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平成17年度予算特別委員会(第4日 3月14日)




平成17年度予算特別委員会(第4日 3月14日)





平成17年度予算特別委員会





                  予算特別委員会議事順序





                                    平成17年3月14日(月)


                                    午前10時


                                    大会議室


 
  開    会


1 諸  報  告


2 付託議案審査


 (1) 歳出審査(健康生活部・阪神・淡路大震災復興本部健康生活部)


    質    疑


 (2) 歳出審査(病院局)


    質    疑


3 議 事 打 切 り


4 日 程 通 告


  閉    会


……………………………………………………………………………………………………………………………


出 席 委 員


    委  員  長     山  口  信  行


    副 委 員 長     杉  尾  良  文


    理     事     石  原  修  三


       〃        丸  上     博


       〃        加  藤  康  之


       〃        松  本  よしひろ


       〃        宮  田  しずのり


    委     員     石  井  秀  武


       〃        西  野  將  俊


       〃        松  本  隆  弘


       〃        野  間  洋  志


       〃        佃     助  三


       〃        中  田  香  子


       〃        杉  本  ち さ と


       〃        北  浦  義  久


       〃        葛  西  利  延


       〃        水  田     宏


       〃        合  田  博  一


       〃        岸  口     実


       〃        北  川  泰  寿


       〃        山  本  敏  信


       〃        石  川  憲  幸


       〃        清  元  功  章


……………………………………………………………………………………………………………………………


説明のため出席した者の職氏名


    企画管理部企画調整局長兼阪神・淡路大震災復興本部企画管理部企画調整局長


                           高  井  芳  朗


    企画管理部企画調整局財政課長         竹  本  明  正


    健康生活部長兼阪神・淡路大震災復興本部健康生活部長


                           下  野  昌  宏


    健康生活部生活企画局長兼阪神・淡路大震災復興本部健康生活部生活企画局長


                           中  瀬  憲  一


    健康生活部健康局長兼阪神・淡路大震災復興本部健康生活部健康局長


                           細  川  裕  平


    健康生活部福祉局長兼阪神・淡路大震災復興本部健康生活部福祉局長


                           久  保  修  一


    健康生活部のじぎく大会局長          岸  本  吉  晴


    健康生活部環境局長              原  田     彰


    健康生活部参事(健康危機管理・医療技術担当)兼阪神・淡路大震災復興本部健康生活部参事(健康危機管理・医療技術担当)


                           今  井  雅  尚


    健康生活部参事(県立病院・のじぎく療育センター担当)


                           中  島  英  三


    健康生活部参事(人権担当)          薦  野     信


    健康生活部参事(西播磨リハブランチ整備担当) 横  山  和  正


    健康生活部参事(環境技術担当)        長 谷 川     明


    健康生活部医療指導官             篠     裕  美


    健康生活部生活企画局総務課長兼阪神・淡路大震災復興本部健康生活部生活企画局総務課長


                           中  西  一  人


    健康生活部生活企画局健康福祉政策担当課長兼阪神・淡路大震災復興本部健康生活部生活企画局健康福祉政策担当課長


                           加  藤  充  久


    健康生活部生活企画局健康ひょうご推進担当課長 小  前  裕  一


    健康生活部生活企画局ユニバーサル社会担当課長 藤  原  茂  之


    健康生活部生活企画局人権担当課長       搆     忠  宏


    健康生活部健康局医療課長兼阪神・淡路大震災復興本部健康生活部健康局医療課長


                           伊  藤     聡


    健康生活部健康局疾病対策課長         熊  谷  仁  人


    健康生活部健康局健康増進課長兼阪神・淡路大震災復興本部健康生活部健康局健康増進課長


                           中  野  則  子


    健康生活部健康局生活衛生課長         菊  地  豊  彦


    健康生活部健康局薬務課長           木  本  健  博


    健康生活部福祉局社会福祉課長兼阪神・淡路大震災復興本部健康生活部福祉局社会福祉課長


                           圓  尾  辰  夫


    健康生活部福祉局長寿社会課長兼阪神・淡路大震災復興本部健康生活部福祉局長寿社会課長


                           麻  埜  和  夫


    健康生活部福祉局介護保険課長         小  野  太  一


    健康生活部福祉局障害福祉課長兼阪神・淡路大震災復興本部健康生活部福祉局障害福祉課長


                           山  本  嘉  彦


    健康生活部福祉局西播磨リハブランチ整備課長  福  田  好  宏


    健康生活部福祉局児童課長兼阪神・淡路大震災復興本部健康生活部福祉局児童課長


                           玉  田  敏  行


    健康生活部福祉局国民健康保険課長       原     秀  敏


    健康生活部のじぎく大会局のじぎく大会課長   中  野  和  幸


    健康生活部環境局環境政策課長         大  西     徹


    健康生活部環境局自然環境保全課長       小  山  善 三 郎


    健康生活部環境局環境整備課長         嵐     一  夫


    健康生活部環境局大気課長           阿  多     修


    健康生活部環境局水質課長           英  保  次  郎


    健康生活部生活企画局情報事務センター室長   藤  木  秀  夫


    健康生活部福祉局援護室長兼阪神・淡路大震災復興本部健康生活部福祉局援護室長


                           永  守  研  吾


    健康生活部生活企画局総務課参事(企画調整担当)兼阪神・淡路大震災復興本部健康生活部生活企画局総務課参事(企画調整担当)


                           島  田     聡


    健康生活部健康局生活衛生課食品安全官     川  久  通  隆


    健康生活部福祉局障害福祉課参事(調整担当)  真  木  高  司


    健康生活部福祉局障害福祉課参事        岡  本  周  治


    健康生活部環境局環境影響評価室長       冨  岡  寛  美


    健康生活部環境局環境情報センター室長     矢  内  健 太 郎


    病院事業管理者                後  藤     武


    病院局長                   中  島  英  三


    病院局参事(医療担当)            今  井  雅  尚


    病院局参事(病院調整担当)          高  田  佳  木


    病院局企画課長                船  木  雄  二


    病院局管理課長                岡  本  周  治


    病院局経営課長                岩  本  正  純


……………………………………………………………………………………………………………………………


        午前10時2分開会





○(山口信行 委員長)  ただいまから予算特別委員会を開会いたします。


 議事に先立ち、ご報告申し上げます。


 委員会条例第14条の規定により、本日当委員会に出席を求めた者の職氏名は、お手元に配付しております一覧表のとおりでありますので、ご了承願います。


 次に、ただいま高橋八重子氏外4名より、本日、当委員会を傍聴したい旨、申し出がありました。


 委員会条例並びに傍聴取扱要綱の規定により、ただいま申し出のありました傍聴を許可することにご異議ございませんか。


  (異議なし)


 ご異議ないと認め、さように決します。


 これより議事に入ります。


 平成17年度関係、第1号議案ないし第22号議案を一括議題といたします。


 本日は、健康生活部・復興本部健康生活部及び病院局の歳出審査を行います。


 まず、健康生活部・復興本部健康生活部について審査を行います。


 これより質疑に入ります。


 この際、当局に申し上げます。


 答弁は、発言の趣旨を的確にとらえ、簡潔に願います。


 委員の発言は、通告に基づき、委員長より順次指名をいたします。


 まず、野間委員。





○(野間洋志 委員)  3月11日の朝日新聞に北極地方の温暖化について次のように掲載されていた。温暖化調査団委員長のロバート・コレルさんはこのように言われている。アラスカ全土の温暖化は、この半世紀で3度から4度も上昇していると、過去1000年で0.6度の上昇であった。非常に速度が異常であると言われている。そしてグリーンランドの氷が急速に解けており、今世紀の末までに海面が地球全体で1メートル以上上昇するであろう。3番目に、北半球の海水の温度は2003年に最高を記録した。他の地域に比べて二、三倍の速度で北極地方の海水の温度が上昇しているということを言われており、これらの北極地方の問題は、地球全体への警鐘であるということが新聞に出ている。


 そこで、私はまず循環型社会形成について質問する。


 兵庫県では、環境の保全と創造に関する条例及び新兵庫県環境基本計画に基づき、豊かな自然を有する県の特性を生かした循環を基調とする地域社会の形成がめざされている。条例の基本的な考え方として、大量生産、大量消費、大量廃棄型社会から循環型社会への転換の必要性を指摘し、その実施に当たっては、行政、事業者、県民の参画と協働による取り組みが必要とされている。循環型社会の理念とは、1.自然生態系との共生が図られている社会、2.市民の自立による安全で快適な社会、3.環境と経済が調和し、環境ビジネスが発展する社会の構築であろうと考える。この理念のもと、県と事業者、県民が果たすべき責務がある。県については、総合的な施策の策定と実施、市町村の施策策定と実施に必要な支援、市町村や事業者、NPO、県民などとの緊密な連携などであり、事業者については、廃棄物などの発生抑制と資源の循環的利用などであろう。


 そこで、京都議定書が発効した2月16日、県は省資源・省エネルギー運動県民大会を開催し、地球温暖化を食いとめ、次の世代に良好な環境を引き継いでいく責任があることを、県民すべての共通認識としていく必要がある。一人一人が省エネルギーや環境に優しいライフスタイルの実践などを通じて取り組みを一層進めていくとする大会決議が行われ、井戸知事は、国連世界防災会議でも、災害と異常気象との関係が取り上げられるなど、地球環境の維持は待ったなし、県民とともに地域からの地球温暖化防止に向けた活動を展開していくとのコメントが発表されたところである。2月16日、京都議定書が発効され、それに伴い、日本では地球温暖化対策推進法が施行される予定である。


 まず、地球温暖化対策についてである。


 朝日新聞の調査で47都道府県と政令指定都市の60自治体が取り組む地球温暖化対策では、2008年度から2012年度の温室効果ガスの排出量を90年度比で6%減らす義務があり、兵庫県は削減目標を6%に決めている。兵庫県の実態は、2001年でマイナス0.6%で、排出減の10自治体のうちに入っているが、この数値に対する、まず評価を伺う。


 また、地球経済の不振が環境面にプラスに働いたとも言えるこの結果に、温暖化対策を行政主導でやるのが妥当なのかどうか、法規制など、もっと効果的な対策を国や自治体で取り組むべきであると考えている。特に自治体においては、啓発や情報提供だけではなくて、国や自治体が連携して地域からの具体的な取り組みを行うべきと考えるが、ご所見を伺う。





○(原田環境局長)  本県の2001年度の温室効果ガス排出量は、1990年度比で0.6%の減となっており、他府県と比べても削減は進んでいる。これは削減の取り組みが他の部門と比べて進んでいる産業部門の占める本県での割合が、温室効果ガスの95%を占める二酸化炭素の排出量で見ると全国の41%に比べ、69%と大きいことが主な要因と考えている。


 この産業部門への対策としては、ご指摘のように、県では行政指導ではなく、先導的に条例により474の大規模な事業所に対して、温室効果ガス排出抑制計画の作成・報告を義務づけており、この計画に基づき確実な削減について指導していくととともに、現在、国で検討している省エネ法の改正を踏まえ、対象の拡大についても検討していきたい。


 また、地域での具体的な取り組みとしては、「ひょうごグリーンエネルギー基金」による自然エネルギー発電施設設置に対する助成や、地球温暖化防止の普及啓発・環境学習の拠点となるエコハウスを播磨科学公園都市で国の補助も得て整備を進めている。これを地球温暖化防止活動推進員の活動拠点としても位置づけ、その実践活動を支援するなど、地域からの地球温暖化防止対策に積極的に取り組んでいきたい。





○(野間洋志 委員)  2001年度でマイナス0.6%ということは、単純に計算して、目標の6%をクリアできると私も考えている。このまま頑張っていただくようお願いする。


 次に、ヒートアイランド現象対策について質問する。


 ヒートアイランド現象とは、土や緑地の多い地域は、そこから蒸発する水分が熱を奪って温度の上昇を抑えてくれるが、緑地のほとんどない都会のコンクリートジャングルでは、水分の蒸発がなく、このように都市部で発生する高温化のことをいう。


 ヒートアイランド現象緩和については、人口排熱の低減、地表面被覆の改善、都市形態の改善、ライフスタイルの改善といった対策が必要と言われている。しかしながら、その王道は、何といっても緑地をふやすことである。世界の先進都市の1人当たりの公園面積を比べてみると、ニューヨークが29平米、ロンドンが27平米、ベルリンが27平米に対して、日本は、名古屋の6.8平米、横浜が4.5平米、大阪が3.5平米、神戸がちょっと多くて16.4平米、東京23区では2.9平米と、極端に世界に比べて少ないのが実情である。都市部の緑化による環境改善を進めなければならない。


 国土交通省は、都市部の緑化を進めるため、それまでの都市緑地保全法を改正し、新たに都市緑地法を平成16年12月に施行したところである。この法によれば、都市内の緑地の保全とともに、新たに大規模建築物を対象に、屋上も含めた敷地の一部の緑化を義務づけた緑化地域の規定が設けられた。


 こうした中、新たに策定されるヒートアイランド対策推進計画はいかなる内容のものか。2番目に、数値目標を示されるのか。3番目に、これをもとに対策についてどのように普及啓発を図っていこうとされているのか、この3点お伺いする。





○(下野健康生活部長)  近年、本県においては、都市部における夏季の温度の上昇、熱帯夜の増加などの現象が見られることから、国が平成16年3月に策定したヒートアイランド対策大綱を踏まえて、県としての取り組み、事業者が行う対策、県民が行う対策を示し、それらを総合的に進めるため、ヒートアイランド対策推進計画を策定しようと考えている。


 この計画では、人工排熱の低減、地表面被覆の改善、都市形態の改善、ライフスタイルの改善という四つの柱があるが、この四つの項目を柱として、太陽光発電や緑地面積などそれぞれの目標となる具体的な数値を掲げ、県民・事業者・行政が一体となって計画的に事業を推進していきたいと考えている。


 さらに、緑化については、県の率先的な取り組みとして、県有施設での屋上緑化や駐車場の芝生化、道路緑化等を推進するほか、民間での屋上緑化を促進するための助成制度などを活用して普及啓発に努めていきたいと考えている。


 また、県民の取り組みを進めるため、フォーラムや各種対策の展示を行うヒートアイランド対策フェアを開催するとともに、事業者に対しては先導的な対策事例を盛り込んだ指針を作成し、事業者の自主的な取り組みを促していきたいと考えている。





○(野間洋志 委員)  数値目標というもの、私は非常に重要なものであるかと思うので、よろしくお願いをする。


 次に、企業の環境活動についてである。


 環境の世紀に企業はいかに対応すべきか、大阪商工会議所環境推進委員会は、企業が抱える環境課題の解決に向け、温暖化・廃棄物対策、大気水質・化学物質、環境経営研究の三つの分科会を設置し、自主的な調査研究を行っている。分科会での活動成果は報告書に取りまとめるとともに、環境問題の意識向上と認識の共通化、企業の対応支援を目的にシンポジウム、セミナーを通じて広く会員企業に情報提供を行っている。


 環境問題の解決は、企業の自主的な行動に加え、産業界と行政が適切な役割分担のもとに協働して連携することが不可欠である。このために、大阪商工会議所環境推進委員会では、環境問題について、産業界と府や市の環境行政当局がお互いに理解を深めるため、環境行政懇談会を随時開催している。また、大阪商工会議所環境推進委員会は、大阪府とは、大阪府循環型社会形成条例や京都議定書の批准を控え、喫緊の課題である大阪府地球温暖化防止対策をテーマに意見交換が行われた。その席上、産業界からは、地球温暖化防止対策に関し、二酸化炭素排出量が増加している民生・運輸部門での削減策の推進に大阪府の一層の指導力の発揮を求めている。県においては、神戸商工会議所を初めとする産業界との間で、環境問題、特に地球温暖化問題について理解を深めるため、どのような対応をされているのかお伺いする。





○(阿多大気課長)  本県の環境保全に関する基本的事項を調査審議する環境審議会や新兵庫県地球温暖化防止推進計画検討会などに、その委員として神戸商工会議所や兵庫県商工会連合会の代表者を委嘱し、産業界の意見を反映させている。


