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平成26年  2月 定例会(第314回) 03月10日−06号




平成26年  2月 定例会(第314回) − 03月10日−06号







平成26年  2月 定例会(第314回)



 平成二十六年

        第三百十四回定例奈良県議会会議録 第六号

 二月

    平成二十六年三月十日(月曜日)午後一時一分開議

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          出席議員(四十二名)

        一番 宮木健一          二番 井岡正徳

        三番 大国正博          四番 阪口 保

        五番 猪奥美里          六番 尾崎充典

        七番 藤野良次          八番 太田 敦

        九番 小林照代         一〇番 大坪宏通

       一一番 田中惟允         一二番 岡 史朗

       一三番 畭 真夕美        一四番 乾 浩之

       一五番 森山賀文         一六番 宮本次郎

       一七番 山村幸穂         一八番 欠員

       一九番 松尾勇臣         二〇番 上田 悟

       二二番 神田加津代        二三番 安井宏一

       二四番 奥山博康         二五番 荻田義雄

       二六番 岩田国夫         二七番 森川喜之

       二八番 高柳忠夫         二九番 今井光子

       三〇番 和田恵治         三一番 山本進章

       三二番 国中憲治         三三番 辻本黎士

       三四番 米田忠則         三五番 出口武男

       三六番 新谷紘一         三八番 秋本登志嗣

       三九番 小泉米造         四〇番 中村 昭

       四一番 欠員           四二番 山下 力

       四三番 梶川虔二         四四番 川口正志

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          欠席議員(二名)

       二一番 中野雅史         三七番 粒谷友示

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        議事日程

一、当局に対する一般質問

一、追加議案の上程

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○副議長(井岡正徳) これより本日の会議を開きます。

 この際、お諮りします。

 追加議案の上程を本日の日程に追加することにご異議ありませんか。

     (「異議なし」の声起こる)

 ご異議がないものと認め、さように決します。

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○副議長(井岡正徳) ただいまより当局に対する一般質問を行います。

 順位に従い、七番藤野良次議員に発言を許します。−−七番藤野良次議員。(拍手)



◆七番(藤野良次) (登壇)議長のお許しをいただきましたので、一般質問を行います。

 その前に、昨年末、県内三十三市町村長と県議会議員十五名の参加のもと、奈良県にリニアをの会が発足されました。あわせて、リニア中央新幹線の中間駅の候補地については、大和郡山市で一本化すべきとした提言書を荒井知事に提出されました。その提言では、東京−大阪間の同時開業と、リダンダンシーの観点から日本の大動脈の二重化、そしてリニア中央新幹線の効果を県南部を含む県全体及び紀伊半島地域へと広げるため、鉄道網、道路網で各地と高い交通結節性を有し、県の人口重心にも近接した大和郡山市に設置すべきとうたっています。リニア中央新幹線新駅はど真ん中駅、大和郡山市へ、その実現を願いながら質問に入ります。

 まず初めに、観光振興についてお聞きいたします。

 県は先般、平成二十四年に奈良県を訪れた観光客数などを調べた県観光客動態調査報告書をまとめ、発表されました。報告書によりますと、平成二十四年一月から十二月に県内を訪れた観光客数は三千四百二十八万八千人、前年に比べて九十八万一千人、約三%ふえたということであります。しかし、観光入込客数は一千九百三十六万四千人、うち宿泊客が二百五万九千人、日帰り客は一千七百三十万五千人という状況で、圧倒的に日帰り客が多いのが現状です。また、一人当たりの観光客消費額は、宿泊客二万二千五百四十九円、日帰り客は三千七百三円であり、全国平均が、宿泊客二万七千六十一円、日帰り客五千四百九十六円と比べてかなりの差があります。やはり県における最大の観光課題は、宿泊力の強化であることは言うまでもありません。ホテル誘致に向けた活動や宿泊施設への支援など、今後のさらなる取り組みに対し、大いに期待をしております。また、既に県では、周遊観光である巡る奈良にも取り組んでおられることは承知していますが、奈良全体を楽しんでいただくことで、いかに県内にとどまっていただくかといった取り組みも必要であると考えるところです。多くの観光客がまず訪れる場所といいますと、県が力を入れている大宮通りプロジェクトの奈良市内です。そのことは観光地奈良としては当然のことですが、奈良市内を訪れる観光客をいかに県内各所に案内するかといった仕掛けづくりも必要であると思うところです。交通や地形的な利便さも考え合わせますと、まずは南隣である大和郡山市への案内に本格的に取り組むのはいかがでしょうか。

 ご存じのとおり、大和郡山市は、中近世の歴史あるまちであり、大和を統一した筒井順慶公が郡山城を築城し、百万石として入城した大和大納言・豊臣秀長公が治めた後、最後は柳沢十五万石として栄えた城下町です。そのお城は現在、郡山城天守台展望施設整備事業として国、県からの補助をいただき、平成二十五年から平成二十八年の四カ年で、総事業費約四億円近くかけて石垣の補強整備を行っています。この石垣から望む大和平野は見晴らしもよく、さぞや眺望のよいスポットになると期待を膨らませているところです。また、郡山城址にある桜は、既に日本の桜名所百選にも選ばれており、間もなく開催されますお城まつりには、毎年多くの方々が訪れ、花見をはじめ時代行列などのイベントも楽しんでいただいております。この時期は、盆梅約百二十鉢を、日本でも珍しい郡山城の櫓という厳かな雰囲気の中で堪能していただく盆梅展が、あすの十一日まで開催されています。さらに、郡山藩士や農家の副業として力を入れた金魚の養殖は、生産高において全国シェアの四〇%を占めており、本年で二十回目を迎える全国金魚すくい選手権大会も、全国各地からの参加者があり、大変好評をいただいております。この金魚は、全国豊かな海づくり大会に向け、奈良県の魚の一つに選ばれたことはご案内のとおりです。まさしく平和のシンボル金魚が泳ぐ城下町であり、その他の観光スポットも含め、古都奈良から中近世の郡山へと、旅の物語がつくれる観光地であると思います。

 そこで、荒井知事にお尋ねいたします。以上のような観点を踏まえ、奈良市内に訪れる観光客を県内各所、特に南隣に位置する大和郡山市に誘導する取り組みを進めてはどうでしょうか。また、点と点を結ぶ導線については、平城遷都一三〇〇年祭においてもレンタサイクルが大変好評でありました。例えば、私は沿線の全駅や名所ごとにレンタサイクルシステムを設置してはどうかと考えるところでありますが、県は、観光拠点をめぐるための自転車利用の促進をどのように図っていこうと考えておられるのか、あわせてお伺いいたします。

 次に、人口減少及び人口流出への対策についてお聞きいたします。

 県統計課がまとめた県の推計人口では、県の人口が十四年連続で減少しているということです。ピークだった平成十一年の約百四十四万九千人から約六万五千人減っており、昨年十月現在では百三十八万三千五百四十九人ということです。また、一年間の県外移動者は十六年連続で転出超過となっており、県への転入者は二万九千三百六十七人、県外への転出者は三万一千六百六十九人、マイナス二千三百二人ということです。一方、近畿各府県に目を移しますと、都市圏の大阪、兵庫、京都以外では、滋賀県が百四十一万五千人、人口増減率は〇・〇九%、全国で六位となっております。ちなみに、奈良県の人口増減率はマイナス〇・四四%、全国で二十四番目です。滋賀県の人口増加については、ベッドタウン化以外に、大学などが設立、移転したことや、京都や大阪などの大企業が滋賀県に進出し、雇用が創出されたことも人口増加につながっていると分析されます。さらに、総務省が公表した二〇一三年の住民基本台帳人口移動報告によりますと、三大都市圏のうち東京圏は、転入者が転出者を上回る転入超過が九万六千五百二十四人となり、二〇一二年の六万七千二百九人から大幅にふえたということであります。総務省は、景気回復が進み、企業が多く集まる東京圏に人口が集中する傾向が再び強まったと分析しています。今後、若者をはじめとした雇用を求める方々が都市圏や企業が集積する県などに転出する傾向がさらに強まっていくことに危機感を覚えるのは私だけではないと思います。したがって、地域雇用の創出につながる企業誘致及び現存企業の活性化や、県内における就労支援については、より一層の取り組みを願うところです。

 そこで、知事にお尋ねいたします。人口の流出を防ぐには、県民が県内で就労することが重要であると考えます。特に若者や女性が県内で就労するための雇用対策をどのように進めていこうと考えておられるのでしょうか。女性の再就職支援策についても、あわせてお聞きいたします。

 さて、人口減少の要因の一つである少子化は、高齢化とともに、この国の大きなテーマであり、地方においてもその取り組みの充実が求められています。先月県は、奈良県子育て実態調査結果の概要を公表されました。これによりますと、夫婦の間の子ども数は平均人数二・一七人となり、平成二十年調査の二・〇八人よりは少しふえており、全国平均よりも上回っているということです。また、女性一人が生涯に産む子どもの推定人数を示す合計特殊出生率についても、全国平均より下回るものの、平成十七年から伸びている状況です。ただし、若干の伸びということで、少子化の流れに歯どめがかからない状況は間違いのないところです。ある新聞社により本年一月に実施された少子化に関する全国世論調査の結果が、先日記事として掲載されていました。今の日本を子どもを産み育てやすい社会だと思うと答えた人は三五%で、依然として低い数字ではありますが、二〇〇六年の調査と比べ、その割合は一三ポイント上昇したということでした。これは、生活における仕事と子育ての両立や、男性の育児参加などに対する社会の理解が進んだことが反映したものと見られます。このように少子化は、日本の将来にとって深刻な問題であると社会全体が捉え、子育てに関する不安を拭い去り、誰もが安心して子どもを産み育てることができる取り組みを地道に積み重ねることにより、徐々に成果があらわれてくるものと思われます。

 また、この調査で、政府や自治体が少子化対策で重点的に取り組むべきことは何かという問いに対し、全体の四九%でトップだったのが出産や子育てで、退職した人の再就職を支援するということでした。先ほど申し上げました奈良県子育て実態調査結果にも同様の結果が出ており、現在働いていない女性のうち約七割が今後の就労を希望しているとともに、その約九割は、パート・アルバイトの形態で三十分以内の通勤時間を希望しているとのことであります。子育てに金銭的経済的な不安、負担を感じている方は七割近くおられるということであり、女性の再就職支援策の充実が急務であると思われます。女性の再就職支援策については先ほど質問事項として申し上げましたので、よろしくお願いいたします。このように、少子化対策としての取り組みは多方面にわたりますが、今回は、昨年六月の代表質問に続き、保育の充実についてお聞きいたします。

 現在、全国における待機児童数は、厚生労働省の取りまとめによりますと、昨年四月現在で約二万二千七百四十一人となっており、県内においては同じく、昨年四月現在で二百五人、十月現在では三百三十五人となっています。特に奈良市や生駒市など人口密集地に偏在するとのことでありますが、保育所の増設や拡充とともに、不足している保育士の確保策は喫緊の取り組みであることは、言うまでもありません。また、保育士の資格を有していながら現在保育士として就労していないいわゆる潜在保育士は、厚生労働省の推計で全国で六十万人以上ということです。県では、登録者が約一万六千人で、就労者が約四千人ということですが、正確には把握し切れていないのが現状だと思われます。厚生労働省の調査では、資格があるのに、保育士の仕事を希望しない人の半数近くが、賃金が希望に合わないを理由に挙げられており、奈良県保育士等実態調査では、保育士の七割が勤務内容と比べ給与が安い、やや安いと感じるとの結果が出ています。こういった賃金面での待遇改善も課題であり、厚生労働省は、平均勤続年数に応じて賃金を上乗せできるよう、私立保育所への補助を創設されたほか、潜在保育士確保策としては、現場復帰に必要な知識を学ぶ講座や実習などを実施しやすくするような補助も実施されているということであります。また、全国のハローワークでは、保育士の応募が一定期間ない保育所に、求人条件見直しなどの相談に応じています。

 そこで、知事にお尋ねいたします。今日の人口減少時代の到来を踏まえますと、少子化への対策を講じることが急務であり、そのためには、潜在保育士への就労支援など、保育士の確保対策が最重要課題であると考えます。県として今後どのように取り組んでいこうとされているのか、お聞きいたします。

 次に、農業の六次産業化についてお聞きいたします。

 先日、県内の青年就農者の方々と意見交換をする機会がありました。大和丸なすというブランドを守りながらも、さらに規模拡大を行うとともに、積極的に雇用を創出している就農者や、みずからお茶の生産農家に飛び込み、そのほかの作物の生産や直接販売も手がけ、現在、農業と福祉、あるいは農業と医療をつなげる研究や普及に取り組んでいる方もおられました。それぞれ前向きに意欲的に取り組まれている姿を拝見し、本県農業の未来を憂う私にとっては、その存在を大変頼もしく感じたところです。やはり農業の振興は、新規就農者を含め、意欲ある担い手の育成が重要と考えるところであり、また、奈良県農業の将来を担う青年就農者には、新たな農業の取り組みに対し補助や融資制度の活用についての支援が必要であると思います。手続の簡素化等も含め、今後の一層の取り組みをお願いするところであります。

