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平成25年 12月 定例会(第313回) 12月06日−03号




平成25年 12月 定例会(第313回) − 12月06日−03号







平成25年 12月 定例会(第313回)



 平成二十五年

        第三百十三回定例奈良県議会会議録 第三号

 十二月

   平成二十五年十二月六日(金曜日)午後一時二分開議

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          出席議員(四十二名)

        一番 宮木健一          二番 井岡正徳

        三番 大国正博          四番 阪口 保

        五番 猪奥美里          六番 尾崎充典

        七番 藤野良次          八番 太田 敦

        九番 小林照代         一〇番 大坪宏通

       一一番 田中惟允         一二番 岡 史朗

       一三番 畭 真夕美        一四番 乾 浩之

       一五番 森山賀文         一六番 宮本次郎

       一七番 山村幸穂         一八番 欠員

       一九番 松尾勇臣         二〇番 上田 悟

       二一番 中野雅史         二二番 神田加津代

       二三番 安井宏一         二四番 奥山博康

       二五番 荻田義雄         二六番 岩田国夫

       二七番 森川喜之         二八番 高柳忠夫

       二九番 今井光子         三〇番 和田恵治

       三一番 山本進章         三二番 国中憲治

       三三番 辻本黎士         三四番 米田忠則

       三五番 出口武男         三六番 新谷紘一

       三七番 粒谷友示         三八番 秋本登志嗣

       三九番 小泉米造         四〇番 中村 昭

       四一番 欠員           四二番 山下 力

       四三番 梶川虔二         四四番 川口正志

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        議事日程

一、当局に対する代表質問

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○議長(山下力) これより本日の会議を開きます。

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○議長(山下力) ただいまより当局に対する代表質問を行います。

 順位に従い、十七番山村幸穂議員に発言を許します。−−十七番山村幸穂議員。(拍手)



◆十七番(山村幸穂) (登壇) 日本共産党の山村幸穂です。日本共産党奈良県議会議員団を代表して質問をいたします。

 さて、昨日参議院の委員会で、特定秘密保護法案が強行採決されました。動議の声も聞こえない、委員長の発言も聞こえないまま、自由民主党・公明党議員が起立して採決をしたという、こんな暴挙は断じて許せません。満身の怒りを込めて抗議をするものです。この法案は、中身が明らかになるにつれ、急速に国民の反対の声が広がっています。どの世論調査でも、慎重審議を求める方は八割を超えています。日本弁護士連合会、一般社団法人日本ペンクラブ、テレビキャスター、出版、演劇、一般社団法人日本新聞協会など、各界各層で空前の反対の声が起こっています。ノーベル賞を受賞した益川さん、白川さんら特定秘密保護法案に反対する学者の会の声明は、わずか六日間で賛同が二千六人に広がり、特定秘密保護法案に反対する映画人の会の反対声明は、山田洋次さん、吉永小百合さん、宮崎駿さんら二百六十四人も賛同されています。国際連合人権高等弁務官はじめ国際社会も強い懸念を表明しております。

 政府が際限なく情報を隠すことができる。国民は知る権利を奪われ暗黒の社会に、情報を知ろうとしたり、知らせようとしたりすれば、未遂であっても厳罰を受ける。これはいつか来た道、戦争への道と言わねばなりません。現に安倍首相は、憲法を変えて自衛隊の海外での武力行使を目指しています。国民主権、基本的人権、平和主義の憲法の大原則をじゅうりんするこの悪法は、廃案しかありません。私たち県議会議員の政治活動も制限され、公務員の皆さんは特定秘密保護のために監視される。今この議場から、歴史に汚点を残す暴挙に、党派を超えて断固抗議の声を上げようではありませんか。私たちは廃案を願う皆さんと連帯して、最後まで闘う決意を述べて、質問に入ります。

 まず初めに、地域経済の活性化について、知事に伺います。

 長引くデフレ不況が、県民の暮らしと営業に深刻な打撃を与えています。アベノミクスがもてはやされましたが、県内においては、効果が実感できない、それどころか、円安で物価高の影響を受け大変との声が寄せられています。この上、消費税が増税されると、やりくりできない、もう廃業しかないなど、切実な訴えが寄せられています。日本経済が、大企業中心、輸出中心のもと、世界最適地生産というグローバル化が進み、コスト競争最優先で生産拠点を海外に移し、その結果、国内工業の閉鎖、労働者のリストラ、賃金切り下げ、下請中小企業の選別淘汰が横行し、貧困と格差が拡大しています。打開のためには、賃金の引き上げ、安定した雇用をふやし、庶民の懐を温め、内需拡大を進めることが必要です。現在、多くの自治体では、大企業中心の経済ではなく、地域に根差した持続可能な循環型経済を目指す動きが進んでいます。

 奈良県が目指そうとしている、地域の自立を図り暮らしやすい奈良をつくるという方向には、共感できる点もあり、積極的な施策も提案をされています。しかし、国の成長戦略の枠内から抜け出せない経済体質の強靱化、生産拠点の整備などの施策も多く存在しています。大宮通りプロジェクト、ホテル誘致、若草山へのモノレール設置計画など、開発事業も展開されています。

 二〇〇八年、奈良県が先駆的に制定した奈良県中小企業振興基本条例は、第五条第一項第一号で、恵まれた歴史、文化、自然環境等の地域資源を活用した地場産業の振興を図る。第七号で、まちづくりの観点にたった商業の集積の活性化を図ると示しております。この条例を生かす施策が、今こそ必要ではないかと考えます。そこで、

 先ごろ我が党は奈良県の経済活性化提言をまとめましたが、その中から、条例を生かし育てる立場から提案したいと思います。

 奈良県には、電機・情報関連、機械・金属産業と、繊維、食品、木材・木製品など、日常生活に欠かすことのできない地場産業が併存しています。また、自然と一体となった三つの世界文化遺産があり、仏教寺院等の宗教施設、茶道、華道、能など芸術力にもすぐれ、観光産業の基礎になっており、地域産業と雇用を支えております。しかし、県が行った産業実態調査では、業績が上向きと答えた企業が二五%にとどまり、五一%の半数の企業が下向きと答えています。企業は、販路、売上高の拡大の取り組みを求めています。そのためには、衣食住関連産業が地域資源を活用し、消費者の嗜好に沿った商品開発ができ、観光と芸術、文化産業の振興を図ることができる地域産業政策が求められています。これまでのような、経済体質の強靱化をうたった特定企業者への重点的な支援や、単なる工業団地形態による生産拠点整備事業を集中するのではなく、知識・技術・情報ネットワークの形成、大学や研究機関など産官学との連携など、革新的な組織・機能を持った産業集積の発想が必要です。

 本物の奈良の思いを伝えられる奈良ブランドとして認証できる商品、サービスの企画、開発を主としたコーディネート機能やプロデュース機能が必要です。既に奈良県靴下工業協同組合が、奈良の靴下認証制度を模索していますが、奈良のまちづくりにもこうした支援策、新たな地域産業の創造への取り組みが必要です。先進事例として例えば、関連企業群の集積する県営産業団地をつくっている新潟県や東京都墨田区、東大阪市などの成果から調査研究をするなどして、地場産業の底上げを図るべきだと思います。県として、条例にうたわれた、恵まれた歴史、文化、自然環境などの地域資源を活用した地場産業等の振興、まちづくりの観点に立った商業の集積の活性化を図るという点について、どのように取り組まれるのか、伺います。

 次に、介護保険制度について、知事に伺います。

 誰もが迎える老後、介護が必要となったとき、社会で支える安心できる制度をつくろうと、介護保険制度ができて十三年になりました。しかし、保険料は三年ごとに値上がりをして、年金から有無を言わせず天引きされるのに、必要なサービスが受けられない、保険あって介護なしという矛盾が深刻化しております。にもかかわらず安倍政権は、高齢化が進むもとで、社会保障を国の責任から自助・自立、国民相互の助け合いの仕組みに転換することを打ち出し、社会保障の連続改悪を進めようとしております。介護保険については、介護を必要とする人の利用をできるだけ制限し、安上がりの制度にして国民の負担をふやそうとしております。一定の所得があれば、一割の利用料を二割とすることや、低所得者の施設利用費の軽減措置の見直しなどが検討されています。

 要支援と認定された高齢者の介護保険サービス利用を認めず、全てのサービスを市町村に肩がわりさせようとしましたが、大きな怒りと反対が高まり、政府も一部見直しました。しかし、利用者にとって命綱とも言うべきホームヘルプサービス、デイサービスについては、あくまで保険から外そうとしています。私たち日本共産党奈良県議会議員団は、県下の市町村に伺って、担当者からお話を伺いました。このホームヘルプサービスとデイサービスは、六割の方が利用され、重症化を予防するためにとても役立っている、なくてはならないサービスであること、軽度者ほど、その人の状態を見ながら必要な支援を考える専門的援助が必要であることなどから、保険から外され、ボランティアやNPO任せとなれば、サービスの水準が維持できるのか、地域によって格差が生じるなど、不安の声が出されました。

 さらに、特別養護老人ホームの入所待機者が四十二万人に上ることから、入所は要介護三以上に限定し、要介護一、二の人は締め出す方針を打ち出しています。これに対しても、認知症の人と家族の会の皆さんらから、介護度が低くても常時見守りが必要で、自宅での介護は困難と厳しい指摘があり、やむを得ない場合は要介護一、二であっても入所を認めると方針を変えています。このように大きく広がる国民の怒りの前に、政府の進める改悪の道理のなさが浮き彫りになっております。

 政府は、持続可能な制度を維持するために、重点化を図り利用を制限しようといいますが、高齢者が人間らしく生きていくことができる制度であってこそ、持続可能な制度ではないでしょうか。行き場のない介護難民や介護のために年間十数万人が離職し、経済的、肉体的、精神的負担から、介護殺人や心中も後を絶たないという、このような現状は一刻も早く改善しなくてはなりません。

 そこで、知事に伺います。今回の改正の検討案についてどのように受けとめておられますか。また、介護保険制度の効率化、重点化を図るのではなく、安心できる制度への改革を進めるよう、政府に強く求めるべきと思いますが、いかがでしょうか。市町村の担当者の皆さんは、今後の地域での高齢者の生活援助をどのように進めていくのか検討を始めておられます。保険料をこれ以上上げられない。政府の財政負担をふやしてほしい。住んでいる地域によってサービスの格差が出ないようにしてほしい。医療機関の体制がない。保健師が不足している。

 地域包括支援センターの体制を強化できるよう支援をしてほしい。地域での認知症対策推進に県のイニシアチブを求める声など、切実な要望も出されました。ぜひ市町村に対する支援を強めていただくよう要望いたします。

 次に、子どもの医療費助成について、健康福祉部長に伺います。

 この制度が初めて誕生して四十年となり、全国に広がり、対象年齢も拡充されてきました。奈良県でも、県民の強い要望に応えて制度が拡充されており、今回さらに対象年齢の引き上げが具体的に検討されています。県民の要望に応えるもので、大歓迎です。

 ところで、中学校卒業まで窓口負担なしの完全無料化を実現している群馬県では、早期受診、早期治療で子どもたちの健全な成長に役立っています。実施後のアンケートでも、子育て家庭の経済的負担が軽減されるが九五・七%、夜中に急に熱を出したりしても、その際に自己負担がないのはとてもよいと喜ばれています。奈良県でも、今切実な願いは、窓口負担を無料にしてほしいということです。

 先日も奈良市内で、県下各地から赤ちゃんを連れたお母さんたちが集まり、ベビーカーを押してパレードをして、子どもの医療費助成制度の拡充と窓口での一旦立てかえ払いをなくしてと訴えました。私たちも一緒に取り組んでいますが、私の姉は堺市に住んでいます。窓口負担は五百円で、いつでも気軽に病院に行ける、奈良は変わっているなと言われます。給料日前は、病院をためらうこともしばしばです。他県は子育て支援にとても協力的です。奈良県もおくれを早く取り戻してほしいなど、願いが書き込まれた葉書の署名が次々と届いております。

 格差と貧困が広がる中、安定した雇用がなく、低賃金でやりくりに苦しんでいる若い子育て世代の皆さんが、子どもが急病のときにお金がない不安が一番つらいと訴えておられます。県は、国のペナルティーがあることから、窓口無料は実施できない、自動償還払いが優れているとの見解です。地方自治体が医療費助成制度で窓口無料にすると、国民健康保険への国庫負担金を削減するという国のペナルティーは、地方自治体の努力や社会的弱者を支援する地域福祉の向上の努力に水を差すもので、認めることはできません。しかし、ペナルティーがあっても、窓口無料を実施している県があります。全国保険医団体連合会の調べによると、現在三十七都府県で窓口無料を採用されています。幾つかの都府県では、ペナルティー相当額を市町村に補助金を交付するなどして肩がわりしています。こうした県の決断で実施可能ではないでしょうか。国に対して、子どもの医療費助成の現物給付についてのペナルティーをなくすよう強く求めるとともに、窓口負担の無料化を実施して、子育て応援を進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。

 次に、若草山へのモノレール設置計画について、知事に伺います。

 この計画が発表されて以来、県下各地はもとより、全国からも、ええっ、どうしてと驚きの声が寄せられ、長い歴史をかけて守られてきた文化的景観、奈良を代表する若草山の景観を壊さないでとの声が届いております。知事が、奈良の観光をよくしたいと思う気持ちはよくわかりますが、この計画は逆行するのではないかと思います。若草山へのモノレール設置と世界遺産、名勝を保護することとは、両立し得ないものであると考えます。

 第一に、無理を重ねる計画であることです。現在でも頂上まで車で行って眺めを楽しむことができます。なぜ一重目にこだわるのか。バリアフリーか観光か、設置目的の説明が変遷しています。第六回奈良公園地区整備検討委員会の資料では、若草山一重目までの登山道は、重装備の方向けだから、軽装の人に移動支援が必要だとの滑稽な説明まで出てきました。いつから若草山がアルプス級の山になったのでしょうか。また、奈良公園地区整備検討委員会で名勝や世界遺産でのモノレールなどによる利活用例がいろいろ示されていますが、名勝指定後にモノレールが設置されたケースはありません。奈良公園地区整備検討委員会で、国に環境調査などで説明し、指示を受けていると報告していますが、正式には文化庁に計画を知らせていないのではありませんか。配慮したコースや形態、意匠であっても、若草山の文化的景観、自然環境を守れるという保証はありません。外から見苦しくないものにすると知事は述べておられますが、モノレールの存在がこれまでの若草山の景観を変えることは避けられません。ルート案やモノレールの必要性が示された第六回奈良公園地区整備検討委員会で、増井委員長は、見える、見えないの話をしているが、実はいろんなところから見える、文化的価値について議論しなくていいのかと批判的な問題提起をされています。奈良公園地区整備検討委員会で出された、本当に若草山に必要なのか、文化遺産としての価値をどのように保存して整備していくのか、いろんな方と公開で議論する場を持ってもよいのではとの意見に基づき、若草山へのモノレール設置を決める前に、こうした機会を持つべきであると考えますが、いかがでしょうか。

