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平成17年農林水産常任委員会(7月15日)




平成17年農林水産常任委員会(7月15日)





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          │ 農林水産常任委員会              │


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開会の日時 平成17年7月15日(金)


      午前10時36分開会


      午後0時8分閉会


場   所 第5委員会室


議   題 1 諸報告


      2 閉会中の継続調査事件


出 席 者 委員長   新  町  み ち よ    副委員長   小  林  喜  文


      委員    佃     助  三    委員     永  田  秀  一


      委員    岩  谷  英  雄    委員     今  西  正  行


      委員    中  村  まさひろ    委員     加  藤     修


      委員    筒  井  信  雄    委員     加  田  裕  之


      委員    鷲  尾  弘  志


説明のため出席した者の職氏名


      農林水産部長   黒 田   進    農政企画局長    荒 木 一 聡


      農林水産局長   小 池 孝 司    総務課長      水 田 賢 一


         その他関係課室長、参事等





会議の概要


 開   会(午前10時36分)





○(傍聴申請)


◎ 傍聴の取り扱いについて


 傍聴の申し出が1名からあり、その取り扱いについて諮ったところ、全員異議なく、許可することに決した。





 休   憩(午前10時37分)


 再   開(午前10時38分)





○(1 諸 報 告)


 (1)台北国際食品展覧会(FOODTAIPEI2005)への出展について


   総合農政担当課長の報告を聴取した。





○(2 閉会中の継続調査事件)


 「成熟社会を先導する自然産業としての農林水産業の展開について」を議題とし、「農業経営基盤の強化及び水田農業経営の確立」について、農業経営担当課長の説明を聴取した。





         (主      な      発      言)


○(問)  遊休農地対策の推進について伺いたい。遊休農地面積を1995年センサスと2000年センサスで比較すると、県下における遊休農地率が2.5%から3.9%と、相当遊休農地化が進んでおり、農業基盤の荒廃が見てとれる。また、資料には遊休農地の活用と発生防止対策が記載されているが、特に、中山間等での棚田について、日本の原風景の存続といった景観の問題や、防災上のいろいろな役割があるにもかかわらず、棚田の放棄が全国的にだけでなく本県でも多いようである。そこで、本県の棚田放棄の状況を伺うとともに、放棄田対策としていろいろと対策をとっているものの、棚田を有効活用する場合は、水田関係だけに絞られていたり、国の補償費の問題等があると思うが、現在の棚田の利活用対策について伺いたい。


○(答)  遊休農地のうちの棚田部分について、棚田の多い中山間地域等の改善方策として、まず、農業生産的利用として、特産物の生産振興や和牛の棚田放牧等の畜産的利用等を考えている。また、農業生産にそぐわない地域については、例えば楽農生活的利用として、都市と農村の交流に利用できるよう、体験農園、市民農園、学童農園さらには果樹のオーナー制度といったものの導入も検討していきたいと考えている。さらに、景観保全的利用として、県が独自に進めている棚田交流人を活用した保全も考えている。最終的にどうしても水田として復元することが困難な地域については、植林を行うといった方策も考えている。


○(問)  中山間地域の市町から棚田の放棄に対して、保全対策や幅広い利活用対策への切実な要請がある。現状では、水田として利活用することが基本的な方針だと思うが、もっと多様な方策を実施願いたい。植林等いろいろな方策を検討しているとのことであるが、梅やトチ、銀杏等の植林を考えてはどうか。特に梅の場合、実の収穫、販売等いろいろな面での活性化にもつながるのではないか。こういったことにも門戸を開いていただきたい。県としても、棚田放棄の対策として多様な利活用を行いたいとのことであったが、このことについて、再度伺いたい。


○(答)  実のなる果樹の植林については、都会から見ても魅力ある生産活動だと思っており、果樹のオーナー制度等都市農村交流的な仕組みも活用し、多方面から検討していきたい。


○(問)  遊休農地について、県では、1995年から2000年の間のわずか5年間で150%の増加となっており、全国平均や近畿平均からしても非常に高い増加率である。地形的に兵庫県において特に山間地が多いわけではないと思う。担い手の問題、収入等の生活基盤等いろいろな要素があると思うが、全国平均と比べて増加率が非常に高くなっている原因は何なのか。


