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奈良県 奈良県

平成26年  9月 定例会(第316回) 09月19日−02号




平成26年  9月 定例会(第316回) − 09月19日−02号







平成26年  9月 定例会(第316回)



 平成二十六年

        第三百十六回定例奈良県議会会議録 第二号

 9月

    平成二十六年九月十九日(金曜日)午後一時開議

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          出席議員(四十二名)

        一番 宮木健一          二番 井岡正徳

        三番 大国正博          四番 阪口 保

        五番 猪奥美里          六番 尾崎充典

        七番 藤野良次          八番 太田 敦

        九番 小林照代         一〇番 大坪宏通

       一一番 田中惟允         一二番 岡 史朗

       一三番 畭 真夕美        一四番 乾 浩之

       一五番 森山賀文         一六番 宮本次郎

       一七番 山村幸穂         一八番 欠員

       一九番 松尾勇臣         二〇番 上田 悟

       二一番 中野雅史         二二番 神田加津代

       二三番 安井宏一         二四番 奥山博康

       二五番 荻田義雄         二六番 岩田国夫

       二七番 森川喜之         二八番 高柳忠夫

       二九番 今井光子         三〇番 和田恵治

       三一番 山本進章         三二番 国中憲治

       三三番 辻本黎士         三四番 米田忠則

       三五番 出口武男         三六番 新谷紘一

       三七番 粒谷友示         三八番 秋本登志嗣

       三九番 小泉米造         四〇番 中村 昭

       四一番 欠員           四二番 山下 力

       四三番 梶川虔二         四四番 川口正志

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        議事日程

一、当局に対する代表質問

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○議長(山下力) これより本日の会議を開きます。

 会議時間を午後六時まで延長します。

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○議長(山下力) ただいまより当局に対する代表質問を行います。

 順位に従い、二十三番安井宏一議員に発言を許します。−二十三番安井宏一議員。(拍手)



◆二十三番(安井宏一) (登壇)議長のお許しをいただきまして、自由民主党を代表して質問をさせていただきます。

 知事は、かねてより投資、消費、雇用が県内で好循環するよう取り組んでいくとされ、今年度は特に産業を興し、雇用の促進に力を入れておられます。一方、国においては、今月三日に第二次安倍改造内閣が発足し、安倍内閣総理大臣は記者会見で、引き続き経済最優先でデフレからの脱却を目指し、成長戦略の実行に全力を尽くすと表明され、また、地方の創生にも取り組むと発言されました。知事を先頭とした国の動きとも連動しながらの本県経済の構造改革など、直面する県政諸課題の解決に向けた取り組みに期待するとともに、私自身も夢と希望のあるまちづくりに向け、引き続き取り組んでいくことをお約束いたしまして、質問に入らせていただきます。

 まず初めに、外国人観光客に対する取り組みについて、知事にお伺いします。

 我が国を訪れる外国人観光客は、昨年、一千万人を初めて突破し、新聞やテレビ等でも大きく報じられました。東南アジア諸国のビザ発給条件の緩和や、LCCの新規就航、円安による旅行費用の割安感なども相まって、アジアを中心に、日本を訪れる外国人観光客が飛躍的に増加しています。

 確かに奈良公園周辺を歩いていますと、非常に多くの外国人観光客の姿を目にします。時には、日本人の観光客よりも外国人観光客の方が圧倒的に多いと感じます。

 二〇二〇年に東京オリンピック・パラリンピックの開催が決定したことから、政府は、訪日外国人観光客を昨年達成した一千万人の倍に当たる二千万人の高みを目指そうと、観光立国実現に向けたアクションプログラム二〇一四を策定され、関係省庁が一丸となって各施策に取り組むこととされています。

 先日、発表された観光庁の来年度の概算要求においても、外国人観光客に関する予算が大幅に増加しています。外国人観光客の増加は、人口減少で縮む個人消費を下支えする効果があると言われており、マクロ経済に与える影響も大きいことから、政府が成長戦略の柱の一つに、外国人観光客の拡大を位置づけていると考えます。

 奈良県では、早くから荒井知事の豊富な経験と幅広い人脈をフルに活用し、外国人観光客の誘致に積極的に取り組まれています。これまで知事みずから率先して、中国や韓国へプロモーションに行かれ、多くの旅行会社等を訪問され、その結果、両国からの観光客は着実に伸びているとのことであります。

 また、国際会議などのコンベンションも積極的に誘致に取り組まれ、秋にはOECD観光統計グローバルフォーラムなど奈良観光統計ウイークや、インタープリベント、国際砂防学会の開催が予定されており、世界各国から多くの方々が参加されると聞いております。

 さらに、昨年閉館した猿沢荘を(仮称)外国人観光客交流館として整備を予定されていますが、先月、この施設において外国人観光客をもてなすイベントを実施されました。聞くところによりますと、知事みずからが外国人観光客の方々に奈良へ来られた目的、奈良のおもてなし、奈良で滞在中、不便と感じた点などを尋ね、奈良をよりよい観光地にするため、今後の施策に反映させようとされているという話を伺いました。

 今回の議会におきましても、(仮称)外国人観光客交流館の整備のほか、外国人観光客誘致やもてなしに係る補正予算を計上されています。それぞれの取り組みにより、外国人観光客が増加することを想像すると、外国人観光客に対する今後の奈良の展開は非常に明るく、楽しみと思わずにはおられません。

 知事は、常々、奈良時代、平城宮には多くの外国人が訪れ、さまざまな交流が行われていたとおっしゃっておられました。これからの奈良は、奈良時代にまさるとも劣らないくらい、世界各地から外国人の皆様が周遊、滞在する地域となるような気がしてまいります。

 奈良にお越しいただいた外国人の方に、奈良でのよい思い出をつくって、満足して帰っていただくためには、受け入れ体制の整備も必要と思います。旅の楽しみや思い出は、社寺等の見学や自然鑑賞だけではなく、地元の心温まるおもてなしが最たるものではないかと思っております。

 多くの外国人観光客を受け入れ、満足して帰っていただくことが重要と考えますが、今後、どのように取り組もうとされているのか、知事のご所見をお伺いします。

 次に、全国豊かな海づくり大会についてお伺いします。

 本年十一月十五日、十六日に大淀町、川上村、五條市、橿原市を開催場所として、第三十四回全国豊かな海づくり大会〜やまと〜が、通例であれば天皇皇后両陛下のご臨席のもと開催されます。

 私は、平成二十三年六月定例会の一般質問において、海のない本県に大会を誘致する意義と、大会の誘致に向けた取り組み状況について質問をしました。

 知事からは、この大会は、山、川、海を通じて循環している水資源の適切な調和を守り、育て、後世に伝えていくことが山、川の水環境の保全、また、それを育む森林の整備保全や川の恵みを生かした内水面漁業の振興につながるものであると、さらには、南部地域の開催を契機として、南部地域の振興につなげていきたいとの答弁がありました。

 知事の誘致活動が実を結び、本県での開催が決定され、その後、準備委員会等の開催を経て、平成二十五年一月に大会の推進母体である官民一体となった第三十四回全国豊かな海づくり大会奈良県実行委員会を設置し、開催の準備に取り組まれていることと存じます。

 また、大会には、政府関係者をはじめ水産関係団体や、全国各地からは漁業関係者など、多くの方々が本県にお越しになると聞いております。

 ぜひこの機会に全国からお越しになる方々に、本県の比類のない歴史文化などを紹介することで魅力を感じていただき、本県をより深く知っていただきたいと期待いたしております。

 一方、大会のテーマである「ゆたかなる森がはぐくむ川と海」にもありますように、海のない本県での海づくり大会の開催意義を広く県民に伝えるためにも、多くの県民の方々に大会にご参加いただくことも大変重要なことであると思っているところであります。

 大会開催まで二カ月を切り、大会の準備も大詰めとなっていると思いますが、第三十四回全国豊かな海づくり大会〜やまと〜の意義を県民の方々にどのように伝えていこうとされているのか、大会の具体的な内容も含め、知事にお伺いします。

 次に、若草山の移動支援施設についてお伺いします。

 若草山は、室町時代から南都八景の一つである三笠山の雪として挙げられているなど、昔から奈良公園を代表する眺望景観を構成する重要な要素の一つであります。若草山のなだらかな山並みと山腹に広がる芝地は、奈良市街から望むランドマークとなっており、眼下に奈良市街を一望することができる若草山一重目付近は、奈良を代表する眺望点となっています。

 一方、若草山への入山者数の推移を見てみますと、年々減少傾向にあり、また、平成二十年度には、県が実施した観光客へのアンケート調査によると、若草山からの眺望に対して、時間がなかった、遠かったなどの理由で、見たかったが見ることができなかったという意見が多かったようであります。

 このことから、県は、これまでにお年寄りの方や障害をお持ちの方なども含め、誰もが奈良公園内をスムーズに周遊できる移動手段として、ぐるっとバスを運行させ、鉄道駅から若草山麓まで直接移動することができるルートも設定されました。さらに、若草山一重目からのすばらしい眺望を誰でも楽しめるようにしたいという趣旨から、若草山の移動支援施設の一つとしてモノレール設置案を検討してこられました。

 平成二十四年三月に策定された奈良公園基本戦略を見ますと、その目的の一つとして、一人でも多くの方に奈良公園へ訪れてもらうため、奈良公園の抱える課題を解決し、奈良公園を名実ともに世界に誇れる公園にしていくことを目指すとあり、そのための基本方針として、県がトータルマネジメントを行い、奈良公園の価値を維持し、さらなる魅力の向上や魅力の創出に努めるとうたわれております。

 私は、この奈良公園基本戦略の趣旨には大賛成ですし、その実現に向けた施策の一つである若草山への移動支援機能の導入についても、必要な施策であると思います。モノレール設置案につきましては、さまざまな意見がありましたが、これまで知事は、中止も視野に、じっくり議論をしていくと答弁されており、七月三十日に開催された第八回奈良公園地区整備検討委員会には、日本イコモス委員会からアドバイザーを招くなど、多方面からの有識者を交えて議論され、じっくりと慎重に検討を進めておられるそのプロセスについても賛同いたすところであります。

 その整備検討委員会での意見を受け、知事は、八月上旬の記者会見で、バス案を中心に検討を進めるように方向転換したいと思うと発言されました。

 若草山一重目までの移動支援について、今回転換されたバス案を今後どのように検討を進められていかれるのか、知事の考えをお伺いします。

 次に、刑務所出所者等の円滑な雇用に向けた支援について、県の取り組みをお伺いします。

 刑務所出所者等の再犯問題が年々深刻になっています。平成二十五年版犯罪白書によりますと、窃盗や傷害など一般刑法犯による再犯率は、平成九年以降、上昇傾向にあり、とりわけ平成二十四年は、過去二十年間で最悪の四五・三%に達したとのことであります。再犯防止は、国全体で取り組まなければならない極めて重要な課題であることは言うまでもありません。

 このため、政府としては、平成二十四年七月の犯罪対策閣僚会議において、出番と居場所の創出等を重点課題とする再犯防止に向けた総合対策を定め、出所後二年以内の再入率を十年で二〇%以上減少させることを目標にした取り組みを進めています。

 また、昨年十二月の世界一安全な日本創造戦略や、本年六月には、経済財政運営と改革の基本方針二〇一四が閣議決定され、再犯防止対策の推進や刑務所出所者等の就職支援など、失敗してもやり直すことができる再チャレンジの支援が示されたところであります。

 このような国の動きがある中、県においては昨年度より保護観察対象者や刑務所出所者等の社会復帰の支援を始められたことは、保護司としての立場からも大変ありがたく思うとともに、全国に先駆けた画期的な取り組みであると高く評価いたしております。

 私は、これまで出所者等を支援する中で、前歴があるがゆえに就労する場が容易に見つからないことや、仕事が続けにくい状況に置かれていることなどから、経済的に困窮し、再び犯罪を犯してしまうという現実を多く見てまいりました。仕事をし、収入を得ることが更生のためには何よりも重要なことと考えます。

 県では、本年七月、民間事業者において出所者等の雇用を促進するためのシンポジウムを開催され、私も参加させていただきました。シンポジウムでは、現在働いている保護観察中の若者やその若者を雇用しておられる事業者の方などがパネラーとしてご自身の経験談を話されました。

 印象に残っているものとして、周りの人や地域の人たちの日常的なサポートが踏ん張る力になるという若者の言葉や、反省は一人でできるが、更生は一人でできないという事業者の方の言葉があります。また、コーディネーターの方からの犯罪を起こさせるのも社会だが、更生させるのも社会という言葉をお聞きし、周囲の理解や協力、または、前歴があっても受け入れてくれることができる社会をつくることの大切さを再認識したところであります。

 シンポジウムの中で、県が保護観察中の若者の臨時雇用を昨年度から始められた目的は、県での仕事を通じて学ぶ姿勢を知ってもらうこと、すなわち更生雇用であると知事はおっしゃっていました。私は、これを社会に出るために学ぶ機会という意味だと捉えました。罪を犯した若者の更生に当たっては、正しい生活リズムを保つことや、他者との人間関係を築くなど、社会性を身につけることが大切であり、県で働いている間はまさにそれを実践する場となっていると認識しています。

 県での雇用が終了した後は、県が責任を持って確実に民間事業所で就労できるまで支援を行う姿勢で臨んでいるとお聞きし、心強く感じています。

 県内には、前歴を承知した上で出所者等を雇用する協力雇用主が約百社あります。しかしながら、実際に雇用しておられるのはその一部にとどまっているのが実情であり、今後受け入れを広げるためにも、協力雇用主をはじめとする民間事業者の支援も必要であると考えております。

 刑務所出所者等の再犯防止のためには、就職の機会を得て自立することが重要と考えますが、県として、その円滑な雇用の促進に向けて、民間等と連携しながら、どのように支援していかれるのか、知事のお考えをお聞かせください。

 次に、広島市の土砂災害を踏まえた本県における災害対応についてお伺いします。

 ことしの八月は、西日本を中心に記録的に雨が多く、日照不足の夏となりました。上旬には台風十二号と十一号が相次いで襲来し、その後も前線や湿った気流の影響で全国各地で記録的な雨が降りました。

 本県でも台風十一号の影響で大雨となりましたが、幸いにも甚大な被害には至りませんでした。しかし、特に十五日以降は、本州付近に前線が停滞し、局地的に雷を伴って非常に激しい雨が降り、北海道、石川県、京都府、兵庫県及び福岡県等で犠牲になられた方がおられます。

 中でも八月十九日から二十日未明に発生した広島市の土砂災害では、二十日午前三時三十分には広島県で一時間に約百二十ミリメートルの猛烈な雨が観測され、広島市では土石流が百七件発生し、死者七十四人という、一つの災害としては非常に多くの人命が失われるという痛ましい被害となりました。多くの貴重な人命が失われたことに哀悼の意を表したいと思います。

 今回の広島市北部の土砂災害の発生当日の経緯についてですが、広島地方気象台が十九日午後九時二十六分に大雨洪水警報を発表し、これに伴い、広島市は警戒態勢をとり、河川の水位や降雨量のチェックをする作業に追われていました。

 午後十一時十分ごろ、広島市が気象台と気象情報会社に予想を聞いたところ、強い雨を降らせた雨雲は抜けつつあり、今後数時間は小康状態になるという結果でした。実際、翌二十日からの午前一時ごろまでの降雨量は、安佐南区、安佐北区ともに一ミリメートル程度にとどまり、庁舎内に雨は峠を越えたとの安心感が広がりました。

 しかし、午前一時十五分になると、市が避難勧告を出す指標の一つとしている土砂災害警戒情報が県と気象台から発表され、同時刻に気象台の担当者が市に電話を入れ、警戒情報が出され、危険度が高まっているということを告げています。

 市が避難勧告を出したのは、午前四時十五分でした。

 避難勧告を出す前の午前三時二十一分には、男の子二人が生き埋めになっているという通報が入るなど、以後、安佐南区、安佐北区では救助を求める通報が殺到していたようであります。

 新聞報道によると、当日、広島市の対応は以上のような状況だったとのことであります。

 また、今回の広島市の大規模土砂災害は、事前にある程度、進路や降水量が予想できる台風によるものではなく、広島市北部の現場付近で、同じ場所で次々と積乱雲が発生し、豪雨が集中するバックビルディング現象が起きた可能性が高く、気象台はこれほどの雨量は想定できなかった、現在の技術ではバックビルディングが起きる場所や時間を予測するのは困難だとも報道されています。

 広島市の土砂災害を起こしたような非常に強い雨が極めて短時間に局地的に集中すれば、本県においても甚大な土砂災害が発生しても不思議ではないと考えられます。

 ついては、本県においても、広島市における土砂災害の教訓を踏まえ、今後は、より一層土砂災害の危険性のある区域の周知を図り、日ごろから土砂災害への警戒避難に備えていただくことが重要だと考えますが、いかがでしょうか。

 また、今回の広島市のような災害に対して、死者をなくす、人命を守る観点から、住民避難を中心に、県としてどのような支援、取り組みを行っておられるのか、知事にお伺いいたします。

 次に、紀伊半島大水害からの復旧・復興及び今後の南部・東部地域の振興についてお伺いします。

 奈良県の南部地域を中心に甚大な被害をもたらした紀伊半島大水害から早くも三年が経過しました。

 この大水害は、十四名の尊い命が奪われ、いまだ十名の方々が行方不明となっております。改めて、亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、今もなお行方のわからない方々のご家族に対し、心からお見舞いを申し上げます。

 県では、この三年間、大水害からの復旧・復興を最重要課題の一つとして取り組まれてきました。大規模な山腹崩壊のあった箇所などでは、今も大水害の傷跡が残っているものの、道路や河川、砂防、農地、林道といったインフラ関係の復旧工事は、目に見えて進み、避難生活の解消も着実に進んでいると伺っているところであります。これまでの復旧・復興の取り組みに敬意を表する次第であります。

 一方で、今日なお依然として応急仮設住宅などで避難生活を送られている方々もおられます。昨年九月の台風十八号により再度被災したため、対策工事などに時間を要していると伺っていますが、一日も早く避難されている方々の帰宅が実現することを切に願うものであります。

 避難の解消も含め、残された復旧事業が早期に完了するよう、引き続き全力で取り組みを進めていただきたいと考えております。

 被災から三年経過した現在、復旧・復興の取り組み状況について、知事の説明をいただきたいと思います。

 また、被災した地域の復興も含め、過疎化、高齢化が進む南部・東部地域全体をこれまで以上に元気にしていくという南部振興、東部振興の取り組みが今後の大きな課題となると考えています。

 先日発表された日本創生会議人口減少問題検討分科会のレポートでは、南部振興計画、東部振興計画の対象となっている十九市町村は、全て若年女性人口の減少が進み、消滅可能性のある市町村とされています。

 しかし、決して悲観ばかりする必要はないと思います。都市部では、田舎暮らしに興味を持つ若者がふえているというデータもあります。他府県では、移住者を多く受け入れて、人口の社会増を実現している町村もあります。県の南部・東部地域にも自然や歴史など魅力ある地域資源が数多くあるなど、まだまだ可能性があると思います。

