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平成17年第284回定例会(第2日 9月28日)




平成17年第284回定例会(第2日 9月28日)





平成17年 9月第284回定例会


会議録第1449号


            第284回(定例)兵庫県議会会議録(第2日)


                         平成17年9月28日(水曜日)


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                               平成17年9月28日 午前10時開議


   第1 第103号議案ないし第132号議案


      報第3号


      認第1号ないし認第7号


       質疑・質問


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                 本日の会議に付した事件


   日程第1 第103号議案ないし第132号議案


        報第3号


        認第1号ないし認第7号


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                 出  席  議  員   (92名)


   1 番  井  戸  ま さ え         47 番  山  口  信  行


   2 番  吉  本     誠         48 番  葛  西  利  延


   3 番  石  井  健 一 郎         49 番  永  田  秀  一


   4 番  小  林     護         50 番  釜  谷  研  造


   5 番  北  条  泰  嗣         51 番  門     信  雄


   6 番  いなむら  和  美         53 番  武  田  丈  蔵


   7 番  和  田  有 一 朗         54 番  寺  本  貴  至


   8 番  森  脇  保  仁         55 番  原     亮  介


   9 番  藤  本  正  昭         56 番  水  田     宏


   10 番  谷  口  隆  司         57 番  北  浦  義  久


   11 番  野  間  洋  志         58 番  内  藤  道  成


   12 番  藤  田  孝  夫         59 番  立  石  幸  雄


   13 番  長  岡  壯  壽         60 番  岩  谷  英  雄


   14 番  山  本     章         61 番  五  島  た け し


   15 番  黒  川     治         62 番  長  田     執


   16 番  丸  上     博         63 番  羽 田 野     求


   17 番  矢 尾 田     勝         64 番  内 匠 屋  八  郎


   18 番  井  上  英  之         65 番  松  田  一  成


   19 番  田  中  あきひろ         66 番  越  智  一  雄


   20 番  北  川  泰  寿         67 番  杉  尾  良  文


   21 番  石  川  憲  幸         68 番  今  西  正  行


   22 番  栗  原     一         69 番  岡     や す え


   23 番  石  堂  則  本         70 番  掛  水  す み え


   24 番  小  林  喜  文         71 番  ね り き  恵  子


   25 番  西  野  將  俊         72 番  つ づ き  研  二


   26 番  佃     助  三         73 番  中  村  まさひろ


   27 番  橘     泰  三         74 番  筒  井  も と じ


   28 番  永  富  正  彦         75 番  中  村     茂


   29 番  小  池  ひろのり         76 番  石  井  秀  武


   30 番  岸  口     実         77 番  加  藤     修


   31 番  中  田  香  子         78 番  宮  本  博  美


   32 番  杉  本  ち さ と         79 番  加  藤  康  之


   33 番  新  町  み ち よ         80 番  大  野  由 紀 雄


   34 番  宮  田  しずのり         81 番  合  田  博  一


   35 番  毛  利  り  ん         82 番  渡  部  登 志 尋


   36 番  黒  田  一  美         83 番  筒  井  信  雄


   37 番  藤  井  訓  博         84 番  松  本  隆  弘


   38 番  芝  野  照  久         85 番  梶  谷  忠  修


   39 番  岡  野  多  甫         86 番  加  茂     忍


   40 番  松  本  よしひろ         87 番  原     吉  三


   41 番  野  口     裕         88 番  藤  原  昭  一


   42 番  浜  崎  利  澄         89 番  小  田     毅


   43 番  酒  井  隆  明         90 番  加  田  裕  之


   44 番  前  川  清  寿         91 番  村  上  寿  浩


   45 番  山  本  敏  信         92 番  清  元  功  章


   46 番  石  原  修  三         93 番  鷲  尾  弘  志


          ―――――――――――――――――――――――――


                 欠  席  議  員   (なし)


          ―――――――――――――――――――――――――


                 欠        員   (1名)


          ―――――――――――――――――――――――――


                 事務局出席職員職氏名


 局長       稲  田  浩  之      議事課主幹 田  中  宏  忠


 次長       谷  口  勝  一      議事課長補佐兼議事係長


 議事課長     伊 地 智  基  幸            濱  田  直  義


          ―――――――――――――――――――――――――


               説明のため出席した者の職氏名


 知事                           井 戸  敏 三


 副知事                          藤 本  和 弘


 副知事                          齋 藤  富 雄


 出納長                          五百蔵  俊 彦


 公営企業管理者                      江 木  耕 一


 病院事業管理者                      後 藤    武


 防災監                          東 田  雅 俊


 理事                           大 平  一 典


 理事                           清 原  桂 子


 理事                           井 筒  紳一郎


 県民政策部長                       辻 井    博


 企画管理部長                       荒 川    敦


 健康生活部長                       下 野  昌 宏


 産業労働部長                       黒 岩    理


 農林水産部長                       黒 田    進


 県土整備部長                       原 口  和 夫


 まちづくり復興担当部長                  佐々木  晶 二


 のじぎく国体局長                     井 上  数 利


 企画管理部企画調整局長                  高 井  芳 朗


 財政課長                         竹 本  明 正


 財政課主幹                        西 上  三 鶴


 選挙管理委員会委員長                   柏 木    保


 教育委員会委員長                     平 田  幸 廣


 教育長                          吉 本  知 之


 公安委員会委員長                     野 澤  太一郎


 警察本部長                        巽    高 英


 警察本部総務部長                     嶋 田  詩 郎


 人事委員会委員長                     馬 場  英 司


 監査委員                         久 保  敏 彦


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       午前10時0分開議





○議長(内藤道成)  ただいまから本日の会議を開きます。


 直ちに日程に入ります。


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◎日程第1  第103号議案ないし第132号議案


       報第3号


       認第1号ないし認第7号





○議長(内藤道成)  日程第1、第103号議案ないし第132号議案、報第3号、認第1号ないし認第7号を一括議題といたします。


 これより質疑を行います。


 この際、お諮りいたします。


 会議規則第62条の規定による県の一般事務に関する質問をあわせて許可いたしたいと思います。


 これにご異議ございませんか。


  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕


○議長(内藤道成)  ご異議ないと認めます。


 よって、さように決します。


 発言は、通告に基づき、順次議長より指名いたします。


 まず、藤原昭一議員。(拍手)


  〔藤原昭一議員登壇〕


○(藤原昭一議員)  おはようございます。


 このたびの総選挙で自民党は歴史的大勝を果たしました。民でできることは民に任せ、小さな政府への改革を継続するという明快なメッセージが国民から強く支持されたのです。思えば、4年前小泉政権が発足して最初に着手した改革は金融改革でありました。バブル崩壊後、企業倒産の相次ぐ重苦しい閉塞感が漂う中で、日本再生のシナリオを示し、不良債権処理など金融構造の改革に敢然と取り組んだのであります。


 当時の金融担当大臣が経済財政諮問会議の席上でこう述べております。「2002年から2004年の集中調整期間では、低成長が継続して大量の不良債権が新規発生し、地価も相当程度下がるが、集中調整期間が終了した2005年から2008年は構造改革が実を結び、不良債権の新規発生も正常化して地価の下落も一段落する」。この予測は的中し、日本経済は見事に立ち直りつつあり、まさに改革の正しさが証明されたのです。


 そして今、少子・高齢化やグローバル化など、次代の潮流に対応し、民需主導による持続的な成長基盤を確立できるかどうか、我が国は再び大きな岐路に差しかかっております。官から民へ、国から地方へ、さらなる改革の前進を誓いながら、自由民主党議員団を代表し、県政の諸課題について知事及び県当局に質問をいたします。


 最初に、井戸知事2期目の県政運営についてお聞きします。


 この7月、井戸知事が県民の圧倒的な支持を得て当選されましたことに、まず深く敬意を表したいと思います。これは、震災復興や危機管理を初めとする県政へのさまざまな課題に懸命に取り組んでこられた実績が県民に高く評価されたからにほかなりません。同時に、井戸県政を支えてきた責任与党である我が会派に寄せられた期待とも受け取れ、今後の県政に改めて責任を感じている次第です。


 惜しむらくは投票率であります。県政への参画と協働を基本姿勢として取り組んできただけに残念でなりませんが、県民の県政への関心のバロメーターとして真摯に受けとめなければなりません。知事は、選挙戦で参画と協働、共生と連帯をつくる元気兵庫を掲げ、数値目標を含む242項目から成る公約を県民に示されました。先般、この公約を県政課題として位置づけた「県政推進重点プログラム50」を発表し、早速その実行に取りかかられました。我が会派の要望をおおむね踏まえた内容となっており、その着実な実現に向け、会派としても応援してまいる所存です。


 施策の遂行に当たっては、若者を初めとする県民に県政への関心を高めてもらうことを念頭に置き、時代の先見性を持って、兵庫らしい独自色を出すこと、そして、政策形成段階をできるだけオープンにして議会との協議を深めることを注文したいと思います。


 今定例会は、井戸知事が再選されて最初の県議会となるわけですが、これまでの実績を踏まえ、本県が克服すべき課題をお聞きするとともに、4年間でまかれた種をこれからの4年でどのように育て開花させようとしておられるのか、2期目の県政運営に当たっての抱負をお伺いいたします。


 質問の第2は、地方分権改革の着実な推進についてお聞きします。


 国から地方への改革の流れのもと、昨年の骨太の方針において、地方への3兆円の税源移譲が約束されていたにもかかわらず、これまで2.4兆円しか移譲されておりません。三位一体改革における第1期改革の最終年度となる18年度予算において、残り6,000億円の税源移譲は何としても実現せねばなりません。このため地方六団体は、7月に「国庫補助負担金等に関する改革案(2)」を政府に提出し、その確実な実施を強く申し入れました。中でも最も重要なことは、この改革案の前提条件にもあるとおり、平成19年度以降の第2期改革の実施であります。


 既に地方の時代と言われてから30年近くが経過しています。この間、地方分権の流れは時折高まりを見せたものの、中央の明らかに消極的な姿勢により、長らく目立った進展は得られませんでした。しかし、ここ数年、国の財政再建の論議を契機に大きく高まっています。特に、財源問題に深く切り込んだ三位一体の改革が提唱されてからは、地方も呼応して積極的な議論が交わされ、分権改革は一気に加速し始めました。そして、その大きな原動力となったのは小泉首相のリーダーシップにほかなりません。


 しかしながら、小泉首相の任期はあと1年であります。また、18年度の各省概算要求を見ても、義務教育費国庫負担金など地方の改革案に反するところもあり、省庁に改革の意欲が乏しいのは明白です。そのようなことを考えると、この1年は地方分権改革の流れを確かなうねりとすることができるかどうか、大きな正念場にあると言っても過言ではありません。この三位一体改革の完遂を国に確約させ、地方分権を国の重要課題として深く刻みつけていくことが絶対に不可欠であります。


 そこで、全国知事会の地方交付税問題小委員会の委員長に就任され、分権改革の推進役を自認されておられる井戸知事におかれては、真の地方分権を実現していく過程の中で、三位一体改革の現状をどのように認識し、また、分権改革の流れを確かなものにするために、どのような取り組みを講じるのか、お伺いをいたします。


 質問の第3は、公共サービスの民間開放についてお伺いいたします。


 今年度の骨太の方針において、小さくて効率的な政府の実現をしていく取り組みの一つに市場化テストの本格導入が掲げられております。市場化テストとは、これまで官が担ってきた公共サービスを入札によって官民が競争し、実施主体を決めていく仕組みです。


 国では現在、試行段階で年度内の法制化も視野に入れております。自治体業務への導入も効果が高いものとして期待されており、大阪商工会議所の調査では、市場化テストに適する自治体業務として、企業誘致、病院事業、統計調査、街路樹の保全・育成、未利用地の活用方策の策定などが挙げられております。公共サービスの実施に民間を活用する手法としては、ほかに公の施設の管理代行を広く民間事業者に行わせることができる指定管理者制度、施設の建設と維持管理等を一括して民間の資金、ノウハウで実施するPFI制度、あるいは事務事業を契約によって委託する業務委託やアウトソーシングなど、これまでさまざまな形態が用意されており、それぞれのメリットを生かしながら、実施可能な事業から速やかに導入していくことが重要です。


 一般に公共サービスの民間開放は行財政コストの縮減や利用者の利便性向上はもとより、民間の創意工夫が新たなビジネスチャンスを生み、地域経済の活性化にも効果があるとされています。また、公民の新たなパートナーシップの形として、住民の参画と協働の促進も期待することができます。


 県は、行財政構造改革推進方策後期5か年の取組みの中で、行政が担うべき分野についても民間のノウハウを活用した行政手法の導入に努めることが明記されておりますが、県の事務の中には、もはや行政がみずから担うべきでないものもあり、税のむだ遣いもまだまだあるように思います。


 知事は、2期目の県政運営に当たり、指定管理者制度の導入について言及しておられましたが、小さな政府、小さな県庁の実現のためにも民間開放に積極的に取り組む必要があります。公共サービスの民間開放について本県の現状と課題、今後の方針についてお伺いします。


 質問の第4は、少子化対策の総合的な推進についてお聞きします。


 少子化問題は、平成2年のいわゆる1.57ショック以降、急速に社会の注目を集めるようになりました。国では、平成6年のエンゼルプランや平成11年の少子化対策推進基本方針の策定、平成15年の少子化社会対策基本法制定や平成16年の少子化社会対策大綱の策定など、少子化を重要な行政課題として位置づけ、取り組んできました。


 県においても、平成9年度に少子化対策を総合的に推進する行政計画として、すこやかひょうご子ども未来プランを策定し、そのもとで、各般にわたる対策を講じてきました。その全庁的な推進体制として、知事を本部長、副知事を副本部長とし、出納長、防災監、各部長、県民局長、教育長、警察本部長などで構成されるすこやかひょうご子ども未来プラン推進本部を設置しておりました。そのような中で、先月25日付で新たに知事を本部長とする兵庫県少子対策本部が設置されるとともに、その事務局として「少子局」が設置されました。年度途中という極めて異例の措置に知事の並々ならぬ意欲が感じられる次第です。ただ、少子化問題はここ二、三ヵ月で格別状況に変化があったわけではなく、また、人事や引き継ぎ、執務場所の確保などの観点からも年度当初に設置できていればなおよかったと思います。


 また、少子化対策は、子育てだけでなく、結婚や妊娠など、価値観とかかわる部分への取り組みも重要となります。このため、施策も幅広い分野に及んでおります。これまでより体系的、大局的に施策を推進していくには、知事のリーダーシップが発揮しやすい官房的・総括的組織に事務局を置く方が機動的ではなかったかとの思いもあります。


 そこで、少子化対策本部をこの時期に設置し、事務局である少子局を健康生活部に置くことの意義も含め、体制を新たにして取り組む知事の少子化対策の総合的な推進に向けた決意についてお伺いをいたします。あわせて、関係職員の皆さんのこれからのご精励に期待し、真に実働的な組織となることを心から願う次第です。


 質問の第5は、のじぎく兵庫国体における参画と協働についてです。


 国体開催まで明後日でちょうど1年に迫ってまいり、現在、県内各地で競技別リハーサル大会が盛んに開催されています。5月に伊丹市で行われた都道府県対抗なぎなた大会を皮切りに、来年7月まで37競技50大会が行われることとなっており、私も先日、地元小野市であったバレーボール大会を視察させていただきました。このリハーサル大会は、競技会の運営能力の向上と開催準備状況の検証とともに、会場地における国体開催機運の醸成などを目的としております。


 私が視察した印象では、中学・高校生を初めとする多数の市民が運営ボランティアとして、はつらつと活動し、民泊協力会の人々が応援する姿も多数見受けられ、開催機運の盛り上がりとともに、準備も順調に仕上がっていることが十分うかがわれました。のじぎく兵庫国体は、夏季大会と秋季大会を初めて一本化したり、県外施設を活用するといった新たな取り組みや安全面に配慮したAEDの配備、さらには、はばタングッズの大ヒットなど、話題にも豊富で全国から注目される特色のある国体が実現するものと大いに期待している次第です。


 兵庫国体は、「する みる ささえる――県民一人ひとりが創る国体」を基本目標に、震災復興支援への感謝をあらわす国体、県民総参加の国体、簡素な中にも活発で充実した新しい国体の三つをキーワードに掲げております。井戸知事は、2期目の県政運営に当たり、元気な兵庫づくりをめざし、参画と協働の一層の推進を掲げておられますが、まさにこの国体は兵庫の元気をあらわし、県民の参画と協働を実施していく絶好の機会であると言えます。


 そこで、総仕上げの段階を迎えているのじぎく兵庫国体において、参画と協働の理念を踏まえて、県民総参加の国体をどのような形で具体化されるのか、お伺いをいたします。


 質問の第6は、アスベスト対策、特にアスベストに対する県民の不安解消に関し、2点お聞きします。


 ことし6月、機械メーカーのクボタがアスベストを扱っていた尼崎の工場で、従業員や周辺住民の中皮腫による死亡事例があったことを公表して以来、アスベストの健康被害に対する不安が全国的に広まっています。特に本県は、過去からアスベストの製造や取り扱いを行う事業所が多数存在し、アスベストによる労災認定が最も多く、さらに、阪神・淡路大震災では建物の解体により大量の飛散があったと言われ、アスベストへの不安はより深刻です。


 多くの不安は、現に飛散しているアスベストを吸引して将来発症しないかということです。殊に連日のアスベストに関する過剰ぎみの報道に不安は一層かき立てられています。アスベストは断熱、耐火、防音用の建材として建物にこれまで広く使用されてきましたが、壁や天井に直接石綿を吹きつけた古い建物以外は破壊されたりしない限り、すぐに飛散することはありません。したがって、ほとんどの場合、一刻一秒を争うような事案ではないのです。まずはアスベストに対する正しい認識を得た上で、行政、マスコミ、県民が冷静になって事態に対処することが望まれます。


 県民に正しく理解してもらうため、県はアスベストの危険性に関する正確な知識や情報をあらゆる機会を通じて提供し、県民の不安解消を図ることが求められます。また、相談窓口を一本化し、県民から寄せられるさまざまな不安や問い合わせに的確に応じていくことも必要です。アスベストは環境、医療、労災、建築、消費者問題など複雑多岐にわたる問題ですが、このようなときこそ縦割りの壁を乗り越え、庁内の各部、各研究機関が一体となって県民の要請にこたえていくべきであり、それが強く望まれています。そこで、県民の不安がなかなか解消しない状況を踏まえ、アスベストに関する情報提供や相談体制は十分機能しているのか、現状や今後の取り組みについてご質問いたします。


 さらに、アスベストの吸引に対する不安を解消するためには、危険な吹きつけアスベストを早急に処理することです。そのため、建物の所有者はみずからの建物におけるアスベストの使用実態を速やかに調査し、トリアージのように危険度を判定して、危険性の高いものは除去、封じ込め、または囲い込みの措置を施していく必要があります。


 県としては、みずからが所有者となる施設の使用実態を調べる一方、民間所有の建物については、それぞれの所有者の責任において、調査、除去等がスムーズに行われるよう効果的なサポートをしていかなければなりません。


 先日発表された県のアスベスト対策を見ると、県有施設の実態調査は進んでおりますが、民間施設への対応がおくれています。吹きつけ材は50年代半ばから80年代まで当たり前に使われてきた素材だけに大量で、かつ専門性を要するため、調査は容易でなく、また、成分分析や除去等には多額の費用もかかることから一朝一夕というわけにはいかないのはわかりますが、そうかといって危険なものを放置しておくわけにはいきません。調査マニュアルの普及、住まいサポートセンターの拡充、建築業者や解体業者への適切な指導、分析や除去に係る資金の助成などによって、調査から処理・解体までが全体としてうまく展開されるインセンティブも必要です。県下の大宗を占める民間施設に係る使用実態の調査、危険な吹きつけ材の処理、建物解体時の飛散防止等が円滑に実施されるための方策についてご質問をいたします。


 質問の第7は、「ひょうご農林水産ビジョン2010」の見直しに関して2点お伺いいたします。


 日本の農業は今、危機的状況に直面しております。就業人口はこの10年間で約2割が減少し、農家の高齢率も65歳以上の割合が約6割まで増大している状況です。さらに、これまで農業を支えてきた昭和一けた世代の大量引退や、WTO農業交渉、FTA交渉などにより農産物の市場開放も目前に迫っております。この危機を乗り越えるべく、農林水産省は向こう10年にわたる農政の指針となる「食料・農業・農村基本計画」を策定し、効率的で安定的な経営を行う担い手に対して、農地や補助対象の集約を図るなど、思い切った改革内容を示しております。