 また、知事、県当局は、世界遺産委員会への報告は必要ないとの見解でありますが、日本の国内法をクリアすれば問題ないという姿勢は、世界遺産条約から逸脱し、国際的信義にもとるものであると言わねばなりません。

 憲法に国際法規の遵守が定められております。作業指針も、条約に準じて直接的に守らなければなりません。バッファーゾーンであっても、新規工事は条約のもとに保護されている地域が対象とされていますから、該当します。奈良公園地区整備検討委員会でも、景観、環境の面では調査を進めているが、文化的な価値、世界遺産の価値をどのように担保していくのか、関係機関とじっくり協議して報告していただきたいと求められています。設置を決める前に、世界遺産委員会への報告が必要であると考えますが、いかがでしょうか。

 次に、中小企業高度化資金貸付金等の債権放棄について、知事に伺います。

 今議会に提案された債権放棄案件は、二十億円を貸し付けて、返済猶予を繰り返し、返済を求めてこなかった県の対応について、住民監査請求が行われ、裁判が提訴されたヤマトハイミール食品協業組合の債権も含まれています。回収できなかった債権残高は、ヤマトハイミール食品協業組合の十九億三千百九十二万円を最高に、三十件二十億九千五百四十一万円に上ります。この間、私たち日本共産党奈良県議会議員団は、なぜヤマトハイミール食品協業組合のようなことが起こったのか、県民の理解が得られないとして、県の対応をただしてまいりました。今回の債権放棄に当たり、なぜこうした事態となったのか、どのように県として分析し、総括されているのか、また、その教訓を生かし、繰り返さないための取り組みをどのようにされるのか、伺います。

 以上で壇上からの質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○議長(山下力) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇) 十七番山村議員のご質問がございました。

 第一問は、地域経済の活性化について、奈良県中小企業振興基本条例の考え方との整合性についてのご質問でございました。

 本県の経済・雇用を支えております中小企業の振興は、県政の重要な課題でございます。平成二十年に奈良県中小企業振興基本条例が制定されました。この条例において中小企業の振興を体系的かつ総合的に規定されております。議員お述べの条例第五条第一項第一号の趣旨は、本県の恵まれた歴史、文化、自然環境といった地域資源を有効に活用して、地場産業、観光、商業等の振興を図るという趣旨のものだと理解しております。また、第七号は、中心市街地の活性化や商業の振興を図るため、顧客その他の県民の利便の増進を図るための施設の整備促進、商店街における起業促進、商店街活性化支援、その他必要な施策を講ずることなど、まちづくりの観点に立った活性化を図るというように理解をしております。第一号の規定に基づく施策としては、産地のブランド力、奈良らしいブランド力を高めるための製品開発支援や、海外も含めた販路開拓支援をはじめさまざまな施策を展開しているところでございます。

 また、現在積極的に取り組んでおります漢方のメッカ推進プロジェクトでは、奈良にゆかりの深い漢方について六次産業化を図り、奈良の新たな地場産業として発展させたいと考えておりますが、このような条例の考え方の一つの例でございます。第七号に基づく施策についても、魅力あるお店づくりや奈良ブランド開発支援などの取り組みを検討、展開しております。また、県営プール跡地活性化プロジェクトでは、良質なホテルや周辺施設を一体的に整備し、奈良公園や平城宮跡とも連携した賑わいと交流の拠点づくりを行おうとしておるものでございますが、奈良は観光素材はあるが観光産業が育っていないと言われる奈良のイメージを払拭したいと思います。観光拠点にあふれるほどの観光客がご来訪されて、近隣の地域のみならず県内を周遊されるタイプの観光地に奈良を育てていきたいと思っております。そのようなパターンを確立することを狙ったものでございます。そのような結果、中小企業者も含め、県内の商業、サービス業の振興や雇用の創出に大いに貢献する投資であると考えております。これら、わずかでございますが、ご紹介いたしましたプロジェクトは、奈良県中小企業振興基本条例の趣旨に合致するものであろうかと思っております。

 第二問目は、介護保険制度の改正についての懸念を表明されるご質問でございました。

 現在、国におきまして、税と社会保障制度の一体改革の一つといたしまして、介護保険制度の充実と重点化、効率化の検討が進められております。二つの観点の検討だと理解をしております。まず、制度の充実につきましては、介護が必要な状態になっても、住みなれた地域で暮らし続けるよう地域ぐるみで高齢者を支えるという地域包括ケアシステムの構築の推進が大きく打ち出されております。また、低所得者の保険料軽減の強化も検討されております。これらは、今後のさらなる高齢化の進展を考えますと、必要不可欠な施策であると評価をしております。

 一方、制度の重点化、効率化として、議員もお触れになりましたが、比較的要介護度の低い要支援の方に対するホームヘルプサービスとデイサービスを市町村が地域の実情に応じ多様な主体で柔軟に対応する地域支援事業に移行するという考え方が盛り込まれております。施設支援から地域支援に転換するという考え方と理解をしております。また、特別養護老人ホームへの入所者を、やむを得ない事情がある場合を除き、要介護三以上の方に限定することが検討されています。これらについて、高齢者や地域の個別の事情を十分に配慮した上で行うことは介護保険制度を持続可能な制度として堅持していくために避けることのできないポイントだと考えているところでございます。しかし、これらの制度の重点化、効率化の実施に当たりましては、その受け皿となる市町村の体制整備と社会保障のための財源が大都市に偏っていることが大きな課題であると認識をしております。このことから、全国知事会を通じ、社会保障審議会介護保険部会の場に、ホームヘルプサービス等の地域支援事業への移行に際しての十分な準備期間の設定及び地域間格差への配慮の必要性等を意見として提出してきたところでございます。また、特別養護老人ホーム入所者の中重度者への重点化について、全国一律に行うのではなく、地域の特性に応じて軽度者の入所が認められるよう国に要望するとともに、制度改正に対応するための市町村のシステム改修経費に対する国の全額助成についても国に要望を行っているところでございます。これは、病院の社会的入院をどのようにするかという課題と表裏をなす点も含まれていると思います。

 なお、市町村支援として、国における介護保険制度改正の検討状況等について、本年八月と十一月の二回にわたりまして県内市町村担当課長会議を開催いたしまして、情報提供を行いました。今後も、引き続き意欲のある市町村への全般的支援を行ってまいりたいと考えているところでございます。

 子どもの医療費助成については、健康福祉部長がお答え申し上げます。

 若草山へのモノレール設置計画についてのご質問がございました。

 若草山へのモノレールの設置は、若草山一重目からのすばらしい眺望を、お年寄りの方を含め誰でも楽しめるようにしたいという趣旨から検討を行っているものでございます。頂上の裏の山に駐車場がありますが、眺望が可能なところまで行くには、坂道がありまして、車椅子の方は、おりるときはいいのですけれども、戻るときに大変難儀があるように思っております。私の原体験は、眺望をしておりましたときに、隣に大阪在住のお年寄りの方が家族とともに車椅子で来ておられまして、私の横で家族との会話がございました。おじいさんがここに初めて来たけれども、死ぬまでに見られてよかった、こんないい眺望を見られてよかったと述懐されているのが大変印象的でございました。そのような観点も含めて、お年寄りの方にいい眺望を楽しんでもらえる施設も要るかというふうに発想しているものでございます。

 モノレールの設置に係る課題は、奈良らしさを阻害するか否かという点で三つの課題があると考えております。一つ目は、外から見た景観の観点でございます。二つ目は、春日山原始林を阻害するか否かという環境の観点でございます。鹿の生態を阻害するかどうかという点も含めていいかと思います。三つ目は、若草山へ機械で登ってよいか否か、敬うべき神様の山かどうかというような観点があろうかと思います。

 現在、若草山におきまして環境影響調査を実施しております。今後、調査結果を含め、関係機関と調整しながら検討していくこととしております。また、これまでも、NPOや地元、環境団体などの方から成る奈良公園地区整備検討委員会で公開で議論をしていただいております。その中でいろんな方と公開で議論する場をつくってもよいのではないかという意見も出ていると聞いております。若草山のモノレールについては、結論ありきということではなく、やめるという選択肢があることも念頭に置きまして、公開の検討の場である奈良公園地区整備検討委員会の中で今後も議論を深めていくこととしたいと思っております。この委員会の中でも、必要に応じて、一般の方からの意見聴取の方法について議論をしていただくことになろうと思います。今後とも幅広く意見を聞くとともに、さまざまな方々の議論を重ね、丁寧に検討を進めていく所存でございますので、初めからだめだという結論ありきということでないようにお願いを申し上げたいというふうに思います。

 さらに、設置を決める前に、世界遺産委員会への報告が必要であると考えるが、どうかというご質問がござい

 ました。

 世界遺産につきましては、国内法によって保護措置が講じられており、古都奈良の文化財の構成資産は文化財

 保護法のもと厳密な保全が図られております。条約もございますが、世界中に適用すべき条約でございますので、個別の保存の方法は主権のある各国国内法に委ねられているという法制になっておると理解をしております。また、個々の構成資産の周辺には、日本の場合、文化財保護法、古都保存法、その他条例等による適切な範囲のバッファーゾーンが設定されております。二重の保護が図られているように思います。これら国内法制は、世界の最高の水準だと言われていると聞いております。その我が国法制にのっとった計画である限り、顕著な普遍的価値に影響を及ぼさないと考えておりますし、ICOMOSもそのように考えているように理解をしております。したがって、報告する案件には当たらないと認識をしておるところでございますが、ICOMOSの方が奈良に来られた際に会談をいたしました。我が国国内法の規制の程度は非常に高いと評価されているのをその際確認いたしました。まず、我が国の法制を遵守した上で検討を進めるのが重要だと考えております。そのため、我々の検討している施設が、一に、景観を阻害していないか、二に、環境を害していないか等、客観的な立場でさまざまな面から議論していただきながら検討を進めたいと考えているところでございます。

 最後に、中小企業高度化資金貸付金等の債権放棄についてのご質問、ご意見がございました。

 中小企業高度化資金貸付金は、昭和三十四年の制度創設から累計で七千五百三十七件、貸し付け総額が約五百二十八億円の制度として運用されました。県内中小企業の協同化や近代化に大きく貢献してまいったと思っております。そのうち債務者の破産等により回収不能となったのは三十件、約二十億九千五百万円がございます。不良債権として今議会で放棄の審議をお願いしているものでございます。うち二件、約十九億三千万円は、ヤマトハイミール食品協業組合に係る債権でございます。貸付金総額の四%近くにもなる大きな額だというふうには思います。当組合へは、平成元年度、平成二年度に、悪臭公害解消等を目的に貸し付けをいたしましたが、その後のバブル経済崩壊等により経営状況が悪化し、組合が倒産いたしました。県は、担保物件の競売や連帯保証人の土地・建物の強制競売などを行い、債権回収に努めてきたところでございます。さらに、関連の住民訴訟も平成二十三年六月に終了いたしました。県として、債務者の資産等を再度精査いたしましたが、これ以上の回収は不能と判断したものでございます。また、当組合以外の不良債権についても、債権放棄の検討を促す平成二十四年三月の包括外部監査の意見もございましたので、同様に精査をいたしましたが、回収は不能と判断したものでございます。不良債権の発生は、貸し付け後の経済状況の変化によるというふうには思いますが、その結果として多額の債権放棄を余儀なくされたことは遺憾だと思っております。

 今回の債権放棄を教訓にして、新規貸し付け時の審査をより一層厳正にすることは必要だと思います。事業計画等の診断には、協調融資を行う中小企業基盤整備機構の参加を常に求め、貸し付けの適否を判断することといたしました。また、債権管理に際しましては、債務者に対するモニタリングの頻度を高めることとしたいと思います。事業不振の場合は、専門家を派遣して経営改善を促し、事業継続が困難となった場合には強制執行等の法的措置を迅速に行うなど、引き続き債権管理に万全を期してまいりたいと考えているところでございます。

 質問の回答は以上でございました。



○議長(山下力) 江南健康福祉部長。



◎健康福祉部長(江南政治) (登壇) 十七番山村議員のご質問にお答えをいたします。

 私に対しましては、子どもの医療費助成の現物給付について、国民健康保険に係る国庫負担金を削減するというペナルティーをなくすように国に対し強く求めるとともに、窓口負担の無料化を実施して、子育て支援を進めるべきと考えるが、どうかというお尋ねでございます。

 医療機関で受診した場合に、一部負担金を支払わなければならないという窓口払いの原則が国民健康保険法等に規定がされてございます。乳幼児医療費助成制度に基づきます助成金を市町村が受診者にかわって医療機関に支払います現物給付方式をとった場合、この窓口支払いの原則に反しますことから、国民健康保険におきましては国庫負担金の減額措置が課せられるということになっております。

 そのため本県では、平成十七年八月の福祉医療制度の見直しの際に、窓口払いの原則にのっとりながら受給者の利便性を確保する方法として、一旦窓口で負担金を支払っていただくものの、市町村での申請を改めて要することなく、自動的に助成金が受給者の口座に振り込まれます自動償還払いの方式を採用したところでございます。現物給付方式に変更した場合には、乳幼児、心身障害者、ひとり親家庭を対象といたします福祉医療制度全体で約三億円の国庫負担金の減額が見込まれております。県と市町村の財政状況が厳しい中で、今後も医療費の増嵩が予想されることから、将来にわたり福祉医療制度を持続可能で安定的なものとするために、市町村国民健康保険における国庫負担金の確保は非常に大切でございます。また、一時的な負担でありましても、医療機関での受診が困難となる受給者に対しましては、市町村で貸し付け制度が設けられ、受診の機会が阻害されないような対策が講じられております。このようなことから、現時点では引き続き、自動償還払い方式を維持すべきというふうに考えております。

