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平成17年度予算特別委員会(第9日 3月22日)




平成17年度予算特別委員会(第9日 3月22日)





平成17年度予算特別委員会





                  予算特別委員会議事順序





                                    平成17年3月22日(火)


                                    午前10時


                                    大会議室


 
  開    会


1 諸  報  告


2 付託議案審査


 (1) 総 括 審 査


    質     疑


 (2) 動     議


    趣 旨 説 明


    質疑並びに意見


 (3) 表     決


 (4) 委 員 長 報 告


  閉    会


……………………………………………………………………………………………………………………………


出 席 委 員


    委  員  長     山  口  信  行


    副 委 員 長     杉  尾  良  文


    理     事     石  原  修  三


       〃        丸  上     博


       〃        加  藤  康  之


       〃        松  本  よしひろ


       〃        宮  田  しずのり


    委     員     石  井  秀  武


       〃        西  野  將  俊


       〃        松  本  隆  弘


       〃        野  間  洋  志


       〃        佃     助  三


       〃        中  田  香  子


       〃        杉  本  ち さ と


       〃        北  浦  義  久


       〃        葛  西  利  延


       〃        水  田     宏


       〃        合  田  博  一


       〃        岸  口     実


       〃        北  川  泰  寿


       〃        山  本  敏  信


       〃        石  川  憲  幸


       〃        清  元  功  章


……………………………………………………………………………………………………………………………


説明のため出席した者の職氏名


    知事                     井  戸  敏  三


    副知事兼阪神・淡路大震災復興本部副本部長   藤  本  和  弘


    副知事兼阪神・淡路大震災復興本部副本部長   齋  藤  富  雄


    出納長                    五 百 蔵  俊  彦


    公営企業管理者兼阪神・淡路大震災復興本部臨海都市整備部長


                           吉  本  知  之


    病院事業管理者                後  藤     武


    理事(技術担当)兼阪神・淡路大震災復興本部理事(技術担当)


                           大  平  一  典


    理事(参画と協働・男女共同参画社会担当)兼阪神・淡路大震災復興本部理事(参画と協働・男女共同参画社会担当)


                           清  原  桂  子


    理事(産学官連携担当)            神  田  榮  治


    防災監兼阪神・淡路大震災復興本部防災監    東  田  雅  俊


    県民政策部長兼阪神・淡路大震災復興本部県民政策部長


                           井  筒  紳 一 郎


    企画管理部長兼阪神・淡路大震災復興本部企画管理部長


                           荒  川     敦


    健康生活部長兼阪神・淡路大震災復興本部健康生活部長


                           下  野  昌  宏


    産業労働部長兼阪神・淡路大震災復興本部産業労働部長


                           江  木  耕  一


    農林水産部長兼阪神・淡路大震災復興本部農林水産部長


                           黒  田     進


    県土整備部長兼阪神・淡路大震災復興本部県土整備部長


                           陰  山     凌


    阪神・淡路大震災復興本部総括部長       古  西  保  信


    のじぎく国体局長               井  上  数  利


    企画管理部企画調整局長兼阪神・淡路大震災復興本部企画管理部企画調整局長


                           高  井  芳  朗


    教育委員会委員長               平  田  幸  廣


    教育長                    武  田  政  義


    公安委員会委員長               野  澤  太 一 郎


    警察本部長                  巽     高  英


    警察本部総務部長               小  寺  英  一


    議会事務局長                 稲  田  浩  之


    人事委員会委員長               馬  場  英  司


    人事委員会事務局長              寺  尾  光  正


    代表監査委員                 久  保  敏  彦


    監査委員事務局長               廣  瀬  信  行


    労働委員会事務局長              鈴  木  利  昭


    企画管理部企画調整局財政課長         竹  本  明  正


……………………………………………………………………………………………………………………………


        午前10時1分開会





○(山口信行 委員長)  ただいまから予算特別委員会を開会いたします。


 議事に先立ち、ご報告申し上げます。


 委員会条例第14条の規定により、本日当委員会に出席を求めた者の職氏名は、お手元に配付いたしております一覧表のとおりでありますので、ご了承願います。


 次に、ただいま1名より、本日当委員会を傍聴したい旨、申し出がありました。


 委員会条例並びに傍聴取扱要綱の規定により、ただいま申し出のありました傍聴を許可することにご異議ございませんか。


  (異議なし)


 ご異議ないと認め、さように決します。


 次に、本日、宮田委員外1名の委員から平成17年度予算案の編成替えを求める動議が委員長あて提出されました。


 よって、その写しをお手元に配付しておきましたので、ご了承願います。


 これより議事に入ります。


 平成17年度関係、第1号議案ないし第22号議案を一括議題といたします。


 本日は総括審査を行います。


 これより質疑に入ります。


 この際、当局に申し上げます。


 答弁は発言の趣旨を的確にとらえ、簡潔に願います。


 委員の発言は、通告に基づき、委員長より順次指名をいたします。


 まず、石原委員。





○(石原修三 委員)  トップバッターで質問させていただく。


 私は常々、知事、皆さんも同じであるが、私は、会社を経営しており、従業員に夢と希望と幸せをもたらさなければいけない。こんなことが私の責務じゃないかと議員になるまで思っていたが、議員になってからも同じ気持ちである。今度は、立場が県民の皆さんにというふうに変わってきた。知事は、もちろん私以上にそういうことを強く思っておられる。また、そのために皆さんとともに粉骨砕身、努力しておられると思って、感謝を申し上げながら質問に入りたい。


 まず初めに、現地解決型県政の評価と県民局の今後のあり方について伺いたい。


 現地解決型県政を推進するため、県民局では、これまで予算調整機能や組織等要求権限が順次拡充されてきたほか、約150項目の事務や権限も本庁から委譲されてきた。


 また、来年度は、県民局事務所の再編による企画立案機能の強化も予定されており、さらに、17年度当初予算編成に当たっても、県民局の直接予算要求枠が、1県民局当たり1億円から5億円に大きく拡充されている。


 13年4月の県民局再編時には、屋上屋を重ねるなどといったことも懸念されていたが、このように現地解決型県政推進のための環境整備が着実に進められているように感じている。


 しかし、今定例会の一般質問で我が会派の議員がただしたように、県民局が主体的に市町と連携をとりながら地域づくりを進めていかなければならない施策でも、市町とバッティングしたり、市町のニーズとすれ違ったりすることが多々見受けられる。


 井戸県政のスタートが13年8月からなので、県民局による現地解決型県政の推進は、井戸知事による県政の歩みとともに育ってきたといっても過言ではないと考えている。


 そこで、県民と県政との距離感をなくし、県民ニーズに即した県政の推進といった点で、知事は4年間の現地解決型県政をどのように評価しておられるのか伺いたい。


 また、市町合併の進展により、17年度末には29市13町になるかと思うが、県民局の今後のあり方についてもあわせて所見を伺いたい。





○(井戸知事)  県民局のこの4年間の歩みについてのご質問をいただいた。


 私、現地解決型県政を担う総合行政機関としての県民局の役割は、県民の皆さんにかなり理解をされつつある、また、された部分もある、このように思っている。従来であると、現地的課題に対して解決を図ろうとしたときに、例えば土木事務所なら土木事務所で解決が図れる部分だと土木事務所で終わっていたが、それ以外の部分は本庁まで上げて、本庁間で調整をして、それでまた下ろしてくるというようなことが行われていた。そして、従来の県民局は、そういう調整機能を十分に果たし得なかった組織ではなかったか。


 そういう意味からすると、今は県民局の中にそれぞれの責任部隊が一つにおさまっているので、横の連携がとりやすくなっている。そして、県民局長が総合調整機能を発揮できるような仕掛けになっているのではないだろうか、このように考えている。


 県民の方から、例えば河川愛護事業等では、地域の意見を反映した施策が機動的に展開されるようになったとか、あるいは台風23号の危険箇所の対策等では、県民局と市町とが十分連携しながら合同で調査を行い、住民に対して適切な指導をしてもらったとかという声も寄せられており、私も、そのような声があるということ自身が、県民局の活動の一つのあらわれとして評価していただいているのではないかと思っている。


 今後とも、県政の最前線を担っているわけでもあるし、ただ、最前線を担うということは、ご指摘のように同じ県民である市町の住民としての立場と同じ対象になられるわけであるので、その事業の展開が市町事業で取り組んだ方が望ましいのか、あるいは県民局事業で取り組んだ方が広域的で、しかも専門的な立場から推進が図れるものなのかどうか、この吟味を怠らずに、本来、市町のやるべきことは市町で取り組んでいただき、県として市町の業務を補完すべきものを重点的に取り上げていく、あるいはモデル的な事業を推進していく、こんな方向で臨んでいくべきではないか、このように思っている。


 また、合併後の市町において、市町の数が減るということは、ひいては県民局の所管する市町の数が減るということになるわけであるが、規模が小さくなるわけではないが、旧市町地域の一体化や新たな事務の執行など、市町合併の実を上げていくには、まだしばらく時間がかかる、時間を要すると思う。


 そのような中で、県民局がさらに調整機能等を果たしていく意味で、期待されている部分もあるので、当面は10県民局体制を維持しつつ、地域課題に対処していきたい。しかし、これは当面であり、今後の県民局のあり方については、今後とも十分吟味を加えて適切な対応をしていくように心がけていきたいと、このように思っている。


 当面という言葉を何度も使うようで恐縮であるが、現地解決型の機能をもっと浸透させていく、そして県民局の役割をもっと県民の皆さんに理解していただく、その上で合併に対する対応についても適切な県民局のあり方を検討していきたい、このように考えている。





○(石原修三 委員)  まさに、ミニ県庁という知事の思いも十分伝わったと思う。ぜひそういう方向で進めていただきたいと思う。よろしくお願いする。


 2番目に入らせていただきたいが、危機管理事案に対する組織・仕組みの整備についてお伺いさせていただく。


 知事が就任をされてから、BSE、SARS、高病原性鳥インフルエンザ、一連の台風被害対策など、予想し得ない被害が発生をした。特に、1年前に発生した高病原性鳥インフルエンザに対する対応では、初動体制などにおいて関連部局間の連携の不備などが指摘されたところである。


 県では、こういった反省点を踏まえ、16年4月からは食品安全官、家畜安全官を設置されるとともに、行政システム推進委員会により、本県の対応について検証が行われ、昨年12月に報告がなされている。


 報告書の中では、危機管理全般を担う組織体制の明確化や災害対策センターの執務スペースの拡充、また、危機発生時には、一定の時間帯ごとに対策に当たるユニットを組んで責任者とスタッフ体制を明確化するなど、対策本部のサポート体制を強化することなどが挙げられているが、高病原性鳥インフルエンザに対する県の対応により、県民に不安感を与えたことを考えると、十分に配慮すべき報告内容でもあると考えている。


 今後も予期し得ない危機管理事案の発生も十分予想されることから、委員会の報告を踏まえ、県としても適切な対応の基盤となる組織・仕組み等の整備が急がれると思うが、県の所見を伺いたい。





○(井戸知事)  ご承知のように阪神・淡路大震災の後、防災監を設置し、総合的な緊急対策に県として対応している。


 ご指摘いただいた高病原性鳥インフルエンザへの対応では、情報の提供の仕方において、いささか不十分な点があったことはご指摘のとおりである。しかし、SARSやBSEなどの危機管理事案については、それなりに対応をきちっとしてきたのではないかと思う。


 高病原性鳥インフルエンザについても、情報の提供以外の対応については、私どももそれなりに頑張ってこれたのではないかと思っている。ただ、行政システム推進委員会を設けて、総合チェックをしていただいたところ、主として2点の指摘があった。


 一つは、やはり部局横断的な、つまり縦割りだけではなくて部局横断的な危機管理マニュアルが必要だということ、それからもう一つは、危機管理事案について総合調整をする組織が必要だと、いわばへッドクォーターをもっと強化せよという意味だと思っている。


 その最初の危機管理マニュアルについては、危機発生時における初動チームや対策本部などの設置手順、広報のあり方、あるいは再発防止に向けた事後の課題整理など、予防、応急、事後、それぞれの対策を盛り込んだ危機管理の基本方針を定めたいということで今作業をしている。


 そして、来年度からは、総合的な危機管理体制についての、先ほどのヘッドクォーターをきちっとつくれという指摘に対して、防災施策の企画調整とか、危機管理事案の総合調整などを行う組織、部局を設置したいと、このように考えているところである。


 また、災害対策センターについても、現状の機能を評価・分析して、機能強化を図りたいと考えている。また、職員の研修や訓練内容も充実させるとともに、防災訓練等、図上訓練も含めて、定期的に実施して連携を図っていきたいと考えている。


 今後とも危機管理の充実に向けた取り組みを進めていくので、よろしくご指導願いたい。





○(石原修三 委員)  いろいろ私どもも考えると、報道機関のあり方とか、対応の仕方というより、報道によって県民が不安を覚えるというところも多々あったんじゃないかと私なりにも思う。


 今、お話を伺いながら、組織をつくるんだというようなことで、時事通信がこんなことを書いていた。企画管理部防災局が防災局と災害対策局を編成するようだと。こういうふうなほぼ断定したような記事を書いていたが、恐らくそうされるのかなと思っているが、この程度にとどめておきたいと思う。


 次に、将来を見据えた高齢者対策ということで、2015年には、団塊の世代と言われる人々が65歳を超えて、超高齢化社会に入ると言われている。国立社会保障・人口問題研究所の調査では、本県の65歳以上人口が2002年と比べ約40%増加し、75歳以上の後期高齢者人口では50数%も増加すると見込まれている。高齢化率は25.4%になると予想されている。


 このように過去にも類を見ないような速さで高齢者や後期高齢者が増加することから、国では、年金制度改革などの社会保障問題が議論されており、本県においても、将来を見据えた高齢者対策を今のうちに検討していく必要がある。


 介護サービスの供給体制の整備等、着実な対応が必要であるし、高齢者となっても健康であり続けるための介護予防などといった健康対策が不可欠である。また、高齢単独世帯も、本県では18万世帯から25万世帯にふえると見込まれていることから、こうした変化を踏まえた行政サービスのあり方を検討していく必要があると思う。


 本県では、今後の少子・高齢社会が豊かな社会であり続けるためには、既存の制度や仕組みを少子・高齢社会にふさわしいものに変える必要があることから、少子・高齢社会ビジョンが間もなく策定されるとのことである。


 そこで、このビジョンの策定過程の中で、将来を見据えた県の高齢者対策について、どのような議論がなされているのか伺うとともに、県として重点を置いて取り組むべき施策をどのように考えておられるのか。また、17年度予算にどのように反映しておられるのか、あわせて伺いたい。





○(井戸知事)  高齢社会、特に団塊の世代が卒業されてくると、そのボリュームが大きいこともあり、さらに高齢期の方々と、児童生徒に当たる方々との人口比率が大きく差が出てくるということになる。だからこそ、逆に高齢社会自体をどう進めていくか、対応していくかということが問われている、ご指摘のとおりだと思う。


 現在、ビジョンの策定委員会等においては、従前と違い平均寿命が80ということなので、長い高齢期をいかに過ごすか、個人にとっても社会にとっても大きな課題だ、あるいは高齢期を即弱者ととらえるのではなく、健康づくりや介護予防に取り組むことにより、元気な高齢者として積極的に社会参加を求めることが必要だ、また、その高齢期を生き抜くためには、より自分らしく生きがいのある充実した人生を送ることにつながるような対応を進めていく必要があるなどの意見をいただいており、いずれも基本的な視点であろうかと思う。


 このため、少子・高齢社会ビジョンにおいても、高齢者が元気で安心して活躍できる社会をめざそうということで、生涯を通じた生きがいづくりの推進、だれもが働きやすい雇用・就業環境の整備を進める、第3に、人に優しい生活環境づくりを行う、第4に、健康づくりと安心できる保健・医療・福祉の推進に取り組むということを柱として検討を進めているところである。


 17年度においては、新たに生涯学習情報プラザを開設し、学習機会の提供に努める。また、シニアしごと倶楽部とか、シニア向けの生きがいしごとサポートセンターを設置し、就職支援を強化する。ユニバーサル社会づくりをさらに推進させていただく。第4に、健康ひょうご戦略を推進し、健康づくり、介護予防に重点を置いていこうとしている。これらの事業に反映をさせていると考えている。





○(石原修三 委員)  まさに知事が言われるように、生きがいというのは、どなたにかかわらず重要なことであるが、高齢者にとっては、第一線を引かれているので、特に生きがいという部分には主眼を置いて進めていただくということは非常に肝要だと思う。我々も若年層も少年層も、あすは我が身だというふうな認識も持ち備えないかんのかなと、お聞きをしながら感じていた。よろしくお願いしたい。


 4番目に、神戸空港の開港を視野に入れた施策の展開について伺いたい。


 神戸空港の開港まで早くも1年を切るような時期になった。先日も空港を見てきたが、そういう姿になっていた。これまで紆余曲折があったものの、いよいよ滑走路の半分が完成し、管制塔も姿をあらわしており、1年後の開港は、また、開港後の県土の持続的発展に目をはせ、2点尋ねたい。


 まず1点目は、利活用の促進についてである。


 本県は、神戸空港整備事業に対する支援として、神戸市等に対して総額75億円の補助や出資を行うこととされている。17年度予算においても、一連の開港記念行事の実施や開港機運の醸成を図るため3,000万円の予算を提案されており、その姿勢については一定の評価をしている。


 ただ、神戸空港が将来的に安定的かつ適切な空港運営を確保していくためには、神戸市が設置・管理する空港ではあるが、560万県民の利便性の向上に大きく資する空港ということを十分考えると、開港後においても、県からの利活用促進のための支援策が必要であり、また期待しているところである。そこで、県の所見を伺いたい。





○(陰山県土整備部長)  神戸空港については、国際拠点空港の関西国際空港や国内基幹空港の大阪国際空港と相互に連携しながら、関西3空港時代の一翼を担う地方空港として、また、本県の空の玄関口として広く県民が利用する広域交流施設であると認識し、神戸市に支援、協力しながら、その整備推進に努めてきたところである。


 いよいよ来年2月開港予定の運びとなり、エアラインについても、スカイマークに続いて、昨年末にはJALとANAが就航表明しており、今後さらに国内主要都市への路線展開の拡充が図られ、神戸、兵庫、そして関西の新しい時代を切り開いてくれることを期待している。


 今後は関西3空港の役割分担と相互連携を踏まえながら、利用促進を図り、十分な機能を発揮させていくことこそ、神戸・兵庫の振興にとって極めて重要であると考えている。このため、湾岸道路の西伸部の事業化や神戸空港、関西空港の海上アクセスの開設による空港間の連携強化、また、県下各地からのリムジンバスの導入等を県としても積極的に支援し、県民利便に資する取り組みを進めていきたい。


 県としては、今後も、広域的な観点から、神戸空港が広く県民の利便と地域経済の活性化に寄与するよう、神戸市や経済界と連携し、空港の利活用促進に努めていく考えである。よろしくお願いしたい。





○(石原修三 委員)  せっかく75億という大金を支出するわけであるから、それに見合った経済活動がぜひあるように、行われるように、また利活用できるように努力していただきたいことをお願いしておく。兵庫県の玄関でもあり、そういう面においても特に配慮をいただきたい。


 次に、県内の経済活動の活性化ということで伺いたい。


 神戸空港の開港によって、神戸は陸・海・空の総合交通拠点となり、人、物、情報、文化が交流する新たな交流都市になることが期待をされている。


 神戸市では、観光や医療関連の産業を育てる戦略施設と位置づけ、2010年には3,970億円の経済効果があると試算されている。集客観光、情報文化、医療産業都市のまちづくりを進められており、本県経済は、重化学工業を核に多彩な産業をはぐくみ、高度成長を牽引してきたが、東アジアの成長等さまざまな要因が重なり、徐々にポテンシャルが低下しているものの、デンマーク等に相当する経済基盤がある。その懐は依然深いものがあると考えている。


 また、古くから海外との交流の窓口として発展し、世界最長のつり橋明石海峡大橋を初めとする日本随一の高速道路網やスーパー湾港として指定された神戸港、淡路夢舞台国際会議場といった世界に開かれた交流拠点も整備をされている。


 本県の産業振興のためには、こうしたすばらしい地域特性や基盤を最大限に活用するとともに、神戸空港が開港した後、関西3空港の役割分担や連携をも視野に入れた取り組みが必要である。


 観光等の振興はもちろんであるが、精密部品等の物流促進による電子産業、情報通信等のハイテク分野などの産業振興に結びつけることが、まさしく広域行政体としての県の産業振興の役割ではないかと私は考える。


 本県の産業振興戦略について、どのように考えておられるのか。





○(江木産業労働部長)  産業活動のグローバル化や競争激化に伴い、人、物の移動やスピード、時間の価値が重要性を増している。こうした中、国内外との交通・物流の結節点としての本県の優位性は、神戸空港の開港によって一層高まっていくものと考えている。


 先般、策定をした「ひょうご経済・雇用再生加速プログラム」では、こうした兵庫の交通・物流基盤、さらにものづくりを初めとした産業集積、知的資源などの強みを生かした取り組みを進めていくこととしている。


 具体的には、海外と結ぶ関西国際空港との適切な機能分担と連携のもとで、神戸空港・大阪空港を活用して、ファッションや多彩なツーリズム資源を積極的に情報発信をし、集客に結びつけていきたいと考えている。


 このほか、先端技術を軸にナノテク、健康など付加価値の高いクラスター形成をめざして、産業集積条例の拡充やひょうご・神戸投資サポートセンターの新設などにより、国内外から生産・研究機能、本社オフィス機能の集積を促すとともに、ビジネス提携の活発化や知的人材の誘引にも取り組んでいきたいと考えている。


 中国、アジア各地域を初め、世界レベルでの地域間競争が激化していく中で、兵庫の相対的地位を高めていくために、神戸空港開港という大きな機会をとらえて、国際性や生活、文化環境を含め、兵庫の魅力、総合力を一層強くアピールしながら、地域経済の活性化に努力してまいりたいと考えている。





○(石原修三 委員)  ありがとうございます。私、3年前にここで、75億の支出のことについて、この場で、この席に立たせていただいた経緯があり、ここで75億出すという話をいただいた。そんなことがあり、私は責任があるというか、プレッシャーを感じており、当然この空港というのが、飛行機は燃料入れたら飛ぶが、神戸空港の離陸が本当にあるように、真の離陸ができるようにというのを、私は本当に切に願っている。本当に皆さんとともに、そういう観点で努力をしてまいりたいと思っているので、よろしくお願いしたい。


 次に、5番目に緑条例について伺いたい。


 1番目には、緑条例と県民税を活用した事業との連携についてであるが、県民の無形の資産であり、財産である森林や緑の保全、創造のために県民緑税を創設されたことに対しては大いに評価するところであるが、その具体的な使途については、我が会派の意見を十分に踏まえつつ、一日も早く実施されることを切に望んでいる。


 一方、森林や緑は、都市はもちろんのこと、郡部の保全されている地域においても減少の一途をたどっているわけであるが、このような状況の中、緑条例を全県適用に向けて推進されているが、緑条例の趣旨や目的を尊重するとき、県民緑税を活用した事業とのかかわりをどのように考えておられるのか伺いたい。





○(藤本副知事)  緑条例は、ご案内のとおり、線引き都市計画区域を除く県下全域について、森林から街までの四つの土地利用の区域区分と、区分ごとの環境形成基準を定め、森林や緑地の保全、景観等に配慮した開発行為を誘導することを目的として設置している。


 県下の緑景観の状況を見てみると、森林の荒廃の進行、さらには街の緑の損失等の課題を抱えている。


 このような状況の中で、緑豊かな地域環境を次世代に引き継いでいくためには、緑条例による開発行為の誘導のみならず、森林の適切な管理による保全や、街の緑化の推進による施策の連携が極めて重要であると考えている。


 このため、緑条例の全県の適用を進める中において、今回提案をしている県民緑税の導入を契機として、森林の区域では、県民緑税を活用した災害に強い街づくり等、森林整備を進めてまいりたいと考えている。


 また、街の区域においては、大規模施設の敷地を活用した拠点的な緑化や、住宅団地での連続した植栽帯の整備等を行う「県民まちなみ緑化事業」を積極的に展開するなど、緑条例の趣旨を十分踏まえ、効果的で緑の保全・創出する施策展開を図ってまいりたいと考えている。





○(石原修三 委員)  ありがとうございます。なぜ私がこの質問をしたかというと、緑税ができたときに、考えると緑条例が片やありながら、いろいろ話をやりとりすると、余り当局同士は連携が聞こえてこないと感じたものであるから、あえてこの場で質問をさせていただいた。しっかりと連携をした事業をやっていただきたい、かかわりを持たせていただきたいと思う。


 この項の2項目で、事業者に対する森林や緑の保全・創出の努力について伺いたい。


 緑条例で定められた森林の保全を必要とする区域においても、やむなく開発などで緑を消失する場合があるが、一方で県民から緑の保全に対する税をちょうだいしながら、この消失をただ単に許すのはいかがなものかと私は考えるわけである。


 そこで、緑条例のめざすところや県民緑税の趣旨にかんがみ、このような開発行為に関しても、事業者に対して、森林や緑の保全・創出の努力を可能な範囲で求めていくべきではないかと考えるが、所見を伺いたい。





○(藤本副知事)  緑条例では、開発に当たり保全すべき緑を消失しないよう、事業者に対し一定の水準の森林の保全、あるいは緑地の確保を求めているところである。今後、県民緑税導入に伴い、県民全体で緑を保全・創出することから、事業者にも一層の努力を求めていくことは極めて重要な課題であると考えている。


 そうした中において、現在、緑条例においては、開発行為に際し、「森を守る区域」では、開発区域面積の50%以上の森林の保全を、また、「さとの区域」では、開発区域面積の20%以上の緑地や2メートル以上の周辺緑地の確保を求めるなどの措置を講じている。


 また、ご案内のとおり一定規模を超える森林の開発に際しては、減少させた緑の公益的機能を回復するため、事業者に緑化基金への応分の拠出を求めているところである。県みずからにおいても、道路整備等で緑を消失した場合においては、それに伴い応分の負担を行うというふうにして今実施をしている。


