議事ロックス -地方議会議事録検索-


奈良県 奈良県

平成25年  9月 定例会(第312回) 09月20日−02号




平成25年  9月 定例会(第312回) − 09月20日−02号







平成25年  9月 定例会(第312回)



 平成二十五年

        第三百十二回定例奈良県議会会議録

 九月

    平成二十五年九月二十日(金曜日)午後一時二分開議

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

          出席議員(四十三名)

        一番 宮木健一          二番 井岡正徳

        三番 大国正博          四番 阪口 保

        五番 猪奥美里          六番 尾崎充典

        七番 藤野良次          八番 太田 敦

        九番 小林照代         一〇番 大坪宏通

       一一番 田中惟允         一二番 岡 史朗

       一三番 畭 真夕美        一四番 欠員

       一五番 森山賀文         一六番 宮本次郎

       一七番 山村幸穂         一八番 乾 浩之

       一九番 松尾勇臣         二〇番 上田 悟

       二一番 中野雅史         二二番 神田加津代

       二三番 安井宏一         二四番 奥山博康

       二五番 荻田義雄         二六番 岩田国夫

       二七番 森川喜之         二八番 高柳忠夫

       二九番 今井光子         三〇番 和田恵治

       三一番 山本進章         三二番 国中憲治

       三三番 辻本黎士         三四番 米田忠則

       三五番 出口武男         三六番 新谷紘一

       三七番 粒谷友示         三八番 秋本登志嗣

       三九番 小泉米造         四〇番 中村 昭

       四一番 藤本昭広         四二番 山下 力

       四三番 梶川虔二         四四番 川口正志

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

        議事日程

一、当局に対する代表質問

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



○議長(山下力) これより本日の会議を開きます。

 会議時間を午後六時まで延長します。

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



○議長(山下力) ただいまより当局に対する代表質問を行います。

 順位に従い、二十二番神田加津代議員に発言を許します。−−二十二番神田加津代議員。(拍手)



◆二十二番(神田加津代) (登壇)皆様、こんにちは。自由民主党の神田加津代でございます。ただいまから、自由民主党を代表いたしまして代表質問をさせていただきますが、その前にちょっとだけ、九月八日未明に決定いたしました東京オリンピックについて、あのテレビを見ていて感じたことを少しだけお話しさせていただきたいと思います。

 九月八日未明、二〇二〇年夏季オリンピック・パラリンピックの開催が東京と決まりました。本当にすばらしい。日本中が喜びで沸いておりましたけれども、あの場面を見て感じました。最近の日本というのは何か個人主義、そういうものが強くなっている中で、国民一人ひとりも、ぎすぎすした、そんな心を持つことが多くなっているように感じていた中で、この東京オリンピックの決定は、そういう私たちのぎすぎすした心を一つにして、これから七年間しっかりとその目的に向かって力を合わせていける、すばらしい機会を与えてもらったなという、そういう喜びで、またこれもいっぱいでございました。アベノミクスによる日本再生に取り組む安倍首相にとって、オリンピック・パラリンピック開催への七年間は我が国の新たな国づくりにとって重要な時期となり、まさに心を一つにして将来を切り開くきっかけとなるでしょう。その意味でも、よく言われる失われた二十年を取り戻す絶好の機会だとも理解しております。このオリンピックを機会に、奈良県にもすばらしい、観光客や、また振興につながる、そういう影響がありますことを願って、また期待をしているところでございます。そういうことを申し上げて、代表質問をさせていただきたいと思います。

 まず、全国豊かな海づくり大会の開催についてお伺いいたします。

 昨日の知事定例記者会見で、平成二十六年秋に本県で開催される第三十四回全国豊かな海づくり大会の開催場所が、大淀町と川上村に決定したとの発表があったところです。全国豊かな海づくり大会は、全国植樹祭、国民体育大会とで三大行幸啓と呼ばれ、通例では、天皇・皇后両陛下ご臨席のもとに昭和五十六年から毎年各地で開催されている国民的行事であります。最初、奈良県で全国豊かな海づくり大会を開催することを聞いたとき、本県には海はなくても、豊かな森林と、そして川があり、海を育てる水循環の形成を広く伝えられる、そういう大会が開催できるのではないかと期待感を持ちました。そして、海づくり大会のコスチュームを身にまとったせんとくんの「豊かな海づくりは、山づくりと里づくり」、「山と里を愛し、川の水を守ることが豊かな海をつくること」というコメントや大会テーマを見るにつけ、山、川、海の健全な水循環の大切さを認識し、豊かな山、川を守り、育てていく気持ちを伝えていくことが、海のない奈良県での開催の必要性と確信いたしています。

 今回、開催場所に決まった大淀町は、古代の人々が飛鳥から吉野へ入る玄関口として栄えてきた町であり、川上村は、吉野川の源流を守り育てる村として、また本年三月に、半世紀を費やした大滝ダムが竣工したところであります。この大会の開催を契機として、より一層の県南部地域の振興が図られることを期待しているところでございます。あわせて、ことし四月に橿原市の耳成高等学校跡地にオープンしたJAならけんのまほろばキッチンも、中南和地域の活性化を図る上で重要な観光情報発信の拠点施設です。この施設が、県内外から大会に参加いただく方々や県民の皆様へのおもてなしの拠点となればと願っています。

 話は少し違いますが、先ほども申し上げました、過日の二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックが決定したIOC総会の最終投票直前に行われたプレゼンテーションで、滝川クリステルさんが、おもてなしについてすばらしいスピーチをされていました。このプレゼンテーションは、国外に向けてのものですが、全国豊かな海づくり大会に県内外からお迎えする多くの参加者にも、奈良県民として、このおもてなしは当てはまると思います。奈良へ来てよかった、また奈良に来たいという、すばらしいおもてなし、まさに知事がいつもおっしゃっている、このおもてなしができる大会として開催されることを望みます。

 また、平成二十四年九月議会の一般質問でも要望させていただきましたが、本県のような海のない県でも、海水を使わないで海の魚を養殖することができます。岡山理科大学の山本俊政准教授が研究開発された好適環境水を使えば、海水を使わなくても海水魚の養殖ができ、新たな産業として、地域経済の振興や雇用促進にも役立つと考えます。まだまだ解決する問題はあると聞いておりますが、全国豊かな海づくり大会を契機に、県として引き続き調査研究されることを改めて要望させていただきます。

 そこで質問いたします。海のない本県での全国豊かな海づくり大会の開催は、あまりなじみのないことから、開催に向けての機運醸成も大切だと思います。また、大会参加者へのおもてなしも含め、どのような大会にしていこうと考えられているのか、これまでと、また今後の取り組みについて、知事にお伺いいたします。

 次に、紀伊半島大水害からの復旧・復興についてお伺いします。

 奈良県の南部・東部地域に大きな被害をもたらした紀伊半島大水害から早くも二年余りたちました。この大水害では十四名のとうとい命が奪われ、まだ十名の方々が行方不明となっております。改めて、亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、今もなお、行方のわからない方々のご家族をはじめ、被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。

 さて、この大水害からの復旧・復興については、これまで県政の最重要課題の一つとして取り組まれてきました。道路や河川、砂防、農地、林道といったインフラ関係の復旧工事が目に見えて進むなど、着実に復旧・復興が進められていることに敬意を表する次第です。一方で、多くの方々が依然として応急仮設住宅などで避難生活を送られています。大規模な山腹崩壊であったため、集落の安全性を確保するための対策工事などに相当の時間を要することは承知しています。それでも、一日も早く、避難されている方々が自宅に戻る、あるいは新しい住居に移り避難生活が解消されることを切に願うところであります。また、こうした避難者の早期帰宅の課題に加え、将来を見据えた復興に向けた取り組みも今後の大きな課題となるのではないでしょうか。この大水害が、従来から地域の課題であった過疎化、高齢化に拍車をかけ、地域の元気がますますなくなるのではないかと危惧されるところです。

 幸いにも、南部・東部地域には、雄大な自然や歴史など魅力ある地域資源が数多くあります。また、都市部にはない地域の強いきずなもあります。こうした地域資源などを活用し、大きなダメージを受けた被災地域が、五年後、十年後、そしてその先の未来に向かって、元気に希望を持って暮らし続けることができる地域へと復興していくよう、引き続き関係者が連携して取り組みを進めていただきたいと考えています。

 そこで、知事にお伺いします。被災から二年が経過した紀伊半島大水害の復旧・復興について、現在の進捗状況や今後の取り組みについて説明いただきたいと思います。特に、今なお避難されている方々の今後の帰宅の目途についてお伺いしたいと思います。

 次に、女性が輝く奈良県づくりについてお伺いします。

 女性が輝いているとは、女性が自分の能力を最大限に発揮して生き生きと活躍していること、そして、次のステップを目指し、新しい活躍の場のために希望を持って努力していることだと考えます。昨年十二月に発足した第二次安倍内閣では、長期にわたるデフレと景気低迷からの脱却を最優先課題に、相互に補完し合う関係にある三本の矢、いわゆるアベノミクスを推進しており、その第三の矢である新たな成長戦略の中核として、女性の活躍が位置づけられています。日本の再興には、女性が輝いている必要があるということです。

 そして、奈良県のさらなる発展にも、あらゆる分野での女性の活躍が不可欠であると考えます。少子化などの影響により、奈良県の人口は平成十二年以降十三年連続で減少しており、今後も十五歳から六十四歳までの生産年齢人口の減少が予想されるところです。奈良県の地域社会や経済社会を支えていくためには、女性の新たな力が求められています。家庭に専念して子育てに力を尽くしていらっしゃる方々にも、次のステップとして、社会に参画し、その中で活躍してほしいと考えます。例えば、音楽や芸術、文化などの県のイベントにもより積極的に参加し、みずからの眠っている感性やセンスを磨くことも、女性が輝く奈良県づくりにつながっていくのではないでしょうか。

 女性の活躍の現状を見てみますと、平成二十四年十二月に作成された全国女性の参画マップでは、会社役員、管理的公務員等の管理職に占める女性の割合は、全国平均が一一・九%で、奈良県は一一・四%であり、自治会長に占める女性の割合については、全国平均が四・四%で、奈良県は六・一%、都道府県議会議員に占める女性の割合については、全国平均が八・六%で、奈良県は一四・〇%となっています。このように、奈良県の女性はさまざまな分野で能力を発揮し、活躍をしています。しかし、経済分野における女性の活躍をはかる重要な指標である就業率は、昭和五十年以来ずっと全国最下位であり、平成二十二年の国勢調査でも、全国平均四七・一%のところ、奈良県は四〇・九%となっています。奈良県の女性の能力は、特に就労や経済活動ではまだまだ生かされていないと考えられるのではないでしょうか。

 女性が働くということは、女性の社会参画を進めるという観点からも大変重要ですし、夫婦で働くということは、万一、夫婦のどちらかが病気やけがなどで働けなくなったときのための、生活のセーフティーネットとしても重要な意味を持ちます。また、それだけではなく、女性の就労を進め、経済的自立を進めることは、消費の拡大にもつながりますので、奈良県の経済分野における発展にも必要であると考えます。

 平成二十四年の就業構造基本調査によりますと、平成十九年から二十四年までの五年間に、奈良県の二十五歳から四十四歳までの女性のうち、一万一千八百人が出産・育児のために離職しています。そして、その後の再就職が進まないことが、奈良県の女性の就業率を下げる原因の一つとなっており、経験と能力を持つ女性の再就職が進まないことは非常に残念なことです。同じ調査において、奈良県の二十五歳から四十九歳までの無業の有配偶女性六万六百人のうち、約六割の三万六千二百人が就業を希望されているのです。しかし、現実には、県外就業率の高さや男性の長時間労働など、仕事と家庭を両立させるには課題が多いのが現状です。県の取り組むべき課題は、子育てしながら就労の場に復帰し、活躍できる環境の整備ではないでしょうか。

 そこで、知事にお伺いします。奈良県が今後もさらに発展していくためには、奈良県の女性が輝いていることが必要だと考えますが、その実現には、とりわけ女性の就労支援が重要と考えます。県として女性の就労をどのように支援していこうと考えておられるのか、お伺いします。

 続いて、地域の防犯力の向上についてお伺いいたします。

 奈良県では、日本一安全で安心して暮らせる県を目指しているとお聞きしています。県内の刑法犯認知件数は、戦後最悪であった平成十四年の三万二千十七件から年々減少し、昨年は一万二千百七十件と平成十四年の約三八%まで減少しています。しかし、その一万二千百七十件の刑法犯の内容ですが、自転車盗、オートバイ盗、車上狙い、万引き等のいわゆるゲートウエー犯罪と呼ばれる入り口犯罪が全体の五一%を占めているのが現状です。これらの犯罪は、規範意識の欠如が原因となって生み出されるものと考えられております。アメリカから入ってきた考え方ですが、割れ窓理論というものをご存じのことと思います。建物の窓が壊れているのを放置すると、誰も注意を払っていないという象徴になり、やがて他の窓も間もなく全て破壊されるという考え方で、軽微な犯罪を放置すると地域のモラルが低下し、それがさらに環境を悪化させ、凶悪犯罪を含めた犯罪が多発するようになるということです。

 本県においても、これらの入り口犯罪を放置することは、社会の規範意識を失わせ、凶悪犯罪を生み出す大きな要因となることが懸念され、決して見過ごすことのできない問題と考えております。また、女性や子どもに対するつきまといや、わいせつ事案の占める割合も依然として高い状況にあります。これらも極めて卑劣な犯罪と言わざるを得ません。起こってしまった犯罪に対処することはもちろん大切なことですが、犯罪を起こさないために、犯罪者を生み出さない、寄せつけない、そういう防犯環境を整備していくことが急務であると考えます。

 県民へのアンケート調査に目を向けると、ここ数年来、刑法犯そのものが減少しているにもかかわらず、住民の体感治安は向上しているとは言えず、住民の治安に対する不安が拭えていないという状況もうかがえます。現実に私の住む橿原市五条野町でも、高齢者を狙ったひったくり事件が何度か発生し、住民の皆さんは今も不安な気持ちで日々過ごしておられます。地域の犯罪情勢や社会構造が変化する中で、地域住民等と連携し、すきのない防犯対策に取り組む基盤づくりが何より大切です。そのためには、行政機関、警察はもとより、地元自治会、PTA、事業所など、地域住民が連携を密にし、地域の防犯力を高めていかなければなりません。そして、そのことが住民の規範意識を向上させるとともに、誰もが安心して暮らせる住みよいまちづくりにつながるものと確信しています。県内の地域の防犯力を高めていくために、県行政としてどのような取り組みを行っていかれるのか、知事の所見をお伺いいたします。

 次に、保護観察対象者の雇用についてお伺いします。

 去る九月三日、知事は、保護観察対象者を奈良県の臨時職員として雇用すると発表されました。都道府県では全国初であり、社会復帰を目指す若者に働く場を提供するすばらしい取り組みであると感じたところです。

 昨今の我が国の経済状況は、内閣府の月例経済報告を見ても景気回復に向けた動きが見られ、雇用情勢は改善しているとの報告がなされています。しかし、地域経済においては景気回復の恩恵を受けるに至っておらず、現に、先般公表された平成二十五年七月の奈良県の有効求人倍率を見ても、〇・七九倍と、前月より〇・〇一ポイント上昇したものの、全国を〇・一五ポイント下回るなど依然厳しい状況にあり、安定した雇用の実現が強く望まれるところです。

 誰もが意欲と能力に応じて生き生きと働くことのできる社会、働く意欲がある方に働く場がある、そのような社会の実現を目指すことが大切ではないかと考えます。しかし、現実には、働く意欲がありながらも働くことができない方がおられます。保護観察中の方もそういう状況にあるのではないでしょうか。本年五月には、法務省が中央官庁で初めて保護観察対象者を雇用するという取り組みをされたところですが、保護観察中である若者が社会復帰を目指すため、仕事につくことは大変重要なことであると考えます。

 平成二十四年版犯罪白書によりますと、保護観察開始時の無職者数は約半数に上り、就労に関しての課題が挙げられています。例えば、仕事を探す際に、求人情報、雇用情報や自分に合った公的支援を見つけることができないことや、職業観に問題があることなどがあります。また、就労を継続することが困難な理由として、粘り強さや対人関係能力が不足していることや、規則正しい生活ができないことなど、本人の資質や態度に問題があり、少年については特にその傾向が強いとのことです。また、就労のために特に必要とされる支援として、保護観察対象者等を雇用し、または一緒に働くことに対する事業主や同僚等の理解が挙げられています。これらのことからも、就労するためには、本人が職業能力を身につけることはもちろんですが、周囲の理解を得て働くということが何より必要なことであると感じました。しかし、雇用情勢が好転しているにもかかわらず、刑務所からの出所者や保護観察対象者は、前歴や非行歴のために、その就労は一向に進んでいないのが現状ではないでしょうか。

 民間では、犯罪・非行の前歴等を理解した上で雇用し、改善更生に協力する事業主がいらっしゃるとのことです。奈良県内では百社ほどあると聞いています。また、関西では、飲食店や美容院など七社がプロジェクトを立ち上げ、少年院出院者や刑務所出所者を五年間で百人受け入れることを目指すなどのすばらしい取り組みが見られます。奈良家庭・少年友の会のお話では、事業主の理解が進んでいないとされていますので、今後もさらにこれらの取り組みを幅広く広げていただきたいと期待しています。一方で自治体での取り組みを見ますと、保護観察対象者を直接雇用する事例は、大阪市や吹田市など八つの市のみで、ごくわずかであるのが現状です。そのような中、奈良県で臨時職員として雇用されると伺いました。就労経験が少ない若者に働く場を提供し、県での就労経験を通じて民間企業などへの就職につなげ、社会復帰を支援する取り組みであるとのことでした。

 そこで、知事にお伺いします。保護観察対象者を雇用される狙いとともに、就労に向けてどのような支援をされるのか、とりわけ民間事業主への理解をどのように広げていかれるのか、お考えをお聞かせください。