 地元の市町村や関係者とも連携し、消滅を待つのではなく、希望を持って住み続けることができる地域となるよう、積極的な取り組みを推進していただきたいと考えますが、県の南部・東部地域の振興に今後どのように取り組もうとされているのか、知事の見解をお伺いします。

 次に、県内市町村財政の健全化に向けた県の支援について伺います。

 人口減少問題をはじめ、少子高齢化に伴う社会保障費の増大、公共施設の老朽化による修繕や更新費用の増大など、市町村財政を取り巻く状況はますます厳しいものとなっていることが予想される中、市町村が地域の特徴を生かした取り組みを行うためには、財政を健全化し、政策的な財源を確保する必要があると考えます。

 また、県民が住みよい奈良県と感じ、住み続ける気持ちを持ち続けるには、市町村の行政サービス等が重要であり、その行政サービスを維持していくためにも、市町村の健全な財政運営が必要と考えます。

 県内市町村の財政状況は、平成二十四年度の決算状況によりますと、県内市町村平均の経常収支比率は、前年度に比べ〇・四ポイント改善し、二年連続で全市町村の黒字決算を達成するなど、改善傾向にあります。

 知事は、就任以降、市町村の自主的な財政健全化に向けた努力を支援するためのさまざまな取り組みを実施されてきました。また、奈良モデルにより、さまざまな分野で市町村間の連携や市町村への支援など財政運営の効率化にも取り組んでこられました。県内市町村の財政状況の改善は、これらの取り組みと県内各市町村における人件費の削減や公債費負担の軽減などさまざまな行財政改革による成果によるものと考えます。

 とはいうものの、経常収支比率では県内市町村平均が平成二十四年度決算で九三・七%、全国平均が九〇・七%と、依然として開きがあり、全国ワースト五位、近畿二府四県でもワースト三位といった状況であります。さらに、個々の市町村の状況では、全国平均よりも経常収支比率の高い市町村が三十九市町村中二十三市町村を占めています。経常収支比率が高いと、それだけ市町村が政策的に使えるお金が少なくなり、財政の自由度が失われます。

 また、公債費の負担を示す指標である実質公債費比率では、平成二十四年度において県内市町村平均が一二・二%、前年度から〇・九ポイント改善し、改善傾向にあるものの、全国平均九・二%とは三ポイントの開きがあります。個々の市町村の状況では、地方債許可基準である一八%を上回る香芝市、宇陀市をはじめ、全国平均を上回る市町村が三十九市町村中二十九市町村を占めており、過去に発行した地方債による公債費の負担が県内市町村財政にとって依然として大きな負担となっていることがうかがえます。

 これらのことからも、県内市町村の財政状況は、依然として厳しい状況と言えるのではないでしょうか。このような状況で、本年度当初予算において、高金利地方債の繰り上げ償還を促すための支援制度として奈良県市町村財政健全化支援事業を創設、十五億円を予算計上され、市町村のさらなる財政支援に取り組まれている、このことについては、ことしの二月の定例会で自由民主党代表質問においてもお尋ねし、さらなる市町村支援を要望したところであります。

 この要望に応えていただき、今回、三十一億八千万円を増額する補正予算案を上程されている奈良県市町村財政健全化支援事業をはじめとして、市町村財政のさらなる健全化に向け、県はどのように支援していかれるのか、知事にお伺いいたします。

 最後になりましたが、七月から改称された危険ドラッグについてお伺いします。

 私は、薬物中毒に悩む県民の方々からの相談もいただくことがあることから、危険ドラッグに対する県の対応について、一昨年から厚生委員会などで何度も質問をしてきたところであります。

 危険ドラッグは、乾燥した植物片に幻覚や興奮作用のある薬物を混ぜたもので、麻薬や覚醒剤等と同様に、多幸感、快感等の効果を期待して摂取されるようですが、麻薬等に指定された成分を含有していないことを理由に、法律に触れないとか合法であると称して、インターネットや輸入雑貨店などで販売されている実態がありました。

 また、これらのものは、薬事法で指定薬物として指定され、取り締まりの対象となっていますが、取り締まりから逃れるために、指定薬物の成分の化学構造の一部を変えたものが次々と生み出され、流通するという脱法行為が横行していました。

 そのため、一昨年の十月に、指定薬物の規制強化を求める意見書を県議会で取りまとめ、一、効果的で実効性のある規制方法の検討、二、指定薬物の包括指定の導入、三、青少年への危険性の周知徹底の三項目について、国会、政府、関係省庁に提出いたしました。

 しかしながら、その後も全国各地で危険ドラッグを使用して救急搬送されるケースや、使用した者が交通事故を起こす事件が発生しています。特に、ことしの六月には、東京池袋で危険ドラッグを吸った男が車を運転して事故を起こし、八人を死傷させた事件をはじめとして、危険ドラッグが絡む事件や事故が多数報道されています。

 麻薬以上に興奮や幻覚作用がある薬物も出回っているにもかかわらず、国民に危険なものであることが一向に伝わっておらず、深刻な社会問題となっていることから、七月二十二日に新たな名称を危険ドラッグと決め、発表がなされました。

 さらに、先月二十七日に、厚生労働省の地方厚生局麻薬取締部が都市圏の四都府県で危険ドラッグの販売店に一斉立ち入りを行い、疑わしい商品の検査命令を発し、結果が出るまで販売停止命令を出したと新聞は伝えています。

 これまで県は、危険ドラッグの販売店舗に県警察と合同で定期的に立ち入り、販売の自粛を要請してきたと伺っていますが、県内の危険ドラッグの使用による救急搬送や販売店舗など、現在どのような状況にあるのでしょうか。

 また、今後、危険ドラッグを撲滅していくためには、取締業者に対する厳格な取り締まりの強化を図ることと、県民に対して広く強く啓発していくことが必要と思いますが、知事はいかがお考えでしょうか。

 さらに、先日、県内において危険ドラッグを所持していたとして、薬事法違反の疑いで二十二歳の男を逮捕したとの報道がありましたが、現在までに指定薬物に関係する検挙状況と今後の取り締まりについて、どのようにお考えでしょうか。警察本部長にお伺いします。

 以上をもちまして、壇上での質問を終わらせていただきます。(拍手)



○議長(山下力) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)二十三番安井議員のご質問にお答え申し上げます。

 まず、外国人観光客に対する取り組みについてのご質問がございました。

 奈良にお越しになる外国人観光客数でございますが、昨年は四十五万六千人でございましたが、本年は六月までの半年間で昨年同時期までの外国人観光客数十九万二千人の一・六倍に当たる約三十万人となっている状況でございます。

 引き続き外国人観光客の誘致活動を積極的に推進してまいりたいと思っておりますが、我が国の始まりの地として国際性豊かな比類のない歴史文化が集積する奈良が日本を代表するブランドとして認知されることを希望いたしますが、そのためには受け入れ環境、おもてなし体制の向上、海外へのプロモーション及び情報発信の強化などの地元の努力を重ね続ける必要があるものと思います。

 新たな試みといたしまして、海外の富裕層を対象としたプロモーションを実施して、富裕層が持つ強い情報発信力を活用して、幅広い層からの誘客を行ってまいりたいと思います。

 さらに、大きな誘客が見込める国、地域に県の代理機関を設置いたしまして、現地旅行会社等に対しまして継続した観光情報の提供や旅行商品のセールス等を行っていきたいと思います。

 また、ご質問にありました現在整備を進めております(仮称)外国人観光客交流館につきましては、日本文化の体験スペースや宿泊機能等に先行いたしまして、観光案内機能、物販スペース等を来年の夏以降にオープンしていきたいと思います。この交流館を中心に、猿沢池周辺を外国人観光客が楽しめる、にぎわいのあるエリアにしていきたいと思っております。

 二〇二〇年、今から六年後でございますが、東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。外国人観光客誘致活動につきましては、地域間競争のスタートが切られたものと思っております。他の地域に負けないためには、おもてなしが奈良で十分提供され、外国人の方々が十分に満足して帰っていただくことが必要でございますが、県が中心となり、おもてなしについて他の観光地に引けをとらないよう、頑張っていきたいと思っております。

 最強の誘致活動は、奈良への訪問客をがっかりさせず、最高の満足の気分で帰っていただくことだと思っています。文句はお土産にされないで、この奈良に置いていただきまして、気持ちがよかったという記憶をお土産にしていただき、長く頭の中にとどめていただくとともに、他の人にもその気持ちを伝えてもらうことが観光客増加の基本戦略と考えているところでございます。

 全国豊かな海づくり大会についてのご質問がございました。

 第三十四回になりますが、全国豊かな海づくり大会〜やまと〜の開催まで本日であと五十七日となりました。二カ月を切ったわけでございます。

 本県に海はございませんが、近畿の屋根と言われる山岳地帯を持ち、豊かな森林が広がっております。山に降った雨は、地下に浸透し、その水が湧き出し、やがて川となり、隣接府県を通って海に注いでいる地勢でございます。本県は、川を通じて海とつながっているわけでございます。

 海は川に育てられ、川は山に育てられるという大変意味のある言葉がございます。これは、山の栄養素が川を通って海に注ぎ、豊かな海の幸を生み出すと考えられているからでございます。海の幸は山の恵み、川の恵みのたまものと言われているわけでございます。こうしたことから、本大会のテーマを「ゆたかなる森がはぐくむ川と海」とさせていただいたところでございます。

 また、大会名は、全国豊かな海づくり大会〜やまと〜としておりますが、このやまとという言葉は、奈良あるいは日本の地名をあらわすとともに、山の神様の入り口、山の戸を意味するものだと言われてもおります。本大会は、特に豊穣の海を育んでいただいた山の神様に感謝の気持ちを込めて行いたいと考えているところでございます。

 あわせて、県南部地域の振興と紀伊半島大水害で被災された地域の復旧・復興につながる大会にしたいと考えております。

 大会の具体的内容でございますが、十一月十六日の日曜日に、通例では天皇皇后両陛下のご臨席を仰ぐことになります。大淀町文化会館あらかしホールにおきまして式典行事を開催いたします。豊かな海づくりのために功績のあった団体の表彰、大会決議などを行うことになります。

 その後、川上村おおたき龍神湖、いわゆる大滝ダム湖に場所を移しまして、天皇皇后両陛下をはじめ招待者全員が県の魚、アマゴ、アユの放流などを行う放流歓迎行事を実施することになっております。

 同時に、五條市の吉野川大川橋下流河川敷において、広く県民の方々のご参加をいただき、アユを放流する放流行事を開催いたします。これまでもリレー放流といたしまして、県内十六カ所の河川などで約五百四十名の園児や児童が取り組んできていただいておりますので、当日もにぎわうものと期待をしております。

 あわせて、十五日、十六日の両日に、橿原市のJAまほろばキッチンにおきまして、大会に関連した企画展示をはじめ、体験イベント、ステージイベント、物産販売を行う関連行事を開催いたします。

 また、四つの会場を中継で結びまして、それぞれの行事の模様をごらんいただけるよう計画をしております。

 放流行事、関連行事ともに盛りだくさんの内容となっておりますので、一人でも多くの県民の方々、遠方の方々にお越しいただき、海のない本県での海づくり大会の開催の意義、山に感謝をするという趣旨をご理解していただきたいと思っているところでございます。

 大切な大会でございますので、幅広く関係団体、関係機関のご協力をいただく必要がございます。万全の体制で心して準備を進めていきたいと思っております。

 若草山の移動支援施設についてのご質問がございました。

 今後どうするのかということでございますが、奈良公園は、都市と自然が共生するすばらしい観光地でございますが、さらに、隣接の若草山からは、その様子を一望できるというすぐれた眺望景観を楽しむことができる我が国、また世界でも比類のない観光地だというふうに思っております。

 若草山の山頂へはドライブウエーがあるものの、山麓におられる観光客が眼前の若草山からの眺望を楽しむためには、ドライブウエーを自動車で上るか、登山道を歩いて登るしか手段がございませんので、眺望景観をたやすく体験できずに帰られる方がたくさんおられます。ある面では非常に残念なことであります。

 そこで、県は、若草山からのすばらしい眺望を誰もが見ることができるようにとの思いから、移動支援施設の導入を考えたものでございます。

 これは、ツーリズム・フォー・オールという言葉がございますが、これは障害者や高齢者も含めた全ての人によい旅を提供する、実現するという考え方でございます。つまり、お年寄りや障害をお持ちの方も含め、誰もが安心で安全で快適な旅行ができるようにしようという考え方で、世界中で広く取り入れられている考え方でございます。

 訪れていただいた全ての方に対して、奈良がやさしい観光地に成長することは、おもてなしづくりの原点であると強く思っており、観光行政の大きな目標であると考えてきたところでございます。

 七月三十日に開催されました第八回奈良公園地区整備検討委員会では、固定物の設置については慎重にしてほしいというご意見が出されました。また、移動支援の手段としては、バス案を推す意見も多くございました。

 県は、奈良公園地区整備検討委員会の意見を尊重し、今後はバス案に方向転換をして、移動支援の検討を進めてまいりたいと思っております。なお、検討に当たりましては、当然のことでございますが、安全性や快適性、さらには環境面や景観面を踏まえた上で、その可能性について十分検証していきたいと思います。

 また、議員お述べのとおり、誰もがスムーズに周遊できるぐるっとバスを鉄道駅から若草山麓まで直接移動できるルートで運行しております。多くの方にご利用していただいております。私も先週の祝日に若草山まで、麓まででございますが、歩いていきまして、帰りにこのぐるっとバスに乗りましたが、JR奈良駅に着くころになると、ぎゅうぎゅうの満員詰めでございました。大分うれしいような感じがいたしました。

 このような奈良の状況でございますが、若草山の移動支援施設の検討の進め方につきましては、引き続き奈良公園地区整備検討委員会でしていただきたいと思います。さまざまな方々から意見をちょうだいし、世界に誇れる奈良公園として、おもてなし環境を充実した奈良公園として、地域の活性化につなげていくことができればという思いでございます。

 刑務所出所者の方の円滑な雇用に向けた支援についてのご質問がございました。

 議員もお述べになりましたが、全国の保護観察対象者の再犯率につきましては、平成二十四年版犯罪白書でございますが、保護観察者のうち、無職者の方の再犯率は三六・三%ございます。有職者、職を持っておられる方は七・四%でございます。その差が約五倍もございます。やはり、職を持たれていた方が再犯率は圧倒的に低いということでございます。

 これは、議員のお述べになったことでございますが、再犯を防止するためには、就労などを通して経済的にも自立し、社会で誇りを持ち直していただくことが必要だと認識をしております。

 しかしながら、前歴を承知の上で刑務所出所者を雇用する方は少ないわけでございます。県内協力雇用主は百七社おられますが、平成二十五年度に雇用実績、雇用していただいた社は十二社でございます。その雇用者数も三十五人にとどまっております。障害者の雇用は、奈良は先進県でございますが、保護観察対象者の社会復帰に向けた取り組みは、まだ低調な段階にあるように思っております。

 このため、県では、刑務所出所者などの社会復帰を促進するための懇談会やシンポジウムを頻繁に開催してきております。全国に先駆けた就労支援の取り組みだと言われております。また、先日、日本財団主催の再犯防止を考える官民合同勉強会にも請われて参加をいたしました。研さんを積みながらこうした取り組みの充実を図りたいと思っております。

 その一つとして、奈良県独自の取り組みといたしまして、六月定例県議会でご議決いただきましたが、公契約条例の運用におきまして、保護観察対象者などの雇用にご協力いただいた事業者に対しましては、社会的な価値の実現・向上への寄与度が高いとプラス評価をすることにさせていただいたところでございます。

 また、昨年度から保護観察対象者を県の臨時職員として雇用する予算をいただきました。社会技能訓練を実施しながら、民間事業所への就職に確実につなげていきたいと思っております。県庁が保護観察者のハローワークになろうという志でございます。今後は、こうして蓄積できる県庁のノウハウを民間事業所へも広げることや、新たに職場体験研修を実施して、そのパワーアップを図っていきたいと思っております。

 刑務所出所者の方々の就職を促進することはもとより、雇用だけでなく、農業、林業や自営業など、幅広い分野でみずからが仕事を持つというような起業の分野にも積極的な支援の対象を広げていきたいというふうに思っているところでございます。

 広島市の土砂災害を踏まえた本県の災害対応についてのご質問が幾つかございました。

 奈良県におきましては、平成二十三年の紀伊半島大水害により、南部を中心に甚大な被害を受けましたが、その後も毎年、全国各地で台風、ゲリラ豪雨などによる災害が続いております。去る八月二十日未明に発生した広島市の土砂災害は、我々の記憶に新しいところでございます。

 土砂災害の際には、適切に避難行動をとっていただくことが最も基本であり、最も重要なことでございますが、住民の皆様方には、平素から自分の住んでいる地域の特性や危険性の程度を認識していただいて、危険が迫った場合にどのように行動したらいいのかを理解しておいていただく必要があるわけでございます。

 このため、県では、土石流、地すべり及び急傾斜地崩壊のおそれがある箇所を土砂災害危険箇所としてホームページを通じて周知しております。また、土砂災害が発生した場合に、生命、身体に危害が生じるおそれがあり、平素から警戒避難に備えてもらわなければならない地域を土砂災害警戒区域としております。市町村と協力して、土砂災害ハザードマップ、そのような警戒区域を記載したハザードマップを作成、配布してまいっておりますが、広島市の土砂災害を受けまして、市町村とも連携して、改めてホームページへの掲載や公共施設へのポスターの掲示等による緊急周知を徹底して実施しているところでございます。

 この土砂災害警戒区域の指定につきましては、これまでに本県では七千九十箇所の指定を終えておりますが、さらに四千箇所の追加指定が必要でございます。残る四千箇所につきましても、引き続き指定手続を進め、今年度内に約一万一千箇所に及びます指定を終えるようなスケジュール感で作業を進めてまいるつもりでございます。

 また、この指定にあわせまして、地域住民の方々に一日も早く土砂災害ハザードマップを提供できるよう、県からも市町村にデータ提供をするなど、積極的に働きかけ、ハザードマップ作成に必要な支援をしてまいりたいと思っております。

 土砂災害警戒区域の指定が終われば、引き続き地元市町村と連携をしながら、土砂災害警戒区域のうち、特に危険性が高く、住宅等の新規立地規制などを行います土砂災害特別警戒区域の指定を進めていくことにしております。そのほか、情報伝達体制や警戒避難体制のさらなる強化・充実に取り組んでまいりたいと思っております。

 同じく、土砂災害についてのご質問でございますが、このような土砂災害から命を守るために最も重要な住民避難対策につきましては、基礎的な自治体でございます市町村が一義的な責任を担っていただいていることになります。県では、このような市町村の取り組みに対して積極的に支援をする姿勢でございます。

 具体的には、紀伊半島大水害を経験した五條市や天川村を含め、今年度に防災計画の見直しを予定している市町村から十団体をモデル団体として選定させていただき、住民避難を最重点課題として、県も積極的に検討に加わっています。その過程で得られた課題や取り組み事例、またノウハウなどを他市町村へフィードバックし、展開して、全市町村の見直しが二カ年で終えられるようにしたいと思っております。モデル事業をはじめ、全市町村にその後二年で展開するという方式でございます。

