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平成25年  9月 定例会(第312回) 09月25日−04号




平成25年  9月 定例会(第312回) − 09月25日−04号







平成25年  9月 定例会(第312回)



 平成二十五年

        第三百十二回定例奈良県議会会議録

 九月

    平成二十五年九月二十五日(水曜日)午後一時開議

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          出席議員(四十二名)

        一番 宮木健一          二番 井岡正徳

        三番 大国正博          四番 阪口 保

        五番 猪奥美里          六番 尾崎充典

        七番 藤野良次          八番 太田 敦

        九番 小林照代         一〇番 大坪宏通

       一一番 田中惟允         一二番 岡 史朗

       一三番 畭 真夕美        一四番 欠員

       一五番 森山賀文         一六番 宮本次郎

       一七番 山村幸穂         一八番 乾 浩之

       一九番 松尾勇臣         二〇番 上田 悟

       二一番 中野雅史         二二番 神田加津代

       二三番 安井宏一         二四番 奥山博康

       二五番 荻田義雄         二六番 岩田国夫

       二七番 森川喜之         二八番 高柳忠夫

       二九番 今井光子         三〇番 和田恵治

       三一番 山本進章         三二番 国中憲治

       三三番 辻本黎士         三四番 米田忠則

       三五番 出口武男         三六番 新谷紘一

       三七番 粒谷友示         三九番 小泉米造

       四〇番 中村 昭         四一番 藤本昭広

       四二番 山下 力         四三番 梶川虔二

       四四番 川口正志

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          欠席議員(一名)

       三八番 秋本登志嗣

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        議事日程

一、当局に対する代表質問

一、当局に対する一般質問

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○議長(山下力) これより本日の会議を開きます。

 会議時間を午後六時まで延長します。

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○議長(山下力) ただいまより当局に対する代表質問を行います。

 順位に従い、十九番松尾勇臣議員に発言を許します。−−十九番松尾勇臣議員。(拍手)



◆十九番(松尾勇臣) (登壇)皆さん、こんにちは。奈良維新の会の松尾勇臣です。前回の質問が昨年の九月でしたので、本当に一年ぶりの質問になります。いささか緊張しておりますが、最後まで張り切って頑張りたいと思います。奈良維新の会を代表して、通告をいたしました数点について質問をいたします。

 質問に入ります前に、さきの台風十八号により被害を受けられた方々に心よりお見舞いを申し上げます。

 今回の豪雨により、県道桜井明日香吉野線の一部が約三十メートルにわたり完全に崩壊をしました。車両の通行のみならず、人の歩行すらできない状況になっております。この道路は吉野山の地域住民の生活を支える重要な路線であるとともに、吉野山観光の根幹をなす路線と言えます。さきに七曲がり坂で通行どめがあり、この道路崩壊により、近鉄吉野駅方面から吉野山の町並みに直接進入する道路がなくなり、吉野山に通じる主要な道路は近鉄吉野神宮駅方面からの道路一本となってしまいました。今回の崩落以降、吉野山の狭隘な道路を避けるための迂回路を失った形となって、休日ともなると、吉野山の町並みを縫うように走る一車線の県道でたびたび渋滞が起こり、住民生活や観光客の計画に大いに支障を来しているのが現状となっております。秋には十四万人とも言われ、春には四十六万人とも言われる観光客が訪れる吉野山にとって、致命的な今回の崩落を一日も早く復旧していただくよう要望をさせていただいて、質問に入らせていただきます。

 最初に、歳出の抑制と効率化についてお伺いをいたします。

 八月に発表された県の決算の概要によると、平成二十四年度末の県債残高は一兆五百六十八億円で、平成十九年度末からの五年間で七百四十億円、率にして七・五%増加をしております。県債の発行について、県は、投資的経費の財源に充てる通常債の発行をできる限り抑制するとともに、極力交付税措置のある有利な地方債を活用することにより、償還に対する将来の財政負担を軽減する努力をしておられます。しかし、冒頭申しましたように、残高そのものは増加をしており、その要因は、県の発行抑制の努力にもかかわらず、地方交付税の代替財源である臨時財政対策債が増加し続けていることによるものであります。臨時財政対策債は、元利償還金全額が後年度の地方交付税に算入されるもので、制度上県の負担はないとされておりますが、しかし、現在の国の財政状況を見ると、果たしてそれが約束されるものかどうか、不安を払拭できません。また、臨時財政対策債であれ、県債を発行すると利子の支払いが必要になります。最近は低金利でありますが、過去に発行し、現在償還をしているものの中には五%を超える金利のものもあります。このまま低金利が続くとの保証はなく、利率が上昇すれば利子の支払いが増加することになります。平成二十五年度予算では百六十九億円の利子の支払いを計上しておりますが、今後、金利が上昇すれば利子の支払いの予算もふやさざるを得なくなり、それは財政の硬直化につながることになります。

 アベノミクス効果でようやく少しばかり景気回復の兆しはありますが、しかし、高度成長期やバブル期のような景気拡大や大幅な税収の増加は恐らく今後見込めませんし、とまらない少子高齢化の中で、税を負担する世代の人口減少もより進んでいくと思われます。こういったことを踏まえれば、県債残高の総額を抑制することが必要であり、そのためには、県債を財源とする歳出の抑制はもとより、県全体の歳出のさらなる抑制、効率化が必要と考えます。

 歳出の抑制というと、これまでは国においても自治体においても、公務員人件費や医療費や社会保障関係費がターゲットになってきましたが、私自身は、人件費や社会保障に関する費用の単純な削減を安易に考えるべきではないと思っております。もちろん、適切な人員の配置による効率的な人件費の支出、必要な人に必要な保障が行き届く社会保障制度の構築に向けて、これからも努力はより一層求められますが、人件費のカットは即雇用の不安に、社会保障費の削減は生活の不安につながります。自治体の広報活動の中で、活力のあるまちづくりとか元気な県づくりという言葉がよく使われますが、雇用や社会保障という生活の基盤に直接かかわる部分が削減されるということは、住民から安心という気持ちを奪い、消費抑制にもつながって、結局は自治体の活力そのものを低下させることにつながりかねません。この部分についてはぜひ慎重に進めていただくとともに、今こそ選択と集中、まずはこの考えのもとで県全体の支出を見直すべきではないかと考えます。

 特に道路整備については、事業に着手したものの、用地交渉の難航などにより中断している箇所も見受けられます。これらは期待した投資効果が見られず、非効率であり、着手する段階で、本当に完成できるのか見きわめが不十分であったと言わざるを得ません。事業に着手したものの途中で頓挫してしまうような道路整備などは、まさに税金の無駄遣いそのものであり、中途半端な状態で放置された道路なんて住民にはむしろ迷惑千万であります。人件費は金額を下げればその場で支出の削減になりますが、道路事業のように長期にわたって行われる事業の支出は、さまざまな項目が関係してまいります。だからこそ、それぞれの支出について、無駄がないか、効率化できる部分はないか、計画段階で知恵を絞ることが求められるのではないでしょうか。当然、投資的経費だけではなく、その他の経費についても、県においてさまざまな努力をされていることは承知をしておりますが、歳出の中には、まだまだ抑制、効率化を図る余地があるように感じます。

 そこで、知事にお伺いをいたします。県債残高を減らし、将来の県民負担をできる限り抑えるために、歳出のさらなる抑制、効率化を図る必要があると考えますが、これまでの県の取り組み、そして今後についての具体的なお考えはありますでしょうか、お答えをください。

 次に、南和地域公立病院新体制整備事業についてお伺いをいたします。

 私は県南部選出議員として、一日も早い新たな医療体制の整備を目指して、この計画には強い関心を持ってかかわってまいりました。これまで地域を支えてきた三つの公立病院を、県と南和地域の一市三町八村の市町村で構成をする南和広域医療組合により再編統合し、新体制の病院をつくるという大きな事業に対して、真摯に取り組む医療関係者の皆さん、そして県の皆さんの努力には本当に頭が下がります。計画の実現に向けて、私もともに努力することをこの質疑の冒頭で改めてお誓い申し上げます。

 さて、この事業の総事業費は、平成二十四年一月三十一日に開催をされました第七回南和の医療等に関する協議会の資料によりますと百五十八億円であります。住民の命を守る新しい病院をつくるというのは非常に大切な事業であり、大切な事業であるからこそ、これだけの血税を注がれるのだということを私たちは何よりも忘れてはなりません。だからこそ、私はこの病院の計画、そして運営について、関係の皆様には慎重になっていただきたいと思っております。過去の協議会の資料や整備スケジュールを見返しますと、用地確保の計画や事業費の各項目の金額が何度か変わっておりますし、病院用地購入費をはじめ各事業費についても、予算額が設定されているにもかかわらず、交渉中や基本設計策定後見直しとの注意書きがありました。予定や計画には何事も変更はつきものとはいえ、事業の根幹をなす用地購入が交渉中となっている資料を見ると、不況が続き、医療を取り巻く環境も悪化する中で、この事業そのものが曖昧な中を手探りで進んでいるような印象を受けます。実際に関係者の皆さんのご苦労が絶えない部分かと思いますが、せっかく新しい病院をつくるのですから、打てる手は事前に打ち、この病院をしっかりと地域に根づかせなければならないと思いますので、計画については慎重に検討を続けるとともに、進捗状況を報告していただきたいと考えております。

 その中でも、受益と負担についてお伺いをしたいのですが、こちらについては、平成二十三年十一月の第六回南和の医療等に関する協議会の資料によりますと、イニシャルコスト、ランニングコスト、出資金について、県及び南和一市三町八村の負担割合が既に決定をされております。経済状況や自治体の財政力が現状から大きく変わらなければ、この負担割合で計画どおりに進めていくことが可能かと思います。しかし、経済の大幅な悪化や、大水害や大震災などの発生により、自治体そのものの存在が危うくなるような事態が発生した場合、このような自治体相互間の負担で支える仕組みは機能しなくなるおそれがあります。現に東日本大震災では、津波被害によって、沿岸の一部の自治体で自治体機能そのものが壊滅状態になりました。そのようなことが再びあってはなりませんが、しかし、天災だけはいつ起こるかわかりません。また、現状から考えると、今後、新たな病院が南和地域にできるような医療環境の変化は考えにくいかと思います。そのような中、今まで県立五條病院、大淀町立大淀病院、吉野町国民健康保険吉野病院の三病院に分割されていた機能を一つにまとめるということは、いざというときにリスクを分散できないということも考慮すべきではないでしょうか。

 受益と負担を考える中で、私が特に懸念するのはランニングコスト、すなわち新体制における病院の収支見通しであります。過疎化に加えて少子高齢化で人口が減少する一方の県南部で、私は、収益が大幅なプラスになることは考えにくいと思います。さまざまなコストを軽減して効率的な運営を目指すにしても、病院にとってスタッフは財産ですから、この部分を節約すれば即、質の低下につながります。南和地域の新病院はこれからの南和地域の救急医療を担うわけですから、なおのこと手厚い人の配置が求められます。今までも吉野町国民健康保険吉野病院や大淀町立大淀病院、県立五條病院では、医師や看護師の確保に苦労をしてまいりました。特に医師については、県立医科大学からの派遣に頼ってきましたが、患者数が減少する状況では、必要な医師数を充足させることがますます難しくなるのではないでしょうか。どうしても医師を確保できずに、非常に高額な報酬を提示して募集している地域もあります。奈良県の場合、そこまでの事態は考えにくいかと思いますが、しかし、この先、医療事情もどう変わるかわかりません。

 円滑に新病院を運営し、収益を上げて南和地域の医療を充実させるために、今も関係者の皆さんによって計画が進められているとは思います。しかし、計画は大切ですが、計画ありきで、そこに縛られて柔軟な運営ができなくなれば、せっかくの新病院をうまく機能させることができません。さまざまな事態を想定し、対策を検討しておくことが非常に大切かと思います。先ほど申し上げましたように、自治体間の負担割合についても、自治体の財政力の大きな変動や、病院の収益が上がらず赤字が続く場合など、さまざまなリスクが考えられます。各自治体の負担割合に基づく現時点での負担見込み額についても、既に構成団体の了解は得られているようですが、もし収益が上がらず赤字が続いた場合の市町村の負担割合はどのようにお考えでしょうか。知事のご所見をお聞かせください。

 次に、今後の道路の維持管理についてお伺いをいたします。

 今年一月、国土交通省において社会資本の老朽化対策会議が設置され、二〇一三年をメンテナンス元年として位置づけ、国内インフラの老朽化対策が開始されました。我が国では、高度成長期以降に整備をしたインフラの老朽化が始まっており、安全性の徹底調査や点検、修繕、維持管理に関する基準の改善、新技術の導入など、道路や河川の適切な維持管理、施設の長寿命化などが順次進められているところであります。奈良県においても、インフラの維持・老朽化対策として、橋りょうの長寿命化対策等を推進してこられました。さらに、昨年十二月の笹子トンネル事故を踏まえ、今年度の新規事業として、橋りょう、トンネル、舗装、のり面など、道路ストック総点検を実施することになっております。私もこの取り組みに大いに期待を寄せております。

 国においても県においても、道路政策については、新しい道路の建設に重点が置かれてきました。新しい道路ができることは地域の希望であり、また、我が国の発展のあかしでもありました。しかし、ご承知のとおり、立派な道路をつくったけれど、利用者が極端に少ないなど、場所によっては無駄遣いの批判を受けたり、一方では、先ほど申し上げましたが、笹子トンネル事故のように、老朽化した設備による大惨事が発生しております。新しい道路も必要ですが、今までからある道路、これまで私たちが使ってきた道路をこれからも長く安全に使っていくための施策の実施は急務であります。笹子トンネル事故のような悲劇を我々は二度と繰り返してはなりません。本年度の県における道路ストック総点検の結果は、今後の維持管理計画としてまとめられていくと思いますが、道路において真に必要なサービスとは何かという観点を忘れていただきたくはありません。その上で、限られた予算を戦略的、効果的に執行し、今後につながる成果を出していただきたいと思っております。

 特に南部中山間地域においては、道路は命と暮らしを守るために最も重要な社会資本であります。公共交通機関が乏しい、鉄道路線がない県南部におきましては、まさに道路は住民の命綱であります。県南部は紀伊半島大水害からの復旧もまだまだ必要であり、さらに管理や補修すべき箇所、住民からの道路整備の要望も非常に多い地域であります。平成二十五年度当初予算と平成二十四年度二月補正予算をもう一度確認しましたところ、この道路ストック総点検を含む普通建設事業費については、両予算合計で七百七十二億三千七百万円計上されております。内容には道路ストック総点検のほか、幹線道路ネットワークの形成や、大宮通りを軸とした拠点施設の整備といった選択と集中による社会資本の整備、管理や安全・安心な県土整備の推進、そして、県南部住民の強い願いでもある紀伊半島大水害からの復旧・復興の取り組み推進も含まれております。

 冒頭でも申し上げましたが、私は、この予算と取り組みには強い期待を寄せておりますが、特に道路の維持管理については、緊急性の高い箇所か、あるいは経過を観察しながら対応していく箇所かなどを客観的に選択できるよう、計画を策定することがまず大切ではないでしょうか。そして、これを公表することによって、その場その場の判断で対応に追われるという事態を防ぐことができ、計画的な維持管理を推進できると考えております。緊急性の高いところを選択し、優先順位をつけて効果的に対応する姿勢を明確にすることによって、予算の効率的な執行も可能になります。かけ声高く、あれもやる、これもやると宣言するのは簡単であります。しかし、どんなに志があっても、漫然と大風呂敷を広げるようなことでは、血税を無駄にすることにつながりかねません。先ほども申し上げましたが、私は、インフラの維持管理の失敗による笹子トンネルのような大惨事を二度と繰り返してはいけないとの思いを強く持っております。それゆえに、県の決意を示していただきたく、道路の維持管理について県民に対する明確な計画の提示と情報提供、進行状況の報告をお願いしたいと考えます。

 そこで、県土マネジメント部長にお伺いをいたします。道路の維持管理について、合理的な指標に基づく実施計画により、計画的に対策を実施するとともに、その過程を公表することが重要であると考えますが、県ではどのように取り組もうとされているのでしょうか、お答えください。

 次に、子宮頸がんワクチンの接種について要望いたしておきます。

 改正予防接種法の施行により、平成二十五年四月一日から子宮頸がん予防ワクチン、HPVワクチンが定期接種化をされ、小学校六年生から高校一年生の女子に無料で接種をされることになりました。しかしながら、副反応に対する指摘や一部の保護者からの声を受け、厚生科学審議会予防接種ワクチン分科会副反応検討部会は、六月十四日、積極的な勧奨を一時差し控える方針を発表いたしました。厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会において七ワクチンの定期接種化の検討が行われ、Hib、小児用肺炎球菌、HPVについては予防接種法上の定期接種に位置づけるべきと提言されたことにより、子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業が開始されたのは平成二十二年であります。厚生科学審議会の資料によりますと、この間、二種類ある子宮頸がんワクチンのうち、サーバリックスは全国で約七百万回接種をされ、千七百五件の副反応報告があり、うち重篤なものは九十一件、もう一種類のワクチン、ガーダシルは約百七十万回接種をされ、二百六十三件の副反応報告がされており、重篤なものは十五件報告をされております。奈良県では二万三千百六十六人に対し六万六千三百二十二回、子宮頸がん予防ワクチンの接種が行われており、幸い重篤ではなかったものの、副反応報告は平成二十三年度に七件あったとのことであります。

