議事ロックス -地方議会議事録検索-


奈良県 奈良県

平成25年  9月 定例会(第312回) 09月24日−03号




平成25年  9月 定例会(第312回) − 09月24日−03号







平成25年  9月 定例会(第312回)



 平成二十五年

        第三百十二回定例奈良県議会会議録

 九月

    平成二十五年九月二十四日(火曜日)午後一時二分開議

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

          出席議員(四十三名)

        一番 宮木健一          二番 井岡正徳

        三番 大国正博          四番 阪口 保

        五番 猪奥美里          六番 尾崎充典

        七番 藤野良次          八番 太田 敦

        九番 小林照代         一〇番 大坪宏通

       一一番 田中惟允         一二番 岡 史朗

       一三番 畭 真夕美        一四番 欠員

       一五番 森山賀文         一六番 宮本次郎

       一七番 山村幸穂         一八番 乾 浩之

       一九番 松尾勇臣         二〇番 上田 悟

       二一番 中野雅史         二二番 神田加津代

       二三番 安井宏一         二四番 奥山博康

       二五番 荻田義雄         二六番 岩田国夫

       二七番 森川喜之         二八番 高柳忠夫

       二九番 今井光子         三〇番 和田恵治

       三一番 山本進章         三二番 国中憲治

       三三番 辻本黎士         三四番 米田忠則

       三五番 出口武男         三六番 新谷紘一

       三七番 粒谷友示         三八番 秋本登志嗣

       三九番 小泉米造         四〇番 中村 昭

       四一番 藤本昭広         四二番 山下 力

       四三番 梶川虔二         四四番 川口正志

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

        議事日程

一、当局に対する代表質問

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



○議長(山下力) これより本日の会議を開きます。

   会議時間を午後六時まで延長します。

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



○議長(山下力) ただいまより当局に対する代表質問を行います。

 順位に従い、九番小林照代議員に発言を許します。−−九番小林照代議員。(拍手)



◆九番(小林照代) (登壇)日本共産党の小林照代です。日本共産党を代表して質問を行います。

 台風十八号による大雨に見舞われ、奈良県各地で道路の決壊など被害が相次ぎました。被害に遭われた皆様に心からお見舞い申し上げます。日本共産党は災害対策本部を設け、訪問、調査を進めています。県としても引き続き災害対策に取り組み、災害に強い県土づくりに努めていただけるよう要望して、質問に入らせていただきます。

 初めに、消費税増税の県民に対する影響についてです。

 安倍内閣は、十月に予定される臨時国会の前に、来年四月からの消費税増税を予定どおり実施するかどうか、その可否を判断するとしています。日本共産党は、消費税増税に反対し、政府に対して増税中止を強く求めています。参議院議員選挙後の世論調査でも、増税を予定どおり実施すべきという意見は二割から三割であり、中止すべき、先送りすべきだという意見が七割から八割となっています。内閣官房参与などの政府関係者からも、予定どおりの増税に反対する意見が出され、これまで増税を主張してきた大手新聞の中からも、来春の八%は見送るべきだ、消費税増税の環境にないなどの論調が出されてきていました。消費税増税が予定どおり実施されれば、税率八%で約八兆円の増税、税率一〇%ならば十三・五兆円の増税になります。これは、一九九七年の大増税を上回る、文字どおり史上最大の増税です。

 一九九七年に消費税を三%から五%に増税した際には、国民の所得は着実にふえ続けていました。増税に先立つ一九九〇年から一九九七年には、労働者の平均収入は五十万円ふえていました。それでも、二%の消費税増税を含む九兆円の負担増によって、家計はどん底に落とされ、大不況の引き金を引く結果となりました。今回はどうでしょうか。それでも、日本経済は長期にわたるデフレ不況です。一九九七年をピークに、国民の所得は減り続け、労働者の平均収入は七十万円も減少し、最近でも、労働者の月給が十四カ月連続で前年を下回るなど、所得の減少傾向は続いたままです。一方、物価だけが上がり始め、暮らしはますます大変になっています。また、事業者に目を向けても、消費税が増税されたら店はやっていけないという悲痛な声が広がっています。そこでお尋ねします。消費税の増税によって、県民の暮らしや県内事業者の営業に対し、どのような影響があるとお考えでしょうか。

 次に、原子力発電所の事故に対する対応等についてです。

 被爆地長崎で開かれた二〇一三年原水爆禁止世界大会に、原水爆禁止奈良県協議会の奈良県代表団の四十名の一員として参加しました。世界大会には、五つの大陸にまたがる非同盟運動や非核地帯の国々の政府や国際機関の代表、世界の反核平和運動や核被害者の代表と日本の草の根運動の代表が、ともに核兵器全面禁止への道を考え、そして放射能被害の根絶を目指し、原発ゼロ、自然エネルギーへの推進を求める運動と連帯していこうと、十八カ国から八十八名が参加されました。

 ことしの世界大会には、二〇一五年に開催される次のNPT再検討会議に向け、ヒロシマ・ナガサキの被爆の実相を明確にし、核兵器の非人道性を世界の世論にする、非核平和の日本へと変える決意を内外に示す大会でした。田上富久長崎市長は、軍事バランスの視点では核兵器はゼロに近づかない、核兵器の非人道性こそが人間の視点であり、全員が共有できる視点です、私たちの社会に、未来に核兵器は要らないと挨拶されました。また、おじ、おばが被爆された、最も直下型地震が恐れられている中部電力浜岡原子力発電所のすぐ近くのまち、静岡県の三上元湖西市長は、原子力発電所は敵国を攻撃する武器ではありません、しかし、有事のときに敵国から狙われたら、突然原子力爆弾に変質するんですとして、原子力発電所も核兵器とみなすべきと提案されました。

 東日本大震災の重大事故から二年半、いまだに収束のめどは立っていません。十五万人余りの県民が避難生活を余儀なくされ、放射能被害は国民に甚大な影響を与えています。収束のめどの立たない東京電力福島第一原子力発電所で八月になって、新たな三百トンもの汚染水漏れが発覚、また一部は海に流出している事態が明らかになりました。発覚した三百トンもの汚染水漏れは、二十五メートルプール一杯分にも匹敵するものです。既に汚染された地下水が海に流出し続け、これを完全にとめる見通しもありません。これまでの世界の原子力発電所事故でもなかったことで、人類が初めて直面する非常事態、危機的状況です。その後も、放射能汚染はとどまることなく拡大しています。

 原水爆禁止世界大会に参加されること二度目の、海外代表の一人であるロシア自然保護チェリャビンスク住民運動議長のアンドレイ・タレブリンさんは、ロシアのウラル地方のチェリャビンスク州には核兵器用プルトニウム生産施設があります。この施設は、川への放射性廃棄物の垂れ流し、放射性廃棄物の崩壊熱による爆発事故などを引き起こし、大規模な核汚染をもたらしてきました。同州から二百十七の村が消滅し、ウラル地方全体でも約五十万人の住民に影響を与えました。今でも、汚染地域に住む人たちと将来の世代への健康への脅威となっています。核兵器廃絶・原発ゼロの声を広げようと呼びかけられました。

 日本共産党は先日、次の四点にわたる福島第一原子力発電所の放射能汚染水の危機打開のための緊急提言をしました。その一、放射能で海を汚さないことを基本原則として確立する。二、放射能汚染水の現状を徹底的に調査、公表し、収束宣言を撤回するとともに、非常事態という認識の共有を図る。三、再稼働と原子力発電輸出のための活動を直ちに停止し、放射能汚染水問題の解決のために、持てる人的物的資源を集中する。四、東京電力を破綻処理し、コスト優先、安全なおざりを抜本的に正すことです。被爆国に生き、福島原子力発電所に直面している私たちが今しなければならないことは、日本を核兵器のない世界へ、非核平和の日本へと変えていく決意であり、原発ゼロの日本にすることです。

 本県においても、福島県及び周辺県が直面している問題は、人ごとではありません。近畿地方周辺でも、関西電力大飯原子力発電所をはじめとする多くの原子力発電所があります。付近で大地震が発生する等により、原子力発電所において事故が起こった場合、広範な放射能汚染等の問題が生じる可能性があります。本県としても備えが必要だと考えます。そこで、知事にお尋ねします。県では、地域防災計画の見直しを行われていますが、原子力発電所の事故への対応についてはどのように記載しようとしておられますか。

 また、福島第一原子力発電所の事故後も、唯一再稼働が認められた大飯原子力発電所が、九月十五日をもって定期検査のため全て運転を停止し、一年二カ月ぶりに国内の原子力発電所の稼働がゼロとなりました。私は、二〇一二年六月議会でも、原子力発電所の再稼働について知事にお伺いしましたが、汚染水漏れという重大な事故が発覚した今、改めて原子力発電所の廃絶に向けた第一歩として原子力発電所の再稼働を認めないことが必要ではないかと強く思います。知事にお伺いします。一度事故が発生すると甚大な影響が生じる原子力発電所の再稼働は認めるべきではないと考えますが、所見をお伺いします。

 次に、中国、韓国との友好・交流による平和と共存の実現についてです。

 二千万人を超すアジア諸国民と三百十万人以上の日本国民が犠牲になったアジア・太平洋戦争が終わって六十八年を迎えた八月十五日の終戦の日の政府式典で、安倍首相は、最近二十年間歴代首相が表明してきた、アジア諸国の人々に多大な損害と苦痛を与えたことに深い反省と哀悼の意を表するという表現を口にせず、不戦の誓いに触れませんでした。安倍首相は、日本の植民地支配と侵略に反省とおわびを述べた村山談話や旧日本軍慰安婦問題で軍の関与強制性を認めた河野談話の見直しを公言し、国会答弁でも国際的に侵略の定義は定まっていないと述べ、侵略の事実を否定しようとしてきました。また、麻生副総理が、ワイマール憲法がいつの間にかナチス憲法に変わっていた、あの手口を学んだらどうかとのナチズム肯定の発言をしたことについても、安倍首相は否定をしていません。

 日本が韓国や中国、アジアの諸国などを侵略し、日本国民を含め甚大な被害をもたらしたアジア・太平洋戦争が、ドイツやイタリアの全体主義勢力がヨーロッパなどで引き起こした戦争同様、許されない侵略戦争であり、戦後世界がその否定と反省の上にスタートしたことは明らかです。日本が終戦に当たって受け入れたポツダム宣言や国連憲章も、侵略戦争の否定が出発点です。そうした戦争への反省に基づき決められたのが、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意した憲法です。憲法第九条は、戦争放棄を宣言し、戦争のための武力を持たず、国際紛争を話し合いで解決することを明確にしました。安倍政権は、自衛隊を国防軍という名の軍隊に変える憲法の改定を狙うとともに、現行の第九条のもとでも集団的自衛権の行使を容認する解釈改憲を進め、日本の自衛とは関係ない戦争に参加できるように道を進めています。安倍首相が終戦の日の式典でアジア諸国への反省や不戦の誓いに触れなかったことは、国際政治の原点と国民の誓いに敵対するものであり、国際社会への挑戦です。

 韓国のパク・クネ大統領は、日本の植民地支配からの解放記念日である光復節の八月十五日、記念式典で演説し、歴史問題をめぐる最近の状況が両国の未来を暗くしていると安倍政権を批判しました。今後の日中関係を中国の識者はどう見ているでしょうか。上海市日本学会会長・呉寄南さんは、日本の平和憲法の改定は、今の東アジアの流れに逆行しています、日本がもし改憲を断行するならば、アジア地域の不安定要因になるおそれがありますと述べ、また、中国社会科学院日本研究所の揚伯江副所長は、日本国憲法の平和主義は、戦後の世界平和主義の到達点でもあります、これは日本の誇りであり、アジアの誇りですと述べています。

 日本でも、学者や文化人等をはじめ多くの方が、憲法第九条を守り、平和を守ろうとの声を上げておられます。映画「少年H」の原作者である妹尾河童さんも、先日橿原市で行われた中和地域平和のつどいにおいて、戦争の悲惨さと七十年間日本の平和を守り続けた憲法第九条は守らないといけないことを強く訴えておられました。このような情勢の中で、地方レベルで積極的に中国、韓国との友好と交流を促進し、草の根レベルの相互理解を深めることは、日本と中国、韓国との間の平和と共存を実現する道へと歩みを進める上で大きな役割を果たすことができると思います。

 そこで、知事にお伺いします。憲法を変えようとする流れが加速化し、中国、韓国との間で緊張が高まっている中で、我が国の平和憲法を守り、両国との関係改善を進めることにより、この地域の平和と共存を図ることが重要であるが、県は中国、韓国との友好と交流をどのように進め、どのように平和と共存を実現しようとしているのか、お伺いします。

 次に、生活保護制度の見直し等についてです。

 二〇一二年八月に民主党、自由民主党、公明党の三党の話し合いのもとで成立した社会保障制度改革推進法は、生存権を定めた憲法第二十五条を否定し、社会保障の理念を自立自助に変えてしまうものです。そして、公費削減を第一の目的に、社会保障の各分野にわたり徹底した削減と抑制で、一層の市場化を進めようとしています。社会保障制度改革推進法のもとに設置された社会保障制度改革国民会議は、これまでの政府の検討に基づき、公的介護、医療、年金、保育の諸制度を改悪していく手順を定めたプログラム法案の骨子を閣議決定し、今秋の臨時国会に提出する方針です。これらの法案が実行されることになれば、受診抑制は確実に増加するとともに、生活できない高齢者もふえることとなります。また、このことは将来にわたる全世代の老後の生活を破壊することにつながりますので、国民は全体として耐えがたい負担と痛みに襲われることになります。

 社会保障改革の矢面に立たされたのが生活保護制度です。二〇一二年春、人気お笑いタレントの母親の扶養問題をきっかけとして、生活保護制度に対して、生活保護には不正受給が蔓延している、生活保護基準が高過ぎるのが問題などと、生活保護バッシングの嵐が吹き荒れました。そのニュースを聞いて、生活保護が切られたら、私は生きていけないと、私の知っている生活保護利用者から不安を訴える電話が相次ぎました。その後、バッシングは少し落ちつきましたが、バッシングの中で突然登場し、消費税増税とともに成立した社会保障制度改革推進法の附則に、生活保護制度の改革が書き込まれました。まず、本年八月から生活保護世帯の生活扶助基準が引き下げられました。この引き下げは、来年四月、再来年四月の三段階で実施され、引き下げ幅は平均六・五%、世帯によっては最大一〇%の引き下げで、生活保護世帯の九六%が減額になります。三年間では総額六百七十億円の減額となる見込みであり、これは戦後最大の引き下げです。

 次に、不正受給はけしからんというムードの中で狙われているのは、申請手続の厳格化、扶養義務の強化等であり、次の国会にこれらを規定した生活保護法改正案が提出されます。しかし、生活保護の増加の原因は不正受給でないことは、二〇〇七年度から二〇一〇年度にかけての数字を見れば明らかです。この間の不正受給件数は全体の約一・六〇%、不正受給保護費は全体の約〇・三七%です。その上、日本では、生活保護を利用している人の割合、利用率は一・六%、本来生活保護が必要な生活レベルの人で実際に生活保護制度を利用している人の割合、捕捉率は一五%から一八%で、諸外国に比べて異常に低いのが実態です。

 それでは、なぜ真っ先に生活保護が見直されるのでしょうか。それは、第一に、生活保護制度が憲法第二十五条を具体化する生存権保障の岩盤となる制度だからです。生活保護基準の引き下げは、国民の最低生活水準の引き下げです。これが下げられれば、社会保障全体の水準や雇用保障の水準も低くてよいことになります。第二に、ほかの制度に比べて、生活保護制度はたたきやすいからです。生活保護を必要とする高齢者、障害者、ひとり親家庭、働こうと思っても働けない人たちは、さまざまなハンデを持って、互いに孤立し、しかも貧しいために大きな声を上げにくい状況にあります。政治的、社会的な力が弱くてたたきやすい人たちだから、最初のターゲットにされたわけです。今回の引き下げの内容は、食費、光熱費、被服費など生活扶助費で暮らしを直撃します。利用者から、これでは生活がどうしようもなくなると悲鳴が上がり、全国で行政に対して、憲法違反だとして引き下げ中止を求める審査請求が行われています。

 そこで、知事にお尋ねします。生活保護制度の見直しにより、本年八月から生活保護基準の引き下げが行われていますが、受給者への影響が大きいことから、県として国に対し、引き下げを止めるよう申し入れるべきと考えますが、いかがでしょうか。

 また、健康福祉部長にお尋ねします。生活保護基準の引き下げに伴う生活保護費の減額について審査請求が各地で行われていますが、他府県の福祉事務所の窓口で受け取りを拒否されることがあったと聞いています。本県でこのようなことが生じないよう、県内の福祉事務所を指導すべきと考えますが、いかがでしょうか。

 最後に、TPPへの加入による県内小規模零細地場産業への影響についてお尋ねします。

 七月二十三日、環太平洋連携協定、TPP交渉に日本が正式参加しました。並行して日米交渉も始まりました。政府は、情報開示が不十分だという批判に対し、交渉に参加していないから中身がわからない、参加すれば情報がわかると言ってきましたが、参加したら、四年間は交渉の中身が秘密だから情報は出せませんと言っています。参加国の国民や国会議員にも秘匿にするという取り決めさえあります。いつまでたっても、国民には何も開示しないで、勝手に決めてしまう、TPP交渉とはそういうものだと改めて明らかになりました。信じられないことは、守るべきものは守るために交渉に参加するんだと言っていたのに、日本のTPP交渉団が何を守りたいのか、一切表明しなかったことです。

