の観点から、欠くことのできない重要な社会インフラとなってきております。県といたしましても、御所インターチェンジ周辺の産業集積地の形成や、仮称でございます奈良インターチェンジ周辺のまちづくりなど、京奈和自動車道と一体となった地域振興プロジェクトに主体的・積極的に取り組んでいこうとしているところでございます。

 また、京奈和自動車道は、国道二四号バイパスの土橋町南交差点や国道二四号の現道区間の葛本町交差点をはじめとする、橿原市における主要渋滞箇所の抜本的な解決策になるものと思っております。

 本年四月には、国土交通省近畿地方整備局から、西名阪自動車道とつながる(仮称)大和郡山ジャンクションなどの平成二十六年度供用、御所南インターチェンジから五條北インターチェンジ間の平成二十八年度供用が発表されました。今後の事業の加速に期待をしているところでございますし、このように完成が間近に迫ってきたという感じがする区間があらわれております。

 その中で、議員ご指摘の橿原北インターチェンジから橿原高田インターチェンジ間の供用予定時期についていは、まだ明らかにされておりません。しかし、平成二十八年度に御所南インターチェンジから五條北インターチェンジ間が供用されますと、残るはこの区間だけということで、ミッシングリンクと言われる区間になるわけでございます。

 当該区間は既に用地買収が九割以上進んでいる状況と聞いておりますので、ぜひとも事業の進捗に必要な予算をしっかり確保していただき、一日も早い工事着手、また(仮称)奈良インターチェンジから西名阪自動車道の区間とあわせて、平成三十年代半ばに供用していただけるよう、引き続き国に対し強く要望してまいりたいと思っております。(仮称)奈良インターチェンジから一気に和歌山市まで行ける道路貫通というのが、今、目下、県の京奈和自動車道の最も大きな願いということに考えております。

 残余の質問は関係部長に答弁をさせていただきたいと思います。ご質問ありがとうございました。



○副議長(井岡正徳) 江南健康福祉部長。



◎健康福祉部長(江南政治) (登壇)十二番岡議員のご質問にお答えをいたします。

 私に対しましては、障害者への介護給付費等の支給決定に係る事務を公平・公正に行うために、県としてどのように取り組んでいくのかというお尋ねでございます。

 現行制度上、障害のある人が必要な障害福祉サービスを利用されるためには、市町村におきまして、支援の必要度を客観的に示します障害支援区分や、相談支援事業所が作成いたしますサービス等利用計画などを勘案して、適正にサービスの種類や支給量を決定することとされております。

 したがいまして、議員お述べのとおり、サービスを受ける方の意向や身体の状態等を的確に反映し、公平・公正に支給決定がなされるための体制づくりは、大変重要であると考えております。

 また、このような支給決定の仕組みを支えるには、基本的な知識・技術を持ち、障害のある人の生活実態を適切に把握する技量などを兼ね備えた人材が不可欠であります。

 とりわけ、障害支援区分認定にかかわる認定調査員、市町村審査会委員、審査判定の必須の資料となります医師意見書を作成する主治医、サービス等利用計画を作成する相談支援専門員につきましては、支給決定の過程におきまして、非常に重要な役割を担っていただいております。

 このような人材の養成と確保は県の重要な役割の一つであると認識しておりまして、県においては、認定調査員研修をはじめとする、それぞれの専門研修を開催いたしまして、人材の確保並びに資質向上に取り組んでいるところでございます。

 今後ともこのような研修の充実を図るとともに、市町村に対しまして、法令等に基づく適正な運用に関する助言など、支給決定の公平・公正な実施に取り組んでまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○副議長(井岡正徳) 福谷農林部長。



◎農林部長(福谷健夫) (登壇)十二番岡議員のご質問にお答えをいたします。

 私には、「第三十四回全国豊かな海づくり大会〜やまと〜」の開催を契機として、今後どのように森林環境の保全に取り組み、どのように県民に普及・啓発しようとしているのかというご質問でございます。答弁をさせていただきます。

