議事ロックス -地方議会議事録検索-


奈良県 奈良県

平成26年  2月 定例会(第314回) 03月04日−02号




平成26年  2月 定例会(第314回) − 03月04日−02号







平成26年  2月 定例会(第314回)



 平成二十六年

        第三百十四回定例奈良県議会会議録 第二号

 二月

    平成二十六年三月四日(火曜日)午後一時開議

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

          出席議員(四十四名)

        一番 宮木健一          二番 井岡正徳

        三番 大国正博          四番 阪口 保

        五番 猪奥美里          六番 尾崎充典

        七番 藤野良次          八番 太田 敦

        九番 小林照代         一〇番 大坪宏通

       一一番 田中惟允         一二番 岡 史朗

       一三番 畭 真夕美        一四番 乾 浩之

       一五番 森山賀文         一六番 宮本次郎

       一七番 山村幸穂         一八番 欠員

       一九番 松尾勇臣         二〇番 上田 悟

       二一番 中野雅史         二二番 神田加津代

       二三番 安井宏一         二四番 奥山博康

       二五番 荻田義雄         二六番 岩田国夫

       二七番 森川喜之         二八番 高柳忠夫

       二九番 今井光子         三〇番 和田恵治

       三一番 山本進章         三二番 国中憲治

       三三番 辻本黎士         三四番 米田忠則

       三五番 出口武男         三六番 新谷紘一

       三七番 粒谷友示         三八番 秋本登志嗣

       三九番 小泉米造         四〇番 中村 昭

       四一番 欠員           四二番 山下 力

       四三番 梶川虔二         四四番 川口正志

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

        議事日程

一、当局に対する代表質問

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



○議長(山下力) これより本日の会議を開きます。

 会議時間を午後六時まで延長します。

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



○議長(山下力) ただいまより当局に対する代表質問を行います。

 順位に従い、三十四番米田忠則議員に発言を許します。−−三十四番米田忠則議員。(拍手)



◆三十四番(米田忠則) (登壇)議長のお許しを得ましたので、自由民主党を代表して知事に質問をいたします。

 安倍内閣が発足し、一年二カ月余りが経過いたしました。安倍内閣は、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の三本の矢を一体とするアベノミクスを強力に推進してきました。また、昨年十月には、四月から消費税率を五%から八%へ引き上げることを確認し、さらに消費税率引き上げによる駆け込み需要とその反動減を緩和し、景気の下振れリスクに対応するとともに、その後の経済の成長力の底上げと好循環の実現を図り、持続的な経済成長につなげるため経済政策パッケージをあわせて決定し、経済対策を進めるための強い意思を国民に発しました。この中で、成長戦略の実行の加速化、強化、投資減税措置等、政・労・使の連携による経済の好循環の実現の取り組みなどを示し、続いて十二月には、これらを具体化するため、好循環実現のための経済対策を閣議決定し、また先月六日には平成二十五年度補正予算も成立し、矢継ぎ早に経済対策が進められているところです。これら安倍内閣の積極的な経済政策は、日本全体としてはその効果があらわれてきていると思われ、例えば、去る二月十九日に発表された日本銀行の金融経済月報によると、我が国の景気は緩やかな回復を続けており、このところ消費税率引き上げ前の駆け込み需要も見られていると分析され、さらに、先行きの我が国経済は、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要とその反動の影響を受けつつも、基調的には緩やかな回復を続けていくと見られると予測されています。

 さて、このように日本全体では景気の回復基調が顕著になってきているところですが、本県の状況はどうでしょうか。最近発表された、県内シンクタンクによる県内企業動向調査によりますと、昨年十月から十二月期において、景気がよいと答えた企業の数が、調査を開始した平成二十二年以降で初めて、景気が悪いと答えた企業の数を上回ったとの発表がありました。これはアベノミクスの効果がようやく県内にあらわれ始めてきたのではないかと期待いたしているところです。しかしながら、多くの人々が景気の回復を実感するまでには至っていないのも事実であります。

 私は、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックの東京開催決定を機に、今後、日本経済が大きく浮揚されるであろうと期待しますが、その一方で、オリンピックなどの巨大イベントは、その開催都市や周辺地域を中心とした経済効果は、日本全国にあまねく広く経済波及効果をもたらすという、これまでの構図が成り立たなくなっているのではないかと懸念もしているところです。これまで我が国の経済対策は、国が主体となって推進してきたところですが、今日では、地域性を加味した経済対策の必要性が認識されるようになってまいりました。地域経済発展のためには、地域が経済状況を十分に把握し、これを踏まえた自立的な取り組みが必要不可欠と考えます。また、少子高齢社会、人口減少が大きく社会構造を変えようとしている二十一世紀の日本においては、これまでのやり方では対処できないことが起こるのであろうと想像するにかたくありません。

 荒井知事はかねてから、投資・消費・雇用が県内で好循環する社会を目指すとされてきましたが、特に来年度は、所信表明の中で、今後、人口減少、高齢化が急速に進む中、投資・消費・雇用が円滑かつ活発に県内で好循環するよう、平成二十六年度は、経済の構造改革に向けた取り組みを県政の主軸に据え、奈良県の発展を強力に進めてまいりますと、強い決意を述べられました。

 そこで、来年度の主な取り組みの第一に掲げておられます、本県産業雇用の発展を促進する取り組みについてお伺いいたします。本県経済の活性化に大きな効果をもたらすと考えられる、産業のリーディング分野、チャレンジ分野における産業育成などにより、経済の構造改革に取り組んでいくとのことですが、どのように取り組みを進めていくのか、知事のお考えをお聞かせください。

 次に、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック開催に向けた、国際観光やスポーツの振興などの重点的取り組みについてお伺いいたします。

 先月開催されましたソチオリンピック冬季大会では、御所市在住の平岡卓選手がスノーボード競技男子ハーフパイプにおいて銅メダルを獲得されました。十八歳という若い平岡選手が、冬のオリンピックで奈良県出身者初のメダル獲得の偉業をなし遂げました。また、一昨年のロンドンオリンピックでは、本県出身の村田諒太選手がボクシング競技ミドル級において金メダルを獲得されたことは、記憶に新しいところです。奈良県の選手がオリンピックという最高の舞台で表彰台に上がる姿を見ると、大変誇りに思います。

 昨年九月に二〇二〇年オリンピック・パラリンピックの開催地が東京に決定した際、知事は、とてもすばらしいことで、オリンピックが日本で開催されれば、外国から多くの訪問者が日本にやってくる。奈良の魅力を発信するのに絶好の機会だと思う。外国人観光客向けのおもてなしを一層充実させなければならないと、歓迎の意を表されました。私も、オリンピックという世界的なスポーツイベントが開催される、この絶好の機会を生かすことが必要と考えています。

 さて、日本を訪れる外国人観光客は着実に増加しており、昨年は、我が国を訪れる外国人の数が、政府が長年目標に掲げてきた一千万人に初めて到達しました。さらに政府では、東京オリンピックが開催される二〇二〇年までの訪日外国人客の目標数を新たに二千万人に設定されたと聞いています。荒井知事は、すぐれた先見力を発揮され、海外に向けてさまざまな取り組みを既に行っておられますが、今後、東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて、全国の外国人観光客の誘致合戦はますます激化が想定され、重点的な取り組みが必要となるものと考えます。さらに、奈良の持つ深い歴史文化の発信によるアピールやにぎわいの拠点づくりなども、外国人観光客ばかりでなく日本全体からの観光客の誘致には重要ではないでしょうか。また、オリンピックの開催は、県民のスポーツへの関心が高まり、また、これを機に子どもたちがスポーツを始めるきっかけとなったり、より高いレベルを目指そうとすることにもつながります。さらに、奈良県からもオリンピックで活躍する選手を輩出すれば、一層効果は大きなものになるでしょう。

 そこで、知事にお伺いいたします。二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック開催に向け、国際観光、文化発信、国際交流、スポーツ振興、にぎわいの拠点整備について重点的な取り組みを進められるとのことでありますが、それぞれの分野で具体的にどのような取り組みを進められるのか、知事の所見をお伺いいたします。

 続いて、健康寿命日本一に向けた取り組みについてお伺いします。

 我が国の平均寿命は既に世界最高水準であり、また、今後十年間でさらに急速に高齢化が進むと予想されます。このような中、いつまでも健康で、自立して長生きしたいというのは、国民・県民共通の願いではないでしょうか。県では、健康寿命日本一を目指し、昨年七月に、なら健康長寿基本計画を策定されました。この計画は、これまで保健、医療、福祉、介護など分野ごとに作成された個別計画に、いわば横串を刺して総合的に施策を進めていくための上位計画として位置づけられています。また、県民の健康寿命の延長に関係する三十ほどの指標を重点健康指標として定め、定期的に数値を把握、評価し、分野ごとの個別計画の統一的な進捗管理を図ることとされました。

 知事は、昨年二月議会における私の代表質問に答え、健康寿命の延長に向けて、各計画を一つの歯車がかみ合うように連動させて、施策の着実・迅速な実施につなげていきたいとの決意を述べられました。健康寿命日本一とは、実にわかりやすく、かつ大きな目標です。現在は、男性五位、女性は十九位と聞いております。男女とも全国平均を上回っているものの、女性のほうがやや悪い結果となっています。これを男女とも一位にするという知事の決意は、誠にすばらしく、その志を高く評価するものであります。しかしながら、その道のりは決して平坦ではないと思います。一例を挙げますと、本県の死因の第一位はがんであります。がんを早期に発見し、早期に治療することにより、不幸にもがんで亡くなる方は減らされるでしょう。ところが、残念なことに、本県のがん検診受診率は全国平均を下回っています。この受診率をどのようにして上げるのか、これは重要なテーマだと思います。また、血圧の高い人は脳卒中になりやすいと言われ、脳卒中は要介護となる原因の第一位です。高血圧にならないような取り組みが必要です。このほかにも、健康寿命を延ばすためにはさまざまな取り組みが必要だと思います。県民一人ひとりが少しでも長い間、元気で健やかに過ごすことができるよう、実効ある施策を強力に推進していただきたいと思います。

 そこで、知事にお伺いいたします。知事は、社会保障の充実とにぎわいのある住みよいまちづくりを進め、くらしやすい奈良を創る取り組みを、平成二十六年度予算案の四つの主な取り組みの一つに位置づけておられますが、その中で特に健康づくりについて、なら健康長寿基本計画の最終目標である健康寿命日本一を達成するため、どのような取り組みを進めていかれるのか、お答えください。

 次に、防災力の向上に関して、今回提案されています奈良県地域防災活動推進条例についてお伺いいたします。

 先月十四日、奈良市で十五センチメートルの積雪を記録するなど、奈良県で二十四年ぶりに大雪警報が発令されました。京奈和自動車道、名阪国道、南阪奈道路などの高速道路が通行どめになり、JR、近鉄でもおくれや運休が生じ、県内で重軽傷合わせて三十五人のけが人が発生しました。被災された方々にはお見舞いを申し上げます。また、関東や山梨県などでは、一メートル以上の積雪により、多くの地区が長期的に孤立したほか、交通網の寸断により、食料品などの物流に影響が生じ、スーパーで生鮮品が売り切れるなど、住民の生活にも大変影響が生じました。さらに、昨年九月の台風十八号や十月の台風二十六号の被害も記憶に新しいところです。このように自然災害の多い日本に暮らす私たちは、ふだんから災害に備えておかなければなりません。

 紀伊半島大水害から二年半、東日本大震災から間もなく三年がたちます。県は、これらの大規模災害の教訓を踏まえ、二年間をかけて奈良県地域防災計画の見直しに取り組まれてきました。災害による死者をなくすこと、人命を守ることを最大の目標として、特に住民避難について、災害を経験した市町村の取り組みも参考にされるとともに、東日本大震災を機に改正された災害対策基本法をはじめとする国の動きを踏まえ、大規模広域災害への対応などについても見直しを行ってこられたと聞いています。二月五日には防災会議が開かれ、地域防災計画の見直し内容についておおむね了承を得られたことから、年度内に計画を完成させ、来年度からは新しい計画に基づき、県や関係機関がさまざまな対策を進められる予定であると伺っています。

 しかしながら、今後三十年以内に発生する確率が高いとされる南海トラフ巨大地震や首都直下地震、最近多発する巨大な台風等の大規模災害に備えるためには、国、県や市町村など、行政が行う対策に頼るだけでは限界があると私は考えています。自分が住む地域でどういう災害が起こりやすいのかを把握して、災害時にどういう行動をとるべきかという具体的な考えを持っておく必要があります。ふだんからそういう訓練をしておかないと、いざというときに適切な行動がとれません。現実に災害が起こることを考えて、ふだんから、家庭や地域でどういう行動をとるべきか、考えておくことが大事です。

 防災計画の見直しとあわせて、防災に関する条例を制定しようとする県の取り組み姿勢は時宜を得たもので、広く県民等の防災意識の向上につながるものだと評価します。このような考え方を踏まえ、今回提案されている奈良県地域防災活動推進条例の制定の意図について、知事にお伺いいたしたいと思います。また、条例はつくっただけでは効果がなく、いかに県民の皆様方にこの条例の考え方を伝え、防災活動を実践していただくことが肝要であろうと考えます。この条例の考え方や理念について、今後、具体的にどのようにして県民等に普及しようと考えておられるのか、あわせてお聞かせください。

 次に、県内市町村の財政状況とその健全化に向けた県の取り組みについてお伺いいたします。

 荒井知事が就任当時、県内各市町村の財政状況は極めて悪い状況にありました。例えば赤字団体数では、平成二十年度において全国に十九あった赤字団体のうち七団体が県内市町村で、平成二十一年度においては全国の十三ある赤字団体のうち五団体を奈良県内の市町村が占めていました。また、市町村の財政構造の弾力性を判断する指標である経常収支比率を市町村平均で見ると、平成十八年度から平成二十年度まで全国ワースト一位となっていました。このような状況の中、知事は就任以来、市町村の自主的な財政健全に向けた努力を支援するためのさまざまな取り組みを実施されました。まずは、奈良県・市町村長サミットなどの場を活用しながら、各市町村の財政状況を詳細に把握、分析し、経常収支比率などの財政指標が県内の他の市町村や全国の市町村と比較した順位の状況や時系列の動向などをわかりやすく示すことで、問題意識を高め、各市町村みずからによる自立的な財政健全化に向けた取り組みを促す仕掛けづくりに取り組まれました。また、県と市町村がそれぞれ有する人的資源、財源、施設等を県全体で有効活用することが重要との発想のもと、奈良県という地域にふさわしい県と市町村の役割分担を踏まえた連携を奈良モデルと称し、その実現に向けて広域連携に取り組む市町村や小規模市町村への支援などによる行財政運営の効率化にも取り組んでこられました。さらに、平成二十年度決算における財政指標において早期健全化団体となった御所市、上牧町に対しては、特に過去に発行した地方債の償還に係る費用が大きな負担となっていたことから、平成二十一年度から平成二十二年度にかけて、高金利の地方債の繰り上げ償還を促す貸付金の創設に取り組まれました。

 これらの取り組みと、県内各市町村における普通建設事業の見直しや公債費負担の軽減、人件費の削減など、さまざまな行財政改革に必死に取り組んでこられたことが効果を発揮し、平成二十三年度決算で赤字団体がなくなり、先日発表された平成二十四年度決算においても、二年連続で県内全市町村が黒字決算を達成することができました。また、県内市町村平均の経常収支比率では、全国ワースト五位までに改善してきたところです。とはいうものの、依然として経常収支比率は県内市町村平均が全国平均を三ポイント下回っており、公債費の負担度合いを示す指標である実質公債費比率では、全国平均を上回る市町村が三十九市町村中二十九市町村を占めるという状況にあり、県内市町村の財政状況は、まだまだ予断を許さない状況と言えるのではないでしょうか。今後は、人口の減少に伴う税収減や少子高齢化に伴う社会保障費の増大、老朽化した庁舎や道路などの公共施設の修繕や更新費用の増大など、市町村財政を取り巻く状況はますます厳しいものとなっていくことが見込まれます。一旦解消された赤字団体が再び出ることがないか、懸念されるところであります。

 そこで、知事にお尋ねいたします。県内市町村のさらなる財政健全化に向けて、県はどのように取り組んでいかれるのか、お伺いします。

 最後に、今後の本県の道路整備の方向を決める(仮称)道路整備基本計画についてお伺いいたします。

 本県の道路整備が他府県と比べ非常におくれ、その対策が大きな課題とされているところです。道路整備のおくれが県内各地で幹線道路の渋滞を引き起こし、さらに、この渋滞を避けるため生活道路に通過交通が流入し、生活環境の悪化が見受けられるなど、幹線道路、生活道路ともに、道路整備のおくれに起因する課題が山積しています。このような本県の脆弱な道路状況が大きく影響しているのでしょうか、本県は三大都市圏にありながら、県税収に占める法人事業税の割合が全国最下位であり、県外就業率は全国第一位と、雇用が県外に流出している状況です。また、本県は豊富な観光資源に恵まれ、多くの観光客が訪れるものの、ホテル・旅館の客室数は全国最下位であり、観光消費も全国ワースト六位と低迷しています。道路は、県民生活や経済活動を支える最も重要な社会基盤です。この道路がしっかりネットワークを形成しないことには、県土の発展はあり得ません。しかし、道路整備を取り巻く状況は非常に厳しいものです。一月には国土交通省が、来年度の道路関係予算概要を公表されています。その内容を拝見いたしますと、対前年度比は少し伸びているようですが、消費税率のアップを考えると、おおむね横ばいという感じです。厳しい財政状況の中、既存道路の維持管理費はますます増大することが考えられるため、新しい道路整備に対する投資はかなり抑えられるのではないかと懸念しています。

 県では、平成二十年に奈良の今後五カ年の道づくり重点戦略を策定し、選択と集中のもと、道路整備を推進してきました。県の主要幹線道路が重点的に整備され、ようやく幹線道路ネットワークのおおむねの形が見えてきました。このことに伴い、渋滞の緩和や移動時間の短縮が図られた部分もあり、低調であった企業の立地動向にも変化の兆しが見られるなど、少しずつではありますが、着実に効果が見られるようになったと感じております。昨年の二月議会の代表質問で私は、災害に強い地域を実現する県土強靱化の観点から、県の産業・経済の活性化等の観点からも、道路整備を重点的に推進していくべきだと考え、知事にも、引き続きこのような道路網の整備に取り組んでいただきたいと申し上げたところです。このような社会経済情勢の中、本県にふさわしい道路の総合的かつ計画的な整備を図るため、今年度から奈良県道路の整備に関する条例を施行されています。現在、この条例に基づき、今後の本県の道路整備の基本的な計画を定めた(仮称)道路整備基本計画の策定を進めていると聞いています。

 そこで、知事にお伺いします。今後の本県の道路整備の基本方針となる(仮称)道路整備基本計画の策定状況についてお聞かせください。

 以上、知事が平成二十六年度の主な取り組みとして開会日に所信表明で述べられました事項を中心に、六点について質問をいたしました。知事には、所信表明での決意同様、力強い答弁を期待いたしまして、壇上からの質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○議長(山下力) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)三十四番米田議員のご質問がございました。来年度予算に向けての主な取り組みについてご質問があったように思います。