 今後、県民緑税導入の趣旨を十分勘案して、事業者に対し開発行為の後も森林や緑地の適切な維持管理を求めていくために、丹波及び淡路地域においては、開発に当たってのガイドラインを拡充し、今後、拡大する地域においても、新たにこのガイドラインを作成することとしている。


 さらに、緑条例の基準に加えて、分譲宅地などにおいては、緑化に関する協定の締結、あるいは建物等の屋上緑化の実施、こういったことについて事業者等に対して一層の取り組みを求め、失われた緑の回復と創出を図ってまいりたいと考えており、よろしくご指導をお願いする。





○(石原修三 委員)  片や県民から血税をいただき、片や失われることを許すというのは、私は、どうもバランスがとれないとこんなふうに考え、あえて小さなことを申し上げたが、皆さんに意識の醸成をしていただきたい。1本の緑でも失ったら、そんな事を思ってまた質問させていただいた。違うところで何らかの形で返すというしてもらったらいいような意識を持たせていただきたい。


 次に、農業の振興について伺いたい。


 農業は人間の営みにとって切っては切れないものであり、美しい県土の保全は農により維持されなければならない。このまま農業の衰退が続けば、農村の維持など、県民生活のあらゆる面で支障を来すのではないかと憂いを覚えている。


 まず、1番目に楽農生活と周辺施設との連携について伺いたい。


 県民だれもが農の役割を学び、農作業体験や実践活動を支援する総合的な拠点として、楽農生活センター構想が神戸市西区神出町の農業試験場・農業大学校跡地で進められているが、平成17年度は、施設整備の実施設計業務に加え、交流館や農場整備など施設整備に着手することになっている。順次、果樹園、交流広場、散策路等の整備が予定をされている。また、施設整備に合わせてハード整備が完了した部分から水稲、野菜の栽培体験やキャンプ、就農学校における農業研修などのソフト事業も順次行われる予定である。


 このように楽農生活センターは、楽農生活の全県的な拠点として多く訪れる県民の方が、このセンターで農に親しむことになり、担い手の育成に寄与するとともに、地域でも地元でも地域の活性化につながるものと大いに期待をしている。


 一方、センター周辺には、芋園やナシ園、ブドウ園などの観光農園のほか、神出神社とか雄岡山、呉錦堂池とか神出山田自転車道などの施設がある。


 県としては、これらの施設を楽農生活センターの総合的ゾーンととらえ、センターを訪れた県民の方々が農の体験、実践に加え、センターを拠点として周辺の施設を利用して里山や自然に親しんでいただき、いやしの効果も得ていただきたい、こんなふうな取り組みを展開されることが必要だと考えるが、当局の所見を伺いたい。





○(黒田農林水産部長)  楽農生活センターは、農とのふれあいを通じて県民の暮らしの質を高めるとともに、県民の農への理解と参画を得て本県農業を振興発展させることを目的とした拠点であると考えている。


 ご指摘の周辺施設との連携は、センター機能に広がりを持たせ、より多くの県民に実践の機会を提供する意味でも、また、当該地域とセンターとの連携を地元活性化のモデルとするためにも、極めて重要である。このため、従来から地元農業者の協力を得て、親子稲作体験学習を実施しているほか、プロポーザルによる地元農業者グループ等の参画も得たところである。


 17年度からは、地元自治会、JA、神戸市、県等による連絡会議を設置し、地元との連携をより深めることとしている。


 ご指摘のように、当該地域は歴史的史跡が多く、また、観光農園など楽農生活に熱心な取り組みが見られる地域でもある。


 周辺の観光農園や交流施設との共同イベントの開催、自然観察や散策ができる雌岡山散策路の整備、由緒ある呉錦堂池など周辺のため池や史跡との周遊モデルコースの設定などを進めることにより、地域の恵まれた自然や歴史、文化、食に触れ、訪れた人々が心豊かに安らげる楽農生活の拠点にふさわしい魅力ある地域づくりをめざしていきたいと考えている。





○(石原修三 委員)  ありがとうございます。場所的に非常にすばらしい場所だと私は自負しており、ぜひ私が申し上げたような趣旨もよく理解していただいているように思ったので、ともに努力してまいりたい。


 次に、産業として成り立つ農業の育成について伺いたい。


 県内農業が、産業として成り立つような施策展開が急がれることは、私を初め、我が会派の議員が過去の定例会で機会あるごとに主張してきたが、本県の農地や農家の衰退に歯どめがかからない状態が続いている。


 その原因は、例えば都市部の大規模農家は、近郊農業として大消費地が近くにあり、なりわいとしての農業は成り立つものの、郡部では、その反対に近くに消費者の絶対数が少なく、なりわいとしての農業が成り立たない。このために、多くの高齢化した農業者の後継者も見つからず、衰退を招いているのではないかと考える。


 私は、昨年9月定例会の代表質問において、日本の農業は産業として競争力を備えつつある中で、兵庫の農業の将来像を尋ねた。知事からは、農業の振興として、第一義的には、効率的な営農を展開する担い手を中心とした産業としての農業の振興が基本であるとの答弁をいただいている。


 17年度予算に対して大いに期待をしているが、そこで、17年度予算では、担い手を中心とした産業としての農業振興の施策についてどのように取り組んでいかれるのか伺いたい。





○(井戸知事)  答弁でも申し上げたように、今後の兵庫の農業を考えたときに幾つかの要因があるが、担い手を中心とした農業構造への再構築ということは、基本的な課題であると思う。特に兵庫の農業の場合は、阪神間という大消費地を控えている地域であるだけに、非常に他の地域に比べて優位性を持っているということが言えようかと思う。ある意味で米づくりにとって見ると、それは優位じゃないかもしれないが、消費地との連携という形で考えたときの優位性は相対的に強いと思う。


 そういう中で、本県農業の特色を見ると、兼業農家が多い、それから規模が小さいという面がある。したがって、単に担い手養成と言っても、専業農家や営農集団だけに集中していけばいいということにはならない。そのような意味での連携が大切だと考える。


 17年度においても、私どもが一番考えたのは、地域農業の方向を明確にしていくことによって、だれが中核的な担い手になり、だれがその中核的な担い手に協力していけるか、そして、その地域にとってふさわしい作目を生産していく、そのための体制をどのようにつくり上げていくのか、このことを基本にした集落農業活性化プランをつくることが大切ではないのか。そのために、地域の方々と県と市町が一体となって、相談をしながら、このプランづくりをしていくことを通じて中核的な担い手、私は主として専門農家と営農集団両方の道があると思うが、その中核的な担い手づくりを進めていくべきだと考えている。


 そのような集落農業活性化プランの策定を通じながら、一方で農業会議や農業委員会等において、支援窓口の一元化により、経営改善や法人化に向けた効率的な指導を実施していきたい。


 2番目に、経営規模の拡大への支援や融資制度を充実させていく、美しい村づくり資金を創設させていただくこととしている。


 3番目に、農業法人への雇用就農促進等を実施することとしている。就農希望者に農業法人に就職をあっせんし、その就職を通じて営農体験をしてもらうことにより人づくりにつなげていきたい、このような事業である。


 さらに地産地消の推進や、ひょうご食品認証制度の推進、あるいは食品産業等との連携強化など、売れる仕組みづくりなども行いながら、兵庫の農業の推進に努めてまいるのでよろしくご指導いただきたい。





○(石原修三 委員)  産業という視点から聞くと、なりわいということであるから、集団化とか大規模農家というのは主になっているが、県土の保全ということを考えるとまた変わってくる。非常に微妙な、ナイーブな問題というか、私は農家の3男なので、きのうも帰ってみるとそんなふうに感じてならなかった。よろしくご指導いただきたいと思う。


 7番目に、兵庫の教育の総括について伺いたい。


 近年、社会の連帯意識の喪失、家庭の教育力の低下などが進む一方で、経済、社会のグローバル化など、社会は急激に変化をしている。


 こうした中にあり、教育の分野においても、新しい時代に対応した教育の創造が喫緊の課題となっており、国においては、こうした社会状況を背景に、平成12年に教育改革国民会議を設置し、その報告を受けて、21世紀教育新生プランを策定し、大幅な教育改革を推進してきた。


 この教育改革の大きな流れの中にあって、最近数年間は、特に文部科学省において、ゆとりと学力低下問題などのぶれが生じ、国民に不安感を与える状況にある。


 本県においては、心の教育を一層推進していく中で、体験学習などを重視した兵庫の教育を兵庫らしさを出しながら取り組んでこられた。また、我が会派が平成12年に提言した「新しい世紀を拓く兵庫の教育改革に関する提言」に基づき、平成15年には兵庫の教育改革プログラムを策定され、オープンスクールなどに代表されるように、県民すべてがかかわる兵庫の教育を推進されていることを高く評価している。


 その一方、未来を担う子供たちをはぐくむ教育を進めていく上で、今後とも引き続き取り組んでいくべき教育課題があるのではないかと思う。


 そこで、現在進めている兵庫の教育をどのように総括しているのか、所見を伺いたい。





○(武田教育長)  県教育委員会においては、教育改革国民会議の提言を受けて策定された「21世紀教育新生プラン」や人間力戦力ビジョンなど、一連の国の教育改革の流れや、本県の「21世紀兵庫長期ビジョン」、また、生きる力をはぐくむ兵庫の特色ある取り組み等を踏まえて、これらの本県教育の果たすべき役割と進むべき目標、目標の達成に向けての課題への取り組みについて「兵庫の教育改革プログラム」を策定した。


 県民の多様化するさまざまなニーズにこたえる教育を進めるためには、学校や教員だけでは困難であり、プログラムの実施に当たっては、参画と協働を基本理念とし、学校、家庭、地域社会がそれぞれ責任を果たしながら、単なる役割分担ではなく、連携・協力をし、さらに子育てが終わった方も、自治会、老人会、女性団体や産業界、労働界あるいは経済界等のすべての主体が、ふるさと兵庫の将来を担う子供たちのために県民すべてが一体となって取り組んでいただくことが大切であると訴えてきたところである。


 本県では、おかげさまで県民の皆様方の協力により、いきいき学校応援団を初め、地域教育推進事業、PTCA支援事業など、あらゆる場面で他府県の皆さん方からもうらやまれるほど、県民の参画と協働が進んできた。その結果、トライやる・ウィークなど、体験を通じて生きる力をはぐくむ教育は高く評価をされ、17年度は国の事業として全国展開されることとなった。


 今後は、これまでご支援いただいた、これらの事業をステップとし、高校生地域貢献事業、インターンシップ推進プランとあわせ、兵庫の体験活動の体系的な取り組みへと発展させていきたいと考えているところである。


 また、国際学力調査において、子供たちの学力低下傾向が報告されているが、本県が昨年実施した基礎学力調査においては、学校での勉強が、「よくわかる」、「まあまあわかる」と答えた小学5年生は90%、中学2年生は75%と高いものがあった。あわせて全国平均との比較からも子供たちの学力はおおむね良好との結果を得た。


 これらの実践を踏まえ、今後も学ぶ意欲の原点である夢をはぐくむ教育に努め、変化の激しい先行き不透明な時代の中で、困難に立ち向かっていくことのできる生きる力の育成にさらなる努力を進めていきたいと考えているので、ご理解、ご支援のほどよろしくお願いしたい。





○(石原修三 委員)  私、よくこの場で言ったが、金太郎あめのごとくの子供には育ってほしくないと思っている。私が小学校の5年生のときに、おばあさんが目の前で臨終をした。その姿が焼きついている。それが人に対する思いやりであったり、自分の人生そのものであるんではないかと思う。したがって、幼少のころに動物でも何でもいい、そういう体験ができればいいかなと思ってならないわけである。武田教育長のこの4年間は非常にすばらしい教育長であったんではないかと思っているので、今後ともさまざまなご協力を賜りたいと思う。


 次に、犯罪予防に向けた警察の相談のあり方について伺いたい。


 平成11年に起きた桶川のストーカー殺人事件は、警察における犯罪予防のための相談のあり方について課題が投げかけられたが、昨年8月に起きた加古川の多人数殺傷事件でも、改めてその困難さが浮き彫りになった。この事件を契機として、加古川市、加古川署、加古川健康福祉事務所の三者が連携し、情報交換等を行う定期的な会合を開いており、このような取り組みを継続することにより、地域住民に安心感をもたらしてほしいと考えている。


 しかし、県民は、社会の安全を守るという警察の役割に最も大きな期待を寄せていることから、まずは警察において、よりよい相談体制、相談方法、また警察を中心とした連携体制を確立することが肝要ではないかと思う。


 警察には民事不介入の原則があるが、警察に切実な気持ちで解決を求めてくる相談を機敏に把握し、これに誠実に対応することが悲惨な事件の発生防止に結びつくものである。


 警察本部では、現在、相談業務検討プロジェクトチームを編成し、よりよい相談業務のあり方について幅広く検討を加えていると聞いている。


 検討結果の大枠は固まっていると考えるが、プロジェクトチームの検討状況を踏まえ、今後の相談業務の体制や方法、相談を受けた後の県民へのフォローなどについて、どのように対処しようとしているのか伺いたい。





○(巽 警察本部長)  加古川における多数人殺傷事件を契機に、県警察においては、相談業務検討プロジェクトチームを設置し、今後のよりよい相談業務のあり方について検討を重ねている。


 具体的には、相談業務体制等の整備充実、適正な相談の受理及び対応要領等の徹底、警察総合相談管理システムというコンピューターを活用したシステムによる一元的な管理とその機能強化、相談業務の適正評価などについて検討を行い、とりわけ相談業務の組織的、継続的な対応、精神保健に係る関係機関との連携についての改善策を講ずることとしたところである。


 その検討過程において、知事部局に設置された精神障害者への適切な医療の提供のための有識者会議に事務局として参画し、必要な検討を行ってきたところである。


 これらの検討結果については、近々発表するとともに、部下職員に周知徹底して、より適切な相談の対応に努めることとしている。


 今後とも、県民からの相談に対しては、相談者の立場に立って真摯に対応し、県民の安全・安心の確保に努めていく考えであるのでご理解のほどよろしくお願いしたい。





○(石原修三 委員)  私が常々思うのは、官庁には何々署とつくところがほとんどであるが、この署の中に上に四を書いて者と書く「署」と「ところ」と書く「所」がある。同じ言葉で「しょ」であるが、権限の違いというのは明らかに大きなものがある。したがって、私は、すべてのことが上に四がついて「者」を書く「署」、ここが中心にならないと、なかなか解決には至らないのではないか、ここが核になるべきだろうと思っているので、そういう観点で質問をさせていただいたので、よろしくお願いしたい。


 最後に、井戸県政の今後の推進について伺いたい。


 今定例会の我が会派からの代表質問では、井戸県政の4年間の総括について尋ねた。知事からは、震災からの復旧・復興を初め、安全・安心の確保、参画と協働の取り組みなどに力を注いだことに加え、一方では、議会との意思疎通に関しては、真摯に自己を省みられ、これらに対し我が会派は大きく評価したいと思っている。


 県政のかじ取りについて、これまでの4年間を振り返っての反省をばねにして、県政として進むべき道を念頭に置き、大きく飛躍されることを期待している。


 これからも、さらなる地方分権の推進が求められると同時に、地方での競争がますます激しくなることが予想される中で、国や市町、また多種多様な県民ニーズに対して、兵庫県政が担う役割とは何かといったことなど、根本に立ち返った大きな課題が残されている。


 17年度の県政理念は、「元気兵庫をつくる」ことであるが、つくられた元気な兵庫が大きく羽ばたいていくことが求められている。


 また、今定例会の代表質問の答弁の中で、知事は残り任期に全力投球するとともに、これまでの礎の上に新たなスタートを期したいと力強く言われていた。恐らく復旧・復興に努力され、一区切りがついたことに加え、2期目の県政を担っていくことの決意もうちに秘めた言葉であったのではないかと私は考えているが、これまでの県政推進を省みて、今後どのように県政を推進しようと考えておられるのか伺いたい。





○(井戸知事)  21世紀の始まりとともに、知事に就任させていただいた。就任以来いろいろな出来事や事件が多発したが、それへの対応ということを中心にしながら、県民生活の安全と安心の確保を図ることと、あわせて復旧・復興10年をどのように迎えていくかということに意を用いてきたつもりである。


 基底としては、成長から成熟へという時代の流れを見据えながら、新しい兵庫づくりを進めてきたつもりである。


 復興10年という節目の年を迎えたわけである。私は、復興という段階で、創造的復興をめざしたわけであるが、どうしてもダメージが非常に大きかったこともあり、3歩も4歩も前に進むというのはなかなか難しかった。しかし、この10年の県民の皆様とともに進めてきた取り組みによってようやく礎ができた、そのような意味から、その礎のもとに、新たなスタートを切れる、そういうステージを迎えているのではないかと考えている。


 また、成長から成熟へということを言ったが、社会原理が効率だとか画一だとか、標準ということではなくて、選択や多様性、個性というものが基本となる時代を迎えている。一人一人が自律的な個として確立して、自分らしさを基本に、自然との調和であるとか、他者との共生の中で、生活の質的向上をめざす社会をつくり上げていこうということが大きく期待されているのではないかと考えている。


 ちょうど県民の皆さんと一緒につくり上げてきた長期ビジョンについても、5年を経過するということになる。その長期ビジョンに基づいた県民行動プログラムも見直し時期を迎えているわけである。


 県民主役のプランづくりを進めていきたい、また、行くことになるが、このような身近な地域で具体的な、県民みずから、あるいは県民とパートナーシップを組ませていただいて、多彩な県土全体にわたって生活の質的充実をめざしていく、このことが、これからの大きな課題ではないかと思う。


 参画と協働を基本姿勢として、成熟時代にふさわしい兵庫づくりをめざす活動が兵庫県に期待されていると考えているところである。





○(石原修三 委員)  私は、先般行われた本会議において、知事がみずからの言葉で、失点があった、自戒をしているということを発せられた。その姿に私は感動した。本当に、こういう人に兵庫県政を任せていきたいなと、ぜひこの人に任せていかなければならないんじゃないかなとも思ったので、ぜひ頑張っていただきたいと思う。





○(山口信行 委員長)  以上で石原委員の質疑は終わりました。


 次に、加藤委員。





○(加藤康之 委員)  まず最初に、「新たな飛躍」の具体的イメージについて伺いたい。


 阪神・淡路大震災から10年が経過した。被災地の人口は全体として震災前の水準を回復し、一部の地域ではマンション建設ラッシュ等の影響で、子供の数が急増し、小学校の教室が不足してプレハブ教室での授業を余儀なくされるようなところも出てきている。


 自然災害の被災者支援の仕組みとしては、被災者生活再建支援法が平成10年5月に成立し、16年3月には同法が改正され、住宅本体への支援が認められないなど、不十分なところはあるものの、公費による被災者の住宅再建支援の足がかりとなる制度ができ、来年度からは、本県で独自の住宅再建共済制度が動き出すことになった。


 阪神・淡路大震災で一躍高まりを見せたボランティア精神は、特定非営利活動促進法、いわゆるNPO法を生み出し、今や全国で2万以上のNPO法人が非営利活動を展開している。


 本県においては、21世紀の成熟社会における県政運営には、県民の参画と協働が不可欠であるという震災での貴重な教訓が、「県民の参画と協働の推進に関する条例」として実を結んだ。


 また、震災の起こった平成7年には地方分権推進委員会が設置され、5次にわたる提言を経て、平成12年には地方分権一括法の施行により、国と地方の関係が対等なものと位置づけられるとともに、機関委任事務が廃止されることになった。


 この地方分権の流れは、内容にまだまだ不十分なところがあるものの、三位一体の改革に引き継がれ、その受け皿を整えるべく、全国各地で市町村合併が行われている。


 一方で、国を初め関係機関等によるさまざまな取り組みも少子化傾向に歯どめをかけることはできず、平成15年には我が国の合計特殊出生率は1.29にまで落ち込み、2年後には我が国人口は減少に転じることになると言われている。


 さらに、2007年からは団塊の世代が60歳に達するなど、高齢化はますます進行し、我が国はかつて経験したことのない超高齢社会へと向かっている。


 また、被災地の中小企業の多くは、震災後10年を経ても、なお低迷を脱し切れず、全国的な不況の影響もあって、本県経済は震災前の活力を取り戻すに至っていない。その上、阪神・淡路大震災で被災した中小企業向けの緊急災害復旧資金の返済猶予が今年度で打ち切られることになっている。


 被災地の市町は、復興債の償還期を迎え非常に厳しい財政運営を強いられている。さらに復興計画が満了することに伴い、多くの基金事業が終了する。


 こうした中、知事は、17年度予算編成の基本方針において「阪神・淡路大震災から10年が経過し、創造的復興の新たなステージを迎えた今こそ、これまでの礎の上に、新たな飛躍をめざしていかなければならない」とされているが、私には新たな飛躍がいま一つ明確にイメージできない。


 そこで、本県がめざす新たな飛躍とは、具体的にどのようなイメージであるのか、基本的な考え方を伺いたい。





○(井戸知事)  非常に端的に申し上げると、これまでの10年、例えば県内総生産という数字で見ると、平成6年度が19兆6,000億円、平成15年度が19兆9,000億円と推定されている。これを比較したときに、全国はどうだったか。全国は10%台、10.何%だったと思うが成長している。我々は大きな打撃を受けたということもあり、埋める努力を重ねてこざるを得なかった、もっと飛躍をしたかった。それは、ご質問の中にも触れられたように、ボランティア活動であるとか、自主防災組織の強化であるとか、まちづくり活動とか、そういう面では新しい芽が出てきたが、地域全体として見たときに、総じて言えばようやく埋められた。しかし、埋め切ったわけであるので、そのような意味で、私は、新たな出発の新しいステージを迎えたんだというふうに位置づけたわけである。


 それでは、今後どういう県づくりを進めていくべきかということを考えたときに、これまでの10年がそのような、ある意味でマイナスを埋めていくというような10年であっただけに、もっとプラスに伸ばしていきたい。兵庫のよさを主張していきたい。兵庫の持ち味を発揮させていきたい。そういうことを進めていきたいという願いを込めて、元気兵庫の創造ということを述べさせていただいているつもりである。


 具体的に考えられることは、去年の台風の教訓も踏まえて、安全で安心な防災先進県、そして、生活される方々が健康で充実した毎日が送れる健康福祉充実県ということをめざすとともに、兵庫の強みや個性を生かした産業雇用の再生、活性化、また、人づくりの面では、私は、体験教育や地域ぐるみの子育てということを中心とした施策の推進、そして、住民の皆様と連帯し、また、自然環境が豊かな共生と連帯の社会づくりなどが、21世紀、これからの県政の課題ではないかと考えている。


 そのような課題に対して、真正面から挑戦していける県となりたい。そのような県とすることが、私は飛躍につながると思っている。また、分権時代をリードする兵庫県でもあるべきではないかと考えている。よろしくご指導お願いしたい。





○(加藤康之 委員)  兵庫の個性、元気兵庫というものをさらに具体的していきたいということであろうと思うし、これまでのマイナスを埋めることからプラスを積み上げるということだと思う。ぜひ私どもも、その点においては協力をしていきたい。力いっぱいの県政をお願いしたい。


 次に、「未来への期待」を柱とする県政の推進について伺いたい。


 ほんの幼い子供が、実の親や同居人に殴られ、傷つけられ、あげくに命を失う。親から食事を与えられなくなって衰弱死する。近年、このような痛ましい事件が、たびたび報道されるようになった。


 私たちの世代がまだ若いころは、子育てに追われながらも、子育てを楽しみつつ懸命に努力していたと思う。そのような時代では、ほとんど耳にしなかった児童虐待が、今では珍しいものではなくなってしまったことを大変残念に思うとともに、危機的な状況を感じざるを得ない。


 地域社会のコミュニティが希薄になるにつれ、自宅周辺も、子供たちが安全に遊べる空間ではなくなりつつある。


 学校では、学級崩壊という現象があらわれ、子供たちが満足な授業を受けられないようなクラスが出てきているとの報道もある。安全であるはずの学校内で凶悪犯罪が起こり、犠牲となる子供たちも少なくないという状況も出てきている。


 また、当局の皆さんのご努力によるさまざまな制度改革にもかかわらず、子供たちの心には「受験」の2文字が重くのしかかり、楽しかるべき学生時代を満喫できない環境にある子供たちは減る気配がない。


 学校を卒業しても定職につかないフリーターは、2003年平均で全国で217万人いるとされ、さらに働かず、教育や訓練も受けていない若年無業者、いわゆるニートは、2003年平均で全国で52万人にもなるとされている。


 さらに、核家族化が進行し、地域社会でのつながりが薄れていく中で、若者夫婦における子育てへの負担感が高まっている。


 私たちの将来を託すべき子供たちが伸びやかに育つ環境は、ますます遠いものとなっていくような気がしてならない。


 一方で、昨年のアテネオリンピックでの若手選手の大活躍や、先月の女子ゴルフ第1回ワールドカップでの優勝に見られるように、世界の大舞台に立っても、憶せず、堂々と戦い、伸び伸びと自分を表現できる若者たちもふえてきている。


 このような状況のもと、本県では「未来への期待」を県政推進の5本柱の一つに据え、県政課題に取り組むこととされている。


 そこで、子供たちを初め私たち県民の将来を明るくするため、未来への期待の柱のもと、どのように県政を推進されるのか、基本的な考えを伺いたい。





○(井戸知事)  未来を担うものは、みずみずしい子供たちではないか。私は、高齢社会であるだけに、高齢者がまた社会を築き上げた方々であるだけに、高齢者の方々の社会的な役割をきちっと果たしていただく、このことも非常に大切であるが、一方で、未来社会をつくり上げてくれるのは子供たち、子供たちが幅広く元気にすこやかに育つ、そのことを期待しなくてはならないと思っている。


 学校教育はもとより、自然とか、社会とか、職業とか、地域とかにおいて、体験学習を積み重ねていくという多様な教育を推進していく必要があると考えているし、また、それらの子供たちを地域全体で、本来家族が真っ先であるが、地域全体で見守り育てる、そのような体制づくりもあわせて行わなくてはならないし、また、子供たちが視点を磨く、見方を磨くという観点からすると、文化や芸術、自然とのふれあいということは不可欠だと考える。


