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平成17年第284回定例会(第4日 9月30日)




平成17年第284回定例会(第4日 9月30日)





平成17年 9月第284回定例会


会議録第1451号


            第284回(定例)兵庫県議会会議録(第4日)


                         平成17年9月30日(金曜日)


          ─────────────────────────


 
                               平成17年9月30日 午前10時開議


   第1 第103号議案ないし第132号議案


      報第3号


      認第1号ないし認第7号


       質疑・質問


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                 本日の会議に付した事件


   日程第1 第103号議案ないし第132号議案


        報第3号


        認第1号ないし認第7号


          ─────────────────────────


                 出  席  議  員   (92名)


   1 番  井  戸  ま さ え         47 番  山  口  信  行


   2 番  吉  本     誠         48 番  葛  西  利  延


   3 番  石  井  健 一 郎         49 番  永  田  秀  一


   4 番  小  林     護         50 番  釜  谷  研  造


   5 番  北  条  泰  嗣         51 番  門     信  雄


   6 番  いなむら  和  美         53 番  武  田  丈  蔵


   7 番  和  田  有 一 朗         54 番  寺  本  貴  至


   8 番  森  脇  保  仁         55 番  原     亮  介


   9 番  藤  本  正  昭         56 番  水  田     宏


   10 番  谷  口  隆  司         57 番  北  浦  義  久


   11 番  野  間  洋  志         58 番  内  藤  道  成


   12 番  藤  田  孝  夫         59 番  立  石  幸  雄


   13 番  長  岡  壯  壽         60 番  岩  谷  英  雄


   14 番  山  本     章         61 番  五  島  た け し


   15 番  黒  川     治         62 番  長  田     執


   16 番  丸  上     博         63 番  羽 田 野     求


   17 番  矢 尾 田     勝         64 番  内 匠 屋  八  郎


   18 番  井  上  英  之         65 番  松  田  一  成


   19 番  田  中  あきひろ         66 番  越  智  一  雄


   20 番  北  川  泰  寿         67 番  杉  尾  良  文


   21 番  石  川  憲  幸         68 番  今  西  正  行


   22 番  栗  原     一         69 番  岡     や す え


   23 番  石  堂  則  本         70 番  掛  水  す み え


   24 番  小  林  喜  文         71 番  ね り き  恵  子


   25 番  西  野  將  俊         72 番  つ づ き  研  二


   26 番  佃     助  三         73 番  中  村  まさひろ


   27 番  橘     泰  三         74 番  筒  井  も と じ


   28 番  永  富  正  彦         75 番  中  村     茂


   29 番  小  池  ひろのり         76 番  石  井  秀  武


   30 番  岸  口     実         77 番  加  藤     修


   31 番  中  田  香  子         78 番  宮  本  博  美


   32 番  杉  本  ち さ と         79 番  加  藤  康  之


   33 番  新  町  み ち よ         80 番  大  野  由 紀 雄


   34 番  宮  田  しずのり         81 番  合  田  博  一


   35 番  毛  利  り  ん         82 番  渡  部  登 志 尋


   36 番  黒  田  一  美         83 番  筒  井  信  雄


   37 番  藤  井  訓  博         84 番  松  本  隆  弘


   38 番  芝  野  照  久         85 番  梶  谷  忠  修


   39 番  岡  野  多  甫         86 番  加  茂     忍


   40 番  松  本  よしひろ         87 番  原     吉  三


   41 番  野  口     裕         88 番  藤  原  昭  一


   42 番  浜  崎  利  澄         89 番  小  田     毅


   43 番  酒  井  隆  明         90 番  加  田  裕  之


   44 番  前  川  清  寿         91 番  村  上  寿  浩


   45 番  山  本  敏  信         92 番  清  元  功  章


   46 番  石  原  修  三         93 番  鷲  尾  弘  志


          ―――――――――――――――――――――――――


                 欠  席  議  員   (なし)


          ―――――――――――――――――――――――――


                 欠        員   (1名)


          ―――――――――――――――――――――――――


                 事務局出席職員職氏名


 局長       稲  田  浩  之      議事課主幹 田  中  宏  忠


 次長       谷  口  勝  一      議事課長補佐兼議事係長


 議事課長     伊 地 智  基  幸            濱  田  直  義


          ―――――――――――――――――――――――――


               説明のため出席した者の職氏名


 知事                           井 戸  敏 三


 副知事                          藤 本  和 弘


 副知事                          齋 藤  富 雄


 出納長                          五百蔵  俊 彦


 公営企業管理者                      江 木  耕 一


 病院事業管理者                      後 藤    武


 防災監                          東 田  雅 俊


 理事                           大 平  一 典


 理事                           清 原  桂 子


 理事                           井 筒  紳一郎


 県民政策部長                       辻 井    博


 企画管理部長                       荒 川    敦


 健康生活部長                       下 野  昌 宏


 産業労働部長                       黒 岩    理


 農林水産部長                       黒 田    進


 県土整備部長                       原 口  和 夫


 まちづくり復興担当部長                  佐々木  晶 二


 のじぎく国体局長                     井 上  数 利


 企画管理部企画調整局長                  高 井  芳 朗


 財政課長                         竹 本  明 正


 財政課主幹                        西 上  三 鶴


 選挙管理委員会委員長                   柏 木    保


 教育委員会委員                      速 水  順一郎


 教育長                          吉 本  知 之


 公安委員会委員                      清 水  良 次


 警察本部長                        巽    高 英


 警察本部総務部長                     嶋 田  詩 郎


 人事委員会委員長                     馬 場  英 司


 監査委員                         久 保  敏 彦


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       午前10時0分開議





○議長(内藤道成)  ただいまから本日の会議を開きます。


 直ちに日程に入ります。


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◎日程第1  第103号議案ないし第132号議案


       報第3号


       認第1号ないし認第7号





○議長(内藤道成)  日程第1、第103号議案ないし第132号議案、報第3号、認第1号ないし認第7号を一括議題とし、質疑並びに県の一般事務に関する質問を続行いたします。


 発言は、通告に基づき、順次議長より指名いたします。


 まず、松本隆弘議員。(拍手)


  〔松本隆弘議員登壇〕


○(松本隆弘議員)  おはようございます。


 「時のまち」明石市選出の松本でございます。井戸知事の、「兵庫の元気はあすを担う青少年やふるさとに生きる人々の元気、そして、さまざまな産業活動や地域社会の元気がなければ生まれない」の言葉に私も同じ思いがあります。


 皆さんおめでとうございます。知事おめでとうございます。阪神タイガースが昨日、2年ぶりに優勝を果たしました。知事には、私に入っているんですが、大変なこの優勝を果たしたことに対して、パレード等には少し消極的だというようなこともお聞きをしているところであるんですけれども、私にとっては、本当に今回、知事もまた、私も皆さんも、あるいは兵庫にとっても元気をいただけたんではないかと、そういうふうに思っているところであります。


 兵庫の元気とは、阪神タイガース発「兵庫の元気」であったり、子供発「兵庫の元気」であったり、あるいは企業発「兵庫の元気」であったり、あるいは明石発、松本発、そういった元気の集合体があってこそ初めて兵庫の元気が構築をできるものだと、私はそう思っております。ぜひ井戸知事発、兵庫の元気を期待をしながら5項目7点について質問をしてまいりたいと思います。


 質問の第1は、食料自給率に対する意識の向上に向けた取り組みについてであります。


 食料自給率は、国内の食料消費について国産でどの程度蓄えているかを示す重要な指標であり、特に不測の事態になったときには海外からの食料輸入が急減するおそれがあることから、食料・農業・農村基本法第2条には、国民への安定的な食料供給を確保していくことを国の基本的な責務として打ち出しているところであります。そのような中で、県としても生産者、消費者を問わず、食料自給率に対する意識を高めていく大きな役割があるはずであります。そのためには、食育、地産地消がとりわけ重要であると考えております。


 また、これらの取り組みを行うことによって、地元をよく知り、誇りに思い、地元を愛する心を培うことにも結びついていくと考えます。そういった観点から2点お尋ねしたいと思います。


 まず、1点目は、農林水産体験を通じた食育の推進についてであります。


 今はスーパーで何でも手に入りやすくなっています。また、便利さに負けてファーストフードや調理済みのコンビニ食に代表されるように食の大切さの認識が失われております。また、食の西欧化に伴って、ご飯とみそ汁に代表される日本の伝統食が疎んじられております。このような中、本年の6月に2年がかりで議論された食育基本法が成立をいたしました。


 私は、食育を法律で規定しなければならなくなってしまった我が国の今の食生活の変化に大きな憂いを覚えておりますけれども、国民に食生活のあり方を認識していただき、乱れがちになっている食習慣を改善する起爆剤としての効果に期待をするところであります。食習慣悪化の根底にある都市への人口集中や夜型生活の一般化といった問題に対する処方せんや、出店ラッシュが続く大手コンビニやファミリーレストランなど、産業経済的な対策が必要でありますが、各省庁が一丸となった取り組みを見守っていきたいと思っております。


 特に、子供たちに対する食育は、その後の心身の成長や人格の形成に大きな影響を及ぼす時期であることから、生涯にわたって健全な心と身体を培い、豊かな人間性をはぐくむための基礎となるものであります。その推進に当たっては、みずから適切に食品を選択できる判断力を培うための地域における食生活改善活動や食べ物が生産される姿を知るための農業体験や料理教室など、地域、学校、家庭などさまざまな場所において進めるべきものであると思っております。


 その中で、農林水産業は、命の源である食べ物や自分を取り巻いている環境と密接に関連するものであり、子供や保護者が農林水産業の体験をすることにより、みずからの食とそれを生産する農についての関心を深めることが重要です。そのことが県民一人一人が食について改めて意識を高め、自然の恩恵や食にかかわる人々への感謝の念や理解を深めることにつながるものであると考えております。


 このようなことから、本県では、日本の食文化として大切に受け継ぐべきご飯食について、小中学校の米飯給食の回数拡大に向けた取り組みや、さまざまな体験学習の機会創出など、幼児、保護者や小中学生への学習指導の仕組みづくりの取り組みをしておられますが、これまでの取り組みについての成果をどのような評価をしておられるのか、あわせて今後の食育の推進に向けた農林水産体験の一層の推進に向けて、どのように取り組んでいかれるのかをお伺いをいたします。


 第2点目は、地産地消の推進についてであります。


 消費者と生産者との距離を短縮する地産地消への期待が高まって幾久しくなっております。本年3月に閣議決定された食料・農業・農村基本計画におきましても、地産地消は食料自給率の向上に向け重点的に取り組むべき事項として、その全国展開を積極的に推進することとしております。輸送コストや鮮度の面、また、地場農産物としてアピールする商品力や子供が農業や農産物に親近感を感じる教育力、さらには物質循環の面からは、産地からの距離は近ければ近いほど有利であることは論をまたないところであり、いわば食の原点ともいうべき取り組みではないかと考えております。地産地消を一層強力に推進していただきたいと考えているところであります。


 このような中、女性の方々による地域の食材を使った特産品の開発や朝市や産直施設での直売の試みなど、本県でもかなり根づいてきた取り組みもうかがえるわけであります。


 このように真摯に取り組んでおられる現場の方々の熱意は貴重でありますが、県の農林水産施設の重要課題として、本当に地産地消を展開しようとすれば、まずは行政関係の病院、学校、公の施設などの食材に地元の食材を多く取り入れる方策を構築することが求められます。


 また、行政と農協が流通の仕組みを変えていく勇気を持たなければ何も始まらないと思うわけであります。例えば、おじいちゃんやおばあちゃんが庭先の畑でつくっている野菜を毎日農協が軽トラックで集荷して、近隣の都市部などの消費地に系統的に流通させるといった取り組みが必要であると考えます。さらには、但馬の農産物を阪神間の消費者がごく普通に手に入れることができるような、安定的な県産農産物の県域流通システムを構築する必要があるのではないかと考えるところであります。


 そこで、本県では、これまで地産地消の取り組みを行ってきた中において、その成果や課題についてどのように認識しておられるのか、また、その認識に基づいて農林水産ビジョンの見直しの中で、どのような取り組みを重点的に行おうとしておられるのか、お伺いをいたします。


 質問の第2項は、地域経済対策についてであります。


 産業再生機構の支援を受け、経営再建中のダイエーは、昨日、15店舗を新たに閉鎖をすると発表いたしました。これで県内でも6店舗の閉鎖が正式決定をいたしました。ちょうど1ヵ月前の8月31日、明石地域の商業にとって核店舗の役割を果たしてきたダイエー明石店も閉鎖をされ、約39年の歴史に幕を閉じました。大型小売店は、それぞれの地域において、雇用などの面に加え、品ぞろえの豊富さなど、消費者の嗜好、利益などの面でも大きな役割を果たしてきたところでありますけれども、ただ、地方の議論といたしましては、地域の商店街との関係も無視することはできないと思っております。


 そういった点で2点質問をしたいと思います。


 1点目は、大型小売店舗閉鎖に伴う街のにぎわいづくりについてであります。


 各地域の中心市街地に立地して歴史のある大型小売店舗が閉鎖することは、いわば地域の顔がなくなって、街の灯が消えたのと同じことになります。また、空き店舗となったままの状態が長く続けば、無用の長物となった建物が残るだけであり、地域の経済活動や、街のにぎわいにも大きな影響が出てまいります。空き店舗の早急な活用が望まれます。


 県当局は、平成14年9月にも、そごう等の撤退の影響を考慮し、大型空き店舗活用対策事業や大型空き店舗貸付など、3事業を創設され、施策を展開しておられます。今回も緊急に措置すべき事業として、早速、地元の元気を創出するための大型空き店舗対策の推進として、これら3事業の要件緩和に加えて、緊急商店街等共同施設リニューアル事業を創設され、既定経費の流用により5,200万円を計上されました。迅速に手を打っていただいたことに対して敬意を表しますとともに、その成果については大いに期待をしたいと思っております。


 そこで、これまでとってこられた大型空き店舗対策について、どのように評価され、今回の要件緩和等の措置をとられたのかお伺いをするとともに、今回の措置により県内の大型空き店舗への出店について、どのような見通しを持っておられるのか、お伺いをいたします。


 次に、2点目であります大型店と商店街との共存についてであります。


 地方都市の駅前など、中心市街地に目立つシャッター通りには、空き店舗などの対策がそれぞれに講じられているものの、一向に改善されているとは感じません。政府は、平成10年、疲弊する地域経済の立て直しの切り札として、中心市街地活性化法を制定いたしました。大規模小売店舗立地法や改正都市計画法とあわせ、「まちづくり3法」と呼ばれ、商業の活性化や市街地の整備、国の窓口の一元化をめざしたものであります。同法に基づき、各自治体が中心市街地のまちづくり方策をまとめた基本計画づくりも619市町村に達しており、兵庫県内でも神戸市や洲本市、宝塚市など21の市町が策定をしております。


 しかしながら、「まちづくり3法」については、大規模な農地転用や無秩序な郊外開発の規制ができないなど、予期せぬ問題が発生している現状も指摘をされております。「まちづくり3法」の理念は評価されるものの、現実には機能しないものとなっているのではないかと思います。


 日本でも、個人商店への配慮から大型店の出店や営業は規制をされてきました。しかし、60年代初頭に登場したスーパーに続いてコンビニやホームセンター、ドラッグストア、紳士服や家電などの専門量販店と、さまざまなタイプのチェーン小売業が次々に登場し、勢力を広げていった結果、個人商店や商店街はさらに圧迫され、80年代以降減少を続けております。さらに、大型店の出店、営業を規制していた大店法が平成2年に緩和されてからは、ダイエー、ジャスコなどの総合量販店を初め、大型店の開設が急速に進んでまいりました。その結果、個人商店や商店街の衰退に拍車がかかっただけでなく、攻めていたはずの大型店同士、チェーン店同士の競争も極端に過熱し、大手企業でもマイカル、長崎屋、そごうなどは事業を維持できなくなってしまいました。


 結局のところ、小売市場や商店街は衰退を続け、大手企業も体力を消耗してしまったのであります。商業面での健全な地域経済とは、大型小売店舗と各地域の商店街とが共存共栄をすることではないかと私は思っております。


 このような現状に目を向けると広域調整の仕組みが必要と考えますが、大規模小売店舗と各地域の商店街との共存共栄について広域調整を行う立場にある県当局は、これまでの取り組みの評価を踏まえ、どのように施策展開しようとしておられるのか、お伺いをいたします。


 質問の第3は、国民健康保険調整交付金を活用した健康づくり支援事業についてであります。


 今定例会において、議案第106号として、国民健康保険調整交付金の交付に関する条例案が提案をされております。これは、昨年度の三位一体改革の一環として、国庫負担割合と保険料負担割合を均等とする考え方を維持しつつ、市町村の国保財政安定化のため、都道府県の役割・権限の強化を図るため、国庫負担割合を見直し、新たに都道府県調整交付金が導入されたことに伴い条例提案されたものであります。


 条例案第3条第3項には、市町が行う住民の健康の増進を図る事業等々の取り組みを評価して、本交付金のうちの特別調整交付金が市町に対して交付されることが規定されております。


 一方、さきの通常国会で成立した介護保険法改正法においては、予防重視型システムへの転換が主な内容となっており、来年の4月1日から軽度者を対象とする新予防給付と要支援・要介護になるおそれのある高齢者等を対象とした地域支援事業が創設されます。これを受け、各市町においては高齢者を対象とする地域支援事業として、運動器の機能向上、栄養改善、口腔機能の向上などの介護予防事業を積極的に展開することとなっております。これに加え、特別調整交付金を活用した住民の健康の増進を図る事業が市町で促進されることは、健康ひょうごを一層推進するインセンティブにもなるのではないかと大いに期待をいたしております。


 特別調整交付金による対象事業は、都道府県の政策判断によって、自主的かつ主体的に決定することができるわけでありますけれども、本県において住民の健康の増進を図る事業を対象とした基本的な考え方、また対象事業の内容についてお伺いをします。


 また、これらの事業の成果を上げるためには、県と市町とが十分に連携を図り、市町が推進していくことが必要であります。そこで、市町との連携方策についてもあわせてお伺いをいたします。


 質問の第4は、瀬戸内海の自然環境の再生についてであります。


 昭和46年に瀬戸内海の環境保全を目的として、瀬戸内海の環境保全知事・市長会議が発足いたしました。その取り組みの中で昭和48年に成立した瀬戸内海環境保全臨時措置法による工場排水規制の成果として、瀬戸内海の水質は随分改善されてきたところでありますが、これは規制が中心となった取り組みでありました。今月に本県で行われた同会議では、規制を中心とした環境の保全だけではなく、より積極的な自然の再生・創造に取り組みの重点を置くため、国に新たな法整備を求める決議を採択をいたしました。


 今後とも、瀬戸内海全体を視野に置いた取り組みとして進めていっていただくことを期待しているところでありますけれども、私にとりましても、万葉の歌にも詠まれた地元の海を初め、須磨から赤穂にかけての海を豊穣の海として、一刻も早く再生をしていただきたいと思っております。


 本県では、これまで生活の向上や防災に視点を置いた臨海部の整備を進めてまいりました。その結果、自然の砂浜が減少して、海の持つ自然の浄化作用が衰えることになり、また、高度経済成長期に河川等からの汚濁負荷の流入による海域の富栄養化の影響を受け、これらの海底が汚れたまま改善されなくなったために、魚や貝がとれなくなってしまったとも思われます。


