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平成17年第283回定例会(第2日 6月 8日)




平成17年第283回定例会(第2日 6月 8日)





平成17年 6月第283回定例会


会議録第1446号


            第283回(定例)兵庫県議会会議録(第2日)


                         平成17年6月8日(水曜日)


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                               平成17年6月8日 午前10時開議


   第1 第78号議案ないし第100号議案


      報第1号、報第2号


       質疑・質問


       委員会付託


   第2 請   願


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                 本日の会議に付した事件


   日程第1 第78号議案ないし第100号議案


        報第1号、報第2号


   日程第2 請   願


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                 出  席  議  員   (88名)


   1 番  吉  本     誠         48 番  長  田     執


   2 番  石  井  健 一 郎         49 番  山  口  信  行


   3 番  小  池  ひろのり         50 番  葛  西  利  延


   4 番  岸  口     実         51 番  北  浦  義  久


   5 番  小  林     護         52 番  釜  谷  研  造


   6 番  北  条  泰  嗣         53 番  門     信  雄


   7 番  佃     助  三         55 番  武  田  丈  蔵


   9 番  森  脇  保  仁         56 番  寺  本  貴  至


   10 番  藤  本  正  昭         57 番  内  藤  道  成


   11 番  谷  口  隆  司         58 番  水  田     宏


   12 番  野  間  洋  志         59 番  永  田  秀  一


   13 番  藤  田  孝  夫         60 番  原     亮  介


   14 番  長  岡  壯  壽         61 番  立  石  幸  雄


   15 番  山  本     章         62 番  岩  谷  英  雄


   16 番  丸  上     博         63 番  五  島  た け し


   18 番  石  原  修  三         64 番  日  村  豊  彦


   19 番  矢 尾 田     勝         65 番  羽 田 野     求


   20 番  井  上  英  之         66 番  内 匠 屋  八  郎


   21 番  田  中  あきひろ         67 番  松  田  一  成


   22 番  北  川  泰  寿         68 番  今  西  正  行


   23 番  石  川  憲  幸         69 番  岡     や す え


   24 番  栗  原     一         70 番  掛  水  す み え


   25 番  石  堂  則  本         71 番  中  村     茂


   26 番  小  林  喜  文         72 番  ね り き  恵  子


   27 番  西  野  將  俊         73 番  つ づ き  研  二


   28 番  橘     泰  三         74 番  中  村  まさひろ


   29 番  松  本  よしひろ         75 番  筒  井  も と じ


   30 番  永  富  正  彦         76 番  石  井  秀  武


   31 番  中  田  香  子         77 番  加  藤     修


   32 番  黒  田  一  美         78 番  宮  本  博  美


   33 番  藤  井  訓  博         79 番  加  藤  康  之


   34 番  杉  本  ち さ と         80 番  大  野  由 紀 雄


   35 番  新  町  み ち よ         81 番  合  田  博  一


   36 番  宮  田  しずのり         82 番  渡  部  登 志 尋


   37 番  毛  利  り  ん         83 番  筒  井  信  雄


   38 番  芝  野  照  久         84 番  松  本  隆  弘


   39 番  越  智  一  雄         85 番  梶  谷  忠  修


   40 番  杉  尾  良  文         86 番  加  茂     忍


   41 番  岡  野  多  甫         87 番  原     吉  三


   43 番  野  口     裕         88 番  藤  原  昭  一


   44 番  浜  崎  利  澄         89 番  小  田     毅


   45 番  酒  井  隆  明         90 番  加  田  裕  之


   46 番  前  川  清  寿         91 番  村  上  寿  浩


   47 番  山  本  敏  信         92 番  清  元  功  章


          ─────────────────────────


                 欠  席  議  員   (2名)


   8 番  いなむら  和  美         93 番  鷲  尾  弘  志


          ─────────────────────────


                 欠        員   (3名)


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                 事務局出席職員職氏名


 局長       稲  田  浩  之      議事課主幹 田  中  宏  忠


 次長       谷  口  勝  一      議事課長補佐兼議事係長


 議事課長     伊 地 智  基  幸            濱  田  直  義


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               説明のため出席した者の職氏名


 知事                           井 戸  敏 三


 副知事                          藤 本  和 弘


 副知事                          齋 藤  富 雄


 出納長                          五百蔵  俊 彦


 公営企業管理者                      江 木  耕 一


 病院事業管理者                      後 藤    武


 防災監                          東 田  雅 俊


 理事                           大 平  一 典


 理事                           清 原  桂 子


 理事                           井 筒  紳一郎


 県民政策部長                       辻 井    博


 企画管理部長                       荒 川    敦


 健康生活部長                       下 野  昌 宏


 産業労働部長                       黒 岩    理


 農林水産部長                       黒 田    進


 県土整備部長                       原 口  和 夫


 まちづくり復興担当部長                  佐々木  晶 二


 のじぎく国体局長                     井 上  数 利


 企画管理部企画調整局長                  高 井  芳 朗


 財政課長                         竹 本  明 正


 財政課主幹                        西 上  三 鶴


 選挙管理委員会委員長                   柏 木    保


 教育委員会委員長                     平 田  幸 廣


 教育長                          吉 本  知 之


 公安委員会委員長                     野 澤  太一郎


 警察本部長                        巽    高 英


 警察本部総務部長                     嶋 田  詩 郎


 人事委員会委員長                     馬 場  英 司


 監査委員                         久 保  敏 彦


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       午前10時0分開議





○議長(原 亮介)  ただいまから本日の会議を開きます。


 日程に先立ち、ご報告申し上げます。


 去る6月3日の会議において議決され、その取り扱いを議長に一任されておりました「JR脱線事故を踏まえた列車運行の安全確保と被害者の救済等を求める意見書」につきましては、議決後、直ちに関係方面に提出し、その善処を要望しておきましたので、ご了承願います。


 これより日程に入ります。


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◎日程第1  第78号議案ないし第100号議案


       報第1号、報第2号





○議長(原 亮介)  日程第1、第78号議案ないし第100号議案、報第1号、報第2号を一括議題といたします。


 これより質疑を行います。


 この際、お諮りいたします。


 会議規則第62条の規定による県の一般事務に関する質問をあわせて許可いたしたいと思います。


 これにご異議ございませんか。


  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕


○議長(原 亮介)  ご異議ないと認めます。


 よって、さように決します。


 発言は、通告に基づき、順次議長より指名いたします。


 まず、梶谷忠修議員。(拍手)


  〔梶谷忠修議員登壇〕


○(梶谷忠修議員)  おはようございます。


 質問に先立ち、このたびのJR西日本列車脱線事故により多くの県民が犠牲となられました。ここに謹んでご冥福をお祈りいたしますとともに、事故により心身に大きな傷を負われた方々に対し、心からお見舞いを申し上げます。


 それでは、今年度最初の定例議会のトップを切り、自由民主党議員団を代表しまして、県政の諸課題について、知事並びに県当局にご質問いたします。


 知事選まで1ヵ月を切りました。井戸知事におかれては、去る3月、新たなる決意を持って再出馬を表明されました。井戸知事は、この4年間、さまざまな難局に遭遇しましたが、その卓越した手腕で適時適切な対応を行ってまいりました。また、先日、「三つの目標・10の約束」として掲げられた政策は、我が会派の要望をおおむね踏まえたものであり、これからの4年、激動の県政を託すことができるのは井戸知事をおいてほかになく、最大会派として支援を続けてまいる所存であります。


 自民党は、本年、立党50年を迎えます。「託されてきた責任、挑戦し続ける勇気」のスローガンに示されるように、50年にわたって、我が国、我が県のかじ取り役を積極果敢に担ってまいりました。この実績を誇りに思いつつ、それに安住することなく、県民の願いを確実に実行する責任政党としての自負を胸に、以下9点10項目にわたる質問に入りたいと思います。


 最初の質問は、先日のJR西日本の列車脱線事故の対応についてお聞きをいたします。


 「天災は忘れたころにやってくる」という格言は、明治の実験物理学者にして随筆家である寺田寅彦先生の余りにも有名な言葉であります。しかしながら、震災後の10年間、安全と安心の確保を標榜する本県で、鳥インフルエンザ、SARS、明石の歩道橋事故、加古川での多人数殺傷事件、台風など、人命にかかわる重大な事件や災害が息つく暇なく起こるのはどうしてでしょうか。


 そして、このたび、我が国の鉄道事故史上未曾有の大惨事となるJR西日本の列車脱線事故が尼崎で発生しました。事故原因を明らかにし、万全の安全対策のもとで、一日も早い運行再開を願うものであります。事故発生から1ヵ月余りが過ぎましたが、犠牲となられた方々のためにも、この事故での対応をしっかりと検証し、次へ生かしていくことは大切であります。


 災害対策基本法に基づいて都道府県防災会議は地域防災計画を定めることとされ、本県では、地震災害、風水害等、海上災害、原子力等及び大規模事故災害について、それぞれ計画を策定しています。平成14年3月に策定された「大規模事故災害対策計画」は、航空、鉄道、道路等の災害に係る予防、応急、復旧の各段階での対策が示されており、さらに、その応急対策では、事業者、国、県、警察、消防、医療機関のそれぞれがとるべき行動をつまびらかにしております。しかし、今回、鉄道事業者が県への第一報を怠ったこと、救護体制をとれなかったことなど、計画どおりに実行されておらず、その周知徹底が不十分だったと言わざるを得ません。


 そこで、このたびの事故において、この防災計画は機能したのかどうか、県として総合的な観点から検証を行い、その結果を地域防災計画に反映させるべきと考えますが、ご所見を伺うとともに、昨年12月、鳥インフルエンザでの反省を踏まえて危機管理の改善策をまとめた「行政システム推進委員会報告書」は今回どう生かされたか、伺います。


 さらに、被害者や遺族、救助に携わった人々のPTSD――心的外傷後ストレス障害に対する心のケアを初め、沿線住民の生活の影響など、事故が原因で苦しんでいる多くの県民に対して、今後どのような支援を講じるのか、その点についてお伺いをいたします。


 次に、安全・安心の確保に関連して、ため池の安全対策についてお聞きをいたします。


 本年5月16日、三木市内で虫取り遊びをしていた幼い児童2人が、ため池工事の際につくられた仮排水路に転落し、1人が死亡、1人が意識不明の重体となって、大変痛ましい事故がありました。


 ため池の改修に伴う周辺整備計画に関する地元アンケートには、その危険性を指摘する声もあり、住宅街からの距離などを考え合わせますと、安全管理は不十分であったと言わざるを得ません。このたびの事故の発生についてどのように認識しておられるのか、お伺いをいたします。


 また、県下には4万を超えるため池があり、安全・安心を県政の優先課題としてきた兵庫県として、二度とこのような事故を起こさぬよう、安全対策を至急講ずる必要があります。それは、ハード面はもちろんでありますが、もとよりすべてにフェンスを張るということは限界があります。地域や学校ぐるみの啓発やパトロールなど、県民の安全意識を高めるソフトの取り組みが極めて重要であります。


 県では、事故後、工事実施施設を対象に緊急点検を行ったとのことでありますが、事故後の対応と再発防止に向けた安全対策の取り組み状況について、あわせてお伺いをいたします。


 質問の第2は、財政の健全性と法人事業税の超過課税についてお伺いをいたします。


 県財政は、過去3回、大きな財政危機を経験しております。1度目は、昭和30年代前半、景気の停滞と相次ぐ制度改正の影響から、いわゆる赤字再建団体に5年間転落し、2度目は、昭和48年秋の石油ショックに端を発する景気の停滞からの財政悪化でありました。そして、平成7年1月の阪神・淡路大震災による財政危機であります。


 この年は過去最大の100億円を超える赤字となり、その後プラスに転じたものの、バブル崩壊後のいわゆる「平成の大不況」とそれに続く金融不安などで、県財政は長いトンネルから脱し切れない状態が続いています。平成11年度には行財政構造改革推進方策を策定し、10年間の収支見通しを示し、財源の重点配分と経費支出の効率化を図るなど、行財政全般の徹底した見直しに取り組んでいます。


 しかし、長引く景気低迷の影響もあり、平成16年度から20年度までの5年間でさらに2,550億円の収支不足の増加が見込まれたことから、後期5か年の取組みを策定し、見直しを余儀なくされました。また、三位一体改革の名のもと、国の財政赤字のツケ回しにより地方交付税が大幅削減されたこともあり、平成20年度までにさらに1,020億円の収支不足が見込まれ、基金残高も残り少なくなっています。また、平成15年度の本県の起債制限比率は14.2%で全国36位、経常収支比率は92.9%で全国順位は39位という状況であり、先日、谷垣財務大臣が「地方歳出の4兆3,000億円の削減」を主張したことも我々の不安材料であります。


 そこで、不安を払拭するため、財政のプロである知事が考えられる財政の健全性とは何か、そして県財政は健全性が確保されていると言えるのか、ご所見をお伺いいたします。


 また、本県では、その時々の財政需要に対応するため、昭和51年度以降、地域産業の振興に資するため法人事業税に5%の上乗せが続けられ、毎年約50億円がその財源に充てられてきましたが、今年度はその延長期限を迎えます。既に行財政構造改革実施計画で期間延長の検討が明記され、県当局では鋭意検討が進められていると思いますが、再延長の場合には、9月県議会に提案されることになると思います。


 県民生活に深くかかわる税の問題は議論を十分尽くす必要がありますが、その議論に当たり、税額に見合う充当事業を明確にし、県民の理解を得やすくする工夫が必要だと思いますが、法人事業税の超過課税にかかわる検討方針について、あわせてお伺いをいたします。


 質問の第3は、第2段階を迎えた市町合併に対する基本方針についてであります。


 合併特例債など手厚い財政優遇措置が盛り込まれた旧合併特例法の適用を受け、平成11年3月31日に全国で3,232あった市町村は、来年3月には44%減って1,822になると見込まれております。本県においても、21市70町から29市12町へと市町数は55%も減少し、また、34あった人口1万人未満の町はなくなるなど、本県の市町合併は、おおむね良好な形で収れんされてきたものと認識しています。これは、地域の将来は地域みずからが決めるものとして地域の自主性を最大限尊重しながら、適時適切な情報提供によって合併を支援してきた、これまでの県の基本姿勢に誤りがなかったものと評価するところであります。


 そして、この4月からは、いわゆる合併新法が施行され、市町合併は第2段階を迎えております。総務省は、市町の行財政基盤を強化するためには、さらに合併を進めていく必要があるとして、先日、望ましい合併の組み合わせを基本指針の中で定めました。そこでは、人口がおおむね1万人未満の場合のほか、生活圏域を同じくする場合、あるいは政令指定都市や中核市、特例市をめざす場合の三つの類型を示しています。新しい法律では、県がこの組み合わせに該当する市町に対して、合併を推進する構想の策定や合併協議会設置の勧告などの権限を行使して、合併を強く主導していく役割を求めております。


 合併を支える、いわば協力役であった旧法とは大きく異なる立場に置かれることになりますが、そこで、県内にこの組み合わせに該当する市町は存在するのか、また、合併の推進役を果たすことが責務とされている新法のもとで、知事は県内市町の合併にどのような方針で臨まれるのか、ご所見をお伺いします。


 また、このたびの合併期に、県内の市町数は半分以下となり、人口3万人を超える市町も、24市町で県全体の26%だったのが、32市町で全体の78%を占めるようになるなど、県内市町はその数、規模、構成において大きく変容し、所管市町数が激減する県民局も生じますが、ポスト合併期において県が市町に対して果たす役割をどのように考えておられるのか、あわせてお伺いをいたします。


 質問の第4は、実効性のあるパブリックコメントの推進についてであります。


 本県で統一要綱に基づくパブリックコメント手続が実施されてから3年が経過しました。昨年度は41の案件で行われましたが、個々の中身を見ると、提出意見の数が皆無であったり、意見内容に偏りが見られるなど、制度がうまく機能しているとは思えません。低調なパブリックコメントは、何よりも県民の県政への関心の低さを示すものと謙虚に受けとめざるを得ません。もっと活用されるためには、「知られにくく、言いにくい」現状をまず改めなければなりません。


 さらに私が危惧するのは、パブリックコメントが行政の方で誤った使い方をされていないかということです。例えば行政が事を進める場合に、説明責任を果たすための形式的な手続となっていないか、あるいは賛否を集計し、都合のよい材料となっていないかなどです。パブリックコメントには、県民の県政参画、透明性の向上、民意の把握など目的があると思いますが、あくまでその目的達成の一助とするものであって、決して十分条件ではないということです。職員一人一人がその点を正しく認識することが大切です。


 したがって、民意の把握という観点では、フォーラムやアンケートなど他制度を併用しながら、精度の向上に努めることが必要ですし、県民の県政参画という点からは、提案者が参画した実感を持てるよう、提案意見にはきちんと対応していくことが重要となってきます。


 この3年間の実績を検証し、パブリックコメントに期待された効果はどの程度得られたのか、そしてパブリックコメントに投入される労力も考慮しながら、対象や期間など、さらに実効性を高めていくための見直しを進めていくべきだと考えますが、ご所見をお伺いいたします。


 質問の第5は、県民所得の向上と経済活性化のための企業誘致についてであります。


 今年3月に内閣府が発表した平成14年度の県民経済計算によりますと、1人当たりの県民所得で本県は全国27位、近畿6府県中5位でありました。ここ数年の全国順位を見ても、おおむね20位台に低迷しております。1位は東京、以下、愛知、静岡、滋賀の順となっており、そのときの地域経済の元気度をそのまま象徴しております。


 県民所得とは、県民や県内企業が生産活動や保有資産によって得た報酬や利益、配当の合計です。それを総人口で割ったものが1人当たりの県民所得で、地域経済の豊かさをあらわす尺度の一つであり、下位にある原因を分析することは、経済再生のための手がかりにもなるのではないでしょうか。


 このように、いま一つ元気のない兵庫経済を豊かなものにするために、成長性の高い企業の誘致は、最も有効な手段の一つと言えます。これまで景気が低迷するたびに、重厚長大産業への依存体質の転換が叫ばれ、景気が少し上向くと、そのかけ声もしぼみがちになる、これが繰り返されました。付加価値の高い成長産業への構造転換の促進は、まさに県民所得の向上につながり、これからは腰を据えた誘致活動に取り組むことが肝要であります。


 とりわけデジタル家電は、その生産波及力が突出し、設備投資も巨額であることから、持続的に大きな付加価値を生み出す成長産業です。その意味で、松下のプラズマ・ディスプレイ・パネル工場の誘致成功は、本県にとって大きな成果でありました。また、つい先日、東芝・キャノンによる次世代薄型ディスプレイの量産工場が太子町に建設される旨の発表もありました。


 一方で、兆を超える売上高を持つ大企業に対して何十億円という助成金を出すことに、複雑な思いもあります。特に、最近の自治体助成はその競争が過熱ぎみであります。なぜその企業に巨額の公金を投ずるのか、県民への説明責任を果たしつつも、しっかりした理念を携えた誘致戦略の展開というものが必要となってまいります。これは単なるそろばん勘定だけでなく、地域の住民や企業、コミュニティにどんなメリットをもたらすか、また地域貢献への意欲はどの程度持ち合わせているのか、誘致に当たって、例えばそのような視点も必要になってくると思います。


 そこで、1人当たりの県民所得が低迷する原因をどのように分析しているのかお伺いするとともに、真に兵庫経済の活性化につながることを念頭に置いた、企業誘致を初めとする産業構造の転換に資する取り組みについて伺います。


 質問の第6は、農業振興における試験研究の進め方についてであります。


 本県の試験研究は、酒造好適米の「山田錦」、世界に冠たる神戸ビーフの素牛であります「但馬牛」、また一世を風靡したイチゴの「宝交早生」など、輝かしい品種開発の実績があります。また、我々も誇りにしてきたところでありますが、最近はヒット作がありません。どうも元気がないように思えて残念でなりません。行財政構造改革に取り組む中で、地域課題の解決という使命を明確にし、産学との役割分担や期限つき研究員の導入など人材活用によって、効果的な試験研究を進めていかなければなりません。


 「売れる商品開発」の観点から、生産者や生産者団体の意向を十分把握し、場合によっては研究費用の一部の負担も受けながら、生産者に直結した研究開発を行うことは重要です。例えば本県が誇る但馬牛ですが、子牛の生産数や繁殖農家数の減少などが現実となっています。その原因として、1.肥育日数が長い、2.枝肉重量が十分とれない、3.脂肪壊死の発生が多いなどから、採算がとりにくいという指摘があるところであります。そこで、すぐれた肉質で肉量もとれ、脂肪壊死の少ない但馬牛を開発するため、閉鎖育種の継続とともに、増体性に重点を置いた、農家の意向に沿った改良に取り組む必要があるのではないかと思います。


 また、福岡県では、コシヒカリをしのぐと言われる「夢つくし」、イチゴでは生産日本一をめざす「あまおう」など、品種開発した後に、知事のトップセールスやテレビ・新聞の宣伝など販売戦略の徹底により、農家所得の向上、販売シェアの拡大の例もございます。このような試験研究の成功には、研究成果に対し普及や流通の面でバックアップしていくことも重要な要素となります。


 農学者の横井時敬先生が残された、「農学栄えて農業滅ぶ」あるいは「稲のことは稲に聞け、農業のことは農民に聞け」の有名な言葉は、いずれも実用に即した研究の重要性を説かれた警世の句であります。先行き不透明な時代だからこそ、いま一度、試験研究の原点に立ち返り、生産者・団体、消費者のニーズに十分合った普及活動との連携を深めて、産地間競争に打ち勝っていく必要があると考えます。新しい農畜産業の振興を見据えた試験研究の進め方について、ご所見をお伺いをいたします。


 質問の第7は、公団民営化に伴う高速道路網の整備であります。


 我が国の高速道路網の整備は償還主義がとられ、この仕組みを担う道路4公団によって大いに建設が前進しました。昭和47年には全国の収支を一体管理するプール制が導入されて、単独では採算のとれない高速道路も建設が可能になりました。一方で、借入金による債務も拡大していきました。このため、4公団合わせた債務は約40兆円に膨れ上がり、財政を圧迫することになりました。このため、構造改革の一つとして特殊法人改革が進められ、今年10月、公団は50年の歴史に幕を閉じ、民営化されることになりました。