 県では、昨年度から「ひょうご農林水産ビジョン2010」の見直しに着手しており、先日、示された見直しの骨格案では、食の安全・安心の推進、担い手の支援、災害に強い森づくりなどを喫緊の課題としてめざす姿を実現するための施策展開をまとめています。


 昨年の9月県議会で、兵庫の農業の将来像についてお尋ねしたとき、効率的な営農を展開する担い手を中心とする産業としての農業の振興が基本である旨の答弁がありました。ビジョンの見直しに当たっては、本県農業が直面する厳しい現状を直視した上で、本県の実情に応じた多様な担い手を支援しながら、本県農業の基本を担う部分にしっかり競争力をつけ、再生させていく方策を明らかにしてほしいと思います。本県の農業の現状認識と、これを踏まえ、本県農業の屋台骨ともいうべき産業としての農業を確立するための基本戦略についてご所見を伺います。


 また、昨年相次いで来襲した一連の台風は、本県の森林にかつてないほど大きな被害をもたらし、この上流の森の傷みが森・川・海へとつながる循環の中で、中・下流域の農山村や都市にも被害を及ぼしたことは記憶に新しいところです。本県では、このときに発生した風倒木について、公的負担による処理を図る一方、労働力の確保においても、森林組合の広域的な協力や素材生産業者との連携など、復旧に向けての体制を整え、鋭意努力してまいりました。


 しかし、昨年12月の事業着手以来、半年余りが経過する中で、その後の降雪や風雨等によって残存していた立木が倒れるなど、人家に近いところも含め、さらに被害が拡大しております。2次災害のおそれのある箇所は早急に対応すべきことは言うまでもありませんが、全体の処理に要する経費と労力は、当初の予測を少なからず超えるものと思われます。このような風倒木被害への対策に加え、今回のビジョンの見直しの中で課題とされている災害に強い森づくりの計画的な実現に向けて、具体的にどのように取り組まれるのか、お伺いをいたします。


 質問の第8は、学校長のリーダーシップについてお聞きします。


 学校は、いじめや不登校、校内暴力、学級崩壊などの教育課題のほかにも、目まぐるしい環境変化に伴うさまざまな要望に対応しなければなりませんが、迅速かつ十分な対応はなかなか難しく、常に受け身にならざるを得ないのが現状です。その原因の一つとして、学校が組織として必要な一体性が不足し、問題解決能力が十分に発揮できていないことが挙げられます。それは戦後、民主主義の名のもとに学校では管理職も教員も、その職責や経験にかかわりなく対等な立場で学校運営に携わるべきだという学校独自の風土、習慣が根づいてきたことにあり、本来の教育活動にも影響を及ぼしています。


 例えば、勤務時間内の組合活動、違法性のある選挙活動、ひいては昨今報道されているやみ専従や人事への介入などの問題も、このような体質に端を発しているのではないでしょうか。教育現場は、校長、教頭以外は、職位に差のない教員が占めるなべぶた型の職員構成となっています。管理職は、往々にして教員と教育委員会の板挟みになって孤立し、指導力を発揮しにくい状況に置かれているように思います。


 直面する諸課題に積極的に学校が対応していくためには、学校運営が校長の適切なリーダーシップのもとで、教職員が持てる力を十分に発揮し、一丸となって問題解決に当たっていく組織へと改革していかなければなりません。そのため、教頭複数制の導入や形骸化している主任制度を改良した主幹制度の創設など、学校に管理職の増員や中間管理職を配置し、職制の強化に取り組んでいる自治体もふえていると聞いております。


 そこで本県では、学校が組織として教育力を最大限に高めるため、学校長のリーダーシップを磨き、発揮しやすい環境づくりにどのように取り組んでいるのか、現状と方針についてご見解をお伺いします。


 質問の第9は、警察署の再編整備であります。


 本県における警察署の配置は、昭和29年の警察法が施行されて間もなく51署となりましたが、その後は昭和50年に神戸北警察署が増設されたのみで、半世紀の間ほぼ不変の体制が維持されてきました。その間、社会状況は大きく変貌しました。都市化や農村の過疎化は人口分布を大きく塗りかえ、また、情報化や国際化、あるいは生活の24時間化の進展は、ネットやカードを利用した巧妙な犯罪や外国人犯罪、少年非行の増加をもたらすなど、治安情勢は一変し、治安サービスの地域的偏在は拡大の一途をたどっています。


 このような状況を改めるため、今年度、警察署の再編整備について検討する「警察署のあり方を考える懇話会」が設置され、過日、中間答申が出されました。この中間答申では、再編整備の基本方針として、1.警察署の大規模化、2.管理部門の削減、3.治安情勢に応じた人員配置、4.行政区域と管轄区域の整合の四つが示されています。どれも重要な視点ですが、警察署の配置に限って言えば、行政区域と管轄区域を一致させることは不可欠なことであります。管轄がわかりにくいと、事件や事故が発生した際に、住民や被害者には非常に不便であり、捜査活動にも支障を来し、県民の安全にかかわりかねません。


 行政区域については、ここ数年、市町村合併が進行し、大幅な変更が生じましたが、優遇措置の終了に伴い、おおむね落ちついてきており、本県は、21市20郡70町から今年度末には29市8郡12町となります。この市町合併を一つの機会として、防犯や危機管理において、警察組織と地元自治体との連携、地域住民との協力が今後欠かせなくなることを考えると、警察署の配置は市郡に最低1署を原則とすべきであります。すなわち、市には最低1署、規模等に応じてふやすこととし、町は複数町で構成される郡、または近接の市町と合わせて1署を設置する、このことが利便性、実効性の点からも最もすぐれ、そして何よりも県民に最も受け入れられる配置であると思います。そしてなお生じる人口や犯罪傾向等の地域差については、警察署内の組織や人員の編成で調整できると思います。


 再編整備に当たっては、今後数十年間耐え得る、あるべき配置の姿を示し、少々時間がかかろうとも、これを実現していく明確な将来ビジョンを示してほしいと思います。中間答申を終え、最終答申も間近に控えておりますが、警察署の再編整備、特に治安、利便性の観点から配置についての具体的な方針をお聞かせ願います。


 最後に、今回の総選挙を振り返り、わかりやすい政治の必要性を痛感をいたしました。わかりやすさとは、あいまいさや不透明さを排除することであります。県政の両輪である議会と知事の関係もそのようにあるべきだと思います。県民の県政への関心を高めるためにも、わかりやすい県政を肝に銘じてまいりたいと思います。ご清聴ありがとうございました。(拍手)


○議長(内藤道成)  井戸知事。


  〔井戸知事登壇〕


○知事(井戸敏三)  自由民主党議員団を代表しての藤原昭一議員のご質問にお答えを申し上げます。


 まず、2期目の県政運営についてお尋ねをちょうだいしました。さきの知事選挙では、おかげを持ちまして再選され、この8月から2期目のスタートを切らさせていただいております。多くの県民のご支援に感謝いたしますとともに、その負託にこたえ、懸命の努力をしていく決意であります。どうぞよろしくお願い申し上げます。


 1期目の4年間は率直に言って、阪神・淡路大震災の復興計画に基づく復旧・復興をどう仕上げていくかが大きな課題でありました。県民の努力と相まって、人口も産業活動も震災前の水準を上回ることになり、私は、今やようやく兵庫が本来の発展を期して躍進し得る場面に立つことになったと認識しております。


 また、人口減少社会を間近に控え、震災復興のフォローアップや防災、減災対策はもとより、少子対策や街の安全対策、教育、環境問題への対応、産業雇用の再生加速など、県政は新たな課題に直面しています。


 私は、これからの4年間は、兵庫の各地域が有する多様性や個性を生かしながら、これまで培ってきた参画と協働を基本として、今こそ元気な兵庫づくりを進めていきたい、このように考えています。このため、兵庫の安全と安心の確保、兵庫の元気の創出、兵庫の自治の確立を目標に、先般策定いたしました「県政推進重点プログラム50」に基づき、毎年度、実施状況等を点検しながら、着実な推進を図ってまいります。


 なお、元気な兵庫づくりを進めるためには、私として、さらに一層の県民対話の推進、公民協働の発揮、庁内自治の確立にも留意してまいります。元気な兵庫は、五つの国から成ると言われる兵庫の特性を生かし、兵庫らしさを伸ばしながら、県政課題に果敢に取り組むことにより実現できるものと改めて決意しております。もとより、議会とは政策形成段階から情報を共有しながら進めてまいりますので、よろしくご指導をお願いいたします。


 次に、地方分権改革の着実な推進についてです。


 三位一体の改革については、シャウプ勧告に基づく地方税制始まって以来初めて地方への税源移譲を行うものであり、国、地方の税源配分を変えるものとして基本的に評価しています。しかしながら、昨年の三位一体改革につきましては、3兆円の税源移譲目標額に達しなかったこと、地方の提案外の国民健康保険に係る都道府県負担の導入がなされたこと、義務教育費国庫負担金の取り扱いなど多くの課題が先送りされたことなど、不完全なものと言わざるを得ません。したがって、この7月には地方六団体共同して3兆円の税源移譲が実現できるよう、約1兆円の補助金の整理メニューを政府に提案しております。


 小泉総理は、このたびの所信表明で、三位一体の改革について、地方の意見を真摯に受けとめ、来年度までに確実に実現すると明言されています。私は、この基本姿勢を多として、国と地方の協議の場において、地方の改革案に沿って、これらの課題が解決されるよう政府に働きかけてまいります。あわせて19年度以降の第2期改革に向けた道筋が明らかにされねばなりません。全国知事会や地方分権推進自治体代表者会議などと一致結束して、その実現をめざしてまいります。どうぞよろしくご支援をお願い申し上げたいと存じます。


 続きまして、公共サービスの民間開放についてです。


 これまで、行財政構造改革推進方策に沿い、まず県の役割を終えたものは廃止・移譲することとし、試験研究機関等での検査・検診業務の廃止や老朽化し利用率の低い宿泊施設の廃止、健康センターの民間移譲等を行ってきました。また、県が実施すべき事業であっても、民間の技術やノウハウを活用した方が効率的、効果的なものについて、例えば県営住宅の滞納家賃の徴収等について民間事業者に業務を委託するなどとか、尼崎の森中央緑地スポーツ健康増進施設の整備・管理運営にPFI手法を導入するなど行ってきております。


 公の施設についての指定管理者制度は、公の施設としての公共性や利用の公平性、運営の安定性の確保を図ることを原則に、民間事業者のノウハウ等を活用することで、より効率的で県民サービスの向上につながる質の高い管理運営が期待できるものが多いと考えられますので、このような施設について、公募により指定管理者の選定を行うことにし、現在、対象とすべき施設の検討を行っているところです。


 私は、今後さらに公民協働の推進が不可欠であると考えます。二つの側面があります。一つは、これまでのように、民間の持つ技術力や専門性を生かし、官の仕事であっても民の力を生かしていくこと、この方面で努力が必要です。


 もう一つは、NGOやNPO、地域団体などと協力して、官でもない民でもない新しい「公」、中間領域と言われている分野にタッチしていくことも重要であると考えています。今後ともの推進を図ってまいりますので、よろしくご理解いただきたいと存じます。


 続きまして、少子化対策の総合的な推進についてです。


 ご指摘のように、少子化対策はすこやかひょうご子ども未来プランに基づき、県として取り組んできましたが、少子化対策の幅の広さや、その解決の困難さもあって、なかなか対応が難しい実情にあります。もともと少子化問題は、子供の数の減少をどうしていくかという量の問題と未来を担う子供をどう育成していくかという質の問題、そしてさらには、社会の世代構成について高齢者のウエートが子供のウエートを超えているという従来と異なる事態に、どう社会システムを変えていくかという三つの課題を持っていると考えます。このため、単に一部局での取り組みだけではなく、全庁挙げて推進する体制を早急に整備する必要があると判断し、2期目のスタートの8月中に立ち上げるべく組織整備、人事異動を行った次第です。


 この対策本部は、単に連絡・調整を行う機関としてではなく、本部自身が施策の実施機関としているもので、震災復興のために設けました復興本部に準じる組織としました。また、事務局は少子化対策の中心的施策である子育て支援の多くを所管し、子育て支援の現場に近い健康生活部に少子局を置き、施策の実行力を高めるとともに、全庁的対応が不可欠であるので本部事務局長に担当理事を配したものであります。


 このたび、事業所内保育所の設置促進や保育所の分園化の促進対策など、早急に新たに取り組みを行うことといたしました。今後さらに、この体制のもとで多様な対応を要する少子対策を全庁挙げて展開してまいります。


 続いてアスベスト対策についてです。


 本県では、アスベスト問題発生後、直ちに副知事を委員長とするアスベスト対策推進会議を立ち上げ、各部連携した対応を図ることとしたところです。また、健康相談については、直後の6月30日に開始し、その後、順次、環境、建築、消費生活の専門相談窓口を設置しました。さらに、県民がよりアクセスしやすいよう、兵庫県民総合相談センター及び各県民局にアスベストに関する総合案内窓口を設けまして、庁内関係機関のほか、関係市や兵庫労働局とも連携しながら、県民の相談ニーズに的確に対応しています。これまでの相談実績は、延べ2,525件に上っています。このほか、県ホームページにアスベスト総合案内コーナーを設けますとともに、消費生活情報誌なども活用し、アスベストに関するQ&A、被害防止、各種相談窓口の案内等の情報発信に努めています。


 さらに、追加対策として、建築相談に関する専門アドバイザーの現地派遣の実施やアスベストを含む建築材料等についての知識、健康診断の受診窓口等をわかりやすく紹介する総合的なパンフレットの作成なども行います。


 今後とも、県民にアスベストに関する正確な情報を提供し、冷静な対応を呼びかけてまいります。


 続いて民間施設への対応についてです。


 吹きつけアスベストは耐火性能等にすぐれていて、県下でも多くの民間建築物に使用されてきました。このたび、県として第1次調査をいたしましたが、昭和55年以前に建築された床面積1,000平米以上の民間建築物を調査し、364棟で吹きつけアスベストが露出していることが判明しました。このうち56棟は、封じ込め等適切な処理が完了または計画中でありますが、残り308棟については早期に適切な処理を行うよう指導を行っているところです。また、第2次調査として、平成元年建築までの民間建築物について調査中であります。さらに1,000平米未満の建築物についても、アスベストに関する相談体制をより一層整備するとともに、建築士等アドバイザーの現地派遣など、きめ細やかな指導・助言を行ってまいります。


 一方、民間建築物の建てかえ等に際しては、環境の保全と創造に関する条例において、全国に先駆けて吹きつけアスベスト等含有建築物の解体の届け出を義務づけております。このたび、建築物の解体・改修時には周辺住民の不安を解消し、県民からの通報を可能とするため、この条例に基づき、標識掲示を義務化しました。また、吹きつけアスベストを適切に処理し、屋根材等の建築材料からアスベストが飛散することがないよう解体業者等に研修会を実施し、解体時の届け出受付窓口での指導を徹底いたします。


 そして、アスベストの含有物の除去、搬送、最終処分に至る一連の作業が適切に行われるよう、台帳整備などにより的確に処理をするための新たなシステムを構築してまいります。


 なお、支援措置については、国において不特定多数の者が利用する民間建築物に係る吹きつけアスベストの除去費用等への支援が検討されておりますので、県としてもこの検討を踏まえ、今後、民間建築物における吹きつけアスベストの処理を促進するための支援方策を検討してまいります。


 ひょうごの農林水産ビジョン2010の見直しについてお尋ねがありました。


 まず、産業としての農業を確立する基本戦略についてです。


 本県の農業は、小規模農家や中山間等条件不利地での生産が多い中で、農家戸数、耕地面積とも依然として減少傾向にあります。日本の縮図と言われる本県の多様な自然条件のもとで、農業を維持・発展させるためには、効率的な営農を展開する産業としての農業と地域の暮らしと結びついた生活としての農業の共存が不可欠です。産業としての農業の確立に向けては、消費があって生産が成り立つことを改めて認識し、消費者や実需者ニーズをとらまえた農産物の生産と担い手を育成する必要がありますし、安全・安心で特徴ある本県農産物を広く周知するひょうご食品認証制度、学びの農や食育、地産地消など、生産から消費にわたる幅広い施策を展開してまいります。


 とりわけ担い手の育成が急務であります。地域での話し合いを基本に他産業並みの労働時間と農業所得を確保して、安定的な経営を実践する認定農業者や農業法人の育成を図りますとともに、集落営農組織の育成・強化など、多様な担い手による地域営農活動を支援することにより、力強い産業としてのひょうご農業の確立ができますよう努めてまいります。


 災害に強い森づくりについてであります。


 風倒木被害については、危険度に応じてランク分けし、既に2次災害のおそれのある人家裏等緊急度の高い箇所については、7月末をもって緊急対策は終了しました。その後の被害地の状況の変化につきましては、常に把握に努めていますが、梅雨期を経て台風シーズンを迎える8月末に点検した結果、特に被害地周辺地域において、災害直後には倒木に至っていなかったが、その後の降雪や風雨等により、新たに被害が生じているところもあります。このため、こうした被害に対しても事業費や労働力の確保に努め、緊急度の高いものから優先的に対処し、早期の復旧を進めてまいります。


 一方、公的関与による間伐対策や治山事業に加えまして、県民緑税を活用して防災面での機能強化を早期・確実に進めてまいります。急傾斜地、斜面形状等で山地災害防止機能の強化が求められておりますおおむね45年生以下の杉、ヒノキの人工林、1万1,700ヘクタールを対象に、間伐に加えて、表土の流亡を防ぎます土どめ工などを設置する緊急防災林整備、集落裏山において山地災害防止のための緊急整備が必要な2,000ヘクタールを対象に、簡易な防災施設や森林整備を行う里山防災林、これをそれぞれ5年間ですべて整備しますほか、針葉樹林と広葉樹林の混交林を1,000ヘクタール、野生動物育成林を1,000ヘクタール整備をすることとしております。こうして災害に強い森づくりを進めてまいりますので、ご理解をいただきたいと存じます。


 以上、私からの答弁とさせていただきます。


○議長(内藤道成)  藤本副知事。


  〔藤本副知事登壇〕


○副知事(藤本和弘)  私から、のじぎく兵庫国体のご質問にお答えを申し上げます。


 のじぎく兵庫国体まであと367日、約1年となったわけでございますが、去る5月の28日に伊丹市におきまして開催をされました、なぎなた大会を皮切りに、県下各地におきましてリハーサル大会が開催をされているところでございます。その大会におきましては、多くのボランティアの方々の参加のもとに、地域住民の皆様と一体となって順調に開催をされて、開催機運も大いに盛り上がっているところでございます。


 ご案内のとおり、のじぎく兵庫国体は、感謝、県民総参加、新しい国体、これを基本として進めているところでございますが、兵庫らしい国体の実現に向けて確かな手ごたえをも感じているところでございます。


 今後も引き続き各般の準備を進め、万全を期してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。


 国体は、まさに参画と協働の実践の場と考えているところでございます。これまでも、県民の各界各層からの実行委員会委員としての参画、公募によります愛称・マスコット等の決定、既存の県民運動実践団体、スポーツクラブ21ひょうごとの連携した花いっぱい運動など、国体県民運動の展開、行政と住民とのパイプ役として、開催競技の普及啓発等を担う国体市町推進員の配置、さらには、一般県民に呼びかけております国体募金などを実施いたしまして、県民と一体となり準備に取り組んでまいっているところでございます。


 今後もこうした取り組みに加えまして、選手や観客、炬火リレー走者や式典演技者、運営ボランティアとしての参加、さらに民泊の受け入れや来県者と地域住民とのふれあい・交流の場づくりなどを通じて、すべての県民がさまざまな形で国体に参加し、喜びや感動を分かち合える大会にすることによりまして、元気な兵庫づくりの実現につながっていくものだと考えておりますので、よろしくお願いを申し上げます。


○議長(内藤道成)  吉本教育長。


  〔吉本教育長登壇〕


○教育長(吉本知之)  私から、学校長のリーダーシップについてお答え申し上げます。


 直面するさまざまな教育課題に適切に対応し得る学校づくりのためには、保護者や地域住民に開かれた学校づくりを進めること、あるいは教職員個々の資質能力の向上に加えまして、機動的、一体的な学校運営を図るための校長のリーダーシップの向上と、指導力を発揮しやすい環境づくりに取り組むことが必要であると考えてございます。


