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兵庫県 尼崎市

平成16年  9月 定例会(第17回) 09月16日−03号




平成16年  9月 定例会(第17回) − 09月16日−03号 − P.0 「(名簿)」












平成16年  9月 定例会(第17回)



          第17回尼崎市議会会議録(定例会)第3号

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◯議事日程

    平成16年9月16日 午前10時 開議

第1        質問

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◯出席議員

   1番     騰 和美君

   2番     丸尾孝一君

   3番     長崎寛親君

   6番     今西恵子君

   7番     義村玉朱君

   8番     早川 進君

   9番     丸尾 牧君

  10番     飯田 浩君

  11番     酒井 一君

  12番     前迫直美君

  13番     亀田孝幸君

  14番     真鍋修司君

  15番     広瀬早苗君

  16番     菅村哲仁君

  17番     田村征雄君

  18番     松村ヤス子君

  19番     高橋藤樹君

  20番     宮城亜輻君

  21番     平山丈夫君

  22番     塚田 晃君

  23番     仙波幸雄君

  24番     安田雄策君

  25番     下地光次君

  26番     杉山公克君

  27番     荒木伸子君

  28番     上松圭三君

  29番     黒川 治君

  30番     蔵本八十八君

  31番     北村保子君

  32番     谷川正秀君

  33番     中野清嗣君

  34番     塩見幸治君

  35番     小柳久嗣君

  36番     滝内はる子君

  37番     畠山郁朗君

  38番     新本三男君

  41番     波多正文君

  42番     寺本初己君

  43番     高岡一郎君

  44番     中川日出和君

  46番     藤原軍次君

  47番     米田守之君

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◯欠席議員

  40番     多田敏治君

  48番     中村四郎君

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◯議会事務局

事務局長      小谷正彦君

事務局次長     辻本 守君

議事課長      高見善巳君

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◯地方自治法第121条の規定による出席者

市長        白井 文君

助役        中村 昇君

助役        江川隆生君

収入役       矢野郁子君

特命担当局長    谷口敏郎君

企画財政局長    村山保夫君

総務局長      玉井啓一君

美化環境局長    湊  稔君

医務監       高岡道雄君

健康福祉局長    守部精寿君

市民局長      宮本 勝君

産業経済局長    森田康三君

技監        松井重紀君

都市整備局長    岩田 強君

消防局長      橋本雅生君

水道事業管理者   吉井惠一君

自動車運送

事業管理者     喜田完二君

企画財政局

総務部長      福森 務君

企画財政局

総務課長      北江有弘君

教育委員会

委員長       岡本元興君

教育長       小林 巖君

選挙管理委員会

委員長       藤田浩明君

代表監査委員    鳥羽正多君

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(平成16年9月16日 午前10時 開議)



○議長(新本三男君) これより本日の会議を開きます。

 日程に入るに先立ち、会議録署名議員の指名を行います。会議録署名議員は、会議規則第81条の規定により、議長において広瀬早苗さん及び藤原軍次君を指名いたします。

 この際、事務局長から諸般の報告をいたさせます。



◎事務局長(小谷正彦君) 御報告いたします。

 現在の出席議員は42人であります。

 次に、本日の議事日程は、昨日の日程を踏襲いたします。

 報告事項は以上であります。



○議長(新本三男君) 日程に入ります。

 日程第1 質問を行います。

 昨日に引き続き、順次発言を許します。

 上松圭三君。

   (上松圭三君 登壇)



◆28番(上松圭三君) 皆さん、おはようございます。新政会の上松圭三でございます。

 このたびの市議会定例会に一般質問の機会を与えていただきました先輩、同僚議員に心より感謝申し上げます。どうかしばらくの間御静聴賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 また、市長並びに当局におかれましては、質問の趣旨を的確に酌み取っていただき、市民の皆さん方に分かりやすく、的確な、明快な御答弁をいただきますよう、まずお願い申し上げておきます。

 最初に、防災対策や消防、救急体制から見た安全安心なまちづくりにつきまして、市長をはじめ理事者の皆さん方にお聞きをして参りたいと思います。

 皆さんも御承知のとおり、今年は台風の上陸が相次ぎ、6月の台風4号を皮切りに、この9月に入ってからの18号で、現段階で7本が上陸しております。例年、日本の台風シーズンは夏の終わりから秋にかけてで、上陸するのも2個から3個であることを考えますと、本年は非常に多い数であり、これまで全国各地でたいへん多くの被害が出ております。

 さて、この尼崎市に目を転じますと、人命にかかわるような重大な被害は生じなかったわけでありますが、8月末に16号が襲来し、その余波が消えない中で、台風18号の暴風に巻き込まれ、しかも、この台風に重なるようにして、揺れの大きな地震が2回発生いたしました。

 市長は常々、安全安心のまちづくりに取り組むと標ぼうしておられます。さきの施政方針においても、施策事業の選択に当たって、安全安心を、本市まちづくりに欠くことのできない基礎であるとの表現で、その重要性を語っておられました。市行政の最高責任者として、市民の命と財産を守ることは、市の責務として、何を置いても優先すべきものであって、手抜かりがあってはなりません。市長は、安全安心のまちづくりという言葉の中で、このことに対する為政者としての決意と責任を明らかにされたものであり、今年度の組織改正において、新たに防災対策課というものを新設されたのも、安全安心のまちづくりの一環として防災体制の機能強化を図られたものと私は理解しておりました。

 ところが、本市の防災対策、中でもこれから申し上げます地震発生時の行政の対応については、私は、今般の事例に接してみて、市民の皆様にほんとうに安心感を与え、あるいは市民の安全に配慮した対応となっているのか、大いに疑問と懸念を感じたものであります。今回の事例で言いますと、去る9月5日日曜日の午後7時7分ごろと、夜中の前の午後11時57分ごろに、いずれも最大震度5弱の地震が発生いたしました。当局によると、尼崎市における震度はいずれも3ということでありました。そして、被害は発生していないとのことであります。しかしながら、今回の地震は、とりわけ横揺れが大きく、特に2回目の地震は時間も長く、また、深夜に発生したこともあって、市民の方々の不安感は非常に大きかったと思います。実際、私の家にも、地震の直後に不安を感じた地域の方々が尋ねてこられたり、電話も受けました。

 そこで、私自身も取り急ぎ自分の地元の地域の見回りにも行きました。途中、県警のパトロールカー、そして自転車に乗った警察官の姿は見かけましたが、消防車両や市の広報車はいっさい見かけもしませんでした。翌日、市当局に、地震発生時の対応を確認すると、防災対策課の職員と消防局との間で一定の情報収集、被害確認などを行ったとのことでありますが、市民には市の防災体制や対応は見えませんし、分かりもしませんでした。市による広報車の運用もなかったとのことであります。

 そこで、あらためて本市の地域防災計画を読み直してみました。防災計画では、事前配備体制もありますが、基本的に震度4以上の地震が発生した場合に、震度に応じた防災の配備体制がとられることになっております。つまり、震度3では行政は何もしないと言っているのであります。しかし、深夜に大きな揺れを感じる状況の中で、震度3を超えたと感じた人もおり、市民にこうした事情が十分理解され、周知されていたのでしょうか。市長が常々言われている安全安心なまちづくりの安全安心には、直接の被害を取り除くとか軽減していただくだけではなく、市民が直接肌身で感じている不安を取り除くことも含んでいると私は理解しておりました。市長がよく口にされる市民感覚というものも、そういうことではないのでしょうか。市民に不安感を与えない、あるいは不安感を軽減するということも一定市の果たすべき大きな役割の一つではないのでしょうか。

 そこで市長にお尋ねいたします。

 市長は、安全安心のまちづくりと表明されていることを踏まえて、災害時の市民の安全の確保、不安感の解消、軽減に対して、市としてもしっかり取り組んでいく決意があるのかどうか。そして、その基本認識をまずお答え願いたいと思います。

 そのうえで、こうした地震発生直後の広報の在り方についてどのように考えておられ、どのような方法をとろうと考えておられるのか。地域防災計画では、震度4以上で市内被害状況の調査を行うということになっておりますが、今回の地震のように長周期の揺れが連続して発生したような場合については、一定の体制を組んで市内調査を行うような弾力的な対応も必要ではないかと思います。市長はどういうふうなお考えでしょうか。御答弁いただきたいと思います。

 次に、今回の地震の震源地は、紀伊半島沖、東海道沖という東南海、南海地震の震源区域近くで発生した地震であり、東南海、南海地震が現実的なものとなってきております。本市の被害が最も危ぐされる南海地震が発生した場合、本市の震度は5弱から6弱と想定されており、兵庫県の津波災害研究会では、南海地震発生後約110分で本市に津波が到達し、満潮と重なれば、最高で約3メートルも海面が上がると予測されております。本市は、市域の約3分の1が満潮位以下の地形であることから、海岸や河川における防潮扉などが迅速かつ完全に閉鎖できるかが生命線ということになります。台風のようにあらかじめ進路予想に基づき対応できる場合と異なり、今回のように深夜に地震が発生した場合、また、早朝の明け方に発生した場合に、閉鎖をするための意思決定や要員確保に手間がかかるということになれば、津波対策として果たして有効なのか、不安を禁じえないものもあります。

 そこで具体的にお尋ねいたしますが、国道2号の左門橋防潮扉の閉鎖について、深夜に想定震度の地震が発生した場合、どういう機関で閉鎖が意思決定され、また、閉鎖が決定されてから、要員を確保し、深夜といえども交通量の多い国道2号の交通遮断を行ったうえで、ほんとうに110分という時間内に閉鎖をすることができるのかどうか。市民の命にかかわることですので、その根拠を含め、明確にお答え願いたいと思います。

 また、こうした対応の実施について周辺住民に対してどのような周知を図っていくのかということも併せてお答え願いたいと思います。

 更に、国道2号の左門橋防潮扉を含めて、ほかの防護施設やその閉鎖体制について、実行性や有効性に問題点や課題はないのか。また、その問題点や課題があるとすれば、どの点に問題点や課題があるのか。現在の整備状況も踏まえてお答え願いたいと思います。

 次に、災害時における避難場所についてお伺いいたします。

 尼崎市における避難所は、避難勧告、指示を行った場合、あるいは住民が自発的に避難を開始した場合に開設される指定避難場所として、小、中、高等学校など80避難所が指定されております。ちなみに、お隣の西宮市と伊丹市の避難所の数をそれぞれ調べてみたところ、西宮市は131避難所を指定しており、小、中、高等学校のほかに公民館も避難所となっております。また、お隣の伊丹市の場合は、138避難所を指定しており、小、中、高等学校のほかに共同利用センターなども避難所となっており、伊丹の市域面積は尼崎市の約半分しかないにもかかわらず、避難所の数は伊丹の場合は2倍も指定されておりました。確かに単純に数が多ければいいというものではないかもしれませんが、避難所の運営に係る労力も相当なものだと思います。しかし、避難の難しいひとり暮らしや寝たきりのお年寄り、障害を持った方々の場合は、即刻指定された避難場所まで避難するということが、実際のところ容易でないケースも考えられます。事実、新潟県の三条市で今年の7月に発生した集中豪雨では、信濃川の支流、五十嵐川の決壊により、9人の方々が犠牲となり、そのうち6人は70歳以上の高齢者であったとのことであります。少し極端な例の引用もしれませんが、ことは、お年寄りであろうが、人命にかかわることであります。特に、今回のように夜間や深夜に発生する地震の場合は、高齢者、障害者にとっては、すぐに歩いて到達できる程度のところに避難所があるのが望ましいと考えます。

 そこでお尋ねいたします。

 現在の尼崎市地域防災計画の避難所は、高齢者や体の不自由な方々が、深夜に及ぶ場合も想定される条件の中で、避難する時間も十分考慮したうえで選定し、指定を行っているのでしょうか。また、過日の地震の際には、私のところにも避難場所の問い合わせがありましたが、市民に対して平素からの避難所の周知はどのような方法で行っているのでしょうか。併せてお答え願いたいと思います。

 ところで、私の場合、私の住んでいるところからいちばん近い避難場所は杭瀬小学校になります。南では浦風小学校になります。しかし、今回のように真夜中に地震が発生した場合、学校の校門はかぎがかかっており、当然のことながら、すぐに学校内に避難しようとしても、避難することができません。

 そこでお伺いいたしますが、地震発生後、避難所の開設、そして開錠はどのような手続きで行われることになっているのでしょうか。また、迅速な開錠の体制は確保できているのでしょうか。当局におかれては、今申し上げたようなことを心配している市民の方々に安心感を与えるような的確な御答弁をお願いしたいと思います。

 次に、平常時における市民向けの地震対策の広報、訓練についても、私なりに疑問を感じている点があります。市としては、防災対策の周知として、市報あまがさきやパンフレット、そしてちらしの配布など、いろいろと市民に対して十分説明していると言われるでしょうが、火元の確認、ドアの開閉、防災用具の持ち出し、避難路や避難場所の確認など、確かに何もない普通の状態のときならば、そういった周知が図られるという前提で的確な行動がとりうると思います。しかし、突発的な大地震が起きたときに、理性的な判断が働くものでしょうか。私は、それほど楽観視はできないと思います。笑い話ではなく、火事が発生した場合、枕を持って逃げたという話はよく聞く話でございます。人間は、動転した場合、ふだんの行動では全く考えられない行動をとるものであります。こうしたことから、私は、突発的な地震を想定した場合、理性での行動を期待するのではなく、住民の皆さんには体で覚え込んでもらえるような方法をとるべきだと思っております。私は、なにも地震の講習会とか研修会そのものを否定するものではありませんが、体で覚え込んでもらえるような訓練もまた必要ではないかと考えております。

 今年度は台風で中止となりましたが、これまでから行われている地震総合訓練も必要かと思います。しかし、家の中にいるときの対応、避難路から避難場所へ実際に市民に歩いてもらうといった、体で覚え込んでもらえるような、もっと地道な訓練を各地域で行うべきであると考えますが、この点もいかがでしょうか。この点について、当局の見解をお聞きしたいと思います。

 次に、安全安心のまちづくりの関係で、この際ぜひともただしておきたい事項に、消防、救急体制があります。申し上げるまでもなく、災害が発生した際にまず第一に尼崎市民の救助、救援活動の主力となるのは、消防局であります。

 そこで、災害などから尼崎市民の命、身体、財産を守るための消防体制の問題について順次お伺いしたいと思います。

 消防ポンプ自動車、はしご自動車、救急自動車の数など、火災の予防、警備、鎮圧並びに救急業務などを行うため、必要最小限度の基準として、消防力の基準というものが国において定められております。しかしながら、本市の施設基準はまだまだ十分と言える数字ではないと、当局の職員から聞いております。できるだけ早く充足するための努力をしてもらいたいとは思いますが、消防局として責任が持てる、そういう必要最低限の施設装備は保持されているはずでございますので、このことについては今回あえて質問はいたしませんが、問題は、消防職員の充実強化の必要性についてであります。この点について、市長は果たして十分な認識を持たれているのか、私はこの点についても疑問に感じております。なぜなら、現在本市の財政再建に取り組むため、900人の定数削減を進めるとしておりますが、そこでは、行政職も消防職も一律に論議がなされているように思えるからであります。

 そこでお伺いいたします。

 消防ポンプ自動車などの機材を動かす消防職員が不足していては、宝の持ち腐れになるわけであります。私は、消防力の充実強化といった視点から、今後の消防職員の定数を考える必要があると考えておりますが、どのような考えで消防職員の定数を考えておられるのか、お聞かせ願いたいと思います。

 この質問については、特に現場の長である消防局長にお答え願いたいと思います。

 さて、消防力の充実強化を考えるに当たり、私は、消防団の活動の充実強化も考えております。尼崎市の消防団は、昭和37年に、それまでの1市6団が1市1団に統合され、現在58分団、団員定数1,000人を擁し、各分団に消防ポンプ自動車を配置し、常に消防局と協力し、災害活動に当たるとともに、地域の防火防災のリーダーとして、地域と一体となった防災体制づくりを推進しております。さきの阪神・淡路大震災時においても、消防団の活躍はめざましいものがあり、消防局と連携し合って、市内のみならず市外でも、地域における防災の中核的な働きを行い、特に大震災の当日、火災の発生現場へ各分団が転戦を重ね、火災の延焼を食い止めたことは、特筆すべき活動であると思っております。また、避難住民への食事の配送など、その活動は5月の連休明けまで続いたということであります。このように、消防団は地域住民として自ら災害と戦い、また、地域住民の防災リーダーとして、更に地域の安全安心に関する消防局とのパイプ役として、今後ともその役割は重要であると考えております。

 そこでお伺いいたします。

 安全で災害に強いまちづくりを推進するうえで、消防団の更なる充実強化が必要であると考えますが、市長はどのようにお考えでしょうか。お答え願いたいと思います。

 今申し上げたように、私は消防団の役割には大きなものがあると思いますが、しかし、全国的に見て、消防団員数は年々減少傾向にあります。昭和60年当時、約103万人もいた消防団員が、現在94万人と、実に10万人近くも減少しており、その理由を調べますと、サラリーマンが活動に参加できないことを理由に入団しないといったことが挙げられております。こうした状況を踏まえ、消防庁は、平成14年11月25日付けで、国家公務員や地方公務員の消防団への加入を推奨するよう通知を出し、現在全国で約7万人の公務員が消防団に加入しているとのことであります。火災発生時などには、一時的に本来の業務を離れることにもなりますが、災害から尼崎市民の命、身体、財産を守るとともに、地域に密着した活動を行う消防団へ公務員が入団することは、たいへん意義あることだと考えております。

 そこでお伺いいたしますが、現在の尼崎市消防団への公務員の入団数はどのぐらいでしょうか。また、そのうち尼崎市の職員はどのぐらいの割合を占めているのでしょうか。更に、消防団への入団を市としても積極的に推奨しているのでしょうか。お答え願いたいと思います。

 次に、救急救命士の充実強化についてお伺いしたいと思います。

 救急救命士制度は、欧米諸国の制度を参考とし、我が国における救急現場、搬送途上における応急処置の充実を図るため、平成3年に創設されたもので、心肺停止傷病者の救命効果の向上と、救命業務の高度化に大きな成果をもたらしております。ちなみに、我が国の救急救命士制度の導入により、心肺停止患者の救命率は、3パーセント前後から、倍の6パーセント台へと約3ポイント向上しております。これはすべて救急救命士による対応とした場合、年間約1,000人の命が救われたことを意味します。

 建物火災で亡くなった人は、ここ10年間でおおむね年間約1,000人であることから見ても、救急救命士の重要性があらためて理解できると思います。この救急救命士制度は創設してから13年目を迎えましたが、救命率のいっそうの向上を図るためには、救急救命士の処置範囲の拡大が必要であり、その前提として、救急救命士を含む救急隊員の応急処置の質を医学的観点から保障するメディカルコントロール体制を早期に構築することが急務であると言われております。このメディカルコントロール体制が確立している地域においては、例えば救急救命士は医師の具体的指示を待たずとも、心臓に電気的にショックを与え、心臓の動きを元に戻すような処置を実施することが可能となっております。こうしたことから、都道府県単位及び救命救急センターなどを中心とした地域協議会が設置され、メディカルコントロール体制を早期に構築することが求められているわけであります。

 そこでお尋ねいたします。

 兵庫県及びこの尼崎におけるメディカルコントロール体制の整備はどのような状況にあるのでしょうか。お答え願いたいと思います。

 さて、救急救命士の制度運用の在り方は、住民の命にかかわる重要な課題でもあるにもかかわらず、気がかりな点もあります。死に直面している搬送途上の心肺停止患者をできるだけ処置し、救命率のいっそうの向上を図りたいという気持ちは、すべての消防職員が持っている気持ちだと思います。そのためにも、救急救命士の養成推進はぜひとも必要と考えますが、尼崎市における救急救命士の数は十分とは申せません。

 そこでお伺いいたします。

 救急救命士は養成推進を一消防機関の問題としてではなく、市民の命にかかわる重要な課題として、自治体のトップが十分認識する必要があると考えますが、市長は、救急救命士の養成推進について、どのような認識の下に取り組んでいこうとされているのか、お答え願いたいと思います。

 1問目の最後に、市長の政治姿勢に関してお伺いしたいと思います。

 9月11日付けの新聞各紙に、情報公開条例についての記事が報道されていました。現行の公文書公開条例の名称を情報公開条例に改め、知る権利と説明責任を明記され、市政の透明性が増すように努めると同時に、決裁前の文書なども公開の対象に含めるとのことであります。これは、今までの求めに応じて情報公開していくという姿勢を改めて、市当局が積極的に情報を公開することによって、市民による市政への参加を進めるという目的でなされたものであるということです。特に、情報公開の総合的な推進については、情報公開の総合的な推進に関する市の責務、情報公表制度、情報提供施策付属機関等の会議の公開、出資法人等の情報公開とあるのですが、その中で、一つ私が疑問に思うところがあります。それは、市長の施政方針の中にあります、情報の公開という論議の中で、我が新政会が、また先輩議員からも指摘がありました、市の最高の意志決定の会議であります経営推進会議といいますが、これは庁議と言われておりますが、この公開が対象とされていなかったのは、市長、なぜでしょうか。

 市長も新聞紙上で、透明性を高めるということで、市民が市政に参加しやすくなると話しておりますが、経営推進会議を公開とすることに何か不都合、また支障があるのでしょうか。議会は現在、原則公開としており、法に規定されていない会派代表者会も公開しております。経営推進会議、また庁議についての考え方、また、公開をされないことに市長の情報の開放との考え方をここで明らかにしていただきたいと思います。市長の考えをお聞きしたいと思います。

 以上で私の1問目の質問を終わりたいと思います。(拍手)



○議長(新本三男君) 答弁を求めます。

 白井市長。

   (白井 文さん 登壇)



◎市長(白井文さん) それでは、上松議員の御質問にお答えいたします。

 まず、災害時の市民の安全の確保、不安感の解消、軽減に対して、市としてもしっかり取り組んでいく決意があるのかどうか、その基本認識についてはどうかというお尋ねでございます。

 私は、本年7月の集中豪雨による新潟県及び福井県の豪雨災害や最近の台風、地震の発生による被害状況を目の当たりにして、自然災害の恐ろしさをあらためて思い知らされました。まちづくりの基本は、市民が安全で安心して暮らせることが何よりも肝要であるということを再認識いたしたところでございます。

 本市は、地域防災計画を策定し、組織内はもとより、関係機関とも連携する中で、想定される災害に対処する体制を整えておりますが、災害時におきます市民の不安感は計り知れないものがあります。私は、防災対策はもとより、災害時の市民の不安感の解消を図る方策は、行政の責任で講じなければならないと認識しており、このための行政努力を怠ってはならないと痛感いたしております。

 次に、経営推進会議の公開と情報の開放の考え方についてお答えいたします。

 市民の行政への参加の推進につながるものとして、市政の情報を可能な限り公表していくこととし、情報の請求を行う人に対してだけ情報を提供するといったことではなく、常に情報が公にされた状態にあるということを意図し、情報の開放に努めて参っているところでございます。御指摘の経営推進会議そのものを公開するに当たりましては、なお課題整理が必要と考えております。また、情報公開条例との関係につきましては、経営推進会議は、実施機関たる市内部の会議体の一つであるため、条例上では位置づけておりませんが、いずれにいたしましても、経営推進会議において公開、非公開の基準などについての整理を行い、公開に向けて検討を進めて参ります。

 以上でございます。



○議長(新本三男君) 玉井総務局長。



◎総務局長(玉井啓一君) 防災に関する一連の御質問にお答え申し上げます。

 まず、地震発生直後の広報の在り方についてどのように考え、どのような方法をとるのかというお尋ねでございます。

 本市におきまして、地震が発生した際には、エフエムあまがさきにより震度速報等を放送することにいたしておりますほか、市民の地震情報等の入手方法といたしましては、NHK等の各報道機関のラジオ、テレビが迅速かつ有効な手段であると考えており、このことも併せて広く周知して参りたい考えております。

 次に、地域防災計画では、震度4以上で市内被害調査を行うこととなっているが、今回の地震のように長周期の揺れが連続して発生したような場合は、一定の体制を組んで調査を行うような弾力的対応も必要ではないかとのお尋ねでございます。

 9月5日に発生した2回の地震につきましては、尼崎市防災センターの震度計でいずれも震度3を記録しております。今回の地震では、地震発生直後、直ちに防災対策課の全職員が登庁し、消防局や警察等と連絡を取りながら、被害情報の収集を行いましたが、幸いにも地震による建物被害や人的被害はございませんでした。また、議員御指摘の地域防災計画と市内被害調査との関係でございますが、今回のような震度3以下の地震につきましても、今後は状況に応じて、必要な場合は初動配備体制を取りまして、被害調査や広報車及び防災行政無線による情報提供等を展開するなど、弾力的に対応して参りたいと考えております。

 次に、国道2号の左門橋防潮扉の閉鎖について、深夜に想定震度の地震が発生した場合、どういう機関で閉鎖が決定され、また、閉鎖が決定されてから要員を確保し、交通量の多い国道2号の遮断を行ったうえで、ほんとうに110分で閉鎖をすることができるのかというお尋ねでございます。