 本県は、全国でただ一つ三つの公団の所管道路を有し、供用中の公団管理道路の延長は492キロで、全国2位であります。このたびの新法には、民営化から45年以内に債務を完済すること、新規路線の建設は新会社の自主的な申請によって行われることのほか、現行の整備計画9,342キロ中の未供用区間2,000キロの取り扱いについては、新会社が建設を拒否した場合、国土交通大臣の諮問機関の審議が必要なことなどが盛り込まれています。


 このような中で、これまで公団で整備されると見られていた神戸市北区八多町から名古屋市までの第二名神高速道路や中国横断自動車道姫路鳥取線の未供用区間は、株式会社化によってその将来計画に支障を来すことはないか懸念されますが、その進捗と見通しについてお伺いをします。


 また、阪神高速道路公団については、民営化後、阪神高速道路株式会社になり、本県は株主として経営に参画していくことになります。来年2月16日の神戸空港の開港を見据え、他の路線との乗り継ぎや対距離制の導入、軽自動車の利用における料金面を初めとする利便性を工夫していかなければなりません。


 このたび、播但有料道路では大幅な料金の引き下げを実施されますが、阪神高速道路においては、神戸市北区・西区を初め、県内各地からの神戸空港や神戸港の利用者の利便性向上に向け、株主としてどのように取り組まれていこうとされるのか、あわせてお伺いをいたします。


 質問の第8は、県立高校における新しい選抜制度の積極的な導入についてお聞きをいたします。


 平成12年度に「県立高等学校教育改革第一次実施計画」を策定、入学者選抜制度については、複数志願制を可能とする新しい選抜制度を順次取り入れることを明らかにしています。


 現在、本県の全日制高等学校普通科では16の学区に分かれ、そのうち、尼崎、西宮、宝塚、伊丹、そして明石の五つの学区では、総合選抜制度が実施されています。この制度は昭和28年から採用され、生徒急増期においては、過熱する受験戦争を抑制する、また計画的な学校の建設など一定の役割を果たしましたが、しかし、少子化の進行に伴い受験競争も緩和され、生徒一人一人の個性を尊重し能力をはぐくむ学校づくりが重点に置かれるようになると、学校選択の自由を認めない総合選抜制度は、自己決定・自己責任が求められる時代に合わないということは明らかになりました。自分の行きたい学校に行けない、あるいは同じ学校の生徒間で学力差が大きいというようなことが、生徒の勉学意欲や愛校心の減退、落ちこぼれの増加、全体的な学力の低下につながるという弊害が指摘されるようになりました。このため、全国的に廃止が相次ぎ、現在残っておるのは、本県を含む3府県の一部学区、その対象校は全高等学校数のわずか1%にすぎず、総合選抜制度は、もはやその意義を失い、姿を消しつつある時代趨勢にあります。


 本県教育委員会では、単独選抜と総合選抜のメリットを生かす複数志願制を打ち出し、既に二つの学区で導入を始めています。昨年度、神戸第三学区で行ったアンケート調査では、志望動機の第1は校風や雰囲気とされていることから、学校ごとの志願が望まれていることは明らかとなっています。


 このようなことから、今後、総合選抜制度から複数志願制への移行は、県教育委員会は市町の検討を待つのでなく、主導権を発揮して、導入年次を明らかにした工程表を策定し、着実に進めていくべきだと思いますが、ご所見をお伺いします。


 また、その際、学校選択の幅を広げるためにも、学区を広げることをあわせて検討すべきと思いますが、いかがでしょうか。


 質問の最後は、警察改革の総括についてであります。


 平成11年から12年にかけて、神奈川県警による警察官覚せい剤使用の隠ぺい工作や新潟県の女性監禁事件における県警の対応など、警察に対する国民の信頼を大きく損なわせる不祥事が続発したことから、平成12年8月、国家公安委員会及び警察庁は、「警察行政の透明性の確保と自浄機能の強化」など四つの柱から成る「警察改革要綱」を決定しました。


 しかし、残念ながら、本県では、改革が始まった後も犯罪件数はふえ続け、また神戸市西区の大学院生殺害事件での警察の対応、10年以上にわたり常態化していた自動車警ら隊の捜査書類捏造事件など、改革の効果を疑う事実も発生しています。


 警察改革は、警察官一人一人の意識改革を起点とします。参画と協働の観点から、可能な限り地域住民の声を警察業務に反映するとともに、誠実な相談・苦情対応によって、開かれた警察、県民から信頼される警察をめざして、公安委員会の指示のもと、ひたむきに努力を続けていくしかありません。


 そのためには、警察行政の透明性の確保と自浄機能の強化として掲げられた「情報公開の推進」、「苦情処理への対応」、「厳正な監察の実施」、「公安委員会の管理機能の充実」の各取り組みがとりわけ重要であります。警察改革に着手して5年が経過するこの時期に、改革の本旨を再認識し、県民の目線で一度総括することは、今後、改革を続けていく上で大きな意義があると思います。


 そこで、「警察行政の透明性の確保と自浄機能の強化」にかかわる具体的な成果として、1.情報公開の実施状況、2.苦情申出制度の運用状況、3.監察制度の具体的な改善点、4.不祥事案における警察に対する公安委員会からの指導状況についてお聞きするとともに、今後の課題についてご所見をお伺いをいたします。


 最後に、本年は、震災10年、戦後60年の節目を迎える年であります。私たち県議会議員も、我が県の復興に渾身の力で取り組んでまいりました。議会のあり方そのものが問われている昨今、二元代表制の一方を担う議会人として県政をただすため、使命を肝に銘じ、決意を新たにして、私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)


○議長(原 亮介)  井戸知事。


  〔井戸知事登壇〕


○知事(井戸敏三)  自由民主党議員団を代表しての梶谷忠修議員のご質問にお答えいたします。


 まず、安全と安心の確保についてであります。


 大規模事故災害への対応についてお尋ねをいただきました。


 今回の事故では、事故発生の報告を受けまして、直ちに知事を本部長とする事故対策支援本部を設置し、緊急消防援助隊や自衛隊の派遣要請、県広域災害・救急医療情報システムの活用による救急患者の受け入れ等、地域防災計画――大規模事故災害対策に基づき迅速・的確に応急対策を講じてきました。私自身も、事故直後を含めて4回現地に赴いて、現状把握に努めたところでございます。一方で、ご指摘のように、鉄道事業者による事故発生の通報が行われなかったなど、必ずしも計画どおりに対応がなされていない点がありました。安否情報の開示をめぐる問題や病院による患者受け入れ数の偏りなども生じました。


 このため、県としては、有識者等による検証委員会を設置して、防災機関や医療関係の学会が現在検討しております救出・救護や災害医療といった専門分野の検証を踏まえて、情報の共有や各機関の連携などの視点から総合的な検証を行い、大規模事故災害対策計画の改定を含めて、その対策の充実を図り、役立ててまいります。


 なお、鳥インフルエンザ対策に係ります行政システム推進委員会の報告や台風23号災害での反省を踏まえまして、本年4月から、県の防災組織体制を企画部門と実施部門に分けて機動的に動けるようにいたしましたが、これが迅速かつ効率的な対応につながったものと考えています。


 また、事故による県民生活への影響を軽減するため、JR西日本や国に安全確保と早期復旧を要請するとともに、こころのケア特別相談の実施や中小企業者等への経営円滑化資金貸付の弾力的運用、相談窓口の開設などの支援を行っております。


 今後とも、状況を見ながら、迅速かつ的確に対応してまいります。


 続きまして、ため池等の安全対策についてであります。


 このたびの事故により亡くなられたお子様のご冥福と現在入院中のお子様の一日も早いご回復を心からお祈りしているところです。


 ため池等の工事の実施に当たっては、これまでも周辺住民への危険箇所の周知や注意標識、防護さくの設置等の安全対策を講じてきましたが、今回の事故は、一時工事中断中に発生したものでありますけれども、その間の安全対策に配慮を欠いていたと考えております。


 このため、住民の安全という視点に立ち、ため池等農林水産関係施設につきまして、工事中及び工事中断中のすべての箇所を対象に緊急点検し、27ヵ所につきまして必要な安全対策を既に実施いたしました。


 この緊急対策に加えて、事故の再発防止のための物理的な対策はもとより、住民の参画を得たパトロールの実施、安全対策マップの作成など、地域の安全・安心を視点としたソフト面の取り組みも進めています。また、現在実施している「豊かなむらを災害から守る月間運動」におきましても、県管理施設の安全・安心対策の充実に注意をしています。さらに、市町や地元水利組合等が管理する施設につきましても、県として安全対策の指導を徹底するなど、農林水産関係施設の一層の適正管理に努めてまいります。


 続きまして、財政の健全性についてお尋ねがありました。


 県の役割や機能を果たすためには、県民ニーズを的確にとらえて、これを実現していかなければなりませんが、これを支えるのが財政であります。財政の健全性は、このような役割を、現時点においても、また将来においても、確実に担えるかどうかにあると考えます。したがって、財政が硬直的になっていないか、弾力性を保っているか、計画的な財政運営を行うことができるか、自立的な財源が確保されているのか、将来負担の大きさは大丈夫かなどに留意していく必要があります。


 しかし、現状は、国が赤字国債に過度に依存した財政運営を行っていることもあり、地方財政も赤字に陥っております。平成17年度末には国・地方を通じて770兆円の借金を抱えることになりますが、この規模は既にGDPの1.5倍に達しており、2倍を超えますと、自律的に回復することが困難だとも指摘されています。これを脱却するためには、まずは国の歳入歳出の均衡、いわゆるプライマリーバランス、公債費と公債発行額を除いた経常収支の均衡を取り戻すことが喫緊の課題であります。


 特に本県においては、阪神・淡路大震災の影響もあり、厳しい財政運営を強いられてきました。既に行財政構造改革推進方策のもとで、中長期的な財政収支を見通し、将来の財政運営の弾力性を低下させないように配慮しつつ、健全財政の堅持に努めているところです。このほど、県内総生産がようやく震災前の水準に回復するなど景気回復を受け、今後の税収動向に明るい兆しが期待できると見込まれておりますが、県独自の対策としても、歳出内容の吟味の徹底や県が担うべき領域の確定、組織や人員配置のあり方などの検討を進める必要があります。一方、地方の自由度を高める三位一体改革の実現をめざさなくてはなりません。


 ご指摘の収支不足への対応をこのような形で図りつつ、その時々の課題はもとより、中長期的な課題にも的確に対応できる県財政の確保に取り組んでまいります。


 第3に、法人事業税の超過課税についてです。


 法人事業税超過課税は、県内産業の育成や構造改革など、その時々に求められる産業・雇用に対する特別な財政需要にこたえるため、納税者である企業のご理解とご協力を得て実施しております。今後、ひょうご経済・雇用再生加速プログラムのもと、各般の施策を積極的に展開し、本格的な景気回復につなげるとともに、本県産業の特性を伸ばしていくことが求められておりますが、これらの財源として、引き続き超過課税を実施し、これを活用することを現在検討しています。


 この場合には、兵庫の強みを生かし、やる気を伸ばす施策としてふさわしい事業を選択し、このプログラムの施策を中心に充当事業の明確化を図ってまいります。


 なお、ご指摘のとおり、納税者である企業に十分な理解と協力をいただく必要があります。県内主要企業や地域経済団体に対する訪問説明などを通じまして、超過課税の必要性やこれまでの成果、延長後の充当事業などを積極的にPRするなど、理解を得ていくことになると考えています。


 今後とも、県内企業のニーズに対して機動的に対応するなど、県議会や経済団体のご意見も伺いながら、貴重な財源である法人事業税超過課税をより効果的に活用することを検討しつつ、「ひょうごの元気」の創造に取り組んでまいります。ご理解をいただきたいと存じます。


 4番目に、第2段階を迎えた市町合併に対する基本方針についてです。


 市町合併については、地域における自主的・主体的な合意が基本であります。こうした合併に向けて地域主体の取り組みにより、県内の市町数は29市12町の41市町となり、人口1万人未満の市町はなくなる見込みであります。また、基本指針で示された対象市町村としては、人口1万人未満の市町はない上に、生活圏域が同一あるいは指定都市、中核市をめざす類型の市町についても、現在のところ、具体の動きがありません。


 私は、対等・協力の都道府県と市町村の関係からすれば、知事が主導権を発揮して、それを判断して構想を策定し、勧告することは、本来、適当ではないと考えております。しかし、いずれにしても、法律上設置が必要とされている市町村合併推進審議会がございますので、この審議会で構想策定の是非から検討することによりまして、私のこのような考え方を結論づけてもらいたいと考えております。


 また、市町合併が進展しても、県がより広域・専門的な役割を果たすことが期待されています。さらに市町数が減少するとしても、それぞれの合併市町の一体性が発揮されるまでには、なお時間を要します。したがいまして、当面、現行の10県民局体制を維持し、各地域課題へのより細やかな助言・支援体制を維持していきたい、このように考えます。


 しかしながら、いずれにせよ、このような新しい事態を踏まえながら、県と市町の役割分担や機能のあり方について検討する必要があります。今後、有識者の研究会の検討など、新しい市町、県の関係を方向づけてまいります。


 第5に、実効性のあるパブリックコメントの推進についてです。


 パブリックコメントは、県の計画案等に対し広く県民の意見を求め、県政への県民の参画を促すとともに、透明性と説明責任の向上を図り、参画・協働の県政を推進するための一つの手法として、平成14年度からフォーラムやワークショップなどの手法に加えて実施してきました。


 この3年間の実施状況を見ますと、110の案件について、案の段階で広く県民に情報提供し、これに対して延べ1万3,600件を超える意見が寄せられ、専門的な視点からの審議等を踏まえて必要な反映を図ってまいりましたほか、県職員についても説明責任の重要性の認識や意識改革を促すなど、一定の効果があったと考えています。


 しかし、ご指摘のとおり、県民への周知方法、対象案件の選定、募集期間、意見募集方法などについてさらに改善するとともに、県職員意識の一層の向上を図る必要があると考えています。今年度は、参画と協働条例に基づく施策の検証や見直しを行うこととしておりますが、この一環として、事務の効率化も踏まえた幅広い検証を行い、県議会のご意見も十分にお聞きしながら、より実効性の高い制度としてまいりたいと考えています。


 第6に、県民所得の向上と経済活性化のための企業誘致についてです。


 本県の県内総生産は全国8位と高い水準にありますが、付加価値の高い加工組み立て型産業の集積が少ないこと、サービス業の生産性が低いこと、また、雇用面における県民の就業比率が低いことが1人当たり県民所得の低迷の原因と考えています。


 このため、本年度から、ひょうご経済・雇用再生加速プログラムに基づき、本県の強みであるものづくりの技術を生かし、県外からの所得獲得や県内産業の需要誘発効果の高い製造業の振興、外資系企業も含めた企業誘致等により成長産業の集積に積極的に取り組むとともに、これによって創出された労働需要に女性や若年、中高年層の雇用を吸収することをめざしています。


 特に企業誘致につきましては、付加価値の高い産業の集積や地域経済の空洞化を防止する地域社会の活性化を図るために、新規成長7分野など、成長性が高く、地域の産業や雇用への波及効果が大きい業種に重点を置いて積極的に取り組んでおります。ご指摘いただいた2例などもそのような成果の一つと考えております。


 今後とも、兵庫の強みを生かした経済の再生を加速し、持続的な成長の可能な産業構造への転換を通じて県民所得の向上を図ってまいります。


 以上、私からの答弁とさせていただきます。


○議長(原 亮介)  藤本副知事。


  〔藤本副知事登壇〕


○副知事(藤本和弘)  私から、2点についてお答えを申し上げます。


 一つは、農業振興を支える試験研究の進め方でございますが、県の農林水産技術総合センターにおきましては、本県の気候風土や消費地に近いという立地条件を生かした新品種の開発や栽培方法の改善等の試験研究、さらに、普及を通じまして、農林水産業の振興を技術面から強力に支援を行っているところでございます。


 最近では、ことしの全国の新酒の鑑評会で金賞を受賞いたしました日本酒の原料でございます酒米「杜氏の夢」の品種開発を行ったところでございます。これは全国に誇る山田錦に加えまして、この新品種「杜氏の夢」は寒冷地でも栽培可能となる品種でございます。このことから県北地域に新たな酒米産地が育成されつつあります。また、肉牛につきましても、過去最高クラスの肉質、増体性を持った但馬牛の改良を継続実施するなど、畜産振興にも寄与を行っているところでございます。


 こうした中で、ご指摘のございましたように、よりニーズにこたえる試験研究機関として、食の安全・安心の確保や良食味、高品質化等、消費者ニーズの多様性に対応して産地間競争に打ち勝つためには、効率的、効果的な技術開発を行いまして、迅速に生産現場等へ普及するとともに、その生産物の販路拡大が求められているところでございます。


 このために、一つには、食の安全・安心への要請にこたえる兵庫県認証食品の一層の拡大に向けた研究等への重点化、二つには、食分野での産学官の連携の一環といたしまして、食品産業の大学等他の試験研究機関との共同研究の積極的な推進、そして、三つといたしまして、生産者や流通業者、行政、普及が一体となったより迅速な研究成果の普及等が課題でございます。


 県の試験研究機関につきましては、今年度、全面的な検証を行うこととしておりますが、農林水産を支える試験研究機関につきましても、この一環といたしまして、生産現場等に直結している視点も踏まえ検証し、こうした課題に対応してまいりたいと考えております。


 次に、公団民営化に伴う高速道路網の整備でございます。


 第二名神高速道路は、民営化に向けコスト縮減の検討がされてきましたが、暫定4車線での整備方針が決定をされたわけでございます。本年3月より地元での設計協議が再開をされました。早ければ、来年度にも用地買収に着手の見込みでございます。県といたしましても、今後、用地買収の受託や関連道の整備など積極的に支援するとともに、民営化後も新会社に事業促進を強く働きかけていきたいと考えております。


 一方、姫路鳥取線、佐用町以北でございますが、これは、国の新直轄方式として今年度には全線で工事発注をされるなど、着実に事業が進められておりまして、また、残る新宮―山崎間につきましても、民営化後にも着実に整備されるよう、国・公団に働きかけていく考えでございます。


 阪神高速道路公団は、新会社の理念であります利用者の満足の実現に向け、平成20年度の対距離料金制への移行を目標として、通行料金の割引実験を年内にも実施する予定とされているところでございます。


 県といたしまして、神戸空港の開港も見据え、渋滞緩和や県内の各地から神戸港、そして空港へのアクセス性の向上を図るために、この実験にも参加いたしまして、短区間の料金割引に加えまして、北神戸線と中国道や新神戸トンネルの乗り継ぎ割引など、車種区分の見直しも含め、料金面での提案を積極的に行いたいと考えております。


 民営化後も、株主としてこの実験成果を生かし、より使いやすい料金体系の実現や道路ネットワークの形成に取り組んでまいりたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。


○議長(原 亮介)  吉本教育長。


  〔吉本教育長登壇〕


○教育長(吉本知之)  県立高校における新しい選抜制度の導入についてお答え申し上げます。


 新しい選抜制度は、一定の得点があれば学区内の公立高校に合格できるという総合選抜の長所と行きたい学校が選択できるという単独選抜の長所を取り入れた選抜制度でございます。既に導入した神戸第三学区と姫路・福崎学区の結果を見ますと、学びたいことが学べる学校選択や受験競争の緩和など、所期の目的がほぼ達成できたと考えてございます。特に、学びたいことが学べる学校選択につきましては、これまで取り組んできた特色ある学科・コース等の設置が選択幅を広げることにつながったと、受験生、保護者から高い評価を受けてございます。


 このような観点から、総合選抜の学区も含めた県下すべての学区で、個性化、特色化に取り組んでいるところでございます。


 総合選抜学区への新しい選抜制度の導入につきましては、さきに申し上げました成果を踏まえますとともに、関係市教委とも連携しながら、順次導入することを検討してまいりたいと考えてございます。特に、尼崎市と明石市では、総合選抜の見直しについてそれぞれ審議会や検討委員会での答申が出され、尼崎市については総合選抜の改編も盛り込んだ実施計画がまとめられており、今後、県教育委員会に対し意見が述べられるものと考えてございます。


 なお、学区の改編は地域の進路指導等に与える影響も大きいことから、総合選抜の学区につきましては、まず選抜制度のあり方の検討を先行させるべきものと考えてございます。


○議長(原 亮介)  巽 警察本部長。


  〔巽 警察本部長登壇〕


○警察本部長(巽 高英)  私からは、警察改革5年の総括についてお答え申し上げます。


 県警察では、平成12年、警察改革要綱が制定されて以降、要綱にのっとって、職員の意識改革を初め各種施策を着実に推進してまいりました。


 特に、警察行政の透明性の確保と自浄機能の強化につきましては、要綱の第1の柱として掲げられた最も重要な課題であると認識しております。


 まず、情報公開の実施状況につきましては、平成13年4月、警察本部に情報センターを設置の上、情報公開を開始いたしました平成14年1月から本年5月までに、約870件の公開請求を受理いたしましたが、条例にのっとり適切な対応を行い、このうち、およそ4分の3について公開決定を行ったところであります。また、請求者の利便を図るため、県警ホームページに公文書目録を掲載し、また県警察の各種施策の紹介を行うなど、積極的な情報提供に努めております。


 次に、苦情申出制度の運用状況につきましては、平成13年4月、警察本部に県民相談センターを設置の上、制度開始の平成13年6月から本年5月までに、約1,700件の苦情が寄せられましたが、本部長及び公安委員会に対して全件報告させ、法令等にのっとり誠実に対応をしております。また、警察職員の不適切な職務執行が判明した場合は、当該職員に対して指導を行うとともに、必要に応じて業務の改善を行っているところであります。


 次に、監察制度の具体的な改善点につきましては、公安委員会管理のもと、非違事案の発生状況を踏まえた監察実施計画を策定するとともに、機動的かつ抜き打ち的な監察を実施するなど、監察の実効性が上がるように努めているところであります。また、職員の心情指導については、特に定期異動後に月間を設定してきめ細かな心情指導を行い非違事案の未然防止に努めております。


 次に、不祥事案における警察に対する公安委員会からの指導状況につきましては、公安委員会から示された報告要領に従い、事案発生時の報告はもとより、調査結果や処分方針、再発防止対策などを報告しているところであり、また、公安委員会には県警察を管理する立場から活発にご議論いただき、その指示に対しては真摯に対応しております。