 第一問でございますが、本県経済の構造改革に向けた取り組みについてご質問でございます。

 今日の日本におきましては、これまでのように、大都市や大規模生産拠点の発展に伴って周辺地域も発展するという構図は望むことができないように思います。各都道府県がその地域において内発的、自立的な地域経済を確立する努力をしなければいけないものと思っています。このため、本県では昨年二月から、県内外の有識者にお集まりいただき、奈良県経済産業雇用振興会議を開催し、統計などのエビデンスをもとに、本県の産業・雇用の実態把握に努め、本県経済発展の糸口を探し求めてきたところでございます。この実態把握の作業の中でわかってきたことでございますが、例えば県外就業率が約三割で、長年ベッドタウンとして発展してきた本県は、所得の源泉を他県に依存している割合が高いため、県内での経済の循環が十分でなく、自立性の低い経済構造であることがはっきりしてきました。その結果、近くに働く場が少ないことにもなり、女性の就業率の低さや、県南部・東部地域の職場の少なさ、県内消費率の低さなどにもつながっているのではないかと考えています。さらに、消費は全国三位、預金は全国四位というように需要側の数字は大変よいわけですが、産業のほうは、例えばGDPが全国三十七位、商品販売額は四十六位、雇用のほうは、県外就業率が全国一高いなど、供給側の数字がすぐれず、サプライサイドとデマンドサイドのバランスが悪く、県内で内発的に経済が活性化してお金が回る体質になっていないという構造的な問題があるということがわかってまいりました。

 新年度は、本県のこのような経済構造を改革することを意識し、売り上げ規模、従業員数、今後の伸びの見込みなどから判断して、本県の産業・雇用に大きな影響を及ぼす三つの分野をリーディング産業、今後成長の伸びしろが見込める六つの分野をチャレンジ産業と位置づけ、産業興しの視点で活性化に取り組むことといたしました。産業興しは、新たにないものをつくろうということではなく、今ある産業の体質を力強いものに改善しようということでございます。改善をするにはどうしたらよいのか、県みずからがシンクタンクとなって考え、産業力強化のためのイノベーションを県庁から起こしていこうという気概を持って取り組みたいと考えております。三つのリーディング産業は、医療・介護・福祉分野、二つ目に小売業、三つ目に食品製造業と考えております。チャレンジ産業としては、一に宿泊業、二に料理飲食業、三に農業、四に林業、五に教育・研究関連産業、六に漢方の、六つの分野を考えております。今後、これらの分野の事業者の方々との意見交換や、有識者へのヒアリング等を行い、分野ごとの現状把握に努め、地域経済や雇用に及ぼす効果を検証しながら、具体的な産業活性化策を打ち出していきたいと考えております。

 既に先月から、私みずから先行して、最近県内に立地していただいた企業を訪問いたしまして、経営者の方々から奈良における経営環境の課題やそれぞれの業界の将来の方向性についてお話を伺いに参り始めたところでございます。また、各分野の振興に大いに寄与すると考えられる取り組みを発見、発掘し、県内企業に紹介するとともに、みずからそうした取り組みを積極的に実践しようとされる事業者に対しては、県としてしっかり応援してまいりたいと考えております。さらに、本県の経済・産業・雇用に関する指標を分析するため、庁内にプロジェクトチームを設置し、県民所得、賃金、雇用者数など、産業分野ごとの統計数値のデータなどを毎月収集・分析し、県内産業界の方々に利用していただくとともに、産業政策の企画立案に生かしていきたいと考えております。本県経済の活性化は、一朝一夕にできるものではないと思いますが、こうした産業興しの取り組みをこつこつと粘り強くやっていくことで、県内で投資、消費、雇用がうまく循環する経済構造に変換できる日を期待して努力してまいる所存でございます。

 第二問目のご質問でございますが、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックが開催されることに向けて本県の重点的な取り組みのご質問でございます。

 二〇二〇年は東京オリンピック・パラリンピックが開催されますが、これから二〇二〇年に向けて日本全体が、外国人観光客の受け入れ体制の整備、さまざまな文化発信、スポーツ振興などの取り組みが大規模に、各地が競争して行われてまいるものと思われます。奈良県におきましてもオリンピックを契機に、また、その後さらなる発展ができるように、二〇二〇年に向けて中期的な取り組みを開始してまいりたいと考えております。取り組みの分野といたしましては、議員お述べになりましたように、国際観光、文化発信、国際交流、スポーツ振興、にぎわいの拠点整備の五つの分野で取り組みたいと考えているところでございます。五つの分野の代表的な取り組みを述べさせていただきたく存じます。

 まず、一つ目は国際観光の振興でございます。奈良公園周辺は外国人にとりましても奈良観光の玄関口となっており、多くの外国人観光客が訪れられます。そのため、奈良公園周辺のおもてなし力の向上を図る必要があると考えております。まず猿沢荘でございますが、外国人観光客が交流・宿泊できる施設として整備したいと思います。また、奈良公園管理事務所は、現在シルクロード交流館の後ろの部分に事務所がございますが、そのシルクロード交流館は、新公会堂と一体化させることによりコンベンション能力が向上いたします。奈良公園管理事務所を移転させることにより、春日野園地周辺のコンベンション機能、本県の数少ないコンベンション機能を強化してまいりたいと思います。

 二つ目は文化発信の分野でございます。三回目となりますムジークフェストならは、公演内容や開催地域を拡充して実施いたします。また、秋には、新たに大古事記展や(仮称)奈良県大芸術祭を開催いたします。奈良の歴史的価値やポテンシャルを生かした文化芸術活動に、引き続き力を入れていきたいと考えております。

 三つ目は国際交流の振興でございます。奈良時代は、日本の歴史の中でもとりわけ国際性が豊かな時代でございました。京都など国風的な文化と全く異なる文化が残っておる奈良でございます。それを強調していくためにも国際交流を活性化させていきたいと思っております。十一月にはOECD観光統計グローバルフォーラム、これはヨーロッパ以外で初めての開催になりますが、このような国際会議が三つほど奈良で連続して開催されます。さらに、本県とスイスのベルン州との友好提携実現に向けて、五月にベルン州を訪問したいと考えております。

 四つ目はスポーツ振興の取り組みでございます。本県におきましては、誰もがいつでもどこでもスポーツを楽しめる環境整備というキャッチフレーズでスポーツ振興に努めておりますが、東京オリンピック・パラリンピック、さらにはその前年に開催されますラグビーワールドカップのキャンプ地招致に向けた調査、検討を行ってまいりたいと思います。また、強化拠点となるスポーツ医科学の研究機能を備えた地域トレーニングセンターは全国的にもあまりない施設でございますが、その整備に向けた基本構想を策定したいと思います。順調にいけば本県で整備を進めていきたいと思っております。また、全国レベルのスポーツ大会やコンベンション、コンサートなど、多目的な利用が可能なアリーナの基本構想を策定したいと考えております。

 最後に五つ目でございますが、オリンピックを控えたにぎわいの拠点整備の推進でございます。奈良が国際的なにぎわいの拠点となるためには、現在一つもない国際級のホテルの整備がぜひとも必要だと思います。そのため、県営プール跡地活用プロジェクトを本格的に取り組んでいきたいと思います。また、吉城園周辺や鹿苑の整備、県庁六階の眺望のいいレストランの整備をするほか、奈良公園や県庁周辺、さらには平城宮跡や県営プール跡地を一体的に整備するつもりでございます。これらは県庁内で大宮通りプロジェクトと、または、昨年急死いたしました牛嶋まちづくり推進局次長の名を取って牛嶋プロジェクトと呼んでおりましたが、本格的に実行を図り、奈良観光を世界有数の国際級のものにしていきたいと思っております。

 以上は代表的な取り組みでございますが、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの年は、奈良県にとっても、日本書紀完成、藤原不比等没後千三百年と重なり、奈良県が進めている記紀・万葉プロジェクトの最終年度にもなります。さらなる発展のチャンスで絶好の機会と捉え、奈良県の発展を強力に進めてまいりたいと思います。

 三つ目のご質問でございますが、健康寿命日本一に向けた取り組みについてのご質問でございます。

 奈良県では、日常的に介護を必要とせず、健康で自立した生活ができる期間でございます健康寿命という言葉を指標に利用いたしまして、平成三十四年度までに男女とも日本一にしたいという思いを込めまして狙いを定めまして、なら健康長寿基本計画を策定いたしました。この基本計画の特徴でございますが、データを活用し、科学的根拠に基づく施策を推進することでございます。基本計画では、県民の健康寿命の延長に関係する約三十の指標を抽出いたしまして、重点健康指標として設定しております。これらの指標については、毎年調査、分析をしてフォローしていくことにしております。具体的なことでございますが、関連する個別計画の中から、例えば健診受診率や運動習慣実践率など、県民の健康づくりのため県民みずからが、また県が行うべきものを行動指標という呼び方をして、他方、生活習慣病の有病率や要介護認定率など、取り組みの結果としてあらわれる指標を結果指標として、常に比較することによって、行動指標への入力を強化して、その結果、どのように指標にあらわれるか、その成果を見ていこうとするものでございます。勉強の成績を上げるために日々国語を勉強する、数学を勉強する、体育をするといったものを行動の指標として設定し、それぞれの課目の成績をフォローするといった構造に似ているようにも思います。現在、外部有識者の知恵もおかりして、どの健康行動指標が健康寿命の延長と相関が強いのか、すなわち寄与度が高いのか、研究しておりますが、その結果も見ながら、より効果的な取り組みを進めていきたいと考えております。

 健康行動指標の改善につながる取り組みといたしまして、平成二十六年度は幾つかの新規事業の予算を計上させていただいております。まず、がん検診の受診率を向上させるため、天理市、五條市、川西町、王寺町の四市町が取り組む受診勧奨、再勧奨等に対し支援を行います。あわせて、今申し上げました研究で明らかになった寄与度の高い健康行動の効果的な普及対策について、実際に県内二市町村でモデル実施をしたいと思います。さらに、高血圧や脳卒中予防に効果があるとされる減塩対策、塩の摂取を減らす対策にも取り組みたいと思っています。摂取量は年々減少していますが、なかなか目標達成までいかない現状でございます。県民の皆様が実際につくってみたいと思うおいしい減塩食、塩が少なくてもおいしい料理のご提案を行うとともに、効果的な普及啓発手法を検討していきたいと思います。また、誰でも気軽に日常生活の中で健康づくりを開始、実践できる拠点として、本年一月に近鉄百貨店橿原店内に開設いたしました奈良県健康ステーションが大変好評でございます。平成二十六年度は二つ目のステーションを王寺町内に設置したいと考えております。さらに、県民の皆様に健康づくりの大切さや実践方法を学ぶ場を提供するとともに、実際にお出かけをしていただくきっかけとして、本年七月にオープン予定のまほろば健康パークにおいて、家族連れや高齢者が楽しめる健康イベントを実施したいと思います。

 これらの事業をはじめとした、健康寿命を延ばす可能性のあるあらゆる施策を実践し、その結果、指標の改善にどの程度つながったのか、評価・分析を行い、さらに今後の事業展開につなげていくという連関した手法を用いながら、健康寿命日本一に向けての取り組みを強化推進していきたいと考えております。

 次のご質問でございますが、奈良県地域防災活動推進条例の制定の意図についてのご質問がございました。また、その具体的な内容のご質問もございました。

 県におきましては、二年間をかけて県防災会議において、県や市町村、関係機関等が防災に関して対処すべき事項について定めた県地域防災計画の見直しを行ってまいりました。大変重要な作業だと認識をしております。議員お述べになりましたように、今後発生が懸念される南海トラフ巨大地震や近年多発する台風などの大規模災害に対応するためには、県などによる公助だけでなく、みずからを助ける自助、地域とともに助け合う共助が一体となり、相互に連携して地域の防災活動を推進することが重要であると考えております。とりわけ防災対策に関しましては、県民の方々が防災意識を十分持って、常日ごろから防災活動を行うことが大きな意義を持つものでございます。

 その意識が県内でしっかり定着するためには、県民の皆様方などによる地域における防災活動及びこれを推進する施策の基本的事項を定めた条例を制定することは、大事なことだと考えております。こうした条例の制定は全国で二十四県目になりますが、本県条例においては、名称においても制定の意図を明確に打ち出しているものでございます。本県条例の特徴的な事項でございますが、災害予防対策、災害応急対策、復旧対策、復興対策の各ステージがございますが、県民、自主防災組織などによる防災活動及びこれを推進するため、県が市町村などと連携して実施する取り組みをそれぞれのステージごとに定めていることでございます。また、紀伊半島大水害の経験を踏まえまして、人命を守るため、住民の速やかな避難を進めることを最優先としております。条例や防災計画において避難計画や避難勧告等の基準を作成する市町村への支援や、住民への適切な情報提供なども明示をしているところでございます。

 加えまして、過去の災害から得た教訓を次世代に伝えることも重要でございます。本県で多大な人的被害が発生した日を取り上げまして、災害種別ごとに防災の日及び防災週間を設定しようとしております。具体的には三つの週になります。一八五四年の伊賀上野地震が発生いたしました七月九日を地震防災の日といたします。昭和五十七年大和川大水害が発生いたしました八月一日から八月三日を水害防災の日といたします。平成二十三年紀伊半島大水害が発生いたしました九月三日から九月四日を土砂災害防災の日といたしまして、これらの日を含む一週間程度の期間をそれぞれの防災週間として定めたいと考えております。全国的に見ても珍しい考え方のようでございます。これらの防災週間におきましては、県、市町村合同での災害に応じた訓練、県内一斉地震訓練及び防災講演会など各種行事を実施したいと考えています。また、全ての市町村や関係機関にも防災関連行事を実施していただくよう呼びかけ、条例の考え方の周知、浸透に努めてまいりたいと考えています。さらに、日ごろからホームページ、出前トークや啓発パンフレットなどにより、災害への事前の備えなど、地域での防災活動の推進により、県民の皆様方への周知を図ってまいりたいと考えております。

 次のご質問でございますが、市町村の財政健全化に向けた県の取り組みについてのご質問でございます。

 本県におきましては、県内各市町村の財政状況について、財政指標を全国平均と比較した結果を健康診断表に例えて図式化したり、全国順位の動向などをわかりやすく示すことにより、市町村間の健全な競争意識や問題意識の醸成に努めてまいったところでございます。このような各市町村の財政状況の比較は県にしかできない役割でございますが、発表当初は、市町村の成績表と言われ、嫌がられた面もございました。しかし、各市町村の刺激にもなり、成績も上がる結果になってきたように思います。今後もさらに充実させつつ、継続して成績表の発表に取り組んでいきたいと思っております。

 また、複数市町村による税の共同徴収を行う体制整備のために県職員を派遣し、徴収を強化することで税収増を図る取り組みや、自治体クラウドを活用し市町村の情報システムを共同化して経費を削減する取り組みを、財政規律強化の分野における奈良モデルと位置づけて支援をしてまいりました。これらの取り組みと各市町村みずからの自主的な財政健全化に向けた努力が功を奏しまして、平成十八年度から平成二十年度まで全国ワースト一位でございました県下市町村の経常収支比率が、平成二十四年度決算では全国ワースト五位まで成績が改善するなど、一定の効果がございました。しかしながら、当面の目標といたしております経常収支比率全国ワースト十位からの脱却に向けてさらなる努力が必要と思います。

 県下市町村の経常収支比率を高どまりさせている大きな要因は、人件費と公債費でございます。人件費は各市町村の意思と努力によって削減を行うことができるものでございますが、一方、公債費は過去の負債に起因する経費であり、現在の各市町村長の方針、努力と関係なく、財政運営上の大きな負担となってきています。市町村がみずからこの公債費負担を軽減させようと取り組み、努力をされるならば、それを県が支援し後押しすることは意義あることと考えております。過去には、地方債の繰り上げ償還を行おうとした御所市、上牧町へ県から代替融資、無利子貸し付けを行いましたところ、両団体の財政健全化が加速され、大いに効果を発揮したものでございます。そのような経験も踏まえ、来年度より、このような財政健全化のための無利子貸し付けを全市町村に拡大し、高金利地方債の繰り上げ償還を促すための新たな支援制度を創設する予算を上程させていただいております。平成二十六年度当初予算案では、無利子貸し付け及び繰り上げ償還のための補償金に対する補助を合わせまして十五億円の予算計上でございます。この制度を市町村に積極的に活用していただき、財政健全化に向けた効果が発揮されることを期待しているところでございます。このような直接的な財政支援に加えまして、財政健全化などに著しい成果を上げた市町村に対し、優良事例としてその努力をたたえ表彰する、がんばる市町村応援表彰制度を新たに創設したいと思います。

 今後も、当面の目標でございます経常収支比率全国ワースト十位からの脱却をできるだけ早期に達成できるよう、市町村とともに知恵を出し合い、財政健全化に資する取り組みをより一層積極的に展開していきたいと思います。

 最後のご質問でございますが、(仮称)道路整備基本計画の策定状況についてのご質問がございました。

 道路は、経済の活力や県民の安全・安心な暮らしを支える基盤でございます。本県の発展にとって欠くことのできない重要な社会資本と認識をしております。しかしながら、本県の道路整備は、かつてあまり熱心に取り組まなかった時期がございまして、現在も道路整備率が全国四十六位にとどまるなど、他県に比べても大きく立ちおくれている現状でございます。

 このようなことから、平成二十年に奈良の今後五カ年の道づくり重点戦略を策定し、選択と集中の考え方に基づき、幹線道路の整備を推進するとともに、渋滞対策や交通安全対策などの重要課題への取り組みもあわせて進めてまいりました。こうした取り組みを発展させ、道路の整備をより一層総合的、計画的に進めるため、昨年二月議会で奈良県道路の整備に関する条例をご議決いただきまして、本年度施行されております。現在、この条例に基づきます道路整備基本計画の策定作業を進めているところでございます。策定に当たりましては、道づくり重点戦略の取り組み成果を受け継ぎつつ、防災機能の強化やストックの老朽化対策など、道路整備の新しい課題も踏まえながら、検討を進めているところでございます。

 本計画は二本の柱から構成しようとしております。一つは整備すべき道路のあり方、二つは道路整備の進め方でございます。一つ目の柱でございます整備すべき道路のあり方につきましては、何のために、どのような道路を整備するのかを明確にし、県民にお示しすることが重要と考えております。具体的には、本県の骨格となる幹線道路ネットワークの形成を最重要課題として位置づけるとともに、企業立地の支援、観光振興、生活利便の向上、安全・安心の確保など、道路整備を行う上での目的を明確化したいと考えております。加えて、環境や道路ストックの有効活用、使いやすさなど、整備を行う際の配慮事項についても示したいと考えております。二つ目の柱でございますが、道路整備の進め方では、どのように道路を整備するのがよいのかをお示ししたいと考えております。具体的には、選択と集中を具現化するためのマネジメントのあり方や関係機関との連携方策などの手続面について記載したいと考えております。

 このような基本計画の概要案につきまして、所管の委員会にも報告をさせていただいているところでございますが、今後、順調にいきますと、パブリックコメントを経て、六月議会に議案として提出できるよう検討を進めてまいりたいと考えております。

