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奈良県 奈良県

平成26年  6月 定例会(第315回) 06月30日−04号




平成26年  6月 定例会(第315回) − 06月30日−04号







平成26年  6月 定例会(第315回)



 平成二十六年

        第三百十五回定例奈良県議会会議録 第四号

 六月

    平成二十六年六月三十日(月曜日)午後一時開議

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          出席議員(四十二名)

        一番 宮木健一          二番 井岡正徳

        三番 大国正博          四番 阪口 保

        五番 猪奥美里          六番 尾崎充典

        七番 藤野良次          八番 太田 敦

        九番 小林照代         一〇番 大坪宏通

       一一番 田中惟允         一二番 岡 史朗

       一三番 畭 真夕美        一四番 乾 浩之

       一五番 森山賀文         一六番 宮本次郎

       一七番 山村幸穂         一八番 欠員

       一九番 松尾勇臣         二〇番 上田 悟

       二一番 中野雅史         二二番 神田加津代

       二三番 安井宏一         二四番 奥山博康

       二五番 荻田義雄         二六番 岩田国夫

       二七番 森川喜之         二八番 高柳忠夫

       二九番 今井光子         三〇番 和田恵治

       三一番 山本進章         三二番 国中憲治

       三三番 辻本黎士         三四番 米田忠則

       三五番 出口武男         三六番 新谷紘一

       三七番 粒谷友示         三八番 秋本登志嗣

       三九番 小泉米造         四〇番 中村 昭

       四一番 欠員           四二番 山下 力

       四三番 梶川虔二         四四番 川口正志

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        議事日程

一、当局に対する一般質問

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○議長(山下力) これより本日の会議を開きます。

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○議長(山下力) ただいまより当局に対する一般質問を行います。

 順位に従い、三十番和田恵治議員に発言を許します。−−三十番和田恵治議員。(拍手)



◆三十番(和田恵治) (登壇)議長にお許しをいただきまして、これから一般質問に入らせていただきます。

 その前に、一言、知事や県民の皆様にご紹介したいことがございます。それは、原子力発電にかかわっての問題でございます。

 去る五月二十一日、福井地方裁判所で関西電力大飯原子力発電所三、四号機をめぐり、住民たちが関西電力に運転の差しとめを求めた訴訟で、地方裁判所は、大飯原子力発電所三、四号機を運転してはならないとの判決を下しました。判決内容をよく見ますと、多数の人の生存そのものにかかわる権利と、電気代の高い、低いという問題を並べて論じることは許されない。また、原子力発電所の稼働は、法的には電気を生み出すための一手段である経済活動の自由に属し、憲法上は人格権の中核部分よりも劣位に置かれるべきであると指摘し、大飯原子力発電所の周辺住民は、直接的に人格権が侵害される具体的な危険があると認められました。つまり、人格権より優先される原子力発電所はないということであります。基本的人権を守ることが何よりも大事、最優先であることが確認されたわけであります。

 このたびの判決は、エネルギー政策を推進する奈良県行政や私たち県民が、人の命のとうとさをもう一度捉え直すよい機会になったのではないでしょうか。

 大飯原子力発電所運転差しとめ訴訟判決の私の所感を申し述べて、以下の質問に入りたいと思います。

 最初に、奈良県を日本の国技相撲の発祥の地としてアピールし、地域振興に活用することについてお伺いをいたします。

 奈良県では、今、観光振興として力を入れている奈良公園整備プロジェクト事業の推進と並んで、記紀・万葉プロジェクト事業の推進に力を入れて取り組んでいることは、観光事業に携わる関係者団体の間で認知されているところであります。

 古事記、日本書紀は、本県の国づくりの物語であり、日本国の始まりを書き記した日本で最初の歴史書でありますが、同時に、その主要な歴史舞台は本県、すなわち奈良県であります。言いかえれば、奈良県こそ日本の歴史と文化発祥の地であると言っても過言ではありません。そして、国づくりの歴史や文化に触れた史跡や伝承物語は、数え切れないほど豊富にあります。

 さて、この記紀・万葉プロジェクト事業の展開で、具体的に日本書紀に記述されている相撲にかかわって、現在、その関係する地域で活発な動きが起きております。日本書紀には、垂仁天皇七年七月七日、大和の当麻蹴速と出雲の野見宿禰が天皇の前で力比べをし、野見宿禰が勝利したという記述が見られます。文献で見る最初の相撲史であります。

 垂仁天皇の即位は、西暦で言えば紀元前二十九年とされ、紀元前二十三年に相撲がとられたことになります。場所は桜井市の巻向地域、いわゆるカタヤケシと呼ばれる地で、今で言う相撲神社です。今日の大相撲のルーツはここにあり、奈良県が国技相撲発祥の地、相撲の聖地であると言えるのです。しかも、その場所が特定できるという好条件に恵まれております。

 既に相撲の開祖の二人に関係する葛城市や桜井市では、相撲の伝承を目指した事業や活動が推進されております。葛城市は当麻蹴速を伝承するために葛城市相撲館、けはや座を平成二年に建設し、観光拠点として地域振興に貢献しています。一方、野見宿禰のほこらがある桜井市の相撲神社は、地域の人たちの努力で整備され、昨年七月七日、勝利の聖という記念碑が建立されました。これは、現在の国立競技場の壁に描かれている日本画家、故長谷川路可画伯による野見宿禰をイメージしたモザイク画のレプリカをはめ込んだものです。その記念碑の建立に当たっては、日本相撲協会から元横綱北勝海こと八角親方も参列され、盛大に除幕式が催されました。加えて、葛城市では、早くから相撲甚句を詠う当麻けはや相撲甚句会の活動があり、桜井市も大和すくね相撲甚句会が結成され、人事交流もされています。ことし五月二十四日には、一般社団法人天理青年会議所と一般社団法人桜井青年会議所の共催でわんぱく相撲が相撲神社で催されたところでございます。

 そこで知事にお尋ねします。

 私は、この日本の国技相撲の発展と本県の記紀・万葉観光振興のために、関係団体と連携を図り、相撲発祥の地、奈良県を全国に紹介していくことは有意義なことだと考えています。県では、このたび、スポーツによる地域振興として、大相撲を活用した奈良県のPRに取り組まれるようでございますが、県内各地域で相撲の伝承活動が進んでいることを踏まえ、今後、どのように奈良県が日本の国技相撲の発祥の地であり、大相撲の発展を願っていることをアピールし、奈良県の地域振興に生かしていこうと考えているのでしょうか。

 次に、なら食と農の魅力創造国際大学校についてお伺いします。

 私は、これまで奈良県農業総合センターの具体的な構想について、それが奈良県農政の飛躍的発展につながるとの思いから、また観光振興への大いなる可能性を読み取って、代表質問や委員会などで何度となく積極的に発言をしてまいりました。

 そして、本年度予算で、奈良県農業総合センターと農業大学校を発展・再編し、二つの施設として設置することを正式に決められました。一つは、農業分野において研究機能の高度化を目指し、これまでにないレベルに高め、オンリーワンの研究開発を目指すという奈良県農業研究開発センターの設立であります。もう一つは、現農業大学校の教育課程を再編して、高度な農業技術を有し、農業経営センスのすぐれた農の担い手の育成と農業、農作物に関する知識を持った食の担い手の育成を目指す、いわば農と食にかかわる人材育成を目的としたなら食と農の魅力創造国際大学校の設立であります。

 この新たな大学校には、特に実践的な研修の場として、宿泊つきレストランであるいわゆるオーベルジュが併設されます。奈良県農政において、このような大胆かつ画期的な事業が行われることについては、久しぶりに県の気概を感じる思いをしており、胸がわくわくいたしております。

 特に、奈良県の農業産出額は、近畿六府県の中でワースト二位ですから、恐らく農業に携わる関係者、団体の方などは大きな期待を持って注目されているものと思います。さらに、宿泊つきレストランにおいては、県内の料理関係の業界団体や観光業界の方々も関心を持って見守っておられるのではないかと推察いたします。

 そこで、この事業の成功を願って、二つの点について知事にお伺いをいたします。

 第一点目は、宿泊施設を備えたレストラン、いわゆるオーベルジュは、グレードの確保や経営的な観点を考慮して運営されなければならないと思いますが、どのような運営を考えておられるのでしょうか。

 第二点目は、この新しい大学校は、どのような教育方針で取り組んでいかれるのでしょうか。食と農を学んだ学生たちが、卒業後、県内で活躍することを大いに期待しておりますが、この大学校の地域づくりへの貢献という面とあわせてお伺いいたします。

 次に、認知症対策についてお伺いします。

 現在、認知症の方々をめぐる問題が社会的にも大きな関心を引き、今後の高齢者福祉を推進する上でも重要な課題となっています。認知症高齢者にかかる厚生労働省研究班の二〇一三年三月の報告によりますと、二〇一二年時点における全国の認知症有病率は一五%と推定され、この有病率を元に算出された推定有病者数は、二〇一〇年で約四百三十九万人、また予備軍と言われる中間状態の方が三百八十万人であり、こうしたボーダーライン層の方を加えると、六十五歳以上の有病者及び予備軍の方々が八百万人を超えるのです。また、二〇一二年時点の有病者は四百六十二万人とも算出されています。

 そして、要介護認定及び要支援認定を受けている六十五歳以上の方のうち、認知症があると推定される方も増加しており、二〇〇二年には百四十九万人であったのが、十年後の二〇一二年には三百五万人で約二倍に急増し、このまま二〇二五年には四百七十万人に達するとの推計が出ているのです。

 また、認知症高齢者の増加により、認知症が原因と思われる行方不明者も増加しております。認知症が原因で行方がわからなくなったとして家族などから警察に届出があった行方不明者が、二〇一二年と二〇一三年の二年間に一万九千九百二十九人だったことが警察発表で明らかになりました。そのうち、今も所在が確認できていない不明者が二百五十八人にも上っている状況であります。