 また、遊休農地の発生防止のためにいろいろな施策をやっているが、これらの施策は有効なものなのか。効果的に施策を実施する必要があると思う。総花的に施策を実施することもいいが、実施したにもかかわらず、わずか5年間で遊休農地、放棄田がますますふえてきている状況を見るに当たり、将来の県内の農政が非常に不安である。そこで、施策の有効性についてどう考えているのか伺いたい。


○(答)  遊休農地対策は、各市町において、市町みずからが遊休農地を抱える集落における改善方策であるプランをつくり、その中に、さきに説明したような選択肢やさらに市町独自の利活用方法を加えて施策を実施しており、県としてはそのプランに基づく利活用に対して支援することとしている。


○(答)  少し補足をする。本県においては、地形的な面から、中山間地域である但馬、西播磨、丹波で遊休農地が多く生じており、そのために増加率が若干高くなっているものと思われる。そこで、昨年度、有識者や市町の代表者も入っていただき、遊休農地の勉強会を行った。そこでは、農業地域においては、担い手や集落営農に対する土地の集積によって農業を営んでもらうことを基本に遊休農地を解消していこうとのことであった。遊休農地が出てくる状況を見ると、借り手と貸し手とのマッチングがうまくいっていない場合もあり、マッチングシステムを一元化し、その機能を例えば役場の産業課や農業委員会で担ってもらい、マネジャーを置いてミスマッチを防ごうと考えている。また、山間地の棚田にはなかなか難しい状況があり、梅やサンショウを植えることも考えている。そうした中、島根県では一部棚田放牧に限定した支援事業を行っていたが、兵庫県としては全国初と思われる遊休農地のリフレッシュ等の施策を講じ、幅広く助成を行ったところである。まだ緒についたばかりであるが、農業振興を図りつつ、一方で地域政策として活用するなど、遊休農地をこれ以上発生させないように進めていきたいと思っているので、幅広い支援を願いたい。


○(問)  遊休農地の発生については、地形的な問題もあると思うが、結局、担い手が育っていないことが放棄田、遊休農地の発生につながっており、また、所得という面にも一因があると思う。つまり、総合的な対策を実施する必要があり、遊休農地の発生防止と利活用という部分だけに焦点を当ててもなかなか根本的な解決にはならない。農家がその場所で生活ができるよう、これまでからの所得保障制度など有効な施策を組み合わせるなど、遊休農地をどのようになくしていくかということを総合的に実施しないとなかなか効果が上がらないと思うので、よろしく願いたい。


 次に、担い手について伺いたい。担い手がいる地域、例えば淡路を見ると、農業所得は非常に高く、おおむね1,000万円以上で平均よりも高い。それでも若い人はどんどんと都市に出て行ってしまう。そこで、いろいろな要素があると思うが、新規就農者の推移表を見て、新規就農者やUターンも合わせた新規就農者の数をどう考えているのか。また、どんな手当をすれば効果が上がると考えているのか伺いたい。


○(答)  人口比率に対する就農比率を出すなどの検証はしていないが、新規就農者について、例えば、お金、土地、技術さらには新たに就農する場合の住居がない方が多く、技術を習得するための農家や普及員のもとでの指導や研修、また、お金、土地などについては、就農のための施設整備や土地取得のための資金の活用等がある。就農者の課題は、技術、土地、資金など多方面にわたるものとの認識で対策を講じている。


○(答)  現在の兵庫県の農家数は主業農家が5,630戸である。そのうち、認定農業者は1,551人であるが、これを2,300人にする目標を立てている。そこで、主業農家5,630戸の若い方が40年間農業に従事すると考えると、30名、40名という新規就農者数では非常に少なく、この倍、3倍程度の新規就農者がいて、ようやく本当の主業農家の後継者ができていくのではないかと思っている。新規就農者数については、所得も大事であるが、所得が多いというだけでは、なかなか後継者はできない。それは、労働がきついとか休みがないという問題があるからである。そこで、労働条件を考える中で、機械化をどう進めていくのかが問題となる。その他に、県下の担い手の方々を見ていると、世帯主がそれなりの生活をし、労働や所得が安定しているところは、長男や次男も就農しているといった状況がある。そこで、むしろ担い手の数は少ないところでも、こういったモデルを示しながら農家後継者を育成していきたい。


