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平成25年 12月 定例会(第313回) 12月05日−02号




平成25年 12月 定例会(第313回) − 12月05日−02号







平成25年 12月 定例会(第313回)



 平成二十五年

        第三百十三回定例奈良県議会会議録 第二号

 十二月

   平成二十五年十二月五日(木曜日)午後一時一分開議

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          出席議員(四十二名)

        一番 宮木健一          二番 井岡正徳

        三番 大国正博          四番 阪口 保

        五番 猪奥美里          六番 尾崎充典

        七番 藤野良次          八番 太田 敦

        九番 小林照代         一〇番 大坪宏通

       一一番 田中惟允         一二番 岡 史朗

       一三番 畭 真夕美        一四番 乾 浩之

       一五番 森山賀文         一六番 宮本次郎

       一七番 山村幸穂         一八番 欠員

       一九番 松尾勇臣         二〇番 上田 悟

       二一番 中野雅史         二二番 神田加津代

       二三番 安井宏一         二四番 奥山博康

       二五番 荻田義雄         二六番 岩田国夫

       二七番 森川喜之         二八番 高柳忠夫

       二九番 今井光子         三〇番 和田恵治

       三一番 山本進章         三二番 国中憲治

       三三番 辻本黎士         三四番 米田忠則

       三五番 出口武男         三六番 新谷紘一

       三七番 粒谷友示         三八番 秋本登志嗣

       三九番 小泉米造         四〇番 中村 昭

       四一番 欠員           四二番 山下 力

       四三番 梶川虔二         四四番 川口正志

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        議事日程

一、全国都道府県議会議長会自治功労者表彰伝達式

一、当局に対する代表質問

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△全国都道府県議会議長会自治功労者表彰伝達式



○副議長(井岡正徳) 初めに、全国都道府県議会議長会自治功労者表彰伝達式を行います。



◎事務局次長(古市秀俊) 三十年以上在職議員として全国都道府県議会議長会から表彰を受けられました山下力議長、十年以上在職議員として表彰を受けられました森川喜之議員、井岡正徳副議長。

 以上三名を代表されまして山下力議長、どうぞ前へお進みください。

     (副議長井岡正徳、被表彰者代表山下力議長に表彰状朗読)

          表彰状

                              山下 力殿

 あなたは奈良県議会議員として在職三十年以上に及び地方自治の発展に努力された功績はまことに顕著であります

 よってここにその功労をたたえ表彰します

     平成二十五年十月二十二日

                        全国都道府県議会議長会

     (表彰状及び記念品伝達、拍手起こる)



◎事務局次長(古市秀俊) 引き続きまして、知事より記念品の贈呈があります。

     (知事荒井正吾、被表彰者代表山下力議長に記念品贈呈、拍手起こる)



◎事務局次長(古市秀俊) 次に、知事の祝辞があります。



◎知事(荒井正吾) (登壇) 一言ご祝辞を申し上げさせていただきます。

 このたび山下力議員、森川喜之議員、井岡正徳議員の三名の方々が、自治功労者として全国都道府県議会議長会から表彰をお受けになりました。誠におめでとうございます。

 三名の議員各位におかれましては、各地域住民からの絶大なる信任のもと、多年にわたり奈良県議会議員として県政発展のためにご精進をいただいてまいりました。誠にありがとうございます。お一人お一人のご経歴、ご業績などにつきましては省略させていただきますが、各議員におかれましては、議長、副議長、常任委員会及び特別委員会の委員長、副委員長などとして、また監査委員として、県政のため今日までそれぞれ大変なご努力とご活躍をいただいてまいりました。

 どうか今後とも健康にご留意いただきまして、引き続き奈良県政発展のためご活躍いただきますようご期待申し上げまして、簡単ではございますが、私の祝辞とさせていただきます。

 このたびは誠におめでとうございました。(拍手)



◎事務局次長(古市秀俊) 次に、受賞者を代表されまして、山下力議長より謝辞があります。



◆四十二番(山下力) (登壇) このたび全国都道府県議会議長会より、自治功労者として森川議員、井岡副議長とともに表彰の栄に浴しました。代表いたしまして、皆様方に一言御礼の言葉を申し上げます。

 ただいま表彰の伝達を受け、誠に身に余る光栄でございます。さらに、知事からもご丁重な祝辞と記念品を賜り、あわせて厚く御礼を申し上げます。

 先ほどご紹介いただきましたように、我々三名が今日を迎えることになりましたのも、ひとえに県民の皆様方から我々にいただきました長年にわたるご支援は申すまでもなく、同僚議員並びに関係各位のご協力のたまものと深く感謝申し上げます。

 今日、地方分権が進み、国の施策を反映することのみならず、地方自治体がみずからの選択と責任によって地方の実情に応じた施策を主体的に実施することが、真に求められる時代となってきています。

 我々議員は、県民の皆様の声、県の政策、他府県の状況等に目を凝らし、耳を傾ける一方で、今の時代に、また、奈良県の実情に応じた条例の審議や国の施策に対する意見書の提出など、議員活動を通じて奈良県の発展のために積極的に取り組むことが求められているところであります。

 私たちは、この受章を契機に、県勢のさらなる発展のために、微力ながら一層の努力をいたし、県民の負託に応えていく覚悟でございます。

 終わりに、皆様方におかれましては、今後一層のご支援を賜りますようお願い申し上げまして、簡単、粗辞ではございますが、御礼の言葉にかえさせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)



○副議長(井岡正徳) これをもちまして、全国都道府県議会議長会自治功労者表彰伝達式を終わります。

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○副議長(井岡正徳) 議事運営の都合により、議長と交代します。

     (議長山下力、副議長井岡正徳にかわり議長席に着く)



○議長(山下力) これより本日の会議を開きます。

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○議長(山下力) ただいまより当局に対する代表質問を行います。

 順位に従い、十一番田中惟允議員に発言を許します。−−十一番田中惟允議員。(拍手)



◆十一番(田中惟允) (登壇) ただいま議長のお許しをいただきました田中惟允です。自由民主党会派先輩・同僚議員のご指導を得て、自由民主党会派の代表質問をさせていただきます。

 奈良県議会では、近畿にとどまらず、全国の都道府県議会議員と同じテーブルに着いて、研修や交流を深めています。毎年取り上げられるテーマは議会改革ですが、国の制度や法律による制約、民間と自治体の考え方の違い等、現実と社会が求める姿には乖離があることも事実です。そのギャップを埋めるべく、奈良県議会においても議会改革推進会議を設置し、また、政策検討会議においても基本政策について検討がなされ、徐々に成果を上げつつあることを県民の皆様にご報告させていただきます。

 その研究交流大会の中でも、今回十一月十二日の都道府県議会議員研究交流大会では、元岩手県知事であり、現在東京大学公共政策大学院客員教授や野村総合研究所顧問の増田寛也氏の講演は、これからの日本をイメージする上で逃れようのない、人口問題をテーマとして語られたものでした。同氏のご了解を得たので、議場に資料配布をさせていただきました。もう一つの資料は、国や奈良県の発表したデータに基づく、私たち自身の奈良県の人口動向をはじめとする資料をつくりましたので、ぜひご高覧いただき、今後の奈良県についてのとるべき政策を一緒に考えていきたいと思っています。この資料は奈良県の今日まで変えることの難しかった課題であり、今後奈良県を発展させていく中で大切なものであります。現在の指標を乗り越えての政策推進が必要なのだとの強い意思を示すために、今回配布をさせていただきました。

 それでは、質問に移ります。まず初めに、平成二十六年度当初予算編成の時期を迎え、奈良県の来年度の財政運営についてお伺いします。

 昨年十二月に発足した安倍内閣は、日本経済の再生に向け、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略、いわゆる三本の矢に一体的に取り組み、今後十年間の平均で、名目GDP三%程度、実質GDP二%程度の経済成長を目指し、これにより着実な需要の発現と雇用を創出することで、景気回復を進めるとしています。一方、日本銀行は十月一日の短観において、大企業の製造業の景気判断は大幅に上昇し、リーマンショック前の水準を回復したと発表しました。また、有効求人倍率等、他の経済指標も改善基調にあることを受けて、国は、日本経済のマインドは変化しつつあり、この景気回復のチャンスを生かし、経済再生と財政再建を両立し得ると判断し、熟慮の上、消費税率の引き上げを決定したところです。また、地方財政については、地方の一般財源の総額は、平成二十六年度及び平成二十七年度において、平成二十五年度地方財政計画の水準を下回らないよう実質的に同水準を確保するとし、地方への一定の配慮は示していますが、リーマンショック後の危機対応モードから平時モードへの切りかえを進めるなど、同時に徹底した無駄の排除を求める考えもあります。

 このような状況の中、平成二十六年度は、経済の持続的な成長につながる施策展開や紀伊半島大水害からの復旧・復興など、県政のさまざまな課題に積極果敢に取り組んでいく必要があると考えます。県では、これら県政の諸課題へ積極果敢に取り組んでいくため、平成二十六年度政府予算編成に向け、必要な国の予算の確保及び制度の創設、拡充等について、関係省庁に対して提案・要望を行われました。特に、リニア中央新幹線の奈良市附近駅の早期確定、駅着工と三重−−奈良ルートによる早期全線同時開業をはじめとする十三項目について、最重点提案・要望と位置づけ、去る十一月二十日、知事みずから県選出国会議員に説明し、関係省庁の大臣、副大臣、政務官の三役や事務次官などに対して提案・要望を行われ、私も県議会議員として県選出国会議員への説明会に出席いたしました。その場に出席し、私自身、国への提案・要望の重要性について改めて認識し、このような活動を積極的に行うことが必要であると強く感じました。

 さて、そこでお伺いいたします。臨時財政対策債を含む県債残高が一兆円を超える状況において、さまざまな取り組みを実行していくためには、持続可能な財政運営も求められるところです。県政の諸課題へ積極果敢に取り組んでいくために、必要な施策の展開と持続可能な財政運営について、どのようにバランスを図っていこうと考えているのか、また、来年度予算編成の基本的な方針とあわせて、知事の所見をお聞かせください。

 次に、施設廃止された猿沢荘の外国人観光客のための施設としての活用についてお伺いいたします。

 我が国は、人口減少期を迎えており、今後さらなる人口減少と少子高齢化が進展することが予想され、国内観光市場は縮小していくことも懸念されます。その一方で、海外に目を転じてみますと、日本政府観光局が一カ月単位で発表されている外国からの訪問客数は、ことしに入り、ほぼ各月とも前年同月を上回っているのがわかります。一月から九月までの累計は既に七百七十万人を超え、我が国が目標としている訪日外国人観光客数である年間一千万人にいよいよ手が届くところまで来ています。さらに政府は、二〇三〇年までに外国人観光客を三千万人にするという目標も掲げており、一段と外国人観光客が増加することが見込まれます。

 奈良県においても、東アジアを中心に外国人観光客誘致に力を入れられ、また、中国陝西省、韓国忠清南道との友好提携を締結されるなど、あわせて国際交流の分野でも積極的な交流をされています。とりわけ東南アジア方面からの観光客が急増しているようです。一般の観光客に加えて、多くの生徒が学校行事として日本を訪れています。生徒たちは、訪問先の学校の生徒たちと授業やクラブ活動をともに行い、文化や教育の違いを体験するそうです。

 私の地元である宇陀地域においても、室生国際交流村実行委員会が積極的に海外の生徒と交流を進めておられます。海外からたくさんの生徒が地元の民家に泊まり、日本人の生活体験を通して交流が進められているところです。ご存じのとおり宇陀地域には、国指定の重要伝統的建造物群保存地区である松山地区、国宝五重塔を誇る室生寺、秋になるとススキの美しい曽爾高原、さらには、外国人観光客にも人気がある温泉施設が榛原、曽爾、御杖にございます。これら観光資源を訪問することに加え、地域の民家に泊まっていただき、日本人のふだんの生活に触れていただく体験は、殊のほか外国人の生徒の皆様に喜ばれています。最近では、明日香村でも同様の取り組みが盛んに行われているようです。国内旅行が停滞する中、外国人観光客に積極的に奈良をアピールし、お越しいただいた方に十分満足して帰っていただくことは、将来のリピーターにつながることはもちろんのこと、口コミという大きな情報発信効果につながると思うところです。また、奈良にはそれだけの魅力が十分にあると私は思っています。

 しかし、現実はどうかというと、確かに奈良公園周辺には多くの外国人観光客が来ているように感じますが、宿泊につながっているかというと少し疑問であります。また、奈良公園周辺以外の県内各地の状況はどうかというと、まだまだ外国人観光客を見かけることは少ないのではないかと感じるところであり、宿泊と奈良公園以外への周遊が課題であると思う次第です。そんな中、今回、本年八月に施設廃止となった猿沢荘を外国人観光客のための施設として活用されると聞きました。奈良市内でも大型の老舗旅館の閉館が報道され、残念に、また寂しく思っていました。また同時に危機感を感じていたところでしたので、非常にうれしく思っております。

 そこで、知事にお伺いします。猿沢荘を外国人観光客のための施設として、今後どのように活用しようとしておられるのか、お伺いいたします。

 次に、精神障害者の皆さんに対する福祉医療制度の適用についてお伺いします。

 さきの九月定例県議会において、精神障害者に対する福祉医療制度の適用に関する請願書が全会派一致により採択されました。請願の内容は、精神障害者の医療費は、精神科の通院については助成があるが、精神科の入院や他の診療科を受診した場合の自己負担は三割となる。精神障害者の経済状況は大変厳しい状況にあるため、医療費の負担が大変重い。このため、身体障害者や知的障害者と同様に、精神障害者に福祉医療制度を適用して医療費の助成をお願いしたいとのことでした。

 また、県は、精神障害者の暮らしや受診状況等について八月に実施したアンケート調査の結果を十一月十四日に公表されました。この調査結果を見ますと、精神障害者は、高齢の親との同居やひとり暮らしが多数を占めること、精神障害者本人の平均年間収入はおよそ九十五万円、また同居家族の平均年間収入もおよそ二百七十一万円と、収入が全体的に低いこと、八割の人が生活にゆとりを持てず、他の支出を抑えてでも医療を優先していること、六割の人が精神科以外の病気もあわせ持ち、半数の人が医療費の負担が大きいと回答していること、重度の障害者になるほど医療費は高くなることなどが報告されています。

 また、県が平成二十一年に行った障害者及び高齢者の生活・介護等に関する実態調査において、世帯の年間収入が二百万円未満の世帯の割合が、身体障害者のみの世帯で三一・五%、知的障害者のみの世帯では四五・八%、精神障害者のみの世帯では五二・八%となっており、障害者の世帯の暮らし向きについて、ほぼ半数の人が、生活するのにぎりぎりの収入、生活費が不足と回答するなど、生活が厳しい人の多いことがわかりました。特に知的障害、精神障害の人で暮らし向きが厳しい状況ですと報告されています。