 農林水産品の関税、国民皆保険制度、食の安全など守るべき国益については、国会でも自由民主党でも決議しています。ほかの参加国は、マレーシア会合で日本の交渉団が日本が守るべき国益を持ち込んでくると思っていたが、日本の交渉団は一切主張をしませんでした。東京新聞は、各国肩すかし、予想に反し日本主張せずと報道しています。一方、先日の日本経済新聞の報道によりますと、関税撤廃九割超で調整、TPP政府・与党が本格協議とありました。九割を超えるといいますと、衆参の農林委員会で守ると決議した米や砂糖など重要な五分野の五百八十六項目の農産品に加えて、関税をなくしたことのないコンニャクや雑豆、水産品などが二百四十八項目、革製品を中心とした工業品九十五項目などが関税撤廃の対象となる可能性があるといいます。

 こうした動きに対して、各地で反対の声が上がっています。本県でも、九月十四日、奈良県文化会館国際ホールで行われた、奈良県医療推進協議会、奈良県JAグループ、奈良県森林組合連合会、奈良県生活協同組合連合会主催「〜考えようTPP!私たちは守りたい!みんなの医・食・住〜県民の安心と安全を守る大集会」が開催され、千人を超える皆さんが参加されました。その中で、TPP加入によって関税がなくなることにより、県内産業各分野が壊滅的な打撃を受けることに対する危惧の声が上がり、TPP参加に反対する訴えが行われました。関税がなくなることの影響について、奈良県森林組合連合会の専務は、一九六四年の木材全面輸入自由化により、木材の自給率が大幅に落ち込み、木材価格も低迷し、林業・木材産業の従業者も激減していると報告され、警鐘を鳴らしておられました。本県においても、関税によって保護されている小規模零細地場産業が存在しています。TPP加入により、そうした産業がかつての林業・木材産業のように、壊滅的な打撃を受けることを心配しています。

 そこで、知事にお尋ねします。TPP加入に向けた交渉が進められていますが、加入することとなった場合、県内の小規模零細地場産業にはどのような影響があり、どのように対応しようと考えておられるのでしょうか。

 以上で壇上からの第一問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○議長(山下力) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)九番小林議員のご質問にお答え申し上げます。

 第一問は、消費税増税の県民に対する影響についてのご質問でございます。

 我が国は、少子高齢化が急速に進展し、右肩上がりの高度経済成長が困難となっております。そのような中、増加する社会保障支出を賄うため、将来へのツケである借金をして、現在の社会保障を実行している状況にあります。このままでは、我が国の社会保障制度を将来にわたって健全に維持していくことが難しい状況にあると思います。社会保障に必要な経費は、今生きている我々が健やかに生活するためのものであり、世代間の公平を重視すると、後世にツケを残すことのない制度、同世代の我々が助け合う制度が必要だと思います。そのような制度を持続させるためには、安定的な財源を確保することが急務であり、消費税率の引き上げは避けて通ることはできないものと考えます。

 一方、消費税率の引き上げが消費の低下や企業活動の萎縮を招き、景気の腰折れにつながるのではないかとの懸念もございますので、現在政府において、企業に対する政策減税や法人実効税率の引き下げ、住宅取得者や低所得者に対する現金給付など、消費税率引き上げに伴うさまざまな経済対策の検討が進められていると聞いております。消費税率の引き上げに当たって、経済の活性化の施策を同時に進めていくことは重要でございます。県としても、政府が検討を進める経済対策の内容について引き続き注視していくとともに、県内消費の拡大対策、本県企業活動に対する支援など、本県経済の活性化に向けた取り組みを積極的に進めていきたいと考えております。また、中小企業などが消費税を転嫁できないご心配を持たれているとも考えられますので、本年六月に制定された消費税転嫁対策特別措置法に基づきまして、消費税に関する県民からの相談などについても、関係機関との連携を図りながら、適切かつ丁寧な対応ができるよう配意してまいりたいと考えております。

 次に、原子力発電所の事故に対するご質問が二問ございました。まず最初のご質問でございますが、県の地域防災計画の見直しの中で、原子力発電所の事故への対応策をどのように扱うのかというご質問でございます。

 今般の本県の防災計画見直しの重点項目の一つとして、原子力災害対策を取り上げています。その内容としては、県民の安全確保の観点からの原子力災害対策と、二つ目は立地県からの広域避難受け入れの、二つの柱を検討しております。

 まず、国の原子力災害対策指針に基づきます住民の安全確保についてでございますが、原子力災害対策重点区域を定め、原子力災害に特有な対策について、対象となる原子力事業所を明確にして定めることとされています。この重点区域を本県において定める必要性があるかどうかについて、まず検討する必要がございます。ことし六月に改正されました原子力災害対策指針においては、三つの種類の区域があるとされています。まず、原子力発電所からおおむね五キロメートル圏内で即時避難が必要な、略称でPAZと言われる区域がございます。また、おおむね三十キロメートル圏内で、速やかな避難の準備が事前に必要な略称UPZと言われる区域が設定されています。また、放射性ヨウ素の吸入による甲状腺被曝などの影響が想定される、略称PPAと言われる地域の考え方も導入されました。このPPAと言われる地域の具体的な範囲及び必要とされる防護措置の考え方については、今後国において検討される予定でございます。

 本県は、現在存在する原子力発電所から一番近いところでも約九十キロメートルの距離がございます。したがいまして、即時避難の区域及び速やかな避難準備が事前に必要な区域はありません。今後、国の指針が改正され、本県に甲状腺被曝などの影響が想定される地域の設定の可能性が生じた場合には、防災計画をさらに見直して、必要な事項を盛り込むことにしたいと思います。そのほか、県民の安全確保に必要な事項として、原子力発電事業者や立地県との情報連絡体制の整備、原子力防災に関する県民や市町村への一般的な知識や情報の提供といった内容を計画に記述することにしております。

 次に、原子力災害時の広域避難の受け入れにつきましてでございますが、福井県から本県に対して、避難者の受け入れの依頼がございました。これは、福井県内十五基の原子力発電所が同時被災したような際に、道路損壊や風向きの影響により福井県内での避難が危険な場合が想定されるため、あらかじめ県外への避難についても検討し、計画化しておきたいという福井県のご意向によるものでございます。奈良県へは敦賀市の市民が避難するという計画になっております。本県では、敦賀市からできるだけ近く、まとまった範囲に避難所を確保し、円滑な避難所運営ができるよう検討を始めております。具体的には、奈良市、大和郡山市、天理市、生駒市の北和四市の小中学校や県立高等学校などを避難場所として、受け入れの検討を行っています。なお、受け入れに当たりましては、児童生徒の授業などに極力影響がないよう、また短期間で緊急的なものとなるよう、福井県側と合意をしております。

 原子力発電所事故に関する第二問目は、再稼働を認めるべきではないと考えるが、所見を伺うというご質問でございます。

 原子力発電所の再稼働につきましては、議員お述べのように、現在関西電力から原子力規制委員会に対し、大飯原子力発電所三、四号機、高浜原子力発電所三、四号機の新規制基準に基づく安全審査が申請されております。この新規制基準は、福島第一原子力発電所の事故の教訓と最新の知見を踏まえて設けられたものでございますが、原子力規制委員会においては、この新基準にのっとり原子力発電所の安全性を厳格に審査されると聞いています。原子力発電所が再稼働されるかどうかについては、何より安全性の確保が第一だと考えています。原子力発電所の安全性については、知見と情報を有する原子力規制委員会での審査結果の内容が多くの国民を納得させる内容である必要がございます。

 また、再稼働については、何より発電所が存在する自治体の理解と同意を得ることが必要です。電力の消費県としての本県は、発電所が存在する自治体とその住民の方々に対し感謝の気持ちを持ち続け、これらの地域の負担が少しでも軽減されるよう、省エネ、節電や再生可能エネルギーの導入推進など我々ができる取り組みを着実に進めていきたいと考えておりますが、原子力発電所の再稼働の是非につきましては、原子力発電所の立地場所から遠く離れている本県は、立地県の立場を超えて物を申すことは控えたいと考えておるところでございます。

 次のご質問は、憲法の維持についてのご所見と、本県が進めております中国、韓国との友好・交流の取り組みの進め方についてのご質問だと理解をいたします。

 現行我が国憲法の基本となっております平和を守ることに役立つ行動をとることは、大事なことだと考えております。また、本県では、昭和六十三年に国際文化観光・平和県を宣言し、本県の有する歴史文化遺産などの特性を活用して、奈良県と歴史的にゆかりの深い中国、韓国を中心に、国際交流を推進してきた経緯がございます。本県は、中国、韓国と長い交流の歴史を持ち、その交流を伝える多くの文化遺産が残っております。本県だからこそできる地方政府同士の交流があると考えております。そのような考えのもと、奈良県とゆかりの深い中国陝西省、韓国忠清南道と平成二十三年に友好提携協定を締結いたしました。この提携に基づき、今年度は県内の青少年を両省道に派遣し、両国の歴史や文化に直接触れ、奈良とのゆかりや交流の歴史を学んでいただく機会などを設けているところでございます。

 また、中国、韓国をはじめASEAN諸国の各地方政府が集い、各国地方政府の現状や課題を報告し合うことにより、ともに学び合い、相互理解を深めることを目的に始めました東アジア地方政府会合につきましては、当初、日・中・韓三カ国、十九地方政府の会合でございましたが、今では七カ国六十四地方政府が加盟するまでになりました。なお、第一回会合で、次代を担う人材育成の必要性についての提案がございましたので、その提案を受け、東アジアサマースクールを開催することにいたしました。今年度も八月に、日・中・韓などの若者四十五名が、そのうち八割が女性でございますが、十五日間の講義とグループ討議等により学びと友好を深めました。今後も、歴史的につながりの深い中国、韓国との交流を継続的に実施いたしまして、若い世代を中心とした交流を通じて、永続的な平和を希求する機運の醸成に努めてまいりたいと思います。奈良県の取り組みが日・中・韓をはじめとするアジアの平和実現に少しでも貢献できることを願っております。

 生活保護制度の見直しについての所見と、本県の対応についてのご質問がございました。

 生活保護制度は、日本国憲法第二十五条に規定する生存権の理念に基づき、国がその責任において、生活困窮者に対し必要な保護を行い、最低限度の生活を保障するとともに、その自立の助長を目的とする制度でございます。生活保護基準は、最低限度の生活を維持するための尺度として、厚生労働大臣が決定されるものでございます。今回の見直しは、生活保護基準と一般低所得世帯の消費実態や世帯員の年齢や人数、居住地域に照らして比較、検証するとともに、近年のデフレ傾向から平成二十年度以降の物価動向を勘案して行われたと聞いております。なお、見直しに当たりましては、激変緩和の観点から、増減幅をプラスマイナス一〇%の範囲にとどめるとともに、三年間で段階的に実施することとされ、本年八月に最初の改定が実施されました。生活保護制度につきましては、基準の見直しだけでなく、不正不適正受給対策、医療扶助の適正化、就労自立支援対策等を中心に、その制度の運用を見直すとともに、生活困窮者対策とあわせて総合的に取り組むこととされております。国では、さきの国会で廃案となった生活困窮者対策法案と、生活保護法改正法案が秋の臨時国会に再提出されると聞いているところでございます。

 このように、生活保護基準は、国民にひとしく平等に適用されるべきという意味で、国の権限と責任が圧倒的に大きい分野でございますが、県といたしましては、今回の生活保護基準の見直しに伴い、引き下げとなった世帯への影響を確認、注視するとともに、今後一体的に取り組むこととされております生活困窮者対策及び生活保護制度の見直しに係る国の動向を見守っていきたいと思っております。

 最後に、私に対する質問は、TPPについてでございます。県内小規模零細地場産業への影響についてどのように考えているのかというご質問でございます。

 我が国は、本年七月、貿易や投資の自由化により力強い経済成長を実現するため、TPP交渉に正式参加し、交渉参加者は年内に協定を締結するという目標に向かって交渉を進められているところでございます。この交渉で扱われる分野は、物品の関税の撤廃・削減を目指す物品市場アクセス分野や知的財産分野など二十一の分野が対象になっております。特に物品市場アクセスの分野におきましては、これまでの通商交渉で関税率が守られてきた品目について、関税撤廃が交渉の論点となっているところでございます。今回の交渉に当たりまして、本県の小規模零細地場産業でございます毛皮革、スポーツ用品、履物等の皮革関連品目がこれに該当することになります。毛皮革等の皮革関連業界は、これまでも長引く国内需要の低迷、原材料価格の高騰及びアジア諸国からの低価格輸入品の増加により、経営を取り巻く環境が極めて厳しい状況が続いているものと認識をしております。もし今回の交渉で皮革関連品目の関税が撤廃されることになれば、経営基盤を脅かす重大な影響を受けるものと危惧をしております。

 こうしたことも踏まえ、県といたしましては、これらの分野につきましては従来から政府に対し、小規模零細地場産業の振興のため、現行関税が守られるよう強く要望してきているところでございます。一方、少子高齢化の進展等により国内マーケットが縮小する中で、TPPへの加入は新たなビジネスにつながるチャンスでもございます。こうしたチャンスを生かしたいと考えておられる企業もございます。魅力ある商品開発やブランド力の向上など、海外マーケットでの競争力強化を目指す意欲ある小規模零細企業に対しましては、積極的な支援を行ってまいりたいと考えているところでございます。

 残りの質問については、関連の部長がお答え申し上げます。以上でございます。



○議長(山下力) 江南健康福祉部長。



◎健康福祉部長(江南政治) (登壇)九番小林議員のご質問にお答えをいたします。

 私に対しましては、生活保護費の減額について、審査請求が福祉事務所の窓口で受け取りを拒否されることのないよう、県内の福祉事務所を指導すべきと考えるが、どうかというお尋ねでございます。

 生活保護の決定その他の処分につきましては、不服がある場合には生活保護法第六十四条によりまして、都道府県知事に審査請求を行うことができると規定をされてございます。また、審査請求書の提出については、行政不服審査法第十七条によりまして、処分庁を経由してすることもできると定められておりまして、県に直接提出をいただくほか、十三の市村の福祉事務所と、中和と吉野の県福祉事務所を経由して提出いただくこともできることとなっております。お尋ねのような福祉事務所の窓口で受け取りを拒否することがないよう、処分庁である福祉事務所での適切な取り扱いについては、国からも通知があったところでございます。県としてもこれを受けまして、県内全福祉事務所に対しまして、法の趣旨に基づき、審査請求書を適正に受け付け、回付するように通知を行ったところでございます。加えて、必要に応じ、県内福祉事務所に対しまして、審査請求書の様式のひな形を送付するとともに、受給者への制度及び審査請求手続に係る説明等につきましても、適正な対応をお願いしているところでございます。

 本県において、本年八月一日に施行された生活保護基準の改定に伴う保護決定処分に対する審査請求につきましては、九月二十日現在、五十件の審査請求を受理しておりまして、現在所要の手続を進めているところでございます。今後も引き続き、県内福祉事務所に対しまして、法に準拠した適切な対応を指導するとともに、適正に審査していく所存でございます。

 以上でございます。



○議長(山下力) 九番小林照代議員。



◆九番(小林照代) 自席から再質問と、そして意見と要望を述べさせていただきます。

 消費税の問題につきましては、意見を述べます。安倍政権が、今回の経済対策というのを出しましたけれども、その規模は消費税二%に当たる五兆円です。経済対策は、東京五輪開催に向けた公共事業や設備投資減税、近い将来に法人税五%ないし一〇%軽減等々がありますが、これは、増税で国民の負担をふやして、大企業向けに大減税と公共事業を行うということで、本末転倒だと思います。消費税増税を行えば、国民の所得が奪われます。景気悪化を招きます。法人税が減少しますと、税収全体が減少します。国民生活と日本経済・財政をまじめに考えるのなら、来年四月からの増税はストップをさせるべきです。増税を断念することこそ最大の景気対策だというふうに思います。

 それから、原子力発電所の問題ですけれども、再質問したいと思います。知事のほうでは、今度の再稼働に対しては、国が規制の基準をつくって安全を厳格に審査をされるということでありましたが、この規制基準をつくりましたけれども、福島原子力発電所の事故の原因がまだわからないんですね。ですから、この原因がわからないのに、この基準を満たしたからといって、安全な原子力発電所が実現をするはずはありません。それで、この夏の状況ですけれども、原子力発電所は大飯原子力発電所の二基しか動いていませんでしたが、この夏の電力供給に問題はありませんでした。昨年再稼働を強行する際、政府や電力業界は、電力不足ということを言い立てましたけれども、今回はそうした声が出る余地さえありませんでした。原子力発電所が停止をしていても、節電が普及して、電力の融通や火力発電の一時稼働などで賄えているからです。ですから、今原子力発電所再稼働ゼロでも電力が賄えるのであれば、このまま原子力発電所を廃止して、原発ゼロを実現したほうがいいと考えるのは自然のことではないかと思いますが、それで再稼働のことでは、ぜひその点で、まあ立地県、設置県が判断することというふうなご答弁があったんですけれども、この放射能汚染というのは広く広がっております。この点で、知事の所見を再度お伺いをしたいと思います。

 平和と共存の実現についてですけれども、要望します。中国、韓国との友好・交流を進める取り組み、取り組み方については少し意見もありますけれども、ご答弁をいただきました。先日お亡くなりになりました、平和・民主・革新の日本をめざす全国の会の代表世話人をされておりました経済同友会終身幹事を務められた品川正治さん、財界人の方ですが、中国との戦争に駆り出され、その帰還の船内で憲法第九条を読んで、突き上げる感動に震えたと回顧されていました。今、世界、アジア、日本の平和を守るためには、武力ではなく話し合いで解決をしていく平和外交を旺盛に進めていくこと、そして日本は、二度と間違いをしないという決意を各国に伝えていくことが、今本当に求められていると思います。平和と共存の実現のためにそのご努力をくださいますように要望をしておきます。