 委員ご質問の校長のリーダーシップの向上等についてでありますが、従来の管理職研修に加え、新たに教頭候補者を1ヵ月間、民間企業等で研修をさせる管理職マネジメント研修や、新任管理職等を対象としました10日間にわたる特別研修を実施するなど、研修の充実強化に努め、管理職のマネジメント能力の向上に取り組んでいるところでございます。


 また、校長が主宰する職員会議の位置づけを明確にし、指導力を発揮しやすい環境づくりに努めますとともに、管理職と教職員が一体となって課題解決に取り組むための学校評価制度の充実を図っているところでございます。


 さらに、学校の組織運営の改善につきまして、来年度、国においても、実践的な調査研究が計画をされておりますことから、これらの研究成果や他府県の動向等を踏まえながら、校長のリーダーシップのもとで、学校が組織として教育力を十分発揮できるような環境整備に努めてまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。


○議長(内藤道成)  巽 警察本部長。


  〔巽 警察本部長登壇〕


○警察本部長(巽 高英)  警察署の再編整備についてお答えいたします。


 このたびの警察署の再編整備の主眼は、警察署の規模や管轄区域を見直すことによりまして、個々の警察署の機能強化を図り、県下全体の治安維持力を高めるというものであります。


 現在検討を行っていただいております警察署のあり方を考える懇話会の中間答申におきましても、小規模警察署については、可能な限り周辺の警察署と統合して体制を強化することにより、警察署における事案対処力の向上を図るとともに、管理業務の合理化により捻出した人員を業務負担のより高い現場に配置し、県下全体の現場執行力をさらに強化することが必要であるとの方向性をお示しいただいているところであります。


 また、議員ご指摘のように、防犯対策等を効果的に進める上で、自治体や地元住民との連携・協働は極めて重要であることから、中間答申におきましても、警察業務の効率化の観点にも配意しつつ、行政区域と警察署の管轄区域を可能な限り一致させるべきであるとされているところであります。


 今後、具体的な編成整備案を策定するに当たりましては、懇話会の最終答申を尊重するとともに、議員ご指摘の点を含め、幅広い県民各層からのご意見等を参考にさせていただくこととしておりますが、個々の警察署の管轄区域の人口、面積、犯罪の発生状況等の治安情勢、交通網の整備状況、地域的な一体性などを幅広く、かつ多角的に検討し、治安維持力と住民の利便とのバランスがとれた再編整備を行ってまいりたいと考えておりますので、ご理解、ご支援よろしくお願いいたします。


○議長(内藤道成)  藤原昭一議員に対する答弁は終わりました。


 次に、宮本博美議員。(拍手)


  〔宮本博美議員登壇〕


○(宮本博美議員)  おはようございます。ひょうご・県民連合の宮本でございます。


 質問に入る前に2点、申し上げたいと思います。本年6月に尼崎の大手鉄鋼メーカーから工場などで働いていた従業員が中皮腫などアスベストが原因と見られる疾患で亡くなり、さらに、従業員の家族及び周辺住民においても、中皮腫を発症し死亡していることが公表されました。全国に大きな波紋を投げかけております。


 現在、アスベストに関する法規制は強化されたものの、規制以前の暴露やさらには残された建築物等に含まれるアスベストが原因で、今後新たに発病していく危険性も懸念されております。アスベストは吸い込んでから疾病ヘの症状があらわれるまでの期間が長く、静かな時限爆弾とも呼ばれております。その不安ははかり知れないものがあります。


 先般、アスベスト健康被害対策について追加対策が行われたところですが、法規制の強化に向け、中皮腫などについてアスベストの因果関係を早期に究明するなど、さらには補償等について国へ強く働きかけていただくことを強く要請をしておきます。


 2点目でございます。さきの第44回衆議院選挙についてであります。


 小泉劇場や小泉ハリケーンによって、郵政民営化賛成・反対といったことなどの単純化した改革の旗を掲げて、国民にわかりやすかった等々で、私どもの支援している政党は残念ながら涙をのみました。わかりやすいことはよいことであると思いますが、しかし、今の政治をわかりにくくしているのも今の政治ではないでしょうか。本当の政治は、情報をしっかりと開示し、国民と議論することだと私どもは思っております。そのような思いを持って、ひょうご・県民連合を代表しての質問に入らせていただきます。


 質問の第1は、参画と協働の県政推進における政策形成のあり方についてであります。


 去る7月3日に執行された兵庫県知事選挙において、井戸知事は投票率33%と伸び悩む中、109万票を県民からいただいて再選されました。そして、この8月1日より参画と協働、共生と連帯でつくる元気兵庫を掲げて第2期井戸県政がスタートしています。この第2期井戸県政の舞台となる兵庫県は、震災から10年、人口、産業、雇用も震災前を乗り越え、復旧・復興を経て発展期を迎えようとしています。しかし、我が国全体を見渡しますと、21世紀を迎えた日本は大きな悩みを抱えた巨大な先進国であるとも言われております。


 科学技術の発展による高度情報化の進展、交通網の充実、家事の省力化、余暇時間の増大等々、半世紀前には夢のまた夢でしかなかった生活が現実のものとなりました。一方で、我が国では年間3万人を超える自殺者、ふえ続ける虐待や離婚、いじめや不登校や学級崩壊、官公庁や企業などでの組織犯罪の多発、さらにどこまで落ち続けるか予想しがたい出生率の低下など、日々の生活に暗い影を落とし、先行きに不安を感じさせる諸問題が次々と発生し、社会存立の基盤を揺るがすまでになっています。


 こうした中で行われた7月の知事選挙、そしてこのたびの衆議院では、その投票率はそれぞれ33%台、66%台にとどまりました。棄権率の高さは異常だと私は思っております。それだけに議会の役割、執行機関としての首長の重要性、そして県政を推進していく上でのパートナーシップのあり方が今、問われていると思っております。1期目の井戸県政では、県民の参画と協働を基本とし、県政の執行に際しては、可能な限り県民の参画と協働を求めるとともに、パブリックコメントの実施、県民フォーラムの開催等により幅広く県民の意見を聴取してきました。


 一方で、政策を形成していく上で県政の一翼を担う県議会とのそれぞれの段階での情報共有のあり方や重要課題に対する事前検討段階での情報提供等の時期は適切であったのか、私にはいささか唐突に感じられることが何度かあったように思われます。


 今後、県政運営の基本となる政策形成に当たっては、県民の代表者で構成される地方公共団体としての意思を決定する議会と、執行機関である首長との間で情報共有を基本としたパートナーシップがますます重要になってくると考えます。


 そこで、議会と首長とのパートナーシップを含めた政策形成のあり方についてご所見をお伺いをいたします。


 質問の第2は、分権型社会における県の役割と方向性についてのうち、ポスト合併期に向けた県の役割についてであります。


 県下の平成の大合併はいろいろと課題がありましたが、着実に進展し、今年度末には29市12町となり、市町数は平成の大合併開始前の半分以下となります。しかし、市町合併はこれで終わりというわけではありません。国は、基礎自治体については1,000ほどを最終目標としています。平成16年5月、新合併特例法等の合併3法が制定され、これで平成17年度に失効する、いわゆるあめ付合併特例法にかわって、合併推進に向け、都道府県等に各種の義務が課せられた新合併特例法、いわゆるむち付合併特例法が誕生しました。


 新合併特例法においても、基本的に従前の合併特例法における合併に関する障害を除去するための特例措置が適用できることになってはおりますが、むち付合併特例法には、合併推進に向け各種の義務が課せられているのが特徴です。この法律は、平成17年4月1日から平成22年3月31日までの5年間の時限法とされており、市町村合併を推進するため、都道府県は総務大臣の定める基本指針に基づき、自主的な市町村合併の必要があると認められる市町村を対象として、合併推進に関する構想を定めるものとされ、構想においては、市町村の現況及び将来の見通し、構想対象市町村の組み合わせ等を定めることとされております。


 さらに、都道府県知事は、当該構想に基づき、合併協議会の設置勧告、合併協議にかかわるあっせん及び調停、合併協議推進勧告等の措置を講ずることができることとなっています。また、構想を定めるに当たっては、あらかじめ都道府県に置く市町村合併推進審議会の意見を聞くこととされ、この審議会の組織及び運営に関し、必要な事項は都道府県の条例に定めることとされております。なお、この条例案が今定例会に上程されているところであります。


 このように、市町合併の取り組みに関する県の役割や責任は格段に重くなっています。知事は、第27次地方制度調査会の答申がまとめられた際、「市町合併については、地元自治体や住民が十分議論をして判断すべき。市町村と対等・協力の関係にある都道府県があっせん、勧告等により進めることについては適当でない」とのコメントを出されています。しかし、この法律が施行された以上、県には合併協議推進勧告等、大きな義務が課せられているものであり、今後、新合併特例法のもとにおいて県内の市町合併をどのように進めようとしているのか、お伺いをいたします。


 次に、県の広域連携と道州制についてであります。


 ことし、地元の本屋さんに入って「県庁がなくなる日」という書籍が目にとまりました。21世紀臨調運営委員でもある桐蔭横浜大学大学院の金子教授の著作になるものです。


 我が国では、多くの先進国と同様に基礎自治体である市町村と広域自治体である都道府県の二層制を採用しています。しかし、市町合併や市町への事務の移譲が進展すれば、広域自治体としての都道府県の役割はどうなるのか、どんどん仕事が減って先細りになるのでしょうか。


 第27次地方制度調査会の答申では、都道府県の廃止及び道州制の設置について、現在の都道府県を廃止し、より自主性、自立性の高い道または州を設置することや、道州は基礎自治体との役割分担のもとに、産業振興、雇用、国土保全、広域防災、環境保全、広域ネットワーク等を担うことなど、今後議論すべき論点が整理されております。


 この答申を踏まえ、第28次地方制度調査会が平成16年3月より道州制のあり方と大都市制度のあり方について検討に入っています。この答申は遅くても平成17年度末には出てきます。


 法制度の面においても、平成16年5月には都道府県合併を促進するための法律が整備され、関係都道府県の議会と国の議決で実現できるようになっています。こうした中、青森、岩手、秋田の北東北3県の若手職員による研究会では、平成22年に3県が合併することを提案をしています。


 道州制について知事は、前回の定例会で国全体の統治機構の大幅な改革の一環としてとらえるべきであり、府県域を越える危機管理などの政策課題については、道州制度の議論ではなく、まず地域みずからの取り組みが大切であると言われています。


 一方、関西に目を向ければ、その復権を念頭に官民一体となった広域課題の解決に取り組む関西広域連携協議会の設置を初め、積極的な取り組みをしているにもかかわらず、県民にはその連携の成果がわかりにくいものとなっています。近畿が低迷している要因の一つが、府県を越える連携がまだまだ十分ではないことにあるのではないかと考えるものです。


 こうしたことを本気でやるならば、専門の事務局を設置するくらいの覚悟が必要と考えるものですが、知事は広域連携や道州制に関して、あるべき姿をどのようにイメージし、取り組まれようとするのか、知事の強い決意をお伺いをいたします。


 質問の第3は、今後の行財政構造改革についてであります。


 日本は、国、地方とも国債、公債の発行を続けた結果、今や世界一の借金大国になりました。財務省は、今月22日に2005年6月末現在の国債や借入金などの国の債務残高が795兆円となり、過去最大となったと発表しました。歳入不足を補う国債の発行が続いた結果、2005年度の税収見込み額約44兆円の18倍、名目GNP511兆円の1.6倍、国民1人当たり約624万の借金を背負っている計算になります。さらに、ことし3月末の地方の債務残高は204兆円程度と推計され、国と地方を合わせると借金残高は約1,000兆円という巨額に達すると言われております。


 そこで、国では、財政の健全さを示す、国、地方のプライマリーバランスの黒字化を2010年代初頭に実現するという目標を掲げて、行財政構造改革に鋭意取り組んでいるところです。


 一方、地方団体においては、国が赤字国債に依存した財政運営を行っていることから、地方債の増加はやむを得ない状況にあります。こうした中、本県の平成16年度の決算見込みを見ますと、企業業績の回復などから、県税収入は平成12年度以来4年ぶりに増加に転じ、対前年度比6.8%増の5,284億円となりましたが、これとてもピーク時、平成3年度の6,650億の約80%の水準です。


 一方、県債発行額は、通常県債が2,132億円と対前年度比100.7%、これに台風災害関連県債、地方交付税の振替である臨時財政対策債734億を合わせて2,980億円となっており、平成16年度末で阪神・淡路大震災復興基金貸付金債を除いた県債残高の合計は平成7年度末残高1兆5,870億円の約2倍の3兆521億円となり、この10年間増加の一途をたどっています。


 今後も県税収入の大幅な回復が見込めない上、国のプライマリーバランスについて収支を一致させようとする至上命題のため、地方の歳出総額が抑制され、地方交付税の減額がなされるような議論が展開されています。このような社会経済情勢の中で、既に県では、行財政構造改革推進方策を策定し、行革に取り組んでおられるところでありますが、限られた財源の中、少子・高齢化に対する施策など、ますます高度化、多様化する住民ニーズに的確に対応していくためにも、もっと思い切った事業の見直しや、民間活用による行政が行わなければならないことへの重点化など、選択と集中の改革を進めなければなりません。


 そこで、中長期的な観点から、さらなる行財政構造改革にどのように取り組んでいかれるのか、お伺いをいたします。


 質問の第4は、男女共同参画社会の実現への実践と検証についてであります。


 女性と男性がそれぞれが互いにその人権を尊重し、責任を分かち合いながら個性を生かし、持てる能力を発揮できる社会の実現をめざして、基本的な枠組みを国民的合意のもとに定め、社会のあらゆる分野の取り組みを総合的かつ計画的に推進するために男女共同参画社会基本法が平成11年に施行されました。兵庫県は、これを受けて男女共同参画社会づくり条例を平成14年に施行され、3年が経過しました。基本理念、県の責務、県民の責務、団体の責務等を規定し、知事は毎年、男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の実施状況を明らかにする年次報告を作成し、これを公表するものと規定されています。


 しかし、県内市町における男女共同参画施策の取り組み状況の評価はどうか、男性は仕事、女性は家庭に代表される性別による固定的な役割分担意識は県下でどのように改善をされたのか、配偶者等の暴力やセクシュアルハラスメントの改善はどうなのか、方針決定過程への女性の参画拡大や管理者への女性登用などは目標に届いているのか等、まだまだ条例の趣旨が十分に生かされていないのではないかと思われます。


 そこで、県当局として、この3年間の男女共同参画社会づくり条例に基づく取り組みの評価・検証と、さらなる充実に向けた対応をどのように考えているのか、お伺いいたします。


 質問の第5は、少子化対策の本格的な推進についてであります。


 本年8月23日に公表されました厚生労働省の人口動態統計では、ことし1月から6月の死亡者数は約56万、赤ちゃんの出生数は53万台で半年間で3万人減ったことがわかりました。下半期もこの傾向が続けば、出生数から死亡者数を引く自然増加数は初めて年ベースでマイナスとなり、予想より2年早く人口減少時代に突入することになります。


 少子の源流をたどるとどこに到達するのでしょうか。親世代の思いはさまざまでしょうが、確実に言えることは、子供を負担と感じる人がふえているということではないでしょうか。


 しかし、働きながら安心して子供を産み育てられる環境を十分に整えさえすれば、出生率は確実に回復すると考えます。そのためには男女共同参画社会づくりを進め、女性が働き続けられる社会構造への変革を図り、総合的な少子化対策を展開すべきであります。


 これからの地域の浮沈は少子化対策の成果が左右するとも考えます。だれもが安心して子供を産み育てることができ、将来に希望が持てる地域、そこで人材の確保ができ、老後生活の安心も約束され、そんな魅力ある地域にこそ産業が集まると思っております。


 そこで、質問の1点目は、若者が社会的に自立することができる就業支援についてであります。


 現状の若年層への就業支援について、特に常用雇用への転換、新規学卒就職者の就職後の離職率の減少、高校及び大学での就職するためのカリキュラムの充実など、若者が意欲を持って働くことができる社会への就業支援等、今日の課題を的確にとらえた対応策を県としても積極的に行っていく必要があると考えます。


 そこで、まず正社員とパートタイム労働者など非正規社員の均等待遇の実現についてであります。


 パートタイム労働者は、雇用されて働く人の4人に1人に上り、我が国の経済社会に欠くことのできない存在ですが、女性の場合、正社員の賃金を100とすると、パートタイムの賃金は65.7と、特に賃金格差が大きく、国民年金、医療保険等の日本の骨格の制度に大きな影を落としています。また、組織外で自由に働くいわゆるフリーターが400万人います。若年だけでなく、30代も80万人いると言われています。そのほかにも随時アルバイトやパートで働く一種の潜在的失業群もいます。これらは雇用破壊、社会崩壊にもつながる深刻な社会問題であると思っております。早急にパートタイム労働者を初めとした非正規社員の処遇改善に取り組まなければなりません。


 もう一方、日本の最低賃金制度と若者との関係です。日本において最低賃金あたりにいるのは、どういう人であるかと言えば、代表的に若者とパートタイマーの女性であります。これは若者と既婚女性は低い賃金であっても生活に困らないという見方です。最賃のアップは雇用に悪影響があると思っているのではないでしょうか。最低賃金しか受け取っていない人の所得が、生活保護支給額よりも4万円近く低い地域もあると言われております。働いている人の所得が働いていない人の所得よりも低いという異常な状態が続いています。就労意欲を刺激し、かつ若者の所得低下を防ぐためにも、最低賃金制度の抜本的な見直しを検討すべきと考えます。


 そこで、以上のようなことを踏まえ、若者が社会的に自立することができる就業支援について知事はどのように考えておられるのか、ご所見をお伺いいたします。


 質問の第2は、次世代育成支援対策推進法の県の取り組みについてであります。


 政府は、1999年から少子化対策推進基本方針を出し、その後、新エンゼルプランや待機児童ゼロ作戦など、子育てと仕事の両立支援を中心とした施策を展開をしてきました。しかし、平成14年1月に発表された日本の将来推計人口によれば、今まで少子化の主たる要因とされてきた晩婚化に加え、夫婦の出生力そのものが低下していると新たな現象が指摘されました。こうした状況から、より一層の対策の推進が求められ、2002年に少子化対策プラスワンがまとめられ、今まで保育に関する施策が中心であった従来の取り組みに加え、男性も含めた働き方の見直しや地域における子育て支援、社会保障における次世代支援、子供の社会性の向上や自立の促進という四つの柱に沿った総合的な取り組みを推進することとなり、このことを踏まえて次世代育成支援対策推進法が成立しました。


 この法は、次代の社会を担う子供がすこやかに生まれ、かつ育成される社会の形成を目的に、地方公共団体が施策を講じ、事業主が雇用環境の整備に取り組むよう、2014年までの10年の行動計画を策定するように求めています。


 さらに、児童福祉法の改正で市町における子育て支援事業の実施、児童養護施設等による児童の養育に関する相談、保育の需要が増大している都道府県及び市町村の保育供給体制の確保に関する計画の策定なども求められています。


 兵庫県では、先般、喫緊の課題となっている少子対策として、関連する部局間の連携を図り、全庁挙げて着実に推進するため、知事を本部長とする兵庫県少子対策本部を設置されました。みずからの行動計画の策定、事業者等との連携、さらに協議会の運営、推進センターの運営支援など、多くの行動をしなければなりません。


 そこで、県として少子局を立ち上げ、次世代育成支援対策推進法に基づく取り組みをどのように推進されるのか、知事の考え方をお伺いいたします。


 質問の第6は、精神障害者対策についてであります。


 我が会派は、この夏、精神保健福祉の先駆的な活動で知られる北海道帯広・十勝地域の精神障害者地域支援の実態を調査してきました。活動地域「帯広・十勝」は北海道の南東部に位置し、広さは東京都、千葉県、埼玉県を合わせた面積に等しく、本県の約1.3倍で、全国で最も広い2次医療圏であり、3次医療圏が重なっています。域内人口は約36万人で、地理的条件、交通の利便性から精神医療に関しては珍しい完結型の診療圏を形成しています。


 1970年代、精神病院増床政策は、医療中心の援助システムを構築する結果となり、本格的な地域保健活動は育ちませんでした。精神障害者を支える基本は良質な精神医療が絶対条件ですが、それは精神障害者を病院に長期入院させるものではありません。