 今回、厚生労働省の決定は、積極的な勧奨は中止をするが、定期接種は継続するとの内容になっております。HPVワクチンの副作用について、頻度は少ないものの原因不明の慢性的な痛みが続く事例が複数報告されていることを重視し、リスクをわかりやすく説明する情報を整理するまでの暫定的な措置とのことで、国において副反応報告について可能な限り調査を実施し、速やかに専門家による評価を行い、再開の是非を判断されるよう予定と聞いております。県では厚生労働省からの通知を受け、速やかに各市町村に周知をし、医療機関への適切な対応を求めるとともに、県ホームページで注意喚起情報の掲載を行うなど県民への周知もされたとのことですが、定期接種開始からわずか二カ月でこのような事態となり、行政及び医療に携わる皆さんには大変ご苦労があったこととお察しを申し上げます。国の調査・判断結果が示され次第、速やかに対応するとのことですが、その際には、どうか県民が不安に陥らないよう、徹底した情報公開を行っていただきたいと思います。

 ところで、平成十七年、今回と同じように日本脳炎ワクチンにおいても積極的勧奨の中止が勧告をされました。その後、平成二十一年に新しい日本脳炎ワクチンが承認されたことによって、同年六月から接種が再開をされております。また、Hibワクチンや小児用肺炎球菌ワクチンについても死亡報告が相次いだことにより、二〇一一年三月、一時的に接種が見合わせられました。これについては、厚生労働省医薬品等安全対策部会安全対策調査会、子宮頸がん等ワクチン予防接種後副反応検討会の合同開催で複数回の検討が行われ、ワクチンと死亡と間に明確な因果関係が認められないことや、海外でも因果関係がわからない死亡例が一定数報告されていることなどにより、同年四月一日に接種が再開をされております。死亡例があったとのことで接種が一時的に中断されていたことから、その後の再開に際しては、小さいお子さんを抱えた保護者の方の不安というのは非常に大きいものではなかったかと思います。子どもを病気から守りたい、だけど、そのために打ったワクチンで逆に健康を損ねたり、ましてや命を落とすような事態にはなってほしくない。それは子を持つ親なら共通の思いかと思います。

 健康を脅かす病気をあらかじめ予防することは、私たち人間の悲願とも言えます。医学の進歩によるワクチン開発は、さまざまな病気による危険性から私たちを守ってきました。一方で副作用による身体障害や、時には死に至ることもあり、福音と危険というもろ刃の剣のような部分を持ち合わせていることも事実であります。予防接種については、国レベルの議論であり、県としては国の判断を待つしかない現状であることは私も十分理解をしておりますが、何よりもまず、先ほども申し上げましたが、県民に対する十分な情報公開が大切であると考えます。

 子宮頸がんワクチンについては、被害者の方の声や製薬会社の説明、また医学の側からの意見についても多様な意見があり、そもそも必要のないワクチンではないかという声まであって、マスコミではさまざまな情報が飛び交っております。私がそれらを拝見しましても、もはや何が正しいのか、何をもって予防接種について判断すればいいのか、わからないような状況であります。また、今回の厚生労働省の対応も、定期接種化は続けるが、積極的勧奨はしないという非常に玉虫色の決定であり、これでは国民が混乱するばかりであります。県民が安心してワクチン接種が受けられるよう、子宮頸がんワクチンによる副反応に関する情報を広く収集し、因果関係など徹底した検証と解明を行い、その結果を速やかに情報提供していただくよう要望いたします。

 最後に、吉野三町の都市計画における、いわゆる線引きの問題についてお伺いをいたします。

 吉野町、大淀町、下市町の吉野三町は、都市計画法に基づいて昭和四十八年十二月に吉野三町都市計画区域として指定をされ、昭和五十三年には近畿圏整備法の近郊整備区域に指定をされました。その後、昭和五十九年一月に最初の市街化区域と市街化調整区域との区分、いわゆる線引きが行われ、その後、平成二年に第一回目の線引きの見直し、平成十三年に第二回線引きの見直しが行われましたが、平成十六年から平成十七年の都市計画基礎調査の実施を踏まえた第三回の定期見直しは、人口の減少が著しいなどの理由から見送られました。吉野三町の人口減少は本当に深刻で、私の地元でもあります吉野町では、最初の線引きが行われた直後の昭和六十年には一万四千五百人あった人口が、平成二十二年には九千百人と、この二十五年間に実に三七%も減少しております。しかも、第一回目の線引き見直しが行われた平成二年、この時点で吉野町と下市町は、過疎地域活性化特別措置法によって過疎地域に指定をされました。既にこのころから地域の活力が低下し始めていたということになりますが、それから二十数年経過した今も、吉野三町では市街化区域と市街化調整区域に区分され、第三回目の見直しは見送られたとはいえ、線引きそのものは今も継続されております。

 平成十二年に改正をされた都市計画法第七条では、無秩序な市街化を防止し、計画的な市街化を図るため、必要があるときは都市計画区域に市街化区域と市街化調整区域との区分、いわゆる線引きを定めることができると規定をされております。これは、線引きをするか否かをその地域において選択することができるということであります。しかしながら、同法のただし書きにより、近畿圏整備法の近郊整備区域においては、区域区分を定めるものとするとされており、大和都市計画区域並びに吉野三町都市計画区域は、ただし書きの規定により区域区分を定めなければならない地域となっております。この近郊整備区域とは、京阪神都市圏の市街地の無秩序な拡大を防止するため、計画的に市街地として整備する必要がある区域として指定されたもので、京阪神都市圏からの都市圧力を受ける地域が指定されるものであります。しかし、現在の吉野三町はそのような地域でしょうか、そのような状況でしょうか。

 冒頭で申し上げましたとおり、吉野三町がこの指定を受けたのは昭和五十三年、今から三十五年も前であります。当時は都市部からの人口流入もあり、また、ベビーブーム後で子どもの数も多く、市街化に伴う計画的な区域整備は重要な作業でありました。ところが、時の流れとともに状況は大きく変化をし、人口は流入するどころか、逆に都市部への流出が進み、労働力人口の減少で基盤産業も衰退し、都市化ではなく過疎化が急速に進んでおります。このような状況にありながら、いまだに市街化区域と市街化調整区域の線引きが法律によって義務づけられているのであります。しかも吉野三町都市計画区域では、大和都市計画区域の約八一%を上回る約九二%の区域が市街化調整区域になっており、開発や建築が制限をされております。つまり、過疎にあえいでいながら、何と九割もの区域で市街化が規制されている現状であります。

 ところで、お隣の和歌山県橋本市は、この近畿圏整備法の近郊整備区域に指定をされていないため、都市計画法において線引きは義務づけられておりません。ご承知のとおり、橋本市は大阪のベッドタウンとしても発展を続け、新たなマンションが建設されるなど、現在も都市化が進んでおり、非常に活気のあるまちであります。一方、人口流出がとまらず、二十数年前に既に過疎地域に指定をされている吉野町において線引きが義務づけられ開発が抑制されているという現実は、あまりにもゆがんでいるのではないでしょうか。地域の活性化を図ろうにも、市街化調整区域であるがゆえに数々の規制があり、豊かな自然の中で暮らしたいと考える都市住民の転入や、自宅に併設した工房での創作活動など小規模な事業所の開設なども妨げられている現実は、皮肉としか言いようがありません。そもそも、経済状況も住民のライフスタイルも大きく変わっている中、三十年以上も前の基準をそのまま地域開発の基盤にしていることにも大きな疑問を感じます。吉野三町のような地域が指定を受けていること自体、法律本来の趣旨からも、もはや意味をなさないものになっているのではないでしょうか。

 吉野町では、一人でも定住者をふやしたいとの切実な思いから、平成二十四年度より吉野町定住促進新築住宅補助事業を創設し、吉野町で住宅を新築する住民に対して二百万円を補助するといった血のにじむような取り組みも開始されました。大淀町、下市町においても、同じ思いで多様な取り組みが実施されております。過疎化を食いとめるためには、一つでも障害や規制を少なくしたいのが吉野三町住民の願いであります。住民も行政も日夜知恵を絞っています。私はこの地域選出の議員として、町を挙げてのこれらの努力を無駄にしたくはありません。そのためにも、私は、吉野三町都市計画区域を和歌山県橋本市のように線引きのない非線引き都市計画区域に移行すべく、近畿圏近郊整備区域の指定を速やかに解除すべきであると考えております。

 近郊整備区域の指定を受けていない地域、例えば香川県高松市や岡山県笠岡市などでは、区域区分を廃止して、未線引き都市計画区域へと移行しております。岡山県笠岡市では、都市計画の中での線引きの意義や弊害などについて、住民の意見を聞きながら市を挙げて取り組みを進め、平成二十一年四月に線引き廃止を実現しました。奈良県でも、平成二十三年五月に定めた奈良県都市計画区域マスタープラン第三章、区域区分の決定の有無及び区域区分の方針において、吉野三町都市計画区域は、吉野町、下市町が過疎地域に指定されていることや、国における大都市圏制度及び都市計画制度の見直しの動向を踏まえ、区域区分を必要とする状況がなくなったと判断される場合には、区域区分の有無を見直すとしております。また、県においては、既に現実と大きく乖離をしている近畿圏近郊整備区域から吉野三町を外せないか、国に打診をしていると聞いておりますが、さらに強力な働きかけを行っていただきたいと切に要望いたします。

 私はこの場に立たせていただくたびに、県南部の過疎化対策や地域活性化に対する取り組みを訴えてまいりました。財政状況が疲弊をしている中での課題解決、その難しさについては私も日々切実に感じているところであります。しかし、行政の決断一つで大きく変えられることについては、どうか力強い一歩を踏み出していただきたいと思っております。早急な指定解除をこの場で強く訴えさせていただくとともに、線引きや近畿圏近郊整備区域が吉野三町の発展の支障になっているというこの問題について、県のご見解と今後の対応を知事にお伺いいたします。

 以上で壇上からの質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○議長(山下力) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)十九番松尾議員のご質問にお答え申し上げます。重要な質問が幾つかございました。

 第一問は、歳出の抑制と効率化についての取り組み、今後についての具体的な考え方のご質問でございます。

 議員もご指摘のとおり、将来の県民に過大な負担を強いることなく、安定的な財政運営を行っていくため、歳出の抑制、効率化を図ることは大切な視点であると思います。これまでも社会資本整備などに必要となる投資的経費については、選択と集中を基本とし、その財源となる県債の発行についてもできる限り抑制するとともに、県債の発行に当たっては、返済時に地方交付税により国の財源手当てがある有利な地方債の活用に努めてまいりました。平成二十四年度末の県債残高を見ますと、一兆五百六十八億円となっております。そのうち、返済時に地方交付税により国の財源手当てがある県債の残高は六千二百二十二億円でございます。県税などの自主財源で返済しなければならない県債の残高は四千三百四十六億円となっており、これは県債総額の約四割でございます。さきに述べました取り組みによって、県税等の自主財源で返済しなければならない県債の残高は、平成十九年度末には四千五百五十七億円であったものが、平成二十四年度末には四千三百四十六億円となり、この五年間で二百十一億円減少しております。県債総額はふえておりますが、県が自主財源で返済しなければいけない県債残高は減少しているという経緯でございます。県債残高に占めるこの残高の比率は、平成十九年度末の四六・四%から平成二十四年度末には四一・一%に減少する結果になっております。さらに工夫をいたしまして、平成二十二年度以降は、全額県の自主財源で返済しなければならない県債の発行は行ってきておりません。最近発行している県債は、全て何がしかの国の交付税による償還負担が含まれていることになっております。

 一方、県債償還に充てる県税等の自主財源についてですが、本県の税収構造においては、個人県民税がその四割強を占めており、今後、急速な進展が予想される人口減少や高齢化により、本県の個人県民税の減少は避けられないものと思います。このことから、法人関係税や地方消費税など経済活動と関連する税源の強化などにより、自主財源の涵養を図ることが課題でございます。本県における民間の経済活動は総じて活発であるとは言えない状況にございますので、民間経済活動を誘発、喚起するために県が率先して積極的な投資を行うことも必要であると考えられます。その際には、国庫補助金など有利な財源の獲得や、PFI方式などによる民間活力の活用など、少ない資金でより多くの事業費が確保できるような工夫も重要であると考えています。

 本県では、これまで取り組まれずにおくれてきている分野も多く、解決すべき課題が山積している現状でもございます。そのような事情を踏まえますと、節約すべきところは節約する一方で、本県の将来に資する必要な投資や経済活動を誘発、喚起するための投資も積極果敢に行っていくことが必要であると思っています。将来の県民に過剰な負担をかけない、バランスのとれた適正な財政負担ということも配意しつつ、今後ともめり張りのきいた財政運営となるよう一層の創意工夫に努めてまいりたいと思っております。

 第二問目は、南和地域の公立病院新体制についてのご質問がございました。収益が上がらず赤字が続いた場合の市町村の負担割合はどのように考えるかという点でございます。

 現在、南和地域における三つの公立病院におきましては、地域の人口減少により患者数が減少しております。加えて、患者数の減少に伴う医師や看護師の減少により医療機能が低下し、さらに患者数が減少する悪循環が生じています。また、南和地域の患者様は地域外の医療機関に向かわれる割合が四分の一にもなっているという分析もございます。これらの地域の医療を担っております南和地域の三病院は、いずれも急性期を担う病院と標榜されており、その役割分担が非効率でございまして、南和三病院を一つの救急病院と二つの地域医療センターに再編成して、病気になってからリハビリまで切れ目のない医療を提供できる体制を再構築することを目指してまいりました。県と五條市及び吉野郡三町八村が、南和の医療は南和で守るを基本理念に南和広域医療組合を設立し、三病院を一体的に運営することにされました。

 このような病院の経費の負担の仕方についてでございますが、当地域は過疎債の発行が可能な市町村がほとんどでございますので、償還が極めて有利な過疎債を投資コストにも経常コストにも投入することを基本としております。さらに、その体制整備にかかる経費の各市町村の負担割合でございますが、組合が関係地方公共団体と協議して定めることとしておりますが、救急病院の建設時の投資コストと、病院経営にかかるランニングコストがございます。議員がご指摘になったことでございますが、市町村間の負担割合は、人口、病院からの距離、財政力等の指数に基づき、組合設立の際に合意をされております。

 議員ご懸念のランニングコストにつきましては、国の基準を参考に、県と市町村が病院に支援することにしております。具体的に申し上げますと、総額で年間六億二千万円余りの支援を想定しておりますが、その八割程度は国からの地方交付税を充てることができます。県は構成団体として、残りの二割となる一億円余りのうち、組合が設置する看護専門学校の収支差額相当額に当たる年間八千万円を定額で負担いたします。市町村は、残りの約二千五百万円を合意した負担割合に応じて負担することになっています。負担割合を定めた時点での試算では、経営収支は赤字を想定して計算をしておりません。組合では、最新のデータに基づく救急病院の必要病床数や設けるべき診療科、在宅復帰を促進するためのリハビリ病床の確保など、医療機能の具体的な検討を現在行っておりますので、それに基づく収支見込みについてもあわせて検討している段階でございます。

 構成団体である県といたしましては、市町村に大きな負担をかけないためにも、効率的かつ健全な病院経営が行われるよう、引き続き組合に働きかけていきたいと考えております。また、三病院の経営赤字が継続し、地域医療の提供に支障が生じるような場合の対応の方針でございますが、今後、収支見込みの精度はさらに上げていくこととしたいと思いますが、その際、赤字に対する構成団体の負担をどのように合理的に求めていくかについて、議員のご質問があった点でございますが、今後検討するとともに、収支の実績を合理的に分析できる能力を持つよう、組合に働きかけていきたいと考えております。

 しかし、基本的には病院経営に赤字が出ないよう、効率的かつ健全な病院経営を行うことが重要であり、そのため、適正な医師及び看護師の配置と患者数の確保が極めて重要となります。議員がお述べになった点でございます。最も重要な課題であります医師の確保につきましては、県では奨学金制度を運用し始めております。医師の不足している診療科やへき地の医療機関などに勤務する医師の確保を図る仕組みでございます。現在までに百六名の医学生に貸与をしております。平成三十七年には最大約百十名の医師が県内で勤務することになります。今後、南和の新病院に重点的に配置することとしたいと思います。