 生活保護の問題については、質問したいと思います。先ほど、生活保護の引き下げに対しては、影響について注視をするということでお答えをいただきました。そして、今後のことで、国の動向を見守るということでしたが、明らかにこの引き下げによって影響ははっきりと出てきております。引き下げ前でも、生活保護費が低過ぎるという実態でした。ことしの二月から三月にかけまして、全日本民主医療機関連合会が生活保護利用者生活実態調査というのをされました。千四百八十二人の方にされまして、奈良県では四十人の聞き取り調査でしたが、生活保護申請のきっかけは病気が六割、続いて家族の死亡、失業、事業破綻などというふうになっておりました。そして、その聞き取り調査から、どんなに利用者の方が毎日切り詰めた状態であるかということがわかりました。食事の回数、三割の方は一日二回以下。入浴は一週間に三回以下が七割。支出を抑える工夫、スーパーで見切り品や広告品を買う。知人、友人から譲ってもらう。冷暖房は控える。食事の工夫、野菜など譲ってもらう。御飯に醤油をかけて食べる。そして、私が特に感じたのは、おつき合いができないということですね。町内会、老人クラブ、地域の行事にはほとんど参加をしない。そして、冠婚葬祭に参加できないんです。香典が出せないため、親しい友人や親戚の葬儀にも参加できない。こうした結果が出ておりまして、調査地点で、生活保護基準が、人間らしく社会で生きていくための生活費が保障できていないということを、これは示していると思います。

 ことしの八月に切り下げが行われまして、私も電話を何人かからいただきましたし、私も聞き取りをしました。暑い夏だったけれど、冷房は使わないようにしましたと言われたひとり暮らしの六十代の女性は、二千十七円の減額でした。食事は一日二回、お風呂はガス代がかかるので週二回、八月に冷房入れたのは四回だけですと言われた六十代のご夫婦は、千七百七十円減額となっていました。最も大幅な減額は、三十代、四十代の複数世帯で、子育て世代です。四十代の母親と女子高校生二人と小学校四年生の女の子、四人家族。母親は夜間のコンビニのパートをしておりますが、この家族の減額は六千六百二十円でした。そして、この引き下げというのは、三回にわたって行われます。ですから、二〇一五年の四月でどうなるのか。今推計ですけど、母子加算等を含めない生活扶助費だけの推計でも、こうした四人世帯の家族では二万八千七百五十円、これは推計です。もっと、加算の減額とか、もう間近にあります年末一時金の扶助とか、そういう減額、これでしますと大きくなります。平均一〇%ということでしたが、この数字だけでも一五・五%という状況です。

 それともう一つ、私は強く言いたいのは、この生活保護基準というのは、生活保護利用者の生活費の問題にとどまらない、私たちの基準だということです。最低賃金、地方税の非課税限度額、国民健康保険料や就学援助等のさまざまな低所得者の施策の基準と連動していきます。最低賃金は、実は生活保護の基準よりも低いということで問題だ、逆転現象だということで、これまで徐々に引き上げられてきたのですが、生活保護基準が下がりますと、最低賃金額は上げる必要はなくなって、低いままとなって、年収二百万円以下のワーキングプア層、一千万人を超えていると言われておりますけれども、重大なこれは影響を与えます。それから、地方税の均等割、非課税の基準は、生活保護基準が下がれば、課税最低限額が下がります。そして、課税される人がふえることになります。今まで非課税だった方が課税になります。また、地方税額を基準にしておりますから、福祉サービスの料金、医療福祉の一部負担金にも影響が出てきます。現在、住民税の非課税世帯は、これは厚生労働省の数字ですが、推計して三千百万人、奈良市の場合を聞いてみましたら、二十万人だそうです。大変広範な人たちに、この生活保護基準の引き下げというのは大きく影響をしていくということです。

 それで、お尋ねしたいと思います。憲法第二十五条は、国民の生存権、国の保障義務をうたっています。このように、生活保護利用者のみならず広範な人々に不利益と影響を与えるこの実態把握を十分に行っていただきたいということと、生活保護基準引き下げ中止を国に対して強く、県としても申し入れていただきたいと思います。再度、知事のご答弁をお願いいたします。

 TPPにつきましては、関税にかかわるものだけでなく、TPP参加によりまして、仕組みや制度が変わることによる影響がたくさん出てくると思います。奈良県の地場産業への影響については、しっかりと見定めていただきますように、これは要望しておきます。

 以上です。



○議長(山下力) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) ご要望とともに、私に対しまして再質問が二問ございました。

 原子力発電所の事故原因についての、その認識が十分できないのではないか、よって再稼働をすべきじゃないが、ということのご所見と、それに対する当方の考え方というご質問が最初だったと思います。

 福島第一原子力発電所をもとに、原子力発電所事故の原因がわかっていないのに再稼働するのはいかがかというくだりがございました。福島第一原子力発電所事故の原因がどのようにわかっているのか、わかっていないのかということは、議員はわかっておられるかもしれませんが、原子力発電のメカニズムのことで、事故発生のメカニズムのことでございますが、究極のところよくわからないことが残っているようには思いますが、事故は確率の問題でございますので、何度も申しますが、絶対安全というのはこの世の中、ないので、相当のことが起こっても、原子力発電は安全であるよと、被害は拡大しないよということがどの程度確保されているかということを納得できるかどうかということでございます。福島第一原子力発電所の事故は、津波が大きく巻き起こした事故であろうかと思いますが、あの程度の津波が来ても防げるということが、原子力規制委員会の今の規制の前提になっているものと思います。それともう一つは、再稼働を認めない原因は、なしでも済ませるじゃないかということで、これは事故の安全性だけでなしに、経済性の話をされたように思います。安全性は絶対やはり最高位の条件でございますが、経済性は、これは経済の判断ということでございますので、高くても火力発電で払うべきだという判断もあろうかと思いますが、これを外しますと、やはり安全性がどの程度確保できているかということが再稼働を認める重要なメルクマールだと思いますが、それについては県としての知見はごく限られたものでございますので、限られた知見で再稼働反対と言うのは、多少僣越なことじゃないかと思います。改めて同じ答えをさせていただきたいと思います。

 生活保護についてのご質問は、給付の基準が下げられるのはおかしいじゃないかというご質問でございます。給付の基準が適正かどうかは、先ほど申し上げましたように、なかなか判断の仕方が難しいところでございますので、いろんな諸条件を勘案して、国がいろんな人を差別しないように、公平になるように判断してほしいというのが各県知事の、いつも願っているところでございます。各県でそれぞればらばらに判断すると、国民が住む地域によって生活保護への給付がばらばらになっては困るのではないかというのが判断としてあろうかと思います。生活保護になられる原因について議員は言及されましたが、病気が六割、あるいは貧乏、経済的理由がその他とおっしゃいました。生活保護費が急増しているわけでございますが、生活保護対象者の急増の原因は何なのかというのが、この生活保護基準を見直す大きなきっかけになったと思います。

 病気が急にふえたかどうかというのは、多少疑問でありますが、経済的な困窮が広く大きくなったのかどうか、それと、このような生活困窮になられる原因をそれぞれ回復するような原因手当てというのは、同じく重要だと思います。どういう原因でなられても、給付を確保するという憲法上の立場がございますが、そのようになられないように支援をするというのは、同様に大事かと思います。同じように、生活困窮になられる可能性があるのは、障害者でありますとか、保護観察者でありますとか、就労しようにもできない若者、女性でも、同じような立場でございますので、そのような方々も含めて生活困窮に行かないような支援は、これは国の基準じゃなしに各県ができることでございますので、そのようなことに力を入れたいと思います。なお、今回の見直しの動機になった中に、生活困窮ビジネスというのがあるように聞いております。奈良県では、山本病院という大阪のお医者さんが来て、大阪の困窮者を連れてきて、余計なカテーテルとか診療費を詐取した事件でございますが、これは生活困窮者には医療費が全額、それぞれの市町村から支払われるという制度に基づく生活困窮者ビジネスで、奈良県で起こったことは大変不幸なことでございましたが、大阪という地域の近くで起こり得るビジネスでございます。今後とも生活困窮ビジネスか発生しないように、目を光らせるというのも大事なことであろうかというふうに思っております。

 回答は以上でございます。



○議長(山下力) 九番小林照代議員。



◆九番(小林照代) 三問目は、要望しておきます。

 生活保護の問題ですけれども、やはり引き下げによります影響については、今の実態についてなかなか十分な把握がされていないのではないかと思います。それで、私は要望しておきます。

 ことしは、生活保護訴訟という朝日訴訟を闘った朝日茂さんの生誕百年の年になります。朝日茂さんは、岡山の結核療養所の重症の患者さんでした。朝日さんは当時、生活保護法の生活扶助と医療扶助を受けていましたが、その水準は、一カ月六百円で、肌着、二年に一枚、パンツ、一年に一枚、ちり紙は月に一束というものでした。その上、福祉事務所は、長期に音信不通だった朝日さんの実兄に千五百円の仕送りを求めて、千五百円の仕送りのうち六百円しか朝日さんに渡さず、残りの九百円を収入とみなして国庫に納入させました。朝日さんが半世紀前、一九五七年、昭和三十二年になりますが、その闘ったのは、人間として生まれてきた以上、人間として生きる権利があるということでした。ひとりでまず立ち上がりまして、憲法第二十五条を国民の手に取り戻すというこの闘いだったわけです。一審判決は勝利しまして、その勝利の後、それまで六百円だった日用品費は二年で千二百八十五円に、五年目からは二千円台まで引き上げさせるという大きな成果を出しました。その朝日茂さん、朝日訴訟の朝日さんの生誕百年の年に、このように大幅な引き下げが行われるということは、私にとりましては本当に許しがたい思いがいたします。

 今回の引き下げに各地で、先ほども言いましたけれども、憲法第二十五条に違反するということで審査請求が行われています。全国では七千五百人を超しております。奈良県では、先ほど健康福祉部長の答弁でありましたが、五十人に上りまして、まだ審査請求、九月の末までですので、ふえていくという状況です。人間扱いをしてほしいというこの願いの実現に向けて、だれもが人間として生まれてきた以上、人間として生きる権利があるというこの憲法第二十五条の生存権保障、こうした皆さんの願いに、日本共産党は大きく支援を広げていきたいと思っています。生活保護利用者の実態、あるいは、利用者だけではありません、そうした低所得者の実態にもっともっと心を寄せていただいて、先ほどのご答弁ではまだ把握が十分されておりません、寄せていただいて、国に対しても、やっぱり今回の引き下げの中止をしっかりと届けていただけるように強く要望をいたしまして、私の質問を終わります。



○議長(山下力) しばらく休憩します。



△午後二時十分休憩

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



△午後二時二十三分再開



○副議長(井岡正徳) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 次に、四十四番川口正志議員に発言を許します。−−四十四番川口正志議員。(拍手)



◆四十四番(川口正志) (登壇)なら元気クラブを代表して質問をさせていただきます。

 きょうは傍聴席に橿原市議会議員と御所市議会議員の仲間が傍聴においでいただいております。ありがとうございます。

 近年、我が日本の国は、毎年のごとく大災害に遭遇しています。東北、紀伊半島の災害復旧、復興への苦難の上になお覆いかぶさるように、ことしは台風十八号等によっての被害甚大であります。被災者、被災地の皆様に心からお見舞いを申し上げます。

 明るい話題が欲しくなります。際立っては、富士山の三保の松原を囲んでのユネスコ世界遺産登録に引き続き、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの開催決定は、みんなを和ませてくれています。この二〇二〇年を彩るのは、古事記、日本書紀ゆかりの地、我が奈良県にもあるということです。古都奈良におけるイベント企画の集大成年であると奈良県政の気合いが、九月十一日の朝日新聞・天声人語は報じています。倭は国のまほろば、シルクロードの終着点。古都奈良をあらためて世界中に紹介発信。万葉集に目配りしての記紀神話とオリンピック・パラリンピックをリンクさせながら、国際観光「奈良のお・も・て・な・し」を存分に楽しんでもらいたいものです。

 まず、中小零細企業対策についてお尋ねをいたします。

 民主党から自由民主党への政権交代があり、アベノミクスは経済不況による閉塞感を破る政策の方向として成果を上げているという世評は、高級レストランで聞けるようですが、田舎の大衆食堂では聞こえてきません。私の身近な経営者たちからは、一向にその気配が伝わってきません。むしろ、商売断念、店じまいの知らせが届いています。

 かつては金策の相談となったケースでも、経営を続ける見通しが立たぬ、我が身も高齢、子息たちには後継の意思なしという実情。とりわけ、大型店進出による小商い店舗はさっぱり客足が減少。家族型ものづくり産業とて、円安による資材等の高騰、発注の減少など、苦渋、相談はふえています。金融返済、保証協会の代位弁済件数も増大していると聞きます。新しい時代の産業とビジネスの方向について、都市と農山村との条件に大きな差異が広がっていることは否めません。金融緩和、財政出動、成長戦略なるアベノミクス三本の矢は、農山村や家族型小零細企業には無縁なのか。次なる消費税の八%、そして一〇%へと向かう財政健全化への政策の道は、果たしてシナリオどおりの経済再生、財政健全化につながるのだろうか案ずる声も大きい。

 ある識者は、インフレの開放感にばらまき政策の解禁が重なり、政策破綻、やがてはギリシャの国と同様の姿に陥ると言い切っていました。今、TPP、環太平洋経済連携協定にかかわる後入り参加の日本も、交渉に加わり、進められています。賛否両論、厳しい注目の中にあっての政府の奮闘、その推移や経過に、今日の我が国経済の命運がかかっています。ただただ国民生活の安心、安定のための経済に危惧を抱きながら、胸中祈る思いであります。

 さて、本年、中小企業基本法が制定されてから五十年を迎えました。制定当初は、経済の二重構造是正の観点から、中小企業と大企業の格差是正を政策理念として、中小企業の体質を改善、構造改革を進める高度化と、市場環境の改善を進める不利補正の事業施策を二大政策手段として、府県が国の政策に準じて施策を講じることとされ、企業規模の適正化、事業の共同化、過度の競争の防止、下請取引の適正化、事業機会の確保、国等からの受注機会の確保等でありました。ちなみに中小企業数は、全国四百二十万余企業、我が奈良県は三万六千余企業、いずれも全企業数の九九%を超し、そのうち小規模企業数は三百六十六万余企業、我が奈良県は約三万二千企業で、占める割合も八八%を超しています。常時雇用者数は、我が奈良県にあって約十七万一千人という、二〇〇九年経済センサス基礎調査の指標でございます。

 これら中小企業を、資本金三億円規模のミディアム層、中間スモール層、個人経営型のマイクロ層の三層に大別。この中小企業の大部分を占める下辺のマイクロ層は、従業員十人以下や、家族型経営であります。しかるに、中小企業の所得水準の上昇等の実態から、中小企業と大企業との格差是正は、政策目標から薄れてきたとして、資本金三億円以下、従業員三百人以下とする、いわば上辺のミディアム層を焦点とした定義として、中小企業基本法は一九九九年に改正されました。この改正は、独立した中小企業の自主的な努力が前提として、多様な事業の分野において特色ある事業活動を行い、多様な就業の機会を提起し、個人がその能力を発揮しつつ事業を行う機会を提供することにより、我が国の経済の基盤を形成しているものと位置づけされました。

 当時の中小企業白書は、我が国の経済の発展は、中小企業の七転び八起きにありと評し、中小企業は市場原理任せと語られていたという実相を、常に私は不満として抱き続けてきました。県にあっては、二〇〇八年、平成二十年に奈良県中小企業振興基本条例を制定されました。これらの国、県の指導と相まっての高度化等の共同化に企業経営者も意欲的に乗り出したものの、不況下に襲われての今日、厳しい経営悲鳴、経営倒産も現実であります。いかにして立ち直るか、呻吟しています。これら中小企業者には、頑張れる体力が続かない、意欲も喪失です。現状支援施策の網にかからない。この現実をしっかり捉えられたい。冒頭述べましたとおり、景況の明るさは、農山村、小規模マイクロ層経営者には届いていません。

 中小企業基本法は、地方公共団体は地域活力の源泉たる中小企業の振興等を、地域の特性に応じて図っていくべき、国と適切な役割分担を図っていくべきと、その政策主体について規定しています。国政は自由民主党政権に回帰しました。かつての自由民主党政権から民主党政権へ、そして今日の自由民主党への政権交代、この間、国と県との関係における政権ごとの政策の変化は、県の中小企業に対する経済対策上の影響度合いはいかがなるものか、お聞きしたい。知事の所見を伺う次第でございます。

 次に、中小企業憲章について伺います。

 民主党政権当時の二〇一〇年、平成二十二年六月に、中小企業は経済を牽引する力であり、社会の主役であるとし、中小企業が光り輝き、もって安定的で活力ある経済と豊かな国民生活が実現されるようにと、中小企業憲章が閣議決定されました。この中小企業憲章は、中小企業を国家の財産ともいうべき存在であると位置づけ、中小企業政策の取り組みに当たっての基本原則として、一、経済活力の源泉である中小企業が、その力を思う存分に発揮できるよう支援する。二、起業をふやす。三、創意工夫で新しい市場を切り開く中小企業の挑戦を促す。四、公正な市場環境を整える。五、セーフティーネットを整備し、中小企業の安心を確保することを掲げ、政策を実施するに当たっては、中小企業者の声を聞き、どんな問題も中小企業の立場で考え、政策評価につなげるとされています。民主党前政権による閣議決定とはいえ、中小企業の振興に向けたこれらの考え方は、現政権においても引き継がれるべきものであり、そうなっているかどうか検証されるべきものだと考えます。また、県が行う中小企業の振興についても、この憲章の考え方を基本に置いて進められるべきだと考えますが、これについて知事の所見をお伺いいたします。