 さて、今回質問いたします農業の六次産業化についてですが、申すまでもなく、農業や水産業などの第一次産業が食品加工、流通販売にも業務展開している経営形態をあらわすものであり、加工賃や流通マージンなど、今まで第二次、第三次産業の事業者が得ていた付加価値を、農業者自身が得ることによって、農業を活性化させようというものであります。例えば、新商品づくりによる農業のブランド化や、消費者への直接販売、あるいはレストランの経営などが挙げられます。荒井知事は、今年度の新規事業として、調理、食品加工、接客等の能力を持った農業人材を育成する農業の六次産業化研修拠点として、(仮称)なら食と農の魅力創造国際大学校の整備を進めるということであり、六次産業化に対しては意欲的に取り組まれておられます。将来の成果に対し大いに期待を持ちながら、見守ってまいりたいと思います。その六次産業化を目指す事業者に対し、現在県内において既に認定されている総合化事業計画については、約四十件とお聞きしております。しかし、取り組みを進めるに当たっては、衛生面での安全性や加工技術、あるいは販路開拓などの課題があると言われています。農業生産以外のなれない業務に、その苦労も見え隠れいたしますが、新しい農業の形をつくっていこうとされる方々にぜひとも頑張っていただきたいと願います。

 そこで、農林部長にお尋ねいたします。奈良県農業の新たな取り組みとして、農業の六次産業化にチャレンジする担い手がふえている中、事業を進めるに当たってはさまざまな課題も多いとお聞きするところです。県における課題の把握と対策についてお聞きいたします。

 最後に、教育問題についてお聞きいたします。

 学校は、子どもたちとって最も身近な社会であり、子どもたちはみずからの思いを自由に表現し、意見し、みんなで創造しながら、ともに学びます。そうした中で、他者とのかかわりや自己実現など、生きていく上で大切な要素を経験的に身につけ、社会の主権者として育っていきます。こうした機能を有する学校において、教育現場のみでは解決できない問題が生じ、社会全体の問題として取り組まれることも多くなりました。特にいじめ問題については、そのことでみずからの命を絶ってしまう現象も相次ぎ、深刻な問題となっています。子どもたちにとって一番身近な学校におけるいじめ問題の対応については、現在、スクールカウンセラーや非常勤講師等の活用が図られています。多忙を極める学校現場の中、悩みを持つ子どもたちにきめ細かい対応を行ってもらえるとともに、先生方のサポートやきめ細かい生徒指導にもつながっており、その取り組みの成果が大きく、学校現場からの要望も強いとお聞きしております。こういった取り組みのさらなる充実を願うところでありますが、教育長のお考えをお聞かせください。

 次に、全国学力・学習状況調査についてお伺いいたします。

 全国学力・学習状況調査、いわゆる全国学力テストは、ご承知のとおり、子どもたちの学力低下が問題視されるようになり、二〇〇七年から日本全国の小学校六年生、中学校三年生を対象として行われています。ことしで八年目を迎える全国学力テストですが、昨年文部科学省は、実施要領を変更し、これまで禁じてきた市町村教育委員会による学校別の成績公表を、平成二十六年度から認めるとされました。文部科学省は、地方から説明責任を果たしたいとの要望があり、教育委員会として教育施策を検証し、学力改善につなげるなら公表を認めることにしたとの方針転換の理由ですが、同じ文部科学省が実施したアンケートでは、学校別の成績公表に賛成の市町村教育委員会は一七%にとどまり、反対が七九%に上っているということです。どこの誰を見て方針転換しているのか、首をかしげるところであります。また、一覧表にしたり順位をつけたりすることを認めない配慮事項を示し、公表には結果分析と改善策の提示を義務づけるということです。しかし、具体的な公表方法は各教育委員会に任され、ルール違反に罰則もなく、第三者が各学校の成績を集めてまとめれば、学校間の順位づけは容易にできてしまいます。文部科学大臣は、保護者や地域に説明責任を果たすことが重要と述べられていますが、公表解禁は学校間の過度の競争や序列化につながるとの懸念も強く、果たしてそのことが学力向上につながっていくのか、甚だ疑問に感じています。

 そこで、教育長にお尋ねいたします。次回からの市町村教育委員会による学校別の成績公表については、問題が多く、慎重に対応すべきと考えますが、県教育委員会の対応をお聞きいたします。

 次に、その低下が問われています児童生徒の体力向上の取り組みについてお聞きいたします。

 昨年二〇一三年度における全国体力・運動能力、運動習慣等調査について、県の結果が発表されました。小学校五年生と中学校二年生の調査ですが、小学生男女総合は二十九位、中学生男女総合は四十二位であり、二〇一二年度の同調査結果も勘案すると、小学生は全国レベルに向上したものの、中学生は全国的に見れば依然低い順位であります。また、運動習慣などに関する調査では、運動部やスポーツクラブに所属しない子どもが、小中学生ともに全国よりもやや多く、一週間の運動時間が六十分未満の割合も全国平均より高かったということです。そういった中、県は、昨年の三月に奈良県スポーツ推進計画を策定されました。誰もがいつでも楽しめるスポーツを掲げられ、その中で子どもの体力の向上がうたわれており、体力低下という状況を改善するためには、幼児期や学童期のころから運動・スポーツに親しむ機会を持ち、体を動かす楽しさを体験させることが大切と考えられますと記されています。

 そこで、教育長にお尋ねいたします。奈良県の子どもの体力を高める取り組みとして実施された学校のグラウンドの芝生化の現状について、どのように評価され、そして今後どのように取り組まれるのか、あわせて、子どもの体力向上に大変重要な時期とされる幼児期や学童期に、学校現場等で今後どのような取り組みをされるのかをお伺いします。

 最後に、公立学校における労働安全衛生管理体制の整備とメンタルヘルス対策についてお聞きいたします。

 社会構造が複雑化し、子ども、保護者が多様化する中でも、学校の先生方は子ども一人ひとりにきめ細やかな指導を行い、人間関係を重視した温かみのある教育を実践しなければなりません。人に対して教えるということは、アウトプットすることですが、そのためには相応のインプットも必要です。しかし、現場の先生方においては、その時間も余裕もなく、準備が不十分だと授業の質が落ちることは、自分自身が一番よくわかっており、調査・報告書づくりなどの作業に追われ、授業準備に影響が出ている今の状況は、子どもたちに大変申しわけないと自責の念にかられるという悩みを抱えておられる方も少なくありません。労働時間や職務負担の面で強いストレスを感じながらも、子どもたちのためにと極めて高い意欲を持って教育に当たる先生方の姿を改めて示すものであると思います。

 そこで、教育長にお尋ねいたします。子どもたちを守り、寄り添う立場の先生方が、燃え尽きてしまう前に早急にその対策を講じていく必要があると考えます。この件については、昨年六月議会の代表質問でもお聞きをしておりますが、公立学校における労働安全衛生管理体制の整備やメンタルヘルス対策を早急に充実する必要があると考えるところであり、その現況と今後の取り組みについてお伺いいたします。

 以上、壇上における質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)



○副議長(井岡正徳) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)七番藤野議員のご質問がございました。私に対しましては、まず観光振興についてのご質問でございます。

 議員お述べになりましたことでございますが、奈良市を訪れる観光客を他の観光地に回すというのは、奈良観光の基本戦略というふうに考えております。議員お述べのように、奈良の観光の課題は、全体として観光が宿泊につながっていないことがございます。また、宿泊をされないと近隣の観光地にも周遊される時間がない、ちょっとだけ訪れて、すぐ帰るといった奈良観光が伝統になってきてしまっておりますが、そのようなことが続かないように願っております。新年度におきましては、奈良市などを集客力のあるゲートウエーと言われる観光地に来られた観光客に周遊を促し、連泊につなげていくための取り組みを重点的にしたいと思います。巡る奈良というブランド戦略でございますが、巡っていただく奈良、巡って楽しい奈良ということにつなげていきたいと思います。

 一方、観光は地域間競争の非常に激しい分野でございます。なまじっかのことでは振り落とされる分野であろうと思います。豊富な観光資源があるからといって努力を惜しんできたのが、奈良だと思います。観光客は他へ行ってしまって、取り返さなきゃいけない奈良というふうに認識をしております。最近は、県内各地において地域の素材を活用した話題性のある取り組みが開催されてきたのは、大変喜ばしいことだと思います。新しい取り組みが新しいお客を呼ぶということは、他の観光地も同様でございます。議員がお述べになりました全国金魚すくい選手権大会は、近世の奈良の魅力、歴史を活用した取り組みで、おもしろいかと思います。ほかにも金魚の産地はございますが、全国大会をまずするというのは、一番先に手を挙げた都市が全国大会ができるという証拠みたいなものでございます。ただ、全国から多くの方々が大和郡山市に来られまして、私も見学に行きましたが、大和郡山市にはホテルがないために、そのままバスで帰ってしまわれる方が多かったように思います。静岡県から夜行バスで来て、金魚すくいをして、そのまま帰ってしまわれたという強行スケジュールの旅行も多くて、大変残念でございました。一泊でもしてもらえば、お城にも行けるのに、法隆寺にも行けるのにというふうに思ったわけでございます。地域の歴史資源を利用して観光のイベントをするという試みは、城下町の大和郡山市だけでなく、橿原市の今井町、宇陀市の松山などで開催していただいております奈良・町家の芸術祭はならあとという新しい試みは、全国でも注目を浴びてくるものと思います。

 また、大和郡山市では、古事記編さん者の一人である稗田阿礼にちなんで記憶力大会が開催されております。県におきましても、記紀・万葉プロジェクトの目玉事業の一つとして第一回古事記朗唱大会を行いました。なかなかおもしろいものでございました。平成二十七年度、再来年度には春日大社式年造替が始まります。これを一つの観光素材としてとらえ、連携して観光キャンペーンを実施して、伊勢神宮の式年遷宮のあの集客力の激増の倣いまねをしようかというふうに思っております。また、オフシーズンの落ち込みが激しい、厳しい冬の奈良でございますが、逆にとって、奈良うまい冬めぐり、冬キャンと呼んでおりますが、を実施して、それを一つの魅力にして、巡る奈良に結びつけられることができたらという新しい試みをし始めております。新しい試みを連発しなければ、なかなか観光振興ができないというのが今の観光戦争の実態でございます。

 もう一つのポイントは、自転車の利用を観光の手段としたらどうかというご質問でございます。

 平地が多い北中和地域の奈良県でございますので、自転車を利用した観光というのは大変有力な手段だと思います。もっと強く意識して、この手段を利用するべきだというふうに思っております。また、自転車で宿泊を続けるというファッションが最近出てきておりますので、それをシステム化する努力をしております。自転車で旅行しながら、荷物を宅配便で次の宿泊所に先送りするといったことの繰り返しでございます。大変安い旅行ができるというのが特徴でございます。また、奈良市を見ますと、外国人の観光客が自転車を利用して散策、これは外国では自転車の観光地めぐりというのは普通の手段になっているからだと思います。自転車がそのように利用されるためには、案内板の整備が不可欠だと思います。歩く人の案内板と、自転車のための案内板とは、多少内容とか、案内板の位置とかが違うわけでございます。観光地奈良は、案内する受け入れ体制が極めて不十分だということはかねてから指摘をされてきておりました。自転車観光も含めて、案内板の整備は不可欠であろうかと思います。

 また、自転車の利用環境を整備するといったことも大事でございますが、奈良市から大和郡山市へ結ぶ自転車ルートとして、一つは秋篠川沿いに大規模自転車道がございますので、その整備をリニューアルをしてもらいました。法隆寺まで届く自転車道でございます。また、そのような発想から、県下の広域周遊自転車ネットワークを形成しつつあります。約六百キロメートルに上るネットワークでございます。平地だから、割と自転車の観光というのは奈良の有力な手段だと思いますが、先ほど申し上げました案内サインの整備というのが喫緊の課題でございますし、自転車を持ってこられない方にも貸し出して、乗り捨てできるというレンタサイクルのシステムを整備したいと思っております。県内十カ所のレンタサイクルの乗り捨て場ということを整備をしております。また、自転車の休憩所、自転車の点検・手入れをする場所、サイクルステーションというものを橿原市で整備しておりますが、もっと幅広くつくっていきたいと思います。また、案内板のほかに、自転車周遊マップが要るかと思います。議員お述べになりましたように、地元産のイベント、地元産の素材を利用した新しいイベント等、それをめぐるための簡便なツールでございます自転車の利用というのは、これから奈良の観光が心がけていくべき重点課題だというふうに思います。

 第二問目は、人口減少と人口流出への対策についてのお問い合わせでございました。

 人口流出対策と少子化対策は、対策の手法が違うわけでございますが、どちらも極めて重要な課題だと思います。最初のご質問の人口流出対策でございますが、近年の人口の移動は、大都市、とりわけ東京での就職機会と条件が、日本の国内ではダントツでピカイチでございますので、東京に向かって人口流出が各地から進んでいるというのが基本的な構造だと思います。それを防ぐには、各地において、奈良県において多様な雇用の創設というのがまず第一で、次には所得の向上が必要だというふうに思います。多様な雇用の創出と所得の向上が必要だというふうに思います。奈良県の実情は、議員もお述べになりましたが、県内の就業者数は平成二十二年の統計で七〇%、県外就業率が三割になっております。女性の就業率は四〇・九%と、どちらも全国で最も低い状況にございます。県内就労の必要性は、他の県に比べてより切実な課題であるというふうに認識をしております。このような事態になってしまっている基本的な原因は、経済構造がそのようになってしまって、長年ベッドタウンの位置に安住してきたことがその原因だろうというふうに思います。結果的に、若者、女性にとって多様な働く場が少ないというような経済構造、社会構造にしてしまったというふうに思っております。奈良での産業興しに本格的に取り組みたいと思っております。奈良での雇用を充実させたいというのが切実な願いでございます。

