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兵庫県 尼崎市

平成18年  2月 定例会(第4回) 03月02日−04号




平成18年  2月 定例会(第4回) − 03月02日−04号 − P.0 「(名簿)」












平成18年  2月 定例会(第4回)



        第4回尼崎市議会会議録(定例会)第4号

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◯議事日程

    平成18年3月2日 午前10時 開議

第1 議案第42号 尼崎市消防関係事務手数料条例の一部を改正する条例について

第2 議案第44号 尼崎市立公民館条例の一部を改正する条例について

第3 議案第45号 尼崎市立児童厚生施設の設置及び管理に関する条例を廃止する条例について

第4 議案第46号 尼崎市立老人福祉センターの設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例について

第5 議案第50号 尼崎市保健衛生関係事務手数料条例の一部を改正する条例について

第6 議案第57号 尼崎市道路占用料の徴収等に関する条例の一部を改正する条例について

第7 議案第59号 尼崎市水路管理条例の一部を改正する条例について

第8 議案第60号 尼崎市都市公園条例の一部を改正する条例について

第9 議案第61号 尼崎市立魚つり公園の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例について

第10 議案第95号 尼崎市介護保険条例の一部を改正する条例について

第11 議案第93号 尼崎市農業共済事業事務費の賦課総額及び賦課単価について

第12 議案第1号 平成18年度尼崎市一般会計予算

第13 議案第2号 平成18年度尼崎市特別会計国民健康保険事業費予算

第14 議案第3号 平成18年度尼崎市特別会計中央卸売市場事業費予算

第15 議案第4号 平成18年度尼崎市特別会計用品調達事業費予算

第16 議案第5号 平成18年度尼崎市特別会計育英事業費予算

第17 議案第6号 平成18年度尼崎市特別会計農業共済事業費予算

第18 議案第7号 平成18年度尼崎市特別会計都市整備事業費予算

第19 議案第8号 平成18年度尼崎市特別会計公共用地先行取得事業費予算

第20 議案第9号 平成18年度尼崎市特別会計中小企業勤労者福祉共済事業費予算

第21 議案第10号 平成18年度尼崎市特別会計公害病認定患者救済事業費予算

第22 議案第11号 平成18年度尼崎市特別会計青少年健全育成事業費予算

第23 議案第12号 平成18年度尼崎市特別会計介護保険事業費予算

第24 議案第13号 平成18年度尼崎市特別会計老人保健医療事業費予算

第25 議案第14号 平成18年度尼崎市特別会計駐車場事業費予算

第26 議案第15号 平成18年度尼崎市特別会計廃棄物発電事業費予算

第27 議案第16号 平成18年度尼崎市特別会計競艇場事業費予算

第28 議案第17号 平成18年度尼崎市水道事業会計予算

第29 議案第18号 平成18年度尼崎市工業用水道事業会計予算

第30 議案第19号 平成18年度尼崎市自動車運送事業会計予算

第31 議案第20号 平成18年度尼崎市下水道事業会計予算

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◯出席議員

 1番     森村太郎君

 2番     寺坂美一君

 3番     土田裕史君

 4番     河村慶彦君

 5番     福島さとり君

 6番     開 康生君

 7番     丸尾 牧君

 8番     弘中信正君

 9番     都築徳昭君

10番     酒井 一君

11番     騰 和美君

12番     長崎寛親君

13番     吉岡健一郎君

14番     丸尾孝一君

15番     前迫直美君

16番     亀田孝幸君

17番     丸岡鉄也君

18番     津田加寿男君

19番     上松圭三君

20番     今西恵子君

21番     広瀬早苗君

22番     義村玉朱君

23番     北村章治君

24番     宮城亜輻君

25番     安田雄策君

26番     下地光次君

27番     杉山公克君

28番     真鍋修司君

29番     蔵本八十八君

30番     北村保子君

31番     早川 進君

32番     高橋藤樹君

33番     辻  修君

34番     塚田 晃君

35番     塩見幸治君

36番     小柳久嗣君

37番     仙波幸雄君

38番     畠山郁朗君

39番     荒木伸子君

40番     谷川正秀君

41番     波多正文君

42番     寺本初己君

43番     高岡一郎君

44番     松村ヤス子君

45番     田村征雄君

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◯議会事務局

事務局長    小谷正彦君

事務局次長   辻本 守君

議事課長    高見善巳君

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◯地方自治法第121条の規定による出席者

市長      白井 文君

助役      中村 昇君

助役      江川隆生君

収入役     矢野郁子君

特命担当局長  谷口敏郎君

企画財政局長  村山保夫君

総務局長    森  進君

美化環境局長  湊  稔君

医務監     高岡道雄君

健康福祉局長  守部精寿君

市民局長    玉井啓一君

産業経済局長  岩田 強君

技監      松井重紀君

都市整備局長  岡野 清君

消防局長    橋本雅生君

水道事業管理者 阪本茂樹君

自動車運送

事業管理者   喜田完二君

企画財政局

総務部長    福森 務君

企画財政局

総務課長    福井 進君

教育委員会

委員長     岡本元興君

教育長     保田 薫君

選挙管理委員会

委員長     藤田浩明君

代表監査委員  天木 明君

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(平成18年3月2日 午前10時 開議)



○議長(谷川正秀君) これより本日の会議を開きます。

 日程に入るに先立ち、会議録署名議員の指名を行います。会議録署名議員は、会議規則第81条の規定により、議長において丸尾孝一君及び丸尾牧君を指名いたします。

 この際、事務局長から諸般の報告をいたさせます。



◎事務局長(小谷正彦君) 御報告いたします。

 現在の出席議員は44人であります。

 次に、本日の議事日程は、昨日の日程を踏襲いたします。

 報告事項は以上であります。



○議長(谷川正秀君) 日程に入ります。

 日程第1 議案第42号 尼崎市消防関係事務手数料条例の一部を改正する条例についてから、日程第31 議案第20号 平成18年度尼崎市下水道事業会計予算まで、31案を一括議題といたします。

 昨日に引き続き、代表質疑を行います。

 発言を許します。

 田村征雄君。

   (田村征雄君 登壇)



◆45番(田村征雄君) おはようございます。傍聴の皆さん、インターネットでごらんの皆さん、おはようございます。日本共産党議員団の田村征雄です。

 憲法を生かし、市民の暮らしと平和を守り、住民自治を発展させ、住民の安全安心を住民とともにつくり上げよう、この立場で日本共産党議員団の代表質疑を行います。

 尼崎を変えようと訴えて市民の支持を受けた白井市長の任期最後の予算が提案されました。市長の施政方針を聞き、職員と市民の協力を得ながら、まだまだ小さい変化だけれど、着実に尼崎が変わってきたと私は感じました。パブリックコメント、車座集会、市長室オープントークなど、あらゆる機会を通して市民の意見に耳を傾ける努力を続けていること、市の政策決定、行政運営の意思を決める行政経営推進会議を公開したことや、条例改正による情報公開の強化など、市政の透明性を高める改革に取り組んできたことは、大いに評価できるものと思います。

 また、JR事故やアスベスト問題に対する取り組みも、職員の英知を生かし、リーダーシップを発揮してきたものと考えます。市長が少人数学級の実現を知事に迫り、兵庫県として1年生の35人学級実現の流れをつくり出しましたが、18年度から、県教委が2年生も35人学級に、そして段階的に4年生まで発展させるという方向を打ち出しています。そして、2006年度の主要施策として、防災防犯やアスベスト対策などで安全安心づくり、30代から40代の方々への健康診断など予防活動による健康づくりや、学力向上のための各種の取り組みを中心とした子育て支援活動などがあります。

 一方、国民保護法や三位一体改革など、国が地方政治に影響を与えるなど、国の関与が強まっています。国の政治が市民の暮らし、地方政治に影響を及ぼすとき、市民、議会、そして市長がどのように対応するのか、これも重要になってきており、こうしたことも含めて、今尼崎市政と市民の暮らしはどうなのか、これまでとこれからを憲法と地方自治法などを基準に検証していきたいと考えます。

 今、小泉改革は、問題点を吹き出しています。大量破壊兵器がなかったのにイラクに自衛隊を派兵した小泉内閣は、いまだに撤兵せず、一方、耐震強度偽装事件、ライブドア事件、構造改革として進めてきた新自由主義の経済路線、つまり大企業の利潤追求を最優先にし、規制緩和万能、市場原理主義、弱肉強食を進める経済が大きくほころび、行き詰まりを見せ始めています。防衛庁の官製談合事件、閣議決定を守らず、検査も確認せず、牛肉の輸入開始を決定したBSE問題と4点セットとして国民の批判を浴びています。まさにもうかれば何をやってもいいと、日本は今、ルールもなければ品格もない国になりつつあると、心ある人々は憂えています。

 最初に、危機にさらされる憲法第9条であります。

 昨年秋発表された自民党の改憲草案では、憲法9条の第2項に自営軍の保持を明記しました。イラクに自衛隊を派兵しても武力行使ができないのは、現行の憲法9条があるからであります。しかし、アメリカも自民党政府も、その憲法が邪魔で仕方がないのです。アメリカが憲法9条の改定を求め、日本軍として海外でのアメリカの戦争に参加させるための憲法改悪であります。テロ特措法、イラク特措法をつくり、武力攻撃事態法、国民保護法を制定し、あとは憲法9条を変えれば、いつでも海外武力行使、戦争する体制ができる状態となっています。紛争の解決は外交努力と話し合いでとうたった憲法があるのに、国民保護法に基づいて自治体が国民保護計画をつくり、実質的に戦争に協力することを義務にしました。

 市長はこれまで、現行憲法は戦後の平和を守る役割を果たしてきたと答弁してきました。海外で武力行使ができる憲法に変える動きの中で、国民保護計画が戦争を前提にした住民の避難体制づくりを通じての戦争協力という面を持っていることに対して、白井市長は市民に向け、どのように説明していくのでしょうか。

 アジアはかつて紛争が多い地域でしたが、今では地域的な平和体制づくりが本格的に進んで、多くの国の指導者が国家間の武力衝突はもはや考えられなくなったと言っています。日本政府は、軍事優先のアメリカの言いなりでなく、平和憲法を生かして、その立場で、武力攻撃を受けないように平和の外交努力をもっともっと積み重ねるべきであります。戦争になれば、子供たちも罪なき市民も犠牲になり、人間の結びつきが断絶します。住民とともに築いてきた安全安心の尼崎のまちが壊されます。市長の言う未来へつなぐまちづくりが途絶えてしまいます。

 そこで市長に伺います。

 政府が武力攻撃事態を想定するのでなく、憲法9条を世界に広げる努力、平和の流れを大きく広げる外交努力が必要であると私は考えますが、改めて政治家として、白井市長の平和の問題についての所信を伺います。

 次に、小泉構造改革が市民の暮らしを悪化させている問題です。

 今、国の政治を動かしているのは、財界、大企業とアメリカです。これまでアメリカ政府から日本政府に対し、10年間で630兆円の公共事業をやれとの要求に基づき、国家事業として政府は高速道路づくりや空港づくりなどに取り組み、また、地方自治体の開発事業には補助金をつけるし、市債、つまり借金を認める誘導策をとり、そのツケが今、国と地方の借金残高800兆円まで膨らみ、庶民にさまざまな負担増、増税を求める原因になっています。今、小泉首相の私的な諮問機関である経済財政諮問会議では、メンバーの日本経団連会長の奥田碩氏を筆頭に、4人の民間議員が連名の提言をまず提出し、関係大臣などと議論をして、政府の政策決定をリードしています。財界代表の提言が小泉改革として打ち出されてきているものです。国民には何の責任もないのに、年金給付額の削減、医療費の負担増、介護保険料の値上げ、そして年金保険料の負担増、健康保険料の値上げに増税までして、失政のつけをすべて国民に押しつけることを構造改革としているのです。この国の事業で、国が本来地方自治体に出すべき財源を削ることを目的にした三位一体改革もしかりであります。

 このような構造改革で、尼崎市民の暮らしはどうなるのでしょうか。ことし2006年度は、小泉改革のもとで市民の暮らしが痛めつけられます。1月から所得税の定率減税が半減され、増税となりました。4月から、障害者自立支援法に基づき、サービス利用に対する1割負担増がスタートします。6月から、住民税の定率減税の半減、また、高齢者非課税限度額の廃止、公的年金等控除の縮小、老年者控除が廃止され、住民税が増税となります。7月からたばこ税の引き上げとなります。9月から厚生年金保険料の引き上げとなります。10月から、高齢者の医療費の負担増として、70歳以上の現役並み所得者の医療費増や高額療養費の自己負担が引き上げられます。このほかに、6月から介護保険料が平均33.5%の大幅引き上げで提案されました。あれもこれも大負担増の、まさに激痛が襲いかかってきています。

 そこでお尋ねします。

 2006年度制度変更による住民税増税によって、市民の負担増は幾らになるのか。自立支援制度による障害者の負担増は幾らに見込まれるのか。また、介護保険料の負担増は幾らに見込まれるのでしょうか。御答弁願います。

 次は、格差社会の拡大に対する認識の問題です。

 憲法13条では、すべての国民の個人の尊重、生命及び自由と幸福追求に対する権利を国政の上で最大の尊重を必要とするとうたい、憲法25条では、国民の生存権をうたっています。ところが、小泉改革は、大企業にはもうけ口を拡大する規制緩和と減税、庶民には増税というやり方で、強い者と弱い者、貧富の格差を拡大した格差社会をつくりました。トヨタは3年連続純利益が1兆円を超えるなど、大企業は今、史上空前の利益を上げています。しかし、国民には、それがもたらすべき豊かさが感じられていません。生活保護世帯は、国の全国統計で97年の62万世帯から2004年の100万世帯と、7年間に40万世帯もふえました。貯蓄ゼロ世帯比率は10.2%から23.8%と倍増し、教育扶助、就学援助を受ける児童生徒の比率は、同じく6.6%から12.8%へ倍増しました。

 こういう政治で打撃を受けるのが低所得者の多い尼崎市民ですが、16年度決算での納税義務者1人当たり市民税額の比較では、尼崎市が9万1,300円で、27万500円の芦屋市の約3分の1、15万8,300円の西宮市の2分の1弱です。また、尼崎市の生活保護世帯比率は、1,000世帯当たり27世帯と、兵庫県下で最も高い比率になっています。小中学校生徒の要保護、準要保護児童は28%という高い比率であり、義務教育中の子供たちにも生活困難世帯が広がっています。社会格差と貧困が広がっている実態から目をそむけて、小泉首相は、格差が出るのは悪いこととは思わないと平然と答弁しましたが、何のための政治でしょうか。憲法の精神に立って、国民の格差が拡大したら、所得の再配分などを通じて是正するのが政治の役割のはずです。小泉首相は、政治家として国民の暮らしに目もくれないのかと、怒りの念を抑え切れません。

 そこで質問します。

 格差が拡大しても構わないとする小泉構造改革のもとで、これまで住民税が非課税の世帯に課税するなど、尼崎市民の暮らしはさらに悪化していますが、一人の政治家として、このような格差をますます拡大させ、市民の暮らしが悪化することについて、市長はどのようにお考えでしょうか。御所見を伺います。

 次は、財政見通しの問題です。

 市の財政状況ですが、白井市長就任時に5年間で800億円の収支不足があったものを、職員数の削減など改革改善やさまざまな財源措置を講じ、プログラム最終の平成19年度には収支均衡を図ると見通しが示されました。一般財源ベースでの内訳概略は、歳出で人件費、扶助費、公債費、その他経常的経費などを合わせると、支出しなくてはならない経常経費が1,144億円となり、それに対して市税等の収入が1,052億円で、92億円の収支不足ですが、財源対策を図り、収支不足を解消するとしています。しかし、平成20年度以降も団塊世代の退職金やクリーンリサイクルタウン整備事業の元金償還が本格化する経費がふえることなどにより、引き続き厳しい状況と当局が予想しています。これだけ今まで事業の見直しをしてきたのに、まだまだ財政が厳しいと聞けば、市民はどう受けとめるでしょうか。

 ところで、経営再建プログラムの18年度の歳出で、その他経常的経費は379億円とあり、扶助費の138億円、公債費の192億円、人件費の341億円を上回っています。人件費削減の結果だと思いますが、一般財源ベースでの歳出に占めるその他経常的経費の比率が高くなってきています。

 そこで質疑します。

 まず、平成20年度以降の収支不足の見込みはどの程度の額になるのでしょうか。

 また、18年度予算でその他経常的経費379億円の内訳として、物件費151億円、扶助費122億円、繰出金94億円がありますが、これらの経費は、市民の暮らしを支える経費であると理解していますが、当局の見解を伺います。また、市民的にもその他経常的経費の説明が必要ではないかと考えます。あわせて御答弁願います。

 次に、次の行財政計画づくりと住民参加の課題であります。

 前市政の残した多額の借金、債務や国の経済失政で痛めつけられた尼崎市の財政ですが、医療、介護、障害者の制度改悪による負担増や庶民増税などが押し寄せてくるもとで、支援を求める市民のニーズはますます強くなると見られます。三位一体の改革では、地方自治体への財源調整と財源保障を持つ地方交付税を削減し、生活保護費に対する国の負担金の削減をねらう国の動きは、全く予断を許しません。平成20年度以降の本市の財政は引き続き厳しい見通しと思われます。

 市長の施政方針は、財政の健全化に取り組むとともに、住民とともに福祉が息づく安全安心のまち、健康都市づくりを目指すなどの基本姿勢を打ち出したものであり、その決意と受けとめています。引き続く厳しい財政状況のもとで、地方自治体の使命である福祉の増進をどう図るのか。どのような尼崎を目指してまちづくりを進めるのか。そして、財政再建をどう進めるのか。これらは、まさに住民とともに困難を乗り越えなければならない課題として、市長はもちろん、議会にも住民にも投げかけられる課題であります。私は、これからのどんな取り組みも、住民の納得と合意があってこそだと思いますし、それだけに情報公開の拡大、徹底と計画づくりへの住民参画が欠かせないと思います。

 こうした取り組みを発展させ、住民自治の力を高めていくことなしに、持続可能な尼崎市をつくっていけないのではないかと思います。

 市長は、行財政健全化の取り組みの一環として、行政サービスの内容や今後の地域社会のあり方等について意見を聞くため、市民懇話会を設置するとして、必要な予算を計上しています。

 そこで質疑します。

 現在の経営再建プログラムに取り組んできた責任者の立場から、策定経過の問題や内容の問題点などについてどのように考えておられますか。

 また、住民の意思を市政に反映させることは市長として当然のことと思いますが、18年度に市民懇話会を設置することについて、市長の御所見を伺います。

 また、行財政健全化の次の取り組みについては、福祉の増進、公共の責任を原点にして、住民の納得と合意が得られるものでなくてはならないと考えますが、市長の所信と決意を伺います。

 次は、住民自治の発展方向についてです。

 さて、憲法になぜ地方自治の原則が規定されたのかについてでありますが、1946年11月3日、日本国憲法が公布されました。ことしは尼崎市制90周年の年であり、憲法公布60周年の記念の年であります。戦前の大日本帝国憲法では、天皇は神聖にして侵すべからずと定め、天皇を頂点とする中央集権国家を定めた憲法でした。国民は臣民であり、思想心情の自由もなければ、言論、出版の自由もない、基本的人権も保障されなければ、地方自治もなかったのです。そして、当時の政府は、朝鮮半島から中国大陸、東南アジアに次々と侵略戦争を拡大し、アジア諸国の民衆と日本の国民に多大な犠牲者と悲惨な生活を強いたのです。戦後、国際社会と日本国民は、日本が再び戦争してはならないことを求め、それを国民が政府に要請する担保として、国民主権、戦争放棄、基本的人権、議会制民主主義、地方自治などの原則を新しい憲法に明記したのです。つまり、日本が再び戦争する国家にしないために、地方自治を憲法の原則の一つにしたと私は理解しています。そして、憲法第92条に、地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基づいて法律でこれを定めるとしています。地方自治の本旨とは何か。これは、団体自治及び住民自治の二つの意味における地方自治を確立することとされ、つまり、地方行政は、原則として国が関与することなく、国から独立した地方公共団体が行う団体自治と、これらの行政を地方の住民みずからの責任と負担において行う住民自治です。住民の代表である議員から構成される議会が予算や条例を議決することにより、団体意思が決定されます。代議制民主主義です。

 一方、地方自治法では、住民に長の解職請求権、リコール、議会解散請求権などを認めていますが、これは、選挙で選んだ長や議員、議会が住民の多数意思に反する行為を行った場合、住民がチェックできることを保障し、代議制のもとでも住民の意思が優先することをあらわしています。だから、市長など執行機関だけでなく、議会も住民の意思を十分に調査し、それを行政に反映させる必要があるのです。どなたが市長であっても、重要な行政計画であればあるほど、できるだけ多くの市民の意見を聞き、反映させるのは、市長として当然のことだと考えます。

 私は、憲法、地方自治法がこういう方向を要請していると理解しています。

 ところで、これまでの本市議会で、市長が市民と対話し、市民の意見を聞いていきたいなどと答弁すると、市民市民と言っているが、議会をどう考えているのかとの議論がありました。そして、市長から提案された市民参加を推進する事業として、16年度に予定していたまちづくり市民参加促進事業費のうち、パートナーシップ検討会議事業とまちづくり市民フォーラム開催事業、17年度に予定していた参加型まちづくり推進事業費のうち、ボランタリーフェスタ等開催事業などの事業費が、議会の多数で予算から削除されるといったことがありました。市政運営上、市長が直接に市民の意見を聞き、市政に生かすことや、市民参加の拡大、NPO法人の力を市政に生かすことに何ら問題はないと考えます。これらに関連する予算を削除したことが、私はいまだに理解できません。

 そこで、自治体の重要な課題の計画づくりなどにどれだけの市民の意見を聞くのかという問題もあります。他の自治体の住民参加の取り組みを2カ所だけ簡単に紹介します。

 人口20万人の岸和田市では、厳しい財政状況を打開するために、2001年に財政健全化3カ年アクションプランを市民参加で策定し、限られた財源の有効活用により、市民の満足度を最大限高めることを目指し、「市民と共に考える」まちづくり・ざいせい岸和田委員会を立ち上げています。一つの部会に15人、3つの部会で計45人の委員を市民公募して、3年間議論してきています。こうした取り組みを土台に、2004年12月議会に全会一致で岸和田市自治基本条例が制定され、地区市民協議会を設置するなど、市民自治都市の実現と福祉の向上をうたっています。

 人口17万人の鎌倉市では、市の総合計画、基本計画の策定に当たり、公募市民による策定委員会を立ち上げたとのことですが、その公募に何と140人が応募し、市は140人全員を策定委員に委嘱し、市民100人会議がつくられました。今、その中で自治基本条例の策定に向けて取り組んでいるとのことです。

 重要な政策決定では住民参画で取り組み、それらのことを自治基本条例で定める自治体が全国的に増えてきていると思います。どこそこの市と同じことをやれというわけではありませんが、広く住民の意見を聞き、できるだけその意見を生かしていく、そういう方向を条例化して、住民とともに考え、取り組む尼崎市政を目指していくのかどうか、基本姿勢が問われるものと思います。

 質疑します。

 持続可能な尼崎のまちづくりや、それにかかわる重要な政策決定については、学校の校区や支所を単位とする市民評議会とか市民会議をつくること、また、自治基本条例の制定などにより住民自治の発展を目指す方向を打ち出すべきだと考えますが、市長に改めて今後の取り組み方向を伺います。

 次に、住民自身が取り組むまちづくりの問題です。

 昨年の施政方針で、市長は、多様な主体が参画する協働のまちづくりの項では、1つに市民活動に関する情報を積極的に収集し、広く提起することにより、協働のまちづくりの輪を広めていくこと、まちづくりのリーダーやキーパーソンの発掘、育成、市民組織の交流の促進などを、また、まちづくりは人づくりからの項では、学べる場づくりやまちづくりに取り組む市民とともに取り組む市役所づくりにと表明しましたが、その成果、実績はどうだったのでしょうか。住民自治の発展というとき、その主体は住民自身にあるのは当然です。その発展には、それを推進する、あるいは支えるリーダー的存在の人、キーパーソンが必要であります。

 園田地域の住民主体の取り組みについて、私の知る範囲で少し紹介しますが、1つは、市制80周年を機に、市が自然と文化の森構想と位置づけた取り組みがあります。豊中市域のマンション開発から旧猪名川堤防などの貴重な自然林の保全と弥生時代の先人が残した生活と文化の遺跡である田能遺跡があるまちとして、田畑、自然林、藻川などの地域の資源を生かした取り組みを、自然と文化の森協会の会員が住民に呼びかけながら取り組んでいます。これは行政が支援していますが、この取り組みは、民間企業退職のリーダーの呼びかけから始まりました。

 次に、行政の支援を受けていない、住民が自主的に取り組んでいる文化活動として、猪名川寄席実行委員会と園田まちかどコンサート実行委員会があります。寄席は2カ月に1回開催し、ことし7月には3周年となります。園田まちかどコンサートは、第1回としてJR事故の追悼コンサートを猪名川自然林をバックに野外で行いましたが、参加者に感動と感銘を与えるコンサートとなりました。寄席のあるまち、園田のまち、園田に文化の風ををスローガンに、東京で劇団活動を主催し、その後、生まれ育った園田に戻り、リーダーとなり、ボランティアとともに頑張っています。また、東園田町会では、戦争体験を風化させてはならないと、昨年の戦後60周年を記念して、会員に体験記録を募集し、冊子として出版、その記念の集いをことし開きました。市の地域資料館の研究員は、本来なら市がやらなければならないことを町会がやってくれたと喜んでいました。また、3月26日には、防災避難訓練をみずからの自主的な活動として計画し、行政が支援することになっています。ここの町会長も民間企業の定年退職者です。尼崎市内には、このほかにも住民が自主的に取り組んでいる活動がたくさんあると思います。

 こうした町会や住民が主導して地域の課題に取り組む動きが広がっていますが、その中で、民間の退職者などがキーパーソン、リーダーとなり、地域課題に取り組んでいるのです。回覧板を回したり、季節季節、その時期ごとに取り組む恒例行事をこなすのも、半ばボランティアとして活動している社協の役員さんには大変な活動だとは思いますが、これからは地域の課題をみずから見つけ、解決しようという新しい活動に目を向ける時代になってくるのではないかと思います。その中で、民間を退職してくる団塊の世代の方々に、そのエネルギーを地域の活動に生かしてもらうことが決定的に大切だと考えます。まちづくりは人づくりから。その積み重ねが住民自治のまちづくりへの発展につながると思います。