 この地域では、1990年に970床であった病床数は2000年に824床に減り、2004年4月には704床となっております。この地域での広域医療圏を支える工夫は約30年前から行われてきました。平成7年度からは国保診療所において、診察を定期的に行う活動がサテライトクリニックという北海道の単独事業として実施され、あわせてケアセンター等で精神保健福祉相談を行うことにより、再発防止、早期発見、早期治療も可能となり、1次から3次までの予防が充足されています。また、およそ20年前より長期入院患者や、かなり社会生活が困難な精神障害者の生活支援に取り組み始めました。


 退院促進の中心的課題は住居資源の確保であり、地域生活支援の最も基本的な課題です。この地域では、法制度や公的援助のない状況の中で彼らの生活の場を住宅街に開設しました。一たんは町内会の強い反対の洗礼を受けましたが、それを乗り越えてきました。


 一方、自宅を含め住居が確保され、地域生活が始まっても日中過ごすべき場所や活動の場がなければ、人としての健康な生活、社会生活の継続は困難です。自分から毎日の決まった仕事、いわゆる日課を組み立てできない精神障害者が健康的に生活するためには、日課資源を多様に開発する必要があります。帯広・十勝では、内職専用の作業所の開設、菓子職人と一緒になったケーキづくり等を立ち上げてきました。帯広ケア・センターを中心に精神障害者社会復帰支援システムをきっちりと確立されたことを実感をいたしました。


 そこで、精神障害者の地域生活を支援し社会復帰を促進するため、県として、どのように取り組まれていくのか、現状の課題と今後の対策についてお伺いいたします。


 質問の第7は、ひょうごのものづくりを支える技能の向上・継承についてであります。


 資源に恵まれていない我が国が、すぐれた技能を原動力に製造業を中心として世界屈指の経済成長をなし遂げてきました。しかし、今日の製造業では、海外地域の工業化の進展により、産業構造の変化、新規学卒就職者の減少、ものづくりへの関心・理解の低さが原因とされる青少年のものづくり離れの進行、熟練技能者の高齢化、経営の合理化等による企業内教育の困難化などにより、生産現場の多くですぐれた技能の継承が難しくなっています。


 また、学校段階における実践的教育不足から、ものづくりの基本技能を知らない技術者がふえており、ものづくり産業の停滞が懸念されています。21世紀に我が国の経済が引き続き発展していくためには、これまでのすぐれた技能を継承するとともに、先端技術産業など高度な技能を必要とする製品の開発や製造を担う人材の育成が求められています。どんなにIT化や機械による自動化が進んでも人でなければできない分野は必ず存在します。すぐれた製品も技能者の力によって初めて確かなものとなります。技能者によって私たちの生活が豊かになっていることを忘れてはなりません。また、これらの先端技術の製品開発には高度な技能が必要不可欠であり、技能に通じた技術者の育成がますます重要となってきます。


 技能を支えるためには、ものづくりを担う人づくりが重要です。そのためにも若者がものづくりに親しめる機会を設けるとともに、社会全体としても技能に対する理解を深め、技能や技能者が尊重される環境が大切です。このことは、ものづくりの先進県である本県においても重要な課題であります。


 県としては、技能労働者の地位及び技能水準の向上のため、技能者の顕彰や技能グランプリ及びフェスタの開催など、技能尊重機運の醸成に取り組まれていますが、技能継承を促すまでには至っていないのが実情であります。


 このような状況から県では、現在、有識者によるものづくり人材育成構想検討委員会により、ものづくり離れが著しい青少年等のものづくりとの出会い、体験の推進やものづくり人材を育成するための教育訓練など、学校段階から職業生活の各段階での課題に対応するものづくり人材の育成方針を検討されていると聞いております。


 そこで、ひょうごのものづくりを支える中小企業の技能向上、技能継承に対してどのような支援の充実を図ろうとされているのか、ご所見をお伺いいたします。


 最後の質問は、青少年犯罪の撲滅対策についてであります。


 兵庫県では、平成8年以降、犯罪の増加、凶悪化が顕著になっており、平成14年には兵庫県の刑法犯認知件数は約16万4,000件と戦後最多を記録しました。平成15年、16年にかけては若干減少傾向にあるものの、10年前の平成7年当時と比較しても約2倍の高水準にとどまっています。とりわけ県民の身近なところで発生するひったくり、車上ねらい、自動車盗といった街頭犯罪や空き巣、忍び込み、事務所荒らしといった侵入犯罪の発生が刑法犯認知件数の7割以上を占めているほか、刑法犯検挙人員の約4割を刑法犯少年が占めるなど、少年非行の多発が大きな問題となっています。


 県下の不良行為少年は、平成16年には3万578人と平成7年の2.4倍にまで増加しており、さらに、平成16年の刑法犯少年7,697人のうち中高生が75%を占めています。これら現下の厳しい少年非行情勢等に的確に対処するため、県警察は「少年の非行防止と健全育成に向けた総合対策の推進」を掲げ、悪質化する少年犯罪の検挙活動の強化や少年犯罪を未然に防止するために街頭補導活動を積極的に取り組んでいると思いますが、依然として厳しい状況にあります。


 少年サポートセンターなどによる街頭補導活動、非行少年等の立ち直り支援活動や少年事件特別捜査隊の拡充など、少年犯罪の取り締まり強化に努められていますが、警察だけの対応には限界があるのではないかと思います。子供を取り巻く環境を的確に分析し、社会情勢の変化に即した青少年愛護条例の改正と、それに基づく家庭を含めた社会全体での良好な社会環境の整備や再非行を防ぐための取り組みの充実なども必要です。そのためには、社会全体でそれぞれが担わなければならない役割を改めて検証し、役割分担の明確化と連携強化に努めるべきと考えます。


 今、県では、安全・安心条例――仮称――の制定について議論がされていますが、この中に少年犯罪撲滅のための方策が十分に取り入れられようとしているのでしょうか。少年犯罪は警察だけの責任、任務とは言えません。少年非行の多発が大きな社会問題であるとの認識があるならば、少なくとも条例の中で各主体の役割やどこが推進母体となって進めていくのかなど明らかにすべきであると思っております。そして、それに基づき、実行部隊の警察も具体的改善策を打ち出すべきと考えます。


 そこで、多発化している青少年犯罪の撲滅に向けた県警察と関係機関の連携強化及び県警察としての具体的取り組みについてご所見をお伺いをいたします。


 以上で私の代表質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手)


○議長(内藤道成)  井戸知事。


  〔井戸知事登壇〕


○知事(井戸敏三)  ひょうご・県民連合議員団を代表しての宮本博美議員のご質問にお答えをさせていただきます。


 冒頭、アスベスト対策についての問題点と政府への要請についてお触れになりました。私どもといたしましても、また、私としても既に知事会を代表して政府当局に要請をしてまいりましたけれども、今後とも、県としての対応に万全を期するとともに、政府に対しましても的確な要請をしてまいる所存でございますので、ご理解いただきたいと存じます。


 まず、参画と協働の県政推進における政策形成のあり方についてであります。


 議会と知事等の首長につきましては、議決機関と執行機関という機能の違いはありますけれども、ともに県民の負託を受けて県政を担う機関であります。政策形成において相互の情報共有と連携を密にする必要があることは言うまでもありません。このため、予算編成に向けた重要政策提言や予算申し入れをいただいておりますが、重要な施策の事前協議、あるいは地域政策懇話会等を通じて、さらに連携を深め、県議会とは政策課題や情報の共有を図ってまいります。特に必要な案件については、政策形成の初期段階から協議するなど、情報の共有化を前提とした施策化を図ることとしてまいります。


 今後とも、県民対話の推進や公民協働施策の展開などを通じまして、県民の主体的で創造的な県政の参画と協働を求めてまいりますとともに、県議会におきまして、県政にかかわる課題の共通認識や県政情報の共有をしていただくのが基本でありますので、政策の企画立案、実施、評価・検証のそれぞれの段階におきまして、幅広くご意見、ご提言をいただきながら進めてまいりたい、このように考えております。そして、成熟社会にふさわしい的確な政策形成の実現に努め、県民の信頼にこたえてまいりたい、このように決意いたしております。


 続いて、分権型社会における県の役割と方向性についてです。


 市町合併については、地域における自主的、主体的な合意形成が基本であり、当事者において十分な検討のもとに、合併に向けた地域主体の取り組みが行われたものと考えています。その結果、来年3月末の県内の市町数は29市12町の41市町となります。県としては、県内の合併に向けた取り組みはおおむね一段落したのではないかと認識しています。


 ご指摘のように、新しい合併特例法は、さらなる合併推進の手法として都道府県の役割を強化しております。私としては、今後とも基礎自治体としての市町村の強化を図ることは分権社会を確立する上で必要であると理解しておりますが、対等・協力の都道府県と市町村との関係からすれば、知事が主導権を発揮して、合併構想を策定し、勧告を行うことは本来適当ではないと考えています。したがいまして、法律上設置が義務づけられております市町村合併推進審議会について設置条例を提案させていただいておりますが、この審議会において、有識者等で構成されているわけでありますが、県内の現状を踏まえて客観的に検討していただき、私のこのような考え方を結論づけてもらいたいと考えています。


 今後とも、市町が円滑かつ適切な行財政運営を行っていけるよう、もとより広域・専門的な立場からきめ細かな助言・支援に努めてまいります。


 県の広域連携と道州制についてお尋ねがありました。


 現在の道州制の論議は、広域自治体の役割や区域割りをめぐる抽象的な議論にとどまり、また、中央省庁を巻き込むものとなっておらず、いわば観念先行型というムードがいたします。当面する広域行政課題は、道州制ありきではなく、府県の連携強化を通じて解決していくのが現実的ではないでしょうか。また、ご指摘の関西の課題は、余りにも東京に一極集中している日本の社会経済構造によるものであるのではないか、このように考えています。関西では、これまでからさまざまな広域連携の取り組みが進められてきました。関西広域連携協議会では、2府7県3政令市と経済団体が一体となって、文化・観光の振興を中心に夏のエコスタイルの提唱、実践など環境問題への対応や防災対策、情報化の推進等の取り組みを展開しています。


 また、自治体間の連携としましては、近畿2府7県の震災時等の相互応援に関する協定の締結など、広域防災への対応や近畿ブロック知事会での共同取り組み、経済界、行政と学識者で設置した関西分権改革推進委員会など、さまざまな連携の仕組みづくりが進められています。さきに開催した京阪神三府県知事懇談会では、外国人観光客誘致に向けて、3府県知事の訪中や防災面での政府代替機能の関西での整備に向けた共同取り組みを合意したところでもあります。


 今後とも、京都、大阪、兵庫など、各府県の特色を生かした広域的なネットワークをつくるべく、これらの取り組みに積極的に参画し、関西復権の先頭に立ちたい、このように考えています。


 続きまして、今後の行財政構造改革についてです。


 既に平成11年度に行財政構造改革推進方策、さらに昨年2月に後期5か年の取組みを策定し、行財政運営の枠組みを基本とした推進を図ってきました。この結果、一般行政部門で13%以上、1,250人の定員削減を初め、組織や職員給与、事務事業など、県庁すべての仕事について徹底的な見直しを行い、また行うこととしています。


 地方債残高の累増の指摘がございましたが、これは、まず第一義的には、国が赤字国債で事業を実施しているため地方の財源不足額が拡大し、財源対策債などが活用されていることが主因でありますし、さらに、行財政構造改革の財政フレームにおきまして、計画的に財源不足額について臨時的に地方債を活用する一方、地方債の償還のための基金残高を確保しながら対策をとっているためであることにご理解を願いたいと存じます。


 したがいまして、国、地方を通ずる財政再建は不可欠でありますが、国は2010年代初めにプライマリーバランスを取り戻したいとしております。地方としても、一方的な交付税削減が行われることのないように監視しながら、同一歩調をとっていく必要があります。本県としては、今後とも行財政構造改革の枠組みを堅持しながら、来年度の予算編成に当たっても、既に検討期間を1ヵ月繰り上げる、大くくりの部単位で創意工夫する部単位要求枠とする、12月にも基本事項の知事査定を行うなど、ゼロベースからの事務事業の見直しに着手することとしたところです。


 今後とも、経費支出の一層の重点化、効率化、県民サービスの向上を図り、推進方策に続く新10年プランの策定などを検討しながら、中長期にわたる健全な行財政運営の確保に努めてまいります。


 男女共同参画社会の実現への実践と検証についてであります。


 男女共同参画社会基本法に基づき、平成13年にひょうご男女共同参画プラン21を策定するとともに、平成14年には条例を施行して、知事を本部長とする推進本部を設け、庁内横断的な施策展開や県みずからの率先行動計画の推進に取り組んでいます。また、県民、団体・NPO、事業者、市町等との協働のもとに、地域や働く場などでの男女共同参画の推進に努めています。


 条例施行から3年を経過し、条例に基づく制度である事業所との協定の締結、男女共同参画推進員の活動促進、県民からの申し出処理等の定着・充実を図ってまいりますのはもとよりでありますが、審議会委員への女性の登用率の向上やDV・セクハラ対策の充実、市町における基本計画の策定や拠点施設の設置の増など、男女共同参画に係ります各般の施策が着実に成果を上げてきていると考えています。今後は、少子化の進展に対応した家庭・地域生活と職業生活との両立支援など、社会経済情勢の変化に対応した施策をさらに推進するとともに、数値目標等を盛り込んだプラン21後期5か年の実施計画を今年度中に策定し、条例に基づく取り組みの一層の充実に努めます。


 精神障害者対策についてです。


 精神保健福祉法が制定される前年度の平成6年度と10年後の平成16年度を比較したとき、住居支援を行う生活訓練施設等については42人分から447人分と約11倍、日中活動や就労の支援を行う授産施設や作業所等については34ヵ所から114ヵ所と3.5倍の伸びとなっていますが、まだまだ精神病床依存型となっており、地域生活への支援基盤が不十分な状態にあります。今後は精神科病床を減少させていくとともに、社会復帰施設を増加させる欧米諸国と同様の施策転換を図っていかねばなりません。


 特に精神障害者対策については、入院医療中心から地域生活中心へという観点から、住居・日常生活支援とともに、日中活動や就労支援の両面から地域生活への移行を支援していくことが必要であります。このため、障害者が自立して地域で暮らせることをめざしまして、第1にグループホーム等の生活の場の確保を進めていく、第2に地域での生活が円滑に行われるようホームヘルプサービスを充実していく、第3に生活能力の維持向上を図る生活訓練施設を整備していく、第4に福祉的就労機会を提供するための授産施設や小規模作業所をふやしていく、第5に一般企業の雇用に向けた就労移行を支援していくことなど、障害の程度に応じたきめ細かな支援に努めてまいる所存であります。


 続いて、ひょうごのものづくりを支える技能の向上・継承についてです。


 ご指摘のとおり、ものづくり産業を支えてきた熟練技能の継承が危ぶまれています。在職者の技能の向上と意欲ある若者のものづくり産業の技能後継者としての育成が不可欠であります。これまでもひょうごの匠の皆様や企業の協力によりまして、ものづくり体験を支援してまいりましたし、ものづくりフェアの開催などにより、青少年のものづくりへの理解の促進を図ってまいりました。


 また、県立高等技術専門学院での人材養成や認定職業訓練制度の活用、産業技術大学の開設等、中小企業の企業内訓練の支援にも取り組んできましたし、さらには官労使一体となりまして、企業ニーズに即した人材づくりのためにコミュニティカレッジの運営なども行っています。


 現在、有識者によるものづくり人材育成構想検討委員会を設置して議論していただいておりますが、ものづくり体験企業の協力を求めまして、次代を担う青少年が生産現場等で感動を味わう機会をつくっていけないか、民間の熟練技能者や施設などを活用していくとともに、これらのネットワーク化を図りまして、より実践重視の技能者育成体制を構築していけないかなど、学校教育段階から職業生活の各段階に応じた総合的、体系的な人材育成の仕組み、ものづくり人材大学校について検討を行っております。その議論も踏まえながら、ものづくり産業を支える人材育成のさらなる推進を図ってまいりますので、よろしくご支援をお願い申し上げたいと存じます。


 以上、私からの答弁とさせていただきます。


○議長(内藤道成)  齋藤副知事。


  〔齋藤副知事登壇〕


○副知事(齋藤富雄)  私から、少子化対策2点のご質問にお答えをいたします。


 まず、若者が社会的に自立する就業支援についてお答えをいたします。


 若者や女性に増加いたしております非正規社員と正規社員との賃金拡差が拡大しているという現状にございます。非正規社員につきましては、働きに見合った適切な評価の実施とそれに基づく処遇の向上を図るとともに、若者に安定した雇用を提供し、社会的自立を支援していくことは極めて重要と考えているところでございます。


 ご質問の若者の就業支援につきましては、若者しごと倶楽部におきまして、求職者の状況に応じてキャリアカウンセリングから紹介、就職までの一貫したきめ細かな支援を行っておりまして、平成16年度は相談件数5,687件、就職件数741件に達しているところでございます。


 今後は、関係市町との連携をさらに深めまして、多くの若者に対して就業支援を広げつつ、就職に有用と認められる能力開発を支援するなど、フリーター等の若者を安定雇用へ移行させるための施策に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。


 また、産業活性化対策により安定した雇用の創出を図るとともに、企業を対象としたセミナー等を通じまして、非正規社員の処遇の改善についての啓発・支援も行ってまいりたいと考えております。


 次に、次世代育成支援対策推進法の県の取り組みについてお答えを申し上げます。


 これまで県では、有識者等で構成する少子化対策推進協議会の意見を踏まえながら、平成9年度に策定いたしましたすこやかひょうご子ども未来プランの実践と普及啓発を行ってまいりました。


 このたび喫緊の課題であります少子対策に全庁挙げて取り組むため、兵庫県少子対策本部を立ち上げたところでありますが、今後は、地域団体・NPO、県内の事業者や市町、国ともさらに緊密な連携を図ることで、県民の視点に立った総合的な少子対策を進めていくこととしているところでございます。


 具体的には、全県的な次世代育成支援の行動計画でございますプランの改定に当たりまして、少子化対策推進協議会の意見に加え、地域団体・NPOとの協働によるワークショップの開催等によりまして一層幅広い県民の意見が反映されるよう努め、プラン改定後は、地域団体・NPO、事業者、市町等とも着実な推進を図ってまいりたいと考えております。


 また、事業主としての県におきましても、次世代育成支援行動計画を近く策定いたしますほか、301人以上の企業では92%以上が行動計画を策定済みでありますので、さらに今後、中小企業の計画策定等の支援のために、県経協、尼崎経協、姫路経協、県中小企業団体中央会の4団体が運営いたしております次世代育成支援対策推進センターとも連携を図りつつ、安心して子供を産み育てることのできる環境づくりを推進していきたいと考えておりますので、よろしくお願いを申し上げます。


○議長(内藤道成)  巽 警察本部長。


  〔巽 警察本部長登壇〕


○警察本部長(巽 高英)  青少年犯罪の撲滅対策についてお答えいたします。


 県下の少年非行をめぐる情勢につきましては、本年に入りましても、中学生による殺人未遂事件でありますとか、強盗事件が増加するなど、少年犯罪の凶悪化、低年齢化が進展し、非常に厳しい状況にありまして、まさしく少年犯罪の抑止が治安回復の大きなかぎであると認識しております。


 県警察では、少年の非行防止と健全育成に向けた総合対策の推進を運営重点に掲げまして、少年の規範意識向上のための少年マナーアップ兵庫を初めとした各種対策に取り組んでいるところでありますが、少年の非行防止対策は、警察のみならず、家庭、学校、関係機関・団体など地域ぐるみで、かつ、相互に連携しながら取り組んでいくことが極めて重要であると考えております。


 現在、知事部局においては、近年の社会情勢の変化等を踏まえまして、青少年愛護条例の一部改正、また仮称でありますが、安全・安心条例の制定に向けた取り組みがなされておりますが、警察といたしましても、子供の健全育成及び安全の確保対策が基本の一つに位置づけられ、実効性あるものとなるように知事部局と協議を進めているところであります。


 今後とも、少年事件特別捜査隊、少年サポートセンターを核とした警察力の充実を図り、少年犯罪への厳正な対処や立ち直り支援など多角的な取り組みを推進することとしております。


 また、歓楽街における計画的な合同補導を初め、非行や犯罪被害等の問題を抱えた少年を個別に支援するため、関係機関などと連携する少年サポートチームの普及を促進するなど、少年の健全育成に携わる団体及び地域社会が一体となった、地域の子供は地域で守り育てる活動に取り組んでまいる所存でありますので、ご支援のほどよろしくお願い申し上げます。