 国民健康保険の国庫負担金の減額措置につきましては、これまでも全国知事会や近畿府県の連名で廃止の要望を行ってきたところでございます。さらに、今年度は、福井県など十三の県が参画いたします自立と分散で日本を変えるふるさと知事ネットワークの政策提案でもこの問題を取り上げまして、国に廃止を求めているところでございます。今後も、さまざまな機会をとらえまして、国に対し廃止を求めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○議長(山下力) 十七番山村幸穂議員。



◆十七番(山村幸穂) ご答弁をいただき、ありがとうございます。それでは、再質問をしたいというふうに思います。

 まず最初に、子どもの医療費の助成制度で、窓口の無料化についてであります。

 先ほどのご答弁ですと、ペナルティーがある限りは、現物給付はできないというふうに解していいということだと思うのですが、ペナルティーがなくなれば現物給付にすることができるということでもあるのではないかと思うのですが、現在、窓口無料化について市町村と、この問題についてどういうふうな協議を行っておられるのか、市町村の意向はどういうものがあるのかということをお聞きしたいというふうに思います。

 実際に現物給付を採用しておられる県に問い合わせをいたしました。奈良県と同規模だと思うのですけれども、昨年から窓口無料とした佐賀県ですが、そこでは市町村のほうが、ペナルティーがあってもいいということで、新たに昨年から窓口無料に切りかえをされております。完全無料化にされました群馬県では、ペナルティーの約半額を県が負担するということで、市町村と合意になったというふうに聞きました。全国で三十七の都道府県で何かの形で窓口無料を採用されておりますけれども、そのうち十一都府県が市町村国民健康保険に補助金を出すなどの手当てをするという形をとっておられるようです。奈良県の今の状況について、もう少し詳しく教えていただきたいというふうに思います。

 それから次に、若草山のモノレールの設置計画について、知事に再度伺いたいと思います。

 今のお答えで、世界遺産委員会に報告することは必要ない、それは国内法で厳密に守られているからというふうにお答えになられました。世界遺産条約という条約は、憲法上の手続を経て効力を持ったものです。憲法第九十八条で、日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とするというふうに定められております。この問題での判例でも、憲法は、条約は一般の法律に優位する効力を有することを定めていると解されている、このようになっております。ですので、世界遺産委員会に報告をするという件は、国内法が厳しいとか厳しくないとか、あるいはICOMOSがどのように述べたかということでの問題ではなくて、現状変更をされる場合には、作業指針にのっとって対応しなくてはならない、そういう法上の規制があるものだというふうに思うわけなのですけれども、その点についてどのようにお考えになっていらっしゃるのか、お聞きしたいというふうに思います。

 それともう一点、さまざまな人の意見を聞くということについては、先ほどの答弁で、奈良公園地区整備検討委員会の中でいろんな方を招致をして聞かれるというようなやり方もあるというふうに答弁なさったと思います。それで、今検討している内容につきまして、外から見た景観、それから環境への影響、それから若草山のような、春日山原始林と言われるようなところに機械で登っていいのかという三つの問題があるというふうに言われたのですけれども、その三つ目に当たるところが、現在世界遺産と登録された価値を守れるかどうかということにもかかわってくるのではないかというふうに思っておりますけれども、今環境調査をなさっているということでありますが、その中身、四月から実施されているということですが、どういうルートでどのような構造のものをつくり、どんな乗り物を想定して調査をされているのか、その点については明らかになっておりません。そして、評価の対象についても、どういう基準に基づいて影響が多いとか少ないとか評価するのかという点もはっきりといたしません。特に文化的価値、文化的景観についての評価というのはどういうふうになるのかということについても、明らかではないと思うのです。その点についてお伺いしたいというふうに思います。



○議長(山下力) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 私に対する質問からお答え申し上げます。

 若草山に関する質問が二問でございますが、条約と法律の優位性という論点ですが、失礼ですけれども、山村議員の意見とは私は違っております。条約が優先か、法律が優先か、条約がいつも優先だということは、憲法に書いていないと私は教えられたものでございます。条約が優先だったら、批准はしても、その中身によりますけれども、国内主権というのがなくなるから条約がいつも優先じゃないよというふうに教えられたと思いますので、

 条約があるからそれにのっとるべきと、基本的な、しかもこうこうこうしろということは具体的に書いてなかったと思います。国内法を凌駕する条約というのは、世界にめったにないものでございますので、この世界遺産条約も日ごろのモニタリングの具体的な手続まで国内法を優先する条約ではないものというふうに思っております。憲法上の話を持ち出されましたが、見解は全く違うものと返答をさせていただきたいと思います。今は条約が優先するか、国内法が優先するかという論点についての見解ということでございます。

 それから、意見を聞くに際して、環境調査をどのようにしているかと、お問い合わせでございますが、調査の内容は全て公開することを方針としておりますので、調査の進行状態は、私にもまだ届いておりませんが、これは特定秘密保護法の対象では全くございません。全て公開するということは言うまでもないことでございますが、改めて明言をさせていただきたいと思います。また、調査項目について、もっと調査をしたらどうかということも、我々の意見は当然ですが、全く公開でございますので、このような調査もすべきというのはどんどんおっしゃっていただいて、詰めていきたいというふうに思います。全て、論点もその結果も公開をベースに展開していきたい。その上で、何事も大声で言ったら意見が強いというわけではないわけでございます。これについては、声の強いほうが意見が強いというわけではないわけでございます。どのように客観的に冷静に評価できるか、あと、歴史が進んでもそれは正しい判断であったなということを、そのときの我々は冷静に判断する情報が集積されるべきということでございますので、公開度は一〇〇%にしていきたいというふうに思っております。その点だけは申し上げておきたいと思います。



○議長(山下力) 江南健康福祉部長。



◎健康福祉部長(江南政治) 私に対しましては、市町村とどのような議論をしているのか、あるいは、他府県の状況についてどう考えるのかといったご質問だったと思います。

 市町村の中に幾つか、現物給付にしてはどうかというご意見をお持ちの市町村もあるということは、認識しております。また、全国的に見ますと現物給付を実施しておられる都道府県があるというのもご指摘のとおりだと思います。まず、市町村に対しましては、やはりこの現物給付とした場合、国庫の減額幅が約三億円、これは単年度ではございません、毎年毎年三億円でございます。累積するものでございます。また、こういうことは保険料のアップにも大きくつながる要因かというふうに考えてございます。他府県においては、いろんなそれぞれの経緯等によって判断をされ、現物給付、あるいは償還払いというような判断をされているというふうに推測をいたしますが、本県におきましては、引き続き自動償還払いを維持すべきというふうに考えております。

 なお、限られた財政資源の活用、あるいは施策の優先順位の観点から申しますと、まずは本県においては、現在市町村とともに検討中であります対象範囲の拡大が優先課題であろうというふうに認識をしております。

 以上でございます。



○議長(山下力) 十七番山村幸穂議員。



◆十七番(山村幸穂) 子どもの医療費の問題ですが、市町村のほうには現物給付ということも視野に入れているところがあるというふうに今お答えになったと思うのですが、私が聞いているところの市町村からは、自動償還払いの足並みをそろえるようにということでの話はあるが、窓口無料について議論があまりされていないというふうに聞いているのですが、ぜひ、県と市町村の協議でも、この窓口無料について真剣な議論をされるように求めたいというふうに思います。これは若いお母さん方の本当に切実な願いであります。お金が手元にない場合に、行けないという方もたくさんいらっしゃる実態がありますので、できる限りそういうことがなくなるように、皆さん求めていますので、県としても、全国でできていることが奈良県でできないわけはないというふうに思いますので、市町村とよく、本当にしっかりと相談をして、そちらの方向に進められるように、やる気を持ってやっていただきたいということを強くその点について要望しておきたいというふうに思います。

 それから次に、若草山の問題で、今知事からご答弁がありました。世界遺産条約を優先するかどうかということで、優先ではないというふうに述べられましたけれども、憲法第九十八条に、日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする、このように述べられております。ですので、締結したこの条約をきちんと守るという立場というのが、国際信義にとって重要なことであると思います。ウイーン条約では、国内法を理由に条約を破ってはならない、こういうことも言われているわけですから、やはりここは、知事が自信を持って進めていかれるということでありますならば、当然こうした世界の機関に判断を求めるという、こういうことで報告をされるという手続をとるというのは当然あってしかるべきだというふうに私は思います。そういうことをきちんとできないということであれば、やっぱり国際的な信義にももとるということになるのではないかというふうに思います。

 それから、調査のことにつきまして、全て公開で、歴史に禍根を残さないような判断をしたいということでおっしゃったというふうに思います。私も、若草山にモノレールなどが設置をされて、将来の方々が本当に取り返しのつかないことをしたなということがないように、そういう形で皆さんとともに運動を進めながら、世界遺産、この若草山のすばらしい景観、文化的価値を守るために引き続き発言をしていきたいというふうに思います。

 以上です。



○議長(山下力) 条約にかかわる再質問、知事の答弁は要りますか。いいですか。



◆十七番(山村幸穂) さっきのお話で、遵守すると言われたので……。



○議長(山下力) はい、それなら、荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 手を挙げて失礼いたしました。言われっぱなしというのが嫌なんです。(笑声)反対意見、答弁権を行使させていただきます。

 二点ありますが、条約は遵守すると言ったのは当然ですが、我が国の法制は、条約遵守の法律だと理解しておりますので、条約遵守の法律を履行するのは条約と全く反しませんし、条約を遵守するならば報告しろという論理にはつながらないというふうに思います。もう一つは、自信を持ってやるなら、条約に具体的に書いてあるかどうかわかりませんが、報告をしろというのにも、ちょっと論理的な矛盾があろうかと思います。論理的な矛盾を二点指摘して、答弁とさせていただきます。



○議長(山下力) 次に、三十番和田恵治議員に発言を許します。−−三十番和田恵治議員。(拍手)



◆三十番(和田恵治) (登壇) それでは、議長のお許しを得まして、ただいまより、なら元気クラブを代表して、知事に三点にわたって質問をいたします。

 まず第一点目は、消費税増税の奈良県経済への影響についてであります。

 自由民主党安倍内閣は、来年四月に消費税率五%から八%に引き上げるという方針を十月に決定いたしました。さらに、再来年には一〇%への引き上げが予定されております。およそ税額で一年間に十三兆五千億円、十年で百三十五兆円というとてつもない巨大な増税額になります。この消費税引き上げは、地方行財政にどのような影響を及ぼすのか、よく考えねばならないと思います。確かに現行の消費税は五%のうち一%が地方消費税として都道府県の税収となっています。しかし、国民の痛みを伴う消費税率の引き上げがなぜ実施されるのか、引き上げの目的は何なのか、そして、消費税率を引き上げた場合、地方経済に及ぼす影響がどのようなものになるのかといったことをしっかりと検討し、見きわめねばならない、このように思います。

 この消費税率引き上げ問題は、周知のように、自由民主党麻生政権が、財政再建と毎年ふえ続ける社会保障という二つの課題の解決に向け、その財源をどのように確保するのかということで議論されてきました。政府の社会保障国民会議は、二〇〇八年十一月、年金、医療、介護、少子化対策の充実強化のためには増税が必要であるとの試算を盛り込んだ最終報告を発表いたしました。これに続いて十二月二十四日には、持続可能な社会保障構築とその安定財源に向けた中期プログラムが閣議決定され、社会保障の財源について、消費税を主要な財源として確保すると、消費増税を明記しました。その後、二〇〇九年八月の総選挙で政権の座に着いた民主党は、消費増税はしないと国民に約束しましたが、野田政権のもとで、社会保障と税の一体改革の名のもとに、消費税の増税プランがまたしても提示され、そして、その方針を引き継ぐ形で自由民主党安倍政権は増税を決定したわけであります。しかし、この間の消費税増税をめぐる議論では、国家財政の立て直しのために増税政策に財政再建が優先され、持続可能な社会保障制度の構築とセットで論議がされたと、そのようなことは全く見受けられない状況でございます。

 さて、消費増税に絡んでもう一つ気になる問題がございます。それは、現行の五%の消費税分のうち、地方自治体に地方消費税一%分が税収として入る仕組みとなっており、三%の消費増税分には〇・七%の地方消費税があり、県税収入の増加が予想できますが、その一方で、消費の冷え込みによる景気の腰折れが起きて、県内経済の圧迫と県民生活が脅かされるとともに、県民税や法人事業税といった他の県税が減収し、結果的に奈良県の行財政が厳しくなりはしないか。また、そのため、行政サービスに支障が生じないかという問題でございます。

 このように危惧するのは、歴史の教訓を裏づけにしているからでございます。周知のように、消費税三%が実施されたのは自由民主党竹下内閣時代の一九八九年四月でございます。バブル成長期に差しかかるときでございました。そして、一九九〇年のバブル経済崩壊後、日本経済が立ち直ろうとしたそのときに、消費需要を冷やし、景気回復の芽を摘み取るような経済政策を二度も実施された。そして、二〇〇四、五年ごろからは、格差社会を生み出す社会経済構造を築きながら、経済不況からの脱出を図っていたやさきに、今度は二〇〇七、八年のあのサブプライム問題、リーマンショックが襲って、世界同時恐慌が発生し、今日に至っております。まさに日本経済はこの間、失われた二十年、このような時代でございました。

 そこで、この時期、消費税を五%から八%に引き上げるということ、これは景気回復に冷や水を浴びせ、消費需要を後退させることになりはしないでしょうか。その対策として政府は、五兆円余りの規模の財政出動による経済対策を実施すると方針を示しております。そして、この消費増税は、中小零細企業三万六千企業、全企業数の九九・九%を占め、そのうち小規模企業数が三万二千企業で、占める割合も八八・一%と、圧倒的な比率を占めている我が奈良県経済には、大きな打撃を与えることは避けられないと思います。なぜなら、中小零細企業は、消費税の増税分を商品に転嫁することは困難であり、そのため、経営圧迫が起きることが十分に考えられるからであります。さらに、これまで中小事業者の事務負担軽減のため設けられていた簡易課税制度、これが見直され、中小事業者の負担がふえるような修正がなされるようでございます。加えて大事なことは、グローバルな競争を強いられるTPPへの加入で、奈良県内の産業と雇用はより一層厳しい状況にさらされることが予想されます。