 国道2号左門橋防潮扉につきましては、台風による高潮や地震による津波が発生し、市域への浸水被害が予測され、閉鎖の必要性があると判断される場合は、気象情報等を参考にしながら、大阪府と兵庫県が協議し、閉鎖の意思決定をすることになっております。この決定の伝達につきましては、兵庫県から本市の防災対策課と河口課に防潮扉の閉鎖指示が伝達されることになっております。しかし、議員御指摘のとおり、夜間、休日等の対応もあることから、実務上の閉鎖作業につきましては、24時間体制となっている消防局や警察と連携する中で、左門橋防潮扉の迅速な閉鎖が可能な体制となっております。このことから、閉鎖指示が出された場合、大阪側との調整及び交通規制に要する時間を含めまして、南海地震による津波の到達予測時間であります110分までには門扉の閉鎖は可能であると考えております。

 次に、左門橋防潮扉の閉鎖について、周辺住民に対してどのように周知を図っていくのかというお尋ねでございます。

 左門橋防潮扉の閉鎖は、高潮及び津波による被害防止を図るうえで必要な措置であります。そうしたことから、防潮扉の閉鎖の際には、周辺住民に対しましては、広報車等により周知に努め、津波等の情報提供を行い、住民の安全確保や不安感の解消等に努めて参りたいと考えております。

 次に、国道2号、左門橋防潮扉を含めて、他の防護施設やその閉鎖体制について、実行性や有効性に問題はないのかというお尋ねでございます。

 現在、尼崎市内の海岸線には、左門橋防潮扉を除き、大小合わせ33か所の防潮扉等がございます。これらの防潮扉等の閉鎖につきましては、施設管理者である兵庫県が直接閉鎖するものや、尼崎市に閉鎖を委託されている施設がございます。これは10か所ございます。現在、高潮や津波により防潮扉等の閉鎖を行う場合、尼崎港管理事務所及び市は、あらかじめ定められたマニュアルに従い、直ちに閉鎖することとしております。しかしながら、休日や深夜のほか、地震時等の交通機関が途絶した場合においても、更に限られた時間、陣容で最も効果的な防潮対策を講じることができるよう、今後はこれらの施設につきまして、防潮施設や閉鎖体制のよりいっそうの強化を図り、防潮扉の電動化や防潮施設の整備等の促進について、兵庫県と協議して参りたいと考えております。

 次に、現在の避難所は、高齢者や体の不自由な方々が深夜に避難する場合も想定される条件の中で指定を行っているのかというお尋ねでございます。

 災害時における避難所は、地域住民の認知度が高く、集結のしやすさや通信機器の配置状況等を踏まえて、市内の小中学校及び高等学校等を指定しております。このことにより、市民の自宅からおおむね500メートル以内には避難所が設置されている状況にございます。

 次に、市民に対して平素からの避難所の周知はどのような方法で行っているのかというお尋ねでございます。

 避難所につきましては、これまで市報や市のホームページに掲載するなど、周知を図っているところであります。今年度は、市報の特集版、き・ら・りあまがさきや防災の普及啓発パンフレットを作成する際、避難所の一覧表を掲載するほか、今後とも防災に関します出前講座など、機会あるごとによりきめ細やかな周知に努めて参りたいと考えております。

 次に、地震発生後、避難所の開設、開場はどのような手続きで行われることになっているのか。また、迅速な開場の体制は確保できているのかというお尋ねでございます。

 地域防災計画に基づき、避難勧告、指示を行った場合、又は住民が自発的に避難を開始された場合には、市は必要な避難所を開設し、管理要員として職員を避難所へ配置することといたしておりますが、特に夜間、休日におきましては、職員が避難所に到着するまでには一定の時間を要します。そうしたことから、夜間、休日における避難所の開設を迅速に行うため、避難所となる学校施設のかぎを自主防災組織の代表者等の近隣住民に預け、開場する体制づくりを進めているところであります。

 次に、家の中にいるときの対応や避難路から避難所へ実際に市民を歩かせてみるといった、体で覚え込ませるもっと地道な訓練を各地域で行うべきであると考えるがどうかというお尋ねでございます。

 地震等の自然災害は、突発的に発生するため、多種多様な防災訓練の実施は、地域の防災力の向上に欠かせないものでございます。本市におきましては、防災関係機関との連携を主眼とした防災総合訓練や、市民参加による地震災害対策総合訓練を実施いたしているところであります。

 なお、議員御指摘のとおり、家の中にいるときの対応や自宅から避難所への安全な避難路は、地域住民自身が把握しておく必要があり、家族で地震発生時の対応を話し合ったり、自主防災組織など、地域の皆様で危険な場所や防災施設等を歩いて確認することは、災害時の被害軽減に役立つものと考えております。今後はよりいっそう地域に密着したきめ細かな訓練を実施するとともに、地震等の災害に対するふだんからの備えなど、市民啓発を積極的に行い、地域防災力の向上に努めて参りたいと考えております。

 以上でございます。



○議長(新本三男君) 橋本消防局長。



◎消防局長(橋本雅生君) それでは、消防、救急体制などの一連の御質問にお答えを申し上げます。

 まず、消防力の充実強化といった視点から、今後の消防職員の定数をどのように考えているかとの御質問でございますが、消防力の充実強化につきましては、現在国におきまして、消防力の整備指針に関する調査検討会が設置をされまして、消防力の基準の見直しが進められているところでございます。この新たな消防力の基準なども参考にいたしまして、今後検討をして参りたいと考えております。

 次に、消防団の充実強化についての御質問でございますが、消防団は、地域防災力の中核的な存在として、法的権限と地域に求められる活動能力や即時対応力、そして機動力、組織力を有しておりますので、通常の災害活動は無論のこと、南海、東南海地震の発生が危ぐされている今日において、地域に密着したきめ細かな災害対応を実施できる、必要不可欠な組織と認識をいたしております。

 そこで、当市における消防団の充実強化にかかわる施策といたしましては、消防団の活動拠点となります分団器具庫を順次整備するとともに、消防団車両についても計画的に更新、整備を行い、機動力の充実強化を図って参ります。

 また、消防団員に対しましても、研修や訓練を通じて、団員の知識と技術の向上を図っているところでございます。

 次に、消防団員の公務員の割合及び尼崎市職員の入団推奨についての御質問でございます。

 現在任命されている消防団員の公務員の人数については58人で、全体の約6パーセントとなっておりますが、これは、ほぼ全国平均と同数となってございます。このうち当市の職員は45人で、全団員に対しましては約5パーセント、公務員の中では約83パーセントを占めております。しかし、大規模災害時における市職員としての役割も考慮いたしまして、市職員への特別な推奨は行っておりません。

 なお、今後も魅力ある消防団を目指して、入団の促進を図って参りたいと考えているところでございます。

 次に、兵庫県及び尼崎市のメディカルコントロール体制の整備はどのような状況にあるのかとの御質問でございますが、メディカルコントロール体制の整備状況につきましては、平成14年9月に、兵庫県救急業務高度化協議会が設置をされまして、その下に、県下で五つの地域メディカルコントロール協議会が整備されているところでございます。なお、当市が所属いたします阪神丹波地域メディカルコントロール協議会は、兵庫県下でも最も早い平成15年3月に設置をされまして、救急隊員の再教育や救急活動の事後検証、また指示、指導体制の充実強化など、救急業務の高度化の推進に取り組んでいるところでございます。

 最後に、救急救命士の養成推進について、どのような認識の下に取り組んでいこうとしているのかとの御質問でございますが、救急救命士の養成は、傷病者の救命効果を高めていくためには不可欠なものと考えております。なお、現下の厳しい財政状況ではございますが、心肺停止の傷病者に対する気管挿管や薬剤投与などの救急救命処置範囲の拡大に対応し、市民の安全安心を守るため、積極的に救急救命士の養成に努めて参りたいと考えるところでございます。

 以上でございます。



○議長(新本三男君) 上松圭三君。

   (上松圭三君 登壇)



◆28番(上松圭三君) だんだん顔が引きつってきたところであります。市長、経営推進会議を公開するということで、不都合が生じる点を分かりやすく説明していただきたいと思います。それがどこに問題があり、その解決をどう図っていくかという過程が、まさしく市民の知りたいところであり、その過程を示すことが市政の透明性であると私は考えておりますが、市長、具体的にそこの点をお答え願いたいと思います。

 2問目に入る前に、1問目で防災、救急という切り口から、市民の安全と安心を確保するための市行政の認識と体制をただして参りました。今専門家の間では、東南海、南海地震はいつ起きてもおかしくないというのが定説となっております。確率的に、今世紀前半には間違いなく発生し、その建物被害は30万棟から60万棟、死者の数は6,000人から1万9,000人に及ぶと予測されております。今年の一連の台風による被害で、各自治体の避難勧告の遅れや警戒を呼びかける事前の広報がなかったことが厳しく指弾されました。こうした事例を見ても、私は、地域住民に素早く、かつ実効性のある方法で情報を伝えることが重要であると考えます。災害発生直後の住民同士の自立的な防災活動や相互援助活動も、行政が迅速に情報を伝達してこそ実効が上がると思います。津波被害が懸念される淡路島の南淡町では、この9月1日から、地震や水害、火災などが起きたときに、被害状況や避難場所などの災害情報を発生と同時に携帯電話からも閲覧できる防災ネットを開設し、この新たなシステムの活用によって、消防団や町内会との情報の連携も図っていこうとしております。この尼崎市においてもこうした情報システムの導入を早く検討し、より実効性のある情報発信方策を確立するよう、強く当局に望んでおきます。

 それでは、2問目に入ります。2問目は、教育問題について伺って参ります。

 教育に係ることにつきましては、私が今関係の常任委員会の委員長でありますことから、質問には十分配慮すべきことは承知しているところであります。しかしながら、教育を取り巻く状況は、国はもとより県、そしてこの尼崎市においても、想像以上とも言える早い展開を見せておりますので、本日は、こうした中での教育委員会の基本的な認識を中心に質問をして参ります。

 初めに、過日文部科学省から出された義務教育改革案についてお伺いいたします。

 現在の6・3・3・4制という学校の制度、このうち義務教育は6・3制でありますが、これが戦後、昭和22年に確立されて、57年が経過します。実に半世紀以上がたったわけであります。この間に子どもたちがどんなことを学び、そしてどんなことで勉強したかという学習指導要領は何回も変わりました。教科書も、我々の時代には考えられなかったカラフルなものになっております。また、中学校から高校、高校から大学などへの進学率も大幅に上昇しました。1学級当たりの人数も減り、学校も完全週5日制になっております。昭和50年代の終わりには、臨時教育審議会、いわゆる臨教審が持たれ、明治の初め、第2次大戦後に続く我が国の第3の教育改革というキャッチフレーズの下に、さまざまな改革が行われました。

 しかし、こうした大きな変化が何度もある中でも、6・3制度という義務教育制度については、国の根幹を成すものとして、国が責任を持つ全国統一の制度であると、だれもが受け止めていたところであります。ところが、既に御承知のとおり、去る8月11日に文部科学大臣は、義務教育改革案を発表いたしました。これは、教育に係る国と地方の役割分担や権限、責務を根本的に変えようとするものであります。その内容の骨子といたしまして、基本は、国の基準を最低必要限度とする中で、現在の小学校6年、中学校3年のいわゆる6・3制の区切り方は市町村の判断で弾力化できる。今は都道府県が持っている教員の人事権を市町村に移す。3番目に、昨年度からさんざん問題となった30人学級などの学級編制の権限も、都道府県から市町村に移す。4番目といたしまして、これは個人的にはたいへん評価しておりますが、教員の評価を徹底し、指導力の不足する教員の配置替えの方針を強化する一方、教員免許に有効期限を設け、適格性を判断するとなっております。そして、その補完といたしまして、学校評価システムや保護者が学校運営に参加する、以上、こうしたことが出されたものであります。

 私は、これこそまさに戦後最大の教育改革であると受け止めております。それは、これまで教育に関するあらゆることをほんとうに細やかなところまで常に握って離さなかった、教育の根本をつかさどる文部科学省が自ら出した改革案であるからであります。また、国から地方、それも都道府県ではなく市町村の責任と権限の真価を問う抜本的な改革案であるからであります。これまで、教育は国そして県の制度であるという認識がありました。これは、市町村にとっては、ある意味、根本的な部分については何も考えなくてよかったし、言われるとおりにマニュアルどおりに日々子どもを教え、何かあれば県なりにお伺いを立てて指示を仰げばよかったのであります。それが、まだ決定に至るまでには相当のう余曲折もあるとは思いますが、一定の可能性を持って当然とも言える状況で出て参りました。文部科学省は、自ら出す限りは相当の覚悟を持っているはずです。それだけに、全国の都道府県、そして市町村は、相当に混乱をしていると想像いたします。

 そこでお伺いいたします。

 教育委員会は、今回の義務教育改革案について、どのような受け止め方をされているのか。率直なところで結構です。現在のお考えをお聞かせ願いたいと思います。

 さて、こうした改革案に対し、それがまさに根本に触れる問題であるため、賛否両論が当然出てきております。大きな課題の一つは、教育に係る全国的な公平性をどう確保するかという問題であります。財政的には裕福なまちと苦しいまちでは差が生じるのではないかという点と、あるいは、隣のまちでは小学校が6年制、中学校が3年制であるのに対して、また違う町では、小学校は5年制、そして中学校は4年制。これでは、引っ越ししても混乱してしまうような状況にあります。また、これに伴って、教える体系である学習指導要領をどうするかという極めて教育的問題が生じて参ります。個人的には、今後更に詳しく調べ、判断していく必要を感じておりますが、今の段階では、改革案のすべてにもろ手を挙げて賛成できない部分もあります。

 また別な視点からは、尼崎市の現状において、我が新政会が長年にわたって要望している学力向上と教員の資質向上でさえ遅々として進まない状況において、こうした根本的な問いかけに、教育委員会や学校現場が果たしてこたえていく能力を有しているのか、疑問に思うところもあります。

 こうしたことを考えますと、今後の展開がどうなるか、予断は許しませんが、今、教育に携わる者に求められているのは、日々の熱心な教育や指導とともに、抜本的な大改革に対する意識や心構えを醸成していくことであると考えます。日々の研さんが求められている今日です。

 そこでお尋ねいたしますが、今後、特に教員の大きな意識改革が必要となりますが、教育委員会はこれをどのように進めていくおつもりなのか。その考えをお聞かせ願いたいと思います。

 次に、市立高校の改革についてお伺いいたします。

 市立全日制高等学校の改革、すなわち尼崎産業高校と尼崎東高校との統合による新しい特色ある高校づくりと、普通科の選抜制度の改編を柱とする基本計画が策定され、現在、より具体的な計画づくりが進められております。私は、高等学校がつくられてきた歴史的な経過からは、本来高校は県が設置し、運営するものであると捕えております。しかし、この尼崎市においては、市民の願いとも相まって、少なからずの市立高校が設置されました。いまさら県への移管もかなわず、市立で継続して運営する以上は、本市の中学校生徒や保護者が行きたい、行かせたいという、名実ともに市民の誇りとなる学校にすべきであると思います。また、市民の負担で運営されている学校であり、効率的な運営にも十分すぎる配慮をすべきであることを、当局も学校現場も強く認識していただきたいと思います。

 こうしたことから、統合は小学校、中学校でも少子化と本市の場合は人口減少も受けて順次行われており、高校においてもやむをえないものもあります。市立高校の改革では、幸い、尼崎高校において体育科の設置により学校が活性化し、評価がたいへん高くなったというよい見本があります。この夏の高校野球でも、最後は報徳と戦って、甲子園に行くことはできませんでしたが、市民の願いといいますか、一体感を高め、まちのイメージを高めてくれたことは事実であります。こうした市民の誇りとなるような高校をぜひつくってほしいと願っております。

 もう一つの選抜制度の改編については、私たち会派が昭和50年代の後半から単独選抜への転換を言い続けて参りました。総合選抜制度は、尼崎市内の高校からは難関大学には行けないという評判を定着させ、教育に関心の高い人たちに市外への転出や私立学校への進学を余儀なくさせてきたことは、紛れもない事実でもあります。これまで総選制度の下では、この高校に入りたいのでがんばろうという目的に向かって努力する意識、心身とも成長が著しい中学生時代に、こうした最もたいせつな気持ちを育てることができませんでした。中学校の先生も、本来、一人ひとりの進路指導を真剣に考えるところ、総合選抜制度のうえで楽をしてきたということは否めない事実でもあります。こうしたことが合わさって、高校入試の点数が県下平均を合計で50点も下回る結果を生じさせたと言わざるをえないのが現状でありました。今回の改革においては、私たち新政会が望む単独選抜への転換はなりませんでしたが、これまでのように居住地に縛られることなく、自由に高校を受験できる制度に移行することは、一定の評価をいたしたいと思います。ただ、心配いたしますのは、複数志願選抜という新しい選抜制度に変える、その最終的な決定権は県の教育委員会が有していることであります。いくら市民が強く願っても、政治的な状況などで県の腰が引けることになると、実現が遅くなってしまいます。

 そこで、確認の意味でお伺いいたしますが、今回の選抜制度の改編、このねらいの中には学力向上があってしかるべきだと思いますが、教育委員会のお考えはいかがでしょうか。

 また、選抜制度の最終決定権を有する県教育委員会が、この尼崎の学区の選抜制度をほんとうに変える意思があるという十分な感触を得ておられるのか、そこの点も併せてお答え願いたいと思います。

 さて、この市立高校改革は、14年度に審議会が開かれて以来、本市教育の大きな課題として扱われて参りました。昨年の文教委員会にも多くの陳情が出され、その審議にも長い時間をかけて参りました。それだけ選抜制度をはじめ改革に対する市民的な関心が高い証拠でもあります。

 ところで、教育委員会は、基本計画の中で、新たな学校の場所など七つの事項を実施計画として今年度中に発表するとしておりますが、9月の現在、まだ中間的な報告もありません。

 そこでお伺いいたしますが、現在、どのようなことをどのような組織で検討されているのか。この場で発表できるのはどのレベルのことなのか。また、現場の意見を聴いて決めると言っておられたわけでありますが、そうした努力はされているのか。お答え願いたいと思います。

 最後に、不登校の問題についてお伺いいたします。

 8月11日の新聞各紙に、昨年度の学校基本調査の結果が出ておりました。全国版のその見出しは、不登校小中生2年連続減少となっており、心のうちではほっとしたのが正直なところでありました。ところが、同じ新聞の県内版の見出しは、不登校中学生全国減も県内98人増とありました。その横に大きく、尼崎などで目立つと書いておりました。どういうことかという内容を詳しく読んでみましても、尼崎市の数値はどこにも出ておりませんでした。

 そこで、まず教育委員会にお伺いしますが、尼崎市の不登校の現状はいったいどういうふうになっているのか。新聞の見出しに出ていたことは事実なのか。お答え願いたいと思います。

 新聞では、不登校になる原因について、中学生では、学校生活に起因するもの40.6パーセント、家庭生活に起因するもの20.1パーセントとなっております。私は、不登校という状況そのものとともに、こうしたことを生み出している教育的、あるいはまた社会的な環境を心配して、そして同時に、国や地域社会の行く末というものを憂えておる一人でございます。教育を受けるのは、勤労、納税と並んで国民の3大義務の一つでもあります。国家の繁栄、健全な社会の育成、そして個人の充実した人生のためには、教育はその基本となるのであります。学校において、社会生活に必要な基本的な知識とともに、広い人間関係も体得する必要があると思います。しかし、最近は、あえて学校に行かない、行かせなくてもよいという安易な風潮も出てきております。我慢する、努力するという人間にとってたいせつなことを、保護者も教員も強く指導しなくなってきておりますが、不登校に対する取組は、公教育に対する信頼の問題がかかっていると言っても過言ではありません。ましてや新聞で名指しされたこの尼崎市であります。本市の教育問題は重要な都市課題であると、我が新政会が常々指摘しているように、尼崎市の発展のためには、教育に係る不名誉と言える状況に一つ一つ着実に対応して解決していく必要があろうかと思います。

 そこでお尋ねいたします。

 教育委員会では、不登校に対してどのような対応をしておられるのか。新聞には、カウンセラー効果というものが出ておりましたが、本市では実施しておられるのか、併せてお答え願いたいと思います。

 さて、子どもたちの教育には、孟母三遷の教えに例えられるがごとく、周囲の環境が極めてたいせつであります。未来の尼崎を、いや、この世界を担う子どもたちが学力をしっかり身につける、情操豊かに成長する、文芸やスポーツでも生き生きと活躍する、そのためのハード、ソフト両面からの教育環境の整備に向けて、教育委員会は確たる展望と気概を持って取り組んでいただきたい。断じて行えば、鬼神もこれを避けるのであります。尼崎の子どもたちのために、力のある限り奮闘していただくことを心からお願いいたしまして、私のすべての質問を終わります。

 御静聴ありがとうございました。(拍手)



○議長(新本三男君) 答弁を求めます。

 白井市長。

   (白井 文さん 登壇)



◎市長(白井文さん) それでは、引き続きまして、私から、経営推進会議を公開するに当たり、整理すべき課題は何かという御質問にお答えいたします。

 まず、市政課題等について、議会に対してなんら説明がなされていない情報が先に公開されるという問題や、協議の中で出される情報には、非公開情報や素案に至らない未成熟な情報があり、これを公開することによって、場合によってはかえって混乱を招くことも予想されるといった課題、こういったものがありますけれども、さきほど、経営推進会議において公開、非公開の基準などについて整理を行い、公開に向けて検討を進めて参りますとお答えいたしましたように、経営推進会議が公開できるよう取り組んで参ります。

 以上でございます。



○議長(新本三男君) 小林教育長。



◎教育長(小林巖君) 教育にかかわる御質問に順次お答えいたします。

 まず、義務教育改革案についてどのように受け止めているのかというお尋ねでございますが、今回出されました改革案は、義務教育の根幹である機会均等、水準確保、無償制について国が責任を持つ一方で、6・3制の弾力化を含めて、教育の推進に当たっては、地方が責任を持ち、学校が創意を発揮していくことができるようにするもので、極めて大きな改革であると受け止めております。

 改革案は、今後中央教育審議会等で審議がなされ、具体化されてきますが、私は、現在本市で取り組んでいる事業等をしっかりと精査、検証し、そこから生じる課題解決への道筋を常に国の改革案と重ねて検討しておくことが、これから先必要な対応につながるものと考えており、こうした点からも、今後の動向を注視して参りたいと考えております。

 次に、教員の大きな意識改革が必要となるが、これをどのように進めるかというお尋ねでございますが、ここ数年、教育を取り巻く環境は大きく変化し、教育制度も含め、更なる改革が予定されております。こうした教育環境の変化に対しては、教員一人ひとりが改革の背景や意図を理解し、対応できる力量を身につけていくことがたいせつであると考えております。そのためにも、教員はまずそれぞれの学校や児童生徒の課題を的確に把握し、その課題解決に向け、教育活動に積極的に取り組むことが必要で、そうした中で教科指導や生徒指導などの力量が高まり、新たな課題への対応力が養われてくるものであります。こうした日々の真しな教育実践が、教員としての意識改革につながり、いついかなる時代の流れにも対応できる教員をつくり上げていくものと思います。こうした考えの下、効果的な教育実践が行われるよう、研修の工夫等を行って参ります。

 次に、総合選抜の改編には学力向上のねらいがあるのか、また、選抜制度の決定権を有する県教委の感触はどうかというお尋ねでございますが、このたびの選抜制度の改編は、各高校の特色に応じて、中学生が自分の興味、関心等により、居住地に関係なく自由に選択し、受験できることを目的としております。同時に、各学校が特色を競う中で、尼崎学区全体の活性化とともに、個々の生徒が学習面をはじめ文化・芸術活動、スポーツ活動などにおいても目的に向かって努力する姿勢をより高めていくことも期待しておるところであります。

 選抜制度にかかわる県教育委員会の姿勢は、高校教育計画において、新しい選抜制度の導入を推進すること、また、制度の決定は、従来から学区の意向を尊重して決定することとしております。こうした中で、審議会の答申から基本計画の策定以後も県との協議調整を続けて参っておりますので、このたびの制度改編の願いについては理解していただいているものと捕えております。

 次に、高校改革の検討は、どのような内容、どのような組織で検討しているのか。公表できるのはどのレベルなのか。更に、現場の声を聞く努力をしているのかというお尋ねでございますが、市立高校教育改革にかかわるいっそうの推進を図るため、本年度から事務局の組織として学校計画担当部を設けております。更に、局内部に関係部課長と三つの高等学校の校長による改革推進会を、またその下には、実務ベースの作業を行うワーキンググループを設置し、実施計画にかかわる諸事項について調査検討を進めております。また、産業高校及び東高におきましても、それぞれ改革にかかわる校内組織が設けられて検討がなされており、要請に基づきまして、直接に協議を行っているところでございます。新たな高校の特色などを内容とする実施計画につきましては、こうした中で出された意見や要望を反映させながら、16年度中に作成する予定でございます。一定のまとまりができましたら、お示しして御意見を伺って参ります。

