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平成25年 12月 定例会(第313回) 12月09日−04号




平成25年 12月 定例会(第313回) − 12月09日−04号







平成25年 12月 定例会(第313回)



 平成二十五年

        第三百十三回定例奈良県議会会議録 第四号

 十二月

   平成二十五年十二月九日(月曜日)午後一時一分開議

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          出席議員(四十二名)

        一番 宮木健一          二番 井岡正徳

        三番 大国正博          四番 阪口 保

        五番 猪奥美里          六番 尾崎充典

        七番 藤野良次          八番 太田 敦

        九番 小林照代         一〇番 大坪宏通

       一一番 田中惟允         一二番 岡 史朗

       一三番 畭 真夕美        一四番 乾 浩之

       一五番 森山賀文         一六番 宮本次郎

       一七番 山村幸穂         一八番 欠員

       一九番 松尾勇臣         二〇番 上田 悟

       二一番 中野雅史         二二番 神田加津代

       二三番 安井宏一         二四番 奥山博康

       二五番 荻田義雄         二六番 岩田国夫

       二七番 森川喜之         二八番 高柳忠夫

       二九番 今井光子         三〇番 和田恵治

       三一番 山本進章         三二番 国中憲治

       三三番 辻本黎士         三四番 米田忠則

       三五番 出口武男         三六番 新谷紘一

       三七番 粒谷友示         三八番 秋本登志嗣

       三九番 小泉米造         四〇番 中村 昭

       四一番 欠員           四二番 山下 力

       四三番 梶川虔二         四四番 川口正志

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        議事日程

一、当局に対する一般質問

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○議長(山下力) これより本日の会議を開きます。

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○議長(山下力) ただいまより当局に対する一般質問を行います。

 順位に従い、三十一番山本進章議員に発言を許します。−−三十一番山本進章議員。(拍手)



◆三十一番(山本進章) (登壇) 今議会の一般質問のトップバッターとして、早速質問に入らせていただきますが、このたびの質問は、初当選をしたときにお世話になった旧新創NARA、現なら元気クラブから質問をします。

 県議会議員十五年間で、会派も一周回りまして、(笑声)もとの位置に戻ってまいりました。狙いどおり笑っていただきましてありがとうございます。しかし、今までも、これからも、政治は弱い者の味方、ふるさと愛に生きるをモットーに、地元密着の政治を原点として、県議会活動をしてまいります。議員諸氏の皆様方、理事者の皆様、そしてテレビをごらんの皆様、今後ともよろしくお願いを申し上げます。それでは、新鮮な気持ちで質問に入ります。

 まず最初に、障害者スポーツの振興について、知事にお尋ねいたします。

 去る九月八日、アルゼンチンのブエノスアイレスで開催された国際オリンピック委員会総会において、二〇二〇年に東京オリンピック及びパラリンピックが開催されることに決定しました。昭和三十九年以来、実に五十六年ぶりの日本でのオリンピック開催に、日本国中が歓喜し盛り上がっています。一方で、東京オリンピック・パラリンピック開催を契機に、東京以外でもさまざまな取り組みが行われることが期待されます。例えば、オリンピックの観戦に来日される外国人観光客の誘致や、オリンピック選手の育成などが想定されます。スポーツの振興について本県では、県民のだれもが、いつでも、どこでも、運動・スポーツに親しめる環境づくりを基本目標とする奈良県スポーツ推進計画を平成二十五年三月に策定し、運動・スポーツの推進に取り組んでいただいているところです。

 その基本施策の一つに、障害者の運動・スポーツの推進が位置づけられています。障害のある方が、障害の種別や程度にかかわらずスポーツに取り組むことは、生きがいづくり、社会参加を促進するという観点からも、大変意義深いものであると考えています。オリンピック・パラリンピック誘致に係るプレゼンテーションにおいて、陸上競技で活躍されている佐藤真海さんが、私がここにいるのはスポーツによって救われたからです、スポーツは私の人生で大切な価値を教えてくれましたと言っておられます。障害を克服してスポーツに取り組んでおられる姿には、多くの方が感銘を受けました。県内にも、私の母校であります県立高田高等学校に今年度、アジアユースパラ競技大会の水泳競技で金メダルを獲得した有望な選手もいると聞いておりますが、東京パラリンピックに本県からも日本代表として参加する選手が出れば、障害のある方にとっては大変励みになります。

 もちろん、障害者スポーツの裾野を広げることも重要な取り組みです。本県には、障害のある方にスポーツ活動の場を提供する施設として、田原本町に奈良県心身障害者福祉センターがあります。先日、当センターを視察いたしましたが、多くの障害のある方々が楽しそうにスポーツに汗を流されている姿を拝見しました。当センターは、プール、体育館などの施設が設置され、障害のある方がスポーツに親しみ、楽しむ機会を提供できる施設であるとは思いますが、昭和五十四年の開館から既に三十四年が経過し、施設が老朽化していることも否めません。また、障害のある方が身近な施設・地域でスポーツを楽しんだり、スポーツを通じて障害のない方と交流するためには、障害者スポーツを指導したり支援したりする人材の育成・確保も不可欠だと思います。このほかにも、障害者スポーツの振興のためには、さまざまな取り組みがあると思いますが、七年後の東京パラリンピックの開催が本県の障害者スポーツの振興に追い風になることを期待しております。

 そこで、知事にお伺いいたします。二〇二〇年東京パラリンピック開催を契機として、奈良県の障害者スポーツ振興のために、ハード、そしてソフトの両面からどのように取り組もうと考えておられるのか、知事の所見をお伺いいたします。

 次に、関西電力大飯原子力発電所の再稼働についてであります。

 東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所の事故により、原子力発電所周辺の市町村から福島県内のほかの市町村へ避難中の方が約九万六千人、県外へ避難されている方は五万四千人、合計約十五万人の方がいまだに長期の避難を余儀なくされ、ふるさとを離れて生活をされています。

 このような中、ことし八月十九日から二十一日まで、脱原発をめざす奈良県議会議員連盟の有志六人で福島第一原子力発電所事故で今もなお全町民約二万一千人が避難している福島県双葉郡浪江町を視察してまいりました。浪江町は、震災後二年九カ月たった今でも、住民は町に戻れていません。ただ、私たちが訪問した役場に職員十八名が、避難先から通いで復興への道筋をつけるために業務についておられます。町には役場の職員以外誰の姿もなく、震災時のままの町は荒れ果て、廃墟と化していました。私は、その姿を目の当たりにしたとき、こんなことが本当にあってもいいものかと本当に胸が痛くなり、改めて原子力発電所事故、放射能の恐ろしさを知りました。浪江町については、環境省が特別地域内除染実施計画に基づき、仮置き場確保などの除染業務発注に必要な条件が整った地域から本格除染の発注を行っているところですが、現在ようやく一部の地域で本格除染の実施が始まったという状況です。ところが、廃棄物の最終処分場がないため、その結果、行き場のない廃棄物がたまっていくばかりというのが実態です。

 そして、視察の最終日、被災者の皆さんと意見交換をするため、二本松市にある仮設住宅を訪問しました。そこで、被災者の方からご苦労の話をいろいろと聞かせていただきました。ここでぜひ県民の皆さんに聞いてもらいたい被災者の訴えを伝えます。震災から二年数カ月たち、今はもう救援物資や救援ボランティアの援助のお気遣いは結構です。どうか、原発立地を受け入れている地域の皆さんをはじめ全国の皆さん、奈良県の皆さん、できる限り、私たちのまちに大勢でバスでおいでをいただき、この現状をごらんになって、原発の恐ろしさを知っていただき、その上で原発を再稼働すべきであるかどうかを考えてほしいとの切実な訴えでありました。私はこのお話を聞いて、奈良県民の皆さんにぜひ現状を知ってもらいたいとの思いで、この質問をさせていただくことにいたしました。

 最近、フィンランドの最終処分場を見学した小泉元内閣総理大臣が、最終処分場ができないなら原子力発電は無理と発言され、安倍内閣総理大臣に原子力発電所ゼロへの政策転換を図るべきであると提言されています。また、新聞報道によりますと、安倍内閣総理大臣の妻、昭恵夫人も、原子力発電反対だとのことであります。それに対して安倍内閣総理大臣は、十月二十四日の参議院予算委員会の答弁で、二人とも極めて重要な人物と笑いを誘って前置きをした上で、政府としては、エネルギーの安定供給は経済活動にとって極めて重要であり、国民生活をしっかり守っていかなくてはならない、安定供給と低廉なエネルギーを確保していくことは大きな責任と答弁されています。

 国では今、中長期的な国のエネルギー政策の方向性を決めるエネルギー基本計画の見直しが進められています。先週の金曜日には、基本計画の第三次改正案が提示されました。その内容は、脱原発を掲げた民主党政権時代から一転し、原子力発電を重要なベース電源とし、原子力発電所の新増設に含みを持たせるものになっています。しかし、高レベル放射性廃棄物の最終処分場の選定については、国が前面に立って適当な地を科学的に絞り込み、候補地を示す方針は一応盛り込まれましたものの、問題の根本的な解決には不十分と言わざるを得ません。現在、国内の使用済み核燃料は、既に一万七千トンに達しています。一時保管のための使用済み核燃料プールはほぼ満杯となり、再稼働しても、置き場が数年でなくなり、発電を続けられなくなる原子力発電所もあります。小泉元内閣総理大臣は、原子力発電所即ゼロは安易で楽観的な意見だとの批判に、核のごみの最終処分場のめどをつけられると思うほうが楽観的で無責任過ぎると記者会見で発言されましたが、私も全く同じ思いであります。

 本県に目を向けますと、以前、西川福井県知事が、電力を消費してきた地域にも痛みを分かち合う分担をお願いしたいと発言されたのを受け、荒井知事は、使用済み核燃料の中間貯蔵施設についての県内設置の可能性について検討をされました。検討結果は、県内設置は不可能というものだったと聞いておりますが、知事ご自身が使用済み核燃料の処分場問題を十分理解されているからこその行動だったと推察しております。こうした中、本年九月十五日から国内全ての原子力発電所が運転を停止しています。関西電力は、原子力規制委員会に対し、大飯原子力発電所等の再稼働申請を行っていますが、年度内の再稼働ができない場合は、燃料費の増大などで二千億円程度の収支悪化となる見込みであると、八木社長は再稼働に向かっての発言をされています。

 そこで、知事にお伺いをします。福島第一原子力発電所の事故による避難者の窮状や、最近の小泉元内閣総理大臣の脱原発発言、また、何よりも最終処分場の確保が困難な状況にあることを踏まえ、大飯原子力発原所の再稼働についてどのように考えておられるのか、知事の所見をお聞かせください。

 次に、南海巨大地震に備えた海上自衛隊との連携についてお伺いをします。

 まず、先日十一月三十日に記念行事が開催されました。私もその場所に出席をさせていただいておりましたが、県防衛協会が創立五十周年を迎えられたことについて、改めてこの場をおかりしてお祝いを申し上げます。

 それでは質問に入ります。我が国は、これまで数多くの台風による災害に見舞われてきました。私がまだ小さかった昭和三十四年に来襲をした伊勢湾台風、それから二十数年後に五十七年災害が、さらに二十年以上が過ぎた一昨年九月に台風十二号による紀伊半島大水害が発生し、県内でもとうとい生命が奪われるなど、大きな被害が発生してきました。そして、ことし十月には、県外のことでありますが、台風二十六号が伊豆大島を襲い、甚大な被害をもたらしました。まさに「天災と国防」の著作で知られます物理学者寺田寅彦の言葉とも言われる、天災は忘れたころにやってくる、しかりです。

 このような災害時においては、国や地方自治体が、その危機管理体制について責任を問われることがしばしばあるのに対して、復旧・復興を後押しする大きな力となり、住民から感謝されるものの一つが自衛隊の活動ではないでしょうか。また、東日本大震災でも、防衛省及び自衛隊は、陸・海・空部隊の統合運用により、行方不明者捜索をはじめ、被災者支援のための各種活動を、自衛隊の総力を挙げて精力的に行われましたが、その姿は今なお多くの方々の記憶にとどまっているのではないでしょうか。

 さて、将来のことに目を向けますと、南海トラフ巨大地震の発生が懸念されています。当該地震が発生した場合は、死者数が最大で約三十二万人と、東日本大震災の死者・行方不明者の合計約二万一千人をはるかに上回る想定がされています。奈良県でも、震度六前後の揺れが襲い、最大で死者が約千七百人という甚大な被害が想定されています。これに対応するために、知事が先頭となって、県内南部、五條市への陸上自衛隊駐屯地の配置を強力に要望されていることについては、私も非常に評価しているところです。

 少し話が変わりますが、海上自衛隊呉地方総監部阪神基地隊、いわゆる略称阪基所属の船に、試験艦あすかという艦船があります。試験艦あすかは、海上自衛隊のあらゆる船の装備を実用化する前に試験するためにつくられた船であります。すなわち、海上自衛隊の艦船の原点であることから、私の住んでいる日本の原点である明日香村のあすかの名前がつけられております。また、その関係から、明日香村にあります飛鳥坐神社を守り神とされています。こういうようなご縁で、私が十年前から、この艦船、試験艦あすかの船の後援会の会長を務めております。そして、それ以後毎年、大阪湾や堺港の港に寄港される際に、乗組員の方々には、明日香村を訪問していただき、飛鳥坐神社にお参りをしていただいております。

 しかし、残念なことに、呉地方総監部は、奈良県をその管轄地域としているものの、奈良県は海なし県のためか、陸上自衛隊と比べて海上自衛隊との連携があまり行われてこなかったというのが実情であります。もちろん、奈良県の災害派遣要請の窓口が、京都府の大久保駐屯地にある陸上自衛隊第四施設団であることは承知をしています。しかしながら、先ほど述べました東日本大震災の際の陸・海・空による統合部隊の例を見ても、南海トラフ巨大地震により陸路や港湾が壊滅的な被害を受けた場合を想定すると、救援物資を積んだ海上自衛隊の艦船が大阪湾や和歌山県沖に停泊し、ヘリコプターにより県内への物資輸送を行っていただくことなど、海上自衛隊による支援活動は十分に可能性のあるオペレーションではないでしょうか。

 そこで、危機管理監にお尋ねをします。南海トラフ巨大地震に備える上で、奈良県を管轄する呉地方総監部や神戸市東灘区の阪神基地隊などの海上自衛隊の部隊と平常時から連携し、顔の見える関係を築いておくことは、非常に有効かつ必要なことであると思いますが、このことについて県の考えをお伺いします。

 次に、明日香周辺を核とした中南和地域の観光振興についてお尋ねします。

 質問に入る前に、先月、国文学者である中西進先生が文化勲章を受章されました。中西先生は、奈良県立万葉文化館の設立にもご尽力をいただき、長きにわたり万葉文化館長も務められ、現在は名誉館長として本県文化の向上に貢献をしていただいております。このたびの文化勲章受章は、誠に名誉なことであるとともに、奈良県の誇りでもあります。ここにお祝いを申し上げたいと思います。また、万葉文化館は、去る十一月二十三日に開館以来の入館者数が百五十万人を達成され、多くの方に来訪していただいていることは非常に喜ばしいことであり、中西名誉館長をはじめ関係者の皆様のご努力に感謝申し上げます。