 なお、さきにも述べたように、県内の小規模企業は、企業数で約九割、常時雇用者数で八割以上を占めており、県経済の要として、地域資源や技術の活用、雇用の場の提供など、地域に密着した活動を通じて、地域社会の中で大きな役割を担っています。しかしながら、小規模企業は、その零細性から抱える課題は、一、事業主自身が労働に従事している場合が多く、環境変化や市場の動向等に関する情報を十分に収集し、処理する能力に欠けています。二、家計と営業の未分離なものが多く、経営内容を的確に把握することが困難であり、三、資本蓄積が不十分、信用力、資金調達力が弱いことなど、経営上の問題点を多く抱えています。四、設備資金の調達難などから、設備の近代化をおくらせる原因となっています。五、個人経営が多く、企業の発展、衰退が一個人に強く依存し、経営が不安定です。六、特定の取引先に対する依存度が高いといった課題です。これら小規模企業に焦点を当てた中小企業政策の再構築を図り、小規模企業の意義を踏まえつつ、その事業活動の活性化を推進するためとして、本年六月、国会において小規模企業の事業活動の活性化のための中小企業基本法等の一部改正が行われました。つまり小規模企業活性化法です。中小企業基本法の基本理念を定めた第三条に小規模企業についての一項が加えられ、従来の漠然とした小規模企業への配慮から、より詳しく施策を明示した小規模企業に対する中小企業施策の方針と位置づけられました。しかし、小・中規模に応じた適切な施策を行う上で、現在の中小企業の定義の量的規定を細分化することは重要です。さらに、地域経済の安定と地域住民の生活向上に寄与する存在となっている多くの小規模企業への政策を強化するために、中小企業基本法の定義にも質的規定を盛り込むことなどについて、今後も引き続き法改正を求めたいものでございます。

 なお、小規模企業の支援にあっては、従来から続けられてきた経営改善普及事業の堅持だけでなく、この活性化法にとどまらず、国に小規模企業基本法の制定を求め、小規模企業がまさに主役の日本へ、日本の経済の真の復活を目指してと、全国商工会連合会はじめ広く関係者の決意がみなぎっています。国への働きかけを強め、県においても、さらに小規模企業に焦点を当てた振興条例を制定し、県内小規模企業が抱える諸課題に対応する個別具体的な施策が必要であると考えますが、これについて知事の所見をお伺いする次第でございます。

 この際、お礼と要望を申し述べます。京奈和自動車道と産業雇用の促進についてであります。

 京奈和自動車道御所インターチェンジ周辺の工場集積団地の推進の件は、必ずしも進捗は順調でない様子。引き続きこの事業の成功に向かってご尽力を願いたい。なお、御所南インターチェンジ周辺の道の駅等の開発を含めて、中南和地域と御所市活性化のための県政の多大なるご支援をお願いする次第でございます。

 次に、財政問題についてお尋ねいたします。

 県では、ことし七月に国に対して行った平成二十六年度政府予算案の編成に向けた提案、要望において、国は地域間の格差是正を政策課題として認識し、国の責務としてその縮小に向けた取り組みを推進することを主眼として、具体的には、一、地方消費税の清算基準の改善、二、地方法人特別税の維持・拡充、三、地方交付税総額の充実・確保、四、臨時財政対策債の償還財源の確実な手当てを主張されました。私が見るところでは、地方消費税の清算基準の改善と地方法人特別税の維持・拡充は、地域間の格差是正を目的とするもの、地方交付税総額の充実・確保と臨時財政対策債の償還財源の確実な手当ては、主に地方全体の財源の充実に寄与するものに区分できます。地方全体の財源の充実は当然重要であるが、これは本県に限らず、全地方公共団体の共通の思いでしょう。本県としては、格差是正に着目した主張を国へ強く行うべきと考えます。冒頭でも述べたところですが、アベノミクスによる景気回復の効果は地方には届いておらず、都市と地方の格差が広がっています。それは、税収の格差拡大にも直結します。また、法人二税の割合が小さな本県は、仮に景気回復の効果が及んだとしても、税収の増加は限定的なものとなることが懸念されます。

 このような税収面での格差を是正するために、荒井知事の尽力により、二〇〇八年、平成二十年度に創設されたのが地方法人特別譲与税であり、本県にとっては非常にありがたい制度です。しかしながら、この制度は、税制の抜本的な改革において偏在性の小さい地方税体系の構築が行われるまでの間の措置とされており、将来にわたってその税収が約束されているものではありません。この制度がなくなれば、たちどころに本県の財源に大きな痛手をこうむることは明らかであります。さらに、消費税の増税が間近に迫っております。消費税の増税分は社会保障経費の財源とすることが決まっていますが、その税収の差によって、社会保障の水準に地域間の格差が生じてはなりません。知事は、現行の清算基準ではそのような懸念があるとして、基準の改善を主張しておられます。この点は私も同じ考えであります。

 知事は、国への提案、要望に際しては、各省庁の大臣をはじめ主要な幹部の方に直接お会いして、提案、要望の内容と、それに込めた奈良県の願いを熱心に説き続けられていると聞いています。とりわけ地域間の税収格差の是正に関しては、最重点の提案、要望の一つとして力を入れられていること、総務省内でも荒井知事の主張は十分に伝わっているようであります。しかしながら、地方税制については、地方公共団体の中でもさまざまな意見があり、都市と地方の対立も見られるようであります。知事の主張どおりうまく事が運ぶことを私も願っています。消費税の増税も目前に迫り、税制改革についても、国等において議論が活発化してきています。このような時期だからこそ、荒井知事の主張をさまざまな場所で発信し、多くの賛意協力者を得て、国への働きかけを一層強めていただきたいと願っています。格差是正に資する地方税改革について、改めて知事の所見をお伺いする次第です。

 続いて、道州制反対についてでございます。

 奈良県土の均衡ある発展をと県民はひとしく願っています。本年三月の私の県議会質問の、奈良県庁を橿原市あたりへ移転、現県庁はホテルに、という要望提起は、多くの方からよい提案だと好評でございます。荒井知事の答弁、県議会議員三分の二の賛成があれば、ただし、移転費用は多額を要するというお添えがあったが、好感度でございました。とりわけ今、都道府県廃止、田舎切り捨ての道州制をめぐる議論の中で、奈良県内の南北間格差の是正課題との絡みがあるからこそ、しっかり主張を続けてもらいたいという励ましも頂戴をいたしました。この道州制について、既に県議会でも質疑が交わされ、荒井知事も、関西広域連合の不参加見解と相まって、道州制導入の懸念すべき課題を述べられ、慎重なスタンスを示されています。私は荒井知事のスタンスを評価しています。

 道州制は、国政、国の姿、形を変えるものとして、それぞれ各政党においても道州制の理念や推進、審議体制などを盛り込んだいわゆる道州制基本法案の国会提出の動きもあるようであります。全国知事会にあっても、種々多角的な、あるいは多面的に議論されているようでありますが、その動向について強い関心を持っています。道州制の議論は、さかのぼって昭和の初期、戦前からも専ら都道府県の完全自治体としての地方分権や自治権の拡充などが求められていた経緯の中、戦時中の本土決戦体制の一環としての都道府県を残したまま、全国八つの地方総監府が設けられました。戦後も、都道府県の完全自治体化が図られたものの、規模の小さい県の課題など結論に至らず、全国市長会や経済界から道州制案が提案され、国にあっては昭和三十二年の地方制度調査会の設置と相なったという事情のようであります。

 とりわけ、高度経済成長とともに、人口の増加や工業発展に伴い水不足が課題となり、水資源対策の必要性、大都市圏整備など都道府県の区域を超えた広域行政需要が重視され、広域性行政が強調されるゆえんの今日の流れであろうかと存じます。最近の動きといたしましては、平成十九年には全国知事会としての道州制に関する基本的な考え方として立場をまとめられ、ことし一月にはその改正版を示されました。また、平成二十年に全国町村会は、人口が一定規模以上でなければ基礎自治体たり得ないとの考え方は、現存する町村と多様な自治のあり方を否定するものなどとして、道州制には断固反対の姿勢を示され、昨年十一月の特別決議でも、多くの農山漁村の自治は衰退の一途をたどり、ひいては国の崩壊につながるなどとして、一貫して道州制の導入に反対されています。経済界の言う道州制を究極の構造改革と位置づけた提言は、大企業、大都市中心の改革論であり、農山村過疎地切り捨ての改悪だと言わざるを得ません。

 ことし四月に全国知事会が開かれ、国の出先機関や中央府省の解体・再編と基礎自治体のあり方とは、道州制の賛否に当たって欠かすことのできない判断要素であるだけに、都道府県の廃止のみを打ち出すのではなく、国の基礎自治体のあり方について基本的方向を法案骨子案において明らかにすべきであると見解をまとめ、七月の全国知事会議でも賛否先送りを報ぜられています。東京一極集中の我が国の構造を変えるべし、そのためにも関西復権、大阪都構想の推進の主張、そして道州制という主張、この図式にすっぽりとはめ込む考えに困惑が起こっています。決して道州制のみで今日の日本社会の閉塞状況が解決されるものではありません。

 広域行政需要の課題に向き合うのは当然至極でありますが、それには現有制度の大いなる活用が進められるべきであります。既に、近隣府県広域連携として水資源等の大阪府、奈良県、和歌山県の三府県、学研都市の京都府、大阪府、奈良県の三府県、林業活性化と世界遺産・観光、そして紀伊半島の災害対策等の関連道路、アンカールートの促進等、三重県、奈良県、和歌山県、あるいはローカル・アンド・ローカルのふるさと知事ネットワークの交流等々、既に広域圏行政は機能しているのではないか。これらの創造・発展を一層推進したいものでございます。道州制は、かえって道州内一極集中となり、むしろ道州内格差は広がります。過疎地域切り捨て助長です。近畿圏の道州庁の設置はどこでしょうか。奈良県は候補地になりますか。基礎自治体の市町村の適正規模はどんなぐあいに、法的強制措置を企図できますか等、危惧いたします。我が奈良県の中南和、東和地域の課題を見据えながら、奈良県庁廃止の道州制に私は反対をいたします。

 道州制議論は今後、関係各界からの国民とともに活発かつきめ細かい検討が進むでしょうが、どのような方向に進むのか疑念があります。私は、述べましたとおり、道州制反対の考えのもと、注目してまいりたいと存じます。荒井知事の道州制にかかわる見解と立場を改めてお尋ねする次第でございます。

 次は、建築基準法に基づく監察行政についてお尋ねいたします。

 昨年来、県議会で特別委員会を設けて、建築物の解体工事をめぐる無届作業についての審査が行われ、議会として県当局に対し、法的措置を行うようにとの結論が出されました。これらの経緯を知る県民から多くの問い合わせがございます。特別委員会で議論された建設リサイクル法と建築基準法とは、法の意味合いが異なると思いますが、その関連で、建築基準法に基づく監察行政、いわゆる違法建築について県の対応をお尋ねいたします。

 違反は大小あれど、違反は違反であります。でっかい違反は放置し、小さい違反には厳しい対処といった県民感覚からすると、いささか納得がいきかねる不満がございます。これら不満解決にはやっぱり、でっかい違反、いわゆる重大違反には適切毅然たる措置が重要と申し上げる次第でございます。

 その一例として、県西部の地域で建設中の宗教法人の教会本部がございます。都市計画法で高さ十五メートルと定められたところに二十二・四メートルの建築物を建造しています。実に七メートル余の超過です。申請では二階建てなのに、現場では三階建てになっています。また、建築物の安全性にとって重要な要素である構造にも違法性あり、さらに、宅地造成等規制法にも違反していると聞いています。まさに違反建築のオンパレードであります。この建物は、二〇〇四年、平成十六年に建築確認を受けて工事に取りかかり、二〇〇七年、平成十九年に県が違反建築として把握したようであります。県は直ちに行政指導に入り、二〇一〇年、平成二十二年九月三十日付で、宗教法人に対して十一項目の違反事項を指摘し、六カ月以内に是正することの命令書を送ったと聞いています。

 しかし、この宗教法人に当初建設時には専門技術の責任者がいなかったという話を聞いています。宗教法人は是正命令に対し、入居者や利用者の安全にかかわる小規模な不適合箇所を一部是正した事実はあるものの、建物そのものの安全にかかわる建築物の構造問題や、都市計画法で定められた高さ制限を七メートルも超過している実態の是正見通しが見えてきません。一部には、有力政治家の言質として、やがて高さ制限は緩和されるとまことしやかなうわさ話まで流されています。全く聞き捨てならぬことでございます。

 県が違反事実を把握してから六年がたちます。六カ月という期限をつけて是正命令を発してから、既に三年が経過しました。違反建築物に対する建築基準法そのものの問題点もあろうかと思いますが、それはさておき、監察行政現場は多くの違反物件を抱え、行政指導という名の対応に日々呻吟している様子が伝わってきます。監察行政の体制強化は無論のこと、行政指導の限度限界に区切りをつけた次なる厳格なる措置を求めたいものでございます。知事の毅然たる態度をお伺いする次第でございます。

 最後は、交通安全、交通規制についてでございます。

 県警察本部が常々、県民の生命、交通安全等にご尽力いただいていること、まずは、ありがとうございます。

 率直にお尋ねするわけでありますが、交通安全のための道路利用の一方通行であります。道路幅と通行量との関係からの措置であろうかと存じますが、その一方通行道路の基準規定はどのようなものかということをお尋ねします。

 次に、既に住居している人々の日常通行が、開発等により環境が変化し、道路の往来が道路狭小ゆえに煩雑、危険となる事態が起こっています。開発時の道路条件、道路新設や道路幅員等の問題について、知事部局と警察本部との人事連携のもと、行政指導も行われていると思いますが、施工未履行のまま問題を残した状態での先住生活者に不安や不快感からのトラブルも起こっています。この場合の安全措置の基本はいかがなものなのでしょうか、警察本部長にお尋ねをいたします。

 以上、質問の第一問を申し上げたわけでありますが、答弁はなるべくボリュームを上げた形で、知事、お願いしておきたいと申し上げまして、終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○副議長(井岡正徳) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)四十四番川口議員のご質問にお答え申し上げます。

 最初の三問は中小零細企業対策についてでございますが、まず、政権の政策の変化と県の経済対策上の影響というご質問でございます。

 我が国では、二〇〇九年九月に民主党への政権交代が行われまして、コンクリートから人へとして、公共事業が削減される一方、子ども手当など生活者、雇用重視の政策が打ち出されました。しかしながら、長引く低成長とデフレで日本経済が低迷する中で、二〇一二年十二月に第二次安倍内閣が発足し、議員お述べのとおり三本の矢を戦略とする経済施策、いわゆるアベノミクスを打ち出し、日本経済の再生に乗り出しました。政権交代で生活者重視から経済活動重視へと国の政策の重点が変更されたことにより、我が国経済は大企業を中心とする企業収益改善が進み、政府の月例経済報告でも景気は回復基調にあるところでございます。しかし、県内の経済動向はといえば、個人消費、企業の生産活動、雇用情勢等で一部に持ち直しの動きが見られるものの、本県経済を支える中小企業においては厳しい状況が続いており、経済政策の恩恵は十分には及んでいないのではないかと考えます。

 地域経済の活性化は、県政の最重要事項と認識しておりますが、新しい産業をつくり地域産業を伸ばすことは、もとより新たな雇用を創出するため、意欲のある企業や起業家への支援を行うとともに、積極的に企業誘致に取り組みたいと思っております。また、議員お述べのように、商店街等小売業の方々の活性化や観光産業の振興を図ることにより、県内の消費の拡大に努める必要もあると思います。現在進められている国の経済政策により、日本経済が再生に向かう中、本県産業界が経済政策の恩恵をあまねく享受できるよう取り組む必要がございます。県も、国の施策を活用するだけでなく、地域の特性に応じた県独自の産業支援策も検討、実行する必要があると思います。

 今年二月に、本県で経済産業雇用振興会議を設置いたしまして、経済の動向の統計的分析を行いながら、有識者を交え、県経済等の実態把握と情報交換、共有を図り、本県の産業雇用振興に関する施策の検討を行っているところでございます。今後、奈良県の特性を踏まえた実効性のある施策を実施したいと思います。地域経済を活性化させ、投資、雇用、消費が県内で活発に循環する地域を目指して努力を続けたいと思います。

 そのような中で、中小企業憲章の考え方と取り入れ方についてのご所見とご質問がございました。憲章を検証したらどうかというご質問でございます。

 中小企業憲章は、二〇一〇年六月に民主党政権下で閣議決定されたものでございますが、現在も政府の中小企業政策の基本的考え方と方針を示されたものであると認識をしております。中小企業憲章におきましては、中小企業の歴史的な位置づけや中小企業の経済的、社会的役割などについての考え方を基本理念として示すとともに、中小企業政策に取り組むに当たっての基本原則や、それを踏まえて政府として進める中小企業政策の行動指針を示されております。したがいまして、本県の中小企業に対する具体的な施策においては、中小企業基本法や奈良県中小企業振興基本条例を踏まえるとともに、議員お述べの中小企業憲章を尊重し、県の施策を着実に推進することが重要であると考えております。