 新年度でも、全県立高校において、新たに高校1年生でボランティア活動に参加してもらうという授業を展開するし、高校2年生は、就業体験を取り入れようとしている。また、環境とのかかわりで、環境学習を強化しようということで、環境学校とか、ふれあいの農の実践活動を進めていく。


 また、親と子の体験学習を進めていただくような授業など、住民主体の地域協働活動を通じた子供たちをすこやかに育てる家庭・地域づくりもめざすわけである。


 言うまでもないが、私は、人づくりこそ未来に対する投資である。その未来に対する投資という考え方を基本にしながら、人材が兵庫で育っていただく、そのような対策を総合的に進めていくべきだと考える。


 兵庫県政全体を元気にしていくということも、広い意味では子供たちに対するグラウンドを用意するという意味でも、元気な子供たちを育てていくということにもつながるのではないかと思っている。


 そのような意味で、県政推進の柱の一つに、未来への期待ということを掲げさせていただいているところである。ご理解の上、ご支援賜れれば幸いである。





○(加藤康之 委員)  私も、かつて小学校で教師を務めていた関係で、子供というものがすこやかに育つということは本当に大事なことだと思うし、子供は、自分たちの子供であると同時に、社会の宝である、国の宝であると常々思っている。今の知事の答弁の中で、子供の重要さというもの、そして、それがすこやかに育っていく環境を整えるということに非常に力点を置いておられることに、改めて感謝を申し上げたい。


 次に、介護保険制度の推進について伺いたい。


 まず、要介護者の現状と今後の取り組みについてである。


 介護保険制度については、制度開始後5年目を迎えようとしているが、その利用者が急速に増加した結果、介護保険費用が増大し、このままでは、制度を維持するため、近い将来、保険料の大幅引き上げや保険料負担年齢の切り下げを余儀なくされると言われている。


 このため、制度発足後初めて行われた介護保険制度の見直しにおいては、主に介護予防サービスを充実することによって、比較的要介護度の低い方における要介護度の悪化を防ぐとともに、現状では介護が要らない高齢者も予防事業の対象とすることにより、新たに要介護状態になる方の増加を抑制しようとしている。軽度の要介護者が介護ヘルパーなどに頼り切りだと、家に閉じこもりがちになったり、筋力が落ちたりして、かえって多くの介護が必要になるとの指摘もある。


 そのようなことから、介護保険制度の改正が施行される2006年度から、要支援1、要支援2の高齢者に対して新予防給付を創設し、一つは、訪問介護など既存のサービスを生活機能の維持・向上の観点から見直すとともに、二つ目には、新たなサービスとして、筋力トレーニングなど運動機能向上、食事指導の栄養改善、口を清潔に保ち病気を防ぐ口腔ケアなどを導入するほか、現状では介護が不要な高齢者に対して、転倒骨折予防教室や認知症防止訓練等の利用を促し、要介護状態となることを健康なうちから防ごうとするものである。


 こうした介護保険制度見直しの基本的な考え方はうなずけるものであるが、その効果についてはどれほどのものが期待できるのか、いま一つ明らかでないところがある。


 そこで、介護保険制度発足後、県内において、予防給付事業の対象となる可能性がある要支援・要介護1の方々はどの程度増加しているのか、また、直前の認定結果と比較して、これらの方々について、要介護度の悪化率と改善率はどうなっているのか、さらに、今後新たな要介護者の発生や要介護度の悪化を防止するため、どのような方法で介護予防に取り組まれるのか伺いたい。





○(下野健康生活部長)  県内における要支援・要介護1の方については、制度発足時の平成12年4月末ではそれぞれ1万1,565人、2万3,145人であったが、平成15年度末では、それぞれ2万9,389人、5万7,328人と、いずれも約2.5倍に増加をしている。


 軽度者の悪化率と改善率については、悪化率は要支援で36.7%、要介護1で23.2%となっている。改善率は要支援で1.4%、要介護1で10.7%となっている。


 このような状況から、介護保険制度改革の基本理念の一つとして、予防重視型システムへの転換が掲げられている。


 これを推進するためには、県、市町、事業者が一体となって取り組むことが必要であると考えており、市町においては「介護予防試行事業」の実施や「介護予防拠点」「地域包括支援センター」の整備を行うこととされている。


 また、介護事業者においては、介護予防に資するサービスの提供やケアプランの作成を行うことをめざし、県として必要な助言・指導を行う。それとともに、県民健康プランの提供、ケアマネジャーや介護サービス従事者等に対する研修、事業者のサービスの適切さに関する評価等を実施することによって、このような取り組みを進め、介護予防の一層の推進に努めてまいりたいと考えているところである。





○(加藤康之 委員)  悪化率、改善率比較で、悪化率の方がはるかに高い。また、介護を必要とする方の増加率が2.5倍になっている。現実として大変なことだなと私は思う。そうした意味で、予防的なものというのは、十分に考えていく必要があるのかなと思う。


 介護予防の具体的な取り組みについては、今定例会における我が会派の越智幹事長の代表質問に答弁をいただいているところでもあり、介護保険制度の見直しが所期の目的を達し、今後このような勢いで要介護度の悪化する方がふえないように、介護予防サービスを効果的に実施されるように強く要望しておきたい。


 次に、在宅介護を支える人的パワーの充実について伺いたい。


 介護保険制度については、「在宅介護」の旗が掲げられているにもかかわらず、特別養護老人ホームなど施設への入所希望が根強く、全国的に入所待ちの状態が続いている。そのため、施設に入所できても、家族や住みなれた地域社会から遠く離れた施設での生活を強いられる方々がおられると思う。人だれしも在宅介護、施設介護の別にかかわりなく、要介護の状態となった場合も、住みなれた地域社会での暮らしを望むものである。


 このたびの制度改正により、身近な地域で、地域の特性に応じた多様で柔軟なサービス提供が可能となるよう、小規模多機能型居住介護、夜間対応型訪問介護等の「地域密着型サービス」が創設される予定であり、県内において、こうしたサービスを充実していく必要があろうと考える。さらに地域社会での生活を継続する上で重要なことは、在宅介護サービスを充実していくことであると思う。


 介護保険制度施行後、在宅サービスの利用は増大したが、在宅ケアの基盤はまだ十分とは言えない。特に、重度になるほど在宅生活の継続が困難な状態になる。こうしたことが依然として強い「施設志向」の要因でもあると考えられる。


 在宅ケアを推進する観点からは、在宅支援体制の強化が図られなければならない。


 この点では、在宅介護によって要介護者の夫あるいは妻、嫁といった特定の家族に過度の負担がかからないようにすることが重要である。特に、男女共同参画社会の実現をめざす中、身の回りの世話は妻や嫁にといった旧態依然の考えは捨て去り、介護にかかる費用や労力は社会全体で負担するという精神で取り組むことが求められる。


 そのためには、まず、在宅介護を支える人的パワーを充実する必要がある。


 そこで、県内において、在宅介護を希望する要介護者に対して、十分な介護サービスが提供できるだけの介護ヘルパーは確保できているのか、今後不足するようなことは考えられないのか、また、不足することが見込まれる場合、どのように介護ヘルパーを養成し、必要な数の介護ヘルパーを確保していくのか伺いたい。





○(下野健康生活部長)  介護保険の居宅サービスの希望者は、最近の状況では約11万人いる。訪問介護は1人当たり平均週2回程度の利用希望があることから、訪問介護の利用希望回数は延べ週約22万回となっている。


 これに対して介護ヘルパーの数であるが、県全体で常勤、非常勤含めて約2万2,000人いる。


 このような状況なので、常勤、非常勤を含めて考えると、現在のところ約週26万回の訪問が可能であると見込んでおり、現在のところ数の上では十分な介護ヘルパーが確保できていると考えている。


 また、現在の県介護保険事業支援計画においては、平成19年度の居宅サービス希望者は約12万4,000人と見込んでおり、これに対する訪問介護の必要回数は週約27万回になるだろうと見込んでいる。


 これに対して、介護ヘルパーに加え、これまで毎年1万人以上が介護ヘルパーの養成研修を修了していることから、引き続き同程度の新たな修了者が想定できると考えており、数の上では今後も十分対応できるものと考えている。


 今後とも、居宅サービスの希望者の増加に適切に対応できるよう、地域ごとの需要についても十分把握しながら、訪問介護員、ヘルパーの養成、確保に努めてまいりたいと考えている。





○(加藤康之 委員)  いずれにしても人を育てるというのは時間がかかる。特にヘルパーの養成というのは、ただ単に技能だけをやることではなくて、その人の人間性というものも求められる。だれでもかれでもいいということではない。受ける側も、年齢が高くなるとどうも人を拒むということも出てくるので、そういった点での精神的な部分もケアできるような心というものも育てる必要があるだろうし、大変な事業だと思うが、先を見越して養成していただいているということに感謝を申し上げたい。さらに充実されるように期待をしておきたい。


 次に、地域安全課設置の成果と課題、さらなる展開について伺いたい。


 街頭犯罪や侵入犯罪の多発など、地域犯罪の増加に伴い、地域における安全の確保に対する要請が高まっている中、本県では、昨年4月、地域社会における犯罪抑止機能の向上等を図るための施策を総合的に展開することを目的として、県警から警視以下4名の警察官の派遣を受けて、知事部局に地域安全課を新設された。


 以来、警察官の増員、空き交番の解消やスーパー防犯灯の設置などの警察の防犯力の強化と地域における防犯の取り組みを両輪として、地域の安全確保が図られ、知事部局と県警察が連携・協力しながら、地域の安全は地域がみずから守るという考え方のもと、自主的な県民運動としての地域ぐるみ安全対策を進めてきた。


 そして、地域の自主的な防犯力を高めるため、関係市町や警察署等と連携しながら、単位自治会等の区域を活動地域とする自主防犯組織である「まちづくり防犯グループ」を県下各地にあまねく組織化するとともに、これらのグループを犯罪防止県民運動の担い手の一つに据え、その活動を支援している。


 このグループの活動をより実効あるものとするためには、県警察の有するノウハウの伝達と情報の交換をスムーズに行う仕組みや、それを生かすリーダーが必要であり、県民総ぐるみの全県的な運動として広げていくためのネットワークづくりが重要である。


 さらに、地域ぐるみで犯罪のない安全で安心な地域社会づくりを進めるためには、それぞれの地域の特性に応じた住民総意の地域防犯活動計画を策定し、県、県警察、市町、地域住民が一体となった推進母体により取り組むことが求められている。


 県では、犯罪に強いまちづくりを推進するため、新たに仮称であるが、「安全・安心条例」の制定について検討を進められており、地域ぐるみの防犯や子供を犯罪から守るための理念、目的を盛り込み、具体的な施策につなげていくこととしている。


 地域安全課が設置され、ほぼ1年が経過しようとしているが、地域防犯を強化してきたこの間の取り組みによる成果と課題をどのように検証・分析しているのか、また、「安全・安心条例」制定を含めた今後のさらなる展開にどのようにつなげていこうとされているのか伺いたい。





○(井筒県民政策部長)  ひったくり、あるいは空き巣など身近な犯罪が増加しており、県民が体に感じるいわゆる体感治安が低下をしている。こういった中で、県として、県警察はもとより市町とも連携しながら、防犯意識の醸成に努める、その一方で、ご指摘のあったまちづくり防犯グループの結成を支援してきた。


 現在のところ、450近いグループが県下各地で立ち上がっている。県下の自治会は1万なので20%以上、2,000の自治会に参画をしていただき、具体的に防犯パトロールや門灯の点灯運動等が行われている。今月に入って、このグループにアンケート調査をやらせていただいた。その中で、防犯への関心が高まった、また地域の連帯感が強まったといった声も寄せられている。


 こうしたこととともに、県民ぐるみで防犯活動の推進に取り組んでいきたい県民運動ということをめざしているので、地域の団体あるいは各種団体、事業者等々の団体が参加をした全県的な「ひょうご防犯まちづくり推進協議会」が3月8日に発足したところである。


 新年度は、こうした取り組みをどう継続していくか、さらにどう高めていくかということが大きな課題だと認識しており、県警察による新たな情報配信システムの活用ともあわせながら、活動ノウハウや先進的な取り組み事例の情報提供、研修会の開催等も含めて、防犯グループが継続的に活動できるよう支援していきたいと思っているし、先ほど申し上げた協議会の取り組みの中で、さまざまな地域の主体が、それぞれ、あるいは連携しながら、計画的、また重点的に取り組みを展開していくよう支援をしていきたいと思っている。


 ご案内があった安全・安心条例、これは、まさに県民ぐるみによる防犯まちづくりの基本となるので、できるだけ早期に制定できるよう、県議会とも十分協議をさせていただきながら検討させていただきたいと思っている。





○(加藤康之 委員)  確かに新たな仕組みをつくるときには、だれかが音頭をとってリードしていかなければならないということがあるが、育っていく過程においては、そこのグループが主体的、自主的に活動するということも同時に育てていく必要があると思う。そうした点も見据えながらの結成を促していく取り組みをされていると思うが、ぜひそうした点、頭に置きながら、今後ともお願いをしたいと思う。よろしくお願いする。


 次に、震災関連のことについて伺いたい。


 一昨日の10時53分ごろに、北九州地域、福岡や佐賀あたりで震度6弱、マグニチュード7.0という地震が起こった。新潟の中越地震と、またこの地震と、阪神・淡路大震災から10年を経た今日、立て続けに大きな地震が起こっている。そうしたことに対して、兵庫県がこれまでのノウハウを生かして、県の職員をそこに派遣をして、その地域を励ます、指導するという取り組みをいただいている。このことに感謝を申し上げながら、お尋ねをしたい。


 阪神・淡路大震災復興施策の今後の全庁的な推進について尋ねたい。


 まず、被災地域の復興を担当する組織についてである。


 阪神・淡路大震災10周年を目前にした昨年12月25日、復興10年委員会により、合計4,500ページ以上にも及ぶ「復興10年総括検証・提言報告書」が取りまとめられ、本年1月7日、知事に提出された。


 知事は、この報告書の提出を受け、本年1月14日の記者会見において、「この復興10年間の総括検証では、多岐にわたる分野で多様な視点から課題が浮き彫りにされ、「安全・安心なまちづくり」「共生社会の実現」を今後の社会づくりの目標像とする総合的な提言が得られた。この目標像の実現に向け、提案の具体化と残された課題への対応、成熟社会を支える仕組みの定着・発展に取り組む」という趣旨の意見を述べられている。


 先ほどの石原委員に質問に対する答弁でも、組織横断的、全庁的な調整機能を持つ組織云々ということもあったが、こういう知事のお考えは、平成17年度の組織体制にも反映されるものと考えているが、この被災地域の復興を担当する組織について、どのような体制になるのか伺いたい。





○(荒川企画管理部長)  本県では、阪神・淡路大震災により著しい被害を受けた地域の復興を総合的に推進するために、阪神・淡路大震災復興本部を設置し、全力を挙げて復興事業に取り組んできた。


 震災後10年が経過し、これまでの創造的復興への積み重ねの上に、あらゆる活動の基盤をなす安全で安心なまちづくりをめざして、今後の飛躍のための新たな歩みのスタートを切らなければならないと考えている。


 こうした中、これまで阪神・淡路大震災復興本部で実施してきた事業は、今後、通常の行政組織で一般施策として実施すべきものが多いと考えられるので、阪神・淡路大震災復興本部は廃止することとし、平成17年度以降も存続する業務については、関係各部に移管することにしたいと考えている。


 特に、平成17年度以降も存続する現在の総括部の業務については、住宅再建共済制度の推進や被災者の生活再建の支援が中心であり、これは現在で言うとまちづくり局で実施している住宅関連施策、あるいは民間住宅の耐震化の推進、まちのにぎわい再生といった業務と密接に関連している。したがって、特にまちづくり局と一体となって、災害に強いまちづくり・住まいづくりに向けた施策を推進するための必要な組織を整備したいと考えている。





○(加藤康之 委員)  ぜひその考えを生かしていただきたいと思う。奥歯に物の挟まった言い方をするが、次に、お尋ねすることと関連するので、ご容赦いただきたい。


 復興施策の全庁的な推進について伺いたい。


 震災から10年経過後の復興施策については、「被災高齢者の自立支援」「まちのにぎわいづくり」「「1月17日は忘れない」ための取り組み」の3大プロジェクトのもと取り組むこととされているが、残された課題は、心のケア、高齢者の見守り、被災地中小企業・商店街の支援、震災を通して培ってきた「命の大切さを伝える教育」、防災教育、1.17の発信等、多部局・多方面にわたるものである。


 また、この10年、県が被災地で築き上げてきた地域ボランティア、NPO、NGO等との連携、ないし県政への参画と協働の仕組みを、まさに創造的復興の基盤として発展させ、継承していく必要がある。


 さらに、震災の教訓を、近い将来に発生する危険性が指摘されている東南海・南海地震などの自然災害に備える取り組みに生かしていく必要がある。


 このように多岐にわたり、県政全般にわたる課題に適切に対応するためには、全庁的に取り組む仕組みを設けることが重要であると考える。


 一方、兵庫県議会では、復興施策のうちの残された課題に対応するためにも、震災直後に設置し、震災復興の調査に当たってきた「震災復興特別委員会」を「自然災害・復興対策調査特別委員会」に発展的に改組しようとしている。


 いずれにしても、今後の復興施策は、兵庫県政の中心課題として知事みずからが直接かかわって全庁的に取り組む必要があると思う。


 そこで、創造的復興を発展・継承していくため、全庁的な調整の仕組みづくりのもとに今後の復興施策に取り組まれる知事の基本的なお考えを伺いたい。





○(井戸知事)  阪神・淡路大震災から10年を経過したが、これは節目ではあるが、創造的復興が完了した、終わったということではない。課題はまだ残されているので、ある意味で一つの大きな節目を経た上で、さらなる推進を図っていく必要がある、このような時期だろうと認識している。


 そのような意味では、組織自体としての復興本部体制は見直しをさせていただくが、その課題に対する体制はきちっとしたものを用意して、必要な課題に対して的確な対応をしていく必要がある。


 そのために、ご指摘になった被災高齢者の自立支援やまちのにぎわいづくり、そして、1.17は忘れないという風化させない対策、この三つのプロジェクトを重点的に取り組むために、有識者等による復興フォローアップ委員会を設けて、そこで推進プログラムを策定して、総合的、機動的に対策を講じていきたいと考えている。


 また、そのような推進プログラムには、各部がそれぞれの業務で取り組む課題についても整理をしていきたいと思う。


 また、県自体における推進体制としては、私を本部長とする「阪神・淡路大震災復興支援会議」を新たに設置して、知事・副知事を初め、全部長を構成員として総合的、調整的な機関を設置していきたいと考えている。


 いずれにしても、これからの被災地での振興を図るために、復興フォローアップをきちんと進めていく、そして共生の理念や災害文化がきちんと息づいていく安全・安心な社会づくりをめざしてまいるので、よろしくご指導をお願いしたい。





○(加藤康之 委員)  若干の不安があったが、復興推進会議、知事をトップにして設けられる。また、フォロー委員会も設置をして、今後の対策を考えプロジェクトをつくっていくということなので、一つは安心をした。ぜひ、全庁的、組織横断的な形での取り組みが実を結ぶようにお願いしておきたい。


 次に、県民緑税導入に当たっての県民への説明責任等について伺いたい。


 今定例会に県民緑税条例案が上程されている。昨今の地方分権の流れの中で、地方税法が改正され、地方自治体の課税自主権が大幅に拡大されることになった。県民緑税は、この課税自主権の拡大を受けて創設する税としては、本県で初めてのケースである。


 緑の保全という本県の施策に必要な財源を、本県が独自に創設する税に求めるというものであり、本県の自治、とりわけ団体自治の面においてまさに画期的な出来事である。


 一方、住民自治の側面からは、本県では平成14年に「県民の参画と協働の推進に関する条例」を制定し、県民の参画と協働を基調として県政を推進することとしている。


 県民緑税の創設に当たっても、県民の参画と協働により進めることが、団体自治、住民自治を兼ね備えた真の地方自治を実現する上で、大変重要であると考える。


 県民緑税については、今定例会において、各会派から何度も取り上げられ、創設に際しての県民の参画と協働のあり方についても、繰り返し答弁されてきた。


 我が会派としては、昨年の台風23号等による風水害の実態をかんがみても、緑の保全への早急な取り組みの必要性は十分認識しているものであり、また、新税の創設は県民の参画と協働により行ってきたとする当局の答弁を受け入れることにやぶさかではない。


 しかし、我が会派の越智幹事長がさきの代表質問で述べたように、参画と協働による手続は、一般県民が広く知るところ、衆目の中で進めるべきであると考えるものであり、この観点からは、県民に十分な説明責任が果たせているとは言い切れない。


 さらに、その使途についても、個人の宅地の庭木にまで対象を広げようとされるなど、「緑の保全」の趣旨を余りにも広げ過ぎているのではないかと思われるようなところも見受けられる。


 そもそも県民緑税は、土砂災害を防止し、水源を涵養する、川上、川下の別なく県民が享受する公益的機能を有する緑の保全のために、早急に取り組む必要があるということで設けられるものであり、宅地の緑化という緊急性の乏しいものにまで、新たな税を課して行おうとすることには疑問が残るところである。


 一方、県民への周知については、平成17年度の1年間をかけて取り組むこととされているが、予算面においては既定経費で対応することとされ、新たな予算措置はなされていないということである。一体、そのようなことで県民への周知が十分に行えるのか、県民への説明責任が果たせるのか、これについても疑問が残る。


 つい最近、3月の県広報紙「県民だよりひょうご」は、緑を初めとする自然環境の保全をテーマに編集されていたが、コウノトリの放鳥の記事は大きな枠で扱われているのに比べ、県民緑税に割かれる紙面は5行、わずかなスペースであった。このことからも、県民への十分な周知についていささかの不安を感じる。


 そこで、県民緑税について、平成18年4月1日の施行まで1年間をかけて、県民への説明責任をどのように果たしていくのか、また、その使途について、県民の参画と協働のもと、どのように内容を詰めていこうとするのか伺いたい。





○(井戸知事)  既に森林の公益的機能の重要性という点についてはもうご理解をいただいているので、私は、あえて触れないが、既に本県としては、緑の保全と創設に向けて新しい兵庫の森づくりを進めてきたし、また、緑化基金に代表されるように、開発者負担を求めながら緑の創生にも努めてきた。


 しかし、そのような取り組みだけでは十分ではないのではないか。特に台風23号等の被害の実情を見たときに、さらなる森の管理の徹底を図る必要がある、防災機能を高める必要がある、そのような観点であえて負担をお願いしようとしているものなので、ご理解賜りたいと思う。


 都市部の個人住宅の庭木を何とかしようとしているわけではなく、都市における緑の重要性というものも、十分ご案内だと思うが、深刻な都市の環境問題を軽減しながら、防災機能も高めていく、そのような公益的な観点から都市部における緑の創生についても配慮を加えていく必要があるので、緑税の対象に考えてみたらどうかということで検討を進めているわけである。


 私は、都市の緑も森林とあわせて、社会全体で緑の保全再生を支えていくということが必要で、そのためには使途の対象に入れるべきではないかなと思っている。


 ただ、ご指摘のように、何も住宅供済制度のときの議論を持ち出すわけではないが、個人が本来、個人として責任を持つべき分野まで踏み込むことの是非は、十分にこれから県民の皆様ともども、また議会の皆様とも協議を重ねながら、適切な制度として構築してまいりたいと考えている。


 1年間PRをする、県民理解を得ると言いながら、予算が全然組まれてないじゃないかというご指摘があった。また、コウノトリに比べて県民緑税のスペースが少ないじゃないかというご指摘もあった。1年かけて対応すると申しているところでもある。


 私どもとしては、既存の工法経費もかなりの額があるし、手段もいろいろな手段がある。現に私も、いろんなところで話をさせていただく際に、台風23号等の一連の水害対策の中から、県民緑税の負担をあえて県民の皆様にお願いせざるを得ないんだということを説明し、理解を得つつある。そのように考えている。


 今まで私も説明をした中で、要らないと言われた方はどなたもなかった。しかし、お前の接している範囲なんて狭いぞということでもある。今後とも十分にいろんな手段を通じて、県民理解を得たいと思っているが、特にひょうご森の祭典等のイベントであるとか、緑化セミナーであるとか、県民局単位でのフォーラム等を開催して、十分に県民緑税の内容や使途をご理解いただくとともに、その意義についても認識を深めていただこうと考えている。


 使途と内容についても、そのような過程を通じて、県民の理解を得ていくとともに、県議会のご指導も十分にいただきたい、このように心づもりしているので、よろしくご指導賜りたい。





○(加藤康之 委員)  知事みずから先頭を切って活動いただきたいと強く要望しておきたいと思うし、淡路花博のときに、前貝原知事が、ぬいぐるみを着てテレビ出演された、あれを今度も井戸知事に求めるというようなことまでするかどうか、これからの行動にもよるが、あらゆる場面を通してやっていかないと、私のごく身の回りの近い友人も、お前、ほんまにあんな緑税要るんかという声がかなり聞こえる。説明するにしても、いっぱしの説明ではなかなかいかない。緑という山林を改善していくためにも、重要なことだと思うので、私たちも努力をしていきたいと思うので、ぜひそういった点、あらゆる手段を講じて、ホームページだけではなくて、あらゆる手段で宣伝していただいて、周知徹底を図っていただきたいということを要望しておきたい。


 最後に、今後の財政運営の基本理念について伺いたい。


 我が国経済が回復基調にあるとはいえ、踊り場状態にあるとの報道もあり、先行きの不透明感はぬぐい切れない。


 三位一体の改革についても、真の地方分権を実現し得る改革が現実のものとなるのかは不明であり、とりわけ国と地方との事務の配分に応じた適正な税源移譲がなされることに確信は持てず、改革のありようによっては、補助金や地方交付税が削減される一方で、十分な税源移譲がなされないという地方にとって最悪のシナリオとなることも全く否定することはできない。