 議員お述べのように、本県では、平成二十二年度から奈良県森林づくり並びに林業及び木材産業振興条例及び同指針に基づき、森林の有する多面的機能が持続的に発揮されるよう区分を行い、環境保全林に対しては、水源涵養機能や災害防止機能、または保健休養機能などを高度に発揮できるような取り組みを展開しているところでございます。

 この取り組みにつきましては、適切な手入れがされず放置された人工林で、強度の間伐を行うことにより、森林の多面的機能の回復を図る施業放置林の整備、集落周辺で人の手が入らなくなった里山を整備する里山づくりの推進、森林と人々の生活の関係など、森林環境の大切さを理解していく森林環境教育の推進、人が立ち入り楽しめる森林とのふれあい推進、そして生物多様性の保全につながる森林生態系の保全など、さまざまな施策を展開しているところでございます。

 県民の皆様に対する普及啓発につきましては、森林環境教育の推進の一環といたしまして、間伐体験や木工クラフトなどを行う森の学校というイベントを通じて、森林の大切さや木のよさを学んでいただいており、平成十八年から平成二十五年の間に延べ一万九千三百名の参加をいただいております。また、年明けの一月には、森林環境税に関するシンポジウムの開催や、県民の皆様へのアンケートの実施も予定をしているところでございます。

 今後ともこのような取り組みは継続をしていくことに意義があるというふうに考えております。また、「第三十四回全国豊かな海づくり大会〜やまと〜」の開催を契機として、山、川の豊かな自然の恵みを未来に引き継ぎ、森林環境を保全できるよう、関連イベントの開催など、県民の皆様への普及・啓発事業のさらなる展開を検討してまいりたいと考えております。

 以上でございます。ありがとうございました。



○副議長(井岡正徳) 加藤県土マネジメント部長。



◎県土マネジメント部長(加藤恒太郎) (登壇)十二番岡議員のご質問にお答えいたします。

 私には、飛鳥川の未改修区間の安全確保等につきまして、お尋ねがございました。

 飛鳥川は、橿原市内におきまして、近鉄大和八木駅周辺の中心市街地を貫流するなど、地域の治水安全上大変重要な河川だと認識をしてございます。

 橿原市内の飛鳥川につきましては、これまでに国道二四号橿原橋より下流の河川改修を終えておりまして、今後、平成十七年度に策定いたしました大和川水系布留飛鳥圏域の河川整備計画に基づきまして、さらに上流に向けまして、改修を進めていくことにしてございます。

 また、河道に堆積いたしました土砂や草木の撤去につきましては、河川の阻害率などにより、県が管理する河川全体の中で、優先順位をつけまして、緊急性の高いところから進めておるところでございますけれども、橿原市内の飛鳥川の未改修区間につきましても、平成二十四年度、平成二十五年度と、縄手町から田中町にかけまして、約二・五キロメートル区間、この間で土砂撤去を実施しております。また、今年度も飛騨町から上飛騨町の区間、約〇・六キロメートルにつきまして、土砂の撤去を実施してまいります。

 また、河川改修でございますけれども、現在、近畿地方整備局奈良国道事務所が進めております国道二四号の橿原橋のかけかえ工事と一体的に、この間の河道の拡幅を行うこととしてございます。

 現在、奈良国道事務所におきまして、迂回路設置に必要となる用地につきまして、用地交渉等を進めていただいておるわけでございますけれども、交渉が難航しており、思うように進捗が図られないというような状況と聞いてございます。

 県といたしましても、地元橿原市の協力もいただきながら、地域のご理解がいただけるよう、積極的に取り組みまして、早期にこの橿原橋のかけかえが進みまして、さらに上流に向けての河川改修が進められるように、努めてまいりたいというふうに考えてございます。

 以上でございます。



○副議長(井岡正徳) 十二番岡史朗議員。



◆十二番(岡史朗) ご答弁ありがとうございました。

 まず、一番目の災害発生時の被害拡大防止の取り組みについてでございますが、このことを何で取り上げたかといいますと、先日の広島市の事案があった直後に、連携がうまくいっていなかったという報道がありましたですよね。奈良県は大丈夫かという、私の方へ何人かからお問い合わせがありまして、特にファクスが全然職員が見てなくて、後からそれを追随するような形の後手後手に回ったというような報道もございました。私は、奈良県は大丈夫かなと思って、この間いろいろとお聞きしたんですけれども、今ご答弁もありましたように、泊まり込みでそういう体制をとっていただいているということを聞きまして、安心しました。ただし、まだまだこれからいつどんな災害が起こるかもわからない。備えあれば憂いなしでございますので、より一層対策をよろしくお願いしたいと思います。