 その検討内容でございますが、市町村が適切な避難対策を実施されるため、二つしております。

 一つは、土砂災害警戒情報が発表された場合に、ちゅうちょなく対象地区に避難勧告を発令していただく必要がございますが、その具体的な基準をあらかじめ決めておいていただくということや、防災無線や緊急速報メールにより、そのような情報を住民に確実に伝達していただくということが検討内容の第一でございます。

 二つ目は、切迫した危険から逃れるための避難所でございますが、遠方の施設や民間の施設も含め、土砂災害のおそれのない施設を指定する必要がございます。住民の方々の理解を得て、従来の避難所を見直すことも検討内容になっております。

 さらに、県民の方々に日ごろから防災意識を持っていただくことが重要でございますが、この四月に制定していただきました奈良県地域防災活動推進条例で定めた防災の日を中心に、県民を対象とした講演会や防災訓練等に取り組んでおります。土砂災害防災週間でございます九月六日には、静岡大学の牛山先生に、広島市の現地調査を含めてご講演をいただき、貴重なお話を賜りました。

 本県でも、広島市と同様に、土砂災害のおそれがある区域内に住宅地があるケースも多いわけでございます。山麓に住宅地が張りついている、先生のお地元にも多少あるかもしれませんが、そのようなケースもございますので、広島市の災害の原因等を調査・分析して、市町村と連携して、危険箇所の周知・啓発や避難対策に生かしていきたいと思っております。

 また、本県は、都道府県別の災害統計がございます昭和四十五年以降、四十三年間たっておりますが、その統計のうち、自然災害による死者ゼロの年が、四十三年のうち三十三年は奈良県が死者ゼロでございました。群馬県が一番年数が多くて三十五年でございます。死者ゼロの年数が多いという統計からは、全国二位の災害が少なく、災害に強いとも言える県でございます。また、昨年、一昨年は、自然災害の死者数がゼロでございましたが、この死者ゼロの年数が続けられますように、災害に日本一強い奈良県づくりに取り組んでまいりたいと考えております。

 さらに、紀伊半島大水害からの復旧・復興の今後の取り組みについてのご質問がございました。

 紀伊半島大水害から早くも三年が経過したわけでございますが、改めて、亡くなられた方のご冥福と被災された方々にお見舞いを申し上げたいと思います。

 この大水害からの復旧・復興につきましては、紀伊半島大水害復旧・復興計画に基づきまして、今年度末までを集中復旧・復興期間と位置づけまして、全力で取り組んでまいりました。

 その取り組み状況を簡単に申し上げますと、まず、最優先課題として取り組んでまいりました避難者の早期帰宅についてでございますが、被災直後、九百三十八名の方々、避難者がおられました。現在、十津川村ではことしの四月に、野迫川村では七月末に、それぞれ全ての方に避難生活を解消していただくことができました。

 五條市大塔村辻堂地区ではいまだ二十一名の方々に避難指示、勧告が出されております。地区の安全を確保するための堰堤工事が完成する見込みでございます来年一月末には、この方々にもご帰宅いただくことが可能となるわけでございます。引き続き、対策工事の進捗には万全を期したいと思います。長引く避難生活に配慮し、避難されている方々の心身の健康面に十分なケアを行ってまいりたいと思っております。

 次に、当地のインフラ関係でございますが、日常生活の基盤となる道路や河川の復旧状況でございますが、被災した道路の九六%、河川も九五%で既に工事が完了しております。予算をつけていただきましてありがとうございます。一部の箇所を除き、今年度末までに全てが完了する予定でございます。また、再度の災害への備えとなる大規模崩壊への対策工事も、大水害以降の台風による再度の被災の影響がございましたので、完了が来年度となる箇所が一部ございます。しかし、多くは今年度中に完了する予定でございます。計画どおり工事が完了できるように、引き続き徹底した進捗管理を行ってまいります。

 被災地の生活再建についてでございますが、特別の金融支援などきめ細かな再建支援を行ってまいりましたが、この八月までに再建意欲のある百三の被災事業者の方は、全ての方が事業を再開されました。また、大水害による風評被害もあり、大きな打撃を受けた観光でございますが、比較的短期間で済みました。積極的な観光PRやプレミアム宿泊旅行券の発行が効きまして、翌年の平成二十四年以降は、被災前を上回る観光宿泊客数となっております。災害をばねに、観光地として発展したとも言えるものでございます。

 このように、各般にわたる取り組みは順調に推移しております。関係機関の協力も得て、集中復旧・復興期間の終了する今年度末までに、復旧は、おおむね完了のめどがつく見込みでございます。

 その後の振興についての取り組みのご質問もございました。

 先ほど答弁いたしましたが、これまでおおむね目標達成できてきておりますが、この集中期間が終わります来年度以降は、復興から地域振興へと、新しいステージへ切りかえが必要かと思っております。これまでの復旧の成果を踏まえまして、集中期間以降の復旧・復興計画と五年目を迎えます南部振興計画、東部振興計画をあわせた新たな計画をつくりたいと思っております。南部・東部地域のさらなる振興の基本となるものにしたいと思います。

 人口減少が進む南部・東部地域の振興のためのキーワードは、生活していくために必要となる職業、職、すなわち仕事であろうかと思います。

 その一例といたしましては、木工や農産物加工など地域資源を生かしたものをつくる場も必要だと思います。また、オーベルジュなど何度も訪れてもらって、観光消費、交流消費をしてもらう場が必要かと思います。また、それぞれの場の担い手の育成が必要かと思います。また、医療や教育、道路など生活基盤の充実を図ることも引き続き必要でございます。

 これらの取り組みは、地域に新しい担い手を受け入れる移住対策にも必要な事項と考えております。

 今回、策定をしております新たな計画では、これらの取り組みを頻繁に訪れてもらえる地域になるという交流と、住み続けられる地域になるという定住の二つを、交流と定住の二つを目指す姿としてまとめていきたいと考えております。

 さらに、地域の具体的な未来の姿を思い描けるような具体的なプロジェクトをあわせて提示いたしまして、地元の市町村、また民間の方々とも協力しながら、常にPDCAサイクルを意識して見直せるようなダイナミックな事業の進め方を心がけていきたいと思います。

 県におきましては、少子化、高齢化に対する取り組みや、産業興しなど県政重要課題の取り組みと、国の地方創生の動きをうまくマッチングさせるために、先月、奈良県地方創生本部を設置したところでございますが、本県の南部地域、東部地域も地方創生の大きな舞台となるものだと考えております。

 頻繁に訪れてもらえる地域になる、住み続けられる地域になるという県の強い意思を込めた具体的な計画を策定していきたいと思っております。

 次に、市町村財政の健全化に向けた支援についてのお尋ねがございました。

 今年度、県は、市町村財政の健全化を支援するために、新たに二つの取り組みを始めさせていただきました。一つ目は、奈良県市町村財政健全化支援事業でございます。県が無利子の資金を市町村に供給することで、利率三%以上の高金利地方債、高金利市町村債の繰り上げ償還を促し、公債費を軽減し、財政の健全化を促進しようとするものでございます。本年度当初予算で十五億円計上することを認めていただきました。

 本事業の実施に当たりまして、市町村へ要望をとりましたところ、二十六市町村から希望がございました。県といたしましては、市町村の要望に応えるべく、希望額を全額支援したいと考えております。今議会で補正予算で三十一億八千万円の追加の補正をお願いしておりますが、当初予算と合わせますと合計で四十六億八千万円の無利子資金を供与することになります。

 二つ目の新たな取り組みは、個別市町村への重点的な助言でございます。今年度財政運営面で改善意欲があり、県の助言を求める市町村を募集しましたところ、八市町村から希望がありました。県では、この八市町村に出向いて、個別に課題の分析を行ってまいりました。歳入面では、税徴収に係るマニュアル作成とその徹底といったような事項、歳出面では、直営方式から委託方式へ転換するといった施設運営の見直し、これはファシリティマネジメントの考えに基づくものでございますが、このような当該市町村ごとに財政健全化に向けた具体的な方策の検討を一緒に進めていこうとしておるものでございます。

 これらの制度を多くの市町村が活用されることは、県内市町村の財政健全化に対する意識が高まってきた結果だと思いますし、また、その成果も出てくるものだと思っております。これは、県が市町村サミットなどの場で各市町村の財政状況をわかりやすく示すことにより、問題意識の醸成が図られてきたことも一助になっていると思っております。今後とも市町村の財政健全化に積極的にご支援申し上げていきたいと思います。

 最後に、危険ドラッグ対策についてのご質問がございました。

 危険ドラッグの吸引による救急搬送事案や交通事故等が全国的に発生し、社会問題化しております。議員ご指摘のようでございます。地域の安全・安心確保のために、危険ドラッグの取り締まりは重要な課題であると思います。

 危険ドラッグの使用により救急搬送されたと考えられる事案は、県内で平成二十四年度が二十一件もございました。昨年度は八件、今年度は八月末までに四件となっております。県内の販売店舗でございますが、八月末時点では四店舗あることが確認されております。

 このため、県では、危険ドラッグの使用拡大を防ぐため、一昨年六月から県警察本部と連携いたしまして、県内の四店舗に対して立ち入りや買い上げ検査を定期的に行ってまいりました。また、それとともに、販売の自粛を要請してきたところでございます。また、昨年十月からは、麻薬取締官にも取り締まり権限が付与されましたことから、近畿厚生局麻薬取締部を加えた三者連携のもとでの取り締まりを行ってきているところでございます。

 議員お述べのように、八月二十七日から厚生労働省は、東京都、愛知県、大阪府、福岡県において、薬事法に基づき危険ドラッグ販売店へ立ち入りし、検査命令を発するとともに、検査中の販売差しとめを行われました。本県においても先週十一日に、近畿厚生局麻薬取締部と県警察本部と県が連携し、県内四店舗に立ち入りを行い、販売していた一店舗に対し、検査命令と販売の差しとめを行いました。残り店舗につきましては、自主的に販売中止されたのが一店舗、休業一店舗、閉店一店舗という結果でございました。

 今後も危険ドラッグの取り締まりを徹底するためには、全国統一の規制を行う必要があろうと思います。店舗に対しましては、今回実施している検査命令、販売の差しとめ、指定薬物が検出された場合の廃棄命令等による取り締まりを徹底してまいりたいと思います。また、インターネット販売に対しましては、国と連携し、プロバイダー等に削除要請を行い、対応してまいりたいと思います。

 さらに、危険ドラッグの恐ろしさを広報することも重要でございます。県民の皆様に対しまして、薬物乱用防止街頭キャンペーンやホームページ、ポスター及び薬物乱用防止指導員の地域での啓発活動を通じまして、危険ドラッグが麻薬、覚醒剤と同じくらい危険な薬物であり、所持や使用するだけでも違法行為であるということを広く伝えまして、危険ドラッグ根絶につなげてまいりたいと思います。

 残りのご質問は、警察本部長が答えさせていただきます。ご質問ありがとうございました。



○議長(山下力) 橋本警察本部長。



◎警察本部長(橋本晃) (登壇)二十三番、安井議員のご質問にお答えさせていただきます。

 私に対しましては、危険ドラッグ対策につきまして、その検挙状況と今後の取り締まりの考え方について、お尋ねがございました。

 まず、ご指摘の報道の件でございますけれども、本年七月二十六日、JR高田駅構内におきまして、不審者に対し警察官が職務質問を実施したところ、ビニール袋入りの植物片を発見・領置し、その後の鑑定の結果、薬事法に基づき厚生労働大臣が指定する指定薬物の成分を検出したことから、八月二十六日に指定薬物を所持したものとして、薬事法違反で通常逮捕いたしております。

 指定薬物単純所持違反の検挙につきましては、薬事法改正による本年四月一日からの規制開始後、県内初となります。

 また、指定薬物の単純所持・使用が規制される前ではありますけれども、これまでに指定薬物等、いわゆる危険ドラッグに関連する事件といたしまして、本年に入り二事件、二名を検挙しております。

 一件目につきましては、本年一月十九日、桜井市内におきまして、運転前に吸引した危険ドラッグの影響により、正常な運転ができない状態で車両を運転したことにより、交通事故を起こした二十九歳の男性を自動車運転過失傷害で現行犯逮捕いたしております。

 二件目につきましては、本年一月二十日、覚せい剤取締法違反で逮捕した五十八歳の男性の居宅捜索のときに危険ドラッグの空き袋を発見・押収し、同人の尿から麻薬成分を検出したことから、三月十八日、麻薬を施用したものとして、麻薬及び向精神薬取締法違反で検挙いたしております。

 このように、危険ドラッグの使用による幻覚症状から引き起こされる交通事故などの重大事案を未然に防止することが、社会の安全の確保にとって喫緊の課題となっていることに鑑みまして、県警察といたしましては、改正薬事法等を積極的に適用し、指定薬物の使用者等の検挙を通じ、販売店や製造元等の背後組織に対する取り締まりを徹底するとともに、乱用防止のための啓発活動につきましても、県薬務課等関係機関と連携し、一層強化推進していく所存でございます。

 以上でございます。



○議長(山下力) 二十三番安井宏一議員。



◆二十三番(安井宏一) ご答弁をいただきましたが、少し時間もあるようでございますので、外国人観光客の誘致について、知事も随分力強くお答えいただいたと思います。

 特に、年々増加するであろうこれからの対策については、やはり、不便を感じないということが一番その思い出の中に好印象を与えるかと思うんですが、例えば観光地を表示する、あるいは、最寄りの交通機関や駅を表示するなど、案内板といいますか、道に迷わない、あるいは、容易にわかるようなそういう方向を示す案内板を県下に増設する必要があるのではないかなと思っている次第でございます。

 また、そういったところを案内する案内者、ガイドとかあるんですけれど、そういう案内者を育成するという意味で、多くの方が必要ではないかと思うんですが、ガイドの育成についても、これから進めていただく上で重要かと思う次第です。

 そして、次に、刑務所出所者等のことについてでございますが、県ではいち早く他県に先駆けて刑務所出所者等の、あるいは、保護観察になっている少年たちの再犯防止に向けた動き、非常に積極的で、しかも評価の高い事業だと思っております。

 特に、私も保護司をしておりまして、そういった方々がまず就職を探すのにどうするかということが第一義的にあるんですが、なかなか見つからない面もあるわけでございます。そういう意味で、出所者等を受け入れてくれる協力雇用主という会社、あるいはそういった組織といったものをあちらこちらと私自身もお回りしてお願いしたりする経験があり、今、百七社とおっしゃいましたけども、まだまだ犯罪者の数からすれば、まだ低いわけですし、積極的な協力雇用主の開拓に積極的に進めていただければ大変ありがたいなと思います。

 本人は、更生の支援をすることによって、非常に社会復帰しやすい条件を整えていただくことに大変うれしく思うと同時に、また、その本人はもとより家族、あるいは周辺の方々にも就職にありつけることが何よりも待ち遠しいことでありますので、ぜひとも協力雇用主をさらに拡大していくという積極性もこれからお願いしたいなと思います。

 それから、広島市の土砂災害ですけれど、これは、今度の特徴としては、被害が非常に強い雨が極めて短時間に局地的に降ったというところに起因するのではないかなと思っております。県下でも危険箇所が指定されておったり、あるいは、お気づきの点もあるかと思うんですが、そういったところを周知していく、あるいは、取り組みがおくれているところについては促進をしていくといったぐあいに、危険箇所は、やはり、点検しておく。そうしたものを地域の方々に周知していくということを、先ほども答弁にもありましたけれども、ぜひとも繰り返し注意を呼びかけていただくと同時に、日ごろから警戒避難への備えといったものをしていただく。また、人命を守るためには市町村との連携と先ほどおっしゃっておられましたけれども、ぜひとも県下の指令が各市町村につつがなく、そして、漏れ落ちることなく徹底することによって、住民避難が徹底されるものと思いますので、怠らずこれからもお願いしたいなと思います。

 最後になりましたが、危険ドラッグについてでございますが、指定薬物の数が新聞報道によりますと、発表のたびにふえていき、年々増加しています。これは、その理由の一つには、成分を分析して、違法だと判定するまで、その検査機関が三カ月から四カ月かかるんだという、国立衛生研究所ですか、やっておられるのは、日数が非常にかかるという点で、覚醒剤とは検査の方法が違うんだと思うんですが、かかり過ぎているところにも問題があるのではないかと思いますので、ぜひともそんな長時間を要するのではなくして、早く成分を見分けていく迅速な対応というものを国にぜひとも働きかけていただいて、迅速化を目指していただきたいと思っています。

 また、奈良県ではないんですが、兵庫県では、条例を改正して、販売している店舗を規制すると同時に、買う側の方にも身分証明書の発行をして、身体に使用しない旨の誓約書を義務づけていくと、そういう条例改正に向かっているんだということも新聞報道にありましたけれども、近い将来、奈良県としても条例制定に向けた動きというものが必要ではなかろうかなと思っている次第でございまして、私の思いを述べまして、質問を終わります。



○議長(山下力) しばらく休憩します。



△午後二時十九分休憩

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△午後二時三十四分再開



○副議長(井岡正徳) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 次に、四十番中村昭議員に発言を許します。−四十番中村昭議員。(拍手)



◆四十番(中村昭) (登壇)ただいまより自由民主党改革を代表して質問をいたします。

 質問に入ります前に、この夏の平成二十六年八月豪雨では、広島市での大規模な土砂災害をはじめ、全国各地で甚大な被害が発生いたしました。改めまして、亡くなられました方々のご冥福を謹んでお祈りをし、被害に遭われた方々に心よりお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い復旧、生活再建をお祈りを申し上げます。

 それでは、質問に入ります。

 さきの総選挙において、民主党から我が自由民主党への政権交代が実現し、安倍内閣総理大臣が危機突破内閣を発足されて六百日余りが経過をいたしました。その間、安倍内閣では大胆な金融政策、機動的な財政改革、民間投資を喚起する成長戦略の三本の矢の政策を一体的に推進してこられました。

 その結果、有効求人倍率はバブル崩壊以来、二十二年ぶりの高い水準となっております。また、ことしの春、多くの企業で賃金アップが実現し、その伸び率は過去十五年間で最高となりました。まさに三本の矢の政策を進めてきた結果、雇用の改善、賃金の上昇という形で景気の好環境が生まれ始めております。

 しかしながら、景気回復は、いまだ日本の隅々に十分に行き渡っていると言える状況でないのも事実であります。また、消費税の引き上げ、燃料価格の高騰、この夏の天候不順など、不安定な要素も数多く見受けられます。

 そこで、引き続き経済最優先でデフレからの脱却を目指し、成長戦略をさらに大胆に、かつ力強く実行するため、九月三日に内閣改造が行われました。この第二次安倍内閣では、女性閣僚を過去最大に並ぶ五人にふやし、成長戦略の柱である女性が輝く社会の実現を全面的に打ち出すものになっております。その中で、奈良二区選出の高市早苗衆議院議員が総務大臣に就任されました。奈良県にとって大変喜ばしいことであります。ご活躍を心からお祈りを、期待しております。