○議長(内藤道成)  宮本博美議員に対する答弁は終わりました。


 この際、暫時休憩いたします。


 再開は、午後1時30分といたします。


       午前11時56分休憩


  ………………………………………………


       午後1時30分再開


○議長(内藤道成)  ただいまから会議を再開いたします。


 休憩前に引き続き、質疑、質問を行います。


 合田博一議員。(拍手)


  〔合田博一議員登壇〕


○(合田博一議員)  それでは、私は、公明党議員団を代表いたしまして、知事並びに関係当局に質問をいたします。


 去る7月3日の知事選挙において、多くの県民の支持を得て再度当選されました井戸知事に対しまして、議員団を代表して深く敬意を表する次第でございます。


 知事選挙の結果、これまでの4年間、井戸知事が推進された参画と協働を基本とする県政運営に関し、県民の一定の理解が得られたのであります。井戸知事におかれては、晴れて兵庫の顔として2期目の県政のスタートを切られたわけですが、2期目の県政運営こそ、まさに井戸知事の真価が問われるところではないでしょうか。これからの4年間は、公約で掲げた「3つの目標、10の約束」の実現により「元気兵庫づくり」を着実に進められるとともに、県民の大きな期待と信頼にこたえるためにもリーダーシップを発揮され、一層の邁進を祈念申し上げる次第でございます。


 質問の第1は、「元気兵庫づくり」に向けた知事の抱負についてであります。


 戦後60年を経た今日、これまで日本の発展を支えてきた社会経済システムのあり方が今問われています。構造改革を進めるのかどうかが問われたさきの総選挙では、我々連立与党が推進する郵政民営化を支持するとの国民の審判が下されましたが、今後、参議院での審議が注目されるところであります。この問題は、参議院のあり方、民意の反映という意味で、民主主義の根幹にかかわる問題であります。また、今後の地方分権改革を左右する三位一体の改革の動向も予断を許さない状況であります。このほか、JR福知山線列車脱線事故やアスベスト問題は、生活者の安全・安心よりも企業や生産者の立場が重視された結果であり、生活者不在の仕組みを改め、生活者の視点に立った社会構造への変革がまさに求められているのであります。


 井戸知事は、選挙後の最初の記者会見において、会合などで自分が発言していいのかなと思う県民が多く、そういう方々の最後に出てくる意見を受けとめることが大切ではないかと発言されましたが、この発言は非常に印象的でありました。一部の県民の大きな声だけでなく、周囲の雰囲気を見ながらの遠慮がちな県民の声にも、隠れがちな県民の本心があるのではないかとの認識だと思います。


 しかし、県民の暮らしを取り巻く環境は依然厳しいものがあります。現下の経済・雇用情勢は回復基調にあるものの、派遣や契約の非正規雇用者が増加傾向にあるのが実態であり、最新のデータである平成14年度の本県の1人当たり県民所得は、全国第27位で、震災前より依然低い位置にあります。県民や県内中小企業にとっては、景気回復の実感が乏しいのではないでしょうか。さらに、急速な少子・高齢化による年金、医療、介護といった社会保障制度や近年多発する自然災害への不安は広がり、子供や高齢者、女性をも巻き込んだ残虐な事件・事故も多発しております。


 このような社会不安を解消し、だれもが安全に安心して暮らし、働き、学び、憩える、そのような社会こそが「元気兵庫」の姿であり、それを実現するのが井戸知事に課せられた責務であります。


 そこで、井戸知事が考える「元気兵庫」は何を指しているのか、そして、それをどのように具体化していくのか、知事の考えをお伺いしておきたいと思います。


 質問の第2は、チャイルドファースト社会の実現に向けた知事の取り組みについてであります。


 厚生労働省が先月発表した人口動態統計の速報によりますと、我が国の人口が2007年から減少に転じるという当初の予測が前倒しになり、早ければ、ことしから人口減少に移行するのではないかという報道もあります。1.57ショックから15年、1990年代から少子化対策に取り組まれてきたにもかかわらず、少子化の波はとまらず、合計特殊出生率は昨年で1.29にまで低下し、本県では国を下回る1.24となっております。


 このような中、公明党では、本年2月に、少子社会総合対策本部を立ち上げ、子供が生まれ育ちやすい社会、子供優先社会、すなわちチャイルドファースト社会の構築に向けて議論を重ね、さきの総選挙では具体的な政策をマニフェストとして提示いたしました。


 井戸知事におかれても、少子化対策の必要性を認識され、知事選挙で公約として掲げられるとともに、これまであったすこやかひょうご子ども未来プラン推進本部から、新たに知事を本部長とする少子対策本部に格上げし、その事務局として健康生活部に少子局を設けられました。この対策本部の設置や組織改正により、県として本当の意味で少子化対策に取り組むのであれば、ゼロベースからの議論が必要であり、そういう意味でも出産・子育てへの経済的支援の必要性について議論の対象にし、具体化を進めるべきであります。それは何よりも出産・子育てへの経済的支援を求める声が強いからであります。


 一昨年に県が行った県民意識調査では、子育てに対する経済的支援を求める回答が53%とトップで、平成9年の調査時の27%から倍増しております。また、昨年10月に内閣府が発表した少子化対策に関する特別世論調査でも、「子育ての経済的負担の軽減」を求める回答が「仕事と家庭の両立支援」を求める回答と同様50%を超えております。これらの具体化に当たっては、財源の確保も一つの課題になろうと思いますが、思い切った歳出の見直しなどにより財源を確保することも検討していかなければなりません。


 我が会派が、過日、知事に対して行った重要政策提言でも、乳幼児医療費助成事業の対象年齢を小学6年生まで引き上げ、さらに所得制限を緩和することや、県独自で出産祝金制度や義務教育終了時に支給する仮称「子ども未来祝金」制度を創設することを強く求めました。また、現行の出産育児一時金の増額、児童手当の対象年齢を当面小学6年生まで引き上げ、所得制限を緩和するよう国に対して働きかけていただくことも提案しております。


 行財政構造改革推進方策の見直しにより、本年7月から福祉医療が改定されましたが、少子化は我が国社会が直面する最大の課題であります。日本の社会保障給付費に占める子供関係費の割合は3%台にすぎず、高齢者に偏っており、このような傾向は本県でも見られるところであります。今後は、予算全体の使い方を見直し、子供にもっと比重を移していくべきであると考えます。


 以上、出産・子育てに対する経済的支援の実施について、井戸知事の前向きな答弁を期待いたします。


 質問の第3は、芸術文化の振興についてであります。


 阪神・淡路大震災から10年余りが経過し、震災からの心の復興・文化の復興のシンボルとして、兵庫県立芸術文化センターが、来月22日、いよいよオープンします。開館記念事業の一環として、芸術監督の佐渡 裕氏が指揮する第九演奏会のチケットはたちまち売り切れ、追加公演が決定されるという盛況ぶりを示しております。また、専属の兵庫芸術文化センター管弦楽団は、佐渡芸術監督みずからがオーディションで選んだ13ヵ国48人、平均年齢27歳の若手音楽家で構成され、世界でも珍しい教育的要素を有しており、最長3年の在籍後には世界各国に旅立つ若手音楽家の姿が想像されます。芸術文化の振興に一貫して取り組んできた我が会派としても、まさに芸術文化立県「ひょうご」を国内外に発信する芸術文化の拠点として大いに期待するところであります。


 芸術文化センターに対する関心は、全国的にも高まっています。専門家の間では、施設に関しては先行する東京の新国立劇場や滋賀のびわ湖ホールにも匹敵するホールとの評価を得ています。特に大ホールは、いわゆる四面舞台の広さがあり、音響がすばらしいコンサートホールであるとともに、オペラ劇場としての構えもあり、そういうことからすると、オペラ公演のさらなる充実や、尼崎のアルカイックホールでのオペラ公演との兼ね合いなども今後の課題ではないかと思われます。管弦楽団に関しては、頻繁にメンバーが入れかわるため、幅広いレパートリーを持った伝統の音をつくるのが難しいのではないかといった指摘もあります。


 いずれにいたしましても、芸術文化センターに対する一般県民や専門家の期待は大きいものがあり、この期待にどのようにこたえ、具体化していくのかが問われています。


 そういう意味からしましても、兵庫の芸術文化の象徴とも言える芸術文化センターの整備を終えた今、今後は、センターを単に維持管理するだけではなく、芸術文化センターの機能強化、付加価値を高めるためのソフト施策の充実が重要であります。


 我が会派が、一般会計予算規模の1%相当を芸術文化に充てることを主張してきたことは、知事もよく認識していただいておるとは思いますが、今後、本県の芸術文化の振興のため、ソフト施策にどこまで取り組んでいけるのか、井戸知事の手腕にかかっていると言っても過言ではありません。


 重要政策提言で申し入れた、新進若手芸術家や報道関係者が集い、交流でき、芸術文化に関する情報の集積や発信をする「芸術文化情報センター」の機能をあわせ持った仮称「ひょうごアーチストクラブ」の設置もその一つではないでしょうか。


 そこで、芸術文化の振興に向けた知事の意気込み、さらには今後どのように具体的に取り組まれるのか、お伺いしておきたいと思います。


 質問の第4は、これまでのアスベスト対策の評価と検証についてであります。


 厚生労働省の集計では、5年ほど前から中皮腫による死者が急増していたにもかかわらず、クボタが自発的にデータを公表するまでアスベストの問題が表面化することはありませんでした。アスベストは、1972年にILOやWHOが発がん性を認めていたにもかかわらず、我が国で毒性の強い青石綿と茶石綿の使用を禁じたのは1995年で、用途の広い白石綿は昨年秋にようやく原則禁止になったにすぎず、今なお代替性のないアスベスト製品は認められるなど、国の対策は後手後手に回っていると言わざるを得ません。


 しかし、アスベストの危険性について旧労働省は早くから認識していたと見られ、1976年にはその内容を全国の労働基準局に通達していましたが、何ら具体的対策はとられませんでした。この時点で、輸入や使用の禁止のほか、アスベストが使われた製品や建物をリスト化し対策をとっていれば、今これほど被害が広がることはなかったのであり、原因もわからないまま亡くなった方々の気持ちを察すると、痛恨のきわみであります。


 アスベストによる健康被害が問題化したのは今回が初めてではありません。1980年代には、全国の学校で使われたアスベストが危険視され、当時の文部省が教育委員会などに処理を促したほか、10年前の阪神・淡路大震災でも、建物の倒壊や解体によって大量のアスベストが飛散し問題となりました。


 アスベストは静かな時限爆弾とも言われ、30年から40年の潜伏期間があると指摘されており、早稲田大学の村山武彦教授が発表した被害予測によると、中皮腫による国内の死亡者は、2000年からの40年間に10万人を超えるという恐ろしい内容になっております。


 アスベストの疾患は、長らく特殊な労働災害として扱われてきましたが、家族や周辺住民に被害が出ている以上、広く公害としてもとらえるべきであります。我が党のこうした主張を踏まえ、国もようやく重い腰を上げ、労災などの対象とならなかった被害者を救済するため、特別措置法で補償する方針を固めました。しかし、海外を初め、危険性の指摘があったにもかかわらず、危険性を過小評価して規制を先延ばしにし、その結果、取り返しのつかない犠牲を生んでしまったということから見ると、水俣病や薬害エイズ、BSEやハンセン病で目の当たりにした「行政の不作為」が、アスベストでも繰り返されたのではないでしょうか。なぜアスベスト対策がここまでおくれたのか、これは被害者だけでなく、国民全体の思いであります。


 そこで、県は、これまでのアスベスト対策をどのように評価しているのか、県みずからもこれまでの対策を検証するとともに、ハンセン病の検証のように、第三者機関として検証会議を設けきちんとした検証を行うよう国に対して働きかけるべきであると考えますが、知事のご所見をお伺いいたします。


 この項の二つ目は、アスベストの管理についてであります。


 アスベストは、その利便性から、建材や断熱材などとして幅広い用途で利用されてきた結果、社会の至るところに存在すると理解しておくべきであります。つまり、命にかかわる重大な健康被害の危険性が、今も全国規模で拡大していると言わざるを得ません。露出した吹きつけアスベストは、劣化等がなければ飛散の危険性はなく、安全であるとの説明もありますが、今は安全でも、時間の経過とともに劣化するのであり、アスベストが飛散する原因となる解体工事も今後増加していくのが現実です。これまでのアスベストへの認識は、うまく使えば大丈夫ということでしたが、今後、我々は、まさに「アスベストと共生する」という難しい課題を背負っていかなければなりません。そういう意味で、アスベストの管理は重要な課題であります。


 県では、県有施設について実態調査を行い、このたび第一次結果を公表されました。養護学校や警察関連庁舎など、少なくとも22施設で吹きつけアスベストが露出していることが見つかり、年度内に飛散防止対策を講じるとともに、アスベストの有無が判明していない約500施設についても、引き続き調査し、年度内に必要な処理を完了するとのことであります。このほか、床面積1,000平方メートル以上の民間建築物について実態調査を行い、必要な場合には、専門アドバイザーを派遣して改善を求めていくとのことでありますが、個人住宅や工場、倉庫といった1,000平方メートル未満の小規模の民間建築物についても、実態を把握し、ガイドラインを定めるなど、必要な対策をとらなければならないと考えます。


 建築物のアスベスト管理については、今だけの問題として片づけるのではなく、劣化等も踏まえた恒久的な対策が必要であると考えます。そこで、例えば不特定多数の利用者がある特殊建築物に課せられた建築基準法第12条に基づく定期的な状況調査や特定行政庁に対する報告義務について、アスベストも対象に加えるよう、県の条例や建築基準法の改正により実現することを検討してはどうでしょうか。


 また、県では、今後増加する建築物の解体工事に対処するため、吹きつけアスベスト等含有建築物の解体・改修時の標識掲示の義務化を10月1日から開始されますが、解体業者が本当に標識を掲示するのか、県民の通報に期待するとしても、県民が通報制度を理解しているのか、県民から届いた通報に県が積極的に対処できる体制をどのように整えるのかという課題もあります。そして、県みずからも解体工事に関する情報収集に取り組む必要があり、産業廃棄物の不法投棄の監視員のような人員配置など、県の主体的な取り組みに期待するところであります。


 以上、我が会派の提案を踏まえ、長期的な視点に立った建築物のアスベスト管理について、知事のお考えをお伺いいたします。


 質問の第5は、総合的な悪質リフォーム対策についてであります。


 認知症の高齢者等をねらって不要な住宅リフォーム工事を契約させ、法外な代金をだまし取る悪質リフォームが大きな社会問題になっております。埼玉県富士見市で起きた認知症の高齢者姉妹が被害者となった事件はその典型です。勧誘手口は点検商法と呼ばれるもので、ある日突然訪問してきた自称リフォーム業者が住宅の無料診断を申し出、「湿気で柱が腐りかけている」などと説明し、高齢者の人のよさ、寂しさ、判断の不十分さなどに乗じて契約を締結してしまい、高額な代金を請求するというものであります。


 こうした住宅リフォームに関する相談件数は、ここ数年で急増しており、昨年度に全国の消費生活センターに寄せられた訪問販売による住宅リフォームの苦情相談は約8,900件にも上っています。今後、高齢化が進展する中、悪質リフォームを初めとする高齢者の資産をねらった犯罪は、ますます多発するおそれがあります。しかし、摘発された業者は氷山の一角にとどまっており、さらに、このような悪質業者を放置すれば、一般住宅の耐震工事に対する警戒感まで惹起し、耐震化の動きにも水を差すなど、住宅政策上も悪質リフォーム対策は喫緊の課題であります。


 高齢者を初めとする県民を悪質リフォーム被害から守るための対策としては、まず、高齢者等を対象に注意喚起のための広報活動を強化することや相談窓口体制の整備とともに、警察による悪質業者の摘発、特定商取引法に基づく行政処分の強化、消費生活条例に基づく業務改善勧告や事業者名の公表等の積極的な実施のほか、建設業法の許可が要らない500万円未満の工事を請け負う業者に対する行政処分の強化、さらには税務署による徹底した税務調査の実施など、悪質業者に対する取り締まりを強化することが必要であります。


 また、認知症高齢者等を保護、支援する有効な手段として、後見人が財産管理や契約を代理する成年後見制度があります。この制度は余り県民に知られておらず、昨年度、家庭裁判所において認容された県下の件数が690件であるのに対し、市町が実施した成年後見制度利用支援事業の申し立て件数は、わずか6件にすぎません。そこで、成年後見制度の活用についても、県民への広報活動や、訪問介護員、介護支援専門員の研修の場での制度の啓発等が必要であります。


 以上のように、県として、高齢者を初めとする県民を悪質リフォーム被害から守り、県民の安全と安心を確保するためにも、関係機関が連携しながら、相談体制の整備や住宅リフォーム業者の行政処分の強化など、総合的な悪質リフォーム対策に早急に取り組むべきであると考えますが、今後の取り組みについてお伺いいたします。


 質問の第6は、総合的なエイズ対策についてであります。


 ある新聞報道で、こんな記事が掲載されておりました。「歩いただけで息切れがした。原因不明のまま病院を転々と変え、四つ目の病院でエイズウイルスに感染していることがわかった。西日本の会社に勤める40代の男性は、6年前、いわゆる「いきなりエイズ」の宣告を受けた。生活の中で感染の可能性を我が身のこととして考えたことが一度もなく、発症して初めてわかった感染者ということだ。感染のことは、会社はもちろん、親兄弟にも知らせていない。感染がわかった当初は、エイズに対する先入観から、死ぬのかなと思った。新薬の開発も進み、現在は早期に治療を始めれば発症をほぼ抑え込めるようになった。ただ、薬は一生飲み続けなければならず、長期間の服用がどんな副作用を起こすのかはわからない。経済的な負担も小さくなく、一般的には薬代の自己負担額は月5万から6万になる。既に感染していた30代のころ、結婚を考えてつき合っていた女性がいた。その人の連絡先を調べて、みずからの感染の事実を告げ、検査を受けるよう勧めた方がいいとはわかっているが、まだその気にはなれない」。新聞の引用はここで終わりますが、エイズ患者の厳しい現実を物語っております。


 この夏、7月1日から5日間、神戸で第7回アジア・太平洋地域エイズ国際会議が開催されました。巨大な人口を抱えるアジア・太平洋地域は、エイズの爆発的流行が懸念され、大交流時代の到来で、日本国内での感染爆発の危険性を指摘する声もあります。世界保健機関の西太平洋地域事務局長も警鐘を鳴らしております。「アジアだけで約800万人がHIVに感染しており、新たに毎日3,500人ずつふえ、そして毎日1,500人ずつ死んでいく。一般社会にも感染は広がりつつある。特に若者が危ない。エイズを含む性感染症が広がっている現状を若者に積極的に教えるべきだ」と、極めて憂慮すべき深刻な事態であるにもかかわらず、社会の危機感は感じられない上、国の取り組みは甘く、及び腰であると言わざるを得ません。この国際会議直後の中教審における議論の趣旨は、子供たちは社会的責任がとれない存在で、性感染症を防ぐ観点からも、性行為を容認すべきではないというものであり、安易に具体的な避妊方法を指導するべきではないという見解だと理解されます。現実を直視しない事なかれ主義の無責任なのか、危機感の欠如なのか、これでは話になりません。


 現在の国のエイズへの取り組みは、保健所等での無料検査費用を補助するほか、治療が必要で労働や日常生活が制限され障害者と認定された人の治療費負担を軽減するなどでありますが、蔓延防止に向けては、各自の自発的努力に期待しているにすぎません。県として、蔓延防止・予防のための普及啓発、検査体制の強化に鋭意取り組んでいますが、まだまだエイズの感染爆発を阻止し、若者の健康と生命を守ろうというものではありません。若者にエイズ感染の実態を教え、具体的な予防方法を徹底し、危険回避への意識づけをしなければなりません。仮に学校での性教育を避けるのであれば、例えば18歳や20歳になった時点で、その年齢の若者を対象に性感染症予防の教育をし、実際に全員を対象にエイズ検査を実施してはどうかと思います。しかし、高校生の女子の半数近く、男子の3割以上は性交渉を経験済みとの報告を踏まえると、どの発達段階での教育が適切なのか、保健衛生や教育などが想定されますが、どの行政分野の課題としてエイズ予防に取り組むべきなのか、県としての考え方を整理し、具体的な取り組みを進めていく必要があるのではないかと思います。


 そこで、エイズに対する行政の取り組みのおくれが指摘されている中、エイズの予防や教育に関して、知事はどのようなお考えを持ち、具体的にどのように取り組もうとされているのか、お伺いいたしたいと思います。