 それから、地域包括ケアシステムの推進でございますが、これは本当にこれから十年かけていろんなことを試行錯誤しながら積み上げていかなきゃならない課題だと思いますので、我々も性急に結論を急いでいるわけではございません。地域の実情もございます。人材の問題もございます。そういうことを考えながら、今しなければならないことは何なのかということを一つ一つ検証しながら、積み上げながら、十年後をにらみながら積み上げていただきたいと、このように思うわけでございます。

 その中に一つ、我々は今回保健師というのに焦点を当てて視察もさせてもらったわけでございますけれども、これは一つは現場のお声を聞いている中で、お医者さんとケアマネジャーとのコミュニケーションがなかなかうまくいかないという話を聞いております。それは理由は何かと言いますと、やはりお医者さんというのは専門的な知識をたくさん持っていらっしゃいます。片やケアマネジャーというのは、介護に関する部分についてはそれなりに詳しいわけでございますけれども、お医者さんほど詳しい知識を持っていない。ましてやその地域の保健行政等についてもそんなに詳しくない。そこでやっばり最終的にはお医者さんにも物が言え、地域の保健行政にも明るい人は誰なのか。まさにこれは保健師が一番適性じゃないかなということを我々も感じたわけでございます。

 決してお医者がどうこういうわけではございませんけれども、お医者ってなかなか物を言いにくい人種でございまして、しかし、この地域包括ケアシステムをうまく機能させるためには、やっぱりお医者さんの協力、そして理解がなければ、大変私はこの点が重要な課題だと思っていますので、そういう意味でもこの保健師というコーディネーターは非常に重要な役割を期待できる立場じゃないかなと思いますので、ぜひ保健師の人材活用を今、知事がご答弁なされたように、しっかりと人材育成に取り組んでもらいたい。人数が多い少ないはあまり言いません。要はやっぱり大事なところにちゃんとおればいいわけでございまして、奈良県としても今の陣容でもし足りないと思うのであれば、さらに県の保健師または市町村が抱えている保健師、今どっちからいったら県の保健師は縮小傾向にありますね。そして、市町村がかわってふえているという傾向がございまして、これはその地域のニーズに応じて多分そういうふうになっているんだろうと思いますが、しかし、県は県のやっぱり保健師が大事な役割をそのつなぎ役として要ると思います。そして、市町村には、実際、現場で実践的に動く保健師が要ると思いますので、その辺の連携がとれるバランスはどうなのかということを検証をいただきながら、保健師の適正な数はどれくらい要るのかということを再度検討いただきまして、この地域包括ケアシステムの構築のキーマンの育成をよろしくお願いしたいと思います。

 それから、県立医科大学の件につきましては、もうくどくなりますので申し上げませんが、先ほどの知事のご答弁、新駅の件は前回とほぼ同じ答弁でございました。これについては私もいたし方ないなという面もありますけれども、ただ一番懸念しておりますのは、新駅の設置について、まだ県は決して諦めていないということを、ぜひ知事、もう一度よかったらご答弁願いたいんです。確かにできない場合も想定してという答弁もありましたけれども、それはもちろん全体を将来を見るときにおいて、いろんな考え方が必要だと思いますけれども、やはりまだまだ新駅設置を諦めていないということを、再度確認させていただきたい。

 といいますのも、過日、橿原市が新駅を中心としたまちづくりの絵を、プロポーザルを今求めて予算を組み始めました。まちづくりの構想を今から積み上げていこうという作業に入っております。その中では新駅というのがちゃんとうたわれておりまして、そうなってきますと、この新駅ができるかできないかによって、橿原市の計画も大きく変わってくるんだろうなというふうに思います。したがいまして、できるできないはこれは結果でございます。何とか県と市とまた近鉄にも、先ほど知事もご答弁がありましたように、お伝えいただきまして、何とか実現するようにお願いしたいと思います。