 さて、この改造内閣の大きな課題の一つが、元気で豊かな地方の創生であります。去る五月八日、元総務大臣の増田寛也さんが座長を務める日本創成会議の人口減少問題検討分科会が、二〇四〇年、平成五十二年には、今ある市町村約千八百のうち、そのほぼ半数の八百九十六の自治体が、若年女性が今より半分以上減少するとして、消滅可能性都市となるという大変ショッキングな報道がなされました。本県では、三十九市町村中、三分の二の二十六市町村が消滅可能性都市と位置づけられたのであります。

 そんな人口減少や超高齢化といった地方が直面する構造的な課題に真っ正面から取り組み、若者が将来に夢や希望を持つことができる、魅力あふれる地方をつくり上げていく司令塔として、安倍内閣総理大臣を本部長とし、全閣僚を構成員とするまち・ひと・しごと創生本部が設置をされ、政府一丸となった取り組みが推進されると聞いております。

 この国のまち・ひと・しごと創生本部の設置に先駆け、本県では、去る八月十九日に奈良県地方創生本部を立ち上げられ、荒井知事が本部長となり、県庁一丸となって地方創生にしっかりと取り組んでいかれるとのことであります。私は、地方創生にかける知事の並々ならぬ思いを感じております。

 そこで知事にお伺いをいたします。

 この奈良県地方創生本部設置の趣旨などを含め、改めてお聞きいたしますとともに、今後どのように本県における地方創生の取り組みを進めていこうとしておるのか、知事のご所見をお伺いをいたしたいと思います。

 次に、地方創生の大きな柱である少子化対策についてお尋ねをいたします。

 本県の昨年の合計特殊出生率は一・三一で、全国都道府県ワースト四位であり、年間の出生数は約一万人で、十年間で一六%も減少いたしております。

 将来の人口推計を見ますと、現在、約百四十万人弱の本県の人口は、平成五十二年には約二割減少し、約百十万人になると予測されます。

 人口減少が社会にもたらす深刻な影響とは、国内市場の縮小と労働力人口の不足による経済の安定成長の阻害、現役世代の負担増加とサービスの供給不足による社会保障制度の崩壊などが指摘をされております。今まさに国と地方が総力を挙げて少子化対策の抜本強化に取り組んでいくことで、我が国の将来の姿を変えていかなければなりません。

 私が先ほど申し上げましたが、今後、本県をより住みやすく、活力ある地域にしていくために、地方創生の取り組みが展開されます。その中では、次世代を担う人づくり、すなわち少子化対策の強化が非常に重要であると考えております。

 言うまでもなく、結婚や子育ては、個人の意思に基づくものであります。したがって、出生率の向上について考えるときに、忘れてならない基本的な考え方は、それぞれの人が抱いている結婚や子育てに関する希望をかなえるということであります。

 今、これらの希望がかなえられにくい状況となっています。二十代から三十代の若者の約九割が結婚することを望んでいますが、男女ともに未婚化、晩婚化が進行いたしております。今や二十代後半の未婚率は、男性が六九%、女性は五九%であり、三十代前半でも男性の四六%、女性の三四%が未婚ということであります。

 また、五年ごとの調査結果では、夫婦が希望する子ども数の平均は二・四二人でありますが、最終的な子ども数の平均は一・九六人であり、平成二十二年に初めて二人を下回りました。子ども数が三人の割合が大きく減ってきており、子ども一人の割合がふえてまいっております。

 県では、これまで保育所の新設や増築に対する支援による待機児童解消や、幼稚園と保育所の双方のよさをあわせ持つ認定こども園の普及などの子育て支援政策を推進してこられました。いまだ子育て環境の改善に向けた課題も数々あり、現時点においては、出生率の向上も見られない状況であります。

 少子化には、さまざまな要因が絡み合っていると言われており、要因を特定することは容易ではありません。しかし、地方創生に県庁一丸となって取り組んでいく中で、本県の少子化の背景を探り、今後、県が進めるべき少子化対策の方向性を見きわめた上で、結婚や子育てへの支援に関して、奈良県らしい、きらりと光る実効性のある少子化対策の実現に向けて、あらゆる知恵の総動員が必要と考えます。

 そこで、知事にお伺いをいたします。

 地方創生の取り組みの中でも、最重要課題であるこの少子化対策について、今後どのように進めていこうと考えているのか、知事のご所見をお伺いをします。

 次に、ホテル誘致による地域経済の振興についてお尋ねをいたします。

 私は、いつも申し上げておりますが、地方の現状とその将来について非常に大きな危機感を抱いております。今のまま、何の手だても講じることなく、座してただ衰退していくという未来を私の愛してやまない故郷であり、敬愛する人々の暮らす歴史ある奈良県が受け入れることを許すことはできません。

 我々のつくり上げる地域社会は、人間の共同体であり、人の集うところに地域社会ができ上がります。そして、地域社会が人によって成り立つ以上、そこに人が集まる条件が整っていなければなりません。残念ながら、今の地方の多くは、人を集わせることのできる魅力を失ってしまい、衰退の道を歩んでいると言わざるを得ません。それゆえに地方の創生は、再び人が集う魅力を地方が取り戻さなければ実現することはありません。そして、その魅力とは、地域が持つまちの魅力であり、地域の生み出す仕事にあると思います。

 そこで、奈良県における地方創生を考えるとき、私たちは、存分に活用できる、他の地域が持たない大きな強みを持っていると思います。それは観光資源であり、そして、観光振興によって生み出される人を集わせることのできる魅力であります。

 奈良は、我が国で最も古くから文化を花開かせた地域であり、現在においても悠久の歴史を感じることのできる、世界に誇るべき地域であります。国内は言うに及ばず、世界各国からも多くの観光客がこの奈良の地を訪れ、古代から綿々と続く歴史に培われた文化に触れてゆかれます。この世界的に名を知られた観光地であり、幾多の観光資源を有する奈良を訪れる方々を心からもてなし、楽しんでいただける環境をつくり上げることが、奈良の未来をつくり上げることにほかならないと考えております。

 知事は、平成二十年に現在の県営プール跡地にホテルを誘致する取り組みを始められました。そのときは、残念ながら百年に一度と言われる金融恐慌、世に言うリーマンショックのあおりを受け、残念ながらホテルの誘致に至ることはありませんでした。しかし、その後も今日までの五年間にわたり、刻々と移り変わる経済情勢とホテル業界、観光業界をめぐるあらゆる情勢についてのリサーチを続けられ、さらには、観光の振興、ひいては地域経済の振興に結びつけるための仕組みを、試行錯誤を重ねながらつくり上げてこられました。そして、今回、満を持してホテル事業者の公募に踏み切られたことと思います。

 奈良県を再び国のまほろばとして創生するためには、奈良の観光のあり方を、従来の日帰り観光主体から、滞在型観光主体にシフトをさせ、一層の観光振興を図り、県内の雇用と消費の振興に結びつけることが必要であると思います。

 このことから、私は、観光振興の起爆剤として県有地を活用したホテルの誘致と、ホテルを核としたまちづくりによる観光の新しい拠点整備を支持するとともに、不退転の決意を持って、ぜひとも成功に導いていただきたいと大いに期待をいたしております。

 そこで知事にお伺いいたします。

 今回の公募を起点として、県営プール跡地活用をどのように図っていかれるのか、また、国際ブランドホテルが奈良に立地されて、その他の施設等をあわせて新たな拠点として整備されることで、地域経済の振興にどのように寄与していくとお考えになっているのかをお尋ねいたします。

 次に、安全・安心の県土づくりについてお尋ねをいたします。

 近年、国、地方公共団体の財政状況は、社会保障費の増大や借入金により、大変厳しい状況にあります。一方、公共事業につきましては、ばらまき、悪玉論や、民主党政権下でのコンクリートから人へという流れの中、国や県の予算は、最盛期の半分以上も減ったこともあり、本県の基盤整備は、道路をはじめとして治水対策なども依然おくれている状況と認識いたしております。

 平成二十三年には、東日本大震災をはじめ、奈良県も紀伊半島大水害により甚大な被害を受けるとともに、避難生活などでは、住民の皆様に多大なご不便をおかけいたしました。紀伊半島大水害から本年九月で三年が経過をし、道路をはじめとする公共施設の復旧にようやくめどが立ったとのことであります。先月までに十津川村、野迫川村での避難は全て解消しましたが、五條市では昨年の台風十八号のさらなる被害もあり、いまだ避難生活を余儀なくされている方々がいらっしゃいます。

 また、今回の広島の土砂災害での多くの尊い命が失われた状況から、避難のあり方を含めたハードとソフトが融合した取り組みが必要とされるとともに、とりわけ砂防ダムの重要性が再認識されたところであります。

 本県でも、紀伊半島大水害では、深層崩壊を含む土砂災害や林地の崩壊、農地災害、河川・道路災害等のさまざまな災害を経験しました。そこから、災害に対する備えというものが非常に重要であるとの教訓を得た結果、災害に強い地域づくりを目指し、砂防事業による土砂災害対策、国道一六八号紀伊半島アンカールートや大和川総合治水対策などに取り組んではおられますが、真に災害に強い地域をつくるためには、まだまだ道半ばであり、さらなるスピードアップが必要であると考えております。

 先日発表されました国土交通省の平成二十七年度の概算要求では、地方創生と人口減少の克服とともに、防災・減災対策、国土強靱化、インフラ老朽化対策などの国民の安全・安心の確保に着実に取り組むことが掲げられております。

 安全・安心な県土をつくっていくためには、国や県が公としての役割を果たすことが重要であり、一定の基盤整備をするための公共事業が不可欠であります。既存施設の長寿化のための適切な維持管理も含めまして、真に必要な公共事業予算を確保し、災害が起こる前に適切な対策を行うべきであります。

 そこで知事にお伺いいたします。

 災害対策に万全を期した安全・安心の県土づくりに向けて、県として今後どのような方針で取り組んでいこうとされるのかをお聞きをいたします。

 次に、奈良県エネルギービジョンの推進についてであります。

 国においては、本年四月にエネルギー基本計画が閣議決定されました。この計画では、今後二十年程度の中長期のエネルギー需給構造を視野に入れ、今後取り組むべき政策課題と長期的、総合的かつ計画的なエネルギー政策の方針が示されております。

 特に、電力システム改革をはじめとした国内の制度改革が進展するとともに、国際的なエネルギー供給構造の変化が具体的に及んでくる平成三十年から平成三十二年までを目途とし、安定的なエネルギー需給構造を確立するための集中改革実施期間と位置づけ、エネルギー政策の方向が定められております。その中で、再生可能エネルギーについては、平成二十五年から三年程度、導入を最大限加速していき、その後も積極的に推進していくとされております。このような国の取り組みには大いに期待をいたしております。

 一方、奈良県においては、国のエネルギー政策の見直し、関西電力の電力需給の逼迫、紀伊半島大水害の教訓などを踏まえ、奈良らしい新たなエネルギー政策を推進するため、奈良県エネルギービジョンを平成二十五年三月に策定されております。この県のエネルギービジョンにつきましては、太陽光発電や小水力発電、バイオマスの利活用など、再生可能エネルギーの導入に向けたさまざまな施策が取りまとめられました。

 県南部・東部の山間地域など、県土の八割を森林で占める地勢や、県北部・西部の平野部に人口の九割が居住するなどの現状を見ますと、本県の再生可能エネルギーの導入推進に当たりましては、総花的な進め方ではなく、本県の地域特性に応じた太陽光発電や河川や農業用水路などを活用した小規模な水力発電の導入を重点的に行うなど、めり張りをつけて進めていくことが必要であると考えます。

 これまでエネルギー政策は国策として進めてこられましたが、平成二十三年の東日本大震災以降は、地域の問題として、県をはじめ市町村でも取り組まれるようになってまいりました。しかしながら、財政規模や組織体制の状況もさまざまな市町村が国や県と同じレベルでエネルギー政策に取り組むことは、困難な面も多いのであります。

 県の役割は、エネルギー政策の全体的な枠組みを示し、市町村や地域団体、事業者などが再生可能エネルギーの導入などのエネルギー事業を進めやすい体制をつくることではないでしょうか。さらに、市町村や事業者などのニーズに即した支援制度の充実も必要であります。また、エネルギー事業は、専門的な知識や経験等を必要とする分野でもあり、事業実施に当たり、適切な専門的なアドバイスができるスペシャリストの養成や確保も重要であると考えます。

 奈良の実情に応じた、環境にもやさしく、産業振興にもつながる、そのようなエネルギー施策が進められていくことを期待いたしております。

 そこで、知事にお伺いをいたします。

 本県の地勢や地域の実情を踏まえ、今後のエネルギー政策の方向性について、どのように考えておられるのか、また、どのような取り組みを進めていこうとされているのかをお聞かせを願いたいと思います。

 次に、本県の農業の振興について、二点お伺いをします。

 昨今、農業を取り巻く状況は、農産物価格の低迷や担い手の高齢化、耕作放棄地の増加など、厳しい状況が続いております。

 一方、目を世界に転じますと、現在、TPP、環太平洋パートナーシップ協定の年内の大筋合意に向けて、TPP加盟国十二カ国の交渉や日米二国間の実務者協議などが精力的に実施をされております。

 報道情報によりますと、政府自民党が、国内外の価格差が大きい米、麦、牛肉、豚肉、乳製品、甘味資源作物を農産物の重要五項目として掲げていますが、これらの関税交渉についても非常に厳しい状況になっているようであります。

 とりわけ牛肉、豚肉につきましては、結果によっては、今後、輸入肉との競合も想定される中、県内畜産農家にも少なからず影響を及ぼし、一層厳しい状況になっていくことが予想されます。

 私は、その影響を最小限にとどめるためには、大和牛、ヤマトポークをはじめとする県産畜産物のさらなる品質向上に取り組み、輸入肉との差別化を図っていく必要があると考えております。

 このような内外の状況を考えると、五年先、十年先の農業がどうなるのか、関税撤廃になれば、今以上に価格が低下し、農業が成り立たなくなるのではないかという不安に駆られています。

 一方、私の地元である桜井市につきましては、ひみこの里・記紀万葉のふるさととして、日本に初めて仏教が伝来し、万葉集が詠み始められたところであると言われており、昔は日本の中心地として栄えていたと思われます。

 地元といたしましても、かつての元気な桜井市の復活を目指して、農業をはじめ地場産業、観光産業の活性化を図っていかなければならないと強く思っております。

 さて、このような厳しい農業情勢の中、県農業の担い手育成と研究を中心に担うなら食と農の魅力創造国際大学校と県農業研究開発センターが、私の地元である桜井市に設置されることになり、現在、整備が進んでおります。

 これら新たな県の施設が、全国的に見ましても突出したレベルの研究と教育を行うことにより、県農業だけでなく、県産業の発展にも貢献するとともに、桜井市が全国的にも農業の聖地になることを非常に期待をいたしております。

 この新たな大学校は、今までの農業大学校での農業の担い手養成に加えて、農に強い食の担い手を養成するため、フードクリエイティブ学科を創設されております。また、校内には実践オーベルジュ棟を設置をし、民間の専門事業者のもと、一般の方を対象としてフランス料理などを提供するとのことであります。この実践オーベルジュ棟は、単なるレストランやホテルではなく、学生たちがシェフたちの中に入り、スタッフの一員として調理やサービスを学ぶための研修施設であり、実践能力の高いシェフを養成しようとされている点が大きな特徴であります。

 もともとオーベルジュとは、フランス発祥のもので、郊外や地方にあって、その土地の食材を使った料理を泊まりがけでゆっくり楽しむことができる宿泊機能を備えたレストランのことであります。まさに、桜井市の安倍も県内外からおいしい食を求めて人々が集う中南和地域の観光拠点施設になるものと、大変注目をいたしております。

 さて、この整備事業につきまして、去る七月二十二日に起工式が行われ、地元議員として私も参加をさせていただきました。現在、敷地整備工事が着々と進められております。

 そこで知事にお伺いをします。

 その工事費につきまして、今議会にカリキュラムの見直しなどに伴う施設の仕様変更のためとして、約三億四千万円の補正予算を計上されております。実践研修機能や学習環境の向上と労務単価、資材価格の上昇への対応をするためとのことであります。誠に結構です。その具体的な内容と、開校に向けた知事の意気込みをお伺いをします。

 次に、県農業研究開発センターについてお尋ねをいたします。

 現在、桜井市の県農業大学校跡地で県農業研究開発センターの整備が順次進められております。この地への移転に当たり、当初から研究ほ場の確保につきましては、穀物類や漢方に利用する薬用作物の研究ほ場不足を懸念いたしておりました。

 私は、研究ほ場を確実に確保し、拡大をし、リーディング品目、チャレンジ品目や薬用作物だけでなく、幅広い品目を対象に研究を進めていただきたいと思っております。

 また、農産物の栽培に欠かせない水については、現在、井戸水と吉野川分水を供給源とされておりますが、特に安定的な水の供給が必要とされるハウス栽培が増加する中で、十分に水が確保できるのかを懸念しており、ここにつきましてもご配慮をお願いをします。

 その中でも、私は、桜井が発祥の地である三輪そうめんに大いに期待をいたしております。

 しかしながら、三輪そうめんの原料となる小麦は、ほとんどがアメリカやカナダ、オーストラリアといった外国産に頼っております。これは、国内産の小麦が元来たんぱく質含有率が低いため、細いそうめんをつくることが難しいからであると聞いております。

 ですから、私は、県産小麦を原料とした三輪そうめんを生産、販売を推進することが、三輪そうめんのブランド化をより一層強めることであり、一つの起爆剤になると考えております。

 さらに、地産地消や農商工連携の点でも非常に重要であり、これまでの贈答品の需要だけではなく、お土産物としての需要も期待でき、農業、商工業、観光が一体となった産業興しの一翼を担うものと期待をいたしております。

 そこで、知事にお伺いをいたします。

 去る六月議会で提案され、承認されました奈良県農業研究開発中期運営方針に基づき、漢方、育種、加工、栽培をテーマとした研究開発が進められています。県農業研究開発センターでは、今後どのような研究に取り組んでいかれるのかをお尋ねいたします。

 最後に、教育長にお伺いをいたします。

 昨今の教育を取り巻く状況を鑑みますと、いじめの問題をはじめ、憂慮すべき数々の教育課題が浮き彫りとなっております。こうした教育課題にどのように向き合い、どのように克服していくのか、一つ一つの課題に各論で対応することももちろん大事であります。しかしながら、私は、まず総論として、教育が本質的なところで何を目指して行われるものなのか、常にそこに立って教育を見直すことが大切であるとこれまでからも申し上げてきました。

 人づくりは国づくりという言葉がありますように、国家の柱となるのは人材であります。大切なのは人づくりであります。これからの我が国や郷土を担う子どもたちを育てる教育をどう進めるかは、将来の国や郷土のあり方を決めることにつながります。こんな子どもを育てていくんだという明確なビジョンの共有こそ、さまざまな教育課題と向き合う上で、今強く求められているものではないでしょうか。