 そこで質疑します。

 昨年の施政方針で明らかにした取り組みですが、市内全体で地域住民がみずからの地域課題の解決に取り組む活動はどう広がったのでしょうか。

 また、まちづくりのリーダーやキーパーソンの発掘、育成は進んだのかどうか、行政の支援を受けない自主的な活動をしているリーダーなどの掌握や評価についてはどのようにしていくのでしょうか。

 さらに、市長は、地域振興センターを来年度以降どのように機能させようとしているのか、具体的にあわせて答弁願います。

 以上、憲法に言う地方自治の本旨にかかわること、市長の政治姿勢、住民自治などを中心に質疑しました。的確な答弁をお願いして、私の1問目を終わります。(拍手)



○議長(谷川正秀君) 答弁を求めます。

 白井市長。

   (白井 文さん 登壇)



◎市長(白井文さん) それでは、田村議員の代表質疑に対しまして、順次お答えを申し上げます。

 まず、平和の問題についてのお尋ねでございます。

 平和な社会の実現は、市民生活の基本であり、特に21世紀が人権の世紀であると言われている今日、世界平和は人類普遍の願いであると考えております。こうした中で、私は、市民の皆様が安全安心に暮らすことのできる平和な地域社会を実現することが、市長に課せられた最大の使命だと認識しております。

 こうしたことを基本に据えて、あらゆる国の核実験に際しましても、実験中止の要請文を実施国大使館に送付しておりますほか、毎年本市を訪れます平和行進の団体にメッセージを送るなど、さまざまな機会をとらえまして、私の平和を希求する思いを伝えているところでございます。

 今後とも市民の皆様にも平和の大切さを広く理解していただけるよう、社会教育や広報などを通じて市民啓発を進めてまいりたいと考えております。

 次に、2006年度税制改正による住民税の影響額についてでございます。

 平成18年度の税制改正による個人市民税の影響額といたしましては、定率減税の縮減や老年者控除の廃止などで、約14億3,300万円と見込んでおります。また一方では、税制改正により、他の事業への影響も出てまいりますが、これらの影響額の算出は困難と判断しております。

 次に、障害者自立支援制度による障害者の負担増の見込額についてでございます。

 利用者負担額は、福祉サービスを利用する個々人がサービス提供事業者に直接支払いますので、予算上で歳入といった表現はございませんが、平成18年度予算案と平成17年度の当初予算との積算で比較しますと、定率負担の導入に伴う利用者負担の見込額におきまして、約3億700万円の増となっております。

 次に、介護保険料の負担増の見込額についてでございます。

 保険料額につきましては、17年度の地方税制改正に対応した激変緩和措置を講じるなど、低所得者に配慮するとともに、課税に当たっては、所得階層を8段階とするなど、保険料基準額の低減化も図ってまいりましたが、サービス給付費などの増加、第1号被保険者の保険料充当率が18%から19%に引き上げられたことや平成16、17年度に財政安定化基金からの借り入れが生じたことなどから、大幅な増加とならざるを得ない結果となりました。こうしたことから、介護保険料の負担増については、基準額となる現行の第3段階では、保険料年額4万2,665円から5万6,968円となり、1万4,303円、33.5%の増となっております。また、現年度保険料収入について17年度と18年度当初予算を比べますと、被保険者数が18年度は17年度より3,400人程度増加しているなどの違いがあり、単純に比較できるものではありませんが、予算比較で約15億円の増となっております。

 次に、格差拡大に関してのお尋ねでございます。

 国が進めている一連の構造改革は、金融システム改革や規制緩和など多岐にわたり、その中でも三位一体改革や税制改革、社会保障制度の総合的改革などは、本市財政や市民生活にも大きな影響を及ぼすものでございます。こうした制度改革については、社会的弱者を含め、国民生活などへの影響を十分考慮した中で、国民的理解のもとに進められるべきであると考えております。

 次に、収支見通しに関してのお尋ねでございます。

 20年度以降の本市財政につきましては、税制改正の影響等の不安定要因や国の構造改革の動向などを見きわめる必要もございますが、現時点におきましては、17年度と同様の基調の中、当面厳しい収支状況が続くものと考えております。

 その他経常的経費の内訳につきましては、市の施設の維持管理経費等もございますが、市バス特別乗車証交付負担金約15億円や国民健康保険特別会計への繰出金26億円、介護保険の特別会計への繰出金36億円等、多くが市民生活に関係する経費でございます。プログラムの収支状況につきましては、わかりやすい形でお示しできるよう工夫してまいったところでございますが、今後とも御指摘の点も勘案しながら、なお一層創意工夫に努めてまいりたいと考えております。

 次に、次期行財政健全化に対する計画についてのお尋ねでございます。

 4年目を迎える経営再建プログラムにつきましては、その経過において、議会との協議や市民意見の反映が十分になされていない、既存事業の削減が中心となった計画であり、新たな行政課題に対応していく方向性が示されていないなど、種々の御指摘をいただいており、次期計画の検討の際、整理すべき課題との認識を持っております。

 次に、市民懇話会を設置する考え方ですが、次期計画策定につきましては、まず議会との協議を踏まえ、進めてまいりますが、これまでの御指摘にもありますように、策定過程において市民意見を反映する取り組みとして設置するものでございます。市民懇話会では、本市財政状況について共通理解を図り、身近な市民サービスについての意見や今後重点化すべきことなどについて伺ってまいりますとともに、必要に応じ、こうした取り組みの過程において広く市民の意見をお聞きし、市民の皆様の御理解を得るよう努めてまいります。

 次に、市民評議会の設置などについてでございます。

 まちづくりや重要な政策決定についてはもとより、あらゆる場面でできるだけ多くの市民の意見を聞き、事業に反映させていくことが重要であると認識いたしております。そのため、計画策定から政策形成など、それぞれの段階で市民参加の機会の拡大を図るとともに、市民への情報公開とその共有化を図ってまいりました。現在のところ、学校区等を単位とした市民評議会というようなものをつくる予定はございませんけれども、今後ともあらゆる機会をとらえまして、積極的に市民の皆さんの意見をお聞きしてまいりたいと考えております。

 また、自治基本条例を制定する自治体の事例が近年増加いたしており、各自治体によってそれぞれ特徴のある内容を、条例、基本方針や指針など、さまざまな形式により策定しております。尼崎市ではどんな仕組みがよいのかということについても、市民の皆様と一緒に考えていくことが必要な時期に来ていると思っております。

 次に、住民自身が取り組むまちづくりについて、順次お答え申し上げます。

 まず、住民みずからの地域課題の解決に向けた取り組みについてでございます。

 本市では、これまでから、地域課題の解決に自主的に取り組むグループや団体などを積極的に支援してきております。こうした地域住民の活動の広がりを端的に表現することは難しいものがありますが、地域の特性や課題に対応した独自の活動やグループ同士が連携し、地域を越えた取り組みなども見受けられることから、活動の輪は着実に広がりつつあると感じております。

 今後の課題といたしましては、各グループ、団体相互のネットワーク化や地域振興センターを中心としたコーディネート機能を充実していく必要があると考えております。

 次に、まちづくりリーダーの発掘、育成などについてでございます。

 定年を迎えた団塊の世代の方々や地域で活躍されている住民の皆様が協働のまちづくりのキーパーソンとなり、地域課題の解決に取り組んでいただくことは、極めて重要であると認識いたしております。地域のグループにつきましては、各支所、地域振興課を中心に、その把握に努めておりますが、行政の支援を受けずに有益な活動をしているグループも多数あるものと思われます。おのおののグループの主体的な取り組みが地域の力を高め、暮らしよい地域社会の形成につながるものと期待をいたしております。このため、今年度から、コミュニティー活動に知識と経験を有する人材を地域のグループに派遣し、指導、助言を行う地域活動支援コーディネーター事業を実施するとともに、グループの活動及び情報交換、交流の場として、各支所にコミュニティルームを設置いたしました。

 今後は、地域活動支援コーディネーターやコミュニティルームの情報交流機能を積極的に活用し、情報の共有化を図るとともに、人材バンクの検討など、リーダーの育成や発掘に努め、ともに地域のまちづくりの輪を広げてまいりたいと考えております。

 次に、地域振興センターの強化についてでございます。

 地域振興センターにつきましては、地域の主体的な取り組みを側面的に支援するため、コミュニティルームの設置や地域の活動を支える人材の発掘、育成等を行うとともに、地域の課題は地域で解決できるよう、保健や福祉、教育など、行政分野間の連携を行う仕組みとして、仮称地域振興連絡推進会議を設置することといたしております。

 加えて、新たな地域課題に対し、全市的な観点から、より素早く柔軟に対応できるよう、仮称地域政策会議を設置し、地域振興センターが持つ協働のまちづくりと地域コミュニティーの創造を図る拠点としての機能を効果的に発揮させてまいりたいと考えております。

 以上で田村議員に対します第1問目の答弁を終わらせていただきます。



○議長(谷川正秀君) 田村征雄君。

   (田村征雄君 登壇)



◆45番(田村征雄君) 1問目の答弁をいただきましたけれども、住民税の増税、障害者の負担増、介護保険料の引き上げ、この3つの費目で合わせて約32億円、ことし市民の皆さんに負担を負わせられることになるということであります。

 こうした中で、やはり福祉の増進、公共の責任と役割、この立場に立って必要な支援をすることが必要だと思います。これは2問目で具体的に質疑していきたいと思います。

 また、住民自治基本条例の制定に向かって、大いに市民の皆さんにも提供しながら、これが早く実現できるように取り組んでいただきたいと要望しておきたいと思います。

 それでは、2問目は個別の行政課題について順次質問していきます。

 まず、住民の命、健康にかかわるアスベストの問題です。

 環境省の委託事業として、アスベストが原因と見られる中皮腫で2002年から2004年の3年間に亡くなった人の遺族を対象に尼崎市が行った聞き取り調査の結果により、事業所の近隣に住んだり通勤通学したりしたために中皮腫になったと回答した36人のうち、当時の通勤通学先として尼崎市を挙げたケースが31人おり、一極集中していると報道されました。また、1月末までの尼崎市のアスベスト検診で、これまでに胸膜肥厚などアスベスト疾患の兆候が見つかった51人のうち20人は、アスベスト関連の仕事の経験がなく、クボタ旧神崎工場周辺に住んでいた人が多数含まれていることがわかりました。これらのことは、日常生活の中でアスベストを吸った環境ばく露の可能性が高いと判断できるものであり、奈良医科大学の車谷教授の調査とも一致するものです。環境ばく露、これはアスベストと全く縁のない市民が、日常生活、普通の暮らしをしている中で、いつの間にかアスベストを吸い、胸膜肥厚となり、それが進めば中皮腫の発症という恐怖を抱える生活となり、住民にとっては希望も将来も奪われたも同然のこととなります。

 この当事者に思いを寄せた政治の対応が必要でした。救済を求める被害者や世論に押されて、石綿、アスベストによる健康被害の救済に関する法律、いわゆるアスベスト新法が成立しました。しかし、本人死亡の場合、労災の葬祭料が82万円に対し、新法では20万円程度、労災の遺族一時金が300万円に対し、新法では280万円の弔慰金から生前に支給された医療費及び療養手当の合計額を差し引いた差額のみです。労災の遺族年金では275万円ですが、新法では支給されません。アスベストにより同じように健康を害し、命を奪われても、工場の内側でばく露すれば労災補償であるが、外側でばく露した近隣住民などには、お見舞金でお茶を濁そうというものです。アスベスト救済新法が成立した日、ある遺族は、アスベストを吸って、危険性を知らないまま40年生き、突然命を奪われた妻のことを考えると、到底納得できないと、笑顔もなかったと報道されていました。

 市民に苦難をもたらすアスベスト問題で、市長がこれまでタイムリーに必要な対策を講じてきているものと考えます。来年度予算でも引き続き健康診断事業を行い、国の委託事業ですが、アスベスト検診で要精密検査、経過観察となり、協力を申し出た者を健康リスク評価システムに登録し、被害者の医療費負担を軽減する施策を実施するとしています。しかし、これで十分とは言い切れません。本市は、南部の工場煤煙と自動車排気ガスの影響で公害患者を生み出したまちです。今回の問題は、これまでの公害とは違い、発症までに長い期間がある問題ですが、国の無作為と企業の安全対策の不備によって、今後も多くの被害者を生み出す問題です。国とクボタを初めとした企業の責任において、市民の命と健康の保障を求めるべきだと考えます。

 そこで質疑します。

 私たちも国に対して求めていきますが、白井市長は今後、アスベスト被害者救済制度の改善を国に対してどのように働きかけていくつもりなのか伺います。

 また、公害の被害者対策との視点のもとに、市民健診などに係る費用をクボタなど企業に求めるべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。伺います。

 次はリサーチコア事業です。

 都市型産業化のリーディングプロジェクトと銘打って、エーリック株式会社、財団法人近畿高エネルギー加工技術研究所、情報技術専門学校を一体的に整備するリサーチコア事業は、当時の通産省、文部省からの補助を受け取り、取り組まれました。六島市政、宮田市政を通じて、日本共産党議員団はこの事業に一貫して異議ありの声を上げてきました。第3セクターのエーリック株式会社が運営管理している尼崎リサーチ・インキュベーションセンターは、貸し室利用料収入が当初の見込みを下回り、18年度中に資金不足を起こして経営破綻するおそれがあるとして、株主1位の尼崎市、2位の兵庫県がそれぞれ5,000万円の追加貸し付けをする予算が計上されました。尼崎リサーチ・インキュベーションセンターは、都市型産業技術を育成しようとの視点で、研究や技術開発に取り組む事業者への貸し室事業でありますが、当初に46億8,000万円を投資し、利用料金で建設借入金を償還していく計画でした。しかし、施設そのものの規模を過大に見込み、利用率も過大に見込んだ計画でした。利用率は一時的に90%あったものの、平均すれば60%強と、当初見込みより低迷している状態で、過大な見込みのツケが赤字の運営を余儀なくさせてきた原因だと考えます。

 また、市内の中小企業が利用しやすくなったものづくり支援センターを運営している近畿高エネルギー加工技術研究所は、設立当時、世界に2台しかない大出力CO2レーザー装置などを、当時10億円余り投資して設備しました。しかし、それらの設備は、市内の利用件数はほとんどゼロ件で、大企業は年間10件程度の低い利用状況であり、ここも過大な計画のもとに取り組まれたものと考えます。

 民間にできることは民間にと今言われますが、これらの設備は、今利用している大企業なら、自社の研究所で十分に持てる装置なのです。なぜ近畿という冠をつけたのか。大企業しか利用できない近畿高エネルギー加工技術研究所をなぜ尼崎市に設置し、費用の大半を尼崎市民の税金で持たなければならなかったのかが問われます。

 そこで質疑します。

 リサーチコア事業全体をどう総括しているのか。インキュベーションセンター事業をこれからどうしようとしているのか。現時点に立って市としての総括を行い、市民への説明責任が必要と考えます。御答弁願います。

 また、これは行政の側だけでなく、チェック能力を発揮すべき議会にも問われる問題であることは指摘しておきたいと思います。

 次に、雇用問題です。

 政府の構造改革路線は、少子化問題にも影を投げかけました。労働法制の規制緩和などで多数の低賃金労働者を生み出し、若者に仕事がないという深刻な状況をつくり出しました。尼崎ハローワークの状況では、最近でこそ有効求人倍率は1.0に近づき、雇用が上向いているとのことですが、実際には派遣労働が当たり前のような状況です。少子化対策の基本として、若者の生活基盤の確保と安定が位置づけられる必要があると考えますが、実態としては、失業率が高く、派遣労働、パートなど、契約で働く不安定な非正規社員としての雇用が急増しています。

 このようなときに、大企業は目先の利益にきゅうきゅうとするのでなく、将来にわたり日本社会を持続させるための社会的な責任を果たすべきであります。そのため、若者が結婚できる生活、子育てできる生活基盤を保障するため、若者を正規社員として雇用し、生活基盤の安定を図るべきであります。

 本市は、昨年から、ヤング・キャリア・サポート事業を実施していますが、本来なら、こうした問題は国、県の責任が大きい問題です。国は各県に1カ所の若者向け就業支援施設を開設するという方針を打ち出し、兵庫県は、昨年、神戸市に若者しごと倶楽部を開設しました。全体の利用は449件、尼崎の若者の利用は17件でした。3.8%です。昨年12月の県議会で、日本共産党の宮田しずのり議員が、阪神間にも若者しごと倶楽部を設置するように求め、知事が予算編成の中で検討したいと答弁していました。きのうも議論がありましたが、18年度に尼崎に開設される予定となりました。きのうの質問で、市長からも力を入れて取り組むとの表明がありましたので、市、県で役割分担や連携しながら、効果が出るような取り組みを要望しておきます。

 さらに、松下ディスプレイ立地とそれに伴う雇用の問題です。

 松下プラズマディスプレイが1棟目でパネル年間300万台生産に950億円の投資、2棟目でパネル年間600万台と、世界最大の量産工場に1,800億円投資すると発表されました。ここでは、先端企業として自動化、ロボット化された生産ラインと思われますが、投資額に比べて非常に少ないのが雇用労働者数であります。1棟目で800人、2棟目の第1期創業時で600人とのことです。1棟目の800人のうち250人は松下の社員で、私の調べでは、その他の550人は派遣企業からの雇用です。つまり、派遣労働者です。1日12時間労働で2日働き、2日休む体制であり、関西の派遣労働の時間賃金がほぼ1,000円程度であることから、月額給与は20万円になるかならないかと思われます。

 ところで、兵庫県の産業集積条例の対象企業として、この松下プラズマディスプレイが挙げられています。県の優遇制度もありますけれども、その内容に、新規地元雇用者には、11人以上の場合、雇用補助金が交付されます。この新規雇用とは、失業者を雇用した場合でなくてもいい、他の県の企業で働いていた派遣労働者が兵庫県内の企業で働き始めても新規雇用です。派遣労働の仕組みとは、松下など採用する企業が労働者1人につき派遣企業に100支払う契約をすれば、派遣企業、会社の取り分は20程度、労働者の取り分は80程度というのが通常です。労働者にとり、二重三重に劣悪な雇用条件。それでも1棟目だけで17年度は県から雇用補助金3億円を松下が受け取れるとのことです。

 そこで質疑します。

 本市の立地促進条例では、事業者の責務として、1、尼崎市民の雇用、2、地域社会の発展への協力、3、認定事業の10年間の事業継続を努力規定としていますが、尼崎市民の雇用は正規で何人、派遣で何人でしょうか。

 次に、事業者の責務として、松下プラズマディスプレイは、それぞれ市にどういう約束をしてくれているのか。また、市として、派遣ではなく正職員としての雇用条件の改善や市内中小企業との連携などについて何らかの要望を出すべきだと考えますが、いかがでしょうか。

 次に、松下プラズマディスプレイなどの立地によるプラス効果の問題です。

 南部の工業専用地域、工業地域などに早い時期から大企業が進出して産業都市として発展してきた本市は、70年代に工場が発生源となって大気汚染などによる公害を起こし、犠牲者、公害患者をつくり出しました。老朽化した工場と設備の更新、法規制の強化への対応から、大企業は市外に移転し始め、多くの工場跡地が遊休地となりました。松下プラズマディスプレイ工場の立地が発表される前、2005年4月では、工場遊休地の面積は約72万?ありました。甲子園球場が13個分に相当します。これらの遊休地がいつまでも空き地のままでいいとは考えません。

 こうした状況に対して、市として特に工業専用地域などに工場立地を誘導するために企業立地促進条例を制定したのは、一つの産業施策であります。2004年10月に企業立地促進条例が制定されてからの実績は、私の調べでは、この制度による工場の新設、増設、建てかえ、市内間移転に認定されたのは18社で、資本金3億円以上の大企業が3社、それ以下の中小企業が15社の計18社であります。制度対象外の物流企業などの立地を含めると、32万?の立地が進み、遊休地はほぼ半減という状況まで企業立地が進みました。

 まずは、市内の中小企業の立地に役立ったことを評価したいと思います。そして、雇用以外のことでどのようなプラスの効果があるのか、市民は関心を持っていると思います。

 そこで伺います。

 松下プラズマディスプレイの立地並びに中小企業でも既に一定の立地が進んだ状況を踏まえて、この制度についてどのようなプラス効果があると、またはあったと見られますか。御答弁願います。

 次に、土壌汚染問題と環境改善についてであります。

 市内の工場跡地から、基準値を超える有害物質が検出され、その都度新聞紙上をにぎわせています。もともと尼崎市は、日本の近代化の早い時期から工場が立地してきた経過がありますが、大気汚染も水質汚濁も問題とならなかった時代に、南部臨海部に多くの企業が立地し、阪神工業地帯が形成されてきました。その後の産業構造の転換などで、現在多くの工場遊休地がありますが、ほとんどの工場跡地には、宝物ならぬ有害物質が埋まっているのではないかと市民の人も考えていると思います。尼崎市の土壌汚染対策に係る工場跡地要綱は、昭和53年に制定されていますが、その内容は、2,000?以上の工場の操業を終結するとき、土地所有者が土壌汚染に係る調査を行い、市に届け出し、市の指導に基づき対処するというものです。私の調べでは、三菱電機製作所や第一電工など、4社で土壌汚染を検出して以後も、旭硝子グラウンド跡地から基準値の130倍の砒素、キリンビール社敷地や緑遊新都心関連のJR跡地などからも有害物質を検出しています。きのうも質疑がありましたが、市役所東側の旭硝子の跡地を開発してオープンした温泉付浴場などは、オープンした後の再チェックで基準値を199倍も超える砒素が検出されたり、臨海西部の企業用地として売却予定の産業の育成支援拠点の用地は、元の所有者である神戸製鋼所の再度の調査で、シアン、砒素、フッ素を検出したとのことでした。また、塚口の旭硝子工場跡地の土壌からも基準値の630倍の砒素が検出されました。

 市は、企業立地促進条例により優遇制度をつくって、工場遊休地への企業立地を促進していますが、対象の土地には面積要件がありません。その点が問題です。

 そこで質疑します。

 現在対象外の2,000?未満の工場跡地を土壌汚染に係る工場跡地要綱の対象とするよう、要綱を改定すべきです。

 また、今回の旭硝子グラウンドのようなケース、工場が所有している跡地でグラウンドに使われている、こういう場所も対象にするよう要綱を強化すべきです。あわせて御答弁を求めます。

 次は、ヘルスアップ事業についてです。

 高齢化社会では、医療費が膨らんでいくことは避けがたいことであり、国民健康保険会計において市民の負担増、市の負担増となる実態もあります。しかし、ピンピンコロリという言葉で有名になった長野県では、お年寄りが死ぬ間際までぴんぴんしている、幾つになっても元気で働く、病気にならない取り組みを強化し、保険料の抑制を図ることについて、こうした問題で過去に会派の議員が取り上げました。市民局が国民健康保険に係るレセプトの解析を行い、特に点数が高く、高額な医療費がかかるのはどういう病気なのか、この実態を調査したとのことであります。1枚200万円以上のレセプト174件以上の主な疾病を分析したところ、血管系の疾病が約50%を占め、次に1枚400万円以上のレセプトでは、血管系が80%で、中でも大血管に関する病気が多く、これは長期間高血圧であった結果起こってくることが多いというものです。平成16年4月から17年3月まで1年間の調査によれば、例えば脳血管の疾病21人では、平均医療費が293万円で、最高400万円、大動脈解離という疾病13人では、平均521万円で最高1,400万円、心臓虚血性疾患59人では、平均343万円で最高600万円、また人工透析263人では、1人年間540万円で、263人の年額は14億1,500万円かかっているとのことでした。

 ところが、これらの病気の原因である糖尿病や高血圧などの早い段階の治療なら、治療費は月1万円もかからないということです。こういう実態を市民が知り、予防、早期発見、早期治療に取り組む尼崎のまち、こういうまちにしていくことがどうしても必要だと考えます。市民みずからの健康づくりを行政が支援することが必要であり、特に、将来は国民健康保険の加入者になるが、健康診断の受診率が低い零細事業所の30代、40代の市民に対して、市から出向き、予防、健診活動、糖尿病などになるリスクの高い人を対象に訪問指導するなどのヘルスアップ事業については、大いに評価をし、長い目での成果を期待します。

 取り組みとして1,000カ所の事業所を訪問、3,000人に健康チェックを行い、6割が有所見として1,500人に生活習慣病予防健診を行うなどの積極的なものです。問題は、その取り組む職員体制であります。

 そこで質疑します。

 係長1名に2名の保健師、4人は委託という体制と聞いておりますが、これで十分実施できるのでしょうか。健診を受けることに消極的な市民への啓発を含めた活動になると思われますが、将来的な事業効果が見込まれるだけに、職員体制をもっと強化すべきではないかと考えます。あわせて御答弁願います。

 次は介護保険についてです。

 高齢者人口は、2025年に3,500万人と増加し、そのうち高齢者ひとり暮らし世帯や認知症高齢者が増加し、介護サービスを受ける高齢者がふえる状況のもとで、改定介護保険制度がスタートしています。本来なら、憲法第25条が国民に保障している生存権を守るために、政府が税金の使い方を社会保障中心に切りかえること、大企業、大資産家などに負担能力にふさわしい負担を求めることが必要です。これは、世界有数の経済力を誇る我が国では、決して不可能ではないのです。ところが、政府は、別の道をとりました。それは、サービスの切り捨てなど給付の削減と介護に必要な負担を国民にさらに負わせるための介護保険法の改悪でした。その特徴は、第1に、ホテルコストとして食費や居住費が介護保険の対象外になり、原則として全額を利用者負担にしたことです。第2に、新予防給付の導入などによる軽度者のサービス切り捨てです。第3に、高齢者の保健福祉事業を地域支援事業として介護保険に取り込み、公費で行ってきた保健福祉事業を介護保険財政に移すことにより、国の負担割合を減らし、国の責任を後退させるものです。まさに保険あって介護なしを促進する大改悪であります。

 こうしたもとで、福祉の増進を図るとする自治体の取り組みは重要であります。尼崎市においては、介護保険料については8段階に設定して基準保険料を引き下げることについては評価できるものと考えますが、しかし、絶対額はまだまだ高いのではないでしょうか。実際、介護保険料の基準額が1,200円もの引き上げとなります。そして、高齢者の住民税非課税措置の廃止による介護保険料のランクアップが行われ、激変緩和措置を実施しても毎年値上げがあり、現在の保険料に比べ、3年及び4年後には、現第2段階から新第4段階に2万4,900円負担増になる人が3,800人、現第3段階から新第5段階に2万8,500円負担増になる人が3,700人、現第2段階から新第5段階に3万9,200円の負担増になる人が9,000人も出ます。大変な介護保険料の値上げです。本市のように低所得の高齢者が多く、よくサービスが利用されている都市では、今の介護保険制度では市民の負担がもたない状況になっています。憲法25条の社会福祉の保障が死文になってしまうのです。