 さて、高松塚古墳壁画が、昭和四十七年に発掘・発見をされ、四十一年がたちました。極彩色壁画が出現は、考古学史上まれに見る大発見として、日本中でトップニュースとなり、新聞各紙もその日の夕刊のトップで、高松塚古墳内部の様子を写真入りで扱っていました。その高松塚古墳の発見から十一年後の昭和五十八年には、キトラ古墳壁画が発見されました。ことしでちょうど三十年になります。内部には、天文図や四神が描かれており、こちらも発見当時、大いに注目を集めました。このキトラ古墳壁画は、平成二十八年度をめどに国営飛鳥歴史公園キトラ古墳周辺地区内に新設される(仮称)体験学習館においての保存公開を目指し、修理されています。それに先立ち、これまで進めてきた壁画の修理や保存・活用の展開を広く周知するため、来年の春、東京・上野にあります東京国立博物館で特別公開されます。村外で公開されるのは初めてで、修理完了後は移動が難しいため、村外での公開は、最初で最後の機会と聞いており、多くの方に見ていただきたいと思っております。

 明日香村では、この特別公開にあわせて、明日香村の全てを見ていただき、東京から明日香への誘客につなげていくことを目的として、講演会やシンポジウム、地域芸能の実演、物産販売、各種展示や体験メニューなどによる明日香の観光PRを計画されています。県としても、この機会を活用し、東京、首都圏に向けた観光PRを行ってはいかがでしょうか。キトラ古墳壁画の特別公開をきっかけとして、明日香ファンや明日香を訪れる方がふえ、明日香から中南和地域を周遊してもらえれば、県内での宿泊にもつながり、中南和地域の振興にもつながっていくと考えます。しかし、明日香をはじめとして、県内で観光されても、現実は大阪や京都に宿泊されている方が多く、県内で宿泊される方が少ないのではないでしょうか。この課題を克服するには、県が先頭に立って、県内を周遊していただき、県内で宿泊していただくような旅行商品をつくり、それを旅行会社に売り込むなど、積極的な対策が必要ではないでしょうか。明日香周辺を核にし、中南和地域で宿泊していただくような観光振興について、どのような取り組みをされているのか、観光局長にお伺いします。

 最後に、若年者に対する献血の促進についてお伺いします。

 皆様もご存じのように、人間を含めた動物が生命を維持していく上で、血液は欠かせないものであります。今日、iPS細胞を利用した再生医療や、遺伝子診断などが実用化されるなど、医学や科学技術が著しく発展しておりますが、血液についてはいまだ完全には工業的につくれない状況にあります。このため、医療現場では、病気や事故などから人々の生命を救うために、国民の皆様からのとうとい血液を提供していただく献血という形に依存しているのが現実であります。私事でありますけれども、三十数年前に、親戚に当たる者が劇症肝炎を患い、多くの輸血を必要としたことから、私自身、輸血に協力もいたしました。しかし、残念ながら、治療のかいもなく、二十歳の若さで亡くなりました。これを契機に、献血の重要性に改めて気づき、その後も何度か病院に足を運び献血をするとともに、今も機会を見つけては、県庁に来た際、近鉄奈良駅にある献血ルームに行くなど、献血回数はきょうまでに六十七回に至っております。

 さて、今日の献血制度を支える我が国の血液事業は、昭和二十七年に日本赤十字社血液銀行東京事業所が開設されたのを機にスタートを切ったそうです。しかしながら、スタート直後は、民間商業血液銀行による売血方式や預血制度のため、献血という形態がなかなか定着しなかった時代が続き、昭和四十八年にようやく献血一〇〇%の体制が確立されたと伺っています。その後、二百ミリリットル献血から四百ミリリットル献血が主流になったことや、血液製剤によるエイズやC型肝炎の感染問題など、国民の献血離れを招くような事態が続く中、医療現場で必要となる血液を量的に確保するため、日本赤十字社、国並びに都道府県が献血推進に取り組んでこられていることは評価しております。しかしながら、全国的にも、若年者層である十代、二十代の献血協力率が非常に低いことなどもあり、日本赤十字社は、十四年後の平成三十九年には約百万人分の血液が不足するとの推計を出しています。

 奈良県の献血の現状を見ますと、平成二十四年度の年代別の構成比では、四十代が最も高く、全体の約二〇%を占める一方、十代は約四%、二十代は一八%と、若年者の比率は低位にとどまっておるところでございます。

 また、奈良県の高等学校も、最近三年間は実施校がない状況が続いてきました。平成二十三年度からは、徐々に回復しつつあるようですけれども、次世代を担う高校生を含め、若年者の献血をふやしていくことは、待ったなしで取り組むべき課題ではないでしょうか。

 そこで、医療政策部長にお伺いします。高校生を含めた若年者の献血をふやしていくために、県としてどのように取り組もうとしているのか、お尋ねします。

 これで壇上からの質問は終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○議長(山下力) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇) 三十一番、現在、なら元気クラブご所属の(笑声)山本議員のご質問にお答え申し上げます。

 第一問目は、障害者スポーツ振興についての所見ということでございます。

 スポーツの振興につきましては、本年三月に奈良県スポーツ推進計画を策定いたしましたが、その基本目標は、だれもが、いつでも、どこでも運動・スポーツに親しめる環境づくりということでございますが、このだれもがという言葉で、障害者スポーツを重視することを表現しておるところでございます。本県の障害者スポーツに関する取り組みでございますが、毎年、障害者の種別、程度に応じて参加できる奈良県障害者スポーツ大会を開催しておりますが、その参加者の中から全国大会への派遣も行っております。また、一人でも多くの障害のある方がスポーツに取り組まれますように、野球やカヌーなどのスポーツ教室の開催をしておりますほか、障害の種別等に応じた技術的な指導・助言を行うスポーツ指導者やスポーツボランティアの養成にも取り組んでいるところでございます。昨日行いました奈良マラソンでご指導に来ていただきました有森さんは、日本の障害者スポーツの振興組織の理事長をされているというお話を伺いまして、障害者スポーツについての話も大分させていただきまして、障害者のマラソンランナーがふえているということをおっしゃっておりました。それとともに、いろんなスポーツでもっと参加をふやしたい、パラリンピックに向けてもっと力強く取り組みたいというふうにおっしゃっておりました。障害者スポーツの面でも、有森さんに本県がご指導いただく機会があるのではと、一昨日思った次第でございます。

 さらに、施設の面でございますが、来年七月にオープンいたしますが、新県営プールでございますまほろば健康パーク、また、本年四月に橿原公苑にオープンいたしましたジョギング&サイクリングステーションの施設におきましては、ユニバーサルデザインを取り入れまして、障害者の方も健常者と同じように安心してご利用いただけるような施設整備をしているところでございます。

 また、議員が述べていただきました県の心身障害者福祉センターでございますが、ご注目いただきましてありがとうございます。障害者スポーツの活動の場として利用していただいておりますが、最近は年間二万五千人のレベルのご利用がございます。また、施設の古さについてもおっしゃっていただきましたが、体育館内の設備更新などを順次行ってまいりましたが、この施設はやはり意味のある施設で、障害のある方々のさらなる交流の場にする方向で利用を促進したいと思います。センターの施設の改修なども含めたあり方について今後検討してまいりたいと思う次第でございます。また、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの開催を契機に、障害者スポーツの裾野拡大に加えまして、トップアスリート育成についても本県は検討していきたいと思います。そのような形で障害者スポーツの振興に力を注いでいきたいと思うところでございます。

 第二問目は、大飯原子力発電所の再稼働についての所見のご質問でございます。

 まず冒頭、福島県の避難者の方々の現状についてお述べになりまして、そのご窮状については想像を超えるものだというふうに思います。本県といたしましても、福島県の避難者の方を受け入れておりますが、東日本大震災から本県に避難された方々は、公営住宅の受け入れのほか、生活用品の提供や医療面、情報面での支援を親切に行うように努めてまいりました。その面については大変感謝をいただいているところでございます。

 さて、ご質問の使用済み核燃料の最終処分場の確保でございますが、原子力発電所の再稼働をする、しないにかかわらず、現在既に原子力発電所を動かしています使用済み核燃料が発生しておりますので、使用済み核燃料の最終処分場は必要でございます。最終処分の方法について、我が国では確固たる方針がないように見受けられますが、なかなか難しい事項だというふうに聞いております。国において最終処分の方法についての専門家の知見と国民のご理解を得た上で、国の責任においてしっかりと決めていただく必要があるのではないかと思うところでございます。また、原子力発電所の再稼働についてでございますが、どのような場合でも、安全性の確保が第一であろうかと思います。安全性の確保についての知見が十分でないと、再稼働は難しいことになるのではないかと思いますが、原子力発電所の安全性につきましては、知見と情報を有する原子力規制委員会での審査結果が中心になっていると思います。国民が理解できる内容であることが望まれるわけでございます。また、再稼働につきましては、どのような決定過程になるかということにつきまして、何より発電所が存在する自治体の理解と同意を得ることが必要だと思います。電力の消費県でございます本県は、原子力発電所は不存在でございますが、発電所が存在する自治体とその住民の方々に対しまして感謝の気持ちと理解を持ち続ける必要があろうかと思います。これらの地域の負担が少しでも軽減されますように、省エネ、節電、再生可能エネルギーの導入促進などまだまだ低い水準でございますが、本県エネルギーの自給率向上に向けて我々ができる取り組みを着実に進めていきたいと考えておるところでございます。

 残余のご質問は、担当の部局長からご答弁をさせていただきたく存じます。



○議長(山下力) 林県理事兼危機管理監。



◎県理事兼危機管理監(林洋) (登壇) 三十一番山本議員のご質問にお答えをいたします。

 私には、南海トラフ巨大地震に備えた海上自衛隊との連携についてお尋ねがございました。

 近い将来発生が懸念される南海トラフ巨大地震等に対処するため、県では、五條市にヘリポートを併設した陸上自衛隊駐屯地を誘致するとともに、あわせて県の防災基地を整備したいと考えております。これにより、県内、とりわけ南部地域はもとより、津波による大きな被害が想定される紀伊半島沿岸地域等へもより迅速な救援活動を展開できるものと考えております。

 南海トラフ巨大地震による本県の被災に対しては、内陸県でありますことから、陸上自衛隊の車両やヘリコプターによる物資輸送等の救援活動が中心になると考えられます。しかし、陸路が途絶した場合などにおいては、議員お述べのように、海上自衛隊の艦船からヘリコプターで物資の輸送をいただくなど、海上自衛隊の救援活動が必要となる場合も考えられるところです。また、紀伊半島沿岸地域等の被災に対しては、今後陸上自衛隊駐屯地の部隊が五條市に配置されれば、海上自衛隊の部隊とも連携して、本県五條市を拠点とする陸側と、熊野灘や大阪湾等の海側の双方から被災地への救援活動が実施されることも想定できるところです。こうしたことから、海上自衛隊とも日ごろから顔の見える関係を築いておくことは大切なことと認識しております。議員お触れになりました先日の県防衛協会設立五十周年記念行事の折には、私も出席して、呉地方総監はじめ海上自衛隊の出席者の方々とお話しする機会を持たせていただきましたが、今後とも各種記念行事や訓練等の機会を通じて、そうした関係づくりに努めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○議長(山下力) 久保田観光局長。



◎観光局長(久保田幸治) (登壇) 三十一番山本議員のご質問にお答えします。

 私には、明日香周辺を核とした中南和地域の観光振興についてでございます。県が先頭に立って旅行商品をつくるなどの積極策が必要と考えるが、明日香周辺を核にして、中南和地域で宿泊していただくようどのような取り組みをしているのかということでございます。

 中南和地域にはたくさんの観光資源がございます。これらを周遊し、さらに宿泊につなげることは、地元の経済や雇用の面でも重要でございます。県としても、ターゲットや時期を明確にした商品づくりを始めております。

 まず、冬のオフシーズン対策として実施しております奈良うまし冬めぐりキャンペーンは、ことし二回目を迎えます。当初、奈良公園周辺から開始いたしましたが、今年度からエリアを中南和地域にも広げております。例えば明日香方面では、岡寺の三重宝塔の扉絵壁画の特別公開や、岡寺、飛鳥寺、橘寺をめぐるバスツアーなども商品化をし、現在販売中でございます。二点目は、修学旅行でございます。奈良を訪れても宿泊は京都になっております。そこで、ターゲットをまず東海地方の小学校に絞りまして、夏休みに名古屋市内の小学校の先生方八名を奈良にお招きしまして、モニターツアーを実施しました。初日に明日香、吉野をめぐり、中南和地域で宿泊するコースを設定いたしました。頂戴いたしました意見を参考に継続して取り組んでまいります。さらに十一月には、友好提携を結んでおります韓国忠清南道の教育関係者、観光関係者、新聞社等のメディア関係者、旅行業者など九名を招きまして、三泊四日のモニターツアーを実施いたしました。県内各所にあります韓国とゆかりのある神社仏閣、文化遺産、自然や名所などをご案内いたしました。全行程三泊のうち中南和地域で二泊していただきまして、中南和地域の魅力を感じていただきました。教育旅行などの誘致につなげてまいります。

 また、来春予定されておりますキトラ古墳壁画の特別公開時には、明日香村と連携いたしまして、中南和地域を中心とした県内各地の観光情報発信に努めてまいります。

 今後とも、意欲のある市町村や事業者と一緒になりまして、中南和地域の魅力を満喫いただける商品造成を、ターゲットを明確にしながら取り組んでまいります。

 以上でございます。



○議長(山下力) 高城医療政策部長。



◎医療政策部長(高城亮) (登壇) 三十一番山本議員からのご質問にお答えします。

 私に対しましては、若年者に対する献血の促進につきまして、高校生を含めた次世代を担う若者に対する献血促進についてどのように取り組んでいくのかとのご質問をいただきました。

 献血事業は日本赤十字社が主体となって進めている事業でございますが、県は、安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律、こちらの規定に沿って、国が定める献血目標量を確保するために積極的に県民への啓発を行っているところです。具体的には、奈良県献血推進協議会を設置いたしまして、関係機関や市町村と連携し、愛の血液助け合い運動、こちらのほうを三十七カ所で、また、はたちの献血キャンペーン、こちらのほうを二十五カ所で開催いたしまして、若年者の興味を引くように、献血キャラクターけんけつちゃんというのがございますけれども、こちらのほうを積極的に活用いたしまして、献血への協力を呼びかけているところでございます。

 また、県民参加型の取り組みといたしまして、献血運動啓発ポスターの募集、それから新成人を対象とした一日献血ルーム所長のイベントなども実施いたしまして、県民への啓発を行っているところでございます。

 若年者に対する献血の場といたしまして、高等学校での実施は重要であるというふうに認識しておりますが、議員がご指摘ございましたように、平成二十年から平成二十二年にかけましては実施ができなかったという状況がございました。こうした中、平成二十三年四月には、採血対象年齢の引き下げが行われたこと、また、平成二十四年三月には学校と連携した取り組みの推進や、四百ミリリットルより受けやすい二百ミリリットルの献血の推進、こういったことが国の献血推進計画の中に盛り込まれたところでございます。これを受けまして、県は教育委員会と協力をいたしまして、また日本赤十字社にも働きかけ、高等学校での献血セミナーの開催、学校行事に合わせた献血の実施、こちらのほうを推進いたしまして、平成二十四年には二校、ことしは五校において高等学校での献血を実施し、徐々ではありますが、実施校をふやしているところでございます。若いうちに献血を経験しておくことは、その後も継続して献血を行う動機づけにもなる、そうしたこともございますので、今後も、高校生をはじめ若年者全般への献血の推進に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○議長(山下力) 三十一番山本進章議員。



◆三十一番(山本進章) 今回の質問は、すぐに答えの出るものではないと認識をしておりますので、今後しっかりと推移を見守って、またの機会にお尋ねをしたいと思います。

 終わります。



○議長(山下力) 次に、二十一番中野雅史議員に発言を許します。−−二十一番中野雅史議員。(拍手)



◆二十一番(中野雅史) (登壇) 皆さん、こんにちは。自由民主党の中野雅史でございます。議長のお許しをいただきましたので、ただいまから一般質問をさせていただきます。