 県の施策をより着実に実施するため、本年四月に技術開発支援だけでなく、事業企画支援から研究開発支援、生産、流通、金融、販売等への支援を、総合的、統合的、また自発的に行い、パワフルに中小企業の支援を行うようとの思いを込めて、産業振興総合センターを設置いたしました。このセンターでは、県内の中小企業が活力を取り戻し、安定した経営基盤を築けるよう技術力、経営力の向上に向けた積極的な支援を行っていきたいと考えております。今後とも、議員お述べのとおり、中小企業憲章の趣旨を踏まえながら、地域経済を支える中小企業が活性化できるよう努力を重ねてまいりたいと思います。

 次に、県内小規模企業の抱える諸課題に対する施策についての所見ということでございます。

 小規模企業の意味でございますが、中小企業基本法において小規模企業とは、常用雇用者二十人以下、商業またはサービス業にあっては五人以下の企業と規定されております。本県における小規模企業は、企業数の八八%になります。常用雇用者数の二八%を占めております。地域経済にとっては重要な存在でございます。本県では、近年の急速な経済的、社会的環境の変化により、極めて厳しい状況に置かれている中小企業を社会全体で支援することを目的といたしまして、平成二十年に奈良県中小企業振興基本条例を議会において制定されたところでございます。本県においては、中小企業基本法とともに、この振興基本条例に基づいた各般にわたる施策を実施することにより、県内の小規模企業も含めた中小企業の振興に努めているところでございます。

 議員お述べのとおり、本年六月に小規模企業活性化法が成立し、我が国の四百二十万の中小企業のうち九割、三百六十六万を占める小規模企業に焦点を当て、中小企業政策の再構築を図り、小規模企業の事業活動の活性化に取り組むことが示されたところでございます。本県におきましても、小規模企業活性化法が制定された意義を踏まえまして、小規模企業への支援が地域経済の発展に貢献することを再確認し、小規模企業の活性化に向けた施策に努める所存でございます。今後国においては、小規模企業活性化法を踏まえた具体的施策の展開が期待されるところから、県としてもこうした動きに呼応して、その制度を利用して着実に県内小規模企業が一層活性化するように取り組んでまいりたいと思います。

 税制についてのお問い合わせがございました。地域格差是正に資する地方税改革についての所見というご質問でございます。

 議員ご指摘のとおり、地域間格差を是正するための地方税改革は、安定的な税財源を確保し、県政のさらなる推進を図っていくために極めて重要な課題でございます。しかしながら、これまでの要望活動などによって本県の主張はかなり浸透してきているとは思いますが、消費税における最終消費のとらえ方の違いや大都市圏との主張の隔たりもあって、具体的な税制の見直しまでには至っていないと感じております。これを打開していくため、本年三月に有識者で構成いたします奈良県税制調査会を立ち上げ、私も参加して、立派な有識者の方々と意見交換を行い、税制についての議論をさらに深めるとともに、地方税改革に関する提言もいただいたところでございます。これまでいただいた提言をもとに、地域間における税収格差の是正等を求める要望書を取りまとめまして、この七月には、私みずから総務省幹部や国会議員に対しまして説明を行うなど、要望活動を積極的に行ってまいりました。

 本県の主張としては、議員の述べられたところと多少重複いたしますが、まず、今後予定されております消費税引き上げ分について国から県に配分される額は、現行の地域の販売額を基準とするのではなく、人口による配分を基準とすべきとしております。配分基準を大きく変えることを主張しております。これは、地方消費税の引き上げは社会保障経費を賄うこととされて引き上げられることになる以上、人口当たり配分額で約二倍の差がある現行配分基準では、社会保障実行の主力財源に著しい地域差があり、極端な不公正が生じるためでございます。この格差の悪いほうに位置するのが奈良県でございます。

 次に、現行の地方消費税の清算基準にも不公正がございます。本県は、消費が多いのに配分が少ない実情にございます。配分基準の中で、人口比率を高め、より公正な基準にするとともに、県外消費の多い本県の消費実態をより公正に反映する基準に変更することを要求しております。

 さらに、現在地方の主要税目であります地方法人課税は、景気の変動に大きく影響されるなど、安定性を欠き、偏在性も高く、また地方消費税率が引き上げられたとしても、その偏在是正が不十分であることから、現行の地方法人特別税制度は維持することなどについて要望を行っております。

 また、十三県の知事で構成いたしますふるさと知事ネットワークや全国知事会においても、税源の偏在是正について繰り返し意見を述べています。ふるさと知事ネットワークにおいては、偏在性が少なく安定的な地方税制の研究を進め、新たな国づくりのための税制として取りまとめ、国に提言を行ったところでございます。

 一方、さきに申し上げましたとおり、全国や近畿の知事会においては、大都市との利害の対立もあって、主張が認められることは容易なことではございません。今後とも、奈良県のような地方にとって安定的で偏在性の少ない税制が確立されるよう、さらなる議論を深めるとともに、さまざまな場を活用して、時期を失することのないよう粘り強く本県の主張を行ってまいりたいと考えております。

 次に、道州制反対のご所見と、道州制にかかわる見解のご質問がございました。

 議員お述べのとおり、去る七月八日、九日に開催されました全国知事会議では、道州制の基本法案への対応が議題となりましたが、慎重対応を基本とすべきとの意見が多く述べられ、基本法案のあり方についての知事会意見をその線に沿って取りまとめられたものでございますが、法案そのものに対する全国知事会としての賛否については、各知事さんの間でいろいろな意見があり、判断は先送りされました。現在、秋の臨時国会を控え、道州制基本法案提出の動きを注視しているところでございます。

 その全国知事会議の場で発言いたしました私の意見を簡単に紹介させていただきたいと存じます。まず、歴史を振り返ったことでございますが、日本の国の礎が築かれたときの国家形態は律令国家でございました。近隣の国との国際緊張があり、地方豪族を牽制する中央集権国家を指向していましたが、多様な地方と調和を図ろうとしていたと思います。以来我が国では、ずっと多様な地方を許容してきたように思います。最近は地方の多様性に寛容ではなくなっているのではないかという懸念がございます。最近の地方分権をめぐる議論では、国一律の規制か、地方の自由裁量を拡大すべきかという二元論的議論、つまり、中央集権か地方分権かの二者択一といった議論になりがちでございます。私は、「か」の議論ではなく、「と」の議論になればよいと発言いたしました。つまり、集権か分権かではなく、統合と多様の両方を追求する議論が望ましいと発言いたしました。

 次に、府県制と市町村制についてでございますが、明治時代には約七万一千の市町村がありましたが、現在は千七百と約四十分の一に減少しております。一方、府県の数は、明治二十三年の府県制制定以降四十七で数が変わっておりません。もし道州ができるとなれば、明治以来の大きな統治機構改革となりますので、その招来する結果についてよく考えておく必要があると思います。廃藩置県の後、導入された府県制については、制定後、その数も変化なく、百二十年以上経過し、我が国の統治機構の中に定着したものと考えております。次に、基礎自治体である市町村の位置づけも大事なポイントだと思います。

 平成の市町村大合併の際、奈良県では市町村合併が低調だったこともあり、小さな町村も相当残る結果となりました。県には小さな市町村の支援をする役目がかなり残っているものと考えております。具体的には、奈良モデルと呼ばれておりますが、例えば、市町村が管理する老朽化した橋りょうやトンネルなど道路ストックの総点検において、垂直補完の方法により県が受託する、権限の逆移譲と言われる方法なども含めて、全国的に珍しいやり方で市町村を支援しようとしています。また、奈良県では、過疎化、高齢化が進展し、地域産業の活性化など多くの課題を抱える南部・東部地域がございます。このような地域について、南部振興計画、東部振興計画を策定し、弱小市町村の支援に取り組んでおります。県のような中間自治体が弱小市町村を支援する場合、現行の県の支援体制と、より広域となった中間自治体と、その支援の力についてどちらが有力かにつきましては、より身近な中間自治体のほうがより親身になれることは、自明のことだと考えます。

 グローバル化と少子高齢化が進行する中、この国の統治機構の今後のあり方を議論することは大変重要であり、特に地方自治のための地方分権を進めることは大事なことでございますが、道州制が地方分権の有効な受け皿になり得るかどうかについては、まだ多くの議論が残っていると考えております。住民の生活に関連する行政はできるだけ身近な行政機関で行うべしという住民自治の充実の観点からの基礎自治体強化論も重要であります。社会保障の充実がより重要な課題となってきている我が国におきましては、道州制のような広域地方行政組織が今後どのような意味で必要とされるのか、積極的な理由づけがされるまでは慎重な態度が必要と考えています。これらのことから、今後のこの国の形をどうするかという根本的かつ構造的な議論を引き続きしていく必要があると考えております。

 最後に、建築基準法に基づく監察行政についてのご質問がございました。具体的な違法建築物を念頭に置いてのご質問でございます。

 ご指摘の宗教法人の建築基準法違反につきましては、建築確認済証と異なる工事が行われ、建築基準法の規定に適合しない状況で建築物の使用が開始されました。そのため、平成二十二年九月に、建築物の使用禁止と十一項目の是正を命じました。同建築は現在、使用されておらず、是正の進捗は、五項目が是正完了、三項目は是正中、残り三項目も是正方法を協議中といった状況でございます。このような違反建築物所有者に対して告発を行うべきかどうかという点でございますが、現在、当該宗教法人は使用禁止命令を遵守し、継続して是正工事に取り組み、命令及び行政指導に従う姿勢を見せている状況にございます。このような状況では、告発のような措置を行うことは告発権の乱用との弁護士の見解もございますので、現在の状況では告発を行うことは妥当ではないと判断をしているところでございます。今後、当該宗教法人が是正を行うことを放棄し、建築物の使用を再開した場合は、命令に従わないと判断して、告発を行いたいと考えております。

 また、監察行政については、強化策の一つとして、平成二十年度から嘱託職員の配置によるパトロールの強化等により、建築確認後の完了検査の受検徹底に取り組んでおります。その結果、受検率は平成十一年度の三九%から平成二十四年度には九八%に向上いたしまして、違反建築の予防、早期発見に成果を上げております。しかし一方では、無許可、無確認等の違反が年間数十件発生し、その是正完了も四分の一程度にとどまっている状況にあることも事実でございます。議員ご指摘のように、建築基準法に係る監察行政は、引き続き厳正適用に向けて努力を続けるべきと思っております。引き続き、悪質、危険な違反に対する重点的なパトロールの実施等により、法の規定に基づき厳正に粘り強く実態違反の解消に向けて努力をしてまいりたいと思っております。

 私に対する質問は以上でございました。ご質問ありがとうございました。



○副議長(井岡正徳) 原山警察本部長。



◎警察本部長(原山進) (登壇)四十四番川口議員のご質問にお答えさせていただきます。

 私には二点ございます。一点目は、一方通行道路の基準規定はどのようなものか。二点目は、開発時に道路の幅員等による問題を残した状態で、先に居住されている方々に不安とか不信、不快感からトラブルも起こっているが、この場合の安全措置の基本はいかがなものかという二点のお尋ねでございます。

 まず一点目、一方通行道路の規制基準につきましては、平成二十四年一月三十一日付の警察庁交通局長通達で示されております。規制目的につきましては、車両の相互通行に伴う複雑、危険な交通状態を単純化するなどして、交通の安全と円滑を図ることであります。規制対象道路につきましては、車両の相互交通に十分な車道幅員がなく、安全と円滑を確保するため必要がある道路、あるいは一定方向への交通量が著しく多く、交通の円滑を図るため必要がある道路、あるいは通過交通を排除する必要がある生活道路等々とされております。なお、一方通行等の交通規制の実施に当たりましては、交通規制の必要性を十分に説明するなどして、地域住民の方々のご理解を得た上で実施することといたしております。

 次に、開発等による交通環境の変化に伴う安全対策でありますが、開発につきましては、一般的には開発者からの申請を受けた県等から、警察に対して意見照会等がなされます。その際、警察といたしましては、道路交通に直接あるいは間接に影響を与える施設等の建設が行われる場合は、交通流の変化や交通量の増加など新たな交通需要等を考慮し、必要に応じて当該開発の関係者等に対し、施設内道路や、あるいは周辺道路の新設、拡幅、変更等についての要請を行っているところでございます。しかし、これはあくまでも要請でございまして、警察の意見が反映されない場合もありますことから、そのような場合には、県民や地域住民の方々の安全確保を第一に、当該道路の構造や交通環境等を勘案して、交通実態にふさわしい交通規制の実施などの対策を検討いたしております。

 以上でございます。



○副議長(井岡正徳) 四十四番川口正志議員。



◆四十四番(川口正志) 知事、ご答弁をいただいたわけですけどね、とりわけ経済の問題、世間でささやかれているように、景気が上向いている、そういう明るい話題ばかりではないんです。実相は大変です。私も、小規模零細企業者の組織をお世話いたしておりますけども、明るい話は全く聞こえない。だから、これからだという勇気づけとか、そういう意味で話題がどんどんどんどん明るくなることは望ましいことだと思いますが、ひとつ現実をじっくり見詰め直してもらいたいなと、こう思うんです。

 さきの小林議員のTPPにかかわっての答弁の際も、知事がおっしゃったわけですけども、TPPにかかわっては、経済産業省としても、やっぱり地方の小規模零細企業に対する影響は大きい、あるいはまた、農業等にかかわっての影響も厳しいということは十分に捉えてくれているんだなあというように私も思っております。つまりは、奈良県の地場産業、皮革関連等にかかわって、先般は経済産業省から、中小企業庁の審議官、あるいはまた、紙業服飾品課の課長、三度も四度も奈良県へ赴いてくれて、交渉の経緯の中身は言えないにしても、慎重に対応いたしておりますということの報告をしてくれました。私は、TPPにかかわって基本的に反対だ、けども、あなたたちは奈良県の産業に思いを寄せていただく善意はありがたい、こういうことをきちっと申し添えておりますが、大変現実は厳しいということをいわばつけ加えておきたいと、このように思うわけであります。

 荒井知事は、厳しい展開もあるけれども、私と衝突する意見も多々ある場合もありますけど、ああ、一生懸命やっていただいているなという内容もしっかり私は捉えておりますから、是々非々主義で大いにバトルをやりたいと、このように思うわけです。いずれにしても、経済、私どもの小規模零細企業者の現実は厳しいということを申し添えておきたい。

 なおまた、税制にかかわっての問題にしても、もう今ごろ済んだことはということになりますけど、やっぱり税の公正ないわば体系というものを整え直してもらいたい。一時期は、法人、企業に対する措置はあれでよかったかわからんけれども、その後の展開として、今日のいろんな意味での格差は、やっぱり不労所得に対する課税の甘さが今日の格差をいわば拡幅助長しているという原因ではないかと。そういう意味で、先ほど知事は、消費税はやむを得ない、避けて通れないとおっしゃったけれども、通れないのかわからないけども、歴史を振り返りながら、税制の改革をやっぱり求めていきたいものだと思います。

 それから、警察本部長、きょうこの本会議場で議論し切れないと思いますけどね、ちょっとあまりにも、これは私は仮説を提起しているんじゃないんですよ。具体的な問題箇所の質問に際してはやっぱり、警察本部の担当者に伝わっているはずですね。その伝わっている内容が、あなたにきちっと報告をされているのかどうなのかです。いずれにしても、私は唖然としたわ。平成二十四年に通達を出されたと。通達を教えてくださいよ、それなら。それなら通達を教えてくださいよ。いわば仮説を言ってるんじゃない。ひど過ぎますよ。公安委員長もきょうはおいでいただいてるから、公安委員の皆さんも一遍現場へ行って見てきなさったらいいと思いますけどね、奈良東病院のあの周辺。あそこは奈良市ですから、中核市で、県の行政指導という領域になるかどうなのか私はわからんけれども、奈良市との関係もあろうと私は思うけども、いずれにしてもやっぱり、あれでは、七つ、八つ、九つぐらいの医療と福祉の施設がつくられています。そのつくられるにかかわっての展開はどうなっているのか。いろんな対応はどうなってるんやと、こういうことです。機会を見つけながら、これはさらに引き継ぎ議論したい。だけど、これはあまりにも、あなたの答弁はね、具体的な事例を聞いた上での私への答弁でないと、こういうことです。

 それからもう一点は、建築基準法にかかわって、あのままでは行政指導が行き詰まっているわけでしょうが。知事、担当者の身になって物事をやっぱり早く決着をつけるべしであろうと、このように思います。もう一度答弁いただきたいと思います。



○副議長(井岡正徳) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 再質問は、後半ですか、二問、一問ですか。



◆四十四番(川口正志) 好きなように。



◎知事(荒井正吾) 好きなように。(笑声)ありがとうございます。

 簡単にいたしますが、経済は重要な点をお述べになりましたが、小規模零細企業の声をよく聞くべきだと。そうだと思いますが、ご質問を聞いていて思いますが、やっぱり企業は零細でも大企業でも、よくやっている企業と、悪い状況にある企業と、やはりいろんな経済状況のもとでもあります。全部よくなればいいんですけども、経済というのはそういうわけにいかない。どうして、いいのはいい、悪いのは悪いのかということでございます。いい企業はあまり声が大きくない、悪い企業は声が大きいという傾向はございますが、その声が大きい中で、どのような声があるのか、よく聞き分けないかんように思います。単に悪い悪いと言うだけなのか、よくしようと思うんだが、こういう困難があると言っておられるのか、よくしようという意欲が大きな意味があるように思います。国は、よくやる企業とかよくやる地域を先発して応援しようというふうに政策を転換されてきているように思えます。地域としても熱心にやるよと、経済を熱心にやるよと、企業も熱心にやる企業は応援するよというメッセージをよく基本的に出す必要があるのかなと思います。全部よくなるという経済体制はなかなか難しいというふうに、これは言わずもがな、当然のことでございますが、そのように改めて感じたところでございます。