 私は、かねてから地域や国に貢献し、家族のために汗を流し、友のために涙を流す、そんな子どもを育てなければならないと考えてまいりましたし、今もそうであります。家族や友人を慈しむとともに、歴史に思いを馳せ、郷土や国家に誇りと愛情を持ち、みずからのよって立つところを確かに感じる人間を育てていかなければなりません。

 折しも現在、国では道徳の教科化を進めております。これからの将来を担う子どもたちにいかに生きていくかを考えさせ、豊かな人間性を育む道徳教育こそ、何よりも重要なものであると考えております。

 道徳教育では、公徳心や規範意識、友情などの大切さを学びます。その上で、私は、いじめ克服のためにみずから行動できる子どもたちを育てるために、子どもに育んだ道徳心を実際の生活や社会の中で行動につなげていく力を育てることが大切であると考えております。

 こうした力の育成を担うべく、平成十二年から始まった学習が総合的な学習の時間であります。この学習は、子どもがみずから学び、みずから考え、よりよく問題を解決する資質や能力、知識や技能を学習や生活で生かし、それらが総合的に働くようにする力の育成を目指し、教科等の枠を超えた横断的、総合的な学習を行うものであります。特に、体験や問題解決、探求的な活動が重視されております。

 私は、昨今のさまざまな教育課題の解決に向けては、道徳教育と両輪のごとくに、この総合的な学習の時間を充実させていくことが必要であると考えております。

 先月末に本年度の全国学力・学習状況調査の結果が国により公表されました。私は、新聞報道で今回の調査結果から、総合的な学習の時間に積極的に取り組む学校ほど、児童生徒の学力が高い傾向にあると知りました。特に、活用力を問う問題ほど差が開いており、みずから学び、みずから考え、主体的に問題解決や探求活動に取り組む総合的な学習の時間が、子どもの学習意欲を高めるとともに、身につけた知識や技能を活用する力の育成に大きくかかわっていることが明らかであると考えます。

 全国学力・学習状況調査の結果に見られる本県の子どもたちの課題としても、学習意欲や知識を活用する力の向上などが掲げられております。こうした課題の解決に向けましても、総合的な学習の時間を充実させていく必要があると私は強く感じております。

 そこで教育長にお尋ねをいたします。

 本県の小・中学校において、現在、総合的な学習の時間にどのような学習活動が行われているのか、また、本年度の本県の全国学力・学習状況調査の結果も踏まえて、総合的な学習の時間の充実について、県教育委員会としてどのように考えておられるのかをお答えをいただきたいと思います。

 以上をもちまして、私の代表質問を終わります。

 ありがとうございました。(拍手)



○副議長(井岡正徳) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)四十番中村昭議員のご質問にお答え申し上げます。第一問は、本県における地方創生の取り組みについてのご質問でございます。

 本県におきましては、庁内で現在、約六十のプロジェクトに取り組んでおります。また、奈良モデルと呼ばれる県・市町村連携協働の推進などの手法により努力を重ねております。プロジェクト主導と県・市町村連携が奈良県庁仕事の二本柱と考えております。

 今般、議員ご指摘になりましたように、国におきまして、人口減少克服、地方創生の実現に向け、まち・ひと・しごと創生本部が九月三日に設置されまして、九月十二日には初会合が開催されました。また、今月中に招集される臨時国会におきましては、まち・ひと・しごと創生法案が提出される予定と聞いております。地方創生は、安倍改造内閣の最重要課題の一つとして強く打ち出されることとなってまいりました。歓迎をするところでございます。

 そこで、本県の重要課題の取り組みとこのような国の施策推進の動きをうまくマッチングさせるために、奈良県地方創生本部を去る八月十九日に立ち上げ、設置いたしました。

 同本部の内容でございますが、私が本部長になり、五つの部会を設置したところでございます。その各部会の取り組みを簡単にご説明申し上げたいと思いますが、まず、一つ目の少子化・女性部会でございますが、少子化対策と女性が安心して活躍できる環境づくりがこの地方創生の中心テーマであると思いますので、第一のテーマにしております。

 次に、産業・しごと・観光・農林部会というのを設けました。産業興しの仕事では、三つのリーディング産業と六つのチャレンジ産業で奈良の産業を興すという考えでございます。次に、若者・女性・障害者・高齢者を含めた県内しごとづくりのテーマがございます。三つ目には、おくれの目立つ観光振興への取り組みを考えております。また、楽しみの増してまいりました奈良の食と農の振興、奈良の木ブランド化を中心のテーマにしていきたいと思います。

 三つ目の部会でございます国土強靱化・まちづくり・景観彩り部会でございますが、県南部の土砂災害、大和川の大水害をターゲットにいたしました県土強靱化対策が一つ目の中心テーマでございます。二つ目は、健康づくり・地域の活性化を目標にしたにぎわいまちづくりがテーマでございます。三つ目は、県域を一つの庭と見立てた四季彩りの庭づくりなどが中心のテーマでございます。

 四つ目の部会でございます健康長寿・地域医療ビジョン・障害者部会でございますが、健康長寿日本一を目指し、奈良らしい地域包括ケアシステムの確立に取り組みたいと思っております。

 最後の五つ目の部会でございます文化・スポーツ・教育部会でございますが、文化とスポーツの活動で奈良を元気にする取り組みとともに、地域、家庭、学校が協働した奈良らしい教育の振興を図ることを目標にしたいと思っております。

 今回の地方創生に係る国の基本方針は、全国どこでも同じ枠にはめるのではなく、地方自治体の自主的、主体的な取り組みを国が支援するものであるというふうに解釈をしております。言いかえますと、県も市町村も同じでございますが、地元や地方が頑張らないと助けはないというふうに考えているところでございます。

 もとより、地方創生の主役は、我々地方でございます。今、奈良県に何が欠けており、何が努力不足で何をすべきかということについて、県がしっかりと考え、秋の予算編成に関する提案・要望活動などを通じまして、これを国政策に反映させるとともに、今後の補正予算、新年度の当初予算編成に盛り込んでまいりたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。

 少子化対策の進め方についてのご質問がございました。

 少子化対策は、人口減少の直接的要因でございます出生率低下への対策が中心でございますが、地方創生の取り組みの中でも最重要課題であると認識をしております。先ほど申し上げました奈良県地方創生本部の中に少子化・女性部会をまず設けたのもそのような認識に基づいております。

 議員もお述べになりましたが、本県の平成二十五年の合計特殊出生率は一・三一でございまして、全国で下から四番目という非常に低位でございます。その原因としては、本県の未婚化、晩婚化、非産化、晩産化の急激な進行が認められるところでございます。本県の二十代後半から三十代前半の未婚率は、全国的に見て高い状況にございますし、急激にその進捗が見られるところでございます。また、晩婚化は、晩産化につながり、夫婦の最終的な子どもの数、出生数に影響するわけでございます。

 出生率を向上させるためには、結婚を希望される多くの若者の望みをかなえて未婚率を低下させるとともに、希望する子どもの数を持てるようにすることが必要でございますが、結婚しやすくするためには、まず、若者の経済力をつけていただくことが必要との考えがございます。そのため、若者の仕事の安定を第一の目標にしていきたいと思いますが、さらに、子どもを産み育てやすくするための環境整備、結婚、子育て環境の改善も必要でございます。この二つ、若者の仕事安定と結婚・子育て環境の改善を奈良県の少子化対策の両輪として進めていかなければならないと思っております。

 若者の仕事安定につきましては、県内に若者向けの仕事の場をもっとつくること、あるいは、非正規雇用率を低下させること、若者の勤労意識の向上を図ることなどが重要な要素だと思っております。そのためには、企業誘致をさらに積極的に進めるほか、起業支援、自分で仕事を始めるような方、自営をされる方など、身近な場所での働く場の創出をさらに進めるとともに、就労能力の向上のためのキャリア教育や実学教育の充実を図ることも必要だと思います。職と学の連接を密接性をもっと高める、学が実学志向で、職の仕事を求める能力を持つに役に立つ教育に転換をしなきゃいけないというふうに考えております。

 さらに、女性の仕事をつくることは重要なことでございます。女性の就業率が全国一低い県でございますので、女性の起業支援を含めまして、女性の仕事をつくることにさらに支援の努力をしていきたいと考えております。

 二つ目の柱でございます結婚・子育て環境の改善につきましては、地域やNPO等と行政との協働によりまして、婚活でございますが、出会いの場づくりなどの結婚支援や、男女のワーク・ライフ・バランスの推進によりまして、仕事と子育ての両立支援を行うこと、また、シングルマザー、離婚された方の就労の支援、また、在宅で子育て中の親御さんの育児不安、核家族になっておりますので、育児不安の軽減など、行政がこれまでしてなかった分野で新しい取り組みをする必要があると認識をしております。

 奈良県で多くの若者が結婚していただき、子どもを産みやすい、育てやすい環境をつくる取り組みを、行政も積極的に取り組む必要がある時代になってきたという認識をしております。

 本県におきましては、(仮称)奈良県少子化対策プランを今、検討中でございますが、今年度中に策定できればと思っております。この策定過程におきまして、今後、本県の実情を踏まえた実効性のある少子化対策に向けた検討を重ねてまいりたいと思っております。

 観光についてのご質問がございました。とりわけホテル誘致における地域経済の振興についてのご質問がございました。具体的には県営プール跡地の活用方策、今後の方向性というご質問でございます。

 県営プール跡地活用プロジェクトは、地域の自立による地方創生の取り組みの中でも最も重要な事業の一つになるものと考えております。このプロジェクトの核になりますホテル事業を運営していただく事業者の募集を八月二十九日より開始いたしました。

 今後の予定につきましてでございますが、まず今回の募集により年内に優先交渉権者を決定できたらと思っております。この地に移転を計画されているNHK奈良放送局とも連携をしながら、滞在型観光交流拠点づくりの具体的な計画策定を協議しながら行っていくことになるわけでございます。また、来年度には、事業に参画していただくホテル以外の事業者、レストラン街の事業者、あるいは、コンベンション施設の運営事業者、にぎわいづくりの事業者などでございますが、ホテル以外の事業者の公募を実施いたしますが、建設工事などを経て、二〇二〇年の東京オリンピックまでに天平のまちびらきができるように進めてまいりたいと考えております。

 この滞在型観光交流拠点では、ホテルやNHKにあわせて、これまで県内では誘致が難しゅうございました二千人規模の国内、国際の会議が開催できるコンベンション施設や、各種の催しが実施できる屋内イベント施設、また、大屋根を備えた全天候型の屋外多目的広場、また、空港・都市間長距離バスの発着やパークアンドバスライドの結節点となるバスターミナル、また、大規模駐車場などのほか、レストラン街なども併設したにぎわいと交流の拠点を整備したいと思っております。

 先日、新宿高島屋にセールスに参りましたら、あそこは副都心、あるいは、東京で最大のバスターミナルができるそうでございます。そのバスターミナルからこの奈良の県営プール跡地への直通の高速遠距離バスが出入りして、新宿の高島屋で奈良大和野菜レストランフェアを食べた後、奈良に来ていただき、奈良でまた天平の味を味わっていただくといったようなこともこのような施設では可能になるわけでございます。

 奈良県は、日本最初の国際交流都市でございます。三つの世界遺産など豊富な文化・観光資源も有しております。世界に誇ることができ得る観光地でございますが、観光地の候補者でございますが、宿泊施設の客室数が日本全国の最下位でございます。また、宿泊滞在型の観光客は、その結果少なくなっておりますとともに、国際級のVIPの滞在もございません。奈良県の世界有数の観光資源を生かし切っていないのが現状でございます。

 こうした長年の課題を解決するために、奈良市中心部の県有地を新たな滞在型観光交流拠点として活用するこのプロジェクトを、奈良を滞在型観光地へ変革する、また、VIPも訪れ得るサミット級の国際会議も開催可能な観光地に抜本的に変革する起爆剤になればと期待しているところでございます。

 この新たな滞在型観光交流拠点の効果でございますが、本県のフラグシップとなる国際級ホテルができますと、世界的な認知度も高まり、国内外から多くの、また、レベルの高い宿泊客が訪れられることになろうと思います。また、これまでできなかった規模の、また程度の高いコンベンションが開催可能だと思っております。サミットなども奈良はふさわしい地だと思っております。また、この地で新たなにぎわいが生み出されまして、この地から南部を含めた県下全域に人があふれ出す、水道の蛇口のようにここから水があふれ出す、人があふれ出すという拠点、湧涌拠点という概念がございますが、そのような拠点にできたらと思います。そのようなことで、県内の他の地域の観光振興にも大いに寄与するものと考えております。

 さらに、このプロジェクトが契機になりまして、奈良が観光地としての投資先として見直されることを期待しております。今まで考えてもみなかったという投資者が結構多いわけでございます。引き続きの宿泊施設などの立地を誘発することも、このプロジェクトが成功すると、奈良も投資先でいい、奈良に泊まって、大阪や京都に行こうという宿泊地になり得る取り組みだと思っております。

 安全・安心の県土づくりについてのご質問がございました。

 奈良県におきましては、平成二十三年九月に発生いたしました紀伊半島大水害により、南部を中心に甚大な被害を受けましたが、その後も、毎年、全国各地で台風、ゲリラ豪雨等による災害が続いております。八月二十日に発生した広島市の土砂災害は、記憶に新しいところでございます。また、南海トラフ巨大地震も近い将来に発生が予測されており、地震災害を含めた大規模自然災害に備えるため、安全・安心な県土をつくっていくことは、県として極めて重要な課題でございます。議員ご指摘のとおりでございます。

 これまで奈良県のインフラ関係では、主として三つの分野で国との協力のもと、取り組みを進めてまいりました。一つは、大和川流域の総合治水対策でございます。二つは、紀伊半島アンカールートをはじめとする命の道の整備でございます。三つは、砂防施設等における土砂災害対策でございます。これらの取り組みにつきましては、国等が全面的に協力をしていただいておりますが、今後ともなお一層計画的、効率的に進めていきたいと思います。

 さらに、本年六月には国におかれまして国土強靱化基本法第十条に基づく国土強靱化基本計画が閣議決定されました。その後、八月二十二日には、本県が全国二十二団体ある国土強靱化地域計画策定モデル調査の実施団体の一つとして選定されました。国の国土強靱化基本計画を踏まえながら、県版の強靱化計画をしっかりと策定してまいりたいと考えております。現在、全庁的な取り組みとして、奈良県の状況を踏まえつつ、大規模自然災害に対する被害を回避するために必要となる対策の検討などの作業を進めております。

 この計画では、防災施設の整備や施設の耐震化等のハードの面と、訓練、防災教育等のソフトの対策を適切に組み合わせること、また、高齢化が加速的に進む既存インフラの老朽化対策を確実に実施することなどにより、効果的、効率的に施策を推進することを目指してまいりたいと思っております。優先的、重点的な整備が必要となる社会インフラにつきましては、こうした計画における位置づけも踏まえまして、国等に積極的に働きかけるなど、必要となる予算の確保に向け、しっかりと取り組んでまいりたいと思っております。

 次に、本県のエネルギービジョンの取り組みの進め方についてのご質問がございました。

 奈良県では、エネルギービジョンに基づきまして、多様な再生可能エネルギーの普及拡大を図ってきておりますが、導入実績は順調に伸びてきております。本年六月末でビジョンの目標値でございます平成二十二年度比二・七倍を超え、既に二・八五倍になりましたことから、平成二十七年度末に三・八倍とする目標値の上方修正を行いたいと思っております。

 再生可能エネルギーの導入につきましては、環境面からの地球温暖化対策や、雇用創出など産業振興にもつながりますので、今後もグリーンニューディール基金など国の有利な支援制度を最大限活用して、普及拡大に努めてまいりたいと思っております。

 具体的な内容でございますが、本県の再生可能エネルギー導入実績の九割以上を占めているのが太陽光発電でございます。家庭用太陽光発電とあわせて整備する蓄電池等への補助や、倉橋ため池や吉野川分水などの農業用施設を活用した発電施設の導入促進などに取り組んでまいりたいと思っております。

 また、本県の地域特性に合った小水力発電と木質バイオマス利活用につきましても積極的に進めてまいりたいと考えておりますが、小水力発電につきましては、導入調査や設備整備に対する助成を行っております。奈良モデル検討会の取り組みとして、意欲のある十三市町村と勉強会を開催しております。市町村や事業者を支援する県独自の制度を創設し、積極的に取り組んでいるところでございます。

 木質バイオマスでございますが、その利用拡大に向けた実証実験の実施や、設備を導入する事業者への補助を実施をしております。大淀町で整備中の木質バイオマス発電施設につきましては、施設整備費約三十三億円に対しまして、国の予算を活用して、事業者に十四億円を無利子で融資しているところでございます。これら木質バイオマスの利活用により、南部・東部地域における木材調達なども含めた雇用拡大など、産業振興にもつなげていけたらと期待をしております。

 今後は、これらの取り組みを充実させるとともに、本県のエネルギー消費の六五%を占めます熱エネルギーについても、木質バイオマスや太陽熱などの利活用に取り組んでいきたいと考えております。

 農業の振興について、二つのご質問がございました。

 まず、新しい農業大学校のご質問でございます。桜井市安倍におきまして、旧の農業大学校を廃校にして、新たになら食と農の魅力創造国際大学校、通称NAFIC、ナフィックと呼んでいただくようにしておりますが、新たに整備をしたいと思っております。新しく開設いたします学科でございますフードクリエイティブ学科におきましては、ニューヨークに世界トップレベルのシェフ養成学校CIAというのがございますが、シェフのハーバードと呼ばれる施設でございますが、県の職員と桜井市の職員が視察に行ってまいりました。私も加わりまして、食に関する専門家で構成する開設準備委員会におきまして、そのあるべき姿の検討を重ねてまいりました。

 その結果、奈良から世界に通用するシェフを排出するアメリカのCIAと肩を並べるシェフ養成学校をつくることを目標にすることといたしました。そのために、より実践力の高い人材の養成にも力を向けることといたしました。実践研修の充実のためのカリキュラムや施設の見直しを行うこととしてきたところでございます。

 具体的な内容でございますが、実践オーベルジュ棟での実践研修時間をふやすため、厨房やダイニングのデッキなどを拡張させていただきたいと思います。二つ目は、学生棟の調理実習室は、調理の下準備から後片付けまでを一人で行えるように、CIAなどで取り入れられております一人一調理台方式に変更させていただきたいと思います。また、中南和地域の観光やにぎわいの拠点とするため、内外装の木質化を拡大することにさせていただきたいと思います。これらの経費に、労務単価の上昇等を加えましたのが今回上程させていただきました補正予算の主な内容でございます。

 また、実践オーベルジュ棟の指定管理につきまして、七月から公募を行ってまいりました。先般、外部委員による選定審査会が開かれました。その結果、株式会社ひらまつを指定管理予定者として決定されたところでございます。

 応募に当たりまして、特に株式会社ひらまつが優れていた点でございますが、実践研修を通じた人材育成に主眼を置いておられること、また、技能と経験を有する人員を十分に配置した執行体制を計画されていること、研修内容やカリキュラムが具体的に提案されており、高度で実践的な調理サービス技術の習得が期待されること、また、県産食材を使った加工品の開発や学生マルシェなど、地域振興に資する自主事業が提案されていることなどが挙げられております。