 そこで市長に伺います。

 8段階設定や一定の緩和措置があるとはいえ、低所得の高齢者が多い本市においては、今回の介護保険料引き上げは余りにも過酷ではないかと考えますが、市長の認識はいかがですか。御答弁願います。

 また、国庫負担は25%ですが、そのうち5%は調整交付金です。これは、低所得高齢者と後期高齢者の比率により自治体によって異なり、本市は現在4.4%です。市として保険料負担の軽減を図るため、25%全額を負担金とし、5%の交付金を別枠にするように国に要望していると聞いています。

 そこでお尋ねします。

 介護保険料の大幅引き上げについては、市として国に負担軽減の要望をしていることを市民にきちんと知らせるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

 国の財政負担を5%引き上げると、本市では1,000円保険料が安くなるとのことです。介護保険制度に対する国の財政負担の引き上げについての要求をさらに強めることが必要と考えますが、いかがでしょうか。あわせて答弁願います。

 次は、障害者施策についてです。

 全国の障害者団体、家族、福祉団体、国民の反対の声を押し切って、政府与党は障害者自立支援法を成立させ、2006年度から実施されます。支援費制度のときは、負担能力に応じて支払う応能負担であったため、費用を払っていたのは、ホームヘルプサービスの場合、全国の利用者の5%程度で、残りの95%の人は無料で済んでいました。それが障害者自立支援法では、住民税課税の一般では3万7,200円、低所得2ランクの方は2万4,600円、低所得1ランクの方は1万5,000円、生活保護の方はゼロ円と、負担の上限を設けてはいますが、基本的には1割負担で、一挙に1万5,000円から3万7,200円の負担増となる人が出てきます。収入が障害者年金という限られた障害者にとって、受けたサービスに応じた負担、つまり応能負担は、本来相入れないやり方です。障害が重く、多くのサービスを必要とする人ほど負担が重くなり、お金がなければ支援が受けられない事態となります。実際に、2級で月6万6,000円の年金の障害者で、同居の親が市民税課税にあるとすると、この障害者の定率負担額は、障害者本人でいえば月6万6,000円の年金から3万7,200円を支払うことになり、残額は2万8,800円です。家族に支えられなくては生きてはいけない。障害者自立支援法の目的である障害者が自立した日常生活または社会生活を営むことができるよう支援を行う、この目的を逸脱する事態になります。

 きょうも議会の入り口で障害者の皆さんが訴えておりましたが、障害者6団体が市長に、必要な人には独自の支援をするよう要望していると聞いています。障害者の皆さんの声にこたえるべきだと考えます。国の法律が改定された以上、自治体は法に基づいて事務執行に当たらざるを得ませんが、しかし、一方で、福祉の増進を図ることを自治体は使命としています。障害者、家族のニーズにこたえた施策の充実を図ることが必要です。

 既に京都市は、低所得層の負担上限を半分に下げる、横浜市は、非課税世帯は負担なしとしています。こうした自治体独自の取り組みも始まっています。

 そこで質疑します。

 自立支援制度の対象になる障害者については、現在受けているサービス量と負担の実態、それが自立支援制度でどうなるのか、まずこの調査を実施すべきです。その結果、障害者の受ける必要なサービスに対して負担能力を超える場合は、市として独自の支援を実施するよう求めます。あわせて御答弁願います。

 1問目の答弁で、障害者の負担増を合わせて3億円程度との答弁がありました。独自の支援策には当然財源が必要ですが、これまで経営再建プログラムに基づいて収支不足に充ててきましたが、今後においては、所得の再配分機能や憲法25条の要請を踏まえて、人間らしい生活を保障するために、市の負担が軽くなる分を財源の一部として振り当てることも検討すべきであり、それは市民にも理解していただけるものと思います。

 次は、緑遊新都心開発と関連事業についてです。

 キリンビール工場跡地については、遊休地のままでいいとは私たちは考えていません。日本共産党議員団は、開発に当たっては、住民の生活環境に支障がないこと、道路交通に支障がないこと、近隣商店街との共存が図れること、最低限こうした配慮が確保されることが必要であり、事業進捗に合わせて説明責任と住民合意が必要であると考えています。2年前に、工業地域であるキリンビール跡地を商業地域に変更するなど、関連の都市計画変更が都計審で議論された当時、キリン社から、6万?の商業施設に2,000台の駐車場を設置するなどの構想が出ていました。住民の生活環境、道路交通問題、近隣商店街との共存で、キリン社の構想はそれにこたえる確たる考え方が示されていませんでした。また、1万?の緑遊公園は、駅から西へ600mも離れていること、都市計画上の地区施設である緑遊広場は、キリン施設の2階に位置するグリーンコリダー、緑の回廊も、キリン施設の2階に位置するもので、地面に緑の広場と回廊をという住民の願いとかけ離れていました。これらを総合的に判断して、当時の都市計画審議会で、私は都市計画の変更に反対しました。賛成多数で都市計画が変更された後、キリンガーデンシティの商業施設計画と、最近、すぐ北側の保留地へのオリックスグループによる開発計画などが明らかになってきています。

 キリンガーデンシティに係る大規模小売店舗立地法に基づき、昨年来3回の説明会が行われ、潮江連協分と合わせると、これらの説明会には述べ330人近い住民が参加しました。住民が一番問題にしたのは、通過車両を処理できる4車線、幹線道路である駅前1号線が完成していないのに、キリンガーデンシティが先行してオープンするため、狭い潮江地域に車が集中して、交通環境が極めて悪化する、住環境が悪化する問題です。高内交差点、潮江尼信前交差点が問題箇所であり、新たにキリンガーデンシティから2号線にも車の出入り口ができることから、2号線そのものが問題箇所となります。

 都市整備局は、道路拡幅や右折だまりなど交差点改良するので、渋滞しないと答弁してきました。しかし、キリンビール社は、オープン時や日曜日には車が集中して渋滞することを認め、その対策として広域誘導すると説明しました。

 そこで質疑します。

 キリンビール社の施設が2,000台の駐車場の構想段階で、高内交差点や潮江尼信前交差点は、交差点改良や道路拡幅するから渋滞しないと答弁してきたと思いますが、今もその答弁を変えるつもりがないのかどうか、改めてお願いします。

 次に、この2月、オリックスグループが保留地に複合商業施設、病院、賃貸マンション、有料老人ホームなどを計画していると発表しました。そこには286台の駐車場が設置されるとのことです。

 そこでお尋ねします。

 オリックスグループの開発で、近接した場所に別々の事業者への入出店車両が複合的な状況になります。ここは1号線に面しておらず、キリンビール社が広域誘導しても、この場所へは3号線、2号線経由となり、狭い場所に車が集中します。2号線に出入り口をつくると聞いておりますが、2号線の渋滞は必至です。複合的に店舗等が立地するに当たり、交差点飽和度などで問題が出れば、だれが調整の責任を持つのか。また、地域住民の不安解消に市として責任を持つべきだと考えますが、いかがでしょうか。あわせて答弁願います。

 次に、キリンガーデンシティは、1日来店車両は平均4,300台としています。実際はもっと多くなると思われます。産業道路からの来店車両は、北は山手幹線経由で東の久々知線へ誘導し、キリンガーデンシティへ、南は波洲橋線経由、長洲線からキリンガーデンシティに広域誘導するとしていますが、実効性があるのかどうか、住民は疑問を持っています。長洲連協の会長は、広域誘導と言うが、何のメリットもないと発言して、JR南側住民にも説明会を持てと迫っていました。緑遊開発の基本計画では、駅前の広域的拠点として、緑豊かで環境にすぐれたまち、商業等の集客施設のあるにぎわいづくりなどと位置づけて、その位置づけのもとに必要な道路整備、公園整備などを土地区画整理事業として都市再生機構が進めています。狭い潮江地域の状況を踏まえるならば、道路整備の進捗、タイミングと大規模商業施設などの開発の進捗、タイミングは整合性がとれる必要がありました。したがって、道路整備のめどが立つまでオープンを待てというくらいの市の姿勢があってしかるべきでした。ところが、幹線道路の駅前1号線が完成しないままキリン社がオープンすると発表しました。

 さらに質疑します。

 商業、業務の用途として駅前の都心を整備し、にぎわいづくりと位置づけ、そのための区画整理事業を進めているはずです。ところが、区画道路が完成していないのに、キリンビール社のオープンが先です。1号線、3号線、4号線の全体がいずれも未完成のまま、キリンガーデンシティのオープンを迎えるのは、周辺住民に対して余りにも無責任だと思いますが、いかがですか。

 キリンビール社ばかり優先で、住民は後回しでは問題です。キリン社オープンまでに、高内交差点などに負担をかけないで、せめて1号線だけでも全通させることを検討すべきではないでしょうか。

 さらに、車を減らすためにキリン社の責任で阪神尼崎駅と阪急塚口駅からシャトルバスを出し、企業責任を果たさせる必要があるのではないでしょうか。あわせて御答弁を求めます。

 次に、緑遊新都心開発と銘打っているから、自然を回復し、緑がいっぱいのまちになる。住民は素朴にそう考えていました。緑遊公園は防災公園の位置づけがあるのに、遠過ぎるとの住民の声があり、キリンガーデンシティ2階の緑遊広場やグリーンコリダーに対して、何で広場やグリーンコリダーが2階なんや、地べたにつくれと、説明会で住民が要求していました。キリンビール社に言ってもどうにもならないのに、何人もの人が重ねて質問しているのを聞きながら、この計画にはいかに住民の意見が入っていないのかと、これまで私が指摘してきた問題点が今になって吹き出していると感じました。これまで地元の社協や企業を中心にしたまちづくり計画研究会が、都市整備局、キリンビール社、都市再生機構なども交え、議論をして取り組んできていました。これまで説明を受け、それなりに当局説明を飲み込んできたのではないかと思いますが、社協の一般の会員にも、社協に加わっていない住民にも十分な情報が伝わっていなかったと推察します。当局は、社協役員に説明したから住民は納得している、そう考えていたのでしょうか。結果的には、情報周知と説明は不十分でした。キリンガーデンシティ西側の住宅開発では、国の外郭団体である民都機構と近鉄不動産、保留地では、同じく外郭団体の都市再生機構とオリックスグループ、そして多分大成建設です。それにキリンビール社と、名立たる巨大な企業群が、国の外郭団体とともに開発に取り組む状況が明らかになり、これまで理解していたのと比べ物にならないほど、潮江のまちが変わってしまう。もっと自分たちの意見も主張も言わなければと、住民が考え始めたのではないでしょうか。

 これまでまちづくりを考えてきた緑遊を考える会、潮江の住環境を守るオリーブの会に加えて、最近は、潮江のある単協会長がかかわる潮江のまちづくりを考える会、潮江連協には潮江まちづくり協議会が、まちづくり団体としてそれぞれ立ち上がりました。そして、市にさまざまな要望を出していると聞いています。

 そこで、さらに質疑します。

 都市整備局の情報公開の不十分さと、社協役員などに対象を限定した説明はもう限界です。緑遊新都心開発の全体については、地元住民がだれでも参加できる説明責任の場、それも尼崎市だけでなく、都市再生機構、キリンビール社、オリックスグループなどが出席する説明責任の場が必要と考えますが、市長はその先頭に立って説明する決意があるのかどうか、伺います。

 説明会でキリンビール社のコンサルタントは、大規模開発でなければダイヤモンドシティやららぽーとなどとの競争に勝てないと、利益優先の姿勢を明確にし、地域住民への配慮は不十分なままで、とにかく御理解をという態度でした。それだけに、地域住民の立場に立って当局が対応すべきであることを踏まえて御答弁を願います。

 次は、学力向上と教育条件整備についてであります。

 心身ともに健やかに育ってほしい、基礎学力をしっかり身につけてほしい、社会のルールを守る子になってほしいなど、これはだれしも親の願いであります。本市においては、基礎学力の向上はずっと以前からの課題でありました。日本社会は経済発展したものの、さまざまな分野において子供たちを過度に刺激する情報が多く、子供たちを育てる親の意識も多様化してきています。また、文部科学省も、肝心の学習指導要領を、いわゆる詰め込み教育やゆとり教育などと柱が一環せず、改悪に次ぐ改悪を進めました。教育基本法に基づく社会の形成者を育てる教育、国民の立場に立った教育を怠り、経済大国にふさわしい教育予算の配分を怠り続けてきました。

 そうした中で、本市は過去2年間にわたり、学力・生活実態調査を実施してきましたが、昨年の調査結果では、国語は平均点だが、算数、理科などは全国平均を下回るとのことでした。また生活面では、朝食を食べてくる子は、食べてこない子より平均点が8点高いと、朝食と学力に相関関係があると新聞報道されました。

 さて、これらの調査結果をどう生かすかが問われます。教育委員会として、これまでに取り組んできた基礎学力向上推進プロジェクト事業や自主学習支援事業などとあわせ、新たな取り組みとして、1つは新年度に全保護者に対して学力向上と生活の改善を目指す教育啓発誌を年3回発行するとしています。また、家庭学習の定着と習慣形成を図るため、学校独自のがんばりノートを作成し、活用するとし、すべての教科の学力を向上させるベースとして、伝える力や調べる力を含めた言語力を向上させるため、読書指導を初め図書館司書等の有資格者を当面15校に配置する。そして、すべての教員が年1回公開授業を実施し、教員相互の授業研究に取り組むなど、新たな取り組みを進める決意と受けとめました。

 ところで、教育分野では、文部省から県の教育委員会へ、そして市の教育委員会へ、そして学校長へと、縦型系統になっています。生徒の実情を最もよく知っているのは、現場の教師や教師集団であり、その現場と市の教育委員会との対話が私は極めて大切になってきていると思います。昨年の予算委員会で、教育長は、気持ちとしては私の任期中に全国平均に届くように努力したいと答弁してきたことについては、その意欲と熱意を評価します。一方、現場の教師も、生徒の基礎学力を向上させたいという意欲を持って教壇に立っていると私は考えます。

 そこで質疑します。

 新規施策など、基礎学力向上のための取り組みが全体として効果を発揮できるようにしていくために、現場の教師集団と教育委員会との間で学力向上という一致点で意見交換の場を持つべきではないでしょうか。教育長や教育委員長は、みずから教職員団体などと協議しながら取り組もうという決意があるのかどうか、伺います。

 次に、取り組みのおくれている学校耐震化の問題です。

 16、17年度に小中学校の耐震診断優先度調査が行われ、その結果は、この3月末にまとまるはずであります。先行した中学校の優先度調査では、建物の棟ごとの割合で60%は優先度の高いランク1と判定されています。また、学校統廃合の対象校は今回の調査から外しています。これは問題ないのでしょうか。地震その他災害の際には、学校施設は住民の避難所とされます。避難所の安全は優先して確保されなければなりません。本市の学校には生徒急増期に建設した学校が多く、ほとんどは築後30年以上経過しており、地震があればいつ倒れても仕方がない状況もあります。200棟を超える建物の耐震診断と補強工事をやろうとすれば、かなりの年数もかかり、かなりの費用もかかると思われます。

 そこで質疑します。

 学校耐震化のための優先度調査は、統廃合の対象校を含めてすべての学校で実施するよう求めます。いかがでしょうか。

 次に、平成18年度に耐震化計画を策定すると聞いておりますが、その素案段階では、パブリックコメントだけではなく、地域の住民全体に周知され、意見が反映されるように、説明会を持つ必要があると考えますが、いかがでしょうか。あわせて答弁願います。

 次に、最後になりますが、旧同和施策の見直しの問題です。

 支所、出張所等の統廃合が大きな問題になっていた2年前の私の代表質疑で、市内6カ所の旧同和地区に、それぞれ総合センター、青少年会館、老人福祉センター分館、公民館分館があり、そこに正規職員が配置されている問題を取り上げました。各施設の機能の見直しと職員配置の見直しをすれば、経費削減の財政効果が大きいことを指摘し、旧同和施策の完全終結を求めてきました。今議会に18年度に向けての機構改革の発表、事務分掌条例改正の提案という中で、総合センター等の機能を統合し、38人の職員を削減する見直しが提案されました。いろいろ抵抗があったと思います。しかし、こうした見直しに取り組んだ市長並びに担当職員の努力を、私は大いに評価したいと思います。そして、これは第1次の改革と受けとめ、引き続き見直しをお願いするものです。

 さて、今回取り上げるのは、総合センター運営審議会の問題です。

 現在の第35回総合センター運営審議会の委員は14名でありますが、同和事業関係者として旧同和地区の各地区から合わせて6名が選任されています。

 そこで質疑します。

 特別法の廃止により、旧同和地区への地区指定の根拠はなくなり、総合センターも同和の位置づけを廃止しています。そこで、総合センター運営審議会の委員の選任は、本来の隣保館事業の位置づけのもとに幅広く選任されるよう見直しをすべきです。御答弁願います。

 以上は個別の行政課題を中心にした質疑でありました。予算議会はまだ引き続いて分科会質疑や総括質疑が行われます。きょうは時間の関係で取り上げることができなかった問題は、引き続き会派議員がただしていくことといたしまして、私のすべての質疑を終わらせていただきます。

 長時間の御清聴ありがとうございました。(拍手)



○議長(谷川正秀君) 答弁を求めます。

 白井市長。

   (白井 文さん 登壇)



◎市長(白井文さん) それでは、田村議員の第2問目の御質疑に対しまして、順次お答え申し上げます。

 まず、アスベスト問題のうち、被害者救済制度の改善についてのお尋ねでございます。

 今回のアスベスト新法は、被害者等に対する迅速な救済という観点から立法化されたものと聞いております。そのため、労災制度など他の救済、補償制度と比較しますと、保障面において大きな差が生じており、多数の環境ばく露による健康被害が発生していると推測される本市にとりましては、不十分な内容と考えております。

 こうしたことから、去る12月26日に、国に対し、公害健康被害補償法並みの補償の制度化を初めとするアスベストによる健康被害対策等の強化に関する要望を行ってまいったところでございます。今後におきましても、現在環境省の委託事業として実施しております一般環境経由によるアスベストばく露の健康影響実態調査の結果を踏まえた中で、アスベスト被害者救済制度の改善に向け、国に対し必要な意見を述べてまいりたいと考えております。

 次に、市民検診などの費用を企業に求めることについてでございます。環境ばく露による健康被害と発生源の因果関係については、現在、兵庫県下で進めております健康影響実態調査を通じ、明らかにされていくものと考えております。こうしたことから、この調査の結果等を踏まえる中で、企業の協力のあり方について十分な検討を行ってまいりたいと考えております。

 次に、リサーチコア事業に関してのお尋ねでございます。

 リサーチコア整備事業は、本市臨海部を中心とした産業構造の都市型化を目指す先導的事業として、産業育成支援拠点、研究開発拠点、人材育成拠点の機能を整備してきたものでございます。

 まず、産業育成支援を担うエーリックにつきましては、多目的ホールなどの附帯施設に対する投資額が大きかったことなどが今日の経営上の問題につながっているものと受けとめており、企画段階において見直すべき点があったと認識しております。また、開設以来の社会経済情勢の変化等により、一般向け入居率が低迷していることも厳しい経営状況が続いている要因であると考えております。

 しかし、インキュベーション施設は、施設全体のおおむね1割ではありますが、約70から90%の入居率で推移するなど、一定の役割を果たしているのではないかと考えております。

 次に、近畿高エネルギー加工技術研究所では、大型レーザー装置等については、市内中小企業にとって直接的には十分な活用がなされていないということは認識いたしております。現在、ものづくり支援センターにおいて、これらの技術成果と、それに伴う研究者等を中心とした人的な支援体制のもとに、中小企業への支援を行っているところでございます。

 また、人材育成拠点として、当初、情報通信系専門学校の誘致を予定いたしておりましたが、現在の国際環境専門学校へと変更し、特に近年注目されている環境保護保全分野での人材育成に寄与しているものと受けとめております。

 いずれにいたしましても、これら3つの施設がそれぞれの機能を発揮することにより、地域産業の活性化につなげていくことが大切であると考えております。

 次に、松下プラズマ工場における雇用の問題などについてのお尋ねでございます。

 松下プラズマ工場立地に伴います市内の雇用は、昨年末現在220人でございますが、正規社員、派遣社員の内訳については公表されておりません。

 次に、企業立地促進条例の努力規定につきましては、事業計画の申請時に確認を行っております。地域への協力といたしまして既に行われているものの一例を申し上げますと、来庁される市民の皆様へと本庁舎ロビーに大型プラズマテレビを寄贈いただいたことや、地元の地域情報誌作成への協賛などがございます。

 また、雇用条件の改善や市内中小企業との連携を要望することでございますが、雇用形態や市内中小企業に取引拡大の機会を提供することにつきましては、私自身が既に意見交換を行っております。今後とも機会あるごとに地域活動や市内企業との連携の促進など、幅広く情報交換を行ってまいりたいと考えております。

 次に、企業立地促進制度の効果についてでございます。

 本市の企業立地促進制度は、市域全体の工業系用途地域を適用対象とし、大企業から中小企業までの幅広い企業群において、しかも立地パターンも新規立地のほか、増設、市内間移転、業種転換など、多方面での活用を目的として制度化したものでございます。こうしたことから、松下プラズマ工場のように市外からの進出により大規模な投資による波及効果や雇用、税収の増大など、1社で大きな効果をもたらすものもございますし、またその一方では、これまで認定いたしました市内中小企業の多くは、市外に転出して事業拡大をするのではなく、市内にとどまり、別の場所において生産活動を継続する、あるいは既存の場所で増設するという効果ももたらしております。

 このように、市外からの進出と市内での投資を促進するという両面での効果があらわれており、本市全体の産業を支え、活性化に大いに寄与するものと考えております。

 次に、工場跡地要綱の改正についてのお尋ねでございます。

 工場跡地に関する取扱要綱の規模要件につきましては、他の自治体の多くは3,000?以上でございますが、本市におきましては、国土利用計画法に基づく届け出要件に合わせて、2,000?以上に定めております。現在市で把握している大規模な遊休地につきましては、この要綱に基づき、おおむね調査が終了しております。2,000?未満の工場跡地につきましては、小規模な工場が集中している地域があり、汚染者の特定が難しいことや、調査及び対策について経費的な問題など課題もございますが、土壌汚染に対する取り組みにつきましては、環境問題の重要課題と考えており、法及び要綱に基づく指導はもとより、その他の対象外のものにつきましても、これまでから適宜指導を行ってきたところでございますが、今後とも市民の安全安心の確保のため、きめ細かく指導してまいりたいと考えております。

 次に、工場が所有している跡地で他の用途に使われているケースにつきましては、旭硝子グラウンド跡地の件もございましたので、今回、環境保全協定を改定して、土壌や地下水の項目も盛り込んだことから、必要に応じて土壌の監視や調査を指導してまいります。

 次に、ヘルスアップ事業の職員体制の強化についてのお尋ねでございます。

 ヘルスアップ尼崎戦略事業は、市民の健康づくりに向けた取り組みの一つとして、若年層から始まる生活習慣病の予防対策を新たに実施することにより、本人の健康状態を保持増進するとともに、医療費適正化を目指そうとするものでございます。

 実施に向け、初年度におきましては、個人への通知やポスター掲示により参加者募集を行うとともに、小規模事業所への巡回、健康状態チェック、人間ドックの結果やレセプト分析結果でのハイリスク者への訪問指導など、多様な取り組みによって効果的に事業を実施してまいります。

 また、検診指導につきましては、おなか回りの測定やBMI測定、いわゆる身長と標準体重から割り出す数値でございまして、ボディーマス指数と言われているものでございますけれども、そのBMI測定や血圧測定など、簡易な健康チェックから始めまして、血糖の簡易測定や生活習慣病の予防検診、2次検診など、段階的に取り組む中で、継続的なフォローアップが必要な方については、個別健康プログラムに基づき、保健指導を実施してまいります。

 さらに、今回特に予定対象としている30歳代から40歳代の若年層が多く参加すると思われる組織、団体との協力、連携のもと、土日や夜間の事業所循環の実施やホームページの活用など、効率的、効果的に事業を推進することとしておりまして、当面、予定しております職員体制で対応可能と考えております。

 次に、介護保険についてのお尋ねでございます。

 まず、保険料の引き上げについてでございます。

 介護保険制度は、高齢社会に対応するため、介護を社会全体で支えるという理念のもとに創設され、介護給付に要する費用を公費と保険料それぞれ2分の1ずつ負担する制度として発足しました。しかし、サービス給付費が大幅に増加し、本市においては、財政安定化基金からの借り入れも余儀なくされるなど、保険料を増加せざるを得ない状況となっております。

 保険料を決めるに当たりましては、低所得者の方への配慮をしつつ、額の低減化も図ってまいりましたが、基準額で33.5%という大幅な増額という遺憾な結果となり、高齢者の方々には大変厳しい状況であると思っております。

 次に、国への負担軽減の要望についてでございます。

 介護給付費につきましては、国が25%を負担することとなっておりますが、そのうち20%は国庫負担金で、残りの5%相当分は調整交付金となっております。調整交付金の割合が5%を下回る場合は、第1号被保険者の負担増となることなどから、介護保険財政の安定的な運営を図るため、全国市長会から国に対して、介護給付費負担金については各保険者に対して給付費の25%を確実に配分し、現行の調整交付金は別枠化することを要望しているところでございます。

 介護保険料の増額について市民の方々に周知し、御理解をいただくためにも、こうした要望をしていることにつきましてもお知らせをしていきたいと考えております。

 また、介護保険料を抑制するためには、給付費の25%の確保と調整交付金の別枠化はぜひとも必要でありますので、全国市長会からの要望を引き続き行ってまいります。

 次に、障害者自立支援制度についてのお尋ねでございます。

 在宅においてホームヘルプなどの居宅サービスを利用されている場合、現在の支援費制度では、特に障害者が20歳以上の場合、障害者本人、その配偶者と子供の範囲で税額に応じて負担額を決定しており、多くのケースでは無料となっております。御承知のとおり、新たな障害者自立支援法では、利用者負担に関しまして、これまでの応能負担から、原則1割負担をいただくこととなりますが、基本的には、サービスの量ということだけでなく、その世帯の課税等の状況を加味して、一月における負担限度額が定められることとなります。現在、利用者から申請書等をいただいており、全世帯につきまして課税等の状況を把握しようとしているところでございます。

 また、市独自の支援につきましては、国においては利用者負担について費用をみんなで支え合うという趣旨から、利用者に負担をお願いしたいとの見解を示していること、兵庫県並びに近隣市においても国に準じた制度の実施を原則としていること、事業実施に当たっては本市の財政体力を踏まえる必要があること、また、利用者負担につきましては、制度上、月額上限の設定を初めとする負担軽減措置も講じられているところでもあることなどから、国基準による新制度の実施を予定しているところでございます。