 そこで、知事にお尋ねいたします。来年四月から消費税増税が実施される中で、本県の県税収入全体の見通しはどのようになっているのか、その税収確保に向けどのような取り組みを行っているのか、また、消費税増税により厳しい状況になると予想される県内経済の活性化のため、経済対策にどのように取り組もうとされているのでしょうか、答弁をいただきたいと思います。

 次に、障害者福祉と表裏の関係にあります障害者差別をなくす条例の制定並びに精神障害者の医療費助成制度の充実について、知事にお尋ねをいたします。

 近年、障害当事者が自前のネットワークをつくって、現在の障害者福祉のあり方を問い、そして地域福祉活動のあり方についても積極的に主張されております。こうして障害者福祉のあり方が転換期を迎えていることを強く感じております。今では、障害者の皆さんやその家族の人たちは、偏見による被差別者の存在として、旧来の施設入所の福祉、特定の対象に限定する福祉を拒否され、そして、地域で当たり前の生活を続けていくのは当然だ、これは当然の権利であり、自分たちがどういう生活をするかは自分たちで選んで決めていくのだという強い権利の主張をされております。この結果、地域社会を土台にして福祉サービスを進める原則が確立し、施設への入所を基本とする時代から、地域社会で自立する社会生活全体を支えるサービスの提供にかわりました。さらには、地域社会全体をどう生き生きさせていくかというまちづくりの取り組みにまで広がってきております。

 そのような障害者福祉施策の転換期の中で、奈良県において今重大な課題として提起されているのは、障害者差別をなくす奈良県条例の制定であります。県内十余りの当事者を含む障害者関連団体が集まって、奈良県障害者差別をなくす条例をつくる実行委員会が結成されました。そして、条例制定の必要性を強く訴える活動が行われており、その結果、県議会にもこの声が届き、さきの九月県議会における障害者差別をなくす奈良県条例の制定に関する請願書の採択となりました。

 このような経緯を経る中で、私は、さきの決算審査特別委員会で、障害者差別をなくす条例についてどのように考えているのか、また、その制定に向けた取り組みは進められているのかということを質問いたしましたが、障害福祉課長の答弁は、平成二十七年三月を目途に検討を進めている奈良県障害者計画の見直し作業の中で、条例の制定も視野に入れたい、そしてまた、障害者計画の見直しと並行して引き続き検討を進めるとの答弁でありました。しかも、その検討経過等を踏まえて、本年の、つまり現在の十二月議会に条例制定に関する方向性についてご報告したいとの答弁もいただいたわけであります。

 そこで、条例制定に当たって、私は重要な視点について指摘させていただきたい。何よりも、障害がある人たちの意見を反映するため、障害当事者が参加する何らかの組織をつくることが必要だと考えます。そこで十分に議論して論点を整理し、条例制定にこぎつけることだと思います。この点については、奈良県障害者差別をなくす条例をつくる実行委員会からも強い要望が出されております。条例制定に当たっての検討状況と、障害当事者が参加する委員会の設置について、知事はどのようにお考えでしょうか。また、既に同実行委員会から重要な論点、さまざまありますけれども、幾つかの点について県行政に提起をされております。その内容はおおむね、全国四十七都道府県のうち障害者差別をなくす条例を制定している六つの道県で整理された内容が網羅されておりますけれども、障害の定義、障害者差別とは何か、いわゆる国際条約の障害者人権条約の内容を反映した条例内容になっております。このような動きを踏まえ、障害者差別をなくす条例にどのような内容を奈良県としては盛り込もうとしているのか、知事にお伺いをいたします。

 さらに、障害者差別をなくす条例とあわせて、九月県議会で採択された精神障害者に対する福祉医療制度の適用に関する請願書についても、早急に対応しなければならない課題であります。この請願書に込められた内容は、身体・知的障害者に適用されている医療費助成が、精神障害者には同じ内容の助成が適用されておらないという不平等な扱いを受けている現状を是正し、ひとしく制度適用をお願いするというものでありました。既に、きのうの代表質問、三人のうちのお二人が、この精神障害者の福祉医療制度について質問をいたしました。知事は答弁を行われた際に、来年度に向けて積極的に速やかに実現をしてまいりたい、このような答弁をされましたので、私は、改めて経済的な厳しい状況については繰り返すことはいたしません。

 しかし、いずれにいたしましても、あえて重ねて繰り返し指摘をいたしますけれども、障害者総合支援法には、精神障害の医療費助成は、精神科の通院医療助成しかない、基本的には精神障害者の医療費は、通院医療助成以外の医療費が、精神科の入院医療費も含めて自己負担三割、健常者の自己負担割合と同じ扱いになっているということ、そして、わずかに自治体独自の上乗せ助成制度があるという、大変心細い状況なのです。この要望のほかに、次に大事なことですが、偏見が気になるとの理由で受診できない精神病患者も潜在的にいるとの報告が上がっており、根本的な問題が浮かび上がってきております。五大国民病の一つに加えられた精神病に対する治療と予防は、現在本格的に始まったばかりであるため、制度上整備すべき課題が山積しておりますが、まずは緊急課題である医療費助成制度の改善・充実に力を入れる必要があると考えますので、恐れ入りますが、改めてもう一度知事の答弁、繰り返しでも結構でございます、何度も何度もこれは確認をさせていただく気持ちでおります。お答えいただきたい。

 あわせて、精神疾患を有する方ができるだけ早期に適切な医療を受けられるよう、精神医療体制の整備などにしっかり取り組んでいかねばならないと思いますが、県の取り組みについてお聞かせをいただきたいと思います。

 次に、福島第一原子力発電所事故に関連して、電力消費県である奈良県の取り組む施策のうち、再生可能エネルギーの普及拡大について、知事にお尋ねをいたします。

 福島県の原子力発電所事故に絡んでショックなニュースが伝わってまいりました。去る十月三十日の新聞報道を見ますと、一面トップで、福島全員帰還を転換、帰還困難区域、移住促すとの見出しが躍りました。報道は、政府与党が検討段階と断っているものの、私は、残念だけれども、やはりそのような結果が出たかという思いで受けとめました。与党から全員帰還方針の転換を福島県知事に説明し、知事が、全員帰還原則を目指すけれども、現実路線を容認するとの判断でこれを受け入れたといういきさつがございます。さて、福島県の避難者数は、八月十九日時点の福島県の発表によると、十四万八千人余りで、内訳は県内避難者数が九万五千人、県外避難者数が五万三千人となっています。そして、福島県内では、ことし四月から避難指示の線引きが見直されて、年間積算放射線量の多さによって避難指示解除準備区域、居住制限区域、帰還困難区域の三段階に再編されました。

 しかし、福島県内の浪江町では、八月時点で二万一千人の住民の誰一人、帰還して住むということができず、あの地域のあたり一面見渡す限り無人の荒れた地と化しておるわけでございます。放射線を体に浴びても大丈夫とされている国際基準の許容範囲は年間積算量一ミリシーベルトと言われており、それが百ミリシーベルトを浴びると死に至るとも指摘されています。たとえ安全だと指摘されている一ミリシーベルトであっても、放射線被曝に違いなく、年齢によっても被曝による影響が異なり、年を経るにつれて、いつ発症するかわかりません。この際、放射能は地球上における最強の猛毒である、このことを肝に命じておく必要があると思います。帰還困難区域は、年間五十ミリシーベルト以上の放射線を浴びる地域のことで、対象住民がおよそ二万五千人いるということです。放射性物質の除染が不可能と判断された地域です。また、居住制限区域は年間五十ミリシーベルトから二十ミリシーベルトの範囲内の地域のことで、二万三千人の住民が対象です。そして、避難指示解除区域は、年間二十ミリシーベルトから一ミリシーベルトの範囲内の地域で、三万三千人、このように国では把握されております。

 私たち脱原発をめざす奈良県議会議員連盟の調査団がことし八月、福島県に視察に入り、放射能汚染地域から避難されている住民の皆さんから意見を聞きました。悔しさと怒りのこもった気持ちを聞かせていただきました。避難場所も何回もかわり、疲れ果てたという避難者がいらっしゃいます。肉親が帰りたいと言っても、家の確保や仕事場所などの都合で一緒に住めず、家族を引き裂かれたというお年寄り、そして、避難途中で死んだ方がたくさんいるんだといったことなど、いろいろな報告をいただき、現実が厳しいことを教えられました。何よりも福島第一原子力発電所事故前の暮らしに戻してほしいという訴えには、心が痛みました。政府与党が示す移住先による生活再建の方針は、残念だけれども仕方がないとの現実を踏まえながら、これまで全員帰還に一縷の望みを託していた避難者にとっては、あまりにも過酷な運命を強いるものであります。

 それでは、福島県民の被災者で奈良県に避難されている方たちは、どれほどおられるでしょうか。県の防災統括室の調べによると、九十七名いらっしゃるということです。奈良県としては、この避難生活から移住生活にかわることを見越した対策を考えねばなりません。私は、昨年六月の質問で、避難者の方たちの対策について知事に質問したところ、今後とも可能な限り、避難者の視点に立ち、きめ細かな支援を続けたいとの答弁がありました。新しい事態を迎えた今、政府において、帰還困難者に対する移住支援の方針が具体的に推進されていくときには、これまで原子力発電電力の供給を一部でも受けてきた我が奈良県として、今こそ、福島県の意向や政府方針に沿った形で、福島第一原子力発電所事故被災者のために受け皿を積極的につくることが人道的な使命であると思いますし、このことを検討すべきだと思います。

 これまで述べましたように、原子力発電所で一たび事故が起きると、大変な事態になってしまいます。小泉元首相が、トイレのないマンションと比喩したように、使用済み核燃料の処理もできず、しかも日本は地震国である。陸地内に多くの活断層が走っており、その活断層の上に原子力発電所が多く建設されているという識者の指摘があります。原子力発電の安全性に保証はありません。そもそも日本で原子力発電所を建設、設置すること自体が無理なのです。全ての原子力発電所の廃炉を決定した福島県は、新エネルギーの供給確保に向けて産業興しに取り組まれています。

 本県でも、原子力発電所がないという条件は、福島県と同じであります。その上、奈良県内の発電施設は、水力発電所しかなく、県内の電気エネルギーの自給率は、平成二十三年度時点で二〇・五%という低さでございました。近畿二府四県の中では五番目でございます。このような原因の一つになっておりますのは、大規模火力発電所がないためでございます。これは内陸部だからこのような事態になっておりますが、いずれにいたしましても、私は原子力発電の代替電源及び災害時の電力確保のため、本県の低い電力自給率の引き上げが喫緊の課題であると考えます。その解決に向け、国の固定価格買取制度を活用した太陽光発電や中小水力発電など、再生可能エネルギーのさらなる普及拡大を目指すべきではないでしょうか。特に山間地が県土の約八割を占める奈良県の立地条件は、中小水力発電に最適地であるとの専門家の指摘もあります。

 私が副会長を務める脱原発をめざす奈良県議会議員連盟でも、十月十七日に知事に、平成二十六年度予算編成に係る四項目の要望を行いました。その中で、奈良県エネルギービジョンにおいて、再生可能エネルギー、自然エネルギーの導入・普及における積極的な数値目標の設定を行うよう要望しております。そこで、この電力エネルギーの自給率の引き上げ及び新エネルギーの積極的導入による再生可能エネルギーの数値目標の引き上げについて、知事のお考えをお伺いしたいと思います。

 以上、壇上からの私の質問にかえさせていただきます。(拍手)



○議長(山下力) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇) 三十番和田議員のご質問にお答え申し上げます。

 第一問は、本県税収全体に消費税増税が悪い影響を及ぼすのではないかという論点と、中小企業への影響が懸念されるという二つの懸念を表明されます中で、まず県税収入全体の見通し、税収確保の取り組みについてのご質問がございました。

 今後の県税収入全体の見通しでございますが、その前に、本県の税収構造について若干触れさせていただきたいと思います。本県の税収構造は、個人県民税の割合が四割強と大変高いものでございます。その反面、法人二税の割合は全国最下位レベルとなっております。他県に比しまして特徴的な構造があるわけでございます。県民税が多く法人税が大変少ないということでございます。また、清算後の地方消費税額は、個人県民税に次いで二番目に多く、本県の重要な税財源となってきておりますので、今般の消費税率引き上げに伴い、この地方消費税収はますます重要になってきているものでございます。

 このような本県の税収構造でございますので、これまでは景気変動による影響は比較的少ないというふうに考えておりましたが、これからの人口減少による個人県民税の減収が懸念されるとともに、消費税率引き上げに伴う地方消費税の構成比が高まってくることが予想されますので、県内経済、とりわけ消費の動向に大きく左右される懸念も考えられます。現下の税収構造においても、今後の税収確保に向けて予断を許さない流動的な要素がある状況と考えております。今年度の本県の税収状況を見てみますと、法人関係税など一部によい兆しは見られますが、まだ景気回復に向けた歩みは確実なものになっていないように思っております。消費税率引き上げに伴う政府の経済政策パッケージによる効果や、法人関係税及び自動車関係税等の税制改正の行方などにも注視をする必要があると思いますが、現在、国の中央で検討中のことが多く、現時点では不確定な要素が多いわけでございます。今の時点で税収見通しを明確に立てることは難しい段階でございます。

 税制上の課題も、本県にはございます。本県においては、一世帯当たりの消費は全国三位でございますが、一人当たり地方消費税額は全国最下位となっております。現在、現行の清算基準は必ずしも消費の実態を反映しているものとは言えないと思います。地域間における税収格差が地方消費税においてもさらに拡大するのではないかという懸念を強く持っているところでございます。この税収格差は、県外消費が全国一高い水準にある奈良県という経済構造が強く反映している面もございます。このため本県では、本年三月に立ち上げましたが、奈良県税制調査会において有識者を中心に議論をいただきまして、地方税改革に関する提言ということで、中央にも物を申す姿勢で検討をしていただきました。現行の地方消費税の清算基準は八分の六が販売額、八分の一が人口比率、八分の一が従業員比率でございますが、この八分の一の人口比率を拡大するというふうに意見を申し上げております。また、社会保障経費への充当目的とされます引き上げ分につきましては、三%分につきましては、西ドイツのように消費類推基準としての人口をとるように、とりわけ高齢者人口等を清算基準とするように国等へ要望を行ってきておるところでございます。