 先般、私は「森は海の恋人」の運動に取り組んでいる宮城県に調査に行ってまいりました。松島港では、国土交通省の補助事業を活用して水質・底質を改善し、魚やアサリが戻った豊穣の海として見事によみがえった海を見ることができました。また、愛知県の三河湾も同様の事業メニューにより、干潟や浅場の造成、覆砂、汚泥しゅんせつを行うことにより、水質・底質の改善を図るとともに、人々の憩いの場となるような美しい水辺を整備しているようであります。


 一方、本県での東播磨地区では、本年度、ウチムラサキの放流試験が予定されており、この取り組みを継続的に行っていただきたいと思っておりますが、これだけでは抜本的な解決にはなり得ないと思っております。肝心なのは海底の泥であり、底質を改善しない限り海の生態系は回復しないと考えております。そのためには、魚や貝の生態の実情を十分に把握をしている本県の水産試験研究機関での漁場環境の調査や、資源管理の技術開発などの調査・研究も十分に行うことが必要であります。


 そこで、これらの調査・研究とともに、松島港、三河湾での事例も踏まえ、須磨から赤穂にかけての海が自然の生態系を取り戻せるような取り組みを求めるものであります。当局のご所見をお伺いいたします。


 最後の質問であります総合選抜制度の見直しについてであります。


 現在、本県の全日制高等学校普通科は16の学区に分かれており、そのうち明石、尼崎、西宮、宝塚、伊丹の五つの学区において総合選抜が実施をされております。総合選抜は県下では、昭和28年から導入され、明石学区では、全国にも例のない学力均等配分方式として昭和50年度から導入されてきました。


 しかし、全国的にも高等学校の特色化が進められている中で、総合選抜制度は受検生の学校選択を制限する制度であることが大きな問題となっております。こういったことから全国的にも総合選抜制度の廃止が相次ぎ、現在は本県を含む3府県で実施されているにすぎず、もはや時代に合わない制度であると考えております。


 本県では、複数志願選抜と特色選抜から成る新しい選抜制度を平成15年度から神戸第三学区に、17年度からは姫路・福崎学区に導入し、成果も上げていると聞いております。また、明石学区を初めとした総合選抜の学区においても、学区内の学校の個性化、多様化の進捗状況や地域の意見を参考にしながら、順次導入することを検討するとの方針を示しております。


 私の地元である明石市においても、15年10月に明石市総合選抜制度検討委員会を設置し、8回の審議を経て、ことしの3月に答申が出されており、この答申の中には、明石学区において、総合選抜のよさを生かしながら、公立高校の複数選択を可能とする制度を実施することが盛り込まれております。その後、明石市教育委員会は中学校区ごとに答申の内容の説明会を実施し、9月8日には総合選抜の見直しを県教育委員会に要請する方針を決めております。


 また、尼崎市においても、20年度から複数志願選抜、特色選抜を内容とした新たな選抜制度に改編することなどを内容とした実施計画素案が既に策定されているほか、西宮市においても、ことし3月の西宮市議会で西宮市教育長が「複数志願選抜をも視野に入れて、今後、県と協議しながら、選抜制度のありようについて検討したい」と答弁されたと聞いております。


 こういった中にあって、我々自由民主党議員団は、9月14日に行った平成18年度当初予算編成に対する重要政策提言の中で、知事に対して、生徒の自己決定・自己責任が求められる今日において、個に応じた教育に対する社会的要請が強まっていることからも、もはや適切な制度とは認めがたい総合選抜制度を廃止し、新しい選抜制度を早急に導入することを申し入れたところであります。


 これらの状況も踏まえ、明石学区を初めとした県下の総合選抜制度を早急に順次廃止をし、新しい選抜制度へ移行することを強く望みたいと思います。県教育委員会のご所見をお伺いをいたします。


 明石発「兵庫の元気」の思いで質問をいたしました。


 ご清聴ありがとうございました。(拍手)


○議長(内藤道成)  井戸知事。


  〔井戸知事登壇〕


○知事(井戸敏三)  自由民主党議員団の松本隆弘議員のご質問にお答えいたします。


 まず、阪神タイガースの優勝は、震災10年を経て、元気な兵庫づくりをめざす兵庫を後押ししてくれる象徴とも言え、大変うれしく思っています。パレードの実施については警備等の費用が非常に大きくかかりますので、関係者が負担できる枠組みがつくり得るかどうかにかかっていると認識しています。いずれにしても、優勝にふさわしい祝意を表すべく関係者でよく相談をしていきたい、このように考えておりますので、ご理解いただきたいと存じます。


 さて、食料自給率に対する意識の向上に向けた取り組みについてです。


 食育についてのお尋ねがございました。これまで農林水産体験を通じた食育への取り組みとしましては、小学校や楽農生活センターでの稲作体験や植樹や枝打ちなどの森林整備体験、あるいは魚の生態を学習する水産教室などに取り組んできておりますし、米飯給食を推進して、ご飯を中心とする日本型食生活を実践してきています。平成16年度でも、これらの農林水産体験に約2万7,000人が参加されています。米飯給食も県下11市町で回数が増加してきております。子供たちや保護者からは、農林水産業や食への関心が高まったという声を聞いております。


 しかしながら、これらの取り組みは、それぞれがばらばらで個々に取り組んでいる状況にありますので、本年度から子供たちが農村漁村に宿泊して、地域の人々との交流や農林水産を組み合わせた多様な体験学習を行うことが必要だということで、こども自然体験ファームを初めとするひょうご「学びの農」推進作戦を展開しているところです。今後は、こうした取り組みをより多くの子供たちに提供するため、体験指導者の育成など、受け入れ側の体制強化を図りますとともに、受け入れ側と体験側のマッチングを進めていくなど、体験学習機会の充実を図ることとして、農林水産体験を通じた食育の推進にも努めてまいります。


 地産地消の推進についてであります。


 地域の消費者ニーズに即応した農産物の生産と、これを地域で消費しようとする地産地消は、地域農業を活性化し、消費者に地域の新鮮な農産物を提供するという意味で非常に大きな意義を持っています。これまで、地産地消の意識啓発や地域農産物の供給促進に取り組んできておりますが、平成16年度末では、県下366ヵ所で農産物の直販所が設置されていますし、学校給食を実施している58市町のすべてにおきまして、あるいは県立病院におきまして、食材に県内産農林水産物が使用されるなど、着実にその取り組みが進んできています。


 ことしに入りましても、直売所の品目拡大のための生産施設への支援を新たに行っておりますが、今後は、「県内産食品100%の日」の設定など、学校給食における県内産農林水産物の使用量などを増加させてまいりましたり、都市部における直売所の設置への支援を強化してまいりましたり、農作業体験や地元産品を使った料理講習会を開催するなど、生産者と消費者の関係をより深める取り組みを進めてまいります。こうした地産地消の取り組みを進めるとともに、さらに消費地と生産地が近接しているという本県の優位性を最大限に生かし、ひょうご認証食品の拡大や卸売市場相互の連携によりまして、県内産農林水産物の生産や流通、そして消費の拡大に努めてまいります。


 続いて、地域経済対策のうち、大型小売店舗閉鎖に伴う街のにぎわいづくりについてです。


 大型小売店の閉鎖に伴い、近隣商店街への来訪者が減少するなど、街のにぎわいに大きな影響が懸念されますので、後継店舗の出店をできるだけ早く促す、このことが必要でございます。これまで3ヵ所の後継店舗に対して6ヵ月間の家賃助成を行うなど努めてきておりますが、あわせて近隣商店街等が行う集客イベントについても支援をしております。これらのことにより、地元では商業集積全体の集客力が回復するとともに、まちづくりや販売促進活動の共同事業への積極的な機運が高まるなど、地域商業の活性化に寄与しているものと考えます。


 一方、今回閉鎖決定したダイエーの空き店舗につきましては、建物の老朽化に加えて形状も複雑でありますし、大規模な後継店舗の出店が期待できないというところも含んでおりますので、今般、後継施設の対象面積を2,000平米から1,000平米以上に引き下げるとともに、小売店舗だけではなく、中心市街地の活性化に寄与する診療所やカルチャーセンターなど幅広い施設も対象に加えまして、跡利用の促進を図ろうとしたところでございます。


 今回の措置により、大型空き店舗への後継施設の入居がより円滑に進み、これがひいては、街のにぎわいの維持、創出につながるものと考えて期待しているところでございます。


 瀬戸内海の自然環境の再生についてです。


 瀬戸内海の環境については、瀬戸内海環境保全特別措置法による工場等の排水規制によりまして、水質は改善が大幅になされてきております。一方で、魚や貝が生育する藻場や干潟などが減少しておりまして、汚泥物質の堆積等による底質の悪化もご指摘のように見られます。現在、水質・底質の改善を図るため、浅場の造成や直立した護岸への海草や貝が生育できる棚の設置、あるいは微生物を活用した水質浄化等の実証実験に取り組んでいるところです。


 ご指摘の須磨から赤穂にかけては、漁場の環境調査や増殖場、漁場の造成のほか、新たな砂浜の再生や創出に取り組んでおります。東播海岸でのウミガメの産卵などの成果も見られているところです。


 ご指摘のように、さらに他府県の先進事例も参考にしながら、生物多様性の確保と水産資源の回復をめざす取り組みを今後とも進めてまいります。


 それにしても、瀬戸内海の再生については、従来の保全一辺倒から豊穣の海と言われた瀬戸内海を回復する必要があります。この9月16日に開催された瀬戸内海環境保全知事・市長会議の総会におきましても、豊かな海の回復をめざして藻場・干潟の再生や魚礁の造成による水産資源の回復、美しい海をめざして緑化や不法投棄防止による美しい自然の再生や海浜へのパブリックアクセス、あるいは環境学習等、自然と親しむ機会の提供などを進めるために、瀬戸内海の再生を推進する法律の制定について決議し、国に要望したところです。


 今後、漁業団体や環境団体などとの協力と連携のもとに、法制定をめざして進めていくこととしておりますので、よろしくご支援のほどお願い申し上げる次第であります。


 私から以上、答弁とさせていただきます。


○議長(内藤道成)  下野健康生活部長。


  〔下野健康生活部長登壇〕


○健康生活部長(下野昌宏)  私からは、国民健康保険調整交付金を活用した健康づくり支援事業についてのお尋ねにお答えをさせていただきます。


 本県におきましては、これまで生活習慣の見直しを通じた健康増進と疾病予防をめざす健康ひょうご21大作戦やひょうご対がん戦略に基づき、市町と連携しながら健康寿命の延伸をめざす健康事業に取り組んできましたけれども、特に今年度からは個々人の健康状態に応じ、健康づくりの実践活動を支援し、健康増進プログラムを提供する県民健康プランを推進をいたしております。


 来年度からは、介護予防事業の導入が実施される予定でありまして、国におきましては、一方で生活習慣病対策として、健診・保健指導事業の重点化の検討が行われる予定となっております。このような時期に三位一体改革の一環として、国民健康保険の都道府県調整交付金が創設されたところでありまして、本県におきましては、特別調整交付金については、市町が実施します保険料の収納率向上対策、災害時の保険料の減免等にあわせまして、介護予防など住民の健康の増進を図る事業の取り組みを勘案し、交付することといたしております。


 交付の対象は、すべての市町が実施します住民健診と健康増進プログラムを組み合わせた県民健康プランのほかにも、市町独自の継続的な健康づくり事業についても対象とすることを検討したいと考えています。


 県としましては、これまでの支援に加えて特別調整交付金を活用し、市町との連携を一層強化し、県民の健康づくり事業の推進に努めてまいりたいというふうに考えております。


○議長(内藤道成)  佐々木まちづくり復興担当部長。


  〔佐々木まちづくり復興担当部長登壇〕


○まちづくり復興担当部長(佐々木晶二)  私からは、大型店と商店街の共存についてお答えをいたします。


 近年、工場跡地等に無秩序に大型店が出店することが中心市街地の衰退の一つの要因になっているのではないかと指摘されているところでありまして、大型店と商店街の共存共栄が、ご指摘のとおり、まちづくりの課題となっております。県としては、広域的な観点から阪神間及び東中播地域におきまして、大型店の立地誘導と抑制の方針などを内容とする広域土地利用プログラムを策定中でございまして、今後この土地利用プログラムを具体の都市計画に位置づけてまいりたいと考えております。


 また、大規模集客施設の立地に係る都市機能の調和に関する条例を今10月1日に施行し、構想段階から大型店出店者と協議し、都市計画マスタープランに基づき商店街等商業機能との調和を図ってまいりたいと考えております。


 さらに助成面では、まちづくり支援事業により、アドバイザー等の専門家の派遣を行うとともに、空き店舗活用やイベント開催に対する助成、共同施設への支援など、幅広く商店街等の活性化の取り組みを支援しているところであります。


 今後とも、まちづくりと商業振興の両面から広域土地利用プログラムによる大型店を中心市街地に誘導するとともに、地元商店街の共存共栄についても総合的に支援をしてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。


○議長(内藤道成)  吉本教育長。


  〔吉本教育長登壇〕


○教育長(吉本知之)  総合選抜制度の見直しについてご答弁申し上げます。


 社会が成熟化し価値観が多様化する中で、学校選択も進路希望や目的意識に応じて、学びたい学校を生徒みずからが主体的に選択できる選抜制度が求められております。このため、各学区の個性化、特色化を進めながら、複数志願選抜と特色選抜から成る新しい選抜制度の導入を平成15年度から進めてきたところでございます。新しい選抜制度を導入した学区におきまして、入学者や保護者から毎年度アンケート調査を実施をしておりますが、制度の定着に伴いまして、新制度に対します満足度も年々向上しております。このような評価の結果につきまして県民の方々に広く広報いたしまして、新しい選抜制度の理解を深める取り組みを進めているところでございます。


 現在、総合選抜制度を採用している市におきましては、市教委から県の新しい選抜制度についての説明が求められますなど、そのあり方の検討を進める機運と市民の方々の関心が高まっておりまして、総合選抜を見直す雰囲気が醸成されつつあると認識をいたしております。


 また、制度の円滑な導入には、高校を受検する受検生、あるいは保護者の方々に対しまして、きめの細かな進路指導、相談を行うことが重要でございます。県教育委員会といたしましては、総合選抜の見直しについて関係市から具体の要請があれば、関係市教委とも連携をしながら、新しい選抜制度の導入を検討してまいります。


○議長(内藤道成)  松本隆弘議員に対する答弁は終わりました。


 次に、中田香子議員。(拍手)


  〔中田香子議員登壇〕


○(中田香子議員)  伊丹選出の中田香子でございます。


 時間に限りもございますので、直ちに質問に入ります。


 質問の第1は、NPOの運営支援についてであります。


 特定非営利活動促進法――NPO法が施行され、ことしで7年目を迎えます。法律制定時の予想を超えるほどNPOの活動は活発化し、非営利組織という概念が社会に定着した感さえあります。内閣府によりますと、現在、認証団体は全国で2万3,186で、今なお増加傾向にあります。


 NPO法は、市民活動団体に法人格を容易に取得させ、社会的な信用を得て活動しやすくする法律ですが、一昨年5月の法律の一部改正で、経済、情報、雇用、科学、消費者保護など、産業経済関連を中心にした5分野が追加され17分野に拡大されました。これにより従来の福祉、人権擁護に取り組むボランティア団体的なイメージから多様な活動へと広がり、地方自治体と連携したまちづくり、産学連携の研究、雇用創出への事業展開など、新しい形のNPOが誕生しています。


 県内においても、現在で806のNPOが特定非営利活動法人として認証されており、さまざまな活動をしていますが、いずれも運営は大変厳しい状況にあります。福祉、子育て、環境など、地域においてNPOと行政が協働して解決に向け取り組まなければならない課題も多く残されており、地域づくりの新たな担い手として、その存在感はますます増しています。


 また、官から民への流れにおいて、地方自治体の施設の管理運営を民間事業者にゆだねることができる指定管理者制度への全面施行まで残り1年を切るところとなっている状況の中、その一翼を担うこととなるNPOの果たすべき役割は今後さらに高まっていくものと思います。


 しかし、一方では、当然のことながらNPOもサービスの質という面で市場の評価にさらされることになります。このような状況の中、地域に密着した公益を重視するセクターとしてのNPOの機能が十分発揮できるよう、NPOの財政基盤を確立し、質の高いサービスが持続的に提供できる仕組みづくりが必要であり、どのようにNPOを支援し、育成していくかが重要な課題であります。NPOの財政支援のためのボランタリー基金事業の充実などや、IT企業等の新産業分野の企業家とのパートナーシップの形成など、企業とNPOの協働、NPOを支援する優遇税制の活用なども必要ではないでしょうか。


 そこで、NPOの運営支援について、県としてどのような取り組みを進めようとされているのかをお伺いします。


 質問の第2は、地方からの少子化対策の取り組みについてであります。


 我が国は、予想を上回るペースで人口減少に向かって進んでいます。ことし上半期の出生数は死亡数を下回り、人口は3万人余り減っていました。一人の女性が一生のうちに産む平均の子供の数も減っていることを考えれば、人口減少時代の到来は目前に迫っていると言えます。人口減少は、年金を初めとする社会保障制度や経済活動など、社会にひずみをもたらす根源的な問題です。そういった意味からも少子化対策は待ったなしです。子供を持つ持たないは、あくまで個人の問題ですが、少なくとも産みたいと願う人が希望を持って産めるような社会にしなければなりませんし、子供たちに明るい未来を約束できるような施策を国だけでなく、地方においても積極的に議論していく必要があると考えております。


 少子化の抱える課題は、地域差や世代差があります。都市部では、女性が働き続けられる環境の整備が必要です。また一方、郡部では、こうのとりの会に象徴されるように、出会いの場づくりなど結婚対策などがまず直面する課題でもあります。さらには若者の就労支援、正社員とパートの賃金格差、家事などの無償労働の男女の協力、小児医療・救急、児童手当や乳児医療費制度など、福祉、教育、雇用、医療などさまざまな分野にわたっています。特に待機児童の解消にもつながる幼稚園と保育所の一元化など、法に基づく縦割り行政の壁を乗り越えて総合的に取り組まなければ十分な効果が期待できないのではないでしょうか。


 なかなか進まない地方分権を推進していく上の一つの方策として、少子化についても地域の実情を一番よくわかっている地方自治体が地域の特性に応じた取り組みを地域主導で進め、全国展開につなげていくべきと考えます。そういった意味でも全国に先駆けて少子局を設置されたことは大いに意義のあるものと思います。


 多様化している少子化の課題を分析し、分析結果に基づく地域特性を踏まえ、具体的な施策を進めていくべきであり、そのためには、法に縛られた縦割り行政の壁を乗り越えて総合的に取り組んでいただき、少子局を立ち上げられた成果を国の施策展開につなげていく意欲を持って進めていただきたいと思っておりますが、知事の決意をお伺いします。


 質問の第3は、アスベスト対策と地域特性を踏まえた疾病予防対策についてであります。


 去る6月末、大手機械メーカー、クボタの旧神崎工場などで働いていた従業員らが、悪性中皮腫などアスベストが原因と見られる疾患で亡くなっていることが判明し、大きな社会問題に発展しています。この情報が公開されて初めて地元の尼崎市は、人口動態統計調査の死因別データによる健康被害調査を実施しました。この際においても、国から目的外使用の許可を得るための手続が必要であったために、早期の実態把握に支障を来すこととなりました。一方、地元の医療機関では、早くから肺がんの患者が異常に多いなどの異変に気づいていたとも聞いております。


