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平成17年第284回定例会(第5日10月 3日)




平成17年第284回定例会(第5日10月 3日)





平成17年 9月第284回定例会


会議録第1452号


            第284回(定例)兵庫県議会会議録(第5日)


                         平成17年10月3日(月曜日)


          ─────────────────────────


 
                               平成17年10月3日 午前10時開議


   第1 第103号議案ないし第132号議案


      報第3号


      認第1号ないし認第7号


       質疑・質問


       委員会付託


   第2 請   願


          ―――――――――――――――――――――――――


                 本日の会議に付した事件


   日程第1 第103号議案ないし第132号議案


        報第3号


        認第1号ないし認第7号


   日程第2 請   願


          ―――――――――――――――――――――――――


                 出  席  議  員   (92名)


   1 番  井  戸  ま さ え         47 番  山  口  信  行


   2 番  吉  本     誠         48 番  葛  西  利  延


   3 番  石  井  健 一 郎         49 番  永  田  秀  一


   4 番  小  林     護         50 番  釜  谷  研  造


   5 番  北  条  泰  嗣         51 番  門     信  雄


   6 番  いなむら  和  美         53 番  武  田  丈  蔵


   7 番  和  田  有 一 朗         54 番  寺  本  貴  至


   8 番  森  脇  保  仁         55 番  原     亮  介


   9 番  藤  本  正  昭         56 番  水  田     宏


   10 番  谷  口  隆  司         57 番  北  浦  義  久


   11 番  野  間  洋  志         58 番  内  藤  道  成


   12 番  藤  田  孝  夫         59 番  立  石  幸  雄


   13 番  長  岡  壯  壽         60 番  岩  谷  英  雄


   14 番  山  本     章         61 番  五  島  た け し


   15 番  黒  川     治         62 番  長  田     執


   16 番  丸  上     博         63 番  羽 田 野     求


   17 番  矢 尾 田     勝         64 番  内 匠 屋  八  郎


   18 番  井  上  英  之         65 番  松  田  一  成


   19 番  田  中  あきひろ         66 番  越  智  一  雄


   20 番  北  川  泰  寿         67 番  杉  尾  良  文


   21 番  石  川  憲  幸         68 番  今  西  正  行


   22 番  栗  原     一         69 番  岡     や す え


   23 番  石  堂  則  本         70 番  掛  水  す み え


   24 番  小  林  喜  文         71 番  ね り き  恵  子


   25 番  西  野  將  俊         72 番  つ づ き  研  二


   26 番  佃     助  三         73 番  中  村  まさひろ


   27 番  橘     泰  三         74 番  筒  井  も と じ


   28 番  永  富  正  彦         75 番  中  村     茂


   29 番  小  池  ひろのり         76 番  石  井  秀  武


   30 番  岸  口     実         77 番  加  藤     修


   31 番  中  田  香  子         78 番  宮  本  博  美


   32 番  杉  本  ち さ と         79 番  加  藤  康  之


   33 番  新  町  み ち よ         80 番  大  野  由 紀 雄


   34 番  宮  田  しずのり         81 番  合  田  博  一


   35 番  毛  利  り  ん         82 番  渡  部  登 志 尋


   36 番  黒  田  一  美         83 番  筒  井  信  雄


   37 番  藤  井  訓  博         84 番  松  本  隆  弘


   38 番  芝  野  照  久         85 番  梶  谷  忠  修


   39 番  岡  野  多  甫         86 番  加  茂     忍


   40 番  松  本  よしひろ         87 番  原     吉  三


   41 番  野  口     裕         88 番  藤  原  昭  一


   42 番  浜  崎  利  澄         89 番  小  田     毅


   43 番  酒  井  隆  明         90 番  加  田  裕  之


   44 番  前  川  清  寿         91 番  村  上  寿  浩


   45 番  山  本  敏  信         92 番  清  元  功  章


   46 番  石  原  修  三         93 番  鷲  尾  弘  志


          ―――――――――――――――――――――――――


                 欠  席  議  員   (なし)


          ―――――――――――――――――――――――――


                 欠        員   (1名)


          ―――――――――――――――――――――――――


                 事務局出席職員職氏名


 局長       稲  田  浩  之      議事課主幹 田  中  宏  忠


 次長       谷  口  勝  一      議事課長補佐兼議事係長


 議事課長     伊 地 智  基  幸            濱  田  直  義


          ―――――――――――――――――――――――――


               説明のため出席した者の職氏名


 知事                           井 戸  敏 三


 副知事                          藤 本  和 弘


 副知事                          齋 藤  富 雄


 出納長                          五百蔵  俊 彦


 公営企業管理者                      江 木  耕 一


 病院事業管理者                      後 藤    武


 防災監                          東 田  雅 俊


 理事                           大 平  一 典


 理事                           清 原  桂 子


 理事                           井 筒  紳一郎


 県民政策部長                       辻 井    博


 企画管理部長                       荒 川    敦


 健康生活部長                       下 野  昌 宏


 産業労働部長                       黒 岩    理


 農林水産部長                       黒 田    進


 県土整備部長                       原 口  和 夫


 まちづくり復興担当部長                  佐々木  晶 二


 のじぎく国体局長                     井 上  数 利


 企画管理部企画調整局長                  高 井  芳 朗


 財政課長                         竹 本  明 正


 財政課主幹                        西 上  三 鶴


 選挙管理委員会委員長                   柏 木    保


 教育委員会委員長                     平 田  幸 廣


 教育長                          吉 本  知 之


 公安委員会委員                      田 中  教 仁


 警察本部長                        巽    高 英


 警察本部総務部長                     嶋 田  詩 郎


 人事委員会委員長                     馬 場  英 司


 監査委員                         久 保  敏 彦


  ──────────────────


       午前10時0分開議





○議長(内藤道成)  ただいまから本日の会議を開きます。


 直ちに日程に入ります。


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◎日程第1  第103号議案ないし第132号議案


       報第3号


       認第1号ないし認第7号





○議長(内藤道成)  日程第1、第103号議案ないし第132号議案、報第3号、認第1号ないし認第7号を一括議題とし、質疑並びに県の一般事務に関する質問を続行いたします。


 発言は、通告に基づき、順次議長より指名いたします。


 まず、長岡壯壽議員。(拍手)


  〔長岡壯壽議員登壇〕


○(長岡壯壽議員)  皆さん、おはようございます。


 井戸知事は、重点プログラムの295項目の事業について年度ごとの数値目標を設定し、その達成度合いを点検していくことを打ち出されました。日産自動車では、目的を明確にし実行計画をつくる、その進捗を確認する数値目標をつくる、そしてコミットメントの必達により復活を遂げました。ソフトバンクの孫 社長は、「政治家ならば、GDP、税収、予算、そして人口、この四つの数値を50年後にどうしたいのかを志すべきだ」と語っています。今回、公約達成の数値目標を数多く兵庫県政に導入された井戸知事の決断は、後々、兵庫県政の大きな転換点であったと私の老後に振り返ることを楽しみにしながら、福祉、教育関係を中心に質問いたします。


 1点目は、障害児教育についてであります。


 これからの障害児教育の方針を審議する障害児教育の在り方検討委員会の進捗状況については、本定例会において他会派の小池議員の質疑を通して明らかなように、平成15年の現状把握から始まり、重点課題の明確化に至るまで、検討を進めておられることは理解いたしております。


 一方、国では、障害児教育のあり方について、平成16年度から2年間かけて中央教育審議会で議論され、今年度秋には答申が出される予定です。


 県としても、その答申を踏まえ、本県の障害児教育の基本方針のもと対応しなければならないことはもちろんですが、現段階で可能な限りの情報を収集し、特別支援教育の転換の核となるコーディネーターの養成や学校教育におけるLD、ADHDなどへの支援など、既に明らかになっている課題に対し、準備も含め取り組み、先手先導的役割を果たしていくことも重要ではないでしょうか。県のお考えをお聞きいたします。


 2点目は、高機能広汎性発達障害への取り組みについて質問いたします。


 前々回の第282回定例会におきまして、他会派の北条議員より、発達障害者の支援について質疑が交わされました。その内容の中に、ことし4月施行の発達障害者支援法を受けて、障害の早期発見・早期支援、そして周囲の理解を求め、発達障害者支援センターを中核にした支援体制の整備を広げていくべきという指摘がありました。これを受けて、井戸知事から、教育課程における対応も含めて、早期発見と医療機関への連携をシステム化していく趣旨の答弁がなされました。


 今回、私からは、発達障害の中の高機能広汎性発達障害についてご質問いたします。


 高機能広汎性発達障害とは、アスペルガー症候群や高機能自閉症であり、他人とのかかわりやこだわりの面で障害があるものの、一見して知的なおくれが見られず、言葉のおくれがないこともあって、障害として周囲の人に認められず、わがままやしつけの問題として片づけられ、適切な支援が受けられないことが多いのです。


 子供の理解しがたい言動に気づいた保護者は、医療機関を転々として、不安と焦りの日々が長く続きます。正しい診断を求めて愛知県の専門施設を訪ねても、新外来患者の待機期間は33ヵ月を超えています。


 現行の療育手帳制度は知的障害者を対象としているので、知的障害のない高機能広汎性発達障害の人に療育手帳は発行されません。よって、福祉サービスは受けられず、レスパイトも障害者雇用も対象外とされ、障害者年金も受給できないのです。知的レベルではなく、社会性の不適応を考慮した発達障害手帳の実現が望まれています。


 この障害は決定的な治療法が確立されていません。しかし、早期に訓練し周囲の支援があれば、学校に通い働くことができます。そこで、発達障害者支援法に定める早期発見・早期支援、そして専門的な医療機関の確保について、今後、兵庫県としてどのように取り組まれるのか、お聞きします。


 3点目は、西播磨における障害児の療育体制についてであります。


 例えば知的障害と肢体不自由が重複している重症心身障害の子供たちが、早期に理学療法士、作業療法士など専門スタッフのもとで継続した療育を受けられることは、まず親の育児不安を取り除き、親子のコミュニケーションを確立し、将来の自立へとつながります。


 しかし、西播磨の現状を見たとき、高度な療育を実施している市町はわずかで、姫路市総合福祉通園センターのルネス花北にほとんどゆだねられてきました。しかも、本来ならば、在住する市町の紹介を経てルネス花北で療育を受ける仕組みですが、関係者のご好意とご尽力によって、市外から直接外来相談を申し込んでも、受けていただける状況が続けられてきました。


 このたび、財政上の環境変化により、外来相談を直接申し込むことはできなくなりました。本来の仕組みに戻っただけとはいえ、少しでも高度な療育を我が子に受けさせてやりたいという親の気持ちはごく自然なものであり、善処を求めて、短期間に1万人を超える署名が、我が会派西播磨の議員の署名とともに、井戸知事に届けられました。その内容は、播磨科学公園都市に開設予定の総合リハビリテーションセンターブランチの中に、小児リハビリテーション部門を設置いただきたいというものです。


 私は、この要望を一つの契機として、行政・医療関係者、そして保護者が集まり、西播磨のよりよい障害児の療育体制について検討していく必要があると考えますが、県のお考えをお聞きいたします。


 4点目は、障害児の後期中等教育、すなわち高等学校と盲・聾・養護学校高等部における特別支援教育の充実についてご質問いたします。


 前回の第283回定例会におきまして、他会派の大野議員より、養護学校高等部の今後のあり方について質疑が交わされました。その内容の中には、県立高等養護学校の成功例を挙げて、今後は、養護学校高等部の生徒が職業自立をめざして農業高校や工業高校と連携し、就労に必要な知識・技能を習得する機会をさらに広げていくべきという指摘がありました。


 これを受けて、吉本教育長から、「職業教育の必要性を認識した上で、障害児教育の在り方検討委員会からの提言を踏まえて、職業教育を含めた養護学校高等部の拡充方策を検討していく」との答弁がありました。


 一方で、いわゆる住みなれた地域での学習機会も大切だと考えます。


 来年度から、大阪府では、知的障害児の府立高校での受け入れを制度化することを打ち出しました。自立支援推進校と共生推進モデル校を整備し、住みなれた地域の中で自立と社会参加を支援していこうとする取り組みであります。


 平成13年度からの先行調査研究では、数々の教育的効果が明らかにされています。障害児当事者にとっては自立心が成長し、教職員にとっては障害児の理解を通して周囲の生徒の理解にも幅が広がり、何よりも障害児とともに過ごした生徒にとっては、社会人となったときの貴重な財産になるのであります。


 兵庫県におきましても、既に西宮香風高校での知的障害児の受け入れや特別支援教育体制推進事業にも積極的に取り組んでいただき、小・中・高等学校に在籍している発達障害の生徒に対する支援のあり方や養護学校高等部の充実方策とあわせて、諸課題の解決を図っていただいております。


 もちろん高校入学における適格者主義や高校には障害児学級の学級編制の標準が定められていないなど、今後、乗り越えなければならない課題は多くありますが、障害児にとって、通いなれた小中学校でともに学んだ同級生たちと、住みなれた地域の高等学校においてもともに学び、交流を続けたい気持ちには切実なものがあります。


 そこで、住みなれた地域での学習機会の確保の視野も踏まえ、後期中等教育の充実について、兵庫県のお考えをお聞きします。


 5点目に、障害者自立支援法等を見据えた障害者の雇用の促進についてであります。


 障害者向け福祉サービスの一元化などをめざす障害者自立支援法案の国会審議が、再度、本格化しそうです。その内容は、身体、知的、精神の障害種別ごとに違っていた福祉サービスを統合再編し、利用者の選択肢を広げる一方で、利用料金制度を応益負担に変更し、結果的に受益者の負担が増加する可能性も含んでいます。増大する福祉サービスをみんなで支え合う仕組みの強化をめざした法案ですが、一方で、負担増加に耐えられない障害者の出現や、同一世帯構成員、いわゆる親兄弟に障害者の負担を肩がわりさせることを招きかねないのです。障害者が「私たちのことを私たち抜きで決めないで」と声を上げている現状です。


 先日、姫路のグローリー工業という通貨処理機の会社の中にある特例子会社を、他会派の中田議員を委員長として、視察する機会に恵まれました。障害者の雇用促進を目的に設立されたこの特例子会社では、障害者が与えられた仕事を誇りを持ってこなしておられました。この取り組みのキーマンであるグローリー工業の経営者の温かいまなざしに、めざすべき将来像を見た思いがいたしました。障害者の方がこのように生き生きと働くためには、事業主の障害者雇用に対する理解を深めるとともに、障害者の雇用支援が何よりも必要と考えます。


 そこで、福祉的就労から一般雇用へという障害者の自立の流れも踏まえ、県として、障害者の雇用の促進にどのように取り組んでいかれるのか、お聞きいたします。


 6点目に、県下各県民局におけるさまざまな取り組み事例の情報共有の活用といった、いわば水平展開機能についてお聞きいたします。


 昨年の台風により千種川流域で多くの越水があり、大量の風倒木が発生しました。このため、西播磨県民局では、再度の越水を防止するため、風倒木を利活用し堤防のかさ上げを行っています。風倒木で2列平行の木の壁を数キロメートルにわたってつくり、2列の木の壁の間に河床から掘削した土砂を入れ、一つの堤防を築く方法です。9月26日の政策会議で議題に上りましたが、翌日には但馬の県職員がその堤防のことを知っていたことを我が会派同僚の藤田議員から聞かされ、とてもうれしく思いました。


 また、昨年度、中播磨県民局で、高校生が仕入れから販売・経理に至るまでの経営全般を体験するチャレンジショップの取り組みがなされました。今年度、我が地元、西播磨管内の上郡高校が、商店街運営の空き店舗を活用して商店運営を実体験する取り組みが行われると聞いており、県民局でのこうした取り組みが水平展開的に進んでいると知って、またまたうれしくなりました。


 成功は囲い込むものではなく、失敗は覆い隠すものでもありません。成功例も失敗例も、新技術も人材も、共有し利活用し合ってこそのものであります。机の上のパソコンも、リアルタイム・双方向の情報伝達がなければ、ただのワープロにすぎません。


 そこで、県下各県民局独自の積極的な活動事例を他の県民局にも紹介するなど、その事例を県民局間で共有する水平展開機能が重要だと考えますが、県の取り組みをお聞きします。


 最後に、次世代を担う子供たちの健全育成を願い、今年度成立しました食育基本法についてお聞きします。


 本定例会において、我が会派の同僚、松本議員によります質疑から明らかなように、都道府県や市町村に食育推進会議を置くことができますし、食品の安全性に関する情報の提供を積極的に行わなければならないなど、これから取り組むべき課題は山積しています。


 また、先日、食の安全について、本定例会での質疑を受け、兵庫県独自の条例制定をめざしていくことが新聞にも掲載されました。これは、我が会派の同僚、加田議員が数年来、あらゆる機会を通じて提言を続けてこられた内容で、同じ一期、一期会のメンバーとして、とてもうれしく思います。


 兵庫県民は、食の安全のため既にさまざまな取り組みを始めていますし、我が地元赤穂でも、既に安全・安心な食料を地産地消していこうと、会社を定年退職した有志が集まって、地域の休耕田を借り受け、大根づくりに取り組んでいます。当時の辻井県民局長にパワーアップ助成金を認めていただいた、ひょうご安心ブランドの大根です。加えて、その農作業には近隣にある社会福祉事業団の赤穂精華園の方たちも参加し、大根の種まき、水洗い、出荷、そして収穫祭までを経験してもらっています。


 一方、食料を供給する側だけでなく、食料を消費する側、子供や保護者や教育関係者の自覚も重要であります。家庭、学校、地域が、食料の生産から消費までの食に関するさまざまな活動を体験することが重要であります。


 今後、この法案成立を受けて、基本計画が作成され、実行段階に移っていきます。県としても、国のこの基本計画に沿った活動を実施しなければならないことはもちろんですが、国の基本計画作成を待つだけではなく、現段階で可能な限りの情報を収集し、県での検討結果を踏まえて準備を整え、先手先導的役割を果たしていくことも重要ではないでしょうか。県のお考えをお聞きいたします。


 以上で、人生3回目の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)


○議長(内藤道成)  井戸知事。


  〔井戸知事登壇〕


○知事(井戸敏三)  自由民主党議員団の長岡壯壽議員のご質問にお答えいたします。


 まず、私からは、高機能広汎性発達障害への取り組みについてであります。


 高機能広汎性発達障害は、ご質問の中でもございましたように、人とのかかわりが持ちにくい、こだわりが強いなど、行動面の障害があり、早期に発見し、社会性を身につける支援が必要であると考えています。