 質問の第7は、内部障害者が暮らしやすい環境整備についてであります。


 平成17年版障害者白書によりますと、平成13年の在宅の身体障害者数は332万7,000人であり、このうちの86万3,000人が心臓や腎臓など内臓機能に障害を持つ内部障害者です。本県においても、平成17年3月末現在、身体障害者手帳の交付を受けておられる21万2,098人のうち、4万8,304人が内部障害者となっております。


 このように内部障害者は、身体障害者のほぼ4人に1人という高い割合を占めています。しかし、内部障害は、外見からは障害の有無がわかりにくい「見えない障害」であることから、他の障害に比べて社会的認知が低く、「内部障害」という言葉さえも知られていないのが実情です。そのため、内部障害者は、電車やバス等の公共交通機関の優先座席に座ると周囲から白い目で見られる、あるいは外出先で電磁波により心臓ペースメーカーが誤作動する危険にさらされるなど、日常生活においてさまざまな誤解を受けたり不便を強いられております。心理的な負担も相当なものがあります。


 そこで、だれもが安心して暮らし、自宅から町中まで安全・快適に移動し活動できるユニバーサル社会づくりの一環として、県としても、今まで以上に内部障害者への理解を県民に広げていく必要があります。


 そのためには、まず内部障害者であることを示す「ハート・プラス」マークの普及が重要であると考えます。この「ハート・プラス」マークは、ある障害者グループが作成した啓発マークで、身体内部をあらわす「ハート」に、思いやりの心を加えるという意味の「プラス」をデザインしたものであります。3月に開幕し、このたび閉幕した愛知万博会場では、公的な場所としては初めて使用されたほか、既に幾つかの自治体においても窓口等で表示されるなどしております。


 また、現在、電車やバス等の公共交通機関には、高齢者や妊婦、身体障害者、子供連れなどの表示により優先座席が確保されていますが、内部障害者も優先座席の対象であることがわかるような表示になっておりません。このため、これらの現状を改め、内部障害者のための「ハート・プラス」マークも表示するよう、県としても各事業者に働きかける必要があると考えます。


 このように、内部障害者の理解促進、特に「ハート・プラス」マークの普及、公共交通機関における内部障害者のための優先座席の確保等に取り組むことによって、内部障害者は今まで以上に周囲の理解が得られることで身体の負担を減らし、日常生活における支障・負担を軽減できると思いますが、内部障害者が暮らしやすい環境整備に関し、今後の取り組みについてお伺いいたします。


 質問の第8は、安全で安心な社会を構築するための警察署の再編整備についてであります。


 市町合併などに伴う県内情勢の変化に対応するため、県内52警察署の機能強化を協議している県警本部長の諮問機関「警察署のあり方を考える懇話会」は、今月、警察署を統廃合する再編整備が必要などとする中間答申をまとめ、巽 本部長に提出されました。


 警察署の警察官1人当たりの負担を比較すると、都市部の大規模警察署と郡部の小規模警察署では大きな格差があり、住民一人一人が享受する治安サービスに格差があることは、答申も認めております。この答申に基づいて、県警本部として、今後どのような再編整備を考えておられるのか注目されるところであります。


 昨今の治安悪化を踏まえると、管理部門の人員を削減し、現場にどれだけ警察官を配置できるかが大きなテーマであり、警察署の統合や外部委託は必ず進めなければなりません。


 郡部における警察署のあり方として、人口、面積、犯罪の発生状況、交通量、こういった要素をどのように加味し、都市部とのバランスをとるのかが課題であります。一方、都市部における再編整備も重要であります。例えば生田署と葺合署、これら2署の管轄区域は25年も前に中央区に一本化されているわけですが、警察署としては依然2署のままであります。この例に象徴されるように、人口46万の尼崎が4署体制でありながら、尼崎を上回った西宮が2署体制、尼崎を2万人上回る人口48万の姫路が3署体制であるなど、人口の推移や犯罪発生率の問題があるとは言うものの、県民から見ても、いびつな体制が存続しているのではないでしょうか。今後の検討に当たっては、神戸市内や姫路、尼崎、西宮など、こうした大きな都市における再編整備も当然進められるべきであると考えております。


 ちなみに、京都府警では、全国に先駆けた取り組みが進められ、この4月から、郡部の警察署について、三つの署を一つに、あるいは二つの署を一つにという形で実施されたところであります。京都市内においても、平成22年を目標に、13署から11署に統廃合し、京都府警トータルとしては、31署から25署程度に削減する計画であるとも伺っております。


 いずれにいたしましても、体感治安が向上する、地域の警察力がアップする、そういう再編整備であってほしいと県民は願っているのであります。市町合併の進展を機に、兵庫県警として今こそ思い切った再編整備を進めるときであると考えます。


 そこで、これまでの指摘をどのように認識し、今後どのような方針で再編整備に取り組まれるのか、また、時期的な問題として、再編整備のスケジュールをどのように考えておられるのか、明確なご答弁をお願いいたしまして、私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)


○議長(内藤道成)  井戸知事。


  〔井戸知事登壇〕


○知事(井戸敏三)  公明党議員団を代表しての合田博一議員のご質問にお答えいたします。


 まず、元気兵庫づくりに向けた抱負についてであります。


 兵庫の元気は、人の元気、産業の元気、地域の元気などがなければ生まれません。元気あってこそ、新しい兵庫の未来を築く原動力となると信じます。私は、これからの4年間、広大な県土、地域の多様性など兵庫の強みを生かしながら、県民だれもが生き生きと暮らし、産業や地域が活力にあふれる元気な兵庫づくりに全力で取り組む所存です。


 このため、まず、総合的な防災や減災対策、街の安全対策、予防重視の健康づくりや医療、福祉対策など、元気の基盤となる安心・安全づくりを進めます。その上で、体験教育や地域教育、少子・子育て対策などの充実強化をいたしまして、人の元気を、ものづくり産業や地域の中小企業、農林水産業の活性化など、産業の元気を進めます。また、暮らしを支える社会資本の再構築や多彩な交流の促進、環境調和型の地域づくりなど、地域の元気を創出したい、このように考えています。


 さらに、行財政構造改革の徹底や国と地方、県と市町の新しい関係を構築していくなど、分権時代にふさわしい新しい自治を確立したいと願っています。


 今後とも、県民の参画と協働を基本に据えながら、県民対話の推進、公民協働施策の展開、庁内自治の確立を基本とし、夢や生きがいにあふれ、活力に満ちた元気な兵庫をつくってまいりますので、よろしくお願いを申し上げます。


 次に、チャイルドファースト社会の実現に向けた取り組みについてです。


 出産・子育てに対する経済的支援については、国全体としての支援のあり方や国と地方との役割分担等の観点からも、十分に検討を進める必要があります。


 現在、これに関連する国における動きとしては、まず、高齢者関係給付の比率の高い社会保障制度の見直しの検討がなされております。そして、子育てに係る税額控除の導入など、税制の見直し等についても議論が行われています。


 本県の少子対策を推進するに当たっては、今後、これら国レベルで行われている議論や検討、それに対する世論の動向を注視するとともに、社会の世代構成について、高齢者のウエートが子供のウエートを超えるという従来と異なる事態に、どう社会システムを変えていくかという問題意識を持って対応していかなければなりません。


 さらに、このような問題意識に加え、本県の特性であります震災の経験を教訓とした、地域団体・NPO、事業者、市町、県が共同して取り組む視点、すべての子育て家庭への支援を行うという視点、子育ては次の世代の親づくりだという視点に立ちまして、家庭と地域の子育て力の再生や子育てと仕事の両立支援、子供が健全に育つ環境づくり、若者が自立しやすい環境づくりなど総合的な少子対策を、経済的支援を含め検討してまいります。


 続きまして、芸術文化の振興についてです。


 本県はその広大さと多様性が特色とされるように、本県文化についても、阪神モダニズム、祭り文化、農村歌舞伎、茶道、華道、淡路人形浄瑠璃やだんじりうたなど、さまざまな地域固有の文化を誇るとともに、大震災の経験の中で、人々の心を鼓舞する芸術文化の持つ力を再認識したところです。


 この10月には、陶芸美術館や芸術文化センターが相次ぎオープンするなど、芸術文化の拠点が完成する中、芸術文化振興ビジョンに沿って、芸術文化をさらに振興することとしています。既に芸術文化センター構想の推進に当たっては、ひょうご舞台芸術などソフト先行事業を実施してきました。開館後も、その成果を生かして、芸術顧問や芸術監督のもと、兵庫発のコンサートや演劇を初め、オペラやバレエ、ミュージカル、さらには伝統芸能等多彩な舞台芸術を上演するなど、兵庫の芸術文化拠点にふさわしい事業展開を図ります。


 なお、芸術文化センター管弦楽団については、若手の演奏家を3年期限で世界から選抜し、フレッシュで緊張感のある組織としつつ、佐渡芸術監督の指導のもと、豊嶋泰嗣氏、朝枝信彦氏、四方恭子氏といった世界的な奏者を継続的にコンサートマスターに擁しながら、演奏するとともに指導にも当たっていただくことにしています。また、既に高い評価を得ている演奏家に登録奏者として参加していただくことにより、若々しさと専門性が融合した質の高いオーケストラとなると期待しています。


 このほか、県立ピッコロ劇団による公演や演劇指導、県民芸術劇場、ひょうごさわやかステージなどソフト重視の施策を実施し、芸術文化の振興を行います。また、付属管弦楽団による青少年向け音楽鑑賞事業や伝統文化・芸能のすそ野の拡大など、芸術文化立県ひょうごの名にふさわしい芸術文化振興に努めてまいります。


 なお、ご提案の「ひょうごアーチストクラブ」については、専門家が交流できる場所としても、官製――官が設置するのがよいのかどうか、どのようなジャンルを期待するのか、その運営はどのようにしたらやっていけるのかなど、各般の検討を必要としますので、十分研究していくこととしたいと考えます。


 続いて、アスベスト対策についてです。


 アスベスト対策については、我が国が諸外国の取り組みに比べて規制がおくれてきたことがその要因と考えられ、基本的には国がその責務を果たすべきであります。しかし、県としては、早速にアスベスト対策推進会議を設置し、全庁挙げて対策を進めているところです。


 国においては、8月26日に、アスベスト問題に関する政府の過去の対応の検証についての取りまとめが行われましたが、過去の経緯について、さらに精査を行うこととされています。


 県におきましては、昭和62年に、学校等における吹きつけアスベストが大きな問題になったことを機に、国の指導に基づき、昭和62年から63年にかけて実施しました公共施設等に対する実態調査に基づき、改修等を行っております。また、アスベスト製品製造工場及び吹きつけアスベスト等の解体・改修工事に対しましては、環境の保全と創造に関する条例による面積要件の撤廃など、法より厳しい規制をいち早く実施してきました。


 今後、さらに万全を期するため、吹きつけアスベスト等含有建築物改修の所在や危険度を把握し、行政としてよりきめ細かく監視するとともに、国に対しては、今後の対応状況を踏まえつつ、ご指摘の点も含め適切な検証がなされるよう提案してまいります。


 アスベストの管理についてであります。


 民間建築物のアスベストの実態を把握するに当たって、現行の建築基準法の定期報告制度について県施行細則を改正して、劇場等の不特定多数の人が利用する建築物で一定規模以上の建築物、例えば共同住宅ですと100平米、集会所等ですと200平米、事務所ですと1,000平米などの建築物について、吹きつけアスベストの実態を報告するよう義務づけたいと考えています。


 国においては、現在、定期報告の対象となっている建築物に加えて、吹きつけアスベストが飛散するおそれのある既存建築物に対して必要な措置がとれるよう、建築基準法の改正を検討しておりますが、県としては、同法の改正が現場の実態に即して行われるよう、働きかけていきます。


 また、建築物の解体・改修時には、周辺住民の不安を解消し、県民からの通報を可能とするため、全国に先駆け、標識掲示を義務づけました。県民には、チラシの配布や県のホームページへの掲載等により周知を図っております。なお、県民から通報があった場合には、迅速に立入検査を行うなどの体制をとることとしています。


 アスベスト含有物の除去、搬送、最終処分に至る一連の作業は、現在、廃棄物処理法による指導マニュアル等により行われておりますが、さらに万全を期するため、台帳整備などによる的確な処理を行うための新たなシステムを検討してまいる所存です。


 続いて、総合的なエイズ対策についてです。


 平成16年の県内エイズ・HIV感染者新規届け出件数は26件で過去最高となり、エイズ対策は予断を許しません。感染経路としては、性的な接触、汚染血液の暴露、母子感染などがありますが、学校教育、健康教育、青少年の健全育成等、あらゆる機会をとらえ、関係機関が相互連携を図り、エイズ対策に総合的に取り組んでいく必要があると考えます。


 最近、10代、20代の若年層に性的接触によるエイズ・HIV感染者が増加傾向にあります。若年者に対するエイズ教育が特に重要であると考えます。学校教育においては、児童生徒の発達段階に応じ、性感染症等の科学的知識を理解させるとともに、これに基づいた望ましい行動がとれるよう指導を行ってまいります。特に平成16年度から、高校生がHIV感染を避ける行動選択ができるよう、高等学校において、医師、保健師等の校外講師を活用したエイズ教育等の実施に取り組んでいます。


 また、本年7月に神戸市内で開催された第7回アジア・太平洋地域エイズ国際会議においても、積極的なエイズ予防対策が必要とされ、若年者に対するエイズ教育の重要性と国を挙げてのエイズ対策への優先的な取り組みの必要性、エイズ対策への市民参画などが提言されたところです。


 本県においても、この提言の趣旨を踏まえ、NPOや地域と連携したエイズ予防啓発を一層強化するとともに、HIV検査体制の充実など、エイズ・HIV感染症の予防と蔓延防止に総合的に取り組んでまいります。


 内部障害者が暮らしやすい環境整備についてです。


 内部障害は、ご指摘もありましたように、外見からは一見してわからない障害であることから、社会的な認知度が低く、優先座席に座ると冷たい目で見られるとか、障害者用の駐車場に駐車すると非難されるなど、日常生活でさまざまな誤解を受ける場合があります。


 また、内部障害者の方々に対する理解を深めるための「ハート・プラス」マークについては、作成されて2年しか経過していないということもあって、まだ十分に普及していない状況にあります。私も、ご質問を受けるまで承知しておりませんでした。


 これまで県においては、オストメイトの方に対する社会復帰訓練の実施やオストメイト対応トイレの整備推進など、内部障害者への支援を行ってきていますが、今後、県のホームページ、情報誌等による広報、その他を通じて、県民の多くが内部障害に対する理解を深められ、温かい手を差し伸べていただけるよう、運動を展開していく必要があります。「ハート・プラス」マークの普及や公共交通機関における優先座席の確保等について、県内の障害者団体や公共交通機関とも十分に連携しながら取り組んでまいりたいと考えます。愛の声かけ運動におきましても、積極的に対応していく必要があると考えております。


 ただ、「ハート・プラス」マークのデザインにつきましては、もっと人々に訴える力を持つような素直なものとする必要があるのではないか、こんなふうに率直に感じましたことを申し添えます。


 以上、私からの答弁とさせていただきます。


○議長(内藤道成)  藤本副知事。


  〔藤本副知事登壇〕


○副知事(藤本和弘)  私は、悪質リフォーム対策についてご答弁申し上げます。


 最近の悪質業者によります住宅リフォームに係ります被害の増加は、県民に大きな不安を与え、良好なリフォームの推進にも支障を来すおそれがあるものと認識をしているところでございます。


 そういったことから、県といたしましては、高齢者を初めとする県民への被害を防止するために、広報媒体の活用や介護事業者等との連携によります注意喚起、成年後見制度の普及啓発などを行っているところでございます。また、安心してリフォームが行えるよう、ひょうご住まいサポートセンターの相談機能の充実、リフォーム緊急相談の実施、生活科学センター等とも現地確認をする建築士派遣制度の創設を図っているところでございます。


 今後、さらに、県民が安心してリフォーム事業者を選定できるように、一定の基準を設けまして、事業者を登録、公表する等の制度創設につきまして、喫緊の課題ととらえまして、早急に検討してまいりたいと考えているところでございます。


 一方、悪質事業者等に対しましては、県警も含めた関係機関が緊密な連携を図り、特定商取引法の執行強化、消費生活条例に新設した緊急公表規定を活用した悪質業者名の公表、建設業法に基づく無許可業者に対する適切な監督処分などを行い、これらの取り組みを総合的に推進することによりまして、県民の不安を払拭し、悪質リフォーム事業者を排除する環境整備に取り組んでまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。


○議長(内藤道成)  巽 警察本部長。


  〔巽 警察本部長登壇〕


○警察本部長(巽 高英)  警察署の再編整備についてお答えいたします。


 現下の厳しい治安情勢に対応するため、これまで県警察におきましては、警察官を増員するとともに、事務の合理化を推進し、警察本部から警察署へ、また管理業務から第一線現場へと人員のシフトを行ってまいりましたが、さらなる組織の見直しとして、警察署の再編整備に取り組もうとしております。


 今回の検討は、県下全体の警察署の配置について見直しを行うものでありまして、もとより都市部の警察署も例外とするものではありません。また、警察署の管轄区域を定めるに当たりましては、治安情勢、交通網の整備状況、地域的な一体性などを幅広く、かつ多角的に検討する必要があり、管内人口もその検討要素の一つであるものと考えております。


 県警察といたしましては、警察署のあり方を考える懇話会における検討結果を踏まえ、県下全体の治安維持力を高めるという観点から再編整備に取り組んでまいる所存であります。また、再編整備のスケジュールにつきましては、現段階において考えているところでは、懇話会の最終答申をいただいた後、これを踏まえた具体的な再編整備案を策定し、幅広く県民各層からのご意見をいただき、最終案を固めてまいりたいと考えております。来年の3月末までには市町合併がおおむね収束すると見られますことから、これに的確に対応するということからも、2月定例県議会に所要の改正を行う条例案を上程し、新年度から再編整備を実施してまいりたいと考えておりますので、ご理解、ご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。


○議長(内藤道成)  合田博一議員に対する答弁は終わりました。


 次に、新町みちよ議員。(拍手)


  〔新町みちよ議員登壇〕


○(新町みちよ議員)  私は、日本共産党県会議員団を代表して、知事の政治姿勢、アスベスト対策、介護保険、少子化対策、教育問題、警察行政、アジアとの平和・友好問題について質問いたします。


 まず、知事の政治姿勢について、具体的にお聞きいたします。


 私たち日本共産党は、さきの総選挙で、小泉構造改革が郵政民営化だけでなく、庶民大増税、憲法改悪を強行する危険を訴えてきました。


 選挙が終わるや否や、財務大臣は「定率減税を全廃する」、「消費税の増税も検討する」と発言され、与党は定率減税全廃の方針を固めたとのことです。選挙中は「サラリーマン増税はやらない」としながら、選挙が終わった途端、増税を打ち出すなどは、国民と議会制民主主義を冒涜するものです。


 今、地方自治体の長には、国の悪政と対決し、県民の暮らしを守る政治姿勢が求められるのではないでしょうか。しかし、知事は、政府税制調査会で、課税最低限が生活費にまで食い込んでいる実態を逆さまに描き、生活保護者にも税金をかけるべしとの結論を誘導する発言や、特別養護老人ホームに入所したら貯金がふえると、入所費用の引き上げを要求するなど、国の庶民大増税、負担増推進の旗振り役をされています。この知事の発言と行動は、憲法25条の生存権の原則、生計費非課税を踏みにじり、県民の暮らしに重大な打撃を与えるものです。


 知事は、再選後、前の在職4年間の退職金を受け取られましたが、わずか4年で4,873万円とは庶民感覚とかけ離れたものだと思われませんか。この莫大な知事退職金を知事みずから減らす意思はないのですか。


 また、県財政が大変だと言いながら、中型機しか発着予定がなく採算見通しのない神戸空港への県費投入や1兆円以上かかる紀淡連絡道路、大阪湾横断鉄道構想を推進しようとしておられます。こんなむだ遣いこそ、やめるべきではありませんか。むだ遣いの蛇口はあけっ放しにし、みずからは多額の退職金を受け取りながら、庶民には大増税を要求するなど、県民が納得できるものではありません。


 憲法と県民の暮らしを守る立場から、庶民大増税に反対し、知事みずからの退職金を大幅削減すること、さらに毎年3,400億円の公共事業費を削減し、むだな公共事業でなく、暮らし、福祉に役立つ公共事業を行うよう求めますが、知事の答弁をお願いいたします。


