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平成17年度予算特別委員会(第7日 3月17日)




平成17年度予算特別委員会(第7日 3月17日)





平成17年度予算特別委員会





                  予算特別委員会議事順序





                                    平成17年3月17日(木)


                                    午前10時


                                    大会議室


 
  開    会


1 諸  報  告


2 付託議案審査


 (1) 歳出審査(農林水産部・阪神・淡路大震災復興本部農林水産部)


    質    疑


 (2) 歳出審査(教育委員会、企画管理部教育・情報局教育課及び大学課・


          阪神・淡路大震災復興本部企画管理部教育・情報局教育課)


    質    疑


3 議 事 打 切 り


4 日 程 通 告


  閉    会


……………………………………………………………………………………………………………………………


出 席 委 員


    委  員  長     山  口  信  行


    副 委 員 長     杉  尾  良  文


    理     事     石  原  修  三


       〃        丸  上     博


       〃        加  藤  康  之


       〃        松  本  よしひろ


       〃        宮  田  しずのり


    委     員     石  井  秀  武


       〃        西  野  將  俊


       〃        松  本  隆  弘


       〃        野  間  洋  志


       〃        佃     助  三


       〃        中  田  香  子


       〃        杉  本  ち さ と


       〃        北  浦  義  久


       〃        葛  西  利  延


       〃        水  田     宏


       〃        合  田  博  一


       〃        岸  口     実


       〃        北  川  泰  寿


       〃        山  本  敏  信


       〃        石  川  憲  幸


       〃        清  元  功  章


……………………………………………………………………………………………………………………………


説明のため出席した者の職氏名


    企画管理部企画調整局長兼阪神・淡路大震災復興本部企画管理部企画調整局長


                           高  井  芳  朗


    企画管理部企画調整局財政課長         竹  本  明  正


    理事(技術担当)兼阪神・淡路大震災復興本部理事(技術担当)


                           大  平  一  典


    農林水産部長兼阪神・淡路大震災復興本部農林水産部長


                           黒  田     進


    農林水産部農政企画局長兼産業労働部参事(調整担当)・阪神・淡路大震災復興本部農林水産部農政企画局長


                           荒  木  一  聡


    農林水産部農林水産局長兼阪神・淡路大震災復興本部農林水産部農林水産局長


                           前  川  往  亮


    農林水産部農政企画局総務課長兼阪神・淡路大震災復興本部農林水産部農政企画局総務課長


                           京     雅  幸


    農林水産部農政企画局総合農政担当課長兼産業労働部産業科学局産業政策担当課長付参事(調整担当)・阪神・淡路大震災復興本部農林水産部農政企画局総合農政担当課長


                           平  形  雄  策


    農林水産部農政企画局総合農政担当課長付参事(おいしいごはんを食べよう県民運動担当)


                           藤  田  し げ の


    農林水産部農政企画局農業経営担当課長     伍  々  博  一


    農林水産部農政企画局消費流通担当課長兼阪神・淡路大震災復興本部農林水産部農政企画局消費流通担当課長


                           和  田  眞 由 美


    農林水産部農政企画局農林経済課長       木  下     守


    農林水産部農政企画局農林経済課参事(農協指導担当)


                           高  橋  正  俊


    農林水産部農政企画局団体検査室長       杉  田  孝  史


    農林水産部農林水産局普及教育課長       金  川  喜 八 郎


    農林水産部農林水産局農村環境課長兼阪神・淡路大震災復興本部農林水産部農林水産局農村環境課長


                           常  友  永  市


    農林水産部農林水産局農地整備課長兼阪神・淡路大震災復興本部農林水産部農林水産局農地整備課長


                           松  浦     猛


    農林水産部農林水産局農地調整室長       細  見  友  昭


    農林水産部農林水産局農産園芸課長       佐  藤  直  敏


    農林水産部農林水産局畜産課長         柳  田  興  平


    農林水産部農林水産局畜産課家畜安全官     枡  田  隆  一


    農林水産部農林水産局林務課長         島  津  哲  治


    農林水産部農林水産局森林動物共生室長     荻  野     茂


    農林水産部農林水産局豊かな森づくり室長    三  上  幸  三


    農林水産部農林水産局全国育樹祭室長      村  上  栄  司


    農林水産部農林水産局治山課長兼阪神・淡路大震災復興本部農林水産部農林水産局治山課長


                           元  井  賢  一


    農林水産部農林水産局森林保全室長       西  川     貢


    農林水産部農林水産局水産課長         楠  本  正  博


    農林水産部農林水産局水産課参事(水産資源増殖担当)


                           大  谷  和  夫


    農林水産部農林水産局漁港課長兼阪神・淡路大震災復興本部農林水産部農林水産局漁港課長


                           澄  田  泰  造


    教育委員会委員長               平  田  幸  廣


    教育長                    武  田  政  義


    教育次長                   杉  本  健  三


    教育次長                   青  山  善  敬


    教育委員会事務局総務課長           松  谷  清  生


    教育委員会事務局企画調整担当課長       滝  波     泰


    教育委員会事務局財務課長           西  明  芳  和


    教育委員会事務局教職員課長          小  林  道  美


    教育委員会事務局学事課長           門  前     清


    教育委員会事務局福利厚生課長         山  田     弘


    教育委員会事務局義務教育課長         重  松  司  郎


    教育委員会事務局高校教育課長         岡  野  幸  弘


    教育委員会事務局社会教育課長         西  條  恒  美


    教育委員会事務局体育保健課長         吉  井  和  明


    教育委員会事務局人権教育課長         五 百 住     満


    教育委員会事務局教育企画室長         平  井  敬  員


    教育委員会事務局施設室長           三  木  健  至


    教育委員会事務局障害児教育室長        小  田  繁  雄


    教育委員会事務局文化財室長          松  下  信  一


    教育委員会事務局地域スポーツ活動室長     飯  田  賢  良


    教育委員会事務局教職員課参事(職員団体担当) 藤  原     悟


    教育委員会事務局教職員課参事(教職員制度担当)


                           山  内  茂  弘


    教育委員会事務局高校教育課参事(高校教育改革担当)


                           江  本  博  明


    理事(産学官連携担当)            神  田  榮  治


    企画管理部長兼阪神・淡路大震災復興本部企画管理部長


                           荒  川     敦


    企画管理部教育・情報局長兼阪神・淡路大震災復興本部企画管理部教育・情報局長


                           長  棟  健  二


    企画管理部企画調整局総務課長兼阪神・淡路大震災復興本部企画管理部企画調整局総務課長


                           水  田  賢  一


    企画管理部教育・情報局教育課長兼阪神・淡路大震災復興本部企画管理部教育・情報局教育課長


                           岸  本     明


    企画管理部教育・情報局大学課長        石  井  孝  一


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        午前10時2分開会





○(山口信行 委員長)  ただいまから予算特別委員会を開会いたします。


 議事に先立ち、ご報告申し上げます。


 委員会条例第14条の規定により、本日、当委員会に出席を求めました者の職氏名は、お手元に配付しております一覧表のとおりでありますので、ご了承願いします。


 これより議事に入ります。


 平成17年度関係、第1号議案ないし第22号議案を一括議題といたします。


 本日は、農林水産部・復興本部農林水産部及び教育委員会、企画管理部教育課・大学課・復興本部企画管理部教育課の歳出審査を行います。


 まず、農林水産部・復興本部農林水産部について審査を行います。


 これより質疑に入ります。


 この際、当局に申し上げます。


 答弁は、発言の趣旨を的確にとらえ、簡潔に願います。


 委員の発言は、通告に基づき、委員長より順次指名をいたします。


 まず、野間委員。





○(野間洋志 委員)  農業問題についてであるが、WTO、FTAなど、いろいろな交渉を見ると、やはり日本での農業の対外的な競争力というものが求められていると私は思っている。特に、私は、その農業の担い手の問題について、まずご質問申し上げたいと思う。


 まず、認定農業者の育成・支援についてお伺いする。


 この3月、政府の食料・農業・農村政策審議会は、新たな食料・農業・農村基本計画の答申を行い、担い手政策を産業政策として地域振興策と明確に区分し、認定農業者を基本に、経営主体として実態を持つ集落営農を担い手と位置づけた。


 また、経営安定対策としては、担い手を対象に経営全体に着目し、外国との生産条件格差是正対策と収入・所得の変動緩和対策の2本立てを提起し、農地制度では、優良農地の確保措置の強化、農地を効率的に利用する仕組みの構築が指摘されたところである。担い手問題に施策が集中したようである。担い手といえば、まず認定農業者であるが、農水省は、このたび、将来の農業の中核となる認定農業者を、今年夏をめどに大幅に増加させることをめざすなど、全国農業協同組合中央会と共同で農業の担い手育成に取り組む方針が示されたところであります。税制優遇の周知徹底や支援策の実施により、小規模農家などが共同で生産する集落営農の法人化や認定農業者の育成が図られているところである。


 認定農業者は、2004年3月末現在で、全国で18万2,345人である。兵庫県においては、現在1,469人であるが、平成22年までに2,300名を育成するという目標がある。


 そこで、目標達成のため、どのようにお取り組みになるのか、お伺いする。


 また、認定農業者制度は、ことしで12年目を迎え、総数も18万人を超えている。しかし、制度の趣旨を理解し、農業経営の発展に生かし切れてない市町もあると聞いている。認定農業者の組織活動への支援について、あわせてお伺いする。





○(伍々農業経営担当課長)  本県においては、認定農業者を地域農業の重要な担い手として位置づけ、平成22年に2,300経営体を目標として育成しており、現在1,469経営体とおおむね順調に育成されてきている。


 国の食料・農業・農村基本計画の見直しにおいても、認定農業者等を担い手として明確化し、これらの者に対して施策が集中的、重点的に実施されるようになる。このようなことから、認定農業者の育成確保がより一層重要であると認識している。


 このため、農業所得が主な主業農家や新規就農者を認定農業者の候補として、市町、関係農業団体等と協力して、制度の趣旨や税制等の優遇措置等をPRするとともに、支援金の交付による農地利用集積への支援、営農用機械の整備への支援等を行い、認定農業者の育成を促進していく。


 さらに、認定農業者の組織である認定農業者連絡協議会等を対象として、交流会の開催、経営診断・相談会の開催、法人化の指導、経営技術研修会の実施等により、組織活動の支援を行っていく。





○(野間洋志 委員)  ただいまのご答弁の中に、認定農業者同士の組織化というか、連携というか、そういうお話もあったけれども、その方にもご支援賜るようお願いを申し上げたい、このように思う。


 次に、農業委員会についてである。


 昨年11月1日、農業委員会法の一部を改正する法律が施行された。地方分権や規制改革などの大きな波の中で行われた今回の改正により、今日的な農業委員会の存在意義について確認されたことは、大きいものがあろうかと思う。


 法改正では、組織の効率化が進められ、さらに、この間の地方分権の推進や三位一体の改革による国庫補助負担金改革、市町村合併の進展などのもとで、組織や活動体制について、従来にない厳しい対応が迫られているところである。


 一方で、優良農地の確保、有効利用や農業経営の合理化など農業構造改革の推進機関として機能の発揮が期待されているところである。農地行政の適正・的確な実施とあわせ、農地パトロールや担い手への農地利用集積、認定農業者などの経営確立の支援を一層強化する必要がある。農業委員会も新時代を迎えたということが言えるであろう。


 さて、市町村合併は、農業委員会のあり方にも大きく関係してきている。特に、市町村合併による空白期間をつくらないことが重要であるし、新市町村における農業委員会の円滑な業務の推進につなげていくことも重要である。既に全国で地区担当制による地域に密着した取り組みや合併などによる1人当たりの担当区域の広域化に対応するため、農業委員会協力員なども設置されているところもある。


 当局としては、市町村合併がピークを迎えるとき、農業委員会の今後のあり方や守備範囲も非常に広くなった、かつ役割も非常に重要になった、この農業委員と農業委員会に対する支援についてどのように考えられているのか、お伺いする。





○(細見農地調整室長)  担い手の減少や遊休農地の増加が進む中で、米政策改革の推進を初めとする農業構造政策の新たな推進を図るべき重要な時期にあり、農業委員会の果たすべき役割は、従来にも増して大きくなってきている。


 昨年の法改正では、農業委員会の組織のスリム化・効率化とともに、活動の重点化が図られ、より効率的で積極的な活動が求められることとなった。また、市町合併に伴う所管区域の拡大により、各農業委員の活動区域も増大し、より一層活動の効率化が求められている。


 このため、県としては、県農業会議とも連携を図りながら、農業委員の地区担当制の充実や、神戸市西農業委員会等で既に導入されている農業委員会協力員の普及を進めるとともに、農地地図情報システムなど農地情報の電算化への支援、隣接する農業委員会による合同の農地パトロールの実施への支援、農業委員及び事務局職員の資質の向上を図るための新任農業委員研修等の実施などの支援を積極的に行っていきたいと考えている。





○(野間洋志 委員)  それでは、次に、いろいろな部門で出ている県民緑税について、ご質問を申し上げる。


 京都議定書が先月16日にいよいよ発効されるなど、地球温暖化問題に対する具体的で本格的な取り組みが求められる中、森林の二酸化炭素吸収能力など、森林に対する期待がますます高まっている。


 このような中、県では、「新ひょうごの森づくり」に取り組み、間伐の徹底実施や里山林の再生整備、また森林ボランティアの養成などを全国に先駆けて、計画的に進められている。


 県下の森林の荒廃は徐々に食いとめられ、再生の道を歩んでいると認識していたが、昨年の23号台風など一連の風水害は、風倒木や山腹崩壊などを招き、県土に大きな爪痕を残し、森林だけではなく、中下流の都市部や漁業被害など海にも大きな影響を与えた。改めて森林の役割や保全の重要性を再認識させられた思いである。


 このように、森林の保全の必要性は十分認識いたしているが、これまでの森林施策に加え、新たに県民緑税を創設し、事業を展開しようとされているが、何が不足し、どのような課題が生じているのか、お伺いする。





○(黒田農林水産部長)  森林の持つ多様な公益的機能が、林業の収益性の悪化や、あるいは生活様式の変化などに伴い、大きく低下していることはご案内のとおりである。


 こうしたことから、本県では、公益的機能の保全ということに着目して、14年度から、「新ひょうごの森づくり」による森林管理100%作戦、里山林の再生などを進めているところである。


 しかし、昨年の台風被害によって、間伐の重要性というものを再認識するとともに、県土保全面での課題に早急に取り組む必要があるということも認識したところである。


 このため、特に、急傾斜や崩壊しやすい下降斜面などの人工林については、間伐に加えて、土どめ工を設置するなど、防災を目的とした森林整備に取り組む必要があると考えている。


 また、同時に、集落裏山の里山林などについても、地域住民の自主的な管理や防災の備えのための森林整備に取り組むとともに、林業採算性の悪化により伐採されず、機能が低下した高齢人工林を、これを部分伐採して、広葉樹林との混交林化を進め、土壌に深く、そして広く根を張りめぐらすことによって、水土保全機能の強化策を講じることも不可欠であると考えている。


 こうした事業を実施するためにも、県民緑税を導入して、森林の保全・再生を社会全体で支えていくという仕組みの中で、災害に強い森づくりを早急に、かつ確実に進めていきたい、こんなふうに考えている。





○(野間洋志 委員)  日本人というのは、税に対して非常な抵抗感を持つ民族であり、税は年貢であるという、そういう考え方があるそうであるけれども、新たな税を充当する事業については、その効果を十分県民に理解いただく必要があると考えている。


 具体的にどのような事業を展開し、どのような効果を期待するのか、ご所見をお伺いする。





○(三上豊かな森づくり室長)  具体的な充当事業については、一つは、間伐対象森林のうち、山地災害防止機能林1万1,700ヘクタールについて、間伐に加え、重心を安定させるための枝打ちや表土の浸食を防ぐ間伐材による土どめ工等を行う等の防災林整備を早期に確実に進め、土砂崩壊、また流出を防いでいきたいと考えている。


 二つ目には、集落周辺の土砂崩壊等の危険度が高い里山林1,000ヘクタールについて、土砂をとめる柵工などの簡易な防災施設の設置などを行う自主防災の森づくりにより、地域住民の自主的な管理や防災の備えとする。


 三つ目には、小流域において、高齢人工林が大半を占める森林1,500ヘクタールを対象にして部分伐採を促進し、その跡に広葉樹林等の植林により、樹種や林齢の異なる多様な森林を造成し、水土保全機能の強化を図っていきたいと考えている。


 四つ目は、被害管理や個体数管理とあわせて、生息地管理の一つとして、人と動物のすみ分けの観点から、森林・動物共生の森づくりに取り組み、農作物等の被害防止を図っていく。


 以上のように、災害に強い森づくりなどを強力に進めていき、県土の保全や安全・安心な生活環境の創出に努めていきたいと考えている。





○(野間洋志 委員)  県民が「税を払ってよかったな」と思うような事業をやっていただくようにお願いを申し上げたいところである。


 次に、我が三田市に関係のあることであるが、第29回全国育樹祭について伺いたい。


 平成17年10月29日及び30日に皇族をお迎えして、神戸市の小束山、そして三田市の県立有馬富士公園で、「萌える緑にひろがる未来」をテーマとして、第29回全国育樹祭が開催される。知事を初め、県当局のご努力に深く感謝する次第である。


 全国育樹祭は、活力ある森林育成機運の高揚を図り、次代への連帯性を深めるため、昭和52年から開催されている緑化行事で、全国植樹祭で天皇・皇后両陛下がお手植えされた樹木を皇族によるお手入れを行っていただくほか、各種表彰行事などが行われると伺っている。


 そこで、本県で初の開催となる第29回全国育樹祭について、その開催方針や実施手法においてどのような特色が出されるのか、お伺いする。


 また、三田市においても、地元開催市として準備がいろいろ進められているけれども、県としてどのような連携をとられているのか、あわせてお伺いする。





○(前川農林水産局長)  本県での全国育樹祭においては、これまでの育樹祭とは異なり、近年の社会、経済の発展に伴い、人の手が入らなくなった、また私たちの暮らしから遠くなってしまった里山林に焦点を当て、里山林の再生をアピールすることとしている。


 このため、お手入れ行事や育樹祭行事では、里山林の再生に必要な作業である不用木の除去を初めて行うこととしている。


 また、育樹祭を一過性のものとせずに、森や緑を守る活動へつないでいくために、各県民局において地域育樹祭を開催するほか、県内の森林ボランティアが一堂に会する「森林ボランティア大会」を実施する。そして、県民総参加の森づくりをより一層進めていきたいというふうに考えている。


 育樹祭の開催について決定をしているけれども、これまでにおいては、三田市と連携して、有馬富士公園フェスティバルや、また「緑の日のつどい」等各種イベントを開催、また、広報媒体を活用した普及啓発を行ってきた。


 また、式典に向けては、三田市内の中学・高校生を中心にした音楽隊の編成とその練習、そして式典の一翼を担う三田市緑の少年団員の指導などに取り組んでいるところである。


 今後とも、地元三田市と一緒になり、育樹祭の成功に向けて準備を万全に進めていきたいと考えているところである。





○(野間洋志 委員)  三田市にとっては、1988年にホロンピアというのが行われている。それ以来の大イベントであり、その割にはもうひとつ三田の方が燃えてないというのが、これ正直な話であり、この間の三田の新聞に、育樹祭が近づいたのに三田市はどうなっているのというような記事が出て、これはいかんでということで、私、実は市役所にも頑張りなさいということを言ったのであるが、最後に、また、この祭典には、県内外から7,000名余りの方々が、実りの秋、そして色彩豊かな三田の地にお越しになる。


 そこで、提案であるが、全国からお越しになる方々の昼食に、地元三田の、例えば三田米、三田牛などの食材を活用し、色彩豊かな味覚と味わい深い味覚でおもてなしすれば、心に残る育樹祭になるのではないかと考えている。


 県としてどのようなホスピタリティを考えておられるのか、また、具体的な方策を検討されているのか、お伺いする。





○(村上全国育樹祭室長)  県内外から式典に参加される約7,000人の方々にとって、心に残る育樹祭となるよう、参加記念となる植栽を参加者全員で行うとともに、式典プログラムでは、三田太鼓などの郷土芸能を初め、自然を守り、育てることの大切さをアピールすることとしている。それにメインテーマアトラクションなどを繰り広げることとしている。


 また、式典会場内には、地元三田市の母子茶の提供や、丹波黒大豆などの県内各地の特産品の展示・販売・飲食コーナーや森林ボランティアの活動を紹介するブースなどを設置するほか、参加者に配布する弁当についても、委員ご提案のように、三田市の特産品を初め、各地域の特色ある食材を使用するなど、本県の魅力を体感していただくこととしている。


 さらに、会場内にあっては、ボランティアスタッフ等による環境美化や介助などのサービスに努めるほか、会場外では、道路沿いの水田でのコスモスの栽培、プランターの設置、歩道や水路の清掃を行うなど、三田市民の皆様とともに、参加者を温かくお迎えできるよう取り組んでいきたい、このように思っている。





○(野間洋志 委員)  聞くところによると、1日で7,000人ほど全国からお見えになるということを聞いている。我が三田市にとっても、三田市を全国に発信する大チャンスということで、頑張っていきたいと思うので、県当局としても、よろしくご指導を賜るようにお願い申し上げて、私の質問を終わる。





○(山口信行 委員長)  以上で野間委員の質疑は終わりました。


 次に、中田委員。





○(中田香子 委員)  おはようございます。農林水産部の皆さんには、本当にここ一、二年、鳥インフルエンザを皮切りに、水害と本当に大変な、後の対策にも大変な思いをしていただいたことと思う。本当にお見舞いを申し上げたいと思う。


 質問の最初には、やはり鳥であるが、鳥は鳥でも、少し希望の持てるコウノトリの話から入りたいと思う。


 昭和の初期に、兵庫県北部の但馬地域では、豊かな自然に恵まれて、大空を数十羽のコウノトリが舞うという、それから川辺や田んぼでえさをついばむ姿が間近で見られたということである。それが、社会の変化に伴い、自然環境が損なわれ、昭和46年には、この但馬地域を最後に日本の大空からコウノトリが姿を消してしまった。


 このような中で、豊岡盆地を中心として、地域住民やさまざまな団体、行政が一体となり、保護、増殖の活動が進められ、コウノトリを再び大空に戻し、人と自然が共生する地域づくりをめざした取り組みを展開され、ことし秋には、コウノトリの試験放鳥がいよいよ実施されることになったということである。


 私も非常にこれは楽しみにしていた。コウノトリの里を訪ねたのが六、七年前だったが、このころから本当に楽しみにしてきたわけである。やはり人里に戻していくということ、世界的にも例を見ない取り組みであるし、また、農業だけでなくて、人の生活のありさまが環境に優しいものとなって、初めてコウノトリが環境と一体となっていけるという、そういった楽しみを持ってきたわけである。


 17年度当初予算の中には、コウノトリとの共生をめざし、水田の再生を図り、えさ場の確保となる転作田のビオトープ化並びに常時湛水稲作を推進するための846万円という予算が計上されている。これからもコウノトリと共生する農村づくりが一層図られていくであろうと思う。


 そこで、コウノトリの放鳥に向け、人と環境に優しい農村づくりにどのように取り組んでいかれるのかお伺いする。





○(常友農村環境課長)  豊岡盆地を中心とした地域では、コウノトリが住める環境は、人にとっても安全で安心できる豊かな環境であるとの認識のもとに、県、市町、農家や住民が一体となって環境政策を進めているところである。


 農業・農村においては、単にコウノトリのえさ場や営巣地の確保だけでなく、アイガモ農法等の減農薬栽培による環境への負荷を軽減した環境創造型農業を進めており、現在、その取り組み面積は約320ヘクタールに及ぶと同時に、農家の理解と地域住民やボランティア等の活動により、多様な生物が生息する水田や里山の再生を進め、環境に配慮した農村の創造が着実に進んでいる。


 今後とも、これらの取り組みを引き続き推進していくことにより、コウノトリとの共生をシンボルとした、他に例のない安全・安心を徹底した農産物の生産による農業の振興を図るとともに、豊かな自然、美しい田園景観など、地域の魅力を生かした都市との交流の拡大や環境教育の場づくりなどによって農村の活性化を進め、人と環境に優しい農村づくりをめざしていきたいと考えている。





○(中田香子 委員)  コウノトリは、本当にこれからの農業の、農のあり方のその象徴、農村のありようの象徴というふうに私も期待をしているところである。本格的放鳥のころには、本当にすばらしい農村姿が見られるのじゃないかと思う。よろしくお願いをして、この質問は終わりたいと思う。


 次に、やはりこれも環境との絡みであるが、環境創造型農業の計画的な取り組みについてお伺いする。


 食の安全・安心の視点から、また環境の保護・保全の視点からも、近年、有機農業、アイガモ農法などの環境創造型農業へのニーズが高まっている。


 個々の県民のニーズから、漬物業者など食品加工者などからも声が上がり始めているのが現状であるが、実態としては、需要に対して供給が対応し切れない状況にあると思う。来年度には、21世紀初頭の本県農林水産行政の基本指針として策定された「ひょうご農林水産ビジョン2010」並びに地域の特性に応じた施策を推進するための「地域農林水産ビジョン2010」の見直しが行われるが、新たなビジョン策定に当たり、環境創造型農業にどのように計画的に取り組まれるのか、お伺いする。





○(金川普及教育課長)  本県では、環境への負荷軽減に配慮した農産物を生産し、県民に安全・安心な食料供給をめざす環境創造型農業について、平成4年度に全国に先駆け推進方針を策定するとともに、「ひょうご農林水産ビジョン2010」においても、平成22年に2万7,000ヘクタールとする目標を掲げ、推進しているところである。


 しかしながら、この取り組みに当たっては、高度な生産技術の導入を伴うことから、生産コストの上昇や生産が不安定になるなど、委員ご指摘のとおり、需要に見合った十分な生産がされていない状況にあると認識をしている。


 このため、合成性フェロモンや天敵、有機質肥料などを活用した安定生産技術の開発とそれを実践する産地の育成を行うこととしているところである。


 今後、これらに加えて、ひょうご食品認証制度による流通の促進、それから、生産者と消費者との相互理解を深めるためのフォーラムの開催などを実施し、生産から流通、消費に至るまでの総合的な取り組みを計画的に進めていきたいと考えている。





○(中田香子 委員)  先日、イタリアへ行ってきた。オーガニック、有機農業を中心として、それからスローフード問題というふうなものを調査のテーマとして行ってきた。やはりユーロ全体としての計画があって、オーガニック法というようなものもあるようである。その中で、また各国が計画を持っている。それから、州ごと、県より少し広いようであるが、そういった計画の中でオーガニック農業を進めていっている。それから、消費者としては、やはりスローフード協会などがあって、非常に活発な活動をして、啓発をしているという状況が見えた。兵庫県でも、本当に計画的に取り組んでいただいて、消費者の方の認識も広めていかねばと思っている。よろしくお願いする。


 次に、農のゼロエミッションの推進についてご質問する。


 地球温暖化防止に向けた取り組みや食品リサイクルの取り組みの推進に当たり、農作物残渣や食品廃棄物、家畜排せつ物や木質廃棄物などの農林水産関連の廃棄物や未利用資源等を有機性資源であるバイオマスととらえ、飼料や肥料として、あるいは新エネルギーとしてなど、さまざまな利用方法により、地域循環型利用システムを確立することが求められている。


 本県では、昨年、農のゼロエミッション推進の指針として、バイオマス総合利用計画を策定し、取り組まれているところであるが、現在の推進状況はどのようになっているか。


 また、食品リサイクル法に基づき、食品廃棄物の再生利用として、堆肥化に取り組んでいる方もおられるが、食品残渣の内容によっては、できる堆肥の品質に大きなばらつきがあると聞いている。


 こうしたことからも、農のゼロエミッションを推進するに当たっては、県民の意識醸成に努めるとともに、取り組むための具体的方法などについて、普及啓発や指導・支援がさらに必要と思うが、今後どのように取り組まれるのか、お伺いする。





