議事ロックス -地方議会議事録検索-


兵庫県 尼崎市

平成17年  2月 定例会(第19回) 03月03日−04号




平成17年  2月 定例会(第19回) − 03月03日−04号 − P.0 「(名簿)」












平成17年  2月 定例会(第19回)



        第19回尼崎市議会会議録(定例会)第4号

        −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

◯議事日程

    平成17年3月3日 午前10時 開議

第1 議案第34号 政治倫理の確立のための尼崎市長の資産等の公開に関する条例の一部を改正する条例について

第2 議案第49号 尼崎市消防関係事務手数料条例の一部を改正する条例について

第3 議案第53号 尼崎市福祉医療費の助成に関する条例について

第4 議案第56号 尼崎市保健所及び保健センターの設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例について

第5 議案第57号 尼崎市役所支所設置条例を廃止する条例について

第6 議案第58号 尼崎市手数料条例の一部を改正する条例について

第7 議案第59号 尼崎市国民健康保険条例の一部を改正する条例について

第8 議案第64号 尼崎市水道事業給水条例の一部を改正する条例について

第9 議案第65号 尼崎市建築物等関係事務手数料条例の一部を改正する条例について

第10 議案第66号 尼崎市都市公園条例の一部を改正する条例について

第11 議案第70号 尼崎市特定公共賃貸住宅の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例について

第12 議案第77号 尼崎市農業共済事業事務費の賦課総額及び賦課単価について

第13 議案第1号 平成17年度尼崎市一般会計予算

第14 議案第2号 平成17年度尼崎市特別会計国民健康保険事業費予算

第15 議案第3号 平成17年度尼崎市特別会計中央卸売市場事業費予算

第16 議案第4号 平成17年度尼崎市特別会計用品調達事業費予算

第17 議案第5号 平成17年度尼崎市特別会計育英事業費予算

第18 議案第6号 平成17年度尼崎市特別会計農業共済事業費予算

第19 議案第7号 平成17年度尼崎市特別会計都市整備事業費予算

第20 議案第8号 平成17年度尼崎市特別会計公共用地先行取得事業費予算

第21 議案第9号 平成17年度尼崎市特別会計中小企業勤労者福祉共済事業費予算

第22 議案第10号 平成17年度尼崎市特別会計公害病認定患者救済事業費予算

第23 議案第11号 平成17年度尼崎市特別会計青少年健全育成事業費予算

第24 議案第12号 平成17年度尼崎市特別会計介護保険事業費予算

第25 議案第13号 平成17年度尼崎市特別会計老人保健医療事業費予算

第26 議案第14号 平成17年度尼崎市特別会計駐車場事業費予算

第27 議案第15号 平成17年度尼崎市特別会計廃棄物発電事業費予算

第28 議案第16号 平成17年度尼崎市特別会計競艇場事業費予算

第29 議案第17号 平成17年度尼崎市水道事業会計予算

第30 議案第18号 平成17年度尼崎市工業用水道事業会計予算

第31 議案第19号 平成17年度尼崎市自動車運送事業会計予算

第32 議案第20号 平成17年度尼崎市下水道事業会計予算

 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

◯出席議員

 1番     騰 和美君

 2番     丸尾孝一君

 3番     長崎寛親君

 6番     今西恵子君

 7番     義村玉朱君

 8番     早川 進君

 9番     丸尾 牧君

10番     飯田 浩君

11番     酒井 一君

12番     前迫直美君

13番     亀田孝幸君

14番     真鍋修司君

15番     広瀬早苗君

16番     菅村哲仁君

17番     田村征雄君

18番     松村ヤス子君

19番     高橋藤樹君

20番     宮城亜輻君

21番     平山丈夫君

22番     塚田 晃君

23番     仙波幸雄君

24番     安田雄策君

25番     下地光次君

26番     杉山公克君

27番     荒木伸子君

28番     上松圭三君

29番     黒川 治君

30番     蔵本八十八君

31番     北村保子君

32番     谷川正秀君

33番     中野清嗣君

34番     塩見幸治君

36番     滝内はる子君

37番     畠山郁朗君

38番     新本三男君

41番     波多正文君

42番     寺本初己君

43番     高岡一郎君

44番     中川日出和君

46番     藤原軍次君

47番     米田守之君

 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

◯欠席議員

35番     小柳久嗣君

40番     多田敏治君

48番     中村四郎君

 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

◯議会事務局

事務局長    小谷正彦君

事務局次長   辻本 守君

議事課長    高見善巳君

 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

◯地方自治法第121条の規定による出席者

市長      白井 文君

助役      中村 昇君

助役      江川隆生君

収入役     矢野郁子君

特命担当局長  谷口敏郎君

企画財政局長  村山保夫君

総務局長    玉井啓一君

美化環境局長  湊  稔君

医務監     高岡道雄君

健康福祉局長  守部精寿君

市民局長    宮本 勝君

産業経済局長  森田康三君

技監      松井重紀君

都市整備局長  岩田 強君

消防局長    橋本雅生君

水道事業管理者 吉井惠一君

自動車運送

事業管理者   喜田完二君

企画財政局

総務部長    福森 務君

企画財政局

総務課長    北江有弘君

教育委員会

委員長     岡本元興君

教育長     保田 薫君

選挙管理委員会

委員長     藤田浩明君

代表監査委員  鳥羽正多君

 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

(平成17年3月3日 午前10時1分 開議)



○議長(新本三男君) これより本日の会議を開きます。

 日程に入るに先立ち、会議録署名議員の指名を行います。会議録署名議員は、会議規則第81条の規定により、議長において下地光次及び菅村哲仁君を指名いたします。

 この際、事務局長から諸般の報告をいたさせます。



◎事務局長(小谷正彦君) 御報告いたします。

 現在の出席議員は41人であります。

 小柳久嗣議員は所用のため本日の会議を欠席する旨の届けが参っております。

 次に、本日の議事日程は、昨日の日程を踏襲いたします。

 報告事項は以上であります。



○議長(新本三男君) 日程に入ります。

 日程第1 議案第34号 政治倫理の確立のための尼崎市長の資産等の公開に関する条例の一部を改正する条例についてから、日程第32 議案第20号 平成17年度尼崎市下水道事業会計予算まで、32案を一括議題といたします。

 昨日に引き続き、代表質疑を行います。

 発言を許します。

 早川進君。

   (早川 進君 登壇)



◆8番(早川進君) 日本共産党議員団の早川です。

 市長の施政方針並びに予算関連議案について、日本共産党議員団を代表して質疑いたします。

 市長の市政運営についてお尋ねします。

 まず、財政危機の認識についてです。

 市長は、施政方針において、日本経済は少し明るい兆しも見えるが、市財政の運営は依然として厳しい状況にあると述べられました。そのうえで、多様化する市民ニーズすべてにこたえられない中で、政策の取捨選択を行ったとしています。私どもは、今回の市財政の危機的状況は、ひとり尼崎だけの問題だけではなく、自民、公明、民主の各政党が推し進めている構造改革路線がもたらした、すべての地方自治体に共通した問題だという認識に立っています。厚生労働省が2月1日に発表した毎月勤労統計調査によると、雇用は、常用労働者が前年比0.6パーセントと増えていますが、うち短時間パート労働者が3.1パーセント増加し、一般労働者は0.1パーセント減少しています。その結果、基本賃金は前年比0.6パーセントの減、一時金は2.4パーセントの減、物価の変動を除いた実質賃金は、前年比0.7パーセントの減で、4年連続で給与所得が減少しています。私は、03年度決算委員会で、財政危機の要因に関して、市税収入の減収問題、扶助費の増加問題、公債費の負担問題についてただしてきました。その審議で、納税義務者の減少については、非課税なり、すなわち昨年まで納税義務を負っていた市民が仕事をなくしたり、わずかな収入しか得ることができなくなり、非課税者となった市民が増加しており、その数は4,700人を大きく上回ると明らかにされました。当局の答弁を引けば、市民税の所得割がかからない人が前年よりも約5,300人増えている。これは、収入の少ない高齢者や障害者、あるいは退職者の未就労者のような市民税がかからない人が4,700人増加したことによると述べ、併せて98年以降所得は減少し続けている。パートやアルバイトなどが増加しているからとの答弁もありました。懸命に働いて家族を支えたいと思いながらも、失業や倒産、仕事の減少であえいでいる市民の姿が目に浮かびます。

 自民、公明が進める改革断行路線は、国民の暮らしを締めつけるだけでなく、地方自治体をも苦しめ、住民税すら確保できない状況を生み出しています。次に、扶助費の増の問題では、景気の変動の影響を受けやすい市民が多いために、扶助費の代表格である生活保護費が増加し、保育料など負担軽減のための市の義務的な負担が増加したことがその大きな要因であることも、当局も認めています。また、他の会派議員が決算の中で問題にした市税、住宅家賃、保育所保育料、国民健康保険料などの滞納も、市民の生活苦が生み出したものと言えます。まさに国の構造改革路線が市民のみならず市財政を苦しめている現実をしっかり見定める必要があると考えています。

 そして、もう1点、震災復興事業が公債費を増加させ、財政危機の要因であるともされています。しかし、ほんとうにそうなのでしょうか。公債費という市の借金返済は、全額を市税収入などで賄っているわけではありません。震災復興住宅の建設では、その返済の財源として家賃収入が充てられ、また、災害援護資金貸付金では、その償還金が返済財源とされ、道路、橋りょうなどの復旧事業に係る公債費は、そのほとんどが交付税の基準財政需要額に算定されているとされてきました。このように、震災復旧、復興事業に関連する借金返済は、市税収入以外で多くを賄っています。しかし、これまでの歴代市長が、国の方針に従って、学校耐震化など必要な事業をわきによけて、借金に借金を重ねて続けてきた大型公共事業は、市税収入以外に返済の財源のない公債費です。人通りも少ない阪神尼崎駅北の空中公園からアルカイックへと続く空中遊歩道、リサーチコア関連施設に続く43号線の地下道、当初の計画を変更してまで過剰な商業床を確保したアミング開発や駐車場、公共床を高値で確保したフェスタの開発など、これが公債費を押し上げています。私ども日本共産党議員団は、12年前から、無駄な公共事業の見直しを行い、市民サービスの向上へと訴えてきたことは、市長も御存じのことと思います。また、構造改革路線が国民生活に大きな影響を与え、基本的生存権を脅かすものになることの訴えを市長にも行ってきたことはよく御存じだと思います。

 これらの認識をしっかりと市民と共有し、そのうえで、この危機的な状況を切り抜ける方策を見つけ出すことがたいへん重要であると考えます。その立場に立って、幾つかの問題点についてお尋ねいたします。

 過去の開発事業の評価のうえに立って、今多大な費用をつぎ込んで進められている幾つかの開発事業についてお尋ねをいたします。

 まず、阪神尼崎駅南の再開発事業です。

 総事業費84億円のうち、補助規定に基づいて、市の負担は7億円と予定されています。過去の開発事業では、組合施行であっても、いったん始まった事業については、事業を完了させるために、当初の予定外の追加支出が行われました。さきに述べた立花南再開発事業では、バブル崩壊で他の保留床価格を引き下げたことにより、その分を公共床を極めて高値で購入せざるをえなくなりました。そして、そこを保健所として使うための関連機器などの設備投資に多額の費用を要し、その結果、市債を増加させ、公債費を押し上げています。また、駐車場については、市が100パーセント出資の都市整備公社が市から26億円借入、事業に反対する住民の土地を買い上げ、駐車場床と権利変換をし、いずれ尼崎市が公社から駐車場を34億円で買い戻す計画だということです。ちなみに、この駐車場は、今、年間1,100万円の使用料で再開発ビルを管理している日本管財に貸しています。34億円を回収するとすれば、309年かかることになります。

 まずお尋ねします。

 阪神尼崎駅南の事業では、公共床の購入は含まれていませんが、保留床が売れないからといって、決して公共床を購入しない決意を持っていただきたいと考えますが、いかがですか。また、建設される予定の駐車場は、まさか立花フェスタのように市が買い入れることはないと考えますが、いかがですか。

 さて、この開発計画では、過去に会派議員が、低家賃の賃貸住宅に住む借家権者の権利を守れと質問を行いました。それに対して都市整備局は、これまで地元準備組合が個別ヒアリング等を通じて借家権者の意向把握に努めている。市としても都市計画手続きを開始するに当たり、それらの内容についての報告を求め、現時点での個々の借家権者の考え方などについて把握しているところである。事業を実施するに当たり、関係権利者の理解が必要となることから、今後ともその意向把握に努め、個別の事情に応じたきめ細かな対応を行うよう、地元準備組合に対して指導していくと答弁されています。市が補助金を投入しての再開発事業で、そこに住む借家、借地権者が追い出されるような事態は決して生み出すべきではありません。

 そこでお尋ねします。

 借地、借家人の権利擁護はどこまで進みましたか。指導の結果をお知らせください。

 次に、神戸製鋼の救済策とも感じられた臨海西部拠点開発事業についてです。県に押しつけられて土地開発公社が買い取った同和精鋼跡地の問題です。

 私どもは、前市長時代から、復興拠点としての位置づけは薄れた。県に買戻しを要求せよと提案を続けてきました。3年前に県も大型都市開発をあきらめ、21世紀の森構想を発表し、大型公園としての開発を始めることになりました。この計画変更に関連し、会派としては、県の計画に沿って公共施設用地として買い取った土地だから、公共用地として公園用地への換地を求めよと提案をしてきました。しかし、売却の必要な産業立地用地などにも換地がされています。産業用地へのアクセス道路としての尼宝線の拡幅や臨海幹線の計画は大きく遅れています。

 お尋ねします。

 臨海西部拠点開発事業における市の産業拠点用地、まちづくり拠点用地の処分の見通しはどのような状況ですか。また、貸しビルをつくったとき、補助策まで打ち立てているようですが、売却できなければ、市の損失はどの程度になるのかをお知らせください。

 さて、もう1点、前市長からの遺産として市財政を圧迫している同和施策の終結問題です。

 私ども日本共産党議員団は、特別措置法の期限も切れ、法的根拠がなくなっている同和施策について速やかに廃止するように、長年求めて参りました。改善されてはおりますが、いまだ残っている問題があります。財政上から支所、出張所、保健センターの統廃合を進めるとしていますが、前年の総括質疑でただしたように、本来ならば総合センター、老人福祉センター分館、青少年会館、公民館分館などの用途変更こそ優先して取り組むべき課題です。これら同和関連施設については、機能統合をするために努力していると聞いています。建物がない公民館分館は人員配置だけですから、これは直ちに廃止ができます。青少年、中高生の居場所づくりが求められていますが、青少年会館をそれに転用することができるのではないでしょうか。高齢化が進む中、老人福祉センターはよく利用されているようなので、他の老人福祉センターと同様の運営にしてはどうでしょうか。問題は総合センターです。国は、隣保館設置要綱に基づいて、運営以外認めないとのことですが、隣保館デイサービス事業として障害者や高齢者などの福祉の増進を図るために必要な求職サービス、スポーツ、レクリエーション等ができると実施要綱にあります。区画を区切れば、これらの事業だけでなく、障害者の作業所としても、今流行の介護予防事業にも使えるのではないでしょうか。

 お尋ねします。

 総合センターなど同和関連施設の見直しにこれほど時間のかかる理由と、終結に至る今後の方針についてをお示しください。

 次に、国の構造改革路線の問題です。

 政府の予算編成方針が12月に発表されています。この方針には、政府と自民、公明の政府与党の合意した改革断行路線に従って、国民には増税、そして地方自治体にいっそうの減量経営を押しつける地方財政計画と、それに基づく三位一体の改革が盛り込まれています。国会で論議せよとの声があることも承知していますが、三位一体の改革では、地方6団体が声を上げることで一定の改善が図られた経過もあり、住民と市が直接に影響を受ける問題であることから、あえて市長の認識をお聞きしたいと思います。

 まず、税制改革の問題です。

 総務省が内簡として各自治体に伝えた内容によれば、経済社会の活性化、持続可能な社会保障制度の確立、真の地方分権と行政改革の推進、基本的財政支出の改善、グローバル化の下での競争力の強化の視点に立ち、平成16年度与党税制改革大綱を踏まえて、相互に関連する税制改革案を包括的かつ抜本的に検討を続けるということです。自民、公明による平成16年度与党税制改革大綱により、04年度分から配偶者特別控除が廃止され、05年度分からは、老齢者控除50万円の廃止と、65歳以上の公的年金控除が140万円から120万円へ引き下げられることが確定しています。そして、住民税と所得税の定率減税は05年度、06年度で廃止、更に07年度以降には、住民税のフラット化、そして消費税の税率引上げもこの大綱の中で示されています。私たちは、今回の庶民大増税路線は、圧倒的多くの市民の活力をそぎ、市民生活に大きな影を落とすものになると考えています。この問題では、我が党だけでなく、多くの経済評論家や証券会社のエコノミストも危ぐをしているところです。

 お尋ねします。

 97年の9兆円の大負担増は、個人消費がわずかではありますが伸びていたときでしたが、それでも一気に景気は後退し、本市の市民所得も98年以降減少し続けています。所得の減少で個人消費は減少しています。このようなときに各種控除の縮小や定率減税廃止など、国民への負担増は戦後初めてのことです。景気への影響、市財政への大きな影響が懸念されます。市長はどのように認識されていますか。

 さて、景気に与える影響だけでなく、今の税制改革の方向は、税の民主的原則に反する方向への拡大であり、所得の格差をいっそう大きくするものと言わなければなりません。ここ数年、勝ち組、負け組という言葉がよく使われています。昨年末からは、政府の経済統計や生活実態から、多くの人々は、だれが勝ち組でだれが負け組なのかを明らかに感じているでしょう。圧倒的な国民は負け組に追いやられています。テレビなどでおなじみのあるエコノミストは、構造改革の進展で国民所得は1,000万円以上、300万円台、そして100万円台の3層化すると論じてきたが、ここ数年の傾向は、圧倒的国民が所得100万円台に落ち込んだとして、年収100万円台の財テクなるものを週刊誌上で展開しています。2002年所得再配分調査によると、当初所得で国民を五つのグループに分け、所得の高い2割の富裕層がその他の8割の国民の総所得と同じ所得を占めています。最も所得の高い富裕層と最も所得の低い層の所得格差は、1996年が33倍であったものが、99年には61倍に、そして、2002年には168倍へと拡大しました。従前、所得格差が少ないとされてきた日本で格差が急速に広がり、暮らしと経済の二極化が強まっています。この原因はどこにあるのでしょうか。競争、市場主義で大企業や大銀行を応援し、規制緩和を進め、弱肉強食の社会をつくり出している小泉構造改革なのではないでしょうか。国際的な競争力をつけるとして行っている産業構造の改革路線は、一部の大企業が空前の利益を上げることには寄与しますが、尼崎に多くある中小零細の企業群にとっては、単価の切下げなどを強要され、そのしわ寄せが労働者に向けられています。市税務当局も、98年度以降所得が減少し続けている、パートやアルバイトなどが増加しているからと述べているように、企業リストラによって多くの市民は仕事を失ったり、低賃金を余儀なくされたり、必要なときだけに使う道具のように不安定な有期限労働者、派遣労働者としてしか雇用されていない現状です。これまでは大企業が高い収益を上げれば、労働者にも賃金や一時金で少しは還元されていました。しかし、今は、政府挙げてグローバル化に対応できる資本蓄積に資するためとして、労働者と下請を犠牲にして、国民の所得を奪うことばかりに熱中しているのです。特に、若者の中に働く低所得者が広がっていることは、社会全体に深刻な問題を引き起こしています。UFJ総合研究所のレポートでは、若年層の所得格差の拡大と資産形成の遅れは、経済や社会に与えるマイナス効果は極めて大きいとも指摘されているところです。技術立国と言われた日本の工業技能の継承が失われるなどを含めた大問題だと言わなければなりません。

 そこでお尋ねいたします。

 私たちは、今の小泉構造改革路線は、所得の格差を広げ、市民生活に多大な影響を与え、ひいては尼崎市の行政にもひずみをもたらすと考えています。市長の認識をお聞かせください。

 また、市長は施政方針で安全安心なまちづくりを掲げました。しかし、住民に多大な負担をかけ、安心して暮らせる基礎を崩す構造改革路線の推進は、市長の述べた安全安心のまちづくりとかけ離れた政策と言わなければなりませんが、いかがでしょうか。

 次に、国の地方財政計画に目を向けてみると、2005年度予算編成の基本方針における地方自治体について、まず1点目として、三位一体の改革の推進が挙げられています。国の基本方針は、歳出歳入両面で地方の自由度を高め、真に住民に必要な行政サービスを地方自らの責任で自主的、効果的に選択できる幅を拡大するとともに、国、地方を通じた簡素で効率的な行財政システムの確立が挙げられています。私は、この三位一体の改革は、さきに述べたように、税制改革が圧倒的多数の市民に悪影響を及ぼすのと同じように、地方自治体財政にとっても悪影響を及ぼすものと考えています。今年度の改革の論議で、地方自治体の強い反発で一定の改善は行われましたが、基本的には、憲法の精神に従って国が果たすべき福祉や社会保障への責任が縮小され、地方自治体と国民にその負担を求める制度の変更がいっそう進みました。市当局は、2006年度までの工程が明らかにされたとして、それに見合う財政計画づくりを模索するようですが、果たして近い将来の地方自治体の姿が分権社会に見合うものになるのか、住民の人権を守れるのかが問われている位置にあるのではないでしょうか。今年度の本市に与える影響額は6億円強、そして、昨年度からの影響額を足せば17億円もの一般財源化が行われます。議会も意見書を出し、そして、地方6団体の意見の取りまとめで、短期的な財源はいちおう確保されました。ここ数年間は、地方財政に見合った財政支出が行われるとしても、その後の改革の進行の中での保証はどこにもありません。

 お尋ねします。

 国の責任をあいまいにする補助、負担金減らし、地方交付税削減の今後についてどのように認識しているのかをお聞かせください。

 併せて、特に社会保障、住民サービス事業については、補助負担金が一般財源化されても、市の基本姿勢として、その必要額は少なくともこれまでの基準で予算化すると表明すべきと考えますが、市長の認識をお聞かせください。

 貧富の格差の拡大に拍車をかけるのが、住民税のフラット化です。今、市民税の所得割税率は、5パーセント、10パーセント、13パーセントの3段階ですが、これを中間の10パーセントにしようとするものです。実際に税務課にフラット化の影響額を試算していただきました。04年度ベースの試算ですが、税率が5パーセントから2倍の10パーセントに引き上げられる人は17万人を超え、その総額は102億円になります。平均で6万円近い住民税の引上げになります。逆に、税率が13パーセントから10パーセントに引き下げられる高額所得者は2,000人程度で、約4億円の減税になります。平均で20万円近い減税です。老齢者控除廃止、年金控除などの縮小と合わせれば、更に低所得階層の住民税負担は重くなると、容易に予想ができます。

 そこでお尋ねします。

 税源移譲策として提案されている住民税のフラット化は、低所得者の市民にとっては、よりいっそう可処分所得を減らし、生活を追い詰めるものになり、税制民主主義に反するものであるので、導入すべきではないと考えますが、いかがですか。

 次に、市長の市財政運営や施策決定の手法についてお尋ねいたします。

 市長は、選挙の公約として、市民に開かれた市役所を目指すとされました。とかく役所内部だけで検討し、決まったことを市民に御理解いただくという従来の在り方に変えて、市民に参画していただくことによって市政を変えていこうというのがその趣旨であったと理解しています。政策づくりでの市民参加の方向としては、就任直後から、車座集会、市長室オープントークやネットモニター事業、パブリックコメントなど幾つかの手法が始められました。まだ運用や政策立案の活用という段階では未成熟な面もあり、一歩一歩改善を図らなければならないと考えています。私もこの問題では、市政目安箱制度や政治家や団体からの要請などを公表する制度の確立、そして、幹部職員による市民との対話を進めるタウンミーティングなども提案してきました。今年度は、公営企業審議会の答申を受けての今後の水道事業について、水道局事業管理者がタウンミーティングに参加をする、また、特命局長が支所統合問題で意見交換会を開き、参加する、そして、この問題では、企画財政局長、市民局長、健康福祉局長、医務監が市長とともに参加し、内容の説明などを部下任せにせず、丁寧に説明する機会を持たれたことは、開かれた市政の一歩とも考えます。

 まずお尋ねします。

 公共施設の再配置に限ったタウンミーティングでしたが、市長とともに局長がフリートークのタウンミーティングに参加し、施策形成になんらかの変化はありましたか。また、なんらかの教訓があったと思いますが、いかがですか。

 さて、財政危機の回避策として、国の指示もあり、市当局は職員数の削減を計画的に進めています。このプログラム上の削減対象職員はいったいどういう職員でしょうか。今年度削減された職員は、児童館職員、保育所保育士、給食調理員、清掃事業職員など、現場で働く職員がほとんどです。すなわち、市民と直接向き合って業務を行う職員です。また、数年前から考えれば、防疫所、工営所、土木技術職も大幅に減員されています。小泉構造改革路線に従って、民業の圧迫となるとされている置き換え可能な現業職を次々とアウトソーシングされていますが、ほんとうにそれでいいのでしょうか。数年前、教育委員会の学校建設費が大幅に補正減された年がありました。会派議員の工事を減らしたのではとの問いかけに対して、担当者からは、小規模補修工事などについて技術職員を派遣し、現場監督などを減らした。その結果として不用額が増え、その不用額を利用して小規模回収を更に進めたとの答弁がありました。職員の努力で予算の範囲内で市民のためになる事業を進めながら、予算の圧縮を行ったということです。清掃事業の現業職員は、地域を細かく回る自分たちが、自治体職員として、独居高齢者の見守り活動ができないのかと、自主研修を進めている話なども聞いています。これらの事例は、コストだけでははかれない、自治体労働者、特に市民と直接接する職員ならではの事業展開と言えます。今年度の児童ホームの増設を行った小学校では、設計に当たった設計士が、そこで働く指導員に十分に意見を聴き、子どもたちにたいへん好評な児童ホームが建てられたとも聞いています。しっかりと予算の枠内での話です。直接市民と接する職員の英知を集めるしくみづくりとノウハウを蓄積している技術系職員、現業系職員の技術の継承か今求められているのではないでしょうか。事務系職員がコストだけで政策決定するのではなく、市民に直接サービスを提供する職員の英知を集めるしくみづくりも必要なのではないでしょうか。

 お尋ねいたします。

 職員削減を至上命題にしてアウトソーシングするのではなく、職員が長年かけて蓄積してきたノウハウを更に発展させることに視点を置き、現場で働く職員の英知を集めるしくみづくりを急いで構築すること、また、アウトソーシングの基準をつくることが必要だと考えますが、いかがですか。