 また、県の環境に係る各種の融資制度や補助制度のほか、研修会や共催事業等を通じ、地球温暖化対策等について広く会員に対する周知を図っている。


 さらに、特に大規模事業所については、県内の産業界で環境問題に取り組んでいる団体として昭和51年に設立された兵庫県環境保全管理者協会があり、県内の主要な企業・団体約200社が会員となり、大気分科会、水質分科会、廃棄物分科会を設置しており、県の主要施策に対する研修会の開催等に加え、大規模事業所に対する温室効果ガス排出抑制計画作成の義務化の条例改正に際しても意見交換を行うなど、県と定期的な情報交換、意見交換の場を持っている。


 今後とも政策立案段階、事業実施段階での連携を深めるとともに、県の環境に係る各種情報の提供や地球温暖化対策のPR等も強化するなど、産業界との間で相互の理解を深めるよう努めていきたい。





○(野間洋志 委員)  3月11日、京都議定書の温室効果ガス削減目標を達成するため、国や企業、一般家庭などの取り組みを決めた京都議定書目標達成計画の原案が政府より明らかになったところである。政府、自治体、企業、国民の役割分担が示されている。特に企業においては、その中で社会的責任に基づいて排出量を公表し、自主的取り組みを評価するというふうに決められているが、やはり企業というものの努力は非常に肝要かと思うので、緊密に関係を持っていただきたい。


 最後に、ESCO事業についてご質問する。


 ESCO事業とは、民間の事業受託企業がインバーター制御機器、節水用のトイレ、擬音装置、自家発電装置など省エネ機器を公共施設に導入し、運営をするものであるが、節約できた水道光熱費を受託企業と建物を持つ自治体が分け合う仕組みである。建設会社など受託企業が水道光熱費の節約分を保証し、達成できない場合は自治体など顧客に補償する。自治体では、1998年に導入した三重県と東京都三鷹市の庁舎が草分けと言われている。


 このESCO事業が東京都を初め近畿の自治体でも広がってきた。大阪府は母子保健総合医療センターと府民センター、府庁舎、池田市の合同庁舎など事業を拡大している。大阪府は母子センターと府民センターで水道光熱費削減額9,400万円、ESCO事業者への委託料を差し引いても3,000万円程度の経費節減につながっている。神戸市も須磨海浜水族園で採用し、今年度は神戸商工貿易センタービル、福祉交流センターで採用する予定である。大阪市においても、今年度、総合医療センターでまた採用の予定である。


 本県においても、非常に財政的にも厳しい中、また省エネを考えても、病院等、水道、電気など多く消費する施設にこのESCO事業を採用すべきではないかと考えるが、ご所見を伺う。





○(大西環境政策課長)  県施設でのESCO事業実施の可能性については、平成16年度にESCO事業者に対し県施設の省エネ改修の現状に関するデータを提示した上でアンケート調査を行い検討した。


 ESCO事業実施の可能性は、必要な改修経費とそれによって達成できる光熱水費削減額の比較による採算性により判断されるが、検討の結果、例えば本庁では高機能照明、空調の効率化及びエレベーターの効率的な運転など、既にESCO事業者が活用する省エネ手法を導入しており、県施設の多くでESCO事業実施のメリットが小さいことがわかった。


 一方で、エネルギー消費量、施設規模が大きい一部病院、一部大学施設ではESCO事業実施の可能性があるとされたが、既に照明設備等の一般的な省エネ改修は実施されているので、光熱水費削減の余地が限定されるため、ESCO事業者は採算性の面から改修経費を施設側が負担することを条件としている。これらの施設で今後改修を実施するとすれば、熱源設備交換など大規模な工事が対象となるため、初期投資費用も大きく、ESCO事業導入のためだけにこれらの工事を行うのは現実的ではないと考えている。


 他方、ESCO事業は、これらの施設の建てかえ等を行う際、施設の省エネ化を図る効率的な手法として選択肢の一つであると考えており、病院局等関係部局とともに検討を行ってまいりたい。


○(野間洋志 委員)  メリットが余りないというご所見も伺ったが、そうかもしれないが、私はこれは省エネのPRの面で大きく寄与するのではないかと思う。


 終わりに当たり、やはり企業、県民、市民の協働でなければ、省エネというか、温暖化防止の施策は進んでいかないと思う。今後とものご健闘を期待し、質問を終わる。





○(山口信行 委員長)  以上で野間委員の質疑は終わりました。


 次に、石井委員。





○(石井秀武 委員)  最初に、兵庫県の温暖化防止の取り組みについて、このことは先ほど野間委員からもあったが、今、県民に最も関心のある項目の一つであるので、引き続き質問をさせていただく。


 まず、温暖化防止対策の取り組みの評価と今後の方向性についてお尋ねする。


 地球温暖化防止のため、京都議定書が先月発効し、日本は1990年比で温室効果ガス6%削減の責任を国際公約として負うこととなった。しかし、現実は国レベルで1990年比8%増加しており、2012年における1990年比6%削減は厳しい状況である。


 また、達成に向けて環境省が中心となって打ち出した環境税や排出権取引の制度導入等の対策も国際競争力の低下や景気への影響への懸念もあり、今後の展望が見えにくくなっている。


 一方、兵庫県は、新兵庫県地球温暖化防止推進計画を定め、県民、事業者に温室効果ガス削減への取り組みを働きかけてきた。また、政府の地球温暖化対策推進本部が今月末までに最終案をまとめ、5月初めにも閣議決定する京都議定書目標達成計画の原案も、この11日に明らかになった。


 そこで、現在、新兵庫県地球温暖化防止推進計画を見直し中とのことであるが、京都議定書が発効したこの機会に、改めてこれまでの温暖化対策防止の取り組みの評価と、今後の方向性についてお尋ねする。





○(阿多大気課長)  本県の2001年度の温室効果ガスの排出量は、基準年度の1990年比で0.6%減である。温室効果ガスの95%を占める二酸化炭素の排出量は、産業部門では0.4%増加するのに比べ、運輸部門では3.3%、民生業務部門では2.3%、民生家庭部門では13.1%とそれぞれ増加しているため、これらの部門での対策を強化していく必要があると認識している。


 このため、新兵庫県地球温暖化防止推進計画の見直しに当たっては、民生家庭部門では、住宅の省エネ、太陽光などのグリーンエネルギーの導入、ライフスタイルの変更、民生業務部門では、省エネ、コージェネレーションやグリーンエネルギーの導入、また運輸部門ではハイブリッド等クリーンエネルギー自動車の普及、エコドライブ等の普及について重点的に促進策を検討していきたい。


 さらに、京都議定書が発効した2月16日に開催した省資源・省エネルギー運動県民大会においても、「地域からの地球温暖化防止を進めるため、一人一人が省エネルギーや環境に優しいライフスタイルの実践などを通じて取り組みを一層進めていく」との大会決議が行われており、県民各層との連携を強化し、目標の6%削減をめざした総合的な取り組みを進めていく所存である。





○(石井秀武 委員)  引き続き、よろしくお願いする。


 次に、環境負荷の少ない新たな取り組みの促進についてお尋ねする。


 県は、事業者の一員として「環境率先行動計画ステップ2」を策定し、2004年度における県の事務事業からの温室効果ガス総排出量を、1998年度比で6%以上、2010年度には同じく1990年度比で10%以上という高い削減目標を掲げ、県の環境率先行動計画を進めてきた。


 県全体の削減目標達成が厳しい中、率先行動計画には最新の技術やシステムを柔軟に取り入れ、県民や一般の事業者の模範となる取り組みを期待するものである。例えば県の事業としてはカウントされないものの、現在5万戸以上ある県営住宅の建てかえ、改修に際し、最新の省エネ機器として注目されているCO2 冷媒によるヒートポンプ給湯器を採用し、住宅の半数をオール電化にすれば、県全体で0.01%、県有施設ベースでは約6%に相当する二酸化炭素削減効果があるとの興味深い新しい見地もある。また、風力発電、家庭用発電や燃料電池なども脚光を浴びてきている。これらの最新機器を県営住宅などに試験的に導入し、成果を検証するなどの取り組みも進めていくべきであると考えている。


 このように最新の技術動向情報を的確に収集し、多少のリスクは負うものの、県民や事業者に率先して環境負荷の少ない新たな施策を庁内に促すことにより、現在策定中の次期環境率先行動計画ステップ3を真に実効あるものとすべきと考えるが、ご所見をお尋ねする。





○(大西環境政策課長)  環境率先行動計画の推進に当たって、県が県民や事業者に率先して新しい技術を導入することによる普及啓発効果も重視し、環境負荷の低減に効果が大きいと思われる新たな取り組み手法を積極的に導入してきた。


 具体的には、本庁舎と西播磨庁舎に自治体で最大規模の太陽光発電装置を設置し、発電状況等についての啓発コーナーを設けるとともに、本庁では空調設備の最適運転制御等により建物全体の省エネを図る手法――BEMSを導入することとしている。


 また、グリーン調達指針である環境配慮型製品調達方針を常に更新し、新たな環境配慮型製品の庁内への情報提供に努めており、ヒートポンプ給湯器も本年度指針の対象品目に追加した。


 現在、環境率先行動計画ステップ3を策定中であり、京都議定書目標達成計画として現在検討中の中に政府庁舎への自然エネルギー導入を加速するという向きがあるが、こうした国の動向も考慮し、同計画では、風力発電の導入や食品リサイクルの推進などの新たな取り組みとともに、バイオマス等研究開発が進む自然エネルギー導入手法についての庁内横断的な検討会の設置など、最新の技術動向を収集し、有効な新規施策の実施を庁内に促す仕組みを導入することも検討し、同計画を実効性あるものとしていきたい。


 なお、県営住宅など環境率先行動計画が直接対象としていない施設についても、給湯器の更新時での検討も含め、環境負荷を低減させる取り組みについて所管部局と協議していきたい。





○(石井秀武 委員)  普及啓発事業といってもコストを伴うものであるので、十分に検討していただきながら、さらに実効ある計画となるようよろしくお願いする。


 この項の最後は、事業プロセスにおける環境面からのチェックシステムの必要性についてお尋ねする。


 グリーン購入について、東京都では電気の入札に際し、二酸化炭素排出係数を落札者検討における配慮事項にするという視点で、落札者の数値報告を求めるなどの動きがある。今後は、より一層、環境性の高いものを優遇する考え方、制度が必要でないかと考えるわけであるが、また、環境性を優遇する考え方を定着させるためには、環境性とトレードオフの関係にあるコストを総合勘案して事業が進められるようなシステムに見直す必要があると考えるものである。


 例えば庁舎等の新築・改修に際して、イニシャルコスト等の問題から、必ずしも温室効果ガスがミニマムになる熱源決定がされていないというケースがある。このことから、庁舎の空調等の熱源を決定する際には、温室効果ガス排出量等の環境面及び設備、工事等イニシャルコストと、電気、ガス、水道やメンテナンス等のランニングコストをあわせたライフサイクルコスト面から担当部局がそれぞれチェックを行うプロセスを導入すべきであると考える。


 実際、企業では、環境部門において環境の観点から事業チェックをする動きが出ているとも聞いている。コスト面については別の機会に管財担当の部局に聞くとして、環境担当部局として庁舎の新築・改修等の計画プロセスにおいて、みずからが主体となって環境面からのチェックを行うシステムの必要性をどのように考えているのかお伺いする。





○(下野健康生活部長)  事業プロセスにおける環境面からのチェックシステムの必要についてのお尋ねであるが、電気、ガスなどのエネルギーの購入に当たって、温室効果ガス排出量など、環境への負荷の大きさを考慮する必要があると考えており、本県で進めている環境率先行動計画ステップ3を現在策定検討しているが、それにおける課題として検討しているところである。


 また、庁舎等の新築、改修に際しては、これまで環境率先行動計画に県有建物の建築、管理などに当たっての環境配慮事項を定めるとともに、担当部局から環境配慮事項の遵守状況について報告を求め、必要に応じ担当部局を指導するなど庁舎等の新築・改修が環境に配慮されて行われるように環境マネジメントシステムを通じてチェックする機能を環境担当部局が担っている。


 加えて、環境率先行動計画に基づく温室効果ガス排出量削減方策として、県施設の中から改修による省エネ効果が大きい施設を選定し、照明設備や空調設備などを改修して施設の省エネ化を図る事業を計画的に進めているところである。





○(石井秀武 委員)  今回、京都議定書発効に当たり、事業者としての兵庫県のあり方も大きく問われている。「まず隗より始めよ」で、特に今後の県の事業については、ただいまもご答弁にあったが、環境の観点から事業チェックするプロセスを率先して導入するシステムを確立していただくよう強く要望しておく。


 次に、少子化対策について質問する。特に若い世代に対する取り組みについてお尋ねする。


 2003年の合計特殊出生率は1.29と、前年の1.32からさらに低下し、1.29ショックとも言われている。2003年に生まれた子どもは112万3,610人で、前年より約3万人も減少している。同じく人口の自然増加数は10万8,659人と、前年より約6万人余り減って、過去最低を記録しており、このまま推移すれば、総人口も2006年にはピークを迎え、2050年には現在に比べ2割程度も減少すると言われており、一たん減少した人口は100年は減少し続けると言われている。


 本県においても、少子化対策は緊急の課題であり、子供を産み、育てたいという意欲を持つ人に、安心して子供を産み、育てることができるような地域環境や社会環境の整備が必要である。また、子供たちがどのように育ち、社会の担い手に成長するかは、社会の再生の最も重要な課題であり、行政として、その社会的・経済的支援を充実させていくことが必要である。


 本県としても、子育て地域協働プロジェクトの展開、保育・幼稚園における子育て支援、広場事業の拡充等多岐にわたり施策を展開しているが、少子化に歯どめをかける特効薬には至っていない。


 先般、県公館で行われた神戸市の婦人団体と知事との「さわやかフォーラム」においても、また、さきの本会議においても、知事は、少子化対策としての取り組みは、子供のすこやかな育成環境の整備に合わせて、子供を持つ、育てることを社会全体として取り組むことが必要と回答されている。


 私は、まさに、この子供を持つ、子供を育てる世代のど真ん中におり、子育ての社会化はもちろん大事なことで、積極的に取り組んでもらいたいことであるが、あわせて次に続く若い世代、これから親になり、子供を持とうとする世代に対する取り組みも同時に推進していく必要があると考えている。


 そこで、県として若い世代に対する取り組みをどのようにされているのか、お尋ねする。





○(加藤健康福祉政策担当課長)  少子化対策については、一つは家庭と地域の子育て力の再生、二つ目には子育てと仕事の両立の支援、三つ目には子供が健全に育つ環境づくり、四つ目は若者が自立しやすい環境づくり、この四つの柱のもとに、だれもが安心して子供を産み、育てることができる社会の実現をめざして、総合的・多元的に取り組むこととしている。


 ご指摘の将来の親となる若い世代に対しては、まず、家庭の役割や子育ての理解を促すための中高生・ふれあい育児体験の実施、さらに若者の勤労観・職業観を育成するためのトライやる・ウィークやインターンシップの実施のほか、子育て家庭応援地域協働プログラムの推進、第2期まちの子育てひろば事業の展開、家庭と地域の子育て力アップ事業などを通じて、さまざまな体験活動の機会を提供し、将来の親として必要な社会性の涵養、祖父母世代の知恵や文化の伝承、家族のきずなの大切さの学習を促進する中で、若者の自立とたくましい育ちを図ってまいりたい。





○(石井秀武 委員)  私もこの件に関しては、子育て世代の一員として常に問題意識を持って取り組んでまいりたいと思っている。少子化という現実を直視し、行政と地域、そして家庭が一体となった緊急の取り組みが必要であると思っているので、引き続きよろしくお願いをする。


 次に、少子化対策としての乳幼児医療費助成事業のあり方についてお尋ねする。


 本県における福祉医療費助成事業の見直しに関しては、行財政構造改革推進方策後期5か年の取組みの実施上の留意事項等に基づき、事業主体である市町等と協議を行ってきたところであるが、その結果を踏まえて、この5か年の取組みに記載の事業のうち、特に乳幼児医療費の助成事業についてお尋ねする。