○(黒田農林水産部長)  県では、バイオマス総合利用計画において、地域におけるいろいろなバイオマスを組み合わせて利用するなどの先導的取り組みを、2010年までに50プロジェクトを育成する目標を掲げ、農のゼロエミッションを推進している。既に、宍粟郡一宮町では森林組合加工場の木くずを、また、コープこうべの食品工場では食品残渣を、それぞれ電気や熱などのエネルギーに変換して利用する取り組みが始まっているほか、例えば、菜の花を観賞し、その後、菜種油として循環利用する淡路での「菜の花エコプロジェクト」の実施等一部で先導的取り組みが始まっている状況である。


 しかしながら、これらの取り組みはまだ緒についたばかりで、計画目標達成のためには、ご指摘のような、県民、企業等への意識醸成、あるいは取り組み実施に向けた技術的指導や支援など、こういったことが必要と考えている。


 このため、県では、普及啓発を図るために、平成16年度には、県民、企業等を対象に、バイオマス総合利用計画の説明会を県下各地で開催したほか、県庁等の生ごみを堆肥利用する県庁率先運動を開始している。また、17年度は、「農のゼロエミッション推進大会」を開催し、県下での先導的な取り組みを認証したり、あるいは広く紹介などを行うほか、県庁率先運動を全県民局に拡大するなど、県民、企業への理解、取り組みを一層深めていきたいと考えている。


 また、地域の状況に応じた効率的な利活用が図られるよう、財団法人新産業創造研究機構とか県の試験研究機関、こういったところが連携して、具体的な取り組み方法のアドバイス、あるいは運営コスト改善のための技術的な指導・支援を行うこととしている。


 これらを通じて、今まで捨てられていたさまざまなバイオマスを利活用することにより、廃棄物ゼロをめざす農のゼロエミッションを積極的に推進していきたいと考えている。





○(中田香子 委員)  本当に積極的に取り組んでいただいていることを、お礼を申し上げたいと思う。農・林・水産という今までの枠から、やはり環境の問題というのは、非常にこれから大きな問題だと思っている。よろしくお願いする。


 次に、遊休農地の対策についてご質問する。


 まず、遊休農地の状況であるが、我が国の遊休農地は、2000年時点で農地全体の7%、34万ヘクタール超に上るということである。これは東京都の面積の1.5倍に相当するものであるが、国では、このような状況に重い腰を上げて、2003年4月から、構造改革特区内に限って、一般企業が農地を借りて農業参入することを認めたところである。


 そこで、まず、兵庫県における遊休農地の状況がどのようなものか、また、その原因についてどのように考えておられるのかをお伺いする。





○(伍々農業経営担当課長)  本県の遊休農地の面積は、現在2,664ヘクタールで、耕地面積6万8,919ヘクタールの3.9%となっており、5年間で1.5倍と大幅に増加している。


 この遊休農地は、地域別には、但馬地域698ヘクタール、淡路地域554ヘクタール、西播磨地域428ヘクタールで、これらの地域で県全体の6割を占めている。また、山間農業地域、平地農業地域といった農業地域の類型で見ると、中山間農業地域で約1,600ヘクタールで、県全体の同じく6割を占めている。


 遊休農地の発生原因については、アンケート調査を実施したところ、農業者の高齢化、農業後継者の減少等により担い手が不足し、耕作されなくなったこと、農産物価格の低迷により農業経営が難しくなってきたこと、鳥獣被害により棚田等の耕作をあきらめざるを得なくなったことが主な原因となっている。





○(中田香子 委員)  やはり兵庫県も、本当にどんどん遊休農地がふえていっているという非常に残念な、また、皆さんも大変な思いをしていらっしゃるのじゃないかと思う。


 次に、遊休農地の活用についてであるが、遊休農地の増加は、周辺農地の影響のみならず、景観保全や防災等の農地の多面的機能の維持・保全への影響も懸念されている。


 このことから、地域の実情を踏まえた遊休農地の多様な活用が求められるところである。


 また、農業従事者の高齢化が一層進行していく中で、農業生産を維持し、農地を保全していくためには、新規就農者の育成確保、認定農業者への担い手の農地集積を図ることが必要である。


 そこで、県においては、遊休農地の活用、解消に向けてどのように取り組んでいこうとしておられるのか、お伺いする。





○(荒木農政企画局長)  ご指摘いただいたように、農地が遊休化すると、担い手が高齢化している本県の現状から見て、周辺農家、場合によっては集落全体での営農意欲の減退を招いて、農業生産活動が低下するといったこと、さらに、農地が持つ機能が低下して、農村の生活環境そのものにも影響を与えるといったような課題が生じるところである。したがって、一つには、遊休農地を出さないという対策と、出た遊休農地について、それをどう利活用するかという二つの対策が必要かと考えているところである。


 それで、発生防止対策については、何よりも農家の担い手が必要であり、農家の後継者対策から農業法人への雇用就農の促進など、新たな対応にも対応した新規就農対策を通じて、多様な人々による担い手の確保、育成に努めていく。


 また、高齢化等により遊休農地が懸念される、これから出そうだという農地については、新たに規模拡大を望む認定農業者などの受け手に対して、その農地が円滑に移動する、集積するように努めていき、これをとり行う農業委員会を中心とした農地利用調整を行う体制の強化にも努めていきたいと考えている。


 また、発生した遊休農地の利活用に当たっては、その農地の実態とか地域の特性を踏まえた、さまざまなことを踏まえて、多様な人々であるとか組織による利活用が必要であると考えている。例えば、農業振興地域においては、その農地を復元したり、農道や水路などの生産基盤を整備することを支援し、別の新たな担い手が引き続き農地の生産活動が行えるような支援にも取り組んでいく。また、中山間地域においては、果樹であるとか、ソバであるとかいったような地域特産物の生産を促したり、棚田を利用した放牧等家畜利用にも努めていきたいと考えているところである。さらに、都市近郊地域においては、市民農園とか学童農園、さらには福祉農園といった幅広い利活用にも支援をしていきたいと思う。


 平成17年度においても、これらの施策を拡充させていただき、この実施によって、農業の振興なり農村の活性化に努めていきたいと思っている。





○(中田香子 委員)  本当に農というのは、私たちの生きるまさに原点、食という意味だけじゃなくて、原点だと私は踏まえているつもりでいる。


 遊休農地が本当にどんどん広がっていって、農業、もちろん食が不安になるというようなことのないような取り組みをお願いしたいと思っているのであるが、その一つというか、最近、建設業者の農業参入ということが、ちょこちょこと新聞等でも見られる。農業にとって、多様な担い手を確保していくことが一番の課題である。遊休農地が増加し、農業者の減少や高齢化が進む中では、農地を有効活用するには、農業者の取り組みだけでは限界があるのではないかとも考える。


 一方で、建設業者の新分野への進出の動きの中で、建設業者の農業参入を促す事業に取り組まれようとしている県も最近多々あると聞いている。


 そこで、本県における建設業者の農業参入についてどのように考えておられるのか、お伺いする。





○(伍々農業経営担当課長)  ご指摘のとおり、遊休農地の利用増進を図っていくためには、建築業を初めとする農業法人以外の法人からの新たな農業参入も必要であると考えている。


 現在、遊休農地が相当程度存在する地域において、構造改革特区として、地方公共団体等からの農地等のリース方式により、企業等の参入が認められていて、本県においても、淡路地域において食品産業とNPO法人が農業経営を実施しているところである。


 国においては、今後さらに遊休農地の利活用を促進する必要があることから、農地のリース方式による企業等の農業参入を全国的に展開していくこととしており、関係法案の改正が予定されているところである。


 本県においては、遊休農地の発生防止や活用対策を総合的に講じることとしている。しかしながら、今後、農業従事者の減少と高齢化から遊休農地の増加が懸念される。そのために、建築業者等の企業を含めた農業に携わる幅広い担い手を育成・確保することが重要であると認識している。


 このために、法案改正の状況や県の地域の営農条件等の特性を踏まえながら、今後対応していきたいと考えている。





○(中田香子 委員)  随分農政改革が進みつつあって、今のリース方式等も、多分規制緩和ということになって可能性が広がるのではないかと期待しているところである。地場産業の再構築だとか、それから労働の相互融通などの視点も、これからの農林のご活躍の中に入れていただきながら、よろしくお願いして、私の質問を終わる。





○(山口信行 委員長)  以上で中田委員の質疑は終わりました。


 次に、合田委員。





○(合田博一 委員)  それでは、私の方から農林水産部に対して、森林政策の総括や今後のあり方、今回の県民緑税とも関連づけて質問を行いたいと思うので、どうぞよろしくお願いする。


 昨年の台風23号等一連の風水害により、いわゆる風倒木など、森林の被害が大きな問題になった。その原因の一つとして、第1次オイルショック以降の林業・木材産業の不振によって、長年にわたって森林の荒廃が進んだことが挙げられている。今、森林管理のあり方が問われているのではないかと考える。


 台風で倒れてしまうような、手入れが放置された人工林がふえたのは、成長の早い杉やヒノキを主体とした人工造林の整備を進めた国の森林政策に起因するのではないかという意見がある。また、県は、国の森林政策に追随しただけではないのかという厳しい見方もあるところである。


 そこで、初めに、これまでの森林政策をどのように総括しているのか、お聞かせいただきたいと思う。





○(三上豊かな森づくり室長)  我が国では、戦中、戦後の乱伐による荒廃した森林の復旧、また戦後の住宅を初めとした復興資材の国内需給などを目的にして、成長が早く、そして建築用材として利用価値の高い杉、ヒノキの人工造林を積極的に行ってきた。その後、経済成長に伴う木材需要の増加に供給量が追いつかず、不足し、国民生活安定のため、その結果、安い外材が大量に輸入され、林業採算性が悪化している状態が長く続いている。


 本県では、これまで、戦後荒廃した森林の復旧のための伐採跡地の造林、木材資源の増産確保をめざした拡大造林など、その時代時代の要請にこたえるべく、森林施策を講じてきた。


 しかし、林業を取り巻く社会経済環境の変化に伴い、森林所有者と林業関係者の努力のみでは、もはや間伐等の保育管理は困難となり、林業生産活動によって保たれてきた水土保全等、森林の有する公益的機能は、残念ながら、ますます低下してきている。


 このような現状を踏まえて、全国に先駆けて公益的機能に着目し、「新ひょうごの森づくり」などの森林政策を展開しており、森林は県民共通の財産であるという認識のもと、公的管理と県民総参加の森づくりに取り組んでいかなければならないと改めて強く認識したところである。





○(合田博一 委員)  理解できるところであるが、答弁いただいたように、現在、県が進めている「新ひょうごの森づくり」においても、森林整備への公的関与の充実と県民総参加の森づくりの推進が基本方針として掲げられている。この基本方針の根底となる「森林資源の社会化」という考え方が、まだ十分に県民に理解されていないのではないか。かつて介護保険制度の導入が検討されたとき、「介護の社会化」という言葉をよく耳にした。今では当たり前のこととしてとらえることができるが、森林と直接的に触れ合うことの少ない都市部の住民にとっては、当局の説明する「森林資源の社会化」ということは、まだ一般的な認識になっていないのではないかと思う。


 そこで、「森林資源の社会化」とはどのような考え方なのか、また、「森林資源の社会化」に対応するためにはどのような取り組みが必要であると考えているのか、お伺いする。





○(三上豊かな森づくり室長)  本来、森林の防災等公益的機能は、森林そのものに内在していることから、木材の循環利用を行う林業生産活動によって保たれてきた。しかし、社会経済状況の変化や昨年の台風による森林被害でも認識したように、十分にその機能を発揮するまでの管理が行われていないのが、残念ながら現状であり、これらを踏まえると、森林の恩恵は県民すべてがあまねく享受しており、その保全のためには、森林が県民共通の財産であるという意識を共有し、社会全体で支えていくことが極めて重要であると考えている。


 具体的には、県民一人一人がこのような意識を共有すること、そして、森林の公益的機能の維持・増進を図るため、森林所有者の経済的行為の制限のもと、間伐など必要な措置については税等で講じるという、すなわち、公的管理が「森林資源の社会化」というふうに認識している。


 このことから、森林の公的管理100%作戦や県民総参加の森づくりを基本方針とした「新ひょうごの森づくり」を進めているところである。





○(合田博一 委員)  私どもの会派においても、森林を守る必要性を決して否定しているものではない。しかし、台風を機に県が条例化の取り組みを加速させた、この今回の県民緑税の充当事業が、これまで県が進めてきた「新ひょうごの森づくり」との関係でどうなるのか、今後の県の森林政策をどのように展開しようとされているのか、これはただしておく必要があるのではないかと考えている。


 当局の説明によると、「新ひょうごの森づくり」を進めたとしても、なお里山林の整備は必要面積の4割にとどまり、高齢の人工林も蓄積し、多様な公益的機能の発揮を阻害するおそれがあるということである。すなわち、平成23年度までの計画期間でも、「新ひょうごの森づくり」は完了しないということである。


 このような息の長い取り組みが求められるという現実に直面し、長期的な視点から森林政策を考えた場合、単に県民緑税のみに財源を期待するのではなく、県内部の行財政改革によっても、財源を捻出する努力をすることが不可欠であると考えるところである。


 そこで、今後どのように森林政策に取り組むお考えなのか、ご所見をお伺いする。





○(三上豊かな森づくり室長)  新ひょうごの森づくりを計画的に進めてきたが、昨年の風水害により、間伐のおくれや県土保全面での課題に早急に取り組む必要があると認識したところである。


 このため、山地災害防止機能が求められる人工林や集落裏山の里山林等については、防災林整備等緊急かつ確実に実施する必要が生じている。同時に、高齢人工林の公益的機能の保全や人と動物とのすみ分けの観点からの森づくりなどが求められている。


 このようなことから、「新ひょうごの森づくり」を着実に実施することに加えて、災害に強い森づくりを緊急かつ確実に進めていきたいと考えている。


 なお、行財政構造改革については、推進方策に基づき、全庁的に平成20年度までの後期5ヵ年での改革を進めているところであるが、農林水産部においても、投資事業等について、事業の必要性や効果等を的確に評価、検証をし、効率的・重点的な整備に努めているところである。





○(合田博一 委員)  平成15年度の決算によると、「新ひょうごの森づくり」に投入した予算は、おおよそ30億円である。県のこれまでの取り組みに対して、240万人に上る県民や企業が負担する県民緑税が導入されると、5年間で105億円が県の収入となり、このうち77億円、1年に換算すると15億円の財源が森林保全のために確保されることになる。すなわち、年度当たり1.5倍の予算が今後確保されるということである。


 このような県民の負担を求めるに当たって、県民の声は、県の行革努力は十分なのかということである。このことについて、この議論については強い県民の声があるわけであるが、強く認識していかなければならない、このように思うのである。


 次に、当局は、災害に強い森づくりとして、三つの事業を計画されている。防災林整備は、対象となる面積すべてを5年間でやりきる計画になっているが、針葉樹林と広葉樹林のパッチワーク化と自主防災の森は、5年間で50ヵ所を行う計画であり、中でも、パッチワーク化については、対象面積1万3,000ヘクタールのうち、11%に当たる1,500ヘクタールを5年間でやるとされており、公平性の観点からも、事業の選定は非常に難しいのではないかと推察する。このことは、森林・動物共生の森づくりについても、同じようなことが言えると思う。


 そこで、お伺いしたいのは、この5年間で行う事業の選定については、当然ながら透明性・妥当性が求められると考えるが、どのように事業箇所を選定しようと考えておられるのか、お伺いする。





○(三上豊かな森づくり室長)  防災林整備を除く事業箇所の選定に当たっては、森林所有者の承諾や整備方法など地域との合意形成のもとに進めることとしているが、それぞれの森づくりの目的に応じて、山地崩壊等への危険度や人家への影響などの緊急性、また費用対効果、そして、こうした事業の効果が広く県民の方々へアピールできること、また、他地域への波及性など、これらのことを総合的に勘案して選定していきたいと考えている。





○(合田博一 委員)  県民緑税が、県民税均等割の超過課税として実施される。個人の場合、240万人もの県民が課税対象になるということである。そうであるならば、県民に理解を求める努力がもっともっと必要ではないかと考えるのである。


 先行した他の県では、県民への理解や周知にかなりの時間を費やしていると聞いているが、どういう取り組みを行っていくのか、お伺いしておきたいと思う。





○(黒田農林水産部長)  本県では、かねてから全国に先駆けて県民総参加の森づくりを進めてきたが、こうした取り組みの結果、ひょうご森の倶楽部など約50の森林ボランティア団体での5,000人を超える継続的で活発な活動があること、あるいは全国でも最大規模であるひょうご森の祭典は、その回が48回を数えるなど、森づくり活動の広がりと深まりが見られるようになってきている。そういったことから、県民の森づくりへの機運は高まってきているのではないかと考えている。


 こうした状況の中で、18年度実施までの1年間の準備期間においては、県民緑税制度やその使途について、さらに徹底した説明等を行い、広く県民の皆様方の理解を得る努力を重ねていきたいと考えている。


 具体的には、関係部局総力を挙げて、一つには、県下各地で幅広い県民を対象とした説明会の開催、また、県ホームページを活用したあらゆる各種広報媒体を活用したPRを行うこととしている。


 とりわけ農林水産部としても、災害に強い森づくりに取り組む緊急性あるいは重要性をテーマに、流域単位での講演会、あるいは県民局単位でのフォーラムの開催、さらには森林教室や集落での集会での説明、そして、ひょうご森の祭典あるいは県下各地で開催する地域育樹祭など、森づくりイベントを活用した普及啓発も行っていきたいと考えている。


 いずれにしても、この1年間、あらゆる機会を活用して県民に周知、理解を求める最大限の努力を重ねて、円滑な実施をめざしていきたいと考えているので、よろしくお願いする。





○(合田博一 委員)  最後に、もう1点、里山ふれあい森づくりについてお伺いしたいと思う。


 ご承知のとおり、CSR事業は、法人県民税法人税割の超過課税を活用し、これまで事業を展開してきた。12年度からは、スポーツクラブ21を開始し、現在、県民交流広場事業のモデル事業を行っているところである。本格実施については決定していない。


 そのような中、平成17年度から、新たにこの事業の一環として、里山ふれあい森づくり事業に取り組まれるということである。


 そこで、この里山ふれあい森づくりについてどのように取り組むのか、お伺いしておきたいと思う。





○(前川農林水産局長)  人々の生活の中ではぐくまれ、多くの恵みを与えてくれた里山林は、生活様式の変化に伴って、そのかかわりが薄れて、また放置されるようになり、荒廃が進んでいるところである。


 このような状況の中で、人と里山林との新たなかかわりを創造するために、本県では、全国に先駆けて自然活用型野外CSR事業による「ふるさとの森公園」など、里山林の整備に取り組んできているところである。林業白書に紹介されたり、環境省の「里地里山保全再生モデル事業」に兵庫県南部地域が選定されるなど、本県の里山林整備の取り組みは、高い評価を受けているところである。


 現在、都市住民を中心に約50団体、5,000人を超える森林ボランティアが育っており、里山林で多様な活動を実践されているところである。また、森林に関する多様な専門的知識に基づく緑の少年団活動の支援等を行っていただいている森のインストラクターの活動も活発化しているというところである。


 こうした取り組みの中で、遠くの里山でなく、身近な場所での自然観察や環境学習など、地域活動として実践できる里山林整備が強く求められているところである。


 こうしたことから、コミュニティやボランティアによる自発的な活動の場や環境学習の場としての活用、また、地域住民を初め、広く県民が自然と触れ合う里山林としての利活用を図るための里山林の整備、遊歩道、あずまや等の設置などによる里山ふれあい森づくりを実施していきたいというふうに考えているところである。





○(合田博一 委員)  我が会派としては、先ほども申し上げたが、森林保全の必要性、また重要性については十分理解もしているし、否定もしていない。しかしながら、今回の県民緑税については、今定例会に提案されるまでのプロセスに問題があり、県民の理解を得るための取り組みが不十分であったということを重ねて指摘し、私の質問を終わる。





○(山口信行 委員長)  以上で合田委員の質疑は終わりました。


 次に、北川委員。





○(北川泰寿 委員)  私の方からは、瀬戸内海の水産業の振興、水産資源の回復、学びの農、ひょうご食品認証制度の今後の展開について伺っていきたい。


 我が兵庫県も有する瀬戸内海は、気候が温暖で潮流の変化が大きい漁場であり、底びき網漁業や、ノリやカキの養殖漁業が幅広く行われており、多様な海の幸を食卓に届けてくれている。特に、重要な養殖水産物であるノリは、ご飯とともに、日本型食生活になくてはならないものである。


 生産枚数で全国1位を競っている本県のノリ養殖については、昨年11月から刈り取りが始まり、鹿ノ瀬や東播磨、淡路島の沿岸漁場では、これから4月末の漁期終了にかけ最盛期を迎えようとしている。


 近年、ノリ漁場では、栄養塩が植物プランクトンに消費され、栄養塩不足となり、ノリ特有の黒い色がつかない色落ちが頻発している。


 県では、平成14年度から、県漁連と連携して、色落ち対策に取り組んでいるところであるが、今漁期は、幸いにもノリ養殖が生産日本一復活、絶好調であるとの新聞報道もあり、色落ち被害のない漁期になるのではと期待しているところである。


 そこで、今漁期が好調な理由についてのご所見を伺うとともに、ノリ養殖業を安定して持続的なものとして振興していくため、今後どのような取り組みをされていくのか、お伺いする。





○(楠本水産課長)  本県のノリ養殖は、瀬戸内海側の漁業生産金額の約40%を占める基幹漁業であるが、近年、色落ち被害が発生しており、ノリ養殖業経営の大きな不安要因となっている。


 このため、県では、ノリ養殖関係県、国と連携して、色落ち原因の解明を行うととともに、今漁期から、ノリ養殖業者に「珪藻赤潮予報」を定期的に発信して、被害軽減を図っている。


 現在までのところ漁場環境は安定しており、今漁期のノリ生産状況は、10億5,000万枚、116億8,000万円で、前年に比べて枚数、金額とも約30%の増と順調に推移している。この理由として、台風による降雨で、河川からの栄養塩の供給量が多いこと、色落ちの原因である珪藻プランクトンの大量発生がないこと、さらに、漁期初めからノリ養殖業者に対して「珪藻赤潮予報」を迅速に提供したことにより、安定した積極的なノリ養殖が行われたことが要因であると考えている。


 県では、漁期末の4月まで引き続き「珪藻赤潮予報」をノリ養殖業者に提供して、色落ち被害の発生を未然に防止するとともに、今後も予報精度の向上や、病気に強く味のよい優良品種の開発に取り組むなど、本県ノリ養殖業の持続的な発展に努めていきたい。





○(北川泰寿 委員)  昔から、「水清過ぎれば魚住まず」という言葉がある。今、台風の被害のことが逆に何か若干プラスに、このノリ養殖業についてはプラスになったのかなという気もちょっとした。余り水をただきれいにするというよりも、この辺の漁業の、農水産のことについて取り組みながらやっていくのが正解なのかなと感じたところでもある。


 次に、水産資源の回復をめざした瀬戸内海の再生についてお伺いする。


 瀬戸内海の漁業については、全体として厳しい状況が続いており、この夏には再び豊潤の海をよみがえらせるため、全体としての再生方策を沿岸関係自治体で取りまとめられると聞いている。


 また、県下でも、私の地元御前浜でのアサリや、東播磨沿岸でウチムラサキの生息数を回復させることにより、豊かな海の再生事業を展開すると聞いている。


 そこで、水産業の振興を図るため、瀬戸内海全域を視野に入れた水産資源の回復をめざした取り組みが必要であると考えるが、今後の方針についてお伺いする。





○(前川農林水産局長)  県においては、水産業の振興を図るために、つくり育てる漁業の推進に取り組んできている。しかし、漁業者は、近年のノリ養殖の色落ち被害や漁獲量低迷の原因が、瀬戸内海の漁業環境が悪化しているためと考えており、今後の漁業経営に不安を抱いておられる。


 このため、環境浄化に役立つウチムラサキを増大させて、植物プランクトンの大量発生を抑制し、水産資源としても再生する事業を展開し、漁業者の不安解消を図っていきたいと考えているところである。


 さらに、瀬戸内海全域を、豊かな水産資源がはぐくまれ、持続的な漁業生産ができる海として次世代に引き継いでいくためには、自然を再生していくことにより、生物多様性を回復させることが何よりも重要であるという視点に立ち、藻場・干潟の再生、浅海域の底質の改良、漁場環境の改善を図っていきたいと考えている。


 このため、目下、具体的な方策を、関係府県、漁業団体等と連携して検討しているところであり、今後は、その方策を取りまとめ、総合的な法整備をめざしていくとともに、瀬戸内海の海の恵みを享受できるすべての関係者が一体となって再生事業に取り組むことにより、豊穣の海としてよみがえらせていきたいというふうに考えているところである。





○(北川泰寿 委員)  先日、私の地元西宮の方で、御前浜、甲子園浜といったことを含む、県民局単位での取り組み、いろいろ会議が行われた。「環境の都市再生」「新たなベイエリア構想」という言葉も県土整備の方で使われているが、ぜひ農林水産の観点からも、十分取り組まれて提言されていると思うが、一体となってしていただければと思う。


 次に、「学びの農」の推進についてお伺いする。


 子供たちによる凶悪な殺傷事件が多発し、大きな社会問題となっている。子供たちが荒れている原因の一つとして、自然との接触の絶対的不足を指摘する声もある。


 私の地元西宮もそうであるが、都市環境の中、子供たちが自然と触れ合う日常的機会が少ないことも事実である。


 農業は、自然そのものではなく、2次的自然ではあるが、自然の摂理に沿って行われる生産・産業であり、農業を通じ、自然や動植物との接触を可能とするものである。また、農林水産体験を通じ、「農」の重要性を知ってもらうことも重要である。


 こうしたことを背景に、子供たちの農林水産体験の機会づくりを進めてこられているが、これまでの取り組みの評価についてお伺いする。





○(藤田総合農政担当課長付参事)  子供を対象とした「農」の体験学習としては、平成5年度から毎年、小学生が約1万人参加する稲作体験と、その体験作文コンクールを実施するところの「ひょうごっ子コメづくり体験事業」、それに、平成15年度にスタートし、毎年親子が100組以上参加する、楽農生活センターでの稲などの栽培体験事業を実施している。


 さらに、森林の分野では、緑の少年団の延べ1万8,000人による植樹・枝打ちなどの森林整備体験、また、水産の分野では、小中学生が毎年約4,000人参加する、水産技術センター等での、魚に触れたり、魚の生態を学習する水産教室などに取り組んできているところである。


 こうした取り組みは、「農林水産」の体験学習の機会と場を提供するもので、子供たちの「食」や「自然環境」、「生き物」への関心を高めることに役立ってきたと考えている。しかしながら、外食・中食の増加等により、ますます「食」と「農」の距離が拡大する近年、また、子供の感動につながる体験も減少していると言われる中で、今まで以上に農山漁村との交流を視野に入れた体験の機会拡大と質的な充実が必要であると考えている。





○(北川泰寿 委員)  体験学習というのは、過去、私の地元西宮市を初め、阪神間でもいろいろと取り組まれてきている。なかなか成果が難しいという言葉もよく聞いている。西宮に関しても、尼崎、阪神間に関しても身近なところでそのきっかけとなるものは取り組むことができると思う。ぜひ身近なところからも充実していただければとも思う。


 次に、この「学びの農」推進作戦についてお伺いする。


 子供たちが農業・農村体験を通じ、自然や環境、地域の文化に関心を持ち、その重要性に気づかせる「教育ファーム」というものがフランスでは盛んに行われているようである。年間600万人もの子供たちが農村に出かけ、農業や自然環境を学んでいると言われている。


 こうした取り組みは、先ほど述べた心に悩みを持つ子供や非行など問題を生じている青少年に対する教育的効果もあるとのことであるが、農林水産業への関心を持ち、ひいては都市と農村の交流を活発にすることにつながるのではないかと思う。


 平成17年度から、農林水産部では、「学びの農」推進作戦として、子供たちを対象とした、多様な「農」の体験学習を展開するとのことであるが、その展開についてお伺いする。