 次に、尼崎の不登校の現状はどうなのかというお尋ねでございますが、本市の不登校児童生徒数は、平成14年度464人であったものの、平成15年度は491人となり、前年度に比べて27人増加しております。校種別においては、小学生で23名減少しており、発生率も全国平均も下回っております。しかし、中学生につきましては50名増加し、発生率は全国平均より高く、依然として厳しい状況にあります。中学校の不登校が継続している理由について見ますと、遊ぶためや非行グループに入って登校しない、また、無気力でなんとなく登校しないなどの割合が全国の31.8パーセントに対して、本市では56.5パーセントと、かなり高い状況にあります。本市の不登校の問題を解決していくうえで、この点は大きな課題であると考えております。よって、教育委員会といたしましては、そうした遊び、非行や無気力型の不登校児童生徒への対応を含めまして、校長会はもとより、関係機関との連携を図りながら、今後の不登校対策を総合的に取り組んで参ります。

 最後に、不登校に対してどのような対応をしているのか。カウンセラーなどの効果はどうかというお尋ねでございますが、本市の不登校対策としましては、登校したいができない子どもたちのための適応指導教室、いわゆるはつらつ学級を開設したり、経験豊かな教職員OBが学校と連携しながら家庭訪問を行うところの訪問指導員制度や、比較的年齢の若い大学生や社会人をボランティアとして家庭に派遣するハートフルフレンド派遣事業など、きめ細かな不登校対応を行っておるところでございます。併せて、子どもたちの心の問題に対応するため、全中学校へスクールカウンセラーを配置しておるところでございます。スクールカウンセラーの効果につきましては、カウンセラーの助言などにより、教員の不登校児童生徒に対する理解が深まってきますとともに、本人や保護者、家庭の状況などを配慮したかかわり方ができており、教育相談の充実と教員の対応力の向上が図られ、一定の効果が上がっておるものと考えております。

 今後とも学校とスクールカウンセラー、教育委員会が適切な情報交換と密接な連携を図る中で、不登校問題の解消に努めて参ります。

 以上でございます。



○議長(新本三男君) 上松圭三君の質問は終わりました。

 続いて発言を許します。

 塚田晃君。

   (塚田 晃君 登壇)



◆22番(塚田晃君) 市民グリーンクラブの塚田です。

 先輩、同僚議員におかれましては、しばらくの間御静聴のほど、よろしくお願いいたします。

 平成16年度も半年が過ぎようとしております。財政の厳しい中、いかに市民の社会的な要求にこたえていくか、市長におかれてもいろいろと思いをめぐらせておられると思います。私は、まず市長の施政方針について質問を進めて参ります。

 市長の平成16年度施政方針で表明されました主要施策につきましては、事業の優先度を見極めながら、現在の事業の見直しを行い、安全安心を基本として、人づくりと地域の活性化を挙げておられます。これを重点的に取り組むと述べておられます。また、具体的には、まず人づくり、そして地域の安心づくり、快適な環境づくり、また活力あるまちづくり、最後に公開と参画ということで、五つの項目を挙げておられます。これらを推進するために、行政の体制整備を挙げておられます。この行政体制整備を行うに当たって職員の意識改革が必要であるということで、市役所と職員は市民のためにあるということを意識改革の基本認識として、課題解決や事業推進に、あるいは日常業務に携わっていく中で、時代の流れとともに行動する職員、あるいはチャレンジ精神を求めておられます。職員の意識改革につながる取組として、ISO14001の取組やYAAるぞ運動などについては、多くの職員が自主的に取り組み、職場でのコミュニケーションの向上、職場環境の改善をはじめ、市民サービスの向上やコスト削減の取組などで成果を上げておられるということであります。職場の活性化、職員のやる気を喚起させ、幹部職員を含め全職員がコミュニケーションを図り、情報の共有化と働きがいのある職場、すなわち大きな意義を持って働ける職場づくりを目指していくということであります。職員の意識改革が進み、市民サービスが向上するとともにコスト削減ができれば、市民にとっても大いに歓迎すべきことであります。人間はパンのみに生きるのではないと言われています。また、給料をたくさんもらうから働くという考え方も変に偏っていると思います。もちろん、生活するために待遇も必要でありますが、待遇いかんにかかわらず、人間としての尊さがあるのだと思います。また、働く意欲にしても、自分たちの働きが社会で喜ばれること、自分たちの仕事の在り方について理解と自覚があって、初めて一生懸命に働こうという意識が生まれるものだと思います。市長は、この取組を全庁に広め、レベルアップを図ること、そしてチャレンジ精神とそのプロセスも重視していくとされています。

 職員のやる気を喚起し、スパイラルアップのためにも、今取り組んでいる内容あるいは改善した項目などを、各支所や職場あるいはロビーなどで紹介をされてはいかがでしょうか。職員の努力を市民にアピールすることで、市民とのコミュニケーションの向上になると思いますが、市長のお考えをお伺いします。

 また、市長は、住民自治の基盤づくりを行政改革の一つとして取り組んでおられます。住民自治の基盤づくりの第一歩として、数多くの方々と尼崎市の将来を語り合ったとあります。そして、尼崎市のためにと思っている人たちに勇気づけられたとされています。そしてまた次の一歩を踏み出していくと、考えを述べておられます。住民自治の基盤づくり、住民自治あるいは市民自治と同義語に言われておりますが、中央集権的、官主導的な地方自治を廃し、市民こそ地方自治の主権者であり、まちづくりや問題解決の主体であるという考え方によるものとなっております。市民自治の基本法的根拠は、地方公共団体が設置され、その事務を地域住民の参加と意思に基づいて処理することであると理解しております。市民自治の形成の必要性が話題になり始めたのが、1970年ごろの市民運動や市民参加型まちづくりが盛んになり始めた時期であります。市民自治を発展させるには、行財政制度面でまだ多くの課題があります。また、市民自らも自治の主人公になり、自己の要求だけでなく、利害の調整や公共事業などの選択において主体的な自己判断ができることが望まれるわけであります。まさに市民共同体としての意識がしっかりと根づくことが必要だということであります。このことは、今後のまちづくりにおいてもたいへん重要なポイントになると思います。

 市長は、住民自治の基盤づくりの第2歩を踏み出していこうと考えておられるようですが、どのようなお考えなのか、お伺いいたします。

 また、地域の活性化、人づくり、安全安心など、すべてに市民の協力が不可欠であります。一般に安全一つをとってみても、100パーセント安全ということはなく、いくらセーフティネットを進めても、100パーセント安全にはならないということであります。まして安心となりますと、もっと可能性は低くなるでしょう。安心は人の心で左右されるものであり、人間は疑心暗鬼になり、いくら安全性を主張されても、幾分かの不安を感じるのが常だと思います。不安を感じ、満足できないから追求をしていく、このことにより人類が進歩してきたのですから、否定するわけにはいきません。

 このように考えていきますと、市役所が提供して市民が受けるという相対する考え方では、事業を進めるに当たり時間がかかり、不安のほうが増大するということになります。市民を相対する顧客とするよりも、市民もなんらかの形で尼崎市に投資をしているという考え方で、市民は株主であり、いずれ経営者としてのパートナーとすることが理想であります。住民自治の原点になると思いますが、この点について市長はどのようにお考えでしょうか。お伺いいたします。

 また、市長は、20世紀の成長の時代から成熟の時代になり、価値観も多様化していると言われております。今日本は、総じて公共に対しては無関心になっていると言われていますが、昔は、暮らしの中でちょっとした助け合いが普通に行われていましたし、地域に共通した作業など、地域のことは地域で支え合う町内会などの地縁組織がありました。今でもその形は受け継がれているところもありますが、戦後の民主主義改革の中で、封建的で閉鎖的な組織であり、行政下請型の組織として、また、戦争遂行に協力したということで解体され、地域活動の基盤が弱くなったと言われています。その代わりに、自分たちは経済発展のために会社で働き、税金を納めることで、地域の課題は行政で解決してほしいということで、公私の役割分担論が定着いたしました。高度経済成長の下で、累進課税により、成長率以上に税収の伸び率が期待できた成長期にあっては、このしくみがたいへん有効であったわけであります。その結果、公園や道路にごみが落ちていても、これは行政の仕事だとして、だれも拾わず、行政が高いコストをかけて回収するという結果になりました。その後、所得水準や教育水準が上がり、暮らしにゆとりが持てるようになり、成熟社会となって参りました。このような成熟社会では、画一的で高コストの行政サービスではなく、きめ細かく安価で質の高いサービスを求められています。

 このようになってきますと、民間がビジネスとして自由な発想で先導していける社会構造のほうがうまくいくのかもしれません。市長は、成熟社会においては、価値観の多様化や評価の基準の違いを実感しておられますが、そのことはしごく自然なことだと思います。市長御自身が目標を示し、きちんと説明をし、意見交換をすれば、それほど方向性が違ってくるとは思えないのであります。

 市長は、これからしくみをつくり上げていかれるわけですが、今後どのように取り組もうとされているのか、市長のお考えをお伺いいたします。

 次に、福祉政策についてであります。

 人生80年時代と言われておりますが、尼崎市においても、3月末現在で100歳以上の方が59人おられると聞き及んでいます。また、15歳未満の人口より65歳以上の人口のほうが約2万4,200人多くなっています。まさに高齢化社会となってきております。この長寿化の要因は、経済成長とともに栄養状況の向上、また疾病対策の充実、医療の発達、医薬品の進歩などが挙げられます。言い古された言葉ですが、やはり健康で長寿を全うするというのが理想であります。健康は高齢者に限らず、子どものときからもさまざまな取組がなされています。健康で生活できることは、本市の福祉政策にとってもたいへん重要であると思います。また、保健衛生については、地域保健医療計画が策定されており、これまで取り組んできた疾病の早期発見、早期治療という2次予防施策だけでなく、疾病の発生そのものの予防として、市民の食生活や運動、あるいは地域の環境改善など、市民が主体的に取り組む健康的な生活習慣や地域づくりを支援していくとあります。2次予防施策として、現在は40歳以上を対象とした市民検診事業となっておりますが、この受診者数は、平成12年度において3万5,318人で、13年度は3万7,321人、14年度は3万7,510人であり、この3年間ではほぼ横ばいということになります。この数字だけでは分かりかねますが、毎年検診を受けられる方はほぼ決まっているのではないかと思うのであります。なんらかの仕事に従事している人は、年に一度の検診が義務づけられており、受診することはできますが、自営業や専業主婦などについては、受診の機会が少ないのではないかと思います。

 この受診者数についてどのように分析しておられるのでしょうか。お伺いいたします。

 また、健康管理は、個人の自主的な取組が必要ですが、検診を受診しやすい環境づくりも必要かと思います。保健所などにおいても、日曜日に受診できる体制はできないでしょうか。申込みを事前にいただくわけですから、その人数に合わせて対応するので、効率よく運営できると思います。お考えをお伺いいたします。

 次に、福祉政策の推進に当たっては、福祉事務所が第一線の窓口として設置されております。生活保護、老人福祉、児童福祉、身体障害者福祉、知的障害者福祉、また、母子及び寡婦に関する福祉など、福祉法に基づく措置や相談及び指導など、現業活動を行っています。一般財源に占める扶助費も増加しており、12パーセント強になっています。この中で、生活保護に関する事業では、扶助費の約40パーセント以上を占めており、10年前の平成7年度末では4,525世帯、人数にして6,558人、5年前の平成12年度末では6,379世帯、9,262人、平成16年度4月末現在では、世帯数8,218世帯、1万1,846人になっています。世帯数も人数も約1.8倍強になっています。

 この現状について、市長はどのような対策が必要だと思われますか。お考えをお伺いいたします。

 次に、教育についてでありますが、市長は人づくりについて、未来を担う子どもたちの学ぶ力の向上に保護者とともに取り組むことが必要とされています。学ぶ力、一言で表現されていますが、この言葉は、人間が生きていくうえでもたいへん重要であり、人生における究極の言葉だと思います。人間が現在他の動物を圧倒して、食物連鎖の頂点に立っていられるのは、知識を習得した能力があるからであり、また、子どもを教育する能力が優れているからだと言われています。学ぶ力、教育する力、これが人間を頂点に立たせたということになります。また、学ぶ力は、教育現場で言えば、勉強意欲を持つことということになります。何事をするにも目的や目標を明確にしたほうが大きな意欲を持ち続けることができると思います。

 市長は、人づくりの観点から、子どもたちの学ぶ力の向上についてはどのような取組が必要だとお考えでしょうか。お伺いいたします。

 また、基礎学力の向上については、読み書き計算が必要であると言われてきました。本市においても、構造改革特別区制度を活用して、今年の1月に申請をして、3月24日に尼崎計算教育特区の認定を受け、4月から杭瀬小学校をモデル校として、そろばんを活用した計算科の授業が始まっております。古くから読み書きそろばんが教育の基本として取り入れられ、記憶力、計算力などを身につけることで、日本の経済の発展に貢献してきたと思います。先月のそろばんの日には、全日本珠算選手権大会が尼崎市記念公園総合体育館において開催され、全国から485名の方が参加されました。最年少の小学1年生から最年長の54歳の方々が出場されて、うち、小学校低学年は5人出場しておられました。私もほんの一部ですが、見学をさせていただきました。式典の時間も少々長く感じられましたが、ざわめくこともなく、きちんとした態度で臨んでいたのが印象的でした。

 本市でそろばん特区として取り組み、半年がたとうとしていますが、生徒の学ぶ態度などについて、何か変化は見られたのでしょうか。また、今後の取組についてお考えをお伺いいたします。

 次に、市バス事業についてですが、市バス事業につきましても、過去に各議員も環境面や経営面、市民サービスと福祉に関する面などから当局と議論を重ねてきております。そのつど当局は、他のバス事業者との関係やサービス水準の在り方、最も重視しなければならない課題として、採算性を挙げておられます。また、市バス利用者の増大を図るために、定時性の確保、また乗車券の利便性など乗客サービスの向上、積極的な広報活動に努めているとされています。バスは一度に多くの輸送能力があるため、多くの方が利用すれば、現状よりも一般自動車の交通量を減少させることができ、環境面においても貢献できることになります。

 尼崎市は鉄道の駅も多く、平坦な地形であります。自転車の利用も多くあり、現状では輸送人員も減少傾向にあります。しかし、自転車に乗れない方や高齢の方たちはバスを頼りにされています。今後、市民の社会的要求の多様化に対し、どうこたえていかれるのか。また、福祉面とまちの活性化、まちづくりの観点から、市バス事業のとるべき方策についてお考えをお伺いいたします。

 これで1問を終わります。(拍手)



○議長(新本三男君) 答弁を求めます。

 白井市長。

   (白井 文さん 登壇)



◎市長(白井文さん) それでは、塚田議員の御質問にお答えいたします。

 まず最初に、住民自治の基盤づくりへの第2歩目を踏み出していこうと考えているようだが、どういうふうに進めていこうとしているのかというお尋ねでございます。

 本市が自治基盤を確立していくためには、地方分権の流れの中で、自治体が自らの責任と権限で運営できるよう、まずは財政基盤を確立していく必要がございます。一方では、住民自治の基盤づくりが必要となりますが、これまでその前提となる情報の共有化を目指し、その方策として、車座集会やタウンミーティング、パブリックコメントなどを実施、市民の市政参画を求めて参りました。そうした中で、サイレントマジョリティと言われる方々の存在やボランティア活動を行っているそれぞれのグループが連携を取ることの難しさなどの課題を再認識しているところでございます。こうした課題解決にも取り組んでいかなければならないと考えております。

 また一方では、数多くの市民の皆様と語り合う中で、尼崎市や地域のために何かをしたいという市民の存在を知り、頼もしくも感じました。今後、こうした思いを実現し、既存の地域に根ざした自治組織に加え、ボランティアなど新たな公共の担い手を育成するとともに、地域の中で市民自らがさまざまな課題に取り組み、まちづくりを進めて行けるようなしくみを、市民の皆様とも協議しながら創り上げて参りたいと考えております。

 次に、これから公私の役割分担や協働のしくみづくりをどのようにしていくのかというお尋ねでございます。

 これまでの行政主導による画一的なまちづくりから、人々の価値観の多様化にこたえていけるよう、これからは地域や民間事業者もまちづくりの主体となり、その地域の特性や専門性を生かしたまちづくりへと移行させていくことが重要でございます。そのためには、まずは地域社会を構成する多様な主体が、自主的で活発に活動でき、地域を支えていく担い手にもなるよう、諸条件を整えていくことがたいせつであると考えております。

 更に、これまで進めて参りました協働の取組を検証しながら、協働のまちづくりの領域を拡大し、地域課題への解決力を高めていかなければなりません。そのために、市民と行政が連携して共同事業を運営するしくみなどを構築する必要があります。今後、こうした点について市民の皆様と協議しながら、具体化に努力して参りたいと考えております。



○議長(新本三男君) 村山企画財政局長。



◎企画財政局長(村山保夫君) YAAるぞ運動の成果や職員の努力を市民にもアピールすることを考えていないのかというお尋ねでございます。

 YAAるぞ運動では、各職場が自主的に改革改善に取り組み、職場環境の改善はもとより、市民サービスの向上やコスト削減の取組など、多くの職場で成果を上げております。こうした成果は、その職場だけにとどまらず、全庁に広げ、日々業務改善していく組織風土の醸成に努めていかなければならないと考えております。まずは行政事務支援システムへの掲載や職員研修などの機会を通じ、全職員への浸透を図っていっているところでございます。今後は、YAAるぞ運動の成果や職員の努力をできるだけ市民の皆様にも知っていただくとともに、将来的にはYAAるぞ運動への市民参加も視野に入れながら、運動の拡大についても検討して参りたいと考えております。

 続きまして、市民を顧客とするよりも、市民は株主であり、経営者としてのパートナーとすることが理想であり、住民自治の原点になると思うがどうかというお尋ねでございます。

 市民を企業で言う顧客と例えておりますのは、サービスの利用者である市民の満足度や成果を重視し、より効果的な事業へ転換を図るため、民間企業における経営手法、成功事例などを参考としながら、行政部門の効率化、活性化を図っていこうとする考えによるものでございます。また、今後限られた財源の中で多様な行政需要に対応していくためには、これまでのような行政主導では限界がございますことから、行政と市民の役割分担の在り方を見直す中で、情報の提供、共有化を図りながら、参加参画の機会を拡大し、さまざまな活動主体と連携し、支え合う、分権型の自治基盤を築き上げていくことが必要でございます。市民はサービスの受け手としてのみ捕えるのではなく、当然主権者でございますし、まちづくりの担い手として認識し、協働の取組を進めて参りたいと考えております。

 以上でございます。



○議長(新本三男君) 高岡医務監。



◎医務監(高岡道雄君) 市民検診に関する御質問にお答えをいたします。

 まず、市民検診の受診者数についてどのように分析しているのかとのお尋ねでございますが、市民検診につきましては、市内に居住する自営業者、専業主婦、退職後の高齢者などを対象として、保健所、ハーティ21及び市内医療機関で実施をしております。本市の14年度の市民検診受診率は45.9パーセントで、阪神6市の平均受診率45.8パーセントとほぼ同率でございますが、目標受診率50パーセントから見ると、まだ十分とは言えない状況でございます。また、平成14年度の受診者数3万7,510人について分析をいたしますと、性別では男性が33.8パーセントを占め、女性が66.2パーセントとなっており、女性の受診者が3分の2を占めております。これは、専業主婦の方の受診が多いためと考えられます。年齢別では、60歳以上が66.3パーセントとなっており、退職後の高齢者の方の受診が多いためと考えられます。

 今後とも市民検診の実施に当たりましては、実施方法に工夫を加えるとともに、市報等を通じて受診勧奨のPRに努めて参りたいと考えております。

 次に、日曜日にも受診できる体制はできないかとのお尋ねでございますが、日曜日の受診体制につきましては、現在、ハーティ21で年間を通して日曜検診を実施しているほか、巡回市民検診でも年9回実施をしております。また、保健所におきましても、日曜市民検診を年2回と夜間市民検診を1回行っております。今後ともハーティ21と調整をしながら、受診機会の確保に努めて参りたいと考えております。

 以上でございます。



○議長(新本三男君) 守部健康福祉局長。



◎健康福祉局長(守部精寿君) 生活保護世帯の増加について、どのような対策が必要であるのかといった御質問でございます。

 生活保護世帯の増加につきましては、全国的傾向でございまして、高齢化の進展あるいは長引く不況など、さまざまな要因があると思っております。こうしたことから、窓口でのよりきめ細かな生活相談を行うことが重要であると考えておりまして、平成15年度から専門の面接相談員を配置し、その対応に取り組んでおるところでございます。

 また、就労促進相談員を配置することによりまして、これまで以上に就労支援を行う中で、自立促進に努めておるところでもございます。今後ともこうした取組を継続して行うことによりまして、適正な保護の実施に努めて参りたいと考えております。

 以上でございます。



○議長(新本三男君) 小林教育長。



◎教育長(小林巖君) 人づくりの観点から、子どもたちの学ぶ力の向上についてはどのような取組が必要かというお尋ねにお答えいたします。

 学ぶ力とは、学びたいという意欲と意志、問題を解決していくために必要な知識や技能が総合的に備わっているものであり、子どもたちがさまざまな課題を主体的に解決し、日々豊かに生きていくために必要な力であると考えております。こうしたことから、学校教育におきましては、児童生徒一人ひとりの個性をたいせつにしたきめ細かな指導を行い、基礎基本をしっかりと身につけさせるとともに、大きな夢を描くことから始まって、具体的に自分の将来をどう設計していくかという目的意識を持たせることがたいせつであります。そして、時には苦しさを乗り越えながらも、学ぶことの楽しさや成就感を体感させていく取組を行うことが、学ぶ力の育成につながっていくものと考えております。

 次に、そろばん特区として半年がたつが、何か変化は見られたか。また、今後の取組はどうかというお尋ねでございますが、そろばん教育特区に取り組んでいる杭瀬小学校からは、児童の計算力が徐々に向上しているとか、また、そろばんの効果の一つである集中力に関しては、計算科だけでなく、他の教科でも授業に集中する姿が見られるようになってきたとの報告を受けております。更に、保護者アンケートでは、子どもが真剣に取り組む姿を見てとても喜んでいるとか、算数が苦手だったが、今は楽しく計算に取り組んでいるようだなどといった感想をいただいております。

 このように、そろばん教育特区の取組は順調に進んでおり、今後、教職員の共通理解を図り、保護者や地域の理解と協力を得ながら、順次対象校を拡大して参りたいと考えております。

 以上でございます。



○議長(新本三男君) 喜田自動車運送事業管理者。



◎自動車運送事業管理者(喜田完二君) 市営バスについて、今後多様化するニーズにどう対応していくのか。また、福祉とまちの活性化、まちづくりの観点から、市営バス事業の取るべき方策をどう考えているのかという御質問にお答えいたします。

 市営バス事業では、経営の根幹を成します乗合輸送人員の減少が依然として続くなど、その経営環境はますます厳しくなると予測されます。このため、現在交通局では、収支の均衡を図り、現行のサービス水準を維持することを目的とした第2次経営計画の推進に努めているところでございます。このような状況の下で、市営バス事業に対する多様なニーズへの対応につきましては、独立採算を基本とする中で、慎重に検討する必要があると考えております。また、市営バス事業が地域の福祉やまちづくりに直結した事業であることから、今後ともよりいっそう効率的かつ利便性の高い路線体系を構築すべきであると考えております。

 以上でございます。



○議長(新本三男君) 塚田晃君。

   (塚田 晃君 登壇)



◆22番(塚田晃君) 今御答弁をいただきまして、市長は市長なりに取り組もうとしておられますけれども、まだ私には具体的にはちょっと理解できないところがございます。これからだと思いますので、ぜひがんばっていただきたいと思います。

 また、さきほどのそろばんを使った授業ということで、教育長はたいへんいい方向であるというふうに述べておられます。少なくとも悪い評判は出ないと思いますけれども、こういういい方向に向かっているというのであれば、様子を見てからいつやるか分からんというのではなく、計画的に進めていくように、ほかの子どもたちはどうなるんだというような意見が出ないうちに、早急に進めていただきたいと思います。

 あとは、一応前向きに御答弁いただいておりますので、ぜひがんばっていただきたいと思います。

 では、2問目に入ります。2問目におきましても、福祉、教育、バス事業と、また道路行政について質問をして参ります。

 福祉施策については、市民の生活に密接に関係しており、市民の安心という面から、なくてはならない施策となっています。特に生活保護に関しては、憲法第25条に規定されている理念に基づいて、生活に困窮するすべての国民に最低生活を保障し、その自立を助長することを目的としております。そのうえで、差別を受けることなく、健康で文化的な生活水準を保障することとなっております。保障される金額は、その生活が維持できるものとなっていますが、扶養義務者との関係や資産、能力の活用などが優先されるなどと規定されております。生活保護世帯、人数とも10年前の1.8倍となりましたが、この要因はさまざまに考えられます。さきほど御答弁をいただきました。最大の要因は、やはり社会経済状況の変化などによるものだと思います。人間だれしも、無職で窮屈な生活をするより、働いて一定のリズムの中で生活を送りたいと思うのはあたりまえのことであります。これはしごく当然のことだと思います。平成15年7月現在の被保護人員は、男女合わせて、さきほども申しましたように、1万1,205人でありました。そのうち、30歳から59歳までの人員は3,390人で、年齢からすれば働き盛りであります。この中には、働きたくても仕事がなくて困っておられる方がいるはずです。働きたくても仕事がない、こんなみじめなことは絶対になくさなくてはならないと思うのであります。