 この障害は、おおむね3歳までに発現することが多いと言われております。平成15年度、16年度の2ヵ年間に1歳6ヵ月児健診を受けた者で24人、3歳児健診を受けた者で88人が、精密検査の結果、その診断を受けておられますが、知的障害を伴わないため、就学前後に発見されることもあり、こども家庭センター等が相談に応じています。また、専門的相談・指導機能の充実を図るために、ひょうご発達障害者支援センターに加えまして、本年6月からは2ヵ所のブランチを設置して、機能を果たさせていただいています。


 今年度、さらに、乳幼児健診マニュアルを改定しその万全を期するほか、健診従事者研修の実施によりまして1歳6ヵ月児と3歳児の健診を充実してまいりますこととあわせて、集団生活での早期発見のための保育士等の研修の実施に努めております。引き続き、身近なところで相談や診断が受けられるように、小児科医師等を対象とした専門研修を実施してまいりますし、また、ご指摘の発達障害児への対応内容とのかかわりを考慮しながら、療育手帳の交付の可否についても検討してまいりたいと考えています。


 いずれにしましても、先ほども触れましたように、早期発見・早期治療が確立することが大切であります。現在、1歳6ヵ月と3歳児の健診の健診マニュアルの具体化を急いでおりますけれども、この1年6ヵ月、3歳児健診における早期発見・早期相談、専門機関へのつなぎなどの対応システムをできるだけ早く構築をして、適切な対応が適宜に進められるようにしてまいりたい、このように考えておりますので、よろしくご支援とご指導をお願いしたいと存じます。


 続きまして、障害者自立支援法を見据えた障害者の雇用促進についてです。


 障害者の自立のためには、雇用の促進が不可欠であることは言うまでもありません。また、障害者がまさしく自分で生活をできる、そのような基盤がつくられてこそ、障害者であっても自分の生活を確立できたという自負を持てる、そのような意味で大切だと考えています。


 したがって、まず障害者雇用の場を拡大するため、障害者の多数雇用事業所を表彰したりする制度を活用したり、あるいは街頭キャンペーンやパンフレット等による事業主への意識啓発を行っております。また、企業の社会的責任の観点も踏まえまして、主要経済団体や企業に対しまして、障害者雇用の要請を行っているところであります。しかしながら、障害者雇用率の達成等の状況を見ましても、本県は他県に比べては高い方ではありますが、いまだ十分ではない、このように認識いたしております。


 そのような意味では、ご指摘の障害者雇用に配慮した職場づくりを促進する特例子会社制度は、ある意味で、障害者雇用を促進する一つの手段として活用されるべきだと私どもも考えておりますし、本年度に創設した障害者雇用のための設備改善に対する貸付などを初めとする支援制度についても、できるだけその活用を呼びかけているところです。


 あわせまして、障害者の就職を促進するためには、障害者一人一人の障害の種類や特性に応じたきめ細かな支援が必要であります。生活面の自立から訓練、就業までの一体的な支援を行う障害者就業・生活支援センターの設置や無料職業紹介事業の実施、あるいは障害者に同行して事業所での就労サポート等を行うジョブコーチの養成・活用にも取り組んでおります。


 さらに、障害者の自立、社会参加や就労を支援するためには、障害者自身の生産物が一般の方々に理解されて、その生産物に対する需要が増加することも必要であります。そのために、通信販売会社と手を組みまして、その促進を図る「チャレンジド・クリエイティブ・プロジェクト」を推進しておりますし、授産施設や小規模作業所に対しまして、その技術力の向上を図るための指導員の派遣や、あるいは経営指導を行いまして、一般市場への販路拡大を行います市場開拓員の設置活動も実施しております。授産施設や小規模作業所における生産物がより理解されるために、ホームページにも「NUKUMORI」という名前をつけさせていただきまして、その販売促進を図っているところでもございます。


 今後とも、福祉、教育、保健機関等との連携を強化しながら、障害者の自立の支援に一層努力してまいりますので、よろしくご理解をいただきたいと存じます。


 続きまして、食育基本法についてであります。


 食に関しましては、野菜不足や朝食欠食など、食事上の問題が指摘されておりますし、食を通じた肥満や生活習慣病もふえてきております。あわせて、食材の安全面の問題としては、BSEや鳥インフルエンザなどの安全・安心にかかわる問題が生じてきましたし、日本食の味わいを学ぶという意味では、食文化の継承の必要性も指摘されております。


 そのような中で、地域の身近な食材を使用する地産地消などの取り組みも行われてきているところでございます。


 子供たちが望ましい食習慣を身につけ、元気で生き生きとした生活を送るためには、ご指摘の食育の推進が不可欠である、このように考えます。現在、本県では、食のポータルサイトによる食の安全・安心情報の発信事業を行っておりますし、あわせて、食事はバランスが不可欠です。「食の健康運動」として、ごはんを食べよう、大豆を食べよう、減塩しようという三つの柱に基づきます健康運動を展開しております。これも広い意味での食育の一環だと考えています。


 さらに、具体的には、幼児を持つ保護者等を対象とした食の安全・安心を含む食育実践活動や、小学生や若い世代のスキルアップ教室、中高校生の食生活バランスアップ事業が必要であります。ある方から聞きましたけれども、弁当持参ということも食育にとって非常に大事だというご指摘もあります。


 小中学校の農林水産体験を通じたひょうご「学びの農」推進作戦は、食というものの大切さを身を持って体験させる機会になると考えております。また、地場産食材の学校給食への使用や学校給食における実践研究を行います「食で育む子どもの未来」食育推進事業などは、実際に食することで食育の実践を身を持って体験していくということにつながると考えています。


 本年7月の食育基本法の施行を受け、さらに県民の生涯にわたる健全な食生活や食文化の継承等を推進するため、家庭、学校、地域等と連携して、食料の生産現場から消費に至るまで一貫した総合的な食育推進計画を策定し、食育の推進を図ることとしてまいりたい、このように考えております。


 食育の推進には、あわせて、食の安全・安心対策との一体的な取り組みも必要でありますので、現在、食の安全・安心対策と食育とに総合的に対応する条例等に基づくシステムの構築についても検討をしているところであります。今後とものご指導をよろしくお願いいたします。


○議長(内藤道成)  荒川企画管理部長。


  〔荒川企画管理部長登壇〕


○企画管理部長(荒川 敦)  私から、県民局間の水平展開機能につきましてお答えいたします。


 これまで、県民局では、地域課題の解決に向けまして積極的に取り組んでおりまして、例えば西播磨地域において先導的に実施しております西播磨くらしの道整備におきましては、生活道路のすれ違い困難・危険箇所を、地域の実情に応じまして規格、工法を採用いたしまして、整備することによりまして、早期解消に成果を上げております。今年度から、それがくらしの道緊急整備事業といたしまして、県下各地においても事業化が図られたところでございます。


 このような活動事例につきましては、全部の県民局長が出席いたします本庁での政策会議の中で、協議や地域情勢報告を行い、情報共有を図りますほか、各県民局間の連携を図る場でございます県民局長会、ここにおきましては、県民運動の推進方策やツーリズム振興のあり方といった各県民局の地域課題とその対応策につきましての意見交換や調査研究に取り組んでおります。また、全庁の情報ネットワーク上に県民局の連絡掲示板を設けまして、担当者間におきましても有益な情報の共有を図ってございます。


 市町合併の進展など地域の情勢は大きく変化しつつございます。今後とも、各県民局におきましては、情報に対しましてアンテナを高くいたしますとともに、県民局間の横の連絡も密にいたしまして、さまざまな機会、手段を通じまして、より一層の情報共有と連携強化を図って県民ニーズに即した現地解決型県政の推進を図ってまいりたい、そういうふうに思っております。


○議長(内藤道成)  下野健康生活部長。


  〔下野健康生活部長登壇〕


○健康生活部長(下野昌宏)  私から、西播磨における障害児の療育体制についてお答え申し上げます。


 障害児の療育につきましては、平成12年の社会福祉法の改正、あるいは平成15年の支援費制度導入によりまして、身近な市町において担うべきものとされています。こうした背景やルネス花北の利用が飽和状態になっていることから、ご指摘のとおり、本年4月に利用方法が変更されたところでありますが、処遇が困難な事例におきます専門的な相談指導については、引き続きルネス花北において対応するというふうになっています。


 西播磨地域の各市町におきましては、児童デイサービス事業、保健センターでの親子教室、小児リハの実施など療育基盤が整いつつありますが、療育施設の設置・運営は市町の業務でありますことから、県内で市町によっては単独設置が困難であるという実情もありまして、施設のそれぞれの機能を活用して、施設間の連携のもとに療育に対応しています。


 相談の機能でありますとか、あるいは診断の機能でありますとか、あるいは訓練の機能など施設に必要な機能とあわせまして、医師や理学療法士、作業療法士、言語聴覚士といった専門人材の確保などについての課題を整理をいたしまして、関係市町とも協議の上、西播磨地域の療育についての検討を進めていきたいというふうに考えています。


○議長(内藤道成)  吉本教育長。


  〔吉本教育長登壇〕


○教育長(吉本知之)  障害児教育に関します二つの質問につきましてご答弁申し上げます。


 まず、障害児教育の在り方検討委員会の進捗についてでございます。


 障害児教育のあり方につきましては、現在、国でさまざまな議論が重ねられておりますが、議員ご指摘のように、特別支援教育への移行を円滑に進めるためには、既に一定の方向性が示されている課題に対しましては、着実にその準備に取り組むことが重要と考えております。


 このため、本県におきましては、平成16年度に、全国に先駆けてひょうご学習障害相談室を開設いたしまして、1,100件を超える保護者や学校関係者との教育相談や学校への専門家の派遣を行いますなど、家庭や学校におけますLD等への支援体制の整備を図ってきたところでございます。


 また、学校内及び関係機関や保護者と連携した支援体制の確立のためには、特別支援教育コーディネーターが極めて重要な役割を担いますことから、今年度より、小中学校教員等を対象にしました基礎研修、さらに盲・聾・養護学校教員等を中心とした専門研修を実施し、その養成を図っているところでございます。


 今後、国の動向や障害児教育の在り方検討委員会の提言を踏まえまして、障害児教育の基本方針を明らかにした上で、県として先導的な役割が果たせますよう、ハード・ソフト両面についての具体的な検討を進めてまいります。


 次に、障害児の後期中等教育の充実についてでございます。


 障害のある児童生徒が地域社会の一員として、主体的に生活を営む力を身につけていくことは重要なことでございますから、本県では、すべての県立盲・聾・養護学校におきまして、YU・らいふ・サポート事業を実施をし、近隣の学校の文化祭などの学校行事や農作業実習等への参加など多様な交流教育を推進をしております。さらに、県立高校で実施をしております高校生地域貢献事業の中で、木工作業体験や合同演奏会の開催など、養護学校の生徒との交流を図っているところでございます。


 なお、知的障害のある生徒の高等学校への入学についてでございますが、ご指摘の適格者主義や学級編制などの問題に加えまして、障害のある生徒に対応した施設設備の整備や教育課程の編成、職業教育を行う場合の安全性の確保などさまざまな課題があり、議員ご提案の視点、国、他府県の動向などを踏まえながら、引き続き検討をしてまいります。


○議長(内藤道成)  長岡壯壽議員に対する答弁は終わりました。


 次に、芝野照久議員。(拍手)


  〔芝野照久議員登壇〕


○(芝野照久議員)  本日2番目の質問者として、県下地域の抱える喫緊の課題8項目について、井戸知事初め関係部局に質問をいたします。


 「花のそよ風袂にゆれて、一度通れば二度来たい、霞む六甲裾引く羽束、鳶も高平、有馬富士」、この歌は、黄金の稲穂の波の中、収穫の喜びに沸く我がふるさと三田において、今月末に開催される全国育樹祭の会場となる名峰有馬富士を歌い込んだ三田小唄の一節であります。今、会場となる県立有馬富士公園周辺は、景観作物としてのコスモスが一面に咲き誇り、歓迎ムードを一層盛り上げております。かけがえのない自然、ひょうごの森・川・海を全国に発信する絶好の機会でもあり、かつ、ふるさと三田が決して「みた」と呼ばれないためにも、大いに郷土からの情報発信を実現すべく、以下、地域の直面する重要課題を中心に順次質問をいたします。


 まず、指定管理者制度の運用についてお尋ねをいたします。


 公の施設の経営に民間の経営手法を導入し、市民の利便性向上をめざす指定管理者制度については、現行の管理委託制度による施設について、2003年9月から3年以内に、個別に直営とするか、指定管理者とするかを選択するとともに、新たな条例を設け、そのもとで指定管理者制度に移行しなければならないことから、県においては、昨年の2月定例県議会において「公の施設の指定管理者の指定に関する条例」を制定されたところであります。それによって、公園や駐車場、会館やスポーツ施設、文化施設を初め福祉施設を含めた「公の施設」の管理委託について、公社、事業団などの公共団体、主に自治体出資法人に限定してきた規制が緩和をされ、公の施設への民間参入として企業や市民団体が参入できる制度が整ったところであります。


 もとより公の施設は、公共の利益のため、多くの地域住民に対し平等にサービスを提供することを目的として設置されたものであり、その管理は施設の設置主体である地方公共団体が直接行うことが原則とされ、これまで施設の適正管理の確保のため、管理主体は一定の公共性を持つものに限定されておりました。


 私は、昨年11月の決算特別委員会の総括質疑において、指定管理者制度は行政運営のための新しい手法がふえたという点では評価できるが、当該制度をどのように適用するかの判断が最も重要であるとの観点から、対象となる県有施設の現状と課題、そして今後の適用手法を伺ったところです。これに対する所管である企画管理部長のお答えは、「現在、公社などに管理委託している公の施設として、公園やスポーツ施設、福祉施設など多種多様な95の施設があり、それぞれの設置目的に応じ、その運営が県民生活に特に影響があるものについては安定性や信頼性が必要であり、中には高度の専門的知識を要するものや知識や技術を維持確保するためのマンパワーが求められるものもあって、その運営の形態や行政との関係、課題もさまざまであります。そのため、各施設の指定管理者の選定については、平成18年9月までの経過措置期間内に、それぞれの施設の設置目的に沿って個別具体的に検討し、適切な団体を指定したい」とのことでありました。


 そこで、まず、本年度新規に供用開始した県有施設に適用された指定管理者の選定手法を含め、今後の選定に当たっての基本方針を、まずお伺いをいたします。


 次に、そもそも自治体が指定管理者制度を活用するに際しては、直営で行うより安価で高度なサービスが提供できることはもとより、直営では達成できない付加価値が発生しなければ、この制度を活用する意味がありません。しかし、それは運営水準及び安定性の維持を最重点に置くべきであり、コンプライアンスの確保やサービスの低下を招かない一定の労働条件の確保を図った上でのことであります。その上で、既に一部自治体で取り組まれている政策入札制度の導入など、各地域における公共サービスの質を高める措置を講ずるとともに、選定の経緯、結果についての情報公開を通じて県民への説明責任が果たせる仕組み、利用者の苦情等に適切に応じる仕組みの創設や、公益通報者保護法に基づく内部告発が適正に行える体制の整備等を検討することが重要課題と認識するものであります。


 そこで、こうした指定管理者制度が直面する課題について、当局のご所見をお伺いをいたします。


 次に、地域づくり活動応援事業の推進についてお尋ねをします。


 県下各地の住民団体による多様な地域特性を生かした取り組みや住民団体の連合組織等による広域的な取り組みなどに対して助成を行うことにより、地域づくり活動のノウハウの蓄積と共有を図り、県民の多様な地域づくり活動を具体的に促進する事業が各県民局で展開をされています。支援制度がスタートした15年度には、県内全体で506件が採用され、9,747万円が各指定団体に助成されており、昨年度は478件、9,826万円が助成をされております。本年度については、阪神北県民局を例にとると、局管内の4市1町の住民団体からの市町別の提案は、6月初めに応募が締め切られ、7月12日の提案発表会を経て、応募総数63件のうち49件が採択されたところです。


 また、先般、阪神北地域づくり活動応援事業の記録集が配付をされました。各地域での活動は多彩であり、それぞれに地域住民のパワーが感じられるものであります。福祉介護あり、スポーツ支援活動あり、自治会活動の発展型あり、環境グループや文化サークル、町おこしや町の防犯活動等、バラエティーに富んだ内容で、さまざまな活動の中から他の団体のモデルになるような活動を取り上げ、地域社会の共同利益の実現につながるよう、これらを事業採択された地域づくり活動支援会議委員の皆さんの工夫のほどが察せられるものでありました。


 我が町三田からは昨年度7件が採択され、個々の活動は新聞にも掲載されるなど、市民交流と地域活性化に貢献する活動として大いに注目されました。中でも、三田藩主である九鬼家の歴史をNHK大河ドラマに推奨する会が三田の歴史をテーマにした取り組みは、歴史講座の開講やイラストパンフの発行を内容とするもので、新旧住民の交流と町おこしへのヒントとなるユニークな活動でありました。


 参画と協働へのきっかけづくりとして「地域の元気」を支援するこの地域づくり活動応援事業につき、各地で展開されている活動のうち、地域共同利益の実現に寄与し、かつ継続性が期待できる活動については、地元市町とも連携をし、地域に根づいた活動となるように取り組んでいくべきであると考えるものですが、今後どのように事業展開を図られるのか、お伺いをいたします。


 次に、地図混乱地域における道路整備事業の推進についてお尋ねをいたします。


 地方公共団体が公共事業として道路、河川、公園等の整備を進めるとき、当該事業の担当課において、工事費、用地費等の必要経費を積算し予算化して取り組んでいくわけですが、計画した事業が当初の整備計画どおり進捗しないまま、継続事業として長年経過していくことがあります。そうした事業の中で、民有地の用地買収が難航するケースが多々見られるところです。


 用地交渉を現場で直接担当される職員の方々は、不動産取引や税務措置、用地の測量・登記事務等の専門知識が求められるとともに、関連する多くの法令に精通する必要があり、その上で、対象不動産の現地調査や買収交渉という業務に携わっていくものであり、そのご苦労は通常勤務時間内では到底対応できない厳しいものであることが想像できます。特に、複雑に入り組む権利関係の調整等に際しての心身の疲労は、大変なものであると推測されます。そのため、従来から、県土整備部では、不動産調査や測量調査において、公共嘱託登記土地家屋調査士協会への委嘱等により、地域に即したより円滑な事業推進が図られているところです。