 次に、アスベスト対策について質問します。


 6月末、株式会社クボタ尼崎神崎工場における死亡者公表に端を発したアスベスト健康被害問題は、関連企業の労働者と家族、周辺住民にとどまらず、港湾、運輸、建設など広範な分野で死亡が確認され、県民の不安が広がっています。石綿が原因とされる中皮腫による死亡者は、2003年までの9年間だけでも全国で6,060人、うち兵庫県民が534人と1割近くを占め、大阪と並び最大の被害県となっています。これは氷山の一角で、今後40年間に10万人の死者が予想される報告もあります。


 ここまで被害を拡大してきた責任は、国、企業にあります。国際的には、35年前の1971年にILOが石綿による職業がんを公認し、1986年に石綿使用禁止の条約が採択されています。ところが、日本では、その危険性を十分認識しながら企業が製造を続け、政府は、ようやく昨年10月、石綿の製造、輸入、使用等の原則禁止といたしましたが、全面禁止されるのは2008年とし、いまだ製造を認めています。


 また、兵庫県は、1988年に石綿使用等の調査を行いながら極めて不十分な内容にとどまり、その後の安全対策も怠ってきました。今回、22の緊急対応の施設が明らかになったのはそのあらわれです。県も責任を免れません。したがって、この責任を明確にした上で、すべての被害者救済と今後の被害防止対策が講じられるべきです。


 対策の第1は、健康被害の問題です。


 株式会社クボタの場合、従業員には、労災補償の上に、企業が疾病補償、健康診断費や看護料、休業補償、葬儀代など在職中に死亡した場合3,200万円以上支給するとされ、これ自身は当然の補償です。ところが、工場周辺の住民には、わずか1人200万円の見舞金を支払うだけで謝罪すらありません。


 政府は、現在、アスベストによる健康被害救済の立法措置を検討し、次の通常国会に提出の予定で、その内容も同様で、亡くなった人の逸失利益などの補償は行わず、救済法とし、労災保険対象外となる労働者の家族や周辺住民、建設業の一人親方や個人事業主などは、死亡の場合でも一時金だけで、金額も数百万円と言われます。


 同じ原因で死亡した人の命に何を根拠にこれだけの差がつくのでしょうか。肺がんや中皮腫の痛みに苦しみ、治療費や看護の家族の負担、休業などによる生活苦を強いられた労災対象外の被害者に、単なる一時金ではなく、治療費はもとより労災補償に準じた所得や遺族補償が当然行われるべきです。


 健康被害対策に関してのもう1点は、健康診断の費用負担の問題です。


 石綿は一たん吸い込むと体外に排出されず、10数年から50年かかって発症すると言われます。しかし、現在のところ、発症を抑える有効な治療薬や治療術がなく、早期発見で手術か抗がん剤投与の治療しかありません。そのためには検診を継続して受ける必要がありますが、この検診に健康保険が適用されず、全額自己負担となります。喀たん、レントゲン、場合によってはCT、その他の検診も必要で、二、三万円もかかることもあり、家族ぐるみの検診を続けなければならない世帯などは、大きな負担を強いられます。


 被害が広範囲で、しかも、対象人員も相当数に上る本県としては、国に対して検診費用に対する助成を要求すると同時に、県独自にも直ちに検診費用に対する助成制度をつくり実施するよう求めますが、いかがですか。労災対象外の被害者すべてに対する所得補償、遺族補償を国に求める問題とあわせてご答弁ください。


 アスベスト問題の第2に、石綿を使った建築物の解体・改造・補修時等における飛散防止対策です。


 石綿の吹きつけや保温材として使用されている建築物が、今後、解体等のピークを迎えます。この解体等に伴う飛散を完全に防止し、健康の二次被害を絶対に食いとめなければなりません。現在、大気汚染防止法に基づく規制は、建物延べ面積500平米以上、吹きつけ面積50平米以上に限られる極めて不十分なものとなっています。


 そのため、全国的には自治体によって独自の規制条例が準備されています。例えば鳥取県では、石綿使用の全建築物を対象にした解体作業の事前届け出などを義務づけし、違反者には10万円以下の罰金を科すものとなっています。


 これに対し、本県では、環境と創造に関する条例で面積要件は廃止しているものの、解体事業者等が飛散性の石綿を使用していると判断したもの以外は、届け出、表示の義務もなく、罰則規定もありません。


 そこで、本県としても、解体・改造・補修等をすべて届け出制にし、工事着工前に行政がチェックする仕組みとし、罰則も盛り込んだものなど、直ちに条例改定する必要があります。


 また、作業に必要な費用の問題です。吹きつけ石綿の除去作業等を行う場合、完全に建物を密閉し、機材や集じん機の設置、暴露防止のための防護服や防じんマスクなどをそろえなければなりませんし、工事建物の出入り口にエアシャワー室や服の脱衣室などの部屋も必要です。業者に伺うと、このような作業費用は1平米当たり三、四万円かかり、1,000平米の建物だとすると、石綿の除去費用だけで三、四千万円必要で、本体の改造や補修費用よりも高くつくこともあり得るとのことです。


 この費用負担ができないとして、法や条例の違反者が出ないという保証はありません。こうした事態を避け、二次被害防止のため、発注者の費用負担軽減の支援が必要です。


 そこで、石綿の除去作業の費用に対する助成制度や融資制度の創設を国に求めるとともに、県としても支援することが重要だと考えますが、いかがですか。条例改正の問題とあわせて、答弁をお願いいたします。


 次に、介護保険の問題について質問いたします。


 さきの通常国会での制度改悪によって、この10月1日から、ホテルコストと称して、特養ホームなど施設の食事、居住費、ショートステイの食費や滞在費、デイサービスの食費が全額自己負担となります。今、介護の現場では大変な不安と混乱が広がっています。


 尼崎市にある特養ホームは、導入に先立って、入所者の家族あてに料金の試算を送り、費用負担ができるかどうかの意向調査を行っています。


 介護度4の市民税非課税世帯のAさんは、費用が1ヵ月9万円にもなり、年間20万円近くの負担増ですが、施設の通知は、1.特に問題はない、2.大変だが、親族と協力の上、入所を継続する、3.経済的に無理なので退所するのいずれかの意向を調査するというものです。家族が負担できなければ退所してくださいといっているのも同然の通知です。Aさんの息子さん夫婦も既に70代で、とても負担できないと途方に暮れているのが実態です。このように、制度改悪による新たな負担に耐えられず、施設から締め出されようとしている高齢者が現に生まれています。


 また、通所のBさんも、これまでどおりデイサービスを受けると昼食代が1ヵ月5,000円も上がるため、回数を減らさなければならないと言われています。その上、来年の4月からは、ヘルパーさんの家事援助が受けられなくなると心配されています。自宅で暮らす高齢者は、デイサービスと家事援助を通じて社会と交わり、生きる力を得ている人も少なくありません。今回の負担増で介護の利用を減らし、外出も人との会話の機会も少なく身体能力も低下し、介護度が進むのではと心配されています。


 介護の問題は、かつての「子が親を見るのは当然」、「自己責任」という考え方から「介護は社会的な問題」という考え方に発展し、介護保険制度ができたのではなかったでしょうか。今回の制度改悪は、考え方の上でも実態的にも逆戻りするものです。費用の心配をなくし、必要なときに必要な介護が受けられるのが制度の本来の姿です。こうした中、独自の負担軽減制度をつくる自治体が各地に生まれています。


 そこで、知事、施設でも在宅でも、今までどおり安心して介護保険を利用できるように、県として負担軽減の制度を何としてもつくっていただきたいと思いますが、いかがですか。


 次に、少子化の問題について質問いたします。


 6月議会代表質問で、我が党は、合計特殊出生率が全国38位の本県にとって、少子化対策の強化は県として待ったなしの課題だと指摘しました。県も、知事選後、ようやく「少子対策本部」を設置し、新たな局も設けました。少子化問題の解決には、国や自治体が子供を産み育てられる条件を整えることが不可欠です。そこで、2点にわたってお聞きいたします。


 第1に、青年の雇用の問題です。


 収入が低く、安定せず、将来の展望が持ちにくい働き方をしていれば、青年が結婚できない、子供も産み育てられないのは当然です。


 厚生労働省の外郭団体である労働政策研究・研修機構の調査でも、15歳から34歳までの男性の結婚率は、正社員では40.4%に対して、フリーターなど非正規労働者は13.5%、仕事のない人は6.8%と、大きな差が出ています。


 ところが、小泉構造改革以来、正規社員がどんどんとパート、フリーター、派遣労働などに置きかえられ、今や若者の半分は非正規雇用です。高校を出ても、大学を出ても、安定した職業が確保できないなど、深刻な状況です。


 県下ではどうでしょうか。ある県立高校の非常勤講師の青年の場合、授業1こまにつき2,800円、かけ持ちで働いても1ヵ月約12万円の収入です。授業準備や教材研究などには報酬はなく、また8月は授業がほとんどなく収入は激減、その上、昨年は台風が相次いで休講が多く、やはり収入が大幅に減りました。その中から国民年金保険料など払うと、「親からの独立は無理、結婚はしたいけど、いつのことか」という状態です。


 このような条件で働く非常勤講師が県立高校だけでも5月1日現在で1,777人にも上り、多くは青年です。知事は、足元でこのような「結婚どころじゃない」状況の青年たちをどのように考えられるのでしょうか。こうした青年をふやしておいて、少子化を食いとめることができるでしょうか。


 民間では一層劣悪な条件で、パート労働では、1時間700円から800円で働き、通勤手当や社会保険もなく、食事時間もまともになく、15分の休憩も賃金から差し引かれる、このような若者の状況も珍しくありません。少子化の解決のためにも放置できない問題です。


 県みずから今すぐに取り組める少子化対策として、県立高校初め県職員の正規雇用をふやすことに取り組むべきではありませんか。同時に、県として、県下の企業に対して、青年の正規雇用をふやすよう働きかけるとともに、青年雇用をふやす中小企業に対する助成を行うなど、県としての取り組みを求めますが、いかがですか。


 第2に、子育て世代の経済的負担の軽減の問題です。


 「子育て世代の意識と生活」をテーマにした2005年版「国民生活白書」によれば、理想とする子供の数は2.5人と、特殊出生率の倍を希望しています。望みどおりの数だけ子供が産める環境が整えば、出生率は回復が見込めることを示しています。白書は、子供1人の養育費は22年間で約1,300万円に上るとし、子育てに消極的な最大の理由を経済的負担の重さと分析しています。私が若いお母さんたちに伺っても、「子供はたくさん欲しいが、経済的に難しい。何とか2人は欲しい」と、同様の答えが返ってきました。


 県ができる負担軽減策があります。その一つは、子供の医療費の負担を軽くすることです。


 乳幼児医療費無料化の要求は強く、県が7月1日から乳幼児医療費助成を改悪したにもかかわらず、県下では独自に、就学前まで外来・入院とも無料としている自治体が13、外来を3歳未満まで、入院を3歳未満あるいは就学前まで無料としている自治体が16あります。医療費助成を小学校卒業までに拡大した市も二つあり、全国的には、小学校卒業まで、あるいはそれ以上まで医療費助成をする自治体が昨年までの5年間で3倍にふえています。


 厚生労働省のアトピー実態調査では、小学生の方が乳幼児より症状が重いという報告もあり、せめて小児科を受ける間は無料にという願いは切実です。県下どこでも等しく無料で乳幼児医療が受けられるよう、県が責任を持つべきです。


 もう一つは、保育料の問題です。保育所不足とともに、高過ぎる保育料が働きながら子育てをする親の大きな負担になっています。


 常勤で働くお母さんに聞いてみました。2人を保育所に預けていたときは、2歳児が6万円を超え、ゼロ歳児は軽減されても4万円を超えて、保育料は2人で1ヵ月10万円以上払っていました。仕事が遅くなれば延長保育料も必要、病気になったときは病児保育を利用して1時間1人1,500円で預けており、給料はほとんど保育料に費やしていました。


 そこで、県として、子育ての経済負担の軽減のため、乳幼児医療費を所得制限なく入院、通院ともせめて小学校6年生まで無料化し、さらに拡大すること、また、県として、市町に対し父母の保育料負担の軽減のための財政支援を行うことを求めますが、いかがですか。


 次に、少人数学級についてです。


 先日発表された文科省の「教職員配置等の在り方に関する調査研究協力者会議」の中間報告案では、少人数学級について、「子供同士の学び合いがより深まって学習指導がより効果的なものへと変わる」と、その効果を認めています。しかし、40人学級の学級編制標準は変えようとしていません。文科省の担当財務課長は、児童の減少に相当する教員数を減らさず加配教員を加えれば、35人学級の一律実施は可能として、加配教員を加配目的に使うのか、35人学級に使うのかは、自治体と学校現場の判断に任せる方向を提起しています。しかし、これは40人学級を改善する国の責任を放棄するものです。


 私は、同僚議員や教育関係者とともに、フィンランドの教育を視察・調査してきました。フィンランドは国際学力調査――PISAで世界一となり、世界中から教育視察が訪れています。その背景には、格差のない社会づくりと何よりも一人一人の子供を大切にする基盤がしっかりとあります。授業、教材、給食、通学、医療など、学校教育にかかる費用はすべて無償です。日本のように学習指導要領で事細かに縛るのではなく、現場教師の判断にその多くをゆだね、教育委員会は公選制です。


 授業方式も一斉授業方式でなく、子供が協同で学習することが大切にされ、能力別指導やランキングは否定、競争主義は排除され、すべての子に学力を保障する取り組みが徹底して行われています。


 小学校も中学校も1クラス20人前後で、校長先生に「日本では少人数学級は社会性を失うとの意見があるが」とお聞きすると、「我々は、財政が許せば、もっと少人数の方が行き届くと思っている」との返事でした。


 県は、いまだに少人数指導か少人数学級かなどと言っていますが、OECD諸国の中で40人学級は日本と韓国だけです。日本は、生徒当たりの教員数も極めて少なく、OECD平均をはるかに下回る劣悪な教育条件です。


 先日、小学校1年生の子供さんのお母さんから「来年は大丈夫でしょうか」との声が寄せられました。24人のクラスで喜んでいたら、ことし2年生に上がった途端に39人のすし詰め、子供たちは戸惑い、ストレスで発熱を訴える子供がクラスの半分にもなったところもあったため、来年はどうなるかと心配されています。少人数学級の実現は先送りできません。


 ところが、政府は、来年度概算要求で30人学級を予算化していません。知事も、議会や県民には、少人数学級は国が責任を持つものだと言いながら、国への来年度予算編成に対する提案に実施を求めていません。これでは、県民を欺く態度と非難されても仕方がありません。国に30人学級への学級編制基準の改善とその財政保障を求めるとともに、国が実施しないなら、県として、来年度、少人数学級を拡大すべきです。知事の決断を求めます。


 次に、高校改革について質問いたします。


 明石市では、1960年代後半から人口の急増と高校への進学率が上昇してきましたが、公立高校は市内に3校しかなく、1970年の開門率は39.2%で、進学希望者の半数以上の希望がかなわない状況でした。1972年、新しい高校が開校しましたが、低位にランクされたため、学校に誇りが持てず制服を堂々と着られないなど社会問題となりました。そのため、格差を解消しようと高校全入運動と相まって、地域で網の目学習集会や署名運動が大きく広がり、明石市議会で総合選抜制度実施の請願が採択されました。そして、1975年4月から県立3校で出発、現在6校で実施されています。かつて4割弱だった市内の公立高校への開門率は今年度8割近くとなり、地域に根差した高校として存在しているのです。


 県立6校に入学できた生徒の8割以上は、ここのクラブに入りたいとか、友達と同じ高校へ行きたいなど、自由に希望する高校を選び入学することができます。高校生活を、勉強でもクラブ活動でも協同で学ぶ基盤があり、他の学区と比べて大学進学でも就職でも遜色なく、すぐれた入試制度であることを実証しています。


 明石市教育委員会が諮問をした明石市総合選抜制度検討委員会の答申でも、1.過度の受験競争をなくし、生徒が自主的な活動に打ち込みやすい環境を生み出した、2.高等学校間のランクづけの解消につながった、3.過度の受験競争をなくし、学力中心の進路指導から生徒の特性に応じた進路指導が行えるようになった、4.生徒に誤った優越感や劣等感を抱かせにくい、5.居住地に近い高等学校への進学が広がり、地域とのつながりが深くなっていると高く評価しています。


 ところが県は、高校改革として、この総合選抜制度を廃止しようとしています。


 この夏、各中学校区で明石市の説明会が開かれました。しかし、明石の総選をなぜ変えるのか、どう変わるのかなど、市民の疑問にまともに答えるものではありませんでした。その上、「新しい選抜制度とは複数選択を可能とする選抜制度」だと説明しましたが、「新しい選抜制度が複数志願制である」との説明は全くありませんでした。ところが、明石の9月定例市議会の本会議では、教育長が、「複数志願制と基本的には違いはない」と覆す答弁をし、文教厚生常任委員会では「県教育委員会と当初から綿密に連絡をとり、県の方向を見誤らないようにしてきた」と答え、県教委と二人三脚で改編を進めてきたことを明らかにしています。


 市民に与える影響が大きい入試制度を変更するのに、市民をごまかし、議論を回避をする、これが県の指導なのでしょうか。こういうやり方は、県の「参画と協働」に反するのではありませんか。決定するに至るさまざまな段階で民主主義は十分尊重されるべきです。住民には情報を正確に提供し、市民的議論を保障し、市民的合意を得るべきではありませんか。


 複数志願制は、「行きたい高校に行ける」、「努力が報われる」と言いますが、それがかなうのはトップクラスのごくわずかだけで、ランクづけされた高校に自己責任で受験しなければなりません。不本意入学も増加せざるを得ません。競争や序列化の教育は、国連の子どもの権利委員会の二度にわたる日本政府への勧告でも、PISAの結果でも、厳しく否定されているではありませんか。明石市に複数志願制を導入せず、総合選抜制度を守り、発展させるよう求めますが、いかがですか。


 次に、兵庫県警に対する信頼回復の問題です。


 先ごろ、2001年の明石花火大会歩道橋事故の判決が下されました。11名もの死亡者、247名の負傷者を出したこの事故について、我が党県議団は、県警の責任を認めようとしない態度を繰り返し追及してきましたが、今回の判決は、「雑踏警備の第一義的な責任は警察にある」とし、「主催者の自主警備が原則」だと責任を回避してきた県警の主張を退け、厳しく戒めたものとなっています。問題は、この間の常任委員会など議会における県警の答弁に矛盾や誤りがあったことです。


 1点目は、夜店の出店場所の変更問題です。判決では、明石警察署幹部が明石市の案に強く反対して歩道橋下の市道に変えさせた結果、歩道橋上と階段下付近が大混雑し、事故の原因となったことが認定されました。明石市が「混雑を防ぐため市有地に出す提案をしたが、警察が反対した」としていることに対して、警察側は「そんな事実はない」と私たちの質問に繰り返し答弁してきたのです。裁判で明らかになるまでごまかし続けたことは、それだけで大問題です。今までの主張を撤回し、訂正すべきです。


 2点目は、警察の監視モニターの記録ビデオの有無についてです。私たちの「存在しているはず」との追及にも、「録画していない」との答弁を繰り返してきました。今、その存在について改めて捜査をしているというのは、一体どういうことですか。ビデオによる事故の状況把握を明らかにすべきです。


 3点目は、事故当日の警察警備の弁当代を明石市に負担をさせていた問題です。本来、県警本部会計から毎年弁当代として支出されています。事故の年は明石市に返金したと答弁していますが、公判の中で、10数年にわたって明石市に負担をさせてきたことが明らかにされました。ところが、明石市にいつから肩がわりをさせていたのか、金額は幾らかなど、実態を一切明確にしていません。県警本部会計に計上されていた弁当代は、一体何に使われたのでしょうか。本部長も、不適正な経理であると認めておられるのですから、過去も含めきちんと捜査し、適正な経理に改めるべきです。


 県警は、「雑踏警備の第一義的な責任は警察にある」とした判決を「全面的に受け入れる」と表明されているのですから、確定した判決に基づき、具体的に示した3点の答弁の矛盾や誤りについて訂正することを求めますが、いかがですか。


 最後に、アジアとの平和・友好と知事の歴史認識についてお聞きいたします。


 7月21日の毎日新聞は、日本会議兵庫県本部の総会について、君が代斉唱の後、皇居遥拝で始まり、「教育基本法改正の議会決議促進」などの活動報告があったと伝え、知事が祝電を送ったことを報じました。