 私も、思春期に発病して長期療養を強いられ就職もままならない精神障害者の方、そして、その精神障害者を支え続ける家族、とりわけ、高齢になりご自身も病気を持ちながらなお支え続けておられるご両親を数多く見ています。平成五年の障害者基本法の改正により、精神障害者も身体障害者や知的障害者と同様に、障害者として規定され、また、その第一条には、全ての国民が、障害の有無にかかわらず、ひとしく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるものであるという理念もうたわれています。この法律の改正から既に二十年がたちましたが、さまざまな施策において、精神障害者は他の障害者に比べておくれているのが現状です。これらのことから、精神障害者に福祉医療制度の適用をしていただきたい気持ちが一層強くなりました。精神障害者の皆さんが安心して必要な医療を受けられるように、私は会派を代表して、精神障害者に福祉医療制度を適用すべきと申し上げます。

 そこで、知事にお伺いいたします。奈良県の精神障害者に重い負担となっている医療費に対して、身体障害者や知的障害者と同様に福祉医療制度を適用し、助成すべきと考えますが、どのようにお考えか、所見をお聞かせください。

 次は、林業・木材産業の振興に向けた県産材の販路拡大についてです。

 さまざまな分野でグローバル化が進む中、経済の自由化を目的としたTPP交渉が進んでいます。日本は今年七月に交渉に参加し、アメリカなどからほぼ一〇〇%の関税撤廃を求められているのに対し、米など農産品五項目の関税を死守する方向で交渉を行っております。TPP参加により、輸出産業の分野において活性化がもたらされ、本県でも企業誘致など地域経済の改善が期待できることはわかります。しかし、その一方で、熾烈な競争のため、日本の農業は大打撃を受けるのではないかということは明らかで、人間にとって最も大切な食糧のほとんどを輸入に頼ってしまうのではないかと、私は強い危機感を感じております。

 このように思いますのは、過去に先行して輸入の自由化がなされ、今も衰退の一途をたどっている本県の林業・木材産業のことが脳裏に浮かぶからであります。昭和二十年から昭和三十年ごろ、日本では戦後の復興等のために木材需要が急増しましたが、戦争中の乱伐による森林の荒廃や自然災害等で供給が追いつかず、木材が不足し高騰を続けました。このため、政府は伐採跡地への造林など拡大造林政策を進めるとともに、当時の木材需要を賄うべく、昭和三十九年に原木丸太の輸入の全面自由化に踏み切りました。その後、昭和四十年代後半には、一ドル三百六十円の時代は終わり、円高が進み、国産材は価格競争力を失い、需要は著しく減少していったのであります。外材は安く、大量に安定供給できるといったメリットもあり、その輸入量が年々増大し、加えて近年、建築様式の変化等により木材全体の需要が減少し、昭和五十五年ごろをピークに県産材の需要量は落ち続け、現在もとまらない状況です。県東部・南部地域では、林業・木材産業等の衰退や雇用の減少、過疎、高齢化の進展が顕著であり、対策は待ったなしの状況です。奈良県は県土の七七%を森林が占めており、県内の山には伐採期を迎える木がたくさんあります。また、手間暇かけて育てられた木は、年輪が細かい、色つやがよいなどの特徴があり、全国的にも良質材の産地として有名ですが、活用できておりません。

 このような中、荒井知事は林業・木材産業の振興を県政の重点課題とされ、奈良県森林づくり並びに林業及び木材産業振興条例を制定されたのをはじめ、木材利用施策を強化するために昨年、奈良の木ブランド課を設置され、公共建築物等への県産材の利用の拡大や、間伐材を活用した木質バイオマスの実証実験に着手されるなど、新たな取り組みを進めておられます。衰退が続いている林業・木材産業の現状を踏まえますと、一気に好転するのは難しいと思いますが、県内の関係事業等と協力しながら、知恵を出し、新たな起爆剤になるような取り組みや、地道で継続的な取り組みを進めることが必要であります。

 そこで、知事にお伺いいたします。先般、東京において県産材をPRする奈良の木フェアを開催されましたが、どのような成果を期待されているのか。また、今後の県産材の販路拡大についてどのようにお考えなのか、知事の所見をお伺いいたします。

 次に、移動ニーズに応じた交通サービスの提供体制の構築についてお伺いします。

 昨年十月に奈良交通株式会社は、少子高齢化による利用者の減少などによって現行バス路線の維持が困難になったことから、路線を見直すために、中南部地域のバスネットワーク確保に向けた協議開催について、県へ申し入れを行いました。同社からの申し入れによって、現行の国や県などの補助制度などを前提としたこれまでの仕組みでは、中南部地域の乗り合いバスを維持することが困難な状況であることや、中南部地域を運行する広域路線二十五路線四十五系統について、平成二十六年十月以降の廃止や減便を同社が検討していることが明らかになりました。私の地元である宇陀市、宇陀郡においても、七つの路線バスの系統が奈良交通株式会社から協議の申し入れのあった四十五系統に含まれています。中南部地域のこれらの路線は、慢性的な赤字が続く路線であり、通勤や通学、買い物、通院などの住民の生活のための移動手段が引き続き維持されるかどうか、不安視する声を私も地元住民の皆さんから聞いています。自家用自動車を利用できる住民には影響が少ないのですが、高齢者などいわゆる交通弱者と呼ばれる方々にとっては、公共交通が唯一の移動手段であることから、不便や不自由を感じることのない移動環境を確保することが必要であると私は考えています。

 県では、この奈良交通株式会社からの申し入れをきっかけとして、知事のリーダーシップのもと、地域交通にかかわる関係者の総力を結集し、移動ニーズに応じた交通サービスのあり方を検討するため、今年二月、知事みずからが会長となり奈良県地域交通改善協議会を立ち上げ、これまで精力的に検討されていることは、私も高く評価しているところです。十月末に開催された同協議会においては、これまでの議論を踏まえ、路線バスとして運行することの必要性や効率性の判断基準とするため、一便当たりの平均乗車人員や収支率、一人当たりの行政負担額などの客観的な指標に基づく補助や路線の廃止に係る数値基準が県から示されました。また、奈良交通株式会社から申し入れのあった二十五路線四十五系統にこれらの指標を当てはめ、現状のままでは廃止や補助対象外となる系統があることを具体的に市町村に示されました。住民アンケートなどでバスの必要性を聞きますと、多くの方が必要だと言うので、実際にバスを走らせたところ、ほとんど住民は乗っておらず、空バスを走らせている例を市町村から聞くことがあります。そうならないためにも、知事が同協議会で示されたように、住民の移動ニーズを客観的な指標ではかり、それをもとに、県も市町村も限られた財源の中で、住民に提供する公共交通サービスの価値の最大化が図れるように検討を進めることは非常に重要であると私も考えております。

 そこで、知事にお伺いいたします。十月末に同協議会において、路線バスとして運行することの必要性や効率性の判断基準となる客観的な指標に基づく補助や路線の廃止に係る数値基準が示されましたが、今後、これらの指標を活用して、移動ニーズに応じた交通サービスの提供体制の構築に向けどのように検討を進めていくのか、知事のご所見をお伺いします。

 最後に、先日締結されましたJR西日本との包括的連携協定について伺います。

 本年九月、奈良県の念願であるリニア中央新幹線について、先行整備される東京−−名古屋間の駅の予定位置がJR東海から公表されました。名古屋−−大阪間についても早期に整備され、リニア中央新幹線奈良駅は、県の東南部まで恩恵がもたらされる位置に設置されるよう望んでやみません。国に対し、積極的かつ強力に要望活動をされていますが、知事には、引き続きご尽力をお願いしたいと思っています。

 こうした超高速列車の整備に向けた動きと同時に、九州では、豪華寝台列車ななつ星の運行が始まりました。

 ゆったりと時間をかけながら、車窓から見える流れゆく風景や山々にそよぐ緑などを感じ、土地土地の新鮮な食材や郷土の料理を堪能できる、このクルーズトレインは、地域の振興にも大いにつながるものです。一方、都市部に目を向けますと、電車内ではモニター画面から、また駅でも電子看板から、ニュースや天気予報、コマーシャルなどの画像が流されるなど、鉄道は単なる移動手段ではなく、情報発信のツールとしての活用も可能になってきているようです。

 さらに、鉄道と地域の関係について考えてみたいと思います。奈良県のような大都市近郊では、高度成長時代には鉄道会社により沿線の宅地化がどんどん進められてきました。ところが今、こうしたニュータウンにおいて急速に高齢化が進展しています。鉄道はこれまでの通勤・通学客を大量に運ぶことだけを考えていてよい時代ではなくなってきているのではないでしょうか。こういった状況の中、ある鉄道会社では、介護や見守りなどの高齢者支援など、沿線地域に根差した、地域にとってメリットのある事業を始められるなどされています。また駅は、地域の方が日々利用するとともに、旅行で来られた方と地域が最初に触れ合う大事な場所です。関西に比べ関東では、鉄道会社がいち早く駅のバリアフリー化に取り組むとともに、地元とも連携した駅周辺のまちづくりや開発、郊外部の次世代のまちづくりに向けた自治体との連携などにも熱心に取り組まれています。こういった、地域とともに共生し、地域とともに栄える鉄道を目指す動きは望ましいことで、鉄道会社には地域との連携強化が望まれるところです。このように、鉄道会社と自治体との新しい関係が望まれる中、本年十月、県はJR西日本との包括的連携協定を締結されました。

 そこで、知事にお伺いいたします。このたび県とJR西日本との間で締結された包括的連携協定の目的や狙いは何か、また、今後この協定をどのように生かしていくのか、お聞かせいただきたいと思います。

 以上で、壇上からの自由民主党会派を代表しての質問を終わります。ご清聴、誠にありがとうございました。(拍手)



○議長(山下力) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇) 十一番田中議員のご質問にお答え申し上げます。

 最初のお問い合わせは、財政運営と来年度予算編成の基本的方針についてのご質問でございます。

 本県の政策課題の中には、これまで取り組みがなされずに他県に比べておくれている分野も多く、解決すべき課題が山積している実情も存在しております。そのようなことから、単に歳出を絞って節約一方の財政運営をするだけではなく、本県の将来に資する必要な投資や経済活動を刺激、誘発、喚起するための投資を積極果敢に行うことも必要である状況だと認識をしております。そのような結果、税源を涵養することにもつながり、財政の持続性を確保することにもなると期待をしております。その際、県債の増発をすることによって将来の県民に過剰な負担をかけないような、バランスのとれた適正な財政負担をするという配慮が必要であると考えます。そのため、議員も質問の中で触れられた県債残高の水準に留意した財政運営を行う必要があると思います。県債残高は平成二十四年度末で一兆五百六十八億円ありますが、このうち返済時に交付税による国の財源手当てがないもの、すなわち全額、県が自前で返済しなければならない県債残高は四千三百四十六億円となっております。このような県債残高を減らすことを大事な目標にしております。現実には、この残高は減り続けているわけでございますが、これ以外の県債残高、約七千億円余になりますが、これは国が交付税措置により返却するということになっております。

 財政規律の確立のために、これまでも毎年度の予算においては努力を続けているわけでございますが、それは県税の徴収の強化でございますとか、国庫補助金の獲得、あるいは県有資産の売却などによる有効活用、また、公共事業の投資効果を踏まえた選択と集中の徹底、費用対効果の検証による既存事業の見直しなどでございます。このような財政運営の考え方はこれからも続けてまいりたいと考えておりますが、平成二十六年度当初予算編成の考え方のお問い合わせでございますが、次の四点を基本的な考え方、方針としていきたいと思っております。

 一つは、国の消費税率引き上げに対応する新たな経済政策と歩調を合わせながら、地域経済の活性化と雇用の確保を強力に進め、本県経済の持続的な成長につなげていきたいと思います。二つ目は、消費税法改正の趣旨を踏まえまして、社会保障の充実を本県でも図っていきたいと思います。三つ目は、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックが東京で開催されることになりましたが、それを契機として、オリンピック後もさらなる発展が継続できるように、奈良の持つポテンシャル、特色を生かす形で、観光、文化、スポーツの振興に取り組みたいと思います。さらに、暮らしやすい奈良の創造に向けたまちづくりもあわせて大事かと思います。最後に、紀伊半島大水害からの復旧・復興についても、奈良県紀伊半島大水害復旧・復興計画に基づく各般の取り組みを万全を期して行いたいと思います。この四つを来年度の財政運営の基本方針としたいと現在考えております。

 一方、国におきましては現在、デフレ脱却と経済再生への道筋を確かなものにするため、事業規模で十八兆円超の経済対策が策定されております。それを踏まえた平成二十五年度補正予算が国においても検討されておりますが、通常、国の補正予算は、当初予算に比べまして、地方にとりましては財源措置が手厚いものでございます。昨年もそうでございました。これを最大限活用して、平成二十六年度当初予算と一体で平成二十五年度補正予算を編成し、よりよい奈良県づくりに向けた施策の展開をしていければと思っております。

 二問目の質問は、猿沢荘の活用方策についてのご質問でございました。

 観光を通じて日本人と外国人が交流をし、相互の理解を深めることは、国家間の外交を補完する効果もあり、大いに歓迎すべきことでございます。一方、外国から日本への観光客は、ことしに入って円安の影響やビザの発給要件緩和などで大きく伸びておりますし、また、今後も大きく伸びることが予想されます。また、日本を訪問される大勢の観光客が奈良県内を周遊していただくことは、県内の経済や雇用の促進にも大きく貢献するものと考えます。

 どのようにすべきかということのまず第一の点は、本県の観光魅力を外国人観光客にアピールするように努力をすることだと思いますが、本県の外国人観光客に対するセールスポイントは、次の三つではないかと考えております。奈良はかつて日本の首都でございまして、現在に至る日本の礎を築いた地でございます。日本そのものを体感できる多くの歴史文化の遺産があります。本当の日本を知りたければ奈良にいらっしゃいというような気持ちでお迎えをできたらと思います。また、そのようなことから、世界遺産を三つも有する唯一の県でございます。さらに、千数百年前に東アジアやシルクロード沿線諸国を中心に海外との交流が盛んであり、日本の中でもとりわけ異質の雰囲気がある地域でございます。他に比類のない特色を持った観光地であると自認をしてもいいかと思っております。しかしながら現実は、このような観光素材を経済的には十分生かし切っていない状況のように思います。宿泊は京都や大阪でといった観光客が多く、VIPも奈良には訪れられますが、大阪や京都にお泊まりになることが通例でございます。その結果、地域経済や雇用への波及効果は十分でないように思います。