 まず最初でございますが、県内旅館等におけるメニュー虚偽表示問題に関して質問をさせていただきたいと思います。

 先日、代表質問で畭議員も触れられておりました件でございますが、本年の十月に阪急阪神ホテルズでメニュー表示と異なる食材を使っていた問題が発覚をいたしました。その後、近鉄旅館システムズが運営する県内の旅館等でも食材の産地表示等が不適切であったことが判明をいたしました。時同じゅういたしましてめでたく和食が無形文化遺産に登録をされたというニュースが飛び込んでまいりました。今回のこの事件、こういうめでたいことに少々水を差したような形になったのかなと思いまして、大変残念に思う次第でございます。この問題はその後も、全国の有名ホテル、レストランにとどまらず、大手百貨店の食品売り場などにも次々と広がりました。

 商品の品質の高さで売ってきた老舗への信頼は、大きく傷ついたと私は考えておりますが、いかがでございましょうか。

 県内で判明した事案の施設に対しては、景品表示法に基づき県では、消費者庁とともに立入検査を実施し、現在その結果をもとに、消費者庁では法違反に該当するとし、十二月中旬にも再発防止を求める措置命令を出すと聞いております。なぜこれほど虚偽表示が広がったのか。料理長を頂点に階層性が強い職場には、意見をなかなか言いにくい雰囲気が漂うといった調理場の閉鎖的な体質や、行き過ぎたコスト削減への意識といったようなことがその背景にあったのではないかと言われております。大和野菜や大和肉鶏については、これまで県と生産者が連携をし、高品質な安定供給に向けた取り組みを行うとともに、販売プロモーション強化に取り組み、販路拡大に尽力されてこられました。その結果、大和という地域ブランドの認知につながってきたことに多いに敬意を表したいと思います。

 私は、今回の問題で、ブランドを守っていくことの難しさと、またその大切さを痛感をいたしているところでございます。また、食の情報が氾濫する中で、私たち消費者が食品を見分ける力、いわゆる食品リテラシーを高めることや、ブランド表示にのみ頼ることなく、本物を見きわめること、さらには、おいしいものを食べるにはそれだけの対価を支払うという必要があるということを、今回のことを踏まえまして、改めて認識を持つことが必要と感じたところでございます。

 そこで、知事にお伺いをいたします。今回のメニュー虚偽表示で、大和野菜や大和肉鶏のブランドイメージに傷がついたと思います。県では、これら県産農産物のブランド向上とPRに向けどのような取り組みを考えておられるのでしょうか。また、消費者が食品について見分ける力をつけるため、県としてどのように取り組むのか、お聞かせを願いたいと思います。

 次に、西名阪自動車道の料金体系についてお伺いをいたしたいと思います。

 西名阪自動車道は、名神高速道路や建設中の新名神高速道路とともに、名古屋と大阪を結ぶ重要な高速道路で、利用者の高速移動が可能となるため、観光振興や商業、産業の活性化になくてはならないものになっています。これまでも日本の経済は、高速道路の伸びとともに大きく発展してまいりました。企業が活発に活動する上で物流の重要性は高く、企業は高速道路の利便を最大限に活用しながら、工業団地や物流拠点が広がってまいりました。本県においても、県北部を東西に走る県内唯一の高速道路である西名阪自動車道の周辺には、県下最大の工業団地である昭和工業団地が広がり、県の産業を牽引してまいりました。平成二十四年には、大和まほろばスマートインターチェンジの名古屋方面ランプが開通をし、これにより名古屋方面へのアクセス性が大幅に改善をされ、工業団地としての利便性がさらに高まったとの声を聞いております。今年度末には、大阪方面ランプの開通が予定されており、ますます利便性が高まり、本県の経済活性化の一役を担うと考えられます。また、京奈和自動車道の整備が国により進められており、京奈和自動車と西名阪自動車道がつながる(仮称)大和郡山ジャンクションの形も見えてまいりました。私は、ようやく本県の高速道路ネットワークの姿が見えてきたように思っているところであります。

 しかしながら、このように高速道路ネットワークの整備が進む中で、西名阪自動車道の通行料金に新たな課題が見えてきました。完成した大和まほろばスマートインターチェンジから郡山インターチェンジまで、または新設される(仮称)大和郡山ジャンクションから天理インターチェンジまで走行した場合には、わずか二、三キロメートル程度の距離でありながら、普通自動車であれば四百円を支払わなければなりません。これは、西名阪自動車道の料金体系が区間均一であるために、香芝インターチェンジから天理インターチェンジまで走る車と同じ通行料金となるためであります。これは明らかに不公平感があると言わざるを得ません。この料金については、企業にとって毎日のことでございますので、大きな負担となっております。企業が物流で重視するのは、移動時間の正確性、あるいは安定性、それとコストであります。中でもコストは、企業経営上大きな判断要素の一つであります。わずか二、三キロメートルの高速道路に普通車で四百円、大型車で五百五十円を支払わなくてはなりません。営業車やトラックがこの料金の支払いを避けて地域の一般道を走行することは、大いに考えられるわけであります。その結果、天理インターチェンジ付近から郡山インターチェンジ付近の周辺地域に大型車があふれ、渋滞を引き起こすだけではなく、地域の安全が今現在脅かされております。

 今後、県内の京奈和自動車道の整備もさらに進み、和歌山県内も平成二十七年に全線が開通すると聞いております。ようやくできてきた高速道路ネットワークが生かされなければ、一般道路の渋滞や事故の発生、沿道の生活環境の悪化といったさまざまな問題が一向に解消されないのではないかと考えております。この問題の早期対応が必要と考えておりますが、昨年の大和まほろばスマートインターチェンジの名古屋方面ランプ開通式では、参加された多くの方々がこの料金の問題のことを取り上げられておりました。

 そこで、知事にお伺いをいたします。大和まほろばスマートインターチェンジの今年度の全面開通や西名阪自動車道と京奈和自動車道が接続する(仮称)大和郡山ジャンクションの供用を控え、短区間で割高な有料区間が発生する西名阪自動車道の料金体系の課題に対し、どのように取り組まれようとされているのか、お聞かせを願いたいと思います。

 次に、公共工事発注のあり方と、若手技能労働者の育成についてお聞きをしたいと思います。

 最近、マスコミ等で建設工事の入札不調がふえていると報道されています。県内建設業者からも、資材単価、建設労働者の賃金単価が上昇をしており、せっかく公共工事を落札しても、利益が出ないとか、これら価格上昇のしわ寄せが下請業者に押しつけられているというような話を耳にいたします。私はことしの二月定例会で、建設業界の厳しい状況に鑑み、最低制限価格の引き上げを要望したところであります。県においては、ことしの六月から公共工事の入札に関し最低制限価格等の引き上げを実施していただきました。また、それに先立ち四月からは、建設工事の労務単価を引き上げられ、これらの取り組みについては大いに評価をいたしているところでございます。しかしながら、建設現場が三K職場という間違った考えから、若年労働者に敬遠される状況が続いております。そのため、世代交代が進まず、今まで培われてきた技術の伝承がままならない状況となっております。

 そこで、今後も県の発注において引き続き機動的に、資材単価や労務単価の変動に即応した工事発注を心がけ、業者の採算性を確保していただきたい。そうすることによって、下請業者や資材等の関係業者にも経済効果が波及し、県経済全体の活性化にもつながるものと考えております。ものづくりは大切であります。技術を次の世代に伝承していくことは大事であるものの、経済的に成り立たない状態では技術の伝承もできず、業界全体が立ち行かなくなってしまう。そうならないように、ものづくりの現場の魅力を若者にも感じてもらえるような取り組みが必要と考えます。県においては、土木部から県土マネジメント部に名称変更されました意義をいま一度考えていただき、マネジメントを進めるという観点から、今後とも業界の声をよく聞いて、建設業界の魅力向上に即応性をもって取り組んでいただくよう、これは要望をいたしておきたいと思います。

 次に、障害者虐待についてお伺いをいたします。

 平成二十四年十月一日に、いわゆる障害者虐待防止法が施行されてから一年が経過しました。障害者虐待防止法の施行によって、児童、高齢者、障害者に対する虐待の未然防止を定めた法律が、ようやくそろったところであります。この障害者虐待防止法が施行されて以来、県には障害者権利擁護センター、市町村には障害者虐待防止センターという通報・相談窓口が開設をされ、これまで見えづらかった障害者虐待の実態が徐々に表面化してきているのではないでしょうか。

 県内においては、過去に大橋製作所事件という全国的に注目を浴びた障害者虐待事件がございました。この事件は、平成十九年に家具製造販売会社の経営者が、住み込みで働く知的障害者の方の障害基礎年金を着服するなどの経済的虐待を行ったというものでありました。被害を受けた障害のある元従業員の方々は、元社長らに損害賠償を請求するとともに、国や県などに対しては、障害のある人が就労している事業所の現状を把握し、障害のある人に助言すべき義務などを怠ったとして提訴をいたしました。平成二十三年に元社長などに対する損害賠償が認められるとともに、国、県などとは和解が成立したと記憶をいたしております。

 虐待は、決してあってはならないと誰もが認識をしております。しかし、虐待をしていても本人にはその自覚がない場合や、虐待されていても障害のある人みずからSOSを出すことができないこともあります。県に障害者虐待に関する通報・相談等があった場合には、速やかに対応されているものと承知していますが、やはり虐待が起きてからの対応だけではなく、虐待を起こさないということも大変重要なことであると思います。

 そこで、健康福祉部長にお伺いをいたします。障害者虐待防止法が昨年十月一日に施行され、一年が経過いたしましたが、これまでの県内における障害者虐待の状況はどうでしょうか。また、障害者虐待に対して県はどのように取り組んでおられるのか、お聞きをしたいと思います。

 次に、道徳教育についてお伺いをいたします。

 人づくりは国づくりという言葉があります。我が国と郷土の将来を担う子どもたちは、私たちにとって一番の宝であります。子どもたちをどのように育てていくかということは、将来の国と郷土のあり方を決めるということでもあり、教育はその根幹を担っていることは言うまでもありません。しかし、いじめ問題をはじめとする昨今の子どもたちによる憂慮すべき事件・事象からは、現在進められている教育の方向やその内容が本当にきちんと子どもたちに届いているのかということを改めて問われているように感じられてなりません。いま一度、どのように子どもたちを育てていくのかという視点に立って、真摯に教育を見直していく必要が我々にはあるのではないでしょうか。

 この六月に公布されましたいじめ防止対策推進法には、その第十五条で、学校の設置者及びその設置する学校は、児童等の豊かな情操と道徳心を培い、心の通う対人交流の能力の素地を養うことがいじめの防止に資することを踏まえ、全ての教育活動を通じた道徳教育及び体験活動等の充実を図らなければならないと定められております。いじめ克服のためには、人と人とが心を通わせ、しっかりとつなぎ合える関係づくりが必要であり、そんな人間関係をつくる力の素地として、子どもたちに豊かな体験をさせ、豊かな心を育むことが求められているということでしょうか。こうしたところからも、改めて道徳教育の大切さが最認識されております。道徳教育の充実は、これからの将来を担う子どもたちを育てる人づくり、そしてそれがやがて将来の国づくりにつながっていくということから、いよいよ必要不可欠であると私は強く感じているところでございます。

 折しも、文部科学省の有識者会議、道徳教育の充実に関する懇談会において、道徳の教科化に向けた議論がなされております。懇談会では、教科書の作成や中学校における専門教員の配置などについても言及されており、年内には懇談会としての最終報告を取りまとめ、中央教育審議会の審議を経て、早ければ平成二十七年度にも教科化する方針であるようであります。全国学力・学習状況調査など国による各種の調査データからは、本県の子どもたちは、学力は高いものの、社会性や規範意識に課題が見られるという結果となっているようであります。

 こうした課題の解決に向けても、道徳教育において、我が国や郷土を愛する心や公共の精神などをじっくりと子どもたちに育むことが、今後一層求められていると私は考えております。

 そこで、教育長にお伺いをいたします。道徳の教科化に向け、国の懇談会において議論がされている中、本県の道徳教育の充実のために県教育委員会として今後どのように取り組んでいかれようとされているのか、お尋ねをいたしたいと思います。

 最後の質問になります。犯罪被害者支援についてお伺いをいたします。

 県警察では、平成十四年以降、刑法犯認知件数が減少傾向にあるとはいえ、いまだ厳しい治安情勢の中、昨年三月に原山警察本部長が着任をされました。以来、警察本部長は、みずからの信念に基づき、日本一の治安を県民の皆様に提供するという極めて高い目標を掲げられ、治安対策に取り組んでこられました。本年も県警察の運営指針を、日本一安全で安心して暮らせる奈良の実現と定め、リーダーシップを発揮し、各種犯罪の抑止や検挙、また交通事故防止等に県警察一丸となって取り組んでいただいております。県民の代表として、深甚なる敬意と感謝の意を表する次第でございます。

 さて、先般、奈良県、県警察、公益社団法人なら犯罪被害者支援センターが主催されました「犯罪被害者支援 奈良県民のつどい」にお招きをいただき、犯罪被害者支援の取り組みに触れる機会がございました。冒頭、原山警察本部長の挨拶の中で、奈良県警察にとって忘れてはならない日が平成十六年十一月十七日に奈良市で起きた女児誘拐殺人事件であり、県民の皆様にも忘れていただきたくないと述べられておりました。この日は、ご説明を申し上げるまでもありませんが、有山楓ちゃんの命日でございます。会場には、ご遺族のご協力で、有山楓ちゃんの遺品が展示をされ、七歳の女の子の絶たれた夢が絵馬に描かれておりました。事件から九年がたち、被害に遭わなければ現在十六歳であり、楽しい高校生活を送っておられると思うと、胸が締めつけられる思いでございました。また、性犯罪被害者ご本人による特別講演では、被害者女性の心の訴えに、来場された方が聞き入っておられました。性犯罪は魂の殺人とも言われるほど、女性の人格を否定する犯罪であります。当日は、報道関係者の取材が多数あり、ニュースや新聞にも大きく取り上げられておりました。

 犯罪被害者への支援は、奈良県、県警察、公益社団法人なら犯罪被害者支援センターが中心となって、犯罪被害者が再びもとの生活ができるよう支援の手を差し伸べていかなければならないと思いますが、事件が発生して最初に犯罪被害者と接するのは県警察だと思います。

 そこで、警察本部長にお伺いをいたします。県警察が取り組む犯罪被害者支援の現状と、関係機関との連携状況についてお聞かせを願いたいと思います。

 以上で壇上からの質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)



○議長(山下力) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇) 二十一番中野議員のご質問がございました。

 まず第一問は、県内旅館等におけるメニュー虚偽表示問題について、今後の取り組みというご質問でございます。

 大和肉鶏と大和野菜が対象になっております。これら県産農産物のブランド化につきましては、県が力を入れて取り組んできた対象でございます。平成二十二年度より、大和肉鶏を県のリーディング品目としました。これは、既に売り出している品目をもっと伸ばそうという品目でございます。また、大和野菜を県のチャレンジ品目と位置づけました。これからもっと売り出そうといった新人品目でございます。生産者や関係機関との連携のもと、それぞれの品種改良、安定生産、安定供給、販路の開拓・拡大など、川上から川下までの対策に取り組んできたところでございます。

 こうした中、県内で不適正な表示により県産農産物のブランドイメージが損なわれかねない事案が起こったことは、議員お述べのように甚だ遺憾なことだと思っております。ただ、幸いにも、この問題をきっかけとして、大和肉鶏や大和野菜の販売量、取引価格が下落するといった影響はないように聞いております。ブランドが毀損されるような事態には至っていないというふうに現在のところ認識をしております。