 また、本県の税収確保に向けた取り組みでございますが、まず税収確保と税の公平性の観点から、これまでも課税徴収強化の取り組みを市町村とともに積極的に行ってまいりました。特に個人住民税につきましては、従来から市町村に県職員を派遣し、共同して滞納整理に取り組むとともに、法人二税の税収確保を図るため、県への申告のない法人等の調査を重点に行うなど、課税ベース拡大に向けた取り組みも進めてきております。さらに、消費税率が引き上げられますと、適正な消費税転嫁に向けた取り組みも重要になってきていると思います。議員がお触れになったポイントでもございます。また一方で、税収の確保に向けては、税源の涵養を図ることも今後ずっと大事なことでございます。観光の振興や企業誘致等による雇用の創出、県内消費の拡大など、地域経済の活性化に向けた諸施策の展開が、この税収確保の観点からも、これまで以上に求められると思います。今後一層取り組みを強化して、積極的に推進をしていきたいと思います。

 消費税に係る二つ目の質問でございますが、県内経済の活性化が必要ではないか、どのように取り組もうとしているのかというご質問でございました。

 来年四月の消費税率の引き上げは、社会保障の安定的な財源確保の観点から、避けて通れないものと考えておりますが、一方で消費者の購買意欲を減退させるなど、地域経済に何らかの影響が出るのではないかという懸念もあるところでございます。議員もご指摘になりましたように、中小企業の多い本県では、消費税転嫁拒否の対策は重要かつ喫緊の課題と認識をしております。産業・雇用振興部に相談窓口を設置し、現在、その存在についてのPRにも努めているところでございます。今回の税率引き上げに当たり、国においても、引き上げ後の景気下振れ回避を狙った経済対策を実施するとされており、昨日経済対策が閣議決定されました。この中で本県経済の活性化に有効な施策があれば、それをうまく活用し、地域経済の浮揚につなげていきたいと考えております。

 また、平成二十二年度から実施しておりますプレミアム商品券は、県内消費を拡大する取り組みとして、その経済効果の検証もできてきております。今般の税率引き上げ局面における消費の誘発対策としても、有効ではないかと思案を始めているところでもございます。

 さらに、税率引き上げによって影響を受ける中小企業に対しましては、産業振興総合センターにおいて技術開発やブランド化を中心とした高付加価値化、国内外への販路拡大などの支援を行い、経営基盤や技術基盤の強化をさらに図っていきたいと考えております。あわせて、県内外の有識者の方で構成いたします奈良県経済産業雇用振興会議におきましても、雇用や産業の振興というテーマでさまざまなご意見をいただいておりますが、そのご意見を踏まえながら、本県にとって有効な方策について検討していくこととしております。県といたしましては、これらの検討とあわせまして、引き続き県内企業の競争力強化を図るとともに、新たな企業の誘致を推進することにより、県内で投資、雇用、消費が活発に循環する、自立して循環する地域経済の確立、内在的経済振興方策を積極的に目指して、活性化に取り組んでいきたいと考えております。

 その次のご質問は、障害者差別をなくす条例の制定についてのご質問がございました。それと、医療費助成の改善、充実についてのご質問もございました。

 まず、障害者差別をなくす条例の制定についてでございます。さきの九月議会におきまして、障害者差別をなくす奈良県条例の制定に関する請願書が採択されました。この請願は、条例の制定及び障害当事者が参加する条例検討委員会の設置を内容としたものと理解しております。これを受けて県では、条例の必要性等について請願を出された団体と意見交換を行うとともに、他府県の条例制定の経緯、状況等についての調査を行ってきております。引き続き、個別にさまざまなご意見、ご要望を聞かせていただきたいと思いますが、現時点の考え方といたしまして、平成二十七年四月施行を目途に、条例の制定について検討を進めていきたいと思います。また、その検討過程におきましては、障害当事者、関係団体等との意見交換を行う委員会の設置についても検討することとしたいと思います。また、条例の内容につきましてでございますが、これからの検討の内容になりますが、障害者施策の基本理念、障害者差別の解消、障害者に関する取り組みなどについての規定を置くことを検討したいと考えます。このような条例制定に向けた検討や奈良県障害者計画の見直し議論を進める中で、今後も障害者、関係団体等と連携・協調し、ともに考えともに行動することを旨に、障害者施策の充実に取り組んでまいりたいと思っております。

 さらに、障害者に対する医療費助成制度の充実と、精神医療提供体制の整備についてのご質問がございました。

 まず、医療費助成制度についてでございますが、昨日のご質問にもお答えいたしましたが、今回実施いたしましたアンケート調査によりますと、精神障害者は収入が低く、生活が厳しいことや、医療費が大きな負担になり、医療機関の受診を抑制されていることがわかってまいりました。精神障害者に対する医療費助成については、昨日お答えいたしましたが、奈良県の精神障害者に対して福祉医療制度を、来年度できるだけ速やかな時期に適用したいと考えております。

 次に、精神疾患を有する方が早期に適切な医療を受けられる精神医療体制でございます。まず、地域の精神保健福祉の中心的な役割を担っております保健所で、各医療機関へのご紹介をまずしております。保健師や精神保健福祉士などによる患者やご家族への専門の相談をすること、市町村に対する助言・指導をすること、潜在的な患者が適正な医療を受けられるよう精神科病院への紹介などの作業をしておるものでございます。また、県内には十カ所の精神科病院、五十カ所余りの精神科を標榜する診療所がございますが、精神疾患に関する入院・外来に対応されているところでございます。さらに、夜間休日に精神疾患の病状が急変した方が治療を受けられることが必要でございます。精神科の救急医療でございますが、県立医科大学附属病院精神医療センター及び県内八カ所の精神科病院で、精神科救急医療システムが整備されてきております。県立医科大学附属病院では、重篤な身体合併症を有する方や、緊急措置入院患者の方を受け入れておりますし、他の精神科病院は輪番制により患者を受け入れていただいているところでございます。県は今後とも、精神疾患を有する方が早期に適切な受診ができる精神医療体制の整備がさらに充実する作業をしていきたいというふうに考えておるところでございます。

 最後のご質問になりますが、本県における電力エネルギーの自給率の引き上げと再生可能エネルギーの数値目標の引き上げについてのご質問がございました。

 本県のエネルギービジョンにおきましては、県内の電力消費量に占める発電電力の割合でございます電力エネルギーの自給率を高めていくことを目指しております。このため、需要面におきましては、奈良県節電協議会において、奈良らしい節電スタイルを提案し、省エネ、節電による電力消費量削減にまず取り組んでおります。また、供給面におきましては、奈良らしい発電能力を持つという観点から、太陽光や小水力発電の導入への補助を行ってきております。また、県水道施設、農業水利施設を活用した発電設備の整備など、再生可能エネルギーの普及・拡大を図っております。再生可能エネルギーの導入目標は、本県において、平成二十七年度末の設備容量を、平成二十二年度比で二・七倍としているところでございますが、平成二十五年九月末現在では、国の固定価格買取制度の活用等によりまして、導入実績は約十二万三千キロワットまで増加いたしました。平成二十二年度比で二・一倍となってきております。これは平成二十二年度末を起点とする五年間のうち二年半で約三分の二の目標の達成となり、順調に推移しているところでございます。

 固定価格買取制度は、平成二十六年度までの三年間のことでございまして、発電事業者に配慮したプレミアム価格が設定されております。しかし、平成二十七年度からは、プレミアム価格が見直されることになります。事業者の投資意欲を減退させる可能性もあり、再生可能エネルギーの導入の減少も懸念されるところでございます。これまでは順調に伸びてきておりましたが、再生可能エネルギーの数値目標の上向き見直しにつきまして、今後の国の支援制度や県内における再生可能エネルギーの導入量の推移を見きわめた上で、上方修正するかを判断していきたいと思います。また、平成二十三年度の奈良県の自給率は、議員もご指摘になりましたが、二〇・五%でございますが、大半は県内の関西電力の水力発電によるものでございます。自給率の数値目標については、現在設定はしておりません。災害などの緊急時におけるエネルギーの確保の観点からも、分散型エネルギーを面的に整備していくことは重要だと認識をしております。自給率自体は、その向上を目指したいと思っておりますので、さまざまな施策等を展開していきたいと考えております。

 答弁は以上でございます。ご質問ありがとうございました。



○議長(山下力) 三十番和田恵治議員。



◆三十番(和田恵治) それでは、自席から再質問をさせていただきます。

 まず、第一点目の消費税にかかわる本県の税収の問題、それから、本県の中小零細企業を中心とする産業界、経済、こういったことについての答弁をいただきました。

 私は、消費税の増税三%、計八%にのぼるこの消費税率が掛けられて実現すると、全国的に、いや、奈良県においてもかなり景気は落ち込むのではないか。それに対して、なるほど五・五兆円の経済対策を打つというけれども、その場合は、今日までのアベノミクスの経過でわかるように、中小零細企業への恩恵はほとんどございません。そういう意味で、しっかりとここは、この経済対策、考えなければならないし、その落ち込みを何とか防ぐことによって、税収の確保もしていかなければならないのではないか。そこで私は、一つは、時間的に追いかけていくことになるのですけれども、私どものなら元気クラブの川口県議会議員が九月定例議会においても申し上げましたように、小規模事業者のいわゆる事業基本法、これを何としても国に制定を働きかけ、そして改めて小規模事業者の防衛を強める必要があるのではないか。そして、積極的な施策が国から打たれ、奈良県もそれにあわせてしっかりと取り組んでいく、こういうことが必要ではないか。大網をかけた、そのような取り組みというものを考える必要があるのではないか、そのように思います。これは、今奈良県商工会連合会においても取り組みを進めようとしておりますから、一緒になってしっかりと県から、積極的に後押ししながらの対応をしていただきたい、これを要望しておきます。

 そしてまた、消費税の増税で一番困るのは消費者であり、特に所得の低い人たちのことでございます。そういう意味で、所得収入がどういうふうな状況に推移するのか、このことは絶えず注意を払っていただきたい、そういう点で、この収入の動向というものをつかんでいただきたいと思うわけでございますが、知事、そういう方向で部局に指示をするというようなことは可能でしょうか、その意思があるでしょうか、どうでしょうか、ひとつお尋ねしたいと思います。

 それから次に、脱原発の立場からの発言でございます。この問題につきまして、いろいろとこれまで具体的に話を進めてまいりました。今重要なことは、移住されるという、もしそのような方向に進むならば、県内の福島県民の皆さん方には、しっかりとした方向を持たなければいけないだろうと。その準備はしっかり今からやっていただきたい、このことを改めて要望いたしておきます。

 それからもう一つ、再生可能エネルギーは、木質バイオマスという可能性についても、これを探っていく必要があるのではないか、豊富な木がたくさんございます。そういう点で、この面での研究開発も強く要望いたしておきます。

 以上でございます。



○議長(山下力) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) ご要望の点の消費税の関係では、小企業の支援ということでございますが、ご質問でもございませんでしたが、小企業でも大企業でも、元気に活動してもらわなければ、小企業でも国際的な企業はたくさんございますので、大企業ばかりに頼っていてはいけないという観点が入っていると思いますが、それはそのとおりだと思っております。小規模だから補助するんだと。小規模で頑張る人、どのように頑張るのかということを明確にして、助成していきたい、ご支援申し上げたいというふうに思います。

 また、消費税増税に対抗するためには、収入がふえないといけないという点は、ある面ではそのとおりだと思いますが、収入がふえるということは、消費に回す余力が出る、収入があって消費に回してもらわなければいけない。手当てをして、貯金をされるだけではいけない。預託率と言いますが、奈良県では貯蓄の三割しか融資に銀行から回ってない、経済におけるお金がなかなか回らない県でございます。貯金をされても、それが経済に回るような地域にならなければいけない。そのためには収入が消費に回って、事業者の方の商売が繁盛するようにならなければいけないというふうに思いますが、その収入は財産収入だけではなしに、働くことによって収入があって、それを使っていただく、雇用の場がやはり必要だと思います。

 収入が必要だというのでありますが、お金をばらまけというのは、今の行政ではなかなかはやらない手法でございますので、働く場を確保する、働く機会を持ってもらうように訓練をする、マッチングをするということには、もう必死になっておりますので、このことについては、ぜひ県内のいろんな方と理解を共有して努力を重ねていきたいと思うところでございます。そのように、消費税対抗措置といいますか、消費税増税に向けて、消費税増税は社会保障に使うのは必要だと思いますが、消費税が増税されても、ヨーロッパは一八%から二〇%になっておりますが、それでも社会保障が充実して、経済もそこそこ回る、高齢化社会になっても回るという地域にぜひしていきたい、奈良県をしていきたいと思いますが、そのための経済構造、働く人をふやすとか、働く意欲を企業が持ってもらうとか、そういうふうに刺激が多少要るのかなというふうな感じを持っております。具体的なお答えになってない面もあろうかと思います。

 最後の脱原発に対してでございますが、多分間もなく、来週ですか、関西電力と議員の皆様方と意見交換をしていただく機会を設けさせていただいております。それは、脱原発についての意見交換でございますが、それはさておいても、木質バイオマス、再生エネルギーの中の一つの柱になり得る木質バイオマスの事業基盤を確立、環境を整備するという課題はあるように思っております。最大の課題は、木材の搬出コストの低減でございます。そのような立方メートル三千円を下がる搬出コストにならないものかと、いろいろ腐心しているところでございます。ご質問のきっかけでいろいろ思い至るところもございますので、引き続き重ねて努力をしていきたいと思います。

 以上でございます。



○議長(山下力) しばらく休憩します。



△午後二時五十二分休憩

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△午後三時八分再開



○副議長(井岡正徳) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 次に、十三番畭真夕美議員に発言を許します。−−十三番畭真夕美議員。(拍手)



◆十三番(畭真夕美) (登壇) 代表質問最後となりました。最後までの傍聴、ありがとうございます。公明党を

 代表し、知事並びに関係理事者に質問をいたします。

 最初に、リニア中央新幹線についてお伺いします。

 本年九月、JR東海は、環境影響評価準備書を公表し、東京から名古屋までの詳細なルートと駅位置を示しました。このJR東海の環境影響評価の公表を受け、先日山梨県へ、公明党会派で調査に参りました。山梨県では甲府市大津町に中間駅が設けられる予定であり、JR東海は来年秋には国土交通大臣より工事実施計画の認可がおりるよう手続を進めています。経過をお聞きしたところ、山梨県も奈良県と同じく、四地域から要望があったようです。最終判断をリニア中央新幹線の建設営業主体であるJR東海に求めたところ、平成二十三年六月にJR東海が示した計画段階環境配慮書により、駅としての必要な機能や条件などの検討が行われ、約二年を経てことし九月に甲府市大津町が候補地域に決まったとのことでした。一方、奈良県では、全国新幹線鉄道整備法に基づく基本計画や整備計画において、奈良市附近が主要な経過地と決定されていることを受け、奈良県が地元市町村の取りまとめを行いながら、整備計画どおりの三重・奈良ルートの早期実現による全線同時開業とリニア奈良市附近駅の早期確定を目指して三重県との連携を強化しながら活発に活動を展開されておられます。