 このように、深刻な問題になっている認知症患者の対策について、国では認知症施策推進五カ年計画、いわゆるオレンジプランを二〇一二年九月に策定し、二〇一三年度から二〇一七年度までの五カ年計画として既にスタートしています。

 対策として第一に示されているのが、認知症ケアパスの作成と普及です。これは、認知症の進行に合わせて提供される医療や介護のサービスの標準的な流れを示すもので、二〇一三年度から二〇一四年度にかけて各市町村が作成し、二〇一五年度以降の介護保険事業計画に反映することとされています。

 次に、認知症の早期発見に努めるため、かかりつけ医の認知症対応力の向上が目指されています。さらには、早期対応に向けて地域包括支援センターが核となって多職種協働で実施する地域ケア会議の普及・定着が目指されています。

 このように、認知症対策は介護、福祉そして医療が連携して対応することが重要であり、このほかにもさまざまな取り組み目標が示されています。

 認知症対策は、市町村が主体的に取り組まねばならないのは当然ですが、あわせて県としてもしっかりとした対策を講じなければならないと考えます。

 本県では、知事の英断によって認知症を含む精神障害者への医療費助成の大幅な改善策を講じたところですが、認知症患者とその家族を取り巻く現状について、改めてどのように認識されているのでしょうか、お聞きしたい。

 また、オレンジプランを着実に推進するため、次期奈良県介護保険事業支援計画において、県では今後、どのように認知症対策に取り組んでいかれるのか、知事のご所見をお伺いしたいと思います。

 次に、医療の質の向上と健康長寿を目指したマイ健康カードの導入についてお伺いします。

 本県では、超高齢社会を迎えるに当たり、県民の健康づくりの取り組みの一環として今年度からマイ健康カードの導入に向けて一歩踏み出すこととなりました。私は、かねてから医療の質の向上のためにITを活用した地域医療の連携システムの構築を提案してまいりました。

 このたびのマイ健康カード導入事業が医療の質の向上と本県が目指す健康長寿の取り組みとどのように関係してくるのか。またその事業の具体的構想はどのようなものなのか。以下に改めて私の考えを述べながら質問を行いたいと思います。

 このITの活用による医療体制の構築という課題が議論されるようになったきっかけは、東日本大震災のときでありました。それまでにも、一部の地方、地域では取り組みが始まっていましたが、この課題に本格的に向き合うようになったのは震災以降であります。

 この震災によって表面化した課題は次のようなことでございました。医院やクリニックが被災し、患者のカルテが流されてなくなってしまったため、患者の診察に大変な労力を要したのであります。一人の診察に多くの時間を割かねばならず、病院を訪れた患者さんやまた治療中の病人に対しても十分な診察ができない状態になってしまったのです。この反省から、東日本では震災に強い医療体制を築くために患者の医療情報をネットワーク化し、その共有化した医療情報を診察に活用するためのシステムづくりの取り組みが始まりました。

 私は、このようなシステムづくりをマイ健康カードとして本県でも実施すべきだと思っております。患者の医療情報が全ての医療機関で共有化できるならば、救急医療に役立ち、医療の質も向上するのではないか。同時に、医療機関ごとに行われる検査や投薬の重複は減り、ひいては医療費の削減にもつながるのではないかとの思いを強くいたしております。

 加えて、マイ健康カードは、本県が目指す健康長寿の取り組みについても効果的なツールであると考えています。

 そこでお伺いいたします。

 本県が取り組もうとするマイ健康カードについて、現時点でどのような機能を想定されているのでしょうか。また、マイ健康カードの導入によってどのような効果があると見込まれているのでしょうか。医療政策部長にお尋ねいたします。

 最後に、奈良県初の世界記憶遺産の登録申請について要望いたします。

 世界記憶遺産への登録申請を行っていた全国水平社創立宣言と関係資料について、奈良県から温かいご支援を賜りましたこと、また本奈良県議会においても登録推薦にご賛同いただきましたことに対しまして、関係者一同の気持ちを代弁して謝意を表したいと思います。

 既にご承知のとおり、過日六月十二日、国際連合教育科学文化機関、いわゆるユネスコの国内委員会において、シベリアに抑留された後、舞鶴港に引き揚げた抑留者からの五百七十点に上る記録、すなわち舞鶴への生還が国内候補に決定し、残念ながら、日本近代史上初の人権宣言とも言える全国水平社創立宣言と関係資料が選考から漏れました。

 しかし、全国水平社創立宣言は、差別からの解放を希求する被差別民衆を勇気づけるとともに、その後、在日韓国朝鮮人、アイヌ民族、沖縄の人たち、ハンセン病回復者、障害者など国内のさまざまな被差別マイノリティの自覚と運動に勇気と刺激を与えたことが評価され、その宣言の持つ価値は多くの人たちに認められました。そして、奈良県が全国水平社運動の発祥の地であることを思えば、まさに奈良県の誇りであると思わずにはおれません。

 世界記憶遺産は一九九七年から二年ごとに登録事業が行われており、再度出直しの挑戦を関係者一同、誓っております。課題を整理の上、今後も登録の実現を目指して努力を続けてまいる所存でございますので、引き続き、県並びに県議会のご支援を賜ることをお願いしまして、県に対する要望とさせていただきます。ありがとうございます。(拍手)



○議長(山下力) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)三十番和田議員のご質問にお答え申し上げます。

 第一問は、奈良県を相撲の発祥の地としてアピールを積極的にしたらどうかという趣旨のご質問でございます。

 奈良県を相撲発祥の地として地域振興のためにアピールすることは、今までやってきませんでしたが、大変重要なことだと思っております。国技と言われます日本の相撲の始まりは、現在の奈良県桜井市の相撲神社のあたりにおいて、野見宿禰と当麻蹴速が当時の天皇陛下の前で天覧相撲を行ったことでございます。

 議員お述べのように、奈良県は相撲発祥の地として他県にはない相撲との深いつながりがあるものと思います。このような背景をもとに、相撲とのつながりを生かして、奈良県の地域振興、ブランドプロモーションを図ることを目的に、今年度よりご予算をいただきまして、大相撲を活用した奈良県PR事業を実施しようとしております。伝統を生かした奈良県地域振興の一つのパターンでございます。

 具体的には、平成二十七年一月、来年の初場所でございますが、東京の両国国技館で開催されます初場所の幕内最高優勝力士に対しまして奈良県知事賞を贈呈いたします。このことにより、奈良県は相撲発祥の地、歴史の始まりの地であることを改めて全国にアピールしたいと思います。

 また、副賞を提供する必要がございますが、その内容をいろいろ考えましたが、結果的に、県産食材をふんだんに使いました、仮称でございますが、ちゃんこ大和づくしとしたいと思っております。その内容は、大和肉鶏や大和ポーク、大和牛また大和まな、結崎ネブカなどの大和野菜をはじめ、県内でつくられたおいしいお豆腐やこんにゃくなど、大和ものばかしの具材とすることで、県産農産物等のPRも行いたいと考えております。

 さらに、現在、奈良県が推進しております記紀・万葉プロジェクトの一環として、相撲にまつわる歴史や地域の取り組みを関係市町村や団体と連携して全国に発信したいと考えております。

 なら食と農の魅力創造国際大学校についてのご質問がございました。

 新しく生まれ変わる農業大学校をなら食と農の魅力創造国際大学校、通称NAFICと呼ばせていただこうかと思っております。平成二十八年四月に開校を目指し、現在、準備を進めているところでございます。その中で、大事な研修の場となります実践オーベルジュ棟は、授業の一環として、学生がレストランでの調理や接客サービスにかかわり、プロのご指導のもと実践的な能力を習得するための施設でございます。実践能力を重視するこの学校の大きな特徴となるもので、シンボルとなるものでございます。

 新しい大学校におきましては、学生たちに調理やサービスの技能だけではなく、レストランやホテルを経営するマネジメントやホスピタリティについても習得させるため、教育研修を実践する場と運営が必要になります。そのためのすぐれたノウハウと経験が必要とされるものでございます。実際にレストランやホテルを運営し、そのような能力を持っている事業者に営業または研修の実践をしてもらうことが最適であると考え、そのような人を対象とする指定管理者制度を導入する予定でございます。このため、今議会、六月議会におきまして、新たな大学校の名称、設置場所、修業期間、授業料、実践オーベルジュ棟の使用料及び指定管理者制度の導入等を定める条例を上程しているところでございます。

 教育方針についてでございますが、現在の農業大学校をアグリマネジメント学科に再編いたします。経営力を備えた農業の担い手を育成するということでございます。また、新たにフードクリエイティブ学科を新設いたします。農に強い食の担い手を育成する目的でございます。農業に関する知識と高度な調理技術の両方を持つとともに、もてなしの心でサービスができる人材を育成する目的でございます。

 育成する卒業生のイメージでございますが、フードクリエイティブ学科におきましては、奈良県内でのレストランやオーベルジュを開業していただくような方々、奈良県内あるいは県外各地のレストラン、ホテルの二世、三世の親元へ就業を志される方々、また国、大都市を含め、また外国の優秀なレストラン、ホテルへ就職を希望される方々を想定しております。

 また、アグリマネジメント学科、農業でございますが、県内での新規の就農の希望の方々、県内農家の二世、三世の親元就農を希望される方々、また農家のご子息との結婚による農業を志される方々、農業法人などへの就職の方々などを想定しておりまして、それぞれの卒業生が食の分野と農業分野の連携を強化することで、県内地域の活性化にも貢献してくれるものと期待しております。

 さらには、料理界、料理の分野でございますが、料理界のハーバード大学と称されますアメリカ、ニューヨークにありますCIA、カリナリー・インスティテュート・オブ・アメリカと呼ばれる有名な大学校ですが、先日、農林部長が視察に行かせていただきました。そのような最高度の大学や、スイスのローザンヌ・ホテルスクールと肩を並べるような、ニューヨーク、ローザンヌの次は桜井市だと言われるような大学校にしたいという目標を持っております。