 しかし、議員もお述べになりましたが、ブランドをつくり上げるには長い間の努力と、でき上がったものを守るということが極めて大事でございます。一朝一夕につくり上げられないものでございます。現在県では、県産農産物のブランド力を確立するために、ブランドを見分ける力が日本で一番高いと思います首都圏で勝負することが必要と考えており、そのため、首都圏での販売プロモーションに力を入れているところでございます。昨年十一月には、私みずから、大田市場での柿のトップセールスを行いました。さらに、本年八月には、同じ大田市場で二回目のトップセールスを行い、また、首都圏大手の消費スーパーで県産農産物コーナーを設けていただいておりましたが、奈良県産農産物フェアを開催されている状況の視察も行いました。また、先月には東京・新宿の百貨店、高島屋におきまして、本年二回目のトップセールスを実施し、大和野菜や柿などの県産農産物の販売・宣伝をしたところでございます。今度ぜひ一緒に行かせていただくと、とても意味のあることだと思いますが、

 あわせて大和野菜等に興味のあるシェフ等への試食会の開催や、奈良県出身の経営者やシェフがいて、奈良の食を応援、協力してくれるお店を奈良ゆかりの店として、東京で紹介するなどに取り組もうとしております。生産量は少なくても、高品質なものを計画的に安定供給するというブランド戦略につながり、販路拡大が進むことを改めて認識をしております。このような取り組みを今後とも全力で努力を続けていきたいと思っております。

 議員のご質問にもございましたが、見分ける力が大事ではないかということでございますが、ブランドを見分ける力は首都圏が一番と申し上げましたが、奈良県の方の品質見分け力もなかなかのものだと思っております。

 生産者、流通関係者が、本県の県民の消費者力を侮ってはいけないという面があろうかと思います。しかし、県民の方々が、県産農産物をより知っていただき、また、地産地消の推進への理解を一層深めていただくことが必要でございます。そのため、本県ではさまざまな取り組みを行ってきております。具体的には、奈良フードフェスティバル、県産農産物PRフェア、眺望のいいレストランにおける大和の旬の食材フェアなどの食イベントを数多く実施し始めております。また、協定直売所、地の味土の香、県産農産物を積極的に取り扱うスーパーマーケット、おいしい奈良産協力店において、生産者など顔の見える情報やおいしさ、よさなどを伝え、理解を深めていただく取り組みをしております。生産者と消費者をできるだけ結びつける介在をしておるものでございます。

 議員お述べのとおり、食の情報が氾濫する中、私たち消費者みずからが食品を見分ける力、議員もお述べになりましたいわゆる食品リテラシーを高め、ブランド表示のみに頼ることなく、本物を見きわめることが大切であろうと、今回のメニュー虚偽表示問題を踏まえ、改めて認識をしているところでございます。今回の事案の背景には、料理人をはじめ関係者に、大和肉鶏や大和野菜などについての認識があるとの報道がなされておりますが、それとともに、本県の消費者を甘く見ておられたということだと思います。本県としては、改めて生産者・団体と協働して、ホテル、旅館、飲食店などに対しまして、食材の紹介カタログ本の配布や、説明会の開催など、一層の情報発信に努めていきたいと思っております。あわせて、引き続き食育の推進をはじめ、消費者と交流する食のイベントの開催を通じまして、消費者に県産農産物などの適切な選び方や取り扱い方法など、食材を正しく見きわめるための情報提供に取り組んでいきたいと思っております。また、消費者、生産者、流通・加工・調理事業者などがそれぞれの立場で食品表示など、食品の品質や安全性等についてお互いに理解を深められるよう、食と農に関するシンポジウム等も開催してまいりたいと思います。

 奈良の食材は、東京に行ってわかりますが、とても質の高いものだというふうに改めて認識をしておりますので、このような静かな、まだ知られてない奈良の農産物のブランド力が向上・維持されるように全力を挙げていきたいと思う次第でございます。

 西名阪自動車道、特に天理インターチェンジ近辺の料金体系についてのご質問がございました。

 本県におきましては、骨格幹線道路がようやく完成に向かっております。概成の姿が見えてまいりました。今年度に西名阪自動車道と大和中央道をつなぐ大和まほろばスマートインターチェンジが全面開通の予定でございますし、京奈和自動車道につながるジャンクションの工事も進み、ようやく奈良県待望の高速道路ネットワークの整備が進捗してまいりました。しかしながら、議員ご指摘のとおり、西名阪自動車道の料金に割高感がございます。県内の西名阪自動車道の区間は、香芝から法隆寺、大和まほろばスマートインター、郡山、天理とインターチェンジがあるわけでございますが、区間均一料金の四百円となっております。県内のインターチェンジを利用する場合、どこからどこへ行っても同じ料金がかかるものでございます。それはそれで一つの体系でございますが、そのため、隣接する短い区間でございます郡山から天理間でも、また郡山から大和まほろばスマートインター間でも、全て四百円となります。短距離利用に対しての割高感があるということでございます。このため、郡山にジャンクションができますと、県南部から名阪国道を通って名古屋に向かわれる場合、ジャンクションから天理が有料になります。また、大和中央道に抜ける場合は、ジャンクションから大和まほろばスマートインターが有料になります。ジャンクション整備により京奈和自動車道と西名阪自動車道がつながった後においても、割高な料金が残りますので、それを避ける車両が一般道に流入し続けるおそれがあることは、議員もご指摘になっておるとおりでございます。

 本県では、生活道路への通過交通の流入が問題となっておりますが、高速道路ネットワークができてもこの状況が一向に改善されないどころか、むしろ悪化するということは大変残念なことでございます。このため県といたしましては、区間均一料金からの変更を要望しております。区間均一料金から利用する距離に応じた対距離料金への移行を国に要望してまいりました。対距離料金になれば、先ほど述べました郡山−−天理や、大和まほろばスマートインター−−郡山間などは四百円から二百円、あるいは二百五十円程度に下がる可能性がございます。国におきましての体系的議論が必要な分野でございます。国におきましては、平成二十五年六月、ことしの六月に出されました社会資本整備審議会の国土幹線道路部会の中間答申におきましても、今後対距離料金を基本としていく方向性が出されているわけでございますが、この実行がまだ先になる見込みだと聞いております。その前に、まずこれまで展開されました料金割引の見直しが先行して行われるという段取りになっておるようでございます。

 体系的な対距離料金見直しが多少先になるというふうに聞いておりますので、この料金体系の見直しは進展を期待しておりますが、そのほかの割引制度がないかということでございますが、大和まほろばスマートインターチェンジから天理インターチェンジにおける短区間利用に限った割引もあわせて要望しているところでございます。具体的には、西日本高速道路株式会社の料金になりますので、自主的に割引を実施できる企画割引という制度がございますので、それを実施していただけるようにお願いをしております。これは西日本高速道路株式会社の自己の計算の中で行われますので、多少損をされることにもなりますので、実現はまだまだ難しい面もございますが、そういう形の要望をしております。

 この十一月には、道路整備の充実を求める県民大会や県の政府要望において、県議会議員の皆様、関係市町村長にも参加していただき、国土交通省などにも要望活動を行いました。この十二月にも上京の機会がございますので、この点についてもあわせて改めて国土交通省、また県選出国会議員にも要望を重ねてしたいと思っておる点でございます。今後も、地元選出国会議員の方々の協力を得る必要もあると思いますが、国と西日本高速道路株式会社に、料金体系の見直し、また企画割引の実施を要望していきたいと思っておるところでございます。この重要な点についてのご質問は、大変ありがとうございました。

 残余の質問は、関係の部長、教育長にお答えをさせていただきたいと思います。ありがとうございました。



○議長(山下力) 江南健康福祉部長。



◎健康福祉部長(江南政治) (登壇) 二十一番中野議員のご質問にお答えをさせていただきます。

 私に対しましては、障害者虐待防止法が昨年十月一日に施行され、一年が経過したが、これまでの県内における障害者虐待の状況はどうか、また、障害者虐待に対して県はどのように取り組んでいるのかとのご質問でございます。

 県におきましては、議員お述べのとおり、大橋製作所事件を契機といたしまして、関係機関のネットワークにより、虐待事案に対応いたします在職障害者の権利擁護通報システムという体制を構築し、取り組んでまいりました。昨年十月に、障害福祉課内に奈良県障害者権利擁護センターを設置するとともに、このネットワークの充実強化を図ることによりまして、障害者虐待事案に関する相談や支援に取り組んでいるところでございます。このセンターでは、三百六十五日、二十四時間体制で通報・相談を受け付けておりますほか、弁護士など三名の外部のアドバイザーを委嘱いたしまして、専門的かつ客観的な立場から意見、助言をいただきながら、虐待事案等への対応を行っております。また、市町村からの障害者虐待に関する相談に対しては、助言等を行いますとともに、必要に応じ協力して事実確認等を実施しております。

 昨年十月から本年九月末までの県内の障害者虐待等の通報件数につきましては、県、そして市町村合わせて六十五件ということになっております。うち虐待と認められましたものは三十一件でございます。その内訳としては、養護者による虐待が二十八件、障害福祉施設従事者等による虐待が三件でございまして、企業等の使用者によるものはありませんでした。また、障害者虐待の未然防止や早期発見、迅速な対応、その後の適切な支援を行うためには、市町村など地域において中心的役割を担える人材を養成・確保していくことが重要でございます。

 そのために、障害福祉サービス事業所の従事員や市町村虐待防止センター職員などを対象といたしました障害者虐待防止・権利擁護研修を実施しておるところでございます。今後も日ごろから、国、市町村や関係機関等との顔の見える関係づくりに努めまして、障害者虐待に係る通報等に対して関係機関等と連携を図りながら、迅速かつ適切に対応してまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○議長(山下力) 冨岡教育長。



◎教育長(冨岡將人) (登壇) 二十一番中野議員のご質問にお答えいたします。

 私には、道徳教育について、道徳の教科化に向け、国の懇談会においても議論がされている中、本県の道徳教育の充実のために県教育委員会として今後どのように取り組んでいこうとしているかのお尋ねでございます。

 国の教育再生実行会議から提言され、文部科学省が設置しました道徳教育の充実に関する懇談会では、道徳の教科化などについても議論され、課題としては、教科書はもちろん、専門免許、評価のあり方等があると整理されており、現時点での情報では、懇談会から年内に報告を受け、これを中央教育審議会に諮り、その後文部科学省でのより具体的な検討が加えられると聞いております。県教育委員会としましては、これら一連の成り行きを注視し、その各段階での情報の早期入手を図っていきたいと考えております。

 一方、現時点での道徳教育の県教育委員会の取り組みとしましては、まず、道徳教育の充実を学校教育指導の重点の課題の一つと位置づけ、具体的には平成二十年の学習指導要領の改訂時に、小中学校学級担任全員に配付する奈良県教科等指導資料の道徳編の中で、自立心や生命を尊重する心、規範意識などの育成を重視することと

 しており、指導のポイントや指導例などもわかりやすく取り上げて、道徳教育の充実を図ってきているところでございます。また、郷土を愛する心などを育む道徳の時間の指導を支援するため、平成二十年度から小中学校を対象に奈良県郷土資料を作成しております。この中で、例えば、みんないきているのテーマの中で、動物と触れ合い、命の大切さを考える県立うだ・アニマルパークを取り上げるなど、子どもたちになじみやすい身近な題材を多く使うなどの工夫をしております。これまでに十一種類、約九万部を全ての小中学生に提供し、道徳の時間に活用していただいているところでございます。今後は、各市町村の道徳教育推進リーダーの先生を集め、適時に国の懇談会等の議論の内容や各地域での道徳教育の充実のあり方等について説明・協議も行うこととしており、これらを踏まえ、新たな奈良県郷土資料の作成や教員研修の充実を図り、道徳教育の推進に一層努めてまいりたいと考えております。

 以上です。



○議長(山下力) 原山警察本部長。



◎警察本部長(原山進) (登壇) 二十一番中野議員のご質問にお答えをいたします。

 私には、県警察が取り組む犯罪被害者支援の現状と関係機関との連携状況を伺いたいということでございました。

 犯罪の被害に遭われた多くの方々は、ある日突然、何の落ち度もなく、犯罪の被害に巻き込まれ、精神的にも肉体的にも大きな負担を強いられるわけでございます。警察が事件・事故を受理した場合、捜査と並行して被害者支援員により速やかに被害者やご遺族の不安をほんの少しでも取り除き、安心していただくため、まず支援の内容、あるいは刑事手続などをご説明するほか、病院の手配や送り迎え、送迎、検察庁への付き添い、また、定期的に捜査の進捗、進展状況などもご連絡をさせていただいております。さらに、診断書料や性犯罪被害者の診察に係る費用及び司法解剖後のご遺体の搬送費の一部を公費で負担させていただいております。

 次に、関係機関との連携でございますが、県内唯一の民間支援団体である公益社団法人なら犯罪被害者支援センターでは、電話相談のほか、カウンセリング、病院、裁判所などへの付き添い支援などを行っていただいており、県警察では当センターと緊密に連携し、被害者支援の充実を図っているところでございます。また、県民の方々に広く犯罪被害者支援活動を知っていただくため、毎年、県、あるいは公益社団法人なら犯罪被害者支援センターとともに県民の集いを開催し、今回中野議員にご臨席を賜りました。犯罪被害者やご遺族によるご講演などを行っていただいているところでございます。さらに、弁護士会、臨床心理士会、産婦人科医会などの関係機関等から成るなら被害者支援ネットワークともしっかり連携して、他方面からの被害者支援も図っているところでございます。今後も、犯罪被害者やそのご家族、ご遺族が再びもとの平穏な生活を取り戻されることを目指し、寄り添い、その心情に配意し、県や市町村、なら犯罪被害者支援センター等の関係機関と連携して、きめ細やかな支援に取り組んでまいりたいと考えております。

 ご質問ありがとうございました。



○議長(山下力) 二十一番中野雅史議員。



◆二十一番(中野雅史) それぞれにお答えをいただきまして、大変ご苦労さまでございました。

 知事、答弁の中で、大和ブランドの売り込みに行くのにお誘いをいただきまして、いつでもお誘いいただければご同行させていただきますので、お答えをさせていただいておきたいと思います。

 それぞれに皆さん、ありがとうございました。

 教育長、道徳教育の種類は、私も何度か過去に質問をさせていただいておりますし、多くの皆さん方がされてきたことだと思うのです。いつも思うのですが、いつもきれいに答弁なさるのですが、物すごくきれいに聞こえておりますが、結局、一生懸命やっていただいているということはわかるのですが、なかなかそれが見えてこないのですね。やっぱり地味なのですかね。ですから、すぐおっしゃるのは、国のいわゆるそういう答申を受けてとかおっしゃるわけでございますけれども、もちろん国との整合性はこれは大事なことでありますので、それは重要視するのですが、やっぱりひとつ奈良方式といったような、国との連携はもちろんしながら、奈良独特のそういう、これが奈良の道徳教育だというようなものをもっとダイナミックにやれる方法ってないのでしょうか。

 それで、釈迦に説法になりますが、聞いていただきたいと思いますが、神戸大学の特命教授、西村和雄さんという方が、この間新聞に、正論の中で書いていらっしゃるのですが、ちょっと紹介をさせていただきたいと思いますが、もし大人の犯罪者に道徳の授業を受けさせたとしたら、効果があるであろうか。それで犯罪が少なくなるということはなかろう。大人になってからでは遅過ぎる。大学生や高校生に道徳の授業をしたらどうであろうか。やらないよりましである。中学生ではどうであろうか。高校生よりましだが、小学生に対するほどの効果はないであろうと、こういう書き方をされております。結局は、道徳の授業が最も効果を上げるのは小学生、あるいはまた就学前だというようなことを書かれているのです。いろんなデータをとられておりまして、これは時間の関係でもう申し上げませんけれども、一般的には道徳心は考え抜いて身につくものではない、無意識に記憶しているものが何かの折に意識下に上がって、判断や行動を左右する、いわば子どものときに親、先生から繰り返し言われてきたことが規範意識となって、その規範が基礎となって倫理感や道徳心が熟成されるのである。最後に、英国の小学校では六つの規範を黄金律と呼んで徹底して教えている。日本でも、昔なら、親でなければ親類の誰かが言ってくれたと思われる当たり前をの規範を、就学前教育や小学校教育の中で徹底させておくなら、その後の道徳教育がより効果的になるであろうと……