 一方、雇用の創出とともに大事なのは、求職と求人のマッチングということだと思います。若者につきましては、就労意識を高め、県内企業とのマッチングを一層強化することが必要だと思います。また、女性については、身近な場所でライフスタイルに応じた多様な働き方ができる環境が必要だと思います。女性の就労に関する環境は大変、人生の中で変化が大きいというふうに思います。若者の就労意識を高めるには、高校生向けにはインターンシップや企業精神の育成などに取り組んでおりますし、大学生向けには業界や職種の実情を紹介する研究会を開催しております。ほかの取り組みもしておりますが、先日、川口議員がご質問になりましたように、スネップと言われる就労に意欲が大変薄い、あるいはニートと言われるような方が、奈良県でもふえてきているのが現状でございます。このマッチングの努力に力を入れてしたいと思っております。

 女性の就労につきましては、奈良労働局と連携して、子育て女性就職相談窓口を開始いたしました。就職相談から職業紹介まで一元的なサービスを開始いたしました。M字カーブと言われる出産、育児の段階で離職をされて、その後復職される、大変右肩が落ちているというのが奈良の特色でございましたが、世代が若返るごとにだんだん右肩が上がってきております。これは、いろんな経済構造、あるいは環境が変化してきているものと思いますが、県の努力が大変大きな力になり得るものだと信じて努力をしていきたいと思います。女性の就労につきましては、若者の就労環境整備と違う女性の生涯にわたるワーク・ライフ・バランスをどう構築するかという観点も必要かと思います。県内企業の啓発に加えまして、今回、育児休業給付金に上乗せして賃金等を支給する事業者への助成制度を創設いたしましたが、これは全国でも珍しい取り組みだと今のところ思われています。

 それに関係することにもなりますが、少子化対策の観点から、保育環境の充実ということをお述べになりました。少子化対策の重要性、危機意識には、全く同感でございます。議員もお述べになりましたが、少子化の原因は複雑のように思います。少し奈良の出生率が低いのはどうしてだろうか、あまりよくわからないことが多いわけでございます。そのようなことから、即効薬というのはなかなか見つけられない状況でございますが、その中でも保育環境の充実は優先して取り組むべき課題だということは自明だというふうに思っております。

 保育環境の整備の中で、保育ニーズの増大に伴う保育士の確保が重要でございます。奈良県だけでなく、全国的にも同様の現象があらわれておりますが、本県におきましても、市町村をはじめ保育所関係の方々から、保育士確保に対する具体的な対応策の実施について多くの要望をお聞きしております。また、平成二十七年四月から本格施行が予定されております子ども・子育て支援新制度におきましては、保育の量的拡充が制度の柱の一つとされております。保育待機児童をなくすという目標でございますが、今後計画的に保育士の確保が必要だ、絶対必要だと思います。

 今年度は、保育士や保育施設等を対象に、保育士の就業環境等に対する実態調査を実施いたしました。簡単に報告申し上げますと、保育施設の七割以上が保育士の確保に困難を感じておられます。一方、保育士資格を有しながら保育士として勤務しておられないいわゆる潜在保育士がおられますが、その三人に一人の方が保育士として働くことを希望されていることがわかりました。復職の希望がおありになる方が三分の一おられるということでございます。そのような実態でございますので、県では保育士人材バンクをつくりまして、保育士の仕事のあっせん、合同就職説明会などを実施して、保育士への就職を支援したいと思います。そのための経費を来年度当初予算に計上させていただいております。また、潜在保育士に対する就職支援といたしましては、再就職のための研修のほか、職場見学やインターンシップの実施なども予定しております。再就職への不安が普通おありでございますので、その軽減をするというのも県の仕事だというふうに認識をし始めております。

 また、もう少し大きな課題でございますが、より多くの方が保育士を目指し、また保育士となられた方が仕事を続けやすくするためには、保育士の就業環境の向上が大事だと思います。賃金もそうでございますし、働く時間の長さなども問題になっております。そのために、市町村や保育士養成施設、保育所関係者等と意見交換をする懇話会を立ち上げております。私も参加をしておりますが、保育士の資質向上やキャリアパスの整備、ワーク・ライフ・バランスの推進について検討して、保育士としての魅力を高めるキャリアパスとして誇らしいものになる取り組みを始めております。このような取り組みの効果は、やってみなければわからないところがあるというのが正直な今の気持ちでございますが、全力でやっていくべき課題だというふうに認識をしておりますし、効果が出ればその値打ちがあるものと思って頑張りたいと思います。

 私に対する質問は以上でございます。ご質問ありがとうございました。



○副議長(井岡正徳) 福谷農林部長。



◎農林部長(福谷健夫) (登壇)七番藤野議員のご質問にお答えをいたします。

 私には、農業の六次産業化について、県における課題の把握とその対策について聞きたいというご質問でございました。お答えをいたします。

 農業の活性化を図るため、農産物の生産だけでなく、加工や流通、販売を一体的に取り組む農業の六次産業化を進めることが重要と認識をしております。これまで県内では、地域特産のネギをカット加工し、業務用への販路の拡大や、自社生産の柿をお菓子に加工、商品化し、百貨店で販売するなど、幾つかの事例が見られます。こうした中、県では、地域特産物の開発、雇用の創出や収益性の向上など、新たな農業ビジネスの展開を一層進めるため、平成二十五年十二月に六次産業化を目指す農業者などをサポートする相談窓口といたしまして、奈良六次産業化サポートセンターを設置いたしました。そのセンターに六次産業化プランナーを配置し、農業者に指導、支援を行っているところでございます。

 六次産業化を進めるに当たっては、議員もご指摘になられましたが、商品化までの衛生面の安全性や商品の販売促進が課題であるというふうに認識をしております。平成二十六年度におきましても、六次産業化プランナーを中心に専門家を招きました安全衛生対策研修会の開催、食品加工・流通事業者とのマッチング、ネットワーク化、量販店やホテル、レストランとの商談会の開催、また、食のギフト事業・奈良まるごと便を活用した販売促進対策に取り組む予定でおります。今後も引き続き、六次産業化を目指す農業者の方に対しまして、きめ細やかな対応を継続的に行いながら、意欲ある農業者や事業者などによる新商品開発や販路開拓、新たな施設整備等の取り組みなど、新たなビジネスの創出・拡大に向けて、積極的に支援をしてまいりたいと考えております。

 以上でございます。ありがとうございました。



○副議長(井岡正徳) 冨岡教育長。



◎教育長(冨岡將人) (登壇)七番藤野議員のご質問にお答えいたします。

 私には四点です。一点目は、学校でのいじめ問題の対応についてスクールカウンセラーや非常勤講師の活用があり、効果は大きい、学校現場での要望も強いと聞いているが、さらなる充実を思うが、どうかのお尋ねでございます。

 いじめ問題への対応には、いじめ早期発見・早期対応マニュアルに基づき対応することとしておりますが、この対応のためにも、議員ご指摘のスクールカウンセラーや非常勤講師の配置が、実際の現場で大変有効と承知しているところです。これらの今年度の状況は、スクールカウンセラーを小・中・高等学校九十三校に配置し、弾力的に近隣校からの相談にも対応しております。また、規範意識向上のための非常勤講師を小・中学校の二十二校に、生徒指導担当教諭の負担軽減のための非常勤講師を小・中・高等学校の九十二校に配置しております。

 次に、次年度における対応につきましては、スクールカウンセラーや非常勤講師ともに、今年度と同規模で引き続き配置したいと考えております。また、今年度で終了いたします学校サポーターのかわりに、新たに国庫三分の一補助のある教員経験者や青少年指導者等を活用したいじめ相談員も配置したいと考えているところです。これらの措置で、教員がいじめ被害等に悩む児童生徒の相談相手となり、児童生徒に向き合う時間を少しでも多く確保できるものと考えているところです。今後とも、カウンセリング機能の充実と、いじめの未然防止、早期発見・早期対応等に積極的に取り組んでいく所存です。

 二点目は、学力・学習状況調査の学校別の成績公表は、市町村教育委員会による学校別の成績公表は問題が多く、慎重に対応すべきと考えるが、県教育委員会の対応はどうかのご質問でございます。

 ご案内のとおり、従前から文部科学省では、全国学力・学習状況調査の結果の公表は、実施要領で、県教育委員会は個々の市町村名を、市町村教育委員会は域内の学校名を明らかにした公表は行わないこととされていましたが、平成二十六年度からは、県教育委員会は市町村教育委員会の同意を得た場合は当該市町村名を、市町村教育委員会はそれぞれの判断で個々の学校名を明らかにした公表を行えるものと示されたところでございます。この公表に関しましては、従前から、市町村教育委員会や学校が、学力や規範意識、学習意欲等の状況について、保護者や地域住民に説明責任を果たす必要があるとされていたところでございます。今回、調査を実施する文部科学省で、公表を否定するルールから、公表できるよう変更したことから、また、市町村に差異があることを県民が知ることは、学校現場が児童生徒の学力、体力、規範意識、学習意欲の向上に向けて努力する出発点となることから、県教育委員会としましては、市町村教育委員会の同意を得ながら、市町村名を明らかにした公表を検討したいと考えております。

 ご質問の小・中学校の学校名を明らかにした公表については、さきに申し上げましたとおり、ルール上市町村教育委員会の判断となりますが、教育の諸課題に保護者や地域と共同して取り組みながら、社会的きずなを深める学校コミュニティの仕組みを運営する上にも、学校をより深く理解してもらう重要な資料として、市町村教育委員会は公表を検討することになるものと考えております。ただ、県内には規模の小さい小・中学校も多く、児童生徒の個人情報の保護を必ず図る必要のあることや、調査結果の分析とそれを踏まえた改善方策をあわせて示すこと、学力については調査により測定しているのは国語、算数、数学だけの学力の一部であることを明確にすることが必要と考えています。この点は、公表するに当たり、市町村教育委員会に十分に指導・助言していくこととなります。今後は、序列化や過度の競争につながらない配慮について、市町村教育委員会と具体に検討してまいる所存です。

 三点目は、子どもの体力を高める取り組みとして、学校のグラウンドの芝生化の状況はどうか、これをどう評価し、今後どのように取り組むのか、また、子どもの体力向上に大変重要な時期とされる幼児期や学童期に、学校現場等では今後どのような取り組みをしていくのかのお尋ねでございます。

 ご承知のとおり本県の子どもの体力は、平成二十五年度の全国調査では、小学校で平成二十年度の全国四十一位から二十九位へと全国レベルに向上いたしました。一方中学校では、四十七位から四十二位と改善はしているものの、低位な状況でございます。県教育委員会では、体力向上の方策の一つとして平成二十一年度から、小学校十五校、県立学校、これは高等学校と特別支援学校ですが、県立学校五校をモデル校として、運動場の芝生化を行いました。今回の全国調査で芝生化した小学校の体力は、県平均より点数比較しますと六・〇八点、割合では五・六%高い状況となっております。また、平成二十三年度の県教育委員会の独自調査でも、特に女子の外遊びが、土の運動場と比較して約一〇%多くなる結果を得ております。このことから、運動場芝生化は体力向上や運動習慣の確立に相当の効果があるものと分析、評価しているところでございます。一方、施設整備をする市町村では、優先的に校舎の耐震化を実施していることなどの理由から、運動場芝生化は進んでいないのも現状でございます。ただ、県教育委員会といたしましては、今後も引き続き、芝生化の効果や設置及び維持管理に係るスポーツ振興くじの補助があることも含め、情報の提供等、芝生化を引き続き啓発してまいる所存です。

 次に、幼児期や学童期の運動・スポーツへの取り組みは、運動機能の発達や運動習慣の形成において大変重要と考えます。特に幼児期では、本年度、跳ぶ力の向上を中心に、幼稚園十園をモデルに指定し、子どもを夢中にさせる運動遊びに取り組んでおり、来年度も体力向上ホップ・ステップ・ジャンプ事業の中で、家庭や幼稚園、保育所で運動機能の形成に効果のある運動遊びを、県教育委員会ウエブページで紹介するとともに、担当教職員に実技講習会を開催したり、指導主事等の園・所への訪問指導を計画しております。今後、県教育委員会としましては、運動好きの子どもを育てるため、幼児期、学童期の取り組みに重点を置きながら、なお一層の充実を図ってまいる所存です。

 四点目は、公立学校における労働安全衛生管理体制の整備、あるいはメンタルヘルス対策を早急に充実する必要があると考えるが、現状と今後の取り組みについてのご質問でございます。

 県立学校では、労働安全衛生法に沿った体制を整備していますが、市町村教育委員会の中には医師による面接指導体制の整備やメンタルヘルス対策が不十分なところがあると認識しております。このことから県教育委員会ではこれまで、市町村教育委員会に対して、労働安全衛生管理体制の整備について繰り返し、市町村教育長会議や担当者会議で、関係法令等の説明等を行ってきております。その結果、例えば労働安全衛生管理体制で重要な医師による面接指導体制の整備率が、市町村立学校で、平成二十二年度文部科学省調査では二〇・五%であったものが、平成二十四年度には五七・四%に、衛生推進者の選任率は五六・一%であったものが七六・九%に改善してきております。