 なお、昨年の自動車警ら隊員による非違事案では、公安委員会から、厳正な対応及び再発防止に万全を期し県民の信頼確保に努めるよう、指示を受けたところであります。


 警察改革につきましては、本年は5年の節目に当たることから、その推進状況について点検を行っているところでありますが、今後とも、職員一人一人に、警察改革の意義、その背景等を再認識させ、意識改革を徹底するとともに、実務能力の一層の向上のほか、職務倫理教養の徹底によって資質の向上を図るなど、県民のための警察の確立に向け、「改革すべきは改革する」との決意で警察運営に当たっていく所存でありますので、ご理解いただくよう、よろしくお願い申し上げます。


○議長(原 亮介)  梶谷忠修議員に対する答弁は終わりました。


 次に、石井秀武議員。(拍手)


  〔石井秀武議員登壇〕


○(石井秀武議員)  おはようございます。神戸市西区選出、ひょうご・県民連合の石井秀武でございます。


 去る4月25日、尼崎市内のJR福知山線で列車脱線事故が発生し、遠足に向かう県立高校生や入学間もない大学生など、多くの若者を含む107名もの人々が尊い命を奪われました。事故による犠牲者のご冥福と負傷者の一日も早いご回復を心からお祈りしますとともに、このような悲惨な事故が二度と起こらないよう、事故原因の徹底究明と再発防止への万全の取り組みを希求し、さらに、安全確保を図った上での早期の運行再開を望むものでございます。


 さて、井戸知事におかれましては、平成13年8月の知事就任以来、3年10ヵ月が経過いたしました。この間、成熟社会を先導する創造的な復興をめざす震災復興計画の着実な遂行と成果の継承、5万人のしごと・雇用の創出など、本県経済・雇用の再活性化及び再生加速、重大事故の被害者となるケースが全国的に続発している子供を地域ぐるみで守り育てる子育てへの支援など、喫緊の重要課題に対し、さまざまな施策を講じられ、元気と安心を目標に、参画と協働の基本姿勢のもと、新しいふるさと、21世紀の「美しい兵庫」の実現に取り組んでこられました。また、SARS騒動や鳥インフルエンザの発生、相次ぐ大型台風によりもたらされた大規模災害など、次々と本県を襲った災害や事故・事件に際しては、早期の解決に取り組まれました。


 我々はこうした知事の姿勢に敬意を表し、今後とも、県議会とともに、震災復興の残された課題や暮らしの安全・安心の確立、「ひょうごの元気」の回復など、本県が直面している課題の解決を図り、「美しい兵庫」の実現をめざして取り組まれますことを期待して、ひょうご・県民連合を代表し、知事の現任期中においては最後となる質問を行います。


 まず、ユニバーサル社会の創造についてお伺いいたします。


 本年4月、井戸知事の一つの集大成とも言うべき「ひょうごユニバーサル社会づくり総合指針」及びこの総合指針を実効あるものとするため、県みずからが率先して取り組む行動を定めた「兵庫県率先行動計画」を策定されました。この総合指針及び率先行動計画には、知事の4年間の取り組みを貫くバックボーンとも言うべき重要な要素が盛り込まれております。


 本県では、震災の教訓を踏まえ、「県民の参画と協働の推進に関する条例」が制定され、県民の参画と協働の県政が県内各地に活発に展開されております。また、ユニバーサル社会実現のために重要な共生の心をはぐくむ教育は、トライやる・ウィークなど、本県が全国に先駆けて取り組んできた子供たちの生きる力、学ぶ力をはぐくむ教育の延長線上にあるものでございます。さらに、本県では、福祉のまちづくり条例に基づき、高齢者・障害者にも優しいまちづくりに取り組んでおります。こうした取り組みが総合指針等を生み出す土壌をはぐくんできたものと考えられます。


 これらの策定に至る手続面では、県民アンケート調査や障害者団体等との意見交換会を実施するとともに、パブリックコメントの手続が行われております。このパブリックコメントの手続については、まだまだ改善の余地を残すものですが、このたびの総合指針及び率先行動計画の策定に至る手続、とりわけ県民等の意見を計画に反映しようとする手続は、今後の県の計画策定に際してのモデルになるものと考えられるものです。


 こうした背景のもと策定された総合指針であり、その理念を実現するためにも、県民の参画と協働が求められるものです。さらに、これらに基づく県としての具体的な施策は、健康生活部を初め全庁にまたがる各部局において展開されることとなります。我が会派では、少子化対策を初めDV対策、総合的な交通政策など、部局の枠を超えて一体的に推進する必要のある施策に関しては、全庁的な推進体制を構築し事業を進めることの必要性を常々主張してきたところです。


 総合指針等の推進については、ひょうご推進会議が設立されるとともに、県民局において地域推進本部が設けられることとなっておりますが、事業のフォローアップには、従来の方法を踏襲するのではなく、県民の参画と協働の仕組みや県の総合的な支援体制を整備することが不可欠であると思われます。


 そこで、現在組織されている庁内推進本部やプロジェクト調整会議に加え、新たにひょうご推進会議や地域推進本部を設置することのねらいは何か、また、それによって総合指針及び率先行動計画の実効ある推進にどのように取り組まれようとしているのか、ご所見をお伺いいたします。


 次に、ポスト合併期に向けた県のあるべき姿についてお伺いいたします。


 国主導で進められてきた「平成の大合併」は着実に進展し、本県においても、今年度中に予定されている合併が確実に進めば、29市12町となり、市町数は半分以下となります。また、4月から新合併特例法が施行され、新たな段階にも入ってきております。国は、全国で500近く残る人口1万人未満の小規模自治体などについて、新法による合併を強く進める方針であると聞いております。


 県としては、今後、基礎自治体として自立自存をめざし合併を模索する市町に対しては、住民と行政が将来の財政計画や公共サービスのあり方、住民負担などについて十分な議論ができるよう、情報提供や技術的助言、要請があれば専門家を派遣するなどの支援が必要であると考えます。


 このように市町合併が急激に進み、自立をめざす市町がふえていく中、これまでからも政令指定都市に対する県の役割や県会議員の役割などが議論されてまいりました。また、平成7年4月からは中核市制度ができ、政令指定都市と遜色のない権限が与えられております。国は、「基礎自治体は、十分な権限と財政基盤を有し、高度化する行政事務に的確に対処できる専門的な職種を含む職員集団を有する必要がある」としております。


 また、全国市長会の調査では、独立して福祉、環境、まちづくり、教育、治安などの行政活動を行い、強力な分権の受け皿になり得るのは、人口10万人以上の規模が望ましいとも言われております。この規模を兵庫県に当てはめてみますと、政令指定都市の神戸市、中核市の姫路市に加え、尼崎市、西宮市など10市であり、人口比で約7割に相当する市が基礎自治体として独立して行政活動を行うことが可能になります。


 このことにより、現地解決をめざした県民局の業務は、より住民に身近な基礎自治体に移管することが求められ、県民局のあり方そのものが問われることとなります。さらに、県は、国と基礎自治体との二層で実務が担われる中、市町村の区域を超える業務だけを担う純粋な広域自治体として、広域行政圏の特色を生かす政策や自治体間の調整など、広域機能、連絡調整機能を担っていくこととなるのではないかと考えます。このように都道府県が広域行政に純化されていくと、総合行政体としての国との役割分担も明確にする必要があります。


 そこで、一連の市町合併に関連する動きが収束するポスト合併期に向けた県のあり方について、現時点でどのように考えておられるのか、お伺いいたします。


 次に、防災副首都の関西誘致についてお伺いいたします。


 我が国では、国土面積のわずか3.5%の東京圏に全人口の26.7%が集中し、資本金10億円以上の企業の本社機能の58%が東京圏に集中するなど、政治、経済、金融、文化、情報通信等が東京圏を中心に機能しております。


 そのため、発生が迫っているとされる首都直下地震では、最悪の場合、建物の倒壊や企業の生産停止などによる経済損失は、阪神・淡路大震災による被害総額の約11倍、現在の国家予算の約1.4倍に当たる112兆円にも上るとされ、さらに、経済的損失のみならず、我が国の行政機能が麻痺し、大震災の復旧はおろか、国中がパニックに陥る可能性があると言われております。


 我が国の置かれているこのような状況の中で、阪神・淡路大震災という都市直下型の大地震による未曾有の大規模災害を経験した本県が、全国に発信していかなければいけないのは何か。


 先般の京阪神3知事懇談会においても、国家として安心・安全を確保するため、関西の持つ機能を生かした副首都機能の整備を進めていくことが合意されております。そして、井戸知事が先日発表されました「私の政策」にも、危機管理の観点から、政府機能の緊急事態に対応する防災副首都の関西誘致がうたわれております。国においても、超党派の衆・参議員約330人による危機管理都市推進議員連盟が結成され、年内に提言をまとめるべくプロジェクトチームが動き出しております。


 本県では、震災後いち早く、アメリカの連邦緊急事態管理庁の要素を備えた日本版の専門的な支援組織と体制を、国あるいは近畿広域圏に早急に整備することを提案した経緯もあり、まさにこのたびの一連の動きは、震災後10年にわたる創造的復興の上に新たなスタートを切ろうとするこの時期に、ふさわしい取り組みであると評価いたします。


 都市について、マックス・ウェーバーは、「都市は、経済学的に、その住民の圧倒的多数が農業的ではなく、工業的または商業的な営利からの収入で生活する定住の地である」と述べておりますが、一般的には、業務機能、商業機能、交流機能等、各種の機能が集積し、人口が集中する、政治、経済、文化の中心となっている地域であると解されております。このような都市機能をふんだんに備えた防災副首都を関西に誘致することは、東京一極集中是正を促し、ひいては関西復権及び真の地方分権の確立に大きく寄与するものであると考えます。


 そこで、防災副首都を関西に誘致することが及ぼす影響について、防災、危機管理、関西復権、地方分権といったさまざまな観点からとらえた場合、具体的にどのような効果が期待できるのか、お伺いいたします。


 次に、大規模事故災害に対する危機管理体制の充実・強化等についてお伺いいたします。


 JR福知山線の列車脱線事故に際しては、消防隊が本格的な救助活動を開始する前から、近隣の町工場や企業の従業員、付近の住民らが自発的な救助活動を行うとともに、救急救命活動の現場で緊急性に応じて治療の優先順位を決める「トリアージ」という手法が、駆けつけた医療チームにより円滑に実施されるなど、負傷者救出への迅速な対応が注目されております。これらは、まさに10年前の阪神・淡路大震災の教訓が生かされたものであると評価できるのではないかと思います。


 また、列車脱線事故が発生した4月25日、負傷者が集中した現場近くの病院を避けて、現場で重症と判断された10人がヘリコプターで神戸、大阪両市内の病院にピストン搬送されました。阪神・淡路大震災の当日には1人しか運べなかったことを思いますと、負傷者の救護体制はこの10年で飛躍的な進歩を遂げていると考えられます。一方、このたびの事故においても、災害現場における医療チーム相互の情報共有などに課題を残したとも言われております。


 特に、地震のような面的な災害ではなく、このたびの事故のように局地的な災害発生時において、一点に集中する進入路・搬出路等の確保や事故現場での指揮命令系統の整理などの対応は十分であったのか、県境における事件・事故や災害の発生に対して、消防、保健、医療等の広域防災体制の機能は有機的に連携できていたのか、また、阪神・淡路大震災では政府の初動体制のおくれが指摘されましたが、このたびの事故において県の対応はどうであったのか、事故の真相解明とともに、今後こうした点を含め、さまざまな角度から十分に検証していく必要があります。


 一方で、事故後の遺族を追いかけ回すような報道のあり方に疑問を持っているのは私だけなのでしょうか。マスコミによる強引な取材攻勢で二重に傷つけられた方々の存在も耳にするところであり、こうしたマスコミ報道のあり方も、マスコミ自身検証していく必要があると考えます。


 このたびの事故で県に寄せられた相談では、身体的症状より精神的症状についての相談が圧倒的に多く、いやされない思いの持っていきようのない方々も大勢いらっしゃる中、事故でご家族、ご友人等を失われた方々を初め、事故に遭われた方々、被災マンションにお住まいの方々、事故現場周辺にお住まいの方々等に対する心のケアに、県として適切に取り組んでいかなければならないと考えます。


 以上のような観点から、阪神・淡路大震災の教訓がこのたびの事故にどのように生かされていたのか、また、このたびの事故で新たな課題とされたものは何か、さらに、関係者の心のケアに具体的にどのように取り組んでいくのか、お尋ねいたします。


 次に、魅力ある県立大学の取り組みについてお伺いいたします。


 近年の少子化や不況の影響を受け、2年後の平成19年には、進学希望者の数と大学入学定員が等しく、希望者が全員どこかの大学に入学できる大学全入時代を迎えると言われており、大学を取り巻く環境は、今後ますます厳しいものになることが予想されます。


 昨年4月には、全国の国立大学が国立大学法人となり、大学運営における独立性が格段に高められることとなる一方、私学においても独自の生き残り策を模索し展開しているところであり、公立大学においても、安易に国立大学準拠に走ることなく、国立とも私立とも異なる第3の道を創造的に選択していくことが必要との認識が高まっております。


 そのような中、本県においても、昨年4月に、私の母校である神戸商科大学、姫路工業大学、看護大学の3大学が統合し、兵庫県立大学として新たなスタートを切りました。


 この県立大学のある本県には、世界有数の研究機関が存在するなど、学術研究の分野で特色あるフィールドが形成されつつあります。まず、播磨科学公園都市には、SPring-8という世界的にも最先端を行く大型放射光施設があり、ここでの放射光により、たんぱく質分子構造の画像解析が可能となりました。こうしたナノ技術を産業界に応用することが大いに期待されているところです。また、震災後、神戸市内には、自然災害の防災、減災、復旧・復興等を研究する国内外の研究機関が相次いで誘致され、本年5月には国際防災復興協力機構が開設されるなど、神戸はこの分野における世界的なメッカとなりつつあります。さらに、情報通信分野では、危機管理の研究において世界をリードするアメリカ・カーネギーメロン大学の日本校が、本県の積極的な誘致活動により、昨日、神戸市内に開学したところです。加えて、県内には、県立舞子高校環境防災科など、多くの県立高校で特色ある教育が展開されており、県立大学と県立高校との連携を深めることにより、内容をさらに充実することが期待されているところです。


 こうした本県の特徴を最大限に活用し、各種研究機関や特色ある県立高校等との連携を図り、教員の採用面でも実務経験等を考慮するなど工夫を凝らしながら、県立大学ならではの特色ある学問・研究を実践し、それぞれの分野で道をきわめんとする意欲にあふれた学生を全国各地から呼び寄せる魅力ある大学を実現することが、これからの時代に生き残る道であり、県民の期待にこたえるものであると考えます。


 大学全入時代の到来を目前に控え、県立大学の運営にも競争・経営の原理を取り入れていかなければならないときが来ていると考えるものですが、今までに述べたことを踏まえ、本県の独自性を生かしながら県立大学の魅力を高めるため、どのように取り組まれるのか、お伺いいたします。


 次に、地球温暖化対策についてお伺いいたします。


 地球温暖化防止を目的とする京都議定書が2月に発効し、日本は1990年比で温室効果ガス6%削減の責任を国際公約として負うこととなりました。しかしながら、現実は、国レベルで1990年度比8.3%増加しており、2008年から2012年の第1約束期間における1990年比6%削減は厳しい状況にあります。


 本県においては、2000年7月に、2010年における温室効果ガス総排出量を1990年度比6%削減を目標とする「新兵庫県地球温暖化防止推進計画」を策定し、県民、事業者に温室効果ガス削減への取り組みを積極的に働きかける一方、県みずからの事務・事業に関しても、「兵庫県地球温暖化対策実行計画」及び「環境率先行動計画ステップ2」、さらに3月には「環境率先行動計画ステップ3」を策定して、県民に率先して活動していることは大いに評価できると考えております。


 しかし、このような積極的な取り組みにもかかわらず、県域全体として、2002年度時点では1990年度比で約1.3%増加しており、国同様、県の公約6%削減も難しい状況に置かれております。今後は、従来以上に民間の協力を得ながら、最新の技術、知見を生かして、県民が明るい地球環境の将来を実感できる仕組みを充実すべきであります。


 県の削減目標を達成するために、県民への働きかけとして、「新兵庫県地球温暖化防止推進計画」に掲げるライフスタイルの改善に向けた支援強化や、同計画に言う相当の経済的負担を負う活動にも踏み込んだ取り組みが必要と考えます。


 同時に、県みずからの行動としての「環境率先行動計画ステップ3」を着実に進めるに当たっても、例えば県施設への最新省エネ機器の採用といった長期的ライフサイクルの視点に立った取り組みが求められると思います。さらに、これらを効率的、効果的に進めていくためには、全庁的な推進体制とチェック機能の強化、環境政策に対する予算的な配慮が必要不可欠であります。


 そこで、以上の点を踏まえ、県として温室効果ガス削減に向け見直し中の「新兵庫県地球温暖化防止推進計画」に「環境率先行動計画ステップ3」の取り組みをどのように反映させていくのか、方針をお伺いいたします。


 次に、農業の担い手育成・確保と農地の有効利用の促進についてお伺いいたします。


 現在、我が国は、少子・高齢化が進行し、間もなく人口減少局面に入るなど、今まで経験したことのない社会構造の変化に直面しており、また、安心・安全、ゆとりや安らぎ、健康等を求める声が高まるなど、県民の意識や価値観にも大きな変化が見られます。


 食料や農業・農村をめぐっても、グローバル化が進展し、消費者ニーズが多様化、高度化する中、食の安全や健全な食生活に対する関心が高まるとともに、県土や自然環境の保全、水源涵養、良好な景観の形成、文化の伝承など、農業・農村の有する多面的機能への期待が膨らむなど、情勢が大きく変化してきているところです。さらに、今後ますます農業者の減少と高齢化の進行が見込まれる中、効率的かつ安定的な農業経営が農業生産の相当部分を担う望ましい農業構造の確立に向けて、意欲と能力のある担い手を育成・確保するとともに、農地の有効利用を促進することが重要な課題となっております。


 本年3月にまとめられた「新食料・農業・農村基本計画」では、幅広い農業者を一律的に対象とする従来の施策体系を見直し、地域の話し合いによる合意形成を促進しつつ、地域における担い手を明確化した上で、これらの者を対象とした農業経営に関する各種施策を集中的・重点的に実施するとされております。そして、就農形態や性別等を問わない新規就農の促進、女性認定農業者の拡大の促進等により、人材の育成・確保を図るとともに、ふさわしい担い手への農地利用の集積や農地の効率的利用のための新規参入の促進等により、農地の有効利用を促進することがうたわれております。


 望ましい農業構造の確立に向けた担い手の育成・確保と農地の有効利用の促進のためには、こうした新基本計画の考えを的確に実践していかなければならないと考えるものであり、そうした取り組みが、供給熱量ベースで40%を推移している総合食料自給率を向上させ、新計画の目標45%を達成することにつながると思うものでございます。


 土地に対する日本人特有の概念が根強く残る我が国の風土・風習の中、新基本計画を受けて、農業の担い手の確保・育成と農地の有効利用の促進に向け、本県としてどのようなかかわりを持って実効ある取り組みを進めていこうとしているのか、特に、土地利用型農業を中心に農業経営を行う農業の担い手に対する農地の有効利用の促進にどのように取り組まれるのか、お伺いいたします。


 次に、青少年の健全育成のためのスポーツの振興についてお伺いいたします。


 昨年のアテネ五輪では、日本選手の活躍は私たち県民に多くの感動と勇気を与えてくれました。来年は、兵庫県として3回目となる「のじぎく兵庫国体」が県下全市町で開催されます。正式競技のほか、幅広い年齢層の人々が参加できるスポーツや関連事業を開催すべく、現在その準備が進められております。


 第1回大会が、昭和21年、京阪神地方を中心に開催され、兵庫県においても西宮球場で開会式が挙行されるなど、敗戦に打ちひしがれた県民に明るい話題を提供いたしました。また、2回目の国体となる第11回大会は、昭和31年、地方財政が悪化する中、財政節減のモデル大会として全国から注目を浴びながら開催され、兵庫県は、天皇杯男女総合5位という優秀な成績を残し、大会における兵庫県選手の活躍は、戦後の荒廃からの復興期にあって、県民に限りない誇りと励みを与え、スポーツの振興はもとより、県勢発展の大きな活力となりました。


 このように、これまで本県で開催された2回の国体は、県民にとって非常に意義深いものでした。このたび半世紀ぶりに開催される第61回大会は、10年前の震災から新しく生まれ変わった兵庫の姿を全国に披露する絶好の機会であり、復興にご支援いただいた方々や選手たちとの出会いの場として、心に残る国体となることをめざしております。


 そのために、大会に選手として参加するの「する」、観客として応援するの「みる」、さらに、大会の運営にボランティアとして参加するの「ささえる」などさまざまな形で、また、会場が県下全域であることからも、県民だれもが参加できる国体となるよう取り組んでいくことが重要であります。同時に、国体開催によるスポーツに対する県民意識の高まりを、国体終了後の継続的な実践につなげることが必要であり、市町を初め関係者並びに関係団体とのより一層の連携が望まれます。


 近年、テレビやパソコンのゲームの普及により、家に閉じこもりがちな子供がふえております。公園ではボール投げが禁止であったり、防犯上から放課後の運動時間の確保や外で遊ぶことすらも制約されるなど、子供たちがスポーツに接する環境も悪化しており、児童の体力低下の一因ではないかと指摘されております。地域と連携して子供たちの運動の機会をつくるなど、子供を取り巻く社会環境の変化に対応する必要にも迫られており、子供たちがみずからの興味や関心により自由に参加でき地域主導で進めるスポーツクラブ21の取り組みなどは、ますます重要になってくると考えます。


 スポーツの効用は、身体の健全な育成に加え、努力することの重要さや相手を思いやるなど人間性を高めることであり、スポーツは青少年の健全育成に欠かせないものであると思います。そういった意味からも、国体の開催を契機として、またスポーツクラブ21の検証などを踏まえつつ、地域一体となってスポーツの振興に取り組むべきであります。


