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奈良県 奈良県

平成26年  6月 定例会(第315回) 06月26日−02号




平成26年  6月 定例会(第315回) − 06月26日−02号







平成26年  6月 定例会(第315回)



 平成二十六年

        第三百十五回定例奈良県議会会議録 第二号

 六月

    平成二十六年六月二十六日(木曜日)午後一時開議

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          出席議員(四十二名)

        一番 宮木健一          二番 井岡正徳

        三番 大国正博          四番 阪口 保

        五番 猪奥美里          六番 尾崎充典

        七番 藤野良次          八番 太田 敦

        九番 小林照代         一〇番 大坪宏通

       一一番 田中惟允         一二番 岡 史朗

       一三番 畭 真夕美        一四番 乾 浩之

       一五番 森山賀文         一六番 宮本次郎

       一七番 山村幸穂         一八番 欠員

       一九番 松尾勇臣         二〇番 上田 悟

       二一番 中野雅史         二二番 神田加津代

       二三番 安井宏一         二四番 奥山博康

       二五番 荻田義雄         二六番 岩田国夫

       二七番 森川喜之         二八番 高柳忠夫

       二九番 今井光子         三〇番 和田恵治

       三一番 山本進章         三二番 国中憲治

       三三番 辻本黎士         三四番 米田忠則

       三五番 出口武男         三六番 新谷紘一

       三七番 粒谷友示         三八番 秋本登志嗣

       三九番 小泉米造         四〇番 中村 昭

       四一番 欠員           四二番 山下 力

       四三番 梶川虔二         四四番 川口正志

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        議事日程

一、当局に対する代表質問

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○議長(山下力) これより本日の会議を開きます。

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○議長(山下力) ただいまより当局に対する代表質問を行います。

 順位に従い、三十六番新谷紘一議員に発言を許します。−−三十六番新谷紘一議員。(拍手)



◆三十六番(新谷紘一) (登壇)議長並びに同僚議員のご配慮をいただきまして、自由民主党代表質問をいたします。

 質問の前に、今月八日、桂宮宜仁親王殿下がご薨去されました。宜仁親王殿下には、日・豪・ニュージーランド協会、大日本農会、大日本山林会、日本工芸会等の各総裁として、国際親善とともに、農林業や伝統工芸などさまざまな分野に幅広く、多大な貢献をしてこられました。このたびの宜仁親王殿下のご薨去を心から哀悼申し上げますとともに、謹んでお悔やみ申し上げます。

 なお、荒井知事におかれましては、県民の目線に立ち、県益のために、海外にも目を向け、行動されている姿は立派なものであると認識をいたしております。先日、新公会堂で行われましたムジークフェストならの「ドイツの夕べ」に奥さんと仲よく出席されておられたその姿を見て、うらやましくも思ったところでございます。

 それでは、早速質問に入らせていただきます。

 まず、リニア中央新幹線についてですが、私は、昭和五十四年に三十七歳で県議会に初当選をさせていただいた際、地元支援者の方々からお手紙をいただき、足元を見詰め、こつこつと一歩一歩山を登る姿は、理想・夢を実現する早道であり、山をおりる姿は慢心者の姿であると教えていただきました。以来、この山を登る姿を座右の銘にして、今日まで歩んでまいりました。

 また、一歩ずつ踏み締めて頑張っている姿は、まさに人づくりにも通じるものであります。

 さらに、たぎる情熱、誤らない判断、将来に対する責任、三つを政治信念として取り組んできたところであります。

 リニア中央新幹線の建設促進についても、将来に対する責任を果たすためにも、山を登る姿を原点に、着実に進める必要があると考え、二十六年前の昭和六十三年以来、これまで七回本会議で取り上げさせていただきました。

 また、平成元年十二月開催された本会議で、提案理由を説明したリニア中央新幹線の建設促進と奈良駅設置に関する決議が、全会一致で採択をされたところであります。

 奈良県では、知事を会長とするリニア中央新幹線建設促進奈良県期成同盟会が昭和五十四年に設立され、また、東京都、神奈川県、山梨県、長野県、岐阜県、愛知県、三重県、奈良県、大阪府とリニア中央新幹線のルート上の九都府県選出の国会議員からなる議員連盟も当時結成をされ、その総会にも参加をいたしました。最近では、平成二十四年に設立された三重県・奈良県リニア中央新幹線建設促進会議にも出席をさせてもらいましたが、一方、本年三月には、県議会の自由民主党議員団において、ルートや全線同時開業について国土交通省への要望活動を行い、山梨県でリニア中央新幹線の駅予定地の視察を行っていただきました。

 さらに、五、六回、地元支持者とともに山梨県にあるリニア中央新幹線の実験線で当時最高速度四百四十三キロメートルを体験し、リニア中央新幹線の早期実現を夢見たことを覚えております。

 昭和四十八年に奈良県を通る基本計画は、当時の新谷寅三郎運輸大臣のもと、建設費が概算で約三兆円、着工後七、八年で完成するという計画でありました。

 先般、平成二十三年に政府において整備計画が決定され、建設費の概算も約九兆円、名古屋までの開業時期が平成三十九年、大阪までが平成五十七年となっております。

 現在は、名古屋以東において環境影響評価が進み、JR東海は、今年中の工事着工を目指していると承知をしております。

 知事はじめ関係者のご尽力により、リニア中央新幹線の建設促進に向けた動きが加速しており、夢が現実のものとなってまいりました。

 また、リニアの技術は、もともとアメリカにおいて先行しておりましたが、その後、日本の技術力が高まり、ことしの四月、国賓として来日されたアメリカのオバマ大統領に対して、安倍内閣総理大臣がJR東海のリニアの技術を提案し、売り込むまでになってきております。

 自由民主党超電導リニア鉄道に関する特別委員会においては、全線同時開業に向けて政府の財政支援等を求める決議がなされ、川崎二郎衆議院議員が会長となる、自由民主党大阪−名古屋−東京間リニア中央新幹線同時実現を目指す議員連盟においても、資金面でJR東海を支援することで東京−大阪間の全線同時開業を目指す動きとなってまいりました。

 東京・名古屋・大阪はJR東海が負担し、中間駅の建設費は地元負担とされ、地上駅なら約三百五十億円、地下駅なら約二千二百億円となっていましたが、この巨額の費用をJRが負担すると表明した途端、京都府の山田知事が京都ルートを提唱したことは、今までの経過を無視した不自然きわまりないことであります。

 国会議員による議員連盟にも参加せず、これまでリニア中央新幹線の建設促進運動にもかかわってこなかった京都府が中間駅の設置を表明したことは道義的にも考えられないことであります。

 ことし三月に、京都ルートは八百十億円の経済波及効果があり、三重・奈良ルートの約二倍であると公表しましたが、そもそも国がリニア中央新幹線の整備計画を決定するに当たっては、起こってはならないことでありますが、大災害時の観点から東海道新幹線とできるだけ離すことが重要であり、二十回の審議の結果、基本計画と同様、奈良市附近が主要なルートとして決定されたものであります。

 加えて、このリダンダンシーの観点から、国の国土強靱化基本計画においても、リニア中央新幹線の整備推進が位置づけされたところであります。

 東京−大阪間の全線が整備されることにより、その効果は最大限に発揮されるものであり、大阪府の経済効果調査でも、奈良県を経由するルートを前提に、東京−名古屋間のみの開業よりも、東京−大阪間の全線開業の経済効果が一・四倍大きいと報じられているところでございます。

 なお、佐藤会頭をはじめ、大阪商工会議所も三重・奈良ルートを協力すると表明されているところであり、本年四月に開催されたリニア中央新幹線建設促進奈良県期成同盟会の総会では、奈良市附近駅の早期確定と三重・奈良ルートによる早期の全線同時開業を目指し、一致団結して取り組んでいくことを確認し、私が万歳三唱の音頭をとったところであります。

 リニア中央新幹線のルートは、そのほとんどが大深度法の適用を受けるため、環境影響評価への影響は少ないと考えます。環境影響評価の手続がなされていないからといって名古屋−大阪間のルートや駅が決定できないという、問題を先送りするやり方には私は納得できません。

 本県選出の高市早苗衆議院議員が会長を務める自由民主党政務調査会においても、国費を投入することにより早期の全線開業も提案されており、スピード感を持って建設すべきであります。今後は、これまでの国における基本計画、整備計画の経緯を踏まえ、京都府も協力していただき、全線同時開業に取り組んでいただきたいと考えます。

 そこで、私は将来に対する責任を果たすためにも、JR東海が工事着工する本年中に、東京−大阪間の全線同時着工、同時に開業すべきと考えますが、また、生駒市、奈良市、大和郡山市が駅設置について手を挙げておりますけれども、早急に一本化すべきと考えます。これらについて知事のお考えをお伺いいたします。

 次に、観光立県である奈良県の観光振興の取り組みについて三点お伺いをいたします。

 まず、県営プール跡地活用プロジェクトについてお伺いします。

 知事は、就任後間もない二〇〇八年二月に観光振興の一環として、県営プール跡地を活用して、大型で良質なホテルの誘致を決断されました。

 当時、私は、平城遷都一三〇〇年祭を控えた時期でもあり、一方で、性急な決定ではないかと一抹の不安も同時に感じたものの、地域振興のために自由民主党県議団も、その取り組みを応援してまいりました。

 知事は、その以後も、たゆまず、このプロジェクトを推し進めてこられ、本年二月に、新たに県営プール跡地活用プロジェクトの構想を発表され、このプロジェクトは日帰り観光から滞在型観光へと奈良観光のあり方を抜本的に変革する起爆剤として奈良県の観光資産を生かした地元の消費・雇用の創出と自立的地域経済圏の確立を目的に、国際級ホテルを核としたにぎわいと交流の拠点整備を目指しておられます。

 また、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックを控えて、景気の回復も実感を伴うものとなってきております。まさに、この好機を逃さず、県営プール跡地活用プロジェクトを推し進めていくことが必要であります。県は、ホテル事業者の公募を、この夏にも再び実施することを示され、その実現に向けて大きくかじを切られました。

 そこで、東京オリンピック・パラリンピック開催による景気浮揚効果が享受できるよう、このプロジェクトの早期実現に向けてどのように取り組まれるのか、また、このプロジェクトにより将来の奈良県の観光をどう描いておられるのか、お伺いをいたします。

 次に、奈良観光キャンペーンの取り組みについてお尋ねをいたします。

 昨年、伊勢神宮では第六十二回式年遷宮が行われました。

 メディアの情報が、新たな観光客やリピーターを呼び込むといった連鎖反応から、おかげ横丁をはじめ、地元や周辺地域では大変なにぎわいで、飲食店や土産物店等、近隣府県も含めたホテル等の宿泊客の増加など、その経済効果は相当大きなものでありました。

 奈良県では、平成二十八年、奈良春日大社において第六十次式年造替が行われます。春日大社は、自然資源、歴史資源など数多くある類いまれな、世界に通じる観光地である奈良公園にあり、世界遺産、古都奈良の文化財の一つとして登録されており、東大寺や興福寺、法隆寺、橿原神宮等とともに、奈良県に来られる観光客の誰もが訪れる場所であります。

 特に、近年では、国内からの観光客だけでなく、海外観光客が増加しており、日本の心のふるさととも言える本県は日本の文化に触れたいという志向も強いと思われますので、非常に期待しているところであります。

 しかし、奈良県の魅力は、春日大社の式年造替もさることながら、県内には、何度も訪れたくなる魅力がたくさんあります。

 そこで、既に、昨年度末から東京や九州などで、この春日大社の式年造替を中心としたキャンペーン活動を行っておられますが、これまでどのような活動を行ってこられ、その成果をどのように評価されているのか、お聞かせください。

 また、このキャンペーンは一過性のものではなく、もっと将来に向けた長期的な取り組みとすべきと考えますが、今後、どのように展開していこうと思っておられるのか、知事にお伺いをいたします。

 続いて、観光振興の三点目として、自公連立政権で年内にも法案が成立すると称されている、カジノの誘致についてお伺いをいたします。

 カジノについては、犯罪の増加と治安の悪化、ギャンブル依存症の増加、青少年への悪影響など、さまざまな問題点が指摘されていることは十分認識しております。

 しかし、アメリカやヨーロッパでは、イギリス、ドイツ、フランスなどが、アジアではマレーシア、韓国などにカジノがあり、観光資源の一つとなっております。

 一方、我が国を訪れている外国人は、年々増加しているのも事実です。知事は国際文化観光立県として、外国人観光客の誘致にも取り組んでこられました。

 カジノは新たな観光資源となり、世界各国の富裕層も多く訪れ、新たな交流が生まれ、長時間滞在することから、宿泊観光にもつながる、地域経済の発展にも大きく寄与することが想定されます。古都だからこそ、新たな視点でカジノの誘致について検討してみてはどうでしょう。知事のお考えを、お伺いをいたします。

 次に、奈良マラソンについてお伺いをいたします。

 ことしで第五回目となる奈良マラソンですが、奈良の冬の一大スポーツイベントとして定着してまいりました。

 奈良マラソンにつきましては、平成二十年二月議会の本会議において、奈良県体育協会の会長である知事に、平城遷都一三〇〇年祭の一環として市民参加型のフルマラソンを開催してはいかがと提案を申し上げましたところ、お取り上げいただき、平成二十二年十二月に第一回大会が開催されました。