 しかしながら、県下の国道や主要地方道、特に県民の生活道路である一般県道の整備や改良事業においては、土地改良事業や区画整理事業による面整備が整った地域を除いて、事業に着手すべく対象用地の調査を始めた時点で、対象用地を公図上で特定するという作業がまず必要になります。その上に、法務局備えつけの公図と現地の状況との乖離の甚だしい、いわゆる地図混乱地域にあっては、多大な公図訂正を要する困難事案が山積し、その処理が長期化することが事業進捗上の大きな障害となっております。


 例えば、赤穂市の主要県道の道路改良事業では、赤穂市が進めていた地籍調査を活用した地図混乱の訂正を待って、用地買収調査に着手したということであります。


 県においては、国土調査法に基づく地籍調査を事業主体である市町に働きかけ、地籍の明確化を推進されており、ただいまは平成12年からの第5次10ヵ年計画を推進しているところであります。しかしながら、地籍調査に関しては事業主体である市町の人件費が補助対象外となっており、長期間、市町財政等に負担を及ぼすことが市町による積極的な事業推進の妨げとなっている面もあります。しかし、こうした課題を抱えた地籍調査ではありますが、既存の地域整備事業や広域公共施設への関連道路、関連河川は言うに及ばず、地域において長らく整備促進に係る協力団体が結成されている道路整備計画予定路線など、地域の要望が強く地元協力が得られやすい事業については、当該地域を対象に、先行事業としてこの国土調査法による地籍調査の実施を促進すべきであると考えるものであります。


 そこで、地籍調査の積極的な活用や市町支援策を含め、地図混乱地域における道路整備等の公共事業をどのように進めていかれるのか、ご所見をお伺いをいたします。


 次に、農業の振興方策について、2点お尋ねをいたします。


 まず、耕作放棄農地及び遊休農地、以下、これをあわせて遊休農地を呼ばせていただきますが、この遊休農地の解消に向けた農業経営基盤強化の促進についてであります。


 この遊休農地に係る対策については、平成5年6月に関連法規が農用地利用増進法から農業経営基盤強化促進法へと大幅に改正され、さらに、今後さらなる拡大が懸念される遊休農地の利活用を促進する視点も加え、本年6月に同法の改正が行われました。これを受けて、本年9月に再編された県の「農業経営基盤強化の促進に関する基本方針」においても、農地としての効率的な利用の確保及び遊休化の防止等を図るための措置を講ずるとされているところです。


 農地の利用状況については、県内各市町の農政担当者や農業委員会において、毎年、農地パトロール等により現地調査が実施され、長年にわたって放置され、目に余る遊休農地については、農業委員会により農業上の利用増進に向けた指導等が実行されているところです。しかしながら、そうした取り組みにもかかわらず、遊休農地は拡大する一方です。平成12年に実施された農林業センサスによれば、県内における遊休農地の総面積は2,664ヘクタールで耕地面積全体の3.9%に上り、平成7年の農業センサスからの5年間で1.5倍に広がっています。地域別では、但馬、淡路、西播磨地域に多く、中山間地域で全体の約6割を占めております。


 遊休農地が発生する主な原因は、農業従事者の高齢化と後継者不足であり、これに農産物の価格低迷や鳥獣被害が拍車をかけています。


 本県においても、まずは点在する遊休農地の実態を把握するとともに、集落営農組織や特産物等の生産組合、そして農事組合法人やNPO法人等が農業生産に利用するほか、市民農園としての活用を図る等多様な活用方策により、遊休農地の解消に向け取り組むべきと考えるものですが、今後、どのように取り組まれるのか、ご所見をお伺いをいたします。


 次に、県下の酪農・肉用牛飼育農家の皆さんが、ただいま頭を悩ませている事態となっている飼料の確保についてお尋ねをします。


 私たちの体を維持していく食料の自給率がカロリーベースで40%前後であることは、ご承知のことと思いますが、家畜や家禽のえさである飼料用穀物の自給率については、ご承知の方は少ないのではないかと思います。トウモロコシや大豆や麦類が主体の家畜飼料用穀物と牧草類の可消化養分の総量ベースで見ますと、その自給率は年々低くなり、今や何と24%にまで下がっています。私たちが日々食している肉類は、海外の穀物市場に量も価格も完全に支配されていると言っても過言ではありません。


 また、近年、貿易の自由化の進展に伴い、こうした家畜用飼料とともに海外からの畜産物の輸入が増大しておりますが、畜産物につきましては、BSEや鳥インフルエンザ、口蹄疫など世界を震撼させる伝染病の発生が世界各国で報道されております。近年、我が国の検疫体制は強化されているものの、これら家畜伝染病の侵入の危険性は依然として残っていることから、国内の畜産物の安全性について消費者が強い関心を寄せており、消費者が安心感を持ち得る畜産物を生産することが畜産経営者に求められているところです。このため、家畜衛生への規制強化が進む欧米諸外国から畜産経営者を講師として招聘し、シンポジウムの開催を通じて家畜衛生に取り組む我が国の畜産経営者の一層の意識向上を図ることを目的として、社団法人国際農業者交流協会と兵庫県国際農業者交流協会の主催により、来年1月に神戸市内で国際シンポジウムが開催されることとなっております。


 こうした中にあって、先般、全国酪農協会の発行されている定期刊行物に、中国産稲わらが6ヵ月以上、いや、甚だしい場合には2年間ともうわさされる長期にわたって、輸入禁止措置がとられているとの記事が掲載されていました。その理由は、中国国内において口蹄疫の発生が急速に拡大していることと、最近に輸入された中国産稲わらの中に、ふん尿や泥の異物混入が相次いだことが原因であるとされています。肥育牛農家にとっては当面の代替品を確保する必要がありますが、消費量が大量なだけに、他の外国産ストロー類の高騰が予測され、農家経営にとって死活問題であると報道されているところです。


 そこで、このような状況にある飼料について、県下の酪農・肉用牛飼育農家の現状をどのように認識され、対処しようとしておられるのか。また、国産飼料作物の栽培面積拡大方策の一環として、さきの遊休農地の利活用を含め、飼料の確保について今後どのように取り組まれるのか、ご所見をお伺いをいたします。


 次に、ニート・フリーター対策について、2点お伺いをいたします。


 まず、民間活力の活用の現状と今後の取り組みについてであります。


 本年5月に、文部科学省から今春の高校卒業生の就職率は91.2%になったと発表され、高校生の就職率が過去から7年ぶりに90%を超えたと報道されました。さらに、同日、厚生労働省が公共職業安定所を介して民間企業に就職した人数をもとに公表した数字も94.1%と、昨年同期より2ポイント上昇しています。しかしながら、これらの数字は、就職を希望した高校卒業生10人中9人までが就職できたということを意味しているのではないと言われております。また、一方で、少子化の影響により、高等学校卒業生の進路に関して、2年後の2007年には、いわゆる大学全員入学時代を迎えると言われている中にあって、この就職率は、就職活動の途中で就職が困難だと判断してみずから就職希望を取り下げた者や、就職をあきらめて専門学校や大学等に進路変更した者を除いての数字であることを忘れてはなりません。


 現在、高校生は、進学するより希望に燃えて就職する方がはるかに困難である社会構造の中にあるとも言えます。


 バブル期以降、日本企業においては、単純労働と専門職との労働の二極分化が進展し、その上で、グローバルな労働市場へと雇用の重心を大幅に変化させることによって、90年代初めの厳しい経済状況から立ち直る姿勢を見せつつあります。こうした経緯の中で、中高年の雇用は、熟練工、専門職として維持される一方、若者は、企業の雇用調整手段の犠牲となって、高校、大学、大学院のどの段階を問わず、就職難を経験せざるを得ない状況に至りました。だれもがニートやフリーターになる可能性を否定できないというのが、日本社会の現実であります。この現象は、決して当事者である若者だけがその責めを負わなければならない問題ではなく、社会全体で責任を持つべき問題であります。


 本県では、高校生を対象に就職支援総合プログラムを実施し、職業意識の醸成を図るとともに、国との連携のもと、通称「ジョブカフェ」と称する若者しごと倶楽部を開設し、学生やフリーター等の不安定な就業状況にある、おおむね35歳までの若年者への支援施策を展開しているところであり、さらに、本年度から、仕事体験を通じて職業意識の醸成を図るため、「しごと体験ネットワーク事業」を展開されているところです。しかしながら、若者の勤労意欲を喚起し、職業意識を醸成するための諸施策の総合的な展開を図る上では、行政機関のみの対応ではおのずと限界もあり、民間の活力や県内企業の協力が不可欠と考えるものです。


 そこで、ニート・フリーター対策のための民間活力の導入状況並びに今後の展開方針について、ご所見をお伺いをします。


 最後に、学校現場からのキャリア教育の推進について、教育長にお尋ねをいたします。


 昨年度の決算特別委員会において、当時の江木産業労働部長は、フリーター・ニート対策としての職業意識の醸成施策の充実について、こう述べられました。「フリーターやニートの増加は、若者の自立のみでなく、産業を支える人材の確保という観点からも重要な課題と認識しており、学校教育の早い段階から、働く意義や職業に対する理解を促すなど、職業意識の醸成を図ることが極めて重要であると考えている」と答弁をされております。また、産業労働部所管のシンクタンクとも言えるひょうご経済・雇用戦略会議からも、学校教育の段階からの職業教育の重要性について提言がなされており、そこでは、教員自体の指導のあり方が大切であるとともに、企業における仕事体験や技能・技術研修の充実、さらには親の働いている姿を見せるワークデーの実施等、教育部門と産業界とのネットワークを強化する取り組みが重要であるとされております。


 この点に関し、私は、地方分権の一環としての地域が支え、地域ではぐくむ、地域独自の若者教育として、若者世代が、まちづくりへの参加も含め、地域のボランティア活動への積極的な参加や体験を通じて自主性と自立心を強化し、働く自信と意欲を高める、「若者自立塾」的な取り組みが大切であると思うものであります。


 そこで、地域コミュニティを核として、中学、高校、大学、専門学校を含めたPTA、教育委員会、企業経営者、労働関係行政や商工会議所等から成る協議会を創設し、取り組みを推進することが重要であるとも考えるものですが、こうした取り組みを効果的なものとするためにも、学校教育において若者の自立心や職業意識をはぐくむことが大切であると考えるものです。


 さらに、言うならば、各校区における行政関連行事や自治会・各種団体行事へのボランティア参加等による社会参加の実践を促進することは、労働意欲や達成感、ひいては地域交流の促進とふるさと意識の高揚につながるものであると認識するものです。そして、在学中にこうした達成感、充実感を味わうとともに、やがては実社会で経験することになるさまざまな困難や障壁を経験しておくことが、ニート・フリーター対策の上で重要であると思うものです。


 そこで、こうしたボランティア参加等による自己実現や社会の一員としての自己有用感の育成という視点も踏まえた学校現場におけるキャリア教育の推進について、ご所見をお伺いをいたします。


 以上、私も高校生と大学生の親として思うことは、このような厳しい現実の中で、新しい時代を切り開こうとする若者たちに将来への明るい希望や展望を与えられない社会は、決して健全な社会とは言えないということです。


 折しも、昨日、県公館において、豊かな創造力と限りない情熱を傾けながら、地域活動やボランティア活動、国際交流活動等に取り組んできた県下の青少年を顕彰する「若人の賞」の表彰式と少年の主張兵庫県大会が開催されたところです。こうした兵庫の若者たちに大きな夢と希望を抱かせる答弁を期待をし、私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)


○議長(内藤道成)  井戸知事。


  〔井戸知事登壇〕


○知事(井戸敏三)  ひょうご・県民連合議員団の芝野照久議員のご質問にお答えいたします。


 まず、地域づくり活動応援――パワーアップ事業の推進についてです。


 地域づくり活動応援――パワーアップ事業は、NPO、NGOのみならず、婦人会、自治会などの地域団体が地域を舞台に積極的な活動を展開され、地域社会の公益的利益というべき公的領域での活動を活性化していただくこと、このことをねらって推進を図っているものでありまして、平成15年度から実施しています。この3年間に約1,500の取り組みが行われ、ご指摘の三田市の例にも見られるように、県内各地で地域の特性を生かし、地域団体などの創意工夫に富んだ地域づくり活動が、まちづくり、文化、子育て等、地域の課題に多彩な分野で展開されています。


 県としては、主として、広域的な課題や全市町共通する課題、そして先導的モデル課題について、引き続き当事業の効果的な推進を図ってまいるとともに、この事業をきっかけにパワーアップした団体が、市町との緊密な連携のもと、より活発に地域づくり活動を展開されることを期待しているところです。


 このため、市町の協力を得て、活動の地域への浸透をめざしまして、事業の実施過程において、募集の広報、団体への相談・助言、活動成果の交流発表会への参加など、さまざまな場面で市町の参加を進めるほか、地域団体の活動のさらなる拡充を支えるため、県民局に設置した地域づくり活動サポーターによる活動団体への助言・相談の充実や新たな協働先としてのコーディネートなどにより、地域団体がみずからの力でその活動を地域に根づかせ、さらに広げていけるように支援をしていって、さらに活発な活動が展開されることを期待しているところであります。


 もともと地域団体の活動は、従来から、地域の課題に応じていろんな形で展開をされてきた活動でありましたが、私は、今、役割が違ってきている、質的に地域における共同利益を推進するという立場で、さらに積極的な活動展開を図っていただくことが必要になってきた、そのような意味で、地域づくり活動応援事業は意味を持ってきている、このように認識をしているところでございます。よろしくご指導をお願いしたいと存じます。


 続きまして、遊休農地の解消に向けた取り組みの促進についてであります。


 現在、2005年農林業センサスが取りまとめ中でありますが、遊休農地は増加していると考えられています。遊休農地の解消は、いろんな意味で、農業の持つ公益的機能がなくなるという意味での遊休農地防止対策、そしてその活用対策を総合的に講じていくことが必要であります。


 農地の遊休化を防止する対策としましては、農業の担い手を育成・確保し、農業生産力を増大する、このことが肝要であります。中山間地域等の条件不利地域に対する直接支払い制度もこの基盤をつくっておりますし、担い手への農地集積に対する支援措置、さらには、認定農業者や集落営農組織への利用権設定等による農地集積を進めてまいっております。また、農業機械の導入に対する支援も行っています。これらは、農地の遊休化を防止していくという意味で大きな役割を果たしています。


 また、遊休地の活用対策としましては、地域の特性に応じた対応を促す必要があります。したがいまして、中山間地域では、都市農村交流による棚田保全や特産物の生産の促進・奨励、また都市近郊地域では、市民農園等での楽農生活の推進、平地部では、認定農業者等による農地利用の促進等、それぞれの取り組みに対して支援を行い、また積極的な取り組みがなされているところです。


 さらに、このたびの農業経営基盤強化促進法の改正を契機に、市町や農業委員会と連携して、NPO法人や株式会社などの農業参入を促進して遊休農地の利用の促進を図るとともに、遊休農地に菜の花や牧草の一種であるソルガムなど、バイオマスエネルギーに利用できる植物を植えつけるなどを検討をしていき、バイオマスと遊休農地の結びつきも強化するなどの推進を図りながら、幅広い観点から、今後とも遊休農地の解消に努めてまいります。


 続きまして、飼料の確保についてお尋ねがありました。


 肉用牛の飼料については、穀物飼料の大部分を輸入に依存しております関係で、牧草やわら等の粗飼料についても、飼料作付に適した農地の確保がなかなか難しいことや、畜産農家における労働力の不足等により、どうしても輸入に依存する傾向があります。しかし、為替や石油価格の高騰等により飼料価格が左右され、海外からの家畜伝染病の侵入を防止する等の観点からも、牧草類の自給率の向上を図ることが必要であると認識しています。


 このため、畜産農家みずからが牧草生産面積をふやすことを目的に、農地の集積や機械装備等に対する助成を行ってきました。さらに、稲作農家によるわらの収集や飼料用稲の生産を受託する組織の育成も図っております。また、但馬牛等の繁殖農家においては、棚田や水田等の遊休農地の活用を進めており、牧さくの設置や給水施設の整備等に対しまして支援し、放牧の普及を図っております。この結果、但馬地域を中心に遊休農地を活用した放牧が普及し、今後はこうした取り組みを播磨や淡路等の県下各地にも広げていきたいと考えています。


 いずれにしましても、安全で良質な県産畜産物の安定的な供給を図るためには、自給飼料の増産確保が重要でありますので、今後ともこの振興に努めてまいります。


 ニート・フリーター対策について、民間活力をもっと活用し、その取り組みを推進したらどうかというお尋ねがございました。


 若者の社会的自立を支援するため、若者自身の職業意識を醸成することや、カウンセリングによる職業適性を見きわめ自分にふさわしい職業を選択すること、そして、そのために必要な知識や技術を身につけるための能力開発を個々人の状況に応じて実施していかなければなりません。


 民間活力の活用については、学校教育段階での職業意識醸成のため、技能士の皆さんの協力を得て、「ひょうごの匠」キャラバン隊を中学校に派遣しています。中学校の生徒たちの本当に真剣な興味の受容を見ておりますと、いかにこのような体験教育の重要さが痛感されます。また、現在、企業の協力を得て、各学校が仕事体験を効果的に実施できるよう、産業人バンクですとか、しごと体験協力企業バンクの創設に取り組んでいます。若者しごと倶楽部においても、人材ビジネスを初めとする民間からの人材をカウンセラーとして配置しています。


 能力開発の場面では、県と経営者協会、連合の三者が協力して、民間企業の協力を得て、座学と実習を組み合わせた訓練などを中心とする、しごとカレッジも実施しています。


 ニートやフリーターの対策の問題は、一つは、意欲の問題、働く意欲をどうつくっていくかという問題、もう一つは、その働く意欲はあっても働ける能力を身につけてなければいけませんので、その能力を開発する問題、そしてその者にふさわしい仕事を見つけるという意味での相談、トータルな相談、この三つが課題であります。したがいまして、この三つの課題に対してそれぞれ適切な対応をすることにより、若者の自立支援に一層取り組んでまいります。ご指導よろしくお願いいたします。