 健康被害が広がってから実態調査を行うのでは取り返しがつきません。アスベストに関しては、その実態の究明などが課題となりますが、中皮腫などは発症までに長い年月を要することから、過去にどんな工場があったかを住民に情報開示するとともに、居住者の状況などを国に対して情報提供することも必要です。地域の実態を明らかにし健康被害のさらなる拡大を防ぐとともに、健康被害補償等に向け万全の対策を講じていただきたいと思います。また、労働衛生、学校保健、地域保健、医療などの各分野の機関が縦割りで取り組むのではなく、各機関のネットワークの形成によるきめ細かな相談活動をどこかが核となって実施し、地域連携を密にしていくべきです。そういった意味で現地解決機能を担う県の前線基地としての県民局の役割は重要と考えます。


 また、先般、厚生労働省がまとめた2000年のがん全体の死亡率によりますと、兵庫県は1980年以降、男女とも全国平均以上という状況が続いており、男性が全国で7番目、女性は5番目の多さとなっております。しかも、男女とも共通して肝臓がんによる死亡率が高いとの新聞報道がありました。これは少なくとも数十年前から続く傾向であり、兵庫県は他の都道府県に比べてC型肝炎ウィルスの患者が多いと考えられ、これが影響しているのは間違いないと推測するとの意見も報道されていました。このような地域特性が明らかになれば、的を絞った具体的な対策を講じることができ、大きな効果も期待できると思います。


 今回のアスベストによる健康被害の教訓を踏まえ、環境汚染などの視点も含め、地域で実施した健康診断結果や定期的に実施される疾病統計や死因別統計などのデータを日ごろから活用、分析し、また地域の医療機関との連携強化、積極的な情報交換により地域の実態を把握するとともに、その特性を踏まえた疾病予防対策に取り組むべきと考えます。


 以上のことを踏まえ、地域の実態把握による健康被害補償や各機関のネットワーク形成による相談体制の構築などのアスベスト対策並びに地域特性を踏まえた疾病予防対策についてご所見を伺います。


 質問の第4は、株式会社等の農業参入についてです。


 遊休農地がふえ続けており、国内の全農地の7%に当たる34万ヘクタールに達しています。これ以上ふえれば農業の急激な衰退を招くこととなり、私たちの生活に大きな影響を及ぼすことが懸念されています。また一方では、農業の担い手が不足しております。農地法では、農地はその耕作者みずからが所有することを基本としていますが、現実には農家の働き手の高齢化や田畑を相続した後継者の都市部への移住などで耕作されないケースが続出しています。雑草が生えたり、ごみが不法投棄されるなど、遊休農地は近隣農家にとっても迷惑な存在になります。


 このような状況を踏まえ、改正農業経営基盤強化促進法などの施行により、これまでの構造改革特区に限って認められていた農地のリース方式による株式会社等の特定法人の農業参入が9月1日から全国的に展開されることになりました。これにより、市町は農業経営基盤の強化の促進に関する基本構想に遊休農地を中心にした参入区域を設定でき、都道府県知事の同意を受けて農地版の定期借地権により、遊休農地をリースできるようになりました。農林水産省によりますと、これまでリース方式で行われてきた構造改革特区は全国で71ヵ所で、農業参入した株式会社や特定非営利活動法人などは107法人になっており、組織別では、株式会社、有限会社、NPO法人の順で、業種別では建設業、外食、食品会社など食品産業が上位を占め、米、麦、野菜などを生産しているとのことでした。このことにより新規参入による遊休農地の解消が期待できるとともに、新たな雇用の創出につながり、また、食料自給率を向上していく上でも積極的に取り組んでいくべきであります。


 しかし、企業にとっては、賃借方式では積極的な設備投資が行いにくく、長期的な生産戦略が立てにくいなど使い勝手が悪いとの声もあり、いかに参入を促すかが重要な課題であります。


 また一方で、BSEや高病原性鳥インフルエンザなど、食料の安全性にかかわる重要問題が続発したことや加工食品の普及、食品の添加物や残留農薬の問題、遺伝子組みかえ食品などにより消費者の食の安全性についての関心が高まっており、地域特性を生かした新鮮で栄養化が高く消費者に安心感を与える農産物を供給できる仕組みが重要であります。さらに、環境汚染に対する配慮も必要です。そのためには無条件に株式会社等の特定法人の農業参入を認めるのではなく、食の安心・安全の観点から食育の観点も含めまして、例えば完全無農薬による有機栽培についてのみ認めるなど、消費者の視点に立った参入基準や環境汚染を防ぐための条件を設けるべきと考えます。


 そこで、遊休農地の解消・生産性の向上と環境の保全・食の安心安全の推進の二つの視点から株式会社等の特定法人の農業参入についてどのように考えておられるのか、お伺いします。


 質問の第5は、里山林の森林療法などへの利活用についてであります。


 森林を初めとする緑は水源涵養や二酸化炭素の吸収による温暖化防止機能を初め、気候の緩和や土砂の流出防止、安らぎの空間の創出など、多様な公益的機能を有しています。しかし、森林の荒廃が進み、また都市の緑も損なわれ、緑の持つ多様な公益的機能の発揮に支障が生じることが懸念されています。特に昨年の一連の風水害による洪水や山崩れ、風倒木等の甚大な被害は緑を整備する必要性を改めて強く認識させられることになりました。


 このことから、本県では、来年4月から県民総参加で森林等の保全・再生を進める仕組みとして県民緑税が導入されます。この県民緑税の使い道については、災害に強い森づくり、県民が行う町並み緑化を支援する事業など、森林及び都市の緑の保全・再生のための事業に限定することとしていますが、あえて新税を導入し、県民に新たな負担を強いてまで取り組んでいくことからも、事業の実施に当たっては十分に県民に趣旨を説明し、理解を得て進めていただきたいと考えます。


 さて近年、我が国では、自殺者がふえており、7年連続で年間3万人を突破しています。これは先進国の中でも高い水準にあり、我々がストレス社会に生きていることを改めて思い知らされるところですが、ストレスの解消といった観点からも森林の役割が注目されています。森の中に入るとさわやかな空気、優しい香り、小鳥のさえずりなどにより、人はとてもリラックスした気分になります。森林の中ではストレスホルモンが減少し、免疫力が増大することが確認されています。県では、平成14年から10ヵ年計画で新ひょうごの森づくりを進めており、環境保全はもとより、レクリエーション、森林学習体験など、文化機能を重視した森として里山林の整備を行っておられます。整備された里山林は体験学習の場として、また心身のいやし、地域の憩いの場として大いに利用されることを期待するものです。


 また、林野庁では、森林浴で国民のストレス解消や健康増進をめざす森林セラピー基地とウオーキングロードの認定作業を進めているとも聞いております。森林療法は森林浴を初めとした森林レクリエーションや森林内の地形を生かした歩行リハビリテーション、樹木や林産物を利用する作業療法、そして心理面では散策カウンセリングやグループアプローチなど、森林環境を利用して五感機能を使う全人的セラピーです。知的障害などの障害を持つ人々が野外、自然、特に森林の中に飛び出し、丸太運びを行ったり、シイタケをつくったり、歌を歌いながらの散策をしたり、川遊びをしたりと作業療法やレクリエーションをミックスし、全身の五感をリハビリテーションする野外療法である森林療法などとともに、森林利用による県民の健康づくりが注目されております。


 そこで、新ひょうごの森づくりにより整備される里山林をすべての県民がさらに有効に活用するために、森林療法などにも利用できる整備を行うべきと考えますが、ご所見をお伺いします。


 質問の第6は、県営住宅の防災対策等についてであります。


 本格的な成熟社会の到来に向けて、少子・高齢化に対応した安全で安心に暮らせる住まいづくりをめざし、現在、県では、5万4,915戸の県営住宅の管理を行っておられるところですが、県民が等しく憩いと安らぎに満ちた住生活を営むことのできるよう適正な管理を進めていく必要があります。県では、「つくる」から「つかう」プログラムを推進しており、老朽度とあわせて耐震性能、避難性能、高齢者対応等の機能上の課題のある住宅を優先して整備することとし、県営住宅のリニューアルを進めておられます。


 しかし、県営住宅の老朽化とともに、居住者の高齢化も進んでおり、財政上の問題もあり、高齢化に対応した適切な維持修繕、建てかえが困難になっているのではないかと思います。低所得者層を対象にしている県営住宅については、少子化や核家族化の影響もあり、高齢の単身者や高齢者夫婦、また障害者も多く、防災上の観点から早急に改善すべきところが多くあるように感じられます。避難経路が狭い通路で1本しかない、階段も狭く、傾斜も急であり、出入り口も1ヵ所しかないところが多いと聞いております。障害者対応の住宅においてさえも、古い設備のためエレベーターやスロープ、手すりなどバリアフリー化が十分でないところがあります。


 昨年から台風や地震など自然災害が次々発生しており、スムーズな避難が難しい高齢者や障害者の不安ははかり知れないものがあり、早急な対応が望まれます。機能上、複数の課題を抱える県営住宅について、維持修繕すべきか、建てかえすべきかなど、コスト面と緊急度から適切な判断が必要と考えます。


 そこで、県として機能上の課題を抱える県営住宅について、どのようにリニューアル計画を進めようとされているのか、また、どのような考え方で防災対策に取り組んでいるのか、あわせてお伺いします。


 最後の質問は、防災ハザードマップについてです。


 ことしも本格的な台風シーズンを迎えていますが、昨年の台風23号では、県下各地で河川がはんらんし、床上浸水するなど甚大な被害をもたらしました。しかも、例えば豊岡市では、避難勧告が発令されたにもかかわらず、自宅にとどまった世帯が約9割に上がることがわかっています。避難しようとしたが外に出られなかった、これほど水位が上がるとは思わなかったなど、判断のおくれや油断から危険にさらされることになっています。これより3ヵ月前には新潟豪雨が発生しており、多くの被害が出ているのにもかかわらず、このような状況でした。また、この新潟豪雨においても、避難勧告を軽視している住民の危機意識の低さが国の調査でわかっています。これらは避難勧告が直接避難行動に結びつかない実態を浮き彫りにしているものであり、行政側の避難に関する意図がスムーズに住民に伝わる仕組みづくりや工夫が必要であると考えます。


 県では、県民の防災意識の向上を図り、災害時に県民が的確に行動できるよう洪水、土砂災害、津波、高潮による危険度や避難に必要な情報などを記載したCGハザードマップを作成することとし、その一部を8月31日から県のホームページで公開されました。このCGハザードマップの特徴は、洪水、土砂災害、津波、高潮の四つの自然災害のハザードマップを一括表示するとともに、ハザードマップの上に避難所情報、リアルタイムの水位や雨量情報が掲載されているところですが、さらに今後は、避難時の心得や災害の前兆現象など防災学習のページを追加作成するとともに、県民の意見も聞きながら順次リニューアルされると聞いています。このハザードマップが県民に効果的に活用され、減災につながることを大いに期待するところです。


 しかし、地域によっては、昔から頻繁に浸水していたところに、今はたくさんの家が建ち並び、水害の危険性も伝承されていないところがあります。このようなことから、ハザードマップの内容については、地域の歴史的な背景などの特徴や地形、地質、土地利用と建物の状況、避難経路などの情報が共有できるようにし、避難を勧告・指示する行政側と避難勧告・指示を受ける住民側の両者が避難等について共通認識が確保できる詳細なハザードマップにすべきだと考えます。それにより的確なタイミングで情報が伝達され、スムーズに意図が伝わり、減災につながるものと考えます。


 そこで、CGハザードマップをさらにバージョンアップし、的確な避難行動ができる防災ハザードマップに拡充していくべきと考えますが、ご所見を伺います。


 以上で私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)


○議長(内藤道成)  井戸知事。


  〔井戸知事登壇〕


○知事(井戸敏三)  ひょうご・県民連合議員団の中田香子議員のお尋ねにお答えいたします。


 まず、NPOの運営支援についてです。


 ボランティア元年とも呼ばれました阪神・淡路大震災で私たちが学んだことは、成熟社会では、県民の自発的で自律的な活動こそが、社会を支え発展させる原動力であり、公を担うのはひとり行政だけではなくて、NPOを初め民の役割が重要であるということであったと思います。


 このような教訓をもとに、県としましては、NPO等のボランタリーな活動を支援する全県的な拠点としてひょうごボランタリープラザを開設し、民間人の所長のもとに交流ネットワークや情報の提供、相談、人材養成などの各般の活動支援事業の展開をしております。また、ボランティア活動を支えるため、約100億円のボランタリー基金を創設し、これによりNPOの各種活動支援、さらに市町ボランティアセンター等の地域拠点の支援、ボランティア団体を支援するボランティア団体である中間支援組織への支援などを行っているところです。


 特に、財政基盤の確立に向けては、リーダー等のマネジメント能力の向上や事務所の借り上げなどへの助成のほか、企業の協賛金等ですぐれた活動を行っているNPOを表彰し、資金提供するなど、支援ニーズに対応した多様な施策を展開しているところです。


 さらに、今年度からは、新たな事業へのチャレンジや企業とNPOの協働を奨励する助成事業を始めました。また、企業やNPO等が相互に人、物、資金などの支援情報を提供し合う活動支援ナビを立ち上げたところです。これらの機能もこれから大いに発揮してくれることを期待しております。


 今後とも、NPOと企業とのマッチングの場づくりや、行政との協働事業の推進、NPO支援の充実を図ってまいりますが、あわせて国に対しても寄附金控除などの優遇税制の充実についても提言しております。今後とも、その活動が一層進展していくように取り組みを進めてまいります。


 次に、地方からの少子化対策の取り組みについてです。


 少子対策は福祉、保健分野だけでなく、雇用、教育、住宅等さまざまな分野にかかわりますので、各部局ごとの縦割りを乗り越えて、全庁で一体的で効果的な推進を図る体制として、今回、兵庫県少子対策本部を立ち上げ、その事務局として健康生活部に少子局を創設したところです。


 また、兵庫県は多様な地域に分かれておりますので、例えば、郡部では有配偶率を高める施策を実施する必要がありますし、都市部では保育所やファミリーサポートセンターなどを整備することによる子育て環境の充実を図る必要があります。このような地域事情に応じた少子対策を市町と連携して推進していく必要がありますので、各県民局にも少子対策本部を設置することとしています。


 県の少子対策推進の基本計画となります「子ども未来プラン」につきましては、現在、改定作業を行っておりますが、改定に当たっては、県内各地域でワークショップを開催して、幅広く県民と意見を交換しながら進め、地域特性を十分踏まえたプランとしていく予定です。特に、緊急に取り組むべき事業として、年度途中ではありますが、新たに民間保育所の整備促進や保育所の分園化の促進、事業所内保育所の設置やファミリーサポートセンターの拡充を行うこととしたところです。


 子ども未来プランの実施に当たっては、地域団体、NPO、事業者、市町との緊密な連携を図りながら施策を推進してまいります。


 私の体験でも、滝野町の合計特殊出生率は2.25でありますが、県は1.38でありますけれども、これは児童館「きらら」を中心に年齢、階層別の親子のグループ活動が盛んに行われており、これが寄与しているのではないかとも言われています。兵庫県もこのようにユニークな少子対策を実行し、少子対策のモデル県にしていきたい、こう決意をしているところでございますので、よろしくご支援をお願いいたします。


 続いて、アスベスト対策と地域特性を踏まえた疾病予防対策についてです。


 アスベスト対策につきましては、アスベスト関連疾患患者とアスベストとの関係を究明するため、関係自治体と共同で専門委員会を設置し、死亡小票による遺族からの聞き取りを行い、アスベスト暴露経緯を把握するとともに、医療機関のカルテから中皮腫の診断内容や臨床経過等を把握いたしまして、11月末をめどに調査を実施しているところであります。これは、国における健康被害補償等に向けた基礎資料として提供したい、このように考えております。


 また、各県民局に総合案内窓口を整備いたしまして、健康、環境、建築、消費生活の各専門相談窓口を統括させておりますし、各地域の労働基準監督署との連携のもとに相談体制の充実を図ったところです。さらに、国において、アスベストによる健康被害の救済に関する基本枠組みが固まり、新法の提出が予定されておりますので、県としましても、その内容や運用、課題について提案をしてまいります。


 地域における疾病予防対策については、各圏域で地域の実情を分析し、市町・医師会等の関係機関で構成される健康福祉推進協議会において検討を行っておりますが、地域の課題を踏まえた取り組みを進めてまいります。肝がんの死亡率が高い西播磨地域では、地元の医師会等と連携して、肝炎ウィルスキャリアの治療を地域全体でサポートする肝がんゼロ作戦事業を行っておりますし、乳児、学童の肥満出現率が高い但馬地域では、幼児期からの肥満予防事業などを推進しているところです。このように地域特性に応じた対応をこれからも図らせていただきます。


 加えて、この4月から各健康福祉事務所の企画調整部門に保健師等の専門職を配置して、体制強化を図ったところであります。引き続き健康ひょうご21の推進や、ひょうご対がん戦略を進め、地域特性に応じた疾病予防に取り組んでまいります。


 株式会社等の農業参入についてお尋ねがありました。


 株式会社等の特定法人に農業参入を認める構造改革特区は、本県が遊休農地の解消と農外からの参入を含め、多様な担い手の育成確保も目的として国に提案し制度化されたものであります。この間、本県では、淡路市で株式会社が野菜栽培に取り組むなど、4市町で6法人が農業参入し、遊休農地658アールの解消につながるとともに、雇用の創出も見られております。この9月に特区から全国展開へ移行されたことを踏まえまして、これを契機に市町と連携して、法人の農業参入をより一層推進していきたいと考えています。このため法人がより安定的な生産戦略を立てられるような環境づくりが必要となります。


 農地貸付期間を農地取得と遜色がないよう法人の事業計画に応じて長期に設定することを許すなど、弾力的に対応するとともに、農業改良普及センターにより生産性を向上させる指導も行うこととしています。なお、幅広く担い手を確保する観点からは、参入に特定の条件を設けるよりも、環境の保全を遵守事項とする農地貸付協定を結ぶなど市町指導を行うことといたしますし、さらに、技術指導とあわせて、ひょうご食品認証制度への取り組みを誘導するなど、食の安全・安心の確保にも努めてまいります。


 これからも推進を図ってまいりますので、よろしくご指導をお願いいたします。


 以上、私からの答弁とさせていただきます。


○議長(内藤道成)  黒田農林水産部長。


  〔黒田農林水産部長登壇〕


○農林水産部長(黒田 進)  私から里山林の森林療法などへの利活用についてご答弁申し上げます。


 本県では、環境の保全はもとより、景観、森林学習等の文化的機能や森林浴、散策等の保健休養機能を高度に発揮させる里山林整備を全国に先駆け、3万ヘクタールを目標に鋭意進めているところであります。


 こうした中で県民の森林への関心は高まり、里山林を利活用する市民グループが結成され、さまざまな活動が展開されてきております。具体には、西脇市のであいの森では、近隣の小学校が里山学習体験の森として活用しており、また、三田市高平の観福の森やナナマツの森では、地域の森林ボランティア「三田里山どんぐりくらぶ」が森林浴や炭焼きを楽しむなど、子供たちの豊かな情操をはぐくみますとともに、心身のリフレッシュなど、県民生活の健康増進にも大いに寄与しているところであります。