 なお、患者数の確保についてですが、今後できる南和の病院は、南和地域の市町村が共同して建設と運営を行う病院でございます。組合が市町村とともに地域の病院として運営することで、南和地域の方々に自分たちの病院だという愛着を持っていただき、現在、他の地域で入院されたり受診されている方々にも、お住まいの地域で医療を受けていただくことを期待する次第でございます。

 三問目は県土マネジメント部長がお答えいたしますが、最後の四問目で、吉野三町の都市計画におけるいわゆる線引きの問題についてのご質問が私にございました。

 県南部は、議員ご指摘のように、大幅な人口減少、過疎化が進んでおります。持続可能な吉野三町そして南部地域とするためには、定住の促進、地場産業の育成、雇用の創出などが必要ですが、それらに資するまちづくりを行うことは最も重要なことでございますし、県政においても、まちづくりが県南部においても大きな課題だと認識をしております。

 ご指摘の線引きや近郊整備区域は、地域振興の阻害要因になっているかどうかという点でございますが、線引きや近郊整備区域の指定はまちづくりの手法の一つでございます。その目的は、整合性のとれたまちづくりをしようということでありますので、手法の有用性を論ずる際には、まず吉野三町が、みずから抱える過疎等の課題に対して、どこを開発して、どこを守り、どんなまちにしたいのかを示すまちづくりビジョンを持つことが先決だと思います。線引きのあるなしにかかわらず、必要なビジョンだと思います。そして、まちづくりビジョンが作成された上で、それを実現していくのに線引き等が障害となっているのか、役に立っているのか、それを実現する手法としてその他の方法はないのかといった検討が必要でございます。県が行うことのできる市街化調整区域の開発許可基準等の運用の工夫などもできると思います。さらに、ご指摘のように近郊整備区域からの指定解除も必要となれば、県としても三町とともに国と協議をしていくなど、吉野三町のまちづくりに積極的に協力をしていきたいと考えております。地元三町がこのようなまちづくりをしたいのだ、そのためには、このような線引きの仕方ではなしに、違う方法でやりたいのだということを明確にして、それを県と協議をして、国に持っていく必要があると思います。

 そこで、県ではこれまで、吉野三町都市計画区域の過疎化等を踏まえ、吉野三町のまちづくりを支援するため、平成二十二年度に県と吉野三町とで吉野三町都市計画区域まちづくり検討会を立ち上げ、まちづくりビジョンの作成に向けた作業を開始いたしました。その中で、市街化調整区域に関する現行制度の活用の検討、線引き等を廃止した他府県の事例の検討、学識経験者からの意見聴取などを行うとともに、県から三町に対してまちづくりビジョンの作成の必要性をお伝えしてまいりました。しかしながら、現在も具体的なビジョンがないため、今年度、改めて、まずはビジョンを作成するよう助言をしております。

 要は、ばらばらと開発を進めるのではなく、地域のめり張りが必要だというふうに思います。都市計画における線引きなどの手法は、地域の乱開発を防止し、整合性のとれた地域発展を促すためのものであります。どのようなまちをつくるのかがまず先決であり、そのための作業について、県はいろいろお手伝いをしていく所存でございます。

 以上でございます。ご質問ありがとうございました。



○議長(山下力) 大庭県土マネジメント部長。



◎県土マネジメント部長(大庭孝之) (登壇)十九番松尾議員からのご質問にお答えしたいと思います。私へのご質問は、道路の維持管理について、計画的に対策を実施することとともに、それを公表していくということが重要であると思うが、どのように取り組もうとしているのかというご質問でございます。

 道路ストックの老朽化対策は、安全で安心な暮らしを支える道路サービスの提供に必要不可欠であります。奈良県では、平成二十年に策定した奈良県の今後五カ年の道づくり重点戦略に基づいて、なら安心みちネットプランや奈良県橋梁長寿命化修繕計画などの個別計画を策定いたしまして、選択と集中の考え方により、道路施設の計画的な維持管理の推進に取り組んできたところでございます。

 一方で、平成二十四年十二月の笹子トンネルの事故を受けましたトンネル内の重量構造物に対する緊急点検に引き続き、平成二十四年度の国の補正予算を活用した、橋りょう、トンネル、のり面、舗装、道路附属構造物等について、施設の総点検を実施しているところであります。

 今後は、蓄積された道路インフラに対するアセットマネジメントの観点から、これまでの点検や修繕結果を評価し、今後の補修計画に反映させるPDCAサイクルを活用したいと思います。例えば橋りょうにつきましては、平成二十二年度からの五カ年で、早急に対策を実施する必要がある橋りょうを公表し、対策を推進しているところですけれども、今回の新たな点検でも、再度、全橋りょうを対象に老朽化の経年変化を確認した上で、次の五カ年で実施する次期修繕計画を策定することとしています。また、トンネル、のり面、舗装などの施設につきましても、これまでに実施した補修工事の状況を踏まえ、施設全般の老朽化の状況を合理的な指標を用いて評価した上で、対策が必要な箇所の把握や優先順位の設定を行う予定でございます。

 また今後は、奈良県道路の整備に関する条例に基づく道路整備基本計画の策定作業においても、維持管理の実施方針を検討し、計画的、効率的に対策を進めてまいります。

 以上でございます。



○議長(山下力) 十九番松尾勇臣議員。



◆十九番(松尾勇臣) ご答弁ありがとうございました。少し時間がありますので、要望だけさせていただいておきたいと思います。

 今回質問は、県の将来、こういうふうにあるべきではないかというようなことを本当に強く憂えて、幾つかの視点に絞って質問させていただきました。本当に限りある予算で限りない要望に応えていかなければならない。苦しい県政運営はこれからも続いてまいりますが、そんな中で、計画をつくるというのは非常に大切な作業であると思っておりますので、しっかりとした計画を立てていただいて、計画性のある県政運営を行っていただきますよう要望いたして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。



○議長(山下力) これをもって、当局に対する代表質問を終わります。

 しばらく休憩します。



△午後二時一分休憩

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△午後二時十四分再開



○副議長(井岡正徳) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 次に、当局に対する一般質問を行います。

 順位に従い、二十三番安井宏一議員に発言を許します。−−二十三番安井宏一議員(拍手)



◆二十三番(安井宏一) (登壇)議長のお許しをいただき、質問をさせていただきます。

 昨年十二月の政権交代以降、安倍内閣総理大臣は、経済対策、つまりアベノミクスの中で、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略、いわゆる三本の矢を一体として推進し、長期にわたるデフレと景気低迷からの脱却を最優先課題として取り組まれています。この間、過度な円高の是正と株価の上昇による輸出企業を中心とする業績や消費者心理の改善などにより、景気回復への期待感が高まっております。その景気回復の効果が、本県経済にもできる限り早く波及してくれることを期待いたしております。

 さて、先日の我が自由民主党の代表質問において、神田議員から、保護観察対象者を臨時職員として雇用する趣旨について質問がありました。そのことに関し、保護司の立場から一言述べてみたいと思います。

 知事は、若者の雇用の拡大を念頭に置かれて政策を進められています。このたびは、保護観察中の少年も、短期間ではありますが、雇用するという取り組みを始めるということであり、大変ありがたく思うとともに、画期的なことであり、評価もしております。罪を犯した少年の更生に当たっては、正しい生活のリズムを取り戻すこと、友達関係を改善すること、安定した家庭生活を送れるようにすることを常に念頭に置きながら、対象少年と向き合っています。中でも最も大切なことは、仕事を見つけ、仕事につき、みずからの生活を安定させることであり、いつも苦慮しているところであります。今回の県の取り組みについて、少年はもとより、更生保護に取り組む多くの関係者も期待を高めております。少年の採用に当たっては、奈良保護観察所と十分連携を図っていただき、ぜひ成果を上げていただきたいと思っております。

 それでは、まず、記紀・万葉プロジェクトの今後の取り組みについてお伺いします。

 先日、九月十一日の朝日新聞朝刊のコラム天声人語に、奈良県が登場しているので驚きました。この日の天声人語は、「二〇二〇年を彩るのは、東京オリンピックだけではない」で始まり、続けて、「日本書紀が完成して千三百年という節目の年でもある」とあります。東京オリンピックと並べて、本県の記紀・万葉プロジェクトのことを取り上げてくれています。記事は続けて、「記紀神話ゆかりの地は、それぞれ知恵を絞る。奈良県が手がける事業は、二〇二〇年までぶっ続けである」と述べています。さらに記事には、「倭(やまと)は国のまほろば。シルクロードの終着点。さまざまに形容される古都は、気合いが違う」と、大変な期待感を込めた書きぶりが続いています。

 さて、ご承知のとおり二〇二〇年、平成三十二年、東京都でオリンピックが開催されることになりました。これから二〇二〇年に向けて、全国的にオリンピックムードが盛り上がりを見せることと思います。この東京オリンピック開催にあわせて、早くも京都府と京都市が日本文化祭というイベントを開く構想を発表しました。京都で伝統文化や文化遺産を紹介する行事を開き、オリンピック観戦に来日する観光客らを京都に呼び込むのが狙いとのことであります。今後、京都だけではなく日本全国各地が、二〇二〇年のオリンピック開催にあわせたイベントを企画されるものと予想されます。

 一方、我が奈良県はどうかと申しますと、天声人語が語るとおり、かねてから荒井知事肝いりで取り組んでおられる記紀・万葉プロジェクトがございます。オリンピック開催の二〇二〇年は、日本書紀完成千三百年であるとともに、昨年から本格的に取り組んでおられる記紀・万葉プロジェクトのフィナーレを飾る年でもあります。記紀・万葉プロジェクトは、二〇二〇年までの足かけ九年間推進されるダイナミックな取り組みであります。古事記、日本書紀、万葉集、これらの書物を軸として、いわば日本の心の原風景を掘り起こし、今に味わうプロジェクトであります。そして、このプロジェクトが、奈良県を中心に日本全体へ広がっていくことは大変意義が深く価値あることだと感じております。七年後に東京都でオリンピックが開催されることを、本県としても好機と捉えるべきであります。今から二〇二〇年に向け、このプロジェクトを通して本県の存在価値を内外に大きくアピールし、多くの方々に奈良県へ足を運んでいただけるよう、知恵を絞っていくべきだと考えます。二〇二〇年までの長期の取り組みである記紀・万葉プロジェクトについて、今後どのように取り組まれるのか、知事にお伺いしたいと思います。

 次に、奈良県の農産物の首都圏での販売についてお伺いいたします。

 私が以前、宮崎県庁に行ったときのことですが、県庁の横に、野菜や果物をはじめ宮崎県の特産品を販売している県の物産館があり、そこは多くの観光客でにぎわっていました。また、東京には、各県の野菜や果物など特産品を売っているアンテナショップがあり、観光案内や物産販売についてそれぞれ個性的なアイデアを出されています。本県も日本橋というよい立地のところに奈良まほろば館があり、県の特産品を販売されていますが、農産物を販売していることをもっとPRし、実績を上げる工夫をされるとよいのではないかと思っております。

 県では、マーケティング・コスト戦略に基づく農業の振興に基づき、イチゴ、柿、茶、菊などの主要な品目や、大和野菜や有機野菜、ダリアなどの新たな品目について、特に力を入れて支援しているとお聞きしております。また、これら特徴ある県産農産物などについて、首都圏への販売プロモーションに力を入れておられることも承知しています。昨年には、大和野菜など高品質な奈良県産農産物の東京築地市場への流通を開始されるとともに、知事みずからが東京大田市場、築地市場において、奈良の柿及び大和野菜のトップセールスを行われ、市場関係者と大変有意義な意見交換をされたと聞き及んでおります。さらに、ことしの八月にも、東京大田市場及び奈良県の農産物を販売してくれている食品スーパーにおいてトップセールスを行われ、スーパー関係者から、奈良県の農産物は好評であるといったお話があったとも聞いております。このように、知事が先頭に立ってトップセールスをされるということは、消費者に対して安心と信頼を与えていると高く評価しております。

 今後、さらに本県の農業を活気あるものにしていくには、高品質な県産農産物の生産・販売に、農家、流通販売業者、行政が一丸となって取り組んでいく必要があると考えております。消費者やマーケットが何を求めているのか、ニーズをきめ細かく把握するとともに、ターゲットをどういったところにするのがいいのかといった情報を生産農家にも伝えていただきたいと思っております。今後の農業振興については、TPPへの対応を含め、国の動向を注視していく必要がありますが、いにしえの都奈良には、観光だけでなく、魅力ある野菜や果実といった農産物があることを広く周知していただきたいと思っています。既に首都圏で認知されている京野菜や加賀野菜などのように知名度の高い、魅力ある農産物となるよう、地道な努力を続けていただきたいと願っております。

 昨年度から、首都圏に向けて奈良県産農産物の販売を開始されていますけれども、今後、県産農産物のブランド化とともに、販路開拓にどのように取り組んでいかれるのか、知事にお伺いします。

 次に、生駒市内の竜田川の河川改修や流域対策についてお伺いします。

 先週十五日から十六日にかけて、台風十八号による強風と出水のため、県内各地で、道路の通行どめ、鉄道の運休といった交通の乱れや、道路・河川の土木施設被害、床上、床下など約百棟の浸水被害が発生しました。このような自然災害による被害の軽減に向けた防災対策は非常に重要と考えております。特に近年の気候変動により、記録的な集中豪雨が全国各地で頻発しており、ことしも七月に山口県、島根県を中心として、八月には秋田県、岩手県を中心として、局地的に一時間の雨量が百ミリメートルを超える激しい雨が降り、大規模な水害が発生しました。本県でも、平成二十三年九月の紀伊半島大水害により甚大な被害が発生し、現在も復旧・復興事業に取り組んでいるところであります。

 人口や資産の集中する大和川流域でこのような集中豪雨が発生した場合、甚大な被害が予想されます。防災対策の推進は非常に重要な課題であると思います。大和川流域では、昭和五十七年八月の大水害を契機に、国、県、流域市町村が大和川流域総合治水対策協議会を組織し、河川改修やダム、遊水地などの治水対策に加えて、ため池やグラウンドを利用して雨水を一時的に貯留する流域対策を実施しています。総合治水の流域対策は、流域に降った雨が河川に流入する前に貯留するため、集中豪雨に対しては効果が高いと言われております。大和川流域総合治水対策協議会において、県、市町村の目標貯留量が定められており、県は目標を達成していますが、市町村の対策量はまだ約四割とおくれておりますので、市町村への技術支援等、県の協力をお願いいたします。

 私の地元である生駒市において、もし今、局地的集中豪雨が発生したら、どのような被害になるのか、どのような対策ができるのかについても考えております。生駒市では、竜田川や富雄川等の未改修区間で河川改修が進められています。未改修区間の整備は重要であります。推進していただきたいと思います。その中でも特に竜田川については、大きな被害が発生する可能性が高いと考えられます。その理由は、竜田川流域の丘陵地が住宅開発により市街化され、開発時に調整池が整備されているとはいうものの、保水力が低下していることから、流域に降った雨が竜田川に向かって一時に流れ込むようになっていることや、河川改修が進められている小瀬工区では近鉄南生駒駅周辺において、また、生駒工区では谷田町、俵口町において浸水常襲地域が存在しているためであります。小瀬工区については、平成十一年八月の水害で非常に大きな被害を受け、災害復旧助成事業により上田橋や乙田橋のかけかえが行われました。その後、被害は発生していませんが、この区間は川の勾配が緩く、雨が降ればすぐに水位が上昇するため、危険な状況は今も続いております。二カ所ある井堰の改修等の地元調整が課題と聞いていますが、平成十九年度に事業化された国道一六八号の小平尾バイパスと関連する部分もあるので、一体的に事業を進めていただきたいと思います。生駒工区については、長期停滞していた用地交渉が進展し、今年度から工事が進められるということで感謝しています。引き続き、上流の浸水常襲地域に向けて計画的に整備を進めていただきたいと思います。

 生駒市内の竜田川で進められている河川改修や流域対策など治水対策の現状と今後の見通しはどうか、県土マネジメント部長にお伺いいたします。

 次に、通学路の安全対策についてお伺いします。

 昨年四月以降、登下校中の児童等の列に自動車が突入し、死傷者が多数発生する痛ましい事故が全国的に相次いで発生しました。このような状況を踏まえ、県においては、昨年に教育委員会、道路管理者、警察が連携し、県内の全ての公立小学校二百十六校を対象に、通学路の緊急合同点検を実施し、その点検の結果、千三百四十一カ所の対策必要箇所が抽出され、その対策について、昨年度の二月議会、さらには六月議会においても補正予算を組み、本年三月末までに五百二十二カ所、進捗率三九%、六月末までに六百九十一カ所、進捗率五二%まで対策が進んでいると聞いております。