 乳幼児医療費助成事業については、今回の見直しにより、外来・入院ともに一部負担金を徴収されることになるが、先般発表された神戸市の予算案では、逆に入院時公費負担の対象者・児の年齢を、義務教育就学前から小学校6年生に引き上げるなど、一部子育て支援を手厚くしている。乳幼児医療費助成事業は、市・県協調事業として昭和48年から実施されてきたところであるが、今回の見直しについては、給付と負担の公平性を確保する観点から、反対するものではないが、事業主体である市町と十分な協議・調整が図られてきたのかと疑問に思うところがある。


 そこで、少子化対策としての乳幼児医療費助成事業のあり方をどのように考えておられるのか、また、今回の県の見直しを受けて、神戸市のように予算的に上乗せ給付する市町とそうでない市町との、県民から見た不均衡をどのようにお考えになるのか、あわせてお尋ねする。





○(原 国民健康保険課長)  乳幼児医療費助成事業のあり方については、対象となる乳幼児の範囲と一部負担の両面からの検討が必要と考えている。


 まず、対象となる乳幼児の範囲については、現在、外来・入院とも義務教育就学前までとしており、本県の制度は全国的に見てもトップの水準となっていることから、必要な対応は図られているものと考えている。また、一部負担については、乳幼児を含めた福祉医療制度を持続的で安定した制度とするため、見直しを行うこととしたところである。


 なお、見直しに当たっては、現在の外来定率負担を定額負担に見直すことにより、わかりやすい制度とするとともに、3回目以降は負担なしとしたほか、市町等と協議を重ねる中で示された意見を踏まえ、低所得者対策を講じるなど十分な配慮を行ったところである。


 このような取り組みにより、本県の制度は多くの子育て世帯を対象として給付と負担のバランスを保ち、持続的で安定した支援策として運用できることから、引き続き少子化対策として大きな役割を果たすものと考えている。


 なお、現在でも一部市町では独自の政策判断に基づき対象者の範囲、一部負担等について独自措置を講じているが、県としては、このことについて特に対応は行っていない。このたびの見直しについても十分な検討の上、必要な措置を講じたところであることから、調整を行うことは考えていない。





○(石井秀武 委員)  今後、地方分権が進んでいくにつけ、市町によっていろんな事業に差異が生じてくるが、特に住んでいる地域によって子供の命の重さに違いが出ることには疑問を感じている。そういったことも勘案しながら、福祉事業、少子化対策について取り組んでいっていただきたいと思っているので、よろしくお願いする。


 最後に、グリーンピア三木の利活用の検討についてお尋ねする。


 厚生労働省が所管し、年金資金運用基金が運営するグリーンピア、すなわち大規模年金保養基地は、全国に13ヵ所設置された総合保養施設である。県内においても、昭和55年の開業以来、20年以上もの間、多くの県民のレクリエーションの場として親しまれてきた、私の地元、神戸市西区に隣接するグリーンピア三木が、さきの特殊法人等改革において廃止が決定されており、昨年7月の新聞報道によると、県は購入を視野に活用策を検討とあった。特に、この周辺には来年、のじぎく兵庫国体のサッカー会場となる三木総合防災公園がある。現在、県道平野三木線の東側では陸上競技場がほぼ完成し、野球場、球技場等の整備が進められており、今後、西側ではテニスコートを初め、自然体験の森などの整備も予定されている。


 これらはグリーンピア三木の敷地内にもある施設もあり、また、類似の施設が約15キロ東の神戸市北区に財団法人船員保険会の運営する野球場、テニスコートなどを備えたみのたにグリーンスポーツホテルがある。さらに、このグリーンピア三木の敷地の東側と隣接するところでは、現在、企業庁がひょうご情報公園都市の整備を進めている。


 このような周辺環境の中、広大な敷地を持つグリーンピア三木の施設の購入については、県民の理解を得ながら検討を進める必要があると思う。


 そこで、建設費143億とも言われる年金資金が投入された施設及び100万坪にも及ぶ敷地の利活用について、現時点でどのように考えておられるのかお尋ねする。





○(中瀬生活企画局長)  グリーンピア三木については、国は平成17年度末までに廃止するということを閣議決定しており、その取り扱いについて主に3点決めている。一つは、設置されている地元の地方公共団体等への譲渡を優先する、2点目には、すべてを一括譲渡する、3点目には10年間の公共的利用等を行うということなどを条件としている。


 現在のグリーンピア三木は、県内外から年間40万人を超える利用実績のある観光施設であること、また、昭和40年代に県はグリーンピア三木を積極的に誘致して用地買収にも全面的に協力した歴史的な経緯があること、地元三木市からも強い要請・要望を受けていることから、県としても利活用検討会を早い機会に設置して、国からの譲渡を受けるための利活用方策の検討を行いたいと考えている。


 具体的には、国が示している譲渡条件の検討から始める必要があり、現時点では、一括譲渡については、年間40万人を超える利用がある現在のホテルや温泉施設部分、約100haの利活用、大都市近郊に残された緑の公共空間部分である森林部分、約200haの保全・確保を基本とする。それらをもとに、10年間の公共的利用については、県議会を初め利活用検討会の有識者や地元三木市の意見、あるいは県民からのビジネスモデルのアイデア募集を踏まえ、県民の理解が得られる利活用案の検討取りまとめを急ぎたいと考えている。





○(石井秀武 委員)  私があえてこの委員会で取り上げるのは、グリーンピア三木は、他のグリーンピアとは異なり、大都市近郊に立地しているといった好条件にも恵まれており、今後、県民からの利活用に向けたアイデア募集などを通して、利活用検討会で十分に議論を踏まえながら、県民にとって利用しやすく、親しみやすい施設として活用されるよう要望する。


 これも要望であるが、健康生活部は、県民局とはまた違った意味で県民生活に特につながりの深い健康・福祉・医療・環境等々多岐にわたり、一般県民や事業者と身近に接する部局である。私の方にも、その仕事の迅速さ、丁寧さ、親切さについてよく感謝の言葉が寄せられている。この場で県民の安全と安心の確保のため、日ごろの皆様方の職務のご精励に改めて感謝申し上げる。


 しかしながら、そういった評価の一方、過度に業務負担がかかっているのではないかと懸念するものでもある。新年度を迎えるに当たり、職員の勤務体系についても十分ご配慮されるよう要望し、質問を終わる。





○(山口信行 委員長)  以上で石井委員の質疑は終わりました。


 次に、合田委員。





○(合田博一 委員)  それでは、初めに介護予防についてお伺いする。


 介護保険法等の一部を改正する法律案が先月8日閣議決定され、今国会に提出されているところである。改革の中身は、将来の超高齢社会を展望して、予防重視型システムへと転換するとともに、高齢者の尊厳を支えるケアの確立に向けて新たなサービス体系を導入するなど、未来への大きな布石となるものである。


 公明党は、介護予防10ヵ年戦略を発表するなど、予防重視型システムへの転換を主導し、今回の介護保険法改正案にも反映されているところである。


 要支援、要介護1などの軽度者の大幅な増加や、軽度者の大半が重度化している状況は、まさに危機的な状況にある。軽度者を対象に適切な予防サービスを提供し、要介護状態の改善や重度化防止を推進するとともに、要介護、要支援になるおそれのある高齢者に対して効果的な介護予防を提供し、高齢者の自立した生活の継続性を高め、要介護状態になること自体を防ぐことが重要ではないかと思う。


 現在、本県においても、高齢者の生活機能の低下に対応した筋力向上トレーニングを初め、転倒予防教室や体操プログラム、栄養改善教室などに取り組まれているほか、全国各地でさまざまな手法が試みられ、成果を上げている。


 いずれの場合も、いかに多くの対象となる方が取り組まれるかが課題であり、地域に密着した、参加しやすい、また持続しやすい、そういった介護予防が重要であると考えるところである。


 そこで、高齢者の方々にも比較的好まれ、また温泉療法としての効果も期待される、各地にある温泉という地域資源を介護予防に積極的に活用することが有効ではないかと考えるが、当局のご所見を伺う。





○(麻埜長寿社会課長)  温泉については、温浴効果など一定の効用があるとされており、医師の指導のもと温泉療法が行われたり、通所介護や通所リハビリテーションなどにおいて温泉が活用されている例もある。


 平成18年度からの介護予防の新規プログラムとして温泉を活用したサービスを導入することについては、厚生労働省としては科学的根拠と一定の効果を得るための研究を今後行いたいとの意向であり、介護予防のプログラムが国において決められ、県単独での選択が困難であることから、国における研究を見守ってまいりたいと考えている。


 なお、本県としては、多くの温泉地を有し温泉を導入している施設もあることから、今後、介護予防における温泉の活用を国に要望してまいりたい。





○(合田博一 委員)  国の研究を見守りながらということであるが、本県には温泉がたくさんある。昔から湯治など、人々の健康状態の改善に活用されてきたところであり、欧米でも健康づくりに温泉が活用されているところである。この温泉療法を普及させるために、我が公明党もプロジェクトを組み、その普及・研究に取り組んでいるところである。


 その中で、温泉療法への公的医療保険の適用なども主張したり、あるいは現在でも特定施設、温泉施設で温泉療法を受けた場合、所得税の医療費控除が受けられるという制度ももう既に実現しているのである。今後、これらの取り組みをさらに研究していただきたいと思うが、従来の宴会型の温泉から健康増進型の温泉に脱却する、そういう時期に来ているのではないか。この温泉療法への保険適用、介護保険の適用なども実現しながら、国民、県民の健康づくりが増進され、また、温泉地の活性化にもつながると、一石二鳥ではないかと思っている。


 次に、介護予防の取り組みについてもう1点伺うが、先ほども触れたが、現在、本県においても高齢者の生活機能の低下に対応した筋力向上トレーニングを初め、転倒予防教室や体操プログラム、栄養改善教室などに取り組まれているほか、全国各地でさまざまな手法が試みられ、成果を上げているところである。中でも、茨城県大洋村においては、筋力トレーニングにより、著しく医療費の削減が実現し、特筆すべきは、驚異的な医療費の削減効果とともに、参加された方々のほとんどが継続されているということである。これには、参加されるさまざまな方の一人一人に合った、無理なく関心を持って継続できるプログラムを提供できる体制づくりが重要であると思う。また、それを適切に指導できる指導者を養成するシステムも大事ではないかと思う。今まで家から出ることもなく、特に運動などもされていない高齢者の方々が積極的に外に出て、介護予防を無理なく継続できるためのノウハウやシステムの構築が不可欠であると考えるところである。


 そこで、このように質の高い介護予防が県下に普及し、行われるための体制づくりに県としてどのように取り組もうとされているのか、ご所見を伺う。





○(麻埜長寿社会課長)  平成18年度からの介護保険制度の見直しを踏まえ、県としては質の高い介護予防サービスが提供されるよう、個人ごとの介護予防プログラムの作成に当たる介護予防マネジャーの研修や具体の介護予防サービスに従事する者への研修について来年度から新たに取り組み、介護予防に必要となる人材の養成に努めるとともに、健康財団の運動指導の専門家を市町に派遣して運動系介護予防サービスの提供を支援していくこととしている。


 また、個人ごとの介護予防プログラムに基づいてサービスの提供を行う市町介護予防試行事業を来年度から新たに取り組むよう市町に強く働きかけ、本格実施に向けた取り組みを進める。


 さらに、介護予防事業や健康づくり事業に取り組むことを含めた国民健康保険特別調整交付金の配分や、国の交付金を活用した介護予防拠点の整備や介護予防マネジャーが従事する地域包括支援センターの整備について助言・指導などにより市町の体制づくりを支援してまいりたい。





○(合田博一 委員)  積極的な取り組みを期待しておきたいと思う。


 神奈川県川崎市では、筋力向上トレーニングを要支援、要介護3までの54人を実験的にトレーニングをした。うち42人、77.8%が、要介護度を改善することができた。また、軽度の要支援、要介護1の方に限ると、32人のうち17人、53.1%であるが、要介護状態を脱し、非該当になったという結果が確認されている。


 これからの介護保険の抑制、また、この介護予防というのは大変大事なことであるので、積極的な取り組みをよろしくお願いしておきたい。


 次に、エイズ対策についてお伺いする。


 エイズ拡大が深刻化している。厚生労働省エイズ動向委員会の発表によると、昨年、1年間の人免疫不全ウイルス――HIV感染者とエイズ患者の新規報告件数の速報値は、それぞれ過去最多の748人、366人に上った。20年前に国内一例目の患者が認定されて以来、初めて合計で1,000人を超えた。これは極めて憂慮すべき事態である。


 また、欧米など先進国の多くでは、既に90年代後半から感染者、患者数が減少傾向にあるが、日本だけが右肩上がりでふえ続けているのである。その要因としては、エイズを軽視する風潮のため、危機意識が希薄になっているということがあるのではないかと思う。死の病と恐れられたエイズも、少なくとも日本では新薬の開発により発症率は低下しているものの、もし、現状のまま推移すれば、5年後の2010年には国内の感染者は5万人に達すると予測されている。危機意識の欠如が感染拡大の元凶である。


 とりわけ、若年層へのHIV感染は急増しており、エイズ予防の専門家たちから、教育と啓発による正しい知識こそが最も重要な予防のためのワクチンであると言われているように、現代社会においてはんらんする性に関する情報の中で、感染症の危険性を明確に教えていくことが喫緊の課題である。


 このためには、教育と啓発によって意識を変革し、エイズに真っ正面から立ち向かう社会を構築していくことが肝要である。折しも、本年7月には神戸で、アジア・太平洋地域エイズ国際会議も開催されると聞いているが、一層の普及啓発の契機となると考える。このような機会をとらえ、若者への真に実効ある普及啓発に重点的に取り組む必要があると考えるが、今後、どのように取り組まれるのか、ご所見を伺う。





○(細川健康局長)  本県では、HIV感染者の拡大を防止するため、従来から啓発用ポスター等の配布、フォーラムの開催、ポスターコンクール、街頭活動、電話相談等の啓発事業を実施してきた。


 エイズ対策の中で、特に若年者への実効性のある啓発が重要であると認識しており、今年度から若年者向けラジオ番組でエイズの正しい知識を広報するとともに、県教育委員会等と連携したエイズ予防等の健康教育に取り組んでいるところである。


 具体的には、来年度から、健康福祉事務所長等を県下の高校に派遣し、本年度、新たに県で教材として作成した副読本を活用して高校生に対して徹底したエイズ予防教育を実施していくこととしている。さらに、全国的に注目されているアジア・太平洋地域エイズ国際会議が来年度本県で開催されることから、これに合わせて県民が参加できるイベント等を実施することとしている。


 また、献血推進事業の一つである高校生ボランティアによる献血啓発サポーター事業においても、みずから献血を体験できる場を活用して、高校生等に安全な血液の大切さとその供給の重要性を理解させることによりHIV感染者予防への意識も高めるなど、今後とも実効性のある普及啓発に取り組んでまいりたい。





○(合田博一 委員)  よろしくお願いする。それから、1,000人を超えた、あるいは5年後に5万人に達すると言われているが、これは加速度的にふえる要素が絡んでおり、本当に今のうちにしっかりと対策をとらなければならないと思う。参考に、世界で見た場合、アメリカ、ヨーロッパ、アフリカを中心に、年間感染する患者数は490万人とも言われており、死亡者も1年間で300万人を超える人たちがエイズで亡くなってるという現状もあるわけであり、しっかりとこれから取り組んでいただきたいと思う。


 次に、児童虐待についてお伺いする。


 厚生労働省によると、2003年度の児童虐待相談処理件数は2万6,569件と、前年より2,831件増加している。また、深刻な事例も相次いでおり、阪神間では本年2月に、母親が子供に暴行して死亡させるなどの事件が4件連続で発生している。このような中、公明党の強い主張が反映された改正児童虐待防止法が10月1日施行されたが、2000年11月の防止法施行からの2年半で、児童相談所や市町保健センターなどが関与しながら、未然に防げなかった虐待死の事例は、死亡事件のうち約7割に上ると言われている。また、本年4月の児童福祉法の改正により、市町が一義的に相談窓口となり、こどもセンターは虐待等の専門性の高い困難事案に重点的に対応することとなった。さきのような、なぜ、防げなかったかという事例をなくするためにも、市町で受けた事案が専門機関につながるように、体制を強化することが必要である。このため、関係機関が連携して児童虐待の早期発見や対応に当たる児童虐待防止市町ネットワークの設置に取り組まれている。