 開催に当たっては、運営ノウハウの習得、関係機関との調整、コース選定等々、幾多の課題があったと思います。特に、奈良県陸上競技協会の会長の森岡会長や北谷理事をはじめ、以前に奈良市内で開催されていた大仏マラソンにもかかわっておられた方々には大変ご苦労をおかけいたしました。大会関係者のご努力に改めて感謝申し上げたいと存じます。

 さて、平城遷都一三〇〇年祭を一過性のイベントとして終わらせることなく、後に残るイベントをとの知事の強い思いが実り、今では大変盛大で人気のある大会として、十二月に開催されることで観光のオフシーズン対策にも寄与し、経済的な効果も大きいと聞いております。提案した私といたしましても、大変喜んでいるところです。

 この奈良マラソンをオリンピックや世界陸上など国際大会の代表選手選考会にと願っておりました。しかし、現在国内で認定されている選考会は日本陸上競技連盟の基準をクリアした大会に限定され、男子では福岡国際マラソン・東京マラソン・びわ湖毎日マラソン、女子では横浜国際女子マラソン・大阪国際女子マラソン・名古屋ウィメンズマラソンとなっており、一般市民ランナーはエントリーできないような厳しい時間制限のある大会となっているようであります。

 タイムを競うことはもちろん重要ですが、奈良マラソンは、タイムを競う競技会のみならず、ランナーと地域が一体となって走ることを楽しむ大会であるということが、地元市民やランナーやボランティアの方々から聞いている評価でもあります。

 そこで、奈良マラソンはことしも十二月十三、十四日の両日に開催されますが、この第五回記念大会を経済効果も含めて、どのように盛り上げようとしておられるのか。また、今回の記念大会を契機として、今後奈良マラソンをどのように発展させようとしているのか、知事のお考えをお聞かせ願います。

 次に、大和茶の振興についてお伺いをいたします。

 近年、農業は、価格の低下や生産コストの高どまりなど、農業所得の低迷、生産者の減少、高齢化など厳しい状況にあります。

 政府では、現在TPP交渉の妥結に向けた協議に臨んでおられるところでありますが、今月、甘利経済財政政策担当大臣と旧交を温め、意見交換をいたしましたが、アメリカの交渉に、毅然とした態度で臨まれたことに敬意を表しておきました。しかし、日本がTPPに参加し、関税が即撤廃されることになった場合、農林水産省の試算によれば、農林水産省の産出額が三兆円程度減少し、食料自給率は四〇%から二七%程度に低下するとのことであります。

 また、農業の多面的機能の喪失額が一兆六千億円程度と想定され、農林水産業及び農山村にとって打撃を与えることになると懸念しております。TPPへの参加は、奈良県農業にとっても少なからず影響を与えることと心配をしているところです。

 さて、大和高原を中心に、味と香りが日本一と言われる大和茶が生産されておりますが、しかしながら、近年、全国的に生活様式の多様化によりお茶の消費が減少し、荒茶の販売価格の急激な低下により、離農する農家や廃業する茶商の皆さん方、多いと聞いており、茶業関係者にとって非常に厳しい状況となっております。

 こうした中、お茶は健康長寿への効果が実証されていることなどもあり、茶業関係者が半世紀にわたって運動の展開をしてきたお茶の振興に関する法律が、全国茶生産団体連合会会長として、私が、当時の鹿野道彦農林水産大臣と再三にわたり折衝し、国会に提出されました。

 茶業関係者の協力の上、平成二十三年四月に法律が公布され、これを契機に三期六年務めた会長を後任に譲ることといたしました。

 茶文化は日本人の心であり、その歴史を誇る茶文化の振興と食育を通じた消費拡大を図るとともに、和食がユネスコ世界無形文化遺産に登録されたことも踏まえ、農林水産省と文部科学省との連携による米食と日本緑茶の学校給食への提供義務化や、学校教育でのお茶に関する伝統と文化のカリキュラム化が重要と考えております。

 さて、知事は、先般スイスのベルンを視察され、積極的に海外との友好を深められていることから、ぜひ茶文化の振興とあわせて、世界の人口がこの約三十年間で五十億人から七十億人になったこともあり、保存のきく日本茶、特に、本県の特産品である大和茶の輸出振興を、図っていただきたいと考えております。

 県においては、リーディング品目の一つとして茶を選定され、さまざまな政策を展開していただいているところですが、私としては、これまで以上に大和茶の振興を充実する必要があると考えております。所見をお伺いいたします。

 次に、公益財団法人奈良県林業基金の解散についてお伺いをいたします。

 奈良県林業基金は、県、市町村、林業及び木材団体により、昭和五十八年に設立されました。

 設立以来、分収造林事業により約千三百ヘクタールの森林造成を実施するとともに、延べ約三十四万人の林業労働者の雇用を創出してきましたが、このたび解散することとされました。

 そこで、このたびの奈良県林業基金を平成二十八年度末をもって解散すると発表されましたが、なぜ、今、解散することを決められたのか、また、解散に伴い県の財政負担はどのようになるのか、知事のご答弁をお願いいたします。

 続きまして、道路整備についてお伺いをいたします。

 本県の道路整備は、他県に比べて大きく立ちおくれており、国道及び県道の整備率は全国第四十五位、京奈和自動車道の整備率も四一%となっています。このため、平野部では、渋滞や交通事故が多発し、山間部では、生活に密着した道路であるにもかかわらず、すれ違いが困難な箇所が多く残されるなど、幹線道路、生活道路を問わず、整備のおくれに起因する課題が山積しています。特に、鉄道網がない中山間地域にとっては、道路は生活に欠かせない重要な社会基盤となっており、整備のおくれは日常生活に大きな課題となっております。

 道路整備の財源については、従来から道路特定財源が使われてまいりました。ご存じのとおり、道路特定財源は道路を整備するための目的税であります。その目的のために、ガソリンには一リットル当たり約二十五円、軽油は約十七円の暫定税率が上乗せされ、車の利用者にとって負担を強いられている状況であります。

 道路整備のために徴収された道路特定財源が、福田政権時代において、一般財源化されました。このことは、道路整備のための貴重な財源が、道路整備以外に使用されることを意味しています。

 政治家の公約には、必ず、福祉の充実や教育の振興が上げられていますが、福祉や教育の予算を道路整備に使うのは許されないと同様に、目的税であった道路整備の予算を福祉や教育に使うことは許されません。

 一般財源化された平成二十年度の、道路特定財源は約五兆四千億円ありましたが、平成二十六年度には約四兆六千億円となっています。そのうち、約一兆一千億円が道路整備以外にも利用が可能な予算となりました。

 化石燃料は現在高騰しております。道路整備にこれらの税金が投じられないのであれば、政府は暫定税率を外し、道路利用者の負担を軽減すべきでありましょう。

 道路は生活に欠かせない重要な社会資本です。私はことし五月に、国土交通省に直接お伺いし、強く提言、要望してきたところでありますが、そういった国の政策の変化もあり、ますます厳しい財政状況となっている中、本県では、おくれている道路整備を取り戻すために、骨格となる幹線道路や市街地の都市計画道路と同様に、土地収用法を積極的に活用し、整備を推進すべきと考えておりますが、県として、道路整備財源の確保を図るとともに、本議会に、道路の総合かつ計画的な整備を図るための基本的な計画である、奈良県道路整備基本計画が議案として上程されています。これは、今後、本県が道路整備を進めていく上で、大きなかじ取りになると考えております。

 そこで、今後、本県はどのように道路整備を進めようとしておられるのか、特に、鉄道網のない中山間地域の道路整備についてどのように進めようとしておられるのか、お伺いをいたします。

 最後になりましたが、警察本部長にお伺いをいたします。

 県警察では、昨年、日本一安全で安心して暮らせる奈良県の実現という運営方針を掲げ、安全・安心を実感できる治安の確立や安全・安心で快適な交通社会の実現のために、県警察の総力を挙げて、自治体、関係機関等との協働をはじめとした各種対策を強力に推進してこられました。

 こうした対策により、本県の治安情勢は、十数年前の犯罪や事故の情勢に比べ、大幅な改善が見られてきております。

 こうした状況の中で、このたび着任されました橋本警察本部長には、私をはじめ、県民の誰もが大きな期待を寄せているところであります。

 そこで、県の治安を担う最高責任者として、今後、どのように県警察を運営されようとしているのか、着任に当たっての抱負と所信をお伺いをしておきます。

 以上、ちょっと早口になりましたが、知事はじめ警察本部長には、趣旨をご理解いただきまして、簡潔でわかりやすい答弁を期待いたしまして、壇上からの質問を終わらせていただきます。

 ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○議長(山下力) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)三十六番新谷議員のご質問にお答え申し上げます。

 第一問は、リニア中央新幹線についてのご質問でございます。同時開業、奈良市附近駅の設置についてのご質問でございます。

 まず、リニア中央新幹線の全線同時着工についてでございますが、工事着手は環境影響評価、工事実施計画の申請、それの認可といった手順を踏んで行われることになっております。

 また、全線の同時開業につきましては、国が資金を調達してJR東海に無利子で貸し付け、東京−大阪間の同時開業を図るというご提案もございますが、JR東海が健全経営の範囲内で全額自己負担で行うというのが今の整備の前提になっております。建設主体でありますJR東海の意思を尊重しなければならないわけでございますが、本県といたしましては、三重県や両県の経済団体とも連携して、引き続き国、JR東海に対し、全線の同時開業を訴えてまいりたいと考えております。

 次に、奈良市附近駅の確定に向けた取り組みについてでございますが、リニア中央新幹線のルートや駅位置については、建設主体でありますJR東海が調査・検討を行い、決定することになっております。環境影響評価の手続を進める過程で、超電導リニアの技術的制約や、地形・地質や環境要素による制約などによって、おのずと絞り込まれてくるものと考えております。

 このため、一日も早く、名古屋−大阪間の環境影響評価手続に着手し、奈良・三重ルート、奈良市附近駅を確定するよう、三重県や両県の経済団体とも連携して、引き続き国、JR東海に対し、奈良県の立場を強く訴えてまいりたいと思っております。

 また、リニア中央新幹線の建設に当たりましては、いろいろな課題があります。必要となる建設用地の取得やトンネル残土の処分、駅前広場の整備、交通アクセスの確保などでございます。地元となる地域に対してさまざまな協力がJR東海から期待されております。受け入れ体制づくりも重要な課題になってきております。本県といたしましては、具体的にどのような協力や受け入れ体制の準備ができるのか、先行的に研究を進めてまいる所存でございます。

 次に、観光振興につきまして幾つかのご質問がございました。

 第一問目は、県営プール跡地活用プロジェクトについてのご質問でございます。

 奈良の観光は日帰り型と言われておりますが、それを日帰り型から滞在型へと抜本的に改革をしていきたいと思います。奈良での消費や雇用をふやして、自立した地域経済の確立を図っていこうという試みでございます。そのため、現在、県営プール跡地活用プロジェクトを鋭意進めております。先日、プロジェクト案に対しましてパブリックコメントを実施いたしましたが、総じてこの趣旨にご理解やご賛同をいただき、さまざまに建設的なご意見をいただきましたものと思っております。

 現在も、ホテルの投資主体となる事業者の誘致活動を続けておりますが、さきの二月議会でもご説明させていただきましたプロジェクト構想案に基づきまして、そのような人たちに対して二つの方針を県が示しました。一つ目は、オフシーズン対策ともなるコンベンションやイベント等の施設、バスターミナル等を県が主体的に整備するということでございます。二つ目は、奈良らしい飲食・物販、エンターテインメントなどの施設を、県が民間事業者と分担して整備し、夜も楽しめるような集客の魅力を創出していくことでございます。この二つの方針を示しましたところ、県の主体的な姿勢に、投資主体の候補者となる方々からも前向きな言葉をいただいております。

 さらに現在は、景気が上向いてきておりますが、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの開催に向け、外国人観光客の増加への期待も高まっております。投資主体の参画を得られる可能性も高まっていると思いますので、この夏より、まずは県のパートナーとなるホテルの投資事業者を決める公募選定手続を行うべく、現在、事業条件の整理などの準備をしているところでございます。

 この公募におきましては、プロジェクトの目的に沿ったすぐれたホテル事業の提案を受けられるように、土地コストを固定してホテル事業内容の提案に絞って評価する方法によりまして、年内を目途に、事業者を選んでいきたいと考えております。パートナーとなる事業者が選ばれました後は、この県のパートナーとなるホテルの投資事業者とNHKとともにプロジェクト全体の内容を整理し、参画いただくその他の事業者を決め、来年度中には、プロジェクト内容を確定してまいりたいと思っております。それ以降は、整備の段階へと進みますが、二〇二〇年、オリンピックの年までのオープンを目指したいと思っております。

 このプロジェクトにより、奈良の観光が大いに変わるものと思っております。

 まず、奈良に決定的に不足しております宿泊施設のバリエーション、宿泊施設の容量、奈良宿泊のブランド力の向上が図れるものでございます。

 次に、現在、奈良で行うことができません大規模または上級のコンベンションの開催が可能となります。また、奈良に不足しているイベントの開催や、健全な夜のにぎわいなどにより、集客力の向上が図れるものと思っております。