 次に、小金打川の治水対策についてお伺いします。

 大和川流域では、曽我川や飛鳥川など主要な河川は、奈良盆地の底平地では築堤河川となっております。近年の気候変動の影響により、全国各地で集中豪雨が頻発しており、大規模な洪水が発生しておりますが、堤防が決壊して大きな被害が発生している映像をニュース等で見るたびに、大和川水系で同様の洪水が発生した場合には、堤防は大丈夫なのかと非常に心配になります。国土交通省の概算要求の主要項目として、大規模水害に備えた治水対策があります。内容は、抜本的な治水安全度の向上に大きく寄与する治水対策として、遊水地やダムの整備を重点的に進め、堤防の緊急点検や緊急対策などの予防的な治水対策を進めるというものです。奈良県の大和川流域では、亀の瀬の問題もあり、国直轄区間で遊水地の整備が検討されていますので、県としても国に整備促進を要望していただくとともに、堤防の点検や強化といった予防的な対策にも積極的に取り組んでいただきたいと思います。

 また、築堤河川は、合流する支川に内水湛水による被害の課題を抱えています。このような合流支川の一つである小金打川の治水対策について伺います。小金打川は、橿原市曲川町内を流れ大和高田市松塚において曽我川に合流しています。この小金打川は、川幅が狭く流下能力が不足しているため、溢水による道路冠水などの浸水被害が発生します。さらに、放流先の曽我川の水位が上昇した際に、曽我川からの逆流による被害を防止するための樋門が閉鎖されますが、これにより小金打川から排水できない雨水が湛水する内水被害が発生します。このような状況を受け、平成十七年度から小金打川の河川改修事業に着手していただいており、これまでに逆流防止樋門の改修や近鉄橋りょうの架けかえなどの工事を鋭意進めていただいていることには感謝をしております。しかしながら、現状は、一たび雨が降れば溢水により道路が寸断され、さらに雨が続くと広範囲にわたる内水被害が発生する状況は改善されておらず、地域住民は、小金打川の溢水被害の解消と内水被害の軽減が一日も早く実現することを望んでおります。そこで、小金打川の治水対策の進捗状況と今後の見通しについて、県土マネジメント部長にお伺いをします。

 最後に、リニア中央新幹線の東京−大阪間の全線同時開業について要望いたします。

 リニア中央新幹線の整備について、これは十八日の夜に発表がありましたが、東京−名古屋間の停車駅が決まったようでございますけれども、新幹線の整備について、建設・営業主体であるJR東海は、東京−名古屋間の開業が二〇二七年、名古屋−大阪間が二〇四五年と二段階施工を表明しています。十四年後には東京−名古屋間が四十分で結ばれ、首都圏と中部圏の交流・連携が活発化しますが、名古屋−大阪間の開業はさらに十八年後となります。企業の経済活動を考えると、この間に多くの企業が、奈良県内だけでなく、関西全体から名古屋以東に流出し、県経済、ひいては関西経済全体が地盤沈下するのではないかと懸念しています。

 六月に奈良県、三重県の経済団体が公表した調査報告書によりますと、リニア中央新幹線が大阪まで全線同時開業した場合、奈良県、三重県、大阪府の三府県の単年度経済波及効果は年間一・五兆円、名古屋までの部分開業と比較して一・七倍の経済効果があることが示されています。このように、リニア中央新幹線は、東京−大阪間の全線同時開業があって初めて、全国新幹線鉄道整備法で規定されている、国民経済の発展や国民生活領域の拡大、地域の振興といった当初の目的が達成され、その効果が発揮されるものです。このため、リニア中央新幹線の効果を県勢の発展に最大限生かすためにも、ルートや駅の位置が早期に確定され、全線同時開業につながるよう、国やJR東海に引き続き強く働きかけていただくことを知事に要望いたします。

 以上で壇上からの質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○議長(山下力) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)二十二番神田議員のご質問がございました。お答え申し上げます。

 第一問は、全国豊かな海づくり大会の開催についての、取り組みについてのご質問でございます。

 来年秋ごろに開催予定をしておりますが、全国豊かな海づくり大会につきましては、これまで、宮内庁や主催者であります豊かな海づくり推進委員会と開催場所などについて協議・調整を続けてまいりました。その協議の一部が整いまして、一昨日、奈良県実行委員会総会を開催させていただきました。大会名称につきましては、第三十四回全国豊かな海づくり大会「やまと」とするとともに、式典行事を大淀町内、放流・歓迎行事を川上村内で開催することに決定したところでございます。大会名称の「やまと」は、県内外において親しみやすい名称でございますとともに、やまとぢからを原動力として大会を成功させようという意味も込めております。今後、具体の開催日時や式典行事、放流・歓迎行事の会場をはじめ、サテライト会場、関連行事会場について、引き続き宮内庁及び豊かな海づくり推進委員会と調整を進めてまいりたいと考えております。

 さて、先に開催された県の事例におきましては、大会に少なくとも千人を超える方々が全国から参加をされます。議員お述べのおもてなしは、この大会においてとりわけ重要なことでございます。大会開催の基本方針の一つとして、奈良の魅力発信と奈良ならではの心のこもった大会の開催を掲げております。

 具体的な取り組みとして心得ておきたい点でございますが、一つには、式典行事などにおいて本県の他に比類のない歴史文化の紹介をするというようなこと、また、奈良を堪能していただく観光プランの提供をするというようなこと、また、奈良を思い出していただける参加記念品の作製、また、奈良のおいしい食を味わっていただくための県産の食材を使用しました大会弁当の提供、また、お迎えする大会関係者のホスピタリティーの充実などに心を配っていきたいと思っております。

 また、奈良県には海がございませんので、豊かな海づくり大会というのはなじみが薄いわけでございます。機運醸成は大変重要だと認識をしております。これまで、県の魚として金魚、アユ、アマゴが制定されましたが、大会テーマにつきましては、県内外から広く募集しまして応募総数は一千百六十九点ございましたが、その中から「ゆたかなる 森がはぐくむ 川と海」というテーマに決定しております。また、大会キャラクターにせんとくんを活用する、また、豊かな海づくりバージョンのせんとくんでございますが、各種イベントの場でPR活動を既に行っております。

 この秋から一年前プレイベントを開催いたしますが、この十月十二日には五條市において、伝統漁法やな漁を体験することを実施いたします。また、十一月九日、十日に橿原市のまほろばキッチンにおきまして、大会テーマ入賞作品等の表彰やアトラクションなどを実施いたします。また、十一月二十三日、二十四日に川上村において、南部地域産業復興推進大会なんゆう祭とあわせて、放流イベントなどを実施いたします。その他、県下の各河川においてアユ、アマゴ、フナのリレー放流を実施するなど、一層の機運醸成に努めてまいりたいと考えております。

 「海は川に育てられ、川は山に育てられる」との言葉がございますが、海のない本県では、とりわけ大変意味のある言葉でございます。開催テーマにもなっているこのメッセージを広く県民に周知していただくとともに、大切な大会でございますので、幅広く関係団体、関係機関のご協力をいただきながら万全の体制で、心して準備を進めていきたいと考えております。

 二問目のご質問は、紀伊半島大水害からの復旧・復興の状況についてのご質問でございました。

 紀伊半島大水害の発生から早くも二年が経過いたしました。改めて、被災された方々にお見舞いを申し上げたいと思います。

 大水害からの復旧・復興につきましては、これまで被災地域の迅速な立ち直りを目指し、全力で取り組んでまいりました。その復旧状況でございますが、まずインフラ関係につきましては、道路の災害復旧事業の八六%の箇所で既に工事が完了し、残る箇所も今年度末までにほぼ完了する見込みになっております。このほか、河川、砂防、治山、林道などの復旧工事もおおむね計画どおりに進捗をしております。

 なお、先日、台風十八号においても、道路や河川など県内各所で被災いたしました。とりわけ国道一六八号の道路部分の崩落がございまして、地元の方に不便をかけております。片道通行で今は対処をしておりますが、被災状況の把握やその早期の復旧に全力で対応していきたいと思います。

 次に、産業や観光業についての復興でございますが、金融支援やプレミアム宿泊旅行券の発行などにより、被災事業者などを支援させていただきました。その成果として、再建意欲のある被災事業者のうち、九割以上が既に事業を再開されております。また、被災直後は大きく減少いたしました南部・東部地域の宿泊客数も、平成二十四年は、被災前の平成二十二年を三%程度上回る水準に回復しておりますが、平成二十五年に入りましても、この一月から三月までの速報値でございますが、前年をさらに九%上回る宿泊客数となっております。

 このような面を見ますと、着実に復旧は進んでおりますが、今後は、被災地域をこれまで以上に元気にしていくための復興に向けた取り組みがより重要になると考えております。復興に向けた取り組み事例といたしましては、五條市大塔町で進められている、おおとう元気会議などがございます。これは、地域住民を主体に、県、市、関係団体などが参画した協議会で、地域で暮らし続けるための仕組みづくりを目指した検討が行われておるわけでございますが、地域の方々のニーズを踏まえた、高齢者の見守り活動や配食サービス、買い物バスツアーなどさまざまな新しい取り組みが進められております。こうした地域を元気にする取り組みは、他の被災地域へも普及していきたいと考えています。

 このほか、災害に強いインフラづくり、産業・雇用の創出、監視・警戒・避難のシステムづくり、ふるさと復興協力隊の配置など、被災地域の方々に復興を実感していただけるよう、今後とも、住民の方々の声をしっかり聞いて、市村とも連帯して取り組みを進めてまいる所存でございます。

 また、議員が重要課題としてご指摘になりました、避難された方々の早期帰宅でございます。県としても、これまで最優先課題として取り組みを進めてまいりました。被災直後のピーク時には三百五十九世帯九百三十八人の避難者がおられました。本年の九月六日、二年半たちました時点で九十五世帯百九十七人まで減少いたしました。現在避難されているこれらの方々についても、遅くとも来年六月末までに全て帰宅が可能になると考えております。

 具体的に申し上げますと、来年三月末までには、五條市辻堂地区や野迫川村北股地区で現在進めております砂防工事のうち堰堤工が完成いたします。また、十津川村を含めた三市村が行う復興住宅建設がこの時点で完了いたします。これによりまして、八十二世帯百七十七名の方々が帰宅可能になります。また、少しおくれますが、六月末までには五條市飛養曽・引土地区の市道の復旧工事がようやく完成いたします。残り十三世帯二十名の方々につきましても帰宅可能になる見込みでございます。

 なお、避難されている方々が帰宅可能となるまでは、人道的見地から、応急仮設住宅の使用期限を延長し、住まいをご提供したいと思っております。そのための補正予算案を本議会に提案させていただいているところでございます。引き続き、全ての避難者の方々に一日も早いご帰宅がかないますように、最優先課題として取り組んでまいりたいと思っております。

 次のご質問は、女性が輝く奈良県づくりの考え方についてでございます。

 今後の奈良県の発展のためには、議員お述べのとおり、女性が輝いていることが必要でございます。女性がライフステージの各段階で自信と誇りを持った生き方を選択し、地域や家庭、就労の場などにおいて意欲と能力を十分に発揮していただくことが大事でございます。ならビューティフルシニアのイベントでは、後期高齢者というのを光り輝く高齢者ですとおっしゃった方がおられました。文化芸術も含めさまざまな分野で活躍し、輝いていただくことで、奈良県の地域や経済の活動が活発になり、発展していくものと確信をしております。

 女性が就労の場で活躍される意味でございますが、少子高齢化に伴い減少する労働力を補うという意味ももちろんございますが、女性の新しい視点を生かした商品開発、消費の拡大など、奈良県経済の活性化に一翼を担っていただくということも重要だと思います。そのためには、女性の就労が大事でございますが、就労率、就業率は全国で今のところ一番低いわけでございますが、どうしてだろうかということでございますが、男女ともに県外就業率が高く、通勤に長時間を要することが、仕事と家庭の両立を困難にし、奈良県の女性の就労を妨げているのではないかと思います。男性の通勤時間が長い場合でも女性の就労がおくれてしまうという調査の結果が出ております。

 県では、これまで女性の就労支援策としていろんな施策を実行してまいりました。例えば、結婚や子育てのため離職した女性の再就職支援、また、男女がともに働きやすい職場環境整備の推進、さらに保育所整備などでございますが、これらの成果もあったと思いますが、奈良県の女性就業率は向上しておりまして、徐々に全国との差が縮まってきている状況でございます。とりわけ若い世代ほど結婚・出産、子育て期の離職が減り、その後の再就職も進むという傾向が出ております。いわゆるM字カーブの解消が進み、現在無職である子育て世代の就職希望率も向上しております。M字カーブの落ち込みは全国のカーブにだんだん近似をしてきている、若い世代のほうが近似してきているという調査が出ております。

 女性の就業がさらに進むためには、職住近接の実現が重要でございます。県内における身近な就労の場の創出がとても大事だと思っております。また、女性は家事、育児、また介護など、いろんな役目を担っておられますので、働きの場所としても多様な働き方が必要でございます。その一つとして、資格や経験を生かした起業を目指す女性のニーズに応じた支援策も充実させていきたいと考えております。奈良に住んでおられる女性には能力のすぐれた方も多くおられると聞いております。例えば、語学の能力を生かして女性翻訳家を育成するなど、就労に結びつく人材養成の検討、事業の検討開始を検討し始めておりまして、これについては先日、国家戦略特区への提案の中に入れたものございます。今後とも、奈良県の女性が輝くための取り組みを積極的に進め、女性が生涯を通じてさまざまな分野で活躍できる奈良県の実現に努めてまいりたいと思っております。

 地域の防犯力向上についてのご質問がございました。

 議員がお述べになったことでございますが、県内の刑法犯認知件数全体は大きく減少しておりますが、ここ数年、万引きをはじめオートバイ・自転車盗、車上狙い等の犯罪が過半数を占める状態が続いております。こうした犯罪は、議員がお述べになった表現でございますが、入り口犯罪、ゲートウエー犯罪と呼ばれているものでございますが、このような犯罪は一人ひとりの規範意識の欠如が原因となって、軽い気持ちで引き起こされると考えられています。また一方、このような軽い気持ちで起こした犯罪が、より重大な犯罪の入り口になることも指摘されております。その意味で入り口犯罪、ゲートウエー犯罪と呼ばれているように思います。こうした犯罪を、軽い犯罪であっても放置せず抑止することが、刑法犯全体の減少のみならず凶悪犯罪の発生抑止にもつながるものと思います。このため、地域が防犯活動に取り組み、県、市町村、警察が一体となって密接に連携し、地域の規範意識を醸成していくことが極めて重要だと思います。犯罪者を生み出さない、寄せつけない防犯環境を整備していくことが、治安の向上だけでなく、その他の分野、地域の防災、交通安全にも連動するものと考えております。防犯は防災、交通安全につながるものだというふうに意識をしております。

 県では、犯罪が多発する地域の中から、市町村が選定した地域を地域防犯重点モデル地区として指定いたしまして、支援する事業を今年度新しく立ち上げました。モデル地区では、地元の自治会や市町村、PTAや警察などに県も加わりまして防犯協議会というものを設置いたしまして、犯罪多発場所などの地域安全マップの作成や、これを活用しての防犯パトロール、声かけ運動などにより、地域の安全を高めていくとともに、防犯カメラやセンサーライトといった防犯設備も設置し、ソフト、ハード両面での防犯対策に取り組んでいくつもりでございます。防犯重点モデル地区をトライしてみるという試みでございます。今年度におきましては、天理市の前栽駅前駐輪場をはじめ、生駒市の住宅地で二地区、大和高田市の片塩商店街、王寺町の王寺駅前北側の計五地区を指定したところでございます。いずれも県内で比較的犯罪率の高い、あるいは住宅への侵入窃盗が多いなど、先ほど議員お述べの入り口犯罪が多数頻発している地区でもございます。さらに次年度に向けましては、橿原市など数市町村から問い合わせが寄せられておりまして、こうした取り組みをさらに進めていくつもりでございます。

 また、今年度新たに、地域で自主防犯活動を行う事業所を奈良県地域の防犯サポート事業所として登録し、支援する体制を整えました。第一回登録証交付式をこの十一月に予定しておりますが、金融機関や大規模小売店、交通、インフラ等五十を超える事業所に登録をいただく見通しでございます。登録事業所には、子どもの通学路の登下校の見守りや、来店者に防犯情報を提供するなど、地域防犯に積極的に貢献していただくことを期待しております。サポート事業所が自主防犯組織とともに地域の防犯力を高める役割を果たせるよう、県としてもできるだけのご支援を行い、安心して暮らせる住みやすい奈良のまちづくりを目指していきたいと考えております。

 最後に、保護観察対象者の雇用の考えについてのご質問がございました。

 議員がご紹介いただきましたが、奈良県では、保護観察対象者、出所者でございますが、臨時雇用する取り組みを始めました。これは更生を決意し働く意欲のある若者に、県が地方政府として民間に率先して働く場を提供し、さらに次の就職へとつなぐことで、再び社会の一員として自立できるよう促すものでございます。

 法務省の資料によりますと、平成二十四年に奈良県内で保護観察を開始された方は四百一人おられますが、そのうち二百三十六人、六割近い方が無職でございます。働く意欲があっても、前歴等により就労機会が制約される現状は議員お述べのとおりでございます。また、犯罪白書を見ますと、保護観察対象者の再犯率は無職者が三六・三%でございます。これは、有職者の再犯率が七・四%と非常に低いのに比べますと、約五倍の高さとなっております。このことから、再犯を防ぎ更生をしていただくためには、職についていただくことが大変重要だというふうに考えられます。