○議長(山下力) 時間です。



◆二十一番(中野雅史) こういうことで結ばれているのですが、これは質問にいたしませんけれども、何かの参考にしていただければ本当にありがたいなというふうに思います。

 終わります。ありがとうございました。



○議長(山下力) しばらく休憩します。



△午後二時三十四分休憩

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△午後二時四十八分再開



○副議長(井岡正徳) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 次に、三十九番小泉米造議員に発言を許します。−−三十九番小泉米造議員。(拍手)



◆三十九番(小泉米造) (登壇) 議長のお許しをいただきまして、私、自由民主党改革、小泉米造が県政の課題五つにわたり質問をさせていただきます。

 まず、この土曜日、日曜日は奈良マラソン二〇一三が開催されました。天気にも恵まれ、全国から集まった約一万五千人のランナーが、フルマラソン、十キロメートル種目などで奈良のまちを駆け抜けました。その中に、同僚の乾浩之議員や猪奥美里議員や、また前県議会議員の浅川氏の姿も見受けられました。私も、鴻ノ池陸上競技場でのスタートセレモニーに参加させていただきましたが、応援の方々の温かい声援やスタッフのおもてなしの雰囲気もとてもよく、ランナーの皆さんもとても気持ちよく走っていただいていることが伝わってきました。

 盛大な大会だったと思います。今回で四回目となりますが、年々盛り上がりを見せているようでございます。開催関係者の方々もご苦労だと思いますが、今後も全国からランナーが集まるすばらしい大会として続くよう、ますます期待しております。

 さて、政府は先週十二月五日、来年四月の消費税増税に備えるとともに、経済の成長力を底上げする、事業規模で十八兆円を超える経済対策を閣議決定いたしました。この経済対策には、家計への現物給付や公共事業など効き目の出やすい施策が盛り込まれ、消費税増税後の景気を下支えする効果を目指した内容となっております。

 また、知事は、来年度の予算編成の基本的な考え方として、国と歩調を合わせて、地域経済の活性化と雇用の確保を強力に進めると述べておられます。今後も、より暮らしやすい奈良県づくりに向け、諸施策を力強く進めていかれることを期待しています。

 それでは質問をいたします。まず、地方消費税の税収確保について、知事にお尋ねをいたします。

 地方消費税は、平成九年の創設以来、地方の福祉や教育などの幅広い行政需要を賄う都道府県の重要な財源としての役割を果たしてきています。特に大企業が少なく、法人関係税収の乏しい奈良県にとっては、なくてはならない貴重な財源であると言えると思います。また、地方消費税収の二分の一は、交付金として市町村へ交付されており、本県の市町村にとっては貴重な財源となっていることは言うまでもありません。さて、消費増税を柱とする社会保障と税の一体改革関連法が昨年成立し、去る十月一日には安倍首相が、予定どおり来年四月からの消費税率八%への引き上げを表明されたところであります。さらに、来年度の税制改正に向けて、地方法人課税や自動車関係税制の見直し、ゴルフ場利用税の存廃など、県の税収に大きな影響を及ぼす制度改正についての議論が、まさに今行われているところであります。そのような中にあって、地方消費税の税収確保は、今後ますます重要になってくると思っています。

 しかしながら、本県の地方消費税収は、一人当たりの税収で見ると、全国でも最下位レベルにあるということを耳にいたしました。決して奈良県民の消費が少ないわけではなく、奈良県民の一世帯当たりの消費支出は、全国でもトップクラスであるにもかかわらず、このような状況にあるのであります。これは憂慮すべきことであります。県においては、地方消費税の都道府県間の清算が、その都道府県内の消費額ではなく販売額を基準として行われるため、地方消費税の名のとおり、県内での消費を税収に反映する仕組みになっておらず、例えば、奈良県内で消費する布団やパジャマを大阪府内で購入した場合は、奈良県の税収として反映されないことなど、全国トップクラスの奈良県の消費が、地方消費税収に正しく反映していないとして、総務省などへ清算基準を見直すよう働きかけていると聞いていますが、このような働きかけの効果は上がっているのでしょうか。

 また、つい先日、私は、郡山城址で開催された親子まつりへ出かけた際、地元の納税協力団体の方々が中心となって税の啓発コーナーを設けて、地方消費税の仕組みについての説明やパネル展示などをされているのを目にいたしました。そのことが直ちに税収アップにつながることは難しいかもしれませんが、こうした一見地味に見えるような活動も大事なのではないかと感じたところであります。

 そこで、知事にお伺いをいたします。今後ますます社会保障経費がふえていく中で、地方消費税の税収確保が非常に重要になってくると思いますが、県としてはどのような取り組みをされているのか、お伺いをいたします。

 次に、リニア中央新幹線の駅を活用したまちづくりについてお伺いをいたします。

 私はこれまでも県議会において、リニア中央新幹線に関して、ルートや駅位置の設置についての考え方など、幾つかの質問をさせていただき、その都度知事から丁寧にご答弁をいただきました。先日、私のリニア中央新幹線に関する質問を聞いてくださった県民の方より、国の整備計画で奈良市附近と決定された駅の周辺に、国際会議場を整備し、国際会議や学会、展示会などを誘致することで、観光資源も豊富な本県へ国内外から多くの方々にお越しいただき、交流人口の増加などによって宿泊施設や交通アクセスの整備、雇用の創出を図るなど、リニア中央新幹線を活用して奈良の観光産業を中心に地域経済を活性化させるご提案をいただきまました。その提案についてもあわせてご紹介したいと思います。

 現在、観光資源の豊富な関西にあっても、ニュース性の高い大型の国際会議の開催回数は少なく、会議場への交通アクセスなど、会議の開催に適したインフラ整備がなされている横浜市や福岡市のほうが、国際会議の開催回数が多いのが現状であります。今後、リニア中央新幹線の開通に伴い、交通アクセスの向上が見込まれることから、海外や遠方から本県までの移動時間が短縮されますので、本県に大型の国際会議場を整備することによって、多くの滞在型の国際会議、学会、展示会などの開催が可能となりますので、交流人口の大幅な拡大が見込まれます。この交流人口の大幅な拡大によって、大きな経済波及効果を見込むことができ、地域経済が大きく発展することを提案理由として挙げておられます。

 議会での議論を通じて、多くの県民の方にリニア中央新幹線への理解と関心が高まり、さらに、リニア中央新幹線を活用した奈良県の未来の姿に思いをはせ、このようなご提言をいただいたことは非常にうれしく感激をしているところであります。私もこれまで以上に、リニア中央新幹線の建設促進のため、知事を先頭に全県一丸となって力強く取り組んでいきたいという思いを新たにしております。リニア中央新幹線については、JR東海が今年九月に環境影響評価準備書を公表し、この中で、東京−−名古屋間においてはルートや駅位置の詳細が示されました。しかし、名古屋より以西については、環境影響評価の手続すらなされていません。私は、名古屋を境にして、東側と西側でリニア中央新幹線の整備の進捗に大きな差があることを懸念しております。このような情勢を踏まえ、先月知事は、国土交通省などに対して、一、奈良市附近駅の早期確定及び駅着工、二、国の整備計画どおりの三重・奈良ルートの早期実現とそれによる全線同時開業を、県議会や県内市町村長とともにご要望していただきました。これらの要望活動については、今後も引き続き力強く展開していくことは必要であります。

 しかし一方で、先ほどの県民の方からのご提案にもありましたが、今後の奈良県のさらなる発展のため、早い段階からリニア中央新幹線を活用し、地域経済の活性化と県民が豊かになる方策を検討することは非常に重要であると私は考えております。ことし二月に私は、県議会の地域交通対策等特別委員会でリニア中央新幹線の沿線県である神奈川県と山梨県に調査に行ってまいりましたが、その際、山梨県ではリニア中央新幹線の駅を活用したまちづくりについて検討している旨説明をいただきました。

 そこで、知事にお伺いをいたします。現在本県は、国の整備計画どおり、リニア中央新幹線のルートや駅の早期確定を求めているところですが、今後、本県のさらなる発展のためにリニア中央新幹線の駅を活用したまちづくりや観光、産業振興などをどのように進めていこうと考えておられるのでしょうか。また、今後このような視点からどのように要望活動を展開していくのか、知事の所見をお伺いをしておきます。

 次に、がん対策についてお伺いをいたします。

 がんは、本県の死亡原因の第一位であり、年間約四千人の方が命を失っておられるように、県民の生命と健康にとって重要な課題となっています。がん対策を積極的に進めるため、県議会におきましても昨年より奈良県議会がん対策推進議員連盟を発足させ、奈良県がん対策推進条例の改正や「がん検診を受けよう!」奈良県民会議、街頭キャンペーンへの参加など、さまざまな活動を行ってまいりました。

 そして、ことし十月には、本県で初めて開催された、がんの制圧と患者支援のためのチャリティーイベント、リレー・フォー・ライフ・ジャパン奈良に参加いたしました。このリレー・フォー・ライフは、がんの告知を乗り越えた患者さんへの祝福の気持ちと、がんで亡くなった方々への追悼の意を込めて行われており、地域社会全体でがんと闘うきずなを育む場となっています。このシンボルイベントである一本のたすきを二十四時間つなげるリレーウオークに、約二十名の県議会議員がフラッグを掲げ、がん患者やその家族、支援者の皆さんとともに、

 橿原公苑陸上競技場を歩きました。ご参加いただきました皆様方、また寄附を寄せていただいた皆様方に、大会会長として、この場をかりて厚くお礼を申し上げます。ありがとうございました。

 あいにくの雨模様ではございましたが、九百名近くの方々のご参加がありました。がんに負けない社会の実現に向け、大変意義のあるイベントであったと感じています。リレー・フォー・ライフは、二〇〇六年に茨城県つくば市で初めて開催されて以来、ことしで八年目になりますが、年々開催地がふえ、今年度は全国四十一カ所の会場で、合計八万人の方の参加があったと聞いています。もともとは、アメリカにおいて一人の医師が始めたイベントですが、今では世界二十カ国に広まり、我が国でも着実に成果を上げています。がん患者の皆さんは、がんのことを忘れる日はありません。一日一日が希望をつなぐリレーであり、そのようながん患者さんの強い思いと多くのボランティアの方々の心が一つになって、奈良県でもようやく実現することができました。開催にかかわった皆様に改めて深く敬意を表するとともに、来年も引き続きより多くの方々に関心を持っていただけるよう応援していきたいと思います。

 さて、がん対策の目標は、当然のことながら、できるだけがんにならないこと、そして、若くしてがんで亡くならないことにあります。そのために日ごろから健康づくりやがん検診の推進とともに、がんになったときに安心、納得のいく治療を受けることができるよう医療体制の充実が必要であります。県民からは、奈良には心から通院したいと思う病院が少ないといったご意見や、がんと診断されたときにどの病院に行くのか悩む、専門的な医療従事者を育成してほしいといったご意見が寄せられています。また、厚生労働省の患者調査によりますと、本県は他の都道府県と比較して、県外の医療機関でがん治療を受けられる方の割合が高いという結果も出ています。こうした状況ですが、先日、県立医科大学附属病院の新病棟の一部が完成し、私も内覧会に出席いたしました。がん治療の機能強化に力を入れておられ、最先端の放射線治療機器を見学する機会に恵まれました。リニアックという体の外から放射線を当てる装置ですが、新たに設置された二台のうち一台は、日本における第一号機だとの説明がありました。このように、医療機器の充実が図られていくことは喜ばしいことですが、人口の高齢化に伴って今後ますますがんの患者数が増加するものと見込まれる中、より一層がん医療体制を整えることが必要であります。

 そこで、医療政策部長にお伺いします。県民ががんになっても安心してがんの治療が受けられるよう、県内のがん医療提供体制の充実が必要と考えますが、今後どのような取り組みを進めていこうとされているのか、お伺いをいたします。

 次に、女性の就労支援についてお伺いをいたします。

 総務省の国勢調査によりますと、平成二十二年の奈良県の女性の就業率は四〇・九%であり、依然として全国最下位にあるものの、徐々に増加しており、全国との差も緩やかに縮小しています。また、同じく総務省の就業構造基本調査によりますと、平成十九年から平成二十四年までの五年間で、奈良県の十五歳から六十四歳までの女性の有業率の増加は全国平均を上回っています。県では、これまでもさまざまな女性の就労支援に取り組んでこられ、女性の就労はこのように少しずつ進んできていますが、全国と比較する限り、まだまだ低調であると言わざるを得ません。今、国では成長戦略の柱の一つとして、女性の活躍促進が掲げられ、女性の力を最大限発揮できるようにすることは、少子高齢化で労働力人口の減少が懸念される中で、新たな成長分野を支えていく人材を確保していくためにも不可欠であるとされています。また、女性の労働参加の拡大や経営への参加の促進は、これまで以上に多様な価値観を取り込む新たなサービスや製品の創出を促進し、社会全体に活力をもたらすほかに、家庭の単位で見ても、家計所得と購買力が増大し、景気の好循環が動き出すと言われています。

 奈良県におきましても、今後の経済活動を維持・発展させていくためには、ますますの女性の就業の拡大が必要であると考えます。奈良県の女性の就労につきましては、出産、子育ての時期に一旦仕事をやめる方が多く、その後の再就職が進みにくい現状であり、年代別の労働力率が三十歳代で落ち込むいわゆるM字カーブの谷が深いという特徴があります。奈良県では、女性の大学等への進学率が高いのですが、出産・子育てのために仕事から離れてしまい、これまで培われた女性の知識や経験、キャリアなどが生かされないことは、個人にとっても社会にとっても大きな損失であると言えます。平成二十四年の就業構造基本調査によれば、奈良県の二十五歳から四十九歳までの無職の有配偶女性の約六割が就業を希望されています。女性の社会参画を推進するという意味からも、こうした方々が就労の場で能力を十分に発揮し、活躍できる環境を整えていくことが、今強く求められているのではないでしょうか。奈良県の女性の就労が進まない理由として、県内に就労の場が少ないため、県外就業率が高く、通勤に長時間に要することから、家事や育児と仕事を両立することが困難な状況にあることが要因の一つと考えられます。また、男性にとっても県外就業率が高いことや、長時間労働を前提とした働き方の見直しが十分に進んでいないことから、家庭や地域活動への参画が困難となっている状況も、女性の就労を阻む要因の一つと考えられます。このような課題の解決に道筋をつけ、奈良県の女性の就業率の一層の向上を目指していくためには、より積極的な施策の展開が望まれます。

 そこで、こども・女性局長に、女性の就労を取り巻くこうした状況の中、県では今後どのように女性の就労支援に取り組んでいこうとしているのでしょうか、お伺いをしておきます。

 最後に、京奈和自動車道の整備についてお伺いをいたします。

 本県の道路整備は非常におくれており、高速道路の延長は全国最下位であるなど、全国に比べても極めて低い状況にあります。このため、物流や観光など県内の産業・経済に悪影響を及ぼしており、経済活性化のためには京奈和自動車道をはじめとした幹線道路の整備は重要な課題であります。中でも京奈和自動車道は、県の幹線道路の南北軸であり、西名阪自動車道などの高速道路と連携することで、県内外のアクセスが強化され、企業立地の促進や観光振興等に大きく寄与するものと期待されています。しかし、県内の京奈和自動車道の整備率はいまだ約四〇%と低く、全国の高規格幹線道路の整備率と比べて約二分の一程度と大きくおくれている状況であり、早期整備が必要であります。