 次に、メンタルヘルス対策も大変重要なものになっていると認識しております。これは、管理職が教職員のメンタルヘルスを十分にマネジメントする能力を高めることが肝要であることから、公立学校共済組合と連携し、平成二十年度から毎年、管理監督者向けのメンタルヘルスセミナーを開催しております。本年度も、七月と十二月に公立学校の管理職を対象に、ロールプレイを通して相談対応の実践等を学ぶメンタルヘルス研修会を開催し、学校現場での活用を促したところです。ただ、まだまだ不十分であることから、今後は労働安全衛生管理体制整備の説明会を継続しながら、メンタルヘルスも含めて不十分な市町村に個別ヒアリングを行い、早期に全ての市町村立学校で体制が整備できるよう鋭意努力してまいる所存でございます。

 以上でございます。



○副議長(井岡正徳) 七番藤野良次議員。



◆七番(藤野良次) 二回目です。知事はじめそれぞれご答弁をいただきました。時間もあまりありませんので、一点に絞り申し上げさせていただきます。

 人口減少及び人口流出への対策についてですけれども、ご承知のとおり、奈良県はこれまで大阪通勤圏のベッドタウンとして開発され、その急増した人口によって県勢が上昇してまいりました。これは先ほど知事も冒頭おっしゃっておられました。したがって、この全国的な傾向とはいえ、少子高齢化による本県の人口減少というのは大変深刻な問題として捉えなければなりません。当然、知事はじめ皆さん方もそのように思っておられるかと存じます。一方で県内各市町村においては、例えば我が大和郡山市であるならば、若い世代の持ち家取得による転入定住者に助成金を交付したり、御所市では、市内の民間賃貸住宅に居住する新婚世帯への家賃補助を行ったりされておられます。市町村の取り組みというのは、県内居住者の県内移動という、こういった側面もあることは否めませんけれども、やはり危機感を持ってそれぞれの市町村、人口規模を適切に維持しようと努力されておられます。そういった意味においては、県の役割の重要性というのは本当にますます高まってきているのではないでしょうか。

 荒井知事は平成二十六年度の予算案の主な取り組みについて、消費と産業、雇用のバランスが非常に悪いという現状において、今後人口減少、高齢化が進む中、投資、消費、雇用が県内で好循環するよう、経済の構造改革に向けた取り組みを県政の主軸に置き、奈良県の発展を強力に進めていくと、このように平成二十六年度の予算編成に当たっての決意を示されておられます。私はこの荒井知事の考え方に、自立的な地域経済を目指すということに非常に積極的に評価をする一人であります。また、そういった取り組みによって県内における雇用が生まれて、若者が安定した職につき、経済的に自立しますから、結婚、そして出産へとつながってまいるというふうに思っております。さらに、保育の充実など、子育て支援によっても、一人でも多くの子どもを産み育てていくことにもつながります。

 多方面にわたる取り組みの充実にこれからも大いに期待を申し上げながら、ほかの残余の質問におきましては、再質問や要望等について予算審査特別委員会で行うこととして、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。



○副議長(井岡正徳) 次に、十番大坪宏通議員に発言を許します。−−十番大坪宏通議員。(拍手)



◆十番(大坪宏通) (登壇)奈良維新の会の大坪宏通でございます。議長のお許しをいただきましたので、質問をさせていただきます。

 質問に入らせていただく前に、一言申し上げさせていただきます。先日の代表質問において、集団的自衛権の行使について、自衛隊に集団的自衛権を行使させれば、今まで一人もなかった自衛隊のいわゆる戦死者が出る、相手の兵士、市民を殺りくすることになりますとの発言がありました。殺りくという言葉を辞書で見ますと、むごたらしく多くの人を殺す、残忍な方法で多くの人を殺すと書いてあります。自衛隊は相手国の市民を殺りくするのでしょうか。私は、日本の歴史上、市民の殺りくなどなかったし、これからもないと信じております。日本人なら、自衛隊を最後まで信じるべきではないでしょうか。過去に、自衛隊は暴力装置と言った元官房長官、最近では、尖閣諸島を日本に言わせれば日本の領土、中国に言わせれば中国の領土、台湾も含めて近辺の国が共有すればいいと発言した元首相、お二人とも、もともと同じ政党の出身の方であります。こういった発言は、自衛隊を侮辱し、隊員の士気を下げるものであり、大いに国益を損ない、百害あって一利なしであります。さきの東日本大震災、本県においては紀伊半島大水害、最近では山梨県をはじめとする大雪災害等、自衛隊の皆様には大変な活躍をしていただいております。さらに本県においては、県民一丸となって五條市への陸上自衛隊駐屯地誘致にも取り組まなければならない大事な時期でもあります。今までの国土の防衛や大規模災害への対応に感謝し、そのご労苦をたたえ、これからも国民の生命、財産を守るため、任務に励んでいただきたくお願いを申し上げ、質問に入らせていただきます。

 まず最初に、中国陝西省における韓国大統領からの要請による記念碑建設計画について、知事にお伺いをいたします。

 先日、本県と友好提携を結んでいる中国陝西省の省都西安市において、朴韓国大統領からの要請により、日本の朝鮮半島統治に抵抗した抗日朝鮮人部隊光復軍の記念碑建設計画があると報じられました。これは、朴大統領が昨年の六月二十九日に、陝西省の中国共産党幹部と面会した際に要請したもので、大韓民国臨時政府の記念碑を建立することで、韓国と中国の間で合意したことが二月二十四日までにわかったというものです。中国国内では、ことし一月に、初代韓国統監の伊藤博文公を暗殺した安重根の記念館が、暗殺現場である黒竜江省ハルピン市に開館され、日本から反発の声が挙がったのも記憶に新しいと思います。また、韓国中央日報では、重慶市に既に復元中の大韓民国臨時政府庁舎のそばに、光復軍総司令部を移築、復元することを決められたと報じております。あわせて同紙は、この重慶市の決定過程には、最近の安重根記念館設立など、中国で起きている抗日韓流の動きが影響を及ぼしたと観測されるとも報じています。これは中韓の対日共闘姿勢を象徴する動きと言えると思います。

 今回報道されている陝西省における記念碑建設計画について考えますと、奈良県と陝西省との間には、平成二十三年九月二日に友好提携が締結されております。また、奈良市と西安市との間でも、昭和四十九年二月一日に友好都市提携が行われ、ことしで四十年目の節目を迎えたわけであります。さらに、西安市は古くは、阿倍仲麻呂や空海とのゆかりの地、古都長安としても本県にとって深くかかわりのあることは皆様もご承知のとおりであります。それゆえ、一昨年の九月には中国各地で大規模な半日デモが起こりましたが、西安市でも発生したことに私は大きな衝撃を受けました。当時、奈良市議会議員でありましたが、友好都市関係が意味をなさないのかと情けない思いを持ったことを思い出します。

 そこで、知事にお伺いをいたします。こういった記念碑の建設計画は、本県との友好提携だけでなく、日中の両国間の友好関係の点からも好ましいものではないと考えますが、県としてどのように考えておられるでしょうか。

 次に、外国資本による水源林買収についてお伺いいたします。

 奈良県では、人口、資産が集中する大和平野は、降水量が少ない上、流域も小さく、森林の占める割合も四割程度と小さいため、古くから水不足に悩まされてきました。この水需要を満たすために、紀の川水系に大滝ダムや大迫・津風呂ダム、淀川水系に室生ダムと、多くのダムが建設されてきました。これらのダムが設置されている奈良県東南部は、流域の八割程度が森林地域であり、豊かで清らかな水を蓄える重要なダムの水源地となっているとともに、自然災害を防ぎ、多種多様な生態系を保全し、木材などの林産物を提供し、潤いと安らぎの場を与えるなど、さまざまな恵みを与えてくれる、私たち県民にとってかけがえのない貴重な財産となっています。

 近年、外国資本による森林買収が全国的に取り上げられていますが、水源林が外国資本に買収された場合、適正な管理がなされないことで森林が持つ公益的機能が失われ、県民共通の財産である水資源にとって重要な影響があると考えます。また同時に、飲料水の確保は、食の安全・安心とともに、国家の安全保障の観点からも非常に重要な問題であると考えます。国土交通省と林野庁が提携した調査の結果によりますと、平成十八年度から平成二十四年度にかけ、全国で八道県、六十八件、八百一ヘクタールの森林が外国資本により買収されたことが明らかとなっております。この問題については、平成二十四年九月の定例会において神田議員からも質問をされていますが、一年半の時間が経過しておりますので、当時とは、他府県や国の状況も変化してきています。当時、三道県が、水源地域における適正な土地利用を確保し、地下水の適正な採取も含め、健全な水循環の維持に資することを目的とした条例を制定しました。現時点では、十三道県で同様の条例が制定されています。一方国においても、外国資本による水源地や周辺地域の買収、乱開発に対抗することを背景に、超党派議員連盟により水循環基本法案が今国会に上程され、成立する見込みであります。水資源の保全には、適正な土地利用と地下水も含めた水利用の適正化が求められますが、先ほども申し上げたとおり、奈良県には水源地を抱える森林が多く存在しており、これらの森林を保全管理することが重要であると考えます。

 そこで、知事にお伺いをいたします。本県では、外国資本の森林取得についてどの程度把握され、どのような対応を検討されているのでしょうか。

 次に、西九条佐保線とJR新駅についてお伺いいたします。

 私はこれまでも、県都奈良市の道路整備に関心を持ちつつ、注視をしてきております。私は常々、適正に都市計画の見直しをしつつ、整備すべき道路はきちんと目標感を持って整備すべきと考えております。しかしながら、奈良市域の道路ネットワークは非常に脆弱であり、渋滞、交通安全等の課題が多く、観光振興にも悪影響を及ぼしています。

 奈良市は、国際文化観光都市を目指していますが、国際空港や国際定期便が運行している地方空港から高規格幹線道路が接続していない、全国でも唯一取り残された県庁所在地とのことです。さらに、南北方向のメーンの幹線道路である国道二四号は、渋滞が著しく、東西方向のネットワークも、史跡や住宅地があることなどから、非常に脆弱であります。整備途中で事業が休止、あるいは完成が遅いことも、道路事情が悪い大きな要因でしょう。例えば、奈良市事業になりますが、六条奈良阪線は、JR線の前後で事業がとまってから十五年にもなります。

 さて、現在高規格幹線道路である大和北道路が、西名阪自動車道の郡山ジャンクションから、済生会奈良病院付近に設置される(仮称)奈良インターチェンジまでの間で整備が進められています。その(仮称)奈良インターチェンジから奈良市内へのアクセス道路が西九条佐保線であります。交通ネットワークが弱い奈良市域で、大和北道路や国道二四号の機能強化と同時に、西九条佐保線が新たに整備されれば、奈良市域の南北方向の幹線軸が新たに形成され、市域の南北連携が強化されるとともに、地域に流入している通過交通の問題なども改善されます。

 また、インターチェンジ周辺で新駅設置の計画があります。病院や店舗等の立地が進んでいるにもかかわらず、公共交通の便が悪いことから、地元もJR関西本線の新駅設置を熱望していると聞きます。先月二十四日に行われた奈良市長が出席している大安寺の地区ミーティングでも、市長に新駅設置を求める地元からの強い声があったと聞きます。インターチェンジに直結して駅ができれば、パーク・アンド・レールライドなどの交通抑制策の実施、さらには駅周辺の民間開発の誘致など、まちの活性化に大きく寄与します。

 西九条佐保線の早期整備、JR新駅の設置は、県都奈良市、ひいては県全体の今後の発展のため、行政が担うべき重要なインフラ整備です。しかし、先日の奈良新聞にも記事が載っていましたが、市長は五日の奈良市議会の代表質問に対して、三十八億円の事業費負担や駅設置の費用対効果などを心配し、非常に消極的な姿勢であることを答弁しています。大和北道路、西九条佐保線、新駅設置、この三つが同時にできてこそ、(仮称)奈良インターチェンジ周辺のまちづくりが生きてくるのです。逆に、どれか一つでも欠ければ、(仮称)奈良インターチェンジ周辺のまちづくりはうまくいかないと思います。JR新駅がまちづくりに必要なのは自明の理です。市長も早く新駅設置を決断すべきであります。我々地元議員も、大和北道路の整備促進を強く訴えるとともに、西九条佐保線やJR新駅設置の必要性を広く県民に説明していかなければならないと思います。

 そこで、知事にお伺いいたします。県都奈良市、ひいては県全体の今後の発展のため、重要なインフラ整備である西九条佐保線についての現在の取り組み状況と、JR新駅に対する県の認識についてお伺いをいたします。