 雇用する対象者は、家庭裁判所で保護観察処分となられた人や少年院からの仮退院を許された人でございますが、奈良保護観察所からの推薦を受けまして、県がその人の更生意欲を確認した上で、まず県が臨時雇用し、責任を持って必ず就職させ社会復帰をさせるという強い意思を持って、県の事業として取り組んでいきたいと考えております。社会復帰のためには寄り添った支援が必要だと言われております。県での就労は社会復帰の第一歩でございますが、職場や仕事に早くなじんでいただきますよう、保護観察所や担当保護司と連携して対象者に寄り添った支援をしてまいりたいと思っております。具体的には、社会で他人と交わり、ともに生活していくために必要な能力を身につけるための教育プログラムを県が準備したいと思っております。そのプログラムでは、民間事業所での実習やジョブカフェでのセミナー受講などにより、就職スキル訓練も行いたいと思っております。また、このプログラムの実践を通して、県も雇用者としての支援ノウハウを蓄積して、今後の臨時雇用の方々への寄り添う支援の充実につなげていきたいと考えております。社会人として基本的な姿勢を身につけ、一定期間働き続けられた実績を示すことで、民間事業者の方々にも、ともに働くことへの理解を促し、確実に就職につなげてまいる決意でございます。

 先日、保護観察対象者などの就労促進に向け、経済団体や民間事業者等との懇談会を開催いたしまして、また、意見を伺ったところでございます。この十一月には、出所者等を実際に雇用しておられる事業者を招いてシンポジウムを開催するなど、県民及び民間事業者の理解を一層広げてまいりたいと思います。加えまして、現在検討を進めているものでございますが、県の入札や契約などの条件を規定する公契約条例におきましても、出所者等を雇用する事業者を優遇することなども検討してまいりたいと考えているところでございます。

 私への質問は以上でございました。



○議長(山下力) 大庭県土マネジメント部長。



◎県土マネジメント部長(大庭孝之) (登壇)二十二番神田議員からの私へのご質問は、小金打川の改修の進捗状況と今後の見通しについてのご質問でございました。

 議員ご指摘のように、小金打川は、橿原市の曲川町を上流端として大和高田市の松塚地区で曽我川に合流する延長一・九キロメートルの一級河川でございます。この川は川幅が狭く、河床も浅いため、溢水被害が発生しやすく、曲川町の一部は浸水常襲地域となっております。このため、平成十七年度から、おおむね十年間に一回程度の降雨を安全に流すことを目標とした河川改修を進めています。この改修工事は、平成二十二年度に曽我川合流部付近の河川断面を広げるとともに、断面に合わせた逆流防止樋門の改修工事を完了いたしました。平成二十三年度からは近鉄橋りょう部の拡幅工事に着手しておりまして、今年度の完成を予定しております。また、旧高田東高等学校西側の南北区間まで用地買収を完了しております。引き続き上流への工事を進めてまいりたいと思っております。また、この小金打川からの水を流しやすくするために、合流する側の曽我川の合流地点から下流約一キロメートルの区間の河床掘削をする計画を進めております。こういたしますと、小金打川からの水も曽我川のほうに流れやすくなるということでございます。今年度からは井堰管理者との協議を始めております。今後とも、小金打川の治水対策を推進するため、用地買収や改修工事を推進してまいりたいと思っております。

 以上でございます。



○議長(山下力) 二十二番神田加津代議員。



◆二十二番(神田加津代) どうも知事、たくさんの答弁ありがとうございました。喉を痛めて、申しわけないです。私もじきに喉が痛くなるので、よくわかります。ありがとうございました。

 全国豊かな海づくり大会は、ご答弁をいただきましたように、この海のない県がどのような中身で開催されるのかなというのは、私の周りでも言っておられますけれども、国の三大行事ですので、決まっているところは決まっているので、そんなにはみ出た大会はできないと思いますけれども、おっしゃったように、海のない県だからこそできる、そういう特性を生かした大会になることを期待しております。私たちも、協力させていただくところはしっかりと協力をさせていただかなくてはと思っています。この大会が、やっぱり県南部地域が元気になり、そしてまた活性化なり、そして、この地域の観光客がふえること、そういうものにつながることを切に期待をしておりますので、よろしくお願いをしたいと思います。

 そして、紀伊半島大水害からの復旧・復興につきましては、文面でも申し上げましたように、本当に迅速に取り組んでいただきましたことは、その都度報告をいただいている中で感じさせていただいていることです。私も十津川村の仮設住宅に伺ったときに、おばあちゃんがおられて、本当ににこにこして、向こうから話しかけていただいて、そういう笑顔に接したときに、何かほっと救われる思いがして、ああ、復興をしっかりとまた県で言わないかんなという思いに駆られておりましたので、引き続きよろしくお取り組みをいただきたいと思います。

 そして、ちょっと大きく出ました、女性が輝く奈良県づくり、この間からいろいろと質問に関して県の担当の方が来ていただきました。その中に、三人来てくれはったら大体一人は女性だったんですよね。みんなしっかりしてはって、なかなかきれいでセンスもよくてという方が多かったんです。持ち上げているわけじゃないんですよ。本当にそう思ったんです。だから、やっぱり仕事を持っておられる方々は自分に自信を持って、しっかりと表現して、相手にしっかり伝わるように言ってくれはるなという思いで、本当に今回そう思ったんです。だから、こういう女性がやっぱりしっかりふえて、この奈良県を支えていただく女性が働いてくれると、お金も使ってくれるというのが私の思いなので、経済力が伸びるのと違うかなという思いがして、この質問をさせていただきました。

 一旦仕事をやめても、次に向かって自分の、それこそさっきも言いましたが、持っている才能とか感性とか知識とかをやっぱりいろんなところで発揮する、そういう場面を提供していただきたいなと。県は、ムジークフェストにしても、いろんな県民の参加型の事業を次から次へ提供していただいておりますので、そういうところにみんなで参加して、そういう中で知性や知識や、そしてまたセンスも磨いていくことが大事なんじゃないかなと思うんですよね。せっかく提供していただいた場ですから、だから一人でも多くの県民が参加できるように、また各市町村でもしっかりと呼び込んでもらえる、取り組んでもらえるように、県からの働きかけもよろしくお願いをしたいと思います。そういう意味で、ちょっと大きく、輝く女性と言いました。県議会議員の中にも女性がいらっしゃいます。輝きましょう。

 そして次に、地域の防犯力向上についてですが、やっぱり自主防犯ということが今、大事かなという思いがしております。さっきも言いましたが、私の周りにもそういう事例がございました。割れ窓理論というのがありますが、これは割れ窓じゃないんですけど、実は私は旧村におりますけれども、その周りが新興住宅なんですね。以前に、新興住宅の人たちから私たちの旧村に申し入れがございました。それは、旧村の皆さん、しっかり戸締まりしてください、みんな門をあけっ放しやし、窓をあけっ放しやし、何どきでも泥棒が入ります、そういう地域があると、私たちの新興住宅までそういうように見られるので狙われやすいんです、ですから、しっかり戸締まりする習慣をつけてくださいという申し入れがあったのを今、思い出しましたけれども、これによって旧村の人も少しは戸締まりをするようになったんじゃないかなと思いますが、そういう地域全体をそんなふうに見られてしまうというところがあるので、一人ひとりできるそういう防犯というのか、そういう意識はしっかりと身につけていきたいなと思います。

 それと、保護観察対象者の雇用につきましては、これからでございます。いろんな問題が、予想してなかった問題もたくさん出てくるとは思いますけれども、県が率先してこういう場をつくっていただくというのは、そういう保護観察にある人たちの関係者の大きな支えでもあり、期待でもあると思いますので、ぜひしっかりと頑張っていただいて、他府県のお手本になるようにやっていただきたいなと、そんな思いがしております。

 そして最後に、小金打川の改修、これはやっていただいているんですけれども、なかなか進まないから、本当はいつごろ完成するんでしょうかねという質問をしたいんですけれども、多分もう期待するような返事は来ないと思います。嫌みではないんですよ。いろんな問題がありますので。ただ、その川が溢水というのか、あふれるといろんな田んぼにごみが入って大変やというような、その応急処置的なことはもう、桜井土木事務所、本当にやっていただきました。そんなので畑や田んぼの持ち主の方は喜んでおられます。水が引いた後もきちっとごみ処理もできるのでというようなことで喜んでいただいていますので、応急処置的なことはしっかりやっていただいていますが、全体の整備というのを一日も早く、ただ、大和高田市側と橿原市側というこの問題を解決していかなければならないので、またその辺、大和高田市選出議員の方、よろしくお願いしておきたいと思いますが、今後ともよろしくお願いいたします。

 そして、これは要望でございますが、リニア中央新幹線の、私はもう橿原市やから、県立医科大学のときはやいやい言うたけれどもと思っておりましたけれども、大きく考えると、リニア中央新幹線の名古屋から大阪までのこの区間がこんなに、名古屋までの開業と、その後十八年も後でということは大変やでということを聞かされました。さっきも言いましたように、そういういろんな企業が名古屋から向こうへ行ってしまったら、この関西はどうなるのかなという思いが何か急に湧いてきまして、こういう要望にさせていただきました。同時開業ということの重要性は、知事はもう痛いほど思っていてくださるとは思いますけれども、私たちも本気になってこのリニア中央新幹線の停車駅を奈良県にという取り組みをしないといけないんじゃないかなと思うんです。閣議決定では、奈良にというはっきりしたものではなくて、奈良市附近にその駅をというようになっているんでしょうか。そんなので、ひょっとしたらまた京都の、奈良に近い京都のところまで回り込まれるような危険性もあるのかなという懸念も持ちますので、これはもう本当にみんなで頑張って、奈良県に駅ができるように頑張ってまいりたいと、そんな思いでいっぱいでございます。

 いろいろありますけれども、引き続き県勢発展のためによろしくお願いを申し上げまして、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。



○議長(山下力) しばらく休憩します。



△午後二時十三分休憩

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



△午後二時二十八分再開



○副議長(井岡正徳) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 次に、四十番中村昭議員に発言を許します。−−四十番中村昭議員。(拍手)



◆四十番(中村昭) (登壇)ただいまより、自由民主党改革を代表して質問します。

 去る九月八日、二〇二〇年の夏季オリンピック・パラリンピックが東京で開催されることが決定いたしました。あの感動がこの日本にやってくると思うと、今からわくわくする思いであります。この東京開催は、日本オリンピック招致委員会が二年以上のロビー活動を展開し、各国の国際オリンピック委員に働きかけた結果であるとの報道を目にいたしました。また、最終プレゼンテーションが行われたブエノスアイレスで、政界、財界、そして現役アスリートやOBたちが一致団結し、大事をなす姿を見ておりますと、本県でも、議会、知事部局、そして関係団体等が今以上に結束をして県政の課題に立ち向かっていかなければならないと、意を新たにしたところであります。このような思いから、本日は八点にわたり質問をいたします。

 まず最初に、政府予算編成に関する県の提案・要望活動についてであります。

 本年七月、県は、平成二十六年度の政府予算編成に向け、県の重要施策を推進するために必要な国の予算の確保及び制度の創設・充実などについて、関係省庁に十二の最重点項目と五十八の重点項目を提案・要望されました。今回、提案・要望された項目は、県勢が今後さらに発展するために必要不可欠のものであり、特に最重点十二項目につきましては、リニア中央新幹線、陸上自衛隊駐屯地、道路事業の整備促進、市町村の消防広域化、平城宮跡歴史公園及び奈良公園の整備促進、地域医療の充実など、県政が直面する重要な課題であります。ところで、昨年、一昨年の政府予算編成に関する提案・要望項目を改めて見直してみますと、今年度と同様の項目も数点見受けられ、県の提案・要望が政府の予算編成に直ちに反映されていないことも事実であると思います。

 オリンピック・パラリンピックの招致において、現地でのロビー活動が重要であったことは先ほども申し上げましたが、これは、政府への提案・要望活動においても同じことが言えると思います。そこで私は、政府への提案・要望活動の拠点として、東京事務所の果たす役割が今後ますます重要になってくるのではないかと考えております。また、昨年十二月の衆議院議員選挙におきまして自由民主党が大勝し、民主党から政権交代をいたしました。これからは、政府への要望活動等においても、ますます内閣支持率六七%の自由民主党とのかかわりが重要になってくると思われます。さらに、議会、知事部局、そして関係団体が今以上に結束していくことが必要であることは、先ほども申し上げたところであります。

 そこで、知事にお伺いをいたします。今後の政府予算編成に関する提案・要望活動について、どのように展開しようと考えておられるのか。また、東京事務所の機能充実につきましても、あわせてお答えをいただきたいと思います。

 次に、新しい農業研究センター及び農業大学校六次産業化研修拠点施設の整備についてであります。

 現在の農業総合センターが桜井市池之内地区の農業大学校の敷地内に移転整備されるとともに、農業大学校も再編整備をされ、新たな学科も設置されます。私の地元桜井市に、本県農業振興の拠点となる研究施設及び食と農に係る担い手の研修施設があわせて整備をされます。地元議員として心より温かく歓迎するとともに、これらの施設を核としたまちづくり、にぎわいづくりに微力ながら尽力していきたいと思っております。

 新しい農業研究センターの研究機能につきましては、移転を契機として、これまでにないハイレベルな研究を目標として、高度化を積極的に進め、オンリーワンの研究開発を目指しておられます。新たに研究の統括マネジメントを行うヘッドクオーターを設置するとともに、具体的な研究計画を策定し、効果的な研究を実施すると聞いております。私は、桜井市南部の恵まれた自然環境の中、広く開かれた試験研究機関として、奈良県農業の一層の振興と農業経営の安定に貢献できる革新的な農業技術の開発に大きな大きな期待をいたしております。現在、着実な移転整備と研究の高度化の具現化に向け、いろいろと準備、検討がなされておりますが、現時点の状況について知事にお尋ねをいたします。

 また、県農業大学校に、農産物の生産、加工、流通、調理などを組み合わせた農業の六次産業化を担う新たなコースとして(仮称)フードクリエイティブ学科を設置し、県農産物を生かすことのできる農に強い食の担い手を育成するとされております。桜井市安倍地区にある丘の頂上部分に土地を確保し、調理実習などを行う学生棟、農産物の加工などを行う加工実習と図書ラウンジを併設した棟、レストランサービス実習を行う実践オーベルジュ棟などを整備される予定になっております。おいしい料理をゆっくり堪能できる宿泊つきレストランであるオーベルジュでの実践研修について大変興味を持ち、楽しみにいたしております。この学舎が開校すれば、当然一般の方もレストランや宿泊機能を利用されることとなり、おいしい食事を楽しむため、全国から、場合によっては海外からも多くの人が訪れる場所になっていくのではないでしょうか。

 私としましては、これらの施設を拠点としたまちづくりを行い、地域の活性化を図っていきたいと、夢を膨らませております。幸い、場所は飛鳥にも隣接し、吉野へ向かうルートにも当たっております。その立地条件を生かしたまちづくりができるのではないかと考えております。農業大学校の六次産業化研修拠点や、新しい農業研究センターを含めた周辺地域のにぎわいづくりについて、知事の強いご決意をお聞かせください。

 最後にお願いをしておきたいと思います。今回の二つの拠点施設の整備に当たりましては、既存施設の解体や土地の再造成のほか、アクセスの改善や上下水道等インフラ整備も必要になってくる箇所があります。地域の将来発展も見据え、地元桜井市や各自治会等と十分に情報交換、意思の疎通を図るとともに、工事施行に際しては十分なご配慮をお願いします。

 次に、漢方のメッカ推進プロジェクトについてお伺いをいたします。

 私の住んでいます桜井市の大神神社では、毎年四月十八日に、はなしずめの祭、鎮花祭が催され、三輪山に自生するスイカズラ、あるいはササユリの根が供えられます。また、桜井市はシャクヤク、あるいはキハダなどの薬用作物が栽培された歴史がございます。このほかにも奈良県と薬のかかわりは深く、日本書紀には、西暦六一一年に推古天皇が薬猟をされたという記述もあり、また、東大寺正倉院の宝物の中には六十種類の薬があります。寺院での施薬が民間に伝わり、大和売薬の基礎となり、現在の薬の製造と配置販売が地場産業となっております。

 近年、国内外におきまして漢方薬や薬用作物が注目されており、今後、消費はますます増加すると予想されますが、漢方の原料となる薬用作物の国内自給率は一二%と、大部分を輸入に頼っており、輸入価格が年々高くなっております。一方、国内の薬用作物生産農家は、栽培者の高齢化や後継者不足等から減少傾向にあり、生産量も低下をいたしております。県内におきましても、安価な中国産生薬原料の流入による価格低迷が採算の悪化を招き、薬用作物生産者が減少し、栽培面積、生産量ともに減少をいたしております。こういう状況の中で、知事は、奈良県で漢方を推進していくためのプロジェクトを立ち上げられたわけで、時宜を得た取り組みと高く評価をいたしております。

 日本の漢方は、品質のよさからも、高齢化が進むアジア諸国に対して輸出産業となる可能性も秘めており、このプロジェクトが奈良県の産業振興の起爆剤になるのではないかと大いに期待をいたしておりますが、私は、この漢方プロジェクトを成功させるためには、次の重要な三つのポイントがあると思います。

 まず一つ目は、優良種苗の研究であります。日本の漢方薬は品質がよいことで有名ですが、より優良な種苗を育成し、良質な薬用作物を生産することが、奈良の生薬のブランド化にもつながる重要な課題であると考えます。二つ目は、栽培農家の増加であります。漢方市場の拡大のためには、薬用作物の生産量の拡大が不可欠であります。そのためには、薬用作物の栽培が経営として成り立つような栽培方法などを研究し、農家が栽培に参入できるような取り組みが必要であると考えます。最後に、これが一番難しい点でもありますが、製薬メーカー等との連携による商品化の推進であります。県内の安全で優良な生薬を使った商品が数多く販売されれば、栽培農家も増加し、漢方関連産業の振興につながるものと考えるからであります。

 そこで、知事にお尋ねをいたします。漢方推進に関する私の思いや期待は、ただいま述べたところでありますが、昨年十二月に立ち上げられた漢方のメッカ推進プロジェクトでは、現在どのような取り組みをされているのか。また、今後、漢方の推進に向けてどのようにプロジェクトを進めようとされているのか、知事のご所見をお伺いいたします。