 根本的失業対策については、国際社会を相手に国家的戦略を持って対策を打たなければ解決はしないと思います。健康を取り戻し、仕事を取り戻し、普通の生活を取り戻すために、少しでも現状を改善するため、今ある資源を生かし、今ある施策を生かすことはたいせつだと思います。すぐに職に就くことが困難であれば、例えば健康面では、一般の健康講座だけでなく、市民が自主的に健康管理を行い、健康づくりの輪を広めるリーダーとなる人材育成を図り、終了した後も推進員として継続学習と地域活動ができる、市民健康増進スクールなどへの参加促進、また生業扶助費については、生業扶助事業として積極的に推進していき、必要な費用は扶助するという受け身の政策ではなく、就労可能な方には行政がメニューを提供できるようにして、諸費用を投資的経費と位置づけるぐらいの取組をすべきだと思います。外郭団体とも調整をして協力を要請できるようにするなど、あらゆる施策を考え、努力をしていくことが必要だと思いますが、いかがでしょうか。お考えをお伺いいたします。

 教育については、なんらかの形で社会の役に立つこと、人のためになることは、人間として最も尊いものだと思います。ただ漠然と何も考えずに生きたほうが、純粋な心を持てて大きく成長すると考える人はほとんどいないと思います。しかし、教育となりますと、このあたりまえのことが通りにくくなります。人は、競い合うより協調して生きるべきであるとか、すべての人を公平に扱うほうがお互いに幸せに生きられるなどと言われる人もおられます。このことは、決して間違いではないと思います。人が協調していくことや公平、平等にということは、私たちの社会においてもたいへん重要なことであります。しかし、生きていくうえにおいて競い合って生きており、そのためにストレスを感じたりすることもあるでしょう。また、目的を達成したときの喜びを感じたりしているのです。競い合うことを言い換えれば、戦うことを意味するわけです。日本は世界大戦でアメリカに大敗して、戦争という言葉だけでも恐怖や嫌悪感を持つ人もおられると思います。まして教育を語る中で、戦うなどという言葉はタブーとすべきでしょう。しかし、今、経済戦争が既に始まっております。今教育を受けている子どもたちは、諸外国と経済戦争をすることになります。頭がよくて働き者で安い賃金の外国人労働者を確保してコスト削減と生産性を高めるために、工場を外国につくる企業が増えています。このことは、日本人を雇用しないということであります。また、日本に外国の企業が多く進出しており、利益が外国に流れています。まさに経済戦争は既に始まっています。このために、勉強し、頭脳を鍛えて、生きるための道具を子どもたちの手に持たせるべきだと思います。

 教育を行う立場から、子どもたちに対し、勉強の必要性についてどのように伝えておられるのか、お伺いいたします。

 私は、子どもたちにとって絶対的存在は親であると申して参りました。その親の愛情のこもった言葉と行動が、本来の教育を支えているとも申して参りました。しかし、その親に寄生する若者が急増という記事が、今月の10日付けの新聞に掲載されていました。このような記事は、5月17日の新聞にも掲載されていました。両方とも同じ新聞社のものですが、5月の記事は、急増63万人とあり、9月の記事は、急増52万人となっておりました。同じ急増でも後のほうが11万人少なくなっています。それほど実態をつかみにくい人たちなのだと思います。年齢は15歳から34歳に限定し、総務省のデータを分析したとあります。この働かない若者を四つに分類しております。一つ目はヤンキー型。反社会的で、今が楽しければいいというタイプ。二つ目に引きこもり型。社会との関係を築けず、こもってしまうタイプ。三つ目に立ちすくみ型。就職を前に考え込んでしまい、行き詰まってしまうタイプ。四つ目につまずき型。いったんは就職したものの、早めにやめて自信を喪失したタイプとなっております。年齢では、高校卒業から1年以内の19歳が突出して多くなっており、就職事情が厳しく、高校卒業後に定職に就くことをあきらめたと見ています。日本社会がこれまで培ってきた、次世代の職業人を育成するシステムが機能しなくなってきたことが大きな要因であるとしています。そして、この問題は、労働政策だけでなく、学校、産業界、行政が連携して、社会全体で取り組む必要があるとしています。

 尼崎市においてこのような若年無業者について実態を把握しておられるのか、お伺いいたします。

 次に、市バス事業についてであります。

 老人市バス特別乗車証交付負担金として、本市に1年以上居住の70歳以上の高齢者に対し、乗車証を交付しています。年齢引上げの経過措置のため、65歳から69歳の方にも交付しています。老人市バス特別乗車証交付負担金の15年度決算では、15億2,400万円になっております。カード発行枚数は6万1,290枚。これに発行したカードの有効平均日数と乗車率、更に料金を掛けて算出しております。この事業は、老人福祉の一環として大きな役目を果たしている一方、交通局としては、たいせつな運賃収入であります。しかし、せっかくの老人福祉の特別乗車証も、市バス路線から離れているところは活用できないのが現状であります。また、尼崎市バス以外の路線バスが運行しているところもあり、乗りたくても特別乗車証では乗れないということで、本来の福祉政策としての役目を果たしていないということになります。このような場合、例えば特別乗車証の1枚に係る費用の半額に相当する額、つまり、一枚当たりの年間費用が2万4,893円になりますから、その半額で約1万2,000円になります。この額に相当するスルッとKANSAIも選択できるようにしていただければ、関西圏の約45社に使用可能であり、もちろん尼崎市バスにも乗車することもできるわけであります。市バスの事業者から見れば、運賃収入が減少することになりますが、お考えをお伺いいたします。

 道路行政についてでありますが、尼崎市は、東に大阪、西に神戸など、大都市が近隣に位置しております。交通量もたいへん多く、交通渋滞も発生しております。この交通渋滞の解消に向けて、道路網の整備も着実に進められております。尼崎市内の道路には、広域幹線道路、また幹線道路、補助幹線道路、区画道路、生活道路、歩行者道路など、さまざまな形態の道路があり、私たちの生活には必要不可欠であります。また、道路は、利便性と安全性が確保されなければなりません。尼崎市は平坦な道路が多く、自転車や車いすの移動には好都合のまちでもあります。新しく整備された道路については、車道と歩道の高さについては段差を極力なくす方向で整備されています。しかし、旧の道路については、歩車道境界ブロックの上の部分の高さに歩道が施工されています。そのために、交差道路から歩道に入るこう配がきつく、すりつけ部分の角度が大きくなっています。この角度の大きいところにおいても、施工の方法で改善される構造のものも見られます。市民の方から要望があった場合などについても、そのつど対応していただいておりますが、このような形態の道路の補修などについて、県も含め、今後どのようにしていかれるのか、お考えをお伺いいたします。

 また、山手幹線などの県道で一部見受けられますが、交差道路部分の歩車道境界ブロックに溝付き縁石が使用されております。この溝付き縁石につきましては、視覚障害者の方がこの溝により歩道との境界が認識できるというものであります。今までは境界部の2センチの段差で認識をしておられたので、溝で認識ができるので、段差を設けなくてもよいということであります。人にやさしい道路ということで研究が進められ、車いすの方や視覚障害者、高齢者の方への配慮から設計されたと聞き及んでおります。今後とも歩道との段差については解消に向けて推進していかなければなりませんが、現在県道で使用されており、尼崎市としても今後のまちづくりにおいて歓迎すべき設計、施工だと思います。この溝付き縁石については、認識性も考慮しており、可能な限り全市域に施工していくべきだと思います。予算面での制約もありますが、県とも協議する中で、特に古い形態の道路などは早急に改修すべきと思いますが、今後の取組についてお考えをお伺いいたします。

 以上で第2問を終わります。(拍手)



○議長(新本三男君) 答弁を求めます。

 守部健康福祉局長。



◎健康福祉局長(守部精寿君) 被保護者の就労支援のため、外郭団体にも協力を要請できるようにするなど、あらゆる施策を考え、努力していくことが必要ではないかという御質問でございます。

 生活保護の適正実施及び自立を促進するうえで、被保護者の心身の状態に応じた就労指導支援が求められております。そういったことから、福祉事務所は重点項目として取り組んでいるところでございます。平成14年度に、就労支援を更に進めるため、就労促進相談員を各福祉事務所に1名配置し、ケースワーカーと共同して就労指導に努めており、一定の成果が上がっております。具体的には、職業安定所への協力要請及び同行しての就労促進、面接を受ける際の指導及びシルバー人材センターへの登録指導などの取組を積極的に行っております。今後もそういった取組を続けて参りたいと考えております。

 次に、市バス特別乗車証だけでなく、スルッとKANSAIも選択できるようにしてはどうかといった御質問でございます。

 お尋ねのスルッとKANSAIにつきましては、その利用者が特定できないという問題点がございますため、現時点では導入することが困難であると考えております。

 以上でございます。



○議長(新本三男君) 小林教育長。



◎教育長(小林巖君) 教育を行う立場から、子どもたちに勉強の必要性についてどのように伝えているのかというお尋ねにお答えいたします。

 教育は、子どもたちが社会の一員として、また、生涯にわたって豊かに生きていくために必要な資質や能力の育成を目的とし、知育、体育、徳育のすべての面で総合的に行われるものであります。こうした教育の目的は、子どもの側からは学習するという意味になりますが、発達段階によって、その受け止め方が異なるものでありますので、その発達に応じて理解させるよう努めておるところでございます。例えば小学校では、将来のためにと言い聞かせる場合もありますが、主には成就感や達成感を抱かせたり、称賛や激励などを行ったりして、学習の楽しさを感じさせるようにしております。こうした点に加えて、中高生になって参りますと、自分の生き方や将来の進路を考えさせ、そのために苦しくとも学習が必要であることを理解させることが増えて参ります。今後ともこうした学習の必要性につきましては、日々の学習の中で指導の充実を図って参りたいと考えております。

 以上でございます。



○議長(新本三男君) 森田産業経済局長。



◎産業経済局長(森田康三君) 本市の若年無業者の実態についてのお尋ねでございますが、御質問の中にもありました若年無業者52万人の数字につきましては、総務省統計局が実施いたしております労働力調査の数値をもとに厚生労働省が集計し、今回公表したものでございます。この調査は、国レベルの状況を把握するためのものでございまして、したがって標本規模も小さく、また、基礎となる各種のデータまでは発表されておりませんので、お尋ねの本市の状況につきましては、把握は困難な状況になっております。

 以上でございます。



○議長(新本三男君) 岩田都市整備局長。



◎都市整備局長(岩田強君) 道路問題につきまして、既存道路の補修、歩道の段差解消の工事、これを今後どう進めていくのか。また、新しく溝付き縁石を使用した今後の取組についての2点の御質問がございましたが、併せてお答えを申し上げます。

 本市におきましては、高齢者や障害者など、すべての人にやさしいまちづくりの一環といたしまして、これまでから、兵庫県の基準に基づきまして、歩道の段差解消に取り組んで参りました。また、平成16年4月から、兵庫県におきまして、歩道部分における切下げ部の車道面と縁石上面の段差がゼロセンチで、溝付き縁石の使用などを標準とした土木基準管理規定の見直しが行われております。こうしたことから、本年度から兵庫県や本市では、一部の既存道路におきまして、改められた仕様で施工いたしております。今後とも、議員も御指摘ございましたように、予算上の制約はございますが、溝付き縁石を使用するなど、歩車道のバリアフリー化に取り組んで参ります。

 以上でございます。



○議長(新本三男君) 塚田晃君。

   (塚田 晃君 登壇)



◆22番(塚田晃君) 3問目は要望だけにと思っております。

 さきほど、バスのスルッとKANSAIについては、本人の認識ができないということであります。しかし、認識ができないのであれば、バスは認識ができる。それならば、市内に走っておるバス事業者、3社あるのでしょうか、そのバスだけに限っての回数券的なもの、価格的には値段に差があると思いますけれども、その調整は可能だと思います。こういう発想に立つことはできないのでしょうか。もう一度お考えをお伺いしておきます。

 教育については、押しつけという私の気持ちは決してございませんので、苦しくともという言葉が出ておりましたけれども、私は、苦しみながら教育はしてほしくないと思います。(「楽しく」と呼ぶ者あり)

 そうです。それを基本にしていっていただきたいと思います。

 子どもは、高く評価されれば自信を持って伸びていけるものだと思います。そのためには、目的、目標を持って、それに向かって進んでいかなければ、評価のしようがないわけであります。目的を考え、目的を示す必要があると思います。目的、目標を与えるのは、私たち大人の役目であり、教育の現場でもあると思います。

 新卒者の働くところがない状況で、君たちは将来の日本の国を背負って立つのだと言えるのでしょうか。経済成長はあまり期待はできないかもしれませんが、経済を安定させることは絶対必要です。国へも働きかけながら、今持っている力を最大限生かし、子どもたちの将来、国の将来を支えていかなければならないと思います。子どもたちはゲーム機で戦っています。このように仮想の世界で戦っていると、現実との落差によって判断基準が狂ってしまうのではないかと思います。もっと現実の社会で戦うことが必要だと思います。金がなければ知恵を出さなければなりません。知恵がなければ力を出す。お互いが助け合い、お金で買えない人間としての尊いものを少しでも増やすことができればと願うものであります。

 最後になりますが、市長は、「夢、アシスト、あまがさき。」を一つの指標としておられます。このアシスト、私はカタカナ語を見るとすぐ辞書を引く癖がございます。これはよく理解されると思います。手伝うとか助けるという意味だと思います。あるカタカナ語辞典に、自らは得点しないが、好適なパスを送るなどしてシュートを助けると、これはアイスホッケーやサッカーを事例に出して、例で説明をしております。助けるだけではなしに、ぜひ市長もシュートをしていただきたいと思います。市長は市長なりに辞書をお持ちなのだと思います。しかし、市民に市長のおっしゃることが分からなければ、意思の疎通はできないのです。意思の疎通ができた時点が始まりです。そこからお互いの理解を求めて議論が始まります。

 市長のお言葉をお借りして、オンリーワンの尼崎、志は皆同じだということを申し上げまして、私のすべての質問を終わります。

 ありがとうございました。(拍手)



○議長(新本三男君) 答弁を求めます。

 守部健康福祉局長。



◎健康福祉局長(守部精寿君) 再度の市バス無料乗車制度についてのお尋ねでございます。

 市バス無料乗車制度は、高齢者の方に使っていただくことによりまして、高齢者の方の社会参加に有意義な制度であるというふうに考えております。そういった意味から、市バスを利用しにくい地域の方への対応につきましては、今後も研究をさせていただきたいと考えております。

 以上でございます。



○議長(新本三男君) 塚田晃君の質問は終わりました。

 この際、休憩いたします。

             (午後0時16分 休憩)

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             (午後1時16分 再開)



○副議長(北村保子さん) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質問を続行いたします。

 発言を許します。

 今西恵子さん。

   (今西恵子さん 登壇)



◆6番(今西恵子さん) 日本共産党議員団の今西恵子です。しばらくの間、よろしくお願いいたします。

 保育行政を取り巻く状況が大きく変えられようとしている、その中にあって、市長の保育に係る姿勢を順次お伺いして参ります。

 まず、幼稚園についてです。

 公立幼稚園の廃止等が17年度の行革項目に上がっています。この説明で、公立と私立の園児1人当たりの公費負担額が、公立72万8,000円、私立8万円との説明がありました。あまりの差の大きさに、私なりに調べてみました。幼稚園の運営費は、学校教育法で幼稚園を設置する者が負担することになっています。公立は各自治体が、私立は学校法人が負担します。運営費を保育料のみで賄うことは、保護者負担が大きくなり、そうはできませんので、国や自治体が補助、助成しています。また、保育料の減免に対しても同じです。私立幼稚園は、私立学校振興助成法により助成されます。その対象は、専任教職員給与、つまり人件費を含む教育に必要な経常的経費です。その額は国が定めた単価に幼稚園児の実員を掛け算した額以内となっています。また、所得水準の低い家庭の幼稚園児の保育料を市や県が減免する就園奨励事業があります。幼稚園の経常的経費は、私立には県を通して国、県の補助金が支出されます。公立では、設置する市が運営費を負担します。公私立の県、市負担分については、地方交付税が措置されます。

 説明が長くなりましたが、一般財源に交付税が入っています。このことを考慮しない説明は間違いです。私立幼稚園には国、県から、公立幼稚園は市の一般財源に国費が入っています。市の交付税額は5億7,552万6,000円となっています。15年5月1日現在、園児は1,475人です。つまり、公立幼稚園に対して、交付税の基礎数値には、園児1人当たり39万円あることになります。

 お尋ねします。

 このように、幼稚園運営費に交付税が措置されていますから、市の持ち出しが公立幼稚園児1人に72万8,000円という説明は過大であり、市民に誤解を与えます。適切な説明でないと考えますが、いかがでしょうか。お答えください。

 さて、私立幼稚園の保育料は、設置者、つまり幼稚園が決定します。一方、公立幼稚園は、議会で条例により決定します。市民の生活を反映した適正な保育料かどうか、議会がチェックできるのです。ちなみに、本市の保育料は7,500円、私立は幼稚園ごとに異なりますが、おおむね2万円程度となっています。この差に示されるように、尼崎市における子育て支援を推進する立場から見て、公立幼稚園は大きな役割を果たしています。就学前教育があたりまえとなり、更に2年、3年保育が求められる中で、すべての子どもに集団生活の経験や学習の場を提供する保障として、本来公立の役割はしっかりあると考えます。特に公立幼稚園は、歩いて、又は自転車で通園できる範囲ですから、地域性が高く、小学校、中学校と地域での継続した子育てネットワークの担い手ともなります。

 お伺いします。

 1995年、公立幼稚園7園を廃園する提案がされ、急速に大きな反対の声となり、1園が見直しされた経緯があります。この経緯を見ても、市民は公立幼稚園の存続を強く望んでいます。廃園すべきでないと考えますが、市長の御所見を伺います。

 次に、保育所について伺います。

 尼崎市は、公立保育所はコストがかかりすぎると、全国に先駆けて民間移管を行い、全国にその波が広がりました。保育所の運営費は、ほとんどが人件費と言われます。70年代に保育所が多くつくられ、そのとき採用された保育士の給与が給与体系に沿って高額になることによるものです。民間法人の保育士の基準給与は、国が勤続10年で据え置きにしているので、人件費抑制のために結果的には勤続年数が3年から5年という短い雇用になっています。これがコスト差の要因です。

 さて、効率的観点という言葉が行政改革の中で飛び跳ねていますが、子育てに効率化はなじまないと思います。子育ては、親の思いどおりにならないものです。育児書などの教科書やマニュアルでは対応できないのです。一人ひとりの成長に沿った保育、子育てが必要です。また、社会状況の悪化の中で、子育てそのものが難しく、児童虐待も増え続けています。子育て世帯が経済的にも精神的にも不安定にされ、親自身のケアや援助が求められています。こうしたことも含め、人生の先輩として、保育の専門家として、経験の蓄積により、保育所が子育てのよりどころになり、社会的に高い評価を受けるようにもなっています。団塊の世代、私の世代ですが、数年で退職です。公立の保育士の平均勤続年数が下がり、コストは下がります。公私の差は小さくなります。ところが、国は、企業参入に道を開きました。正規雇用でなく、パートや1年の有期雇用など、不安定雇用の導入です。コストはもっと低くなります。そのために、経験の蓄積がなくても効率よく対応できるようにと、マニュアル化した、型にはまった保育が行われているとの指摘があります。子どもが泣いてもあやしたりしない、抱いたりしない。しかし、服はお迎えの前にはきちんと着替えさせる。連絡帳など事務的なことはまめにするなどときいています。利潤を上げ、もうけるためには、人件費をいかに減らすかが保育の場でも追求されるのです。

 市長に伺います。

 このように、子育てを利潤追求、金もうけの対象にしてはならないと考えます。国は、企業参入に道を開きましたが、市長の政治姿勢として、尼崎市では企業参入させないとの立場を打ち出す考えはあるか、いかがか、お伺いします。

 久しぶりに保育所を訪問いたしました。以前私が勤務していた武庫南保育所や武庫東の保育所です。戸締りするにも、なかなかかぎがかけられず、どこもゆがんでいるといいます。雨どいが腐食し、穴が開いて、雨水が吹き出したという状況もあったと聞いています。ガムテープで応急処置をしたそうです。やっとそこだけが新しくなっていました。他の雨どいも腐食が進んでいます。台風で波板も飛んだと聞き、見ると、テラスの屋根そのものがゆがんでいました。また、床にボールペンを置くと、自然に転がるところもあると聞きました。床が傾いているんです。担当や課の方も努力をされているようですが、補修では限界です。また、私の子育て時代は、子どもに日光浴をさせるのがあたりまえでしたが、今は紫外線防止が必要になり、委員会の管内視察した東園田保育所でも、園庭に紫外線防止用ネットか四隅をひもで引っ張って張ってありました。プールも日除けが必要になっていると聞いております。自然環境が悪くなり、対策が必要になっているんです。これらの保育所は、70年代の初めに、高度成長期の労働力確保のため、必要に迫られ、安価で早くできる軽量鉄骨のプレハブ工法で建築されたものです。耐用年数は25年といわれますが、既に35年に達します。鉄筋のよい建物は、改装してまでさっさと民間に払い下げ、残りの保育所は、一部にガムテープで補修してしのぐという貧しい酷な状況に置かれています。補修に努力されていますが、厳しい状況には変わりありません。

 また、民営化により来年開所予定の法人保育所は、建設費補助金の30パーセントが翌年に繰り越されました。市長も県に要望を出されたようですが、このままでは、国の厳しい基準で言う待機児がない自治体には国の建設補助が受けられなくなるという懸念もされる状況になっています。老朽化保育所は、経営再建プログラムの19年以降もそのままなら、40年が過ぎることになります。このままのプレハブ施設で維持できるのでしょうか。設備の面でも、床暖房があたりまえになっているのに、底冷えする冷たい床のままでよいのでしょうか。特に汚物処理場もなく、便器の中で汚物処理をするなど、子どもの施設としては前近代的なままに放置されています。食事と排せつは生命維持の基礎であり、年齢の低い子どもの保育は、食事指導と排せつの対応に多くのエネルギーが費やされます。この保育の中心が、設備もなく不衛生な環境で行われています。特にO−157への心配が常にあると保育士は言っています。保育所間の環境の格差があまりにも開きすぎです。子どもに最善の条件をという権利条約から見ても逸脱しています。

 お伺いします。

 国は待機児解消を打ち出していますが、この不況と若い人たちの低賃金、不安定雇用の中で、ますます保育所の必要性は高まっています。国が言う待機児は初めて減少に転じたという新聞報道が先日ありましたが、潜在的な待機児はまだまだ多く、保育所の数は足りません。そのために改築がますます後回しにされることは許されません。尼崎のプレハブ保育所は限界であり、建替えのプログラムを直ちにつくる必要があります。市長の認識を伺います。

 また、国、県に老朽化保育所の建替えに対しても予算を増やすよう強く要求すべきと考えますが、いかがですか。お答えください。

 児童福祉法に、すべての子どもに子育て支援をすることが位置づけられました。すべての子どもに責任を負うのは、公的機関の役目です。子育て支援の中心を担う保育所の役割はいっそう高まっています。保育所改築を進めるため民営化するというのは、公的責任の放棄になることを指摘しておきます。

 これで第1問を終わります。(拍手)



○副議長(北村保子さん) 答弁を求めます。

 白井市長。

   (白井 文さん 登壇)



◎市長(白井文さん) 今西議員の御質問にお答えいたします。

 市民は公立幼稚園の存続を強く望んでおり、廃園すべきでないと考えるがどうかというお尋ねでございます。

 市立幼稚園の見直しにつきましては、経営再建プログラムの中で、平成17年度以降の実施予定項目として位置づけております。現在、教育委員会において具体的な検討がなされておりますので、教育委員会の検討結果を待ちたいと考えております。

 以上でございます。



○副議長(北村保子さん) 小林教育長。



◎教育長(小林巖君) 幼稚園運営経費は交付税措置されているので、市の持ち出しが園児1人当たり72万8,000円という説明は過大ではないかという御質問にお答えいたします。

 幼稚園の運営に当たりましては、公立、私立ともに国、県の補助を受けておりますが、市が負担している公立幼稚園の園児1人当たりの額は72万8,000円でございます。その内訳は、幼稚園の教員の人件費、教材費などの物件費、建物の補修費などの投資的経費の総額を園児数で割った額でございます。議員御指摘の基準財政需要額は、地方交付税を積算するうえでの見積もりであり、地方交付税は一般財源となっているため、明確な使途が定められた財源ではありません。したがいまして、過大な説明であるとは考えておりません。

 以上でございます。



○副議長(北村保子さん) 守部健康福祉局長。



◎健康福祉局長(守部精寿君) 尼崎市では企業参入はさせないとの立場を打ち出すべきではないかという御質問にお答えをいたします。

 国におきましては、増大する保育需要に対応するため、平成10年から平成12年にわたり、規制緩和推進3か年計画を実施しております。その中で、平成12年4月からは社会福祉法が改正され、保育所の設置主体制限を撤廃し、市町村と社会福祉法人に加えまして、NPO、企業等も保育所の設置運営を可能といたしました。本市での認可保育所の設置主体の現状は、社会福祉法人36、宗教法人1、財団法人1の合計38法人となっております。今のところ、企業などの参入はございません。