 さらに、法人県民税の超過課税を活用した自然活用型野外CSR事業におきましても、多くの県民の参画を得て整備や管理を行い、里山林を活用した文化、健康、スポーツ等のさまざまな展開がなされてきているところであります。


 今後も引き続き、里山ふれあい森づくり事業を進める中で、計画的に保健休養機能や文化的機能を高める里山林整備に取り組むことにより、いわゆる森林療法などへの利活用にも通ずるものと思われます。


 なお、森林療法に主眼を置いた取り組みにつきましては、今後検討してまいりたい、このように考えております。


○議長(内藤道成)  原口県土整備部長。


  〔原口県土整備部長登壇〕


○県土整備部長(原口和夫)  私からは、防災ハザードマップにつきまして、お答えをさせていただきます。


 昨年の台風23号の水害におきましては、市町から出されました避難情報の伝達時期、あるいは伝達方法などの問題とあわせまして、住民の危機感や切迫感にも差がありまして、一部に的確な避難行動につながっていないというようなことが大きな問題となっております。今後も異常気象が頻繁に発生することが懸念をされており、昨年の教訓からも、豪雨などのときに被害を最小限にとどめる、いわゆる減災のためには平常時から住民の防災意識を向上させるとともに、緊急時には的確な避難行動を促すことが重要でございます。


 このような観点から減災のための意識啓発や避難行動を支援いたしますため、ことしの台風期に備えまして、本県独自のCGハザードマップを公開したところでございます。今年度中には洪水の対象河川を89から167に、そして土砂災害は対象エリアを全県下に広げまして、あわせて津波、高潮のハザードマップも追加することにしております。さらに、より住民の危機管理意識の向上を図るため、生活実態に即したリアルな情報となりますよう、過去の浸水実績の掲載や、わかりやすい3次元動画によります津波の被害予測の表示、さらには地下街の浸水状況など、内容の拡充にも取り組んでいるところでございます。


 今後とも、情報の受け手であります県民の方々の意見を広く聞きながら、よりわかりやすいハザードマップといたしまして提供いたしますことにより、社会全体として自然災害に挑む県民意識を醸成いたしまして、減災のためのいわば災害文化が育つように取り組んでまいりたいというふうに考えております。


○議長(内藤道成)  佐々木まちづくり復興担当部長。


  〔佐々木まちづくり復興担当部長登壇〕


○まちづくり復興担当部長(佐々木晶二)  私からは、県営住宅の防災対策等につきまして、お答え申し上げます。


 高齢者や障害者が多く居住する県営住宅におきましては、耐震化、災害時の円滑な避難の確保、そしてバリアフリー化が入居者の安全・安心を実現する上で重要な課題であると認識しております。このため、県としては、ひょうご21世紀県営住宅整備・管理計画に基づき、建てかえ事業などに当たって耐震の安全性、避難の安全性、バリアフリー化などに取り組むとともに、地域の見守り体制の充実など、ハード・ソフトの両面での防災対策等に取り組んでいるところであります。


 まず、ハード面につきましては、老朽度、耐震性、避難の安全性等の観点を踏まえ、安全面からの緊急度を特に重視して整備の優先順位を決定し、計画的に建てかえ事業や耐震改修事業等を推進しているところでございます。具体的には、今年度は尼崎西川団地ほか9団地で建てかえ事業を実施しているところであります。


 また、ソフト面におきましては、災害時の高齢者等の避難について住民同士の助け合いの重要性が指摘されており、いきいき県住推進員の活動を通じて自治会等の協力を得ながら入居者の意識啓発を図ってまいりたいと考えております。


 さらに今年度、同計画は策定後、既に5年が経過しており、実態に即して改定することとしておりますけれども、この中で、まず防災対策の目標を明確に位置づけたいと考えております。また、エレベーター設置につきましては、従来は建てかえ事業、大規模改修事業に限られておりましたが、今後は入居者が居住したままで階段室型エレベーターを設置できる新型改修戸数を大幅に増加させるなど、高齢者や障害者に安全・安心な県営住宅づくりを計画の中に位置づけてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。


○議長(内藤道成)  中田香子議員に対する答弁は終わりました。


 この際、暫時休憩いたします。


 再開は、午後1時といたします。


       午前11時27分休憩


  ………………………………………………


       午後1時0分再開


○副議長(北浦義久)  ただいまから会議を再開いたします。


 休憩前に引き続き、質疑、質問を行います。


 橘 泰三議員。(拍手)


  〔橘 泰三議員登壇〕


○(橘 泰三議員)  明石市選出、橘 泰三でございます。少子化、高齢社会における諸課題を初め、6項目7点につきまして質問をさせていただきます。


 質問の第1は、子育てに対する男性の意識改革についてであります。


 少子化対策につきましては、さまざまな意見がありますが、子供を産み育てることは、女性1人とカップルの意思にゆだねるべきという考え方が大前提だと思います。結婚したい、産みたい、育てたいという意思があるにもかかわらず、それができない人に対しては、きちんとした支援の手を差し伸べることが行政の役割だと思います。出産、育児にまつわるいろいろな阻害要因が取り除かれれば、「産みたくない」という人の中からも、「産んでみようかな」と思う人が出てくるのではないでしょうか。


 阻害要因が何点かあると思いますが、その中で、第1に経済的要因、第2に働きながら子育てができる職場環境が整っていないこと、第3に地域が子育てを最優先する社会ができていないことではないでしょうか。経済的支援の必要性につきましては、我が会派の代表質問でも取り上げましたが、県当局には、「地域が子育てを最優先する社会づくり」に一層取り組んでいただきたいと考えます。


 去る5月、東京杉並区で行われたタウンミーティングでの樋口恵子東京家政大学名誉教授の講演によりますと、「まず父親になるすべての人が、せめて5日間の育児休暇の取得を」と提言されています。外国の例といたしましては、イギリスのブレア首相は、奥さんが出産したときに、2週間の育児休暇をとっています。フランスは、連続11日間取得できる父親休暇をつくり、好評だということです。しかし、日本では、そうはいかないのが現実です。ロサンゼルスタイムズ紙東京支局長であったサニー・エフロンさんという女性の話では、「ロンドンで、妊娠していたとき、通勤で地下鉄に乗ると、男性が一斉に立ち上がって自分に席を譲ってくれた。10年ぶりに日本に帰ってきて、妊娠し、やはり地下鉄で職場に通っていると、幸いなことに一度も立つことなく通勤できた。席を譲ってくれたのは、出産を経験した中高年の女性であった。日本の男性は不親切ではなく、シャイだから、ロンドンと同じにはいかない。しかし、街角で見る妊産婦や子連れのお母さんに対して少し冷た過ぎるのではないか」と言っておられます。極端な例かもしれませんが、私にも思い当たるところがあります。「地域が子育てを最優先する社会づくり」のためには、1人目を産んだ女性が、2人目、3人目を産みたくなるような、そんな優しい男性からの一言や行動にかかっているのではないでしょうか。


 そこで、子育てに対する男性の意識改革の必要性をどのように認識し、いかに意識改革に取り組もうとされているのか、当局の所見をお伺いいたします。


 また、男性の意識改革に県の職員が率先して取り組むことが、全国平均を下回る合計特殊出生率の本県を、全国一子供を産み育てやすい兵庫県にする第一歩ではないかと考えますが、あわせて所見をお伺いします。


 質問の第2は、障害者乗馬の普及についてであります。


 この件は、平成14年11月定例会において宮本博美議員が質問され、既に取り組んでおられるところでありますが、私なりに質問をさせていただきます。


 動物とのふれあい、交流によって、精神と肉体機能を向上させる療法をアニマルセラピーといいますが、中でも、乗馬療法は、古代ローマ帝国時代、戦争で傷ついた兵士のリハビリに用いられていたのが始まりと言われるほど長い歴史があります。


 馬の歩くリズムに合わせて生じる上下動が体や脳に刺激を与え、車いす生活の人の筋力衰え防止に効果があるほか、脳性麻痺の人には、馬にまたがることで、股関節や筋肉をほぐす効果があり、無表情だった顔に明るい表情が見られるようになり、みずから歩行練習を始めたという報告もあります。


 自閉症児に対しても、馬との一体感を感じることで生きている実感を得て、周囲の人に目を向けさせるきっかけになる可能性が大きいことが報告されています。


 日本国内での乗馬療法への取り組みは、イギリスやアメリカより20年おくれて、平成4年に北海道大滝村の社会福祉法人「大滝わらしべ会」の活動に始まったと言われています。平成5年には日本障害者乗馬協会が設立され、全国で障害者乗馬を体験している障害者と家族が年に一度交流を深める全国障害者交流乗馬大会が、9月23日から3日間、大分県で開催され、ことしの大会も感動のうちに終えました。


 先日、この大会の主催者でもある明石乗馬協会の三木理事長を訪ね、障害者乗馬について話をする機会を得ました。明石乗馬協会は、日本障害者乗馬協会本部の事務局も兼ねており、週2回の障害者乗馬を行い、27名の会員に月4回のレッスンを行っています。レッスンでは、障害者1人に3人の指導者がつき、障害の程度と経験の差はありますが、障害者の皆さんも乗馬できる日を楽しみにしているそうです。家族の皆さんも、「我が子の表情が明るくなる姿を見て、前向きに子供を支えてやれる」と話されています。三木理事長は、「障害者乗馬を希望する人は多くいらっしゃいますが、レッスンの運営費用の捻出にも限界があり、現在、5人のボランティアの協力を得ているものの、もうこれ以上会員をふやすことはできない」と、民間での取り組みの限界を訴えておられました。


 そこで、全国的に障害者乗馬が注目されるようになった昨今、本県の障害者乗馬の現状についてどのような認識をお持ちなのか、お伺いします。


 また、来年開催されるのじぎく兵庫大会では、障害者馬術が三木ホースランドパークでオープン競技として開催されますが、これを機に、バリアフリーの機能も兼ね備えた三木ホースランドパークを中核として、本県を障害者乗馬の全国メッカにしてはどうかと提案いたしますが、当局の所見を伺います。


 質問の第3は、中小企業への活性化支援の充実についてであります。


 先ごろ内閣府と財務省が発表した法人企業景気予測調査によりますと、企業の景況感は、幅広い業種で上向き、大企業、中堅企業、中小企業いずれも、2・四半期連続で改善したとのことであります。しかし、日本の企業数の99%以上を占める中小企業の経営は依然として気が抜けない状況であり、日本経済を本格的な回復軌道に乗せるためには、中小企業の活性化が不可欠であります。


 公明党は、「中小企業の再生なくして日本経済の再生はない」との立場から、日本経済の屋台骨を担う中小企業への支援策拡充に一貫して取り組んできました。


 本県においても、財団法人ひょうご産業活性化センターを中核に、工業技術センターや財団法人新産業創造研究機構など県下26の支援機関で構成される中小企業支援ネットひょうごを通じて、自社の強みを生かし、新たな事業活動等に挑戦する元気な企業を支援しているところであります。


 そのような中、本年4月から施行された「中小企業新事業活動促進法」は、複雑で利用者からわかりづらいとの指摘が多かった既存の三つの支援法を整理・統合して、利用者に使い勝手のよい制度に改めるとともに、従来の創業、経営革新に加え、業種を問わず複数の中小企業が、共同で研究開発事業などを行う新連携を新たな支援対象にしています。


 この国が実施する新連携支援事業は、製品の企画から製造、販売まで一貫して自社対応できる中小企業がある一方で、独自の技術や特許、ノウハウなどの経営資源を持ちながらも、資金やネットワーク不足で事業化できない事例もあることから、複数の企業や大学、研究機関などが連携し、それぞれの強みを生かして、単独ではできなかった付加価値の高い製品やサービスの提供を生み出そうとするものです。具体的には、このような中小企業の連携に対して、システムの構築や販路開拓などに関する経費の3分の2を補助金として支給するほか、中小企業金融公庫などの政府系金融機関による低利融資や信用保証の特例措置を行うとともに、設備投資額の7%を税額控除する優遇措置の実施などにより、連携に参画する中小企業の資金調達の円滑化を図っています。


 国では、今年度、全国で約200件の支援をめざしていますが、我が党としては、これまでの下請中心の事業活動から脱却し、新連携による新事業創出を促進することが、中小企業の活性化を促す起爆剤であり、その効果に大きな期待をしているところであります。


 そこで、この新連携支援事業を有効に活用して、中小企業の新たな事業活動への挑戦をさらに促進していくことが重要と考えますが、中小企業支援ネットひょうごにおいて、この新連携支援事業の活用促進に向けて、現状と今後の課題についてお伺いします。


 質問の第4は、ノリ輸入割り当て制度の堅持に向けた取り組みについてであります。


 平成16年漁期の本県ノリ養殖業の収穫は155億8,000万円で、不漁だった平成15年漁期に比べて約35%増であったものの、例年に比べると、5%減という結果に終わりました。都道府県別では、平成16年漁期は、佐賀県に次いで全国2位にとどまっています。ことしは、東播磨地域で、11月から二枚貝「ウチムラサキ」を放流する予定であり、ノリの宿敵である植物性プランクトンの摂取と水質浄化機能に期待するところであります。


 さて、ノリをめぐる国際情勢を見ると、私は、国内生産者の死活問題にまで発展しかねない状態になっていると危惧しております。


 韓国は、ノリの輸入量を制限する日本の輸入割り当て制度の撤廃を求め、昨年末WTOに提訴、2国間協議も不調に終わり、WTOに紛争処理小委員会の設置を要請し、この夏に一度審議されたと聞き及んでいます。日本は、これまで割当枠を設けた上で、韓国からの輸入だけを認めてきました。そもそもこの問題は、ノリの増産を進める中国が、昨年2月、日本がノリの輸入を事実上韓国産に限っているのは、WTO協定違反の疑いがあると主張したことから、農林水産省は、2005年から輸入割当枠を2億4,000万枚から4億枚に拡大し、値段の安い中国産も割当枠に含めることを発表したことに端を発します。これを受け、今度は、韓国がノリの対日輸出の権益が侵されたとWTOに提訴し、事態は深刻なまま今日を迎えています。これら一連の動きは、日中間のさまざまな摩擦に苦慮する政府が、水産物輸入割当枠の緩和措置で外交交渉を乗り切ろうとする意図が見られ、水産物関係者が外交の道具にされた感はぬぐえません。


 ノリ養殖業は、本県瀬戸内海の基幹漁業であり、ノリ輸入割当枠の緩和は、本県ノリ養殖業者にとって憂慮すべき問題であります。昨年11月の定例県議会では、兵庫県漁業協同組合連合会から出された請願を、全会派の署名を経て採択し、「ノリ輸入割り当て制度の存続等を求める意見書」を国に提出したところでありますが、WTOに設置された紛争処理小委員会の状況を見ると、楽観視できない事態にあります。


 そこで、県として、政府関係機関に対して、ノリ輸入割り当て制度の堅持を強く働きかける必要があると考えますが、県のこれまでの取り組みと今後の対応についてお伺いいたします。


 質問の第5は、まちづくりに係る諸問題についてであります。


 この項の一つ目は、少子・高齢社会に対応したまちづくり施策の総括と今後の取り組みについてであります。


 2007年問題と言われるように、今まで社会を支えてきた団塊の世代が、これから定年を迎え、職場から地域へと生活の中心を移していくことになります。このことは、まさに高齢化を象徴する現象であり、歯どめのかからない少子化とも相まって、今後のまちづくり施策を左右する大きな要因であると言わざるを得ません。また、街の中核を担うべき中心市街地の空洞化は進み、大半の商店街は、「シャッター通り」と皮肉られるほど寂れているのが現状です。


 このような現状を踏まえ、公明党では、本年6月、大規模小売店舗立地法、改正都市計画法、中心市街地活性化法という、いわゆるまちづくり3法を見直すための検討プロジェクトチームが、関係大臣に対して、「まちづくり3法見直しに関する申し入れ」を行いました。


 具体的には、中心市街地に元気を取り戻すために、「コンパクトシティの実現」をめざしています。コンパクトシティとは、住まいから歩ける範囲に、商店街や病院、行政の出張所など日常生活に必要な機能が集まっている、歩いて暮らせるまちづくりのことであり、我が党では、高齢社会に対応した安心して暮らせるまちづくりの実現をめざす「コンパクトシティ形成促進法」の制定を提案しております。国においても、コンパクトなまちづくりの実現を提言し、諸施策を展開しているところでありますが、我が党が提案する法案の趣旨は、平成11年3月に本県が全国に先駆けて制定した「まちづくり基本条例」と軌を一にするものであると認識しております。この条例は、生活者の視点に立った、安全で安心な魅力あるまちづくりを、県、市町、県民、事業者の協働のもとで行うことを基本理念とした「人間サイズのまちづくり」をめざしているのであり、今後とも、県としてその推進が望まれるところであります。


 そこで、まちづくり基本条例の施行から6年が経過し、条例が定める安全・安心・魅力というまちづくりの施策の実施状況について、県としてどのように評価しているのか、さらに、今後どのように取り組もうと考えておられるのか、お伺いいたします。


 この項の二つ目は、明石の山手台団地・高丘団地の再生についてであります。


 高度経済成長とともに誕生し、若い世代でにぎわった明舞団地は、住民の一斉高齢化や住宅施設の一斉老朽化が進んだことから、県は、オールドタウンとなった団地の全国的な再生モデルとして、平成15年度に明舞団地再生計画を発表しました。今年度は、再生施策をハード・ソフトの両面から総合的にマネジメントする体制の構築を図ること等により、総合的な取り組みを本格化させているところであります。明舞団地の住民にとっては、生活の場が変わるとともに、直結する事業であり、県の取り組みに期待するとともに、事業の進捗に強い関心を示しておられますので、今後のご精励をよろしくお願いしたいと思います。


 一方、明石市内では、明舞団地の誕生から2年後の昭和41年、兵庫県開発公社が開発した面積25.9ヘクタールの山手台団地が誕生しました。明石西部の高台に県営住宅と戸建て住宅が広がり、現在960世帯、2,250人の方々が生活されております。この山手台団地も、開発から間もなく40年が過ぎようとしています。かつてあふれかえっていた子供たちは独立し、高齢化も進んだ結果、山手台団地の高齢化率は、明舞団地と同じレベルの27%にまで高くなっています。


 1万世帯、2万6,000人の住む明舞団地に比べれば、1,000世帯規模の比較的小さな規模の団地ではありますが、コミュニティ機能の回復や元気でにぎわいのある街を取り戻すためにも、再生計画に着手する時期が来ているのではないかと考えます。


 山手台団地では、現在、県営住宅の建てかえが行われていますが、県営住宅の再生だけでなく、団地全体の再生に向けた当局の考えをお伺いいたします。


 また、山手台団地の近くに、昭和51年に県が開発し、現在4,180世帯、1万800人の人が暮らす高丘団地がありますが、高丘団地の今後についても、あわせてお伺いします。


 質問の第6は、特色ある高等学校づくりについてであります。


 県教育委員会では、基本的な考え方として、学区内の学校の個性化・多様化という「特色ある学校づくり」を進めつつ、地元市とも連携しながら、複数志願選抜と特色選抜という新しい選抜制度の導入について検討をするという立場を堅持されております。