○(問)  遊休農地をつくらないようにするための、中山間地域等への直接支払いについて伺いたい。直接支払いの対象農用地としての認定基準は面積1ha以上で傾斜20分の1となっているが、平地と山地の微妙な場所では、この基準が非常にこたえるので、もう少し緩和願いたい。集落営農をかなり広範囲に行う場合、山や谷間を含んだ土地であれば、その中間にある緩い傾斜地の水田を対象にしてもらえれば、管理も非常にやりやすいし、集落としてもやっていけるとのことである。


○(答)  中山間地域等への直接支払い制度については国が実施要領を策定しており、その中に対象地域や対象農用地の用件を定めている。対象地域については4法指定地域つまり、特定農山村法や過疎法等の適用地域となっている。対象農用地については二通りあり、急傾斜農用地の場合、水田が20分の1以上で、畑は15度以上の場合、もう一つは市町長の判断により対象と指定できる農用地があり、これを緩傾斜農用地と言っており、水田の場合20分の1から100分の1まで交付できることになっている。ただ、交付単価が異なっており、急傾斜農用地の場合10a当たり2万1,000円、緩傾斜農用地の場合8,000円となっている。委員が言われたような緩傾斜地については、この制度を利用していただくよう指導していきたい。


○(問)  私が話を聞いた方はそのあたりのことも承知の上で、微妙なところについて、国の基準をもう少し何とかしてほしいということなので、今後も継続して要請していきたい。


 次に、土地利用の状況について伺いたい。平成12年の現状と平成22年の目標が示されているが、これは今の農林水産ビジョンで示されたものだと思う。このときからもう5年近くがたったが、この方向性は現在どのような状況になっているのか。数字でなくていいが、動きとしての最新の状況と、現時点で2010年を見通したときに、見通しそのものに変化はないのかどうか、その傾向を伺いたい。


 また、担い手や集落営農を中心に頑張ってもらう人を育てることは大事であるが、幾ら頑張って、ビジョンに示している目標を達成できたとしても、兼業農家に負っている部分は半分あるいはそれ以上残る。その際、集落営農の中で一緒にやっていく兼業農家はまだいいが、独自で兼業農家としてやっていく農家に対する支援は、作業委託や土地の流動化といった支援しかないのか。少しでも農業をやっていきたいという人たちを含めて、数として多い兼業農家に対する支援をすべきでないか。


○(答)  耕地利用の方向性については、担い手と集落営農でやっていかざるを得ないという考え方でずっときている。特に、集落営農については国が食料・農業・農村基本計画の中で明確に打ち出している。40%という食料自給率を45%まで上げるためには、このような方向性はやむを得ないのではないかと考えている。しかし、その基準については、兵庫県には兵庫県なりの考え方でできるものと考える。


 また、兵庫県の場合、中国山地を挟んで、但馬、丹波、佐用、山崎などと瀬戸内の農業をわけて土地利用を考えていく必要があると思っている。兼業農家対策については、瀬戸内等においては、従前からやってきた農地の保全方法があり、また、兼業農家には農業後継者ではないが、農家後継者がおられ、まだここ10年くらいは心配になる問題は余り出ないと思っている。しかし、但馬、丹波等については、本当に集落営農でいいのかどうかという問題もある。対応方法としては、国が打ち出している法人化により集落営農を行う方法を考えている。例えば、一個の集落に30戸の農家があるとすると、その集落営農を担っている方は五、六人だと思う。集落の全員が土地は提供しているものの、作業等に中心になって働いている人は五、六人であるので、むしろそういった方々で、一つの法人化組織をつくり、そこに新たな就農機会、就業機会ができれば、一つの方向性が出るものと思っている。10年先に今の集落営農を担っている方が、但馬、丹波でどうなるのかについては、もう明確な姿として出ている。その折には、集落農業活性化プランを実施していく中で、集落営農については明確にだれかが担えるようにし、本当に後継者のいない集落については、隣の集落等法人化ができたところで、農地管理だけでなく、農道、排水路管理までやるといった一つの方向性がいるのではないか。このことについて、今ビジョンを見直しているところであり、その中で対応を真剣に考えていくべきだと認識している。