 それから、ドクターヘリにつきましては、ご答弁ありがとうございました。この件については重ね重ね知事が本当に前向きに取り組んでいただきましたことを、心から感謝を申し上げます。いよいよこの県立医科大学附属病院にも近い将来ドクターヘリまたは災害用のヘリが離発着できる、ヘリポートができる可能性が生まれてきたなというふうに、今答弁を聞きながら思いました。ただ、県全体としても大変なこれは重要なことでもございます。やはり三次救急ができる病院にドクターヘリが直接つけることができるかできないかというのは、命にかかわる問題でございますので、ぜひこれは実現していただく方向でお願いしたいと思います。私も地元の議員として全力でまた、微力ではございますけれども、支えてまいりますので、知事によろしくお願いしたいと思います。

 京奈和自動車道の件につきましては、これは大きな話でございます。予算も大きなお金が要ると思います。ただし、土地の買収が、先ほどもありましたように、もう約九割余りですか、大体めどがついておるというふうなことでございますので、あとは予算さえつけば何とか動かせる話ではないかと思います。そういう意味におきまして、これは橿原市民悲願の高速道路の問題でもございますので、何とか一日も早く実現されることを心から願っておりますし、ご努力をお願いしたいと思います。

 それから、障害者への介護給付費等の支給でございますが、先ほど健康福祉部長がお答えになったように、公正・公平が保たれるようにやることが一番基本だというのは、もちろん言うまでもないわけでございますけれども、先ほど健康福祉部長がポイントを申されました。認定調査の部分の公平性が確保されているかという話。それから、医師の意見書がどのようにつくられているのかというところのポイント。そして、もう一つ大きなポイントは、何といっても市町村審査会というのがありますよね。ここの審査会が形はほぼつくられているように聞いておりますけれども、実際現場ではどのように機能しているのかということを、ひとつ検証していただきたいと思います。

 また、たしか一カ所だけはまだできていないところがあるようにも聞いておりますけれども、これは国の方から早くつくって、できるようにしなさいという通達も出ているようでございますので、ぜひこの辺を検証してもらいたい。

 そして、きのうも触れましたのでもう言いませんけれども、サービス等利用計画書においても今本当に現場は大変混乱状態が続いておりますので、やはり障害者の施策というのは、今までどちらかというと後回しにされてきた嫌いがございます。ですから、何とか早く障害者の皆さんに安心して公平・公正なサービスが受けられる体制をぜひお願いしたいと思います。

 森林の環境保全のことでございますが、今回、通例であれば、天皇皇后両陛下が来られての行事になるようでございます。私はこういうことはめったにない機会だと思いますし、やはりこれを一過性のものにしないためにも、これを一つの契機として、特に海を守るためには川をつくる、川をつくるためには山をつくるという、この発想、実はこれは大変すばらしい着眼点だと思いますし、案外、我々奈良県の人間はそう思っていますけれども、他府県の者はあまりそういうことに気がついていないですね。

 きのう、実は私、同じ同僚議員と話をしていて、奈良県はことし十一月に天皇皇后両陛下が来られてこういう催しがあるんだと言ったら、「こんな海のない県で何しますの」と開口一番言うわけですね。私が「いや、違うんですよ」と、「海をつくるのは川、川をつくるのは山、すなわち奈良県の山づくりが川づくりになるんですよ」と説明したら、「なるほどな」というふうに感心されておりました。それが一般的な認識だと思います。

 今回、奈良県でこの海づくり大会が行われることは、大変有意義な行事だと思いますし、山の県である奈良県、またほかにもありますけどね、山づくりというテーマが本当に私はいい発想だと思いますし、大事な部分だと思いますので、ぜひこれを強く今後とも継続して山づくりに取り組んでいただくように、これは農林部長、ひとつよろしくお願いしたいというふうに思います。