 さらに、ターミナル機能を持つことによりまして、空港など、関西空港、伊丹空港など、遠距離からの交通アクセスの向上や県内、市内をめぐるバス交通の利便性、拠点になる利便性の改善、市内の観光渋滞の緩和が図れるものと思っております。これらの複合的な効能を、県営プール跡地で実現することによりまして、同地が奈良への観光客の湧出口となり、奈良県全体が滞在型観光地へと変わっていける効果があると考えております。この湧出口という意味は、外からの観光客が新しいにぎわい拠点を目指して集まり、そこから水があふれるように、県内あるいは市内へ多くの観光客があふれ出すという意味でございます。

 二〇二〇年には、各国の元首やVIPを含め、多くの方々が我が国を訪問されると予想されております。奈良が通り過ぎの観光地にならないように、奈良へバラエティーの豊かな、多くのお客様をお迎えできるよう、この県営プール跡地の拠点での来訪者の受け入れ機能もしっかり確保できたらと思うところでございます。

 観光振興の二つ目のご質問は、キャンペーンへの取り組みでございます。

 奈良県では、一昨年より冬の観光閑散期における誘客促進対策といたしまして、旅行事業者へ観光素材を提供し、旅行宿泊商品の造成を促進する、奈良うまし冬めぐりを実施してまいりました。

 議員お述べのように、一大ブームとなりました伊勢神宮式年遷宮に引き続き、今年度は春日大社が本殿の式年造替を催行される二十年に一度の機会でございます。この催事を核とした奈良県観光キャンペーンを展開する方針を立て、現在順次、展開をしているところでございます。

 具体的には、去る五月に、新聞・雑誌等主要メディアに集まっていただきまして、東京の六本木ヒルズにおいて、今回のキャンペーンをPRし、約一万人の一般の方々にご来場いただきました。奈良へ行ってみたくなったとの声も多数いただいております。また、新聞、ウェブ等で二百を超える情報発信をしていただいたところでございます。

 また、旅行事業者に対しましては、これまで冬にのみ実施しておりました東大寺、興福寺など有名社寺の特別参拝に加えまして、秋からの春日大社式年造替関連催事や大古事記展を活用した旅行商品の造成をお願いし、既に十七社から延べ一万八千人の取り扱い申し込みをいただいているところでございます。

 これらのことにより、春日大社式年造替を核としたキャンペーンの成果が徐々にあらわれております。多くの方々に奈良県の観光素材を再認識いただけることを期待しているものでございます。

 キャンペーンの取り組みについて、今後さらに連続して展開したらどうかというご質問でございます。

 奈良県観光キャンペーンといたしましては、今申し上げましたことに続きまして、この九月に観光局、農林部が連携して、日本で最も売り場面積が大きいと言われております新宿高島屋で奈良の観光物産展を初めて開催することにしております。また、十月には来年度春夏の観光素材を旅行事業者、メディア各社に取り扱いいただくための首都圏及び九州方面プロモーションを実施いたします。

 今回のキャンペーンは、春日大社式年造替を契機として実施しておりますが、式年造替以降も興福寺中金堂落慶や、藤原不比等没一三〇〇年、日本書紀編さん一三〇〇年など多くの歴史的な、日本にとっても大きな歴史的節目を奈良を舞台に迎えるものでございます。

 議員ご指摘のとおり、今回のキャンペーンは春日大社式年造替のみを広報する一過性の宣伝事業として終わることでなく、今後も続くさまざまな記念行事を取り込み、常に新しい奈良県の観光情報を雑誌、ウェブなどを活用して、連続的に発信し続けてまいりたいと思っております。

 また、これらを活用した新たな旅行商品づくりやイベントの充実といった宿泊客誘客に向けての取り組みを強化し、奈良に行けば年がら年中、楽しいことが味わえる通年型の観光地を目指してまいりたいと思っております。

 次は、カジノの誘致についてのご質問がございました。

 統合型リゾートという言葉がございます。インテグレート・リゾート、IRとも呼ばれておりますが、これはカジノを中心にホテルやコンベンション施設のほか、ショッピングモールやレクリエーション施設などが一体となった複合的な集客施設と理解をしております。

 近年、マカオやシンガポールなど、この統合型リゾートを設置した外国都市が国際的な観光都市として、多数の外国人観光客を集めておられることから、日本でも注目され、国において議論されておるものでございます。

 一方、奈良の観光素材でございますが、奈良は一三〇〇年を超える悠久の歴史の中で培われた社寺をはじめ、歴史文化遺産を数多く有し、脈々と守り伝えられてきました叡知、活力などとともに、比類ない歴史文化的価値が現在に継承されております。

 今後、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの開催に向け、国内外からの観光客誘致に効果的に取り組むには、この奈良が有するポテンシャルを積極的に活用し、奈良らしいPRをするとともに、魅力ある観光交流拠点の整備を行うことによりまして、観光分野での奈良のブランド力を高めることが必要でございます。

 そのような観光戦略からカジノの誘致は、どのようにマッチするかということでございますが、カジノを中心とした統合型リゾートにつきましては、これまでの例を見てみますと、このような奈良の素材を利用した、奈良の、奈良らしい観光戦略にそぐわないものであると考えております。本県にカジノを誘致しようとする考えは現在のところないものでございます。

 次に、奈良マラソンについてのご質問がございました。

 平城遷都一三〇〇年祭を機に始まりました奈良マラソンは、参加するランナーがゴールを目指して走るだけではなく、議員お述べのとおりランナーと地域が一体となって走ることを楽しむ大会として、大変多くのランナーに高い評価をいただいております。

 近年、東京マラソンをはじめ、大阪、神戸、京都などで次々と大規模大会が開催されてまいりました。日本中にマラソンブームが広がってきておりますが、奈良マラソンは、インターネットのマラソン情報サイトで人気が高うございます。総合で六位、女性部門では全国一位の評価を受けており、全国屈指の人気大会へと成長したものでございます。

 奈良マラソンは、今や奈良の冬の風物詩として定着してまいりました。全国のランナーが県内の宿泊施設や飲食・土産物店等を利用していただきますことから、昨年の大会の経済波及効果を試算いたしますと、県内で約十億円、全国では約二十五億円の効果があったと試算をいただいております。

 ことしは第五回の記念大会でございます。多くの奈良県民の方にご参加いただくため、奈良県民枠としてフルマラソンの定員を二千名増員いたしました。また、海外からの参加にも力を入れまして、現在のところ、外国人ランナーの申し込みは既に昨年の二倍の二百三十五人になっております。これに海外からのツアーによる参加も別枠として加わる予定でございます。

 さらに、第一回から第四回大会までの奈良マラソンの模様を振り返りますパネル展の開催や奈良市鴻ノ池陸上競技場での催事会場の拡充により、規模、内容においてもこれまでの大会を上回る記念大会にふさわしい盛り上がりを創出したいと思っております。昨年以上の経済効果も期待をしているところでございます。

 今後も奈良マラソンが、観光振興や地元経済の活性化に寄与することはもちろんのこと、多くの県民の方々が沿道での応援やボランティアに参加することにより、奈良のおもてなしの気持ちがますます高まっていくことを期待しているところでもございます。

 大和茶の振興についてのご質問がございました。

 大和高原地域の重要な産業でございます茶業の振興は、中山間地域の活性化を図る上でも大変重要であると認識をしております。

 これまで、県では、茶をリーディング品目として位置づけまして、高品質かぶせ茶や食品利用の需要が伸びている抹茶の原料となるてん茶の生産、及び消費促進イベントの取り組みを支援してまいりました。

 先日、奈良県茶生産青年協議会の役員の方が来られまして、いろんなことを教えていただきました。

 県といたしましては、このような意欲のある茶生産者と協働して、生産から加工・販売を一気通貫して支援することをしたいと思っております。これまで以上に大和茶のブランド化を進めていきたいと考えておるところでございます。

 具体的な方策でございますが、この四月に茶業振興センターを大和茶研究センターに改編いたしました。その目的は、研究の高度化を図ることでございます。その一環として、茶に含まれるカテキンの殺菌作用、血圧上昇抑制作用などの機能性をアピールできる粉末茶の開発や、それを用いた機能性食品の研究開発に取り組むものでございます。

 また、今年度から新たに、かぶせ茶に加えまして、てん茶に対しましても、渋みを抑え、うまみを増すための茶の木の上を覆って適度に日光を遮る布状の資材を導入すること、及びオリジナル茶や特徴ある品種を利用した新商品開発の取り組みに対する支援を実施しているところでございます。

 販路開拓につきましては、県が九月に、先ほど申し上げましたが、首都圏の新宿高島屋で開催する観光物産展に、大和茶の販売プロモーションを実施する予定でございます。生産者の参加を呼びかけております。

 また、茶の輸出についても議員お触れになりましたが、EUなどのヨーロッパ諸国向けの厳しい残留農薬基準に対応できる大和茶の生産方法についても検討を始めております。

 今後とも、このような方法で大和茶のブランド化と販路開拓を推進、ご支援申し上げていきたいと思っております。

 公益財団法人奈良県林業基金の解散についてご質問がございました。なぜ、今解散することを決めたのかというご質問と、解散に伴い、県の財政負担はどうなのかというご質問でございます。

 奈良県林業基金は、昭和五十八年に設立されました。森林の有する水源涵養等の公益的機能の発揮や、山村地域における雇用機会の創出に寄与する目的でございました。

 しかし、この奈良県林業基金の事業スキームは問題がございました。長期借入金により造林を行い、木材の売却益をもって償還に充てるというものでございますが、分収造林契約の最終期限は今から六十八年後の平成九十四年になります。その時点では、累積債務が約二百四十二億円になることがわかってまいりました。現在、低迷する木材価格の状況下で、このまま事業を継続した場合には、このような財政負担のもとが生じることが予想されることがわかってまいりました。

 このような状況の中で、平成二十四年八月に立ち上げました奈良県林業基金経営改善検討会におきまして、外部有識者の意見も聞きながら今後の方針について検討を重ねてまいりましたが、解散も視野に入れ、速やかに債務処理を行うべきという結論をいただきました。先般、奈良県林業基金の理事会で、平成二十八年度末で解散することが議決されたものでございました。

 県といたしましても、この問題を先送りせず、将来の県民負担の拡大を食いとめることが最優先であると考え、このたび、解散を決断したところでございます。

 このような解散に伴う県の財政負担でございますが、将来は二百四十二億円と申し上げましたのは、現在二十五年度末時点の債務は既に百三億円ございます。その内訳は、日本政策金融公庫から約六十二億円借りております。県から約四十一億円を貸し出ししております。

 日本政策金融公庫からの奈良県林業基金が借り入れておりますものにつきましては、県が損失補償契約を締結しておりますことから、県が負担することになると考えております。

 また、県の債権については、奈良県林業基金が予定している民事再生手続の中で、その取り扱いについて引き続き検討してまいりたいと考えているものでございます。

 最後に、道路整備についてのご質問がございました。

 本県の立ちおくれた道路整備を克服し、経済・産業の振興を図り、安全・安心で利便性の高い県民の暮らしを実現していくためには、県土の骨格を形成する幹線ネットワークの整備を推進するとともに、各地域における地場産業や日常生活を支える身近な道路整備を進めていくことが必要と考えております。議員もお述べになった趣旨と同じものでございます。

 このため、今議会に提案させていただいております奈良県道路整備基本計画におきましても、第一章の整備すべき道路のあり方におきまして、骨格幹線道路ネットワークの形成と目的志向の道路整備の推進をお示しさせていただきました。

 鉄道網のない本県の中山間地域におきましては、道路は地域の方々の日常生活を支える最も重要な社会資本でございますが、依然として災害に脆弱な道路が多数残っておりまして、大雨の際など頻繁に通行規制を実施せざるを得ない実情にございます。地域の発展や安心した生活の妨げとなっていると認識をしております。

 このため、中山間地域におきましても、国道一六八号、国道一六九号などの紀伊半島アンカールートや、国道三〇九号、国道三六九号などの骨格幹線道路ネットワークの整備を推進したいと思っておりますが、それぞれの地域の課題にきめ細かく対応した目的志向の道路整備も必要でございます。

 目的志向の道路整備を進める上では、その目的になります企業立地の支援、観光の振興、生活利便の向上、安全・安心の確保といった観点から、この道路は地域にとって一体何のために必要な道路なのか、道路整備の目的をしっかりと住民の方にも明確にして、選択と集中により進めてまいりたいと思っているところでございます。

 ご質問への答弁は、私からは以上でございます。ご質問ありがとうございました。



○議長(山下力) 橋本警察本部長。



◎警察本部長(橋本晃) (登壇)新谷議員のご質問に対してお答えをさせていただきます。

 このたび、悠久の歴史と自然に恵まれた奈良県におきまして、県警察本部長を拝命し、身の引き締まる思いでありますとともに、責任の重大さを痛感しているところでございます。

 私は、着任に当たりまして、職員に対し、警察は、強い現場執行力や正しい法執行力、そして、いかなる事態にも対処できる能力を堅持するとともに、犯罪や事故の被害に遭い、警察を頼ってこられる方々の思いを受けとめられる優しさを兼ね備えた、強くて頼もしい警察でなければならないということを訓示させていただきました。