○(問)  今の方向性が本当にいいのかどうか、非常に気になっている。但馬、丹波では本当に法人化した方がいいのか。私も但馬の大きな農業経営者のところに行ったりしているが、今後の見通しもないまま、今を本当に必死になってやっているという感じである。また、認定農業者についても、本当に生き残っていけるのかどうかが気になっている。そこで、資料には効率的かつ安定的な農業経営の目標として、年間総労働時間2,000時間、年間農業所得800万円とあるが、県内の認定農業者1,551経営体の中で、2,000時間程度の労働、800万円の所得が達成できている人は何人いるのか伺いたい。


○(答)  認定農業者として認定後、5年間を経た農家を対象にアンケート調査をしているが、それによると、単一経営で、計画労働時間の目標を達成している方は約23.8%、所得目標を達成している方は33.3%程度である。


○(問)  これを多いと見るか少ないと見るか非常に微妙なところである。例えば、労働時間を一体どう見ているのか。外で働いている時間を労働時間としているのか、あるいは、それだけではなく家の中でのいろいろな準備なども含めての2,000時間達成が23.8%なのか。どの程度の労働と認識しているのか。


○(答)  計画上、耕種ごとに作業時間を想定して時間設定しており、基本的には主たる業務にかかる時間の合計、例えば水稲であれば、種の準備、育苗、田植え、除草等それぞれの業務ごとに時間を想定し、これを合算して、実際にかかった時間と比較してその達成状況を答えている。


○(問)  具体的な合算の仕方等基準があれば伺いたい。普通に考えると、週5日制の労働者が週40時間で年間2,000時間を超える。こういった状況で農家において2,000時間という目標時間が達成できるというのが普通ではちょっと考えられない。このあたりを明確にした上で、後ほど具体的に伺いたい。


 次に、集落営農について伺いたい。資料の全国有数の広域的な地域農業の担い手組織の設立について記載があるが、こういった営農組合の中にも当然担い手農家はいると思う。この設立された営農組合に入らずに、担い手農家が単独で農業をやっている場合もあると思う。そこで、そういった人たちの果たす役割について伺いたい。また、営農組合と認定農業者との競合はあるのか。土地の問題にしても、いろいろあると思うが、設立からそんなに時間がたっていないので、わからないかもしれないが、現在の状況について伺いたい。


○(答)  まず、さきの労働時間に係る質問について、達成率23%程度というのは、畜産関係において機械化できたところではクリアできているものと思われる。一般に言う労働集約型つまり野菜、花卉などでは本当にそこまで省力化できているのかどうかという問題はある。しかし大屋高原などでは、生産と選別を完全に分け、その地域の方が20人程度が雇用されて選別センターができているところがある。すべてにおいて省力化が進んでいるとは言わないが、そういった形態もできてきているところである。


 次に、集落営農と担い手の競合について、土地利用型の認定農業者がふえているところでは集落営農は余り行われていない。地域的にいうと西播地域では大規模稲作経営農家が非常に多く、その方々が地域の農業を担っている。一方、土地利用型の認定農業者がいないところでは集落営農が行われている。若干、地域の中で農地調整をどうするかという問題が一部起こっているところもあるが、そんなに大きなあつれきではないと理解している。


○(問)  これからもっと認定農業者もふえ、営農組合もふえるとなれば、そういった問題も出てくるのではないかと思うので、十分気をつけて対応願いたい。農業者同士で感情的なものに発展することは、後でいう生産調整とのかかわりもあり、気をつけていただきたい。


 次に、集落営農に対して、研修などは少し実施されているが、農機具を更新する場合に補助はあるのか。補助は1回きりと聞いているが、そういったハード面での具体的な施策はどういったものがあるのか。


○(答)  国庫補助や県単の補助事業で導入された機械については、更新時には基本的にはみずからが積み立てて購入することを原則としている。しかし、規模拡大や、対象作物を米から米プラス麦または大豆になどふやした場合については、補助対象となる事業がある。


○(問)  集落営農にもいろいろあり、自力で機械を更新できるところもあれば、みんなで共同して必死にやっても、5年たてば更新する必要のある農機具も、とても積み立てができないために更新できないところもある。自身で自立しないといけないことはわかっているが、なかなか自立できないところもあると思う。特に、規模拡大を1集落1農場という形でやった場合、規模拡大の限界があるところも実態としてあると思う。やはり事情に応じて必要なものは支援願いたい。