 以上で第1問を終わります。(拍手)



○議長(新本三男君) 答弁を求めます。

 白井市長。

   (白井 文さん 登壇)



◎市長(白井文さん) それでは、早川議員の代表質疑に対しまして、順次お答えを申し上げます。

 まず、阪神尼崎駅南の再開発事業の保留床についてのお尋ねでございます。

 阪神尼崎駅南地区市街地再開発事業に伴い建設される施設建設物内の保留床につきましては、仮に売れ残りが生じた場合におきましても、公共公益施設として購入する考えは持っておりません。

 また、駐車場につきましては、当事業で計画されている住宅用及び施設用の駐車場として整備されるものであり、公共駐車場として市が購入する考えはございません。

 次に、関係権利者についてのお尋ねでございます。

 当事業を円滑に進めていくうえで、借地権者や借家権者の方々の理解を得ることは重要なことでありますことから、これまで、準備組合に対しまして、関係権利者の意向把握等に努めるよう指導して参りました。その結果、準備組合において関係権利者に対するヒアリング等が重ねられ、組合設立について借地権者4名の全員、借家権者42名中36名の同意が得られたものでございます。今後、平成17年度中に予定されております権利変換計画の策定に向けまして、それぞれの関係権利者の個別の事情や意向に即した対応等について、引き続き再開発組合に対し指導、助言して参ります。

 次に、臨海西部拠点開発事業についてのお尋ねでございます。

 臨海西部の公社用地につきましては、平成17年度に約30億円の買戻しの予算を計上しております。このうち産業用地については、平成17年度末から、県企業庁とともに売却していくことにしており、まち交流拠点用地については、現在、処分時期などについて県と協議調整を行っているところでございます。産業用地の処分の見通しでございますが、今この地域は、隣接する関西電力跡地への松下プラズマディスプレイ工場の進出によって、産業の立地場所として注目度が高まっております。また、道路等の基盤が整備されるとともに、県、市の企業誘致の優遇措置が充実したこともありますので、売却の条件は整いつつあると考えております。今後、県企業庁との連携を密にしながら、尼崎21世紀の森構想が目指しております環境配慮型の産業立地が進むよう、積極的に企業誘致に努めて参りたいと考えております。

 次に、旧同和関連施設の見直しについてのお尋ねでございます。

 総合センターへの各地区施設の機能統合につきましては、各地区施設が現在担っている機能及び事務事業単位の整理、今後統合すべき機能の選定並びにそれに伴う課題など、整理すべき項目が多く、現在その作業を進めているところでございます。また、機能集約後の施設利用方針につきましては、まちづくりの観点からも十分検討すべきと考えております。

 次に、税制改革に伴う景気、市財政への影響についてのお尋ねでございます。

 平成15年度及び平成16年度の税制改正におきましては、各種控除の縮小として、配偶者特別控除や、公的年金控除のうち65歳以上の者に対する上乗せ措置の部分について見直しが行われております。また、世代間及び高齢者間の負担の公平を図るために老年者控除の廃止や、更に17年度の税制改正においては、平成11年度当時に導入された定率減税についての縮小、廃止が予定されているところでございます。

 このように、国におきましては、その時々の経済、財政状況等を踏まえつつ、持続的な経済社会の活性化を実現するためのあるべき税制の姿を模索しているものと受け止めております。

 次に、景気への影響につきましては、国においては明るい兆しも見えた現下の経済を民需主導の本格的な回復軌道に乗せようという意図から、今回の見直しは、その幅を当面2分の1にとどめていますが、当然のことながら、国民の税負担が増加しますので、一般的には消費への影響等が考えられ、微妙な経済情勢の中にあって、景気への影響が懸念され、尼崎市においても、その状況は同様であると考えております。

 また、本市財政への影響でございますが、定率減税に伴う影響額につきましては、地方財政制度上は、現在、地方特例交付金及び減税補てん債により補てんされており、定率減税が2分の1に見直されることによりまして、個人市民税が平年度ベースで9億円程度の増収となる見込みでございますので、補てん分は税収見込みに見合う額が減額されるものでございます。

 次に、安全安心のまちづくりとの関連についてでございます。

 基礎自治体である本市といたしまして、市民の身近なところでの安全安心のまちづくりを確保することが役割であると考えており、そのような観点で防犯や防災、更には健康や食育など、さまざまな分野で市民、事業者の皆様と協働し、安全安心の確保に努めていこうとしております。国の一連の構造改革につきましては、国民にとって痛みを伴うものでございますが、その中でも国民にとってセーフティネットでもある社会保障制度につきましては、国民が不安を抱くことのないよう、しっかりとした制度設計をしていただきたいと考えております。

 次に、国の構造改革路線についてのお尋ねでございます。

 まず、市民生活や財政運営に与える影響についてでございます。

 国において、改革なくして成長なし、民間にできることは民間に、地方にできることは地方にという基本理念の下に、金融システム改革や規制緩和など、多岐にわたる構造改革を進められておりますが、三位一体改革や税制改革、社会保障制度の総合的改革などは、本市財政や市民生活にも影響を及ぼすものと認識をいたしております。本市といたしましては、これら改革が市政運営や市民生活に過大な影響を及ぼすことのないよう、全国市長会などを通じて国に要望するとともに、一方では、自らの行財政基盤を安定したものにしていくための努力を続けていかなければならないものと考えております。

 次に、補助負担金や地方交付税削減の今後の認識についてのお尋ねでございます。

 三位一体の改革につきましては、地方が実施すべきことは地方自らの財源で地方自らが決定するという地方自治の本来の姿の実現に向けた改革でなければならないと考えております。そうした中で、国庫補助負担金改革につきましては、国の責任をあいまいにするような改革はとうてい受け入れることはできないものであり、国と地方の役割分担を明確にしたうえで進められるべきものであります。今後の動向でございますが、国は、基本方針2003に基づき、改革と展望の期間である平成18年度までに、国の歳出の徹底的な見直しと歩調を合わせつつ、国庫補助負担金の廃止、縮減による補助事業の抑制や地方財政計画上人員を4万人以上純減すること、また、単独の投資的経費や一般行政経費を抑制することにより、地方財政計画の規模を徹底的に見直しをすることにしており、国、地方を通じた個人所得課税の抜本的見直しと併せまして、ここ数年は地方交付税制度を含めた地方税財政制度全般の大転換期であると考えます。

 こうした中で、地方交付税につきましては、税源保障と調整機能を充実強化しつつ、国税から地方税への本格的な税源移譲に併せ、適切な地方交付税改革が行われなければならないと認識をいたしております。

 次に、社会保障、住民サービス事業が一般財源化された場合についてのお尋ねでございます。

 国は、一般財源化されます国庫補助負担金のうち、義務的な事業につきましては、徹底的な効率化を図ったうえで、その所要の全額を税源移譲することとし、その他の事業につきましては、個別事業の見直し、精査を行い、補助金の性格を勘案しつつ、8割程度を税源移譲することといたしております。また、昨年8月に政府に提出いたしました地方6団体の改革案におきましても、地方財政法第16条に基づく国庫補助金のうち、地方の裁量により効率的な運営が可能となる事業につきましては、8割の税源移譲を求めており、この差額につきましては、地方の行財政改革による効率化努力によって対応することといたしております。

 本市といたしましても、今後国による関与、規制の見直しの取組状況にもよりますが、現在のところ、社会保障に係る部分は全額税源移譲されるものと考えており、住民サービス事業についても、税源移譲に対応した効率化策を講じる中で、必要な予算の確保に努めて参りたいと考えております。

 次に、住民税のフラット化についてのお尋ねでございます。

 国から地方への税源移譲につきましては、三位一体改革の一環として、平成18年度までに実施することが閣議決定されており、その基本的な考え方として、所得税は所得再配分機能、個人住民税は応益性や地域の偏在度の縮小など、両者の役割分担の明確化を図り、個々の納税者の負担の変動を極力抑制し、全体としてあるべき税制の方向性を求めようとしております。このような考え方の下、現在、個人住民税においては、税率のフラット化に加えて、低所得部分に係る負担調整措置が検討され、また、所得税においては、最低税率である10パーセントよりも低い税率区分の設定や最高税率の引上げ、更には税率区分や人的控除の見直しが検討項目とされており、本市におきましても影響があるものと考えられることから、今後ともこのような国における検討の推移を注視して参りたいと考えております。

 次に、支所等の統廃合における意見交換会に関してのお尋ねでございます。

 市民とともにまちづくりを推進していくことは、私の基本姿勢であり、市民生活に深くかかわる施策をつくり上げていくに当たっては、議会や市民の御意見を聴くとともに、行政がしっかりと説明責任を果たすことは、たいへん重要なことであると考えております。こうしたことから、支所、出張所、保健センターの統廃合につきましては、市民意見交換会やアンケート調査からの意見を踏まえ、また行財政改革調査特別委員会の意見を受けて、最終案としてまとめたものでございます。また、私や担当局長が出席しました意見交換会では、さまざまな御意見や質問などを市民の皆様から直接生の声としてお聴きすることができ、高齢者や障害者への配慮など、利用者の視点に立つことの必要性をよりいっそう強くいたしたところでございます。今後とも市民生活に深くかかわりがある事業につきましては、広く市民の御意見を聴きながら、情報の共有化に努めるとともに、行政としての説明責任を果たして参りたいと考えております。

 次に、アウトソーシングの基準づくりなどについてのお尋ねでございます。

 私は、将来展望したとき、小さな市役所体制は避けて通れない事実であると認識しております。そんな中、市役所が直接行っている事業の中には、民間でもできること、民間のほうが得意なことがあるのも事実であると受け止めております。しかし、一方で、アウトソーシングは、無秩序に行うと、地域雇用や地域でのお金の循環に支障を来すという問題があることもまた事実であると思います。ですから、委託に際しましては、これまで実施してきた業務内容やノウハウを引き継ぎ、よりよい市民サービスを維持提供していくしくみづくりに工夫をしていかなければならないと考えております。

 以上でございます。



○議長(新本三男君) 早川進君。

   (早川 進君 登壇)



◆8番(早川進君) 種々のお答えをいただきました。過去の開発事業に学んで、同じてつを踏まないようにという質問に対しては、各開発での決意をお聞かせいただきましたが、臨海西部拠点開発において、今年度、来年度30億円の買戻し予算をつけているということですが、この30億円が大きな負担にならないことを切に願うものです。

 もう1点、同和問題ですが、見直しに時間がかかっているとお答えになられました。昨年指摘させていただいてから、まる1年がたちました。公共施設の再配置の問題では、市民サービスに深くかかわる支所、保健センター、福祉事務所の問題などはたいへん速いスパンでの行動を起こされた市当局が、なぜこれまで同和施設の統合問題については時間を要するのでしょうか。特別委員会でもお話しをさせていただきましたが、この問題は、効果額としてもたいへん大きく、多くの市民がかかわる支所問題などより前に取り組んで、支所統合問題を先延ばしをし、市民の皆さんと話をする機会をつくることのできる問題だったのではないかと考えています。ぜひ早急なる解消をお願いしたいと思います。

 税負担の問題ですが、政府の説明では、負担の公平だと言われています。しかし、所得の低い階層にとってみれば、大きな負担を負わされ、生活苦が襲ってくることは間違いがありません。そして、住民税のフラット化などによって市税収入が増えるというお答えもありましたが、取れるのかどうかが問題になるのではないですか。多くの会派の議員が決算委員会の中で問題にした滞納は、高くて払えないという市民が増えていることが大きな問題でした。払えない金額の税をかけて、影響額が大きく出るというお答えでは、少しおかしいのではないかと考えています。

 そして、この問題では、私たちは貧富の格差がよりいっそう拡大すると考えています。この問題に対するお答えが少し不十分だったのではないかと思います。私たちは、国民の貧富の格差が拡大をしていると考えます。あらためてお聞きしますが、拡大をしているのかどうか、そして、そのことがいいことなのかどうかを、いま一度お答えいただきたいと思います。

 それでは、2問目に入ります。

 第2回目の登壇では、今焦点となっている各個別の政策課題について、住民合意を中心にお尋ねして参りたいと考えています。

 まず、昨年、議会が予算修正を行った支所、保健センターの統合問題です。

 私たち党議員団は、地方自治体の使命である住民及び滞在者の安全、健康、福祉を保持し、向上させるうえで、市内を幾つかの地域に分け、それぞれの地域に小さな市役所と位置づけられる支所の設置は必要不可欠であると考えています。私自身も、議員になって以来何度も、地域住民の小さな市役所としての支所の重要性を主張してきました。特に震災復旧時の質問では、通常の業務のほかに災害時の対応に最低限度必要な人員の確保を求めてきました。また、工営所や保健所、福祉事務所については、最も住民に身近な施設として、制度、施設の存続を求めてきました。市役所は何のためにあるのか、そのことをしっかりと考える必要があると考えています。

 まず第1には、地方自治法の精神である住民の安全、健康、福祉を保持し、向上させることの関連です。再建プログラムで示された支所統合は、この精神を目的とせず提案されたところに、多くの問題点を持っていたと考えます。すなわち、仕事で市役所を訪れる業者は別として、一般の住民は、生活上必要があるとき、また困ったときに市役所を訪れます。決して頻度は高くないのかもしれませんが、子育ての相談、施策の利用、介護や医療に関することなど、自らの力で解決することが難しい問題を抱えた市民に的確にこたえられる施設能力、機能がどうかという問題です。今回の見直し案において、市民、議会の意見を聴いて見直しを行ったことは一定評価をいたします。しかし、コストを最優先し、相談窓口、手続き窓口を市民から遠ざけることは、市役所の本来の位置づけから、本質的な問題として問われると思われます。この支所、保健センターの統合問題は、法的根拠のなくなった旧同和施策施設などを聖域化し、見直しを後回しにして進めるような課題でないことは明らかです。また、市民の住んでいない地域で道路建設を進めている臨海西部拠点開発など大型公共事業も、急ぐ必要性も乏しく、市民サービスや防災拠点ともなる支所の見直しよりも優先度は低いと言っても差し支えないでしょう。

 まず、この問題でお尋ねいたします。

 市長は常々、市役所は何のためにあるのかと言われてきました。市役所は、住民が自立的に生活するうえで、行政の支援や助言を必要とするとき、必要に応じていつでも利用できる施設でなければならないと考えます。財政難を理由に、先にコストありきの考え方ではいけないのではないかと考えますが、いかがでしょうか。

 次に、支所などの統合計画には問題ありとして、多くの住民が市役所幹部との意見交換会を求めたり、自らも集会を計画したりして、署名運動に取り組みました。議会の論議だけでなく、従来にはなかった規模で住民が自らの問題として考え、行動が広がったことが特徴でした。ここに住民自治、地域コミュニティ構築への模索が始まっているという感触を感じました。この運動に取り組んだ住民の皆さんからは、従前の町会を中心とするコミュニティづくりだけではなく、問題意識を持った市民が集い、自分の考えを発信する、支所問題、保健センター問題を通じて、地域にはいろんな団体、組織があることをお互いに知り、いっしょに考える機会を持つことができたという声を私たちに届けてくれています。従前のコミュニティ活動では、担い手不足、人材の発掘が難しいという声も聞いてきました。その中で、地域を支える支所や保健センター問題を通じて、住民の意見の交換や集約が行われ、自らの問題として、まちはどうあるべきなのかと考える、そんな気運が育ってきたのではないかと感じています。まだまだ歩き始めたばかりのわずかな一歩ですが、地方分権社会の進展に踏み出す第一歩の歩みなのではないかと思っています。地方自治法改正により、地方自治を進めるための地域自治区、地域協議会の設置が明確に定められました。まだまだ議会との関係など、整理をしなければならない課題は多いかもしれませんが、21世紀はまさに地域内分権の時代にということが地方自治法で規定されたものです。支所問題等に取り組んだ多くの住民は、本市においてもその方向に進むことを求めており、それを支援することが必要と考えます。

 お尋ねします。

 市長も新規施策としてコミュニティルームの設置などを挙げておられますが、住民自治の基盤づくりの今後の方向としてどのような考えをお持ちなのかをお知らせください。

 次に、開発問題の住民合意についてお尋ねいたします。市民の目線に立った市政推進、住民参加の観点でお聞きいたします。

 まず、緑遊新都心開発についてです。

 キリン社の開発計画の概要が発表されました。伊丹のダイヤモンドシティテラスをしのぐ規模で、映画館、飲食店、百貨店、大型スーパーを含む大型商業施設が計画されており、2007年度にまち開きの予定です。そして、工業地域から商業地域への用途地域の変更に合わせて、500パーセントの容積率などが都市計画審議会に諮られるなど、計画の内容が具体化するに従って、住環境への影響を心配する近隣住民や、商売の先行きを心配する近隣商業者などから、パブリックコメントや議会陳情などで計画見直しを求める声が高まっています。当局は、基本的に地元住民や商業者との意見交換もし、合意を得て進めてきたとのことですが、何を合意してきたのでしょうか。

 まず、商業関係の問題です。阪神間でも有数の商業集積地であった杭瀬市場、商店街は、杭瀬地域だけでなく、東は今福、寺島、北は常光寺、西は長洲の住民にとっては、買い回り商店としての機能を持ち、車で移動することのできない高齢世帯にとってはなくてはならない商業施設です。しかし、杭瀬の商店街、市場も、大型店の進出とともに店舗数が減少し、売上げも減少していると、関係者が悲鳴を上げています。大型店と地域商業者との共存問題は、商業者だけの問題ではなく、広くまちづくりの問題として捕える必要があります。実際、市当局も、産業再生機構に出屋敷再開発のリベルからダイエー撤退の中止を求める要望を行っていますが、その要望には、交通弱者の高齢者に配慮してほしい旨が盛り込まれていると聞いています。既存の市場、商店街を破壊しつつ拡大してきたダイエーですが、特に高齢者にとってはなくてはならない商業施設になっている現状を維持してほしいと、市自らが要求しているのです。これは、資本力に物を言わせた無秩序な大型店出店や大型店出店に伴う市の開発計画はどうあるべきなのかを示唆しているのではないでしょうか。

 お尋ねします。

 市当局からの説明では、最も危機感を持っている地元アミング商店街とキリン、都市基盤整備機構の協議会を行い、共存を図る立場で話合いを進めていると聞いています。しかし、小田地域のみならず、商店連盟など市内商業者団体及び住民との話合いが必要なのではないでしょうか。市として広く合意がとれるまでは計画の凍結を求めることが必要と考えますが、いかがですか。当局の考えをお聞かせください。

 次に、住環境、道路の問題です。

 緑遊新都心開発全体の道路の完成は、長洲久々知線貫通まで視野に入れると、2009年度ということになります。それまでの自動車通行状況については、市からいっさい説明がされていません。2,000台の駐車場を持つ商業施設の例は市内ではあまりありませんが、伊丹のダイヤモンドシティ周辺道路の実態や、昨年秋開業した西宮ららぽーとの例を見るまでもなく、まち開き当初数年間の車の混雑は避けられないものと考えます。西及び北側地域からの車は、尼崎駅前3号線を通り、アミング西側の尼崎駅前2号線を南下すると思われます。また、東側、すなわち大阪地域からの流入は、駅前1号線に長蛇の列ができると推測できます。そして、国道2号からは、当面、長洲線となるでしょう。すぐそばの潮江の住民にとっては、停滞する車を縫うように暮らさなければならない時期が2年は続くでしょう。渋滞と、そして排気ガスにまみれてしまいます。また、流入が予想される周辺地域にとっては、歩道が十分整備されていないにもかかわらず、車が多数通過することになります。特に小田地域のJR線以南地域には、社協を含めて、これらに対する説明が行われたとは聞いていません。

 そこでお尋ねいたします。

 市の計画に基づいて都市基盤整備機構が基盤を整備、市が都市計画を変更、そして、地権者である民都、キリン社、JRなどが具体的な事業を展開するわけですが、住環境に悪影響を与えないようにするのは、計画全体のかなめを握る市役所の仕事です。今、市が地元社協を中心とした団体との協議会を進めていると聞きますが、どのように解決を図るおつもりなのかをお聞かせください。

 併せて、通過交通により安全対策が必要と考えられるJR線以南、国道2号以北の長洲線周辺の住民に対する説明はどのように進めるおつもりなのかをお聞かせください。

 子育て支援策について順次お尋ねいたします。

 一昨年、統合する城内中学校、育英中学校のPTAやその中学校に進学する小学校のすべてのPTAが、統合後の建替えではなく、先に城内中の用地で統合し、その間に育英中の建替えを行うようにと要望書が出され、この4月からは、いったん城内中用地での統合、育英中の新設校舎建設を進める予算が示されました。明倫中学、昭和中学の統合も、PTAや地域の要望で統合校の位置が変更されることになりました。これは、学区内の子どもやその保護者、住民の意見を聴き、市民の目線に立った選択であったと評価をいたします。

 さて、統合推進計画では、今後幾つかの学区統合が計画されています。05年度は推進計画の見直しを行う年度と位置づけられていますが、教育委員会内部だけの見直しの作業ではなく、関連する小中学校に関する住民、PTAなどに統合計画の内容や変更点、現状などを具体的にきちんと説明し、いっしょに考えてもらう、そんな機会をしっかりと持つことが必要と考えます。

 先日、07年度統合が計画されている若草中学、小田南中学、小田北中学の統合計画の内容が伝わってこないとして、小田南中学校と浦風、長洲、清和小学校の四つのPTAが主催をして、教育委員会を招いて説明会が開かれました。教育委員会の説明を聞いた後、2001年度の説明会以降何も知らされていない保護者からは、統合に反対する意見、子どもの人口推移の問題、適正規模の考え方、学習環境の問題、統合後の学校がどうなるのか、通学距離やセキュリティに対する不安など、多くの疑問が出されました。ある父親は、自分の子どもの通うことになる学校の将来について親としても責任を持ちたい、継続して説明を聞き、統合するしないを含めた対応を考える組織をと提案しました。説明会を主催したPTAも、個々の役員会で検討するとしていますが、本来、子どもたちの教育に責任を持つ教育委員会が、説明を求められてから説明するのではなく、計画の変更があってもなくても、年次的に市民に説明を行うことがたいせつだと感じます。

 お尋ねします。

 見直しの方向が決まってからの説明会ではなく、適正規模、適正配置の懇話会答申にあるように、小規模校、大規模校の解消の必要性やその地域での児童数の推移などを保護者や地域住民、子どもたちと共有できるように、来年度の早い時期からPTAや地域との意見交換会を行うべきと考えますが、いかがですか。お答えください。

 同じように、保護者や子どもたちの意見を十分に反映した教育行政を求める立場で、幾つかの問題についてお聞きします。

 まず、学校、幼稚園の安全対策です。

 大阪池田小学校の事件や、その後も学校内での事件が相次ぎ、遠隔操作による校門施錠、安全員の配置などが予算化され、保護者の安心感を高めました。奈良の誘拐殺人事件の後は、防犯にかかわる補導員など、地域団体やPTAなども巡回パトロールなどを行い、登校下校時の安全対策に気を配っているところです。児童数が減少し、少なくなっているPTA会費から、急きょ、防犯ブザーやホイッスルを購入し、子どもに持たせるようにしている小学校も増えてきています。教育委員会も、漫画家尼子騒兵衛さんにデザインしてもらったバッジを地域や子どもにかかわる団体に提供し、協力を求めています。地域も保護者も一様に危機感を高め、対策を進めているところだと考えます。そんな矢先、大阪府寝屋川で、教職員が17歳の卒業生に殺傷される痛ましい事件が起きました。今回の寝屋川の事件で、現行のインターホンによる対応では十分でないことが明らかになりました。この問題では、昨年、危機感を持つ保護者から議会にも陳情が提出されています。

 お尋ねします。

 各小学校、中学校は、防犯マニュアルを策定しているはずです。数々の悲惨な事件が多発する中、保護者の参画を求めて防犯マニュアルの総点検を早急に行うべきと考えますが、いかがですか。

 併せて、来年度予算では、10時から12時は安全管理員が不在になります。この時間帯は、一般の来訪者は少ないのでしょうが、小学校ならば、1年生から6年生まですべての児童が在校しており、職員室が最も手薄になる時間帯です。この空白の2時間に対する保護者の不安はぬぐい去ることができません。なぜ空白の時間を設けるのか、明確な答弁をお願いいたします。

 また、健康福祉局の施策として、就学前児童を持つ市民に対して、防犯情報の提供と子育て情報を発信するネット配信が提案されています。今、小学校に児童を通わせる市民の多くは就労しています。先日、あるPTAの会合で、寝屋川の事件が話題になったとき、多くの保護者が、帰りの電車の中で新聞を見て知った、帰ってからニュースで情報を得たということでした。学校からは子どもたちにプリントを持ち帰らせたとか、クラス連絡網を流すなどで対応がされたようですが、仕事を持つ保護者の耳に入るのは、やはり帰宅後であり、保護者の不安は消えません。ある学校ではPTAの独自活動として登録している保護者に不審者情報を発信していることは、教育委員会も御存じのはずです。多くの費用をかけなくてもできることです。

 お尋ねします。

 教育委員会は、そんなに予算が必要なわけでもないネット配信をなぜ行わないのですか。今後の事業とするのであれば、来年度予算で、健康福祉局児童企画課が行う発信事業について、学校から親に伝え、登録を呼びかけるべきと考えますが、いかがですか。お答えください。

 次に、保育所問題です。

 私は、公立保育所で子どもやその保護者の様子を把握し、培ってきたノウハウを民間保育園における保育のスタンダードにすることが、市が保育行政に一定の責任を果たすことにつながると考えています。今、アウトソーシングを推進するために、健康福祉局内で、公立保育所をどのようにするのかの検討が進められているようです。南部地域には支所単位に1か所、北部には支所単位で2か所、合計9か所の公立保育所を残し、他はすべて民間に移管すると側聞しています。さきに述べたように、私は公立保育所が尼崎の保育のスタンダードであるという考えを持っていますが、それを抜きにしても、公立保育所を幾つにするのか、また、ほんとうに少なくしてしまってもいいのかも、本来は市民とともに考えていく問題ではないかと思います。財政状況が厳しい中でも、就学前の人づくりの大きなウエートを占める保育行政に大きくかかわる公立保育所です。

 お尋ねします。

 財政難を理由としてアウトソーシングする事業のいの一番に挙げられている公立保育所に入所している子どもたちは今約2,700人近くおり、子育てのたいせつな拠点となっています。今後、公立保育所をどうするかについても、市民とともに考えていくことが必要なことなのではないでしょうか。市長の考えをお聞かせください。