 折しも明石市教育委員会では、総合選抜制度の見直しを県教育委員会に要請する方針を固め、年内に県教委に要請文書を提出するとのことであります。見直しの動きが先行する尼崎市においても、県教委へ要請することを決めたと聞き及んでいます。


 このように、地元市から具体的な見直しの要請を受けようとしている中、県教委としては、こうした地元の意見を重く受けとめ、高校改革に邁進していただかなければならないと考えますし、今後の見直しの目安となる特色ある学校づくりの進捗状況について、適切に評価し、現状を認識しておくべきであります。


 ちなみに、ここでいう特色ある学校づくりとは、生徒がみずから考え、判断し、行動できる生きる力の育成をめざして、生徒一人一人の個性を伸ばす学校づくりであり、具体的には、総合学科や単位制、新しい専門高校などの新しいタイプの学校の設置のほか、特色ある専門学科の設置、さらには各学科の特色化等の推進という意味でありますが、客観的な評価基準をどのようにとらえるかは明らかにされておりません。


 さらに、こうした学校の仕組みづくりに加えて、価値観の多様化や社会の成熟化が進む中にあって、多様な生徒を受け入れられるよう、すべての高等学校の特色化が求められています。県教育委員会には、生徒側の視点に立って、一層の特色化を進めていただくよう期待するところであります。


 そこで、第一次実施計画の策定から5年半余りが経過し、特色ある学校づくりに関して、これまでの取り組みと現状をどのように評価しているのか、また、今後どのように取り組もうとされているのか、お伺いいたします。


 以上で私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)


○副議長(北浦義久)  井戸知事。


  〔井戸知事登壇〕


○知事(井戸敏三)  公明党議員団の橘 泰三議員のご質問にお答えいたします。


 まず、障害者乗馬の普及についてです。


 障害者乗馬は、医学的な治療手段として、馬と触れ合うことによる精神的な安らぎの場として、さらに、純粋に楽しむためのスポーツとして、障害者の身体機能の向上や精神的な自信の獲得など、さまざまな分野で効果があると報告されています。


 私どもが承知しているところでは、届け出のある乗馬クラブ7ヵ所のうち、神戸乗馬倶楽部と明石乗馬協会の2ヵ所で、障害者乗馬教室の開催など、障害者乗馬の普及に取り組んでおられます。また、明石乗馬協会は、日本障害者乗馬協会の事務局として、全国障害者馬術大会を、平成5年以降、県内で8回開催するなど、実績を重ねられており、指導者等の体制も整っている、ご紹介になったとおりであります。


 こうしたことから、財団法人兵庫県障害者スポーツ協会の基金から、県内で開催される全国障害者馬術大会に対して支援を行っているところです。


 三木ホースランドパークは、JRA――中央競馬会が、競馬ファンのために開設した馬事公苑で、ご指摘のように、日本有数の施設水準を誇り、来年の国体でも馬術競技が行われることとなっています。障害者乗馬につきましても、14年度、15年度、16年度、全国大会が開催された施設であります。さらにこれが活用されることを、県としても、どんな支援ができるか、検討してまいります。


 障害者乗馬の振興については、今後、障害者団体や関係機関等と意見交換を行い、拡充方策について検討してまいりたいと考えています。


 続きまして、中小企業への活性化支援の拡充についてです。


 従前から、異業種の企業や大学の連携による研究開発や事業化に対しまして、新産業創造研究機構――NIROや工業技術センターが連携をコーディネート、仲介いたしまして、産学連携新産業創出支援事業などにより、連携グループを積極的に支援してきております。また、国の新連携支援事業は、本県のこのような連携グループの支援をモデルの一つとして立案されたと聞いております。


 これまで全国で76件が国の認定を受けていますが、県内企業が参画している新連携プロジェクトは10件に上っておりまして、そのうち、斜め織り技術を持つ繊維製造業者が、織機開発メーカー等と連携して、高機能な布素材の製造販売に取り組む案件では、工業技術センターが、技術連携先としてみずから参加しているところでもあります。


 まさに、異業種の事業者が、それぞれの経営資源を有効に組み合わせて新しい事業開発を行うことは、新分野開拓や第二創業など、中小企業の活性化に大いに寄与するものであります。


 中小企業支援ネットひょうごの中核機関でありますひょうご産業活性化センターでの相談事業や各種セミナーの実施を通じて、連携の意義や国の支援の活用をさらに訴えてまいります。


 また、工業技術センターやNIROを初めとして、産学官連携コーディネーターを配置したものづくり支援センター、尼崎、神戸、西播磨にありますが、これらのコーディネート機能を強化をすることも大切だと考えています。


 また、兵庫県版のCOEであります研究開発支援プロジェクトへの支援、これを活用してさらなる振興を図っていく。このような手段を活用いたしまして、さらに、異業種の事業者のグループ支援を行ってまいります。


 次に、ノリ輸入割り当て制度の堅持に向けた取り組みについてです。


 本県のノリ養殖は、全国で一、二位の生産量を誇り、瀬戸内海側の漁業生産額の約4割を占める基幹漁業であります。


 しかし、近年、毎年発生している色落ち被害に加えまして、輸入自由化による価格下落が危惧されており、漁業者は危機感を募らせている実情にあります。


 ノリの輸入につきましては、輸入貿易管理令に基づく輸入割り当て制度により、韓国に対してのみ特権的に輸入割当枠が設定され、国内への輸入量が制限されてきましたが、昨年10月に、中国の要求に応じて、我が国が中国の参入を本年から認めることとしたため、これに反発した韓国が、WTOに提訴し、現在に至っているという実情です。


 WTOでの審査は、なかなか自由貿易を原則としておりますので厳しいものがあるという予想もあります。しかし、輸入割り当て制度が撤廃されますと、安価な輸入ノリにより、国産ノリの価格下落は避けられず、本県のノリ養殖経営は甚大な被害を受けるおそれがあります。これ以上の輸入拡大を未然に防ぐため、県漁連の請願を県議会としても採択され、昨年12月に国に対して意見書を提出したところであります。


 私どもとしましても、昨年12月以降、農林水産大臣を初め、政府関係機関に対して輸入割り当て制度の堅持を再三にわたり求めておりますが、今後は、ノリ養殖関係県や関係漁業団体と一丸となって、さらに強く国に対して働きかけてまいります。


 一方で、品種改良により高付加価値化に取り組む必要があります。競争力を増していかなければなりません。コスト削減のための経営改善を促進し、足腰の強い経営体の育成もあわせて図ってまいる所存でございます。どうぞよろしくお願いいたします。


 続いて、まちづくりに係る諸問題のうち、まちづくり施策の総括と今後の取り組みについてお答えをいたします。


 平成11年3月、大震災からの教訓も踏まえて、兵庫県が全国に先駆けて制定しました「まちづくり基本条例」は、コンパクトな街にさまざまな人々が混住する「人間サイズのまちづくり」を基本理念に掲げ、住民主体のまちづくりを推進することとしてきました。


 これまでに、安全なまちづくりでは、わが家の耐震改修促進事業や、このたび始めました住宅再建共済制度などを創設しておりますし、安心なまちづくりでは、人生80年いきいき住宅助成事業での福祉のまちづくりの推進、魅力あるまちづくりでは、いわゆる緑条例の全県適用や全県花いっぱい運動など、先進的で独自の高い施策に取り組み、成熟社会のまちづくりを進めてきたつもりです。


 また、地域へのアドバイザー派遣等を行うまちづくり支援事業の展開は、まちづくりへの県民の関心を高め、住民主体のまちづくり活動を着実に定着させてきたと考えております。特に、震災後の自分たちの手でまちづくりを進めるためにつくられたまちづくり協議会の活動は、その一つであると考えております。


 今後は、さらに県民一人一人が主体的に快適な居住空間づくりを進める「快適空間」創造作戦を展開しますとともに、新しい視点として、「元気と活力が出るまち」、「安全・安心のまち」、「美しいまち」、「快適な住まい」、「創造的な復興」、これを重点的な目標といたしまして、住みやすい、美しいひょうごづくりに取り組んでまいる所存でございますので、よろしくご指導をお願いしたいと存じます。


 私のご答弁、以上とさせていただきます。


○副議長(北浦義久)  清原理事。


  〔清原理事登壇〕


○理事(清原桂子)  私から、子育てに対する男性の意識改革についてお答え申し上げます。


 総務省の調査によりますと、日本の男性が育児に費やす時間は1日24分と、諸外国と比べても極端に低く、また、内閣府の調査では、「夫は外で働き、妻が家庭を守るべき」という考え方に対する男性の回答は、賛成、どちらかといえば賛成を合わせまして、昭和47年の83.8%から平成4年には65.7%、平成16年には49.8%と減ってきてはおりますものの、こうしたデータからも、男性の子育てへの参画を進めていくための意識改革や職場の環境整備が必要であると認識しております。


 こうした認識のもと、県では、家庭や地域全体でともに子育てを担うためのさまざまなセミナーの開催だけでなく、企業内研修プログラムを作成して、企業への出前講座なども行いますとともに、事業所との協定制度などを通じました意識開発や職場環境づくりに努めているところでございます。


 子ども未来プランの改定に当たりましては、ワークショップで父親たちとの活発な意見交換も行いながら、父親たちが子育てに関与し、子供を育てる喜びを実感できる社会への視点も取り入れたいと考えております。


 また、県も多数の職員を抱える事業主の一つですので、率先して県の男性職員の意識改革に取り組むことも重要であると考えており、近く策定予定であります次世代育成支援対策推進法に基づく特定事業主行動計画におきましても、男性職員の子育てへの積極的参画を盛り込むなど、意識改革に取り組んでいきたいと考えております。ご支援どうぞよろしくお願い申し上げます。


○副議長(北浦義久)  佐々木まちづくり復興担当部長。


  〔佐々木まちづくり復興担当部長登壇〕


○まちづくり復興担当部長(佐々木晶二)  私からは、明石山手台団地及び高丘団地の再生につきましてお答え申し上げます。


 高度成長期に開発されましたニュータウンにおきましては、住民の高齢化や住宅の老朽化等が急速にかつ一斉に進展しており、人口減少も相まって、コミュニティ機能や地域の活力の低下が大きな課題になっていると認識しております。


 このため、県では、団地再生のモデルといたしまして、平成15年度に明舞団地を対象に、今後おおむね10年間の再生事業を盛り込んだマスタープランを住民参画のもと作成したところであります。また、平成16年度に地域再生計画の認定も受け、県営住宅への若年世帯導入、空き店舗へのNPO活動誘致、住民が主体的に運営するまちづくり広場の設置など、住民、NPOとの連携のもとに総合的な取り組みを進めているところであります。


 明石の山手台団地や高丘団地などのニュータウンにつきましては、このモデルとなります明舞団地を参考として、住民、住宅管理者、関係市町等の地元関係者が、主体的に再生に向けた動きを始めることが重要だと考えております。


 県といたしましては、まず、山手台団地につきましては、県営団地の再整備計画を定めてまいりたいと考えております。


 また、山手台団地だけでなく、比較的新しく整備された高丘団地につきましても、先ほど述べました地元関係者の主体的な取り組みが活発に行われますよう、住民のまちづくり活動を支援するためのアドバイザー派遣などを積極的に行ってまいりたいと思います。


 また、国において、ニュータウンの総合的な再生の指針となります「ニュータウン・グランドデザイン」の策定が年内にも予定されていることから、この成果も踏まえ、必要な支援を検討してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。


○副議長(北浦義久)  吉本教育長。


  〔吉本教育長登壇〕


○教育長(吉本知之)  特色ある高校づくりについてご答弁申し上げます。


 本県では、高校教育改革第一次実施計画を策定いたしまして、今までに、特色ある高校として、新しいタイプの学校では、総合学科10校、全日制単位制高校7校、多部制2校の合計19校を、特色ある専門学科では、明石西高校の国際人間科など19校に19学科を設置し、また、普通科におきましても、自然科学系コースを22校に、国際文化系コースを13校に設置するなど、県立高校の個性化・多様化を積極的に推進してきたところでございます。


 この特色化の推進に当たりましては、各学校との緊密な連携のもと、高校教育に対する地域のニーズを踏まえながら、個性化・多様化に取り組みますとともに、学科の特性や生徒一人一人の興味・関心に適切に対応するため、特色化を進めます学校が、主体的に多様で柔軟なカリキュラムの編成にも努めてきたところでございます。


 このような取り組みの結果、特色化を進めた学校で行いました卒業生や保護者に対しますアンケートでは、「個性に合わせた多様な学習ができた」、「普通科で学べない科目が自分の糧となった」など、高く評価をされております。


 これらのことを踏まえ、実施計画の評価・検証委員会で、前期計画の進捗状況について「評価できる。平成16年度以降の後期計画についても着実に推進することが望ましい」とされたところでございます。


 今後とも後期計画の着実な推進により特色化を進めますとともに、第一次実施計画以降の特色づくりについて、より生徒の学習ニーズに対応した学科・コースの設置などの検討を進め、魅力ある高校づくりを進めてまいります。


○副議長(北浦義久)  橘 泰三議員に対する答弁は終わりました。


 次に、ねりき恵子議員。(拍手)


  〔ねりき恵子議員登壇〕


○(ねりき恵子議員)  私は、アスベスト被害対策を初め、地元宝塚の問題にわたり質問をいたします。


 まず初めに、アスベスト被害についてです。


 さきの代表質問でも指摘したとおり、アスベスト被害拡大の責任は、有害と知りつつ使用してきた企業とそれを容認した政府にあります。アスベスト問題で県民の間に大きな不安が広がっている中、県民の安全・安心を確保するため、より一層の対策強化が求められています。


 まず、建設関連従事者へのアスベスト被害対策です。


 アスベストの90%が建設資材に使用されており、その関係者は全国で1,000万人にも及ぶとも言われています。私は、72歳の大工さんからお話を聞きました。中学校を卒業後、鹿児島から兵庫に出てきて以来50年間、建設関連の仕事についてこられました。数年前から体調を崩して仕事ができなくなり、近所の病院に診てもらっていましたが、悪くなるばかりで、昨年、専門の病院で診察を受けたら、中皮腫と診断されました。入退院を繰り返していますが、今では家の2階から1階におりられないほど病状は悪化しています。仕事は、個人であちこちの現場に行っていたので、どこでアスベスト被害に遭ったか特定できず、アスベスト被害者でありながら、労災の認定が難しいと言われてきました。先日、ようやく労災の申請の話が始まったところです。


 建設業に携わってこられた多くの従事者は、原因が特定できないため、労災申請ができず、自分もアスベストの被害を受けているのではないかと大変心配されています。さらに、事業主は、制度上、原則的に労災に加入できません。


 今後、発症者がふえると予想される建設関連従事者に対して、労災認定がなされるよう基準を見直すことや、事業主にも労災に準じた救済支援がとられるよう政府に要望するとともに、県独自でも率先して対策を講じることを求めます。


 次に、民間施設のアスベスト対策についてです。


 街には、アスベスト吹きつけの建物ではないかと思う民間施設を多く見かけます。しかし、本当にアスベストかどうか一般の市民はよくわかりません。そのため、不安が増大します。


 県は、8月に行った調査で、昭和55年以前の1,000平方メートル以上の民間施設のうち、吹きつけアスベストが364棟あったと公表し、それへの対策が行われていると言われました。しかし、1,000平方メートル未満の民間施設については全くどうなっているのかわからず、その対策は相談窓口を強化するとのことですが、それでは不十分と指摘せざるを得ません。過去に、1970年代、石綿使用の有害性が明確になっていたにもかかわらず、実態調査を初め、徹底した対策がとられませんでした。今、アスベスト被害の実態調査を大規模に、かつ徹底して行うことが大変重要です。


 現状では、アスベストの有無を検査する専門機関も県内で数箇所しかなく、結果が出るまでに3週間から1ヵ月もかかっています。また、検査だけで数万円以上の費用がかかります。大規模に民間施設のアスベスト検査を進めるためには、もっと気軽に早急に対応できるようにしなければなりません。


 そこで、少なくとも民間施設について実態調査を徹底して行うとともに、それを推進するための調査体制を強化し、簡易検査方法も含めた検査体制の確立と費用助成などの対策を求めますが、積極的な答弁をお願いします。


 次に、小児救急医療体制の整備についてです。


 今、小児科医師の不足が深刻で、公立病院や大学病院からも小児科医師がいなくなるという事態まで起き、大きな社会問題となっています。


 幼い子供の病気は、本人が病状を訴えることができないことや病状が急変するなど、診療が難しく、専門性が求められることなどから、小児科医師が対応できる小児救急医療体制の拡充が切実に求められています。


 宝塚のある母親は、夜中に子供が高熱を出し、夜間救急を受け入れている病院へ連絡すると、小児科医師がいないと断られました。そこで、市の消防局で小児救急の当番医を聞きましたが、西宮市立中央病院だと言われ、夜中に病気の子供を抱えて地理のわからない病院へ行くこともできずに、結局、また別の救急病院で内科医に診てもらったということです。


 宝塚市では、小児1次救急の体制は、一部の民間病院が受け入れをしているものの、休日・夜間診療所とは名ばかりで、昼間でも小児科医師がいるとは限らず、夜間は全くの空白です。また、2次救急病院群輪番体制は、県の資料では、阪神北医療圏域で宝塚市立病院、市立伊丹病院がそれぞれ週2日、市立川西病院が週1日と平日は輪番を組んでいますが、土・日は空白のままです。


 県は、このたび、県政推進重点プログラムの中で、24時間型の小児救急医療体制を年次目標を持って推進することなどを発表されました。阪神北医療圏域でも、やっと今年度、阪神北小児救急医療対策圏域会議が設置され、現行の小児救急医療体制の見直しや小児救急医療にかかわる拠点病院の設置に関することなどの検討が始まったばかりです。


 私たちは、これまでも病気が急変しやすいなどの小児科の特性から、1次、2次救急の一体的な小児救急医療体制の確立を求めてきましたが、今回のプログラムでもその検討はされていません。ある小児科の医師は、「子供の病状は急激に悪くなることもある。だから、軽傷から重傷まで小児科医が診る必要がある。また、熱ぐらいでこんな時間に来たのかなどと言わずに、一緒に心配し、子供や家族の心のケアをするのが小児科医の役目でもある」と言われています。急病の子供を抱えた親が、そこへ行けば小児科の医師に必ず診てもらえる、1ヵ所でどんな症状でも対応できる小児救急医療こそ求められています。


 そこで、財政支援とともに、医師会の協力も得ながら、阪神北地域で、宝塚市のような1次救急の空白という深刻な状態を早急に改善すること、また、1次、2次救急の一体的な受け入れのできる小児救急医療体制を確立するため、小児救急センターの整備を求めるものですが、知事の決断を求めます。


 次に、DV問題について質問します。


 昨年のDV改正法の中で、暴力の定義の拡大、保護命令制度の拡大などが改正されたと同時に、基本計画の策定が都道府県に義務づけられ、被害者の自立支援は都道府県の責任であることが明確にされました。


 全国的に見ると、2004年の統計では、夫に殺害された殺人事件は127件で、傷害事件は1,143件にもなっており、既に事態は大変な状況です。形だけの計画ではなく、実効あるものにしていかなければなりません。