○(黒田農林水産部長)  神戸市と東京都との小学生を対象とした昨年のある調査では、「心打たれる感動体験がない」、こう答えた子供が79%、また、別のある調査では、「日の出日の入りを見たことがない」と答えた子供が52%、このように、子供たちの実体験の貧困さが指摘されており、体験を通じて、自然や地域、文化を理解する必要性がますます重要になってきていると認識している。


 このため、県としては、17年度から、一つには、農山漁村に三、四泊して、地域の人々や子供たちとの交流、農林水産の作業体験、こういったことを行う「子供自然体験ファーム」、二つには、学校周辺の農地で稲や野菜などの栽培を行う「いきいき農作業体験」、そして、三つには、学校の空き教室などを利用して、パネルや農作物の展示と「農」に詳しい地元農家等が学習指導を行う「学びの農」学習教室の開設、また、森林では、小学生を対象に地元主体で森林学習の場として里山林を整備・活用する「里山学習体験の森推進事業」、さらに、水産関係では、県漁連との連携による親子向けの「魚のさばき方体験学習事業」など、地域や関係者が一体となって、子供の幅広い体験を支えていく新たな取り組みとして進めることとしている。


 これら「学びの農」の取り組みは、子供たちの食や環境、生命、あるいは地域への理解を深めるとともに、都市と農山漁村の交流の拡大、深まりがつながるものであり、本県が提唱する食と農を楽しむ「楽農生活」の柱でもある。農林水産部として、このような「学びの農」推進作戦を積極的に推進していきたいと考えている。





○(北川泰寿 委員)  ぜひ積極的な推進をお願いしたいと思う。


 最後に、ひょうご食品認証制度の今後の展開についてお伺いする。


 本県は、瀬戸内海から日本海まで広大な県土を有し、地域特有の里・山・海の幸が数多く生産されるおいしい食材の宝庫と言われている。ところが、BSEを初め、昨年の鳥インフルエンザの発生、食品の偽装表示等の一連の食品事件を契機に、食品に対する不安感や不信感が高まり、県産食品が持つ本来のおいしさを十分に評価されにくい状況が見受けられている。


 このような状況下、昨年、県産食品の安全性や個性、特徴を審査して認証する「ひょうご食品認証制度」を創設されたが、量的拡大、地産地消を推進していくため、さらなる消費者等へのPR強化が望まれる。


 国においても、さきに答申された「食料・農業・農村基本計画」で、食に対する消費者の信頼を確保する検討が求められるところである。


 そこで、これまでの取り組みを踏まえ、今後の展開、強化についてご所見をお伺いする。





○(和田消費流通担当課長)  本制度において、現在143の食品を認証しているところであるが、ご指摘のとおり、安全・安心でおいしい県産食品を食べたいという消費者の声にこたえるためには、県産食品の認証食品のより一層の拡大が必要と考えている。


 このため、制度をつくって2年目となる平成17年度においては、従来からの取り組みに加えて、次のような取り組みを展開していくこととしている。


 まず一つには、生産者に対しては、生産履歴の記帳とか、農薬取締法を遵守する生産体制づくりへの指導、そして、生産グループ員が共同で利用する出荷用コンテナの導入や水産物の流通・販売戦略を構築するための市場調査等、このような認証食品の質の向上と量の拡大に向けた取り組みを支援していく。


 また、食品製造業者に対しては、県産作物を原料とする商品の開発に向けて、技術的、また経費的な支援を行い、認証の拡大に取り組んでいく。


 さらに、卸売市場関係者に対しては、認証食品が確実に消費者のところにその特徴をわかるように届けることができるよう、その取り扱い方針の研修を行う。また、市場における認証食品の取扱量をふやすための方策を、卸売市場整備計画の検討の中でも検討していきたいと思っている。


 また、量販店での認証食品の販売コーナーを設置することへも支援を行い、認証食品を消費者に届ける仕組みづくりを、来年度早急につくっていきたいと考えている。


 また、最後に、消費者に対しては、やはりこの制度並びに生産者が思いを込めた認証食品についてご理解をいただくということが一番重要かと考えている。このため、兵庫県民農林漁業祭での試食・展示の実施や、それから、生産者と消費者が交流する認証食品の産地を訪れる産地めぐりツアーの実施、また、量販店の協力を得て、「認証食品フェア」を年複数回開催して、消費者の方が認証食品を買う機会をふやすというふうな努力をしていきたいと考えている。


 このように、今後は、生産者と流通関係者、消費者、県など行政が一体となって、認証食品の一層の質の向上、量の拡大に努め、地産地消を図っていきたいと考えているので、ご指導をよろしくお願いする。





○(北川泰寿 委員)  ぜひ取り組み、頑張っていただきたいと思う。


 ただ、一つ要望しておきたい。地産地消ということで、また、今「フェア」とか言われた。何か部局的には産労とか、県民生活部とかの関連もあるんじゃないかなと思う。ぜひ部局等々と取り組みながら、積極的に推進していただくこと、また、学校給食等に、地産地消においては、自分たちが特に「学びの農」でかかわったようなものであれば、また喜んで取り組み、また興味を持つものと思う。ぜひあわせて積極的にこれからも推進していただくことをお願い申し上げて、私の質問を終わる。





○(山口信行 委員長)  以上で北川委員の質疑は終わりました。


 次に、杉本委員。





○(杉本ちさと 委員)  県は、2006年度から県民緑税を導入すると提案した。個人の場合、納税者1人当たり800円ずつであるが、緑税のことを県民は余りよく知らない。ご存じの方は、県民は、緑税を負担すれば、山がきれいに整備、保全されると思っているが、これで本当に山はきれいになるのか、お尋ねする。





○(三上豊かな森づくり室長)  先ほど来述べているように、いま現在、公益的機能に着目して、一つの柱として、「新ひょうごの森づくり」を展開している。しかし、今回の台風被害等を踏まえると、やはりまだまだ新たな課題が出てきている、まだ十分でないというふうな点もある。そういった中で、先ほど申したように、防災林整備、また自主防災の森づくり、それから針葉樹と広葉樹との混交林化等々、災害に強い森づくりを計画的に実施していくことによって、十分その力は発揮できるものと考えている。





○(杉本ちさと 委員)  十分な施策が行われないようである。知事の本会議答弁でも、税収自体は、緑の保全・再生の施策全体からすると、その一部を充足するものとならざるを得ない、このようにおっしゃっている。ほんの一部しかよくならないのなら、県民は納得できないのではないか。


 緑税導入の最大の理由に、森林の荒廃を挙げて、使い道も主に災害に強い森づくりに充てられている。昨年の一連の台風で森林は大きな被害を受けた。これだけ災害に弱い森になった原因は、国が杉やヒノキのみ、密植造林だけに補助金を出して、画一的な人工造林を進めておきながら、外材を輸入し、林業が成り立たないようにしたことが最大の原因である。この点では、県の責任も重大である。旧造林公社、今のみどり公社は、2万ヘクタールもの分収造林を進めてきたが、木が売れなくなり、莫大な借金を抱えている。県みずからが拡大造林を積極的に進めて、災害に弱い森をつくった、この責任をどう考えているのか。





○(三上豊かな森づくり室長)  林業を取り巻く情勢については、先ほども述べたように、戦中、戦後非常に乱伐が行われ、森林が非常に荒廃したわけである。そういった中で、それを復旧するというのが最大の課題であった。そしてまた、戦後、住宅を初めとした復興資材、ほとんどがこれは木材である。それをいかに造成していくか。そういう中で、杉、ヒノキという、非常に建築用材として世界的にもすぐれた樹種であり、また、成長が早い、こういったものを一生懸命植えて、戦後のそういう状況にこれを役立てようとしたわけである。


 そういった中で、朝鮮特需というふうなことを契機にして、経済成長がどんどん行われ、非常に木材需要がふえていったわけである。そういった中で、その当時の昭和36年の朝日新聞の社説にもあるように、当時、物価が4.5%上がった中で木材が30%以上上がったという事実がある。そういう中で、国民に対してそれでは木材の供給ができないというふうなことで、緊急輸入に踏み切ったわけである。それが現在、木材の輸入の自由化につながり、そしてまた、変動相場、プラザ合意において非常に円高になり、木材産業が非常に打撃を受けた。そういう中で、採算性が悪化した。せっかくそれを育てていこうとしたが、そういう採算性の悪化から、やはり手入れをどうしても怠ってきたというのは事実である。


 そういった中で、その時代、時代の要請に応じた施策を講じてきたわけであり、私たちは、それに対しては何ら恥じることはないと思っている。ただ、外的要因でもあるが、結果としてそういうことになったということに対しては深く反省し、平成6年度から、公益的機能に着目してもう一つの柱としてやっていっているわけであり、そういう考え方である。





○(杉本ちさと 委員)  「深く反省をし」というお言葉があったが、責任というのは、しっかりと受けとめなければいけない。その責任を棚上げにしてということでは、やっぱり県民は納得できないというふうに思う。県が率先して人工林化を進めてきたわけである。木材価格が下がって、間伐を行っても運搬費用も出なくなった。間伐が進まなくなって、荒れた山がふえたのである。今日の森林の荒廃をつくり出した責任というのはある。


 県は、14年度から「森林管理100%作戦」で間伐を進めていくとしているが、この実績について伺いたい。





○(三上豊かな森づくり室長)  「森林管理100%作戦」については、45年生以下の間伐が必要な森林のうち、放置されている8万7,500ヘクタールを公的管理の充実により間伐を行うものである。14年度から23年度までの10年間の計画としている。


 初年度の14年度は約7,800ヘクタール、2年目の15年度には約1万ヘクタール、累計1万7,800ヘクタールの間伐を実施している。目標面積に対して進捗率は20%ということで、計画どおり進んでいる。





○(杉本ちさと 委員)  2年間で1万7,800ヘクタールということであるが、1ヘクタール当たり3,000本で、2割の間伐を行おうとすると、1,000万本以上の木が間伐されたことになる。この間伐材が利用されたのは、どれぐらいで、どのように活用されているか。





○(島津林務課長)  間伐材の利用実績は、平成14年度では6万5,000立方メートル、15年度では8万2,000立方メートルであり、その主な用途としては、杭とか階段工などの土木工事用資材、緑化木の支柱、それから林地の表土流出を防止するための土どめ工などに活用している。





○(杉本ちさと 委員)  山の中で活用されているのを含めると、二、三割の利用ということであるが、事前にお聞きしたところによると、山から搬出され、利用されたのは1割程度、1割に満たないということである。そうすると、900万本もの間伐材が山に放置されていることになる。


 人工林というのは、適切な間伐が行われて、下草が茂るようにし、手入れが続けて行われてこそ、保水力のある土壌の強い森になる。しかし、これだけの間伐材が放置されていれば、手入れのよい、災害に強い山になるわけがない。また、間伐を行って高齢の木を育てても、売れる見込みがなければ、その木は切って持ち出されることがなく、新しい木が保育されることもない。循環が断ち切られてしまうわけである。これでは災害に弱い森の問題は何も解決しないのではないか。


 こういう状況を放っておいて、災害に強い山をつくるからと県民に増税を要求しても、理解は得られないのではないかと思うが、いかがか。





○(島津林務課長)  森林は、伐採、植栽、保育といった林業生産サイクルが円滑に循環することによって再生するものであり、特に、間伐等の保育であるとか、木材の利用の推進を図ることが重要であると考えている。


 このため、杉、ヒノキの木材生産機能を重視した従来の林業政策に加えて、川上では、経済情勢の変化の中で、公益的機能に力点を置いた「森林管理100%作戦」を実施しているわけである。


 また、川中においては、木材の供給・流通システムの改善を図る必要があることから、素材生産業や製材業が一体となった品質の向上とか、流通改善の取り組みを指導・支援しているところである。


 さらに、川下においては、「ひょうごの木造・木質化作戦」として、「県立施設木造・木質化20%作戦」や「県産木造住宅10倍増作戦」の展開に努めているところである。


 こういう取り組みを進めることによって、森林の循環を進めていきたいと考えている。





○(杉本ちさと 委員)  本当に災害に強い山や森をどうつくるかということが問題だと思う。初めに述べたように、人工林全体のうち、対象となるのはわずか数パーセントにすぎない。その他の90%以上の山は荒れたまま放置されることになるのではないか。そのような山をきちんと整備するために、林業生産活動のサイクルが成り立つような支援こそ、災害に強い山づくりの上でどうしても欠かせない。


 そこで、林業の振興についてお尋ねする。


 県は、その施策の一つとして、公立施設の木造・木質化作戦を進めているが、県産材がどんな施設に、どのように使われてきたのか、把握しておられるのか。





○(島津林務課長)  木造施設については、平成16年度では、県施設については、木造化については、野外CSRの施設とか集会所、それから駐在所、また、木質化施設については、県立高校、特別養護老人ホーム、それから西播磨養護学校等、県営住宅も含めて、そういうようなところに木造・木質化をしている。また、市町施設等についても、伊丹市における大鹿交流センターとか、朝来町における温泉プール等に活用しているところである。





○(杉本ちさと 委員)  他の部局での活用状況については、数量のみしか把握しておられない。木造・木質化の全庁的な推進には、木材利用推進会議が設けられているが、各部局に活用をお願いするというだけでは、結果は量の報告しか求めないというのでは、県産材の利活用を引き上げるのは難しいのではないかと思う。


 やはり各部局、できれば市町の状況も含めて、どこに、どのような形で使われたのか、もっと活用をふやす余地はないのかなど、そういう知恵を出し合う場が必要だと思うが、いかがか。





○(島津林務課長)  公共施設の木造・木質化については、今お話があったように、推進会議の方で全庁的にそれに取り組んでいるし、また、市町についても、公共施設等の重点実施プランというのを平成16年度から策定し、それぞれ市町にもお願いして、県については、各部局そういう推進会議の中で利用を図っていきたいと思っている。


 また、そういう実施プランを立てて、平成15年度、公共施設で1万立方メートルのものを、今後3割増の1万3,000立方メートルに拡大していきたいと考えている。





○(杉本ちさと 委員)  いずれにしても、林業を抜本的に振興させることなしに、県下の山を災害に強くすることはできない。県は、緑税の充当事業のメニューをいろいろ挙げているが、今まで述べてきたように、問題を脇に置いたままで、県民緑税を取ることを前提にした事業を挙げるべきではない。数年来の災害に備えるというが、必要な事業なら、予算の見直しこそ行うべきではないか、このように思う。例えば、育樹祭に4億円もつぎ込んでいる。これこそ見直すべきではないかと考えるが、いかがか。





○(黒田農林水産部長)  先ほど来からご答弁申し上げているように、山の保全、森の保全に対しては、さまざまな切り口からその大切さというものを訴えてきた。したがって、全国育樹祭に多額の経費を要するというご指摘であるが、これについても、「県民総参加の森づくり」ということを基本的な考え方の中に入れた中での行事である。そういった意味で、我々としては、防災に強い森林整備、あるいは林業の生産サイクルと先ほどお答えしたが、伐採から、そして植栽、そして保育というこのサイクル、どの切り口からもやっていかなければならない課題だと思っている。


 今後とも、我々としては、その森の整備、山の整備について全力を挙げて取り組んでいく考えである。





○(杉本ちさと 委員)  最後になったが、県の森林政策は、県民が緑税を払うことを納得できるものではないことを改めて表明して、質問を終わる。





○(山口信行 委員長)  以上で杉本委員の質疑は終わりました。


 次に、石川委員。





○(石川憲幸 委員)  先ほどから県民緑税と県産材の利用促進の話が出ていたので、私、実は2番目にその質問をしようと思ったのであるが、先ほどの余韻も残っているので、2番目から先に質問したいと思う。当局側、どうぞよろしくお願いする。


 先ほどから、緑税、いろいろと議論が出ているが、これだけ森林が荒廃しておって、これはもう待ったなしの状況なのである。であるから、私は、もう早急に森林を整備していく。そのために、「森林管理100%作戦」、これは10年間で8万7,500ヘクタールであるが、非常にこれ重要な施策だと思っている。


 それに加えて、さらにその事業を拡大していくためにそれともう一つ大事なことは、県民がすべてかかわり合ってこの森林整備をやっていく、こういう意識づけというのは非常に大事だと思う。二、三年前の森林に関する県民アンケートでも、そんなに大きくない負担であったら、私たちは、みずからが負担してでも森林整備を行っていくことに、これはやぶさかでない、賛成だ、こんなアンケートもとられた結果もあるので、私は、特に、今回、地球温暖化の問題もあるし、水害というか、風水害のこういう被害を皆さん方が認識をされておられる時期に、この県民緑税を積極的に推進していくべきだと思っているので、ひとつぜひ頑張っていただきたいと思っている。


 そういう意味において、一つ、県産木材利用推進のための融資制度について、質問したいと思っている。


 先ほどもちょっと出ていたように、山をどんどん手入れをしても、それから出てくる県産木材の利用推進をしなけりゃ、これ何にもならんわけである。川上から川下まで、これは関連してどんどんとこの流れをうまくつくっていく、こういうことが必要だと思っている。


 それで、今、なかなかその活用が進んでおらないのは非常に私も残念だと思っている。現在、住宅を建設する場合、1軒当たり50%の県産木材を使用すると1,500万円、60%使用すると2,000万円の低利融資が受けられる制度を今、推進しておられるが、現在の融資制度が十分活用されていないのではないかと心配している。それは、県産木材住宅の建設を担う中小工務店の資金調達力が弱いために、受注戸数をふやすことができないことも、その要因の一つであると思う。


 このことも含めて、今後、この制度の活用促進にどのように取り組まれようとしているのか、お伺いしたいと思う。


○(黒田農林水産部長)  委員ご指摘のとおり、森林が、伐採、植栽、保育の林業サイクルが円滑に循環することによって再生するものであり、その一つに、伐採した木材の利用、先ほどの公共施設の利用に加えて、とりわけ木造住宅に積極的に活用するということが最も重要であるということで、本県では、全国に例のない、有利な県独自の融資制度を創設して、その利用を促進しているところである。


 県では、イベントやチラシによる県民へのPR、あるいは工務店への直接訪問による制度利用の働きかけを強力に進めている。16年度の利用実績は大幅に増加して、貸し付け認定件数約170件、県産木材使用証明件数約200件と、我々が計画した見込みまで達するところまで来た。私自身も、現在、県内で多数の住宅を建設している地域住宅メーカー、一般的に「地域ビルダー」と呼ばれているが、そういったところにも直接出向いて、県産木材の一層の利用拡大を強く働きかけているところである。


 さらに、17年度からは、内装に県産木材を30平米以上活用してリフォームした場合、これにも最高500万円を10年2%で融資するリフォームローンも新たに実施することにしている。


 その一方で、工務店あるいは製材業者、素材生産業者、こういった人たちで構成している「ひょうご木のすまい建築市場協議会」、この協議会と金融機関が連携して中間資金払いのシステムを17年度から運用することとしており、中小工務店の円滑な資金調達にも資するものと考えている。


 今後こうした取り組みを通じて、本制度の一層の活用と県産木材の利用拡大に積極的に努めていきたいと考えている。





○(石川憲幸 委員)  先ほど部長のご答弁にもあったように、家が建ってしまってから、50%使ったから1,500万円、60%使ったから2,000万円と、こういう低利融資を行う。ところが、ずっと工事は流れているわけであるから、できることなら、その建てる工務店が、なかなかこれ資金調達力が弱いわけであるから、途中どころで、中間どころで例えば一部融資をするとか、そういうふうな柔軟な制度に少し改善して、さらにこの県産木材利用のための融資が皆さんにうまく使っていただけるような、何も差し上げるわけじゃないから、これは融資であるから、返ってくるから、そういう形で、ぜひ金融機関とさらに連携をとってうまく進めていただきたいと思っている。


 県有施設を2割県産木材を使う、木質化する、3割に今度ふやすという、その制度も非常に大事なのであるが、量的にはしれている。やっぱりこの県産木材を使うというのは住宅である。この住宅にどんどんこういう県産木材が流れていくような、そういうような流れをしっかりととっていただきたいと思うのであるが、ただ一つ問題を指摘しておきたいのであるが、その県産木材を使うために、今、住宅を建てるのに、柱とか、けたとか、はりとかいう、その構造材があり、その構造材をうまくほぞを合わせるのに加工するのであるが、昔は大工さんがのみとかかんなでコンコンやっとったのであるけれども、今はプレカット工場といって、半自動みたいな形で材木をざっと流していって加工する、そういうのがほとんどなのである。ところが、それは、材木の品質が均一であって、乾燥が十分なされていてという、機械が相手であるから、品質を均一化した材木が流れてこないことには、このプレカット工場というのは動かないのである。ところが、外材の場合は、もう大量生産でガンガンやってくるから、非常に均一化している。内地材の場合は、今、中間的な加工業者がなかなか弱いものであるから、加工が十分なされていない。それから、品質も十分な均一化が保たれていない。こういうことがあって、プレカット工場は、内地材、特に県産材を少し敬遠する部分がある。もちろん価格が安いものも選んでくるから。


 そういうことであるから、この川中のプレカット工場に供給する皆さんに対しても、ぜひ品質を上げる、それから乾燥技術を上げる、そして、それでいてなおかつ安くできるという、そういうような仕組みをうまく図ってあげていただけたら、これはうまく川上から川中、川下へ流れていくのじゃないかと、こういう気もしているので、余りこれ以上言うと手前みそになるので、もうこれぐらいで置いておくが、ひとつこの緑税の取り組みとともに、川中、川下対策もぜひ力を入れてあげていただきたいと要望して、最初の質問に戻らせていただく。


 先ほど、野間委員とか、中田委員からもちょっとお話が出ていたけれども、農業の担い手対策、特に、農家育成強化についてお尋ねをしたいと思う。


 農業の構造改革の指針となる新しい食料・農業・農村基本計画がまとまった。10年後のカロリーベースの食料自給率を今の40%から45%に引き上げるということを目標にして、足腰の強い農業経営をめざして、大規模農家や認定農業者の育成に力を入れようという方向である。


 世界的な流れを見ると、WTOの農業交渉であるとか、FTAの交渉の流れに伴って、農産物の一層の市場開放が進むということは、もうまず間違いないと思う。それと、今の農業就業者の60%が65歳以上となっているという、こういう現実を見ると、やはりしっかりとした足腰の強い農業者を育てていくと、こういう方向は、私、非常に正しい方向だと思う。


 片一方で、中山間地域の直接支払制度であるとか、稲作所得の基盤確保対策など、小規模農家を含めた支援策も同時に進められているわけである。そのことについても、優良農地を確保したり、水源涵養機能を維持したり、環境保全という意味からも、これは一定の理解はできるわけである。


 しかし、これは、大規模農家の育成の面から考えると、一方で少しでも規模拡大とか、高付加価値農産物生産による所得を上げようと頑張っている大規模農家と、非常に効率が悪いから、農業をやっていて維持をすれば、少し保障がもらえるという小規模農家と、同じ農業政策なのであるけれども、片や高く売って利益を出そう、片やそこそこやっていれば、そのまま高く売らなくてもいいわ、いいわとは言わないが、安くても仕方ないなというような方と、どうもその制度が矛盾してるのではないか、そういう気が私は非常にしているのである。


 そこで、産業育成という意味での支援と、農地や集落保全といった集落機能維持施策としての支援を整理をする、そういう時期に来ているのではないか、そういうふうに思うが、当局のお考えをお伺いする。





○(荒木農政企画局長)  本県の農業・農村の基本方向についてのお尋ねであるけれども、私どもとしては、今ご紹介いただいた認定農業者であるとか、大規模な集落営農を行っているといった、いわば大規模農家の皆さんが、持続的に効率かつ安定的に農業経営を行うという、いわば通常申している「産業としての農業」といった側面と、さらには、中山間地域が多く、しかも小規模な兼業農家が9割を占める状況にある。さらに、今お話しいただいた、農地だとか、そういういわゆる多面的機能を持っているといった、そういう側面に着目して、農地や里山等の地域資源を維持していく、さらには地域の活性化を図る、いわばこれを知事は「生活としての農業」と言っているけれども、こうした振興の両面を図っていくということが必要ではないか。ビジョンにおいても、そういうふうなことをうたっていて、そのような取り組みをやっているところである。


 こうした中、国においては、従来の施策が、ともすれば農業を産業として振興する産業政策と、農村地域を維持振興する地域政策とが十分に整理されてない状況の中で実施されてきた側面もあるというふうなことの認識のもとに、基本計画の見直しにおいて、施策とその施策の対象を明確化している。産業政策として、認定農業者に対して施策を集中的かつ重点的に実施すること、さらには、地域振興政策として、地域住民が一体となった農地の保全管理、中山間地域等直接支払制度等であるけれども、これへの取り組み支援を推進することとされている。


 このような動きを踏まえると、日本の縮図と言われる本県であることから、そういった私どもが進めてきている基本方向というのは、本県の実情にも即したものであるということと、やはり社会経済情勢の変化の中でそういうふうにならざるを得ないといったような両面から見ても、妥当というか、即しているのではないかというふうに考えているところである。このような施策を今後、強力に推進して、二つの方向の農業・農村政策を進めていきたいと考えているので、ご理解をお願いしたい。





○(石川憲幸 委員)  先ほどのご答弁でもあったけれども、私は、小規模農家を保護することも大事であり、何もこれを否定するわけではないけれども、ただ、先ほど言ったように、一生懸命産業として収益を上げていこうと頑張っている大規模農家に対して、余りにも保護するばかりに、この小規模農家が邪魔をするといっては何だが、そういう意欲のある人の足を引っ張るのではないかなという、ちょっと私は心配をしているのである。


 そういう意味で、同じベクトルに意識づけをする。大規模であろうと、小規模であろうと、やはり農業を通じて生活をしていくんだ、やっぱりしっかりやっていくんだという、そういうその意識が同じ方向へ向いていないと、農業政策というのはうまくいかないのではないかと、そんな気がするのである。


 そういう意味合いから、小規模農家であっても、将来的には頑張っていこうというその意欲を持っていただくために、大規模農業経営化への支援についてちょっとお尋ねをしたいと思うのであるけれども、この厳しい国際農業競争の流れの中で、将来は小規模農家支援策も、ちょっと方向転換をせざるを得ないのではないかというふうに、私はちょっと思っているのである。みずからが自立できる経営を早急につくり出す必要があろうかと思う。


 極端に非効率な地形の地域は、これはもう例外として、さまざまな工夫で効率的な農業経営が可能な地域は、積極的にこの大規模農業経営化への支援を打ち出すべきではないかと思う。そして、この場合、農地の賃借などの活用促進による流動化が大切ではないかと考える。


 そこで、賃借などによる農地の流動化促進による大規模経営化にどのように取り組まれるのか、お伺いしたいと思う。





○(伍々農業経営担当課長)  産業として農業を担う効率的かつ安定的な農業経営をめざす認定農業者や集落営農組織、いわゆる土地利用型大規模農業経営を含めて、育成することが重要であるというふうに考えている。


 このために、委員ご指摘のような、賃借等を含めた経営規模の拡大への支援であるとか、経営改善に対する支援を行っているところである。


 具体的に申し上げると、賃借による規模拡大に対する支援としては、認定農業者が賃借により規模拡大をした場合に、規模拡大支援金を交付するとか、農地保有合理化事業による農地の利用集積の支援を行っている。また、経営改善に向けた支援としては、規模拡大に必要な機械、施設等の整備に対する支援、農地、機械施設の取得等への長期低利資金の貸し付け等の支援を行っているところである。


 今後は、認定農業者への農地の利用集積が円滑に行われるように、農業委員会を中心として、農地利用調整体制を強化するとともに、県経営改善支援センターによる税理士等の専門家による経営診断であるとか経営相談の実施、法人化への指導、新規就農者を雇用する農業法人への支援を実施していく。


 これらの支援により、国内外の産地間競争にも十分対応し得る、経営感覚にすぐれた認定農業者であるとか集落営農組織を育成していきたいと考えている。





○(石川憲幸 委員)  小規模農家がこれからしっかりと収益を上げていこうという流れの中には、今おっしゃったように、やっぱり集団化していく、例えば、集落営農であるとか、農業法人に土地を貸して、それで大きく農業経営をやっていただく、こういう流れは絶対必要だと思うのである。ところが、今の農家、特に、高齢者の方は、所有権と耕作権とが一緒になっているのである。土地の所有権は私だけれども、耕作権は、ぜひひとつ農業法人の皆さんやってくださいとか、集団営農をやっている責任者の皆さんお願いします、こういうふうに、所有権と耕作権を分離するという、そういうことの啓蒙活動もこれは非常に大事なことではないかと思うのである。であるから、いろいろと今、策を練られていると思うけれども、そういう意識改革を積極的にやっていただくことが必要ではないかと思っている。