 以上、私からの答弁とさせていただきます。


○議長(内藤道成)  荒川企画管理部長。


  〔荒川企画管理部長登壇〕


○企画管理部長(荒川 敦)  私から、指定管理者制度についてお答えいたします。


 まず、選定に当たっての基本方針についてです。


 指定管理者制度の運用に当たりましては、公の施設としての公共性、利用の公平性、それから運営の安定性の確保を図ることを原則に、民間事業者のノウハウなどを生かすことによりまして、より効率的で県民サービスの向上につながる質の高い管理運営が期待できる施設につきまして、公募により指定管理者の選定を行うこととしたいと考えます。


 ただ一方で、施設によりましては、県行政との一体性や高度な専門的知識の蓄積・活用、隣接いたします施設との一体的な管理運営などが必要なことから、個々の施設の特性を総合的に勘案いたしまして、公募で選定することが適切でないという場合には、現在の管理受託団体を管理者として選定することも必要であろうと考えております。現在、こうした観点から、県有施設をどちらに分類していくのか、その時期などにつきまして、個別具体に検討しているところでございます。


 新たに設置いたしました施設につきましては、既に指定管理者を指定いたしたところでございますけれども、今申し上げましたような考え方に沿ってございまして、例えば尼崎の森中央緑地健康増進施設については、設計・建設とあわせて運営するために、現行のPFI事業者であります株式会社あまがさき健康の森を、また聴覚障害者情報センターにつきましては、これまで数多くの実績がございます社団法人の兵庫県聴覚障害者協会、また、芸術文化センターの管理運営につきましては、県の芸術文化施策と方向性を一にする必要があるため、芸術文化協会を指定したというふうなことでございます。


 なお、指定管理者ではございませんけれども、有馬富士公園ですとか自然活用型野外CSR施設におきましては、地元住民の方々に管理運営に参加いただくなど、県民参画型の施設運営にも努めているところでございまして、今後とも、民間活力の活用に努めてまいりたいと思います。


 次に、直面する課題についてです。


 公の施設の設置目的に沿って広く県民に安定的なサービスを提供する上で、管理運営水準や安定性の確保は不可欠と考えておりまして、さきに制定をいたしました指定管理者の指定等に関する条例におきましても、業務を適正かつ確実に実施するための適切な計画と必要な経理的基礎及び技術的能力を有することというのを指定の基準といたしております。


 ご指摘の施設の管理運営上必要とされます関係法令の遵守ですとか、これを担保する内部通報処理の仕組みの整備、適切な人員配置や利用者からの苦情対応体制の確保につきましては、私どもも重要なことと認識してございまして、個別に指定管理者を選定する場合はもとより、公募に当たりましても、公募条件の設定ですとか選定審査に際しまして、このような項目に十分配慮して、単なるコスト削減だけではなく、安定的に質の高いサービスが確保できますよう、総合的な視点で最も適切な者を指定管理者として選定したいと考えてございます。


 また、選定の経緯、結果につきましては、ホームページなどを活用いたしまして公表することによって透明性の確保を図り、県民の信頼にこたえ得るよう、指定管理者制度の適切な運用に努めてまいります。


○議長(内藤道成)  原口県土整備部長。


  〔原口県土整備部長登壇〕


○県土整備部長(原口和夫)  私から、地図混乱地域における道路整備等の公共事業の推進につきまして答弁申し上げます。


 地図混乱地域における公共事業用地の買収におきましては、公図訂正に多大の経費と時間を要しまして、事業がおくれる大きな要因となっております。このため、ご指摘のように、その事業の実施に先立ちまして国土調査法に基づく地籍調査を行うことは、極めて有効、効果的であると考えております。


 しかしながら、調査の主体であります市町の意識が高くないこと、また、嘱託職員経費が補助対象になりますなど国庫補助制度の改善が進んでおりますが、まだ市町にとりまして人件費や調査費などの負担感がありますことなどから、本県での進捗は、全国平均と比べましてもおくれている現状でございます。


 県といたしましては、地籍調査を積極的に推進いたしますため、平成15年度に地籍調査推進会議を発足させ、市町への啓発や県民の方々も対象にしました啓発パンフレットの配布、あるいは地籍フェアの開催などを行ってきております。また、国に対しましては、近畿ブロック国土調査推進連絡協議会などの場を通じまして、市町負担の一層の軽減を要望しております。


 道路事業など公共事業の施行者といたしましても、用地職員にとりまして権利関係の調査などが大きな負担になっておりますことから、今後は、規模が大きな公共事業などを実施する場合に、県と市町が一体となりましてこの地籍調査を実施するなど、市町の負担軽減につながりますような実施手法を検討し、提案してまいりたいと考えております。


 今後、このような取り組みを通じまして、市町の地籍調査を促進いたしますとともに、公共事業の期間短縮など事業効果の早期発現に引き続き努めてまいりたいと考えております。


○議長(内藤道成)  吉本教育長。


  〔吉本教育長登壇〕


○教育長(吉本知之)  私から、ニート・フリーター対策のうち、学校現場からのキャリア教育の推進についてご答弁申し上げます。


 キャリア教育を通じまして児童生徒の望ましい職業観、勤労観をはぐくむには、体験活動を通しまして、児童生徒一人一人が自信や自己有用感を持つことができるようにすることや、一市民として社会に参画し社会を支えるという意義を理解できるようにすることが大切でございます。


 このため、今年度からすべての県立高校で1年生を中心に地域貢献活動を実施し、地域社会を支えていこうとする態度を養っております。例えば三田市では地元自治会と協力して花いっぱい運動を展開しますなど、県下各地でさまざまな地域活動を展開しているところでございます。


 また、2年生では、今年度から就業体験事業を実施し、8月末では約7割の学校が県庁や企業等での就業体験を行い、今年度中に全県立高校が実施することとしてございます。生徒のアンケートを行いましたが、仕事の楽しさ、厳しさを体験すると同時に、やりがいを見出し、働く意味や学ぶ意義を感じたと報告されているところでございます。


 教育委員会としましては、これらのキャリア教育が単なる体験にとどまらず、経験として積み重ねられますよう、地域、企業経営者、商工会、関係行政機関等とも連携をしながら、事前・事後の指導を充実させ、将来、児童生徒一人一人が社会人、職業人として自立していくために必要な能力や態度を身につけられますよう、真のキャリア教育の推進に努めてまいります。


○議長(内藤道成)  芝野照久議員に対する答弁は終わりました。


 この際、暫時休憩いたします。


 再開は、午後1時といたします。


       午前11時26分休憩


  ………………………………………………


       午後1時0分再開


○副議長(北浦義久)  ただいまから会議を再開いたします。


 休憩前に引き続き、質疑、質問を行います。


 丸上 博議員。(拍手)


  〔丸上 博議員登壇〕


○(丸上 博議員)  一番遠隔地の美方郡選出の丸上でございます。


 私は、6項目7点にわたって質問をさせていただきます。


 質問の第1は、知事の施政方針についてであります。


 知事におかれては、さきの知事選において、若干投票率は伸び悩んだものの75%以上という、前回を上回る得票率でもって再選されましたことに、まずもって敬意を表したいと思います。この結果は、知事の1期目の県政運営に対する県民の高い評価と、2期目に当たって知事が示された「ひょうごの元気づくり」「ひょうごの安全・安心づくり」などを掲げた公約「3つの目標・10の約束」に対する県民の大きな期待のあらわれであると思います。


 大震災から10年という節目を経過し、県全体として見る限り、人口や産業など、震災前の水準に回復し、創造的復興を遂げた今、まさに兵庫の新たな飛躍に向かってのスタートラインに立っていると思います。そういった意味で、知事に課された使命、責任は重大であります。


 私は今、教育、少子化、環境問題など、本県が今後持続的に発展していけるかどうかの重要な基礎を形成する段階にあると思います。


 まず、教育については、青少年犯罪の凶悪化やいじめ、不登校、学級崩壊などに見られるように、子供たちを取り巻く問題は依然として深刻な状況にあります。「教育は国家百年の大計」と言われるとおり、21世紀の兵庫を築く人材を育てるために、今ほど教育の質が問われているときはありません。


 また、少子化については、国立社会保障・人口問題研究所の中位推計によれば、我が国の総人口は、来年をピークに減少に転じると言われており、生産年齢人口の減少などによりさまざまな社会的・経済的影響が懸念されています。少子化が与える経済社会への大きな影響を考慮すると、人口減少社会に対応して活力ある豊かな社会を維持、形成していくためには、少子化の流れを変えていくことが重要であり、少子化や人口減少が急激になればなるほど、それに対応した雇用、教育、産業、社会保障、地方行政等の経済社会システムを構築することの困難性が増大します。間もなく、我が国が人口減少社会を迎えるこの時期に、集中的に少子化対策に取り組む必要があると考えます。


 さらに、環境についても、環境負荷の低減や温暖化などの地球環境問題への対応など、人と自然が共生し、持続的発展が可能な環境適合型社会の形成が喫緊の課題であります。


 そういった意味で、本県の100年先を考えると、いろいろな問題がありますが、百年の大計の基礎をつくるという意味で一番大事なのは、教育改革、少子化対策、環境対策であると考えます。10の約束の中でも、特にこの三つについては、どんなに予算がかかろうと何が何でも取り組んでいただきたいと思うわけであります。これらに対する知事の意気込みについてお伺いをいたします。


 質問の第2は、地域特性を生かした現地解決型県政の推進についてであります。


 本県は、今さら私が申し上げるまでもないことですが、昔の摂津、播磨、但馬、丹波、淡路という五つの国から成り、それぞれが豊かな地域性と多様な文化に恵まれた個性あふれる地域となっており、五弁の大輪の花にも例えられるすばらしい県であります。


 しかし、日本の縮図と言われるとおり、かつて高度経済成長期には、県内で都市化と過疎化が進展し、地域間格差は拡大の一途をたどったため、各地域の均衡ある発展を図りつつ県全体の総合力に結集するということが行われました。現在では、都市も郡部も各地域を公平にするため、金太郎あめのように特徴がなくなり、地域のアイデンティティーが失われつつあります。そこには、但馬は但馬、播磨は播磨というように風土、歴史、文化、気質、地域特性など際立って異なる上、めざすものも違うのに、同じような補助などの施策が講じられてきた面があったと思います。


 そのような中、県では平成14年度から、県民局の現地解決機能の強化を図るため、各県民局の地域課題の解決に向けて企画、検討する地域戦略推進費を創設し、さらには、平成15年度には拡充をされてきているところであります。


 今、時代の流れは分権に進んでおり、新しい時代に向けて地域が本来あるべき姿に「地域の形」をどうつくり上げていくかが求められる「地域の時代」を迎えようとしています。そして、地域の多様性を生かした、地域のみずから律する「自律」と、みずから立つ「自立」がますます求められてくると考えます。そのため、限られた貴重な財源を生かすためにも、地域の実情に応じた柔軟な対応を考える必要があります。具体的には、今後、県下一律ではなく、各地域において求めるものに応じ、一定の政策目的のもと、但馬はこんな使い方、播磨はこんな使い方というように、その地域で必要なことにきめ細やかに対応するといった地域の特性を考慮した施策展開が望まれます。


 そこで、このように各地域ごとに異なった地域特性を生かせる地域戦略推進費等を活用した地域振興策をさらに推進することが必要であると考えますが、ご所見をお伺いいたします。


 質問の第3は、放流用アユの種苗の供給支援についてであります。


 県においては、人と自然の川づくりを進め、尊い命や自然環境を守るために、多自然型工法の採用や魚道整備に取り組まれています。神戸市灘区の都賀川においては、ごみで汚れた川を市民ボランティアや行政が力を合わせて清らかな流れを取り戻し、平成元年からはアユの稚魚の放流を実施し、今では、毎年多くのアユが遡上するまでに自然が復活しています。地域と行政が一体となってアユのすむ清流を取り戻したこの例は、まさに参画と協働であると思います。


 このように内水面は、生産のみならず、近年は環境保全の意味からも脚光を浴びており、本県の内水面においてはアユは最重要魚種であります。平成16年の本県のアユ種苗河川放流実績は60.9トンで、岐阜県に次ぐ第2位の放流県であります。しかし、そのうち14.3トンが琵琶湖産であります。福井、岐阜、京都などの各府県に次いで第6位となっています。これは平成15年の29.9トンに比べると幾分は改善していますが、今年度の7月末現在においてもまだ13.3トンの琵琶湖産を放流しています。


 琵琶湖産のアユは、もともと淡水で生息するアユであり、放流した河川でふ化しても、海に出て育つ間に水温や塩分のために多くが死滅することにより、再生産に寄与しないことが指摘されています。さらに、琵琶湖産アユは冷水病の保菌率が高いことも問題とされています。したがって、アユの持続的生産のためには、琵琶湖産のアユの放流をやめ、健全なアユ種苗に切りかえることが不可欠であると考えます。現在のところ、県内では揖保川漁協の種苗センターが稚アユの供給を行っていますが、供給体制としては、県内のすべての河川を賄うことは難しい状況であります。


 そこで、内水面の持続的発展のため、前回にも申し上げましたが、できれば日本海側にも種苗の供給を行う種苗センターを整備することも視野に入れながら、健全な放流用のアユ種苗の供給体制を確立するために積極的な支援が必要と考えます。現在の取り組み及び今後の方針についてお伺いをいたします。


 質問の第4は、野生動物対策について2点お伺いいたします。


 第1点は、外来種による農業被害対策についてであります。


 外国から人の手によって国内に持ち込まれた外来生物による被害が年々増加しており、特にヌートリアやアライグマなどの被害が深刻であります。ヌートリアは、かつて毛皮獣として輸入、飼育されていたものが、後にその一部が逃げ出して、現在のように日本各地のあちこちの河川やため池にすみつくようになっており、また、アライグマも同様で、かつてペットとして持ち込まれ飼われていたものが野に放たれ、野生化したものです。


 その結果、ヌートリアは水田のあぜなどを壊したり、生態系を乱すおそれがあり、また、ヌートリア、アライグマとも繁殖力が高いためどんどん増殖し、畑の野菜や稲を食い荒らすほか、果樹園のブドウの被害など県下各地で農業被害が起きています。


 このような中、本年6月に人や農作物に害を及ぼす外来動植物の輸入や飼育などを規制する「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」、略称「外来生物法」が施行されました。この法律の目的は、問題を引き起こす海外起源の外来生物を特定外来生物として指定し、必要な規制を行うとともに、特定外来生物による生態系、人の生命・身体、農林水産業への被害を防止することであります。一方、人と自然の博物館を中心とした「兵庫県の移入種対策にむけた提案策定委員会」が、対策マニュアルの作成などを県に求める「兵庫県の外来生物対策にむけた提案」を行いました。


 これらを踏まえ、県の外来生物による被害対策の着実な推進を期待するものであります。ただ、被害が目立ち、農業が危機に追い込まれようとしているヌートリア、アライグマについては、被害発生の都度、「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律」、いわゆる鳥獣保護法に基づく許可を受けて捕獲されているという状況にあり、繁殖力の強いこれらの動物に対して対策が後手に回るおそれがあります。現在のところ、外来生物法による対応は行われていないのが現状であります。そこで、県として、このような外来種の農業被害対策にどのように取り組んでいかれるのか、ご所見をお伺いします。


 第2点は、抜本的な猿対策についてであります。


 さまざまな国内固有の野生動物による被害がある中で、現時点ではまだまだ対応が必要であると思われる猿の被害に関する質問をさせていただきたいと思います。


 最近の県内の猿の農業被害の推移を見ると、平成9年をピークに減少の傾向にあるものの、昨年1年間の猿の被害金額は県下で但馬地域が突出して大きく、県内の約7割を占めています。また、猿は非常に頭がよいので、電気さくも決定的な手段とはなり得ず、猿の被害を防ぐことは難しいため、農作物をつくった先から猿の被害に遭い、生産したくてもできない状況に追い込まれ、農業者も意欲をなくしてしまうといった状況であります。私の地元の香美町小代区では、家の中にも猿が入り込んで冷蔵庫をあける被害にまで拡大していて、農業だけでなく地域住民へ精神的被害を与え、生活を脅かす存在となっており、大変な問題となっています。


 従来は、炭焼きなどのために人が山に入っていたため、猿も一定以上人里に近づくこともなかったところが、里山への人の入り込みが少なくなるとともに、猿が人里の農作物などの味を覚えたため、人里への出没が多くなったとも聞きます。


 猿は人間に近いため、猟友会などによる射殺も難しいのが現実です。過去には、えづけをして集団捕獲をし、研究用に引き取ってもらった実績はあるのですが、現在では引き取り先が全くありません。処分の方法がないので、去勢や避妊手術をして繁殖できないように措置して放すしかなく、これでは膨大な費用と年数がかかるため、被害の防除のためには引き取り先の確保が急務であります。香美町小代区では、猿の被害対策として猿の引き取り先をつくってほしいと用地の確保に向けた動きもあります。できれば県としても、このような猿の引き取り先の整備を検討してはどうかと考えます。


 猿被害を防除し、農山村地域の維持・発展のためには、抜本的な猿対策を講じることが必要と考えますが、県としてどのように猿対策を推進されるのか、ご所見をお伺いします。


 質問の第5は、湯村温泉における地熱エネルギーの導入推進についてであります。


 1997年にいわゆる地球温暖化防止京都会議において京都議定書が採択され、我が国は、温室効果ガス排出量を2008年から2012年の第1約束期間に1990年レベルから6%削減することとし、2002年に京都議定書を締結したところであります。国では、京都議定書の目標達成に向けて、地球温暖化対策推進大綱が改正されるとともに、さらに、本年2月に京都議定書が発効したことから、地球温暖化対策の推進に関する法律等の抜本改正等、地球温暖化防止に向けた取り組みの強化が図られ、待ったなしの取り組みが迫られています。


 一方、本県においては、2000年に新兵庫県地球温暖化防止推進計画を策定し、本県における2010年度の温室効果ガス総排出量を1990年度に比べ6%削減することを目標として、県民、事業者、行政が一体となって取り組んできたところであります。温室効果ガスの総排出量の大部分を二酸化炭素が占めているため、環境負荷の少ない新エネルギーの導入が求められており、そのため、県ではエネルギー面での循環型社会の形成に向け、グリーンエネルギー推進プログラムを策定し、推進をされているところです。