 全国最下位でございます宿泊施設の質と量を改善することや、奈良での滞在日数を延ばし、宿泊客を増加させるにはまだまだ努力をしなければいけない点があると考えます。

 次に、奈良を訪れる外国人観光客をどのように受け入れるかということについて、その動向を分析しますと、課題が幾つか見えてまいっております。外国人観光客の訪れる地が奈良公園周辺に偏っていることがわかってきております。また、外国人観光客は観光スポットを見るだけでなく、交流や異国での体験と、より深い理解を求められている実情になってきております。また、奈良のような観光地でございますと、その奥深い魅力を十分理解してもらうためには、奈良についての事前の学習が必要ではないかというふうに分析をしております。

 このような課題は、今後ずっと奈良が努力し続けなければいけない課題でございますが、猿沢荘のこれからの活用方針も、このような課題の解決に役に立つ方向で検討ができたらと思い至った次第でございます。ご質問の猿沢荘は、経営状況が悪く、この八月末に閉鎖をいたしましたが、現在、地方職員共済組合が土地、建物を所有しております。この場所は、ご存じのように東大寺や興福寺などの世界遺産に隣接し、来訪した外国人がまず来られるような地域でございます。また、猿沢池のこの地域は、池越しに見える興福寺の五重塔がございますし、滞在されるには絶好の位置にあります。また、近くには、ならまちなどにおいて小さな宿泊施設が外国人を迎え入れるようにもなってきております。これらの状況を鑑みますと、外国人観光客を受け入れるための拠点施設として県で活用する方向はどうかというふうに考え始めておるところでございます。

 猿沢荘をどのように活用するかにつきましては、基本構想の策定から始める必要がありますが、その中で、宿泊機能に加えまして、外国人観光客への情報提供機能、奈良での文化体験をご案内する機能、外国人観光客同士が情報交換をする機能、そこに参りますと他の国の外国人と交流、交際ができるといった宿泊機能、案内機能も検討の対象にしていきたいと思います。これを契機に、奈良を訪れる外国人観光客が、奈良市のみならず奈良県内に長期的に滞在、宿泊され、外国人が宿泊しやすいまちだ、地域だということが口コミで喧伝してくれるようになれば、地域経済や雇用にも貢献でき、奈良の意味がとりわけ大きくなるように思います。そのような方向での拠点整備を考えていきたいと思っている次第でございます。

 三点目は、精神障害者に対する福祉医療制度の適用についての所見をご質問になりました。

 精神障害者への医療費助成を検討するために、精神障害者の暮らしや医療機関への受診状況等について、精神障害者保健福祉手帳の所持者を対象に八月にアンケート調査を実施いたしまして、その後、分析をした調査結果を十一月に公表いたしました。今回の調査でわかりましたことは、議員がお述べになったことでもございますが、まず、精神障害者は家族への依存が高いこと、また、精神障害者とその家族の全体的な収入の低さも明らかになりました。また、多くの精神障害者が、精神疾患のみならず精神疾患以外の病気の治療も受けておられることもわかってまいりました。また、このような医療費は精神障害者の暮らしに大きな負担になっており、特に重度の障害者になるほど医療費は高くなることなどが具体的にわかってまいりました。

 これまで本県では、精神障害者の方々に対し、精神科に通院される方々の医療費助成を県独自で上乗せする形で平成七年度から行ってまいってきております。精神疾患の早期治療と治療継続を促進するためのものでございます。一方、身体障害者や知的障害者が対象となっている、議員もご指摘になりました福祉医療制度と比べますと、身体障害者と知的障害者に対しましては、全ての診療科の入院と通院が医療費助成の対象になっております。このため、精神障害者の方々からは、他の障害者と同様に福祉医療制度を適用してもらいたいと、さきの九月県議会に請願を提出されました。この精神障害者に対する福祉医療制度の適用に関する請願書は全会派一致により採択され、県議会のご意見として明らかになったところでございます。

 私は、この県議会のご意見を重く受けとめたいと考えております。さらに、障害者基本法の理念、アンケート調査の結果も踏まえまして、奈良県の精神障害者に対しまして福祉医療制度を適用したいと考えています。なお、制度の詳細は、関係者や福祉医療制度の事業主体でございます市町村と調整しながら決定していく必要がございますので、そのための時間が少しかかると思いますが、来年度、できるだけ速やかに適用できるように努力をしたいと思っております。

 次のご質問は、県産材の販路拡大、とりわけ、東京で県産材PRをいたしましたが、その成果の評価についてのご質問でございました。

 本県の質の高い木材製品を多量かつ広く流通させることが、林業・木材産業活性化の重要課題と認識をしております。県産材の安定供給と搬出コストの削減は、山側での課題であります。そのための体制整備を進めておりますが、川下側においても利用拡大の取り組みの強化を図っていく必要があると思っております。山側対策、川下対策、両方の課題があると思います。

 川下対策の一環でございますが、先月、東京で奈良の木フェアを初めて開催いたしましたが、その目的は二つございます。一つは、建築市場が活況となっている首都圏において、高級マンションや商業施設等の内装材、住宅用材として県産の良質材を広く利用していただくことでございます。二つ目は、首都圏で活躍されている、厳しい目を持った建築関係事業者等の方々から奈良県産材に対する意見を伺い、今後の取り組みに生かすことでございます。農産物のときもそうでございましたが、東京での吟味、マーケットでの吟味は全国の評価の基準となることは、木材でも変わりないように思います。このフェアにおきましては、首都圏の大手マンションの販売・建設事業者の方、有名建築デザイナーなどを対象にいたしました知事トップセールスを実施いたしまして、また、県内事業者の方々による製品ブースでのPR商談会などを実施いたしまして、約二百六十名の方々がお集まりいただきました。このような取り組みは奈良県にとりまして初めてのことでございますが、奈良県と連携協定を結んでおります早稲田大学の古谷教授には大変お世話になりました。成功したのも同教授のおかげだと感謝をしております。

 来場者の方々からの意見でございますが、計画中の物件への使用を検討するといったご意見や、直接良質材に触れて他県産材との違いを明らかに感じたという貴重な意見、また、大手建材メーカー等とタイアップして製品化を図りたいと思うので安定供給をしてほしいといったような意見がございました。また、既に成約事例も出るなど、確かな手応えも感じているところでございます。このため、今後も引き続き同フェアへの参加者や、紹介いただいた関係事業者に対しまして、県産材情報を定期的に発信するなどのPR活動を続けていきたいと思います。確実な販路拡大につなげたらと思っておるところでございます。

 東京だけでなく、県内はじめ京阪神地域などにおいても、県産材の価値や魅力についての効果的なPRや、協力協定等を締結いたしました大手ハウスメーカーとの連携強化、また、ユーザーニーズに応える新たな製品開発等の取り組みを強化して、販路の拡大を図る努力を続けていきたいと思います。あわせまして、広く関係分野の専門家からご意見を伺い、今後の販路拡大に向けた課題の洗い出しや、その解決に向けた方策を検討し、厳しいマーケットの目を通して奈良県の木材・林業の振興の行動指針としてまいりたいと考えておるところでございます。

 次のご質問は、移動ニーズに応じた交通サービス提供体制の構築をどのように進めようとしておるのかというご質問でございます。

 議員もお触れになりました、奈良県地域交通改善協議会において検討を進めておりますが、地域の多様なニーズに対応した移動環境のあり方をどのようにすべきかというテーマで検討しております。その方向性でございますが、従来は、現行のバス路線を存続させるための赤字補填をすることを主たるツールにしておりましたが、これからは、目的別の移動ニーズ、例えば通学、通院、買い物、通勤など目的別の移動ニーズに合った支援をする方法に転換ができないかという方向で検討開始をしております。その中で現行のバス路線をどうするかにつきましては、三つの選択肢しかございません。一つは公共交通事業者によるバス路線としての維持、二つ目は市町村連携によるバス路線としての代替、三つ目はバス路線の廃止という、この三つの選択肢しかないわけでございます。このことを関係者に認識してもらい、いずれにするのかの議論を深めていく必要がございますが、同協議会やその実務者レベルの会議におきまして、参考となる指標を県から市町村や公共交通事業者にお示しし、これまでも幾度となく検討を行ってまいりました。客観的に物事の検討を進めようということでございます。

 これらを踏まえまして、議員お述べになったことでございますが、十月末の第三回協議会では、今後の検討のための指標を提示させていただきました。赤字路線は、運賃で乗客が負担するか、財政で公共団体が負担するかしか方途はないわけでございますが、運賃や財政負担と移動ニーズのマッチングを客観的にどう見るかということになるわけでございます。そのために、一便当たりの平均乗車人員、これはニーズの高さ、また収支率、経営への影響、一人当たりの行政負担額、これは財政負担の程度でございますが、そのような指標を路線ごとに比較できるように数値としてお示しし、路線の存続や補助の検討の指標として使うことを了解いただいたものでございます。今後、この指標に基づきまして目的別の移動ニーズを踏まえた公共交通の運行について、その運行主体、運行形態のあり方、経費分担の方法などについて、個別の路線ごとに関係する市町村と公共交通事業者が具体的に協議をしていくということにしたいと思っております。来年二月三日に第四回の協議会を開催いたしますが、引き続き市町村と公共交通事業者、奈良交通株式会社でございますが、などとの調整の役割を担いながら、移動ニーズに応じた交通サービスの提供体制を構築するため、さらに精力的に検討を進めてまいりたいと思います。大変重要な時期に差しかかっているように認識をしております。

 最後に、JR西日本との包括的連携協定の今後の活用の仕方というご質問でございます。

 関東地域などでは、鉄道により交流人口が増大し、駅を中心としたまちづくりをしようという機運が強いものでございます。地域と鉄道は相互に依存し合いながら発展をしようという機運が強いものでございます。地域をより一層発展させていくためには、地域と鉄道事業者のさらなる連携が必要だと考えます。

 本県とJR西日本とは、これまで、奈良駅周辺の一体的な地域再生に向けたJR奈良駅付近連続立体交差事業を進めた経緯がございます。さらに観光面においても、県内のみならず全国各地にある古事記、日本書紀、万葉集ゆかりの地の魅力を再発見する記紀・万葉プロジェクトをPRする協力もいただいております。ヘッドマーク列車を大和路線で運行するなど、さまざまな取り組みをしていただいております。こうしたこれまでの取り組みを積極に進めることも必要だと思っておりますが、新たなアイデアを実現することも考えたいと思いまして、十月二十一日に私とJR西日本の大阪支社長が包括的な連携と協力に関する協定を取り交わしました。このことにより、本県とJR西日本が相互に情報や意見の交換に努め、協働により取り組むことが可能な案件については、緊密に連携し、協力していける体制を構築し、具体的なプロジェクトに育てていきたいと思います。

 その具体的な取り組みの例でございますが、JR西日本と県が協力して、市町村や民間の事業者も含め、駅周辺のまちづくりやアクセス改善を検討、推進していきたいと考えております。その一つといたしましては、京奈和自動車道奈良インターチェンジ周辺において、新駅設置も視野に入れたまちづくりの検討を引き続き進めていきたいと思います。さらに、踏切除去立体交差、踏切統廃合などによって、安全で安定的な列車輸送の確保と道路渋滞対策を検討、推進していきたいと思います。また、駅を起点とした周遊ルートの開発、県内各種キャンペーンとの連携、JR西日本関連メディアの活用を通じて、京阪神近郊のみならず北陸、中国、九州エリアなど広域からの奈良県への誘客などにも取り組んでいただきたいと思っております。協定締結の際も話題に上りましたが、JR西日本では、JR九州のななつ星のような豪華寝台列車の運行に向けた検討も実施されているとお聞きしております。記紀・万葉ゆかりの地をめぐる列車の運行などのアイデアも実現できればと思っております。

 さらに、年間約三千三百万人の観光客が本県を訪れておられますので、災害が発生した場合、観光客などを対象といたしました帰宅困難者対策が必要かと思います。観光施設、市町村等とも連携しながら、大規模災害発生時における情報提供と相互協力のあり方について検討を進めてまいりたいと思います。今後も、JR西日本とは、定期的な意見交換会や分科会等を開催し、双方知恵を出しながら、事業実施に向けて取り組んでまいりたいと考えております。

 ご質問、ご指摘、ありがとうございました。



○議長(山下力) 十一番田中惟允議員。



◆十一番(田中惟允) 親切丁寧にお答えいただきました。

 特に精神障害者の課題については、来年度で適用するように頑張ってやっていきたいとか、積極的なお答えを頂戴しました。また、木材利用については、そのフェアの中で成約もできたという成果もお示しいただきました。

 また、JR西日本との関係では、新駅を考えて、ぜひとも実現するよう頑張りたいというふうな積極的なお答えも頂戴しました。

 これらは、将来の奈良県をつくる上で非常に大切なことだと思いますので、一層頑張ってやっていただきたいと思います。今までの奈良県政のあり方から少し変わってきたかなという感じは、私には受けるのですけれども、一般県民のところまでそれがうまく伝わるように努力していただきたい、このように思って、質問を終わります。

 以上です。



○議長(山下力) 次に、二十六番岩田国夫議員に発言を許します。−−二十六番岩田国夫議員。(拍手)



◆二十六番(岩田国夫) (登壇) 議長のご指名をいただきましたので、自由民主党改革を代表して質問させていただきます。

 民主党政権の決められない政治に別れを告げ、安倍政権が誕生して、間もなく一年になろうとしております。

 この一年で、デフレスパイラルに陥っていた日本経済は上昇スパイラルに転換いたしました。また、東京オリンピックが決定するなど明るい話題も多く、まさに国民がみずからの誇りと自信を取り戻し、強い日本を取り戻しつつあると実感しているのは、私だけではないと思います。このような時期であるからこそ、荒井知事が今まで推し進めてこられた施策をさらに積極的に推進していただきたいという思いから、本日は六点にわたり質問させていただきます。

 まず最初は、来年度の重点施策についてお伺いしたいと思います。

 先ほども申し上げましたが、安倍首相は、成長による富の創出という政策目標を掲げ、その政策目標を実現するために、アベノミクスとして、いわゆる三本の矢の経済政策を実施しています。第一の矢は大胆な金融政策、第二の矢は機動的な財政政策、そして第三の矢は民間投資を喚起する成長戦略であります。我が国の経済は、このアベノミクス効果により、景気は着実に回復してきています。さらに、経済の先行きも、輸出が持ち直し、各種政策の効果が発現する中で、家計所得や投資の増加傾向が続き、景気回復の動きが確かなものとなることが期待されています。

 また、本県経済に目を向けましても、国の景気回復の動きを反映し、公共投資が増加するなど、緩やかな持ち直しの動きが続いている状況であります。このような本県経済の活性化の速度を加速させるためにも、平成二十六年度は、今まで荒井知事が先頭に立ち、議論を重ねてこられた施策について、大輪の花を咲かせる年であると考えています。まさに奈良県政のターニングポイントとなる年と感じているところであります。よく、経済は生き物であるという言葉を耳にいたします。時期を逸することなく、積極的にチャレンジしていただきたいと思うのであります。とりわけ私としては、民間の投資を喚起することで本県経済がよくなっていくような施策展開が必要であり、特に経済活性化に資する施策に重点的に取り組んでいただきたいと考えています。例えば、観光地としての魅力アップに不可欠な、県営プール跡地へのホテル誘致や、奈良公園の魅力向上など大宮通りプロジェクト、企業誘致の推進とそれらを支えるインフラ整備などであります。