 そういうことも含めて、今度、「美しい村づくり資金」の創設についてお伺いしたいと思う。


 農業を産業として振興していくことなど、地域農業を活性化させていくためには、各種施策の展開とともに、意欲ある農家の積極的な生産活動や安定した経営を金融面から支援することも重要である。例えば、昨年の台風被害を受けた農家などに対する支援では、「豊かな村づくり資金」の災害資金が、この2月末で約13億円と大きく活用されているとお聞きしている。


 そうした中、平成17年度には、県単独資金である「豊かな村づくり資金」を見直して、「美しい村づくり資金」を新たに創設されるとのことであるけれども、どのような理由で創設されようとしているのか、また、新たな資金制度にはどのような特色を持たせようとされているのか、お伺いしたいと思う。





○(木下農林経済課長)  本県では、農業者等が農林水産業を元気で生き生きと営み、地域を活性化し、自然や景観など魅力ある地域資源を積極的に活用、保全することで、地域住民が心身ともに豊かな生活を送ることはもとより、訪れる都市住民にも安らぎや憩いの場となるような地域づくり、すなわち、「美しいむらづくり」を推進することとしている。


 そのため、農業者個人や集落営農組織、あるいは生活研究グループ等の団体が行う活動を支援することを目的に、「豊かな村づくり資金」を改組して、平成17年度において「美しい村づくり資金」を創設したところである。


 具体的には、農業近代化資金では、貸し付け対象は認定農業者等の主業農家に限定されていた。本県農業の大半を占める準主業農家や副業的農家等が対象外となってしまっている。このため、県独自にこれら農家の生産活動も支援していく観点から、農舎やトラクター等の導入に必要な設備資金、肥料等の生産資材や雇用労賃等の運転資金を新たに融資することとし、さらに、集落営農団体による農業機械の共同利用等に必要な設備資金、農業法人の経営基盤強化に必要な運転資金について、より低利の貸付金利を設定した。


 なお、女性や高齢者等による地域で生産された農産物の加工、販売や、都市と農村の交流促進のための農家民宿等の整備、災害復旧、食の安全・安心確保、市民農園の整備などへの貸し付けは引き続き実施していくこととしている。


 今後とも、融資機関である農協とも密接な連携を図りながら、この資金の積極的な活用を促進し、「美しいむらづくり」に努めていきたいと考えている。よろしくお願いする。





○(石川憲幸 委員)  先ほど、県産木材の中で外材の話が少し出ていた。それから、今の農業を営んでおられる方も、中国産など外国の安い農産物が大量に輸入されて、非常に苦しい、経営が大変だというお話も聞いている。であるけれども、もしそれをとめたとしたらどうなるか。これは、前の石油ショックのときに私たちはよく勉強しているのである。あるものが拡大していくと、供給側がそれでどんどんうまくいくのじゃなしに、総需要全体が落ちてしまうのである。そういう意味では、この保護政策というのは私は余りとるべきではないと思うのである。それよりも、輸入してくる製品に対して、品質なり、価格なり、サービス面で対抗する、こういう考え方が根底にないと、農業政策、また林業政策はうまくいかないと思う。


 そういう意味で、先ほど申し上げたように、木材でも利用であれば、川上から川中、川下のさらなる整備である。農産物の農家の問題であれば、できるだけ中規模から大規模の方へ、また、集落営農やとか農業法人なんかをうまく利用して足腰の強い農家を育成して、そして、高品質の、またブランドのいいものをつくっていく。有機農業も一つの方法だと思うが、そういう輸入農産物との対抗意識を持って取り組んでいくような、そういう農家をぜひしっかりと支援していただくことを要望して、質問を終わる。





○(山口信行 委員長)  以上で石川委員の質疑は終わりました。


 次に、石原委員。





○(石原修三 委員)  農林水産部の皆さんには、昨年の風水害で大変ご苦労をされたこと、心から感謝を申し上げて、敬意を表しながら、質問をさせていただきたいと思う。部長は、相変わらず市民農園をやっておられるそうであり、そういう方がこの農政を努力をしていただいていると、非常に安心をしながら質問をさせていただきたい、こう思う。


 私も、てんびん棒を担いだ、株切りもした、また山へ行っては植林もした、大体のことは一通り体で体験をしてきているので、そんなことを思いながら質問させていただきたいと思うのであるけれども、きょうは、県民緑税のことの中で、実は、私は、西川きよしのように、小さなことをこつこつと質問したい、こう思っているので、させていただきたいと思う。


 バッファーゾーンということで、もう大きく説明することは皆さんに必要はないし、皆さんもよくご存じだと思うから説明する必要はない。そこで、15年度で大体6億6,000万円ぐらい、鳥獣被害があったというふうなことから、バッファーゾーンを設けて、それぞれその被害を食いとめようということであるけれども、緑税の趣旨から考えると、そこをただ単なるバッファーゾーンとして木を切ってしまって裸にしていいんだろうか、私にとっては単純な疑問、そこをきょうはこの短い時間にちょっと皆さんにお願いしたいな、こんなふうに思っている。ただ単にそこにベンチを置いたりとか、どんなふうにされるのか知らないが、そういうふうな絵をかいてあった。私は、そうじゃなくて、そこに草木を置くなり、考え方によっては、そこをうまく利用して、利活用して、例えば、花壇苗を置いてもいいと思う。緑税の趣旨に沿うものに、緑に貢献をするものに私は考えていただきたいということを、この場をかりて言いたいなということで、ここで実は質問をさせていただこう、こういうことである。


 したがって、このバッファーゾーンを、うまく緑税の趣旨に沿うように利活用していただきたい、どんなふうに思われているのかということをお聞きさせていただく。





○(荻野森林動物共生室長)  野生動物については、森林等自然環境の中で単独あるいは群れで生息しているけれども、近年、えさが不足するなど、その環境が改変され、人里に出没する一因となっている。


 そのため、奥山において、えさ場だとか繁殖地など野生動物が住みよい生息環境の整備を行うとともに、人と野生動物のあつれきを解消するために、集落周辺の山裾部分にバッファーゾーンを整備するなど、森林・動物共生の森づくりを提案しているところである。


 バッファーゾーンの整備については、計画地の状況に応じて、樹木を残しつつ、見通しがよくなる適度な伐採にとどめるほか、維持管理経費の節減を目的とした雑草を抑える工法については、林の縁の部分、つまり林縁部に限定するなど、緑の喪失感のないような整備を行っていきたいと考えている。


 また、歩道等の配置により、自然観察の場としての活用や、牛の放牧地としての活用など、人と野生動物のすみ分け効果を高める工夫についても検討していきたいというふうに思う。


 一方、事業効果については、今後整備する「森林・野生動物保護管理研究センター」の実験調査フィールドとして、個体数管理、被害管理、生息地管理の総合的な視点で検証を行うこととしており、その結果を踏まえ、より効果的な事業実施に努めていきたいと考えているところである。





○(石原修三 委員)  ぜひ、この緑税、いろいろ議論があるけれども、やってよかったなということが後々検証されるように、私はやっていただきたいというのがお願いであるので、よくご理解いただきたい。


 続いて、先ほどからいろいろ議論がある、台風による林業被害のことについてお尋ねをしていきたいと思う。


 私も、先ほど来、植林をしてきたというお話をさせていただいたが、私も、この台風23号の後に、田舎の方から、ちょっと帰ってこいというようなことで呼びつけられて、帰っていくと、「お前、この山をよう見い。お前が小さいころには、ここにはこれだけの木があったはずや。今、見てみい」と。ほとんどなかった。いわれたところは、ほとんど根切れて、倒れて、ほとんど木らしい木は立っていなかった。そんな状況がたくさんあった。


 そんな中で、被害木の処理というか、非常にこれは困難をきわめるだろうなというふうに思ってきた。そんな中で、皆さんはチップにしたらどうかというようなこともおっしゃっている。しかし、この膨大な量が、果たしてそんなことだけでいけるんだろうか、こんなふうに思って、これはもう単純な疑問である。そこで、やはりそれだけじゃなくして、ほかにも方法があるんじゃないか。例えば、炭化する方法があったりとか、竹炭とか、いろんなことがある。いろんな方法もあると思う。私は、皆さんお互いに英知を結集して、さらなる方法を見出していかないと、この根本的な解決がなかなかできないのではないかなという心配をしている。


 それと、もう1点あわせてお伺いしておきたいと思うが、私も植林をしてきたと申し上げた。こんな急峻なところ、田舎の言葉で「さがい」という。こんなさがいところを苗を持って、モッコを担いで上がっていって、こんな短い、これで掘るのであるけれども、自分が立っていても滑っていくようなところでも植えてきたのである。植えないといけなかったのである。それが、帰ると、今度倒れてしまっている。


 私は、もう1点言いたいことは、こんなところに植えてもしようがないだろうと、同時に、今回被害を受けたというところは、お聞きすると、広戸風だとか、または風玉だとかいうお言葉があった。じゃ、今後、同じところに植え直しても、広戸風が来たら、必ずまた倒れる可能性があるということである。だから、そこをまた回復するというふうなことはむだじゃないかな、また違う方法を考えるべきじゃないかな、こんなふうにも私は思う。


 そういうことで、こういうことを二度と繰り返さない方法を少しよく考えていただきたいということをあわせて、質問をさせていただく。





○(黒田農林水産部長)  2点のことについてお答えする。


 最初の被害木の取り扱いとその利用であるが、風倒木の利用については、内部の割れによる強度の低下、あるいは風倒木が流通し、木材価格が下落するおそれがあるというようなことから、森林災害復旧対策委員会の提言も踏まえて、健全木との区分を明確にした上で、適正な利活用を行うこととしている。


 その中で、被害程度の軽微なものは、土木資材に使用する丸棒への加工、建築材として使用できる集成材への利用、こういったことを進めるほか、これらに利用できないものは、チップとして活用することとしている。


 このうち、チップ化されるものについては、現在、計画的に順次処理することとしており、県内のチップ工場やパルプ工場の生産能力からしても、持ち込んだ風倒木は円滑に処理されるものと考えている。


 今後とも、風倒木の伐採・整理、そして搬出・加工処理の一層の推進に取り組んでいきたいと考えている。


 それから、今後の森林の管理であるが、森林災害復旧対策委員会から、ことしの1月に提言を受けた「災害に強い森づくり」を進めるために、一つには、被害を受けた森林の復旧方法、二つには、被害を受けなかった森林の管理方法、これについて提言を受けたわけである。


 そのうち、被害を受けた森林の復旧については、その主なものとしては、一つは、従来の針葉樹の一斉造林ではなくて、コナラとか、アベマキあるいはクリといったような広葉樹を帯状あるいは群状に植栽して、針広混交林化を進めていくというふうなこと、二つには、杉、ヒノキ、こういった植栽においては、できるだけ幹を太らせて風害に強くしていくという意味で、植栽の密度、これをヘクタール当たり標準は3,000本なのであるが、これを2,000本程度に薄くしていくというようなこと、こういった内容の提言を受けている。


 また、被害を受けなかった森林、これの管理については、できるだけ根張りの発達を促すということで、効果的な間伐を実施していく、それから二つ目には、枝打ちは、重心が木の上部に偏らないように、樹高の2分の1以下にして、風倒木というふうなことを避けるという意味であるが、そういう提言をいただいた。


 今後、私たちとしては、事業の実施に当たって、こうした提言に基づいて行うとともに、さらに、急傾斜地等の防災機能が求められる森林については、従来の間伐に加えて、表土の流亡を防ぐための間伐材利用の土どめ工の設置による防災林整備、あるいは、集落の裏山を対象にした柵工等の防災施設設置による自主防災の森の整備にも取り組んでいく。


 今後とも、被害を受けた森林とあわせて、被害を受けなかった森林においても災害に強い森づくりを進め、そうしたことによって、県民の安全と安心の確保という面についても努めていきたいと思っている。





○(石原修三 委員)  力強いご答弁をいただいた、このように思っている。


 1次産業というのは、私は非常に難しいなと、先ほどからさまざまな角度で皆さんのご質問を聞いていて、本当に1次産業の難しさというのを感じている。これは、しかしなくてはならないことであるから、皆さんの本当にたゆまない努力というか、それがこの兵庫県においては、これからも大きく皆さんの努力が必要だろうなというふうなことを強く感じている。今後とものご精励をお願い申し上げて、私の質問を終わる。





○(山口信行 委員長)  以上で石原委員の質疑は終わりました。


 次に、北浦委員。





○(北浦義久 委員)  本日、農林水産部最後の質問になるわけであるが、もう既に7人の方が農林水産各般にわたり質問されたので、私の方から質問することがもうなくなってきたのじゃないかと心配をしていたが、通告をしていた内容について、若干ダブるところもあろうかと思うけれども、質問させていただきたいと思う。


 特に、私は、農業、そしてまた農村の問題を中心に取り上げて、質問をさせていただきたいと思う。


 まず、第1点は、この農林水産業の振興を図っていく上においての基本になる「ひょうご農林水産ビジョン2010」が制定されてから5年になるわけであるが、この歴史をたどってみると、昭和52年に、農林水産業の安定的な発展を図るということで、5年のスパンでもって農林水産業振興計画を策定して、農林水産業の振興を講じてきた。その後5年ごとに改定をされて、17年度また改定の時期を迎えているということになるようであるけれども、こうした歴史を振り返っても、社会経済情勢の著しい変化の中で、農林水産業の低迷、そしてまた農山村集落の崩壊といった問題が非常に大きな課題として、今日ものしかかっているわけである。


 こうした背景のもとで、平成12年度に策定された「ひょうご農林水産ビジョン2010」、また、これは各それぞれの県民局単位において、「地域農林水産ビジョン2010」ということで策定されてきているわけであるが、この改定の時期を迎えるに当たって、来年度の17年度予算の中で、新たに当初予算でもこの改定が計上されているわけであるけれども、今回のまず見通しに当たっての背景をどのように理解し、そして、「ひょうご農林水産ビジョン2015」の新しい計画の策定に当たっての基本的な考え方について、どのように考えておられるのか、まずお伺いしたいと思う。





○(黒田農林水産部長)  農林水産ビジョンに掲げる「21世紀の「農」を拓く農林水産業・農山漁村の実現」、これに向けての各般の取り組みを毎年評価・検証し、「ひょうごみどり白書」として作成、公表しているところである。策定後の評価を総括すると、全体としては、ビジョンの実現に向けておおむね順調に進んでいると判断しているが、しかし、安価な輸入農畜水産物の増大、あるいは国内市況の低迷等の影響から、農畜水産物の生産が年を追って目標と乖離するなど、特に、生産振興の面において状況の厳しさを再認識する結果となっている。


 そうしたことに加えて、さらに、一つには、平成13年9月のBSEあるいは昨年の鳥インフルエンザの発生、さらには食品の不正表示の続発、そしてWTOやFTAなどの国際的な動き、そして米政策の転換、そして、このたびの国の食料・農業・農村基本計画を見直し、27年度を目標とする新たな計画を今月中にも閣議決定するとされており、こうした諸情勢に的確に対応していく必要があると考えている。そうしたことから、県では、昨年から農林水産政策審議会における調査、審議を開始し、ビジョンの見直しに着手したところである。


 この中では、特に、「食」の安全・安心への関心の高まりから、県内消費者に信頼される農林水産物づくりを第一に、認定農業者や集落営農等、多様な担い手による生産体制の強化、中山間地域など高齢化が進む農山漁村地域の再生などの視点を新たに加えて、生産者、消費者、農山漁村、都市、これらの別を問わず、すべての県民が「農」にかかわりを持ち、「農」の恵みを享受できる、こういった社会の実現に向けた政策展開が図れるよう、広く県民の参画を得ながら、新たなビジョンの策定を進めていきたいと考えている。





○(北浦義久 委員)  今、国の動き等を踏まえて、これからの取り組みについての基本的な考え方を示されたわけであるけれども、ぜひ農業、また農村、これをしっかりととらえて、立派な計画をつくっていただきたい。


 そういう中で、本県においては、既に「夢ビジョン」ということで各地域でビジョンを策定し、行動されているわけであるけれども、こうした県のビジョンとの関連も、ひとつしっかりととらえていただきたいということをお願いしておきたいと思う。いずれにしても、この計画を策定するに当たっては、やはり県内各界の意見を十分に吸収をしていただいて、それぞれの層の皆さんから理解が得られる計画にしていただきたいということをお願いしておきたいと思う。


 次に、2番目の問題、その中で、やはり農村集落、農村社会の問題、いろいろと気になるところがある。特に、但馬、丹波、あるいは播州北部、淡路のように、中山間地域を持っている地域については、それぞれの地域で農業を中心にして地域が構成されているわけであるが、いろいろと農業に力を入れながら、その地域社会の維持にも、農村が非常に大きな役割を果たしてきているのではなかろうかと思うのである。そういった点で、中山間地域における農業の維持発展、そして農村集落の維持については極めて重要な課題であろうと思う。


 そこで、これらの中山間地域における農業の維持発展と農村集落の維持についての基本的な考え方と、もう一つは、平成12年度から実施されているけれども、中山間地域への直接支払制度が行われてきたわけであるけれども、この制度についても次期対策が講じられようとしているわけであるが、これらの次期対策について、どのような状況になっているのか、その概要についてもあわせてお伺いしたいと思う。





○(常友農村環境課長)  中山間地域は、県土の約70%を占め、食料供給の場であるとともに、水源の涵養や洪水調節、人々との豊かなふれあいの場など多面的な機能を有し、県民生活にとって重要な役割を担っている。このため、県では、農業の振興や農村の活性化を図るため、引き続き農業生産基盤や農村生活環境の整備など、各種施策を総合的に実施することを基本としている。


 現行の中山間地域等直接支払制度は、平成17年度3月現在、県下77市町のうち43市町、4,548ヘクタールで実施しており、その結果、新たな耕作放棄地の発生が抑制されることに加え、農業機械の共同利用によるコスト削減、特産加工品の開発、景観作物栽培等による集落活動が活発化するなど、一定の成果が得られたところである。


 平成17年度からの次期対策においては、自律的かつ継続的な農業生産活動の体制整備を進めることに重点が置かれ、新たに集落営農化や担い手の育成などが求められていることから、本県としても、その政策目標が十分に達成できるように、市町等と連携を深め、中山間地域の活性化に取り組んでいきたいと考えている。





○(北浦義久 委員)  県土の70%を占める中山間地域の対策というのが、本県におけるやはり調和のとれた県土という点で考えても大変重要な課題であろうと思う。


 そういう中で、中山間地域対策としての直接支払制度、さらにこれから新たな視点を入れて取り組まれるようであるが、ぜひこうした制度を活用して、中山間地域対策を講じていただきたいと思う。


 そうしたこの中山間地域の問題で1点触れておきたいと思うのは、昨年の台風23号等による被害について、やはり淡路とか但馬等、中山間地域を抱えている地域の被害が非常に大きかったわけである。この復旧・復興に向けて、今、鋭意取り組みをいただいているところであるけれども、この災害に対する取り組みの現況をひとつお伺いしたいということ、また、今回の災害において、ため池や農地など非常に被害が大きかったわけであるけれども、これらの管理面を見たときに、やはり従来はこれはもう所有者が、あるいはまた、ため池については、利用している利用者が中心になって維持管理をしてきたわけであるけれども、もうご承知のとおり、高齢化が進み、そして過疎化が進んでいっている。その上に兼業化が進んで、実際にその地域でそれを支えていく人たちが非常に少なくなっているという現状になっているわけである。そういったことが、今回の災害を大きくしてきた一つの要因にもなっているのではないか、こんな感じもするわけである。


 そこで、特に、ため池の管理等については、これらのため池の持っている公益的機能であるとか、あるいは国土の保全機能という観点から、これを評価して、そして、この管理についても公的な支援システムを構築していってはどうか、こんな思いがするわけである。この点についても、ひとつあわせてお伺いしたいと思う。





○(大平理事)  まず、災害復旧への取り組みであるが、今回の台風23号の特徴というのは、記録的な豪雨であったということもあり、流域全体にわたって広範囲に被害が生じたということである。したがって、復旧に当たっては、農林水産部と県土整備部が連携して復旧計画をつくる必要があるということで、この1月1日に「災害復興室」を組織して、両部連携のもとに、先般、「復旧・復興事業推進計画」を策定したところである。


 この計画をつくるに当たって腐心したのは、単に施設を復旧することではなくて、復旧した後に、従前にも増してきちっとした営農がされるということが何よりも大事だ、それなくしての復興はないということで、ここでは「営農と災害復旧に関する処方箋」に基づいて、同時に「地域農業再生プラン」というものも作成している。また、一部については取り組んでいる最中であるが、いずれにしても、こういった営農がされるということを前提とした災害復旧であるが、これらの事業については、現在、土砂の撤去や工事発注などの事前準備をしていて、引き続き本工事に着手して、平成18年度末までには終えたいというふうに考えている。


 次に、ため池の管理であるが、委員ご指摘のように、ため池には多様な機能があるわけであるが、災害時の対応と同時に、日ごろの水利管理をきめ細かくしなければならないというような農業の営農との関係もあり、ご提案の公的管理というのは有効な方法ではあるが、果たしてそれで本当にため池の機能を健全に確保できるのかどうかという点も検討する必要があるのではないかということであり、今般、学識経験者や市町の代表等で構成される「ため池管理等に関する検討委員会」を設置して、ため池の公的管理や中山間地域等の直接支払制度等の活用による公的支援も視野に入れながら、適正な管理のあり方、あるいは災害に強いため池づくりを検討いたしたいと思っている。


 これらの検討結果も踏まえ、「ひょうご治山・治水防災基本計画」を策定することとしているので、流域全体を対象とした再度災害の防止対策を講じていきたいと思っている。





○(北浦義久 委員)  災害の復旧については、特に、流域をとらえてこれからの復旧を図っていくということで、県土整備部とも連携しながら計画を立案し、これからいよいよ本格的に取り組まれるということであるが、ぜひひとつすばらしい復旧をしていただくようにお願いしたいと思う。


 また、ため池の管理については、検討委員会を設置されて検討されるということであるが、ぜひこの検討委員会の中で、これからのため池の管理はどうあるべきかということを十分に審議をいただき、今後のため池の管理が十分に行えるような体制づくりをひとつぜひ考えていただきたい、このことを重ねてお願いしておきたいと思う。


 それでは、次に、農業の生産の問題について少し触れてみたいと思う。


 農業の持つ最大の機能は、もうご承知のとおり、これは食料の生産にあるわけであるけれども、今、人口動向を見ると、我が国においては、来年をピークとして、これからは人口減少パターンに入っていくということであるが、世界的に見ると、現在の63億人余りの人口がさらに増加して、2050年には90億人に達するだろう、また、今世紀末には100億人に達するのではないかという予測もあるわけであり、この食料問題については、これからも非常に大きな課題になってくるわけである。


 そういった点で、トータルでこの食料の問題については、これは当然国の施策として考えていただかなければならないわけであるが、我々県としては、これは県民に対して安定的な食料供給ということが大きな課題であるが、これからこの県民に対して食料を供給していくという観点に立って、農業の生産振興策について、今後どのように取り組んでいかれるのか、お伺いしたいと思う。





○(荒木農政企画局長)  15年度の本県の農業の産出額を見てみると、約1,650億円であり、これは、近畿の6府県の全体の約3分の1を占めている。近畿で第一の食料の生産また供給県である。こんな地位にあるわけである。


 しかしながら、きょうも多々ご議論いただいたが、農畜産物の価格の低迷であるとか、それに伴う農業経営が伸び悩んでいるということ、さらには生産者が高齢化していること、さらには自然災害によって大きな打撃を受けたというふうな形で、農業を取り巻く環境は非常に厳しいものがある。


 しかしながら、先ほど部長なりが答弁したように、「食」というふうな観点から農林水産業に対する関心、「環境」といった面からの関心といった形の中で、私どもというか、農林水産業、農村に熱い期待があるのも事実である。


 このような形をとらまえてビジョンの改定を行って、こたえていきたいというふうに考えているけれども、そうした中で、農地を保全して、多面的機能を発揮させて、懸念される世界的な食料危機に備えるためにも、総合的な対策が必要である。


 そうした中で、農業生産の振興については、まず消費があって生産が成り立つというふうな意識のもとに、消費者の皆さんのご要望にこたえる安全・安心で愛される農畜産物の生産振興を進めていきたいというふうに考えている。


 そうした中で、一つには、今申し上げた「売れるものづくり」である。良質米であるとか、加工適性の高い麦・大豆の生産を図っていくといったようなもの、さらには、きょうもご議論いただいたが、人づくりをすること、多様な担い手として、認定農業者であるとか、集落営農でもご議論もいただいた。農業生産法人への人づくりの支援もしていきたいと考えている。


 さらには、その「人」、「物」に対して、「仕組み」も重要である。直売所であるとか、地産地消といった、いろんな方がさまざまな取り組みをしているけれども、食品産業との連携を図りながら、そういった仕組みづくりにもますます努力していきたいというふうに考えている。


 このような、いわゆる「ひょうごの食の生産拡大大作戦」について、17年度においても施策の拡充をしたところである。これらを円滑に実施して、本当に農業の生産がもっともっと図られるような努力をしていきたいと考えているので、引き続きのご指導をいただければ幸いである。





○(北浦義久 委員)  農業生産についての基本的な考え方について伺ったわけであるけれども、いろいろと農業生産をめぐる問題については、消費者の動向、関係者が非常に多いわけであるけれども、そういった方々の意見も聞きながら、本県農業の振興のために、これからも取り組んでいただきたいと思う。


 そういった農業生産の中で、少し視点を変えて、特産農産物というか、農畜産物の振興についてどのように取り組んでいくのか、ひとつここで伺っておきたいと思うのであるが、一つは、野菜であるとか、果樹であるとか、花卉、これらについては、それぞれの地域地域で、例えば、野菜については、淡路の南部地域を中心にしたタマネギ、レタス、あるいは神戸近郊の近郊野菜、また但馬の高原野菜とか、あるいは丹波の山の芋とかいったように、それぞれもう既に地域的な特産もあるわけであるけれども、こういったものを、これから兵庫県としてどういうように特産を伸ばしていくのか、この考え方についてお伺いをしたいと思う。





○(佐藤農産園芸課長)  本県には数多くの特産の農産物が栽培されている。ただ今ご指摘いただいたように、例えば、淡路地域にはカーネーションであるとか、レタスとか、タマネギがある。神戸には花壇苗、播磨ではブドウ、丹波の山の芋、そして但馬では岩津ネギ等あるわけである。これら既に定着している産地については、引き続き生産なり流通改善のための支援を積極的に進めていきたいというふうに思う。


 また、さらに、新たな特産物づくりにも積極的に取り組みたいというふうに思う。まず、野菜では、例えば、最近、鍋用に使うミズナ、こういったものは、食の洋風化につれてサラダ用の品種が出てきている。こういったような新しい品目を導入していくとか、あるいはまた、明石や加古川周辺では、「ぺっちん瓜」という地域に昔から伝わっている伝統的な野菜、こういうものがあるので、こういったものの掘り起こしを通じて、それぞれの地域の立地条件に合った、特色のある新たな産地の育成に努めていきたいと思う。


 果樹では、都市近郊に立地する条件を生かして、桃やサクランボ、こういった今後有望と思われる品目を導入することとか、消費者の好む優良品種を中心とした直売、観光農園、オーナー制等多様な形態の産地づくりを進めていく。


 花については、新たな需要を喚起していくために、花壇苗や花木を中心にして、地域で生産されたものを地域で使い、育てる、これを私どもは「地産地育」という名称で呼びたいと思っているけれども、地産地育の育は「育てる」ということであり、消費するのではなく、さらにこれを育てていこうということである。こういった県発注工事等において県産花卉を積極的に利用する、こういう仕組みづくりを構築していきたいと思う。