 厚生労働省が昨年6月に行った調査では、児童虐待防止ネットワークは、全国3,123市町村のうち、約4割の1,243市町村で設置され、本県においては、神戸市を含み、約35%の30市町で設置されるにとどまっている。このネットワークは、児童福祉法の改正により、要保護児童対策地域協議会として法的に位置づけられ、参加者への守秘義務が課されるなど、強化されることとなっているものである。虐待の存在を掌握しながら、関係機関の連携が十分でないために悲惨な事件に発展してしまう事例もあることから、全市町への早期設置が喫緊の課題ではないかと考える。


 また、本年4月に施行される新たな児童虐待対策の体制への円滑な移行により、切れ目のない実効ある児童虐待対策の体制整備を行うことが必要であると考えるが、どのように取り組まれるのか、ご所見を伺う。





○(下野健康生活部長)  児童虐待対策については、相談、一時保護から施設の入所あるいは里親への委託、家庭復帰に至るまでの一連の過程において、個々の家庭状況に応じて適切な支援を図る必要があると考えている。


 ご指摘のように、児童虐待の相談体制については、本年4月から、市町が子供や家庭に関する一義的な相談に応ずることとされた。県としては、市町に対し、直接相談があった事案については、市町相談窓口の運営とともに、地域関係者で構成される個別事案に適切に対応する要保護児童対策地域協議会が全市町において設置されるよう、地域の実情も踏まえ個別に技術的助言を継続して行っている。


 そして、市町の協議会において地域の関係者が情報を共有した上で、必要な援助を実施していただくとともに、対応困難事案については、こども家庭センターに確実につなぐ。そういったことにより、市町と県の専門機関との間で連携のとれた相談支援体制を整えることとしている。


 こども家庭センターにおいては、来年度から、こどもセンターをこども家庭センターと改称する予定であるが、専門機関として児童福祉司、心理判定員等で編成する虐待対応及び家族再生支援の専門チームの体制を強化するほか、ホットライン運用による24時間の相談体制についても強化してまいりたいと考えている。今後とも県としては、市町などと緊密な連携のもと、相談、一時保護から施設入所、里親委託、家庭復帰に至るまでの一連の切れ目のない取り組みを進めることにより、児童虐待対策に万全を期してまいりたいと考えている。





○(合田博一 委員)  今、県下に35%の協議会というか、ネットワークであるが、できたら100%をめざして、5年ぐらいをめどに取り組んでいただけたらと思っている。このネットワーク、伊丹市などは早くから取り組んだわけであるが、この効果について聞いたところ、連絡調整や情報共有がスムーズになった、あるいは虐待問題の認識・関心が高まった、潜在ケースの把握が可能になった、継続的な支援が可能になったなどが挙げられている。早期発見、そして児童の保護に高い効果を上げていると思っている。今後の取り組みをよろしくお願いする。


 最後に、地球温暖化防止に向けた環境教育についてお伺いする。


 地球温暖化は、予想を超えるスピードで進んでいる。近年、世界では猛暑や洪水、干ばつなど、温暖化の影響とされる異常気象が頻発している。温室効果ガスの排出削減を義務づける唯一の国際的な取り決めである京都議定書が本年2月に発効し、1990年の排出量を基準として、先進国全体で5%、日本6%など、国・地域別に削減率を定め、2012年までに達成するよう義務づけられている。


 本県の平成13年度温室効果ガス排出量は、基準年度である平成2年度に比べて0.6%削減となっているが、県の新兵庫県地球温暖化防止推進計画の6%削減を達成するためには、さらに5.4%の削減をする必要があり、しかも民生部門は10%以上も増加している状況である。企業だけでなく、家庭も含めた対策としては、温室効果ガスの排出抑制につながる製品の購入や冷暖房温度の適正化など、ライフスタイルの変革が不可欠であり、そのためには、子供だけではなく、成人に対しても企業や生涯学習など、あらゆる場における環境教育が必要ではないかと思う。


 環境教育には、自然の中での体験を通して環境に対する関心や興味を喚起する教育、環境問題に関する知識取得を目的とする教育、さらに未来に向かってどのような態度で環境と接するのかを人類の抱える問題を絡めて教えていく教育の三つがあると言われている。子供たちがふだん触れることのできない自然を肌で感じ、自然環境を体に記憶するということは、基本として重要である。あわせて、多くの人々にとって日常の環境は、自然の中ではなく、コンクリートの中であるので、身近なごみ問題や家庭で消費しているエネルギー問題を通して、環境への接し方を考える必要がある。


 地球温暖化の及ぼす自然体系への影響を想像力を働かせて理解し、身近な環境の中で、資源やエネルギーについて大切に使うことの意味を学び、具体的な行動原理をしっかり身につけていくことが大切ではないかと思う。


 そこで、このような県民すべてが取り組むべき身近な環境教育にどのように取り組んでいかれるのか、ご所見をお伺いする。





○(長谷川健康生活部参事)  地球温暖化を初め環境問題の解決に当たっては、子供から大人まで、あらゆる場面で環境教育の推進が重要である。このため地球温暖化防止については、地球温暖化防止活動推進センターを指定して、家庭での節電等の取り組みを促すエコチェックカレンダーを作成・配布する一方、地球温暖化防止活動推進員等を委嘱し、県民への地球温暖化対策等の普及啓発を行っている。また、学校でも温暖化ストップ親子教室の開催、リサイクル等環境教育に取り組む学校へのグリーンスクール表彰等を行っている。


 今後、子供が日常生活でエコチェックを行う子供版環境家計簿の作成・配布をするとともに、クリーンアップキャンペーン等への幅広い県民の参画等、身近な実践活動を促進する。また、播磨科学公園都市に整備を進めるエコハウスでは、地球温暖化の及ぼす自然体系への影響等を理解し、日常生活での環境に配慮した行動ができるよう体験展示等を行い、地球温暖化防止に係る環境教育を進めていく。


 さらに、新たにひょうご環境学校事業として、環境についてみずから理解、発見し、考えることを促す体験型環境教育事業を、青少年団体、NPO等と連携して県内各地で実施し、県民があらゆる場面で環境教育が受けられる機会を提供していきたいと考えている。





○(合田博一 委員)  先日、ケニアの環境副大臣、ノーベル平和賞受賞者のワンガリ・マータイさんが来て話しておられたが、「日本には資源を効率的に利用していく、もったいないというすばらしい価値観、文化がある。私もアフリカで、このもったいないをぜひ広めていきたいと考えている。この価値観は私たちの限りある資源をいかに効率よく平等に責任を持って活用し、管理していくかということだと思う。国レベルでも世界レベルでも、資源を共有していくことが大切であり、それが平和につながっていくのだと思う」と、このようにコメントをされていた。もったいない、ややもすれば、忘れがちなこの言葉、これに何かヒントがあるのではないかと思う。よろしくお願いする。





○(山口信行 委員長)  以上で合田委員の質疑は終わりました。


 次に、丸上委員。





○(丸上博 委員)  私は、僻地医療対策についてお伺いする。


 我が会派の長田 執議員も本会議で質問したが、特に但馬や西播磨の山間部では、医師不足の状況は深刻である。私の地元但馬では、僻地医療拠点病院である公立香住総合病院で1人しかいない常勤の小児科医がこの3月で退職し、後任確保のめどがつかないため、大学医学部から、安全な分娩ができないと産婦人科医師の派遣を中止する申し入れがあり、小児科・産婦人科とも4月からは休診になるのではないかと地元住民は不安に陥った。結果、小児科医の医師は何とか確保でき、4月以降も同科の診療は続けられることになったようであるが、産婦人科については、4月からの常勤医師の確保は難しく、非常勤医師が週1回診療を行うのみで、出産の対応はできないという状況である。


 さらに、公立浜坂病院においても、同様に小児科の医師が確保できないことから、4月からは休診せざるを得ないことになっている。救急患者が出た場合には、鳥取市や豊岡市に搬送されることになるが、どちらにも1時間近くかかるという状況である。また、大学の医局が公立病院などに派遣していた医師を引き上げる動きがあり、これは新聞等によると、平成16年度から実施している新臨床研修制度が影響しているのではないかと言われている。このことが僻地の医師不足に拍車をかけているのではないかと思う。このような動きは今後も続くのではないかと懸念しているところである。


 小児科や産婦人科の医師は全国的に不足していると聞くが、特にこの但馬地域においては医師の不足は深刻である。そこで、このような状況を県としてどのように認識し、対応していくおつもりなのか、お伺いする。





○(細川健康局長)  但馬地域の医療施設従事医師数は、平成4年末の304人から平成14年末の10年間の間に345人と41人医師数の実数としては増加している。一方、総合診療を担っている診療所等に欠員が生じる場合もあることから、僻地診療所の医師確保が課題であると認識している。


 小児科や産婦人科については、診療報酬や医療事故、あるいは勤務条件の厳しさなどの面から、希望する医師が少ないと言われており、全国的な課題となっている。このような状況を踏まえ、県では内科医等に研修を実施し、初期の小児救急に対応できる医師の確保を行ってきたところである。


 また、地域医療の確保の観点から、但馬長寿の郷が地元の市町と連携し、これまで医師確保に努めてきたところであり、公立香住病院については4月から小児科の非常勤医師確保のめどがつき、今後は産婦人科医師の派遣については、町とともに大学医局等に働きかけていくことにしている。


 また、公立浜坂病院の小児科医師については、当面、異動時期延期の調整を図ったところであり、今後は、病院の非常勤医師等の確保、地元医師会等による小児救急患者に対する適切な対応などの調整を進めていくこととしている。


 今後とも市町と連携を図りながら但馬地域における医師の確保が図れるよう努めてまいりたい。





○(丸上博 委員)  僻地勤務医師を養成するため、自治医大で医師を養成しており、現在、16人の医師が県内の僻地へ派遣されている。さらに17年度からは兵庫医科大学で県養成医師制度が開始され、県内の僻地に勤務する医師の養成・確保を図ろうとされている。僻地の医師確保のためには、長期的には効果的な制度であると思う。この制度による医師が誕生するのは、大学卒業後の6年後になる。しかし、僻地では今現在が困っている。そこで、6年後の医師が誕生するまでの当面の対策としてどのように取り組んでいかれるのかお伺いする。





○(伊藤医療課長)  当面の対策としては、平成17年度から神戸大学と連携を行い、僻地医療学講座を開設することにより、公立豊岡病院に実質的に2名の医師を確保する仕組み――へき地医師確保特別事業)を構築し、医療体制の確保を図ることとしている。


 また、これまでから但馬長寿の郷において市町とともに、僻地診療所等へ勤務する可能性のある潜在候補者としての地元出身医師のデータバンクを作成し、日ごろから退職予定勤務医等の情報収集を行うことなどにより、僻地医師の確保に努めてきたところであり、今年度は6名の医師確保が図られたところである。


 今後とも市町とともに、このような医師確保策の充実に努めてまいりたいと考えている。





○(丸上博 委員)  医師の地域偏在が言われる。都市部においては、黙っていても医師が集まるが、山間僻地といった地域では、医師に敬遠される傾向がある。これには医師自身の考え方もあるが、家族、特に子弟の教育のことなど、さまざまな要因があると聞いている。このようなことから、僻地における医師の確保がますます困難になってくると考えている。


 行政の最大の使命は、国民の生命と財産を守ることであると言われる。県政の大きな使命は県民の命を守ることである。さまざまな問題はあると思うが、地域住民の命を守るために、今、県の果敢な対策が必要であると思う。


 そこで、僻地、特に但馬地域における今後の医師の確保についての具体的な取り組みをお伺いする。





○(伊藤医療課長)  但馬地域の医療施設に従事している医師数は増加していると申し上げたが、これは主に豊岡、和田山などの地域の拠点となる病院の体制が充実されてきたことによるものである。この拠点病院を中心とした医療資源の有効活用を図ることが重要であることから、平成17年度からは僻地診療所勤務医師に対して、ITを活用した僻地診療支援システムの構築を図ることにより、拠点病院の専門医、指導医と日常的に症例の検討や相談、助言を得ることが可能となる支援体制の整備を進めることとしており、このような医療体制の充実が医師の定着確保にもつながるものと考えている。


 今後、兵庫医科大学における3名の僻地勤務医師の養成の増員や当面の対策としての神戸大学との連携による医師確保など来年度からの新たな取り組みのほか、これまでから但馬長寿の郷で実施している地元出身医師のデータバンク活用による退職予定勤務医等の勧誘など僻地医師確保対策を進め、但馬地域における医療体制の充実に努めてまいりたいと考えている。





○(丸上博 委員)  この問題は終わるが、うがった見方をすると、この新臨床研修制度が大変な逆風になっている。これは東大医師あるいは厚労省が医療費の抑制、もっと言うと、この僻地診療所つぶしをねらってやっておられるのではないかというぐらい厳しい見方をしている。県ではそういうことのないように、僻地といえども、命の大切さは一緒であるので、今後ともご努力をお願いする。


 次は保育サービスの充実についてお伺いする。


 子育てに当たる親の環境は厳しいものがある。特に働く主婦が仕事と家事、育児を両立させていく現実を見ると、子育てに対する金銭的な支援とともに、実質的に子育てしやすい環境を整えていくことが必要であると思う。今、女性の職場進出の高まりや、職域の拡大などに伴い、保育需要は多様化しており、保育所には多様なニーズに対応していくことが求められている。


 県が実施した少子化に係る県民意識に関する調査研究の中では、保育所に望むサービスに対する回答として、延長保育が40.8%と最も多くなっている。また、子育て中の母親から、復職したいが職場の開始時刻が早く、保育所の始まる時間では間に合わないとか、保育園の迎えの時間に間に合わないとの声を聞く。現在、このようなニーズに対応するため、延長保育等の長時間の開所に取り組む保育園に対する補助を行う延長保育事業や、バスによる保育園へ送迎を行う事業が実施されている。今後ますます親の就業形態が多様化することや、地域活動への参加が増加することが予想される中、このような延長保育や送迎サービスを一層充実させていくことが重要であると思う。


 そこで、今後、保育サービスの充実にどのように取り組んでいくのか、お伺いする。





○(下野健康生活部長)  保育サービスについては、いろいろなニーズがあるが、新たな保育所の整備に努めるといった特別保育事業のほか、延長保育、乳幼児保育、障害児保育、一時保育、休日保育など、さまざまなニーズに対応し、提供していくことが必要だと認識をしている。また、17年度に創設される就学前の教育・保育を一体としてとらえた総合施設モデル事業にも、本県としても積極的に取り組む予定である。


 ご指摘のあった延長保育については、17年度は本年度に比べて20ヵ所ふやし、372カ所へと拡充できると見込んでいる。また、送迎バス事業については、保育所の判断で運行が可能とされ、送迎バス購入費等については保育所運営費で賄うことができることから、地域の実情に応じた対応を助言していきたいと考えている。


 私どもとしては、各地域の実情に応じて仕事と子育ての両立しやすい環境を整備していく必要があることから、今回予定されている次世代育成支援対策推進法に基づき、各市町が策定する行動計画も踏まえ共働き家庭への適切な保育サービスが十分に提供できる、そういったことについて計画に盛り込むよう市町を指導していきたいと考えている。





○(丸上博 委員)  充実をぜひともお願いしたいと思う。私の住むような田舎では、本当に近年まで、この保育園へかわりに迎えに行く、あるいは一時預かるということがあったが、安全と責任が大変厳しく言われるようになり、人間関係も少し希薄になってきたことから、かわりに迎えに行ったり、あるいは子供を一時預かるといったことが非常に少なくなってきている。ぜひとも、安全と責任、大事ではあるが、公的な部分で県の温かい、今後の少子化対策にも大きく寄与することであるから、力を入れて頑張っていただきたいとお願いしておく。