 ご質問に対するお答えは以上でございます。ご質問、誠にありがとうございました。



○議長(山下力) 三十四番米田忠則議員。



◆三十四番(米田忠則) ただいま荒井知事から、私の質問に対し、それぞれ誠意ある答弁をいただきました。

 知事が述べられましたとおり、現在、急速に人口減少、高齢化が進むと予想される中、本県経済の構造上の問題を見据え、投資、消費、雇用が県内で好循環するよう、経済の構造改革に取り組むことが、本県の今後の発展のためには重要かつ欠かすことのできないことであろうと考えます。また、さきの質問で述べましたとおり、東京オリンピック・パラリンピックの開催が、奈良県のさらなる発展につながる絶好の機会となることを期待いたします。

 知事におかれましては、引き続き数々の課題に果敢に挑戦されますとともに、今後とも、県民や議会からの意見に真摯に耳を傾けていただき、県政運営に取り組まれることを心からお願いいたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。



○議長(山下力) しばらく休憩します。



△午後二時六分休憩

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



△午後二時二十三分再開



○副議長(井岡正徳) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 次に、二十五番荻田義雄議員に発言を許します。−−二十五番荻田義雄議員。(拍手)



◆二十五番(荻田義雄) (登壇)議長のお許しを得まして、通告しております質問順序に従って、自由民主党改革を代表して知事に質問させていただきたいと存じます。

 私ども自由民主党、一昨年衆議院議員選挙、そして昨年参議院議員選挙、安定した議席を賜りました。そして、経済再生、日本を取り戻すとして、安倍内閣が発足をし一年経過をいたしました。デフレ不況からの早期脱却と経済再生を図るため、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の三本の矢を一体として強力に推進し、日本はようやく長いトンネルから脱し、明るい兆しが見えてまいりました。そして、東京オリンピック・パラリンピックが開催される二〇二〇年、さらにその先を見据え、我が自由民主党は、強い経済を取り戻すため取り組んでまいりたいと存じます。

 また、先日のソチオリンピックでは、本県出身の平岡選手が銅メダルを獲得され、県民皆様方には大いなる感動、そして元気を頂戴いたしました。今後ともさらなるご活躍を期待しておるところでございますし、また、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックでは、さらに本県出身の選手も活躍されることを願うとともに、県としてアスリート育成強化のため、本県としても力強い強化策を講じていただくよう、強く要望しておきたいと存じます。

 それでは、初めに、国の経済対策に呼応した県経済の活性化、景気対策についてお伺いをしたいと思います。

 まず、国の平成二十六年度予算は、デフレ不況からの脱却、経済再生と財政健全化をあわせて目指す予算でございますし、平成二十五年度補正予算と一体として、日本の競争力強化につながる未来への投資、生活基盤の充実、暮らしの安全・安心といった事項に施策を対応して予算配分をされているものでございます。さらに、平成二十六年度の地方財政計画に目を転じますと、地方が地域経済の活性化に取り組みつつ、安定的に財政運営ができるよう、地方交付税等の一般財源総額について、社会保障の充実分などを含め確保されているところでもございます。

 県もこのような国の動きと歩調を合わせながら、平成二十六年度当初予算を編成されました。特に、知事は所信表明でもお述べでございます、自立的な地域経済を目指し、本県産業の発展、雇用の飛躍的拡大を促進する取り組みを強力に推し進める、そして本県の景気を本格的に回復軌道に転じていくとともに、さらなる経済の活性化に向け、平成二十六年度当初予算では、本県産業の発展、若者・女性を含め雇用のさらなる拡大に向けてどのように取り組んでいくのか、お聞かせいただきたいと存じます。

 また、本年四月には地方消費税の税率が引き上げられます。それによって景気の冷え込みが懸念されます。消費拡大に向け、来年度予算に計上されているプレミアム商品券の発行などは効果的な施策であると存じますが、県内の商店街はシャッター通りとなっているところも多く見られます。そこで、県内の商店街の活性化及び振興策を含め、県内消費の拡大にどのように取り組んでいかれるのか、お伺いをいたします。

 次に、ホテル誘致についてでございます。

 本県の経済活性化を図り、景気を回復軌道に転じるには、観光の振興、企業誘致等の促進が不可欠であります。その中でもホテル誘致は重要な課題となっています。知事が県営プール跡地へのホテル誘致を表明されて既に六年が経過しようとしていますが、一向に進んでいかない状況でもございます。そうした中において、リッツ・カールトンの国内展開では、大阪、東京、沖縄に続き四番目のザ・リッツ・カールトン京都が本年二月に鴨川のほとりにオープンをいたしました。六万円から百万円という高額な客室もございます。まさに奈良県が必要としている高級感あふれるホテルでもございます。さらに京都との宿泊施設の格差が一層生じていくのではないでしょうか。

 そこで、県営プール跡地での、今日までの、進まない、決められないホテル誘致について、知事二期目の最終年を迎え、政治的な責任を果たすべき時期に来ていると思いますが、今日までの取り組みと今後の知事の決意をお伺いしたいと存じます。

 次に、京奈和自動車道についてであります。

 経済効果をより一層もたらす高規格幹線道路として京奈和自動車道の早期完成を目指して、県では、大和御所道路を最重点整備区間として推し進められてきたところでございます。しかしながら、(仮称)大和郡山ジャンクションの来年完成をめどにされる中、大和北道路十二・四キロメートルは、柏木町付近(仮称)奈良インターチェンジまでが事業化されているものの、その先線であります木津インターチェンジまでの間、不透明な状況でもございます。また、国土交通省において高規格幹線道路の整備を全国で事業展開をしているものの、いまだ先線の不透明な道路整備計画には予算計上が進展していかないということでもございます。今後五年から十年間は道路整備予算が計上されるとしても、その後の道路予算は、道路や橋りょう等の老朽化している部分の対策や補修に重点配分されるのではないでしょうか。また、国家予算が今後の人口動態変化や経済変動、社会福祉関係に重点的に配分されるようになり、国道や高規格幹線道路新設への配分予算が乏しくなっていくのではないかと危惧しているところでございます。そこで、大和北道路の未事業化区間の事業化の見通しについて、知事のお考え方をお聞かせください。

 次に、市町村支援のあり方についてお伺いいたします。

 今後、人口動態の変化や高齢化等を考えたとき、県内市町村の財政状況は、若干持ち直してきているものの、依然として厳しく、将来的にも地域を活性化させるにはさらなる自助努力が必要ではないでしょうか。県は、平成二十二年度に十一億円の市町村振興臨時交付金を、過疎地などの条件不利地域や財政状況が厳しいなどの理由により追加投資が困難な市町村に対し交付されましたが、その交付金についてはどれほどの効果があったでしょうか。その後、県は毎年毎年、奈良モデルとして、市町村に対しさまざまな財政支援を実施してきておられます。来年度は、市町村の高金利地方債の繰り上げ償還に要する経費に対して、十四億円の無利子貸し付け等を実施するとしておられます。

 私は、市町村支援については、一過性の効果に終わることなく、各市町村が自主的、自立的に財政運営を行うことができるよう、継続的な支援が大切であると考えています。そういう意味では、来年度の無利子貸し付けは財政力の向上につながる事業展開となっている点において、平成二十二年度の市町村振興臨時交付金と比べ、効果的であると考えています。そこで、今後、継続性のある市町村支援のあり方について、知事のお考え方を改めてお伺いしたいと存じます。

 次に、医療体制についてでございます。

 このたび新奈良県総合医療センターの設計がほぼ固まり、新病院の医療機能や概要が示されました。それを見てみますと、救急医療については、一次救急から三次救急まで受け入れ可能な一体的救命救急センターの整備、がん医療では、最新の放射線治療機器の設置、周産期医療では、ハイリスクの妊婦さんの出産も安心な集中治療室の機能充実などがうたわれています。また、今議会に提案された奈良県立病院機構の中期目標でも、患者、県民、職員の三つの観点から、患者にとって最適な医療の提供、県民の健康維持への貢献、最高レベルの医の心とわざを持った人材の確保、育成を実現できる病院を目指すとされています。これらの機能を真に発揮できる病院にするために、何としても医師、看護師などの人材の確保が不可欠であります。新病院のオープンに向けたこれからの三年間で相当数の人材確保が必要と存じますが、今後の医師や看護師など人材確保にどう取り組まれていくのか。またどのような処遇改善が図られるのか、お伺いしたいと存じます。

 さらに、一次救急から三次救急まで受け入れ可能な一体的救命救急センターを整備するとしていますが、高度医療拠点病院の整備目的を考えてまいりますと、一次から三次までの救急を受け入れることについては、違和感を覚えるところでございます。知事として、このことについてどのように考えておられるのか、お聞かせいただきたいと存じます。

 また、新奈良県総合医療センターを核とするまちづくりについてお伺いしたいと存じます。同医療センターと隣接する西の京自動車学校跡地、旧五条山荘の敷地の有効理由について、地元自治連合会などから、ぜひとも地域コミュニティーの場所として多目的施設を強く要望されていますが、知事の所見をお伺いいたします。

 あわせて、現在、奈良県と五條市、吉野郡の三町八村で構成する南和広域医療組合では、南和の医療は南和で守るを基本理念として、南和地域における公立三病院の役割分担を行い、医療提供体制を充実させる取り組みを進められております。そこで、南和広域医療組合が取り組む体制整備の進捗状況についてお聞かせ願いたいと存じます。

 次に、奈良県総合医療センター周辺地域のまちづくりについてお伺いします。

 現県立奈良病院を六条山地区に移転することが決定された後、地元では、当初は反対の声が大変多うございました。県との長い間の交渉が繰り返された結果、住民にとって、一つは身近な医療はしっかりと残していただきたい、さらに、この地域については健康長寿をコンセプトにしたまちに再整備をしていただきたいの二点が、地域の方々と県との間で合意をされ、これまで取り組んでこられました。

 平成二十六年度当初予算でも、平松地区の健康長寿のまちづくりを推進していくこととされていますが、これまで地域住民の方々が参加されているまちづくり協議会で、どのような議論が今日まで取り交わされてきたのでしょうか。現県立奈良病院が平成二十八年度中に移転することから、平成二十九年度からはこの地域のまちづくりが本格的に始動せねばなりません。そこでお伺いいたします。平成二十九年度までどのようなスケジュールで進めていこうとされているのか。また、平成二十六年度予算では具体的にどのような取り組みをされていくのか、お伺いをいたします。

 次に、広域防災拠点の整備及び消防学校の移転についてであります。

 平成二十三年九月に紀伊半島大水害が発生し、県南部を中心に大規模な土砂災害等により甚大な被害が発生し、また昨年、台風十八号等により多くの災害が発生いたしました。さらに、近い将来、南海トラフ巨大地震の発生が懸念され、県内での死者が最大約千七百人に上るなど大きな被害が想定をされています。このような状況を踏まえると、県の南部地域に、迅速かつ効果的な人的・物的支援の応急対策が実施できるように、救助要員の集結、食料や水など非常食の備蓄並びに救援物資の集積・配送機能などを備えた防災拠点の整備が必要であると存じます。また、近年、消防を取り巻く環境は変化をし、複雑多様化する災害への対応や救急搬送の増加など、消防職員には高度な技量が求められています。全国初の大規模な本年四月の消防広域化の実現は、三十七市町村が一体となった消防防災に係る意識改革のあらわれであり、関係各位には敬意を表するところであります。

 このような中、本県の消防学校は築後四十年以上が経過し、敷地も狭く、複雑多様化する消防活動に必要な訓練が行えない状況でもあります。新しい広域消防組合が本年四月にスタートする中で、消防学校の移転改築は一番の懸案事項であると存じます。そこで、消防広域化の軸となるのは橿原市を中心としてと聞いていますが、その周辺地域では、高田東高等学校跡地などへの移転を考えてみてはどうでしょうか。

 一方、兵庫県や富山県では、平常時は消防学校として訓練等を行い、災害時には広域防災拠点として機能する防災センターとして整備されています。県の来年度予算案には、広域防災拠点整備に係る基本構想策定事業が計上されていますが、どのように取り組まれていくのか。また、消防学校の移転について、どのような方向で検討を進めようとしておられるのか、所見をお尋ねいたしたいと存じます。

 次に、リニア中央新幹線の中間駅の早期設置についてお尋ねをいたします。

 リニア中央新幹線の整備について、建設・営業主体であるJR東海は、東京−名古屋間の開業が二〇二七年、名古屋−大阪間の開業が二〇四五年と二段階施工を表明しています。建設費用についても、JR東海は自己資金で整備する方針を示していますが、最近の国の動きとして、昨年十二月に政府が策定をいたしました国土強靱化政策大綱においても、リニア中央新幹線は我が国の経済社会を支える東西大動脈の代替輸送ルートであり、国家的見地に立ったプロジェクトであるとしています。名古屋より東側で平成二十六年度中の建設着工を目指すJR東海に対して、政府は建設に必要な土地などを取得する際にかかる不動産取得税と登録免許税を非課税とされています。さらに、東京−大阪間の全線同時開業のため、特別法を制定して、JR東海の建設費や環境アセスメントの費用に対し無利子融資ができないか、自由民主党超電導リニア特別委員会において種々検討をされているとお聞きしています。

 リニア中央新幹線建設促進三重県・奈良県経済団体連合協議会が、昨年六月、東京−大阪間の全線同時開業による奈良県、三重県、大阪府の三府県のエリアにおける経済効果を分析されました。そして公表された結果は、三府県において、東京−大阪間を全線同時開業した場合、単年度の経済波及効果は一・五兆円で、名古屋までの部分開業の場合と比較して一・七倍の経済効果が発生するなど、リニア中央新幹線が本県の経済発展に大きく貢献をすることがわかりました。

 そこで、知事にお伺いをいたします。リニア中央新幹線の誘致は、奈良県経済の再生や活性化に大きく寄与する一大プロジェクトであることから、奈良市附近への中間駅の早期設置に向け、本県として全力を挙げて取り組むべきと考えております。知事のご所見をお願いいたします。

 最後に、農業についてお伺いをいたします。

 平成二十五年より参加しているTPP、環太平洋パートナーシップ協定の交渉について、安倍首相は、交渉力を駆使し、我が国として守るべきものは守り、攻めるべきものは攻めると表明をされ、国益の存続に向け、現在も協議を続けられております。また、先月二十二日から開催されたシンガポール閣僚会合においても、国益と国益がぶつかる大変厳しい状況が続いており、今後の交渉いかんでは、聖域とされる重要農産物五品目の関税自由化においても予断を許さない状況でもあります。

 こうした状況の中で、本県農業の実態を顧みますと、経営コストが高どまりしている中、米や牛肉などの農畜産物価格の低迷により農業経営がさらに厳しくなり、二万八千五百六十三戸の総農家、二千九百八十七戸の専業農家にとっては、経営の意欲が低下し、農業を目指す担い手も減少することが危惧されています。さらに、本県の農地の一九%に当たる三千五百九十五ヘクタールが耕作放棄地となっており、担い手の減少により、今後も耕作放棄地が増加し、地域で守ってきた農村環境の悪化が心配されます。

 こうした状況を踏まえ、県としては、農業の担い手確保・育成、農地の有効活用に向け、どのような対策を進めていこうとされているのか、知事にお伺いをしたいと存じます。

 次に、イチゴをはじめとする新品種育成によるブランド化についてお尋ねをいたします。

 本県イチゴにつきましては、県育成のアスカルビー、古都華が生産されていますが、一方、私ども旧奈良市農業協同組合管内では、平成五年より静岡県の一農家から導入した章姫が、つくりやすく収量が多く、味がよいということで、二十年たった今も生産され、安定した収入を得ておられます。現在、栃木県のとちおとめや福岡県のあまおうが全国ブランドとなっていますが、特に栃木県では近年、果実が大きく収量が多い栃木i二十七号が育成をされ、スカイベリーの名で販売されて、大変好評を得ていると聞いています。このような状況下において、私は、イチゴをはじめ農家が安定した収入を得るためには、県オリジナルの新品種を育成し、ブランド化を図ることが最も重要であると、このように思っています。そのための最重要課題は、品種改良に取り組む研究開発への情熱であり、何より研究員のやる気と資質の向上が不可欠であると存じます。

 そこでお伺いします。県では、来年度農業総合センターを農業研究開発センターに改称し、四つの大目標の一つとして優良品種の育成を掲げておられますが、現在の品種育成の取り組みと今後の方針をお聞かせください。

 今、知事に対してそれぞれの項目を質問いたしました。知事から誠意あるご答弁をいただきたいと思います。まずもって壇上からの質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)



○副議長(井岡正徳) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)二十五番荻田議員のご質問にお答え申し上げます。

 第一問は、県経済の活性化に向けて、若者・女性を含めた雇用のさらなる拡大に向けた取り組み、また、県の商店街の活性化、振興策、県内消費の拡大に向けての取り組みのご質問でございます。

 本県の経済活性化には、経済構造自体を内発的、自立的なものに変革していくことが不可欠との認識のもと、新年度は産業興しに重点的に取り組んでいくことにしております。具体的な三つの分野をリーディング産業分野、六つの分野をチャレンジ産業分野と位置づけ、先導的にその振興を図りたいと考えております。そのため、県庁内にプロジェクトチームを設置し、県民所得、賃金、雇用者数など、産業分野ごとの統計数値のデータ等を収集、分析し、産業政策の企画立案に生かしていきたいと考えております。米田議員ご質問にもお答えした部分でございます。また、雇用を促進するため、県のしごとiセンターでの無料職業紹介機能を強化し、求人・求職のマッチングを充実させたいと思っております。特に、女性・若者につきましては、県内企業や業界の情報提供などにより、就労意欲を高めるとともに、起業支援や翻訳者養成など、新しい取り組みを行うなど、就労促進にも力強く取り組んでまいりたいと思います。

 次に、県内消費の拡大についてでございますが、県内で買い物をする楽しみを提供することが重要と考えております。そのため、生活圏に密着した地域特性を生かした商業集積の形成や、魅力向上が必要でございます。商店街も含め、個々のお店や商品がお客様から長く支持されるように、ブランド力や商品力の向上に向けた勉強会の開催などに取り組んでいくことにしております。また、県外からも消費者を集客できる、魅力ある商業施設の誘致なども必要と考えているところでございます。あわせて、県内への観光客を増加させる取り組みも重要でございます。このため、記紀・万葉プロジェクトのこれまでの取り組みの集大成として大古事記展を開催するほか、平成二十七年からの春日大社の式年造替にあわせた観光キャンペーンなど、奈良県全体が一年を通してにぎわうよう、観光施策を大きく展開してまいりたいと思います。県として、これらの取り組みにより、県域で投資、消費、雇用がうまく循環する経済構造を確立することを目指し、県内消費を拡大してまいるつもりでございます。