 また、ことし五月のスイスベルン州への訪問時には、同じくベルン州の名門のトゥーンホテル専門学校を視察してまいりました。その学校では、実務研修に極めて重きを置かれていることがわかりました。実践力のある、経営能力の高い人材を育成する方針が着々と実施されているのに感銘を受けました。そのような観光、大学校も参考に、世界に誇れる大学校にしてまいりたいと思っております。

 認知症対策についてのご質問がございました。

 本県における認知症高齢者数は、今年度には五万人を越えるものと推計しております。高齢化の進展とともに、今後一層増加することが見込まれます。また、昨年、県が実施いたしました高齢者の生活介護等に関する県民調査におきましては、認知症高齢者を介護しているご家族の方々から、片時も目を離すことができず大変であるという声が届いております。本人も、ご家族も、さまざまな精神的な苦痛を抱えながら、日々生活をされておられるご様子でございます。

 議員お尋ねのオレンジプランは、今後、目指すべき認知症ケアの考え方を、事後的な対応から早期・事前型の対応へと変えるとともに、認知症になっても安心して地域で暮らし続けられる社会の実現を目指すものでございます。本県におきましては、来年度からの次期介護保険事業支援計画におきまして、このようなオレンジプランの考え方の内容を反映し、計画の推進を図ってまいりたいと考えております。

 具体的な取り組みの方向でございますが、早期・事前的な対応を推進するためには、県ではかかりつけ医の認知症対応能力向上研修を引き続き実施したいと思います。また、今年度から、かかりつけ医と専門の医療機関をつなぐ認知症サポート医の養成数を拡大していきたいと考えております。

 また、認知症と疑われる症状が発生したときに、それぞれの地域においてどのような医療や介護サービスを受ければよいかを示した認知症ケアパスというものを作成したいと考えておりますが、そのような作成の主体であります市町村をご支援していきたいと思っております。

 あわせて、認知症になっても地域での生活を継続するための介護サービスの充実や認知症対応型グループホームあるいは小規模多機能型居宅介護等の地域密着型サービスと言われる分野の拡充を図る必要があると考えております。

 このような実践の取り組みが少しずつ進む一方で、認知症の方々への対応については、いまだに理論・実例が十分確立していないように思っております。認知症は、既に家族問題から社会問題へと認知され始めておりますが、今後は社会問題として本県ではどのように捉え、対応するのか実証的な追及も必要かと思い、勉強を始めたいと考えております。

 したがいまして、県といたしましては、以上のような取り組みとあわせて、認知症の方々とそのご家族のご負担やご苦労を少しでも軽減できるよう実態把握をしながら分析するということが必要でございます。実態把握とともに実践の取り組みをするということでは、旧県立奈良病院、奈良県総合医療センター跡地、平松町におきまして、認知症の方々も含む包括ケアのまちづくりのモデル事業の実践する新しい取り組みを行いたいと思っております。

 その効果検証を行いつつ、認知症になっても安心して暮らし続けられる奈良県づくりを目指してまいりたいと考えておるところでございます。

 ご質問は以上でございました。



○議長(山下力) 高城医療政策部長。



◎医療政策部長(高城亮) (登壇)三十番和田議員からのご質問にお答えいたします。

 私に対しましては、医療の質の向上と、健康長寿を目指したマイ健康カードの導入についてのお尋ねでございまして、本県が取り組もうとするマイ健康カードについて、現時点でどのような機能を想定しているのか、またマイ健康カードの導入によってどのような効果があると見込んでいるのかとのご質問をいただきました。お答えしたいと思います。

 マイ健康カードは、希望する個人にICカードを交付しまして、医療機関の受診時などに医療や健康に関する情報をカードに蓄積し、診療などの際に記録した情報を活用しようとするものでございます。

 このカードには、まず医療機関が保有している診療等の情報を蓄積することが必要であると考えています。そこで、県立病院機構や県立医科大学附属病院などの電子カルテと連携させて、電子カルテの中の診療情報を活用できる仕組みを検討したいと考えております。

 カードに個人の病歴や薬歴などの医療情報を記録して、病院や診療所あるいは薬局などで情報の共有を行えば、重複検査や薬の重複投与を防止することができます。また、かかりつけ医以外の医療機関での受診時や救急時においても、これまでの診療経過を踏まえた医療の提供を受けることが期待できます。

 また、妊婦検診や乳幼児検診、特定健診などの検診に関する情報についても、カードに記録することを検討することとしています。医療情報に加えて検診情報を記録することで、カードの有用性がより一層高まるものと考えております。

 さらに、血圧や体重、歩数などの健康情報もあわせて記録することで、個人の健康づくりにも活用することができ、本県が取り組む健康長寿まちづくり、これの取り組みにも大いに貢献するのではないかと考えております。

 今年度につきましては、導入に向けた機能や運営方法等の課題について検討を行ってまいりたいと考えています。



○議長(山下力) 三十番和田恵治議員。



◆三十番(和田恵治) 私は四問の質問、一つの要望を行いました。質問に対する答弁については、本当に私がこのような答弁を欲しいなと思っておった内容をおおむねいただいたことで、非常にありがたく、またその答弁の今後の施策について具体化されることを大変期待いたしております。

 しかしながら、まだ答弁いただいた内容について、若干、お尋ねしたいことがございます。

 まず、第一点目の相撲神社、奈良県の相撲発祥の地として全国にアピールしていく、この取り組みでございますが、おおむね計画はわかりました。問題は、そのようにして全国にアピールをするとするならば、恐らく相撲の歴史、ルーツ、こういったことが全国に、あんまりテレビ解説でも紹介されておりませんので、大変大きな、いわば相撲史ということで宣伝することに貢献できるのではないか、そのような奈良県としての貢献は考えられます。

 そこで、このことをアピールしていくとするならば、恐らく訪問客もたくさん来るんではないかなということが想像されるわけです。そうしますと、奈良県でのそうした人たちの受け皿というものをどのようにしていくのか、このことが大変重要になります。全国にアピールするというだけではなくて、逆に訪問客への対応、こういったことが地域の中で整備をしていかなきゃならんとこのように思いますが、知事、その点についていかがお考えでしょうか。

 また、あわせて、小学校、中学校での体力づくりの一環としての相撲のスポーツの振興、これも必要ではないかと思ったりもいたします。この点についても、知事の所感をお聞かせいただければありがたいと思います。

 次に、二点目、なら食と農の魅力創造国際大学校の件でございます。なら食と農の魅力創造国際大学校についての狙い、非常に私は希望を持ちました。このなら食と農の魅力創造国際大学校をアメリカのニューヨーク、スイスのローザンヌ、それに匹敵する桜井市と、このようにお述べになりました。このような方向でぜひとも世界に売り出す、世界を目指す、この桜井市のなら食と農の魅力創造国際大学校ということで頑張っていただきたい、このように思うわけでございますが、もう一つ、この機会にこのなら食と農の魅力創造国際大学校を、いわば食育の拠点というふうにして考えることはできないでしょうか。食育の拠点。つまり、伝統の食事を大切にする、あるいは素朴でしっかりとした食材、あるいは有機農業で生まれてくる農作物、あるいは健康によいもの、これをスローフードと呼ぶようでございます。このスローフードという文化、これを大切にしていくということが非常にこれから重要ではないか。だとするならば、このなら食と農の魅力創造国際大学校は、まさにその拠点としてさらに頑張っていただくということは、大変意義があるのではないか、そう思います。知事の所感をお述べいただければありがたいかなと思います。

 それから、もう一つ、あの桜井市の高家のところのなら食と農の魅力創造国際大学校の位置は、中腹で、眼下を見おろせば、ナノハナなどを含めていろいろなすばらしい景観が今、つくられつつあります。そして、遠くを見れば大和平野です。このようなすばらしいところで、再来年には全国菜の花サミットが開かれます。ナノハナのすばらしさというものは、ここで恐らく感じ取っていただけるんじゃないか、このように思うわけで、知事、その点について、全国サミットがあるということ、またこれに対していろいろな支援をしていただくこと、要望をこの点についてはしておきたいと思います。

 以上、質問に対する答弁をお願いします。



○議長(山下力) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 相撲の歴史あるいは伝統を素材にして奈良のアピールをしようという試みに対してご賛同いただくとともに、その訪問客をどうもてなすのかという追加のご質問でございました。

 歴史は食べられるものではありませんので、歴史だけを供しても、お客は知ってすぐに去っていかれるというのが奈良の伝統、観光産業の伝統でございます。桜井市もホテルがございません、これは知って、見て、帰れと言わんばかりの観光地として、奈良は準備をしたという反省をしております。それを、おもてなしを桜井市でするというのはホテルが要ります。そのホテルの整備の一環として、実践オーベルジュ棟を活用していただきたいということでございますが、県のホテルだけではおもてなしができませんので、地元の資本の方々、ぜひ和田議員の力のあるところで、地元の支援、資本の人たちにおもてなしをするようにと言っていただきたい。

 先日、桜井市の観光経済団体が大阪のホテルで会食をされました。どうして地元にしないんですかと言って詰問いたしました。そのような風習をなくすということからスタートしていただきたいということをお願い申し上げたいと思います。そのような積み重ねで、訪問客は桜井市で受け取るんだと、巻向とかいろんな素材がございますので、人頼みにしないと、自分でおもてなしを地域でするんだと、そのための育成を経済団体がするんだということをぜひ和田主導でお進めいただきたいというふうに思うわけでございます。

 それから、食育にフードNAFICを利用したらということですが、食育もいいんですけども、食育はあらゆるところでありますので、そのようなことなのかというふうにブランド力が発生しないのではないかと一瞬思います。奈良の食育が独特だということをアピールできればいいわけですが、奈良の安倍の教育実践は世界のトップだということを証明したいということでございますので、食育も入ればいいんですけども、食育をアピールする方向で、ちょっと頑張れというのは、アピールのほかの二番煎じ、三番煎じになるのではないかなというふうにもちょっと感じました。この桜井市でやるのは、世界に類のない、少なくとも日本に類のないシェフの教育だとまずそのユニークさで展開したいというふうに思う次第でございますので。多少異論を申し述べたような感じもいたしますが、失礼でございましたが、そのような考えをできるだけ純化した経営方針をまずは追求するということで、桜井市、安倍の名を挙げていきたいというふうに思う次第でございます。