 もう一つは、宗教法人の建築基準法違反ということについては、これは実務的な話でございますが、私はよく聞いておりますが、これも違反をして、すぐに直すか、あるいはだらだらと直すかという駆け引きが行われているように思います。その駆け引きに負けないように、しっかり直すように、法の許容する範囲で指導を行うということをしておるわけでございます。鉄槌を加わせられないかというご意向もあるかもしれませんが、法の執行ということでございますので、必ずしも慎重にやっているわけではございませんが、法がどのような手続を望んでいるのかということを公平に適用するというふうにいつも職員に言っておりますので、その中での現在の進行状況だというふうにご理解いただきたいと思います。その指導の実態については、私はよく報告を受けております。今後ともそのようなフォローをしていきたいというふうに思います。



○副議長(井岡正徳) 原山警察本部長。



◎警察本部長(原山進) 私にも、通達関係につきましては、もう早急に、きょうでも、議員のご都合がつけば、お示しをして、説明、ご報告したいと思います。

 あと、個別の部分については、私も実は報告を受けております。私自身も現場に行ってきました。そして、係のほうには、地域の住民の方々のまず意見、七月二十三日から一方通行にしております。その一方通行で二カ月ちょっとたって、どういう問題点があるかということを、昼間の時間帯でございましたので、全員の方からは、お留守の方が多かったので聞けなかったんですが、おられた方からは全部聞かせていただいております。その中で、基本は一方通行にしてよかったねという意見が圧倒的でございました。それも含めて、議員には、この背景とか、そういうことも含めていろいろもう少し、うちのほうのご説明が足りなかった部分があるんじゃないかというふうに私自身、感じておりますので、その点、またよろしくお願いをしたいと思います。



○副議長(井岡正徳) しばらく休憩します。



△午後三時三十五分休憩

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



△午後三時四十八分再開



○副議長(井岡正徳) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 次に、三番大国正博議員に発言を許します。−−三番大国正博議員。(拍手)



◆三番(大国正博) (登壇)それでは、議長の許可をいただきましたので、公明党を代表いたしまして、通告いたしました数点について、荒井知事並びに大庭県土マネジメント部長、冨岡教育長にお尋ねをいたします。

 初めに、多様な自然災害に対して、住民に求められる対応についてお伺いします。

 梅雨明け宣言された後にもかかわらず、ことしも七月から八月にかけて、山口県や島根県、山形県等、日本の至るところで前線による集中豪雨が発生し、大きな被害をもたらしました。また、九月二日と四日に続けて、埼玉県や千葉県、栃木県といった関東地方で予期できないような竜巻が発生し、けが人や多数の住宅被害が生じました。さらに、先日の台風十八号では、京都府や滋賀県をはじめ全国的に多大な被害が生じたのは、記憶に新しいところであり、被害に遭われた皆様に心からお見舞いを申し上げる次第でございます。

 また、身近なところでは、八月五日の午後に、奈良市で一時間に五十八ミリメートルの豪雨があり、県庁付近では側溝から水があふれ、道路が川のような状況になりました。この豪雨により、奈良市法蓮町や三条町などで床上浸水十棟、床下浸水九棟という被害がありました。ところが、私の地元の奈良市西部地域では、ほとんど雨が降っていませんでした。このように、同じ奈良市内でも、ごく局地的に大雨が観測されるという、いわゆるゲリラ豪雨も全国で頻繁に観測されています。

 さて、近年多発する多種多様な自然災害に備えるための一つの方策として、気象庁では八月末から特別警報を制度化され、数十年に一度の大雨となるおそれが大きい場合などに、これまでにない危険が迫っていることを伝え、直ちに命を守るための行動をとることを求めています。この特別警報は、一昨年九月の台風十二号による紀伊半島大水害も検討のきっかけの一つであったとのことですが、先ほど触れました先般の台風十八号で運用開始後初めての発表となりました。しかしながら、気象庁がテレビやラジオで発表する注意報、警報や、そうした気象庁からの防災情報に基づき市町村から発表される避難指示や避難勧告を、幾ら聞いても、その意味する危険度を理解、判断し、最終的に避難行動をとるのは、それぞれ住民お一人お一人になるわけです。つまり、まず自分の身を守る、命を守る行動をとっていただくことが、犠牲者をなくすことに大きな効果をもたらすものだと考えます。

 さて、県では、昨年度から防災計画の見直しに取り組まれ、二月に公表された中間報告では、災害による死者をなくす、人命を守ることを最大の目標とされ、重点七項目を整理されました。さらに、先日の総務警察委員会でご報告いただきましたように、今年度も内容の充実強化や項目の追加を図られていると伺いました。そこで、近年多発する局地的な大雨や竜巻などの多種多様な自然災害について、住民の方々に命を守る行動をとってもらうため、県は防災計画の見直しにおいてどのような対応を考えているのか、知事にお伺いいたします。

 次に、健康長寿日本一に向けた取り組みについてお伺いいたします。

 我が党は、平成二十二年九月定例会において、健康寿命の取り組みについて、スポーツ振興や気軽に取り組める健康づくりについて質問をしてまいりました。健康寿命は、健康で自立して活動的に暮らせる期間で、奈良県民の大きな願いであると考えます。これまで本県は、日本一の健康長寿県を目指し、平成二十二年七月五日に荒井知事を本部長として全ての部局長を構成員とする健康長寿文化づくり推進本部を立ち上げられました。そして、本年七月には、なら健康長寿基本計画を策定され、今後十年間で、男女とも県民の健康寿命を日本一にすることを目指しています。計画では、健康づくり、医療、介護、福祉等の関連施策を一体的に推進する必要があり、今後、これらの計画を歯車がかみ合うように連動させて、総合的、統一的に健康寿命を伸ばす施策を推進していくこととされています。そのような中、公明党奈良県議会議員団は、静岡県の「健康長寿日本一に向けた“ふじのくに”の挑戦」の取り組みについて視察をしてまいりました。この静岡県は、昨年度に厚生労働省が創設した健康増進や生活習慣病予防に対する優れた啓発、取り組みの表彰制度、第一回健康長寿をのばそう!アワードにおいて、全ての取り組みの中で最も優れているとして、厚生労働大臣最優秀賞を受賞されています。

 ここで、その静岡県の取り組みについて紹介をさせていただきます。静岡県は、厚生労働省が初めて算出して、平成二十四年六月に公表された平成二十二年度の健康寿命において、女性が全国一位、男性が全国二位です。まず、静岡県が全国トップクラスの健康長寿の現状について分析された特徴ですが、メタボ該当者の割合が、全国で低いほうから一位、地場の食材が豊富で農水産物の生産品目数全国一位、緑茶の一世帯当たり年間支出金額及び購入量は静岡市が全国一位、浜松市が二位、県民所得が高いほうから三位、働いている人が多いなどの分析をしています。また、県総合健康センターにおいて、県民の高齢者約一万四千人の追跡調査の結果により分析した結果、緑茶を一日七杯以上飲む人は長生きしていることがわかりました。さらに、男女別の平均寿命と健康寿命の差を比較しますと、男性八・三五年、女性が十・八九年の差があり、元気で長生きするためには、この平均寿命と健康寿命の差を短縮することが重要だということです。健康寿命を伸ばすためには、寝たきりになったり介護が必要となったりしないことが重要で、そのためには生活習慣病を予防するために、生活習慣の改善が必要です。そうなりますと、介護が必要になってからの取り組みでは遅いのではないかということで、若い働き盛り世代からの取り組みがポイントになってまいります。次に、四十九万人の静岡県民の特定健診の結果をもとに分析をされ、四十歳のころから年齢が上がるとともに、メタボリックシンドローム該当者及び予備軍の割合がふえてくることが認められました。

 そこで、「健康長寿日本一に向けた“ふじのくに”の挑戦」と題した静岡県独自の生活習慣改善プログラム、ふじ33プログラムを開発。これは運動、食生活、社会参加の三分野について、目標(行動メニュー)を設定するとともに、三人で励まし合いながら三カ月実践をし、仲間と一緒に励まし合いながら、自己評価、実践を繰り返すことで、ステップアップ、レベルアップする内容になっています。また、ふじ33プログラム実践教室では、自分の生活習慣を振り返るために、体組成計による身体計測を行い、体重、体脂肪、筋肉、体脂肪率、部位別筋肉量、腹囲などを数値で見える化をいたします。このように、みずからの状態をチェックし、新たな目標を設定、富士山を登るようにみずからのレベルアップを実感しながら行う生活習慣改善をしていくというものです。

 県民の健康づくりを促進する仕組みとしては、ふじのくに健康長寿プロジェクト、健康マイレージ支援事業に取り組まれていました。この事業は、ふじのくに健康いきいきカードを発行し、日々の運動や食事などの生活改善や健康診断の受診、健康講座やスポーツ教室、ボランティアなどの社会参加など、市町で決定した健康づくりメニューを行った住民が特典を受けられる制度です。今回の視察で感じたのは、奈良県においても、研究、実践機関としての拠点づくりや、ふじ33プログラムのような具体的な取り組みや、市町村をサポートし、県民の皆様に取り組む意欲を出していただくような仕組みづくりが必要であると考えます。

 そこで、知事にお伺いします。県はこのたび、なら健康長寿基本計画を策定されましたが、計画目標である健康長寿日本一を達成するためには、計画の歯車をしっかりと回していく必要があると考えます。健康づくりの主体的担い手である市町村との連携・支援を含め、県は今後どのように取り組んでいかれるのか、所見をお伺いいたします。

 次に、本県の救急医療体制の現状と課題についてお伺いします。

 救急患者は昼夜の区別なく発生し、その症状も緊急度もさまざまです。そのため、県民がいつでもどこでも安心して、それぞれの症状に適した救急医療を受けられる体制が必要になります。奈良県では平成十八年、十九年に、重症患者が県内の医療機関で受け入れられず、搬送先の病院で死亡するという事案が発生して以降、断らない救急医療を目指して、さまざまな施策に取り組んでこられました。代表的なものを挙げれば、地域の病院や診療所で対応できないハイリスク妊婦を受け入れるため、県立医科大学附属病院と県立奈良病院に周産期母子医療センターを整備されました。今後新たに奈良市六条山に建設される新県立奈良病院では、命にかかわる重篤な救急患者を確実に受け入れ、救命率の向上を目指すこととされています。しかしながら、県立医科大学附属病院や県立奈良病院だけで、大勢の、かつ軽症から重症までの救急患者に対応することは困難であり、地域の病院や市町村がそれぞれ役割を担い、果たしてもらうことが必要と考えます。そこで、これまで取り組まれてきた施策の成果を踏まえて、今後、奈良県の救急医療体制を確立するために、県が果たすべき役割についてお尋ねいたします。

 また、救急医療を考える上で一番大きな課題は、救急患者の搬送と受け入れ体制の充実にあります。全国的にも、救急車で搬送された方は、十年前に比べ二五%近く増加しています。また、高齢化に伴い、救急搬送に占める高齢者の割合も増加しています。高齢者は複数の診療科を受診している場合も多く、症状の把握に時間がかかるため、救急隊の現場滞在時間の延長や、受け入れが可能かどうかを医療機関へ照会する回数の増加につながりやすいと言われています。救命率の向上や後遺症等、患者の予後を考えた場合、急病や事故により速やかに治療を受ける必要がある患者を、それぞれの症状に対応できる医療機関に迅速に運ぶ搬送体制と、適切な治療が受けられる受け入れ体制を整備することが重要となります。

 本県では、平成二十一年の消防法の改正を受け、救急搬送及び受け入れの実施基準、いわゆる搬送ルールを平成二十三年に策定されるとともに、電子端末iPadにより適切な医療機関を選定するシステムe‐MATCHを、平成二十四年の春には救急車に、平成二十五年春には医療機関にも配備され、本格稼働されています。このe‐MATCHシステムにより、今後搬送状況が大幅に改善されることを期待していますが、システムは適切に運用してこそ効果を発揮するものであり、そのためには主体である消防機関と医療機関が運用状況を把握し、検証していくことが必要ではないでしょうか。e‐MATCHが医療機関に配備されることにより、リアルタイムな運用と詳細な検証が可能になると聞いていますが、現時点での成果と課題について、荒井知事にお尋ねいたします。

 次に、近鉄大和西大寺駅周辺の交通対策についてお伺いいたします。

 平成二十三年六月定例会において荒井知事は、近鉄線の立体化については、第三者的な視点からの意見もいただき、関係者を含めた新たな検討会を立ち上げて、成案を得るための課題の整理を行っていきたいと思います、私といたしましても全力を挙げてこの課題に取り組んでいきたいと、決意のこもった答弁をしていただきました。一方県は、昨年十二月二十八日に奈良市に対して、現在暫定整備されている近鉄大和西大寺駅北口駅前広場の拡張や、都市計画道路の西大寺東線の拡幅などを含む整備事業計画を認可されており、奈良市は平成三十年度完成を目指すとされています。これまで荒井知事は、長年にわたり研究や検討を重ねられ、難しいこの問題を何とか前に進めようと、近鉄大和西大寺駅周辺地区都市基盤整備検討会議を設置されるなど、知事就任後も取り組んでおられますことに敬意を表するところであります。周知のとおり、線路が平面交差している全国的にも有名な駅となっていますが、これまでも事故や豪雨などの気象による運転の見合わせにより、電車を利用されている方々はもちろんのこと、周辺で生活をされている住民にも大きな影響があります。周辺の道路は、消防署より救急車などの緊急車両が利用することや、交通量調査でも明らかにされているとおり、一般車両の通過交通が多いこと、駅北側には防災公園が設置されていることなど、あらゆる生活シーンにおいて重要な都市機能を果たしています。また、今後は平城宮跡の国営公園への最寄り駅となることから、今後ますますその役割が重要となります。

 そこで、近鉄大和西大寺駅周辺のあかずの踏切による交通渋滞の抜本的な対策については、近鉄大和西大寺駅の立体化が必要であるとして、県において検討されていると承知していますが、これまでの検討状況と今後の取り組みについて、知事にお尋ねいたします。

 次に、本県の道路整備について、県土マネジメント部長にお伺いいたします。

 ご承知のとおり、本県の二人以上の世帯を対象とした県外での消費支出の割合は、全国第一位となっています。一方、同じく二人以上の世帯を対象とした一世帯当たりの消費支出額は、全国第三位と非常に高いものとなっています。このことは、県民の購入意欲が非常に高いにもかかわらず、県民は県内で消費をせず、県外で消費をしている、すなわち多額の消費が県外に漏れている状況であることがうかがえます。本県の県外就業率が全国第一位であることから、県外就業者の消費は、必然と職場のある県外で多くなることは想像できます。しかし、私がよく耳にするのは、特に県北西部地域にお住まいの方々に多いのですが、県外の友人やお客様を接客する場合には大阪にご案内するというものです。

 私が、奈良公園付近や中南和地域など、奈良県には魅力的なところがたくさんあるのに、どうしてわざわざ大阪に行くのかと尋ねると、大阪方面に出ていくことが便利だからという単純な理由とともに、県内は渋滞も多く、移動に時間がかかる、時間が読めないなど、道路整備に関する不満を挙げられる方が多いと感じています。私は、これらの要因の中には、先ほど質問いたしました近鉄線で南北を分断しているため、近鉄大和西大寺駅周辺での通過交通が多く渋滞することや、南北方向き骨格幹線である京奈和自動車道と大和中央道がつながっていないこと、さらに県道枚方大和郡山線の整備が十分ではないこと等が要因と考えています。県では、道づくり重点戦略を推進しており、少しずつではございますが、道路整備の効果が感じられるようになったと思います。しかし、本県の国道、県道の整備率は約四〇%で全国ワースト二位となっており、いまだ道路整備はおくれている状況です。県北部から中南和地域を訪れる際には、郡山南インターチェンジから京奈和自動車道を利用すると、京奈和自動車道の建設前に比べ格段に移動時間が短くなり、非常に便利になったと感じています。

 しかし、県北西部地域にお住まいの方々にとっては、その京奈和自動車道を利用するのに一苦労されている現状です。中南和地域には、多くの歴史文化遺産と豊かな自然環境、人々の生活が一体となって、日本が誇る独特の風土を形成しているところがたくさんあります。県民や県外の方々にご紹介したいところがたくさんあります。私は、県北西部地域にお住まいの方々が、そのご友人やご家族、あるいは地域活動の中で、この魅力的な中南和地域を訪れていただくことが、県内での消費を高め、観光振興等、本県全体の発展に大きく寄与するものと考えています。そこで、県北西部から中南和地域への円滑な道路アクセスについて、現在どのような取り組みをしているのか、お聞かせください。

 次に、道路の点検についてお尋ねします。

 言うまでもなく、防災・減災のためには、建物、橋、道路といった社会インフラの整備が重要な取り組みです。去る三月、公明党会派として、国土交通省道路局国道・防災課において、道路メンテナンスに関する調査をし、昨年の笹子トンネル事故から二度と起こしてはならないと、老朽化した社会資本の予防保全の重要性を学んでまいりました。多くのとうとい人命が失われた東日本大震災などの教訓を生かし、公明党は命を守る公共事業を推進する防災・減災ニューディールを主張して取り組んでまいりました。太田昭宏国土交通大臣は、ことしをメンテナンス元年と位置づけ、来年三月末までに、道路や下水道、鉄道、港湾などの総点検を完了させることとしています。一方、奈良県においては、全国に先駆けて、平成二十二年に奈良県橋梁長寿命化修繕計画を取りまとめ、事後保全から予防保全への方向転換に組織的に取り組み、道路橋の安全・安心な通行の確保や、維持管理コストの削減を図る取り組みをされております。