 併せて、公立幼稚園の統合も教育委員会で検討が進められています。少子化を理由に、数年前、公立幼稚園7園の廃園が提案されたとき、7万筆以上の反対署名が寄せられたにもかかわらず、6園の廃園を強行いたしました。今年度の公立幼稚園の2年保育の定員630人に対して、希望者は842人もいます。今回のプログラムでも更なる廃園の計画が内部で検討されているようですが、公立幼稚園への入園を希望する市民とともに考えることが必要なのではないでしょうか。

 お尋ねします。

 公立幼稚園の廃園計画についても、民業圧迫を理由とするだけでなく、利用する市民の声をしっかり聴くべきと考えますが、市長の考えをお聞かせください。

 次に、生活保護行政についてお尋ねします。

 先日可決された定数条例改正では、選任相談員も削減され、104世帯に1人のケースワーカーが配置されるということですが、年度途中では120世帯を超えて担当しなければならないことが容易に推測できます。私はこれまでも、現行6福祉事務所体制でもケースワーカーの配置は不十分であると指摘をしてきましたが、昨年の予算委員会では、特に本庁から遠い園田地区、宮ノ北地区などの要保護世帯への相談、指導業務に支障ができることを指摘し、善処を求めました。今回の配置では、ますます不安が募ります。また、担当のワーカー職員の苦労も大きくなると考えます。統合によって、福祉事務所所長職、庶務担当人員、施設面での経費削減などで大きなスクラップを行っていますが、枠配分予算で言うスクラップに見合うビルドに対する配慮が欠けています。

 お尋ねします。

 要保護世帯の実情をリアルにつかみ、自立できるように必要な支援ができる体制こそ、ケースワーカーにとって働きがいのあるものです。この体制で、保護法の精神である困難者への援助に対して十分とお考えですか。また、ケースワーカーを標準定数近くまで配置することが必要と考えますが、いかがでしょうか。

 次に、特別会計である国民健康保険、介護保険についてです。

 本市の国民健康保険料は、阪神間各市の平均ではありますが、法定軽減世帯の割合が2割近く、阪神間で最も高いために、均等割額、平等割額、所得割料率は必然的に高くなります。そのため、同じ所得、家族構成で比較すると、阪神間で最も高い保険料です。市民の負担能力の限界です。そんな中、国民健康保険会計は、03年度には7億3,000万円もの単年度赤字が出ました。04年度についても単年度赤字が心配されており、場合によっては03年度程度の赤字になることも考えられ、2か年で10億円以上の赤字になるのではと危ぐされています。介護保険会計は、04年度は5億円以上の借入れ、新年度も9億円近い借入れを行う予算になっています。2か年で14億円程度の借入れになるのはほぼ確実でしょう。この借金は、次期事業計画の3年間の分割で介護保険料で支払うのが原則とされています。国保加入世帯19万世帯の台所は、多くは構造改革路線の中で火の車です。保険料の引上げは死活問題です。介護保険にしても、年金改革で年金所得が減少し、公的年金控除の廃止、高齢者特別控除の廃止で、実所得の減少している高齢者にとっては、これも死活問題です。この赤字の解決策は容易ではありませんが、低所得者の多い本市としては、住民とともに社会保障に対する国の責任を求めることと併せて、住民の命と健康と生活を守るとりででもある国民健康保険、介護保険に対する市の支援が必要であると考えます。

 お尋ねします。

 両保険の赤字解消については、保険料に転嫁するのではなく、一般財源を投入してでも市民への影響を最低限に抑えるべきと考えますが、いかがですか。

 今登壇の最後に、先日の代表質疑でも取り上げられた収益事業収入についてお尋ねします。

 本市の競艇事業が必要悪として高度成長時代の学校施設整備に、そして下水道事業などの貴重な財源として使われてきたことは十分に理解したうえで質問いたします。

 競輪事業は、急激な収益の落ち込みで一昨年廃止、その後、保証金をめぐる裁判が続いていることは、議員の皆さんも市当局もよく御存じのところです。また、尼崎市がかかわる兵庫県競馬組合の収益事業も、損益分岐点を割って、単年度赤字となっています。尼崎市競艇事業も、ファン獲得のためにと、スタンド改修に多大な費用をかけ、また、増収を目指してナイターレースの場外発売を受託しています。それに当たれば高額配当が手に入る三連単を発売しても、収益は落ち込む一方です。今、公営ギャンブルは、総じて収益率が落ち込み、少ないファンの奪い合いとなり、ナイター実施を行った事業者が増えるたびに設備投資した金額の回収が難しいと言われています。たとえ公営ギャンブルそのものを肯定的に捕えるとしても、将来展望があるのか、今後の存続についての議論を始める時期に来ているのではないでしょうか。

 お尋ねします。

 競馬、競艇事業は、ナイター実施などでは決して増収を図ることはできないと考えます。収益の確保が難しく、今後どうするのか、傷が大きくならないうちに検討する必要があると考えます。今後の見通しと対策についての市長の見解をお願いいたします。(拍手)



○議長(新本三男君) 答弁を求めます。

 白井市長。

   (白井 文さん 登壇)



◎市長(白井文さん) まず最初に、税負担についての再度のお尋ねでございます。

 税のフラット化につきましては、さきほども御説明いたしましたように、国においてもまだいろんな検討がされておりまして、市といたしましても試算をすることは難しいと考えておりますが、多くの国民が納得できる税制が望まれるところであり、かつ、努力した人が報われる税制度であるべきだと考えております。当然のことながら、努力した人が失敗したときには、救いがあることも必要であります。もちろん意図的に所得の格差が生じるような制度であってはならないと考えております。

 次に、支所等の統合に関しましてのお尋ねでございます。

 市役所が市民のためにあることは申し上げるまでもないことですが、コストを抜きにして利便性だけで論じる問題ではないとも考えております。高度経済成長期の豊かな税収等を背景に、現在の公共施設配置の枠組みができ上がりましたが、当時とは人口も交通、通信手段も大きく変化し、なにより市の財政状況が非常に悪化しております。このような中で、支所統合につきましては、一義的には人件費をはじめとする経常経費の削減を目的にしておりますが、施設を取り巻く環境も大きく変化する中で、コストとサービスのバランスも考慮しながら、できる限り代替案や高齢者、障害者対策などを講じる中で見直すものでございます。

 次に、住民自治の基盤づくりの方向についてのお尋ねでございます。

 私は、多様な主体が地域のまちづくりに参画することにより、新たな発想やアイデアが生まれ、人材が育ち、それが地域のやる気や熱気をわき起こし、地域コミュニティの活性化につながるものと考えております。そのため、今後、各支所、地域振興課は、まちづくりと地域コミュニティの創造を図る拠点として、地域住民の新たな交流の場となるコミュニティルームの設置をはじめとし、地域コミュニティ活動に知識と経験を有するコーディネーターの派遣や地域活動への助成を実施して参ります。こうした取組を進める中で、団体、グループのネットワーク化を図るとともに、まちづくりのリーダーやキーパーソンの発掘、育成などを行うことにより、地域の課題をともに考え、解決する主体的なコミュニティの形成に向けたしくみづくりを目指して参りたいと考えております。

 次に、緑遊新都心開発についてのお尋ねでございます。

 まず、商業者団体及び市民との話合いについてでございます。

 緑遊新都心は、アミング潮江と一体となった広域的拠点の形成を目指し、土地区画整理事業や周辺道路整備事業による基盤施設整備を行うもので、現在、都市計画変更の手続きを進めているところでございます。事業の推進に当たりましては、これまでから、市、都市機構、キリン社の三者が連携し、都市計画変更やキリン社開発計画などについて、地元商業社等で構成されますアミング潮江商業連絡協議会などに御説明し、意見交換を行ってきたところでございます。今後は、キリン社開発計画が更に具体化した段階で、アミング潮江商業連絡協議会だけにとどまらず、より多くの方々に十分説明を行うよう、市としても開発事業者であるキリン社と協議調整し、適切に対応して参ります。

 次に、住環境に与える影響についてでございます。

 キリン社商業施設の開業時には一部未整備の道路もございますが、キリン社におきまして十分な調査検討を行い、交通環境に与える影響が極力少なくなるような対策が講じられることとなっております。本市といたしましても、円滑な交通を確保するため、交差点の暫定的な改良などを実施するとともに、県や警察などの関係機関と協議調整を行い、適切な対応がとられるよう、キリン社へ要請して参りたいと考えております。

 また、これら計画に係る住民の方々への御説明でございますが、今後はまちづくり計画研究会をはじめ、JR線以南地域も含めた周辺地域住民の方々に対し、キリン社等と調整を行ったうえで十分に説明し、御理解をいただくよう努めて参りたいと考えております。

 次に、公立保育所の在り方についてのお尋ねでございます。

 近年の少子化のいっそうの進行や児童福祉法の改正、次世代育成支援対策推進法の制定など、児童福祉行政を取り巻く環境は大きく変化してきており、保育所に求められる役割も大きく変化してきております。こうしたことを踏まえ、現在、現場の保育士も参画する中で、今後の公立保育所の果たすべき役割や在り方について検討を重ねているところでございます。なお、今後は、これを基本とし、市民ニーズに合った子育て支援が提供できるような保育所整備計画を策定して参りたいと考えております。この計画の策定に当たりましては、パブリックコメントの実施など、市民の声をお聴きする中で取り組んで参りたいと考えております。

 次に、ケースワーカーの配置体制についてのお尋ねでございます。

 生活保護業務の本庁集約につきましては、4月1日から新体制でスタートすべく、準備を進めているところであります。地域によりましては、本庁に出向くことが距離的に遠くなり、御不便をおかけすることは否めませんが、基本的には、ケースワーカーが自宅等を訪問し、生活実態に応じた援助を行うこととしております。

 更に、生活保護申請等で本庁に出向くことが困難な方々に対しては、出張面接で対応するなど、配慮を行って参りたいと思っております。

 また、ケースワーカーの配置数ですが、2月1日時点での被保護世帯数を基準にした場合、社会福祉法に規定する標準数を充足していないことは承知いたしておりますが、生活保護制度の安定運営、適正実施の観点から、所要人員の確保が課題であると考えております。しかしながら、本市の厳しい財政状況の中で、現在、職員定数の見直しに取り組んでいるところであり、標準数近くまで配置することは困難でございます。なお、平成17年度におきましては、ケースワーカー5人の増員を図るとともに、ケースワーカーを補助する嘱託職員を6人増員し、より適切な保護の実施体制に近づけて参ります。

 次に、国民健康保険制度や介護保険制度の財政基盤に関してのお尋ねでございます。

 国民健康保険制度や介護保険制度につきましては、国民の多くが給付を受ける相互扶助に基づく、たいへん重要な社会保障制度でございます。しかしながら、これらの制度を経理する特別会計は、制度が抱えるぜい弱な財政基盤に加え、負担と給付の不均衡などにより、本市のみならず全国的な傾向として赤字体質が続いております。持続可能な制度の維持を目指すためには、また、本市が置かれている厳しい財政状況下にありましては、市の一般財源を投入するといった方法ではなく、まずは保険料と収納率の向上により、国庫支出金などの特定財源の確保を行い、同時に安定した財政基盤の確立のための制度改正への取組が必要であろうと考えております。

 現在、国などにおきましても、国民健康保険制度については、広域化や制度の一本化、また介護保険制度につきましては、予防給付に重点を置いた制度改正や費用負担の在り方なども検討されており、今後、こうした動きに注視して参りたいと考えております。

 次に、競艇事業の今後の見通しと対策についてのお尋ねでございます。

 競艇事業につきましては、近年、売上げの減少傾向に歯止めがかからない中で、特に一昨年から予想を超える落ち込みが続いており、収益の急激な悪化が続いているところでございます。このような厳しい売上げ減少の中で、本市におきましても、これまでから経費削減を図り、収益の確保に努めているところでありますが、こうした取組を超える収益構造の改善が必要な時期に来ていると認識しております。したがいまして、可能な限り早い時期に経営改善計画を策定し、コスト構造の改善に取り組んでいくことといたしております。

 以上で早川議員の代表質疑についての答弁を終わらせていただきます。

 他の教育に係ります問題については、教育委員会から答弁いたします。



○議長(新本三男君) 保田教育長。



◎教育長(保田薫君) 早川議員からの教育関係の御質疑にお答えいたします。

 まず、学校統合計画の説明会は、早い時期からPTAや地域との意見交換会を行うべきでないかという御質疑でございますが、子どもたちの良好な教育環境を創出することを目的に取り組んでおります学校統合につきましては、保護者や地域の理解と協力を得ることがたいへん重要であると考え、これまでから意を用いてきているところでございます。このようなことから、昨年4月に明城小学校が開校し、この4月には中央中学校と成良中学校の2校の統合校が誕生いたします。また、平成18年4月には、常光寺、杭瀬小学校が統合する運びとなっております。今後ともこの問題につきましては、保護者や地域の方々の理解を協力を得るため、十分な説明と意見交換を行って参りたいと考えております。

 次に、各小中学校が持っている防犯マニュアルの総点検を保護者の参画も含めて早急に行うべきではないかということでございますが、本市の学校園における不審者対応策といたしまして、各学校園ごとに不審者対応マニュアルを作成いたしまして、これに基づく訓練等を実施しているところでございます。

 また、これまでも必要あるごとに警察の協力も得ながら、マニュアルの点検、見直しを行っておりまして、現在、先般の寝屋川市の事件を受けまして、あらためて学校園において対応マニュアルの点検を実施しているところでございます。今後とも適宜適切にマニュアルの点検、見直しを行うとともに、保護者の皆様に学校安全対策の取組についてお知らせをし、意見を聴くなどしまして、子どもたちの安全を守る取組に理解と御協力を得ながら、更に学校の安全確保に努めて参りたいと考えております。

 次に、来年度予算において、なぜ安全管理員が不在になる時間を設けたのかということでございますが、安全管理員の配置時間につきましては、平成16年度に全小中学校に設置しました校門遠隔施錠装置の運用状況を踏まえまして、実態に即した対応ができるよう、一定の見直しを行いました。まず、登校時の安全をより確保するために、現在8時20分から配置しているものを8時からの配置に改めました。次に、入学式とか卒業式などの学校行事や、あるいは不特定多数の来訪者が見込まれ、不審者対応により注意を要する日であるとか時間帯には、複数配置を行うことといたしました。来訪者が比較的少ない10時から12時50分までの間については、教職員が来訪者等の対応を行うこととしまして、下校時には、平成16年度と同様に安全管理員を配置することといたしております。こうしたことは教育委員会が独断で決めたわけではありませんで、学校、校長会ともに協議を行いまして、より実態に即した対応ができるよう見直しをしたものでございます。

 次に、教育委員会はなぜネット配信を行わないのか。また、児童企画課の行う事業を保護者に伝え、登録を呼びかければと考えるがどうかということでございますが、児童生徒に影響があると思われます不審者事案につきましては、現在、情報を入手いたしましたときには、直ちに学校に対しまして確実な方法で電子メールによって緊急連絡を行っております。各学校においては、個々の事案の状況に応じまして、集団登下校の実施や、あるいはパトロールの強化、更に保護者へ下校時の、あるいは下校後の注意事項などをお知らせするプリントの配布など、必要な措置をとっているところでございます。

 携帯電話への防犯情報のメール配信につきましては、平成17年度からの「子ども安心・安全・便利」情報提供事業、これとともに、兵庫県警察が新たに実施します防犯情報配信システムの状況も見ながら検討して参りたいと考えております。

 最後に、市立幼稚園の見直し検討について、民業圧迫を理由とするだけでなくて、利用する市民の声をしっかり聴くべきではないかということでございますが、全国的な少子化が進展して、本市の園児数は、ピーク時の昭和49年度の1万5,100人に対しまして、平成16年度は約7,300人と半減しております。市立幼稚園にこのように多くの空き定員が生じておりまして、また、私立の幼稚園につきましても同様の状況がございます。こうしたことから市立幼稚園の見直しの検討を行うものでございますけれども、見直しに当たりましては、幅広く議会や市民の御意見をお聴きしながら進めて参りたいと考えております。

 以上でございます。



○議長(新本三男君) 早川進君。

   (早川 進君 登壇)



◆8番(早川進君) 種々のお答えをいただきました。

 競艇事業についてですけれども、経営改善の方策を検討されるということですが、前回検討を行った21世紀競艇プランの中で提案されたことをやっても収益は上がらないということは、先行した蒲郡などのナイターレース実施で明らかになっています。このうえで更なる経営改善というのはほんとうにできるのでしょうか。私は、抜本的な見直し、在り方についてもっと考えるべきであると考えています。

 さて、教育委員会に幾つかの質疑をさせていただきましたが、私が適正規模、適正配置の問題で質疑をしなければならなかったのは、教育委員会が意を用いたということに対して、全く用いてもらえていない、統合が予定されている学校のPTAなどが呼ばなければ来ないという声を上げていることに対して、どうなのかということを質疑させていただきました。意を用いてきた内容が不十分なのではないかと思っています。

 今後の対応として、これから統合が予定されている数々の学校、すぐではなくても、学校を取り巻く状況、児童数の問題、大規模校、小規模校の問題などについて、毎年毎年子どもたちは替わっていきます。親も替わっていきます。その親たちの理解をしっかりと得る取組を繰り返していくことの必要性を求めています。今の意の用い方では足りませんので、ますますの御努力をお願いしたいと思います。

 そして、もう一つの防犯マニュアルの問題ですが、理解、協力を親に求めていくのではなく、親の不安をどこまで解消するのかが教育委員会に求められているのではないでしょうか。でき上がったものに理解を求めるのではなく、どのようなことを求めているのかを聴き、そして、学校、教育委員会、保護者が協働して、どのようなマニュアルづくりが必要なのかを考えていただきたいと考えています。

 そして、もう1点の学校安全員の問題ですが、空白の2時間、この2時間とはいったいどういう時間でしょうか。私も学校にはちょくちょく行かせていただきますが、この時間帯、職員室にいるのは、教頭先生とわずかな専科職員だけであるということが多いです。寝屋川の事件は2時の話ですが、それでも職員室には3名しかおられなかったのではなかったでしょうか。職員室から遠隔操作のモニターを教頭先生がずっと見ていなければならないような状況。教頭は、何かがあれば教職員の指導に出なければならないとき、このモニターを見慣れた職員が一人もいない中での配置というのは、大きな問題だと思います。校長会、園長会等の話合いの中で同意を得たということですが、ならば再度お聞きします。

 もし保護者などが大きな動きを見せ、そして、不安の中で学校園に対して要求をしたとしたら、教育委員会はこの空白の2時間を消し去る努力をしていただけるのかどうか。そのことについて再度お答えをいただきたいと思います。

 さて、種々の問題について質疑をさせていただいて参りました。残りの問題、そして今日の質疑で不十分な御答弁しかいただけなかった問題については、会派議員が予算委員会の中で種々お尋ねをして参りたいと考えています。学校の安全問題、そして住民の福祉や暮らしを守る地方自治体の役割はいったいどこにあるのか。そして、市長が掲げておられる市民の目線に立った市政の在り方などについて、今後予算委員会の中で順次お聞きしていきたいと思います。

 これで日本共産党議員団の代表質疑を終わります。

 ありがとうございました。(拍手)



○議長(新本三男君) 答弁を求めます。

 保田教育長。



◎教育長(保田薫君) ただいまの安全管理員の空白の2時間ということでございますけれども、この問題につきましては、これまで学校現場の意見も十分お聴きしまして、そして時間帯を決めまして、17年度の施策に反映させたものでございます。今後いろいろと問題を見極めながら検討して参りたいと思いますので、よろしくお願いします。



○議長(新本三男君) 早川進君の質疑は終わりました。

 この際、休憩いたします。

                      (午前11時43分 休憩)

 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

                      (午後1時 再開)



○副議長(北村保子さん) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 代表質疑を続行いたします。

 発言を許します。

 長崎寛親さん。

   (長崎寛親君 登壇)



◆3番(長崎寛親君) 清風会の長崎寛親でございます。

 清風会を代表いたしまして、平成17年度当初予算並びに白井市長の施政方針に対して代表質疑を行って参ります。昨日の先輩議員の質疑と重複するものもありますが、会派としての思いでありますので、御理解いただきますようお願いいたします。

 また、なにかと要領を得ないところもあろうかと存じますが、できるだけ要点を絞って簡潔にお尋ねしていきたいと考えておりますので、先輩、同僚議員の皆様におかれましては、しばらくの間御静聴賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 さて、白井市長が施政方針でも自ら述べられているように、4年間の市長任期の折り返し点を迎えたことを踏まえ、冒頭に、2年間の白井市長の自己評価についてポイントを絞ってお尋ねしていきたいと思います。

 まず、選挙戦を振り返って参ります。

 平成14年に実施された市長選挙は、ある意味、非常にコントラストのはっきりした選挙であったという印象を私は持っております。当時の宮田前市長は、その豊かな行政経験、行政手腕というものを前面に出されました。危機に瀕した尼崎のかじ取り役として、行政の素人ではとても務まらないということで選挙戦を戦われておりました。一方、白井市長はどうかというと、歴代尼崎市長の多くが助役や教育長など幹部からの就任であり、そのことを逆手にとられたのか、全日空のフライトアテンダントや専門学校講師、人材育成コンサルタントなどの経歴を前面に出されて、むしろこれまでの行政にはない民間の発想によるリーダーシップが必要であると訴えられていたと記憶しています。市民の中には、市長の行政経験のなさに対する不安はあるものの、逆に、これまでの行政出身の市長にはない手法で市政運営がなされることへの期待感もあったのではと推測しています。

 そこで、端的にお尋ねいたしますが、選挙戦でも一つの売りであった民間企業出身という経験やノウハウを行政運営や市役所という組織運営の中でどのように生かしてこられたのか、お答えください。

 最近は、行政の中でもよく経営という言葉が聞かれますが、私は、民間企業の経験やノウハウがそのまま行政に当てはまるとは考えておりません。ここ尼崎市では、行政経験の長い前市長時代の平成14年度に、行政経営推進室が設けられ、経営再建プログラムが策定されました。白井市長の選挙公約の一つに、宮田前市長の下で策定された経営再建プログラムは白紙撤回であったと記憶しております。実際は、一部見直しはあったものの、私が見る限りでは、ほぼ原案どおり実施されてきました。民間の企業経営を体験してこられた白井市長が就任されたわけですが、行政経営推進室も経営再建プログラムも表向きは何も変わっておりません。

 そこでお尋ねいたしますが、市長の考える経営とはどういうものなのか。そして、その思いはこの2年間でどのように実現できたのかどうかも併せてお答えいただきたいと思います。

 次に、本市の大きな課題の一つである人口の減少の問題についてお尋ねいたします。

 昨年度の代表質疑でも質問させていただきましたが、人口問題は本市にとって大きな問題であり、より深刻さを増してきていると思われることから、あらためて質問させていただきます。

 本市の人口は、1971年6月の55万4,000人をピークに、現在まで30年以上にわたり一貫して減少しており、今年2005年の2月時点では、約46万1,000人となっております。これで、ピーク時から34年にわたり9万人以上も減少してきたことになります。そして、これは現在の芦屋市に匹敵する人口がいなくなったことになると申し上げました。このような市は全国を見てもあまり例がないのではないでしょうか。昨年度の私の代表質疑に対して、市長は、平成13年からは年間の人口の減少数が1,000人を下回るなど、減少幅が小さくなってきていると答弁されました。事実、年間の人口減少数は、平成11年に3,027人、平成12年には3,193人であったものが、平成13年に849人、平成14年に742人、平成15年に695人と、下げ止まりの傾向が見られていたのです。ところが、最新のデータを見ると、平成16年における1年間の人口減少数は再び1,000人を超えて、1,136人の減少となっています。このことは、本市の人口減少問題が依然として楽観できる状況ではないことを示唆していると考えられます。

 そこでお尋ねいたしますが、市長は、最新のデータにあらわれたこの状況をどのように認識されているのでしょうか、お答えください。

 さて、本市の人口は減る一方ですが、隣接する大阪市や西宮市では、近年増加に転じてきております。特に西宮市については、震災のあった平成7年に約2万人の減少となりましたが、その後は順調に回復し、更に現在では、震災前を上回る人口になってきております。本市では、平成16年に1,136人が減少いたしましたが、西宮市は、この間、3,973人の増加を見ており、その差は5,109人にもなります。その結果、両市の人口の差は、震災前の平成6年に約7万人もあったものが、急激に縮小し、今年の2月1日には、本市46万1,469人に対して西宮市が46万1,014名と、その差はわずか455人となっております。このまま推移すると、恐らく3月か4月には逆転するものと思われます。少子高齢化が進み、全国的にも人口が減少することは国の発表でも明らかになっておりますが、同じ阪神間にあり、隣接する両市に、こうも人口の増減に明暗ができることについては、なんとも言いようない焦燥感が募ります。確かに人口は多ければよいというわけではなく、西宮市では、人口が急増して、保育所や学校の教室が不足するなど、困った状況も出てきていることは聞いておりますが、やはりこれからの少子高齢化社会に備えるため、若い世代が移り住んでくれることは、中長期的にはさまざまな面でまちづくりにプラスではないかと思います。

 尼崎市内に目をやると、近年、工場や社宅の跡地にマンションや一戸建てが数多く開発され、新聞に毎日のように住宅販売のちらしが入ってきております。これだけ住宅が開発されているのに、人口が減少するのはどうしてなのでしょうか。その理由として、新築住宅が販売されても、市内から移転するだけで、市外から移り住まず、その結果、従前住まわれていた住宅など、空き家が増えていることが想像できます。人口の動向は、やはり住宅の動向と密接な関係があると思います。

 そこでお尋ねいたします。少し細かな質疑になりますが、傾向を知るうえでお答えいただきたいと思います。

 本市における民間住宅の新規供給戸数や市内の住宅の空き家戸数は、全体的にどのように推移しているのでしょうか。また、これらの新築民間住宅には、他都市からどの程度人が移り住んできていると市長は考えておられるでしょうか。市長の認識を含め、お答えください。

 さて、昨年度の代表質疑では、第2次基本計画策定時に行った調査によると、15歳から24歳の若年層だけが転入超過となっており、30歳代の中堅ファミリー層の転出が多くなっていることがうかがえると答弁しておられました。本市の人口確保の面からは、他都市から尼崎に移り住んでもらうことと、今住んでおられる方に今後も住み続けていただくことの両面が求められます。しかし、市長が認識されているように、30歳代の中堅ファミリー層の転出が多いというのであれば、その理由を分析して、対策を講じていく必要があるのではないでしょうか。

 そこでお尋ねします。

 市長は、中堅ファミリー層が市外へ転出する理由は何にあると考えているのか。また、そのためどのような対策が必要であると考えているのか。日ごろ率直に考えておられるところをお答えいただきたいと思います。