 これらの対策が進んで、通学時の児童の安全性が向上しているものの、いまだ歩道の安全性の確保がなされていない箇所があると思います。本県では、これまでの交通事故対策や、シートベルト着用の義務化、飲酒運転の厳罰化等の実施により、交通事故は減少傾向にありますが、登下校中の児童の交通事故は依然として発生している状況であります。すぐに対応できる即効対策を実施していくことも必要であると考えますが、児童がより安全・安心に通学できる歩行空間の整備手法として、歩道の設置は重要かつ不可欠と考えています。また、最近、歩道における自転車利用者のマナーの悪化が目立つようになりました。本来、自転車は車道を走るべきものですが、路肩の広い車道や自転車道が未整備のため、やむを得ず歩道を走ることがよく見られます。そのため、歩道において自転車同士の事故や、歩行者と自転車の人身事故がよく起こるようになり、最悪の場合は死に至る場合もあります。しかし、歩道の整備に当たっては、計画から設計、用地の買収、工事着手というように、事業着手から完了までに長期間を要することになり、そのため、通学路の安全対策のうち、ソフト対策として、自転車交通ルールの周知徹底とマナー向上のために、学校などにおいて安全教室の開催などの取り組みが実施されています。また、地域のボランティアを中心とした通学時の立哨についても、よく見られるようになり、児童の安全・安心の確保に向け、学校と地域が連携して取り組んでおられる状況がよくわかります。

 このように、通学路の安全対策については喫緊の最重要課題であり、教育委員会、道路管理者、警察が一丸となって重点的に取り組む必要があるため、関係者が情報を共有しながら、安全・安心な通学路となるよう、より一層連携して取り組むべきと思います。児童が安全・安心に通学するため、歩行空間の安全確保が重要と考えますが、緊急合同点検で抽出された千三百四十一カ所にも上る対策必要箇所の対策内容とその進捗状況、今後、県として通学路の安全確保にどのように取り組んでいくのか、県土マネジメント部長の考えをお伺いします。

 次に、ものづくり産業の振興についてお伺いします。

 県内の投資、雇用、消費を活性化し、本県経済の自立的な性格を強めていく必要があるということを知事は常々おっしゃっていますが、私も全く同感であります。本県の製造品出荷額は、平成十三年に二兆一千四百七十九億円であったものが、平成二十三年には一兆六千三百七十九億円となっております。このように製造品出荷額が減少しているのは、主に県内に工場のある大手家電とその関連企業の不振によるものであることは、ご承知のとおりであります。GDPが日本と中国で逆転したことに象徴されるように、新興国の発展や経済のグローバル化の進展の中で、今後も海外需要拡大に対応した海外生産拡大の動きは避けられず、国内で生産や雇用を維持していくためには、より高付加価値な製品づくりへの転換が重要であると思います。

 私が住む生駒市には、奈良先端科学技術大学院大学が設置されています。この大学は、ご存じのとおり、山中伸弥教授がips細胞を世界で初めて開発された大学であります。ほかにも世界の最先端の研究が行われています。このような大学と本県の企業が相談できたり、共同研究などができたらすばらしいと考えてきましたが、研究者が大企業から派遣されていたり、研究水準が県内企業と合わないなどで、私が思ったような状況には至っていないようですが、大きなアドバンテージがある環境であると思います。

 また、これまでのものづくり産業は、技術力の向上が最優先されてきましたが、これからは、消費者にこんな生活がしたかったと思われるような新しいライフスタイルを提案して、新たな顧客を創造する必要があると考えます。かつてソニーは、今まで室内でしか音楽を聞けなかったものを、どこでも音楽が聞けるというライフスタイルを実現したくてウォークマンをつくり出しましたし、アップル社も同じように、どこでもコンピューターが使えるというライフスタイルを実現したくてiPhoneをつくり出しました。このような新しいビジネスモデルは、なかなかできるものではありません。

 そこで、県は、未来のあるべきライフスタイルの方向性を示して、県内の大企業、中小企業を問わず、多くの企業がその方向に進めるようにすべきではないかと考えます。地域を生き生きとさせるためには、ものづくり企業を活性化させ、新産業創出のために時代のニーズを的確に捉えた研究開発を進めるとともに、企業のブランド化、商品の販路開拓の支援を強化させることが重要であると考えます。

 県では、四月に工業技術センターなどを組織改編し、産業振興総合センターを発足されましたが、この新しい組織でものづくり産業の振興についてどのように取り組んでおられるのか、また、今後、どのように取り組もうとされているのか、産業・雇用振興部長にお伺いします。

 次に、県立学校施設の耐震化整備についてお伺いします。

 公立学校施設は、未来を担う子どもたちが集い、生き生きと学び、生活する場所であります。と同時に、地震等の災害発生時には地域住民の避難場所となるなど、地域の防災拠点として重要な役割を担っています。平成二十三年三月に発生した東日本大震災においては、耐震化されていた学校施設が、児童生徒等の命を守っただけでなく、地域住民の応急避難場所としても機能しました。その一方で、地域の防災拠点となっているにもかかわらず耐震性が確保されていない学校施設では、甚大な被害を受け、構造体のみならず、天井材や照明器具、内・外装材の落下など非構造部材にまで被害が及び、中には体育館の天井材が全面的に崩落し、生徒が負傷するなどの人的被害が生じた例もあったと聞き及んでおります。このような高所からの落下物を防止することの重要性にも気づかされたと同時に、一刻も早く学校施設の安全性を確保することが極めて重要であると再認識されました。

 この八月に文部科学省が発表した全国の学校施設の耐震改修状況調査の結果によりますと、本県の状況は、幼稚園、小中学校、高等学校で全国平均を下回っています。特に高等学校の耐震化率は全国平均の八六・二%を大きく下回る六四・九%で全国四十六位となっています。本県の耐震化は非常におくれている状況にあります。東日本大震災以降、日本の各地で地震が頻発しており、本県においても、いつ大地震が発生するかわかりません。特に、今後三十年以内に発生する確率が高いとされている東南海・南海地震では、多数の死傷者の発生や大きな建物被害が想定されています。私たちは、いつ来るかわからない災害に対してはどうしても意識が低くなりがちですが、実際に来てしまったときに、あのときやっておけばと後悔することがないよう、地震に対する心構えはもとより、災害を最小限にとどめるための対策は早急に行う必要があることは言うまでもありません。学校施設は、次代を担う子どもたちの命を預かっています。子どもたちの生命、身体の安全確保の観点から、一日も早く安心・安全な施設にしてほしいと誰もが願っており、耐震化の一層の推進が図られるべきであると考えます。

 県立学校施設の耐震整備の現状はどうか、また、その推進に向けてどのような取り組みをされているのか、教育長にあわせてお伺いいたします。

 以上をもちまして、壇上からの質問は終わりたいと思います。ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○副議長(井岡正徳) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)二十三番安井議員のご質問がございました。私に対しましては、二問のご質問でございます。

 第一問は、記紀・万葉プロジェクトの今後の取り組みの仕方についてでございます。

 古事記や日本書紀は、豊かな物語性や文化的価値をあわせ持っている日本の歴史上最も貴重な文献でございます。また、記紀に親しみ、その成立した時代状況を知ることは、これからの日本のあり方を考える際にも多くの示唆を与えてくれると思います。本県が本県ゆかりの記紀・万葉にじっくり腰を据えて取り組むことは、本県にとっても、また我が国にとっても意義があるとの思いも持ちながら、記紀・万葉プロジェクトを本県のブランド戦略の柱と位置づけ、日本書紀完成千三百年に当たる二〇二〇年まで、長期プロジェクトとして取り組んでまいった次第でございます。

 スタート二年目の今年度は、まず、昨年度好評でありました古事記をテーマにした連続講演会を、県内ゆかりの九市町村で開催いたします。同様に東京でのシンポジウムを、古事記ゆかりの各県の知事に今年度も参加いただき、来年一月に開催いたします。また、昨年度、古事記に関するすぐれた出版物を表彰する古事記出版大賞を創設いたしましたが、今年度も、古事記ゆかりの三重県、和歌山県、島根県、宮崎県にも参加いただき、五県で実施いたします。さらに、天声人語でも褒めていただいている、なら記紀・万葉名所図会は、既にテーマ別に三冊発行しておりますが、今年度は、テーマを古事記の登場人物とし、四冊目を発行の予定でございます。今年度新たに幾つかの事業も始めます。古事記は文字のない時代に、口承伝承として伝わったものを集約したものでございます。声を出して読むことで、その本質を体験していただこうと、古事記朗唱大会を開催したいと思います。あわせて、古事記かるたを制作いたします。小学校、学童保育所、高齢者福祉施設に配布し、子どもからご年配の方まで、声を出して楽しんでいただこうという取り組みでございます。

 これらの事業を通じまして、今後は、奈良の文献や歴史を観光素材として生かすため、魅力的な紹介方法、味わい方を数多く見出して蓄積し、奈良らしい観光振興の方法を研究開発し、実際に展開していく努力を続けていきたいと思います。さらに、このような日本の伝統的な歴史文化を、日本人だけでなく外国の方にも親しんでいただける方法の開発にもチャレンジし、より多くの方々に感動を与えるプロジェクトに育てていきたいと思っておりました。

 二〇二〇年の東京オリンピック開催の年は、議員お述べのように、日本書紀完成千三百年であるとともに、当時の奈良の大政治家、藤原不比等没後千三百年でございます。さらに欲張って言えば、その約百年前の六二二年は聖徳太子が亡くなられた年でございます。さらに、その六二二年はイスラム暦、ヒジュラ暦の元年でございます。イスラム暦一四〇〇年をキリスト暦二〇二〇年とともに聖徳太子のご縁で祝うようなアイデアは、奈良ならではのアイデアとして考えていきたいと思います。オリンピック東京開催決定を機に、文化・歴史を素材にした奈良の観光振興について、より志を高く、思いを新たにしていきたいと思います。

 県産農産物の首都圏での販売についてのご質問がございました。

 近年、首都圏では、京野菜や加賀野菜など伝統野菜が注目され、本県の大和野菜も、首都圏のレストランや料亭などから問い合わせをいただくようになってまいりました。こうした中、県では、昨年から首都圏向けに大和野菜の販路拡大の取り組みを開始いたしました。築地市場の仲卸業者を対象に、県内産地見学ツアーや野菜ソムリエなどへの試食会を開催するとともに、十一月からは、週一回築地市場への直送トラック便を県が仕立てております。

 また、昨年十一月、大田市場で柿のトップセールスを行いましたが、その際、卸売会社の役員の方に大和野菜もあわせてPRしたことをきっかけに、大和野菜に大変興味を持っていただきました。その後、何度も奈良に足を運んでいただき、奈良県の農産物にはよいものが多くあることを認識していただきました。こうした取り組みが実を結び、これまで奈良県産農産物を首都圏のスーパーでは取り扱われることはなかったのですが、首都圏大手の食品スーパーで奈良県産農産物コーナーを入り口のところに設け、販売されることにつながりました。本年八月、大田市場で二回目のトップセールスを行うとともに、さきに述べた食品スーパーで奈良県産農産物フェアを開催していただいている状況を視察しました。高級住宅地が商圏となっている店舗で、野菜売り場の一番よいところに奈良の野菜・果物が並べられている様子に大変感動いたしました。スーパー関係者からは、奈良にはよい野菜や果物が多くあることを知りました、今後、販売方針を確立し、系列店舗へ拡大していきたいとの力強いお言葉をいただきました。店舗が二百もあるような大手のスーパーだったと思います。また、週一回の東京へのトラック便では、量が少ない、もっと供給してくれれば、もっと多くの店舗で来週からでも販売しますよという温かい言葉もいただきました。生産量は少なくても、高品質なものを計画的に安定供給することが、ブランド化につながり、販路拡大が進むことを改めて認識いたしましたが、また、さらなる供給拡大の必要性も感じたところでございます。

 今後の取り組みといたしましては、県出身者や地方食材を積極的に活用しているレストランシェフなどへのアプローチをはじめ、日本一の食品見本市と言われておりますFOODEX JAPANへの出展も考えたいと思います。また、奈良県としては初めてのことですが、首都圏の百貨店での本格的観光物産展の開催なども行いたいと思っております。これからもトップセールスは継続して行い、全国の流通をリードする首都圏市場の関係者との連携を密にすることが重要かと思います。そのようにしつつ、奈良県産農産物のブランド化と、首都圏での販路拡大に向けた取り組みを行い、これも二〇二〇年の東京オリンピックを契機に、奈良のブランド化を大きく世界にアピールする機会だというふうに考えております。

 私に対する質問は以上でございます。残余は関係部長がお答え申し上げます。ご質問ありがとうございました。



○副議長(井岡正徳) 大庭県土マネジメント部長。



◎県土マネジメント部長(大庭孝之) (登壇)二十三番安井議員からの私へのご質問は二問ございました。

 まず一つ目は、生駒市内の竜田川の河川改修、流域対策の状況、今後の見通しはどうかというご質問でございます。

 竜田川は、生駒市の俵口町を上流端として、平群町を貫いて斑鳩町神南で大和川に合流する延長が十三・二キロメートルの一級河川でございます。生駒市域を除きおおむね改修済みとなってございます。議員ご指摘のとおりの生駒市小瀬町、俵口町及び谷田町のあたりは、河道の断面が小さいために溢水被害が発生しやすく、浸水常襲地域が存在いたします。そのため、被害軽減対策として、小瀬工区と生駒工区の二つの工区で河川改修を実施しています。小瀬工区は下流の井出山橋付近から上流の大登大橋付近までの約二キロメートルの区間におきまして、現在二カ所の井堰改築に向けて、水利組合と構造などについて協議を進めているところです。なお、ご指摘のとおり、本工区は国道一六八号小平尾バイパスの道路改良事業と密接に関連いたします。両事業を一体的に進めることで進捗を図りたいと思っております。また、生駒工区は下流の近鉄奈良線付近から上流の県道奈良生駒線付近までの約一・二キロメートルの区間でございますが、用地交渉が難航しておりましたが、これも議員お述べのとおり、平成二十四年度に地権者の合意が得られました。そうしたことから、今年度から工事を再開し、早期の被害の解消に向け計画的に事業を進めてまいります。

 ただ、今申しましたような河川改修だけでは対策はできません。大和川流域においては、河川改修のみならず、ためる対策が重要でございます。その観点から総合治水対策を進めております。竜田川が流れる大和川流域の生駒いかるが圏域と呼んでおりますが、そこのため池の治水利用施設の整備の目標に対する達成率は、下流の三郷町が約一七二%、もう計画以上の整備、斑鳩町が約四九%、半分の整備に対して、生駒市は約一四%と低く、下流に比べて上流の自治体は対策がおくれております。ただ、生駒市においては昨年度から、この整備率を上げるべく、竜田川流域でのため池の治水利用施設の整備を進めておりまして、平成二十六年度には目標達成率は約三四%になる予定でございます。今後もため池治水利用施設の整備が促進できるよう、県としても事業費の補助とともに、技術的な支援についても行ってまいりたいというふうに思ってございます。

 もう一つのご質問が、通学路の安全対策の状況でございます。

 通学路の安全対策につきましては、昨年に県教育委員会、市町村教育委員会、国、県、市町村の道路管理者、県警察本部等が連携して、緊急合同点検を行いまして、昨年末に対策必要箇所を抽出し、現在、対策を実施しているところでございます。具体的には、教育委員会では、通学路の見直し、児童への交通安全教育、交通ボランティアなどによる立哨、また道路管理者は、側溝のふたかけによる歩行空間の確保、防護柵の設置による歩車分離、路肩のカラー鋪装化による歩行空間の明示などを進めておりまして、また警察では、ゾーン三〇や横断歩道の設置など、あるいは交通規制取り締まり等を進めております。

 安全対策の進捗でございますけれども、議員お述べのとおり、ことしの三月末現在で、三九%の五百二十二カ所が完了、全国平均の進捗率は五七%でございました。それに比べると奈良県はおくれている状況でございました。六月現在では五二%まで何とか整備が進んでおりまして、六百九十一カ所が完了しております。今後、平成二十六年三月末は、八一%に当たる千八十六カ所が完了する見込みになっております。ただ、さらに対策が推進するように、八月に全県を七つのブロックに分けた地域ブロック会議を開催いたしました。これまで実施済みの対策のフォローアップを行うとともに、市町村ごとに対策がどれだけ進んでいるのかといった進捗率を公表いたしまして、対策のおくれている市町村の実施を促進する手法、いわゆる見える化を図りました。

 今後の取り組みとしては、ことしの秋に、奈良県通学路安全対策推進会議を開催いたします。これは県教育委員会の教育次長、私、そして県警察本部の交通部長、市町村からは副市町村長、市町村の教育長から構成される親会的な会議でございます。これを開催して、その秋の段階の最新の市町村ごとの進捗率を再度公表いたします。また、各対策箇所の進捗や効果を確認するとともに、まだ進んでいないところについての課題を洗い出し、事業進捗を図ってまいりたいというふうに思っております。