 2007年問題に象徴されるように、税収面においても、企業活動の面においても、従来、我が国の活力の原動力となっていた団塊の世代が2年後から60歳に到達し、企業活力の維持・ノウハウの継承が大きな課題となっているとともに、年金制度の面においては、従来掛け金を負担していた世代が受給者の側に回ることになる。一方で、少子化傾向には歯どめがかからない。このようなことが、本県の今後の財政事情に悪影響を及ぼすのではないかと懸念されるところである。


 県財政については、行財政構造改革推進方策後期5か年の取組みのもと、タイトな運営をされているが、こうした中で編成された来年度予算にも、本県をめぐる厳しい社会経済情勢が如実に反映されている。県債発行額は通常事業充当分は前年度を下回るものの、台風23号等の被害対策のため123億円発行するなど、トータルでは対前年度比102.9%の2,116億円で、歳入の10%を占め、県債残高は17年度末見込みで2兆8,451億円に達することになる。


 また、基金については、733億円を取り崩すこととしており、17年度末の基金残高は1,497億円で、ピーク時の平成4年度末残高4,001億円の37.4%にまで落ち込むことになる。


 本県の世帯数は約216万世帯であるから、本県予算の状況を家計に例えると、このすべての世帯が、1世帯当たり約98万円の年収のうち、およそ9万8,000円は借金で補い、年収の7%程度、約6万9,000円の貯金があるものの、借金は年収を上回る約132万円に上るという状況にあることになる。


 一方で、地域社会の基盤整備や安全確保など、財政需要は引き続き高まりを見せており、新たな県民ニーズにも的確にこたえていく必要がある。


 県民から県政を託された者には、財政面においても、直近の財政課題に加え、20年、30年先を見据えた確固たる将来展望のもとに県財政を運営するという姿勢が求められると思う。


 限られた税財源を有効に活用しながら、私たちの子供や孫の世代が、兵庫に生まれてよかった、兵庫は日本で一番住みやすいところだと胸を張ることができるような、美しい兵庫を申し送るようにしなければならず、いやしくも将来の世代が私たちの残した借金で苦しむようなことにしてはならないと思う。


 ますます厳しさを増すことが予想される財政事情のもと、今後の財政運営にどのような考えで臨まれるのか、覚悟のほどをお聞かせいただきたい。





○(井戸知事)  県政運営の基本は何かと言うと、それは県民の期待にこたえる、そしてそれをいかに実現していくかということであることは言うまでもないが、これを支えているのが財政である。しかも、県民ニーズに応じて、県みずからが判断し、その事業内容を決めて、その責任を負う。権限と責任と財源を持つ仕組み、私は、そのような意味で地方分権、分権の確立が不可欠だと考えている。


 そうすれば、県民ニーズに反したことをすると県民から指弾を受ける、また、県民ニーズにふさわしくないということならば、それは税負担したくないということにつながる。そのような意味で、判断と責任と財源は不可欠なものであると考える。


 しかし、今は国、地方を通じて大きく過度に国債や地方債に依存した財政運営を強いられている。したがって、まずは、できるだけご指摘のように、早期に歳入歳出のバランス、特に借入金である地方債への依存を低めていくことが必要だというご指摘だろうと思う。


 現時点としては、行財政構造改革推進方策の枠組みを前提としながらも、税収の動向や、赤字となっている国、地方の財政環境をよく見きわめる必要があるが、このようなときだけに、災害等の臨時に生じる資金需要や年度間の財源調整、そして特に世代間の受益と負担との調整を図っていくという地方債の持っている機能にも着目しながら、しばらくは節度を持つ必要があるが、地方債への依存はやむを得ないのかなと考えている。


 基本は、いずれにしても、できるだけ早くプライマリーバランス、社会資本の整備に充てる地方債をどう評価するかという問題があるが、公債費と歳入面での地方債を除いた一般事業についてのバランス、プライマリーバランスの回復を基本にしながら、健全収入を確保していく必要がある。特に県税の独自の対策とあわせて、国、地方の税配分のあり方を分権化の推進として働きかけていく必要があると考えている。


 あわせて、歳出の内容の吟味を徹底して行う必要がある。特に官から民へと言われていることは、まさしく県政にも当てはまる話であり、県が行うべき事業かどうかの検証が必要だと考えている。


 3番目にそれらの県の事業を担う組織だとか、人員配置のあり方についてもメスを入れなくてはならないのではないかと考える。


 4番目に事業実施の方法である。役人がやらなきゃいけないのか、あるいは民間の知恵や能力を活用した方がいいのか、アウトソーシングや、公設、民営などについての視点も必要である。


 5番目に、新しい公と言われている中間領域での県民の参加のあり方、あるいは共同のあり方ということが問われてくるのではないだろうかと思う。このような視点を持ちながら、行財政の今後のあり方について議論を深めていきたい、検討を深めていきたいと考えている。





○(加藤康之 委員)  本当に厳しい時代だろうと思うが、今、知事が言われたような点をしっかりと見据えながら、後の世代に大きな借金を残さない、我々の世代で解決できる部分は極力解決をしていくんだという姿勢を今後とも堅持をいただいての県政運営に努力をいただきたいことを申し上げ、私の質問を終わる。ありがとうございました。





○(山口信行 委員長)  以上で加藤委員の質疑は終わりました。


 この際、暫時休憩いたします。


 再開は、午後1時といたします。


       午後0時6分休憩


……………………………………………………


       午後1時2分再開





○(山口信行 委員長)  それでは、ただいまから予算特別委員会を再開いたします。


 休憩前に引き続き、質疑を行います。


 松本よしひろ委員。





○(松本よしひろ 委員)  まず、公務員の福利厚生問題等について伺いたい。


 MBS毎日放送が、大阪市阿倍野区役所の実態に合わない超過勤務手当の問題を取り上げたのを契機に、自治体の特殊勤務手当などの各種手当、互助会による福利厚生事業など、公務員の厚遇問題に関する記事が連日のごとく紙面をにぎわしている。総務省も全国自治体を対象にした一斉調査に乗り出すようである。


 県民の皆さんから多くの声が寄せられるが、その声を要約すると、民間企業や市民、県民の税金で養われている公務員が、理屈の通らない手当や、退職金の上乗せに税金を勝手に使っているのは許せないということになる。


 また、私のもとには、兵庫県でそういうことがないか、議員としてチェックしているのかと厳しく詰め寄られることもある。


 労使間の交渉の経緯もあるだろうし、望ましい労働条件を追求するという立場からの議論もあると思う。この際、各種手当や労働条件、職員互助会を含めた福利厚生のあり方について点検を行い、必要があれば改善を行うべきであると思う。社会経済情勢の変化もあり、不変の基準があるわけではない。互助事業としての給付のあり方や共済組合の給付との重複、互助会掛金と公費助成の比率といった点が議論の対象かと思う。


 兵庫県では、真剣に行革に取り組んでこられたこともあり、県民から指弾を受けるようなことはないと思うが、知事は行政組織の統括者であると同時に県民の代表でもある。県民の目線に立って、県とその外郭団体を含めて、もう一度点検されてはどうかと思うが、見解を伺いたい。





○(荒川企画管理部長)  職員の勤務条件、福利厚生は、社会通念上、妥当なもので、県民の理解が得られるものでなければならないと認識している。このような視点から、毎年、点検も行っている。


 まず給与等については、人事委員会勧告に基づいて適正に措置しており、通勤手当や寒冷地手当の見直し、退職時特昇の廃止、昇給停止年齢の引き下げのほか、独自に旅費の見直しも行ったところである。


 また、福利厚生事業であるが、職員が安心して公務に専念し、公務能率を向上させるために必要であると思う。本県においては、他府県でやみ退職金といって話題になったような給付は行っておらず、共済組合と互助会で同一目的、同一趣旨での重複した支出はしていないと考えている。


 また、企業の福利厚生費というのは、全額、損金算入が認められているが、民間機関のある調査によれば、回答があった企業の9割以上の会社が従業員の掛金に対し1対1、もしくはそれ以上の負担を行っているというものもあり、こうしたことからも県の公費負担割合が不適当な水準というふうには考えていない。


 こうしたことから、職員の勤務条件、福利厚生事業の内容については、突出したものはないと考えている。しかし、これらのことについては、国や他府県、民間の状況をそれぞれ見ながら、社会情勢に応じて不断の点検が必要であると考えており、今後も引き続き検討してまいりたい。


 なお、外郭団体についても、給与面、福利厚生面について適切に指導しているが、今後とも指導を行ってまいりたいと思う。





○(松本よしひろ 委員)  次に、少子化対策と子育て支援の強化について伺いたい。


 少子化と高齢化という社会構造の急激な変化が社会保障制度を揺るがそうとしている。一人っ子の子供が増加し、下手をすれば子供が子供に触れ合うのはテレビ画面を通してということにもなりかねない状況で、少子化が子供たちの育つ家庭や地域といった身近な環境を変化させ、子育てをより困難なものにするという悪循環にも陥っている。私たちの社会の未来のために、少子化という問題をもう一度見詰め直し、本格的な取り組みを進めなければならないと思う。


 国においても、平成15年7月に成立した次世代育成支援対策推進法が4月1日全面施行されるし、子ども・子育て応援プランが昨年12月に策定されている。兵庫県でも、「すこやかひょうご子ども未来プラン」に沿った各種の取り組みがなされているが、今後、特に力を入れていただきたいテーマを取り上げておきたいと思う。


 まず、一つ目であるが、子育て世代からの要望で最も強い経済的負担の軽減についてである。


 住宅費と教育費の負担が子育て世代の家計を圧迫している。年金や医療介護などの社会保障費でも負担がかかる。県においても、さまざまな子育て支援策を講じていただいているし、各市や町でもそれぞれに支援策を講じてきている。財政的に厳しい現実があり、予算的にも限度があるが、直接的な経済負担軽減の支援策という観点から、より一層の取り組みが必要であると考える。


 子育ての経済的負担を社会全体で支え、応援するという趣旨にかなう支援策、子育て世代の少なくとも8割以上を対象としてカバーし、子育て世代の人たちから喜んでもらえるような支援策の実現をぜひお考えいただきたいと思うが、兵庫未来への大切な取り組みとして前向きな答弁をお願いしたい。





○(齋藤副知事)  子供を産み育てることは、人としての最も基本的な営みである。


 本来、子供の扶養については、父母その他の保護者が一義的に責任を持つものであるが、ただ、個人としての問題でなく、地域や学校、企業、行政などが力を合わせて社会全体の営みの中で取り組んでいくことが重要であることは言うまでもない。


 とりわけ子育て世代の間で、子育てに対して心理的、肉体的負担があることや、子育てや教育の費用などの経済的負担が増大していることが出生率に影響を与えているとの指摘もされているところでもある。


 そのような中で、少子化への対応として、経済的な負担の軽減策として、児童手当制度や乳幼児の医療制度がある。


 現在、国においては「社会保障制度全般についての一体的見直し検討」の中で、経済的な支援など次世代育成支援施策について、そのあり方等を幅広く検討していると承知しているところであり、ご提案の支援策等についても、その中で方向性が示されるものと考えている。


 県としても、この国の動きを踏まえつつ、安心して子供を産み育てることができる社会づくりを総合的、多元的に取り組む中で、引き続き検討してまいりたい。





○(松本よしひろ 委員)  ぜひ前向きに取り組んでいただきたい。


 次に、子供の育つ環境づくりと親のための支援策について伺いたい。


 何年か前、神戸新聞にペットの行動学という連載随想の「遊び」と題した一文、筆者は獣医の宮田勝重氏であるが、子供の育ちを考える上で非常に印象に残ったので、ここで引用したいと思う。


 「人に限らず動物も、子供のときに遊んで心を育て、生きていくための知恵や動きを学ぶ。生活スタイルは動物により大きく違うので、遊び方も動物によってかなり違ってくる。ハンティングというかなり知恵と体力を必要とする行動を通じて、生命を維持する肉食動物は、遊びによって技術を覚えなくてはいけない。群れをつくるイヌ科の動物は群れのおきても遊びの中で学ぶ。つまり、同じ肉食動物でも群れをつくらない猫より多く遊び、学ばなくてはならない。


 現代人は架空の食物に当たるお金を得るため、肉食動物よりはるかに難しいハンティングをしなければならない。しかも、社会の構造もおきても複雑で手に入れるのは簡単ではない。人としてやっていくのも案外大変なものである」、こういうものである。


 人間の子供は、発達段階に応じた遊びの中で学び、知能と心と身体を発達させ、生きる力を身につけていくが、集団遊びができず、屋内でのテレビやゲームといったひとり遊びが中心となっていることから、発達心理学者などによって「遊びの再生」「こども集団の復活」が叫ばれている。


 学校におけるゆとり教育の是非が議論されているが、概して今の子供たちに言えることは、群れて遊ぶということが不足しているということだと思う。子供の群社会の消失が原因であるが、子供たちにとって、子供の育ちにとって、致命的な問題であると思う。


 現実に、幼稚園や保育の関係者から、現代の子供の育ちをめぐるさまざまな問題点が指摘されている。子供の育ちという子供に視点を置いた立場から、群れて遊べる場所の確保という視点で、保育所や幼稚園の役割をもう一度見直すことが重要だと考える。


 また、子育て世代の親の方々からの切実な声が、保育所入所への要望であるが、これは大人の立場からのニーズである。


 県は、子どもの冒険ひろば事業、若者ゆうゆう広場事業を拡充し、私立幼稚園の預かり保育への助成、平成17年度の新規事業として、わくわく幼稚園・わくわく保育所の開設助成などの子供の育ちへの支援策とともに、まちの子育てひろばや子育てゆとり創造センター、ファミリーサポートセンターなどの子育て支援策を種々拡充されている。


 子供の育つ環境づくりと親のための子育て支援策の両面から見ると、まだまだ十分とは言えないと思う。


 子供の育つ環境づくり、親のための子育て支援策の両面について、今後一層の強化拡充が必要と考えるが、知事のご所見を伺いたい。





○(井戸知事)  ご質問にもあったように、子供たちの育つ環境をどのように整備していくかということは、非常に大きく子供の成長過程において影響を与えるのではないか、私もそのように思う。


 子供の育つ環境づくりとして、まちの子育てひろば事業を展開しているが、これは、どちらかというと、子育て中のご両親が不安を解消したり、相談ごとをしたりするところが重点であり、どちらかというと、そういうお父さんやお母さんの不安が解消されることによって子育ての環境が向上する、そのことをねらっている事業になるのではないかと思う。


 一方、自然学校だとか、トライやる・ウィーク、このような授業は、子供自身が自然の一員であるということを知ってみたり、あるいは社会とのつながりを知ってみたりする授業であるので、いわば社会環境を学ぶ、このような授業になると思う。


 このようにいろんな次元で子育て環境を整備していくことの重要性は言うまでもないが、あわせて、子育て機関としての保育所であるとか、あるいは幼稚園という専門機関が適切な指導をしてもらえる、そのような環境整備も不可欠ではないかと考えている。


 私、先日、神戸市内のプレーパーク事業、冒険ひろばを指導されておられるどんぐりの会の皆さんと、そこで遊ぶ子供たちとの交流をすることがあった。子供たちの自主的な遊びを大人だけでなく、お年寄りまで巻き込んでサポートする中で、子供たちに創造性や自主性を持たせることの重要性を肌で感じたところである。


 あわせて、子供たちが自然と触れ合いながら社会とのつながりを学び、育っていく体験教育も重要であると考える。そのための授業にも多くの資源を割いているが、特に環境学習や環境教育などを通じた育成が重要であると考えている。森・川・海を活用したプログラムであるとか、学校林であるとか、学校菜園を活用した体験であるとか、学びの農を推進しようとしているが、これらを通じて、人も自然の一員であること、地球家族であるからには、共生しなければならないことなどを実感してもらう、このことが大切なのではないかと思う。


 今後とも子供の育つ環境づくりと、そのための親に対する支援、両面について多元的に取り組んでいきたいと考えている。





○(松本よしひろ 委員)  ぜひ今後ともよろしくお願いしたい。


 次に、心のケア体制の強化について伺いたい。


 21世紀は心の時代と言われる。量を消費する生活から質を楽しむ時代とも言われる。これはプラスの面にもマイナスの面にも通じることである。


 代表質問でも取り上げさせていただいたが、社会に適応できなくなった人や、良好な人間関係を持てなくなった人々に対するメンタルヘルスケアの体制づくり、心のケアを要する人たちのための支援体制の整備は大変重要であり、今後ますますその重要度を増していくと思う。


 県においても、そのことは十分に認識されて、今後、取り組みを強めていただけると思うが、私たちは、これまでに推進してきた施策である音楽療法士の養成事業、景観園芸学校での園芸療法士の養成事業とも関係が深いと思う。こころのケアセンターと、これらの連携を強めることで、より一層の効果を期待できるのではないかと考える。


 こころのケアセンターは、精神医学、心理療法という分野から大規模災害被災者や犯罪被害者、DVや虐待被害者のトラウマ、PTSDへの対処、心のケアの研究、人材育成に拠点的役割を果たしているが、心のケアには音楽療法や園芸療法も大変有効とされている。これらが有機的に連携することで、より一層の効果を上げることができると考える。


 こころのケアセンターと淡路景観園芸学校が連携し、そこにセンター機能を持たせて、養成している音楽療法士をも加えた、心のケア体制を構築してはどうかと考えるが、ご所見を伺いたい。





○(下野健康生活部長)  音楽療法と園芸療法は、心や体に病や障害を持った方々などを対象に、音楽や園芸作業により、心身の障害の軽減回復、機能の維持改善、あるいは生活の質の向上をめざすものである。


 現在、音楽療法と園芸療法に対する社会の評価と信頼を高めるため、園芸療法については、淡路景観園芸学校において、医療機関と連携しながらその効果の検証を進めているところである。また、音楽療法についても、こころのケアセンターが兵庫県音楽療法士会と連携し、来年度、音楽療法の効果に関する臨床的研究に取り組むこととしている。


 こころのケアセンターにおいては、研究推進協議会を開催するなどネットワークづくりを進めているが、今後、淡路景観園芸学校等との連携も図りながら、その充実に努めるとともに、音楽療法士や園芸療法士など心のケアに携わる幅広い人たちの参画を得て、心のケア体制の充実強化に努めてまいりたいと考えている。





○(松本よしひろ 委員)  次に、がん治療体制の強化について伺いたい。


 健康生活部の部局別審査で、新ひょうご対がん戦略の後期5カ年の推進方策と、がん治療専門医制度への取り組みについて質問させていただいた。


 我が国では、年間30万人近くの人ががんで亡くなっている。兵庫県でも1万4,000人を超えている。死因別では断トツの1位である。


 兵庫県では、昭和62年から全国に先駆けて、ひょうご対がん戦略会議を設置し、その提言を受けて、ひょうご対がん戦略を定め、がん制圧に取り組んでこられた。


 現在、平成14年から18年を計画期間とする「新ひょうご対がん戦略の後期5カ年の推進方策」に基づいた取り組みをされている。


 その目標を、がん死亡率を全国並みに下げること、がん予防の強化、特に受診率の低い乳がん・子宮がん検診の受診促進と精度向上のためにマンモグラフィによる検診の普及を掲げておられる。


 また、全国よりも死亡率の高い肺がんと肝がんに重点を置き、早期発見、高度ながん医療機関の整備や患者のQOL向上、ターミナルケアに取り組むとしている。


 少し気がかりなことは、県立病院が公営企業法の全部適用となったことで、政策医療を推進する健康生活部との一体性が弱くなり、対がん戦略の推進にそごを来しているのではないかということである。


 日本癌治療学会が、ことしの夏に、がん治療専門医制度をスタートさせようとしているそうである。これまでの医療が縦割り、部位別で、がんという腫瘍への治療を縦横断的に総合医療として取り組む医師がおらず、そういう医師を教育する体制もなかったということで、非常に大きなショックを受けたところである。


 先週17日には、県立粒子線医療センターで炭素線治療がスタートした。今後、2次保健医療圏ごとに中核病院を確保し、成人病センターを中心に地域がん診療拠点病院、全県拠点病院の整備をするということであるが、早期にこれを進めていただきたい。そして、がん治療に特化した機能を持たせ、化学療法、放射線療法、外科療法、それに免疫療法なども加えた総合的ながん治療の体制、腫瘍科総合診療体制を構築していただきたい。


 そして、がん治療専門医制度についても積極的に取り組み、早期にがん治療専門医を確保していただきたい。


 県下で7万人のがん患者が待ち望んでいる。知事のご所見を伺いたい。





○(井戸知事)  がん治療体制を充実することのご意見をちょうだいした。


 ご指摘のように、兵庫県における死亡率の高順位はいずれもがんで亡くなられる方々ばかりである。それだけがんに対して我々も挑戦をしていかなくてはならない、このような思いがする。


 国においても、対がん戦略の一環として、重点的に科学費を投入して、がん対策を進めることにしているが、まだ大きな効果的な仕掛けとか体制ができたということは聞いていない。


 そのような検討の中であるが、ご指摘のような「がん医療水準均てん化の推進に関する検討会」、厚生労働省に設けられて、新たな専門医制度について、認定制度の一本化について模索をされている状況である。


 私どもとしては、このような国レベルでの検討状況等を見定めつつ、適切に対応すべきだと考えている。


 がんの総合的な診療体制の整備については、本県では、がん医療システムをつくろう、そして、その拠点病院を指定していこう、その拠点病院の要件として、中核病院のうち、1ヵ所以上の拠点病院をできるだけ早く指定をして整備をしていこう、選定していこうと考えている。


 そのような選定の中で、第1に上がるのが県立成人病センターである。


 この要件を満たすべきであるし、満たして、早くがん医療システムの拠点病院として選定されるべきであると考えている。


 がんに対する高度な診断、治療技術を持つ専門病院として、検査、診断から治療にわたる一連の医療行為の中で、専門スタッフによるチーム医療により、化学療法、外科療法、放射線療法、免疫療法等を総合的に現在も実施しているわけであるが、今回発表した県立病院の基本方向の中で、今後、より一層がん医療への専門化、高度化を図っていきたいと考えている。


 特に、粒子線医療センターが開業して、粒子線治療にふさわしい方々に適切な粒子線治療を受けていただく、しかし、その他の治療方法がふさわしい方々は、成人病センターが一義的に対応する、そのようながん専門高度病院としての機能を強化していく必要がある、このように考えて、県立病院の基本方向でも定められたわけであるので、そのような意味での整備を急ぎたいと思っている。


 そうなると、今の成人病センターが果たしている役割、がんの部門と循環器の部門とがある。そのような意味で、がんに特化するということになると、その循環器の部門を引き受ける専門病院が必要となるので、加古川病院の改築とあわせて、循環器部門の専門病院化を図りたい。これは、がん機能を強化するという面でも、そのような努力をしていくべきだと考えている。


 あわせて、特に化学療法を総合的に実施するためのコーディネート機能の整備についても検討させていただいている。


 なお、ご指摘の免疫療法は、現時点では、幾つかの専門先進病院で試みられているが、研究段階なので、その導入については、我々としても、状況を十分見きわめながら検討していきたいと考えている。


 いずれにしても、がんに対する対応を強化していくことは、健康を守っていくという見地で非常に重要な課題であると認識しながら、対応を進めていきたいと考えているので、よろしくご指導をお願いしたいと思う。





○(松本よしひろ 委員)  医療分野への課題、ニーズには非常に大きなものがあるが、がんに関して、特に財政的な面から県から応援をしていただいて、早期に体制整備ができるように心から願っている。


 次に、観光・ツーリズムの振興について伺いたい。


 本会議の代表質問で、関西エリアの広域連携による観光・ツーリズムの振興について取り上げさせていただいたが、再度ここで取り上げさせていただきたい。


 ヨーロッパ諸国では観光大臣を置いている。それぐらい観光ということを大事にしている。世界的にも観光が今後リーディング産業になると言われている。そういう意味で、兵庫の未来を考える上で、非常に重要なテーマとしてこの問題を取り上げたいと思う。


 国においても、ビジット・ジャパン・キャンペーン、あるいは観光ルネサンス事業など、観光立国実現に向けた取り組みを強めつつある。


 我が党として中央で強力に推進してきたことであり、また、関西においても、我が党の関西各府県議会議員、政令指定都市の市議会議員による観光振興議員連盟を立ち上げ、オール関西としてこの問題に取り組もうとしている。


 これは、各県や市でそれぞれに取り組むのは当然であるが、国際的な大交流時代を考えると、より大きな視野に立って広域的に取り組まなければ効果が出ない。また、非常に非効率だからである。


 そして、関西として広域的に連携することが、それぞれの地域の特性を生かすとともに広域的なエリアとしての魅力となり、力となるからである。


 兵庫県では、国際交流局を設置されているが、このことは県としても、観光、交流、ツーリズムという問題を重視されての取り組みであると評価している。予算的にも、観光費としては3億円であるが、文化交流、友好交流や学術交流、貿易振興などを合わせてみるとそこそこの予算となっている。


 しかし、これからの未来を考えると、もう少しスケールアップした取り組みが必要なのではないかと考える。


 産業振興という角度もあるし、芸術・文化やスポーツという角度もある。また、まちづくりや都市基盤整備とも深く結びついている。総合的に観光・ツーリズムの振興という視点から、兵庫の魅力アップと活性化に力を入れる必要を感じている。


 私なりに思いつくままに、雑多なアイデアを挙げてみるが、例えば、県立大学に、観光・ツーリズムの研究、教育をする学科を設置してはどうか。海外の主要な大学と連携し、兵庫各地の観光資源の発見・掘り起こし、その国へのキャンペーンの方法を研究テーマとして、外国人の目から見た調査・研究を委託するのはどうか。


 以前にも提案させていただいたが、世界のアーティストに呼びかけて、地域をテーマとした絵画、写真、作詞・作曲、小説、映画などの作品コンクールを開催するのはどうか。1億円ぐらいの賞金をつければ、相当なアーティストたちが兵庫を見て回り、兵庫に長期間滞在して作品づくりをするのではないか、アーティストの目で兵庫の魅力を発掘してもらえるのではないか、世界に兵庫をアピールできるのではないかと思う。