 もう一つ重要な視点は、道路の空洞化対策です。本県においても、道路の陥没がこれまでも発生していますが、今後、道路や地下に埋設されている上下水道管の老朽化等により、道路の陥没が予想されます。東日本大震災の際、被災地の各地域で発生した道路の陥没も教訓にしなくてはなりません。また、震度五以上の強い揺れによって路面下の空洞化が一気に進むという指摘もあります。そこで、奈良県では、道路施設の維持管理や長寿命化に向けて、橋りょうやトンネルについて総点検を実施し、修繕計画を策定していますが、道路の安全・安心を確保するためには、落石や路面陥没等に対する備えも必要と考えるところです。道路の点検項目は多岐に及ぶと思われますが、今後どのような点検を実施されるのか、県土マネジメント部長にお尋ねをいたします。

 次に、学校における防災対策について、冨岡教育長にお伺いします。

 平成二十三年に発生した東日本大震災及び台風十二号による紀伊半島大水害は、多くの人々のとうとい命を奪い、甚大な被害をもたらしました。その東日本大震災及び紀伊半島大水害の発生以降、学校における防災教育の重要性がより一層叫ばれています。子どもたちが自然災害からみずからの命を守るためのスキルを身につけることが大切であり、そのためにも危険を予測し、回避する力を養う防災教育の充実が重要となります。また、防災教育とともに、学校も地域コミュニティーの一部であることから、自然災害に対して地域と学校が相互に助け合うための連携した防災訓練の推進も重要であり、そのためには地域や学校、家庭の防災力を高め、自助、共助の強化が欠かせません。

 次に、今重要なのは、緊急地震速報が発表された場合の学校の対応についてです。去る八月八日の夕刻に、携帯電話から一斉に緊急地震速報を知らせる警報音がありました。今回は誤報ということで事なきを得たわけですが、近い将来、かなりの高確率で発生すると言われている南海トラフ巨大地震が、もしも学校に子どもたちがいるとき、授業中や部活動中に発生した場合、少しでも早く緊急地震速報の発表を察知し、机の下にもぐるなどの初期避難行動をとることは、大変重要な命を守る行動となります。学校への緊急地震速報受信システムの整備については、予算的なこともあり、全国的にも進んでいない状況であり、まだまだ時間のかかることは理解しています。しかし、いつ起こるとも知れない大地震発生に備えて、現状でできる対策を講じておくことが、子どもたちを地震災害の危険から守っていく上で最も大切なことであると考えます。

 そこで、教育長にお伺いします。東日本大震災、紀伊半島大水害以降、防災教育はどのように行われてきたのか、また、緊急地震速報が発表された際の学校での情報伝達と、子どもたちのとるべき初期避難行動を徹底させることについてどのように取り組んでいくのか、あわせてお伺いいたします。

 最後に、いじめ対策についてお伺いいたします。

 いじめから子どもたちの尊厳を守るため、いじめ対策に関して、初めて国が法制化したいじめ防止対策推進法が、この九月二十八日に施行されます。平成二十三年十月、大津市の市立中学校二年生の男子生徒が、いじめを理由にみずから命を絶つという痛ましい事件が起こりました。翌二十四年七月には、事件後に行われたアンケート調査の具体的な内容が明らかとなり、学校及び市教育委員会の対応について不徹底な事実解明や主体性の欠如、さらには隠蔽体質等の批判が高まりました。その後も、全国各地でいじめ問題が次々と報道されています。今やいじめ問題は全国的に世間の耳目を集めることとなり、重大かつ深刻な社会問題となっています。

 いじめを受けた子どもは、自尊心を奪われ、明るさを失い、その心の傷は一生涯残ることもあります。また、長期のいじめは、学力の低下や社会性の発達の阻害という弊害を生むこともあります。そして、被害に遭った子どもたちだけではなく、その家族をも失意のどん底に突き落とし、多くの人々の人生を変えてしまうこともあるのです。いじめは本来、陰湿化、潜在化して進行することから、実態がつかみにくく、あわせて思春期の子どもたちは自尊心も高く、反抗期であることも含め、親や家族にいじめを打ち明けられず、発見がおくれやすいと聞かせていただいております。また、現在のいじめは、その行動が単なる弱い者いじめと言えるものだけではなく、恐喝や暴行といった犯罪行為を含んだり、インターネット上のいじめなど、対応が難しいケースも増加している現状です。

 このようないじめ問題に対する機運の高まりの中で、第二次安倍内閣により平成二十五年一月に立ち上げられた教育再生実行会議においては、いじめ問題を教育再生に向けて避けて通れない緊急の課題と捉え、早急にいじめ問題について審議を行うこととし、二月にはいじめ問題等へ対応についての第一次提言が取りまとめられました。提言には、道徳教育の教科化、学校・家庭・地域等の責任のある体制の構築、いじめている子に対する毅然とした指導に加え、社会総がかりでいじめに対峙していくための法律の制定が求められました。このような経緯の中、先般の第百八十三回国会の参議院本会議において、いじめ防止対策推進法案が与野党六党により共同提出され、可決、成立いたしました。

 本法律は、いじめを禁止し、国及び学校に対しいじめ防止基本方針の策定を義務づけるとともに、いじめが犯罪行為として取り扱われると認められるときの所轄警察署との連携、いじめの重大事態に対処するための学校等のもとに設置される組織及び調査、インターネットを通じて行われるいじめに対する対策の推進等を求めるものであります。私は、いじめは人権侵害であり、決して許されないものであるといま一度肝に銘じ、一人ひとりがかけがえのない存在として、お互いを尊重し合うことができる社会を築いていくことが重要と考えています。

 そこで、教育長にお伺いします。現在いじめ対策に県教育委員会としてどのように取り組まれているのか、また、新たに施行となるいじめ防止対策推進法の制定を経て、今後県教育委員会としてどのように取り組んでいかれるのか、お尋ねいたします。

 以上で壇上からの質問とさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○副議長(井岡正徳) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)三番大国議員のご質問がございました。

 第一問は、防災計画の見直しについて、その内容についてのご質問でございます。

 水害、土砂災害等の災害の発生が懸念される場合には、雨量や水位、気象警報等をもとに、市町村が迅速的確に避難勧告等を発令し、それに沿って住民の方々が、みずからや家族の命を守るため適切な避難行動をとることがとても重要でございます。今般の防災計画見直しでは、そうした人命を守る観点から、住民避難を最重点としております。災害の種別に応じた避難所、避難ルートの確保や、避難勧告等の具体的発令基準の作成など、県も市町村とともに、時間帯も考慮して、早目、広目の避難に向け、できる限りの取り組みを行うというのが基本的な考え方でございます。

 議員お述べの、いわゆるゲリラ豪雨や竜巻といった自然災害、今までは数少ないと思われていた最近頻発する自然災害の種類でございますが、河田関西大学教授を座長とする防災計画検討委員会で、こうした分野が専門でおられます中北京都大学教授にも参画いただき、専門的な見地から助言をいただいております。ゲリラ豪雨や竜巻は、いずれも、地球温暖化やヒートアイランド現象等の影響により急速に発達した積乱雲により局地的かつ突発的に発生すると言われており、近年多発傾向にございます。しかし、気象庁が発表する竜巻注意情報は的中率が三%であるなど、予測が難しいのが現状でございます。気象庁の啓発パンフレットでは、ゲリラ豪雨は、総雨量が少なくても十数分で甚大な被害が発生することがあるため、周囲の変化に注意し天気の急変に備えることが必要とされております。特に河原や地下ガレージ等は危険性が高く、危険を感じたら直ちに避難することが必要でございます。木津川の事故のような場合も、このようなことであったかと想像されるものでございます。

 竜巻については、竜巻注意情報が発表された場合には、積乱雲の発生など空の変化に注意し、竜巻発生を確認したら、雨戸やカーテンを閉めるなど、すぐに身を隠し守る行動をとることが必要だとされております。まずは自助の取り組みとして、こうしたことを心がけて行動していただく必要がございますが、県としても防災計画に盛り込み、積極的に広報、周知をしていきたいと考えております。なお、九月六日に関係省庁により竜巻等突風対策局長級会議が設置されました。この会議では、予測精度向上や情報伝達のあり方といった今後の取り組み方針を年内にまとめることとされております。県としては、この会議の動きも注視し、所要の対策を検討することとしております。

 次に、健康寿命日本一に向けた取り組み、健康づくりの県の取り組み、市町村の取り組みについてのご質問がございました。

 他県の取り組みを詳細にご説明いただき、大変参考になりました。なら健康長寿基本計画では、運動を習慣としている人の割合やがん検診の受診率など、健康寿命の延長に寄与する、関連すると思われる三十程度の健康指標を選定し、毎年これらの指標を市町村別に観察し、分析・評価を行う予定でございます。どのような行動が健康という成果に結びつくかどうかを連続して観察して実行していこうという取り組みでございます。このための機関として、統計や健康づくり、医療などの専門家、県議会や市町村の代表者等で構成するなら健康長寿基本計画推進戦略会議を新たに設置することとし、今議会に関連議案を提出させていただいております。全員で取りかかろうという趣向でございます。この会議では、健康指標の評価や健康長寿に向けての県や市町村での取り組み方策の検討、さらには、新たな政策提言を行っていただく予定です。また、健康寿命日本一の達成を目指すため、食事、運動、検診受診等の健康行動のうち、どの行動が健康寿命の延長と相関が強いのか、すなわち寄与度が高いのかということについて探求するとともに、その健康行動の効果的な普及啓発のあり方について研究を行うこととしております。そして、研究結果に基づく効果的な取り組みについて、来年度以降、市町村とともに具体的に進めていきたいと思います。

 このほかの取り組みでございますが、最近、国家戦略特区としてマイ健康カード特区を提案いたしました。これは、希望する個人にICカードを交付し、県立病院が保管する診療情報や市町村が保管する健診情報などをICカードに蓄積し、救急医療や健康づくりに活用することで、県民の健康づくりの意識を高めるとともに、重複しがちな検査などを避けようとする提案でございます。今後、導入に向け、専門家とともに研究をしていく予定でございます。

 さらに、今年度の取り組みでございますが、県民が日常生活の中で健康づくりに向けた取り組みを開始し、また継続できるための拠点として、健康ステーションを県内に一カ所設置いたします。ここでは、最近の研究結果に基づく健康づくりの実践方法を紹介するとともに、最新の健康測定機器を設置し、自分の健康状態を気軽にチェックできるようにする予定でございます。この健康ステーションの設置、運営に当たりましては、地元市町村とも十分連携をとりつつ、協働して実行できるよう進めてまいりたいと思います。健康寿命延長への取り組みは、市町村にとっても、医療費及び介護費の抑制、ひいては国民健康保険料、介護保険料の低減等が期待できますので、今後とも市町村との連携を一層強化して、健康寿命日本一の奈良県を目指した取り組みを積極的に進めたいと考えております。ただ、健康はみずから健康が大事だと思っていただける人をふやす必要がございます。健康のいろんな活動に参加していただく方は、もう既に半分以上、健康の世界に足を踏み入れていただいております。閉じこもられて、関心がない方をどのように健康に向けた関心を深めるか、なかなか難しい事項でございますが、そのような基本的な認識をしながら、取り組みを拡充していきたいと思っております。

 県の救急医療体制の現状と課題について、県の果たすべき役割、また市町村の役割についてのご質問がございました。

 医療体制の整備は、県民の命と生活を守る大変重要なものでございます。中でも救急医療体制の充実は、行政が積極的に医療にかかわるべきとされておる分野でございます。制度上、救急医療の体制整備は、県だけでなく、市町村も役割を担っています。具体的には、軽症患者を引き受ける休日夜間応急診療所や入院、手術が必要な救急患者に輪番制で対応する病院群輪番制度など、これは一次救急、二次救急と呼ばれております体制整備は基本的に市町村の役割とされております。しかし、財政力が弱いことや、ドクターなどの医療資源が少ないことから、各市町村が単独で整備するのが困難な場合が多いわけでございます。県は、そのような場合に対しさまざまな支援を行うこととしております。

 一次救急の分野の例でございますが、中南和地域の拠点として休日夜間応急診療所を運営する橿原市を支援しております。今年度は、北和地域の拠点診療所を目指す奈良市の休日夜間応急診療所の移転改築についても支援を実施することにしております。二次救急の分野では、救急患者の多くを占める小児患者に対応するため、小児科を持つ県内の十二病院の協力のもと、県が輪番体制を整備しております。一方、命にかかわる重篤な患者に対応する救命救急センターなど三次救急と呼ばれる分野の体制整備は、県の役割と認識をしております。議員お述べのように、新県立奈良病院においては重篤な患者を受け入れる体制を確立することとしております。

 また、救急車利用の約半数は急を要しない軽症患者でございまして、救急医療の課題の一つとなっております。県では、救急車を呼ぶべきか、どのような救急処置が必要か等、県民の不安解消のため、電話相談窓口#七一一九と#八〇〇〇を設置いたしまして、一日当たり百件を超える相談がございますが、専門スタッフが対応しております。#八〇〇〇は、子どもを対象とした相談電話でございますが、平成二十一年六月に相談時間帯を大幅に拡充いたしました。それ以来、小児輪番病院の受診率は三割近く減少いたしました。県民の不安解消と適切な受診行動につながった例と思っております。救急患者は昼夜区別なく発生し、症状もさまざまでございます。ご家族にとっては初めてのケースという場合もございます。県民のだれもが急な病気やけがを負ったときに、いつでも安心して症状に適した救急医療を受けることができる体制整備が必要と考えております。今後も、さまざまな施策を組み合わせていろんな事態のもとに発生する奈良県の救急医療体制を充実させていきたいと思っております。

 救急体制のご質問の中で、e‐MATCHの成果と課題についてのご質問がございました。e‐MATCHは、救急搬送の際に利用しておりますICTの端末でございます。県では、救急患者をその症状に適した病院に迅速・的確に搬送するため、平成二十三年一月に救急搬送ルールを導入いたしました。これに続き、平成二十四年三月にe‐MATCHを、まず消防機関に、一年隔てて平成二十五年四月には県内五十九の救急受け入れ病院に導入いたしまして、現在本格運用をしているところでございます。導入の効果につきましては、e‐MATCHは万能薬ではございませんので、これだけで達成できるものばかりではございませんが、成果のあった例を一つ二つ申し上げますと、平成二十五年四月から五月までの速報値で、昨年度の下半期六カ月分と比較した場合の脳卒中や心筋梗塞等の急性期の重篤な疾患が疑われる場合における病院決定までの平均照会回数は、従来一・八回でございましたが、一・六回になってきている、わずかながら改善が見られております。特に急性心筋梗塞につきましては、県立医科大学附属病院など九病院が二十四時間緊急カテーテル治療が可能な体制を組んでいただいておることもあり、九病院に対する平均照会回数は一・二回と、e‐MATCHの運用と相まって著しい効果を発揮しているものと考えております。

 e‐MATCHの機能を十分活用して速やかに搬送先の選定を行うためには、病院においてリアルタイムに受入可否情報を提供していただくことが重要でございます。本格運用開始後二カ月を経過した本年六月時点で、病院から聞き取りましたところによりますと、六割程度の病院でリアルタイムな受入可否情報の更新が実施されている状況でございます。そこで、今年度中に五十九病院全てにおいてリアルタイムに情報更新を行ってもらえるよう働きかけているところでございます。また、e‐MATCHの表示が受入不可、受け入れませんとなっていた病院に救急車が照会するケースや、受け入れができないにもかかわらず受入可能と表示している病院も見られます。表示のミスマッチでございますが、そこで、消防機関と医療機関の双方に救急搬送ルールに沿った搬送受け入れの徹底を図り、お互いがルールを守る信頼関係を築く必要がございます。そのようなことで、救急搬送の改善につなげたいと思っております。そのため、病院から受け入れ可能な程度が救急車に正確に伝わるよう、受入可否情報の精度向上に向けたシステム上の工夫を図り、迅速・的確な病院選定の実現を目指したいと思います。

 また、今後さらに、e‐MATCHの運用で収集したデータをもとに、地域別の搬送状況や病院ごとの受け入れ状況等、県内の救急搬送の状況について分析を続けております。この分析結果をもとに、輪番制など地域単位や疾患ごとに病院間の役割分担による適切な受け入れ体制を構築していきたいと思います。救急搬送の改善に向けた具体的な取り組みを、e‐MATCHからもたらされる情報の収集、分析により達成しようという試みもしていきたいと思っております。

 近鉄大和西大寺駅周辺の交通対策の進捗についてお問い合わせでございます。

 議員ご指摘のように、近鉄大和西大寺駅周辺は、あかずの踏切と呼ばれる菖蒲池第三号踏切、第六号踏切など多くの踏切が周辺にございまして、全国でも有名になっているほど、問題が集積している駅でございます。その抜本対策として、近鉄大和西大寺駅の立体化を、近接する平城宮跡内の近鉄線の移設と一体的に検討しているところでございます。駅の立体化も平城宮跡の近鉄線の移設も、ともに大変難しい問題でございます。これまで、近畿日本鉄道株式会社が駅を立体化することに賛同されているかどうか、まだ不明に思っておりますが、近畿日本鉄道株式会社から鉄道技術に関する専門的な助言をいただきながら、駅を高架化または地下化した場合の鉄道の線形や駅の構造、高架化した場合の景観や騒音、地下化した場合の地下水の変動などを検討してきました。さらに、平成二十三年度には、有識者の検討会を開催し、県のそれまでの検討についてご助言をいただきました。検討会の議論でございますが、駅につきまして、例えば鉄道と道路の立体交差のみならず、近鉄奈良線や京都線など鉄道本線同士の横断を解消する駅の立体化が必要である、鉄道駅自身を改装・立体化するという検討でございます。駅近くにございます車両基地をかさ上げする場合には、周辺地域への影響と対策の分析がさらに必要でございます。周辺の車両基地をかさ上げするには、平城宮跡を通っている線路を南に向けて迂回線ができないかといったような検討の一環でございます。そのようなケースについての鉄道事業者としての助言をいただいているところでございます。