 そこで、国体開催を契機とした青少年の健全育成のためのスポーツの振興についてどのように考えておられるのか、お伺いいたします。


 次に、高校生の就業体験についてお伺いいたします。


 本県では、須磨の児童殺傷事件や阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、生きる力の育成、地域の教育力の回復、心の教育の充実などの趣旨で、県下の全公立中学2年生を対象に、トライやる・ウィークが平成10年度に導入されて以来、全国的にも評価されるシステムとなり、本年度、兵庫発のこのシステムを参考として、文部科学省がキャリア教育実践プロジェクト事業として全国展開を図るなど、注目を集めているところです。


 しかし、このトライやる・ウィークも、最近では、本来の趣旨とは若干異なり、受け入れ先の事情もあり、職業訓練的な要素が強まってきているのではないかと懸念するところでもあります。


 そういった中、本年度から、全県立高等学校の2年生を中心に、高校生就業体験事業、すなわち「インターンシップ推進プラン」を実施されようとしております。


 最近では、七五三現象と言われるように、就職後3年以内に職場をやめる者が、中学卒で7割、高校卒で5割、大学卒で3割に上り、大変な社会現象となっております。また、フリーター217万人やニート85万人と急増し、このままでは少子・高齢化社会の到来とあわせて、社会全体の活力が著しく低下していくこととなります。


 このような社会現象にかんがみ、若年層における職業観、勤労観の育成、また、職業人としての基礎的・基本的な資質・能力の育成は大変重要であり、国においても、若者の自立挑戦のためのアクションプランを策定し、キャリア探索プログラムの実施校をふやすなど、学生のうちから職業意識を高めようとしている中、本県のすべての県立高等学校で実施するインターンシップの取り組みは、まさに先導的なものであり、実施初年度に当たる本年度は、特に意義あるものにしていかなければなりません。


 インターンシップは、普通科高校と専門学科の高校とに大きく大別され、その内容もおのずと異なるようですが、もともと職業観を持っている専門学科の高校生にとっては、この制度を有効に活用することにより、学習内容や専門分野の知識、技能の高度な深化がより図られるのではないかと思われ、その成果に大きく期待するところです。一方、普通科高校の生徒については、上級学校への進学を希望する者も多く、趣旨に沿った本事業の展開が難しいという問題もあります。あわせて、生徒が就業体験を希望する職種と実際に就業体験できる職種にミスマッチが生じる可能性も十分考えられます。


 また、事業の趣旨である「生徒が自己の将来のあり方・生き方について考え、目標を持って主体的に進路選択ができるようにするとともに、生徒に夢を実現する力を身につけさせる」ことにどのように結びつけていくのか、さらに、その後の検証方法も課題であります。


 そこで、インターンシップの導入に当たり、現場が混乱することなく、事業目的の達成に向け具体的にどのように取り組み、また、どのように検証し、実効あるものとしていくのか、お伺いいたします。


 最後に、体感治安の向上についてお伺いいたします。


 最近の刑法犯の増加を受けて、内閣府は、昨年7月に、治安問題だけに絞った初めての全国調査を実施いたしました。その結果によると、ここ10年間で日本の治安は悪くなったと答えた人が86%に上り、日本は安全・安心な国と思わない人も半数を超えており、体感治安の悪化は顕著であります。


 一方、治安に関する情報はテレビやラジオからという人が95%と最も高く、地域の犯罪発生状況に関する情報を求める人は7割近くおりました。


 地域情報に関して、県警察においては、県内の市町や学校等に、子供に対する声かけ事案はもとより、ひったくり事案、空き巣あるいは犯人が逃走中の事案等の情報を、携帯電話やパソコンにリアルタイムで配信する防犯情報配信システムを導入されようとしておりますが、地域に真に必要な情報がリアルタイムで配信されてこそ効果があり、安全・安心につながると考えます。


 また、都市部の住宅街では、ひとり暮らしの老人や高齢者だけの世帯が急増しており、昼間人口の減少や女性のひとり暮らしの増加とも相まって、犯罪者にねらわれやすい環境が広がっております。住宅地だけでなく、団塊の世代の大量退職によって、ビルの空き部屋もさらにふえることが予想され、既に商店街や飲食店の斜陽化なども見られます。行政はこういった実態をしっかりととらえ、関係機関とともに、犯罪者にねらわれにくい環境をつくるため、各種の防犯対策を講じる必要があると考えます。


 こうした中、警察や行政に任せ切りではなく、自分たちの街は自分たちで守ろうという機運が生まれ、活発に活動している地域も多くなってきております。防犯カメラの設置や住民パトロールの実施などを行った結果、犯罪の発生件数が減少した地域もあるなど、一定の抑止力は実証済みでありますが、こうした自主防犯対策の主体も、主に高齢者が担っているのも現実であります。


 先般、ひょうご防犯まちづくり推進協議会が設立され、その設立記念シンポジウムの中で、「地域、職域、警察、行政、学校、家庭などがうまく連携するネットワークを構築することが重要である」と指摘されておりました。犯罪の起こりやすい時間帯、場所、犯罪発生状況等の情報を共有しながら、その地域における防犯上の問題点が、人的な問題なのか、防犯施設の整備にあるのかなど、個別の事情に応じた対策を講じていく必要があると考えます。


 例えば企業の地域貢献の一環として、防犯パトロール、子供に対する呼びかけや不審者情報等の提供などに協力してもらうなどの方法も効果的ではないかと思います。また、地元企業の協力には、地域はもとより、行政が評価、顕彰することにより、企業の防犯意識の高揚につながっていくのではないかと考えます。しかし、このような取り組みにも、実効性のある警察の力が必要であることは言うまでもございません。


 そこで、警察として、県民の体感治安の向上をめざし、県民の安全と安心の確保のため、地域住民と一体となった犯罪の抑止など、防犯活動に具体的にどのように取り組んでいくべきとお考えなのか、お伺いいたします。


 我が国は、社会経済全般にわたって大きな変革期にあり、先行き不透明なところがありますが、現在に生きる人々はもとより、私たちの子供たち、孫たちの世代が生きる喜びを実感できる社会をつくり、彼らに継承をしていくことが私たちの世代に課された大きな課題であります。


 知事と県議会は、県政を推進する両輪として、ともに手を携え、この大きな課題に取り組んでいかなければなりません。こうした考えのもと、ある程度、長期的な視点に立って質問いたしました。


 知事におかれましては、本県の将来への思いを込めてご答弁していただくことを期待し、私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)


○議長(原 亮介)  井戸知事。


  〔井戸知事登壇〕


○知事(井戸敏三)  ひょうご・県民連合議員団を代表しての石井秀武議員のご質問にお答えいたします。


 まず、ユニバーサル社会の創造についてです。


 ユニバーサル社会の実現には、県民、地域団体、NPO、企業、行政など地域社会のそれぞれの主体が、その理念を共有して、主体的な取り組みを推進する必要があります。そして、そのために、県下各地で、それぞれの地域に応じた具体的な実践活動の輪が広がっていかねばなりません。


 ユニバーサル社会づくりを率先して実践しようとしている個人やグループ、企業、団体等で構成するユニバーサル社会づくりひょうご推進会議がこのために設立されることになりました。例えば企業においては、サービス業や製造業、鉄道・バス等の交通事業者など業種によってその役割は異なりますが、推進会議の構成員がそれぞれの役割に沿って主体的に率先行動目標を定めていただき、独自の取り組みや構成員相互の協働による取り組みを進めていくこととされています。


 また、県推進本部では、ITを活用した自律移動支援プロジェクトや障害者のしごと支援事業など、部局横断の施策やプロジェクトを総合的に進めていくとともに、地域の特性に応じた活動を展開するため、県民局ごとに地域推進本部を設置して、地域の産業やまちづくり等と一体となった実践活動の推進を図ることとしています。


 今後、推進会議や地域推進本部により、ユニバーサル社会づくりに向けまして、総合的に情報発信を行うこと、先導的な取り組みを推進するための顕彰などを行うこと、県としての率先行動計画を着実に実践すること等を進め、総合指針の実効ある推進を図ってまいります。


 第2に、ポスト合併期に向けた県のあるべき姿についてお尋ねいただきました。


 県と市町との役割分担としては、生活に密着した行政分野は市町が担うことを基本としつつ、地域間ネットワークづくりを初めとした広域行政機能と子育てや防犯対策など地域に共通する今日的な課題への県としての補完機能など、県が果たしていくべき役割があります。その役割は、社会の成熟化の進展とともに、さらに重要性を増すものと考えます。環境や防災、産業政策等の今後、広域化、専門化が進む分野を中心に、技術的助言や情報提供等の専門的な支援あるいは広域的な観点からの総合調整、連絡調整に積極的に取り組まなければなりません。


 今後とも、現地解決を原則とする総合行政機関である県民局が十分に機能を発揮するとともに、分権時代にふさわしい県と市町とのパートナーシップを基本に、県の機能を純化していくことが必要だと考えます。成熟社会における県のあり方については、今後、専門家による研究会を設けて検討するなど、その新しい関係づくりを進めてまいります。


 また、国と府県のあり方につきましては、国全体の行政システムのあり方を考える中で、分権社会を構築する見地から、まず国の役割は、外交、司法、通貨など本来担うべきものに限定し、地域に密着した内政面の行政はすべて基本的に地方が担うこととし、その際、国の地方支分部局の事務は府県に移譲すべき、そのような観点から検討すべきではないかと考えます。


 現在、国において道州制に関する検討が進められていますが、単にムードに流されることなく、成熟社会にふさわしい分権型社会システムに変えていくことを基本に、都道府県の担うべき役割、機能についても、国全体の統治機構の大幅な改革の一環として考えていくべきです。


 なお、府県域を越える感染症対策や危機管理などの政策課題については、道州制といった制度の議論ではなく、まず地域みずからの取り組みが大切であると考えておりまして、本県としては、これまでから、隣県知事会議の開催や京都、大阪との政策連携など、広域的な対応を進めております。


 第3に、防災副首都の関西誘致についてです。


 首都直下地震を初め、首都の緊急事態を想定した危機管理体制の確立は、我が国の国づくりそのものにかかわる重要な課題であります。小松左京さんの小説に「日本沈没」がありますが、ここでも東京以外の地域を臨時に統括する政府の機能が描かれていたと思います。やはり、政府の危機管理の中枢機能や基幹的広域防災拠点機能をバックアップする拠点の整備がなされなくてはなりません。日本列島全体をカバーする安全システムとしてのデュアルシステムが不可欠ではないでしょうか。


 関西は、もともと東京圏と二分する地域であり、さらに来年2月に神戸空港が開港し、3空港が稼働することになるほか、神戸港、大阪港がスーパー中枢港湾に指定されるなど、高度インフラの整備が進みつつあります。とりわけ、本県は、震災の経験や教訓を蓄積しており、また、人と防災未来センター、国際防災復興協力機構、アジア防災センターなどの災害対策を支援する機能が集積しております。さらには、実動部隊の要員が集結する三木総合防災公園など、広大なフィールドも持っているわけです。政府の危機管理拠点がこうした関西3空港や港湾施設などの機能を十分に活用して整備されれば、我が国全体の防災・危機管理体制の充実はもとより、関西の復権、イメージアップにも大きく貢献することになると期待されます。


 今後、整備すべき機能やあり方について、京都府、大阪府とも十分議論を尽くした上で、国に対して具体化を働きかけてまいります。


 第4に、大規模事故災害に対する危機管理体制の充実・強化等についてです。


 今回の事故では、事故発生直後の事故対策支援本部の設置、自衛隊、消防庁等への迅速な応援要請、災害医療センターによるドクターカーの緊急出動と現場での「トリアージ」の実施、救急医療情報システムの活用による救急患者の受け入れ、消防防災ヘリコプターによる重症患者の搬送など、阪神・淡路大震災の教訓を生かし、迅速に対応することができたと考えます。一方、安否情報等個人情報の開示や自衛隊、警察、消防等の現場での連携のあり方、病院間の患者受け入れ人数のばらつきなどの課題もありました。


 今後の危機管理事案への対応に万全を期するため、救出・救助活動や災害医療活動など、防災や医療の学会などで行われております検証を踏まえ、県としても総括的な検証を行うこととしています。


 心のケアの取り組み状況については、4月27日から5月8日まで、ゴールデンウィーク期間中の休日も含めて、電話、来所等によるこころのケア特別相談を実施しましたし、その後、通常の勤務体制により相談等を行っています。また、負傷者、遺族等への訪問による相談や調査による対応及び家族や友人を対象としたこころのケア教室、消防士等救助活動従事者への研修や個別相談も行っています。このほか、県、市、医療機関等関係機関によるネットワーク会議も開催いたしました。心のケアについて、情報の共有やフォローに取り組んでいるところです。今後とも、県として的確に対応してまいります。


 続きまして、地球温暖化対策についてです。


 本県の温室効果ガス排出量削減への取り組みについては、直近のデータによりますと、全国で温室効果ガス排出量が8.3%増加しているのに対しまして、本県では1.3%の増加にとどまっております。また、県施設においては4.9%の削減をしておりまして、一定の成果を上げています。


 本年度からは、県施設からの排出量を10%削減するため、「県環境率先行動計画ステップ3」に基づき、県民、事業者への普及啓発効果も考慮して、太陽光、風力発電等の自然エネルギーの導入や省エネ型照明器具・空調設備等による建物の省エネ化改修等の最新の技術・知見を生かした取り組みを積極的に推進することとしています。そのための予算も確保しているところです。また、平成12年度に本庁に導入した環境マネジメントシステムを平成15年度からは全庁的に導入し、推進体制の整備と外部審査等のチェック機能の強化を図っています。


 現在進めている「新兵庫県地球温暖化防止推進計画」の見直しの中で、「環境率先行動計画」において効果を上げております省エネ化改修や太陽光発電の導入、環境マネジメントシステムの導入等の取り組みを、より強力に進める方向で検討してまいります。


 特に、本県のCO2排出量の約7割は製造業が、14%が民生、13%が運輸部門の発生であります。この構成から見ても、さらなる製造業での協力を重点としながら、増加の著しい民生部門の削減を強化してまいりたい、このように考えています。


 続きまして、農業の担い手育成・確保と農地の有効利用の促進についてです。


 小規模な兼業農家が約9割を占める本県の農業の特性から、本県農業の持続的発展を図るには、認定農業者等の育成のみならず、多数の兼業農家が参画して地域農業を支える営農集団の育成が不可欠であると考えます。


 農地の利用集積、認定農業者等の育成・確保、新規就農の促進など、今まで取り組んできましたが、農業の経営環境が依然として厳しく、また農地の資産的保有の意識が強いこと等から、土地利用型農業を営む認定農業者の数や農業経営の規模拡大、これらは伸び悩んでいます。このため、やる気と能力を有する担い手を育成し、規模拡大と経営安定を重点的に支援しなくてはなりません。新たに生産者団体と行政が一体となって、担い手育成総合支援協議会を設置し、農地情報の一元管理による担い手への集積の促進、農業機械や施設の導入等への支援、そして農業法人への新規就農者の雇用促進、融資制度の充実などを図っております。


 一方で、地域資源の維持や地域の活性化を図るため、意欲ある集落を対象に、将来の農業・農村のあり方等を考える集落農業活性化プランを策定し、その実践を支援しながら、地域全体での取り組みを行い、元気な農家と農村づくりに努めてまいります。


 以上、私からの答弁とさせていただきます。


○議長(原 亮介)  井筒理事。


  〔井筒理事登壇〕


○理事(井筒紳一郎)  私から、魅力ある県立大学についてお答えをいたします。


 県立大学は、六つの学部、八つの大学院の研究科、そして四つの附置研究所等が県内各地に設置をされておりまして、いわば本県の成り立ち、あるいは特徴と同様に、多様性ということがございます。そういう中で、本年度は開学2年目ということで、これまでの基礎固めの上に、本格的な飛躍を果たすべき段階ではないかというふうに考えております。


 そこで、戦略的な大学運営のため、開学当初3年間の基本的な事項を定めました中期計画に基づきまして、計画的、重点的な取り組みを行う、そういったこととともに、経営面の審議を行う運営協議会、ここにおきましては、学外の有識者の意見を反映する、あるいは外部資金の積極的な導入を図る、こういった民間の発想あるいは原理、こういったことを取り入れていきたいというふうに思っております。


 こうした中で、教育面では、情報ハイウェイを活用いたしました遠隔授業システムの導入、あるいはSPring-8を生かした21世紀COEプログラムなど先端的な研究を推進をしておりますほか、災害看護等を研究テーマとする地域ケア開発研究所も昨年12月に設置をされました。社会貢献の分野におきましても、市町や商工会議所等との協定の締結、あるいは産学連携センターの充実など地元と一体となった産業の活性化に寄与するほか、出前講座を高校に出向いて行うといったようなことを初めとして、WHOあるいはJICA等の国際機関はもとよりでございますが、情報系では、神戸キャンパスと同一ビル内に開学いたしますカーネギーメロン大学日本校、これを初めとして、私学でもいろんな新しい取り組みがございますので、こういった取り組みとも連携をしていきたいというふうに考えております。


 今後も、これまで3大学が培ってまいりました専門性を生かしながら、統合による相乗効果とその総合力を発揮して、県立大学ならではの教育、研究、そして社会貢献の推進に努めていきたいというふうに考えております。


○議長(原 亮介)  吉本教育長。


  〔吉本教育長登壇〕


○教育長(吉本知之)  私から、2点についてお答え申し上げます。


 まず、青少年の健全育成のためのスポーツの振興についてでございます。


 スポーツは、体力の向上やストレスの発散など、心身両面にわたる健康の保持・増進に資するものでございますが、加えて、青少年にとりましては、フェアプレーの精神を培い、仲間との交流を通じて友情を深めるなど、豊かな人間性をはぐくむ上でも大変重要であると認識をしております。


 「のじぎく兵庫国体」の開催に向け、市町や競技団体との連携のもと、競技力の向上や指導者の育成はもとより、開催地スポーツ教室やジュニアスポーツ教室を実施し、地域のスポーツへの関心を高めることにも努めてきておるところでございます。


 このことから、例えば篠山市のホッケーや滝野町のアーチェリーのように、地元開催種目がスポーツクラブ21ひょうごの活動種目として取り入れられるなど、地域と一体となったスポーツの振興についても、徐々にその効果があらわれてきてございます。


 さらには、国体を通じて育成した指導者をスポーツクラブ21ひょうごに活用することはもとよりでございますが、国体に出場した選手がその地域の指導者として次世代の選手を育てることや、児童生徒が身近に一流の競技を見ることによりスポーツへの関心を高めるなど、国体開催で得られました成果を地域スポーツの振興につなげてまいりたいと考えてございます。


 次に、高校生の就業体験についてでございます。


 高校生の就業体験事業は、これまでクリエイティブ21におきまして取り組みを進めてきました専門高校でのインターンシップの実績、トライやる・ウィークでの手法等を踏まえ、望ましい職業観、勤労観を個々の生徒が自覚・育成するために導入したものでございます。現在、本事業の円滑な推進と定着を図りますために、インターンシップ推進協議会を設置し、学校と企業、関係行政機関の代表者から、さまざまなご意見を伺いながら進めているところでございます。


 具体には、これまで培ってきました民間企業での実績に加えまして、県庁でも8月に5日間のインターンシップを予定し、応募生徒の受け入れを準備しているところでございます。さらには、これまで職業に関する体験的な活動の少なかった普通科の生徒につきましては、事業所でのインターンシップのみならず、地域の特性を生かしましたものづくり職人の指導によります製品の製作体験、あるいは職場見学など幅広い体験メニューを提供いたしまして、各校の実態に応じた弾力的な取り組みを進めることといたしてございます。


 また、本事業の検証に当たりましては、生徒の活動内容を冊子にまとめ、報告、発表する機会を設けますことによりまして、生徒個々の職業観、勤労観の育成を図りますとともに、県教育委員会といたしましても、インターンシップ推進協議会にその成果と課題を提言をし、次年度以降の改善に生かすなど、真に実効ある事業としてまいりたいと考えてございます。


 なお、トライやる・ウィークにつきましては、従来から、職業訓練を目的としているものではなく、生徒の主体性を尊重したさまざまな活動や体験に取り組むことにより自立心をはぐくむなど、生きる力の育成をめざすものでございまして、職場体験はもとより、ボランティア、福祉体験や文化・芸術創造活動など、幅広い体験活動を行っているところでございます。


 今後とも、ご指導ご支援のほどをよろしくお願い申し上げます。


○議長(原 亮介)  巽 警察本部長。


  〔巽 警察本部長登壇〕


○警察本部長(巽 高英)  私からは、体感治安の向上についてお答えいたします。


 県下における刑法犯の認知件数は、平成14年をピークに2年連続して減少し、本年に入っても減少傾向が見られるところでありますが、依然として高水準で推移しているとともに、振り込め詐欺のように県民の身近で犯罪が多発しているなど、犯罪情勢は大変厳しいものがあります。


 警察といたしましては、検挙活動と防犯活動を車の両輪ととらえて、本年の業務重点の第1に、「地域社会と連帯した地域安全総合対策の推進」を掲げておりまして、県民、事業所、自治体など関係機関・団体と一体となった防犯対策の推進に努めているところであります。


 特に、住民との連携につきましては、県警が推進しておりますご近所の防犯運動に積極的に参加していただき、約5,000の住民団体に防犯パトロールや子供を見守る活動などに取り組んでいただいているところであります。また、地域住民、事業所、自治体などと協働した取り組みであります、こどもを守る110番の家やこどもを守る110番の車制度の普及促進に努めておりまして、本年5月末現在で、こどもを守る110番の家は約4万3,000ヵ所、こどもを守る110番の車、約8,500台、また、青色回転灯を装備した青色防犯パトロール車は、4市――四つの市でございますけれども、ここで11台が、それぞれ県下の各地域で、安全・安心の拠点として、また防犯の目として活動をしていただいております。


 県警察におきましては、こうした住民の方々による自主防犯活動を積極的に支援するため、防犯教室の開催や同行パトロールを行うとともに、県警ホームページや警察署におけるメールを活用した犯罪情報等の発信、サンテレビジョンの警察広報番組「こんにちは県警です」による住民の防犯活動の紹介など、各種情報の提供に努めているところでありますが、本年度は、さらに情報発信を強化するため、警察本部から直接メールにより情報を配信する防犯情報等配信システムの構築に取り組んでいるところであります。