 続きまして、プレハブ保育所の建替えのプログラムをつくる必要があると思うがどうか。また、国、県に整備予算を増やすよう要望すべきであるという御質問でございます。

 保育環境を順次改善していくことは、保育行政にとって重要な課題であると認識をいたしております。したがいまして、現在、経営再建プログラムにおきまして、保育環境改善事業を計画的に進めているところでございます。今後は、この保育環境の改善も視野に入れまして、公立保育所の在り方について検討して参りたいと考えております。

 なお、施設整備補助金の財政措置につきましては、県を通じ国へ要望いたしておるところでございます。

 以上でございます。



○副議長(北村保子さん) 今西恵子さん。

   (今西恵子さん 登壇)



◆6番(今西恵子さん) 答弁をいただいたんですが、いちばん私が心配していた答えが返ってきました。保育所の財源が一般財源化されたことに対して、多くの方から、保育関係者の方も反対の声を上げたんですけれども、一般財源化することによって、すべてが市の持ち出しになるとか、その用途についても特定をしないという中で、今答弁された幼稚園の中で、交付税措置されているにもかかわらず、市が全部持ち出しているかのような形で市が説明をするということは、ほんとうに市民に誤解を与えると思いますので、これについては、市民に誤解を与えない、正しい認識がされるような説明をぜひ教育委員会はしていただきたいと思います。

 それともう一つ、幼稚園の民営化のことについてなんですけれども、今検討中だというお答えですので、その検討状況、どういうふうなことになっているのか、現時点のことを教えてください。

 それともう一つ、ぜひ市長にお願いをしたいんですが、プレハブ保育所がどんな状況になっているかというのを、ぜひ視察に行っていただきたいと思います。そして、公立保育所の中で、子どもたちの状況を通じて、保育士さんから、いま働いている若いお母さんたちの暮らしぶりを聴き取っていただきたいと思うんです。若い人たちが、今社会状況の中でどんな厳しい生活を強いられているか、それがよく見えてくると思いますので、施設の見学も併せて、保育士さんたちから若い世代の暮らしぶりを聴き取りをしていただけたらと思います。

 では、第2問に移っていきます。

 ゼロ歳児をすべての公立保育所で実施することについてです。

 公的に認可されていない保育施設が市内に想定数で508人分、25施設あります。看護婦さんが利用する院内保育園などですが、保育所に入れない、条件が合わないなどの理由で利用されています。また、保育所に入れたら働きたい、こう願っている親もたくさんいます。市の窓口に相談に来られた数は、この8月1日現在で279人になります。この数は待機児としてカウントされていません。このような潜在的待機児がまだまだいると考えられます。14年から同和保育所が一般化されました。その前の年の4月、同和保育所の入所数は330人でしたが、今年4月は584人と増えています。また、定員枠外の受け入れや新設があり、市全体で見て5,361人から、今年は5,999人と、638人も増えています。それでも待機児はなおいます。特にゼロ、1歳の入所が困難になっています。産休明けや育児休暇が年度の途中までとなるために、年度途中から保育所が必要となります。法人は、経営上、子どもがいないのに保育士だけを4月から雇用することはしません。人件費が負担になります。そのため、年度初めに定員がいっぱいになるように、優先的に入所決定されてきました。待機児解消にと、最低基準ぎりぎりまで保育環境を悪化させる詰め込み保育を国は容認しました。年度はじめの4月2日現在で、定員枠外15パーセントを入所させ、10月からは25パーセントを超えることも認めました。しかし、3年連続定員オーバーが続けば、施設定数そのものを変えるようにと国から指導されます。施設定数を増やせば保育単価が下がるために、経営が難しくなります。また、年度末には25パーセント入所させていると、例えば100人定員の保育所だと、3月末で125人います。年度はじめの4月2日に15パーセント増にすると115人ですから、10人以上が卒園するか、あるいは保育所をやめるかしないと、新たに入所できないことになります。詰め込み保育は急場しのぎであって、待機児の根本解決にはなりません。保育所に入れないから子どもを産まないという選択をなくすには、年度途中から必要となる子どもの受け入れができるように、保育士の配置に余裕を持たなければなりません。また、兄弟入所もできやすくするには、すべての保育所でゼロ歳児保育を実施すべきと考えます。

 お尋ねします。

 旧同和保育所では、ゼロ歳児保育を引き続き実施しています。すべての公立保育所でゼロ歳児保育を実施すべきと考えますが、いかがでしょうか。年度途中の入所ができるように、4月から保育士を配置し、入所児がいない間は子育て支援など、多様な役割が可能になります。

 次に、調理室の設置堅持についてです。

 国は、規制緩和して、調理室の必置義務を外そうとしています。調理業務の役割は、子どもの体調や発達に応じたきめ細かい配慮が求められる、保育には欠かせないたいせつなものです。保育所は、ゼロ歳から6歳まで、食生活が大きく異なる子どもたちを長時間にわたって保育します。給食は子どもの命を守り、発達や発育を保障するうえでたいせつな役割を担っています。安全な食材で、温かいものは温かいうちに、冷たいものは冷たいうちに、いちばんよい状態で提供して、おいしさを実感させ、時々の旬の食材をさまざまな献立として子どもたちに食体験させることは、発達の重要な要素です。食事をつくる音やにおいで子どもの五感を育てます。更に、保育所給食は、ゼロ歳児への月例や発達に応じた段階的な離乳食をはじめ、アレルギー児への対応、ぐあいの悪い子どもたちへの配慮など、一人ひとりの子どもの発達状況や日々の成長に合わせて、きめ細かく配慮して進められています。尼崎にもたいへん優れた給食をしている保育園があります。本も出されています。NHKでも放送されました。子どもたちにその日の献立の食材が見えるようにしています。魚は切り身でなく、そのままの姿を見ることができます。時には皮むきを手伝うなど、調理に参加をします。自分が食べるものに関心を持つようにしています。公立保育所でも、子どもが調理場をのぞき、今日はカレーだとか、散歩から帰るとまず調理場に行き、おなかすいたと調理師さんに声をかけるなど、生活の中心になっています。また、行事のときには、それにふさわしい盛りつけなど工夫がされています。今ではどこの保育所でも、その日の献立が量や刻みの大きさも保護者に分かるように展示されています。

 このように、子育てに深くかかわる調理室をなくそうとしているのです。給食が業務委託されている自治体では、献立が業者のつくりやすいものに変更されたり、手づくりおやつも簡素化されるなど、給食の質の低下が見られます。また、アレルギー児や体調の悪い子どもへの対応も不十分になっていると聞いています。

 そこでお尋ねします。

 このように、保育所の調理室は子どもの発達になくてはならないたいせつな役割があります。また、業務委託には多くの懸念が指摘をされています。これまでどおり直営を堅持すべきと考えます。市長の御所見を伺います。

 次に、総合施設について伺います。

 2003年6月、経済財政運営と構造改革に関する基本方針、いわゆる骨太方針第3弾が閣議決定され、その中で、幼保一元化について、地域のニーズに応じ、就学前の教育、保育を一体として捕えた一環した総合施設を可能とする。総合施設の実現に向けて、関係省庁において18年度までに検討するとともに、関連する負担金の一般財源化など、国と地方の負担の在り方について並行して検討を進め、必要な措置を講ずるとしています。昨年12月に総合規制改革会議が出した答申では、総合施設の設置を2005年度に実施すべきと、1年前倒しする方向です。また、2004年度中に基本的な考え方を取りまとめたうえで、2005年に施行事業を先行実施するなど、必要な法整備を行うことも含め、さまざまな準備を行い、2006年から本格実施を行うとしているんです。9月9日の朝日新聞によると、来年度、全国で30か所につくられることになったと報じています。総合規制改革会議が出した答申の中で、総合施設では、それぞれ現行の幼稚園と保育所に関する規制のどちらか緩いほうの水準以下にすべきであると書かれているんです。例えば、総合施設のイメージは次のようなものになります。対象幼児は保育所のようにゼロ歳からで、幼稚園のように財源措置は一般財源で、運営費は設置者が負担。つまり、保育料も自由に決められる。入所要件は、保育に欠けるという条件がなくなり、保護者が希望すれば入所できる。入所手続きは直接契約で、自治体の関与はない。保育料は施設ごとに異なる。保護者に対する補助は、幼稚園の就園奨励費に似たバウチャー制度となります。建設費は設置者が負担若しくはPFIも可能に、設置者は企業も含むということになります。最低基準についてどうなるか、明らかではありません。やはり低いほうに合わせるとなればたいへんです。3歳児では、保育所は保育士1人に対し子ども20人までですが、幼稚園は1クラス当たり35人まで認めています。これでは実際無理ですから、実情では子どもの数を減らしています。資格は幼稚園教諭と保育士資格を統一したものができるだろうと考えられます。

 このように、今回の幼保一元化のねらいは、企業参入を基本にしています。総合施設を設置することで、公的な保育制度を骨抜きにし、一般財源化によって国の負担を減らすことにあります。次世代育成計画の素案の中に、この総合施設を視野に入れてと書かれています。総合施設は、子どもの成長、発達や就学前教育を保障するものでなく、金もうけの場として企業参入に道を開くことになります。導入すべきではありません。市長の御所見を伺います。

 これで第2問を終わります。(拍手)



○副議長(北村保子さん) 答弁を求めます。

 守部健康福祉局長。



◎健康福祉局長(守部精寿君) 保育所関係について順次お答えをいたします。

 まず、すべての公立保育所でゼロ歳児保育を実施すべきだと考えるがどうかといった御質問でございます。

 本市におけるゼロ歳児の待機児童数は、平成16年7月1日、また8月1日の両月1日現在では、ゼロ人でございます。9月1日現在が1人となっております。したがいまして、ゼロ歳児の入所が現状では困難な状況とは考えておりません。このことから、これまでと同様、ゼロ歳児保育につきましては私立保育園で実施をして参りたいと考えております。

 次に、保育所給食の直営を堅持すべきと考えているがどうかといった御質問でございます。

 保育所における調理室の設置につきましては、現時点においても義務づけられているところでございまして、本市といたしましても、保育所が家庭機能の代替として、乳児、アレルギー児、児童の体調などに合わせて個別に調理している実情から、調理室は必要であると、このように考えております。しかしながら、調理業務の在り方につきましては、社会情勢等を踏まえ、慎重に検討を重ねて参りたいと考えております。

 最後に、総合施設を導入すべきではないと思うがどうかといった御質問でございます。

 現在国におきましては、文部科学省と厚生労働省が合同の検討会議を設置いたしまして、幼児教育と次世代育成支援の両観点を踏まえ、地域が自主性を持って、その実態や親の幼児教育、保育ニーズに適切かつ柔軟に対応できる新たなサービス提供の在り方を検討しているところでございます。その基本的機能といたしましては、就学前の子どもに適切な幼児教育と保育の機会を提供し、その時期にふさわしい成長を促すことといたしております。本市においては、保育所と幼稚園の双方のメリットを生かした共催事業を既に実施いたしており、次世代育成支援行動計画策定部会におきましても、新たな施策のしくみづくりについて議論をしているところでございます。

 以上でございます。



○副議長(北村保子さん) 今西恵子さん。

   (今西恵子さん 登壇)



◆6番(今西恵子さん) 今御答弁いただいたんですが、ゼロ歳児については、9月1日で待機児が1人ということだったんですけれども、508人の定数で25の保育所と認定されていない保育園があるということを言ったわけですが、個々の状況についてどんなふうになっていますかということを、これまで私は何回か当局に聞いてみたことがあるんですが、県の管轄であって、市は管轄していないから分からないという答弁が返ってきます。県のほうに聞きますと、市のほうが実態をよく知っているのではないか、こういう答えが出てくるわけです。実際、小さい子ども、年度途中に保育所が必要になった子どもは、公立若しくは認可保育園に入る機会が奪われています。そのことを含めて、ゼロ歳児、特に自宅から近いところに点在している保育園に入れるようにしてほしい、この願いを言ったわけです。

 それと、もう一つが兄弟入所です。多くのお母さんたちが、子どもを別々の保育園に通わせていることの負担の重さ、これを常におっしゃいます。子どもの数が1.3を切るような状況の中で、子どもの産みやすい、育てやすいという環境をつくっていくためには、こうしたことも改善が必要ではないのでしょうか。公立保育所でゼロ歳児保育を、これは、尼崎市は昭和50年のときだったと思うんですが、実施に踏み切る状況をつくったわけですが、そのときの財政状況でこれを同和保育所だけにいたしました。この経緯から見ても、再度ゼロ歳児保育を公立でも、身近なところでも保育が受けられる状況をぜひつくっていただきたいと要望しておきます。

 それと、もう一つあるのが、市民の生活状況を直視しようとしない市の姿勢です。認可保育園の中身についてもそうですが、市民の生活実態をしっかりと見据えたうえで行政を行っていただきたいんです。尼崎市に県下で初めて夜間保育所ができております。この夜間保育所も、市民の努力でつくられました。長年無認可で保育所をされていた方たちが、夜間保育の必要性を感じて、自分たちが資金を集めて、そして認可法人の保育園をつくる、こういう努力をされているんです。市民の生活実態から来るニーズをしっかりと踏まえていただきたいと思います。

 では、3問目に入ります。

 児童福祉法に基づく国の責任、つまり、負担が明らかな保育所運営費の公立分が、今年から一般財源化されました。来年は法人保育園も同じように一般財源化しようとしています。一般財源化により、地方交付税で補てんすると言いますが、そのねらいとする保育の構造改革の基本方向、これは、保育所の事業主体に民間営利企業を参入させること。自治体を通じて保育所入所を申し込む制度を、保育所への直接入所制度に変えていくこと。保育料の徴収は、応能負担の原則から応益負担の原則に変えようとしていることです。いずれも公費負担を減らし、保育を企業のもうけの対象とするという発想から出てきています。これが保育の質を低めることにつながるのは、死亡事故を続発させてきた、あの全国チェーンのベビーホテルの例から明らかではないでしょうか。安上がりの保育所づくりは危険です。子育てしやすいまちにするには、公立の役割はたいへん大きいです。就学前教育の場として、ほとんどの子どもが幼稚園か保育園に行っている現状からも、市民生活に照らして保育料が妥当なものになるよう、また、保育環境などが子どもの成長発達に基づいた最善のものになっているのかの水準を示す点からも、公立幼稚園、保育所の役割は大きくあります。効率化やコストの点のみで考えるべきではありません。特に保育所は、福祉施策として国と自治体が責任を持って運営すべきです。福祉と金もうけは両立しません。営利企業にゆだねるべきではありません。

 保育所は、公立又は社会福祉法人で運営すべきです。そして、最低基準を大幅に改善し、保育士の配置を見直し、子どもに豊かな環境と若い親への子育て支援を更に充実することを願って、質問を終わります。

 御協力ありがとうございました。(拍手)



○副議長(北村保子さん) 今西恵子さんの質問は終わりました。

 続いて発言を許します。

 騰和美さん。

   (騰 和美さん 登壇)



◆1番(騰和美さん) 一般質問も半ばとなりまして、他の議員から既に質問されたものもありますが、私の視点から幾つか質問して参ります。前向きな御答弁をお願いいたしますとともに、先輩、同僚の議員の皆様には、しばらくの間、御静聴をお願いいたします。

 今年の夏は猛暑が続き、全国では次々に猛烈な台風が襲来し、豪雨、山崩れなど災害が大きく、そのうえ地震があって、南海、東南海地震が現実のように思われ、大げさに言えば、地球は滅亡に向かっていると思う日々でした。加えて、あちこちで痛ましい大きな殺人事件があり、また、おれおれ詐欺や架空請求などの悪徳商法、生活に何が襲ってくるのか不安な昨今であります。自然界も人間界も目を覚ませよと警告されているように思っております。

 今年7月、安全・安心都市の再生に向けた自治体の役割というセミナーに参加しました。安心安全を防災と防犯に分け、パネラーからの意見が出されましたが、防災については、過去の大災害を受けた経験から、十分とは言えませんが、国も地方自治体も対策が講じられています。しかし、防犯については、警察の力を超える犯罪が多発し、自分の身は自分で守らねばならない状況にあって、一人ひとりがどう連帯しながら守るか、考えさせられるところであります。財政危機の中では、政策を選択せざるをえず、何を優先するか、執行機関としてたいへん御苦労されていることと思いますし、市民から選ばれた行政のチェック機関としての私たち議員の責任も大きいと思っております。

 再建プログラムの大きな柱である公共施設の統廃合については、特別委員会で討議が始まっていますので、ここでは譲ることにして、私が考える数点につきましてお伺いをして参ります。

 政府では、郵政を4社に分割する案が閣議決定されましたが、本格論戦が始まろうとしています。お隣の西宮市では、工業用水事業を民営化し、約4,500万円の削減を予測しています。私は、まずバス事業についてお伺いをいたします。既に塚田議員が質問をされた部分がありまして、ちょっと重複しているかと思いますが、お伺いして参ります。

 市バス事業は、乗客が年々減少し、収益を上げるために、車体への広告やチョロQの発売、スルッとKANSAI、阪神タイガース優勝カードの発券など、私から見ますと楽しい取組ですが、これは本来のバス事業の仕事ではないことも含めて、事業者にとってはさぞや御苦労の多いことだろうと思っています。本来の乗客を増やす面では、収益の約50パーセントが敬老バスであることから、乗客増の対策が立てにくいことと思われます。全市がフラットの地形、放置自転車の現状を見ましても、元気な人は自転車利用がほとんどであると言っても過言ではありません。乗客が減ったから便を減らす。本数が少なくなったから不便だから乗らない。この繰り返しではないでしょうか。収益の半数が敬老バスであることは、高齢者にとって足の確保であり、大きな福祉政策であると思っています。競艇場行きの乗客も減少ぎみとかですが、公営ギャンブルの衰退が影を落としています。あの手この手の対策が徐々に効果を上げてくると思いますが、更なる勇気を持って挑戦してほしいと思っております。

 市バス事業において、既に尼崎交通事業振興株式会社を設立し、洗車、給油など、幾つかを移行していますが、振興会社に移行した洗車、給油事業などを民間会社に委託すれば、入札制度の導入等により、更に効果が上がるのではないかと思いますが、こうした考えはありませんか。お伺いをいたします。

 振興会社は市と経営は異なることを承知しておりますが、一般的には市と同類会社と考えられています。また、民間に門戸を開くことによって、経営面で民間活力の活性化を促すのではないかと考えますが、いかがでしょうか。お伺いをいたします。

 また、今年度から一部路線を委託するなどによって成果が上がったと聞きましたが、効果額及びそれは何によるものか、お聞かせください。

 更に、こうした路線の委託を今後どのように活用していくかについてもお答えください。

 聞くところによりますと、全国ではバス事業から撤退する地方自治体が出ているとのことですが、当局としてどのように受け止めておられるのか、お聞かせください。

 支所等の統廃合に関連して、公共施設に関する市民アンケートが実施されましたが、アンケートの意見欄にバス路線についての意見がありました。路線などの改善があれば条件付きで賛成の意向と考えられます。移転問題と関連して、路線の変更も検討すべきと思いますが、いかがでしょうか。お伺いします。

 また、南部臨海部では、国体開催や松下電器工場の進出など、近々に解決すべき交通アクセスの問題があると思いますが、この対応についてもお聞かせください。

 老人特別乗車証の交付は、段階的に70歳交付に移行中でありますが、全員が70歳に移行した後の負担金をどのように予測されているのか、お聞かせください。

 次に、生活保護についてお伺いします。

 私を訪ねてくる人たちは、私に相談に来られた段階で既に借金でにっちもさっちもいかない状態です。もちろん借金返済は論外ですが、健康や生活、子どものことを考えると、なんとかしたいと思います。保護が始まったころは、自立に向けての努力や感謝の気持ちなどがその人から伝わってきましたが、月日の経過とともに思いが薄れてくるように思います。こうなってくると、パチンコなどで憂さ晴らしをする人も出てきて、どうしようもない深みに落ちていくケースも体験しました。生活を保障することは守らなければならないことですが、自ら生き抜こうという気力を支えることも重要で、お金以上の支えがあることを実感しています。こんな気持ちを持って幾つかお尋ねして参ります。

 昨日高橋議員が、そして今日も塚田議員が質問されていますので、重複しているものもありますが、私の意見としてお伺いをいたします。

 厚生労働省の発表によりますと、三位一体の改革で生活保護費の国庫負担率を現行4分の3を3分の2に引き下げ、削減分を地方交付税の増加で賄えとの案であります。国の社会保障審議会の福祉部会において、生活保護制度の在り方について専門委員会で議論され、生活保護基準の在り方や自立支援など、生活保護の制度運用の在り方など、意見が取りまとめられつつあると聞いています。阪神・淡路大震災以後、生活保護者が著しく増加していますが、神戸、西宮、芦屋、伊丹、宝塚など、阪神間の現状を見てみました。いずれも平成12年度で、神戸市の保護世帯数は1万9,879戸、人員2万9,450人、保護率19.7パーミル、西宮市、2,362戸、3,562人、保護率8.1パーミル、尼崎市、6,379戸、9,262人、保護率19.9パーミルとなっています。芦屋、伊丹、宝塚についての数字は割愛しましたが、保護率を見ると、神戸と尼崎はほぼ同じ状況と考えられます。神戸と尼崎は、人口や財政規模などの差を考慮すると、比較対象とするには無理があると思いますが、傾向として捕えることができるのではないでしょうか。平成16年4月現在で見ますと、神戸、2万5,464戸、3万8,512人、保護率25.4パーミル、西宮、3,250戸、4,844人、10.6パーミル、尼崎、8,218戸、1万1,846人、25.6パーミルとなっています。増加の状況を見ると、神戸5.7ポイント、西宮2.5ポイント、尼崎5.7ポイントで、増加の割合は神戸と同じです。お隣の西宮は、本市と異なり、人口が増加しています。尼崎は人口が減少していますので、厳密には比較はできないかもしれませんが、尼崎の保護の率が西宮以上のポイントで増加しているのが分かります。

 そこでお伺いしますが、本市は西宮に倍して保護率が増加するのは何が原因と考えられるのでしょうか。お聞かせください。

 今回、国の改正案では、自立のための就労支援に重点が置かれているようですが、本市は自立に向けてどのように指導されているのか。本市の取組状況や自立された方々は年間何世帯ぐらいあるのかを含めてお聞かせください。

 世間では、不正受給者に対する非難があります。厳しい経済状況下では、市民の目は厳しいものがあります。資格審査が甘いのではないか。受給者の生活ぶりに対する不満が多くあって、役所は実態を十分把握していないのではないか。また、一度受けたら中止することはないなどと不満をぶつけてきます。極端な例が市民の目にとまり、ほんとうに受けなければならない人に非難が寄せられている面は否定できません。プライバシーに抵触する危険もありますが、一定期間を設けて、期限が来ればあらためて再審査することを義務づけることはできないのでしょうか。地域の民生委員の協力を得ながら、生活実態を審査し、あらためて保護を開始することを本人が確認し、社会とともに生きる気力を持っていただくよう働きかけることが必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。

 これで1問を終わります。(拍手)



○副議長(北村保子さん) 答弁を求めます。

 喜田自動車運送事業管理者。



◎自動車運送事業管理者(喜田完二君) 市営バス事業に係ります御質問に順次お答え申し上げます。

 まず、尼崎交通事業振興株式会社に委託している洗車、給油などの事業を民間に委託すれば、更に効果が上がるのではないか。また、民間活力の活性を促すと思うがどうかとのお尋ねでございます。

 尼崎交通事業振興株式会社は、市営バス事業の経営の健全化を図るとともに、交通局退職者の知識、経験を活用することなどを目的として設立されました。設立の当初から、車両の洗車、給油業務のほか、サービスセンターでの路線案内や乗車券の発売業務等を委託して参りました。これまで同株式会社では、設立の趣旨を踏まえまして、他の民間事業者との競争をも視野に入れた経営を行っているところであり、委託の効果も同程度のものと考えております。しかしながら、今後更なる業務の効率化や民間の活用といった視点から、他の実施方法等についても検討して参ります。

 次に、一部路線の委託による効果額及びその要因は何か。また、今後路線の委託をどのように考えているのかとのお尋ねでございます。

 市営バス事業におきましては、乗合輸送人員の減少が続く中、いっそうのコスト削減が必要であることから、今年度より、尼崎交通事業振興株式会社へ4路線の運行業務を委託しております。この委託によりまして、平成16年度予算におきましては、交通局自動車運転手の定数減などによりまして、1,597万円を効果額として見込んでおります。今後におきましても、自動車運転手の定年退職等に合わせまして委託拡大を図っていきたいと考えております。