 次に、スポーツの振興に関してお尋ねをいたします。

 先ほども申し上げましたが、二〇二〇年の東京は、前回から五十六年ぶり二回目のオリンピック開催で、各国を代表する世界中のトップアスリートによる人間の限界に挑戦する最高のパフォーマンスが披露され、日本中が歓喜と興奮に包まれるものと期待に胸を膨らませております。昨年のロンドンオリンピックには、本県からもボクシング、女子ホッケー、柔道、馬術、バドミントンの競技に六名の選手が日本代表として参加をし、活躍をされました。中でもボクシングの村田諒太選手は見事金メダルを獲得され、県民栄誉賞を贈呈されたことは記憶に新しいところであります。こうしたトップアスリートの活躍は県民の誇りであり、私たちに喜びや夢と感動を与えてくれます。特に村田選手は、中学、高校とすばらしい指導者にめぐり会えたことが今回の結果をもたらしたと私は考えており、トップアスリートには優秀な指導者が必要であります。七年後の東京オリンピックには、ロンドンオリンピック以上の金メダリストが本県からあらわれることをぜひとも期待をしたいものであります。

 そこで、知事にお尋ねをいたします。二〇二〇年に開催が決定した東京オリンピックに向け、スポーツ人口の拡大などスポーツの振興に努めるほか、本県からオリンピックで活躍できるようなトップアスリートの育成が必要と考えますが、知事の所見をお伺いいたします。

 さらに、スポーツの振興に関連して、本県の体育・スポーツの指導者の体罰や暴力問題についてお伺いをいたします。

 昨年度、大阪市の公立高校で指導者の体罰による痛ましい事案が発生し、また先日も、県内の天理大学で上級生の下級生に対する暴力が問題となり、指導者などの反倫理的な言動は、子どもたちの運動・スポーツに対する憧れや夢を奪ってしまうなど、深刻な状況になることが危惧されております。また、スポーツ指導者による体罰や暴力問題は、スポーツ選手の心身の健全な成長をゆがめ、有能な選手となる可能性の芽を摘み取ってしまうことになりかねません。本県からオリンピックで活躍できるような選手を育成するためには、選手育成過程においてこのような体罰や暴力問題の根絶が不可欠であると考えます。スポーツ基本法第十一条では、国及び地方公共団体の役割が規定されておりますが、スポーツの指導者にとって何よりも大切なことは、人を育てるための熱い情熱と深い愛情であります。さらに、学校運動部活動から地域スポーツに至るまで、スポーツ指導者による体罰や暴力問題の根絶に向けて、運動やスポーツの果たす意義やその価値観を正しく認識させることが重要であり、スポーツ指導者の養成及び資質の向上はもちろんのこと、体罰や暴力問題の事案が発生した場合は、指導者の処分など、厳格な再発防止の制度設計が必要であるとも考えております。

 そこで、知事にお伺いをします。体育・スポーツの指導者の体罰や暴力問題について、現在どのような対策を講じておられるのか。また、その根絶に向けてのご所見をお伺いします。

 次に、奈良県エネルギービジョンの推進についてであります。

 安倍首相が九月七日、オリンピック招致演説を行った後の記者会見で、国のエネルギー政策については、引き続き、エネルギーの安定供給、エネルギーコスト低減の観点も含めて、責任あるエネルギー政策を構築していく。原子力比率は引き下げていく。今後、三年程度の間に、再生可能エネルギーの普及と省エネルギーの推進を最大限加速させていくと発言されました。また、日本経済の再生に向けたアベノミクスの第三の矢である成長戦略の中に、環境・エネルギー制約の克服を掲げられています。この中で、多様な供給体制とスマートな消費行動を持つエネルギー最先進国へのアクションプランを確実に実行し、年内を目途に新しいエネルギー基本計画を策定し、中長期的なエネルギー政策の軸、方向性を明らかにすることにもなっております。このように国の責任あるエネルギー政策の実行と、年内に取りまとめ予定の新しいエネルギー基本計画の策定に大いに期待をしているところであります。

 一方、奈良県においては、国のエネルギー政策の見直し、関西電力の電力需給逼迫、紀伊半島大水害の教訓などを踏まえて、奈良らしい新たなエネルギー政策を推進するため、奈良県エネルギービジョンを今年の三月に策定されました。また、今年度から地域振興部にエネルギー政策課が新設され、エネルギービジョンの推進を図っておられます。県のエネルギービジョンには、太陽光発電や小水力発電、バイオマスの利活用など再生可能エネルギーの導入に向けた施策が取りまとめられています。特に財政規模の小さい本県では、総花的な進め方ではなかなかエネルギー政策は進まず、めり張りをつけて進めていくことが大切であると思われます。

 平成二十三年の東日本大震災以前は、エネルギー政策は国策として進めてこられましたが、震災以降は、地域の問題として自治体でも積極的に取り組むようになってきました。財政規模の大小それぞれの自治体が再生可能エネルギーに取り組むことは、エネルギーの地産地消や分散型電源の確保としては評価はできますが、エネルギーの安定供給にはほど遠いものと思われます。このため、県では、奈良に適したエネルギー政策を重点的に実施をしていただき、あわせて、県南部など大規模な水力発電施設の整備や、シェールガスの中継基地建設など、国のエネルギー政策の一翼を担えるような事業にもチャレンジするとともに、さらに、エネルギー関連企業や研究所の誘致は産業振興にもつながるので、ぜひ実現をしていただきたいと考えております。

 そこで、知事にお伺いをいたします。国のエネルギー政策との関連において、本県の地勢や実情を踏まえ、エネルギービジョンをどのように進めていこうとしているのか、お聞かせください。

 次に、緊急時のエネルギー対策についてお尋ねをいたします。

 平成二十三年に発生した東日本大震災や紀伊半島大水害からの教訓で、大規模災害などによる停電対策が大きな課題となっております。停電から人命を守ること、県や市町村などの災害対応業務が確実に実施できることなどが求められております。紀伊半島大水害においては、ピーク時には十六市町村で延べ二万八千五百九十軒が停電し、十三日後に避難指示などの五十軒を除き九九・四%が復旧をいたしました。昨年夏の関西電力管内では、電力需給逼迫により計画停電への対応が求められ、電気が県民生活や経済活動に必要不可欠なものであると認識させられました。このため、国に任せるだけではなく、県でも緊急時のエネルギー対策について積極的に取り組むことが必要と考えます。また、平時からの検討が計画停電への備えにもなると思います。特に、避難所は被災者の継続した支援のため、病院は人命を守る機能を維持するため、非常用電源の整備が必要であり、県の補助制度の創設や継続実施などの対策を進めるべきであります。緊急時のエネルギー対策として、避難所や病院などの施設に対して非常用電源の整備をどのように進めようとしているのか、知事のお考えをお聞かせください。

 次に、消防の広域化に係る県の取り組みについてお尋ねをいたします。

 消防の広域化につきましては、さきに開催された協議会総会において、三十七市町村の全てによって規約及び協定が締結され、いよいよ来年四月に新組合の設立を迎えると聞いております。これができれば、全国的にもモデルとなる初めての試みとして、広く世間に注目を集めています。しかしながら、広域消防組合が人事、装備等どのような体制でスタートし、今後どのような計画をもって施設・設備の整備を図っていこうとされているかについては、具体的な計画はまだ広域化協議会の中で検討、調整中ということであり、新組合が設立されてからも時間をかけて調整するとなっているようでありますが、私としましては、職員の士気高揚のためにも、給与水準の確保について配慮することがぜひとも必要であると考えております。広域消防組合が、その設立に当たりどのような体制で臨むかは、広域消防組合自身でまずは考えるべきことかもしれませんが、県は広域消防組合にその検討を委ねてしまっているように見受けられてなりません。本県の広域化は、県が強いリーダーシップをとるような形で進められてきたという今日までの経緯もあることから、広域消防がどのような体制でスタートを切るのか、県民に対してどのようなメリットがアピールできるのかについて、県のお考えをお示しください。

 次に、消防団員の確保対策についてであります。

 最近、災害が大規模化かつ多様化しており、従来から言われている南海・東南海地震に加え、経験したことのない豪雨や竜巻の発生など、いつどのような災害が発生するかわからない状況にある中、地域の防災対策として予防から警戒活動、災害時の出動など、最前線で活動する組織は何といっても消防団であります。特に平成二十三年九月の紀伊半島大水害におきましては、当初より土のう積みや倒木の除去といった河川、道路の被害防除や復旧作業を行うとともに、また住民の避難誘導や避難地区の警戒警備、一時帰宅時の監視など、地域の安全確保のため大変ご尽力をいただきました。ほかに本業を持ちながらボランティア的に、消火、救助、危険箇所等の警戒など、幅広く活動している消防団は、地域住民の安全・安心の確保に大きな役割を果たしており、地域にとってはなくてはならない存在であります。

 しかしながら、全国的に消防団員は減少傾向にあり、ここ十年で約九十三万七千人から約八十七万四千人と約六万三千人も減少しており、本県におきましても、九千七百三十五人から八千六百十三人と千人以上も減少をいたしております。政府はその対策として、企業の社員や学生が消防団に入団することについて支援策を打ち出し、団員の確保に向けて対策を講じようとされています。確かに、企業や学生に呼びかけをすることや、また通信機器、救助機材等の充実も必要でありますが、私の思うところ、最も必要なことは、現地で活躍する消防団員の処遇の改善であると思います。消防の広域化を行い、現場の消防力が強化されたとしても、迅速・的確な災害対応のためには、最前線における消防団の活動が不可欠でありますが、全国的に消防団員が減少している中、その確保対策を講じることが公の重大な役目であるとも思います。そこで、県において、消防団員の確保についてどのような取り組みをされていくのか、お尋ねをいたします。

 次に、公共施設整備に係るマネジメントの導入についてお尋ねをいたします。

 近年、国、地方公共団体の財政状況は、社会保障費の増大や、これまでの借金により今後も大変厳しい状況であるのが実情であります。奈良県も一兆円の借金があります。一方、公共施設、いわゆるインフラにつきましては、一九八〇年代のアメリカでの古い橋の崩壊に始まり、日本全国でも、先日の中央自動車道笹子トンネル崩落事故や、老朽化した橋の通行規制や通行どめが数多く発生をいたしております。これは、東京オリンピック前のいわゆる高度成長期から多くの公共施設整備が進み、五十年を経過した現在では、耐用年数の経過により物理的に更新時期を迎えることから、老朽化が深刻な問題となっており、更新投資も急激に増加していくため、このままでは、奈良県も同様の大変厳しい状況になると思います。また、公共事業等の投資的経費についての国や県の予算は、最盛期の半分以上も減り続けており、次世代にツケを残さないためにも、公共施設の機能を維持しつつ財政負担を減らしていく、つまり、最小の投資で長く維持することを考えるべき時代に至っていると考えています。さらに、このような状況のもと、公共事業削減による建設業の疲弊により、補修系などの県や市町村の発注工事では、入札不調も多々あると聞いております。

 そこで、この際発想を転換し、公共施設の整備に当たっては、発注方法の変更や、さらには民間的なマネジメントの導入など、財政負担も減らしていくことが大切であり、とりわけ日本の将来の財政状況を考えますと、民間的なマネジメントを導入するなど、整備手法を変えていく必要があるのではないかと考えております。例えば、民間的なマネジメントとしましては、道路の橋りょう、トンネルなどに代表される公共施設の維持・更新が最大の関心事でありますが、特に橋りょうは市町村管理のものが多く、市町村との役割分担の再検討が必要だと思います。また、学校を多機能施設として整備することや、県営住宅の整備から民間住宅の家賃補助への切りかえ、空き地の売却や賃貸などの有効活用や、公園の管理、整備手法の見直しも考えられるのではないでしょうか。

 今後は、国が掲げる国土強靱化に対応すべく、公共施設を長もちさせ有効利用するため、整備手法の見直しはもとより、特に民間資本を活用するマネジメントの導入など新たな取り組みも必要と考えますが、公共施設整備について、現在取り組まれている道路橋りょうの長寿命化やファシリティーマネジメントも含め、県としてどのようなマネジメントを進めていくのか、考えておられるのかをお尋ねいたします。

 最後に、森林環境税を活用した施業放置林の整備促進についてであります。

 平成十八年度に導入した森林環境税は、適切な手入れがなされていない結果、森林が本来有する土砂災害防止や水源涵養などの公益的機能が十分発揮できていない人工林を解消することを主たる目的として、創設された税であります。また、平成二十二年度からは森林のゾーニングを実施し、森林を木材生産林と環境保全林に位置づけ、環境保全林を対象に施業放置林の解消に取り組んでおられます。施業放置林の解消につきましては、取り組みを始めた平成十八年度から数えますと、昨年度までで七年間取り組んでこられました。平成二十四年度末におきましては、約六千ヘクタールの施業放置林が整備され、一定の効果を上げているという報告もされております。しかしながら、県内の森林を見渡してみますと、まだまだ施業放置林が目について仕方ありません。森林環境税につきましては、第一期である平成十八年度から平成二十二年度までの五カ年を終え、現在は平成二十三年度から平成二十七年度の第二期の中間点にあります。森林環境税は、将来にわたって継続していくという保証はなく、施業放置林の解消に向けた取り組みも保証されているとは言いがたい状況にあるのではないかと思われます。

 ところで、近年、森林環境税の使途事業を決算ベースで見てみますと、税事業全体に占める施業放置林整備への充当比率は年々落ちているように見受けられます。そもそも森林環境税は、県土の保全、災害の防止、自然環境の保全、水源涵養など、全ての県民が享受している、森林が持っている公益的機能を十分に発揮できるようにするため創設された税であり、そのことを考えますと、森林環境税は施業放置林を解消するためにその大部分を充てる税金であります。一方で、施業放置林の整備に当たっては、林地の境界を明確化し、所有者の承諾を得て協定を結ばなくては整備ができないというように、事前の手続にかなりの労力と時間を割いています。このような煩雑さも、施業放置林の整備がはかどっていない原因ではないかと考えられます。そういう事情を考慮したとしましても、施業放置林の整備が進まないことは、一人当たり五百円の森林環境税を納めていただいている県民に責任を果たしているとは言いがたく、もっと積極的に進めていくべきではないかと考えております。

 そこで、知事にお伺いをいたします。このまま推移をしたら、森林環境税第二期が終わる平成二十七年度末におきましても、相当な面積の施業放置林が未整備のままとなります。この未整備の施業放置林の解消に向けて、どのように取り組まれるのでしょうか。

 以上、質問いたしました趣旨をご理解いただき、ご答弁をお願いいたしまして、壇上からの質問を終わります。(拍手)



○副議長(井岡正徳) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)四十番中村議員に多くのご質問をいただきましたが、また、ご質問の中で多くのことを教えていただいたようにも思っております。ご質問にお答え申し上げます。

 まず第一問は、政府予算編成に対する提案・要望活動の充実についてのご質問でございます。

 議員ご指摘になりましたように、毎年七月と十一月に定期的に、また、必要に応じて随時に、政府予算編成に関する提案・要望活動を実施しております。県や市町村などの地方政府は、地域のニーズの実現のために何をすべきか、率先して考えるとともに、国の財源、情報、人材等のリソースを利用する必要があると基本的に考えております。このような国の財源、情報、人材をきちんと効率的に地域のニーズのために使うには、国の関係者との常時のコミュニケーションが必要だと思います。このため、これまで各省庁の大臣をはじめ幹部職員に対しまして、提案・要望の機会だけでなく、日常的な情報交換により、本県の実情をよく知っていただき、あわせて本県の役に立つ国の施策についての情報を入手するように努めてまいりました。本県のことし直近の七月の要望事例でございますが、内閣府など各省庁の副大臣、事務次官クラスに私が直接お会いし、提案・要望の内容を丁寧にご説明いたしましたが、いずれの省庁でも親身になって耳を傾けていただきました。

 これまでの提案・要望活動の例でございますが、幾つものいい結果をいただいております。少し古くなりますが、平城宮跡の国営公園化は大変本県にとって大きなことでございましたが、道路の国直轄権限代行が他県よりも数多く、また量も多くいただいております。また、財政面では、地方法人特別税制度の創設によって奈良県は大変助かっておりますし、地域医療再生臨時特例交付金では五十二億円の予算をいただきました。直近の例といたしまして、九月十三日に奈良公園基本戦略のエリアが地域活性化総合特区に指定されたことなど、いろんな分野での国のご配慮がございます。

 このような結果、県の財政によい影響が出始めてまいっております。例えば、県債につきまして、返済時に地方交付税により手当てされないもの、つまり全額県自主財源で返済しなければならないものは負担が多いわけでございますが、平成二十二年度以降発行しておりません。その結果、県税等の自前の財源で返済する県債残額は漸次減少してきております。このように、提案・要望活動は、県の政策課題の解決、財源などの確保のために大変有効でありますので、議員ご指摘のように、今後も効率的に継続して行っていきたいと思います。

 東京事務所の役割について議員のご質問がございましたが、出先機関として、常時各種情報収集や各省庁との連絡調整に努めてきてもらっていますが、本年四月には、この機能充実のために担当課長一名を新たに配置しております。また、市町村からの提案・要望についても、県の東京事務所がさらに役割を果たしていくようにしたいと思っております。

 今、国のほうでは、社会保障と税の一体改革や国土強靱化、消費税増税の後のいろんな経済対策などの議論が進んでおります。そのような国のダイナミックな動きが本県の重要施策推進に役に立つように計らう必要があろうかと思います。今後とも心して、陳情・要望活動に努めていきたいと思います。