 議員ご指摘のとおり、当県の治安は、自治体や関係機関、県民の皆様との協働によりまして、改善が図られてきたところでございますが、昨年、県警察が行った県民の意識調査結果によりますと、以前より治安が悪くなったと答えた人の割合が、よくなったと答えた人をいまだ上回っているなど、体感治安の向上には至っていないと認識をしております。

 その背景には、とりわけ、社会的弱者と言われる子ども・女性・高齢者の方が、身近なところでも犯罪や事故の被害に遭われる危険を感じているという状況があり、それぞれの地域社会における安全をより確実なものとするための対策が求められているところでございます。

 県警察といたしましては、日本一安全で安心して暮らせる奈良県の実現に向け、県民の皆様が被害に遭わないまちづくりを推進するため、自治体や地域社会との連携を一層強化し、犯罪や事故への対策を、予防と検挙の両面から的確に講じてまいる所存でございます。

 今後とも、県民の皆様のご期待と信頼にお応えし、奈良県の治安の確保に向け、全力で取り組む所存でありますので、警察活動へのご理解と、なお一層のご支援を賜りますようお願いを申し上げます。

 以上でございます。



○議長(山下力) 三十六番新谷紘一議員。



◆三十六番(新谷紘一) 知事に集中をして質問をさせていただきました。カジノのこと以外はありがたい、私の趣旨と全く同感との答弁であったとありがたく思っているところであります。最初に私の考え方として申し上げましたように、県民の目線に立って、そしていわゆる県民が全ての行政サービスの中で、今警察本部長の方からもご答弁ありましたけれども、治安がよくて、そして均衡ある県土の発展ということを前提にしながら、県民がどこで住んでいましても三十九の市町村がそれぞれが繁栄していくように、県として、知事として対応していくんだという強い答弁が返りましたので、私自身はこれ以上はもう申し上げることはありません。カジノ以外はね。これは、一つの提案であり、基本的な考え方、私は奈良を考えたら今の考え方でいいのではないかなと、私は思うんですよね。

 ただ、新たな視点でどうも奈良市内見ておりましたら、大体午後八時から九時ごろになったら、ほとんど火が消えたような状況になりつつあるということは、これは富裕層をはじめ、一定のレベル以上の人が、外国人の人が恐らく訪れてくれるであろうということを考え合わせましたら、前段でちょっと申し上げましたように、青少年の犯罪やあるいは公営ギャンブルということになってきますと、いろんな問題点があることも事実なんですが、できたら地域の活性化のために何とか、またその視点を変えてもらったらなという考えも私自身持っておりますので、柔軟な対応もあわせてお願い申し上げておきたいと思います。

 それから、警察本部長の答弁、優等生の答弁ですので言うことはありません。どうぞ県民のいろんな何とか詐欺とかいうのも出てきておりますので、交通事故もそうなんですが、いっぱいありますので、どうぞ大変お世話をかけますが、県民の治安維持のために、さらなる努力をお願い申し上げておきたいと思います。

 以上、もう答弁求めませんので、これをもって私の代表質問を終わります。ありがとうございました。



○議長(山下力) 次に、三十九番小泉米造議員に発言を許します。−−三十九番小泉米造議員。(拍手)



◆三十九番(小泉米造) (登壇)議長のお許しを得ましたので、自由民主党改革を代表いたしまして、私、小泉米造が県政の課題について質問をいたします。

 質問に入ります前に、本日私は、沖縄のかりゆしウエア姿で代表質問をいたします。また、議会開会日から幾人かの同僚議員がかりゆしウエアで出席されておられます。なぜ、かりゆしウエアかと申しますと、昨年、厚生委員会で沖縄県へ県外調査に参りました。対応していただいた調査先の方は、当然かりゆしウエアを着用されていたわけでございました。現地の皆様方との親交を深めることも含めて、厚生委員会のメンバーはかりゆしウエアを購入いたしまして、調査活動を行ってまいりましたので、この六月議会でも着用させていただいている次第でございます。かりゆしとは、めでたい、縁起がよいという意味だそうでございまして、沖縄県では十二月までかりゆしウエアが認められているということであります。

 また今回、毎回傍聴されておられます精神障害者やその家族の方もお越しくださっていますが、さらに本日は、大和郡山市から郡山北遊生学級生四十三名が県議会を学びに来ておられます。知事におかれましては、傍聴の皆様方にもよいお土産を持って帰っていただけるよう、県政上の中身の濃いご答弁をお願い申し上げまして、質問に入りたいと思います。

 それでは、まず、少子化対策についてお伺いをいたします。

 安倍内閣の発足以来、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の三本の矢の政策を一体的に推進することにより、日本経済は、六・四半期連続プラス成長になるとともに、物価動向を見ましても、もはやデフレ状況ではなく、脱却に向けて着実に前進しており、力強さを取り戻してきています。自由民主党は、この一年間の変化を一過性のものに終わらせることなく、進化する成長戦略により、さらなる成長の本格化を目指してゆきます。

 そのような中、去る二十四日に経済財政運営と改革の基本方針二〇一四、いわゆる骨太の方針二〇一四が閣議決定されました。この骨太の方針では、法人税改革の推進や財政健全化の進展などのほか、人口減少対策を最重要課題として、初めて本格的に取り組む姿勢が示されました。五十年後にも一億人程度の安定的な人口構造の保持を目指すと、具体的な人口目標が初めて掲げられたのであります。そのために、子どもへの資源配分を拡充し、第三子以降の子どもへの重点的な支援など、これまでの延長線上にない少子化対策を検討するとしています。さらに、女性が輝く社会を目指し、男女の働き方に関する制度やワーク・ライフ・バランスを抜本的に変革し、女性の能力や意欲に応じた労働参加と出産・育児の双方を実現することも重点課題とされています。

 そこで奈良県の状況に目を転じますと、本県の平成二十五年の合計特殊出生率は、前年の一・三二から一・三一に低下をし、全国ワースト四位となっています。全国と比較すると、奈良県では特に、二十代の出生率が低くなっており、今後の人口減少を考えると、深刻な状況であると言わざるを得ません。

 県では、これまで、子どもの健やかな成長をともに喜び応援するという次世代育成の観点から、子どもや子育て支援に関する施策を推進してこられました。

 しかし、今や、少子高齢化は、人口急減・超高齢化という言葉で表現されており、本県においても、経済の活力や県民の暮らしへの影響を最小限に食いとめるためにも、少子化対策を喫緊の課題として捉え、抜本的に強化していく必要があると考えます。

 県では、昨年七月、知事を会長とする奈良県こども・子育て支援推進会議を立ち上げるなど、県としての少子化対策や子ども・子育て支援の充実に向けた施策の検討をされていると聞いております。

 今年度中には、少子化対策や子ども・子育て支援に関する県の計画を策定されるとのことですので、計画においては、少子化に力強く立ち向かう、従来にはない、思い切った対策が打ち出されることを期待するところであります。

 そこで、県は、喫緊の課題である少子化対策について、どのような考え方を基本に計画を策定しようとされているのか、知事にお尋ねをしておきます。

 次に、企業立地の推進についてお伺いします。

 先ほど申し上げました骨太の方針では、動き始めた経済の好循環の動きをさらに進め、デフレ脱却と経済再生への道筋を確かなものとし、成長への期待を根づかせていくために、需要の安定的な拡大に取り組むとされており、さらに、地域活性化として、アベノミクスの効果を全国津々浦々まで波及させるとともに、地域の発意を生かして魅力ある地域づくりを進めることで、地域産業を活性化し、地域経済での好循環の実現を図るとされております。

 これまでの経済政策により、日本経済が長期停滞やデフレで失われた自信を取り戻しつつあります。この流れを受けて、本県においても、地域経済の好循環の実現を図る必要があると考えます。そのためには、本県への企業立地をさらに推進することが一つの方策ではないかと考えております。

 知事は、就任以来、企業立地を行うに当たり、組織を整備し、率先して、誘致活動に取り組まれ、また、企業が立地しやすい環境づくりや立地に係る補助制度の創設など、さまざまな施策の充実を図ってこられました。その結果、就任以降の企業の立地件数は、毎年二十件台を維持し続けており、誘致活動の成果が着実に上がってきているものと認識しております。

 私の地元大和郡山市に目を転じてみると、大和まほろばスマートインターチェンジの供用開始により、昭和工業団地の利便性がさらに高まっております。また、平城宮跡国営公園化事業により、積水化学工業株式会社の移転が必要となった際、昭和工業団地内にあるパナソニック株式会社の事業用地の一部を移転先として、知事みずからが積極的にかかわり、県内での移転が実現いたしました。これにあわせて、奈良県内で初めての物流拠点として、その隣接地に日本梱包運輸倉庫株式会社が立地されました。

 今後、京奈和自動車道の(仮称)大和郡山ジャンクションから郡山南インターチェンジ間、御所インターチェンジから御所南インターチェンジ間が平成二十六年度に、御所南インターチェンジから五條北インターチェンジ間が平成二十八年度に供用開始する予定であり、奈良県の交通アクセスが向上し、奈良県のポテンシャルが高まっていくと思います。このような状況のもと、県内で働く場所があり、暮らし続けることができる地域社会を構築するためには、さらに企業誘致活動を充実させることが肝要と思います。

 そこで企業立地をさらに推進するため、今後どのように取り組まれるのか、知事にお伺いをしておきます。

 次に、がん対策の推進についてお伺いします。

 がんは、男性、女性ともに、おおよそ二人に一人が一生のうちにがんと診断されるということが統計結果から言われております。

 奈良県においても、がんは、昭和五十四年以来、依然として死亡原因の第一位であり、年間四千人を超える方々ががんにより命を失っておられます。今後、さらに高齢化が進展することを鑑みますと、がん対策は、県民の命と健康を守るため、一層その必要性と重要性を増すものと思われます。

 県議会におきましても、がん対策を積極的に進めるため、一昨年、奈良県議会がん対策推進議員連盟を発足させ、それ以降、奈良県がん対策推進条例の改正、「がん検診を受けよう!」奈良県民会議、街頭キャンペーンへの参加、また、東京で行われるがん政策サミットに出席をし、他府県での先進的な取り組み事例の情報収集や意見交換を行うなど、さまざまな活動を行ってまいりました。

 昨年十月に奈良県で初めて開催され、約二十名の県議会議員もがん患者やその家族、支援者の皆さんとともに歩いたがんの征圧と患者支援のためのチャリティーイベント、リレー・フォー・ライフ・ジャパン奈良は、今年度は、来る九月二十七日から二十八日にかけて、奈良県郡山総合庁舎のグラウンドで開催される予定となっています。このイベントは、がん患者やその家族、支援者などが、一本のたすきを二十四時間つなげるリレー・ウォークです。昨年に引き続き、ことしもぜひ多くの方々にご参加をいただき、がんに負けず、がんに向かう勇気や感動を共有していただきたいと考えております。

 さて、奈良県では、昨年三月に奈良県がん対策推進条例が改正されるとともに、第二期奈良県がん対策推進計画が策定されてから、約一年三カ月が経過しようとしております。

 計画では、「がんにならない、がんで若い人が亡くならない」、「全てのがん患者とその家族の苦痛が軽減され、安心、納得のいく療養生活を送ることができる」に加えて、新たに、「がんと向き合い、希望を持って暮らせる地域社会をつくる」という目標が掲げられ、また、分野別の施策においても、がん患者の就労を含めた社会的な問題やがんの教育・普及啓発などが加えられました。

 そこで、知事にお伺いいたします。

 これら三つの目標に向かい、この一年三カ月、県では、具体的にどのような取り組みがなされたのでしょうか。また、その推進状況はいかがでしょうか。お尋ねをしておきます。

 次に、新たに奈良県がん対策推進条例の改正や第二期奈良県がん対策推進計画で盛り込まれたがん教育についてお伺いをいたします。

 がんは、先ほど申しましたように、二人に一人がなると言われる病気であるにもかかわらず、がんのことを知らないということが指摘されています。がんの予防には、健康的な生活習慣を子どものころから身につけ、そしてがんで命を落とさないためにがん検診を受けて早期発見することが大切であります。

 一方、実際には、きちんとがん検診を受け、早期に発見することができれば生存率が高くなるにもかかわらず、がんイコール死というイメージや、がんによる療養イコール制限の多い生活といった意識がまだまだ根強いのが現状であります。さらに、小児がんを含むがんや、がん患者に対する偏見があることも否定できません。

 このようなことから、がん対策においても、子どものころから、がんに対する正しい理解とがん患者に対する正しい認識及び命の大切さに対する理解を深めること、言いかえれば、がんを正しく知るための教育が大切であると考えますが、教育委員会では現在どのような取り組みを行っているのか、あるいは今後どのような取り組みを進めようとされているのか、教育長にお伺いをしておきます。

 次に、精神障害者の医療費助成についてお伺いをいたします。

 精神障害者の健康と暮らしは深刻な状況にあり、医療費の負担が大変重いため、身体障害者や知的障害者と同様に医療費の助成をお願いしたいと、精神障害者、その家族、関係者が要望活動を続けてこられました。