 次に、協働のまちづくりと地域振興課の機能強化についてお尋ねいたします。

 平成17年度施政方針の中で、市長は、主要施策の一つに、更なる参画と協働の取組を挙げられ、具体的には今後の協働の在り方や市民による広域的な活動との連携方策など検討するため、市民意識調査を実施するとともに、(仮称)協働研究会を設置するほか、活動作品展や講座などを実施する。また、更なる協働のまちづくりを進めるために、地域自らが地域の課題解決に取り組む活動を支援するとともに、活動グループ、団体に対し、地域コミュニティ活動に知識と経験を有するコーディネーターを派遣し、助言を行うほか、グループのネットワーク化など、地域振興の充実を図っていくと述べられています。

 さて、本市においては、前市長時代の平成12年12月に策定された第2次基本計画の中で、いち早く協働のまちづくりについてうたわれております。この基本計画において重視する六つの視点の一つに、協働、連携のまちづくりが挙げられているとともに、横断的な分野間の連携を必要とする戦略プランにおいても、その一つに協働のまちづくりのしくみをつくることが掲げられております。そして、その展開の方法として、一つ目に、協働型のまちづくりの着実な転換を基本とし、協働型事業の拡大定着を図る、二つ目に、協働型まちづくりを更に展開していくため、まず市役所を変える。三つ目に、協働型まちづくりに取り組む市民、事業者をそれぞれの段階に合わせて支援するとあります。昨年の代表質疑でも述べましたが、この先ますます財政が厳しくなる中、地方分権に対応していくためには、市民、事業者、行政がそれぞれ持てる力と知恵を出し合い、連帯と協力をなすことが未来のまちづくりには必要不可欠であり、本市が協働のまちづくりを掲げ、市政を推進していくことは大いに賛成であります。

 しかしながら、現在の状況を見ますと、市民、事業者の間にこの協働のまちづくりが浸透しているのか、甚だ疑問に感じております。確かに当局は、これまで、街なみ街かど花づくり運動、10万人わがまちクリーン運動、自然と文化の森構想の推進、地域福祉サポート事業など、さまざまな協働の取組を行っていますが、特定の人たちの取組にとどまっている感がぬぐえず、第2次基本計画に戦略プランとして掲げている割には、取組が進んでいないように思っております。

 そこでお尋ねいたします。

 これまでの協働の取組について、市長はどのような成果を上げてきたとお考えなのか、また、これまでの取組において、何が課題として残っているとお考えなのか、御所見をお聞かせいただきたいと思います。

 さて、さきほども述べましたが、平成17年度の新規事業として、(仮称)協働研究会等事業が計上されております。この中では、市民意識調査を実施し、今後の本市における協働の在り方や市民による公益的な活動との連携方策等を検討するとされています。恐らくこれまで本市において協働のまちづくりに市民サイドの評価が明確でなかったことを真しに受け止めた結果であろうと、率直に評価いたします。しかしながら、市民と議論を行う前に、まず協働のまちづくりはどういうことを言うのか、具体的にどうなればそれが実現できたことになるのか、市としての考え方、イメージがなければなりません。これまでの白井市長の答弁をお聞きしていると、市としての理念が具体的な形であらわれているのか、疑問に感じます。もし市として確固たる考えがなければ、これまで行ってきたさまざまな事業の方向性が合っているかどうか、検証すらできないことになりかねません。

 そこでお尋ねいたします。

 市長の言う協働のまちづくりとは、どういうことを指すのでしょうか。また、それが実現されたときの具体的なイメージについてお聞かせください。

 更に、今後、協働のまちづくりを進めていくためには、なぜそれが必要なのか、行政、市民、事業者の共通した認識が必要であります。いまさらこんなことを聞いてどうするのか、こんなことも分かっていなかったのかと思われるかもしれませんが、今後の取組の進展のためには、まずこの基本部分の共通認識が必要不可欠であると清風会は考えております。

 あらためて市長に基本認識をお尋ねいたします。

 市長は、協働のまちづくりがなぜ必要で、重要とお考えなのか。市長自身の言葉で、市民に語りかけるように分かりやすくお答えください。

 当然のことでありますが、市民や事業者に協働のまちづくりを訴える前に、まず職員の十分な理解が必要であります。さきほどの戦略プランにおいても、協働型まちづくりを更に展開していくため、まず市役所を変えるとあり、具体的には、協働と連携の窓口を設けるとともに、職員の意識改革を図るとあります。しかしながら、私が今まで見てきた限りにおいて、この点にも課題を感じます。

 そこでお尋ねしますが、市長は協働型まちづくりのための職員の意識改革に向け、これまでどのような取組をなされてきたのでしょうか。また、今後どのように取り組んでいかれるのでしょうか。お聞かせください。

 さて、昨年議会に設置された行財政改革調査特別委員会において、当局からは、支所、出張所及び保健センターの統廃合の一環として、地域振興課の機能強化のイメージ図が提出されました。支所等の統廃合そのものについては、委員の皆さんが議論を重ねられ、一定の意見をまとめておられます。先輩議員の御尽力に深く敬意を表するものであり、当局も基本的にこの意見に沿って予算案を提出されているものと、おおむねの理解はいたしております。したがいまして、ここではその是非について論ずる考えはありません。また、私自身、協働のまちづくりを進めていくためには、地域で課題を解決する力を向上させることが必要であると思っており、当局が支所等の統廃合に合わせ地域振興課の機能強化を図るとしたことをなんら否定するものではありません。しかしながら、機能強化のイメージ図を見る限りにおいて、市民と行政とを対等のパートナーとし、互いに連携しながら、地域の抱える諸問題に対処するという考え方は理解できますが、具体的に地域がどうなっていくのか、そのイメージが浮かび上がってこないのであります。たいへん失礼な言い方になるかもしれませんが、当局は、地域の抱える問題点や課題について十分認識されていないのではないかとさえ思うのであります。

 本市は、6行政区に分かれ、社協であれば1行政区内でも連協更には単協と細分化され、当然各地域が抱える事情も環境も違いがあります。これらの問題点や課題を把握し、それらを整理し、そのうえで解決策を講じていかなければ、いくら地域振興課を機能強化し、きれいなイメージを描いたとしても、それは絵にかいたもちにすぎません。地域によって抱えている問題が違うことは理解していますが、イメージ図が一つしかないということは、各地域の共通の問題や課題があるということにほかなりません。

 そこでお尋ねいたしますが、現在各地域が抱えている問題や課題にはどのようなものがあるのでしょうか。また、地域振興課の機能強化とは、具体的にどういうことを考えているのでしょうか。この点についても、市民の活動にかかわることでもありますから、市民に分かりやすい言葉でお答えいただきたいと思います。

 さきほども述べましたが、本市では、協働のリーディングプロジェクト的な事業として、街なみ街かど花づくり運動、10万人わがまちクリーン運動、自然と文化の森構想の推進など実施されております。しかしながら、これらの事業を見る限りにおいて、地域振興課が中心的な役割を担っているものから、中心的ではないが、なんらかの支援を行っているもの、関与が薄いものと、まちまちであります。

 そこでお伺いいたします。

 私は、今回の地域振興課の機能強化に伴い、協働型の事業で地域で主体的に取り組んでいく事業は地域振興課が、また、全市にまたがる事業についてはコミュニティ推進課が中心的にかかわっていくことが必要であると考えますが、組織論として市長はどうお考えでしょうか。お答えいただきたいと思います。

 次に、教育問題について順次お伺いして参ります。

 平成14年度より、完全週5日制及び学習指導要領の全面改定に伴い、各教科の指導時間数、指導内容が削減され、また、総合的な学習の時間が新たに導入されました。新学習指導要領の目指すものは、子どもたちが生涯を通じて自ら考える力をはぐくむために、知識や技能に加え、学ぶ意欲や思考力、判断力、表現力なども含めた確かな学力をしっかり身につけるために、すべての学校で基礎的、基本的な内容はきちんと指導したうえで、発展、補充学習など、それぞれの学校で大いに創意工夫ができるようにすることにあると認識しております。その意義は大いに賛同するものでありますが、しかしながら、実施前から、学習量の削減は子どもたちの学力低下を招くのではないかとか、私立の多くは週6日制のままなので、高校入試や大学入試が変わらなければ公立は不利になるのではないかといった保護者からの不安や批判が多く見られ、そして、新学習指導要領が導入されてから既に3年が経過しようとしています。そして、その効果測定とも言うべき学力・生活実態調査が昨年5月に実施されました。その目的とするところは、児童生徒の学習の定着度や学習意欲、家庭での学習実態等を把握し、今後の学力向上施策の展開や指導方法、指導内容の改善に役立てるというもので、全国の小学校5年生、中学校1年生、3年生の約45万人を対象に実施されました。その結果は、算数、数学及び社会のいわゆる基本的な学力が低下しており、問題が多いといったことで、新聞等でも大きく取り上げられたところであります。

 さて、尼崎市の調査結果を見ますと、国語以外は各教科とも全国をかなり下回っており、いずれの学年においても、国語を除いて基礎学力が十分ではない児童生徒が多く見られ、特に算数、数学、英語は顕著である。また、社会、理科は、小学校の段階から得点率が低いなど、全国平均と比較し、1教科たりとも上回ることがないショッキングな結果となりました。

 そうしたことから、平成17年度予算案では、学力向上施策として、まず自主学習支援事業として、放課後を中心に指導補助員を各学校に派遣し、教室や図書室などで補習、宿題の指導を行うほか、きめ細かな教育推進事業として、児童生徒の基礎学力の向上を推進するため、小学校では国語、算数の授業で担任をサポートする指導員の増員や、中学校では数学の習熟度別学習の補充のため、新たな指導補助員を増員するなどの取組が打ち出されております。ところで、調査は、ただ結果を見て終わるのではありません。今回の調査は学力実態把握のための調査でありますが、学力向上のため、今何が必要なのか、そのために何をしなくてはいけないのかを考えなければ意味はありません。この点で、平成17年度から、個に応じたきめ細かな教育の推進と学習意欲の向上、学習習慣の形成に努めるための施策を講じられたことは、一定の評価をいたしたいと思いますし、また、その効果が来年度からでも上がることに期待もしております。

 しかしながら、今回の調査は、特定の学年を一部抽出して、学力の状況を傾向として把握しようとする調査でしかなく、児童生徒一人ひとりの学力の定着状況、意識状況を検証するまでには至っておりません。

 そこで、教育委員会にお尋ねいたします。

 来年度も特定の学年でしか実施しないとのことですが、調査対象を市内すべての小中学生に広げて実施していく考えはありませんか。学力調査を継続的に実施することにより、結果としての数字の意味をいちばん理解できるのは現場の先生方なので、指導方法の改善など、指導力の向上などに生かすこともできますので、教育に熱意のある、心ある先生方にとっても必要な取組であると私は考えます。実際、独自テキストではありますが、学校ごとの結果まで公表する東京都荒川区のような自治体もあります。教育委員会の御所見をお聞かせください。

 次に、今回の調査結果の公表の在り方についてであります。

 今回の調査結果については、市のホームページのトップページからは見られません。トップページにある各課のしごとから教育委員会事務局、そして学校教育課をクリックして、やっと見られるわけです。学力・生活実態調査の結果はたいへん重要な問題だけに、平成17年度当初予算の概要などと同様に、トップページからでもすぐに見られるようにすべきではないかと私は思っております。うがった見方かもわかりませんが、今回の調査結果は不名誉な結果に終わっているだけに、教育委員会としても、なるべくなら隠していたいという気持ちのあらわれなのかと勘ぐりたくもなってみます。そして、その内容も、各学年とも尼崎市と全国の比較のみで、保護者の方々にとって最も関心がある、では私の子どもが通う学校はどのような結果になっているのだろうか、また、今回の調査結果を受けて、先生方はどのように指導を改善していただけるのだろうか、何も指導が改善されずにいくのだろうか、このまま公立小学校、中学校に通っていて、子どもの将来はほんとうに大丈夫なんだろうかといった不安を解消するものとはなっていません。私は、できれば学校ごとの調査結果と、その調査結果を受け、各学校ごとの学力向上に向けた取組方策などについて、例えば理科における観察、実験の技能、表現で特に低い結果が見られる学校においては、実験や観察など体験活動をよりたいせつにしますとか、生徒一人ひとりのつまずき、学習のしかたなど把握するためにも、放課後の学習相談を充実しますというように、ここが弱いから、我が校は児童生徒に対してこういう指導をしていきますといった取組内容をホームページに掲載していただければ、保護者の方も少しは安心できたのではないかと思います。そのことが、市長が施政方針でもおっしゃった市民の期待にこたえる教育の展開になるのではないでしょうか。

 そこでお伺いいたします。

 市長の掲げる施策の一つに情報開放がありますが、学校別の調査の結果とその分析を市のホームページで公開してはいかがでしょうか。また、学校ごとに調査結果を受けての対応策についても併せて公表されていれば、私は学校現場の先生方の教育にかける熱意が市民の皆さんに伝わるものと思うのですが、いかがでしょうか。教育委員会のお考えをお聞かせください。

 次に、学校と家庭との連携による学力向上に向けた取組について質疑いたします。

 家庭での学習や生活の状況と得点率の関係についての報告も今回の調査結果に出ておりました。昨日の教育長の答弁にもありましたが、その内容を見てみますと、家庭学習の時間が長いほど得点率が高くなる傾向にあり、また、宿題がなくてもほぼ毎日勉強しているグループほど、得点率は高くなっております。更に、毎日必ず朝食を食べるというグループや学校へ持っていくものを必ず確かめるグループは得点率がかなり高くなっており、睡眠時間についても、適度な時間をとるグループほど得点率は高くなっておりました。家庭での学習や生活の状況と得点率の関係については、まだ今回が最初の調査なので、相関関係が十分あるとは言えないかもしれませんが、少なくとも今回の調査結果から見る限り、家庭での学習習慣が身についていることのたいせつさ、基本的な生活習慣の確立のたいせつさがうかがわれますし、私自身も含め、経験を通して納得できる結果だと思います。そして、今後の取組の方法には、家庭にも積極的に協力を求め、学校と家庭が連携して習慣形成に努めることがたいせつであるといった内容が掲載されております。確かに、いくら学校が学力向上のために努力しても、保護者の方々の協力なくしてはうまくいかない面はあると思います。しかしながら、来年度に実施する具体的な取組策としては、家庭における学習習慣や生活習慣の形成に向けた啓発を実施するため、全市的な取組内容を掲載したパンフレットを保護者に配布するとのことです。果たして保護者への一方的な啓発だけで学校と家庭との連携が図れるのでしょうか。私は、学習や生活の情報をもとに、保護者の方々と先生がいっしょに話し合い、どのように児童生徒が日々の生活をしていったらいいかを保護者の方々も考えるようなしくみが必要なのではないかと思っております。

 そのため、児童生徒それぞれの目標を決め、どう生活したらよいのかを先生と保護者がより時間をかけて面談を行うといった方策も考えられます。先生と保護者の個人面談の場を活用して、意識的な生活・学習指導を行うというものです。そうすれば、より的確に児童生徒の学習状況、生活状況を把握できるようになり、先生方もより的確な個に応じた指導を行っていけるのではないでしょうか。

 そこでお伺いいたします。

 今私が申し上げたような取組に対して、教育委員会はどのような御所見をお持ちか、お答えいただきたいと思います。

 次に、学力向上策の一環として、教育特区についてお伺いいたします。

 東京都品川区の教育委員会では、現行の6・3制では、学習指導や生活指導において学校間の接続が必ずしも円滑に行われているとは言えず、連携が十分ではないとの指摘もあり、小学校と中学校の垣根を取り去り、9年間を見通したカリキュラムを編成、実施し、伸び伸びした学校生活の中で、子どもの個性と能力の伸長を図るため、平成18年度に小中学校一貫校の開設に向けて、現在校舎の建設工事が進められているとのことです。小中学校一貫校といいましても、小学校6年間で学ぶ内容を4年間で終えたり、5年生から中学1年生の学習を始めるということではありません。あくまでも現行制度の中で、子どもたちが学習を進めていくうえで教育内容や教育方法を変えていくまとまりを4・3・2年と捕え、9年間を通して児童生徒の多様な資質や能力を伸ばす系統的、継続的な学習、心の教育や生活指導と関連づけた生き方を指導していくものとのことです。したがって、小中一貫教育は、自らの生き方を拓く力を育てるために、これまで道徳や学級活動の中で取り組んできた内容を発展させ、人間らしくあること、また、教科選択やコミュニケーション能力、社会性などの育成を目指す新教科を設ける予定もあるようでありますが、他の区、市等と大きく異なるものでなく、また、5年生から7年生については、中学校での学習内容を一部早めに学習する場合もあるとのことであります。大きな問題はないとのことであり、当然のことながら、7年生の段階で他の小学校からの入学も受け入れるとのことです。

 私自身も経験したことですが、中学に入ると学習内容は急速に難易度が増し、壁にぶつかる子どもたちも多いと思います。その結果、つまずき、不登校となる生徒も多いとお聞きします。そのためにも、小学校と中学校という垣根を取り払い、難易度が上がる中学進学の障害を取り除き、児童生徒の発達段階に応じたきめ細かな学習指導に取り組んでいただければ、どれだけすばらしいことかと思います。そして、現在の小学校1年生から中学校3年生までの幅広い異年齢集団によるいろいろな活動を通して、社会性や人間関係を築く能力と意識の向上につながるものと思います。

 そこでお尋ねいたします。

 尼崎市には、武庫小学校と武庫中学校、園田小学校と園田中学校のように、小学校と中学校が隣接している学校があります。こうした学校であれば、ハード設備はほとんど必要がないと思われますので、ハード問題に直面せず、小中一貫校を実施できるのではないかと思われます。教育委員会の御所見をお聞かせください。

 私は、小中一貫校は、なにも学力向上策としてだけ申し上げているわけではありません。例えば品川区の英語科では、外国の文化を受け入れ、聞く、話すなど実践に生きるコミュニケーション能力を身につけることを目的として、1年生から4年生には親しむを、5年生から7年生には身につけるを、8年生から9年生には活用するといった目的で、義務教育9年間のカリキュラムを教員全体で考えていくそうです。こうした取組によって、先生方の意識の改革も行われ、より高い教育効果が期待できるとのことであります。ぜひとも教育委員会におかれましては、こうした事例を多角的に検討していただきたいと思います。

 1問目の最後に、明倫中学校の跡地売却についてお伺いいたします。

 平成17年度の不動産売払収入として、明倫中学校用地21億1,600万円が計上されています。明倫中学校は、約3ヘクタールの広い敷地を有し、蓬川緑地とも連続した自然豊かな環境に恵まれた中学校でありますが、少子化の影響からクラス数も減少し、良好な教育環境の形成といった観点から、昭和中学校との統合が計画され、昭和中学校の位置で平成17年4月1日から中央中学校として新たなスタートを切ることになっております。今になって昭和中学校と明倫中学校の統合計画についてどうこう言うものではありません。平成17年度予算に、明倫中学校跡地活用方策検討事業費が計上されているので、その跡地活用方法などについて、順次お伺いしたいと思います。

 まず1点目ですが、当局にその事業の具体的内容をお聞きしますと、明倫中学校の跡地を売却するに当たり、入札価格だけでなく、開発計画も審査し、売却先の選定を行うとのことでありました。当該地域は、センタープールが隣接しておりますが、阪神センタープール駅前にも阪神出屋敷駅にも近く、また商店街にも隣接していることから、生活の利便性は非常に高い地域と思われます。また、用途地域を見ましても、第一種住居地域であり、大規模な店舗、事務所の立地を制限した、住居の環境が保護された地域であります。普通に考えた場合は、明倫中学校の跡地には大規模なマンションが建設されるのではないかと思われ、特に南部地域の人口の減少は著しいことからも、明倫中学校の跡地開発が契機となって、魅力ある住環境の整備が進むとすれば、尼崎市にとって非常に喜ばしいことであると思います。しかし、人口問題のところで少し触れましたが、西宮市では、子育て世代向けのマンションの建設ラッシュで児童数が増え、プレハブ校舎を建てることにより教室数の確保はしているものの、今後も教室不足は深刻となっていることから、マンション建設を事実上規制する指導要綱を4月から新設するとのことです。人口減少、特に中堅ファミリー層の人口流出に苦しむ尼崎市のことを考えれば、なんともうらやましい話であります。しかしながら、もし万一明倫中学校跡地が売却され、大型マンションが建設された場合、学校適正規模・適正配置計画が進められている今、西宮市のような事態が起こらないとも限りませんし、また新たに学校を新設しなければならないというようなことが起こらないとも限らないのではないかと、私は一抹の心配をしております。

 そこでお伺いいたします。

 現時点で明倫中学校用地においてどのようなまちづくりを考えているのでしょうか。また、平成17年度に実施する明倫中学校跡地活用方策検討事業において、どのような検討を行っていくのでしょうか。具体的なスケジュールも併せてお聞かせください。

 次に、隣接する琴浦住宅においても老朽化が著しく、浴室設備がないなど、急速な住環境の改善を図る必要のある琴浦住宅、西難波住宅、武庫川住宅との集約、建替えを行い、跡地の有効活用を行うとして、平成17年度は基本設計、実施設計などの建替事業費が計上されております。当然、後に民間開発が控えているわけですので、その地区の住環境を先導するような周辺環境に配慮した建築物のデザインであってほしいと思います。

 そこでお伺いいたします。

 例えば築地地区の市営住宅のように景観に配慮した住宅の建設なども考えられますが、現時点においては、市長はどのようなイメージをお持ちでしょうか。市長の考えをお聞かせください。

 以上で第1問を終わります。(拍手)



○副議長(北村保子さん) 答弁を求めます。

 白井市長。

   (白井 文さん 登壇)



◎市長(白井文さん) それでは、長崎議員の代表質疑に対しまして、順次お答えを申し上げます。

 まず、私の経験をどのように行政運営に生かしてきたのかといったお尋ねでございます。

 私が就任後、民間企業での経験を踏まえ、行政運営に生かしました特徴的なことは、サービスの受け手としての市民の皆様の意見を酌み取るしくみづくりと現場重視の組織運営でございます。市民の皆様の意見を酌み取るしくみづくりとしましては、車座集会、タウンミーティング、市長室オープントークなど、直接市民の御意見をお聴きする場を、また、パブリックコメントやネットモニターなど、市政に参画いただける場を設けて参りました。また、現場重視の組織運営を実現するため、時間の許す限り職場を訪問するとともに、職員研修などでも、市民本位の市政運営の必要性を説いて参りました。更に、民間のQC運動に相当する全庁的改革改善運動にも取り組んで参りました。私は、今後とも行政のよい点を伸ばしながら、民間企業の優れた手法を取り入れ、市民にとってよりよき市役所となるよう、行政運営を行って参りたいと考えております。

 次に、私の考える経営についてのお尋ねでございます。

 行政における経営は、住民の福祉の増進に向け、多様な社会的活動を営むことにありますが、民間企業における人材育成手法や顧客志向の経営手法など、学ぶべきところは大いにあると考えております。今まで事務事業評価や施策評価委員会などを実施して参りましたが、これらの取組は、行政を効果的、効率的に運営するための手法でありますが、まだまだ試行の段階であり、行政における経営システムとして機能するよう、更に工夫をして参りたいと考えております。

 次に、人口減少に対する認識についてでございます。

 昨日、畠山議員にお答えいたしましたように、本市の人口動態といたしましては、転出者数が転入者数を上回る転出超過となっております。平成16年の人口動態を見ますと、特に転入者が平成15年に2万1,577人あったものが平成16年には2万299人と1,278人減少していることが影響し、人口の減少が大きくなっているところでございます。平成16年の動きが一時的なものなのか、再び減少が増えていくものなのかは現状では判断できませんが、転出超過によって人口減少が続いている本市にとりましては、注視すべき課題と認識しており、その要因について探って参りたいと考えております。

 次に、人口動向と住宅の動向との関係についてでございます。

 本市における新築住宅は、ここ5年間、毎年4,000戸ほど建設されております。一方、市内の住宅の空き家戸数につきましては、平成10年の住宅土地統計調査によりますと、その総数は約3万8,000戸でございます。前回の平成5年の調査では、約1万9,000戸でございましたので、5年間で約2倍の増加となっている計算になります。なお、この調査は平成15年度にも実施されましたが、現在集計中であり、近々結果が公表されると聞いております。

 次に、新築民間住宅への他都市からの転入状況につきましては、確かなデータはございませんが、本市が実施しておりますファミリー世帯の持家取得資金利子補給制度の実績で申し上げますと、他都市からの転入世帯は約2割強となっておりますことから、ほぼ同様の傾向にあるのではないかと推察いたしております。

 次に、中堅ファミリー層の市外転出についてのお尋ねでございます。

 中堅ファミリー層の転出については、住環境や教育、働く場など、さまざまな要因が絡み合っているものと思います。中堅ファミリー層が転出することにより、コミュニティの活力低下や少子高齢化の加速などが懸念されることから、今後のまちづくりを考えていくうえで、人口移動の傾向や要因を把握していくことが不可欠であると考えております。そのため、来年度は、転入者、転出者及び市内居住者を対象に、まちの魅力や問題点などのアンケートを行い、中堅ファミリー層の転出をはじめとした人口移動の要因を分析し、今後の施策に生かして参りたいと考えております。

 次に、協働のまちづくりに関するお尋ねについてお答えいたします。

 まず、これまでの取組の成果についてのお尋ねでございます。

 本市におきましては、御指摘のありました各事業のほかにも、計画段階から実践までのさまざまな段階、形態での協働の取組を進めて参りました。例えば自然と文化の森構想策定推進事業では、市民が主体となって活動する組織が生まれ、また、尼崎ごみ減量作戦推進会議など計画策定に参画された市民の活動が発展して、新たな協働の取組に進んでいるものも出てきております。街なみ街かど花づくり運動においては、活動の広がりが高い評価を受け、それが更に活動の充実につながっております。これらは一例ですが、いずれにしましてもまちづくりや地域の課題などを主体的に考え、取り組んでいこうとする意識の高まりなどにつながっているものと考えております。

 今後は、市民の発意による取組などに行政としても支援、参画していくなど、事業の内容や状況等に応じた多様な協働、いわゆる双方向の協働を進めていくことが必要だと考えております。また、こうした協働の取組を進めていくに当たっては、庁内が横断的に連携し、取り組んでいくための体制づくりや、何より職員の協働のまちづくりへの理解や意識の醸成を図ることが必要で、今後も努力して参りたいと考えております。