 来年度の予算編成は間近に迫っています。知事は来年度、特にどのような施策に重点的に取り組もうと考えておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。

 次に、経済活性化に資する施策として、私が最も期待している県営プール跡地へのホテル誘致についてお伺いいたします。

 奈良県における観光は、非常に有望な産業であり、実際、観光地としての奈良は、世界遺産をはじめとする歴史文化や豊かな自然環境といった観光資源に恵まれており、毎年多くの観光客が訪れています。しかしながら、その方々を受け入れる宿泊施設が少なく、客室数は全国最下位というのが現状であります。かねてから知事は、経済の活性化や観光振興を推し進めるため、県営プール跡地及び奈良警察署用地へのホテル誘致に向け、ご自身の豊富な人脈やネットワークを生かし、積極的な誘致活動に取り組んでこられました。しかし、現時点においても、ホテル誘致の実現には至っていないところであります。

 知事は、これまでにも、多くの観光客に奈良へ来ていただけるよう、平城遷都一三〇〇年祭をはじめ、平城宮跡の国営公園化、奈良公園整備、ムジークフェストや、なら瑠璃絵等のイベント、記紀・万葉プロジェクト等のさまざまな取り組みを進めてこられました。しかし、ことしに入り、猿沢池周辺の旅館が廃業されるなど、奈良の観光地としての最大のネックは宿泊であり、その改革こそが奈良の観光産業にとって必要不可欠なものであります。また、七年後の二〇二〇年には、東京においてオリンピックが開催されることが決定いたしました。今後、多くの海外からの観光客をお迎えすることとなり、奈良への外国人観光客も今後ますます見込まれるところであります。それら観光客の宿泊ニーズに対応するためにも、一刻も早く奈良でのホテル誘致を推し進めていく必要があると考えています。ホテル立地の実現に向けては、民間事業者の投資が必要であり、それを誘引するために、県として思い切った手だてを打ち、来る二〇二〇年のオリンピックに備え、ホテル誘致をぜひとも実現していただきたいと考えております。

 そこで、知事にお伺いします。県営プール跡地へのホテル立地の実現に向けて、民間投資の誘引を図る積極的な施策提示が必要と考えますが、今後、どのようなお考えにより、ホテル誘致を進めていかれるのか、お伺いいたします。

 次に、ASEAN諸国との交流について質問いたします。

 ことしは、日本とASEANが友好協力を始めて四十年の節目の年に当たります。先月末に、外務省と奈良県が主催する地方連携関西シンポジウムという記念行事がホテル日航奈良において開催されました。このシンポジウムでは、これからの日本とASEANとの関係のあり方や、地域レベルの観光、経済交流の促進に向けたさまざまな議論がなされました。県からは前田副知事が、奈良のインバウンドについてのプレゼンテーションをされ、その後のパネルディスカッションでは、東南アジア地域の関係者から、奈良はもっと観光面でのアピールに工夫をすべきではないかという提案もあったようであります。

 また、少しさかのぼりますが、今年三月末には、同じく日本とASEANの友好協力四十周年の記念事業として、ASEANスポーツ・キャラバンが開催されました。奈良には、ミャンマーの伝統競技チンロンと東南アジア発祥のセパタクローの世界最強の選手団が来られました。一方、日本からは、伝統的な蹴鞠を復元した飛鳥蹴鞠が出場し、三つの足わざ競技が国営飛鳥歴史公園でコラボレートしました。チンロンとは、ミャンマーの仏塔の祭りで行われるパフォーマンスさながらの華麗な妙技であります。また、オリンピック競技にもなっているセパタクローは、空中の格闘技とも称されるアクロバティックな足わざです。いずれも中国大陸から伝わった足わざ競技がルーツとなっています。飛鳥蹴鞠も七世紀に中国から伝わっており、これら三つの共演が実現したのです。当日は、約三百人の観客が見守る中、各競技の紹介とデモンストレーションや体験ワークショップもあり、会場は大いに盛り上がりました。東南アジアの伝統スポーツという毛色の変わった国際交流に、観衆もとても喜んでおられました。

 さて、日本を訪れる外国人観光客が回復基調にあるようです。ことし七月には、日本を訪れる外国人が単月で初めて百万人を突破いたしました。念願の年間一千万人の達成も現実のものとなってきております。中でも、経済発展に伴い海外旅行を楽しむ人がふえているタイ、マレーシア、ベトナムなど東南アジアからの訪日客が大幅にふえています。いよいよASEAN諸国は日本にとって重要な市場となってまいりました。また、観光など短期の滞在だけではなく、在住外国人、中でも東南アジアからの留学生がふえていると聞いています。ことし四月に県がシルキア奈良に開設した外国人支援センターにお伺いしますと、県内大学における東南アジアからの留学生は百七十人で、全留学生の一四%に上るようです。国別に見ますと、中国に次いで二位がベトナム、三位がマレーシアとなっています。外国人支援センターが主催するイベントやセミナーにも、東南アジアからの留学生の参加が目立つようになってきました。私の地元、天理市はもともとそのような受け皿のある土地柄ですが、最近目立って東南アジアからの留学生がふえているように感じています。また、市内にインドネシアのコーヒーが飲める喫茶店もオープンするなど、実感として、近年、東南アジアが存在感を増しているように思います。

 一方、経済分野でも、海外での生産拠点をASEANに分散し、直接投資を拡大する動きが加速しています。

 特にインドネシア、ベトナム、シンガポールへの動きが顕著で、ミャンマーへの関心も高く、企業にとっても、ASEAN諸国の旺盛な購買力や豊富な労働力などはますます魅力的になるものと思われます。このように、ASEAN諸国は日本にとって、同じアジア圏に住む大切な仲間であるとともに、着実な成長を遂げている昨今では、観光・経済交流の主要なパートナーにもなってきています。奈良県が今後、元気な地域づくりを目指していく上で、ともに発展していく方策を検討することが重要ではないかと考えております。

 そこで、知事にお伺いします。近年、経済成長が著しく、存在感を増す東南アジア諸国との連携・交流、さらには東南アジア諸国からの観光客誘致について、今後どのように展開しようとされているのか、お伺いいたします。

 続いて、医師・看護師確保対策についてお伺いいたします。

 急速な少子高齢化、医療技術の進歩、県民の医療に対する変化等、医療を取り巻く環境が変化する中で、必要な医療提供体制の確立は喫緊の課題と考えます。このような状況の中、知事は就任以来、医療問題を県政の柱として積極的に取り組んでこられました。特に、地域医療提供体制を整備するため、県立奈良病院については、北和地域の高度医療拠点病院として移転・整備を行い、県立医科大学附属病院については、中南和地域の高度医療拠点病院として中央手術棟を整備されています。また、南和地域の医療提供体制の充実を図るため、南和の公立三病院を、新たに整備する救急病院と二つの地域医療センターに役割分担し、体制の再構築を進めておられます。これらの取り組みは、県の医療体制の向上を図り、県民に質の高い医療を提供する重要な取り組みであり、多くの県民が期待するところであります。

 このようにハード面での整備が鋭意進められているところですが、一方で、実際にその中で働く医師、看護師をはじめとする医療従事者が十分に確保されていないと、これらの機能を十分に発揮することができないと考えます。中でも、医師数はここ数年増加傾向にありますが、依然として診療科や地域による偏在があります。産科、小児科、麻酔科等の診療科は、へき地における深刻な医師不足問題、救急患者の受け入れの問題等に直面しており、これらの問題に対して対策を講じる必要があります。また看護師についても、増加傾向にはありますが、医療ニーズの増大、医療の高度化等の変化に対応し、患者本位の質の高い医療サービスを実現するため、看護職員を質、量ともに確保することが求められています。さらに、今後急速に少子高齢化が進む中で、高齢者の増加による医療・介護ニーズの急増に対応できる医療・介護提供体制の整備は重要な課題であり、これを支える医師、看護師の育成・確保も喫緊の課題となっております。私の地元の天理市においては、天理市立病院が平成二十五年度末で廃院し、無床診療所等で構成される天理市立メディカルセンターとして新たに設置されますが、廃院には医師、看護師不足による患者の減少が経営に影響を及ぼしたこともその一因であるように聞いております。

 知事が進めておられる医療提供体制の整備には、その前提として、医師、看護師が十分に配置されなければなりません。県は、医師、看護師の確保を一層推進していく必要があると考えます。

 そこでお伺いいたします。奈良県の医療を支える医師、看護師の確保・育成について、今後どのように進めていこうとされているのか、知事のお考えをお聞かせ願います。とりわけ、医師確保の観点から、奈良県立医科大学に県費奨学生配置センターをこの十月に設置されたと聞いておりますが、その機能や今後の運営についても、あわせてお伺いいたします。

 次に、現在策定中の道路整備基本計画についてお伺いいたします。

 県では、平成二十年に策定した奈良の今後五カ年の道づくり重点戦略に基づき、事業を進められていますが、この重点戦略を見直し、現在策定中の計画が道路整備基本計画です。今後は、この計画に基づき、道路整備や管理などが進められることになります。まさに道路整備の羅針盤とも言えるこの計画の中身、内容について、今後も十分に注視していく必要があります。

 私は、これまでも、本県のおくれている道路整備をより一層進めるべきと、いろいろな機会があるごとに発言してきました。最も優先整備すべき京奈和自動車道については、大和郡山ジャンクションが来年度早期の開通、五條までは平成二十八年度の全線開通、大和北道路の柏木町付近までは約十年後の開通を、県が国に要望されています。しかし、依然として渋滞が著しい橿原北インターチェンジから大和高田バイパス間の整備予定は不明であります。大和郡山ジャンクションにより西名阪自動車道からのアクセスが向上し、五條までが開通すれば和歌山県とのアクセスが向上します。この結果、南北方向から多くの交通がこの区間に集中し、渋滞が一層悪化するのは目に見えて明らかです。この区間の早期整備が最重点課題だと思います。

 通学路も大事です。二月議会の一般質問で、通学路の危険箇所の対策推進に向けて土木部長に質問をいたしました。私の地元でも、県道福住横田線の檪本、県道天理環状線のJR柳本駅の北側など危険な通学路が多く存在しており、通学路の安全対策は喫緊の課題です。さらに、紀伊半島大水害でも改めて重要性が浮き彫りとなった山間部の命の道、鉄道駅へのアクセス道路、通勤や観光のための道路もまだまだ整備が不十分であります。

 知事が唱えられている県政の諸課題を解決するためにも、平成二十年の道づくり重点戦略の取り組み内容を継承しつつ、次期道路整備基本計画では、これら山積する道路課題への対応をより強く打ち出していく必要があると考えます。そこで、これまで取り組んでこられた道づくり重点戦略の成果と山積する道路課題の解決に向けた次期道路整備基本計画における取り組み内容について、県土マネジメント部長にお伺いいたします。

 次に、道路予算の確保について要望いたします。

 先月六日に行われた道路整備等の充実を求める県民大会で、道路行政の最近の話題について、国土交通省から講演がありました。資料を拝見すると、成熟した社会と言われる欧米においては、公共投資を増加させているとのことです。さらに、国においても、新しい日本のための優先課題推進枠を設けるなど、予算確保に努められています。県も補正予算や国庫補助金の活用など、予算確保に向けてさまざまな努力をされていると思いますが、本県のおくれている道路問題を解決するために、今後ともより一層の道路予算の確保に努められることを改めて強く要望しておきます。

 最後に、奈良県の教育課題の一つである子どもたちの体力向上についてお伺いいたします。

 ことし三月に公表された平成二十四年度の全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果では、小学生が体力合計点で男女ともに全国平均を上回り、順位でも平成二十二年度の前回調査の四十六位から十九位と大きく向上いたしました。五年前の調査開始時に、奈良県の子どもの体力は非常に低位であることが判明し、県教育委員会としてさまざまな取り組みをされ、非常に喜ばしい結果を得たものだと考えております。一方、中学生は体力合計点で全国平均より低く、順位でも前回調査の四十三位から一つ下がり四十四位で、順位で見ると小学生の体力は大きく向上したのに対して、中学生は依然低位な状況が続いております。しかし、小学生の体力が全国平均を上回り、順位で大きく向上したといっても、その差を体力合計点で見れば、全国平均が百八・九二点に対して約一点上回っているだけであります。また、中学生は順位的には低位な状況であるものの、同じく体力合計点では約四点の差が見られますが、前回調査からの伸び率では全国を上回っている状況と認識しております。このように、小学生は体力合計点の乖離で見ると切迫しており、向上途上の状況ではないかと思われます。また中学生も、低位な状況は確かですが、もう少し努力すれば全国平均以上の体力となるのではないでしょうか。

 ことし八月に公表された平成二十五年度全国学力・学習状況調査で、奈良県の子どもの学力は、教科ではおおむね全国平均以上で、全体的に見ると、学習塾通いをする子が多く、学力は高いが、みずから意欲的に学ぼうとする意欲や、約束を守るなどの意識がやや低いという状況が見られております。

 私は、これからの変化の激しい社会を生きるためにも、子どもたちが知・徳・体をバランスよく身につけることが大切だと考えています。教育では、計画的に確かな学力、豊かな心、健やかな体をバランスよく伸ばし、人間性豊かな子どもたちを育成することが重要だと考えております。幾ら学力が高くても、健康を維持できる体力がなくては、社会の荒波を乗り越え、たくましく生きていくことはできません。特に体力は人間のあらゆる活動の源であり、健康の維持のほか、意欲や気力といった精神面の充実にも大きくかかわっており、人が生きていくために重要なものであります。先ほど述べた知・徳・体を奈良県の子どもたちがバランスよく身につけるために、積極的な対応、取り組みが継続的に必要なことは言うまでもありませんが、私は、全ての基本である体力の向上への取り組みを重要視したいと考えているところです。

 そこで、教育長にお伺いします。県教育委員会として、奈良県の子どもの体力の現状をどのように考えているのか、また、今後どのような取り組みを行っていくのかをお伺いいたします。

 これで壇上からの質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○議長(山下力) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇) 二十六番岩田議員のご質問にお答え申し上げます。

 まず第一問は、国の経済運営、本県の経済の実情をお述べになり、来年度の予算の重点施策についてのご質問でございました。

 先ほど田中議員にもお答え申し上げましたテーマでございますが、平成二十六年度の基本方針といたしまして、一つには、地域経済の活性化と雇用の確保、二つには、消費税法改正の趣旨を踏まえた社会保障の充実、三つには、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックが開催されることを契機とした、本県における観光、文化、スポーツの振興と、暮らしやすい奈良の創造に向けたまちづくり、四つ目には、紀伊半島大水害からの復旧・復興というテーマで取り組みたいと思っております。