○議長(山下力) 次に、六番尾崎充典議員に発言を許します。−−六番尾崎充典議員。(拍手)



◆六番(尾崎充典) (登壇)それでは、通算十一回目、一般質問としては九回目の質問を行います。

 私は、昨年の十一月に厚生委員会の県外調査で沖縄県立中部病院に行く機会をいただきました。

 自ら医師の資格を持つ我が県の高城医療政策部長の、沖縄の中部病院は研修医制度に魅力があり、研修先として人気があるとの話を受け、視察先に加えることとなりました。

 視察中、小泉厚生委員長をはじめ多くの議員が口をそろえて、よいな、何とか奈良県も参考にできないものかと話していました。中には、荒井知事が見てくれたらなとつぶやく議員もいました。

 さらに、今月十二日には、会派の仲間とともに、福井大学医学部の寺澤秀一教授に話を聞くことができました。

 本日の質問の内容は、四年ごとに作成しています奈良県民主党政策集に盛り込み、夏には発表の予定ですのでご期待ください。

 それでは、沖縄県、福井県への調査報告の意味を込めて、質問に移ります。

 一問目は、ER型救急と研修医制度についての質問です。

 人口百三十八万人の奈良県と比較して、沖縄県は百四十二万人と同規模で、福井県は少し少ない七十九万人です。また、沖縄県は離島を、奈良県と福井県は山間地を持ち、人口が本島や平野部に集中しています。置かれている立場が非常に似ているので、当然、医療における課題も同じはずです。

 しかしながら、沖縄県の県立病院では、昭和四十二年から四十七年間の歴史を持つアメリカ式の研修教育を取り入れた独特の研修医制度によって、医療分野の幾つかの重要課題を解決していました。

 まずは、沖縄県の取り組みを県立中部病院の事例をもとにご紹介します。

 沖縄県では、臨床研修事業が機能しなければ、離島医療はおろか、沖縄県全体の医療が崩壊してしまうとの危機感を県立病院と行政が共有しています。

 パネル?をごらんください。

 県単独事業の医学臨床研修事業費が三億三千八百万円に上っていることで、その本気度が伺えます。

 沖縄県の研修医制度の一つ目の特徴は、アメリカ式研修教育が実施されていることです。

 パネル?と?をごらんください。

 実践的であることや、研修医一人当たり年間千例以上の経験を積めること、近年制度化され、各科を回るスーパーローテーションを四十七年も前から実践していることで、指導医が豊富であること。一年次研修医を二年次研修医が、二年次研修医を後期研修医が指導し、指導医が監督していく屋根瓦方式という制度で、効率的な育成と医療の安全を両立させていること。自由な伝統と診療科の壁がないことや、プライマリーケアを重視していることが挙げられます。これらが日本国内で高い評価を受け、また米国留学を容易にし、研修希望者の激増につながったようです。

 次に、二つ目の特徴は、ハイレベルな診療が可能なプライマリーケア医と総合診療医を多く輩出していることです。

 パネル?をごらんください。

 これは、住民千人の健康問題における超専門医、いわゆるスーパードクターの必要性は一%未満であるというデータです。これらは、五十二年前と十二年前の千人規模の調査結果でも裏づけられており、注視しなければなりません。

 パネル?と?をごらんください。

 国民の健康ニーズと医師のミスマッチ・専門医・超専門医への偏在解決の必要性を示しています。そのために、内科、外科、小児科、産婦人科等の幅広い知識と経験を基礎に専門性を磨いていく、計画的な人材育成がなされていました。

 次に、三つ目の特徴として、北米ER型救急体制で研修医を育てていることです。ER型救急とは、重症度によらず全ての患者を救急室で受け入れることで、まさに断らない救急そのものです。軽症患者から重症患者までの全ての患者を二十四時間三百六十五日受け入れるほか、救急車だけではなく徒歩、タクシー、自家用車での来院患者も診療します。北米ER型救急とは、ER型の中でも治療の優先度決定技量重視の振り分け型救急と言われています。

 ご説明をいただいた玉城和光医療部長は、血液・腫瘍内科が専門でありながら、通常分娩はできるそうです。玉城先生のような医師を育てたのが、北米ER型救急の現場でした。玉城先生は、研修時代に、米国留学という恵まれた経験をお持ちでしたが、そのベースは沖縄の県立病院が採用しているER型救急にありました。

 次に、四つ目の特徴として、独特な当直制の方法で研修医が育成されていることです。

 沖縄県の県立病院では、奈良県で定着している主治医を廃止して、グループあるいは病院全体で患者を診る独特な当直制を採用していました。

 パネル?をごらんください。

 ここには、独特な当直制を採用する理由が書いてあるのですが、要約すると、各科横断的かつ多くの経験数が確保できるメリットがあること、屋根瓦方式が可能になることによって、質も確保できること。医師の肉体的・精神的な負担の軽減につながり、研修医にとってよい環境が提供できると書いてあります。一人の医師が重症患者を複数人受け持つことは不可能であり、これが受け入れ拒否を生む原因につながります。二十四時間三百六十五日働けるスーパー医師は存在しないと訴えていました。

 パネル?をごらんください。

 これは救命救急センターでの救急患者受け入れ率です。

 奈良県の救急患者受け入れ率は、以前に比べよくなっています。近隣の大阪府八三%や兵庫県八〇・四%に比べると、一定の評価ができます。しかし、私が問題視したいのは、率ではなく受け入れ人数そのものです。奈良県の千二十九人に比べると、福井県は約五倍の五千百十人で、沖縄県は約十五倍の一万五千四百三十八人です。沖縄県の救急患者受け入れ実績のこの圧倒的な差が臨床研修医の経験値を上げて、重症度に応じて治療の優先順位の決定ができるようになります。

 以前から私は、直感的ではありますが、疑問を感じていたことがあります。現在の奈良県の救急現場において、一体誰がどのようにして重症度を判断しているのか。担当部局に聞いても、納得できる回答は返ってきませんでした。奈良県では、多くの場合、救急隊員が現場に駆けつけて、e‐MATCHシステムに救急隊員が観察した病状等を入力して、患者の情報を各病院に伝えるとともに、当直看護師等に電話で救急患者の受入要請をして、その当直看護師等が当直医と相談して受け入れを決定しているようです。

 福井大学に視察に行った際、この状況を寺澤教授に質問すると、全国的な傾向としながらも、医師が患者の顔を見ない状況下で治療の優先度が決定されている。医師が実際に患者の顔を見て診察しても正確な診断が難しい世界なのに、看過できない状況が現実に行われていると指摘を受けました。

 それでは、福井県での調査内容を紹介いたします。

 福井大学医学部の寺澤教授は、金沢大学医学部を卒業後、先ほど紹介しました沖縄県立中部病院で研修を受け、地元福井県に戻られ、現在、福井大学医学部で地域医療推進講座を受け持っておられます。

 パネル?をごらんください。

 一、学閥のために救急病院同士が不仲で助け合えない。これは一般的な国内の事情として、学閥による弊害を言っておられます。

 二、地域に愛着がない大学志向の腰かけ医師たちは、救急に熱心になれない。

 三、横断的診療医、いわゆる総合診療医の不足の問題。

 四、救急の出口(後方施設)が確保されていない。最も注視すべきは、この救急の出口(後方施設)の確保の重要性です。多くの場合、救急車で運よく救命救急センターに運び込まれて急性期を脱しても、患者はそのまま病院にとどまります。そのことが、新たな救急患者の受け入れ困難の原因を生んでいることを指摘されていました。

 ちなみに、診療能力を磨くにはアメリカがすぐれていて、研究者を目指すなら日本の方がよいようです。

 パネル?をごらんください。

 日本の救急体制は、各科専門医持ち回り型、救命型救急、ER型救急のどれかが採用されています。奈良県内の病院では、おおむね各科専門医持ち回り当直制が採用され、救急救命センターでは救命型救急が採用されています。

 パネル?をごらんください。

 県内の多くの病院で採用されているこの方法では、各科の専門医が交代で当直を行うため、医師がどの科の専門医なのかによって救急患者の運・不運が発生してしまいます。昼夜を問わず当該患者の疾病に対応できる専門医がいるとは限りません。運よく対応のできる専門医がいたとしても、専門外の病気が発見された場合、対応できません。特に、高齢者は複数の持病の上に、急性期の疾病で搬送されてくることが考えられます。その結果、日本の医療技術は、昼間は先進国並みで夜間は途上国並みだと憂いておられました。

 パネル?をごらんください。

 県内の救命救急センターでは、救命型救急が採用されています。大ヒットドラマシリーズの救命病棟24時が、まさにこの救命型救急です。救命救急医が治療の優先度の決定から治療・手術までを行っている様子が描かれていました。

 パネル?と?をごらんください。

 アメリカの人気ドラマERが本当のER型救急を表現していました。ER型救急医が、原則、重症・軽症の判断をし、治療の優先度の決定のみを行い、重症かつ高度な治療が必要な場合は、専門医が手術する分業制が描かれていました。ここが先ほどの救命型救急との大きな違いです。軽症から重症まで、救急搬送者だけでなく、徒歩、タクシー、自家用車での来院患者も診療します。私が沖縄県や福井県で見聞きしてきたのは、この形の救急医療体制でした。

 この現場で研修医を育てることが、NHKで評判になっている総合診療医が病名を見事に探り当てる番組総合診療医ドクターGの育成につながります。Gとはジェネラルを意味して、各診療科を横断するスーパー総合診療医のことです。この総合診療医は、救急の現場ではER型救急医として、地域の診療所では救急初期診療能力を持つ家庭医として活躍されています。

