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平成17年度予算特別委員会(第5日 3月15日)




平成17年度予算特別委員会(第5日 3月15日)





平成17年度予算特別委員会





                  予算特別委員会議事順序





                                    平成17年3月15日(火)


                                    午前10時


                                    大会議室


 
  開    会


1 諸  報  告


2 付託議案審査


 (1) 歳入審査(産業労働部、阪神・淡路大震災復興本部産業労働部、労働委員会)


    質    疑


 (2) 歳出審査(阪神・淡路大震災復興本部総括部、部外局)


    質    疑


3 議 事 打 切 り


4 日 程 通 告


  閉    会


……………………………………………………………………………………………………………………………


出 席 委 員


    委  員  長     山  口  信  行


    副 委 員 長     杉  尾  良  文


    理     事     石  原  修  三


       〃        丸  上     博


       〃        加  藤  康  之


       〃        松  本  よしひろ


       〃        宮  田  しずのり


    委     員     石  井  秀  武


       〃        西  野  將  俊


       〃        松  本  隆  弘


       〃        野  間  洋  志


       〃        佃     助  三


       〃        中  田  香  子


       〃        杉  本  ち さ と


       〃        北  浦  義  久


       〃        葛  西  利  延


       〃        水  田     宏


       〃        合  田  博  一


       〃        岸  口     実


       〃        北  川  泰  寿


       〃        山  本  敏  信


       〃        石  川  憲  幸


       〃        清  元  功  章


……………………………………………………………………………………………………………………………


説明のため出席した者の職氏名


    企画管理部企画調整局長兼阪神・淡路大震災復興本部企画管理部企画調整局長


                           高  井  芳  朗


    企画管理部企画調整局財政課長         竹  本  明  正


    産業労働部長兼阪神・淡路大震災復興本部産業労働部長


                           江  本  耕  一


    産業労働部産業科学局長兼阪神・淡路大震災復興本部産業労働部産業科学局長


                           南  向  明  博


    産業労働部商工労働局長兼阪神・淡路大震災復興本部産業労働部商工労働局長


                           黒  岩     理


    産業労働部国際交流局長兼阪神・淡路大震災復興本部産業労働部国際交流局長


                           西  田     裕


    産業労働部参事(雇用推進担当)兼商工労働局雇用就業課長・阪神・淡路大震災復興本部産業労働部参事(雇用推進担当)・商工労働局雇用就業課長


                           川  村  徹  宏


    産業労働部産業科学局総務課長兼阪神・淡路大震災復興本部産業労働部産業科学局総務課長


                           楠  見     清


    産業労働部産業科学局産業政策担当課長兼阪神・淡路大震災復興本部産業労働部産業科学局産業政策担当課長


                           藤  原  由  成


    産業労働部産業科学局新産業担当課長兼阪神・淡路大震災復興本部産業労働部産業科学局新産業担当課長


                           荒  尾  和  成


    産業労働部産業科学局科学振興担当課長     岩  根     正


    産業労働部商工労働局経営支援課長兼阪神・淡路大震災復興本部産業労働部商工労働局経営支援課長


                           深  田  修  司


    産業労働部商工労働局商業振興課長兼阪神・淡路大震災復興本部産業労働部商工労働局商業振興課長


                           井  上     一


    産業労働部商工労働局工業振興課長兼阪神・淡路大震災復興本部産業労働部商工労働局工業振興課長


                           三  輪  眞  己


    産業労働部商工労働局企業立地課長兼阪神・淡路大震災復興本部産業労働部商工労働局企業立地課長


                           池  田  博  一


    産業労働部商工労働局労政福祉課長       余  田  大  造


    産業労働部商工労働局能力開発課長       児  玉  道  臣


    産業労働部国際交流局国際政策課長兼阪神・淡路大震災復興本部産業労働部国際交流局国際政策課長


                           金  月  武  夫


    産業労働部国際交流局国際交流課長兼阪神・淡路大震災復興本部産業労働部国際交流局国際交流課長


                           多  木  和  重


    産業労働部国際交流局国際経済課長兼阪神・淡路大震災復興本部産業労働部国際交流局国際経済課長


                           赤  木  正  明


    産業労働部国際交流局観光交流課長兼阪神・淡路大震災復興本部産業労働部国際交流局観光交流課長


                           小  林  義  寛


    産業労働部商工労働局経営支援課参事(金融担当)兼阪神・淡路大震災復興本部産業労働部商工労働局経営支援課参事(金融担当)


                           足  立     誠


    産業労働部商工労働局雇用就業課参事(雇用創出担当)兼阪神・淡路大震災復興本部産業労働部商工労働局雇用就業課参事(雇用創出担当)


                           増  田  登  司


    労働委員会事務局長              鈴  木  利  昭


    労働委員会事務局総務調整課長         千  賀  浩  史


    労働委員会事務局審査課長           濱  本  博  昭


    阪神・淡路大震災復興本部総括部長       古  西  保  信


    阪神・淡路大震災復興本部総括部参事(計画推進担当)


                           藤  原  雅  人


    阪神・淡路大震災復興本部総括部復興推進課長  常  松  貞  雄


    阪神・淡路大震災復興本部総括部復興企画課長  松  原  浩  二


    阪神・淡路大震災復興本部総括部生活復興課長  鬼  頭  哲  也


    阪神・淡路大震災復興本部総括部生活復興支援室長


                           松  田  太  輔


    阪神・淡路大震災復興本部総括部復興企画課参事(企画管理担当)


                           小  西  文  男


    副出納長                   松  本     久


    出納事務局会計課長              川  上  志 津 夫


    出納事務局管理課長              六  岡  康  雄


    出納事務局工事検査室長            笠  岡  良  雄


    出納事務局審査・指導室長           奥  野     豊


    議会事務局長                 稲  田  浩  之


    議会事務局次長                谷  口  勝  一


    議会事務局総務課長              坂  田  昌  一


    代表監査委員                 久  保  敏  彦


    監査委員事務局長               廣  瀬  信  行


    監査委員事務局次長              高  田  起 一 郎


    監査委員事務局監査第1課長          松  田  伸  一


    監査委員事務局監査第2課長          打  越  信  男


    人事委員会委員長               馬  場  英  司


    人事委員会事務局長              寺  尾  光  正


    人事委員会事務局総務課長           瓦  上  清  秀


    人事委員会事務局職員課長           田  中  秀  昭


……………………………………………………………………………………………………………………………


        午前10時2分開会





○(山口信行 委員長)  ただいまから予算特別委員会を開会いたします。


 議事に先立ち、ご報告申し上げます。


 委員会条例第14条の規定により、本日、当委員会に出席を求めた者の職氏名は、お手元に配付いたしております一覧表のとおりでありますので、ご了承願います。


 これより議事に入ります。


 平成17年度関係、第1号議案ないし第22号議案を一括議題といたします。


 本日は、産業労働部・復興本部産業労働部、労働委員会及び復興本部総括部・部外局の歳出審査を行います。


 まず、産業労働部・復興本部産業労働部及び労働委員会について審査を行います。


 これより質疑に入ります。


 この際、当局に申し上げます。


 答弁は、発言の趣旨を的確にとらえ、簡潔に願います。


 委員の発言は、通告に基づき、委員長より順次指名をいたします。


 まず、松本隆弘委員。





○(松本隆弘 委員)  県内の景気動向については、日本銀行神戸支店が今年3月1日に発表した「管内金融経済概況」によれば、県内景気は回復を続けており、輸出と設備投資は増加傾向を維持しているほか、個人消費は強弱交錯しつつ底がたく推移していると報告されている。しかし、私はやはり、これは大企業中心の回復であると思っているし、まだまだ中小企業にとっては厳しい状況が続いているのではないかと思っている。


 ついては、県経済の元気回復のための施策について伺いたいと思う。


 まず、地場産業のブランド戦略についてであるが、県内には50余りの多種多様な地場産業が集積し、清酒や播州織、ケミカルシューズ、豊岡かばんなど、全国有数の生産規模を誇る産地も多く、地域の雇用・経済を支え、本県の活力の維持、発展に重要な役割を担っている。


 地場産業は、古くから受け継がれてきた高度な技術により、すぐれた品質の製品づくりを行っているものの、これまでは大手企業や商社等からの受注生産に甘んじてきたことから、そうした安定的な取引関係が今、崩れつつあると思う。そんな中で、新たな販路開拓をみずからの努力により切り開いていかなければならない、そんな必要に迫られていると思う。


 そのためには、製品や企業、さらには産地全体についての国内外のマーケットにおいて通用する高い評価を確立することが求められているのではないかと思う。近年、企業が新製品開発や市場開拓を進める上で、ブランド戦略の重要性が指摘されている。また、全国的にも地域ブランドに向けた動きが活発である。


 ブランドとは、多くの人に支持され、確立された優位性のことを言うが、ブランド力のないものは単なる物であり、競争力のある商品とはなり得ない。ブランドの育成には、当然、企業自身の不断の努力が必要であることは言うまでもないが、確立されたブランドは兵庫県全体の元気回復を牽引する大きな原動力となる。


 県として、ブランド戦略をどのように考えておられるのか、お伺いをする。





○(黒岩商工労働局長)  ご指摘のとおり、県内の地場産業が安価な海外製品の流入や流通経路の変化に対応して競争力を維持し、さらに発展していくためには、個性を生かした魅力あるブランドを創出していくことが必要であると考えている。


 県内での成功例も少なくないわけであり、灘の酒は別格としても、手延べそうめんの揖保乃糸は、既に全国ブランドを確立しているし、神戸のケミカルシューズでも、各社それぞれ自社ブランドを構築することに取り組んでいて、東京へ進出したり、海外の百貨店で専門コーナーを設けて売り上げを伸ばしたりしている企業も見受けられる。また、豊岡のかばん産地では、大手スーパーと連携してメイド・イン・ジャパンブランドで全国的なヒット商品を生み出しているし、現在、地域を挙げて豊岡かばんブランドの確立に取り組んでいる。


 ブランドの創出のためには、では、どうするかということであるが、委員ご指摘のとおり、ブランドとは顧客からの高い評価であるので、三つの大事な場面があると思う。第一に、だれに、どういう層に、その製品のどういう特色を評価してもらうかという戦略を構築する場面、第二に、想定される顧客に対してその情報を効率的に伝えていくこと、第三に、その評価にふさわしい価値の高い製品を実際に安定供給できる体制を確立することであると思う。


 県としても、産地企業等のこうした努力を積極的に支援し、産地の活性化につなげてまいりたいと考えている。





○(松本隆弘 委員)  ありがとうございます。


 今後も支援をしていただけるということであるが、次に、ブランド戦略の支援をもう1点お聞きをしたいと思っているが、実際に経営規模の小さい企業やそういう産地では、ブランド戦略は非常に大事であるという認識があるとは思う。しかし、つくることに精いっぱいの部分がある。どのようにブランドをつくっていいのか、どのように売り込んでいけばいいのかなどがわかっていない部分もあるのではないか、また、市場ニーズに対するマーケティングの調査が効果的に行われないといったこともあるのではないかと思っている。


 この点について、県として、地場産業のブランド戦略をどう進めるのか、どう支援をしていくのかお尋ねをしたいと思う。よろしくお願いする。





○(三輪工業振興課長)  中小零細企業の多い地場産業においては、ご指摘のとおり、人材、資金、ノウハウ等の経営資源に制約があることもあり、ブランドの戦略的活用が十分ではないのではないかと考えている。


 このため、県としても、これまで新製品開発や販路開拓支援等を通じてブランド開発を支援してまいったが、来年度新たに、既にブランディング研究会等を立ち上げている財団法人神戸ファッション協会と連携をし、産地企業経営者等を対象にブランド戦略に関する認識を深めるためのセミナーや具体的な展開手法に関する講座を開設することとしている。


 また、ブランドの重要性は認識しているものの、ブランド戦略のノウハウなどについて相談できる専門家を求めている産地企業や組合等を対象に、経営コンサルタントやデザイナーなどをアドバイザーとして派遣をするとともに、新製品開発等に当たって、みずから外部専門家を活用して新たにブランド戦略を策定・展開しようとする意欲ある企業や企業グループなどに対し、資金助成を行うこととしている。これらの取り組みのほか、中小企業活性化センターによるマーケティング・経営支援や工業技術センターによる技術・デザイン支援等をきめ細かく行い、地場産業のブランド力強化を図ってまいりたいと考えている。





○(松本隆弘 委員)  ありがとうございます。


 私、いつも思っていることがあり、確かにやはり、企業が努力せないかんというのが一番であるが、こんな時代というか、今、本当にブランドを確立していかないかんという中で、やはり、まず、県行政や市町も含めて、行政がちょっと引っ張ってあげるような施策が必要であると、それを思っているし、ちょっと福岡県などの話をすると、これは農産物であるが、いわゆるブランド化をするのにプロジェクトチームをつくった。それを兵庫県がどういう形であるかと聞けば、それは企業秘密で答えられないと、そんな答弁もあったと聞いている。今、時代はそんなところに来ているのだと思う。ぜひ、県として、今後、力を入れていただきたいと思っている。


 次に、ファッション関連産業の元気回復でお聞きをしたいと思う。


 3月5日に神戸ファッションマートにおいて神戸コレクションが開催され、過去最高の約6,000人もの入場者があったと聞いている。神戸のファッション産業は多くの若い女性を魅了しており、その動向は全国的に注目をされている。今や神戸のファッション産業は国内にとどまらず、世界に誇れる地場産業の代表的な存在と言える。しかも、ファッション産業はアパレルだけでなく、その生地や靴、かばん、装飾品、さらには家具、雑貨等の日用生活品全般にまで関連をするすそ野の広い産業である。そういった意味で、播州織、ケミカルシューズ、豊岡かばん、真珠等の地場産業もファッション関連産業ととらえることができるのではないか、そのように考える。


 そこで、まず、「ドラフト!」の成果について伺いたいと思う。


 神戸アパレルを中心とする県内のファッション関連産業の振興を図るためには、若手デザイナー等の人材を育成し、常に新しい流行、新しい発想を取り入れつつ、広く全国に情報を発信していく必要がある。


 阪神・淡路産業復興推進機構が中心となって実施をしてきた「ドラフト!」は、平成14年度以降、「ドラフト!1、2、3」と、既に3回を数え、多くのセレクトショップや若者の支持を得ていると聞いているが、これまでの成果についてお伺いをする。





○(三輪工業振興課長)  衣類、装飾品、インテリア用品等を対象として、若手ファッションクリエーターを全国に公募し、神戸市内のセレクトショップや百貨店等とのマッチングを行う「ドラフト!」は、次世代のファッション産業を担う人材の育成・確保を目的に、ご指摘のとおり、平成14年度から開催をしている。


 過去3回で合計754組の応募を得ており、このうち、74組が最終審査を通過し、セレクトショップ等での売り場展開を行った。過去2回の売り上げ実績は、延べ29社、1億2,000万円に上っている。


 また、こうした取り組みを定着させ、広く全国に情報発信するため、昨年度から参加ショップによるクリエーターの作品展示即売会やスタンプラリーを実施する「ドラフト!ウィーク」や、有力バイヤーなどによる「ドラフト!ミーティング」などの関連イベントを実施するなど、回を重ねるごとに内容の充実を図り、関係者からも高い評価を得ている。


 県としても、引き続き、来年度からこの「ドラフト!」の事務局を引き継ぐことになる神戸ファッション協会への支援を通じ、ファッション都市神戸、ファッション先進県兵庫を広く全国にアピールし、ファッション産業の振興を図ってまいりたいと考えている。





○(松本隆弘 委員)  すばらしい成果を上げていただいているということで、実はその成果は上げていただいているが、それをもっとより兵庫県の元気回復につなげるためにということで、もう1点質問したいが、地場産業ともっとマッチングをさせてはどうだという思いで質問をするが、我が国の最先端を行く神戸ファッションということであるから、それと県内の多様な生活文化関連地場産業とか、本当に連携をとっていくことが元気回復をするためにより大きな効果を生むのではないかと考えている。その点について、県としてどう取り組んでいくのかお伺いをする。





○(三輪工業振興課長)  厳しい環境に置かれている地場産業の元気回復を図るためには、神戸ファッション業界との連携が有効な方法の一つであると考えている。


 このため、関西夏のエコスタイル・キャンペーンに合わせて実施している「ひょうごファッション発信事業」の一環として、先週末には、神戸ファッション業界とともに、播州織、ケミカルシューズ、靴下等の産地の参画を得たファッションショーを県の公館で開催をしたところである。


 また、「ドラフト!」についても、来年度新たに、若手クリエーターに産地企業の求める開発テーマなどを伝えるとともに、地場産業による素材提供やアドバイス等のサポート体制を整え、マッチングを強化することとしている。さらに、来年度で32回目となる神戸ファッションコンテストにおいては、新たにアジア出身者枠を設け、受賞者を産地企業が受け入れるインターンシップ等によりアジア諸国への情報発信を行うほか、地場産業素材を活用したクリエーターに対して特別賞を設けるといった取り組みを行うこととしている。


 今後も、神戸ファッション協会等の協力を得て、神戸ファッションと関連地場産業との一層の連携強化を図りながら、地場産業の活性化につなげてまいりたいと考えている。





○(松本隆弘 委員)  ありがとうございます。


 阪神・淡路産業復興推進機構から神戸ファッション協会へということであるが、先ほど、協力をしてということであるが、ぜひ、本当に一緒になって、協力をしてもらうというよりも、県が率先をして一緒にやっていただきたいと思っている。


 3点目は、商店街の活性化について伺いたいと思う。


 どの町にも顔というものがある。商店街もその顔の一部を担っている。商店街が衰退した町は、町とは呼べないと言っても過言ではないと私は思っている。それぐらい商店街の存在価値は重要なものだと思っている。地域商業の担い手であり、地域コミュニティの交流拠点としての機能を有してきた商店街の元気回復こそ喫緊の課題と考えている。


 県として、商店街の現状をどのように認識をされているのか、また、商店街の持つ商業機能や社会的機能の回復による商店街の活性化に向けて、現在、どのような支援策を講じているのか、あわせてお伺いをする。





○(井上商業振興課長)  県で一昨年度実施した「商店街等実態調査」の結果で見ると、商店街等の自己認識として、衰退と感じているところが53.7%、停滞・横ばいと感じているところが41.7%、繁栄と自己認識しているのはわずか4.5%となっており、県下の商店街等は非常に厳しい状況にあると認識している。また、近隣・地域型の商店街等においては、飲食料品や飲食業といった業種不足により、商業集積としての機能を十分果たせない状況にあるところもあるのではないかと考えている。


 ご指摘のとおり、かつて商店街等は地域住民への各種商品・サービスの提供といった商業機能とともに、地域住民が憩い集う地域の交流拠点としての社会的機能を担ってきたが、近年の経営環境の変化等に伴い、こういった機能が著しく低下してきていると認識しており、これらの課題も踏まえ、県では、商店街等の再生を図るため、商業機能の根幹となる「個店の頑張り」への支援を行うとともに、地域の要望・課題等に対して、例えば、子育て支援の切り口など地域社会に必要とされる商店街にみずから生まれ変わろうと取り組みをされていることについて、県として支援をしている。具体的には、まちづくりの観点から商店街等が主体的に取り組む活性化事業への助成や地域の団体や住民と一体となって実施する集客イベントへの助成等を通じ、やる気のある商店街等を支援している。





○(松本隆弘 委員)  本当に多くの支援策を講じていただいているのは十分に理解をしているが、ちょっと気になるのが、今後の支援の方向性という点で気になることがあるので、もう1点、質問をしたいと思う。


 実際に商店街は、今、経営者の高齢化、後継者難など構造的な課題が本当に多いと思っている。そういった中では、活性化は厳しい、難しい面もあると考えているが、私は、これまでいろんな策をとっていただいているが、今、求められるものという点において、各商店街においては置かれている環境もさまざまであるし、その地域に暮らし、商店街を利用する人たちの意見を聞いて、それを反映できると、地域と一体となって取り組めるシステムづくりこそが、今、商店街には求められているのではないか、そのように考えている。


 県として、非常に難しい面があると思うが、今後、どのように商店街の活性化を図ろうとされているのかを最後にお聞きをしたいと思う。





○(江木産業労働部長)  商店街を「地域の顔」として再生していくためには、原点に返り、商店街は地域のためにある、敵は量販店ではなく、むしろ、おのれの中にあるという形で、発想を転換し、地域のニーズを洗い直し、地域ぐるみで取り組みを進めていく必要があるのではないか、このように考えている。


 このため、ミセスや学生等の利用者側の率直な意見を商店街・個店の魅力向上につなげてもらう「商店街・個店訪問御意見隊事業」や、商店街がNPOや自治会等と連携した取り組みを支援する「まちづくり連携商店街活性化事業」等を推進し、地域商店街ならではの、いわばオンリーワンの魅力づくり、おもしろい顔もあるだろうし、美しい、きれいなべっぴんさんの顔もあるだろうが、地域独自の街の顔をつくっていく、そういう取り組みを進めていきたいと考えている。


 また、まちづくりの担い手である市町が中心となり商店街の活性化に取り組んでいくことが重要であるので、このためにイベント事業等について、補助要件を緩和し、市町の主体的な取り組みを尊重した商店街活性化の支援を行い、地域コミュニティの再生を後押ししていきたいと考えている。


 このほか、業種構成、品ぞろえなど、商業集積の魅力を向上・維持させ、集客力を確保するために、商店街における廃業見込み商店の店舗設備や顧客等の円滑な継承を推進する「商店継承バンク支援事業」を実験的に行っていきたいと考えているし、このほか、「空き店舗活用支援事業」を拡充し、商店街の魅力向上に必要な業種の適正配置を図るため、低廉な家賃での新規出店を促す取り組みを積極的に支援し、商店街の活性化にいま一層努力をしてまいりたいと考えている。





○(松本隆弘 委員)  最後、部長に答弁をいただいた。ありがとうございます。


 私、中小企業活性化センターの位田理事長ともお話をさせていただくが、本当に支援策としてはいろんな支援策を講じていただいているが、これは宿命というのであろうか、いわゆる中小企業や零細、個人商店の方は非常に頑固者が多い。窓口としては大きく開いているが、なかなか本音での相談が少ないということを聞いた。もっとPRが足らんのかなあという気もしているので、そういった個人のところにぜひ支援策のPRをしていただきたいと思っている。


 最後に、ひょうご中小企業活性化センターがひょうご産業活性化センターとなるということで、私はしてほしくないという思いである。名前が変わるから気にしているわけではないとは思っているが、中小企業の元気が出て初めて兵庫経済元気回復となると思っている。どうか今後も、皆様にご尽力をいただきますようによろしくお願いを申し上げて質問を終わる。ありがとうございました。





○(山口信行 委員長)  以上で松本隆弘委員の質疑は終わりました。


 次に、岸口委員。





○(岸口実 委員)  先ほど、松本委員の質問と一部テーマが重なるところもあるが、角度を変えた質問であるので、よろしくお願いをしたいと思う。


 それでは早速、質問に入りたいと思う。


 まず、中小企業対策について、3点、お尋ねしたいと思う。


 県内中小企業の景気動向についてである。


 バブル経済の崩壊、失われた10年と言われて十数年が経過をした。この間、各企業は不良債権処理、リストラ、経営統合等さまざまな再生への努力を続けた。そして、昨年からようやくその成果が数字としてあらわれ始めた。上場企業を初めとする大手企業の決算発表の記事には、「増収増益」「史上最高益」の文字が目につくようになり、中でもトヨタ自動車に至っては、2年連続で経常益が1兆円を超えるとの報道もなされている。