 こうした警察と住民の方々などとの協働による各種防犯活動への取り組みによりまして、冒頭に申し上げましたように、刑法犯の認知件数の減少という目に見える形として成果があらわれつつあると考えております。


 今後とも、県が推進しております地域ぐるみ安全対策と私どもが推進いたします地域安全総合対策を有機的に連動させるとともに、住民の方々や事業所、自治会など関係機関・団体と一体となり、地域の実態に応じた効果的な防犯諸対策を一層強化することにより、県民の体感治安の向上をめざしてまいる所存でありますので、引き続きご支援のほどをよろしくお願い申し上げます。


○議長(原 亮介)  石井秀武議員に対する答弁は終わりました。


 この際、暫時休憩いたします。


 再開は、午後1時30分といたします。


       午後0時3分休憩


  ………………………………………………


       午後1時30分再開





○議長(原 亮介)  ただいまから会議を再開いたします。


 休憩前に引き続き、質疑、質問を行います。


 大野由紀雄議員。(拍手)


  〔大野由紀雄議員登壇〕


○(大野由紀雄議員)  本年は、言うまでもなく、あの阪神・淡路大震災から満10年の節目の年、そして、この6月は、私たち3期生の初当選後満10年の佳節の月でもあります。震災の関係で、全国で初めて2ヵ月おくれての県議選が、平成7年の6月11日に執行され、私を含む当時23名の議員が初当選を果たしました。その後、この10年間に、同僚の山守信一議員を初め、2名の議員が急逝され、また、県政から去った議員もおり、現在では14名となっていることに10年の重みを痛感しています。


 当時から私はJRで県庁へ通勤しておりましたが、車窓から見える長田区や兵庫区の崩れたビルや焼け落ちた住宅の惨状は、今も脳裏に鮮明に残っております。当時、前貝原知事が、長期間にわたり、常に防災服で登庁されている姿が特に印象的でありました。未曾有の震災から立ち上がるため、24時間命がけで取り組むリーダーの姿に深く感銘を受けたものです。私たち3期生にとりましても、この10年は、まさに震災からの復旧・復興の10年であったと思います。


 今、新たな10年のスタートのときが知事選と重なり、これからの兵庫はどのような県をめざすのか、また、知事と議会との関係はどうあるべきか等のテーマを中心に、先日来、新聞各紙が特集を組んでおりますが、中でも、特に、「議会の政策能力が低く、当局の追認機関になっている」旨の報道が印象に残りました。10年目の節目の本会議に当たり、県民の代表である自覚を改めて痛感をし、初心を忘れず、追認機関とのやゆをされました議会の権威回復の決意を込めながら、県議会公明党を代表して、質問に入りたいと思います。


 質問の第1は、知事の考える「元気ひょうごづくり」についてであります。


 2001年に井戸知事が就任されて、間もなく4年を迎えます。この4年間の知事の行動で印象的なことは、常に現場を訪問され、現場の人たちと気さくに直接対話される現場主義の姿勢であります。昨年の台風23号のときも、フランスから急遽帰国をされ、被災地をみずから見て回って陣頭指揮をとられたこと、福知山線の列車脱線事故のときも、いち早く現場に駆けつけ、さまざまな手を打たれたことなど、大県兵庫のリーダーとして評価をしているところであります。今後も、より一層県民の声に耳を傾けるという姿勢での対話を期待するものであります。


 また、政策実績につきましても、我が会派が力を入れて取り組んでまいりました、子供の育つ環境づくり、小児救急医療体制の強化、アレルギー専門外来の設置、女性専用外来の設置、DV被害者救済対策、中小企業融資向けの商工中金と連携した信用保証制度創設、スーパー防犯灯の設置等の取り組みなど大いに評価するものであります。


 三位一体改革と平成の大合併が進む中、阪神・淡路大震災から満10年を経過し、本年秋には、いよいよ震災復興のシンボルでもある芸術文化センターがグランドオープンいたします。また、来年2月には神戸空港が開港となり、秋には待望ののじぎく国体が開催をされます。団塊の世代が定年を迎える2007年、年金受給が始まります2012年は眼前であります。高齢化と少子化に対する構造改革は、まさにこれからが本番と言えましょう。


 このような時期、県政運営に何よりも必要とされますのは、政治の安定性と継続性であり、同時に、知事も明言されておりますように、明確な意思と方針を持って重点的に力を入れる「選択と集中」が重要であります。


 先日、知事は、2期目に挑む政策を発表されました。知事がめざす兵庫像として、参画と協働、共生と連帯でつくる「元気ひょうご」を示し、その実現のための三つの目標と10の約束を打ち出されました。「元気ひょうご」、まさに多くの県民の思いがそこにあると思います。知事の言われる「元気ひょうご」づくりのためには、何よりも、毎日の生活が大変で、子供を生み育てることに力を入れる余裕を失っている子育て世代への投資、支援が必要なのではないでしょうか。子育て世代が元気を回復することが、「元気ひょうご」づくりの原動力となっていくのは間違いありません。また、政策を進めるに当たっては、県民緑税制定に至る過程で問題となりました政策形成段階での県議会との十分な協議とともに、市町との連携をより一層重視することが重要です。


 以上のことを踏まえ、知事が、「元気ひょうご」づくりに向けて、具体的にどのように取り組んでいこうと考えておられるのか、お伺いをいたします。


 質問の第2は、さらなる行政改革の推進についてであります。


 一つ目は、今後の取り組みについてお伺いをいたします。


 本格的な少子・高齢社会を目前にして、国と地方を通じた厳しい財政事情の中で、より一層の行政のむだの排除とスリム化が求められています。


 そのような中、総務省は、昨年12月に閣議決定された今後の行政改革の方針を受けて、いわゆる「新地方行革指針」を策定し、本年3月、都道府県及び政令指定都市に通知いたしました。この「新地方行革指針」は、定員管理及び給与の適正化などについて、可能な限り目標の設定や具体的な指標を用いて、おおむね平成21年度までの5年間の具体的な取り組みを住民にわかりやすく明示した「集中改革プラン」を今年度中に公表するよう、全国の地方自治体に対して求めています。


 そこで、例えば、平成15年度決算で兵庫県の経常収支比率における人件費の割合を見てみますと、49.8%と人件費が約5割を占めています。これを人口1人当たりの性質別歳出決算額で見てみますと、11万3,000円余と、類似府県の埼玉県や千葉県、神奈川県などの9万円台と比較をしますと、約2万円余りも多く人件費がかかっております。さらに、厚生労働省の統計では、従業員5人以上の事業所と比較すると、公務員の給与は民間より5万円も高くなるとの報道もあり、選挙民、納税者の立場から、このように高い人件費を民間並みの水準まで早急に引き下げるべきであるという声が非常に強くなっています。


 本県においては、昨年2月に、国に先行した形で、「行財政構造改革推進方策後期5か年の取組み」を策定し、公社や組織、事務事業、定員・給与等に関する見直しを進めていますが、大阪市職員に代表されます公務員のカラ残業や不適切な特勤手当、互助会による福利厚生事業、民間より高い給与など、地方自治体に対する大きな不信感を考えたとき、地方分権を推進する井戸知事として、例えば、従来の年功序列賃金制度を抜本的に見直しをし、給与に能力評価の結果を反映させる能力評価制度の導入をどのように推進するかなど、地方自治体経営の視点から、明確な行政改革ビジョンや削減目標の設定、具体的指標の導入が強く求められております。これら人件費の削減を初めとした行政改革を断行して、より一層の財政の健全化に結びつけなければなりません。


 そこで、国に先駆けて行政改革を推進してきた本県としては、他府県をリードするような行政改革への取り組みをより一層ドラスチックに推進していくべきであると考えますが、知事の決意のほどをお伺いいたします。


 この項の二つ目は、特殊勤務手当の見直しについてであります。


 総務省は、昨年末に、都道府県及び政令指定都市の特殊勤務手当の支給状況を特別調査し、その結果を公表いたしました。本県は、不適切な特殊勤務手当はないということで、総務省からの指摘はなかったようであります。しかし、この4月、本県の県税事務所職員に支給されます税務事務手当が、県下の市町の税務事務職員に比べて突出して高額になっていることが新聞に報道され、県民の高い関心を呼んでおります。


 報道によりますと、県内28市では、半分以上の17市が特殊性がないとして、月額の手当を設けておらず、支給している11市で見ましても、最高は3,500円。これに対して、県では、月額2万1,400円から2万7,100円もの税務事務手当を、県税事務所に所属をしていることだけをもって支給をしております。


 そもそも税務事務手当は、制度創設の昭和25年当時、国家公務員の税務職員に行政職より高い給与が支給されていたことから、この水準差を、地方自治体については特殊勤務手当により措置すべきであるとの旧自治省の通達により、制度化されたものと伺っております。


 しかしながら、県税事務所の職員にとって、税務事務は給料の範囲内で行う本来の業務であり、総務省は、現時点では、特殊勤務手当は、個々の職務の特殊性に応じて、原則として日額または件数当たりの額で支給することが適当であり、月額となっているものについては、その支給方法の妥当性の検討が必要との立場をとっています。


 県下市町の中には、条例の根拠もなく、白紙委任の形で特殊勤務手当を支給している団体もあり、県が指導をされていますが、県みずからも、特殊勤務手当ごとに是々非々の徹底した議論を行い、納税者の納得の得られる内容に見直す必要があると考えますが、今後どのように取り組むのか、ご所見をお伺いいたします。


 質問の第3は、少子社会総合対策「すこやかひょうご子ども未来プラン」の改定についてであります。


 昨年12月、政府は初めて少子化社会白書を発表するとともに、今後5年間の少子化対策として、「子ども・子育て応援プラン」を決定いたしました。その中で、団塊ジュニアが出産期に当たるここ5年間に積極的な少子化対策を行うべきだと訴えています。平成16年の合計特殊出生率は1.29人まで下がり、10年前の1.50人と比べて14%も低下をしております。少子社会へのスピードに歯どめがかからない状況であります。


 本年2月、公明党は、「少子社会総合対策本部」を立ち上げ、子供が生まれ育ちやすい社会、子供優先社会、すなわち、チャイルドファースト社会をつくるための総合的な少子社会トータルプランの策定に党を挙げて取り組んでおります。先月も、神戸でそのシンポジウムを開催いたしました。その中で、実施した子育てに対する意識調査において、少子化の原因としては、「子育てにお金がかかる」が35.1%で第1位、そして、国や自治体がすべきことでは、「経済的支援」が53%と半数以上を占めたことを初め、子育ての悩みや保育所、育児休業、職場復帰等の課題が報告をされました。


 ところで、「子ども未来プラン」の改定は、本来16年度の3月末までの予定でありましたが、現時点でも改定作業が進行中であります。現在の県の施策の取り組み状況を見てみますと、先ほどの意識調査の中で明らかなように、経済的支援の強化充実の声が過半数以上を占めている現状に反して、経済的支援の重要性に対する認識が、まだまだ浅いのではないかと考えます。また、県は、民間を先導する立場として、また、一事業者としての立場から、働きながら子育てができる職場環境を整備するために、その大前提である育児休業の取得と職場復帰の環境づくりと職員の意識改革に全力を挙げるとともに、各部局が考え得る施策の総力を結集して、民間企業に対して働きかけ、支援すべきと考えます。


 少子化の流れが一向にとまらない日本、そして兵庫県にとって、この一、二年の取り組みは非常に重要です。少子化対策の結果が反映されるには、実質的には20年の歳月がかかると思われます。従来型の単に学識経験者などによる対策協議会での事務局案を審議するだけでは、実効性のある改定は望めないと考えます。


 参画と協働による県民挙げての論議を、タウンミーティング形式で、知事が陣頭指揮をとって実施しながら、県民の声を反映した子ども未来プランの決定版を策定し、兵庫県発の「チャイルドファースト社会」を実現すべきと考えますが、知事の取り組む決意をお聞かせください。


 質問の第4は、心のケアにおける臨床心理士の活用についてであります。


 ストレス社会と言われます今日の社会では、心の問題は国民一人一人の問題となっており、保健、医療、福祉、教育、労働・職場、さらに家庭などのさまざまな分野で、年齢、職業等を問わず、適切な心のケアを受けることができる環境の整備が必要とされています。


 そこで、心のケアを適切に行うことができる資質と能力を備えた専門家の養成と確保、さらに、心のケアが必要な方々に対して、迅速かつ適切にケアが施されるために、各分野の関係者らが密接な連携を図れる仕組みづくりが強く求められております。


 JR福知山線列車事故では、被害者等の心のケアの必要性が指摘されていますが、兵庫県臨床心理士会では、県教委からの要請を受け、県立川西北陵高校を初め、関係の小中学校への応援カウンセラーとして臨床心理士を派遣しています。派遣された臨床心理士は、教職員と連携しながら、児童生徒、保護者の心のケアに活躍をしております。


 本県の行政においても、保健、医療、福祉、さらに教育、警察などの各分野において、臨床心理士を活用した心のケアがなされていますが、それぞれの分野における心のケアが県民のニーズに十分にこたえられているのか検証をする必要があると考えます。


 保健、医療、福祉分野では、こども家庭センターや精神保健福祉センターなどに、日本臨床心理士資格認定協会が認定する臨床心理士資格を有する職員等が、児童虐待やDV被害に対応しておりますが、現場では、虐待事例の増加に伴い、相談やケアがますます求められている状況にあります。


 また、教育分野では、いじめや不登校問題の解消のために、臨床心理士等がスクールカウンセラーとして、平成7年度から中学校に順次配置をされ、この17年度に全中学校への配置が完了し、着実に成果を上げています。しかし、小学校の場合、その地域の中学校のスクールカウンセラーが兼任をして担当しており、現在の週8時間の勤務体制では十分に対応できていないほか、学校現場によっては、スクールカウンセラーの意見が十分にくみ上げられていないなど、立場が確立されていないところがあるのも現状であります。


 さらに、トラウマやPTSDなどを研究し、心のケアを行う関係者の研修を行う、全国初の心のケアの専門機関であります「兵庫県こころのケアセンター」は、今後、増加が予想される心の問題を踏まえると、児童精神科医や臨床心理士等のスタッフの一層の充実が強く求められています。このように、ストレス社会と言われる現代社会にあって、心のケアに対する県民のニーズは年々高まっており、そして、その専門職である臨床心理士の役割は一層重要になっていくと考えます。


 そこで、県として、臨床心理士の確保及び臨床心理士のより一層の活用を含めた心のケア体制づくりが必要であると考えますが、ご所見をお伺いいたします。


 質問の第5は、公共交通機関に対する安全対策についてであります。


 4月25日午前9時18分ごろ、JR福知山線の塚口−尼崎駅間で列車脱線事故が起こりました。事故直後、警察、消防隊等の行政よりも早く現場に駆けつけてくださった近隣住民の皆様の迅速かつ献身的な救援活動に対し、心から感謝と敬意を表するものであります。しかしながら、懸命の救助活動にもかかわらず、死者107名、負傷者549名とも言われる、JR史上最悪、戦後鉄道事故史上4番目の大惨事となってしまいました。改めて事故の犠牲になられた皆様のご冥福と負傷された皆様のお見舞いを申し上げる次第でございます。


 当日12時半ごろには、与党調査団の団長として、公明党の冬柴幹事長が現地に到着、午後1時半過ぎには、北側国土交通大臣も到着をいたしまして、垣内JR西日本社長より救出現場の状況を聞きながら、救出活動に全力を挙げること、そして、負傷者の氏名や安否確認情報、搬送先の病院の公表などを要望し、垣内社長からは、原因究明と再発防止に全力を尽くすことが表明されました。


 大惨事の直接的な原因は、既に報道をされておりますように、現場のカーブ区間で、制限速度70キロを大きく上回る100キロを超えるスピードを出した運転士の過失であると推測されておりますが、運転士がそのような行動をとった背景には、1秒のおくれも許さないダイヤ編成、そして、焦りの心理を引き起こしたJR西日本の日勤教育、そして、その根底には、効率主義、利益最優先主義といったJR西日本の企業体質があると言わざるを得ません。


 また、この事故では、病院によって負傷者の搬送数に隔たりが生じ、ある近くの病院では、負傷者がわずか5人しか運ばれなかったことが明らかとなりました。この事実は、阪神・淡路大震災の経験に基づき、県の災害医療センターが運用している広域災害・救急医療情報システムが十分に機能していなかったことを示していると言わざるを得ません。県にとっても、県民の安全・安心の立場からも、災害救急医療における現場と各病院との被害情報の共有化という課題が明らかとなりました。


 そこで、お尋ねいたしますが、今日、鉄道だけではなく、空港における管制官のミス、長距離路線バスの横転事故などが次々と発生し、公共交通機関に対する住民の不安、不信感は募る一方です。


 そこで、県民の不安感払拭のためにも、鉄道のほか、空港、船舶、バスなど県民の日常生活に不可欠な公共交通関係事業者に対して、県としても、改めて施設整備などのハード面、従業員の動きやサービス内容などのソフト面での安全の総点検を要請するなど、積極的な働きかけが必要であると考えますが、今後の公共交通機関の安全対策について、ご所見をお伺いいたします。


 質問の第6は、都市型河川の防災対策についてであります。


 昨年は、台風23号など、過去最多の10個の台風が日本に上陸をし、本県におきましても、4度にわたる台風襲来のため、河川の決壊等による周辺の浸水被害が発生したほか、山間部の地すべり、山崩れや道路の遮断、そして風倒木など、風水害が大きな問題になりました。台風のほか、局所的な集中豪雨など、近年の異常気象は地球温暖化との関係も指摘され、これから始まる梅雨や台風シーズンを控え、昨年と同じような風水害が、またことしも起きるのではないか、さらには来年以降も続発するのではないかと懸念されているところであります。


 台風23号等の被災地に対しては、復旧・復興事業推進計画により、着実に復旧の歩みが進められていますが、都市部を流れるいわゆる都市型河川も、近年の異常気象により、各所で浸水被害が続発しています。数年前に、2度にわたってはんらんした新湊川の例を引用するまでもなく、都市型河川の特徴は、両岸に住宅等が密集しているため、拡幅が困難であり、河床の掘削にも限界があるということであります。


 このような都市型河川の防災対策として、例えば、河川の下の地下にもう1本別のバイパス水路を整備する工法を採用している河川もありますが、ただ、この工法では、多額の事業費と長期間の工期が必要になるなど、厳しい財政事情の中での事業選択としては、困難なものがあります。


 そこで、一つ提案を交えて質問をいたします。東京都北区では、このたび、しばしば大雨や台風のたびに浸水被害が発生している隅田川とJR京浜東北線に囲まれた約314ヘクタールの区域に降った雨水を一たん貯留し、隅田川に排水するポンプ場を下水道事業により整備をいたしました。このポンプ場により、地下40メートルにある雨水貯留池に合計2万4,000立方メートルまで雨水をためることができ、毎秒43立方メートルで雨水を排水することが可能となり、浸水被害の大幅な軽減が期待をされています。


 そこで、県として、例えば、昨年十数年ぶりに浸水をいたしました姫路の都市型河川の代表であります船場川の近くには、県立の姫路工業高校がありますが、そのグラウンドの地下空間を活用して貯留池等を設け、雨量や河川の水位に応じてこの貯留池等を活用する工法をとることにより、バイパス水路による工法よりも安価な事業費、短い期間で浸水防止対策ができると考えられます。同じく、姫路の都市型河川の辻井川も、しばしばはんらんするということで、隣接する安室公園の下に貯留池を設けてからは、大幅に水害が減少をしております。


 そこで、今後ますます懸念されます県下各地の都市型河川の浸水対策として、ぜひともこのような地下の貯留池等による防災対策を検討していただきたいと考えますが、当局のご所見をお伺いいたします。


 質問の第7は、公的住宅の整備等についてであります。


 この項目の一つ目は、公的住宅のバリアフリー化の推進についてであります。


 県営住宅、公社住宅の入居者には高齢者が多く、県営住宅では、入居者に占める65歳以上の割合が約21%にもなっております。高齢者は、足腰が弱っている方が多く、段差のある住戸内の移動には常に転倒等の危険が伴います。また、特に、エレベーターが設置されていない階段室型住棟に入居されている高齢者にとって、階段の上り下りは日常生活に大きな支障となっており、1階への住みかえを希望する入居者が少なくありません。今後、高齢化がますます進展する中、県営住宅、公社住宅は、高齢者が安心して快適に暮らせるよう、エレベーターの設置を初め、住戸内の段差解消、手すりの設置などのバリアフリー化を率先して進めていく必要があります。


 県営住宅については、平成13年7月に策定された「ひょうご21世紀県営住宅整備・管理計画」に基づき、現在、建てかえ、大規模改修が進められており、建てかえなどの新築住宅は、住戸内の段差の解消、手すりの設置に加えて、3階以上であれば原則としてエレベーターを設置するなど、高齢者の生活に配慮したバリアフリー仕様となっています。しかし、既設の県営住宅では、大規模改修時にエレベーターが設置されているものの、平成10年度から16年度までの整備台数は、全県でわずか42棟にとどまっています。また、公社住宅につきましても、建てかえなどの新築住宅は、バリアフリー仕様となっておりますが、既設の住宅は、県営住宅よりも整備がおくれており、階段に手すりさえ設置されていない住棟が数多くあります。入居者の安全と安心のために、既設の住宅についても、できるだけ早くバリアフリー化を進める必要があり、特に階段室型住棟へのエレベーターの設置は緊急を要する課題であります。


 そこで、既設の住宅について、計画を前倒しをしてバリアフリー化、特に、エレベーターの設置について積極的に推進していく必要があると考えますが、今後どのように取り組むのか、ご所見をお伺いいたします。


 この項の二つ目は、県営住宅の管理の民間委託についてであります。


 県営住宅への入居を希望して多くの方々が応募をされますが、募集戸数には限りがあり、応募者の多くが、県営住宅に入居できていないのが実情であります。その一方で、県営住宅の中には、長期間にわたって空き家となっている住宅も少なくありません。


 こうした長期空き家には、入居手続中、補修中のものなどもありますが、いわゆる「政策空き家」と言われる、用途廃止、建てかえ等の事業を実施する場合の移転先として、一定の期間空き家としているものがあり、本年4月末現在で、県下で2,775戸もあります。政策空き家の必要性を否定するわけではありませんが、仮に、こうした政策空き家を減少させれば、より多くの入居希望者の願いをかなえることができます。また、長期間にわたって多くの住戸を空き家としておくことは、民間の賃貸住宅では理解しがたいことであり、県の厳しい財政事情の中で、県有施設が有効に活用されていないと言わざるを得ません。