 具体的な取り組みの内容でございますが、まず、地域経済の活性化と雇用の確保につながる施策といたしましては、議員がお述べにもなりましたが、企業が立地しやすくなるような企業支援や立地環境整備に引き続き積極的に取り組む必要があろうかと思っております。また、研究開発の面が強くなりますが、リビングサイエンスをキーワードにして、新しい産業の創出のための研究開発を進め、新たな雇用を確保する施策も高めていきたいと思います。

 また、社会保障の分野では、新県立奈良病院や南和広域医療組合の病院、県立医科大学附属病院の施設整備を着実に進めていきたいと思います。また、子育て支援、健康づくりなどの施策にも積極的に取り組みたいと思っております。

 観光の振興につきましては、議員もご指摘になりました大宮通りプロジェクトを積極的に推進していきたいと思いますし、プロジェクトの一環でもございますが、奈良公園の観光キャンペーンを、平成二十七年から平成二十八年にかけて行われます春日大社の第六十次式年造替と連携して展開する予定としております。さらに、記紀・万葉プロジェクトにおきましては、これまでの三年間の古事記を中心素材とした取り組みの集大成として、大古事記展の開催を予定しております。

 文化の振興といたしましては、三年目となりますムジークフェストなら二〇一四のさらなる充実を図るほか、秋には奈良県大芸術祭を実施したいと思います。県民の皆様に良質な文化に触れていただくとともに、文化活動に参加していただく機会を拡大していきたいと思います。

 スポーツの振興では、二〇二〇年の東京オリンピックの開催に向け、奈良県のスポーツ力をより高めるため、トップアスリートの育成・強化等に取り組もうと考えております。地域のトレーニングセンターの設置の検討も始めております。また、いつでも、どこでも、誰でも運動・スポーツに親しめる環境づくりをさらに推進していきたいと思います。

 紀伊半島大水害からの復旧・復興につきましては、平成二十六年度が集中復旧・復興期間の最終年度となりますので、各般の取り組みをさらに推進し、地域住民が被災前の日常生活を一日も早く取り戻せるよう、万全を期したいと思いますが、この被災された南部地域のさらなる復興、また、発展のための新しいやり方も模索していきたいと思います。

 議員がお述べになりましたように、日本経済が回復基調にあります今が、本県にとってもチャンスであるように思います。平成二十六年度は、さらなる奈良県の発展に向け、今まで職員とともに議論を重ね、検討してきた施策を力強く実行し、奈良が変わったと実感していただける年にしたいと考えております。

 二つ目は、そのような中での県営プール跡地へのホテル誘致の状況についてのご質問でございます。

 訪問客の皆様に奈良の魅力を十分に味わっていただき、その感想を口コミで伝えていただくことによって、奈良における観光消費や地元雇用の増大に結びつけるためには、奈良へのホテル誘致は極めて重要だと思います。

 奈良は、京都に比べてホテルのバラエティーが少なく、国際級のホテルはございません。二〇二〇年のオリンピックの際に、各国の元首やVIPを含め多くの外国人が日本を訪問されると思いますが、その際に奈良に国際級のホテルがないことになれば、大変寂しいことだと思います。リーディングホテルとなる国際ブランド級のホテルを奈良県が誘致することで、奈良の値打ちを国際的に上げ、奈良の宿泊観光のあり方を大きく変えたいという思いを強く持っておりますが、現在、ホテル誘致を含む県営プール跡地活用プロジェクトを進めているところでございます。

 これまでの誘致活動におきましては、幾つかの国際ブランドホテルの運営事業者は、ホテルのオーナーが見つかれば奈良で運営してもよいと言っていただいております。現在の課題は、ホテルのオーナーとなる投資主体を見つけることでございます。現在、投資主体となり得る民間事業者の方々に、県営プール跡地活用プロジェクトのもくろみをお話しし、また、現地も私自身何度かご案内しながら、意見交換をし、投資意欲の湧くようなプロジェクト内容、スキームの検討をしている最中でございます。

 県としては、ホテルへの民間投資の確保が大事でございますが、県営プール跡地を奈良県観光に大きく裨益することも大事だと考えております。奈良県観光のゲートウエー、拠点になるような方向での整備ができたらというふうに思います。まず、大宮通りには、西のほうから平城宮跡歴史公園、国営公園となる平城宮跡歴史公園がございます。次に、県営プール跡地のところににぎわいの拠点づくり、ホテルができれば大きな拠点になります。さらに、東のほうでは県庁舎の周辺、奈良公園、猿沢池などが大宮通り沿いに、世界に比類のないレベルの観光資源が整っております。それは歩いてはなかなか行けませんので、つなぐバス輸送が必要でございますが、県が今、ぐるっとバスの実験運行をしておりますが、そのほか、大宮通りの植栽、あるいは環境整備など、ハード、ソフトにわたり投資をして、この地域の魅力を一体として高めていきたいと考えております。

 そして、県営プール跡地におきましては、ホテルやNHK放送局のほかの施設も念頭に置いて投資を進められたらと思います。例えば、現在奈良にはない相当規模のコンベンション施設、イベント等でにぎわうことのできる広場、利便性の高い駐車場、関空バスや新幹線に直行できる遠距離のバスターミナル、また、それと接続する市内のぐるっとバスなどの発着するバスターミナル等が設置可能でございますので、そのような施設は県が中心となって整備する公共施設であろうかと思います。にぎわいのある滞在型観光拠点として、官民が連携して整備、運営するスキームが必要かというふうに思っております。また、このような観光拠点があれば、県内全体にわたって観光産業が活気づくのが通例でございますので、そのような形の観光拠点になるように願っております。

 また、さらに奈良の宿泊観光の発展に向けましては、民間事業者がリスクを負ってホテル投資をする場合には、ホテルの運営状況を加味した地代の設定とか、収益のやや低いコンベンション施設をホテルと連携して運営するなど、県も民間事業者を支援し、運営が安定する仕組みを検討していく必要があろうかと思います。持続的に失敗をしない運営体制が必要かと思います。

 こうした検討や関連施策を推進し、二〇二〇年の東京オリンピックの際には、奈良への多くのお客様を国際級ホテルでお迎えできるよう、投資主体の参画が得られるプロジェクト計画として策定を完成させていきたいと考えております。

 国際交流の中で、ASEANとの交流の必要性を議員はお述べになりました。

 地方自治体レベルの国際交流が活発になってまいりました。インバウンドの観光客、訪問客もふえております。とりわけASEAN諸国との交流が本県においてもふえてきたと実感をしております。VIPの来県についてでございますが、今年度に入ってからもASEAN諸国からは、ベトナム日本友好議員連盟のト・フィ・ルア会長やインドネシアのイブヌ・ハディ総領事、ミャンマー日本協会のソー・ラ・ミン会長などが県庁の私の部屋に立ち寄っていただきました。また、ご質問にあったように、十月にホテル日航奈良で開催した地方連携関西シンポジウムでは、これからの日本とASEANの関係をテーマに議論がされました。ASEAN諸国は、民間交流でも経済界でも着実に注目を集めつつございます。

 本県では、平成二十二年に東アジア地方政府会合を設立いたしましたが、設立当初の日中韓十九地方政府から、今では、インドネシア、フィリピン、ベトナム、マレーシアなどASEAN諸国も加わり、七カ国六十四地方政府が加盟する大きな組織になってまいりました。このうちベトナムフートー省からは、昨年の第三回会合に合わせて経済交流団が訪問され、私も本年八月、県議会の代表とともにフートー省を訪問いたしました。このような相互交流を契機に、さらなる友好を深める準備を始めているところでございます。

 さらに、観光客の誘致につきましては、近畿運輸局とともにビジットジャパン地方連携事業を進めています。

 その最重点市場として、従来の中国、韓国、香港、台湾の四カ国・地域に、来年からタイ、マレーシア、シンガポール、インドネシアが加わり、合計八カ国・地域になる予定でございます。本県からも職員が、県内の意欲あるホテルや土産物事業者などの方と一緒に、六月にはタイ、マレーシア、七月にはタイ、さらに九月にはマレーシア、シンガポールに出向いていただきました。積極的に旅行商品の造成を促すなどのキャンペーンを展開してまいりました。また、現地の人と交流をしながら県内事業者と課題を共有し、奈良でのおもてなしの体制づくりも進めてまいります。例えば、マレーシアやインドネシアはイスラム教徒が多い国でございます。イスラム教徒に対するもてなし環境向上セミナーを十月と十一月に開催いたしました。引き続き個別の課題を見つけ、誘客と受け入れ環境整備に力を入れてまいります。

 今後も、中国、韓国など東アジアとの交流に加え、大きく伸びるASEAN諸国との地方レベルでの交流を深め、文化をはじめとするさまざまな交流を通じて、ASEAN諸国の方々との相互交流の促進と国際観光の推進につなげていきたいと考えております。ASEANではございませんが、今週末に開催される奈良マラソンにおきましては、香港などから多くのランナーが参加されることになっております。国際的なマラソン大会に成長し始めております。

 次は、医師・看護師確保対策についてのご質問でございますが、大変重要な点をご質問されたように思います。

 県におきましては、県立医科大学の医師派遣機能が低下して、県内の公立・公的病院等の医師不足が深刻化している状況でございましたが、それに対応して平成二十年度に奨学金制度を創設いたしまして、特に医師の不足する診療科やへき地の医師の確保に努めていきたいと思っております。今後は、必要なところに医師を派遣するシステムの構築の段階に入ってまいりました。県内唯一の医療人の育成機関でございます県立医科大学にその役割を果たしてもらう必要があると思います。そのため、県立医科大学の第二期中期目標に県立医科大学が取り組む地域貢献といたしまして、医師派遣システムの適切な実行を掲げて、重点的に取り組みをお願いしております。具体的には、平成二十六年度に、仮称でございますが、県立医科大学医師派遣センターを設置し、公立・公的病院などからの医師派遣要請に対応した医師のあっせんやキャリア相談などを行うとともに、センター内に県費奨学生配置センターを県と県立医科大学で共同設置することにしておるところでございます。特に県費奨学生配置センターにつきましては、今後増加していく県費奨学生の支援体制の強化を図るため、この十月に先行設置いたしまして、奨学金を貸与した医師の適正な配置に向けた調整や、キャリア形成支援を行いたいと思っております。この二つのセンターにより、医師の県内供給機能の一層の向上が図られると思います。

 看護師の確保につきましてでございますが、看護師が生き生きと誇りを持って働けることが大事だと考えております。中でも一日も早い勤務環境の改善が必要だと思います。多様な勤務形態を導入する病院を支援するほか、看護師等修学資金貸付金につきまして、今年度、返還免除対象施設に二百床以上の病院を加えることとし、県内病院全体で看護師の確保を図ることとしております。また、看護師の育成につきましては、認定看護師などのキャリアアップのための支援や各段階に応じた研修の充実などを図るとともに、新たに看護教員養成講習会を開催し、看護教育の質の向上を図り、看護職員の養成と定着を促進したいと考えております。

 今後とも、地域医療を担う医師・看護師がやりがいをもって奈良県で働けますよう、県と関係機関との連携を強化しながら、全力で取り組んでいきたいと思っております。

 道路整備基本計画は、県土マネジメント部長がお答えいたします。

 また、子どもの体力向上については教育長がお答えいたしますが、子どもの体力向上は、私も何より大事だというふうに思っておりますので、その点だけ、答弁ではございませんが、同感の意をお伝え申し上げたいと思っております。

 ありがとうございました。



○議長(山下力) 大庭県土マネジメント部長。



◎県土マネジメント部長(大庭孝之) (登壇) 二十六番岩田議員からの質問にお答えします。

 私への質問は、道路整備基本計画につきまして、これまでの道づくり重点戦略の成果、そして、これから策定しようとしている次期道路整備基本計画における取り組み内容についてのご質問でございました。

 議員ご指摘のとおり、本県のおくれている道路整備を効果的、効率的に進めるため、平成二十年度に道づくり重点戦略を策定し、選択と集中の考えに基づき、道路整備に取り組んでまいりました。その結果、道路予算が年々厳しくなる中ではありましたが、大宮道路や中和幹線の全線供用、近畿初となる大和まほろばスマートインターチェンジや京奈和自動車道のアクセス道路の整備進捗など、重点整備箇所への集中的な投資により、本県の骨格となる幹線道路ネットワークが形成されてきたと考えています。また、幹線道路の整備以外にも、渋滞対策、交通安全対策、道路防災対策、さらには橋梁長寿命化などの個別の分野ごとにプランを作成し、施策を見える化しつつ効率的な取り組みを進めてまいりました。

 しかしながら、本県は、昭和四十年代から昭和六十年代にかけての人口急増期に、道路整備にあまり熱心でなかったため、現在も道路改良率は全国四十四位にとどまるなど、いまだにそのおくれを取り戻せていないのが実情であります。加えて、東日本大震災や紀伊半島大水害などの大規模災害、また通学路での死傷事故やトンネル崩落事故の発生により、国土の強靱化、交通安全の確保、ストック老朽化対策など、新しい課題への対応も求められております。

 このような状況の中、本県にふさわしい道路の総合的かつ計画的な整備を図るため、奈良県道路整備に関する条例を本年二月議会で議決いただき、現在、条例に基づく基本計画の策定作業に取り組んでいるところであります。策定に当たりましては、選択と集中による取り組みなど道づくり重点戦略の成果を踏襲しつつ、新しい課題にも対応すること。また、道路整備の目的志向を明確化し、どのような道路を、何のために整備するのかをわかりやすく示すこと。また、道路整備を行うに当たっての手続などの進め方についても示すこと。そして、公共交通基本計画の策定と連携すること。などを念頭に検討を進めているところです。なお、基本計画の策定過程においては、随時検討状況を議会にお示ししていきたいと考えております。

 以上でございます。



○議長(山下力) 冨岡教育長。



◎教育長(冨岡將人) (登壇) 二十六番岩田議員のご質問にお答えいたします。

 私には、子どもたちの体力向上について、知・徳・体を奈良県の子どもがバランスよく身につけるために、積極的な対応や取り組みが継続的に必要なことは言うまでもないが、全ての基本である体力向上への取り組みを重要視すべきである。県教育委員会として、奈良県の子どもの体力の現状をどのように考えているのか。また、子どもの体力向上に向け、今後どのような取り組みを行っていくのかのお尋ねでございます。