 次は、ふれあい・やすらぎ温泉地施設整備事業についてお伺いする。


 環境省では、数多くある温泉地の中で、温泉利用の効果が十分期待され、かつ、健全な温泉地としての条件を備えている地域を、国民保養温泉地として指定している。県内では唯一、浜坂・七釜・二日市温泉地区の浜坂温泉郷が平成3年にこの国民保養温泉地の指定を受けている。さらに、平成5年からは都市化の進展や余暇時間の増大等を背景として、自然とのふれあいを求める声が高まってきたことから、国民保養温泉地の中から、自然の活用に適した温泉地を、ふれあい・やすらぎ温泉地として選定を開始した。


 ふれあい・やすらぎ温泉地は、温泉の有する保養機能に加え、温泉地のすぐれた自然を積極的に活用することにより、自然を理解するとともに、心身の安らぎを増進することを目的として、その温泉地の持つ自然を十分活用するために必要な各種公共施設の整備を図ることとされている。浜坂町は、この制度を積極的に活用し、平成15年度から環境省及び県が補助する、ふれあい・やすらぎ温泉地施設整備事業を進めている。このたび、この事業により、七釜温泉ふれあいセンターが新築される。町民及び県民にとってどのようなメリットがあるのか、また、今後、県内唯一の国民保養温泉地にどのような効果が期待できるのか、お伺いする。





○(木本薬務課長)  七釜温泉ふれあいセンターは、清らかな環境で生育するバイカモの群生地域に隣接しており、適応症が皮膚病等とされる硫酸塩高温泉を源泉とする温泉施設であり、県内各地の温泉を紹介する展示ホールや研修室を併設する浜坂温泉郷の中核施設となる。


 この施設設置のメリットは、温泉による健康増進とともに、肌の触れ合う地域交流の場であり、自然との交流や、心がいやされる安らぎの場となる。また、併設施設の県民ふれあいギャラリーは地域の活性化と交流の拠点となり、さらに、釜ぶろなども備えた七釜温泉の由来を伝承する場となるなど、地域にとってもその魅力を増すものと考えている。


 これにより温泉本来の保養機能を基盤に、すぐれた自然の積極的活用や自然とのふれあいを通じた心身の安らぎと健康生活の充実へと発展することが考えられる。


 今後、県内唯一の国民保養温泉地が地域文化をはぐくんでいくとともに、魅力ある但馬づくりの拠点となり、温泉の公共的利用増進の全県的なモデルとして県民の健康の保持増進に先導的な効果をもたらすものと期待している。





○(丸上博 委員)  大変力を入れていただいており、感謝を申し上げている。ただ1点、もう一つつけ加えさせていだたく。


 ただいまの答弁で、バイカモということであったが、ここの岸田川という、すぐそばを流れている川であるが、県内唯一、サケの遡上が目視できるところである。サケはたくさん遡上するが、目で遡上していくのが見えるところであり、産卵もしている。ぜひ、皆さんのお越しを期待し、質問を終わる。





○(山口信行 委員長)  以上で丸上委員の質疑は終わりました。


 次に、宮田委員。





○(宮田しずのり 委員)  私は、グリーンピア三木の利活用検討事業について伺う。


 新年度予算案では400万円、先般の本会議で可決された04年度補正予算で287万円がそれぞれ計上され、グリーンピア三木の利活用検討事業が始まっている。このグリーンピア三木は、厚生労働省所管の年金福祉事業団が建設をし、年金資金運用基金が運営をする大規模年金保養基地の経営が破綻をし、国民には何の納得のいく説明もなく、だれも責任をとらないまま、05年度末までに全国13の施設のすべてが廃止・売却される、その一つである。


 国民の年金保険料4,000億円近くがむだになり、厚生労働省の高級官僚OBが天下りし、超高額の給料や退職金を受け取っていることなどが問題となる一方、そのツケが国民の保険料を引き上げ、給付削減として押しつけられることへの大きな怒りが巻き起こったいわくつきの施設である。それだけに、この施設は買収先にありきではなく、買収の是非、利活用のあり方については、有識者や地元代表など、わずか8人の検討委員会だけに任せるわけにはいかない、県民的議論はもちろん、県議会でも十分な議論が必要であることは言うまでもない。


 今議会では、議会と当局の議論、協議の評価等について繰り返し指摘をされているところであるが、この件もそうした問題もある。こうした点も踏まえて以下質問をする。


 この問題の1点目は、この件に関する情報公開と検討会などのあり方について質問する。


 現在審議中の当初予算案の中に、グリーンピア三木利活用検討委員会設置案が提案をされているにもかかわらず、先日、平成16年度補正予算案が上程され、可決をされたところである。補正予算を組んでも作業が早まるのはわずか20日程度だと思うが、当初予算の成立を待てないほど、後の日程が切迫しているのではないかと思われる。


 この上程された補正予算と当初予算案の内容を我が会派で検討するに当たり、私が当局に現在のグリーンピア三木の経営内容や利用状況を知るために資料の提出を求めたところ、出てきた資料は、一つは、今、国の方で発表されている全国13ヵ所の13、14、15年度の収入、支出、収支差の総額のみの一覧表と、もう一つは、これも同じく全国13ヵ所の日帰りと宿泊の年間利用者数、利用率が書かれた2枚だけであった。これだけでは内容はわからないので、さらに決算書の提出を求めると、今度は、手元にないというので直接東京の年金資金運用基金の方に電話してくれということで、やむなく東京に電話をし、担当者に資料を要求すると、既に公表されているはずの決算報告書から同特別会計の損益計算書などの写しを数日後にファクスで送ってもらった。その内容について幾つか問い合わせしようと思って電話をすると、担当者が休んでいる。他の者はわからないという始末で、これでは中身の議論は全くできない。


 そこで質問であるが、当局が議会に、こうした議案を提出する場合は、施設の利用状況や職員の体制、経営状況などは現状を知る上で最低必要な書類であるから、それぐらいはそろえておくべきではないか、請求があれば当然提出すべきではないかと思う。仮になければ、そんなことはあり得ないことであるが、この当局自身が関係方面からきちっと取り寄せて議会に説明すべきではないかと思うが、その点はどうか。





○(小前健康ひょうご推進担当課長)  先ほどご指摘のあった資料の収集については、以前、前回資料の提供の要求があったときに、公表資料で把握している内容についてお届をし、また詳細な資料のお求めがあったときには、基金に問い合わせ、先ほどもおっしゃったとおり問い合わせていただくということで私どもとしてもおつなぎをしたところである。


 グリーンピア三木の施設というのは、これはいわば国の直営の施設であるので、県は経営には関与していないということである。





○(宮田しずのり 委員)  経営に直接関与してないというのは当然であり、そんなことをここでいろいろ説明していただかなくてもわかるが、県がその施設を今度買うということを前提にして、その利活用を検討するということで議案を提出してると、だから当然買うためには、今現状がどうなっているかということを我々が知るのは当然じゃないか。それを求めるのは当然じゃないか、それに対して資料を出さないというのが問題だということを指摘している。


 後で送ってもらった資料を見ても、秘密でも何でもない資料をどうしてそこまで隠そうとするのか、何か知られたくないことがあるのかと思わざるを得ない。


 県は今のような答弁であるが、本当に私は、こうした議論を行うためには、やっぱり最初から十分な資料を提供して率直に議論し合う、そして必要だったら買ったらいいし、問題があれば再検討するということもあったらいいではないか。そのためのまず前提となる議論の場をきちっと保障しようということだと思う。今後、こういうことがないように、きちっとこういう場合は資料を提出する、説明もするということをもう1回表明してほしい。





○(小前健康ひょうご推進担当課長)  資料の収集について、私どもとしても先ほども申したように、私どもがいろんなところで把握をしている資料についてはお届けをしたところであるし、また、この詳細な資料の内容については、私どもの方で把握できている限りでは、お届けをしてご説明申し上げているところである。また、今後もそういった情報の収集については、私どもとしてご説明について努力をするつもりであるので、ご理解を賜りたい。





○(宮田しずのり 委員)  次に、今後、有識者や地元代表など8人の検討委員会が設置をされて、利活用を検討していくということになるが、その場合、この会議は当然公開で行うということ、そして議事録を公表、そこに提出された資料も当然県民に公表するということ、本当に開かれた状況のもとでこれが議論をされていくということは、もう最低行うべきだと思うが、その点についての考え方をご答弁願いたい。





○(小前健康ひょうご推進担当課長)  利活用の場の公開等に関してであるが、この利活用の検討会の公開・非公開ということについては、委員により協議をすべきことであろうと思っているが、利活用検討会が設置された際に、委員と協議をした上で、その取り扱いについて決めていきたいと考えているところである。


 議論の内容については、公開をしていくということである。





○(宮田しずのり 委員)  公開するということであるから、会議はもちろんであるが、議事録その他も本当に皆さんの前に明らかにして、オープンで議論していくということをぜひやっていただきたいと思う。


 次に、グリーンピア三木の買収に向けた利活用の検討を行うことの意義についてもう一度お聞きをしたいが、県は2000年以降、県行革を進めてきて、福祉や医療、教育の分野の施策をどんどん今削っていっている。その中で、赤穂ハイツが955万円、いこいの村はりまが1,176万円、姫路の労働会館が247万3,000円と、それぞれ95%引きで、ただ同然で地元の自治体等に払い下げたばかりである。


 施設が老朽化し、利用率が低いもの、民間の施設が充実して役割が終わったとして勤労者の福利厚生施設や文化スポーツ・レクリエーション施設などを売却した、もうわずか数年後に、この施設は300ヘクタールの用地、それから500人以上を収容できる古い施設をどうして買収する目的で検討を行うのか、どういう位置づけの施設と考えているのか、その点をお答えいただきたい。





○(小前健康ひょうご推進担当課長)  グリーンピア三木の利活用についてであるが、先ほども石井委員のご質問に対して答弁したところであるが、国は、閣議決定に基づいて方針を定めて、まず、全国のグリーンピアを平成17年度末までに廃止すること、そして、それぞれの基地の取り扱いは、地元地方公共団体へ優先譲渡すること、そして個別にではなく一括譲渡すること、10年間の公共的利用を確保すること、そういったことを譲渡する際の条件としている。そういうことで、この件について、それぞれ利活用検討委員会で検討を進めていきたいと考えている。





○(宮田しずのり 委員)  国の条件はそれでいいと思う。しかし、県として、この施設をどういう位置づけをして買うのか、買うためにどういう位置づけをしているのか、そこのところを聞きたい。





○(小前健康ひょうご推進担当課長)  グリーンピア三木は、現在、年間約40万人程度の方が利用される施設である。こういった施設を有効に活用するため、県では、子供から高齢者まで幅広い県民が集い、憩い、触れ合い、元気になる施設、こういったものをつくっていこうということで、この利活用の検討を進めていくこととしている。





○(宮田しずのり 委員)  子供から大人までと言われるけど、先ほど言った施設もそうである。そうした施設は横に、中縦沿線には大規模な公園が県立はたくさんある。そういうものと違って、新たにこれだけのお金をかけて買うのは、本当に特別の位置づけが必要だと思う。今お話を聞いていて、全くそういう特別の位置づけのあるものでもないということがはっきりしたと思う。


 それでは次にもう一つ、グリーンピア三木の経営内容であるが、今、私が取り寄せた、ごくわずかの資料の中から見ても、非常に不安定な施設ではないかと思う。全国13の施設の中でも数少ない黒字の施設と県は説明しているが、収支差を見ると、平成13年度が400万円、平成14年度が6,000万、15年度も同じく6,000万円、大規模な施設であるが、収支は本当にぎりぎりといった状態で、しかもその内容は不明の点が非常に多いので、経営の内容については疑問点が非常に多いと指摘せざるを得ない実態である。


 しかも築23年ということで、もうあと10年もすれば、大規模な改修が必要になる施設である。本当に県の財政を一切投入しなくても、黒字経営が十分可能だと、また、施設の大規模改修や維持管理ができると判断をされている施設なのかどうか、今の時点でそういう判断をしているかどうかということをお答えいただきたい。





○(小前健康ひょうご推進担当課長)  現在のグリーンピア三木の運営については、先ほど委員からご指摘のあったように、運営状況としては、13年度は400万円、14年度、15年度6,000万円という黒字ということで承っている。この施設の今後の運営については、この利活用の検討会の中でいろいろ検討していく、国の示された条件を踏まえながら検討していくということで、この利活用検討会においては、有識者によるご議論をいただく中で、県民から利活用に向けたビジネスモデルに係るアイデア募集して、それを踏まえた利活用案、それからアイデア実施に向けた活用形態、こういったものを検討していただく中で運営方法についても検討課題になると認識している。





○(宮田しずのり 委員)  今、答弁あったが、私が集めた資料では、損益計算書は各施設ごとにきちっとなっている。ところが貸借対照表はどうかと見ると、これはほかの施設と全部一緒になったものしかない。ほかの資料は全部施設ごとになっているのに、貸借対照表は向こうに問い合わせてもないと言われるが、そこにもこの経営の中身が本当に我々にはわからないようになっているということも重ねて指摘もしておきたいと思うが、非常に問題が多いということで、幾つか議論したが、どこから見ても、今、県民にとって、この施設をどうしても取得をして利用した方がいいとはとても思えない、そういう施設だと思うが、この点では時間が来たので、私はやっぱり今急いで買うべきものではないということを強く指摘をして次に移りたい。


 次に、ディーゼル規制に関する県の適合車買いかえ支援制度について伺う。


 昨年の10月からのディーゼル自動車運行規制の実施に伴い、県では、運行規制の対象となる8トン以上の自動車を基準適合車に買いかえる場合等について、県独自で融資や利子補給の制度を創設した。この支援制度は、平成16年1月から実施をされているが、現時点での実績は、利子補給制度はゼロ、特別融資制度は64台、補助制度2台、特別貸与制度は54台ということで、全部合計しても120台ということで、非常に利用が少ないのが実態である。実際、買いかえの必要な自動車は相当数あると思う。県に支援制度に関する相談件数がどれだけあったかということを聞くと、平成16年度では1,126件の相談があった。うち、申し込みの申請につながったのは3%程度ということである。


 実績台数が非常に少ない原因がどこにあるのか、また利用しやすいものに見直しをするという必要があると思うが、その辺はどう考えているか、ご答弁をいただきたい。


○(阿多大気課長)  県のディーゼル自動車等の運行規制の施行に伴い、4種類の新たな支援メニューを設けている。委員言われたように、特別融資制度が64台、特別貸与が54台ということで、ある程度の利用実績があると考えており、問い合わせ等も多く、今後、利用増加が見込まれると思っている。


 しかしながら、特別補助制度については、今のところ2台ということで非常に少なくて、もう一つの政府系の融資に係る利子補給制度については利用実績がないということで、それぞれ特別補助制度については、法や条例の使用可能期限の2年前倒しでの買いかえが条件になっているということもあり、政府系金融機関による利子補給制度については、法律の対象地域外の車両のみが対象になるということで、買いかえ需要に直接結びつきにくいことも要因の一つではあると考えている。


 しかし、運行規制開始後、約半年という短い期間であり、猶予期間の関係から違反車両も少なく、当面は配車の見直し等でしのいでいくというような事業者もあるように聞いており、そういうところが支援制度が伸びない一つの大きな要因であると考えており、今後、規制台数もふえてくるので、利用されるものと考えている。





○(宮田しずのり 委員)  この点では非常に努力もしていただいているが、さらに利子補給率の引き上げとか、補助制度については、運行可能期限から2年以上、早期に代替するなどの条件があるので、こういったものの緩和であるとか、あるいは貸与制度について、補助対象車両の拡大など、思い切った条件緩和が必要だと思う。同時に、中小企業は今、非常に不況が続いて、まだ苦しい状況であるから、一般の融資とは切り話して、環境対策としての特別の支援制度だということを考慮した貸し付け条件の弾力的な運用ということも非常に重要と思う。


 制度のPRはもちろんである。本当に私も地域を回っていても、必要な方でも、支援制度を知ってるという人は非常に少ない。であるから、さらにこういった業界等を含めて、いろんな方法でPRを強めていくということもあわせて、一層の努力をしていただきたいと思うが、もう一度、そういった改善点とあわせた方向をご答弁願いたい。