 二点目のご質問は、お地元桜井市の農業研究センター及び農業大学校六次産業化研修拠点施設の現在の状況についてのご質問でございます。

 新しい農業研究センター、仮称でございますが、橿原市からの移転を契機として研究の高度化を図ってまいりたいと考えております。昨日、同センターの研究開発についての司令塔の役割を果たす研究企画委員会を初めて開催いたしまして、センターが今後取り組むべき四つの大目標を決定いたしました。一つ目は薬用作物の安定供給、二つ目は新品種・優良系統の育成、三つ目は加工商品開発と加工技術の研究、四つ目は革新的な生産技術の開発となりました。各大目標ごとに、どの作物を対象とし、どのような研究を行い、どのようなターゲットとするか、どのような効用・効果を求めるかについても明確になってまいりました。県のリーディング品目、チャレンジ品目でございます柿、イチゴ、茶、キク、大和野菜などを対象に研究内容の選択と集中を徹底し、目標を明確にして、生産やマーケットに結びつくレベルの高い研究を今後行っていきたいと考えております。また、研究員のレベルアップを図るため、国や大学などの研究機関へ派遣研修などを行いたいと思います。また、課題に応じて国内外から優秀な人材を招き、研究開発のスピードアップと質の向上を図ってまいりたいと考えています。

 ハード面の整備でございますが、これまで測量や地質調査が完了し、現在、新しい施設や研究ほ場の設計準備を進めているところでございます。来年度には、既存施設の解体や、研究ほ場の整備を行う予定でございます。新しいセンターには、研究企画や調査・分析を行う研究棟のほか、研究員、農家、消費者が相互の情報交換などを行う交流・サロン棟を初めて設置することにいたしました。研究作物の収量や品質等を測定する調査・管理棟なども整備する予定でございます。平成二十八年度早期の移転完了を目指すこととしております。また、建設に当たりましては、県産材による木造・木質化に努めたいと思っております。

 新しいセンターの研究開発の成果を速やかに現場に普及させたいと思っております。生産規模は小さくても、高品質な農産物を生産する、誇りを持った奈良農業人の経営を支援してまいりたいと考えております。

 次に、この農業研究センターの近くに設置する予定でございますが、桜井市安倍地区に整備いたします農業大学校の六次産業化研修拠点施設でございます。

 特に、農、食、宿泊を組み合わせた六次産業化が、将来性があり有望と考えております。おいしい料理をゆっくりと堪能できる宿泊つきのレストランでございますオーベルジュの研修について、力を注いでまいりたいと考えております。そのため、議員お述べのように、学生棟や加工実習棟に加え、オーベルジュ棟を整備し、そのレストランの厨房やホールで学生たちが一流のプロの指導を受けながら、調理やサービスを、ホスピタリティーを実践的に学ぶことができるように計画をしております。現在、新農業大学校設立準備委員会を立ち上げ、第一線で活躍されているプロのアドバイスを参考に、農業大学校全体のあるべき姿、学科の再編成、カリキュラム等について、具体の詳細を検討しているところでございます。でき得れば、料理人のハーバードと呼ばれておりますアメリカのCIAというニューヨークにあります料理学校に並ぶような研修組織を目指したいと思っております。今回整備する拠点施設は、食、農、そして宿泊を通じた観光のにぎわいの拠点になればと考えております。そのため、この地域を食と農の匠の技を持つ世界のトップクラスの料理人を育成するモデル的地域にしたいと思い、先日九月十一日に、国に対し国家戦略特区としての提案をいたしたところでございます。

 議員お述べになりました二つの拠点づくりは、大変楽しみな拠点づくりでございます。ぜひ桜井市や地元の皆様からも積極的なご意見やご提案をいただきながら、ご一緒ににぎわいづくりを進めてまいりたいと考えております。

 漢方のメッカ推進プロジェクトについてのご質問がございました。

 漢方薬は、国内での使用量が伸びてまいりますとともに、世界的にもその薬効について注目を集めつつあるものでございます。県といたしましても、漢方にかかわる川上から川下までの振興を図るため、昨年十二月、漢方のメッカ推進プロジェクトを立ち上げたところでございます。議員お述べのとおり、漢方につきましては、三つの大事な点があるのは同感でございます。優良種苗の育成、栽培農家の増加、製薬商品化の三つでございます。

 川上の方策でございます優良種苗の確保につきましては、先ほど申しました農業総合センターにおいて、トウキなどよく使われる薬用作物について、効率よく安定的に栽培できる種苗生産技術の開発を、京都大学などとの連携のもとに着手をしております。また、同センターでは、今後、ゲノム解析により優良な系統を選抜し、当面、良質かつ収量の向上を図れるトウキの優良品種の育成に取り組みたいと思っております。

 次の重要な点でございます栽培農家の増加でございますが、同センターにおいて、栽培の省力化、低コスト化、収量の向上に向けた技術の研究を行っていきたいと思っております。栽培者の高齢化により失われつつございます薬用作物の栽培技術を伝承させるために、新たな栽培指導者の育成、優良種苗の保存などにも取り組んでいきたいと思っております。今後、平成二十九年度を目途に、トウキの栽培において、研究成果を現地に導入して栽培実証を行い、農業経営として成り立つかを検証する予定にしております。

 川下の方策でございます商品化の取り組みでございますが、これまでから、漢方に由来した化粧品や入浴剤などの商品化を図る企業を支援してまいりました。新商品の開発、販売につながった事例もございます。今後は、トウキなど優良な県産生薬の薬効に注目し、薬用作物の産地ブランド化を進め、既存の漢方製品への使用を促すほか、栽培農家や製薬企業及び販売業者などとの情報交換を行い、新たな商品化を積極的に支援していきたいと思っております。

 この漢方のメッカ推進プロジェクトは、このたび、神奈川県や民間企業約二十社と連携して立ち上げております漢方産業化推進研究会から、国家戦略特区として国に提案をいたしました。本県の取り組みが日本各地に広がり、漢方が日本の成長産業となるよう、引き続き努力をしてまいりたいと思います。

 次に、東京オリンピック・パラリンピックの招致が成功したのを受けましての、本県のスポーツ振興についてのご質問がございました。

 二〇二〇年の東京オリンピックの開催決定は、とてもすばらしいことだと思います。本県のスポーツ振興にも力が入ってまいります。オリンピックなど世界レベルで活躍されるトップアスリートでありましても、子どものころにすぐれた指導者との出会いなどにより、その才能を開花されるきっかけをつくられた方々も多いわけでございます。身近な地域のスポーツ環境の充実は大変重要だと思っております。そのため、現在進めております総合型地域スポーツクラブの充実のほか、次世代を担う子どもたちがスポーツを始めるきっかけづくりや、プロなどトップアスリートと触れ合うことができるスポーツ教室の開催などを、今後数多く実施していきたいと考えております。

 スポーツ施設の整備も、本県にとっては課題でございます。本年四月に橿原公苑ジョギング&サイクリングステーションを整備して好評を博しておりますが、来年七月にはスイムピア奈良が完成いたします。さらに、明日香庭球場のクラブハウス新築やテニスコートの整備等も検討していきたいと思います。

 二〇二〇年に向けましたトップアスリートの育成について、県としてどのように取り組んでいくのかということでございますが、トップアスリートや専門家等による検討会を設置して、どのようにトップアスリートを育成するのかを考え始めたいと思います。本県におけるトップアスリートの育成と支援についての検討を開始したいと思います。また、その過程でトップアスリートがどのように育成されたのかなど、本県にゆかりのあるメダリストから聞き取りも行いたいと思います。この検討内容を、今年度から既に検討に取り組んでおります、アスリートを養成する地域トレーニングセンター構想づくりにも反映させていきたいと考えております。

 スポーツの振興における、体罰や暴力問題についての取り組みにご質問がございました。

 体育・スポーツの指導者による体罰や暴力は違法行為であり、絶対に許されるべきではございません。暴力行為を指導の一環として正当化するような間違った文化は、全てのスポーツの現場から一掃し、指導者やその周りの関係者も含め、体罰絶対だめという意識の改革に努めることが重要と考えています。

 このため、学校における体罰根絶に向け、教育委員会関係課による、体罰のない学校づくりプロジェクトチームや、体罰のない学校づくりの在り方検討委員会を設置し、体罰のない部活動のマニュアル作成に取り組んでいただいております。

 また、学校運動部活動だけでなく、全てのスポーツの現場から体罰の根絶を図るため、学校運動部活動実務者のほか、競技団体、総合型地域スポーツクラブなどの、それぞれの指導者を対象に、適切な指導方法等について既に研修会等を実施しておりますが、このような体罰防止の注意喚起は継続的に努めていく必要があると思います。体罰防止について、指導者の意識改革は当然のことながら、スポーツの現場から体罰を引き起こす風土を払拭するためには、適切で効果的な指導のあり方などを検討することも一方重要と考えております。このため、先ほど述べましたトップアスリートの育成に関する検討会において、心身の発達状況や競技力の程度に合った合理的な指導内容の確立や、科学的に実証された指導内容についても、どのように本県で適用すればいいか、検討していきたいと考えております。こうした指導内容を実践するよき指導者が養成され、あらゆるスポーツの現場から体罰や暴力を根絶できるよう努めていきたいと思います。

 次に、奈良県エネルギービジョンについてのご質問が二問ございました。どのように進めていこうとしているのかということと、非常用電源の整備についてのご質問でございます。

 まず、本県では、本年三月に策定いたしましたエネルギービジョンの基本方針の一つとして、再生可能エネルギーの普及拡大に取り組んでいるところでございます。再生可能エネルギーの導入に当たりましては、平成二十五年二月議会でお答え申し上げましたが、地理的条件などから太陽光発電、小水力発電、バイオマスの利活用を重点的に進めたいと思っております。

 一方、国におきましては再生可能エネルギーを普及拡大させるために、平成二十四年七月から固定価格買い取り制度が導入されました。平成二十五年五月時点における、この制度を活用した県内での再生可能エネルギーの導入実績は、三万二千九百四十六キロワットでございます。今後このペースで導入が進めば、エネルギービジョンに掲げる二十七年度末までに九万八千キロワット増加させるという導入目標の達成が見込まれます。この制度を最大限活用するため、県では、民間事業者が行う土地・屋根貸しによる太陽光発電のマッチング支援事業を始めたところでございます。また、国では年内にエネルギー基本計画を策定予定でございますが、その基本計画では、再生可能エネルギーの最大限の導入を重点課題の一つにするとされています。この国の方針に沿って、国の支援制度等を活用し、県でも再生可能エネルギーの導入を加速化したいと考えております。

 なお、議員お述べの大規模なエネルギー施設につきましては、本県の特性に見合った具体的なご提案があれば、検討していきたいと思います。さらに、産業振興の観点から、奈良県企業立地基本計画において、エネルギー・環境技術創造型産業を集積業種に指定し、本県の立地環境や補助金をはじめとした各種優遇制度をPRするなど、関連企業の誘致にも積極的に取り組んでいるところでございます。今後、国の財政支援を含む制度の活用とあわせ、民間活力の積極的な導入を図りながら、再生可能エネルギーの導入を加速化していきたいと考えております。

 非常用電源の整備の進め方についてもご質問がございました。エネルギービジョンの三本柱の一つに緊急時のエネルギー対策の推進がございます。災害発生や計画停電に備え、人命を守ることを最優先に、拠点となる施設等における電源確保の課題でございます。議員お述べの避難所につきましては、平成二十四年度から市町村に対する補助制度を設けまして、これまで六市町村で五十五台の非常用発電機が整備されました。今年度も継続して市町村支援を実施しております。また、十津川村の避難所に指定されている県立十津川高等学校におきましては、災害対応型のLPガス発電機を整備いたします。また、病院につきましては、今年度新たに、計画停電対象病院に非常用発電機の導入支援制度を設けさせていただきまして、四病院に補助を行う予定でございます。さらに、信号機につきましては、大規模災害時などに緊急交通路となる路線の主要な交差点に、信号機電源付加装置を二十五基設置することにしております。今後も、大規模地震や水害等に備え、拠点となる施設や避難所などへの非常用電源の整備に取り組んでまいります。

 次のご質問は、消防広域化に係る県の取り組みについてのご質問でございます。まず、どのような体制でスタートを切るのか、どのように県民にアピールするのかというご質問でございます。

 消防の広域化は、現場の消防力の強化と組織の合理化といった大きな意義、効果が見込まれます。このため本県では、奈良市、生駒市を除く三十七市町村、十一本部に県も加わって検討を重ねてまいりました。その後、全市町村の六月議会で新広域消防組合の規約が可決され、九月三日の消防広域化協議会総会において、新組合を平成二十六年四月一日に設立する合意がなされたところでございます。

 本県の消防広域化の取り組みの特徴を申し上げますと、一つには、十一消防本部の総務、次いで通信部門をまず統合し、現場部門である消防署所の体制増強を行った後、全体を統合するという段階的統合方式をとっている点でございます。二つ目の点は、全体統合時までの現場部門の経費負担を各本部が自力で賄う自賄い方式をとっているところでございます。この二つの方式の導入により、現状の急変を避け、一定の時間をかけながら着実に統合を進める工夫を行っております。こうした工夫により、全国でも例を見ない管轄人口九十万人規模の広域消防の実現につながったと考えております。

 この体制でございますが、昨年末に協議会で策定されました広域消防運営計画の中での説明によりますと、消防本部は四部一室十課、百二十名にまずなります。消防本部百二十名体制でございます。消防署所は現行の署所を引き継ぎ三十六署所、一千百六十二名になります。職員数は、全体で計画策定時と同じ一千二百八十二名とされております。これをベースに現在、組織定数、人事、給与、財務など、具体の検討に入っているところでございます。

 次に、この消防広域化によるメリットを県民に説明するようにというご指摘でございますが、大きく四点のメリットが考えられます。消防署所に百五十名程度増員し、現場消防力を強化することで、災害時の初動、増援体制の充実を図ることができます。二つ目に、現場に最寄りの消防署から出動することで、現場到着時間が短縮できます。三つ目は、総務・通信部門を中心に全体で六十人程度の人員削減を図ることで、毎年約四億円の経費削減が見込まれます。最後に、消防救急無線デジタル化整備が必要でございますが、これを広域的に実施することで、昨年末時点での試算でございますが、各消防署単独で整備した場合は約八十八億円かかりますが、広域的に整備する今回の場合は約四十七億円となり、約四十億円の整備費削減が見込まれます。このようなメリットがございます。市町村、協議会に県も連携して、ホームページや広報誌、テレビ、新聞、さらには説明会などを通じて県民にご周知させていただきたいと思います。

 また、県の立場で行う財政支援といたしまして、消防救急無線デジタル化への助成がございます。また、国にも最大限の助成措置を積極的に働きかけており、好感触を得ております。今後ともできる限りの取り組みを行ってまいります。

 消防広域化の中で、消防団員の確保についてのご質問がございました。

 消防団は、火災や災害時に最前線で活動されるほか、日ごろのパトロールなど、地域の安全・安心の確保に欠くことのできない存在でございます。議員ご指摘のとおりでございますが、東日本大震災や紀伊半島大水害においても、自治体消防と両輪になって尽力されたところでございます。しかし、退団者にかわり新たに参加する若年層が減少しております。消防団員数は全国的に年々減少しています。本県においても、ここ数年、毎年百人規模の減少が続いておりますが、昨年は幸いなことに、五條市において、新興住宅地での消防団の創設や女性消防団の新設により四十七名の増加となり、その結果、県全体の減少数は十四名と、減少傾向は一時和らいだものでございます。

 消防団に係る事務は市町村が担うことが消防組織法に規定され、その経費に係る交付税措置もなされているところでございます。しかし、県としては、現場消防力の確保に消防団の果たす役割が大きいことに鑑み、その活動を維持・強化するための支援が必要だと考えてきております。そのため、車両等の整備に対して、全国でも数少ない県単独補助を続けているところでございます。

 県の団員確保に向けた取り組みとしては、消防出初式やポンプ操法大会を県消防協会とともに開催して、団員の士気高揚に努めているところでございます。さらに本年は、消防団百二十年・自治体消防六十五周年に当たりますので、全国大会に合わせ、十一月に県消防大会を開催したいと存じます。その中では、長年活躍いただいている団員の表彰や講演会、県内消防職員と団員が一体となっての分列行進などを行い、消防団活動の活性化を図ることとしております。今後、現場消防力の充実を図るため、消防団員の確保に向け、県の立場での取り組みをさらに検討していきたいと考えております。

 次に、公共施設整備に係るマネジメントの導入についてのご所見とご質問がございました。

 県有資産には、道路、橋りょう、公園などのインフラ資産と、庁舎、学校、福祉施設、県営住宅などの建物資産や土地などがございます。こうした資産を総合的に企画、管理、活用するファシリティマネジメントには、三つの柱がございます。一つは、不要な資産を積極的に処分し総量最適化を図る点でございます。二つ目は、民間のノウハウ、資本の活用を含めた資産の有効活用を図ることでございます。三つ目は、耐震化や計画的な整備により資産の長寿命化を図ることでございます。この三つの柱を立てて具体的な取り組みを進めているところでございます。

 インフラ資産のマネジメントについては、維持、管理、活用を前提とした整備を基本的な考え方としております。また、計画的な補修や更新により施設の長寿命化を図っているところでございます。喫緊の課題でございます橋りょう等の補修におきましては、市町村の技術系職員が不足しているため、県の支援を強く求められております。県が点検・修繕計画策定を受託することにより、市町村を支援する奈良モデルを進めております。工事につきましても、垂直補完による技術的支援に着手したところでございます。このモデルとして、本年九月には田原本町と基本協定を締結したところでございます。

 議員お述べの民間資本やノウハウを活用するマネジメントの導入につきましても、管理、活用、整備の各分野での取り組みを進めています。例えば公園の管理におきまして、四つの県立都市公園で指定管理者制度を導入しているところでございます。また、新県営プール施設等の整備において、民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用したPFI方式により事業を進めてまいっております。道路の管理では、中和幹線で、パトロール、道路維持管理、緊急措置業務等を一括して発注する包括発注を導入し、民間ノウハウを活用しているところでございます。幹線道路の一括管理を発注するものでございます。また、学校施設の活用事例として、旧耳成高等学校敷地をまほろばキッチンとして貸し付けるなど有効利用を図っております。今後、ファシリティマネジメントやインフラ資産のマネジメントの取り組みは、マネジメントの考え方を全面的に展開することを基本方針とする次期行革プログラムの柱として積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