 そして、昨年九月議会には、県議会に精神障害者に対する福祉医療制度の適用に関する請願書が提出されました。請願は厚生委員会に付託され、議論を重ね、委員会で全員一致、そして本会議では全会一致で採択をされました。

 その後、知事は、十二月議会で精神障害者の医療費助成を拡大する方針を表明され、本年二月には平成二十六年度当初予算への計上を発表されました。その迅速な対応もさることながら、精神障害者保健福祉手帳一・二級所持者を対象に、全診療科の入院・通院の医療費を助成するという全国トップレベルの手厚い助成内容となっています。この知事の決断に、請願を提出された皆さんは大変感謝されておられます。

 しかしながら、医療費助成は精神障害者医療費助成事業の拡大とされたため、償還方法が福祉医療制度の自動償還方式と異なる通常償還方式とされた点に課題が残りました。請願を提出された皆さんは、手続が煩雑になり、せっかくの制度も利用しにくいと、自動償還方式への変更を求められておられます。

 念のために説明しますと、通常償還方式は、医療機関の窓口で医療費を一旦支払い、翌月以降、領収書を添付して市町村の窓口に申請することで、後日、助成金が払い戻しされる制度であります。これに対して、自動償還方式は、医療機関を受診し、医療費の支払いが完了した後に、市町村の窓口で助成金の申請をしなくても、自動的に登録している口座に振り込まれる制度です。

 精神障害者の皆さんには、通常償還方式より自動償還方式の方が望ましいのは明らかであります。

 私が委員長を務めています厚生委員会でも、二月の委員会で多くの委員から、自動償還方式へ変更を求める意見が出され、委員会として、自動償還方式への変更の意思表示を行いました。あわせて、委員長として、自動償還方式への変更について早急に検討し、六月議会までに結論を出すように、理事者に要請したところであります。その後の本会議でも、知事は市町村の事務負担や現行制度との整合性などについて市町村と検討を深め、早急に結論を得ていきたいと答弁されました。

 私は、先日、精神障害者やその家族の皆さんの会合にも出席させていただきました。この医療費助成への皆さんの熱い思いが、多くの関係者の協力を得られて、知事の決断に結びついたと思います。残るは、この自動償還方式の課題であります。

 県は二月の県議会終了後、市町村と勉強会を立ち上げ、精神障害者医療費助成の償還方法について検討を行っていると聞いておりますが、六月議会までに出すことをお願いいたしました結論について、知事より県の方針を明らかにしていただきたいと思います。

 次に、大和郡山市中心市街地のまちづくりに必要な道路整備について知事にお伺いをいたします。

 大和郡山市は、郡山城址、外堀に加え、社寺が分布し、郡山城周辺は城下町を基盤とする歴史ある町並みを形成するなど、歴史的資源の豊かさは大きな特色であります。また、中心市街地はこれらの歴史的資源、市役所等の公共施設、駅前の商店街から構成されています。

 一方で、大和郡山市は、周辺の道路が城下町特有の狭隘な道路であり、安全な歩行者空間が確保できていないという課題を有しています。また、市の玄関口となる近鉄郡山駅前周辺が未整備であることや、歴史的資源である郡山城址、伝統的な町家等の活用が不十分なこともあり、空き店舗や空き地が増加し、中心市街地としてのにぎわいが不足している状況であります。

 さらに、JR郡山駅から近鉄郡山駅までの通称矢田町通りは、市の玄関口である両駅を直結する道路であるとともに、中心市街地を東西に横断する道路であるにもかかわらず、幅員が狭く未整備な上、歩行者が多いために課題が山積みとなっています。

 この道路は、大和郡山市の将来像を踏まえ、検討された結果、現在の道路幅約四メートルよりも広い、幅員二十メートルで昭和三十九年に都市計画道路郡山生駒線として決定されました。平成二十四年に都市計画道路高田矢田線に名称変更されました。

 しかし、この都市計画道路高田矢田線のJR郡山駅から近鉄郡山駅までの区間には、家屋や店舗が古くから連たんしており、都市計画どおりに拡幅することが、多大な手間と労力がかかるとともに、莫大な費用も必要となることから、現行の都市計画道路としての整備目標が、いつまでたっても達成されないと思います。

 このことから、県においても大和郡山市と連携し、平成二十四年度から大和郡山市内の都市計画道路の見直しに取り組んでおり、昨年度公表されました見直し素案では、都市計画道路高田矢田線の当該区間、通称矢田町通りについては、中心市街地である郡山の城下町を通る、JR郡山駅と近鉄郡山駅に接続する路線であり、中心市街地のまちづくりとあわせて検討する必要があることから、引き続き検討を行うと整理されています。

 地元住民の皆様も、この矢田町通りについては、道路拡幅を行わず、今の道路幅のままで、住みやすく、観光客にも歩きやすい整備が行われることを望んでおられます。

 私も地元の方々の考えに同感であり、大胆な提言でありますが、例えば、この矢田町通りについては、自動車交通を遮断して、歩行者専用道路とし、町なかを自由に回遊できる快適な歩行者空間の整備を行うことにより、まちに活気があふれ、にぎわいを呼び込むことができるのではないかと思います。ぜひこの機会に、長年にわたる地域が抱えている課題が少しでも改善できるように、都市計画道路の見直しを進め、新たなまちづくりが実現できることを願っております。

 そこで、この都市計画道路高田矢田線のJR郡山駅から近鉄郡山駅までの区間、通称矢田町通りについて、中心市街地のまちづくりを見据えた県の見直し方針、並びに、大和郡山市との連携に関して県のお考え方をお聞かせください。

 最後に、領土に関する教育について教育長にお伺いをいたします。

 近年、我が国の領土をめぐっては、近隣諸国との間で、非常に憂慮すべき状況があります。

 領土については、日本の主権にかかわる重要な課題であり、北方領土をはじめ、竹島、尖閣諸島は歴史上でも、国際法上でも、明らかに日本固有の領土であります。しかし、ご承知のように、現在ロシアによって北方領土が、また韓国によって竹島が不法に占拠されている状態にあり、また、尖閣諸島については、我が国としては領有権の問題は存在しないという姿勢を示しているにもかかわらず、中国が一方的に領有権を主張しているという状況であります。

 政府及び外務省は国際法にのっとって、冷静かつ平和的に解決していく方針を打ち出しているところです。だからこそ、私たち日本国民がこれまで以上に、領土・領海・領空をめぐる問題については、今後一層、注目していく必要があると考えております。

 こうした状況を鑑みると、これからの我が国を担う子どもたちに、日本の領域がわかりやすく示されている地図を活用して、日本固有の領土や領土をめぐるさまざまな問題について理解をさせ、考えさせる教育の役割がますます重要となっております。国は、平成二十六年一月に中学校及び高等学校学習指導要領解説の中で、学校教育における領土に関する学習の指導の充実に向けて、一部改訂を行いました。

 この改訂の趣旨は、これからの国際社会を生きる子どもたちが、我が国の領土について正しく理解をし、日本人としてのアイデンティティーを持ち、グローバルに活躍できる人材として成長するために、自国の領土に関する教育をより一層充実させることにあります。現行の学習指導要領において目標とされている、児童生徒を国際社会の平和と発展に貢献し、未来を開く主体性のある日本人として成長することの実施に向けた改訂であると私は捉えております。

 そこで、教育長に伺います。

 今回の、中学校及び高等学校学習指導要領解説の改訂を踏まえ、児童生徒が我が国の領土について正しく理解できるよう、地図を活用するなど、領土に関する教育を充実させることが重要であると考えますが、県教育委員会としてどのように取り組んでおられるのでしょうか。お尋ねをしておきます。

 以上で、壇上からの質問を終わります。

 大変、ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○議長(山下力) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)三十九番小泉議員のご質問にお答え申し上げます。

 まず、少子化対策についてのご質問でございました。県の、最近取り組もうとしている考え方についてのご質問でございます。

 少子化対策は、議員お述べになりましたように、本県におきましても、また、我が国におきましても、実に重要な課題と認識をしております。

 しかしながら、少子化は、さまざまな要因が絡み合っており、即効薬を考え出すことは難しい課題であるようにも思えます。奈良県におきましては、少子化対策のための具体的アイデアを練り、一つ一つ実績を積み上げていきたいと考えておりますが、このような少子化対策に取り組む本県の強い意思を、本日まず明確にさせていただきたいと思うものでございます。

 平成二十五年七月から、私も参加させていただいている、奈良県こども・子育て支援推進会議におきまして、本県の子どもや子育てへの支援のあり方を議論してまいりました。

 これらを踏まえまして、去る六月十日に開催いたしましたこの会議におきまして、平成二十七年度からの五年間の県計画の基本的な考えをお示ししたところでございます。

 この基本的な考え方でございますが、大きく転換をしております。これまでの子育て支援中心の対策から少子化対策全般に取り組むと大きく羽を広げようとするものでございます。

 これまでの県の子育て支援策は、大部分が子どもや子育てをされている方への支援を目的にしておりました。

 しかし、少子化対策を目的とするならば、子どもや子育てへの支援を中心的な施策として捉えながら、子育て前の段階の結婚や出産への支援、また、仕事と子育てを両立していくためのワーク・ライフ・バランスの推進といった施策を幅広く捉えて、女性を軸にした包括的な政策として推進していくことが必要であると考えるに至ったものでございます。子どもを産んで育てる女性だけでなく、女性全体を捉えなければ少子化対策が実行できない、効果ができないのではないかというふうに思い始めたということでございます。したがいまして、少子化対策とともに、女性のワーク・ライフ・バランスの確立も極めて重要な課題として捉えるものでございます。

 このため、県の新しい計画は、大きく羽を広げまして、少子化に立ち向かっていくという気持ちを込めまして、名称は(仮称)奈良県少子化対策プランとし、日本一、安心して出産・子育てができる奈良県を目指したいと考えております。

 また、計画の策定に当たりましては、出生率の向上だけでなく、地域において若い世代を減らさないことも重要でございます。

 この観点に立ちますと、男女を問わず、若者の働く場の確保が重要でございますし、また、奈良県への若い人の移住促進策といった施策も少子化対策の分野として捉えるべきではないかと考えております。

 (仮称)奈良県少子化対策プランに盛り込む具体的な取り組みにつきましては、引き続き、検討を進め、今年度中に計画を策定し、力強く取り組んでまいりたいと考えております。

 企業立地の推進についての今後の取り組み姿勢についてのご質問がございました。

 私は知事就任以来、企業立地の促進と雇用の創出を重要施策と位置づけてまいりました。企業立地コンシェルジュの配置や、企業相談に迅速に対応するワンストップ窓口を設置して、企業誘致活動の体制を順次整えてまいりました。

 このような体制充実と職員各位の奮闘努力によりまして、これまで約二千五百社の立地相談に対応してくれました。また、補助金をはじめ各種の優遇制度を創設し、また、私みずからがトップセールスを行うことにより、企業の要望にできる限りお応えし、誘致活動に取り組んでまいりました。その結果、平成十九年から平成二十五年の七年間に百七十件の立地件数を確保いたしました。これは、全国十八位のレベルになっております。

 引き続き、アンケートなどを実施して、企業の立地動向の把握に努めるとともに、工場用地、交通アクセス、周辺の立地環境の状況など、工場立地選択の面において必要となる本県の情報を、積極的に発信し、粘り強く誘致活動を実施し続けてまいりたいと思っております。

 さらに、昨年度には多くの雇用が期待できる、情報通信業に対する補助制度を新たに創設いたしました。本年度は、県外から本社機能を伴う移転に対しまして、要件を緩和し、移転経費の一部も対象とするなど補助制度の拡充を図り、交通利便性がすぐれた本県への誘致に、一層取り組んでまいりたいと思っております。

 そのほか、本県の立地環境や企業活動上の課題を、本県に立地された企業から直接お聞きし、行政として、今後取り組むべき施策を検討するため、私みずから、県内に立地していただいた企業へのお礼参り、現地訪問を行っております。

 また、一方、京奈和自動車道をはじめとする道路整備の進展により、新たな拠点整備のために本県で立地を計画する企業からの問い合わせがふえてきておりますが、本県は工場用地がまだ不足しているという課題があります。土地があるんですかというような直接的な問い合わせが続いております。

 このため、本年度から、御所インターチェンジ周辺において、産業集積地造成事業に本格的に着手するなど、県としても工場用地の確保に取り組んでまいりたいと思います。

 今後も、企業誘致に積極的に取り組む市町村との連携を密にしながら、企業立地をさらに推進して、本県経済の活性化と雇用の確保を図ってまいりたいと思っております。

 がん対策の推進についてのご質問がございました。本県のがん対策推進計画についてのお問い合わせでございます。小泉議員はじめ、議員各位には、がん対策について多大な先進的な活動をしていただいておりますことに感謝を申し上げます。

 現在、昨年三月に策定いたしました第二期奈良県がん対策推進計画に基づきまして、議員お述べになりました三つの目標に向かい、さまざまな取り組みを進めております。

 簡単にご紹介申し上げますが、まず一番目の目標、がんにならないについてでございますが、まず、喫煙、塩分の過剰摂取、運動不足など、がんのリスクを高める生活習慣の改善への取り組みでございます。例えば、喫煙対策では、インターネットによる禁煙支援プログラムを無料で提供するほか、昨年九月に各保健所に未成年者の禁煙支援相談窓口を設置し、運営を開始いたしました。