 次に、バス事業から撤退している自治体があると聞くが、どのように受け止めているのかとのお尋ねでございます。

 乗合バス事業におきましては、引き続く乗客の減少や平成14年2月の規制緩和実施を背景に、札幌市や岐阜市などのように公営バスを民間バス事業者へ事業譲渡し、地域住民の生活交通を確保する自治体が増加をしてきております。本市にとりましても危機的な財政状況の下、こうした現状は、これまでにも増して非常に厳しいものであると認識をいたしております。したがいまして、本市では、これまでから収支の均衡に努めるなど、経営改善への取組を行ってきたところでございますが、今後とも安定した輸送サービスを提供していくためには、いっそうの自立力、競争力を保持できる経営体質を築くことが必要であると考えております。そのため、平成18年度までの3か年の第2次経営計画を策定し、管理の受委託などにより、更なるコスト削減等に努めているところでございます。

 最後に、現在支所など統廃合が検討されているが、それに伴う路線変更、また南部臨海部での国体開催や工場進出など、臨海部へのアクセスはどのように対応していくのかというお尋ねでございます。

 市営バス事業につきましては、独立採算を基本とする一方、地域福祉やまちづくりに直結した事業であるとの認識をいたしております。そのため、支所など公共施設の再配置や南部臨海地域開発といった新たな都市構造の変化につきましては、関係部局と連携を密にしながら、乗客需要を踏まえた路線体系の構築に向け、引き続き検討して参りたいと考えております。

 以上でございます。



○副議長(北村保子さん) 守部健康福祉局長。



◎健康福祉局長(守部精寿君) 老人市バス特別乗車証の交付対象を70歳以上に移行した後の負担金をどのように予測しているかという御質問でございます。

 老人市バス特別乗車証の交付制度につきましては、平成14年度から対象年齢を段階的に引き上げることといたしており、今年度は67歳以上の方を対象に交付をいたしております。最終的には、平成21年度から70歳以上の方に交付することとなっております。

 御質問の70歳以上を対象とした際の負担金につきましては、その時点での人口推計がございませんので、16年6月末日の住民基本台帳人口等で今年度の交付単価をもとに積算をいたしますと、11億8,357万円が見込まれます。

 続いて、生活保護関係について順次お答えをいたします。

 まず、本市は西宮市に倍して保護率が増加しているのは何が原因と考えられるのかといった御質問でございます。

 保護率は、人口に占める被保護者数の割合を示しているものでございます。そのため、保護率の算定基礎となる人口において、本市が減少していることに対しまして、西宮市では逆に増加をしているといったようなことから、本市の保護率の伸びが高くなったものでございます。

 次に、自立に向けての取組状況や、自立された方々は年間何世帯あるのかといった御質問でございます。

 生活保護受給者に対しての就労指導などの自立指導につきましては、これまでもケースワーカーを中心に行って参っておりますが、平成14年度から専門の就労促進相談員を設置いたしまして、職業安定所への同行及び履歴書の書き方、面接の受け方の指導等、よりきめ細かな助言、指導を行っております。なお、平成15年度の就労による自立者は、年間148世帯でございます。

 最後に、生活保護の適用について、一定期間を設けて、期限が来れば再審査することを義務づけることはできないかといった御質問でございます。

 生活保護の適用につきましては、保護の実施機関である福祉事務所が被保護者の生活実態を的確に把握する中で実施することとされております。したがいまして、あらかじめ保護受給期間を設定して保護の適用を行うということは、生活保護法に規定されていないところでございます。なお、民生委員さんとは、生活実態の把握や自立に向け必要な連携を図っておるところでございます。

 以上でございます。



○副議長(北村保子さん) 騰和美さん。

   (騰 和美さん 登壇)



◆1番(騰和美さん) 回答いただきました。私、ちょっと老人ぼけかなと思うくらい、お答えを聞いたんですが、なかなか理解しにくいところがありました。これはまた細かくお聞きしに参りたいと思っております。

 バス事業につきましては、ほんとうにぎりぎりのことをがんばっておられるのに、乗客を増やすということは、これから先、大変じゃないかなと思うんです。常識的に考えても、お客さんが増える方法というのは何があるでしょうか。そういうことを考えますと、市バス事業の転機というのはいつかあるんじゃないかなという気が私はするんです。阪急、阪神の路線は、長い距離を持っているので、そこそこの収益ができる。しかし、尼崎の区間だけのことですよね。尼崎市内の狭いところをぐるぐる回っている。それに、まだ伊丹もちょこっと入っている。私は、こういう三者あるいは自治体等が一つの会社みたいなものを立ち上げて、どれも皆いけるような方法、もちろん老人バスについてはそのままの制度を持ちながら、お互いが乗り合いする、あるいは共存共栄していくということもこれから視野に入れて考えることも必要ではないかなと、長期の考えとしてはそういうことも考えの中に入れられたらどうかなというふうに私は思っております。

 生活保護につきましては、私も何人か御紹介しましたし、彼女たちがりっぱに自立していってほしいということで、いつも彼女と私が紹介した子につきましては助言なりしているんですが、いっぺん受け出したら、なかなかそこから脱却するというのは難しいんだなというのを見ています。ほんとうに困っている、この人をなんとかしないとどうしようもないという人しかお見えにならないわけですから、この人たちになんとか救いの手を差し伸べる方法はないのか。それこそ職業に就けないから来ているのであって、病気で働けないから来ているのであって、そういうことをどうやって救っていけばいいのか、ほんとうに頭の痛いことだろうと思うんです。当局は、それでもやっぱり皆の生存権を維持するためにがんばってほしいし、ただ、後のケアをきっちりしてほしいというのを強く申し上げておきます。

 次に、女性政策についてお伺いいたします。

 男女共同参画条例制定に向けて審議が進んでいると思いますが、経過と状況についてお聞かせください。以下、関連して幾つかお伺いをいたします。

 まず、いつものことですが、審議会等の女性委員の登用の現状と見通しはどうでしょうか。お願いします。ちょっとぐらい前へ行ったんでしょうか。

 次、昨年度、条例制定に向けてワークショップを開催されましたが、これを検討委員会にどのように反映し、今後に生かそうとしておられるのか、お答えください。

 また、条例制定には、国の男女共同参画社会基本法や県の男女共同参画社会づくり条例の理念や内容をしっかり理解することが前提となっていると思いますが、検討委員会メンバーへの情報提供やメンバーの女性問題への理解度はどうでしょうか。お伺いいたします。

 さきごろ厚生労働省発表の労働経済白書によると、働く意思も学ぶ意思もない若年無業者が52万人、実際には100万人いるのではないかと発表しています。女性問題と直接関係ありませんが、今後こうしたことが社会問題として浮かび上がってくるのではないかと危ぐしています。時の流れでは、フリーター、アルバイト、派遣職員など、企業が安い人材を求めている今日の雇用形態は、働く者にとって不利な状況にあります。人口問題研究所の調査によりますと、平成14年、働く女性の正社員は45.0パーセントで、残りはパートなどの非正社員となっていました。もともと30代後半から40代の中高年の女性が多かったのですが、近年、変化が起きています。平成4年の調査では、20歳から24歳の女性の非正社員は16.5パーセントでありましたが、14年には44パーセントに増加しています。25歳から29歳では21.1パーセントから35.6パーセントに増加、30歳から34歳では29.9パーセントであったものが、42.1パーセントに増加しています。若年層の非正社員の増加が顕著となっているのであります。非正社員は、社会保険などの未加入と将来にわたって経済的に不安定となり、ひいては結婚をためらったりする人が増え、これが少子化の原因の一つではないかと述べています。この非正社員増加の傾向は、男性にも共通していますが、女性たちの変化が著しいと述べています。

 本市では、正社員の統計は取られているのでしょうか。取られているとすれば、男女別の比率をお聞かせください。

 市内では再就職支援講座や資格取得講座などを開いていますが、資格修了者が目的の職業に就けたかが問題であります。修了者の紹介など、継続的支援システムを考えているのでしょうか。例えば商工会議所等を通じて企業への紹介や庁内での活用法はどうでしょうか。当局の御見解をお聞かせください。

 次に、病後児保育についてお伺いします。

 私事ですが、この半月間、孫の保育所への送迎を手伝いました。保育所について人から聞いていたことをうなずいたり否定したり、考える機会がありました。その中で、子どもの病気や病後の保育について、まだまだ整備が不足していると思いました。保育所初体験の孫は、慣れないためか、入所直後はときどき発熱し、そのたびに引き取りに来るように連絡がありました。母親の勤務地が大阪であるため、すぐに迎えに行くことができず、近くに住む身内が代役をすることになりました。子どもが病気になるたびに会社を休んだり早退することは、家族にとって最も頭の痛いことであります。呼び出しがあっても直行できないときの対応をどうするのか、新米家族にとって、どんな受け皿があるのか、情報をどう集めるか、悩みました。聞くところによりますと、病後の幼児の保育所は既にあるようですし、民間の間にも少々のことは相談に乗ってもらえるグループもあるようです。若い夫婦たちが安心して働けるように、条件整備が必要ではないかと思います。

 そこでお伺いしますが、病後児保育の場所を増やす考えはありませんでしょうか。

 また、時間預かりのミニ託児所が増えているようですが、こういった情報を把握しているのでしょうか。また、情報を何かの形で広報する考えはないか、お伺いをいたします。

 夫婦共稼ぎがあたりまえとなりました今日、夫の育児参加をはじめ、社会も家庭も働く者の条件整備について認識を改めることが重要であるとあらためて思いました。

 これで2問目を終わります。



○副議長(北村保子さん) 答弁を求めます。

 宮本市民局長。



◎市民局長(宮本勝君) 男女共同参画条例制定に関する御質問に順次お答えをいたします。

 まず、男女共同参画条例の制定に向けて、その経過と状況についてのお尋ねにお答えをいたします。

 本年7月1日、学識経験者、団体推薦、市民公募の12人によります、仮称でございますが、尼崎市男女共同参画社会づくり条例検討委員会を立ち上げまして、全体会議を2回開催いたしておりまして、その後に委員8人によります専門部会を設置いたしました。現在、条例案の骨格や盛り込むべき内容などについて論議を行っているところでございます。今後におきましては、専門部会で作成されます骨子案を全体会議で論議いたしまして、再度専門部会で修正を行った後に、中間報告書を取りまとめまして、市議会や市民の御意見をお聞きして参りたい、このように考えておるところでございます。

 次に、ワークショップについてのお尋ねでございました。そのワークショップの結果を検討委員会でどのように反映して、今後に生かそうとしているのかという御質問でございました。

 昨年実施いたしましたワークショップは、私の考える男女共同参画社会とはというのと、男女共同参画を進める方法という二つのテーマでもって開催いたしまして、団体推薦と市民公募による91名の参加者から多くの意見をいただいたところでございます。その内容につきましては、家庭、育児、介護、地域、教育など多岐の分野にわたっておりまして、さまざまな御意見をいただいたところでございますが、検討委員会におきまして、条例案づくりの基礎資料として活用させていただいているところでございます。

 次に、条例関係の最後の質問でございますが、検討委員会メンバーの男女共同参画基本法や兵庫県男女共同参画社会づくり条例の情報提供や女性問題への理解度についてといった御質問でございました。お答えをいたします。

 仮称尼崎市男女共同参画社会づくり条例検討委員会の第1回の全体会議におきまして、国の男女共同参画社会基本法、また兵庫県の男女共同参画社会づくり条例、そして全国自治体の条例制定状況、更には尼崎市男女共同参画プラン、そしてワークショップの報告書などの関係資料につきまして御説明をさせていただいたところでございます。

 また、女性問題への理解度といった御質問がございましたけれども、各委員におかれましては、これまでからそれぞれの分野において女性問題への一定の見識を有しておられる方々であるというふうに思っております。

 次に、本市における男女別の正社員の比率はどうかということと、講座の修了者への継続的支援システムを考えているのか。また、商工会議所等を通じて企業への紹介や庁内での活用などの支援が考えられないかといったお尋ねでございました。お答えをいたします。

 まず、国の平成14年度の就業構造基本調査結果によります本市の現状を申し上げますと、雇用者に占める比率が、女性の場合は正規の職員、従業員が42.0パーセント、パート、アルバイトが44.9パーセントで、これに対しまして男性のほうですが、正規の職員、従業員が75.1パーセント、パート、アルバイトの比率が9.8パーセントとなっております。

 次に、女性の就労状況を改善し、安心して子育てができる環境づくりのために、女性センター・トレピエにおきましては、再就職支援講座とか、また資格取得講座を実施いたしておりまして、その講座の修了者につきましては、事業者への啓発だとか、あるいはハローワーク尼崎との連携をいたしまして、就職相談を行うといった形での支援をして参りたい、このように考えております。

 以上でございます。



○副議長(北村保子さん) 玉井総務局長。



◎総務局長(玉井啓一君) 審議会等の女性委員の登用の現状と見通しはどうかというお尋ねにお答え申し上げます。

 平成16年9月1日現在の審議会等の女性委員登用率は、平均24.3パーセントとなっており、平成15年4月1日現在での20.0パーセント、平成16年4月1日現在での22.7パーセントと、少しずつ向上いたしております。48審議会のうち、現状では20審議会において30パーセント以上の登用率になっております。その他、水防協議会のように組織の代表者を委員とする場合、公務災害等認定委員会や土地区画整理審議会のように選挙による選出や権利者に限定される場合、また、結核審査協議会のように女性進出が少ない分野など、女性委員選出率の低い審議会が12審議会ございます。今後は、30パーセントの登用率に満たない審議会を中心に、選出区分や選出規定の見直し、人材の掘り起こし、委員の公募制の導入などを含め、女性委員の選任が得られやすい環境をつくり、30パーセントの目標達成に向けて努力して参りたいと考えております。

 以上でございます。



○議長(新本三男君) 守部健康福祉局長。



◎健康福祉局長(守部精寿君) 病後児保育の場所を増やす考えはないのか、時間預かりのミニ託児所を把握しているか、また、これを広報する考えはないかといった御質問でございます。

 病後児の保育は、乳幼児健康支援デイサービス事業として、保育所通所中の児童等で病気回復期のため集団保育が困難な期間を対象として実施をいたしております。本市では、平成11年度から医療機関1か所で、平成15年7月からは更に1か所増やしまして、計2か所にいたしたところでございます。平成15年度の利用状況は、年間1,142人で、1日当たりの定員6人に対しまして、2.2人となっております。このため、現在のところ、実施箇所数を増やす計画はございません。

 次に、認可外保育施設につきましては、児童福祉法の改正により、平成14年10月から、一定の条件に該当する施設は県あてに届け出が必要となり、県は、この情報をホームページで公開をいたしております。

 なお、認可外保育施設は市内に25か所あり、そのうち半数以上の施設で時間預かりを実施いたしております。

 これらの情報につきましては、現在はこども課の総合案内窓口や保育所入所窓口等で提供いたしておるところでございます。

 以上でございます。



○副議長(北村保子さん) 騰和美さん。

   (騰 和美さん 登壇)



◆1番(騰和美さん) いろいろ御答弁いただきまして、この原稿をつくるときに行政の方としばらくお話をしたんですが、やはりまだ女性が働くことについて理解していないなということを感じました。やっぱり行政の中でもほんとうの女性問題はいったい何なのかということについて、理解がもう一歩だなと私は感じました。ぜひ行政の中での職員研修をよろしくお願いしたいと思います。

 私、原稿づくりに四苦八苦していましたら、私の娘がこんなことを言いました。現在尼崎市は、重篤な病気を患っています。この症状を治すには、副作用の少ない、作用の緩和な薬をだらだらと飲み続けるのではなく、副作用というリスクをかぶっても、大きな効果が期待できる薬や、根本的な病巣を除去、正常な状態へと転換させる大がかりな手術も必要となる場合もあるのではないでしょうか。今はその時期に来ているのではないでしょうか。うちの分からん娘がこんなことを言ったんですが、大阪府が大リストラ計画をちょうど発表されたことがありまして、このときに、市民からすれば、どこがいったい大きな、手術しなければならないような病気なのか、病巣が分からないのにしますと言われたら、非常に不安だと思うんです。執刀するお医者さんが、これから、病巣はここで、こういうふうになっているからこうだという、いわゆる説明責任をきっちり果たすということが、市民の不安を取り除くことではないかなと思います。

 こういうことをお願いしまして、私の全質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)



○副議長(北村保子さん) 騰和美さんの質問は終わりました。

 この際、休憩いたします。

             (午後2時39分 休憩)

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             (午後3時11分 再開)



○議長(新本三男君) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質問を続行いたします。

 発言を許します。

 酒井一君。

   (酒井 一君 登壇)



◆11番(酒井一君) こんにちは。市民自治クラブの酒井一です。9月議会のちょうど真ん中の一般質問ということになります。

 私は、今回は、社会福祉協議会、それから、この間議論になっております尼崎の市役所の支所、保健センター、福祉事務所、市役所の出先機関の統廃合の問題、この二つの関連をもって質問をしたいと思っています。よろしくお願いをします。

 まず、尼崎市の社会福祉協議会について何点か質問をして参ります。

 私は、阪神大震災の直後の95年の4月から、地域の社会福祉連絡協議会の会長を務めさせていただいています。もともと、その最初の年は、自分の団地の理事会の理事長が持ち回りで回っておりまして、会長というのも同じ役でしたので出席をしておりましたところ、地震でその当時の連協の会長さんがお辞めになった。その後へはめられてしまったということなんですけれども、その後は、自分の地の単位の町会の会長ではない、連協会長だけという役目をずっとさせていただきました。逆に、その立場にいたことによって、いろんな問題が見えたなとも思っています。

 就任して以来、もう10年近くになるんですけれども、ずっとあまり人には聞けないで抱き続けてきた疑問があります。それは、連協という、私の場合は九つの町会の連合体なんですけれども、社会福祉連絡協議会というこの組織は、その実態は、実は単位の町会の会長会議によって運営される、これはほかのところでは例は違うかもしれませんけれども、私の連協の場合はそうでした。連合町会と言うにふさわしいものなのに、なぜ社会福祉連絡協議会という名前がついているんだろうかということでありました。連協の上部は、尼崎市社会福祉協議会です。ここには法のとおりに区域内における社会福祉事業又は更生保護事業を経営する者が参加をするということになっていて、現に町内会以外の諸団体が参加をしています。しかし、これに対して下部組織の連協は、なぜ単なる町内会連合会なのかということでありました。逆に、単なる町内会連合会なのに、なぜ老人給食事業や緊急通報事業などの地域福祉事業をやっているのか。会長になってからですから、あまり正面切って聞きにくい質問でしたので、長年抱いていたわけですけれども、その後勉強しました。社協については、成立の経過などから、下部組織の実態は自治会である、町内会そのものであるという現在のような形に尼崎市の場合はなった。この形態は、尼崎市社協にかなり特有のものだということは教えていただくことができました。ただ、なんでそうなったのかについては、まだなぞでありまして、なかなか知っている人がいないので、だれか御存じの方があったら、ぜひ紹介をしていただきたいと思います。

 さて、そういうことは分かりましても、そのことが、では今の社協の活動にとってどういう意味を持っているのかということについて、その後は常々考えるようになりました。この問題意識から出発をして、実は今回は、そのような社協を相手にして、地域の自治行政や福祉行政の両分野での最大のパートナーとしている、そして、それに対して指導的立場も持っているところの市当局のお考えを聞いていきたいなというふうに思います。

 まず、今連協のことを申し上げましたけれども、尼崎市社会福祉協議会の組織のだいたいの概観をしてみたいと思います。

 まず、いちばん上にあります尼崎市社会福祉協議会本部と呼ばれているもの、これは、いわゆる社会福祉法109条に定められた地域福祉組織という外形を持っています。事業は、一つ目には地域社会福祉事業を実際に当事者として行うこと。近年は、介護保険事業者として、自らも在宅福祉サービス事業など展開しています。二つ目には、地域の福祉活動の連絡調整支援といったような仕事、三つ目には、社会福祉に関する調査研究、このようなことをやるというふうに、これも法のとおりに尼崎市社協もやっています。

 しかし、ここには、さきほどの疑問の片方であります自治会、町内会の連合体としての性格はほぼ見ることができません。その下に社会福祉協議会何々支部という形で、支部社協が六つあります。議論にもなっております尼崎市の行政区ごとにこの支部が組織をされています。これも外形的には社会福祉協議会という形を、体裁を整えています。各自治会連合会であるところの連協代表をはじめ、民生委員協議会や老人クラブ、子ども会連合会、婦人会、少年補導員、防犯協会などがここに組織されているということになっています。しかし、実態としては、その事務局は実は市役所の地域振興課が担っておりまして、社会福祉協議会が雇って各支部に配属をされている社協の職員、これは地域振興課長の下で実態としては働いております。市役所の対応も、市民局のコミュニティ施策部門が中心になっています。そして、今度は市が主導して展開をする市民運動の多くが、この支部社協理事会に重複して組織をされています。市民運動何々地区推進協議会、保健衛生協議会、青少年を育てる協議会、共同募金会、日赤の分区もほぼこれにダブっております。私の本庁支部の場合では、ほぼこの理事会1回の招集で、少しのメンバーは入れ替わりますけれども、これらの会議が連続して行われるということができてしまいます。ここでは、本部とは逆に、福祉事業の主体としての性格がやや希薄で、自治体連合会に対する対応、コミュニティ施策に対する受け皿なり市のパートナーという役割が目立ちます。

 連協はどうか。さきほど申し上げましたように、形式は町内会の連合会です。他方で老人給食や地域福祉サポート事業、緊急通報といった福祉活動を担っていますし、これからはどうもそういうことをもっと担うことが期待されているようです。確かに連協という規模は、小学校区というお話もいろいろありますけれども、小地域の社会福祉活動の受け皿として、ある程度適当な規模なのかなというふうにも思います。小学校区規模よりは少し小さいんですけれども、レベルとしてはその程度。本来はここが地域福祉を担っていくということについては、なかなかふさわしい規模なのかなというふうに思っています。

 いちばん末端の単位社協は、これはもうほぼ純然たる自治会だと言って言いすぎではないと思います。ただし、会長さんは、それについてさまざまな役職を兼任しておられます。行政協力員はほぼ全部兼任だろうと思いますし、民生委員を兼任されている方、防犯協会の委員を兼任されている方、自主防災会の会長を兼任される方、さまざまに役職を兼任されて、会長さんの多くはふうふう言っておられるというのが実態だと思います。

 このように尼崎市社協は、自治会、町内会連合会としての一方の性格と、地域の福祉活動の担い手としての役割を併せ持っているといえば併せ持っていると言えます。このような実態について、市の担当当局はいったいどのような評価をしておられるのでしょうか。これまでもいろいろ議論をしてみましたけれども、どうもすっきりと整理がされません。この際お伺いをします。市民局、健康福祉局、それぞれの立場から、この市社協の組織の実態、かなり尼崎は特殊だと言われている実態についてどのようにお考えなのか、見解を伺っておきたいと思います。

 次に、実際に私が担ってきておりました連協活動の立場から、社協の市とのかかわりを見ていきたいと思っています。

 まず、多種多様の補助金を社会福祉連絡協議会、連協は市や市社協からいただきます。ざっと会計帳簿を見てみましたところ、ともしび募金や共同募金や日赤社資募金の各事務費と呼ばれる名目のお金及び共同募金と日赤社資については配分金なり事業費なりというお金がもう一つ来ます。それから、補助金として地域福祉事業費、市民運動補助金、青少年健全育成、保健衛生、美化推進事業、緊急通報研修費、そして、ついこの間行われました敬老事業の事業費委託金、さまざまなお金が、それぞれの金額はそんなに大きくはないんですけれども、補助金として連協がいただきます。それから、連協、単協それぞれへの事業の直接の補助金みたいなものもあります。それぞれ出元が違うので、これについて質問整理をするときに、当局のやりとりになかなか苦労したんです。これはうちではありませんと言うんです。そうはいっても、連協の立場から言うと、これは市役所を通してなり、市社協からもらうお金ということになっています。さまざまな性格、位置づけは多種多様ですけれども、いずれもその意義が、ではこれは何々の事業というように、すっきりした、これこれの事業に使うお金ですよというふうに割り振られるわけではなくて、どのみち社協、連協はそのような事業をなさるでしょうということで、それにお使いくださいということでお金を受け取っているきらいがあります。ともすれば、単協や連協の一般会計の中に、実際のお金としては紛れ込んでしまう。経理的な処理をするとしても、実際の使い道が別の色のついたお金として意識されることはないというきらいがあります。社協や単協が行う事業、それについてめりはりを失う。そして、その自主性を損なうことは、わりと国の自治体に対する補助金に似ているなというふうに思わされるところもあります。

 こういう補助金たちは、これからの社協、連協の活動の自立のためには、事業別の応募型の補助金と、それから一部の一般の活動助成金に整理をしたほうがいいというふうに、私はこの連協活動を担っていて、この間思うわけですけれども、いかがでしょうか。市当局のお考えを伺っておきたいと思います。

 これは社協から出ているお金ですからという部分があるかもしれません。その部分については、もちろん市の社協に対する指導的位置という位置づけからのお答えを願いたいと思います。