 次に、協働のまちづくりの定義についてでございます。

 協働のまちづくりは、市民一人ひとりが自らの住むまちや地域に関心や問題意識を持ち、まちづくりや地域の課題に主体的、自主的にかかわり、自ら行動することから始まると考えております。また、協働のまちづくりとは、こうした市民はもちろんのこと、本市を活動の場として活躍する方々が、それぞれの責任と役割を果たしながら持てる力を発揮し、互いに連携し、支え合う自治基盤を築いていくことだと考えております。そうした協働の取組を重ねていくことで、暮らしを阻害する地域の課題が解決され、コミュニティが活性化し、そこに住み集う子どもから大人たちがともに支え合い、安心して暮らせるような活力と魅力のあるまちが実現していくものと考えております。

 次に、協働のまちづくりの必要性についてでございます。

 地方自治の原点は、住み集う人たちがともに力を合わせて自分たちのまちをつくり上げていくことにあると考えております。今日の地方分権の流れの中で、自己決定、自己責任により、地域の実情に即し、特性を生かしたまちづくりを行っていくことが求められており、そのためには、協働型の自治を進めていかなければならないと考えております。また、社会情勢の変化に伴い地域課題も多様化しており、行政だけでは解決しにくいものや、地域とともに解決することで、よりよい成果が期待できるものもあります。一方、これまでから地域で取り組んでこられた活動に加え、地域を越えて、社会貢献を目的としたさまざまな活動が展開されてきており、そのような活動を通じてまちづくりや地域づくりに積極的にかかわろうという市民の参加意識は高まりつつあると実感しております。そのため、これからのまちづくりは、地域にかかわる方々がそれぞれ役割を分担し、知恵を出し合い、工夫を重ねて解決に取り組む、いわゆる協働のまちづくりがたいせつだと考えております。

 市民自ら地域のことを考え行動し、また、そうした取組や活動が市民自身の生きがいにつながるような地域社会を市民の皆様とともにつくっていくことが何よりも重要であり、そうすることによって、行政だけでは成し得ない、活力と魅力に満ちあふれたまちづくりが実現していくものと考えております。

 次に、協働のまちづくりのための職員の意識改革についてでございます。

 職員の意識改革に当たっては、何よりも市役所は市民のためにある、職員は市民のためにいるという基本認識に立って取り組んで参りました。これまでの取組としましては、まずは職員が直接市民とかかわり、市民とともに考え、行動する経験を積み重ねることが、何より意識改革につながるものとして、事業の中に協働のしくみをできるだけ取り入れ、協働の事業の拡大に努めて参りました。また、職員も市民の一人として積極的に地域活動に参加し、地域の担い手となるよう促して参りました。更には、職員自らが問題解決に向けて取り組めるよう、全庁的改革改善運動も職員の意識改革の一環として進めて参りました。今後更に協働のまちづくりを進めていくために、協働の在り方や進め方についての基本的な考え方を庁内で共有し、地域と連携するための庁内の横断的な支援、協力体制づくりなどの課題についても取り組みながら、職員の醸成に努めて参りたいと考えております。

 次に、地域振興課の機能強化についてのお尋ねでございます。

 まず、各地域の抱える問題や課題などについてのお尋ねでございます。

 各地域が抱える課題や問題は、ごみなどの環境や防災、防犯、地域福祉、更には地域のまちづくりを担う人材の育成など、さまざまなものがあると認識しており、その解決に向けた取組手法も各地区によって異なるものと考えております。今後の地域振興課は、地域の個性や特色に十分配慮しながら、地域住民の皆様といっしょに課題を共有し、ともに考え、コミュニケーションを図ることにより、お互いを理解し、共感し合える信頼関係を築いていくことが重要でございます。具体的には、地域住民の皆様が自由に交流できる新たな交流の場の創出、地域コミュニティ活動に知識と経験を有するコーディネーターの派遣や地域活動への助成などを行い、グループのネットワーク化を図ることにより、自分たちのまちをよくしていこうとする地域住民の皆様の主体的な活動を支援して参ります。

 次に、地域振興課の機能強化に関連して、組織の在り方についてでございます。

 協働のまちづくりの推進は、全庁的に取り組む必要がありますが、コミュニティ推進課では、コミュニティ施策の策定や全市的に共通する課題についての調整を行う一方、地域振興課は、地域における具体的施策を推進する役割を担っているところでございます。今回の地域振興課の機能強化では、地域の保健、福祉、社会教育、学校などの行政組織で連絡調整会議を設置し、地域の抱えるさまざまな課題を共有し、連携して地域に応じた課題解決を図るため、地域振興課が中心に調整を行っていくとともに、地域活動に意欲のある人材の配置にも努めて参ります。また本庁でも、コミュニティ推進課が中心となって、関係各課が同じテーブルに立って協議するとともに、地域振興課とも互いに連携しながら、地域間相互のネットワークづくりや情報の交流に努め、地域での協働事業をバックアップして参りたいと考えております。

 次に、明倫中学校跡地の活用方策についてでございます。

 明倫中学校の跡地活用につきましては、昨年、地域住民や学校関係者などから成る懇話会を設置し、さまざまな地域課題を抽出しながら、地域の活性化に寄与するためのまちづくりを議論するとともに、広く地域の御意見を聴くための意見交換会も実施し、懇話会の意見としてまとめていただいたところでございます。懇話会からの報告書では、老朽化が著しい琴浦住宅、西難波住宅、武庫川住宅の集約建替用地として明倫中学校跡地の一部を活用することや、地域の人口の減少や高齢化、特に30代、40代の子育て世代の減少傾向が地域課題として顕著であり、民間活用による住宅地開発の誘導により、こうした若年世帯層の呼び込みや、定住につながるようなまちづくりをしていくことが求められております。明倫中学校跡地活用方策検討事業は、こうした懇話会からの意見を踏まえ、土地活用に当たっては、売却価格だけではなく、地域の活性化に寄与する開発事業を提案していただき、最も地域のまちづくりに効果的な事業を選定していくための事業でございます。

 具体的なスケジュールですが、平成17年度前半に土地利用方針の確定、敷地確定測量、校舎の除却、平成17年度後半に事業提案の募集準備、事業提案の募集から売却先決定、所有権移転までのそれぞれの事務を考えているところでございます。

 次に、琴浦住宅等の集約、建替えに伴うデザインについてのお尋ねでございます。

 築地地区の市営住宅は、尼崎城の城下町としての面影を表現した景観にしていることで評価を受けているところでございます。琴浦、西難波、武庫川住宅の建替事業のデザインにつきましても、蓬川緑地に隣接し、自然環境が多く残された地区の特性を生かし、景観にも配慮したものにしていきたいと考えております。新年度に具体的な設計に着手いたしますが、こうした考え方を基本に、本市の都市美アドバイザーチームによる専門家などの意見を伺いながら検討して参りたいと考えております。

 以上でございますが、他の教育に係ります問題につきましては、教育委員会から御答弁いたします。



○副議長(北村保子さん) 保田教育長。



◎教育長(保田薫君) 長崎議員の教育問題についての御質疑にお答えいたします。

 まず、学力・生活実態調査につきまして、対象を市内すべての小中学生に広げる考えはないか、こういうお尋ねでございます。

 学力・生活実態調査は、児童生徒の学習の定着度や学習意識、あるいは家庭での学習や生活の実態を全市的なレベルで把握し、今後の教育施策や学校の指導改善に生かすことを目的として実施したものでございます。平成17年度につきましては、今年度の調査結果との比較を行う必要があることから、同学年、同教科で調査を予定しております。18年度以降につきましては、学力向上施策の評価や学校での取組状況を踏まえまして、対象学年や実施教科等を検討して参りたいと考えております。

 次に、学校別の調査結果や対応策などをホームページで公表することについてどう考えているのかということでございますが、各学校におきましては、調査結果をもとに自分の学校の児童生徒の学習や生活指導の面での課題を明らかにし、具体的な取組を進めつつあります。こうした学校の取組につきましては、保護者や地域の方々の理解と協力がたいせつでございます。各学校がホームページや学校通信あるいは懇談会の場を活用しまして、保護者や地域の方々に学校の取組を公表し、意見交換などに取り組むことはたいせつであると考えております。しかしながら、現時点では、各学校やクラスの教科平均得点というふうなデータを公表することは難しいと考えております。

 次に、保護者への一方的な啓発だけでなくて、先生と保護者がいっしょに考える取組が必要なのではないかということでございますが、児童生徒が学習習慣や規則正しい生活習慣を身につけていくためには、学校と家庭、地域が一体となった取組を進めていくことがたいせつでありまして、学校においては学校通信、そういうものでそうしたことの必要性や学校の取組をお知らせし、理解や協力を求めているところでございます。このような学校全体としての取組と併せまして、教員が個々の保護者や児童生徒と個別に懇談し、具体的なアドバイスをするといった取組も既に行っているところでございますけれども、なおいっそうの充実を図って参りたいと考えております。

 教育委員会におきましては、こうした学校の取組に加え、更に家庭や地域での取組を充実させるために、学習習慣や規則正しい生活習慣の必要性や意義についても積極的に情報提供しまして、学校と家庭、地域、行政が一体となった取組を進めて参りたいと考えているところでございます。

 最後に、教育特区による小中一貫校の設立についてのお尋ねでございますが、小学校と中学校では教科指導の方法や学校生活の決まり等、大きく異なっております。小学校から中学校への移行をスムーズに行うという点から、小中学校の連携や交流につきましては、児童生徒だけでなく教員も含めて積極的に進めて参りたいと考えております。

 小中一貫校につきましては、9か年を見通した指導が充実するなど、メリットもございますけれども、一方で集団が9か年ほとんど変わらないという点で課題も考えられるわけでございます。現段階では、実施までは考えておりません。しかし、今後、東京都品川区等の取組について、その目的や指導体制、あるいは児童生徒の反応等の情報を収集いたしまして、研究して参りたいと考えております。

 以上でございます。



○副議長(北村保子さん) 長崎寛親さん。

   (長崎寛親君 登壇)



◆3番(長崎寛親君) 市長、教育長からそれぞれ御答弁をいただきました。たった今御答弁をいただいたばかりですので、私もまだ十分にそしゃくできていないところもありますが、しかし、総じて理解できるものもあれば、もっと突っ込んで御答弁いただきたかったなというふうに思います。いずれにしましても、今後予算特別委員会も設置されますし、予算分科会、総括質疑の場で更に議論を深めていきたいと思います。

 それでは、第2問目に入ります。

 2問目は、本市の歳入状況に大きな影響のある競艇事業と産業問題、中でも税源のかん養につながる企業誘致の取組について簡潔にお聞きして参りたいと思います。

 午前中の質疑にもありましたが、競艇事業は、皆様もよく御承知のように、戦災復興の財源を確保するため、当初はオートレース場の誘致を計画していましたが、膨大な費用を必要とすることから計画を断念し、昭和27年に兵庫県下でモーターボート競艇場誘致が話題となり、その際、西宮市と尼崎市が名乗りを上げたことが始まりであります。その際、大都市大阪市に隣接し、しかも阪神電車の駅のすぐ近くに競艇場があるという地の利、池であるので波浪が少なく、天候に左右されないという有利な条件があったので、誘致に成功したということであります。また、当時の開発経費は、現在の尼崎市と同様、当時も財政状況はひっ迫しており、一般市税などの一般財源はいっさい使わず、競艇事業による収益金のみで賄ったとのことであります。その後、市民の間で暴力追放の声高く、また青少年の不良化防止が叫ばれたこともあり、その声はボートレース廃止問題にまで広がり、昭和35年3月の本会議において、当時の市長である薄井市長が、昭和35年限りで競艇を廃止すると明言されたことにより、当時の議会でも大いにもめ、昭和39年3月において、現在においては社会的に好ましくない点は多いが、弊害をできる限り除去して、この財源をもって教育施設、社会福祉事業に貢献してほしいといった内容の陳情、要望が多く出され、結果的には存続が決定されました。以後現在まで、数多くの学校体育館や学校プールなど、教育施設の整備やその他の浸水対策、道路整備、市営住宅、公園整備、土地区画整理事業などの都市基盤整備のための経費に充てられてきたのであります。

 その競艇事業による収益金も、17年度末までに2,923億円も一般会計に繰り入れる予定であり、ピーク時の平成2年度には136億円を一般会計に繰り入れ、教育施設の整備に役立てております。しかしながら、平成17年度予算では、11億円しかなく、ちょうど昭和40年度当時の状況にまでさかのぼってしまった感であります。

 こうした競艇事業の再建は重要課題として、平成10年に学識経験者などから成る21世紀競艇プラン検討会を設置し、ファン拡大策として、サラリーマン層を対象にしたナイターレース開催の検討などの提言を受け、その後、ナイター開催検討の調査が行われました。

 そこでお尋ねいたします。

 21世紀競艇プラン検討会が設置され、既に7年が経過しようとしています。蒲郡ナイターレースの場間場外の発売なども実施されましたが、なお地域住民の方々との合意形成に力を注いでいることとは思います。しかしながら、その後、具体的にどのようなスケジュールでナイターレースの導入を検討し、進めていこうとされているのかが全く知らされておりません。あらためてナイターレースの導入に向けた考え方とその進ちょく状況について、市長の御答弁をお願いいたします。

 次に、競艇事業の将来展望についてお伺いいたします。

 さきほども申し上げましたが、現在の競艇事業から一般会計への繰出金は、ピーク時に比べ10分の1以下まで落ち、その間、公営事業においても、開催経費の削減や従事員関係経費の見直しなど、合理化を含めた経費の削減策に取り組んでこられましたが、現下の厳しい経済状況下においては、更なる悪化も予想されます。そうしたことから、今からでも他都市のように収益事業収入に頼らない財政運営に心がける必要があるかもしれません。しかしながら、現在の尼崎市の財政状況を考えた場合、11億円といえども貴重な財源に変わりはありません。平成17年度はなんとか3年ぶりの収支均衡予算が組めたというわけでありますが、依然として危機的な財政状況にあることは変わりありません。事実、財政調整基金など基金の取崩しや市債充当率のかさ上げや退職手当債などの市債発行や外郭団体に対する建設償還金補助金の繰延べや不動産売却収入など、種々の財政対策を行っての結果で収支均衡予算が組めたものであり、これらを含めた実質的な収支不足額は97億6,500万円となっております。つまり、競艇事業から繰出金がなかった場合は、109億2,200万円の実質的な収支不足となり、当然、平成17年度も3年連続でのいわゆる赤字予算の編成となっていたわけであります。

 そこでお尋ねいたします。

 現下の尼崎市の財政状況を展望するうえでも、競艇事業の将来展望を見据えることはたいへん重要な問題の一つであります。収益改善に向けた取組、更には今後の競艇事業の収益の動向などについて、市長の御所見をお聞かせください。

 次に、産業問題についてお伺いいたします。

 平成17年1月に、工業再配置促進法により、地方への工場移転を促すため、市域の阪急神戸線以南から国道43号以北の地域が移転促進地域に指定されていることから、尼崎市内の地域の解除を求める、ものづくりのまち「あまがさき」再生特区が申請されました。産業都市として発展してきた尼崎市では、事業所の過度の流出により、まちの活力にも影響がありました。事実、法律制定以降、多くの事業所が尼崎市内より市外へ移転が進み、併せて事業者数も激減したことから、法律の制定意義は達成したのかもしれませんが、尼崎市の産業に対する影響は非常に大きかったものと考えられます。こうしたことからも、ものづくりのまちとしての再生に向けて、既存のものづくり企業の技術力の向上支援としてものづくり支援センターの機能強化が図られ、また、新規創業の多角的な支援制度等の強化、更には大学の教育関連とも連携し、産業人材の育成に力を注ぐと同時に、平成16年10月に策定された尼崎市企業立地促進条例を活用し、外部からの新たな産業活力の導入を促進し、産業の振興策と雇用の促進による地域の活性を目指しているとのことであります。このような状況の中で、尼崎市にとっても再生特区の申請は非常に時宜を得たものであると思っております。

 そこでお伺いいたします。

 当然、特区を申請するからには、一定の事業効果を求めてのことだと思いますが、市長は具体的にどのような効果を見込まれて今回の再生特区の申請をされたのでしょうか。また、国の特区の可否を打診するなど、申請に至るまで非常に御苦労もあったと思いますが、申請に至る経緯や御苦労があれば、その点も併せてお聞かせください。

 次に、さきほども述べました尼崎市企業立地促進条例について質疑いたします。

 条例制定以降、既に半年が経過しようとしています。条例制定に先立って、関西電力発電所跡地に平成17年度秋には完成する松下電器産業のプラズマディスプレイパネルの製造工場の立地が発表されました。その後、立地促進条例の対象にはならないようでありますが、アメリカの大手不動産投資会社による大型物流施設の建設やダイハツ工業が車の海上輸送する際の港を尼崎港に移転するといった内容の新聞報道がなされたのみでありました。そこで、私なりに当局からの資料を取り寄せましたところ、市内移転企業が2社、市内で増設した企業が2社、新規立地が1社の計5社が立地促進制度の認定対象になっているとのことであります。

 そこで、まずお尋ねしますが、これらの企業の認定に伴う経済波及効果を市長はどのように見ておられるのか。また、現在の認定状況に関して、まだ条例制定後半年という期間を考えますと、それなりの手ごたえがあったとお考えなのか、それとももっと反響があると考えておられたのか、率直なところをお聞かせください。

 私は、神戸市のような、ポートアイランド第2期を中心とした、最先端の医療技術の研究開発の場を整備し、国内外の医療関連企業が集い、新しいビジネスが生み出される環境をつくり、活気あふれる神戸経済に貢献することを目的とした神戸医療産業都市構想のようなものが尼崎市にも必要ではないかと考えております。この神戸医療産業都市構想は、高齢化や医学の進歩により、21世紀には大きな成長が見込まれる医療関連産業の振興を図ることを目的とし、将来的には、海外、特にアジア諸国の医療技術の向上に貢献できる拠点づくりを目指しており、つまり将来を見通した神戸市の産業ビジョンなのであります。事実、バイオメディカル系の産業クラスター形成を実現するため、医療メーカー、医療機器メーカー、研究支援サービス企業、試験検査サービス企業、専門人材育成サービス企業など、数多くの企業誘致に努力されているようです。

 そこでお伺いいたします。

 尼崎市の企業立地促進条例の対象事業は、製造業、医療、福祉関連分野、情報通信関連分野、製造技術関連分野、環境エネルギー関連分野、バイオテクノロジー関連分野、ビジネス支援関連分野と多種多様の業種が対象となっております。ある意味総花的な企業誘致を行っているように思えてなりません。既に条例は可決され、施行されておりますので、今から対象事業を見直してほしいというものではありません。しかしながら、やはり尼崎市の産業の特徴を捕え、地域産業の高度化やベンチャーの育成等がより加速されるような業種に重点を置いた取組も必要と考えます。市長の御所見をお聞かせください。

 次に、企業誘致に際しては、その企業が進出したいと感じるような条件整備が必要となります。そのためには、常に進出するための用地を用意していく必要があると思います。過去を調べてみますと、南部地域は、尼崎武庫川工業団地、尼崎コスモ工業団地や、北部地域では尼崎田能工業団地など、数多くの工業団地が尼崎市に進出するための用地として提供されてきました。しかし、現在は、南部の臨海地区において、産業の育成支援拠点として尼崎臨海地域がこれまで蓄積してきた環境、技術、製造ノウハウなど高い技術的ポテンシャルを生かし、新産業の育成や既存産業の高度化を支援するための産業等施設用地として、約8ヘクタールの用地があるだけのように記憶しております。

 そこでお尋ねいたします。

 どのような企業から打診があっても、民間企業が保有する遊休地も含めて、すぐさま柔軟な対応ができるような用地の情報のストックはあるのでしょうか。また、具体的にどれくらいの情報のストックがあるのか。更に、そうした情報の公開はできないのでしょうか。お答えいただきたいと思います。

 次に、企業誘致の体制の整備強化についてお尋ねいたします。

 神奈川県におきましては、企業の誘致体制の整備強化策として、企業の相談窓口を一本化し、ワンストップを実現するための体制づくりを図るため、法律や税務、建築、不動産など、企業進出に関する専門知識をそれぞれ持った人材を配置した、かながわ企業誘致ワンストップ・ステーションを設置しております。これは、新規に工場等を建築したり、そのための用地を取得する際には、法律や条件等に基づく届け出や許可が必要であり、そのための手続きも複雑となっていることから、開発許可等、また企業の課題をワンストップで受け止めることにより、行政対応のスピード化を図り、諸手続きや照会回答に要する時間を従来よりも短縮するとともに、専任の担当者によるフェイス・トゥ・フェイスの関係を構築するために設置されたものだそうです。

 そこでお尋ねいたします。

 本市においては、産業経済局の産業立地課が企業誘致の窓口となっていると思います。そして、松下電器産業のプラズマディスプレイパネルの製造工場の建設の際には、開発許可等の手続きなどは関連部局との連携により非常に大幅に時間を短縮し、許可が下りたとも伺っております。しかしながら、やはり多局にまたがっていることから、手続きに多少の時間はかかっているものと思います。そこで、神奈川県のようなワンストップ・ステーションを設置されてはどうかと考えますが、いかがでしょうか。市長のお考えをお聞かせください。

 産業経済省の外郭団体で企業立地のコンサルタント業務などを行う財団法人日本立地センターの徳増常務理事は、企業は周辺の環境や産業集積度合い、本社や他工場との距離などを最優先して立地場所を決める。補助金など優遇策は決め手にならないと指摘しております。尼崎市は、道路網が発達し、交通利便性は優れておりますが、工場など新規建設を進める好調な業種は、現在のところはデジタル家電などに限られた業種であり、少ないパイを奪い合う状態にあります。こうした中で、厳しい都市間競争に打ち勝つには、関連手続きの窓口の一本化も企業ニーズに合致する取組の一つだと私は思っております。市長のきたんないお考えをお伺いいたしたいと思います。

 以上をもちまして、清風会を代表しての質疑を終わらせていただきます。

 本日の質疑で十分ただせなかった点やこの他の案件につきましては、引き続き分科会、総括質疑などで会派の先輩議員が質疑して参ります。

 御静聴ありがとうございました。(拍手)



○副議長(北村保子さん) 答弁を求めます。

 白井市長。

   (白井 文さん 登壇)



◎市長(白井文さん) それでは、長崎議員の第2問目の御質疑に対しまして、順次お答え申し上げます。

 まず最初に、競艇事業についてのお尋ねでございます。

 本場におけるナイターレースにつきましては、競艇場周辺の連協及び大庄地区内の各種団体を対象に、ナイターレースに関する基本調査結果説明会を実施させていただき、地域からは数多くの御意見、御要望をいただきました。現在、地域から寄せられた意見等を踏まえ、必要な対策の検討を行うとともに、本年度からナイターレースを実施した若松競艇場の売上げ状況等のデータを分析するなど、さまざまな角度からナイターレースの採算性の検証を行っているところでございます。今後につきましては、売上げの減少が続く厳しい状況下において、本市が実施する場合に収益が確保できるのかどうか十分に見極める中で、市としての判断を行って参りたいと考えております。

 次に、収益改善に向けた取組についてでございます。

 競艇事業につきましては、平成3年度をピークに売上げの減少傾向が続く中で、特に一昨年から減少幅が更に拡大する傾向にあり、収益の急激な悪化をもたらしているところでございます。今後におきましても、急速な売上げ回復が見込めない状況にあることから、可能な限り早い時期に経営改善計画を策定し、コスト削減に取り組んでいくことといたしております。

 次に、産業問題に関するお尋ねについてお答えいたします。

 まず、ものづくりのまち「あまがさき」再生特区についてでございます。

 今回申請しておりますものづくりのまち「あまがさき」再生特区の対象地域は、市域の約3分の2に当たり、製造事業所の約8割が集積しております。特区認定によりまして事業所の市外流出に歯止めをかけるとともに、企業立地促進条例などを活用して、市内での増設などが期待でき、関連産業への波及効果あるいは新たな雇用が創出されるものと考えております。

 次に、申請に至る経過についてであります。

 これまでから、国におきましては、工業再配置促進法は、工業の分散を図る手段として今日なお有効であるとの考えから、指定解除などにつきましては否定的でありました。しかし、製造事業所数の減少など、本市を取り巻く厳しい社会経済状況やものづくりのまちとしての再生に向けた本市の取組姿勢などにより、特区申請に至ることができたものと考えております。

 次に、企業立地促進条例の認定に伴う経済波及効果などについてでございます。

 企業立地促進条例施行後、これまでに5社の認定を行いましたが、この5社の投資額は約15億円、34人の新規雇用が予定されております。その後も松下電器を含む3社から申請があり、年度内に審査会を行う予定でございます。このほか、条例の適用や立地に関して、今年度には100件以上の相談が寄せられており、企業の関心の高さを感じております。こうした企業の新規立地や増設等により、雇用の拡大、税収の増加、地域経済への波及効果を期待しているところでございます。今後もこうした流れを加速するよう、企業立地促進の取組を強化して参りたいと考えております。

 次に、育成業種の重点化などについてでございます。

 本市の基幹産業はものづくり産業であると考えており、雇用や関連産業への波及効果が高いことから、企業立地促進条例においては、製造業及び研究開発施設を対象業種といたしました。特に国の新産業創造戦略に示されている情報通信、バイオ、環境などの今後成長が見込まれる産業を重点分野として定め、企業の立地を図って参りたいと考えております。

 また、地域産業の高度化や新規産業の育成を図るため、新年度にはものづくり支援センターの機能強化や試験研究機関のネットワーク構築、新産業・新事業立地促進事業などに取り組んで参りたいと考えております。

 次に、産業用地の情報についてでございます。

 市内への企業誘致を促進するためには、企業の立地動向や用地情報の迅速で的確な把握が重要でございます。そのため、金融機関や建設関連企業、また経済団体等と随時の情報交換や職員による日常的な調査活動などにより、民間企業等が所有する潜在的な遊休地や空き工場等の情報の把握に努めており、現在約20か所、面積で約57万平方メートルの情報がございますが、これらすべてがすぐに使用できるというものではございません。用地情報の公開につきましては、所有者の意向に基づき、公開、非公開の扱いを決めており、希望があれば市のホームページの中での産業用地情報として公開しております。

 次に、企業誘致窓口の一本化についてでございます。

 今回の松下電器の工場建設に係る行政内部の手続きにつきましては、産業立地課がいわばワンストップセンター機能を担い、庁内関係課と連携し、協議調整を進めました結果、その迅速な対応を企業側から高く評価いただいたものと考えております。

 立地における手続きがスムーズに進むことは、企業にとりまして大きなインセンティブでもありますので、今回のこうした経験を生かして、今後ともワンストップ機能の充実を図りながら、よりいっそう手続きのスピード化に努め、企業の立地促進に積極的に取り組んでいく考えでございます。