 最後のご質問でございますが、森林環境税を活用した施業放置林の整備促進についてのご質問がございました。

 森林環境税は、森林環境の保全や森林を全ての県民で守り育てる意識の醸成のために、平成十八年度に導入し、現在平成二十三年度からの第二期を迎えているところでございます。第二期の更新時期に当たりまして、新しい活用事業の導入など幅広い展開が必要ではないかという、県民及び県議会の皆様のご意見がございました。それを踏まえまして、新たに森林とのふれあい推進及び森林生態系の保全の事業を実施しているところでございます。

 施業放置林の整備につきましては、森林環境税収入の相当な割合を投入し、その解消に努めております。第一期に約四千ヘクタールを整備し、また、第二期におきましては四千七百ヘクタールの整備を目指して進めております。このまま計画どおり実施いたしましても、第二期を終えた時点で、まだ相当な面積の施業放置林が残ることは課題でございますし、議員が鋭くご指摘になった点でもございます。県としても引き続き施業放置林の解消に向けて、まずは森林所有者の自主的努力と責務を喚起していきたいと考えておりますが、しかし、種々の事情により、それだけでは施業放置林の解消が進むものではないのも事実でございます。公益的機能が損なわれたままの施業放置林につきましては、県民が享受している森林の公益的機能の重要性に鑑み、公的関与による整備の推進も必要と考え始めております。今後の取り組み内容につきましては、森林環境税をご負担していただいている県民の皆様や県議会のご意見を賜りながら、同税の継続も含めて検討してまいりたいと考えているところでございます。

 多くの質問を誠にありがとうございました。



○副議長(井岡正徳) しばらく休憩します。



△午後三時四十五分休憩

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



△午後三時五十九分再開



○副議長(井岡正徳) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 次に、二十八番高柳忠夫議員に発言を許します。−−二十八番高柳忠夫議員。(拍手)



◆二十八番(高柳忠夫) (登壇)久しぶりの代表質問です。副議長ということで、一年間、質問の機会がなかったのですが、副議長の期間中、二つの条例、奈良県公共交通条例、なら歯と口腔の健康づくり条例を制定することができ、また、議会が行政のチェック機能を十分に発揮した百条委員会を設置し、調査報告書を出すことができました。議長をはじめ議員の皆さん方のご協力をいただいて、議会の活性化に寄与できたことに感謝します。これらの議会がつくった条例や百条委員会の設置が今後の県政にどう生かされていくのかの視点で、質問をしていきたいと思います。

 まず、アスベストです。

 アスベストを扱った工場の労働者やその工場周辺の住民に多くのアスベスト健康被害が発生し、社会問題となっています。奈良県でも、ニチアス王寺工場、竜田工業の周辺住民のアスベスト健康被害が報告されています。県は、アスベストの暴露歴のある工場周辺一キロメートル以内の住民を地元の自治体の協力で調べ、特にその人たちに胸部のCT検査などを実施し、アスベスト暴露の医学的所見である胸膜プラークなどの有無など健康被害の実態把握をするため、環境省のアスベスト健康リスク調査への参加を呼びかけています。全国でも注目する取り組みです。アスベストの製造が禁止され、残された問題は、建造物の中に大量にアスベストが含まれ、解体するときに発生するアスベスト粉じんを吸う労働者や周辺住民に対する健康被害をなくすためのアスベストを飛散させない取り組みが大切です。三月二十九日、石綿の飛散防止を図るため、届け出義務者を工事施工者から発注者に変更し、解体等工事の受注者に石綿使用の事前調査の実施と、発注者への調査結果の説明を義務づける大気汚染防止法の改正が閣議決定されました。規制が強化されていることを述べて、質問に入ります。

 アスベストを含む建物が無届けのまま解体され、県がその対応を怠っていた問題で、県議会が百条委員会を設置し、告発まで行ったのは、この奈良県が初めてです。それゆえ、その後の対応に、全国の関係者やアスベスト健康被害者が注目をしております。百条委員会としての対応は、県議会に対して正当な理由なくして委員会の出頭請求に応じなかった発注者を地方自治法違反で告発することに求めました。また、県に対しては、工事を発注した企業は国土交通省管轄の建設業者であることに鑑み、建設リサイクル法違反で告発することを求めた内容でした。その件につきましては、県警察本部は九月十一日、解体工事の発注者と受注者等の関係先を家宅捜査され、関係者からの事情聴取も行っているとの新聞報道があり、県議会としても注意深く見守っているところです。あと、百条委員会が県に対して求めていた次の事項を確認したいと思います。

 一つ目は、工事の受注者については、従前より解体工事がずさんな状態で行われていたと考えられるとし、建設リサイクル法第三十七条、第四十三条に基づく立入検査をし、法令遵守を徹底するよう指導強化することを県に求めていました。これについても、立入検査を行ったようでありますが、その詳細についてお尋ねします。

 二点目は、県についても、常に関連する情報を共有し、部局横断的なマニュアルを作成し、迅速に対応できる仕組みをつくることなどを求めていました。このことに関しては早速、部局横断的なマニュアルを新たに作成されました。建設リサイクル法には、直罰規定や両罰規定を設け、法の実効性を持たせていますが、この直罰規定や両罰規定がマニュアルに反映しているのですか。また、違反事例の多くは、周辺住民が発見しています。発注者や受注者に対して、看板の義務づけは当然のことですが、住民への情報公開と説明責任があることをマニュアルに明記、反映されているのでしょうか。

 無歯科医地区での診療所の整備について。

 なら歯と口腔の健康づくり条例がことしの三月に成立しました。これは、歯と口腔の健康が県民の健康で質の高い生活を営む上で基礎的かつ重要な役割を果たしていることを踏まえ、制定されたものです。また、この条例に基づき、新たななら歯と口腔健康づくり計画がつくられました。この計画の基本的な考えは、だれもが自然と自分で歯と口腔の健康づくりに取り組めるよう、歯と口腔の健康について正しい情報を提供する。また、誰もが安心して歯科医療や歯科検診を受けることができる体制をつくるというものです。この二つの基本的な考え方に基づき、奈良県は健康寿命日本一の達成を目指すとされています。県条例の第二条、基本理念においては、県民がその居住する地域にかかわらず、適切な時期に必要な歯と口腔の保健医療サービスを受けることができるよう環境が整備されることとされています。今回は、地域格差の解消、つまりへき地の住民への歯科サービスについて質問をいたします。

 奈良県保健医療計画のへき地医療によると、県内には無歯科医村は東吉野村、上北山村、野迫川村の三カ所があります。無歯科医地区としては十三カ所、準無歯科医地区は十カ所もあります。医科と同様に、担当歯科医師の高齢化などの理由で、これらの地区はさらに増加することが予想されます。また、これらの地区の高齢化率は五〇%近くあり、要介護者も多く、二時間余りかけての公共交通を使っての通院や自家用車通院は困難といえます。一方、供給側の歯科医師としては、在宅訪問歯科診療は、療養担当規則によれば、十六キロメートルの制限があるのですが、無歯科医地区の特例で、訪問診療の請求はできないこともありません。しかし、現実には、交通の便や効率の悪さに加え、診療報酬の低さにより、訪問診療の提供及び受療率は大変低いのが現実です。

 しかし、問題はこれだけではありません。成人や子どもたちは、基本的には全て訪問診療の対象とはならないので、通院しなくてはなりません。一日わずかのバスの便での通院は、児童にはほぼ不可能で、夏休みなどに通うしかなく、早期治療もできず、この地域では、日常の歯科治療と歯科保健の機会はないといえます。歯の健康を損ねることで起きる全身の健康への悪影響は、枚挙にいとまがありません。例えば、歯を失うことにより、毎日の食事をおいしくとることができなくなり、生活の質が低下することは言うまでもありませんが、妊婦の歯周病は早産につながったり、歯周病は糖尿病を悪化させることにもつながります。それゆえ、日常の歯科治療と歯科保健は、奈良県が目指す健康長寿日本一の達成にとって不可欠な要素と考えます。無歯科医地区、準無歯科医地区での緊急対応的な訪問診療はもちろんのこと、定点における歯科医療、歯科保健サービスの効果と重要性に鑑み、複数の無歯科医地区での診療所の整備について、早急かつ適切な対応をしなければならないと思いますが、県の考えを述べてください。

 奈良県中部地域の広域幹線バスネットワークの維持方策について質問します。

 県レベルでは、全国初の奈良県公共交通条例が、議員提案によって六月議会で成立しました。まず、九月十四日に連合奈良が、安心して暮らしていける地域を支える公共交通をどう守り育てるのか、「せっかくの新条例がホコリをかぶらないように!」をテーマに、奈良県公共交通条例制定記念フォーラムを開催しました。荒井知事に来賓としてご参加いただき、公共交通の大切さとその維持の難しさ、条例の大切さを述べていただきました。ありがとうございました。

 いつもの高柳で、奈良県の公共交通の果たす役割を厳しく、これから質問していきたいと思います。

 本条例では、公共交通の広域的なネットワークの確保は、県の責務であると定められました。県の責務が定められたことによって、条例の制定を議論しているさなかにクローズアップされました県中南部地域の広域幹線バスネットワークの確保に向けた施策が大きく進むことが期待されます。県下では、昨年十月に、奈良交通株式会社から奈良県地域交通改善協議会において、中部地域の広域幹線乗り合いバス二十五路線四十五系統の来年十月一日以降の運行について、この九月までに方向性を決定するよう協議依頼がされています。この二十五路線四十五系統は、県下三十九市町村の約六割に当たる中南部地域の二十四市町村を広域に結んで運行し、通学、通院、買い物、通勤の生活移動、あるいは来訪者の観光等といった、多様な目的で一日五千人、年間百五十万人の人々に利用されている地域の幹線交通であります。紀伊半島大水害から復興を目指す地域を含む東部・南部地域、特に鉄道駅のない過疎地域にとってはまさに生命線ともいえる乗り合いバスが存続の危機にあるという大変厳しい現実が私たちに突きつけられています。

 荒井知事は、こうした地域交通の危機的な状況にすぐさま対応され、迅速な意思決定を行うため、知事みずからが会長となり、各市町村長、国土交通省、交通事業者等の関係者が参画する奈良県地域交通改善協議会を改めて立ち上げられました。知事の地域交通に対する熱意と素早い対応には敬意を表するものであります。現在、中南部地域の赤字路線については、国及び県の補助金制度はあるものの、制度上赤字額の一部補填にとどまり、残る赤字額はバス事業者が、北部地域の住宅団地と最寄り駅を結ぶ通勤・通学輸送で得られる利益でカバーする内部補助で維持されております。

 しかし、高度経済成長期に造成された住宅団地で急激に少子高齢化が進んだこと、特にバス利用の多い奈良市、生駒市に近鉄けんはんな線が開通し、多くのバス利用者が鉄道に流れたこと、加えて、県内自家用車の保有台数が急増したことなど、さまざまな要因が重なり、県内の路線バス利用者は、ピーク時であった一九九〇年度から半減しております。この間、県等からの支援に加え、バス事業者の取り組みとして、運送コストの六割以上を占めている人件費を大幅に削減、約三割減にするなどのさまざまな施策によって、現行のバスネットワークが確保されてきたと聞いています。連合奈良を通じて訴えてきたことですが、長年のコストダウンによる長時間労働、低賃金等、バス運転者の職業的魅力の低下により、バス運転者に必要な大型二種免許の新規取得者が激減している現状も生まれています。こうした現状に加えて、今後、さらなる少子高齢化が見込まれることによるバス利用者の大幅な増加が見込めないことなどが、これ以上内部補助で中南部地域の二十五路線四十五系統を維持し続けることが困難になった。このことが今回の申し出につながったと聞いております。私は今協議中の二十五路線四十五系統は、単なる移動手段ではなく、観光、教育、福祉、地域振興になくてはならない社会インフラの一つとしての役割を担っていると考えております。したがって、利用者の多寡、多い、少ない、収支率等の事業採算性だけを基準として存廃を判断できるものではないと考えています。

 奈良県地域交通改善協議会資料を分析しますと、現行支援制度のもとでは、バス事業者から維持困難を申し出られているのが現状と考えます。まず、バス事業者も、乗り合いバス事業の持つ公共性に鑑み、一層の効率的な運行に向けて努力することが必要なことは当然のことであります。しかし、二〇一三年度予算で県が確保している広域的バスネットワーク確保のために措置されている予算は、目的や対象に対して十分な額が措置されているのでしょうか。現状の予算は、結果として二十五路線四十五系統の赤字の四分の一程度にとどまっています。仮に県だけでこの二十五路線四十五系統を収支均衡で確保しようとすると、維持できる路線は四分の一しかないことになってしまいます。このままでは、今後五年、十年、県民が安心して利用できる公共交通が確保できるのでしょうか。国や市町村とどのような役割分担を行うのでしょうか。このような現実を踏まえて、知事は、来年十月以降の広域的なバスネットワーク確保及び乗り合いバスを含めた地域交通への支援のあり方、枠組みをどのように考えていますか。

 奈良県地域交通改善協議会での議論のあり方についてお聞きいたします。二十五路線四十五系統の中には、沿線県立高等学校の最寄り鉄道駅からのアクセス路線も含まれています。具体的には、県立山辺高等学校、大宇陀高等学校、十津川高等学校などの生徒は、乗り合いバスを利用しなければ通学できない現状があります。特に大宇陀高等学校への重要な通学手段である大宇陀線については、現在、県補助の対象外となっています。ことし十月までの協議結果次第では、これらの高等学校の在校生あるいは進学予定者にとっては、通学手段が未定という重大な影響が生じることが懸念されます。協議は、奈良県公共交通条例第七条にのっとり、県教育委員会など関連する部局と十分に連携して進められているのでしょうか。高校生の通学は優先順位が高いと考えてよいのでしょうか。県議会で全国に先駆け、全国でも注目されている条例ができました。私は、奈良県公共交通条例の制定がいい結果をもらたすことを期待しております。

 次に、六月議会に奈良県営競輪場について、民主党会派の代表質問に答えて、県では、包括外部委託を行う場合の具体的な業務範囲や導入後の業務体制見直しによる県職員の配置などについて、今後詳細に検討する。包括外部委託を導入することになった場合は、奈良県営競輪のあり方検討委員会中間報告を踏まえ、県としては、委託先で雇用が確保されるよう十分配慮するとの答弁をいただきました。

 今九月議会の事前委員会、九月九日の経済労働委員会において県から、包括外部委託導入に伴う債務負担行為の説明がありました。奈良県営競輪のあり方検討委員会でも、二〇一二年度決算ベースで、現行経費四億七千五百万円が四億一千四百万円と六千百万円以上の節減が可能であるとの説明をしていました。一方、県と組合との交渉が行われていますが、これまで直接的に運営してきた競輪事業を包括外部委託していくことだけが先行し、労働条件については大きな乖離があると聞き及んでいます。この交渉で包括外部委託の導入によって生じる節減効果の六千百万円とは、県による直接雇用の従事員の解雇や競輪場で働く人たちの雇用条件を切り下げただけで、この六千百万円以上の金額が浮いてくることがわかりました。

 具体的には、従事員の年収は現時点で平均百七十万円ということですが、包括外部委託導入後の年収は八十六万円とおおむね半減するということです。現行と包括外部委託導入後の差額である八十四万円と、従事員四十九人分の合計額四千百十六万円と、県職員三人、作業員九人等の減を合わせ、包括外部委託をすることにより約六千三百万円の差額が発生するとの計算になります。委託先で雇用確保は努力すると言うが、今までの半額で年収八十六万円での再雇用の提案をする。また、退職金についても、県の都合の解雇であること、雇用者側の責任での解雇であることを明確にしていない退職金額の提示になっています。現場の労働者を切り捨て、雇用形態の違いによる処遇差別を行うとしている対応が、県としてとるべきことなのでしょうか。これまでの交渉過程で、九月議会に向け、労働条件にかかわる具体的な提起と合意がないまま、一方的に予算確保に向けて進めることは行わない旨の確認が、競輪場長と組合間でことしの七月十日付で確認されています。このようなことから、県は協議に当たり、労働基準法や労働組合法、労働者の契約に関して定められた労働契約法などの精神も十分に理解し、直接の雇用者としての責任をとるべきだと考えます。しかし、今の現状では、どのように考えておられるのか、大きな疑問を感じます。

 私は、公契約の柱は、委託先労働者の労働条件の確立であり、公的立場の行政が入札価格だけで委託先を決め、現場労働者を劣悪な労働条件の環境に置くことを食いとめるためのものだと考えています。競輪場には、県が直接採用し、県が直接雇用の従事員が働いていますが、この従事員の合意のないまま一方的な包括外部委託の導入により、直接雇用の停止、解雇をしようとしています。こうした対応は、公契約を確立しようとしている県のとるべき対応なのですか。また、県は、包括外部委託先での従事員の雇用が確保されるよう努力するということですが、今後も従事員の方々が安心して働くためにも、労働基準法をはじめとする労働関係諸法の精神を十分に踏まえ、県として直接雇用を行ってきた責任を、組合と誠実な交渉を行う中で果たすべきと考えます。知事の見解をお願いいたします。

 何度も申し上げますが、教育の問題です。教育は社会保障にとって重要な柱の一つです。

 あらゆる機会均等を保障する上で決定的に重要なのは教育です。社会的に問題となっている格差を是正するためにも、教育は重要な役割を果たします。この九月五日に文部科学省から公表された地方教育費調査(二〇一一年度)によりますと、奈良県の県立高等学校の生徒一人当たりの教育費総額は全国で四十六位です。私は代表質問に立たせていただくたびに、同じような質問を知事や教育長にさせていただいておりますが、全く改善をしておりません。私は、順位が低いからよくないとか、十位以内に入らないといけないとか言っているのではありません。果たして、この額が奈良県の教育を健全に進めていく上で妥当な額なのか、低過ぎるのではないかと言っているのです。