 我が会派では、これまでも県営住宅の効果的、効率的な活用について取り上げてきましたが、現在、指定管理者制度が創設されて、従来、受託者となれなかった民間事業者を含む法人、その他の団体についても、議会の議決を経て、地方公共団体の指定を受けた場合には、公の施設の管理を行うことが可能になりました。


 そこで、指定管理者制度により、県営住宅の管理を可能な限り民間に委託すべきと考えます。これまで県営住宅の管理は主として公社に委託をしておりましたが、指定管理者制度により、公社ではなく民間に委託をするのです。一度に県下すべての県営住宅の管理を委託することが困難であれば、まず一定の地域を定めて、モデル的に実施してはどうでしょうか。国を挙げて官から民への流れが強まる中、県営住宅の管理に民間経営のノウハウを導入することにより、入居者等の要望の集約、長期間空き家となっている住宅の有効活用などに柔軟に取り組むことが可能となり、結果として、入居者のニーズに合致した、より一層効率的な住宅運営が実現できると考えます。


 指定管理者制度を活用した県営住宅の管理の民間委託に対する当局のご所見をお伺いいたします。


 質問の最後は、県立養護学校高等部の今後のあり方についてであります。


 現在、県下には知的に障害のある子供たちが通う県立養護学校が12校あります。これらの養護学校には、小学部、中学部、高等部が設置されておりますが、平成5年に高等部に入学するための成績要件が撤廃されてから、希望者は全員入学できるようになり、高等部の生徒数が急増しております。例えば、姫路養護学校の場合、平成16年度には、小学部64人、中学部59人に対し、高等部は202人と約4倍です。他の養護学校でも同じような状況があり、急増する高等部に対し、教室の絶対数が不足を来し、多目的室や作業室まで変更して教室にしているケースも少なくありません。その結果、心豊かな教育環境とはほど遠い環境になっていることを指摘をし、姫路養護学校を例に挙げて、その抜本的改善を私が本会議で取り上げましたのが平成11年の6月でありました。それから6年、このたび、テクノポリス内に、新しく県立西はりま養護学校がこの4月に開校をしたことに感慨もひとしおであります。


 高等部になって生徒が急増する背景には、小学生、中学生の段階では、各地元の学校でいわゆる障害児学級が充実しておりますが、高校生になりますと、高等学校ではほとんど受け皿がなく、各地の養護学校に入学するしかないという現状があります。


 障害児を子供に持つ保護者の方々の一番の悩みは、言うまでもなく卒業後の進路であり、とりわけ自分が亡くなってからの子供の人生であります。社会人として自立した人生を送らせたい。社会の一員として生きてほしい。しかし、現実は厳しく、本年3月に県立の知的障害の養護学校を卒業した333名のうち、15名は進学をしておりますが、就職できたのは約5分の1の70名だけであります。施設に入通所する生徒が一番多くて232名、全体の約7割。その他は自宅待機となっております。ただ、その中で、卒業生のうち、実に92%もの生徒が進学、就職したという注目すべき学校がありました。三田市にあります「県立高等養護学校」であります。


 私は、先日、現地を視察してまいりましたが、同校は、平成8年4月に、卒業後の職業自立をめざして、職業科を置いた高等部のみの特色ある養護学校として誕生したもので、県下各地から毎年多くの障害児が入学を希望し、かなり狭き門になっております。授業を受ける生徒たちの態度は、一見障害があるとは思えないほど、教師の指示に対して、機敏に的確に対応をしていました。もちろん、この学校に入学できる生徒は、比較的障害の程度が軽い生徒が大半であるからでありますが、木工や農芸、陶工等の作業に取り組む姿を見て、余り障害の有無は関係ないのではないかと感じた次第です。校訓の一つであります「自立」に向かって、教師と生徒が一体となって取り組み、その結果が、先ほど触れたような高い就職率に反映していると考えます。


 そこで、提案でございますが、県立の農業高校や工業高校内にある空き教室を利用しまして、各養護学校の分校的なものを設置し、現在ある各専門高校の設備、人材、ノウハウを最大に活用しながら、障害児の就労に必要な知識、技能、耐性などを習得できる機会を広げていってはどうかと考えます。専門的な作業実習を通して、生徒たちの持つ職業自立への可能性を引き出すことは重要であります。


 この提案を踏まえて、知的障害の養護学校高等部に在籍する生徒のさらなる受け皿の拡大についてどのように考えているのか、教育長のご所見をお伺いをいたします。


 各項目に対する知事及び当局の積極的な答弁を期待しつつ、質問を終わります。ご清聴まことにありがとうございました。(拍手)


○議長(原 亮介)  井戸知事。


  〔井戸知事登壇〕


○知事(井戸敏三)  公明党議員団を体表しての大野由紀雄議員のご質問にお答えいたします。


 まず、知事の考える「元気ひょうご」づくりについてお尋ねをいただきました。


 大震災から10年が経過いたしまして、この10年の県民の取り組みによりまして、人口も従前をオーバーし、県内の経済活動の総指標でございます県民総生産額も、19兆9,000億と3,000億ほどオーバーをする。雇用状況も大きく変化しました。このような取り組みをもとに、新たな飛躍をめざすスタートラインに今、立てているのではないか、このように考えております。そのために、「元気ひょうご」づくりをめざしていきたい、そのような決意のもと、「多様と個性」、「選択と集中」、「分権と分散」を旨に、参画と協働を基本に取り組んでまいります。


 まず、元気の基盤を確かなものとすることが肝心でありますから、ひょうごの安全と安心づくりを進めなくてはなりません。総合的な防災や減災対策、予防重視の健康社会づくり、街の安全対策などを推進するほか、元気の源を担う子育て世代を応援するため、出生アップや子育ての環境整備、地域ぐるみでの子育て応援などを強化していきたいと考えます。


 その上で、ひょうごの三つの元気をつくっていきたい。まず、「人の元気」です。学校教育や地域教育の充実、芸術文化の振興等によりまして、人の元気をつくる。2番目は、「産業の元気」です。兵庫の強みを生かしたものづくり産業や中小企業対策を拡充し、若者や中高年齢者の就業支援などを行います。3番目は、「地域の元気」です。地域の元気は、それこそ家庭や家族を支える地域づくり活動を活発化していくこととあわせて、多彩な交流により実現していけるのではないか、このように考えています。このような取り組みを県民主役、地域主導で進めるため、成熟社会にふさわしい兵庫の自治を確立してまいらねばならない、このように考えています。


 今後とも、参画と協働、共生と連帯でつくる「元気ひょうご」をめざして、県議会はもとより、市町とも十分に協議を行いながら、各般の取り組みを進めてまいりたい、このように考えております。


 続きまして、さらなる行政改革の推進についてです。


 昨年2月に策定しました行財政構造改革推進方策後期5か年の取組みは、組織や定員・給与、行政施策、公社等の見直しのほか、民間委託やPFI等の効率的な経営手法の導入など、そして、県から市町への権限移譲も含めまして、今回示されております「新地方行革指針」での項目をすべて包含しておりまして、先進的な内容として定めたものと考えております。したがいまして、この行財政構造改革を着実に推進することが、「新地方行政改革指針」への対応にもなるものと考えています。


 このうち、人件費については、少人数学級や障害児学級の推進によります教職員や、防犯や安全対策を進めます警察官の増員を図る中で、平成12年度以降、一般行政部門で780人を削減しました。給与についても、定期昇給の12ヵ月延伸措置や管理職手当の10%減額を実施するなど、改革の着実な推進を図ることによりまして、平成12年度から17年度の5ヵ年間で約4%の人件費を削減しております。


 なお、ご指摘のありました人口1人当たりの人件費につきましては、人口規模が大きい団体ほど、スケールメリットにより小さくなる傾向がありますし、民間との比較に関しましても、公務に類似しない職種を含んでいたり、学歴や年齢や勤続年数等の違いを反映していないなどの点もあります。さらに、能力評価制度については、国の公務員制度改革における論点の一つであり、評価基準をどう作成するかといった課題もありますから、国の動きを注視しつつ、検討する必要があります。


 しかし、いずれにしても公務員のあり方が問われています。終身雇用を前提としてこれからも続けていくのか、もっと柔軟な勤務形態を検討すべきではないか、給与水準も、国との均衡のみならず、民間準拠にもっと重点を置くべきではないか、もっと民間ができることは民間にゆだねるべきではないか、ここ数年続く大量退職時代に合わせて定員・定数の見直しなどを徹底すべきじゃないかなど、今後とも、県庁の仕事全般の徹底的な見直しを通じまして、新しい時代に対応した、スリムで効率的な県政運営の実現を図ってまいります。


 特殊勤務手当については、副知事から答弁をさせていただきます。


 続いて、「すこやかひょうご子ども未来プラン」の改定についてです。


 少子化対策を総合的に推進するため、既に平成9年度に策定をいたしました「すこやかひょうご子ども未来プラン」に基づき、少子化対策についての諸施策を推進しています。


 現在は、プランのさらなる充実のために、今後の施策の方向性等について、少子化対策推進協議会の意見も踏まえまして、改定作業中でございます。


 協議会の委員からは、次世代育成の観点に立って、若い世代が喜んで子供を産める社会の実現をめざすべきだ、若者の勤労観や職業観を育成していくべきだ、女性が働き続けるためのシステムをどう構築していったらいいか検討すべきだ等について、さまざまな意見が出されています。


 また、経済的負担の軽減についても、教育費に係る税制面からの国を挙げた支援や、社会保障における世代間の社会的公平性の再構築を図るべきだという問題提起もなされているところです。


 現在、国におきましても、「社会保障の在り方に関する懇談会」で、少子化対策を含めた社会保障全般の検討が行われておりますし、私が所属しております税制調査会におきましても、子育て支援のための税制のあり方についても論議がされているところです。これらの動向も踏まえる必要があります。


 また、少子化対策の推進に当たりましては、参画と協働の趣旨を踏まえまして、さわやかトークや地域夢会議において県民との直接対話を行うとともに、意識調査を行いましたほか、ブロック別にフォーラムや子育て・子育ち井戸ばた会議などを開催しまして、幅広く県民との意見交換も行っています。例えば、まちの子育てひろばの事業を実施させていただきました契機は、さわやかトークで、若いお父さん、お母さんとのトークがきっかけになりました。


 少子化への対応は、今後の社会のあり方をどうするのかという基本課題であります。さまざまな機会にいただいた県民のご意見やご指摘の点を踏まえながら、家庭と地域の子育て力の再生、子育てと仕事の両立の支援、子供が健全に育つ環境づくり、若者が自立しやすい環境づくりなど、一言でいいますと「何でもあり」。少子化対策を総合的、多面的に推進してまいりたい、このように考えています。


 続いて、公共交通機関に対する安全対策についてです。


 公共交通は、県民生活に欠くことのできない交通手段であります。運行に係る安全性の確保は、事業者の最も重要な使命であります。しかし、福知山線において多数の死傷者が生じる列車事故が発生し、県民に大きな不安感を与えたことは、まことに残念なことでありました。


 県としては、いち早く事故対策支援本部を設置し、被害者の救出・救助活動等を実施するとともに、JR西日本に対し、遺族や被害者への支援、輸送の安全確保を強く申し入れ、監督責任がある国に対しても、事故原因の早期究明や事業者に対する輸送の安全確保の徹底について指導を要請しました。


 また、今回の事故を踏まえ、県下の第三セクター鉄道や関西鉄道協会、さらに航空、旅客船、バス事業等すべての公共交通機関に対し、あらゆる角度からの総点検と安全対策の実施を要請したところです。


 また、先日も、既に事故から1ヵ月有余を経過して、県民の通勤・通学に対する負担や、あるいは、沿線の経済活動に対する影響も大きなものが懸念されておりますので、早期の再開についてもJR西日本及び国土交通省に申し入れたところでもございます。


 公共交通における安全確保の責務は、第一義的には事業者にありますが、県としても、県民の安全と安心を守るため、これまで鉄道事業者が実施する踏切保安設備整備等に支援をしてきています。今後も、バスや鉄道を含むすべての公共交通事業者に支援する際には、国の事故再発防止施策などを踏まえながら、より一層安全・安心に重点を置いた取り組みを進めてまいります。


 いずれにしても、公共交通機関は、安全に旅客を輸送する、貨物を運ぶ、これが使命であることを基本に対処してほしい、このように願っています。


 続きまして、都市型河川の防災対策です。


 周辺の土地が高度利用されている都市型河川の治水対策については、河道の改修だけではなくて、ご指摘のように、地下貯留施設や放水路等を組み合わせた総合的な対策が必要であります。川西市の寺畑前川や姫路市の辻井川などで、地下貯留施設の整備に取り組んできました。


 姫路市の船場川については、下流から順次河道改修を進めておりますけれども、昨年の台風23号では、上流部に位置する城北地区で床上浸水の被害があり、堆積土砂の除去による河積の拡大等の緊急的な対策は行ったところでありますが、抜本的な対策としては、河道改修が必要でありますけれども、なお多大な事業費と時間がかかります。学校や公園、駐車場を利用した地下貯留施設や市川への分水路の整備等、さまざまな対策を検討しているところです。


 県下各地の都市型河川についても、専門家や関係住民の意見を十分に伺いながら、それぞれの地形的条件や下水道事業との連携など、地域の実情に応じた効果的なハード対策を河川整備計画に位置づけて、ハザードマップの公表などソフト対策とあわせて、総合的な都市型河川の防災対策を順次推進してまいりたい、このように考えています。


 続きまして、公的住宅の整備のうち、バリアフリー化の推進についてです。


 高齢化がますます進展する中で、だれもが自立し、安心して暮らせる住まいとして、住宅のバリアフリー化を図ることは、これからのユニバーサル社会を実現する上で肝要です。このため、県営住宅や県公社住宅といった公的住宅では、民間に率先してバリアフリー化を推進してきました。


 現時点でのエレベーター設置率は、県営住宅では44%、特定優良賃貸住宅を含めた公社住宅では48%になっています。民間の共同住宅の設置率が28%でありますので、これを大きく上回っているところであります。しかし、今後とも、エレベーターの設置を初め、住戸内の段差解消などの公的住宅のバリアフリー化を積極的に進めてまいります。


 特に、県営住宅については、今年度、「ひょうご21世紀県営住宅整備・管理計画」を抜本的に改めまして、平成18年度からは、従来型の大規模改修に加えまして、入居者がいながらにしてバリアフリー化が実現する、階段室型エレベーターの設置等を行う新型改修事業を推進していく予定としております。これにより、従前、年間約300戸であったバリアフリー仕様の住宅の改修が年間650戸程度に倍増し、県営住宅のバリアフリー化計画の大幅な前倒しが実現する、このように進めてまいる予定でございます。


 以上、私からの答弁とさせていただきます。


○議長(原 亮介)  藤本副知事。


  〔藤本副知事登壇〕


○副知事(藤本和弘)  私から2点についてご答弁申し上げます。


 1点目は、特殊勤務手当の見直しでございますが、特殊勤務手当につきましては、著しく危険または困難な勤務、その他の著しく特殊な勤務で、その特殊性が給与等で措置されていない業務に従事する職員に対して支給をしているものでございます。


 これらの手当の中には、当初の特殊性が、時代の変化等でその必要性が薄れたもの等があるために、不断の見直しが必要であると考えております。これまでも、平成11年には四つの手当を廃止するとともに、13の手当を五つの手当に整理統合するなどの見直しを行ったところでございます。現在、本県では、総務省からの不適正な手当としての個別的な指摘を受けているものはないところでございます。


 ご指摘のありました税務事務手当につきましては、国におきましては、税務事務の従事者には税務職の俸給表が適用されております。県では、行政職の給料表を適用しているところでありまして、国の税務職俸給表の水準を考慮いたしまして、手当を支給しているものでございます。


 なお、市町職員との関係では、例えば、大規模な不動産は県において評価を行っていることや、軽油引取税の脱税事案の強制捜査など、県においては、専門性が高く、また困難な事案に対処をしているところであると考えているところでございます。


 しかしながら、特殊勤務手当につきましては、引き続き、業務実態の変化や国、他府県の動向など情勢の変化、あるいは、個々の手当の必要性や支給方法、支給対象範囲、支給額の妥当性などについて常に検討を行っているところであり、今後におきましても、県民の理解が得られるものとなるように、見直しに取り組んでまいりたいと考えております。


 続きまして、県営住宅の管理の民間委託でございますが、県営住宅の管理事務のうち、入居許可、家賃の減免等行政判断が必要な事務は、公営住宅法に基づきまして、県が実施すべきとなっております。仮に指定管理者制度を用いましても、民間事業者ができる行為は、通知業務等の機械的な事実行為に限られているところでございます。


 現時点では、県住宅供給公社に県営住宅の管理を委託しておりますが、これによりまして、公社に出向している県の職員が、県の立場で行う事務と機械的な事実行為を一体的に処理しておりまして、一定の合理性があると考えているところでございます。


 ただし、県住宅供給公社に管理を委託している業務のうち、民間活用を図る、こういったことの観点から、保守点検あるいは修繕業務等を既に公社から民間に委託をしておりまして、今年度からさらに、退去者で滞納家賃のある方に、その滞納家賃の徴収を民間に委託をしているところであります。今後は、その効果を十分に見きわめつつ、関係法令の範囲内で、例えば、長期滞納者の徴収事務等を、可能な限り民間業者の参入の機会を拡大するように進めてまいりたいと考えております。


 なお、県営住宅におきます政策空き家は、事業対象団地の募集停止と入居者の仮入居先の確保のために、建てかえ事業等に不可欠なものでありますが、県有施設の有効活用のために、募集停止期間の短縮等を検討して、政策空き家の縮減に努めてまいりたいと考えているところでございます。


○議長(原 亮介)  齋藤副知事。


  〔齋藤副知事登壇〕


○副知事(齋藤富雄)  私から、心のケアにおける臨床心理士の活用についてお答えをいたします。


 心の問題に対処するため、本県では、こども家庭センターを初め、こころのケアセンター、精神保健福祉センター、知的障害者更生相談所など、相談機関で心理判定や心理療法、カウンセリングを行う心理判定員を採用しているところでございます。


 ご指摘の臨床心理士の有資格者につきましても、28名と全国に比して有資格者は多い状況にあります。また、中学校には、181人のスクールカウンセラーを配置しているところでございますが、17年度は、すべて臨床心理士で対応しているところであり、また、スクールカウンセラーの配置基準のさらなる拡充等についても、国へ提案してまいりたいと考えております。


 心のケアにつきましては、こころのケアセンターや精神保健福祉センターを中心に、健康福祉事務所の「こころのケア相談室」が連携を図りながら、相談に応じておりまして、災害や事故の発生時には、精神科医師、保健師、精神保健福祉士、臨床心理士等がチームを組んで心のケアに当たっているところでありますが、今後とも、こころのケアセンターの充実や対応体制の整備を図り、県民ニーズに的確にこたえてまいる所存であります。


 また、現在、国において、臨床心理を行います者の国家資格を創設する動きがございますが、県といたしましては、正規の国家資格として位置づけられた場合は、採用に必要な資格として明確な位置づけを検討をしてまいりたいと考えております。


○議長(原 亮介)  吉本教育長。


  〔吉本教育長登壇〕


○教育長(吉本知之)  私から、県立養護学校高等部の今後のあり方についてお答え申し上げます。


 養護学校高等部生徒が、学校卒業後、可能な限り自立や社会参加していくためには、社会の変化や生徒の障害の状況等に応じた適切な職業教育が必要であり、とりわけ職業的自立をめざした就業体験活動が重要であると考えてございます。


 このため、職業学科を設置する高等学校で、家畜の世話等の交流学習を行ったり、学校外から職業指導等に係る専門的知識や技能を有する人材を講師として招聘し、作業学習を行いますなど、自立に向けた教育の充実に取り組んでいるところでございます。本県の養護学校高等部の就職率は、全国平均とほぼ同じ状況に現在ございます。


 今、障害児教育の充実を図りますため、「障害児教育の在り方検討委員会」におきまして、幅広い論議をいただいておりますが、その中で、障害の状況等に応じた職業教育のあり方の基本方向について、ご意見をいただくことにしてございます。


 今後、検討委員会からの提言や高等部生徒の受け皿の拡大を含めた議員ご提案の趣旨も踏まえまして、職業教育を含めた養護学校高等部の具体的な拡充方策を検討してまいります。


○議長(原 亮介)  大野由紀雄議員に対する答弁は終わりました。


 次に、毛利りん議員。(拍手)


  〔毛利りん議員登壇〕


○(毛利りん議員)  知事選挙直前の議会に当たって、私は、日本共産党県議団を代表して、県民の暮らしを守る立場から、知事の政治姿勢について伺います。


 4月25日に発生したJR福知山線列車脱線事故は、死者107名、負傷者549名に上る類例のない大惨事となりました。犠牲者やご家族、負傷者や関係者の方々に心からのお悔やみとお見舞いを申し上げます。


 事故原因は調査中ですが、背景にJR西日本の安全軽視の経営実態と過酷な労務管理があることが指摘されています。そして、根本的には、民営化して規制緩和を進め、安全対策のおくれを容認した国の責任が重大です。同時に、県が、県民の安全・安心を守るために十分な役割を果たしたのか、自治体としてのあり方を根本から問う問題として、初めに質問いたします。


 第1は、今回の事故に対する県の責任についてです。


 県は、震災の教訓が生かされて、スムーズに対応したと言いますが、それは、近隣の住民や工場、自治体や医療機関の自主的で献身的な貢献によって支えられたものです。県災害医療センターは、事故現場で救急医療や傷病者の受け入れ確保などを行いましたが、テレビを見て、とにかく現場にと自主的に駆けつけた19の医療チームがいなければ、どうなっていたでしょうか。現場には、大阪や滋賀など県外の病院や赤穂市民病院、柏原赤十字病院など遠方からも救援に駆けつけてくれましたが、事故現場から数キロ以内の県立尼崎病院や塚口病院などからは派遣されていません。県は、防災計画で、大規模事故の場合、災害拠点病院を初め各医療機関に対して救護班を編成し、現地に派遣するとしながら、これを実施しなかったのです。