 また、がんで若い人が亡くならないよう、がんを早く見つけるためには、がん検診が重要な役割を果たしています。残念ながら、本県のがん検診受診率は全国平均を下回って推移しています。このため、県では「がん検診を受けよう!」奈良県民会議による普及啓発のほか、昨年度は、生駒市と葛城市をモデルに、がん検診対象者への個別勧奨及び未受診者への再勧奨を実施いたしました。両市とも受診者数が増加し、効果が見られましたので、本年度はさらにその対象を拡大して実施したいと思っております。

 次に、二番目の目標でございます、安心、納得のいく療養生活を送るためのがん医療の提供でございますが、現在整備中の新奈良県総合医療センターにおきまして、新たな放射線治療装置の導入と外来化学療法室の拡充及び緩和ケア病床の設置を検討中でございます。また、奈良県立医科大学附属病院におきましては、昨年度最先端、日本にまだ一つしかない放射線治療装置を国内で初めての導入をいたしまして、現在放射線治療専門医の育成も行われております。

 また、がん患者とその家族の苦痛の軽減に向けまして、がん診療連携拠点病院が中心となり、医療従事者が、緩和ケアの重要性を認識し、その知識や技能を習得するよう、研修を実施しています。

 さらに、病院と病院、病院と診療所相互におきまして診療計画の共有化を図ることなどにより連携を推進し、診断から治療、在宅、みとりまで切れ目のない医療を提供する努力をしています。

 三番目の目標でございますが、がんと向き合い、希望を持って暮らせる地域社会をつくるでございますが、昨年度は、産業保健分野の担当者を対象にがん患者の就労支援に関する研修を実施いたしました。今年度も対象を産業医に拡大し、実施予定でございます。また、この分野の施策は、がん患者を取り巻くさまざまな関係者が協力して進めていく必要がございますので、国、県、関係機関によるがん患者の就労支援のための協議会の設置についても検討中でございます。

 今後とも、第二期奈良県がん対策推進計画に定めた目標達成に向け、効果的な施策の実施に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

 がん教育については教育長がお答え申し上げます。

 次に、精神障害者の医療費助成についての支払い方式についてのご質問がございました。

 精神障害者の医療費助成につきましては、奈良県議会のご理解、ご協力を得まして、精神障害者保健福祉手帳一級・二級所持者を対象に、全診療科の入院・通院の医療費について十月から実施いたします。

 医療費助成は市町村で実施していただき、県はその経費の二分の一を負担する仕組みでございます。議員もお述べになりました全国トップレベルの助成内容となっておるものでございます。

 この助成金の償還方法でございますが、精神障害者やその家族の皆さんから、領収書を添付して市町村窓口に申請する手続が必要な、いわゆる通常償還方式ではなく、福祉医療制度と同様に自動的に助成金が登録口座に振り込まれる自動償還方式とすることを望まれるご意見がございました。

 また、市町村からも、精神障害者の利便性の観点などから自動償還方式で実施したいとの意見をいただいております。

 県といたしましても、市町村とこの三月から勉強会を重ねる中で、精神障害者の利便性を確保する方法として、自動償還方式を採用すべきとの結論に至りました。

 現在、県では、勉強会で自動償還方式に必要な仕組みについて、市町村と細目を詰めているところでありますし、あわせて、関係機関との調整も鋭意進めているところでございます。このような状況でございますので、精神障害者の医療費助成の償還方法については、自動償還方式で実施されることになるものと考えております。

 最後に、大和郡山市中心市街地のまちづくりに必要な道路整備についてのご質問がございました。

 大和郡山市の中心市街地は、近鉄やJRの鉄道駅、商業・業務施設、公共施設、歴史文化資産などが集積した城下町でございます。市のまちづくりにおいて重要な地域でございます。

 しかし、この地区内の道路は総じて幅員が狭く、駅前広場は未整備で、自動車でのアクセスや安全な歩行に支障が生じています。また、町なかの商店街の活気もかつてのほどでなく、城下町の歴史資源等を生かしたまちづくりも道半ばのように思えます。

 このようにさまざまな機能が集積する大和郡山市の中心市街地では、高齢者や来訪者など誰もが、徒歩やバスで移動しやすく、回遊性の高い環境と、人々がとどまり、にぎわう環境を整えることが重要だと思われます。また、これらの環境づくりには、高齢者も外出しやすい健康長寿のまちづくりも視野に入れることが必要と思われます。

 このような考え方に立てば、現在の都市計画道路高田矢田線のJR郡山駅から近鉄郡山駅までの、通称矢田町通りにつきましては、現在道路を拡幅し、中心市街地に通過交通を呼び込む都市計画になっておりますが、これを変更する必要があろうかと思います。自動車を極力排除し、歩行者や小型バスが回遊できる計画に変更した方が現在の実情に合っているものと思われます。

 したがって、県といたしましては、先ほど述べましたまちづくりの視点から都市計画の見直しを提案してもよいと考えております。

 例えば、歩行者の動線は、矢田町通りとともに、古くから残る通りを活用して確保する一方、両駅への自動車交通や小型バスのアクセス動線については、町なかの南北に走ります藺町線や既存の東西道路を活用することが考えられます。中心市街地区域の歩車分離の考え方でございます。

 さらに、近鉄郡山駅周辺では、駅の隣接北部分、北側への移設を前提に、市街地の再整備を検討してもよいのではないかと思います。

 このように、まちづくりの視点から都市計画を見直す場合、地元市と連携・協力して検討を進めることが不可欠でございます。県といたしましては、市が行われる検討の参考になるアイデアを提案し、共同による検討も呼びかけたいと思います。

 今後、計画の内容が整理され、県の事業と市の事業が明確になれば、県と市がプロジェクトの実行について協定を結び、それに従って県事業を、県は事業を実施するほか、市の事業に対し、県が新たに支援する仕組みを導入してもよいと考えているところでございます。

 小泉議員の私に対する質問の答えは以上でございました。ご質問ありがとうございました。



○議長(山下力) 吉田教育長。



◎教育長(吉田育弘) (登壇)三十九番小泉議員のご質問にお答えをいたします。

 私に対しましては、二点質問がございました。

 まず、一点目は、子どものころからがんに対する理解を深める教育に現在どのように取り組み、今後どのような取り組みを進めようとしているのかのお尋ねでございます。

 平成二十五年三月、県がん対策推進条例が改正され、がん教育の推進が盛り込まれました。従来、がん教育は保健体育の授業の中で生活習慣病の一つとして取り扱っていましたが、現在、県教育委員会では、議員お述べの、がんを正しく知るための教育を推進しているところでございます。

 具体的に申し上げますと、平成二十五年度には、保健予防課と連携をし、県立大淀高等学校の看護・医療コースにおきまして、公益財団法人日本対がん協会が主催するがんの専門医師による特別授業ドクタービジットを実施いたしました。この授業をきっかけに、生徒は夏休みを活用して、がん体験者への聞き取りをしたり、がん細胞の増殖過程などについて調べ、文化祭での発表を通して、学校全体でがんについての理解を深めたところでございます。

 今年度には、新規事業として、がんの教育総合支援事業を立ち上げ、中学二年生を対象とした保健学習の教材資料を作成し、県内全ての中学校に配布することといたしております。また、モデル校を指定し、教材資料を活用した授業実践について研究を進め、その成果を広く普及させていく予定です。

 今後は、健康教育の中にがん教育を効果的に位置づけながら第二期奈良県がん対策推進計画に沿って、児童生徒の発達段階に応じた学習内容の検討や教育方法の確立に努めてまいる所存でございます。

 二点目は、中学校及び高等学校の学習指導要領解説の改訂を踏まえ、領土に関する教育を充実させるため、どのように取り組んでいるのかのお尋ねでございます。

 議員お述べのように、これからの国際社会を生きる子どもたちに、日本人としてのアイデンティティーを持ち、国際社会の中で自立した社会人として活躍できるよう、自国の領土について正しく理解させることは大切なことだと考えております。

 本年一月、我が国の領土に関する教育の一層の充実を図るため、学習指導要領解説が一部改訂されたことを受けまして、県教育委員会といたしましては、本年二月に開催をいたしました、県中学校教科等研究会社会科部会の冬季研修会で、各市町村代表の教員約五十名に改訂の趣旨、あるいは留意事項について説明をいたしました。また、県立高等学校においては、各学校長に説明するとともに、六月までに開催をされました地理、歴史、公民それぞれの教科科目の研究会総会で、あわせて約六十名の教員に、指導主事から北方領土と同様、竹島や尖閣諸島などの領土に関して、地図などの適切な資料を活用した授業のあり方について指導をいたしました。

 今後も、社会科担当教員や地理、歴史、公民科教員が集まる機会を捉えながら、我が国の領土に関する教育が一層充実されるよう指導するとともに、補助教材の一つとして、拡大をした地図などを県立中学校等に配布することを検討してまいります。

 以上でございます。



○議長(山下力) 三十九番小泉米造議員。



◆三十九番(小泉米造) 知事あるいはまた教育長、ご答弁ありがとうございました。

 大体、私の思っていたご答弁をそれぞれしていただきましたので、納得はいたしているわけでございますが、少しご意見だけを述べさせていただきたいと思います。

 一つは、精神障害者の医療費助成についてでございます。

 自動償還方式の採用を知事よりご答弁をいただきましたので、大変安心をいたしているわけでございますけれども、ただ、市長会が過日、知事のところに要望書等を持ってきていただいたような感じでございまして、その中にはどうも市長会としては一級からではどうかと、二級もまたちょっと大変であるというような意見もあったようなことでございます。また十月から実施をするというのもまた大変だというような市長さんもおられたようでございまして、さまざまいろんな後退した意見があるわけでございますけれども、県としては、さらに市町村と検討を重ねられながら、精神失患の皆さん方が期待しておられる医療費助成を円滑に実施するように、より一層、指導力を発揮してご努力をしていただきますように、ひとつお願いをしておきたいと思います。

 それから、がん対策の推進でございますけれども、これからがん対策はさまざまなことの課題をしていかなければいけないと、思うんですね。二期計画以外に、多分深くかかわって、県がしていかなければいけないと思うわけでございます。今県の課は、主には保健予防課と健康づくり推進課が中心になってやっておられるんですけれども、がん問題については、できたらよその府県でもあるんですけれども、がん対策推進課という課をつくって積極的にやっておられるんですね。奈良県のいろんな実情があろうかと思うわけでございますけれども、ひとつがん対策を格上げしていただいて、課をつくっていただくように、ちょっとご検討していただけたら。これは提案でございますので、一度ご検討していただきますように、ひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。

 それから、私のまち、大和郡山市のまちづくりの問題で、矢田町通りについて知事は相当深く立ち入ってご答弁をしていただきました。非常に、あの道路は、大和郡山市でいきますと一番人通りが多い道路だと思うわけでございまして、そこがなかなかうまく活用されていないということでございます。私は車を通行しながらやっていったらどうかという話、知事も大体同じようなご提言をいただいたわけでございますので、県がぐっと立ち入った立場で答弁をしていただきましたので、非常にそれを積極的に進めていっていただくように、ひとつお願いをしておきたいと思います。

 私ども、大和郡山市の住民の皆さん方のご意見も聞きながら推進するように努めていきたいと思いますし、また、大和郡山市に対してもアクションを起こしていきたいと思っていますので、非常によろしく、知事の方で指導性を発揮していただきますことを重ねてお願いをしておきたいと思います。

 あと、教育長に日本の領域の地図の話でご答弁いただきまして、中学校の地理であるとか、あるいはまた公民のところで、私もその本をちょっとコピーさせてもらってわかっているわけでございますけれども、やはり大きな地図を展示していただいて、ぱっと見たら、どこまでが日本の領域なんかなということがよくわかるようにしていただいた方がいいんではないかなと思います。ひとつそういうこともご検討していただけたらありがたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。

 以上で、私の質問を終わります。よろしくお願いします。



○議長(山下力) しばらく休憩します。



△午後二時五十一分休憩

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△午後三時八分再開



○副議長(井岡正徳) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 次に、二十七番森川喜之議員に発言を許します。−−二十七番森川喜之議員。(拍手)



◆二十七番(森川喜之) (登壇)本日、最後の質問ではありますけれども、民主党会派を代表いたしまして、代表質問をさせていただきます。

 それでは、県の地域交通に関する取り組みについて知事にお伺いいたします。

 平成二十四年十月に奈良交通株式会社から、少子高齢化による利用者の減少など、経営環境の悪化によってバス路線の維持が困難となったことから、中南部地域のバスネットワークの確保に向けた協議会開催について、申し入れをされました。

 この申し入れによって、平成二十六年十月以降に中南部地域の二十五路線四十五系統について、廃止や減便を奈良交通株式会社が検討していることが明らかになりました。

 県では、この申し入れをきっかけに、知事のリーダーシップにより、平成二十五年二月に、知事みずからが先頭に立ち、奈良県地域交通改善協議会を立ち上げ、これまで精力的に検討をされました。