 いずれにしても、気候風土や立地に恵まれた兵庫県の特色を最大限に生かして、「地産地消型野菜産地育成事業」等の事業を活用しながら、特色のある産地づくりを進めていきたいと考えている。どうぞよろしくお願いする。





○(北浦義久 委員)  新しい産地づくりというのは、なかなか難しい点もあろうと思うけれども、やはり消費者に直結していくような形で、ぜひ特産地づくりをお願いしたいと思う。


 もう一つ、これは畜産。但馬牛は、非常に優秀な肉質を持っているということで評価をされているわけであるが、飼養頭数、飼養農家ともにどんどん減っている。こういった中で、やはりこの但馬牛を維持していくためには、増頭対策を考えていかなきゃならないのではないかと思うが、これについてのひとつ考え方をお伺いしたいと思う。





○(柳田畜産課長)  但馬牛の繁殖農家は、10頭未満の小規模農家が約8割を占めていて、高齢化等により廃業する農家が多く、平成7年をピークにして飼養頭数は減少している。子牛市場の出荷頭数、さらには県外からの購買客の減少の要因となっている。


 このため、従来から飼育規模や経営形態に合わせた担い手対策を講じているところである。16年度から、小規模農家などに対しては、共同作業や飼育技術研修などグループによる活動やヘルパー制度の拡充を行う一方、自立経営や規模拡大をめざしている農家に対しては、牛舎やほ乳ロボットなどの管理機器の整備に対する支援を行っているところである。


 また、耕作放棄地を活用した放牧など、低コストで省力的な技術の普及を図るとともに、肉質や味など但馬牛の特徴を維持しながら、発育や増体性にすぐれた牛づくりを進めて、経営の安定化を図っているところである。


 さらに、17年度においては、乳牛等の借り腹を活用した受精卵移植による効率的な但馬牛の生産を図るとともに、牧草給与を中心として健康な子牛の育成を行い、育成過程の情報開示などにより、家畜市場の活性化を図るなど、元気な但馬牛生産拡大対策を実施して、飼育農家の生産意欲の高揚と但馬牛の増頭を図っていきたいというふうに考えている。よろしくお願いしたいと思う。





○(北浦義久 委員)  但馬牛、これは兵庫の誇るすばらしいものである。ぜひ積極的に取り組んでいただきたいということを重ねてお願いしておきたいと思う。


 それでは、最後の質問に入りたいと思う。


 先ほど来いろいろとお話があったが、日本の農業、外国産農産物の輸入攻勢で、いうならば守りの農政を展開してきていたということであるけれども、一部日本の農産物の中で、海外に輸出をして評価を得ているという部分もあるわけである。


 そこで、これまでの守りの農政から攻めの農政への展開ということで、日本産農産物の海外への輸出という点に視点を当てて取り組んでいくのも一つの方途ではなかろうかと思う。


 こういう点で、本県においての攻めの農政という観点から農産物の海外輸出ということについてどのように考えておられるのか、お伺いをしたいと思う。





○(平形総合農政担当課長)  現在、我が国の農林水産物の輸出額は年3,000億円程度となっていて、輸入額の20分の1程度であるが、近年、海外では、日本産というのは、高品質で安全・安心という、そういう評価を受けており、例えば、最近4年間で、リンゴの輸出額であるが、13.3倍、長芋については7倍など、輸出が急増する品目も見られている。また、鳥取県産の二十世紀ナシ(5L)は台湾では1個1,000円で取り引きされるというふうに、日本屈指のブランドであれば、海外においても国内以上の評価を受けているような、そういう状況になっている。


 一方、本県の農林水産物については、しょうゆ、乾麺、清酒といった加工品を除けば、ほぼ輸出実績がない状況である。


 このため、県としても、17年度、JAや漁連等と連携して輸出促進協議会を立ち上げ、海外での成功事例の研修であるとか、輸出の有望品目の検討を行うとともに、まず、本年6月の台湾での国際食品見本市に淡路産のタマネギや瀬戸内のノリなどを出展し、18年度以降は出展品目と機会の拡大に取り組むこととしている。


 海外で評価されるということは、国内市場におけるPR効果もあるし、生産者に誇りあるいは挑戦する姿勢、そういうものを促すことにもつながるので、産地の活性化が期待できる。近年、アジアの経済成長であるとか、米中間での人民元切り上げ問題等を見ると、我が国の1次産業も再び競争力を持つ環境になりつつあるとも思うし、その意味でも、農政も攻めに転ずる時期に来ているのではないかと考えられる。高品質な産品が多いというのが本県の特徴であるので、輸出が本県農林水産業の元気につながる先鞭の一つになるように取り組んでいきたいと思っている。





○(北浦義久 委員)  本県においても、タマネギあるいはノリなどをひとつ海外へということで取り組みをいただいているようであるけれども、ぜひ本県のすばらしい農産物を海外へ輸出のできるような、そういう道をぜひ開いていただきたいと思う。よろしくお願いをしたいと思う。


 いずれにしても、農林水産部、「農は国の基」と言われるわけであるけれども、重要な分野を担当いただいているわけである。黒田部長を初め、農林水産部関係者の皆さん方には、本県の農林水産業の振興と農村の維持・発展にひとつこれからも力いっぱいのお取り組みをいただくように心から祈念をして、私の質問を終わる。





○(山口信行 委員長)  以上で北浦委員の質疑は終わりました。


 この際、お諮りいたします。


 農林水産部・復興本部農林水産部で通告のありました質疑はすべて終了いたしました。


 ほかに通告を受けておりませんので、農林水産部・復興本部農林水産部関係の質疑を打ち切りたいと思いますけれども、これにご異議ございませんか。


  (異議なし)


 ご異議ないと認め、さように決します。


 この際、暫時休憩いたします。


 再開は、午後1時50分といたします。


        午後0時56分休憩


……………………………………………………


        午後1時52分再開





○(杉尾良文 副委員長)  それでは、ただいまから予算特別委員会を再開いたします。


 これより教育委員会及び企画管理部教育課・大学課・復興本部企画管理部教育課の歳出審査を行います。


 それでは、質疑に入ります。


 この際、当局に申し上げます。


 答弁は、発言の趣旨を的確にとらえ、簡潔に願います。


 委員の発言は、通告に基づき、委員長より順次指名いたします。


 まず、松本隆弘委員。





○(松本隆弘 委員)  それでは、教育委員会トップであるが、よろしくお願い申し上げる。


 私は、環境教育と高校生の地域貢献事業の2点について質問させていただく。


 まず、環境教育推進プロジェクト事業の状況についてである。


 環境の世紀と言われる21世紀がスタートして、はや5年となる。去る2月16日には、地球温暖化防止のための京都議定書が発効されたところでもある。


 私自身、美しい明石の海に育ったものであり、かけがえのない兵庫の海、瀬戸内海を守り、次の世代に残すことが責務であると考えており、昨年9月の定例会で質問したところである。


 瀬戸内海については、ことしの夏に、沿岸関係自治体による会議が神戸で開催され、全体として取り組むべき再生方策が取りまとめられ、県としても、自然の復元力を活用した再生事業等に取り組まれると聞いており、そういった実現に向けて期待し、注目していきたいと考えている。


 そういった中で、このような環境再生事業を進めていく上でも、やはりかぎを握るのは、環境の大切さを理解し、守ろうとする担い手の育成ではないかと考えている。今の子供たちが、20年後には社会の中枢を担うと考えると、彼らへの教育が非常に重要になってくると思う。


 幼いころから、環境に対する意識を醸成していくことが求められている、既に教育委員会では、小中学校において環境教育推進プロジェクト事業を展開し、今年度も、瀬戸内海をフィールドとして、海の環境教育に取り組まれた。その取り組み状況についてお伺いしたいと思う。


 また、昨年10月1日に環境教育推進法、環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律が完全施行されたが、学校教育関係者には余り知られてはいない、そんな声も聞くところである。


 そこで、学校教育における環境教育が本法律によってどう変わるのか、あわせてお伺いをする。





○(重松義務教育課長)  兵庫県は日本海から太平洋まで多様な海を持っていることから、海を身近に考え、理解する「海の環境教育」を通して、海の環境に大きな影響を与えている私たちの生活様式や社会活動を見直していくことは大切なことである。


 そこで、本年度指定した海の環境教育実践推進校においては、実践的な研究を進めてきたところであるが、各指定校では、海を理解するために生物調査や水質調査をしたり、環境保全のために海の清掃活動や海洋汚染マップをつくったり、海に関連した仕事や作業として、カキの種つけや海水からとった「にがり」についての学習など、調査・観察等の体験を通した取り組みを行っているところである。


 また、平成16年10月に施行された環境教育推進法では、国が基本的な方針を定め、都道府県及び市町村がそれを勘案して、それぞれの地域の環境保全と環境教育の推進に努めるものである。教育委員会としては、その中で、学校教育などにおいて体験学習の充実、教員の環境教育についての資質向上の措置などについて支援することとされている。


 本県の教育委員会としては、法の趣旨を先取りして、海・川・森環境教育推進プロジェクト事業に着手しており、海、さらに川、森の環境教育プログラムの開発を進めている。来年度は、海に加え、川、森、学校林についても実践推進校を指定し、環境教育のさらなる推進を図っていく考えである。





○(松本隆弘 委員)  やはり、まず体験させることが本当に大事なことであろうと思っている。私自身、環境教育を本当に効果的に行うためには、地域活動への展開が必要不可欠であると考えており、その点についてお伺いをしたいと思う。


 平成17年度からは、海に加えて、川や森の環境教育に取り組まれるとのことであるが、環境に対する取り組みは学校ばかりでなく、既に地域においてもさまざまな取り組みが今なされている。また、健康生活部でも、新年度、ひょうご環境学校の創設などに力を入れていくということである。


 学校での環境教育を進めるに当たっては、子供たちが学んだことをいかに地域における実践活動に結びつけていくのか、すなわち、環境を守る教育からよりよい環境をつくる教育へと発展をしていくことが求められていると思う。


 来年度の取り組みを含めた今後の展開について、当局のお考えをお聞きしたいと思う。





○(杉本教育次長)  学校において、21世紀を生きる子供たちに環境問題について正しい理解を求めて、そして環境を守るための行動がとれるような態度を育成することは大変重要であると考えている。


 これまで各学校では、総合的な学習の時間とか、各教科等において、森林関係者から里山林の間伐体験の指導を受けたり、あるいはいきいき学校応援団の支援を得て、野鳥観察や水質調査などの体験活動が行われてきた。また、西播磨地域では、子供たちが地元の人々とともに地域の環境について意見交換を行う子ども環境学習フォーラムが開催される等の取り組みが進められている。


 県教育委員会としては、本年度、海から森までの環境教育に体系的かつ体験的、実践的に取り組めるように、海・川・森の環境教育プログラムを開発した。さらに、実践活動に結びつくように、環境保全活動などに長期にわたり積極的に取り組んでいる学校を顕彰するグリーンスクール表彰制度を全国に先駆けて創設したところである。


 今後は、環境に関する関係部局あるいは関係団体や学習拠点施設等と連携しながら、海に加えて、川・森のプログラムを活用した実践推進校での取り組みを推進するとともに、来年度は、新たに環境教育実践発表大会を開催して、地域と一体となった特色ある取り組みが全県下の学校で共有されるように努めるなど、地球規模で考え、まずは足元から行動するといった環境教育が各学校で推進されるように支援をしていきたいと考えているので、よろしくお願いする。





○(松本隆弘 委員)  教育も、あるいは環境も非常に難しいというか、時間のかかる問題であろうかとも思っているが、一つここでお願いしておきたいことがあるので、申し上げたいと思う。今、明石市では、全公立幼稚園の園庭芝生化と希望をする小学校・中学校に対して芝生化をやっていこうという取り組みをやっており、実は、すばらしいなと思うことが2点ある。


 一つには、最初、「だれがそんな難しいものを管理するんだ」ということが、園の関係者、保護者、地域の方が集まったときに出たらしいのである。しかし、それが、取り組みが始まると、そんな問題はあっという間に解決をしたということであり、実は、園児が一生懸命種をまくか、シートを張るかであるが、園児が一生懸命やった。そうすると、何が起こったかというと、園児が、毎日毎日その自分が植えたところを見るらしいのである。水をやり、それから雑草まで抜く。その園児が、1日に少し伸びれば大喜びをし、あるいは枯れてしまうと大泣きをする。そういうことが今起こっているようであり、これは大げさかもしれないが、命の大切さを本当に学べる、そんな授業になっているのではないかなと感じているのが一つ。


 もう一つは、その園児たちを見た先生、それから保護者、地域の方が、例えば、そのおかげで、しつけの問題であったり、教育あるいは、もっと広くは防犯の問題から、その地域にあるいろいろな課題を含めて、自然と輪になってそういう話をしているということであり、今、それぞれが自分の責任をきっちり果たしていこうと、自然にできていると聞いている。非常にいい事業ではないかと思っているので、きのう、我が会派の石原委員からも、公共施設の芝生化のことを質問し、県土整備部としても、ぜひ都市緑化の観点からも含めて、具体的な方策を考えていきたいという話も出ていたし、県土整備部ともご相談いただいて、全県下で取り組んでいただけたらということを要望しておきたいと思う。


 次に、高校生の地域貢献事業について、まず、新事業のねらいについてである。


 本県は、既に全国に先駆けて、小学校での自然学校、中学校でのトライやる・ウィークなど、体験活動の推進に取り組んでいるところである。私も、頭だけで考えるのでなく、まず体を動かすこと、体験活動を進めていくことには賛同するところである。


 高校生の社会活動を促進する動きとしては、東京都教育委員会が、平成19年度から、すべての都立高校約200校で奉仕活動を必修科目とする方針を固め、来年度から20校で試験的に導入する、そんな報道があった。また、長野県では、平成15年度から、高校生が地域への愛着心をはぐくみ、信州の未来を担う人材の育成を図るため、県内高校生のNPO活動体験や地域貢献活動を支援する施策を展開している。


 本県としても、新年度から高校生の地域貢献事業に取り組まれるが、体験活動の先進県である兵庫県として、この新事業のねらいと特色について、まずお伺いする。





○(武田教育長)  県教育委員会においては、小学校での自然学校を通して、生命に対する畏敬の念あるいは神秘な体験という形の感動する心、ともに生きる心等をはぐくみ、中学校でのトライやる・ウィークを通して、地域に学び、ともに生きる心や感謝の心をはぐくむなど、さまざまな体験活動を推進してきたところである。


 平成17年度には、高校生がこれらの体験活動で培った経験をより発展させて、地域に役立つ活動を展開する高校生地域貢献事業を実施することとしている。本事業は、高校生が地域のために活動することの喜びを実感する中で、地域社会の一員としての自覚、人を思いやる心、ふるさとを愛する心など、豊かな人間性をはぐくむことをねらいとしているところである。


 本事業の特色は、全県立高等学校の1年生全員が取り組むことである。また、高校生が、一人一人がばらばらにやるのではなく、クラス単位あるいはグループ単位で独自に企画して、地域に貢献することをめざそうとするものである。


 各学校では、高校生が自主的に、後継者不足で存続が危ぶまれている祭りに、みこしの担ぎ手として応援、参加したり、部活動の仲間が集まって、地域の小中学生にサッカーや野球などのスポーツ指導を行ったり、あるいは海岸や河川敷等で廃棄物等の回収活動を行って、子供たちの遊び場を再生させたりするなど、さまざまな地域貢献活動を期待しているところである。


 このような経験を通して、委員ご提案になったように、高校生の地域社会に対する参加意識を高めて、積極的に地域を支えていこうとする自覚と態度を培っていきたいと考えているところである。





○(松本隆弘 委員)  ねらいもわかったし、また、教育長からも、本当に大きな期待をしているという事業である。頑張っていただきたいと思うわけであるけれども、次に、今後の展開ということについてお聞きしたいと思う。


 私自身は、この高校生地域貢献事業が、高校生が学校から飛び出して、地域社会と積極的にかかわっていくこと、個人レベルのボランティア活動ではなく、集団として、グループとして活動を行っていくことに、今後そういった展開になることを期待するところである。


 しかし、この事業が人格を形成していく教育として取り組まれるのであれば、単に活動自体が地域社会に役立つものであったことで終わらせることなく、教育的なフォローこそが大切であると考える。


 聞くと、活動後には、高校生フォーラム等でその成果を発表することが用意されているようであるが、私は、例えば、その活動に取り組む前後で自分の考え方がどう変わったのか、また、自分たちが地域社会からどのように見られていたのかを顧みることや、計画したことが結果としてどうなったのか、その原因を検討し、討論していくことにも、取り組む必要があるのではないかと考えている。


 ひいては、高校生として、地域の未来を考え、その担い手となるよう動議づけていくことなども視野に置いて、事業の展開を十分検討していくべきである、そんなふうに考えている。当局のご所見をお伺いする。





○(岡野高校教育課長)  本事業では、高校生が独自に企画して地域貢献活動を行うこととしており、委員ご指摘のとおり、活動の中で得た経験を振り返らせ、日常的な取り組みへとつなぎ、地域の中で自分がどのような役割を果たせるかを考えさせるということは大変重要なことであると考えている。


 委員ご指摘の「生き方を考える高校生フォーラム」においては、高校生が地域貢献活動等での経験を振り返り、今後の学校生活に対する新たな目標や課題を持つ機会とする予定である。高校生が、地域貢献活動の前後でどのように自分が変化したか、あるいは将来どんな生き方をしたいかなどを語り、さらに、他の高校生のさまざまな体験発表を聞くことで、感動体験を共有するとともに、今後、積極的に地域の力となろうとする動機づけができるものと考えている。


 また、各高等学校では、高校生が総合的な学習の時間やホームルーム活動等を利用して、地域貢献活動における取り組みを積極的に話し合ったり、オープン・ハイスクールや文化祭等の機会をとらえて、活動の成果を発表したりすることなどが計画されている。


 このように、本事業で得た経験が一過性のものにならないために、各学校の実施状況を十分検証し、高校生が将来、まちづくりの担い手となれるよう本事業を推進していきたいと考えている。





○(松本隆弘 委員)  私も本当に高校生に大きな期待を寄せている。


 きのうであったか、日本の高校生で、自分の将来に夢や希望を持っている生徒が少ないというような報道もあったわけであるが、私は、やっぱりそんなことはない、日本の高校生というのは、もっともっと能力が高い、潜在能力はすごい高いと思っている。そういった意味で、今回の事業で、高校生のやる気を引き出す、そして能力を引き出す、本当にそういう事業にしていただきたいと思う。私も応援していきたいと思っている。


 最後に、これも3月19日の朝日新聞の大きな見出しで、「ゆとり教育見直し賛成78%」と出ていて、もう中身は言わないが、「めざす方向としては、ゆとり教育か、教え込む教育かの2項対立ではなく、教員らの意見を踏まえ、子供の学ぶ意欲を高める方策の検討が求められる」というふうに解説が出ており、本当にそうだと思っている。私自身、適切ではないかもしれないが、文部科学省がどうだとか、中央教育審議会がどうだとかという問題ではなく、これは本当にもう兵庫県の教育委員会として、本当の兵庫の教育の確立を早急にやっていただきたいと思っているので、またこれは要望であるけれども、ぜひ教育長を初め、教育委員会の皆さんに、日本の将来のために、兵庫のために頑張っていただきたいことをここで要望して、終わりたいと思う。





○(杉尾良文 副委員長)  以上で松本隆弘委員の質疑は終わりました。


 次に、岸口委員。





○(岸口実 委員)  早速、質問に入らせていただきたいと思う。


 まず、第1に、夢の持てる教員像について2点お尋ねしたいと思う。


 まず、その1は、優秀な教員の確保等についてである。


 私は、幼いころ、教員は聖職と言われていた。周りから「学校の先生になりなさい」と言われたり、また、友達が「学校の先生になりたい」と言えば、褒められていたのを覚えている。私たちは、先生に対するあこがれや親しみを抱きながら、学校へ通っていたということになる。


 先日、寝屋川市の小学校で痛ましい事件が起きた。この事件で犠牲になられた先生に対し、児童やその父兄から惜しみない言葉が寄せられていた。熱心に教育に取り組まれる先生の存在にほっとすると同時に、なぜこのような先生がと残念さが残るわけである。


 時の流れとともに、校内暴力、体罰、不登校、いじめ、そして学級崩壊、学力の低下など、学校を取り巻く環境は厳しさを増す一方である。


 こうした中、教員が敬遠される仕事にならないかと心配をしているところであるが、小学校の教員採用候補者選考試験の受験者状況を見てみると、10年前の平成7年度が1,152名、5年前の平成12年度が1,469名、平成17年度、ことしであるが、1,533名となっている。この数字を見る限り、まだまだ意欲を持っておられる方々が多いと思われるので、一安心しているところである。


 一方で、神戸市を除く市町立学校の退職者数を見てみると、平成13年度は、定年による退職者が152名、その他の理由による退職者が252名。平成14年度は、定年171名、その他の理由によるものが331名。15年度は、定年204名、その他390名となっている。この3年間を合計すると、1,500名ということになる。それに加え、現職教員の年齢構成から、ここ数年多くの退職者が出ることが予想され、19年度には定年による退職者だけで約430名が見込まれている。また、教員の年齢構成を見ると、こうした退職者数の増にも見られるように、年輩者の率が高く、アンバランスなものとなっている。


 そこで、少子化による需要減はあるものの、退職者を補う採用をしなくてはならないわけであるが、採用に当たり、どのように質、数を確保していくのか、また、この年齢間のアンバランスをどのように是正していくのかお尋ねする。





○(小林教職員課長)  委員ご指摘の教員の年齢構成であるが、とりわけ小学校教員の年齢構成のアンバランスであるとか、これを背景として、近い将来、教員の大量退職時代が到来することは、本県ばかりでなく、全国的にも大きな問題となっている。


 今後、教員の大量退職時代を迎えるに当たり、ベテラン教員が一気にいなくなることから、学校の教育力のレベルダウンとか、昇進管理上の問題などが危惧されるほか、大量退職に見合う数をそのまま正規職員で採用した場合、現時点で既に生じている年齢構成のひずみを今後も繰り返してしまうということになる。


 そのため、この大量退職により生じる教員数を単に新規採用者だけで確保するのではなく、この大量退職者の中には、困難な時代を乗り越えてきた豊かな経験や知識を有する優秀な人材が含まれていることから、これらの人材の積極的な活用を図る必要があると考えている。


 これからは、このように経験豊かなOB教員の活用とか、優秀で意欲のある学校外の人材を特別非常勤講師制度により採用するなどの施策を組み合わせながら、優秀な教員を安定的に確保しつつ、長期的に年齢構成のひずみを是正することをねらいとした計画を現在、策定している。


 また、あわせて、新規教員採用の工夫改善であるとか、現職教員の研修の充実など、資質向上にも継続して取り組んでいく考えである。


○(岸口実 委員)  対策を立てておられるということであるので、ぜひよろしくお願いしたいと思う。


 続いて、教員に対する施策についてである。


 学生時代には現場で実習を受け、教員試験の難関を乗り越えて教壇に立たれる教員でありながら、近年、子供たちの指導力に疑問があるとされる教員や、指導に悩み、自信をなくし、心を病まれる教員もおられると聞いている。私の知人の子供さんの例では、小学校の6年間のうち3年間は、年度途中で担任が交代されたということである。また、別の例では、1年間に2回も担任がかわったということも聞いている。また、この今週の日曜日の朝刊には、和歌山県の中学校の教師が見知らぬ女子高生に抱きついたという記事も出ていた。


 本県では、平成13年度から15年度までの3年間に、懲戒免職となった13名を含め、交通事故、体罰、わいせつ等で合計91名の教員が懲戒処分を受けている。


 一方で、子供たちの教育に変わらぬ情熱をささげる熱血先生も、まだまだ大勢おられるわけであるけれども、ただ、先ほどの事件と違って、こうした熱血先生は、なかなかマスコミに取り上げられないのが大変残念である。


 こうした中、本県教育委員会では、教育を改革するためのさまざまな施策を講じておられる。教育に関する改革については、さまざまな視点のあるところであるが、重要なのは、第一線の現場で教員が途中でやる気を失わないような施策とすることである。教育委員会、校長、教職員がそれぞれの役割を自覚と責任を持ってしっかりと果たすことが、学校立て直しの第一歩であると考えている。


 教員に対して、従来からの新任管理職メンタルヘルス専門研修、指導力向上を要する教員に対する研修等に加え、平成17年度から優秀な教職員の表彰制度を創設することとされている。今申し上げたように、教員に対する施策の基本は、教員のやる気を刺激し、向上させることにあると考えるものであるが、この表彰制度について、どのような目的で実施し、また、どのような効果を期待されておられるのか、お尋ねする。





○(青山教育次長)  兵庫の教育改革を推進し、地域との連携を図りながら、特色ある学校づくりを進めていくためには、何よりも教育の担い手である教職員が高い志と情熱を持ち、新たな教育課題に果敢に挑戦していくことが重要である。そのための資質能力や指導力の向上が求められているところである。


 県教育委員会では、平成13年度に設置した「教職員の資質向上に関する懇話会」の提言を受けて、教職員のパワーアッププランを策定して、教職員の資質能力の向上や士気高揚を図るため、県立学校における人材公募制度、あるいは若手教職員による自主研究グループ活動推進事業、また社会体験研修等を実施するとともに、教職員の意欲を高めるための表彰のあり方についても研究を進めてきた。平成17年度から、従来の表彰制度に加えて、多くの教職員から信頼され、教育実践に工夫、努力を積み重ねてきた教職員に対する表彰制度を新たに創設することとした。


 この表彰制度においては、例えば、部活動で児童生徒の能力・技術の向上にすぐれた指導力を発揮し、県・国レベルで優秀な成績を上げた者を初め、全国的な研究大会において発表・提案を行い、高い評価を受けた者、多くの教職員が利用できるような教材・教具の開発・普及に功績のあった者など、他の教職員の模範となるような優秀な教職員を表彰することとしている。


 このように、教職員の熱意や努力に報いることにより、教職員一人一人が意欲を高め、その持てる力を最大限に発揮することで、教職員全体のパワーアップを図り、兵庫の教育のさらなる活性化を図っていきたいと考えている。





○(岸口実 委員)  先ほどの質問にもあったとおり、子供さんが夢を持てないというか、逆に先生になりたいという、そういうあこがれを持てるような、目に見える形の施策をお願いしたいと思う。


 次に、学校の安全性の確保について質問させていただく。


 本年6月の代表質問で質問させていただいたが、大阪教育大学附属池田小学校の事件以来、学校の安全が失われ続けていると感じている。この事件を機に、県警ホットラインの創設や学校危機管理ガイドラインの作成が行われるとともに、各市町においても、監視カメラの設置や防犯ブザーの配布など、独自の取り組みが進められてきた。


 全国的に学校の安全確保に対する関心が高まる中で、また寝屋川市の小学校で事件が起こった。こうした事件や事故が起こると、児童、教職員等には大きな影響を与え、PTSDなど心のケアが必要となる。その上、完全な現状の回復は不可能であり、事件や事故の代償や犠牲は余りにも大きなものがあると感じている。


 大事なことは、二度とこうした事件や事故を起こさないとの決意と姿勢を迅速に社会全体に伝えることである。早急に、かつしっかりと社会の安心感を取り戻していかなければならない。


 県警では、昨年の実績で、警察官が現場到着までに要する時間は平均7分48秒であったとされている。学校においても、事件が発生した場合に、警察官が駆けつけるまでの間、自衛手段がどうしても必要になる。大阪府では、学校に警備員を導入することを表明した。このことは、事件発生の抑止力が期待できるものであると同時に、自衛の手段にもつながってくる。


 国では、平成17年度において、各都道府県への委嘱事業として、「地域ぐるみの学校安全体制整備推進事業」を実施し、防犯の専門家や警察OB等を地域学校安全指導員として配置することや、学校安全ボランティアをスクールガードとして育成するなど、学校の安全体制の整備についても検討することとしている。


 学校の安全確保については、こうした具体的な手段を一日も早く打つことが重要であると考えるものであるが、県ではどのような対応を考えておられるのか、お尋ねする。





○(滝波企画調整担当課長)  県教育委員会においては、不審者侵入など学校の危機管理について、大阪教育大学附属池田小学校の事件を契機として、平成13年度に県警ホットラインを設置するとともに、有識者の検討委員会における検討を踏まえて、学校危機管理ガイドラインを策定、配布して、その中で、保護者や地域住民と一体となって取り組む必要性を示したところである。