 また、事故直後、乗客の家族や知人が、安否情報の問い合わせにみずから走り回らなければなりませんでした。今回のような、広域にわたる医療機関に負傷者が搬送された大規模事故の場合、情報収集は、地元自治体では不可能であり、県が当然行うべきことです。事故直後、県が全体の情報の収集、伝達を行わなかったために、被害者の家族や関係者、周辺自治体などに多大な混乱を来したことは明らかです。県の防災計画には、初動時には、県が情報の収集、伝達などの業務等を重点的に行うとしているのに、ここでも防災計画をまともに実行していないのです。


 県は、事故直後、午前10時に兵庫県事故対策本部を設置しながら、20分後、知事を本部長とする兵庫県JR福知山線列車事故対策支援本部に変更しました。事故を起こしたのはJR西日本であり、現場は尼崎なので、両者への支援が役割だとして、「支援本部」にしたとのことです。しかし、600名を超える死傷者が発生し、広域にわたる県民が被害を受けているのに、県の姿勢がこれでよいのでしょうか。県民を守るのは県の仕事、知事の役割ではありませんか。本来なら、県が率先して救出、救援に取り組むことこそ求められていたのではありませんか。現行の防災計画すらまともに実行せず、「支援」という立場で事故後の対応を行った誤りを認め、県みずからが県民の安全を守る立場での対応の検証と、防災計画における県の役割について見直しを求めます。


 次に、今後の対応についてです。


 県は、「こころのケア」の特別相談を4月27日から5月8日まで、県こころのケアセンター等で実施しましたが、被害者の心の傷は日ごとに深くなっています。PTSDも含めて、心のケア対策として継続して相談窓口を設けることや、精神科医師や保健師による訪問、カウンセリング、専門家の診察など長期的な対策が必要です。


 また、遺族や負傷者、マンション住民などの補償問題などは、これから話し合われます。滋賀県の信楽鉄道事故では、長い年月をかけた裁判になりました。このような事態はできるだけ避けなければなりません。県として、被害者の立場に立ってさまざまな要望、相談にこたえられるよう、特別相談体制をとることが必要です。


 また、現在、厚生労働省は、「DMAT」と呼ばれる医療派遣チームの体制などを進めており、救急医療への対策を推進しています。東京都では、既に新潟地震に「東京DMAT」を派遣しました。兵庫県としても、救急医療体制を一層促進するために、DMAT創設を含めた計画を進めることが必要と考えますが、相談体制の充実とあわせて、知事の誠実な答弁を求めます。


 次に、公共投資優先の県政運営をやめ、税金の使い方の転換を図る問題です。


 小泉内閣の7兆円大増税・負担増路線は、県民に暗い影を落としています。県の試算よれば、2003年度から今年度にかけての税制改悪の影響は、県民税だけで平年度ベース113億円以上の増税、影響を受けた人数は延べ143万人にも上ります。


 前県政の行財政構造改革の理念を引き継ぎ、着実に推進することを公約に掲げて就任された知事が行ってきたのは、国の悪政から県民を守るのではなく、負担増の押しつけ、県民生活支援への切り捨てでした。行革推進方策の2000年度から2008年度の福祉、医療、教育の削減などで押しつけられる県民負担増は1,360億円にもなります。


 県民のために使うお金がなかったのではありません。本来行革でメスが入れられるべき大型公共事業は見直さず、浪費が続けられてきたのです。例えば、1993年から事業を開始したひょうご情報公園都市は、産業用地4.8ヘクタールが3社に売れただけで、都市といいながら居住人口はゼロ。その後も、宝塚新都市、小野長寿の郷など、次々大規模開発を計画しましたが、この間に完成した新都市は全くありません。企業庁地域整備事業についての包括外部監査でも、ひょうご情報公園都市の未造成地について、「含み損86億3,500万円が生じている」などと指摘されています。


 開発用地を買いあさったものの、開発が行き詰まった結果、県の未利用地などは6,300ヘクタールに及び、4,000億円を超える投資をしているのです。単純に下落率を掛けると、2,000億円近い含み損が推計できます。しかも、事業化のめどはなく、二重、三重の県民負担です。


 大規模開発の問題は、震災復興計画でも顕著にあらわれています。県は、「阪神・淡路震災復興10か年計画」の総事業費16兆3,000億円の実績を明らかにしましたが、その6割、9兆8,300億円を「多核・ネットワーク都市づくり」に投じています。その中身は、関西国際空港2期事業、神戸空港建設を初め、淡路交流の翼港、新都市の整備や大阪湾横断鉄道、阪神疏水の構想費まで含まれ、震災復興と関係のない公共事業ばかりです。「復興」に名をかりたむだを重ね、県の借金は4兆円を超えるまでに膨らんでいるのです。


 このような大型開発の行き詰まりに直面しながら、知事は、公共事業への投資額の3,400億円枠を維持しています。しかも、2003年度普通会計決算では、4,700億円近くにも事業費が膨らみ、全国の公共投資削減の流れに逆行しています。


 さらに、最近発覚した「鋼鉄製橋梁工事」の談合事件は、三菱重工、新日鉄、川崎重工、神戸製鋼など日本を代表する大企業がかかわり、40年間も続いていたという大問題ですが、県も無関係とは言えません。ここ5年間の鋼鉄製橋梁工事等の県の発注について見ると、74件、契約額は97億円に上ります。このうち、実に60件、93億円を談合組織とされる「K会」または「A会」のメンバーのメーカーが受注。しかも、驚くべきことに、40件では、入札業者すべてがK会またはA会のメンバーで、これらの工事での落札率は平均94.7%という高率、100%というものもあります。そして、年間契約額の約7割から8割をK会メンバーが受注し、1割から2割をA会メンバーが受注しているのが、各年度でほぼ共通しています。異常としかいいようのない状況です。県は、「直接の関係はない」と言いますが、談合していた橋梁メーカー47社が西日本でも組織をつくり、地方自治体でも受注調整をしていたとの新聞報道もあり、県として黙過できないのではありませんか。


 私たちは、10年間の資料を求めました。県は、書類の保管期間などを理由に、5年分しか明らかにしませんでしたが、10年間の発注額は二百数十億円に上ると思われます。発覚した入札談合事件では、公正取引委員会によると、不当利得の平均値が18.6%ですから、仮に県で同様の高値入札が行われていたとすれば、県民の損害は四十数億円にもなる計算です。


 本来、県がみずから積極的に調査して、明らかにすべきです。長寿祝金など、ささやかな高齢者の楽しみまで奪うような予算カットを行っておきながら、莫大なむだ遣いの可能性を調査もしないなら、知事の見識が問われます。


 知事、県の発注した鋼鉄製橋梁工事等で高値で入札され、県民の税金がむだに使われなかったのか調査し、是正することを求めます。


 そして、大規模開発がことごとく行き詰まり、ツケを県民に押しつけてきた責任を認めるとともに、今後、公共投資優先県政運営を改め、関空2期事業や神戸空港への出資・補助、むだな大阪湾横断鉄道構想などの中止と県行革の投資枠3,400億円の大幅削減をすべきです。知事の明快な答弁を求めます。


 次は、社会的弱者である障害者、高齢者の安心・安全の暮らしを充実させる課題です。


 1点目は、障害者自立支援法案についてお尋ねします。


 法案の国会審議が始まっていますが、最大の問題は、応益負担の原則を導入しようとしていることです。障害者の日常生活は、社会的・福祉的支援や必要な介護などがあって、初めて成り立ち、障害が重いほど、支援をより多く必要とします。ところが、この社会的支援を「受益」とみなし、支援の多さによって負担をふやすというのです。支援を受けることを「益」とする考え方は、国連で決議された「障害者の権利宣言」の「障害者は、経済的・社会的保障を受け、相当の生活水準を保つ権利を有する」という人権保障の理念を根底から否定するものです。


 もともと障害年金だけでは安心した生活などできず、その上に自己負担増を強いることは、人間としての当たり前の暮らしを奪い、「自立」を壊すもので、それを「自立支援」と呼ぶことへの批判、怒りは当然のことです。さらに、法案は、世帯構成員すべての所得をもとに、家族に利用料の連帯負担を求めようとしていますが、この発想そのものが、障害者個人の自立を認めないものです。


 このように問題がある障害者自立支援法案を、ことしの10月に強行実施しようとすることに、本県のみならず、全国にも反対の集会、取り組みが広がっています。県の幹部も参加された「障害者自立支援法案に対する緊急集会2」でも、参加者から「政治家を選挙でふるいにかけよう」の声が出たほどです。


 そこで、応益負担の原則を導入しないこと、また、利用料負担は、障害者本人の収入を根拠にし、同一世帯の人に負担を求めないよう国に意見を上げることを求めます。さらに、これまでなされてきた施設などへの県の独自支援、助成制度も削減されるのではないかとの多くの関係者の不安にこたえ、県の運営補助の水準を下げないこととあわせて、明確にお答えください。


 この項の2点目は、福祉医療費助成制度についてです。


 県は、県民の怒りの声、医師会などの広範な署名活動など、さまざまな反対の声の前に実質凍結していた改悪を、いよいよ来月から実施することを決めました。この問題を通して、地方自治体の役割が問われています。


 さきの予算議会で、我が党が、福祉医療制度の改悪をストップし、少なくとも現行どおり継続することを求めたのに対し、知事は、本体医療でさえ一部負担が求められていることとの均衡をとる必要があると答弁し、国の悪政に追随する政治姿勢を示しました。さらに、知事は、会費程度の負担をしていただくと言いながら、国が導入を進めている応益負担の考え方をそのまま県で先取りしていることは、二重に問題です。


 「負担がふえれば、何を削れと言うのか」と嘆かれるのは、障害者授産施設に入所している青年を持つ母親です。彼は知的障害者ですが、自活するために、パンやおせんべいなどをつくる技術を身につけようと頑張っています。収入は、障害年金の6万6,000円と給料1万円前後の月に8万円足らずです。今でも切り詰めた生活をしているのに、手元にはお金は残りません。それでも、知事、あなたは、この青年に「わずかワンコインの負担です」と言えますか。500円の重み、障害者の実態がわかっていないから言えるのです。


 また、知事は盛んに老人医療費助成制度を全国一の医療費助成水準を確保と自賛しておられますが、今回の改悪、負担増の影響を受けるのは、十数万人にも上ります。非課税措置の廃止によって、わずかな年金収入で課税対象となる高齢者にとっては、二重の負担増です。


 今こそ県民の暮らしに目線を向けた県政に転換すべきです。県の一般会計予算のわずか0.2%で福祉医療の現行制度が守れるのです。福祉医療の削減、改悪をストップし、現行制度を継続することを、実施直前にして改めて求めます。知事、障害者・高齢者などに優しい答弁を期待します。


 次に、介護保険の見直しについてです。


 介護保険制度が導入されて5年、導入に当たって国負担を大幅に削減したため、国民は、高い保険料と利用料の負担に苦しんでいます。それなのに、財政支出を抑えることを最大の目的として、今国会に大改悪が提案され、さらなる負担を押しつけることに国民の大きな怒りと不安が広がっています。


 知事は、2007年に特別養護老人ホームを2万床にし、待機者をゼロにと公約されていますが、神戸市分が含まれた数字で、実際は、県は2007年までに約3,000床しかふやさない計画です。しかも、国は、施設整備の予算を2004年度、2005年度と大幅に削減し、抑制し続けています。待機者は既に1万1,000人をはるかに超えているのに、待機者ゼロどころか、ますますふえるではありませんか。


 また、改悪案では、施設利用者は、ホテルコストとして居住費や食費が自己負担となります。平均で1人当たり年間40万円もの負担増で、負担が年金額を大幅に上回ります。さらに、入所対象を介護度4、5に重点化しようとしており、入所が格段に難しくなります。


 では、在宅介護は充実されるのでしょうか。多くの人が自宅での介護を希望されており、知事は、「一人一人のニーズに応じた、24時間対応のサービスを普及する」と述べています。しかし、改悪案では、軽度者には、家事援助サービスは自立の意欲を妨げているなどとして、ヘルパーやデイサービス利用なども制限され、新予防給付の筋力トレーニングや栄養指導に限定しようとしています。


 県下で要支援、要介護度1の認定を受けた人数は、昨年度末で約9万7,000人、認定者の半数を占めています。そのほとんどの人が在宅サービスの対象外となってしまいます。家事援助がなくなれば、生活は成り立ちません。しかも筋力トレーニングのモデル事業では、状態悪化が2割から3割もあり、危ぶまれています。これでは、知事の言われる「ニーズに応じた24時間介護」は、絵にかいたもちでしかありません。


 安心して必要な介護サービスを受けるため、介護保険制度の改悪をやめるよう国に強く要求するとともに、県として、縮減した在宅老人介護手当の復活、減免制度の拡充と特別養護老人ホーム建設を抜本的に進めるよう求めますが、いかがですか。


 次は、乳幼児医療費助成制度の充実についてです。


 「少子化とまらず、出生率4年連続で過去最低を更新。昨年の1.2905から1.2888に」、1週間前の厚生労働省の発表です。本県は、その最低の全国平均よりもさらに低い1.24。しかも、昨年の1.25から下がったことは、極めて深刻な事態です。


 ことしも、議会開会日の3日に、小さな子供たちを連れたお母さんたちの「乳幼児医療費無料化・完全実施」を求める県への交渉が行われました。安心して子供を生み育てたいとの粘り強い運動のもと、対象年齢の拡大など前進をさせてきましたが、県は、この7月から、入院した場合、これまでの無料から1割負担に、通院でも1割負担から医療機関ごとに月1,400円までの支払いを求めることを決めてしまいました。若い家族にとって負担増となります。


 この県交渉でも、「長引く不況と不安定な雇用のもとの収入から見て、出費も多いので、所得制限の撤廃も強い要望です」、「アトピーなど治療費の高い慢性の病気もふえ、医療費は大きな負担です」と訴えられました。そのことは、県民意識調査で、子育てを取り巻く環境の問題点として、「子育てにお金がかかる」が5割近くを占めていることにもあらわれています。だからこそ、子育ての経済的負担を軽減する施策が今、求められるのです。


 高齢者を除いて、最も受療率の高い乳幼児に対する医療費助成を強化することは、若い世代が子供を生み、育てる意欲につながると同時に、病気の早期発見・早期治療で子供の生涯の健康を確保する上でも極めて重要です。


 ところが、知事は、少子化対策を進め、出生アップや子育ての環境を整えると言われながら、肝心の経済的負担軽減や子供の健康につながる乳幼児医療費助成制度の充実には触れずじまいです。


 合計特殊出生率が全国第38位と低い本県にとって、少子化対策の強化は、県として待ったなしの課題です。少子化対策の重要な施策の一つとして、乳幼児医療費助成制度を義務教育を終えるまでに拡大し、所得制限も撤廃して、完全に無料化するように求めますが、知事の英断を求めます。


 次に、少人数学級の拡大を求める問題です。


 2月の衆議院文部科学委員会で、我が党議員の質問に、中山文科相は、「現場の実態からもクラスの人数を減らす方にいかないといけない」と答弁しています。少人数学級の教育効果は、4月の文科省の調査でも、「学力が向上した」、「授業でつまずく児童生徒が減った」と評価する学校は、小学校98.7%、中学校で9割以上となっています。また、約9割の小学校、約8割の中学校で、「不登校やいじめなどが減少」、「基本的な生活習慣が身についた」と生活面でも評価。我が党が一貫して主張してきたとおり、教育面でも生活面でも大きく成果が上がっていることが明らかになりました。


 続いて、5月10日、中央教育審議会の義務教育特別部会が、公立小中学校の1学級当たりの子供数の上限を40人と定めている学級編制基準を改善することで一致しました。この特別部会の中で、片山鳥取県知事は、小学1、2年や中学1年で少人数学級を実施している県内の実態を説明、小中学校の教師の9割以上が30人学級を評価していること、また、学級規模が少数になるほど基礎学力が上がっていることを報告され、改めて知事の姿勢が問われています。全国で初めて少人数学級を実施した山形県に当時は猛反対した国でさえ、教育効果を認め、少人数学級を進める動きに変わってきたのです。少人数学級は世界の流れだけではなく、今や日本全国の流れとなりました。


 知事、あなたは相変わらず、「少人数学習集団」など、新学習システムに固執し、国が既に進めようとしている「少人数学級」を認めようとしていません。未来の担い手である子供たちのために、思い切って財源をつくり、少人数学級の全県・全学年での実施を進めるべきだと思いますが、知事の決断を求めます。


 次に、県民の住宅の向上を図る取り組みの促進と中小企業の仕事づくりについてです。


 まず、現在の安心・安全、高齢者が在宅で暮らせるための住宅のバリアフリー化についてです。


 「住宅の事故死の7割が高齢者」との調査もありますが、高齢者や障害者が在宅で安心して暮らすためには、住宅のバリアフリー化が不可欠です。ところが、1998年の調査では、手すりの設置、広い廊下、段差の解消が実施されている住宅は、わずか4.5%で、その5年後でも5.4%です。今なお約109万戸が、手すり設置などのバリアフリー化すら実施されていない状態です。


 バリアフリー化事業への県民の期待は強く、予算は年々増額されてはいますが、希望者が多いために、窓口の市町は予算不足となる事態が毎年続いています。


 知事は、5年で1万5,000戸のバリアフリー化を進めると言いますが、手すりすら設置されていない住宅が109万戸以上に上ることに対して、5年で約1%をバリアフリー化というのでは、計画とはとても呼べません。


 また、将来の安心・安全、住宅の耐震化ではどうでしょうか。知事は、我が家の耐震化50%を進めると言いますが、そのための県の施策はありません。阪神・淡路大震災では、犠牲者の8割が建物などの崩壊による圧死であり、新たな地震の発生が指摘されているとき、県民の命を守るには、住宅の耐震化は緊急・不可欠の課題です。ところが、2003年の住宅・土地統計調査では、新耐震以前の住宅は80万戸、全住宅戸数の約4割に上っています。また、新耐震以降の木造住宅でも、阪神・淡路大震災では2割以上が大きな被害を受けていることを見れば、県の施策の実態は、昨年度の耐震補強の工事補助は、わずか74件であり、今年度の予算措置も制度が改善されたとはいえ、対象件数は、耐震診断設計を入れても、わずかに200件です。


 現在の安心・安全も、将来への安心・安全も、県民の自助努力頼みで、結局、「住宅は私有財産」という大震災前の旧態依然の一面的な発想にとどまっているからではありませんか。住宅の耐震化も、県民の命を守る公共的取り組みとして位置づけ、耐震補強への補助額を1戸当たり100万円程度に引き上げ、計画的に県民の住宅の耐震化を図るべきです。


 住宅の耐震化・バリアフリー化の潜在需要は、県下だけでも1兆円をはるかに超えるものと推定され、社会的に有用な事業です。自己の力で実施される住宅が一定あるとしても、放置していては進まないことは、この間の県下の実態で明らかです。この事業に県が助成し、効果を生み出せば、県民の安心・安全の確保、県下の中小企業の仕事確保に貢献し、ひいては雇用拡大、青年の働き場所確保にもつながることは間違いありません。県民の安心・安全確保と経済対策としても位置づけ、住宅の耐震化、バリアフリー化に本格的に取り組むことを求めるものです。


 次は、環境を守る問題です。


 一庫ダムの上流部、川西市国崎地域に、兵庫県と大阪府にまたがる1市3町による広域ごみ処理施設建設計画が進められています。建設予定地は、無数の坑道跡が残る銅山の跡地で、土壌の鉱毒汚染が明らかとなっています。しかも、下流には、川西、宝塚、伊丹、尼崎、西宮、猪名川の水がめである一庫ダムがあり、水源が鉱毒で汚染される不安や豊かな自然の破壊につながると、建設反対の声が挙がっています。


 この計画を進める猪名川上流広域ごみ処理施設組合が行った環境アセスによる土壌調査は不十分なものでしたが、それでも基準値を超える鉛が検出されました。しかし、予定地全体の詳細な調査を実施すべきという住民や専門家の意見は、退けられてしまいました。


 環境アセスとは別に、昨年4月から、ごみ処理施設の造成設計を請け負った企業が綿密な土壌調査を行った結果、58ヵ所中46ヵ所で安全基準を上回る鉛が検出され、含有量の最大値は基準値の42倍、溶出量は76倍にも上りました。河川底質から高濃度の砒素、銅なども検出され、深刻な土壌汚染が明らかとなりました。ところが、この事実は住民には知らされないまま、昨年11月には、「十分な調査を行い、施設建設に一切の支障はない」とする環境影響評価書がまとめられてしまいました。一方、施設組合は、この調査結果を県環境局には報告をしていました。


 結局、県は、土壌汚染の実態を知りながら、国に施設建設補助金の申請をしていたのですから、責任は重大です。「安全な防止対策がなければ、土壌はいじらない方がよい」と専門家も指摘しているとおり、古い鉱山を掘り返すことによる水や土壌の汚染が明らかなのに、安全性も立証されないままの工事着工を許してはなりません。


 住民合意もなく、問題も山積みで、阪神間5市1町の水源の上流で、人体にも影響を及ぼしかねない危険性が指摘されている猪名川流域ごみ処理施設建設計画は白紙撤回するよう、市町へ働きかけるよう求めるものです。


 最後に、憲法・平和問題でお聞きします。


 任期満了前に、知事が、遵守義務を持つ行政の長として、憲法擁護の立場に確固として立ち、平和を求める県民の声にこたえてきたのかが問われています。


 知事は、就任直後、核積載の疑いがある米艦船ヴィンセンス号の入港を認め、その後も、イラク戦争に参戦したヴァンデグリフト号の入港を許可し、自衛隊による軍事演習のための津名港利用もいち早く認めるなど、非核と平和を願う県民の声に背を向け、憲法9条をないがしろにしてきました。


 これまでに、全自治体の8割を超える自治体が非核宣言を行った中、非核宣言自治体協議会が、NPT再検討会議を前に、政府に核兵器廃絶の先導的役割を果たすことを求め、核保有国に核軍縮に取り組むよう要請したのと対照的です。


 また、憲法を真っ向から否定し、県民を戦争に巻き込む有事法制の制定を知事は容認し、「国民保護法は武力攻撃事態等から国民を守る仕組みを定めたもの」などと、国の言い分そのままの答弁を繰り返してこられました。有事法制は、地方自治体を飛び越えた総理大臣の指示権が認められるなど、地方が自主的に判断し、対応するという地方自治の仕組みそのものを否定する内容を持つのに、知事は、一切異を唱えませんでした。