 県営プール跡地へのホテルの誘致についてのご質問がございました。

 日帰りが定着している奈良の観光のあり方を滞在型へと抜本的に転換し、県内の消費や雇用をふやして、自立した地域経済をつくることは極めて重要でございますが、このため現在、県営プール跡地で、官民が連携して、滞在型観光拠点を整備するプロジェクトの計画づくりを進めているところでございます。拠点の中核には、今の奈良に欠けており、国際観光都市としての格を上げる国際級ホテルの誘致が重要でございます。これまで、県みずから誘致活動を行い、複数の国際級ホテルの運営会社から関心をいただいています。今の課題は、ホテルへの投資主体を見出すことであり、現在、民間事業者へのヒアリング調査を続け、投資判断を促せるようなプロジェクト全体の内容、スキームを検討しています。

 具体的な検討として、第一に、宿泊の多くを観光客に依存するため客室稼働率の季節変動が大きいという、奈良の宿泊のデメリットを補えるよう、コンベンションやイベント等のオフシーズン対策に県が主体的な役割を果たそうと思っております。このため、コンベンションやイベント等に関する施設は県が整備し、ホテルと相乗効果を生むように運営したいと考えています。また本県では、適当な施設がないことが逆にコンベンションやイベント等を誘致する上での弱点となっておりますが、これを解決する上でも、ホテルの設置は大いに役立つものと考えております。

 第二に、当地への公共交通の確保にも県が主体的な役割を果たそうと思います。県では、現在の奈良市には適当なバスターミナルがございません。空港リムジン、長距離バス、市内のぐるっとバス、パークアンドバスライドの拠点となる交通ターミナルを、県が県営プール跡地に整備したいと考えております。空港リムジン等による来訪者はJRや近鉄の鉄道駅近くの路側で乗降されている状況でございますが、これを改善し、きちんとおもてなしができるよう、待合のあるターミナル施設を確保したいと思っているところでございます。

 第三に、奈良らしい飲食、物販、エンターテイメント等の施設を集合したものが奈良にございません。夜を楽しく過ごせる場所がないのが、宿泊客が拡大しない原因とも指摘されております。これに対しまして、県と民間事業者が分担しながら、県営プール跡地に集客できる魅力を創出し、拠点を整備したいと思っております。

 これらの検討につきましては、プロジェクトの構想案として、今般の県議会の関係委員会にもご説明をいたしました。現在、この構想案により、ホテル事業者等の誘致活動を続けています。事業者からは、県の本気度や主体性が今まで以上に伝わる等の前向きな言葉をたくさんいただいております。県といたしましては、プロジェクトの内容やスキームの組み方次第で投資の参画も得られるとの感触を得ており、引き続き、民間事業者の声も聞きながら、さらに内容やスキームを工夫する検討をいたします。このプロジェクトに関して、来年度は、県とのパートナーとなるホテル事業者等の民間事業者を選定する手続を開始し、選定後は、事業者とともに整備・運営の詳細内容を検討、整理したいと考えております。二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの際には、この拠点に多くのお客様をお迎えできるよう、今後も精力的に進めてまいりたいと思っております。

 次のご質問は、京奈和自動車道につきまして、大和北道路の未事業化区間である(仮称)奈良インターチェンジから北の事業化の見通しについてのご質問でございます。

 京奈和自動車道につきましては、(仮称)奈良インターチェンジから和歌山県境までの間において、国において事業化がされております。本県の内発的な経済発展を図るためにも、本県の南北軸の骨格を形成することになる現在の事業中区間について、早期に整備、完成することが最も重要であると考えております。現在事業中の(仮称)奈良インターチェンジから和歌山県境に至る区間の残事業費、これから残っている事業費は、多くの立体交差を要して大規模工事が予想される橿原市域の未着工区間を含めまして、約一千九百四十億円でございます。それに対する直轄負担金の額は四百七十五億円になっております。これに対しまして、トンネルばかりでございます(仮称)奈良インターチェンジから北側は、概算事業費が約二千二百五十億円でございます。それに対する県の負担額も約五百五十億円になります。わずか六・一キロメートルのトンネルばかりの区間にこれだけの額を投じるのは、若干ちゅうちょがあるわけでございます。そのような事情をご勘案いただきたいと思います。このため、大和北道路の(仮称)奈良インターチェンジ以北につきましては、国への新規事業採択の要望は当面見合わせ、まずは現在事業中の県内区間を、平成三十年代半ばの完成供用を率先して要望するとともに、これに必要となる事業費の県の負担もしっかり行っていきたいと考えているところでございます。なお、国としては、現在の事業区間について着手後おおむね十年程度での供用完成を目指すと言っていただいております。現在、各地で設計や用地買収、工事に取り組まれております。

 ご質問に、国土交通省においては、いまだ先線の不透明な計画の道路整備に予算計上ができないとのご指摘がありましたが、通常の道路事業の事業展開において、隣接する区間が事業化されないと、着手済みの区間の事業も進まない、事業費がつかないなどという話は聞いたことがございません。また改めて確かめましたが、国からもそのような話は一切ないということでございます。

 市町村支援のあり方についてのご質問がございました。

 市町村支援につきましては、県と市町村は対等な関係であること、基礎自治体である市町村が優先的に住民サービスを担うことを基本に考えるべきでございます。県の役割は、行政サービスの向上に積極的に取り組む市町村を下支えしていくことだと考えております。この考えのもと、本県では、市町村の抱える課題を解決するため、平成二十二年度から、本県独自の県と市町村の役割分担の実現に向け、奈良モデルという取り組みを進めてまいりました。奈良モデルにおきましては、データによる市町村の現状分析を行い、市町村の課題を抽出し、その解決に向けて、県と市町村が一緒になって取り組みを重ねてまいるということでございます。その結果、全国でも例を見ない規模の消防の広域化が実現し、また、南和地域におきましては医療提供体制の再構築に向けての取り組みが進められるなど、顕著な成果が目に見えてまいっております。これらの事業の推進に当たりましては、県は、市町村の財政負担を軽減するために、例えば消防救急無線デジタル化整備に対する補助など、県単独で必要な財政支援を行っているところでございます。このような本県が積み重ねてまいりました市町村支援の取り組みにつきましては、地方自治の専門家である関西学院大学大学院の小西教授などから、奈良モデルという呼び方をされ、高い評価を受けているところでございます。

 さらに、来年度、市町村の財政健全化を支援するため、高金利地方債の繰り上げ償還を促す無利子貸し付け及び補償金に対する補助を内容とする制度を新たに創設することとしております。今後も、頑張っている市町村に対し必要な支援を継続して実施していくとともに、県も学びながら、奈良県全体がよりよいものになるよう、市町村とともに取り組んでまいりたいと思います。

 医療体制につきましての幾つかの質問がございました。いずれも大事な重要な質問であるように思います。

 まず、新しい奈良県総合医療センターの医師・看護師の確保についてでございます。

 新病院の開設に向けて、マンパワーの充実は必要不可欠であると思います。議員のご指摘になったとおりでございます。これまでにも、民間が主催する研修医や看護学生を一堂に集め募集を行う病院合同説明会に参加するなど、医師・看護師の確保に努めてまいりました。医師につきましては、今後の病院を担っていただけることが期待できる初期研修医というのがございますが、県立病院におきましては、平成二十二年度には十一人しか参りませんでしたが、いろいろな努力をしていただきまして、平成二十六年四月には二十五名になりました。倍以上になりました。着実に増加しており、また後期研修医につきましても、昨年の三名から八名と大幅に増加する予定でございます。県立病院の関係者の努力に敬意を表しているところでございます。また、看護師につきましてでございますが、手当の改善や職場環境の充実によりまして、平成二十年四月には三百五十六人の看護師がおられましたが、平成二十五年四月には四百二十六名になっております。七十名増加しております。これも関係者のご努力だと思います。また、離職率につきましても、平成二十年度は一三・五%もの離職がございました。ところが、平成二十四年度には六%と半減している状況でございます。また、新人看護師の離職率も極めて低いものになっております。この新県立奈良病院の構想に向けて、大変医師・看護師マンパワーが注目を集めているように聞いております。

 今議会に提案しております地方独立行政法人奈良県立病院機構の中期目標におきましても、最高レベルの医の心とわざを持った人材の確保・育成を柱の一つとしているところでございます。医師・看護師をはじめとする医療従事者の確保には、職員のモチベーションの向上や処遇の改善が必要だと思います。そのため、法人化に伴い、医療従事者の教育研修を総括的に担う教育研修センターを独立した組織として設置し、全ての職員の専門実践研修を実施し、キャリアアップ、スキルアップの支援を充実していくところでございます。また、短時間勤務正職員制度をはじめとする多様な勤務形態の導入や、院内保育の充実など、ワーク・ライフ・バランスを一層推進し、新病院開院に向けての人材の育成・確保に向けた取り組みを強化していく所存でございます。

 二つ目のご質問は、奈良県総合医療センターの救急の受け入れについてのご質問でございます。

 本県では救急搬送時間が、平成二十四年度で全国平均三十八・七分に比べまして四十三・一分と長い実績でございます。また、病院への受け入れ照会回数は、四回以上の割合も平成二十五年四月から七月までの四カ月の速報値では一〇・五%もございまして、救急医療体制が十分に機能しているとは言えないのが奈良の状況でございます。大変プアな状況であると認識をしております。こういう現状でもございますので、新病院におきましては、救急医療に特に力を入れたいと考えております。救急搬送ルールにのっとり、救急隊からの搬送要請のあった患者を全て受け入れる、絶対に断らない救急を実現してまいりたいと考えております。往々にして、三次救急を標榜される病院では、一次、軽症の患者さんはかかりつけ医に行ってくださいと言って断るケースがございます。結果的にはそれでいいのですけれども、中に重症の患者がまじっておられると大変なことになるということもございます。とにかく受け入れて、仕分けをして行き先を示してあげるというようなタイプの救急受け入れを目指しているところでございます。このため、新病院では救急の受け入れ窓口を一元化し、まずは患者を受け入れ、救急医や看護師が患者の状態を判断し、振り分け、トリアージを行うことにしております。その上で、重症の患者は直ちに専用エレベーターで手術室や集中治療室等へ移し、治療できる、その場での治療も可能になるわけでございます。また、救急専門医や救急看護の専門知識を持った看護師の確保や育成など、受け入れ体制の整備にも取り組み、救急医療の充実を今申し上げた形で図ってまいりたいと考えているところでございます。

 西の京自動車学校跡地に地域コミュニティーの場所としての要望をされました。

 県では、資産を総合的に企画・管理・活用するファシリティマネジメントの考え方にのっとりまして、全庁的な取り組みを進めております。県有地の有効活用につきましてはこの考え方にのっとり、民間活力の導入を含めた、より効率的、効果的な利活用対策を検討しているところでございます。議員お述べの西の京自動車学校跡地等の県有地につきましては、敷地全体をどのように活用するかについて検討を進めております。活用に当たりましては、近隣に新設される奈良県総合医療センターの関連施設として、院内保育所などの整備も考えております。医療と福祉の連携も含めたまちづくりの視点での検討も必要であると認識をしております。今後、市や地元住民のご意見も参考にしながら、地域の活性化等、まちづくりにも寄与する方向で県として何ができるか、全体構想の中で策定ができたらと思っているところでございます。

 医療関係の最後に、南和広域医療組合のご質問がございました。進捗状況についてのご質問でございます。

 南和広域医療組合では、人口減少により患者数が減少しております。病気になってからリハビリや療養まで、切れ目のない医療を提供するための体制整備に取り組んできているところでございます。具体的には、これまで南和の公立三病院がございまして、同じようなレベルの病院を指向して共倒れになる危険性がございました。これを一つの救急病院と二つの地域医療センターとして再編いたしまして、組合が三病院を一体的に運営する一つの病院組織にするという方向で今、進んでおります。現在、大淀町福神地区において、急性期を担う救急病院の建設に着手する手続を進めているところでございます。また、療養期につきましては、県立五條病院と吉野町国民健康保険吉野病院を順次改修し、新たに地域医療センターとしてその役割を担うこととしております。南和の医療は南和で守るという組合の基本理念に基づき、新体制整備が進むよう、県も構成団体の一員として支援していきたいと思います。また、へき地の診療所もこの南和広域医療組合のネットワークの中に入ってくるわけでございまして、南和地域全体がこの医療のシステムにカバーされることを期待しているものでございます。

 次のご質問は、現在、平松町にあります県立奈良病院の跡地の課題のご質問でございます。

 県では、超高齢社会が進展している中で、現県立奈良病院周辺地域において、住まい、医療、介護、予防、生活支援などを日常生活の場で一体的、体系的に提供できる地域包括ケアシステムと言われるものの拠点となる健康長寿のまちづくりを進めたいと考えております。

 今後のまちづくりの進め方のご質問でございましたが、現県立奈良病院の敷地は、四万平方メートル以上ある広い県有地でございます。この場所で地域包括ケアと健康づくりの拠点となるような施設整備を行っていくためには、しっかりとした土地利用計画の絵を描いていく必要がございます。そのため、平成二十六年度より、跡地への導入機能を具体化した構想の策定、導入施設の決定、開発事業者の募集・選定作業を順次行いまして、現病院の移転後速やかに施設整備に着手できるよう、スケジュール感をもって事業を進めてまいりたいと考えております。その際には、民間が有する資金やノウハウを積極的に活用する方策、PFIと言われる手法などについても検討したいと思っております。平成二十六年度は、施設整備の具体化の検討とあわせて、引き続き地域の方々とのまちづくり協議会において、健康づくりや子育てなどの議論を深めてまいります。また、医療職や看護職などの多職種連携の推進、また、(仮称)まちの保健室の立ち上げに向けた課題検討、マイ健康カードの導入に向けた機能検討などについて、新しい先端的なコンセプトに基づく取り組みも進めてまいりたいと考えております。

 広域防災拠点の整備と消防学校の移転についてのご質問がございました。

 近い将来発生し、県内でも大きな被害が見込まれる南海トラフ巨大地震の際、県内被災地はもとより、より甚大な津波被害が想定される紀伊半島沿岸地域への支援拠点として、県では、紀伊半島中心部に位置する五條市への陸上自衛隊のヘリポートを含む駐屯地の誘致を国に要望しておりまして、来年度の国の予算におきまして調査費が計上されたところでございます。大変画期的なことだと考えております。この要望におきましては、陸上自衛隊のヘリポートが来れば、県の防災基地を併設したいということを申し上げておりました。県の防災基地は災害救助要員のベースキャンプ機能、あるいはヘリコプターを活用した救援物資の備蓄・集配機能などを有する県広域防災拠点の整備ということになります。このような事情になってまいりましたので、来年度予算におきましては予算を計上させていただきまして、保有すべき機能、防災基地が有すべき機能や施設の規模、管理運営の方法、整備スケジュールなどを検討して、基本構想として策定をしたいというふうに思っております。

 一方、本県の消防学校でございますが、消防職員の初任教育や専科教育、消防団員の基礎教育等を実施しておりまして、平成二十四年度は合計五百五十三名が教育訓練を受けられております。しかし、現在、榛原にございます施設・設備は老朽化が進みまして、議員もお述べになりました、複雑多様化する災害や火災に対応した実践的な訓練が十分にはできなくなっていると認識をしております。また敷地も狭く、近鉄榛原駅前に立地しておりますことから、周辺に宅地化も進み、訓練に当たり音響や放水による飛沫など、周辺への配慮が求められる状況になってきております。そのため、消防学校の移転ということも検討をずっとしてきているわけでございますが、どこに移転するかということになります。これまでも県立学校の跡地等を移転場所として内部検討を行ってまいりました。その中では、議員もお触れになりました高田東高等学校跡地が一番優位性が高いというふうに判断をいたしましたが、ただ、周辺の宅地化の進展や大型車両の進入が困難など難点も挙げられまして、決めるまでには至っておらない状況でございます。消防学校の移転整備については、迅速な取り組みが必要だと思います。榛原の状況は大変深刻でございます。立地場所やアクセス、消火や救急救助に求められる高度な技能の習得のために必要な施設等について、検討をさらに進めていくつもりでございますが、その際、広域防災拠点についても、スペースや施設に加え、職員の効果的な配置の視点から、他県の例のように、消防学校を併設して管理運営を担ってもらうというやり方もアイデアとしてはあろうかと思います。来年度の基本構想策定の中で、そのようなアイデアも含めて検討を行っていきたいというふうに考えておるところでございます。

 リニア中央新幹線の中間駅の早期設置の取り組みについてのご質問がございました。

 議員お述べのように、リニア中央新幹線は、新幹線の駅も空港もない、我が国の発展の国土軸から外れている本県にとって極めて重大なプロジェクトでございます。経済活性化のみならず、本県にもたらされる数々の効果ははかり知れないものがあると思っております。リニア中央新幹線の中間駅につきましては、国から建設主体・営業主体として建設の指示を受けたJR東海が最終的には決定することとなっておりますが、その際、県に十分相談をされるというふうに理解をしております。本県といたしましては、奈良市附近駅を早期に確定し、駅着工のような考えが実施できるように措置してほしいということ、また、駅位置の確定に当たっては、その便益が紀伊半島全体に広がるよう、交通結節性の高い位置に設置することを訴えております。これまでも官民挙げて国やJR東海に訴えてまいりましたが、本県のさらなる発展のため、引き続きJR東海とも協力し、中間駅の早期設置に向け、全力で取り組んでまいりたいと考えております。

 最後に、農業問題について二つご質問がございました。

 まず、TPP交渉に対応した本県の対策というご質問だったと思います。

 本県の農業は、産出額が四百五十億円程度で、全国のランクの中でも四十数位だと聞いております。また、その農産物の内容は都市近郊の野菜、花き、茶などが中心でございまして、今、TPPで交渉の話題となっておりますいわゆる申告品目、大品目はあまりなく、TPPの影響は、他県に比べた場合は比較的少ないものだと私は認識をしております。

 県といたしましては、農業の担い手の確保・育成は、これとは別に、議員お述べのように大事なことだと思っております。そのため、これまでやっておりましたが、マーケティング・コスト戦略、またリーディング品目、チャレンジ品目などの高品質化、高付加価値化によるブランド力のある農業が、小規模であっても、小さな産出額であっても、奈良ブランドが光る農業といったことを指向して努力を重ねてまいりたいと思っております。また、県産農産物の生産力の向上、人が少なくなっても効率的に栽培できる方法の開発、農村環境の保全という観点から、耕作放棄地の再生・活用も含めた、農地を有効に活用していくことが喫緊の課題と思っております。こうしたことから、平成二十六年度から(仮称)なら担い手・農地サポートセンターというものを設置いたしまして、県が率先して、農地を必要とする意欲ある担い手などの意向を把握し、耕作放棄地などの活用可能な農地の確保をした上で、農地と働き手のマッチングを推進していきたいと考えております。また、県では新しく、退職者を県が雇って耕作放棄地に向けて農業研修をしていただくなどの事業も引き続き進めていくつもりでございます。TPP交渉の行方について、その輪郭は明らかでございませんが、小さくとも本県農業の特色を生かした奈良らしい農業振興という観点で、農業振興を図っていきたいと思っております。