○(答)  集落営農に要する短期、長期のさまざまな需要に対応した資金については、美しい村づくり資金として低利融資を実施している。補助や融資を組み合わせていろいろなことに対応できるようにしているので、安心願いたい。


○(問)  集落営農組合の法人化を進めようとしている。しかし、現実にはなかなか法人化には至らない。たとえ法人化されてもほんのわずかだと思う。だから、先ほどから議論されている放棄地を少なくしたり、耕地利用をもっとふやそうとする場合でも、もっと農業全体に焦点を当てた新たな対策が必要だと思う。例えば丹波市には営農組合が200組合くらいあるが、うまく運営されているのは5組合ぐらいだと言われている。法人化するためにはその中心となる、いろいろなノウハウにたけた人、指導力のある人などが必要である。しかし、現状を見ると、四、五十代の人は外に仕事に出ており、日曜日などに手伝いで農業をやっているものの、そういった人は当てにできない。そういった人たちは、残業等で集会に参加できないし、また、いつ転勤になるかわからないため、結局、本人にその気があったとしても任すことができなかったりする。中心メンバーで法人化すると言われるが、我々としては、その中心メンバーが倒れたりすると終わりなのでかえって心配する。今高齢化がどんどん進んでいる中、みんなで少しずつ分担して、できるものはより若い者で頑張っていこうとしており、集落営農の法人化の方針は、部分的にはあってもいいが、もっと全体的な集落営農への対応を、現状を認識した上で対策すべきでないか。


○(答)  やみくもに法人化しようとしているのではない。例えば、農家後継者がいるところでは、法人化しなくてもうまくいってるところもある。そこでは、中心になっている方が、兼業の勤め人に対しては、いつ会社を休んで作業をしてもらうかなど、役割を決めている。中国山地から南の農家後継者がいるところではこのような方法でやっており、法人化しなくてもうまくいくものと考えられる。しかし、但馬、丹波については、例えば60歳代を中心に集落営農をやっているとすると、10年たてばその中心メンバーが70歳代になっているという現実がある。県としては集落だけではなく地域でも担い手ができて、その担い手のところに、一般の非農家から就職ができるような受け皿としての担い手が新たにできないかといった発想で若干検討している。また、国の新しい方策で担い手を明確にするという話がある。現在、兵庫県には、転作奨励金が20数億円、麦・大豆の交付金が約6億円程度入ってきているが、こういった30億円近いお金は明確な担い手をつくらない限り、入ってこなくなってくる。このお金の受け皿となる担い手をどうやって育成していくのか、国と県の実情を理解した上でどう調整するのかが、今後の非常に大きな課題になる。確かに、60歳や70歳になって農業がなかなかできないと思う。それをどうしていくのかについて、本当に近々の課題として対応していく必要がある。また、産地づくり交付金がもらえる担い手をどういう手法で兵庫県として育成していくのかという問題があり、一つの受け皿の方策として先ほど説明したようなことが考えられるのではないかと思っている。だから、すべての営農組合を法人化するという考えではない。県としてもいろいろと探りながら対応していきたいと考えている。


○(問)  次に、但馬、丹波で法人化をめざしたときに、一般の民間企業が参入してくるという可能性はやはりあるのか、またそれを期待しているのかどうか伺いたい。


○(答)  今の段階では農業者の中で対応していく方向であり、一般企業から入ってくることは余り期待していない。


○(問)  流れとして、農業に対してびっくりするような一般企業が水耕栽培等の部分にどっと入ってきている。こういった流れが入ってきてしまうと、日本の農業はもう終わったといった感じになるので、十分監視していきたい。


 次に、米の関係について伺いたい。今までの3割減反から、7割分の収量確保をめざすことになり、また、市町合併や市町の姿勢もあり、農業者間に感情的な問題が起きている。これまで減反に協力しなかった人に対して、7割分の収量を確保するために、これまでと同じ量の米をつくることにお墨つきを与えることになっているのである。これまで一生懸命減反に協力してきた人から、これで本当にいいのか、ごね得ではないかという声が出ているということを、県内を3ヵ所調査したうちの2ヵ所で聞いた。こんなことは本当にあるのか。また、この不満への対応はどうするのか。