 大手企業の収益は大きく改善をしているが、いま一つ実感がわいてこない。どこにその原因があるのかを考えた。やはり、この大手企業の業績改善を支えた要因の一つが中小企業の努力と犠牲にあるからだと私は考えている。やはり、地元中小企業の収益改善、業績の回復がなければ、その地域の景気回復の実感が得られないものになるからである。


 そこで、まず、県下の中小企業の経営の状況と今後の見通しについて、どのような認識を持っておられるのか、また、不安材料がないのかについてお尋ねをしたいと思う。





○(深田経営支援課長)  日銀神戸支店の昨年12月に発表された短期経済観測調査、短観と呼ばれているものであるが、これによると、県内中小企業の平成16年度の売上高については、前年比3.4%の増加が見込まれている。経常利益については、前年比17.1%の増加が見込まれているなど、大手企業の水準は下回るものの、中小企業の動向も総じて好転しているところである。


 また、金融面では、県下全体としては、全企業のことであるが、企業の資金需要が低調に推移しているのが現状である。一方では、県中小企業融資制度であるが、この制度融資の17年1月末までの融資実績を見ると、前年度同期比で件数・金額とも1割程度増加している状況である。


 しかし、下請中小企業を対象とした経営動向調査、これは昨年の10月、11月、12月期、いわゆる第3四半期であるが、この第3四半期において操業割合がやや減少している。それとともに採算状況については、「よくなった」とする企業が若干減ってきている状況が見られ、これまで回復傾向をたどってきていたものが、ここに来て若干厳しい様相を示してきているのかと理解している。


 このように、県下の中小企業の経営の現状については、明るい兆しがうかがわれるとは言うものの、なお足踏み状態が見られる。加えて、中国等の海外需要が先行き不透明であることや、鋼材・原油等原材料費の高騰等の不安材料もある状況である。このような状況である今が景気回復の勢いを持続させ、安定した成長へとつないでいくべき重要な時期であろうかと認識している。





○(岸口実 委員)  足踏み状態ということであるが、特に中小・零細企業に対する支援は今後もよろしくお願いをしたいと思う。


 次に、地場産業の復興による自然災害被災地域の経済活性化についてお尋ねをする。


 阪神・淡路大震災から10年が経過した。この間、経済・雇用の面においても、関係者挙げて震災からの復旧・復興等に取り組まれ、平成13年度に「ひょうご経済・雇用再活性化プログラム」の策定、そして今年度には「ひょうご経済・雇用再生加速プログラム」が策定された。その結果、一部では明るい兆しが感じられるとの意見を耳にするようにもなった。


 しかし、私には、先ほど申し上げたように、被災地域の経済が以前の活力を取り戻せていないと感じる。被災地には、以前から特色ある産業が集積した地域がある。例えば、神戸地域では、ケミカル、酒造などの地場産業が全国的な知名度や産業の集積によるメリットを生かして活発な経済活動を展開してきた。こうした地場産業が牽引役となって、地域全体の経済の活力が高められていたと考えるものである。


 しかし、地場産業が全国的な不況の影響もあって、なかなか震災以前の活力を取り戻すに至らず、それが被災地の経済に力強さが回復しない一因と感じている。仮に、地場産業の不振が阪神・淡路大震災という自然災害によるものであるならばまことに残念でならない。県の経済界にとって大きな損失となるものである。


 また、昨年の台風23号により、豊岡のかばん産業、西脇の織物業、淡路のかわら産業などの地場産業が大きな被害を受けた。これらの産業の回復なくしては被災地域の経済・雇用の復興はあり得ない。まずは地域経済を牽引する地場産業の復興を図り、地域経済に活力を波及させることが重要であると考える。


 中小企業の振興は、県の経済が発展するための永遠の課題であるが、自然災害に被災した地域の経済を活性化させるため、地場産業の復興にどのように取り組まれるのか、ご所見をお尋ねする。





○(江木産業労働部長)  ケミカルシューズや灘の酒は消費者ニーズの多様化・高度化等により、震災前から縮小傾向が続いていた。その中で震災により大きな打撃をこうむった状況にある。業界の懸命な努力と、これを応援する私ども県の復旧対策により、右肩下がりのトレンドを食いとめるまでに至っていないが、先進的な企業を中心に製品の高付加価値化や販路開拓等への積極的な取り組みがなされている現状にある。


 例えば、ケミカルシューズ産地では、震災前は1,980円のスーパー向けの製品が中心であったが、今では、ある企業では、革製の婦人の高級パンプスやブーツ等を東京で小売店を展開している企業も出てきており、個別企業レベルでは相当な復興を果たしている状況にあるのではないかと考えている。


 また、台風23号等によっても、豊岡かばん、播州織等の地場産業が大きな被害を受けた。被害実態に応じて、制度融資の拡充、利子補給制度の創設、イメージアップ対策を機動的に実施をしたし、何よりも企業の努力により、予想を上回るスピードで復旧は進み、おおむね被災前の生産体制、供給体制を回復したのではないかと考えている。


 しかし、こうした地場産業を取り巻く環境は、国際競争の激化や成熟社会へと移行する中での消費者ニーズの多様化等、今後ますます厳しくなることが予想されている。こういう状況の中では、かつての過去の成功体験、これへの執着をいかに断ち切るかなどが重要なキーポイントになるのではないかと考えている。


 こうした考え方のもとで、今後は、まずは販路という考え方に立ち、新製品・新技術開発支援や大手小売業者との商談会開催など、これまでの取り組みに加え、産地の個性を生かして市場での優位性を確保するためのブランド戦略を積極的に支援をしていきたいと考えているし、このほか、中小企業活性化センターで取り組む「マーケティングナビゲートシステム」を活用し、商品やサービスの販売力の強化をするなど、売れるものづくりを積極的に推進し、地場産業、ひいては地域経済の活性化に一層努力をしてまいりたいと考えている。





○(岸口実 委員)  地場産業は、やはり、その地域の花形産業であったと思うし、また、すそ野が広い業種がそのほとんどであると思う。こういう自然災害の後などには一番のイメージを上げていくというか、復旧・復興をアピールする一つのいい材料になると思うので、そういった意味でも、自然災害による地場産業の復旧・復興をよろしくお願いしたいと思う。


 続いて、地域金融支援保証制度の運用についてお尋ねをする。


 ここ数年、中小企業に対する支援策を相次いで創設をし、地域経済を守ってこられたご努力に感謝を申し上げたいと思う。また、その成果もあり、一時期の危機的状況は脱したものと思われるが、地域の中小企業の経営改善や安定を進めるためにも、より一層の支援策の充実をお願いしたいと思う。


 これまで、中小企業金融を支えてきたのは、保証協会による保証制度であると私は考えている。この保証制度は、本来、信用力の低い中小企業者に対する支援策と理解をしている。しかし、現実は、この本来の目的からずれ、金融機関のための制度と化してしまっているのではないかとさえ感じるものである。


 民間金融機関はどんなに小さな融資にでも担保を要求し、また、保証協会の保証をつけなければ融資を実行しない。当然、保証料は借り主が負担をし、また、借り主が返済不能に陥った場合には協会から代位弁済が受けられる。この保証制度により、民間金融機関は全くリスクを負わずに守られることになる。融資に際してのさらなる事業評価手法の開発や、民間金融機関による担保・保証に過度に依存しない積極的な融資の姿勢が望まれる次第である。


 こうした中、県では、17年度に地域金融支援保証制度を創設されるが、これは私が期待を寄せている新規事業の一つである。この制度の融資目標額は100億円とのことであるが、この目標額の設定の根拠とは一体何なのか、また、融資対象は何社ぐらいを想定しておられるのか、また、相談から実行までどれぐらいの時間を想定しておられるのかなど、この制度の基本的な仕組みについてお尋ねをする。





○(足立経営支援課参事)  信用力に乏しい中小企業者に対しては、これまでから信用保証協会が金融上の公的保証人となることにより、円滑な資金調達に資する役割を果たしてきたが、保証枠を超えている場合やリスクが高くて保証が得られない場合があることから、資金繰りに支障を来す中小企業も見られる。そのような中小企業者に対する保証制度を創設することで、若干、保証料は高いものの、無担保・第三者保証人なしでの融資が受けられるようにするものである。なお、部分保証制度を導入し、保証に当たり金融機関にも一部リスク負担を求めることとしている。


 融資目標額については、100億円としているが、これは保証協会の保証つきで、本年度に創設したスコアリングモデル活用型の経営活性化資金が目標額200億円に対し、平成17年1月末現在で約1,100件、140億円の実績があり、当地域金融支援保証制度はさらにリスクの高い層を対象としていることから、融資目標額を活性化資金の半分程度の100億円としたところである。


 また、融資限度額は3,000万円以内としているが、先ほどの経営活性化資金の実績から見て、1社当たり2,000万円の融資実行により500件程度の資金需要があるものと想定している。また、本制度もスコアリングモデルを活用することにより、迅速審査を行い、最短でいくと申し込みから1週間程度で融資実行できるものと考えている。


 県としては、この保証制度の積極的な利用を促進することで、いわゆるミドルリスク層の中小企業者の資金調達が図られることを期待している。





○(岸口実 委員)  特に今回の無担保・無保証ということであるので、こういう制度をもっと多くしていくことが新たな起業家の育成につながってくると思うので、ぜひよろしくお願いをしたいと思う。


 次に、障害者の雇用・就業の促進についてお尋ねをする。


 障害者の雇用・就業の促進については、昨年6月の本会議でも質問したが、障害者の雇用・就業環境は依然として厳しい状況が続いている。障害者の雇用・就業状況の抜本的な改革のため、肌で感じ、数字にあらわれ、そして目で見える形での成果の上がる施策の立案と実行を要望するものである。


 利益を優先する企業経営とユニバーサルサービスは相反する側面があるが、ユニバーサル社会の実現に向けた企業努力は社会的な信用を高め、それが企業経営に好結果をもたらすことで企業理念に一致するはずである。


 平成15年に改正された環境の保全と創造に関する条例は、自動車の運行規制による環境保全という面で企業の果たすべき社会責任を明確にした条例であるとも言える。障害者の雇用・就業についても、同じように企業の社会責任を明確にすることが求められる。そのためには企業や雇用主において、障害者雇用の拡大という社会責任に対する意識の向上を図るとともに、ハード・ソフト両面にわたって障害者の雇用拡大に向けた企業の取り組みを支援する施策を展開しなければならない。


 県では、このためのハード整備に関し、17年度において「事業所ユニバーサル貸付」を創設することとされているが、この貸付はどれぐらいの事業所で行われるのか、また、その結果、どれくらいの雇用と就業が達成できると見込まれているのかお尋ねをする。





○(川村産業労働部参事)  障害者の雇用・就業については、ユニバーサル社会の実現の観点からも、企業の社会的責任に強く訴え、その拡大を図っていく必要があると認識しており、労働、保健福祉、教育、さらには事業主団体等の関係者で構成する「障害者雇用・就業支援ネットワーク」を構築しており、各支援機関相互の連携を図りつつ、障害者雇用に係る企業への啓発、支援を行っている。


 委員ご指摘の「事業所ユニバーサル貸付」は、雇用義務を特例的に軽減する除外率制度があるが、これが段階的に縮小されており、運輸、鉄鋼等の業種では一層の障害者雇用の取り組みが必要となっている。こうした業種を初めとする中小企業の事業所において、職場環境や作業施設の設置等が必要となる場合の支援策として、来年度創設することとしているものである。


 同制度においては、障害者のほか、高齢者雇用や事業所託児施設の設置等も対象としており、融資目標額は、既にある「観光施設ユニバーサル貸付」とあわせて5億円としている。設備投資の費用やそれに伴う障害者雇用数については、業種・業態によってさまざまであり、一律に定めることは難しい面もあるが、初年度は10件程度を目標にしたいと考えている。


 今後、この貸付制度のほか、既存の各種の障害者雇用助成制度の周知・活用に努めるとともに、障害者専門の無料職業紹介事業など各般の施策により、障害者法定雇用率1.8%の達成に努めてまいりたいと考えている。





○(岸口実 委員)  景気が回復して、企業に余力が少しずつでき始めたときがこういう絶好のいいチャンスというか、機会であると思うので、この機に障害者の雇用・就業の促進をよろしくお願いしたいと思う。


 次に、商店街支援策についてお尋ねをする。


 まず第1に、ワンストップの商店街対策についてお尋ねをする。


 県では、さまざまな方面から商店街対策に力を注がれている。もともと地元商店街、小売業者は、まちづくりや地域のコミュニティの中心的な役割を果たしていたと聞いているが、現在、商店街は大規模小売店舗の進出、コンビニエンスストアの出現に伴う小売流通形態やライフスタイルの変化により、大変厳しい環境に置かれている。


 商店街の中には「店舗数がピーク時の2分の1、売り上げは3分の1、あと数年で商店街活動自体ができなくなる」との声も聞かれるようになったものもある。商店街は地域の元気アップに欠かせないものであり、商店街支援の積極的な展開を重ねてお願いをする。


 商店街対策として、これまで産業労働部においてさまざまな支援策が展開されているが、このたび、県土整備部において、大規模集客施設の立地に係る都市機能の調和に関する条例の制定、まちづくりの観点からハード整備の総合的な協議・調整を図ることとなり、また、県民政策部においても、商店街の空き店舗の活用法の検討が行われ、農林水産部においても、地産地消の直売所として商店街の空き店舗を活用することがあることも聞いている。


 こうした商店街をめぐるさまざまな施策の実効性を高めるためには、商店街の振興に係るこれらの施策を一体的・効率的に展開することが求められる。そのためには、よく言われる役所の縦割り行政でなく、ハード・ソフト両面にわたり、商店街に関するすべての施策を一括して取り組む部署が必要ではないかと考える。まちづくりの一つの要素として商店街を位置づけ、役割を明確にするなどの対策が必要ではないでしょうか。


 そこで、商店街支援策について、一つの部局が自覚と責任を持って進めるべきと考えるが、当局のご所見をお尋ねする。





○(黒岩商工労働局長)  ご指摘のとおりであり、商店街活性化とは別の目的で実施されている施策であっても、商店街活性化と関係の深いものが多く存在している。


 したがって、商店街活性化を担当している産業労働部としても、みずから所管している商店街活性化施策に加え、都市計画を初めとして再開発や区画整備等の面整備、道路、街路、環境、交通、公共施設、住宅、ユニバーサル社会、地域安全、子育て支援、介護、コミュニティビジネス、地産地消等広範な分野の施策について、商店街や市町に対して積極的に情報提供を行うとともに、必要があれば担当部局間で連絡調整を行い、これらの施策がなるべく一体的・効率的に投入されるように努力しているところである。


 今後も、こうした努力を一層強化していきたいと考えているし、商店街活性化の主体である商店街組合やまちづくりの主体たるべき市町の担当者に、より一層広い視野で考えて行動してもらうための研修事業などに力を入れてまいりたいと考えている。





○(岸口実 委員)  ありがとうございます。


 最後に、商店街支援策の弾力的運用についてお尋ねをして質問を終わりたいと思う。


 来年度には、商店街支援に向けた新規事業として、テナント・ミックス計画の策定支援、商店継承バンク支援事業、地域連携イベント等支援事業、商店街・個店訪問御意見隊事業などが実施される。


 なるほど、メニューはたくさんあるが、大事なことは個々の商店街の実情に即した効果的な運用であると考える。よかったと喜んでいただけるよう、結果重視の弾力的な運用をぜひお願いしたいところである。


 そこで、商店街支援策の弾力的運用について、所見をお尋ねする。





○(井上商業振興課長)  厳しい経営環境にある商店街等への支援において、効果的な事業執行を確保していくためには、一つには、無理のない自己負担の確保、それから商店街にとって利用しやすい支援メニューの整備など、利用促進のための環境づくりに努めることが必要と考えている。


 このような考えのもと、県では、商店街等からの要望も踏まえつつ、空き店舗対策における補助率の見直し、補助期間の延長や補助対象経費の拡大のほか、市町の随伴補助を求めている事業においては、その要件の緩和など、予算等の制約がある中で、商店街等への補助事業の拡充や要件の緩和に努めているところである。


 さらに、運用面で要望の声が強く寄せられる補助金の概算払いについても、空き店舗活用支援事業等について可能な限り認めていく方向で検討しており、今後も、商店街等への補助事業の弾力的な運用に努めてまいりたいと考えている。





○(岸口実 委員)  これまでの支援策も、大体、「帯に短し、たすきに長し」というか、使いたくても使えない、そんな声も聞いている。ぜひ、弾力的な運用をお願いしたいと思う。


 以上で質問を終わる。





○(山口信行 委員長)  以上で岸口委員の質疑は終わりました。


 次に、合田委員。





○(合田博一 委員)  それでは雇用対策についてお伺いしたいと思う。


 まず初めに、若年者雇用、ニート対策についてである。


 総務省の労働力調査によると、1月の完全失業率は、1999年1月以来、約6年ぶりの低水準となった昨年12月と同じ4.5%となるなど、雇用は改善傾向にあると言えるが、学校にも行かず、仕事もせず、職業訓練も受けていない「ニート」と呼ばれる若者の増加が影響しており、2004年版労働経済白書によると、15歳から34歳の未婚の若者で、仕事も通学もしていない無業者は2003年で推計52万人に上り、前年比で4万人ふえていると言われている。


 さらに、第一生命経済研究所によると、このまま放置して何もしないと2015年には100万人を突破すると言われている。定職につかないフリーターの増加とともに、厚生労働省は「将来の労働力供給に問題が出る」と危機感を強めている。労働力の先細りは経済社会の活力を衰退させかねないとともに、本人にとっても大きな損失であり、若者の就業促進対策は喫緊の課題である。


 働く意欲のある若者の雇用対策は少しずつ整ってきているが、ニートのように意欲を持てない若者のサポートも不可欠であると考える。ニートになる理由の多くは「人づき合いなど会社生活をうまくやっていく自信がない」というものであり、このため、合宿形式の集団生活で規則正しい生活習慣を身につけ、職業体験を通じて働く意欲や自信、能力を高めてもらう取り組みや、農作業やビル清掃・管理、ボランティアなどを通じて若者の自立と社会参加を促す活動が現在、NPOなどにより展開されている。


 このようなNPOなどと連携し、若者の自立と社会参加を促し、雇用へ結びつけることが重要であると考えるが、ご所見をお伺いする。





○(川村産業労働部参事)  雇用情勢の改善が進展する中にあっても、フリーター、さらにはニートと呼ばれる無業の若者の増加、これが若者自身の職業的自立のみならず、経済社会の維持発展の面からも重要な課題と認識している。


 こうしたことを踏まえ、まず、フリーターやニートの増加を抑止するため、学校教育の早い段階からの職業意識の醸成支援を関係機関相互の連携を図りつつ推進してまいるとともに、若者を対象としたキャリアカウンセリングを中心としたきめ細かな支援を行っている若者しごと倶楽部において、来年度はキャリアカウンセラーの増員等により、ニートを含めた幅広い層の若者が利用できる相談体制の充実を図ることとしている。


 また、委員ご指摘のニート対策に関するNPO等との連携については、県内においてもコミュニティビジネスでの創業・就職の支援を目的にNPOによって運営されている「生きがいしごとサポートセンター」において、地域の若者を対象としたNPOでのさまざまな仕事体験を推進する取り組みなどが一部で行われている。これは、職業意識の醸成や自立に向けた段階的な就業としての効果も期待できるものと考えており、こうした取り組みとの連携についても、今後、検討してまいりたいと考えている。


○(合田博一 委員)  よろしくお願いしたいと思う。


 先ほど申し上げた合宿形式での集団生活をという話であるが、今、厚労省では、若者自立塾ということで新しい試みをしようとしている。どの程度、効果があるのかはこれからであるが、ただ、一方で冷静に考えてみると、こういう要するに、今までなかなかいろんな理由があって自立できない、また、社会の中で定職を持って働くことができない、そういう若者を集めて合宿をさせてということ自体、大変難しいことではないかという気もするし、そういう意見もあるが、いずれにしても、こういう新しい試みも含めて、全国で40ヵ所程度、モデル的に実施しようと厚労省では考えているようで、20人程度のグループで、それから3ヵ月ぐらいの合宿をということであるので、ぜひ、こういうモデル実施についても積極的にバックアップ、サポート、取り組みをしていただきたい。このように思うので、どうかよろしくお願いしたいと思う。


 それから、この雇用対策について、福祉の視点を持った雇用対策、こういう観点からもお伺いしたいと思うが、ニートの急増の背景には大きく三つの要因が考えられる。


 一つは、年齢制限などの年齢のミスマッチ、二つは、技能、スキルのミスマッチ、もう1点は、心のミスマッチである。これは「やりたいことが見つからない」「やりたいことがない」という状態で、ニートの若者はこの心のミスマッチが非常に多いと聞く。子供たちが「社会の現実と教育の理想は違う」と気づいたとき、ニートになってしまうのではないかとも言われている。


 これらのニートと呼ばれる若者52万人の中には、一般に引きこもりと言われている20歳、30歳代の若者も大勢いると考えられる。そして、今、引きこもりの子供がいる世帯は全国で41万世帯あり、その世帯にいる引きこもりの子供の3割が30代になっているとも聞いている。引きこもりとなった方は、それぞれ状況も違えば性格も違うため、一律でなく、個人の多様性を踏まえた細やかな対策が必要である。したがって、ニートの問題には、単に若者の人生観、仕事観が変わってきたという問題だけではなく、心の問題という側面からも、今後、とらえていく必要があるのではないかと考える。


 そこで、今後は、心のケアのような福祉の視点を持ちながら、ニートに対する総合的な雇用対策を進める必要も出てくると考えるが、ご所見をお伺いする。





○(川村産業労働部参事)  近年、増加しているニートの属性を見ると、ご指摘のように20歳代が約5割、30歳代前半層が約3割となっており、極めて深刻な状況にあると認識している。


 また、ニートになる原因や背景は、ご指摘にあるようにさまざまなものが考えられるが、進学や就職への失敗、学校中退、早期離職等により自立への経路から離れていってしまうことが要因として考えられるほか、ご指摘のように心理的要因から社会的参加ができない、いわゆる「引きこもり」と言われる現象の増加もニート増加の要因と考えている。


 現在、若者しごと倶楽部等において、フリーター等の若者の就職支援を行っているが、利用者の中にはさまざまな悩みを抱えておられるケースがある。このため、来年度からニートも含めた心理的悩みを抱えた若者にもより一層適切に対応すべく、福祉サイドと連携を図りながら、若者しごと倶楽部に心理療法士などの専門家を定期的に派遣してもらうことも検討している。このような取り組みを進める中で、福祉の視点も踏まえた効果的な就職支援を行ってまいりたいと考えている。





○(合田博一 委員)  今、ニートの議論をしていて、一時はやったパラサイトシングルという言葉を思い出したが、要するに生活を親に依存しながら豊かに暮らしている未婚の人、親に寄生する、パラサイトしている。そういうことでパラサイトシングルという言葉が使われたのであるが、欧米諸国では成人すれば自立をするのが当たり前で、このニートあるいはパラサイトシングルはほとんど見られない。このように言われている。


 先ほどからも議論の中であったが、30代になってきており、一部40代とも言われているが、このパラサイトシングル、親に頼って生活をしていても、両親はいつか先に亡くなっていくわけであり、そういうことを考えると、経済的制約で結婚もできないし、また、当然、家族もなくなってくる。そんな人たちが社会にあふれてくることを考えると、大変ぞっとするものがある。そういった意味からも、先ほど来、議論しているように、この対策についてはしっかりと取り組んでいただきたいことを要望しておきたいと思うので、よろしくお願いする。


 次に、ダイエーの問題に関連して、二、三、お伺いしたいと思う。


 まず初めに、雇用の問題である。


 過日、産業再生機構に再建がゆだねられているダイエー支援企業の陣営が正式に決定した。これにより、産業再生機構が昨年末に打ち出した既存店舗の閉鎖などを盛り込んだ事業再生計画に沿って再建が進められていくと思われる。