 平成十八年に郡山南インターチェンジから橿原北インターチェンジまでが開通し、平成二十四年には橿原高田インターチェンジから御所インターチェンジまでが開通しました。開通後の調査によりますと、大和郡山市から御所市までの所要時間が約二十分短縮し、救急搬送など医療面にも大きな効果があったと聞いています。また、京奈和自動車道の周辺道路の交通量は約一割減少しており、地域の安全の確保にも寄与していると考えています。一方、京奈和自動車が未整備となっている大和郡山市域や奈良市域では、依然として奈良・京都方面へ向かう車や京奈和自動車道に乗る車などが集中しており、国道二四号やその周辺で著しい渋滞が発生しております。この状況を打開するためには、大和北道路の(仮称)大和郡山ジャンクションから(仮称)奈良インターチェンジまでを早急に整備する必要があると考えています。大和北道路については、平成三十年代半ばまでに供用できるよう、県は国に要望しているとのことですが、公共事業を取り巻く環境は依然厳しく、今年度の大和北道路の予算は約二億円と聞いています。平成二十一年の事業化から四年近くが経過していますが、残り十年程度で本当に開通できるのかと非常に心配しているところであります。

 そこで、県土マネジメント部長にお伺いをいたします。大和北道路の(仮称)大和郡山ジャンクションから(仮称)奈良インターチェンジまでの進捗状況と、工事中の(仮称)大和郡山ジャンクションの開通の見通しについてご答弁をお願いいたします。

 以上で壇上からの質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○副議長(井岡正徳) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇) 三十九番小泉議員から幾つかの重要な質問がございましたが、私に対しましては、地方消費税の問題と、リニア中央新幹線についてのご質問がございました。

 その前に、昨日の奈良マラソンについての言及がございまして、奈良マラソンは大変にぎわってきておりますが、とりわけ競技場の前のエキスポと呼ばれます物産、飲食のにぎわいがずっと夕方まで続いておりますが、例年にないにぎわいだったと思います。それと、けさ警察本部長からお聞きしたのですが、交通規制で市民の方に迷惑をかけておりますが、ことしは苦情の電話が一本もなかったそうでございます。このような地域は大変珍しいという報告を受けまして、大変市民の皆様にもサポートしていただいて、ありがたいことだと思っておりますので、議会で報告をさせていただいた次第でございます。

 ご質問でございますが、地方消費税の税収確保が重要だけれども、どのように取り組むのかという重要な質問でございます。

 地方消費税は、税収が安定しておりますので、地域間の税収の偏在性も比較的小さいわけでございます。社会保障経費を賄う財源としてふさわしい税であると言われております。今般の消費税引き上げに伴い、地方消費税の税収確保の重要性は、本県にとりましてますます重要なものになってきておるものでございます。ただ、地方消費税は、議員お述べになりましたように、奈良県にとって不利な状況が制度上ございます。それは、最終消費地に税収を帰属されるための都道府県間の清算基準でございます。現在の地方消費税は、全国で五%取られました中の一%が各県に配分されますが、各県の配分は八分の六が各県の販売額で配分され、八分の一が人口比率、従業員の比率が八分の一ということでございます。この販売額の人口当たり比率が、奈良県は大変小さいものでございますので、一世帯当たりの消費は全国三位であるにもかかわらず、一人当たり地方消費税額は全国最下位となっておるわけでございます。この販売額が本県において少ない理由は、いろんな消費材・サービスが県外で行われている比率が全国で一番高いというのと関連をしているようでございます。これは販売の比率で消費税の配分を行っているので、先ほど、奈良県民が布団や寝巻き、枕を大阪府で求めると、県外で消費される方はごくわずかだと思われますので、県内の消費じゃないかと、こう総務大臣に申し上げたこともございますが、これはごくわずかの例だと思いますが、消費基準と販売基準は必ずしもマッチしないことがあるということを言っておりますが、消費を清算基準に反映させるのはなかなか難しいことでございます。ドイツのように、人口割が消費類推基準だと割り切ってしまえばいいわけでございますが、なかなかそうはいかないわけでございます。その結果、大都市に消費税が集中するということもございます。本県のこのような理屈上の主張は、かなり理解を、総務省などでもしていただいておりますが、消費税というものの捉え方の違いがございますのと、全国知事会におきましても、大都市は収入は入ってくるわけでございますので、利害が対立しておりまして、我々の清算基準の見直しは、理屈はあると思いますが、なかなか浸透はしていない事情でございます。

 本県では税制調査会を、有力な有識者の方に来ていただきまして、提言をしていただいてまいりました。地方税改革に関する提言ということをしていただきまして、現行の地方消費税の清算基準につきましては、先ほど申し上げました八分の一の人口の比率を少しでも上げるようにという要求にしております。また、引き上げ分を、五%から八%になる、三%分は社会保障経費に充てるということでございますので、社会保障経費に充てるのは人口比率で差があっては困るのではないかという理屈でもちまして、人口基準を清算基準の基本にするように申し上げてまいりました。このようなことは、総務副大臣、総務大臣政務官に要望してまいりました。一方、消費税が五%から三%上がりますと、東京都には三千億円がもう自動的に入る計算がされております。他県では、消費税がふえますと交付税額は減額されますが、東京都は不交付団体でございますので、減額なしに丸々入るということでございます。五千万円もらうのと、三千億円も入るのと、あんまりもうけてはいけませんよということを全国知事会でも言っておりますが、そのような状況を受けまして、法人住民税を最近の新聞では六千億円を、国の税収としてそれを配分財源にするということが進んでいるようでございます。これは、交付税の不交付団体でございますので東京都には入らないわけでございますが、東京都から三千億円ほど国の税収にして、それを六千億円足して地方に交付税財源にするということで、地域偏在是正の大きな取り組みだということで、奈良県のような県にとりましては歓迎する税制改正の動きだというふうに思っております。

 このような制度改正の要望のほかに、いずれにしても、本県の税収確保を伸ばさなければ、確保の税源涵養の基盤を伸ばさなければいけないというふうに思っております。県内消費を拡大する取り組みが、いずれにしても重要だということでございます。今の基準でいきますと、県内の販売額が増加するように、県内の消費が増加するようにということでございます。その一つが、他県の人が奈良に来て消費をしていただく観光消費でございます。京都とか神戸は、交流人口による消費が多いので、県内外での消費がバランスとれてきているということでございますが、この観光消費をふやすために、これから春日大社の式年造替や大古事記展など、また、議員がお触れいただきました奈良マラソンなど、いろんなイベントを通じて県内における観光消費を伸ばしていくということを続けていく必要があろうかと思います。また、構造的に県内消費がふえない理由は、大阪などへ行かれる方が、消費に行かれる方が多いということもございます。一五%ぐらい県外消費がある。額にして、調査によりますと四千億円ぐらい出ている。三兆円のGDPの県でございますので、四千億円の県外消費というのは大変大きな額でございます。県民の方に、県内で消費していただく意識を醸成するということも大事でございますので、

 十一月を県内消費拡大月間ということで、大型商業施設や主要駅などで啓発活動を行い始めております。ぜひ議員の皆様には、県外で飲食などの消費をされないようにお願いを改めてさせて、もうされておられませんかもしれませんが、大阪に近い地域の方はすぐ手軽にお行きになるんじゃないかと心配をしております。このように、我々が意識をして県内消費を伸ばす試みをするのが大事かというふうにも思っておる次第でございます。

 第二問目は、リニア中央新幹線についての駅を活用したまちづくり、観光産業の振興などについてのご質問でございます。

 リニア中央新幹線の駅を活用したまちづくりが極めて重要でございます。議員のご提案のお話は極めて重要な意義のあるご提案だと思います。鉄道はだんごのようでございますので、食べられるところは駅に相当するだんごでございまして、串は食べられないものでございますので、駅は、極めて栄養が発生する、地域にとって大事な部分でございます。駅の活用、まちづくりは、長期的に検討が必要でございます。一朝一夕ににぎわいはつくれないということでございますが、その位置が極めて大事でございます。発展する駅は、既存の鉄道や道路、ネットワークなどとの交通結節性がいいということが基本的条件だと思います。また、広く後背地があるということも大きな条件だと思います。現在までの駅の決められ方でございますが、名古屋より東側ではことし九月の環境影響評価準備書で具体的なルートや駅位置が示されましたが、その前段階として平成二十三年九月に環境影響評価方法書がJR東海から公表されました。その中で既に三キロメートル幅の概略ルートの上に概略駅の位置が直径五キロメートル円で示されております。この五キロメートルの円が示されますと、駅の位置がおおむねわかってくるということでございます。このことをきっかけに、駅へのアクセスや周辺整備などの検討が進んだと聞いております。例えば、沿線の山梨県におきましては、平成二十五年四月にリニア中央新幹線駅の周辺整備に係る基本方針の策定に着手されております。岐阜県におきましては、リニア中央新幹線を活用した地域づくりの具体的なあり方について今年度中に取りまとめられる予定だと聞いております。

 しかし、名古屋以西、名古屋−−大阪間では環境影響評価方法書の提示すらまだなされておりません。今後、具体的なまちづくりなどの検討を進めるためにも、ルートや駅の位置がちゃんと確定されることが出発点になろうと思います。本県といたしましては、三重県や両県の経済団体と連携して、環境影響評価の手続を名古屋−−大阪間でも早急に着手していただき、環境影響評価方法書の公表につなげていただくことを国とJR東海に訴えておりますが、引き続き訴えていきたいと思います。早く駅の位置が決まれば、駅を中心とした発展の姿は思い浮かぶものでございます。リニア中央新幹線の奈良県内の中間駅は、その整備の仕方で、これまでの中間駅と比べ物にならないような威力を発揮することも不可能ではないと思っております。また、奈良県にとりましては、我々がこれまで経験したことのないような、想像もできない大きな発展の要素を含んでいるものだと思っております。これらの要素を思い浮かべながら、地域の振興の姿をイメージをつけていきたいと思いますが、いずれにいたしましても、駅の位置の早期確定が待ち望まれる状況になっておるわけでございます。県議会の皆様と力を合わせて奈良市附近駅の早期確定に力を尽くしていきたいと思っております。よろしくお願い申し上げます。

 私の答弁は以上でございます。

 ご質問ありがとうございました。



○副議長(井岡正徳) 高城医療政策部長。



◎医療政策部長(高城亮) (登壇) 三十九番小泉議員からのご質問にお答えいたします。

 私に対しましては、がん対策につきまして、県内のがん医療提供体制の充実について、今後どのような取り組みを進めていこうとしているのかというお尋ねをいただきました。お答えいたします。

 県内には、専門的ながん医療を提供する病院といたしまして、県が推薦し、国が指定するがん診療連携拠点病院が現在、奈良県立医科大学附属病院、県立奈良病院、天理よろず相談所病院、近畿大学医学部奈良病院、それから市立奈良病院の五カ所ございます。現在、これらを中心に提供体制の充実を図りたいと考えております。このうち奈良県立医科大学附属病院は、都道府県がん診療連携拠点病院に指定しております。県内のがん診療の質の向上と、連携協力体制の構築において中心的な役割を担っており、それにふさわしい機能の充実を進めてまいりたいと考えております。

 具体的には、議員が今ほどお述べのように、最先端の放射線治療機器の導入など高度で先進的な医療体制の整備とともに、患者の視点に立ちまして、県全体の緩和ケアの推進に向けて緩和ケアセンターの機能強化を進めてまいります。また、奈良県立医科大学が行う放射線治療専門医等の育成に関しまして支援を行い、県内医療機関への適正配置を目指してまいりたいと考えております。平成二十八年度中に完成を予定しております新県立奈良病院では、先進的ながん治療が可能な機器整備や、がん医療の高度化のための臨床研究の充実など、北和地域におけるがん医療の拠点として機能整備を進めてまいりたいと考えております。

 なお、現在国においては、より質の高いがん医療の提供に向け、拠点病院の要件の見直しが行われております。県では、国の拠点病院と連携を図りながら、がんの専門的医療提供を担う医療機関を支援病院として独自に指定しております。現在は、国保中央病院の一カ所を指定していますが、国の動向に合わせまして、その指定要件の見直しを行い、がん医療の連携推進と地域におけるさらなる水準向上を図ってまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○副議長(井岡正徳) 西岡こども・女性局長。



◎こども・女性局長(西岡史恵) (登壇) 三十九番小泉議員のご質問にお答えいたします。

 私に対しましては、女性の就労支援について、奈良県の女性の就業率の一層の向上を目指すためには、より積極的な施策の展開が望まれるが、県では今後どのように女性の就労支援に取り組んでいこうとしているのかとのお尋ねでございます。

 女性の就労支援は、女性の社会参画を推進する大きな柱の一つであり、議員お述べのとおり、就労の場で女性の力を十分発揮できるようにすることは、今後の奈良県における地域の経済活動を維持・発展させていくためにも、大変重要であると考えております。このため県では、子育て女性就職相談窓口の設置をはじめといたします、結婚や子育てで離職されました女性の再就職支援や保育所の整備等によります子育て環境の充実などの仕事と子育ての両立支援を進めてまいりました。

 また、県内事業所におきますワーク・ライフ・バランスの推進を支援いたしますため、現在、具体的な取り組み手法や先進事例などを紹介する冊子を作成しているところでございます。来年二月には、この冊子を活用いたしまして、企業の経営者の皆様や人事担当者の皆様を対象といたしましたセミナーや個別相談会を開催し、男女がともに働きやすい職場環境づくりを進めることとしております。さらに、女性の就労を進めますためには、身近な就労の場の創出を図り、職住近接を実現させることが重要であると考えております。こうしたことから、これまでの取り組みに加えまして、語学力を生かして就労を目指す女性への支援の場といたしまして、在宅就労も可能な翻訳者の養成や、資格や経験、技能を生かして身近な場で事業を起こされた女性起業家のネットワークづくりなど、女性の多様な働き方の支援にも取り組みたいと考えております。このような取り組みを通しまして、女性の就労支援を積極的に進め、奈良県の女性の活躍を推進してまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○副議長(井岡正徳) 大庭県土マネジメント部長。



◎県土マネジメント部長(大庭孝之) (登壇) 三十九番小泉議員からのご質問にお答えします。

 私へのご質問は、京奈和自動車道の大和北道路、(仮称)大和郡山ジャンクションから(仮称)奈良インターチェンジまでの進捗状況、そしてジャンクションの開通の見通しについてのご質問でございました。

 大和北道路につきましては、(仮称)大和郡山ジャンクションから(仮称)奈良インターチェンジまでの区間六・三キロメートルございますが、平成二十一年三月から国によって事業化されております。平成二十四年二月から用地買収に向けた地元調整が始められています。これまでに地元説明を終えた大和郡山市の大江町、美濃庄町、下三橋町において幅ぐい設置、どこからどこが道路かという幅ぐい設置が約八割完了しております。現在、用地測量、物件調査が進められております。また、同じ大和郡山市内の治道地区においても、計画内容の地元説明が行われたところであります。今年度は、用地測量、物件調査を完了したところから用地買収に着手される予定です。また、奈良市内においても地元説明に入り、今後用地測量、物件調査が進められると聞いております。

 県といたしましては、平成三十年代半ばの供用に向けて、平成二十六年度の工事着手を国に要望しているところでございます。県としても、今年度からは土地開発公社の京奈和自動車道用地事務所による用地の先行取得を始めるなど、事業の進捗に取り組んでおります。今後も、早期供用が図られるよう、県としても国に協力してまいりたいというふうに考えております。