 以上でございます。



○副議長(井岡正徳) 中産業・雇用振興部長。



◎産業・雇用振興部長(中幸司) (登壇)二十三番安井議員のご質問にお答えを申し上げます。

 私には、県が四月に組織改編で産業振興総合センターを発足させたが、この新しい組織でものづくり産業の振興についてどのように取り組んでいるのか、また、今後、どのように取り組もうとしているかについてのお尋ねでございます。

 これまでの工業技術センターにおきましては、高付加価値を獲得する取り組みが重要であるとの認識のもとで、技術開発、技術相談、各種試験分析など、技術開発面を中心にものづくり企業への支援を行ってきたところでございます。昨今、ものづくり企業におきましては、多様化、複雑化する消費者ニーズを的確に把握し、柔軟かつ迅速に対応することが、より一層求められております。このため県では、技術開発支援だけでなく、事業企画から研究開発、生産、流通、販売までを総合的、統合的、自発的に支援するため、産業・雇用振興部内の機関・組織を再編いたしまして、他県に先駆けて本年四月、産業振興総合センターを設置したところでございます。

 当センターでは、同じ建物に入居いたします公益財団法人奈良県地域産業振興センターと一体となって、産業界に能動的に働きかけ、自社ブランドの構築、新商品の開発、新技術の研究開発、さらに、国内外への販路開拓などの支援に積極的に取り組んでいるところでございます。去る九月十八日には、百貨店や大手通信販売などのバイヤーを招聘し、県内企業の商品を売り込む商談会を奈良市内で開催いたしましたところ、九十社にご参加いただくなど盛況でございました。当日は知事によるトップセールスも行ったところでございます。また、本格的な少子高齢社会を迎え、暮らしの中で直面する課題に対処するため、リビングサイエンスをキーワードにした課題解決型の産業創出にも、このセンターを中心に積極的に取り組み、県内ものづくり産業の振興を強力に進めていく所存であります。

 以上でございます。



○副議長(井岡正徳) 冨岡教育長。



◎教育長(冨岡將人) (登壇)二十三番安井議員のご質問にお答えいたします。

 私には、県立学校施設の耐震整備の現状と、その推進に向けてどのように取り組んでいくのかのお尋ねでございます。

 県教育委員会では、平成十五年度から平成二十年度まで、県立高校の特色づくり、魅力づくりを推し進め、教育内容の一層の質的充実を図ることを目的として、再編・統合に最優先で取り組んでまいりました。その後、災害弱者が多数在籍します特別支援学校から優先して耐震化に取り組んだ結果、議員お述べのとおり、県立高校の耐震化は、全国に比べおくれている状況となっております。なお、特別支援学校につきましては、来年度に工事着手を計画しております明日香養護学校一棟の改築をもって耐震化は完了いたします。

 一方で、おくれている高等学校施設の耐震整備を促進するため、県教育委員会では、今年度から平成二十九年度までの五カ年を耐震化整備集中期間と位置づけ、また、学校支援課に新たに耐震整備係を設け、おおむねこの期間に処理したいと考えております。具体的には、直接の耐震化と同時に行う大規模改造を合わせた前年度の予算額約六億三千三百万円を、今年度は十二億六千九百万円に倍増して、平成二十四年度からの債務工事を含め、十三校十五棟の整備に取り組んでおり、今年度末の耐震化率は、高等学校で六九・九%、県立学校全体で七六・五%になる見込みでございます。また、非構造部材の耐震化につきましても、毎年度、各学校長に対し、文部科学省作成のガイドブックに基づく安全点検の実施を指示してまいりましたが、今年度からは、文部科学省より優先的に対策が求められている体育館等を中心に、専門家に委託して点検を実施しており、引き続き、学校施設の安全確保に努めてまいりたいと考えております。

 以上です。



○副議長(井岡正徳) 二十三番安井宏一議員。



◆二十三番(安井宏一) 質問時間が切れましたので、質問はこれをもって終わります。



○副議長(井岡正徳) 次に、二十九番今井光子議員に発言を許します。−−二十九番今井光子議員。(拍手)



◆二十九番(今井光子) (登壇)日本共産党の今井光子でございます。多くの皆様にご心配をおかけいたしましたが、おかげさまですっかり元気になりまして、きょう一般質問に立たせていただくことができましたことを本当にうれしく思っております。ありがとうございます。

 ただいまから、知事、健康福祉部長、こども・女性局長、農林部長に一般質問をさせていただきます。簡潔なるご答弁をよろしくお願いいたします。

 再生可能エネルギーの導入につきまして知事に伺います。

 八月十九日から二十一日まで、奈良県議会脱原発議員連盟で福島県に行ってまいりました。原子力発電所事故の悲惨さは、報道などでは知っているつもりでしたが、現地に立ってこの目で見たときに、改めて自然災害とは異なる原発災害の恐ろしさを実感しました。浪江町の馬場績町議会議員の案内で、飯館村、南相馬市、浪江町を見てまいりました。三・一一のままゴーストタウンになった町。草に埋もれた線路。誰もいない駅。畑に乗り上げた船。作物をつくれない荒れ果てた農地。四月から職員が戻ってきた浪江町役場はまだ水も使えず、町の除染はたった二%です。福島県では、原発事故で死んだ人はいないという高市自由民主党政調会長の発言に対して、現実を知らなさ過ぎるとの怒りを聞いてきました。

 地震発生は三月十一日午後二時四十六分と聞いておりましたが、浪江町の時計は二時三十八分でとまったままでした。直後に消防団が救援に入り、助けてというたくさんの声に、すぐ、くるからなと言い残した直後、三月十二日の原子力発電所事故によって立ち入り禁止の区域になり、今でもその声が耳から離れないと聞きました。施設や病院からの移動中に亡くなった方、一時帰宅で絶望して自殺された方、お墓に避難しますと焼身自殺された八十八歳の女性など、二千六百人の関連死の半分が福島の県民です。浪江町の請戸小学校もあの日のまま。鳥のすみかになっている立派な木造の体育館。教室の黒板には、支援に来たたくさんの人の思いがびっしり書かれていました。東電のバカヤロー。あれから二年。三・一一のままの請戸。絶対復興させてやる。あきらめたらそこで試合終了だぞ。自衛隊も機動隊も、新日本婦人の会の方も、青年も卒業生も、たくさんのメッセージが書かれていて、胸が詰まりました。

 二年五カ月が経過しても、福島第一原子力発電所の放射能汚染水の問題は極めて深刻な事態に立ち至っています。放射能で汚染された地下水が海に流出し、タンクから高濃度の汚染水が漏れ出す事態が相次ぎ、放射能汚染の拡大を制御できない非常事態になっています。状況はコントロールされているという安倍内閣総理大臣の発言に、東京電力からは、外洋流出は否定できない、被災地からは、本当に腹立たしいという怒りの声が広がっています。日本共産党は、十七日、汚染水の抜本的解決を最優先に据え、英知と総力を結集し放射能汚染の危機打開の緊急提言を発表いたしました。放射能で海を汚さないことを基本原則にすべきだと思います。

 避難所で懇談したとき一人の女性が、政府は原子力発電所を再稼働させるためにヨウ素を配布するというが、それを飲んだら、その後、私たちのような暮らしが待っている、このことを知ってほしい、原子力発電はやめて自然エネルギーに転換してほしいと言われました。九月十五日で関西電力大飯原子力発電所も停止し、再び原発ゼロになりました。私は二〇一一年の七月、震災直後の経済労働委員会で、原子力発電所事故が起き、これまでエネルギーは国の施策だったが、県として再生可能エネルギーを考えるべきではないかと提案いたしました。原子力発電をやめて再生可能エネルギーへ転換するべきだと考えます。

 県では今年度からエネルギー政策課が設けられ、エネルギービジョンを推進されていますが、県の再生可能エネルギー導入に向けた取り組み状況について伺います。

 また、奈良県にも福島県から九十八名が避難されています。健康被害を心配されていますが、奈良県に内部被曝検査のホールボディカウンターはなく、前回質問したときも、機械を購入する計画はないということでしたが、一日も早く内部被曝検査ができるよう、検査体制の整備を要望いたします。

 次に、東朋香芝病院問題と地域医療について知事に伺います。

 香芝市にある東朋香芝病院二百八十八床が、平成十九年十一月分から平成二十一年十一月までの間、七十二時間ルールを守らず、入院基本料を不正請求していたことを主な理由として、六月二十日、保険医療機関の指定取り消し処分が国から出されました。七十二時間ルールとは、十対一の入院基本料を請求するための看護師の夜勤の平均時間の規定です。十月一日、保険診療が取り消される見通しの中で、地域から医療機関の存続を求める声が上がりました。東朋香芝病院は、人口約三十八万人を抱える奈良県の中和医療圏で、年間約二千二百人の救急搬送の受け入れを続け、新規入院も月間百二十人ほど受け入れております。また、脳外科関連の手術件数は県内トップクラスを誇り、職員も三百五十人が働いています。地域の救急医療を担ってきた同病院の保険指定取り消しによる地域への影響を考え、周辺自治体首長からは、救急医療体制に空白が生じないように、また地元住民からも、同じ場所での診療継続を求める要望が県に提出されました。

 一方、病院側は、処分を不服として大阪地方裁判所にこの処分の取り消しを求めるとともに、十月一日からの取り消しの執行停止の申し立てを行いました。このうち執行停止の申し立て部分によって病院側の訴えが認められ、国側は即時抗告を見送りました。これによって十月一日以降も保険診療が続けられることになりましたが、地元住民には今後の医療がどうなるのかという心配が広がっております。保険医療機関指定取り消し処分を受けると、原則五年間再指定されず、保険診療ができなくなります。地域医療に与える影響は甚大です。県は六月下旬、今後の病床数の不足を想定して後継法人を公募し、九つの医療法人が名乗りを上げ、二つの医療機関が新たな医療機関の事前協議書を提出しております。

 そこで、知事に伺います。東朋香芝病院の後継病院について、公募により選定作業中とのことですが、今後の見通しをお聞かせください。

 次に、駅の無人化問題について知事に伺います。

 県内にある駅の無人化がふえ続けています。JRと近鉄を合わせて百二十五駅ある中で、近鉄の路線では二〇一〇年に二駅だったものが、二〇一一年には近鉄田原本線の六駅が一斉に無人化されるなど、十二駅になり、さらに二〇一二年には六駅が無人で、既に十八駅が無人化になっています。JRも三十二駅中、既に十五駅が無人駅です。今回明らかになった、近鉄における駅の無人化では、大阪線では大福駅、室生口大野駅、三本松駅、橿原線では石見駅、南大阪線では二条神社口駅、当麻寺駅、磐城駅、浮孔駅、橿原神宮西口駅の九駅になり、十二月下旬に実施することが予定をされております。これらが実行されますと四十二駅になり、奈良県内の駅の三分の一が無人化になってしまいます。無人ではないが、日勤時間帯しか駅員が配置されていない駅もあり、浮孔駅では、駅員がいない時間に駅構内の踏切で車が立ち往生して、近隣住民からは駅員の配置を望む声が寄せられています。中でも石見駅では、自治会を通して現在七千人もの署名が集められていると聞いております。

 既に無人化されている駅では、遠隔装置のインターホンでは高齢者や障害者の方が聞き取りにくい、車椅子の場合は予約を入れて、ほかの駅から係員が到着するまで電車に乗れない。対応策としては有人駅からの制御や監視を行うことになっていますが、駅係員が別の業務を行いながらするため、遠隔制御、監視システムの故障や誤作動、券売機や改札機の誤作動緊急時に間に合わないなど、利便性や安全性で大幅な低下を招いております。地元の箸尾駅では、広陵町で唯一の鉄道駅ですが、既に無人になっておりまして、大和広陵高等学校では部活で遅く帰る男子高校生が、夜一人で駅舎に入るのが怖い、佐味田川駅を利用する女性は、トイレで襲われたら怖いなどの声も聞いております。馬見丘陵公園の最寄り駅でございます池部駅も無人で、観光に来た人が道を聞きたくても誰もいない状態です。今後、県は中南和地域の観光振興を進めようとされておりますが、駅は大事な役割を果たす場所です。

 バリアフリー新法では第一条で、高齢者、障害者等の移動上及び施設の利用上の利便性及び安全性の向上の促進を図り、もって公共の福祉の増進に資することを定めております。今後ますます高齢化が進み、利用者が減少する中で、駅という公共施設が企業のコストだけで無人化されていくことは問題です。

 九月三日の市町村長サミットで、政策研究大学院大学特別教授の森地氏は外国の例を紹介され、国の規制緩和でバスや航路の路線がなくなることを防ぐために、幾らの補助金があれば路線の存続やサービスを向上させることができるかを入札することによって路線を守っている例を紹介されました。また、質問に答えていただきまして、全国では、無人化されているところは、地元の自主管理、シルバーの活用、コンビニエンスストアと兼ねるなど工夫がされていることも紹介をいただきました。今、駅員がいるところでも、ホームで駅員を見かけることはほとんどありません。近畿日本鉄道株式会社では大阪にあべのハルカスという巨大商業施設をつくりましたが、その一方で、本業の鉄道部門において安全性が確保されてない駅員の無配置化は問題です。

 そこで、伺います。駅の人の配置は法的には何ら定めがなく、県は国に対して、公共交通事業者に全ての利用者の円滑な利用や安全・安心の観点から、駅には人の配置を義務づける法的整備を行うように求めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

 また、奈良県内で駅を利用されている人が安心して利用できるよう、今回の近鉄の駅係員無人化計画については、県から撤回を求めるべきではないでしょうか。

 次に、生活保護制度における医療扶助の通院移送費につきまして、健康福祉部長に伺います。

 生活保護で医療扶助を受け、通院が必要な場合は、それにかかる通院交通費が給付されることになっています。ところが、そのことを知らない人が多く、先日も、交通費が支給されることを全く知らず、生活費の中から工面するため通院も大変だという相談をいただきました。また、申請しても、いろいろな理由を言われて支給されないなど、担当者の認識もばらばらです。これを受けるには、要保護者が移送費を申請すれば支給されるということを知っていて初めて事前申請などの給付手続が可能です。県は、認められるべき必要な交通費が支給されていないということがないように、福祉事務所に通院移送費の制度の内容を周知徹底すべきと考えますが、いかがでしょうか。

 次に、学童保育につきましてこども・女性局長にお伺いします。

 共働きや母子家庭、父子家庭などがふえ、働くことと子育てを両立したい、安心して子どもを預けられる学童保育所が欲しいという声が広がっています。二〇一二年の八月、子ども・子育て関連三法が成立いたしました。学童保育については制度が大きく変わることになりました。国として初めて学童保育の基準を法令で決め、市町村も条例で学童保育の基準を定めることになります。これは画期的なことですが、その一方で、財源となる交付金の交付は国から市町村への交付になり、市町村は学童保育を含む地域子ども・子育て支援事業の計画を策定し、それに基づいて交付金が出ることになります。

 学童保育は、共働きやひとり親家庭等の小学生が放課後の時間を、学校のない土曜日や長期休暇は朝から一日過ごす施設であり、家庭と同じように過ごせる生活の場になっています。子どもたちが、ただいまと帰れば、お帰りと迎えてくれます。小学校低学年の児童が学校で過ごす時間は年間百九十八日、千二百二十一時間、一方、学童保育で過ごす時間は、小学校で過ごす時間より四百六十時間も多い千六百八十時間程度の時間を過ごしています。今年度、県内の学童保育所の数は二百五十四カ所、児童数は一万七百十人となっておりますが、ふえたとはいえ、まだまだ潜在的な待機児童は全国で五十万人いると言われています。

 国民生活基礎調査によれば、小学校一年生から三年生の子どもの四割のお母さんが六時間以上の勤務をしていることになります。奈良県に当てはめれば、一年生から三年生までの児童数三万三千八百五十八人、その四割、一万三千五百四十三人の母親が一日六時間以上働いていることになりますが、学童保育に来ている低学年の子どもは八千四百五十二人で、五千九十一人が学童保育を必要としながら利用できていないことになります。北葛城郡四町に伺いましたところ、三月に保育園を卒園した子ども三百五十一人に対して、四月から学童保育に入所された一年生は二百七十九人で、七十二人の差があることがわかりました。奈良県の女性就業率全国ワーストワンにも影響を及ぼしているのではないかと思われます。

 新制度においては、学童保育の対象は六年生まで拡大されましたので、潜在需要はもっとふえていると思います。ひとり親家庭で勤務の都合で迎えに行けない、学童の利用料が負担できないなどさまざまな理由で、一番必要な子どもが利用できない実態は改善が必要です。また、一カ所当たりの学童保育の人数九人以下が七施設あり、県の独自支援をすべきと考えますが、いかがでしょうか。さらに、七十一人以上の大規模施設はまだ十五カ所もあります。子どものロッカーを置く場所がない、ぐあいの悪い子どもが休む場所がなく、テーブルで囲った真ん中で寝かされているのを見たこともあります。早急に改善が必要です。