 報道によると、県内でもハーバーランド店を初め川西市内の1店舗、尼崎市内の2店舗など6店舗が閉鎖検討店舗としてその名前が挙がっている。また、再生機構の描く店舗の変身イメージによると、食品売り場はダイエーの食品スーパーになり、衣料品売り場はカジュアル衣料量販店に、家電売り場は家電量販店になるほか、おもちゃの量販店やスポーツジムなどが入るということである。


 閉鎖の検討対象とされた店舗を含む地元自治体では存続を働きかけていると聞くが、店舗が閉鎖された場合、それにより数多くの失業者が出ることが懸念されているとともに、新しく入る量販店における雇用も今までとは全く異なる状況になるおそれがあり、予断を許さない状況でないかと思う。


 そこで、県として、これら雇用対策にどのように取り組まれるのか、ご所見をお伺いしたいと思う。





○(川村産業労働部参事)  閉鎖が見込まれる6店舗すべてが閉鎖された場合には、神戸・阪神地域において多数の離職者の発生が見込まれるほか、業態等の変化も予想されることから、この問題については、県においても懸念をしており、情報の収集等に努めている。


 離職者が発生した場合の具体的な支援策としては、事業主みずからが再就職を積極的に支援するよう要請するほか、必要な場合には県民局単位で実施しているキャリアカウンセリングの集中実施により、離職者の適性、能力、希望と労働ニーズを照らし合わせて具体的に進むべき就職への支援を進めていくこととしている。さらに、兵庫労働局とも連携を図りながら、就職面接相談会や再就職支援セミナーの実施、県の施設であるHyogoしごと情報広場で実施している産業施策連携職業紹介事業によるマッチング、こういった施策により具体的なマッチングの機会の確保に努めてまいるほか、国の支援策である雇用保険制度や各種の助成金の活用も推進して、離職者の再就職支援に努めてまいりたいと考えている。


 今後も、支援企業グループによるダイエーの再生計画、閉鎖店舗の動向を注視しつつ、懸念される失業者への対応を進めてまいりたいと考えている。





○(合田博一 委員)  しっかりとよろしくお願いしたいと思う。


 ダイエー問題のもう1点は、地域経済対策である。


 多くの地方都市では、今、「シャッター通り」の言葉に象徴されるように、中心市街地に立地していた大型店の閉店が引き金となり、周辺の商店街が閑散とし、地盤沈下している例が後を絶たず、商店街から人が離れた結果、地域のコミュニティが失われ、街が壊れていくという深刻な事態に直面している。ダイエーについても、多くの店舗が地元商店街と共同でショッピングモールを形成していることから、商店街、ひいては地域経済への影響が懸念され、撤退後の空き店舗対策が必要であると考える。


 また、衣食住を自前でそろえる総合スーパー路線から脱却し、食品スーパーを軸に再建するほか、現在のダイエー店舗網から店舗を閉鎖せずに存続する店は、自前の衣料品や住関連用品売り場を縮小し、衣料品専門店やドラッグストアなどのテナントを大幅にふやすとの報道もある。スポンサーの変更によって、現在の納入業者は取引を打ち切られる可能性もある。取引先には中小・零細企業も多いことから、中小企業向け融資などの支援をすることも必要になると考える。


 そこで、このようなダイエー撤退後の対策にどのように取り組まれるのか、ご所見をお伺いする。





○(江木産業労働部長)  先般、ダイエーの支援企業グループが決定をしたが、県としては、これまで二度にわたり産業再生機構に対して店舗存続と雇用や取引先対策など、地域経済への影響について配慮してほしいことを強く要請をしてきた。


 また一方で、6店舗が閉鎖されるのではないか、店舗候補に入っているのではないかという報道もあるので、不測の事態に備え、ダイエー店舗の撤退により、空き店舗が発生した場合には、まず、地元市町や商店街において、この空きスペースをどのように活用してまちづくりを進めていくのか、対策を進めるのか、主体的に考えることが重要であるので、地元に対して真剣に検討するように働きかけてきた。


 今後、再生計画が進められる中で、店舗の展開方針、また、それを踏まえて地元の対応方向が決まるが、こういったものが固まれば、その固まる内容についても、県も指導、支援していくことにしているが、こういったことが固まれば、その方向に沿って市町が行う出店促進助成への支援や子育て支援などのコミュニティ施設としての活用に対する設置運営経費への助成、さらには周辺商店街が集客力を維持するために行うイベントへの助成などにより、きめ細かく対策を講じていきたいと考えている。


 また、取引業者との取引打ち切りなどにより、売り上げが減少する中小企業、零細企業に対しては、県制度融資である経営円滑化貸付の弾力的な運用や借換貸付のほか、セーフティネット保証の積極的な活用により支援を行い、地域経済への影響を最小限に食いとめるべく最大の努力をしてまいりたいと考えている。





○(合田博一 委員)  先日、知事からもそのようなコメントが出ていたと思うが、しっかり取り組んでいただきたいと思うので、よろしくお願いする。


 最後に、観光振興についてお伺いしたいと思う。


 愛・地球博――愛知万博開催や中部国際空港の開港を機に、今後、外国からの来訪者もふえてくることが期待されるところである。こうした中で、日本の現状は、訪日外国人旅行者数521万人が日本人海外旅行者数1,330万人の約40%であり、「アンバランスな日本の国際観光交流」となっている。このため、訪日外国人旅行者を積極的に受け入れることにより、日本の国際観光をバランスのとれた双方向の交流に転換していくことが求められている。


 その際、外国人旅行者が感じる日本の問題点としては、「料金」と「言葉」を挙げている。また、観光施設の標識についても、「英語以外の言語が不十分」と感じている外国人は多いと言われている。すなわち、豊かな観光者経験を、外国人観光客を「親切」に迎えることへつなぐことが社会全体としてうまくできておらず、外国人の訪日を促す環境整備が急がれるところである。幸い、兵庫、奈良、京都、和歌山の関西各府県には世界に誇れる文化遺産や史跡など、数多くの観光資源が存在しており、これら関西の広域連携もされている。


 今まさに、改めて、社会全体として獲得した豊かな観光経験の蓄積を生かし、体験に裏打ちされた真に誠実で節度ある親切心――ホスピタリティーを培い、外国人観光客を迎え入れ、入り込み数の増加を図る好機であると考えるが、今後、どのように取り組まれるか、ご所見をお伺いする。





○(西田国際交流局長)  国の内外を問わず、多くの観光客に来ていただくためには、ホスピタリティーの向上が重要であることは言をまたない。特に外客誘致については、心の接遇はもとより、多言語でのきめ細かい情報提供、旅行経費の節減など、さまざまな環境整備が必要であることはご指摘のとおりである。


 兵庫県においては、ひょうごツーリズム協会に海外向け総合窓口を設け、ホームページやパンフレット等で英語、中国語、韓国語での情報提供を行うとともに、ボランティア通訳ガイドグループや宿泊施設を紹介するほか、団体旅行の経費節減のためのバス代の一部助成やタクシー運転手、旅館従業員等に対する研修などにより、ホスピタリティーの向上に努めている。


 また、外国からの旅行者の行動範囲を勘案すると、外客誘致においては、広域的な取り組みは不可欠であり、関西では「関西広域連携協議会」や「関西国際観光推進センター」、また、国のビジット・ジャパン・キャンペーンとも連携しながら、海外ミッションの派遣や海外旅行エージェントの招聘ツアーの実施、あるいは現地メディアの活用など幅広い広域的な事業を実施している。


 昨日、開催した外国人県民共生会議においても、県内在住の外国人から、私たちが本当に気がつかないご意見もいただいた。こうしたご意見を生かしながら、今後も、国や近隣府県等との広域連携を推進するとともに、兵庫のおもてなしの向上を図り、外客誘致に努めてまいりたいと考えているので、どうかよろしくお願いしたい。





○(合田博一 委員)  どうもありがとうございました。


 この観光振興については、今、国も大変力を入れているところであり、昨年になるが、小泉首相の施政方針演説でも、訪日外国人旅行者の倍増方針を掲げて、観光立国行動計画を策定したり、観光立国担当大臣、国交相兼任であるが、新設をして、広報宣伝活動、ビジット・ジャパン・キャンペーンなど、さまざまな取り組みをして力を入れている。


 なぜ、今、観光立国、観光振興なのか、最大の理由は、観光が今世紀の基幹産業になると見込まれているからである。また、日本は人口減少社会に入っていくが、この人口減少をもたらす需要の減退によって国内経済が停滞するのを避けるには、外国人観光客を日本に誘致し、不足する需要をカバーするしかない。また、定住人口の減少を交流人口の増加で補てんしようということである。特に観光は旅行に直接かかわる産業だけではなく、飲食や輸送などさまざまな消費行動を伴うすそ野の広い産業である。経済効果は大きいのである。また、観光振興は文化交流や相互理解、それがひいては国の安全保障につながっていく、このようにも思う。


 今後、ますます観光振興に力を入れていただくことを要望して、私の質問を終わる。ありがとうございました。





○(山口信行 委員長)  以上で合田委員の質疑は終わりました。


 次に、野間委員。





○(野間洋志 委員)  昨日、内閣府より、今年の10月から12月期の実質国内総生産が前期7月から9月を0.1%上回ったということで、景気が踊り場から再浮揚をうかがう展開になるのではないかという発表もあったが、我が国経済は、海外の需要増加や企業収益の改善を背景に経営者の景況感がやや上向くなど、全体としては底離れしつつあるものの、関西地域は依然として中小企業を中心に厳しい状況にある。そのため、一刻も早い消費浮揚や投資の活性化を通じたデフレ不況からの脱却を図り、景気の回復基調を確実なものにすることが肝要である。


 県当局におかれても、兵庫経済の再生という大きな使命を背負い、それを実現するための核となる事業体系を堅持しつつ、企業の構造改革を促す一方で、産業振興、企業誘致、中小企業・ベンチャー企業支援など、直面する課題解決に向けた取り組みを積極的に推進していくべきであり、加えて、経済団体や関係機関などとの連携を一層強化していくことが肝要であると考える。


 そこで、知的財産の保護・活用についてご質問申し上げる。


 作家の堺屋太一さんは新春提言でこう言われている。「今、世界は猛烈な勢いで変わっている。それは政策転換とか技術革新といった次元の話ではない。世界の構造と人類の文明が根本から変わっているのだ。これを一言で言えば知価革命、すなわち、規格大量生産型の近代工業社会は終わりを告げ、知価革命が始まった」と、このように言われている。


 知価社会で主流となるのは「知的財産」であり、世紀の大発明をめぐる裁判として有名になった青色発光ダイオード職務発明訴訟においては、日亜化学在職時の原告の職務発明すべてに関する対価が、合計で約6億円だとする和解で幕を閉じたのはご承知のとおりである。国家の知的財産政策のみならず、各企業の知的財産戦略が問われる時代のあかしでもある。


 特許権などの知的財産を戦略的に保護・活用し、産業の国際競争力を高めるという国の掲げる「知的財産立国」実現のかぎを握っているのは、全企業の99.7%を占める中小企業であるが、中小企業の大半が知的財産活用のために割くことができる余裕は、人的にも資金的にもないのが実情である。こうした実情を背景に、都道府県などが保護施策の充実に乗り出している。


 例えば、2003年、東京都が中小企業が自社の知的財産部門と同様に活用できる場所として開設したセンターに年間3,000社近くが相談に訪れ、しかも近隣の県からも相談者が結構あるとのことである。そのほかに、自治体の間でいろいろな中小企業の知的財産方策が見られる。ある自治体は、外国特許を出願する場合などに必要な出願手数料や弁理士費用、翻訳料などの助成を行っているし、外国での模倣品・権利侵害について事実確認を行う中小企業に対して助成金を出しているところもある。また、中小企業に知的財産の専門家を派遣するなど、企業の持つ特許権やアイデア、ブランドなどを分析し、特許活用戦略づくりや事業化についての助言を行っているところもあるし、ある自治体では、米国の法律などに詳しい東京の法律事務所と契約し、県内企業が海外進出する際の初回の相談料を無料にするなどの便宜を図っている。


 いろいろな事例を紹介したが、兵庫県経済の再生・活性化のためには、県内企業、特に中小企業の知的財産戦略が非常に重要であると考えている。


 そこで、今後、県に求められる役割は、企業と大学、研究機関等との橋渡し役を務めるとともに、積極的に企業に出向き、企業が進める知的財産戦略構想の支援を行うことだと考えるが、ご所見を伺う。





○(三輪工業振興課長)  ご指摘のとおり、中小企業における知的財産の保護・活用は、産業競争力を高める上で重要な要素であると認識をしている。


 このため、これまで財団法人新産業創造研究機構の技術移転センターにおいて、大企業の未利用特許等の中小企業への移転を進めるとともに、TLOひょうごにおいて、大学の研究成果を特許権化し、企業への移転を図っているほか、産学官連携イノベーションセンターにおいて、産学官連携の総合窓口を設置し、大学等のシーズの発掘から事業化までを一体的に支援してきた。


 さらに、今年度からは新たに、独自の技術を持つ中小企業に弁理士等のアドバイザーを派遣し、自社技術の分析や他社特許との比較検討などを行い、最適な研究開発計画や特許出願方針の立案などを行う知的財産戦略の策定を支援している。


 今後、これらに加え、知的財産についての認識が十分とは言えない中小企業の実情を踏まえ、経営者への意識啓発や知的財産の保護・活用に向けた実務者セミナーの開催などにより、中小企業における知的財産重視の経営を積極的・総合的に支援し、本県産業の活性化を図ってまいりたいと考えている。





○(野間洋志 委員)  よろしくお願い申し上げたいと思う。


 次に、クラスター戦略についてである。


 本県には、阪神内から播磨地域にかけての瀬戸内海臨海部を中心に、中小から大手まで多様な企業が立地している。これらの製造業は、これまで本県の経済をリードしてきたが、重厚長大産業であるといった構造的な問題や海外における同種産業の発展により、親企業のみならず、これらの産業を支えてきた中小企業などの業況は、これまでの景気の長期低迷の中で閉塞感があった。


 最近、一部に景気回復の動きはあるものの、長期の景気低迷によるデフレの進行に加え、中国を中心としたアジア地域の台頭と、これら海外諸国への工場移転などによる国内産業の空洞化が進むなど、これまで本県経済を支えてきた製造業を取り巻く環境には、まだまだ課題が多いことは明らかである。本県産業の将来への展望を明らかにし、これらの課題を乗り越えつつ、新たな形で産業を活性化すべき時期に来ているのではないか。


 そこで、クラスター戦略推進の考え方についてであるが、世界における経済競争の激化の中、本県に集積している製造業の停滞を打開し、活性化していくためには、本県の強みを最大限に生かしつつ、新たな成長産業を育成していく必要があると思う。


 そのため、県では、新たにクラスター――自律発展型産業群振興への取り組みを計画しているとお聞きしているが、その取り組みの考え方についてお伺いする。また、クラスター推進に当たっては、県の特性を踏まえた産業分野の絞り込みが効果的であると考えるが、どのような分野をターゲットとするお考えなのか、あわせてお伺いする。





○(江木産業労働部長)  本県の製造業、ものづくり産業は厳しい状況にあるし、まだまだ業種間格差や企業間格差があるが、ようやくここに至り、ものづくり産業にも明るい兆しが見えてきたのではないかと考えている。


 このような中で、新しく策定をしたひょうご経済・雇用再生加速プログラムにおいては、国際競争力のある産業・成長基盤を築いていくために、兵庫の強みを最大限に生かすという観点から、基盤産業は何だろうということで、一種の特化ケースみたいなものであるが、地域経済基盤分析により基盤産業を導き出した。結果として、ものづくり産業が兵庫の基盤産業になっているが、このものづくり産業を中核に据え、本県経済を牽引していくためにクラスター戦略に新年度から取り組んでいくこととしている。


 この取り組みに当たっては、成功の成否を握るとも言われているクラスターコアの形成を初めとして、産学官の連携や相互の競争により、イノベーションを生み出し、クラスター自体を進化させていく仕組みを構築していきたいと考えている。


 ターゲットとしては、現状分析をして、ものづくり産業の中でも、特に強みを発揮しているのが一般機械、鉄鋼、電気機械、食品分野である。この4分野、4業種で製造業の80%を占めている状況にあるし、もう一つは、先端光科学特区や医療産業都市構想等の先端的なプロジェクトの進捗状況、あるいは県内での研究機関の集積状況等を踏まえ、この兵庫の特色、特性を生かせる分野としてナノテクノロジー、次世代ロボット、健康、環境・エネルギーの4分野に焦点を当ててクラスター戦略を展開していきたいと考えている。


 今後、これらの各分野相互の連携も図りつつ、また、広く県内外からものづくり産業やIT関連産業の参画を促しつつ、21世紀の兵庫を担う成長産業の育成、集積を図るべく努力をしてまいりたいと考えている。





○(野間洋志 委員)  兵庫の特質性を生かしたものづくりということであるが、ターゲットを絞って、先ほど申し上げた知的財産というか、その辺も結びつけながら戦略を推進していただきたいと思う。


 次に、クラスター形成を図る上で、企業と大学などの研究機関が共同して研究開発に取り組むとともに、これらを事業化するための技術支援や資金面での支援がスムーズに行われる必要があると考える。そのためには、コーディネート役や支援拠点の存在が重要だと思うが、どのような推進体制をお考えになっているのか伺いたい。





○(三輪工業振興課長)  クラスター推進に当たっては、新産業創造研究機構、ひょうご科学技術協会及び県立大学の産学連携センターを中核推進機関に位置づけして、クラスター全体について産学官の総合調整等の中心的な役割を担う産学官連携コーディネーターを配置することとしている。


 また、技術支援拠点として、阪神・神戸・播磨の3ヵ所にそれぞれの地域特性に応じた分野の先端共同利用機器を備えた開放型のものづくり支援センターを整備するとともに、各クラスター分野ごとの産学官連携や共同研究を推進する研究コーディネーターや機器利用指導、技術支援を行う技術コーディネーターをこのものづくり支援センターに配置することとしている。


 こうした体制のもと、県内の多彩なものづくり企業群や大学・研究機関、技術支援機関等の有機的連携を図りながら、地域の強みを生かしたクラスター形成を推進してまいりたいと考えている。





○(野間洋志 委員)  次に、推進プログラムについてであるが、各分野のクラスター推進に当たっては、資金面、技術面はもとより、産学のネットワークづくりや情報発信などを行う一方で、企業誘致のための思い切った取り組みも必要となると思うが、具体的にどのような取り組みを行おうとしておられるのかお伺いする。





○(南向産業科学局長)  クラスター形成を一層促進するためには、先ほど工業振興課長がご答弁した推進体制の整備に加え、研究開発を資金面から支援をする全国でも非常に唯一の制度であるが、兵庫県版のCOEプログラムの拡充や産学官の参加を促進する協議会の設立、また、これを広めるためのシンポジウムの開催や見本市などに出展し、本県のクラスターの情報発信を行うこと、また、特に中小・中堅企業においてはなかなか人材不足もあるので、こういう分野での人材育成など、多面的な施策を展開することとしている。


 また、今年の秋にはSPring―8において、本県の県有2本目のビームラインが稼働予定をしているが、世界にも誇る、この大型放射光施設の利用促進によるナノテクノロジー開発の強化や国における大型競争研究資金を積極的に活用し、産学官連携の推進など、各クラスターの特性に応じて技術開発の取り組みを積極的に支援していくこととしている。


 さらに、本県でねらっているクラスター分野の振興は、単に兵庫県だけの取り組みではなくて、非常に各府県の競争が厳しくなっているので、これを促進するために、今回、産業集積条例を改正するとともに、ナノテクや次世代ロボットの研究開発型企業の設備投資に対する助成制度を新たに創設をするほか、従来から実施をしている先端技術型産業の設備投資に対するインセンティブ、これを拡充するなど、全国府県の中でも一層先を走る取り組みを展開してまいることとしている。


 こうした取り組みを通じ、企業や地域からわき上がってくる本県の内発的な連携・競争の活発化を図るとともに、一方では県外からの新たな活力の誘引の促進を図り、ひょうごクラスタープロジェクトの推進を図ってまいりたいと考えている。





○(野間洋志 委員)  何か兵庫再生のかぎを握っている気がした次第である。


 次に、企業誘致の推進についてである。


 本県は、鉄鋼や造船といった重厚長大型産業を中心とし、日本の高度経済成長を牽引してきた。日本経済がようやく回復基調に転じる中、本県経済にもようやく回復の兆しが見え始めたが、経済の急速なブローバル化の進展に伴い、国際競争は厳しさを増す一方である。厳しい国際競争を勝ち抜くためには、徹底的なコスト削減を行う必要があり、県内の製造業においても、海外移転や事務所の統廃合を行わざるを得ない状況に陥るなど、極めて厳しい状況が続いている。


 このような経済・雇用情勢のもと、地域経済の活性化と新たな雇用機会の創出を図るため、本県では平成14年4月に「産業の集積による経済及び雇用の活性化に関する条例」を施行された。この条例は、拠点地区に進出する企業に対し、不動産取得税の不均一課税や新規雇用などへの補助や融資等の支援策を講ずることにより、拠点地区へ企業集積を図るものである。


 この条例に基づき、北摂三田テクノパークやニュー三田インダストリアルパークを初め、平成17年2月末現在で36地区が指定され、これらの優遇制度を活用した企業立地が進んでおり、尼崎臨海地区に世界的規模のプラズマディスプレイ工場の立地が決定するなど、大きな成果をおさめている。本県への進出を検討している企業にとっては、優遇制度を活用することで、新規立地に係る進出リスクを軽減できるという意味で、企業に大きなインセンティブを与えるものであると思う。


 この条例の有効期間は平成17年3月末までであり、今定例会にその改正案が上程されている。企業誘致を取り巻く地域間競争が一層激しさを増す中で、今回、具体的にどのような改正をされるのか、また、優遇制度の拡充によりどのような効果が期待できると考えられておられるのか、当局の見解を伺う。





○(池田企業立地課長)  企業誘致に当たっては、産業集積条例に基づく優遇施策を活用し、平成17年2月末現在で36拠点地区に43社の立地と262社のオフィス入居の企業進出が決定するなど、一定の成果を上げつつある。さらに企業立地を加速させるために、産業集積条例を3ヵ年延長するとともに、産学官の連携による産業クラスターを形成するため、新たに「新産業創造拠点地区」を創設し、クラスターの中核となる研究開発型企業の集積を図ることとしている。


 一方、企業の設備投資動向は、大規模投資を伴うデジタル家電や半導体産業が牽引し、原材料や部品・工作機械を生産する化学、一般機械等のメーカーで設備投資計画が新たに打ち出されるなど、関連分野への広がりを見せている。このような中で、各府県では立地優遇制度を拡充しており、隣接する大阪府、岡山県でも補助限度額を引き上げるなど、企業誘致をめぐる地域間競争が激化している状況にある。


 本県としても、このような設備投資動向の機運を逃さずに、地域間競争に打ち勝つために、立地インセンティブを拡充することとしている。具体的には、先端技術型事業を行う企業への補助要件を投資額100億円以上から50億円以上に引き下げて対象範囲を拡大するとともに、補助限度額の上限を撤廃し、さらに大型の設備投資を誘致対象とするなど、誘致競争力を高め、より多くの成長性の高い企業の立地に結びつけていきたいと考えている。





○(野間洋志 委員)  地元のことを最後にお伺いを申し上げたいと思う。


 私の地元三田市は、神戸三田国際公園都市と位置づけられ、県と都市再生機構によるニュータウン整備が図られている。良好な生活環境との整合を図り、職住近接や全国有数の高速自動車道の結節点という利点を生かし、「テクノパーク」と呼ばれる産業団地が造成されており、100%近くの分譲が進み、操業を見ているところである。