 以上でございます。



○副議長(北村保子さん) 長崎寛親さんの質疑は終わりました。

 この際、休憩いたします。

                      (午後2時31分 休憩)

 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

                      (午後3時 再開)



○議長(新本三男君) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 代表質疑を続行いたします。

 発言を許します。

 飯田浩君。(傍聴席より拍手する者あり)

 この際、傍聴人に申し上げます。

 傍聴人は、拍手などの行為は禁止されておりますので、静粛に願います。

   (飯田 浩君 登壇)



◆10番(飯田浩君) 市民自治クラブを代表して、新年度予算案その他について代表質疑をさせていただきます。

 初めに、市長の退職金の問題について、この退職金500万円条例に賛成をした会派として一言聞いておきたいと思います。

 尼崎の市長の退職金を500万円にするという条例が否決をされました。一昨年の予算議会で、白井市長の退職金のみを500万円とするという提案が出されたとき、このときはほかの三役とのつり合いというような議論はありませんでしたが、谷川議員にいろいろこの場で質疑をさせていただきました。

 さて、この市長退職金については、3年前に廃止を求める市民から陳情があり、審議の結果、不採択とされています。そのやり取りを見てみますと、当時宮田前市長は、4年間で3,550万円の退職金は適切な額であるとしていたのですが、それに倣って、当局は市長退職金を減らす気はないと答弁。議員の側では、市長の退職金は高過ぎると述べた人が3人、適正であると述べた人が1人、高いか低いかについては意見を述べず、市長のほうで判断すべきこととした人が1人などとなっています。今でこそ減額そのものは問題ないような議論になっていますが、尼崎市長の退職金は高すぎます。4年で500万円に変えますという選挙公約は、市民の関心を市政に向けさせた画期的なものだったと思います。もともと市長の退職金に理屈などはあらかじめないと思っています。行政委員会の非常勤の偉い人の報酬でもいっしょです。教育委員会の委員長でも、三田は9万円、静岡や船橋では12万円。尼崎26万円の半分以下です。選挙管理委員会の委員長でも、姫路は13万円、静岡や船橋は7万円というように、19万円の尼崎と極端な開きがあります。要するに、同じはずの労働の価値がまるで違っていて、高すぎるとか要らないという人が出てくれば、やがてそういうふうになっていくのです。だから、市長が500万円の退職金を提案したとき、世の中の偉い人の退職金が高すぎると思う私たちは、助役とか三役とかとの整合性うんぬんよりも、これをきっかけに安いほうに変えていけると思うから支持をするし、反対するなら、こっちでどうだと対案を出すわけです。

 けっきょくのところ、今回は市長退職金の500万円も他の三役の退職金引下げも否決という、市民から見たら得にならない結果になったと思いますが、市長の率直な御感想はいかがでしょうか。

 さて、改革派と言われる白井市長だからこそできると思われるもう一歩の改革を二つお願いしたいと思います。

 一つは、さきの12月議会で、市の情報公開と個人情報保護制度についての見直しが可決をされ、新年度より実施されます。この個人情報保護の問題について、以前私は、他人の住民票を安い手数料で自由に閲覧、書き写しができるため、個人情報が野放しになって、業者のダイレクトメールに利用されていると指摘をしました。これに対して市当局は、住民基本台帳の閲覧手数料を大幅に引き上げるという条例改正を行いましたが、それによって不特定多数を対象とした住民票の閲覧はなくなったでしょうか。法律では原則公開となっている住民基本台帳ですが、営利目的のために個人情報を大量に閲覧したり、更にはDV、家庭内暴力の加害者やストーカーへの住所、氏名、生年月日、性別の閲覧と書き写しなどの情報提供は、だれが考えても納得のいかないことです。昨年の6月に熊本市議会が賛成多数で可決、8月から施行された住民基本台帳に係る個人情報の保護に関する条例では、ストーカーなどへの住民票の写しの交付拒否はもちろんのこと、公益的な利用以外での大量閲覧を防止するために、条文の中に、氏名、生年月日、住所などで被閲覧者を特定できない場合の閲覧を拒むという1項を入れました。つまり、不特定多数の閲覧は認めないということです。新聞報道によると、佐賀市など多くの自治体がこれに続いているようです。尼崎でも、この際、市民の個人情報の保護を更に徹底させてはいかがでしょうか。

 もう一つ、11年前、平成で言うと6年になります。西暦の1994年に、私は公文書への西暦併記を求める一般質問を行いました。主権在民の憲法を持つ国民が、天皇の在位期間で時代を区切るということへの疑問ということもあるのですが、それよりも何よりも、元号だけでは不便すぎます。昭和52年は今から何年前ですかというような問いに、とっさに答えが出てきません。国際化と言われ、コンプライアンスとかハザードマップとかパブリックコメントとかロードプライシングとか、外来語のはん濫する時代に、どうして年の表記だけは元号のみなんでしょうか。

 西宮市は西暦併記と聞いています。札幌市が去年の8月1日から西暦の併記を始めています。併記の際に、西暦が先とか元号が先とか注文をつけることはしませんから、とにかく尼崎市でも西暦併記を進めてください。白井市長、いかがでしょうか。

 次は、市役所のほうの体質を問う質疑です。

 市役所の体質がより透明で、そして分かりやすく、責任の取れるものになってきているのかどうか、それを問いたいと思います。

 昨年9月議会で、私のところに回ってきた匿名の文書に基づいて、議員の口利きによって、市がある建設会社から徴収すべきだった特別土地保有税と延滞料1億2,000万円を取らずに見逃したというのはほんとうか、また、徴収猶予の期間中であっても、相手が土地を転売した場合には、この税は徴収しなければならないと定められている。転売の明らかになった時点で、市はどのような判断、決裁をしたのかと質問をしました。当局の答弁は、今後引き続きできる限り事実関係の調査を続けて参りたいと考えておりますというものでした。

 そこで、調査の結果についてお尋ねいたします。

 まず、議員の口利きはあったのか、なかったのか。それについてのうわさはどうだったのか。当時の最高責任者であった元理財局長については、調査の対象としたのかどうか。彼はこの件を知っていたのか、彼はなんらかの指示を出していたのか、こういう質疑です。

 このケースでは、税支払いの猶予を4回も行っており、その最後の猶予のときには、平成10年3月末までにマンション建設に着手をしなければ、さかのぼって課税すると通告までしています。間違っても忘れられるケースではなかったはずです。また、転売の明らかになった時点で、当然徴収の決裁をしなければならないわけですが、決裁文書の起案、つくるところから承認までの経路はどうなっているのか。この経路をたどることはできるのかどうか、これが二つ目の質疑です。

 2003年3月の時点で時効にかかったとはいえ、市民に1億2,000万円の損害を与えた者の責任は大きいはずです。市長はどうやってその責任を果たすつもりなのか。当時の責任者に退職金を返上させるなどの手だてはとれないものなのか、お考えを聞かせてください。

 もう一つ、水道局。2003年の9月議会で、15年前につくられた11階建て90戸のマンションの水道工事が無届けでされていたことを、水道局は今ごろ初めて知った。そのため、給水装置を新設するときに徴収される分担金1,100万円を市水道局は取り損ねたままでいる。そればかりか、同じときに同じ建設会社、同じ水道業者がつくった塚口の4階建て40戸のマンションでも、今度はマンションではなく事務所と言い張られて、本来徴収すべき分担金600万円を、ここでも取り損ねた。このようなことをどう防いでいくのか、悪徳業者へのペナルティはどうなっているのかと質問をしました。この件について答弁はありましたが、その後、実際にこれらのケースについてどのような改善策が実行されたのか、お答えをいただきたいと思います。

 申し訳ありません。ちょっと質疑の順序を間違えまして、最初にすべきだった質疑をあらためてさせていただきます。

 2002年の11月、尼崎に全国最年少の女性市長が誕生しました。わずか32パーセントという低い投票率で、大きな支持組織といえば、率直に言って共産党ぐらいしかなかったのに、どうして6万2,308票もの支持を得ることができたのでしょうか。この選挙にかかわったみんなが、尼崎を変えようと叫んでいました。どんなふうに変えたいのか、混とんとしていましたが、その中におよそ三つの流れがあったと思います。一つは、建設、土木、水道など、これまでの公共事業の継続で、自分たちには行政がなかなか目を向けてくれないと感じていた産業や商業のニューリーダー、起業家とも言える人たちです。この人たちは、古い癒着の構造を断ち切っていくために、情報公開の徹底やガラス張りの市長室や市長との直接対話といった白井さんの公約を支持しました。また、福祉の後退を市民の生存の危機と心配した人たちがいます。この人たちにとって、阪神尼崎駅前の空中回廊庭園都市や4年で3,500万円といった市長の退職金の一方で、国民健康保険料が支払い困難な額に引き上げられていったり、老人、障害者、母子などの福祉医療の改悪が進むのは、我慢のならないことでした。更に、お役人、官僚主導の地方自治から、分権、市民が主役の住民自治、市民自治を目指す市民派の人たちが、政治の無視できない流れの一つになってきました。まちづくりのために市民自治基本条例や住民投票の制度をつくったり、子どもの権利条例、審議会での市民の発言の機会の確保などが市民派潮流の要求です。

 こうした三つの流れを背景に当選した白井市長が、まさにこれから真っ白なキャンバスに絵を描いていくと表現をされたわけですが、早いもので、もう市長就任後3年目の予算を提案する時期となりました。この時期で、白井市長は、自らの公約の何ができ、また何ができず、そして、残りの期間、何を重点的に施策を進めようとされているのか、考えをお聞かせください。

 以上で第1問を終わります。(拍手)



○議長(新本三男君) 答弁を求めます。

 白井市長。

   (白井 文さん 登壇)



◎市長(白井文さん) それでは、飯田議員の代表質疑に対しまして、順次お答えを申し上げます。

 まず、退職手当に係る条例の採決結果に関するお尋ねでございます。

 今回の三役の退職手当に係る条例については、私の公約の実現や特別職報酬等懇話会の提言、更には市民からの意見を考慮する中で提案させていただきましたが、結果的に御理解を得られなかったことについては、たいへん残念な思いをいたしております。

 次に、個人情報保護についてのお尋ねでございます。

 まず、不特定多数を対象とした住民票の閲覧についてでございます。

 住民基本台帳法第11条第1項に、何人でも市町村長に対し住民基本台帳の一部の写しの閲覧を請求することができると規定されており、その請求が不当な目的によることが明らかな場合等を除き、これを拒むことができないとされています。しかしながら、近年の社会情勢の変化や市民の個人情報の保護に対する意識の高まりから、兵庫県戸籍住民基本台帳事務協議会として、全国連合戸籍事務協議会を通じて、毎年国に対して、閲覧は公共目的に限るとする法改正を行うよう要望を行っているところでございます。なお、DVやストーカー被害者に対しましては、既に住民基本台帳の閲覧の制限を加えているところでございます。

 次に、公文書への西暦併記に関するお尋ねでございます。

 本市の公文書における年号の表記につきましては、戸籍事務など、法令や条例などに定めのあるものは、統一的な事務処理を図る観点から、原則として元号を使用することといたしております。しかしながら、年次的な比較が必要な統計資料や、整理の都合上西暦の使用が適当な刊行物、外国あての文書などにつきましては、必要に応じて西暦の使用や元号と西暦の併記も行っております。今後とも可能なものにつきまして西暦併記して参りたいと考えております。

 次に、特別土地保有税に係る一連のお尋ねにお答えいたします。

 本件につきましては、総務局によりまして、個別あるいはいっしょに、既に退職した職員を含め、関係職員13人への聞き取り調査延べ10回や関係書類の精査を行いましたが、当時どのような処理が行われたかを究明できるまでには至らなかったところでございます。特別土地保有税につきましては、譲渡等により非課税土地としての適用がないことが明らかになった場合には、徴収猶予を取り消すことになりますが、これを行わなかったことにつきましては、賦課徴収事務の執行上違法であったと考えております。また、当然行われるべき事務処理が行われておらず、事務処理、事務執行体制においても問題があったと考えております。しかし、発生から7年以上が経過しており、関係者の記憶があいまいで、かつ、一部話に食い違いがあり、更に書類がほとんど残っていないことから、いまだ不明な点があるものの、内部による調査は限界という判断をいたしたところでございます。

 しかしながら、税務行政は歳入の根幹を成す市税の賦課徴収業務を担うものであり、関係法令に基づき、適正かつ公平な課税と適正な徴収を実行しなければなりません。それを踏まえ、今回の事実は行政の公平性、また信用を失墜するものであり、私の責務として、今後違う手法による新たな調査を実施して参ります。

 次に、無届けで施工される給水装置工事の防止に関するお尋ねでございます。

 水道の給水装置工事を利用者が施工する場合は、尼崎市水道事業給水条例に基づき、事前に水道局へ申し込み、その承認を得ていただくことになっております。分担金につきましては、給水装置工事の申込みに伴って納入していただきますので、通常は未払いとなることはありませんが、無届けで工事が行われた場合には、分担金が納入されないことが発生いたします。これを防ぐためには、無届けの工事を防止すること、また、仮に無届けの工事がされていた場合、早期に発見すること以外に方法がございません。そこで、無届けの工事を防止するため、建築確認申請と給水装置工事の申請に相違がないかを定期的に確認するなど、市内部の連携を密にするとともに、施工主等に対しまして、指定給水装置工事事業者を通じまして、無届け工事の防止について啓発に努めております。更に、無届け工事の早期発見のためには、水道メーターの検針時において、建物の建替え、改築などの状況によりいっそうの注意を払い、変化を把握したときは、直ちに現場調査及び台帳照合を行い、必要とする届け出の有無とその内容の確認をするなどの取組を行っているところでございます。

 なお、事例の一つにつきましては、当初当該建物がマンション形態ではありませんでしたが、その後マンション形態となっているもので、それにより分担金に差額が発生しております。その後、この物件は差押え物件となり、現在は整理回収機構の所有となっておりますので、次の所有者にこの分担金の差額につきまして説明を加えていただくようお願いしているところでございます。

 もう一方の事例につきましても、当初当該建物がマンション形態ではありませんでしたが、その後マンション形態となっているもので、当時の建物所有者及び工事事業者につきましては、所在不明となっているものであります。このため、現在の建物所有者に対しまして、工事の届け出をしていただくよう申入れをしているところでございます。

 いずれにいたしましても、今後もよりいっそう厳格な事務執行に努めて参ります。

 次に、私の公約の達成状況などについてのお尋ねでございます。

 昨日も答弁申し上げましたとおり、私が市長選挙の際に市民の皆様にお示しいたしました公約の一つ一つにつきまして具体的な進ちょく状況は申し上げられませんが、これまで、その大半につきまして取組を進めており、その実現に向け、引き続き努力する責務があると考えております。残された課題のうち、特に子どもの権利条例などにつきましては、現段階でなかなか取組が進んでいない状況でございますが、課題を整理する中で取組を進める努力を重ねて参ります。

 次に、住民基本台帳の閲覧手数料を大幅に引き上げるということで、不特定多数を対象とした住民票閲覧がなくなったのかどうかというお尋ねでございます。

 受益者負担の適正化及び阪神間各市との均衡化を図るため、平成15年10月から手数料条例を改正し、閲覧手数料の徴収単価を簿冊から件数に変更いたしたところでございます。その結果といたしまして、閲覧件数が抑制され、前年度と比べ半減し、一方、手数料につきましては、徴収単価を変更したことにより、大幅な増額となっております。ちなみに、閲覧件数は9万1,100件が4万6,740件へ、徴収金額は117万3,000円から1,402万2,000円となっております。

 以上でございます。



○議長(新本三男君) 飯田浩君。

   (飯田 浩君 登壇)



◆10番(飯田浩君) 今のお答えについてですけれども、いちばん最後に答えられた住民票の大量閲覧の防止策なんですが、9万件が約4万件に減った。4万人の人が住所を写し取られているわけですね。予算は100万円ぐらいから1,400万円ぐらいに増えたというようなことだと思うんです。しかし、確かにお金はもったいないといえばもったいないんですけれども、市民の市役所への信頼という価値を考えると、やっぱりこういう自由に大量閲覧させるということは、絶対に防止すべきだというふうに思います。いろんな方法があります。例えば、今、1人書いたら300円にしているやつを1,000円にすれば、更に減るでしょう。それから、1回に閲覧できる時間を極端に短くすれば、件数も減る。しかし、いちばんはっきりしているのは、熊本や佐賀が、今この議会で提案されているようですけれども、やっているように、要するに、相手の特定できないものの閲覧を認めないというふうにすれば、問題は解決するというふうに思うわけです。ぜひ検討してみていただきたいと思います。

 それから、市長の公約についての問題なんですけれども、これは市長のお考えになることですけれども、私の希望として、あるいは市民自治クラブの希望としては、やはりぜひ在任中に、住民参加、住民がほんとうに自治体の主役になる、主人公になる、そういうルールを、地方自治を運営していく、まちづくりをやっていくためのルールを、日本国憲法みたいな尼崎市憲法みたいなものを、前の議会でも申し上げましたけれども、そういう市民自治基本条例をぜひ手がけていただきたいということを申し上げておきたいと思います。

 それから、税務のほうについては、この部署がそもそも市民の信頼を失ったら、もう終わりですよね。だれも税金を払いませんよ、いいかげんなことをしていたら。そういう観点から、私もその後担当の方から説明を受けましたけれども、市職員同士とはいえ、調査は当時の関係者全体に対してかなり真剣に行われているように感じました。そして、伺った範囲では、実は全体がかなりこの事件を克明に記憶に残しているという印象を受けました。もちろん人によってまちまちですけれども。ただ、どういうわけか、上にいくほど記憶にないという人が増えてくるという特徴がある。非常に悪い後味が残るんですね。今後とも処分の確定というような問題もありますし、きちんと調査を続行してもらいたいというふうに思います。

 それから、水道のほうなんですけれども、ちょっとこういうことを言うとあれなんですけれども、私は、ちょっとこの事件も疑問があるんです。というのは、塚口の40戸のマンションのほうなんですけれども、実は、水道局が1990年にこの業者さんに誓約書を書かせているんですね。その内容は、申請のときは貸し事務所にしている。分担金が違ってくるわけですね、事務所とマンションでは。申請時は貸し事務所にしている。しかし、後で賃貸住宅に変わった場合には、分担金や諸費用いっさいを当社のほうで処理をして、水道事業管理者には迷惑をかけませんという誓約書を書かせているんです。要するに、水道局の担当の方は、初めからマンションに違いないと疑っていたわけですね。だから600万円取らないといけないと思って、誓約書まで書かせたわけです。普通に考えると、完成してからすぐに見に行くはずだと私は思うんですよ。マンションか事務所ビルかの区別もそこですぐつくはずですね。それでも、実際には分担金は徴収しなかった。非常に不自然です。不自然だからこそ、問題が明らかになったときに、直ちにどこまで調査をするかで、実は組織の体質が明らかになる。税務部門と水道局の二つを比べてみると、私は、この二つには、そういう点で市民の税金を扱うという立場からいって、かなり体質に差があるように感じました。この600万円の損害は、少なくともだれが責任を負うのか、これから水道局の内部で検討して、明確にしておいていただきたいというふうに思います。

 2問目に移らせていただきます。

 2問目は、主に生活の問題、福祉の問題を中心にやりたいと思います。

 最初は、今水道の問題をやりましたので、水道料金にかかわる問題で質疑をさせていただきます。

 水道局の料金値上げ案の説明によりますと、今年度末の累積赤字は21億円、新年度2005年度から2007年度、平成19年までで19億6,000万円の赤字の見込み、足して約41億円の累積赤字になるということです。今年までの21億円の赤字は、市民は使っていないんだけれども、だから水道料金は入ってこないけれども、卸である阪神水道企業団から市が買う約束をしているために、そちらに支払ってきた金額とほぼ同額になります。そして、これから3年間も、使わなくても企業団に払う水代の合計は、今年の空払いの決算見込みがやはり7億3,000万円ということですから、20億円以上にはなります。つまり、見通しが違ってしまって、尼崎市民が使わない阪水の水を余分に買い続けなければいけなくなっていることが水道局の赤字の主たる原因であり、水道料値上げの理由なわけです。この問題の解決は簡単にはいきませんが、しかし、急がなければいけません。

 神戸や西宮との購入する水の責任分担水量の見直しでの合意、固定費は基本料金で、変動費分を使用料金でといった料金設定の見直しの検討など、当面の方策を幾つか考えることができると思いますが、水道局のお考えはいかがでしょうか。

 尼崎水道の一日平均の配水量は、2003年度で18万立方メートル、最大配水量は20万8,000立方メートルです。一方、公営企業審議会の答申で、2025年度、平成37年度の人口を42万人と、今より約4万人少なく想定したときに、一日平均配水量18万3,000立方メートル、最大配水量22万9,000立方メートルと、現在よりも高い数値を推計されています。しかも、この数字は、低く見積もった場合です。人口が4万人も減っても配水量は増えるというしくみを、できる限り具体的に説明をしてもらいたいと思います。

 阪神水道企業団によると、淀川の大道ポンプ場からの導水路が尼崎市内で漏水事故を頻発させているということです。また、阪神淡路大震災で被災した猪名川浄水場ろ過池の本格的な復旧更新工事が早急に必要で、その場合、工事中には水の供給能力が大きく落ちてしまうとしています。企業団によると、1994年度に最大給水日量97万5,000立方メートルとピークを記録しており、尼崎浄水場の2期整備工事を実施しないと、さきの更新工事を行った場合、供給能力が日量約75万立方メートルまで低下するということです。阪水の財政計画では、2007年度に新尼崎浄水場2期整備工事63億円について、着工に向けての調査費を計上するとしていますが、このようなもともとの計画とは関係のない理由で2期工事の必要性を説明されるのも納得がいきませんし、また、工事完成によって新たに18万6,500立方メートルの供給が可能になると、尼崎市の負担が、水を使わないのに更に高まるというふうに考えられます。

 市は、答申を受けて、この2期工事も含めた5期拡張事業による受水の予定分3万5,000立方メートルを減らすと発表されていますが、3万5,000立方メートルを減らすというふうに尼崎市が判断をされた、その根拠はどのようなものでしょうか。お尋ねをいたします。

 次に、国民健康保険、介護保険の問題について。

 さきほどの共産党の代表質疑でもありましたけれども、尼崎市では、全世帯の51パーセント、人口の40パーセントが国民健康保険に加入をしていますから、保険料の問題はほんとうに切実です。年収180万円の2人世帯の今年の保険料は20万1,000円で、その前の年より3万9,600円増えています。正確に言うと20万1,360円で、その前の年より3万9,600円増えている。この世帯が、今年も新年度も所得割の料率が変わらないとして、新年度予算では均等割と平等割分で確実に8,040円は更にアップをします。つまり、保険料は20万9,400円です。年収180万円の人の11.6パーセントが保険料になります。保険料を払った残りが159万600円。1か月にして13万2,550円。この13万円で家を借りて、飯を食って、治療に通っていきます。きつすぎると思いませんか。国民皆保険とうたいながら、もはや夢のまた夢というのが現実です。

 国の保険料法定軽減に加えて実施していた市の自主減免制度をすべて廃止したのは、全く誤っています。職員の市内在住を促すために、在住職員に毎月3,000円ずつ手当を払うような賃上げはやめて、もう一度1億円から2億円の財源を用意し、自主減免制度を少しでも復活させるべきだと考えますが、いかがでしょうか。

 次に、介護保険の問題なんですけれども、厚生労働省の2003年度介護給付費実態調査によると、1年間の間に要支援の認定を受けた人の31.8パーセントが要介護1以上へ移行して、要介護1の18パーセントが要介護2以上に移行しています。重度化ということで、この要介護度の移行を見てみると、要介護2の人は27.9パーセントが要介護3以上に、要介護3の人は29.9パーセントが要介護4以上に、要介護4の人は22パーセントが要介護5へというふうになっており、けっきょく要支援からの移行がいちばん多く、要支援というのは、もともと、できるだけ長く要介護に行かなくて済むように、介護のお世話にできるだけならずに、そういう期間を長く設けられるようにということでつくった制度なんですけれども、実際にやってみると、要支援から要介護1に移行する人がいちばん多いということが出ているわけですね。

 この要介護度の変化を尼崎で見るとどのようになるのか、これを教えていただきたいというふうに思います。

 その次に、福祉医療の問題。

 高齢者、障害者、母子などの福祉医療制度の見直しについて、市長は昨年から現行制度の維持を強く県に申し入れ、また、市議会でも県への意見書を採択しました。にもかかわらず、新年度予算案においては、県の改悪に追随をし、年間で言えば3億5,000万円の費用がこれによって浮くという極めて厳しい提案をされています。公明党の代表質疑にあったとおりです。改悪の中でいちばん影響が大きいのが、やはり65歳から69歳までの老人医療費2割負担ではないでしょうか。前年の市の単独助成約3,000人に続いて、今年は一気に非課税世帯の1万5,000人全員を、医療費が今までの倍になる2割負担に追い込もうとしています。そして、その中でわずかに年収が65万円以下という700人ほどの人だけは、低所得者対策と称して1割負担にとどめておくというのです。

 介護保険料の減免の中で、収入算定の方法は老人医療より厳しいのですが、一人なら98万円の収入以下の人に保険料を1ランク下げるという制度をつくっていますが、1か月10万円前後で生活する、せめてこのぐらいの人たちにまでは1割負担のままで医療を受けられるようにしてもらいたいと考えています。その場合、どのぐらいの人が助かり、追加予算はどのぐらいになるのか、教えていただきたいと思います。

 次に、肺がん検診の復活について。

 2002年に日本人の98万人が死んでいます。そのうちがんによる死亡が30万人でした。その30万人のがん死亡のうち、肺がんが5万6,000人、胃がん4万9,000人、大腸がん3万8,000人で、1位、2位、3位となっています。尼崎では肝がんが2位に入ってきます。肺がん死亡は、実は全国でも兵庫県でも、検診をしていない尼崎市でも増加をし続けており、極端にたばこの不足した第二次大戦直後に10代を過ごした、生涯喫煙率の非常に低い特別の年代の人を除いては、この原因は高齢者人口の急激な増加によるものとされています。また、これからも数が多くて生涯喫煙率も高い、いわゆる団塊の世代が高齢化をするため、肺がん死亡は更に増え続け、喫煙率の低下とともに、やがて減少すると考えられます。というのは、喫煙者が肺がんになる危険率は、たばこを吸わない人の10倍から20倍ほど高く、その喫煙率は、1980年ごろより少しずつ減ってきており、禁煙した場合、肺がんの危険は、10年後には吸い続けた場合の3分の1から2分の1にまで減少するとされているからです。したがって、今の治療水準から、当面は肺がんのり患も死亡も増え続けることになるので、今は未成年を含めた若者に対する禁煙指導こそ最大の肺がん予防というふうに言えるわけです。