 このような中、我が地元の旧温泉町においても、独立行政法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構」、いわゆるNEDO技術開発機構による全国でも先進的な地熱エネルギーを利用した地熱バイナリー発電事業の調査が行われています。


 従来の地熱発電は、井戸を掘って地上まで噴出する蒸気をタービンに直接送り込むことで、タービンを回転させて発電していました。このバイナリー発電は、蒸気のかわりに、水よりもはるかに沸点の低いペンタン等の液体を蒸発させてタービンを回すシステムであるので、温泉地でも発電が可能とされています。現在、この地熱バイナリー発電を想定した調査は、公募の結果、全国でも北海道、東北など6地域で調査が行われているのみであります。


 地元では、この地熱バイナリー発電事業に対し、売電等による収入増だけでなく、地熱展示館建設による観光誘致など地域振興にも期待を寄せています。旧温泉町では、地元調整や専門家による発電可能性の検討会の運営等々に奮闘しているところであります。そこで、但馬地域の地熱エネルギーについて、県としてもこのような先進的な取り組みにぜひ支援をしていただきたいと考えますが、ご所見をお伺いいたします。


 質問の最後は、但馬水産技術センターの機能拡充についてであります。


 本県は、南北に海に臨む県であり、北に日本海、南に瀬戸内海を有しています。


 但馬地域の水産業は、沖合漁業とその漁獲物を利用した加工業を中心に発展してきており、全国第1位のマツバガニ、ハタハタを初め、同2位のホタルイカ、3位のニギス、4位のベニズワイガニのほか、カレイ類、エビ類、スルメイカ、アワビ、サザエなど数多くの魚介類が水揚げされています。また、漁獲物の付加価値を高める手法として水産加工技術が発達し、ゆでガニやスルメイカの一夜干しなど但馬の代表的な特産品となっています。このように、但馬における漁業とそれに付加価値をつける水産加工業には特筆すべきものがあります。


 一方、県においては「ひょうごの海の恵みをもっと豊かに大作戦」など、水産業振興策を推進していただいていることに対して感謝を申し上げます。しかし、残念なことに、このような水産業振興に対する予算が占める割合はまだまだ少なく、重きを置かれていないのではないかという思いを禁じ得ません。


 しかしながら、古くから漁業と水産加工業が車の両輪のごとく連携し、地域を潤してきた但馬沿岸地域では、但馬水産技術センターによる支援が非常に役立ってきました。特に、水産加工業については、地域水産物の付加価値と安全性を高め、消費者ニーズに合った水産加工品の開発とブランド化を推進するため、漁業者と水産加工業者が研究員と共同で技術開発を行うことのできる地域開放型の加工実験施設が平成11年に設置されるなど、地域に密着した技術の開発と地元加工業者への指導が実施され、製品の開発等に大きく貢献しており、地域産業と結びついています。


 このように、現在まで、但馬水産技術センターは、但馬地域産業振興に一定の役割を果たしてきていますが、今後は、消費者ニーズに直結する高付加価値技術開発や、安全性や品質向上のための研究等も含めた但馬の水産業を支えるさらなる研究機能の充実が必要と考えますが、ご所見をお伺いいたします。


 以上で、県の積極的な対応、推進を期待して質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)


○副議長(北浦義久)  井戸知事。


  〔井戸知事登壇〕


○知事(井戸敏三)  自由民主党議員団の丸上博議員のご質問にお答えいたします。


 まず、知事の施政方針についてです。


 未来を展望しつつ、元気で持続的な社会をつくることは、現在に生きる私たちの責任であります。あの震災から10年、復旧・復興期を経て、県民の皆様のご尽力によりまして、ようやく人口も産業活動も震災前の水準を上回り、本県発展に向かう新しい場面ができた、このように考えています。このため、私は、「元気な兵庫づくり」をこれからめざそうということで、県民の皆様に訴えさせていただきましたところ、大方のご理解を得たものと信じております。


 「元気な兵庫づくり」には三つの目標を掲げました。第1は、安全と安心の確保であります。あらゆる活動の基盤は、安心・安全があってこそつくり得るのではないか。第2には、「ひょうごの元気」をつくらねばなりません。人の元気、産業の元気、地域の元気、社会の元気をつくっていく必要があります。第3は、兵庫から自治を広げていく、地域の自主があって初めて主体的な発展を期し得る、そのような意味で、「元気な兵庫づくり」こそ私の2期目のテーマであると確信しています。


 ご指摘のように、「ひょうごの元気」は人づくりから始まります。次世代を担う子供たちには、個性と創造性に富み、夢や志を持ってたくましく成長してほしい、こうした思いから自然学校や就業体験などの小・中・高を通じた体験教育や地域教育を進めるとともに、少人数学習などによる個の教育の充実を図りたい、このように考えます。


 少子対策については、安心して子供を産み育てることのできる社会をめざし、総力を挙げて取り組み、全国のモデルとなるとの決意でいます。2期目のスタートとともに設置いたしました少子対策本部と少子局を中心に、家庭と地域の子育て力の再生や子育てと仕事の両立支援など、幅広い取り組みを展開します。


 「人と自然との共生」は、21世紀のテーマです。地域から温暖化を阻止するとの気概を持って、コウノトリの野生復帰や豊かな森づくりなど環境調和型の地域づくり、太陽光や風力発電などグリーンエネルギーの普及、兵庫の技術力を生かした環境産業の育成など環境対策に取り組みます。


 ともあれ、兵庫の強みは何かと言われれば、各地域の特性、多様性にあります。また、日本の縮図と言われるバランスにもあると考えます。だからこそ、21世紀の日本の課題に真っ先に立ち向かうべき立場にある本県であることを自覚して、21世紀の地域モデルをつくる、地域のことは地域で決める自主的、主体的な地域をつくる、安全・安心な地域をつくることを目標に努力してまいりますので、よろしくご指導をお願い申し上げます。


 続きまして、地域特性を生かした現地解決型県政の推進についてです。


 これまで県民局では、地域戦略推進費を活用して、但馬地域においては、コウノトリと共生する地域づくりをめざして環境の整備を展開するとか、山陰海岸国立公園などの地域資源を活用した但馬ツーリズムの推進など、その特性を生かした企画の立案や普及活動、実践活動を展開してまいりました。また、15年度から順次進めてきております県民局の予算直接要求により、但馬では、森林基幹道の瀞川・氷ノ山林道の周辺整備や南但馬歴史・文化ミュージアム構想の推進など、現場の発想に基づき、現場の視点に立った地域特性を生かした事業を展開してきています。


 私は、もっともっと地域資源あるいは地域の持つ魅力に目を向けるべきだと思っています。例えば山陰海岸の海から見た地層の複雑さ、味原川の風格のある町並み、氷ノ山のブナ林などの自然林、農家民宿などの地域的な取り組みなど、もっともっと活用していくべきだと考えます。コウノトリの放鳥も始まりました。コウノトリもすめる地域は但馬だということをさらに発信していきたいと思います。


 今後とも地域づくり懇話会や地域政策懇話会の場などで、地域の声をきめ細かく聞きながら、機動的に施策を展開していく必要がある場合には地域戦略推進費を活用するとか、あるいは地域特性を重点的に取り組む場合には予算直接要求の仕組みを通じて事業化を図るなど、県下それぞれの地域特性を生かした現地解決型県政の一層の推進に積極的に取り組んでまいります。


 次に、野生動物、特に外来種による農業被害対策です。


 外来種であるヌートリアは、水系沿いに移動、定着し、県内全域で目撃され、平成元年ごろから稲や野菜類を中心に農業被害が発生しております。また、アライグマは、ことしの春ごろから神戸、阪神北、東播磨、丹波地域などでスイカやブドウ等の農業被害の発生を引き起こし、また、家屋にすみつくなど、農業者等の大きな負担となっております。


 これまでヌートリアとアライグマについては、鳥獣保護法に基づく有害捕獲により被害の低減を図ってきておりましたが、被害が拡大しているため、県は今年度の捕獲目標頭数を2倍の800頭に増加させるなど、緊急対策を講ずることにしました。一方、本年6月に外来生物法が施行されました。これに伴い、科学的な知見に基づき県民の合意を得て防除計画を策定して、関係大臣の確認を受ければ許可なく捕獲することができ、迅速で効果的な対応が図れることになっています。


 これまでの被害実態調査を踏まえて、10月中には有識者や農業団体など関係者による検討委員会を設置して、具体的な防除方法や処分方法などを内容とするガイドラインを今年度中に策定し、その後、市町と連携し、来年度早期に外来生物法に基づく防除ができるように努めてまいります。


 但馬水産技術センターの機能拡充についてご質問がありました。


 但馬の沿岸地域における水産加工業は、事業所数、従業員数のいずれも全製造業の約4割を占めるなど、地域経済にはなくてはならない産業であります。その振興に但馬水産技術センターが大きな機能を果たしている、このように考えています。


 このことから、漁業振興を目的とした調査研究をこのセンターで行うとともに、水産加工技術の開発・普及を主要業務として位置づけ、水産加工業の振興にもあわせて努めています。加工実験棟を活用して地元業者との連携によりますゆでガニの衛生管理技術の開発等を行いましたし、その普及にも努めています。また、ホタルイカの目を取り除く加工機械を開発し、これを導入した企業においてコスト削減が図られ、つくだ煮や甘酢漬け等新たな商品への利用拡大につながっています。きょうのお昼、早速に機械でホタルイカの目を取り除いたつくだ煮を食べてみました。なかなか、おつなものでありました。


 今後は、多様化する消費者ニーズに対応し、安全性やおいしさを損なわない加工・流通・保存技術の開発を行うとともに、産・学・官の連携による共同研究の推進や国の研究助成制度を活用した但馬水産技術センターらしい研究の機能の向上を図りまして、その充実を図ってまいりたい、このように考えております。以上、私からの答弁とさせていただきます。


○副議長(北浦義久)  下野健康生活部長。


  〔下野健康生活部長登壇〕


○健康生活部長(下野昌宏)  私からは、湯村温泉におきます地熱エネルギーの導入促進についてご回答申し上げます。


 本県におきましては、平成14年7月にグリーンエネルギー推進プログラムを策定いたしまして、新エネルギー及び省エネルギーの導入促進を図っているところでありますが、但馬地域におきます新エネルギーの導入の方向性として、その中で地熱エネルギーについては、温泉権との整合を図りつつ、取り組みを促進することといたしています。


 地熱発電につきましては、地下での百数十度の高温の確保、既存の温泉への影響などの技術的な課題がありますが、今回、温泉町においてNEDO技術開発機構の調査事業委託募集に応募し、採択されたところでありまして、地表調査、それから環境調査、テストボーリングなど調査を行いまして、発電事業の可能性を模索することとされておりまして、この事業は最新の技術を活用する先導的な事業として高く評価できるものと考えています。また、体験型の環境教育・学習拠点となり得ますことから、グリーンエネルギー導入の先進事例として、県民への普及啓発に大きな効果があるものと期待をしています。


 このNEDO技術開発機構の調査は、温泉町と民間4社が受託しておりまして、県としても調査事業の実施や事業の実現化に向けまして、要請に応じまして情報提供、国等の関係機関との調整など必要な支援を行ってまいりたいというふうに考えています。


○副議長(北浦義久)  黒田農林水産部長。


  〔黒田農林水産部長登壇〕


○農林水産部長(黒田 進)  私から2点についてご答弁申し上げます。


 まず1点目は、放流用アユの種苗の供給支援についてです。


 県内漁協が放流いたしますアユの種苗については、揖保川漁協が生産するアユのほか、安定して確保のできる琵琶湖産アユに依存してきたところでございます。しかし、議員ご指摘のとおり、琵琶湖産アユについては近年、冷水病の発生や、あるいは海に下った稚魚が再び河川に遡上できない、こういったことが指摘されておりますことから、多くの漁協が人工生産アユへの転換を進めております。そういった意味で、種苗生産施設の整備が課題となっております。


 このため、昨年度、内水面漁連と県とでアユ種苗の供給体制について協議を行い、今後はすべてを県内の人工生産アユで賄うこととし、瀬戸内海側と日本海側にそれぞれ施設を整備することを検討していくこととしております。このうち瀬戸内側につきましては、現在、関係漁協等により施設整備の具体的な計画策定を進めているところでございます。また、新たに整備いたします日本海側の施設については、地元関係漁協におきまして事業主体や設置場所、あるいは運営体制、こういったことをどうするか等々の調整が必要であると考えております。県といたしましては、このような状況を踏まえて今後検討してまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。


 次に、野生動物対策、とりわけ抜本的な猿対策についてであります。


 猿による農業被害については、現在私たちが把握しているもので全県で約2,300万円、そのうち但馬地域が約7割の1,500万円を占めています。このような農業被害に加え、今一番の問題は、集落への頻繁な出没が地域住民に大きな精神的苦痛を与えているということで、県としても大変深刻な問題であると認識しています。


 このため、猿が集落に接近した場合には、猿に装着した電波発信機によって住民に知らせ、追い払うシステムの整備を図りました。また、集落に頻繁に出没した場合には、有害個体の捕獲も行うことによりまして一定の成果は上げております。しかし、追い払い体制や猿そのものの捕獲方法、捕獲後の処理、こういったことについてさまざまな課題もあります。そのため、個体数管理、生息地管理、被害管理、この三つを内容といたしますサル保護管理計画を策定することとしています。なお、議員ご提案のありました捕獲後の対応についても、この計画策定の中で議論を深めてまいりたいと、こんなふうに思っております。


 一方、こうした取り組みに加えて、現在整備を進めております森林・野生動物保護管理研究センターにおいては、被害防止対策の研究を行いますとともに、効果的な防護対策を指導・助言する森林・野生動物管理官を配置し、総合的な対策を講じることとしております。さらに、県民緑税を活用し、集落周辺に人と野生動物とのすみ分けゾーンを設けますとともに、奥地の森林には広葉樹林を整備することとしています。いずれにしましても、このような取り組みにより、野生動物とりわけ猿による被害の軽減に努めてまいりたいと、このように考えております。


○副議長(北浦義久)  丸上 博議員に対する答弁は終わりました。


 次に、和田有一朗議員。(拍手)


  〔和田有一朗議員登壇〕


○(和田有一朗議員)  この7月に神戸市垂水区選挙区より当選させていただき、議席をお預かりいたしました和田有一朗でございます。当選早々に一般質問という場で知事初め関係当局に質問をさせていただく機会を与えられましたことを非常に名誉なことと感じ、また、その責任の重さを今深く思い知っているところでございます。地域の皆さんの声、県民の声を伝え、県政の発展に尽力してまいる所存でございますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。


 さて、本年は、戦後60年ということで、まさに日本の社会が新体制に移行して還暦を迎える年となり、人口減少が始まる年ともなり、大きな節目となっております。日本の人口が減少に転ずるということは、とりもなおさず有史以来初めてこの地球上から日本人という人種が減り始めるということを意味すると、少し大げさではありますが、私は受けとめております。それほど大変大きな節目の年であると思うのでございます。


 60年前、表面的には社会の制度や仕組みといったものを変えはしましたけれども、あるいは変えさせられたというのが正確なのかもしれませんが、私たち日本人が本来持ち得てきた価値観や美的感覚、つまりは勤勉の美徳であったり、勉学にいそしむことを是とする風潮であったり、人を思いやるおおらかな感性、日々みずからに与えられた役目をまじめにこつこつと果たしていくという社会的責任をよしとする感覚、こういった美意識、価値観は変えることなく戦後の混乱期を乗り越え、今日の姿を築いてきたと認識いたしております。


 よく最近耳にする言葉に「あの経営者は明治の気骨を持っていたなあ」といったものがございますが、まさにこの言葉に代表されるような、この国に住まいしてきた先人たちがこの自然、気候、風土、郷土によりはぐくまれてきた感性、伝統的価値観を継いできたからこそ、今日の我々があると思うのでございます。しかし、最近、この私たちが持ち得てきた価値観が揺らぎつつあるように感じられるのは私だけでありましょうか。


 まさに過去を殊さら卑下することなく、変えるべきところは変えつつも、普遍的に変えざるところは変えず進んでいく大切なときにあると考えます。このような思いを持ちつつ、知事初め関係当局に対して以下の質問をさせていただきます。


 質問の第1は、真の男女共同参画社会づくりについてであります。


 平成14年4月から施行されている男女共同参画社会づくり条例に基づき、男女共同参画社会づくりが推進されているところですが、県における男女共同参画社会のための基本指針である「ひょうご男女共同参画プラン21」の後期5ヵ年の実施計画の策定が本年度中に行われます。


 男女共同参画社会づくりは、男女共同参画社会基本法で求められているとおり、男性も女性もすべての個人が互いにその人権を尊重しつつ、責任も分かち合い、性別にかかわりなくその個性と能力を十分に発揮することができる社会、男女が差別を受けることなく対等なパートナーとしてさまざまな分野に参画し、利益も責任も分かち合っていけるような社会をめざしていることは言うまでもありません。


 しかしながら、私は、県の男女共同参画社会づくり条例の内容を理解するに当たって、「男らしさ」、「女らしさ」を否定しないまでも、余り考慮に入れず制定されているのではないかと思っているところでございます。「ジェンダー」という用語は消え、「ジェンダーフリー」という一般的ではない概念の用語もなくなりましたが、まだまだ男性が女性を支配するためにつくられてきた支配・被支配の社会構造を改めるために男女共同参画社会づくりがあるといった、特定の思想に基づいた偏りのある男女共同参画社会づくりが幅をきかしているように感じられてならないのでございます。


 先ほども述べましたように、ことし上半期の人口動態統計によれば、少子・高齢化による人口減少時代に予測より2年も早く突入し、女性の社会進出について、ごく一面的に「社会的要請があるから諸制度の整備を急がなければならない」と声高に言われる方がおられますが、男女共同参画社会づくりにおいては、人間が本来持つ「男らしさ」や「女らしさ」を前提とした社会・家庭のあり方や役割分担、価値観を否定するものであってはならないと私は考えます。


 そこで、「ひょうご男女共同参画プラン21」の後期5ヵ年実施計画の策定に当たっては、歴史的な経緯を経てつくり上げられてきた文化とも言える男女性差について、伝統的価値観を損なわないよう努めるとともに、男女共同参画に関する講師の選定や書籍の選定、県立男女共同参画センターの運営についても、「男らしさ」、「女らしさ」を前提とした役割分担を否定しないでいただきたいと考えますので、その点も含め、知事のご所見をお伺いいたします。