○(阿多大気課長)  支援制度の見直しであるが、新たな4種類の支援制度については、既存制度より有利な条件を設定している。そういうことと、環境保全を目的としているということから、融資利率等の条件とか、あるいは対象となる車両要件の見直しは必要はないと考えている。しかし、やはり制度利用の拡大を図るということからいうと、PRが非常に大切だと認識しており、今後、一層の周知の徹底が重要ということで、今後とも関係団体や金融機関等を通じた広報の強化あるいは現在取り締まりの中でカメラ検査を実施しているので、そのカメラ検査によって判明した猶予期間の少ない車両の所有者に対しては、直接文書で、ダイレクトメール等で周知を確実に図っていきたいと考えている。





○(宮田しずのり 委員)  私も尼崎に住んでおり、大気汚染の防止対策という点では、事あるごとに、ここでも強化を訴えてきた。また一方、その対策によって影響を受ける中小企業者等に対する支援も強化のためにいろいろと取り上げてきているところであるが、制度というのは、たくさん利用されてこそ値打ちが発揮をされるものだと思うので、一層のこの点での努力を訴えて、私の質問を終わる。





○(山口信行 委員長)  以上で宮田委員の質疑は終わりました。


 次に、中田委員。





○(中田香子 委員)  最初にオストメイトへの支援についてのお尋ねである。


 まず、災害時におけるストーマ用装具の確保についてである。


 大腸がん・膀胱がんの術後、人工肛門・人工膀胱で生活する人をオストメイトといい、全国で20万人程度いると言われている。そして県内には約5,000人のオストメイトが生活されていると推測されている。


 また、人工肛門・人工膀胱のことをストーマというが、オストメイトの方々はストーマ用装具がないと生きていくことができない。日常の排せつができなくなるのだから当然であるが、厳しい現実である。


 一方で、現在では多数の方々がストーマを装着して社会復帰をされている。オストメイトの方々への支援は、福祉制度の対象となっており、身体障害者福祉法が適用され、障害年金が認定されるとともに、ストーマの使用に係る経費についても自己負担額の軽減が図られてきた。


 しかし、オストメイトの方々の生活のしにくさは、これですべて解決されたというわけではない。何よりも象徴的だったのは、さきの新潟中越地震の際、ストーマ用装具が手に入らず、とても困られた方がおられたということである。その上、避難所にはストーマ用のトイレはなかったであろうと、これは想像であるが、なかったと言い切ってもいいと思う。災害時にオストメイトの方々が困らないよう、ストーマ装具を十分に供給できるように日ごろから取り組んでおくことが重要であると考えるものである。


 そこで、まず災害時におけるストーマ用装具の確保について本県の現状をお伺いする。





○(真木障害福祉課参事)  人工肛門または人工膀胱を有するオストメイトの方々にとって、ストーマ用装具は生活に不可欠なものであるため、関係団体では平時から1ヵ月分程度を手元に備え置くよう指導しているところである。


 しかしながら、災害等緊急時においては、自己備蓄している装具を必ずしも持ち出せるわけではないことから、災害時における装具の確保は重要であると認識している。


 現在、県下においてストーマ用装具を取り扱っている大手の販売業者で約3,000人のオストメイトが1ヵ月間使用できる程度の在庫を常時有しており、また発注から数日後にはメーカーから納入がなされる体制にあることから、通常の流通の中で災害時には優先的に供給を受けることで対応が可能と考えている。


 震災を経験した県としては、県民の安全・安心を確保する観点から、災害時に円滑にストーマ用装具の供給がなされるよう販売業者とも連携を図ってまいりたい。





○(中田香子 委員)  中越地震のときにも、やはりオストメイト協会の方が気がつかれて、非常に全国に呼びかけをされたと聞いている。本当に災害時などは、特に障害を持った方の苦しみ等非常にわかりにくくて、難しい問題が絡むわけであるので、そういった観点から見ると、災害前にきっちりと何が必要なのかということも認識をしながら取り組んでいただきたい。


 次にオストメイト対応トイレの設置についてである。


 ユニバーサル社会の実現をめざして、さまざまな取り組みが行われている。県でも、新年度としてユニバーサル社会の実現ということが入っているが、その一環として公共施設を初め、駅、デパートなど大勢の人が利用する公共的な建物にエレベーターの設置を促進するなど、障害を持った人も外出がしやすいまちづくりが進められている。そして、このような公共的な建物のトイレに洋式便座の設置を進めるとともに、障害者用トイレの設置を促進してきた。しかし、オストメイトの方の利用を想定したトイレは、県内ではほとんど見かけることがない。マークがトイレにいろいろついているが、オストメイト対応のマークはほとんど目にすることがない。


 健常者に公衆トイレが必要なように、オストメイトの方々が社会生活を営むためには、外出先で利用できるオストメイト対応トイレは欠かせないものであり、ユニバーサル社会の実現のためにはオストメイト対応トイレを公共施設は無論のこと、駅、デパート等人が多く利用する施設に備えていくべきだと考えるものである。


 そこで県としてオストメイト対応トイレの設置について、どのように取り組むのか所見をお伺いする。





○(藤原ユニバーサル社会担当課長)  委員ご指摘のように、だれもが利用しやすいトイレの整備は、高齢者や障害のある人を初め、だれもが積極的に外出したいと思えるような安全・快適に活動できる街をつくるために必要不可欠なものであると認識している。


 このため、現在策定検討中のユニバーサル社会づくり総合指針及び県の率先行動計画においても、県の庁舎や県立施設において、車いす対応トイレやおむつ交換台など、福祉のまちづくり条例の特定施設整備基準に沿った整備を行うとともに、オストメイト対応トイレについても今後2ヵ年の間に総合庁舎や公の施設を中心として計画的に整備を進めることとしており、17年度は約50ヵ所を整備する予定である。


 さらに、今後とも駅、デパートなど人の多く利用する施設におけるオストメイト対応トイレの整備についても、事業者、市町等と連携をとりながら、その整備促進を図ってまいりたいと考える。





○(中田香子 委員)  日本人の食生活が随分欧米化した中で、非常に直腸がん等がふえている状況である。年齢的にも随分若い方から高齢者まで多い。そういうことを考えると、これからどんどんオストメイトの方もふえる可能性、ふえない方がいいが、ふえる可能性が高いということは考えられるので、本当にそういう方々がストーマをつけていても働き続けられるような社会づくりのためによろしくお願いする。


 次に、高齢化していかれるストーマの方もたくさんおられる。そういった点から、ヘルパーによるストーマ交換の普及について質問する。


 ストーマの交換には専門的な技術が必要で、だれもが簡単に操作できるというものではない。そのため、ストーマケアを専門にしているストーマ外来を開設している病院もあり、看護師の中にはストーマや床ずれ、失禁などに対応するために講習を受けたり、専門的に学んだ看護師がいる。現在、全国各地で日本看護協会認定のWOC看護認定看護師や海外で認定を受けた方が活躍している。


 しかし、オストメイトの高齢化等を考えると、いつまでも専門外来に通院し、専門看護師によるストーマ交換を受けるということにも限界があると考える。家庭でのストーマ交換を希望するオストメイトの方々がふえてくることは十分予想されることである。今後の超高齢社会における要介護者の状況を考えると、専門技術を習得したヘルパーがストーマの交換を行うという環境づくりが必要ではないかと考えるものである。


 そこで、県としてヘルパーによるストーマ交換を普及するため、どのように取り組むのか所見をお伺いする。





○(麻埜長寿社会課長)  ホームヘルパーは、入浴、排せつ、食事等、日常生活上の世話を行うものであるが、医師や医師の指示を受けた看護師が行う医療行為については行えないこととされている。


 ストーマ交換が医療行為に該当するかどうかについては、厚生労働省としてはどのような行為が医療行為に該当するかどうかを包括的に明らかにすることは困難であるとして、現時点では明確に示していない。このため、県としては、ホームヘルパーがストーマ交換を行うことについては、医療行為に該当するおそれがあるため、避けるべきであると指導しているところである。


 しかし、現在、厚生労働省において医療行為に該当しない行為類型を明らかにするための検討が行われており、検討結果が出れば、速やかに市町、事業者に対し周知徹底を図っていきたいと考えている。





○(中田香子 委員)  ストーマ交換だけではなく、さまざまな看護技術なのか、そうではないのかというような問題が介護の世界で起こっている。実際にストーマの交換、聞いてみると、ご自分でなさっている方、もう自分でできないからと家族がやっておられる方もたくさんある。これは現実的な対応をしていかないと、本当に本人さんたちが困られることだと思うので、私自身も看護師の資格を持って看護の仕事もしてきた人間であるが、やはり実態を踏まえた中で考えていただきたいと思うので、この点もお願いをして次の質問に入る。


 もう1点が、我が会派で本当にしつこいと言われるかもしれないが、DVの問題である。


 我が会派で前回、決算特別委員会でも岡 議員が取り上げた。それから、同じ決算で越智政調会長が総括で取り上げたが、非常に力を入れている問題としてお受けとめいただきたいと思う。


 まず、DV防止の点で実態把握ということをお伺いしたい。実態把握及び基本計画の策定、実態把握なくして基本計画はないだろうという思いであるが、2004年5月27日、改正DV防止法が国会で可決、成立した。この法律では、2001年に成立したDV防止法による保護の対象を広げ、支援センターの機能を拡充するとともに、自立支援が都道府県の責任であることが明確にされた。そして、都道府県はDV施策の基本計画をつくらなければならないこととされている。


 DV防止を推進するため、県においては平成17年度当初予算案に、女性家庭センターにおけるDV対策の充実のための経費、こども家庭センターへのDV相談員の設置費、さらにDV被害者の保護、自立支援の取り組みに要する経費を計上されるとともに、基本計画の策定費100万円を計上されているところである。


 基本計画の策定に際しては、DV被害者の数や相談者の数のみならず、県内のシェルターの状況や市町の実施している相談状況、県の福祉部局で取り扱っている被害者の状況など、さまざまな面からの実態把握が必要であると考える。また、そのためにも基本計画の作成に際して設けられる委員会には、被害者、相談員、シェルター関係者、NPOなど幅広い関係者の参画が必要であると考えるものである。


 そこで、県におかれては、2001年のDV防止法の成立以後、どのような形でDVの実態把握を行ってきたのか、基本計画の策定に際してどのように実態把握に取り組むのか、さらに基本計画策定の委員会にはどのようなメンバーを想定しているのかお伺いする。





○(玉田児童課長)  本県では、平成12年度、DV防止法の制定を念頭に置き、家庭問題研究所に委託し、夫からの暴力に悩む女性の割合や暴力が子供や夫婦関係に及ぼす影響などの調査・研究を行ったところである。


 また、女性家庭センター、こども家庭センター、警察、市町及び健康福祉事務所等の日常業務を通しての具体的な相談や一時保護の事案により被害者の動向を把握してきた。


 基本計画の策定に際しては、平成12年度の調査結果に加え、国が平成14年度に実施した全国調査の結果を参考とし、これまで蓄積した具体的な相談、一時保護事案から同伴児を含めた被害の状況、希望する自立支援施策を整理の上、十分な議論を行い、基本計画に反映させるよう努めていく。


 なお、基本計画の策定に当たっては、多方面からの検討が必要であると考えており、委員会の構成については、弁護士、精神科医師、臨床心理士などの専門家や女性団体、相談等の支援に当たる民間団体、民間シェルター、母子生活支援施設、市町の代表などの幅広い分野を想定しているところである。





○(中田香子 委員)  このDVというのは、本当に年齢も職業も、もちろん所得にも関係なく起こる問題である。伊丹で女性行動計画を立てる前に調査の中に1項目、DVへの質問を入れたところ、10%ぐらいの人は、10%強だと記憶しているが、DVを受けた経験が持っている。皆さんが思っていらっしゃる以上に深刻な状況があると思う。これは伊丹だけがその程度ではなくて、堺市でもそういった調査が出ていた。本当に命にもかかわるし、もちろん人権の問題でもあるので、広い範囲でさまざまな検討ができるようにお願いをしておきたいと思う。


 次に、DV被害者の保護、自立支援のための関係機関の連携等についてお尋ねする。


 DVは個人のプライバシーに深くかかわるものである。女性センターの相談員といえども、被害者にとって最初は全くの他人であり、DVの被害に遭ってもなかなか相談するという行為には踏み込みにくいものである。


 しかし、そうしたことがDV被害の深刻化を招くことにもなっている。DVが人権を踏みにじる悪質な犯罪行為であるという認識を社会に行き渡らせるとともに、DVの被害に遭った場合には女性センターなどの相談機関がいつでも相談に乗ってくれるという意識を社会に根づかせることが重要である。


 一方、深刻なDV被害者については、加害者から離れて生活できるシェルターが必要である。そこは執拗に追跡を続ける加害者からの隠れ家として、時には偽名を使ってでも逃げおおせるものでなければならない。こうした見地から、シェルターは加害者による追跡調査の対象となりやすい行政の施設よりも、NPO等が運営する民間施設がふさわしいとも考えられる。


 また、DVという行為の性質上、市町が直接の相談窓口となるケースも多く、家庭におけるDVの発生を子供の言動を通して教師や保育士が知る場合や、けがの治療に当たった医師が発見する場合もある。人権意識の啓発という面では、子供のころからDVは犯罪であるという意識を育てることも必要である。DV被害者の一時的な受け入れ場所としては公営住宅の空き住宅の有効活用も考えられる。さらに、DV被害者の経済的な自立を支援するためには、労働部局との連携による取り組みも求められ、他府県から逃げてきたDV被害者に対応するため、府県を超えた連携体制を構築することも重要である。


 このようにDV被害者を保護し、自立を支援していくためには、広範にわたる関係機関・団体等が協働して取り組んでいく必要がある。県として、こうした連携をどのように築き、市町への指導を行っていくのか、またDV被害者の保護・自立支援を担う部局として、今後DV対策をどのように推進するのか所見をお伺いする。





○(下野健康生活部長)  DV被害者の保護自立支援のための関係機関の連携等についてであるが、DV被害者の支援に当たっては、調査結果では、希望するサポートとして、一つには、親身に相談に応じてくれる相談カウンセリングの体制、それから子供の心のケア、それから一時的に逃れる場所の提供、そして就職のあっせんといったことがアンケートの中で出ている。そういったことの結果、私どもとしては、一つには被害者の早期発見、相談、一時保護、自立支援に至る一連の対策が必要であると認識しており、本県では本庁及び県民局単位に関係機関・団体により構成するDV防止ネットワーク会議を設け、緊密な連携体制の構築に努めている。


 具体的には、被害者の発見や早期対応に係る市町や医療機関、被害者の保護に係る警察署との連携、先ほどご指摘の中にもあったが、シェルターの確保のために府県間の相互の連携、そして心理的なケアを担うこども家庭センターや、こころのケアセンター、そして保護命令に係る地方裁判所、就労支援や居住の場を提供する母子生活支援施設との連携などが必要であるが、さらに住宅部局とは恒久住宅や一時入居住宅の提供を通じ、またハローワークとは就業情報の提供を通じた連携といったことについて総合的かつ一体的な被害者支援に向けた取り組みを進めているところである。


 DV対策の中心的役割を担う健康生活部では、実施機関である女性家庭センターやこども家庭センターの機能強化を図るとともに、関係部局や市町、関係団体、NPO等との連携により被害者の個々の実情に即した支援対策の一層の推進を図ってまいりたいと考えている。


 特に市町においては、配偶者暴力相談支援センターの早期開設を働きかけていきたいと考えている。





○(中田香子 委員)  DV被害者が子供を連れて生活の場を離れるということは非常に本当、日常私たちがごく自然にやっている行動が変わるわけであるし、今、ほとんどの施策が家族単位になっている中で、本当に細かいこと、子供が熱を出して医療にかかろうと思うと保険証がない等、そういった事細かい問題が起こってくるわけであるので、本当にさまざまなところとの連携で、全部局が理解を持って取り組んでいただけるような形、しつこく申して申しわけないが、よろしくお願いしたい。


 次に、加害者の更生対策についてお尋ねする。


 DVは犯罪であるが、DVの加害者に対しては更生を促すという見地から接することが重要であると考える。DV加害者に対して適切な更生対策を施していくことは、被害者の救済を徹底することにもつながり、また、社会からDVを撲滅していくという面からも加害者の更生に取り組むことは大切であると考えるからである。