 今後、十二月議会におきまして、指定管理者の指定議案を上程させていただく予定でございますが、今回、初めてこの指定管理予定者を述べさせていただいた次第でございます。

 この株式会社ひらまつは、パリをはじめ、東京、大阪、名古屋など、国内外に三十一の高級レストランを展開され、ミシュランの星つきレストランも持っておられます。社長は、世界に通じる日本人シェフの育成にも尽力されており、その運営手腕に期待しているところでございます。

 昨年秋のことでございますが、大和柿の売り込みのため、官邸を訪れ、安倍内閣総理大臣と短い会話をいたしました。その際、字も同じであります奈良県桜井市の安倍というところで世界のトップクラスのシェフを育てる学校をつくるんですよと申し上げてしまいました。できなきゃ、大分責任問題になったわけでございますが、内閣総理大臣は、直ちにその場所は私もよく知っているんだ、家内もよく知っているぞと、小さな声ですが、鋭くおっしゃいました。オーベルジュが開業いたしますと、安倍内閣総理大臣をご招待したいと思いますが、その際には、中村議員に仲介の労をお願い申し上げたいところでございます。

 農業の振興について、農業研究開発センターについてのご質問がございました。

 農業研究開発センターは、もとは農業試験場と呼んでおりましたが、その移転整備に当たりまして、研究の高度化を積極的に進め、オンリーワンの研究開発を目指し、農業における奈良のブランド力の強化を図るために、奈良県農業研究開発中期運営方針を策定いたしました。さきの六月議会でご承認いただいたところでございます。

 議員ご指摘の四つの課題に沿った研究課題を設定して、生産者、消費者の視点に立った研究開発をスタートさせているところでございます。

 具体的な内容でございますが、まず、議員もお述べになりました四点でございますが、まず漢方という分野におきましては、薬用作物の安定供給を図るため、ゲノム育種等による優良品種育成と育苗技術の改良が必要かと考えております。

 二つ目の育種、種を育てる分野におきましては、これまで蓄積された育種ノウハウがございますが、育種資源等の最大限の活用とともに、DNAマーカーと言われる技術を用いました育種の先端技術を利用して、奈良県オリジナルの優良品種を育成することを目指しております。イチゴや菊、甘柿、酒米などにおきまして、新品種育成の研究を進めております。

 加工の分野におきましては、イチジクや柿などの県産素材を用いまして、おいしく健康機能性にも富んだ奈良県オリジナル加工品が開発できたらと思っております。商品化が進めばと思っております。

 とりわけ小麦でございますが、新品種ふくはるかというのがありますが、たんぱく質含有率をそうめん加工に適したレベルにまで高めるための栽培技術の確立と現地実証に取り組んでいるところでございます。

 栽培の分野におきましては、これまでの栽培技術にとらわれない革新的な生産技術の開発を目指し、飛ばないテントウムシを使った害虫駆除、防除などによる、農薬の散布回数を少なくする環境にやさしい栽培技術等の開発、導入を目指しておるところでございます。資源の集中と成果の早期達成に向けた努力を重ねてまいりたいと思っております。

 残余一問は、教育長がお答え申し上げます。ご質問ありがとうございました。



○副議長(井岡正徳) 吉田教育長。



◎教育長(吉田育弘) (登壇)四十番中村議員のご質問にお答えをいたします。

 私には、小・中学校における総合的な学習の時間の現状と、その充実についてのお尋ねでございます。

 総合的な学習の時間は、この変化の激しい社会に対応するため、子どもたちがみずから課題を見つけ、みずから学び、考え、さらに主体的に判断をして、よりよく問題を解決する、そうした資質や能力を育てることなどを狙いとしております。県教育委員会では、小・中学校の教員対象に作成をいたしました指導資料の中に、奈良の森林環境や世界遺産などについて探求する活動や、また、職業に関する体験活動を通して、自分の生き方を考える指導例などを取り上げ、各学校における学習の充実を支援してまいりました。

 現在、小学校では、五年生全員に県が配布をいたしております副読本、森林とわたしたちの生活などを活用し、体験を通して森林環境や林業への理解を深める学習に取り組んでおります。

 次に、中学校では、第二学年で、職場体験を中心としたキャリア教育に取り組み、将来、社会的・職業的に自立をし、自分らしい生き方を実現するための力を養っております。

 今回の全国学力・学習状況調査では、初めて全児童生徒に総合的な学習の時間では、自分で課題を立てて、情報を集め、整理をして、調べたことを発表するなどの学習活動に取り組んでいますかとの質問が加えられました。その質問に対する本県の結果を分析いたしましたところ、はいと回答した児童生徒と、いいえと回答した児童生徒の間に、国語、算数、数学の学習意欲に関する回答で、小学校では約二七ポイント、中学校では約二一ポイントという大変大きな差が見られ、総合的な学習の時間が教科の学習意欲に影響を与えていることがわかりました。

 県教育委員会では、学ぶ意欲の向上を重点に掲げております。総合的な学習の時間の充実に向けまして、早速今月二十六日に各市町村教育委員会の担当者を集め、この分析結果を伝えるとともに、各管内での総合的な学習の時間の実施状況について協議を行うことといたしております。また、この協議を踏まえまして、今後、必要に応じて検証、改善のための委員会を立ち上げるなど、総合的な学習の時間の充実に努めてまいります。

 なお、本年度の全国学力・学習状況調査全般につきましては、規範意識や体力との相関等も含めてさらに詳細に分析をいたしまして、その結果につきましては、十月二十日に予定をいたしております奈良県市町村サミットで報告をし、課題の解決に向けて協議をすることといたしております。

 以上でございます。



○副議長(井岡正徳) しばらく休憩します。



△午後三時五十分休憩

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△午後四時三分再開



○副議長(井岡正徳) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 次に、二十八番高柳忠夫議員に発言を許します。−二十八番高柳忠夫議員。(拍手)



◆二十八番(高柳忠夫) (登壇)民主党会派を代表して、質問を行います。

 私たち民主党会派は、二〇〇九年の代表質問から子どもの貧困問題を取り上げてきました。地方行政も貧困の連鎖を断ち切り、子どもの貧困をなくすための方策をより具現化させるためにも、貧困の実態把握や影響の分析、目標の設定、そして、施策の具体化と実行が重要な政策課題だと、知事に質問をしてまいりました。

 その答弁は、庁内関係課で構成する子どもの貧困対策ワーキンググループを設置し、貧困率が算出されないが、子どもの貧困の実態を既存の資料で検討したところ、生活保護世帯の増加、高等学校授業料の減免者や奨学金貸与生の増加、児童扶養手当受給者の増加などにより、子どもがいる家庭の経済状況が悪化していることがわかった。ワーキンググループの中間取りまとめでは、子どもの貧困の最も大きな原因は、親の就労の不安定という報告と、子どもの状況では、学力の不振の問題が多数見られたと報告がされ、このことから、子どもの貧困対策には親への就労支援が最も重要だというものでした。

 ワーキンググループの中間取りまとめを受け、生活保護世帯と高い貧困率のひとり親世帯には支援策を実施し、また、就労に必要な知識、スキルが不足している方には職業訓練の受講を勧めるなど、一人ひとりの現状に合った支援を実施していることや、子どもの学力不振が進学や将来の就労に影響を与える貧困の連鎖を防止するため、モデル事業として、生活保護世帯の中学生を対象に学習支援や生活支援に取り組んでいるということも聞かせていただいております。

 子どもの貧困の実態は深刻です。国民生活統計調査によると、二〇一二年では、平均的な所得の半分、年百二十二万円を下回る世帯で暮らす子どもの割合である子どもの貧困率は一六・三%と、過去最高でした。ひとり親世帯での貧困率は五四・六%。ともに先進国の中で最悪の水準となっています。

 注目しなければならないのは、全年齢層の相対的貧困率は、二〇〇六年の一五・七%から二〇一二年の一六・一%へと〇・四ポイント上昇していますが、子どもの貧困率は二〇〇六年の一四・二%から二〇一二年の一六・三%へと二・一ポイントも上昇していることになっていることです。子どもの貧困率は、全年齢層の相対的貧困率に比べて五倍もの上昇率となっています。

 OECDの報告によりますと、日本の貧困率の特徴は、日本は勤労者世帯や子どものいる世帯で、税及び給付を考慮した後に貧困率が高くなるOECDで唯一の国である。さらに、相対的貧困率は、働くひとり親世帯で六〇%程度と、OECDの中でも最も高く、子どもの貧困の高い発生や世代を超えての貧困が受け継がれていくといったリスクを引き起こしていると指摘をしています。

 こうした危機的な状況下において、ことしの八月に、子どもの貧困対策の基本方針となる子どもの貧困対策に関する大綱が閣議決定され、教育・生活・保護者の就労・経済支援の四分野で多様な施策が打ち出されました。しかし、施策の進捗状況や効果を検証するための数値目標は盛り込まれず、施策の実施時期に触れない、また、財源の裏づけもない大綱となりました。

 年々深刻化している子どもの貧困に、政府も県も危機意識を持たなければならないと思います。

 子どもの貧困対策法では、県においても、大綱を勘案して、子どもの貧困対策基本計画を定めることに努めるとされています。

 知事は、この間、代表質問で、子どもの貧困を重要課題として認識し、県としての対応を図っていくと表明されていますが、子どもの貧困対策の基本計画を早期につくる必要があると思いますが、知事の考えをお聞かせください。

 また、県の基本計画をつくるに当たって、子どもの貧困対策ワーキンググループが出した中間取りまとめを踏まえることは当然のことながら、子どもの貧困対策に対する施策の実施状況や、その検証をし、施策を見直していくためにも、どうしても数値目標は欠かせないと考えます。さらに、貧困率の実態調査や諸施策の優先順位をつける基本計画を作成するに当たり、庁内のメンバーだけでなく、当事者や支援団体を含めた策定委員会を設置する必要があると考えますが、知事の考えをお聞かせください。

 教育長に伺います。

 大綱を踏まえた来年度の概算要求が明らかにされました。子どもの貧困対策の諸施策の実施状況や対策の効果を検証・評価するために、子どもの貧困に関する指標が設定され、その中に、福祉的なアプローチにより、子どもと学校、家庭、地域をつなぎ、児童生徒の問題行動などと直接に密接にかかわる家庭の貧困や虐待などにも対応するスクールソーシャルワーカーの配置人数と配置率が指標に設定されました。

 現在、奈良県の教育現場に配置されているのは三人です。全国では、昨年に千八人、ことしは千五百人ということです。奈良県の規模は、一%と考えれば、昨年は十人、ことしは十五人配置していなければなりません。奈良県においても、いじめ・不登校などで現場の教職員は多忙な中、子どもたちに向かい合っているのに、全国平均の五分の一、三人の配置でよいのでしょうか。

 大綱に基づいての来年度の概算要求では、学校を子どもの貧困対策のプラットホームと位置づけ、取り組むこととし、福祉と教育をつなぐ重要な役割を果たすものとして、五年間で一万人、スクールソーシャルワーカーの配置を打ち出しています。全国一万人といえば、奈良県では百人です。来年度の配置人数はどのようにされるおつもりですか。確実な人数確保とその配置計画に関し、今後の予定をお聞かせください。

 次に、近畿府県の公立高校で普通教室へのエアコン設置が進む中、二〇一〇年度まで奈良県だけが一校も設置されていませんでした。県は、二〇一七年度までの五カ年を耐震化整備集中期間と位置づけ、耐震化を優先し進めるとし、エアコンの設置時期を明確にしませんでした。

 そんな中、保護者が二〇一一年度から、大規模普通科校を中心に四校にエアコンを設置し、育友会費で稼働を始めました。今年度では公立高校三十三校中十四校にエアコンの設置がされており、エアコンの設置校全てが県費ではなく育友会負担で賄われています。今後、育友会が計画している設置予定状況を教えてください。

 育友会負担と県費の二つの方法で設置をしている他県では、設置計画を立てて一定期間で全ての高校にエアコンの設置をしています。奈良県では、既に半数近くの高校が育友会負担で完了しているにもかかわらず、未設置の高校は、このままでは、早くても四年以降に順次設置されていくことになります。保護者の経済力の格差が学校の環境の差となってあらわれ、学校間格差の拡大になることを危惧します。速やかに全ての県立高校へのエアコン設置の実施計画を策定する必要があると考えますが、いかがですか。

 今、県立高校三十三校に三十三の学校間格差があると言われています。県教育委員会に調べてもらったところ、普通教室にエアコンの設置されている高校と設置されていない高校の高校中退率は、設置されている高校では〇・三二%、設置されていない高校では四・一一%でした。実に十二・八倍という驚くべき格差です。

 私は、エアコンを設置すれば中退率が下がるなどと短絡的なことを申し上げたいのではありません。何らかの理由により中退せざるを得ない生徒が集まっている可能性の高い学校にこそ、また、保護者の経済格差のため、エアコンを設置することができない学校にこそ、県がエアコンを設置していくことが公の役割ではないかと申し上げているのです。

 子どもの貧困対策の視点を入れて、教育長の考えをお聞かせください。

 次に、県は、精神障害者保健福祉手帳一級、二級所持者を対象に、全診療科の入通院について医療費助成を十月から実施することとして、今年度予算計上をし、議会で全議員の賛成で可決しました。

 その後、医療費助成の手続については、市町村と県が協議をし、受給者が不便とならないように身体障害者、知的障害者と同じ自動償還払い方式で実施することとされました。

 しかし、事業実施の状況は、全ての町村で十月の診療分から県と同じ内容で事業を実施する準備が進んでいますが、十二市で構成されている市長会は、当面一級のみを対象とする、実施時期も十月実施は無理と表明し、県内の市町村が一斉に事業を実施することが困難な状況となっています。

 こうした中、精神障害者の福祉医療を実現する奈良県会議は、八月末に、県内の市町村が一斉に実施することを要望して緊急集会を開催し、市長会に対して再考を訴えています。この間の経過を振り返れば、県に、実現する会は、なぜ一級だけなのかを何度も要請し、訴えてきました。生活の諸側面で家族への依存度が高く、精神障害者とその家族の全体的な収入の低さによって、医療費支出が精神障害者の暮らしに大きな負担となっているという結果が明らかとなり、知的や身体障害者に比べて厳しい生活実態となっていると、県が行ったアンケート調査が示しています。

 その生活実態に基づいての制度設計が実現したものと考えます。

 県は、市町村との事業実施に向けた会議で、改めて、明らかになった精神障害者の生活実態をきっちりと説明されたものと思いますが、今回の制度設計が精神障害者の生活実態に基づいているということの共通認識を持つことができたのでしょうか。

 障害者の生活の基盤をつくることが障害者施策のベースであるということから、この福祉医療制度が、今後の障害者福祉施策の最も重要なものに位置づけられるものと考えます。

 全国トップレベルのこの制度は、私流に言えば、これこそ奈良モデルであり、最重点施策です。なるほどこの事業の実施主体は市町村ですが、県内の市町村が一斉に実施することが必要であると考えます。せっかく県が踏み出した一歩であり、奈良モデルが足踏みすることのないよう、各市に対して理解を得る努力を重ねる必要があると思います。知事の考えをお聞かせください。

 次に、昨年の九月、奈良県障害者差別をなくす条例をつくる実行委員会が提出した障害者差別をなくす奈良県条例の制定に関する請願書が県議会で全会一致で採択されました。その請願趣旨は、これまで障害者の社会参加や自立の実現のため、福祉制度の充実、公共交通機関の改善、福祉のまちづくりなどさまざまな施策が行われてきましたが、障害者の生活や権利がいまだ十分には保障されず、障害を理由とする差別、不平等な取り扱い、合理的配慮の不提供が存在している現状です。

 奈良県においても、雇用された障害者が暴行を受け、年金を横領された大橋製作所事件や地元中学校への進学を拒否された下市町の障害のある生徒さんの訴訟などがありました。また、障害者差別に関するアンケート調査でも、多くの差別事案が報告されていますとあります。

 この請願趣旨の中にあるように、障害を理由とする差別、不平等な取り扱い、合理的配慮の不提供が存在している現状をなくすための県のさまざまな取り組みや諸施策のよりどころとなるような条例の制定が必要であり、当事者が強く求めている実効性のある解決の仕組みは、条例のかなめだと考えます。

 条例検討委員会における意見交換の状況とあわせ、条例の内容について、何を中心課題として条例制定を進められているのか、基本的スタンスと現状をお聞かせください。

 次に、障害福祉サービスにおけるサービス利用計画についてです。

 国は、二〇一二年度から二〇一四年度の三カ年で、障害福祉サービスの受給者全員について、サービス等利用計画を作成することとしています。今年度はその最終年度ということで、県にも進捗状況の報告やその推進を求めてきています。

 この利用計画は、建前としては、民主党政権が始めた障がい者制度改革推進会議の総合福祉部会の提言で、実際に必要な支援に合わせて支給を決定すべきだ、支援計画をまず立てて、市町村はそれをもとに支給決定をすべきという提言を取り入れてはいますが、介護保険のケアマネジャーの仕組みを障害福祉に導入をして、障害福祉を介護保険に導入するための布石ではないかという心配の声が現場から伝わってきています。

 また、相談支援事業所では、この利用計画の作成に追われて、本来の相談業務の時間がとれないという声が挙がっています。

 障害のある人にとって、複数のサービスの利用や制度外の地域の支援が必要なケース、入所施設から地域に帰るに当たって、きちんとした受け入れ体制を総合的につくる必要があるケースなど、サービス等利用計画が必要なケースは確かにあるでしょう。

 しかし、受給者全員にという国の主張は、本当に必要かという疑問がつきまといます。相談支援の現場は、相談支援専門員の質と量からいって、国の方針を実行できる現状にはないと思います。

 事業所では、利用計画の数をこなすことに追われて、計画内容の質の低下をもたらすことがあってはなりませんし、また、基本相談など本来の業務がおろそかになることもあってもいけません。

 国は、全ての対象者にサービス等利用計画を作成することとしていますが、県内の作成状況はどうでしょうか。また、作成の実態を踏まえ、県はどのように対応しているのでしょうか。

 次に、高齢者施策、地域住民による支え合いの仕組みについてです。

 介護保険法の改正により、今後、地域住民を巻き込んだ介護予防の拠点づくりが非常に重要になってくると考えます。国においても、こうした事業に都道府県や市町村が取り組めるよう、さまざまなモデル事業を用意していると聞いており、そのうちの一つとして、今年度、厚生労働省のモデル事業として、地域づくりによる介護予防推進支援モデル事業という、都道府県が市町村を選定し、国からアドバイザーの助言を得ながら支援していくモデル事業が昨年度に示されました。奈良県内においても、そのモデル事業により地域づくりを強化していきたいと関心を示す市があったにもかかわらず、奈良県では、国に対してモデル事業に参加する旨の回答をしなかったと聞いています。

 この事業は、県が選定した市町村の地域診断に関し、国のアドバイザーが助言を行い、正しく地域診断ができるよう支援し、地域課題の抽出にも国のアドバイザーからの支援が受けられるものです。