 次は、男女共同参画社会づくりの質問と密接な関係のある少子化対策についてお伺いをいたします。


 なぜ「密接な関係がある」と申しましたかといいますと、少子化対策については、男女共同参画社会づくりを論じる際に、その範疇に議論されるときがあるからでございます。「少子化が進むのは男女共同参画が進まないからだ」といった、やや一方的な議論がそこにございます。「ジェンダーフリー」で有名な大沢真理さんなんかがよく言われる言葉でございます。実はこの言葉の根拠――私はこの言葉に違和感を持つんですけれども、一般的に「女子の社会参加率が高い国ほど合計特殊出生率が高い」と言われる場合があります。私、この言葉に違和感を持つんですけれども、実はこの言葉の根拠というのは、実は国の内閣府の少子化専門委員会で配付された資料にこういう言葉が使われることがありまして、そのもとをたどれば、人口問題研究所の所長の阿藤 誠氏の「現代人口論」という著書の中に女性の労働力率と出生率を示す統計図からのデータを用いて言われている場合があって、そこを使って言っている場合があります。


 実は、その氏の理論に関して言えば、そのサンプル数が少ないことや出生率が低い国を中心にサンプルをとっているという批判もあって、サンプルの取り方によっては、実は女子の社会参加率が高いほど出生率も低くなるという、違った見方ができるという意見も聞いたことがございます。


 そもそも子供を産み育てたいという思いや世代を継いでいきたいという思いと、男性が子育てしやすい社会をつくること、女性が社会進出して働く条件が整えられる社会をつくることとは、根本的に別の話だと思うのであります。本来的には母性や父性あるいは家庭といった価値観に多くかかわるものであって、男性が女性同様に子育てする社会ができたとて、本当に子供を産み育てたいと思う人がふえて、劇的に出生率が上がるとは私には思えません。少子化対策と男女共同参画社会づくりは分けて考えるべきだと私は思います。


 そこで質問に入りますが、県は8月25日に少子対策本部並びに少子局を設置され、このたび緊急に措置すべき事業として少子対策の充実を打ち出されました。これは喫緊の課題である少子対策に本格的に取り組まれる知事の意気込みを示されたものと思っております。この少子化対策は、片や膨大な、とりわけ10代の人工妊娠中絶の数が見受けられる昨今に取り組む、命の尊さにかかわる作業であることをご認識の上、進めていただきたいと私は思います。


 少子化対策の個々の事業を見ますと、保育所等の施設整備関連が多く、結果として、これらは子供を持つ就業者向けの対策が中心ではないかという思いを持つところであります。もちろん、これらも非常に重要な施策であることは間違いありませんが、就業者だけではなく、これまで子育てに大きな役割と責任を担ってきたとも言える専業主婦たちにも、もっと子供を産みたい、産んで育てたいと思えるような仕掛けが今以上に必要ではないかと考えます。あるいは、この専業主婦の人々にもっと敬意と関心を払うべきではないかと私は思います。


 報道によりますと、神戸市東部から西宮市方面に至る阪神間では、東京の江東区状況、つまり、かつての高度経済成長期時代をほうふつさせる人口急増現象があって、学校の教室が足りない、幼稚園も保育所も足りないという事態が起こっていると聞いております。


 そんな中で、県内の私立幼稚園の取り組みとしては、例えば預かり保育は、全体の8割以上の私立幼稚園が取り組んでいますし、さらに、40を超える幼稚園が長時間預かり保育に取り組んでいると聞いております。これらは既存施設の活用例と言えるかもしれません。こういった制度の活用を含め、専業主婦に対する少子化対策について、県として今後どのように取り組んでいくのか、ご所見をお伺いいたします。


 今、子育てという言葉を使いましたので、兵庫の子供のすこやかな成長を願って、次に、道徳教育についてお伺いをいたします。


 つい先日も、文部科学省の「平成16年度児童生徒の問題行動等、生活指導上の諸問題に関する調査」が公表され、小学校での校内暴力や子供の問題行動について話題になっております。このことを考えるときに、倫理観や規範意識をはくぐみ、公共の精神を涵養することが今、改めて必要だと考えます。家庭は教育の原点であり、幼児期から家庭において豊かな情操や基本的な生活習慣、伝統的価値観をはぐくみ、学校教育ではその延長線上に教育をしていく必要があると考えます。さらに、みずからが生かされている意義を認識するとき、過去から受け継がれてきた命の尊さを感じる教育、我が国の、あるいはふるさとの伝統や文化の尊重や国やふるさとを愛し、誇りに思う心を涵養する教育が必要であります。


 特に、学校における道徳教育は、道徳の時間をかなめとして、教育活動全体を通じて、児童生徒みずからが道徳性をはぐくんでいくことができるようにすることであり、児童生徒がみずからの体験を基盤に、自分自身について、また、他の人とのかかわりや自然や崇高なものとのかかわり、あるいは集団や社会とのかかわりについて深く考えることを通して、人間として生きていく上で大切にすべきことを学び、身につけていくことであると思います。


 さらに、道徳教育は、基本的な生活習慣を身につけるためのものであり、幼児期のしつけと学校教育における道徳教育は密接な関連性があると思いますし、人権教育に偏るものではありませんし、同和教育とも一線を画するものだと私は思います。本来、道徳教育は、人権教育でも同和教育でもありません。


 県では、道徳教育を一層充実するため、道徳の時間における教員の指導力を高めるとともに、地域の人材を導入するほか、家庭・学校・地域社会が連携した取り組みを進めるよう、「道徳教育推進アクションプラン」に取り組まれております。


 道徳教育の価値を実感させて実践するのは、家庭や学校生活などの実生活であります。教員の中には、道徳には決められた教科書がなく、教師そのものにゆだねられ、進められてきたことから、道徳の理解がないまま間違った指導をしている方もおられるようで、そういった中で、平成14年に文部科学省が作成し小中学校に配布した副教材の「心のノート」は、とてもいい教材でございます。ぜひともこの副教材を活用して、道徳教育推進アクションプランをより一層推進していただきたいと思いますが、この道徳教育推進アクションプランのこれまでの取り組みと今後の進め方について、ご所見をお伺いいたします。


 次に、「命の尊さ」という言葉を先ほど使いましたので、尊い命は何も人間に限ったことではなく、教育上も、子供たちに命の尊さを伝えるときに、動物の命の尊さも感じさせる必要がありますので、そんな思いも込めて、先ほどのご指摘とは少し観点を変えて、野生動物の保護や管理、人と自然の共生についてお伺いをいたします。


 先日、コウノトリの放鳥式に参加させていただきました。大変感動的なもので、歴史的な瞬間に立ち会わせていただけたことを感謝するとともに、ここに至るまでの関係各位のご努力に心から拍手を送り、敬意を申し上げるところでございます。


 なぜこのようなことに触れるかと申しますと、やや本会議の質問では不相応かもわかりませんが、実は、私の政治を志した原点の一つに、この環境や自然との共生というものがあるからでございます。さだまさしさんの歌に、トキの絶滅のことを歌った「前夜」というタイトルの歌があります。これは副題は「ニッポニア・ニッポン」というサブタイトルなんですが、多感なころにこの歌を聞きまして刺激されたことが、私の政治を志向した原点の一つでございます。


 そんな背景の中で、コウノトリの野生化が始まった、絶滅の危機に瀕していたコウノトリの野生化が始まったということに、意義深さを感じずにはおれないわけでございます。この作業は、今、絶滅の危機にある多くの野生動物との共生、ひいては人間と自然の共生への道しるべとなるのではないか、新しい中山間地、農業地域の産業政策となり得るのではないか、そんな思いを持ちつつ質問をさせていただきます。


 兵庫県における野生動物による農林業被害は、シカやイノシシあるいは猿などを中心に多額な被害が発生しており、農林業被害に限らず、クマや猿は人身被害や精神的な恐怖心による被害もあると言われています。とりわけクマについては、昨年の異常出没が話題になりましたけれども、その背景として、台風や猛暑などの異常気象、ブナやミズナラなどの堅果類の不作などのえさ不足とともに、生息地の奥山や里山の荒廃が指摘されております。


 クマが生息する地域の住民が危険を感じ、絶滅危惧種であるクマの出没のたびに捕殺していると絶滅する可能性があって、捕獲や威嚇では根本的解決になるとは思えませんし、最終的にはすみ分けを進めるしかありません。その対応については、生息頭数の把握を初めとする科学的な研究、人身被害や農作物などの被害の防除、そして生息地である森林の管理という総合的な対策が必要であると思います。とりわけ専門家や心ある市民の立場で保護活動をされている人々からは、野生動物が生息する森林を整備すべきだという声も多く、そのような運動を展開している市民団体もあります。


 このような中で、兵庫県においては、来年度から県民緑税を活用し、人と野生動物の共存をめざした野生動物育成林整備を推進されるとともに、「ワイルドライフ・マネジメント」という概念を取り入れ、野生動物に関する基礎的な調査研究をするための「森林・野生動物保護管理研究センター」の整備を進めていることは承知しております。


 こうした野生動物に関する施策を総合的に展開するためには、野生動物に関する生態や行動など科学的なデータ、知見は必要不可欠であると考えていますが、調査研究に当たっては、命を尊ぶという観点からも、野生動物に対して過重な負担がかからないように必要最小限にとどめるなど、配慮が必要と私は考えます。


 そこで、野生動物を保護するという観点から、野生動物に関する調査研究や有害捕獲の実施等に対して今後どのように取り組んでいかれるのか、また、どんな配慮をとられようとしているのか、ご所見をお伺いいたします。なお、今「有害捕獲」という表現を用いましたが、この言葉も、私は若干抵抗感を持つものでございます。


 また、野生動物育成林整備を初め、高齢人工林や里山林の整備を進めるに当たっては、森林関係者だけではなくて森林ボランティアの活動の輪を広げるなど、現在の自然を観察するエコ・ツーリズムから、自然とのふれあい、森林を育成・管理するエコ・ツーリズムへと発展させ、都市と農山村の交流を推進し、ひいては、そのことにより地域経済の活性化を図ってはどうかと考えますが、ご所見をお伺いいたします。


 クマのすむ中間山地の地域経済の活性化にも話が及びましたので、ここで兵庫の経済、神戸の経済の活性化に話を転じてお伺いをいたします。カーネギーメロン大学日本校の活用でございます。


 カーネギーメロン大学は、米国ペンシルバニア州ピッツバーグにある総合大学で、鉄鋼王アンドリュー・カーネギーがカーネギー工業学校として1900年に設立し、1912年、カーネギー工科大学となって、1967年、カーネギー大学とメロン研究所が合併し現在の名称になったことは、ご承知の方が多いと思います。特に、コンピューター科学やコンピューター工学などの情報技術分野では全米をリードする存在であり、米国における大学院全米ランキングは、コンピューター科学、情報公共政策管理学ともに1位であります。


 また、ピッツバーグ市は1950年ごろ、鉄鋼産業が栄えたころ「煙の街」として全米で有名でありましたが、産業構造の転換を迫られる中でこのカーネギーメロン大学が中心となって、コンピューターとバイオ等の先端産業の街に変身したことは、つとに有名でございます。現在、450以上のソフトウェア企業が立地し、全米最大の研究開発の中心地として挙げられるようになっています。


 ITが社会に急速に普及し、現在では、社会経済に欠かすことのできない基盤として浸透しています。一方で、個人情報の漏えいやコンピューターウイルスの蔓延、相次ぐ情報セキュリティーに係る事件の発生は、単なる個人の被害だけでなく、我が国社会の信用を揺るがしかねない大きな問題となっております。最近の例としては、平成17年5月に、製品の価格情報を提供するサイトが不正アクセスによってウェブサイト上のプログラムを改ざんされた事件や、17年6月に発覚した米国でのクレジットカードの個人情報流出事件があります。米国で起きた事件は、カード決済業務を行うデータ処理会社のシステムに何者かが不正に侵入し、大手クレジットカードの顧客情報が最大約4,000万人以上流出したと言われ、カードの不正使用の被害も報告されています。


 今後、インターネット等が個人の生活を含めて社会全体のインフラを支える最重要基本インフラとして位置づけられていくことが確実視されている一方で、それらの情報セキュリティーの確保に、県として将来をにらんで取り組むことは非常に重要であると考えます。


 そのような中で、阪神・淡路大震災の教訓と経験を踏まえ、安全・安心を県政の最重要課題と位置づけている兵庫県が、世界最高水準の情報セキュリティーの教育・研究実績のあるカーネギーメロン大学日本校を開設したことは、情報セキュリティーの分野での最高の技術と知識を持ったエキスパートを育成するのみならず、県民全体の情報セキュリティーに関する意識啓発につながり、ひいては、「情報セキュリティー先進県ひょうご」の実現に、そして何にも増して、それに刺激を受けて多くのそれに関連する知識を持った方が集まって新しい産業を創設していくことに大きく寄与するものであると私は考えます。


 そこで、まず、カーネギーメロン大学日本校について、本年6月に開学、8月末に既に授業を開始したと聞いておりますが、情報セキュリティーのエキスパートの育成をめざしてどのように教育を行っているのかお聞きしたいと思います。


 次に、カーネギーメロン大学は、教育分野のみならず、研究分野においても産業界との連携や、また、ソフトウェア工学研究所、情報ネットワーク研究所、ロボティクス研究所など、時代の要請にこたえる形でさまざまな学際的な研究機関を設立し、新たな問題領域での先駆的な研究機関としての役割を果たしてきていると伺っておりますけれども、情報セキュリティーの分野において、これらの実績を踏まえて、今後この日本校を県としてどのように活用していくのかをお伺いいたします。


 以上が私の質問でございます。県会本会議場における初めての質問であって、未熟ゆえに、ふなれでお聞き苦しい点もあったかと思いますが、ご容赦を賜り、ご清聴いただきましたことに感謝を申し上げ、質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)


○副議長(北浦義久)  井戸知事。


  〔井戸知事登壇〕


○知事(井戸敏三)  和田有一朗議員のご質問にお答えをいたします。


 まず、真の男女共同参画社会づくりについてです。


 男女共同参画社会は、男女の違いを機械的、画一的になくし、男女の区別を一切排除してしまおうとするものではもちろんありません。男女がお互いに認め合い、互いにその人権を尊重しつつ責任を分かち合い、その個性と能力を十分に発揮することができる社会と考えています。


 本県の条例におきましても、このような考え方に基づき、男女の個人としての尊厳が重んじられること、男女が互いの性を尊重することなどを基本理念として挙げています。条例施行後3年が経過する中、こうした理念の普及に努めるとともに、家庭、地域、職場などさまざまな場面において男女共同参画社会の実現に向けた各般の取り組みを進めてきたところであります。「男女共同参画社会」という訳が本当によかったのかどうか、それがまた一つの誤解を生んだ原因になっているかもしれないという率直な感想もございますが、もう法律にもなっている言葉ですので、このまま使わせていただきます。


 しかし、「男らしさ」「女らしさ」を否定するものではありませんが、ただ、男だから、女だからということで固定される社会的・経済的枠組みが現に存することは間違いないと思います。進学や職業の選択、企業等での登用、各種団体の役員への就任などにおいて、個人の活動の幅が狭められないような配慮は必要ではないかと考えています。


 本年度策定する「ひょうご男女共同参画プラン21」の後期実施計画や拠点施設である男女共同参画センターの運営に当たっては、条例の基本理念を踏まえつつ、男女が家庭や地域、職場での生活を分かち合い、ともに助け合いながら、生き生きと暮らすことのできる元気な社会づくりをめざして取り組んでまいります。もちろん、資料や図書の選定に当たって、このような配慮をしていくことは当然であります。


 続きまして、少子化対策については、具体的には清原理事から答えさせますけれども、就業と合計特殊出生率との関係についてのコメントがありましたが、私も直接に関係するデータとして読むべきではないと思っておりますけれども、子育て環境の整備の重要性をこれでもって主張したい、そのように受けとめるべきではないかと思います。また、家庭主婦に対する対応としましては、私どもは、保育所や幼稚園等を中心に、そこに通われていない方々も含めてまちの子育てひろば等を用意し、子育て中の悩みのあるお父さん、お母さん方が気軽に集まって相談ができる、そういう環境をつくらせていただいたのも、そのような就業、非就業を問わず、子育ての重要性に着目した施策だと考えておりますことを私から申し述べておきます。


 さて、カーネギーメロン大学日本校についてです。


 まず、教育の状況についてですが、カーネギーメロン大学日本校は、情報の安全・安心という視点から、我が国において質・量ともに大幅に不足している情報セキュリティーのエキスパートを養成することを目的に開学しています。4学期、夏休みもない1年4ヵ月の間に所要の単位を取得すると、米国本校から情報セキュリティーの修士学位が授与されます。これは議員ご指摘のように、世界に通用する資格になると考えますし、そのレベルの高さは、授業が英語でしか行われないということからも、非常に高いものと評価されています。


 講義はすべて英語ですが、米国本校と同じトップレベルの内容を、一部は情報機器を活用して米国と遠隔授業によって行うなど、米国本校の教員が直接行っていますし、既に厳しい選考を突破した国内外の学生が、休日も含めて連日深夜まで学習に励んでいます。先日、始業式に私も参加いたしましたが、その際に、まだ始まって10日もたっていない生徒たちだったからかもしれませんけれども、聞いてみましたところ、「非常に大変だ」という感想を述べておりました。もう一度また尋ねたら「もう大丈夫です」という答えが返ってくることを期待しているところでございます。


 授業科目は、IT分野と経営管理分野を組み合わせて体系化した実践的かつ学際的なものとなっています。演習科目では、先端的な研究はもちろん、企業等との共同研究や、さらに米国本校との共同研究などを行うことにしています。このような世界最高水準の教育を受けた学生が卒業後、企業等の情報最高責任者に登用されたり、研究者、教育者になるなど、日本の情報セキュリティーを担う指導的人材として活躍することを期待しています。


 今後の活用についてお尋ねがありました。情報セキュリティーは、科学技術を初め経営や政策など幅広い分野で極めて重要な要素になっています。カーネギーメロン大学においては、工学、コンピューター科学、公共政策等の各学部はもとより、情報ネットワーク研究所や産・学・官連携の研究組織、インターネットの常時監視機関などが相互に連携して、情報セキュリティーにおける新たな学際的領域についての先駆的な教育・研究活動を展開しています。