 学童保育にとって重要なものは指導員さんの果たす役割です。奈良自治体労働組合総連合が行いました指導員の労働条件アンケートでは、非正規雇用が九六%でした。時給八百円で四時間働いても月に七万円、パートで六カ月の短期雇用だから年次有給休暇もないと言われて、三年、四年と働いている。保育所、幼稚園、学校と同じように子どもを指導し、保護者との対応、障害児の受け入れなど、責任の重さは変わらないのに、平日の時間が短いだけで全く待遇が違うと怒りを覚える、学童保育で働いていると胸を張って言える雇用体制になってほしいと、切実な声が寄せられています。またスキルに関しては、二割の人が教員や保育士の資格がありません。放課後児童指導員等資質向上事業が学童保育の指導員に関する都道府県事業になっています。山形県では、全ての指導員に研修を受けてもらうために、研修で現場を離れる間の代替指導員の給与保障を県が行い、スキルアップを行っています。

 学童保育が、新制度における市町村の地域子ども・子育て支援事業に位置づけられた今こそ、奈良県でも、安心して子どもを預けられる学童保育にするために、ニーズに合う体制整備や、指導員のスキルアップ、処遇改善などを進めるべきだと考えますが、いかがでしょうか。

 最後に、農林部長に、源流を守るための森林の保全についてお尋ねをいたします。

 紀伊半島大水害から二年がたちました。二年前の八月三十日、九月五日までの総降水量は広い範囲で一千ミリメートルを超え、一部の地域では二千ミリメートルを超えるなど、記録的な大雨になりました。降り続いた雨はかつてない雨量になり、山が崩れ、川をせきとめ、あふれ出した水は山津波になって家を流し、命を奪い、いまだに行方不明者が十人もおられる大災害になりました。復旧・復興が関係者の努力によって進んでいることに感謝しておりますが、仮設住宅ではいまだに八十二世帯百六十四名が生活を余儀なくされており、一日も早い住宅建設を願うところです。

 一昨年の十二号台風はかつてない降雨を奈良県にもたらしましたが、あれから二年、全国各地で異常気象による大雨による洪水や土砂災害が起き、先日も台風十八号のもたらした豪雨で県下各地に被害が発生しています。当日、太田議員と五條土木事務所、吉野土木事務所、高田土木事務所を回りましたが、職員の皆様が泊まり込みで体制をとり頑張っておられる姿に感銘いたしました。

 九月五日、紀伊半島大水害復旧・復興シンポジウムでは、世界の中で自然災害はアジアが最も多く、日本でも多発しているとのことです。災害の多い日本では、江戸時代に木が切り尽くされ、災害が発生したために、土砂留奉行を置いて山川掟の令を出しました。それは木を切ることを禁止し、川の周囲に木がなく土砂が流れ出しているところは周辺に植林をせよなどとされていたことが紹介されました。適切な森林管理を怠れば土砂の流出を招きます。現在、紀伊半島大水害で被災した地域は土砂災害の復旧に取り組まれておりますが、十二号台風では土砂崩壊箇所が千八百カ所に対し、治山事業で取り組まれたところは七十六カ所、山肌がむき出しの放置されたままの森林が各地にあり、土砂流出を防ぐ対策が必要です。

 ところで、吉野川の源流に位置する三之公は、吉野川の二大源流に当たる北又川の最大支流、三之公川流域の地域で大台ヶ原の北側に位置しています。平成七年、平成八年に三百二十ヘクタールの森林が伐採され、その後植林もされず天然更新で行われておりますが、山が荒れ、土砂が河原を埋め尽くし、源流とは思えない状況で、川上村では、村がまだ手つかずの原生林七百四十ヘクタールを買い取って保全に努めています。来年は、全国豊かな海づくり大会が奈良県で開催されますが、吉野川の源流を守ることは奈良県の水や豊かな海を守ることになります。吉野川の源流に位置する三之公を公的に買い上げ、山を守るべきと考えますが、いかがでしょうか。

 以上で、壇上からの質問を終わります。



○副議長(井岡正徳) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)二十九番今井議員から私に三問、質問がございました。

 第一問は、再生可能エネルギーの導入に向けた取り組み状況についてのご質問でございます。

 本年三月に策定いたしました奈良県エネルギービジョンでは、再生可能エネルギー等の普及拡大を三本柱の一つに位置づけております。再生可能エネルギーの導入目標は、設備容量ベースで平成二十七年度末までに十五万五千四百九十七キロワットとしております。これは平成二十二年度比の二・七倍に相当いたします。五年間で二・七倍にふやすという計画でございます。本県の地理的条件などから、太陽光発電、小水力発電、バイオマスの利活用を重点的に進めていきたいと考えております。

 再生可能エネルギー導入に向けた県の取り組み状況につきましては、太陽光発電では、家庭用太陽光発電の設備設置に対する補助を昨年度から実施いたしましたが、好評でございましたので、今年度は五百件増の一千五百件の補助を行う予定でございます。また、国の固定価格買い取り制度を最大限活用するため、民間事業者間での土地や屋根貸し等を行うマッチング支援事業を今月から新たに実施をしております。次に、小水力発電につきましては、地域振興に役立つ小水力発電の導入を支援するため、市町村やNPOなどに対する導入調査補助制度を創設し、六カ所から申請がありました。また、山添村の上津ダムでは、農業施設を活用した小水力発電設備の整備に対する支援も行っています。さらに、バイオマスの利活用でございますが、御杖村などの県有林の間伐材を利用した木質ペレットについて、木材搬出コスト低減や採算性確保などの課題解消に向けた実証実験を進めているところでございます。

 先日の中村議員の代表質問にもお答え申し上げましたが、国では、年内にエネルギー基本計画を策定される予定でございますが、再生可能エネルギーの最大限の導入を重要課題の一つにされると聞いております。今後、県では、国の支援制度などを活用するとともに、民間活力の積極的な導入を図りながら、再生可能エネルギーの導入を加速化し、エネルギービジョンの推進を図っていく所存でございます。

 第二問目は、東朋香芝病院問題の今後の見通しについてのご質問でございます。

 東朋香芝病院は、議員お述べのように、入院基本料不正請求の行為があり、去る六月二十日に保険医療機関の指定が国により取り消されました。保険適用による診療継続が危うくなっているわけでございますが、病院側の申し立てに基づく裁判所の決定により、十月以降も、第一審判決言い渡し後六十日が経過する日まで保険診療が可能となっています。これは裁判所が国の保険医療機関指定取り消し処分自体を取り消したわけではなく、暫定的な措置であって、東朋香芝病院の診療継続が不可能になり、地域医療に空白の生じる可能性が高いというふうに考えております。このような状況のもと、東朋香芝病院を運営する法人が、病院の土地・建物等の権利や雇用契約関係も含めて、丸ごとご自身の息のかかった別の法人に事業譲渡することが計画されているようでございます。一方、当該病院を、県の公募に応じようとした法人には貸すことも売ることもしないと明言されています。このようなことは問題とすべき点があると考えております。

 まず当事者間の話し合いだけでの病院の譲渡であれば、看板のかけかえにすぎないということになり、保険医療機関の指定取り消しまで至った悪い経営体質は改善されず、国の重い処分が実質無効になってしまうということでございます。また、新しく医療を提供される病院は、できるだけ良質な医療を提供していただきたいと思います。新しい病院がどのような医療を提供するかは、地域にとって大変重要な問題であります。したがって、民間当事者間だけで病院の譲渡が決められ、国の処分がなされた病院が自分の息のかかった病院に後継指名をすることは、地域の良質な医療の確保という観点から見ても適当ではないと考えております。

 このような場合の取り扱いとして、本県では、病院の開設等に関する指導要綱で、後継の病院を公募により決定することとしております。公募では、救急医療の確保を条件とするとともに、現在、病院を利用されている方々への配慮などを、より高い評価項目としたところでございます。また、公募の効果として、新しい参入により良質な医療サービスの提供も期待できると考えているところで、現在、二つの県内法人から計画を提出していただいており、慎重に審査をしているところです。存続が危うくなっている現東朋香芝病院の穴を埋める病院の確保については、訴訟の結果を待って対応するのでは、地域の医療サービスの確保に事欠くことも予想されます。このため、地域住民の方々に安心していただけるよう、早期に医療を引き継いでくれる病院を確保できるよう対応してまいりたいと考えております。

 次のご質問は、駅の無人化問題についてのご意見とご質問でございます。近鉄の橿原線の各駅の課題、最近発生した課題についての問題でございます。

 鉄道事業法などの現行法では、鉄道駅における駅員の配置については、鉄道事業者の経営判断に委ねられております。議員お述べのとおり、鉄道駅の無人化は、県民の利便性をはじめ、安全や防犯の面など地域とかかわり合いが深いものでございます。このようなケースに対し、県は、鉄道事業者に対し何ら許認可権限を有しておりません。駅の無人化計画につきましては、その実施に対して十分な理解が得られるよう、関係地域への十分な説明を行うよう、本年七月に近畿日本鉄道株式会社に文書で申し入れを行いました。その後、駅の無人化の関係地域の市町村長から同社に対し、地元住民への説明会の開催を求めたり、駅の無人化撤回を求める要望書を提出する動きがあり、県においてもこの八月に改めて同社に対し、関係地域への十分な説明と理解を得るよう、また、その状況を県に報告するよう文書で求めたところでございます。県といたしましても、今後も引き続き事態の推移と状況の把握に努めるとともに、地域の意見や要望に誠意をもって対応するよう、同社に対して強く働きかけてまいりたいと考えています。

 また、鉄道駅は地域のまちづくりにとっても欠かせないものでございます。しかし、奈良県では鉄道駅が地域のまちづくりに十分な役割を果たしている状況にあるとは言えないと思っています。鉄道事業者には、地域振興に役立つ鉄道との意識を強く持ってもらいたいと思いますし、市町村においても、今後、駅を含めた地域の活性化を図るため、地域として何ができるのかについて検討していただくことが必要と考えております。

 答弁は以上でございます。失礼いたします。



○副議長(井岡正徳) 江南健康福祉部長。



◎健康福祉部長(江南政治) (登壇)二十九番今井議員のご質問にお答えをいたします。

 私に対しましては、生活保護制度における医療扶助の通院移送費について、県は、認められるべき必要な交通費が支給されないということがないように、県内の福祉事務所に通院移送費の制度の内容を周知徹底すべきと考えるが、どうかというお尋ねでございます。

 生活保護制度におきましては、医療扶助として医療を提供しておりまして、生活保護指定医療機関での一般診療の受診や入院給食費をはじめ、歯科診療や薬局での調剤等が給付の対象となるほか、お尋ねの通院時の移送費につきましても対象となっております。移送費が給付される場合は、受診する医療機関について、原則として被保護者の居住地に比較的近距離に所在する医療機関に電車やバス等によりまして受診する場合が基本となります。ただし、被保護者の方の傷病・障害等の状況によりまして、例えば、専門的治療が必要な場合は適切な医療機関への受診が認められますし、電車・バス等の利用が著しく困難な場合は他の交通手段による交通費も認められることとなっております。

 移送にかかる給付は、被保護者からの申請に基づきまして、福祉事務所において、給付要否意見書により主治医の意見を確認し、個別にその内容を審査して必要性を判断し、給付の対象となります医療機関、受診日数の程度、経路及び利用する交通機関を適正に決定することとなっております。また、移送費の給付は、交通費等の負担が医療機関への受診を阻害することを防ぎ、必要な医療を確保するために定められた制度であります。したがいまして、適正に給付される必要があると認識をしております。必要な移送費が適切に給付されますように、県内福祉事務所に対しまして、県が実施をいたします生活保護法施行事務監査において、移送費について被保護者への周知を図るよう指導いたしますとともに、福祉事務所職員を対象としました研修や査察指導員会議において制度の一層の周知・理解を図りまして、引き続き、法に準拠した適切な事務執行を指導してまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○副議長(井岡正徳) 西岡こども・女性局長。



◎こども・女性局長(西岡史恵) (登壇)二十九番今井議員のご質問にお答えいたします。

 私に対しましては、学童保育について、安心して子どもを預けられる学童保育にするために、ニーズに合う体制整備や、指導員のスキルアップ、処遇改善などを進めるべきと考えるが、どうかとお尋ねでございます。

 放課後児童クラブは、通称学童保育と言われていますが、本県では平成二十年度からの五年間で、クラブ数は五十カ所増加し二百五十四カ所となり、利用登録児童数も六百七十五人増加し一万七百十人となっています。県では市町村に対しまして、クラブの運営費とともに、創設や大規模クラブの分割など施設整備に対しても補助をしております。なお、七十一人以上の大規模クラブにつきましては、適切な人数規模で運営していただくために、引き続き市町村に対しましてクラブの分割を働きかけてまいります。

 また、指導員のスキルアップにつきましては、子どもの育ちに関して専門的な知識や技術が必要なことから、県では従来から、指導員の資質向上のための研修を実施しております。今年度は、特別な支援を必要とする子どもへのかかわり方や児童虐待の早期発見と未然防止など、実践的なテーマで研修を実施しており、今後も研修の充実に取り組んでまいりたいと考えております。一方、指導員の処遇改善に関しましては、従来から国に対しまして運営費の補助基準の引き上げ等を要望しており、今年度は、指導員の研修受講費用等が新たに補助対象費用に加えられ、補助基準額が増額されました。

 なお、放課後児童クラブは子ども・子育て支援新制度の中に位置づけられ、現在国におきまして、職員の資格や配置人数など、クラブの設備や運営に関する基準が検討されているところです。この検討状況を注視いたしますとともに、適宜、充実に向けた要望を行ってまいりたいと考えております。放課後児童クラブは、児童の健全育成対策並びに仕事と子育ての両立支援として重要な役割を担っておりますことから、県では引き続き、市町村と連携し充実に取り組んでまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○副議長(井岡正徳) 福谷農林部長。



◎農林部長(福谷健夫) (登壇)二十九番今井議員のご質問にお答えをいたします。

 私には、源流を守るための森林の保全について、吉野川の源流に位置する三之公を公的に買い上げ、山を守るべきと考えるが、どうかというご質問でございました。

 来年の秋に開催をされます第三十四回全国豊かな海づくり大会やまとのテーマが「ゆたかなる森がはぐくむ川と海」と決定されましたように、川の源流である森林を守ることは重要であることと認識をしております。

 議員お述べの三之公につきましては、平成七年から平成八年にかけて天然林を皆伐したものでございます。元来原生林であることから、植栽などの人的関与を行わず、天然更新による森林再生が期待をされており、現在はその途上にあると認識をしております。しかしながら、谷筋におきましては更新が思うように進まず、土砂流出の発生源になっている箇所も見受けられます。

 源流の山を守る、すなわち森林の管理につきましては、奈良県森林づくり並びに林業及び木材産業振興条例に規定をしておりますように、まずは森林所有者の責務であるというふうに考えております。しかし、このような土砂流出を防ぐため、森林が持つ公益的機能を適正に維持する観点から、治山事業による公的関与も行っていることも事実でございます。現在、川上村におきましては県に対し、当該地域の治山事業実施を要望するとともに、事業実施の前提となる保安林指定の承諾を森林所有者にお願いしているところでございます。県といたしましても、当該地域における対応としては、まず保安林に指定をした上で、治山事業の実施について検討をしたいというふうに考えております。

 なお、議員からご提案のありました公有林化については、森林を公有化する必要性、緊急性がどういう事情であるのか、何のために公有化するのか、さらに、どのような範囲の森林を公有化するのかなど、慎重に検討する必要があるというふうに考えているところでございます。

 以上でございます。



○副議長(井岡正徳) 二十九番今井光子議員。



◆二十九番(今井光子) ご答弁ありがとうございました。時間もありませんので、絞って質問をさせていただきたいと思います。

 再生可能エネルギーですけれども、平成二十七年度末までに百四十二万キロワット、二・七倍にするということで、積極的に進められようとしているわけですが、奈良県のピークが百五十五万キロワットになっておりますので、もう少し頑張れば、奈良県のエネルギーの自給自足が可能ではないかというふうに思うわけです。原発ゼロというところに立っていないと、なかなかそれができないのかなというような思いもするわけですけれども、その点で、もう少し積極的なエネルギー対策ができないかというのを、もう一度お尋ねをしたいというふうに思います。

 それから、駅の無人化の問題ですけれども、近畿日本鉄道株式会社にもこのことで話しに行かせていただきました。そのときに言われましたのは、ピーク時に比べて乗降客も収益も三分の一に減っていると。だから、鉄道を存続させることが精いっぱいだというのが近畿日本鉄道株式会社のほうの言い分であったわけです。しかし、奈良県の道路予算と公共交通を見ましても、その差は五十六倍ぐらいの差があるということで、もう少し、運転免許を持っていない人は人口の半分が持っていないわけですので、公共交通にお金を回してもいいんじゃないかというふうに思いますので、その点でご意見がありましたらお聞かせください。