 次に、産地づくり交付金について、現場で話を聞いてみると、現地の組合長クラスでもその仕組みがもう一つわかからないとのことである。一生懸命勉強してもわからない。市町の担当者も十分に理解しておらず、説明できない。ましてや、交付金を受け取る農業者はもっと理解できていないので、幾ら受け取ればいいのか、またもらった金額が正しいのか全く判断できない。本当に複雑な制度になってしまっている。算定の根拠と交付基準等について、もっとわかりやすい方法にはできないのか。


○(答)  水田農業の推進に当たっては、生産目標数量が県、市町、さらに市町の協議会において個々に配分が行われている。これは公平性を原則としている。その後、個々の農家に配分された目標を個々の農家が判断し、100%可能なり、8割程度なら可能だといった判断により作付されることとなる。そういった個人の判断を、まず地域において、つくれない方の面積を他の農家、いわゆる意欲のある方、米づくりに元気のある方につくってもらう。地域でその調整がし切れない場合は市町で、市町でできない場合は県全体で調整することとなっているので、ごね得といった表現があったが、ごね得といった状況ではない。


 次に、交付金の制度内容については、例えば価格差の補てんにしても、単位面積当たりのものから、重量に基づいて対応するものなど従前にも増して複雑になっている。このことについては、例えば市町、JA、農業委員会の方々が地域の協議会を構成しているので、各集落において、できるだけ頻繁に説明会を開き、内容について理解してもらっている。また、県では中央会と連携して、水田農業マネージャーとして、営農指導員や地域の担い手になる方の地域の情報伝達力や経営能力をアップさせるための研修を行って育成し、こういった方から、そういった情報を的確に流してもらいたいと考えている。その一方、やはり複雑な施策体系であることは否めないので、国に対して、できるだけ簡素でわかりやすい制度にするよう要望しているところである。


○(答)  課長が説明したように生産目標数量については県、市町、集落の3段階で調整をやっている。しかし、今年は、去年の災害等があり、その部分の面積について市町間での調整を行った。その折に、加工米を一般米に含めたところと含めていないところがあったようである。各市町には地元の水田協議会があり、新たに配分された数量をどうするかについて、そこで検討されたが、全農家に配分するには非常に微々たる数であり、そのために、加工用の米をつくっている農家が、米をもっとつくりたいと言っていた人にその分を一般米として割り振ったという話は聞いたことがある。こういったことが不満として出ているのではないかと思っている。今後は、課長が説明したように地元主体の統一された調整を行うよう指導していきたい。今年は災害の影響により市町間調整を行ったため、若干そういった不備が出たのではないかと思っている。


○(〇)  意欲のある方、元気のある方に多目に配分されるとのことであったが、この方々の大多数は、かつては県の減反調整に協力しなかった人である。そういった方々への評価が変わってきていることに対して、減反に協力してきた農業者の中では感情的な不満が出てきている。平成19年からは勝手に生産しなさいということになっており、価格がどんどん下がっている中ではこれ自体非常に怖い。農業を継続していくにはもう価格補償しかないと市町の担当者等いろいろな方が言っている。新しい基本計画を見ると、付加価値をつけて、高いものを売ればいいとされているが、例えば兵庫県では豊岡で付加価値をつけたコウノトリ米があるものの、その地域の何千分の1程度である。だから、そういったことを全面に出すよりも、もっと基本的な、農業で飯が食える、米がもっとつくれるようにするための補償をしっかりとしていただきたい。


○(問)  先ほどの委員の発言を聞いていると、どうも余分な話が多い気がする。もう少し時間短縮願いたい。


 さて、農業基本法が改正になり、平成19年度からいよいよ発効する。その法律の目標は、自給率を高めることと担い手を育成するということである。きょうは担い手の育成について議論しているが、品目横断的な担い手を育成する中で、担い手の位置づけが大きな問題になってくるのではないかと思っている。集落営農もその一つである。集落営農は、法人化をめざすことになっているが、現実の問題として、兵庫県のように兼業農家の多いところで法人化ができるのか。法人化しなくても、ある程度の条件がクリアできればいいのではないかと思っている。まだ検討中とのことでもあり、子細についてはわからないが、法人化しなくても担い手となるように指導をする必要がある。どうしてもできない場合は、県の単独事業として実施することまで考える必要があるのではないか。そうでなければ、地域農業が崩壊してしまう危険さえあると思う。そういったことについて十分に検討願いたい。