 パートナーに暴力を受けたことがある人は、約20人に1人と言われています。しかし、被害者である女性は、「自分にも悪いところがある。自分が我慢すればいつかはおさまる」という思いで、自分自身が被害者という思いがなかなか持てません。「男は強く、女は優しく」という習慣の中で植えつけられた価値観がDV問題の根底にはあります。しかし、どのような理由があってもDVは犯罪であり、人権侵害です。


 ところが、社会的には、まだまだ無理解の部分が多く、身を寄せた施設では、夫から逃れてほっとしたのもつかの間、施設職員のさまざまな規制や心を刺すような不用意な言葉が、被害者を再度追い詰めています。


 女性家庭センターに身を寄せたAさんは、就職が決まったものの、所持金が全くない状況でセンターを出、泊まるあてもなく、一晩公園で野宿をしました。仕事も、その日から勤められるわけではなく、まして給料を手にするのは1ヵ月も先のことです。その後、市に相談に行き、1万円の生活資金を借りて、民間シェルターに身を寄せました。このときに、もっと親身になって丁寧な対応がされていれば、野宿をするということにはなっていません。まして、暴力を振るわれていた形跡は明らかにあるわけですから、そんな夫のもとに帰ってはだめと助言するのが本来の役割ではないでしょうか。


 また、前妻の子供をいじめるという理由で夫から暴力を受け続けた妻が、やっとの思いで民間シェルターに逃げました。その後、夫がそのことを理由に告訴したため、両方の取り調べが始まりましたが、その際、妻が警察に来る日程を夫に知らせているのです。その後、弁護士から抗議をしましたが、その理由は、捜査の進展を夫に知らせるためという信じられないものでした。また、調書の際、どこのシェルターにいるのかとしつこく聞かれ、住所は知らないと言うと、上司に報告するのにそれでは困ると、身を寄せている民間シェルターの特徴やマンション名まで言わされたそうです。本来シェルターは公にはなっていけない施設なのにです。


 DVへの無理解、知識不足、偏見により、平然とこのようなことが行われています。すべての関係者の認識を改めることが、今回策定される基本計画の根本になくてはなりません。


 また、民間シェルターは、公的役割を担う重要な施設ですが、その運営は大変です。現在、県から一時保護を委託された場合にのみ1日6,490円の委託費が出ますが、シェルターに直接来られた場合は、何の支援もありません。鳥取県では、借り上げたアパートの家賃助成や同伴者の旅費、通信費の助成等の独自支援がされています。所持金を1円も持たず駆け込んでくる女性を自立までサポートする民間シェルターへの財政支援が早急に求められます。


 そこで、被害者の心に寄り添った心ある支援ができるよう、警察も含め、DV問題にかかわる職員への研修を強化し、24時間対応できる専門の職員を大幅にふやし、県民局単位での配置を実現すること、あわせて民間シェルターへの財政支援を求めます。知事の誠意ある答弁をお願いします。


 次に、JR宝塚駅のバリアフリー化の早期実現についてです。


 交通バリアフリー法は、2020年までに、乗降客が1日5,000人以上の駅をバリアフリー化することを定めています。


 私の住む宝塚市内でも、順次整備が行われてきました。最近では、2003年度に阪急中山駅、2004年度に阪急山本駅にエレベーターが設置され、利用者に大変喜ばれています。また、2005年度は、阪急清荒神駅の宝塚方面ホームに改札口を新設するバリアフリー工事が始まり、以前から臨時の改札口から出入りさせてほしいと要望していた障害者や高齢者の方は、完成を心待ちにしておられます。


 宝塚市内では、JR宝塚駅と武田尾駅を残すのみとなりました。とりわけ宝塚の玄関口とも言うべきJR宝塚駅は、1日6万人以上の利用客があるにもかかわらず、いまだにエレベーターもエスカレーターもなく、バリアフリー整備から取り残されています。改札口とホームを結ぶ跨線橋は、30段もの急な階段で、高齢の方は、つえをつきながら、やっとの思いでこの階段を上りおりしており、車いすの方も、その都度駅員に運んでもらわなければなりません。


 また、この跨線橋は大変狭く、特にラッシュ時や観光シーズンなどは混雑して大変危険な状態で、バリアフリー整備は待ったなしの課題です。多くの犠牲者を出したJR列車脱線事故の教訓は、効率優先で人命軽視の考えを改め、十分な安全対策をとることではないでしょうか。列車の安全対策はもとより、鉄道駅舎や踏切など全般にわたる安全対策が早急に求められています。


 これまでも障害者団体や地元商店会・自治会で組織されている橋上化委員会などを初め、私たちもJR西日本や行政に対し、バリアフリーの早期実現を求めてきました。しかし、「バリアフリー化は駅舎の改修とセットで行いたい」、「駅舎の改修時期はいつになるか未定である」という状況が何年も放置されてきたのです。エレベーターの設置は今すぐにでもできます。


 JRの方針を待つのではなく、県民の声にこたえ、一日も早くJR宝塚駅にエレベーターを設置し、バリアフリー化を進めるよう求めるものです。


 次に、宝塚新都市計画についてです。


 宝塚市西谷地域は、宝塚市の2分の1の広大な地域に3,300人の人が住み、日本の原風景を残す貴重な自然いっぱいの地域です。ここに人口3万7,000人の街を誕生させようと、1989年に新都市計画が発表されて、既に16年がたちました。


 私たちは、当初から、貴重な自然を破壊するものであり、採算性もない開発事業であると事業の中止や抜本的見直しを求めてきました。ところが、県当局は、十分な見通しもないまま用地を先行取得、1,166億円もの資金を投入したものの、計画そのものが二転、三転してきました。1997年には進度調整をしたにもかかわらず、第二名神高速道路の整備を前提に、玉瀬第3クラスターで「物流拠点」「ガーデンビレッジ構想」など、あくまで開発姿勢を打ち出してきました。しかし、第二名神高速道路計画が環境破壊と莫大な地元負担を伴うことから、地元住民を初め、多くの人から反対意見が相次ぎ、どれ一つ具体化の目途は立っていません。結局、昨年3月議会で、当局は、「玉瀬第3クラスターの事業化は、膨大な事業費を要することから、事業採算性の面からも慎重な検討が必要」と答弁しなければならないところまで来ています。


 県は、見通しがなくなった新都市計画の予定地、全13クラスターのうち8クラスターで里山整備を行うことを決め、既に大原野1地区で昨年度、整備が完了しています。しかし、山にも詳しい地元の方から、「木を切り過ぎている。地形に逆らった新たな遊歩道は、もし大雨が降れば災害につながる」との声を聞きました。山は生き物です。その山に合った整備の仕方があると、昔の山道を探し出し、復元する取り組みを始めた地元の人たちもおられます。


 また、来年度は、大原野第3クラスターで里山整備を予定しており、その隣接地に阪神野外CSR施設整備も始まります。山を削ることは最小限にとどめ、緑を残す計画だといいますが、あの美しい風景と自然が壊されるのではないかと危惧されているところです。改めて事業方法を検討し直し、地元の意見を大いに取り入れて今後の整備事業に生かすべきです。


 しかし、地元の人たちとの思いとは逆に、県は、企業庁、企画管理部、県土整備部、農林水産部、産業労働部、健康生活部環境局など、それぞれの部局が縦割りでかかわっているため、地域の人たちの意見が十分に反映できていません。


 今、西谷地域では、「西谷まちづくり協議会」を初め、地元住民の人たちが、住民が郷土に愛着と誇りを持ち、訪れる人にとってもほっとできる地域でありたいと、さまざまな取り組みを始めているところです。武田尾温泉や桜の園、国宝の波豆神社など、歴史的遺産や丸山湿原を初め、マツタケ山や蛍の乱舞する川など、豊かな自然を地域の貴重な財産として大切に守り、有効な資源として活用していくことが、西谷地域の活性化につながると考えます。


 そこで、環境破壊と莫大な財政負担を伴う第二名神高速道路建設の中止と宝塚新都市計画の白紙撤回を改めて求めます。また、里山整備や阪神野外CSR施設は、貴重な自然を壊さずに整備することを求めますが、お答えください。


 次に、武庫川の治水と堤防の問題について質問します。


 現在、武庫川流域委員会で、「総合治水も含めてゼロベースから検討」と取り組みを進めておられます。流域委員会の中で、県当局が、その事業にどのような態度で取り組んでいるかを市民も私たちも注目してきましたが、総合治水を真剣に検討しているのか疑念を抱いています。それは金出地ダムの事業再開の決定により増大しています。


 金出地ダムは、企業庁の開発する播磨科学公園都市の計画変更に伴う利水の撤退により、建設の凍結、見直しをしていました。見直しの検討を行った千種川委員会鞍居川部会は、2003年2月に議論を始め、2年後のことし、建設継続の最終報告を出し、ことしの投資事業評価で継続の判断が下されました。


 その議論の過程を見ると、まず、初期段階の四つの案のうち、「遊水地と河川改修案」が検討から外されています。その理由は、「沿岸の田畑の用地買収するため事業費が高額になる」というものです。借地方式は検討さえしていません。また、最終報告のただし書きで、「河川部局だけでなく、農林、都市、防災などを含む複数部局による減災という究極の目標を達成するため、総合的な治水対策のあり方については、今回、議論を十分に尽くすことができなかった」と書いてあります。つまり、凍結していたダム計画にゴーサインを出すために、総合治水は、まともに研究も議論もされなかったということです。これでは、何のための再検討でしょうか。


 金出地ダムは、2年間かけて議論しても十分な調査がされませんでしたが、武庫川流域委員会については、設置期間も同じ2年間で、その上、責任者も金出地ダムのときと同じ人物です。私たちは、武庫川で同じようになることを大変に危惧しています。


 武庫川流域委員会の第3回総合治水ワーキングチームに出された資料の中でも、「でき合いの総合治水をぽんと持ってきて、武庫川に当てはめようとしても無理な話である。労力はかかるが、みんなで武庫川の総合治水を手づくりでつくり上げていくほかはないであろう」と指摘されているように、拙速に結論を出すことがあってはなりません。


 「台風や大雨はいつ来るかわからないから、早期に結論を出すべき」と言いますが、私たちは、ダムより優先すべきは、堤防の補強であると考えています。私は、昨年、決算特別委員会で、福井や新潟の豪雨被害の教訓も踏まえて、武庫川の堤防補強の必要性を訴えましたが、アメリカのハリケーン・カトリーナが甚大な被害を広げた主な原因が堤防の決壊であったことからも、堤防の強化をすることの重大性が増しているのは、だれの目にも明らかです。


 県は、昨年までに行った堤防安全度調査に基づき補強を進めるといいますが、十分な体制と予算にはなっていません。さらに、堤防が決壊したときの避難計画を策定して、住民に明らかにすることが必要ではないでしょうか。


 そこで、武庫川流域委員会の設置期間を延長し、真剣な総合治水の検討を行うこと、また、堤防補強と避難計画策定の取り組みを優先して実施すべきです。知事の答弁を求めます。


 最後に、阪神間に知的障害養護学校を新設することについて質問します。


 1972年4月、「希望するすべての障害児に学校教育を」として、全国で2番目に小中学部全員入学を実現した組合立阪神養護学校がスタートして33年。1979年、養護学校義務制が実施されて25年が経過しました。この間、義務教育だけでなく、障害児の高校教育や重度障害児の教育権保障など、障害児教育も大きく前進を遂げてまいりました。


 一方、行き届いた障害児教育を希望する障害児の増加に見合った教育条件整備が常に後追いになってきたことにより、県内の知的障害養護学校における長時間通学、過大過密問題の深刻な状況は、長年にわたって続いています。特に、阪神養護学校とこやの里養護学校においては、ホームルーム教室や特別教室が足りず、生徒に合った柔軟な時間割り作成ができない。休憩時間になると、狭いグラウンドや廊下に生徒がいっぱいになり、遊具使用中の接触事故などが多く、教室不足や運動場の狭さなど、深刻な状況が続いています。


 一方、県教育委員会は、今後の障害児教育のあり方について基本的な考え方の検討を行うとして、一昨年、障害児教育の在り方検討委員会を設置し、同委員会は、ことし「本県の障害児教育の現状と課題について」を発表しました。この報告書の中で、「阪神間の知的障害養護学校の児童生徒数増加への対応など、検討すべき課題がある」とされていますが、状況は今や検討すべき課題ではなく、過大過密を解消することが緊急に求められます。


 これまで知的障害養護学校の適正規模は、およそ150人程度と言われてきましたが、教育委員会が発行している「兵庫の障害児教育」から阪神間の養護学校・障害児学級の過去の在籍人数、現在の人数等を参考に試算してみると、現状のままでは、今後10年間、阪神養護・こやの里養護両校の在籍人数は、それぞれ300人前後と推計され、超過密状態は解消されません。


 阪神間に新たな養護学校が開設されれば、現状を大きく改善することになります。これまで長年にわたって要望が出されてきましたが、阪神間に知的障害児の養護学校新設をぜひ実現するよう求めて、私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)


○副議長(北浦義久)  井戸知事。


  〔井戸知事登壇〕


○知事(井戸敏三)  日本共産党議員団のねりき恵子議員のご質問にお答えいたします。


 まず、アスベスト対策についてです。


 建設関連従事者への救済支援についてお尋ねいただきました。


 中小企業事業主や一人親方などの自営業者についても、特別加入制度がありまして、労災保険に加入でき、労災保険による救済がなされる仕組みとはなっています。しかしながら、加入していても、一般的な事故や原因が特定できないとの理由で労災申請ができない方や、多く労災に加入していない方々などへの救済が課題になっているところです。


 このため、労災認定の弾力的運用について、国に対して必要な措置を要請しておりますが、現在、労災保険の運用におきまして、アスベスト暴露に対する迅速な事実認定を行うなどの措置がとられているところです。


 また、労災保険の時効が成立した方々、家族及び周辺住民などの労災保険が受けられない被害者に対する補償についても、あわせて要望しております。国におきましても、新たな法的措置の基本的な枠組みが議論され、固められて、新しい法律を制定するとの検討がなされておると承知しております。


 県としましては、今後とも、アスベストによる健康被害の実態を把握し、11月までに調査を行い、被害者に対する補償に向け、国に対し情報提供してまいります。


 民間施設の実態調査と簡易検査についてでありますが、建築基準法では、床面積1,000平米を超える建築物に一定の防火性能を義務づけております。これに対応するため、耐火性能等にすぐれた吹きつけアスベストが多くの民間建築物に使用されてきたという経過があります。このために、床面積1,000平米以上のものを対象に調査を実施したところであります。


 実態としては、吹きつけアスベストを使用している建築物は、この調査により基本的に把握できているのではないか、このように認識しています。


 しかし、より一層の実態把握の充実を図る必要がありますので、建築基準法に基づく定期報告制度において県施行細則を改正して、不特定多数の人が利用する建築物で一定規模以上のもの、例えば、集会所では200平米、病院では300平米を超えるものなどに対しまして、吹きつけアスベストに関する報告を義務づけ、報告をもらうことといたしておりまして、小規模なものについても制度的な監視を強化することとしました。


 検査については、ひょうご環境創造協会が、9月22日現在で421件の分析検査を実施しており、依頼件数の急増に対応するため、民間検査機関とも連携しつつ、効率的な検査を実施していきます。


 なお、支援措置については、国が民間建築物での吹きつけアスベストの検査や除去費用への支援を検討しておりますので、県としては、これを踏まえつつ、必要があれば支援策を検討してまいります。


 宝塚新都市計画についてでありますが、宝塚北部地域は、昭和60年代の初めには開発圧力が非常に高く、民間による乱開発が懸念されたことから、地元等からの強い要請もありまして、秩序ある開発をすべく新都市計画に取り組んできたところです。


 同計画は、「人・自然・地域社会が共生するまちづくり」、「人・モノ・情報が交流する新しい都市拠点づくり」などの観点から土地利用の検討を行ってまいりましたが、経済のバブル崩壊と社会経済情勢の激しい変化を受けて、事業実施には至っていません。しかし、阪神間に近く、豊かな自然環境や第二名神高速道路の立地等の諸条件を考えると、これらの条件を見定めながら、今後とも慎重に検討を進めていく必要があると考えています。


 このような中、里山林整備は、防災の観点から森林の荒廃を防ぐ効果もありますので、地元の方々は当然のこと、専門家の意見もお聞きしながら、地域の植生や地形に配慮しつつ、森林や遊歩道の整備を進めているものです。


 また、阪神野外CSRについては、現況の地形をそのまま生かして、遊歩道やあずまや等を整備し、訪れる方々が都市近郊に残る豊かな里山の自然環境を楽しめる公園として整備する計画であり、地元の方々の意見も十分に取り入れて、基本計画の作成に取り組んでおります。ご指摘のように、自然を極力残しながら一定の整備をしようとするものであることにご理解をいただきたいと存じます。


 なお、第二名神高速道路は、国土の骨格となる重要な路線であります。環境アセスメント等環境保全のための所定の手続を経て、地元負担を伴わない有料道路方式で事業が進められようとしています。私どもとしては、中国自動車道の慢性的な渋滞の解消、あるいは震災時の緊急輸送路確保の観点からも、第二名神高速道路の早期整備が必要であると考えており、公団民営後も引き続き事業が一層促進されるよう、新会社に強く働きかけていく所存です。


 続いて、武庫川の治水と堤防問題についてです。


 昨年の台風23号において、武庫川下流部は円山川のような大事に至らなかったとはいえ、万が一の事態を考えると、河川管理者として重大なる危惧を抱いたことは間違いありません。それゆえ、私としても、武庫川流域委員会に出席し、早期に提言を取りまとめていただくよう要請を行ったところです。委員会も、その必要性を十分理解されたと私自身認識しています。


 現在、委員会では、ワーキングチームが設置され、近く、治水対策の目標となる基本高水流量及び総合的な治水対策の方向について中間報告を取りまとめることとなっていることから、総合的な治水対策の検討が進められることを期待しています。


 また、堤防強化につきましては、河川管理者としてその必要性を強く認識しており、今年度から一部事業に着手しています。


 今後とも、優先度の高い区間から重点的に補強工事を実施していくことにいたします。これは、住民の生命、財産を守るとの観点から考え得る有効な対策の一つとして先行して実施しているもので、ダムより優先すべきは堤防の補強であるとの考えによるものではないことを申し添えます。


 避難計画に関しては、アメリカのハリケーン・カトリーナの例を見ても、単に避難勧告を出せば済むというものではありません。このため、県としては、CGハザードマップの作成などの努力をするとともに、武庫川においては、避難対象となる住民が数十万人にもなるということも考えまして、早急に関係市とも協議をし、その対応について検討してまいります。


 いずれにしても、本格的な治水対策のスタートは、委員会からの提言です。既に委員会は、平成15年度末、平成16年3月から審議をされておりますし、その前に準備委員会が開催されていたわけでありますので、不安を感じている多くの住民の皆さんがいることを思えば、今年度中には、最終的な提言取りまとめをしていただきたいと率直に考えているところでございます。


 以上、私からの答弁とさせていただきます。


○副議長(北浦義久)  下野健康生活部長。


  〔下野健康生活部長登壇〕


○健康生活部長(下野昌宏)  私から二つのご質問にお答えいたします。


 まず、阪神北地域での小児救急医療体制についてであります。


 小児救急医療におきましては、軽傷の外来患者に対応します1次救急機能と、重症患者の入院にも対応できる2次救急機能の適切な機能分担とネットワークのもとに、患者の状況に応じた医療を提供することが望ましい。特に、小児人口の多い阪神北圏域においては、このような体制が適切であるというふうに考えています。