 こういう考え方に立って、尼崎市は、1999年度より肺がん検診を凍結して、たばこ対策に力を注ぐことにしたわけですが、今年度はどのような施策に力を入れられているのでしょうか。また、これまでに実施されてきた施策についての評価はどうでしょうか。そして、新年度からまた、予算こそ280万円と少ないんですけれども、なぜ肺がん検診を復活されようとしているのでしょうか。お答えをいただきたいというふうに思います。

 次に、ハーティ21に関してですけれども、ハーティ21は、市が建設資金45億円、機器購入19億円、運用資金、市とハーティ直接と合わせて10億円、当初から、これら合計74億円の借金を抱えてスタートしており、今日まで15億円近い利息と5億円の元金を返済できているだけです。当初の計画では、あと3年ですべての返済が完了することになっているのですが、現実は程遠い状況にあります。

 返済を可能と見込んだもともとの計画と現実のどこに違いを生じてこのような結果になっているのか、説明をお願いいたします。

 また、さきの議会で丸尾牧議員が、ハーティ21の看護専門学校について、約1,300万円の市の補助金が投入されており、費用対効果で問題があるのではないかと指摘をしました。つまり、卒業生が尼崎市で働いているケースが極めて少ないということですね。看護学校については、県立塚口病院の一角にある厚生専門学院の廃止、市内女子大学での看護学部の新設、医師会内での看護専門学校準看護科養成停止の検討などの話を聞いております。市としては、市内看護師の必要数、多様な養成機関の存在などを踏まえて、ハーティ21の看護専門学校に今後どのようなかかわりが必要と考えておられますか。お答えをいただきたいと思います。

 さて、市民自治クラブは、尼崎を変えていくために、人権啓発により多くの予算を割いていく必要があると考えています。今日は三つの問題を提起したいと思います。

 まず初めに、子どもの虐待の問題。

 「このままだと新聞をにぎわすようなたいへんな結果を招くかもしれない」と西宮こどもセンターの職員に漏らした24歳の母親と同い年の夫が、小学校1年、6歳の我が子を市の南部の運河に投げ捨て、死体遺棄で捕まったのは、4年前の2月でした。市議会でもこの不幸な事件に関連して、児童虐待への対応が取り上げられました。そして、今年の2月、また尼崎で、29歳の母親が2か月の子どもにミルクを与えず衰弱死させる、33歳の母親が保育園に通う5歳の我が子の首を電気コードで絞めて殺すという事件が発生しました。同じ2月に、実は西宮でも伊丹でも同じような事件が起こっています。全国の児童相談所が受け付けた児童虐待の相談処理件数は、2003年度で約2万7,000件。この10年間でなんと16倍にも膨れ上がっているということです。兵庫県でも過去最高の1,004件、うち西宮こどもセンターで336件となっています。市民の人権意識の広がりという面を差し引いても、子どもの虐待が社会現象として定着してしまっているという事実から目をそらすことはもうできないはずです。

 川崎市の子どもの権利条例10条は、安心して生きる権利についてこうまとめています。安心して生きる権利、第10条、子どもは安心して生きることができる。そのためには、主として次に掲げる権利が保障されなければならない。1、命が守られ、尊重されること。2、愛情と理解をもってはぐくまれること。3、あらゆる形態の差別を受けないこと。4、あらゆる形の暴力を受けず、又は放置されないこと。5、健康に配慮がなされ、適切な医療が提供され、及び成長にふさわしい生活ができること。6、平和と安全な環境の下で生活ができること。とあります。子どもの権利条例の制定は市長の公約でもありましたし、市内の子どもを囲む社会風土を変える可能性を持っています。

 条例制定についてのお考えは、公約の中でまだ実現できていないというお話でしたけれども、あらためて条例制定についてのお考えを聞かせていただきたいと思います。

 児童虐待についての情報は、親や家族、学校、保育所又は民生委員、近所、知人、そして時には子ども本人の順くらいで入ってくるとのことですが、未然に防ぐことが可能な段階での情報をより多く集めるためには、どのようなシステムが有効なのでしょうか。虐待の事例として、食事を全くつくらない、たばこの火を押しつける、頻繁にたたく、おもちゃなどを投げつける、親の性器を洗わせる、服を切り裂く、体じゅうに嫌がらせの言葉を書き散らすなどの事例を聞きました。対象になるのは小学生がいちばん多く、子どものほうもしつけがほとんどされていなくて、親は若すぎて親になりきれず、育児の不安に悩まされている。子どもの前でもセックスの衝動を抑えられない親、しかると手を出しすぎてしまうので、子どものふるまいを無視するという親、親として自立できず、子どもの養育能力のない親がじわじわと増え続けている現状を解決するのは並たいていのことではないと感じさせられました。

 子育ての不安を抱えた親たちが、どこかで網の目に引っかかるくらいの細かい密度で地域の子育てサークルを育てていく必要があると思うし、また、被害対象になることの多い小学生を対象としたカウンセラー、相談相手の配置も必要なのではないでしょうか。当局の考えをお聞かせください。

 虐待の多くは週末の休みや夜の時間帯に発生するのに、福祉事務所の家庭児童相談室も保健センターも応答してくれません。そのうえ、配置されている家庭児童相談員は、週4日勤務の嘱託職員です。職員配置をはるかに超える親子関係や子育ての不安、虐待から非行までの相談。私の見るところ、市内児童養護施設の職員はもちろんのこと、児童相談員も、自分たちの容量をかなりオーバーした仕事を引き受け続けているように思えました。広がっている現実に対応するには、人の配置が明らかに弱く思います。いかがでしょうか。

 次に、ホームレスの問題です。

 基本的人権にかかわる問題で今いちばん深刻な問題は、やはりこの冬空に寒さをしのぐ家のないホームレスの人たちのことではないでしょうか。兵庫県で確認されているホームレスのおよその数は、目視調査で864人、そのうち神戸が190人、尼崎が380人などとなっています。武庫川の河川敷や名神高速の高架下を中心に、尼崎はたいへん多い数になっています。ホームレスの平均年齢は56.7歳。私なんかも同じぐらいです。50歳から64歳で全体の7割近くを占めており、直前には建設関係の仕事に就いていた人が6割ぐらい。また、全体の4割近くが正社員として雇用されていたということです。恐らくは幾つかの職場を替わり、追い詰められて野宿生活に入らざるをえなかった人たちが多いと思われます。ホームレスの期間が1年以上3年未満の人が4割強、アルミ缶や廃品回収を夜明けから早朝にかけて行い、平均月収は1万円から3万円までということです。ホームレスの数は日本全国で3万人を超えると言われ、先進国では特異な状況となっています。尼崎でも、中学生にテントに火をつけられたとか石を投げられたという訴えがありますが、実は、この子どもたちもホームレス予備軍とも言えるのです。というのは、今日の若年労働者は、雇用形態が非正規で不安定、しかも無年金、無保険で、最低賃金すれすれの低賃金で働くというケースがたいへん多いのです。手に職をつけるゆとりもない若者たちがホームレスに追い込まれていくというのは、既に現実にも起こってきている話です。この問題は、これまで平山議員がよく取り上げてこられました。私自身は、なにかホームレスの自立支援のために運動しているということではないのですが、市内での数が増えており、見て見ぬふりを決め込む段階を超えていると感じています。

 生活保護で医療を受けている人も300人以上おられ、NPO団体の関係するアパートへの生活保護での入居も70人近く。福祉事務所からの見回りも定期的に行われ、市民検診の受診機会も設けていますから、行政も何もしていないわけではありません。しかし、ホームレス自立支援法の成立によって、実施計画をつくり、就労の場所と住居を確保していくということで、今から何が必要になってくるのか、また、ホームレス情報連絡会の開催状況や課題は何なのか、お考えを聞かせていただきたいと思います。

 もう一つ、在日外国人の問題。

 私たち市民自治クラブは、毎年、戦前植民地化によって強制的に大日本帝国の臣民、国民とされ、敗戦後は一方的に日本国の国籍を離脱させられ、制度的な無年金者となった在日韓国・朝鮮人の尼崎市民に対して、保険料を無拠出で受け取っている日本人の老齢福祉年金、障害基礎年金に該当する特別手当を支給するように要求してきました。尼崎市は、相当額の2分の1を支給していますが、排外主義的な日本政府の対応によって、前進のないまま該当者の多くが人生の終えんを迎え、またそれに近づいています。老齢の特別給付金の受給者、主に在日の受給者は300人以上おられたのが、今では160人台にまで減ってしまっています。尼崎市の更なる努力を望みます。

 朗報もあります。新年度は、県のほうが老齢のほうで月2,000円、障害のほうで月3,000円、特別給付金をアップすることになりました。

 さて、今、神戸地裁尼崎支部で、韓国籍の若い定住外国人の夫婦が、国籍を理由に賃貸住宅への入居を断られたとして、市内の大家さんと宅建業者を相手に、入居差別を追及する民事裁判を起こしています。こうした市内での入居差別を解消していくために、市による人権啓発活動が有効であると思いますが、市はどのようなアクションを起こそうと考えておられますか。

 もう一つ、今尼崎市役所には13人の定住外国人が公務員として働いています。長い人でもう定年前、若い人は30代前半です。さて、先日最高裁が、外国人の地方公務員に管理職試験を受けさせないことを、法の下の平等を定めた憲法に違反していないとする不当判決を下しました。一方で、阪神間では既に在日外国人の管理職が誕生しています。そして、今回の最高裁判決がそれを否定しているわけではありません。警察など、無制限の管理職昇格というのは確かに難しいという気がしますが、反対に、すべての管理職から排除するというのも大問題です。

 尼崎市長は、外国人職員の管理職登用についてどのようなお考えをお持ちでしょうか。御意見を聞かせていただきたいと思います。

 以上で第2問を終わります。(拍手)



○議長(新本三男君) 答弁を求めます。

 白井市長。

   (白井 文さん 登壇)



◎市長(白井文さん) それでは、飯田議員の2問目の御質疑に対しましてお答えいたします。

 まず最初に、水道料金の改定についてのお尋ねでございます。

 阪神水道企業団の分賦水量削減についてでございます。

 水道事業におきましては、収入の根幹である給水量が減少傾向にあり、平成19年度末には約41億円もの欠損金が発生する見込みであるという非常に厳しい事業運営を強いられております。このような状況におきまして、阪神水道企業団からの分賦水量は、責任水量制となっていることから、本市給水量の減少が直ちに費用の減少に反映されず、本市水道事業財政にとっては大きな負担となっているもので、さきの公営企業審議会答申におきましても、その削減に向け、不退転で取り組むよう求められたところでございます。

 このようなことから、受水費の負担軽減の方法につきましては種々考えられますが、今後同企業団の第5期拡張事業について最後の確定作業が行われることとなりますことから、この機会を捕えて、まず第5期拡張事業分の日量3万5,000立方メートルの削減を目標に掲げたものでございます。しかし、尼崎市の分賦水量の削減見直しは、他の構成市にも影響を与えることにもなり、簡単に解決できるものではありませんが、同企業団に対しましては従前から強く要請してきた結果、16年度から、同企業団と4市で構成する経営問題研究会が設置され、分賦基本水量の見直し等について検討しているところでございます。更に、先日も同企業団尼崎市側分科会におきまして、このことについて強く要請していただいたところでございますが、今後とも本市選出の阪神水道企業団議会議員の皆様の御協力を得ながら、受水量の削減に向け取り組んで参りたいと考えております。

 次に、想定人口と配水量との関係についてでございます。

 22万9,000立方メートルの日最大配水量は、将来における水需要を検討していただくための一つとして、2025年度、人口42万人を想定して審議会にお示ししたものでございます。都市基盤施設の一翼を担う水道事業には、水資源の確保に長い年月を要するという特性がありますことから、現在の一時的な減少だけではなく、今後新たに発生すると思われる需要も考慮しておくべきとしてお示しいたしました。そのため、現在進行中である開発や市内にある低未利用地が将来有効に活用された場合に発生する水需要を新規開発水量分として配水量に換算して、日量2万8,000立方メートルを見込んでおりますが、将来の水需要につきましては、機会を捕え、今後とも検証していかなければならないと考えております。

 次に、国民健康保険料の自主減免制度についてのお尋ねでございます。

 3割、2割の自主減免につきましては、本市の保険料水準がこれまで阪神間でもいちばん高かったことから、低所得者の保険料負担を軽減するため実施してきたものでございます。現在は国の法定軽減制度の拡充や厳しい本市の財政状況にあっても、一般会計からの繰入れなどにより、阪神間並み水準を維持していることから、自主減免を平成16年度に廃止したものでございます。また、本来保険料の減免は、震災、失業、廃業等特別な事情により一時的に保険料の納付が困難な世帯に対し適用すべきものと考えております。

 次に、要介護度の変化の状況に関するお尋ねでございます。

 国と同様に、平成15年度4月から1年間継続して利用実績のある人について、本市での要介護状態を見ますと、要支援の36.5パーセント、要介護1の15.2パーセント、要介護2の27.6パーセント、要介護3の29.6パーセント、要介護4では22.8パーセントについて、それぞれ介護度が高くなっております。なお、国と比較しますと、要支援の介護度について若干高い傾向となっておりますが、総体的には国と類似の数値となっております。

 次に、福祉医療制度の見直しについてのお尋ねでございます。

 老人医療費助成制度の一部負担金は、これまでから、基本的には老人保健法に準拠してきており、今回の見直しにおきましても、低所得基準に老人保健法施行令で規定しております低所得区分1を適用しようとするものでございます。また、その基準となります所得につきましては、遺族年金、障害年金などの非課税所得や蓄え、仕送りは含まれておりません。お尋ねの今回の基準の65万円を98万円とした場合の試算では、約1,300人程度増え、その額は3,600万円となります。なお、誤解のないようあえて申し上げますと、御質問の98万円の収入で保険料をワンランク下げるという介護保険での減免に係る98万円の基準につきましては、遺族年金、障害年金、仕送りなど、あらゆる収入が含まれておりますので、その方式で算定いたしますと、適用者は大幅に減少いたします。

 次に、たばこ対策についてのお尋ねでございます。

 たばこは、がんをはじめ循環器疾患、呼吸器疾患など多くの病気の主な要因であることが医学的に明らかになっているところでございます。本市では、たばこ対策としまして、禁煙クリニック、禁煙クリニック交流会、喫煙防止教室、分煙対策などを実施し、今年度は特に未成年者の喫煙防止、公共施設での分煙の徹底に力を入れて取り組んでいるところでございます。これまでの主なたばこ対策の過去3年間の実績を見ますと、禁煙クリニックでは、参加者130人中45人、約35パーセントですが、禁煙に成功し、喫煙防止教室では、小学校、中学校、高等学校の8校、約1,300人が参加、公共施設での分煙対策では、市役所の完全分煙、学校敷地内の完全禁煙など、一定の成果が上がっております。

 次に、肺がん検診についてのお尋ねでございます。

 肺がん予防には、たばこ対策など、がんの発生、増殖を抑制する一次予防と早期発見、早期治療により救命効果が期待される二次予防があります。この二次予防としての検診では、精度の高い方法で早期のがんを発見することが重要となります。本市では、昭和61年から実施してきた肺がん検診を、平成10年の国の研究班報告に基づき、平成11年度から凍結しました。しかし、新たな知見を踏まえて平成13年に公表された国のがん検診の適正化に関する調査研究報告では、現行の肺がん検診は、適切に行うならば死亡率減少に寄与する可能性が高く、継続して実施する相応の根拠があると評価されました。これを受けて、本市では、尼崎市地域保健問題審議会及び同専門部会で時間をかけて検討を重ねてきた結果、本年度に適切な精度管理の下で胸部エックス線検査及びハイリスク者に対するかくたん細胞検査の併用による検診体制を整備することが望ましいとの報告を受けました。このような状況を踏まえ、適切な精度管理が可能である保健所において肺がん検診を再開することにしたものでございます。

 次に、ハーティ21についてのお尋ねでございます。

 まず、建設等の資金計画についてでございます。

 ハーティ21の建設につきましては、平成3年度に工事着手をし、建設等に係る資金については、平成3年度から5年度に借入れを行い、一定の据え置き期間の後の平成8年度から元金返済を開始する予定でございました。返済の始まる平成8年度には、辛うじて予算化を行うことができたものの、平成9年度に至っては、バブル経済崩壊以降の財政悪化に加え、阪神・淡路大震災からの復旧、復興事業に係る多額の財政負担により、大幅な基金の取崩しをせざるをえないほどの危機的な財政状況で、その後においても市税収入は減少を続け、本市の財政状況は悪化の一途をたどるのみで、今日まで繰延べに至っているといった経過にございます。

 私といたしましては、こうした緊急避難的な措置はできるだけ縮減、解消すべき課題であるとの認識から、今般、経営再建プログラムへの影響も考慮する中で、滞っていた元金について、一部でありますが返済を再開することとしたものでございます。

 次に、看護専門学校についてでございます。

 尼崎健康医療事業財団看護専門学校は、昭和49年に当時の医療従事者の確保難に対応し、地域における保健医療に貢献できる人材の育成を目的として設立し、今日まで、その養成において一定の役割を果たしてきたところでございます。しかし、一方で、平成19年度末で兵庫県立厚生専門学院の統合廃止、平成18年度からの園田学園女子大学の人間看護学科の創設が予定されていることから、市内における看護師養成機関を取り巻く状況が大きく変わろうとしております。こうした中にあって、看護専門学校につきましても、看護師の需給見通しや他の看護師養成機関の動向を踏まえながら、看護専門学校の在り方について財団とともに検討して参りたいと考えております。

 次に、児童虐待に関するお尋ねに順次お答え申し上げます。

 まず、子どもの権利条例についてでございます。

 子どもの権利条例の制定につきましては、昨年6月に設置しました子どもの権利条例の在り方検討会議で、先進市における子どもの権利条例の内容や導入理由などを調査分析するとともに、エンゼルプランあまがさきの各施策に子どもの権利条例にある生存、保護、発達、参加といった観点から、子どもの権利が盛り込まれているかどうかなどの分析を行ってきたところであります。今後につきましては、条例制定に向け、引き続き検討を進めて参りたいと考えております。

 次に、虐待を未然に防ぐためのシステムについてでございます。

 子どもへの虐待は非常に痛ましい問題であり、これを未然に防いでいくことは重要な課題であると認識いたしております。児童虐待の未然防止については、昨年10月に児童虐待の防止等に関する法律が一部改正され、通告義務の対象が、児童虐待を受けたと思われる児童にまで拡大されました。これにより、児童虐待ではと思われれば、すべての人に通告義務が生じるシステムとなりました。本市では、この改正により、広く一般からの通告が児童虐待の防止に資すると期待し、市報あまがさきやホームページ等を通じ、児童虐待が疑われる場合でも、西宮こどもセンターや福祉事務所、家庭児童相談室へ通告をするよう呼びかけております。また、それらの通告に対しましても、これまで同様、関係機関が連携、協力して迅速に対応していくことが重要であると考えております。

 次に、家庭児童相談員等の配置についてでございます。

 児童相談員の配置状況ですが、現在、福祉事務所に嘱託職員各1名、計6名でございますが、阪神間各市を見てみますと、おおむね1名から2名の配置でございます。現在は各所1名であることから、不在時には手薄な面がありますが、こどもセンターや保健センターなどと連携しながら対応しているところでございます。本年4月からの福祉事務所統合に伴い、児童相談員を集約し、本庁福祉課に配置することといたしております。集約することにより、1か所に6名が配置されるようになりますので、相談員相互の連携協力体制が強化されることに加え、ケース検討が円滑に行えるなど、専門性の向上につながり、相談体制の充実が図れるものと思っております。

 次に、ホームレスの自立支援に関するお尋ねでございます。

 ホームレス対策は、まず市民の理解と協力が前提であり、更に、就業、住宅、健康問題など、広範かつ多岐にわたる対応には広域的な統一基準が必要であり、市単独で実施すれば、庁内体制や財源問題など、多くの課題が生じます。したがいまして、これまでも申し上げておりますように、一地方自治体独自での対応には限界があると考えており、抜本的な解決に向けては、今後とも引き続き国、県等関係機関に広域的な対応の必要性を訴えて参りたいと考えております。

 なお、庁内ホームレス情報連絡会につきましては、本年度2回開催しておりますが、これ以外にも、適宜庁内の情報交換を行うとともに、個々の問題に対しましては、必要に応じて連携して対応しております。

 次に、在日外国人の差別問題についてでございます。

 まず、入居差別解消に向けた人権啓発活動についてでございます。

 市内での入居差別をはじめとした外国人差別をなくすために、平素から市民を対象にした啓発冊子を発行するなど、市民啓発に取り組んでいるところでございますが、特に12月の人権週間におきましては、入居差別防止を啓発強調事項として位置づけ、法務局、尼崎人権擁護委員協議会と協力して、街頭キャンペーンを中心とした啓発活動を行っております。一方、兵庫県でも、不動産の関係団体に対し、入居差別防止の指導啓発を行っているとお聞きしておりますので、今後とも国、県をはじめ関係機関と連携をとりながら、入居差別をはじめとした外国人差別の解消に向けて取り組んでいただきたいと考えております。

 次に、外国人職員の管理職への登用についてでございます。

 本市においても、内閣法制局の見解に基づき、公権力の行使又は公の意思形成への参画に携わる職へ外国籍の職員を任用することは、現時点では想定しておりません。その職は、職務権限上では課長以上の役職が該当するものと考えておりますが、公権力の行使にかかわらない課長以上の役職も考えられることから、職務内容や、その権限を個別に判断した取り扱いが必要になってくるものと考えております。したがいまして、今後とも必要に応じ、職務内容やその権限により、個別に検討して参ります。

 以上で飯田議員に対します第2問目の答弁を終わらせていただきますが、教育に係ります問題につきましては、教育委員会から答弁いたします。



○議長(新本三男君) 保田教育長。



◎教育長(保田薫君) 飯田議員の教育問題に関する質疑にお答え申し上げます。

 被害対象となりやすい小学生を対象にいたしました相談相手を配置する必要性についてお答えをいたします。

 いじめを受けていたり心に悩みを持つ子どもへの対応につきましては、子どもの変化を見逃さない細やかな観察と、悩みを抱えた子どもが相談しやすい体制を整備することがたいせつだと認識しております。小学校におきましては、担任や養護教諭はもちろんのこと、教職員全員、学校全体で子どもの小さな変化やサインを見逃さないように心がけておりまして、早期の対応と子どもが相談しやすい雰囲気、環境づくりに努めているところでございます。

 併せて、いじめや不登校等心の問題に対応するため、中学校へ配置されているスクールカウンセラーを小学校も活用しまして、相談を実施しております。今後とも早期発見、早期対応を基本に、スクールカウンセラーの活用も図り、子どもの安全を守って参りたいと思います。

 以上です。



○議長(新本三男君) 飯田浩君。

   (飯田 浩君 登壇)



◆10番(飯田浩君) 児童虐待、子どもの虐待の問題について、今年度、育児支援専門員とか児童虐待防止連絡会議とか、予算がけっこう組まれ始めましたけれども、そのなんとか会議というのに、わりあい偉い人だけが集まるのが多いんですよね。所長さんとかなんとか長さんとかいう人ばかりで。どっちかというと、私は、現場の人を中心にしながら偉い人もいるという会議にしてもらわないと、実際に現実はなかなか前へ進まないんじゃないかなと思っているので、その辺をぜひ御検討いただきたいというふうに思います。

 それから、水道の問題は、確かに私は今阪水の議員をしておりますので、この問題については、会派の議員のほうから、これからの予算審議の中でいろいろ質疑をしていくようにしたいと思います。

 それと、福祉医療、国民健康保険、介護保険の問題なんですけれども、介護保険の問題で、要支援から要介護1に移行する。これは、ほんとうは要介護にならないように要支援をつくったのに、いちばん移行する率が高いというのは、私も調べていないので、なぜか分からないんですけれども、ぜひ当局のほうでも、ヘルパーとかをよく派遣するからこんなことになってしまうんだという説が非常に頻繁にあるわけですけれども、ほんとうにそうなのかどうか、なぜこういう現象が起こっているのかということについて、私たちも分析しなければいけませんけれども、当局のほうも、これを安易にとにかく介護を減らすために使うということではなくて、なぜそうなのかという冷静な分析をひとつお願いをしたいというふうに思います。

 それと、福祉医療の問題なんですけれども、老人医療で年収の低い低所得者というのは65万円以下の人がという規定が、私はちょっと考えられないんです。65万円以下の人というのは、ほとんどもう無収入に近い人ですよね。そういう人だけは低所得者だから救いますという、あまりにも高慢な発想というのか、そういうことに尼崎市が簡単に乗っかってほしくないんですね。やっぱりいろいろ調べてみて、この辺までの人は救わないと気の毒じゃないかとか、そういうふうに真剣に検討してもらいたい。特に医療とか介護というのは、いつ要るか分からないという要素がありますから、いちばん社会を不安に陥れるんですね。私でもそうですけれども、急に血圧が上がってきたら、どうなったのかなと思って毎日が不安になる。同じように、医療とか介護というのは、ふだんから安心して利用できるようにしておくということが、社会の安定のためにも非常にたいせつなことなので、その辺のことには心がけていただきたいというふうに思います。

 それから、特に、これは尼崎市の責任ではないんですけれども、欧米の先進諸国の中で、国内総生産に占める社会保障費用というのは、日本は最低ですよね。スウェーデンとかいうのはもちろん差があるのはしようがないんですけれども、フランスやドイツなんかと比べても、社会保障のために費やされているお金というのは半分ぐらいなんですね。反対に、道路やダムの建設は、これら欧米諸国の4倍ぐらいに達しているんです。それで確かに便利な国にはなっているんだけれども、こういう少子高齢社会の中で、いざというときに、税金を払っていても救われないという国になってしまっているわけですね。これをいきなり市民自治クラブで変えることはなかなか難しいんですけれども、国政にかかわっている政党もありますから、ぜひその辺を真剣に考えていただいて、行政といっしょに予算の使い方を変えていくようにお願いをしたいというふうに思います。