 駅の立体化には、車両基地の存在が鉄道の交差の線形や駅構造を大変複雑にしているなど、技術的な問題だけでも大きな課題が山積をしています。大変難しい駅をつくってしまったものでございます。このため現在、車両基地の移設を含めた鉄道の線形や駅の構造などを検討していますが、現段階では、これといった解決案を見出せていない状況でございます。また、解決すべき課題には、県が主体的に解決を図るもののみならず、鉄道事業者である近畿日本鉄道株式会社が主体的に解決を図るべき課題もございます。鉄道事業者も真剣になってもらいたいと思っております。今後県としては、早期に成案を立案できるよう、引き続き全力で取り組んでまいるとともに、近畿日本鉄道株式会社に対しても鉄道事業者として積極的に課題の解決に取り組んでいただけるよう強く要請してまいりたいと思っております。

 ご質問ありがとうございました。



○副議長(井岡正徳) 大庭県土マネジメント部長。



◎県土マネジメント部長(大庭孝之) (登壇)三番大国議員から私へは、大きく二つの質問がございました。

 まず、県北西部から中南和地域への道路アクセスについて、現在どのような取り組みをしているかというご質問でございます。

 議員ご指摘のとおり、県の北部から中南和地域へのアクセスを強化することは、他県に流出している消費を県内に呼び戻し、また観光振興、南北の地域間交流を促進するため、極めて重要な政策課題と認識しております。そのためには、現在重点的に取り組んでおります骨格幹線道路の整備をしっかりと推進していくことがまずもって重要であります。とりわけ、県土を南北に貫く骨格軸となる京奈和自動車道の整備を重視しており、県としても、大和郡山ジャンクションの平成二十六年度早期の供用など、事業中区間の早期整備を国に強く働きかけているところであります。また、もう一つの南北軸として、枚方大和郡山線から大和中央道へ至るラインの整備を進めています。現在、中町工区及び結崎田原本線の整備に着手したところです。これらが整備されれば、県北西部から枚方大和郡山線、大和中央道を経て京奈和自動車道へと接続されることになり、中南和地域へのアクセスが一層容易になると考えています。また、県北西部における南北幹線であります国道一六八号においても、上庄バイパスや香芝王寺道路など、四車線化や拡幅事業を進め、交通軸の強化に努めています。引き続き、このような南北アクセスの強化をはじめとして、本県の立ちおくれた骨格幹線道路の整備を重点的に推進してまいります。また、こうした取り組みを効率的、効果的に進めるため、さきの二月議会で制定していただきました奈良県道路の整備に関する条例に基づく道路整備基本計画の策定作業を進めてまいる所存でございます。

 もう一つ、私に対してのご質問は、道路の点検についてでございます。橋りょうやトンネルについての策定をしているが、道路の安全・安心のためには、落石や路面陥没等に関する備えも必要である、点検項目が多岐にわたりますけれども、どのような点検をするのか伺いたいというご質問でございました。

 道路は、県民生活や経済活動を支える根幹的なインフラであります。その安全・安心の確保は、生活基盤の安定や地域活性化を図る上で非常に重要な施策と認識しているところであります。このため県では、落石や山崩れを防ぐ災害防除事業や橋りょう、舗装等の補修事業を進めています。さらに、道路施設の老朽化に関する点検につきまして、国の平成二十四年度の補正予算を活用し、橋りょう、トンネルに加え、のり面、舗装、道路附属構造物等について、施設の状態を把握するための調査を実施しております。

 この中で、のり面については、議員ご指摘の落石対策と直結しているところです。平成二十一年度に作成したなら安心みちネットプランに基づき、南部の山間地域において、前兆状況の早期把握や迂回路のない生活道に対する防災対策に重点を置いて取り組んでいるところです。今般、新たな点検においては、新たに道路に被害が及ぶ可能性がある斜面を対象として、落石が発生する危険性や斜面崩壊の可能性を調査しています。調査は、南部に加えて、東部の山間地域の主要な国道から着手いたしました。来年度以降も対象を広げて実施する予定でございます。

 次に、舗装に対しては、県内の主要幹線道路約七百二十キロメートルにおいて、路面のひび割れ率や凹凸の状況を数値化して評価する路面性状調査を実施しているところです。この調査は、舗装の更新計画を作成するための調査でありますが、この調査結果において路面に変状があらわれていて、路面陥没が疑われる箇所については、局所的に詳細な調査を実施したいというふうに考えております。蓄積された道路ストックは膨大な範囲に及びますが、今後とも合理的、効率的な維持管理を行い、道路の安全・安心を確保するための努力を重ねてまいりたいと思います。

 以上でございます。



○副議長(井岡正徳) 冨岡教育長。



◎教育長(冨岡將人) (登壇)三番大国議員のご質問にお答えいたします。私には二点でございます。

 一点目は、学校における防災対策について、紀伊半島大水害以後、防災教育はどのように行われてきたのか、また、緊急地震速報が発表された際の学校での情報伝達と初期避難行動を徹底させることについて、どのように取り組んでいくのかのご質問でございます。

 まず、防災教育について、県教育委員会では平成二十四年度から、公立の幼・小・中・高の学校に対して、安全教育の中核として安全担当教員を明確に位置づけ、次に、県教育委員会主催の研修会で、子どもたちがみずからの命を守り抜く力を育成することを目的に、この安全担当教員全員を集め、指導力の向上を図ったところでございます。各学校における具体の対応としましては、安全担当教員を中核として、火災や自然災害を想定した避難訓練を実施し、実践的な防災能力を高めております。また、地域の自然環境や自然災害発生のメカニズムを理解し、状況に応じてみずから安全な行動がとれる能力等を身につける防災教育を実施しており、平成二十二年度に公立学校の四八%の実施率が昨年度は七七・三%に増加しており、避難訓練の実施とあわせて実効ある取り組みを行えたと考えているところでございます。

 また、地域と連携した取り組みといたしましては、生徒の判断力を向上させ、みずから行動できる防災教育をテーマとして、五條市の中学校で、自治会や保護者と連携して、宿泊を伴う避難所体験訓練を実施したことから、これを県教育委員会の学校防災教室において、地域ぐるみの実践例として、この成果や課題を各学校に紹介し、地域と一体化した取り組みを推進しているところでございます。

 次に、緊急地震速報が発表された際の学校の対応については、まず、校長、教頭等を中心とした全教職員で、速報受信から伝達までの体制を組織化することが肝要と考えており、具体的には、携帯電話などにより速報を受信した教職員が直ちに校内一斉放送で知らせ、命を守るための初期避難行動を指示することの徹底を組織対応していくことだと考えます。現在、県教育委員会では、このような対応内容をベースとして、十月中をめどにマニュアル化し、研修会等を通じ県立学校に周知し、市町村教育委員会にも参考として数部を配布するとともに、市町村でのマニュアル策定にも協力してまいる所存でございます。

 二点目は、いじめ対策について、どのように取り組んでいるのか、また、新たに施行されるいじめ防止対策推進法の制定を経て、今後どのように取り組んでいくのかのお尋ねでございます。

 いじめ対策への取り組みにつきましては、昨年十二月に日本生徒指導学会会長で、現在国のいじめ防止基本方針策定協議会の座長でおられます森田洋司先生を中心に策定いただいたいじめ早期発見・早期対応マニュアルを、私立学校を含めた県内全ての教員に配布し、県内市町村教育委員会及び小・中・高等学校などの担当者を集めた緊急連絡会議で周知するとともに、マニュアルを活用した校内研修の実施を求め、学校及び教員のいじめ問題への対応力の向上を図ってきたところでございます。現在は、このマニュアルと、平成二十一年に策定しました事例から学ぶいじめ対応集を併用し、市町村教育委員会や各学校からの要請に応じて、周知、解説に担当指導主事が、十二月以降現在までに約六十回程度出向いているところでございます。

 一方、いじめの根本対応としましては、ふれあいフェスタなどの命の教育や奈良県郷土資料を活用した道徳教育等を通じて、児童生徒の規範意識や社会性の向上に努めているところでございます。今後、いじめ防止対策推進法に基づく国のいじめ防止基本方針を受け、私立学校担当の地域振興部とも連携しながら、県の基本方針の策定やいじめ問題対策連絡協議会の設置等について検討を進めていきたいと考えています。加えて、いじめを受けている児童生徒の様子や学校としての取り組みを記録いたします個人別生活カードを、国の基本方針や取り扱い方法などを踏まえまして、十一月をめどに県内全ての学校に示す予定としております。

 今後とも、いじめは重大な人権侵害であるとの認識のもと、総合的かつ効果的な取り組みを推進してまいる所存でございます。

 以上でございます。



○副議長(井岡正徳) 三番大国正博議員。



◆三番(大国正博) 知事並びに大庭県土マネジメント部長、そして冨岡教育長、それぞれご答弁をいただきましてありがとうございます。おおむね理解をさせていただきました。あと少し時間がございますので、少し感想、あるいは要望等も行いたいと思います。

 最初に、地域防災計画の中で、今自然災害と言われるゲリラ豪雨やいわゆる竜巻などの災害に対しての取り組みというものも防災計画の見直しの中に入れていただくということでございます。先般の竜巻のニュース等を見ておりまして、怪しい風が吹いてきたと思って、やっぱり時間のない中で、いかに自分がみずからの命を守る行動をとれるかどうかということが映し出されておりました。とっさに家の中に駆け込まれる方、とっさに多分避難所に行かれた方もいらっしゃるかもわかりません。さまざまな気象条件の変化をいかに自分が察知をして行動がとれるのかという、ここが非常に市町村との連携も必要だと思いますけれども、非常に大事な視点だなと思いますので、そこの自助に対する、県民お一人お一人の自助に対するその必要な情報と、それから備えというものをこれからどんどん発信をお願いしたいと思います。多分、今竜巻が来たときに、あなたはどうすると言われたときに、すぐに対応できる人というのは、全ての人がそうではないというふうな気がいたしますので、とっさの判断ができますように、私たちもしっかりとまた勉強していきたいと思います。

 二つ目の、健康長寿日本一の取り組みでございますが、静岡県の取り組みが全て奈良県に当てはまるかといえば、そうではないとは思いますけれども、川勝知事が五年前に指示をされて取り組まれてきて、研究をされて、いよいよそれが軌道に乗ってきたというところで、勉強に行って参りました。

 一つは、自身自身の、第一問目でも申し上げましたように、自分の健康状態、体調というものをまず見える化すること、いわゆる自分の状況はどうなんだということを自分で知ることが、私は非常に大事だなと思いました。自分でも、体組成計ではかっていただきましたけれども、若干肥満の数字が出ておりまして、ちょっとショックな数字でございました。だけど、静岡県の職員さんからは、三カ月後、もう一度いらっしゃいというふうに言われました。やはりそういうふうに自分の体調、あるいは健康状態、体の管理というものを数字であらわすと、いや、何とかせなあかんというふうに思った次第でございますので、まずこの見える化というものが大事だと思います。もう一つは、知事がおっしゃいました、関心のない方をいかに、この健康長寿の取り組みの中に加わっていただくかというのが非常に重要だと思います。各計画がぶら下がっていて、それを回すことも非常にこれは大事だと思いますけれども、例えば静岡県がやっていらっしゃるようなマイレージというものをポイント化をして、皆さんが楽しんで、自分がこれだけ頑張ったからこれだけのポイントがたまっている、そのカードを持って、例えばおすし屋さんに行って、静岡の新鮮な魚を一皿プレゼントとか、あと、健診の受診料の何%オフとか、また、静岡茶一杯無料とか、非常に、要は地産地消、そして健康にいいものをここに組み合わせていらっしゃったというのは、非常に私は有意義なことだなと思いました。だから、そういうふうなことを考えますと、奈良県もお茶が有名ですし、また大和野菜という奈良県も大きなブランドを持っていますし、さまざまに奈良県も静岡県に負けないいいものがたくさんありますので、有意義にそういうようなものを今後の研究次第では使っていただいて、大いにこういう経済の活性、あるいは県内消費の拡大につなげていただければ非常にありがたいかなと思います。何かそういうふうな楽しみがあればいいんじゃないかなと。

 もう一つは、静岡県がこの33プロジェクトの中で、三という文字にこだわっていらっしゃいました。三人で取り組むことが必要だと。一人ではなかなかできません。二人やったら、話し合って、もう、ちょっときょうはやめておこうやというふうになるわけですが、三人になると、一人は必ず正義の人がおられまして、いやいや、そうは言わずに、きょうはちょっとここまでやりましょうというようなことが、二人ではなく、四人ではなく、三人がベストだということも調査をされて、33プロジェクトということを決められたようでございます。だから、仲間で、ご近所の方々と無理なくそういった健康づくりを一緒にやりましょう、そしたら、いろんなポイントもたまるし、何か楽しいですよというような、もう少し何か県民の皆さんに、今後はそういった少し工夫が必要かなと思うんですけども、何か知事のアイデアがありましたら、答弁をお願いしたいと思います。

 あと、救急医療体制については、非常に重要な問題です。最近も私の身近で、受け入れ先が決まらずに残念な結果になった方がいらっしゃいました。個別の症状はさまざまでございますので、申し上げませんけれども、そういったことを含めると、やっぱり断らない病院という言葉の重みというものを私は非常に感じさせていただいたところでございます。今、厚生労働省等で来年の概算要求をされている全国百カ所の断らない病院、二次救急医療機関を百カ所つくるというような要求もされているようでございますが、ぜひとも、県のこの三次救急の病院だけではなく、市町村、あるいは二次救急病院の充実というものをしっかりとお願いしたいと思います。

 また、e‐MATCHについては、しっかりまた知事も検証していただけるということでございます。

 近鉄大和西大寺駅については、非常に難しいものだと承知をしつつも、質問をさせていただきました。荒井知事であるがゆえに、私たち住民も期待をさせていただいております。何とかちょっとでも前進できればという願いを込めて、今回も質問をさせていただいた次第でございます。

 次に、大庭県土マネジメント部長には、道路の整備、あるいは道路の点検ということで今進めていただいております。私の趣旨は酌み取っていただいたと思いますけれども、道路の整備点検ということでは、きょうの朝、残念なことに京都府内で、児童生徒の登校の列にスポーツカーが突っ込むという、あってはならない事故がありました。これを夕方の先ほどのニュースで見ていますと、現場は以前にも交通事故があり、近隣住民の間では危険性が指摘されていた。毎朝たくさんの子どもが通るのに、前にも事故があって、危ないと思っていた、しっかりとしたガードレールをつけてほしいと要望していたと、こんな話が出てきております。ぜひとも、危険箇所、また今、県土マネジメント部では通学路の安全対策等もやっていただいておりますけれども、こういったことも含めて要望をさせていただきます。

 教育長、最後によろしくお願いします。特に緊急地震速報、恐らく先生方が情報をとられて、慌てて職員室に行かれるなり、その場にいて、的確に放送室で全生徒に呼びかけられるかどうかという検証もしていただいて、これはもう待ったなしの話でございますので、ぜひともまた、その進捗等もお聞かせ願えればと思っております。

 以上でございます。



○副議長(井岡正徳) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) いろいろ示唆に富むご発言をされておられて、ぼうっと聞いておりましたが、三が大事だとおっしゃっているのは、やはり政治でも第三極が大事なのかとおっしゃっているのかなといった、(笑声)とても関係のない感想を浮かべながら聞いておりましたので、そのところからはあまりイメージが湧かなかったんですが、もう一つは、マイレージとおっしゃったところは、やはり健康にはご褒美が要るんだろうなと、いろいろ健康に努めるのには、特に高齢者になりますと、何かのご褒美があれば励ましということであるかもしれませんが、ご褒美があればいいのかなといって、これは多少工夫ができる面があるのかなというふうに思いましたが、さらに、健康はだれのためか、自分のためであるんですけど、自分のためだけだと言われると、もういいやという気持ちにもなる人情もございますので、これは本人のためじゃなしに、社会への義務だという人もおります。健康を維持するのは義務だと、健康でないと迷惑を随分周りの人にも国家にもかけるわけでございますので、健康維持は義務だと、こういうふうにおっしゃる人もおられたなと思って、しかし、義務を実行してもらうのは、ご褒美よりも強制というような言葉を思いつくんですけれども、健康を強制でするのは至難のわざでございますが、強制という言葉を使うのは不適切かもしれませんが、とにかく、しつこくても家から引っ張り出して、世の中へ出て楽しく過ごしてもらう、外に出てきてもらうというような社会の仕組みというのも、これからは大事かなというふうな、そのような、ちょっととりとめない感想を持ちながら聞いておりましたので、ちょっとご意見と言われても恥ずかしいような感想でございましたので、これで勘弁していただきたいと思います。



○副議長(井岡正徳) 三番大国正博議員。



◆三番(大国正博) では、またいろいろ私も勉強して、また提案をさせていただきたいと思います。本当にありがとうございました。

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



○副議長(井岡正徳) 十五番森山賀文議員。



◆十五番(森山賀文) 本日はこれをもって散会されんことの動議を提出します。



○副議長(井岡正徳) お諮りします。

 十五番森山賀文議員のただいまの動議のとおり決することに、ご異議ありませんか。

     (「異議なし」の声起こる)

 それでは、さように決し、明、九月二十五日の日程は当局に対する代表質問及び一般質問とすることとし、本日はこれをもって散会します。



△午後五時四分散会