 そこで、県として加害者の更生対策にどのように取り組んでいくのか所見をお伺いする。





○(久保福祉局長)  県においては、DVとは犯罪となる行為を含む重大な人権侵害であると考えており、被害者やその同伴児の安全確保が最優先の課題であると認識しているところである。このため被害者や同伴児の一時保護の充実、傷ついた心の心理的なケア、さらに自立支援の充実強化に努めているところである。


 ご指摘の加害者更生対策については、国において、昨年12月に策定されたDV対策の基本方針の中で、有効性等未解明な部分が多いことから、現時点では調査・研究テーマの一つと位置づけているところである。


 県としては、加害者の更生はDV対策の推進に係る一つの視点であると考えるが、まずは目前の課題である被害者等の保護・自立支援に重点を置いた施策展開を図ってまいりたいと考えている。





○(中田香子 委員)  今申されたように、国の方では、そういった未解明の問題として、まだ課題だということで、兵庫県もそういった形でということであるが、もう先進的なところでは、アメリカはかなり早くからそういったプログラムがあって取り組まれている。そこへ日本国内からも先進的な県では研修に行かれる、調査に行かれるということをされて、プログラムの策定をしようとしている。


 これはDVの問題というのは、突き詰めていけば、やはり女性の生き方、男性の生き方あるいはもっと深いところで子供の時代に、男らしくとか、女らしくとかといったことを背負わされてきた中で起こってくる問題ということである。


 そういうことから考えると、実際に動いていかれる課、それぞれの課だけでなくて、やはりしっかりと女性政策に取り組んでおられる県民政策部の方も、やはりしっかりとかかわった形で取り組んでいただかないとだめだと思うので、その辺はよろしくお願いしておきたいと思う。


 それでは、よろしくお願いして私の質問を終わる。





○(山口信行 委員長)  以上で中田委員の質疑は終わりました。


 この際、暫時休憩いたします。


 再開は、午後1時30分といたします。


        午後0時45分休憩


……………………………………………………


        午後1時32分再開





○(杉尾良文 副委員長)  ただいまから予算特別委員会を再開いたします。


 休憩前に引き続き、質疑を行います。


 山本委員。





○(山本敏信 委員)  家族は社会の最少単位であり、マナーや社会のルールなど、人間の基本を学ぶ場でもある。今、その家族が無秩序な個人主義の広がりによって崩壊の危機に瀕している。このことを踏まえ、大きく4点7項目にわたって、順次質問に入る。


 まず、大きく1点目は、介護保険制度の改革についてであり、一つには、今後の取り組み方針についてである。介護保険制度は、今や福祉基盤の充実の根幹をなすものであり、知事も提案説明で取り上げ、我が会派の門幹事長の代表質問を初め、会派を超えて多くの質問がされたところである。


 超高齢社会を間近に、老後において介護の不安を社会として支える社会保障制度として創設された介護保険制度、その重要性や不安への認識を同じくすることをあらわしている。平成12年4月にスタートし、5年を経過し、高齢者の自立を支援する制度として県民各層の間に広く浸透した一方で、急激な利用者増とサービスの普及により給付費の増加、いわゆる軽度認定者の急増や介護保険サービス提供が必ずしも要介護状況等の改善につながっていないといった課題については当局も認識され、そのように答弁されてきた。


 介護保険制度の基本理念である高齢者の自立支援、尊厳の保持を基本としつつ、持続可能性を高めていくためにも改革に努め、その保険財政の悪化に歯どめをかけていかなければならない。このことは、地方が真の地方分権を実現できる能力があるかどうかの試金石でもあると考えられる。そのためには、制度の実施主体である市町や事業者等への適切な助言・指導が強く求められる。介護支援専門員の専門性やケアプランの質の向上に向けたケアマネジャー支援を初め、介護保険サービスに関して客観的に評価を行う第三者評価制度等の確立、介護予防対策の充実など、健康な高齢者も含めた高齢者福祉施策を総合的に展開していく必要があるが、今後どのような方針で展開していくのか、ご所見を伺う。





○(小野介護保険課長)  ただいま介護保険制度の改革に関する今後の取り組み方針についてのご質問をいただいた。今般の制度改革の基本理念として、高齢者の方々が地域において自立して生活していくことができるよう、予防重視型システムへの転換が掲げられているが、県としては、ご提案している県民健康プランを推進する中で、健康な高齢者の方々の健康づくりの実践を支援するとともに、虚弱な高齢者の方々に対しては介護予防を推進するなど、制度改革の理念を踏まえた各般の施策を実施することとしている。


 また、介護予防がその実を挙げるためには、県・市町・事業者が一体となった取り組みが必要であることから、市町や事業者に対し、介護予防に資するサービス提供を行うよう、改正の基本理念の徹底や地域包括支援センターや介護予防拠点の整備を初め、改正が滞りなく実施できるよう、適切な助言・指導を引き続き行うこととしている。


 さらに、委員ご提案のとおり、ケアマネジャーの経験年数等に応じた研修や、ケアプラン作成支援を行う委員会の設置、介護サービスを含む福祉サービス全般についての第三者評価事業の実施など、保健・福祉施策を総合的・一体的に展開することにより、明るく活力ある超高齢社会の構築に努めてまいりたい。





○(山本敏信 委員)  実施主体である市町や事業者等への今後とも適切なアドバイスをよろしくお願いする。


 次に、予防重視型システムへの転換についてである。


 制度改革の方向として、予防重視型システムへの転換を掲げられ、平成18年4月から新予防給付や地域支援事業が施行されることとなる。来年度は市町介護予防試行事業が実施されるが、介護保険制度の実施主体である市町にとって地域の実情に応じた介護予防の取り組みを進める上で、今後の方向性を決める上でも極めて重要なものと考える。午前中、温泉療法また筋力強化トレーニングなど、具体的な課題も出ていたが、どのような目標を設定し、どのような流れで進めていくのか。また、平成18年度からの本格実施に向けて、どのような点を検証されていくのか、あわせてお伺いする。





○(下野健康生活部長)  介護保険制度の改革について、予防重視型システムへの転変換についてのお尋ねであるが、市町介護予防試行事業については、平成18年度からの介護保険制度の見直しを踏まえた介護予防サービスの円滑な導入に向けて取り組むものであり、目標として、予防重視型システムへの転換により、要介護度の軽減、あるいは悪化の防止を図ることにあり、ひいては国の健康フロンティア戦略の施策にあわせ、本県でも健康ひょうご戦略と称して、平成26年度までの10年間に健康寿命を2年以上延ばすことをめざしたいと考えている。


 また、事業の流れとしては、まず介護予防の対象者を選定するスクリーニングを行い、介護予防マネジメントによる個人ごとのプログラムを作成し、これに基づき、運動指導、栄養改善などのサービスを実施し、個人のケースに応じたフォローアップを行い、当初の目標に対して効果的な介護予防サービスであるかの評価・検証を行う予定である。


 また、介護予防プログラムに基づき、事業者が適切に介護予防サービスを提供しているかどうかの検証なども行い、平成18年度からの本格実施につなげていきたいというふうに考えている。





○(山本敏信 委員)  介護保険制度が継続していくためにも、介護予防へのシフトが今後とも重要と思われるので、よろしくお願いする。


 大きな2点目は、障害者福祉のあり方について、一つには、障害者自立支援法案がめざす理念についてである。


 障害者福祉制度が大きく変わろうとしている。身体、知的、精神の障害種別に分かれている福祉サービスを一本化する障害者自立支援法案が先月10日、今国会に提出され、障害者の自立支援の展開が図られているところである。費用面では、国と都道府県に費用負担を義務化する一方で、福祉サービスへの利用者にも1割の自己負担が導入されることになる。障害者の生活において大きな変化であり、その法案が意味するところ、まためざす理念は評価すべきものと考えるが、当局はどのように認識されているのかお伺いする。





○(山本障害福祉課長)  障害者自立支援法案は、障害者が自立して普通に暮らせるまちづくり、地域に住む人が障害の有無等にかかわらず、互いに支え合うまちづくりを理念としている。


 この理念実現のため、法案では、1点目として身体、知的、精神という障害種別にかかわらず共通のサービスを共通の制度で市町で一元的に提供することとしている。


 また、2点目として、福祉施設から一般就労への移行を進めるための事業の創設や地域の限られた社会資源の活用などにより、障害者が地域で自立して暮らす仕組みづくりを進めるものであり、さらに3点目としては、利用の手続・基準を明確化し、公平な負担を求めるとともに、国・県の費用負担を義務化することにより、制度の持続可能性を確保をしようとするものである。


 以上のような改革により、身近なところでサービスを受けられる地域づくりが進むとともに、特におくれている精神障害者の福祉の向上が図られるものであり、障害者本人を中心とした個別の支援をより効果的・効率的に進めることができる基盤づくりを促進するために極めて重要なものであると認識している。





○(山本敏信 委員)  次に、身体、知的障害者に比較して対策がおくれていると言われている精神障害者への適切な対応についてである。


 これまで、精神障害者を支えてきた人々にとって身体、知的障害者と異なる対応に置かれてきた長い歴史、また支援費制度においてもその枠外に置かれてきたことからすると、本法案によって精神障害者へのサービスが身体、知的障害者並みになると期待が高まっている。精神障害者保健福祉手帳制度が施行されて歴史も浅く、ようやく10年を迎えるが、本県において本年7月から重度精神障害者医療費の助成が実施されることは大いに喜ばしいことである。しかし、精神障害者への適切な医療については、精神障害に対する理解の不足などもあり、必ずしも適切なシステムが効果的に運営されているとは言えない面があると思うが、有識者会議からの報告を踏まえ、今後適切な対応に向けてどのようにしていくのかお伺いする。





○(山本障害福祉課長)  精神障害者への適切な医療の提供のため、平成16年9月以降4回にわたり有識者会議が開催され、本年2月に報告書が取りまとめられたところである。


 この報告書を受け、新たに当事者や家族の相談員制度を創設するとともに、市町・警察等関係機関との連携などによる相談体制の充実、県レベル、地域レベルの協議会を設置するなど警察、市町との連携体制の強化、保健・福祉関係職員や警察、医師等で構成する専門職チームによる要支援者に対する訪問支援などに取り組んでいくこととしている。


 さらに、各健康福祉事務所への嘱託医の配置や、健康福祉事務所長の判断による精神保健診察の要否の判定組織など、適切な医療につなげるための体制を整備していくこととしている。


 今後、こうした取り組みに加え、精神障害者に対する理解を促進するための普及啓発等にも取り組み、精神障害者に適切な医療が提供されるよう努めてまいりたいと考えている。





○(山本敏信 委員)  今後とも障害者福祉の向上に向けて一層の奮励をお願いする。


 大きな3点目は、制度的無年金者の救済についてであり、一つには、これまでの取り組み状況についてである。


 年金制度はもとより、障害者福祉、高齢者福祉など、自立と共生の社会づくりに欠くことのできないものである。3月3日に学生無年金障害者への障害基礎年金不支給処分の取り消し判決が広島高裁であった。学生無年金障害者とは、二十歳以上の学生の国民年金が強制加入になる1991年以前に未加入のまま障害を負ったため、障害基礎年金を受けられない人たちのことであり、いわゆる制度的無年金者については、これらの学生無年金障害者のほか、任意加入当時に障害者となった専業主婦や国民年金法の国籍条項が撤廃されたにもかかわらず、制度上の制約により無年金となった外国人障害者や高齢者など、多数存在している。制度的無年金者に対するこれまでの取り組み状況について、どうであったかお伺いする。





○(麻埜長寿社会課長)  県としては、制度的に無年金となった外国籍高齢者・障害者については、本来的には国の責務において救済されるべきものと考えており、その救済措置について、従来から国に対し全国知事会を通じるほか、県独自に再三、強く要望してきたところである。


 また、ご周知のように、昨年12月、特定障害者に対する特別給付金の支給に関する法律が制定され、附則において無年金外国籍障害者等への福祉的措置の検討が明記されたところである。


 本県としては、国において制度化されるまでの間、無年金外国籍高齢者・障害者を支援するため、平成10年度から給付金制度を創設し、現在の給付水準は他府県と比較してもトップクラスとなっている。


 このたび、17年度の予算化に当たり、障害基礎年金の支給額を基本とし、国・県・市町がそれぞれ応分の負担をするという仮定のもと、障害者については月額2万5,000円、高齢者については障害者の2分の1とし、月額1万3,000円に引き上げるべく、予算計上したところである。





○(山本敏信 委員)  次に、お話のあった今後の国への働きかけについてである。


 制度的無年金者の救済については、特定障害者給付金法が昨年12月に成立し、国民年金の任意加入制度の期間中に未加入であった学生や専業主婦が障害を負い、障害年金を受給できない特定障害者としてこの4月から給付金が支給されるなど、改善が進んでいる。


 しかし、在日外国人については、給付金の支給対象とならず、今後検討していくことになるなど、残された課題も多いところである。県として、従前より無年金外国籍高齢者・障害者等福祉給付金に取り組み、さらに平成17年度からその支給月額を引き上げることについては先ほどご報告あったが、高く評価するところである。しかし、基本的には、国の責任で救済されるべきものである。国会では、年金制度の抜本改革に関する与野党協議がやっと入り口に差しかかったが、制度的無年金者の救済について、さらに国に対して強く働きかけが求められる。今後の取り組みについてお伺いする。





○(麻埜長寿社会課長)  無年金外国籍高齢者・障害者の救済については、委員も指摘され、先ほどもご答弁申し上げたように、本来的には国の責任においてなされるべきものであると考えている。


 県としては、今後とも、さらに全国知事会等と連携し、国の責任において、無年金外国籍高齢者・障害者の制度化が図られるよう強く働きかけてまいりたいと考えている。





○(山本敏信 委員)  年金制度の充実について、国の方へより働きかけに努めていただくようお願いする。


 質問の最後、4点目は、家庭内暴力対策の強化についてである。


 午前中、中田委員からもDV対策について質疑があったところであるが、児童虐待、DV等、子供や家庭の問題を背景とした深刻な相談事案、さらに高齢者虐待に対して、より適切な対応が求められる状況にある。厚生労働省を中心に検討され、児童虐待防止法、DV防止法の改正、さらに児童福祉法の改正等を踏まえ、地域や市町と専門機関等が連携した支援体制を整え、家庭内暴力対策を図ることとされている。この問題を考える前提として、児童虐待、DV等が福祉の領域を超え、家庭内であったとしても犯罪であるということをきちんと抑えておくべきである。少子化対策についても十数年前から取り組んでおられるが、一向に効果が上がらず、逆に少子化が進んでいる。母体保護の名のもとの野放図な妊娠中絶、欧米では相続など民法上一人前に扱われている婚外子、非嫡出子の半人前扱いなど、日本の常識は世界の非常識と言われる根本的な問題にほとんど触れないで、結婚、出産、育児と一連の対策をとるべきところ、当初、旧労働省婦人局が指導したことにより、普通の公務員の家族感覚で育児支援だけで事足れりとしたことが、今日少子化対策が進まない大きな要因があると言われている。


 我が兵庫県は、既に平成9年度「すこやかひょうご子ども未来プラン」を策定し、16年度改定を行い、少子化対策推進協議会を中心に総合的に取り組まれているが、これまたなかなかよい結果に結びついていない。


 例え話が長くなったが、家庭内暴力に対しても、本県では児童課を中心に一生懸命取り組まれているが、被害者保護だけでなく、警察とのかかわりについても情報を共有する程度の連携ではなく、実際に加害者を引き離し、被害者の身体の安全を確保できるよう、つまり機動的に強制力を行使できる体制が必要と考えられる。平成17年度当初予算において、これまで以上の取り組みをされようとしているが、司法、公権力を持つ警察と、あわせて県当局、総力を挙げて家庭内暴力に対する総合的、抜本的な体制が求められると考えられる。当局のご所見をお伺いする。





○(久保福祉局長)  家庭内暴力に対しては、本庁と警察本部が、また、こども家庭センター、女性家庭センターが警察署と会議や個別事案を通して緊密に連携し、適時適切に家庭への介入・援助できる体制を組んでいるところである。