 また、ことしの二月から五月にかけて、県、市町村、奈良交通株式会社や関係者が路線ごとに協議を行い、運行の効率化などの改善策を検討されました。

 今月九日に開催された第五回県協議会では、これまでの検討結果に基づき、奈良交通株式会社から協議の申し入れのあった二十五路線四十五系統について、維持、廃止、代替のいずれにするか、各市町村長の意見を踏まえた上で、奈良交通株式会社から、路線・系統ごとに維持、廃止の意思表明がされました。

 新聞では、九系統の廃止が報道されていましたが、今後、関係市町村で調整が必要な事項については、県協議会の場において、県のリーダーシップのもと、引き続き検討を進めていただきたいと考えています。

 地域交通を取り巻く環境について、少子高齢化による人口減少で、今後利用者の絶対数が減る中、路線を維持・確保することはますます困難になると思います。

 また、地域交通の関連産業は、県民の雇用の受け皿にもなっており、路線の廃止や縮小によって雇用環境が悪化すれば、地域経済に与える影響も懸念されます。

 公共交通のこれからの課題は、人口減少の中でも、公共交通の利用者をいかに増やし、確保していくかということであり、地域交通の観光利用など利用促進の取り組みが必要であると考えています。

 奈良県には名所旧跡がたくさんありますが、見たいところはあるが時間がかかって回りにくいという観光客の声も聞きます。

 各観光スポットを地域交通網でつなぐことができれば、観光客も便利に周遊でき、奈良を満喫していただけるのではないか、それと同時にバスの利用客もふやすことができるのではないかと思います。

 ところで去年七月には、都道府県では全国初の公共交通に関する施策を総合的かつ計画的に推進することで、公共交通による円滑な移動を享受できる持続可能な地域社会の実現を目指して、奈良県公共交通条例が公布をされました。

 条例には、県の責務として、県内における公共交通の広域的なネットワークを確保するとともに、市町村が実施する施策や公共交通事業者等が実施する業務について必要な助言や支援などを行うこととされており、地域交通に関する県の役割はますます大きくなっております。

 これまでの奈良県地域交通改善協議会では、路線バスとしての必要性を検討するための指標が示され、この指標に基づき路線の存廃の議論が行われました。

 これまでの検討の結果、第五回協議会では、指標を下回っていても維持された路線や、今回クリアしたものの、今後、指標を下回り、路線廃止になり得るボーダーライン上の路線があります。

 これらの路線バスの代替交通手段として、広域的なコミュニティバスへの支援などが必要になると考えます。

 県内の広域的な公共交通のネットワークを確保するため、県はどのように取り組んでいくのか、知事に所見をお伺いいたします。

 次に、人口減少問題の対策について、国においても本格的な議論がされるようになってきました。

 課題、問題点が多岐にわたるため、関係機関と協議し、対策を効果的に講じていかなければなりません。

 企業が経営戦略を立てる場合は、中長期的な視点で計画を立案することが必要不可欠であり、さまざまな角度から、問題点を考え、将来的な予測を立て、対処をされています。国は、人口の統計などから、近未来の推計人口を予測されていますが、地方自治体の経営に関しては、やっと今度の地方自治法の改正で、新たな広域連携として連携協約制度と、県が市町村へ力をかせるという事務の代替執行制度が法制化をされたところであります。

 この人口減少問題に関して、知事は、ことし五月十四日の定例記者会見で日本創世会議の発表を受けた記者の質問に対し、人口は中長期的なもので、発表があったからといってセンセーショナルに取り上げる必要はない、発表があったら急に目覚めたかのように動き出すという類いの話ではないと思います。また、人口減少は長期的な話で、以前からそのように計算されているわけで、そんなに驚く話ではないと思いますと、コメントされた内容の一部を県の公式ホームページで読ませていただきました。

 全国的に少子高齢化が進む中、団塊の世代が加わり、超高齢化時代を迎えます。

 今回の推計予測で高齢者人口はふえ、二〇四〇年には三千八百七十八万人とピークを迎え、また、世帯主が六十五歳以上のうち、二〇一〇年から三十五年間の間に単独世帯が一・五三倍と、四百九十八万世帯から七百六十二万世帯となります。現役世代の一・二人で一人の高齢者を支える社会が到来いたします。

 二〇四〇年には、六十五歳以上人口割合が四〇%以上の自治体が約五割とされています。

 人口減少や少子高齢化がこのまま進めば、自治体の行政運営に大きな影響を及ぼしかねないと、そのような懸念から、危機意識を共有し、総合的な対策を推進させることが必要と考えます。

 去年の十二月に県議会で、この問題についての一般質問をさせていただき、また今回の代表質問でも取り上げましたのは、県の人口減少の問題に対しては、県全体での対応が必要であり、地域の現状及び実態調査なども含めた取り組みが必要であると思うからです。

 そこで、知事が推進しておられる、奈良モデルの取り組みがあります。

 人口減少が進む市町村が行政能力を落とさず、行政サービスの提供を維持していけるような奈良モデルを進めておられますが、その取り組みについて知事のお考えをお伺いいたします。

 それから、要望ではございますが、今後人口減少問題について、総合的な対策を進めるための組織づくりが全国の地方自治体でも始まっています。例えば山形県では、人口減少対策プロジェクトチームが設置をされました。また新潟県でも、人口問題対策推進体制の強化をするために組織改正をされ取り組まれている。そのほかにも人口減少についての対応を検討されているところもあります。

 本県におきましても、人口減少問題について的確に対応していくため、奈良モデルの手法を使って市町村と連携していくことはもとより、総合的にこの問題に取り組む組織を設置するなど、人口減少問題に対して対応できる未来プロジェクトなどに取り組んでいただくよう要望いたします。

 次に、国定公園における葛城市のクリーンセンター、一般廃棄物処理施設建設に対する、自然公園法に基づく県知事の許可についてであります。

 本年四月二十五日、葛城市の住民でつくる当麻環境を守る会が県に対して、葛城市クリーンセンター建設許可の差しとめを求める控訴事件で、大阪高等裁判所による判決がありました。

 処分の蓋然性がないとして原告の訴えを却下した平成二十五年八月二十日付の奈良地方裁判所の原判決を相当として、提訴を棄却した内容になっています。

 この一連の裁判とは、平成二十三年七月二十一日に、葛城市が計画している一般廃棄物処理施設への進入道路について葛城市から提出された申請を、奈良県知事が自然公園法二十条に基づいて許可したことに続き、地元住民が奈良県知事に対し、葛城市のクリーンセンター建設許可の差しとめを求めてきた裁判であります。

 通常、行政事件訴訟法の差しとめが提起できるのは、一定の処分または裁決がされることにより、重大な損害を生じさせるおそれがある場合に限られ、その場合であっても、その損害を避けるため、他に適当な方法があるときは提起することができないとされています。

 そして、重大な損害を生ずるおそれがあると認められるためには、処分がなされることにより生ずるおそれのある損害が、処分された後に取り消し訴訟等を提起して執行停止の決定を受けることなどにより、安易に救済を受けることが困難なものであることを要するとされています。

 そもそも、本件の事案を見れば、本年一月七日にクリーンセンター整備のための造成工事について知事の許可を得ていることを鑑みても、今後、建設工事の着工までには、建築確認申請手続等で一定期間を要し、さらには、建設工事が着工されたからといって、直ちに控訴人らが主張する損害が生じるものではなく、また、工事が相当程度進捗するまでは原状に回復することはそれほど困難でないと判断し、本件の許可によって生じるおそれのある自然風致景観利益の侵害は、本件許可がされた後に取り消し提訴を提起して、執行停止の決定を受けることが可能であり、事前に差しとめを命ずる方法によらなければ救済を受けることが困難なものとは言えず、控訴人らに本件許可がされることにより、重大な損害が生じるおそれがあるとは言えないとして、提訴は棄却されました。

 結論としては、補充性の要件、行政事件訴訟法第三十七条の四第一項が欠けていることを理由に提訴を棄却するというものでありました。

 しかし、判決文には、見逃すことのできない重要な判断があったとして、本年五月二日に当麻環境を守る会代表、木下氏と同弁護団が申入書を知事に届けていると思います。

 葛城市クリーンセンター建設差しとめ訴訟事件で、大阪高等裁判所は、当麻環境を守る会のメンバーに原告適格、行政事件訴訟法第九条があることを明確に認めました。

 そこで、知事にお伺いいたします。

 一点目に、既に平成二十三年七月二十一日に葛城市クリーンセンターへの進入道路について、平成二十六年一月七日に葛城市クリーンセンター整備に係る造成工事について、それぞれ葛城市長の申請に対して、知事は許可を与えています。葛城市から、クリーンセンターについて、自然公園法に基づく建設許可に係る申請があれば、無条件で許可されるのでしょうか。

 また、当麻環境を守る会と弁護団は、県が建設を許可した場合、直ちに許可の取り消し訴訟を行い、執行停止を目指すと公言をされています。

 知事は自然公園法は、眺望などを規制する法律であり、立地されるものが焼却施設であるとか、運動公園であるとかには関係なく、それが景観を阻害しないかどうかが判断の視点であると主張されてきました。

 このたび、大阪高等裁判所は、一般廃棄物処理施設は、その性質上、騒音、悪臭、粉じん等の発生により、周辺の風致景観に著しい支障を与えることが明らかであるため、その規模を問わず建設を許可することができないと解する余地があるとの判断を示しました。この判断について知事の所見をお伺いいたします。

 次に、介護保険制度改正への対応についてお尋ねいたします。

 政府は、今月十八日、社会保障制度改革国民会議の審議結果等を踏まえた、持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律に基づき、新たな地域医療提供体制と介護保険制度をセットで見直す、地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律案、いわゆる医療・介護総合確保推進法案を可決、成立されました。

 これに伴い、介護保険制度の改正が、平成二十七年四月に実施をされます。

 超高齢化に向けた改正ではありますが、平成二十七年四月からは、特別養護老人ホームへの新規入所を予定されている方の要介護度が、要介護度三以上の中重度に限定をされる一方、介護保険料について、低所得高齢者の介護保険料軽減を拡充されると聞いています。

 また、現在、介護保険を利用した場合、利用者は自己負担として一割負担されていますが、来年八月からは、一定額以上の所得、収入で年間で二百八十万円以上の収入がある利用者は、自己負担が二割へ引き上げられるほか、介護施設に入所されている単身者で預貯金が一千万円を超える方は、食費や部屋代などを補助する補足給付の対象外になると聞いています。

 さらに、平成二十七年度から三年かけて、介護の必要性が低い要支援一、二の人に向けた家事援助サービス等を、全国一律の予防給付から、市町村が多様な事業主体を活用してサービスを行う地域支援事業に移行するとされています。

 このように、制度改正の項目が多岐にわたる上、県民の負担にもかかわる内容となっております。

 制度改正が施行される来年四月まで、わずかな期間しかありませんが、この間に、制度を運営している市町村においては、現在策定中の第六期介護保険事業計画に制度改正を反映させるとともに、新たな制度での運営に向けた準備等を整える必要があります。

 また、税と社会保障の一体改革の一環である、制度改正の内容について、広く県民へ周知を行い、理解いただくことが不可欠であると考えているところです。

 そこで、健康福祉部長にお伺いいたします。

 県では、平成二十七年四月から介護保険制度の改正に対応するため、制度の運営主体である市町村への支援や、県民への周知・理解促進について、今後、どのように取り組もうとされているのでしょうか、お伺いいたします。

 次に、小・中学校における特別支援教室についてお尋ねいたします。

 共生社会の実現に向け、障害のあるなしにかかわらず、地域でともに暮らし、ともに学ぶインクルーシブ教育の理念を踏まえた特別支援教育の推進が、強く求められております。

 このような中、平成二十五年九月に、学校教育法施行令の一部が改正をされました。児童生徒の就学先の決定に当たっては、障害の状態や本人の教育的ニーズ、本人や保護者の意見、専門的見地からの意見など、学校や地域の状況等を踏まえ、総合的な観点から判断することとなりました。

 こうしたことから、今後は、これまで以上に、小・中学校の特別支援学級の児童生徒の増加も予想がされ、ますます小・中学校における特別支援教育の推進や、特に特別支援教育に関する一定の知識・技能は全ての教員に求められるとともに、各学校での特別支援教育の中核を担う教員には、一定の経験や専門知識が必要だと考えます。

 こうした中核教員が、若手教員をはじめ、他の教員に指導のノウハウを伝え、広めていくといった校内における支援体制の構築と充実が、今後は一層重要になるのではないでしょうか。

 そこで、教育長にお伺いいたします。

 これまでも県は、特別支援教育に対して積極的な対策を講じられると聞いていますが、各小・中学校における支援体制の構築と充実について、どのように取り組まれているのでしょうか、お伺いいたします。

 以上、壇上での質問を終わらせていただき、自席で回答を聞かせていただきます。

 ありがとうございました。(拍手)



○副議長(井岡正徳) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)二十七番森川議員のご質問がございました。私に対しましては三問でございますが、第一問は、広域的な公共ネットワークの確保について、バスの路線再編についてのご質問でございました。