 奈良テレビやこの議場で、ここまでの私の話を聞いていただいた多くの皆様は、ER型救急の必要性について、共感していただけたと思います。

 そこで、県立の医科大学附属病院があり、新たな新奈良県総合医療センターを整備しようとしている奈良県に一つの提案をいただきました。

 パネル?をごらんください。

 当初、厚生労働省は、人口百万人規模に三次救急の救急体制の構築を目指していました。その後、人口規模が緩和されて、現在、奈良県では三つの救命救急センターが存在します。この救急体制を十分に生かしながら、各救急病院にそれぞれER型救急医を新たに数名配置するだけで、奈良県医療の課題の解決ができる提案です。ER型救急医を配置することで、多くの救急患者が押し寄せてきても、患者を重症度と緊急性によって分別し、治療の優先度を決定し、適切に振り分けることができるからです。救急隊員に負担を掛けすぎている実態の解決にもつながります。

 ここで、今まで述べましたER型救急の利点を整理します。

 パネル?をごらんください。

 一、救急車の受け入れ拒否が発生しない。つまり、たらい回しがなくなります。ER型救急体制が定着した沖縄県と福井県では、救急車の受け入れ拒否は原則発生しないと明言されていました。

 二、ERにおける初期診療の質が標準化できる。要するに、当直の医師がどの専門医かによる救急患者の運・不運が発生しません。

 三、ERにおける医事紛争が防止できる。これについては、寺澤教授自身、約三十年近くER型救急医をしてこられましたが、医事紛争や裁判はゼロであり、さらに福井県立病院と福井大学病院で働いているER型救急医も医事紛争や裁判に巻き込まれた者はおりませんと明言されていました。

 四、各科専門医がそれぞれの専門診療に専念できる。つまり、救急の現場などで専門外の患者を診る必要がなくなります。

 五、ERにおける初期研修医の育成が充実する。ERの現場において、軽症から重症までの総合的な経験値を上げることができます。

 六、初期研修医獲得が容易になる。幸いにも、今の研修医のニーズは、ER型救急医が指導してくれる臨床研修医病院に向いているようです。加えて、研修医は、初期研修した施設に後期研修医としてとどまる傾向がありますので、病院でのマンパワー確保の観点からも、ER型救急医の配置は必須と言えます。

 七、救急患者、入院患者がふえ、病院経営がよくなる。つまり、初期診療の患者数がふえることにより収益増が図られます。

 これらは、奈良県の医療課題である断らない救急の実現と、僻地医療をはじめとする医師不足の解消につながるとともに、奈良に適した形へと工夫することで、オリジナルの奈良モデルと進化することも期待できます。

 猪奥議員、ご協力ありがとうございました。

 また、福井県では、地域医療を担う医師の養成体制が充実していました。奈良県のように、各病院がそれぞれに研修医を養成する仕組みではなく、研修医のさまざまなニーズに合った幾つかの統一プログラムを持っていました。

 調査報告の結びとして、沖縄県の医療の成り立ちは、歴史的な条件について、奈良県がまねのできない部分が存在することは否定できません。しかし、その長所や理念なりを近隣県の福井県が三十年かけて焼き直しをして、実践され、一定の成功と言える形にまで醸成してこられたことについて、我が奈良県も大いに参考にすべきだというのが今回の視察の私の結論でした。

 そこで、知事に質問します。

 県民の命を守るためには、軽症・重症にかかわらず、総じて見立てる技術を持つ総合診療医を多く育てることが重要かつ急務です。そのためには、研修医一人当たり年間千例以上の経験を積むことができるER型救急の現場の提供が必要と考えますが、いかがでしょうか。

 また、開院が十七年春に予定されている新奈良県総合医療センターに、今、活躍していただいている救命型救急医を温存した上で、新たにER型救急医の配置の検討をすべきと考えますが、いかがでしょうか。

 続いて、医療政策部長に質問します。

 よい医師を育て、引き続き奈良県で活躍してもらうためには、県内統一の研修医ごとのニーズに合った幾つかの研修プログラムを策定すべきと考えますが、いかがでしょうか。

 二問目は、本県のがん患者に対する心のケアについての質問です。

 本年四月二十二日付の毎日新聞夕刊の一面のトップに、がん患者、自殺リスク二十倍という大きな見出しの記事が掲載されました。私にとっても衝撃的な数字でしたが、がん患者の友人にとっては、その見出しを見た瞬間、息を飲み、足が震えるほどの衝撃でした。

 記事によりますと、がん患者以外が自殺する危険性を一として、がんと診断されてから一年以内にがん患者が自殺する危険性は二三・九倍になるというものでした。これは、国立がん研究センターの研究班が十万人を対象に約二十年間追跡調査したものです。

 さらに、これには続きがあります。まず、診断後一年を超えると、その危険性が一・一倍にまで急激に減少することです。また、北欧のスウェーデンの調査では、一年以内ならば約三倍、一週間に限っても十三倍程度の危険性にとどまるようです。

 さらに、欧米諸国では、がんの進行度によっても違いが見られます。早期であれば自殺の危険性が低いのに、日本では、進行度に関係なく自殺リスクが高いという結果も出ています。

 我が国では、二人に一人ががんになり、三人に一人ががんで死亡しています。しかし、生存率の点から言えば、治療技術の進歩などにより改善され、平成十五年から平成十七年の統計によると、五年生存率は五割を超えています。特に、早期に発見できれば、五年生存率は約九割となり、もはやがんは死に直結する病気ではなくなっています。がんを実態以上に恐れ、助かるはずのがん患者が、それ以外の理由で自ら命を絶つことは、非常に無念です。がん患者への心のケアは、まさに急ぐべきです。

 がん患者の方々が、ボランティア活動として、お互いの心のケアを行う動きは既に始まっています。しかし、ボランティア頼みでは、その力はまだまだ不十分です。自殺を未然に防ぐためには、行政の支援が必要です。また、がん診療の拠点病院には、がん相談支援センターが設置されております。しかし、その認知度は低く、存分に生かされているとは思えません。さらなる広報の重要性を感じます。

 さらに、自殺を防ぐためには、即効性と実効性のある施策が求められます。例えば、宣告のその場所にカウンセラーが立ち会う、あるいは宣告されたら自動的にカウンセリング室に回るなどの取り組みです。

 一方で、がんになる前に、間違った認識を変えておくことも重要です。学校教育や地域の講座などで、子どもたちあるいは大人に対してもがん教育を実施することで、等身大のがんを知り、油断せず、恐れ過ぎず、正しく警戒する人を育てるという観点も必要です。

 そこで、教育長に要望します。

 がんに対する正しい知識と理解並びに命の大切さに対する理解を深めるための教育の推進をお願いします。また、子どもががん告知を受けたとき、自殺という極めて残念な事故が発生しないよう、心のケアの充実もあわせてお願いしておきます。

 続いて、医療政策部長に質問します。

 現在実施されているがん患者の自殺予防対策はどのようなことが行われ、今後、どのようにされるのかお答えください。

 以上で壇上の質問を終わります。(拍手)



○議長(山下力) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)六番尾崎議員から三問のご質問がございましたが、私に対しましては、ER型救急医の必要性という観点からのご質問でございました。

 診療科にかかわらず、全ての救急患者に対応できる救急初期診療を目指しておりますのがER型救急でございますが、その現場は、医師にとりましても、数多くの症例を一度に経験することができるために、ER型総合医育成の観点から効果的であるとも言われております。

 ERの患者に対しましては、まず診るという姿勢が必要ですが、本県が他県に先駆けて整備してまいりましたe‐MATCHにおきまして、救急病院によく断られている事情が発生しております。自分の専門外の患者が運び込まれるのを恐れておられるのではないかというふうに見立てられております。幅広い診断能力を持った総合医、まず診る、救急患者を診ることができる総合医、ER型総合医の育成が重要であるという理由もこのあたりにあるというふうに思うものでございます。

 奈良県では、これまでも総合医の育成については取り組みを進めてまいったところでございます。具体的には、医師不足に対応して実施しております本県の奨学金制度におきまして、総合診療科を対象としてER型やその他の型も含め、総合医の育成を進めております。

 総合医には、このER型のほか、過疎地型とか病院内総合医型、在宅医療型などいろんな種類が考えられるところでございますが、それらの類型を念頭に置いて、この育成事業を進めていきたいと考えております。しかし、ER型の救急現場の総合医の役割については、多くの現場の課題が残っているように聞いております。

 具体的には、こうした現場を担う医師を指導する医師の人材が不足しているということが大きいことのようでございます。ER救急の現場からまた各診療科へスムーズに患者の引き継ぎができる病院内や病院間の体制の整備も重要でございます。後方病床、次の出口の管理といったふうにも言われております。また、患者が一時的に集中したときの対応、救急患者は夜に多く発生するケースもございます。そのような需要に時間的にマッチするシステムというのは、救急現場の大きな課題でございますが、救急医の確保という観点から見ても、大変課題として大きなものというふうに感じております。

 地方独立行政法人奈良県立病院機構は、このような課題に取り組んでいただくべく、上田総長に努力を重ねていただいておりますが、三年後に開設する予定でございますが、その開設に向けてこれらの課題に積極的に取り組みER型診療施設をこの病院に設けることを予定していただいております。施設も、成人と小児部門を分けて整備をし、充実させ、全国的にも大変先進的なER病棟になるように取り組んでいただいているところでございます。

 ER型診療施設の運営に当たりまして最も重要なことは、人材の確保でございますが、この法人において、現在、臨床留学経験のあるER専門医師をはじめ、指導医の獲得に取り組んでいただいております。

 リスクを伴う救急現場でございますので、研修医が優秀な指導医のもとで指導を受けられる環境を整えることが重要と認識をしております。そのために、新しいこの県立病院機構の法人内に教育研修センターを設置する予定でございますが、上田医師にそのセンター長をやっていただいておりますが、救急医療にかかわる各種医療職の教育・研修による指導者の育成という面で積極的に取り組んでいただくところでございます。

 他の質問は関係担当部長がお答えさせていただきたいと思います。ご質問ありがとうございました。



○議長(山下力) 高城医療政策部長。



◎医療政策部長(高城亮) (登壇)六番尾崎議員からのご質問にお答えいたします。

 私に対しましては、二つのご質問をいただきました。

 まず初めに、ER型救急と研修医制度につきまして、よい医師を育て、引き続き奈良で活躍してもらうためには、県内統一の研修医ごとのニーズに合った幾つかの研修医プログラムを策定すべきと考えるかどうかといったご質問をいただきました。お答えします。