 いずれにいたしましても、実際に新制度を運営していく中で、4月以降のサービスの利用等の実情も把握しながら進めてまいりたいと考えております。

 次に、緑遊新都心地区の周辺道路における交通渋滞についてのお尋ねに順次お答え申し上げます。

 まず、高内交差点や潮江尼信前交差点における問題でございます。

 緑遊新都心は、土地区画整理事業により地区内の基盤整備に取り組んでおり、市といたしましても、交差点の改良や道路拡幅整備など、周辺道路を整備することにより幹線道路とのネットワークを形成し、交通の流れの円滑化に努めております。キリン社は、出店における交通対策として、出店時の周辺道路の整備状況を勘案した上で、まず来店車両を広域的地点において主要な幹線道路から駅前1号線に誘導するとともに、1号線及び2号線に出入り口を3カ所設け、滞留する場所を十分とった上で、いずれも左折入庫、左折出庫で利用することとしており、そうした中で、周辺道路及び交差点での交通処理は可能であると予測しております。しかし、オープン直後や日祝日など、予測を超える車が集中することも考慮し、キリン社は交通整理員の増員など、別途の対策を講じることとしており、市としてもこうした対応が着実に行われるよう指導してまいります。

 次に、駅前2号線における問題についてでございます。

 保留地の提案内容について都市機構に確認いたしましたところ、駅前2号線沿いには病院の駐車場出入り口が1カ所予定されております。病院は駅前4号線からも出入りできる提案で、来街者のピークとなる曜日や時間帯が商業施設とは異なり、また台数も多くないことから、影響は少ないと考えているとのことであります。しかしながら、駅前2号線は歩行者や自転車の通行が多い道路であることから、計画が具体化される段階で、施設への入出庫の方法等について警察など関係機関と十分に協議し、極力影響が少なくなるよう指導してまいります。

 次に、ガーデンシティのオープンに向けた対策についてでございます。

 キリン社商業施設オープン時には、駅前1号線を初め一部未完成の道路もございますが、交差点の改良などを行うとともに、一部迂回路の設置などについても検討を行っているところでございます。

 こうした状況のもと、キリン社は、出店時の交通需要に対応できるよう、警察や道路管理者などの関係機関と協議調整を行い、円滑な交通の流れを確保することとしておりますが、オープン直後は予測を上回る車が集中することも危惧されることから、シャトルバスの運行など、車の量を減らすため、適切な対応をとることとしております。

 次に、緑遊新都心開発に対する説明責任の場の設置についてでございます。

 緑遊新都心のまちづくりを進めるに当たり、周辺地域の方々の御理解が不可欠であり、これまでも都市計画変更など節目に、広く市民を対象とした説明会を開催するとともに、まちづくり計画研究会や潮江社会福祉連絡協議会など、周辺地域の方々にも機会あるごとに説明を行い、取り組んでまいりました。しかしながら、社会福祉協議会などの団体に加入していない方もいらっしゃることから、一部情報の伝達等が不十分であるとの御意見もいただいております。今後も事業の進捗に合わせ、市、都市機構、開発事業者それぞれの役割分担がございますが、連携協力のもと、幅広く周知を図り、地元住民の方々との情報の共有や意見交換に努めながら、事業を進めてまいりたいと考えております。

 次に、総合センター運営審議会委員の選任についてのお尋ねでございます。

 総合センター運営審議会につきましては、総合センターの運営の基本方針等について御審議をいただいております。総合センターは、地域住民の生活文化の向上及び福祉の増進を図るための施設として、同和問題を中心に人権課題解決に向けた各種事業を展開しており、現在におきましても、同和問題がその柱となることに変わりはございません。したがいまして、人権問題全般の視点はもちろんですが、これまでの同和問題に関する取り組み経過や総合センターが設置されているそれぞれの地域の実情などを踏まえ、学識経験者のほか、それぞれの地域から同和事業関係者を選任してきたものでございます。

 今回の機能統合につきましても、運営審議会から貴重な御意見をいただく中で、その方向づけができたものと考えておりますが、今後の委員構成につきましては、総合センターが人権が尊重されるコミュニティーづくりの拠点としてより一層その役割が期待されますことから、今後事業を推進する中で検討してまいりたいと考えております。

 以上で、田村議員の代表質疑に対します私からの答弁を終わらせていただきます。



○議長(谷川正秀君) 保田教育長。



◎教育長(保田薫君) 教育問題についての御質問にお答えをいたします。

 まず、学力向上について、現場の教師集団と意見交換の場を持つべきではないか。教育長や教育委員長は、教職員団体と協議をしながら取り組む決意があるのかというお尋ねでございます。

 学力向上につきましては、保護者、地域の協力を得ながら、学校教育の中で校長のリーダーシップのもと、教職員一体となった取り組みが不可欠でありまして、その具体的な内容や方法に関する指導助言とか支援につきましては、現場教員の考え方なども含めまして、校長の意見を聞きながら進めてまいりたいと考えております。

 なお、こうした中で、必要があるならば、広く教職員の意見を聞く機会も設けていきたいと考えております。

 次に、学校施設耐震化の優先度調査は、統廃合の対象校を含めてすべての学校で実施すべきではないか。また、耐震化計画は素案段階で地域住民に周知し、説明会を持つべきではないかというお尋ねでございます。

 学校施設耐震化事業において、優先度調査を平成16年度に中学校、高校、養護学校を対象に、平成17年度には小学校を対象に実施しているところでございます。この事業において、統合校は統合時に施設整備を図るということから、優先度調査の対象から外しておりまして、あわせて、現在、小・中学校適正規模・適正配置推進計画の後期計画の策定作業中であることから、今後この計画の方向性を見定める中で、耐震化の取り組みについて判断してまいりたいと考えております。

 現在、国の学校施設耐震化推進指針に基づく方法によりまして優先度調査を行っており、その結果を集約する中で、耐震化計画を平成18年度に策定してまいる考えでございます。

 なお、施策の形成過程において市民の市政参加機会の拡大を目的としたパブリックコメントを実施することから、耐震化計画の説明会開催につきましては、現在のところ行う考えはございません。

 以上でございます。



○議長(谷川正秀君) 田村征雄君の質疑は終わりました。

 この際、休憩いたします。

     (午前11時56分 休憩)

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     (午後1時 再開)



○副議長(下地光次君) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 代表質疑を続行いたします。

 発言を許します。

 長崎寛親君。

   (長崎寛親君 登壇)



◆12番(長崎寛親君) こんにちは。新風の長崎寛親でございます。

 新風を代表いたしまして、平成18年度当初予算並びに白井市長の施政方針につきまして、代表質疑を行ってまいります。

 これまでの先輩議員の質疑と重複することもありますが、会派としての思いでありますので、御理解いただきますようお願いいたします。

 また、何かと要領を得ないところもあろうかと存じますが、できるだけ要点を絞って簡潔にお尋ねしていきたいと考えておりますので、先輩、同僚議員の皆様におかれましては、しばらくの間御清聴賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 さて、白井市長も就任以来4年目の年となりました。光陰矢のごとしのことわざがありますが、月日の流れるのは早く、いよいよ市長としての任期最後の年を迎えられました。白井市長は、私が議員になり、2年目のときに尼崎市長に就任されましたが、当時の平成14年11月に行われた市長選挙を振り返りますと、現職市長有利と言われた市長選挙で、大方の予想を覆し、厳しい選挙を勝ち抜かれ、公選市長として第8人目の尼崎市長に就任されました。当選後、全国一若い女性市長として脚光を浴び、全国に尼崎市の存在感を示し、尼崎市をアピールすることを考えれば、すばらしい情報を発信し、本市のイメージを変える意味では大きな成果がありました。

 数多くの市民の信託を得て市長に就任されたことは、市民の市長候補への期待が、これまでの行政出身の市長にはない、民間企業出身という経験を市政運営に発揮されることへの強い期待感でありました。そのことを具体的に見てとれるのが、選挙戦での新聞報道の記事を読み返すと、白井市長を支持した方の50%が若さに期待する、45%の方が政策でありました。注目すべきことは、支持した半数近くが政策に共感したということは、白井候補の公約を理解し、期待を寄せているということであります。もちろん市長自身は、公約実現に対し、実行する責任を深く御理解されていると思いますが、この点は、市長の市政運営に取り組む上で基本的な部分なので、まず、公約と政治姿勢についてお尋ねしてまいります。

 公約は、市長自身の政治姿勢や具体的な施策を市民と約束したものでありますが、在任期間中にその実現に向けて全力で取り組まなければなりませんが、財政再建期間中においては、なかなか市長の思うように実現できない現実があると推測いたします。しかし、厳しい財政運営であったとしても、これだけはぜひ果たしたいという市長の考えがおありだと思います。

 公約を施策化する上で、効果の上がる手法や優先順位も考慮し、公約実現に向け、具体的施策を明言し、議会に承認を得ながら、最後まで公約に対する責任を果たすべきだと思いますが、市長の考えをお聞かせください。

 また、公約が実現できない場合は、その原因を明らかにし、市民に対して説明責任を果たしながら、市政の現状への理解を求めるべきだと思いますが、この点についての市長の政治責任についての御答弁を願います。

 本市はこれまで、市役所出身の市長が手がたく行政運営を行われてきたことが多かったと思いますし、今まではそれでよかったのではないかと思います。しかしながら、平成14年11月の市長選挙は、そうしたこれまでの路線の継承か、反対に、景気の低迷など閉塞感が漂う市政運営の中で、ある意味で正反対の市長を市民は選択されました。女性で年が若く、行政経験のないことや、市会議員は平成5年6月から2期8年間務められ、ちょうど私と入れ違いで議員をやめられましたが、直接行政の執行機関の経験はないという意味では、行政出身の市長にはない手法で何かやってくれそうな、期待された民間出身の市長です。

 この代表質疑をするに当たって、白井市長の選挙パンフレットを見てみました。プロフィールでは、昭和54年に全日本空輸株式会社に入社され、フライトアテンダントとして11年3カ月勤務され、その後、大阪YMCA国際専門学校の講師をされ、後ほど市会議員となっておられます。また、選挙バンフレットでは、尼崎を変えようを合言葉として、白井文の21世紀尼崎ビジョンとして、市民の声が生かされる市民と協働のまちづくりや、子供たちの未来のために環境を守り、水と緑の尼崎に。また、人が生き生き暮らせる、商業、産業、中小企業の活性化と創造。最後に、すべての人の人権が守られ、個性豊かに自分らしく生きられるまちづくりを掲載しておられます。

 市民は、未知の魅力、能力を白井市長に期待して、市長として選ばれたものと思いますが、民間出身の市長として、民間のときに思い描かれていた市役所のあり方が、みずからの取り組みでこの3年間どれぐらい達成できたのか、具体的な事例に基づき御答弁を願います。

 次に、白井市政のカラーについてお尋ねいたします。

 バブル経済を経て、景気が長期にわたって低迷する中で、平成7年の阪神・淡路大震災が尼崎市の財政悪化に輪をかけたものであります。過日、新風の会派予算勉強会でも、歳入の根幹の市税が減る一方、市債が、震災前が1,000億円程度であったものが、2.3倍程度となり、それに伴い、市債返済の元利償還の公債費も2倍程度となり、それに加えて少子高齢化で扶助費がふえ、震災以後、数度の財政再建期間に取り組むものの、一向に再建のめどが立たず、平成20年度以降においても厳しい財政状況が続くものと考えられるといった趣旨の説明を当局はされておりました。

 白井市長は、平成5年6月から市会議員をしておられますので、この間の状況は十分に把握され、それを承知して市長に立候補されたものと思います。また、先ほど紹介しました尼崎を変えようという合言葉で市長に当選されました。失礼な言い方で恐縮ですが、市民は、行政経験のない候補者に夢や可能性を託して投票されたものと思います。最近、市長が出席されている会合などで市長のあいさつを聞いておりますと、立候補されたときより少しトーンダウンされたのかなと思います。当然市長の立場ですので、いろいろなことを総合的に判断され、市政運営を行っておられることから、何かと困難な現状があることは理解できます。しかし、白井市長を選択した市民にとっては、少し物足りないのではないでしょうか。現に、そうした意見を市民からお聞きすることがあります。

 市民は、不透明な時代にあって、これまで行政運営の継続ではない、素人の白井市長に夢や可能性を託し、いわば白井カラーの市政運営を期待されたのです。一方、この点について各議員からは、白井カラーやまちづくりのビジョンが出せるのか、具体的に示してほしいなど、たびたび質疑がなされました。市長は尼崎を変えようと訴えてこられましたが、変えるには、まず白井カラーがあって初めて成り立つことは言うまでもありません。

 では、お伺いいたしますが、市政運営を行う上で、どの程度そのカラーが出せたのか。御苦労なさっている点も含めてお答え願います。

 2月20日の本会議場で、白井市長は、平成18年度の施政方針を述べられました。その中で、市長就任以来の3カ年の自己評価として、緊急の課題であった財政再建に全力で取り組んできた一方で、これからの時代に対応する自治基盤の確立に向けて力を注いでいかなければならず、今日の安全安心の問題、福祉や健康などで市民生活にかかわる問題を知恵や工夫で未然に防げることがある、また、地域の課題は市民活動と相まってまちづくりの成果を高める方策が重要である。そのためには、市政運営の透明性を図り、市政に関する情報をオープンにすることにより、課題の共有化に努める必要性があり、地域社会をよりよいものにしようと活動する人たちと呼応した行政活動が必要であり、こうした考えのもとに、自治基盤の確立に向けて、公開と参画を基本姿勢に諸施策に取り組んでまいりましたと述べておられます。

 市長が述べられました公開と参画とは、すなわち、車座集会、タウンミーティング、さらには市長室オープントークなど直接市民の御意見を伺うことや、パブリックコメント及びネットモニターなどを通じ、市政に参画する場を設けていることを指して表現されたと思います。市民の方々にさまざまな形で情報を提供することは、白井市政のわかりやすい特徴であり、私も賛成であります。しかし、問題は、公開と参画を市政運営の一つにするなら、市長が政策方針を決定する上において、政策を考えていく段階から市民と情報の共有化を進め、意見を把握し、反映できる仕組みづくりの精度を高める必要性を述べられながら、どの程度機能しているのでしょうか。尼崎市の発展のために、本当に成果が出ているのかという点であります。

 例えば、毎年11月ごろから20日間程度の募集期間で、経営再建プログラム改革改善取組項目素案及び新規検討事業のパブリックコメントが実施されています。平成17年の募集実績は、改革改善取り組みで20人の方から38件、新規検討事業は9人の方から42件と、合わせて29人から80件の意見が寄せられました。これに対し市の返答は、提出された意見を整理、検討した結果、事業案の変更はありませんでした。では、平成18年度の実績は、改革改善取り組みで174人の215件、新規検討事業では12人の28件と、合わせて186人から243件の御意見がありました。前年度と比較すると、163件、人数にして157人増加しています。これに対し市の対応は、前年度と同じく、事業案の変更はありませんでした。

 このような状況を見てみますと、果たして政策過程段階で市民の意見が反映されていると言えるのでしょうか。当初の目的に沿った結果が出ていないと考えますが、市長の見解をお聞かせください。

 次に、三位一体改革の影響についてお伺いいたします。

 少子高齢化、さらに人口減少の日本にあって、今後のかじ取りをどうしていくかは緊急の課題であります。国、地方を合わせた負債は750兆円余りにも達し、その返済に道筋をつけなければ明日の日本はないと、私も思います。三位一体改革も地方の自主自立に向けての改革でありますが、当然地方の責任も問われることから、地方財政も健全化に向けた取り組みを国から強く求められることは想定できます。こうした動きの中で、少し気になることがあります。三位一体の改革の一つである税源移譲であります。

 地方税総額に比較して、地方が国の仕事も含めて多くの仕事をしていることから、国庫支出金で国税総額の一部を地方に分配しているのを見直し、地方の自主自立につなげようというのが税源移譲であると理解しております。国税を地方税に振りかえるので、国税としては少なくなり、同額の地方税がふえるのが、平成19年度から実施予定されている住民税の税率のフラット化の税制改革であります。しかし、この制度をどの程度市民が理解しているのか、私は不安でなりません。現在は暫定措置として所得譲与税で地方に分配されているので、市、市民ともその影響は余り感じていないのですが、現在国で検討されている内容ですと、平成19年度の市民税の課税通知が来たとき、フラット化で県民税も含めて税率5%の市民税が10%になれば、国税の減税と合わせて、原則税金の負担が変わらないということを市民が知らないと、大騒ぎになるのではないかと心配しております。

 そこでお尋ねいたしますが、市長は、この制度の市民への周知を、いつ、どのような方法で図っていかれるのか、御答弁願います。

 次に、産業問題についてお尋ねいたします。

 バブル経済崩壊以降、長い景気低迷が続き、リストラという言葉がちまたでは蔓延していましたが、徐々にではありますが、景気回復傾向が見られるようです。例えば平成13年から15年の15歳以上の完全失業率は5%台であったものが、平成16年から改善が見られ、昨年12月では、季節調整値を入れて4.4%まで下がってきております。雇用面でもいい結果が出てきているようです。本市では、昨年12月に、世界最大級と言われるプラズマディスプレイパネル工場が本格稼働し、また、この1月には、現工場の隣地に新たな工場の建設が打ち出されるなど、景気の底うちが裏づけられるような動きが、この尼崎市でも見られます。

 お聞きするところによると、新たな工場については白井市長がトップセールスで誘致に動かれたとのことで、トップの姿勢も大きな成果に結びついたものと思います。このような著名な大企業の定着は、他企業にも本市の立地の優位性を判断される材料になるものと考えます。したがって、相乗効果も期待できるのではないでしょうか。

 市長は、企業に何をPRされ、どのような点に力点を置き、誘致されているのか、また、他市にはない魅力や長所についてどのように考えておられるのか、まずお聞きしたいと思います。

 ただ、この効果が仕事の発注など、市内にある中小零細企業にとってもいい影響を与えていく必要性があります。市内には、優秀な中小企業が多数存在すると聞いています。これらの中小企業がその能力を活用し、そこにも活況が及ぶことを強く願う次第ですが、そこで、このような好況につながる事象が少しでも出ているのでしょうか。市内中小企業に対する大企業誘致に伴う具体的な効果はどのようなものがあるのか、お示しください。

 もともと尼崎市は、全国に名をはせた産業都市であったことから、その基盤は十分に持ち合わせており、活力があった反面、いわゆる公害問題で悩まされた都市であります。産業活性化は、市としては目指すべきことではあるのですが、同じ轍は踏めないのは当然のことであります。

 そのような中にあって、まだまだ住工混在地区が点在しています。平成17年12月に建設委員協議会で、内陸部工業地の土地利用誘導指針についての報告がされました。この誘導に向けた達成の方途として、地域の企業、住民等の合意を形成しながら、用途地域制度を補完する特別用途地区、地区計画などの活用により達成するとしておられます。一たんできた混在状態を解消していくこと自体、容易ではありません。この方針の図を見ても、現状を追っていかざるを得ないような苦しい姿が見えてしまいます。環境面からの規制もかなり厳しいものとなっており、操業している企業も、現実的には認めていかなければならないのはやむを得ないことです。しかしながら、一方で良好な住環境を求める声との調整を図っていかなければなりません。

 本市では、JR福知山線沿いにも工業地域があります。ここでの事業拡大というのは、かなり難しいのではないでしょうか。この地域に来られる企業も立地条例の対象になるようですが、このような中にあって、特に現存する内陸部の企業のあり方についてはどうしていこうとされているのか。活性化を促すためにも、機会があれば臨海部へ誘導することなど、どのような基本的な考えを持っておられるのか、お示しください。

 また、臨海部の活性化については話題となっておりますが、この内陸部の地域を今後どのようにしていくのかは、現状容認型と言っても過言ではありません。何か中途半端な気持ちを持ってしまいます。一方で、工場跡地に大きなマンションが、その立地のよさからかなり建設されていますので、余計そのように感じております。私自身、本市の目指すべき都市のあり方の根本問題ではないかと思います。

 この関連の最後に、立地条例に基づく企業誘致に伴い、雇用促進につながる効果もあると聞いています。特に若い人の就業形態に変化が見られ、アルバイトなどにつき、自分のしたいことを求めるような傾向があります。思うような仕事がなかなか得られなかたっということもあるでしょう。これにも増して、フリーターにもならない、学生でもなく、就業者でもなく、求職活動もしておらない者、いわゆるニートと呼ばれる無就業者の若者が、近年大きな社会問題となっております。こういう若者を定職に導くためにも、就労機会の増大が求められています。そこで、特にこの3月に市内高等学校を卒業される方で、これら誘致企業に採用された者があったのかどうか、お聞かせください。

 多くの若者に就労の機会を与えることがこのことによって広がっているのであれば、望ましいこととして受け入れたいと思っております。

 以上で1問目といたします。(拍手)



○副議長(下地光次君) 答弁を求めます。

 白井市長。

   (白井 文さん 登壇)



◎市長(白井文さん) それでは、長崎議員の代表質疑に対しまして、順次お答えを申し上げます。

 まず、私の公約に関しまして、その実現に向けた責任と市民への説明責任についてのお尋ねでございます。

 選挙の際に選挙広報やホームページ等で示した51項目の公約について、強弱はございますが、大半のものは取り組みを進めているところでございます。平成18年度予算においても、継続的な取り組みとしての一定の予算を計上いたしております。しかしながら、中にはいまだ取り組みが十分でないものもございます。これらにつきましても在任期間中に少しでも前進するよう努力する責務があると認識しており、引き続き残された任期の中で精いっぱいの取り組みを行ってまいります。

 また、任期が満了する際には、公約全般について一定の整理をし、市民の皆様に明らかにしてまいりたいと考えております。

 次に、思い描いていた市役所のありようをどれぐらい達成できたのかといったお尋ねでございます。

 私は、職員に対して、市民の声に耳を傾け、失敗を恐れず、果敢にチャレンジしていく姿勢を求めながら、サービスの受け手である市民の皆様の意見を酌み取る仕組みづくりや市民サービスの最前線である現場重視の組織運営に取り組んでまいりました。具体的には、市民の皆様の意見を酌み取る手だてといたしまして、直接関係する団体との協議やタウンミーティングなどの市民説明会を積極的に開催するほか、パブリックコメント制度を創設いたしました。担当する職員につきましても、市民の皆様の意見を十分お聞きし、理解を得ていくことの必要性を肌身で感じ、努力しているところでございます。

 また、現場におけるアイデアや工夫を生かし、より活性化していくため、民間のQC運動に相当する全庁的改革改善運動に取り組んでまいりました。3年間の運動では、特に住民と身近に接する現場での生き生きとした取り組みが目を引き、サービスの質を高めようとする思いが感じられ、あすにつながる変化の兆しが市役所内に芽生えているのではないかと感じております。

 次に、市政運営を行う上で、どの程度白井カラーが出せたのかといったお尋ねでございます。

 私は、公開と参画を市政運営の基本とし、市民の目線に立ち、ともにまちづくりを進めていくために、市民の皆様との意見交換や情報の共有化などに特に力を注いでまいりました。情報公開条例の制定や経営推進会議の公開などは、私の思いの一端を形にすることができたものであり、透明性を高める市政運営を推進することができつつあるものと感じております。私がまちづくりを進める上で大切にしたいテーマである、次の世代を担う子供たちに関する施策につきましては、子供たちの育ちを地域社会全体で支援していく環境整備を重視し、子育て支援の充実に向けた取り組みや少人数学級を初めとする教育の充実に力を入れてまいりました。

 尼崎を元気にする産業振興につきましては、企業立地促進条例により、市内の既存産業の活性化にも取り組んでまいりました。この3年間、財政再建を進める中での制約はございましたが、私のみの苦労ではなく、職員ともども取り組んでまいりましたので、今日があると思っております。

 次に、パブリックコメント制度の成果についてのお尋ねでございます。

 パブリックコメント制度は、意思形成の段階で事業等の趣旨や目的、内容などを公表し、市民への説明責任を果たすとともに、市民からの意見の提出を受け、さらにその意見に対する市の考え方を公表することにより、市民の市政への参画の促進を図ろうとするものでございます。御指摘のとおり、過去2年の改革改善取組及び新規検討事業について言えば、御意見の内容について検討してまいりましたが、素案を修正するには至りませんでした。寄せられた意見を見ますと、案の変更を求めるもののほかに、賛同するもの、今後の検討や要望を求めるもの、また、内容を確認するものなど、さまざまなものがございます。これらについて1つ1つ市の考えを明らかにすることで、事業内容の理解が高まるなど、説明責任を果たしているものと考えております。また、検討や要望にもお答えしている側面もございます。

 このように政策の意思形成の段階で意見を述べる機会の少なかった市民の皆様にも、素案の段階で市政に参加できる機会を広げたといった点では、一定の役割を果たしているものと考えます。しかしながら、制度の運用面につきましては、今後改善に努めてまいりたいと考えております。

 次に、住民税の税率改正の周知方法についてのお尋ねでございます。

 住民税における税率構造の改正である、いわゆるフラット化につきましては、国税と合わせますと、原則税負担が変わらないといったことに加えまして、所得税がかからない所得階層につきましては、一定の負担の調整が図られるところでございます。現在、平成19年度からの実施に向け、地方税法の一部改正が国会で審議されており、その成立を受けまして、6月には市税条例の改正手続を行う予定でございます。

 今回、税制改正に伴う市民、納税者への周知につきましては、市税条例改正後において、市報あまがさきを初めホームページやエフエムあまがさき、さらには市税の回覧板などを活用し、あらゆる機会を通じて、その広報活動を積極的に行ってまいります。

 次に、産業関連のお尋ねに順次お答え申し上げます。

 まず、本市産業の魅力と企業誘致におけるPR手法についてでございます。

 本市産業の魅力や長所は、すぐれた交通ネットワークや豊富な労働力などの産業インフラが整っていること、高い技術力を持つ中小企業が集積し、産業集積の厚みがあること、物づくりをリードする上で不可欠な官民の研究所が数多くあることなど、産業都市としてふさわしい基盤が整っていることであると考えております。こうした立地優位性や企業立地促進制度などのPRは、本市への企業立地を促進するために欠かせないことから、私自身、市内外での経済団体の会合や講演、企業訪問、産業フェアなど、さまざまな機会を通じて、企業誘致についての積極的な姿勢をアピールし、都市活力をつくり出す原動力ともなる付加価値の高い物づくり企業の立地に努めているところでございます。