 最終的には、住民の通いの場の設立までの支援を受けて、県が市町村に対し、地域づくりを行うための指導力やノウハウを養成するためのものであり、そうした取り組みにふなれな市町村を指導する県にとっても大いに役立つ事業であると思います。また、第六期の介護保険事業計画にも盛り込める非常に大切な事業であったとも考えます。

 地域診断から事業の立案、住民説明会及びボランティアの養成、自主運営の方法など、そもそもその流れが市町村独自で計画・立案・実施が人員不足なのか、経験不足なのか、いずれの課題があるから、こうしたモデル事業を国が打ち出したものと考えます。

 特に、今回の介護保険法の改正においては、予防給付の見直しがされることになり、生活支援サービスの充実や居場所づくりなど、住民力を導入した互助の仕組みづくりの必要性が強くうたわれています。本県では、これまで住民力を生かした互助の取り組みが十分展開されているとは言えないと私は感じています。

 このモデル事業も活用して、住民力を生かした居場所づくりや互助の仕組みの構築を県からもっとしっかりと市町村に働きかけていくべきではないかと考えますが、いかがですか。

 奈良県は、全国に先駆け、地域包括ケア推進室を置き、こうした地域づくりをも積極的に支援していく立場にあると思いますが、地域包括ケアシステムの構築に欠かせない生活支援サービスの構築、地域住民による互助の仕組みづくりに向けて、県はどのように取り組んでいこうとしているのでしょうか。

 次に、認知症ケアパスについての質問です。

 地域包括ケアのシステム推進の上で、大きな課題の一つとして認知症の問題があります。今までは、単に六十五歳以上の人口を総人口で割り、高齢化率を出し、高齢化率が高い、低いを検討することが多かったようですが、昨今では、その中でも後期高齢者が占める割合の高さが、前期高齢者の割合よりも高いか低いかが大きな問題とされています。

 なぜなら、後期高齢者が多くなればなるほど、加齢に伴うさまざまな支障を抱える高齢者がふえることにつながり、要介護認定率も上昇し、介護サービスを利用する人がふえます。また、要介護認定を受けている人のうち、約半数に近い人が認知症状を有しているという推計もあることから、認知症に関する問題は、大きな日本の課題でもあり、奈良県の課題でもあると言えます。

 さて、国は、認知症施策を推進していく上でさまざまな提案をしています。

 一つに、認知症ケアパスの策定です。これは、今年度中に市町村に認知症ケアパスの作成を行うよう国が指示しており、作成のためのガイドラインも打ち出してはいますが、実際のところ、認知症ケアパスが何なのか理解を示している市町村は少ないのではないかという指摘もあります。

 そもそも国は、認知症の人は精神科病院や施設を利用せざるを得ないという考え方を改め、認知症になっても、本人の意思が尊重され、できる限り住みなれた地域のよい環境で暮らし続けることができる社会を目指すとし、この実現のために、新たな視点に立脚した施策の導入を積極的に進めることにより、これまでのケアの流れを変え、むしろ逆の流れとする標準的な認知症ケアパスの構築を今年度中に市町村が定め、第六期介護保険事業計画に反映させるものとしています。

 第六期の介護保険事業計画は、今まさに策定途上にありますが、このような背景がある中において、奈良県でどれだけの市町村が認知症ケアパスを作成しているのか、県が把握している市町村数をお聞きいたします。

 また、国が示している認知症施策では、早期発見、早期介入がポイントとされていますが、実際のところ、認知症初期集中支援チームなどを結成して、認知症の疑いのある方への支援を行おうとすると、認知症のサポート医などの協力がなければ難しいものです。奈良県では、こうした認知症サポート医の確保はどのようにしているのでしょうか。

 今後、地域支援事業の中に認知症施策の推進が明記され、各自治体が認知症の取り組みを真剣に考え始めたとき、例えば認知症初期集中支援チームを置こうと考えても、協力してくれる医者がなかなか見つからないという場合にも、県の支援が必要となると考えます。

 以上三点、認知症ケアパス、認知症サポート医、認知症初期集中支援チームの推進に、県として認知症対策にどのように取り組んでいくのでしょうか。

 次に、交通基本計画などについて質問します。

 二〇一二年の十月、奈良交通株式会社から奈良県地域交通改善協議会に対して、中南部地域の広域路線二十五路線四十五系統について、少子高齢化の進行によって県北西部の住宅団地で通勤、通学輸送の需要が減退し、国、県からの財政支援、事業者の経営努力をもってしても、内部補助による維持が困難になったとして、二〇一四年十月一日以降の運行についての協議依頼がなされました。

 この危機的な状況に県は直ちに行動を起こし、迅速な意思決定を行うため、知事みずからが同協議会の会長となり、各市町村長、近畿運輸局、交通事業者等、代表者が参画する仕組みを構築され、二〇一三年二月の第一回協議会から、ことし九月二日の第六回協議会まで、関係者による真摯な協議が積み重ねられてきました。結果的には、利用実態に見合った減便や路線の再編はあるものの、二十五路線四十五系統の多くが十月一日以降も確保できる見通しとなりました。

 公共交通の確保に関して、東・中南部の各市町村が強い危機意識を持って取り組み、そして、多くの路線で関係者間の路線維持に対する一定の合意を得るに至った結果については、協議を先導された知事の公共交通に対する熱意と見識に改めて敬意を表する次第であります。

 こうした状況下で、昨年六月議会で、都道府県では全国初となる奈良県公共交通条例が地域交通対策等特別委員会から提出、可決され、昨年の七月十七日に施行されました。

 この第三条で、公共交通に関する施策の策定、実施、県内の広域的な公共ネットワークの確保等について、県の責務がはっきりと規定されました。

 また、第七条では、県の公共交通に関する施策についての基本方針、講ずるべき施策を定めた公共交通基本計画を定め、毎年度、その実施状況を県議会に報告すると定められております。

 その後、国においても昨年秋、臨時国会で交通政策基本法案が可決し、昨年十二月四日に公布、施行されたことは記憶に新しいところです。

 同法によれば、国は交通政策基本計画を策定し、今後の国土のグランドデザインをなすべきであるとされています。この法律の理念を具現化する法令として、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部を改正する法律が公布されており、市町村のみならず、都道府県も含めた地方公共団体が事業者と協議の上、地域公共交通網形成計画を策定することができることとなりました。まさに、奈良県公共交通条例で定める県の責務、公共交通基本計画の策定と呼応するかのような動きであります。

 今後、新年度予算に向けて、公共交通基本計画を具現化するのに必要な予算の審議も控えていると考えます。中南部地域の広域路線バス二十五路線四十五系統について、一定の結論も出た今の状況下で、奈良県公共交通条例に基づく公共交通基本計画の策定に向け、どのような状況でしょうか。構想をお聞かせください。

 また、地域公共交通網形成計画の計画策定についても、あわせてお聞かせください。

 インバウンド、少子高齢化、ニーズの多様化、道路網の整備、将来の県内の公共交通を取り巻く課題は山積みと思いますが、現時点での知事の考えをお聞かせください。

 次に、アスベストの問題です。

 建築物石綿含有建材調査者制度の活用についてです。

 既存の建物における石綿の除去、解体工事においては、建築物に使用された石綿について、中立かつ公正な調査の実施が確保されることが必須です。

 そのため、国土交通省は、中立かつ公正に調査を行うことができる建築物石綿含有建材調査者の育成を図ることとし、国土交通省が認めた登録機関が行う講習を修了した者に建築物石綿含有建材調査者の資格を付与する制度を開始しています。

 本年五月には、制度開始後初となる同制度講習修了者が確定、公表されるとともに、国土交通省より都道府県宛てにその調査者の活用を求める通知が出されているところです。

 奈良県においても、県・県下自治体関連工事において、同調査者を優先的に活用すべきであると考えますが、いかがですか。

 一方で、アスベスト診断士なる民間資格をつくり、活動している日本JATI協会があります。同協会は、旧日本石綿協会であり、ニチアスをはじめとするアスベスト企業による団体であるところから、公正、中立性が大いに疑われます。奈良県においては、アスベスト診断士を利用すべきでないと考えますが、いかがでしょうか。

 また、今後のアスベスト対策において、建築物石綿含有建材調査者の重要性が増してくると考えます。この際、県職員から同制度講習を修了させ、一定数の県職員調査者を養成し、県、県内自治体、県内民間工事における適切なアスベスト対策の推進に資すべきではないかと考えます。

 現在までの調査者講習修了者リストを見ますと、いまだに奈良県内には修了者はいませんので、直ちに県職員に講習を受講させていただきたいと考えますが、県の考えをお聞かせください。

 次に、石綿の健康リスク調査により行われている石綿リスクを抱えた県民の健康管理の継続と内容の充実についてであります。

 環境省からの委託により県が実施している石綿健康リスク調査には、多くの県民が参加し、王寺町、斑鳩町をはじめとする石綿リスクを受けた住民などの健康管理に資するものとなっています。

 来年度からは、石綿検診の試行調査として継続されるとされていますが、現行のリスク調査における検診内容から後退することなく、継続的に住民の要望に応えていくべきであると考えています。

 既存の肺がん検診を活用するとのことですが、既に概算要求が出されており、その具体的な内容について説明をしていただきたいと思います。

 特に、肺がん検診を利用するため、現在無料である部分が有料になるのではないか、継続参加者における有所見者に対するCT検査が無料で行われなくなるのではないかという懸念がされております。その点も含めて、試行調査の内容について、また、これに対する県の方針を伺いたいと考えます。

 そもそも石綿被害の性質上、国による労働者以外の健康管理制度を創設して、対処すべきであると考えますが、県としてその内容について、さらに強く国に要求すべきであると考えますが、いかがですか。

 次に、奈良県における石綿健康被害に係る情報公開についての質問です。

 厚生労働省は、労働災害認定のあった事業所情報を毎年一回公表しています。ところが、事業所周辺における環境や立ち入りを原因とする被害については、過去に県が実施した調査などがある一方、肝心の労働者以外に救済金制度を実施しているニチアス、竜田工業が救済金支払い状況を公表しなくなって久しいところです。

 県としては、たとえ法的根拠がないにしても、道義的、社会的、県民政策的な見地からも、同企業に対して情報の提供を引き続き求め、これを社会的に明らかにしていくことが必要であると考えますが、いかがでしょうか。

 クボタショック後に、同企業は労働災害認定の状況、救済金支払い状況を一定、ホームページに公表していましたが、二〇一一年から実施しなくなっています。石綿被害を発生させた企業責任の観点からも問題であり、県としても物を申すべきではないでしょうか。

 以上、実のある答弁を期待して、民主党会派としての代表質問といたします。(拍手)



○副議長(井岡正徳) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)二十八番高柳議員のご質問にお答え申し上げます。

 まず、子どもの貧困対策、かねてから議員がご質問を重ねられております重要な問題だと思いますが、子どもの貧困の問題は、経済的な困窮だけでなく、児童虐待、ドメスティック・バイオレンスの大きなリスク要因にもなってきているものと思います。また、家庭内でのしつけや教育の問題、子どもの将来に対する課題についても、ハンディキャップを生むものと言われております。その同様の認識をしております。

 このような困難な状況に置かれた子どもにつきまして、その健やかな成長と人生における希望の実現を図るためには、教育の支援、生活の支援、保護者に対する就労支援、経済的支援を総合的に、包摂的に進める必要があろうかと思います。

 本県では、緊急に支援を要する生活保護世帯やひとり親家庭の子どもに対する教育支援として、県内五カ所で学生ボランティア等による学習指導を実施しているところでございます。さらに、児童養護施設等の退所児童の自立に向けた支援について、児童虐待防止アクションプランの中で、重点的に取り組む課題としているところでございます。

 なお、本県の生活保護世帯の子どもの大学等進学率は三八・一%でございます。児童養護施設の児童につきましては二四・五%でございます。いずれも全国の進学率よりは高いものでございますが、一層の支援が必要な状況と認識をしております。

 また、保護者に対する就労支援としては、スマイルセンターにおいて、ひとり親の就業相談や専門的技術を習得するための講習会を実施していることに加えまして、生活保護世帯に対しましては、福祉事務所とハローワーク等が連携して、就労支援を行っております。関係機関の連携による支援体制の構築という課題はあるものと思っております。

 今後は、今年度実施しているひとり親家庭の実態調査などにより、まず、子どもの貧困の実態を把握したいと思います。また、庁内関係部局によるワーキングチームを中心とした幅広い体制を構築し、できるだけ具体的で総合的な支援方策を検討するとともに、国の大綱を踏まえた基本計画の策定を検討してまいりたいと思います。検討の進め方につきましても議員のご指摘も踏まえて検討させていただきたいと思います。

 教育長のご質問がございましたが、その後、精神障害者の医療費助成についてのご質問が私に対してございました。

 精神障害者の医療費助成については、議員も大変ご尽力された分野でございますが、県は、精神障害者保健福祉手帳一級・二級所持者を対象に、全診療科の入院・通院について、十月診療分から実施をする体制を整えております。医療費助成は、市町村で実施していただき、県はその経費の二分の一を負担するのが原則となっております。

 また、償還方式を自動償還方式、自動的に口座に振り込まれる方式で実施するためには、市町村等のシステム改修に対する補助が要求されておりますので、その補助の補正予算案を本議会に提案しているところでございます。

 県が手帳二級所持者までを対象とした理由は、さきの議会でもお答えいたしましたが、県が実施したアンケート調査において、精神障害者の暮らし向きが厳しい状況にあることや、その中でも一・二級所持者の医療費の負担が大きいという統計が出ているためでございます。この点につきましては、自動償還方式を検討する市町村との勉強会でも、担当課より説明してきておりますが、市町村においてもその認識は共通してきているものと思っております。

 そのような経緯を踏まえまして、県下の全ての町村では予算の確保、システムの改修等を短期間で行っていただき、県と同じ対象範囲で十月診療分から事業を開始されると聞いております。

 一方、市におかれましては、市長会の対応でございますが、議員お述べのとおり、対象は当初一級所持者から、実施時期は十月からの開始は困難との方針を表明されております。これは、財政面や実施体制等の理由で判断されたものと考えております。全市町村が一斉に実施されることが望ましいわけでございますが、市のご判断は少し待っていただきたいというようなお気持ちがあるのではないかと思っております。そのような事情はある程度尊重しなければならないのではないかと思っております。

 県としては、今後も市に対して相談に乗るなど、市の状況が整い次第、早期の事業開始、さらには対象の拡大について、県内各市長さんのご理解をいただけるよう、いろんな方策で努めてまいりたいと考えておるところです。

 次に、障害者差別をなくす奈良県条例についての進捗の状況についてのご質問がございました。

 障害者差別をなくす奈良県条例の制定に関する請願書が昨年九月県議会において採択されました。これを受けまして、県としては、障害者施策の基本理念、障害者差別の解消、障害者に関する取り組み等を条例案の骨子とする内容について、検討を進めてきているところでございます。

 具体的なことでございますが、障害者団体や市町村の代表、学識経験者などからなる障害者に関する条例制定に係る検討委員会を設置いたしました。これまで意見交換会を三回行いましたが、福祉、医療、雇用、教育等の分野ごとに差別をなくするための基本方針を定めてほしいといったご意見や、差別を受けたときに解決する仕組みが重要といった貴重なご意見をいただいてまいりました。今後とも引き続きこの検討委員会をはじめ、障害者団体等との意見交換を踏まえつつ、条例の制定に向けた検討を進めてまいりたいと思います。

 次に、条例の内容に関する課題といたしまして、条例の主たる目的でございます障害を理由とした差別の解消が、単に理念にとどまらず、そのための効果的な仕組みを構築することができたらと思います。

 また、差別解消に向けた県民理解の促進がこの条例の制定によって図ることができたというふうに思います。二つの大きな目標があるように感じております。

 したがいまして、一つ目は、不利益な取り扱いや合理的配慮の不提供に関する相談に応じること、支援、助言・あっせん、勧告・公表など、実効性のある解決の仕組みを知恵を絞って構築することが課題のテーマであろうと思います。もう一つは、この条例の趣旨を広く県民に知っていただくための普及啓発に力を入れることという二つの大きな目標があるように思っております。その二つのテーマを中心に、検討を進めていきたいと思います。

 今後とも、全ての県民が障害の有無にかかわらず、相互に人格と個性を尊重し合い、安心して暮らせることができる社会の実現、インクルーシブな生活が可能な奈良県を目指して、取り組んでいきたいと思います。

 次は、健康福祉部長に対するご質問でございましたが、その次は、高齢者施策についての質問が私に対してございました。

 地域包括ケアシステムの構築に欠かせない生活支援サービスについての互助の仕組みについてのご質問でございます。

 団塊の世代が七十五歳以上となる二〇二五年には、地域包括ケアシステムの構築が期待されておりますし、先国会で成立をしました地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律におきましても重要な課題となっております。

 議員お述べのとおり、地域住民の互助による支え合いの仕組みづくりは、システム構築に欠かせない課題でございます。特に尊敬しております宮本太郎先生は、翼のある社会保障というふうに言っておられたと思います。

 県では、本年四月より新たに地域包括ケア推進室を設置させていただきました。市町村を訪問して、助言・指導を行う、また、互助の仕組みづくりのための補助金を創設する、また、地域包括ケアシステムの構築に向けた市町村支援に取り組んでおりますが、それとともに、県庁職員が地域包括ケアシステムの構築のノウハウをその過程で習得することができたらという期待を持っておるものでございます。

 また、県ではこれまでも地域住民の互助による新たな支え合いの仕組みづくりを進めるために、昨年三月に奈良県地域福祉支援計画を策定いたしました。議員ご存じのように、市町村が地域福祉計画をつくり、県が地域福祉支援計画をつくるという国の法律になっております。県といたしましては、この支援の具体的な進め方といたしまして、直接地域に出向くという方式をとり始めました。地域課題を解決するためのニーズ調査、協議の場づくり、体制づくりといった具体的な手順を示し、かつ、習得するという試みをモデル的に始めたわけでございます。

 特に昨年度からは、奈良市平城西地区でございますが、県が率先してモデル事業による実践の取り組みを始めて、現場での取り組みを始めさせていただきました。これは、初めての取り組みですが、全国的にも珍しい試みだと聞いております。具体的には、大学の先生や社会福祉士の協力を得まして、その地域の対面での悉皆アンケート、全住民アンケートによるニーズ調査を行いました。今年度は、地域で考える協議の場づくりと三つのステップの実践・検証を行っているところでございます。現場での支え合いの仕組みづくりに県庁職員が飛び込んだといったように私は認識しております。

 さらに、地域での支え合いの仕組みづくりには、住民のみならず、生協やコンビニなど、事業者も重要なプレーヤーでございます。そのような方々の協力を得た組織、取り組みも有効であろうかと思います。県では、引き続きこうした関係者、事業者との協働による高齢者の見守りや生活支援の取り組みを広げ、モデルをつくって、成功事例をつくって、それを県内各地に広めていくといったような姿勢の取り組みを進めていきたいと思います。その中で、県も県庁職員も重要なプレーヤーにさせていただくといったような趣向で考えております。