○(答)  県としても、国の新しい計画の骨子としている担い手の育成について、認定農業者や集落営農の法人化等すべてについて、一斉にスタートできるとは思っていない。できるところはそういった仕掛けをしていくし、できないところについては、独自の対策が講じられるよう、幾つかのアドバイスもいただいたので、それらを踏まえてさらに検討を進めていきたい。


○(問)  兵庫県では北と南で農業形態がいろいろと違う。特に私の地元では三毛作で一年中何かをつくっており、集落営農を成功させ、頑張っているところもある。そこは50戸ぐらいの集落で、主にレタスなどをつくっている。資料にも労働時間や収入について記載されているが、これは非常に大事である。特に、時間管理が非常に大事である。私の地元では、農家はとにかく天気がよければ田んぼへ行って働き、夜中や朝など関係なしで、雨が降れば休むという状況である。このような状況では、なかなか若い人が農業をやっていくには非常に難しいと思う。だから、サラリーマン同様、何時から何時まで出勤、土曜日の昼からや日曜日も休みにするといった時間管理をしっかりとしていく必要がある。また、集落には、集落をまとめていく力のあるリーダーが必要である。例えば、年に一、二回しか使わないような農業機械を購入するにしても、隣の家より早く仕事をしないといけないといった思いから、集落の各個人が個々に購入する。このような非常にむだな投資もある。だから、うまくいっている集落には、やはりリーダーがおり、機械についても、みんなで共同購入し、効率よくやっている。また、大体は専業農家であるが、息子が社長となり、家族全員を従業員にして、時間管理をしながら給料を出したりしている。ここまで徹底しないと、今の若い人は幾らもうかるといっても農業をやらない。一番大事なのは時間管理である。今後、集落営農等効率のよい農業をやっていくためには、こういったことを県下に広げていく必要がある。特に、淡路は忙しく、それ以外の地域とは大分形態が違うと思うが、こういったことも今後考えていく必要があるのではないか。


 次に、自給率の問題について、国は40%程度、兵庫県は18%程度であり、兵庫県は消費県だと言ってしまえばそうであるが、国が自給率をアップさせようとしている中、兵庫県としての役割を果たしていく必要がある。そこで、兵庫県として今の自給率をこれからどういった形で伸ばしていけるのか考えていかなければならない。また、生産だけではなく消費の問題もある。特に、米の消費については、おいしいごはんを食べよう県民運動をやっていても、消費が伸びていない。消費も生産と同時にしっかりとPRしないと伸びない。さらに一番大きな問題は人口減少である。特に農村地帯はどこも人口が減り続けている。高齢化率も非常に高い。私の地元は27.2%であるが、但馬などはもう少し高いと思う。だから、農業の問題であっても、人口減少や高齢化の問題についてもよく考えて、総合的な対策をとらなければならない。いろいろな問題をたくさん抱えているが、生産県兵庫としてもぜひ頑張っていただきたい。


○(答)  兵庫県の農業について、全県下を見渡したとき、それぞれの地域特性の中で、営農形態そのものもそれぞれ特質がある。自給率の話等を含めて、県としては現在農林水産ビジョン2010のさらに10年先を見据えて、ビジョンの見直し作業にかかっているところである。その中で、全体的な話やそれぞれの地域特性の話を含めて、あるべき今後の姿を的確にとらえて見定めていきたい。


○(〇)  先ほどの私の発言の中で、どの部分が余計な発言だったのか、具体的に指摘願いたい。前回の委員会でも、私の発言に対して同様の発言がなされたが、委員の発言を制限するようなことはやめていただきたい。


○(〇)  私は質問を制限するとは言っていない。簡明にしてほしいと言っているのである。


○(〇)  私の発言も不十分かもしれない。そのことについては努力するが、一々委員会という正式の場で言われる筋合いはない。


○(〇)  簡潔に願いたいということである。


○(〇)  簡潔にと言っても、各地域に調査に行くなど努力しており、その地域の実態を皆さんに知っていただきたいという思いで発言している。


○(〇)  皆さんも簡明にということについては同感だと思う。





 閉   会(午後0時8分)