 二つ目には、お金の話をもう一つしておきますと、募金活動をやります。春から始まりますと、ともしび募金、日赤の社資募集、そして共同募金、歳末には歳末たすけあい、四つの大きな募金事業があります。これらの募金は、実はこの募金を集める力というのは、地域において実に自治会、町内会がほぼ全戸を組織しているという、この組織力によって一定の集金力が確保できるということだろうと思います。そのうちともしび募金は、現実に尼崎市内で行われる、そして連協が担う老人給食事業などの身近な地域社会福祉事業にほぼその全額が使われていくわけですけれども、共同募金や日赤社資は、どうしてもその主体が大きいので、なかなかその使途が遠くて分かりづらいという面があります。福祉事業に使われていますというふうには言われますけれども、実感がなかなか伴わないという問題があります。他方で社会福祉協議会が本来会費として集めて独自に使えるお金としての、この間始められた個人会費収入というのは、2003年度の決算額を見ますと、114万円程度です。社会福祉協議会の会員が払うお金というのは、ごくわずかな金額しかないわけです。あとは町会、単位福祉協会からほぼ強制的に、補助金から天引きで回収をする、そういう会費しかありません。それ以外は市の補助金その他で賄われているようです。

 これら募金についても、共同募金や日赤社資についてはさまざまな問題があるんでしょうけれども、もう少し統合するなり整理をするなりして、地域の社会福祉事業のためのお金という募金の集め方をしたほうがよいのではないかというふうに考えているわけです。そのことについて、これも市当局のお考えを伺っておきたいと思います。(「単組の会長持たんと連協の会長するのはおらんで」と呼ぶ者あり)

 せっかくのお申し出ですが、お答えしますけれども、そのことは議論がありました。でも、別にわざわざ頼んでしてもらっているものをごたごた言われることはないと思うんですけれども、連協の会長という純粋の立場でいることによって見えたものもあるということでお聞きください。

 次に、尼崎市役所の支所に求められていたものと社会福祉協議会の関係についてということでお尋ねをして参りたいと思います。

 今年度の予算議会において、支所、保健センター、福祉事務所の統合問題が大きな議論になりました。その事柄の紛糾の背景には、一つは、社協との関係をどうするんだということが横たわっていたというふうに私は印象を持っております。そのような議会でのさまざまな発言もありました。市当局はこれに対して、おおむね社協との関係を変えようというわけではありませんというふうにお答えになったというふうに記憶をしております。社協自身の改革や社協と市の関係の改革は必要のないことなのでしょうか。

 ここに、少し古いですけれども、社会福祉協議会自身がその改革に向けて受けた提言があります。市が審議会からの提言を受けるかのように受けた提言があります。尼崎市社会福祉協議会のあり方について報告という文書です。1989年12月の日付がついております。これでは、これから社会福祉協議会が歩むべき道、それから今後の方向というようなことが書かれています。ちょっと紹介します。お許しください。はじめにということでは、これからは地域福祉、在宅福祉の本格的推進に向けて、活動体制と事務局体制の改革、充実を求める。今後の方向としては、小地区単位の地域福祉活動、在宅サービスの充実、ボランティア支援という3項目を課題として、そして、そのための組織的課題として、今尼崎市社協が持っている、基礎が町内会であることゆえの福祉意識の希薄さ、ややもすれば希薄になる、この欠点を克服すべき問題点として挙げて、そのうえで、社協には常任理事会を設置しなさい、理事の推薦区分を見直しなさい、部会、委員会などを充実しなさいというふうに、役員の実質を強化するということを求めます。そして、今日私が最初にした議論にとってはここからが重要なんですけれども、その支部活動について、支部は社協の福祉事業の実施の事務局です。同時に、自治推進の拠点事務局となっているが、社協活動に関しては、支部においては、ともすれば行事と募金のみに偏りがちである。主には自治推進事業という側面に偏って仕事をしているというきらいがある。この点を指摘をしまして、これの解決策としまして、支部職員の資質向上と処遇の改善、事業に見合った職員数の確保、そして、そのうえで、社協支部の仕事を自治推進事業から福祉事業へシフトをさせるということを提言しております。また、支部レベルで支所や福祉事務所や保健所との連携をして地域福祉を進めるべきだというふうに提言をしております。そして、市との関係においては、支部において社協職員が市職員といっしょにしている実情を指摘をしました。支部社協と支所の役割分担を明確にすること、そして、それに向けて、社協の自立までの積極的援助を市に求める。このような提言でありました。この提言は既に十数年を経ているわけですけれども、一部は実現をしておりますけれども、私の見るところ、多くは未達成です。現在もこれは課題になっているものと思います。社協においては、このように、その支部活動において、市役所の支所との関係も含めて改革の問題提起があったということに、ここで着目をしておきたいと思います。

 さて、一方で、もう一つの主体であります支所というものについて考えてみたい。

 尼崎市の支所に期待されていた役割、これはどういうものか、私なりに考えてみました。まず第1には、市民課や地域振興課、保健センター、福祉事務所、それぞれの窓口が市民の近くにあるということで、そのアクセスの利便性、これがまず第1だろうと思います。二つ目には、市民にとって起きてくる個別の問題はけっこう複合的な問題が多いわけですから、それらの問題に対して、これらの今挙げたような各部署が同じ出先にいるということによって連携が図りやすい。そして、一つの問題について多方面からの総合的な相談の窓口機能が果たせる、こういう役割が期待をされていたと思います。三つ目には、地域社会の福祉事業やコミュニティ事業のコーディネーター、これは地域振興課の仕事としてよく言われることですけれども、そういう仕事。この3点が、私から言わすと、期待をされていたことかなというふうに思います。

 私もここまで来て混乱をしましたので、整理をしますけれども、市役所においては、コミュニティに対する施策、自治振興の施策と福祉施策は、それぞれ市民局と健康福祉局に事務が分掌されています。しかし、これからの地域づくりを考えるときには、このコミュニティ事業的なものと福祉事業というのは、地域でそれを受けて担う住民組織にとっては統一的に考えられなくてはいけないというふうに思いますので、そこを統一的に考えるということを前提に、これからの話を聞いてください。

 このように、支所が、特に地域振興課が果たすべき役割が、地域社会の自治と福祉のコーディネーターであり、そのうえで、一方において市役所組織の統合、簡素化が求められて、他方においては社協の組織と運営における自立と充実が課題となっているのであれば、これだけの要素がそろっているのであれば、この両者を統一して、地域における住民自身による福祉事業の推進と、それを軸とするコミュニティの育成は、地域振興課の助力の下、社協がこれを担うとの方向性が考えられてもよかったのではないか。さきほどの改革は必要ではなかったのですかという問いかけに対する私の回答案です。その場合、つまり、支所、地域振興課との関係の改革を考えるときに、では、それに見合う社協の改革はどのようなものであるべきかということが問題になります。私なりの考えを申し上げて、当局の御見解を伺います。

 尼崎市の社協は、今も申し上げてきましたように、その末端において自治会、町内会の組織とほぼ重複をしております。そういう特徴を持っています。そのことの利点は、社協の地域社会での福祉活動が自治会、町内会という組織的基盤を持つことによって、住民総体の理解、協力を得やすいということにあると思います。他方では、しかし、自治会、町内会にあっては、自分たちが地域福祉推進のための組織である、そのために集まったという意識は、当然ながらどうしても薄いわけでして、意識に若干希薄なところがある場合も見受けられます。と同時に、自治会、町内会の組織の枠に入ることによってしか地域福祉活動に対する市や社協の支援や調整、これを受けられないという、参入障壁とでも呼ぶべき事態が起きるケースもあります。この問題点を克服する眼目は、連協と支部社協の改革にあるというふうに私は考えます。

 まず、連協については、その名のとおりの社会福祉連絡協議会として、小地域の社会福祉活動の実践主体であると同時に、地域内の自治会、町内会とは別の系統で活動したり、生まれてくる福祉活動、コミュニティ活動主体をも組織した連絡調整機関として育て上げていかなくてはいけないのではないでしょうか。

 支部社協については、連協の地域福祉団体としての、今申し上げたような育ち上がり、この育成、そしてコミュニティ分野、福祉分野での地域活動の支援という仕事があるでしょうし、それへの行政的支援の窓口、コーディネーターというお仕事があると思います。今、コミュニティ施策に関しては地域振興課がやっているような仕事だと思います。それを福祉分野も含めて総合的に窓口コーディネーターをやっていただきたい。3番目には、地域の新たな福祉活動主体の発掘、育成という仕事もそこでは担ってもらうということが求められると思います。そのためには、支部社協の職員が、質、量ともにこれまで以上に充実をされなくてはいけません。その人員は、必ずしもそのすべてが社協の正規職員である必要は別にないと思います。地域の中でボランティア的に経験を積んで、資質を備えた人を短時間雇用で雇用する、そういう方法もあるし、さまざまな工夫の余地があるだろうと思います。

 社協におけるこれらの改革をもし進めることができるならば、地域振興課は、その担うべき役割の相当の部分を支部社協に譲ることができるのではないでしょうか。地域振興課の機能強化とは、まさにこの方向に向けてしっかりと活動していくということではないでしょうか。これを進めることによって、他方では行財政改革にも寄与することができるというふうに私は考えます。

 今、支所、保健センター、そして福祉事務所の市の出先機関の統廃合の問題について、市の提案どおりに保健分野の機能の多くは現場に残される。そして、福祉事務所機能も、これは多少要求をしていかなくてはいけないと思いますけれども、相談窓口の最も最初の機能は現場に残す、そういうことがもしできるのであれば、保健、福祉、コミュニティ、地域福祉それぞれの連携もそう大きな障害を被らずに、将来に根を残して現場で発展していく、そういうことが可能であろうというふうに今私は考えるに至りました。行財政構造改善と地域住民の自治、地域福祉の推進は、必ずしも矛盾をしなくともやっていける。それは、市の改革の決意しだいであるというふうに私は思います。

 以上が私なりの提言ですけれども、社協自身も、一方でさきの懇話会提言にありますように、改革の必要性を認めて、それに取りかかっている中で、市役所自身が行財政構造改善に取り組むに当たって、社協の改革、そして市と社協の関係の改革を併せて検討することが必要であるということについては、間違いのないところだろうというふうに私は思います。この点について当局のお考えをただしておきたいと思います。

 繰り返しますけれども、支所の廃止、改革を検討するに当たって、この間の議論を見ていますと、当局には、こういう点について検討した形跡はありません。少なくともこれらの問題は、今後の課題として先送りにしたきらいがあります。行政のスリム化が先行してしまって、なにがなんでもやせなくっちゃという誤ったダイエットみたいな状態になっていたのではないでしょうか。ダイエットといっても、栄養のバランスと、そして体力の強化とを並立させながら進めていかなくてはならないというふうに思います。

 そのようなことを踏まえて、この点について当局のお考えを伺って、私の質問とします。ありがとうございました。(拍手)



○議長(新本三男君) 答弁を求めます。

 宮本市民局長。



◎市民局長(宮本勝君) 社協関連の御質問に順次お答えをいたします。

 まず、社協が自治会等としての性格と地域の福祉活動の担い手としての役割を併せ持っていることについての評価をお尋ねでございました。お答えをいたします。

 尼崎市社会福祉協議会は、市内の各種団体により構成されておりまして、地域福祉機能と自治会機能を併せ持ち、住民それぞれが支え合う、よりよい地域社会を構築するうえで、コミュニティと福祉の両面にわたる活動の推進に重要な役割を担う団体であり、今後ともその役割に期待いたしているところでございます。しかしながら、一方では、地域ごとの組織率に差があること、また、わずかでありますが減少傾向にあるといった現実もございます。これらの課題について行政も認識をいたしているところでございます。

 次に、補助金の関係でありますが、各種事業別補助金があるが、事業別の応募型補助金と一般の活動助成金に整理したほうがよいのではないかといったお尋ねでございました。

 社会福祉協議会のほうは、御承知のとおり、さまざまな活動を担っておりまして、その活動に対しましては、市からの業務委託料あるいは助成金の交付を行っておるところでございます。また、社協の自主事業に伴います収支の経理がなされておりますが、いずれもこれらは社協内部で一定の整理がなされているというふうに理解をいたしております。

 次に、ともしび募金、日赤社資募集、共同募金など、これらを統合してはどうかというようなお尋ねでございました。お答えをいたします。

 これは、ともしび募金箱の善意運動につきましては、さきほど議員のお話にもございましたように、社会福祉協議会が独自で6月の善意月間に行われております。主にふれあい型の老人給食の実施のために用いられているものでございます。そしてまた、赤い羽根共同募金は、社会福祉法に基づき、都道府県共同募金会が実施主体となって、毎年10月から全国一斉に実施される民間募金でありまして、その民間社会福祉施設や地域福祉の活動推進に充てられているわけでございます。次に、日赤社資募集でございますが、これは、日本赤十字社法の定めにより、非常災害時の救援等のために行われるものでございまして、それぞれ個々に趣旨、目的がございますので、これらを統合するということについては困難ではないかなというふうに思っております。

 最後になりますが、市が行財政構造改革に取り組むに当たって、社協の改革、市と社協の関係の改革を併せ検討することは必要ではないかといったお尋ねでございました。お答え申し上げます。

 まず、さきほども申し上げましたけれども、社会福祉協議会は、協働のまちづくりを進めるうえで重要な役割を担っている団体でございまして、今後ともその協力体制を維持強化していくために、御指摘のございましたように、本市社会福祉協議会との役割分担などの整理に向けまして検討をして参ります。

 以上でございます。



○議長(新本三男君) 守部健康福祉局長。



◎健康福祉局長(守部精寿君) 社会福祉協議会を健康福祉局の立場としてどう評価しているのかといった御質問でございます。

 社会福祉協議会は、社会福祉法上、地域福祉の推進を図ることを目的とする団体として位置づけられております。本市におきましては、ほとんどの自治会が単位社協でもございまして、尼崎市社会福祉協議会の構成団体となっていることから、地域に密着した福祉の推進に重要な役割を担う団体であると、このように考えております。

 しかしながら、今後、地域福祉を推進していくうえにおきまして、幅広い住民参加の観点から、地域福祉活動団体と市社会福祉協議会とのよりいっそうの連携強化を図っていく必要があるのではと、こんなふうにも考えております。

 以上でございます。



○議長(新本三男君) 酒井一君。

   (酒井 一君 登壇)



◆11番(酒井一君) 初めて私がこのような問題を正面から取り上げて議論をさせてもらいましたので、まだまだよくつかめていないこともありますし、実は、当局の皆さんといろいろお話をしていても、例えば日赤募金というのは、今、尼崎の市長さんが地区長さんなんですね。それはなんでと聞いたら、しばらく絶句なさるんです。分からないみたいです。ある意味で、私は自分の質問原稿の裏のところに自分なりに副題を、社会福祉協議会、その光と陰というふうに付けているんですけれども、こういうところでおしゃべりしますので、ちょっとえん曲に申し上げたところもありますけれども、一方で、社協が大きな旧弊その他を持っているということも事実です。しかし、もう一方では、自治会の上に乗っかっている地域福祉組織というこの形が、ひょっとしたらこれからの地域福祉にとっていい芽が出るのかもしれないと思っています。やはりそれは、その可能性を追及してみるべきだと。これほど社協との関係を変えないというふうに、しかも、そう簡単に変わるとは思いませんから、お別れするわけにはいきませんから、それだったら改革を、お互いに市のほうも社協のほうもやるということをするべきであるというふうに、この質問のためにいろいろ調べていて、途中でその確信を深めるに至りました。

 そういう意味で今日の質問をさせていただいたわけです。これからの地域の福祉コミュニティ施策の主体として、他方では、今申し上げましたように、町内会組織という、ある種古さ、堅さを持っている、この両方の欠点を克服し、新しい要素を取り入れてという、言ってしまえばごくあたりまえのようなことになるかもしれませんけれども、かなり大変な努力になろうとは思いますけれども、ぜひ進めていっていただくということを、この質問の最後のお願いにさせていただいて、私の質問を終わります。

 どうもありがとうございました。(拍手)



○議長(新本三男君) 酒井一君の質問は終わりました。

 続いて発言を許します。

 荒木伸子さん。

   (荒木伸子さん 登壇)



◆27番(荒木伸子さん) シンの会の荒木伸子です。

 2日目の最後で、たいへんお疲れのこととは存じますが、先輩議員並びに同僚議員におかれましては、しばらくの間御静聴のほど、よろしくお願いします。

 まず、教育についてお尋ねします。

 来年度予算について。

 6月4日の閣議決定による骨太の方針第4弾では、2005年から2006年度までの2年で3兆円の補助金の削減と、それに見合う額の税源移譲を打ち出し、地方6団体に削減する補助金の提案を求めました。そこで注目されたのが、義務教育費国庫負担金の2兆5,000億円であります。これは、なくすことのできない費用のため、全額の税源移譲が期待されることや、2兆5,000億円という額で3兆円の大部分を占めるということであります。総務省では、補助金削減に伴う税源移譲として、現行の市町村民税と都道府県民税の税率が所得に応じた13%、10%、5%の3段階となっているのを一律10%にすれば、約3兆円の地方税収になるという試算をしています。地方6団体は、2009年度までを対象とする総額9兆円の最終案をまとめました。2005年から2006年度の1期には3兆2,000億円を削減します。これをもとに、2007年から2009年度の2期目までには、総額約8兆円の税源移譲を求めるという内容であります。税源移譲対象として、社会保障補助金9,365億円、文教科学振興補助金1兆1,458億円、公共事業補助金9,996億円、その他1,465億円、合計3兆2,284億円となっています。そのうち文教科学振興補助金の内訳は、義務教育国庫負担金を1期目に中学校分として8,504億円、私立高校等経常経費助成費補助997億円、公立学校施設整備費負担金796億円であります。

 そこでお尋ねいたしますが、こうした国、地方を通じた一連の動向について、教育をめぐる三位一体の改革について、本市に及ぶ影響も多大なものがあると思っています。全国知事会では、特に義務教育費の見直しについて賛否両論がありました。その対立の主な論点は、国の根幹を成す義務教育費は国が責任を持つべきだという意見に対し、地方分権を進展させ、地域の実情に合った教育ができるという意見であります。本市では、このような意見に対し、基本的にはどのように評価し、どのような立場に立たれるのでしょうか。お答えください。

 また、国が責任を持つべきだとの意見の中には、現下の地方財政の悪化の中で、税源が移譲されても必ずしも義務教育費には使われないのではないかといった危ぐがあるようです。たしか既にとられた措置でそうしたことが行われたという記憶があります。

 そこでお尋ねいたしますが、尼崎市では、税源移譲され、その移譲額が自由に地方公共団体で使用できるにしても、必ず教育費に充てていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。お答えください。

 また、財務省は、9月10日の閣議において、8月末に締め切った2005年度予算の概算要求の集計結果を報告いたしました。一般歳出は、今年度当初予算と比べて7.6パーセント増の51兆2,361億円、国債の利払い費等を加えると、一般会計の総額は7.8パーセント増の88兆5,203億円であります。財務省は、年末までの予算査定を通じて一般会計総額を要求総額より6兆円程度削減し、実質的に前年度以下の水準に抑える方針であります。三位一体改革の焦点となっている地方向け補助金の要望額は、社会保障関連の補助金などの膨らみにより、今年度当初予算の1兆251億円、5.8パーセント増の18兆5,887億円であります。財務省は、予算にめりはりをつけるため、法律や制度で支出が決まっている義務的経費を廃止、縮減した省庁は、その分を公共投資関係費などの要求額に上乗せできる新制度を設けました。文部科学省は、新制度で93億円を振り替えています。

 そこでお尋ねしますが、文部科学省のこのような動きに対して、本市の来年度予算に与える影響があるのかどうか。もしあるとすれば、どのようなことが考えられるのでしょうか。お答えください。

 河村文部科学相は、9月9日、義務教育改革私案の工程表を中央教育審議会総会に提示しました。自治体によって6・3制変更も可能とする弾力化のため、2006年度に小中学校一貫教育校を設置できる制度創設などを盛り込んでいます。現在は小学校と中学校で分かれている学習指導要領の一本化については、2005年度から検討に着手し、2007年度以降作業に入る方針であります。学習指導要領は、1958年に現在の形に編成されましたが、一本化されれば小中学校の学習内容の区分が変わり、これは大きな改革となります。

 そこでお尋ねしますが、本市では、現在、小中学校の統廃合を進めている状況にありますが、この制度が導入されれば、学校統廃合の考え方についても少なからず影響があると思います。今後これらの動きも視野に入れた統廃合を考えていく必要があると思いますが、いかがでしょうか。お答えください。

 次に、不登校について。

 今や不登校問題は、教育委員会は言うに及ばず、本市にとっても極めて重要な課題だと思っています。不登校への対応については、依然として学校教育上の重要な課題となっているとして、平成15年3月に不登校問題に関する調査研究協力者会議から、今後の不登校への対応の在り方についてが文部科学省に報告されました。文部科学省が出した不登校の指導資料は、この報告書に示された不登校への対応の基本的な考え方をもとに作成されています。特に不登校に最も深くかかわる学校の取組に焦点を当て、学校における具体的な取組事例等の紹介を通して、不登校についての学校の取組がよりよいものになることを目指しています。

 そこでお尋ねしますが、この報告は本市においてどのように生かされているのでしょうか。お答えください。

 その第2章では、特に学校全体としての組織的な取組、次いで個々の不登校の対応や状況に応じた適切な取組の在り方、さらに、不登校の解決に向けて関係機関等とも連携したサポート体制の推進など、学校全体としての取組の在り方を述べています。本市では、学校、補導課、補導センター等との組織運営での連携や組織強化はどのように図られているのでしょうか。また、そこから生まれ出た具体的な施策はどのようなものがあるのでしょうか。そして、その取組による効果は上がっているのでしょうか。お答えください。

 小林教育長は、長年にわたって教育に携わってこられました。今議会を最後に退任されると伝え聞いています。これまでたいへん御苦労があったと思いますが、あえて次の質問をさせていただきます。

 次に、事例12について。

 これは、校内、校外で問題行動を繰り返す生徒への対応の事例ですが、本市において、問題行動を起こした児童生徒がいるのでしょうか。夏休みも終わり、2週間が経過していますが、その実態はどのようなものだったのか。また、それに対してどのように対応されたのでしょうか。お答えください。

 さらに、学校評議員制度との関連はどうなっているのでしょうか。お答えください。

 平成16年8月中旬、伊丹のある地域において、本市の市立中学校3年生3名が、買い物に来ていた中学生に対しかつあげをしたが、抵抗されたので、なぐる、けるの暴行を加え、捕まったと聞いています。それは事実でしょうか。お答えください。

 もし事実であれば、在籍校のとった措置はどのようなものなのでしょうか。少年院送致という話も耳にしましたが、事実は公表されていないということのようですが、なぜそのようなことをされるのでしょうか。事実は事実として直視し、あらゆる課題を浮き彫りにして、真剣にその解決策を見いだしていかなければ、いつまでたっても問題の解決はおぼつかないと考えます。なぜ公表されなかったのか、お答えください。

 また、それまでに至る対応はいかなるものだったのでしょうか。お答えください。

 学校外でのことは無関係、あずかり知らぬということになるのでしょうか。お答えください。

 地域社会との連携がなくては学校運営は成り立ちません。これらの不登校問題について、全小中学校ではどのように対応されているのでしょうか。併せてお答えください。

 次に、人口問題についてお尋ねしてまいりたいと思います。

 私はかねてから、尼崎の人口減少については大変な危機意識を持っていました。私の住む地域は140世帯の小さな地域ですが、小学生のおられる世帯は5件ほどであり、少子・高齢社会をひしひしと感じています。過去の議会において幾度となく人口問題を取り上げ、繰り返し歯止め策の実施を求めてきました。しかし、人口の減少は都市の衰退につながらないと、その影響や課題程度を述べられただけで、その歯止めとなる具体策はお答えいただいていません。

 そこで、今回は、まちづくりの貴重な財源である市税収入の面から人口問題を取り上げたいと思います。

 市税収入は、平成9年度の905億円をピークにして、平成16年度予算では698億円であり、ピーク時と比べ207億円の減、率にして22.9パーセントの減少となっています。市民税のうち個人市民税は、平成16年度予算では169億円であり、ピーク時と比べ95億円の減、率にして36.1パーセントの減少であります。また、法人市民税では、平成9年度の93億円に対して、平成16年度予算では55億円となっており、40.9パーセントの減少であります。

 さて、私は、市税収入の中でも市民税、法人市民税もそうですが、都市の活力を示すバロメーターは個人市民税収入であると思っています。皆様も御存じのとおり、個人市民税は、所得金額の多少にかかわらず、均等納税額により課税する均等割と、所得金額が大きくなればなるほど、大きくなった部分に対して税率が高くなる超過累進税率方式により課税される所得割とで成り立っています。平成15年1月の尼崎市の人口46万3,544人に対し、平成15年度の納税義務者は19万23人であり、全人口の41パーセントであります。そのうち所得割の納税義務者は17万5,133人で、全人口の37.8パーセントであり、この率は阪神間でも下位に属します。平成15年度の生産年齢人口に対する納税義務者の割合は、尼崎市59.9パーセント、芦屋市66.4パーセント、西宮市60.3パーセント、宝塚市61.5パーセントとなっており、阪神間でも低い水準にあります。平成9年1月から平成15年1月までの6年間で、全人口の減少は、2万1,180人の減、率にして4.4パーセントの減であります。4月1日における生産年齢人口では2万4,144人の減、率にして7.1パーセントの減となっており、また、納税義務者では2万2,476人の減、率にして10.6パーセントの減となっております。これからも明らかなように、生産年齢人口の減少率が全人口の減少率を上回り、納税義務者の減少率が生産年齢人口の減少率を上回っているということが分かります。また、平成15年度の一人当たりの個人市民税は、尼崎市では9万224円、芦屋市は26万4,417円で、実に尼崎市の2.93倍、西宮市は15万6,107円で、尼崎市の1.73倍、宝塚市は15万2,927円で、尼崎市の1.69倍であり、本市における厳しい現実をまざまざと見せつけられた思いです。