 三田市は、大消費地である大阪、神戸に近接し、企業立地の好位置にあり、北摂三田テクノパークに続く新たな企業立地の受け皿整備の検討が必要だと思うが、現在のテクノパークの北隣りに計画されていた第2テクノパークについては、都市再生機構の独立法人化による法改正により、都市再生機構による事業着手が困難な状況にある。


 現在、土地所有者である都市再生機構と三田市で今後の進め方についての研究が行われると私は聞いているが、私は、心の中では非常にこれは厳しいと判断している。しかし、第2テクノパークの状況に対する、このテクノパークができればなあという、私は、希望は持っていることは事実である。


 そこで、第2テクノパークの状況に対する見解を含めて、今後の三田市の地域特性を生かした企業誘致について、当局のご見解をお伺いする。





○(池田企業立地課長)  北摂三田テクノパークについては、現在42社が立地し、約3,000人の雇用を生むなど、地域経済の活性化と雇用の創出に大きな役割を果たしている。


 この北摂三田テクノパークに続く、次の産業団地として、第2テクノパーク計画が平成9年に都市計画決定され、既に大部分の用地が買収されているが、土地を取得した都市再生機構の独立法人化により、機構が事業主体となっての用地開発ができない状況にある。現在、都市再生機構と地元三田市で事業推進のための新たな事業主体や事業手法等について研究がなされており、県としては、その検討結果を踏まえ、具体化に当たっては必要な支援・協力を行ってまいりたいと考えている。


 三田市域は、大阪中心部に直結した公共交通機関により、通勤の容易さなどから、大阪圏からの移転のニーズが非常に高く、平成16年にはコネクターを製造する電子部品や消防ポンプ車などをつくる特殊車両製造など、独自の技術を持つ6社の立地があった。このように企業立地の需要が高い地域である。


 今後も、産業団地に限らず、工場跡地など民有地も含め、産業情報をPRし、大都市の近郊の利点を生かして、成長性の高い高度な技術を持つ機械器具製造等の企業の誘致に努めてまいりたいと考えている。





○(野間洋志 委員)  我が三田市は、昨年、38年ぶりに人口が53人減った。やはり、職住近接は、これは人口増の大きな一つの条件ではなかろうかと思う。非常に難しい条件のもとであるが、ひとつ、企業誘致にまたご協力をお願いしたいと考える。


 終わりに当たり、クラスター戦略などの企業の構造改革、また、企業誘致、中小やベンチャー支援を積極的に推進し、兵庫経済再生のため、より一層のご尽力を賜るようにお願い申し上げて、私の質問を終わる。ありがとうございました。





○(山口信行 委員長)  以上で野間委員の質疑は終わりました。


 次に、杉本委員。





○(杉本ちさと 委員)  私は、金融面についてお聞きしたいと思う。


 阪神・淡路大震災から10年、先日、財団法人阪神・淡路産業復興推進機構が産業復興10年の歩みとして検証報告書を出版した。この中で、西宮商工会議所会頭の辰馬章夫氏は、「震災直後に受けた低利融資の返済に四苦八苦する事業者も多いようで、重荷になっている。対象は中小業者や地場産業が中心なので、余計に厳しい感がある。産業活性化は自助努力が基本だが、自助努力の域を超える部分は行政がしっかり支援していくべき」と述べている。


 また、淡路の北淡町商工会会長の粟田智之氏は、「管内中小・零細企業の収益は減少し、経営は弱体化した。金融支援は救済措置となったが、現在もその返済が高負担となっている。企業は疲弊しており、今後も産業復興への取り組みが必要」と述べている。


 実態調査でも、7割の事業所が震災前よりも売り上げや利益が減少していると回答し、運転資金や返済期限の延長等の金融支援が必要と挙げている。ひょうご経済研究所、各新聞社の調査でも同様の結果が出ている。


 中小の被災業者が今なお震災から立ち直れず、復興はほど遠い実態であることが明らかと思うが、県は、このような被災業者の実態をどう見ておられるのか。





○(藤原産業政策担当課長)  産業復興の現状は、景気回復とあわせて被災地域の経済状況は、最近改善をしてきている。それぞれの中小被災企業においては、特に地場産業等においては、従前からの構造的な問題等もあって、業種や企業によって復興がまだ十分進んでいない業界、企業等がある。ただ、全体として、兵庫経済の再生ということで、現在、復興という視点だけではなくて、いわゆる兵庫経済再生という視点で経済・雇用再活性化プログラムの取り組み、あるいは新しく経済・雇用再生加速プログラムということで、現在、部を挙げて取り組んでいるので、ぜひ、復興をさらに進めていくように、今後も努力したいと思う。





○(杉本ちさと 委員)  先ほど、ご紹介したように、新聞社の調査でも、世論調査でも、そして財団法人の産業復興推進機構の調査でも、なかなか厳しい状態だということが出ている。その現実について認識を改めていただきたいと思う。


 そして、県は、産業復旧支援融資の据置期間と融資期間の延長措置打ち切りを昨年12月、早々と発表した。なぜ、国に対して延長措置を求めることをやめてしまったのか。昨年の我が党議員の本会議質問に対して、井戸知事は、延長措置を国に求めるときっぱりと言明した。ところが、昨年6月の政府への要望には延長を求めているが、12月になって弾力運用に変わり、延長を具体的に求めていない。「延長」の文字が消えてなくなっている。なぜ、県みずから延長を取り下げたのか、明確な理由を伺いたいと思う。





○(足立経営支援課参事)  緊急災害復旧資金の据置及び融資期間の延長要望については、これまでの現在の延長内容、現在では毎年7回の据置期間及び融資期間の延長が認められ、現在、融資期間は17年以内、最長、平成24年まで、うち、据置期間10年以内、最長、平成17年までとなっている。


 現在の延長内容を実現した経過においても、特に震災から10年を迎える、この二、三年においての延長については、非常に厳しい情勢の中での要望の活動であり、また、要望の実現であったが、依然として被災中小企業者を取り巻く環境は厳しいものがあるとの認識のもと、国の方に要望を続けてきた。


 国の方では、これまでの7回にわたる延長措置により、当初の融資期間と同期間の措置期間となっていること、融資残高が当初融資額の1割程度まで償還が進んでいることなどから、昨年末に国の方から、これ以上の延長措置は講じられないとの連絡があった次第である。


 県としても、これまで結果に至るまでは、昨年4月から4回にわたり、被災地の現状はご説明し、協議を重ねてきた結果、国として判断されたことである。





○(杉本ちさと 委員)  私がお尋ねしたのは、県みずからが延長を、要望を取り下げている事実である。それに対するお答えはない。これは、本当に今、震災を受けた被災業者が厳しい実態であるという認識が一致するのなら、また、県知事の県民に対する公約でもある延長を求めることについて、県みずからが取り下げている。そのことについて、国からの返答がある以前に取り下げていることについてどうなのか、もう一度、お聞かせいただきたい。





○(足立経営支援課参事)  先ほども申したように、これまでの国の延長を認めてもらっている段階においても、なかなか厳しいものがあり、一昨年度、7回目の延長で、先ほど申したように、据置期間と融資期間が一緒になるということであったが、そういった中で、今回の延長については、先ほど申したように、4回も重ねて国の方に協議した。県が取り下げたということではなくて、要は、この緊急災害復旧資金については、国との協調融資で成り立ったものである。県独自で制度運営はできない状況であるので、いろいろ協議をしている中でそういった判断がなされた。


 なお、こういった国との協議を重ねる中で、県としても、被災地の中小企業を取り巻く環境は厳しいという状況から、県独自の対策として借換貸付であるとか、あるいは条件変更等個別の中小企業者の経営状況、返済計画等に沿った対応をしていくことにより、きめ細かい対策となると判断したものである。





○(杉本ちさと 委員)  全然、県みずからが取り下げたことに対するお答えになっていない。


 災害復旧融資は、兵庫県と神戸市で3万3,551件の被災業者が利用した。そして10年を経過した今、1万5,037件が返済中、もしくは据置中である。代位弁済を差し引くと、51%の被災業者がまだ返済が完了していない。先ほど、融資残高が1割程度に減少したと申されたが、その額の残高から比率を計算してみても、小規模の被災業者がまだ返済ができていない厳しい状態にあることが言えると思う。


 県は、ほとんどの方が返済し、もうわずかになったからと、いわゆる延長措置を終了してしまったが、このことにより、今、被災地の中小・零細業者が大変大きな困難に直面している。この問題で被災業者は、国にも要請書を出し、延長措置を求めているが、紹介議員に我が党はもちろんのこと、民主党や社民党の議員などの賛同も寄せられている。復興融資を借りた半数がまだ返済できていない。この厳しい実態をよく見ていただき、延長措置の打ち切り撤回を再度国に求めていただきたいと思うが、いかがか。





○(足立経営支援課参事)  先ほど答弁したように、国の判断で、これ以上の延長措置は講じられないという判断を受け、県としても、国の判断を踏まえ、これ以上延長はせず、我々としてできる借換貸付であるとか、条件変更等により、被災中小業者の円滑な償還に向けた対応をしていきたいと考えている。





○(杉本ちさと 委員)  国に対して求めないという、本当に厳しい、冷たい返事で、返答であったと思う。


 私は具体的に、神戸市で食堂を営む被災業者にお話を伺った。被災当時、4店舗で営業をしていたが、1月17日、一瞬にして2店舗が全壊した。あとの2店舗も被害はあったが、とにかく店をあけよう、地域の人たちに元気になってもらおうと努力をし2店を再開した。それまで800円であった定食を500円で提供し、地域の人に多いに喜んでもらったそうである。地域に根差した中小業者の貴重な役割が震災のときにも発揮されたのである。


 震災前からの借金がある上に、震災で新たな借金をし、そして家族総出で10年間働き続けてきた。震災融資も幾らかは返済ができているが、まだ完済できていない。他の借金もある中で、どうすればいいのか、ここで資金繰りに行き詰まり、商売を断念せざるを得ないことになれば、この10年間、働き続け頑張ってきたことは、一体何だったのだろうか、10年前に手を上げておけば、その方がよっぽど楽やったのと違うかと思うこともあると言われていた。


 県は、新たに条件変更の弾力的運営と借換貸付の適用を発表したが、個別になればなるほど問題が次々と出てきて役に立っていない。10年間頑張ったが、復興に至らなかった。借りた人の半数以上がそうなのである。一律に10年という期限を区切って、それに当てはまらない人を見捨てる。復興できなかったのは個人のせいだけであろうか。余りにも冷たい姿勢ではないか。被災県の責任として、独自に震災融資並みの条件を措置し、借換融資別枠設定や保証料、利子補給支援など、温かい支援を行うことが必要と考えるがいかがか、部長に答弁をお願いする。





○(江木産業労働部長)  先ほど、半数以上の方が苦しんでおられると言われたが、8割の方が完済をされている。残り1万5,000の方が、現在まだ残額があるから、このうち、75%の1万3,650件が厳しいながら返済をされている方である。残りの約25%の1,387件が据置中の方である。大半の方が努力をされている状況にあり、もう一方で、一度も返したことがないという方もおられ、非常に努力の仕方がかなり違っているし、我々もいま一度、中小企業の方々の努力を個別相談の中で、保証協会、金融機関の相談の中で、十分見きわめて対応していきたい。


 そういう中で、国の方が10年の据え置きをさらに延ばしていくことが果たして中小企業の方にとって本当にいいのだろうか、そういう厳しい状況もわかっているが、反対に厳しい中で頑張っていただくことが、かえって中小企業の再建につなかるのではないかという、苦渋の決断をされて、私どももこれに従って、国に延長を要望しない。


 ただ、厳しい状況は実態としてあるので、国への要望はしないが、県としてできる限り、今の貸付期間の中の弾力運用、そして今年から借換融資をさらに充実をして、これまで借換融資は真水の投入はできなかったが、一定の要件はあるが、事業の運営の中で必要な場合は真水の投入をさせていただくという制度改善をさせていただいた。こういった取り組みの中で、本当に努力する中小企業の方には資金面でご迷惑をかけない。こういった取り組みを、県として精いっぱい努力してまいりたいと考えている。





○(杉本ちさと 委員)  江木部長からのご答弁であったが、認識に大きな違いがある。一つは、事実に基づいて精査をしていただきたいと思うが、3万3,551件の被災業者が利用した。そして今、返済中か、あるいは据置中は1万5,037件である。先ほど、7割、8割の方が返済していると言われたが、それは返済残高の金額が7割、8割という意味である。小さな業者が半数以上、この借りた方の中から残っている事実は、この認識はしっかりと見据えていただきたいと思う。私は、その点から改めて質問をさせていただいているので、よろしくお願いする。


 次に、台風被災業者に対する災害融資についてお尋ねする。


 まず、地場産業等振興資金貸付金のうち、かばん業者を対象にミシンを貸与するとした産地組合向け災害復旧貸付制度についてお伺いする。


 この制度の利用はゼロと聞いているが、我が党は、この制度導入のときに、産地組合を窓口としていることについて、被災したすべての個人事業者への周知が難しい。また、組合に加入していない、いわゆる内職などの人には、組合に相談に行きにくいので、利用しにくい。現場からの声を反映して、るる指摘したところが、組合とよく相談してつくった制度だし、下請・零細業者の設備の復旧は図れると自信を持って言われた。では、なぜ利用がゼロなのか、その理由を分析しているのか、お尋ねする。





○(足立経営支援課参事)  産地組合向け災害復旧貸付は、特に豊岡かばんのミシン加工をされている被災内職等事業者の支援を想定して創設し、仕事を発注している元請企業からミシンを再貸与する制度として創設したのである。


 この制度の地元の利用を図るため、組合加盟業者のみならず、非組合員を含めた事業者に対して貸付案内パンフレットと貸付申請用紙を直接郵送し、制度PRに努めたが、結果的に申し込み実績がなかったものである。


 利用実績がなかったことに対して、地元のかばん業界からは、災害直後に業界ぐるみでミシンを初めとした被災設備の復旧を最優先に取り組んだこと、ミシンメーカーの修理要員が多数地元に常駐して被災ミシンを補修対応してくれたこと、元請メーカーの保有していた遊休ミシンを内職事業者に融通したこと等により、予想より早い段階で被災前の生産能力を回復したと聞いている。このような状況から、当制度の実績が結果として出なかったのではないかと考えているところである。





○(杉本ちさと 委員)  私がお聞きしたところによると、地元で組合での話し合いは行われたが、組合として借りるという意志決定はなされなかったということである。要するに、現場の声をよく聞かずに組合任せにしてしまったからではないのか。


 次に、昨年の一連の台風により、県は新たな融資制度や拡充などを行ったが、これは通常融資とは別枠で利用していただけると大々的に宣伝をされたが、この間、たくさんの借り入れができないという相談が寄せられている。


 例えば、歯科技工士のSさんの件である。床上浸水によって仕事場の復旧と機械の修理等で保証協会に融資を申し込んだら、保証人がだめと一言、一方的に言われただけで、どうすれば借りられるのかという相談に全く乗ってくれず、不親切な対応で、結局、借りることができなかったと大変憤慨しておられた。この方が同じ条件で、結局、国民生活金融公庫で融資を受けたが、災害復旧融資は別枠だと県は言われたが、実際の保証協会の現場の対応は全く違うという声が数多く寄せられている。県の保証協会は、困っている業者をどうすれば営業を続けられるのかを最優先して融資することが仕事ではないのか。このような苦情とか、実態があることを県はご存じなのか。





○(足立経営支援課参事)  23号等対策についての経営円滑化貸付災害復旧枠については、11月に県議会でも認めていただいて、200億円の目標額を別枠でつくったが、本融資の取り扱いを開始するに当たっては、大規模災害ということの重要性にかんがみ、信用保証協会及び金融機関に対して積極的な保証承諾・融資実行を依頼したところである。


 その結果、本融資について高い保証承諾率、件数ベースでいくと95.6%となっているとともに、また、信用保証協会の各支所への特別相談窓口の設置や独自に信用保証料の引き下げを行うことなど、積極的に台風対策に取り組んでいるところである。


 先ほど言われた淡路の件については、具体的には会員の方からお聞きしたが、個別の部分で、先ほど申したように、非常に件数ベースで95.6%ということであるから、保証協会がやはり個別案件によっては100%保証できるものではないというのは、これは当然のことである。結果として、その特定の方については保証承諾が得られなかったということだと思う。





○(杉本ちさと 委員)  いろんなたくさんの実態をご存じないようである。県の金融政策や制度について、借りたい人が借りられない実態が多数発生している。融資実績も目標の6割程度である。私は、県の制度融資であるにもかかわらず、保証協会や金融機関等に丸投げしてしまって、行政が県民との接点を持たないところに制度の不備や誤算が出てくる原因があると思う。震災や台風の被災業者を初め、県内の中小業者の実態がどうなのかよく見ていただきたい。江木部長はよく、現場の目線でと、このように言われるが、本当に現場の目線が全く欠如しているところに大きな問題があるように思う。


 そこで、金融政策の抜本的な改善策として、県が責任を持って、直接、融資申し込みの受付をしたり、相談をしたりする窓口を創設することを求めるが、いかがか。





○(足立経営支援課参事)  県は、中小企業対策として融資制度をつくっている。この融資制度については、県としては、長期固定の金利を保つために預託を金融機関に対してやっているわけであるし、また、保証協会が積極保証するために、信用保険残の分について損失補償をとっている。


 ご案内のとおり、この中小企業の資金融資については、資金の貸し手は金融機関であり、また、保証するところについては、公的保証人たる信用保証協会である。県が直接的な直貸しをしているわけではない。そういった部分で、我々としては、中小企業に円滑な資金供給がなされるよう、金融機関や保証協会に、先ほど申したような、県がつくった制度融資について積極的に利用がされるよう、要請しているところである。


 いずれにしても、保証協会の中で個別の苦情等があれば、内部に中立公正な機関であるお客様相談窓口を保証協会に置いてあるので、そちらの方でご相談いただきたいと考えている。





○(杉本ちさと 委員)  時間が来たので、これで終わりにするが、保証協会の特別相談窓口も、何も特別にはなっていない。私は、先日、その相談に行った方からお伺いした。住所はどこですかと聞かれて、結局はその地域の担当者が出てくるだけ、そんな特別窓口になっていないということも聞いている。ぜひとも、現場の声、業者の実態をよくつかんでいただいて、金融行政の抜本的な改善を求めて質問を終わる。





○(山口信行 委員長)  以上で杉本委員の質疑は終わりました。


 この際、暫時休憩いたします。


 再開は、午後1時15分といたします。


        午後0時21分休憩


……………………………………………………


        午後1時18分再開





○(杉尾良文 副委員長)  休憩前に引き続き、質疑を行います。


 西野委員。





○(西野將俊 委員)  午前中にも合田委員からの若年者の就業対策にちょっと答えられていたが、私、ちょっと角度を違う面から質問をさせていただきたいと思う。


 まず、ハード面での若年者の就業対策についてご質問する。


 近年、フリーターやニートといった定職につかない若者がふえ続け、フリーターに至っては217万人、ニートにおいては52万人に上り、今や少子・高齢化を迎え、将来的に人口減となる現代において深刻な社会問題になっている。しかも、フリーターやニートと同様に、就職後3年以内の離職率が中卒で約7割、高卒で約5割、大卒で約3割ということで、「七五三問題」といった、せっかく就職しても早期にやめてしまう若者が後を絶たない。専門的な技術を学べる工業・商業の高校であれば、今まで培った就職への窓口もあるだろうが、普通科の高校を卒業した学生になると、就職先もバイト先と変わらないのが現実である。卒業後にあぶれないという安易な気持ちで就職を決めると、就職してから初めてギャップが訪れて、バイトの延長気分で退社してしまうケースもあるように思う。


 就職活動時には、学校の先生などの指導・助言が施される機会があるが、卒業後の若者にとっては、やめてしまうと、その後、再就職する際に就職の相談をする窓口が少なくなってしまうのも、今の現状と思う。


 大卒の20歳を過ぎた若者であれば、ジョブカフェのような施設を利用し、就職することもできるが、逆に高卒や、数は少ないかもしれないが、中卒者になると再就職の道は難しいと言っても過言ではない。さらには中退した生徒などには、一段と厳しい状況であるのも現実である。


 大学をちゃんと卒業した学生でも就職は厳しい現状で、未成年のうちに会社をやめてしまったり、学校からドロップアウトした若者にとって、再就職の道が険しい現代社会の仕組みでは、「働く」というよりも、「生きる」ことへの意義も失い、さきに述べたようなフリーターや、特にニートといった誘因の一端につながっているのではないかと思う。


 こうした中で、県においても、さまざまな職業意識形成のための事業や若者しごと倶楽部、通称ジョブカフェを通じて、体系的に若年者の職業意識の形成や自立支援のハード面において懸命に努力されている。さらに、こうした就職支援事業の中では、「求職者」と「就職先」のミスマッチ解消のために、カウンセリング等にも力を注いでおられるのも、私としては一定の評価をしたいと思う。


 しかし、これからは「時代の流れ」と「現代の若者の現状」というミスマッチにも着目していかなければいけないと思う。そのためには、学生の動向を現場で一番理解していると思われる教育委員会と、実際に就職先の情報を有する国の労働局と、産業労働施策を所管する、ここ産業労働部との三位一体の部局を超えた横断的な連携、コラボレートが私は必要不可欠と思うが、現時点での段階では、こうした横断的な取り組みは限りなく不可能に近いと思われるので、そうしたおのおのの部局が持っておられる独自の情報の共有化をすべきと思うが、当局のお考えをお聞かせいただきたい。


 さらには、こうしたさまざまな若年者の就業施策の中で、未成年者における新規の就職及び再就職の対策について、今後、どのように取り組まれるのか、お伺いする。





○(黒岩商工労働局長)  若者の就業対策については、学校教育の早い段階からしごと体験による職業意識の形成に努めるとともに、若者しごと倶楽部において、安定した職業についていない若者に対して、情報提供から相談、職業紹介、面接テクニック教室に至るまで、一貫した就職支援を行っている。


 こうした施策を進める上では、ご指摘のとおり、教育委員会、労働局、産業労働部、そういった関係機関が密接に連携することが必要であると考えており、来年度において、これらに産業界の代表も加え、「しごと体験支援連絡協議会」を設置し、各種情報を共有化し、連携を強化することとしている。


 一方で、しごと体験を円滑に進めるために、しごと体験の受入企業やみずからの職業に誇りを持っていて、若い人にそれを情熱を持って語ってもらえる産業人の方を登録する「産業人・しごと体験協力企業バンク」を創設し、学校等がそのニーズに応じて活用できる仕組を構築することとしている。


 また、若者しごと倶楽部は、労働局を初めとする関係機関と一緒に運営しているが、特に未成年者への対応としては、高校の先生や保護者へ働きかけ、高卒の未就職者や中退者など未成年の利用を促す一方、需要が多いキャリアカウンセリングを行う体制を強化することとしている。





○(西野將俊 委員)  しごと体験支援連絡協議会、これを設立されることは、若年者の就業対策にとっても、本腰を入れていく上で一歩前進と私は考えている。しかし、平常時から兵庫県行政として、同じ屋根の下のもとにある産業労働部と教育委員会の間の情報交換が私は一番大切だと思うので、その辺のところは密接にという言葉だけでなく、本当にコラボレートしていただく形をとっていただきたいと思う。


 若年者の就業対策の前段階として、互いに持っている得意分野の情報を交換し合い、共有化することにより、コラボしていく上での足場固めをきっちり確立していただきたいと思うので、組織としての兵庫県としてだけでなく、この問題を本腰を入れて解決していく観点から、こうした若年者の就業問題を契機に、情報交換という部分からでいいから、互いの部局の距離を縮めていく努力をしていただきたいと思う。