 次に、大企業誘致に伴う市内中小企業への具体的効果についてでございます。

 物づくりは、関連分野が多く、すそ野も広いことから、大企業を初めとする新規企業の立地により、市内の中小企業に取引拡大などの波及効果があると考えております。企業間の契約は一般的に公表されることがないため、正確に把握することは困難でございますが、新たに立地した企業から設備や部品加工を受注している市内の中小企業も数社あると聞いております。

 こういった成果は、新規立地する大企業が市内の中小企業が持つ高い技術力やその能力を評価し、活用しているものと受けとめており、今後も新規立地企業と既存企業との新たな取引などにより、本市の地域産業活力が高まるものと期待をしております。

 次に、内陸部の工場のあり方についてでございます。

 本市の内陸部工業地につきましては、近年、工場跡地が住宅や商業施設などに転用されるケースが見られるものの、職場と住居が近接する職住近接のメリットを生かした貴重な産業用地でございます。これらの産業用地をまちづくりの観点から適正に誘導していくため、現在策定中である内陸部工業地の土地利用誘導指針に基づいて、工業地の保全を基本に、企業の立地を進めていくことといたしております。

 例えて申し上げますと、住宅と工場が共存している地域では、生活環境を阻害するような工場は新規に立地できないように、また、工場が集積している地域では、工場の操業環境を妨げないように専用住宅を規制するなど、都市計画の手法を活用し、既存工場の操業環境を守るとともに、その地域に適した企業の立地を促進してまいります。

 次に、誘致した企業での採用実績についてでございます。

 企業立地促進制度の認定企業18社で申し上げますと、大手企業にあっては、本社採用など、その形態がさまざまであり、十分に把握できておりませんが、聞き取りによりますと、今春に市内の高校を卒業する生徒の採用は、4社で8名となっております。このうち、本市に本社を置く1社が5名と、最も多く、ほかの3社はそれぞれ1名ずつとなっております。なお、企業によっては、市内の高校生をもっと採用したいという意向があるものの、実際には応募が少なくて、工業系短大の卒業生や技能経験者を採用しているところもあると聞いております。

 以上で長崎議員に対します第1問目の答弁を終わらせていただきます。



○副議長(下地光次君) 長崎寛親君。

   (長崎寛親君 登壇)



◆12番(長崎寛親君) いろいろ御答弁いただきました。

 選挙公約ですが、公約は市民と市長が約束したものでありますので、その候補者の政策を通じて支持されているので、実現に向けては最大限努力していかなければなりませんけれども、市長の御答弁では、51項目中、現在取り組んでいる段階だというような答弁だったと思います。具体的にこの18年度の予算にどういう形で反映されているのかわかりませんけれども、もし財政難で公約が実現できないというのであれば、私はやはり白井候補から白井市長に立場が変わったからできないということであって、有権者の方に理解をされないんじゃないかなというふうに思います。

 任期間際についての市長としての説明責任、政治責任を果たすというような答弁だったと思いますけれども、きちっとけじめをつける意味で、ぜひ市民に理解を求める努力をしていただきたいなと思います。

 次に、公開と参画の部分ですが、パブリックコメントは市長が民間企業で経験された内容を市民の意見を反映するために用いた手法であるというふうに思いますけれども、現状を見る限りでは、本当に市民の意見が反映されている制度になっているのか、疑問に感じます。先ほど御答弁あったように、平成17年、18年の新規検討事業についても、また改革改善取り組みについても、結果的には市民の意見が反映された施策化に至っていないわけですので、もっともっとこの制度を具体的な成果が上げられるような制度として高められるよう要望いたします。

 第2問目に入ります。

 2問目は、教育と地域福祉につきまして順次尋ねてまいりたいと思います。

 さて、先日、尼崎市人口移動実態調査結果の概要につきまして報告を受けましたが、その中で、転出者については教育や子育てに対する不満の意見が多く、ファミリー層転出の主要な要因になっているとありました。やはり私たちがこれまで言ってきたことを裏づける結果となっております。

 教育問題が本市の人口増につながり、人口定着の大きな要素となっているわけです。教育委員会では、平成16年度から学力・生活実態調査を実施されています。これまでなかなかできなかった、いわゆる全市一斉学力テストを実施されたわけで、教育委員会としてもこれまで以上に力を入れて学力向上に取り組んでいただけるものと、大きな期待をかけております。

 ところで、学力調査とあわせて実施した生活実態調査では、家庭での学習との連携の重要性が浮き彫りにされています。ところが、この実態調査結果を保護者に公表したところ、保護者からの反応が極めて低調であったとお聞きしております。この反応の低調さについて、教育委員会はどのようなお考えなのでしょうか。お聞かせください。

 教育委員会では、調査結果を冊子とホームページで公表する一方、各学校では、学校だよりで各校の保護者にお知らせしたそうです。反応が低調であったことにつきましては、もちろん保護者側にも責任があると思います。しかしながら、教育委員会が作成した調査結果の今後の取り組みの方向というところでは、教育委員会みずからが、児童生徒の学力向上には家庭や地域の協力が不可欠であり、積極的な情報発信に努めるとあります。それにもかかわらず、情報発信が冊子やホームページ、学校だよりだけであったのかと思うと、首をかしげてしまいます。大きな情報は、生身の人間が直接情報を伝えたい相手に口で伝え、十分な説明と意見交換をして、初めて相手に伝わるのではないでしょうか。

 そこでお聞きしますが、市内の小中学校で何校の学校が保護者を集めて直接この調査結果の説明をし、保護者と意見交換をされたのでしょうか。また、クラス担当教諭がクラスの保護者を集めて説明されたのかどうかもお答えください。

 教育委員会では、新年度に向けて、学力向上のために多くの新規事業や拡充事業が提案されています。学力向上問題は、教育のみならず、本市にとっても大変重要な問題であり、教育委員会のこうした取り組みは応援を惜しまないつもりですが、この実態調査結果の例一つとってみても、各学校や現場の教師みずからが学力問題を切実な問題として深く認識しているのか、少し疑問の残るところです。多くの保護者や市民が大きな期待をかけている学力向上につきましては、教育委員会だけが旗を振るのではなく、現場の教師一人一人と教育委員会が一体となって、保護者や地域と力を合わせて取り組んでいただくことを切にお願いしておきます。

 市立小中学校の適正規模・適正配置推進事業についてお尋ねいたします。

 平成14年度に策定されました適正規模・適正配置推進計画は、市立小中学校において適正な児童生徒集団を確保し、施設整備をすることによって、学校の活性化と学力向上を目指す大胆な統合計画であったと記憶しております。当時、その計画を見ても、市教育委員会の熱意と取り組みに大きな期待を寄せました。平成16年度から実施された推進計画では、その後一部の変更もありましたが、開明小学校と城内小学校、城内中学校と育英中学校、明倫中学校と昭和中学校の統合が実現し、ことしの4月には、常光寺小学校と杭瀬小学校の統合が目前となっています。統合実現に至るまでの保護者や地域住民への説明、調整など、教育委員会担当課の御苦労や努力には大変なものがあると、私としましては評価をし、感謝をしているところです。

 しかしながら、昨年8月に、当初全体計画にあった大庄東中学校、大庄西中学校及び啓明中学校の3校統合を大庄東中学校と大庄西中学校の2校統合として計画を改定されたあたりから、何かおかしいという疑問が起こりました。先ほど申し上げましたか、この計画は小中学校の適正な規模と配置を確保することによって、子供たちの学習環境を整え、大きな意味で尼崎市の義務教育の学力向上を図っていこうとするものです。ですから、計画での対象校として挙げられている小中学校は、適正規模でもなく、適正配置でもないため、子供たちの学習に支障が出ることになります。ところが、3校統合の予定となっていた学校を2校だけ統合してしまうと、残された1校は一体どうなってしまうのでしょうか。教育委員会の御見解をお伺いいたします。

 計画の対象となっている学校については、1年でも早い統合が望まれるわけです。非常に困難な事業であることは重々承知していますが、適正でない規模や適正でない配置のまま教育を受けている子供たちと、適正規模で教育を受けている子供たちの不公平は、同じ市民としては大きな問題であります。

 教育委員会は、この不公平、不平等をどのようにお考えでしょうか。また、推進計画では、次期学校別計画については、平成17年度中に明らかにするとなっていますが、現在どのような状況になっているのか、お尋ねします。

 いずれにいたしましても、この事業は尼崎の教育にとって、また、統合後の跡地の有効活用も含めて、尼崎市全体にとっても大変大きな事業であると思います。これまで以上に市が一体となって、もっと精力的に進めていただくことを要望しておきます。

 最後に、地域福祉に係る問題につきましてお伺いいたします。

 私は、社会保障審議会委員として昨年まで参画しておりましたが、この審議会等で報告を受けた市民福祉会議は、多くの市民が地域にあるさまざまな課題を出し、どう解決していくべきかを真剣に論議された報告を出されておりました。まさに、今よく言われる協働という言葉にふさわしい取り組みであったと記憶しております。市長の施政方針でも、協働のまちづくりの展開に向けた取り組みを大きな柱として位置づけておられます。市長が特に市民とともに取り組みたい気持ちが伝わってまいります。しかしながら、この協働の取り組みとして、現在、協働研究会で、市民から見た協働のまちづくりのあり方を検討されています。ここでも多くの市民の方が真剣にこのテーマで論議されていると聞いておりますが、論議ばかりで、私には成果が見えてこないのであります。先ほどの市民福祉会議もそうですが、実践まで至らなければ、余り成果があったとは言えないのではないでしょうか。

 そこで、この協働研究会の行き着く到着点はどのようなものを考えておられるのでしょうか。つまり、何を形にあらわすつもりなのか、あるいはあらわしたいのか、お聞かせください。

 私は、テーマとしては、先ほどの地域福祉における市民福祉会議の方がわかりやすいと感じています。なぜなら、その意見が地域福祉計画として反映され、地域における課題を地域で解決していくためにということで、目的がはっきりしていたからです。実は、このような市民との協働の取り組みは、今まででもさまざまな取り組みがされていると聞いています。昨年から、この地域福祉の取り組みとして、地域福祉活動モデル事業が実践されていますが、この取り組みを通じて市民から出されている協働のあり方や手法は見出せないのでしょうか。地域の課題を認識し、みずから取り組めることはみずからがする、行政がやらなければならないこと、手助けできることは何なのか、必ず実践の中から得るものがあると思いますが、いかがでしょうか。

 また、短い取り組みの中ですが、得られたものがあればお聞かせください。

 このような取り組みは、担当課だけではなかなか思うようにはいかないのではないでしょうか。地域福祉というのは、市民にとってみれば生活にかかわるすべてが課題であり、そうであれば、お役所のイメージとして一般的な縦割りでは、とても対応できないのではないかと思ってしまいます。この事業の展開に当たっては、協働参画課、地域振興課や他部局などとも連携して対応されているものと思いますが、市長御自身もさまざまに市民に働きかけ、市民との協働事業に力を入れようとしておられます。地域における市民とさまざまな意見交換をされる職員が連携して、これらの取り組みを通じて何を得て、今後の市政にどう生かしていこうとされているのか、市長のねらいをお聞かせ願います。

 次に、関連いたしますが、地域福祉サポート事業が地域で展開されています。地域のお年寄りの見守りを地域でされている取り組みですが、なかなか広がりを見せていないと聞いております。このような取り組みを進めるために、見守りを受ける対象者だけでなく、地域の多くの方がその取り組みを意識するような手だても必要かと思います。市報や町会や地域広報誌などで取り組み状況を報告したり、口コミでも何でも広く担い手を求めるなどしないと、広がるどころか、逆に事業そのものが収束してしまわないか、心配になります。他の議員からも何度か事業の広がりを求めることを聞いておりますが、私もそう感じます。

 このような地域福祉の取り組みについて、広がりを見せる工夫は、現在どのように行われているのでしょうか。また、モデル事業の展開に当たって、このような地域の見守りは論議されたり実践されたりする考えはないのでしょうか。さらには、これらの実践される取り組み地区を拡大される御予定はあるのか、お考えをお願いします。

 高齢者や障害者、さらに子供たち、あるいはすべての市民が安心して地域の中で生活できるというのは、とても行政施策だけではなし得ないものであることは当然のことです。つまり、地域の人が力を合わせて初めてできることだと思います。このことは、言うのは易しいのですが、実際に地域の人たちに理解してもらうのは並大抵のことではありません。議員活動を通じて、私もその困難さを理解しています。ただ、このことに対してどう行政が仕掛けていくかが、これからの行財政運営に大きくかかわってくることは間違いないと思います。したがって、社会福祉協議会や民生児童委員、さらにはさまざまな団体、個人あるいは事業者とどう連携していくのか。近所の関係が薄れている今日、私は、地域で支え合う仕組み、つまり、このような協働のあり方を最優先で考えなければならない課題であると認識していますが、市長はどのようなお考えをお持ちか、お聞かせください。

 また、地域福祉を高めること、つまりは地域での見守りとか地域活動を進めていくことが、今後市行財政の改善にも役立つことであると考えます。次期再建プログラムを策定する動きもあるようですが、事業の見直しを進めることで効果を求めることには限界があるとの認識を持っております。扶助費を抑える新たな取り組みがなければ、幾ら節約を続けても、効果も市民の満足も得られないのではないでしょうか。いかに市民の力を借り、支え合いの仕組みを築いていくかが、今後の扶助費を抑えることにつながり、市民の心の満足を満たすことができるのではないかと考えていますが、どのようにお考えでしょうか。最後にお尋ねします。

 地域福祉の主役は市民です。どうか支え合うまちづくりのために行政として積極的にこれらの仕掛けづくりを進められますことを、そして、行財政への貢献にもつながるように御尽力いただくことをお願いいたしまして、私のすべての質疑を終わります。

 代表質疑で取り上げなかった点については、会派の議員が総括質疑の場でただしてまいりたいと思います。

 先輩、同僚議員の皆様、御清聴ありがとうございました。(拍手)



○副議長(下地光次君) 答弁を求めます。

 白井市長。

   (白井 文さん 登壇)



◎市長(白井文さん) それでは、長崎議員の第2問目の御質疑に対しまして、順次お答え申し上げます。

 最初に、協働研究会の行き着く到達点についてのお尋ねでございます。

 協働研究会は、市民の視点から見た協働のまちづくりのあり方等を検討するため、昨年6月に、45名の市民の皆様にさまざまな立場から参画をいただき、それぞれの体験や実践活動を通じた意見をもとに、現在協議を進めているところでございます。来年度上期には、協働研究会としての提言をまとめていただき、これまでの行政における取り組みや抽出された課題、各種調査の結果などとあわせまして、協働のまちづくりの今後の基本的な方向をまとめ、市民と行政の意識の共有化を目指していこうとするものでございます。

 次に、地域福祉活動モデル事業を実践する中で得るものがあるのではないかといったお尋ねでございます。

 地域福祉活動モデル事業は、地域における問題解決能力の向上を目指しており、地域住民が主体となって進めていただくことを基本として取り組みを進めているところでございます。こうした中、行政の役割としましては、課題の抽出、解決や事業実施等に当たり、取り組みやすい環境づくりや他団体等とのパイプ役など、側面的に支援していくことと認識いたしております。また、これまでの取り組み等から得られたことといたしましては、社会福祉協議会などが中心となって会議を設置したことにより、地域の住民が主体となって地域の課題や特性について一定の議論ができていることや、みずからが解決していくという機運が生まれ、実践活動に取り組もうという姿勢があらわれてきた点は、成果であると考えております。

 しかしながら、地域のことは地域で解決していくという考え方を理解していただくのに時間を要したこと、地域ごとに課題や解決方法が異なることから、それぞれの地域課題の背景等も踏まえ、十分に議論していくことが重要であるなどの課題が改めて見えてきたところであり、その解決に向けた取り組みも必要であると考えております。

 次に、地域における市民との意見交換や職員の連携などを今後の市政にどう生かしていくのかといったお尋ねでございます。

 本市では、これまで、第2次基本計画の戦略プランに基づき、さまざまな分野で協働型事業の事例を拡大し、協働の経験を積み重ねてまいりました。こうした取り組みを通じて、市民、事業者の皆さんと意見交換を行い、ともに実践することにより、市民側にも行政側にも協働のまちづくりに対する理解やノウハウが、徐々にではありますが、蓄積されてきております。今後は、これまで蓄積してきた経験、ノウハウ、情報を集約、整理し、共有化を図り、市民や事業者との信頼関係を築き上げ、地域の力を高めていくことにより、さまざまな地域課題の解決やよりよい地域社会づくりへとつなげてまいりたいと考えております。

 次に、地域福祉の取り組みについて、広がりを持たせる工夫などのお尋ねでございます。

 地域福祉の推進に当たりましては、市民意識の情勢が大切であることから、啓発のための研修や実践活動を行っている地域も参加したフォーラムを実施するとともに、広報誌、ホームページにより、事業等の周知に努めているところでございます。また、社会福祉協議会とも連携し、社協だよりなどで、その活動内容の紹介やボランティアの養成を行っていただいております。また、現在実施しているモデル事業においては、それぞれの地域での現在の重点的な課題について議論されており、具体的には、災害時の要援護者への対応や児童の登下校時の安全確保などがテーマとして挙げられ、一部実践していこうという試みがなされております。

 今後の展開につきましては、3年間の成果等を検証する中で、そのあり方を検討してまいりたいと考えております。

 次に、地域で支え合う仕組みなど、協働のあり方についてのお尋ねでございます。

 近年の急速な少子高齢社会の進展、女性の社会参加、核家族化や地域のつながりの希薄化など、社会福祉を取り巻く環境は大きく変化してきております。こうした中、すべての人が住みなれた地域で安心して生き生きと暮らすことができるよう、みんなで支えるまちをつくること、すなわち地域福祉の推進が重要であります。そのためには、市民、事業者、行政などが協働してまちづくりを進めていき、また、地域で互いに支え合い、助け合いながら地域福祉社会を実現していくことが必要であります。現在、協働研修会での取り組みに加え、地域福祉活動モデル事業などの実践活動を行っているところでございます。

 次に、いかに市民の力を借り、支え合いの仕組みを築いていくかといったお尋ねでございます。

 今後の地域福祉の推進に当たっては、市民、事業者、行政など、それぞれが役割を発揮しながら協働し、自助、共助、公助という基本的な考えのもとで、支え合う地域社会づくりを目指して取り組んでまいりたいと考えております。そうした中で、地域福祉活動がより深く実践されることによりまして、行政だけでは解決できない課題の解決にもつながり、また、将来的には扶助費等の経費の削減にもつながっていければとも考えております。

 あわせて、こうした取り組みを通じまして、市民の理解や活動に対する満足感も得られるものと期待をいたしているところでございます。

 以上で長崎議員からの代表質疑に対します私からの答弁を終わらせていただきます。



○副議長(下地光次君) 保田教育長。



◎教育長(保田薫君) 教育問題についての御質問にお答えいたします。

 まず、学力・生活実態調査の公表に対する保護者の反応の低調さに対してどう考えているかというお尋ねでございます。

 今回の学力・生活実態調査の結果につきましては、教育委員会としましても、昨年と比べ、より踏み込んだ内容を公表し、全市的な課題や各学校の課題を明らかにしてまいりました。その反応につきましては、直接学校や教育委員会に寄せられた御意見は多いとは申せませんが、保護者の学力に対する関心は決して低くないものと考えております。

 学力向上に向けては、学校、保護者、教育委員会の協力が不可欠であり、今後、説明会や意見交換の機会をふやすなど、一層連携を深めてまいりたいと考えております。

 次に、調査結果について何校の小中学校が保護者を集めて説明会をしたのか。また、担任教諭が保護者を集めて説明をしたのかというお尋ねでございます。

 平成17年度の学力・生活実態調査の結果につきましては、すべての学校で学校評議員やPTA役員への説明を行いました。さらに、保護者会等の場を設定し、説明を行った小中学校は9校でございます。そのうち5校では、学級懇談で担任が資料等に基づいて説明を行い、保護者との意見交換をいたしております。まだ保護者に対する直接の説明というのは十分できておりませんが、今後各学校におきまして、PTA総会や懇談会などを通して課題と取り組みをより明らかにしまして、学力向上に努めてまいりたいと考えております。

 次に、大庄東、大庄西、啓明中学校の3校統合が大庄東、大庄西中学校の2校統合になると、残された1校はどうなるのかというお尋ねでございます。

 大庄地区の中学校の統合につきましては、3中学校統合を基本に、保護者や地域と協議を進めてまいりましたが、啓明中学校区の地域を中心として、その存続を求める声が強く、大庄東中学校の位置で統合するということに御理解が得られませんでした。一方、大庄東及び大庄西中学校の小規模化の進展が著しく、その解消が急務であることから、まずは2校統合から進めるべきものと判断したものでございます。

 今後とも啓明中学校の小規模化や校区外に建っている校区外設置などの課題解決を図るため、統合に向けて保護者や地域と協議をしていきたいと考えております。

 次に、適正でない規模のまま教育を受けている現状をどう考えているのか。また、次期学校別計画の状況はどうかというお尋ねでございます。

 学校の適正規模・適正配置につきましては、児童生徒へのより良好な教育環境を創出するという観点から進めているところでございます。その取り組みに当たりましては、今後とも保護者や地域の御理解をいただくよう、粘り強く協議を進めてまいりたいと考えております。

 次期の学校別計画につきましては、現在内部で調整中であり、平成18年度の早い時期に明らかにしてまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○副議長(下地光次君) 長崎寛親君の質疑は終わりました。

 この際、休憩いたします。

     (午後2時3分 休憩)

 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

     (午後2時30分 再開)



○議長(谷川正秀君) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 代表質疑を続行いたします。

 発言を許します。

 塩見幸治君。

   (塩見幸治君 登壇)



◆35番(塩見幸治君) 市民グリーンクラブを代表いたしまして、代表質疑をいたします。

 5番目の質疑であり、これまでの質疑と重なる点もあろうかと思いますが、私なりの観点によるものですので、お許しをいただきたいと思います。

 また、できる限り抽象的議論を避けるために、わかりやすく質疑することに心がけたつもりですので、市長におかれましても、できる限りわかりやすくお答えをいただきますようお願いいたします。

 なお、2時間を少し過ぎると思いますが、会派の思いを精いっぱい申し上げたいと思いますので、初めにお許しをいただきたいと思います。

 それでは、1問目に入ります。

 まず初めに、いわゆる小泉首相の構造改革、以降、小泉構造改革というふうに省略させていただきますが、それと尼崎市の経営再建プログラムについて質疑いたします。

 小泉さんが総理大臣に就任したのが2001年4月。就任早々、改革なくして成長なし、痛みを伴う改革が必要と国民に呼びかけられて、市場原理主義に基づいて、小さい政府づくり、官から民へ、規制緩和、財政再建の政策を小泉・竹中路線としてトップダウンで推し進めてこられました。その流れは、ほころびかけていたセーフティーネットをつくりかえるということを放棄し、成功するも失敗するもすべて自己責任によるものとし、そういう社会が活力ある社会だと主張されてきました。会社は株主のためにあるとする株主・株価中心主義のもとで、リストラすれば株価が上がるという状況やマネーゲームを助長し、ホリエモンを活力ある社会の勝ち組として褒めたたえたのであります。市場原理主義というのは、市場のメカニズムに自然に任せておけば経済活動が活発になり、社会のバランスが形成されるという考え方で、経済政策や社会政策を重視するケインズ経済学とは相反するものです。

 ところで、この間の尼崎市のまちづくりの根幹をなすものは、尼崎市総合基本計画でもなければ実施計画でもありません。言うまでもなく尼崎市経営再建プログラムであることは、自他ともに認めるところであります。そのプログラムでは、経営再建プログラムの策定に当たって、その思想、考え方について次のとおり述べております。

 経営再建の目標として、1、財政再建団体への転落阻止、2、収支均衡と構造改善、3、協働の仕組づくり、4、まちの魅力の創出と蓄積の4点を設定し、この目標を実現するために、ア、市民の行政依存傾向を変革するために、民間事業者、NPO、ボランティアを活用する。イ、効率よい公共サービスを提供するために、サービスの担い手を地域住民、民間事業者と幅広くとらえて、顧客志向、成果主義、すなわちNPM、ニューパブリックマネジメントに基づく行政経営を進める。ウ、高いコスト構造を是正するために、経営構造を大胆に変革し、小さい市役所づくりを目指す、としてあります。そして、この3点を今後の行政経営改革を貫く経営戦略とするとしています。

 さて、この経営再建プログラムに言う小さい市役所づくり、官から民へ、そして市民の行政依存を変革するということは、自己責任へシフトするということですし、ニューパブリックマネジメントに言う顧客主義というのは、行政を企業に見立てて、株主・株価中心主義という考え方と類似していることなどと比較しますと、中央政府と地方自治体という規模、権限等の違いはあるものの、いわゆる構造改革なるものの基本理念について、同じ考え方に立脚しているように思われます。

 これから私はさまざまな角度から質疑させていただきますが、議論を整理する意味からも、前提として、まず以下の質疑をさせていただきます。

 第1点は、申し述べましたように、私には小泉構造改革と尼崎市経営再建プログラムの基本理念は同一の価値観に基づいていると思えるのですが、両者の理念、目指すものについて、同じであると考えておられるのか、それとも違うのか、お答えをいただきたいと思います。

 もし違うとするならば、どこがどう違うのか、明らかにしてくださるようお願いいたします。

 第2点目は、尼崎市経営再建プログラムは、策定者みずからがそれまでの尼崎市行政を改革する戦略として策定されたものであると主張されています。とすれば、着実にそれを実行することは、改革を断行するということを意味します。白井市長は、過去の市長選挙において、尼崎を変えると訴えられて当選されました。その後市長は、今回の施政方針でも述べられましたように、経営再建プログラムを着実に推進してきましたし、これからも推進していきますと言われております。

 以上の脈略からすれば、白井市長の言われた改革というのは、経営再建プログラムを着実に実行することを意味するものだと理解できるわけですが、そういう理解で間違いないかどうか、お答え願います。

 これもまた、もし違うというのであれば、経営再建プログラムの改革と白井市長の改革とはどこがどう違うのか、御説明願います。

 さて、次に、経営再建プログラムを着実に実行し、ニューパブリックマネジメントの考え方に基づく行政経営システムが確立された結果として、プログラムでは、尼崎市に住み、働くすべての市民が、利便性や快適性など多様な付加価値を実感し、自己実現が図れるまちとして、ここに納得して住み、満足できる尼崎市を実現していくというイメージが述べられております。大変抽象的表現でわかりにくいですが、白井市長は、みずからの改革の結果、どういう尼崎市のイメージを描いておられますか。今引用しました経営再建プログラムが描く尼崎市の未来イメージと同じなのか、それとも違うのか。違うとすればどう違うのか、お答えください。