 続いて、リニア中央新幹線について要望させていただきます。

 この問題につきましては、先日の代表質問でも取り上げられており、山辺郡・奈良市選挙区選出の議員として思いを同じくするところでございます。私は、山辺郡・奈良市選挙区選出の議員としてもちろん、奈良市内に中間駅を設置すべきであるとの強い思いを持っておりますし、この場におられます山辺郡・奈良市選挙区選出の議員の皆様方も同じ思いであると思っております。ところが、昨年の十二月二十六日に、県内の三十三市町村長などが、中間駅の候補地を大和郡山市に一本化するよう求める提言書を知事に提出されました。このことは、奈良市長の姿勢にも問題があったと思います。仲川奈良市長は、就任当初は奈良市への中間駅設置には積極的ではありませんでした。奈良市への誘致には、熱意と、他市町村との協調が重要であるのは言うまでもありません。しかしながら、今は、同じ思いを持つあらゆる方々の力が結集され、中間駅の誘致に向けて努力していくしかないのであります。そして、地元の思いだけでなく、奈良を訪れる人々の利便性を考えれば、駅から出たところが観光地に近く、ここが奈良だとすぐにわかる場所でなければ意味がないといった声もかなりあるとも聞き及んでおります。

 このようなことから私は、リニア新幹線の中間駅は、奈良市以外ではあり得ないと主張させていただきます。さらに、奈良市への中間駅の設置は、奈良県をリニア中央新幹線が通ることが前提でありますが、現在、京都府側の動きが気になるところであります。中間駅の建設費用をJR東海が全額負担すると言った途端、京都府は中間駅の誘致活動を本格的に再開し、先月だったと思いますが、大阪府の松井知事が、大阪までの同時開通でなければ関西が沈没してしまう、大阪府もお金を出すので、経済界も協力してほしい、京都府にも協力を求めていくとの一部報道がなされたと聞いております。こういった報道がなされるのも、奈良県が関西広域連合に入っていないことが影響しているのではないかと私は思います。京都や大阪を中心とした地元関西におけるリニア中央新幹線をめぐる動きについて、これからも油断することなく注視していく必要があります。もちろん、リニア中央新幹線については、先日の本会議の場で知事が答弁されていたように、災害に対するリダンダンシーの観点から、国において昭和四十八年の基本計画に加え、直近の平成二十三年の整備計画においても、改めて主要な経過地が奈良市附近と決定されています。京都が何と言おうと、駅やルートについては既に決まったことであると私も認識をいたしております。また、県がこれまでも、三重県や両県の経済団体、リニア中央新幹線の沿線都府県で構成する同盟会などとともに、国やJR東海に対して、三重・奈良ルートの早期実現や全線同時開業の要望などを積極的に展開されていることは、私も評価をいたしております。しかし、全線同時開業を目指すことを考えると、リニア中央新幹線の終着駅とされている大阪府との連携、とりわけトップ同士の関係を強めていただきたいと思います。そのことによって、大阪府と京都府の連携といった言葉が、我々県民の耳に入らないように努力をしていただきたいと思います。そのためにも、リニア中央新幹線に対する奈良県の正当性を、これまで以上に積極的に関西に向けて発信していただくことが有効であると考えますので、強く要望をしておきます。

 次に、観光大使について要望させていただきます。

 観光振興対策として、全国的に観光大使及び観光特使が起用されています。県全体のPRを行うふるさと大使なども入れると、観光大使、観光特使等が起用されていない都道府県は、奈良県も含め、青森県、東京都など数県であるとのことです。観光大使は、一般的に、芸能人、スポーツ選手などの有名人、あとはゆるキャラなどが任命されることが多く、また観光特使は、ふるさと大使やふるさと特使などとも呼ばれ、一般市民や県出身者、県人会の方などが任命されているようです。この件については、観光振興対策特別委員会においても質問させていただきましたが、本県においては、現時点では取り組んではおられません。確かに奈良には豊かな観光資源があり、知事を先頭にさまざまな観光振興のための施策に取り組んでいただいておりますが、観光振興のためには、できることは何でもやる、決してやり過ぎということはないと思います。

 他県では、観光大使にかなりの数の有名人を任命されるところがあり、その顔ぶれを見させていただくと、この人はこの県の出身なのか、そういえばこんな映画にも出ていたなと、新たな関心が湧いてくるのを感じます。ふるさと大使の取り組みとして、幾つかの例を挙げますと、映画「県庁おもてなし課」で話題となった高知県では、高知県観光大使として有名人から一般の方まで幅広く四百七名の方が活躍されておりますが、特使用の名刺、観光パンフレットなどを県から支給し、高知県のPRをお願いしておられます。芸能人の方も、名刺の支給だけで就任していただいているとのことです。さらに、特使用の名刺を持って県外から高知県へ来られた方は、県内の観光・文化施設二十二施設に無料で入場できるようにもなっています。また、徳島県では、阿波とくしま観光大使、徳島交流大使の制度があります。阿波とくしま観光大使には横綱の白鵬関が、徳島交流大使には県出身で各地の徳島県人会に所属されている方々が就任されています。徳島交流大使スキルアップセミナーや、徳島交流大使会議等を開催され、県の関係者、他の地域の方とも積極的に交流されるなど、徳島県のPRに努めておられます。

 一方、奈良県を見ますと、あらゆる分野からすばらしい方々が活躍されています。昨年末の奈良マラソンでは、おなじみのせんとくんと笑い飯のお二人がスターターを務められましたし、先日のソチオリンピックでは、御所市出身の平岡卓選手がスノーボード男子ハーフパイプで見事銅メダルを獲得されました。このほかにもたくさんの方々のお名前が頭に浮かびます。県外の方々に、奈良県の観光大使の顔ぶれを見ていただき、奈良県への親しみと関心を持っていただくきっかけになればと期待しております。また、ふるさと大使には、ふるさと奈良に対する愛着心を持っておられる県民の方や、県出身の方に就任をしていただき、大いに奈良県をアピールしていただければと思います。そして、ふるさと大使のお知り合いが奈良県を訪問していただき、奈良ファンとなっていただきたく思います。観光大使やふるさと大使の今すぐの導入は難しくとも、せめて、全国のさまざまな事例を研究していただき、導入に向けて前向きに検討していただきたく強く要望させていただきます。

 次に、産業振興総合センターについてお伺いいたします。

 知事も、この定例県議会の初日の議案説明の際述べておられましたが、今後、人口減少や高齢化がますます進む中、地元経済を刺激し、完全とは言わないまでも、自立できる地域になるよう、県内産業の活性化に努めていくことは大変重要であると私も考えております。対象となる分野としては、観光業や飲食業、情報産業などに代表されるサービス産業や農林業の問題もありますが、私としては、戦後の日本をここまで支えてきた物づくり産業の活性化も必要不可欠だと考えています。先日公表されたことし一月の主要産業別新規求人状況によりますと、製造業では、対前年同月比で三一%と大幅な増加となっております。徐々にかもしれませんが、我が国全体で見ると、物づくりに光明が差してきたのではないかと思っております。以前は、大企業の指示に基づいて部品加工していればもうかった時代がありましたが、昨今は、中小企業みずからがマーケットが求める最終製品を意識して物づくりに取り組まなければならなくなったと、県内多くの企業から聞いています。マーケットの情報をいち早くつかみ、自社の事業にどう結びつけ、製品開発に取り組むのかといった発想が中小企業にも求められるようになりました。県では、こうした動きを先取りする形で、中小企業の経営支援、工業技術支援など、ワンストップサービス型の専門性の高い産業振興拠点となることを目指して、従来の創業経営支援室と商業振興課、そして工業技術センターを一体化した産業振興総合センターを昨年四月に設立されました。その役割としては、創業支援、経営革新、販路拡大、ブランド化、研究開発、技術相談、試験・分析、設備開放、人材養成、適正計量と多岐にわたると聞いておりますが、物づくり産業を中心とした頑張っておられる中小企業をサポートする奈良県のかなめとして、私自身、大変注目してきたところであります。

 そこで、産業・雇用振興部長にお伺いします。産業振興総合センターが昨年四月一日に設立され、もうすぐ一年になろうとしますが、昨年度までの工業技術センターから組織がえをしてどのような成果が出てきているのでしょうか。また、平成二十六年度は、今年度の成果を踏まえ、どのような取り組みをしようとしておられますでしょうか。

 ちょっと時間が足りなくなってきましたので、壇上での質問はここで終わらせていただきたいと思います。あとの件につきましては、また予算審査特別委員会等で発言をさせていただきます。(拍手)



○副議長(井岡正徳) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)十番大坪議員のご質問にお答え申し上げます。

 第一点目のご質問は、中国と韓国の間で進んでいると報道されております記念碑建設計画についての県の対応ということでございます。

 議員が質問でお述べになりました光復軍は、日本の朝鮮半島支配に抵抗して、一九四〇年につくられた大韓民国臨時政府の軍事組織のことでございます。重慶に司令部があり、陝西省西安にもその拠点の一つがあったことから、先般、中韓両国間で、陝西省内にその史実を記す記念碑を建設することについて合意があったという報道がなされました。二月二十四日と二十五日付の一部新聞では、韓国側は記念碑に記す碑文の内容を中国側に伝えたとされています。職員が外務省に確認いたしましたところ、記念碑をつくる動きがあることは承知しているが、その内容は事実確認中とのことでございました。国が事実確認のために情報収集中の事項でございますし、外交ルートで反応されてない事項を一部報道のみをもって憶測のコメントをすることは、差し控えるべきだと考えております。また、そのような記念碑を建設すること自体は、他国のことでございますし、基本的に、他国である我が国の地方政府が関与する余地がない事項と考えております。

 中国と韓国は、ともに我が国にとって一衣帯水の隣国で、非常に重要な国々でございます。両国と活発に交流し、相互理解を深め、未来志向で、相互の誤解を解消させることは、日本の国益に合致するものと認識をしております。中でも本県は、中国、韓国との長い交流を伝える文化遺産が残っており、本県だからこそできる地方政府同士の国際会議をしております。国と国同士が、またいろんな考え方の違いが国民同士にあっても、地方政府同士や人と人との草の根の交流が大切だというスタンスで、今後も国際交流を進めてまいりたいと思っております。

 二問目の、外国資本による本県水源林買収についてのご質問でございます。

 平成二十三年三月に、庁内関係部局や関係市町村で構成いたします森林売買に関する連絡会議を設置いたしまして、県内の森林売買についての情報収集や情報共有化等に取り組んできたところでございます。さらに、昨年四月の紀伊半島知事会議におきまして、森林を適切に保存するための具体的な取り組みを三県林業担当課長会議で協議することを提案し、八月に第一回目の会議を開催いたしました。その会議では、各県が入手した森林売買に関する情報を三県で共有していくことと、健全な水循環の維持、回復を目的とした水循環基本法案が昨年の国会で成立しなかったことから、今後の動向にも注視していくことを確認したところでございます。なお、現時点での情報でございますが、県内市町村に事例確認をいたしましたところ、本県における外国資本による森林買収事例はございませんでした。引き続き、情報収集に努めていきたいと思います。

 また、先ほど申し上げました水循環基本法案でございますが、議員お述べのとおり、再度、今国会に提出されると聞いております。法案には、国は水循環に関する施策を総合的に策定し実施する責務を有すると規定されておりますので、関係省庁がどのような施策を進めるのか、情報収集が必要と考えております。引き続き、三県課長会議において議論、情報共有を深めるとともに、加えまして、来年度より検討を始める森林環境管理制度の課題整理の中で、より有効な手法が講じられるかどうかを検討してまいります。

 次は、いわゆる西九条佐保線とJR新駅についてのご質問がございました。

 これまでの取り組み状況と県の認識についてご説明を申し上げます。現在県では、国に対し、大和北道路の(仮称)奈良インターチェンジまでの区間について、平成三十年代半ばまでの完成供用を要望しております。この供用にあわせまして、県では今、同インターチェンジから奈良市中心部へのアクセス道路でございます西九条佐保線の整備を重点対象戦略路線として進めようとしております。

 西九条佐保線のうち大宮通り、北のほうからご説明申し上げますが、大宮通りから大森高畑線間は、今年度から事業に着手いたしまして、昨年十一月には新たに事務所を設けて、体制を強化しながら、鋭意事業推進を図っております。昨年末には、住民の方々へ事業の概要等を説明し、各種の調査の実施にご了解をいただきました。現在は、用地測量を行い、今後は建物調査を行うなど、今後とも精力的に進めてまいりたいと思います。

 大森高畑線以南でございますが、現在、国とも調整しつつ、県、奈良市、JRの三者で協議をしておりますが、地域の方々の中には、従来の高架道路への反対の声も強かったものでございます。そのような声も踏まえまして、西九条佐保線の平面道路化とJR関西本線の鉄道高架化へと計画を変更していく方針を決めました。従来は、道路が鉄道の上を越えるということでございましたが、鉄道を上げて、道路はそのまま走るという方針に変えたわけでございます。その方針に従って、都市計画の変更をこれからしていくわけでございます。また、これとあわせまして、この三者、JR、県、奈良市でございますが、インターチェンジ周辺のまちづくりも検討しております。この場で県からは、県内で唯一インターチェンジとJR線が隣接するこの地域の特性を生かした新駅の設置をこれまで提案してまいりました。新駅は、鉄道と高速道路との結節点となり、鉄道、道路、双方の利用価値を高めるものでございます。また、周辺の病院や県立図書情報館への公共交通が充実し、まちづくりにも寄与するものでございます。地域への効果も含めさまざまな利点があり、大和北道路や西九条佐保線の事業効果が増幅するものと考えております。加えて、この地域は、スポーツはもとより、コンベンションやコンサートなど多目的に活用できるアリーナの候補地の一つにも、新駅ができた場合にはなるものと考えております。さらに、奈良県、奈良市、JRの三者では、新駅設置の費用面の検討もしております。この新駅事業では、昨年県とJR西日本が提携した連携協定も念頭に置きまして、県内他の鉄道事業者が固執される請願駅ではなく、JR西日本も費用負担することを前向きに検討していただいております。JR西日本の積極的な姿勢を評価しているところでございます。