 そういうことを思い、次の質問に移る。


 次は、ソフト面であるが、このような多様化した若年者の就業対策には、現時点で勃発している要因に歯どめをかける努力だけでなく、次なる「七五三問題」の予備軍となる世代に対しても未然策が必要と思う。教育の現場においては、17年度から高校生のインターンシップを創設したり、中学生においては、兵庫から全国展開となったトライやる・ウィークなど、さまざまな方法で「働く」ことへの抵抗をなくする努力もなされているが、実際には教育の現場と働く場との接点が薄いのが気にかかる。さらにはそうした中で、「働く」という意識づけだけでなく、同時に、大人になってからひとり立ちするためのスキルや、それを身につける訓練をする上で重要となる好奇心を子供たちに探求させ、その好奇心に基づいた選択肢を示すことにより、早期のうちに学問・スポーツ・技術・職業などを選択できる環境づくりも必要と思う。つまりは好奇心を対象別に分類して、その対象の先にあると思われる仕事や職業を選択することを学習できる教材が皆無に等しいと感じている。


 産業労働部においても、現段階で努力しているハードな施策だけではなく、そうした教材というソフトな面での未然策の一端を担えないものかと思う。産業労働部は、県下の産業界に精通していると思う。しかも、兵庫県は、山あり海ありの多種多様にとんだ地域でもある。こうした中で、仕事の観点から職種も多種多様に富んでいるだけでなく、同時にさまざまな地場産業にも恵まれている。そして、臨海部には阪神工業地帯や播磨工業地帯といった重厚長大の産業にも恵まれている。こうした職種の幅の広さを逆に活用してみてはいかがと思う。


 近年、村上 龍の「13歳のハローワーク」がベストセラーとなった。私もこの本を購入して見ると、驚いたことに職業の百科事典のようなものであった。しかも、子供たちの目線に合わせて、子供の好奇心から検索して、その中から、その好奇心に合った職業を調べることができる。子供にとっては好奇心から職の選択肢の幅を与えてくれるすばらしい1冊であった。


 私は、このような子供たちが好奇心を通して職種の幅の広さを学ぶことができる、兵庫県独自のものはできないものかと思っている。仮に名前をつけるとすれば、「兵庫県版13歳のハローワーク」なるものを編集できないものかと思う。


 子供たちには働く意義と楽しみを与えると同時に、職業の種類の豊富さや選択肢の幅の広さ、実際に自分が住んでいる地域の地場産業を知るためにも、こうした産業労働部としての得意を出せるソフトな取り組みにも力を注いでみるのもいかがと思うが、こうした取り組みに対するお考えをお聞かせいただきたい。





○(川村産業労働部参事)  委員ご指摘のとおり、子供たちが好奇心を持って働く意義や楽しさを初め職業の種類、内容などを知ることは、これは極めて重要なことであると認識している。


 そのため、来年度においては、新たに「しごと体験支援ガイドブック」を作成していく予定をしている。その内容について、委員のご指摘も踏まえて、産業労働部として把握している県内の産業や職業に関する各種のデータを活用して、子供たちの好奇心を満たしつつ、職業選択にも役立つものになるよう工夫してまいりたいと考えている。


 さらに、教育委員会や労働局を初めとする関係機関との連携のもとに、学校教育段階におけるしごと体験の推進を図るとともに、兵庫県の中心的産業であるものづくり産業に関する体験学習や情報発信の拠点として「ものづくりしごと館」、仮称であるが、これの整備等について来年度から検討を始めることとしている。この事業の中で、17年度にはソフト先行事業として、インターネットを活用し、たくみのわざやものづくり産業に関する情報提供を行うこととしている。


 委員ご提案の「兵庫県版13歳のハローワーク」については、兵庫県の特色ある産業・職業、これを子供たちに伝え、若者の今の雇用問題を解決する手段として受けとめさせていただき、来年度以降、予定している事業を進める中で、そのご趣旨を生かしつつ、取り組んでまいりたいと考えている。





○(西野將俊 委員)  温かい答弁をありがとうございます。


 こうした若年者の就業問題において、どうしても大人としての感覚から、職や働くことに固執してしまいがちであるが、部局が持っている得意の分野の観点を生かして、違った角度から検証し、施策に打ち出す努力が私は必要だと思う。


 こうした問題の根っこにある好奇心の掘り出しや探求には教育委員会の得意とする分野であるので、明後日、質問するとして、中学校のトライやる・ウィーク、このたびスタートする高校でのインターンシップといった、教育委員会の施策のはざまで、そしてこの未然策として産業労働部の得意が思い存分発揮されるべきだと私は思っている。ちょっと少々とっぴな「兵庫県版13歳のハローワーク」の質問であったが、トライやるの前段階での小学生へ好奇心から、職の選択肢を与える分野での教育等のコラボをしていってほしいと私は思っている。そうした職業選択肢の幅を学んだ上で、子供たちが中学生になってトライやるに臨んでいける環境づくりの一端を、これも担っていっていただきたいと思っている。


 また、トライやると高校のインターンの間に、先ほど答弁でももらったが、「産業人・しごと体験協力企業バンク」などを活用して、職業人に実体験を語ってもらい、さらにはその職業になるにはと、こういう具体的な事例を子供たちに提供していく環境づくりの一端も教育機関と連携して担っていってほしいと思う。そうしたことを踏まえて、実際に社会に羽ばたく子供たちを対象に、キャリアカウンセリングなどで専門的に相談に乗っていく環境づくりもあわせてやっていただきたいと思っている。


 現在行っている施策は、先ほど答弁にもらった中で、施策はすばらしいものばかりである。ただ、若年者とのコンセントがうまくかみ合っていないだけと私は思っている。子供の成長に合わせて、時代に即した的確な幅広いコーディネート役を産業労働部として今後も担っていただくことを期待し、私の質問を終わる。どうもありがとうございました。





○(杉尾良文 副委員長)  以上で西野委員の質疑は終わりました。


 次に、北川委員。





○(北川泰寿 委員)  今までの質問者の方から、各委員の方からもいろいろな意見があった。私も、それらの質疑、また、答弁、十分に踏まえていただき、きめ細かな産業施策をさらに推進していただくことを念頭に置きつつ、質問に入りたいと思う。


 今月末、一つの組織がその役割を終えてなくなる。財団法人阪神・淡路産業復興推進機構、通称、HEROである。以下、略してHEROと呼称させていただく。


 このHEROは、広く知られる存在ではなかったかもしれないが、被災地域の産業復興の早期実現をめざし、震災の平成7年末に設立後、県を初め神戸市や多くの地元企業などが出資し、関係自治体の職員とともに、商工会議所を初め、地元民間企業や関係団体からも若手スタッフを集め、立ち上げた組織であった。


 被災地域を中心に、新しい産業構造を見据えながら、産業復興をめざす県の産業施策において、HEROは、事業展開に深く関係し、大きな役割を果たしてきたものと思うが、この10年間の取り組みの評価についてお伺いする。





○(藤原産業政策担当課長)  財団法人阪神・淡路産業復興推進機構、いわゆるHEROは、行政と産業界が一体となって産業復興を推進するための組織として設立され、国の支援も得ながら、外国・外資系企業の誘致、ベンチャー企業の育成、地域産業の高度化支援といった広範な事業を展開してまいった。


 この間に、企業誘致では70社を超える外国・外資系企業の誘致に成功したほか、ベンチャー企業育成では90件に上る投融資や業務提携を仲介し、地域産業高度化支援では、神戸ファッションの担い手育成のため、70組以上の若手クリエーターの売り場展開を実現するなど、HEROが推進してきた官民連携の新しい取り組みは、被災地域の産業活性化に大きな成果を上げてきたと認識をしている。


 また、県の復興10年総括検証などにおいては、HEROが公共と民間を結ぶ中間組織として効果的に機能してきたことや、行政と民間から広く人材を集めることにより、例えば、クリエーターとセレクトショップのマッチングを行う「ドラフト!」といった、これまでにない新しい施策を生み出したことなどが高く評価されているところである。


 なお、HEROは、この3月末で解散するが、今後はこうした評価も踏まえ、産業復興をさらに着実に推進していくため、官民一体となった機動的かつ柔軟な事業展開を根づかせるなど、HEROの取り組みを適切に継承し、発展してまいりたいと考えている。





○(北川泰寿 委員)  HEROにおいては、ただいま答弁にあったように、いろいろ新しい試みを行われ、もちろん実現してきたもの、また、もろもろの事情により、まだ道半ばのもの、その時点では実現できなかったものといろいろとあると思う。


 先日の新聞報道では、これまでHEROが運営する「ひょうご投資サポートセンター」が行ってきた外国・外資系企業誘致について、新年度から、ひょうご中小企業活性化センターの一部門に統合して取り組んでいくとされている。


 元来、企業誘致とは、地域経済の活性化や雇用の創出、特に外国・外資系企業は新しい刺激がまじり合うことで、従来では生じ得ない新発想、新産業が創造されることにもなり、新展開が期待されると考えている。


 そこで、ひょうご中小企業活性化センターの一部門に組織統合するねらいと、「ひょうご投資サポートセンター」における成果を踏まえた今後の企業誘致の展開についてお伺いする。





○(南向産業科学局長)  外国・外資系企業の誘致促進を目的として、今年度まで運用してまいった「ひょうご投資サポートセンター」の支援により、これまで本県に進出した企業は、平成11年度の開設以来、これまで中国を初めとする東アジアはもとより、北米、ヨーロッパやオーストラリアなど、世界19ヵ国から71社に上っており、また、業種の方でも、食品関連からIT産業に至るまで多岐にわたっており、こういう企業が被災地の産業にも刺激を与えながら、産業復興に成果を上げてきたところである。


 こうした企業活動、特に外資系企業の日本へのグローバル展開が進む中で、我が国への資本提携や技術協力進出の動きが活発化をしているが、その際に、我が国のどこの地域に進出をしようかという地域の選定に当たっては、日本における取引先や協力工場、技術者等の確保の容易性や、あわせて外国人社員やその家族の生活環境の快適さなどが地域を決める際の重要な決定要因となっている。


 このために、新年度から設置をしようとしている「ひょうご・神戸投資サポートセンター」は、県内の中小企業やベンチャー企業等の企業情報を豊富に持っている「ひょうご中小企業活性化センター」のメリット等を生かすために、この一組織として設置をした。こうした外資系の進出企業ニーズに的確に対応できる体制を築こうとするものである。


 さらに、この新しいセンターにおいては、これまで運営してきた「ひょうご投資サポートセンター」が、いわゆる行政と民間産業界との一体運用により、外資系企業の事業活動面のサポートはもとより、社員の生活環境なども含めたトータルなサポートを行うことにより、成果を上げてきたことを踏まえ、引き続き、地元神戸市や地元経済界の参画やコラボレートのもとに進めようとしているが、例えば、神戸商工会議所の方でも、新年度から会頭さんを本部長として、企業誘致推進ネットワーク本部を立ち上げることもうかがっているので、こういう体制とも連携をし、こうした地域の一体となった誘致ネットワークの核としての役割を果たすことをねらっているところである。


 あわせて、この新しいセンターは、県内企業が海外進出を行う場合の支援を行う役割も担うことにしており、双方向の国際経済交流を担う体制として整備をし、兵庫経済の活性化を一層促進してまいりたいと考えている。





○(北川泰寿 委員)  外国企業、外資等に関しては、やはり、何よりも相互理解が大事になってくる。ぜひ、双方のよい点を生かし、新しいものをつくっていただくように、柔軟に対応していただきたいと申し伝えておく。


 2点目は、神戸空港開港を活用した産業振興について2点お伺いする。


 神戸港に浮かぶ人工島、ポートアイランド沖に建設が進められている空港島がその姿をあらわしつつあり、民間調査機関の調査では、平成22年度には、神戸市内で約3,600億円の所得増加、約2万7,000人の雇用増加が見込まれているところである。


 この神戸空港は、約300万人もの旅客数も予測され、全国から神戸を訪れる観光客を兵庫県下のさまざまな観光地へ広域的に誘導していくことが本県の観光振興においても求められる。そのため、神戸空港を拠点とした観光モデルコースの設定、集中的なPRの実施などを検討していくべきと思うが、開港までいよいよ1年を切った現在、どのような戦略で進めていくのかお伺いする。


 またあわせて、関西3空港時代を迎えることになるが、相互の強みを生かし、関西圏としての広域観光に力を入れていくべきと思うが、ご所見をお伺いする。





○(小林観光交流課長)  兵庫県は、申すまでもないが、香り高い芸術文化と豊かな自然、多様な産業施設に恵まれており、このようなすばらしい観光資源を生かして一層の地域の活性化を図ろうと、平成14年度に従来の観光を包括する新しい概念として、ビジネスによる交流なども含めるツーリズムを提唱し、多様な交流を拡大することにより、誘客促進することに努めてきたところである。


 このような中、当初から年間300万人を超える旅客数を予測されている神戸空港の開港は、交流拡大の大きなチャンスであり、私どもとしても、このチャンスを生かすことがツーリズム振興に資するものという認識をしている。このため、本年度にあっては開港により多くの誘客が見込まれる首都圏、東北地区、九州地区などで観光キャンペーンや観光展などの重点的なPR事業を実施するとともに、受け入れ側としてのホスピタリティーを向上することに努めてきたところである。


 開港を迎える来年度については、これらの成果を踏まえながら、神戸市とも連携し、今回、ご提案いただいた神戸空港を拠点とした全県的な観光モデルコースとか、関西圏も含めた観光モデルコースの設定、また、効果的なPR等の誘客促進策について検討を進めるとともに、産業や防災等をカリキュラムに組み入れた教育旅行の誘致などにも努めてまいりたいと考えている。


 また、3空港時代を背景に、今後さらに進むであろうと予想されている交流の拡大と、その広域化に対応するため、本県としても関西広域連携協議会等の関西圏での広域団体や隣接府県との連携をなお一層強めて、内外の旅行客を兵庫の各地域に誘導する有効な広域事業を実施してまいりたいと考えている。





○(北川泰寿 委員)  先日の新聞と申すまでもなく、既に伊丹空港の格下げがいろいろなところで話題になり、関西の地盤沈下にもなっていくのではないかがいろいろなところで論じられてもいた。従来どおりの空港の便数ではもちろんあり得ないわけであるし、まだこれから実績がどうなっていくか、まだ未知数の神戸空港の活用という点においては、旅客数に関してはあくまでこれは観測であり、また、実効性がどれだけあるか、まだちょっと未知の部分があるかと思う。いろいろな観点から包括的に取り組んでいただきたいと思う。


 2点目は、健康クラスターの振興について伺う。


 新年度に、ひょうご経済・雇用再生加速プログラムに基づき、産業施策をさらに展開されようとしている。その中で、兵庫の「強み」を生かし、さらに活力をもたらすため、ナノ、次世代ロボット、健康、エコの4技術分野で戦略的な重点化を図ることと聞いている。


 一方、神戸市では、医療産業都市構想がポートアイランド第2期を中心に計画が進められ、神戸空港より人や物の交流が促進され、構想実現に大きく貢献するものと期待されている。


 私は、健康テクノロジーの分野が県民の健康にかかわるものであり、先端医療・医薬、健康食品など、医療産業が集積され、バイオ技術の研究が進むことを期待しているところである。


 神戸空港の開港は、人の交流や物流の促進と同時に、既に病院局の歳出審査において指摘したところでもあるが、人の往来、特に外国人の往来が高まることで、新しい感染症の危険性の対策として医療産業の振興につながっていくのではないかと期待しているところでもある。


 また、これらを契機として、さきに述べたひょうご経済・雇用再生加速プログラムの重点項目にもあった4技術分野の中にも含まれている健康クラスターの振興を進めていくべきとも思うが、県として、今後どのように取り組んでいかれるか、お伺いしたいと思う。





○(三輪工業振興課長)  近年、健康への関心が急速に高まり、健康を支えるさまざまな技術開発が進む中、これまで県としても、医療・福祉産業や食品産業の振興、あるいは神戸医療産業都市構想の支援等を行ってきた。


 具体的には、新産業創造研究機構や工業技術センターによる産学官の共同プロジェクトの推進や兵庫21世紀産業創造戦略による研究開発・事業化支援、中小企業による医療機器開発の支援、さらにはオフィス賃料補助等によるポートアイランド第2期への医療関連企業進出への支援などを進めてきたところである。


 クラスター形成に当たっては、これらに加え、新たに来年度からコーディネーターやものづくり支援センターなどの推進体制の整備、研究開発助成の拡充、投資インセンティブの拡充等各般の取り組みを行うこととしている。


 神戸空港の開港により、人・物・情報の交流の活発化はもとより、研究者や医師・患者等の効率的な移動や、医療機器等の緊急輸送が可能になる。そういうことで、医療産業の集積への貢献も期待されることから、研究開発や企業立地の推進等に当たり、こうした点を積極的にPRして、健康クラスターの形成等を進めてまいりたいと考えている。





○(北川泰寿 委員)  ぜひ、積極的に進めていただきたいと申し伝えておく。


 最後に、ものづくり人材育成の展開についてお伺いする。


 地域経済活性化のため、地域経済の中核を担う中小企業が厳しい競争の中で発展していくための方法の一つとして、オンリーワン企業になることが挙げられている。もちろん、そこまでいかなくても、自社の事業内容をより高付加価値構造へ転換しながら、競争力を高めていくことが求められていると思う。そのためには、その企業の技術力・開発力がかぎであり、それを支えるのがものづくりの人材、人であると考える。


 これまでの取り組みに加え、厳しい企業間競争や地域間競争、また、国際競争において、将来を見据えた人材育成を積極的に取り組むかどうかが今後の我が国産業振興の分かれ目となっていくと考えている。しかし、全国の状況を見ると、若者を中心として、ものづくり離れや技能離れといった傾向が続いており、その原因についても十分検討し、また、その対策として、すぐれた技能を知る機会を与えることや、学生のころから地域の産業界の協力を得ながら、ものづくりの意識を醸成していくことが必要でもあると思う。


 こうした点を踏まえ、将来の国の産業を担っていく、これからの若者の将来を見据えたものづくり人材育成について、どのように展開されていこうとしているのか、お伺いする。





○(江木産業労働部長)  兵庫経済の活性化を図るためには、強みであるものづくり産業の競争力を高めることが重要と考えている。そのためには、技術・技能者等の現場人材、技術経営能力を有するMOT人材、また、特許管理のできる人材など、ものづくりを支える幅広い人材の育成・確保が不可欠と考えている。


 新年度から実施する経済・雇用再生加速プログラムにおいては、これまでの取り組みを踏まえ、ものづくり人材育成構想として、次代を担うものづくり人材の育成機関相互のあり方を検討するとともに、その先行事業として、「匠の技向上講座」、「先端技術講座」等の能力開発・技術者養成事業を「ものづくり人材大学校事業」として取り組むほか、特許セミナー等も開催していくことにしている。


 また、若者の職業意識の醸成、さらにはこれを将来のものづくり人材につなげていくために、産業界等と連携をし、しごと・ものづくり体験ネットワークを構築し、「ひょうごの匠」キャラバン隊派遣事業を充実するほか、技能一日塾、「ものづくり工場」就業体験事業、「しごとツーリズムバス」事業などに新たに取り組むとともに、ものづくり体験事業の拠点となる「ものづくりしごと館」の整備についても検討することとしている。


 今後、これらの取り組みを効果的に推進し、ものづくり人材の育成に努力をしたいと考えている。さらに、このものづくり人材の蓄積をして、国内外からも企業誘致、さらには知的人材の誘引を図り、これをある意味ではカルチャーショック、引き金にして、厚みのあるものづくり基盤の醸成に一層努力してまいりたいと考えている。





○(北川泰寿 委員)  部局の最後のということで、ちょっと、私なりの意見を簡単に、簡潔に述べさせていただいて質問を終わりたいと思う。


 以前、私もある会社にいて、そこの上司にこのようなことを言われたことがある。もちろん、海外との取引、輸入・輸出部門にいたことがあるので、そのときに、日本は非常に資源がない国である。日本がこの世界の中で生き残っていくためには何が必要か、もちろん、いろいろあるが、上司が言うには、日本の企業の資産価値を高めていくことである。それは技術であり、また、いろいろなシステムであるかと考えている。


 私も、そのとおりだと思うが、既に午前の野間委員からも指摘があったように、知的財産として技術をいかに構築し、また、それを守っていく、それによって日本が、産業がいかに海外で勝ち残っていくか、この辺のことに関してもっと取り組むべきではないかと私は常々考えている。


 今、日本が置かれている状況は、既に外国資本、外国企業が入ってきて、関東地区なんかでは非常に顕著でもあるが、資本が入ってきていろいろな、まさに目まぐるしい展開がなされている。まさに日進月歩であるが、その中においてプログラム、また、私が以前いた会社でも、特に、日々見直し会議が行われていたし、そのプログラムの内容に関しても、どの程度実績があったか、即座に見直し、即座に改め、即座に実績を残していく、それが求められていた。


 行政と民間の企業とは違うことはよくわかるところであるし、また、一緒であってはまずいと思うが、各プログラム、本当に今の時代に即したものか、今の時代に対して、まだ並行していないものがあるのかどうか、よく見直していただき、より柔軟に、そして素早く対応していただくことを心からお願い申し上げて、私の質問を終わらせていただく。どうもありがとうございました。





○(杉尾良文 副委員長)  以上で北川委員の質疑は終わりました。


 この際、お諮りいたします。


 産業労働部・復興本部産業労働部及び労働委員会での通告のありました質疑は、すべて終了いたしました。


 ほかに通告を受けておりませんので、産業労働部・復興本部産業労働部及び労働委員会関係の質疑を打ち切りたいと思いますが、これにご異議ございませんか。


  (異議なし)


 ご異議ないと認め、さように決します。


 この際、当局入れかえのため、暫時休憩いたします。


 委員各位は、自席でお待ち願います。


        午後2時0分休憩


……………………………………………………


        午後2時2分再開





○(杉尾良文 副委員長)  ただいまから予算特別委員会を再開いたします。


 これより、復興本部総括部及び部外局の歳出審査を行います。


 それでは質疑に入ります。


 この際、当局に申し上げます。


 答弁は、発言の趣旨を的確にとらえ、簡潔に願います。


 委員の発言は、通告に基づき、委員長より順次指名いたします。


 まず、清元委員。





○(清元功章 委員)  総括部のトップバッターを承って、私は震災関連一つに絞って質問したい。


 震災の当日、私は、県連の幹事長をしており、ちょうど17日が、自由民主党の本部で大会がある日であり、私は神戸に泊まっていた。そして、震災があって、県の寮から自民党の支部に行ったときに感じたことを思い出しながら、どういうふうにあと締めくくったらよいかという1点に絞りたい。


 県の寮から自民党の支部に来るまでに感じたことは、この地域の普通の一般の家は大したことなかった。それで南北の道をおりて来たときには、そう大したことないなと思ったが、東西の塀は全部道に倒れて、大変だなあと思って、支部に来たが、戸があかない。それで県連の職員は、全員来ていたが、中に入れない。裏に回って、どこからかシャッターだけあけということで、シャッターだけあけさせた。そのときに、たくさんの人が出てきている。公衆電話だけが10円入れると、少しの間だけ通じる。だからそこに人がずっと並んでいる。それで、「県庁、一遍見てこい」「いや、戸あいてない」。そして少ししてから「県庁の戸があいた」ということで、一番に私は入った。そうすると、階段から水がじゃんじゃん流れている。事務局の職員が二人来ていた。「あんたたちどういうふうにして来たのか」と言うと、みな、「西宮まで交通機関が来ている」、そこから走ってきたと言って、二人来ていた。それで部屋へ上がった。そのときのことを思い起こしながら質問する。