 また、本県は広域で、都市部、山間部など地域性が多様であり、学校の立地条件が地域によって異なるため、学校の門扉や塀の有無など、学校施設の状況もまちまちであることから、県下一律の対応では十分な効果が望めないところである。


 また、子供たちの安全管理を学校だけで担うには一定の限界がある。したがって、例えば、校内の見回りや通学路の見守りに高齢者の協力を得ている加西市のワッショイ・スクールの例とか、地域住民がボランティアで学校内を巡回するスクールガードを発足させる明石市の例など、地域の実情に応じて地域の支援を得たさまざまな取り組みが行われているところである。


 万一不幸にも学校の安全を脅かす事件が起こった際には、これまでも、市町教育委員会や学校に緊急の通知を発信して、緊急事態にも適切な対応が図れるように、各学校のマニュアルの適時適切な見直しや安全管理項目の点検、警察や子ども110番などとの連携の強化を図るなど、学校危機管理ガイドラインに沿った指導を行って、注意喚起をしてきたところである。


 学校の危機を未然に防ぐためには、地域の温かいまなざしが不可欠であるので、そういった認識に立ち、県教育委員会では、今後とも引き続き開かれた学校づくりの観点から、これまで実施してきた「地域ぐるみの学校安全推進モデル事業」による安全な学校づくりに関する取り組みについての地域住民との連携の成果を、防犯教室講習会などにおいて広く県内に情報発信するとともに、地域住民の防犯訓練への参画を促すなど、子供たちの安全確保が図られるように、市町教育委員会と連携を図りながら、家庭や地域と一体となった学校の安全管理体制づくりを支援していきたいと考えている。





○(岸口実 委員)  ただ、これはやっぱり起こってからでは遅いわけであり、今のご答弁、非常にご丁寧にお答えいただいたのであるが、実は、この6月に質問させていただいたときとそんなに差異のないものである。であるから、やはり起きてからでは遅いわけであるから、何らかの対策を目に見える形でしっかりと立てていただきたいと思う。


 次に、県立高校の入試制度についてである。


 現在、県立の全日制普通科高校の入試制度は、学区により単独選抜、複数志願選抜、総合選抜、連携校方式と大きく四つの入試制度が併存している。また、それに加え、単位制や総合学科の推薦入試、専門学科では学区を超えた受験も可能となっている。それぞれの制度に一長一短がある。志望する学校に志願できるが学校の序列化を生みやすいであるとか、過度の受験競争が起こりにくいが志望校を自由に選ぶことが制約されることなどである。


 通学距離の関係で、学区による制約を受けることがあることは理解するが、同一県内にもかかわらず、生まれた地域、育った地域によって入試制度が違うということに戸惑いを感じるわけである。


 そこで、県教育委員会として、学区による入試制度の違いについて、どのような見解を持っておられるのか、また、今後どのような方針を持っておられるのか、お尋ねする。





○(武田教育長)  平成11年に出された全日制高等学校長期構想検討委員会からの報告書の中で、本県の入学者選抜制度は、ご指摘のようにそれぞれ長所・短所を有しながらも、歴史的経緯の中で一定の役割を果たしてきたが、一方で、社会が成熟化し、世の中の価値観が多様化する中で、個性を尊重する多様で柔軟な高校教育への転換、そして「行ける学校」から「行きたい学校」への選択を可能とする選抜システムの構築など、改革の視点を内容とする提言がなされたところである。


 これらを受けて、平成12年に県立高等学校教育改革第一次実施計画を策定し、学びたいことが学べる魅力ある学校づくりをめざす高校教育改革を推進しているところである。


 この計画に基づいて、県教育委員会としては、高校の個性化・多様化を進めるとともに、単独選抜と総合選抜の長所を取り入れた複数志願選抜と特色選抜から成る新しい選抜制度を、平成15年度からまず神戸第三学区に導入したほか、平成17年度からは姫路・福崎学区に、そして平成18年度からは加印学区に導入することとしているところである。


 なお、神戸第三学区における導入後2年間の検証結果を見てみると、受験学力のみによらない、あるいは学びたいことが学べる学校選択が進んでいることが確認されており、そういった意味で、所期の目的がほぼ達成できたものと受けとめているところである。また、総合選抜制度は、かつて16都府県で実施されていたけれども、現在までに既に13都県で廃止されており、残っているのは、本県を含め3府県である。また、廃止した都県の結果を聞くと、おおむねその結果は評価できるものであったというふうに聞いているところである。


 今後は、こうした成果を踏まえて、県立高等学校教育改革第一次実施計画に基づいて、新しい選抜制度の順次導入に向けて取り組みを進めていく考えであるので、よろしくお願いしたいと思っている。





○(岸口実 委員)  私が言いたかったのは、制度にもし弊害があって、そのことによって地域に格差が生まれることであれば、これは非常に不幸なことであるので、そういうことのないようによろしくお願いしたいということである。よろしくお願いする。


 最後に、戦争体験を語り継ぐ取り組みについてである。


 戦後60年の節目を迎えた。戦中、戦後の激動の時代を生き抜いてこられた先人の方々の苦難とご努力あってこその今日である。衷心より敬意と感謝を申し上げたいと思う。


 今日、我が国では、戦後生まれが人口の4分の3を占めるようになった。この議会でも、私を含め47名の議員が戦後生まれである。これらは皆、戦争を知らない、体験したことのない世代である。時代が移りゆく中、ほんの60年前の大きな出来事が、このまま風化してしまうのではないかと危惧を持つのは私だけだろうか。


 私と同年代の方々の場合、その両親の世代は戦前、戦中に幼少期を過ごし、また、祖父母の世代は戦地へ赴いた年代である。私の世代の方々は、幼いころ、家族などから何かの機会に体験談を聞かされたことがあるのではないかと思う。60年前、この国がどんな状態にあったのか、人々はどんな暮らしをしていたのかなど、戦争の体験を語り継ぎ、聞き取ることは、いろいろな意味で大変意義のあることだと思っている。


 先ほど述べたように、先輩方の高齢化が進む中、この機を逃すと、このような話を直接伝え聞くことができなくなるのではないかと思うものである。既に神戸市内のある私立中学校では、同校の元教員や卒業生たちが、総合学習の時間に同校を訪れ、戦争の時代の話を在校生に語り聞かせるという取り組みも行われている。


 私は、何もこの場を通じてイデオロギーを問おうというものではない。県内の公立学校においても、さきの戦争の苦労話、体験話を語り伝えることが有意義であると思うものであるが、ご所見をお尋ねする。





○(重松義務教育課長)  戦争や平和についての学習は、社会科の歴史・公民分野や道徳などにおいて、戦時下の国民生活や世界の平和に関する学習を行ったり、教科等の学習との関連を図りながら、総合的な学習の時間において、国際理解教育の一環として学習が進められているところである。


 この学習を進めるに当たっては、自分で資料を調べ、まとめ、発表するなどの作業的、体験的な学習を行っているところであるが、さらに、戦中、戦後を生き抜いた人々から当時の様子や苦労話を聞き取るなど、戦争当時の状況を実感的にとらえさせることは必要であると考えている。


 本県では、このような実体験をした人々を学校支援ボランティアとして招聘するいきいき学校応援事業を実施しているところである。例えば、明石の空襲を体験した人を招いて体験談を聞いたり、戦時下の国民生活について、祖父母から聞き取り調査を行うなどの取り組みが行われている。


 今後も、地域のこのような戦争体験者を学校に招いて、その体験を話していただいたり、その人をいきいき学校応援団として登録していただくなどして、戦争体験を語り継ぐ取り組みが行われるよう支援していきたいと考えている。





○(岸口実 委員)  やはりもうこの機でないと、直接語り、伝え聞くということはできないわけであるから、積極的な展開をお願いしたいと思う。


 以上で私の質問を終わる。





○(杉尾良文 副委員長)  以上で岸口委員の質疑は終わりました。


 次に、松本よしひろ委員。





○(松本よしひろ 委員)  私は、1点質問する。


 ことし9月に、三重県伊賀市に全国初の株式会社立の学校が開校するそうである。平成15年から始まった政府の構造改革特区の認定によるもので、学校法人に対する規制に縛られない民間ならではの柔軟な発想から生まれた特色あるカリキュラムが売りだそうである。評価には長い年月を要するが、学校といえば、公立か学校法人立という既成概念を破る挑戦で、教育の分野も例外なく大きな変化のときを迎えているように思う。


 ここで、学校とは何かと問い直すつもりはないが、公立学校について言えば、公共サービスの一つとしてとらえてみたい。公共サービスとしては、病院業務と公立学校が、予算的にも、またサービス提供にかかわる人員数においても大変大きな比重を占めている。


 私は、教育をサービスというふうには考えたくないし、学校や教師がサービス業というのには大きな抵抗がある。教育をもっと高次元の人間社会だけが発達させた文化の最高峰に位置するのが教育である、このように思っている。何のために生きるのか、いかに生きるのか、生きる意味は何か、こういった人生の根本問題を学び問う学問を通じて、教師と生徒が、また生徒同士が全人格的にふれあい、それぞれの人格を磨き合う高度な世界であり、同時に、社会で生きるために必要な知識と知恵を学び、社会性を身につけ、また心身を鍛える、いわば道場のような場が学校である、学校であってほしいと考えている。


 その一方で、学校が教師にとっては、収入を得るための働く場であり、生徒にとっては、対価を支払って相応のサービスの提供を受けるという側面も否定はできない。


 そこで、ここでは教育論はさておくとして、学校教育を住民へのサービスという視点から見て一つの問題提起をしたいと思う。


 学校教育は住民へのサービスという視点から見ると、そのサービスの利用者は、言うまでもなく児童生徒である。そして、小学校と中学校に関しては、校区が決められているために、利用者は学校を選ぶことがまずできない。高校についても、利用者が選ぶことができるのは志望校であって、選抜される側にある。また、入学後も利用者にサービス提供者である教師を選ぶことは許されてないし、教える側と教えられる側、成績や適正・能力を評価する側と評価される側、生活態度や学習態度も指導・評価する側と指導・評価される側という関係にある。将来の進路についても指導する側とされる側にあり、教師がそういう意味では絶対的に優位に立っている。


 さらに、公立学校の教員は、教師としての能力に関係なく終身雇用が保障されており、公立学校は採算性も問われない。サービス利用料という面では、公立学校の生徒負担は、義務教育では税金で賄われるし、高校においても、教育機会均等確保のために、生徒の負担が大幅に軽減されている。公立と私立との負担の格差は、県のご努力で縮小されているとはいえ、大きくサービス提供事業者としては、とても公正な競争とは言えないと思う。


 それはともかく、教員のほとんどは、そのような優位な地位や立場、関係を超越して、児童生徒の成長と学力向上を願い、昼夜にわたって教科の指導や生活指導、課外活動の指導、そして進路の指導に取り組み、親身になって家庭の問題や生活環境にまで心を砕いておられる。


 生徒の側にも、家庭などさまざまな生育環境の影響を受けていろいろであるし、問題行動をする子供はいるから、教育指導も容易なことではないと思う。


 しかし、残念ながら、ごく一部の不適格教員だと思うが、満足な学級運営や教科の指導ができないことがある。また、生徒指導と称して、生徒に暴言を吐いたり、体罰などの暴力を振るったり、優位な立場を悪用してセクハラ行為を行ったりする心ない教員がいることも事実である。また、教員免許を持ったプロとはいえ、教員も人間であるから、ミスをすることもあると思う。


 私のところへは、何件も生徒や保護者からの苦情が寄せられている。しかし、具体的な学校名、教師の名前、生徒の名前を出すことは控えなければならない。相談者が、先ほども申し上げたように、弱い立場に置かれており、後の仕打ちを恐れてそのことにちゅうちょされるからである。中学校では、高校進学を控えて、内申書への影響を懸念して、保護者やPTA役員すら学校への気兼ねをしているし、高校では、進路変更などと理由をつけて自主退学に追い込まれるケースが非常に多いようである。教育委員会も、校長や教頭を含めて、生徒の側に立つのではなく、学校の側、教員の側に立って問題を処理する、このように思われている。


 そこで、病院に医療事故があるように、また商品の購入や契約に消費者保護が必要なように、児童生徒の側に立って、苦情や相談を受けつけ、事実関係を公正に調査し、問題解決に当たる、そういう機関が必要なのではないか、このように考えるわけである。


 学校というある種の閉鎖社会の中で、教員と生徒という立場の強弱があるところであるだけに、学校を公正に監視し、サービス利用者でありながら弱い立場に置かれた生徒の側に立つ機関を創設しなければ、残念なことであるが、本当の意味で生徒のための学校にすることができないのではないか、このように考えるが、ご所見をお伺いする。





○(武田教育長)  本県では、トライやる・ウィークを初め、いきいき学校応援事業、PTCA活動支援事業など、これまでも県民の参画と協働を得たさまざまな取り組みを展開してきた。さらに、保護者はもとより、地域住民の意見を学校運営に反映させるため、自己評価の結果について、地域住民の意見を聴取する学校評価システムの構築を初め、学校評議員制度や地域教育推進事業の活用など、学校、家庭、地域が一体となった開かれた学校づくりの推進に努めてきたところである。


 国においては、委員ご指摘のように、平成10年9月の中央教育審議会において、多様化する地域住民の要望に的確にこたえるためには、地域住民の意向の把握や教育行政の参画・協力を促すことが必要であり、教育委員会が教育行政に関する説明責任を果たし、地域住民に積極的な情報提供を行うとともに、地域住民の教育行政に対する意見や苦情に積極的に対応する必要があることが提言されたところである。


 この答申を踏まえて、教育行政相談に関する事務を担当する職員を指定し、これを公表することなどを内容とする地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正がなされたところである。


 県教育委員会としては、平成14年の4月に、第三者機関とは言えない、学校を指導する立場にある教育委員会の事務局に、教育行政全般に関する相談窓口を設置したところである。


 その窓口において、意見や苦情、相談を一元的に受けつけており、年間約400件余りの意見あるいは苦情、相談を受けつけているところである。そして、その内容に応じて関係部署に引き継ぐとともに、これらの関係部署や市町教育委員会との連携を図りつつ、事実関係の調査あるいは管理職による教員への指導等、問題の迅速かつ適切な解決に努めているところである。


 一方、委員ご指摘の指導力不足教員等への対応については、本年度から、フォローアップシステムにより、指導力向上を要する教員をリストアップして、精神科医あるいは学識経験者、保護者代表の第三者で構成される判定委員会を設け、これらの判定を踏まえ、適時適切な指導や研修機会を与えるとともに、それでもなお指導力の回復等が見られない教員については、職種変更、分限処分などを内容とする、厳しい対応を見据えた取り組みを進めるなど、信頼される学校づくりにも努めているところである。


 今後とも、地域に開かれた学校づくり、信頼される学校づくりに向けた施策の一層の充実を図りつつ、児童生徒や保護者に対し、教育行政に対する相談窓口設置の趣旨やその一層の活用について広報周知を図るとともに、市町教育委員会に対しても、相談窓口を充実し、児童生徒や保護者等が気軽に意見の申し出や苦情の申し出、相談できるような体制づくりを促していきたいと考えているので、ご理解のほどをよろしくお願いする。





○(松本よしひろ 委員)  私がこれまで県教委にご相談したこともあるが、中学校が多いものであるから、市教委に話を持っていったケースが大部分である。実際は、教育委員会に、こういうことがあるので対処してほしい。そうすると、教育委員会の担当課は学校の校長に聞くわけである。校長は、定年を残すところ1年、2年という方がほとんどで、それまで事を荒立てたくないので、臭い物にふたをするというか、いじめといっても「ない」、暴力といっても「ない」、「そういうことは教師に尋ねても言ってません」といったようなことで、冷たい返事が返ってくる。持って行き場がなくなってしまう。そういったことがある。


 長い将来のある児童生徒のことであるから、もちろん児童生徒の側にも、生育環境の問題や、友達・仲間の問題があって、いろいろ問題がないとは言えないと思うが、それを教育するのが教師であり学校ということを考えると、そういう生徒をはじき飛ばしてしまえばいいと、極端な場合は、「あの子は腐っている」「この子は腐っている」「この子がここにおると、みんなにうつる。だから、お前はもう学校に出てくるな。退学しなさい」、こういってみんなの前に出てこれなくするのである。不登校になってしまう。高校であれば、進路変更という名目で、「退学されると、あんたの将来に傷つくよ。退学にされるのが嫌なら、自分から自主退学の届けを出しなさい」、こういったことでやめさせられていくといったことが、これまで何度もあった。


 私は、それはもうごく一部のところだと思っているけれども、そういった教育委員会と学校の校長・教頭、そして現場の教師という、こういう構造的な問題として、現実にそういうことが起きている。本当に弱い立場の、生徒という立場でも弱いし、また学校という場で教師と生徒という関係もあればなおさら弱いわけであるから、そういった子供の心に本当に触れて、子供に人間不信に陥らせないで、学校不信に陥らせないで、「もう一度頑張ってみよう」といった力を与えるような場が要るのではないか。これからの長い人生をだめにしない。病院の医療事故だったら、命を損なうわけである。学校の現場であれば、これはその人の一生を損なうのである。そういった意味で、こういう問題を起こさないように、しっかりとした体制をぜひつくっていただきたい。そのことを要望して、質問を終わりたい。





○(杉尾良文 副委員長)  以上で松本よしひろ委員の質疑は終わりました。


 次に、北川委員。





○(北川泰寿 委員)  私の方からは、4項目5点について質問をする。


 まず、第1点目は、養護学校の訪問教育についてである。


 これまでの特殊教育は、障害の種別や程度に応じ、多様な教育的対応が図られてきた。その結果、平成15年5月現在で、盲・聾・養護学校は全国に995校設置され、約10万人の生徒が在籍しており、そのうち、義務教育段階の児童生徒数は5万1,955人に上る。小中学校については、全国で約半数の学校に特殊学級が設置されており、在籍者数は8万5,933人、通級による指導の対象児童生徒数は3万3,652人であり、また、LD、ADHDなど、通常の学級等において指導対象となる児童生徒数の量的な拡大、障害の多様化による質的な複雑化も進行している。


 国においても、このような諸情勢の変化を踏まえ、中央教育審議会の特別支援教育特別委員会において審議が進められ、昨年12月、中間報告が取りまとめられている。


 このような状況下、養護学校の訪問教育は、昭和54年の養護学校義務化以来、小学部、中学部で実施され、平成9年からは高等部で、平成12年からは重症心身障害児施設入所者で、以前中学校を卒業した過年齢者も訪問教育で受け入れてこられた。


 このように、制度の充実が図られる一方、制度を利用できなかった方も存在し、義務化当時、学齢期を過ぎていたため、わずかな年齢の違いで訪問教育を受けることができなかった施設入所者が少なからずおられる。我が会派の議員が、重症心身障害児施設入所者の保護者の方から、40歳を過ぎてもなお教育を受けたいという希望を持ち続けている入所者について相談を受け、強く検討を求めているところである。


 そこで、訪問教育を受けられなかった施設入所者の方の高等部への受け入れについては、多くの課題もあることは承知しているが、こうした希望に着実にこたえていくのも時代の流れではないかと思う。この点について、県教育委員会のご所見を伺う。





○(武田教育長)  本県において、重症心身障害児施設入所者で、昭和54年の養護学校義務化当時に学齢期を過ぎていた就学猶予免除者の中に、就学を希望する人がいることは承知しているところである。


 しかし、要望があった高等部への入学の要件については、学校教育法で、「中学校若しくはこれに準ずる学校を卒業した者」と定められており、また、「満15歳に達した学年の終了とともに義務教育への就学義務はなくなる」という国の見解により、就学猶予免除者の就学は制度的に困難であった。


 そういったことから、希望者があることを承知しており、何とかならないかということで、文部科学省との協議を重ねてきたところであるし、また、具体的にどのような受け入れ方策があるのかといった面での検討を進めてきたところである。


 このたび、文部科学省から、就学猶予免除者の中学部卒業にかかる取り扱いについて弾力的な解釈が示され、一定の条件が整えば、高等部へ入学することが可能となるという状況が生まれている。


 これを受けて、来年度から、各方面から要望があった重症心身障害児施設に入所する就学猶予免除者のうち、高等部への就学を希望する者に対して、義務教育に係る就学事務を所管する市町教育委員会と連携を図りながら、養護学校訪問教育を試行的に実施し、今後の受け入れ体制あるいは教育内容等についてさらなる研究を進めていきたいと考えており、ご理解を賜りたいと思っている。





○(北川泰寿 委員)  現行施設・学校でできる範囲で、また精いっぱいの努力をお願いしたいと思う。


 質問の2点目は、多様な県民ニーズを踏まえた、地域におけるスポーツ振興についてである。


 スポーツの楽しみ方は人それぞれで、競技をきわめたいと思って精進を重ねる人、楽しみながらやっていきたい人、体を動かすのが好きで、何か手軽に参加できるものがあればやってみたいと思っている人とさまざまである。また、体力がなくても、みんなで楽しむことができるグランド・ゴルフやペタンクといった、それぞれの地域でそれなりの盛り上がりを見せているスポーツもある。


 このように、地域住民のスポーツニーズは多様化しており、県教育委員会では、地域におけるスポーツ振興を図るため、学校施設の開放や県立体育施設における各種スポーツ教室の開催、県民だれもが、いつでも参加できるスポーツクラブの設立支援等に取り組んでこられた。


 しかし、現状は、施設を利用する人は、スポーツに興味、関心の高い方に限られがちで、身近なところで気軽に体を動かしたい、何かスポーツを始めたいという方には少々敷居が高かったり、受け皿に関してもいまだよく知られていないのではないかとも感じる。


 広く県民の心身の健全な発達と体力づくりの場として、県立総合体育館や県立海洋体育館などの施設が運営されているが、さらに気軽にスポーツを楽しめる施設の有効利用を図るべきではないかと思う。例えば、県立総合体育館の敷地内には芝生広場があるが、この広場を、先ほど申したグランド・ゴルフとかペタンクといった方々を含めて有効活用することで、多くの人が集い、その結果、地域のにぎわい、創造にも寄与していくのではないかと考える。


 そこで、県教育委員会が所管する健康増進施設の有効活用について、今後どのように進めていこうと考えているのか、所見をお伺いする。





○(吉井体育保健課長)  県教育委員会が所管している県立総合体育館を初めとする健康増進施設では、県域の各種団体の交流事業あるいは指導者養成事業などの県の中核施設としての役割を果たすとともに、それぞれの施設の立地条件、あるいは自然環境などの特色を生かして、幼児から高齢者までの多様な県民ニーズに対して、例えば、幼児を対象とした仲よし体操事業であるとか、あるいはグランド・ゴルフ、バウンドテニス等が体験できるさわやか教室など、気軽に参加のできる各種の事業を実施しているところである。


 しかしながら、それぞれの施設の事業内容や活用方法について、委員ご指摘のような状況も見受けられることから、今後、さらにだれもがより気軽に参加することのできるニュースポーツ等のメニューをふやすなど、事業内容の一層の充実を図るとともに、よりわかりやすいパンフレット、チラシ等を作成して、それらを活用し情報提供を行うなど、地域の人たちに気軽に健康づくり、仲間づくりの場として活用していただけるよう努めていきたいと考えている。


 今後とも、県立の健康増進施設については、県立総合体育館の芝生広場も含めて、一層有効な活用が図れるよう取り組んでいきたいと考えているので、よろしくお願いする。





○(北川泰寿 委員)  来年に国体も控えているので、より積極的な展開をお願いする。


 質問の3点目は、ゆとり教育の検証についてである。


 平成15年に経済協力開発機構――OECDが行った国際学習到達度調査の結果、日本の高校生の学力低下が明らかになったと多くの教育関係者が指摘している。この調査は、義務教育修了段階の15歳児が持っている知識や技能を、実生活のさまざまな場面で直面する課題にどの程度活用できるかどうかを見るものであり、過度な詰め込み教育に対する反省から導入されたゆとり教育が育てようとしている能力そのものであると言える。


 国が推進するゆとり教育に対し、学習内容や学習時間が削減され、平成14年度には新学習指導要領が全面実施され、学力低下を憂慮する保護者や学校関係者の不安を大きくしているところではないか。


 このような世情を反映し、先日、朝日新聞の方でも、「見直し賛成78%」と大きく載り、また、共同通信社が実施した全国世論調査において、現行の学習指導要領が挙げるゆとり教育について、見直すべきだと答えた割合も75.1%に上り、一方、見直すべきではないと答えた割合は10.3%にとどまっている。


 しかしながら、記事をよく読み込んでいくと、私は、ゆとり教育と学力低下を直接的に結びつける今の風潮は、少し短絡的ではないかとも考える。OECDの結果と違う、またPISAの調査においては、前回とそう変わらないような結果も出ていて、要は、本人のやる気というところがかなり影響してくるところもあるのではないかと私は考える。


 そこで、私個人の考えではあるが、ゆとり教育イコール学力低下と結びつけるだけではなく、このゆとり教育の本分でもある生きる力をはぐくむといった点の検証を行い、よいところは残し、また不十分なところは十分改善していくということが、さらなる発展につながるのではないかと考えている。


 そこで、ゆとり教育について、県教育委員会としての見解をお伺いする。





○(平井教育企画室長)  現行の学習指導要領のねらいは、児童生徒が一律に学ぶ学習内容を厳選して、ゆとりを設け、知識を詰め込むのではなく、習熟の程度に応じた指導や繰り返し指導などを行い、基礎・基本の確実な定着を図ったり、観察・実験、発表などの体験的・問題解決的学習によって、思考力、判断力、表現力等を伸ばしたりして、子供たちの確かな学力をはぐくむことにあると考えているところである。


 また、受験競争の過熱化、あるいは、いじめや不登校、社会体験の不足など、さまざまな現代的課題にも今後も継続して対応していくためにも、この学習指導要領の理念や目標自体は尊重すべきものと考えているところである。


 今回、ご指摘のあったOECD等の国際学力調査においては、日本の子供たちの成績が低下傾向にあるのみならず、学ぶ意欲が乏しく、学習習慣が身についていないことなどが明らかになった。また、昨年、本県が実施した基礎学力調査においては、総合的な学習の時間で学び方を身につけた児童生徒や、学習習慣、読書習慣が身についている児童生徒ほど基礎学力が定着している傾向があることが明らかになったところであり、学ぶ意欲や学習習慣の育成も課題であると考えているところである。


 県教育委員会としては、平成17年度は、このような課題を踏まえ、学力の状況に加えて、学ぶ意欲や達成感、家庭学習の状況等をより詳細に調査、分析する総合的な全県基礎学力調査を実施したいと考えているところである。


 この総合的な調査、分析を踏まえ、また、今後の中央教育審議会の審議の動向を注意深く見守りつつ、学ぶ意欲を含めた総合的な学力の育成に努めたいと考えている。





○(北川泰寿 委員)  私がよく読む教育関連の本の中に河合隼雄さんの著書がある。よくこの河合隼雄先生が使われる言葉で、「二つよいこと、さてないものよ」という言葉がある。ご存じかどうか。ご存じの方もいらっしゃると思うが、物事を進めていったら、必ず一つはいいことがある。しかし、その二つ目は、なかなか絶対的には難しいと、直訳するとこうであるが、一つの物事を進めていく、その中において、二つ目のいいことを実現しようとすると、その一つ目のさらなる数倍の、数十倍の時間と労力、そういうものを要する、そして、それも絶対ではないということをおっしゃっている。このゆとり教育においても、今、学力低下という点においては、確かに平均点が下がっているところは否めない点もあるが、また、成績、最高得点は上がっている部分もあるという説も私は聞いている。この辺もよく踏まえながら、国の動向を見守りながら、ぜひ教育現場としてこれからの対応を取り組んでいただきたいと思う。


 質問の4点目は、魅力ある学校づくりの推進についてである。


 魅力ある学校づくりを推進するため、県教育委員会では、新しいタイプの学校設置、特色ある専門学科の設置、各学科の特色化等の推進、中高一貫教育の研究・検討を積極的に進められている。