 農業問題の二つ目のご質問でございますが、農業研究開発センターの取り組みとその方針についてのご質問でございます。

 議員お述べのように、優良品種の育成は、生産性と収益性の向上に大きく貢献をするものでございます。産地間競争が今日大変激しくなっております。県オリジナル品種の育成には、県内農家から大きな期待が寄せられており、幾つかの成果も上がっております。県では、研究の高度化を進めるため、研究開発の中期運営方針を作成しているところでございます。その大目標の優良品種の育成の一つのプロジェクトとして、商品性の高い新たなイチゴ品種の育成を掲げております。例えば、高級果実店をターゲットとした糖度の高い大玉の品種や、ケーキ店用の粒ぞろいのよい品種の育成といったものでございます。そのほか、産地間競争に打ち勝つ菊品種の育成や、甘柿のない時期に出荷できる甘柿品種の育成、あるいはトウキ等薬用作物のゲノム育種等による優良品種の育成も、このような研究開発のプロジェクトのアイテムとして挙げておるところでございます。今後とも、県内農家の期待に応える県オリジナル品種の早期育成を目指して、品種改良を担う研究員のスキルアップをより一層図るとともに、大学や種苗会社との共同研究を積極的に行っていくことも考えていきたいと思っております。

 壇上からのお答えは以上でございます。ご質問ありがとうございました。



○副議長(井岡正徳) 二十五番荻田義雄議員。



◆二十五番(荻田義雄) 答弁ありがとうございました。自席から二問目、させていただきたいと思います。

 まず、プレミアム商品券、これは総額三十四億五千万円ですか、そういった中で、平成二十二年、平成二十三年と事業展開をしてこられました。しかし、私どもにとって、消費増税という四月以降の新年度の取り組みの中で、消費力、購買力を増していただきたいという思いとともに、この事業は非常に結構なことだというふうに思っていますが、この商品券の売りさばき、これがやっぱり一番大切ではないかなというふうに思ったりしています。そこで、各県下の商店街を見てみますと、シャッターが閉まっているというような商店街もございますし、このときにこそそれぞれの商工会議所、そして商店街振興会などにもこういった周知徹底とともに、やっぱり四月以降からの予算でございますので、十分なそういった方々への周知徹底をお図りいただいて、商店街や、そういうふうに商品を販売していただく方々にとって本当にいいものをつくり上げをいただきたい、このように思うわけでございますので、どうぞ、より一層ひとつ、この商品券の売りさばきについては、それぞれの商店街や商工業の方々とも意見交換を十分発揮していただけるよう、要望をしておきたいと思います。

 次に、ホテル誘致については、私どもは十分、知事が一生懸命トップセールスをしながらご努力いただいてやっていることは承知をしています。しかし、県民の皆様方にとっては、本当にあの場所はいつまでほうっておくのだろうというイメージが強い。これは、やっぱり知事自身がいろんなところで説明責任を果たしていかれることも大切ではないかというふうに思っています。私ども、機会あるごとには、こういった県の政策について意見を、あるいはまた、こういうことだということは申し上げておりますが、何としてもやっぱり県内の観光振興にはホテル誘致が大切だという思いをより一層強められるような、そういった県民の皆さんと心を通わせながら、こういった意見交換の場所というものもあっていいのではないかというふうに思うところでございますので、その辺も今後、こういったことも一つの意見としてお取り組みをいただけたらと思います。

 それから、京奈和自動車道について、知事は、(仮称)奈良インターチェンジから特に木津インターチェンジまでは二千二百億円かかるのだと、だから、県の今の財政から考えても無理だ、こういう話でありますと、もうきちっと周知徹底をされる、施策としてもう道路促進は、そういったことにはもうこだわらないということを明確にされたらいいと思うのです。私どもは、やっぱり大動脈でありますから、一気に抜け切るということも大切かなというふうに思ったわけでございますが、その辺は知事自身が今、知事として権限を持っておいでになるのですから、国土交通省にも、先線はうちはもうやらないんですよと、その辺ははっきり申し上げたらいいと思うのです。国土交通省については、そういった高規格幹線道路というのは、抜け切る道路というものを想定されていると思います。そういった中で、県は県としての立場をしっかり明確にされたらいいと思うのです。

 それから、市町村支援のあり方は、非常に知事さん、細やかに頑張っていただいて、市町村長は喜んでおいでになると思います。しかしながら、私は、継続性のある支援策、あり方をやはり勉強は、あるいはそういったことについてはおやりをいただいていると思いますが、まだやはり私が一番危惧しているのは、特に市町村の財政力を占う財政力指数、これはもう〇・一以下、あるいは〇・一から〇・三というのが非常に県下市町村でも少しく多いように思います。これは平成大合併のひずみではないかと私は思ったりしています。そういった中で、こういった脆弱な地方自治体を抱えている県にとって、いろんなことを想定して対応をされるということは賢明だろうと思います。しかし、市町村も、自分たちの市町村は自助努力で、人口動態の変化や高齢化がますます進んでいくわけですので、そういった点にも工夫を凝らしていただきたい、このように思うところでございます。

 それから、リニア中央新幹線の話を私はいたしました。リニア中央新幹線は、特に京都府、京都市、京都財界、こういう経済界が一生懸命になって、京都テレビ、あそこに出てきます宣伝、京都府の方々は非常にいいなというふうに見受けられていると思います。こっちのほうが断然速いですよと、名古屋から京都、大阪と行くのが速いですと。もともとリニア中央新幹線の使命というのは震災対応ということで、わざわざ東京から長野県、そして名古屋、亀山、そして在来線であります関西本線を使って、そして奈良市附近、さらには新大阪、これがもともとの運輸省当時で決められたことでございますので、どうぞこれから、震災対応にこのリニア中央新幹線は影響を受けるものだと、そういうことをしっかりとお話を、説明をしていかれるのがいいのではないかというふうに思います。京都はとにかく一番速いルートだと、直線ルートだということを京都テレビで放映をされているようです。その辺ひとつまたこれから、奈良テレビもございますから、しっかりとこういったこともおやりをいただいたらいいのかと、このように思うところでございます。今、新谷議員さんもおっしゃいましたが、どうぞ奈良県にぜひやはり誘致促進を促す。その原因は、あるいはその目的は、やはり震災対応であるということを明確に知事として発揮をしていただきたい、このように思うところでございます。

 いろいろ長々申し上げましたが、私も言いたいことがたくさんございますけれども、後は私どもの同僚議員が予算審査特別委員会等で発議されると思いますので、私の質問というよりも、知事、私が申し上げた点について何か、やはりこれだけは言っておかなければということがあったら、おっしゃってください。

 以上。



○副議長(井岡正徳) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) いずれも重要な論点に触れられたように思いますので、多少、お答えというよりも所感を述べさせていただきたく存じます。

 プレミアム商品券の発行をできるだけ地元に広く公平にという観点がおありになったと思います。これまでのプレミアム商品券の発行の経験を振り返っておりますと、県が平成二十二年度に発券したわけでございますが、大変効果があったように思いますが、逆にプレミアムが厚かったために、買い占めとまではいかないまでも、一人十セットまでと制限したんですけれども、一人の方が何度も並びかえされた経緯が当初ございました。その後、平成二十三年度になりまして、往復はがきによる事前申し込み制度ということで、一人五セットまでということで、違う人の名前で申し込まれる方もさらにあるかもしれませんが、そのように、できるだけの公平化を図ったという経緯もございますが、さらに、議員お述べになりましたような商店街の振興に結びつかないとという観点でございますが、これは大変重要でありますが、プレミアム商品券を発行するときに販売者の負担というのもございます。例えば県が一〇%はプレミアムをつけますが、五%は販売者がつけてくださいよと、値引きをしてくださいよといったときに、県内の商店街は三商店街しか応募がなくて、最初ということもあったけれども、ちゅうちょされたことがございました。

 これはできるだけ参加をして、県のプレミアム分に上乗せして自分の商店街にお客を引っ張るといったようなコラボレーションが要るのではないかというふうに思います。県としては、商店街もぜひ参加していただきたいというふうにこれからも呼びかけをしたいと思いますし、また、県が発行したプレミアム商品券を模して、その地域だけで発行しよう、市町村内だけで発行しよう、あるいは商店街、昔はよくありましたけれども、大売り出しでございますけれども、商店街だけで通用する券を発行しようという試みもございまして、それに対して県が補助する。一〇%もいかないですけど、多少薄い補助ですが、それに県も追加でプレミアムを出しますよといったことも既にやっておりますので、このような両方からまたがっていくようなプレミアム商品券が実行ができるようにできたらというふうに思います。その商品券に結びついて消費税増税後の消費拡大といったようなことができれば、それと、県外消費が多いものですから、県内の消費を大規模店であっても拡大することはやはり重要だと思いますので、大規模店を排斥するのは、このプレミアムの目的からはちょっと考えられないというふうに思っております。

 また、県営プール跡地についてのご説明をいろいろしていただいて、ご理解を賜っているようでございますが、大変ありがたいことだと思っております。同じ会派の別の議員さんは、いろんなコンサルタントとかをご紹介願いまして、本当に身近で応援をしていただいております。なかなか、聞いていただければ、どういう困難が介在しているのか、よく理解していただけると思いますが、その中で、やはり京都のこともおっしゃいましたが、奈良県民と言うのはちょっと広過ぎますが、奈良の旅館、宿泊業者自身がそういうホテルの整備を排斥したという歴史が、議員もよくご存じでございますが、三十年間ホテルが全然できなかった。ホテルが来たらJTBにお客を送らないようにと言って言いつけに行った県民の方がおられた。これは大変なハンデとなって、今トラウマとなって残っているように感じます。今、売り込みに行っても、なかなかその鍵があかないといったことから始まっております。困難をあげつらっているわけではございませんが、なかなか奈良がそういう意味でも投資対象地域から取り残されて、その間、京都、大阪がどんどんふえてきたというふうに、ちょっとひがみっぽいですけれども、見える面もございます。これを打破して大きく変えるということは、県民が温かくホテルを受け入れるよということを、常にメッセージを出していかなければいけない面が、奈良はあるように感じておるわけでございます。何よりも、県有地でございますので、私が一生懸命誘致をしなければいけない立場にあるとは思っておりますが、もう少しのような気がするものでございますので、よろしくご理解をお願いしたいと思います。

 京奈和自動車道の残工事、京都へ向かうトンネル部分についてのご意見もございました。大事なご意見でございますが、私は、要らないと言ったことは一度もありませんし、今も要らないと言っているわけではありません。優先順位と直轄負担金の話でございます。優先順位は、先ほど申し上げましたように、まだ事業化している区間を優先するというのは、これは当然のことだと私は思っております。しかも、橿原市付近の中和幹線と交わる交差点は混雑が増すばかりでございますので、それを高架化にするのは、大きな効果がすぐに実現するという意味でも優先度が高いというふうに思っております。その先にトンネルをどうするかということでございます。

 もう一つは、地元負担が五百五十億円要ると申しましたが、実は京都までは地元負担はないのです。ご存じだと思いますが、これは有料だからです。トンネルを無料にして地元負担五百五十億円というのは、ちょっと考えたいと、県民の皆様には訴えたいというふうに思います。

 もう一つは、そこを無料化して、通過する。来る道路は、奈良に目的で来られるのでしょうかと。危惧されるのは、今もありますが、無料になれば、無料の京奈和自動車道の北部分を通って、ジャンクションを通って名阪自動車道に入られる。大阪−名古屋の間は、名神高速道路だと六千円もかかるのですが、名阪自動車道だと三千円で済むのです。もうご存じのことだと思います。その三千円の差を節約するために、この県庁前の道路を、調べて写真も撮りましたが、宇都宮とか岡山とか埼玉の大型トラックが県庁の前を夜中に走るわけで、私は時々目が覚めるので、おかしいな、あの音は大型トラックだ、なぜ真夜中に行くのか、天理のインターチェンジ、無料に向かって、三千円の節約のために。それは写真も撮ってあります。これは有料、無料の体系が悪い。三本ある中で、上の二本は六千円、下は三千円、その三千円を無料にするための直轄負担金を県は出してきた。したがって、今、通過交通が六割もあります。これが、トンネルを無料にして通過交通の銀座になるのはやはり嫌だということを訴えたいというふうに思って、国には訴えておりますし、有料、無料の体系については難しい問題でありますので、課題はよくわかったと道路局長は言っておりますが、その体系化を、整合性をとるものにするにはもう三年かかるということでございます。建設までには、京都のトンネルが無料で、県の負担が五百五十億円として、やるのか、無料で国がやるのか、有料で、京都まで来ている有料区間が延びてくるのか、選択肢はあると思います。京都まで有料で、ここはなぜ無料で県が負担するのかというのは、素朴な疑問でございますので、ぜひ改めて訴えたいというポイントでございますので、大変失礼いたしました。

 最後でございますが、市町村支援の継続性、大事だと思いますが、前回は、県の決算黒字が一挙に出たものですから、市町村の要望があって、その形でしましたが、継続性のある財政支援を公平な形でやるというのは大事なことだと。そのやり方についてはいろいろ工夫をして、試行錯誤しながら、しているところでございます。改めて追求していきます。

 それから、リニア中央新幹線でございますが、議員お述べになりました震災対応が最も大事だよと。昭和四十八年に新谷寅三郎運輸大臣のときに基本計画に入って、平成二十三年五月に整備計画に改めた。京都は、昭和四十八年に入った計画は古くさいと言って、平成二十三年五月に入ったことはおっしゃらないわけですね。とても新しい奈良市附近の計画になっております。二十回も検討していただいた結果の奈良市附近でございますので、奈良市附近の中間駅の位置はぴかぴかだというふうに申し上げたいと思いますが、北のほうの人は、要らんものは見ないという風習が長年ございますので、これにどう対応するのか、もっとちゃんとしゃべれということだとおっしゃっているのだと思いますが、震災対応でリダンダンシーがあるということは当然でございますし、新名神高速道路が南へおりたのは、活断層が北のほうにあるので、新名神高速道路は避けようというので、新名神高速道路が下におりたわけでございます。しかし、それは京都も要望しておりたわけでございますが、今度はそういうのは無視してやるというのは将来に禍根を残す方向だと、おっしゃるように私も思いますので、ただ、今、国でこのように決まって、JR東海もその意味はよく理解していただいておりますので、またご一緒に陳情にご同行をお願いできたらと思いますけれども、東京に行くと、公明党の太田国土交通大臣はじめ鉄道局長は皆理解がいいです。京都はこんなことを言うけどおかしいよと、向こうがおっしゃっていただきました。ところが、関西へ来ると何だか違う世界に帰ってきたみたいで、国なりJR東海が決めていることをひっくり返そうと、論争しろ、論争しろとおっしゃる。ちょっととても不思議な国に帰ってきたような気が時々いたしますが、議員お述べのように、震災はこの計画の骨、最も大事な点でございますので、それを踏まえて、私は力不足の面もございますが、努力をしていきたいというふうに思います。ありがとうございました。



○副議長(井岡正徳) しばらく休憩します。



△午後三時四十三分休憩

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



△午後三時五十九分再開



○副議長(井岡正徳) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 次に、十五番森山賀文議員に発言を許します。−−十五番森山賀文議員。(拍手)



◆十五番(森山賀文) (登壇)議長のお許しをいただき、ただいまより民主党会派を代表して質問いたします。荒井知事をはじめ部長、警察本部長におかれましては、できるだけ具体的で明確な回答をよろしくお願いいたします。

 まず最初に、県税収入の見通しと税収確保について、知事に質問します。

 今議会に提案されています平成二十六年度当初予算は、平成二十五年度二月補正予算を含め、総額四千九百十六億七千六百万円であり、前年度当初予算に平成二十四年度二月補正予算を加えたものと比べ、約三十八億円、〇・八%の増となっております。新年度の主な取り組みとして、一、産業雇用の発展を促進する取り組み、二、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック開催に向けた国際観光、文化発信、国際交流、スポーツの振興、にぎわいの拠点整備の重点的取り組み、三、社会保障の充実とにぎわいのある住みよいまちづくりを進め、くらしやすい奈良を創る取り組み、四、紀伊半島大水害からの復旧・復興、南部地域・東部地域の振興、防災力向上への取り組みが挙げられており、県政の諸課題に積極的に取り組むものと見受けられます。

 一方、歳入面に目を向けますと、景気回復の効果もあってか、県税収入は一千六十二億円と、前年度当初予算に比べ五十五億円、五・五%増加しております。しかしながら、本県の県税収入は、個人県民税が県税収入全体の四割強を占めており、本県は人口減少が全国平均よりも早く進んでいるとされ、約百四十五万人をピークに減少を続け、今や百三十八万人となっており、今後さらに人口減少や高齢化が急速に進む中、頼みの個人県民税の減収が懸念されているところであります。また、来月には消費税率が引き上げられ、地方消費税収の確保がますます重要なものとなってきます。

 そこで質問いたします。本県では、経済の構造改革に向けた取り組みを県政の主軸に置き、奈良県の発展を強力に進めることとしていますが、その基盤となる県税収入の平成二十六年度の見通しはどのようになっているのでしょうか。また、税収確保のためにどのような取り組みを行っていくのか、お伺いします。

 続きまして、産業振興について、知事に質問します。

 本県は、かつて大阪のベッドタウンとして、国内でもトップクラスの人口増加をいたしました。当時は住宅地の開発が主流で、住みよい環境を維持するため、工場については、煙の出ない産業に力を入れ、誘致を進めてきたと聞き及んでいます。結果、本県の約三割の勤労者が大阪を中心に県外で就労している状況は、今も大きな変わりはなく、これが本県の有効求人倍率等の数字を押し下げている要因となっていることは、ご案内のとおりであります。これらの状態を打開するため、本県は主な政策集において、地域産業の支援・創出について、目指す姿に以下のように示されています。新しい産業を創り、また地域産業を伸ばすためのターゲットを絞った産業支援を行うことにより、新たな雇用を創出し、かつ経済を活性化させることで、奈良で暮らし、奈良で働くことができ、投資、雇用、消費が活発に県内で循環する社会を目指しますと、目標が示されています。

 知事はご就任以来、奈良県産業の底上げについてご尽力をされてこられました。企業誘致件数を取り上げてみましてもその成果はあらわれております。今後もターゲットを絞り、育成、支援していくことで、より確実な効果が期待できると思います。そこで、一つの提案をさせていただきます。

 公益財団法人奈良県地域産業振興センターのホームページを見てみますと、サイト内に、なら発オンリーワン企業認定リスト一覧というのがございます。そこには、なら発オンリーワン製造技術と、なら発オンリーワン製品技術の二種類の企業群が掲載されております。なら発オンリーワン製造技術部門では、他社ではまねできない全国トップクラスの加工技術を持った企業の技術力を具体的数値であらわし、紹介しています。また、なら発オンリーワン製品技術部門は、製品・商品の機能、特徴が定量的に国内業界の最高水準と認められるか、公的な証明により国内業界の最高水準と認められる企業を紹介しております。本県に国内外に誇れる技術力、製品力を有する企業が一定数存在するのは誇りであり、本県の経済活性化の重要な牽引役でもあります。以上のような一定水準以上の個々具体的企業を育成、支援することが、一隅を照らす明かりがやがて全体を照らす明かりとなるような、産業振興からの本県の活性化に向けた存在になるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。