 それから、一つだけ、少し時間をとりますけれども、肺がん検診のことなんですけれども、最近、厚生労働省の研究班の非常に大規模な疫学調査の結果ということで、閉経前の女性の喫煙者の乳がんになる危険性が、たばこを吸わない女性に比べて約4倍高くなるという結果が報告をされています。また、これは神奈川県の市なんですけれども、職員の採用試験で、合格ラインに喫煙者と非喫煙者が同じ評価で並んだ場合には、非喫煙者を優先して採用するという自治体が出てきています。また、尼崎市と同じ検診よりもたばこ対策という考え方で、これは、凍結ではなくて肺がん検診を取りやめてしまったのが福岡市です。福岡市では、福岡市たばこ行動指針というのをつくって、たばこの健康への悪影響の宣伝と受動喫煙の防止に力を入れているということです。つい先日、たばこ規制枠組条約というのが発効しました。日本も批准をしていますけれども。これによって、たばこの屋外広告が禁止になる、それから、包装紙の半分以上はたばこの健康被害について書かないといけなくなる、それからたばこへの課税を強化するというようなことを年度を追ってされていくようになって、日本も欧米並みということになっていくわけですけれども、これはやっぱり喫煙者の健康を心配するということももちろんあるわけですけれども、医療費をなんとかして食い止めようと。税金を集めても、医療費に全部それでいってしまうとどうしようもないので、たばこを食い止めて医療費を下げようということが大きな動機にあるわけです。

 さて、肺がん検診の問題で、肺がん検診をやるのか、たばこ規制をやるのか、どちらが肺がんをなくすのに有効か。これは行政としてですよ。個人としては、心配な方はもちろんCTを受けたり、いろんな形で病院に行かれればいいと思うんですけれども、税金を使ってやる肺がん検診についてはどうかということなんですけれども、一般的に、健康診断というのは、病気の早期発見を目的に実施されている。もう一方で、今言った禁煙とか、運動しようとか、栄養指導をやりましょうとか、最近よく言う食育ですね、こういうものは、病気そのものをなくそうという一次予防ということになりますけれども、検診というのは、病気を早く見つけて死亡率を減らすことを目的としており、二次予防というふうに言っているわけです。最近、一次予防にスタンスを変えていくというのが全国的な動きになっていますけれども。

 さて、このがん検診が行政の施策としてほんとうに有効かどうかをどうやって確かめるのでしょうか。検診事業の実施による最悪のケースは、市民の不安をやたらあおり立てて、病気でないものを病気と判定したり、反対に、病気であるものを見逃したりといった極めて精度の悪い検診を実施して、多くの受診者が不必要な治療を押しつけられ、死亡率も全く改善しないといったケース、この場合は税金も検査費も医療費も無駄に使われてしまいます。検診の目的は、その病気ないし病気全体による死亡率を減らすことである。早期発見が目的じゃないんですね。早期発見は、そのための手段であり、早期発見ができるから、直ちに検診が有効だというふうにはなりません。例えば自覚症状が出てからでも十分治せる病気について、無自覚のときに検診を実施する必要は一般的には低いというふうに思われます。反対に、早期発見をしても、それによって長生きできるのでなければ、その検診の意味はありません。肺がん検診をして、例えば私が60歳のときに肺がんが見つかって、仮に65歳まで生きられたとします。一方で、同じ私が肺がん検診を全く受けずに、64歳で自覚症状がで出てきて、入院をして、65歳で亡くなったとします。どちらの場合も65歳まで生きられたわけです。また、がんの中には進行の速いものもある。がん検診を受けて異常なしと言われたのに、その後3か月で発病して、更にその3か月後に死亡するというケースです。一般に進行の速い病気は健康診断にはあまり向きません。要するに、がん検診の有効性というのは、受診対象となる人口集団の中で、がんによる死亡率が実際に減ったのかどうかで判断をされなければいけないわけです。

 そういうことの中から、肺がん検診については、非常に残念なことなんですけれども、世界じゅうの主要な国々で有効性が認められなかった。そのために中止をされて、今日本だけがある理由で続けてやっているというふうに思われます。検診を広げるよりは、たばこ対策に集中をしたほうが肺がんを減らすことができることを、それらの国では既に証明をしてしまっているわけです。尼崎市もその道を進んだほうがいいんじゃないか。今年は非常に予算が少ないんですけれども、これは、いわゆる小さな10センチ角の間接撮影でやる検診ですから、これが当然、医師会とか医療機関のほうが直接撮影でやると言えば、そのほうが精度が高くなるのはあたりまえのことで、理屈から言えば、そっちへ広げていこうということになります。そうすると、また3,000万円とか4,000万円とかいう費用が一気に必要になってくるわけで、現在、答弁された内容だと、それを拒否する理由はないように思うんです。だから、ぜひひとつ慎重に検討していただきたいというふうに思います。

 さて、最後に、教育の問題とか平和の問題について少し質疑させていただきます。

 その前に、市民自治クラブがかねてから要望しております尼崎市内に床の低い、揺れのない路面電車を走らせようということについてお聞きしておきます。

 尼崎21世紀の森構想は、森の地域から阪神尼崎までを低床型のLRTと呼んでいる路面電車で結んでいます。県と市のほうで作成したパンフレットにも、交通ネットワークのイメージとして、このLRTが描かれています。かつての工場公害や43号線の自動車公害のイメージのぬぐい去れない尼崎にLRTが走り出せば、都市のイメージも大きく変わるはずです。総務省でも、LRTを新設する自治体に対して財政支援をする方針を持っているそうです。市の当局も、現時点での導入は難しいとしても、LRTについては引き続いて取り組んでいくというふうに答弁をしてきたと思います。

 財政的に、あるいは採算面で厳しいことは理解しますけれども、条件がそろえば走らせることができるのでしょうか。走らせることが可能になるように、21世紀の森構想の中でどんな工夫が凝らされているのか、教えてください。検討はしますと言いながら、いざとなるとレールを敷く場所がなかったというのでは話になりませんから、その辺のお考えを聞かせていただきたいということです。

 それから、教育の問題。第3問ですので、再質疑がありませんから、ぜひ具体的に丁寧にお答えいただきたいと思います。今日はたぶん教育長のお知り合いの方が傍聴席にもたくさん来られている可能性もありますので、分かりやすい御答弁をお願いしたいと思います。

 さて、2003年にOECDが15歳、高校1年生を対象に行った国際学習到達度調査で、前回に比べて日本が数学と読解力で1位から6位、また8位から14位に転落をしたことが話題になりました。しかも、実は、確かに順位が下がっているんですけれども、内容は、低学力層の転落がひどくて、学力格差が拡大しているということなんですね。なんでも平均で見ますけれども、実際は低学力の子の更なる学力低下がひどくて、そのために全体の平均を引き下げて、学力の順位が落ちたということなんですね。製造業中心の20世紀から、知識が高度に複合化していく21世紀に必要とされる学力の水準を調査した結果ということですから、この結果を無視できないことは確かです。しかし、この結果から直ちに学校での習熟度別指導、能力別指導のことですね、これを全面的に導入するというようなことにはならないというのは、実は、それを否定をして、塾も予備校もないというフィンランドが、OECDの学習到達度調査でトップの座にいつもあるんですね。ですから、能力別でやれば学力が上がるということでもないということを示しているわけです。新年度より本格的に習熟度別学習を導入するという形で予算が組まれていますけれども、できるほうのクラスに入る子には、各地で非常に好評だということなんですね。そして、その子たちは、たいがいみんなもう塾に行っています。「ずばり受験に有利だ」「どっちにしても差がつくんだから、習熟度別がいい」、こんなふうに言っている子どもが多いんですね。私は、習熟度別はやらないで、少人数学習と補習を軸に進めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

 昨年の5月に、教育委員会は小中学校の学力・生活実態調査に取り組まれました。今回の代表質疑でもほとんどの議員が取り上げておられます。この調査については、私は去年の6月議会で質問し、意見を述べましたので、御参考にしていただければ幸いです。この調査結果について、まず、今までどこで検討されましたか。検討結果が出てきているんですけれども、これはいったいどこで検討されたものなのか。例えば、全国との成績格差の大きい理科や社会科の先生の間でとか、あるいは各学校単位でとか、あるいは教育委員さんの間でけんけんがくがくやったとか。私の聞くところ、この調査結果について現場で細かな報告を受け、現場の教員の間で議論がされたということは全くないようです。この調査結果のまとめはだれがつくられたのでしょうか。

 また、比較対象となっている全国について、全国というのは、いったいどこのことなのか。民間の業者ですから、やっているところが限られてくると思うんですけれども、漠とした全国との比較だけで、ほんとうに実践的な尼崎の教育の課題を導き出すことができるのかどうか。学校の規模や生活水準、都市の類似性なども踏まえて比較できると、より好ましいというふうに思います。

 それから、家庭での生活習慣や学習習慣と、その家庭の経済的、精神的な安定の度合いとは密接な関係にあると言ってよく、そのため、地域の違いによって一定の学力差が生じるのはやむをえないというふうに考えます。しかし、同じような地域であっても、個々に見ると、かなりの学力差があったり、生活習慣の形成に差があったりします。この差の原因を確かめる中から、私たちはそれぞれの学校での実践的な課題を導き出していくことができると思うのですが、今回の調査結果では、そのための参考となるようなデータは全く出されていません。なぜですか。非常に生活がしんどい地域の学校が二つあって、片方はわりあいきちんと朝御飯を食べてくる子が多い、片方はそうなっていない。では、どうしてそういうふうにできたのか。そういうふうなところから改善というのが進むと思うんです。

 小学校でも中学校でも、ただし、中学1年の点数は実際は小学校6年生のテストですから、比べにくいんですけれども、小学校でも中学校でも、どの教科についても、授業がよく分かる、だいたい分かると回答した子どもたちの学力が高く出ています。子ども自身の準備の問題もあります。例えば塾に行っているとか。しかし、よく分かる授業、分かりにくい授業、下手くそな授業、市教育委員会の手引書などはあるのでしょうか。上手な授業をしたいけれども、どうしたらいいのか悩んでいる教員も多いと思うんです。そして、教育委員会には非常に長い年月にわたる蓄積がある。それを総括しながら手引書をつくる。そういう手引書はあるのか。また、先生同士が互いの授業を率直に評価し合えるような仕掛け、機会はつくられているのでしょうか。これはすごくたいせつなことですね。なかなかほかの教師のやっていることについて意見が出しにくいということもあるのかもしれませんけれども、お互いの授業を見て評価し合えるということは、決定的に重要なことだというふうに思います。

 更に、教育委員会や教育センターや指導主事や社会教育などの分野に配置されていたり、教頭などとして現場から外れている力量のある教員たちが実はたくさんいるんですね。経験豊富で、やらせてくれたら必ず学校でいい結果をもたらすというような人がたくさんいる。そういう人たちをもっと授業の中へ、毎日とは言いませんけれども、うまく引き入れていくことはできないのか。非常にもったいないというふうに思っています。

 家庭学習の時間に関する設問、塾がその中に含まれているわけですけれども、塾も含めて家庭で学習する時間について、中学1年では、30分より少ないとほとんどしないで40パーセント。全国はこれが26パーセント。倍近いですね。中3になるともっとひどくて、ほとんど勉強しないのが尼崎で43パーセント、全国は14パーセント。3倍の開きがあります。これを30分ではなくてほとんどしないだけをとると、尼崎の中3では32.5パーセント、全国、どこか分かりませんけれども、こちらのほうのほとんどしないは8.5パーセント。4倍の差ですね。いかに尼崎の中学3年生が家に帰ってなにもしていないかということなんですけれども、特定の学校が平均点を大幅に引き下げているのか。実は、特定の学校を除くと、みんな世間並みの成績なんだけれども、ある学校とか二、三の学校のために平均点が落ちているだけなのか。あるいは全市的に似たような傾向になっているのか。あるいは総合選抜という入試の方式に関係があるのかないのか。また、家庭学習の時間と学力水準とは相関関係があるのかないのか。2時間以上、3時間以上家庭で勉強するというのは、尼崎では20パーセントですけれども、全国では52パーセントなんですね。非常に大きな違いがある。学習塾に通っている子どもは、小学校5年で40パーセント、中学校1年で35パーセント、中学校3年で52パーセントとなっています。これも地域によるばらつきがかなりあるのかどうか、これは分かりません。中学3年の数学と英語で、これも全体の平均ですが、塾通いの子どもの成績がずいぶんよくなっています。塾通いの効果がはっきりとあるなら、家庭での学習が困難で塾に行くことの難しい子どもたちへの援助を公教育のほうが行うのは当然のことです。

 新年度に実施される自主学習支援事業などは、そういう問題意識と関係するものなのかどうか、お教えいただきたいというふうに思います。

 学校に行く前に朝食を食べますかという質問に、ほとんど食べないと答えているのは、小学校5年生のわずか2.5パーセント、中学校1年生では4.5パーセント、中学校3年生では7.7パーセントです。そして、この子どもたちの成績は、小学校5年でも中学校1年でも中学校3年でも、どの科目でも最低で、反対に、必ず食べる子どもは必ずトップです。つまり、この非常に数少ない子どもたちが朝食をきちんと食べるようになれば、ひょっとすれば尼崎の学力水準は大きく上がるのかもしれない。

 この子どもたちとその家庭にどんな指導と援助をされていますか。実際は、プライバシーの問題はあるんですけれども、数が少ないわけですから、丁寧につき合えば、いろんな指導、援助ができるはずなんですね。そういう朝食を食べてこない子どもたちの家庭にどういう指導と援助をするのか、また考えているのかということをお尋ねしておきたいと思います。

 もう1点だけ。7年前に総合選抜を廃止した三重県では、今、全国最低だった不登校率が3倍に跳ね上がりました。そして東京に並んでいる。総合選抜を廃止してわずか3年で最悪の状態になっている。一方、全国で唯一全県的に小学区総合選抜を維持している山梨県は、青少年の犯罪発生率が全国最低だといいます。尼崎では、私は総合選抜の枠組みを維持すべきだと考えますが、いかがでしょうか。

 たまたま最近荒れている中学校を見学する機会がありました。授業を見る機会がありました。先生は授業をしていましたが、授業が成立しているとは、私には言いにくい情景でした。お金が要らないという理由だけで公立が選ばれるとしたら、あまりにも残念です。持つ者と持たざる者に社会の二極分化が進んでいるときに、公教育の仕事がそれを支えて推進することだとは思いません。勉強がよく分かって、友達関係がよくて、そこそこに成績もとれる学校、そんな公立学校をぜひ目指してほしいと思います。

 最後に、国民保護法制に関する問題に触れます。

 有事立法と言われた有事関連の7法案の一つに国民保護法があります。昨年6月に国会を通り、9月に施行されています。他の国から武力攻撃を受けたり、受けそうだと判断される有事の際に、あるいは大規模テロが発生したときの住民の避難、救援などについて定めた法律です。この法律の中に、地方自治体は、国民保護計画をつくり、訓練を実施するよう努めなければならないとあります。

 さて、尼崎市においては、ミサイル攻撃や空爆をされたときのための避難計画をつくり、訓練を実施する必要があるというふうに市長はお考えでしょうか。お答えをいただきたいと思います。

 イラクへの自衛隊派遣のような政府の誤った施策で、仮にも日本が外国からの軍事的被害やテロ攻撃を受けたとき、大阪や尼崎、阪神間で大火災が発生。これは災害と違って、戦争は人為的なものですから、ねらわれたところがまた被害に遭います。何百万という人たちが放り出されて、いったいどこへ避難できるというのでしょうか。道路上は、事実上自衛隊や米軍に抑えられており、水は毒物投入の危険で安全性が確認できない。食料は、これだけ自給率の低い日本では、田舎へ行ってもどうしようもありません。酒井議員も以前に発言しておられましたが、近くの小学校に避難して仮設住宅を建てるというようなことでは、これは解決しないのです。尼崎市が戦渦によって火の海になるというようなことの二度とないように、平和学習、沖縄や広島、長崎との交流、中国の友好都市鞍山との恒久的平和の約束、憲法9条を守ることなどが極めてたいせつな市民的課題になっています。それこそ市民との協働によって、8月の一時期だけではなくて、通年的に平和事業を企画し、沖縄との交流などを実現したいと思いますが、いかがでしょうか。お尋ねをいたします。

 最近の新聞報道によりますと、日本政府は、日本がミサイルやテロ攻撃を受けたときの避難方法などをイラスト付きの手引書にまとめ、全世帯に配ることを決めています。湾岸戦争でイラクのミサイル攻撃を受けたというイスラエルの手引書などを参考にしてまとめるとしていますが、これこそまさに有事をあおり立て、ほんとうに国民を有事に引きずり込むやり方ではないでしょうか。今、平和を守ることが尼崎市民にとってもたいへんたいせつな課題になっているというふうに市民自治クラブでは考えています。

 非常に長時間にわたりまして代表質疑を聞いていただいて、ありがとうございました。たくさんの市民の皆さんに対しても心からお礼を申し上げたいと思います。

 また、同僚議員の皆さん、私は14年前にここに初めて立ったときに、ちょうど市立尼崎高校の筋ジストロフィーの子どもさんの入学拒否問題を取り上げた記憶がありますけれども、そういうことをふと思い出したわけですけれども、今日も最後まで聞いていただいて、ほんとうにありがとうございました。

 失礼します。(拍手)



○議長(新本三男君) 答弁を求めます。

 白井市長。

   (白井 文さん 登壇)



◎市長(白井文さん) それでは、飯田議員の第3問目の御質疑に対しまして、順次お答え申し上げます。

 まず、LRTについてのお尋ねでございます。

 LRTにつきましては、自動車交通に代わる環境にやさしい公共交通機関として、都市部を中心に関心が高まっております。このため、本市では、平成12年度に兵庫県と共同でLRTの導入について調査検討を行っておりますが、その段階では、建設に係る財源の確保、採算性の問題、導入空間の確保など、多くの課題があるとの結論となっております。しかしながら、その後、尼崎21世紀の森構想が策定され、本市の臨海部は環境共生型のまちづくりを目指すこととなり、LRTにつきましても重要な検討課題の一つとして位置づけられております。したがいまして、今後は森構想に基づくまちづくりの進展や周辺の土地利用の状況等を勘案しながら、中長期的な展望の中で検討を深めて参りたいと考えております。

 次に、有事の際の国民保護計画に関するお尋ねでございます。

 武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律第3条第2項の規定により、地方公共団体は、国の基本指針に基づきまして、武力攻撃事態等においては、国民の保護のための措置を的確かつ迅速に実施し、関係機関が実施する国民の保護のための措置を総合的に推進する責務を有するとされております。そうした中、現在国におきまして、基本指針と都道府県モデル計画の作成を進めているところであり、更に平成18年3月には、市町村モデル計画も作成する予定となっております。

 本市の国民保護計画の作成に際しましては、これらの内容を精査する必要がありますが、いずれにいたしましても市民の安全を最大限守ることを基本に取り組んで参りたいと考えております。

 次に、市民との協働による平和事業についてのお尋ねでございます。

 平和な社会の実現は市民生活の基本であり、世界平和の思いが更に高まる21世紀のまちづくりにおいては、殊に重要不可欠なものであると考えております。平和への取組は、行政が主導的に行うだけではなく、市民、事業者の皆様と一体となった取組が何よりたいせつであるということは、議員と同じ思いでございます。今後とも市民の皆様に沖縄等との交流も含めて平和のたいせつさを広く理解していただくために、社会教育や広報などを通じて市民啓発に努めて参りたいと考えております。

 以上で飯田議員の代表質疑に対する答弁を終わらせていただきます。

 他の教育に係ります問題につきましては、教育委員会から答弁いたします。



○議長(新本三男君) 保田教育長。



◎教育長(保田薫君) 教育問題に関します御質疑にお答えいたします。

 まず、習熟度別学習はやらないで、少人数学習と補習を軸に進めるべきではないかというお尋ねでございます。

 学校教育におきましては、基礎基本の確実な定着を図り、個性を生かす教育をいっそう充実させる観点から、個に応じたきめ細かな教育を推進していくことがたいせつでありまして、各学校におきましては、加配教員を活用した少人数学習や個別学習、グループ学習、こういうものを行っているところでございます。ただ、中学校の数学、英語といった教科では、生徒の理解や技能に差が出やすく、学習内容の理解や次の段階の学習に大きく影響するため、単元や学習内容によって、習熟の程度に応じた多様な形態を取り入れていくことが必要であると考えております。なお、実施に当たりましては、生徒の希望を十分聴き取り、クラスが固定化されることのないよう配慮いたしまして、補充的な学習、発展的な学習でいずれの生徒も意欲的に学習できるように取り組んで参りたいと考えております。

 次に、学力・生活実態調査結果のまとめはだれがつくったのか、現場の教員や教育委員は議論したのかというお尋ねでございます。

 学力・生活実態調査につきましては、校長、教頭、教員及び指導主事で構成する調査検討委員会におきまして、全市的な視点から、学力面、生活面での課題と今後の取組について議論をして参りました。調査結果のまとめは、こうした検討委員会での論議をもとに、教育委員の意見も踏まえながら、教育委員会事務局でまとめたものでございます。

 なお、各学校におきましては、調査のまとめや自校のデータをもとに、教科指導や生活指導面での課題を明らかにいたしまして、課題解決に向けた取組を行っているところでございます。

 次に、今回の学力・生活実態調査の調査結果では、学校や地域など参考となるデータが出されていないけれども、なぜかというお尋ねでございます。

 学力・生活実態調査は、全市的な視点から、児童生徒の学習の定着度や家庭での学習、生活の実態を把握しまして、施策の構築や指導方法の改善を図ることを目的として実施したものでございます。そうしたことから、教育委員会におきましては、調査結果を踏まえて、新たな事業展開を図っているところであります。

 一方、学校につきましては、それぞれの学校が校区の特性や児童生徒の状況を踏まえまして対応していくことが必要であることから、学年や学級の平均得点あるいは学力と生活の相関といったデータを学校に送付いたしております。各学校では、こうしたデータをもとに自分の学校の状況を分析いたしまして、教科指導や生活指導面での課題解決に向けた取組を行っているところでございます。

 次に、授業についての手引書が教育委員会にあるのか、また、教員同士が互いの授業を評価し合えるような機会をつくっているのかというお尋ねでございます。

 教師には児童生徒一人ひとりの学習の状況を的確に把握し、興味関心を引き起こす教材を作成しまして、適切な指示や助言あるいは優れた指導技術、話術などによって授業を進めていくことが必要であります。こうした教師の指導力は、マニュアルによるのではなくて、教員が日ごろから研修や教材研究に努めまして、優れた授業を観察したり、また、自分の授業について他から評価を求めたりするなど、絶えず研さんに努める、そういうことによって高まるものであります。現在学校におきましては、教職員が互いの授業を評価し合う授業研究会とか研修会、こういうものを実施しておりまして、教育委員会も指導主事等を派遣いたしまして、指導助言を積極的に行っているところでございますけれども、今後ともこうした取組をいっそう充実させて、教員の指導力の向上に努めて参りたいと考えております。

 それから、これに関連しまして、教育委員会の指導主事が、授業はできないにしても、いろんな面で学校をサポートすべきではないのかというお尋ねがございましたけれども、本市におきましても、授業の代わりというのは指導主事はできないことになっております。指導主事というのは、地方教育行政の組織と運営に関する法律というものの19条の3、4で指導主事の職務というものが規定されておりますけれども、これは専門的な教育職員でありまして、学校の教育課程とか、あるいは学習指導、その他学校教育のいろんな専門的な事項について、具体的に言えば教職員に対して指導助言をするのが任務でございます。直接生徒を指導するというふうな役目ではありませんので、指導主事を派遣しますけれども、従来から学校長の要請に応じまして指導主事を学校に派遣いたしまして、学校運営面とか指導技術面、教材研究面等の専門的事項に関する指導助言を行っているところであります。教員の学習指導力の向上ばかりではなくて、代替教員の未配置など、学校現場の抱えるさまざまな問題への支援にも一定の役割を果たして、成果を上げているものと考えております。

 今後ともこのような観点から、学校現場での教育活動に支障が生じないよう、学校長と十分連携のうえ、支援を実施して参りたいと思います。

 次に、自主学習支援事業というのは、学習塾に通わずに、また家庭での学習が困難な子どもたちへの支援と関係するものなのかという御質疑でございます。

 今回の学力・生活実態調査では、小学校5年生で宿題があるときだけ勉強する児童が30.4パーセント、宿題があってもあまり勉強しない児童が9.5パーセントに達しております。こういう調査結果を踏まえまして、まず学力の向上には小学校段階で進んで学習に取り組む習慣の形成が必要であるとの認識から、放課後に図書室等を利用しまして、宿題等の支援を行うことにしたものであります。こうした取組によりまして、家庭での学習が十分でない児童の学習習慣の形成を促して参りたい、こういうふうに考えております。

 次に、朝食を食べない子どもたちは得点が低い傾向にあるけれども、そういう子どもたちと家庭にどのような指導と援助をしていくのかということでございますが、学力・生活実態調査の結果では、毎日朝食を食べている子どもたちの得点が高い傾向にありますけれども、こうした子どもたちは、朝食だけではなくて、学校への持ち物を事前に確かめるとか、あるいは宿題をきちんと行うなど、学習習慣や基本的な生活習慣が身についているからであると受け止めております。こうした習慣形成には、学校の取組に併せまして、家庭での御指導もたいせつであります。各学校では、担任が子どもたちの状況を把握いたしまして、個別に指導を行う、そのほか、保護者に対しましても、懇談会の場や学校通信等で必要性を伝えまして、家庭での協力、取組を求めているところでございます。また、朝食については、子ども自らがつくれるような食教育の充実にも努めております。

 いずれにいたしましても、教育委員会におきましては、今後ともこうした学校の取組の充実を図るとともに、規則正しい生活習慣の必要性や意義などにつきまして、保護者の方々に積極的に情報を提供しまして、協力を求めて参りたいと考えております。

 最後に、総合選抜は不登校などの率を少なくするので、この制度を維持すべきではないかというお尋ねですが、尼崎学区における選抜制度の改編につきましては、市立高等学校教育改革基本計画に基づきまして、特色ある高校づくりを進め、同時に、そうした学校を居住地に関係なく自由に志望できることを趣旨とするものでありまして、現行の総合選抜から新たな選抜制度である複数志願選抜、特色選抜に変えて参ります。

 なお、総合選抜制度と不登校や青少年犯罪の発生率との相関関係について、いろいろ全国各地へ問い合わせをしてデータを集めましたが、相関関係を実証したものは確認できませんでした。

 以上でございます。



○議長(新本三男君) 飯田浩君の質疑は終わりました。

 以上をもって32案に対する質疑を終結いたします。

 これをもって本日の日程は全部終了いたしました。

 明4日は、午前10時から会議を開きます。ついては、ただいま出席の諸君にはあらためて通知はいたしませんから、御了承願います。

 本日は、これをもって散会いたします。

                      (午後4時55分 散会)

 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

議長   新本三男

副議長  北村保子

議員   下地光次

議員   菅村哲仁