 県案で見込んでおりますこの地域でのそれぞれの事業の概算事業費と関係者の費用負担の案を申し上げます。四つの事業がございます。第一の事業は、西九条佐保線の道路整備でございます。概算事業費が二百七十億円でございますが、県事業として、地元の市の負担を求めません。県の負担と国の交付金で二百七十億円の事業を実施いたします。第二は、JR関西本線の鉄道高架化事業でございます。概算事業費が百億円でございますが、国の交付金や県とJRの負担とを除きますと、市の負担は十六億円程度と考えております。この部分につきましては奈良市は事業に理解が、負担についても理解があると聞いております。第三に、新駅事業は、概算事業費が二十億円でございます。国の交付金と県とJRの負担などを除きますと、市の負担は三・五億円程度と見込まれております。三・五億円程度でございます。第四に、駅前広場事業がございます。概算事業費は十八億円でございますが、国の交付金等を考えると、市の負担は六・五億円程度と考えております。このような四つの事業の全体で見れば、合計概算事業費は四百八億円でございますが、国が二百四十億円で六〇%を負担してくれます。県が百三十二億円で三二%を負担いたします。市は三十一億円でございますが、市への交付税措置分を除くと二十六億円程度になりまして、全体事業費の六%の負担になります。また、先ほど申し上げましたように、JR西日本が五億円を負担いたします。率にいたしまして一%という負担案でございます。奈良県から、奈良市とJRへ提案をしていただいているものでございます。この案は、費用と効果の面から見ても、地元市にとって非常にメリットのある仕組みと私は思っております。今後とも、三者で検討を進め、事業の実現を図りたいと思います。大坪議員は奈良市議会の有力議員でもあられましたので、奈良市への働きかけをよろしくお願い申し上げたいと思います。

 リニア中央新幹線の奈良市附近駅についてご要望がございましたが、看過できない認識の誤りがあったように思いますので、奈良県の主張を県民にもっと言うようにというようなご意見もございましたので、あえて述べさせていただきます。

 それは、関西広域連合に入っていないから京都がしゃしゃり出るんじゃないかといった類いのことでございます。この奈良市附近駅は、国の法律で決まり、JR東海がその法律のとおりすると言っているのを、京都市、あるいは関西広域連合参加者が広域連合で変えようと言っているものでございます。国で決まったものをひっくり返そうといったことでございますので、関西広域連合に入っていなかったことは、まことによかったことでございます。



◆十番(大坪宏通) 要望ですので、発言は要りません。



◎知事(荒井正吾) はい。看過できない要望であることを申し上げておきたいと思います。そのとおりであると県民の方に思われるのは、誤解を与えることでございます。維新の会のトップの方にも、誤解を解くようによろしくお願い申し上げたいと思います。

 以上でございます。



○副議長(井岡正徳) 中産業・雇用振興部長。



◎産業・雇用振興部長(中幸司) (登壇)十番大坪議員のご質問にお答えをいたします。

 私には、産業振興総合センターが昨年四月一日に設立され、もうすぐ一年になろうとするが、工業技術センターから組織がえをして、どのような成果が出てきているのか、また、平成二十六年度は、今年度の成果を踏まえてどのような取り組みをしようとしているのかのお尋ねでございます。

 議員がお述べになられましたとおり、産業振興総合センターは、県内企業の事業企画から研究開発、生産、流通、金融、販売まで一貫して支援を行うために昨年四月に発足いたしたところでございます。産業振興総合センターでは、従来の支援とあわせまして、新たな産業振興策を検討するため、所長を筆頭に、能動的に県内企業を訪問し、従来の技術に関する情報だけでなく、経営者の方々から経営方針や事業計画などを伺っているところであります。また、将来的に企業間マッチングにつなげるべく、企業情報や相談内容をデータベース化する取り組みも始めたところでございます。

 今年度、産業振興総合センターの統合を図ったことによりまして、認知度が上がった結果、各企業に産業振興総合センターの機器のご利用をいただいた実績が四割近くふえ、年間の延べ利用時間数も五千時間に達する見込みとなっております。このほか、産業おこしにもつながる、県内企業と産業振興総合センターが共同して研究に取り組みます受託・共同研究の件数が、前年から三件増の十四件となり、また、マーケットを強く意識した研究がふえたことも、統合効果のあらわれではないかと考えているところでございます。また、新年度は、このような企業支援に積極的に取り組むほか、産業おこしの最前線として、健康寿命日本一を実現するための先導的な研究開発にも取り組むことといたしております。研究成果の普及を図ることによりまして、県内産業の発展と活性化につなげていきたいと、そのように考えております。今後は、金融機関をはじめとする企業支援機関と連携して、各企業のさまざまな課題解決に取り組み、県内企業とともに歩む、真に信頼されるセンターづくりを目指してまいる所存でございます。

 以上でございます。



○副議長(井岡正徳) 十番大坪宏通議員。



◆十番(大坪宏通) もう時間がございませんので、一点だけ意見を申し上げておきたいと思います。

 陝西省での記念碑の建設計画でありますが、まず最初に申し上げておきたいのは、私は日中友好、日韓友好を否定するものではないということであります。しかしながら、相手の言い分をうのみにして自分の立場を主張しないのは、友好でも何でもありません。河野談話に代表される不確かな要素に基づくあらゆる物事は、国益を損なわせ、国内においても歴史認識を誤らせてきた元凶であると思います。この記念碑が、二十万人を日本軍が拉致したという慰安婦像であれば、どうするのか、尖閣諸島の領有権に関する建てものであればどうするのか、現在の日中韓の関係を考えますと、同じような性質のものであると思います。このまま建設されると、先ほど碑文のこともありましたが、どのようなものになるのか、これが事実と異なるもの、またあるいは国益を損なう内容のものが刻まれるのであれば、相手が聞き入れようと聞き入れまいと、しっかりと指摘するのが日本人の立場であると思っております。

 知事は、東アジア地方政府会合に力を入れておられます。ところが、陝西省は、昨年度は欠席、今年度は陝西省での開催が中止になって、急遽奈良で行われることとなりました。知事が常々おっしゃっている、国は国、地方は地方という関係が必ずしも成り立っていないのではと考えるところであります。それでもちゃんと信頼関係ができているというのであれば、国の言えないところを、地方の立場として、そして友人の立場として声を届けていただければと思います。

 以上で私の質問を終わります。



○副議長(井岡正徳) しばらく休憩します。



△午後二時三十九分休憩

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△午後二時五十八分再開



○議長(山下力) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 次に、三十三番辻本黎士議員に発言を許します。−−三十三番辻本黎士議員。(拍手)



◆三十三番(辻本黎士) (登壇)議長のお許しをいただきまして、一般質問をいたします。

 さて、二月定例県議会の皆さん方の質問、最終日であります。私が最後の質問者となるわけでございますが、多くの質問、答弁が行われ、県政の課題、施策について、私なりにその理解を深めているところでございます。そこで本日、障害者雇用など広く県政の課題に関する質問を三点、私の地元葛城市を含めた中南和地域の課題に関する質問を二点、合計五点に絞って簡潔に質問いたしますので、よろしくご答弁のほどお願い申し上げます。また、同僚議員の皆さん方には、連日本会議で大変お疲れのことと存じますが、いましばらくご清聴のほどよろしくお願い申し上げます。

 まず、障害者雇用のさらなる拡大についてお尋ねいたします。

 障害のある人が住みなれた地域で自立し生活を送るためには、就労を通じた社会参加を実現し、その能力の適性に応じて可能な限り仕事につけるという環境をつくっていくのが必要かと考えております。国においては、障害者雇用をより一層推進するため、いわゆる障害者雇用促進法の改正を行い、平成二十五年四月一日から障害者の法定雇用率については、一・八%から二・〇%に引き上げられるとともに、障害者雇用を義務づけられる対象も、従業員数五十六人以上から五十人以上に拡大されたところであります。

 奈良労働局の発表によりますと、平成二十五年六月一日時点で、県内の民間企業の障害者雇用率は二・二二%で、平成二十四年に引き続き全国三位、法定雇用率達成企業の割合は五五・八%で、過去最高の全国七位になっています。これは、県内数多くの企業をはじめ就労支援機関の関係者等の長年にわたる積極的な取り組みの成果であると考えております。しかしながら、法定雇用率を達成していない企業の中には、障害のある人を雇用したいと思っていても、どんな仕事を任せたらよいのか、どう接したらよいのか、どんな支援が受けられるのかなど、まだまだ具体的な取り組み方がわからず悩んでいる企業もおられます。一方、頑張って就職した障害者の中には、長続きせず離職する方も少なくありません。一人でも多くの障害のある人が就職し、働き続けられるよう、県がリーダーシップを発揮して、より一層の就労支援の推進を図っていただきたいと思います。今後、障害者雇用のさらなる拡大に向けて、県はどのような取り組みをしているのですか、これは知事にお伺いいたします。

 次に、中南和地域における歴史を活用した観光振興についてお伺いいたします。

 奈良県では、古事記完成千三百年に当たる一昨年二〇一二年より、日本書紀完成千三百年に当たる二〇二〇年に向けての約九年間、奈良県特有の歴史素材を活用した記紀・万葉プロジェクトに取り組まれております。古事記や日本書紀、万葉集といった日本の歴史文化の源流を今に伝える書物を軸にして、いわば日本の心の原風景を掘り起こし、味わうプロジェクトを奈良県が推進していくことは、大変意義深いことであると感じております。

 さて、我が葛城地域は、日本書紀に出てくる当麻蹴速が生まれた相撲発祥地であることから、葛城市相撲館という施設があります。また、昨年は、官道千四百年という記念すべき年を迎えました。日本最古の官道竹内街道もございます。このように記紀ゆかりの地が豊富であり、県の記紀・万葉プロジェクトと連動したPRが期待されているところであります。さらに、六一二年創建と言われる由緒ある当麻寺があります。国宝の当麻曼荼羅で皆さんに有名なお寺ですが、ことしは六十六年ぶりに吉祥天立像が東京から当麻寺にお戻りになりました。特別に公開されています。このように、中南和地域におけるさまざまな歴史の深い観光資源があります。そして、このような歴史を活用した観光振興を図るためには、市町村をはじめとした地元団体や県が、地域にある歴史をしっかり把握し、それを掘り起こし磨き上げていくのが非常に大切であります。

 そこで、観光局長にお伺いいたします。県において、葛城市をはじめとした中南和地域における歴史を活用した観光振興についてどのようなお考えをしておられますか。

 次に、農業の担い手への支援についてお伺いいたします。

 農林水産省では、昨年十二月に地域の活力創造プランを策定し、持続可能な農業を推進するため、農業構造の改革を加速化し、経営の大規模化を図るとしています。しかしながら、本県の農業は、都市近郊であることを生かした小規模な農業が主体で、大和平野では水稲を中心として田園地域が、すばらしい景観を維持しております。本県は、国の施策の方向とは違い、奈良県の特徴を生かした農業の展開が重要であると考えております。

 さて、本県農業の担い手の実態は、その大半が兼業農家で、総農家二万八千戸余りのうち九〇%を占めています。私の地元の葛城市においても、日本一の二輪菊のまちとして専業農家が活躍されております。一方、農家のほとんどは兼業農家で、貴重な担い手として水田を守っておられます。また、本県の年齢別の人口割合を見ますと、県民の二四%が六十五歳以上のシニア世代で、五年間で四ポイント増加しております。今後も、定年退職される方々などにより、その割合は増加すると推察されています。昨今のシニア世代の方々は、体力や勤労意欲があり、仕事を求められている方々も多く、本県の農家の平均年齢が六十八・八歳であることから考えると、農業の担い手としてご活躍いただくことも重要であると考えます。本県の農業を牽引するのは当然、意欲のある専業農家ですが、農業の担い手の減少や耕作放棄地の増加などが県農業の課題となっております。農村の環境を維持し、農地の有効活用を図っていくためには、シニア世代の方々や兼業農家が、生きがい、やりがいを持って農業に携わることも重要であると考えております。県として、こうした担い手に対しどのような支援を行っているのか、農林部長にお伺いいたします。

 次に、南阪奈道路の四車線化に向けた取り組みと県道御所香芝線の渋滞対策について、県土マネジメント部長にお伺いいたします。

 南阪奈道路は、もちろん皆さんご承知のように、奈良と大阪、そして関西国際空港などを結ぶ重要な幹線道路であり、京奈和自動車道や阪和自動車道、近畿自動車道などと連絡して高速道路ネットワークを形成しており、奈良県中南和地域の観光振興や、経済・産業の活性化に大きく貢献する道路でございます。関西国際空港から葛城インターチェンジまでをわずか四十五分程度でつなぎ、歴史都市奈良への玄関口として、最も速く便利な道路であり、さらに二〇二〇年には東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて、本県においても、国際観光の振興や拠点整備を進めていくという中にあって、海外からの玄関口となるこの道路は、重要な役割を果たしていくと考えます。また、中南和地域の約三十数万人の住民生活や、葛城市の工業団地、企業活動を支えており、非常に多く利用されておられます。来年度からは、京奈和自動車道御所インターチェンジ周辺で、新たな産業団地の整備に向けた事業が動き出していますが、この産業団地が完成すれば、京奈和自動車道と連携して、南阪奈道路のニーズはますます高まると思われます。