 震災10年で、皆さん方、あらゆる会議を、何百時間と審議されたと思うが、その兵庫県の経験を情報発信している。それについて、その経験で、どういうふうなことを発信したかということを、まず伺いたい。





○(藤原総括部参事)  阪神・淡路大震災における最も大きな教訓は、「復興10年総括検証」でもご指摘があるように、いわゆる安全神話を信じていたこと、この反省の上に立った「安全で安心なまちづくり」というものが非常に重要性があるということ、さらには、震災後のさまざまな困難を、人々の助け合いで乗り越えてきたということから学んだ、ともに生きることの大切さであると考えている。さらに、突然に起こった大地震に対する我々の油断が、初動期に多くの混乱を招いた、こういう反省から、日ごろから災害への備えが極めて重要であると考えている。


 これらを踏まえて、死因の約9割を占めたと言われている家屋倒壊による圧死から命を守る、そのための建物の耐震化を進めることであるとか、水道、電気のライフラインの代替性を確保する、さらには、復旧・復興の過程で大きな力を発揮したボランティア活動の定着・発展、さらには、住宅再建支援に係る仕組みづくり、あるいは地域における防災力として、自主防災組織を育成すること、あるいは、次代を担う子供たちへの防災教育、こういったことに取り組んできた。


 こういうことについて、震災5年目の国際検証や、昨年実施した復興10年の総括検証を踏まえた上で、国連防災世界会議や創造的復興フォーラムなどを通して、さまざまな形で機会あるごとに発信してきた。


 今後とも、今般、条例を提案させていただいている「ひょうご安全の日」の取り組みなどを通じて、阪神・淡路大震災の教訓を、広く内外に発信してまいりたいと考えている。





○(清元功章 委員)  私は、経験したことで、一番大切なことは通信である。それで、一番に県庁へ来て、「本部つくっておるか」と言ったら、平沢さんが「5階につくっている」ということで、「知事来とるか」と言ったら「まだ知事は来てません」と、それじゃあまあよいと「副知事がおります」と。それから、今言ったように、県庁の戸があいたから、私が最初に入ると、県の職員が、普通の電話では全然通じないから、そこに公衆電話があり、その公衆電話は10円がないとだめだから、10円を持ってきて、電話をかけては上へ上がり、5階からおりたり上がったりして、連絡をとっていたが、余り効果がなかったように思う。


 それで私は、ちょうどその前の年に、県会の予算で、衛星と連絡する予算が通過して、「衛星通信どうなっとんや」ということを言った。そしたら、エンジンはかかって、一度はしたんだがすぐとまってしまった。それは何でとまったのかということを、私は聞いてこいと言った。そうすると、水道の冷却水を使っていた。だから発電機の、エンジンはかかっても、冷却ができないからすぐとまった。それで、せっかく衛星通信をつくったが、何にも役に立たない。もう県庁の中が情報が遮断された状態であったのと一緒である。だから、これは大変だと。それで私は、民間の人と一度お話しした。「衛星通信をして何してる」「いや、うちもそれつくっとる」と。県はそのときに、その通信は、エンジンはかかったが、すぐとまった。水道水を使っているという話をしたら、県ともあろうものが、何でそんな水道水を冷却水に使うのかと。震災があったら水道なんかとまるの当然やないか。地下水を掘って、その地下水で冷却して、そういう設備は、耐震性のあるものできちっとやるべきものだ、せっかく大きな予算を使って衛星通信をしたにもかかわらず、そういうことを兵庫県がなぜ、技術屋もたくさんおるだろうにと言って、その人に、反対にしかられるか、いさめられるかした。だから私は、そういう震災があったときに、何が一番必要であったか、私は通信が一番必要であったと思う。だからそういうふうなことを、各府県なり一般に発信するのが、一番大切だと思うが、皆さんどうお考えか。





○(古西総括部長)  通信が一番大切ではないかというご指摘であるが、私どももそのように思っている。というのは、最近私どもの経験した新潟県の中越地震において、やはり新潟県と市町との連絡体制がうまくいっておったのかというと、どうしてもやはり市町の情報なり避難民の情報が、県庁の方へなかなか入りにくい状況があったようである。


 そういう意味で、私どもは、阪神・淡路大震災の際に、いろんなことを経験していたので、このたび新潟地震を支援に行ったときには、そういう情報収集の大切さ、そしてまた、発信をしていく、どうしていったらいいのかといったようなことについて、兵庫県の職員なり、あるいはまた人と防災未来センターの職員等が、新潟県を指導というか、アドバイスさせていただいた、こういうことであるので、清元委員ご指摘の情報の伝達ということは本当に、初期の対応においては一番大切なことだと認識している。





○(清元功章 委員)  私は、だから、兵庫県が本当に失敗したと、そして、こういうふうにしとったらよかったんだというようなことを、一番に発信することが、東南海の大震災があるとか言っているときだから、それを兵庫県の参考にして、そういうことを一番に発信するのが大切だと私は思う。今、多分兵庫県は、衛星通信に対しては、完全なものにしていると思うが、いかがか。





○(古西総括部長)  私ども、その後の衛星通信については、委員ご指摘の自家発電、水冷式から空冷式に改めた。そしてまた、装置が使用不能になった場合には、3号館の庁舎用の発電装置、こういったものから電力を供給するといった二重のバックアップ体制もとっている。こういったことを経験して、通信手段の代替性の確保といったようなこともあわせてやっているし、また、フェニックス防災システムの整備、さらには災害時の指定有線回線の確保等々、自衛隊とのホットラインの設置なども設けて、いろいろと迅速な対応がとれるような体制をとっている。





○(清元功章 委員)  次に、私は、ちょうど知事が来たので、知事に、兵庫県の災害対策でヘリコプターも持っている、それでヘリコプターの対策はどのようにしたのかを聞いた。そうすると知事は、民間のヘリコプターにも全部連絡をとって、そのとき330機だと思うが、押さえているというふうに聞いた。それだったらまあよいと。ところがそのヘリコプターが、この震災のときに1機も飛ばない。これだけの大震災があって、ヘリコプターが活躍していれば、必ずもっと災害も少なくて済むし、東京との交信もできたと思う。ところが11時ごろに、1機だけが飛んで来た。それで初めて、大変なことだと、神戸を中心に大変なことだということが、中央に連絡があったようである。ところが、そのときの内閣総理大臣が、まだ社会党の方で、経験がなかった、だからそれで非常にいろいろ手間取って、そういうふうなことがこの震災の被害を大きくしたのではないか。


 それで私は、早いこと通信ができ、そして内情が詳しくわかってきたら、緊急災害対策本部も、その事態で布告をする、これは戒厳令に匹敵するんだけれども、早急に布告して、その権限を、その地方の知事に、この震災や災害というのは、初動が一番大切であるから、その権限を知事に3日間ぐらいは任すというような、そういう法体制をつくっていただきたい。なぜかというと、こういうときであるから、そういう布告をしてくれれば、戒厳令と同じだから、知事に権限があって、知事はその場ですぐに何事でもやれるわけだから、ヘリコプターを330機と思われる数確保していると言っても、1機も飛ばない。なぜかというと運輸省まで行けない。そこで目的とか、どこへ行くとか、そういうものを持って行って、そこで許可をもらって、それでなかったらヘリコプターは飛べない。だから、これだけの大きな大震災のときに、そのヘリコプターが1機も飛ばなかった、そういうことは一番大切なことだと思う。飛んで、上から見れば、大体どういうふうな、どこにどれぐらいの災害があるということがわかる。その緊急災害の布告をして、その権限を知事に与えるということを中央政府に具申して、こういうふうにしたら絶対にこの災害は初動が大切で、2,000人ぐらいの死者が助かっているのではないかと私は感じる。だから、それを兵庫県から、これはなかなか法的に難しいかもわからないが、それを粘り強く国に対して申し込んで、これからはこういうふうにやった方がええだろうというようなことを、具申することが、私は大災害をこうむった兵庫県の任務だと思う。だから、そういうことを、今からでもいいから、早急に、こういう大震災があったときには、こういう権限を知事に与えなさいということを発信することが一番大切だと思うが、どのようにお考えか。





○(古西総括部長)  清元委員ご指摘の、知事権限の強化というか、震災直後のあの混乱期における、一番地元をよく知っている者が権限を持って、物事に対処するということが一番大切ではないかなと私ども認識している。この都道府県の災害本部長の権限とか、あるいは組織間の調整の仕組みについて、5年検証の際にもいろいろとご指摘があり、また、10年検証でも、いろいろと課題として指摘されており、そういったことが今後の南海地震あるいは東南海地震の広域災害に対しても役に立つことなんではないかなと思っている。


 そういったことから、このたびも総括検証の中で、都道府県知事の裁量の拡大といったことも含めて提言がなされており、私どももこの件については、総括部は直接所管しておらず、他の部局になるので、委員からそういったお話があったということは、十分各担当の部署にお伝えして、適切な対応がとれるように、我々からもお願いしていきたいと思っている。





○(清元功章 委員)  やはり県庁の中であるから、そうしていただくことが、私はこれから東南海の大震災、また我が国は関東大震災もあり、いろいろなことが起こり得る可能性がたくさんあると言われており、震災の経験をしたんだから、それを次のときに、本当に役に立つ兵庫県の発信にしていただきたいと思う。


 それでヘリコプターの件であるが、私がここへ来て、上からずっと見たが、余り火事のような、煙のようなものは、この見る範囲ではなかった。ところが11時ごろに電気がついた。そのときに、1時間ほどしてまた消えた。それから電気は全然送電しなくなった。そうすると、この上から3ヵ所ほど、煙が上がり出した。そのときに、私は、もし知事に権限があれば、異常事態なんだから、知事が300と思われる数の民間のヘリコプターまで確保していると言ったのだから、知事の命令で、ちょうど海があるから、初動のときに煙が上がったときに、ヘリコプターで海の水をくんで、そのとき上からばっと落とせば、三日三晩、兵庫区の新開地から上沢とか下沢に火災が起きた、それがなくなっているだろう。その初動の消火によって、必ずこういう火災は発生しなかっただろうと思うから、知事に権限を与えて、そしてまた、衛星で通信ができたら、知事の命令でヘリコプターを飛ばして、ここに何機飛んできてくれ、そして初動の消火をしてくれと言えば、火災も起こらなかっただろうと私は思うので、今言ったようなことをお願いした。


 というのは、この裏の8階のマンションに火が出た。消防士が6人も7人も来てくれて、消火栓につないだけれども、水は出ない。ぱっと出ておしまい。だから消防士もすることがない、6人も7人も。だから、燃えて消えるしかない、それしかできなかった。それが一つの現状である。


 その次は、私も、降りてきただけだから、そう大したことはないだろうと思って、この上から見ていたら、平沢さんが「ちょっと先生、こっち来てください」、それでそこの全但のビルを見た。一番端からだったら見えた。4階だったのに、落ちているからわからない。「先生、あれ4階だったのに3階になってるで」と言うものだから、私も初めてそれを見た。そうすると1階がなくなっとる、それでこの震災が、本当に大きい震災であったということをそのときに感じた。だから県庁の建物も県連の建物も、入ったら、水道はどんどんどんどん流れているが、ガラスが割れたり、テレビが全部ひっくり返ったり、ロッカーがひっくり返っているくらいで、そう感じなかったが、これは大変なことだなと、とっさのことで経験がないから。


 もう残り時間がないが、まだ、言いたいことがたくさんあるので、言いたいことだけ全部言っておく。


 経験をして、それは必ず発信をしていただきたい、兵庫県から10年の経験として。これは恥にならない。失敗したことは恥にならない。ヘリコプターでも飛んで、何かあったら、自衛隊にでも言って、重装備をしてほしいと。姫路の連隊長に私は聞いた。姫路の連隊は、まだ要請はなかったが、どうやら阪神間で大変なことになっておるというので、その連隊長が非常招集をかけて、部隊を組んで、ぼちぼち行ったらええと言って、明石で一度とまって、この自衛隊が入ってくれたのは、もう晩だった。晩になったら、何にも装備してきてない。入ったが、これはしようがないということで、また明石まで帰った。そのときに、通信もでき、全体がわかっていたら、自衛隊は重装備して、そういうことが通信され、重装備で入ってくれておったら、そんなことは非常に、その日から活躍してくれていると思う。


 だから、一番に大切なことは、道路、交通である。私もそれで、こんなんだったら大変だと思って、昼から出た。そうすると、南北の道はいいが、東西の狭い道は全部通れない。大開通りのあの広い道路だけである、それで私は新開地まで行った。ところが新開地まで行ったら全然動かない。そうすると救急車が来たが、それを全部取り込んでしまう。5分くらいはピーピーと鳴らしているが、動きとれないから動けない。そして全部信号はとまってる。交通巡査は3時ごろからぼちぼち出てきたりしている。だから、そういうことは体験した者でないとわからない。だから道路を、重装備で行って、一番に、ブルドーザーとか重機械類でのけて、知事の権限によって、病院へ連れて行っても、もう兵庫の病院は、2階や3階がへたっている、そういうことがあるから、すぐに、学校の校庭とか、まだ言いたいことたくさんあるが、時間がないと言うから、ここらでおくが、そういうことをして、患者をよその被災地へヘリコプターで送る、そういうことができる対策をしておかないといけない。


 それから今度、東京へ知事と一緒に陳情に行った。自治省へ行って、私は「知事、世界的な宝くじやれ」と。なぜかというと、3,000億の義援金が来とるんだから、世界的に何兆円という宝くじを、日本の国が今発行したら、必ず買ってくれるから、一遍義援金したら二度は持って来てくれないから、それをやって、その利益によって、それを罹災者に500万円ずつ配れと私は言った。自治省に一緒に行ってそれをやったが、自治省の次官が、これはできないと、だからどうにもならんというわけ。そのときに私は思ったが、やはり党人派の、どんなことでもやれる知事がおったら、こんなことぐらい、大臣に直接談判でもやってやれるが、だけど中央へ行ったらそんなことやれない。私はあと、何回も東京へ行ったが、市会議員を連れて県会議員と一緒に行った。塩川大臣は「いや、兵庫県はよろしいな。市と県とが一緒になって、こうして陳情に来てくれる、ありがたい」と。ところが「本当のところ、大阪府は全然来ない、だから市と県と仲よくして、その県土の発展のために頑張ってくださいよ」と言って激励していただいたりする。そういうことも、私が聞いているときには、いろいろと……。





○(杉尾良文 副委員長)  清元委員、時間の方が、もう過ぎております。





○(清元功章 委員)  もう一つだけ言わせてほしい。なぜかというと、これが一番大切なことである。


 それで「仮設住宅はどうなっている」と聞いた。そしたら副知事が、「5,000、すぐに」、「それはよろしい」と。だけど私はそのときに、「宝くじをやって、3,000億の義援金も罹災者に交付して、500万円ずつ配れ」と。500万円ずつあげて、そのかわりに、もう仮設住宅には入ってもらわない、親戚に行って、その間に復興計画を立てなさいと、そういうふうにしたらよいと、これは参考になると思う。仮設住宅に入っても500万円は要る。500万円以上使ってるはずである。だから、国が何やかんや言っても、それぐらいのことをやる知事の方が私はよいと。だから、これは参考になるんだから、皆さんからも進言していただきたい。


 もうこれでおくが、皆さんのこれからのご健闘を祈って私の質問を終わる。





○(杉尾良文 副委員長)  以上で清元委員の質疑は終わりました。


 次に、加藤委員。





○(加藤康之 委員)  私は震災の年に立候補を予定して、その年の4月8日の選挙に備えていたが、1月17日早朝の大震災によって、選挙が2ヵ月先へ延びた。幸いというか、不幸というか、その時間ができたというか、焦りができたというか、しかしながら6月の選挙で、議席にあずからせていただき、10年目を迎えている。先ほど震災の一部始終にわたって、含蓄のある意見を表明された清元先輩のような経験はないが、その間、ボランティアで水や食料、衣料品を運んだりという形で活動させていただいたことを思い出しながら聞かせていただいた。


 まず、質問の第1は、被災高齢者の見守り対策についてである。


 今年度末で計画期間の満了を迎える阪神・淡路震災復興計画のキーワードは創造的復興であった。震災から丸10年が経過し、これまでの10年間は、ある意味ではダメージを回復する期間であったとも思う。今後は、復興計画最終3か年推進プログラムのフォローアップや復興10年総括検証・提言事業の結果を踏まえ、真の創造的復興に向け、ポスト復興施策として、大震災の貴重な教訓を次世代に継承・発信していくとともに、残された課題は引き続き的確に対応していかなければならない。中でも、被災高齢者の見守りについては、引きこもりや仲間づくりが消極的な人たちに、健康づくり、仲間づくりの支援を強化していく必要があると思う。見守り活動については、高齢世帯生活援助員の設置など、復興基金事業で継続されるようであるが、10年の節目を迎え、来年度以降どのように取り組んでいかれるのかお伺いしたい。





○(鬼頭生活復興課長)  被災高齢者の見守りは、震災から10年を経過した今も、残された重要な課題である。このことは、災害復興県営住宅の高齢化率が43.7%と、一般県営住宅よりも26%以上も高く、また、復興10年総括検証・提言の報告においても、SCS制度の継続が提言されていることからも明らかなところである。


 このため、新年度においては、SCS、LSAなどの支援者による見守り活動を継続するほか、支援者が対応できない夜間、休日での安心ほっとダイヤルの開設や、ガスメーター等を活用した高齢者見守りサービスの普及促進、また、まちの保健室の開設等によって、被災高齢者等の安全・安心な暮らしを支えるきめ細かな支援を展開することとしている。


 さらに、被災高齢者の自立のためには、公的な支援者だけでなく、身近な地域住民が相互に見守り、被災高齢者を包み込む温かいコミュニティを構築していくことが重要である。そのため、これまでの個別的な見守りに加えて、SCSに地域住民、ボランティアグループ等の支援者をコーディネートする機能をつけ加え、仲間づくりや交流を支援する事業を実施していくこととしている。


 こうした取り組みを通じて、21世紀の日本を先導する安全で安心な兵庫づくりに努めてまいりたいと考えている。





○(加藤康之 委員)  きめ細かい、幅の広い考え方としての今後の対応策をご示唆いただき、ぜひよろしくお願いしたい。


 次に、「1.17は忘れない取り組み」についてお伺いしたい。


 阪神・淡路大震災から10年と2ヵ月が経過した。大きな節目をとらえた大々的な震災報道は、今では、紙面からも、テレビからもすっかりなくなってしまった。復興が終わったかのような感じで、時の非情さを改めて感じるが、同時に、震災復興はこれからが真価が問われるときではないかと強く感じている。


 震災から二、三ヵ月たったときに、「温度差」という言葉が被災地で飛び交ったと聞いている。地下鉄サリン事件が転換点だったと思うが、震災の受けとめ方に、被災地との違いが広がった。温度差が生じるのは、ある面で仕方がないことかもしれないが、だからといって震災を、時間の経過とともに風化させていいわけはない。人は体験の動物とよく言われるが、体験していない出来事は、どうしても他人事と受けとめがちである。震災は、自然災害である以上に社会災害でもあると言われるゆえんがここにあるように思う。自然災害の発生は防げないが、社会災害の減災は可能であると考える。そのためには、震災を共通体験として受けとめられるようないろんな取り組みが必要ではないかと思う。


 県は、条例で、「ひょうご安全の日」を定め、来年度から「1.17は忘れない取り組み」を推進しようとしている。その推進に当たっては、多くの主体の参画のもと、多彩な取り組みを進め、実効あるものとする必要があると考えるが、推進体制や県民への普及浸透をどのように考えておられるのかお伺いしたい。





○(藤原総括部参事)  大震災からの10周年を機に、県では、阪神・淡路大震災の経験と教訓をいつまでも忘れることなく、安全で安心な社会づくりを推進するとともに、国内外で発生する災害による被害の軽減に貢献するために、このたび県条例で1月17日を「ひょうご安全の日」と定め、「1.17は忘れない取り組み」を推進することとしている。


 このため、その推進母体として、県民、各種団体、企業、NPO、行政等で構成する「ひょうご安全の日推進県民会議」を設置し、「ひょうご安全の日」の趣旨を徹底していくとともに、多彩な事業に、県民挙げて取り組んでいただくよう呼びかけていく。


 今後、県民会議を中心に、啓発ポスターであるとかリーフレット、さらには「1.17は忘れない」をテーマに実施されている10周年記念事業のホームページなども活用しながら、「ひょうご安全の日」を周知することとしている。


 また、1.17を追体験する「ひょうご安全の日のつどい」や各地域で実施する防災訓練などへの参加を「ひょうご安全の日」にふさわしい事業の主体的な取り組みを県民に広く呼びかけ、実効ある「1.17は忘れない」取り組みの浸透・定着を図り、ご指摘のあった真価が問われる今後の取り組みに生かしていきたいと考えている。





○(加藤康之 委員)  次に質問を用意していたが、既に答えていただいたので、「1.17ひょうご安全の日のつどい」の実施について、どんなことを考えているのかについては、先ほどの答弁で了解とさせていただいて、次の質問に移りたい。


 次に、「1.17サミット」についてお伺いしたい。


 震災10年を待っていたかのように発生した新潟県中越地震やスマトラ沖地震、さらには先月のイラン地震など、国内外で地震による大規模被害が相次いで発生している。阪神・淡路大震災による大規模災害からの復興への道を歩んできた兵庫県として、これまでの経験と教訓を国内外に発信するなど、県域を超え、幅広く減災や復興に貢献すべきと考える。


 そこで、来年度実施される「1.17サミット」は、どのようなテーマと参集者で、どのような情報を発信し、どういう効果が期待できると考えているのかお伺いしたい。





○(鬼頭生活復興課長)  兵庫県では、昨年の新潟県中越地震への支援を通じ、大都市直下型の阪神・淡路大震災の経験や教訓が、中山間地域型の災害では、必ずしも妥当性を持たない側面もあること、つまり災害の種類や規模、地理的条件、人口構成、住民意識等の違いによって、防災対策あるいは復興対策に異なる対応が必要であるということを学んだ。


 このため、阪神・淡路大震災の復興過程で、国内外から多くの支援をいただいた兵庫県が中心になって、新潟県を初めとする大きな被災を受けた自治体の首長や市民代表、海外の被災国関係者等に呼びかけ、それぞれの異なる経験と教訓を持ち寄り、今後の防災の課題や復興のあり方を議論し、その成果を発信していく「1.17サミット」を実施することとしている。


 テーマについては、今後の自然災害の発生状況も勘案し、参画自治体等と協議の上、被災者の自立支援、情報の収集・伝達など、時宜を得た内容にしていきたいと考えている。


 こうした取り組みの積み重ねや、その成果の国内外への発信によって、多様な災害に対する復興や防災のノウハウなどが、各自治体間で共有・蓄積することが可能になり、全国の自治体における防災力のレベルアップにつながるものと考えている。





○(加藤康之 委員)  さまざまな思いを持って、新たな考え方にもつなげて、計画をしていただきたい。ぜひ意義あるものに仕立て上げていただくようよろしくお願いしたい。


 次に、兵庫県住宅再建共済制度についてお伺いしたい。


 まず、制度開始時期とPR等による加入率向上の取り組みについてであるが、日本列島は、これから地震の活動期に入ると指摘する専門家がいる。さきの新潟県中越地震、また、30年から40年後には起こるであろうと言われている東南海・南海地震、さらには山崎断層帯などによる地震など、自然災害に対する脅威はますます高まるばかりである。