 私自身も、リニア中央新幹線については、名古屋までが平成三十九年の完成ということで、大阪まではその十八年先の平成五十七年、今から三十二年先の遠い将来と考えていました。しかし、平成二十三年五月二十六日に、リニア中央新幹線の整備計画の国土交通大臣決定、翌五月二十七日には国土交通大臣からJR東海に対する建設の指示、さらに十一月には、JR東海が中間駅の建設費を全額自社負担することを公表するなど、動きが具体化してまいりました。これらの動きにあわせ、知事は、リニア中央新幹線の建設促進のため、頻繁に国に対し要望活動を展開されておられます。そのような様子を見聞きするたび、私たちも今こそ力を合わせていかなければと感じるようになりました。

 そこで知事にお伺いします。先月の政府要望においてもリニア中央新幹線が最重点要望に位置づけられ、太田国土交通大臣に要望されましたが、どのような要望の成果があったのでしょう。また、現在県内四市がリニア中央新幹線の中間駅の候補地として名乗りを上げていますが、同時開業を実現するためにどのように取りまとめようとされているのでしょうか、お伺いします。

 次に、記紀・万葉プロジェクトについてお伺いします。

 二〇一一年三月に策定された記紀・万葉プロジェクト基本構想には、二〇一二年は古事記が完成して千三百年、さらに、二〇二〇年は日本書紀が完成して千三百年という節目の年に当たる。奈良県では、この二つの節目の年をつないで、二〇一二年度から九年のスパンに及ぶ長期のプロジェクトにより、日本の原風景を思い起こさせる本県ならではの存在感を内外に強くアピールしていきたいとあります。次々と訪れる千三百年の節目、ここを切り口に、二〇二〇年までの奈良らしい取り組みが展開されるわけです。つまり、ことしは記紀・万葉九年間プロジェクトの二年目に当たります。県の記紀・万葉の取り組みは、知れば知るほど魅力を感じる構想です。古事記ゆかりの県内各地に行ってみたいなと正直感じました。しかも、プロジェクトの最終年度の二〇二〇年は、東京オリンピック・パラリンピックの開催年と重なり、不思議な一致を感じます。

 しかし、このことをどれほどの県民の方に知っていただいているかを考えると、少し残念な気がします。県内外の方にも、記紀・万葉の取り組みをもっと身近に感じ、多くの人に触れていただくことを期待するところです。県が発行しているなら記紀・万葉イベントガイドというパンフレットを見ますと、この秋から来年三月にかけて、県内各地でさまざまなイベントが開催されるようです。これらのイベントのPRにさらに力を入れれば、記紀・万葉を切り口にきっと多くの観光客が奈良を訪れてくれることは間違いありません。また、奈良県には古代のロマンがあふれる魅力的な記紀・万葉ゆかりの地が点在しています。県が毎年発行しているなら記紀・万葉名所図会などを最大限活用し、奈良県の記紀・万葉ゆかりの地のすばらしさを広く紹介していただきたいものです。このように、今後県民の皆様に県の取り組みを伝えるためにも、さらにわかりやすく、触れる機会、体験する機会が持てるよう、県としても積極的に広報や事業を展開し、記紀・万葉を切り口に、奈良の魅力を日本に、世界に発信していただきたいと思います。

 そこで、知事にお伺いします。東京オリンピック・パラリンピックも開催される二〇二〇年の記紀・万葉プロジェクトの最終年に向けて、なお一層の盛り上げを期待するとともに、記紀・万葉プロジェクトの取り組みを通じ、県民の皆様の心に郷土愛が培われていくよう進めていただきたいと思いますが、どのように取り組まれるのでしょうか、お聞きします。

 次に、奈良公園のエントランス部分となる吉城園周辺の整備についてお伺いします。

 奈良公園は、古都奈良の文化財として世界遺産に登録された東大寺や興福寺、春日山原始林など、貴重な歴史・文化資源とも調和し、世界に誇れる特別な公園として国内外の皆様から愛されていることは、言うまでもありません。特に最近は外国人の観光客が増加しており、アジアからの来訪者に加え、ヨーロッパからの来訪者も増加しているように感じられます。先ほども述べましたが、二〇二〇年の東京オリンピック決定の報もあり、これからますます海外からのお客様がふえるのではないか、そんな思いに胸を膨らませています。このように、国内外から来られたお客様が風情のある浮見堂周辺、鹿寄せをしている飛火野の勇壮な景観、東大寺の屋根を望む趣のある春日野園地など、奈良公園内のすばらしいところに魅力を感じ、奈良公園を満喫していただけるのではないかと感じているのは、私だけでしょうか。これまでも知事は、このような奈良公園の魅力をさらに向上させるべく、お客様へのおもてなしとして、JR・近鉄奈良駅からのわかりやすい案内板の整備、若草山麓の園地、園路の整備、さらにはトイレの整備など、数々の対策を講じてこられました。現在は、県庁東交差点から大仏殿交差点までの間に、国立博物館の反対側の北側にも歩行者の安全確保などの観点から歩道の整備を進めておられます。

 ただ、奈良公園は、若草山山麓までの平たん部であっても、奈良公園周辺の社寺を含めれば、約百ヘクタールと、甲子園球場の約二十五個分ともなる広大な公園です。奈良公園を満喫した後に、少し休憩したい、奈良のおいしいものを食べたい、そして、奈良のお土産を買って帰りたいと誰もが思うことですが、ゆっくりとくつろげる空間がないのが私は非常に残念に思っています。そんな中、静かなたたずまいのある吉城園が外国人にも人気の空間となっていると聞き、吉城園周辺が奈良公園ゲートウエーとなり得る非常に可能性のある空間ではないかと考えているところです。県においても、吉城園周辺地区で魅力ある空間づくりを進めようとされているとお聞きしております。そこで、吉城園周辺地区を今後どのような地域にしようとされているのか、また、どのように進めていこうとされているのか、知事のお考えをお伺いします。

 次に、県内旅館等におけるメニュー虚偽表示の問題について要望いたします。

 本年十月に阪急阪神ホテルズで、メニュー表示と異なる食材を使っていた問題が明らかとなり、その後、次々と全国的に広がる中で、県内の旅館、ホテル等でも同様の事例が発覚しました。県内の旅館三笠において、大和肉鶏と称してブラジル産の鶏肉を、大和野菜と称して大和野菜とは異なる野菜を提供し、また、その他のホテル等でも、ステーキと称して成形肉を、車エビと称してブラックタイガーを使用するなど、食材の産地表示等が不適切であったことが判明しました。今回の問題を起こしたホテルやレストランでの虚偽表示は、消費者に対する信頼への裏切り行為にほかならないものであると私は考えます。旅の楽しみの一つでもある食への期待が、今回の事例により本県全体の食への期待、信頼を損なうことにならなかったかと危惧をしているところです。二度と同様の事態が生じないよう、適正表示に関する業界の意識改革や、その監視体制を整えるなど、再発防止に努められることを強く要望しておきます。

 次に、地域包括ケアシステムについてお伺いします。

 国民のほぼ四人に一人が六十五歳以上の高齢者となり、団塊の世代が七十五歳以上となる二〇二五年以降、日本は未曾有の超高齢社会に突入します。奈良県の場合は、今後全国よりも早いスピードで高齢化が進むと予想されています。私たちは今後どのような高齢社会を目指そうとしているのでしょうか。国は、高齢者が認知症や慢性疾患を抱えても地域で暮らせるように、地域包括ケアシステムの構築を掲げています。地域包括ケアとは、介護が必要になった高齢者も、住みなれた自宅や地域で暮らし続けられるように、医療、介護、予防、生活支援、住まいの五つの視点でのサービスが包括的かつ継続的に受けられる支援体制のことです。

 既に奈良県では、県立奈良病院跡地を活用し、地域包括ケアのモデル地区を整備しようと県、奈良市、医師会などが、地域住民と勉強会を通し、取り組んでいることは、これまで我が党の大国議員の質問で県が考えを明らかにしたところです。先日公明党会派で、東京都新宿区にある暮らしの保健室を訪ねました。高度経済成長期に建設され、高齢化率が約五割に達する巨大団地、戸山ハイツの一画にカフェのような木の香り漂う落ちついた空間がありました。医療にかかわる相談が気軽にできる暮らしの保健室です。開設したのは二十年以上訪問看護に取り組んできた白十字訪問看護ステーション統括所長の秋山正子さんです。秋山さんは、英国でがん患者や家族の相談を受ける施設を見てきた経験を通し、日本では在宅療養への理解が進まない、英国のように、気軽に相談できる場があれば、初期段階から支援ができると考え、二〇一一年七月オープンにこぎつけました。相談や訪問の予約は不要で、団地の住民に限らず、誰でも受け入れており、半年間で約二千人が訪れました。医療にかかわる相談の約三割ががんに関するもので、相談内容によっては、秋山さんらスタッフの豊富な人脈を生かし、地域の病院と診療所、医療・介護機関への橋渡しも行っています。何ともネーミングがすばらしい、暮らしの保健室、このようなものが県内にもあればと考えるところです。今後、地域包括ケアシステムを県内に展開するためには、必要なサービスを切れ目なく届けられる体制整備と、医師や福祉専門職との連携が課題です。各地の地域包括支援センターには、その調整役が期待されています。県内の市町村が都市部や農村といった地域の特性に応じてシステムづくりを急ぐことが大事です。

 そこで、奈良県における地域包括ケアシステムの構築が進むよう、県ではどのような取り組みをしようとされているのか、知事にお伺いします。

 次に、児童虐待防止についてお伺いします。

 十一月は、厚生労働省が定める児童虐待防止推進月間です。公明党奈良県本部は、オレンジリボン街頭キャンペーンと銘打ち、先日近鉄大和八木駅にて、子どもたちの命を断じて守ろうと児童虐待防止を訴えました。さて、児童相談所での児童虐待相談対応件数ですが、増加傾向にあり、二〇一二年度は過去最高の六万六千八百七件となりました。これは、児童虐待防止法施行前の一九九九年度と比べて約五・七倍増に当たります。奈良県においても、二〇一二年度、千二百件と過去最多となりました。増加の理由として、児童虐待への意識が向上し、より多くの相談が寄せられるようになったことが一因として挙げられています。しかし一方で、虐待そのものがふえている可能性も指摘されており、一層の対策強化が必要です。奈良県内でも、これまで桜井市や田原本町で乳幼児の死亡例がありました。未然防止の取り組みとして、保健師らが生後四カ月までの乳児がいる全家庭を訪問し、育児不安などの相談に応じる、こんにちは赤ちゃん事業が県内市町村で実施されています。また、相次いだ妊婦事故から、飛び込み出産がふえていることがわかりました。そのため、経済的負担の軽減として、妊婦健診十四回公費助成や、出産育児一時金の増額など、安心して子どもを産み育てられる環境が整備されてきました。しかし、虐待の背景には、親の孤立や経済問題、産後鬱、望まない妊娠など、さまざまな要因が考えられることから、妊娠、出産、育児に至るまでのきめ細かな支援体制の構築が大事ではないかと思います。

 その一つに産後ケアがあります。産後ケアとは、出産直後の母子の心身をサポートする取り組みで、助産師などが付き添って、授乳指導や育児相談を行い、宿泊を伴うものです。核家族化が進行し、地域のコミュニティーも希薄化する中、一人で悩み、孤立する母親にとって、とても心強い存在ではないかと考えます。全国では、このような産後ケア施設が開設されている市町村もあります。厚生労働省は、来年度予算の概算要求で、妊娠・出産支援を大幅に強化し、産後ケア事業を含むモデル事業の実施を盛り込みました。奈良県にもぜひ産後ケアセンターが開設されますよう要望しておきます。

 このような未然防止対策を講じても、児童虐待を根絶することは難しく、安心・安全な暮らしを確保するため、親と離れなければならない子どもたちもあり、養護施設や里親のもとで養護されることになります。少し時間をおいて再び親と暮らすことができれば幸いですが、それがかなわない子どもたちもたくさんいます。特に家庭的な雰囲気の中で養育することができる里親制度については、十一月が児童虐待防止推進月間ということもあり、テレビでたびたび報道されていました。里親への委託の割合が、日本の場合、外国に比べて大きくおくれているという現状を改めて認識し、さまざまに考えさせられました。子どもを産み育てやすい社会を実現するには、妊娠から出産、子育て期までの切れ目のない支援が重要です。そこで、児童虐待を未然に防止する観点からどのような対策をされているのか、さらには、虐待発生後の子どもや親への対応として、県はどのような対応をしているのか、今後の方向性も含めて、こども・女性局長にお伺いします。

 次に、女性の仕事と子育ての両立支援についてお伺いします。

 厚生労働省は本年九月十二日、認可保育所を希望しながら入所できない待機児童が、四月一日時点で二万二千七百四十一人あったと発表しました。しかし、国による待機児童の定義では、保育所に入りたくても諦めたり、自治体独自の認証保育所などに通ったりしている児童は含まれないため、待機児童は潜在的にはもっと多く、五十万人に上るとの説もあります。安倍内閣が経済再生に向けて展開している三本目の矢である成長戦略の中に、女性が輝く日本をつくるための政策の一つ、待機児童解消があります。五年で四十万人分の保育の受け皿を確保する、待機児童解消加速化プランは、平成二十九年度末までに待機児童の解消を目指すものです。