 奈良県の県立高等学校の一人当たりの教育費総額は、全国平均の八二%、一位の県の六二%です。設備・備品に対する支出である資本的支出に注目すると、全国平均の二一%、一位のところの五%にしかすぎません。耐震化率を見てみますと、文部科学省の発表によると、二〇一二年四月一日現在で奈良県は六二%、全国の四十六位、四十六番目となっています。耐震化も進んでいません。しかしながら、奈良県は今年度から県立高等学校の耐震化に力を入れ始めたとお聞きしています。そうであるならばなおさら、資本的支出はもっとふえてよさそうなものですが、そうはなっていません。本来、学校の設備・備品の充実に向けるべき予算を、しかもどの県よりも少ない予算を耐震化に振り向けているとしか考えられません。となると、県立高等学校の学校現場ではどのような状態が起きるのか、火を見るよりも明らかです。

 先日、県立高等学校の職員団体が作成した学校現場の声を集めた冊子を見せていただきましたが、そこには、学校現場の悲痛な叫びが多数記載されていました。この冊子に記載される学校現場の声は、年々減ってきていると聞きます。学校の教育環境が充実したからではなく、訴えたところで全く改善されないとの諦めからであると聞きます。先生からは、人も金も時間も全く足りていない現状下での創意工夫は、限界と聞きます。学校現場で先生方が疲弊し、モチベーションが保たれない状況が何をもたらすかは、想像にかたくありません。このような状況を放置しておくことは、果たして許されるのでしょうか。県は責任を果たしていると言えるでしょうか。

 ところで、九月五日、春日野荘で開催された県地域教育サミットにおいて、県の教育理念や県教育基本条例などの制定のため、新たに知事部局が事務局を担い、奈良教育基本問題検討部会を立ち上げられたと報道がありました。奈良らしいユニークな教育理念の創出がテーマで、成果目標として、学力や体力、規範意識など、あらゆる教育分野の成果指標で全国ベストテン入りが掲げられたとも報道されています。都道府県を比べて順位をつければ、一位の県もあれば、四十七位の県もあります。相対的に十位以内に入ることは、私はそれほど価値を見出すものではありません。また、そのようなことを強制すると、生徒や先生方が疲弊するだけであるとも考えています。私は、生徒一人ひとりの生きる力が全体として伸びることに価値があると考えています。百歩譲って、十位以内に入ることを目標とすることを認めるとしても、まさか現状の教育投資額でのベストテン入りを目指しているのではないと思いますね。全国で四十六位の教育投資でベストテン入りとは、どれだけのコストパフォーマンスの高い教育を期待されているのでしょうか。どこまで生徒や先生方に苦労をかければ気が済むのでしょうか。新たに立ち上げた奈良教育基本問題検討部会で、設備・備品等に対する支出である資本的支出、全国の平均二一%、一位のところの五%しか予算を組んでいない実態、この現状分析は避けて通れないのではないでしょうか。

 私は、県が支出する教育費がこれほど少ないにもかかわらず、県の教育水準が一定維持されているということは、生徒たちの忍耐力と先生方の踏ん張りによるところが大であると思います。今、私たちの目の前には数々の教育問題が横たわっています。これらの問題の解決への糸口は、過去何年にもわたって怠ってきた教育投資を今こそしっかりと行い、学校をあるべき姿に戻すことであると私は考えています。まずは、教育環境を整え、生徒、先生のモチベーションを上げることが何よりも大切であるというふうに考えます。生徒、先生の心にゆとりを与え、心を豊かにすることが大切であると考えます。そうすることにより、無理をさせなくても、自然と全体の底上げが図られ、奈良県に学ぶ生徒一人ひとりの生きる力が全体として伸びると私は考えます。それだけの力が生徒たちや先生方にあると信じています。今こそ、教育費に振り向ける予算は、県の予算全体の何%といった旧来の考え方から脱却し、本来必要な額をしっかりとつけ、将来の奈良県を、日本を担う人間づくりにしっかりと投資すべきであると考えます。私たち大人の気概が試されていると考えますが、いかがでしょうか。所得や資産の格差が親から子へと連鎖していくこの社会にあって、公教育の持つ意味、共通のスタートラインに立てることを保障する教育という視点で、県立高等学校の教育予算を今こそしっかりと組むべきではありませんか。どのように思われているのでしょうか。

 次に、地域の学校における特別支援教育の充実についてお尋ねいたします。

 県内の特別支援学校では、特に知的障害の児童生徒数が急増しており、二〇〇七年四月に西和地域で一校、二〇〇八年四月に奈良市で一校が新設されました。しかし、わずか数年でいっぱいになっていると聞きます。その原因は幾つか考えられますが、その主要な原因の一つは、障害のある児童生徒の保護者が、地域の小中学校に通わせることに大きな不安を抱えていることにあります。これは、地域の学校における特別支援教育の充実のための国や県の施策が不十分であるからではないでしょうか。

 二〇〇七年四月の特別支援教育の推進についてという文部科学省の通知では、特別支援教育を行うための体制の整備及び必要な取り組みとして、校内委員会の設置や特別支援教育コーディネーターの指名などが掲げられています。とりわけコーディネーターの指名については、その役割と校内での位置づけを明確にすることや、校長は特別支援教育コーディネーターが学校において組織的に機能するよう努めることなどが示されています。また、教育活動を行う際の留意事項として、支援員等の活用なども掲げられています。この支援員の活用に当たっては、校内における活用方針について十分検討し、共通理解のもとに進めることなどが示されています。しかし、支援体制づくりの中心となるべき特別支援教育コーディネーターは、状況を全体的に把握し、必要なときに必要な支援体制を構築していくことが重要な役割であるにもかかわらず、定数措置がされていないため、学級担任などを兼務しており、組織的に機能しにくい状況にあると聞きます。また、実際に障害がある児童生徒の支援に当たる支援員は、交付税措置により配置される非常勤スタッフが多く、なおかつ、教員でないため、学校によっては支援内容を独自に決定することや教員との連携や協働体制が難しいという事例も耳にします。このような地域の学校における特別支援教育の現実を直視し、この通知とかけ離れた実態を確認しなければならないと考えます。

 そこで、教育長にお尋ねします。地域の学校にも安心して通わせたいという保護者の願いを実現させるためにも、実態把握とともに、地域の学校における特別支援教育の充実に向けて県はどのように取り組んでいるのか、お聞かせください。

 次に、障害児の地域における療育体制についてであります。

 昨年四月に障害児支援が児童福祉法に一元化されて以降、学齢期の障害児を受け入れる事業として放課後等デイサービスの事業所が急増しています。増加した事業所を経営している法人のうち、児童福祉法改正以前に障害者や障害児への支援をしてきた法人はむしろ少数派で、介護保険や他業種からの参入が多数派であると聞いています。事業所がふえたにもかかわらず、手厚い支援が必要な重度のケースの多くが、受け入れてもらえず、その人たちの状況は全く変わっていません。言いかえれば、障害の特性も踏まえた適切な支援を実践し、親の障害受容や支援のスキルの獲得の支援にもつながるような療育支援の体制の充実には、現状はつながっていきそうにないのが実態です。

 障害児を対象とした施設や事業について、児童福祉法に一元化される際、地域の障害児通所支援の仕組みを以下のように描いています。地域の中核的な療育支援施設として、児童発達支援センターを設置する。また、地域に児童発達支援事業を配置し、児童発達支援センターを核とした療育支援のネットワークをつくるということです。また、児童福祉法改正以前に児童デイサービスの指定を受けたものは、未就学児を対象とした児童発達支援、学齢期を対象とした放課後等デイサービスとに区分けがされ、放課後等デイサービス事業所が雨後のタケノコのようにふえている状況があります。奈良県自立支援協議会では、これらの現状に疑問を感じ、療育ワーキングチームを立ち上げて、現状把握と問題の整理に着手したと聞いています。

 そこで質問です。児童発達支援事業、放課後等デイサービス事業の事業所数を、各障害福祉圏域ごとに分けて把握していると思いますが、県としてこうした現状を踏まえて、地域における障害児の療育支援体制の整備について現状の評価と今後の施策の方向性を明らかにしてほしいと思います。

 以上で壇上での質問を終わります。(拍手)



○副議長(井岡正徳) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) (登壇)久しぶりの二十八番高柳議員のご質問に誠意をもって答えたいと思います。

 第一問は、アスベストを含む建物の無届解体のその後のことについてのご質問でございます。平成二十五年六月に倉庫の無届解体問題調査特別委員会、いわゆる百条委員会から県に対して、解体を受注した業者に対し、建設リサイクル法に基づく検査を実施し、法令遵守を徹底するよう指導を強化することを求められました。これを受けまして平成二十五年八月六日に、県土マネジメント部と景観・環境部局が連携し、平成二十四年四月から平成二十五年七月までに当該業者が解体を行った六十一件について、建設業法及び建設リサイクル法に基づく立入検査を行いました。

 検査の結果でございますが、請負契約の内容を記載した書面の作成及び相互交付が行われていないこと、解体する建築物等の構造、工事時期、工程の概要及び分別解体等の計画などの事項を記載した書面の交付が行われていないこと、分別解体等の方法、解体工事に要する費用等を記載した書面の相互交付が行われていないなどの建設業法や建設リサイクル法に係る違反がありました。今後、解体工事を受注する際に違反することがないよう、平成二十五年八月二十六日、勧告書により指導いたしました。当該業者に対しましては、引き続き改善状況について監視を行い、法令を遵守するよう指導してまいることとしております。

 二つ目の質問は、この百条委員会の結果に関係いたしまして、マニュアルの作成の指示がございます。そのマニュアルの作成に対しまして、十分意向が反映されているのかという点について、二項目についてのご質問がございました。

 第一点目は、両罰規定の適用についてのマニュアルの扱いだと思います。建設リサイクル法では、議員がお述べのように、分別解体等及び再資源化の義務などの履行を担保するため、罰則規定がございます。その規定には、違反行為者に対し、行政指導を経ずしてすぐに罰する規定、いわゆる直罰規定と、違反行為者のみならず違反行為者を雇用している法人などを処罰の対象にする規定、いわゆる両罰規定が定められています。罰則でございますので司法の関係でございますが、この罰則規定の適用についてのマニュアルの扱いのご質問だと理解いたします。罰則を適用すべしと県が告発を行うに当たりましては、その内容が問題でございますが、行為に悪質性があること、公益の侵害の程度が重大であること、常習性などの観点からの判断が必要だと思います。そのような判断は、個別の事例がまちまちでございますので、個別に判断して行うこととしておりますので、マニュアルには形式的な標準的な扱いは規定しておりません。

 もう一つの点でございますが、百条委員会から県に、実施要領の作成についての住民への情報公開などの説明責任の明記の有無というご質問でございます。今般、百条委員会から県に対しまして、部局横断的なマニュアルを作成して、迅速に対応できる仕組みをつくることが求められましたことを受け、法による分別解体等に関する行政指導等の実施要領を作成いたしました。この中では、まず、建設リサイクル法に係る指導、助言または勧告及び命令について、必要な事項を規定いたしました。

 まず内容でございますが、通常の手続といたしましては、委任状による代理者の位置づけの明確化、関係法令による所要の手続等について注意喚起をすること、届け出済みシールを交付し、貼付するよう指導することなどの手順を定めております。また、違反対応時における報告の徴収、立入検査の実施や、分別解体等の適正な実施に関する指導、助言、勧告、命令に係る手続を明記しております。さらに、分別解体等から一連の作業と石綿等有害物質の処理を適正に確保するため、景観・環境部局との連携について規定しております。あわせて、事務処理に必要な様式や業務チェックシートなどを整備いたしました。今次百条委員会で指摘された問題、課題、また問題と考えられます事項をおおむね盛り込んだと考えております。これらのマニュアルの行政の遵守の仕方、効果の発揮の仕方でございますが、このようなマニュアルは行政の事務の徹底化、備忘がないようにするためのことでございますが、建設リサイクルに係る規制を有効に働かすためには、行政だけではなしに、業者のほうもコンプライアンスを徹底する必要があろうかと思います。業者と行政の両方のコンプライアンスの向上が必要だと思います。その意味で、実施要領の整備や行政手続の適正化を目的としておりますが、それを通じて業者の法令遵守を引き出すという必要がございます。その点で、議員ご指摘の業者指導、住民周知が必要だという意味があるものと考えます。

 建設リサイクル法につきましては、業者や一般の方々への啓発、周知の充実を図ることは重要でございます。建設リサイクル関連法令の手続をわかりやすく、県ホームページへ掲載するとともに、パンフレットを作成し、各土木事務所等において配布を行っております。業者が工事内容の説明を行い、住民の理解や協力を求めることは、極めて重要であろうかと思います。住民の理解や協力を求める公知・広報をすることによって、住民の関心が高まり、地域の監視能力も高まるというふうになればいいという仕組みだと思います。

 議員お述べの看板につきましては、建設リサイクル法で解体現場に、商号や代表者の氏名などを記載した標識を掲げることが義務づけられており、実施要領でも県が受注者を指導することを明記しております。業者が住民への説明責任を果たすことは、実施要領には書いておりませんが、言わずもがなという理解でございまして、県としても、届け出を受理する際、必要に応じ工事内容の周知を図るように求めてまいります。さらに、県が実施する建設業協会や解体業協会等の関係団体への講習会を通じて、適切な解体工事の実施を指導してまいります。行政指導等の実施要領、これを明記すべきかどうかという点につきましては、この実施の効果の様子を見ながら、その内容を補強することも考えていきたいというふうに考えております。

 次に、無歯科医地区での診療所の整備についてご質問がございました。

 県内の歯科診療所の開設状況でございますが、県内には約七百の歯科診療所がございます。そのうち過疎地域には、市町村が開設した四つの公立診療所を含む三十七の歯科診療所がございまして、へき地に居住する多くの住民の方々が利用されているものと考えています。

 ご指摘の無歯科医地区は、国の無歯科医地区等調査で市町村が報告した地区でございます。へき地の中にあって、さらに交通事情が悪いため、歯科診療所を容易に利用することができないと市町村が判断した地区でございます。無歯科医地区を解消するには、交通事情を改善するほか、議員が指摘されましたように、歯科診療所の整備が必要でありますが、人口を考えますと、無歯科医地区にそれぞれ歯科診療所を整備することは、現実には大変難しいように思います。他の代替の方法ということになりますが、へき地の住民に対する歯科医療の提供方法としては、歯科診療所の整備のほか、巡回歯科診療の実施や、訪問歯科診療が考えられます。このうち訪問歯科診療につきましては、平成二十三年二月から、在宅歯科診療に係る相談対応や歯科診療所の紹介などを行う在宅歯科医療連携室の運営を、県歯科医師会へ委託をしております。県としてそういう意識があって、また、県歯科医師会も好意的に受け取っていただき、そのような仕組みを設け、委託をした形になっております。ただ、残念ながら実績はございません。へき地での訪問歯科医療の要望にもこたえるようになっておりますが、実際に診療所を紹介した実績はございません。無歯科医地区においてどのような対策を講じるかは、市町村と相談しながら判断していく必要がございますが、このように無歯科医地区における訪問歯科診療について、実際にはご要望がないということは、周知されてないのか、実際の実態はどうなのかということを、診療、受療の状況を実際的に把握する必要があろうかと思います。訪問歯科診療の展開について、県歯科医師会とそのような積極的な取り組みを始めたものでございますので、その結果の様子をもう少し見て、対処をさらに図っていく必要があろうかと思っております。

 奈良県公共交通条例、また、とりわけバスネットワークの維持方策についてのご質問がございました。

 議員からもご紹介いただきましたように、同じような問題意識はかねてから持っておりましたが、本年二月より、私自身が会長となった奈良県地域交通改善協議会を立ち上げました。この協議会では、利用者のニーズに合った支援のあり方や、これを踏まえた地域の多様な交通ニーズに対応した移動環境のあり方について、検討しております。その際、具体的なデータと指標に基づいた検討が必要だと考えております。その指標は、なかなか難しいものでございますが、利用者数や収支率に加え、利用者一人当たりの行政負担額などを、財政負担と運賃と移動ニーズのマッチングの必要性などを客観的に見るようにしようと努力をしております。

 奈良県地域交通改善協議会でこれまでにわかってきたことは幾つかございますが、例えば、奈良県のバス交通をおおむね担っていただいております奈良交通株式会社のバスの売上高は約百億円でございますが、県、市町村を合わせた補助額は八億円程度でございます。百億円のうち八億円を補助して、辛うじて黒字を維持されている事業系でございます。また、市町村に対するアンケート及び聞き取りをいたしますと、アンケートで路線の維持の必要性についてお聞きいたしますと、維持がぜひ必要だとおっしゃるわけですけれども、住民の方の利用が本当にない。アンケートと実態の差が激しいという声は、各市町村から聞こえることがわかりました。また、市町村のコミュニティバスが割と小まめに実情に応じて運行されているのですが、多少遠距離の病院の通院などのバスには乗りかえが必要なので、広域的なバスの運行ができないかという、地域の実例に合った、実情に合った意見が出てまいりまして、大変有益な協議会の意見交換だと考えております。

 同協議会において、各地域の、まず実態を把握する必要があろうかと思います。移動ニーズの実態を把握する必要があろうかと考えまして、目的別の移動ニーズ、例えば通学、通院、買い物、通勤などの移動ニーズに対して、市町村にアンケートやヒアリングを行って、実態の把握に努めました。幾つかわかったことがございますが、まず、東部・南部地域において、小中学生の通学には多くの市町村で、市町村のスクールバスが運行されております。一方、議員がご指摘になりました高校生の通学には、家族の送迎や、極端な場合は転居が行われたり、最寄りの駅から路線バスを利用されている実態がわかりました。さらに、大事な通院でございますが、地域の診療所などで対応できない場合は、市町村界を越えた長距離移動が必要となってまいります。通院を目的とした市町村の連携による運行を検討したいという新しいサービスのアイデアも出てまいりました。議員お述べの高校生の通学は、小中学生と変わって、遠距離の高等学校に行かれるケースもありますので、県教育委員会や市町村とさらに実態把握に努める必要があろうかと思います。とりわけ南部地域の方の高校生の通学、また、高校生になられますと、いろいろ行かれる高等学校が違ってまいります。近くの高等学校に行くという選考から、遠くへも、自分の志望に合った高等学校に行かれるというようなことで、事情がより複雑になってきておりますので、その高校生の方の移動ニーズをどのように把握するか、まだ十分な把握は行われてないように思います。