 そこでお尋ねしますが、まちづくりを進めていくうえで、総人口の減少を上回る生産年齢人口の減少の影響をどのように受け止めておられるでしょうか。また、生産年齢人口の減少を上回る納税義務者の減少が与える影響も併せてお答えください。

 次に、国立社会保障・人口問題研究所の尼崎市の将来人口予測から、平成12年、2000年を基準とし、25年後の平成37年、2025年、つまり、この時代は団塊の世代が後期高齢者となっている時代であります。その時代について考えてみたいと思います。予測によりますと、2002年の平成12年では、人口46万6,187人、2025年の平成37年では、人口31万2,755人、率にして33パーセントの減となっています。生産年齢人口は、平成12年では32万7,209人、2025年の平成37年では18万6,863人で、率にして43パーセントの減となっています。平成12年度の生産年齢人口に対する納税義務者の率は61.1パーセントでありますが、直近の2003年度、これは平成15年度ですが、その生産年齢人口に対する納税義務者の率59.9パーセントを採用した場合、平成37年、つまり2025年の納税義務者は11万1,930人、全人口の35.7パーセントと、平成15年から平成37年の22年間で約24パーセントも減少するという試算結果になります。単に推計ということかもしれませんが、現実には少子・高齢化が進展していく中で、こうした流れを覆すことはできないのではないでしょうか。

 こうした状況を直視すれば、都市として本当に維持していけるのかといった危機感というものが浮かび上がり、そうした危機意識を市民とも共有しながら、何をしなければならないかといったことを真剣に考えるきっかけとなると思います。

 そこでお尋ねしますが、これから20年後を見据えて、尼崎市が今から何をしていかなければならないと考えておられるでしょうか。お答えください。

 また、活力ある若い世代の定住こそが、これからの尼崎を左右してきます。尼崎に住みたい、定住したいと考えるそうした世代に対し、魅力ある施策を選択し、集中的に講じる必要があると考えていますが、当局はいったいどのように考えておられるのでしょうか。市長の基本的な考え方をお答えください。

 将来のことであるがゆえに、これまでもそうでありましたように、きれいな言葉で答弁されることは可能だと思います。しかし、この尼崎の状況を見る限り、絵そらごとでは済まないことは明らかです。地に足をつけた真剣味のある答弁をお願いします。

 以上で第1問を終わらせていただきます。(拍手)



○議長(新本三男君) 答弁を求めます。

 小林教育長。



◎教育長(小林巖君) 御答弁に先立ちまして、先ほどの荒木議員の私個人にかかわりますところの御発言の部分を削除していただきたく思います。そうしていただくことを前提に、教育にかかわる御質問に順次お答えいたします。

 まず、義務教育については、現在国で議論されているが、本市は基本的にどのような立場に立つのかというお尋ねでございますが、国の三位一体の改革につきましては、さまざまな議論がなされているところであります。教育委員会といたしましては、義務教育水準の安定的確保に努めなければならないと考えております。既に全国知事会をはじめとする地方6団体から、国庫補助負担金等に関する改革案が国に提出されておりますが、仮に国庫補助負担金の見直しが実施されたとしても、確実な税源移譲や地方交付税による確実な財政措置などが必ず行われることが絶対条件であることは言うまでもございません。以後も教育水準の維持と税源移譲の確保に意を用いて参りたいと思います。

 次に、移譲された税源は必ず教育費に充てていただきたいと考えるがどうかというお尋ねでございますが、教育委員会といたしましては、次の尼崎を担う子どもたちの育成を図るうえで、教育水準の確保は必要不可欠であると考えております。そのためには、教育にかかわる国庫補助負担金が廃止されたとしても、移譲された財源につきましては、必ず教育に充てられるものと思っております。今後、関係部局との調整を進め、教育の充実に向けてよりいっそう努力して参りたいと考えております。

 次に、文部科学省の動きに対して、本市の来年度予算に与える影響があるのかという御質問でございますが、文部科学省における93億円の内容につきましては、県の教育委員会に確認いたしましたが、現在のところ、詳細については不明であるとの回答がありました。今後とも国及び県の動向には注視して参るとともに、来年度の予算編成に当たりましても、影響が生じることがないよう配慮して参りたいと考えております。

 次に、義務教育制度の弾力化の動きも視野に入れた学校統合を考えていく必要があると思うがどうかというお尋ねでございますが、小中学校の統合につきましては、適切な児童生徒集団の確保、学習するための施設、環境、教育内容及びその指導力など、子どもたちにとって良好な教育環境の向上を目指すものであり、小中学校適正規模、適正配置推進計画に基づき進めておるところでございます。

 一方、義務教育制度の弾力化につきましては、教育内容や施設、人事配置等も含めて、大きな変更を伴うことが予想されます。学校統合の関連につきましても、良好な教育環境の確保という視点で、義務教育制度の動向を注視していく必要があると考えております。

 次に、不登校への対応の在り方についての報告はどのように生かされているのかというお尋ねでございますが、この報告や指導資料は、今後の不登校対策の基本的な在り方について提言されたものであり、教育委員会や各学校が不登校児童生徒の学校復帰及び自立を支援する指針となるものであると考え、速やかに各学校でインターネット情報を活用するよう指導したところでございます。現在、教育委員会といたしましては、この報告などをもとに、校長会や不登校研究協議会などを通じて、学校の不登校の対応に関する意識を高めるとともに、学校が家庭や関係機関等との効果的な連携を図り、不登校の早期解決を図る体制の確立を促すなどの取組を進めておるところでございます。

 次に、組織運営での連携や組織強化はどのように図られたのか。そこから生まれた具体的な施策及び取組による効果はどうかというお尋ねでございますが、不登校問題については、心の問題としてのみならず、進路、自立の問題と捕え、家庭、学校、関係機関が連携し、地域ぐるみのサポートシステムを整備充実していく必要があると考えております。具体的な連携といたしましては、全中学校の不登校担当者による不登校研究協議会を組織して、定期的に情報交換を行う中で、スクールカウンセラーや民生委員、児童相談所などの関係機関の協力なども得ながら、不登校の生徒への対応に努め、学校復帰を図っておるところでございます。

 次に、市内の中学校の夏休み中の問題行動を起こした件数はどうか。その実態はどのようなものか。また、学校評議員制度との関連はどうなのかというお尋ねでございますが、夏季休業中である8月中の問題行動件数は75件で、うち刑法犯行為は11件であります。この中においては、特定の生徒が繰り返している場合もございます。このような問題行動を起こす生徒に対しては、担任及び生徒指導担当教諭を中心にして、当該生徒への指導や保護者への連絡を行い、関係機関等との連携を図りながら指導を行っておるところでございます。また、問題行動に関する学校評議員への報告については、当該生徒のプライバシーの保護の観点から、情報提供が難しいこともあります。ただ、校内、地域全体にかかわる予防的、積極的な生徒指導については、相談や支援をいただいておるところでございます。

 次に、8月の件は事実なのか。事実ならば、なぜ公表されないのか。また、学校は管理外での問題行動にどのように対応しているのかというお尋ねでございますが、本事件については、8月19日、警察より当該校に在籍確認の連絡があり、詳細な内容は分かっておりませんが、事件があったことは把握しております。ただ、現在捜査中であり、公表は今のところされておりません。なお、学校においては、本件に限らず、管理外の問題行動においても、警察等関係機関と十分に情報交換を図りながら、当該生徒への指導や保護者への報告など、迅速な対応に努めておるところでございます。

 最後に、学校は地域社会にどのように対応しているのかというお尋ねでございますが、今学校におきましては、生徒指導も含めまして、家庭や地域社会との連携に基づき、地域全体として子どもたちの成長を支えていくことが求められております。そのため、各小中学校においては、安全安心な環境づくりや学校公開の推進、学校評議員を含めた地域人材活用、学校からの積極的な情報発信などを実施しております。今後とも地域に信頼される、開かれた学校づくりを推進していきたいと考えております。

 以上です。



○議長(新本三男君) 村山企画財政局長。



◎企画財政局長(村山保夫君) 総人口の減少を上回る生産年齢人口の減少をどう受け止めているか。また、生産年齢人口の減少を上回る納税義務者の減少の影響についてどう考えているかということでございます。

 生産年齢人口は、全国で戦後一貫して増加を続けておりましたが、平成7年をピークに減少に転じ、今後更に減少していくことが見込まれています。また、同じく本市につきましては、平成2年をピークに減少に転じており、今後も全国と同様に生産年齢人口の減少が進展していくものと予測しております。人口減少社会において、とりわけ生産年齢人口の減少につきましては、一般的に言われておりますように、労働人口の低下による経済活力の低下のほか、支え手の減少による社会保障制度の不安定化、社会全体の労働力不足等が危ぐされ、21世紀のまちづくりにおいても大きな課題となっております。その中で、定年後の高齢世代がその能力や経験を生かして、若い世代とともに経済社会や地域社会を支えていくような、いわゆるエイジレス社会を築いていくことが求められていると考えております。

 また、納税義務者の減少につきましては、基幹的な税である個人市民税の減少をもたらすことから、憂慮すべき問題であり、財政基盤に影響を与えるものと考えております。人口と納税義務者の推移から見ますと、平成13年度から総人口の年間減少数が1,000人未満と縮小してきているにもかかわらず、納税義務者はそれを大きく上回る年間3,000人から4,000人程度の減少となっております。これは、景気の影響といったこともあろうかと思いますが、高齢化による非課税世帯の増加といったこともその理由にあると考えられます。このことからも、個人市民税の伸びは今後大きく期待できるものではないと考えております。

 続きまして、20年後の尼崎市を見据えたとき、今何をしていくべきと考えているのか。また、活力ある若い世代の定住を図っていくためにはどのような施策を講じようと考えているのかというお尋ねでございます。

 本市は、平成12年度に第2次基本計画を策定し、計画的なまちづくりを推進して参りましたが、長引く不況などの影響によりまして、たいへん厳しい財政状況に陥っております。そこで、まず経営再建プログラムの着実な実施を図ることにより、財政危機の克服に取り組んでいるところでございます。今後におきましては、少子・高齢化の影響や我が国の経済も厳しい状況が依然として続くものと予測されますので、本市におきます財政基盤というのは、必ずしも万全な状態が迎えられるかといったことについては、今後、我々としては相当努力していかなければならないことだと思っております。そうした中で、これからも都市として持続し、発展していくためには、これまでに築いてきた社会資本、歴史や文化、身近な生活環境の中で息づく環境支援、また産業都市としての風土、そうした本市の資源、資産を磨き、生かしていくことで、まちの魅力、価値を創出して取り組んでいきたいと考えております。

 中でも、子育て支援策の更なる充実や積極的な産業振興策による雇用の促進等によりまして、若い世代にとっても住んでみたい、住み続けたいといった評価をいただけるような取組を考え、進めていく必要があると思っております。

 以上です。



○議長(新本三男君) 荒木伸子さん。

   (荒木伸子さん 登壇)



◆27番(荒木伸子さん) さきほどの小林教育長に関する発言は、要求どおり削除していただいてけっこうであります。

 次に、休息時間についてお尋ねいたします。

 平成12年の総務消防委員会では、検討するということでありました。平成13年9月議会で一般質問をしてから、はや3年が経過いたしました。人事院の見解は、休息時間の概念は、勤務中における軽度の疲労を回復し、公務能率の増進を図るため設けられた短時間の勤務休止時間であり、正規の勤務時間に含まれ、その時間については給与が支給される。また、おおむね4時間の連続する正規の勤務時間ごとに15分の休息時間をできる限り置かなければならない。できる限りであります。また、正規の勤務時間の初め又は終わりに置いてはならない。連続する正規の勤務時間が3時間30分に達しない場合は、休息時間を置いてはならないということであります。

 休息時間は、公務能率の増進を図るためのものですから、正規の勤務時間の初め又は終わりに置いても公務能率を上げるということにはなりませんので、当然のことであります。本市の勤務時間は、8時間労働の9時から17時45分でありますが、17時15分には勤務時間が終了しています。この3年間、機会あるごとに当局をただして参りましたが、内部管理の見直しについては、組合や阪神各市との協議もあり、遅々として進まず、ここまでに至ったというのが現状であります。よく当局の方は、都市間競争が始まりという言葉を口にされますが、この問題に関しては横並びであったと思っています。尼崎ももう少し阪神市のリーダーシップを発揮されればよいのになと、私は思っています。この件に関してはたいへん残念であります。しかし、職員の粘り強い交渉には頭が下がる思いです。

 そこでお尋ねいたします。

 休息時間の見直しに向けた取組状況、見直し時期及び内容についてどのように考えておられるのでしょうか。お答えください。

 また、市がなんらかの形で関与している外郭団体の休息時間について、就業規則と勤務時間が合致しているのか。具体的にその実態についてお答えください。もし合致していない団体があるのであれば、どのような団体であり、この休息時間については、組織ぐるみで就業規則違反をしていたことになり、その組織の長の監督責任が問われると思いますが、いかがでしょうか。お答えください。

 また、なぜそうなっているのか。市としてはどうするのかも併せてお答えください。

 次に、わたりについてお尋ねして参ります。

 休息時間と同様、わたりについても3年にわたって当局の姿勢をただして参りました。平成13年9月議会における一般質問で、本市においてわたりという制度があるのか。あるとすれば、法的根拠は何かということを質問いたしましたところ、その答弁は、いわゆるわたりと言われているものは、一定の年齢あるいは一定の級号給に達した段階で自動的に本来の職務に対応する級よりも上位の級の給料を支給するものである。本市の一般職に実施している運用昇給制度については、このようなものとは異なり、尼崎市職員の給与に関する条例に基づき、一定の基準に達した段階で所属長が勤務成績の評定を行い、勤務成績が良好な職員に対して発令するものであり、給与決定の諸原則に基づくものと考えているという答弁でした。言葉とはたいへん便利なものであります。わたりとは、一般的に級から級へとわたる状態を指すのであって、自動的に支給という言葉が出て参りましたけれども、それは当局の解釈でありますし、給与条例には運用昇給なるものは記載されておりません。

 6月議会で、わたっている職員を従来とは違う簡易な主任試験を実施して4級に再度格付けするのではなく、現在の給与に見合う3級に格付けし、わたりを完全に廃止すべきであると一般質問しましたところ、市長答弁は、今回の見直しは市民の皆様にも一定の納得をいただけるものではないかと考えているという答弁でありました。

 そこでお尋ねいたしますが、わたりを市民の目線で見直し、是正するということは、税金を職位職階制に即して適切に職員に給与として支給するという根本の理念に適合させるように改革することであると私は認識していますが、これは間違った考え方でしょうか。お答えください。

 汗水流して働いて納めた税金が、市民の目の届かないところで行政の勝手な解釈で使われているとすれば、ほんとうに情けないと思います。納税者は株主であり、株主利益を最大限に考え、株主に還元していくのが経営者の経営責任であります。これについて、納税者である市民にパブリックコメントを求めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。お答えください。

 ここで申し上げておきますが、市民に対するパブリックコメントもいろいろおっしゃっていますが、私は、議員の意見が最大のパブリックコメントであると思っています。それはどうしてかといいますと、選挙で選ばれているからであります。誤解のないようにお願いします。

 また、市長就任後初めての議会答弁におけるわたりの廃止が大々的に報道された経過もありますし、市長は、車座集会や市報等でこれまでの実態と今回の見直しを市民に説明し、責任を果たすべきと考えますが、いかがでしょうか。お答えください。

 また、平成16年4月1日現在わたっている職員978名が、全員主任として60歳で退職するまで勤務した場合と、今回提案の完全にわたりを廃止した場合との差額はどれぐらいになるでしょうか。退職金も含めてお答えください。

 また、今回の見直しは、それらの職員に対して、今までの主任試験とは違う、1次、2次の区分のない簡易な試験を実施し、大多数をわたらせ、主任試験に合格してきた人たちと同等に処するということになり、これは、これまで実施してきた主任試験と、その合格を全面否定することになると考えますが、いかがでしょうか。お答えください。

 努力してきた結果が報われるどころか、水泡に帰するという思いの職員に対して、どのように説明するのでしょうか。併せてお答えください。運が悪かったとの一言で済ませてしまうのでしょうか。これでは職員のやる気を失わせることにつながると思います。

 また、主任が増えることになると思いますが、組織の形態や体制はどうなっていくのでしょうか。お答えください。

 次に、1問目に続き、人口問題についてお尋ねして参ります。

 さきほど申しました国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口では、2000年の平成12年の人口を100とした指数で全国の市町村を比較しています。阪神間各市の2030年を見た場合、現在以上に人口が伸びている都市は、三田市、宝塚市、川西市であります。また、現在の人口水準をほぼ維持している都市は、西宮市、伊丹市であり、芦屋市は現在より少し減少しています。これはあくまで推計です。日本の人口は平成18年をピークとして減少していくことを考えれば、むしろこれらの各市は、人口が増加していると考えられます。ところが、本市の場合、人口の自然減を見込んだとしても、他都市と比べて人口減少の幅がかなり大きくなっています。

 そこでお尋ねしますが、市長は、この推計値についてどう受け止めておられるでしょうか。その原因はどこにあると考えておられるでしょうか。お答えください。

 また、尼崎市には都市の魅力がないと感じられて転出される人が多いとするならば、どう都市の魅力を高めようと考えておられるのでしょうか。お答えください。さきほどお答えいただきましたが、具体的にその内容をお示しください。

 1問、2問を通して人口問題を取り上げてきました。学校の統廃合しかり、児童館の廃止、支所問題も、すべて人口問題が根本にあります。これらを考え、尼崎の将来を直視していくとき、現在取り組んでおられる行政改革は、私には場当たり的で、名ばかりの改革ということにしか目に映りません。将来を展望したとき、今行わねばならない行政改革とは何かということを最後にお尋ねして、私の全質問を終わります。

 御静聴ありがとうございました。(拍手)



○議長(新本三男君) 答弁を求めます。

 玉井総務局長。



◎総務局長(玉井啓一君) 一連の御質問にお答え申し上げます。

 まず、休息時間の見直しに向けた取組状況、見直し時期及びその内容についてどのように考えているかという御質問でございます。

 休息時間の見直しについては、先般、阪神間各市と自治労阪神淡路ブロックとの間で基本的な部分について調整が整ったところでございます。今後、休息時間の運用の見直しにつきましては、来年1月の実施を目途に職員団体と交渉を進めて参ります。

 次に、外郭団体の休息時間は、就業規則と勤務時間が合致しているのか。もし合致していないなら、その団体はどこか。また、なぜそうなっているのか。今後はどうするのかというお尋ねでございます。

 外郭団体の休息時間につきましては、各団体の就業規則により定めている場合と定めていない場合があり、ばらつきがございます。休息時間を就業規則に定めている場合にあっては、本市と同様の取り扱いをしていると思われ、これは本市の実態に準じたものと考えられます。団体の運営は、外郭団体の自主自立性に基づき行われており、その職員については、公務員としての身分を有していないため、休息時間の取り扱いが本市と同様の運用であっても、特段の問題は生じません。しかしながら、本市と密接不可分の関係にある団体でもあるので、就業規則で勤務条件を明確にすることが望ましいため、各団体にその旨を要請して参ります。

 次に、運用昇給に関連いたしまして、その見直しの目的は、税金を職位職階制に即して適切に職員に給与として支給するという根本理念に基づくものではないのかというお尋ねでございます。

 職員の給与は、御指摘のように職務給の原則に基づき決定されるものであり、今回の運用昇給の制度の廃止につきましても、当然にその考え方にのっとるものでございます。

 次に、パブリックコメントや車座集会等で市民に説明すべきと考えるがどうかというお尋ねでございますが、内部管理に関する事項でございますので、パブリックコメントにはなじみにくいと考えておりますが、市民の皆様からの御質問等に対しましても、説明責任を十分に果たして参りたいと考えております。

 次に、現在の運用昇給者全員が主任として定年退職した場合と、運用昇給を完全に廃止して退職した場合との差額は、退職金を含めてどのくらいになるのかというお尋ねでございます。

 これまでも御答弁申し上げておりますが、今回の見直しは、その格付けをあらためて明確にするという目的で、一定の能力評価のための試験を行ったうえで、主任として4級に再度格付けするものであります。したがいまして、全員を3級に格付けた場合の生涯賃金の差額の総額を仮定とはいえ算定することは、例えばある級の職員全員の降格を想定した算定の場合と同じであり、現実的な数字ではなく、誤解を招くおそれもありますが、あえて御質問の趣旨どおり算出いたしますと、総額で約7億円程度の差が生じることになります。

 次に、運用昇給している職員に対し、今までの主任試験と異なる簡易な試験を行うことは、これまでの主任試験制度や合格者を全面否定するものではないかとのお尋ねでございます。

 運用昇給者につきましては、給与条例における昇格の規定に基づき、勤務成績の一定の評価により、主任相当級への格付けを行って参りました。それを踏まえた再格付けのための能力評価の試験を今回実施するものであり、これまで実施してきた主任試験とは趣旨も内容も異なるものでございます。これによって従前の主任試験制度が否定されるものではございません。また、従来の試験合格者の努力の過程や成果については、十分に評価されるべきものであると考えております。

 最後に、来年度から主任が増えることになるが、組織の形態、体制はどうしていくのかというお尋ねでございますが、主任は係長を補佐するという組織上の役割だけでなく、上司や同僚と協力して職場をまとめることや、分担された職務を担当者として円滑かつ効率的に遂行する役割をも担っております。運用昇給者につきましては、これまでも主任相当としての役割を担って参りましたので、基本とする役割には変更がないことから、これを受けて組織の形態や体制の変更は考えておりません。

 以上でございます。



○議長(新本三男君) 村山企画財政局長。



◎企画財政局長(村山保夫君) 国立社会保障・人口問題研究所の推計値の人口減少幅が他都市に比べて大きい。そういったことについて、その原因についてお聞きになっております。

 本市のこれまでの人口の推移を見ますと、昭和46年から約30年にわたり、自然増を上回る社会減、つまり、人口の流出が一貫して続いており、要因といたしましては、ファミリー世帯層の流出あるいは企業の撤退などによる就労の場の減少など、そのほかいろいろなものが原因として影響しているものと考えております。国立社会保障・人口問題研究所の推計は、将来の純移動率に平成7年から平成12年の国勢調査を踏まえた数値を採用するなどして算出されていることから、こうした傾向があらわれているものと理解しております。

 これはさきほどもお答えいたしましたが、最近の本市の人口の推移を見ますと、年間の人口の減少幅は小さくなってきております。しかし、いずれにいたしましても、本市の場合、宝塚市や川西市、三田市などと比べましても市域が狭く、早い時期に市域全体が市街化されため、新たな宅地開発の余地がないことなどから、今後もこうした都市と比べますと、将来推計に人口のある程度増減の差というのが出てくるのはやむをえないものかと考えております。

 続きまして、尼崎市の都市の魅力を高めていくためにはどうするのかというお尋ねでございます。

 都市の魅力を感じて、若い世代にとって住み続けたいまちということになりますと、当然のことながら、尼崎市で家庭を持って暮らそうと思えるような都市づくりが必要かと思います。とりわけ子どもの成長を期待できるような教育的な魅力や子育て環境の整備などが、その中でも重要な要素と考えております。

 それから、これからの行財政改革をどうしていくのかというお尋ねでございます。

 経営再建プログラムに基づくこれまでの取組によりまして、一定の成果は上げてきておりますが、これまでも申し上げておりますように、構造上の課題は依然として残っている状況にございます。また、今後の取組につきましては、三位一体改革などの影響も憂慮されますし、今後の取組の中には、用地などの売払い収入なども相当見込んでいるということで、その意味では、今後の取組というのは流動的な要素も多々抱える中で、厳しい状況がございます。しかしながら、こうしたことに対しましても的確に対応していって、財政再建をなんとしても果たしていかなければならないというふうに考えておりますので、計画事業については確実に実施していくとともに、更に改革改善を上積みしていく、また、国に対しては財源手だて等につきましても要望していくなどして、財政再建をきっちり果たしていきたい、そのように考えております。

 以上でございます。



○議長(新本三男君) 荒木伸子さんの質問は終わりました。

 お諮りいたします。

 本日はこの程度にとどめ、残余の議事は延期いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)



○議長(新本三男君) 異議なしと認めます。

 よって、本日はこの程度にとどめ、残余の議事は延期することに決定いたしました。

 以上をもって本日の日程は終了いたしました。

 明17日は、本日の議事日程を踏襲し、午前10時から会議を開きます。ついては、ただいま出席の諸君にはあらためて通知はいたしませんから、御了承願います。

 本日は、これをもって散会いたします。

             (午後4時42分 散会)

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  議長   新本三男

  副議長  北村保子

  議員   広瀬早苗

  議員   藤原軍次