 以上3点、お伺いいたします。

 次に、市民の安全を守るためにということで、今の世相に対してどういう思いを持っておられるか、お尋ねしてまいります。

 さて、ことしに入りまして、国会においても、格差の問題を自民党を除いてすべての政党が取り上げ、議論されました。格差が拡大しているという認識に対し、小泉首相は、格差はそれほど拡大していないという認識や、格差はあって当然という価値観を示したことも報道されております。その議論は、申すまでもなく、小泉政権の4年余り実行されてきた市場原理主義に基づく構造改革路線が国民に何をもたらし、どういう世相をつくり出してきたのかということとあわせて、そういう現状が小泉首相が言うところの痛みの向こうに存在する活力ある社会に向かっているのかどうかを検証しようとするものであります。

 2月21日の朝日新聞に、2月18日、19日の両日にわたって行われましたアンケート調査の結果が掲載されておりますけれども、その中で、最近の日本は所得などの格差が拡大しているという見方があります。あなたの実感として格差は広がっていると思いますか、そうは思いませんかという設問に対して、格差が広がってきていると答えた人が71%、格差拡大は小泉首相がとってきた政策と関係があると答えた人が35%を占めています。あわせて少しデータをお示ししますが、OECD、経済協力開発機構が先進諸国の貧困に関する国際比較を公表されたそうですが、それによると、日本の貧困率は15.3%という数字だったそうです。貧困率のトップはアメリカの17.1%、最低の貧困率はデンマークで4.3%だそうです。ちなみに、OECD平均は10.8%で、日本の貧困率は、目下第2位という高さであります。

 以下、朝日新聞に掲載されました格差拡大のデータが示されておりますけれども、午前中の質疑で田村さんが少し引用されましたので、ここではもう割愛させていただきます。

 勝ち組、負け組という言葉が流行していますが、いわゆる中流階級が二極分解の傾向を示していることは、この言葉に象徴されるように、実感として否定できない事実となっているのではないでしょうか。そして、だれしも負け組にはなりたくありません。何とか頑張れば、私も勝ち組に入れるのではないか、頑張れば運もついてくるだろうと言い聞かせて頑張ってきております。しかし、中小企業の経営者は、借金をするのに個人保証しておりますし、多重債務から逃げることはできません。破産すれば、自殺するか、地域を捨ててホームレスになるしかないのです。頑張れば勝ち組になれる。若い人たちに勝ち組のシンボルとしてホリエモンを持ち上げ、幻想を振りまきました。しかし、現実はそうではありません。一方で、国家百年の大計といって行われた2004年の年金改革は、老後の不安を解消するどころか、拡大させ、年金の空洞化をさらに推し進めています。医療改革、介護保険改革においても、残念ながら不安を増大させています。その上に増税です。そして、その負担増は、低中所得者に厳しいものとなっています。まさにセーフティーネットの惨状は、私たちの生活の安全安心が大変な危機にさらされていることを物語っていると言えます。

 さらに加えて、小泉構造改革は地域社会も破壊してきていると言わざるを得ません。小泉構造改革が地域社会を破壊してきているというのは私の実感ですが、手元にそれを証明するデータが見つかりませんでしたので、その件については、元自民党幹事長の加藤紘一さんの言葉を引用させていただきたいと思います。

 加藤紘一さんは、雑誌世界3月号の政治がコミュニティーを壊してはならないという対談で、次のように主張されています。少し長くなりますが、大事な部分ですので、引用します。

 経済原則だけでビッグスーパーの郊外進出を許していいのだろうか。それによってどんどんシャッター街ができていく現状をどうするのか。まだまだつくらせましょうよという経団連の意見と、そろそろ土地利用規制の観点から手を打ちましょう、もう耐えられませんと言っている全国の商工会議所、日商工会連合会からの運動が真っ二つに対立している。多くの人は、競争原理はそれなりに認めるけれど、ある程度でブレーキがかかったはずです。それは、公共の福祉と人権ということです。最小限の生活の福祉やシビルミニマムを認めようということは共有されていた。規制や保護が行き過ぎて停滞を生んでいるなら、今、小泉・竹中流のマーケットメカニズムに振るのはいいだろうと思っていたときにガーンとショックを与えたのが、マンション耐震偽造事件とライブドア事件です。世の中お金があれば何でもできるというのは、やっぱり本当の資本主義ではないと感じた。その思いの根っこにあるのは、日本社会にはおきてがあったじゃないか。何ぼ金もうけのために頑張ってもいいけれど、命にかかわる危機が迫るような競争はいけないよ。うそで人を出し抜いてはいけないよ。それは不文律じゃないかという感覚なのですね。我々の社会の基本理念は、自然に対する崇拝の念と、それに基づいてコミュニティーを形成する最小単位、地域を守るということです、と言われています。

 少し長い引用になりましたが、自民党衆議院議員で保守リベラリストの加藤紘一さんの今の世相に対する危機意識の表明です。私は、この加藤さんの小泉構造改革がもたらした今日の殺伐とした世相に大きい不安を抱いておられることに共感します。そして、私もローカル政治家として、この世相を何とか変えなければならないという思いに駆られています。

 市長であれば、市民の安全安心を守るという行政責任を負う立場ですから、私以上に今日の状況、世相について深い関心を持っておられることと思います。

 そこで質疑いたします。

 白井市長は、この加藤紘一さんの現状認識、思いについて共感されますか。それとも違う思いをお持ちですか。違うとすれば、どういう思いなのか、お答えください。

 また、格差の拡大についてどう認識されていますか。格差の拡大は社会不安を引き起こすことに結びつく危険性があると考えますが、市長さんはどうお考えでしょうか。

 次に、市民の安全安心を守る具体的な施策について、見解を求めてまいりたいと思います。

 まず、アスベスト対策についてです。

 アスベスト問題については、クボタの自主公表に始まり、就業者のみならず周辺住民への被害として拡大している実態が明らかにされました。尼崎市としては、これまで対応に努力され、政府にもいろいろと働きかけをされてきたことにつきましては、率直に評価したいと思います。この点については、過去公害問題に苦悩してきた本市のノウハウが生かされたと言えると思います。

 しかし、ことしの通常国会で早々に成立したアスベスト新法等は、正直言っていただけません。なぜならば、第1に、アスベスト被害に対する国の不作為による責任を事実に反して認めていないこと、第2に、単なる社会保障的救済制度としてつくられており、公害問題としての認識が欠落していること、第3に、救済という位置づけであるがゆえに、労災と比べて給付額が低すぎるということです。また、アスベスト総合対策についても、各省庁の縦割り対応で処理されており、現場の対応に多少なりの混乱を生じさせていることが指摘されています。衆議院調査局環境調査室が自治体に対して行ったアスベスト対策に関する実情調査の結果について報告書が出されていますが、その項目の中で、アスベスト対策に関する国の対応及び国への要望についてというのがあります。その質問項目に、第1、アスベスト対策に関する各関係省庁間の連携についてどうかとの問いに対し、連携が不十分と答えた自治体が52.5%、連携がとれていない8.7%で、合わせると61.2%の自治体が省庁間の連携に不備があると認識を示しています。示されている具体的回答例では、同じような調査や補助等を各省庁でやったり、同じ省庁でも各局で行ったりしている。発信する方は個別に行っていても、受ける側は同じ場合があり、混乱をしてしまう。アスベストの判断基準が各省庁で異なる。関係各省庁から通知や依頼が行われているが、おのおのの省庁所管事項であり、現場対応を行う地方自治体では一体的な対応は難しいというようなものです。また、アスベスト対策に関する各省庁と市町村との連携については、連携がとれていないと答えた自治体が58.2%と、過半数を超えています。

 以上、アスベスト被害を拡大させたのも縦割り行政の弊害ならば、そのアスベスト対策も縦割り行政でばらばらに行われてきている実態は否定できません。

 尼崎市はこのアンケートにどう答えられたかは存じませんが、私は、総合対策の必要性があり、かつ、今後アスベストに関する健康被害の発生が40万人とも50万人とも言われている状況にある中で、政府においても省庁を横断するアスベスト対策室を設置すべきであると考えております。

 そこで市長に御質疑いたします。

 このアスベスト被害の問題は、尼崎においてもこれからさらに深刻化するとお考えでしょうか。それとも、山は越えたとお考えでしょうか。

 次に、アスベスト対策が縦割り行政になっているのは国の省庁に限りません。尼崎市においてもそうだと言わざるを得ません。少なくとも今後アスベスト被害が深刻化すると認識しているとするならば、尼崎においても横断的なアスベスト対策室を設置すべきであると考えます。アスベスト問題に関する総合対策室を設置して、長期的、多様的に発生するアスベスト問題に対応することが、市民の利便性、利益にかなうことだと考えますが、いかがお考えでしょうか。

 次に、国民健康保険について質疑いたします。

 国民健康保険制度に関する我が会派の見解は、これまで一貫しております。改めて私たちの考え方、これまでの取り組みについて簡単に触れます。

 2000年度、平成12年度から、賦課方式の変更と窓口負担を2割から3割に引き上げられましたが、私は、当時阪神間レベルを大幅に上回る高い保険料に悩まされていた現状から、この制度改革を容認した上で、一般会計から国保会計へ繰り出ししている負担軽減財源を維持し、保険料の大幅な軽減を求めました。当時12億円だった負担軽減のための繰り出し財源は2億円減らされて10億円になりましたが、その後はその額が維持され、平成11年度の1人当たり年平均保険料が8万7,415円だったものが、平成12年度には7万8,384円、平成13年度には7万4,424円、平成14年度には7万3,829円、平成15年度には7万2,245円と、順調に下がってきました。その保険料の軽減に合わせて、収納率も国保担当者の努力も相まって上昇傾向にありました。この結果は、2000年当時の国保の制度改正について、賛否両論はありましたが、私たちの選択が正しかったと自負してきたところであります。しかし、平成15年度に負担軽減財源が4億円に減らされたことと、平成15年度決算が赤字となり、繰り越し財源がなくなってしまったことにより、その結果、平成16年度には7万3,743円、平成17年度には7万8,338円と、再び保険料が上がり始めました。それに伴って保険料収納率も悪化傾向を示し始めました。昨年の予算議会の総括質疑で、当時の我が会派の平山議員が、その事実を示し、白井市長の選挙公約に反しているのではないかと追及いたしました。白井市長は、引き下げることを検討するということを公約したのであって、検討はしてきている。今後も検討していくと御答弁され、下げるとは言っていないから、公約違反ではないと言いたげな御答弁でした。私は、そのやりとりを踏まえて、今議会の予算でどういう国保保険料水準が示されるかと関心を持っておりましたが、一般会計からの負担軽減財源は4億円のままで、平均保険料は、平成18年度7万8,929円と、わずかですが、591円アップしています。国保保険料の引き下げを検討することを公約された白井市長さんが就任されて、国保保険料は5,100円引き上げられたことになります。

 国保制度は、自治体が責任を有するセーフティーネットの一つであります。制度的に難しい状況にあることは理解していますが、今日の不安な世相の中で、市民の安全安心を守るための市行政の役割として、この現状はお粗末きわまりないのではありませんか。

 昨日の公明党仙波幹事長への御答弁で、平成15年度から阪神間レベルを基本に保険料を設定するという考え方に基づいているということでしたが、私の理解では、阪神間並みという考え方は、尼崎市当局の考え方として白井市長就任以前からの考え方であって、白井市長は選挙時に、その水準をさらに引き下げることを検討することを公約されたのであります。平成15年度は白井市長が初めて予算編成された年度でありますが、そのときから阪神間並みという考え方が定められたのでは決してありません。

 白井市長が御就任されて、それ以前より平均5,100円保険料が引き上げられたことについて、改めて国保保険料の引き下げをさらに検討すると公約されたこととの関連で、市民に理解できるよう御説明を願います。

 次に、介護保険制度についてです。

 介護保険制度も市民の安全安心を守るセーフティーネットです。既に御承知のように、新たに軽度介護者に対する予防給付が新設され、介護サービス給付費総額の抑制の努力をされようとしているわけですが、しかし、尼崎市の現状を見ますと、第1号被保険者の平均保険料が月額4,747円、33.5%の引き上げ率を示しています。改定前の3,555円という数字も、神戸市を含めて阪神間ではトップ、兵庫県下でも加古川市に次いで2番目の高さとなっていました。改定後はどうかといえば、神戸市も含めて阪神間でトップ、県下では41自治体中第3位の高さです。阪神間平均は4,287円ですから、平均より460円高い。県平均は4,325円ですから、尼崎の方が422円高いということになります。それも尼崎市の場合、今回初めて第8段階まで階層をつくってそういう結果です。ちなみに、阪神間では、第6段階まで1市、第7段階まで5市という状況です。

 介護サービス給付費が増加しているのは全国的傾向ですが、費用を負担すべき被保険者の所得階層が他都市に比べて低いというのが平均負担額を押し上げる要因となっていることは事実ですが、だから尼崎市の介護費用負担が高いのは仕方がないということになるのでしょうか。

 尼崎市として負担をもっと引き下げる方法はないのでしょうか。引き下げるためのどんな努力が必要だとお考えですか。と同時に、その努力はどういうようになされてきましたでしょうか。お答えください。

 次に、障害者自立支援制度について御質疑いたします。

 障害者自立支援法が、昨年、衆議院選挙で自民党が圧勝した中で、深い議論もなされず、あっという間に成立してしまいました。そして、準備不足とも言える状況の中で、各自治体において障害者施策の見直しが始まりました。この障害者自立支援法についていろいろと説明を受けましたが、どうしてこの趣旨が障害者の自立支援になるのか、よくわかりません。要するに、障害者福祉サービスについて、応能負担を一律1割負担を原則として、4段階の区分に分けて上限を定めるものですが、率直な疑問として、低所得者層について過酷な負担を強いることになるのではないかということが1点目の疑問であります。2点目の疑問は、生活保護への移行防止策として、利用者負担によって生活保護世帯に該当する場合は、生活保護に該当しなくなるまで負担を軽減するという仕組みがあります。この仕組みは、一見、低所得者への救済策のように見えますが、見方を変えれば、要するに低所得者の障害者及び障害者世帯は生活保護水準ぎりぎりの生活水準を維持させるという考え方が貫かれているように感じられます。これが疑問の第2点です。第3点目の疑問は、就労訓練において負担をして働きに行くということは常識外のことであり、就労訓練として成立せず、自立を阻害することになるのではないかという疑問であります。障害者が社会参加をし、健常者と平等に生きようとするときに、そのハンディキャップをカバーするシステムについて、なぜ生活保護水準ぎりぎりまで負担をかけるのか。就労意欲を阻害するのか。そもそも生活保護に移行するのを防止する救済策をつくらなければならないこと自体、低所得者階層への負担のあり方が問題であることを物語っていると私は思います。

 白井市長は、この障害者自立支援法について問題があると認識されておられるのか、それとも問題はないと思っておられるのか、見解を求めます。

 さて、横浜市、京都市の低所得者層への負担軽減の措置は、先ほど田村議員も言われましたけれども、その中で、京都市は、事業者の生活実態を踏まえたセーフティーネットの整備が必要だと判断をした。横浜市の中田市長は、血も涙もある施策だとコメントし、この障害者自立支援法の仕組みが血も涙もないものであることを暗に批判をしました。尼崎市では、単純計算でありますが、お聞きしますと、市の負担が3億6,000万円ほど軽減される計算となり、新たにシステム関連で約1億円の経費がかかるということですから、約2億6,000万円、尼崎市の負担が軽くなるという計算があります。したがって、この4月から、法移行に伴い、尼崎の独自策として、低所得者層に対する何らかの負担軽減策もしくは激変緩和策をとることが可能であると考えますが、市の見解はいかがでしょうか。

 若年者、ニート等に対する雇用について質疑いたします。

 少子高齢社会の到来は、これまで確立されてきたセーフティーネットである年金制度、医療保険制度などの屋台骨を揺るがせております。が、そういう意味では、ある意味では年金改革、医療改革の必要性があるのは当然であります。と同時に、一方では、制度を支える現役世代のあり方について、就労、雇用の安定化をどう図るのかということが大変重要な課題となっていることは申すまでもありません。小泉首相は、雇用は民間企業と当事者の私的関係であるとして、政府自身の政策的関与を排除する傾向がずっとありますが、今申し上げましたように、セーフティーネットの再構築にとって、若年層の雇用問題はすぐれて政策的課題であると私は認識しております。

 さて、昨年公表された内閣府の青少年の就労に関する研究調査によれば、いわゆるニートが84万7,000人と発表されました。2月26日の朝日新聞では、そのニートの活動、生活概要、求職状況などの内容について、ニート、イコール怠け者というのは乱暴なレッテルという見出しの特集記事が掲載されました。それによれば、ニートの一般的イメージと言われるぶらぶら型、無気力型は50%で、残りの50%の人たちは、実は就職の希望や求職の意思を持っているというデータが示されております。そこにありました本田由紀東大助教授は、ニート対策としてこう語っています。日本の労働市場では、学校を離れるときに正社員になれるかなれないかでその後が大きく異なるという問題がある。非正規労働者は不安定な処遇を受け、正規労働者との間に賃金や社会保障に大きい格差がある。回復も難しい。若者の苦境の原因となっている構造を変えなくてはならない。ニートの議論で危惧するのは、実態は違うのに、社会がある特定の集団を否定的にとらえ、心の内面に介入しようとしていること、制度や仕組みがどうあるべきか冷静に考えるべきだ、と言われています。

 尼崎の施策としては、122万6,000円の予算でヤング・キャリア・サポート事業を行っていますが、いわばニートの若者たちに対して就労、雇用の場をつくろうという施策ではなくて、いわゆるメンタルケア的なもの、働かない若者たちがニートだという感覚でカウンセリングなどを行おうというものであります。残念ながら、靴の上からかゆいところをかいているようなものであります。

 そこで質疑いたします。

 いわゆるニートという若者の存在についての認識と、その課題解決にどういう取り組みが必要だと考えますか。尼崎としての実態を調査する必要性を感じておられますか。また、若年者の雇用実態についての状況把握はされているでしょうか。その必要性があると考えますが、いかがでしょうか。

 次に、ホームレス対策について質疑いたします。

 ホームレス問題も今日の不安な世相、格差社会拡大の中で発生している問題であることは明白です。国レベルでは、ホームレス自立支援特別措置法が施行されていますが、しかし、政府を初め各自治体もこの課題に本格的に手をつけることを相当の重荷と感じているようで、残念ながら、口では人権問題を語る自治体も、目視による実態調査を繰り返しているだけで、具体的な手だてが立てられないのが実情なのであります。尼崎市も目視で355人のホームレスが生活している状況が把握されているわけでありますが、対策としては県任せ、県は国任せで、主体的に尼崎市としてこの問題に取り組もうという姿勢はないようであります。当局は一般施策で対応していると言いますが、生活保護においても、医療扶助はともかく、生活扶助では住居要件がクリアできない状況です。

 そこで、まずお伺いいたしますが、なぜ本格的なホームレス対策に取り組む姿勢を示すことができないのか、その理由をお聞かせいただきたいと思います。

 さて、御承知のことと思いますが、世界各国でホームレスの自立を支援しているINSP、インターナショナル・ネットワーク・オブ・ストリート・ペーパーズという組織があります。日本ではビッグイシューの日本版が有名ですが、要するに、ホームレスが最初に1冊200円の雑誌を無料で受け取り、これを売って2,000円の元手をつくって、以降は90円でこの雑誌を仕入れて、110円をホームレスの収入として自立のステップを得ていくという活動であります。1日に25冊から30冊売ることによって簡易宿泊所への宿泊が可能となり、路上生活から脱出。1日に35冊から40冊売って、毎日1,000円程度貯金をし、7ないし8カ月で敷金をつくって安いアパートを借りる。そして住所をベースにして新たな就職活動をするという3段階のステップで自立してもらおうという取り組みをしております。尼崎市内のターミナルでも、このビッグイシューを販売しておられます。そして、この運動は、外国では地元企業、行政、住民によってサポートされています。仮に行政がホームレス対策に乗り出すのに困難があるとすれば、例えばこのような市民活動を支援したり連携することにより、効果的な対策を展開できるのではないでしょうか。

 川崎市では、川崎市野宿生活者自立支援対策市民協議会を設置し、市民公募も含めて、学識経験者、町内会、福祉、行政などの関係者で取り組みを協議しています。もし尼崎市行政で知恵がないならば、市民や専門家の知恵をお借りすればどうでしょうか。川崎市のような市民協議会をつくられるようなお気持ちはありませんでしょうか。お尋ねいたします。

 第1問の最後に、入札等における総合評価制度と公契約条例についてお伺いいたします。

 白井市長さんは、リビングウエッジ、いわゆる生活保障賃金という言葉を御存じでしょうか。労働組合の連合が、単身労働者の必要最低生計費を担保するための月額収入は14万6,000円であると計算をしております。これを時給に直しますと、840円になります。この水準と最低賃金法の水準、一番高い最賃は東京都ですが、714円ですから、126円の差があります。例として30歳の母親と9歳、3歳の子供2人の3人世帯の母子家庭の場合、最低賃金で週6日働いても、13万7,088円、週5日ならば11万4,240円ですが、生活保護基準では15万8,650円で、いかに最賃の水準が低いかわかります。ましてやリビングウエッジからすれば、極めて問題だと言わざるを得ません。

 今、自治体は、尼崎市も同様ですが、指定管理者制度の導入で、民間への委託、移管、NPOの活用など、公共サービスの提供方法として官から民への流れを推し進めています。官から民へスタンスを移されることは御自由ですが、しかし、公共サービスを担う勤労者が、いわゆる生活できる給料を得るということは、社会政策として重要なテーマであります。それはILO94号条約として国際的に共通理解となっているものであります。残念ながら、日本政府はこの条約は批准しておりませんけれども。なぜ社会政策として重要かといいますと、説明するまでもありませんが、世の中の仕組みをつくる根本土台となるからであります。働いて得る給料が、みずからの生活を支え、家庭を支え、子供を一人前に育て上げ、税等を払い、さまざまなセーフティーネットを支える原点となるものだからであります。この雇用、賃金の問題を企業と労働者の自由契約であるとして放置しているのが小泉構造改革ですが、そうなりますと、立場の弱い労働者は、先ほど申し上げたリビングウエッジ、生活最低保障賃金すら得ることができず、社会的セーフティーネットを崩壊させることに結びつき、その結果、国や自治体の社会保障コストを引き上げてしまうということになってしまうからであります。

 ですから、そういう悪循環を繰り返さないために、入り口できっちりと社会政策的に公契約においてリビングウエッジ、生活保障賃金を設定し、公正を確保しようとする必要があると考えます。それが自治体における公契約条例を制定する必要性の根拠であり、あわせて入札等において総合評価制度導入の必要性の根拠であります。

 入札等における総合評価制度は、現総務省が1999年に施行令を改正し、総合評価方式の導入が可能となりまして、全国自治体で導入され始めております。何をどう総合評価するかについては各自治体でさまざまな特徴がありますが、一般的には、1、環境問題にどれだけの配慮がなされているか、2、障害者の雇用状況がどうか、3、男女共同参画の取り組み状況はどうか、4、地域へどういう貢献をしているか、5、公正な労働、いわゆるリビングウエッジを確保しているか、などがあります。

 残念ながら、今日まで尼崎市は入札等において総合評価システムを導入していませんが、私は、公共サービスの民営化を推進するのであれば、入札もしくは指定における客観性、公正性、安定的サービスの提供の確保という観点、そして、大きくいえばセーフティーネットの再構築ということからも、入札等における総合評価制度の導入と、それを担保する公契約に関する条例制定の必要性があると考えますが、市長の見解を求めます。

 1問目の最後に、警察署の統廃合についてお尋ねします。

 市民の安全安心の問題について、西警察署の廃止問題についてお尋ねいたします。

 尼崎市は市長名で、県警本部長あてに、西警察署の廃止について再考し、市民の不安を解消されるよう申し入れをされました。確かに市内警察署の再編については、都市イメージとしても治安が悪いというイメージが定着しているのに加えて、昨今の子供たちに対する事件の頻発がある中で、市民の不安が高まっていることは当然であります。とりわけ西警察管内の住民にとっては、西警察署がなくなることに対する不安はなおさらでしょう。

 私は、申し入れをするということはお聞きをいたしましたが、その後、県側からどういう返事があり、さらに市としてはどうしたのか、どうするのかということの情報は全く説明をいただいておりません。それこそ住民と市が一体となって西警察署の廃止をやめさせる運動を展開すべきだと考えますし、市内選出の県会議員との連携の上で頑張るべきであると思っておりましたし、今もそう思っておりますので、その後どうなったのか、今後どうするのか、市民との連携した運動を進めるのか、御説明を承りまして、私の第1問の質疑を終わりたいと思います。

 ありがとうございます。(拍手)



○議長(谷川正秀君) 答弁を求めます。

 白井市長。

   (白井 文さん 登壇)



◎市長(白井文さん) それでは、塩見議員の代表質疑に対しまして、順次お答えを申し上げます。

 まず、小泉構造改革と経営再建プログラムの基本理念についてのお尋ねでございます。

 直面する危機的な財政状況を乗り越えていくためには、本市財政を歳入に見合った規模に抑える必要があるため、経営再建プログラムでは、財政構造上の課題であった人件費を初めとした内部管理経費を削減することを中心に、各種事業の見直しなどの取り組みを進めております。こうした取り組みは、少なからず市民への影響があることも事実でございます。このような中で、人件費の削減に当たっては、市民サービスの低下を極力抑えることを基本に、民間委託を行うなどして、これまでのサービス供給体制の見直しを行ってまいりました。また、さまざまな地域課題に対し、地域の公益的な活動団体やボランティアなどの地域の力を生かし、取り組むことは、地域の活性化やよりよい地域社会を築くことにつながるものと考えております。

 経営再建プログラムに基づく取り組みは、市民生活を市場のメカニズムにゆだねるのではなく、地域にある資源を最大限に生かし、さまざまな地域課題に対し解決を図ろうとするものですが、行政として常に地域課題に対しては責任を持たなければならないことに変わりはありません。

 このようなことから、社会経済活動の活性化を目指そうとする国の構造改革の理念、価値観と、住民の暮らしと密接な関係にある地方自治体とは、おのずと違いがあるものと考えております。

 次に、私の言う改革が経営再建プログラムによる改革かどうかといったお尋ねでございます。

 財政再建団体へ転落することも危惧された厳しい財政状況を乗り越えるためには、経営再建プログラムに計上している項目を着実に実行していくことが必要であり、これは本市にとって避けられない道筋でございます。これまで改革改善を進めるに当たりましては、公開と参画を基本に、できるだけ多くの市民と接点を持ちながら進める姿勢で取り組んでまいりました。私は、多くの情報を市民と共有していくことにより、多様な地域活動など、尼崎が潜在的に持つ力を生かし、さまざまな都市課題を自治体の総力を結集して解決していく自治基盤を確立していく方向へ進めてまいりたいと考えております。