 第二回までの協議会をいたしましたが、第三回協議会を十月末に開催する予定でございます。その際に、市町村アンケートなどで得られたデータや客観的な指標を踏まえまして、通学、通院、買い物、通勤などの目的別の県内の移動ニーズを把握して、それに応じた公共交通をどのように運行するか、その際の運行主体、運行形態のあり方、赤字になりますれば経費の分担の方法などについてさらに検討していきたいと思います。意識の持ち方ですが、公共交通自身は大事だと私も考えておりますが、空のバスばかりがあまりに走り回ることであれば、財政の負担が過重になっているようにも見受けられます。今後、県民の皆様の移動ニーズを地域ごとにどのように把握して、それに効率的にこたえる移動手段は何なのかということを具体的に工夫をしながら、考えていくという大変難しい課題があるように思っております。奈良県公共交通基本条例が理念条例にとどまらないで、移動のニーズとその供給のやり方、またその負担の方法をどのように達成するかという正念場にかかっているように思う次第でございます。さらに精力的に検討を深めてまいりたいと思います。

 県営競輪場における包括外部委託導入についてのご意見とご質問がございました。

 奈良県営競輪は、平成三年度をピークに売り上げが減少し、平成二十一年度以降、累積赤字を解消できない状況にございました。そのような事情でありますので、奈良県営競輪あり方検討委員会において存廃に関する議論をいただいてまいりました。存廃の議論の前に、中間報告では、平成二十六年度から三年間、包括外部委託を導入することで累積赤字解消を目指すという方向性が示されました。これは皆様ご承知でございますが、県営競輪は財政を支援するために導入、設置されたものでございますので、赤字を重ねた場合、県が財政支援をしてまで競輪事業というものを維持するかどうかは大変疑問であると思いますが、今後のあり方については、議会の皆様と対話を重ねて、その進行の遺漏なきを図っていく必要があろうと思っております。

 このような状況を受けまして、県では、包括外部委託の導入効果について検討を行いました。民間ノウハウによる新規顧客獲得や大きなコストダウンが期待でき、経営改善を図ることができると判断できましたので、包括外部委託を導入することとし、それに伴う債務負担行為の補正予算案を本議会に提出しているところでございます。委託業務範囲の検討におきましては、現在五十二人の従事員の方々が行っておられます車券発売業務も、公営競技の衰退に伴う車券発売額の減少という実情を踏まえ、より効率的な業務運営を図る上で、委託業務の範囲に含めることとしたものでございます。これに伴いまして、従事員の方々については、今年度末で県における直接雇用が終了することになりますが、長年にわたり競輪場の運営に貢献していただいた方々であることは間違いございません。委託先での雇用が確保されるように取り組むことは、六月議会において藤野議員にお答えしたとおりであります。このため、具体的な委託先の選定に当たりましては、この趣旨が実現できるように取り計らっていきたいと思います。

 議員のご質問の中に、雇用の確保プラス雇用条件、とりわけ給料を下げないことということが質問の内容、ご意向で含まれているようにお聞きいたしましたが、給料を下げないことというのは、どのように確保するのか、詳細な検討が要るものと思います。事業が赤字を続ける中で、まず雇用の確保を第一にして、雇用条件をできるだけ下げないように、その委託ができるかどうかという問題のように思います。県といたしましては、従事員組合に対して、厳しい経営環境のもとで競輪事業を存続させていく困難さや、競輪事業の存続には包括外部委託は避けて通れないという認識を持っていただくよう、誠意をもって説明を重ねてきたところですが、引き続き理解を求めていきたいと考えております。また、競輪事業は、地方財政に貢献することを目的としていることから、同検討委員会において経営状況の検証等を踏まえ、存廃も含めた今後の事業のあり方について検討している必要が今生じているというふうに認識をしておりますが、これまで競輪事業においては県の財政に大きく寄与していただいた経緯もございますので、その点は従事員の方々の貢献も含めて十分尊重してまいりたいと思う次第でございます。

 奈良県の教育予算についてのご質問がございました。

 教育に対する見方は、同じように考えております。教育は、学びの中で人格の完成を目指し、多様な個性、能力を開花させ、人生を豊かにする上で不可欠なものでございます。次世代を担う子どもたちへの教育は、未来への投資というふうに思います。教育費の一人当たり、特に高校生の一人当たりの教育費が低いではないかというご指摘でございます。本県の教育費は、一般会計に占める割合は平成二十五年度当初予算で二五・一%でございます。県の予算の四分の一が教育費でございます。全国的には上位でございますが、高校生一人当たりの教育費は、ここ数年低位でございます。この理由でございますが、奈良県の場合は、一つの学校に先生が多くおられます。高校生一人当たりの教育費が低くなる傾向がございます。本県では、高等学校再編により、県立高等学校の規模が全国比較では大きくなっております。一つの学校に先生が多くおられますと、先生間の協力関係が働きまして、協働して教育現場に向かわれるため、先生一人当たり、より多くの生徒に対応できるという、教育の分野で規模の利益と言われるものが働いているものと思われます。本県同様、大規模校の多い府県は、大阪府、埼玉県、愛知県などでございますが、これらは、本県も含めて、平野部に人口が集中していることが共通しております。こういう県は、生徒一人当たりの教育費が軒並み低位でございます。

 そういう理由で、本県の高校再編前の生徒一人当たりの教育費の全国順位は、平成十五年で三十三位でありました。また、国のほうも、そのような事情を反映して、教職員の定数、あるいは教育費の配分をしております。国が教職員の定数に関する法律で、教員配置をする場合も規模の利益の考え方に沿ってなされる仕組みとなっております。ただ、このような国に連動した教育費の配分とは別に、先生が働きやすいようにするためのきめ細かな予算配分の配慮では、県でも多少できるところがあることは言うまでもございません。奈良県教育の諸課題を解決するため、どういう取り組みが必要かを考え、効果のある事業に適切に予算措置をしていく必要があろうかと思います。

 議員がお触れになった項目の中では、耐震化の予算がございます。高等学校耐震化予算を前年度に比べ倍増いたしました。これまでは、特別養護学校の耐震工事を最優先してまいりましたが、それが山を越えてまいりましたので、高等学校耐震化予算を倍増することをお願いしております。平成二十五年度から平成二十九年度までを耐震化集中期間として、県立高等学校の耐震化をおおむねこの期間に処理したいと考えております。その他、高校生の就労の諸課題解決に資する職業教育備品整備等も予算の充実を図ったところでございます。

 なお、議員もお触れになりました地域教育力サミットでは、学校教育だけではなく、生まれてから死ぬまでの生涯にわたる学びの視点で、学校、家庭、教育でどういう協働が考えられるのか、さらに、これらを貫く地域教育の基本的理念は何か、国家教育と違う地域教育、奈良教育の基本理念は何かを議論していただき、奈良教育の構築を考えているところでございます。その上で、もしできれば、奈良教育条例まで議論が到達できればと思っております。あらゆる教育分野の成果指標で、全国ベストテン入りと私はお願いを申し上げましたが、現在のところ、奈良県の教育のパフォーマンスはあまりいい状況ではございません。平成二十五年度の全国ランキングでは、学力も下がりましたが、十七位ぐらいでございますが、体力、規範意識、学習意欲は全国最低レベルでございます。特に規範意識、友達との約束は絶対守るといった生徒の割合は、全国最下位、四十七位をずっと続けております。これはどういうわけなのかということをいつも考えております。教育費の問題か、教育費があるところは規範意識が高いのかというようなことも、必要があれば実証したいと思いますが、今までのところ多少わかっておりますのは、かつて藩校のあった地域は規範意識が大変高いというようなことがわかっております。一番高いのは愛媛県でございますが、伊予八藩の殿様が立派だったということでございます。全国知事会でも申し上げましたが、今、各県の知事さんが立派だったら規範意識が上がるわけでなく、かつての殿様が立派なところの規範意識が高いんだ、奈良県は違うんだというようなことを言いまして、教育の今の努力を知事さんとともにするようにしております。どのようにすれば規範意識が上がり、体力が上がり、学習意欲が上がり、学力が上がるのかは、大変重要な問題だと思っております。教育費の問題もその中の一つだと思いますが、さらに深い検討が必要だというふうに考えているところでございます。

 久しぶりのご質問、ありがとうございました。



○副議長(井岡正徳) 冨岡教育長。



◎教育長(冨岡將人) (登壇)二十八番高柳議員のご質問にお答えいたします。

 私には、地域の学校における特別支援教育の充実について、実態把握とともに、県はどのように取り組んでいるのかのお尋ねでございます。

 特別支援教育の充実は、奈良県教育の重要課題の一つでございます。世界的潮流でありますインクルーシブ教育の理念の具体は、地域の小中学校における特別支援教育が重要であると認識しているところでもございます。本県では、このための体制整備として、平成十六年度からコーディネーター養成研修等を始めて、現在全ての小中学校三百十校で四百十一名の特別支援教育コーディネーターを指名しております。また、平成十八年度より特別支援学級の学級編制基準を国の八名から二名引き下げ、六名に充実した結果、一学級当たりの児童生徒数は、全国平均三・四五人に対し、本県は二・七〇人とかなりきめ細かな対応を可能としているところでございます。

 次に、コーディネーターや特別支援教育支援員については、お述べのとおり国において定数措置はされておらず、このため、全国都道府県教育委員長・教育長協議会を通じまして、文教予算に関する特別要望として国へ働きかけているところでございます。また、県教育委員会では、独自に定数措置として特別支援教育巡回アドバイザー三名でございますけれども、三名を配置し、原則、市町村教育委員会や小中学校の要請に応じまして、校長やコーディネーターに対し支援を行っており、具体にコーディネーターが困っていることについて各学校での実態を把握しながら適時適切なアドバイスを行っております。一方、支援員は現在、県内二十八市町村の小中学校に四百九十八名が配置されておりますが、コーディネーター同様に、国に対し、交付税措置の拡充を求めているところでございます。

 今後、コーディネーターや支援員に係る責務と期待が大きくなってきていることも、先ほどの巡回アドバイザーを通じて聞いておりまして、今後とも運用実態の把握に努め、地域における特別支援教育の一層のきめ細かな対応を図ってまいるとともに、国に対する要望活動も継続してまいる所存でございます。

 以上でございます。



○副議長(井岡正徳) 江南健康福祉部長。



◎健康福祉部長(江南政治) (登壇)二十八番高柳議員のご質問にお答えをいたします。

 私に対しましては、児童発達支援や放課後等デイサービスの事業所数の現状を踏まえて、地域における障害児の療育支援体制の整備についての現状評価と今後の施策の方向性についてのお尋ねでございます。

 議員お述べのように、県におきましても、障害児とその家族が身近な地域で必要な療育や支援を受けることができる体制づくりは、大変重要な課題であるというふうに考えております。お尋ねの障害児を対象とした通所支援を行います事業所につきましては、平成二十五年九月一日現在、県内に五十四の児童発達支援事業所がございます。また、九十の放課後等デイサービス事業所がございまして、市町村ごとのばらつきはありますが、奈良、西和、中和、東和、南和の五つの障害福祉圏域にそれぞれ所在しているといった状況でございます。このようないわゆる地域資源が増加することにつきましては、障害児が身近な地域で療育サービスが受けられる環境の整備にはつながりますが、一方で、利用者が必要といたします質の高い適切なサービスの確保も重要になってくるというふうに考えております。このために、県におきましては,療育指導にかかわる事業所や保育所などの地域の療育関係機関に対しまして、専門的な助言・指導を実施しております。具体的には、発達障害支援センターや総合リハビリテーションセンターにおきまして、専門職によります、発達のおくれのある児童等に関する相談や療育支援に取り組んでいるところでございます。

 また、障害者総合支援法に基づき県が設置をしております自立支援協議会におきましても、地域における療育支援体制の現状を調査し、また課題を整理するために、現在障害児療育相談を実施する施設等に対しまして意見聴取を行っているところでございます。加えまして、平成二十六年度で終期を迎えます奈良県障害者計画の見直しを進めておりまして、その中で障害児療育にかかわる団体からも意見等を聴取しているところでございます。

 今後も、地域療育にかかわる機関や事業所、障害福祉団体等からの意見等を踏まえまして、市町村とも連携しながら、地域療育の質の向上、連携強化に向けまして、療育支援ネットワークづくりや療育技術の向上など、専門的、広域的な指導、支援の充実に努めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○副議長(井岡正徳) 二十八番高柳忠夫議員。



◆二十八番(高柳忠夫) 答弁をいただきました。残り四分ちょっとということなので、あとは予算審査特別委員会に振りたいんですけれども、聞いておかないかんことだけ聞かせていただきます。

 やはり競輪場の分です。公契約と絡んで、今まで直雇いの分を外部に委託するということの中で、もうこれで、今回の議案が通れば、十月にその公募をかけるんですよね。そしたら、逆に、どういう条件を付して公募をかけていくんやという話になれば、今の日給の額とか、そして最低勤務日数とかという話も含めて、それまでにやはり決着をつけなあかん話だと思うんですね。それが、組合の細部の中まで入るつもりはないんですけれども、担当の交渉する相手が決定権を持ってない人間と交渉を何遍しても始まらんわけですよ。そういうときに、やはり県のほうがきちっと、そういう場所に出ていって、最終的な日数なり、ここのところまで決着するんだと、責任者が出ていって、ここは話し合いするんだというようなことで、それも、先ほど知事がおっしゃったように、今までの貢献してもらったことには感謝しながら臨むんだというふうな、そういう決意を公募に至るまでのところで、両者が納得するような形で決着して、公募の中にきっちりのせる、それが僕は公契約の基本的なまず第一歩やというふうに思いますので、その辺のところに関してはどういうふうに考えられているのかというのを聞かせてください。



○副議長(井岡正徳) 荒井知事。



◎知事(荒井正吾) 今の公契約の議論では、委託するときの職員の条件を高くしろとか、そういう公契約は世の中にありません。市町村でも、最低賃金を守るべきとか、社会保険に入っていることは確保すべきだとか、ほかの法令遵守で要求されていることは、契約の相手方として遵守してない相手を選んではいけないよというのが一番の大基本でございます、公契約との関係ということではございますが。それで、それとは別に、今度の委託契約をする場合でございますが、今までの例では、葛城市にあります奈良県社会教育センターの委託をしました。このときも、従業員の方がおられました。その雇用の継続が問題になりましたが、雇用の継続をできるだけお願いして、人それぞれの条件がありますので、年齢とかいろいろありますので、いろいろ配慮をお願いして、私は具体的には承知しておりませんが、いろいろ配慮されて、従業員との間では雇用の継続ということが達成されました。そのときに、雇用条件がどのようになったかというのは、詳細は承知しておりません。委託契約で雇用条件をどのように守れと言うことは、ちょっとできない範囲になるかなという感じがいたしますが。というのは、いろんな方の環境が個々別々であろうかと思います。配慮をするようにと、従事者の方、あるいは、葛城市の奈良県社会教育センターの委託についても配慮をしてくださいよということで、職員がいろいろ委託先と折衝したと記憶しております。

 今後も、この従事者の雇用の条件について、雇用を確保することと、雇用の条件をこれまでの貢献に鑑みてできるだけ配慮してほしいというのは基本的姿勢であることは申し上げられると思いますが、雇用の給料を下げるなということまで言えるかどうか、ちょっと具体的な内容に入りますので、今ここでそれを達成するという決意まで申し上げる感じまで至らないと思いますが、繰り返しになりますが、これまでの従事者の方の貢献に鑑みて、雇用に配慮してほしい、雇用条件も含めて雇用に配慮してほしいという姿勢でこの委託の折衝に臨むということは職員に指示したいと思います。



○副議長(井岡正徳) 二十八番高柳忠夫議員。



◆二十八番(高柳忠夫) 賃金を下げるなとか、再雇用のときの条件を付しているということではないんですよ。今まで直雇いのときの解雇の話が、県の経営の行き詰まりの中での解雇になるんですよね。そこのところをまず押さえて、そのことを押さえた上で次は、今の言い方でやれば、再雇用のこととか、大阪での入札とかその辺のところにある最低賃金だけクリアしていたらいいような形で聞こえてくる。私は、組合のほうが今現在誠実に、六月の知事の答弁を受けて、場長と交渉しているんですよ。その話の中で、下げないということは言うてないと思うんですよね。そんな中で、話が煮詰まらない、当事者が決定権を持っていないところと話をしているということの中でね、今回の質問の中にもあったんですけども、そのメモが知事のほうにも行っていないという現実もあるわけですよ、どういう交渉しているかということのね。だから、もっとその辺のところを真摯に、場長と県当局といいますか、県がきっちり話ししながら、組合が何を言うてるかということを私は理解してほしいというふうに思います。そういう形でなかったら、次の公募するときの中のところに、この日給の話とか、日当の話とか日数の話なんて書き込めないということになるんでね、その辺のところを含めて精力的に交渉していただきたいなというふうに私は思います。

 以上です。

   −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



○副議長(井岡正徳) 十五番森山賀文議員。



◆十五番(森山賀文) 本日はこれをもって散会されんことの動議を提出します。



○副議長(井岡正徳) お諮りします。

 十五番森山賀文議員のただいまの動議のとおり決することに、ご異議ありませんか。

     (「異議なし」の声起こる)

 それでは、さように決し、次回、九月二十四日の日程は当局に対する代表質問とすることとし、本日はこれをもって散会します。



△午後五時十八分散会