 しかし、このような大動脈とも言うべき道路でありながら、いまだに二車線という状況であり、さらに交通量がふえることからしても、大きな事故も発生するのではないかと、実は心配しております。南阪奈道路の交通量は年々増加しており、開通当時は一日一万台程度でありましたものが、現在は二万台を超えようかというところに達しています。交通量の増加に伴って、現在二車線としての交通容量は大きく上回っており、渋滞の回数も増加しております。トンネルでの事故では重大な事故につながる可能性もあります。NEXCO西日本が対応可能な安全対策はしておりますが、二車線で整備されている現状では、本当に安全確保は難しいのではないかと考えております。利用されている方々からは、二車線で下り勾配の多いこの道路を怖がる声も聞いております。トラックなどは、この道路を避けて遠回りして一般道を走行しているのではないかと思っております。これからの中南和地域のさらなる振興に伴う、今後の三万、四万という交通量に対応するためには、四車線化がぜひ必要であると考えます。建設当時は暫定的に二車線でつくられましたが、必要な用地は計画の四車線分が確保されております。中南和地域の市町村も要望しており、速やかな工事着手は可能なはずであります。私は、この南阪奈道路の四車線化をかねてから要望してまいりましたが、開通して十年目を迎えるこのたび、改めて今後の四車線化に向けた見通しと、どのような取り組みをされるのか、お伺いいたします。

 次に、県道御所香芝線の渋滞対策についてです。

 奈良県みんなでつくる渋滞解消プランで位置づけられているように、県道御所香芝線では慢性的な渋滞が生じております。奈良への玄関口である南阪奈道路葛城インターチェンジを利用して、二上・葛城・山麓エリア、また中南和地域の産業、特に観光で訪れる方々の動脈として利用されており、本路線の渋滞は、市民生活はもとより、中南和地域の産業に及ぼす影響は多大なものであります。県におきましても現在、太田南交差点の北側の左折レーン設置にご尽力いただいておりますが、抜本的な対策が望まれるところであります。そこで、県道御所香芝線の渋滞対策、特に要衝となる太田南交差点の対策について、現在の取り組み状況と今後の取り組みについてお伺いしたいと思います。

 最後になりますが、地域とともにある学校づくりについて、教育長にお伺いいたします。

 先日、新聞報道で、子どもを育む地域の絆をテーマに、現在県教育委員会が推進しておられます地域と共にある学校づくりの成果を発表する第一回つながろう!奈良県学校コミュニティの集いが、この一月に開催されたという記事を目にしました。集いでは、三つの学校コミュニティの表彰と実践報告が行われ、続いて、子どもたちが地域に伝わる伝統芸能や祭りなどを継承している姿を、県内五市町村から実演発表されたとのことでした。私の地元葛城市では、昨年、竹内街道灯火会が開催され、地元の子どもたちや多くの市民がともす約三千基のキャンドルに、私自身も悠久の歴史に思いを馳せ、幻想的な夏のひとときを過ごしました。参加した子どもたちも、歴史の舞台を身近に感じて、地域の魅力を再発見し、郷土を愛する心を育む絶好の機会となりました。

 しかし、今日、人間関係や地域における地縁的なつながりの希薄化などに見られる社会状況が、少なからず子どもたちの規範意識の低下にも影響を及ぼしているものと考えます。先ほどの奈良県学校コミュニティの集いで発表された取り組みは、子どもたちの課題解決と地域の活性化を図る契機となるものであり、県内の各地域で脈々と息づいていることに、ほっと心が安堵するところであります。こうした取り組みを通じて、子どもたちは、ごく自然のうちに大人を敬い、他者に認められて、自分自身を誇らしく思い、地域を大切に思う心や、規範意識、社会性がつくられると思います。また、保護者や地域にとっても、活動の輪が次第に広がっていくことで、地域のきずなが深まり、大きなメリットもあるのではないでしょうか。現在、県教育委員会で進められている地域と共にある学校づくりは、地域のきずなを深めるとともに、子どもたちの郷土愛を育み、規範意識や社会性を醸成することに大変有効な施策であり、私はこの取り組みに大いに賛同し、大きな期待を寄せているところでございます。

 そこで、教育長にお伺いします。県教育委員会として、今後、地域と共にある学校づくりにどう取り組もうとしておられますか。

 以上、五点の質問をさせていただきました。知事はじめ理事者の方々におかれましては、趣旨をご理解いただき、簡潔でわかりやすく答弁をお願い申し上げまして、壇上からの質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○議長(山下力) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)三十三番辻本議員からのご質問がございました。

 私に対しましては一問でございますが、障害者雇用のさらなる拡大についてのご質問でございます。

 議員お述べのように、障害のある人が誇りと生きがいを感じながら、住みなれた地域で生活を送るためには、就労を通じた社会参加の実現が極めて重要でございます。このような認識のもと、県では障害者雇用の拡大に向けたさまざまな取り組みをこれまで進めてまいりました。これまでの主な取り組みを振り返ってみますと、平成二十三年度には経済、労働、教育など県内各界の代表者による障害者政策推進トップフォーラムを設置いたしまして、この場を通じて障害者雇用についての情報共有や前向きな取り組み、感覚を共有することをお願いしてまいりました。一方、同年度、庁内におきまして、障害福祉課に就労連携コーディネーターを配置いたしまして、個別に企業等を訪問して、雇用に向けた第一歩となる職場実習機会の拡大を図ったところでございます。平成二十四年度からは、地域教育力サミットの部会におきまして、県立高等養護学校の就職率一〇〇%を目指した取り組みの検討を行い始めました。現在その達成に向けて、関係機関等と連絡して、職場実習の充実・拡大などを進めていただいております。

 さらに本年度でございますが、昨年六月に締結いたしました奈良労働局との奈良県雇用対策推進協定に基づく取り組みの一つといたしまして、県と奈良労働局が共同で運営する障害者はたらく応援団ならを先月二十五日に設立いたしました。この応援団では、職場実習の拡大、障害者の職場定着等の支援を、登録いただいた二十社の企業等と協働を進める取り組みをしております。障害者雇用率は、奈良県は全国三位でございますが、雇用率自身も上昇しております。当日の会議では、積水化学の一〇〇%子会社でございます立積住備という会社から、障害者だけが働いているユニットバスの組み立て工程のご紹介がございました。また、奈良市の植村牧場様からは、牛乳びんの配達を三十年間、障害者にしていただいたとのご苦労話がございました。このように、奈良県では、比較的規模の小さな事業所等においても熱心に障害者雇用に取り組んでいただいており、障害者雇用率を押し上げる要因の一つとなっております。このような県は、厚生労働省の関係者からは、特筆すべき奈良の努力であるというふうに評価をいただいているところでございます。私は、このことは大変うれしく誇らしく感じたところでございます。改めて、奈良県内多くの関係者の長年にわたるご努力について、この席をかりまして感謝を申し上げたいと思います。今後も、県といたしましては、障害者雇用率全国一を目標に、国、企業、関係団体等と協調、協働しながら、障害のある人が働き続けられる奈良県を築き上げることができるよう、障害者雇用のさらなる拡大に努めてまいりたいと思います。

 残余は、関係部局長、教育長からご答弁を申し上げたいと思います。



○議長(山下力) 久保田観光局長。



◎観光局長(久保田幸治) (登壇)三十三番辻本議員のご質問にお答えします。

 私に対しましては、葛城市をはじめとした中南和地域における歴史を活用した観光振興についてどのように考えているのかというご質問でございます。

 県では、歴史を活用した観光振興の柱として、記紀・万葉プロジェクトを二〇二〇年まで推進します。県だけでなく、市町村、地域の各団体も参画して、シンポジウムやウオークイベントなど、多彩なイベント、催しを毎年工夫しながら展開しています。とりわけ中南和地域は、記紀・万葉をはじめとした歴史素材が豊富です。これらの歴史素材を生かし、市町村や民間団体の皆様に、活発に、そして継続して主体的に取り組んでいただいております。今年度の県内の取り組みをイベントガイドブックとして取りまとめ、二万部作成しましたが、その中で掲載している五十四事業のうち約七割に当たる三十七事業は中南和地域開催となってございます。県の持続的観光力パワーアップ補助金や、記紀・万葉県民活動支援補助金なども有効に活用いただいておるところでございます。

 これらの事業に参加される方が、さらに県内各地にも足を運んでいただけますよう、あわせて巡る奈良推進事業も進めております。巡るテーマとしましては、例えば今年度から女子旅プロジェクトを開始しました。先月開催いたしました奈良県観光見本市では、議員も先ほどご紹介されておりました葛城市相撲館で、女人禁制とされます土俵に女性が上がれるプランを紹介いたしましたら、非常に好評でございました。早速、商品化の動きがございます。本格的な土俵の上で、女性が記念写真を撮れるスポットとして注目を集めようとしております。これに、当麻寺や石光寺、橘寺など、各社寺が秘蔵します秘宝・秘仏の特別開帳を組み合わせての発信を行ってまいります。ことし上半期は、特別開帳に参加いただいております四十五の各社寺ごとに、オリジナルしおりを作成しまして、配布を開始しました。来訪されたお客様に、旅の記憶に残していただく工夫もしたところでございます。記紀・万葉プロジェクトや巡る奈良の推進など、本県の特色を生かした取り組みを、県、市町村、民間団体がともに継続して実施してまいります。新しい切り口での発信にもチャレンジし、また、まほろばキッチン内観光案内所などの情報発信拠点も有効に活用しながら、さらなる中南和地域の観光振興につなげてまいります。

 答弁は以上でございます。



○議長(山下力) 福谷農林部長。



◎農林部長(福谷健夫) (登壇)三十三番辻本議員のご質問にお答えをいたします。

 私のほうには、農業の担い手への支援について、シニア世代の方々や兼業農家が生きがい、やりがいを持って農業にかかわることも重要であると考えており、どのような支援を行っているのかという質問でございます。お答えをいたします。

 議員お述べのように、本県の農家の大半は兼業農家で、水稲を中心とした水田農業を支える担い手でございます。県の重要品目である米づくりだけでなく、稲穂が広がるすばらしい景観保全の役割も果たしていただいております。しかしながら、本県の農家数は平成二十二年に約二万八千戸で、この十年間で一〇%以上減少をしております。専業農家だけでなく、幅広い新たな担い手の確保が重要な課題であると認識をしております。

 そこで、県といたしましては、シニア世代の方々の農業参入を支援するため、農業でセカンドライフを輝かせたいとお考えの定年退職者などに、農業技術から加工、販売まで、農業の基礎を学ぶことができるシニアファーマー養成講座を農業大学校で実施をしております。また、経験と能力を生かして農業の現場で働きたいとお考えの方々には、奈良県高齢者人材バンクを通して、柿の収穫など繁忙期に農作業支援スタッフとしてご活躍をいただいております。平成二十六年度からは、将来本格的な農業経営を目指す意欲あるシニア世代の方々に対しまして、研修ほ場を提供し、実際に栽培から販売までを経験していただける実践的な研修を計画しております。また、世代交代により、新たに稲作にチャレンジされる兼業農家などを対象に、米づくりの研修会を地域ごとに実施し、高品質な米生産に向けた農業技術などの指導をしております。県では今後とも、幅広い意欲ある担い手がやる気を持って農業を行えるよう引き続き支援をしてまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。ありがとうございました。



○議長(山下力) 大庭県土マネジメント部長。



◎県土マネジメント部長(大庭孝之) (登壇)三十三番辻本議員から私への質問は、二つございました。

 まず、南阪奈道路の四車線化に向けた取り組み、見通しの質問でございました。

 まず、南阪奈道路は、中和地域と大阪府南部を結ぶ延長約十二キロメートルの有料道路です。NEXCO西日本により管理されております。平成十六年三月の暫定二車線での供用以降、利用者は増加し続け、現在では一日当たり約一万九千台の利用がございます。開通当初に比べて約一・七倍の交通量に達しております。この交通量は、二車線の自動車専用道路としては極めて大きく、県としては、南阪奈道路の四車線化が必要と認識しております。特に竹内トンネルについては、延長約一・五キロメートルの長大トンネルにもかかわらず、二車線の対面通行であり、ひとたび事故が起これば、トンネル火災などの重大な事態にもつながりかねないことから、交通安全の確保の観点からも四車線化が喫緊の課題と考えています。