 また、兵庫を訪問してくれている外国人に、その国の人々への兵庫の紹介パンフレットを作成してもらって、作品コンクールをしてもよいのではないか。優秀作品への商品には、その国の人々を兵庫観光に招待する旅行クーポンをつけてもよいのではないか等々、考えるだけでもおもしろいのだが、兵庫の観光・ツーリズムの一層の取り組みと、関西の広域的な連携の上での井戸知事の一層の積極的なリーダーシップを期待したいと思うが、ご所見を伺いたい。





○(井戸知事)  これからの大きな産業の期待される分野として、観光が注目されているのはご意見のとおりである。


 我々、産業というと、すぐに今の産業分類でいう2次産業、あるいは1次産業を思い浮かべるが、サービス産業の中でも、観光に対しては、これからの成熟社会ということをにらんだときに、非常に大きな期待が寄せられているし、先日も関西財界セミナーの講師に見えた王毅中国大使が、中国から海外に旅行に出られている方々は1年間に6,000万人、そのうち日本には30万人しか来ていない。しかも、その30万人の1人当たりの消費額が30万円から40万円あるというようなお話をされていた。


 中国もようやく、そのような海外に交流をどんどん実施されるような状況になっているということとあわせて、いかに我々の地域が受け入れていないのかということを実感させられた。


 そのような意味でも、これからの観光をどのように取り組んでいくか。これは、取り組み方によっては、我々、非常に多くの地域資源を持っているだけに、さらなる振興を図っていく必要があると思う。


 外国の観光客の方々にアンケート調査をしてみたところ、兵庫県における一番行ってみたいところはどこか。やはり姫路城であった。姫路城に対する関心が非常に高い。それとあわせて、温泉である。これが外国人の方々の1番、2番。それからもう一つは、街の雰囲気だというふうに言われている。


 建築家の安藤忠雄さんによると、神戸市内の旧居留地の雰囲気は、パリのシャンゼリゼなどよりもよほどいい。ニューヨークの街並みよりもいい。どうして、このすばらしい雰囲気がみんなに理解されていかないのかなということを、私とある座談会で対話をしたときに述べておられた。


 私は、もう少し神戸の旧居留地のよさというものを安藤さん、あなたが広告塔になって発信してくださいとお願いをしたが、そのような街の、神戸らしさが如実に出ているからではないか、このように感じた次第である。


 そのような、兵庫の魅力をこれからどう生かしていくかということが非常に問われていると思う。


 もう一つ、観光と言った。観光というと光を観るということなので、非常に言語としては幅広い意味のある言葉であると思うが、どうも従来は、観光はサイトシーイング、名所旧跡を見て回る、ある意味で物見遊山的な感覚が強かったのではないかと思う。しかし、今の時代は、私はやはりこの観光で象徴されているのは、交流ということではないかと思う。


 だからこそ、3年前に、我々は観光協会をひょうごツーリズム協会と改めて、何もサイトシーイングだけではない。仕事でもいいではないか、あるいは勉強、学習でもいいではないか、あるいは生きがいづくりというものを求めての交流でもいいのではないか。幅広くとらえて対策を講ずるべきだということを皆様方とお諮りして、ツーリズムの振興という形で取り組みをさせていただいているところである。


 兵庫県は、観光カリスマと言われているリーダーが6人もいる。


 日本の中で観光カリスマは90名指定されているが、県内で6人もいる県というのは、実を言うと数県しかない。そのような意味では、リーダーもいらっしゃる、豊かな自然に恵まれている。交通機関も発達している。宿も多い、なのになぜ観光拠点としての動員力に欠けているのか、これは反省しなくてはならないのではないかと考える。


 そのような意味で、2年前に、実を言うと「ツーリズムビジョン」を作成し、そのツーリズムビジョンに基づいて運動を推進している。


 2005年、来年度であるが、1億5,000万人の交流人口をめざそうとしている。15年の実績が1億2,500万人ぐらいであり、16年、17年と1,000万人ずつ入り込み客数を上げられるかどうかが、その数値目標を達成できるかどうかにかかっており、そのような意味でも努力をしていきたいと考えている。


 県立大学でのツーリズム関連学科の設置や海外大学との連携については、当面、観光関連学科を有する大学との連携・活用を進めさせていただきながら検討を進めていきたいと思うし、また、大学関係者や旅行関係者などで構成する「ツーリズム研究会」等において、海外からの視点によるツーリズム振興の手法を検討することにしたいと思っている。


 また、世界のアーティストや在留外国人による各種コンクールについては、外国人県民や留学生など多くの参画と協働が得られる仕組みとして大変ユニークであるので、これもご提案いただいたわけであるので、よく研究させていただきたい。


 既に本県としては、外国の方々のご意見等は、領事館サミットであるとか、外国人県民共生会議などでご意見をいただいている。その中では、これはオランダの方であったが、ヨーロッパにおいて日本に対するツアーが一つもないそうである。例えばプーケット島に対するツアーとかスマトラ島に対するツアーはあるにもかかわらず、日本に対するツアーが一つも組まれていない。そういう実情だということを聞かされて、そのような面では、旅行社とタイアップしたツアー編成ということも検討していく必要があるのではないか、このようにも考えた次第である。


 海外向けの総合窓口や対象国ごとのPRの充実、これも指摘を受けた。日本語のパンフレットをそのまま英語、中国語、韓国語、ポルトガル語に直しているだけだと、その国々の人たちの関心が違う。興味も違う。違っているにもかかわらず、同じ平均的なパンフレットでは、だれも見向いてはくれないという厳しいご指摘も受けた。


 そのような点も十分反省をしながら、国際ツーリズムの推進を図らせていただきたいと思っている。


 あわせて、広域的な取り組みが重要なことは言うまでもない。SARSで、中国人医師がどこを回ったかというと、関空から大阪、京都、天橋立、出石、姫路、小豆島、栗林公園、淡路島、それで関空に戻ったと。こういう3泊4日の旅行をされたというのがいい例なので、そのような実情も踏まえながら、広域的な対応を、関西広域連携協議会や近畿知事会等も通じながら、進めさせていただきたいと考えている。


 いずれにしても、観光ツーリズムの振興は兵庫県の今後の産業振興の上でも大きな柱になると考えている。





○(松本よしひろ 委員)  ご丁寧な答弁をいただいた。観光といえば奈良か京都かと思われがちであるが、アジアの人々にとっての魅力あふれる兵庫をめざした取り組みをいただきたい。


 次は、芸術・文化の振興について伺いたい。


 観光ツーリズムのことでヨーロッパ諸国では観光大臣がいると申し上げたが、知事は先刻ご承知のことであるが、文化やスポーツといった分野でも、国を挙げた取り組みがなされている。


 我が国では、昨年9月に、新たに国民スポーツ担当大臣が初めて置かれたわけであるが、スポーツの国民への普及及び振興を関係各大臣と協力して総合的に推進することとされている。大臣はあるが層はない。組織がない。まだまだ弱いと思っている。


 ヨーロッパ諸国は、こういった分野への考え方が、我が国とは全くといってよいほど異なっている。人間の本源的な欲求に根差したテーマとして当然のように取り組まれている。人間観まで違うとは思いたくないが、価値観に大きな差が生じている。芸術や文化、スポーツへの姿勢の違いに歴史的、文化的な奥深さを感じる次第である。


 我が国でも、経済至上主義から脱却して、真の豊かさを追求しようとの意識が芽生えつつある。過度に行政主導がよいとも思わないが、その取り組みがおくれていることも事実であるから、人々の生活価値観を見定めつつ、これらの分野の位置すべきところへ押し上げていかなければならないと思う。


 県としては、法人県民税超過課税を財源として、この文化、スポーツ、レクリエーションという分野に力を入れてこられた。このことは、納税者である企業としても、企業活動で得た利益を地域の文化やスポーツの振興に役立てるという意味で非常に理にかなうものであり、社会的にすぐれたシステムであると思う。


 従来は、施設建設に主眼を置いてこられたが、中心をソフトに移そうとされていることについても、全くそのとおりだと思う。


 そこで、これを財源として、今後の芸術・文化の振興、そしてスポーツの振興の予算に充ててはどうかと主張してきたところである。


 現在、震災復興10周年事業として、復興基金を財源とした地域イベントへの助成事業が各地で繰り広げられているが、こういう事業の後継策として、今後、県下で開催される芸術・文化やスポーツのイベントに対する助成などに絞り、その支援の財源を確保し、その運営に当たるメセナ協議会のような組織をつくってはどうかと考える。ぜひ知事に積極的に取り組んでいただきたいと思うが、どうか。





○(井戸知事)  芸術・文化とスポーツの振興についてのお尋ねである。


 県民の生活の充実が求められているのが成熟社会であろうと思う。そういう成熟社会にあっては、芸術はもとより、スポーツを含めた幅広い意味での文化が社会活動の基盤になっていく、あるいは新たな生活関連成長産業としても注目されていくと考えている。


 こうした中で、今年は芸術文化センターがこの秋オープンする。芸術文化センターは、単なる箱ではなくて、附属のオーケストラやピッコロ劇団の応援も得て、みずからが芸術・文化を発信していく拠点としていきたい。また、そうなってほしいと考えているし、また、同じく陶芸美術館の開館も控えている。


 陶芸美術館についても、立杭という立地条件を持っているので、地域の作家の方々との一体的な取り組みを通じて、地域ぐるみの美術館としての活動を展開していくことを期待しているわけである。


 これらの文化活動の上での拠点の整備が進みつつある中で、芸術文化振興ビジョンに基づいて、芸術文化立県兵庫をめざして、兵庫ならではの事業を展開していきたいと考えている。


 特に、私は、文化ということを考えたときに、見る、参加するということがあるが、みずから行うということが大事ではないかと考えている。みずから行うという意味では、お茶にしても、お花にしても、あるいは古典芸能にしても、あるいは地域での伝統的な祭り芸にしても、農村歌舞伎というような分野にしても、兵庫県の方々は、みずから文化の担い手である実践活動に参加されている方が、他の府県に比べて非常に多いという統計もある。


 私は、これらの方々のそのような活動が文化力を支えているのではないかと思う。


 昨日も、田園交響ホールで、丹波の方々の手づくりのオペラである「おさん茂兵衛」が上演されたが、非常に感動的な舞台で多くの共感を得ておられた。それも、私は、丹波という地域性と、既にシューベルティアーデたんばという10年の積み重ねがそのような手づくりの市民オペラづくりにも反映したのではないか。それは、何も丹波だけではなくて、県内いろんな各地で可能性を持っている。


 既に市民オペラで言うと、「天日槍」を物語りとしたオペラもあったし、いろんな展開がされている。それが、私は、見る、参加するだけではなくて、する文化が文化力を高めていくというゆえんではないかと思っている。


 来年の秋はのじぎく兵庫国体もある。昨年の12月は、全国障害者芸術・文化祭を六甲アイランドが開催させていただいた。伝えたいことがあるということをテーマに、多くの感動を呼んだが、「のじぎく兵庫大会」、障害者スポーツ大会にもちなんで、今年から全県的な障害者芸術・文化祭も開催する予定にしている。


 そのような意味で、スポーツ、文化の一体的な推進を図らせていただきたいと考えている。


 しかし、このような文化振興に当たっては、県民の皆様の自主的な参加のみならず、団体とか企業などの参画も不可欠である。今後とも文化ボランティアや企業や個人のメセナなども促進していきたいと考える。


 CSR事業としての芸術文化面の取り組みについては、既に勤労者のリフレッシュのために、各種の施設を整備してきたが、最近の勤労者の地域生活重視の流れの中で、スポーツを通じた交流を促進する「スポーツクラブ21ひょうご」を実施している。


 今回のCSR事業の延長では、身近な地域を舞台に、芸術文化も含めた幅広い県民の交流広場活動を支援することとし、ただいまモデル事業を実施している。


 そのモデル事業の中では、地域まちかどギャラリーや、パフォーマンスと活動の広場も一つのタイプとして取り組んでいただいているので、16年度、17年度のモデル事業の成果を十分に検証して、全県的な広がりにつなげていくことによって、地域における文化振興の拠点としての役割も果たしていただくことができるのではないか、このように期待をしている。


 なお、芸術文化やスポーツのイベント助成等に法人県民税超過課税の財源を活用することも考えられる、これはご指摘のとおりであるが、今後の検討課題とさせていただきたい。





○(松本よしひろ 委員)  世界的な大交流時代のツーリズムにつながっていくような地域力アップへ芸術・文化、スポーツの振興に取り組んでいただきたい。


 最後に、児童生徒、保護者の相談窓口体制の整備について伺いたい。


 これも部局審査で取り上げたが、再度質問したい。


 私は、教育を単なるサービスとは考えていないし、学校や教師がサービス業とも思っていない。教育はもっと高次元の人間社会だけが発達させた文化の最高峰に位置するものであると思っている。人間としていかに生きるか。生きる意味は何か。こういった人生の根本問題を学び問う、学問を通じて、教師と生徒が同時に生徒同士が、全人格的に触れ合い、お互いを磨き合う高度な世界であり、そのために必要な知識と知恵を学び、社会性を身につけ、心身を鍛える場が、道場が学校であると考えている。


 その一方で、学校が教師にとって収入を得るための働く場であり、生徒にとっては、対価を支払って相応のサービスの提供を受けるという側面も否定できないから、学校も公共的なサービスの一つであることに違いはない。


 公共的サービスとしては、病院業務と学校が予算的にも、またサービス利用の広がりにおいても、大変大きな比重を占めている。


 そこで、学校教育を住民へのサービスという視点から見ると、そのサービスの利用者は、言うまでもなく児童生徒になる。子供たちである。しかも、小学校と中学校に関しては、校区が決められているために、利用者が学校を選ぶことができない。


 また、入学後も、教師を選ぶことは許させていないし、教える側と教えられる側が、成績や適性能力を評価する側とされる側、生活態度や学習態度も指導評価する側とされる側という関係にある。進路についても、指導する側とされる側、大人でプロの教師が絶対的に優位に立っている。


 費用負担はともかく、教員のほとんどは、そのような優位な地位や立場、環境を超越して、児童生徒の成長と学力向上を願い、昼夜にわたって教科の指導、生活指導、課外活動の指導、そして、進路の指導に取り組み、親身になって家庭の問題や、生活環境にまで心を砕いておられることも重々承知している。


 また、生徒の側にも、家庭などさまざまな生育環境の影響を受けており、成長段階で未成熟なこともあって、いろいろ問題行動をすることもあるから、教育・指導も容易なことではなく、ご苦労も非常に多いと思う。


 しかし、残念ながら、ごく一部の不適格教員に限られると思うが、満足な学級運営や教科の指導ができないことがある。また、生徒指導と称して、生徒に暴言を吐いたり、体罰などの暴力を振るったり、個人的な好みに合わない生徒をいじめるようなこともある。優位な立場を悪用して、セクハラ行為を行ったりする心ない教員がいることも事実である。また、教員免許を持ったプロとはいえ、教師も人間であるから、ミスをすることもあると思う。


 全国的な不適格教師や問題教員への対処のために、法改正がなされ、県教育委員会の中に相談窓口が設置されているとのことであるが、その対応に満足していられない。相談者は、先ほども申し上げたように、弱い立場に置かれており、子供たちである。


 私のところへも何件も生徒へ保護者からの相談が寄せられている。教育委員会も、校長や教頭を含めて、生徒の側に立つのではなく、学校の側、教員の側に立って問題を処理する、このように思われているし、そういう事例を幾つも経験してきている。


 病院での医療事故が問題化し、最近ようやく患者と医師、医療機関の関係のあり方が見直されつつあるが、悪質商法、商品の販売や契約をめぐって、消費者を保護する必要も重要性を増している。


 同じようにとは言いたくないが、生徒と教師、学校の間においても、この問題解決に当たる機関が必要である。児童生徒の側に立って苦情や相談を受け付け、事実関係を公正に調査し、問題解決に当たる、そういう機関が必要であると考える。


 学校というある種の閉鎖社会の中で、教員と生徒という立場の強弱があるところであるだけに、学校を公正に監視し、サービス利用者でありながら弱い立場に置かれた生徒の側に立つ機関の創設がないということは、非常に残念なことであるが、生徒のための学校となっていないのではないか。


 未来のある子供が安心して教育を受けられるはずの学校で、心ない教師から不当な扱いを受け、心を傷つけられ、将来の可能性まで閉ざされてしまうようなことがあってはならない。


 悲惨な事件が発生してからでは遅い。さきの部局審査でも指摘したが、例えば学校110番のような相談窓口を整備し、苦情や相談を受け付けるだけでなく、公正かつ速やかな問題解決につながる実効あるものとするべきであると考えるが、再度伺いたい。





○(武田教育長)  県教育委員会においては、いじめや不登校、学校・教師の指導等に係る児童生徒の悩みについて相談に応じるために、平成7年に、県立教育研修所に「ひょうごっ子悩み相談センター」を設置したほか、平成14年には、「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」の改正を受けて、教育委員会事務局に教育行政全般に関する意見や苦情、相談を受ける窓口を設置したところである。


 これらの窓口で受け付けた相談への対応については、直ちに学校長を通じて事実関係を確認の上、関係部署や教育事務所、市町教育委員会が連携して解決に向けた取り組みを進めてきたところである。さらに、必要のある場合には、警察OBや学校関係者OB、精神科医から成る「学校サポートチーム」を各校に派遣して多面的な支援を行っている。


 また、児童生徒や保護者のカウンセリングを通して悩み解決を図るため、小中学校へのスクールカウンセラーの配置、高等学校へのキャンパスカウンセラーの派遣を行うなど、相談支援体制の充実にも努めているところである。


 今後は、委員ご提案の趣旨を踏まえて、学校長等に対する相談への対応が児童生徒の立場に配慮して適正になされているかどうか、あるいはよりきめ細かく確認を行うことはもちろん、県教育委員会、市町教育委員会など関係機関の間での情報共有や連携の強化等を図りながら、これらについてご指摘のような点の解決に向け、責任を持って取り組むことのできるような実効ある相談窓口体制のあり方について検討してまいりたいと考えている。





○(松本よしひろ 委員)  時間が来たので質問を終わるが、私どもの心を酌んでいただいて、善処方よろしくお願いしたい。





○(山口信行 委員長)  以上で松本よしひろ委員の質疑は終わりました。


 次に、宮田委員。





○(宮田しずのり 委員)  まず、県民交流広場事業について伺いたい。


 この県民交流広場事業は、法人県民税超過課税を活用して、現在進められているスポーツクラブ21の次の事業として16年度からモデル事業が取り組まれている。勤労者を初め、多くの県民が生活の場である地域でリフレッシュできるように、スポーツや文化・芸術などの学習交流活動などを行う拠点づくりを支援するとされているが、その中には、さまざまな問題点が含まれており、部局審査を踏まえて、重ねて知事に伺いたい。


 まず第1は、スポーツクラブ21の教訓をしっかり踏まえるということである。


 昨年3月、地域スポーツクラブ調査研究委員会が行った調査報告書が出されているが、それによると、834小学校区のうち、その時点で60%、現在84%の地域でクラブが結成されたことになっている。


 ところが、会員数は300人未満が7割を占める。最少は17人のクラブもあり、その校区の住民に対する会員比率は5%未満が約40%、5%から10%未満が25%、合わせて10%未満の地区が7割に及んでいる。


 一方、加入率の高いところを見ると、全戸加入が42クラブあり、その運営は、行政担当者、つまり市町職員に依存していると指摘をされている。自主的にやっているところは参加人数が少ない。多いところは、市町の行政が全戸を対象にして、いわば形式的に組織した実態がうかがえる。また、毎回の活動参加者は、極めて限られた人数であるということは容易に察しがつく。また、入会金は、7割のクラブが徴収していない。会員証などの発行割合も低い。運営も中長期的な計画を持っているクラブも少なく、補助金がなくなれば存続が難しくなる状況が見られるとも指摘をしている。


 知事、ここで、こうしたクラブにそれぞれ今1,300万円ずつ補助金が交付されているが、これで本当にこの事業が成功し、超過課税の税収が効果的に適正に使われているとお考えか。何が問題で、それをどう改善されようとしているのか。また、今からでも補助金のあり方については見直しも必要と考えるが、あわせてご答弁願いたい。





○(武田教育長)  スポーツクラブ21ひょうごは、ご案内のように、日本におけるスポーツが学校スポーツ、あるいは企業スポーツ、地域クラブスポーツというふうに考えると、どうしても学校スポーツ、企業スポーツ依存型であったことは事実である。


 しかし、経済の後退によって、企業スポーツがかなり力を弱めてきたというふうな中で、むしろ生涯を通じてスポーツを楽しむためには、地域クラブスポーツを振興すべきではないかという意見が出てきた。あわせて、子供たちをどのように地域で育てていくか、異世代の交流をどう図っていくか、あるいは地域でのマナーとか礼儀、こういったものをどう培っていくかというふうな中で、スポーツクラブ21ひょうごという事業が、そういう背景のもとに生まれたことは事実である。


 その中で、私どもは、4年目になる昨年に、先ほどご案内のあった地域スポーツクラブ調査研究委員会を立ち上げて、学識者による検証を実施した。


 検証は、まず、クラブハウスの場所であるとか、あるいはクラブの会費であるとか、会員数、クラブの活動の内容、指導者・運営スタッフの状況、クラブの運営状況、既存団体との関係という大きく分けて六つの項目で検証を行ったところである。


 そういうふうな中身で検証を行った結果、会員数は、一番小さなところで26人、最大で6,678人のクラブがあった。


 また、活動種目は、競技志向から楽しみ志向まで多種多様な活動が行われていることも判明した。


 会費は、各クラブごとに、活動状況に応じて多種多様であるということであった。会費を徴収していないクラブが、この調査時点では618クラブ中80クラブということで、14.4%あったことも事実である。


 また、これらの原因として、あるいは活性化していないクラブからの報告によると、多様化する活動に対する指導者の不足、あるいはマネジメント能力を持った人材の不足、クラブをよりよく運営するノウハウや情報の不足等が課題として上げられたことから、私どもとしては、早速、スポーツリーダーや運営の核となるマネジャーを養成する講習会を実施したほか、先進的な取り組みを紹介した運営事例ビデオの配付などの支援を行ってきたところである。


 また、本事業により、今年度末で全体計画の約9割に当たる742クラブの設立が予定されているところである。


 NPO法人を取得し、活発に活動しているクラブや、スポーツを通じた世代間交流が促進をされたり、地域が一体となって子供を育てる環境が整うなど、地域コミュニティの活性化に寄与するクラブがふえてきていることから、今後も引き続き県民だれもが、生涯を通じて多様なスポーツ活動が楽しめる身近な環境づくりが整備されるよう積極的に支援を行ってまいりたいと考えている。





○(宮田しずのり 委員)  この間、部局審査でも申し上げたが、それぞれの組織は非常に小さいところもたくさんある。そういう中で、施設の整備に800万円の補助金が出ることになっているが、100万円とか200万円で済むところがたくさんある。


 しかも、毎月の事業の費用というのは10万、20万もあればいい。対外試合に行くわけではないから。であるから、1,300万円補助金が交付されても、当初の5年間で施設整備費を含めても二、三百万あればいいと。あとはずっと、そこに基金として積んで、それをそこの運営費に使っていくというふうなことになるが、本当に、そういうことで、これだけのわずかな、地域の組織率から見ると10%未満が大半という状況の中で、これがふさわしいのかということを、私はもう一度申し上げたいが、知事は、この点どうお考えか。





○(井戸知事)  スポーツクラブ21の実態については、今教育長がご答弁したとおりだと思う。また、宮田委員からのご指摘も、そのような面があることを私も承知している。


 スポーツクラブ21、現在の取り組みは、どちらかというと、組織を各校区ごとに立ち上げていくということを急いだばかりに、例えば世代間交流を促進するとか、種目をもっと広げるとか、あるいは取り組みの母体をもっと広げるとか、専門家をさらに、どのような形で派遣してもらい指導してもらうとか、そういう面での広がりを持つべき課題が、まだまだたくさん残っているのではないか、私はそのように思っている。


 そのよう意味では、今の実態を踏まえた上で、スポーツを通じた地域における交流を通じて、勤労者がリフレッシュをしていこう、そして、それがひいては世代間交流や地域交流につながっていくということをねらおうとしている事業なので、私は、今はその目的を実現するための努力の過程なんだと、こういう意味で理解をしていただいたらありがたいのではないかと思っている。





○(宮田しずのり 委員)  しかし、補助金の活用のあり方については、厳密にやるということが非常に重要であるから、ぜひこれからも検討、見直しをしていただきたいと申し上げておきたい。


 今も校区ごとにつくっていくという問題点を知事も述べられたが、私は、補助金を出せば組織ができるというような考え方が根底にあるのではないかということと、もう一つは、住民の真の自発的な意思ではなくて、市町、あるいは行政の側から既存の町内会などに依存した上からの組織化と、ここが一番の問題だというふうに思うので、これは、ぜひ今後のいろんな事業に生かしていただきたいということを指摘しておきたい。


 次に、今度の県民交流広場事業であるが、実施主体は自治会や婦人会などと、地域内のリーダーにより構成する地域推進委員会となっている。私は、これでは既存の組織の役員の負担を重くするだけではないかというふうに考える。


 私が、尼崎のある町会長さんに町会の仕事の状況を聞いてみた。実に大変である。一例を紹介すると、まず、市の下部組織としての仕事、市からの連絡文書などの掲示とか、回覧板を回す行政協力員、ごみステーションの見回りなどを行うさわやか指導員、公園の管理・清掃を行う地域の公園管理会がある。それに学校開放運営委員会、消防署関係の防災パトロール、警察関係の防犯協会、それにこの地域は二、三日前に新たに防犯パトロール重点地区ということで指定されて、まちづくり防犯グループが結成されたそうである。


 そのほか、町会独自の行事、老人会、子供会までかかわっていかなければならない。その方は民生委員も引き受けておられ、毎日こうした仕事に追われていると言われた。県民交流広場の組織を今から行っていこうということになれば、今でさえパンクしそうなこうした地域の役員の上に、さらに課題を持っていくということになるので、私は本当にこれは屋上屋を重ねることにならないかと考える。