 そこで質問いたします。これら認定企業のように、県内の物づくり産業の中で、技術力や製品力で強みを有する企業にターゲットを絞り、重点的に支援することで、それらの企業を中心とした企業群のクラスターが形成されることにつながれば、県内産業界の底上げができるのではないかと考えます。知事の所見をお聞かせいただきたいと思います。

 次に、県下の公共交通、とりわけバス路線のあり方について三点、知事に質問します。

 一昨年の十月に、奈良交通株式会社からバス路線の存廃も含めた協議の申し入れを受けたことは、県民の移動について考える大きなきっかけとなりました。その後、本県においては、奈良県地域交通改善協議会を、知事がトップとした体制へと格上げされたことに加え、県議会においても奈良県公共交通条例を制定いたしました。さらには、十二月には国において交通政策基本法が制定されるなど、この一年間で公共交通の維持、活性化に向けた施策や法整備が大きく動き出しました。このような中、奈良県地域交通改善協議会では、奈良交通株式会社から申し入れがあった二十五路線四十五系統の存廃を含めた協議について、県、市町村、交通事業者等が一年間かけて議論を重ねてこられました。二月三日の協議会では、これまでの協議会における検討結果の振り返りと、今後、個別の路線ごとに関係者で協議を行っていくに際して、協議の項目、ルール、スケジュールなどが了承されました。現行のバス路線をどうするかについては、交通事業者によるバス路線としての維持、市町村連携によるバス路線としての代替、そしてバス路線の廃止という、三つの選択肢しかありません。赤字路線は運賃で乗客が負担するか、財政で公共団体が負担するかしかないわけですが、運賃や財政負担と移動ニーズを客観的にどう見るかということについて、ニーズの高さを示す一便当たりの平均乗車人員、経営への影響である収支率、財政負担の程度を示す一人当たりの行政負担額などの指標を数値化し、路線ごとに比較できるよう、さきに県で示されました。

 今後、個別の路線ごとの協議において、県からは、利用実態と客観的な指標に基づく評価や改善案などをバスカルテとして示されます。そして交通事業者の視点による改善案の提案と、市町村からは住民の意見などを持ち寄り、それに応じた公共交通をどのように運行するのか、その際の運行主体、運行形態のあり方、さらには赤字の場合には経費分担の方法などについて、具体的に検討すると聞いております。また、これら全ての協議に県が調整役として入り、市町村と交通事業者が協議を行うとしています。したがって、現段階では、対象二十五路線四十五系統全ての存続・廃止は、財政支出も含め、奈良交通株式会社よりも自治体の判断に委ねられたものと認識をしています。

 一方、全国的には、二〇五〇年には七十五歳以上高齢者が四分の一を占めると言われています。それを見据え、自家用車での移動を中心としたまちづくりから、公共交通中心のまちづくりへの転換が求められる中で、本県では、昨年の七月に奈良県公共交通条例が施行されました。その第三条第二項には、県の責務として、県内における公共交通の広域的なネットワークを確保するとうたわれています。県、市町村、交通事業者の三者協議の中で、仮に国道一六八号、国道一六九号や針インターチェンジ、山添方面を運行する路線など、他に公共交通機関がない地域の路線バスが廃止されるとなれば、どのようなことが予測されるのでしょうか。高齢者や高校生など、車を運転できない人は自立した生活を営むことができなくなるばかりか、観光振興などにも影響を及ぼし、地域がますます疲弊するなどの心配が出てまいります。したがって、今回の奈良交通株式会社のバス路線、二十五路線四十五系統の存廃の問題は、赤字バス路線の存廃という観点だけではなく、奈良県のまちづくり全体にかかわる大きな問題であると考えます。

 そこで、知事に質問します。

 一点目です。これまで奈良県地域交通改善協議会で進めてこられた協議の中で、関係市町村は、路線バスを存続させる場合の今後の財政負担について、どのように受けとめておられるでしょうか。

 公共交通条例の第三条第二項に、県は、県内における公共交通の広域的なネットワークを確保するとともに、市町村が実施する施策又は公共交通事業者等が実施する業務について、必要な助言その他の支援を行うよう努めなければならない。及び第七条の、まちづくり、保健、医療、福祉、教育、その他との連携および関連する施策との連携を図りながら、公共交通に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、公共交通基本計画を策定すると示されています。

 そこで二点目です。奈良県公共交通条例では、県内における公共交通の広域的なネットワークを確保することが県の責務とされていますが、奈良交通株式会社からバスネットワークの確保に向けた協議開始の申し入れがあった二十五路線四十五系統を維持することについて、知事の考えをお聞かせください。

 県下の公共交通が整備、維持されることは、まちの活性化、交通渋滞の防止、省エネ・環境対策など全体の価値を高めることにつながります。また、公共交通の利用者だけではなく、利用していない全住民が便益を受けることを県民の方々にご理解いただくことも、今後重要になってまいります。持続可能な公共交通を整備するには、地域住民の参加が不可欠であります。これは、公共交通条例の県民の役割に当たるのかもしれません。今後、公共交通を整備していく中では、全ての利用者が乗りかえなしに目的地に行けるなどの住民ニーズを満たすことができないことや、また、場合によっては住民の方々にも、負担増などの理解を求める必要が出てくることが想定されます。

 そこで三つ目の質問です。人口が減少するとともに、高齢化が進み、超高齢社会を迎える中、公共交通の利用者が減少するため、今後、利用者や地域住民などに対してさらなる負担が求められることが想定されます。このため、公共交通の確保、維持に対する住民の参加意識を高めることが必要と考えます。知事の所見をお伺いいたします。

 次に、奈良県立大学について、二点質問いたします。

 奈良県立大学は平成二十七年四月の公立大学法人化を目指し、現在、追い込み作業中であります。本県は、県内で教育を受けた高校生の進学希望者の多くが県外へ流出しているのが現状です。この他府県流出率は、全国的数値からも高い水準に当たります。県内の進学希望者を吸収する総合大学がないことが一つの理由ではないかと考えられます。県内の既存大学は、国立大学ではもともと教育系の大学、奈良女子大学、奈良教育大学に限られていました。後には、理系では奈良先端科学技術大学院大学が設置されています。公立大学では奈良県立医科大学、それに奈良県立大学の二大学になります。特定分野の大学に限定されていますが、学生のニーズは、教員や医師・看護師になることだけとは限りません。近年、多くの都道府県は、知の拠点となるべき国立大学法人の総合大学を有しているか、都道府県または市が独自の公立大学を設置し、国立大学法人を補完するか、むしろ凌駕する大学づくりに取り組み、人材を育てています。この点で、本県は大学教育について他府県依存型だったと言えるのではないでしょうか。

 現在、各都道府県では、知的財産の重要性を認識し、地域の活性化には人材の養成が最も重要であるとの視点で、中核となる大学のあり方に熱心に取り組んでおられます。奈良県の発展を考えるならば、政財界に歓迎される総合的、国際的な人材の供給を行える大学も望まれているのではないでしょうか。今後、県内で教育を受けて大学へ進学しようとする高校生には、県内大学が十分魅力ある学域や学部、施設環境の充実度、優秀な教員の確保などに対応できているかどうかで、本県への大学進学率が変わっていくことが予想されます。

 そのような中、奈良県立大学は、魅力ある大学を目指し、ソフト面におきまして急速に改革が進められています。この春から四つの領域から成るコモンズシステムがスタートします。これは、地域や観光に関する教育・研究を通じて地域に貢献できるすぐれた人材を育成する新しい試みです。また、昨年に文部科学省に採択されました地(知)の拠点整備事業は、地域とのつながりを重視した実践型教育として新しく実施されます。任期制の導入等、教授の採用方法も大きく変わったとのことであります。そして来年は公立大学法人化され、本県の高校生がより多く通う、魅力ある大学づくりが加速することを期待するものであります。

 そこで、一点目の質問をします。ただいま申し上げましたようにソフト面は大きく改革され、学生の育成が非常に充実していくことが期待されます。県立大学の改革を進め、育成する人材をどのように生かしていこうと考えているのでしょうか。

 二つ目は、老朽化が進む校舎の問題です。きれいなキャンパスは大学志望条件の現実的な理由の一つとなっています。新年度予算に目を通しますと、県立大学のハード面について幾つか挙がっております。現在設計中の(仮称)地域交流棟は、敷地の東南に予定をされておりますが、約十億円を予算化し、ことしから工事に着工する予定であります。この地域交流棟は、まさに名のとおり、自治体等との連携事業や地域交流、国際交流を推進する拠点として、あわせて広く県民にも活用していただくことを念頭に整備されます。三階や屋上は見晴らしがよく、眺めのいい場所を生かし、大学関係者以外の地域の方も利用できる眺めのよいレストランや、屋上緑化も整備されるとのことであります。きれいなキャンパスづくりの第一歩がいよいよスタートすることに大きく期待を寄せております。また、大学の事務局や教授の研究室がある正面の本館は、空調設備と耐震改修工事などが予定をされております。

 そこで、二点目の質問をいたします。それらを含めて、奈良県立大学のキャンパスを今後どのように整備されていくのでしょうか。全体的な整備構想についてお尋ねをいたします。

 次に、奈良県公契約条例の制定について質問いたします。

 知事は三年前の知事選挙において、公契約条例の制定検討をマニフェストに掲げられ、これまでの県議会本会議でも、その調査研究を行う庁内検討チームの設置や賃金実態調査等の実施など、公契約条例の制定に向けた取り組みについて答弁をしてこられました。一方、本県議会でも、平成二十一年三月に公契約に関する基本法の制定を求める意見書を採択し、同年五月には、国において公共サービス基本法も制定されました。そして、このたび知事は公契約条例の制定を決断されました。奈良県公契約条例(案)を制定する上で幾つかの重要な点があると考え、知事の基本的な考え方をお尋ねしたいと思います。

 まず第一は、官製ワーキングプアという言葉に象徴される、公契約に携わる労働者の低賃金構造を変えていく努力が必要かと思います。二〇一一年七月、大阪府泉南市砂川小学校の男児水死事故は、監視員の時給が最低賃金をわずか一円上回っただけの時給であり、結果、必要とされた監視員の配置ができなかったことが、事故の大きな原因と指摘をされています。業種別労働報酬の下限額を導入されることを強く望みたいと思います。

 第二は、社会保険の加入状況の対象から労働災害保険の加入を要件とする必要があると考えます。健康保険、厚生年金の加入については、一定の労働日数や時間が必要ですが、労働災害保険の加入については、一人でも、一日でも労働者を雇用する場合、それが非正規雇用であったとしても、労働災害保険の加入が使用者には義務づけられています。もし労働災害保険に加入せず、労働災害事故が生じた場合、使用者は罰せられます。また、そうならないため、労働災害事故隠しが心配されます。労働災害保険加入の適切なチェックを望みます。

 第三に、この奈良県公契約条例が年を重ねるにつれ、より充実し実行性のあるものとしていくために、公益、使用者、労働者の三者の構成による(仮称)奈良県公契約条例検討会の設置が必要だと考えます。

 そこで質問します。以上を踏まえ、公契約条例の制定に向けた現時点での検討状況とその内容、そして今後の見通しについて、お答えください。

 次に、事業継続計画について、二点質問いたします。

 近年、我が国では地震、台風、集中豪雨等の自然災害により、地域また法人、個人を問わず被害がふえています。三年前に発生した東日本大震災以降は、災害の事前の備えのあり方について、事業継続計画への関心が特に高まっています。事業継続計画とは、自然災害や大火災等の緊急事態に備える企業の危機管理の新しい手法であり、欧米では広く普及をしています。

 一点目は、リニア中央新幹線の県内駅設置を踏まえた事業継続計画の考え方について取り上げます。

 大阪−東京間を約一時間で結ぶリニア中央新幹線の奈良県内の駅設置は、本県にとって大事業であり、観光振興一つをとってみましても、またとない発展の機会と期待をされています。このリニア中央新幹線は、ことしから工事にかかり、二〇二七年に東京から名古屋までを先行開業することがほぼ決まっています。リニア中央新幹線が名古屋から主要な経過地である奈良市附近を通り大阪まで延伸されるのは、さらに十八年後の二〇四五年です。この十八年の間に、発展する名古屋をよそに関西は取り残されるのではないかという心配も出ております。名古屋は、最高時速五百五キロメートルで東京と最速四十分で結ばれるため、企業や消費が首都圏に吸い取られるストロー現象を招く可能性もはらむとの心配がある反面、東京のバックアップ機能を果たす拠点となるよう期待する声も挙がっています。東日本大震災以降、事業継続計画への関心が高まっており、名古屋には大きなアドバンテージがあるとの見方があるからです。

 私は、そのような話を聞きますと、十数年前、奈良県において熱く取り組んでいた運動を思い出します。その運動とは、首都機能移転であります。ほとんどの国民はこのことを忘れていると思いますが、私は覚えています。内閣総理大臣の諮問機関である国会等移転審議会が最終選考をした三つの地域の一つに、移転先候補地となる可能性がある地域として三重・畿央地域が選定されました。三重・畿央地域は、他の地域にはない特徴を有しており、将来新たな高速交通網等が整備されることになれば、移転先候補地となる可能性があると答申されています。選定には複数の条件がありましたが、この三重・畿央地域は、自然災害の少ない地域との条件もクリアをしていました。首都機能移転なんて選挙目当てで言っているだけで実現することはないと、当時冷やかに言っている方もいましたが、移転先に名乗りを上げた地域の運動は、当時相当な盛り上がりを見せていました。県内を走る電車には、首都機能移転実現を目指すキャッチコピーを入れたラッピング電車も登場していました。最終的には残念ながら、冷やかに言っていた方のコメントどおり、その後具体的に進むことはなく、首都機能移転の運動は、時間とともに風前のともしびとなってしまいました。しかし、当時、本県が首都機能移転の受け入れ先として提言をしていた内容は、高速交通網等に当たるリニア中央新幹線の駅が県内に設置されることが見込まれる今こそ、声を大にして訴えるべき大切な内容ではないでしょうか。リニア中央新幹線の県内駅設置は、私たち県民にとりましては、先ほど申し上げた観光振興以外にも、私たち県民の活動範囲を飛躍的に広げることへの大きな期待もあります。しかし、単に東京から大阪へ移動する方にとっては、移動時間の短縮に重きを置き、奈良市附近駅への停車はそれほど重要に考えられていないと思います。

 そこで、話を事業継続計画に戻します。先行開業する名古屋が東京のバックアップ機能を果たす拠点になるよりも、首都機能移転のときに示した内容で、事業継続計画と重ねて、今こそ本県に首都のバックアップ機能が実現できれば、リニア中央新幹線の奈良県内駅設置において、私たち県民にはもちろん、多くの国民にとっても必然だとの認識がふえることにもつながるのではないかと考えます。

 そこで、知事に質問します。本県は自然災害が比較的少なく、また、リニア中央新幹線の奈良市附近駅が設置される見込みであり、首都圏との移動時間が大幅に短縮されることなどからすると、事業継続計画の観点から、首都機能をバックアップするための拠点地域となり得るのではないかと思いますが、知事のご所見をお伺いします。

 二つ目は、県内の主に中小企業に絞った事業継続計画の推進についてであります。

 緊急事態で的確に判断し行動するためには、緊急時に行うべき行動や、緊急時に備えて平常時に行うべき行動をあらかじめ整理し取り決めておくことが重要です。東日本大震災では、中小企業の多くが、貴重な人材を失ったり設備を失ったりしたことで倒産や廃業に追い込まれました。また、被災の影響が少なかった企業においても、復旧がおくれ製品やサービスが供給できず、その結果、顧客が離れ、事業を縮小し従業員を解雇しなければならないケースも見受けられました。緊急事態はいつ発生するかわかりません。国内企業数の九九%超を占める中小企業は、今後経済の自立を目指そうとする本県にとりましても、経済基盤を支える大変重要な存在となっています。本県では、南海トラフ巨大地震が起こった場合、最大千七百名の死者が出るとも予測をされています。災害で被害を受けると、県下の中小企業の事業はとまり、本県においても廃業や倒産につながることが予測されます。より効果的な災害対策とは、県下の中小企業に事前の備えをしっかりと講じていただき、万が一災害に遭っても被害そのものが少なくなるようにすることであります。

 そこで、産業・雇用振興部長に質問します。本県の経済に大変重要な存在となっている県下の中小企業が、南海トラフ巨大地震など、万一に備え、緊急事態が起こったときに的確に判断し行動するために、緊急時に行うべき行動や、今現在行うべき行動をあらかじめ整理し取り決めておく事業継続計画の策定が重要と考えますが、本県ではどのように認識をされ、取り組んでおられるのか、お聞かせください。

 次に、原山警察本部長に質問いたします。

 第一点目は、外国人観光客の安全確保を含めた治安対策についてであります。

 近年の海外旅行ブームの陰で、海外の観光地において日本人が犯罪被害を受けるという事案が増加しているように思うのは、私だけではないと思います。特に昨年は、トルコのカッパドキアで女子大学生二人がナイフで刺され死傷した事件や、エクアドル最大の都市グアヤキルで新婚旅行中の夫婦が銃で撃たれて死傷するという事件が発生したことは、日本人として大変痛ましく感じております。ニュースでは、事件発生国の政府や捜査機関の幹部へのインタビューの様子が報道され、その対応などからも、外国人観光客が被害に遭ったという事件の重要性がダイレクトに伝わり、私自身、国際観光県奈良にとっても他人事ではないことを痛感させられました。また、インターネット上の外国メディアが、凶悪事件が多発したアジアのとある国への外国人観光客が激減したと伝えるなど、旅行者にとっては、観光地の魅力もさることながら、現地の治安がよいかそうでないかは、行き先を決める際に最も重要視するものであります。家族旅行や女性旅行者にとってはなおさらのことと思います。

 今や日本各地の観光地では外国人観光客の誘致合戦が始まっており、文化財、伝統、自然、宿泊施設、温泉、日本食、免税の電化製品などを柱に据え、情報発信活動が行われており、本県も例外ではありません。私は、日本が世界に誇れるものとして、安全、確実、清潔、規律、礼節などが思い浮かびます。最近では海外からの旅行者に対する接遇を総称して、おもてなしという言葉がよく使われておりますが、まさしく、おもてなしの基盤は安全だと思います。

 そこで、警察本部長にお伺いします。県警察では、日本一安全で安心して暮らせる奈良の実現を運営指針として、各種施策を推進していただいているところでありますが、観光立県である本県において、今後増加が見込まれる外国人観光客の安全確保を含めた治安対策をどのように進めていくのでしょうか。

 次に、高齢者に対する振り込め詐欺等について質問します。

 昨年の九月にも一般質問において、高齢者の防犯対策について取り上げさせていただきました。しかし、残念ながら、それ以降も、新聞記事に目を通す際、高齢者が巻き込まれる詐欺事件がふえているように感じています。だまされる一つの要因は、警察や市役所、銀行など、実在する信頼ある立場を名乗ることによるものです。最近では証券会社を名乗り、実在するお茶漬けのり製造会社への投資詐欺も出てきていると聞き及んでいます。これでは、どうやって本当の話か、うその話かを見抜くか、普通に暮らしている方には全くわかりません。詐欺グループが被害者からお金をだまし取る手口についても、高額な振り込みが難しくなっていることから、札束とわからないようにして書籍や雑誌にカモフラージュして宅配により送金させたり、巧妙化していると聞いています。平穏無事な日々を過ごしたいと願う高齢者を対象としたこれらの犯罪は、人を疑わない、人を信じるという良心を逆手にとり、だましていくという手口であり、断じて許すことはできません。最近では、高額な振り込みをする高齢者に対しては、銀行員なども注意していると聞きます。高額な振り込みそのものも身元確認などチェックが厳しくなっています。高齢者が振り込め詐欺などに遭わないよう、啓発をはじめさまざまな対策がとられていますが、被害はなくなるどころか、逆にふえているようにさえ感じます。