○副議長(井岡正徳) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 最初の、自給率を上げるのを、自給自足ができるのではないかというご意見でございますが、奈良県の自給率は、今ちょっと覚えている数字は一八%か、大変低いものであったように思いますので、自給自足は大分努力が要るなというか、ほとんど難しいなという印象を、かつての数字で思っておりました。その自給自足を目指すのではなく、それは困難だということを認識しながら、自給率を上げるという方向で努力をするというふうに今のところ思っております。

 それから、駅の無人化につきまして、公共交通を利用するということは、これはバスも同じでございますけれども、奈良県公共交通条例をつくっていただきまして、鉄道・バスのような乗り合いの輸送手段の利用をどのように、これは今後高齢化社会の中で、利用しやすく、また、いいように利用していただけるかという課題がございます。今までの鉄道事業者は、民営で最低限の規制で事業ができるようになってきた日本独特の、私鉄という日本独特の制度でございますが、一方、ヨーロッパのように全て公営交通というのと、またちょっと趣が違います。私鉄のいいところも十分あるわけでございますので、私鉄経営を前提に公共的目的をどのような仕組みで達成していただけるかというシステムの課題が、まだ解決すべき課題が残っているように思います。事は単純でないように、バスの場合も鉄道の場合も単純でないように思っております。国土交通省でも公共交通のあり方、国と県、市町村の権限、役割のあり方について議論が行われているようでございますので、その議論の進捗を注目しております。県として考えるべきいいアイデアがあれば、そのような議論、有識者の議論を参考にしていきたいと今、思っているところでございます。



○副議長(井岡正徳) 二十九番今井光子議員。



◆二十九番(今井光子) ありがとうございます。今回の駅の無配置化は、三千人以下の駅を基本とするということで言われておりまして、その根拠はバリアフリー法だということで、全く関係のないところの基準で駅の無配置化をしようということでございます。ぜひ存続ということで要望をしていただきたいということをお願いいたしまして、質問を終わります。



○副議長(井岡正徳) しばらく休憩します。



△午後三時五十分休憩

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△午後四時三分再開



○副議長(井岡正徳) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 次に、四十三番梶川虔二議員に発言を許します。−−四十三番梶川虔二議員。(拍手)



◆四十三番(梶川虔二) (登壇)なら元気クラブ、社会民主党の梶川が一般質問をさせていただきます。社会民主党の生き残りは、つまり平和憲法の生き残りと同義語になるよう決意して頑張ります。

 東北の震災、紀伊半島の災害、このたびの台風十八号被害に遭われた皆様に、心からお悔やみ、お見舞いを申し上げます。

 さて、質問の第一点目として、県立三室病院のあり方と建てかえについてお尋ねをいたします。

 私のもとには、患者の立場でさまざまな声が寄せられています。三室病院のそばの三室山を散歩していて体調が悪くなり、三室病院に行き、即カテーテルをしていただき助かった、このような類いの感謝の声が、クモ膜下出血治療、がん治療などにおいても数々寄せられております。そのような声にまじって次のような声もあります。救急患者と普通患者の点滴室が入り乱れている。六人部屋は狭い。大部屋には冷蔵庫がない。診察室の前に医療情報を流すテレビを置いたり、本を置いたりできないものだろうかといったような、病院環境の整備についての意見もあります。住民は三室病院にお世話になっているからこそ、もっと病院をよくしてほしいという思いが強いのではないでしょうか。

 さて、これまで私は、三室病院の建てかえを含めた整備について質問をしてきました。特に今年度は三室病院の基本構想づくりに取り組むということで、私としても大いに期待をしております。そこで、私なりに三室病院の機能面について考えてみました。一つは、休止された産婦人科の産科の再開や小児救急の充実など、子育て支援を進めてほしいことです。二つには、高齢者に多い糖尿病の場合、合併症の患者さんに対し総合的診察ができるような機能を持たせてほしいことでございます。三つ目には、アスベスト関連です。西和医療圏に住んでいる方で平成二十四年度にアスベスト関連の検査を受けた方々は四百四十四名あります。呼吸器内科の外来を設置していただきたいと思います。このような機能を充実させたり、住民のご意見を反映した病院環境整備をするには、現在の病院施設では老朽化がひどいように思います。一方で、私が見る限り、三室病院の医師や看護師や職員の方々は患者の診察に一生懸命取り組んでおられます。

 そのような状況ですから、三室病院の建てかえ計画を打ち出すべきであります。現在地での建てかえは用地が狭過ぎ、ここでの建てかえは無理とすれば、現在地の近くで適切な用地を求めて移転するほうが得策と思いますが、いかがでしょうか。三室病院の建てかえを前提に、どのような医療機能を持つ病院として構想づくりを進めていかれるのか。以上二点について荒井知事にお尋ねをいたします。

 次に、大和川流域の治水対策についてお尋ねをいたします。

 五月に国土交通省から、国管理区間の大和川水系河川整備計画原案が示されました。大阪府と奈良県の県境の亀の瀬地すべり対策は、国により昭和三十七年から進められてきました。直径六・五メートルの長さ百メートルのくいがざっと五十本ばかり打たれ、地すべりをとめるもので、このたび完成をしました。その上に立って、大和川水系河川整備計画が策定されております。この整備計画はことし五月に広く住民に明らかにされました。示された整備計画の柱は、亀の瀬狭窄部、狭い部分の上流である奈良県側に、洪水調節のための容量がおおむね百万立方メートルの遊水地を国が設置するものです。河川改修は下流から実施することが原則ですが、下流の大阪府から改修するとなると橋のかけかえが多くなり、かつ、亀の瀬の狭い部分を掘削すると、さらに亀の瀬の地すべりどめの工事をする必要が生じることになり、上流部である奈良県の治水対策に着手するまでには多大の時間と費用を要することになります。そこで、このたび示された整備計画は、上流、下流の治水安全度を早期に向上させるため、亀の瀬はこれ以上さわらない、すなわち川床を掘ったり、バイパストンネルをつくったりはせず、上流部の奈良県域に遊水地をつくることとしております。

 そこで、一点目の質問です。この大和川水系河川整備計画に記載されている国直轄事業の百万立方メートルの遊水地は、誰が責任を持って、いつごろを完成のめどとしているのか。昭和五十七年の大和川大水害から三十年以上過ぎましたが、大和川流域での浸水被害はいまだに解決しておりません。対策を急ぐ必要があると思います。先日の台風十八号でも警戒水位を越えました。また、この遊水地整備は下流側にも効果があるものですから、奈良県の負担を大阪府も負担していただくように求めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

 二点目は、県管理の河川で、大和川の水位が上がったときに逆流を防ぐための樋門がある河川が幾つかあります。例えば斑鳩町内の三代川ですが、樋門が閉まれば水は大和川に流れ込まなくなり、樋門の内側は水位が上がり周辺が浸水することになります。先ごろの台風十八号でも樋門は閉じられました。しかし、現在この内水排除のためのポンプ排水は、大和川に負担がかかるとして認められておりません。公聴会でもこのことを申し上げましたところ、国土交通省大和川河川事務所の答弁は、河川管理者、県を指しますが、河川管理者が設置を決めれば協力するという答弁でした。県はポンプ設置をどのように考えているのか、お聞かせください。

 以上、荒井知事にお尋ねをいたします。

 三点目に、奈良県の観光における集客力を上げるために、正倉院復元宝物展にかかわって要望と質問をさせていただきます。

 奈良市でタクシーを利用した折、ドライバーさんから、国立博物館の正倉院展の期間を、今の二週間程度からもっと長くしてくれませんかと要望されました。私はこのことについて昨年の六月議会で知事に質問をいたしました。知事は、宮内庁の見解として、正倉院展は宝物の点検や調査を行うことが目的であり、現在の開催日数が限界であると前置きされた上で、そのかわり、県立美術館で復元宝物を展示するという答弁をなさいました。後で正倉院展と復元宝物展の比較数字は述べますが、正倉院は奈良しかありません。手をかえ品をかえ、宝物を正規の常時展示、公開展示をする、また、オリンピックには特別展示をするよう求めていただきますよう要望しておきます。おもてなしというやつですね。

 さて、正倉院展は二週間程度で二十四万人以上の入館者があります。県立美術館の正倉院復元宝物展では三十二日間で一万二千人で、正倉院展とは桁が違い、私たちの期待と大きく異なりました。また、企画も正倉院復元宝物展をキャッチフレーズにしたというより、県立美術館四十周年記念の色彩が強いように思いました。奈良県立美術館四十周年を総括した場合、一日平均三百人程度が入館したということでありますが、この数字は意外に少ないように思います。それに比べて復元宝物展は一日当たり三百八十人の入館者ですから、わずかですが、一定の成果と言わざるを得ません。

 そこで質問ですが、県立美術館において、今後も正倉院復元宝物展を実施するのであれば、話題性のある復元宝物を展示するなど展示のあり方も工夫を凝らし、入館者数がさらに増加するような方策を検討してほしいと思いますが、どのように考えているのか、知事にお尋ねをいたします。

 次に、ことし四月にスタートした障害者優先調達推進法についてお尋ねをいたします。この法律は、障害者総合支援法等と並んで大切な法律ですから、奈良県や県下市町村や地方独立行政法人がどのような取り組みをされているのかをお尋ねいたします。

 障害者優先調達推進法は、国、県、市町村など公的機関が物品やサービスを調達する際、障害福祉サービス事業所など、障害者が就労している事業所から優先的に調達することを求めている法律であります。障害のある人が自立した生活を送るためには、就労によって経済的な基盤を確立することが必要です。県内ではまだまだ小規模な福祉作業所が多く、パンやクッキーなどをつくっているところが多いと聞いております。県としても障害者の就労や工賃アップに寄与するよう、強いアプローチを要望しておきます。

 市町村レベルでも認識に温度差があるのではないでしょうか。強いて挙げれば役務提供による作業である公共施設の管理やトイレの清掃などについては一般事業者との入札が必要であり、障害者施設の人を優先的に扱えないという対応が過去にはあったようです。この問題は今日、障害者優先調達推進法をもってしても解決しないのではないかと思っております。大切なことは、このような実態を踏まえ、各機関が何をすべきかであります。

 そこで質問ですが、この法律を実質的に意義あるものにするため、県は県庁内でどのように取り組まれ、また、市町村等に対しどのように働きかけているのでしょうか、健康福祉部長にお尋ねをいたします。

 五点目に、橋やトンネル老朽化対策について質問をいたします。多少さっきの議員とダブりますが、させていただきます。

 去る八月四日に「NHKスペシャル 調査報告 日本のインフラが危ない」という番組が放映をされました。番組の中では、高度経済成長の中でつくられた橋やトンネルが老朽化し、危険で使えなくなったものがあるとレポートされていました。奈良県においても国の方針を受け、検査や対策を実施していると思いますが、この番組では、橋りょうの点検が業者任せであるとか、技術的な配慮が足りなく、調査結果に不都合がある等の例が指摘されておりました。またトンネルについては、昔の工法で掘られた古いトンネルはコンクリートの裏側に空洞が生じている可能性があり、これが原因で崩壊したトンネルの事例が報告されました。今後はインフラの維持管理が重要になると私は考えます。番組において実施されたアンケート調査では、新規建設よりも維持管理を優先すべきと答えた自治体は三割にすぎず、七割がどちらとも言えないと回答をしています。

 そこで、お聞かせいただきます。まず、奈良県が行っている橋の老朽化調査は、技術的に問題なく、業者任せであるという批判は当たらないのでしょうか。また、昔の工法で掘られたトンネルは奈良県に幾つあって、それらトンネルの安全性はどのようにして確認をしているのでしょうか。さらに、今後人口が減少していく中で、増大するであろう維持管理費を確保するため、私は、新規建設よりも維持管理を優先していくべきと考えますが、県土マネジメント部長の考えをお聞かせください。

 最後に、地元の問題を言わせていただきます。県立竜田公園についてお尋ねをいたします。

 和歌にも歌われた竜田川や三室山、その竜田川河川敷を利用しての県立竜田公園は、斑鳩町、三郷町、平群町の住民の散策道であり、もみじのシーズンには斑鳩町観光協会の紅葉祭りが盛大に開かれ、近郊の人たちの憩いの場になっております。その竜田川は、治水対策のため、今から約三十年前に河床を三メートル掘り下げ、河川の趣は一変しました。それでも旧竜田川の風情、もみじは残そうと知恵を凝らし、現在の竜田公園に整備をされました。それから時代の流れはバリアフリー化と変わりました。トイレなど部分的には改修されてきましたが、この際、高齢者、障害者が車椅子も含めて快適に利用できるような公園にしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか、まちづくり推進局長の考えをお聞かせください。

 以上、壇上からの質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○副議長(井岡正徳) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)皆様お疲れでございますが、本日最後のご質問者、四十三番梶川議員のご質問に簡潔に答えさせていただきます。

 第一問は、県立三室病院のあり方と建てかえについてでございます。

 三室病院は昭和五十四年に開院して以来三十五年を経過し、議員お述べのような老朽化への対応が必要な時期に来ているものと認識をしております。このため、まず、今後二十年、三十年先を見通して、西和地域の中で三室病院がどのような医療を提供していくべきかを十分に精査検討する必要があると考え、今年度、基本構想づくりに着手いたしました。構想が策定できれば、どのような施設が必要なのかが見きわめられることになります。その際、現在の場所で整備することがよいのか、移転させることがよいのかについても検討が進むことになると思っております。現地で建てかえ整備をする場合には、患者の安全や職員の負担などの問題があり、適地が確保できれば移転するほうが望ましいと考えています。移転の場合は全く新しい発想で病院整備ができると思います。しかし、移転適地が新県立奈良病院のようにうまく確保できるかという根本的な課題が残っています。

 また、基本構想の検討状況ですが、三室病院の新たな医療機能としては、西和地域での救急医療、小児医療やお産への対応、また、今後急速にこの地域も高齢化が進むことが予測されるため、運動器疾患等への対応をしていくことが必要であると認識をしております。現在、地方独立行政法人の中期目標の検討を進める中で、議論を重ねているところです。今後さらに議論を進め、地域住民に喜んでいただけるような病院づくりを目指し、今年度中に基本構想を取りまとめていきたいと思います。この基本構想は、地方独立行政法人の中期目標に盛り込み、二月議会に提案させていただく予定でございます。

 次のご質問は、大和川流域の治水対策についてでございます。

 現在、国において、国管理区間の大和川水系河川整備計画の策定作業を進められております。その手続としては、整備計画原案に対し、五月十日から六月十日にかけてのパブリックコメントの募集と四回の公聴会の開催、学識経験者で組織する大和川流域委員会からの意見を踏まえて整備計画案を作成し、七月三十一日に県知事に対して意見照会がありました。県といたしましては、直轄遊水地の早期整備や上下流の受益に基づく適切な役割分担と費用負担、総合治水の積極的な推進等を意見として回答いたしました。遊水地事業は、できるだけ早く実施してほしいと思っておりますし、現在、地元調整が続いております。地元のご協力のもと、早期に事業着手、完成を図っていただきたいと思います。その他、この整備計画に記載のある事業は、大和川直轄管理区間の河川管理者である国土交通大臣が、おおむね三十年間で整備を実施していくことになっております。

 先日の台風十八号では、大和川の水位が王寺町の藤井地点で、安全に流すことのできる最大の水位である計画高水位を超えました。幸いにも堤防の決壊等の大きな被害は発生しませんでしたが、県内の四つの水系の中で、あふれると一番被害が大きいのが、人口や資産の集中する大和川でございます。大和川流域全体の治水安全度の向上に大きく貢献する直轄遊水地の整備を強力に進める必要性を感じております。県として円滑に事業を進めるため、地元調整や関係機関調整に協力をしておりますが、早期完成が図れるよう積極的にかかわっていきたいと思います。また、議員お述べのとおり、遊水地については下流側にも効果があることから、上下流の受益に基づく適切な役割分担や費用負担のもと、関係機関と連携して取り組まれるよう国に働きかけてまいりたいと考えております。