 日本校においては、これら米国での成果を吸収することに加えて、日本の企業や組織が抱える情報セキュリティーに関するさまざまな課題について独自の分析、応用研究を行うこととしています。これにより、日本国内のみならず、ひいてはアジア地域における情報セキュリティー教育・研究の最先端の拠点になることをめざしています。


 また、既に日本校の日本人教授を県情報セキュリティ参与とすることにより、県行政のさまざまな場面でのアドバイスをいただいていますが、兵庫の地に優秀な研究者や学生を集め高度な人材を育てることにより、県立大学を初め教育・研究機関や企業との人材交流、共同研究・普及啓発の推進を通じてさらにレベルアップが図れること、産学連携による情報セキュリティー分野における新たな産業創造に取り組むことができることなど、「情報セキュリティー先進県ひょうご」の実現にも資してまいりたいと考えています。


 私は、情報社会は、利用される情報が安全で安心して活用される仕組みを持っているからこそ、進展するものだと考えています。情報セキュリティーは、情報社会の社会的なインフラ、社会資本であると認識していますし、その認識のもとに人的・物的資本の整備を進め、ひいては情報社会をリードする地域づくりを進めていきたいと、このように願っているところでございます。今後とものご指導をお願い申し上げます。


 以上、私の答弁とさせていただきます。


○副議長(北浦義久)  清原理事。


  〔清原理事登壇〕


○理事(清原桂子)  私から少子化対策についてご答弁申し上げます。


 子ども未来財団によります子育て中の女性への調査によりますと、「子育ての負担感が大きい」と回答した専業主婦は45.3%と、共働き女性の29.1%の1.5倍多く、県としましても、ひとりぼっちの子育ての中で専業主婦が抱える閉塞感や負担感に対する支援も重要な課題であると認識しております。


 これまでも、例えば一つには、育児疲れの専業主婦のための保育所の一時保育や幼稚園の預かり保育の推進、二つには、孤立しがちな親子のたまり場としてのまちの子育てひろばの開設、三つには、親同士が子供を預けたり預かったりして互いに助け合うファミリーサポートセンターの拡大、四つには、子供の健康不安の相談ができるまちの保健室の設置などの対策を積極的に行ってきたところでございます。


 今回の「緊急に措置すべき事業」でも、待機児童の解消に向けた保育所の整備に加え、ファミリーサポートセンターの追加設置や地域での親子の体験活動を支援いたします「動く・こどもの館号」の拡充等を盛り込みますとともに、子ども未来プラン改定のために県内各地で開催いたしますワークショップでは、専業主婦の方々を含め幅広く積極的な意見交換をしてまいります。


 今後とも、本県としましては、共働き家庭に対する子育てと仕事の両立支援とともに、専業主婦家庭を含めたすべての子育て家庭に対する支援という視点から少子対策を展開し、だれもが安心して子供を産み育てられる環境づくりを積極的に推進してまいりたいと考えております。


○副議長(北浦義久)  黒田農林水産部長。


  〔黒田農林水産部長登壇〕


○農林水産部長(黒田 進)  野生動物の保護についてご答弁申し上げます。


 人と野生動物の共存する社会の実現については、科学的な根拠に基づき、幅広い県民の合意を得て策定しましたシカやクマなどの保護管理計画を基本として、個体数管理、被害管理、そして生息地管理を総合的に講じることとしております。特に、農林業被害の著しいシカの個体数管理に当たっては、適正な目標頭数の達成に向けて事業成果を検証しながら、計画的な捕獲を実施しております。


 一方、絶滅危惧種のクマにつきましては、地域住民の理解と協力を得ながら学習放獣を行うなど、県独自の出没基準に基づいた対策を講じているところでございます。また、クマなどの行動パターンや出没予測のための調査研究では、原則として捕獲後放獣される個体に限定して電波発信機等を装着し、追跡を行っております。今後も人と野生動物と調和のとれた共存という視点を考慮しながら、野生動物の保護管理を推進してまいりたいと考えています。


 なお、本県では全国に先駆けて「新ひょうごの森づくり」の一つの柱として、県民総参加の森づくりを進める中、都市住民を初めとする森林ボランティアなど、既に多くの県民の参画を得て、地域住民と連携した活発な活動が県下各地で展開されております。こうした取り組みが都市と農山村の交流の推進や地域の活性化にも寄与するものでありますので、今後とも一層の推進を図っていきたいと考えております。


○副議長(北浦義久)  吉本教育長。


  〔吉本教育長登壇〕


○教育長(吉本知之)  道徳教育につきましてご答弁申し上げます。


 道徳教育は、生きる力の核となる豊かな人間性をはぐくみ、人間としてよりよく生きていく上で大切な道徳性を養うものであり、急激な社会の変化、少子化、核家族化に伴う人間関係の希薄化を考えますれば、その充実が強く求められていると認識をしてございます。


 県としましては、平成16年度から道徳教育推進アクションプランを推進し、教員研修や指定校による実践的な研究の実施、各地域ゆかりの人材を教材化する指導資料の作成、学校、家庭、地域社会との連携による子供たちの道徳的実践力を高めるフォーラムの開催など、総合的に道徳教育の充実を進めてきたところでございます。


 この成果といたしまして、「心のノート」を初めとする教材の活用や具体的な指導方法の研修を通じまして教員の指導力が向上をし、学校におけます道徳の時間の充実が図られつつあります。また、学校と地域社会が連携し、豊かで実践的な体験活動の取り組みが進められますなど、学校、家庭、地域が一体となって子供たちの道徳性をはぐくむ機運につきましても、その醸成がされつつあると考えてございます。


 今後とも、教員の指導力の一層の向上と、「心のノート」や郷土に関する教材の活用により、児童生徒にとって道徳教育の価値が実感できる魅力ある授業づくりを進めますとともに、学校、家庭、地域社会の連携のもと、内面に根差した道徳的実践力の育成に努めてまいります。


○副議長(北浦義久)  和田有一朗議員に対する答弁は終わりました。


 この際、15分間休憩いたします。


       午後2時22分休憩


  ………………………………………………


       午後2時50分再開


○議長(内藤道成)  ただいまから会議を再開いたします。


 休憩前に引き続き、質疑、質問を行います。


 釜谷研造議員。(拍手)


  〔釜谷研造議員登壇〕


○(釜谷研造議員)  本定例会の最終のバッターとして質問をいたします。


 「改革は、外からではなく内から出てこなければならない」、これはジェームズ・ギボンズが言いました。さらに平成に入ってから世の中は、アブラハム・マスローがいう「自己実現の追求」を願いまして、人々のニーズは多様化、高度化が進んでまいりました。この中、日本の借金は795兆円、そして245兆円の債務超過に陥りました。我が兵庫県におきましても、平成16年度決算では県債残高は3兆円を超えております。いずれにいたしましても、後世に負の遺産を残さないためにも、行財政を大幅に改革して健全財政を確立することが、現下の最大の課題でございます。


 そこで、まず第1の質問といたしまして、行財政改革の推進について質問をいたしたいと思います。


 そこで、この項の第1は、平成18年度予算編成についてであります。


 昨年度から、県税収入は、緩やかな景気回復を反映いたしまして増加に転じました。本年度も増収が期待できるものの、三位一体改革の動向や地方交付税総額の抑制など、今後も大幅な増収は期待できません。このような中、先月26日には、例年に比べ1ヵ月以上も早く来年度の予算編成方針が通知され、当局におきましては、新年度予算編成作業がスタートをいたしました。


 我々自由民主党議員団は、過日、平成18年度当初予算編成に当たり、行財政構造改革の一層の推進を初めとした重要政策を51項目にわたり提案し、限られた財源が県民にとって必要な事業に投下できるよう、知事と一体となって進めていかなければならないと考えております。


 そこで、知事は、2期目の県政推進に当たり、「元気兵庫」実現に向けて、限られた財源の中、改革を進める点からも、どのような点に意を用いて予算を編成していこうとされておるのか、ご所見をお伺いをいたします。


 次に、この項の第2は、行政改革の推進についてであります。


 まず最初に、民間委託と県本庁の組織機構の見直しについてであります。


 我が兵庫県では、平成12年2月に策定いたしました骨太の方針としての行財政構造改革推進方策や後期5か年の取組みに基づき、従来からの業務への民間委託を初め、組織機構の見直し、定員管理や給与の適正化、行政評価システムの導入など、新たな行政改革手法に向けて積極的に取り組んでこられました。しかし、世の中の流れが急速に変化する中で、さらなる見直しを期待してお尋ねをいたします。


 民間委託のメリットといたしましては、受託企業は、市場主義や競争原理が働くことによりまして、他に負けないサービス合戦を行い、サバイバルをかけて「むだなく」「無理なく」「むらなく」知恵を働かせ、合理化・効率化を図るところにあります。例えば、公の施設の維持管理に当たる職員につきましては、県はローテーションにより人事異動を行っておりますが、民間では専門的なノウハウを活用するために専門職を充てて、そこには新たな発想、新たなアイデアが生まれてくるというメリットがございます。


 これら官業の民間開放につきましては、過日、我が党の藤原昭一議員が代表質問でも申し上げましたが、PFI、構造改革特区、指定管理者制度、市場化テスト等で、その規模は約40兆という巨大なマーケット、新たな民間活力が生まれます。静岡県では、総務事務の集中処理をしたり、あるいはアウトソーシングによってかなりの成果を上げたと聞いております。また、警察では、違法駐車監視業務を民間委託する予定とか、また、刑務所の業務の一部を市場化テストのモデル事業の対象にしているように、まさに今、民間への業務移管が進んでおります。10月1日、一昨日なんですけれども、四つの道路公団が六つの株式会社に民営化されました。


 財政状況が厳しい中にありまして、さらに効率的な行政を行うためには、民間委託のメリットを生かして、民間にできるものはできるだけ民間に任す、こういうことが大切、肝要であります。このたびの衆議院議員総選挙の結果を見ましても、郵政民営化を初め、改革の火ぶたが切られました。官から民へ、大きな政府から小さな政府へという流れに大多数が賛成の審判を下しました。そこで、これまで以上に一層の民間委託等を進めるべきであると考えますが、今後の取り組みについてお伺いをいたします。


 次に、本庁の組織機構の見直しについてであります。


 行政改革の視点から、平成12年度から行われております課・室の設置に関しまして、管理職の責任を強化するということに一定の評価はできますが、似たような名称も生まれたり、また、名称が頻繁に変わったり、さらには、その所属する部が幾度となく変更になったりする、そういうケースが見受けられます。今後の本庁組織機構の見直しは、仕事が的確・迅速に進むことによる効果を得ることはもとより、県民にとりましてもわかりやすい組織であることを望んでおりますが、県のご所見をお伺いいたします。


 次は、市町合併の進展に伴う県民局の見直しについてであります。


 相次ぐ市町の合併によって、その数は今年度末には29市12町となり、10県民局体制になりました平成13年4月時点と比べますと、約半数の市町になりますが、ここに現在の県民局の体制を必然的に見直す必要が出てまいります。また、これと同趣旨のことは、昨年度末に出された総務省の「地方公共団体における行政改革の推進のための新たな指針」、つまり「新行革指針」にも盛り込まれておるところでもあります。


 広域自治体としての都道府県の機能である市町への補完機能、これはその規模や能力によって濃淡が生じますことから、地域の実情に応じて県がその役割を果たしていくことになりますが、対象市町の数が減少し、おのおのの市町の行政能力が向上すれば、連絡調整的な業務やいわゆる高次機能に関する業務量は減少すると考えるのが自然であります。そうしますと、まず、県民局の部・課の組織を見直し、人員削減に向けた取り組みが必要です。


 また、企業でも言えることなんですが、支店や工場を設置いたしますと固定費がかかることから、これを統合したり、閉鎖したり、合理化を図っておりますように、県でも県民局単位ごとに固定経費がかかることから、次の段階としては、10県民局体制のままではなく、一部の県民局の統合を行っていく必要があるのではないかと考えます。県のご所見をお伺いをいたします。


 この項の3番目は、外郭団体の見直しについてであります。


 外郭団体は、それぞれの時代の要請を受けて設立されて、県行政の補完的組織として重要な役割を担ってまいりましたが、設立しましてから以降の社会情勢の変化などにより、経営に関する当初の見込みと現状との乖離など、従来からさまざまな問題点が指摘されてまいりました。このような中、先ほども申し上げました行財政構造改革推進方策などに基づき、外郭団体の見直しを図ってこられました。


 しかしながら、国では特殊法人改革を積極的に行っているように、公社等の見直しに関しては、今後、設置目的が達成されたり、民間企業で類似事業が効果的に実施されている状況が見受けられますならば、廃止なり民間移譲を行うべきであると思います。また、存続する場合であっても、経営状況に対応した職員配置の見直し、給与制度の適正化等経営管理の合理化・効率化を図る必要があります。また、国における第三セクターに関する指針を踏まえ、外部の専門家を活用する等監査体制の強化やインターネットを活用した情報公開等、透明性の確保に向けた取り組みを進めなければならないと考えております。


 お隣の大阪市では、「市監理団体評価委員会」が、現在66ある外郭団体のうち3分の1に当たる22団体を削減したり、委託料をこの3年間で約3割、280億円削減する等、大胆な改革の動きが見受けられます。


 知事は、公社等の見直しに関して、1期目の4年間をどのように評価され、また、これからの4年間にどのように見直しを行っていこうとされておるのか、お伺いをいたします。


 質問の第2は、個人情報保護法に基づく過剰反応問題についてであります。


 本年4月から、個人情報保護法が施行されました。名称だけ見ますと、情報公開法と相反する法律と勘違いされる人も多いかもしれません。しかし、情報公開法は、行政機関の持つ情報の公開を図ることを目的としているものでありますが、個人情報保護法は、個人情報の保護により個人の権利・利益を守るということを目的としておりまして、趣旨が違っております。つまり、IT社会の急速な進展の中にあって、IT社会の影としてのプライバシー等、個人の権利利益の侵害の危険性や不安感が増大していることを背景として成立、施行されたものであります。


 ところが、新聞報道などを見ておりますと、全国各地で「個人情報保護」の名をかりた過剰反応とも言えるような混乱が起こっております。例えば、学校では、緊急連絡網もクラス全体の名簿はつくらずに、連絡の必要な前後の部分だけにしたり、卒業アルバムあるいは同窓会名簿等の住所、電話番号等の記載をやめた学校も多いとかいったことや、県内でも、家族等がJR福知山線列車事故の被害者等の安否確認情報を求めたところ、病院によっては情報提供を拒否している、などといったことが報道されております。これらが、現在行っている国勢調査におきましても、調査を拒否する県民が増加しないかということが懸念されます。


 このように、法が施行されたことにより個人情報保護への関心が高まり、社会全体が過剰反応を起こしているように見受けられますことから、個人情報も取り扱う各般の施策に関して、事業を展開していく上で支障を生じていないかが懸念されますが、当局の認識をお伺いいたします。また、県内の事業者等の混乱について、県は、法の正しい運用について支援すべきだと思いますが、その取り組みについてもあわせてお伺いをいたします。


 質問の第3は、フリーター・ニート対策についてであります。


 2005年版の労働経済白書によりますと、2004年のフリーターの推計値は213万人、この10年間で約2倍になっているという高どまりの状態が続いております。また、ニートと言われる15歳から34歳までの若者、これは同様に64万人、合計いたしますと277万人になるんですけれども、前年と同様とのことであります。


 本県でもフリーターは約9万5,000人、ニートは2万3,000人、こんなに多くいると推計されておりまして、新卒の就職状況は好転しているにもかかわらず、その一方では不安定な雇用状況に置かれたり、働く意欲に乏しい若者が依然多く残っております。このままでは、国の経済力にも大きな影響が出てくるほか、年金や医療制度がもたなくなったり、大きな社会不安を起こしかねません。こういったことから、やはり若者は進学するなり就職するなり、どちらかの道を選ぶことが社会生活を送る上での基本であり、そうあってほしいと強く願っております。


 また、労働市場では正社員を減らし、低賃金のパートやアルバイトへの置きかえが進んでいる現状でありますが、若者の就職に対する価値観はともかく、就職するならば不安定な立場でなく、安定的に働くことができるように若者が努力し、また、企業も含めた経済社会もそれにこたえるように努力することが重要であります。このような意味で、国、県、市町が一体となった積極的な支援策が求められます。


 本県では、昨年度に「ひょうご経済・雇用再生加速プログラム」を策定して、各種の職業訓練を実施したり、「若者しごと倶楽部」の相談体制を充実したり、また、厚生労働省では「若者自立塾」をことしの7月から始めており、地域で企業や住民とのネットワークができて、雇用の場をどんどん提供していただくことが期待されております。このような状況を踏まえた本県の今後の取り組みについてお伺いをいたします。


 質問の第4は、小中連携教育の推進についてであります。


 近年、教育界では小1プロブレムの対応のための幼小連携や、中高、高大、大社等の連携が行われております。一方、小学校高学年から中学生にかけてでありますが、この時期は、精神の発達が体の成長に比べて追いつかない時期であり、また、教科内容が大きく変わり、勉強についていけなくなる生徒が多く見受けられるようになります。特に、統計的に見ますと、本県も平成15年度の小学校6年生の不登校数は279人であったものが、翌年度には中学1年生で997人と約3.6倍になっております。


 こういった意味から、児童生徒が小学校生活から中学校生活へスムーズに移行できる体制を充実させる必要があると考えており、特区制度を利用して品川区が行っております「4・3・2」制度などもその一つですが、ここでは重要かつ現実的な方策として、小中連携の取り組みについて取り上げます。


 全国的には、小中連携の取り組みは、小学校の子供たちが中学校のフィールドで授業を体験するとか、小中学校の枠を超えた集団活動や地域と連携した合同行事の実施なども行われているようであります。また、教師間においても出前授業なども行われ、指導観の共有化や基本的な内容・つまずきに応じて取り組むことができる学習教材の開発も可能になるようであります。これらに加えまして、ややもすればクラス間の交流が少ない小学校における学年主任の配置、また、小中学校の教員における人事交流や定期的な情報交換の実施、さらには、小学校高学年における教科担任制の全小学校への拡充実施なども有用であると考えております。