 こうした既存の組織に依存したやり方は、これはもうこれからやめるべきではないかというふうに思う。


 そこで、17年度も県民交流広場事業は30ヵ所追加して、2億円からつぎ込んでモデル事業を実施をされるが、このモデル事業は、今16年度で、各県民局ごとに1ヵ所やっているので、これをきちっとやって、そしてそれを検証すれば、十分に今後の方策は出てくるのではないかと思うので、とりあえず、ことしの17年度のモデル事業は中止すべきだと思うがどうか。





○(井筒県民政策部長)  県民交流広場事業について、基本的なことを少しお答えしたいと思うが、昨年の2月定例県議会において、県税条例一部改正ということで、超過課税、期間を5年間延長するということ、そして、ことしの11月以降の収入、この積立額を県民交流広場の財源として活用するということで、勤労者総合福祉施設運営基金条例の一部改正をご議決いただいたということで、基本的なご理解をいただいたというふうに認識をしている。


 その上で、県議会からは、モデル事業を初めとして、先ほどのスポーツクラブ21ひょうご、この総括検証も十分踏まえた上で、県民の意見が反映されるようにすること、また、具体的な事業内容の検討決定に当たって、十分に事前の協議を尽くすと、こういうご指摘をいただいており、そういったことを受けて、16年度、各県民局1ヵ所で五つのタイプ、合計、但馬が2ヵ所になっているので、11地区やらせていただいているところである。


 先ほど受け皿についてのご指摘があった。我々、決して既存組織に依存しているわけではなく、ことしのモデル事業においても、もちろん自治会という区長会、こういうところが取り組みになったところがあるし、あるいは交流といったこともあるし、生産組合といったことで地産地消をやろう、いろんなところからいろんな提案をしていただいている。


 もちろん、既存組織も十分活用しながら、地域のNPO、あるいはさまざまなグループ、そういった人たちがネットワークに取り組んでいくことが重要であると認識しているので、新年度はモデル事業の検証に当たっても、担い手づくり、こういったことも含めて取り組んでいきたいと思っている。


 17年度のモデル事業の展開であるが、何せ、ことしが各県民局、原則1タイプであったので、五つのタイプ、それぞれにいろんな事業を展開する中で、検証していくということが大事だというふうに考えて、各県民局3ヵ所ということで、お願いしているところである。


 今後も、こういったモデル事業の展開、もちろん16年度事業のきちっとした総括検証を踏まえた上で、17年度事業を展開する中で、18年度以降、本格的な展開につなげていきたいというふうに考えている。





○(宮田しずのり 委員)  既存の組織に依存するわけではないという趣旨のご答弁だったと思うが、推進委員会は、この既存の自治会等、一緒にやるということが書かれているし、現実の問題として、県から県民局へ行って、県民局から市町へ行って、組織をしていくということになると、既存の組織を通じないと、実際にはそういう組織は難しいということは非常にはっきりしているので、その点しっかり認識していただきたいというふうに思う。


 次に、私は一つ提案であるが、知事にぜひお伺いしたいが、超過課税の活用の仕方で、県はハード面からソフト面に重点を移すということで今進められているが、地域の人がいつでも、どこでもスポーツに親しんで、コミュニティを育てるためのハード面の整備には、まだまだ力を入れる必要があるというふうに思う。


 それは、スポーツや運動広場が非常に不足をしている。非常に切実に求められているということである。


 例えば、これも尼崎の例を申し上げると、地域に小さな公園がある。そこで十数人のお年寄りが、鉄のボールを転がすペタンクというスポーツがあるが、それをやっておられる。隅の方では、若いお母さんが小さな子供を連れて、砂遊びをしておられるが、本当にもうちょっと広いところがあれば、お互いに気を使わんでもいいのになということをいつも思いながら、そこを見ている。


 また、尼崎で言うと、放課後や土曜、日曜の学校開放授業が非常に進んでいるが、ここの利用率も非常に高い。市内に四つの硬式と軟式の野球場があるが、1ヵ月前に申し込みを受けて、抽せんするが、いつも十数倍である。なかなか当たらないというふうな状況である。


 こうした状況のおくれの背景には、私は、県の施設整備のおくれがあるということを指摘をしたいと思う。


 総務省が発表している統計で見る県の姿というのがあるが、人口100万人当たりの多目的運動広場数は、全国の第44位である。社会体育施設も同じく第44位で、非常に立ちおくれているのが実態である。


 最近、土地も流動化しているし、私は規模は大小いろいろあっていいと思うが、気軽に、だれもが利用できる多目的の運動広場やグラウンドの整備、これはもっともっと今進めることが求められている。その方が、ずっと地域の多くの方々が気軽に利用できて、そしてコミュニティの発展にも寄与し、超過課税の趣旨にもかなって、極めて効果的で建設的な活用内容だと思うが、ぜひこれはご検討いただきたいと思うが、知事いかがか。





○(井筒県民政策部長)  個人県民税超過課税については、昭和49年度からいろいろ曲折がある。当初は全県的CSR、屋内施設、これから野外CSR、自然活用型のCSR、こういうふうに推移をする中で、今はスポーツクラブ21の段階から、出かけていくのではなくて、身近な地域の場で、しかも、「つくる」から「つかう」という時代で、ハードからソフト、こういったことでご理解を願っている。


 そして、今次の延長で、県民交流広場ということで、今モデル事業を推進しているところである。


 今後の超過課税の使途については、今回の県民交流広場事業の成果も十分踏まえながら、そのときの社会経済情勢を基本として、県民のさまざまなニーズ、あるいは県政として当面する重要な政策課題、こういったことを十分踏まえながら、企業の皆さんの理解と協力が得られる活用に向けて、幅広い観点から検討が進められるべきものと考えている。





○(宮田しずのり 委員)  身近なところで使う場所が不足しているというのが、まだまだ実態である。これは、ぜひ、知事、これから超過課税の活用内容、モデル事業の検証もあわせて、これから検討される中で、ぜひこういうことも中に入れて、検討いただきたいということを要望する。





○(井戸知事)  そういうような意味で、スポーツクラブ21事業を実施させていただいたというのがあるのではないかと私は思っているが、今、宮田委員の言われたような、身近なスポーツ運動広場だとすると、県の仕事なのかどうかが問われるのではないか。であるから、私は、勤労者向けの身近な交流の拠点としてのスポーツを通じた拠点づくりという意味で、スポーツクラブ21事業を県としても実施させていただいているというふうに理解をしている。


 ただ、いずれにしても、県、市町、一体となって実態が、ニーズが強いということであるならば、それはそれとして十分受けとめる必要があると考えている。





○(宮田しずのり 委員)  身近なところの広場とか、そういう施設こそ、県がもっと今、力を入れてほしい。市町も非常に財政も厳しいので、県の施設もあっていいと思う。ぜひご検討をお願いしたい。


 次に、県民緑税の問題である。


 森林の公益的機能や森林の荒廃対策、あるいは緑の整備の必要性は言うまでもないし、また緑の保全再生を社会全体で支えて、県民参加で取り組むこともやぶさかではない。


 しかし、問題は、なぜ新税導入なのかということである。新税導入については、県民の納得と合意が得られておらず、税の使途や手続について多くの問題が、各会派からも指摘されたところであり、問題は解決していない。


 我が党は本会議、あるいは予算特別委員会の歳入歳出審査を通じて、低所得者にも増税する問題、CO2 排出の大企業などの事業者への応分の負担を求めること、県民税の均等割を納税する240万人を超える県民のほとんどが知らない中での突然の提案では、問題があることを指摘してきた。


 知事、県民総参加で緑を守ると言われるのなら、国の大増税路線の中のこの県民緑税の提案は一たん撤回して、計画段階から県民参加で再検討することを改めて求めたいと思うが、どうか。





○(井戸知事)  県民緑税は、私は、今まで県として進めてきた新ひょうごの森づくりや、緑の再生事業というものに加えて、昨年の一連の台風被害にかんがみて、緑の保全再生がいかに重要かということを県民みんなが認識し合ったわけであるので、その認識の上に立って、県民みんなで自分たちの県土を自分たちが守っていく、そして育てていくという見地から、この緑税を提案させていただいているものだと、私はそのように考えている。


 何も負担を求めなくても、県民は十分認識するぞというご意見ももちろんあるんだと思う。しかし、私は、昨年の大きな被害等を勘案したときに、県民の皆様も、これは放置できない、自分も少し手伝いたいからやれと、こういう声があるのではないか。それを前提に、私は理解を求めさせていただいている。こういうふうに考えている。


 既に私も先ほどもご答弁申し上げたが、私みずからも十分に理解を求めるべく、いろんなところでご説明を申し上げているし、あわせて内容等については、十分に理解を得ていく努力をしていくので、ぜひご理解を賜るようお願い申し上げる。





○(宮田しずのり 委員)  決めてから説明するのではなくて、決める段階で一緒に議論していくという姿勢が非常に大事だと思う。その点では、神奈川県でも、水源環境保全税が提案をされて、事業効果や目標が不明確だと、新税でなくても既存財源でできるなどというような批判が上がって、3月17日に条例提案を取り下げたというふうに聞いている。


 井戸知事の任期は7月末である。問題のある新税の導入については、一たん取り下げて、県民に真を問うてはどうかというふうに考える。


 また、この問題の最後に指摘しておきたいことがあるが、それは、県民緑税を活用した森林保全事業は、人工林全体の数%を実施するにすぎない。安い外国産材が大量に普及をしている中で、膨大な人工林に行き届いた管理を施し、林業振興を図るために県産木材の利用の促進は大変重要な意味を持つ。


 県の木造木質化作戦を抜本的に見直して改善することを求めて、次の質問に移りたい。


 次は、住宅再建の公的支援についてである。


 自然災害における住宅再建の公的支援の中の県独自の上乗せ支援である住宅再建等支援金について伺いたい。


 県は、全壊100万円などの上乗せ資金について、共済制度がなかったので暫定的な制度として実施してきたが、共済制度ができたら、これは役割を終えるとしている。これは明確に間違いだというふうに思う。共済制度が実施されても、ことしの加入者の見込みは、県民の1割程度でしかない。また、床上浸水に対して25万円が支援されてきたが、共済制度では、半壊以上が対象となり、床上浸水被害を対象にしていない。


 仮にことし同じような台風被害が起き、実際に損害を受けたとしても、多くの床上浸水の被害者は、昨年並みの25万円の支援が受けられない。明確に支援制度の後退ではないか。役割を終えるということなどとんでもないことだと思う。


 知事は、安心を兵庫県政の最重要課題に掲げておられるが、県民に向けて、今後の災害に対しても、住宅再建等支援金を適用するということを約束していただきたい。それが県民の安心につながると思うが、どうか。





○(古西総括部長)  自然災害による被災者の住宅再建については、自助努力とか公的支援に限界がある。こういった二つのことに限界があるので、これらを補うために、住宅所有者の助け合いの精神に基づく相互扶助の仕組みとして住宅再建共済制度を創設することとしている。


 昨年の一連の風水害では、その被害実態や多世代世帯が多いなど被災地域の実態等を踏まえ、居住安定支援制度補完事業の拡充、さらにはこれを補うための暫定的な措置として、共済制度ができるまでの間、住宅再建等支援金を設けて、可能な限りの支援を行うこととした。したがって、本年9月に共済制度がスタートすれば、基本的には住宅再建等支援金の役割は8月で終わるものと考えている。


 今後の自然災害からの住宅再建については、地震保険等による自助、そして居住安定支援制度による公助、そして新しく創設をする共済制度による共助、それぞれの制度が適切に機能分担をすることによって、効果的に促進できるのではないかと考えている。


 なお、昨年の一連の台風被害に対して、床上浸水でかつ一定の損壊の被害を受けられた方を対象に支援を行ってきた。これがいわゆる住宅再建等支援金であるが、これを行ってきたが、共済制度は、こういった半壊以上の被害を受けて、多額の費用が要る方々の再建を支援する制度なので、単にこういう床上浸水の方々は対象にしていないということになっている。しかし、こうした床上浸水対策については、それぞれの災害の実態等を勘案して、災害発生時の時点で市町とも相談をして、別途の対応といったものが検討されるべきものではないかなと考えている。





○(宮田しずのり 委員)  自助、公助、共助というふうにおっしゃるが、今の問題は、この公助の分をどんどん後退させて、共助の分を広げていく、あるいは自助の分が強まっていくというふうな状況の中で、我々が今、公助の部分をもっとしっかり実施をしていくと、ここが非常に大事だということから、今求めたが、残念ながら、明確にこれを続けるというお答えはいただけなかったが、これでは、県民は災害に安心できないというふうに思う。このような姿勢は、阪神・淡路大震災の被災者支援にもあらわれている。


 これも、部局審査で議論をしてきたが、中小企業者への緊急災害復旧融資について、部長が答弁をされた。国に従って据え置き期間の延長を要望しない。そして、件数で見ると、返済済みが半分ほどしかないが、それに対して返済金額の比率を使って、8割の方が完済されているという事実と相違する答弁も行われた。


 そして、全額据え置きしてきた人に対して、努力が足りないということも言われた。本当に被災者がどんな思いをして、今頑張っているか。被災者の本当に懸命な努力を私は踏みにじる発言ではないかというふうに思う。こういったことに対して、県民が厳しく、今、目を向けているということを指摘して、次に移りたい。


 次に、武庫川の洪水問題について質問したい。


 部局審査で、これまで計画されていた武庫川ダムは、縮小するか、別の場所で建設しなければ不可能であるということが明らかになった。


 これまで、つくる、つくると言っていた武庫川ダム計画が、なぜ計画どおりのものが建設できないことになったのか大きな疑問が残る。


 計画されていた武庫川ダムができると、武庫川渓谷に細長いダム湖ができて、そのダム湖は、武田尾駅の上流にまで達する。ところが、この武庫川ダムの天端高が標高TP120メートル、ダム湖が達する5キロメートル上流の武田尾駅のけた下が、ダムの天端高とほとんど同じ高さのTP120.5メートルである。これでは武庫川ダムに洪水がたまれば、武田尾駅の橋梁がダムにつかってしまうのではないかと思うが、どうか。





○(大平理事)  ダム計画についてのお尋ねであるが、部局審査においてもお話をしたとおり、ダムについては、ゼロベースからの見直しということで、ダムの有無を初め治水対策の基本方向について、現在、武庫川流域委員会で議論していただいている最中である。


 そういった中で、今後ダムの問題を含む結論が出た場合に、提言をいただいてから、県としては、河川管理者としての判断を加えて、適切な計画をつくっていきたいと考えているが、その際に、現在、以前計画していたような形で進めるのか、それともダムの高さを見直すのか、そこが決まるわけで、その提言をもって、さらに県の検討を加えた上でないと、今のご質問に対して明確なお答えはできないかと思っている。





○(宮田しずのり 委員)  ゼロベースからの議論と言われる。後でまた議論するが、ゼロベースからになっていないということが一つあるのと、武庫川委員会で議論する上でも、これまでの経過、あるいは計画の内容については、きちっと実際のことを報告をして議論する必要がある。そういう意味でも、この議論は非常に大事だと思うので、さらにお聞きをしたい。


 私は、ダムの専門家に聞いた。広大なダム湖に河川から流れ込むのであれば、水の高さはほとんど差はできないと言われる。ところが、武庫川のように、ウナギの寝床のような渓谷を利用したダムでは、渓谷の上流から洪水が直接影響して、ダム湖の上流側とダムの付近とは水面の高さに差が出る。


 私のすぐ近くに尼崎の神崎川があるが、あんなに広い流れのほとんどないような川でも、3,000分の1、3,000メートルで1メートルの水面の勾配が生まれると言われる。武庫川ダムの場合、5,000メートルで1メートルから2メートル程度の水面差が起こる可能性が十分あると専門家は指摘をされる。


 ダム湖の上流が1メートル、あるいは2メートル上がるだけでも、というのは、ずっと上流に従って水面が高くなるというふうに言われるが、上流が1メートル、2メートル上がるだけでも、JRの橋梁部分の余裕高がなくなって、ダム湖につかってしまうのではないかというふうに言われるが、この点は検討されたのか。





○(陰山県土整備部長)  JR橋梁については、武庫川ダムの議論が、あるいはダムのいろんな予備調査とか、そういう調査に入る以前に既にJRの線形改良というか、電化、そういうことを含めた全体の計画の中であの橋梁の位置と高さが決まってきたものである。高さについては、ダムのことは考慮されていないが、ちょうど今橋梁があるところで直角に、もとの鉄道が走っており、その鉄道との建築限界を考慮して、あの高さが決まっている。ダムの計画以前に、簡単にいえばあの高さで武田尾駅の橋梁は決まっていたということである。


 したがって、もちろん、今ゼロベースなので、理事がご答弁申し上げたとおり、それこそ、どのような高さの水面になるか、堰堤の高さになるか、その前に、ダムがあるのかないのかも含めてゼロベースであるが、そのようなことを仮に検討していく場合でも、今の橋梁の高さの支障にならない、あれだけの大きな工事でJRがつくったものをもう一度最初からやり直すという考え方には、なかなかとれないと考えている。今の橋梁高さを前提として、ダムを考える場合も考えていくことになっている。





○(宮田しずのり 委員)  ダムの高さに関係なくJRの橋梁の高さが決まったというふうに言われるが、もう一度聞き直すが、今のダムの計画では、そのままつくれば、この武田尾駅の橋梁下、ここはつかるのか。そこをはっきり確認しておきたい。





○(陰山県土整備部長)  今まで計画してきたダムの場合でも、あの橋梁はつからないことになっている。





○(宮田しずのり 委員)  駅の橋梁のけた下はつからないというふうに言われるが、ちゃんとつかる計画になっている。


 そこで、問題は、この間からずっと議論しているが、なぜこういう危険なダム計画になったのかということを次にお聞きしたい。


 もともと、当初の計画は、生瀬ダムという名前の計画であった。もう少し小さなダムであった。昭和60年4月に県は武庫川水系工事実施基本計画を策定をして、その年の7月にまた作成した武庫川下流ダム調査概要書では、現在の武庫川ダム予定地に生瀬ダムをつくる。そして、武田尾温泉の上流に4万平方メートルに及ぶレクリエーション用のダム湖をつくる。いわば副ダムをつくる計画である。生瀬ダムと副ダムを一体のダム計画として明記をしていた。


 そこでは、生瀬ダムの天端高をTP113メートルとしていた。ところが、2年後に、武田尾駅のけた下の高さがTP120.5メートルあるからということで、生瀬ダムをTP119.6メートル、新駅のけた下いっぱいにまで上げている。この理由は何か。





○(井戸知事)  武庫川ダムの問題については、私も武庫川ダム検討委員会に出席して、武庫川の総合治水について、ダムの必要性の有無も含めて検討の上でご提言をいただきたいというふうに依頼をしているので、過去の、ただいまご指摘されているような、いろんな議論や経過があったのかもしれないが、今の委員の皆様方は、そのような議論の経過等も踏まえながら、ゼロベースで、もう一度、武庫川ダム全体の総合治水の観点でご議論をされていると、私はそのように考えているし、我々は、何も従前の計画のダムをつくってほしいというような策略をめぐらしているわけでも何でもないので、そのような意味でご理解いただきたい。





○(宮田しずのり 委員)  全く違う答弁であるが、今この議論をするというのは、私は、県が一つは、今持っている計画を完全に破棄したわけではないと。破棄するというなら、それはそれでいいが、今の計画、完全に破棄されるか。





○(井戸知事)  破棄するということ自体も、武庫川ダム検討委員会に対する誘導になるから、そういうことは申し上げられない。そもそも武庫川ダム全体の総合治水の検討をお願いし、それに対する回答を求めているというものなので、誤解のないようにお願いしたい。





○(宮田しずのり 委員)  もう一つ、私は先ほど武庫川ダムの最初の計画が変えられたということを申し上げたが、それがなぜそうなったかというところを、もう少し述べたい。それは、笑い話ではない。これは本当に大きな計画をつくるのであるから、きちっと踏まえておく必要があるということで私は申し上げる。


 それは、昭和63年度生瀬ダム基本計画調査報告書に、その経過がはっきりと書かれている。その報告書では、前年度の検討では、武田尾温泉街、地盤の高さが113.8メートルあるが、その移転補償の検討により、生瀬ダムを新武田尾駅までかさ上げしたというふうに述べておられる。移転後の新温泉街の開発の図まで書かれている。温泉街をダム建設の移転補償にひっかけるために、わざわざダムの高さを上げた。下流の水害対策でなく、温泉街の移転補償のためだと。何のためのダム計画、ダム計画というものが、どんな動機で進められているか。非常にここに如実に語っているのではないかと思う。


 さらに、その報告書では、新武田尾駅を測量してみたら、けた下の高さが計画ではTP119.6メートルの予定であったが、実際は120.5メートルもあったから、この際、ダムの天端高を120メートルまで上げることにしたということが書かれている。これは事実ではないか。





○(陰山県土整備部長)  ゼロベースになった話を大変よくお調べになっておられるようであるが、まず、JRの高さ関係であるが、ダム高を今基本に120メートルと言われた。ダムの中には、水面があるし、サーチャー時水位高では111.3メーターである。JR橋梁との差は6メーターある。これによってJR橋梁がつかってしまうということはない。


 また、ダムが二つ計画されたとか、副ダムがあったとか、そのようなご指摘があった。もう少しそのような点を言っていただいたら、もっとよく調べてきたが、そのような計画があり、そこで一たん堆砂をさせるとか、岩石が下流に流れるのを防ぐために副ダムみたいなことを計画したというふうな経過はあったようであるが、その計画はもう既に今のところ、そういうことをしなくてもということで、先ほどの工事基本計画で定められたダムでのそういう計画をない計画にしているわけである。


 そのなくした計画も、今ゼロベースから考えようということになっている。





○(宮田しずのり 委員)  先ほどからゼロベースということが言われるが、ことし6,000万円以上もかけて行っているコンサルへの業務委託の内容を見ると、ダムの基礎の岩盤がひび割れなどをしている場合を想定して、ダムの基礎処理工法の検討や図面作成まで行っている。


 これは、工事の前提、ダムをつくるということが決まったことが前提の検討ではないのか。これがどうしてゼロベースからの検討か、流域委員会をダム建設に利用するというふうに言われても仕方のないものだと思う。


 知事は、緑税だとか森林保全だと言われるが、この武庫川の治水計画の検討では、流域の浸水の治水力の検討や、調査すら行っていない。全庁的にチームをつくっていると言われるが、武庫川流域についての森林や田畑の保水力の具体的な調査は何もやられていない。


 そこで、徳島の吉野川では、自治体が市民団体と一緒にお金を出し合って、森林の保水力や治水機能の検討、調査も行っている。県が取り組むべきことは、こういった調査等ではないか。この辺をもう一度お答えいただきたい。





○(大平理事)  他県の例も引き合いに出されてお話があったが、私も、吉野川の第十堰のときには、徳島工事事務所の所長をやっていたので、大変よく存じ上げている事例で、そういった保水能力等について、当然のごとくいろんな意味で把握しなきゃならないが、その上は流量観測等の実績とか、観測とか、流出計算等の中できちっとやっており、これからいろんな形での調査は、不足があれば、その委員会の中でご指摘等もあれば、やっていくことになるが、我々として、求められたことについて、精いっぱいお答えをしているところであるし、現在、治水の基本となる降雨量とか、洪水流量を議論もしていただいているところなので、そういった中で、きちっとした対応をしていくし、ダムについてもゼロベースからきちっとした議論をしていただいて、その提言を受けて、県として、河川管理者としての適切な判断を加えて、武庫川の治水対策等の計画をきちっとつくっていきたいと考えている。





○(宮田しずのり 委員)  武庫川流域委員会を初め、県民に対して、今の武庫川ダム計画は、なぜ計画どおりにいかなくなったのか。その経過も含めて明らかにして、本当に県民参加で、森林の保水力とか、治水機能の調査検討など、文字どおりゼロベースの検討を進めていただきたいということを強く申し上げて、次に移る。


 福祉医療制度については、ぜひ知事にお伺いしておきたい。


 次に、ことし7月に実施が予定されている老人・乳幼児・障害者・母子家庭等の福祉医療公費助成制度についてである。


 我が党議員団は、一昨年の県行革後期5か年の取組み案が発表されて以来、少なくとも現行どおりの助成制度の存続を求めてきた。そして、県下の医師会や福祉医療関係を初め、多くの団体、県民から存続要望が広がって、そして、この間、県に提出された署名は、実に25万筆に達していると思う。ことしになってからも、県民いじめの行革ストップ要求実現連絡会と、私ども日本共産党と合同で、藤本副知事にも直接お会いして、3万筆の署名も手渡して要望もしたところである。


 また、県と共同事業者である市町からも、繰り返し存続要望が出されている。町村会からの要望について、我が党の兵庫民報の記者が最近、取材をした。町村会長は、現行制度での維持を要望したということを明言をされている。


 また、我が党議員団が、この2月に独自に行った市町長へのアンケート調査でも、県の方針に明確に反対という方や、やむを得ないが、もともと削減には反対だという声がたくさんあった。このように、県民や市町の多くが、今なお現行どおりの存続を強く求めているということを声を大にして私は強調したいと思う。


 そして、この間の県議会における議論の中で、市町などの要望を聞いて、所得者対策に低所得者対策をつけ加えたと言われるが、内容は前年の世帯全員の収入が65万円以下という人を対象にしたもので、本当にその対象者も少数である。社会的弱者への負担増という本質は何ら変わっていない。


 知事、改めて申し上げるが、これだけの広範な県民の声にこたえて、福祉医療制度は現行どおりの助成制度をぜひ続けていただきたいと重ねて要望するが、どうか。





○(井戸知事)  私は、制度というものをつくり上げたら、びた一文変えてはいけないということではない、社会的な情勢に応じて、その時代の要請にこたえる制度改正を行うべきだと、基本的にそう考える。そうしないと、既定の制度がひとり歩きしてしまうおそれがあるからである。


 今回の福祉医療制度については、乳幼児医療については、既に1割負担の制度を導入させていただいている。1割負担の制度であると、一定限度額を超えると償還払いが始まるので、その償還払いをなくすような仕掛けに変えようとしているだけで、現実の負担増を求めて改正をしているわけではない。ただ計算上いろんな試算が出てくることは否定しない。