 次に、みずからの改革の結果、どういう尼崎のイメージを描いているのかといったお尋ねでございます。

 私は、いろいろな立場で多様な価値観を持つ一人一人の市民が、個性豊かに自分らしく生きていくことができ、この尼崎で自己実現や夢をかなえることができるようなまちを願っております。そして、子供からお年寄りまで、だれもが安心して暮らしていけるよう、地域社会全体が支え合い、見守っていくようなまちの姿をイメージしております。このためには、まずはまちづくりの基礎を整えておく必要があることから、経営再建プログラムに基づき、財政再建や自治基盤の確立、行政の体質改善に向けた取り組みを進めているところでございます。

 次に、加藤紘一さんの現状認識などについてのお尋ねでございます。

 過度の競争原理に基づく社会は、さまざまなひずみを生み、最近の耐震強度偽装問題など、競争の結果勝てばよいとの風潮の中で生じたと言えるのではないかと思います。また、このことは、経済優先の余り、最も基本となる命が軽んじられていると思わざるを得ません。経済の発展により暮らしを豊かにすることを否定するわけではございませんが、現代社会において、市場間での正しいルールのもとでの競争は必要でございますが、その中にあっても、生命尊厳を根底に置き、連携し、補完し合える地域社会を築いていくことが重要であると思っております。

 また、格差の拡大の認識についてのお尋ねでございますが、私は、今話題になっている格差の拡大の問題が、個々人や事業者の能力や努力とは違ったところで格差が固定していくようなことはあってはならないと思っております。また、議員が負け組になりたくないとだれしも思っているというようなお話をされておりましたけれども、私自身は、勝ち組、負け組という、その考え方自体に共感はできないと考えております。なぜならば、その人なりに一生懸命生きている人生において、勝ち負けという概念そのものを持ってはいけないと思っているからでございます。

 次に、アスベスト対策についてのお尋ねでございます。

 まず、本市における健康被害の今後の見通しについてでございます。

 本市におけるアスベスト健康被害につきましては、大気汚染防止法などに基づく規制が行われておらず、しかも、工場が青石綿を使用していた昭和30年から50年にかけてのばく露者が、20年から50年と言われる長い潜伏期間を経て、現在発症してきているものと考えられます。したがいまして、昭和50年のばく露者が最も長い潜伏期間を経て発症を迎えるまでの今後約20年間は、新たな健康被害が見込まれ、アスベスト問題への対応は長期にわたることが予想されます。

 次に、アスベスト対策室の設置についてでございます。

 本市におけるアスベスト対策といたしましては、保健所において健康被害を受けたと考えられる市民を対象に健康相談事業と健康診断を、公害対策課において大気環境中のアスベストの測定や飛散防止の指導を行うなど、それぞれの専門分野において迅速かつ的確な取り組みに努めております。さらに関係部署間の連携を強化し、情報の共有化を図るため、経営推進会議のメンバーを構成員とするアスベスト対策会議を設置しており、当面はこの体制でアスベスト対策に取り組んでまいりたいと考えております。

 また、現在国において、健康被害者の救済を目的とした救済新法を制定するなど、アスベスト問題に係る総合対策に取り組んでいるところであり、今後はこうした国の動向を注視する中で、引き続き体制の整備に努めてまいりたいと考えております。

 次に、国民健康保険料についてのお尋ねでございます。

 国民健康保険料については、それまで阪神間で一番高かった保険料を少しでも納めやすいようにとの思いから、市長就任後直ちに経営再建プログラムの見直しに着手し、平成15年度から、財政健全化のための繰入額を4億円としたところでございます。毎年の予算編成に当たっては、保険料は阪神間並み水準を基準に設定するという基本的考えのもと、国庫財源や保険料収納状況、さらには医療費の動向等、国保会計の実態を踏まえ、これまで設定してまいりました。国保財政を取り巻く環境は、医療制度改革等により一層厳しくなり、平成15年、16年と2カ年連続で赤字が生じ、これ以上の赤字は許されない状況の中で、新たな国庫支出金の獲得や医療費の適正化、歳入歳出両面にわたる保険者の自主的な努力により、少しでも安い保険料が設定できないか、種々検討を加えてまいりましたが、平成16年度以降は、前期高齢者の創設に伴う医療費の増加などの要因から、やむを得ず保険料改定を行ったものでございます。

 しかしながら、私は、市民生活への影響等に配慮し、大変厳しい財政状況のもとではありますが、何とか一般会計からの繰り入れを行う中で、平成17年度は阪神間平均より2,643円安く、平成18年度は4,624円安い保険料設定とさせていただいたところでございます。

 今後とも医療費の適正化等、自助努力を最大限行う中で、少しでも安い保険料が設定できるよう努めてまいりたいと考えております。

 次に、介護保険料についてのお尋ねでございます。

 介護保険料の増加につきましては、サービス給付費が増加したこと及び地域支援事業が創設されたことなどによる所要経費の増加や、第2期運営期間の財政安定化基金からの借り入れが生じたことなどが主な要因でございます。保険料の増加をできる限り抑制するために、特別養護老人ホームの入所待機者の解消に向けて一定の施設整備も進めますが、居宅サービスに重点を置くこととし、給付費総額をできる限り縮小するとともに、また、課税層を8段階に設定することにより、保険料基準額の低減化を図るべく努めてまいりました。本市の介護保険料が高くても仕方がないという考えは毛頭ございませんが、結果として大幅な保険料の増加とならざるを得ませんでした。

 介護費用の負担の引き下げについての努力ということでございますが、住みなれた地域や家庭で安心して暮らせるよう、居宅サービスを中心として進めるとともに、介護予防への取り組みや給付の適正化に努めることが大切であると考えております。こうしたことから、施設整備を最小限にとどめ、介護予防事業への参加促進に努めることといたしております。

 また、ケアマネージャーや事業者に対する研修等を実施するとともに、地域密着型サービスについても、事業所の指定や指導監督、その他のサービスについても立入調査ができるようになったことから、こうした権能を生かして、給付の適正化に努めてまいりたいと考えております。

 さらに、必要以上のサービス提供や事業者による囲い込みを防止する仕組みづくりについて検討してまいりたいと考えております。

 次に、障害者自立支援法についてのお尋ねでございます。

 まず、法に対する認識についてでございます。

 障害者自立支援法は、障害の種別にかかわらず、同じ制度のもと、地域で自立した生活をという視点から、障害の種類によらない共通のサービス利用を、働きたい人への福祉サイドからの支援、身近な地域でサービスを利用できるよう、日中活動や居宅支援に分けて、それぞれのサービスを進めることを目的としております。また、支援費制度の開始によりサービスの利用が高まっており、事業経費において急激な増加が続いています。このままの状況で推移すると、制度そのものの安定的な運営が課題となったことから、サービス費用については、障害者を含めたみんなで支え合うものとして、原則として費用の1割を負担していただくこととなっております。確かに利用される一人一人の方の負担は増えますが、各種の減免、軽減措置が講じられることで、利用者の生活そのものは支えられるとのことから、法の趣旨に合わせて実施していこうとするものでございます。

 ただ、今現在においても、新制度の詳細部分が明確になっていないことからも、実施後の利用者等の実情を把握する必要があると考えております。

 次に、低所得者層に対する負担軽減策などについてでございます。

 市独自の負担軽減策に関しましては、国において利用者負担については費用をみんなで支え合うという趣旨から、利用者に負担をお願いしたいとの見解を示していること、兵庫県並びに近隣市においても国に準じた制度の実施を原則としていること、事業実施に当たっては、本市の財政体力を踏まえる必要があることなどから、国基準による新制度の実施を予定しているものでございます。また、議員御指摘のように、定率負担の導入が一般財源に反映されるという一方で、新たな制度の運営に要するシステム関係経費、審査会の運営、設置を初めとする業務の増加による業務執行体制の整備等の負担がございます。さらに、障害者自立支援制度全体を見た場合、10月から地域生活支援事業が実施されますが、この事業がどれほどの規模となるかといった問題も残されております。こうした点も踏まえ、国制度に沿った方向を選択したところでございます。

 次に、いわゆるニートの問題に関してのお尋ねでございます。

 ニートが増加していることにつきましては、若者自身の問題としては、職業能力の形成がなされないことが懸念され、また、社会全体としても、将来的に経済基盤の脆弱化や社会保障システムなどにも影響を及ぼす大きな問題であり、若者の就労意欲の喚起及びその職業的自立を促進していくことが必要であると考えております。このため、現在国におきまして、若者自立挑戦プランを策定し、ニートに対する職業教育支援事業などに取り組まれているところでございます。また、内閣府の調査では、既存の数値データの特別集計や意識調査なども行われておりますが、それを尼崎市単独で行うことにつきましては、自治体レベルでは各種の統計的な数値を十分持ち合わせていないことや、プライバシーの問題があることなどから、困難であると考えております。

 しかしながら、若年層の就業支援については、市として積極的に取り組んでいきたいと考えており、来年度におきましては、庁内に連絡会を設け、教育委員会において立ち上げられた尼っ子自立・NOニート推進協議会での取り組みとも連携を保つとともに、新たにキャリアカウンセリングを実施し、働く意欲を持ちながら就職活動していない若者等に対する個別の就業支援を行っていきたいと考えております。

 また、若者の雇用実態につきましては、ハローワークでの雇用や賃金に関する情報、国等が行っている調査の結果、企業や教育現場の意見等を活用しながら、可能な限り把握に努めてまいりたいと考えております。

 次に、ホームレス対策についてのお尋ねでございます。

 まず、本格的な対策への取り組み姿勢についてでございます。

 ホームレスの対策は、就業、住宅、健康問題など多岐にわたる事業の実施や、ホームレス自体が広範囲で存在していることなどから、市単独で実施するには限界があり、抜本的な解決に向けては、広域的な対応が必要であると考えております。また、危機的な市財政のもと、市民サービスの見直しなど実施している状況では、本市が単独で特別対策を打ち出すことは容易ではないと考えております。しかしながら、現状においても、既存事業の中で生活保護を適用するほか、市民健診や健康相談など、民間団体等との連携により実施しているところでございます。

 今後につきましては、県を初めとした関係機関、民間団体とも連携を図りつつ、広域的な対応について検討してまいりたいと考えております。

 次に、市民や専門家の知恵を借りればどうかといったお尋ねでございます。

 ホームレスの自立を支援する上で、生活実態を知っている身近な地域の民生児童委員、社会福祉協議会やボランティア団体等との連携、協力や学識経験者等の知恵をお借りすることは重要なことと認識しております。しかしながら、先ほどもお答えいたしましたとおり、ホームレス対策は広域的な事業及び対応が求められることから、今後とも県や関係機関との連携を図り、検討していく中で、議員御指摘の市民等の知恵をお借りするような場面も出てこようかと考えております。

 次に、入札等における総合評価制度の導入などについてでございます。

 工事の入札参加資格者の格づけを行うに当たっては、ISO9000シリーズやISO14001の取得、障害者雇用の促進などを図る目的から、経営事項審査の点数に一定の加算を行う措置を講じているところでございます。一方、入札者により高い品質を求めるための技術提案を中心とした総合評価方式につきましては、平成16年4月に制度として設けておりますが、工事や委託などの入札案件ごとに総合評価方式を採用することの適否や落札者決定基準を定めるに当たっての意見を学識経験者から聴取する必要があるなど、契約を締結するまでに多くの手続と期間を要することから、これまで実施した例はございません。

 そうした中で、議員御指摘のような環境問題や障害者の雇用状況については、既に経営事項審査の点数に一定の加算を行う措置を講じているところですが、その他の政策的な貢献度を含めた総合評価方式について、なお研究していく必要があると考えております。

 次に、公契約に関する条例制定に関しましては、一般に賃金等や安全確保などの労働条件は、労働基準法等に基づき、当事者間で適切に処理されることがあくまでも基本であると考えており、労働者の賃金、労働条件の確保を適正に行うためにも、公契約法の制定が待たれることから、現在のところ、国の動向を注視してまいりたいと考えております。

 次に、警察署の再編についてでございます。

 警察署の再編計画につきましては、昨年12月5日に公表されましたが、私は、地域住民の不安の声を受け、本年1月18日、県警本部長に対し、最初に統合ありきではなく、本市は県下でも強盗やひったくりの発生件数が多く、治安改善が必要な状況にあり、治安維持力の向上が先決であること、現在の管轄区域において、警察、住民、行政が一体となった防犯活動や交通安全活動の取り組みが定着しており、管轄区域の変更や統合によって緊密な関係が阻害される懸念があることから、再検討を要望いたしました。要望に際しましては、市内選出の県議会議員の皆様に対しまして要望趣旨を説明し、御理解と御協力をいただくよう努めてまいったところでございます。県警本部からは、住民の理解を得るための説明会の実施やパブリックコメントによる意見を取り入れ、中央署と西署の再編後の名称を尼崎南警察署とすることなどの連絡がありましたが、残念ながら、再編計画そのものが見直されるまでには至っておりません。

 今後は、交番、パトロールなどの地域部門や捜査部門への警察官の配置状況、犯罪認知件数の動向などに注視し、治安維持力の向上が図られるとともに、市民の不安に対し、引き続き説明責任を果たすよう求めてまいる考えでございます。

 以上で塩見議員に対します第1問目の答弁を終わらせていただきます。



○議長(谷川正秀君) 塩見幸治君。

   (塩見幸治君 登壇)



◆35番(塩見幸治君) 2問目に入ります。

 1問目の質疑に対していただきました答えに対しまして、それぞれ深めたいわけですけれども、代表質疑でもありますし、時間がありませんので、それにつきましては、また予算特別委員会なりで深めていただきますので、ここでは割愛をさせていただきます。

 ただ、何点か気になった点がございますので、そこだけ少し触れたいと思います。

 加藤紘一さんの時代認識に対しまして市長の見解を求めました。勝ち組、負け組という考え方があること自体がおかしいとか、努力や希望ということが格差によって固定してしまうことはおかしいという白井市長さんの価値観を言われました。そのことに対しては私も同じなんですけれども、私がお尋ねしたのは、市長さんの価値観をお尋ねしたのではなくて、加藤紘一さんの持っている時代認識、今の世相というものに対する認識がどうか、そういう認識をされているかどうかということをお尋ねしたかった。そういうことであります。

 なぜかといいますと、加藤紘一さんの時代認識についての市長のコメントといいますか、お答えは、経済優先の余り、命が軽んじられていると思わざるを得ませんというような文言がありました。これにつきましてはもちろんそれでいいんですけれども、私が聞きたかったのは、加藤紘一さんは、格差拡大の中で市民の生活不安が増大をし、地域コミュニティーが破壊されつつあるという認識を述べられているわけでして、そういう認識を白井市長はお持ちかどうかということをお尋ねしたかったんです。要するに、そのことが、今日そういう時代認識の中で、市長が18年度予算を編成されるときに、どういう思いでつくられるかということに当然投影されるからです。ですから、そういう認識がなければ、世の中がそういう不安な世相の中で、市民が大変あえいでいるということがあるとするならば、市民の苦しみをどうすれば、すべてが尼崎市の責任ではないことはわかっております。しかし、尼崎市としてどういう努力をして、そういう市民の苦しみを和らげることができるのか。尼崎市もお金もありませんし、その中でどうすればよいか、そういう悪戦苦闘する姿というのが尼崎市にあるのかないのか、これが実は尼崎市の自治だというふうに私は考えておりますし、市長ができる唯一の市民に対する対応、市民と一緒にまちづくりをするという姿勢だと。こういうことを知りたいがために、その前提とする質疑をさせていただいたわけです。その点についてのお答えがなかった。価値観は示されましたけれども、時代認識について、そういう市民の生活不安が増大しているのかどうか、格差拡大の中で地域コミュニティーが破壊されてきているのかどうか、そういうことについての御答弁がなかったことは、まことに残念だと言わざるを得ません。

 また、施政方針の中で、市長は、市民の安全安心という言葉を使っておられます。地域の安全安心の確保に取り組むというように言われています。ですから、私は第1問で、市民の安全安心という立場で、少なくとも命にかかわる安全安心、例えばアスベストの問題、それからJRの事故がありました。防災、このことはもう多分、立場が違えど、どなたが考えても命にかかわる安全安心は大事だということは当たり前のことであります。私は、先ほども言いましたように、今日の世相の中で、市民の暮らしの安全安心ということについて、第1問で具体的に幾つかの例を挙げて、尼崎市がどういうふうに、市長がどういうふうにそのことを配慮されてきたのかということをお聞きしたかったので、そういう質疑をさせていただきましたけれども、おしなべてお答えを聞いておりますと、市長が言われている安全安心というのは、強調されているのは災害とか犯罪から市民の安全を守るという意味合いで使われているように感じまして、生活の安全安心を守っていくためにどう努力をするかということについての認識というのが弱かったように思えてなりません。もし違えば、また違うというようにおっしゃっていただければ結構ですけれども、白井市長の御答弁からは、生活のにおいといいますか、そういうのが余り感じられないというように、私自身はそう感じましたので、思いを申し上げておきたいと思います。

 それから、国民健康保険料についてでありますけれども、阪神間よりも安いというように言われました。阪神間よりも安いのは、阪神間のレベルが上がっているからです。阪神間の水準が着実に下がってきているならば、尼崎も当然下がるはずですけれども、阪神間の保険料が上がっているわけですね。阪神間並みという考え方でいけば、要するに市長の答弁をお聞きすれば、阪神間が上がっている、阪神間よりも尼崎は低い、だからいいじゃないかというふうに聞こえるわけです。これは、今までも議論がありましたように、今たまたま偶然1人平均の額で比較しておりますけれども、尼崎の所得階層から比べれば、各階層ごとにいけば、尼崎の所得水準で阪神間に比べれば、当然1人頭の平均よりははるかに尼崎は高くなることはもう御存じだと思います。そういうようなことを踏まえた上で、尼崎の国保料の平均額が阪神間レベルでいいのかどうかということが過去にも問題提起をされてきたわけであります。ですから、阪神間よりも低いということで、いいじゃないかというような御答弁というのは余りいただけないんじゃないかと、私は率直に思います。

 同時に、最後に、少しでも安い保険料が設定できるよう努めてまいりますというふうに答弁として締めくくられました。私が申し上げましたように、昨年平山議員が総括質疑で議論されました。覚えていらっしゃると思いますけれども。そのときに、公約違反ではないかという質疑に対して、引き下げる検討は引き続きやっていくんだと答えられました。ですから、私は、その結果が18年度の国保料の金額に反映される、少なくとも頑張って今回は低くなるんじゃないかというふうに期待していた部分があるんですけれども、結局なかった。今後とも少しでも安い保険料に努めてまいります。違うでしょう。市長さんは、もう任期中の最後の予算編成が今回なんです。市長さんが次にもう一遍出られて、次の任期でまた安くしたいと思われるかもしれませんけれども、検討すると言われたのは、この4年間で検討するという意味なんです。今回やらなければ、今後とも努めてまいりますなんていう答えができるはずがない。どういうことかといいましたら、これは、国保の担当、要するに行政の幹部、官僚がこういう答弁を書いたやつをすっとそのまま読んでしまうから、こうなるんです。自分自身が市民に対して説明してきたこと、それが自分なりに胸の痛みがあるんだったら、こういう答弁はできないはずです。努力してきたけれども、ごめんなさい。もしくはここが精いっぱいですと言われたら、まだ伝わってきますけれども、4年目の予算編成で保険料が上がって、今後とも安く設定できるよう努めてまいります、こういう答弁というのは、本当に市民の胸を打つような答弁かどうか、よくお考えいただきたいというように思います。

 次に、2問目に入ります。

 白井市長は、保育料のあり方について、過去に市民懇話会を設置し、結論として、国基準に対して最高額を一律10%軽減されました。私は、平成16年3月の予算特別委員会で、保育料について質問をしております。保育料の最高限度額のところも含めて、一律10%軽減するということは、すなわち1,100万円レベルの収入階層のところの負担が軽減されるということであり、所得の高い人の負担が減り、所得の低い人の負担が上がるという改正ではないかと質問いたしました。さて、保育料体系が金持ち優遇かどうかという点については今回はさておくとして、尼崎基準による保育料の収入と国基準による収入との差は、18年度予算で5億8,000万円だそうであります。すなわち、尼崎市の保育料については、国基準に比べて5億8,000万円の軽減措置をとっているということであります。それに比べて国民健康保険料の負担軽減は4億円、介護保険料についてはゼロ、障害者自立支援法の運用に関してもゼロという状況であります。

 私は、保育料も国保料も介護保険料も障害者自立支援法に基づく運用の費用も、重要なセーフティーネットであると考えていますけれども、いずれも市民の負担が高い、もしくは生活保護水準すれすれという状態に置かれているわけでありますけれども、そういうゆゆしき事態に立ち至っているとの認識をしているところでありますが、なぜこのように軽減措置に差が生じているのでしょうか。白井市長は、一連のセーフティーネットについて、保育料が優先課題であるが、その他の課題は優先されるべきものではないというお考えなのでしょうか。軽減措置についての明確な考え方の根拠をお示しいただきたいと思います。

 あわせて介護保険料の設定については、最高額のところを第8段階にまで足伸ばしをして、平均保険料を少しでも低く抑えようと努力されていますが、先ほども申し上げましたように、保育料については、所得の高いところも軽減しています。同じ高い保険料、保育料体系を考えるときに、こうも全く違う考え方が採用されていますけれども、なぜ考え方が違うのか、市民にわかるように合理的な説明を願います。

 次に、地域自治の確立、地域の活性化と協働のまちづくりについて質疑をいたします。

 協働のまちづくりについては、この間頻繁に市長並びに市当局に質問をし、また、私の考え方を申し述べてまいりました。しかし、そのたびごとに当局との議論はかみ合わず、かつ抽象的な要素もあって、消化不良のまま今日まで推移をしております。振りかえれば、宮田市政の8年目の施政方針演説において、当時の宮田市長が協働のまちづくりの理念が広く市民の間に浸透し、内外から高い評価を得ていると述べられたことに対して、私は代表質疑で、どう分析すれば高い評価を得ているなどと言えるのかと疑問を呈し、減量型行政改革の限界を打ち破り、財政再建という課題を達成することと、市民生活を支える地域基盤を形成し、新しい21世紀型自治を築くという2つの課題を解決するための戦略プランが協働のまちづくりであるという私の理解を示した上で、市行政のこれまでの協働のまちづくりに関する取り組みを見てきますと、単に言葉のみが躍っているだけで、協働のまちづくりのためのシステムづくりとそのための改革が順調に進んでいないと批判をしました。それからちょうど4年が経過しました。その後も私は執拗に協働のまちづくり、地域自治の確立について質問をし、各セクションの動き等について注意を払ってきました。宮田市政から白井市政に変わりましたが、戦略プランとしての協働のまちづくりのシステム化、実践については、私の認識では、正直言って全く進展していない。それどころか、より一層庁内的には実践において混乱を生じていると感じているところであります。

 やたらと協働と銘打たれた事業が各局で展開されていますが、それらの事業を展開するときに、各局間の連携もなければ、地域振興課自体も全く関知していないありさまで、勝手にそれぞれの局が各地域に縦割り組織を持ち込んでいるというのが現状です。地域の役割、自治が大切だと言いながら、地域自治の形成にとって重要である人的、物的支援を行政の各セクションの都合で縦割りで組織し、自己完結を図ってしまう。地域としてその課題をどう消化するのかという議論など全く抜きです。それが行政の地域への向き合い方の現状なのです。そして、その弊害とも言える状況は、協働という冠が具体的事業にかぶってくるほど、ひどい状態になってきています。これまで協働の議論がかみ合わなかった理由の一つは、前提となる地域コミュニティーの現状についての当局と私との認識がどうも違っているのではないかと思える点がありますので、まずその点についてお伺いをしたいと思います。

 それはどういうことかといいますと、今日の状況として、地域コミュニティーは高まりつつあると思っているのか、それとも崩壊しつつあると思っているのかということです。私は、現状は、放置すれば地域コミュニティーは崩壊してしまうという認識を持っていますし、子供たちの健全育成への不安、高齢者介護の不安などは、そのことと関連していると思っております。先ほどの加藤紘一さんの認識と同じであります。

 市長は、地域コミュニティーの現状についてどういう認識を持たれているのか。地域コミュニティーは高まりつつあるという認識なのか、それとも放っておけば崩壊するという認識をもっているのか。いずれであるか、ご見解をお願い申し上げたいと思います。

 また、白井市長は、今回の施政方針演説で、協働という言葉をよく使われております。これまでは余り使っておられませんでした。また、今回の施政方針演説の中に、地域社会や地域課題など地域という言葉が、計算に間違いなければ42回使われております。これもまた、これまでになかったことであります。私は、白井市長さんは地域という概念は持っておられない方だと思っておりましたが、今回これだけ地域という言葉を使われたのですから、私の思い違いであったことを私の不明と恥じておりますが、なぜ今回、地域ということを執拗に意識されたのか。支所の廃止のときに、尼崎は一つだと言われていたのとは相当の違いがあるように私は感じられますが、その心境の変化について御説明をいただきたいと思います。

 地域コミュニティーゾーンの基礎単位について御質疑いたします。

 地域自治、地域コミュニティーの再生を考える場合、当然のことながら、尼崎市の地域行政の基礎単位を整理し、定める必要があります。それは、市民の意識も踏まえて、各セクションの協働のまちづくり事業を展開する場合の共通ベースとなるからであります。すなわち、地域生活という日常の中からさまざまな地域課題が発生するわけでありますから、市民が主体となって課題解決に当たるのに、ばらばらであっては効率は悪いし、統合的に議論できないからであります。

 現状について一例を挙げます。

 美化環境局の集団資源回収やさわやか指導員は社協、子ども会単位、地域福祉活動モデル事業では連協単位、介護保険事業の日常生活圏域の設定は支所単位、公民館は公民館を中心に半径800mというエリアを設定しております。教育委員会関係では、さわやかスポーツ事業などは小学校区単位、そして、きょうも出ました国保がやる予防、あれは国保という縦割りでやるわけですけれども、どういうエリアの設定かわかりませんけれども、このようにばらばらです。過日報告を受けました市民意識調査で、あなたは私たちの地域といえばどの程度の範囲を思い浮かべますかという問いに、各支所単位と答えた方が34.7%と最も多いという答えですが、しかし、別の見方をすれば、支所単位より小さい単位を答えた人は46.4%、尼崎市全域と答えた人が13.5%ですから、日常生活圏は、少なくとも支所よりはもっと小さい単位として設定されるべきであると思います。