 医師免許を取得後の臨床研修につきましては、医師として必要な診療能力を幅広く身につけるため、その到達目標が省令等で定められておりまして、各臨床研修病院が策定するプログラムは、この目標を達成するために必要な内容となっております。

 また、臨床研修終了後の専門分野の医療技術、知識を習得するための後期研修につきましては、各病院が研修医を確保いたしまして、優秀な医師を育成するために行われておりまして、各病院ではそれぞれの機能に応じた研修プログラム、こちらの方を策定しているところでございます。

 このような各病院の取り組みに加えまして、県では、地域医療に貢献する総合医の養成・確保が重要でございますので、県立五條病院や僻地診療所などで研修を行う総合医のためのへき地医療研修プログラムを策定いたしまして、研修希望者を募っているところでございます。

 また、県の奨学金制度におきましては、県内の幾つかの病院の特定診療科に従事しながら専門性を高めることのできる十一のコースを設定しておりまして、各奨学生の選択に応じたキャリア形成の支援を行っているところでございます。

 今後、これらの制度を効果的に運用するとともに、その成果を県内の各病院に紹介していきたいと考えております。

 続きまして、二問目でございますけれども、がん患者に対する心のケアにつきまして、現在、実施しているがん患者の自殺予防対策はどのようなことが行われ、今後どのようにするのか伺いたいとのお尋ねでございます。お答えいたします。

 尾崎議員お述べの、がん患者の自殺リスクに関する記事については、私もそのリスクの高さに驚いた次第でございます。自殺については、行政と民間一体になって取り組むべく、奈良県自殺対策連絡協議会を設置しまして、ならこころのホットラインによる相談などの対策を講じていますが、がん患者に特化した直接的な自殺予防対策は行っていないのが現状でございます。

 現在、医療面では、がん患者とその家族の苦痛を軽減するという観点から、がんと診断されたときの緩和ケアを推進しているところです。

 ことし一月に国から出されたがん診療連携拠点病院等の整備に関する指針においても、新たな指定要件として、医師から診断結果や病状を説明する際に、看護師や医療心理に携わる者などが同席することが追加され、現在、各病院で体制整備を行っているところです。

 また、がん診療連携拠点病院が中心となり、がん医療における病状の伝え方など患者とのコミュニケーションに関する研修も実施しています。

 さらに、がんの病態と治療に関する正しい情報の提供、療養生活などに関する相談を行う相談支援センターについては、相談員の研修により機能強化を図るとともに、がんに関する情報提供ポータルサイトがんネットならの開設や、冊子でございますがん患者さんのための療養ガイドの配布により周知に努めております。

 今後とも、がんは早期に発見し治療すれば生存率が高くなることや、治療と仕事の両立が可能な場合もあることなど、がんに関する正しい知識の普及啓発に努めるとともに、医療におきましても、がん患者の心のつらさに対するきめ細かな対応により、大切な命を無駄にすることのないよう努めてまいりたいと考えます。



○議長(山下力) 六番尾崎充典議員。



◆六番(尾崎充典) それぞれご答弁ありがとうございました。

 がん患者への自殺対策については、特に最初の一カ月、いや一週間が非常に大切だというふうに考えております。がんと闘い、あるいはがんとともに生きていこうという気持ちを持っていただき、社会で引き続き活躍していただけるような制度を、手厚い対応を要望しておきます。

 ER型救急と研修医制度についてですが、知事とほぼ同じ認識であることがわかりまして、再質問を予定していたんですが、課題の認識も、ER型を指導のできる医師が不足していて、その獲得が大変だということも認識は一緒でございますので、今後、厚生委員会等で議論しながら、よりよいものにしていきたいなというふうに考えます。

 統一の研修プログラムですが、今、奈良県にあるのと、実は福井県で見てきたのとは、少し意味合いが違うということなんです。例えば自治医大コースなんてあるんですよね。そちらの場合は、自治医大の人を大切にするんです。自治医大の人には義務が課されているんですが、大切にして福井県に残ってもらうというようなプログラムのようでございます。あと、奈良県でもそういう特別な枠の学生さんが医師になったときにしっかりと対応していただきたい旨の、さらなる研究をしていただいて、研修医をしっかりと獲得し、育てていっていただきたいと思います。

 それと、もう一点は、研修医も、人数なんですが、要望次第、厚生労働省の方に要望すれば、研修医枠の獲得枠もふやしていけるということです。本気の研修医制度は、やはり二けた以上の人材が来てくれることだというふうに認識しておりますので、現在、新奈良県総合医療センターでは八名、前年度までは八名だったようなので、それも、増員も含めて今後の奈良県の課題を解決するために必要なんだということで厚生労働省の方にも要望していただけたらと思います。

 以上で質問を終わります。



○議長(山下力) しばらく休憩します。



△午後二時二十二分休憩

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△午後二時三十八分再開



○副議長(井岡正徳) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 次に、二十番上田悟議員に発言を許します。−−二十番上田悟議員。(拍手)



◆二十番(上田悟) (登壇)議長より発言許可を得、登壇させていただきました。本日は四項目について質問をさせていただきます。

 それでは、まず一つ目、奈良県経済の活性化に向けた取り組みについてお伺いいたします。

 安倍内閣が発足して一年半が経過いたしました。安倍内閣は、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の三本の矢を一体とするアベノミクスを強力に推進してきました。特に三本目の矢として昨年六月に決定された日本再興戦略における投資の促進、新たな市場の創出、人材の活躍強化、世界経済とのさらなる融合という四つの柱の実行の加速化、強化、深化にしっかり取り組んできたことによりまして、一年目にして、株価、経済成長率、企業業績、雇用等、多くの経済指標で改善が見られています。

 また、本年四月から消費税率が五%から八%へ引き上げられ、税率の引き上げによる駆け込み需要とその反動減とともに、景気の下振れリスクが心配されたところでありますが、税率引き上げ後の経済の成長力の底上げと好循環の実現を図り、持続的な経済成長につなげていくための経済政策パッケージが功を奏し、その影響は想定の範囲内であったのではないかと考えているところであります。

 このまま日本経済を持続的な経済成長につなげ、視界に入ったデフレからの脱却のチャンスを逃さず、経済の好循環を実現していく必要があります。

 今月十六日に開催されました第十七回産業競争力会議では、このところ力強さを取り戻しつつある日本経済を本格的な成長軌道に乗せていく好機として捉えるとともに、ラストチャンスという認識のもと、大胆な政策を盛り込んだ日本再興戦略の改訂素案について議論がなされました。去る二十四日に閣議決定されたところであります。

 この新たな成長戦略の中には、スタートしても効果が出るまでにそれなりの時間を要することがあっても、制度改革、規制緩和などに積極的に取り組むことが日本を持続的な成長軌道に乗せるために大切なこととされており、私もこれに同じ考えを持つものであります。

 また、この戦略を成功させるためには、各地域において、自ら考え、工夫して、産業の振興に取り組んでいくことが不可欠であると考えているところであります。

 知事は、さきの二月議会におきまして、平成二十六年度は経済の構造改革に向けた取り組みを県政の主軸に据え、奈良県の発展を強力に進めていくと決意を述べていただきました。また、我が自由民主党の米田忠則議員の代表質問においては、奈良県経済の構造改革に向け、成長の可能性が見込まれる重点分野ごとに、産業興しの視点で活性化に取り組んでいくとの所見をお述べになりました。まことに時宜を得た取り組みであると考えるところであります。

 そこで、知事にお伺いをいたします。

 本県経済の活性化に大きな効果をもたらすと考えられる産業のリーディング分野、チャレンジ分野に焦点を当てた産業政策について、現在の取り組み状況をお聞かせください。

 次に、まほろば健康パークについてお伺いいたします。

 このたび浄化センター公園がリニューアルされ、新たにまほろば健康パークとして明日七月一日、グランドオープンします。この公園は、今まで浄化センター公園として利用されていた公園に新たに新県営プール棟スイムピア奈良を設置し、さらには新たにファミリープールに流水プールを取り入れるなど今までの施設も更新され、本当にすばらしい施設として生まれ変わりました。

 特に、スイムピア奈良の中には、五十メートルの屋外公認プールにあわせ、二十五メートルの屋内公認プール、さらには歩行用のプールを備え、あわせて二階にはトレーニングジムもあり、一つの施設でいろいろな利用ができるようになっています。

 また、スイムピア奈良の外に目を向けましても、さきに述べましたファミリープールにあわせまして、テニスコート、野球場、ジョギングコース、子ども広場など、スポーツ、遊びに加えて、健康づくりにつながるさまざまな施設を備えており、子どもからお年寄りまでのさまざまな利用者に楽しんでもらえる施設となると感じました。

 実は、昨日、私もその竣工式典に出席させていただいた次第でありますが、セレモニー終了後には、オリンピックメダリストと地元の子どもさんたちとの泳ぎ初めもあり、この場にいた一人として、この公園及びプールにふさわしいスタートを切れるものと予感をさせていただいたところでございます。さらに、まほろば健康パーク、スイムピア奈良という名称は一般の皆様から応募されたものであるということで、この公園が今後将来にわたり県民の皆さんに親しんでもらえる施設となることと願っております。

 この日に至るまでの関係の皆様方のご尽力、ご支援に対し、私からも御礼を申し上げておきたいと思います。

 さて、今後、この施設は、民間事業者により運営されていきますが、民間のノウハウがどのように生かされていくかについて大変関心があるとともに、県においても、この公園を活用する取り組みが必要であると考えているところです。

 そこで、今後、このまほろば健康パークをどのように活用していこうとされているのか、これも知事にお考えをお伺いしておきたいと思います。

 次に、観光ボランティアガイドへの支援についてお伺いをいたします。

 二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック開催決定を機に、おもてなしという言葉が大きくクローズアップされました。それは、見返りを求めないホスピタリティの精神であり、先祖代々受け継がれながら日本文化に深く根づいています。おもてなしという言葉は、日本人が互いに助け合い、お迎えするお客様を大切にすることをあらわしています。