 そのための対策として、建物の耐震化の推進や防災意識の高揚、防災訓練など、被害を小さくする減災をめざす取り組みとともに、災害時の緊急的な生活支援と復興に向けて、生活の基盤となる住宅再建への支援の2本を柱とする総合的国民安心システムの構築に取り組まれてきたところである。中でも、自然災害における被災者の生活基盤となる住宅の再建は、最重要課題である。公的支援制度に加え、大震災が残した最も重要な教訓である県民相互の助け合い、支え合い、すなわち「共に生きる」の視点からの共済制度と、個人の地震保険も含めた総合的な住宅再建制度を、早期に確立することが望まれる。


 県では、この2月定例会に、兵庫県住宅再建共済制度の条例案を上程しているが、制度開始は9月めどとされている。これから迎える梅雨の時期や、昨年のような集中豪雨、台風などにも備える必要がある。できるだけ早期に制度を開始すべきではないかと考える。


 また、多くの住宅所有者に加入していただいてこそ、制度の効果が期待できるものと考える。任意の加入であることから、制度の趣旨を積極的にPRし、県民の理解を求めるとともに、防災意識の高揚を図る上でも、本制度の加入率を高めるべきと考える。


 そこで、制度開始時期の考え方と、PR等による加入率向上に向けた取り組みについてお伺いしたい。





○(古西総括部長)  自然災害は、いつ、どこで、どんな規模で発生するか予測しがたいものであり、それに備える仕組みである共済制度を、一日も早くスタートさせる必要があることは、加藤委員ご指摘のとおりである。


 この制度は、約2年間にわたり、調査会で議論を重ね、本年1月に制度の骨格の最終報告をいただき、これをもとに県としての制度案を固めたものである。制度のスタートまでには、地震保険と同様に、加入者との取り決めである約款を策定したり、あるいは電算処理のためのシステム設計など、膨大な準備を行わなければならない。さらに、制度のPR期間の設定はもちろん、市町や金融機関の理解と協力を得て、混乱なく円滑なスタートを切るための調整といったことも必要である。そういったことから、住宅再建共済制度準備室をこの2月に設け、体制強化の上、鋭意作業を進めている。少なくとも台風シーズンを迎える9月にはスタートをさせたいと考えている。


 また、加入率の向上については、制度を周知するため、あらゆる広報媒体を通じたPRはもちろん、地域別ミーティングによる住宅所有者への加入の直接的な呼びかけ、また、金融機関とか不動産会社の協力を得て、住宅のローン設定やあるいは売買契約の際の加入勧奨など、住宅所有者とのあらゆる接点において加入を呼びかけてまいりたい。


 さらに、さまざまな住民団体、職域団体、NPO、NGO等の参画を得て、県民運動として加入の促進を図っていき、一人でも多くの加入を確保していく所存であるので、よろしくご理解を賜りたい。





○(加藤康之 委員)  ぜひそうした部分、きめ細かな部分も含めて、遺漏のない制度として発足できるようにお願いしたいし、特に広報の場合、「県民だよりひょうご」というのは全戸配付になると思うので、ぜひ紙面で、県民が目を通して、ブラウン管ではなく文字で、ホームページ、ホームページと盛んに言われるが、ホームページは開ける人と開けない人があるので、ぜひ「県民だよりひょうご」などは大いに活用していただければありがたいと思う。ぜひ、よろしくお願いしたい。


 最後に、民間損害保険との関係についてお伺いしたい。


 この共済制度は、負担金5,000円で、600万円の給付が受けられることとなっている。民間の損害保険等に比べると、かなりの割安感がある。加入者にとっては、負担が少ないことは望ましいことであるが、一方では、民間保険会社や他の共済制度への圧迫につながるのではないかということが危惧される。


 また、民間の損害保険会社は、基本的には、現在の住宅の評価額を超えて保険金額を設定できないと聞いている。老朽化した住宅では、再建にまでつながらないのではないかと思う。さらに、現在、大多数の住宅所有者は、火災保険に加入されていると思うが、地震保険を附帯する場合、将来にわたってこの共済制度と重複して加入でき、保険給付を受けることができるのか、懸念される。自助としての損害保険と共助としての共済制度、そして公助が一体となって、初めて効果的な住宅再建が促進できるものと考える。


 そこで、本制度と民間損害保険との合理的な機能分担、重複加入の考え方について、ご所見をお伺いしたい。





○(常松復興推進課長)  民間の損害保険や他の共済制度には、負担や給付の面で、住宅再建を支える仕組みとして限界があることや、公的支援にも限界があることから、これらを補う仕組みとして、この共済制度を提案しているもので、適切に組み合わせることにより、効果的な仕組みになると考えている。


 民間保険等は、損失を補てんする仕組みであるために、現在の住宅の評価額以上には重複加入できないのが原則であり、地震や津波災害については、その評価額の50%までしか加入できないこととなっている。一方、本県の共済制度については、被災後の住宅の再建・購入や補修に対する支援であるために、住宅の広い狭いや老朽度を問わず定額が給付されるものであることから、民間の損害保険等とは給付の性格が異なるために、重複加入、重複給付は可能であると考えている。


 一部には、本県の共済制度が、低負担で高給付であることから、民間保険等を圧迫するのではないかという声があることも事実であるが、一方で、自然災害時の住宅再建支援には、大変効果的な仕組みだということで、ぜひ協力をさせていただきたいという業界の方々の申し出もある。





○(加藤康之 委員)  今、答弁いただいたようなことを、分かりやすく、ぜひ「県民だよりひょうご」にも記載していただいて、周知徹底していただいて、できるだけ多くの県民の皆さんが加入していただけるように、よろしくお願いしたい。


 第2問を省いたため、答弁を予定いただいた方には大変失礼な形になったかと思う。


 また、総括部、古西部長を中心にして、今日まで活動いただき、この3月末をもって発展的に解消ということになる。今日までのご努力、ご苦労に、「ご苦労さん」という一言を添え、今後とものご活躍を祈念して、私の質問を終わる。





○(杉尾良文 副委員長)  以上で加藤委員の質疑は終わりました。


 この際、暫時休憩いたします。


 再開は、午後3時20分といたします。


        午後3時0分休憩


……………………………………………………


        午後3時22分再開





○(山口信行 委員長)  ただいまから予算特別委員会を再開いたします。


 休憩前に引き続き、質疑を行います。


 佃 委員。





○(佃助三 委員)  引き続き、総括部関連でお伺いしたい。


 台風23号を初めとした昨年のたび重なる風水害により、住宅再建支援制度の必要性が改めて認識された。昨年4月からは、国の居住安定支援制度と、この制度上の不備を補完する県単独の補完事業もあわせて実施されたものの、残念ながら、これらの制度も、風水害には十分対応してないという問題が露呈された。これらの風水害の実態を踏まえ、本県では、小規模災害への補完や認定基準の弾力化、年収・年齢要件の撤廃、さらには全壊世帯に最大100万円支給する住宅再建等支援金の創設など、何かとご尽力いただいたところである。


 そして、このたび、震災10年を迎えて初めてとなる今定例会に、住宅再建共済制度を提案された。阪神・淡路大震災の被災者はもちろんのこと、昨年、幾多の風水害を経験した県民は、この国の制度による住宅本体への公費投入がかなわない今、この共済制度に対して、非常に期待しているのではないかと考える。


 そこで、住宅再建共済制度について、以下何点かお伺いしたい。


 一つは、財団法人兵庫県住宅再建共済基金の運営についてである。


 2月補正予算で、基金への1億円の出捐が議決され、いよいよ今月末には共済基金の設立という方向である。先般の代表質問の答弁によると、知事は、初年度に15%程度の加入を、また、新聞報道によると、10年後には50%の加入をめざしたいということである。これらの加入を実現する意味においても、この共済基金の安定的な運営・推進は、最低限の条件であろうかと思う。


 そこで、共済基金の運営に当たって、この加入者が負担する年度当たりの負担金収入をどの程度見込んでおられるのか、また、共済基金運営の基本となる県からの委託料等について、予算案においては1億1,750万3,000円が計上されているが、その内訳はどういうふうになっているのか。さらに、18年度以降の県の支出についてもあわせて、どういうお考えをされているのかお伺いしたい。





○(常松復興推進課長)  共済制度への平成17年度の加入者は、制度がスタートする9月から翌年3月までの7ヵ月間で、加入対象の15%程度の加入をめざしたいと考えており、その負担金収入は、加入月によって異なるが、おおむね6億円余りと見込んでいる。


 また、県からの制度運営に関する委託料等1億1,750万3,000円の内訳は、初年度の重点的な広報経費や負担金の納付、加入者のデータ管理に係るシステム設計、加入申請用紙の印刷等制度開始時に特別に必要になる経費として約8,300万円を、また、通常の広報経費やシステムの維持管理費、運営協議会に係る経費等、平年度のランニングコストとして約3,400万円を見込んでいる。


 したがって、平成18年度以降については、システム設計等の初期投資がなくなるので、この平年度のランニングコストが県からの支出のベースとなると考えている。初年度における制度の運営状況等を踏まえて、県民から信頼される、円滑かつ安定した運営ができるよう、適切な予算措置に努めてまいりたいと考えている。





○(佃助三 委員)  この条例案においては、県の損失補償のほか、財政的援助も記載されているように伺っている。共済基金を設立する以上、県の財政支出を伴うものであるので、県の責任は非常に大きい、こういうことを肝に銘じて共済制度の具体化に当たっていただきたい。


 次に、この給付要件についてであるが、このたびの共済制度において、年5,000円の掛金、また、半壊以上の被害で住宅を再建・購入する場合には、被害の程度にかかわらず600万円を支給、そして補修する場合には全壊で200万、大規模半壊で100万、半壊では50万、そして県外での再建はその半額となっている。また、再建や補修をしない場合でも10万円を支給する、こういう内容であるが、しかし、床上浸水、床下浸水の被害者は、支給対象外であり、また、半壊以上であっても、高齢者や障害者等で、再建や補修ができない人には、再建等に係る給付金が支給されない、こういう一つの仕分けになっている。


 そこで、床上浸水、床下浸水被害者には給付金を支給しない、また、住宅を再建や補修しない、あるいはできない被災者には給付金を支給しないという、こういう支給要件が果たして妥当性があるのか、こういう点、どのようにこういうものを認識されているのか。また、そのような方々に、どのような住宅再建の支援をされようとしているのか、お聞かせ願いたい。





○(常松復興推進課長)  住宅再建共済制度は、多額の費用を要する住宅の再建・購入や補修の負担軽減を図ることを目的とすることから、兵庫県被災者住宅再建支援制度調査会において、その支援対象の範囲については、軽微な被害は対象とせず、半壊以上の被害を対象とすべきであるとされており、県としては、この調査会の判断は妥当なものであると考えている。


 また、本制度が損失補てんの仕組みではないので、半壊以上の被害で再建・補修等を行わない場合は、10万円の共済給付金を支給するとしている。


 仮に、一部損壊や床上浸水等まで支給対象とすると、共済負担金額のアップは避けられず、加入者の負担増が加入障壁になることも懸念されるところではないかと考えている。


 また、昨年の風水害では、被害認定基準の弾力化によって、床上浸水世帯のおおむね4分の3が半壊以上の被害認定を受けており、本制度は床上浸水被害にも機能するものであると考えている。





○(佃助三 委員)  制度設計上、非常に議論のあるところで、難しい問題であろうと思う。しかし、このように、公費の投入も当然限界があるが、こういう居住安定支援制度が不完全な中、この共済制度に対する県民の期待は非常に高いと思う。


 私も西脇、そして被災地をいろいろ駆け回ってきたが、そういう床上浸水とか床下浸水の被害者や、高齢者の被害者を現実、目の当たりに見てきた。そうした方、被災者を思うときに、この共済制度の実効性が、よりもっとそういう方々にも光が当たる、そのようにしていただかなければならないなと思う。


 そういうことで、今後、いろいろな難しい課題があるが、現在、居住安定支援制度においても、制度を実効あるものにするために、4年後にこの見直し規定が設けられている。そこで、この住宅再建共済制度についても、今後、見直しについて、どう考えておられるか。





○(常松復興推進課長)  調査会の最終報告では、「今後、社会・経済情勢等の変化に応じて、一定期間ごとに見直す必要がある」と指摘されている。本共済制度は、全国で初めて実施するものであり、実施段階において、想定外の課題の発生や状況の変化も考えられることから、条例案第16条にも規定しているとおり、財団法人に、制度の重要事項を審議する機関として、県民や有識者、各種団体の代表等から構成する運営協議会を設置することとしている。この協議会において、負担金や給付金の額も含めて、制度のあり方全般について、適宜適切な見直しを行い、実効あるよりよい制度となるよう努めてまいりたいと考えている。





○(佃助三 委員)  先ほどご答弁いただいたように、この制度が真に、県民の住宅再建に貢献するものであってほしいと願う。その制度の運用に当たっては、いろいろと現実問題としては、さまざまな問題が生じると考えるが、先ほどご答弁あったように、適時適切な見直しも前提に置いて取り組んでいただくよう、よろしくお願いしたい。


 次に、共済制度の全国展開に向けた取り組みについてである。


 今、この制度について、るるお話があった。全国に先駆けて、共済制度を創設した我が県の取り組み姿勢は、評価したいと思うが、現実に県民に対してのサービスを提供するに当たって、やはり規模のメリット、民間会社のノウハウの導入、さらに、より充実したサービスの提供が課題になってくると思う。


 そういう意味において、この共済制度の全国展開というのは、大きな課題があると思うが、今後どのようにこの制度を、先ほどお話しあったように、全国に発信し、展開していくと言われているが、取り組もうとされているのか、再度お伺いしたい。





○(藤原総括部参事)  本来、阪神・淡路大震災の経験と教訓を、風化させることなく、仕組みとして後世に残すものであるこの共済制度は、単に兵庫県だけのものにするのではなく、全国民で共有すべきものであると考えている。しかし、これまでの全国制度創設に向けた取り組みの中では、自然災害に対する地域間の意識格差が大きかったと言わざるを得ない。そのようなことから、まずは、よく日本の縮図とも言われているが、本県で制度を実施することとしたものである。


 全国への働きかけとしては、これまでも、住宅再建支援制度調査会の中間報告であるとか最終報告、こういうものを全国の都道府県に理解いただくよう送付しているほか、今回提案している制度案についても先般、22都道府県で構成している全国知事会の専門部会で説明した。他府県からは、制度の仕組みについての問い合わせがあるし、さらに詳細な説明を求める県もある。


 ちょうど昨年の一連の風水害、あるいは新潟県中越地震、さらにはスマトラ沖地震による津波災害など、自然災害に対する関心が、日本全国で高まっている時期でもあることから、共済制度に対する全国自治体の理解を促す好機であると認識している。


 今後、県議会の先生方のお力添えをいただきながら、本県での取り組み状況あるいは制度の運営状況を発信し、制度に対する理解と賛同を求めて、全国的な合意が得られるよう努めてまいるので、よろしくお願いしたい。





○(佃助三 委員)  やはり県だけの運営というのは、非常に県にとっても過大な財政負担を伴う結果にもなりかねない、そういう心配もあるが、先ほどもお話しあったように、井戸知事もこの共済制度の全国展開に強い意欲を示されている。


 また、いろんな環境状況を見ても、自然災害が多発する中で、非常に全国的にも関心がある都道府県も多いというご答弁もあった。どうか積極的な取り組みを今後ともよろしくお願いしておきたい。


 次に、復興フォローアッププロジェクトの推進についてである。


 震災から10年が経過して、今定例会に、阪神・淡路大震災復興本部を廃止する条例が提案されている。これまでの10年間を考えたときに、震災復興に果たしてきた総括部の役割は非常に大きかったし、ご努力していただいたと思う。こういう役所は、とかく縦割り行政に陥りがちで、総括部はそのすき間を埋めて、この厳しい中、復興施策推進のかじ取り役として、総合調整を担ってこられた。


 兵庫県においては、いよいよ17年度から、「被災高齢者の自立支援」「まちのにぎわいづくり」「1・17は忘れない」、こういう取り組みを、復興フォローアッププロジェクトとして推進するようになっている。そして、この復興フォローアップ委員会、ひょうご安全の日推進県民会議で、こういう事業の推進プログラムを策定されることになっているが、これらのプログラムの策定やプログラムの推進に当たって、関係部局の連携が不可欠であろうと思う。そういう意味で、部局横断的な総合調整を担う総括部的な役割が必要になってくるのではないかと思う。そういう意味において、今後どのような調整も含めて、横断的に調整をする取り組みをされるのか、確認しておきたい。





○(古西総括部長)  震災復興の推進に当たっては、個々個別の課題に応じた専門的な取り組みと同時に、総合行政としての取り組みが求められることから、県においては、関係部局を包含する復興本部のもとで、震災復興に係る各事業は、各部局が実施をし、総括部がそれらを総合的に調整するという体制で、全庁挙げて取り組んできた。


 新年度から実施する三つの復興フォローアッププロジェクトの推進に当たっても、例えば、被災高齢者の自立支援については、住まいや暮らし、健康・福祉、そして「まちのにぎわいづくり」については、商業や文化、まちづくりなど、さらには、1月17日は忘れないための取り組み」については、防災や教育を初め、あらゆる分野での教訓の発信といったことなど、多岐にわたる部局横断的な取り組みが必要となってくる。


 これらのプロジェクトを的確かつ円滑に推進していくためには、総合調整を行う機能が不可欠であることから、総括部としては、復興本部の廃止後においても、復興施策の総合的な企画調整の役割を果たす部署の配置とか、全庁的な連携が図れる体制づくりが必要であると考えている。





○(佃助三 委員)  ただいまご答弁いただいたとおりであるが、復興本部がなくなった後でも、各部それぞれ残された課題があるわけで、その調整役も、今おっしゃったとおりの体制でなされるということであるが、今後、昨年の台風被害からの生活復興、さらに東南海・南海地震対策など、こういった防災対策も含めて、総合的な取り組みを、連携をとりながら調整をしていただいて、取り組んでいただくことをお願いしておきたい。


 最後に、「ひょうご安全の日を定める条例」についてお伺いしたい。


 今定例会には、「ひょうご安全の日を定める条例」が提案されている。この条例は、1月17日を「ひょうご安全の日」と定めて、県と県民が一体となって、「ひょうご安全の日」の趣旨にふさわしい事業、活動に取り組むというものだと思う。


 しかし、国においては既に、毎年1月17日を「防災とボランティアの日」、1月15日から1月21日までを「防災とボランティア週間」と定めている。この週間において、ボランティアや防災に関する普及啓発を図る講演会やら講習会、展示会等の行事を、全国的に実施している状況である。


 今度また、県においては来年度に、県民政策部において、防犯まちづくりを進めるための「安全・安心条例」の制定を検討するようなことも聞いているが、こういうところから見ると、ややもすると、「安全」という言葉がはんらんし過ぎて、今この部局でも、この条例の趣旨が、ちょっとぼやけてしまうのではないかという懸念もある。


 そこで、改めて、「ひょうご安全の日」を制定する趣旨は何か、また、この条例の制定によって、県民にとってどう変わるのか、また、県としても、どういうふうにこの条例をもとにして対処するのか。それと、今も言ったように、国の「防災とボランティアの日」等との整合性、関係もあるが、どのように理解しているのか、あわせてお聞きしておきたい。





○(常松復興推進課長)  大震災では、都市の脆弱さが明らかになり、人と人が支え合うことの大切さを実感するとともに、安全・安心の重要性を再認識した。また、その復興過程では、高齢者等の見守りやボランティア活動など、成熟社会を支える仕組みや、平素から社会全体として減災に取り組む災害文化とも言うべきものが芽生えてきたのではないかと考えている。


 この10年間の県や県民等の経験を風化させることなく、将来にわたって安全で安心な社会づくりを期する日として、「ひょうご安全の日」を制定しようとするものである。


 例えば、総括検証での県民による地区別ワークショップでは、震災で防災意識は高まったが、具体の行動に結びついていないとの意見も数多く出た。「ひょうご安全の日」を中心として、県だけではなく広く県民一人一人が、地域での防災訓練の実施など、災害に備える具体的な取り組みを推進する契機として、災害文化のさらなる醸成を図っていきたいと考えている。


 また、「安全の日」は、防災やボランティアに限らず、人と人が支え合う地域づくりなど、より広く安全・安心な社会づくりに取り組むとの趣旨であることから、「防災とボランティアの日」の取り組みを進める国等とも連携した取り組みを進めていきたいと考えている。


 さらに、防犯を初めとして、環境、教育、食の安全、交通安全等々、安全・安心をめざす各般の取り組みとも連携して、相乗効果を発揮しながら、県政の目標である安全で安心な社会づくりに努めてまいりたいと考えている。





○(佃助三 委員)  いろいろとご答弁をいただいた。そういう意味で、どうか震災の経験と教訓を、いつまでも忘れることなく、これを後世につないでいく、これは非常に大切な課題であろうと思う。


 最後に、私が一つ残念なことは、あの阪神・淡路大震災について最近、新聞やテレビなど、マスコミ報道で、「阪神大震災」という表現を用いることが多いようである。きょうは、震源地である淡路の先生方もおられるが、淡路が抜けているようにも感ずる。そういう震災の風化が、ここにあるようにも懸念するが、そういう意味で、震災から10年が経過をし、今、改めて「1.17は忘れない」というこの趣旨を考えたときに、報道機関に対しても、きちっと「阪神・淡路大震災」という正しい名称で、働きかけていただいて、最も基本的な災害の名称なので、正しく語り継がれることを最後に要望して、私の質問を終わる。





○(山口信行 委員長)  以上で佃 委員の質疑は終わりました。


 次に、杉本委員。





○(杉本ちさと 委員)  総括部の予算特別委員会審査としては、今年で最後になる。本部体制の廃止、総括部が改組されたとしても、被災地としての責任、特に、公的な住宅再建支援の充実は、ますます重要になっている。そのような立場から質問する。


 まず、昨年の台風被災者への住宅再建支援について、お伺いしたい。


 台風23号を初め、相次ぐ台風で、県下では多くの被害を受けた。もとの生活への回復、生活再建の基本は、住宅再建であることは、阪神大震災の重要な教訓である。今、各市町で、説明会や申請の受け付けなど、被災者への住宅再建への支援が始まろうとしている。現在、市町から来ている支援金の支給見込みは、どのようになっているか。





○(常松復興推進課長)  昨年11月県会で、予算を補正していただいた時点では、その時点での直近の被害世帯数を用いて、所要見込み額を、まず居住安定支援制度の補完事業で約7億円、住宅再建等支援金で約22億円、合わせて29億円を県からの所要額と見込んだ。その後、全市町から、1月末時点での執行見込みの提出を受けて精査をした。居住安定支援制度補完事業の見込み額については、11月補正分も含めてトータルで約13億5,000万円余、住宅再建等支援金については、約23億8,500万円余、合わせて、これら制度に基づく県の負担額の所要見込み額は、約37億円となった。


 なお、11月補正時点からの増額分については、2月補正でさきにご議決、措置をいただいたところである。





○(杉本ちさと 委員)  申請と審査が終わっていないので、正確な件数はまだ出ていないと思うが、例えば、豊岡市では、3月3日現在で、被災者生活再建支援法の申請件数は327件、県の助成金・支援金は941件の申請で、811件が決定されたと報告されている。


 また、赤穂の有年地域では、被災対象者231人のうち、相談に来られた市民が174名、審査が終わったのが80件となっており、街道沿いのほとんどの家屋が、背丈を超える床上1メートル以上のひどい被害を受けた。その中で、公的支援を受けることのできる世帯、できない世帯が生まれている。つまり、被災地では、公的支援が歯抜けのようになっている。それは、前年の年間所得の制限が800万円以上の人は公的支援が受けられないからである。同じ災害を受けて、大きな被害に遭っているのに、隣りの家は公的支援があり、その隣りはないということ、これは、被災者にとって大変つらいことである。割り切れない思いがする。コミュニティの再生、形成にとっても大きな障害になってしまうのではないかと思うが、この点についてどのようにお考えか。