 ポンプの話がご照会ありました。大和川流域は、山地の割合の少なさや都市化の進展により保水力が低下している上に、放射状に河川が集まる地形から、台風や豪雨により短時間に水位が上がりやすい特徴がございます。洪水時に、内水河川から一斉に大和川にポンプ排水をすれば、大和川の水位が上がり、本川の堤防が決壊する危険性があります。このため、国、県、流域二十四市町村から構成される大和川流域総合治水対策協議会は、昭和六十年に大和川流域整備計画において、ポンプ施設については河道の改修状況と整合のとれた計画とすると定めています。この意味は、川の上流から下流までため池整備、河道の掘削、河川改修、下流遊水地の整備などを行い、大和川に水を流し込んでも大丈夫な状態をつくることが前提になっているということだと認識をしております。大和川流域では、流す対策とともにためる対策を行う総合治水対策を鋭意進めています。しかしながら、県内下流部での遊水地の整備ができていないことから、その上流部の大和川の河道改修もできていない状況でございます。今般の台風十八号でも下流部の王寺町藤井地点で計画高水位を超えております。これらにより、いまだ各支川からのポンプ排水をつける状態にはございません。

 今後は、大和川での対策を進めるため、直轄遊水地整備、河道の掘削、河川改修、市町村の流域対策を総合的に進める必要がございます。これらの整備を鋭意進め、その進捗状況を見ながら、ポンプ排水が可能となるよう、総合治水対策協議会の中で、国や市町村とともに検討を進めてまいりたいと考えております。

 正倉院の復元宝物展についての言及がございました。今後、入館総数がさらに増加するような方策のアイデア、ご検討のご質問でございます。

 正倉院復元宝物展は、ムジークフェストなら二〇一三にあわせて、本年六月十五日から七月二十一日までの間、正倉院宝物と近代奈良の工芸と題して開催し、会期中一万二千百八十八人の方にごらんいただきました。一万人を超える展覧会は、県立美術館の中ではまあそこそこということでございますが、正倉院宝物を忠実に再現した、質の高い国宝級の復元品を展示した本展覧会について、観覧者からは、復元宝物の高度な技術と美しさに感嘆したなど、近代奈良の工芸技術の高さを称賛する声をいただきました。一方、展示の趣旨がわかりづらく、正倉院宝物のすばらしさが伝わりにくいなどの声もいただきました。今回の展示では、正倉院宝物の歴史的価値や当時の国際性、宝物の制作に用いられた緻密な技法などをわかりやすく解説する等の改善すべき点があったと考えております。

 最初の復元宝物展であり、いろいろ試行的なことをやりながら行ったことばかりでございましたが、今後の展示におきましては、全体のストーリー性をわかりやすく伝えることが必要だと思います。展示室や展示コーナーのコンセプトを明確にわかりやすく展示する、相互に関連性を持たせることや、展示内容の概観が一目で容易に把握できるよう、展示室入り口の解説に工夫を加えることなどに取り組みたいと思います。また、展示品そのものにつきましては、学術上貴重なものや幅広い層に興味を持っていただけるものを展示することや、展示品自体の解説はもとより、その時代背景や国際性を年表や地図を用いてわかりやすく解説するといったことも、工夫として取り組みたいと思います。このようなことにより、正倉院宝物の価値と天平の美がよみがえった復元品の魅力を十分に伝え得るものと考えております。このような展示、展覧会に加えまして、関連する講演会等のイベントの充実や、報道機関へのPR、各種媒体による広報に積極的に取り組み、入館者が一層増加するよう努力してまいりたいと思っております。

 ご質問ありがとうございました。



○副議長(井岡正徳) 江南健康福祉部長。



◎健康福祉部長(江南政治) (登壇)四十三番梶川議員のご質問にお答えをいたします。

 私に対しましては、障害者優先調達推進法への対応についてということで、県は県庁内でどのように取り組んでいるのか。また、県内の市町村等に対してどのように働きかけているのかというお尋ねでございます。

 議員お述べのように、障害のある方が誇りと生きがいを感じながら、地域で自立した生活を送るためには、就労を通じた社会参加の実現が重要であります。とりわけ、一般就労が困難な方には、障害者就労施設などの就労の場における工賃の向上を図り、その生活を送るための経済的基盤を支えることが重要というふうに認識をしております。

 今般の障害者優先調達推進法におきましては、県は障害者就労施設等からの物品等の調達の推進を図るための方針を作成し、それを公表し、年度終了後、その調達実績を取りまとめて公表することとされておりまして、現在その調達方針の作成を進めているところでございます。県では、これまでも障害者就労施設に対しまして、県庁の屋上広場の除草作業や冊子の印刷、イベントの記念品等を発注しております。また、本年度は新たな取り組みといたしまして、本庁舎の執務室内の清掃、公用車の洗車、廃棄文書のシュレッダー処理などの業務を委託いたしまして、九月から、施設の支援員の指導のもとで、障害のある方が県庁舎内で作業に従事しておられます。

 市町村等に対しましては、毎年実施しております福祉担当の部課長会議や担当者説明会等を通じまして、県の取り組みの紹介、施設等が供給できる物品等の情報提供などを行いますとともに、工賃向上対策や障害者優先調達への積極的な取り組みを働きかけているところでございます。

 今後も、県庁が率先して実践することにより得られましたノウハウや施設等とのネットワークを生かしまして、市町村をはじめ企業等への効果的な働きかけを行いながら、障害のある方の工賃向上のため、施設等からの積極的な物品等の調達の推進を図ってまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。



○副議長(井岡正徳) 大庭県土マネジメント部長。



◎県土マネジメント部長(大庭孝之) (登壇)四十三番梶川議員からの私へのご質問は、橋りょうやトンネルの老朽化対策でございました。NHKスペシャルをごらんになって、我が県の橋りょうの調査あるいはトンネル、そして新規建設、維持管理のバランス、そういったご質問でございました。私も、このNHKスペシャルを見て、道路の維持管理の重要性を改めて感じたところでございます。

 まず、奈良県では、平成二十二年に奈良県橋梁長寿命化修繕計画を作成し、取り組んできているところでございます。その際、点検、修繕計画の策定においては、コンサルタントに委託しておりますが、学識経験者を交えての検討、土木事務所職員みずからの点検を加えて進めてまいりました。

 先ほどの松尾議員のご質問でもお答えしましたが、今後は、これまでの橋りょうの修繕の評価と、橋りょうの再点検によるPDCAサイクルを回しながら進めたいと思っております。今回実施しています総点検により、全ての橋りょうについて劣化損傷状況の再確認を行います。各土木事務所で調査委託をしておりますが、その成果を各事務所で確認を行うとともに、劣化が進んでいる橋りょうについては、コンサルタントと一緒に土木事務所職員が点検を行うこととしています。さらに、橋りょうの修繕の必要性を見きわめる修繕計画の策定に当たっては、学識経験者を含む委員会を設置いたしまして、橋りょうごとの点検結果の再チェック、そして学識経験者の専門的アドバイスにより、着実な橋りょうの修繕につなげてまいりたいと思っております。

 トンネルにつきましても、現在、全てのトンネルで調査を実施しているところです。議員お述べの古い工法で掘削された県管理のトンネルは九十カ所存在いたします。トンネル内面のコンクリートの変状、ひび割れとかそういったものを点検することとしておりまして、これらにより、崩壊の予兆を発見し未然防止したいと考えております。これまでのところ、崩壊につながるような異常は見つかっておりません。しかしながら、今後も日常の巡視点検も含めて、予兆の早期発見に努めてまいりたいと思っております。

 また、三つ目の点でありますけれども、維持か、整備かという話でございます。今まで述べてまいりましたように、道路インフラが老朽化する中で、これからの維持管理は非常に重要で、積極的、計画的に取り組むべき施策であると思っております。本県においても、今年度は補正予算を含め道路予算を重点配分したところでございます。一方で、京奈和自動車道など県土の骨格となる主要な幹線道路の整備はまだ道半ばでございまして、国道、県道の整備率、他県に比べて大きく立ちおくれている状況でございます。このため、新規建設と維持管理のどちらを優先したいと考えていますかという質問に対しては、NHKスペシャルの質問項目、新規建設か、管理か、どちらとも言えないの三つしかないのでございますが、どちらとも言えないではなく、どちらも重要であるというふうに考えております。選択と集中による効果的な道路整備と、施設の特性に応じた維持管理の効率化を進め、限られた予算を最大限有効に活用していきたいというふうに考えてございます。

 以上でございます。



○副議長(井岡正徳) 林まちづくり推進局長。



◎まちづくり推進局長(林功) (登壇)四十三番梶川議員のご質問にお答えさせていただきます。

 私に対しましては、県立竜田公園の整備につきまして、バリアフリー化への時代の流れの中で、トイレなど部分的には改修されてきましたが、この際、高齢者や障害者が車椅子も含め快適に利用できるような公園にしてはどうかというご質問でございます。

 竜田公園は、竜田川の河川敷に園路や休憩施設などを整備し、平成十二年に全面開園した県立の都市公園でございます。議員お述べのように、秋には地元で紅葉祭りが催されるきれいな公園でございまして、春には三室山を中心としました桜の名所として知られておりまして、地域の憩いの場としての活用にとどまらず、広く県民の方々にも楽しんでいただいております。都市公園は、快適で安全な都市空間の創出、都市防災などの機能とあわせ、人々に安らぎを与える場でありまして、県といたしましては、高齢者、障害者をはじめとする全ての方に安全かつ快適にご利用いただけるよう取り組んでおるところでございます。竜田公園におきます取り組みの一例として、議員もお述べいただきましたけれども、トイレにつきましては、四カ所のうち二カ所で車椅子対応の障害者用トイレがご利用いただけます。さらに、高齢者の利用にも配慮し、既存の男子・女子トイレの洋式化にも順次取り組んでおるところでございます。竜田公園ですけれども、地形的な制約が多く、今までは個々の施設について対応を行ってきました。今後は公園全体のバリアフリー化の計画を検討しまして、車椅子の利用も含め、高齢者や障害者にも快適に利用いただけるよう、順次取り組みを進めてまいる予定でございます。

 以上でございます。



○副議長(井岡正徳) 四十三番梶川虔二議員。



◆四十三番(梶川虔二) ご答弁ありがとうございました。

 それぞれについて、時間の許す範囲でお願いをしたり、再質問したいんですが、まず一つは、県立三室病院の件ですが、これは王寺町という交通の要衝にある病院ですから、ここから離れたところへは持っていけないということは、もう自明の理でありますので、近くで用地を探すと。それがなければほかへ持っていくというのではなしに、もう現地しかないわけですから、いずれにしてもあの周辺で建てかえができるように、強く要望をしておきます。三室病院に関しては以上です。

 大和川流域対策ですが、私は今まで、耳に残っている人は残っているかもわかりませんが、大阪府のほうがいらえないのであれば奈良県で、いわゆる市町村事業、県の事業も含めて、市町村事業も含めて、直轄でやってもらってほしいという主張をしていて、ある方に、梶川さん、それはあきらめずに言いなさいやといって激励もされたんですが、よく考えたらなかなか難しいところもあるようで、ちょっと方針を変えまして、今度は直轄で三割の負担がありますから、これをやっぱり大阪府と奈良県が分けて負担をするという主張にちょっと変わってきたんですが、ぜひそういう形で大阪府のご協力もいただくように、知事に頑張っていただきますように要望しておきます。

 そこで、百万トンの貯留池というのを、百万トンそのまま一カ所でやるということはないと思うのですが、一カ所でやるとしたら、百メートル、百メートルで、深さ百メートルというすごい貯留池になるのですが、今のずっとこの間の動きを見ていますと、いわゆる県や市町村が貯留池をつくる場合、これが百七十万トンですか、それで、国が今度百万トン加わって、おしなべて二百七十万トンぐらいになると思うのですが、二百七十万トンというのがちょっと僕ら素人にはわからない。どういう威力を発揮するのかわからないのですが、例えば、これはわかればですよ、わからんことを聞いても知事に無理を言うことになるからあれですけども、二百七十万トンというのは、例えば王寺町で昭和五十七年に起こった水害を想定して、せいぜい床下浸水ぐらいでとどまるような威力を発揮するものなのか、そういう威力をどんな発揮をするのか、百万トンというのはどんな威力を発揮するのか、ちょっとやっぱり検討の過程で専門家、国土交通省の偉いさんとか、大学の先生の偉いさんとかいうのは計算されていると思うんですけど、どんな威力を発揮するものか、わかれば教えていただきたいと思います。

 それから、NHKスペシャルですが、これは県土マネジメント部長もテレビをごらんになったということですが、私も、周辺の人で何人かの人がやっぱり見ていて、梶川さん、奈良県はどうですか、大丈夫ですかという質問を得たから、県が既にいろんな取り組みをなさっていることはわかっているのですが、あえて質問させてもらって、奈良県はこうですよということを、きょうあるいは奈良テレビ放映を見ておられる方があろうかと思うのですが、あえて質問したのですが、いずれにしても、今の取り組みをしっかりやってほしいのと、ことしだけ、ずっと騒いだから、騒いだからと言うとなにですが、あったからやったというのでなしに、やっぱり継続して、老朽化というのは年々進んでいくわけですから、継続して見ていただくように、その点どういう考えか、聞かせていただきたいと思います。

 それで同時に、市町村に対する援助も忘れないようにお願いをいたします。

 とりあえず、以上です。



○副議長(井岡正徳) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 大和川河川の直轄負担、直轄にしてもらっても三割地元負担があるわけですけれども、三割はもう覚悟して出しましょうということを前提に、直轄のお願いをしているわけでございますが、その地元負担を大阪府と多少でも分けたらどうか、下流にも便益があるからと、理屈はそのとおりでございますが、これは府県をまたがる調整でございますので、また大阪府はなかなか難しいところでございます。堺県から大阪府になって奈良県が分離した原因も、大和川大洪水で洪水の後、公共事業が奈良にとんと来なかった、その前も公共事業を全然してもらえなかった、大阪府議会のせいでできなかったというのが百年前の歴史であるわけでございます。これは決して忘れてはいけないことでございますが、それを今持ち出しても、下流の大和川亀の瀬がつぼまっているので下にあまり流れないということは、下流の人は全然知らないというふうに思います。何の負担をするんだというようなことだと聞いております。国土交通省も難儀があるわけでございますが、堺市に流れていた大和川でございますけれども、なかなか下流の理解が得られない政治状況だと思います。ただ、梶川議員がおっしゃるのは、理屈は正しいと私は思っておりますので、主張はしていきたいというふうに思います。

 それと、百万立方メートルでどのくらい助かるのかという試算ですが、すぐには思いつきませんが、百万立方メートルが溢水して流れると思えば、すごい量になりますので、全て溢水するわけではありませんけれども、大きく減災することは間違いないと思います。ちょっと比較にならないかもしれませんが、大滝ダムのためる威力はすごいものでございまして、今回の大雨でも実は大きな効果がございました。効果があっても静かでございますので、その効果をなかなかダム自身は自慢もしませんし、言及もされないんですけれども、紀ノ川、吉野川では大きな効果があったわけでございます。そのようなためる威力もあるということを考えての、上流での直轄での遊水地の工事でございます。なかなか地元の土地の地面、田んぼを掘って遊水地にするわけでございますが、地権者との交渉がもう既に難航ぎみであるとの話も聞いておりますので、地元の地権者の理解とご協力が何よりも大事だというふうに思います。水につかるのは他の地域であっても、その遊水地を開放することによって全体が助かるという理解がこの地域でもっと深く発生すれば、工事がより早く迅速に進むものと期待をしているところでございます。今後ともご関心のほど、よろしくお願い申し上げます。



○副議長(井岡正徳) 大庭県土マネジメント部長。



◎県土マネジメント部長(大庭孝之) 私への再質問は二点あったと思います。一つは、今後も継続するのかという点と、市町村のほうもという話でございます。

 先ほどお伝えしましたように、橋りょう、トンネル等の老朽化対策アセットマネジメントは、今後ともPDCAサイクルを回しながら進めていきます。当然、今後とも計画的に進めていきたいと思いますし、またことしも消費税関係の経済対策の話も出てきておりますし、ことしの経済対策、あるいは来年も含めて継続してまいりたいというふうに思っております。

 また、市町村についても非常に重要でございます。橋りょう等の点検、これまでも垂直補完、奈良モデルということで進めておりますが、トンネル等も含め、引き続き市町村と一体的に連携しながら進めてまいりたい、そういうことによって安全・安心な県土をつくってまいりたいというふうに思っております。

 以上です。



○副議長(井岡正徳) 四十三番梶川虔二議員。



◆四十三番(梶川虔二) ありがとうございました。

 今、大阪府の負担について知事から答弁がありましたが、いずれにしても、県の職員、並びにおられる国から来られた職員も、奈良県のために大阪府に負担をしてもらうような働きかけを活動していただきますように要望して、終わります。

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○副議長(井岡正徳) 十五番森山賀文議員。



◆十五番(森山賀文) 本日はこれをもって散会されんことの動議を提出します。



○副議長(井岡正徳) お諮りします。

 十五番森山賀文議員のただいまの動議のとおり決することに、ご異議ありませんか。

     (「異議なし」の声起こる)

 それでは、さように決し、明、九月二十六日の日程は当局に対する一般質問とすることとし、本日はこれをもって散会します。



△午後四時五十六分散会