 さて、歴史的な観光資源に恵まれ、それを地域振興に生かすべく取り組んでいる奈良県において、まさにそのおもてなしを日々実践していただいている方々がおられます。県内各地で活躍中の観光ボランティアガイドの皆さん方です。地域を訪れる観光客に対し、自発的に継続してさまざまな方法で案内、ガイドをする人たちです。

 私の地元・斑鳩町におきましても、法隆寺や藤ノ木古墳などさまざまな観光名所が点在することから、多くの観光ボランティアガイドの皆さん方が活躍していただいています。外国語に対応できるボランティアガイド団体もあります。皆さん手弁当で、文字どおりボランティアとして頑張っていただいているところであります。その活動は、本当に観光客の皆さん方に大変な好評を博しているとお聞きしております。

 一つ例を挙げますと、今、申し上げました私の地元では、斑鳩の里観光ボランティアの会という団体が、年間約四千数百件のガイド実績があるようでございます。そのうち千数百件のお手紙をいただくんだと。お帰りになった観光客が自宅へ帰ってから、ありがとうございました、お世話になりましたという意味の、いわゆるお礼状を、電子メールなりおはがきなりお手紙に託してお寄せいただいているということでございます。まさにこのような活動は、本当に好評であるということが実績として伺える一例でございます。

 自分たちの愛するこのまちを多くの方に知っていただきたい、そして好きになっていただきたい、そして再び訪れていただきたい、その熱い思いは、おもてなしの心そのものであろうかと思います。

 県下の他の市町村におきましても、多くの観光ボランティアガイドが観光客へのおもてなしに大いに貢献していただいていることと思います。これらの観光ボランティアガイドを、一つネットワーク化をし、共通意識のもと、奈良県のおもてなしを提供することは、本県の観光振興に非常に有効だと考えるものでございます。

 そこで、この質問は観光局長にご答弁いただきます。おもてなしの心あふれる案内で、本県の観光振興に大いに貢献していただいている観光ボランティアガイドの方々に対し、県としてどのように支援していかれるのかお伺いしておきたいと思います。

 四点目、小学校外国語活動についてお伺いします。

 国際化、情報化、科学技術の発展の中で、社会や経済などのさまざまな面でグローバル化が急速に進み、人、物、情報、資本などの国境を越えた移動が活発になっています。国際的な相互依存関係が深まる中、ますます多くの分野で外国語力が求められており、とりわけ国際的共通語であります英語のコミュニケーション能力を身につけることは、グローバル社会を生きる我が国の子どもたちの可能性を大きく広げる極めて重要なことであると考えます。

 このように、グローバル化が進展する中、政府は平成二十五年三月、教育再生実行会議第三次提言において、小学校の外国語教育を教科化する方針を盛り込みました。

 我が国の一層の国際化と国際社会で活躍する人材の養成のために、小学校における英語教育の充実が求められておりまして、今年度より体制整備等を逐次推進される予定であると聞いております。

 奈良県においては、これまでからも、小学校の外国語活動導入に先立ち、教員養成や研修に努めてこられました。また、平成二十三年度には英語教育の全国大会を本県において開催し、研究校を中心に、先進的な実践研究に取り組んでこられたとも伺っております。

 私自身も、常々、小学校段階で外国語を通じて言語や文化について体験的に理解を深めることは、小学生の柔軟な適応力を生かすことにもなり、コミュニケーションへの積極的な態度の育成や、将来のコミュニケーション能力を育成するために非常に大切であると考えています。

 そこで、教育長にお伺いをいたします。

 小学校において学習指導要領が全面実施となって四年目になりますが、県内小学校の外国語活動はどのように展開されているのでしょうか。また、外国語活動担当教員の指導力をどのように育成されているのでしょうか、お伺いをいたします。

 以上、質問とさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○副議長(井岡正徳) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)二十番上田議員のご質問がございました。経済の分野とスポーツ、運動の分野の二問が私に対してご質問がございました。

 まず、奈良県経済の活性化についての取り組み状況のご質問でございます。

 これからの日本において、地域経済の活性化を図っていくためには、地域が自ら考え、工夫して産業の振興に取り組んでいくことが重要であると考えております。それぞれの地域において、内発的自立的な地域経済を確立する努力をしなければならないのは、議員お述べのとおりでございます。

 本県では、これまで経済産業雇用振興会議を開催いたしまして、統計などをもとに本県経済の実態把握、過去の動向、今後の見込みの把握に努める中で、本県の経済構造が所得の源泉を他県に依存している割合が高く、県内での経済の循環が十分でなく、自立性の低いものであることがわかってまいりました。

 このような経済の構造から脱却することが大きな目標と考えるに至ったわけでございます。このような経済構造を、奈良県の経済構造を改革するために、産業興しをするという観点での取り組みをし始めております。本県の産業雇用に大きな効果をもたらすと考えられます九つの産業分野のチャレンジでございます。三つの産業分野、医療・介護・福祉、それと小売業、食品製造業をリーディング産業とし、また六つの産業分野、宿泊業、料理・飲食業、農業、林業、教育・研究・文化、漢方の六つをチャレンジする産業分野として位置づけ、それぞれの産業興しのための検討を始めているところでございます。

 現在の庁内の取り組み状況でございますが、部局横断の産業興しプロジェクトチームを設け、九つの産業分野それぞれに関係の深い部局が主担当となり、業界関係者や有識者へのヒアリング、統計データの収集・分析等により現状を把握するとともに、課題を整理し、産業興しにつながる取り組みの方向性について議論を進めております。九頭の馬が出馬いたしましたので、どの馬が一番先にゴールに駆けつけるか、上田議員の目からもよく見ていただいて、ちょっと職員にプレッシャーがかかるような発言をいたしましたが、各分野、大変頑張っていただいておりますが、なかなか難しい分野もございますので、それぞれ駆け抜けるように、叱咤激励をしているところでございます。

 県が果たすべき役割として、大きな分野として、販路開拓とブランド力の向上という二つがあるのではないかと考えております。販路開拓の中の考え方でございますが、経済は、生産、流通、消費という過程が異なる事業者の手をわたりまして、一貫して品物やサービスが運ばれるわけでございますが、川上であれ、川下であれ、その過程で採算性が悪いなどの理由で事業の分野が欠けているという産業がございます。奈良県の産業として、一貫した生産、販売ができていない産業も見受けられたものでございます。林業などにおいては、一部、そういうことがネックになって、一貫した生産、販売の量が少ないというようなことがございます。そのような一部の事業が細くなっているところにおきましては、県自らが主体となってその事業を興すということも視野に入れまして、一貫した産業構造を改革するという方向での検討を始めております。

 また、ブランド力の向上におきましては、鉄則があるように思っております。悪い物を売らない、悪いサービスはしない、質の向上に不断の努力をする、奈良のよいところは広く宣伝するという鉄則でございます。これまでは、残念でございますが、悪い物でも高く売りたいというような生産者、流通者もなきにしもあらずでございます。観光におきましては、一過性のお客さんを中心に、リピーターに目を向けていなかったという面もあろうかと思います。各分野の事業の構造、あるいは行動の特殊性を洗い出すことによって、それを一々改善していくという努力が要るわけでございます。多少の業者の方たちとの衝突とか意見の食い違いが生じる可能性がございます。

 今後、各分野の取り組みの方向性についてさらに議論を深め、また多少の実験をしていきたいと思いますが、施策への具体化が見えてまいりましたら、すぐ取り組むことができるものでありましたら、補正予算の時期などにも予算化をお願いしたいと思っておるところでございます。

 どの馬が最初に、かいばと言いますか、ニンジンに食いつくか。どうぞニンジンをぶら下げて、走るようにし向けていただければというふうに思うものでございます。

 本県経済の活性化に向けた取り組みは、一朝一夕にできるものでは、こういう、今してもできるものではございません。先進的他県における、実に長い期間の取り組みをされていることは強く印象づけられるところでございます。本県では、ようやくこうした産業興しの取り組みが始まりました。それを粘り強く着実に進め、県内で投資、消費、雇用がうまく循環するような経済構造になっていくように一層努力をしていきたいと思うものでございます。

 まほろば健康パークのお話がございました。

 まほろば健康パーク及びスイムピア奈良は、県営浄化センター公園の再整備といたしまして、奈良県で初めてのPFI方式により事業を進めてまいりました。あしたから供用開始というふうになりました。昨日のオープニングセレモニーでは、県議会議長をはじめ多くの県議会議員の方々にも参加していただきました。そのほか、この事業にご尽力いただきました関係各方面の皆様方に、この場を借りまして深く感謝をする次第でございます。

 この施設は、健康増進・リハビリの中核施設、さらには福祉型スポーツ施設といたしまして子どもから高齢者まで、あらゆる年齢の誰もが利用できる一方で、県内の水泳競技の拠点施設という両方の目的を達成するコンセプトで整備を行ってきております。

 議員ご指摘のとおり、この施設は指定管理者により維持管理・運営されることになっておりますが、指定管理者の自主事業によりまして、プール、スタジオ等でスポーツ教室が開催される予定でございます。このスポーツ教室は、あらゆる人が、ライフステージや身体特性に応じて楽しめるように配慮されているようでございます。例えばスイムピア奈良のトレーニングジムには、軽い負担で操作できる機器が導入されており、リハビリのために利用されるという目的になっております。

 このような指定管理者の取り組みにあわせまして、県としても積極的な利活用を行ってまいる所存でございます。その一環として、ことし十一月には、まほろば健康パーク一帯で、家族連れや高齢者の多くの県民が楽しく健康的に過ごす機会として、おでかけ健康フェスタというイベントを開催する予定でございます。