 本県の子どもの体力の状況は、直近データであります文部科学省発表の平成二十四年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査で、全国順位では小学校五年生は十九位、中学校二年生は四十四位となっております。また、体力合計点で見てみますと、小学校五年生では、男女総合の全国平均が百八・九二点に対しまして、本県が百九・九五点と一・〇三点上回っているものの、中学校二年生は、全国平均が九十一・〇四点に対し、本県八十六・六八点と四・三六点低くなっている状況でございます。このように小学校では相対的に順位は改善されたものの、全国平均点の一〇〇・九%になっているだけで、まだまだ安心できるものではございません。一方、中学校は、全国平均点の九五・二%ですが、平成二十年度以降、毎年前年度対比で二%前後上昇しており、今までのさまざまな取り組みが徐々に効果を上げているものと考えているところでございます。

 県教育委員会といたしましては、議員お述べのとおり、奈良県の子どもたちが、これからの厳しい社会を生き抜いていくためには、知・徳・体をバランスよく身につけることが必要で、特に体力は生きる力の基礎をなすものとして、大変重要なものと位置づけております。このことから、今後も運動習慣確立のきっかけとなる、楽しみながらの外遊びや、体育の授業の充実など、発達段階に応じた体力向上を図る取り組みを継続していく必要があると考えております。また、総合型地域スポーツクラブや幼・小・中・高等学校の関係団体などとのコラボレーションが必要であり、加えて指導主事や体力向上推進コーディネーターの派遣も充実してまいりたいと考えております。また、新たな取り組みとしましては、運動神経系の発達が著しい幼少期の子どもたちに対し、県教育委員会のホームページで、このことに有効な家庭や幼稚園、保育所で取り組めるボール遊び等の運動遊びを紹介する一方で、関係教職員を対象とした講習会、あるいは指導主事等の、幼稚園とかあるいは保育所への訪問指導を予定しており、体力向上に向けた取り組みをなお一層充実していきたいと考えております。

 今後も県教育委員会といたしましては、本県児童生徒等の体力のさらなる向上に、さまざまな観点からアプローチを加えながら鋭意努力してまいる所存でございます。

 以上でございます。



○議長(山下力) 二十六番岩田国夫議員。



◆二十六番(岩田国夫) 知事の積極的なご答弁、ありがとうございました。知事からは現時点でのいろいろな施策のアイデアを聞かせていただきました。知事の来年度にかける並々ならぬ思いを伺わせていただきました。

 壇上からの質問でも申し上げましたが、私としてはやはり、奈良県の経済の活性化につながるような施策の展開を県にはしていただきたいと思っております。奈良が日帰り中心の観光地となっている現状から、やはり奈良の観光の積年の課題であります宿泊滞在型観光地を目指すためには、県営プール跡地へのホテル誘致をぜひとも実現していただきたいと強く願っているところであります。そしてまた、今アベノミクスによる景気の回復の動きが強まる中で、加えて二〇二〇年の東京オリンピック開催が決定されるなど、民間投資を喚起するための環境は整いつつあると思います。言いかえますと、ホテル誘致に向けた民間投資を成立させていただくためにも、今このタイミングを逃がしてはもはや成立しないのではないかなというような思いもいたします。よって、この絶好のタイミングを生かしていただいて、民間投資家が投資を決断できるような、ホテル運営を支援する地代設定や、県が思い切った支援をしていただいて、関係の施設の着実な推し進めをやっていただいて早期のホテル誘致を実現していただくことを、改めて意見として申し上げたいと思います。

 また、まだまだ県政にはさまざまな問題があるとは思いますが、知事におかれましては積極果敢にチャレンジしていただいて、よりよき奈良をつくっていただくことを強く要望しておきます。

 そしてまた、県土マネジメント部長にお伺いしますが、その基本路線の中で、私は特に、先ほども言いましたが、橿原北インターチェンジから大和高田バイパスまで、この間のことがあまり、どういうところで今、行き詰まっているのか、その辺がちょっと見えてこないので、再質問させていただきます。先ほども言いましたが、大和郡山のジャンクションが完成しますと、そして五條まで完成すると、今でも橿原北インターチェンジから大和高田バイパスまで大変な渋滞であります。これは恐らく、本当に渋滞がもう今まで以上にというのは目に見えていると思います。JR、近鉄と、そういうこともあって、アンダーということもあって大変難しいと思いますけれども、私は、今一番のポイントはここではないかなというような思いもしておりますので、今現在の状況をお聞かせ願いたいと思います。

 そして、教育長にお伺いしますが、何年か前に、小学校の運動場を、当時九つでしたか、十個でしたか、モデル的に芝生でということを私、質問させていただいたときに、私はあまり芝生というのは好んでないのですけれども、その結果もどういうようになって、どういうように進んでいるのか、その点ももう一度お伺いしたいと思います。



○議長(山下力) 大庭県土マネジメント部長。



◎県土マネジメント部長(大庭孝之) 私への再質問は、京奈和自動車道の進捗、特に中でも橿原北インターチェンジから橿原高田インターチェンジまでの間の整備についてのご質問でございました。

 京奈和自動車道は、国の直轄事業で進められておりますが、議員お述べのとおり、大和高田から南、御所までが現在開通し、そこから南の事業、そして橿原から先の大和郡山ジャンクション、そして奈良インターチェンジまでといったような幅広い中で今、整備が進められております。そうした中で、ご質問の橿原北インターチェンジから大和高田バイパスの間でありますが、こちらは一般道路が先に供用しておるところでありますが、現地でもいろいろな沿道での立地なども進み、南からの接続がなされてまいりますと、さらにたくさんの車が来ることも予想されております。奈良県といたしましては、こちらの橿原北インターチェンジから大和高田バイパスの間につきましても、実はここは事業化は一般道路のほうでされておりまして、用地も九割以上買えておる場所でございます。ぜひこちらの専用部分についても早期に着手してほしいというのも、今回の十一月の政府要望の中でも、国土交通省等に要望を知事からしていただいているところでございます。そうした観点から、京奈和自動車道の奈良インターチェンジから和歌山県境に向けての整備、全線の整備をぜひ進めていただきたいというような形で今、要望しているところです。

 以上です。



○議長(山下力) 冨岡教育長。



◎教育長(冨岡將人) 運動場の芝生化のことでございます。小学校十五校と県立高等学校でモデル的に五校ということでやらせてもらっています。その後、経費の面がございますし、メンテナンスの面がございますので、その後ふえているということはございません。このモデル的にやらせていただきました芝生化しております学校では、調査を教育研究所のほうで行っておりまして、やはり運動能力が高くなるということ、それから、けがが少なくなる、こういうメリットがあるということを聞いております。ただし、先ほども言いましたように、メンテナンスのお金が必要になっていますので、市町村のほうで積極的にさらに校数がふえていくという状況にはございません。



○議長(山下力) 二十六番岩田国夫議員。



◆二十六番(岩田国夫) 県土マネジメント部長の答弁ですけれども、今、一般道のほうが先に開通して、用地のほうも九〇%ということで、いつも私も聞いているのは、用地は八〇%、九〇%買えているとは聞くのですけれども、実際技術的に言いますと、アンダーがあるから大変だとか、その大変だとかという話ばかり聞くわけですけれども、あえて言ったら奈良の人にも怒られるかもわかりませんけれども、私、一番京奈和自動車道の中で今、本当にやらないといかんのは、この大和郡山ジャンクションなりいろいろ、五條まで開通するということをしますと、柏木町も大事ですけれども、このここが、今言っているところが一番大事ではないかなと、そんな思いをしているのと同時に、これを和歌山、五條まで開通して、向こうのほうも、京奈和自動車道も随時完成していっていますから、この京奈和自動車道、和歌山県側のほうも、経済、あらゆることを考えますと、本当にこれは大和郡山ジャンクションまでつなげれば、和歌山県も相当のメリットがあるように思います。そういう意味で、奈良県だけでもなしに和歌山県とも協力して、本当に一日も早くやっていただくことを要望しておきます。

 それと、教育長、芝生の管理、当初から手入れでいわゆる管理とかいろいろのことも言いましたが、それが本当に体力の向上につながっているのであれば、またいろいろな面から考えても、続けていっていただいたらいいけれども、その管理面、いろいろな面で、体力の向上から見ると大したことなければないような方向で、ただやったけれども、今の話では、そのまま、こうこうしかじかで進んでないというようなことだと思います。そういう意味で、その点もよろしくお願いいたしまして、これで私の質問を終わらせていただきます。



○議長(山下力) しばらく休憩します。



△午後三時八分休憩

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△午後三時二十四分再開



○副議長(井岡正徳) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 次に、六番尾崎充典議員に発言を許します。−−六番尾崎充典議員。(拍手)



◆六番(尾崎充典) (登壇) それでは、通算十回目、代表質問としては二回目の質問を行わせていただきます。

 私は先日、NHKスペシャル「病の起源」を見ました。この特集は興味があり、録画をして何度も繰り返して見る番組です。三回目の放送では、防衛本能がもたらす宿命、鬱病をテーマに、人はなぜ鬱病になるのか、進化の観点から鬱病の謎を解き明かす番組でした。その一部をご紹介します。

 我々脊椎動物の先祖である魚は、天敵から身を守るために、脳の扁桃体が危険を感知するとストレスホルモンを分泌して、一時的に運動能力が活性化し敵から逃れる、いわゆる火事場のばか力的な危機回避能力を備えていました。鬱病は、この生き残るために備わった機能が暴走することにより起こる病です。そして、人類は集団で天敵から身を守り、子育てをなし、食料を確保して生き延びてきました。つまり、孤独では生き残れないことを意味し、孤独は人類にとって新たな恐怖となりました。さらに人類は、脳の発達とともに多くの情報を記憶できるようになり、みずからがライオンに襲われた記憶や仲間が襲われた記憶を鮮明に覚えることができ、繰り返し恐怖を思い出すようになりました。さらに人類は、言葉を手にすることにより、仲間の恐怖体験を伝え聞くことで恐怖の情報がふえていき、鬱病になるリスクを高めていきました。一方で、天敵、孤独、記憶、言葉の鬱病リスクを、人類は平等という装置で鬱病の発症を抑えていたことも明らかになりました。狩りや採集により食料を持ち帰り、全てを平等に分かち合って暮らしていた時代には、鬱病はほとんどなかったようです。現在もそのままの生活を続けているタンザニアのハッザ村の人々には、全く鬱病が存在していないことが調査で明らかになりました。しかしながら、メソポタミア文明の時代に農耕が発達して穀物の分け方に不平等が発生して、格差が生じるようになったころに鬱病が多く見られるようになったのです。そして今、人類がもともと持っていた平等という、鬱病回避システムを参考にした最新の治療法が効果を出していると結んでいました。人それぞれに平等の概念に違いはあると思いますが、くしくも、この平等が脅かされることが原因で起こる鬱病や、あるいは統合失調症などを持つ精神障害者が不平等な扱いを受けています。

 それでは、質問に移ります。一問目は、今も述べました精神障害者への医療費助成制度についてです。会派を代表して、平等の観点から質問をします。

 厚生労働省のホームページによると、精神障害の中の統合失調症は、およそ百人に一人弱がかかる頻度の高い病気です。普通の話も通じなくなる不治の病といった誤ったイメージがありますが、心の働きの多くの部分は保たれ、多くの患者さんが回復していきます。高血圧や糖尿病などの生活習慣病と同じように、早期発見や早期治療、薬物療法と本人、家族の協力の組み合わせ、再発防止のための治療の継続が大切です。脳の構造や働きの微妙な異常が原因と考えられるようになってきたと啓発しています。しかし一方で、回復可能な精神障害のみが福祉医療制度の中で現実に沿った扱いになっていない現状があります。そもそも福祉医療制度とは、対象者の健康の保持及び福祉の推進を図ることを目的として、医療保険制度の自己負担を助成する地方自治体の制度です。この制度のうち、障害者医療費助成に当たる事業には、心身障害者医療助成と重度心身障害老人等医療費助成があり、県ではこの制度の基本をなす骨格部分について、市町村に事業費用の二分の一の補助金を支出しています。この心身障害者医療費助成事業などの障害要件は、身体障害者手帳の一級もしくは二級又は療育手帳A一もしくはA二保持者と限定されているのが現状です。つまり、重度の身体障害者手帳と療育手帳を持つ方は、通院で五百円、入院で千円の負担を除き医療費が助成され、障害のもととなる疾病以外の診療科にかかっても、医療費の自己負担はほとんどかかりません。

 一方、障害者の暮らし向きなどの実態を知るべく、これまで県において各種の調査が行われています。その中でも平成二十一年に実施された障害者及び高齢者の生活・介護等に関する実態調査では、障害者世帯の経済状況が丁寧に分析されました。先ほど自由民主党の代表質問で田中惟允議員が詳細に述べていただきましたので、割愛をしますが、障害者世帯の年収が二百万円に満たない割合が半数程度もある厳しい実態を踏まえ、次のような文章が明記されています。障害者の世帯の暮らし向きについて、ほぼ半数の人が、生活するのにぎりぎりの収入、生活費が不足と回答するなど、生活が厳しい人の多いことがわかりました。特に、知的障害、精神障害の人で暮らし向きが厳しい状況です。

 さらに私が気になるのが、三障害の中でも経済状況の違いが見られる点です。精神障害者には無年金の方が多く、就労施設での工賃も低いことなども複合的に影響し、世帯年収がひときわ厳しいということです。また、ことしの八月には再び県におきまして、精神障害者のみを対象とした調査が行われています。この調査は、ことしの二月議会の知事の答弁で、医療費の負担が精神障害者の方の生活や健康に及ぼす影響、現実について、十分に把握がなされておらず、調査を実施したいという発言を踏まえて、実施されたものです。残念ながら今回の調査は個別の対面調査ではないため、具体的な生活実態はなかなかつぶさに見えてきにくいものです。そこで、私がお聞きした実際の暮らしぶりをこの場で幾つかご紹介させていただきます。

 一つ目は、精神障害者保健福祉手帳二級、五十代男性、国民健康保険料の滞納が続いていて、入院費も高額の滞納をしている。肺がんの疑いがあるが、検査費用を支払うことができず、現在も検査できないままとなっています。次に、精神障害者保健福祉手帳二級、四十代男性、精神科への入院治療が必要なときでも、入院してしまうと生活費を圧迫して施設の利用料が払えなくなってしまうので、なかなか入院できないでいる。虫歯になり歯医者に行きたいと思っているが、お金がないため通院はしていない。風邪を引いても通院せず、重症化してしまったこともあった。次は、精神障害者保健福祉手帳二級、五十代男性、C型肝炎で通院が必要な状態、内科での検査を診察時に毎回受けなければならないのだが、生活費を圧迫するので三回に一回しか受けていない。本人無年金、母のパート収入しかなく、母がいなくなったらどうしたらよいのか不安。次は、精神障害者保健福祉手帳二級、三十代男性、父子家庭で、父親の給与のみで生活している。障害当事者は、病気が安定せず入退院を繰り返している。障害年金の受給を試みたが、資格がなく無年金。精神科の通院については助成制度があるので診察に行けているが、それ以外の科は受診を控えている。ほかに、精神障害を持っているが手帳なしという方の事例もあります。五十代男性、母親の年金収入に頼って生活をしている。食事は安くて量があるものなどを食べていて、栄養バランスを考える余裕がない。歯の治療にずっと行きたいと思っているが、母親にお金を欲しいと頼むことができず、母の歯はほとんど全て抜け落ちてしまっている。そのほかにも、なぜ精神障害者だけが特別に医療費を三割支払わなければならないのか、同じようにしてほしいとか、障害年金だけでは一人で生きていけない。医療費の助成をお願いしますなど、切実な声をたくさんお聞きしています。