 これらの高等教育は、学力を単に知識や技能の量の問題としてとらえるのではなく、生徒みずからが考え、主体的に判断し、行動するために必要な資質や能力などを総合的に身につける必要があると思う。そのためには、教育内容や方法だけではなく、学校制度や学科の枠組みの多様化を図り、その中で、生徒一人一人の興味や関心に基づき、主体的な選択をして、学習していく必要がある。


 このような考えのもとで、平成9年度に導入された総合学科は、普通科と専門学科の双方にわたる多様な教科・科目の中から、生徒が自分の興味や関心に応じて主体的に選択して学習するものである。そして、主体的な学習を促すことで、自己の進路についての自覚を深め、学ぶことの楽しさや厳しさ、達成感を味わえるのではないかと思う。


 そこで、平成9年度の制度導入から既に7年が経過したわけであるが、総合学科を設置したことについて、当局はどのような評価をされているのか、お伺いする。





○(江本高校教育課参事)  平成11年の全日制高等学校長期構想検討委員会報告の中で、総合学科は積極的に設置を推進していく必要があるとの提言を得て、本県では、県立高等学校教育改革第一次実施計画に基づいて、これまで10校に総合学科を設置している。


 平成17年度入試の倍率は、全体で普通科の場合1.07であるのに対して、総合学科は1.54であり、受験生のニーズも高いと認識している。また、県が実施した総合学科への調査によると、これらの学校では、意欲的な生徒の増加により、学校行事や生徒会活動、部活動が活性化した、検定試験やコンテストに応募する生徒がふえた、学習面では目的意識を持って積極的に取り組む生徒がふえた、課題研究など在学中の学習成果を生かして進学する生徒もふえ、主体的な進路選択が大きく進んだなど、高い評価を得ている。


 さらに、ある総合学科高校が実施した卒業生へのアンケートでは、9割以上が総合学科での学びに満足し、7割以上が学んだことが卒業後役立ったと回答しているほか、充実したガイダンス機能やみずからの科目選択による学びの成果として、7割以上がみずからの適性に応じた進学、就職ができていると回答するなど、着実に成果をおさめているものと評価している。





○(北川泰寿 委員)  非常に大きな成果が上がっているというふうな答弁を聞いて、安心した。


 今現在、10校で総合学科が設置されているわけであるが、それだけ大きな成果を期待できるのであれば、さらに全県的に推進していけばいいと考える。


 そこで、今後、県教育委員会として、総合学科を設置をどのように進めていこうと考えられているのか、お伺いする。





○(杉本教育次長)  総合学科は、高校の3年間、自分探しの旅をする学科であるというふうに言われている。それは、さまざまな科目の中から、自分の興味・関心に応じて自分で主体的に科目選択を行い、そして、自己の職業観あるいは自分の進路の目標を踏まえた自分の時間割をつくることができ、そして、自分の将来を見据えて自分の夢を育てることが可能な学科であるからである。そういう意味において、総合学科は、各学校の個性化、多様化をめざしている本県の高校教育改革の推進役であるというふうに考えている。


 後期計画を現在進めているわけであるが、この後期計画を進めるに当たって、前期の分の推進状況を検証していただく推進委員会を持たせていただいた。そして、その推進委員会でのまとめの報告の中では、このように提言をいただいている。「総合学科は生徒の多様なニーズに弾力的に対応できる魅力的な学科であり、希望調査や応募状況から見てニーズは高く、設置を推進していくことが望ましい」と、こういった提言をいただいている。


 総合学科は、先ほども答弁したように、現在、10校設置して、それぞれの学校において、生徒は非常に意欲的な学校生活を送っており、私どもの趣旨に沿った形で活発な教育活動が行われて、大きな成果を上げているところである。


 今後は、さらに、平成18年度には北播学区の三木東高校に設置する。また、平成20年度までに西宮学区と明石学区及び西播学区に総合学科を設置することとしており、県下のすべての生徒が総合学科への通学が可能となるように、まだ設置されていない学区への総合学科の設置を積極的に進めていきたいと考えており、どうぞよろしくお願いする。





○(北川泰寿 委員)  今、答弁にもあったように、私の地元西宮もその対象になっていると聞いた。今、答弁にもあったが、今現在、残念ながら、西宮ではまだ設置はされていない。西宮から伊丹北高校に通うような生徒もいると聞いている。西宮学区としての特色化を進める上で、ぜひとも総合学科を西宮に設置していただきたくお願い申し上げて、私の質問を終わる。





○(杉尾良文 副委員長)  以上で北川委員の質疑は終わりました。


 この際、暫時休憩いたします。


 再開は、午後3時40分といたします。


        午後3時20分休憩


……………………………………………………


        午後3時42分再開





○(山口信行 委員長)  それでは、ただいまから予算特別委員会を再開いたします。


 休憩前に引き続き質疑を行います。


 まず、宮田委員。





○(宮田しずのり 委員)  私は、まず、教育行政を進める上での基本的な姿勢というか、基本的な問題を最初にお聞きする。


 井戸県政は、県政運営の基本に参画と協働を据えておられる。教育委員会は、県政運営の基本にこの参画と協働という、この問題をどう位置づけられて、どう実践されているか、この点について、まず教育長にお伺いする。





○(武田教育長)  参画と協働ということは県政の基本であり、教育行政においても全く同様である。兵庫県が進める教育改革のスローガンは、「県民すべてがかかわる兵庫の教育」ということを標榜しており、まさしく参画と協働による教育ということである。


○(宮田しずのり 委員)  それでは、もう一つ、議会と当局の関係、あり方についてお伺いする。


 議会は選挙で選ばれた議員により構成された意思決定機関、議事機関である。地方議会は、国会の立法機関と違い、議事機関とされたのは、条例の制定、改廃にとどまらずに、広く行政全般について意思決定機関としての権能を持つためとされている。


 議会や議員が住民の代表としてこうした権能を発揮して役割を果たすためには、議員も当局の持っている必要な情報を共有し、地域の住民の声を反映し、率直な議論を行い、政策決定に生かしていくことが非常に大事であると思う。


 そこで、こうした議会と当局の関係のあり方について教育長はどんな認識をお持ちか、お伺いする。





○(武田教育長)  先ほど申し上げたように、教育は今、学校とか教員だけでやれるものではない。すべて県民の皆さん方の参画を得て実施するものであり、そのために、議会制民主主義という中で教育行政を展開するためには、議会と行政がある一定緊張感を持ちなからも、緊密な議論を交わしながら、緊密な連携のもとに展開すべきものと考えているところである。したがって、従来から我々は十分な資料提供、あるいは説明はやっているところである。





○(宮田しずのり 委員)  ところが、この参画と協働とか、あるいは、今言われた議会と当局の関係、当然今おっしゃられたとおりの立場でやっていただきたいのであるが、ちょっとそれとは違うことが一つ起こっているので、その点についてお伺いしたいと思う。


 私は、新年度における高校改革の内容について検討するために、県の教育委員会におけるこの政策決定の流れを勉強したいと思って、昨年の3月末に決定をした、また発表された神戸第二学区の鈴蘭台高校と鈴蘭台西高校の統廃合を決定した際の決裁文書の提出を求めた。この文書は、公文書として存在し、そして1年も前のもので、プライバシーの侵害にもならない。公開に何ら支障のないものである。ところが、県教委は、公文書公開条例に基づいて請求をすれば提出すると、こういって、結局、提出されなかった。


 条例に基づいて請求をして出せる文書、これは県民には公開できるそういう文書である。これを、県民に公開する文書を議会に、あるいは議員には提出をしない。本当に私は何の支障もないこうした文書を、どうして率直に提供して、いろいろな率直な議論をする、先ほど聞いたような立場での議論をする立場にならないのか、その点をもう一度聞きたいと思う。





○(松谷教育委員会総務課長)  これまでもあらゆる資料をすべて委員会、また個別の議員の照会に対しても適切に資料提供を行うなど、十分に説明、ご理解をいただいているというふうに理解している。


 ただ、決裁文書の鏡の資料要求ということについては、これまで例がなく、政策協議での必要性の判断がつきかねるというところもあるので、もし必要であるならば、公文書公開請求をお願いしたいというふうにお願いしたところである。どうぞご理解を願いたい。





○(宮田しずのり 委員)  今まで事例がないと。これは事例があるかないかは問題じゃない。その文書が本当に公開できるものかどうかが基準だと思うし、必要かどうかは、我々が必要だということで判断して要望しているわけであるから、当然これは提出してもらわなかったら困る。


 それから、公文書公開条例に基づいてと、わざわざこれを我々がやるとしたら、政務調査費を使って、そして、それを請求するわけである。そういう公文書を、県が公にできる文書を我々が資料提供をもらうのに、わざわざ条例に基づいてこの手続をして、しかもお金を払わなければ資料がもらえないと、そんな教育行政はないと思うのである。そういう意味では、最初に、私は、参画と協働とか、あるいは議会と当局との関係を聞いたのは、やっぱり今の教育委員会の姿勢というのが、それとは全く逆のことになっていることを確認するために聞いたのであるけれども、今もやっぱりそういう姿勢であるので、私は、これはどうしても今後改めてもらわなければ困るということを厳しく指摘して、次へ行きたいと思う。これは時間がないので、またいろいろな機会で議論もしたいと思うが、次へ行きたいと思う。


 次に、県教委が進めている高校改革、とりわけ西播学区の問題についてお聞きする。


 一昨年の12月、第一次の高校改革の後期計画が発表されて、その中で、平成20年度に設置予定の西播学区における、発展的統合による新しいタイプの学校、また特色ある学校については、平成16年度中に決定するとある。以来、西播学区では、どの学校が統廃合になるのか、どこが対象になるのかということで非常に危機感が広がっている。


 県教委としては、この16年度中に決定するということになっているけれども、もう既にどの高校を統廃合するのか決定されたのか。





○(杉本教育次長)  ただいま委員からご指摘があったように、現在、高校教育改革を推進する中で、本年度中に西播学区において発展的統合を行う対象校について決定をしたいと考えているが、今まだ最終段階で、今、最終的な形の詰めをしているところである。





○(宮田しずのり 委員)  これは、県教委が、高校の応募方式であるとか、あるいは統廃合の対象を決定する場合は、教育委員会の合議制ではなく、教育委員会事務局の決定事項というふうになっている。したがって、教育長の決裁というか、決定事項になっているけれども、3月末までと、あと2週間なのであるが、もう決まっているのではないか、もう一度どうか、教育長。





○(杉本教育次長)  ただいまご答弁申し上げたとおり、今年度中に決めたいと思っているが、今、最終的な詰めをしているところである。





○(宮田しずのり 委員)  それで、今まだこれから議論が残っているということであるから、次の質問を行う。


 西播学区では、県立相生高校、県立相生産業高校の2校が統廃合の対象になっているのではないかという危惧が非常に広がっている。ことし1月の我が党の会派の政務調査会で、当局は、教育委員の方とか、PTAあるいは同窓会とかいったような関係の方々のご意見をよく聞くというふうに答えられた。県教委として、地元の声をしっかり聞いているのかどうかが、今、問われていると思うのであるが、先般、相生市の市長が地元の意向を無視した統廃合はやめてほしいという趣旨の申し入れを県に行われた。知事は会われたそうであるが、教育長は、会わずに、申し入れも断られたというふうに聞いている。


 この地元の市長の声すら聞かないという姿勢は、改めるべきではないかと思うのであるけれども、その点どうか、教育長。





○(武田教育長)  過日の常任委員会で、知事に会われた日になぜ教育長が会わないのかというご質問があった。某市と言われたので、どの市かわからなかったけれども、今、相生市長ということである、私は、知事に会われた日に相生市長とは会っていないが、その日に会っていないだけであって、それ以外の日に会っているわけである。したがって、そのことをもってなぜかと言われても、これは相手様の都合ではないかと考えている。





○(宮田しずのり 委員)  我々の聞いている認識とちょっと違うようであるが、市長とは別に、県立相生高校の育英会が、昨年の5月に、県立相生高校の現状存続を求める要望書を県教育委員会に提出しておられる。ここは、もともと地元が土地を提供して、播磨近隣市町の強い要望も受けて、昭和52年に相生産業高校から分かれて県立相生高校が創設されている。


 その後、学校の関係者も、本当に大変な努力をされて、今、西播磨でも有数の高校になっている。また希望者も非常に多い学校だと聞いている。


 また、一方、相生産業高校も、ロボット工作であるとか、おもちゃの修理など、地域に密着したいろいろな取り組みをしながら、地域で愛され、そして技術を学び身につける教育を進めて、文部科学省の研究指定校となるなど、非常に高い評価も受けているという学校である。工業化の技術をしっかり身につけることを目的にして、先生たちも、私も会ったけれども、この学校で学び、技術もしっかり身につけて、そして、そういう子供たちを世に送り出すことが我々の自慢ですということで、誇りを持って語っておられた。


 それぞれ全く性格の違う学校を統合するということになれば、これはもう本来の教育のあり方と本末転倒のあり方と言わなければならないと思うが、この点についてはどうか。





○(杉本教育次長)  今、申された県立相生高校、県立相生産業高校だけではなく、やはりほとんどそれぞれの学校がそれぞれの特色を出して、しっかり教育活動をやっていただいていることは十分に承知しているが、先ほども申し上げたとおり、西播学区における発展的統合についての対象校については、現在、最終的な検討、詰めを行っているところである。





○(宮田しずのり 委員)  最終的な詰めをやっている段階というふうにおっしゃるので申し上げるが、開会中の今、相生の市議会では、高校教育に関する質問が何人もの議員から出されて、そして、市長は、寝ても覚めても心配しているという答弁をされたそうである。これだけ地元の切実な声がある問題を、それを無視した統廃合、総合学科というのは、導入はやめるべきだ。はっきりここで地元の声にこたえるということを表明して、地元の人たちを安心させたらどうか、させる必要があると思うが、もう一度ご答弁願う。





○(杉本教育次長)  先ほども申し上げたとおり、両校だけではなくて、それぞれの学校、本当に力いっぱいやっておられる。そうした中で、私たちは、高校教育改革を皆さん方で議論していただいたその計画の中で、やはり頑張って進めていかなければいけない、こういった力で一生懸命頑張っていきたいという気持ちである。


 対象校の決定については、先ほど申し上げたとおりであるので、ご理解を賜りたいと思う。





○(宮田しずのり 委員)  実は、本日、明石や神戸市北区、あるいは西宮、伊丹、宝塚など、もう六つの地域で高校の統廃合に反対したり、あるいは総合選抜を守るとか、いろいろな地域の会が生まれているのであるけれども、そういう会の兵庫県市民運動連絡協議会というのが発足して、活動を始めたというニュースを先ほど聞いたけれども、この県の教育委員会の行政に対するこうした県民の取り組みは、本当に今、全県で広がっている。地域いろいろな取り組みがあるし、声がある。これは本当に地域を愛し、学校を何とかよくしていきたいという地域の皆さんの声であるから、本当に最初にも言ったように、県として、県民の声を重視して、そして本当に県民の声が生かされるような、そういう教育行政をぜひ進めていただきたいことを強く要望して、私の質問を終わる。





○(山口信行 委員長)  以上で宮田委員の質疑は終わりました。


 次に、西野委員。





○(西野將俊 委員)  休憩後の2番目となった。私は、現代の子供や若者の社会問題において、子供ということで、何でもかんでも教育に白羽の矢を立てるというのは、ちょっと私はおかしいのと違うかな、こうした問題は教育単独ではちょっと不可能、これはどこの部局の問題であっても同じと思うのであるけれども、単独ではちょっと不可能なんじゃないかな、教育の得意とする分野とほかの部局の得意を、「連携」という言葉だけではなくて、本当に未来のために行政としてともに働き、研究していくコラボレートという形で取り組んでいかなければいけないと、私は常々こう思っている。


 そういった観点から、若年者の就業対策ということで、インターンシップの推進プランについてお伺いする。


 就職難が続く一方で、せっかく入った企業をすぐにやめる若者が後を絶たない。ニートやフリーター問題と同時に、厚生労働省の調査では、入社して3年以内に退職する大卒社員が3割、高卒社員で5割、中卒の社員に至っては7割を超える、これはもう何回も言っているのであるけれども、七五三問題も深刻な問題、社会問題となっている。最近よく耳にするニートの問題については、経験の穴に大きな原因があると考えている。例えば、コミュニケーションができない若者は、生まれ持った才能がないからではなく、他人との緩やかな関係を保ちながら、生きるという経験をしていなかったことにあるように思う。社会経験といった穴があいていることを認識し、そして自分の中にどんな穴があいているのかを見つけ、他人の手や力をかりながら、少しずつその穴を埋めていく、それが人間であり、人間の成長であると思う。


 そんな中で、大学生がインターンとして、志望する仕事を体験する取り組みが広がっていると聞いている。しかし、文部科学省の調査では、2002年にインターンシップを授業科目としている大学は317校で、全体の半分以下、参加学生に至っては3万人と、大卒者55万人のごく一部にすぎない。同じく短大においても、同様の傾向にあると聞いている。その背景には、受け入れ企業の少なさにも起因しているとも言われている。


 県教育委員会では、全国に誇れる「地域に学ぶトライやる・ウィーク」で得た成果を基盤に、大卒者と同様に、深刻になりつつある高卒者に向けて、17年度から、全県立高校において、将来めざす職業にかかわる職場などを体験するインターンシップを推進し、働くことへの関心・意欲の高揚を図るインターンシップ推進プランをスタートさせる。


 しかし、さきにも述べた気にかかる点が、受け入れ企業の確保等である。インターンシップの推進には、その前段階での足固めとして、教育委員会と産業労働部並びに国の労働局とがしっかりと連携というよりも、コラボレートし合い、三位一体となった上での取り組みが必要不可欠と私は思っている。


 現時点においては、部局同士が一丸となり、部局の壁を超えた横断的な取り組みを望むのは困難な状況と理解しているので、おのおのの部局が持つ独自のノウハウや情報を単一的に発信するのではなく、それらの情報を一元化して、おのおのの部局が共有化することから始めてはいかがと思っている。


 先日、同様の質問を産業労働部にも投げたが、まことに温かく、前向きな答弁をいただいたところである。


 そこで、このインターンシップ推進プランにおいて、企業の受け入れ体制等の情報の共有化という点で、他部局との連携も含めた、連携というのは嫌なのであるが、具体的推進策についてお聞かせ願いたい。





○(青山教育次長)  高校生のインターンシップは、生徒に望ましい職業観、勤労観を育成していく上で、極めて高い教育効果があり、本県においても一層これを推進するために、全国に先駆けて、来年度からすべての県立高等学校で、高校生就業体験事業を実施することとした。


 委員ご指摘のとおり、受け入れ先企業等の確保が重要な課題であると受けとめており、既に取り組みを進めてきた専門学校でのインターンシップの実績であるとか、トライやる・ウィークで県民運動としての参加を呼びかけてきた手法等を踏まえ、さらに、産業経済団体はもとより、福祉医療関係団体等、できる限りの多くの企業団体に呼びかけ、受け入れ要請を行っていきたいと考えている。


 事業実施に当たっては、円滑な推進と定着を図るために、学校と企業、関係行政機関等の代表者から成る全県レベルのインターンシップ推進協議会を早急に設置することとしている。また、従前から、高校生の就職支援に関して協力して行ってきた産業労働部や兵庫労働局との連携を一層進めるとともに、新たに産業労働部が取り組むしごと体験支援連絡協議会等の機会も活用するとともに、国の就業体験施設等とも連携を図りながら、情報の共有化や学校のニーズと企業のニーズを効果的に結びつける仕組みを構築することとしている。


 県教育委員会としては、生徒が将来の生き方や進路を考え、望ましい職業観、勤労観を育成する機会となるよう、関係機関との連携のもと、学校の教育活動全体を通じて組織的に本事業を推進していく考えである。ご支援のほどをよろしくお願いする。





○(西野將俊 委員)  ご支援はやらせていただく。やっぱりインターンシップ、トライやる・ウィークもそうであるけれども、大人の視点を持ってというよりも、まず大人が、行政としてきっちりとまとまっていくことが、私は大事なのと違うかな。子供たちは、「それやりなさい」ということに対してはやるだろうが、まずはその連携という部分、コラボレートと言わせていただきたいのであるが、その辺をしっかりやっていただく、やっぱり産業労働部にしたら、学校の子供たちの動向という部分ではちょっとわからない点が多々あるし、多分教育委員会では、産業の感性とか、企業のことに関してはちょっと弱い部分があるんじゃないかな、そういった部分の埋め合わせをお互いがし合う場、それがしごと体験支援連絡協議会であるとか、そういう何とかインターンシップの協議会だったか、そういうふうなところでざっくばらんに話して、こういうことが困っているから協力してくれと、お互いにそう言えるような場で子供たちのことを真剣に考えていっていただきたい。ぜひとも私は応援するので、よろしくお願いしたいと思う。


 次の問題にいく前に、先日、新聞で、アメリカと日本と中国の高校の比較調査が載っていて、モンティーニュという、これは何の人かな、この人の言葉を使いながら、ちょっとおもしろい記事があるので、これを読みながら次の質問に行かせていただきたいと思う。


 「「子供の教育は、勉学の欲望と興味を喚起することが一番、でないと、本を背負ったロバを養うことに終わる」と述べたのはモンティーニュだが、居眠り跡のついた教科書を背負った若者をただ養っていては、日本に未来はない。学問への意欲をいかに育てるかが喫緊の課題である」、こういうふうな文であるけれども、この学問だけではなくて、仕事に対してでも何でもそうであるけれども、この意欲をいかにはぐくむかが、私は今後大事なのと違うかな、生きる力をというような、いろんな部分でさまざまな課題で教育委員会の方も取り組まれているのであろうけれども、その意欲の前段階にあるものは何なのだろうか、これは私が勝手に思うことである。その辺のところの質問に入らせていただきたいと思う。


 先ほどの質問では、現時点の若者の就業意欲に対する施策の部局間のすき間に関する質問を行ったが、最後に、もう1点だけお許しいただきたい。


 現在、社会問題となり、対処を施している現時点においても、次なるそうした社会問題の予備軍が成長していることも忘れないでいただきたいと思う。現時点での対策だけでなく、これからの未然策も同時に考えていかなければならない課題と思っている。


 このたびの高校におけるインターンシップ推進プランの前段階として、中学校のトライやる・ウィークを通して、子供たちは、初めて働く人の姿を見たり、職場を経験する機会を得るのであるが、それまでの小学校の段階では、職場見学を通して職場を見る程度のみとなっているのが現状であると思う。しかし、こうした幼い小学生の段階では、仕事や働くことに対しての意識が薄い感じがするし、就労体験をするには危険なところもある。


 こうした見学を通して、単なる漠然とした仕事や働くことへの意識づけだけではなく、子供ならだれでも持っている好奇心の発見に努めるべきではないかと思う。好奇心は、大人になって一人で生きていくスキルやそのための訓練をする上で非常に重要になっていると思う。さらには、その好奇心の芽を摘まないようにして、さまざまなものを選択肢として子供たちに示してやる環境も必要と思う。そうすれば、子供は、自然に好奇心の対象を探すようになると思う。こうした小学生の早期の段階から、好きな学問や、スポーツや、技術や、職業などの選択する環境があれば、それだけ子供にはアドバンテージ、つまりは有利性が生まれると思う。近年ベストセラーとなった、村上 龍の13歳のハローワークという本は、好奇心を対象別に分類して、その対象の先にあると思われる仕事・職業を紹介しようとする目的でつくられたそうである。


 しかし、私は、さきに行われた産業労働部の若年者の就業対策の質問の中で、従来のガイドブックの類ものではなく、産業労働部の得意分野と情報を生かした形での現代の子供の目線に応じた、兵庫県版の13歳のハローワークみたいなものを編集できないかと提言しておいたが、学校現場においても、そうした好奇心と職業を結びつけ、早期の段階から子供たちに自主的に考えさせる教材がないのも現実だと思う。今後は、こうした義務教育の早期の段階での好奇心の発見から、職業の選択の幅を学べる環境の整備も必要と思う。


 そうした環境のもとで学んだ上で、実際に中学校、高校での職業の体験学習に臨めば、さらなる効果があり、生徒にとっても、社会にとっても意義のあるものと思うが、教育委員会としてはどのようなお考えか、お伺いする。





○(重松義務教育課長)  子供たちがさまざまな学習をするに当たっては、未知のものに積極的かつ主体的に興味、関心を抱き、理解を深めたいと思うなどの好奇心を持たせること、社会の仕組みと個人のかかわりに関する理解を深めさせ、勤労観、職業観を育成し、生き方、あり方を考えさせることが重要であると考えている。


 このことから、キャリア教育について、小学校では特別活動としての社会見学や遠足で、身の回りの職場や施設の見学に行ったり、いきいき学校応援団で、企業の人々を活用した総合的な学習の時間で、生活と職業について考えたりするなどの学習に取り組んでいる。


 このような学習を通して、委員ご指摘のように、大きくなったら何になりたいか、将来その道に進みたいか等、将来の生き方や職場への夢や希望を膨らませることが大切であると思っている。


 今後は、子供たちが、家庭、学校、地域での諸活動の中でその一員としての役割を果たし、自分のよさや得意分野に気づき、日々の生活の中でそれを生かそうとする意欲や態度を持つことができるよう、発達段階に応じた計画的、組織的なキャリア教育が実践されるよう指導、支援していきたいと考えている。





○(西野將俊 委員)  ぜひともやっていっていただきたい。どうしても若者の就業問題ということで、どうしてもそこへ働くという観点にとらわれがちなのであるけれども、まずは、その前の段階にある、やっぱり中学生であろうと、高校生であろうと、今、大学生であろうと、意欲というのか、好奇心というものがまずはない。何につきたいのかというのも、自分で今さらわからないまま就職してしまうというようなパターンがあって、この七五三問題になっているのじゃないか。だから、その好奇心を発見するには、現時点ばかり追いかけるのではなくて、まだなっていない、今からの予備軍のところでしっかりとこういった教育、好奇心を探す努力が必要だと思っている。


 その好奇心を探す芽を摘まない努力というのか、この辺のところには、先ほどからも出ているが、ゆとりという部分が出てくると思う。だから、子供にゆとりが欲しいのであれば、私は、大人がしっかりとゆとりを持っていなかったら、子供にはゆとりが与えられないんじゃないかと思う。であるから、休みがあってゆとりがある、そういうゆとりではなくて、大人が、心にゆとりを持っている先生をしっかり、それも同時にはぐくんでいただきたいと思っている。


 好奇心というものは、大人になっても、子供になっても持っているものである。ぜひともこれが一つのキーワードになるかもしれないので、何かの成功の体験の一つにしていただきたい。今後頑張っていただきたいと思う。以上で私の質問を終わる。





○(山口信行 委員長)  以上で西野委員の質疑は終わりました。


 次に、杉尾委員。





○(杉尾良文 委員)  西野委員から、好奇心・意識ということでお話があったので、私も、勉強、知識というのは、やはりそういったものがあってこそ、これはもう一生だと思っている。それは個人の財産になるのであるけれども、ひいては兵庫県の財産になるということであるので、教育委員会というのは、やはりそういった意味では大きな役割、使命があるのではないかと思っている。


 そこで、質問に入るが、私は、家庭と地域の教育力向上についてをお伺いするが、地域の教育力の向上ということで、地域の中での子供の居場所がないとよく最近言われている。昔は神社とかお寺、集会所などといったところで、遊びやたまり場などがあり、異年齢の交流という意味では、十分にそういうことをしっかりとやってきた。しかし、子供たちが夢中になって遊んだり、社会性や多様な人間関係をはぐくんできた小さな社会が、地域の中から消えてしまっている。かつて地域の至るところに子供の居場所があったように思うが、今は、その居場所をわざわざまたつくらなければならなくなっているということである。


 国においても、学校の教室や公民館などを子供の活動拠点として開放し、放課後や週末などに子供たちが立ち寄って、自由な時間を過ごしたり、いろいろな体験活動をする地域子ども教室を開設する子ども居場所づくり推進事業を実施されているのも、地域の教育力低下に対する危機感のあらわれではないかと思う。このように、子供たちが小さな社会をつくり出せるような環境の整備を地域づくりへとつなげ、地域の協働により教育活動を進めていくべきと考える。