 次に、(仮称)大和郡山ジャンクションの工事状況についてですが、昨年十一月末、(仮称)大和郡山ジャンクションに近接する京奈和自動車道の高架橋架設工事の請負業者が破産し、工事が一時中断する状況となっておりました。その後、北行き車線の橋りょう桁架設工事が本年一月末に契約され、九月上旬から準備工に着手されております。十一月二十日から国道二四号の車線規制を行い、桁架設工事に着手されたところであります。また、南行き車線に残る橋りょう工事についても、六月に契約されておりまして、今後、工事に着手される予定と聞いています。国からは、現段階では開通の見通しは未定と聞いておりますが、一時の中断状態から比べると、工事も本格的に動き出しております。県としては、平成二十六年度の早期に供用が図られるよう国に要望しているところです。

 以上でございます。



○副議長(井岡正徳) 三十九番小泉米造議員。



◆三十九番(小泉米造) 知事以下それぞれの部長さん、それぞれご答弁ありがとうございました。

 あまり時間がございませんが、一点だけの質問と、もう一点のいろんなちょっと述べておきたいと思います。

 一つは、先ほど地方消費税の話で質問いたしまして、大体いろんなことがよくわかったのですけれども、先日、国とか総務省とか、あるいはまた、地元国会議員の皆さん方にいわゆる要請活動をされたと思います。とりわけ政府与党であります自由民主党の政務調査会長が高市さんであるわけでございますし、そういった意味からいいますと、非常に言わば意が通じやすい立場におられるのではないかなと思ったりいたしまして、そういう方々、国会議員の皆さん方がどういう見解を、この消費税の問題について持っておられるのかなというのが、もしも開陳ができましたら、ちょっと教えていただけたらありがたいと、こう思います。

 もう一つ、リニア中央新幹線の問題で、提案といいますか、私のところに要望が来ましたのは、MICEという産業育成についての提案だったわけです。MICEというのは、私は何かなと思ったりしていたのですけれども、国のほうでことしの六月十四日に閣議決定された日本再興戦略で、二〇三〇年にはアジアナンバーワンの国際会議開催国としての不動の地位を築くという目標が掲げられているわけでございまして、その中で、奈良県に非常に関係するなと思うのはユニークベニューという項目ですね。このユニークベニューというのは、ポテンシャルの非常に高い施設が多く存在するけれども、全国ではあまり活用されていない。ユニークベニューとは一体どんなものかといいますと、歴史的建造物や公的空間等で会議やレセプションを開催する、そういう会議であるらしいですけれども、そういうことでございますので、時間がございませんので、この程度で終わりますけれども、一つそれだけ教えていただけないでしょうか。



○副議長(井岡正徳) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 地方消費税の清算基準の見直し、また率がふえたときの配分、清算基準の見直しの議論がどのように進んでいるかというご質問だと思いますが、清算基準の八分の六の販売額を消費の基準にしてくれと、これは正論なんですけど、その意味はわかるが、事務的な仕組みが難しいと、これは産業連関表を使ったりせないかん、統計がないということでございます。消費統計がない、販売統計はあるということで、販売のほうの代替にしているのがこの差ができているということでございますが、もう一つは、人口の配分比率をふやしてほしい、八分の一をもう少しふやしてほしい。これは政策判断でございますが、その論に対するネックは、地方消費税というのは独自の地方税として構築した、地方消費譲与税じゃないんだと、こういうふうにこれまで関与した知事さんなんかはおっしゃるわけですね。だから、ちょっと理念的なイデオロギーのような感じが私はするのですけれども、そのように地方独自税として構築したという勢いが、観念的な勢いが強いのがネックになっておるように感じております。もう一つは、ただ、八分の一をもう少しふやす方向でできないかと。八分の一というのが入っておりますので、なぜ八分の二とか八分の三にはならないのかという点に対しては、答えがないわけでございます。もう一つ、ただ、八分の六という中心となる部分は大きく残しておかないといかんというような感じでございます。大変理屈の話でございます。

 それから、増加分三%は、これは一般の地方の財源とするだけでは同じようなことなのですが、社会保障に充てるための税率増加だと言っておられるのに、配分に差があるのは、東京都では奈良県の二倍、社会保障に使っていいということですかと、こう言っておるんですけど、返事はできないわけなんですね。これは政治的な言い方、社会保障に使うと言って増税をしたわけで、それを引っ込めるわけにいかないのですけれども、それを制度に反映させるというところまではなかなかいかないということであるように思っております。税制の構造にかかわる大変複雑な内容になっておるように感じておりますが、そのような訴えをして、今総務事務次官になっております岡崎さんは自治税務局長でもありましたので、この事情はよくよくもう存じていただいておりまして、この消費税増加で地方格差が、先ほど申し上げましたように地方消費税三千億円、もうそのまま東京都に入るということから、これは地域格差を拡大する、これは政治的な課題だということで、今取り組んでおられるわけですけれども、大都市の知事さんはそういう取り組みに反対だということを陳情されているわけでございますので、全国知事会のメンバーが右と左で、東京を舞台に闘争しているというのが実情だというふうに思っております。



○副議長(井岡正徳) 次に、二十七番森川喜之議員に発言を許します。−−二十七番森川喜之議員。(拍手)



◆二十七番(森川喜之) (登壇) 議長のお許しをいただきまして、本日の最後の質問になります。何とぞご清聴のほどよろしくお願いいたします。

 民主党政権から自由民主党政権にかわり、約十三カ月がたちました。安倍政権のもと、三本の矢、アベノミクスと経済対策、産業競争力強化の取り組みが行われ、もてはやされているやに感じております。しかし、一見アベノミクスとかけ声は目新しく感じますが、実態は、これまでかつての経済政策と同じ道を歩んでいくのではないでしょうか。バブル崩壊後、国債を発行し、借金をふやし、経済対策を行う、その結果、デフレは深刻化し、財政は悪化の一途をたどってきました。今、そのいつか来た道を繰り返してはいけないと強く感じているところであります。

 それでは質問に入ります。大和川の総合治水対策について伺います。

 県内の大和川水系は、大阪の唯一の出口である亀の瀬の狭窄部により、下流に流される量が制約をされております。また、昭和四十年代から山林や農地が急激に市街化されたため、流域の保水力が低下し、降った雨が一気に河川に流れ込むようになったこともあり、一たび雨が降れば、大和川の水位はすぐに上昇します。そのため大和川流域では、昭和五十七年の大水害を契機として、国、県、流域二十四市町村が大和川流域総合治水対策協議会を設立し、河川改修やダムの整備などの治水対策と並行して、雨水を一時的に貯留する対策として、学校の校庭やため池の整備、また土地開発に伴う調整池の設置指導など、流域対策を推進しています。

 そこで、まず流域対策として重要な取り組みの一つである開発に伴う調整池の設置について質問をいたします。

 私の地元の河合町を流れる不毛田川は、大和川の水位が上がると、上流部に設置された逆流防止樋門の第一、第二樋門が閉鎖されることにより、内水被害が発生します。近年、集中豪雨が頻発し、そのたびに多くの水害が発生しています。河川の流域で開発が進み、雨水の流速時間が速くなる傾向があり、今後さらに被害を拡大させるのではないかと、流域住民の不安の声が高まっております。新たな開発により、下流の浸水被害を発生させないための調整池の設置は大変重要であり、開発面積が一ヘクタール以上が対象でしたが、平成元年から五千平方メートル以上に、また平成二十年からは三千平方メートル以上に順次引き下げられましたが、温暖化の影響もあり、安心できる状態ではありません。また、依然として、三千平方メートル未満であれば調整池の設置は不要であり、三千平方メートル未満の開発が相当数行われる現状を踏まえれば、ため池の治水利用などと同様に、規制以下の開発に伴う調整池の確保についても、各市町村が流域対策としての目標を立てて取り組むべきときが来ていると思います。特に市町村が地域活性化のために計画する開発などにおいては、規模が小さくても、市町村が責任を持って調整池を確保するなどの取り組みが今後必要と考えますが、知事のお考えをお伺いいたします。

 次に、治水対策について質問いたします。

 本年九月の台風十八号による大和川の増水で、王寺町藤井の水位観測所で、昭和五十七年の大水害の水位を超えたとのことです。昭和五十七年の水害では、葛下川が決壊し、JR王寺駅周辺が浸水する甚大な被害が発生をいたしました。このような被害が再度発生しないよう、国直轄管理の大和川の堤防強化が喫緊の課題であると考えています。特に王寺町の舟戸地区周辺は、川が北側に大きく湾曲し、左岸の堤防が水当たりとなっているため、堤防の土が浸食され、破堤するおそれがあります。地区住民も、河川が増水するたびに、大変不安な思いをされています。この堤防が決壊すると王寺駅周辺まで流れ込むため、昭和五十七年と同じ被害が発生をいたします。県としても、国に対し強く要望する必要があると思います。また、去年の九州北部豪雨災害を受け、全国的に堤防の緊急点検が行われたようですが、舟戸地区付近の国が管理する大和川の堤防点検の結果と、今後どのような対策が行われるかについて、県土マネジメント部長にお聞きいたします。

 次に、建設工事に伴う産業廃棄物の再生利用についてお尋ねします。

 奈良県の豊かな自然環境や快適な生活環境を守っていくためには、産業廃棄物の問題は避けて通ることのできない重要な課題であり、廃棄物の不適正な処理や、不法投棄をしない、させないという強い意思が必要です。県内における不法投棄が、近年最も多かったのは、平成二十年度の二十九件、また平成二十三年度には六件と減少はしていますが、依然として後を絶たないのが実情です。また、廃棄物の適正処理を促進するということでは、県内の産業廃棄物処理業者も専門業者として重要な役割を担ってこられ、廃棄物処理法をはじめ関係法令等の厳守はもちろんのこと、常に廃棄物の処理やリサイクル技術の向上と専門知識の習得に努められ、その事業活動を通じて不法投棄の撲滅や各地域の生活環境の保全に貢献するとともに、廃棄物処理に対する信頼を高めるため精力的に取り組まれているところであると思います。

 さて、平成二十五年三月に策定された新奈良県廃棄物処理計画における平成二十二年度の産業廃棄物の再生処理を業種別に見てみると、建設業が五二%で最も多く、次いで農業が二四%、製造業が一八・九%となっています。また、品目別に見ると、瓦れき類が四四・九%で最も多く、次いで動物のふん尿が二四%、汚泥が一二・八%となっています。廃棄物のリデュース・発生抑制、リユース・再使用、リサイクル・再生利用といった三Rを促進し、産業廃棄物の最終処分量をできるだけ減らすことにより、天然資源の消費が抑制され、環境への負荷が低減される持続可能な社会、いわゆる循環型社会の形成が現実的に促進をされることになると思います。一方、建設系の産業廃棄物などの不法投棄や不適正な処理は依然として後を絶たない現状にある中で、廃材等を適正に処理し、安心で安全な再生品の利用がより一層求められています。

 県としても、廃棄物について、課題も多くありますが、特に建設・土木工事現場から出る瓦れき類をはじめとするさまざまな産業廃棄物のうち、掘削工事で発生する建設汚泥についてお尋ねをいたします。建設汚泥は、産業廃棄物の中間処理施設等で改良処理され、再生土として利用されることが多いと聞いていますが、本当に再利用品として安心・安全が守られている商品なのか、また、最終の埋め立て処分の減量化などに効果的であっても、再生製品が正規の規格に適合しているのかどうか、大変不安に感じ心配であるという話も聞くところであります。廃棄物処理法等の関係法令による規制のもと、排出事業者の責任により再生利用される製品や再生残土は、申し上げるまでもなく、環境汚染や公害問題を起こすことがないように品質の安全管理を確保することが求められています。そのためには、行政による確実な対策が必要であると考えます。

 そこで、景観・環境局長にお尋ねします。県内における建設汚泥の再生利用に係る実態をどのように把握され、安全・安心な再生製品の品質を確保するための対策をどのようにとられているのか、現状及び今後の取り組みについてお答えください。

 次に、人口・世帯減少に対応したまちづくりについてお伺いをいたします。

 我が国においては、全国的に人口や世帯の減少傾向が続いているとともに、少子高齢化の拡大も進行をしており、その対応が課題となっています。例えば、国立社会保障・人口問題研究所がことしの三月に発表した最新の推計によりますと、平成十一年に百四十五万人とピークであった本県の人口は、三十年後の平成五十七年には百十万人という、ピーク時から三十万人以上も減少すると予測されています。

 このような流れがある一方で、私の地元である河合町では、都市開発が早くに行われた地域であり、人口の減少が始まっております。また、周辺市町村などの状況を見てみますと、新たな宅地開発などにより、若者世帯の転入が多く見られる地域もあるなど、人口減少の実態は地域により違いがあるのではないかと感じているところです。県では、県内各市町村における人口・世帯減少の特徴を把握・分析されていると思いますが、私自身、調査を行い、統計的に分析しておりませんので、非常に興味があるところであります。また、これらのさまざまな地域の実情を踏まえると、地域ごとの課題が浮き彫りになってくると思います。そして、これらの課題を解決するための取り組みが早期に必要になっていると思います。言うまでもなく、まちづくりの取り組みを行う主体は地元市町村ではありますが、その市町村をリードする県の役割についても非常に期待をしております。もちろん、県において各地域の実情を踏まえ、さまざまな取り組みを行っていることは承知をしております。

 そこで、私の地元である河合町を例にとり、具体的にお伺いをさせていただきます。河合町には、昭和四十年代に高度成長期の郊外住宅として開発され、約四十八年が経過した住宅地があります。この住宅地には、同時期に引っ越しをされた住民の方も多く、同世代の方が多く住んでおられます。当時三十歳で越してこられた方であれば、現在七十八歳となられます。今後も徐々に高齢化が進む中、多くの方が家の庭の手入れや掃除などによる負担がふえ、負担の少ない利便性の高い都市部のマンションなどに転居される方や、子どもと一緒に県外で暮らされる方が多いと聞いております。また、子どもが成人になったときには、子どもと同居するための二世帯住宅に建てかえの検討もされ、都市計画法の制限などがあり、十分な床面積が確保できず、諦めたという話も聞きました。こういった現状の放置は、地域の空き家増加につながり、ひいてはより多くの人口流出や生活利便施設の撤退など、さらにさまざまな地域の問題につながっていく懸念を持っております。地域を元気にするためにも、早急に何らかの手だてが必要なのではないでしょうか。

 そこで、まちづくり推進局長にお伺いいたします。先ほど述べました県内各市町村における人口減少の把握、分析の状況のうち、特に河合町に代表されるような郊外住宅地の状況についてお聞かせください。また、このような郊外住宅地における具体的なまちづくりの取り組みについても、あわせてご答弁をお願いいたします。

 次に、学校現場の常態化する教職員の超過勤務、また、多忙化の現状についてお伺いをいたします。

 新自由主義がはびこり、近年、子育ては社会性より個性を重視したものとなっている。また、現在非正規労働の現場で働く社会人が増加し、年収が三百万円程度の家庭が増加している。このような時代であればこそ、子育てサロンや学童保育の取り組みなど、地域で子育てをする協力・協働の社会を構築していく仕組みが本当に必要ではないのか。子どもの子育てがわからない親に対して、地域のコミュニティ力が十分に発揮でき、行政と一体となった取り組みを期待する。最近は、行政からの政策でもボランティアでとよく言われるが、ボランティアで行うかどうかは参加する人の生活の状態によっても変わってくる。やはり財政的にも援助しながら、地域での子育て、親育てに取り組むべきと考えている。