 小児救急医療を担う医師の不足感が増大する中で体制の充実を図るためには、小児救急医療施設の再編・集約化や診療所と病院の連携強化を図る必要はあると考えています。


 このために、阪神北圏域におきましては、小児1次救急医療を担う施設を市域を越えて集約化し、地元開業医も参画をした休日・夜間診療体制を構築することが最も重要であると考え、関係市町とも協議、検討を進めているところであります。


 また、現在、地元医師会等医療関係者から意見を聴取しているところでありますが、これらを踏まえて、1次、2次切れ目のない小児救急医療体制の構築をめざしてまいりたいと考えています。


 次に、DV問題についてであります。


 改正DV法におきましては、被害者の相談支援、保護、自立支援など、市町も一定の役割が位置づけられており、市町においても組織整備が図られていると認識しております。このために、このDV問題に対応する職員、市町職員、健康福祉事務所の職員、こども家庭センターの職員などと合同で、DV問題に関する専門的な研修を実施しています。


 研修の内容につきましては、相談、保護、自立支援のそれぞれの段階で適切に対応できるように、事例検討やDV被害者への支援などについて、弁護士や精神科医師、大学教授等の専門分野の方々も講師として、その研修内容の充実を図ってきているところです。


 警察におきましても、県下5ブロックで、DV被害者等からの相談に適切に対応するための研修を実施してきております。


 具体的に申されました事例については、一部認識を異にするところはありますけれども、いずれにいたしましても、対応する担当職員のカウンセリングマインドを向上させるための研修として、こころのケアセンターの協力も得て研修を実施しておりますし、今後、被害者の心を十分に理解でき、対応可能な研修の充実に引き続き努めていきたいというふうに考えています。


 また、24時間対応につきましては、女性家庭センターにおきまして、休日も含め、午前9時から午後9時まで専門職員による相談を実施しておりまして、9時以降については、緊急受け入れ等については常に対応してきているところであります。


 また、職員配置等の問題についてのご提案がありましたけれども、毎年度、組織整備の中で点検を行っておりまして、来年度に向けても引き続き組織点検を行ってまいりたいと考えています。


 また、民間シェルターへの財政支援につきましては、DV対策の基本計画検討委員会におきましても、現在、計画策定について議論いただいているところでありますが、その中での検討課題の一つとして私どもも認識しているところであります。


○副議長(北浦義久)  佐々木まちづくり復興担当部長。


  〔佐々木まちづくり復興担当部長登壇〕


○まちづくり復興担当部長(佐々木晶二)  私からは、JR宝塚駅のバリアフリー化の早期実現についてお答えします。


 既存駅舎のバリアフリー化につきましては、福祉のまちづくりを推進する観点から、鉄道事業者に、具体的かつ計画的な取り組みを行うよう、その促進を図ってきたところであり、達成率は77%と、兵庫県は全国的に見ても高い水準にあります。


 JR宝塚駅につきましては、1日6万人以上が乗降しているとともに、阪急との乗り継ぎ駅としての機能を果たす重要な交通結節点と認識しており、バリアフリー化も含めた早期の再整備が必要であると認識しております。


 現在、宝塚市におきまして、JR宝塚駅周辺整備事業として、駅前広場の再整備、JR宝塚駅の橋上化、自由通路の整備等について検討を行っているところであります。


 県といたしましては、JR宝塚駅周辺整備事業と一体となって、JR宝塚駅の早期バリアフリー化が実現されるよう、宝塚市と共同して、JR西日本に要請してまいりたいと考えております。(議場騒然)


○副議長(北浦義久)  静粛に願います。


 吉本教育長。


  〔吉本教育長登壇〕


○教育長(吉本知之)  阪神間におけます知的障害養護学校の新設についてご答弁申し上げます。


 養護学校におきましては、議員ご指摘の高等部を中心とした児童生徒の増加の状況に加えまして、障害の重度・重複化や多様化などを踏まえた、障害の状態に応じた適切な指導のあり方、社会の一員として主体的に生活を営むことができる力を培う教育の一層の充実など、解決すべき課題が生じております。


 このため、特別支援教育への移行が中央教育審議会で審議されておりますが、本県におけます障害児教育の基本的な方向を示しますため、本年度、引き続き設置をいたしました障害児教育の在り方検討委員会におきまして、盲・聾・養護学校の適正規模や配置、職業教育など後期中等教育の充実、教職員の専門性の向上などの課題について検討を行い、早期に提言をいただくことにしております。


 今後、国の動向や検討委員会からの提言を踏まえまして、ハード・ソフト両面の具体的な方針の策定に向けて検討を進めることとしておりますが、その中で、阪神間の養護学校のあり方についても検討してまいります。


○副議長(北浦義久)  ねりき恵子議員に申し上げます。


 申し合わせによる時間が迫っておりますので、再質問は簡潔にお願いをいたします。


 ねりき議員。


○(ねりき恵子議員)  二つ再質問したいと思います。


 一つは、武庫川の治水対策についてですが、やはり知事の答弁では納得できないというところがあります。


 堤防補強は重大な問題だといいながら、やはり総合治水という観点の中でも考えていくべきだというふうに思っていますし、そういう点で、本当に総合治水が検討されるのであれば、期限、来年のあと半年という期限を切らずにですね、もっと十分な検討をしていくと、それと同時に、危険なところを早急に直していくと、予算もつけて直していくということを一つ求めたいと思います。


 二つ目は、DV対策についてです。


 ご答弁の中で「見解の違い」ということをおっしゃられましたけれども、そこのところが非常に重要でして、やはりその方が来られたときに、本当にDVではないだろうかということを察知しますといいますか、やはり的確にとらえて判断をしていくということ、そういう専門性が求められているというふうに思うんです。やはり非常な微妙な問題ですから、相手の、この追い詰められた女性の立場に立って、その心に本当に寄り添った対応が必要だというふうに思っています。研修機関、研修をされているということですけれども、そういった職員全体の専門性を高めるという認識を持っていただきたい。


 そういった点で、知事にも関係者の直接の声を聞いていただいて、今度の基本計画にも反映していただきたいと思いますが、お答えください。


○副議長(北浦義久)  井戸知事。


○知事(井戸敏三)  武庫川の検討委員会での議論は、総合治水の観点ですべての可能性を検討していただいて、答申をいただけるものだと、このように考えております。


 先ほど申しましたように、準備期間を入れますと、3年を超える期間になりますので、そのような意味で、私としては、今年度中にはぜひ欲しい。次の段階としてですね、それこそご指摘になりました堤防補強に本格的に取りかかるということも含めてですね、本格的な実施をしようとすると、委員会の答申がまずあってでないと、なかなか本格的な対応がしにくいということをご理解いただきたいと存じます。


 総合治水をやれと言われている皆さんから、「そんなことはない」と言われるのも、何か私にはよく理解できません。


 あわせまして、DVについては非常に微妙な問題で、特に、おっしゃいますように、その立場になって、その被害を受けられている方の気持ちを参酌しながら対応する必要がある、おっしゃるとおりだと思っています。そのような意味で、専門性を高めるためのいろんな研修をしているわけでありますが、その専門性には、やはり人間愛がなければいけませんので、そのような意味で、カウンセリングマインド等の養成が不可欠だということを部長から申し上げたつもりでございます。


 委員会での議論、私、じかに聞いておりませんので、一度委員会にも出席して、議論に参加させていただくことにしたいと思います。


 以上、私からの答えとさせていただきます。


○副議長(北浦義久)  ねりき恵子議員に対する答弁は終わりました。


 この際、15分間休憩いたします。


       午後2時28分休憩


  ………………………………………………


       午後2時50分再開


○議長(内藤道成)  ただいまから会議を再開いたします。


 休憩前に引き続き、質疑、質問を行います。


 前川清寿議員。(拍手)


  〔前川清寿議員登壇〕


○(前川清寿議員)  かつてない緊張を覚えながら質問いたします。


 「昔は、お金があれば、新しい技術や工業製品が買えて幸せだった。今は、そういった物によって幸せが増す確信のようなものが後退してしまいました。20世紀は、その意味で技術の時代、あるいはお金の時代だったけれども、21世紀は、何よりもまず暮らしと命を輝かせるという意味で、21世紀のキーワードは「命」、お金より、技術より「命」ではないだろうか。それが根本的な変化だと思います。そして、あすのことはよくわからなくなってしまったと、世の中の、世界中の人が思うようになりました。その分、一日一日をしっかり輝かせて生きていきたい」、これは、「農の時代」を提唱された東大名誉教授、木村尚三郎先生の言葉であります。すなわち、あすを見詰めて、一日一日を大切に美しく生きる。そのために、命の大切さを私たちに示唆してくれているのであります。大切な命、その大切な命を守るのが医療であります。健康は、すべての人の宝であります。


 そこで、今回、私の質問は、すべて兵庫の医療について行います。


 県は、本年2月に「県立病院の基本的方向」を策定いたしました。その中において、警察、消防と並び、医療が県民の安全・安心ネットワークの重要な拠点であると位置づけ、医療内容の向上を図るとともに、県立病院の基本的な方向を定め、これに沿った診療科目の見直しや施設整備を初め、有能な医師の確保、人材の育成に努めております。


 そこで、まず、県立病院における医療ビジョンについてお伺いをいたします。


 昨年の第281回定例県議会において、我が党の山本敏信議員により、県立病院のめざすべき方向について質問がありました。その答弁の中で、「尼崎病院では、公立病院間連携の中核的な役割とともに、第2種感染症病床の整備を行う。また、西宮病院では、腎疾患治療センターの新規整備を行う。一方、塚口病院は、高度な小児救急医療等を提供する。さらに、加古川病院は、東播磨地域の3次救急医療の提供や緩和ケア等のがん医療の充実など、政策医療の純化を行う」と答弁されております。本当にすばらしいことでありますが、私は、絵にかいたもちのような気がしてなりません。まるでどこかの党のマニフェストのようであります。


 そこで、お伺いをいたします。知事は、医療が守っている命の大切さをどのように思われるのか。


 また、病院事業は、地方公営企業法により、一般会計からの繰入金が認められておりますが、県は、行財政構造改革の一環として、収益的収支の10病院に係る一般会計繰入金は、平成10年度の136億から平成16年度には98億まで減少しております。ちなみに、全国の主な自治体病院の中で、本県の成人病センターと同等の愛知県がんセンターを比較すると、愛知県がんセンターは、平成16年度一般会計繰入金が28億円、本県の成人病センターでは12億円となり、そのうち、研究部門では、愛知県がんセンターは11億6,000万、本県成人病センターは、正規医師1名と臨時雇用の二、三名の人件費のみであります。これでは、高度専門医療の提供が本当にできるのか疑問であります。


 冒頭に申しましたように、県民の真の幸せは、お金より「命」ではないかと思いますが、そのような観点から、県立病院のビジョンについて、どのような心構えを持って対応をしようとされているのか、知事の見解をお尋ねいたします。


 次に、県立病院のあり方についてであります。


 県立病院の中で、特に成人病センター、姫路循環器病センター、そしてこども病院は、県内のみならず、全国的にも注目され、信頼を受けてきた病院であります。


 しかしながら、これらの病院も、年数がたつにつれ、過去の名声だけに陥ってしまうのではないか、また、県の医療に対する取り組みも後退しているのではないかと思われてなりません。例えば、平成13年度に、姫路循環器病センターの県立高齢者脳機能研究センターが廃止され、県立成人病センターの県立成人病臨床研究所も県の行財政構造改革という名のもとに廃止されました。これは、もちろん議会も渋々了承したのでありますが、まさしく県民の健康を守る面からすると、後退したと言わざるを得ないのであります。


 そこで、初めに、成人病センターについてお尋ねをいたします。


 本年3月10日発売の週刊朝日臨時増刊号で、「いい病院全国ランキング」なる記事が掲載されました。その中で、1,532の医療機関の手術数を一覧にするとともに、がん、心臓病、脳疾患の名医、それに執刀医のリストまで挙げて報道がなされました。その中で、本県成人病センターが、肺がん手術及び子宮がん手術では全国第4位、前立腺がん第9位、食道がんでは第12位と、現在、日本でトップクラスの診断力と治療実績を誇っているのであります。これは、医師のすさまじい努力のたまものであります。


 しかしながら、成人病センターでは、将来について次のような不安を感じているのであります。私が先ほど申しましたように、愛知県がんセンターと本県成人病センターの比較と同時に、本県と他府県では、一般会計の繰入金の額が違うことや、研究所を持たないがんセンターでは、今後、雄県兵庫の県民医療の信頼にこたえることができないのではないかと思うのであります。また、優秀な医療人を求め、その医師、看護師らが成人病センターに勤務し続けられるために、十分な環境の整備が必要であると思うのであります。


 県も最新鋭のPET・CTを導入するなど、努力は認められますが、先端医療機器だけではなく、標準診療分野における新鋭診療機器の十分な補充も必要であります。


 それとともに、他府県がんセンターとの大きな違いは、臨床研究への人的・物的予算措置であります。これを怠ると、大東亜戦争の日本の戦力みたいなものであります。アメリカは、飛行機や船艦を初め、新兵器を次々と開発し、日本を圧倒いたしました。すぐには目に見えなくても、数年先に実を結ぶ開発・研究の重要性を物語っているのであります。現状の取り組みでは、兵庫県の成人病センターも近いうちに他府県に負けるのではないかと不安に思うのは、私一人ではないでしょう。また、築21年の病院は、建てかえは無理としても、大幅な改造が必要と思われます。当局の見解をお尋ねをいたします。


 また、成人病センターの名称でありますが、名称の変更が必要でないでしょうか。なぜならば、現在、「成人病」という単語は、「生活習慣病」という呼称に変わっているのであります。全国的に今や「成人病センター」という名称はごく少数になり、「がんセンター」という名称が大多数を占めておるのであります。そこで、名称変更について、当局の見解をお尋ねいたします。


 次に、姫路循環器病センターについてであります。


 私がいろいろ調査させていただきましたが、その中で、私の知人で入院経験のある人は、こんな話をしてくれました。「救急車で運ばれ、意識もなくなっていた私だが、すばらしい先生方のおかげで、一命を取りとめました。先生方の強い医師としての使命感に感動を覚えました」と話しておりました。しかし、一方、姫路赤十字病院、新日鉄広畑病院などは、病院すべてが建て直されている。独立行政法人姫路医療センターも大改造がなされた。しかし、姫路循環器病センターは古く、とにかく汚いという声が入院患者の中であり、「こんな汚い病院に担ぎ込まれるのかと言っている者もおりました」と話しておりました。「病院の建てかえは無理といたしましても、ペンキぐらいは塗り直せないのか」と私に話しておりました。今、私の知人の弁のように、循環器病センターは、信頼と失望感が相交差しているところとなっております。


 一方、同センターの医師からは、今後の姫路循環器病センターの役割として、脳卒中に対する超急性期医療を初め、血管内治療の診療を強化し、血管内治療医療チームを創設するほか、早期リハビリテーションがぜひとも必要であると述べていました。また、心臓病の専門病院として、他の病院ができない先端医療をさらに充実することが必要であり、カテーテル室や集中治療室の増設が必要だと強い要望がありました。


 これに対して、当局はどのように受けとめているのか、お答えをいただきたいと思います。


 次に、県立こども病院についてであります。


 県立こども病院は、国立小児病院に次いで古い歴史を持つ小児専門病院であります。その診療機能では、手術件数、ハイリスク新生児の入院数は全国トップであると言われております。特に、全国に先駆けて、平成14年10月より実施している小児3次救急医療は、県下の小児医療機関から厚い信頼を受けるとともに、他府県からも注目を受けているのであります。また、周産期医療及び小児医療専門施設として、母と子供への総合的高度専門的な医療が行われているのであります。


 しかしながら、現状の病院では、子供と親にとって快適な病院となっていないのではないでしょうか。特に、近年、母子入院が主流となっておりますが、院内の病室は狭く、それに対応できていません。親との接触を図るための家族が宿泊できる、いわゆる「ファミリーハウス」が必要だと思うのでありますが、それも5室しかないのが現状であります。このことについての見解をお尋ねいたします。


 また、入院している子供の精神を安定させるなどの効果があるとされるクリニクラウン、日本名では「臨床道化師」でありますが、最近、ヨーロッパのこども病院で取り入れられているのですが、このことについてどのように感じておられるのか、お伺いをいたします。


 さらに、こども病院は築後35年以上経過しており、今後早急に改築する必要があると思うのであります。そして、親の目線でなく、子供の目線に立ったこども病院を構築しなければならないと思うのでありますが、当局の考え方をお尋ねいたします。


 次に、県立病院における優秀な医師の確保と育成についてお伺いをいたします。


 医療は人なり、特に優秀な医療の確保と育成については、県民から信頼される医療をめざす上で、緊急の課題であります。そのために、現在、県立病院では、臨床研修医制度の充実を図り、優秀な若手医師の育成・確保を図っております。また、昨年度から全国公募方式による新たな臨床研修医制度が実施されたことに伴い、県では、2年間の臨床研修を修了した医師免許取得後3ないし5年目の医師を対象に、12県立病院の医療資源をフルに活用し、より高度で専門的な研修を安定した身分のもとで受けることができる独自の研修制度として、専攻医制度を実施しているところであります。また、県下では、病理医、麻酔医、放射線科医など医師の絶対数が少なく、その確保は重要な課題となっております。ついては、県立病院における医師の確保と育成についてお伺いをいたします。


 すなわち、専攻医制度により、県下のみならず、他県からも研修医が来県していることと存じますが、今後、これらの研修医が長く県立病院で働くことができる仕組みづくりが重要であると思うのであります。今後の取り組みについてお尋ねをいたします。


 次に、県立病院の研修制度のあり方についてお伺いをいたします。


 県民から信頼され、安心できる県立病院を実現していくため、病院事業の担い手である職員一人一人が専門的知識や技能の向上はもとより、県民に信頼される高度な倫理観、新たな課題に迅速かつ的確に対応できる豊かな創造性を養うなど、職員の能力・資質向上を図るため、研修は極めて重要であります。


 本県においては、職種別に新任研修、特別研修及び専門研修などが行われていると同時に、先進的な取り組みを進めている民間病院へ派遣研修などを実施しているが、優秀な医師、看護師などの医療専門職がキャリアアップにつながる県立病院医師の永続的な質の確保が必要と考えるのであります。


 また、県立病院の医師等は、県職員であります。その一方で、医療専門職としての立場もあるのであります。病院のみで診療することだけが医師の仕事ではなく、人を育てることやその専門的知識のブラッシュアップを図るために、一般事務職とは違う視点から学会への出席や発表を大いに推奨すべきものと考えます。しかし、現行服務規定においては、医師も一般事務職も全く同じ扱いであります。医師には、医療専門職としてのその特殊な立場を考慮する必要があるのではないかと思うのであります。