○(藤原総括部参事)  制度として設けた、そしてその制度で、支援をするかしないかという基準を設けた以上、基準に合う、合わないというものが出てくることは、しかるべしで、そのことがけしからんということになると、制度としてはなかなか組みにくい、仕組みとしてつくりにくいということになるのではないかなと考えている。





○(杉本ちさと 委員)  制度としてけしからんというふうに決めつけて言っているのではなくて、その制度そのものが、実態に合っているかどうか、よくみんなで考えていきたいなと思う。


 例えば、但馬に隣接する京都府でも、大きな被害を受けているが、すべての被災者が、何らかの公的支援を受けることができている。それは、京都府独自の住宅再建支援では、所得制限を設けていないからである。私たちが、所得制限の撤廃を要求すると、井戸知事を初め県当局は、よく「高額所得者にも同じような支援をするのか」と言われるが、被災地にそのような高額所得者、一体どれほどおられるのか。今回支援を受けられない人は、公的支援を受けなくてもいいような高額所得者ではなく、ごく普通の家庭であり、普通の仕事をなさっている方である。担当者に、800万円の年収基準の根拠は何かとお聞きすると、平成11年の全国消費実態調査を言われる。


 そこでお聞きしたいが、世帯の総数の中での800万円以上の年収世帯は28%になっているが、その中で持ち家世帯、また、住宅ローンのある世帯では、年収800万円以上の世帯、何パーセントを占めているか。





○(藤原総括部参事)  今、委員ご指摘の、全国消費実態調査の数字と理解しているが、全世帯で28%が800万円以上の世帯である。さらに、持ち家層では、800万円以上は36%、そのうちローンをお持ちの方は51%というのが、11年度の全国消費実態調査の数字である。





○(杉本ちさと 委員)  住宅ローンのある世帯で、800万円以上は51%、5割以上もある。つまりローンを抱えている人にとって、800万円の年収は平均的なものであり、この方たちの半分が切り捨てられるということになる。ローンを抱えた方は、災害によるダブルローンになる可能性が高いと思われるが、その51%の人が全く公的支援が受けられない。復興10年検証では、中堅層への支援の不足という厳しい指摘もされたが、そのこととも反することになるのではないか。年収800万円以上の被災者に、公的支援が全く当たらない事態を放置していいのかどうか、もう一度お答えたいただきたい。





○(藤原総括部参事)  先ほどお答えした全国消費実態調査によると、800万円以上は28%、したがって72%が800万円以下で、支援対象になるということである。


 先ほど委員ご指摘のローンありだと、49%が対象になるということであるが、対象の多寡というか、私が申したのは、単に所得の層がそのぐらいあるといったことであって、この全国消費実態調査からすると、51%の方が800万円という基準を上回る収入、比較して言うと高い収入をお持ちだと考える。


 さらに、こういう公的支援の制度であると、生活再建支援法第1条に定めているように、経済的基盤の弱い方を対象として支援をするということであるので、現在定められている800万円、全世帯で72%という世帯が800万円以下というデータであるので、この800万円ということを、直ちに引き上げなければならないという議論は、今の状況ではできないのではないかと考えている。





○(杉本ちさと 委員)  納得できるものではないが、次に移る。


 私が、兵庫県の姿勢として、さらに問題があると思うのは、今議会に提案されている住宅共済制度ができたら、県が昨年上乗せした住宅再建等支援金を、なくしてしまうということである。これでは、せっかく全国に広がった公的支援金の増額、床上浸水被災者を支援する流れとは逆行して、実質上、公的支援の後退になってしまうのではないか。共済では、床上浸水は支援の対象にされていない。つなぎの制度と言われるが、つなぎどころか、県民から見れば、差し出した支援の手を引っ込めることになるのではないか、お答えいただきたい。





○(古西総括部長)  被災者の住宅再建については、いわゆる貯蓄とか地震保険等への加入による自助努力が原則であると考えているが、これにはおのずと限界がある。したがって、公助による支援が必要になるが、これにもやはり、住宅非所有者との公平性の確保とか、あるいは、大規模災害時の財政負担などから、支給水準には一定の限界がある。これらを補うために、住宅所有者間の相互扶助に基づく共助の仕組みである住宅再建共済制度の創設に、現在取り組んでいるところである。


 昨年の一連の台風による風水害では、この共助の仕組みができていなかったことから、その災害実態や被災地域の実情等を踏まえて、住宅再建等支援金を設けて、可能な限りの公助による支援を暫定的に行ったところである。したがって、来年度に自助、公助を補う共助の仕組みとして、共済制度が9月からスタートすることになると、本年度、暫定的な制度として実施した住宅再建等支援金の制度の役割は終えるものと考えている。





○(杉本ちさと 委員)  公的支援を暫定的に行ったというお答えであるが、非常に納得ができない。仮に今年、同じような台風災害が起きるとすれば、被災者は、昨年並みの支援すら受けられなくなる。県民からすれば、支援制度の後退と言わざるを得ない。県は共済制度を強調されるが、個人補償、公的支援とは、その性格も位置づけも全く違うものである。県が予測している加入者は、10年後に50%程度であり、共済制度である以上、加入者だけが対象になるのは当たり前であるから、10年たっても、加入者以外の5割の人は、支援が受けられない。共助・共済制度では、5割の加入者しか支援が受けられず、公助・公的支援では、持ち家、ローンありの世帯の半数が、所得制限で何の支援もない、これでは十分な住宅再建への支援体制であるとは言えない。


 昨年の災害や大震災のように、災害は突然やってくる。突然やってきた災害にも、ここまでは公的に補償する、支援するというのが、個人補償、公的支援である。中心に公的支援がしっかり座らなければ、県民は、災害が起きても安心できるということにならない。共済制度は、公的支援のかわりを果たせないものと思う。


 このように考えると、「共済制度ができたら、県独自の上乗せ分はやめる」では、県民に不安を与えることになる。兵庫県の住宅再建等支援金をやめてしまうのではなく、来年度以降の災害にも適用することを強く要望したいと思うが、もう一度ご答弁をお願いしたい。





○(常松復興推進課長)  住宅再建等支援金の実施をした考え方については、先ほど部長がご答弁したとおりである。


 住宅再建共済制度、これは住宅所有者間の相互扶助であることから、住宅所有者全員の加入というのが本旨であるということで制度づくりを進めており、県民の安心につながるよう、だれでも入れる仕組みとして創設するものである。


 来年度は、初年度であることから、本県の地震保険の加入率12.9%も勘案して、15%の加入率を見込んだものである。10年後には50%というご指摘であったが、何も50%に限ったことでなく、できるだけ多くの方に加入をしていただきたい。50%以外の方を切り捨てたり、50%以上の方が加入できないという制度ではないので、その点、何とぞご理解いただきたい。


 それから、公助を基本としてというご指摘があった。先ほど来ご答弁しているように、自然災害で住宅を失った方の再建の基本は、まず自助だと思う。ただ、経済的理由等によって、自力再建が困難な方々に対して、公助としての公的支援がある。その公的支援の構築については、阪神・淡路の経験を踏まえて、全国の先頭に立って取り組んできた。その充実に今後とも努めていく。その上で、これに加えて、共助の仕組みとしての住宅再建共済制度を今年9月からスタートさせていただきたいと考えているので、ご理解いただくようよろしくお願いしたい。





○(杉本ちさと 委員)  考え方は変わらないということであるが、改めて兵庫県独自の住宅再建支援金、やめてしまうのでなく、来年度以降も適用することを強く要望する。


 最後になるが、国会には、我が党も提案者になっている被災者生活再建支援法の改正を求める野党案が提出されている。この野党案の成立によって、住宅本体への支援金の増額などを実現するために、兵庫県の積極的な取り組みを強く求めて質問を終わる。





○(山口信行 委員長)  以上で杉本委員の質疑は終わりました。


 次に、葛西委員。





○(葛西利延 委員)  一つは、確認というか、再質問的なことをしたい。


 常松課長に答弁願いたいのは、実は、住宅再建共済制度の件で、加藤委員、佃 委員から出たが、加藤委員の「民間業界を圧迫するのではないか」という質問に対する答弁で、かえって関心ができて喜んでおる、協力も惜しまない的な発言があったが、例えばどんな協力、ノウハウを教えてやるというのか、事業そのものを合体してもいいとか、そういうこと等、これからの研究だろうと思うが、非常に大事な点であるので、ご答弁をよろしくお願いしたい。





○(常松復興推進課長)  具体的に申し上げると、保険の代理店をされている方が、いろんな会社の損害保険を扱っているそうであり、その中で、この制度が被災者にとって非常に再建支援になる制度である、商売で保険の取り扱いをされているので、手数料等のお話があるのかなと思ったら、全然そうではなくて、被災者の支援のために、加入者のためになる商品を我々は売りたいので、その中にこれを一緒に、こういういい制度があるよということを説明に行きたい。そうすることが、自分たちがこういう仕事をすることについても、大きくプラスになるものであるということで、ボランティアとして進めていきたいというお話をいただいた。





○(葛西利延 委員)  よく理解できた。いろいろこれから出てくると思うので、前向きで、よろしくお願いしたい。


 一言コメントを加えておくと、住宅再建共済制度は、震災直後、住宅の再建が一番大事だということで、我が会派は、これを全国的なものにしなければいけないということで、全国行脚も含めて、非常に真剣に取り組んだ問題である。それが、そのうちに、県会、県全体の願いというか、要望になり、全国にいろいろ訴えているが、なかなか全国的には、これがまだというときに、これを兵庫県が、まだ10%や15%しか入らないのではないかというような大変なときに、度胸よく進めていただいたということは、私は非常にうれしく存じているので、ご発展のために頑張れればと思っている。


 さて、きょうの本来の私の質問は、この総括部、最初の質問者であったが、我が会派の都合で、私が最後になったので、本当は総論的な質問をして、あと皆さんが各論の質問をしてくれたらいいなと思っていたが、逆になり、最後であるが、通告をしているとおり質問したい。


 1.17の日を迎えて、今年は天皇・皇后両陛下のご臨席のもとに、阪神・淡路大震災10周年の追悼式典が行われた。6,400人を超える死亡者、4万人以上の負傷者、さらには25万棟に及ぶ家屋の被害という大変な大災害であった。犠牲になられた方々のご冥福を改めてお祈りするとともに、震災が10年を経た今日も、我々に残した課題を大きく受けとめているところである。


 約10兆円と推計された被害に対し、創造的復興を図るために、17兆円の事業費を掲げ、阪神・淡路震災復興計画は、一部の市街地整備事業などを除く16兆3,000億円の事業実績を上げ、残り約2週間で計画期間も終了ということである。また、県当局におかれては、阪神・淡路大震災復興本部も、幕をおろす時期になった。


 しかしながら、10年が経過したからといって、復興が完全に達成されたわけではなく、「被災高齢者の自立支援、市街地の再生・まちのにぎわいの回復、貸付金等の償還対策、住宅や公共施設の耐震化など、ポスト復興10年に残された課題に対する継続的な対応が求められる」と復興10年委員会から、総括検証・提言の中で報告されている。


 その報告を受け、これら残された課題に対して、どのように対応されていこうとしているのか、新年度予算での対応について、まずお答えいただきたい。





○(松原復興企画課長)  ご指摘のような、震災から10年経過後の残された課題に、今後とも適切に対応していく必要があるので、新年度予算の中で所要の措置を講じている。


 まず、被災高齢者の自立支援については、高齢世帯生活援助員を継続設置するとともに、新たに、復興住宅におけるコミュニティづくりのコーディネート機能を追加するなど、公的支援者による支援に加え、地域ぐるみで被災高齢者の見守りや生きがいづくりを進めていく。


 次に、「市街地の再生・まちのにぎわいの回復」については、未完了の復興市街地整備事業の早期完了をめざすとともに、区画整理事業地区での土地利用や市街地再開発ビルへの入居の促進などを図り、街の再生やにぎわいの回復を進めることとしている。


 次に、「貸付金等の償還対策」については、災害援護資金の償還期限の延長等を国に継続して協議・要望していくほか、被災中小企業に対する緊急災害復旧資金融資に係るきめ細かい融資条件の変更や、借換貸付の適用などの対策を講じることとしている。


 また、公共施設や県立学校の耐震化については、県有施設耐震化の整備計画に基づき、耐震改修を推進するとともに、民間住宅についても、住宅耐震改修助成事業を拡充して、耐震診断を経なくても改修工事に着手できるようにするなど、耐震化の一層の推進を図ることとしている。





○(葛西利延 委員)  復興フォローアップの取り組みについて伺うが、先ほど、残された主な課題の二つである「被災高齢者の自立支援」「まちのにぎわいづくり」については、総括検証で、同じく今後の必要性が指摘された「震災の経験と教訓の継承・発展・活用」とともに、復興フォローアップ事業として、今回の当初予算に計上されている。


 この復興フォローアップ事業には、取り組みの推進状況をフォローする委員会の設置・運営、震災関連調査の実施、フォーラムの開催、復興10年総括検証・提言データベースの構築・発信と、さまざまな取り組みが掲げられているが、このような手法をとられたのは、これまでの10年の復興の歩みの教訓を反映された結果だと思う。


 そこで、10年経て、なお課題として残されている問題への対応は、多くの困難が予想される中、今回の手法をとって取り組みを進めることとした考え方を伺いたい。また、これらの取り組みを進めるに当たって、何年ぐらいの期間をめどと考えているのか、この点もあわせて伺いたい。





○(松原復興企画課長)  阪神・淡路震災復興計画終了後の施策展開に当たっては、ひょうご経済・雇用再生加速プログラム等を初め、既存の個別計画等に基づき推進していく。しかしながら、「被災高齢者の自立支援」「まちのにぎわいづくり」「震災の経験と教訓の継承・発信」については、多岐にわたる横断的な取り組みが求められるので、復興フォローアッププロジェクトとして、重点的に取り組むこととしている。


 これまで、復興計画の推進に当たっては、後期5か年及び最終3か年推進プログラムの策定、震災から5年目の国際総合検証、今回の復興10年総括検証などによって、きめ細かなフォローアップを実施してきたが、こうした手法については他に例がないと総括検証の中でも高く評価されている。


 新年度の復興フォローアップにおいても、こうした10年間の経験を生かして、復興フォローアップ委員会の設置や、そのもとでの被災者復興支援会議のアウトリーチ機能を継承する部会を設けるほか、震災関連調査やフォーラムを実施していく。


 こうしたことによって、年度ごとの施策の進捗状況や課題などを見きわめながら、次年度の推進プログラムを策定することとしており、被災地や被災者の状況の変化に機動的に対応しつつ、取り組みを進めてまいりたいと考えている。





○(葛西利延 委員)  この問題も、非常に難しい問題ばかり残っているので、佃 委員のときの答弁では「各部局連携して推進する」というようなことも言われていたが、これも大事な問題であるので、推し進めていただきたい。


 次に入るが、この震災復興で一番大きい単語として、ぱっと浮かんでくるのは、復興基金の問題である。余り皆さん方が復興基金のことを尋ねなかったので、いい機会であるので、ここで聞かせていただく。


 阪神・淡路大震災復興基金は、雲仙岳災害対策基金に倣って、発災後2ヵ月半の早さで設立された。途中積み増しも含め、9,000億円規模の基金として、運用益3,500億円で、113の復興支援事業に充てられてきた。この復興基金事業については、一部事業は5年間延長されることとなったが、3月末で一応終了することになっている。


 この基金を活用して、復興事業を展開した結果、単年度予算に縛られず、長期的な計画が立てられたことや、被災者のニーズに合った柔軟な事業展開ができたことに対して評価するところであるが、高齢者の見守り等で、公的依存体質が生まれたなどの問題点を指摘する声も事実ある。


 そこで、この10年の復興基金事業を振り返って、基金事業の果たしてきた役割の評価や事業に関する反省点など、どのように総括しているか、お答え願いたい。





○(古西総括部長)  復興基金は、発足以来、住宅、産業、生活など、多岐にわたる分野の事業を、被災者・被災地の実情やニーズの変化に応じて、機動的かつ積極的に展開し、復興の各段階において大きな役割を果たしてきたと、手前みそであるが私どもも評価している。


 とりわけ、被災者生活再建支援法の制定を先導した復興基金による被災者生活再建支援金の支給や、民間賃貸住宅の家賃負担軽減補助、さらにはボランティアへの支援など、我が国の従前の枠組みでは対応が困難であった課題にも取り組めたこと、さらには、コミュニティビジネスの立ち上げ支援やNPOに対する貸付事業など、被災地以外においても一般施策化された先導的な取り組みを数多く生み出してきたことは、特筆すべき成果であると考えている。


 反省点としては、復興事業メニューの一括提示ができず、ニーズの変化に応じて必要な施策を、結果的には五月雨式に提示をしたことなどが挙げられる。また、手厚い支援により、委員からご指摘のあった、一部の被災者に依存的傾向が見られたといったようなことは、総括検証の中でも指摘を受けている。


 こうした反省点は、新潟県の中越地震で、復興メニューが一括提示されたことなどで、私ども阪神・淡路大震災の教訓が生かされたものと考えている。


 今後、これらの成果や反省点を、震災の経験や教訓として継承・発信することにより、将来の大規模災害に対する減災や復興に生かしていきたいと考えている。





○(葛西利延 委員)  部長から答弁いただいたが、私もそれと同様に思っているので、これは、これからのいろんな、ほかの地域でこういうことがあったときにも、基金というのはこういうものだということで、大いに生かしていただきたい。


 我々も今、事実、震災が余り影響がないようなところまで、コミュニティの集会所的なものも建てさせていただいて、いまだに喜んでいるが、また、そこの管理等でもめる人もおり困っている。


 次に、復興基金の延長事業等について伺いたい。


 復興基金の全体収支について、総括部で精査したところ、利子補給事業の繰り上げ償還などによる事業の実績減などで、約40億円の残余が見込まれるとのことであり、これを活用して、基金事業のうち残された被災地固有の課題について、17年度以降も引き続き延長して実施することとされている。


 また、延長事業以外について、復興過程で生まれた先導的な取り組みや全県的に対応すべき施策は、県の一般施策の新規・拡充等により対応することとなっている。約40億円という制約の中で、延長事業をどう選んだのか、また、一般施策へ引き継ぐべき事業をどう選んだのか、その考え方を伺うとともに、延長事業の期限を原則5年間と考えた理由についてもお答え願いたい。





○(常松復興推進課長)  平成17年度以降も継続すべき事業については、復興計画最終3か年推進プログラムの進捗状況をもとに検討を行った。


 このうち、総括検証で指摘された残された被災地固有の課題である「被災高齢者の自立支援」と「市街地の再生・まちのにぎわいの回復」の二つに関連した事業については、被災市町や関係部局とも協議の上、復興基金の運用益の残余を充当することとした。


 また、復興過程で生まれた先導的な取り組みや全県的に広めて実施すべき施策については、事業の特性から一般施策の新規・拡充等で対応することとしている。


 事業の延長期間については、面的整備事業の概成までに5年程度を要することから、震災特例の住宅税制が面的整備事業区域内では5年間延長されたこと、また、被災高齢者の自立支援についても、地域住民による主体的な取り組みの醸成などに、中長期的な対応が必要なことなどから、5年間とした。


 今後とも継続する復興施策については、平成17年度設置予定の復興フォローアップ委員会において、現状分析や課題整理、課題別の推進プログラムの策定など、総合的なフォローを行うこととしている。





○(葛西利延 委員)  40億という制約の中であるが、うまいぐあいに使っていただいて、実績を上げていただいたらと思う。


 最後の質問であるが、震災10周年記念事業について伺う。


 今、皆さんの襟に、震災10周年記念事業関係のバッジをつけているが、阪神・淡路大震災から10年目の節目を迎えるのを機に、県・被災市町、団体・グループ、NPO・NGO、企業などが互いに連携を図り、被災地が一体となって「阪神・淡路大震災10周年記念事業」を今、展開している。この10年の被災地の創造的復興の歩みを振り返ったり、支援や励ましへの感謝の気持ちをあらわしたり、1月17日への思いを共有して未来へのステップを踏み出すものとして、各地で取り組まれている状況をよく見聞きするが、これについては、来年度もう1年実施期間を残している。これまで1年の取り組みの実績はどうであったのか、また、この記念事業全体について、今の時点での評価と、残り1年間の事業展開を今後どのようにしていこうとしているのか、お答え願えたらと思う。





○(藤原総括部参事)  記念事業についてはこれまで、「記念事業かわら版」であるとか、マイクロソフトネットワーク、いわゆるMSNと連携したホームページ等で、事業への参画を広く呼びかけ、情報発信に努めてきた結果、追悼コンサートであるとか、フォーラムであるとか、シンポジウム、さらには記録書の作成といったことで、既に641の多彩な事業が登録・実施されている。今後、さらに増加することが見込まれている。


 現在登録されている事業の参加見込み者数は、延べで850万人に上る。さらにまた、先ほど申し上げたMSNのホームページの閲覧数、アクセスの数は、開設以来6ヵ月で160万件を超えるなど、記念事業は、大震災の経験・教訓、復興状況などの情報発信に大きく貢献しているのではないかと考えている。


 また、助成事業の65%は、住民の主体的な取り組みである、みずから企画し実施する事業である。このことは、復興過程で芽生えた住民の自主的・主体的な取り組みが定着し、発展しつつあることの証左ではないかと考えている。


 今後とも、被災市町を初めとする記念事業推進会議、たくさんの構成団体があるが、こういうものを通じて、さらなる記念事業への参画を呼びかけ、事業の実施を支援していく。


 また、17年度には、全国育樹祭や世界学生ボランティア大会など、全国的・国際的な多彩な事業が計画されていることから、こうした事業を通じて、国内外に被災地の取り組みを発信してまいりたいと考えている。





○(葛西利延 委員)  大きい行事も、この1年間であるということであり、せっかくの記念事業であるので、大成功裏に終えたらと思う。


 ところで、関係あると思ったことだけ述べて質問を終わるが、先日、1週間ぐらい前だったと思うが、兵庫県の宅建協会が、この記念事業を行った。この式典で、その当時の苦労話が話されたが、全国の仲間からも支援を得ながら、その当時、震災直後、被災者の家を世話するときには、手数料ももちろん無料という、非常に人間味あふれる行為で、宅建業界は被災者のために尽くしたということを強調していたが、これは事実だろうと思うし、非常にうれしい話を聞いたと思っている。


 その翌日には、人と防災未来センターを、「感謝と鎮魂の集い」として、記念事業費を使って、その防災未来センターを無料開放して、広く県民に、震災を忘れたらいけないぞという注意等を喚起しながら、思いの共有を表現したという催しをしていたが、これらしっかりした団体は、そういう10周年記念を一つの契機として、自分のところの存在価値をあらわしているという、非常に積極的な団体もあるので、そういうことも今後、十分我々も勉強させていただいて、震災復興の、震災10年記念事業が、全県民挙げて、何らかの形でかかわるようにしていけば、さらにうれしい限りである。


 皆さん、長年ご苦労さまでした。今後もよろしくお願いしたい。





○(山口信行 委員長)  以上で葛西委員の質疑は終わりました。


 この際、お諮りいたします。


 復興本部総括部及び部外局で通告のありました質疑は、すべて終了いたしました。


 ほかに通告を受けておりませんので、復興本部総括部及び部外局関係の質疑を打ち切りたいと思いますが、これにご異議ございませんか。


  (異議なし)


 ご異議ないと認め、さように決します。


 次の委員会は、明16日水曜日午前10時より開会し、県土整備部・復興本部県土整備部及び企業庁、復興本部臨海都市整備部関係の歳出審査を行います。


 本日は、これをもって閉会いたします。


        午後4時32分閉会


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