 それから、飛鳥川の河川改修についてでございますが、これは先ほども申し上げましたので、くどくは申し上げませんけれども、前から私もこれは取り上げてきた課題でございます。橿原橋の国土交通省による工事が、いろんな事情がありましておくれておるということが一つの足かせになっているということはわかっているんですけれども、しかし災害は待ってくれません。特に昨今の雨の降り方は異常でございます。私も今まで何回か増水した飛鳥川を見に行きました。一回は本当にもうあと三十センチぐらいでオーバーフローしそうな状態も見てまいりました。昭和二十年代と言えば、今から約六十年余り前でございます。あの堤防が決壊したという事実があるようでございます。ですから、やはり災害は忘れたころにやってくる。まさに今六十年たって、この飛鳥川もいつ何どきそういうことが起こらないとは限りません。だから、ひとつ少しでも早くこの改修が進むように、強く要望したいと思います。

 以上でございます。



○副議長(井岡正徳) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) ご質問ではございませんが、保健師ぢからについてでございますが、ちょっと発言をお許しいただきたいと思います。地域包括ケアシステムをつくるには医師と保健師、看護師の連携が不可欠でございます。議員もご指摘になりましたが、お医者さんは病気は知っているけれども患者さんを知らないのが多いわけでございます。保健師、看護師さんは病気も知っておられますけど、患者さんをよく知っておられる。とりわけ常時接しておられますから、病態の変化に一番敏感なのは保健師、看護師さんでございます。したがって、地域包括ケアシステムの一番大事な点は、患者さんはそれぞれ、あるいは個人それぞれの病態の変化に応じて適切なケアと医療を提供するというのが基本でございますので、そういう仕組みでございましたら、ここが病気だといって運び込まれた人には、お医者さんは万能でございますが、どういうことでこうなっているかわからないという方に提供するのには、保健師、看護師さんの声を、病態についての情報をお医者さんがよく聞かれるのが一番いいんじゃないかというふうに、基本的には思うところでございます。

 したがって、医師さんと看護師さん、保健師さんの連携の仕方で地域に差が出るというふうに言われております。知事会を代表して、この医師、医療介護の会議にも出てまいりましたか、それぞれ業界にはいろいろな考え方がございますが、現地現地でそのような組み合わせがある地域は幸せだというふうに思っておりますが、県は及ばずながらでもそういう連携が構築されるように、今申し上げました考え方に基づき、奈良県の地域地域がそのようないい連携ができるように心がけていきたいと思いますので、ご質問にはございませんでしたが、ちょっと重ねて、大事な点でございますので、付言させていただいた次第でございます。

 次に、県立医科大学の新駅でございますが、これは鉄道駅は、鉄道行政、何度もしましたですが、相場というものがございますので、相場に沿った負担をしていただくだけで、そんなに大きな負担じゃないんです。一から全部つくれよと言われると、ちょっと天地が逆になるじゃないかといった感じでございます。県立医科大学のまちづくりの整備の中では、新駅をつくられるときには、ここにつくれますようという新駅の予定地はつくっておこうかと。その新駅をつくるという気になったら、前に道路もないというのでは困りますので、ちゃんと広場ができるようなところはつくっておこうかと。そういうレイアウトにしておこうかと思いますが、駅のラッチまでつくれというような鉄道会社は大体いないんですけれども、そう言われちゃ困るなというのが心配でございます。したがいまして、今後の新駅設置を諦めたわけではもちろんございませんが、相場に従って連携が進むといいというふうに思っておるところでございます。



○副議長(井岡正徳) 十二番岡史朗議員。



◆十二番(岡史朗) どうもありがとうございました。

 残余については、また決算審査特別委員会がございますので、本日はこれで質問を終わります。ありがとうございました。



○副議長(井岡正徳) これをもって当局に対する代表質問を終わります。

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○副議長(井岡正徳) 十五番森山賀文議員。



◆十五番(森山賀文) 本日はこれをもって散会されんことの動議を提出します。



○副議長(井岡正徳) お諮りします。

 十五番森山賀文議員のただいまの動議のとおり決することに、ご異議ありませんか。

     (「異議なし」の声起こる)

 それでは、さように決し、次回、九月二十四日の日程は当局に対する一般質問とすることとし、本日はこれをもって散会します。



△午後五時十二分散会