 まず、行政の縦割りを排するためにも、日常生活圏域、地域コミュニティーの基礎単位を横断的に設定をして、施設、人の配置等の再編を行うことが必要と考えますが、いかがでしょうか。

 次に、高齢者介護の地域展開についてお尋ねをいたします。

 尼崎市の介護保険事業では、在宅サービス利用者と施設サービス利用者の割合は、延べ人数で在宅が81%、施設で19%、認定者数でいいますと、要介護3以上で施設利用者が32.4%、在宅利用者が67.6%ということで、在宅サービスの利用者が多いのですけれども、サービス給付費の割合で見ますと、在宅が58%、施設が42%となっています。すなわち、19%の施設サービス利用者が全体サービス給付費の42%を占めるという実態があります。また、新年度から予防給付を新設し、地域密着型サービスの展開が始まります。介護保険料が尼崎市がいかに高いかについては先ほど御紹介しましたけれども、保険料をいかに低く抑え、高齢者に納得される安心のサービスをどう提供するのかについて考える場合には、できる限り在宅介護を推進する必要があります。そのためには、介護保険制度のすき間を地域ボランティア活動でカバーする。もっと言えば、地域のコミュニティーが高まっておれば、家事援助、買い物等の介護サービスのコストを地域が担う。すなわちサービスの負担を削減することが可能になるということです。そういう地域コミュニティーを単位として考えるとすれば、日常生活圏を支所単位と設定するのは間違っていると思います。安心できる介護の構築と介護コストの削減という相矛盾するように見える事象は、地域コミュニティー、自治を高めるというすぐれて協働のまちづくりの推進によって解決できるということです。

 白井市長はそういう視点を持って協働のまちづくりを戦略として位置づけ、取り組んでおられるのだろうか、本当に行政は真剣にそういう思いで実践されているのだろうか、疑問に思うところであります。

 そうだとするならば、地域ボランティアの活用、ケアマネージャー自身が地域の社会的、人的資源を十分把握し、活用できる、支所よりももっと小さい単位の日常生活圏を設定すべきであると思います。高齢者介護に係る課題を、協働のまちづくり、地域自治の構築という視点で克服するということを真剣に思っておられるのであれば、今後具体的に保険料の引き下げも含めてどう展開されるのか、お答えをいただきたいと思います。

 子供の健全育成、安全の確保について御質疑いたします。

 子供の安全をどう守るのかについては、家庭、学校、地域の役割分担が必要ですが、特に地域社会が子供の成長をどう見守るのかということが重要視されています。しかし、口では一言で言えますが、実際にどうするのかということになると、なかなか簡単にはいきません。テレビなどでもPTAの活動やシルバー見守り隊などの活動が紹介されています。尼崎では、こども110番の黄色い旗を立てていただいて、何かあったらそこへ飛び込みなさいと子供に教えたり、あまっこ安全バッジ運動、安全マップづくり、わんわんパトロール隊など、取り組みされているようでありますが、果たして地域として展開されているか、地域がうまく連携がとれているかどうかは定かではありません。また、地域と学校とのかかわりでいえば、学校長やPTAが子供たちの問題を積極的に地域に問題提起をし、地域課題として解決しようという問題意識、実践力があるかどうかによって大きく変わってまいります。過去に開かれた学校づくりという取り組みがありましたが、その課題に認識もまちまちで、消化不良のまま、いつの間にか教育委員会の施策から消えてしまいました。

 さて、子供たちの安全確保について、学校にガードマンを配置したり機械警備をしなければならない事態になっている今、これまた協働のまちづくりの戦略展開をすべきことではないかと思っております。教育委員会は、子供の安全、健全育成について、協働のまちづくりの視点で実践展開するつもりはありますか。あるとすれば、どういうように展開されるつもりですか。地域に協力を求めるなどという抽象的な答えではなく、具体的にどうするのか、地域の課題だと認識し、みずから実践してもらうために、どういう役割と機能を果たすべきだと考えるのか、他のセクションとの連携はどうするのか、お答えをいただきたいと思います。

 行政職員の地域へのかかわりについて質疑いたします。

 協働とは何か、協働のまちづくりをどう展開すればよいかなどと、企画財政局の協働参画課を中心に議論されているようであります。協働のまちづくりが言われ初めて10年。白井市長は、JR宝塚線の列車事故で地域の方々が救助に尽力されたことに感銘を受けられ、改めて地域の重要性を再認識したと述べられました。再認識とありますように、私たちにとっては地域の重要性は阪神・淡路大震災のときに既に経験、実証済みのはずであります。その経験から、協働のまちづくりや共助、互助などの言葉が行政で使われ始めたのであります。少なくとも自治体では10年前からの課題であり、そのノウハウを着実に蓄積している自治体もあります。

 白井市長は再認識されたそうでありますが、果たして市の職員幹部の方々はどうなのでしょうか。一つのわかりやすい具体例を出して質疑をいたします。

 先日、24日に総務消防委員会がありましたが、議案として、市職員の特殊勤務手当の見直しとその条例化がありました。今回の見直しの結果、犬猫の死体処理に伴う特勤が残っておりました。私は勉強会でそれを見たときに、これはおかしいと思いました。私の問題意識は、給料をもらっている上に特勤手当をもらうのはおかしい。二重取りだというような意味ではなくて、犬猫の死体処理は市民もしているじゃないか。しかも、市民はボランティアで、無償でしているではないかというものでありました。犬猫、特に猫が車にひかれて道路上に血を流して死んでいる光景はよく見かけます。市に処理を頼む人もいますが、私の経験上では、市会議員や近所の犬猫をペットとして飼っておられる方、好きな方、地域の役員さんなどに処理してほしいと高齢者から持ち込まれ、自分たちで布などでくるんで、袋や段ボールに入れて収集車に引き渡すまで家で預かるというケースが多々あります。犬猫の好きな人は、処理をして、お線香を上げる人もおられます。私は勉強会でこのことを紹介し、総務局の幹部の方々は、組合と特勤の交渉をされるときに、市民も犬猫の処理をしているということを念頭に置いて交渉したのかとお尋ねしました。犬猫を処理される市民が、犬猫の処理に職員の場合は特勤手当がついていると知ったら、どう思うでしょうか。白井市長さんは、つまらないことをさも重大そうに、それも代表質疑で発言するようなことではないのにと思われているかもしれませんが、私にとっては、このことは協働のまちづくりにとって大切なことだとの認識があります。

 地域でできることは地域でやりましょう、それが自治ですと行政が呼びかけるときに、地域の市民が無償でやっていることを、職員が不快だ、危険だという認識で手当をもらっていたとしたら、手当を支給していたとしたら、両者の信頼関係は築かれますか。市民が、私たちも処理をするのに気持ちはよくないですよ。しかし、放っておけないし、犬猫もかわいそうだから、何とかしないとと思って処理している。手当が出ているんだったら、私たちが処理しなくていいんですね。すべて市でしてくださるんですねという質問が来たら、白井市長はどう答えられるでしょうか。ぜひお答えください。

 組合と特勤で交渉に当たった総務局の幹部さんは、組合から、犬猫の処理は不快だ、道路上の作業なんだから危険だと言われたら、自分たちが犬猫の処理をした経験がなかったり、市民が実際にしている事実を知らないから、市民が処理できない不快で危険な作業だと思ってしまうのではないでしょうか。それに加えて、総務局の幹部さんは、日々の仕事が市行政の内部管理業務だから、協働のまちづくりとは直接関係がないということで、市民との協働という意識が欠落してしまっている事例として、私はこの問題を認識したのであります。

 以上、長々と述べましたが、何が言いたかったのかといいますと、市役所こぞって協働協働と言い、協働という冠がついた事業をたくさん行っていますが、すべて頭でっかちで、体が動いていないということであります。協働のまちづくり、協働事業を地域で展開するときに、市職員は地域に入り込んでいますか。地域市民はボランティアで活動しています。夜であったり日曜日であったりです。その市民が地域活動をしているときに、職員は地域で市民と一緒に汗を流して働いていますか。市民のいないところで、地域でない庁舎内で、協働とは何かについて学者の文献を幾ら読み比べても、生きた地域での実践なくしては、当然ながら身についたものにはなりません。身につかなければ、地域から頼りにされません。市は、地域に仕事を押しつけるだけで、地域に貢献しないと言われてしまうのです。地域が望むならば、いつでも、どこでも職員、スタッフを派遣しますよ、一緒に汗を流し、地域市民の一員として地域づくりをしますということがなぜできないのでしょうか。

 私は、協働のまちづくりの実践において、今市行政に一番欠けているのはこのことだと思っていますが、白井市長はいかがお思いでしょうか。

 行政組織のあり方について質疑いたします。

 協働のまちづくりを実践するに当たって、先ほど申し上げた職員の地域とのかかわりが意識改革、ノウハウだとすれば、行政組織のあり方は、地域コミュニティーの創造、地域自治の確立にかかわる基盤整備とも言えるものであります。余談ですが、白井市長は公開と参画による情報の共有化が地域の力となり、協働のまちづくりに結びつくという認識を示されておりますが、情報の共有化は、地域自治の確立、地域コミュニティーの創造、協働のまちづくりという戦略展開において、数多くある自治基盤整備の一つであることは事実ですけれども、それがすべてではありません。そして、市民の市政への参画は、地域自治の確立過程において具体化されてくるものであるというのが私の理解であることを申し上げておきたいと思います。

 さて、行政組織を地域に向き合うものにするためには、縦割り行政ではだめだということをかねてから申し上げておりますが、これまた残念ながら、何ら具体化しておりません。平成16年12月の市議会で、私は、地域自治区の設置と、そこに地域協議会を組織するという方向性について質問をいたしましたが、白井市長は、これらの制度を尼崎市の協働のまちづくりにどのように生かせるのかについて検討チームをつくり、検討していると答弁されました。それから1年。来年度で白井市政の4年目を迎えるのですから、その地域組織の形成と、それに向き合う行政組織のあり方について、検討状況についてお聞かせいただきたいと思います。

 また、その検討状況の中で、今回、支所の存在について、概念としての支所は残すが、実態としての支所はなくなるという状態をつくり出したのは、今後の地域組織のあり方、それに向き合う行政組織のあり方についてのそれなりのイメージ展望を持っておられるからだと考えますので、そのイメージ展望について御説明を願いたいと思います。

 以上で2問目を終わります。(拍手)



○議長(谷川正秀君) 答弁を求めます。

 白井市長。

   (白井 文さん 登壇)



◎市長(白井文さん) それでは、塩見議員の第2問目の御質疑に対しまして、順次お答え申し上げます。

 まず、セーフティーネットの考え方及び保育料、保険料の軽減措置に対する考え方についてでございます。

 本来、保育や介護など、それぞれの制度から考えますと、国基準なり制度の基準に沿って運用すべきものでありますが、各制度そのものが異なることや、これまでのそれぞれの軽減措置に対する運用方法に違いがあり、本市の軽減措置に差が生じているものでございます。

 いずれにいたしましても、保育を初めとする子育て支援や介護、医療、年金、生活扶助等の社会保障制度は、市民の安心と生活の安定を支える重要なセーフティーネットであり、どれを優先でとか、後回しでといったことではなく、各制度が効率よく、公平で、持続的に運営されていくことが大切であると考えております。

 次に、地域ということについて一括してお答え申し上げます。

 まず、地域コミュニティーの現状についてでございます。

 地域によりましては、例えば定年後の人材を得て活発に活動しているところもございますが、総体といたしましては、近年の少子高齢化の進展やライフスタイルの多様化などにより、地域活動を担う住民の高齢化や役員などのなり手不足、連帯感の希薄化など、地域活力の低下が懸念されるところでございます。こうしたことを踏まえ、これまでから、自治会機能を担う社会福祉協議会とも連携した地域振興機能の強化に努めているところでございます。

 一方、従前からの地域組織に加え、NPOを初めさまざまな目的や志向を持つ組織やグループの活動も活発化してきており、これらのネットワーク化を図っていくことが重要であると考えております。

 次に、地域という言葉を施政方針でよく使っているがどうかというお尋ねでございます。

 私は、自治基盤の確立をまちづくりの一つの柱として、地域社会に根づくコミュニティーを高めるための仕組みづくり、そのための執行体制をしっかりと形づくっていきたいとの思いで、これまでも市政運営に臨んでまいりました。

 地域コミュニティーの単位につきましては、小学校区をコミュニティーの単位とし、事業を展開することもございますし、いわゆる単位社協を基礎とする支部社協、すなわち支所の区域を単位とすることもあります。また、市域全体を一つの地域とすることもございます。事業の性質によりまして、最も効果的な地域の単位、最も効果が期待できる規模の地域単位で取り組みを行うことが必要であると考えております。

 いずれにいたしましても、それぞれの課題や取り組みを、地域の力で問題の発生を未然に防止したり解決したりすることが可能になるのではないかという認識を持っております。このことから、尼崎市として今後のまちづくりを進めていく上で、地域社会のあり方や自治基盤の確立をどのように考えていくかが大変重要であるとの認識から、施政方針で強く申し上げたものでございます。

 次に、施設、人の配置等の再編を行うことが必要と考えるがどうかというお尋ねでございます。

 協働の取り組みを行うに際しまして、これまでは地域課題に対する庁内の情報の共有化が十分でないなどの課題が見受けられますことから、18年度からは、企画財政局に地域振興センター等コミュニティーや協働に関連する機能を集約し、地域課題に応じて横断的に取り組む体制の整備を図っていくものでございます。

 次に、協働のまちづくりによる高齢者介護に係る課題の克服についてのお尋ねでございます。

 高齢者の地域福祉、介護サービスに対するニーズが拡大、多様化し、介護保険制度のサービスなどの提供体制の整備が図られましたが、一方では、地域ボランティアによる見守り活動なども必要であると考えております。今回新たに設置する地域包括支援センターは、そういったボランティア活動など地域におけるさまざまな社会資源が活用できるように、それらの把握やケアマネージャー等への情報提供を行うなどの役割を担ってまいります。また、こうした地域における見守りなどについては、市民との協働意識を醸成する仕組みづくりも必要であり、現在、社会福祉協議会との連携のもとに地域福祉活動モデル事業を実施しているところであり、今後そのあり方について検討してまいります。

 次に、市民のボランティア活動と職員の特殊勤務手当についてのお尋ねでございます。

 まずは市民の皆様が自発的に善意で犬や猫の死体収集等を行っていただいていることについては、敬意と感謝を表したいと思っております。一方で、職員が日々の業務として犬や猫の死体収集等の著しく不快または危険な業務に職務命令に基づき従事する場合には、特殊勤務手当の支給要件に該当するものであり、その手当を支給するものでございます。年間2,000体以上、1日10体以上を仕事として職員が扱う場合に関しまして、特殊勤務手当を支払うことは、市民の皆様に御理解いただけるものと考えております。

 次に、協働のまちづくりに向けた職員の取り組み姿勢についてのお尋ねでございます。

 協働のまちづくりを進めていくためには、協働の一方の担い手である行政の職員一人一人の意識を変えていくことが必要でございます。そのためには、百聞は一見にしかず、百見は一験にしかずと申しますが、職員が協働の現場に出向き、実際に経験してみることが最も効果的であると考えております。こうしたことから、ボランティアグループなど公益活動団体の活動を実際に職員が体験する研修や、時間外における職員のボランティア活動への参加を促進するための取り組みを、職員みずからが気づくことを目的として実施いたしております。また、自発的にさまざまな活動、ボランティア活動を実践している職員も多数おります。これらの職員の意識改革の取り組みを通じまして、日常の業務に協働の視点から取り組むだけでなく、時間外においてそれぞれの職員がみずからの地域で地域の一員として市民とともに地域活動に汗を流すようになればと、強く思っているところでございます。

 次に、地域組織の形成と行政組織のあり方についてでございます。

 庁内の検討におきましては、行政の役割として、縦割りの組織にこだわることなく、協働の場面に応じて横断的に連携して取り組むことが重要であるとしており、一方、住民側の組織としては、地域関係者で構成する地域協議会的な組織が必要でないかと考え、検討しているところでございます。こうした状況のもと、平成18年4月からの支所の位置づけにつきましては、条例において、地域における協働のまちづくりとコミュニティーの創造を図る拠点、保健や福祉、その他行政サービスを提供する拠点と定めております。

 この考え方を基本に、議員御指摘のイメージ展望につきましては、各支所に設置いたします地域振興センターにおいて、地域の主体的な取り組みを側面的に支援し、地域の課題は地域で解決できるよう、行政分野間の連携を図るとともに、全市的な観点からも地域課題に対応してまいりたいと考えております。

 具体的には、保健や福祉、教育など、地域における行政組織が連携できる仕組みとして、仮称地域振興連携推進会議を設置するとともに、仮称地域政策会議を設置する中で、全市的な観点から地域課題に柔軟かつ迅速に対応してまいります。

 以上で塩見議員に対します私からの第2問目の答弁を終わらせていただきます。



○議長(谷川正秀君) 保田教育長。



◎教育長(保田薫君) 健全育成のあり方についての御質疑にお答えをいたします。

 子供の健全育成について、協働のまちづくりの視点で実践展開するつもりはあるか。あるとすれば、どのように展開するのか。教育委員会の機能と役割はどうか。他のセクションとの連携はどうするのかというお尋ねでございます。

 児童生徒の健全育成については、学校、保護者はもとより、地域の方々と学校が一体となって、ともに生きるという視点での取り組みが必要であると考えております。具体的には、学校とPTAが中心となり、地域健全育成に係る関係団体が参加する、現在、のびよ尼っ子健全育成事業などにおきまして、今後新たに関係する団体にも参画をいただくなど、子供の安全を確保するための方策と活動について充実してまいりたいと考えております。

 こうした取り組みが、お互いの役割分担を明確にした上で、地域においては主体的に実践されるために、まず学校が主導的な役割を担い、積極的に話し合いを進め、また働きかけをしていかなければならないと考えております。

 なお、安全対策に関して、教育委員会といたしましては、学校長がより積極的に地域との連携を図るよう指導するとともに、各学校区における取り組みが円滑に実施できるよう、庁内に設置されております子どもを守る緊急対策連絡会議において、推進の方策について協議をし、地域団体の協力が得られるよう努めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○議長(谷川正秀君) 塩見幸治君。

   (塩見幸治君 登壇)



◆35番(塩見幸治君) 最後に、意見と質疑をさせていただいて終わりたいと思います。

 御答弁をいただいたんですけれども、保育料、国保の保険料、介護保険料、それから今回初めて導入されました自立支援にかかわる障害者の低所得者層に対する支援、ありませんけれども。これらに対するセーフティーネットのあり方として尼崎市がどういうふうに考えるかということなんですけれども、保育料の軽減措置がいけないとかと言っているのではなくて、白井市長が就任されたときに、経営再建プログラムをわざわざ唯一見直した中身の一つとして、保育料を10%削減されて、要するに5億8,000万円の子育てに関する一つのセーフティーネットとして保育料が高いということでされた分ですね。そのときにされた趣旨は理解しますけれども、我々は、なぜそのときに最高額のところまで下げてしまうのかということについて疑問を呈しましたけれども、しかし5億8,000万円の軽減措置をとっておられる。ほかのところに関しては、残念ながら、特に今回の障害者の自立支援法の関連でいいましたら、私が申し上げましたように、生活保護を受けるか、もしくは生活保護を受けなくてもぎりぎりの生活は保障しましょうというのが、いわゆる国の1割負担を求めるけれども、生活保護にならないようにぎりぎりのところまでの負担をしてもらいますよというのが考え方で、これが障害者の完全平等と社会参加という概念から見たときに、この価値観が正しいのかどうか。白井市長さんは、法に対しては別に明確におかしいというようにおっしゃらなかったように思いますけれども、そういうことの中で、尼崎のセーフティーネットに対する努力、価値観、優先順位ということについての御説明が非常に不明確なように私は感じました。

 多分この問題は総括質疑でもされると思いますけれども、少なくとも尼崎市民の各界各層が安心して暮らせるような、保育料にそれだけの軽減措置をとっているのであれば、私はほかのものにも同様の軽減措置をとるという構えで市行政を運営されるべきだというように思いますので、そのことを申し上げておきたいと思います。

 それから、協働のまちづくりについては、私ももう質疑するのが嫌になってまいりましたけれども、教育委員会にお答えを求めたのが間違いだったかもしれませんが、全体的に協働のまちづくりというのは、10年もたちましたけれども、既にもうほかの自治体では実践課題に入っている。行政がいろんな施策をするときに、尼崎市を一つの地域ととらえてやる、もしくは社協を一つの単位ととらえてやる、校区をとらえてやる、これは性格上いろいろあるでしょう。しかし、地域のコミュニティーをどう高めるか、協働のまちづくりで地域の自主性、自治をどうつくるかというふうに議論する場合、自治の単位というのを決めないと、具体的には地域住民と行政との向き合い方、一緒にどういう課題をどういうふうに共通意識でやっていきましょう、地域で起こってくるさまざまな問題を市民が主体的に行政がサポートしてやりましょうということができなくなるじゃないですか。杉並区がやっているように、市民が地域で協議会をつくって、縦割りをやめて、尼崎市の職員を一定配置をする。どの単位に配置をするんですか。支所単位に配置するんですか、校区単位に配置するんですか。地域の自主性が高まって、地域で自分たちの課題を解決するために予算を地域で自主的に使ってくださいと、仮にお金を渡すとします。どの単位に渡すんですか。そういうことはきちっと決めないと、地域のコミュニティー事業はできなくなるということを申し上げているのであって、行政が自分とこの仕事をするのに、例えば美化環境局が不法広告物の撤去を市民との協働だと言ってやるのに、市域全域で考えるとか、地域で考える。それは行政の都合じゃないんです。行政の都合でやるからおかしくなるんです。そこのところが根本的に考え方が違うので、そこだけではないんですけれども、ちょっと気になりましたので、一言つけ加えさせていただきたいと思います。

 最後に1点だけ質疑をさせてもらいます。

 自治体の運営の責任を負う市長が、今日の政治状況のもとで市民の安全安心を守ろうとすることは、大変難しいことだろうと推察いたします。ましてや尼崎市のような財政難であればなおさらです。しかし、みずから市長に立候補され、市民の信託を受けた以上、その困難に真正面から向き合うことは当然ですし、みずからの思いを述べた以上は、その思いを成果として実現することがまず第一。しかし、それは今日かなり難しいことですから、せめてみずからの思いを実現しようとして知恵を絞り、努力を重ねてきた、言いかえれば、課題と悪戦苦闘する姿、足跡が市民に見えること、市民が感じられることが大切だと思います。

 第1問でも申し上げましたように、世の中の不安、生きにくい世の中になろうとしている状況の中で、今の世の中そんなものだと思ったり、一介の市長に何ができるんだと居直ってしまうなら、悪戦苦闘などは無用でしょう。しかし、市民が一生懸命汗を流して頑張っても、失敗して再起ができなかったり、命を落としたり、子供のときの生まれ育ちで将来が制約されたり、頑張ろうとする機会すら与えられないようないびつで殺伐とした世の中が公正な社会と言えるのだろうかという疑問を持つならば、みずからの責任において何とかできないものだろうかと思い悩むのは当然であると思います。

 私は、市民の安全安心、生活を守る観点から、尼崎市として一定の責任といいますか、自治機能として一定の役割を担う必要性があると考えました課題について質疑をいたしました。そしてお答えをいただいたのでありますけれども、そのお答えに、私が今申し上げた悪戦苦闘といいますか、努力の足跡を残念ながら感じることはできませんでした。白井市長が就任されてから目立って取り組まれたことは、経営再建プログラムを着実に実行されてきたこと、情報公開に努められてきたこと、国の小泉構造改革に基づく制度改革に従って、尼崎市においてもそれを忠実に実行してきたこと、産業立地等が促進されてきたことではないかと思います。

 白井市長が言われた尼崎を変える、すなわち白井改革とは、小泉構造改革とは違うようでありますけれども、小泉構造改革でもなく、経営再建プログラムを着実に実行することでもないとするならば、一体何なのかについては、いまだに私はよくわかりません。尼崎を変えると言われたのは白井市長御自身ですから、4年目の予算編成も済まされたところで、何を変えようとされてきたのか、白井市長になられて何が変わったのか、市民にわかりやすく御説明いただきたいと思います。

 以上を最後の質疑にいたしまして、私のすべての質疑を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)



○議長(谷川正秀君) 答弁を求めます。

 白井市長。

   (白井 文さん 登壇)



◎市長(白井文さん) それでは、塩見議員の第3問目の御質疑に対しまして、お答え申し上げます。

 尼崎を変えるとはどういうことかといったお尋ねでございます。

 私は、時代の大きな転換期の中で、これまでの市政運営の手法では、将来にわたって希望を持ち、安心して暮らせるまちを築くことは困難ではないかと考えておりました。このような中で、特に尼崎を変えるということにつきましては、市民とともにまちづくりを進めることを象徴的に申し上げたところでございます。市民の皆様と力を合わせて、社会経済環境の変化にも耐え得る、持続可能な自治基盤の確立に取り組んでいく必要があるとの思いから申し上げたものでございます。

 そのためには、まず、市政を身近なものとしてとらえていただく必要があることから、市民の皆様との意見交換を行う場をさまざまな場面で設定するなど、より多くの接点を持つことに努めてまいりました。また、いろいろな協働の取り組みにも努力をいたしてまいりました。

 また、職員の意識改革につきましても、さまざまな課題に積極的に対応するために、特に前例踏襲的な意識を変え、失敗を恐れずチャレンジしていく風土を築いていくための取り組みを進めてまいりました。

 変えるというと、目に見える変化を求められているかもしれませんけれども、目に見えなくても、そんなに変わったと言われるような変化ではないのかもしれませんけれども、私自身は、市民の皆様にともにまちづくりを進めていこう、一緒につくっていこう、自分たちが頑張ろうというふうに思っていただき、市政の流れの変化があるのではないかというふうに感じているところでございます。

 以上でございます。



○議長(谷川正秀君) 塩見幸治君の質疑は終わりました。

 お諮りいたします。

 本日はこの程度にとどめ、残余の議事は延期いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)



○議長(谷川正秀君) 異議なしと認めます。

 よって、本日はこの程度にとどめ、残余の議事は延期することに決定いたしました。

 以上をもって本日の日程は終了いたしました。

 明3日は、午前10時から会議を開きます。ついては、ただいま出席の諸君には改めて通知はいたしませんから、御了承願います。

 本日は、これをもって散会いたします。

     (午後4時24分 散会)

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議長   谷川正秀

副議長  下地光次

議員   丸尾孝一

議員   丸尾 牧