 また、競技面でございますが、スイムピア奈良にある五十メートル屋外プール、二十五メートル屋内プールは、公益財団法人日本水泳連盟の公認をいただいております。全国規模の競技大会が開催可能でございます。今後、そのような競技大会の誘致について、指定管理者と連携を図り、積極的に取り組んでいきたいと思います。また、きのうのご挨拶でもありましたように、県内のトップアスリートが次のオリンピックまた東京オリンピックを目指すことになればとも願いますので、その育成、強化にも活用していただきたいと思っておる次第でございます。

 私に対する質問は以上でございました。ご質問ありがとうございました。



○副議長(井岡正徳) 福井観光局長。



◎観光局長(福井義尚) (登壇)二十番上田議員のご質問にお答えします。

 私には、本県の観光振興に大いに貢献している観光ボランティアガイドの方々に対しまして、県ではどのように支援していかれるのかのお尋ねでございます。お答えいたします。

 奈良県は、古代から連綿と続く歴史文化遺産や、四季折々のすばらしい自然景観など他県にはない観光資源を数多く有しております。その本物の魅力を学習し、その成果を来訪者に語り伝える観光ボランティアガイドの方々が県内各地で活躍されています。

 とりわけ本県は観光ボランティアガイドの活動が盛んです。千八百人を超える方々が活動されており、その規模において先進県であるだけではなく、その情熱あふれる案内、おもてなしの姿勢には、日ごろから敬意を表しているところでございます。

 従来から県では、奈良県観光ボランティアガイド連絡会を組織いたしまして、その事務局を担っております。主な取り組みといたしましては、各ボランティアガイド団体相互の連携とガイド力向上を図るため、各団体代表者によります意見交換会を年四回、またガイド全員に参加を呼びかける研修会を年二回開催しております。

 また、地元のエリアにおきまして、それぞれの団体が記紀・万葉ゆかりの地をめぐるウォークイベントを毎年開催していただいております。昨年度は十五回開催していただき、参加者も年々増加しているところでございます。

 地元を熟知する観光ボランティアガイドならではの魅力的なコース設定と心のこもった現地案内が大変好評です。県からは、各ウォークイベントへの支援といたしまして、資料代等を補助させていただていますほか、リーフレットの作成や各種メディアへのPRなどに努めているところでございます。

 さらに、来年二月には、全国の観光ボランティアガイドが集まります奈良県大会を開催いたします。全国で活動する他県のガイドと本県のガイドが奈良の地に集まっていただきまして、互いに研さんに励み、交流を深めることによりまして、おもてなし力やガイド活動の資質の向上を図ろうとする狙いでございます。

 本県の観光振興の柱であります記紀・万葉プロジェクトを推進する上でも、観光ボランティアガイドの活動は不可欠です。また、外国語に対応できるガイドの需要もふえております。

 今後とも、各ボランティアガイド団体と密に連携をとりながら、その活動のさらなる活性化のため、積極的な支援を行ってまいります。

 以上でございます。



○副議長(井岡正徳) 吉田教育長。



◎教育長(吉田育弘) (登壇)二十番上田議員のご質問にお答えいたします。

 私には、県内小学校の外国語活動の状況と、担当教員の指導力の育成についてのお尋ねでございます。

 平成二十三年度から、小学校においては五、六年生で週一時間、年間にいたしますと三十五時間の英語による外国語活動を行っております。本県では、現在、三、四年生でも実施する公立小学校が三十九校あるほか、十一校は文部科学省に教育課程特例校の申請を行い、一年生から実施いたしております。

 こうした県内小学校の低学年への外国語活動の広がりに対応するため、県教育委員会では、今年度から国の指定を受け、小学校における英語教育の適切な開始年次や授業時数、小・中学校の連携等について研究することといたしております。県内三つの中学校区を指定し、一年生から四年生までは外国語活動として、五、六年生では会話ができるなどの生きた英語教育を実施する、このような六年間での実証的研究を進め、その成果を県内小学校に普及してまいります。

 次に、外国語担当教員の指導力については、平成二十年度から平成二十二年度の三年間、集中して指導主事を小学校に派遣して実践的な研修を行い、小学校教員の英語力の向上に努めてまいりました。その後、外国語活動が全面実施となりました平成二十三年度からALTとの授業づくり研修講座などを開催いたしました。さらに、今年度からは、奈良教育大学と連携して英語指導パワーアップ講座を年間五回実施し、さらなる指導力の向上を目指したいと考えております。

 また、外国語活動の指導体制を強化するため、今年度の小学校教員採用から英語の教員免許を有するなど英語に高い専門性を持った教員の特別選考枠を設けたところでございます。この制度で採用された教員は、小学校外国語活動推進のリーダーとして活躍できるよう育成してまいります。

 今後、小学校での外国語活動が英語教育に移行することも視野に入れながら、外国語活動の充実と教員の指導力の向上に努めてまいる所存でございます。

 以上でございます。



○副議長(井岡正徳) 二十番上田悟議員。



◆二十番(上田悟) 答弁ありがとうございました。

 まず、知事からご答弁いただきました産業興しについて、知事は三つのリーディング分野、六つのチャレンジ分野、九頭の馬という例えをなさってお答えいただきました。九頭の馬、全てうまくいきますようにご期待を申し上げておきたいと思います。

 まほろば健康パークについてでも、二つの目的、スポーツ、遊び、そして健康づくり、二つの目的をというコンセプトをお持ちでございますが、これも二兎を追う者二兎とも得るように、県の積極的な取り組みをお願いしておきたいなというふうに思います。

 きょう質問させていただいた中で、この観光ボランティアガイドの支援について、そして小学校の外国語活動について、これは、私は自分の住まいしている地元の実例をもって、このような活動をもう少し県としてスポットを当てるべきじゃないのかなという思いで質問を立てさせていただきました。

 先ほど質問の中にも触れさせていただいたのですけれども、まず観光ボランティアガイドの件ですけれども、私の地元、斑鳩町には二つの団体がございます。斑鳩の里観光ボランティアの会、先ほど質問で申しましたように、年間四千数百件というガイド実績、これも六年続いています。本当に実績が豊富で中身が大変充実している。先ほど申しましたように、お礼状の届く数もすごいということで、本当に私は評価の高い団体だと思っているんです。こういう団体の活動を、先ほど観光局長お答えいただきましたボランティアガイド連絡会の加盟団体、やはり横の連絡と言いますか、情報交換、そして意見交換、これをこういう奈良市にもすばらしい団体があるとお聞きしています。高取町のボランティア団体もすごい活動をなさっていると聞いています。そのように、県内各地にたくさんそのような団体、活動していただいていますので、連絡調整、積極的な連携をすることによって、お互い情報の交換、そして意見交換を持って県全体のレベルアップにつながるというふうに思いますので、そういう意味でのネットワーク化、研修や交流会などをもっと積極的に県としては、力をいれてあげていただきたいとお願いするものでございます。

 この斑鳩の里観光ボランティアの会の方の事例をもう少しちょっと詳しくお話ししますと、それぞれ手づくりでガイドブックなどをおつくりになっているんです。これ、全て自前です。自費で、自分のポケットマネーでおつくりになっているんですね。このように観光客の方によりわかりやすい法隆寺学と言うんですか、斑鳩学を学んでいただくというおもてなしをしていただいているんですけれども、実は、このガイドさんが、そこへ集まる、ガイドさんの拠点に集まる事務所までの交通費、もちろんペットボトルのお水一つ、全てこれは自前なんです。それどころか、このガイドさんが事務局に集まるために駐車場に車をとめるのにも、自分で駐車料金をお支払いになっているんです。これだけでも免除してあげたらどうなのという議論も地元であったんですけれども、いや、お金の問題じゃないと、私たちは気持ちでやっているんだから、駐車料金を払ってでもボランティア活動をしますという形で取り組んでいただいています。こういうところへ支援の目を向けていただきたいなということもあわせて申し上げておきたいと思います。

 それと、もう一つの斑鳩町の団体で、斑鳩アイセスSGG、これはいわゆる外国語対応のガイドさんでございます。ここで、これは教育長にもお聞きいただいておきたいんです。実は、きょうもなんです。斑鳩中学校の三年生がこの外国語対応の斑鳩アイセスのボランティアガイドさんのところへ同行させていただいているんです。先ほど答弁の中でおっしゃいました生きた英語教育という言葉がございましたけれども、まさに地元で生まれ育った子どもが地元の法隆寺を学ぶと同時に、外国人の観光客と一緒にさせていただく体験をして、まさに生きた英語教育を実践しているんですね。これは、この斑鳩アイセスSGGというボランティア団体さんと斑鳩町教育委員会、そして斑鳩中学校、斑鳩南中学校、このコラボレーションで成立しているものなんですけれども、奈良市内でも外国語対応のボランティアの団体がたくさんございます。こういうのをやはりもっと広げていただくことによって、先ほど、ちょっと連動した形になります、教育長にお尋ねした外国語教育というものにもつながる、これは奈良県だからこそできる取り組みになるんじゃないのかなというようにも思いますので、そのようなことも指摘しておきたいと思います。

 外国語教育は、先ほど教育長はおっしゃいました、五年生、六年生から、いわゆる英会話を含む実践的な教育ということでございます。今、申し上げたボランティアについていっているのは中学校三年生ですけども、十分に二年生も一年生も、小学校の高学年も、私はできると思います。そのような順応性を子どもさんたちは皆、お持ちいただいていると思いますので、このような形で国際力をつける奈良県の子どもたちを育ててあげていただきたい、そのような思いも述べさせていただいておきたいと思います。

 またいろんなことは委員会でお話しさせていただくこととして、以上できょうは終わらせていただきます。終わります。

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○副議長(井岡正徳) 十五番森山賀文議員。



◆十五番(森山賀文) 本日は、これをもって散会されんことの動議を提出します。



○副議長(井岡正徳) お諮りします。

 十五番森山賀文議員のただいまの動議のとおり決することにご異議ありませんか。

     (「異議なし」の声起こる)

 それでは、さように決し、明、七月一日の日程は当局に対する一般質問とすることとし、本日はこれをもって散会します。



△午後三時十八分散会