 一方で、知事は、「憲法に地方自治が明確でないから改定を」という旨の発言をされていますが、現憲法が保障する地方自治の原則をみずから投げ捨てておきながら、地方自治が憲法に不足しているというのは、おかしな話です。現にある平和と地方自治の破壊にこそ物を言うべきではありませんか。


 今の改憲論の焦点は、憲法第9条の改変にあり、特に、自民党などは、「自衛軍」の明記など、憲法第9条の2項「戦力保持の禁止」を廃棄しようとしています。戦後、自民党・政府は、憲法に違反して自衛隊をつくり、アメリカの要求にこたえて増強し、ついにはイラクへの派兵まで行いましたが、9条2項が歯どめになって、直接に戦争に参加することにはなりませんでした。それを取り払うことは、アメリカとともに、自衛隊が海外で公然と武力行使を行うことができるようにすることです。


 こうした動きに対し、多くの国民、県民が危惧を抱いています。ノーベル賞作家の大江健三郎さん、故三木武夫元首相夫人の三木睦子さんなどが呼びかけた「九条の会」は、県内でも次々結成され、広がっています。


 このような中で、知事が現行の憲法を守る立場に立つか立たないかは、県民の選択に当たっての試金石です。憲法を生かし、アジアの平和に貢献する県政にするのかどうか、県民を戦争の危険にさらし、地方自治のじゅうりんを許すのか否かが問われる問題であり、態度をあいまいにすることは許されません。


 知事、現行の憲法、特に第9条を変えるべきでないとの意思を明確に表明することを求めて、私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)(傍聴席にて発言する者あり)


○議長(原 亮介)  答弁に先立ち、議長より傍聴席にご注意申し上げます。


 本会議の討論あるいは答弁に支障のあるような発言につきましては、今後もしあった場合は、退席を命ずることがありますので、ご注意願います。


 井戸知事。


  〔井戸知事登壇〕


○知事(井戸敏三)  日本共産党議員団を代表しての毛利りん議員のご質問にお答えいたします。


 まず、JR福知山線列車脱線事故について、県の責任についてお尋ねがありました。


 県の地域防災計画では、局地的に発生する大規模事故災害は、基本的には、事故原因者としての事業者と災害対応の第一次的責務を有する市町村が中心となって対応し、県は、原則として支援することになっています。


 県としては、こうした立場を踏まえつつも、今回の事故の重大性にかんがみまして、当初から、緊急消防援助隊の派遣要請、災害医療センターによる医療チームの出動を初め、積極的に対応を図ってきました。体制についても、事故発生の報告を受け、直ちに、防災監をトップとする任意の事故対策本部を設置いたしましたが、さらに強化する必要があると判断し、20分後に、地域防災計画に基づき、知事を本部長とする事故対策支援本部に切りかえたのです。以後、現在に至るまで事故対策支援本部として、総合力を発揮できる体制をとっており、応急対策終了後も、心のケアや地域経済への影響に対する金融対策など、幅広い視点から取り組んでいます。


 今回の一連の対応については、今後の教訓として、今後、有識者による検証委員会を設置し、防災機関が行う救出・救護や災害医療といった専門分野の検証も踏まえて、総合的な検証を行うことにより、今後とも県民の安全・安心のための備えに万全を期してまいります。


 相談体制の整備と救急医療体制の促進についてもお触れになりました。


 心のケア対策については、負傷者、遺族等への訪問による相談、調査による対応及び家族や友人等を対象としたこころのケア教室、消防士等救助活動従事者への研修や個別相談を実施するとともに、ネットワーク会議を通じ、心のケアについて情報の共有やフォローに取り組んでいます。また、被害者や地域住民等からの心のケア相談や中小企業者への金融相談については、個別に実施しているところです。


 今後、これらの相談窓口にあわせまして、既存の県民総合相談センターや県民局の相談体制を利用していただくことで、対応ができるものであると考えています。


 災害医療については、県では、震災の教訓を踏まえて、全国に先駆け、平成9年度より、県下14ヵ所の災害拠点病院に緊急時の救護班携行用医療資器材を整備するとともに、それらを活用した救護活動の実践的な研修や訓練を実施してきました。今回の事故におきましても、こうした取り組みが生かされたからこそ、多くの救援・救護がなされたものと考えておりますし、さらに、県内外の大規模災害に対応するDMATについても、現在、検討を進めております。


 なお、今回の事案への県立病院の対応についてご指摘がありましたが、今回のケースでは、災害拠点病院である兵庫県災害医療センターと兵庫医科大学病院は、直ちに救急医療チームを現地に派遣し、いち早く現地に到着した兵庫県災害医療センターの現状把握により、既に活動しているチーム以外のさらなる現地への救護班の派遣は必要ないと判断したものです。災害拠点病院でない県立尼崎病院と塚口病院においては、関係機関からの派遣要請に備え、救護班の派遣体制を整えるとともに、事故現場から搬送される患者の受け入れ体制も整え、対応したところであります。


 続きまして、公共工事の発注等についてのお尋ねがありましたが、これは、後ほど理事から答弁させていただくことにいたしまして、私は、公共投資がすべて悪だと決めつけてかかることはいかがかと考えております。公共投資こそ我々の基本的な生活基盤を整備する源でありますので、そのような意味から、きちんとした評価をした上で、進めるべきものは進める、そのための枠組みをきちんと確保しておくことが大切だ、このように思っておりますことを申し添えます。


 続きまして、介護保険制度の見直しについてです。


 現在、参議院で審議中の介護保険制度改正法案は、持続可能な介護保険制度の構築をめざして、予防重視型システムへの転換等を内容としておりますが、さきに本県が国に提案した「介護保険制度の見直しに関する提言」と同趣旨の内容であると認識しています。


 在宅老人介護手当については、平成15年度から、国の家族介護手当との整合を図るため、介護保険サービスを利用する場合と重なり合う部分について見直したところですので、これについては、必要な見直しであった、不可欠な措置であったと認識しています。


 減免制度については、本県の提言においても、低所得者対策の拡充を具体的に提案しました。今般の改正において低所得者対策の拡充が行われており、適切な対応ではないかと考えます。


 なお、特別養護老人ホームについては、ニーズを的確に把握し、着実な整備を促進してまいります。


 特養待機者については、申込者のうち、常時の介護や見守りが必要な方、介護者がいない方、在宅サービスを利用しても在宅生活の継続が困難な方等の事情があるにもかかわらず入所されていない方を優先すべきだと考えており、平成16年4月1日現在では1,383人でありましたが、16年度中に、これらの方々の入所が確保できたものと考えております。


 続きまして、住宅の耐震化、バリアフリー化についてです。


 住宅のバリアフリー化については、平成15年度時点で、65歳以上の高齢者がいる世帯76万戸のうち、約5割が既に手すりがあるなど着実に整備が進んでいます。


 今後5年間で、人生80年いきいき住宅助成事業を約1万5,000戸、介護保険による住宅改修が約13万戸、これに加えまして、住宅の新築または建てかえなど自主的なバリアフリー化が約4万4,000戸見込まれることから、兵庫県においても、国が検討中の平成27年度目標、高齢世帯の4分の3で一定のバリアフリー化は達成可能だ、このように考えています。また、達成しなくてはなりません。


 住宅の耐震化については、平成15年時点で県内に約42万戸の地震に対して危険な住宅が存在しますが、今後5年間で、新耐震基準での約13万戸の建てかえ、約9万戸の耐震改修を見込んでいます。


 この耐震改修促進のため、昨年度から、「わが家の耐震改修促進事業」の助成額を最大50万円に増額しました。


 本年度より、さらに簡易耐震診断補助を開始しますし、あわせて、耐震計画なしでも改修工事に着手できるパッケージ方式を導入しました。


 今後、これらの制度活用に向け、大工・工務店等から成る推進協議会などを通じて、県民の利用促進についての意識喚起に努めますとともに、地元建設業者の活用を図ることによりまして、バリアフリー化の推進とともに、今後5年間で地震危険住宅の半減を図ってまいります。


 続いて、平和・憲法問題についてです。


 日本国憲法の前文及び9条に示されている恒久平和主義は、憲法の基本原理の一つであるとともに、戦後の日本が誇るべき崇高な理念であると考えます。この理念のもと、我が国が世界の平和の確立に積極的に貢献すべきであることは、私も含め、全県民、全国民の願いであるとも考えています。


 平和な国際社会の実現に向けて、外交・防衛の分野については、専ら政府が責任を持つべき分野でありますが、少なくとも現在の自衛隊が、自衛隊として機能を果たしているにもかかわらず、かつ国の基本にわたる存在であるにもかかわらず、いまだその存否について論議が続いている事態はいかがかと考えています。今後、国会において十分議論された上で判断されると考えますが、やはりそれなりの明確な位置づけをすべきではないか、このように考えます。


 県としては、共生と連帯を基本に、安全・安心な地域づくりを行うとともに、防災や環境、文化、経済など国際交流や国際理解を促進し、多文化共生の社会づくりを進めること、このことが、国境の壁を超えて、草の根の地域地域との国際交流による国際平和につながり、地域から国際平和に貢献していくことになる、このように考えているところでございます。


 以上、私からの答弁とさせていただきます。


○議長(原 亮介)  齋藤副知事。


  〔齋藤副知事登壇〕


○副知事(齋藤富雄)  私から4点についてお答えをいたします。


 まず、障害者自立支援法案についてお答えをいたします。


 障害者自立支援法案におきます利用者負担につきましては、従来の扶養義務者の負担を廃止し、利用者本人にサービス量に応じた定率負担を求めることを原則といたしておりますが、負担上限額を設け、その額は世帯の所得に応じて設定することとされているところであります。


 負担上限額の設定に当たりましては、法案では世帯全体の収入によるものとされておりますが、障害者の自立という考え方から、本人のみの収入にすべきとの意見もあり、現在、国会で議論されているところであります。


 利用者負担の見直しは、増大するニーズを皆で支え合い、制度の持続可能性を確保するため必要であると考えていますが、負担能力の乏しい人に対する十分な配慮が必要であると認識しているところでございます。


 また、小規模作業所や生活ホーム等への県独自の助成につきましては、障害者自立支援法案により、事業体系が見直され、新たな給付サービスに移行することもあり得ることから、その動向を見きわめながら、支援のあり方について検討をしてまいりたいと考えております。


 次に、高齢者・障害者に対する福祉医療費助成制度についてお答えをいたします。


 老人医療費助成事業につきましては、全国的に廃止の方向にある中で、カバー率約5割を確保することにより、制度の根幹を維持することとしたものであります。また、乳幼児医療費助成事業等につきましては、定額負担することにより、利用しやすい仕組みにするとともに、一つは、重度精神障害者に対する新たな福祉医療制度の創設、二つには、4ヵ月以上の長期入院患者の負担を求めない措置、三つには、低所得者についても、老人医療費の1割負担据え置き、その他軽減措置、四つには、災害・失業対策等きめ細かな措置を講じることとしたところでございます。これらについては、現在、各市町で、本年7月の実施に向けた諸準備が行われているところでございます。


 次に、乳幼児医療費助成制度の充実についてお答えをいたします。


 乳幼児医療費助成制度につきましては、現在の外来定率1割負担を定額負担とし、償還払いを廃止し、利用しやすい仕組みにするとともに、3回目以降は負担しないとすることにより、長期治療が必要となる場合の負担を軽減するなど、きめ細かな対応を図ったところでございます。


 乳幼児医療の対象につきましては、現行制度は、外来、入院いずれにつきましても、義務教育就学前までとしているところでございますが、この内容は、全体的に見ますと、全国的にはトップの水準になっているところでございます。


 所得制限限度額につきましては、児童手当の支給基準に準拠していますが、ゼロ歳児につきましては、受診の頻度が高いことに配慮し、所得制限は設けず、すべての乳幼児を対象としているところでございます。


 このような取り組みによりまして、本県の制度は、多くの子育て世帯を対象として、わかりやすく、利用しやすい制度として運用できるため、引き続き少子化対策として大きな役割を果たすものと考えているところでございます。


 次に、猪名川流域ごみ処理施設建設計画についてお答えをいたします。


 猪名川上流広域ごみ処理施設組合では、施設建設に当たりまして、環境影響評価の実施手続に関する条例を制定し、環境調査、予測及び評価を行い、平成15年11月に評価準備書にまとめ、公告、縦覧、住民説明会が開催されたところでございます。


 その後、この評価準備書に対する住民及び専門家の意見を踏まえ、詳細な土壌調査を行い、調査結果及び施工方法を環境影響評価書に取りまとめ、平成16年11月から12月にかけて住民への公告、縦覧が行われました。


 建設予定地の土壌中の鉛等につきましては、土壌汚染対策法の規制対象外の自然由来のものであるとされておりますが、同組合では、建設工事中の鉛等の溶出防止及び濁水の凝集沈殿処理等、下流への流出防止に対する対策を講じる旨、環境影響評価書に記載しているところでございます。


 また、廃棄物処理法に基づきます施設の設置届につきましては、この環境影響評価書が添付されておりまして、施設の技術上の基準を満たしていることから、受理したものでございます。


 今後、同組合では、建設工事中及び稼働後、環境影響評価書に記載の対策が適切に履行されているかを監視する機関として、学識者、住民代表、行政等で構成する環境保全委員会を設置することといたしておりますが、この委員会に県からも参加することを予定しておりまして、県としては、その中で適切な指導、助言を行っていきたいと考えております。


○議長(原 亮介)  大平理事。


  〔大平理事登壇〕


○理事(大平一典)  私の方から鋼鉄製橋梁工事等県発注工事の調査及び公共投資の見直しについてお答えをさせていただきます。


 公共投資につきましては、県民生活の安全・安心の確保や豊かさを実感できる地域社会づくりの基盤となる施設整備のために行っているものでございますが、昨年の災害を見ましても、本県においては、道路、河川等社会基盤施設整備の整備状況は十分にあるとは言えず、着実な投資の継続が必要であると考えております。また、21世紀の成熟社会を先取りしたまちづくりや大阪湾横断トンネル構想等のプロジェクトについての調査研究でございますが、これは、将来の「元気ひょうご」づくりに必要である、また、その可能性を調査しているということでございます。さらに、最近は、市町合併による地域づくりを支援する道路事業など、新しい時代の要請にも重点的に対応をいたしているところでございます。


 こういった中、年平均3,400億円の投資総枠についてお触れになりましたが、これにつきましては、行財政改革の見直しに当たり、県議会のご理解も賜り、枠を設定したものでございます。


 こういった中、今後とも、一律に公共事業を否定するのではなく、県民の声を反映した社会基盤整備プログラムをもとに、優先順位や財政バランスに留意しつつ、県民生活に真に必要な事業を計画的に整備していくべきものと考えております。


 なお、本県の入札制度につきましては、入札参加者審査会を設置して、予定価格ですとか、指名の適切性ですとか、そういった点についてきちっとしたチェックをしていただきながら、運営をしているところでございまして、そのチェックの中では、適切に運営されているというような指摘を受けているところでございます。そういった中、落札率をもって、県税のむだ遣いとのご指摘は全く当たらないと考えております。


 ご指摘の談合事件については、今後とも、東京高検の捜査状況等を見きわめつつ、適切に対処をしてまいりたいと考えております。(傍聴席にて発言する者あり)


○議長(原 亮介)  静粛に願います。


 吉本教育長。


  〔吉本教育長登壇〕


○教育長(吉本知之)  私から少人数学級の拡大についてお答え申し上げます。


 少人数学級編制につきましては、小学校1年生が、基本的な生活や学習習慣を身につけさせる非常に重要な時期と考え、就学前教育と小学校入学期とのスムーズな接続や基礎・基本の確実な習得を図る効果的な指導方法等として、平成16年度に引き続き、希望する学校に対し、新学習システムの中での研究指定として、35人学級編制を認めているところでございます。


 また、小学校1年生以外につきましても、従来から弾力的学級編制の調査研究を進めてきたところでございますが、少人数学級と少人数学習集団は、それぞれにメリットがございまして、少人数学級を全学年に画一的に実施することについては、課題があると考えているところでございます。


 本県におきましては、従来から、複数担任制や教科担任制、少人数学習集団などを内容とする新学習システムを着実に推進してきたところでございますが、本年度からは、新たに児童生徒等の問題行動等に対応する自立支援活動補助員や生徒指導推進協力員の配置、教職員のカウンセリングマインド実践研修の実施など、多くの教職員等が児童生徒にかかわる支援体制の充実強化を図っているところでございます。


 一方、国では、義務教育費の財源問題や少人数学級編制を含めた学級編制基準のあり方など、中央教育審議会による義務教育改革の審議が重ねられており、その動向等にも留意しつつ、18年度以降の新学習システムの充実・発展について、私どももさらなる検討をしてまいりたいと考えてございます。


○議長(原 亮介)  毛利りん議員。


○(毛利りん議員)  正面から質問に答えられないというのはね、やはり逃げているとしか思いようがないんですよ。きちっと答えてないということで、3点聞きたいと思います。


 1点目です。ごみ処理施設建設の問題です。


 すべてこれ、知事にお答えをいただきたいんですが、今の答弁の中からもですね、危険であるということだけは認めていらっしゃるわけです。いずれにしろ、そういう危険な場所にあえてそういうごみ処理の施設をつくるということ、これを撤回してくれと言っているわけですから、市町にまずそのことを言っていただきたい。県は、いろんなことで危険度を認めていらっしゃるわけですから、ひとつお願いします。


 それから、二つ目です。少人数学級について、これは、かつてもう知事は財源問題ということであるとか、この本会議場で、私の代表質問にも、国がまだまだそういう手当てをしていないというようなこと、こういうことをおっしゃいました。もう今は、今の教育長の答弁じゃなくてね、本当に前へ進んでいるんです。そういう時代おくれではなくですね、まさにその未来を担っている子供たちのために、すばらしいプレゼントをしていただきたい。そのためには、財源をつくっていただきたいというふうに思います。ですから、少人数学級への決意をお聞かせいただきたいと思います。


 三つ目です。それは、先ほどの鋼鉄製橋梁工事の談合の問題についてですね、これはまともに答えていらっしゃらないと思います。調査をするか否かということを言ってね、調査をしなさいと言っているわけですが、もう初めからその入り口のところでとめていらっしゃるわけですよ。


 ところが今回も、告発されている三つの地域ありますね。ここよりも兵庫県の落札率を見てたら高いんですよ、現実には。そのお金というのは、もし不正に使われたとしたならば、そのお金は県民の税金ですから、あえて県は本当にないというならば、それを立証する意味でも、こういう大きな事件が起きたときには、県は大丈夫かなと、県民の税金が本当に正当に使われたんだろうか、こう思われるのが知事の役割ではないでしょうか。


 今度の政策でも、知事は、県民の生活の安定と安心を第一義的に、そして参画と協働、県民本意の県政ということをうたっていらっしゃるわけです。そのために、有言実行をしていただきたいと思います。


○議長(原 亮介)  井戸知事。


○知事(井戸敏三)  まず、ごみ処理施設整備の地域の課題の問題でありますけれども、答弁いたしましたように、土壌汚染対策法の規制の対象にはなっておりません。自然由来の鉛等が出てきたという事実がありますので、本来、自然由来ですから、対応の有無についての議論は、その同組合がするかしないか、義務ではないのかもしれませんが、鉛の溶出を避ける、また濁り水の沈殿をきちっと処理する、そして下流への流出を阻止をする、そういう施設整備をするということを前提に作業をしようとしているし、また、先ほど答弁いたしましたように、監視委員会もきちっとつくって、そして、そこで問題が生じないようにするということで今、進められているということでありますから、これはきちっと答弁をしている。きちっと聞いていただきたい、このように思います。


 次に、少人数学級でありますが、少人数学級の問題はですね、私は、何も否定しているわけじゃないんです。もともとね、もともと否定しているわけじゃないんです。ただ、画一的に少人数学級だけがいいんだというふうに決めてかかるのはいかがかという問題と、それから、ですから、「も」いいんです。「も」は、いいんです。しかし、「少人数学級でなければならない」というふうに決めてかかるのはいかがか。やはり新学習システム、少人数グループ学習のよさというのもきちっと評価をしていかなきゃいけない。


 最近ですね、だから文部省も少人数学級についても、ようやく研究指定校制度の中で取り組んでみようというところまで来たと。今、中教審で、財源負担についても含めて議論がされているということです。義務教育費国庫負担金2兆5,000億全部一切合財早く地方によこしていただいたら、私だって、すぐに決断ができるかもしれません。やはり一般財源化をぜひ応援していただきたい、このように思います。


 それから、橋梁についてですね、工事について調査しないのかという問題については、これは、はっきり言いまして、「ない」という証明、調査というのは、ものすごく難しいんですね。ですから、これは立証責任の転換をすれば、裁判でも「ない」という証明をしろと命じられた方は、ほとんど勝てません。


 ですから、私どもとしては、そういう具体的な情報もまだありませんし、公取の調査が行われてもいませんし、現に公取が問題があるとして摘発を高検に依頼しているわけでもない。こんな実情の中でですね、傍証にすぎない、落札率が高いぞというだけではですね、我々としては、具体の調査に入れない。手続としての健全性は十分確保しているということを申し上げた次第でございます。ご理解をいただきたいと存じます。


○議長(原 亮介)  毛利りん議員に対する答弁は終わりました。


 以上で通告に基づく発言は終わりましたので、これをもって上程議案に対する質疑並びに県の一般事務に関する質問は終局いたします。


 次に、ただいま上程中の議案につきましては、お手元に配付いたしております議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に審査を付託いたします。


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◎日程第2  請願





○議長(原 亮介)  次は、日程第2、請願であります。


 今期定例会において受理いたしました請願5件は、それぞれ所管の常任委員会に審査を付託いたします。


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○議長(原 亮介)  以上で本日の日程は終わりました。


 この際、お諮りいたします。


 明9日は、委員会審査のため、本会議を休会いたしたいと思います。


 これにご異議ございませんか。


  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕


○議長(原 亮介)  ご異議ないと認めます。


 よって、さように決します。


 次の本会議は、6月10日午前11時から再開いたします。


 本日は、これをもって散会いたします。


       午後3時34分散会