 奈良県においても、知事が会長となり、奈良県こども・子育て支援推進会議が設置され、関係者とともに、子育ての現状やニーズ把握、さらにこれからの子育て支援のあり方について、来年度にかけて話し合われ、平成二十六年度末までには子育て支援計画が策定される予定と聞いております。同様に県内全ての市町村でも、子育て会議が開催され、子育ての計画が策定されることになっています。県内の待機児童の現状ですが、主に、生駒市、奈良市に多く発生し、ここ五年余り、年度当初は約二百人前後で推移しています。県内市町村も待機児童解消のために保育所を整備されるなど、努力をされてきましたが、今なお待機児童は解消されていません。働きたい人が子どもを預けて働くことができなければ、若い夫婦にとってはお手上げです。認可外保育所より、保育料の安い認可保育所を求めるのは当然です。保育環境の整備はまだまだ必要です。しかし一方では、幼稚園の空き教室がふえています。ピーク時から見ると、園児が半数以下となっています。現在においても、何か活用ができないのでしょうか。保育所待機児童解消のためには、保育所整備により定員をふやすとともに、さまざまな対策を講じるべきですが、県はどのように取り組んでいくのか、こども・女性局長にお伺いいたします。

 育児期、介護期、在宅で働くことが可能なことから、雇用の継続として離職防止にもつながり、また、家族と過ごす時間の増加など、仕事と生活の調和を図るために有効な働き方の一つではと、以前から関心を持っていたものにテレワークがあります。テレワークとは、情報通信技術を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のことです。

 平成二十四年二月十六日、ふるさとカフェで田澤由利さんが荒井知事と対談されることになり、私も参加する機会を得ました。田澤由利さんは、奈良県生まれ、現在北海道在住、大学卒業後シャープ株式会社でパソコンの商品企画を担当されていましたが、出産と夫の転勤でやむなく退職、子育て中でも地方在住でも仕事をしたいと、三人の子育てと夫の転勤による五回の転居を経つつ、パソコン関連のフリーライターとして自宅で働き続けました。その後、在宅でもしっかり働ける会社をつくりたいと会社を設立、さまざまなIT関連業務を受託し、ネットオフィスというコンセプトのもと、全国各地に在住する百五十人のスタッフとチーム体制で業務を行っておられます。さらに、柔軟な働き方を社会に広めるために、二つ目の会社を設立、東京にオフィスを置き、企業の在宅勤務の導入支援や、国や自治体のテレワーク普及事業等を広く実施しておられます。時代の最先端であるテレワークを普及啓発されておられるお話を興味深く聞かせていただきました。

 テレワークは、非常災害時の事業継続やコスト削減という効果などもありますが、特に注目したいのは、女性、高齢者、障害者等の就業機会の拡大や、出産、育児、介護と仕事の二者選択を迫る状況を緩和し、ワーク・ライフ・バランスを実現するにふさわしい働き方ではないかと考えられることです。テレワークについて、県はどのように取り組んでおられるのか、産業・雇用振興部長にお伺いします。

 最後の質問に入る前に、昨日、そして本日の代表質問にありました精神障害者に対する福祉医療制度の適用についてでございますが、昨日知事より、障害者基本法と実態調査を踏まえ、今後、時期や内容については実施主体である市町村と協議しながら、進めていくと答弁がありました。公明党も請願に署名をし、賛成をしたところです。精神障害者の方々が安心して医療を受けるため、福祉医療制度の適用が必要と考えます。早期に実現するよう、公明党としても引き続き見守っていきたいと思っております。

 最後に、鬱病対策についてお伺いします。

 鬱病は、憂鬱感や無気力の状態が長い期間回復せず、日常生活に支障を来すようになってしまう病気です。鬱病は、放っておくと慢性化しやすく、再発しやすい特徴があります。薬による治療とあわせて、認知行動療法も鬱病に効果が高いことがわかってきています。

 先日、公明党会派で、独立行政法人国立精神・神経医療研究センター内に開設されている認知行動療法センター長の大野裕先生を訪ね、認知行動療法についてお話を伺いました。先生によりますと、薬物療法は確かに効果のある治療法なのですが、誰にでも効果のある万能の方法ではありません。鬱病の治療は、薬だけでは不十分なことが多いのです。そのときに役立つのが認知療法、または認知行動療法と呼ばれる精神療法です。薬には副作用がありますが、認知療法のような精神療法には、はっきりとした副作用はありません。そのため、アメリカやイギリスの治療方針では、鬱病が軽いときには、薬を使うよりも、認知療法を使うほうがよい場合が多いと書かれています。また、重症の鬱病では、薬物療法と一緒に認知療法を使うと、薬物療法だけの場合よりも治療の効果が高くなることがわかっているほか、症状を和らげるだけでなく、再発を減らす効果があることもわかっています。認知療法の方法を身につけることで、ストレスに上手に対処できるようになるからでしょうと教えていただきました。大野先生は、奈良県立医科大学の非常勤講師であり、奈良県にも定期的に来られているとお聞きしました。ぜひ先生のご指導をいただければと感じたところです。

 奈良県では、昨年秋、沖縄県立総合精神保健福祉センターの仲本晴男所長を講師として迎え、精神科医、看護師、保健師などの関係者に、沖縄県が取り組んでいる鬱病対策についての研修が行われました。関係者がいつでもどこでも認知行動療法の考え方を活用していけるという点では、有効であり、好評であったとお聞きしました。そこで、医療政策部長にお伺いします。鬱で悩む人が薬物治療だけでなく、認知行動療法を受けられる機会を広げていくべきだと考えますが、県のお考えをお聞かせください。

 以上、壇上からの質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)



○副議長(井岡正徳) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇) 十三番畭議員のご質問にお答え申し上げます。

 リニア中央新幹線についてのご質問がございました。

 リニア中央新幹線の問題は、近年奈良県が持っております課題の中で最重点に位置づけるべき課題だというふうに思っております。したがって、政府要望においても最重点要望として今後とも取り上げていきたいと思っております。議員お述べになりましたが、去る十一月二十日、太田国土交通大臣や鉄道局長とお会いし、平成二十三年五月に決定された整備計画どおり、三重・奈良ルートによる全線同時開業を行うことの要望を行いました。太田国土交通大臣は、いつも道路の陳情にしろ、紀伊半島大水害の復旧・復興にしろ、非常に忙しい中を奈良県知事のアポを積極的にとっていただき、親切に応答していただいております。感謝を申し上げたいと思います。

 まず、鉄道局長にお会いいたしましたが、鉄道局長からは、昭和四十八年の基本計画で既に主要な経過地として奈良市附近と決定しているということが明確にされました。また、その次に来ます整備計画を検討するに当たりましては、長年の調査を経まして、JR東海がじっくりと検討を行うとともに、国の交通政策審議会におきまして平成二十二年三月から二十回にわたりまして審議を行い、平成二十三年五月に答申がなされております。その過程を経て、平成二十三年五月に現在の諸情勢を踏まえた整備計画が決定されたものであり、その中でも主要な経過地として改めて奈良市附近が定められているということを明確に述べていただきました。京都市が、鉄道局長にもお会いに来られるようですが、京都は、古く決まったもので古くさいと、こう言っておられるようですが、そういうわけじゃなしに、最近決まったものだということを言ってくださいということを鉄道局長からもおっしゃっていただきました。さらに、太田国土交通大臣にお会いいたしましたが、太田国土交通大臣は、ルートや駅の位置に関しましては、ことし六月の国会で、現在の計画どおり必要な手続を進めていくことが適当であるという旨を国会答弁されております。先ほど、今申し上げました鉄道局長の内容に沿ったものでございます。今回の本県の要望に対しましては、一言、私が正式に国会で答弁をしているとおりでありますというふうに改めてご回答をいただきました。これは、整備計画どおりに三重・奈良ルートとすることを求めております本県と同様の考えに立つものであり、心強く感じております。太田国土交通大臣及び鉄道局長と改めて認識を共有でき、確認できたことは、今回の陳情の最大の成果であると思っております。

 また、リニア中央新幹線の奈良市附近駅につきまして、国から建設主体、営業主体として、建設の指示を受けたJR東海が、リニア中央新幹線の特性、環境への影響、建設コストなどの観点から、調査・検討を行い、中間駅の位置を最終的に決定されることになっておるものでございます。本県といたしましては、県内の市町村の窓口として、調整の役割を担っております。旅客需要予測やアクセス性などに係る客観的なデータを県民の皆様方に示すとともに、さまざまな検討、議論を深め、JR東海とも協力をしながら調整を進めていきたいと考えております。JR東海は、土地の取得について万全を期したいということを念頭に深く置いておられるように認識をしております。

 次に、記紀・万葉プロジェクトの取り組みについて、本県の郷土愛意識との関係についてのご質問がございました。

 本県の文化を中心としたブランド戦略の柱と位置づけております記紀・万葉プロジェクトは、日本書紀完成千三百年に当たります二〇二〇年までの長期プロジェクトとして推進を決めてきたものでございますが、たまたま二〇二〇年に東京オリンピック・パラリンピックを開催するというお土産をいただいたように思っております。古事記、日本書紀編さん完成の地として、記紀を素材に本県の歴史の価値をわかりやすく親しみやすい取り組みとして推進し、地域の魅力の再発見、県民の再発見、国民の再発見につなげていければと考えております。

 とりわけ古事記は古い書物でございます。旧約聖書にも似た日本誕生の物語だとも言われております。また、世界各地で共通に見られます神話としての要素も大きく含まれているものでございます。このような日本と日本人の内面も含めた源流をたどることのできる書物は、大変貴重なものでございますが、そのような書物が千三百年前にこの地奈良で編さんされたことは、我々奈良に住まう者にとってこの上ない誇りと思っていいものと思っております。この貴重な書物により親しく親しんでいただけるよう工夫をすることとしてきておりますが、今年度におきましてもいろんな取り組みをしております。例えば、古事記に関するすぐれた出版物を表彰する古事記出版大賞を実施しておりますが、この一次審査には県内の高校の図書館司書も多数参加してくれました。高校の読書ニーズも加味した選考として、古事記関連本の高校生への浸透も目指したいと思っております。だんだん古事記についての本が易しく書いていただくような傾向になってきておるように思っております。また、古事記を語る講演会と題して、十二月から来年の三月にかけて県内九カ所で、古事記をテーマとした連続講演会を開催いたします。それぞれの地域の魅力を、地元の方をはじめ多くの方に発信していきたいと思っております。大変身近な話題が古事記の中にありますので、かた苦しくなく読める本でもあろうかという認識を私も改めて持たせていただいております。

 さらに、来年度、これまでの古事記に関する取り組みの集大成といたしまして、大古事記展の開催を予定しております。古事記のさまざまな不思議に迫る展示を行い、わかる楽しさ、納得する楽しさ、物語世界を想像する楽しさ、身近な話として親しみを持つ楽しさを味わっていただきたいと思っております。このような記紀の魅力や記紀・万葉プロジェクトの取り組みのさまざまな手法による発信が地域の魅力の再発見、ひいては郷土愛の醸成につながるものと思っております。古い物語が身近な場所に関連が深いという身近な物語として感じられたらいいと思います。そして、愛する奈良をごらんいただきたいとの思いを県民が持ち、地元のおもてなしに努めていただくことが奈良の観光の底力になるものと思っております。住んでよし、訪れてよしの意識を地元が持つことが、観光振興の基本だと考えてきております。二〇二〇年に向け、このような思いを持ってこれからも記紀・万葉プロジェクトの推進により、県民の皆様の郷土愛の醸成と本県の観光振興との結びつきを深めるように努めてまいりたいと思います。

 観光のご質問で、奈良公園のエントランス部分になる吉城園周辺の整備についての今後の進め方についてのご質問がございました。

 奈良公園全般につきましては、その持っております自然資源、歴史・文化資源、公園資源、またこれらが融合いたしました独特の風致景観は、世界に比類のないものだと私は思います。これら奈良公園の価値をそのままにしておくのではなく、積極的に維持し、その上で十分に利活用していただくことが必要かと思います。奈良公園のさらなる魅力を向上させるために、奈良公園基本戦略をつくり、順次進めておるところでございます。いろんな場所の施策が考えられますが、その中で吉城園周辺地域でございますが、奈良公園の入り口に当たる一等地でございますが、これまで十分な活用ができていない地域になっておるように思います。このため、吉城園周辺地区の優位性を生かしまして、他の観光地とは異なる自然のたたずまいの中に歴史・文化があふれるといったようなコンセプトの地域として整備ができたらと思います。必要な施設といたしましては、宿泊機能や滞留のできる空間を有する施設の整備が必要ではないかというふうに思います。

 このような目的を達成するために、吉城園周辺地区は、どこからでも入れるように、開かれた空間として整備をして、まちごとミュージアムになるようにしたいと思います。まちとしての整備という観点も含めていきたいと思います。具体的には、現在あります吉城園主棟につきましては、泊まれるような、世界のVIPが来てもおもてなしができるような、迎賓館機能を持つようなことでございますとか、副知事公舎やセミナーハウスなどは宿泊施設やレストランや休息や体験ができる施設として整備ができればと思うところでございます。検討に当たりましては、民間の方々の力を活用する形が望ましいと思います。各地でこのような施設の整備がだんだん進んで、その能力を持っておられる方が世間にたくさんおられることも情報としていただいております。このため、建物の整備や運営を一括で行えるコンペ方式により民間事業者の選定を行い、奈良県の今述べましたような方針を的確に理解していただける民間事業者を選んで、タイアップして観光誘客を図ることができたらと思っておるところでございます。

 地域包括ケアシステムの取り組みについてのご質問がございました。

 高齢者が住みなれた地域で安心して暮らし続けるためには、議員お述べのとおり、地域包括ケアシステムが重要と考えております。このため県では、健康長寿、地域包括ケア、まちづくりといった関連するテーマを一体的かつ強力に進めることが必要だと考えまして、本年八月に私自身が座長となり、健康長寿まちづくり検討会議を設置いたしました。この会議では、必要に応じて外部有識者の意見も聞くことにしておりますが、庁内の関係課がまず部局横断的な情報共有と今後の取り組みや課題について勉強をしておるところでございます。この会議において検討を行いながら、県の役割として、地域の実情を踏まえた市町村との協働プログラムの実践を行うということを考えております。本県における地域包括ケアシステムのモデルを構築しようと、具体的な場所を決めて、これが地域包括ケアシステムの拠点だ、場所だということが見えるようにしていけないかという趣向でございます。