 私が会長を務めさせていただき、市町村長、交通事業者の代表、近畿運輸局などからなる奈良県地域交通改善協議会を開催してきております。移動ニーズに応じた交通サービスの提供体制を構築することを目標に、これまで五回にわたり議論を進めてまいりました。

 議論を進めるに当たりましては、買い物、通院、通勤、通学などの目的別の移動ニーズを実証的に整理するとともに、移動ニーズと運賃や財政負担のマッチングを客観的に見るための指標を設定し、協議会の関係者間と、情報と認識を共有しようとしてまいりました。

 また、今年の二月から五月にかけまして、路線の評価や改善策などを記しましたバスカルテと呼ぶものを用いまして、県の立ち会いのもと、関係市町村と交通事業者が集まり、個別の路線ごとに路線確保の必要性や経費分担の方法などについて、延べ五十三回協議を行ってまいりました。また、各市町村の協議会で十九回議論を行いましたり、市町村に直接十四回出向いて個別に調整したり、丁寧に議論を職員が進めてきてくれました。

 その結果、六月九日の第五回協議会におきましては、奈良交通株式会社から申し入れのあった二十五路線四十五系統について、存廃について一定の結論を得るに至りました。奈良交通株式会社から申し入れのありました二十五路線四十五系統のうち、ルートやダイヤの改善を図るものを含めて三十一系統が維持、コミュニティバスでの代替を含め十系統が廃止、四系統が引き続き調整というものでございます。

 廃止と整理された十系統につきましては、コミュニティバスで代替する方向で検討中のものを含めまして三系統ございます。重複する系統が存在するものが七系統ございます。バスが全く運行されなくなるということは、基本的にないものと考えております。

 引き続き調整と整理されました四系統につきましては、協議期限とされる本年九月末に向けて、引き続き丁寧に調整を進めてまいりたいと考えております。

 将来の公共交通の確保に向けては、議員ご指摘のとおり、市町村のコミュニティバスや私設バス、買い物バスも組み合わせて、地域の交通体系を考えていくことが重要であろうと思います。

 今後とも継続的に協議会を開催するなど、バス運行のあり方についてPDCAサイクルによる定期的な検証を重ねながら、各市町村の実態や実情もよくお伺いして、さらなる改善策や利用促進策、支援のあり方などについて検討を進めてまいりたいと考えております。

 移動ニーズは、時代とともに移り変わるものでございます。さらなる知恵を出し合えば、よりよい交通サービスが生まれるものと考えております。今後とも引き続き、県、市町村、交通事業者などの関係者で運行形態の工夫や利用促進策、まちづくりなどのアイデアを出し合い、移動ニーズに応じた交通サービスの実現に取り組んでまいりたいと思っております。

 人口減少問題に対する全県的な取り組み、奈良モデルの考え方についてのお問い合わせがございました。

 市町村の行政サービス提供の維持の仕方についてのお尋ねでございます。体制整備といたしまして、市町村合併による行政の効率化が進められてきましたが、それには限界があり、合併とは異なる行政の効率化の仕組みが必要と思います。この合併にかわる措置の導入という考えのもと、平成二十二年から進めてまいりましたのが、県と市町村の連携を基本とした奈良モデルでございます。

 この奈良モデルの取り組みにより、市町村同士の連携の推進と支援や、県による市町村の事務の引受けを積極的に進めてまいりました。

 例えば、道路橋りょうの維持管理では、県が市町村から委託を受けることで、市町村の土木職員不足を補おうとしております。

 また、水道運営の連携では、県内の水需要の減少を前提に、県営水道と市町村水道を県域をカバーする水道供給サービスとして一体的に捉えて連携を進めるなど、人口減少を見据えた取り組みをずっと続けてまいりました。

 今般、地方自治法が改正され、新たな連携制度として連携協約や、県が積極的に市町村に力をかすことができる事務の代替執行の制度が創設されました。

 これは、人口減少社会が到来する中で、国の考え方が、かつての合併の推進から、連携の促進にシフトした結果と考えております。

 この流れは、まさに本県が取り組んできた奈良モデルの考え方に通ずるものでございます。今回の地方自治法改正は、奈良モデルの取り組みに国が追認したものであると言われ始めております。

 人口の少ない市町村ほど、財政力は弱く、職員数が少ない傾向にあることから、今後人口が減少していく中で、行政サービスの提供体制を維持していくことは困難になるものと考えられます。

 このため、住民への行政サービスの維持・向上に努力する市町村を支えようとする奈良モデルは一層重要になると考えられておりますので、引き続き積極的に取り組んでまいりたいと思っております。

 葛城市クリーンセンターについての質問が二問ありました。許可の仕方、また、大阪高等裁判所判決の解釈についてでございます。

 葛城市クリーンセンターは、金剛生駒紀泉国定公園内の第二種特別地域と呼ばれるところにございますから、自然公園法による知事の許可が必要でございます。同法施行規則第十一条第六項におきましては、建築物の高さや面積、規模などについての許可基準が定められておりますが、現時点では申請はまだ出されておりません。今後、葛城市長から建設の許可申請があれば、このような法律上の基準に従って厳正に審査し、判断することになると思います。

 また、さらに、大阪高等裁判所の判決の内容についてのご質問がございました。多少、複雑でございますが、議員もお述べになりましたように、大阪高等裁判所の判決は、控訴人の訴えを不適法であるとして却下、いわゆる門前払いをいたしました奈良地方裁判所の判決を相当として本件控訴を棄却しておりますので、その点では県の主張が認められたものであると思います。

 また、この判決では、原告適格の判断において、議員お述べになりましたように、平成十二年八月七日付、当時の環境庁自然保護局長通知を参照して述べている部分がございます。繰り返しになるかもしれませんが、一般廃棄物処理施設は、周辺の風致景観に著しい支障を与えることが明らかであるためというふうに述べております。周辺住民に許可の差しとめを求める法律上の利益がある根拠として述べたものと解釈されます。

 一方、環境庁の局長通達では、違う言い方をされております。廃棄物処理施設の設置により、周辺の風致または景観に著しい支障を与えることが明らかな場合には、不許可とする必要があるという言い方でございます。この通知は、いかなる場合でも施設が周辺の風致景観に著しい支障を与えると断定しているものではないと思われます。したがいまして、判決文と国の通知では、その表現を文字どおりに読むと、意味するところが大きく異なっているように見えますが、判決文の読み方をどうするかはともかくとして、県は、国の通知に従って、許可の是非を判断する必要がございます。処理施設が、周辺の風致景観に著しい支障を与えることが明らかな場合には、許可いたしませんし、そうでない場合は許可するということになると思います。いずれにしても、自然公園法の基準に従って、厳正に審査し、判断することになると考えておるところでございます。

 質問に対するお答えは、以上でございました。ありがとうございました。



○副議長(井岡正徳) 江南健康福祉部長。



◎健康福祉部長(江南政治) (登壇)二十七番森川議員のご質問にお答えをいたします。

 私に対しましては、県は、平成二十七年四月からの介護保険制度の改正に対応するため、制度の運営主体である市町村への支援や県民への周知、理解促進について今後どのように取り組むのかとのお尋ねでございます。

 議員お述べのとおり、今回の介護保険制度の改正は、持続可能な介護保険制度等社会保障制度の確立を図るために、多岐の事項にわたる大幅な改正となっているところでございます。

 県では、今般の制度改正に関しまして、保険者であります市町村において万全な準備等の対応を進めるとともに、被保険者であります県民に対しまして、その負担、そしてサービスの変更点等につきまして、十分な周知を行い、理解を得ることが重要と認識しております。

 市町村に対する支援の具体的な取り組みにつきましては、まず昨年度から、国の説明会の都度、合わせまして計三回の市町村担当課長会議等を開催をいたしまして、制度改正のポイントなどにつきまして情報提供をしてきたところでございますが、今後も、七月下旬に予定されております国の説明会の後に、会議を開催することとしております。

 また、制度改正の内容は、現在市町村が策定中であります平成二十七年度から平成二十九年度にわたります第六期の介護保健事業計画に反映をする必要があるために、その状況等につきまして、市町村ヒアリング等で確認を行い、必要に応じて助言等を行うこととしております。

 さらに、新制度で必要となります要支援者に対する訪問介護サービス等を行いますNPO、あるいはボランティアなどの育成につきましては、これを支援するために、今年度、市町村に対する県独自の補助制度を創出したところでございます。

 次に、県民への周知・理解の促進についてでございますけれども、基本的には市町村が取り組む事項であるというふうに考えておりますが、県といたしましても、一層の住民周知等を図るために、市町村とも連携をしながら、県政出前トークや各種会議の場、あるいは広報誌等のメディアなど、さまざまな機会や媒体を活用いたしまして、幅広く周知等を行ってまいる所存でございます。

 以上でございます。



○副議長(井岡正徳) 吉田教育長。



◎教育長(吉田育弘) (登壇)二十七番森川議員の質問にお答えをいたします。

 私には、小・中学校における特別支援教育への支援体制の構築と充実についてどのように取り組んでいるのかのお尋ねでございます。

 特別支援教育は、共生社会形成の基礎となるものであり、現在及び将来の社会にとって大変重要な意味を持っております。この特別支援教育を推進するためには、各小・中学校において校内支援体制を構築することと、教員の専門性の向上を図ることが不可欠でございます。

 県教育委員会では、校内支援体制構築の核となる特別支援教育コーディネーターを平成十六年度から平成二十年度までの五年間をかけて養成をし、現在、全小・中学校においているコーディネーターは、それぞれの学校で、校内委員会及び関係諸機関との連絡調整等を行うとともに、校内の若手教員の支援も行っております。

 さらに、校内の連携を確かなものにするため、児童生徒の現在の様子や特別支援学級での指導の結果や課題等を示す個別の指導計画、個別の教育支援計画の作成とその活用を進めております。県教育委員会においては、各市町村教育委員会と連携をして、一層の促進を図ってまいりたいと思っております。

 また、教員の専門性の向上を図るため、各学校の特別支援学級の運営のあり方や担任への支援を行う特別支援教育巡回アドバイザー三名を県教育委員会に置き、各学校での教育相談やケース会議に参加をし、指導・助言をいたしております。とりわけ、特別支援学級の新担任には、個別の事例を踏まえた指導及び授業のスキル等の研修も実施をしているところでございます。

 今後も、小・中学校における特別支援教育を一層推進するため、個々の教員の専門性の向上とともに、学校全体で児童生徒を支援するこの体制の構築と充実に努めてまいります。

 以上でございます。



○副議長(井岡正徳) 二十七番森川喜之議員。



◆二十七番(森川喜之) 答弁いただきまして、本当に今後の取り組みの課題についてはさまざまあります。

 今、知事がおっしゃいました、答えていただきました公共交通のネットワーク、これも今、人口減少による県民の減少、また、今後の高齢化社会に向けての対策、さまざまな対策の中で一連しております。

 公共交通のネットワークについても、市町村はもう十数年前に路線バスが廃止をまずされた、そういうところからコミュニティバス、また福祉バスを通じて地域の交通対策を考えておられました。それを、しっかりと県の方で、また市町村の実情を踏まえて、どのように結んでいくのか、路線がなくなったら、その路線の費用を各広域にわたる市町村に路線をつないでもらうような、そういう提案もまた今後していただいたり、知事、先頭になって活動していただいておりますので、どうか一段と、より一層、県民の不安のないように、今後とも交通政策を、充実をさせていただきたいと思います。

 また、少子化に対する奈良モデル、本当にいろいろ中を見せていただいたり、また奈良モデルの検証も今までさせていただいています。その中でも、知事の取り組みは一段すぐれておりますし、ただ、やはりこれから要望として出させていただきましたけども、県全体としての取り組みを今後行政として力を入れていただきたいと思います。

 また、介護保険については、これから制度改正が始まる中で、今消費税が上がり、また医療費が上がり、また介護保険も上がる、さらに来年度になれば消費税が一〇%になる、県民の高齢者の方だけではなく、さまざまな方が迫り来る増税、厳しい現状になってきますので、そういうときに高齢者の方がまた心配されたら、どこで聞いていいのか、どこで相談をすればいいのかというところも踏まえて、来年の四月から始まりますが、その辺もしっかりと押さえていただいて、県民が不安を持たれたら、すぐに対応すると。また市町村が少ない財政で、これから国からの移管を前に、どのように予算を組んでいくのかということも今後考えられますので、さまざまな取り組みも必要と思います。

 また、教育委員会に質問させていただきました特別支援教室、また教員の皆さんには大変、前回も質問させていただいた中でも、重労働というのは、重い問題とかいっぱいあると思うので、そういう意味ではそういう過重がかからないように、教員の方、一丸となっていただいて、障害者の子どもさんの就学に、より一層力を入れていただきますようにお願いをいたしまして質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございます。

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○副議長(井岡正徳) 十五番森山賀文議員。



◆十五番(森山賀文) 本日はこれをもって散会されんことの動議を提出します。



○副議長(井岡正徳) お諮りします。

 十五番森山賀文議員のただいまの動議のとおり決することに、ご異議ありませんか。

     (「異議なし」の声起こる)

 それでは、さように決し、明、六月二十七日の日程は当局に対する代表質問とすることとし、本日はこれをもって散会します。



△午後三時五十五分散会