 そこで質問をいたします。平成二十五年中に、県下では高齢者に対する振り込め詐欺などの詐欺事件はどれくらい発生したのでしょうか。また、その特徴はどのようなものでしょうか。高齢者に対するこれら詐欺事件をなくす取り組みについて、これまでの活動の効果及び新たな対策についてお伺いします。

 最後に、精神障害者への医療費助成制度の拡充について要望させていただきます。

 精神障害者への医療費助成制度の拡充は、昨年の十二月議会において民主党会派の代表質問や、他の会派の質問を受ける形で知事は英断をされ、障害者基本法の理念、アンケートの結果を踏まえ、福祉医療制度を来年度できるだけ速やかに適用したいと答弁をされました。加えて、精神障害者の方々への適用拡大の趣旨をご理解いただき、全市町村で実施していただくよう、今後市町村に働きかけていきたいとの答弁もありました。そして先般、県は制度の概要について公表をされるに至りました。精神障害者の障害の特性や生活実態を考え、市町村の事務負担を考慮すれば、他の二障害と同じように自動償還払いがよいと考えます。選択肢があり、判断が必要な場合においては、当事者にとって有利な使いやすい制度となりますよう、県が総合的な判断をしていただきますよう要望いたします。

 以上で、民主党会派を代表しての一回目の壇上での質問を終わらせていただきます。ご清聴、誠にありがとうございました。(拍手)



○副議長(井岡正徳) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)十五番森山議員のご質問がございました。

 第一問目は、県税収入の見通しと今後の税収確保の取り組みについてのご質問でございます。

 まず、平成二十六年度における県税収入でございますが、地方消費税率の引き上げや自動車取得税率の引き下げなどがございます。税制改正の影響及び景気動向等を勘案いたしまして、前年度比で、議員がお述べになった数字でもございますが、五十五億円増の総額で一千六十二億円と見込んだものでございます。その内容についての動向をご説明させていただきます。

 まず、県税収入の約四割を占めております個人県民税につきましては、その八割が給与所得でございます。この給与所得は納税義務者数の減少が奈良県ではずっと続いております。また、景気回復に伴う一人当たりの所得額の増がすぐには見込めない状況でございます。一人当たりの納税額というのも低減傾向ということでございます。そのため、今回の均等割りの税率引き上げ等の影響を加えましても微増ということで、約五億円の増にとどまるものでございます。

 法人関係税について申し上げます。本年度後半より、景気回復の兆しが税収の実収にも反映してきております。中小企業にも景況感の改善が見られまして、法人事業税、法人県民税を合わせて来年度は約十九億円の増を見込んでおります。また、景気回復基調に伴いまして、配当割県民税や株式等譲渡所得割の県民税も伸びてきており、合わせて約十三億円の増を見込んでおります。県内は資産家が多いということの反映でございます。

 さらに本年四月よりの地方消費税率引き上げに伴いまして、約二十三億円の増加を見込んでおりますが、今後消費マインドの低下など税率引き上げの影響にも注意していく必要があろうかと思います。実収入の動向に注意していきたいと考えております。一方、自動車関係税は、課税台数が減少傾向を示す傾向にございます。その中で、自動車税は約四億円の減少、また自動車取得税では、税率引き下げがございましたので、約八億円の減少と見込んでいるものでございます。

 今後の動向でございますが、人口減少や高齢化が急速に奈良県では進むことが予想されておりますが、個人県民税を中心とした本県の税収構造に鑑みますと、今後、税収増については決して予断を許さない厳しい状況であるというふうにも考えております。議員のご指摘のとおりでもございます。このため、新年度におきましては、四つの視点からの取り組みを強化していきたいと考えております。一つ目は税源の涵養の観点、二つ目は県内消費の拡大、三つ目は徴収体制の強化、四つ目は偏在性のない税制度の構築ということでございます。

 まず、税源の涵養につきましては、企業・宿泊施設等の誘致や企業等の技術開発や販路拡大の支援などを行いまして、企業関係の税収を増加させていきたい、そのための支援活動を引き続き積極的に行っていきたいと思います。また、県内消費の拡大に向けましては、消費税率引き上げ対策として、プレミアム商品券の発行について県内消費の喚起を図るということは既に説明を申し上げてきておりますが、また、魅力ある店舗を育成して消費地としての奈良の魅力を高めていく、まちづくりの観点が必要だと思います。また、交流人口をふやして消費を拡大する観光施策の面でございますが、これを大きく展開して、何よりも消費をしていただくのは宿泊観光客でございますので、宿泊観光客の増に取り組む必要があろうかと思います。

 また、ご質問の中に入っておりました地方税徴収率でございますが、本県の地方税徴収率は決して高いものではないというふうに認識をしております。県下の市町村の地方税徴収率は低い低いと言っておりましたが、県もちょっと低いということを改めて認識してご報告を申し上げざるを得ません。平成二十四年度は全国平均九六・五%でございますが、本県は九五・六%でございます。〇・九%の差でございますが、このランクは四十四位ということでございまして、各県とも、大変徴収率が高い県が多うございます。個人県民税が多いというのも一つの理由と言われておりますが、個人県民税は個人市町村民税とあわせて徴収することになっております。具体的な徴収事務は市町村にお願いしている事情もございます。したがいまして、県の徴収率を向上させるためには、市町村の徴収率も向上させていく必要があるわけでございます。そのために県・市町村における一体的な徴収体制の強化を重要と考え、そのように図ってきております。新年度は、これまでも行ってきた県税務職員の市町村派遣に加えまして、新たな奈良モデルとして、複数の市町村と県が独自の共同徴収体制を構築する取り組みも進めたいと思います。県も、市町村の徴収が低い、応援すると言ってきました。これは県のためにも必要なことでございます。ご報告を申し上げておきます。

 一方、本県は家計消費支出が全国三位であるのにもかかわりませず、一人当たり地方消費税収入額は全国で最下位レベルでございます。税収の地域格差があるように思います。このような格差のない税制度の構築が必要だと考えまして、昨年、本県では県税制調査会で、有力な有識者、学者さんに来ていただきまして議論をしていただいております。その県税制調査会の議論を中心に、地方消費税の清算基準の見直しなど偏在性のない税制度の構築に向けて、国への取り組みを行っておりますが、引き続き粘り強く行っていきたいと考えているところでございます。

 税収についての答弁は以上でございます。

 第二点目は、産業振興について、ターゲットを絞り、企業群のクラスターが形成されることにつながるような県内産業界の底上げができるのではないかという、大変意欲的といいますか、革新的な所感がございました。その中で議員は、なら発オンリーワンの企業があるではないかということもお述べになりました。大変重要な所感であるように思います。

 お述べのとおり、ターゲットを絞った産業支援というのは大事であると思います。技術力や製品力に強みを有する、また意欲のある企業に重点的に支援を重ねるのが重要だというふうには思っております。こうしたことから、県の産業振興総合センターでは、関係団体と連携しながら、県内のすぐれた技術や商品を有する企業など約百四十社を選定し、順次訪問して、経営者の方から経営方針や事業計画などを伺いまして、そのノウハウ、あるいは意欲を県内の他の企業に拡散するようにという取り組みを進めているところでございます。経営者の皆さんからは、経営効率化のための生産管理、あるいは、初めて海外取引に取り組むための実務といった個別の課題もお聞きしております。また、活用できる支援制度の積極的な情報提供についてもご要望をいただいております。こうしたヒアリングを通じまして、県内企業を伸ばしていくために、どのような振興策が有効かどうか、検討を進めております。なかなか決め手がないようにもまだ感じております。産業界と話をしますと、県に要望が返ってくるのがこれまでの状態でございました。いや、そうではなしに、俺たちの企業のまねをするように県下の企業に言ってくれという企業は少なかったわけでございますが、しかし、最近、少なくてもそのような企業も目につくようになってきました。県としては、そのような中心となるような、また意欲的な企業を頼りに、小さくていいわけでございますが、それが県内の企業マインドに拡散するように努力を積み重ねていきたいと思います。

 このような産業興しの観点は、新たなものをつくろう、有力な企業を誘致しようというだけのものではなく、今ある産業の体質を改善し、新しい力強い産業に奈良県の企業になってもらいたいという思いでございます。議員お述べになりました、県内のすぐれた技術、商品を有する企業がより多く県内に存在し、それらを県が重点的に支援し、産業クラスターになるように県内の産業構造がならないかというご指摘がございました。大変すばらしい方向性だと思いますが、現在のところ、残念ながらと申し上げますが、まだそのレベルには大分遠い実情であるというふうに自覚をしております。しかし、不可能なことではないと思います。議員もお述べになりましたように、小さい企業規模でありましてもオンリーワン企業が目立ってくるようにもなってまいりました。そのような企業がもっとふえるように支援の方策に工夫を凝らしていく必要があろうかと思っております。まだ多少幼稚な段階だというふうには自覚しておりますが、粘り強く、奈良県の産業構造が変わっていくように頑張っていきたいというふうに思っておる次第でございます。

 次は、公共交通について幾つかご質問がございましたが、今、奈良県が行っております地域交通改善協議会の内容を詳しくフォローしていただき、感謝を申し上げたいと思います。

 私自身が会長となりまして奈良県地域交通改善協議会ということを、これまで市町村の首長レベルとご一緒に、四回にわたり議論を進めてまいりました。また、協議会の開催に際しましては、エビデンスを集めるという観点から、地域別ブロックの会議や市町村へのアンケート、ヒアリングなどを行い、関係者間で実態把握や意見交換もあわせて行ってきております。

 この地域交通改善協議会の焦点になります、また議員がお述べになりましたが、奈良交通株式会社より協議の申し入れがありました二十五路線四十五系統について、これをどうするかという課題がございます。関係者間で検討を進めるためのたたき台として、県はバスカルテというものを出しました。このバスカルテの内容は、路線系統ごとのニーズの高さ、お客様がどれだけ利用しているか、奈良交通株式会社にとっての経営への影響、また、それを補助する市町村の観点からは財政負担などの観点から、具体的な指標に基づく路線ごとの評価を行いまして、今後の改善策、また存廃についての意見に反映するように努めているものでございます。ことしの二月三日に直近の協議会をいたしましたが、その協議項目を選ぶ中で、大事な項目を選んできております。路線の変更、ダイヤの変更、公共交通の運行主体・運行形態のあり方、経費分担の方法などといった項目を協議アイテムにするということが了承されました。今後は、その協議事項に沿って、六月に開催予定の協議会に向けて、個別の路線ごとに県や市町村、奈良交通株式会社などの関係者で検討を進めていくことにしております。奈良交通株式会社が申し出られました回答期限といいますか、協議を完成する期限は九月三十日ということになっておりますが、バスではございませんが、見切り発車のないように十分な検討を重ねる必要があろうかというふうに思います。

 その協議会の議論の内容でございますが、議員お述べのように、路線を維持するための負担は利用者が運賃で支払うか、行政が補助するか、また、追加させていただきますが、交通事業者が内部補助で黒字のところから赤字のところに持ってくるのか、これは大変少なくなって、三つの選択しかございません。これまでの議論におきましては、市町村は新たな負担はできないという意見がある一方で、やむを得ないとする意見もございまして、特に、やむを得ないとおっしゃる意見は、県内の東部・南部地域の市町村にその傾向が多いことがわかってきております。各市町村は、この負担と利用ニーズをどう考えるのかに苦慮されていると受けとめております。

 また、先ほどバスカルテのことが話題になりましたが、負担と利用ニーズの関係をどうするかというのが、この協議の大変重要な点でございます。議員がご指摘になった点でございますが、例えば、例でございますが、財政負担の程度を示す一人当たりの行政負担額が二千円以上、一人二千円以上支払って乗っていただいている路線がございます。二十五路線四十五系統中の二系統がそのようなものでございます。経営への影響ということでは、収支比率が四〇%未満、四〇%しか経費を償えないものが二十三系統ございます。また、利用ニーズの高さを示すという観点から、一便当たりの平均乗車人員、たくさん乗っているか、ほとんど乗っていないかということでございますが、これが三人未満のものは二十五路線四十五系統のうち六系統あるということがわかってきております。

 この協議会における検討の原点は、移動ニーズに応じた交通サービスの提供体制を構築するということで、空バスを走らせることは目的ではないということが出発点になっております。このような方針に基づきまして、これまで協議会において、どういう移動ニーズがあるのか、買い物なのか、通院なのか、通勤なのか、通学なのか、目的別移動ニーズを実証的に整理もしてまいりました。関係者間でそのような共通の情報として認識をしてまいりました。

 次のご質問にもなりますが、二十五路線四十五系統の維持についてどう考えるかというご質問もございました。路線バスにつきましては、これまでの現行のバス路線を存続させるために、乗客がいないままでも赤字補填する方法がとられてきた面もあろうかと思います。これからは、移動ニーズに応じた形で支援する方法への転換を図るということが基本線になってくると思います。

 現実的には難しい、決断するのは難しい面があろうかと思いますが、路線別の協議におきまして、奈良交通株式会社におかれては、単に現行運行形態の維持のためだけに市町村に補助や負担を求めるのは、ちょっと遠慮していただきたいというふうに言っております。逆に、路線の変更やダイヤの工夫などの改善策についても知恵を絞っていただき、できるだけ地域のニーズに適合するような変更を加えていただけないかということも、検討項目として申し入れております。また、市町村に対しましては、単なる路線維持のための財政負担が是か非かということを考えるだけではなしに、住民が公共交通を利用しようとしているのか、どのように利用されようとしているのか、まちづくりの観点を視点に入れて知恵を絞っていただきたい、どのようなニーズに基づいてバスを走らせるのかという意識を強くしていただきたいというようなことも申し上げております。その上で、県、市町村、奈良交通株式会社という関係者間で移動ニーズという原点を共有し、運行形態の工夫や利用促進策、まちづくりなどについてアイデアを出し合い、検討してまいりたいと思います。

 次に、住民の参加でございます。これは移動ニーズをどう図るかということで関係がございます。市町村にいろいろお話していますと、住民の方はアンケートをいたしますと路線維持と言われるわけですが、実態のご利用はそれとかけ離れているということが多い。これを、その差をどのようにするかということを具体的に考える大きな課題がございます。住民の参加の、いい参加の方法というのには知恵を絞らなければいけないというふうに考えております。住民の方の納得感が得られるような、形だけの路線維持ということでないように、それはなかなか難しい課題がたくさんあるわけでございますが、六月、また九月に向けて、この地域交通改善協議会の意義が納得ができるように努力を重ねていきたいと思っております。

 奈良県立大学についてのご質問がございました。

 まず、人材育成の観点の質問が最初にございました。奈良県立大学では、大学教育における人材育成のあり方を見直しているところでございます。法人化をするということもその一環でございますが、教えるから学ぶへの教育内容の質的転換を図りたいと思っております。二つの取り組みを考えております。

 一つ目は、この四月から導入する対話型少人数教育でございます。複数の教員が少人数の学生と議論を重ね学び合い、お互いに切磋琢磨して、地域力向上にリーダシップを発揮する人材を育成しよう、少人数の大学であるがゆえでのメリットを生かしていきたいという面でございます。

 二つ目は、実践型教育でございます。県内企業や自治体などとのさまざまな学外実践活動を充実させて、社会性やチャレンジ精神、柔軟な発想力を持った人材の育成を目指したいということでございます。奈良県立大学におきましては、既に市町村や企業などと十五の、大学と関係者の包括連携協定を結んでおられます。その実践教育ができる場をつくっておられるわけでございます。

 昨年度の奈良県立大学の卒業生の状況でございますが、公務員やJA、銀行など、地域貢献されると思われる分野に約三分の一の四十六名が就職されておりますが、全体では就職希望者百四十五名のうち百四十三名が就職でございます。就職内定率は九八・六%と高い水準でございます。あと二名、就職が可能であれば一〇〇%ということになったわけでございます。奈良県立大学のこれまでの実践的な取り組みが企業にも高く評価されたものでございます。

 もう一つは、学内の改革として、テニュア制度というのを導入しようとしております。これは、教授は任期つきの教授にして、三年あるいは五年後にその評価をして、継続するかどうか見直すということで、なかなか導入は難しいわけですが、新採用の先生は全部このテニュア制度にするという、大変抜本的な改革が進んでおります。

 次のご質問は、キャンパスの整備構想について、重要なことでございますが、ご質問がございました。

 新しい教育内容にふさわしい施設整備を本格的に進めていこうという決断をいたしております。古いのを新しくするということでもございます。伊藤学長はじめ学内の方にお聞きしますと、あそこの場所でいいと、現地で整備をしてほしいということでございます。便利なところでございますので、そこでキャンパス整備をしようということでございます。利用目的に応じたゾーン分けというのが大事でございますが、キャンパスを佐保川沿いのゾーンと、佐保川から離れた船橋通りのほうのゾーンと、二つに分けまして、佐保川沿いのゾーンはオープンな運動場を中心としたスポーツ交流ゾーンとして、今ある建物を将来撤去して南のほうへ寄せていく。運動場は佐保川から入れるようにして、運動場を住民の方に利用してもらえるように、また、運動場の周りには歩行空間を置いて、常時歩行していただけるような空間にして、地域の利用を進めていきたいというふうに構想しております。また、キャンパスゾーンは、それより南のほうへ寄せて、このたび地域交流棟を整備するのと一体として、雰囲気を統一してつくっていこうというふうにしております。うまく進みますと大変雰囲気のあるキャンパスになってくるように希望しているところでございます。

 次に、奈良県公契約条例についてのご質問がございました。また、三点にわたる具体的なご質問がございました。業種別労働報酬の下限額の導入、労働災害保険加入のチェック、検討組織の設置の、三点の具体的なご質問もございました。

 公契約条例につきましては、対象とする契約の範囲、実効性を確保する仕組み、雇用弱者や中小企業に対する配慮等さまざまな検討課題がありましたが、ようやくこのほど骨子としてまとまってまいりました。都道府県が行います公契約条例は、全国初めてのことでございます。また、その範囲も大変広くございますので、慎重な検討を進めた面もございます。

 その内容でございますが、まず目的でございますが、県や受注者等の責務や公契約の基本方針などの基本的事項を定め、適切な相手方の選定及び適正な履行を確保し、地域経済の健全な発展及び県民福祉の増進に寄与するということが公契約条例の目的でございます。対象となる契約は、建設工事の請負契約、二つ目は施設管理等の業務委託契約、三つ目は公の施設の指定管理者との協定など単純かつ継続的な労務の提供を行う業務ということで、大変幅広いものになっております。