 具体的には、これまでそのような方向で考え始めてきておりました現在の県立奈良病院、今後移転した跡地になりますが、平松町での取り組みを進めていきたいと思います。これに加えまして、宇陀市におきまして、市立病院を核として、在宅医療体制を整備するという方向での検討が進んでおります。医師や訪問看護ステーション、介護事業所等による医療・介護の連携体制の構築ということでございます。地元に大変熱心な保健師さんなどがおられる地域でございますので、頼りにしております。また、南和地域における病院機能の再編をしておりますが、それをきっかけといたしまして、南和公立三病院とへき地診療所の連携を推進する形での在宅医療の進展を図りたいと思います。また、この際には、電子カルテや健康スマホなどのICTを活用した在宅医療体制ということも、大変過疎の進んだ地域でございますので、そのような新しい技術も含めた新体制の構築に取り組みたいと思っております。いずれの取り組みにおきましても、人的なネットワークが欠かせません。多職種協働によるネットワークの構築、医療・介護の連携の促進が絶対不可欠でございます。このため、キーパーソンとして、保健師さんを当てにしております。地域に密着した活動を行い、訪問力が大変優れた保健師さんを連携体制のキーパーソンとして位置づけていきたいと思います。このように県がプロジェクトの実践によりモデルを示し、市町村や地域住民及び関係機関に広く働きかけることで、県下全域における地域包括ケアシステムの構築が今後飛躍的に進むことを期待しているところでございます。

 また、議員お述べになりました暮らしの保健室は、大変重要なご指摘であろうかと思います。住民が気楽に医療も含めた相談支援を受けることができる場所として、また、地域の住民の方が地域づくりに参画するきっかけの場所として非常に有効な取り組みのアイデアだと認識しております。県が今申し上げました地域包括ケアシステムを進めるプロジェクトの中で、議員指摘の暮らしの保健室のアイデアを取り組みの内容に入れる方向で検討を進めていきたいと考えております。

 その他のご質問がございましたが、関係の部局長からお答えをさせていただきたいと思います。

 ご質問ありがとうございました。



○副議長(井岡正徳) 西岡こども・女性局長。



◎こども・女性局長(西岡史恵) (登壇) 十三番畭議員のご質問にお答えいたします。

 私に対しましては二つのご質問をいただきました。

 まず、一つ目の児童虐待について。児童虐待を未然に防止する観点からどのような対策をしているのか、さらには、虐待発生後の子どもや親への対応としては県はどのような対応をしているのか、今後の方向性も含めて伺いたいとのお尋ねでございます。

 最初に、児童虐待防止の啓発にご協力いただきましたことに感謝申し上げます。ありがとうございました。県におきましても、子育て家庭への支援や県民の皆様からの児童虐待通告等の協力の促進を図るため、市町村や関係機関と連携し、街頭キャンペーンをはじめとした啓発事業を展開しています。今後も、奈良マラソンなど多くの県民の皆様が集う機会を利用し、周知に努めてまいりたいと思っております。本県では、平成二十三年度に児童虐待防止アクションプランを策定し、未然防止、早期対応、発生後の対応、体制整備の四つのポイントごとに課題と具体的行動や評価指標を設定し、県と市町村が一体となり取り組んでおります。

 このうち未然防止の対応といたしましては、議員お述べのとおり、妊娠期や乳幼児期など早い段階での養育状況の把握と支援が重要です。市町村におきましては、乳児家庭全戸訪問事業の実施や、乳幼児健診未受診児の状況の確認等を行っておりますが、県といたしましても、母子保健担当の医療政策部と連携しながら、妊娠期からの母子保健活動マニュアルの作成や専門的な研修の開催など、市町村への支援を行っております。また、虐待発生後の対応といたしましては、家庭での養育が困難な児童は、社会的養護として児童福祉施設への入所や里親委託を行うこととなります。里親制度につきましては、より家庭的な環境のもとでの養育が期待できることから、中央こども家庭相談センターに里親委託推進員を配置し、奈良県里親会と連携しながら、里親の開拓のための啓発事業や児童委託の推進を図っております。なお、アクションプランにつきましては、取り組み期間が本年度までとなっていますので、現在、事業効果の評価、課題、問題点の検証を行っており、本年度中の改定を予定しております。今後は、これらの評価、検証を踏まえまして、虐待発生後の児童への支援や再発防止の観点からの家庭への支援など、さらなる児童虐待対策の充実強化を図ってまいりたいと考えております。

 続きまして、二つ目のご質問、女性の仕事と子育ての両立支援について。保育所待機児童の解消のためには、保育所整備により定員をふやすとともに、さまざまな対策を講じるべきだが、県はどのように取り組んでいるのかとのお尋ねでございます。

 平成二十五年十月一日時点での県内の保育所待機児童は三百三十五名であり、主な内訳は、奈良市で百四十八名、生駒市で百四名となっております。県では、平成二十一年度から安心こども基金を活用いたしまして、保育所の新設や増築に取り組む市町村を支援してきています。平成二十四年度までの四年間で十四カ所の保育所の新設、そして十カ所の増築が行われ、これにより定員が千八百六十四名増加いたしました。しかしながら、保育所への入所希望者が増加しているために、待機児童は昨年の十月と比べて四十名減少いたしましたが、解消には至っていない現状でございます。

 待機児童解消のための工夫された取り組みといたしましては、生駒市におきまして、利便性の高い駅前の賃貸物件を改修され、保育所分園を十一月に創設されました。また、奈良市では、公立幼稚園の空き教室におきまして少人数の家庭的保育事業、いわゆる保育ママ制度を県内で初めて実施されることとなっております。待機児童の解消など保育の充実を大きな柱とする子ども・子育て支援新制度が平成二十七年度から始まりますので、現在市町村におかれましては、子育て支援に関するニーズ調査の実施などの準備が進められています。県では、本年十月から、県内を四ブロックに分けた圏域会議を開催いたしまして、新制度に向けた対応についての意見交換や情報提供などを行っております。このような場を通じまして、地域の実情を踏まえた保育所整備や認定こども園への移行、幼稚園におきます預かり保育の充実などの待機児童解消方策について検討いたしますとともに、今後も県と市町村が連携いたしまして、保護者が安心して仕事と子育てを両立できますよう、待機児童解消に取り組んでいきたいと考えております。

 以上でございます。



○副議長(井岡正徳) 中産業・雇用振興部長。



◎産業・雇用振興部長(中幸司) (登壇) 十三番畭議員のご質問にお答えをいたします。

 私には、女性の仕事と子育ての両立支援について、テレワークは女性、高齢者、障害者等の就業機会の拡大や出産、育児、介護と仕事の二者選択を迫る状況を緩和し、ワーク・ライフ・バランスを実現するにふさわしい働き方であると考えるが、県はどのように取り組んでいるのかについてのお尋ねでございます。

 平成二十四年の総務省就業構造基本調査によりますと、本県における子育て期である三十歳から四十四歳の女性の有業率は六一・四%で、全国平均の六八・七%より低い状況にございます。また、無業者のうち就業希望者の率は六三・七%で、全国平均の六〇・七%より高くなっているのが現状でございます。また、平成二十年に厚生労働省が行いました調査では、出産を期に退職した女性の約四分の一の方が、仕事を続けたかったが、仕事と育児の両立が難しいということを理由とされており、そのうち約六五%の方が勤務時間が合いそうになかったと回答しておられます。このため、県におきましては、議員がお述べになられました、情報通信技術を活用し、場所や時間にとらわれずライフスタイルに応じた柔軟な働き方ができるテレワークに着目し、その従事者の養成と企業への普及促進に努めているところでございます。

 具体的には、平成二十二年度からひとり親や障害者の方々などを対象といたしまして、在宅で働くスキルを身につけていただくために能力開発、業務の開拓、仕事の品質管理、就業支援を一体的に行う訓練を実施いたしております。これまでに訓練を終了された約百名の方がテレワークに従事をされておるところでございます。また、企業で働く方がテレワークを利用できるようにするため、本年度から企業に対しまして、テレワーク制度導入を促す啓発、セミナー、コンサルティングを行うことといたしております。働く上で、ワーク・ライフ・バランスの実現は重要であると認識をいたしておりまして、そのために有効な働き方の一つであるテレワークの普及促進に今後も引き続き努めてまいりたいと考えているところでございます。

 以上でございます。



○副議長(井岡正徳) 高城医療政策部長。



◎医療政策部長(高城亮) (登壇) 十三番畭議員のご質問にお答えいたします。

 私に対しましては、鬱病対策につきまして、鬱で悩む人が、薬物治療だけでなく、認知行動療法を受けられる機会を広げていくべきだと考えるが、県についての考えを伺いたいとのご質問でございました。

 鬱病は、精神的ストレスや身体的ストレスが重なるなど、さまざまな理由から脳の機能障害が起きる病気でございます。脳がうまく働いてくれないので、物の見方が否定的になり、ふだんなら乗り越えられるストレスもよりつらく感じられるという悪循環が起きてきます。

 ご紹介のありました認知行動療法でございますけれども、こちらは、物の受け取り方や考え方といった認知の誤りを修正しまして、問題解決を手助けすることによって気持ちを楽にする精神療法の一種でございまして、鬱病などの多くの精神疾患の治療に効果があることが実証されています。本県では、精神保健福祉センターが中心となりまして、これまで認知行動療法を積極的に導入されている専門家、こちらを講師として招きまして、精神医療従事者等に対する研修を実施してまいりました。このような研修会が精神科、医療従事者の情報交換の場にもなって、認知行動療法の普及に役立っております。現在、県内二病院で集団による認知行動療法を提供しているところでございます。今後の取り組みといたしましては、一人の方に費やす時間を少なくしながらでも、治療効果が得られる簡易型の認知行動療法、こちらを普及することで、より多くの医療機関において認知行動療法を導入していただき、鬱病に罹患された方へ認知行動療法が受けられる機会を広げられるよう、必要な情報の提供や研修会の充実を図ってまいります。

 以上でございます。



○副議長(井岡正徳) 十三番畭真夕美議員。



◆十三番(畭真夕美) ご答弁いただきまして、ありがとうございました。

 時間がございませんが、少し質問をしたいと思います。リニア中央新幹線についてでございますが、奈良市附近ということで、その駅の確認はできたというお話でございました。二つあったかと思います。奈良市附近ということと、あと、同時全線開業ということが奈良県の大きな二つの要望ポイントであったかと思いますが、先日、JR東海の山田社長が大阪市内で記者会見をして、リニア中央新幹線の大阪まで同時開業は物理的に無理だと、こんなふうに記者会見をされておりますが、これはきょうに限ったことではございませんが、この同時開業について知事は、もちろん思っていらっしゃるのですけれども、それについてこの記者会見を受けて、どんなふうに感じていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。

 それと、記紀・万葉の取り組みなんですが、知事がおっしゃいますと、本当さらっとおっしゃいますので、よくわかるんですけど、なかなかこの九年間のスパンというのがわからなくて、私も今回質問するに当たっていろいろ勉強させていただいて、ああ、そういうことなのか、そういう節目なのかということがわかった次第でございますので、その辺がなかなか一般県民の方には、記紀・万葉といっても何のことやらわからない方が多いのではないかなと思いますので、それも含めて、わかりやすくおっしゃっていただければ、PRしていただければと思います。わかれば、この取り組みは本当に奥深いな、魅力あるなということになるのですが、その最初の入り口がなかなか難しいんです。二〇二〇年は東京オリンピック・パラリンピックの開催で最後は重なりますので、大きなこれをもって奈良県としては盛り上げをしていかれるだろうというふうに思うのです。そういったことで、さらにわかりやすくということをまたお願いをしたいと思います。

 ごめんなさい、時間が終わりました。では、済みません、それだけ。



○副議長(井岡正徳) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) リニア中央新幹線の要望の中心は、奈良市附近の確定と同時開業のお願いということでございますが、JR東海は、九兆円以上の大きなプロジェクトでございますので、東京−−名古屋に精力をつぎ込みたい、名古屋までのめどがついたら、また西のほうに展開したいということでございます。まだ時間がございますので、いろんな知恵を絞る必要があろうかと思いますし、国が支援をするのは、JR東海は、国がこれまで鉄道プロジェクトにいろんな政治介入があったことを、もと国鉄の方たちでございますので、よく知っておられるわけでございます。そういうことを避けたいというのがとても強いご意向だというふうに理解をしております。そのような中で、整備の促進の知恵をどのように提示できるか、国が、提示する知恵は拒まないと言っておられますので、いい知恵があれば、JR東海が受け付けられる知恵があれば、同時開業は現実に物理的に難しいことであっても、そんなに間をおかないようにおっかけて開業できる可能性はあり得るというふうに感じております。

 それから、記紀・万葉の親しみ方は、最近、各関係する県と合同で東京のプロモーションをしておりますが、記紀、特に古事記に出てきております宮崎県、島根県、和歌山県、三重県、奈良県が合同で東京でプロモーションを昨年いたしました。来年の一月にも展開いたしますが、東京の方は、とても古事記に親しく、あっという間に人が集まる。奈良ではなかなか集まらない人が、東京ではあっという間に集まってこられるという状況でございますが、特に島根県知事と話しているのですが、これからは文献だけではなくて、古い時代の考古学的な学問が進んでいるので、それも含めて古代史に親しんでいただけるように展開しようかという提案も受けております。そういたしますと、古事記に出てきた地域だけではなしに、考古学に出てくるいろんな発掘資料が各地にございますので、その古代史における考古学的な検証というふうに観光素材が広がる可能性もございます。そうすれば、それが韓半島とか大陸とか、西域にも広がってくる可能性がございますので、とても楽しい展開になる可能性が、日本だけが特殊だということではなしに、世界に共通の神話がある。まもなく十二月に比較神話学会という学会を奈良に招聘いたしましたら、開いていただくことになりました。古代の神話、日本の神話におけるイランの影響とか、ペルシャの影響とか、そのようなテーマで学者さんが議論をされる学会でございますので、私は注目をしているのですけれども、そのような広く古代の神話を読もう、世界を見ようというふうに世界が動いているというふうに思いますので、いっとき日本でありました日本特殊論ということに立脚して古事記を読むということから、広く読もうというふうに展開しておりますので、そのような潮流を意識しながら展開ができたらと思うところもございます。

 ご質問ありがとうございました。



○副議長(井岡正徳) これをもって当局に対する代表質問を終わります。

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○副議長(井岡正徳) 十五番森山賀文議員。



◆十五番(森山賀文) 本日はこれをもって散会されんことの動議を提出します。



○副議長(井岡正徳) お諮りします。

 十五番森山賀文議員のただいまの動議のとおり決することに、ご異議ありませんか。

     (「異議なし」の声起こる)

 それでは、さように決し、次回、十二月九日の日程は当局に対する一般質問とすることとし、本日はこれをもって散会します。



△午後四時十四分散会