 また、障害者の皆さん方にとっての福祉医療については、実を言うと本体医療である厚生医療であるとか、育成医療で負担が導入されている。一番所得のない人でも月2,000円、所得の割合に応じて数万円の負担までがある。


 我々が、今回、負担を求めさせていただくのは、通例1回500円、2回までという負担であり、それ以上の負担を求めているわけではない。そういう本体医療制度とのバランスというのを全く考えないでいいんだろうかということを問うている。


 老人医療については、カバー率を50%カバーしている。この制度をもしカバー率を下げていくという見直しをさせていただくと、きっと最終的なカバー率を下げるということはゼロにするということになるから、順次、兵庫は老人医療について、将来的にはカバー率を下げていくんだなということになろうかと思う。


 ただ、私は、老人医療の必要性ということを考えて、カバー率を下げたくない。しかし、現実に国の制度、あるいはほかの各県の制度は3割負担していただいているところが多いので、1割負担を基本的に、その中間の2割負担ということでご理解いただきたい。


 ただ、低所得者については、1割負担のまま据え置こうとしているものであるし、2割負担になっても、1ヵ月の限度額は1割負担のときと同額に据え置く、1ヵ月の限度額が正確でないが、その範囲の中では負担増になるかもしれないが、それ以上の負担増をもたらすわけではない。限度額を2倍に上げようとしているわけでもない。そのような意味で、ぜひ理解をいただきたいと思っている次第である。


 特に、低所得者についても、我々の試算では、受益をなさっておられる方々のうち3割が1割のままで、負担が据え置かれるということになるのではないかと試算をしているので、ご理解を賜りたい。





○(宮田しずのり 委員)  本体医療制度の関係とか、非常にわずかだというふうに言われるが、これは、一医療機関当たりであるから、例えば院外処方で、一医療機関に行くと、診療所でその分を払って、また、今度は薬局でも払わなければならない。そして、各医療機関ごとに払うので、こういう社会的弱い立場にある人の負担にとっては、非常に重い負担になるということは申し上げておきたい。ほかの県との関係も言われたが、私は、いいものはいいとして、兵庫県がもっと先進を走ったらいい。別に低いところに合わせる必要はないということを申し上げたいと思う。


 予算額で言うと、38億円あれば現行制度が維持できるわけであるから、税金の使い方を変えれば、十分にこれは存続できるということを申し上げて、また、多くの県民の方々は、今のこの県の削減に対して認めていない、存続を求めているということを重ねて要望して、最後に1点だけ、時間が余りないので教育の問題について伺いたい。


 35人学級であるが、これも知事にぜひお答えいただきたい。


 28日に正式に認定される兵庫県の特区の中に、稲美町のすくすく教育特区がある。県の小学校1年の35人学級に加えて、町の費用負担で2年生、3年生まで少人数学級を進めるとしている。兵庫県下のこのような積極的な取り組みの広がりを私も非常に高く評価できるものと思う。


 少人数学級編制をすべての小中学校に広げる取り組みは全国に広がっており、山形県しかり、長野県や鳥取県しかり、知事のイニシアチブが積極的な役割を果たしている。


 教育行政については、その内容については行政からの介入はできないが、教育条件については知事が積極的にかかわる必要がある。少人数学級についても、教職員給与を初め予算の裏づけが必要になる。


 そこで、まずは、稲美町のすくすく教育特区について、どんなご感想をお持ちかお答えいただきたいと思う。そして、あわせて、県として、35人学級や、さらなる少人数の学級を推進するために、教育予算の確保について真剣な検討をすべき時期に来ているというふうに考えるが、少人数学級を進める予算をしっかりと確保するつもりがあるかどうか、知事の考えをお聞きをしたい。財源の問題なので知事に伺う。





○(井戸知事)  まず、稲美町の2年、3年に対する少人数学級編制の特区であるが、特区申請は、市町村独自でもできるが、私ども一緒になって申請した。ということは、私は、制度それ自体の取り組みについて県が市町の取り組みを制限したり、妨害したりする必要はない。それはそれなりに独自の対応があってしかるべきであると思っている。


 ただ、私としては、一律の少人数学級制度を実施することも、効果がないとは言わないが、教育長も従来から答弁させていただいているように、著しい効果があるかどうか疑問だという点も指摘されているので、今の時点では、少人数学級編制を行うよりも、本県としては、従来からの1年生について弾力的な学級編制の調査研究として取り組むとともに、少人数学習の体制、あるいは複数担任制の体制の取り組みを今選択をしているということでご理解いただきたい。


 中教審で義務教育費国庫負担金の問題が議論されているが、今の中教審のかたくなな審議のやり方を考えてみたときに、あのような態度こそ画一的で全く柔軟性を認めていない。そこがこういう35人学級とか、少人数学習など、多様な教育のあり方というのを許さないぞというような姿勢が貫かれようとしていることを、私は逆に疑問だと思っている。





○(山口信行 委員長)  宮田委員に申し上げます。時間が過ぎておりますので、質問は簡単にお願いします。





○(宮田しずのり 委員)  今知事が、30人学級、少人数学級の効果があるかどうか疑問の声もあるというふうに言われたが、今全国で、本当にこれは効果があるということで、この取り組みがずっと広がっている。その中の一つ、全国で初めて、すべての小中学校で30人学級を実施をした山形県では、知事が真っ先に30人学級を実施したいと表明をされて、橋の1本や2本は倹約しなくてはいけないようになるかもしれない。人生は1回しかない。公共事業とどちらを選択するかと問われれば、教育を先行させるというふうに述べておられる。知事の強力なイニシアチブで30人学級が一気に前進することになっている。


 であるから、兵庫の子供たちのすこやかな成長のために、知事の決断が今求められていると思う。もう一度、知事が前向きの答弁をしていただくようによろしくお願いしたい。





○(井戸知事)  山形の知事さん、いろんな意味で新しいことに取り組まれたが、県民の理解をそれだけ得られてこられたのかどうか、今回もそのような結果ではなかったのではないかと思う。私は、もしそれまで重要な選択をされているのであるならば、違った結果もあり得たのではないかと思う。


 あわせて、私は、何も35人学級が全く意味でないと申し上げているつもりはない。いろんな組み合わせや選択があり得るのではないか。現在の県教委が説明しているように、私どもの今の時点からすると、小学校1年生というのは、小学1年生プロブレムと言われているように非常に難しい。集団教育にもなれていない子供たちもたくさん入ってくるので、そういうような意味で、35人学級を編制しながら、さらに複数担任までつけている。そこまで手厚い対応をしながら対応しようとしている。


 しかし、2年以上になると、それなりに少人数学習であるとか、複数担任で今対応する方が、つまり、より少人数学習が展開できるという意味で意義があるのではないか。これが今の県教委の考え方でもあるので、私は、それに対しては、知事として是とさせていただいているということを申し上げているわけである。





○(宮田しずのり 委員)  時間が来たので、これで終わるが、山形の知事のやられていることは、県民にも大きく支持をされて、そして今、全国的にも注目されて、いろんなシンポジウムなどが開かれたりしているし、ぜひ知事のイニシアチブが決定的に教育の分野でも重要だということと、兵庫の子供たちのために、ぜひこれから教育の予算、あるいは30人学級に向けて取り組んでいただくことを重ねて強く要望して、私の質問を終わる。





○(山口信行 委員長)  以上で宮田委員の質疑は終わりました。


 この際、暫時休憩いたします。


 再開は、午後3時30分といたします。


        午後3時12分休憩


……………………………………………………


        午後3時31分再開





○(山口信行 委員長)  ただいまから予算特別委員会を再開いたします。休憩前に引き続き、質疑を行います。


 西野委員。





○(西野將俊 委員)  私も1点に特化して質問したい。それは歳出の改善についてである。


 私のテーマは一貫して、次世代に胸を張って何を残せるかということである。三位一体改革が進められる中で、地方にとって望ましい形であるか否かは別にして、国と地方全体の財政の仕組みが大きく変わろうとしている。であるが、国や地方といった縦割り意識に固執する余り、兵庫県民はみんな日本国民であるということをどこかに置き忘れているのではないか。


 歳入審査のときに、次世代の若者や未来の子供に誇れる元気兵庫を伝えていくためには、組織としての兵庫県ではなく、兵庫県民であると同時に、日本国民である県民の目線に立って、県債残高や国、地方を通じた借金体質についての認識を伺ったところである。


 減ることなく膨らみ続ける膨大な借金返済のためには、歳入の爆発的な増加か、歳入に見合った歳出構造への転換を図っていくしかない。しかし、経済のグローバル化の急速な進展による激しい国際競争の中で、また、今後、少子・高齢化が急速に進展していくことが確実視される状況においては、かつてのように、税収が右肩上がりに伸びていくというシナリオは現実味に欠けるものと言っていいと思う。


 このように順序立てて一つ一つ考えてみると、やはりまずは身の丈に合った財政運営をしていくしか選択肢はないのではないかと思う。


 いい悪いは別にして、「入り」の状況が大きく変わっているのにあわせ、「出」の仕組みを変えようという発想の転換がそろそろ必要なのではないか。


 ところが、平成17年度の予算を見てみると、全国のほとんどの都道府県が対前年度比マイナスの緊縮型予算を編成する中、本県は数少ない増加組である。もちろん、昨年度に引き続き台風23号等の風水害対策をやらなければいけないという特殊事情はあると思うが、それを除いたとしてもほぼ前年並みぐらいはあるのではないかと思う。


 県が発表した資料を見てみると、前年度を上回る予算額を確保と、一番に書いてあるが、果たして県民は本当にそんなことを望んでいるのか。多額の予算を確保してもらうのは確かにありがたいことであるが、臨時的な特別対策の借金までして実施されているとなると、結局は、それが回り回って自分の子供たちの世代に負担がはね返ってくるので、何だかだまし討ちに遭ったような話である。


 1期目の若輩者が、生意気なことを申してまことに恐縮である。


 素人考えかもしれないが、私なりに、こんな取り組みもできるのではないかと考えていることを例示してお聞きしていきたいと思うので、もうしばらくお許し願いたい。


 私は「歳出の削減」という言い方が大嫌いである。結果的にコストダウンにつながるのは同じであっても、そこに到達するまでの過程や、その効果が将来的に持続するかどうかという点で、上から高圧的にコストを削減せよと命令されるのと、みんなで知恵を出し合い、やり方を工夫することで、もっと効率性を上げていこう、そうすることでコストダウンも同時に達成できると、その仕事に従事する人のモチベーションを高めるようなやり方のどちらかを選べと言われれば、皆さんはどちらを選ぶだろうか。


 一例を挙げると、日本を代表する自動車メーカーであるトヨタと日産では、協力加工業者に対する接し方が180度違っており、日産が業者に対して強圧的に部品価格を何パーセント削減せよと迫るのに対して、トヨタは業者の工場に足を運び、工場を見学した後で、その部品を製作する工程の中で、非効率な部分があることを指摘し、具体的な改善提案を明示し、作業効率を上げるということをともに考え合うことによって、結果的にコストダウンを図るという手法をとってきたみたいである。さすが世界のトヨタだと思う。


 読んで字のごとく、削減はただ単に削り減らすということであり、そこには何の発展的な要素もない。逆に改善は、よい方に改めるということで、いい方向に向かっていくのなら、自分たちも頑張ろうとやる気を起こさせ、効率性を高めるものだと思う。


 私は、議員に当選するまで、民間の大企業、中小企業、零細企業を渡り歩いてきた。その実際に経験した中で、大企業では、社内で経理のセクションから、中小・零細と下で勤めれば勤めるほど、取引先の企業の仕入れ担当課から、嫌というほど、まさしく先ほど述べた日産の例のごとくの削減手法を肌身で味わってきた。


 財布のひもを握っているセクションで、現場の経験をしていない担当者などがいると最悪で、自分の業績を残したいばかりに、数字上だけで物をはかり、これまでの経験やノウハウは無視して、何の根拠もなく、前年の価格に対して何パーセントカットと、はさみで紙を切るのと同じように、いとも簡単に削減交渉されてきた。


 最初は、受注確保のために素直に応じていくが、そのうち交渉の季節がやってくると、見積もり金額をぎりぎりに設定して提示するのではなく、あらかじめカットされそうな額を上乗せしたりして、交渉に挑んだりした。


 しかし、そんなことをしても、例年の交渉でいずれはカットさる結末になっているので、しょせんはその場しのぎの対応でしかなく、受注する側としても、無意味な削減手法をとる相手会社とは縁を切りたいのはやまやまであるが、会社の今がかかっているので、存続をかけて社内での新たな改善方法を自主的に模索せねばならない。


 そんな中で、受注する側の会社も二手に分かれていた。


 社内外に削減を迫って下を泣かせたり、細かな固定経費や人件費を削ったりするネガティブなタイプと、もう一つは、作業効率を上げるために社内や社員と協議して、得意分野を生かして、さらに作業効率を上げる改善方法を模索するポジティブなタイプである。どのタイプの会社が結果的に生き残ったかは、皆さん察しがつくと思う。


 きょうは、私の実体験談を語る場ではないので、このあたりにしておくが、少々乱暴かもしれないが、これを国、地方行政に置きかえてみて、皆さんの頭で想像してみていただきたい。思い当たる節があるのではないか。


 即効性のある目に見える固定経費や人件費を削減することは大切なことかもしれないが、しかし、それだけでコストダウンしたというのは、私は安直だと思う。


 「入り」の状況が激的に変化している今こそ、将来に向けて目に見えない即効性のない改善というものに組織が一丸となって検討し、一つ一つ実践に取り組んでいくことが本当の意味での正の遺産となり、未来への発展につながっていくことと思う。


 正の遺産とは何も金銭的なものだけではないと思う。後々県政運営を受け継いでいくであろう次世代の人材をはぐくむことも将来的な正の遺産となり得ると思う。


 そこで、提案したいのは、私が今回、皆さんお笑いになるが、予算特別委員会で連発している改善の手法の一たんとしてのコラボレートである。


 これまでも部局間の横断的な連携を行っていくという言葉を多々お聞きしたが、上っ面だけの連携という言葉など何の意味もないと思う。私は、真の意味で、部局の壁を超越し、一つの大きな目標に向かってコラボレートしていくことが、喫緊の課題だと思う。


 もはや厳しい財政状況や、現代におけるさまざまな多様化する社会問題に対して、縦割り的に単一に取り組むだけでは時代にも即していないだけではなく、解決し切れないのが現状と思う。


 これからは、部局やその担当課同士がそれぞれの得意分野を持ち寄り、次の世代に合わせた焦点でもって、新しい発想や新しい価値観、新しい立場を取り入れて、横断的に取り組んでいくコラボレート的な手法でもって解決していかなければならないのではないかと、痛切に思っている。


 産業労働部と教育委員会の歳出審査でも、このような観点から若年者の就業問題に関しても質問し、前向きな答弁をいただき、今後を期待しているところである。


 時間の関係で他の部局にはお聞きできなかったが、ほかにもコラボレートできる行政課題は幾らでもあると思う。何も難しいことではない。それぞれが得意な分野に関する知識や経験を持ち寄ってコラボレートすることで、施策内容の充実化が図られ、より政策効果の高いものになると思う。


 しかも、一体的に取り組むことで、各部局でばらばらに実施していた施策の重複が解消でき、その結果、自然とコストダウンにもつながり、改善になると思う。そして、何よりもこれからの県政を支えていく職員の方々が、嫌々ではなく、自分の仕事に誇りとやりがいを感じながら取り組めるようにするというのが一番大事だと思う。


 今日のような厳しい状況だからこそ、なおさら、そのような思い切った歳出の改善をしないといけないと思うが、知事はどのようにお考えか。また、来年度当初予算を編成するに当たり、歳出の改善という意味で何か画期的な取り組みをなされたのかどうかあわせて伺いたい。





○(井戸知事)  歳出の削減ではなくて、歳出の改善の意義について、委員からご指摘とご意見の開陳があった。


 改善は改めてよくしていく、削って減らす、言葉自体も違うので、委員のような指摘がベースになるということは、一つの考え方だろうと思う。しかも、体験に根差したご意見なので、まさしくそのようなことがあるだろうなと、私も想像させていただいた。


 松下幸之助さんが、よく言われていた。コストを1割から2割削減するんだったら、従来の組織や従来のやり方を少し変えればできる。しかし、コストを2分の1以下にせよ、こういうふうに命じたときには、もう従来の発想では絶対に2分の1にならない。やり方とか、手法とかを抜本的に考え直さなきゃいけないということを言われている。


 私は、事業とか、組織の見直しというのは、実を言うと、そういうものなのではないだろうか、こんなふうに思う。そのときに、何のために組織があって事業があるかということを忘れないということが大切だと思う。


 そのような意味で、コラボレートという例を出されたが、何のためにかということを考えたときに、関係者が集まらなければ、何のためかが実現できないんだとすると、当然集まらなきゃいけない。あるいは分担をし合わなきゃいけないわけであるし、私は、今の時代、プロとアマという言い方、あるいは専門家と幅広い視点のあるジェネラリスト、この協働がないと、本当の意味での目的実現に向かっていけないのではないかと思う。


 専門性に欠けると絵にかいたもちになりかねない。また、一方で、総合性に欠けると、まさしくその分野は非常にうまくいくかもしれないが、周りに目配りができない。そのような意味で、私ども県民局を総合化して、現地解決型にしたというのも、その両面を取り組んでいきたいという意味からであるし、また、県の組織全体をスリム化するということだけではなくて、各分に小さく分かれていると、どうしても縦割りの弊害が出てくるので、大くくりの部に直していった。


 その大くくりの部に直していったというのも、実を言うと専門性と総合性を何とか確保する一つの方向づけであったのではないかと思っている。


 さて、そのような中で、部局の壁をどのように超えていくか。私ども今採用しているのは、一番差し当たっての手法としては、プロジェクトチームというのをとらせていただいて、関係者が集まって、一番関係のある部局が事務局になって、関係課を集めた総合対応をさせていただいている。


 先ほど阪神・淡路のフォローアップ対策本部をつくるというふうにお答えをさせていただいたこのような対策会議も、そのような意味での大きな組織としてのプロジェクトチームの一つになるのではないかと考える。


 ご指摘のように、これからの時代は、私は、目的意識を共有しないと、単に事実を出せ、成果を出せということだけでは、現実に成果は結びつかないのではないか。


 今、私は、最近はやりのグローバル組織管理システムで、リストラ手法の例がずらずらと挙がったりしている本を読んだことがあるが、すべて結果主義である。結果主義ということだけで物事が決まっていくならば、それはロボットでいいと思っている。生身の人間が組織を担い、その組織を担っている人間が努力をしていく、そのためには情報の共有と目的意識の共有がなければならない。


 そのような意味で、県民の皆さんと一緒に進めようとしているのが参画と協働であるが、職員の皆さんと一緒にも進めていく、いわば組織内の参画と協働も不可欠だと考えている。


 ただ、知事直行便という職員の提案制度をつくっているが、最初のうちは幾つか提案があったが、最近とんと提案が出てこなくなっている。これは、どうも、知事以外の人も見ているんじゃないかというふうに考えられたから、積極的な対応が欠けてきたのではないかというふうに思っているので、もう一度見直しをしなければならないと思っているが、そのような職員の参加システムをどのように構築していったらいいのかということも、委員のおっしゃっているコラボレートの一つだろうと、そのような発想の一つだろうと思う。


 昔であると、密告はものすごく非難をされた。裏切り者と規定された。最近、法律ができて、組織の社会的な責任を、これもCSRであるが、組織としてのCSRをきちっと確保していくために、そのような通報制度そのものも機能する面があるのではないかということが制度化されてきている。民間でもかなり取り組まれているところがある。


 私は、何も密告制度をつくろうというのではないが、心配事や、職員として現実に現場に立ったり、事務を遂行しているような場合に、的確にその情報が共有化される、そういうシステムというのがあってもおかしくないのではないか。こんなふうにも思っている。


 加藤委員のご質問に、歳出の見直しに当たっての基本的な考え方についても、申し述べさせていただいたが、今後とも歳出のあり方については、常に検証を進めていく必要があるのではないかと思う。


 ただ、役所というところは、変なところで、一定の枠をはめると、上手にその枠をこなすというところがある。今の予算編成のシーリングで、国や、我々もそうであるが、予算編成の過程で、シーリングとか、キャップシステムとか、キャップというのは、瓶にふたをするわけであるが、これ以上いけない。シーリングというのは天井、それ以上の要求をしちゃいけない。こういうシステムを導入しているが、曲がりなりにも何とか、おもしろいもので動いていく。


 これは、逆に言うと、そういう枠の中でおさめるということから、見直しについての圧力がかかる。その見直しについての圧力を前提にどのように解消していったらいいかという対応が出てくる。しかし、先ほど触れた松下幸之助さん流にいうと、1割とか2割のカットの発想ではないかと思う。


 そのような意味では、2分の1の発想が、どこまでこのような、県政という県民の理解と支持のもとに運営していくシステムの中に取り込めるかどうか。これはなかなかいろんな議論があろうと思うが、歳出というものについては、不断の見直しをしていく際に、抜本的な見直しをしなくてはいけない歳出と、創意工夫をしていくという意味での歳出、あるいは事業実施という分野を見きわめながら、対応を適切に図らせていただきたいと考えている。


 なお、借金である地方債については、一概に地方債そのものの活用が否定されるべきではないと思っている。ただ、問題は、赤字地方債が問題である。社会資本の整備に充てる地方債は、その社会資本の受益が後世代にも及ぶので、今の世代だけの負担で整備をするよりも、後世代の受益を受けられる方々の負担もいただきながら整備をした方がいい。


 そのような意味で、世代間の負担の調整を行える仕組みとして、借金である地方債を活用することは、それとして許されるのではないか。しかし、今のように国、地方を通じて赤字体質になっている部分、これをどのように解消していくか、このことは本当に喫緊の課題であり、そのような意味からしても、プライマリーバランスというものを念頭に置きながら、財政改善を早急に図っていく必要があるのではないかと考えている。


 それについても、今、一番の問題は、国でも、ことしの17年度予算を見ていただくと、税収が43兆円、国債が33兆円である。本県も、税収が5,370億円、地方交付税等が4,300億円、地方債が2,300億円であるから、地方交付税と地方債、つまり依存財源が税収を上回っているという財政運営を強いられているので、これは、単独でプライマリーバランスを何とか回復せえと言われても、構造的な問題として、なかなかそうたやすくはない。しかし、自前で努力できるところは、きちっと努力をしていく、それが構造改革でご議論いただいた枠組みだったのではないかと思う。


 しかし、その枠組みも、ことしの推計では20年度までに1,000億ほど足らないというような試算も出ているので、三位一体改革の行方等も十分に勘案しながら対処方、検討を進めてまいりたいと考えているところであることを申し添えて、お答えとさせていただきたい。





○(西野將俊 委員)  何も半額とか言っているわけではなくて、1割、2割という部分からでも改善を、職員の皆様さんが喜んでやれるような、強制的じゃなくて、そういうふうな部分の小さいところからでもいいから、改善をやっていく、重複を防いでいくというような部分のところを知事、また、私たちがコーディネーターとなってやっていかなければならないのではないかと思う。ぜひとも改善方よろしくお願い申し上げて、私の質問を終わる。ありがとうございました。





○(山口信行 委員長)  以上で西野委員の質疑は終わりました。


 この際、お諮りいたします。


 ただいまの西野委員の質疑をもちまして、通告のありました質疑はすべて終了いたしました。


 ほかに通告を受けておりませんので、平成17年度関係、第1号議案ないし第22号議案に対する質疑を終局したいと思いますが、これにご異議ございませんか。


  (異議なし)


 ご異議ないと認め、さように決します。


 次に、本日提出のありました平成17年度予算案の編成替えを求める動議を議題といたします。


 この際、提出者の趣旨説明を求めます。


 杉本委員。





○(杉本ちさと 委員)  日本共産党県会議員団を代表して、2005年度兵庫県予算案に対して組み替えを提案し、その説明を行う。


 政府は、所得税、住民税の定率減税の完全廃止や年金査定の超過、介護保険の利用者負担増、消費税の免税点引き下げなど、今後2年間で国民に7兆円もの負担増を行おうとしている。


 しかも、自民、公明、民主の3党は、消費税増税を前提にした社会保障の見直し協議開始で合意した。


 庶民の暮らしに深刻な影響を与え、生活破壊、生活危機をもたらす大変な大増税計画である。


 一方、大幅な利益増の大企業には、減税を継続するなど、大企業優遇であり、もっと応分の負担を求めるべきである。


 こんなときにこそ、地方自治体の精神を発揮して、国の悪政の防波堤となって、県民の暮らしを守る県政が求められている。


 ところが、井戸知事が提案した新年度予算案は、国に追随し、公共事業を優先する一方、福祉医療助成制度削減や、県民サービス切り下げなど、県民の暮らしを一層脅かすものとなっている。


 また、県民緑税を県民の合意がないまま拙速に導入し、一層の負担増を強いようとするものである。


 これに対して我が党は、多くの県民の願いにこたえ、県民の福祉や暮らしなどを大切にするため、第1号議案「平成17年度兵庫県一般会計予算」及び第4号議案「平成17年度兵庫県公共事業用地先行取得事業特別会計予算」の組み替えを提案する。


 以下、組み替え案の考え方と具体的な提案について、主なものを説明する。


 組み替え案の全体の規模についてあるが、一般会計を中心に、不要不急の事業を合計975億円削減し、捻出された一般財源約81億円、宝くじ益金など約12億円、合わせて約93億円を福祉、医療、教育、中小企業予算などに重点配分し、県債の発行額、借金を約523億円減らした。


 組み替え案の主な内容についてである。


 第1に、県行革で切り捨てられた医療福祉をもとに戻し、さらなる充実と県民の暮らし向上を図っている。県がことし7月から改悪しようとしている老人や重度心身障害者・児、乳幼児、母子家庭などへの医療費助成の現行制度を堅持し、昨年の10月に廃止された入院給食費への補助を復活させている。