 格差社会を背景に、貧困問題は深刻化している。全国的に見ると、子どもの相対的貧困率は、一九九〇年代半ばからおおむね上昇傾向にあり、平成二十一年には一五・七%となっている。これは実に七人に一人の子どもが貧困状態で過ごしていることになる。また、子どもがいる現役世帯の相対的貧困率は一四・六%であり、うち大人が一人の世帯の相対的貧困率が五〇・八%と、大人が二人以上いる世帯に比べて非常に高い水準となっている。貧困は、親の経済的、精神的余裕を奪い、ネグレクトも含めた虐待の相談対応件数は、平成二十四年の速報値では六万七千件と過去最高を更新している。いじめの認知件数も七万件、また平成二十三年文部科学省によると、不登校児童の生徒数は十一万七千人に上る。さまざまな思い、生活を抱える子どもたちが学校に登校してくる。また、登校できない子どもがいる。学校や家庭、地域生活に居場所を見つけることも、自己肯定感を持つこともできず、孤独感や将来不安等にさいなまれている子どもの増加も依然として深刻な問題であります。社会の縮図ともいえる学校現場が抱える山積する教育課題に向き合う教職員の多忙化は、年々進んでおります。

 教育課題の中で、とりわけいじめについては重大な人権侵害であり、子どもの命を守り、人権を救済することは、学校のみならず地域、社会の喫緊の課題である。いじめ対策については、対症療法的なものではなく、人権教育を基盤とした学校づくりを行い、いじめを生まない土壌をつくることが、いじめの根本的な防止・解決につながります。教職員が子ども、保護者、地域と信頼関係の上で教育が成り立つという原点に立ち返り、子どもとともに過ごす時間、精神的余裕を持って、行政による教育条件整備を進めることが重要であると考える。また、学校でいじめは起こるが、その背景には家庭があり、社会がある。学校だけに頼ったいじめ対策には限界があるという認識に立ち、現在進められている奈良県地域教育力サミットや奈良県版コミュニティ・スクール、地域とともにある学校づくりなどの施策の充実に取り組み、社会全体で子どもを育て支える施策の充実が期待をされるところであります。

 また、ことし九月にいじめ防止対策推進法が施行され、十月にはいじめの防止等のための基本的な方針が策定をされました。今後、奈良県でもその具現化を図る基本方針の策定や具体的な取り組みが提起されることだろうと思います。しかし、これまでも国によるいじめ対策が数多く策定されてきましたが、現在でもいじめは重大な教育課題であり続けることを鑑みれば、必ずしも学校現場でその効果を発揮することができなかったと考えられる。どのようなすばらしい取り組みも、子どもたちと向かい合うべき教職員が、あまりの多忙さに疲弊し分断されて孤立し、対策を受け入れて実行するだけの余裕がないという現実があり、この現実を改善しなければ、どのような対策も効果を発揮できないのは必然である。教職員の健康被害についても、文部科学省の教職員のメンタルヘルス対策について、最終まとめでは、病気休職者は平成四年度から十七年連続して増加し、平成二十二年、平成二十三年と若干減少したものの、依然として全国で五千人を超えるなど高水準にあり、深刻な状況であるとしている。その原因として、業務量の増加及び業務の質の困難化が挙げられている。勤務時間においては、平成十八年文部科学省教職員勤務実態調査結果によると、小・中学校の教諭の勤務日の残業時間が、平日・休日一カ月当たり平均約四十二時間となっており、授業準備や成績処理など、通常必要な業務が時間外になされている実態があるとしている。業務の量については、提出しなければならない書類が多く、教職員各自が仕事をより効率的にこなさなければならない状況になっております。質の面では、生徒指導上の諸課題、保護者や地域との関係において困難な対応が求められることがあり、教職員個人が得てきた知識や経験だけでは十分に対応できないことがあるとしている。

 このような状況の中、本年度の奈良県人事委員会の報告、人事管理、ワーク・ライフ・バランスの推進に向けた勤務環境の整備の中で、学校における教職員の超過勤務縮減について触れられており、今後も学校現場の実態把握に努め、市町村教育委員会とも連携し、総実勤務時間の短縮に向けた取り組みを進める必要があるとされたところであります。去年、学校に向けた数多くの調査依頼が教職員の多忙化の一つの要因となっているが、学校現場の実態調査を行い、何が原因で多忙化を招いているのか現状分析の上、超勤縮減に向けた取り組みを行うことが多忙解消の第一歩となると考える。現在、学校の実態をどのように把握しているのか、また、今後どのように学校現場の実態把握を行い、超過勤務と多忙化の解消に向け取り組んでいくのかを伺いたい。



○副議長(井岡正徳) 時間が超過しております。



◆二十七番(森川喜之) わかりました。それでは、済みません、時間がなくなりましたので、また次回の質問にさせていただきます。(拍手)



○副議長(井岡正徳) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇) 二十七番森川議員から私に対しましては、大和川流域の総合治水対策についての質

 問が一問ございました。

 大和川流域の治水状況についての議員のご認識は全く正しいことだと思います。開発面積に調整池を設置する要件が一ヘクタールから五千平方メートル、三千平方メートルと下がってまいりましたが、さらに下げるべきではないかという意識も共有するところでございます。大和川流域の治水対策を少し振り返ってみたいと思います。

 大和川流域では昭和五十七年の大水害が大きな契機となりました。大和川流域総合治水対策協議会が設置されまして、総合治水に取り組んできております。ため池治水利用等の流域対策がございますが、県、市町村ごとに目標対策量を定めています。近年、市町村の対策率が約三七%と伸び悩んでおります。市町村ごとの進捗に大きなばらつきがございます。川上は進まないで、川下がいらいらされているというのが現実でございます。最近では、上下流市町村が連携して対策を進めるように、大和川流域の主要河川ごとに四つの圏域を設けて検討会を設置いたしました。検討会では、ため池台帳を整備して、治水効果のあるため池の選定や治水効果の検証などを行い、市町村を支援しております。その結果、今年度は大和郡山市、生駒市、天理市、香芝市でため池の治水対策を進めております。新たに複数の市町村が具体的な検討を始めていただきました。また、新しいやり方として、水田貯留の取り組みを田原本町で進めていただきまして、成果を上げております。大変積極的な申し出でございました。複数市町村が同じ検討をしていただいております。

 議員ご指摘の開発における流域貯水池の設置条件でございます、一定規模以上の開発に対しまして防災調整池の設置を指導する基準がございます。当初の基準では昭和六十一年に一万平方メートル、平成元年には五千平方メートル、平成二十年には三千平方メートル以上へ基準を引き下げて調整池の設置を義務づけておりました。しかしながら、近年は三千平方メートル未満のミニ開発も多くなってきております。その流出抑制が問題となっております。そのため、大和高田市や?城市など独自で開発指導要綱を定め、指導対象面積を一千平方メートル以上に引き下げている事例もございます。県としては、ミニ開発における流出抑制も必要と考えておりますが、開発指導や調整池の管理など市町村の負担がふえますので、市町村と協議をしなければいけない事情でございます。ミニ開発の流出抑制の方向で市町村と議論をしてまいりたいと思っているところでございます。

 残余は関係部局長がご答弁させていただきます。



○副議長(井岡正徳) 大庭県土マネジメント部長。



◎県土マネジメント部長(大庭孝之) (登壇) 二十七番森川議員からの質問にお答えします。

 私への質問は、同じく大和川流域の総合治水対策のうち王寺町の舟戸地区の国が管理する河川堤防についての緊急点検の結果、今後の対策という話でございます。

 昨年七月の九州の豪雨災害を踏まえまして、国土交通省近畿地方整備局では、直轄管理区間の大和川、佐保川、曽我川で、堤防の緊急点検が実施されました。緊急点検の方法といたしましては、被災履歴、堤防詳細点検結果など既存データを活用しつつ、堤防の浸透に対する安全性、流下能力の不足箇所、水衝部の侵食に対する安全度に対して、要対策箇所を確認したと聞いております。その結果、対策が必要とされた箇所は六カ所でありまして、順次対策を進めていくということでございます。また、議員お述べの大和川左岸に位置する王寺町舟戸地区では、この緊急点検において対策は必要ないと判断されたと聞いております。いずれにいたしましても、県といたしましては、大和川の堤防の安全性に必要な対策が早期に完了できるよう、平成二十五年度補正予算の活用を含め、国に働きかけてまいりたいと思っております。

 以上でございます。



○副議長(井岡正徳) 影山景観・環境局長。



◎景観・環境局長(影山清) (登壇) 二十七番森川議員のご質問にお答えいたします。

 私に対しましては、建設汚泥の再生利用について、県内における建設汚泥の再生利用に係る実態をどのように把握し、安全・安心な再生製品の品質を確保するための対策をどのように行っているのか、現状及び今後の取り組みについてのご質問でございます。

 建設汚泥につきましては、平成二十四年度には約五万トンが県内業者により処理されております。最終処分場の残余容量が逼迫してきている中、建設汚泥の再生利用を推進することと、あわせて再生利用に向けた安全・安心の確保が重要なことであると認識をしております。この安全・安心の確保に関しましては、まず、廃棄物処理法で再生処理を委託する場合、排出事業者は建設汚泥が土壌汚染に係る環境基準をクリアしているという書面を契約書に添付し、排出事業者及び処理業者の双方が確認することとなっております。さらに、県では、適正処理及び再生品の品質管理の状況を確認するため、処理施設の定期パトロールを実施しております。また、排出事業者及び処理業者に対しまして、専門研修を実施し、制度の周知徹底を図っております。

 平成十五年度からは、奈良県リサイクル製品認定制度を創設いたしまして、再生品の利用促進を図っております。現在、認定製品は七十九品目ございます。そのうち建設汚泥を材料とするものは四品目となっております。この認定に当たりましては、申請者に有害物質の含有量などの検査結果を提出させるとともに、製造工程等の現地確認を行った上で、県民、事業者の代表や環境、化学などの専門家に参加をいただいております奈良県循環型社会推進協議会の審議を経て、認定の適否を決定しております。このようにリサイクル品の品質確保に努めておりますが、さらに、認定製品の普及にあわせその品質をより確かなものとするため、県が事業者による検査に立ち会うなど、安全性の確認に効果的な方法を検討してまいりたいと考えております。

 以上でございます。ありがとうございます。



○副議長(井岡正徳) 林まちづくり推進局長。



◎まちづくり推進局長(林功) (登壇) 二十七番森川議員のご質問にお答えさせていただきます。

 私に対しましては、県内各地域の人口・世帯減少の特徴を把握、分析していると思うが、特に河合町に代表されるような郊外住宅地の状況はどうか、また、このような郊外住宅地におけるまちづくりの取り組みについて伺いたいというご質問でございます。

 議員もお述べいただきましたが、県においても、地域により人口減少の状況が異なることは認識しておりまして、現在、昨年九月議会でご承認をいただきました奈良県住生活ビジョンに基づきまして、外部有識者のご意見もいただきつつ、地域的な特性から分類しました駅周辺地域や郊外住宅地等の八地域ごとに人口・世帯減少の状況を把握・分析しているところでございます。

 このうち議員からお話のありました河合町に見られますような高度成長期に開発されました大規模郊外住宅地につきましては、現在、高齢者が一定居住されているものの、空き家はそんなに多くはない状況でございます。しかしながら、例えば、河合町の七十五歳以上の人口割合は、二〇一〇年で一二・三%であったものが、二〇二五年には二五・五%と急激に増加すると予想されており、隣接いたします王寺町の一九・四%、広陵町の一六・五%の予想とは対照的なものとなっております。

 このようなことから、県では、ご指摘いただきましたような郊外住宅地は今後、急激に上昇する高齢化率やそれに伴う空き家の増加による住環境の問題が拡大する可能性がある地域であると分析しております。このため県では、空き家問題に対応する取り組みとして、国土交通省の補助事業でございます空き家再生等推進事業の活用や、一般社団法人移住・住みかえ支援機構への出資によりますマイホーム借上げ制度を活用した若年世帯等への移住支援、さらには建築・住宅センター協議会への参画等によりまして、中古住宅流通促進支援を実施しているところでございます。今後は、空き家対策に加えまして、郊外住宅地に欠けている生活利便施設等の機能を他地域との連携により補完する地域間機能連携や、自立したまちづくりと周辺地域住民との交流等を目的とした地域コミュニティー活性化の取り組みが重要であると考え、先ほど述べました外部有識者のご意見も伺いつつ、検討を行っているところでございます。

 郊外住宅地に限らず、地域課題の解決のためには、地域への深い理解が大前提であることから、県としては、地域の方々の住生活を支える市町村の取り組みをしっかり支援すること及び先導することが重要と考えており、市町村との連携をなお一層進めてまいります。

 以上でございます。



○副議長(井岡正徳) 冨岡教育長、一問のみ答弁をお願いします。



◎教育長(冨岡將人) (登壇) 二十七番森川議員のご質問にお答えいたします。

 私には、教職員の多忙化の現状について、学校現場の実態をどのように認識しているのか、今後どのように学校現場の実態把握を行い、超過勤務等多忙化の解消に向けて取り組んでいくのかのお尋ねでございます。

 近年、経済環境が大きく変化し、仕事において求められる要求水準が高くなる中、仕事の量がふえ、質もより困難になる傾向があり、職場におけるメンタルヘルス不調が社会的な課題となっております。県教育委員会としましても、教職員の健康状態、特に近年、メンタルヘルスについては気にしているところでございまして、メンタルを理由とした病気休暇や休職の状況は把握しているところでございます。平成二十五年十月一日現在、メンタルにより病気休暇や休職をしている教職員は四十七名となっており、昨年度よりは少し減少している状況でございます。また、特別休暇や休職も含め、学校現場の実情につきましては、日々の服務監督者であります市町村教育委員会をはじめ、校長会、教頭会、学校訪問等の機会を活用し、その把握に努めるとともに、職員団体との交渉の場でも、現場の教職員の声を直接聞くなどして、近年総じて学校が多忙な状況になっていることを認識しているところでございます。

 次に、詳細に多忙化を知る手だてといたしまして、平成十八年度に文部科学省により、教員勤務実態調査が民間の教育研究機関に委託し実施されましたが、その結果は、小中学校の教諭の勤務日の残業時間が、休日も含め一月当たり平均約四十二時間となっているところでございます。ただ、この調査は、調査期間である二十八日間の毎日について三十分単位で個人ごとの業務状況を把握し、その精度は高いものの、任意抽出された学校の教職員への負担は相当大きかったと聞き及んでおります。これらのことを踏まえ、県教育委員会といたしましては、実態調査を実施する上では、任意抽出した学校において、教職員の負担が少ない形で、かつ対策につながるような要因の分析が可能であって、さらに他府県との比較が可能な調査が望ましいと考えており、検討することを職員団体との交渉の中で伝えておりますことから、今後、調査方法等の詳細を、職員団体も含め、詰めていきたいと考えております。県教育委員会といたしましては、教職員が子どもたちと向き合う時間が少しでも多くなるよう、引き続き多忙化解消に向けた検討を進めることとし、一方で、超過勤務縮減対策として平成二十四年三月に策定しております学校の業務改善の県内外優良事例をまとめた実践事例集のさらなる活用を市町村教育委員会等に働きかけてまいりたいと考えております。

 以上でございます。

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○副議長(井岡正徳) 十五番森山賀文議員。



◆十五番(森山賀文) 本日はこれをもって散会されんことの動議を提出します。



○副議長(井岡正徳) お諮りします。

 十五番森山賀文議員のただいまの動議のとおり決することに、ご異議ありませんか。

     (「異議なし」の声起こる)

 それでは、さように決し、明、十二月十日の日程は当局に対する一般質問とすることとし、本日はこれをもって散会します。



△午後四時二十八分散会