 中核となる基本方針は二つございますが、一つ目は、契約の相手方の選定に当たって、社会保険の加入状況、障害者雇用率や保護観察者雇用など社会的価値を実現、向上される取り組みに寄与度がどのくらいあるかということを評価して優先順位をつけることでございます。もう一つは、契約の履行に当たりましては、受注者及びその下請業者に対しまして、法令遵守を求めることでございます。下請業者に対しても法令遵守を求めるというところに大変強烈なところがあろうかと思います。特に建設工事で予定価格三億円以上、業務委託、指定管理で予定価格三千万円以上の契約におきましては、適正な履行の確保のため、受注者に責任者を選任させまして、最低賃金と社会保険加入の遵守状況を一定期間ごとに報告させる手続を定めたいと考えております。ただ、過度の負担にならないような配慮はしていく必要があろうかと思っております。

 議員から具体的に三つのご指摘、ご質問がございました。一つ目は、業種別労働報酬下限額の設定はどうかということでございますが、これはエビデンスとなるデータ収集や算定根拠の合理的妥当性などから困難と考えております。最低労働賃金というのは法律で定められておりますので、法令で定める最低賃金額が基本になるメルクマールと考えております。

 二つ目の、労働災害保険でございますが、労働災害保険につきましては、法令遵守事項として、健康保険、厚生年金保険、雇用保険とともに、報告対象とする方向で検討したいと思います。

 三つ目の、検証の組織でございます。本条例が制定・施行された暁には、その運用状況や制度設計の検証が必要だということは理解いたします。その仕組みにつきまして、条例案の具体化の中で前向きな検討を進めていきたいというふうに思います。

 今後、議員各位や関係団体、県民の皆様のご意見を踏まえて条例案を取りまとめ、できれば六月議会に上程しご審議いただけるようにしたいと考えております。

 次のご質問は、事業継続計画、バックアップの話でございます。

 東京一極集中の打開から首都圏移転という話がございましたが、お聞きした感想で大変恐縮でございますが、今の首都圏が直下型地震などで襲われたときのバックアップ機能をどうするかというのは、大変大きな課題でございますが、いろんな要望意見が錯綜しているようにまだ思います。どのような機能をどのような地域にバックアップさせるのかという統合的な観点がないと、奈良県にしろ、京都にしろ、東北にしろ、ここでこのようなバックアップするという整合性のある統合的なBCPというのができないのではないかというふうに思っております。それぞれの地域が、極端に言えば、天皇陛下が来ていただくようにというふうにおっしゃる京都などがありますが、私は、天皇陛下が来られるなら奈良に決まっているだろうというふうに、そういうレベルでは思うところでございますが、首都圏のバックアップにはそのような話ではなしに、もう少し具体的に、どういうものが、どういうところがより優先的に、バックアップ機能は複数あってもいいわけでございますので、そのような観点で議論が行われることが望ましいと考えております。

 奈良県は、ふるさと知事ネットワークというものに参加しておりますが、福井県など十三県、大都市を持ってない地域の知事さんたちでございますが、そのような地域の特質としてできるバックアップ機能はあるように思います。ちょっと類似的ではございませんが、戦中に、奈良の我々の実家には大阪の親戚がたくさん寄宿されておりました。見たことのない親戚の坊主がうろうろしていたのが実情でございます。これは震災からのバックアップ機能、疎開というようなことも行われておりました。そのような連想はあまりよくないですが、震災が起こったときに当座を支援する、また将来の機能維持のために企業のネットワークを維持する、今大変複雑な経済体制でございますので、よく議論がされる必要はあろうかというふうに感じております。すぐに積極的な反応をしなくて大変恐縮でございますが、バックアップ機能のあり方自身は、議論を要する大変重要なことだというふうに思います。奈良もどのような貢献ができるかという観点で、少しは考えを進めていきたいと思うところでございます。

 私に対する質問のお答えは以上でございます。ご質問ありがとうございました。



○副議長(井岡正徳) 中産業・雇用振興部長。



◎産業・雇用振興部長(中幸司) (登壇)十五番森山議員のご質問にお答えをいたします。

 私には、事業継続計画について、本県の経済にとって大変重要な存在である県下の中小企業が、緊急事態が起こったときに備え、事業継続計画を策定することが重要と考えるが、県ではどのように認識し、取り組んでいるのかとのお尋ねでございます。

 県内中小企業における事業継続計画、いわゆるBCPの策定につきましては、大規模地震などの非常事態が生じた際に、事業の早期復旧が可能となるほか、平時におきましても、非常時の備えができているという評価を取引先や市場から受けられるなどのメリットもあることから、必要であると認識をいたしているところでございます。

 この認識のもと、県におきましては、平成十七年度から企業における危機管理全般を、また平成二十一年度からは、BCPの策定を念頭に置きました事業継続計画策定セミナーを開催いたしまして、その必要性につきまして県内企業への周知に努めているところでございます。しかしながら、最近、県独自で行いました調査によりますと、この調査結果については現在集計中のところでございますが、県内でBCPを既に策定していると回答いただいた企業はおおむね五%弱にとどまっており、BCPの取り組みが進んでいない状況にございます。

 さきの紀伊半島大水害では甚大な被害が発生したものの、これまでは大きな災害に見舞われることの少なかった本県でありますが、今後、南海トラフ巨大地震などの発生が懸念される中、BCPの必要性はますます高まっているものと考えております。県では、昨年十月に損害保険株式会社と締結いたしました連携協定の中で、協働で県内企業のBCP策定支援に取り組むことといたしておりまして、BCPの啓発及び策定支援に、引き続き力を入れて取り組んでまいる所存であります。

 以上でございます。



○副議長(井岡正徳) 原山警察本部長。



◎警察本部長(原山進) (登壇)十五番森山議員のご質問にお答えさせていただきます。

 私には、二点ございました。まず、一点目でございます。観光立県である奈良県において、今後増加が見込まれる外国人観光客の安全確保を含めた治安対策をどのように進めていくのかというご質問でございました。お答えをいたします。

 平成二十五年中の奈良県の刑法犯認知件数は一万二千三百三十七件と、前年より百六十七件増加いたしたものの、戦後最多でございました平成十四年、これは三万二千件を超えておりますが、これからすると、およそでございますが、三分の一近くまで減少させているという実態でございます。また、昨年実施の県民アンケートによりますと、以前より治安がよくなったと感じていただいている方が一三・六%と、前年より九・二ポイント増加しておりまして、体感治安に回復の兆しがうかがえているのではないかと見ております。

 二〇二〇年にオリンピック・パラリンピック東京大会が開催されることとなりましたが、開催地の決定におきまして、我が国の治安のよさが大きな強みとなったことを踏まえると、良好な治安を一層確固たるものにすることは、我が国の、ひいては観光立県奈良県の使命だというふうに私は考えております。

 県警察といたしましては、これまでから県民の皆様に安全・安心をお届けする施策といたしまして、メロディーパトロールや挨拶・声かけ運動チャレンジ“絆”、声かけ鍵掛け運動をしっかりやっていきたいというふうに考えております。また、平成二十六年度からは新たに、ご高齢の方や未就職者を警備員として雇用させていただいて、安全安心まちづくりのための活動を展開させていただきたいというふうに考えております。観光施設や文化財施設等における警備の人材育成を支援する安全安心まちづくり支援要員養成事業を予定させてもらっております。

 私自身も、奈良県を訪れる外国人観光客の方が増加しているということを、私ごとで失礼ですが、奈良公園周辺で本当に肌で感じさせていただいております。諸外国では、観光客を守るツーリストポリスなどの取り組みを行っている国もございます。外国人宿泊客数が伸びている奈良県において、安全サービスや情報発信などに力を入れていく必要があるというふうに考えております。全ての観光客が安全に安心して奈良県を訪問できるよう、引き続き官民一体となった的確な犯罪抑止対策を進め、安全・安心日本一を目指していきたいというふうに考えております。

 二点目でございます。平成二十五年中に、ご高齢の方に対する振り込め詐欺などの特殊詐欺はどれぐらい発生しているのか、その特徴はどうか、この詐欺事件をなくす取り組みはどうかとのご質問でございます。お答えをさせていただきます。

 県内における特殊詐欺は、平成二十五年中七十八件発生いたしておりまして、被害総額は約四億五千万円でございます。一日当たりに換算いたしますと約百二十三万円の被害となっております。主な被害者層は、六十五歳以上のご高齢の方で、全体の七七%に当たる六十人の方が被害に遭われております。また、社債とか金融商品取引における詐欺、あるいは医療費等の還付金詐欺、さらには息子や警察官等をかたったオレオレ詐欺が多発しており、役所の事務処理に迷惑をかけたという焦りとか、親が子を思う情につけ込むなど、その手口は極めて悪質・巧妙化いたしております。さらには、現金の受け渡し方法が、手渡し型や宅配便等による送付型に変化しておりますし、被害額が極めて増加傾向にある、それが特徴でございます。

 県警察では、とりわけご高齢の方々の防犯意識を向上してもらい、犯罪への抵抗力を高めていただくため、メロディーパトロールやご高齢の方々の世帯への巡回連絡など、あらゆる機会を捉え、「電話口 お金の話 それは詐欺」等の標語を広め、注意喚起を図っています。また、年金支給日にあわせたATM一斉警戒や金融機関等での声かけ訓練、水際対策にも取り組んでおります。これら施策が功を奏し、最近では金融機関窓口等における声かけ阻止率も向上いたしてきております。また、詐欺電話であると看破いたしまして、見破って、多数警察に通報していただいているほか、だまされたふり作戦などで、平成二十五年中は二十二件十五人を検挙いたしております。

 安全・安心日本一に向けては、社会全体で取り組むことが極めて重要でございます。先般、自治体や関係団体との連携強化を図るため、特殊詐欺被害防止対策連絡会を開催させていただきました。また、知事の発案によりまして、第六回奈良県・市町村長サミットでも、市町村長さんと情報共有をしっかり図り、意見交換を行わせていただきました。引き続きこの種犯罪撲滅のため各種施策を進めてまいりますので、ご理解とご協力を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。

 ご質問ありがとうございました。



○副議長(井岡正徳) 十五番森山賀文議員。



◆十五番(森山賀文) 知事、産業・雇用振興部長、警察本部長におかれましては、ご答弁ありがとうございました。少し時間がありますので、再質問をさせていただきたいと思います。

 一つは、奈良県立大学の問題です。奈良県立大学のハード面はこれから、先ほどゾーンに分けて整備されていくという話を聞かせていただきました。今後の推移を見守りたいと思っております。

 ソフト面についてですけれども、ソフト面、奈良県立の大学ですから、大学というのは全国的に見てもそうなのかもわかりませんけれども、いつも思うのは、なぜ、県立の大学でありながら県下の高校生が進学する率が非常に少ないのか。県立の大学なのに、卒業生はほんの一握りしか県に残ってくれないのかというのは、ずっとこれは思っているのです。しかし、それは奈良県立大学だけではなく、全国の公立大学というのはほとんどそのような傾向にあるのかと思いますけれども、せっかく県立大学として存在していく中で、もっと学生を県に残しておくというか、身近にしていくということは、奈良県にも生きることではないかというように考えます。

 そんな中で、奈良県立大学生は、現役の学生は今、連携協定を幾つも持って、行政や企業と連携をとっていろいろ貢献をしていくということも聞かせていただきましたし、これからもそういうパイプは太くしてほしいと、太くしていくことが奈良県の振興にもつながっていくように感じておりますし、卒業生も四十六名が地域貢献する公務員を含めたところに就職をしているということも聞かせていただきました。私も、質問するに当たって先にちょっと調べましたけれども、奈良県立大学生、具体的に言いますと、では奈良県庁にどれだけ就職したのですかということを調べてみると、意外にやはり少なかったのです。県の地域貢献をしてくれる学生が県下で県費を使って学んで成長してくれるのですから、奈良県立大学と、県下の企業、自治体、行政、また県庁も含めたパイプも今後もっと太くして進めていくことが、奈良県振興につながると思っていますので、そのあたり、そういうように私は感じました。これは私の意見でとめさせていただきます。

 もう一つは、奈良交通株式会社の話でした。先ほど、その路線を維持していくために私、二つのことをお話しさせていただきましたけれども、もう一つあると知事はおっしゃって、その一つは、企業の利益再分配みたいな話をおっしゃいましたけれども、私も一番最初、今回の奈良交通株式会社の路線バスの存続廃止の話を耳にしたときは、奈良交通株式会社もいろいろ補助を受けて進めている企業なのだから、そんな足をなくすということは、奈良交通株式会社は冷たいのではないかという、そんな思いが最初はありました。いろいろ聞いてみますと、奈良交通株式会社も今まではやはり、奈良市内で出していた黒字を南和地域や東部地域に分配をして、これまでは何とかやってこられた。それも、とうとうもうここまで進んできてそれが維持できなくなってしまったというような話も聞かせていただいて、それでは、やはり企業だけの責任におけるものではないのかと思って、利用者の負担、そして財政の負担というものにいくのかというふうに感じたわけです。

 その中で、今月号の県民だよりにも載っていましたけれども、移動ニーズに応じた交通サービスの実現というものに支援を転換していくというお話がありました。それも県民だよりにも載っていましたけれども、先ほど、一方、空バスを走らせることが目的ではないというようなお話もお聞かせいただきました。これもそうだと思いますけれども、移動ニーズというのが大事になってきますけれども、移動ニーズよりも利用の実績が優先される交通サービスの実現になってしまうと、そのバスを利用しようと考える方から見たら、利用実績が低いうちの路線は廃止されるのではないかというような心配が大きくなってくると思います。具体的に言うと、今は自家用車で移動しているけれども、これからバスを利用したいと思っている、そういうニーズの方、今は小学生ですけれども、今後高校生になって遠いところに行かなければならないから、将来バスが必要になってくるというような、そういう移動ニーズというのはどういうように交通サービスが実現できるのかということが、ちょっと今の答弁ではわかりにくいところがありましたので、そのあたりについてお考えがありましたら、お聞かせいただきたいと思います。



○副議長(井岡正徳) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) まず、奈良県立大学の意義ということでございますが、県下の人が少ないわけでございますが、同じように奈良県立医科大学も県下の人が少なくて、就職して県に残る率は、随分奈良県立医科大学はお金を、議会で承認して、使わせていただいておりますが、半分を切っているのです。だから、それを六〇%まで上げることを約束してくれというのが、県が奈良県立医科大学に出した中期目標なのですけれども、お医者さんを奈良県に置いてもらうというのは、よりこちらの県のニーズが高いということを引き合いに出しているだけなのですけれども、奈良県立大学は、ほとんどが県外生で、県外へ就職されるわけですけれども、これは県立大学の意味がないのではないかと私も就任当初は思っていたのですけれども、学生さんを見てみますと、実は奈良県で学ばれる意味というのが随分あるように感じてまいりました。奈良県での学びというのは意味がありますよと。受験校だけではなしに、ほかの国立大学も含めまして、奈良県は大学の種類が少ないし数も少ないわけで、理科系の大学は一つもないわけでございますが、もっと早くから大学の誘致、研究所の誘致に向かっていればよかったのではないかと、今、遠い昔を反省しているわけでございますけれども、奈良県立大学は県民のための大学ではなしに、奈良県で学ぶという意味を証明する場ではないかというふうな見方もしております。奈良県が貢献できる一つといいますのは、国立大学でも留学生が多いわけですけれども、これは国民でもないわけですけれども、来ていただく意味というのは、その国の理解をしてもらう、奈良県で学んでもらった人が奈良県を理解してもらうというのも一つのあり方ではないかというふうに感じております。県民がより多く学ばれる県立大学であればいいわけでございますが、議員もおっしゃいましたように、全国、なかなかそうはなってないということで、奈良県で学んでいただく意味をもっと磨きをかけようかというふうに今、改革の中での一つの柱に考え始めております。

 もう一つ、バスのことでございますが、バスは、議員も途中でおっしゃいましたように、路線の維持を事業者がして、それに負担するかどうかをテストされているという構図ではもうなくなってきております。今、閣議決定されて、今国会に上程される国土交通省の新しい法律によりましても、今、県がやっております協議会のようなものをつくって、この路線を走らせるのだと言えばその路線で、協議会で決めた路線が運賃認可を、路線の免許を受けたのと同じ運賃が、それで決めたら運賃認可を受けたと同じという、みなし規定が入っている法律が今、閣議決定されております。これはこのような協議会の取り組みが路線を決定する権限が発生してくる。もちろん、そのためには補助をどこまでするかというようなことが協議の対象になるわけで、そうなると、その際の路線を決定して運行するよといったときの、路線維持者の選択というのはもう少し幅広くなってくるわけでございます。路線バスなのか、各地でだんだん出てきております乗り合いタクシーなのか、あるいはもっと多いのは貸し切りバスによるデマンド型のバスなのかということに、路線の形態に随分バラエティーが出てきております。それは地域のニーズをよくはかって、その時間帯を、路線バスの時間帯でなしに通院の時間帯に合わせて、お年寄りが病院に行きやすいように病院に直行するバスを走らせますよといったようなニーズも、よりニーズに適切な運行形態、それは奈良交通株式会社にお願いするのではなしに、こちらで走らせるよと、それに受けてくれるかどうかという協議をしようという、逆提案のようなこともこれから行われ得る可能性がありますので、大変意味のあることでございます。

 議員がおっしゃいました、これからマイカーから公共交通依存になられる、トランスポーテーションプアと言われる、かつて言われたような呼び方でございますが、人たちをどう扱うかというのは大事なことでございますが、そういう自分のマイカーのない方の移動をどのような形で達成するのかと、これは地域が考えなければいけない。県も含めまして。従来の路線バスという形態だけではないことが、この協議会で決めれば可能だという法制ももう進んできているような時代でございますので、奈良交通株式会社との関係でいえば、路線バス収入は百億円ぐらいですが、八億円ぐらいが、国と市町村・県で補助しております。その八億円をより有効に使うにはどのような運行形態がいいのかということを主体的に検討しなければいけない立場が市町村と県でもあろうかというふうに思っております。市町村が市民の方のニーズをどう捉えるかというのは、まず第一のように思っております。だから、そのような議論は具体的にしておりましたが、法制上もそのような議論の結果については権限を賦与するよといったような法制が今、閣議決定が通っておることでございますので、大変意義のある議論をしてきたように思いますので、これが実りのあるような出口に向かっていくように、一層努めていきたいというふうに思う次第でございます。



○副議長(井岡正徳) 十五番森山賀文議員。



◆十五番(森山賀文) 知事、答弁ありがとうございました。全国で初めてできた奈良県公共交通条例ですから、これがしっかりと実のあるものにしていくためにも、引き続き知事のリーダシップをお願いして、私の代表質問を終わらせていただきます。

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



○副議長(井岡正徳) 十五番森山賀文議員。



◆十五番(森山賀文) 本日はこれをもって散会されんことの動議を提出します。



○副議長(井岡正徳) お諮りします。

 十五番森山賀文議員のただいまの動議のとおり決することに、ご異議ありませんか。

     (「異議なし」の声起こる)

 それでは、さように決し、明、三月五日の日程は当局に対する代表質問とすることとし、本日はこれをもって散会します。



△午後五時三十分散会