 以上、ごく一部の事例の紹介にとどめますが、平成二十一年の県の実態調査でもわかるように、世帯年収が二百万円に満たない層が五〇%を超える精神障害者世帯であれば、おのずと医療費を抑制しようとする心理が働くのは明白であります。先ほどの事例にもあったように、肺がんの疑いがあっても精神障害以外の診療科にかかる受診を抑制されているという実情の原因は、精神障害者のみ福祉医療制度の枠外にあることであり、私はこのことが看過できません。

 精神障害者への医療費助成拡充の活動をされている家族会などの思いを受け、さきの九月県議会では、精神障害者に対する福祉医療制度の適用に関する請願書の採択にも至ることができたのです。しかし、請願が採択されただけでとどまっているのでは、思いは達成されません。その請願に基づき、県内の制度をより実態に即した形で変えていかなければならないのです。私は、この請願内容の趣旨、すなわち、精神障害者世帯において、身体や知的障害者世帯と同様の医療費助成制度を求めることは、極めて当たり前のことと考えます。

 先月の十四日、精神障害者の福祉医療を実現する奈良県会議主催の、精神障害者の生活実態調査報告会に私も参加させていただき、家族、親族に精神障害者を持つ当事者の方の思いを聞くことができました。私たちは特別なことを求めようとしているのではない、ただ、安心して暮らしていくためには精神障害者世帯にも福祉医療制度が必要なだけであり、優遇を求めているのではない、他の障害者世帯が支援されている制度を自分たち精神障害者にも等しく反映してほしいとも訴えられていました。

 精神障害は、平成五年に立法された障害者基本法によって障害者として明確に規定されています。次いで平成十七年の障害者自立支援法によって、三障害一体化したサービスの提供もうたわれました。しかしながら、福祉医療制度は身体・知的障害のみ対象とされ、精神障害者のみ枠外とされているのが現状です。福祉医療制度が平等に取り扱われているのは、全国的にも山梨県と岐阜県と言われ、個々の市町村単位での限定的な適用を除き、精神障害者は不平等な扱いがされています。私の推測ですが、この不平等な事態に至ったのは、精神障害者と家族の特性に寄与しているのではないかと考えています。まず、精神障害者の当事者自身に病の自覚が少ないこと、加えて家族も偏見を恐れてまとまりを欠いていく、精神障害者は他の二障害に比べて組織としての団体活動や政治的なアプローチが弱かったことが原因の一つと考えられます。財政だけを理由にしては、正義が損なわれてしまいます。

 そこで、知事に正義と平等の観点から質問します。福祉医療制度の本旨である、対象者の健康の保持及び福祉の推進を図ることを目的として医療保険制度の自己負担を助成するという点を鑑み、精神障害者に対して医療費助成制度を拡充すべきであり、その場合には、事業主体者である市町村に対してどのように理解を得て進めていこうと考えておられるのか、お答えください。

 次に、骨髄バンクのドナー登録について質問をさせていただきます。

 昨年十二月定例会の一般質問で、骨髄移植医療に関する質問をさせていただきました。その際、本県の造血幹細胞提供希望者、いわゆるドナー登録者数の人口比率が、四十七都道府県中四十六位という不名誉な位置にあることをお伝えしました。同時に、沖縄県が二位以下を大きく引き離しての一位であり、本県に比べ六・六倍以上の開きがあることもお伝えしました。それを踏まえ、ドナー登録者をふやすための効果的な取り組みができないものかとの質問に対し、献血との並行型登録会の増加、若年層へのより活発な啓発、献血ルームへの誘導等、ドナー登録者の拡大に取り組んでいきたいとご答弁をいただきました。この一年取り組んでいただいた結果として、公益財団法人日本骨髄バンク発表の昨年同時期の比較速報値によると、全国ではこの一年間で一万七千百四十九名の増加がありました。本県が応分の貢献をするには、約百六十名の増加が必要ですが、わずか〇・一二%の二十名の貢献にとどまっています。残念です。対象年齢人口比率におきましても、わずかに〇・〇三ポイントの増加は見ましたが、それでも千人当たり四・二一人で、全国平均の七・三一人には遠く及ばず、順位はやはり四十六位のままでした。

 昨年質問させていただいたことから、ずば抜けた先進県である沖縄県の取り組みをぜひとも知りたく、視察が実現しました。ちなみに沖縄県は、この一年間で千八百三十名の増加であり、全国の増加数の一割を超え、対象年齢人口比率でも二・七三ポイント上昇し、千人当たり三十・六四人となりました。本県の約七・三倍と、さらにその差は広がっております。なぜ沖縄県でこれほどのドナー登録があるのか、お話を聞かせていただきました。沖縄には、ゆいまーるという言葉があり、相互扶助という意味らしいのですが、要するに、助け合いの精神が沖縄の人々の間に根づいており、それが寄与しているのではないかとの説があります。しかし、ゆいまーるの精神だけならば、献血率はどうかと調べてみますと、沖縄県は四・一%と、全国平均四・二%のやや下で、本県の四%と同水準であることから、単なる精神論で考察できるものではありません。

 沖縄県赤十字血液センター事業部長の上江州富夫さんによりますと、上江州さん自身が、沖縄県骨髄バンクを支援する会という、本県にもございます、なら骨髄バンクの会と同じようなボランティア団体を立ち上げ、沖縄も本県と同じようにボランティア頼みのドナー登録会を行っていたようです。ボランティアによる単独登録会も、献血車にボランティアが帯同する献血並行型登録会も行われていたのですが、単独型は準備が大変であり、効率的な並行型でも、献血車の出動にボランティアの人手が間に合わないという状態となり、ボランティア依存だけでは活動に限界を来し始めたとのことでした。

 そこで、平成二十一年八月から、国の交付金を活用した緊急雇用創出事業として、沖縄県骨髄バンクを支援する会が骨髄バンクドナー登録説明員雇用事業を受託し、献血並行型登録会が行われるようになりました。雇用説明員は三名おり、一台の献血車に一人が同行できる体制ができたとのことでした。これはつまり理論的には、献血車が出動するならば、その全てにおいてドナー登録の機会がつくられるということです。沖縄県の統計によりますと、雇用説明員が勤務した平成二十一年八月から平成二十四年三月までの二年八カ月の献血車累計稼働台数は延べ二千二百六十六台、うち千五百五十七台、二千四百七十八カ所に説明員が同行し、九千百六十二名の登録があったとのことです。沖縄県赤十字血液センターには献血車が三台あり、本県と同じでありますが、本県のドナー登録会は全てを合わせて年間二十回程度です。沖縄県の先ほどの数字を一年十二カ月換算しますと年間九百回以上となります。これだけの圧倒的な差は、登録者数の差となってあらわれて当然ではないでしょうか。

 このようなことが沖縄県でできた最大の理由は何か、なぜ他の都道府県ではできないのかを考えたとき、上江州さんも認めておられましたが、上江州さんの存在が大きかったと考えています。赤十字血液センターの事業部長という立場にある方が、献血と同じように骨髄ドナー登録にも熱心であったことが、圧倒的なドナー登録者を可能にしました。

 本県の事情に目を向けますと、なら骨髄バンクの会のボランティアの方からお聞きしたのですが、献血会場で県主催の登録会を行うに当たり、並行型登録会を行いますという県からの依頼書が、本年だけでも二度にわたり現場献血車に周知されず、登録会をすることを一旦断ったという事態が発生しています。探してもらうようお願いすると、出てきたから行ってもよいというような対応であったようです。また、採取血液保存用ピットを現場に持っていくことを忘れるという事例もあり、その際、現場に持ってくるようにお願いすると、休日のためスタッフがいないので取りに来てほしいと言われたようです。これらの事例から想像するに、残念ながら本県の赤十字血液センターが、骨髄ドナー登録に積極的な姿勢を示しているとは言いがたい状況ではないでしょうか。

 折しも昨年九月、移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律が成立し、来年早々には実効の法律となります。その法律の中には、国の責務及び地方公共団体の責務として、移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する施策を策定し、及び実施する責務を有すると明記されています。また、造血幹細胞提供関係事業者等の責務や造血幹細胞提供支援機関の業務についても明記されております。言うまでもなく、献血や骨髄提供は任意であり、とうとい行為であります。行政が強制し得るものではないことは明白ですが、行政の取り組みとして充実させていくことが一人でも多くの血液疾患の患者さんたちを救うことにつながると信じ、本県の造血幹細胞提供の現状について述べさせていただきました。

 そこで、知事に質問します。昨年に続き、人口比率において全国で四十六位という不名誉な奈良県の骨髄バンクにおけるドナー登録状況は看過できないと考えますが、知事のお考えをお聞かせください。

 同時に、医療政策部長にもお伺いします。ドナー登録の状況を踏まえ、これまでの一年間の取り組みについて、それ以前と比較をしてどのように総括されますか。その上で、新法成立による効果をドナー登録者数増に結びつけるためには、県としてはどのような施策が必要とお考えか、ご答弁よろしくお願いいたします。

 次に、ゾーン三〇を含む地域交通安全対策について質問をさせていただきます。

 私の地元の香芝市議会に対して、西真美自治会長から、地域交通安全対策の請願が提出されました。タイトルは、ゾーン三〇を含む交通安全措置に関する請願書です。九月議会に提出、継続審議とされ、昨日ようやく趣旨採択をされました。当該地域は、市立真美ヶ丘西小学校に隣接し、本年四月には悲惨な死亡事故を経験しています。この事故も、通学路であることを考えれば、京都府亀岡市のように多数の児童を巻き込む大惨事になっていた可能性のある事故です。南北の四車線道路と東西の中和幹線が交差し、朝夕のラッシュ時には信号待ちを回避するための抜け道として利用されることが多発しています。この間、西真美自治会では、朝の見守りに加え、交通量調査や抜け道利用の実態、さらには目視での速度違反や危険運転等の事例の確認等を、自治会独自の取り組みとして行われてきました。また、請願が継続審議となったことを受け、西真美自治会の全世帯に請願成立のための署名を呼びかけた結果、何と九三・五%、千二十二世帯の署名が集められました。まさに、地域住民が一体となり地域交通安全対策に真剣に取り組まれた結果が市議会を動かした、住民の勝利と言えます。地域住民の意見や要望といたしましては、日常生活に密着している住宅地域や学校周辺地域等の生活ゾーン内の道路における交通について、車の交通量が減ってほしい、車がもっと速度を落として走ってほしいなどの、歩行者や自転車が安心して通行できる道路の環境を求めているのです。

 そこで、今後進められるであろう地域交通安全対策が迅速かつ効果的に行われることを願い、確認をさせていただきたく、警察本部長に質問します。

 最近注目されているゾーン三〇などの住宅地域等における総合的な交通安全対策や通常の交通規制については、地域住民や警察、道路管理者である県、市等が協力をして調整を図りながら進めるものと理解していますが、警察としてどのように考えているのか、お伺いします。また、ゾーン三〇を住民が要望する場合、窓口になる機関等についてもあわせてお伺いします。

 次に、消防の広域化について質問させていただきます。

 奈良県において現在推進されている消防の広域化は極めて大規模な取り組みであり、これほどのレベルの消防の広域化は全国で初めてのようです。二月県議会の知事の発言によると、国も期待を込めて奈良県の消防広域化の成立を見守っており、私も、県民の安心・安全に直接寄与するこの広域化には、大変関心を持っているところです。改めて整理しますと、消防の広域化による具体的なメリットとして、まず、現場である消防署所に百五十人程度を増員し現場の消防力を強化することにより、災害時における初動や増援体制の充実が図れること、二つ目は、現場に一番近い消防署から迅速に出動することが可能となり、現場到達時間の短縮ができることです。それだけにとどまらず、総務通信部門を中心に全体で六十人程度の人員削減を図ることで、約四億円の経費削減が見込まれます。さらに、消防無線デジタル化整備を広域的に実施することにより、約四十億円の整備費用削減が見込まれるなどのメリットもあり、県民の皆さんにいち早くこれらの効果を実感していただくために、来年四月への組合発足に向け、日々尽力されていることと思います。

 この消防の広域化について、私の地元、香芝市議会でも、心配をされながらも個別に勉強会に参加するなどのご努力により、広域化に賛成するという英断を下されたことに心より敬意をあらわしたいと思います。一方で、発足させるまでにはさまざまなプロセスがあり、その過程において最新かつ正しい情報を全県民で共有することが重要になってまいります。先般、広域消防組合が当初、本年十二月発足予定としていたのを延期し、来年四月に発足される合意が行われたと発表されました。これは、奈良県広域消防組合設立への議決の際に、香芝市・広陵町両議会から上げられた、広域組合発足時まで、会計事務、給与支払い事務その他組合運営に必要な準備作業に遺漏のないよう準備作業に万全を尽くされたいという附帯決議を重んじられてのことです。全国でも際立った取り組みである消防の広域化をいち早く推進させることによって、県民生活の安全を向上しようとする大局に立ちつつも、一方で個別具体的な附帯決議も重んじられたこのスケジュールの見直しには、現実に即して柔軟に対応する姿勢が見受けられ、ありがたく思っています。

 そこで、知事に質問します。来年四月に発足します奈良県広域消防組合の設立に向けた、現在の進捗状況をお教えください。

 次に、県職員の定員の適正化について質問させていただきます。

 現在、奈良県職員の定数は五千六十二人と聞いております。県がこれまでに行財政改革の一環として進めてこられた定員適正化計画は今年度が最終年とされています。私が議員になってから初めての一般質問でも、行財政改革は職員の数を単純に削減することではなく、環境を整え効率的に仕事を進めてもらうことである趣旨を、選挙開票事務の効率化を通じて述べさせていただきました。皆様のご意見を総合しますと、県民ニーズに応えるため、あるいは基本的行政サービスを提供する上で、これ以上の定員削減は支障が生じると懸念しています。また、職員定数の欠員と非正規雇用についてですが、平成二十五年度において定数に対する欠員が百七十一名に達していると聞いております。欠員については本来、正規職員を配置すべきと考えていますが、非正規職員の配置が多いようです。そもそも非正規雇用というのは、業務多忙な時期に臨時的に雇用する者と理解していますが、現実には欠員補充の要員となっている実態があることは確認しております。