 この日本会議は、設立趣意書などで憲法改定を掲げ、「新しい歴史教科書をつくる会」教科書の採択や首相の靖国神社参拝をも推進している団体です。


 私は、靖国神社内の施設「遊就館」を訪れ、その余りに特異な歴史認識に驚きました。館内では、この日本会議制作の映画が上映され、極東の小国日本が大国を相手に立ち上がった大東亜戦争、これは自存自衛の戦争だったと、日本の侵略戦争を「やむを得ない」「アジア解放」と正当化する内容です。展示も「ルーズベルトによる開戦の強要」という説明など、太平洋戦争を起こした責任はアメリカにあったというもので、大本営発表そのままの戦争の美化の連続です。侵略され、植民地とされ、犠牲となった多くのアジアの人たちの苦しみに思いをはせたものは、みじんもありません。


 このような靖国神社の歴史観に対し、アジアは無論、世界各国のメディアが批判記事を次々に掲載しました。アメリカ下院議会では、7月に終戦記念決議を上げ、「ファシズムと軍国主義に対する世界的な戦争」という大戦の性格を改めて指摘し、東京裁判を再確認しました。第二次大戦が日本・ドイツ・イタリアによる誤った侵略戦争であることは、戦後の国際社会の大前提であり、靖国神社のような歴史認識は、ネオナチなどの特異なものとしか受けとられないのです。


 小泉首相は、国会で、靖国神社の歴史観を政府見解からも逸脱したものと認めながら、参拝することでお墨つきを与えています。アジアの日本への信頼を損ない、日本の外向を行き詰まらせていることに多くの人が危惧を表明しています。靖国参拝に慎重な対応を求めた衆議院前議長河野洋平氏は、雑誌上で、「日中・日韓のあつれきは、日本の対アジア対策の前提となる基本認識をないがしろにしたことから生まれた」と批判し、中曽根内閣の官房長官などを務め、先日亡くなった後藤田正晴氏も、「東京裁判の結果を受け入れた以上、それに今さら異議を唱えるようなことをしたら、国際社会で信用されるわけがない」と指摘しています。


 今、東アジアでは、互恵・平等の経済協力関係をめざす「東アジア共同体」をつくろうという動きが発展しています。東アジア各国との経済的共同は日本の経済的発展にとっても重要であり、アジアの信頼を得ることは日本の未来にとって不可欠です。兵庫県は中国の広東省、海南省と友好提携し、知事も「アジア・太平洋時代にふさわしい国際交流」をうたっておられます。


 知事は、日本会議へ祝電を送られたわけですが、「あの戦争は侵略戦争でなかった」という歴史認識に賛同されるのですか。アジア諸国との対等平等、友好の関係を打ち立てるためにも、日本の過去の侵略戦争と植民地支配の過ちを認め、謝罪の気持ちをあらわすという態度こそ必要だと思いますがいかがですか、ご答弁ください。


 以上で質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)


○議長(内藤道成)  井戸知事。


  〔井戸知事登壇〕


○知事(井戸敏三)  日本共産党議員団を代表しての新町みちよ議員のご質問にお答えいたします。


 まず、私の政治姿勢についてお尋ねがありました。


 私は、かねてから一貫して県民の参画と協働を基本姿勢に、県民本意、生活者の視点、地域重視の県政を進めてきました。また国に対しても、成熟社会にあっては拡大するパイをいかに分配するかということではなくて、責任をどのように分担していくかが問われているとの観点から、積極的に発言をしています。さきの知事選挙では、私のこうした姿勢が多くの県民にご理解いただいたものと考えています。


 個人所得課税のあるべき負担構造についての税制調査会の議論では、現行の生活保護基準は課税最低限を上回るケースがあるという不整合な状況を指摘したもので、生活保護受給者を課税対象にすべきであるという趣旨ではないことは言うまでもありません。しかし、生活保護基準が課税最低限よりも高いということは、どう考えてみてもおかしくありませんか。


 いずれにしても、少子・高齢社会においては、所得、消費、資産のバランスがとれ、広く公平に負担を分かち合う安定的な歳入構造を確立する必要があり、国民の負担能力に十分配慮しながら、望ましい税制を議論していく必要があります。税制調査会のメンバーとして、この基本的な考え方に即して議論を進めてまいります。


 公共事業については、本県の広い県土と多様な地域特性を踏まえ、地域間、分野間の均衡にも配慮しつつ、行財政構造改革推進方策の枠内で、県民生活の安定や安全に重点を置いて事業の実施に取り組んでいます。このたびの緊急対策でも、社会福祉施設整備への県単助成の創設や地域生活道路の整備を促進するためのプログラムづくりなど、身近な社会資本整備を一層進めることとしたものです。


 なお、私の退職手当については、制度として条例に基づき支給されることになっておりますし、これは他の都道府県ともほぼ均衡した水準でありますし、民間の役員報酬と比べて決して高いものではないと考えております。なお、知事の退職手当につきましては、平成15年10月から、構造改革の取り組みの一環として1割削減していることを申し添えます。


 いずれにしても、今後とも、21世紀の成熟社会を見据えて、多様と個性、選択と集中、分権と分散を旨に県政運営に取り組んでまいります。


 アスベスト対策についてです。


 アスベスト関連疾患に係る検診については、県の専門委員会において、住民健診、事業所健診で実施されている既存の肺がん検診で、アスベスト関連疾患の胸部レントゲン所見の読影が可能であり、アスベストに係る問診を付加することで精度が確保できるという提案をいただきましたので、県としては、市町と連携を図り、既存の健診システムを活用することとしています。この方式によれば、健診費用について受診者にとっては新たな負担が生ずることがないため、県独自の助成制度の創設は、現時点では、この点については必要はないと考えています。


 労災保険対象外の被害者に対する補償等については、国に対して必要な措置を要望していますが、県としては、死亡小票調査をもとに、中皮腫による死亡者の遺族への聞き取り調査等によりアスベストによる健康被害の実態を把握し、被害者に対する補償に向けた資料として情報提供して、国の適切な対応を期待したい、このように考えています。


 いずれにしましても、国におきましてもアスベスト新法の検討がなされており、そのプロジェクトチームでの検討項目として、医療費の自己負担あるいは生活支援手当、遺族一時金などが挙げられています。県としても、立法化を働きかけてまいります。


 続きまして、飛散防止対策についてです。


 吹きつけアスベスト等の含有建築物を解体する際には、全国で初めて条例において事前届け出と作業基準の遵守などを義務づけ、事前届け出違反者には罰金を科しているところです。他の府県が、今、条例化を検討されていますが、本県の条例がベースとされていると承知しています。吹きつけ以外のアスベスト含有建物については、建設リサイクル法では床面積80平方メートル以上の解体等の事前届け出が義務づけされています。これによりほとんどの建築物がカバーされているものと考えております。さらに、環境省が、平成17年3月30日に示した「非飛散性アスベスト廃棄物の取扱に関する技術指針」に基づいて、すべての建築物の解体について、解体業者、建設業者に対して飛散防止に関する指導を行っております。このように今後も万全を期してまいります。


 なお、標示義務につきましては、直ちに条例を改正する必要はないとしましても、規則で所要の対応を行うこととしたいと検討しているところです。


 吹きつけアスベスト等の除去については、その支援措置を国に強く申し入れているところです。現在、国においての支援制度の構築についての検討に際して、これも一項目挙げられているところでありますが、国の動向を注視しながら、必要があれば県独自の支援策についても検討してまいります。


 続きまして、少子化対策についてです。


 青年の雇用につきましては、若者に安定した雇用を提供し、社会的自立を支援することは極めて重要です。このため、県下の企業に働きかけ、求人の開拓に努めつつ、若者しごと倶楽部において、キャリアカウンセリングから、紹介、就職までの一貫した支援により安定した雇用への就職を促進しています。さらに、関係市町との連携を図りながら、より多くの若者に対して支援を広げてまいります。ただ、若者しごと倶楽部の知名度がまだまだ低いということもありますので、このPRにも努めてまいります。


 また、中小企業における若者の雇用の場の創出に当たっては、中小企業の活性化により継続的な雇用につなげることが不可欠であります。そのため、ひょうご産業活性化センターを核とする中小企業支援ネットひょうごを通じて、創業から経営革新までの多様な経営課題解決に向けた支援をさらに拡充して、元気な中小企業をふやしていきたい、このように考えています。


 県の正規職員については、行財政構造改革の取り組みとして、定員の適正化を行いながら計画的な採用を行っているところですが、ご指摘のような観点のみで採用することは、いかがかと考えております。


 なお、年齢別の有効求人倍率を見ますと、16年度では、24歳まででは1.28、25歳から34歳までの10歳間で0.72となっております。そのような意味では、個別にはミスマッチがあるものの、マクロ的に見ると仕事が見つけ得る状況であるとも言えます。


 したがいまして、いずれにいたしましても、ニートとかフリーターとかと言われている方々が将来的にご指摘のような状況に立ち至らないように、県といたしましても、いろんな手段を講じていくこととしたいと考えております。能力開発と意識啓発が中心になる、このように認識しております。


 続きまして、子育て世代の経済的負担の軽減についてです。


 乳幼児医療費助成事業については、既に対象範囲を外来・入院とも義務教育就学前までと引き上げましたし、所得制限限度額を児童手当の基準に準拠しておりますし、ゼロ歳児は所得制限なしとしております。また、一部負担を定額制として、償還払いを不要といたしました。このように、わかりやすい制度としたことにより、本県の制度は全国的に見ても高い水準にあると考えておりまして、必要な対応は図ったものと考えています。


 また、保育料については所得に応じて区分が設けられていますが、これは国の定める運営費の徴収基準額を基本に市町で定めることとされています。県としては、市町が定める保育料に県が関与できる仕組みとなっていないことから、従来から、保護者の負担を軽減する保育料基準額の設定に関して国に要望してまいりました。さらに、低所得世帯層への配慮や第2子以上の徴収金の軽減の拡充などについて重点要望しており、引き続き働きかけてまいります。


 アジアの平和と友好と歴史認識についてのお尋ねがありました。


 我が国は、第二次世界大戦の教訓を踏まえ、恒久平和主義のもと今日の平和と繁栄を築いてきたわけでありますが、この平和を維持するとともに、世界平和に貢献していくことは、すべての国民、すべての県民共通の願いであると考えます。我が国が戦後60年一貫して平和主義に徹し、海外援助など平和貢献をしてきたことをもっと強調してよいとも考えています。


 戦後60年に当たる本年、悲惨な戦争の教訓を風化させず、二度と戦火を交えることなく世界の平和と繁栄に貢献していくと小泉総理も決意を述べられておりますが、私もまさしくそのように認識しています。


 本県は、阪神・淡路大震災の経験を生かし、トルコや台湾等の地震被災地に職員を派遣して助言等を行ってきましたし、県民自身も義援金を募集していろんな助成をしてまいりました。また、先般、私は、スマトラ沖大地震とその津波により被害を受けたインドネシア共和国やタイ王国を訪問し、復旧・復興に向けた意見交換を行ってきましたし、また、県民交流の船の機会を利用して江蘇省の梁 省長と会談し、経済的な交流や文化的な交流の促進についても話し合いをいたしました。こうした防災や環境等の分野で世界各地の安全・安心や経済交流に寄与していくことも、アジアを初めとして世界各国との友好関係を確かなものとして、地域からの国際平和に貢献しているものと考えています。私は、このような草の根交流、地域と地域との交流こそが21世紀の地球平和を建設していく基本になるもの、このように信じているところです。


 なお、日本会議への祝電につきましては、日本の伝統と文化を大切にしながら次世代を担う青少年の育成などに取り組まれているこの日本会議から、記念行事等へのご案内をいただいたので、何も歴史認識を共通しているからという意味ではなくて、祝電を打たせていただいたものでありますことを申し添えさせていただきます。


 以上、私の答弁といたします。


○議長(内藤道成)  齋藤副知事。


  〔齋藤副知事登壇〕


○副知事(齋藤富雄)  私から、介護保険についてのご質問にお答えをいたします。


 ご指摘の介護保険の負担軽減制度につきましては、県といたしましても、昨年7月に厚生労働省に提出いたしました「介護保険制度の見直しに関する提言」におきまして、低所得者対策の拡充の必要性を提案したところでございますが、国におきましても、今般の制度改正におきまして、一つは、例えば食費の場合、本来ならば4万2,000円程度負担すべきところ、市町村民税非課税世帯に属するような低所得者には1万ないし2万円といったような負担限度額の設定を初め、二つには、課税年金収入のみの場合、80万円以下の者の1割負担の上限額の月額2万4,600円から1万5,000円への引き下げや、三つには、社会福祉法人による利用者負担軽減制度の対象の、例えば単身世帯の場合、年間収入150万円以下の者等への拡大等を実施することとしているところでございます。


 その結果、例えば特別養護老人ホームの多床室に入所している利用者負担第3段階の者の月額自己負担額について比較をいたしてみますと、現在の4万円が3万7,000円増加して7万7,000円となるところ、負担軽減制度により5万5,000円となり、増加額が2万2,000円軽減されることとなります。


 このように、国の制度におきましても負担軽減策はとられているところでございまして、現時点では、これらに加え、県としての負担軽減制度を設ける必要はないのではないかと考えているところでございますので、ご理解を賜りたく存じます。


○議長(内藤道成)  吉本教育長。


  〔吉本教育長登壇〕


○教育長(吉本知之)  私から、教育問題についてお答え申し上げます。


 まず、少人数学級についてでございます。


 本県では、少人数学級編制につきまして、従来から調査研究を進めてきたところでございますが、少人数学級と少人数学習集団はそれぞれにメリットがあり、少人数学級を全学年に画一的に実施することについては、なお解決すべき課題があると考えてございます。


 国に対しましても、この考え方に沿って、小中学校全学年にわたっての少人数学習や弾力的な学級編制の一層の推進を提案をしているところでございます。また、文部科学省の調査研究協力者会議の中間報告では、地域、学校、学年ごとに抱える課題や状況もそれぞれ異なっていることなどから、学級編制の標準を全国一律に引き下げるという画一的な取り組みでなく、地域や学校の実情に合わせた柔軟な取り組みを可能としつつ、これまで進めてきた少人数教育を一層充実させることが効果的とする考え方が示されてございます。現在、この考え方のもと、学校現場がそれぞれの実情に合わせて、より自主的、自律的に取り組めるような方策等について、中央教育審議会で最終的な結論を得べく審議が重ねられているところでございます。


 県といたしましては、学級編制のあり方について、中教審の審議や今後策定される定数改善計画等の動向を十分に見きわめますとともに、本県が取り組んできたこれまでの成果を踏まえまして、適切に対応してまいります。


 続きまして、高校改革についてでございます。


 本県では、かねてから申し上げているとおり、複数志願選抜と特色選抜から成る新しい選抜制度を、総合選抜の学区においても、学区内の学校の個性化、多様化の進捗状況や地域の意見を参考にしながら、順次、導入の検討を行うこととしてございます。


 新しい選抜制度を導入した学区におきましては、特色ある学科・コース等の設置により、学びたいことが学べるようになったなど、入学者や保護者から高い評価を受けてございます。


 明石学区におきましては、既に設置をしております国際人間科、美術科などの特色ある専門学科や普通科のコース等に加えまして、新たな総合学科の設置など、学区内の特色化が進みつつあると認識をしております。


 また、明石市におきましては、市民意識調査で、総合選抜の見直しを求める意見が多かったことから、総合選抜制度検討委員会が設置され、その見直しが提言をされました。その後、市教育委員会におきましては、市民からの意見を聴取し、総合選抜制度の見直しを県に対して要請することを決定した上、市議会に報告したと聞いてございます。


 今後、私どもに対しまして市からの要請があるものと考えてございますが、県教育委員会といたしましては、特色化の状況や市の要請内容を踏まえ、市教委とも連携しながら、新しい選抜制度の導入につきまして適切に対応してまいります。


○議長(内藤道成)  巽 警察本部長。


  〔巽 警察本部長登壇〕


○警察本部長(巽 高英)  明石花火大会歩道橋事故についてお答えいたします。


 このたびの判決は、雑踏警備について、警察、主催者、警備会社の三者が第一次的かつ全面的にその責任を負い、それぞれの責任に軽重関係はないと判示したところでありまして、これは私どもの考え方におおむね沿ったものであることから、控訴を行わず、判決を受け入れることとしたものであります。


 まず、ご質問の第1点目の夜店の出店場所の件につきましては、その経緯について市と警察の認識が若干異なっておりまして、過去における議会において当時の警察の認識に沿った趣旨の答弁があったことは、承知しております。しかしながら、結論において、双方が了解のもと、事故当時の出店場所となったものでありますが、当時の明石警察署が雑踏事故防止の観点から適切な対応を欠いたという判決の指摘については、重く受けとめております。県警察といたしましては、今後、このたびの判決の趣旨に沿って、雑踏事故の絶無を期してまいりたいと考えております。


 2点目の記録ビデオテープの有無につきましては、ご遺族からの要望により再度調査を行いました。ビデオにつきましては、その録画目的が暴走族の不法事案発生時の証拠化措置であったこと、当時、暴走族の出現がなかったことから、ビデオ録画をしていなかったことを確認しておりまして、既にその旨ご遺族にご報告しております。


 3点目の弁当代の件につきましては、警察本部から再三指導を行っているにもかかわらず、平成13年度において明石警察署が主催者から弁当の提供を受けていたことは、不適切であったと認識しております。平成12年度以前につきましては、関係者からの聴取を含め調査を行いましたが、関係資料についてはその保存期間が経過して存在しておりませんことから、確たることは判明いたしませんでした。警察といたしましては、本件を教訓といたしまして、公費により対応するべきものは公費で負担するということを今後も徹底してまいりたいと考えております。


○議長(内藤道成)  新町みちよ議員。


○(新町みちよ議員)  2点、質問いたします。


 まず、知事の政治姿勢の問題についてですが、知事は、民間を例に出されまして、退職金多くないというような内容のご答弁でしたけれども、1年間で1,220万円を超す退職金になるわけですね。だから、こういう多額の退職金を受け取られているから、県民の暮らしに思いをはせることができないというふうに思うんです。ですから、みずからできることですから、せめて県職員並みの退職金に減らすべきではないかと思いますので、再度ご答弁をお願いいたします。


 それからもう一つ、これも直ちに知事ができることだと思いますけれども、県の職員、県立高校の非常勤の問題ですが、今、青年たちが困っているのは、結婚できないのは、不安定な雇用と賃金が大変低いからで、これはもうだれが見ても明らかです。県みずからこれをできるわけですから、直ちに改善をすべきではないですか。2点、お答えください。


○議長(内藤道成)  井戸知事。


○知事(井戸敏三)  私の退職金についてのお話がございましたが、私、副知事を辞任して国に戻って国で退職をいたしておりましたら、相当程度高い退職金をもらえたはずなんでありますが、それを棒に振りまして、今回も知事選挙に出させていただきました。


 まあ、これは少し冗談ぽく答えさせていただいたわけでありますが、いずれにしても高い低いは、やはりバランスの問題だろうと思います。先ほども民間企業の役員報酬との比較も一言述べさせていただきましたし、他の県とのバランスも触れさせていただきました。そのようなところとバランスを欠くような水準だとすると、当然に見直してしかるべきだと思いますが、制度として認められている、しかも、議会の議決を経て条例で認められている報酬額につきまして、あえて私自身が返上するというのはどういう理由があるのか、私には理解できない。かえって、そのような処遇を受けているということを基本に、さらに県民の皆様方の負託にこたえることが私の役割ではないか、このように考えております。


 それからもう一つ、非常勤の教員の給与水準の問題についてお触れになりましたが、これにつきましても、他の勤務の実態等とのバランスから過去の経緯も踏まえながら定められている水準でございますが、もしその勤務の実態に比して著しく均衡を欠いているというような実態があるんだとすれば、教育委員会において、しかるべく検討されて、私ども財政当局に十分説明がなされるであろうと思います。私どもとしても、そのような他県や勤務の実態等から見て、やはり均衡あるものと給与等についてはすべきだ、このように考えているところでございますので、お答えとさせていただきます。


○議長(内藤道成)  新町みちよ議員に対する答弁は終わりました。


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○議長(内藤道成)  この際、お諮りいたします。


 本日の議事は、これをもって打ち切りたいと思います。


 これにご異議ございませんか。


  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕


○議長(内藤道成)  ご異議ないと認めます。


 よって、さように決します。


 次の本会議は、明29日午前10時から再開し、質疑、質問を続行いたします。


 本日は、これをもって散会いたします。


       午後3時28分散会