 地域住民による互助の支え合いは、今、重要になってきております地域包括ケアシステム構築の重要な要素でございます。高齢者福祉や介護保険制度の利用が必要でございますが、その枠組みを超えたまちづくり、地域づくり、ソフト、ハードのまちづくり、地域づくりの一環として、今後も県庁職員のノウハウの習得もともに目指しながら進めていきたいと思っております。

 次に、認知症の分野でございますが、認知症ケアパス、認知症サポート医、認知症初期集中支援チームの推進についてのご質問がございました。

 認知症は、重要な社会問題、医療問題でもございますが、社会問題として地域の取り組みが必要だと思っております。地域包括ケアシステムの対象に、認知症の方は入るという認識の基本にしております。

 まず、議員お述べの認知症ケアパスというものでございますが、これは市町村が認知症の人とその家族に提示するものでございますが、その内容は、認知症になっても安心して地域で暮らし続けることができるよう、認知症と疑われる症状が発生した場合に、その症状に応じて、いつ、どこで、どのような医療、介護サービスを受けることができるのか、具体的な機関名やケアの内容をあらかじめ市町村が認知症の人とその家族に提示するといったものであると認識をしております。

 ちょっと回りくどい説明になって恐縮でございました。このような、まだあまり知られていないパスでありましたので、このように説明させていただきました。

 この認知症ケアパスによりまして、具体的にケアの道筋が理解でき、関係者の、周りの人はどのように扱っていいかわからないというのが今の実情の、大概のケースでございますので、具体的なケアの道筋が理解できる、標準化されたケアの道筋が提示できるということから、認知症の人と家族の方の安心につながる、とりわけ家族の方の安心につながるものとされております。県では、昨年度、市町村に対して、国が示しました認知症ケアパス作成の手引の説明会を行いました。

 なお、市町村は、今年度、認知症ケアパスを作成し、必要となるサービスの見込みを、来年度からの市町村第六期介護保険事業計画に盛り込む必要がございますが、議員ご指摘のように、市町村の認識度はどうなのかというのは、課題はあろうかと思います。認識度の向上を図るため、あるいはまた、県庁職員がともにその認識を向上させ、県の貢献的な役割が果たせるような努力を重ねる必要があろうかと思っております。

 次に、認知症サポート医ということへの取り組みについてのご質問でございます。

 この認知症サポート医につきましては、かかりつけ医の認知症診断等に関する相談役となるほか、かかりつけ医と専門の医療機関との連携の推進役を担うというふうにされているものと認識をしております。その役割は、非常に重要なものであると考えます。したがいまして、県では、これまで毎年二名ずつ養成しておりましたが、このサポート医を今年度から十名に増員して、その拡充を図ったところでございます。

 認知症初期集中支援チームという言葉も出てまいりました。これは、医師、保健師、精神保健福祉士等の複数の専門職が認知症が疑われる人やその家族をご訪問し、早期支援を行うことで、重篤化を防止する効果が期待されているものでございます。認知症と発達障害は、早め、早めに発見して、治療に向かうということが必須だというふうに聞いております。今般の介護保険法の改正によりまして、平成三十年四月までに全ての市町村において取り組むべきとされております。県は、着実な実施ができるように市町村をサポート、支援していきたいと思います。

 また、県では、この地域包括ケアシステムの対象には、認知症の方も含まれることを基本的に認識していると先ほど申し上げましたが、認知症になっても、住みなれた地域での生活を継続できることが必要でございます。認知症の方に合わせた医療、介護、生活支援等のサービスを包括的、継続的に提供する地域になれるかどうかというのが大きな課題でございます。こうしたケアモデルを、いろんな地域の違いがあろうかと思いますので、地域の違いに応じて、認知症の方も含めた地域包括ケアシステムの構築を実践的に試みていきたいという考えでございます。

 公共交通基本計画についてのご質問がございました。

 高齢化社会になりますと、公共交通機関を活用しながら自分の足で移動していただく環境の確保というのは、とても重要でございます。そのようなまちづくりにつきましても、マイカーを前提とした町になってきておりますが、公共交通と自分の足ということの組み合わせでいろんな要件が済まされる町をつくるということが必要でございます。そのためには、施設と交通のネットワーク、連携の一体的な構築ということが必要でございます。

 奈良県公共交通条例を通していただきましたが、それに基づきまして、公共交通基本計画をつくるということにしていただきました。その中で、基本的な方針と計画的に講ずるべき施策を定めるものとされておりますが、先ほど申し上げた観点から、高齢化が進む奈良県におきましても、バスに乗る、みずから歩くと、それが便利にできる町といったまちづくりとの連携について、具体的に町、町の構築に県と市町村が連携して取り組む必要があろうかと思っております。公共交通の面から、この計画をまちづくりと連携したものにするよう、検討の準備を進めておるところでございます。

 また、国の方におきましては、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律というのが国会で成立いたしました。その中で、地域公共交通網形成計画というものが規定されております。これは、本県で条例のもとにつくらせていただこうとしております公共交通基本計画と類似しておるものであるように思います。県が先行して検討を進めてきておるように思います。国の計画は、この県の地域に応じた計画とともに、整合性のとれるようにつくっていきたいと思っております。今後、一体的な検討を進めていく所存でございます。

 アスベスト関連のご質問が三問ございました。

 まず、建築物石綿含有建材調査者制度というものについての県職員の講習の受講についてのご意見がございました。

 民間建築物の石綿実態調査を進めるに当たって、建築物調査者の育成等が必要だという観点から検討が進められたと認識をしております。

 中立・公正に調査を行う人材が必要だということで、昨年七月に登録規程を定め、講習を修了した者に調査者、具体的には建築物石綿含有建材調査者という資格を付与する制度を持っておられるわけでございます。

 この規程に基づきまして、本年五月に国土交通省より都道府県にその活用と周知の依頼がございましたので、これを受けまして、市町村へ積極的な有資格者の活用がなされるように周知は行ったところでございます。

 また、この具体的な県のアスベスト除去工事でのチェックでございますが、ダブルのチェックをしておりまして、これまでも実際に除去工事が行われるときは、使用材料や製造年の確認を行いまして、アスベストの有無をチェックするというようなことと、奈良県土木建築工事円滑化委員会アスベスト分科会において処理の体制・内容が適正であるかの外部からのチェックを行うという体制でございます。

 その上で、職員によるこの調査者の資格の取得がさらなるチェック体制の強化に役立つという議員のご認識でございます。講習の受講について、前向きに検討したいと思います。有資格者の活用も図っていきたいと思います。また、県内市町村や民間の工事に関しましても、専門の技術者がいない場合がございますので、この調査者の積極的な活用と資格の取得について、引き続き周知に努め、勧奨していきたいというふうに、お勧めをしていきたいと思います。

 石綿の二つ目のご質問でございますが、石綿検診の試行調査の継続についてでございます。さらに、労働者以外の健康管理制度の創設の国への要望という点でございます。

 この石綿は、被害者が移動される可能性もあることから、地域、地域だけでやっていては対応が難しいということで、国が全権的に、国土的に対応して、県が助けるというスキームになっているものと認識をしております。そのようなスキームの中でのことでございますが、県は、環境省の委託を受けまして、平成十九年度より健康リスク調査として、石綿取り扱い施設の稼働時期でございます平成元年以前、平成元年の稼働時期以前に奈良県に居住していた県民を対象に、石綿暴露による健康被害に関する検診等を実施してきています。

 この検診等の実施に当たりましては、特に、かつての石綿取り扱い施設から半径一キロメートル以内の地域、具体的には王寺町、斑鳩町、三郷町、平群町の一部地域の住民の方々でございますが、チラシの全戸配布や戸別訪問を行うなど、積極的なご受診を促してまいりました。さらに、ことし八月には講習会を開催いたしまして、石綿による健康への影響について説明を行いますとともに、改めて健康リスク調査での受診を呼びかけたものでございます。

 国は、概算要求におきまして、平成二十七年度は、これまでの健康リスク調査に続きまして、石綿暴露者の健康管理に関する調査を試行するとしております。この調査では、既存の肺がん検診も活用しながら、問診、胸部CT検査、保健指導等を行うとともに、今後の石綿検診を実施していくに当たっての課題整理に取り組むと聞いております。

 県といたしましては、今後も費用面の負担や検診内容について、現行制度に比べて後退しないように国に要望してまいるとともに、国のこの対応に県としても協力の姿勢をとっていきたいと思っております。

 また、関係企業の周辺に居住されていた住民への健康被害を救済していくことは重要な課題でございます。国に対して被害者の健康管理のための新たな石綿検診制度の早期実現など、被害者救済対策の充実についても精力的に要望してまいりたいと思います。

 最後のご質問でございますが、労働者以外の救済金制度についての関係企業への折衝という課題でございます。

 アスベストを原因とする疾病は、発症までの期間がおよそ二十年から六十年と非常に長くなると言われております。長期的、継続的に健康被害者早期発見のための検診体制や健康管理体制の充実を図ることが重要課題と認識をしております。

 県は、国による石綿健康リスク調査と並行して、アスベスト対策を検討するための独自の取り組みといたしまして、平成二十二年七月に奈良県アスベスト被害実態調査委員会を設置いたしまして、平成二十四年度までの二カ年をかけて、石綿暴露による健康被害実態を把握するための調査方法を検討いたしました。

 この委員会の検討の中で、県は、石綿取り扱い関係企業の周辺住民への被害実態調査の資料とするため、関係企業に対し、操業時からの従業員の名簿や就労期間などの情報提供を求めましたが、五十年以上も前からの従業員情報を整理提供することは困難であるなどの理由から、必要な情報の入手に至りませんでした。議員お述べの企業による救済金に関する情報も、被害実態を把握するための情報になるものと思慮いたしますが、現状では、関係企業から従業員や被害者に係る個人情報を入手することは困難な状況でございます。

 県といたしましては、引き続きまして、さきの石綿健康リスク調査の継続実施に努めるとともに、国に対しまして、調査結果の疫学的分析による被害実態に関する情報の提供を求めたいと思います。また、県独自の情報収集にも努めてまいりたいと思います。また、これらの情報を踏まえまして、今後も県内の関係企業に対しまして、必要な情報提供を求める努力を続けて、継続していきたいと考えているところでございます。

 ご質問ありがとうございました。



○副議長(井岡正徳) 吉田教育長。



◎教育長(吉田育弘) (登壇)二十八番高柳議員のご質問にお答えをいたします。私には二点ございまして、まず一点目は、国の貧困対策によるスクールソーシャルワーカーの配置計画に対しまして、本県での人数確保や配置についての今後の考えをお尋ねでございます。

 県教育委員会では、暴力行為やいじめ、不登校など、学校が抱えるさまざまな生徒指導上の課題に対応するため、平成二十三年度には生徒指導支援室を設置をし、学校への支援に取り組んでまいりました。

 特に、教育研究所に設けた生徒指導第二係では、指導主事三名、教員OB二名の計五名が巡回アドバイザーといたしまして、生徒指導上の問題を抱える小・中学校を定期的に巡回をしておりますし、また、学校支援アドバイザー六名は、一定期間学校に滞在をし、学校の指導体制の整備だけではなくて、家庭、関係機関との連携に関する支援等も行っております。

 あわせて、教育相談の専門家であるスクールカウンセラー、また、福祉の専門家であるスクールソーシャルワーカーを学校の実態に応じまして配置をしてまいりました。

 特に、スクールソーシャルワーカーにつきましては、さまざまな課題を抱える児童生徒の背景にある家庭環境等の問題に対応するために、議員お述べのように、現在、中学校二校と高等学校一校にそれぞれ一名ずつを配置し、教育相談体制の整備や関係機関との連携の強化に取り組んでおります。スクールソーシャルワーカーの平成二十五年度の実績といたしましては、六十七名の児童生徒支援をいたしまして、その中には、こども家庭相談センター等との連携やケース会議を行ったことによりまして、家庭内で暴力を振るう生徒が生活も落ちついて、高等学校進学に結びついたというケースもございます。

 今後は、十月に開催されます小・中学校の校長会に出向いてまいりまして、市町村教育委員会とも連携の上、貧困対策としての教育相談体制の整備を要する学校の実態をまず把握をいたしまして、その実態把握の中で、必要であるならばスクールソーシャルワーカーの配置拡充についても検討してまいりたいと考えております。

 次は、二点目でございますけれども、県立高校の空調設備について、PTAによる今後の設置の予定と、県による設置の実施計画についての考えを子どもの貧困対策の視点も入れながらのお尋ねでございます。

 県立高校の普通教室におけるエアコン設置は、平成二十六年九月一日現在、全体六百八十六教室のうち三百六十教室、五二・五%となっております。このうち、県での設置は、体温調節が困難な生徒が通学する特別な事情があった二教室でございまして、育友会等による設置は十四校、三百五十八教室となっております。

 育友会等による設置は、平成二十三年度より認めてまいりました。これは、当時から夏期休業期間の短縮でありますとか、補修授業の実施など、また、実質的に夏期休業期間が減少していたことや、異常な暑さ等もございましたので、さらにランニングコストの負担も含めて、育友会等の総意として設置申請をされましたので、他府県でも認めておりました行政財産の目的外使用により設置を許可いたしました。

 ご質問の育友会等による今後のエアコン設置の予定でございますけれども、現時点では、十四校以外の学校からの設置予定は聞いておりません。

 県教育委員会では、まず、学校施設の耐震化を鋭意進めているところでございますけれども、この耐震化につきまして、整備を早期に完了させたいと考えておりますけれども、エアコン設置についても検討が必要との認識から、関係課による内部の検討会を設置をいたしまして、全国の導入使用を含めた設置状況でありますとか設置の方法等について、調査等は行ってまいりました。

 子どもの貧困対策では、全ての子どもたちが夢と希望を持って成長していける社会の実現を目指しております。県教育委員会としては、よりよい学習環境の整備を目指しまして、さきに述べました検討会の結果、これはまだまとめておりませんけれども、まずは年度内に取りまとめるために、さらなる詳細な情報収集と、さまざまな観点からの議論を加速させてまいりたいと思っております。

 以上でございます。



○副議長(井岡正徳) 江南健康福祉部長。



◎健康福祉部長(江南政治) (登壇)二十八番高柳議員からのご質問にお答えをいたします。私に対しましては、障害福祉サービスにおけるサービス等利用計画につきまして、国は全ての対象者にサービス等利用計画を策定することとしているが、県内の作成状況はどうか、また、作成の実態を踏まえ、県はどのように対応しているのかというお尋ねでございます。

 障害福祉サービスにおけるサービス等利用計画につきましては、議員お述べのとおり、障害者総合支援法の改正によりまして、平成二十七年四月から、市町村が行う支給決定の際に、全ての利用者ごとに同計画を策定することとされております。

 平成二十六年六月末時点の県内における作成状況につきましては三〇・八%でございまして、全国平均の四〇・九%を下回っている状況でございます。

 障害のある人やその家族が必要とするサービスの提供や希望する生活を実現するためには、個々に質の高い計画が作成される必要があります。そのためには、議員お述べのように、計画を作成する相談支援専門員の確保、また質の向上など、地域における相談支援体制の充実を図ることが大変重要であるというふうに考えております。

 このために、平成二十四年度から相談支援従事者の初任者研修や現任研修におきまして、計画に関する講義や演習の充実を図りますとともに、昨年度からは新たにサービス等利用計画に関する専門研修を開催するなど、相談支援専門員の養成に取り組んでいるところでございます。

 また、本年四月には、県内の障害福祉サービス事業所を対象にいたしまして、相談支援専門員の配置状況、今後の配置予定等の調査を実施いたしました。この結果を踏まえまして、市町村に対し、相談支援事業所の開設、相談支援専門員の増員等につきまして事業者に働きかけを行うなど、計画作成に向けて積極的な取り組みをお願いしているところでございます。

 さらに、国に対しましては、相談支援事業者の経営基盤を強化し、事業者の確保を図るとともに、適切な計画策定ができますように相談支援専門員を安定的に確保できるような報酬額等について必要な改善を図ることを要望しているところでございます。

 今後も定期的に進捗状況を把握しながら、とりわけ計画作成が進んでいない市町村に対しまして、適切な助言、支援等を行うなど、計画の量の確保、質の向上に留意しながら、より一層計画作成の取り組みを進めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○副議長(井岡正徳) 二十八番高柳忠夫議員。



◆二十八番(高柳忠夫) 子どもの貧困のことに関してなんですけども、基本計画をつくるという答弁だったと理解しております。そのつくり方も含めて、また、機会あるごとにそのことの進め方を訴えていきたいと思います。

 教育のところなんですけども、スクールソーシャルワーカーのことです。やはり、指標の中に入れられたんですよね。貧困率を各都道府県がどれだけのことで配置人数とか配置率を見るのかということで、大綱の中に入れられたんだと、必要であるならばというふうな答弁は、やはり、問題だと思うんですよ。教育はプラットホームだというふうに言われているんです、学校がね。それなのに、スクールソーシャルワーカーが必要であるならば、現場の話だと。そういう答弁じゃなしに、現場も含めて、県教育委員会がきっちりとソーシャルワーカーを位置づけてやっていく必要があると思うんです。この問題は、やはり、教育委員会だけの論議じゃなしに、福祉分野と教育の分野が同じ場所で論議して、福祉と教育現場がどれだけ密接に、教育だけの価値観じゃなしに、互いに理解できて、スクールソーシャルワーカーがきちっと機能するようなことでなかったらだめだと思うんですよ。だから、今の答弁、必要であるならばという話みたいなのは、予算審査特別委員会でもう一遍きちっと問うていきたいと思います。

 もう一つは、やはり、子どもの貧困の視点を入れてエアコンの問題を答弁してほしいと言ったのですね。すごく答えにくいことだと思います。エアコンを設置しているところの学校の中退率は〇・三二%です。エアコンを設置していないところが四・一一%です。意識しようがしまいが、育友会、PTAの子どもに対する思いとかというの伝わります、わかります、子どもに勉強してほしいという話は。県教育員会がそういうところにそのまま乗って、全体の計画を立てずして、つくるところだけつくってしまった。ことしはもうゼロだと。ことしもPTAから設置したいという、ゼロなんですよ。しばらくとまりますよ。それやったら、平成二十九年までの耐震化が終わるまでという質問あったと思うんです。だから、そういう重い問題提起を受けていってもらうときに、今年度中で結論を出すんじゃなしに、予算編成にもう入ります。九月議会では間に合わないので、十二月議会ではきっちりとその方針が出るような形でやっていっていただきたい、これも予算審査特別委員会の方に回したいというふうに思います。

 まだ四十秒あるんですけども、トータルなところは、次に回しますので、きょうはありがとうございました。

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○副議長(井岡正徳) 十五番森山賀文議員。



◆十五番(森山賀文) 本日はこれをもって散会されんことの動議を提出します。



○副議長(井岡正徳) お諮りします。

 十五番森山賀文議員のただいまの動議のとおり決することに、ご異議ありませんか。

     (「異議なし」の声起こる)

 それでは、さように決し、次回、九月二十二日の日程は当局に対する代表質問とすることとし、本日はこれもって散会します。



△午後五時二十三分散会