 そこで、このようなことを踏まえ、県では、地域の教育力向上にどのように取り組まれていくのか、お伺いする。





○(滝波企画調整担当課長)  県教育委員会においては、従来から、PTCA活動支援事業や地域教育推進事業など、教育活動に地域住民の幅広い参加を促す事業を推進するとともに、トライやる・ウィークやスポーツクラブ21、いきいき学校応援団など、実施に当たって地域の支えが不可欠な事業もあわせて展開して、地域の教育力の向上に努めてきたところである。


 また、本年度から、国の委託事業を活用して実施している地域子ども教室についても、県内すべての市町、計163ヵ所に設置されて、地域の指導者やボランティアによる放課後や週末における子供の居場所づくりが進められているところである。


 とりわけ、地域の企業や事業所、住民に支えられた兵庫県のトライやる・ウィークがモデルとなり、来年度から国が実施するキャリア教育の事業が全国で展開されることになるなど、地域の教育力に支えられた兵庫の教育が評価されているところである。今後とも、これらの地域の教育力を活用した事業を通じて、さらに、高校生による地域貢献事業や就業体験事業など、地域との協働による新たな教育活動を推進していくこととしている。


 あわせて、本年度から実施している兵庫の教育推進月間における地域教育フォーラムやオープンスクールなどを通じても、教育活動への地域住民の参画を促し、社会全体で子供たちを育てるという機運の醸成に努めながら、県民すべてがかかわる兵庫の教育を支える地域の教育力の向上に引き続き取り組んできたいと考えている。





○(杉尾良文 委員)  地域を本当に巻き込んでいただきたいと思うのは、地域は、いろいろそれぞれの場所でいろんな力を持っていると思うので、できれば率先して参加していただけるような仕組みも必要かなと思うので、よろしくお願いする。


 次に、ひょうご親学習プログラムの開発についてをお伺いする。


 児童虐待問題など、子供が被害者となる事件が多発している。さらに、青少年による凶悪犯罪の深刻化など、子供を取り巻く環境は大変厳しい状況になっている。その要因の一つは、家庭における教育力の低下ではないかと考える。家庭での教育に自信が持てない、子供への接し方がわからないなど、家庭での教育に悩みや不安を持つ親が増加している。


 私は、教育は、まず家庭から始めるべきであると考えている。そのためには、親として自立した子育てを実現していくべきであり、家庭における教育機能を高める支援策が必要であると思う。


 県では、来年度、家庭教育支援充実のため、ひょうご親学習プログラムの開発に向けた調査研究を進めることとされている。


 そこで、このプログラム開発において、どのような視点で取り組まれるのか、また、今後の作業スケジュールとあわせてお伺いする。





○(西條社会教育課長)  家庭教育がすべての教育の出発点であることは、平成13年の社会教育法改正の際にもうたわれており、生きていく上での基礎的な資質や能力が家庭においてはぐくまれ、学校においては、生涯にわたる学習の基盤や社会性を身につけることが求められている。本来、家庭教育は、それぞれの家庭の価値観やスタイルに基づく私的な営みであるが、核家族化、少子化など、家庭を取り巻く社会状況の変化により、育児不安の広がりやしつけへの自信喪失など、極めて深刻な問題が生じており、家庭の教育機能を高めていくことは緊急かつ重要な課題であると認識している。


 こうした状況を踏まえて、本県においては、全国に先駆け、県内すべての市町に子育て学習センターを設置し、子育てを支援する環境整備の充実に努めてきたところである。さらに、家庭教育の支援を充実強化していくため、子育ての実践力を養い、親の主体的な学びへとつなげる視点に立ち、どのように子供をはぐくんでいくのかなど、親同士が語り合い、学び合うワークショップ形式を取り入れた汎用性の高い参加体験型学習プログラムの開発を進めていくこととしている。


 平成17年度においては、各市町の家庭教育施策等の現状を調査し、学識者や両親教育インストラクター等により構成する家庭教育力活性化支援協議会で分析、評価を行い、その結果を踏まえて、平成18年度以降、具体的なプログラムの内容、方向を検討していきたいと考えているところである。





○(杉尾良文 委員)  参加体験型学習ということで、これからだそうであるが、実は、天皇陛下の記者会見のときだったか、ドロシー・ロー・ノルトさんの書いた詩で「子は親の鏡」という、何かこれ見ていたら、子供を先よりも親をそれに見立てて同じような形でするのかな、してもいいのかなというような気がして、この詩もちょっと思い浮かべたのである。やっぱり見て、聞いて、体験してというのは、それぞれ心に訴えるものがあると思うので、それを実際にプログラムの中に組み入れていくのは非常に厳しいものがあるかもしれないけれども、ぜひいい形でつくっていただきたいと思う。


 次に、兵庫県立大学における産学連携について質問する。


 まず、開学後の産学連携の状況についてであるが、我が国経済の活性化を図るためには、大学の持つ技術シーズと企業のビジネスニーズを的確に結びつけ、新たな産業の創出などを促進していくことが重要である。特に、昨年4月に県立3大学の統合により誕生した兵庫県立大学は、「兵庫の知の拠点」として、産学連携を積極的に展開していくことが強く求められるところである。


 兵庫県立大学の開学に当たっては、新たに産学連携センターを開設するなど、その体制整備が図られてきているところであるが、県立大学の産学連携事業の現状についてお伺いする。





○(石井大学課長)  兵庫県立大学の開学に当たっては、大学の果たすべき役割として、教育・研究に加えて、社会貢献を明確に位置づけ、その重要な柱の一つが産学連携の強化であるという認識のもとに、大学本部内に産学連携センターを設置し、大学統合の効果を最大限発揮すべく、産学連携事業を展開しているところである。


 この新大学における産学連携は、第一に、連携の専門分野を理工系だけではなく、経済・経営、看護、さらには応用情報科学の分野に広げること、第二には、連携する地域を、これまで主であった播磨地域から神戸・阪神地域、さらには全県下に広げること、第三には、連携の対象を企業だけではなく、産業振興につながる各種団体や地方自治体等に広げることという、この三つの方向で展開を図っているところである。


 本年2月時点における産学連携センターの活動状況では、まず分野については、理工系以外が110件で、全体の24%を占めており、地域については、播磨以外の地域が213件で、全体の46%を占めているところである。また、対象の広がりとしては、昨年7月20日に、産学連携センターと姫路市及び姫路商工会議所における産官学連携協力の推進に係る協定を締結して、本年2月21日には、同センターと姫路信用金庫との協定を締結するなど、着実な展開が図られているところである。





○(杉尾良文 委員)  産学連携センターは広く活動されていると聞いて、若干安心している。ぜひそういうふうに進めていただきたいと思う。


 次に、今後の産官学の連携の取り組みについてであるが、県立大学が誕生して、間もなく1年がたとうとしている。産学連携について一定の成果がうかがわれるが、県立大学が真に大学統合の効果を発揮して、本県における産業振興へのより一層の貢献に、県民は強い期待を寄せているところである。


 県立大学として、こういった強い期待にこたえるために、今後どのような産学連携に係る取り組みを行っていこうとされているのか、お伺いする。





○(神田理事)  兵庫県立大学では、教育と研究と社会貢献、この三つを柱にして取り組んでいるところであるが、産学連携は、社会貢献の大きな柱であるとともに、教育あるいは研究の分野でも大きな役割を果たすというように考えており、大変大事だと思っている。


 このため、産学連携の新たな取り組みを進める方向として、幾つか取り組んでいるところであり、その一つは、兵庫県が持っているニュースバルであるが、これは全国で3番目の放射光施設であるけれども、こういったものをもう少し産業利用できないかというような検討を先月から始めており、取り組んでいきたいと考えている。また、産学連携共同実験棟ということで、インキュベーションセンターを姫路書写のキャンパスの中につくろうということで、来年度予算に上げさせていただいているところである。


 また、大学が持っているノウハウを産業に利用していこうということで、知的財産本部を設置したいと考えており、来年度から発足したいと考えている。これによって、教員による研究成果としての発明等を、特許を初めとする知的財産として集積して、地域社会への積極的な還元や技術革新の推進を図ることとしている。


 さらに、本県が取り組む「ものづくりクラスター推進体制」、産業労働部で中心になってやっているけれども、この中で、県立大学がNIRO――財団法人新産業創造機構や科学技術協会とともに、その中核推進機関になるとともに、県立大学の産学連携センター長である本学の副学長が、この産学官連携コーディネーターを務めるなど、ものづくり産業の基盤強化等に貢献していきたいと考えている。


 このような新たな産学官連携の取り組みを通じて、兵庫県立大学の社会貢献機能のさらなる充実を図っていきたいと考えている。





○(杉尾良文 委員)  教育委員会の方でも、大学の知識というものを、実際に産業労働でいく部分も実社会の中で、経済の発展について連携していかなければならない。基礎はあっても実際の商品にはなかなか結びつかないという部分も出てくるかもしれないので、幅広く、そういうNIROの方もあったり、知的財産権というものもちゃんと確立されているようであるので、どんどんそういったものを大学の皆さんと連携していただいて、大きく花が開くようにしていただきたいと思う。


 最後の質問であるが、県立大学における会計専門職大学院の開設についてである。


 我が国においては、企業経営における会計情報の戦略的活用の必要性が高まっていることや、経済活動のグローバル化に応じた会計基準や監査基準の国際的な標準化が進展していることなどに対応できる会計分野における専門人材のニーズが急速に高まっている。


 このような状況を背景に、金融庁は、会計監査の質の向上をめざし、現在約1万5,000人の公認会計士を、平成30年を目途に5万人にふやす目標を掲げている。


 また、我が国の大学院レベルにおける専門職業人養成についても、平成15年度から専門職大学院の制度が新たに設けられ、さまざまな職業分野の高度職人養成について、大学院教育に期待がかけられているところである。


 このような状況の中、私の地元である神戸市西区にある兵庫県立大学神戸学園都市キャンパスにおいて、新たに会計専門職大学院を開設するとのことであるが、その計画の概要と意義についてお伺いする。





○(長棟教育・情報局長)  時価会計制度の導入や企業の法令遵守あるいは適正な情報開示に対する意識の高まりなどを受けて、委員ご指摘のとおり、会計分野における専門人材のニーズが高まっていることから、平成18年から公認会計士試験制度が大幅に改正され、会計専門職大学院の修了者は、その試験科目の一部が免除されることとなったところである。


 兵庫県立大学では、昨年4月の統合前から、会計分野におけるすぐれた研究実績や教育環境を持つ神戸商科大学において、これまで多数の公認会計士を初め、会計専門職業人を送り出してきた実績があるので、こういった伝統を引き継ぎ、さらに発展させることが、今後の厳しい大学間競争に打ち勝つことにつながるものと考えている。


 このため、高い資質と企業倫理、深い専門的能力に加えて、幅広い国際的視野を有した優秀な会計分野の専門職業人の育成を目的として、公立大学による全国初の会計専門職大学院を平成19年4月に開設することで準備を進めているところである。


 この開設に当たっては、神戸学園都市キャンパス内に約1,000平方メートル規模の学舎を整備することにしており、入学定員40名、修業年限2年の、全国的にも教育水準がすぐれ、高い評価を受ける大学院となるように努力していきたい、このように考えている。





○(杉尾良文 委員)  本当に企業のかなめになる会計分野のものであり、試験科目の一部も免除されるということで、非常にしっかりとした人材を育成しなければいかんということもあるだろうけれども、頑張っていただきたいと思う。以上で私の質問を終わる。





○(山口信行 委員長)  以上で杉尾委員の質疑は終わりました。


 次に、石川委員。





○(石川憲幸 委員)  いよいよ本日トリである。できるだけ早く終わりたいと思っている。いましばらくお時間をいただきたいと思う。


 先ほどからいろいろと教育に関する議論を聞いていたが、本当にいろいろな意見が出ている。それだけこの教育、何が本当なのか、何が答えなのかがなかなか難しい、そういう分野である。実は、私、6年前に有馬文部大臣に但馬でお会いしたことがあり、そのときに有馬大臣が、日本の子供たちの学力は高いんだ、ゆとり教育、生きる力の教育をしっかり進めていくんだ、こんな話を熱心にされていたのを覚えている。それから、遠山とか、河村とか大臣に出会う機会は余りなかったのであるけれども、最近、中山文部科学大臣が、このゆとり教育の見直しということを言われて、非常に今の教育、混乱とは言わないが、難しい進み方をしているな、こんなことを非常に強く思っている。


 先ほど委員からもいろいろと出ていたけれども、一昨日の15日発表の朝日新聞の世論調査では、ゆとり教育見直しに78%が賛成と答えているし、先週発表された共同通信の世論調査では、75%がこのゆとり教育の見直しということに賛成している。先月の読売新聞の調査では、72%がこのゆとり教育を評価しないと答えている。


 そして、このゆとり教育の低い評価の最大の原因は、昨年末に公表された国際学力調査結果などが日本の子供の学力低下を示したことなど、ゆとり教育が学力低下を招いたことなどというふうに報じている。


 これらの調査結果が示すとおり、学力低下問題は今、国民、県民の大きな関心事になっている。それがゆとり教育のせいかどうかは、これは議論のあるところではあるが、私は、その前に、やはり正確な現状把握が必要ではないか思っている。そういう意味において、基礎学力調査の結果と新年度施策への反映についてお聞きしたいと思う。


 教育委員会では、平成16年3月に、県下全児童生徒の10%を対象に基礎学力調査を実施された。そして、その調査結果の分析に際しては、児童生徒の生活や学習に対する意識・実態調査結果と基礎学力テストの結果をクロス集計して、朝食やあいさつといった生活習慣や家庭での自主的な学習習慣など、家庭の教育環境や学習に対する意識、態度などが、基礎学力と大いに関係していることなどが明らかにされている。


 そこで、昨年11月に発表された調査結果を踏まえ、新年度、どのように教育の施策や指導方法に反映されていかれるのか、まずお伺いしたいと思う。





○(杉本教育次長)  本県で昨年、平成16年に実施した総合的な基礎学力調査では、国が実施した平成13年度の調査と比較して、本県の児童生徒の基礎学力は、全体としておおむね良好という結果を得たところである。また、委員ご指摘にもあったが、同時に行った児童生徒の生活や学習に関する意識調査とこの基礎学力とのクロス分析をした結果では、規則正しい生活習慣とか、あるいは読書習慣等が学力の定着に非常に大きな影響を与えていることが明らかになり、学ぶ意欲を高める授業づくり、あるいは、家庭と連携して学習の基盤となる学習習慣等を育成する取り組みを進めることが非常に大切であるということがわかったところである。


 そこで、県の教育委員会では、これらの調査結果を踏まえ、一層の基礎学力の確実な定着を図るための指導方法の工夫改善のあり方を明らかにするため、まずは、学校と家庭と連携して学習習慣や学び方の機会の充実を図る、特色ある指導プランを市町から募集して、モデル実施を行う基礎学力向上フロンティア事業、また、読書習慣を育成するための読書タイムの全校実施、また、国語教員を対象とした読書活動に関する教員研修を実施するわくわく読書推進プラン、さらに、総合的な学習の時間の一層の充実を図るための「総合的な学習の時間スキルアップ研修」を実施するなど、本調査で明らかになった課題の解決に向けて、総合的な取り組みを進めるトータルとしてのひょうご学力向上推進プロジェクト事業を推進することとしており、これらの事業などを通して、本県の子供たちの確かな学力の定着を図るために一層の努力をしていきたいと考えているところである。





○(石川憲幸 委員)  先ほど、さまざまな取り組みを計画されているようであるけれども、今後の基礎学力調査についてお伺いしたいのであるが、先日の我が会派議員の一般質問への答弁を伺っていたら、前回の調査結果を踏まえて、本年5月には、それを拡大して、県下全公立小中学校を対象に、対象科目も拡大して、総合的な全県基礎学力調査を実施しようと計画されており、今回は、学力の状況に加えて、学ぶ意欲や達成感、家庭学習の状況などを調査して、学力との相関を分析するとともに、都市部と農村部、または大規模校と小規模校との比較も検討されると聞いている。


 私は、前回の調査や分析を評価しており、次回の調査においても、単に全国と比較するだけでなく、地域のばらつきを把握することや学ぶ意欲の調査結果の分析など、大いに期待をしているところである。


 しかし、前回の調査結果では、「本県児童生徒の基礎学力は、おおむね良好である」と言われており、冒頭に述べた世論調査の結果である、学力が低下しているという国民の認識の食い違いに非常に疑問を感じているところである。


 こんなこともあり、次回以降、もっと対象の児童生徒の数をふやし、できれば、全部の児童生徒の全教科を対象とするなど、対象を拡大して、精度の高い総合的な全県基礎学力調査を実施して、今後の教育行政に、また学校教育に活用していただきたいと思っている。


 そこで、今後の基礎学力調査の継続実施や活用についてお伺いする。





○(重松義務教育課長)  今年度実施した総合的な基礎学力調査は、「基礎・基本の確実な習得を図る研究協議会」の協力のもと、分析・考察を行ったところであるが、その中で、今後は学年を拡大して、他の学年の定着状況を把握したり、つまずきが見られた内容について追跡調査を行ったりして、本県児童生徒の学力の問題点やつまずきの原因を明らかにする必要があるとの提言を受けたところである。


 また、国際学力調査では、読解力や数学や理科の学力の低下傾向や、学ぶ意欲が乏しいなど結果が公表されたところであり、これを受けて、これまでの調査教科に理科を加えたり、兵庫県の子供たちの学習意欲も調査するなどの取り組みを進める必要があることがわかったところである。


 そこで、平成17年度に実施する総合的な全県学力調査では、学年や教科を拡大し、各学年段階のつまずきの状況や教科・学年ごとの学ぶ意欲や学習習慣、都市部や農村部等の地域の課題などについて、詳細な調査を行うこととしている。また、この調査の分析・考察に当たっては、専門性を有する学識経験者などから成る基礎学力向上検討委員会を設置し、今後の基礎学力の確実な定着を図るための課題と指導方法の改善の方向を明らかにしていきたいと考えている。


 今後は、これらの17年度調査結果を見据え、基礎学力の確実な定着を図る施策や学力調査の必要性について検討し、本県児童生徒の学力が着実に向上するように努めていきたい考えである。よろしくお願いしたいと思う。





○(石川憲幸 委員)  私、先ほど申し上げたように、いろいろな問題があるときには、正確な現状把握が絶対必要だと思う。そういう意味で、今回取り組まれている基礎学力調査を、私は非常に評価しているし、今度の平成17年度に、取り組まれる、例えば、都市部と農村部とか、大規模校と小規模校、そういう地域差とか、いろいろな細やかなデータを集められて、必ずいい結果が出ている地域、また悪い地域とか、そういう要素がいろいろあると思うのである。それをしっかりと分析していただくのと、いまひとつ大事なのは、その分析結果を、教育委員会だけではなく、すべての先生なり家庭なりがその情報を共有して、実態はこうなんだ、兵庫県の教育の今の現状はこうなんだということを、みんながその情報を共有することが大事だ、私はそう思うので、ぜひその調査結果を教育向上の有効な一つの手段としてお使いいただきたいし、私もそれを期待している。


 さて、この調査結果を踏まえて、本年度、学校と家庭とか、読書タイムとか、いろいろ施策を展開されようとしておられるけれども、先ほども委員のいろんな議論の中でたびたび出ていたが、私は、いろんな施策を打ち出しても、子供たちがやる気がなければ、これはもう絵にかいたもちだと思っている。であるから、この子供のやる気を引き出す教育について、最後にお伺いしたいと思う。


 先日、我が丹波市で、3高校の校長先生、また中学校の校長先生、そして小学校の校長先生もお招きし、パネリストになっていただいて、PTAの皆さん方の主宰で、教育フォーラムを開かせていただいた。私も、ぜひお前も来いということで、参加させていただいたのであるけれども、そのときに非常に興味深いお話を聞かせていただいた。ある校長先生が、「子供は入れ物、つまり学校で伸びるのではない。やる気で伸びる」、こういうことをおっしゃっていた。それで、また別の校長先生は、「学力とは普通、読解力とか計算力などの技術・技能をイメージされるが、実は学力には三つある、一つは、確かに先ほどの技術や技能、二つ目は、みずからが問題意識を持ち、みずからが解決する問題解決能力、そして三つ目が、やる気とか意欲、この三つが合わさって学力という。私はこういうふうに思っている」と、こういうお話をされて、非常に私は感激をして、めざすところはこの辺かなという気がした。


 学力に限らず、今の教育に大切なのは、子供の存在価値を認めて、やる気を引き出すことではないかと、そのときに非常に強く思ったのである。それがまさしく生きる力を養うことになるのではないかと思う。


 教育委員会でどんなにいい教育施策を考えられても、幾らすばらしい教材を工夫しても、立派な学校を用意しても、肝心の子供たちが興味、関心を示し、やる気を出さなければ何にもならない。やはり、教育の基本は、本気で取り組むという本人のやる気である。


 子供のやる気については、家庭での指導や家庭環境に加え、学校教育が大きく影響するところだと思う。


 そこで、子供のやる気を引き出す教育について、教育長のお考えをお伺いしたいと思う。





○(山口信行 委員長)  この際、申し上げます。


 本日は会議時間を延長いたします。


 武田教育長。





○(武田教育長)  石川委員からいろいろご示唆に富んだ話を聞かせていただいた。私自身、やる気を引き出すその原点は、子供たち自身が持つ夢ではないかと思っているところである。夢なくしてやる気は出てこないと思っている。


 昨年から、市町教委あるいは学校長さん方に会議等でお話する際に、私は、子供たちに常に二つの夢を持つように指導していこうではないかという呼びかけをしている。


 その一つは、子供自身の自己実現の夢である。「私はこんなことをやってみたい」あるいは「将来はこうなりたい」というふうな夢を持つことで、その実現に向けた目標が明らかになるだろう。目標が明らかになれば、学ぶことの意義が実感できるだろう。そのことがやる気と意欲につながるのではないだろうか。もう一つの夢は、家族とか、友人とか、地域の人たちあるいは仲間というふうな他者と共有できる夢を持とうではないかと呼びかけている。もし、他者と共有できる夢を持って、例えば、部活動で甲子園をめざそう、インターハイの出場をめざそうとか、そういったことが共有できるならば、少々ハードな練習も耐えられるだろう、また自分の役割も浮き彫りになるだろう、これらを達成するための自分の責任も自覚できるだろう、こういうふうなことで、自分が他人と共有できる夢を持つことが、つらいことや苦しいことにも耐え、互いに助け合い、支え合いながら、夢に挑戦していくことができるのではないだろうか、このように呼びかけをしているところである。


 先ほど来引用されている国際学力調査において、学力低下の問題が取りざたされたわけであるけれども、私は、そのことも大変大事な問題であると思うが、むしろ、その際に言われている、日本の子供たちが、なぜ学ぶんだろう、学ぶことは楽しくない、関心がないというふうな、そういった率が非常に高いという事実である。やはり学ぶ意欲、あるいは学ぶことの喜びが感じられないような状況の中で、教える量をさらにふやしていったとしても、これは身につかないのではないだろうかという危惧を持っているところである。そういった意味で、我々、子供たちに夢を持たせるということを第一に掲げるべきではないかと思っている。


 現在の日本社会は豊かになったけれども、そのことでかえって目標を失い、閉塞感が漂い、だれもが夢を持ちにくい状況になっているというふうに思っている。それだけに、社会全体でまず何よりも大人自身が夢を持つことが大切であるし、そのための社会づくりこそ必要ではないかと考えているところである。


 本県の兵庫の教育改革プログラムの副題に「県民すべてがかかわる兵庫の教育をめざして」と示させていただいているけれども、教育に携わる者、保護者、地域の人たちが一体となり、子供たちが二つの夢を持ち、そして大切にはぐくむ教育を進めることが何よりも喫緊の課題ではないかと私自身、受けとめているところである。子供たちが夢に果敢に挑戦する中で、子供たちのやる気を、あるいは学ぶ意欲を大いに引き出しながら、激しく変化するこれらの時代の中で、子供たちが主体的にさまざまな困難に立ち向かっていくことのできる、まさしく生きる力をはぐくむことができるように、兵庫の教育を進めていきたいと思っているところである。





○(石川憲幸 委員)  先ほど教育長がご答弁されたように、私もまさしく夢を持つということは本当に大事なことだと思っている。


 それで、この夢を持たせるのに、一言だけお話したいと思うのであるが、実は、千葉紘子さんという歌手がおられて、この方は少年院へいつも慰問に行かれて、犯罪を犯した少年に非常に積極的な取り組みをされている。その千葉さんがおっしゃった言葉に、犯罪を犯して少年院に入る子供たちに共通していることが一つある、こういうふうにおっしゃっていた。それは、その犯罪を犯した子供たちは、全く社会から役割として存在というものを認められていない、これを非常に強くおっしゃった。自分はこの社会には要らない人間なんだと、こういうことを共通してその犯罪を犯す子供たちは持っている、こういうことである。


 そのために、何が大事かというところであるが、実は、「ウイ・アー・オール・ビッグチルドレン」という言葉もある。「私たちはすべて大きい赤ちゃんです」、こういうことである。これはどういうことかというと、赤ちゃんというのは、生まれてからオギャーと泣いて、はいはいして、とことこ歩き出すのであるけれども、赤ちゃんが泣いたからといって、赤ちゃんがはいはいしたからといって、「がさがさするな」とか、「泣くな」とか、今はそんな大人も一部にはいるけれども、大概の親であれば、「泣かないでね」とか、「しっかり泣くね」とか、「元気だね」とか褒める。たまにほっと立ち上がって一歩、二歩歩くと、「よく歩いたね」、また、倒れたら、「痛くないよ。しっかり歩こうね」というふうに励まして、褒めるのである、「よく歩けたね」と。だから、人間というのは、もともとから褒められて大きくなっていくという過程を、必ずどの子供でも通っているのである。であるから、多分私たちのDNAの中には、褒められるということが非常に強く意識づけられていると思うのである。先ほどの少年院の子供たちでもそうであるけれども、やはり自分の持っている特性をぜひ褒められて、社会に頼られて、そういうことで大きくなっていけば、必然として存在価値を自分なりに認めて、夢も持って、目標に向かってしっかりと進んでいってくれるのではないか。これがやる気を引き出す一つの考え方ではないかという気もしている。


 それともう一つは、やはり家庭も大事だと思う。先ほどの杉尾委員への答弁の中にあったけれども、教育の基礎は家庭というお話もあった、私は、やっぱり今の現実を見ると、家庭は、なかなか親も忙しい、核家族、いろんなことを考えると、やはり教育で一番最初に先頭を切って走っていただくのは、現場の先生であり、校長先生なり、現場の先生方からという気がしている。だれが悪い、だれがいいという犯人捜しではなくて、ましてや地域が悪いという話もある。しかし、やっぱり教育をしっかり頑張っていこうというのは、現場の先生が、一緒にやろう、頑張ってやる気を出そう、そういう考え方を持っていただくのが一番大事なことであるし、家庭はその先生方の姿を見て、「私たちも頑張らなあかんな」と、こういうことを真剣に考えてくれると思うので、そういう意味では、きょうお集まりの教育委員会の皆さん方の役割は非常に大きなものがあろうかと思う。


 武田教育長も、もう4年やってこられて、来年、何ともわからないけれども、私は高く評価をさせていただいているので、これからも兵庫県の教育のために、皆さん力を合わせて頑張っていただくようにお願い申し上げて、質問を終わらせていただく。





○(山口信行 委員長)  以上で石川委員の質疑は終わりました。


 この際、お諮りいします。


 教育委員会及び企画管理部教育課・大学課・復興本部企画管理部教育課で通告のありました質疑はすべて終了いたしました。


 ほかに通告を受けておりませんので、教育委員会及び企画管理部教育課・大学課・復興本部企画管理部教育課関係の質疑を打ち切りたいと思いますが、これにご異議ございませんか。


  (異議なし)


 ご異議ないと認め、さように決します。


 次の委員会は、明18日金曜日午前10時より開会し、公安委員会関係の歳出審査を行います。


 本日は、これをもって閉会いたします。


        午後5時1分閉会


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