 私は、本県におきましても、多くの小中学校で小中連携の取り組みが進むよう、県教育委員会の積極的な助言、支援を期待しておりますが、県のご所見をお伺いいたします。


 この本会議でいろいろな質問をいたしましたけれども、知事は、私たちの意見を十二分に酌み取っていただきまして、「元気で美しい兵庫づくり」のために、県民と議会と行政が三位一体となって大きな成果を上げますように心から祈念いたしまして、質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)


○議長(内藤道成)  井戸知事。


  〔井戸知事登壇〕


○知事(井戸敏三)  自由民主党議員団の釜谷研造議員のご質問にお答えいたします。


 まず、行財政改革の推進についてです。


 平成18年度の予算編成についてお尋ねをいただきました。県政2期目に向け、560万県民の負託にこたえ「元気な兵庫づくり」を実現していきますためには、三つの目標「ひょうごの安全と安心の確保」「ひょうごの元気の創出」「ひょうごの自治の確立」を目標に、限られた財源を県民ニーズの高い施策に重点的、選択的に投ずる必要があります。


 このため、職員一人一人が現場主義を徹底して、県民のために今何をなすべきかを主体的に十分時間をかけて検討してもらえるように、例年10月末に行っていた予算編成通知を1ヵ月以上早く、9月26日付で各部局に通知し、予算編成作業に着手いたしました。


 平成18年度の予算編成では、事業部門の長である各部長が主体的に定員や行政施策など行財政全般にわたり事業を見直し、新規事業が検討できるように、従来、施設維持費など経費ごとに設定していた要求枠を、個別に対応する事業を除きまして、部単位で大ぐくりに設定することにいたしました。これも十分な検討を行って、スクラップ・アンド・ビルドを徹底していただこうとする趣旨です。


 この中で、創設後5年を経過した事業についての必要性や費用対効果を踏まえた事業の効率性はもちろんのこと、県と民間、県と市町の役割分担も検証していただくなど、行財政全般にわたりゼロベースからの徹底した見直しを行い、財源の重点化を図るべきだと考えています。また、県民局直接要求枠50億円に加えまして、一般事業枠の1割の新規事業枠を70億円として確保いたしまして、県政推進重点プログラム50の着実な推進を図ることともしています。


 なお、新規事業や見直し事業の検討状況を確認するために、予算編成過程の中間点でもあります12月にも知事査定を行い、その方向づけを行いたいと考えています。


 来年度は、国の地方財政収支では一般財源総額が本年度並みにとどまる概算要求となっておりますので、厳しい財政環境が続くと考えられておりますが、既にいただきました各党からの重要政策提言はもとより、今後具体的にちょうだいいたします予算編成に対する申し入れなども十分に参酌させていただきながら、先ほど申しましたようなスケジュールを前提に、「元気な兵庫づくり」を実現できるスタートの予算、大切な予算を編成してまいる所存でございますので、よろしくご指導を願います。


 続きまして、行政改革の推進についてお尋ねをいただきました。


 民間委託等の推進についてでありますが、その中で、県として、既に私どもも給与、旅費、福利厚生等の事務を各部総務課に集約し、各課の専任職員を廃止してきました。さらに、行財政構造改革推進方策に沿って、本庁の部の大ぐくり化を推進しましたし、県民局の総合事務所化を行いました。これらの処理に伴いまして、人事、予算関係事務を含む総務課業務全体が集約できたと考えております。


 これにより、例えば給与、旅費、福利厚生等の事務を担当する職員数は、今ご指摘の例えば静岡県と同等程度以上にスリム化していると私は考えています。加えて、健康福祉分野において定型的な補助金や統計調査業務等の処理を行う情報事務センターで業務を集約して実施しておりますし、大規模工事等の設計・積算・工事監理の一連の業務については、まちづくり技術センターへ集約を図りました。また、県民局の業務の再編に伴いまして、企画立案機能等の圏域事務所への集約等も再編したところであります。


 民間の持つ技術力や専門性を活用することで、低コストで質の高いサービスの確保が期待できる業務については、積極的に民間委託を進めることにしております。例えば県庁WANの運営ですとか、県営住宅の家賃滞納の収納ですとか、広報番組の制作ですとか、専門性を生かして民間に委託をしてまいりました。また、施設の整備・管理運営でも、尼崎の森中央緑地スポーツ健康増進施設の民間ノウハウの活用によります運営管理委託、これは指定管理者制度を活用しておりますが、これらも実施しております。


 今後は、公の施設の指定管理者の選定に当たり、民間活用のメリットが生かせる施設につきましては、原則として公募を行ってまいりますし、公設民営方式による施設運営の推進も図ることといたしております。積極的に民間の技術力や専門性の活用を図ってまいりたい、このように考えております。さらに、地域団体ですとかNGOやNPOの活動領域が広がりを見せる中、従来、主として公が担ってきた分野においても、このような民の力をおかりしたり、あるいは共同で実施することがふさわしい分野がございます。そのような意味で、公民協働の推進をひとつ重点的に取り組んでまいりたい、このように考えているところです。


 続きまして、本庁の組織機構の見直しについてです。


 本庁の組織につきましては、社会経済情勢や県民ニーズの変化にできるだけ即応できるように、部の大ぐくり化や執行責任を担う局長の設置など、行政課題に即応した体制を整備してきたつもりです。課・室についても、細分化し過ぎているのではないかというご指摘もいただきましたが、責任所在の明確化と意思決定のスピードアップを図るために、副課長等の中間職制を廃止して、行政課題に対応した課・室の設置を行ったところです。


 名称については、業務の内容や取り組むべき課題が明確になるように定めてきたところですけれども、行政需要の変化に応じて組織の改編も行い、名称が似通ったり、それに応じて、組織変更に応じて名称を変更せざるを得なかった点があるのはご指摘のとおりです。


 今後の県政課題の解決に当たっては、この8月に設けました事業実施まで念頭に置いた少子対策本部のような特別組織を持って仕事をしていくということも、一つの方途であろうと考えておりますし、また、環境対策のように、従来の公害から県民を守るという行政から、自然の再生や新しいエネルギーの推進など、新たな展開が求められている課題もありますので、この体制をどうするかなどの検討も必要だと考えます。


 今後、組織の改正や新設に当たっては、県民にとってわかりやすい組織・名称とすることに一層留意するとともに、県民サービスを実施するための組織であるということを基本として、簡素で効率的、わかりやすい組織体制の整備を検討してまいります。


 続いて、市町合併の進展に伴う県民局の見直しについてです。


 市町合併の進展に対応して、県民局についてこれまでも見直しを行ってきたところですが、特に、町が合併して市となった場合には、福祉の業務が県から市に移管されます。この場合には、県民局の事務所の統合や課の廃止などを行うとともに、職員数も確実に削減してきました。今後とも、市町合併に伴う変化を適切にとらえ、地方機関のあり方について検討を行いながら、その組織につきましても見直しを不断に行います。


 また、現在の10県民局体制については、当面これを維持することとしておりますが、これは市町合併が進んだとしても、県道整備や土地改良、地域団体に対する支援など、県民に対する直接的なサービスは余り市町の数とはかかわりなく実施する必要があるということ、所管する面積が余りにも広大過ぎると、災害対応や道路管理等においても十分な対応ができないということも考えられること、合併後も新団体としての一体性が生じるまでは適切な助言や支援が必要であること等を考慮したものであります。


 ただ、当分の間、私は、5年程度ではないかと考えておりますが、この5年程度の間に新たな市町と県との関係はいかにあるべきか、十分に検討を加えて臨むべきだと、このように考えて、検討してまいります。いずれにいたしましても、県民局は県民に身近なところで総合的な県政を推進し、現地解決型行政を展開するわけでありますので、引き続き適切な組織のあり方、運営のあり方を検討してまいります。


 外郭団体の見直しについてのお尋ねがありました。


 既に、行財政構造改革推進方策や前期5か年の取組み、あるいは後期5か年の取組みに基づきまして、県のみならず、県政の一翼を担う外郭団体についても改革を推進してきております。これに当たりましては、存在意義が乏しくなった団体は廃止、設置の目的が類似したり関連して一体的に運営する必要があるものは統合、存続する団体でも経営管理を合理化・効率化して適切な運営を図る、経営努力を踏まえて、支援の公益性の観点から県からの財政的・人的援助を見直す、第三者による経営評価や情報公開など運営の透明性を確保していくなどの評価基準を設けまして、見直しを進めています。


 知事就任以降におきましても、この改革を着実に推進してきておりまして、外郭団体の統廃合については、6団体を純減し、その結果、行財政構造改革着手前に57あった団体は、兵庫県住宅再建共済基金などの新設した4団体を含めても、現在では44団体、13減となっています。また、団体運営の効率化に向けた取り組みといたしまして、13年度対比で団体職員数は約380人、11%削減されております。また、県からの経常的な支出は、16年度決算ベースで約15%削減されています。このように人員や予算、給与の見直しを進めてまいりました。


 さらに、経営の透明性の向上を図るという観点で、8団体で、公認会計士等による外部監査を実施するとともに、28団体に会計指導を導入しております。あわせて財務諸表等の県民情報センターでの閲覧や団体のホームページへの掲載等、その情報公開にも取り組んできました。また、改革を継続的に促すため、春と秋の年2回、私と主要な団体の理事長との意見交換の場を設け、必要な事業の展開と見直しを要請しますとともに、団体の予算編成に当たっても、県と同様の徹底した見直しを求めています。


 指定管理者制度の本格導入も始まります中、今後とも県、外郭団体、民間の適切な役割分担のもと、もともと主として県が企画立案部門を担い、実施機能を外郭団体が担っていくという役割分担のもとに設置したという基本に立ち返りまして、その実施すべき領域と責任を明確にし、さらなる検討を加え、一層の改革に取り組んでまいります。よろしくご指導をお願い申し上げます。


 フリーター・ニート対策についてお尋ねがありました。


 フリーター・ニート対策は、まず、若者の働く意欲を醸成していくことが必要でありますし、次に、働きたいと考えたときに対応できる、希望する職種に求められる能力を身につけることが必要でありますし、さらに、一人一人の事情に応じたきめ細かな相談により、実際の就職に結びつけていくことが課題であると、このように考えています。


 まず、働く意欲を醸成する、これが一番肝要でありますが、私は、やはりみずから額に汗をする経験を通じて学ぶことが肝要ではないか、そのような意味で、トライやる・ウィークの実施とか、あるいは高校生の就業体験事業などは非常に貴重な体験になる、このように考えています。あわせて、技術士や専門家による実際の働く現場を体験してもらうことも必要です。そのような意味で「ひょうごの匠」や企業の協力によるものづくり体験も幅広く行ってまいりたい、このように考えています。これらのことを通じて、働くことの意義や大切さ、そして自分の目標を決めてもらいたい、見つけてもらいたいと考えています。


 職業能力の開発としては、既に、県経営者協会、連合兵庫等との連携のもとに、しごとカレッジシステムにより企業ニーズを把握しつつ、民間企業の協力による座学と実習を組み合わせた訓練なども実施していますが、あわせて、私は、青少年がより実践的な技能者として育っていくような体制を構築することが必要だと考えています。そのような意味で、現在検討中の「ものづくり人材大学校構想」におきまして、青少年が生産現場で感動を味わえる機会をふやし、そして、自分が民間の熟練技能者や施設などを活用させていただいて学ぶことができる、このような「ものづくり人材大学校」の整備を検討していきたい、このように考えている次第です。もとより、職業訓練校等のコースの充実も図ってまいります。


 また、就職に向けた相談事業につきましては、「若者しごと倶楽部」を充実させ、市町やNPOの協力も得て、さらに多くの若者に対して就職支援を広げつつ、若者の社会的自立のための支援を積極的に実施してまいります。「若者しごと倶楽部」が設置されていることについての周知度が足りないという指摘も受けておりますので、この周知も図ってまいりますし、あわせて、コミュニティ・ビジネス等につきましては、このような官製の職業紹介システム以外のNPOを活用したマッチング事業の方が効果的でありますので、このようなコミュニティ・ビジネスの推進についてのマッチング事業にも力を入れていきたいと考えているところでございます。


 いずれにしましても、フリーターやニートは、いざというときになって悔やんでも、悔やみ切れない対応となりますので、人生は一度、その一度を失敗しないような我々としての環境づくりを進めてまいりたい、このように考えている次第でございます。


 以上、私からの答弁とさせていただきます。


○議長(内藤道成)  藤本副知事。


  〔藤本副知事登壇〕


○副知事(藤本和弘)  私から個人情報保護法の問題についてご答弁申し上げます。


 個人情報保護法は、本年4月から施行されたところでございますが、この法律は、個人情報に配慮し、個人の権利・利益を保護することを目的といたしまして、国、地方公共団体の責務を定めるとともに、事業者の個人情報の取り扱いを定めたものでございますが、法施行後間もない、こういったことから、法の趣旨等が十分に浸透せず、過剰的な反応が一部に散見をされております。個人情報の取り扱いをめぐり、そういったことから一部混乱が生じているのも事実でございます。


 こうした中におきまして、県の業務運営におきましては、現時点では、過剰反応により事業者、個人から個人情報を収集できない、こういった支障はほとんど見受けられておりません。今後とも業務執行に当たりましては、収集、利用に当たっての適正な取り扱いを行い、法の趣旨を十分に説明するなど、県民の理解を深めてまいりたいと考えております。


 法の解釈運用につきましては、医療、金融などの分野ごとに、国の各省庁のガイドラインが示されているところでございます。事業者への保護法の理解を進め、混乱を生じないために、リーフレットの配布あるいは国との共催での説明会の開催、事業者に対する電話相談の実施等を行っているところでございますが、今後とも商工団体とも連携し、地域における研修会の開催などによりまして、法の適正運用について、より細かな対応を図り、一層の周知徹底を図ってまいりたいと考えているところでございます。


○議長(内藤道成)  吉本教育長。


  〔吉本教育長登壇〕


○教育長(吉本知之)  小中連携教育の推進についてご答弁申し上げます。


 小学生が中学校生活に不安なく希望を持って入学し、豊かな人間関係を築いていくためには、小中学校の円滑な連携の取り組みを充実することが重要でございます。このため、本県におきましては、新学習システムによる小学校への教科担任制の導入、小中学校相互の学習内容の研究や授業参観、中学校教員による小学校での交流授業の実施、小中連絡会などにおける情報交換や指導法の研究など、さまざまな取り組みを実施をしております。何らかの形でこれらの取り組みを実施をしております小中学校のいわゆる実施率でございますが、約9割が実施をいたしているところでございます。


 今後とも、これら取り組みを強化していく必要があると考えてございます。市町教育委員会を指導、支援しつつ、全校実施をめざしているオープンスクール等を活用した授業参観や学校行事での児童生徒の積極的な交流の促進、基礎学力向上フロンティア事業の一環として行います小中連携のためのカリキュラム研究の実施など、小学校の学級担任制から中学校の教科担任制へのシステムの違いに対する児童生徒の戸惑いを緩和する取り組みや、小学校教育と中学校教育のよさをお互いに理解し、認め合い、子供たちの発達や成長に応じた指導のあり方を深めていく取り組みを進めまして、小学校の児童生徒が夢や希望を持って、後の中学校生活を送ることができますよう努めてまいります。


○議長(内藤道成)  釜谷研造議員に対する答弁は終わりました。


 以上で通告に基づく発言は終わりましたので、これをもって上程議案に対する質疑並びに県の一般事務に関する質問は終局いたします。(小田 毅議員発言を求める)


 小田 毅議員。


○(小田 毅議員)  この際、動議を提出いたします。


 ただいま上程中の議案のうち、平成16年度公営企業会計決算認第1号ないし認第7号につきましては、この際、24名の委員をもって構成する決算特別委員会を設置し、これに付託の上、慎重に審議されんことを望みます。各位のご賛成をお願いいたします。(「賛成」と呼ぶ者あり。拍手)


○議長(内藤道成)  ただいま小田 毅議員より、平成16年度公営企業会計決算認第1号ないし認第7号については、24名の委員をもって構成する決算特別委員会を設置し、これに審査を付託されたい旨の動議が提出され、所定の賛成者がありましたので、動議は成立いたしました。


 よって、本動議を議題といたします。


 お諮りいたします。


 本動議のとおり決することにご異議ございませんか。


  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕


○議長(内藤道成)  ご異議ないと認めます。


 よって、動議のとおり決しました。


 続いて、ただいま設置されました決算特別委員会の委員の選任を行います。


 委員会条例第5条の規定により、議長から指名いたします。


  石 井  健一郎  議員


  森 脇  保 仁  議員


  野 間  洋 志  議員


  藤 田  孝 夫  議員


  山 本    章  議員


  矢尾田    勝  議員


  石 川  憲 幸  議員


  杉 本  ちさと  議員


  黒 田  一 美  議員


  岡 野  多 甫  議員


  浜 崎  利 澄  議員


  前 川  清 寿  議員


  永 田  秀 一  議員


  寺 本  貴 至  議員


  原    亮 介  議員


  五 島  たけし  議員


  長 田    執  議員


  羽田野    求  議員


  内匠屋  八 郎  議員


  越 智  一 雄  議員


  杉 尾  良 文  議員


  中 村 まさひろ  議員


  石 井  秀 武  議員


  大 野  由紀雄  議員


 以上24名。


 お諮りいたします。


 ただいま指名いたしました議員を決算特別委員会の委員に選任することに決してご異議ございませんか。


  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕


○議長(内藤道成)  ご異議ないと認めます。


 よって、さように決しました。


 次に、ただいま決算特別委員会に付託いたしました議案を除く他の全議案につきましては、お手元に配付いたしております議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に審査を付託いたします。


  ──────────────────





◎日程第2  請  願





○議長(内藤道成)  次は、日程第2、請願であります。


 今期定例会において受理いたしました請願2件は、それぞれ所管の常任委員会に審査を付託いたします。


  ──────────────────





○議長(内藤道成)  以上で本日の日程は終わりました。


 この際、お諮りいたします。


 明4日及び5日は委員会審査のため、本会議を休会いたしたいと思います。


 これにご異議ございませんか。


  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕


○議長(内藤道成)  ご異議ないと認めます。


 よって、さように決しました。


 次の本会議は、10月6日午前11時から再開いたします。


 本日は、これをもって散会いたします。


       午後3時42分散会