 また、一層の充実を図るため、乳幼児医療費助成を就学前まで完全無料化し、重度心身障害者・児の医療費助成については、現行の負担なしを維持するとともに、内部障害3級を対象に加え、精神障害1級の障害者も負担なしで受けられるようにする。


 医療費助成以外に、昨年削減された重度心身障害者介護手当や在宅老人介護手当をもとに戻し、民間社会福祉施設処遇改善費も職員の処遇改善に使えるよう計上した。


 また、緊急に充実が求められる小児救急医療の強化や被災高齢者の見守り活動の充実を図るほか、県予算で補助率が引き下げられている生活排水処理事業は、特に達成がおくれており、要望も強い淡路島について1億8,000万円を増額した。


 第2に、県民の命を守る耐震化の促進である。


 一昨日、福岡県、佐賀県で震度6の地震が起きたが、大災震の教訓から、地震で建物が壊れても、命が失われることがない備えが、県民の安全・安心にとって特に重要である。新耐震基準以前の民間住宅を耐震化するための計画を持つ費用と、簡易耐震診断の無料化、工事補助の増額を図った。また、おくれている私立学校の耐震化促進を図ることとしている。


 第3に、中小企業支援、地域経済の活動化と雇用の拡大についてである。


 国と県は、緊急災害復旧融資のいわゆる延長措置を打ち切った。


 今もなお代位弁済の人を除いて、借りた人の半数以上が返済に困っており、震災からの復興ができていない。被災業者を応援するために、借りかえの際の保証料を半額補助する制度を創設する予算3億円を計上した。


 また、制度融資を活用しやすくするなど、金融機関任せでなく、県としての相談窓口を各県民局に設置する予算1億円を計上し、地場産業振興のため、県としての指針策定費も計上した。


 中小・零細の建設業者、大工さんの仕事おこしとなる民間住宅リフォーム助成制度創設に5億円、雇用対策として特に深刻な若者向けの緊急の雇用制度を創設することとした。


 第4に、教育の充実についてである。


 昨年度から小学校1年生で実施された35人学級は、一人一人の子供に目が行き届き、子供たちも生き生きしていると喜ばれ、この子たちが来年からも35人学級で学べるようにしてほしいと、県民から強い要望が出されている。


 組み替え提案では、1年生に加え、2年生でも35人学級を実施するため、18億円を増額したほか、山形県などで行われているような、父母、教育関係者が少人数学級の効果などについて懇談、交流する研究調査費を計上した。


 高校改革について、県教育委員会によって、高校の統廃合や総合学科の導入などが、地域住民や生徒たちにほとんど説明もなく突如として発表され、進められている。


 知事提案予算の高等学校教育改革推進費314万円は削減し、改めて生徒、父母、県民の意見を十分聞いて、高校改革を再検討するための予算を計上した。他に県立大学、淡路景観園芸学校の授業料値上げを中止するために措置を講じている。


 第5に、森林を再生し、豊かな自然環境を守ることについてである。


 森林の荒廃は、環境保全の上でも、災害を防ぐためにも放置できないが、我が党が本会議や予算委員会で取り上げたように、ほとんどの県民が知らされていない緑税ではなく、林業生産活動の循環が成り立つような支援が何よりも大切である。


 その立場から、林業の抜本的な振興を図る基本計画を策定するための5,000万円を計上した。


 また、貴重で豊かな本県の自然環境をむだな開発で損なうのではなく、保全のための事業こそ必要であり、イヌワシ、クマタカなど、希少動植物の保護のため実態調査などの予算を増額した。


 第6に、公共事業予算と県民合意のない事業を見直すことについてである。


 知事提案の県予算は、行革により福祉医療を切り捨てながら、投資事業を優先し、前年当初比102.4%を確保している。


 公共事業予算は、縮小が全国の流れになっており、県民の暮らし、福祉を何よりも大切に確保すべきである。このことから、公共事業予算は一層の見直しが必要であり、このことによってこそ、借金体質を改め、健全な財政を築くことができる。


 ただし、昨年の台風災害復旧関連予算は必要なものであり、充実が必要である。


 また、河川改良も必要なため、組み替え提案では、削減対象とせず、それ以外の公共事業予算について、不要不急を削る立場で見直している。


 例えば、神戸空港、関西国際空港2期工事など、空港関連の7億607万円、金出地ダムなど、むだ、環境破壊の六つのダムの34億9,486万円、六甲グリーンベルト事業24億1,690万円、現在でも5分で走れるところを2分ほど短縮するだけの浜坂トンネル工事15億3,861万円などは、全額削除している。


 他に道路、林道、砂防、港湾事業は、総額抑制を図り、事項ごとに2割から5割を削減し、289億9,740万円の減額とした。


 また、国直轄事業は、国が全額負担すべきものであり、248億9,039万円を全額削除した。


 その他、ことし任期満了を迎える県知事の退職金は4年間で4,900万円と莫大で、しかも1期ごとに支給される。福祉や暮らしの予算が削られ、苦しい生活を強いられている県民にとって、余りにも多額であり、納得を得られるものではない。


 一般職員並みの基準で算出し直し、4,309万円を減額した。


 県民交流広場事業は、法人県民税超過課税の充当事業であるが、ばらまきであるとの批判が議会内外でされており、改めて検証が十分に行われなければならない。新たなモデル事業は必要がなく、全額削除した。


 また、国民保護法計画策定費は、国民を保護するものではなく、戦争準備に結びつくものであり、全額を削除した。


 その他、式典や関連事業を莫大なお金をつぎ込む全国育樹祭開催費、不公正な同和行政を残す予算や情報漏えいの危険のある住基ネットワーク関連、疑惑のある警察の捜査費や報奨費などを減額している。


 以上、予算組み替え案の主な内容について説明を行った。


 我が党の組み替え予算案は、県民の切実な願いにこたえ、福祉と暮らしを守るとともに、借金を減らし、健全な財政再建への方向へ踏み出すものとなっている。委員各位のご賛同を期待して、提案を終わる。





○(山口信行 委員長)  杉本委員の趣旨説明は終わりました。


 これより動議に対する質疑並びに議題に対する意見の開陳に入ります。


 委員各位の発言をお願いいたします。


 丸上委員。





○(丸上博 委員)  私は、自由民主党議員団を代表し、本委員会に付託された第1号議案「平成17年度兵庫県一般会計予算」から第22号議案について、賛成し、日本共産党議員団から提出された第1号議案、第4号議案の編成組み替えを求める動議に対し、反対する立場から意見表明を行う。


 提案された平成17年度予算案については、法人関係税で増収が期待できるものの、16年度には大幅削減された地方交付税などの影響がなお残っているなど、引き続き極めて厳しい財政環境の中で編成されたものである。


 このため、県当局は、行財政構造改革推進方策後期5か年の取組みを基本に、限られた財源の重点配分と経費支出の一層の効率化を図る中で、一連の風水害に係る災害復旧、災害関連事業費や新規施策経費を合わせて約460億円を確保され、県政課題に積極的に取り組む予算であることを高く評価する。


 次に、日本共産党議員団から提案された動議のうち、主なものについて、我が会派の見解を申し上げる。


 まず、公共事業についてであるが、道路、鉄道、湾港、空港などの交通基盤施設、公園などの生活基盤施設、河川、砂防などの国土保全防災施設は、県民が生活を営み、産業生産を行うのに必要不可欠な基盤施設である。


 これらは、県民のだれもが、その効用を享受する社会共有の資産であり、地域間や分野間の均衡を念頭に置いた予算案となっている。


 特に地方における生活道路など、整備を必要とする分野や地域が、まだまだ残されており、今後もまだまだ推進していかなければならないと考える。


 また、神戸空港は、560万県民の利便性の向上に資する空港であり、そのために、整備費補助金や推進費等も適切に提案されている。


 次に、国民保護計画についてであるが、この計画は、日本が武力による攻撃を受けた場合、または、大規模テロ等があった場合に備え、県等が住民を守るために、あらかじめ定めるもので、国民保護法に規定されている極めて重要な計画である。


 17年度中に策定することとされていることから、検討経費が提案されていることは、論をまたないところである。


 乳幼児医療費等、福祉医療については、医療費制度の中における公平負担の原則、また将来に向けて持続的で安定した制度とすることなどを勘案すると、見直された内容は、適切なものと考えている。


 また、長期入院の負担軽減、低所得者等への負担軽減など、能力に応じた負担にも配慮されているほか、重度精神障害児を対象とした助成制度も新設されており、妥当であると考える。


 産業集積条例は、本県への進出を検討している企業にとっては、大きなインセンティブを与えるものである。


 新たに設ける新産業創造拠点地区などに、より多くの成長性の高い企業等を誘致することが、ひいては既存企業や中小企業への波及効果を生むことが期待できるものであり、本条例を延長し、産業集積を促進することは適切な判断である。


 本県の高校教育改革は、平成10年に設置した外部の方を含めた構想検討委員会での議論や、県民を対象とした高校教育改革フォーラムなどをもとに、12年に策定された県立高校教育改革第1次実施計画に基づき推進されているものであり、生きる力の育成をめざし、多様で柔軟な高校教育への転換が図られており、十分に評価できるものである。


 その他、労働、衛生、農林、警察関係など、本県が抱える課題に適切に対応した予算が提案されており、その提案された予算案について、歳入を含めて組み替える必要はないと判断し、予算組み替え動議には反対を表明する。





○(山口信行 委員長)  加藤委員。





○(加藤康之 委員)  私は、ひょうご・県民連合議員団を代表し、知事提案の第1号議案、すなわち平成17年度兵庫県一般会計予算から、第22号議案「平成17年度兵庫県企業資産運用事業会計予算」までの議案に賛成し、日本共産党兵庫県議会議員団提案の平成17年度予算案の編成替えに反対する立場で意見を表明するものである。


 本県の財政環境は、景気の回復基調と好調な企業業績を反映して、法人関係税で増加が見込まれるものの、平成16年度に地方交付税及び臨時財政対策債が大幅に削減された影響がなお残っていること等から、引き続き極めて厳しいものとなることが見込まれる。


 その中で編成された平成17年度当初予算は、行財政構造改革推進方策後期5か年の取組みを基本に、行財政全般にわたり徹底した見直しが行われ、人件費について、定数の適正配置等により、対前年度比99.5%の水準に抑制するとともに、行政経費について、既存の事務事業の整理合理化を行って、新規施策の財源を確保し、あわせて投資的経費についても、通常の投資的事業、単独事業については抑制したものの、台風第23号等、一連の風水害対策への適切な対応や市町合併への支援、耐震化等の着実な推進のため、おおむね前年度並みの水準を確保されたものであり、県政を取り巻く課題解決に積極的に取り組む予算であると評価する。


 また、本日の総括審査においては、知事の財政運営が確固たる将来展望に基づくものであり、私たちの子や孫の世代が、私たちの世代の残した負債に苦しむようなことにはならない旨の答弁をいただくとともに、阪神・淡路大震災の復興において、残された課題に対して、調整担当部局を設けた上、引き続き全庁的に取り組むとの答弁をいただいた。


 知事が平成17年度の県政推進の柱とされる5項目について見ると、震災復興フォローアップ施策、風水害からの復旧・復興と防災対策、くらしの安全・安心対策、健康ひょうごの推進による安全と安心の確保、多様な教育の推進や子供・家庭対策の充実、芸術文化、スポーツ、科学技術の振興による未来への期待、経済・雇用の再生加速を図るとともに、地域協働事業を推進し、さらに、ユニバーサル社会づくりに取り組む地域の元気と連帯、人と自然との共生のもとでの快適な地域環境づくり、農林水産業の新たな展開、県下各地域の個性ある地域づくりと、交流による新しいふるさとづくり、21世紀兵庫長期ビジョンの地域ビジョン推進プログラム、全県ビジョン推進方策の見直し等を主な内容とする参画と協働の推進、いずれも現在の県政をめぐる重要な課題であり、これら5本柱のもとに実施される諸施策は、県民のニーズに的確にこたえ、21世紀兵庫長期ビジョンのめざす美しい兵庫づくりに欠かせない施策である。


 また、我が会派が当初予算編成に先立ち行った重要政策提言や知事申し入れ、台風第21号、第23号等による被害に際しての緊急申し入れなど、我々の主張した内容を適切に反映したものであり、知事提案の平成17年度予算案に賛意を表明するものである。





○(山口信行 委員長)  合田委員。





○(合田博一 委員)  それでは、私から公明党議員団を代表して、知事提案の予算案に賛成し、日本共産党議員団提出の予算案の編成替えを求める動議に反対する立場から意見表明を行う。


 知事提案の予算案については、歳入面では、企業業績の回復により、法人関係税の増加が見込まれ、県税収入は前年度当初から301億円増加するものの、地方交付税及び臨時財政対策債の総額は106億円落ち込み、国庫支出金も199億円下回るなど、引き続き厳しい状況にある。


 その中でも、一般事業に充当する県債を前年度以下に抑制した上で、県債管理基金等の取り崩しなどにより、予算額は前年度当初並みを確保している。


 歳出面では、行財政構造改革を進め、限られた人員と財源の効率的活用、施策の重点化等の観点から、事務事業の統廃合により132億円を削減し、また、職員の減員、給与等の抑制により、人件費総額32億円の削減を図っている。


 一方、昨年の一連の風水害に関連して、昨年の11月補正予算に加え、2月補正予算、そして、17年度当初予算により、切れ目のない災害復旧、災害関連事業に取り組むなど積極的な予算編成となっている。


 以下、主なものについて言及すると、阪神・淡路大震災から10年が経過し、昨年のたび重なる風水害や新潟県中部地震など、改めて自然災害に対する備えが認識される中、全国に先駆けて住宅再建共済制度を創設されようとしている。


 住宅共済に関連して、家屋被害認定士制度の実施に着手するほか、国の居住安定支援制度を補完する事業の継続実施や、ひょうご安全の日の推進を初めとした「1.17は忘れない」取り組みの推進、高齢者の見守り体制の強化など、災害文化を発信しようとする知事の取り組みに敬意を表するものである。


 次に、福祉医療については、制度の安定した運営の確保と公平性の観点から、給付と負担のあり方を見直したことは、厳しい財政状況の中で、苦渋の選択とはいえ、やむを得ない措置であり、受益と負担を考慮した社会保障制度改革の進展を考慮せず、給付だけを要求する共産党の組み替え案に賛成することはできない。


 経済・雇用対策では、地域金融支援保証制度や、ひょうご中小企業技術評価制度の創設、その他、第二創業貸付の融資対象者の拡充など、中小企業金融の円滑化に努められている。


 新事業・雇用創出型産業集積促進補助は、大企業だけでなく中小企業、さらには外資系企業にも適用され、県下の産業基盤の強化と雇用の創出が期待されるものであり、大企業向けという偏った見方で、必要かつ効果のある予算を削減する共産党の経済政策には賛成することはできない。


 最後に、神戸市が運営する神戸空港が来年2月にいよいよ開港し、本格的な関西3空港時代を迎える。地域間競争が激化する中、中部地方に比べ、いま一つ元気のない関西経済の再生は、大きな課題であり、関西の府県と連携した新たな観光ツーリズムの展開の意味からも、神戸空港は、その起爆剤として大きな期待が寄せられている。


 この段階で、なお神戸空港反対を前提とした組み替え案には賛成することはできない。


 以上、これまで述べたとおり、当局提案の予算案は、厳しい財政状況の中にあって、堅実さを感じさせるものであり、知事提案の予算案に賛成し、共産党提出の編成替えを求める動議に反対するものである。





○(山口信行 委員長)  宮田委員。





○(宮田しずのり 委員)  私は、日本共産党県会議員団の平成17年度予算案の編成替えを求める動議に賛成する立場から意見表明をする。


 県民の暮らしは、国の福祉切り捨て、増税路線の中、生活設計が成り立たなくなるほどである。


 しかし、知事の予算案は、我が党の組み替え案の趣旨説明でも指摘したように、公共事業予算を優先確保する一方、福祉医療を切り捨てて、県民の暮らしを一層追い詰める予算案となっている。


 日本共産党の組み替え提案は、県民の暮らしを応援する県政に転換することをめざしたものになっている。


 以下、その主なものに絞って申し上げる。


 まず、県行革でこの7月に改悪がされようとしている福祉医療費助成制度を堅持し、充実を図っていることである。


 この2月、年金の支払い通知を受け取った高齢者が、税金が天引きされ年金が減っていることにびっくり仰天したと、こうした声をたくさん聞いたが、国の改悪は、これにとどまらず、年金は目減りするばかりである。


 県の計画は、高齢者の医療費負担を1割から2割と倍にするなど、高齢者にさらに大きな負担を押しつけるものである。


 こうした高齢者、障害者、母子家庭など、弱い立場の方々が、医療費の心配ぐらいはしないで済むよう、せめて現行のまま医療費助成制度を継続することは当然である。


 また、精神障害者の医療費助成制度の創設は、関係者の長年の悲願であったが、知事提案では、7月からの実施で自己負担がある。日本共産党の組み替え予算のとおり、自己負担なしで実施することが必要だと考える。


 さらに、組み替え提案は、乳幼児医療費を小学校入学前まで無料としているほか、小児救急医療の充実など、少子化対策も図られている。


 次に、教育を充実し、県民に開かれた教育行政をめざしていることである。


 少人数学級の効果は、今や明らかで、実施の拡大がどうしても必要である。


 また、この間、鈴蘭台、鈴蘭台西高校の統廃合、相生市での高校統廃合計画、明石市、西宮市、尼崎市などでの総合選抜制度入試制度崩しなど、地域住民や生徒たちの声を聞かず、説明責任も果たさず、一方的な高校改革が進められている。


 そして、その検討過程についても、一切公表しない県教委の閉鎖的な体質が明らかになった。


 組み替え提案では、合意のない高校改革の推進はやめ、生徒、父母、県民の声をよく聞く予算が盛り込まれている。


 次に、引き続く震災被災者の支援と耐震化の促進が図られていることである。


 被災中小業者が立ち直れていない中、国が災害復旧融資の打ち切りを決め、県が延長を求めないばかりか、努力している業者まで、まるで悪質滞納者であるかのように述べていることは、復興は道半ばとしてきた県自身の態度とも矛盾している。


 組み替え提案では、被災中小業者が、災害復旧融資を借りかえできるよう支援する制度や被災高齢者の見守り活動の充実など、引き続く被災者支援がなされている。


 また、組み替え提案どおり、民間住宅の耐震化を計画を持って進めることこそ、家屋の倒壊で多くの命が奪われた震災の教訓を真に生かす道だと考える。


 最後に、林業の振興による森林の保全・整備が図られていることである。


 我が党は、林業を振興し、林業生産の循環が成り立つ支援こそ、森林の保全・整備の上で最も重要だということを指摘した。


 知事提案の予算では、林業振興にかかわる予算は、国のメニューに沿ったものばかりで、県独自の支援策はなく、県産材活用も各部局からきちんとした報告もとっていない。


 この点、組み替え提案は、林業振興を総合的に推進する抜本策を検討する予算を計上しており、公共事業における県産材活用が促進されるよう土木費に活用推進費が計上されている。


 以上、問題を絞って述べたが、新年度の予算では、今の投資事業優先の県政を続けるのか、それとも県民の生活を何より優先する県政にするのか、そのことが問われている。


 今こそ県民本意の予算に変えるべきときである。議員各位のご賛同をお願いし、私の討論を終わる。





○(山口信行 委員長)  西野委員。





○(西野將俊 委員)  私は、本委員会に付託された第1号議案から第22号議案について賛成し、日本共産党議員団より提出された第1号議案、第4号議案の編成組み替えを求める動議に対し、反対する立場から意見を表明する。


 本県の財政状況は、景気の回復基調にある好調な企業業績を反映して、法人関係税で増加が見込まれるが、一方、平成16年度に大幅に削減された地方交付税及び臨時財政対策債の影響が残っていることから、今年度に引き続き厳しい状況にある。


 そのような中、台風被害対策や多様化する社会問題等といった県政を取り巻くさまざまな課題に積極的に取り組んでいこうとされている姿勢には評価をしている。


 県政は、阪神・淡路大震災から10年が経過し、これまでの10年間の創造的復興の積み重ねの上に、今後の飛躍のための新たな歩みのスタートを切り、意欲的な推進を図るべき時期にあると考える。


 その意味で、「子育て家庭応援」地域協働プログラムや高校生に将来の人生を考えるインターンシップ推進プランなど、未来への期待の持てる社会の実現への施策、ひょうご経済・雇用再生加速プログラムを推進し、やる気のある中小企業への支援や、若者しごと倶楽部などの若年者の就業による支援など、地域の元気と連帯のための経済雇用政策など、県が速やかに取り組む必要があると考える。


 また、県土の均衡ある発展に向けた道路、河川等のインフラ整備は、地域振興の基盤となるとともに、災害を未然に防止し、県民の生命、財産を守るためにも不可欠なものである。


 さらに、福祉対策、農林水産業の振興、環境対策、教育対策など、幅広く配慮されており、知事が提案された予算案について、歳入を含め組み替える必要はないと判断し、予算組み替え動議に反対するものである。





○(山口信行 委員長)  以上をもちまして、質疑並びに意見の開陳を終局し、直ちに表決に入りたいと思いますが、これにご異議ございませんか。


  (異議なし)


 ご異議ないと認め、さように決します。


 これより表決に入ります。


 表決は、議事の都合により、分離して行います。


 まず、平成17年度予算案の編成替えを求める動議について、起立により採決いたします。


 本動議に賛成の委員は、ご起立願います。


  〔賛成者起立〕


 起立少数であります。


 よって、本動議は否決されました。


 次に、付託議案のうち、第1号議案、第3号議案ないし第5号議案、第10号議案、第16号議案ないし第19号議案、第21号議案、以上10件を一括し、起立により採決いたします。


 本案を、原案のとおり可決すべきものと決することに賛成の委員は、ご起立願います。


  〔賛成者起立〕


 起立多数であります。


 よって、本案は、いずれも原案のとおり可決すべきものと決しました。


 宮田委員。





○(宮田しずのり 委員)  私は、ただいまの決定に反対であるので、組み替えを主張した第1号議案、第4号議案については、我が会派の意見を少数意見として留保する。





○(山口信行 委員長)  ただいま、宮田委員から少数意見を留保したいとの申し出がありましたが、留保には、会議規則第76条第1項の規定により、1名以上の賛成者を必要といたします。


 宮田委員の少数意見留保に賛成の委員は、ご起立願います。


  〔賛成者起立〕


 賛成者1名以上であります。


 よって、宮田委員の少数意見は留保されました。


 なお、ただいま留保されました少数意見を本会議に報告される場合は、会議規則第76条第2項の規定に基づき、少数意見報告書を委員長を経由して議長あて提出願います。


 次に、付託議案のうち、第2号議案、第6号議案ないし第9号議案、第11号議案ないし第15号議案、第20号議案、第22号議案、以上12件を一括し、起立により採決いたします。


 本案を、原案のとおり可決すべきものと決することに賛成の委員は、ご起立願います。


  〔賛成者起立〕


 起立全員であります。


 よって、本案は、いずれも原案のとおり可決すべきものと決しました。


 この際、お諮りいたします。


 当委員会の審査報告は口頭で行うこととし、その文案につきましては、正副委員長及び理事にご一任願いたいと思いますが、これにご異議ございませんか。


  (異議なし)


 ご異議ないと認め、さように決します。


 以上で本日の議事はすべて終了いたしましたので、これをもって予算特別委員会を閉会いたします。


        午後4時35分閉会


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○(山口信行 委員長)  閉会に当たりまして、一言お礼を申し上げたいと思います。


 去る3月4日に予算特別委員会が設置されて以来、連日長時間にわたりまして、平成17年度一般会計、特別会計、公営企業会計、合わせて4兆2,000億円以上にわたります膨大な予算を審査いただきまして、本日ここに閉会する運びとなりました。


 委員各位におかれましては、この間、終始極めて慎重かつ熱心に審査を賜りましたこと、心より厚く御礼を申し上げる次第でございます。まことにありがとうございました。


 また、当委員会の運営につきましては、各理事を初め、委員各位の格別のご理解とご協力によりまして、副委員長ともども、この大任を果たすことができました。衷心より重ねて御礼申し上げる次第でございます。


 さらに、審査に当たりまして、知事を初め、幹部の皆様に格別のご協力をいただいたことに心から御礼を申し上げる次第でございます。


 委員会の審査を通じ、各委員から述べられました指摘、意見、要望につきましては、県政に確実に反映され、依然として、この厳しい社会経済情勢のもとにおける県政各般の課題について、参画と協働の理念のもと、一層の取り組みに邁進されますよう重ねてお願い申し上げる次第でございます。


 知事初め、幹部の皆さんの一層のご活躍をご期待申し上げますとともに、私どもといたしましても、全力を尽くしてまいることをお誓い申し上げまして、まことに簡単粗辞ではございますけれども、お礼のごあいさつとさせていただきます。本当にありがとうございました。





○(井戸知事)  予算委員会の閉会に当たりまして、一言お礼のごあいさつを申し上げさせていただきます。


 山口委員長、杉尾副委員長を初め、予算委員会委員の皆様には、連日にわたり平成17年度当初予算につきましてご審議いただき、本日ご議決をいただきました。厚くお礼を申し上げます。


 県政を取り巻く行財政環境は、世界経済や企業業績の回復により、ようやく明るい兆しが見え、法人関係税で増加が見込まれますものの、消費税を初めとする県税収入は引き続き低い水準にとどまるなど、なお厳しい局面が続きますが、新年度は、安全と安心の確保、未来への期待、地域の元気と連帯、新しいふるさとづくり、参画と協働の推進の五つの柱を基本に、県民の要請に的確に対応し、県民本意の県政を積極的に推進してまいります。


 予算の執行に当たりましては、今後の経済動向等にも適切に対応しつつ、参画と協働の基本姿勢のもと、元気兵庫の創造の実現を図るよう、県政課題に全力で取り組みますので、今後ともよろしくご指導をお願い申し上げます。


 ご審議を通じていただきました委員の皆様のご意見等につきましては、今後の県政運営に十分反映させてまいります。


 今後、より一層、議会と緊密な連携を図りながら、県政運営に取り組みますので、どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。


        午後4時39分


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