 そこで、知事に質問します。県民ニーズに十分に応えるため、現在の職員定数をどのように捉え、今後どのようにしていくのか。また、非正規雇用の実態についての認識もあわせてお聞かせください。

 以上で、壇上の質問を終わります。(拍手)



○副議長(井岡正徳) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇) 六番尾崎議員のご質問がございました。

 まず、精神障害者への医療費助成制度の進め方についてのご質問でございます。

 議員からは、精神障害者の方々の暮らしぶりが厳しいことや医療機関の受診を抑制されていることについて、精神障害者の方々の生の声を聞かせていただいた気がいたします。ありがとうございました。現実に県で実施したアンケート調査におきましても、精神障害者の暮らし向きは、生活するのにぎりぎりの収入であるとか、生活費が不足しているというものも合わせて五八%に上っております。生活の困窮ということでございますが、平成二十一年度の調査時と変わりなく、暮らし向きは依然として厳しい状況にあると認識しております。また、精神科以外の疾患を持っている方で治療を受けていない方のうち、約五〇%の人が経済的理由により受診を抑制されているとの回答でございまして、受診を抑制されている方がおられるということも調査結果に出ている実情でございます。

 さきに田中議員にもお答えいたしましたが、請願を採択された本県議会の意見を重く受けとめたいと思っております。障害者基本法の理念、さらにアンケート調査の結果を踏まえ、奈良県の精神障害者の方々に対しまして、福祉医療制度を来年度できるだけ速やかに適用したいと考えます。なお、実施時期など制度の内容につきましては、福祉医療制度の事業主体である市町村と調整しながら設計、決定していく必要があろうと思っております。また、お述べのとおり、福祉医療制度は市町村が事業主体でございますので、精神障害者の方々への適用拡大も市町村で判断していただくのが基本となります。県といたしましては、精神障害者の方々への適用拡大の趣旨をご理解いただき、全市町村で実施していただきますよう、今後、市町村に働きかけていきたいと考えているところでございます。

 骨髄バンクのドナー登録の状況についてのご質問がございました。

 骨髄移植は、白血病等の治療に有効な治療法の一つでございますが、移植のためにはドナーと呼ばれる骨髄提供者と患者の白血球の型が適合する必要がございます。また、白血球の型が一致する確率を高め、骨髄移植の機会を安定的に確保するためには、多くの方にドナー登録をしていただく必要がございます。そのため、公益財団法人日本骨髄バンクが事業主体となり、骨髄移植が必要な患者とそれを提供するドナーをつなぐ骨髄バンク事業を、日本赤十字社、地方公共団体の協力を得て実施されているところでございます。

 なお、ドナー登録会は献血会場で開催される場合が大部分のため、献血を実施する奈良県赤十字血液センターにも協力を得ているところでございます。献血会場のドナー登録会では、公益財団法人日本骨髄バンクの研修を受けたボランティアの説明員が、ドナー募集にご努力をいただいているところでございます。ボランティアや関係機関の協力をいただいているにもかかわらず、議員お述べのとおり、ドナー登録状況は人口当たり全国四十六位というのが続いておることは大きな課題だと思っております。どうしてそのような状況が続いているのかということでございますが、最近認識しておりますことは、ドナー登録会の回数が少ないことと、長期間登録可能な若者の登録が少ないこと、若者の大学生等が少ないことなどがあるというふうに認識し始めております。このため、ドナー登録会については、県が調整役として、奈良県赤十字血液センターや、なら骨髄バンクの会との連携をより密にして、登録会の増加を図ることが必要かと思います。大学でのドナー登録会の開催も実施して、若者の登録者の増加を図りたいと考えております。県民の皆様の善意の心が、より多くのドナー登録に結びつくように、今後も本県として最大限努力をしてまいりたいと思います。

 医療政策部長と県警本部長へのご質問がございました。

 私に対しましては、消防の広域化の現在の進捗状況についてのご質問がございました。

 議員もお述べになりましたが、本県の消防広域化は、現場の消防力の強化と組織の合理化をあわせて行うということでございます。大きな意義、効果を見込まれるものでございます。このため本県では、奈良市、生駒市を除く三十七市町村、十一消防本部に県も加わって検討を重ねてまいりまして、三十七全ての市町村の六月議会で新広域消防組合の規約が可決されました。さらに、議員がお述べのように、香芝市、広陵町、両議会で附帯決議が出されたことを受けまして、九月三日の消防広域化協議会総会において、新組合の設立時期の見直しを行い、設立時期をずらし、来年四月一日とする合意がなされた経緯がございます。

 本県の消防広域化については、一定の時間をかけ、着実な統合を図ろうとされているというふうに認識をしております。具体的な内容、統合のステップ、プロセスでございますが、まず、十一消防本部の総務、次いで通信指令部門をまず統合されます。次に、現場部門である消防署所の体制増強を行った後、全体を統合するという段階的統合方式と呼ばれるものをとられております。また、全体統合時までの現場部門の経費負担を各本部が自力で賄う、自賄い方式をとられているのも特徴でございます。このような方式の導入により、現状の急変を避け、一定の時間をかけながら着実に統合を進めるという工夫を行ってきたところでございます。こうした工夫にもよりまして、全国でも例を見ない管轄人口九十万人規模の広域消防の実現につながったと考えます。

 現在の取り組み状況でございますが、新組合総務部門のスムーズな統合に向けまして、組合条例案の作成や給与調整、さらには今年度内の給与・財務システムの構築等の取り組みが進められているところでございます。また、去る十一月十八日の消防広域化協議会総会におきまして、指令が一元化され、新組合が本格稼働するまでの当初二年間の本部体制について協議が行われ決定された事項がございます。その中で正副管理者に協議会正副会長を、正副消防長に新組合設立準備室の正副室長を充て、現在の取り組み体制を当面継続して、管轄区域の見直し等の当面の諸課題への対応に全力を挙げることで合意がなされたところでございます。

 県としても、県の立場で行える支援として財政支援がございますが、消防救急無線のデジタル化への助成を行いたいと思います。十一月二十日に、県選出の国会議員や県議会議員、市町村長とともに関口総務副大臣、伊藤総務大臣政務官、消防庁長官等への要望活動を行いましたが、大変好感触をいただいたように感じております。このように、今後とも、最終的な決定がなされるまで、最大限の財政措置について積極的に働きかけていきたいと考えております。

 最後に、県職員の定員の適正化についてのご質問でございます。非正規雇用の実態の認識の質問も含まれております。

 本県では厳しい財政環境がずっと続いてきておりましたので、行財政改革の一環として、事業や組織の見直し、また外部委託、アウトソーシングと言われる手法の推進などにより、合理的かつ効率的な行政運営体制を目指すこととしてまいりました。これは他の地方公共団体でも積極的に行われてきたことでございます。また、定員管理の分野におきましては、平成十年度より定員削減計画を策定し、また平成二十三年度より定員適正化計画を策定し、適正な定員管理、人員配置に努めてきたところでございます。具体的には、定員削減を合理的になるまで実施してきたものでございます。また、人員配置につきましては、重点的な県政の重要課題に重点的な人員配置を行ってまいりました。具体的には、災害からの復旧・復興をはじめ、国際交流、医療・福祉の充実、文化・観光・スポーツの振興といった分野について優秀な人材を配置してきたところでございます。現行の定員適正化計画は、議員お述べになりましたように、平成二十六年四月に終了することとなります。今後とも、行政の合理化や効率化を目指したアウトソーシング、組織の移転、統廃合等を積極的に進める必要があろうかと思います。施設についてもファシリティマネジメントの考えのもと、マネジメントというコンセプトで効率的な行政を目指す必要があろうかと思っております。現行の定員適正化計画の終了後、どのようにするかということでございますが、庁内各組織の現状と課題を改めて分析したいと思います。必要となる取り組みを来年度に検討したいというふうに思います。

 また次に、欠員と非正規雇用のことでございますが、年度途中の退職や、職種によっては採用試験の応募者数が非常に少なく、当初予定の職員数が確保できないという分野も発生をしております。市町村も同じような分野がございます。結果的に欠員が生じる場合には、正規職員の不足を非正規雇用の職員で補っているという現状もあるものでございます。各所属に配置された非正規雇用の職員の方には、貴重な戦力として十分働いていただいておりますが、このような事情をどのように改善するかという課題があることは認識をしております。今後は、欠員の縮小に向けてさらなる努力を続ける必要があろうかと思いますが、とりわけ採用確保が困難な技術職員につきましては、積極的に大学への求人活動を行うほか、退職職員の知識や経験の活用を図るといった方策なども検討していく必要があるのではないかと考えております。また一方で、職員一人ひとりの資質を向上させることも重要でございます。外部機関との交流などによるキャリア形成につながる研修の充実を図る必要もあろうかと思います。さらに、働きやすい職場環境を目指し、職員のワーク・ライフ・バランスにつながる具体的な取り組みをさらに推進する必要があろうかと思います。

 大きな意味での現在のいろんな事情、最初に議員は、鬱の起源のことをおっしゃいましたが、職員にも鬱の人が発生、増加していると認識をしております。職場のいろんな事情、ぜひ職員には優しくおつき合いいただいたらと、こんなお願いをするとは思いませんでしたが、(笑声)職員の職場環境の改善に積極的に取り組みたいと思っていることを付言させていただきたいと思いました。

 ご質問ありがとうございました。



○副議長(井岡正徳) 高城医療政策部長。



◎医療政策部長(高城亮) (登壇) 六番尾崎議員のご質問にお答えいたします。

 私へは、骨髄バンクドナーの登録につきまして、ドナー登録の状況を踏まえ、これまで一年間の取り組みについてどのように総括するのか。その上で、新しくできる法律の成立による効果、これをドナー登録者数の増加に結びつけるために、県としてどのような施策が必要であると考えているのか、こうした質問をいただきましたので、お答えいたしたいと思います。

 ドナー登録の状況ですが、昨年度の新規のドナー登録は百十九名、一方、登録者で五十五歳になった方は登録が抹消となりますため、差し引き五名の増加ということでございました。今年度は十一月末まででございますけれども、新規の登録者が百八名ございまして、差し引き三十六名の増という状況であります。また、昨年度の県主催のドナー登録会は四回ございまして十六名の登録でしたが、今年度は十一月末までに八回開催しまして七十名の登録がございました。今年度は、奈良県のドナー登録の課題である若者の登録者をふやすため、新たな取り組みとしまして、大学祭等で県主催のドナー登録会を計画し、県内十五大学の了解を得ました。しかしながら、四月からの開催実績は、六大学で三十一名の登録にとどまっています。この理由でありますけれども、大学祭の日程が重なるなどで開催回数が少なく、周知不足のこともございまして、登録者も少なかったためとなっております。したがいまして、今後は日程調整を十分に行い、ドナー登録会の開催をふやすとともに、大学生のボランティアサークルとの連携などにより周知に努め、登録者の増加を図りたいと考えております。

 次に、来年早々に施行されます、移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律についてでございますが、この法律には、地方公共団体は、基本理念にのっとり、国との適切な役割分担を踏まえて、移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する施策を策定し、及び実施する責務を有すると明記されているところでございます。県といたしましては、この法律の制定を機に、奈良県赤十字血液センターや、なら骨髄バンクの会との連携をより密にするとともに、普及啓発により骨髄移植に関する県民の理解をより深めまして、骨髄バンクのドナー登録者の増加に結びつけてまいります。

 以上でございます。



○副議長(井岡正徳) 原山警察本部長。



◎警察本部長(原山進) (登壇) 六番尾崎議員のご質問にお答えいたします。

 私には、ゾーン三〇を含む地域交通安全対策について、警察としての基本的な考え方を伺いたいというのと、また、ゾーン三〇を住民の方が要望する場合、窓口になる機関を伺いたいというご質問でございます。お答えいたします。

 住宅地域等の交通安全対策につきましては、地域の住民の方々の日常生活に密接に関連していることから、積極的に地域住民の方々のご意見やご要望をお聞きし、まさに議員ご指摘のとおり、ご理解のとおりでございますが、警察と県、市等の道路管理者が緊密な連携を図りながら、実施させていただいているところでございます。ゾーン三〇につきましては、最高速度三十キロメートル毎時の区域規制や大型通行禁止等の交通規制と道路の整備を適切に組み合わせることにより、生活道路における歩行者等の安全を確保しようとする施策でございます。具体的には、幹線道路等の物理的な境界で区画された生活道路に、公安委員会が交通規制を実施し、道路管理者には、中央線の抹消や路側帯の設置等を実施していただくことにより、自動車走行速度と通過交通の抑制を図ろうとするものでございます。また、これ以外の交通規制を検討するに当たりましても、通学路注意、あるいは速度落とせなど、車の運転手に注意を喚起する看板や道路標示の設置等を道路管理者に要請するなどして、緊密な連携を図っているところでございます。

 なお、ゾーン三〇の窓口につきましては、警察だけでなく、県や市町村の道路管理者等も窓口になっており、地域住民の方々がそのいずれかに要望された場合であっても、それぞれが連携して、実施に向けた検討を行わせていただいております。警察といたしましては、引き続き道路管理者等との関係者と連携をしっかり図り、ゾーン三〇等による地域の交通安全対策を積極的に推進してまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○副議長(井岡正徳) 六番尾崎充典議員。



◆六番(尾崎充典) ご答弁ありがとうございました。

 精神障害者の医療費助成については、知事のほうから前向きなご答弁をいただきました。県議会と一丸となって進んでいこうということが見えてきましたので、あとは何としてでも、全国で山梨県、岐阜県に次いで三番目の平等な制度となります、よい制度としていただきますことを強く要望しておきます。

 骨髄バンクのドナー登録については、時間がありませんので、厚生委員会で議論したいと思います。

 一点だけ、ゾーン三〇を含む地域交通安全対策について警察本部長に、今後は、地域の安全を心配される地域から多くの要望が上がってくると思います。急いでスピード感をもって対応していただきたいと思います。そうしないと、要望中に事故が起こったりということにもなりかねませんので、そのお気持ちを再質問させていただきます。



○副議長(井岡正徳) 原山警察本部長。



◎警察本部長(原山進) お言葉を重く受けとめて、しっかりやっていきたいと思います。よろしくお願いします。



○副議長(井岡正徳) 六番尾崎充典議員。



◆六番(尾崎充典) ありがとうございました。以上で質問を終わります。

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○副議長(井岡正徳) 十五番森山賀文議員。



◆十五番(森山賀文) 本日はこれをもって散会されんことの動議を提出します。



○副議長(井岡正徳) お諮りします。

 十五番森山賀文議員のただいまの動議のとおり決することに、ご異議ありませんか。

     (「異議なし」の声起こる)

 それでは、さように決し、明、十二月六日の日程は当局に対する代表質問とすることとし、本日はこれをもって散会します。



△午後四時十五分散会