 そこで、医師、看護師など医療専門職に対する国際学会への出席等の研修のあり方についての今後の取り組み、その方針についてお伺いをいたします。


 次に、県立病院における個人情報保護とプライバシーの問題についてお尋ねをいたします。


 今、県立専門病院のあり方についてるる質問をしてまいりましたが、県立病院すべての問題として、個人情報をどのように守っていくかであります。


 現在、県の個人情報保護条例や個人情報保護法の施行により、個人の情報が非常に重要な問題として取り上げられていますことは周知のとおりであります。


 また、プライバシーの問題として、4人部屋にあって、医師や看護師が巡回する中で、果たしてプライバシーが守れるのかどうか。カーテン1枚で仕切られた中で、非常に難しいものがあると考えるのであります。


 また、外来での患者さんの氏名呼び出しや病棟における患者氏名の掲示の取りやめなど、医療上の問題として、個人情報を守る余り、外来、病棟において患者を間違えることはないのかと心配になります。また、確認作業に時間が余分にかかる余り、待ち時間が異常にふえることがあるのではないかと思われます。


 もちろん病院のハード面の改良が早急に求められることは言うまでもないが、個人情報を扱う医師、看護師を初め、すべての病院職員の対応が重要ではないかと思うのであります。今後の個人情報保護に対する取り組みについてのお考えをお尋ねいたします。


 最後に、県立新加古川病院――仮称でありますが――の整備についてお伺いいたします。


 県立加古川病院は、低所得者層の医療の確保を目的に昭和11年6月に設置され、その後、東播磨圏域の中核的病院として、その役割を果たしてまいりました。しかし、建物の老朽化、狭隘化が進むとともに、疾病構造や住民ニーズの変化に十分に対応できない状態にあることから、他に新たに建設用地を求めて、今年度から建築設計に着手し、平成21年度には県立新加古川病院の供用が開始される予定だとお聞きいたしております。


 県立新加古川病院の基本構想によれば、政策医療を中心に提供する病院として、救命救急センターを初め、災害拠点病院、がん医療の中核病院、緩和ケア病棟設置病院、糖尿病の拠点的病院、感染症指定医療機関、地域リハビリテーション中核病院等として機能することとなり、大いに期待するものであります。


 当施設は、ゆとりある療養環境や十分な駐車スペースの確保を考慮し、加古川市の神野台で3万5,000平米程度の敷地を想定されております。私は、県住宅供給公社が所有する残りの約30ヘクタールすべてを確保して、一大医療都市構想を実現すべきだと思っているのであります。すなわち、県立新加古川病院を本県の高度医療の中核と位置づけ、本県の医療技術の粋を集めた県立総合高度医療センターとして、全県下の医療の中枢を担うものとすべきではないかと思うのであります。加古川という位置は、県下どこからでも、自動車専用道路を使えば、救急車であれば、おおむね1時間半あれば到着できます。また、ヘリコプターで搬送すれば、県内どこからでも30分以内に着くことが可能であります。1ヵ所に専門病院等を集約することにより、高額医療機器の購入や医師同士の連携も容易になり、より効率的に高額医療機器や研究用機器の整備が図れると同時に、最先端の医療に触れることのできる環境を整え、医師同士の親密な情報交換や切磋琢磨により、よりレベルアップが図れる環境が整うのではないかと思うのであります。


 また、同じ敷地内にホテルなどの宿泊施設も建設し、退院後は、そのホテルから病院に通院をしていただくことが可能となります。もし、子供が入院することになれば、その親が同じ敷地内のホテルに宿泊していることにより、子供にとっても、より安心感を抱くことでありましょう。また、親にしても、すぐ我が子のところに行けるという安心感もあります。これは、既にアメリカなどでは常識になっているのであります。


 今後は、患者のアメニティーに徹し、医療先進立県をめざすぐらいの意気込みを持って、県立新加古川病院の整備を進められるよう期待をいたしております。そこで、県立総合高度医療センターの将来構想について、当局の見解をお尋ねをいたします。


 以上、兵庫県の医療の一端を質問いたしました。よく兵庫県は日本の縮図であると言われております。雄県兵庫の医療が「日本の縮図」ではなく、「しゅ」が取れてしまって「日本のくず」にならないかと懸念するのであります。冒頭に木村尚三郎先生の言葉をおかりいたしました。そして、「21世紀は命の時代」と申しました。兵庫県政にあっても、「命」をキーワードに、県民が安心して暮らせる兵庫県医療づくりにご努力いただきますことを念じながら、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)


○議長(内藤道成)  井戸知事。


  〔井戸知事登壇〕


○知事(井戸敏三)  自由民主党の前川清寿議員のご質問にお答えをいたします。


 私は、本県の医療水準が、そんなに心配をされるような水準であるとはちっとも思っていません。現実に、ご質問の中にもありましたように、成人病センターの医療水準の質は、全国的にも誇るべきものだと考えておりますし、循環器病センターにしましても、こども病院にしましても、有数の病院であります。この有数の病院が逆転するようなことをするようでは、兵庫県民がそれだけ医療に対する関心を失ったということであろうと思いますから、それは逆に「健康ひょうご」が実現したということになるのかもしれません。しかし、いずれにしても水準の高さは確保していかなければいかん、このように思っています。


 木村尚三郎先生の言葉を引用されましたけれども、私は、江戸時代の儒学者、貝原益軒の「養生訓」における言葉を引用させていただきます。「人身は至りて貴とくおもくして、天下四海にもかへがたき物にあらずや」。意味は解説しなくてもおわかりだと思いますが、人の命は非常に大切だと、こういうことであります。ご指摘の木村先生の言葉にもありますように、私も、20世紀が物の時代だとすれば、21世紀は人間の時代だと考えています。


 こうした中で、高度専門・特殊医療などの県の政策医療を担う県立病院については、公的負担の明確化と独立採算の確保のもとで良質な医療を提供する、こういう崇高な役割があります。昨年度策定した今後の県立病院における医療ビジョンを示す県立病院の基本的方向においても、県民の生命に直接かかわるがん、循環器疾患、新興感染症、糖尿病、3次救急等に対する医療の充実を図ることとしております。決して絵にかいたもちではありません。


 また、病院整備についても、県立加古川病院を手始めに、順次計画的に着手していくこととしています。


 病院事業は、現在、財務規定を初め、地方公営企業法を全部適用しており、経営の確立と医療サービスの充実の両立をめざしています。このため、救急医療、周産期医療、ICU等にかかる経費など、医業収益で賄うことが不適当または困難な経費については、繰出基準に基づき、一般会計で負担しています。したがって、高度専門・特殊医療を担う病院は、一般会計からの繰出金のウエートが高くなっているものです。一方、一般医療の提供に要する経費は、原則として入院や外来診療による医業収益で賄うことになります。こうした地方公営企業法に基づく病院事業における経営の基本原則のもとで、平成15年度における一般会計からの繰出金は、額が大きければよい病院経営だとは私は考えませんが、100床当たり3億741万円で、おおむね全国平均となっているところです。


 県立病院は、医療という県民の安全・安心のネットワークの拠点として、確固たる経営基盤を確立し、疾病構造の変化や医療ニーズの高度化に対応していく必要があります。このため、県立病院は、県立病院の基本的方向に基づき、高度専門・特殊医療を担う病院として、さらに機能の純化や高度化を進めることにより、県民の期待にこたえてまいります。


 県立総合高度医療センター構想のご意見がありました。


 県立加古川病院は、県住宅供給公社が加古川市神野町に保有する約33ヘクタールの用地の一部を使いまして、病院本体を移転、新築することとしていますが、将来構想を含めて、病院本体にかかわる用地以外の部分も活用した病院事業の新たな展開の可能性について検討しており、用地そのものとしては、病院事業として確保していきたい、このように考えています。


 専門病院等の集約についてのご意見を得ましたが、こども病院や光風病院は一緒にできないでしょうし、姫路循環器病センターは、西播磨の救命救急センターを併設しておりますので、これもなかなか併設できないでしょうし、粒子線医療センターを持ってこいというわけにもいかないと存じます。そのようなことから、これらの病院の集約の必要性は必ずしも高くないと考えています。


 こうしたことも踏まえて、新加古川病院を、県民の健康にとって大きな脅威になっている糖尿病等の生活習慣病医療の全県的な拠点としていきたい。そして、その場合に、情報通信技術の活用等によって、姫路循環器病センターや粒子線医療センター等と連携した生活習慣病総合医療センターの整備を検討していったらどうか、このように考えています。その際、生活習慣病検診センター、臨床研究所、医学部以外の大卒者が医師をめざす医科大学院などの人材養成機関、麻酔医や病理医等の派遣センターなどをあわせ持つものとして検討していくことが考えられます。


 なお、ご指摘の専門病院に近接したホテルの建設は、アメリカでは普通になってきておりますが、県民ニーズや我が国の医療制度改革の動向も踏まえて、将来的な課題として検討してまいります。


 いずれにいたしましても、せっかくの大きな用地を確保するわけでありますので、それにふさわしい活用を十分考えていきたい、このように考えているところであります。


○議長(内藤道成)  後藤病院事業管理者。


  〔後藤病院事業管理者登壇〕


○病院事業管理者(後藤 武)  私の方から順次ご答弁をさせていただきます。


 まず、県立専門病院のあり方についてのうち、第1の成人病センターについてでございます。


 成人病センターにつきましては、がん治療の高度化や多様化に適切に対応しますため、本年2月に策定されました県立病院の基本的方向に沿って、新加古川病院の整備にあわせ、がん医療に純化し、全国に誇れるがん専門病院として、その診療機能のさらなる充実を図ることとしております。


 そのため、優秀な人材を確保するといった観点からも必要なことでございますが、日進月歩で開発が進められる中、最新の医療機器の導入や、開腹しないで行う鏡視下手術機能の充実などのために必要な施設改修や設備更新などに、経営面にも配慮しながら、適切な一般会計からの繰り入れを得まして、積極的に取り組むこととしております。


 また、臨床研究につきましては、院内の研究部において、がん細胞に効果のある抗がん剤の選定及びその投与時期についての研究などを行いますとともに、中皮腫の効果的な判別診断方法など、今日的かつ先進的な研究テーマを取り上げまして、大学や民間企業との共同研究に取り組んでおります。今後、医療水準の向上に貢献し得る臨床研修を深めていきますためには、研究部のさらなる人的資源の充実などが必要だと考えているところであります。


 なお、成人病センターの名称につきましては、今後、糖尿病を初めとする生活習慣病に対する医療や終末期医療などを提供することとなります新加古川病院との役割分担なども視野に入れまして、変更を前提としまして、がん医療の全県的拠点病院としてふさわしいものとなるよう検討をさせていただきたいと存じます。


 第2の姫路循環器病センターについてお答えをいたします。


 姫路循環器病センターは、昭和56年に、自治体病院としては全国で初めての循環器系疾患の専門病院として開設されましたが、人工心肺を用いました開心術の数を見ましても、常に全国の10指に入るなど、すぐれた治療実績を上げてまいりました。


 一方、ご指摘のとおり、開院から相当年数が経過し、また医療の高度化に伴って施設が狭隘化してきましたので、平成5年4月に開設、13年度末に廃止されました高齢者脳機能研究センターの建物を病院施設の一部として有効に活用しますとともに、設備の老朽化への対応として、平成15年度から4ヵ年計画で給配水管の取りかえ工事などを進めております。今後、外壁塗装などにつきましても、計画的に実施させていただきたいと存じます。


 また、診療機能につきましては、これも県立病院の基本的方向に沿って見直しを進めておりますが、その一環として、本年7月から脳卒中患者の早期回復や後遺症の軽減を図るため、24時間体制で診断、治療から手術後のリハビリテーションまでを一貫して総合的に実施できる脳卒中センターを開設いたしました。


 今後、このセンターにおきまして、脳動脈瘤や脳梗塞などに対する脳血管内治療を推進しますとともに、不整脈に対するカテーテル検査をより充実するために必要な血管造影室や、重症患者に適切に対応するための個室の増設などを行うことによりまして、循環器系疾患の全県的拠点病院として、より高度専門的な医療を提供してまいります。


 第3のこども病院についてお答えをいたします。


 昭和45年に開設されましたこども病院の建物のうち、老朽化が進んでおりました本館につきましては、平成6年度から10年度にかけて全館改修工事を行い、リニューアルをいたしました。また、平成6年度に周産期医療センターを増築しました際、あわせて手術室やICUを新たに整備し直し、さらに、現在、小児救急医療センター――仮称でございますが――その開設にも取り組んでおりまして、これまでこうした改修・整備のために投入した資金は80億円を超えております。そして、その高度専門医療機関としての医療提供機能につきましては、充実したものであると考えているところであります。


 しかしながら、ご指摘のように、近年に建設された小児専門病院等と比較いたしますと、療養環境面には課題もございますので、構造上の制約や経営的側面をも考慮しながら、子供の目線に立った改善策を検討してまいりたいと存じます。


 また、ファミリーハウスにつきましては、現在、すべての利用希望者に対応できていない状態でございますが、今後、患者の症状と家族の心理的、経済的状況などから見た利用条件の見直しも行いまして、その増築等の必要性や、必要があるとすれば、財源確保策についても検討をしてまいります。


 さらに、臨床道化師につきましては、これまで数回にわたって既にオランダやアメリカのボランティア団体から派遣を受けたところでありますが、従来から院内で開催しております夏祭りでありますとかクリスマス会などと同様に、病を得た子供たちの心をいやす効果が認められますので、今後もボランティアの協力を得ながら、より積極的に取り組んでいきたいと考えております。


 次に、優秀な医師の確保と育成についてお答えをいたします。


 病院局におきましては、優秀な医師の確保に向け、これまでの大学依存体質からできるだけ脱却して、臨床研修医から専攻医、そして正規職員と一貫した特徴ある独自の養成システムの構築をめざしております。


 このシステム構築のためには、まず、優秀な臨床研修医を確保することが重要でございますので、県立12病院のすぐれた資源をフルに活用し、魅力ある研修プログラムを作成、提供しております。その結果、平成16、17年度合わせて62人の臨床研修医の採用に対して、466人の応募を得たところでございます。


 こうした臨床研修を優秀な成績で修了いたしますと、専攻医として採用するわけでございますが、そうした医師に対しましては、専門医や指導医といったより高度な資格の取得でありますとか、大学院社会人入学制度の活用などによる、より高度な研究・研さんといったことが可能となるプログラムを提供しますとともに、特に、女性医師にとりまして魅力の高い執務環境の整備にも努めております。


 その結果、来年度の採用に向けて、県外に限りましても、既に40人近くの応募が得られておりますし、また、医学生を対象に創設いたしました修学資金制度を活用して、将来、県立病院で専攻医として、病理医等絶対数自体が少ない診療科での勤務を希望する者も、予定を超える5名確保できたところでございます。


 これら優秀な専攻医に正規採用の門戸を広く開くためには、不足しがちな病院勤務医の確保も視野に入れまして、現正規職員について、今後、他の公立病院等との人事交流を積極的に進めるなどの対応も必要となってくるのではないかと考えております。


 次に、県立病院の研修制度のあり方についてでございますが、高度専門医療を初めとする多様な政策医療を担う県立病院にとりまして、必要とされる優秀な人材の育成を図ることは極めて重要でございますので、これまでも、病院局や各病院が、職員に対して幅広くできるだけ多くの研修機会を提供し、その専門知識や技術のブラッシュアップなどを図ってまいりました。


 特に、平成14年度から新たに医師以外の職員にも、みずからのキャリアアップのための長期自主研修支援制度を整備しまして、これまでに11名を大学院などに派遣いたしましたが、長年の夢を実現することができたという声も多く聞かれ、高く評価されておるところであります。


 また、ご指摘にございました、医師を初めとする病院職員の国際学会への出席につきましては、県立病院の医療機能の高度化に寄与するものと判断された場合、弾力的な服務の取り扱いを行っておりますが、16年度は29の海外における学会発表が行われております。さらに、研究や研修に充てる予算枠の拡充のほか、病院の経営努力に応じた予算配分も行ってまいりましたが、現在、レベルの高い国際学会からの招請を受けた職員や学会での研究発表に意欲的な病院の職員が、より柔軟にそうした学会への出席が可能となるような独自の仕組みづくりについての検討を進めております。


 今後とも、病院局といたしまして、県立病院に勤務する職員が、より積極的に自己研さんに取り組むことができるよう、よりよい環境の整備に努めてまいりたいと存じます。


 最後に、県立病院における個人情報保護とプライバシーの問題についてお答えをいたします。


 県立病院では、本年4月の個人情報保護法の施行にあわせまして、3月に職員向け啓発資料を作成し、医師、看護師を初め、病院職員が一丸となって患者の個人情報の保護に取り組むよう、改めて強く意識づけを行ったところでございます。


 その中で、患者取り違えなどの医療事故の防止を第一に考えながら、プライバシーを確保してほしいとの患者の希望にも十分こたえることを基本的な姿勢といたしました。


 具体的な取り組みとして、従来から4人部屋などの患者に病状説明などを行う際には、病室ではなく、病棟内に別にカンファレンス室や面談室を確保して、そこで行いますほか、外来診察室の間仕切りについても、遮音性の高いものに変えるなど、患者のプライバシーの保護に十分配慮した対応を行ってまいりました。


 また、外来での患者の氏名の呼び出しや病室での氏名の掲示につきましては、従来どおりを原則としておりますが、患者からの要望に応じて、番号札による呼び出しを行うなどの対応もしております。現在、こうした対応によりまして、患者の取り違いや待ち時間の増加などの問題は生じておりません。


 今後、患者の個人情報を取り扱います病院職員の意識をさらに高めまして、より安全・安心な医療を提供する中で、患者の希望を踏まえて、きめ細やかな対応に努めてまいる所存でございます。


○議長(内藤道成)  前川清寿議員に申し上げます。


 申し合わせによる時間が迫っておりますので、再質問は簡潔にお願いいたします。


○(前川清寿議員)  議長の仰せのとおり、簡潔にやります。


 先ほど、知事は「兵庫の医療は低下させない」、力強いお言葉をいただいて、安心をいたしております。


 芸術文化センターの一般財源は、幾らほどお出しになっているのか。200億のすばらしい芸術文化センターをつくられた。一般財源は幾ら出しておられるのか。


 もう一つ、知事は、腹が痛くなったら、芸術文化センターへ行ってオペラを聞かれますか、それとも病院に行かれますか。


 それから、最後の新加古川病院については、時間が短いので私の真意が若干伝わっていなかった。これについては、また機会を見てしっくりとお話をしたい、そのように思っておりますので、その2点についてご答弁願います。


○議長(内藤道成)  井戸知事。


○知事(井戸敏三)  県の施設にはおのずと目的があります。その目的に従って適切に運営管理していくのが県の役割だと存じております。これが2番目に対するお答えです。


 1番目の問題は、運営管理につきましては、県は、一般財源をほとんど出さないで済むように、既に100億近い基金を用意いたしまして、これから50年間運営していくように、芸術文化センターについては備えております。病院に対しましては、約100億毎年運営費を助成しているわけであります。そのような意味で、芸術文化センターと病院とを比較するのは、いささか無理なのではないでしょうか。


○議長(内藤道成)  前川清寿議員に対する答弁は終わりました。


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○議長(内藤道成)  この際、お諮りいたします。


 本日の議事は、これをもって打ち切りたいと思います。


 これにご異議ございませんか。


  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕


○議長(内藤道成)  ご異議ないと認めます。


 よって、さように決します。


 次の本会議は、10月3日午前10時から再開し、質疑、質問を続行いたします。


 本日は、これをもって散会いたします。


       午後3時39分散会