 このようなことから、県といたしましては、地元市町村から構成される期成同盟会とともに、NEXCO西日本に対し特に竹内トンネルの四車線化を最優先事項として取り組みを働きかけてまいりました。今般、消費税率の引き上げに伴い、料金の額などの事業変更をするため、県は国道一六六号である南阪奈道路の本来管理者として、NEXCO西日本より事業変更をするための協議を受けています。県が協議に応じるときには、議会の議決を経る必要がございます。今議会に議案を追加上程する予定でございます。協議に当たっては、NEXCO西日本からは、変更後の事業には、かねてから県が要望しておりました竹内トンネルを含む二・九キロメートル区間の四車線化を含んでいるとの説明を受けております。よって、本事業変更がなされれば四車線化の工事も可能となるため、県としては早期に工事着手するようNEXCO西日本に働きかけていきたいと考えています。また、残る区間を含む全線の四車線化については、引き続き、その実現方策をNEXCO西日本や大阪府と協議をしていきたいと考えております。

 もう一つのご質問は、県道御所香芝線の渋滞対策、特に太田南交差点の対策について、現在の取り組み状況、今後の取り組みについて質問がございました。

 県道御所香芝線は、御所市と香芝市を結ぶ幹線道路であり、議員ご指摘の太田南交差点は、南阪奈道路と交わる道路交通の要衝となっています。平成二十一年八月の調査では、太田南交差点南行き、北から南に向かっていく方向で最大約一千三百メートルの渋滞を観測しております。議員お述べのように、奈良県みんなでつくる渋滞解消プランの要対策箇所にも選定されています。県では、この渋滞を少しでも緩和するため、太田南交差点の北側に約三十メートルの左折レーンを設置する事業に取り組んでいるところです。詳細設計を終え、現在、用地測量に着手しております。地権者のご理解とご協力を得ながら、用地買収を進め、早期の完成に向けて取り組んでまいります。しかしながら、このような即効的な対策のみでは、太田南交差点の渋滞が解消されるものではなく、抜本的な対策を検討する必要があると考えております。

 県道御所香芝線の抜本的な渋滞対策を検討する上で、密接に関係する事業として国により事業が行われています大和高田バイパスがあります。国においては昨年十二月に、このバイパスの未整備区間を対象に、事業再評価が実施されました。この事業再評価は、実施中の事業を対象に、定期的に状況の変化や進捗見通し等を評価するとともに、事業の継続か否かを判断し、必要に応じ事業内容を見直すものです。昨年十二月にこの大和高田バイパスの再評価が行われました。その結果、バイパスの幅員縮小や代替ルートといった計画変更について、葛城市や県とも協議しながら検討を進めていくとの国の方針が示されました。太田南交差点の抜本的な渋滞対策につきましては、こうした密接に関係する国の動きとも連携して、周辺の幹線道路ネットワークの整備方策とあわせて検討してまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○議長(山下力) 冨岡教育長。



◎教育長(冨岡將人) (登壇)三十三番辻本議員のご質問にお答えいたします。

 私には、地域と共にある学校づくりについて、これは地域のきずなを深めるとともに、子どもたちの郷土愛を育み、規範意識や社会性を醸成することに大変有効な施策であると考える、この取り組みをどのように今後推進していこうとするのかのお尋ねでございます。

 地域と共にある学校づくりの取り組みに関しましては、小中学校では学校コミュニティという仕組みで、平成二十六年度には県内の約九四%に当たる二百九十の小中学校が取り組むこととなっております。また、県立学校においても全県的に、地域と共にある学校づくりを実施する予定でございます。この取り組みをしっかりと学校や地域に根づかせるために、来年度、新しく取り組みます小中学校及び県立学校を対象に、市町村教育委員会や地元の大学とも連携した相談や助言を行うほか、地域ボランティアには研修会の開催や、ネット上で県と地元のメディアをリンクさせる広報啓発活動にも努め、次には地元の企業や公民館、図書館などの社会教育施設ともタイアップして、新たなネットワークの拡大も図っていきたいと考えております。

 この取り組みが進むことで、子どもたちがさまざまな価値観や経験を持つ大人と触れ合い、自分を大切にするとともに、家族や隣人、地域を愛する心を育むことにつながることが大切であります。また、こうした経験を経て成長した子どもたちが、再び地域に戻り、大人となって地域の子どもたちに学びを還元したりすることは、学校と地域の双方にとって大きなメリットであり、地域の教育力を高めることにつながるものと考えているところでございます。県教育委員会といたしましては、地域と共にある学校づくり、小中学校では学校コミュニティの取り組みを通じまして、子どもたちの規範意識や社会性などの課題解決や、将来にわたる人間形成につながるきずなづくりを進めていきたいと考えております。

 以上でございます。



○議長(山下力) 三十三番辻本黎士議員。



◆三十三番(辻本黎士) 知事はじめ理事者の皆さん、ご丁寧なご答弁をいただき、本当にありがとうございます。

 知事は、障害のある方々の就労が拡大するようご尽力いただいておりますことにつきましては、心から感謝を申し上げます。今後とも、奈良県における福祉の充実をはじめ、また質問させていただきました南阪奈道路の四車線化に向けた取り組みや、県道御所香芝線の渋滞対策などにつきましても、県土マネジメント部長、よろしくお願い申し上げます。

 以上で質問を終わります。ありがとうございました。



○議長(山下力) これをもって当局に対する一般質問を終わります。

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○議長(山下力) 次に、本日、知事から議案二十件が提出されました。

 議案送付文の写し並びに議案をお手元に配布しておりますので、ご了承願います。

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△財第二百十八号

平成二十六年三月十日

 奈良県議会議長 山下 力様

                         奈良県知事 荒井正吾

      議案の提出について

 議第一三三号 平成二十五年度奈良県一般会計補正予算(第六号)

 議第一三四号 平成二十五年度公立大学法人奈良県立医科大学関係経費特別会計補正予算(第二号)

 議第一三五号 平成二十五年度奈良県流域下水道事業費特別会計補正予算(第三号)

 議第一三六号 平成二十五年度奈良県中央卸売市場事業費特別会計補正予算(第三号)

 議第一三七号 平成二十五年度奈良県公債管理特別会計補正予算(第一号)

 議第一三八号 道路整備事業にかかる請負契約の締結について

 議第一三九号 道路整備事業にかかる請負契約の変更について

 議第一四〇号 公共土木施設災害復旧事業にかかる請負契約の変更について

 議第一四一号 公共土木施設災害復旧事業及び道路災害関連事業にかかる請負契約の変更について

 議第一四二号 都市計画道路整備事業にかかる請負契約の締結について

 議第一四三号 新県営プール施設等整備運営事業にかかる特定事業契約の変更について

 議第一四四号 権利の放棄について

 議第一四五号 権利の放棄について

 議第一四六号 権利の放棄について

 議第一四七号 権利の放棄について

 議第一四八号 和解及び損害賠償額の決定について

 議第一四九号 有料道路「南阪奈道路」の事業変更の協議に応じることについて

 議第一五〇号 第二阪奈有料道路事業の事業変更に同意することについて

 議第一五一号 教育委員会の委員の任命について

 報第三一号 地方自治法第百八十条第一項の規定による専決処分の報告について

        奈良県税条例の一部を改正する条例

        県営住宅家賃の滞納者等に対する住宅明渡等請求申立てに関する訴訟事件について

 以上のとおり提出します。

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△議第百五十一号

      教育委員会の委員の任命について

 地方教育行政の組織及び運営に関する法律(昭和三十一年法律第百六十二号)第四条第一項の規定により、下記の者を委員に任命したいので、その同意を求める。

      平成二十六年三月十日提出

                         奈良県知事 荒井正吾

                 記

 高本恭子                         

 吉田育弘                                     

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○議長(山下力) 次に、平成二十五年度議案、議第百三十三号から議第百五十一号及び報第三十一号を一括議題とします。

 知事に追加提出議案の提案理由の説明を求めます。



◎知事(荒井正吾) (登壇)ただいま提出しました議案について、その概要をご説明いたします。

 まず、議第百三十三号は、平成二十五年度一般会計補正予算案です。今回の補正予算案においては、県税収入等の増加に伴い、県税交付金を増額するとともに地域・経済活性化基金、県債管理基金への積み立てを行うほか、市町村の財政健全化を支援するための地域振興基金の積み立てなど、諸般の事情により必要と認められる経費の増額を行うため、百五十六億七千七百万円余の増額補正を行います。

 一方、退職者見込みの減等により退職手当を減額するほか、年度内の執行を見通して四十九億三千二百万円の減額補正を行い、差し引き百七億四千五百万円余の増額計上を行うこととしました。

 歳入としては、県税について株式等譲渡所得割県民税等を増額するとともに、地方交付税等を増額いたします。

 繰越明許費については、公共事業等に係る地元調整の難航などにより、二百四十九億三千六百万円余を翌年度に繰り越すものです。

 次に、議第百三十四号から議第百三十七号の四議案は、特別会計補正予算案であり、公債管理特別会計における支払利子の不用に伴う減額のほか、医科大学関係経費特別会計等における繰越明許費について、それぞれ補正するものです。

 議第百三十八号から議第百四十三号の六議案は、道路整備事業等に係る請負契約等の締結または変更について、議第百四十四号から議第百四十七号の四議案は県立病院使用料の未収金等に係る権利の放棄についての議案です。

 議第百四十八号は、西和警察署における迷惑防止条例違反事件に係る和解及び損害賠償額の決定、議第百四十九号及び議第百五十号は、有料道路「南阪奈道路」等の事業変更に関する協議等についての議案です。

 議第百五十一号は、教育委員会の委員の任命に関する議案です。

 報第三十一号は、エネルギーの使用の合理化に関する法律の改正に伴い所要の規定整備を行うための奈良県税条例の一部改正などについて、議会閉会中に行った専決処分の報告です。

 以上が今回提出した議案の概要です。

 どうぞ慎重にご審議の上、よろしくご議決またはご承認いただきますよう、お願いいたします。



○議長(山下力) 次に、平成二十六年度議案、議第一号から議第四十一号並びに平成二十五年度議案、議第百十四号から議第百五十号及び報第三十一号を一括議題とします。

 この際、ご報告します。

 平成二十六年度議案、議第十九号、議第二十一号及び議第二十九号並びに平成二十五年度議案、議第百十七号及び議第百二十六号については、地方公務員法第五条第二項の規定により、人事委員会の意見を求めましたところ、回答がまいりました。

 その写しをお手元に配布しておりますので、ご了承願います。

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△奈人委第百八十五号

平成二十六年二月二十八日

 奈良県議会議長 山下 力様

                   奈良県人事委員会委員長 栗山道義

     職員に関する条例の制定に伴う意見について(回答)

 平成二十六年二月二十六日付け奈議第百八十二号で意見を求められたこのことについては、下記のとおりです。

                 記

 議第一九号 地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律の施行に伴う関係条例の整備に関する条例[第二条に係る部分]

 議第二九号 地方独立行政法人奈良県立病院機構の設立に伴う関係条例の整備に関する条例[第一条に係る部分]

 議第一一七号 一般職の職員の給与に関する条例の一部を改正する条例

 議第一二六号 職員の大学院等派遣研修費用の償還に関する条例

 上記の議案に係る条例案は、適当と認めます。

 議第二一号 知事等及び職員の給与の特例に関する条例の一部を改正する条例[第二条及び第三条以外の部分]

 一般職の職員の給与は、地方公務員法に定める給与決定の原則によるべきものと考えており、一定の管理職に対して給与減額措置が継続されることは遺憾であります。

 本委員会としては、管理職の給与についても、今後諸情勢が整い次第、本来の適正な給与水準が確保されるよう望むものであります。

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○議長(山下力) お諮りします。

 ただいま上程中の各議案については、十二人の委員をもって構成する予算審査特別委員会を設置し、これに付託の上、調査並びに審査することにしたいと思いますが、ご異議ありませんか。

     (「異議なし」の声起こる)

 ご異議がないものと認め、さように決します。

 お諮りします。

 ただいま設置されました予算審査特別委員会の委員長、副委員長及び委員の選任については、議長から指名推選の方法により指名することにしたいと思いますが、ご異議ありませんか。

     (「異議なし」の声起こる)

 ご異議がないものと認め、さように決します。

 よって、お手元に配布の予算審査特別委員会委員名簿のとおり指名します。

 被指名人にご異議ありませんか。

     (「異議なし」の声起こる)

 ご異議がないものと認めます。

 よって、指名のとおり選任されました。

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 平成二十六年二月 予算審査特別委員会委員名簿(定数十二名)

           委員長      一番  宮木健一議員

           副委員長   二十四番  奥山博康議員

           委員       四番  阪口 保議員

           委員       七番  藤野良次議員

           委員       八番  太田 敦議員

           委員       十番  大坪宏通議員

           委員      十二番  岡 史朗議員

           委員      十四番  乾 浩之議員

           委員      十五番  森山賀文議員

           委員      二十番  上田 悟議員

           委員     二十二番  神田加津代議員

           委員      三十番  和田恵治議員

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○議長(山下力) 十五番森山賀文議員。



◆十五番(森山賀文) 予算審査特別委員会開催のため、明、三月十一日から二十四日まで本会議を開かず、三月二十五日会議を再開することとして、本日はこれをもって散会されんことの動議を提出します。



○議長(山下力) お諮りします。

 十五番森山賀文議員のただいまの動議のとおり決することに、ご異議ありませんか。

     (「異議なし」の声起こる)

 それでは、さように決し、次回、三月二十五日の日程は、予算審査特別委員長報告及び各常任委員長報告と同採決とすることとし、本日はこれをもって散会します。



△午後三時四十九分散会