 具体的には、児童虐待では、各こども家庭センターが警察との定期連絡会議を開催しているほか、個別ケースの対応として休日・夜間を含め終日警察から通告を受け付けているところである。また、立入調査や一時保護等に当たり、事前協議、警察官の立ち会いの援助要請を求めるなど、保護者への厳正な対応や子供の安全確保に即応できる体制をとっている。


 また、DVについては、DV被害者から保護の依頼を受けた警察署は、深夜・休日等も一時保護所へ移送するほか、お互いに連携し、加害者の接近禁止や退去命令を求める裁判所への申し立てを支援するなど、被害家族の安全を最優先に取り組んでいるところである。


 今後は、さらにこども家庭センターや女性家庭センターを家庭内暴力対策の専門機関としての機能の充実を図るとともに、警察や市町等との緊密な連携のもと、迅速かつ的確な取り組みを推進してまいりたいと考えている。


 なお、高齢者虐待については、関係法令が未整備であるが、市町単位に在宅介護支援センターを中心に警察や民生委員などとのネットワークの構築を17年度から推進することとしている。





○(山本敏信 委員)  冒頭申し上げた、崩壊しかけた家族のきずなを呼び戻すためにも、知事を先頭に、皆さん方の一層の奮励をお祈りして、私の質問を終わる。





○(杉尾良文 副委員長)  以上で山本委員の質疑は終わりました。


 次に、松本よしひろ委員。





○(松本よしひろ 委員)  まず初めに、精神科救急医療体制の整備についてお伺いする。


 毎年、精神科救急に約9,000万円の予算が計上されている。神戸・阪神圏域と播磨圏域に各1ヵ所を休日・夜間の当番病院としてそれぞれ1床の入院枠を確保し、精神保健指定医1名と看護師1名を配置するとともに、災害医療センター内に電話相談受理の窓口を設けている。先日、土曜日のことであるが、精神科を受診していた友人のお嬢さんの症状が悪化した。家庭内で暴れ狂い、何日も眠らず、暴力を振るうなど、家族で対応できなくなってしまった。こうなれば、小柄な娘さんでも、大の男がはね飛ばされるような力を発揮し、手に負えなくなる。かかりつけのクリニックに連絡をとったが、入院させることができないということで、対応困難と断られた。あちらこちらの精神科に電話をかけても応じてもらえず救急車を呼んだが、駆けつけた救急隊員から入院できる病院がないので対応できない、警察に頼むようにと断られ、困り果てて私のところへ電話をかけてきた。娘さんに刺激を与えないようにと、ふろ場の中から携帯電話で声をひそめての連絡であったが、途中で大きな音がして切れてしまった。精神科救急の電話相談に電話をしたが、病歴や入院歴など事細かな説明を求められるばかりで、差し迫った状態を伝えて、当番病院を尋ねても教えられない、そんなに大変だったら警察に頼んで保護してもらうようにというのが返事であった。電話での相談で家族が対応できるようなケースもあるだろうが、どうにもならないケース、大変な状態であればあるほど助けにならない。電話の向こうで状況を把握しようとされているのかもしれないが、精神科救急として必要なのは、患者への迅速な対応であり、専門の医師と救急外来や緊急入院の可能な病院である。このようなときには、救急車に依頼すれば、即座に救急外来に搬送するなり、往診をして応急処置をするなどの対応が必要である。ストレス社会と言われるように、家庭内での児童虐待やDV、高齢者虐待の増加、常識では考えられない凶行事件に至るケースの背景に精神科診療を必要とする患者は確実に増加している。早期に精神科救急外来を開設するとともに、入院可能枠の拡大を図るべきである。病院局では、県立光風病院に精神科救急病棟を整備する計画になっているが、これを中核として実効性のある精神科救急医療体制の実現に早急に着手するべきであると考えるが、ご所見をお伺いする。





○(山本障害福祉課長)  兵庫県では、都市部においては、輪番制方式により、休日・毎夜間ともに2床の空床を確保し、他府県に比べて質の高い医療を提供をしてきている。


 この制度の運用に当たっては、悪質ないたずらのケースなどもあることから、輪番病院での混乱を避けるため、救急相談受理窓口を設け、初診時における医学的評価の一部である、既往歴、生活歴、病歴、家族構成、睡眠・摂食等の現状を把握した上で、輪番病院の医師につなぐこととしている。


 しかし、精神障害者の処遇が入院医療から地域ケアへと大きく推移している中で、緊急の医療が必要な事態の増加が予想されることから、精神科救急外来を含めたさらなる体制の強化が必要であると認識している。光風病院に自傷他害のおそれのある精神患者等に対応する精神科救急病棟を整備し、全県からの要請にこたえるとともに、あわせて外来機能も含めた輪番病院、協力病院及び精神科救急情報センター等の体制の再整備が必要であると考えている。


 このため、来年度実施する兵庫県保健医療計画の見直しにあわせて、精神科救急医療体制のあり方についても精神病院協会等関係者から成る委員会を設けて検討することとしたいと考えている。





○(松本よしひろ 委員)  精神科救急については、早期の整備が必要だと思うので、光風病院の精神科救急病棟整備等について財政的な取り組みについては、政策的な観点から、特にご配慮をお願いしたいと思う。


 次に、新ひょうご対がん戦略の後期5ヵ年の推進方策とがん治療専門医制度への取り組みについてお伺いしたい。


 先日、再発がんで闘病中の友人が県会の控室に訪ねてまいった。昨年の秋に余命は半年と宣告されたそうである。自身の体験をもとに、がん治療の現況を説明され、充実を要望して帰っていった。我が国では年に30万人近くの人ががんで亡くなっている。兵庫県でも年間にがんで亡くなる人は1万4,000人を超えている。死因別では断トツの1位で、県下で37分に1人が亡くなっている勘定になる。兵庫県では昭和62年から全国に先駆けてひょうご対がん戦略会議を設置し、その提言を受けて、ひょうご対がん戦略を定め、がん制圧に取り組んでこられている。現在は、平成14年から18年を計画期間とする新ひょうご対がん戦略の後期5ヵ年の推進方策に基づいて総合的に取り組んでおられる。この目標値はがん死亡率を全国並みに下げることとしており、がん予防の強化、受診率の低い乳がん、子宮がん検診の受診促進と精度向上のためにマンモグラフィによる検診の普及を掲げている。また、全国よりも死亡率の高い肺がんと肝がんに重点を置き、早期発見、高度ながん医療機関の整備や患者のQOL向上、ターミナルケアにも取り組むとされている。高度ながん医療機関の整備については、国において日常生活圏域で質の高いがん医療を提供する体制を確保するため、地域がん診療拠点病院の指定が進められており、兵庫県ではまだ指定がないが、県においてはこれに先行して兵庫県保健医療計画においてもがん専門医療機関の整備を基本としたがん医療システムの中で2次保健医療圏ごとに中核病院を確保するとともに、全県拠点としてがん医療拠点病院を確保するとされている。このシステムに示されているがん医療拠点病院においては、がんに特化した機能を持たせ、化学療法、放射線療法、外科療法による腫瘍科総合診療体制を構築するとのことである。その具体化の現状と今後のスケジュールについてお伺いする。


 あわせての質問であるが、一方、日本癌治療学会は癌治療専門医制度をことしの夏にスタートさせようとしている。これは従来の内科、外科、放射線科、皮膚科、産婦人科などの縦割りの医療や臓器別の縦割り医療を横につなげて、専らがんを専門的に扱う画期的な医療をめざすものだそうである。兵庫県においてもがん治療の拠点病院の整備とともに、がん治療専門医を確保して、がん撲滅へ強力な体制づくりをしていただきたいと思うが、このことについてどのように考えておられるのか、あわせてご所見をお伺いする。





○(今井健康生活部参事)  良質で効率的ながん医療の提供を進めるため、県では、平成14年度にがん医療システム整備指針を策定し、国の地域がん診療拠点病院とほぼ同等の中核病院を神戸圏域を除くすべての2次保健医療圏域において選定したところである。


 この中核病院の中から、化学療法、外科療法、放射線療法など、腫瘍に対する総合的な診療体制を有し、県立粒子線医療センターとのネットワークの基幹となる全県拠点病院を1ヵ所以上指定することとしている。


 全県拠点病院については、がんの専門病院であり粒子線治療基準の適応判定を行っている県立成人病センターにおいて、その機能の整備についての検討を来年度進めることとされている。


 また、がん治療の共通基盤となる知識・技術の習得を目的としたがん治療専門医制度については、その実施状況を踏まえた上で、全県拠点病院の要件に加えるなど、その活用について検討してまいりたいと考えている。


 今後、こうした医療体制の強化にあわせ、がん撲滅をめざした新ひょうご対がん戦略を総合的に進めてまいる所存である。





○(松本よしひろ 委員)  対がん戦略については、初期のころの勢いが最近ないんじゃないか、対がん戦略ということが余り耳にされない、そういう思いがしている。今後一層の取り組みをお願いしたいと思う。


 次に、助産師の活用と育成についてお伺いしたい。


 いわゆる助産師分娩科についてであるが、このテーマについては代表質問でも取り上げた。再度ここで取り上げ、担当部局としての見解をお伺いしたい。


 子供の育ちに家庭環境が大切であることは論をまたないと思う。しかし、1人で夕食をとる子供が多いというふうな、ショックな調査結果があらわしているように、生活スタイルの変化から、家庭のあり方や家族のきずな、家族のコミュニケーション不足が社会問題とされなければならないのが現状である。県においても地域コミュニティの再生とともに家庭の再生支援を行政課題として取り上げられている。このことは大人の問題である以上に、子供の育ちにとって非常に重要な課題であるからである。私は子供の遊び、子供の群れ社会の再生、自然や社会とのふれあい体験、また教育ファームなど、学校のあり方など、質問のたびに角度を変えて取り上げてきたが、その原点、出発点はお産にあるということに行き着いたわけである。そこに家族のきずな、子供の人格形成に重要な親子関係、特に乳幼児期における母と子の関係形成の出発点があるからである。私はこれを周産期ケアの問題として、昨年の3月議会でも代表質問に取り上げた。戦後60年、我が国のお産は大きな変化を遂げてきている。私たちは、自宅で産婆さんの助けで生まれた世代である。その後、産婦人科に入院をして出産をするようになったが、陣痛促進剤の使用による時間調整や無痛分娩など、お産のあり方をめぐっては大変な紆余曲折を経てきている。最近では、助産師による手厚いケアによる自然な出産が女性の産む力と子供の産まれる力を引き出し、子供の生きる力を強めるとともに、家族としてのきずな、親子のきずなを強め、子育てへの不安を解消する上でも非常に有効であり、さまざまな点ですぐれているとの考え方に行き着いたと言われている。


 ここで、改めてお産のあり方についてどのような見解を持っておられるのか、そしていわゆる助産師分娩科であるが、どのような評価をされているかお伺いする。





○(細川健康局長)  ご質問の、いわゆる助産師分娩科についてのお尋ねであるが、お産については、母体・胎児の安全を最大限に追求していく必要がある。また、あわせて正常分娩から緊急処置を必要とする状態への急変に的確に対応できる体制整備も必要だと考えている。


 一方、最近では画一的になりがちな安全第一のお産よりも、自然かつ家族が希望する形態でお産をしたいという要望や、妊産婦みずからの責任に基づいてお産の方法を決めるために情報提供を求める場合があるとの指摘がある。このような多様なお産についての考え方に対応できるような医療体制の整備が求められているところと考えている。


 また、助産師についても、このような状況から、改めて役割の認識が高まっているというふうに考えている。


 いわゆる助産師分娩科については、安全性を大前提としながら、時代の状況の変化を踏まえ、お産についての多様性に適切に対応できる体制整備の一つとして、今後検討していくべき課題であるというふうに認識している。





○(松本よしひろ 委員)  次に、助産師の育成についてである。


 多くのお産を扱う激務とリスクから、産婦人科医の不足、結果として分娩の取り扱いをやめる産科医院の増加を招き、また助産師の不足から助産資格のない看護師が分娩介助に関与することも問題とされている。妊娠初期から女性に寄り添って、妊婦や家族の不安を解消し、育児の細やかなアドバイスに至る周産期のケアをする助産師本来の役割を発揮させることがよりよいお産の実現と子供の育ち、家庭と家族の形成に大きな力となることを考えると、不足している助産師の育成が非常に重要な課題となる。県としても力を入れている人づくり施策として、また児童虐待防止など家庭支援策として助産師の育成確保に力を入れていくべきだと考えるが、再度、ご所見をお伺いしたい。





○(伊藤医療課長)  本県においては、県立総合衛生学院のほか、県立大学看護学部の助産師養成課程で、平成18年度卒業生から20名程度助産師の養成が図れる状況にある。また、神戸市看護大学においても平成17年度に助産学専攻科が設置され、助産師15名が養成されることとなっている。


 平成15年度の行財政構造改革推進方策後期5か年の取組みにおいて、総合衛生学院の助産師課程については、県内の需給状況等を踏まえ、あり方を検討することとされている。


 このようなことから、平成17年度には、看護職員の需給見通しにあわせ、今後の役割なども踏まえ助産師の需給見通しを行うこととしており、助産師の養成確保については、この結果を踏まえ検討することとしたいと考えている。





○(松本よしひろ 委員)  助産師の育成という点で、県立看護大学が四年制大学の中に助産師の養成課程をスタートさせるということになっている。一方、神戸市の看護大学では四年制の大学卒業後に助産師育成のための専攻科を1年プラスする。県立看護大学より何か一歩格の上の教育をめざしているというので非常に残念な思いをしている。


 それから、県立総合衛生学院については、20名の募集枠に対して合格者を絞って、十五、六人しかとっていないといったことも教官の不足が原因だとされているが、今後不足とされている助産師の育成体制について、県として本腰を入れた取り組みをしていただきたい、要望しておきたいと思う。


 次に、DV対策の強化について質問したい。


 この問題については、先ほど中田委員も質問されたので、重複を避けたいと思うが、昨年12月、我が党の女性局がDV防止策強化を求める要望書、32万7,524人の署名簿とともに知事に提出をし、改正DV防止法の施行に伴い、県下のDV被害の実態調査、DV防止基本計画の早期策定、相談体制の強化と保護施策の整備拡充などを要望した。知事も大変前向きな姿勢を示され、全力を挙げて本格的な体制をつくると約束をされた。先月には、DV被害者の支援に当たっている民間団体の代表の方々が齋藤副知事に要望された。斎藤副知事も熱意を持って要望を受けとめ、大変力強い言葉をかけ、取り組みを約束していただいたところである。


 いよいよ基本計画づくりに取りかかられるということであるから、今回のDV関連予算はとりあえずの対策に要する予算であり、本格的な体制づくりは基本計画が策定されてからということであると私は理解しているが、先走っての懸念にすぎないのかもしれないが、DV被害者への支援体制のことについては、より充実が必要と思うので、お伺いしたいと思う。


 DV被害者は長期にわたって女性が最も安心できるはずの家庭の中で、また最も信頼できるはずの夫や恋人、父親などから暴力や性的な虐待を受け、だれにも打ち明けることもできず、また理解もされず、心身ともに傷ついて逃げることもできなくなってしまっているということである。しかも、子供への影響や社会的体面にも気を使い、そのような結末に至ったことに対して自責の念すら抱いて、自縄自縛に陥ったり、人間不信、自己嫌悪、自閉症状あるいは引きこもり状態になることも多いようである。このような被害者を安全に保護し、心から安心できる環境を確保し、寄り添い、心の傷をいやし、自立への道を歩み出せるまで、心身のケア、生活支援、就業支援をするには十分な支援体制をつくること、十分な人を配置することが必要である。しかし、現状はその中核である女性相談センターで所長、課長含めて常勤職員4人、被害者の保護・相談ケアに当たる担当職員は17名の非常勤嘱託員による交代勤務となっている。相談やケア、支援に当たる人材の育成・確保が重要である。傷ついた心は過敏なまでに反応してしまい、不用意な対応で2次被害を発生させることがあってはならないと思う。担当職員の人選、研修には万全を期すことが求められるが、支援に当たる体制整備についてどのように考えておられるのか、ご所見をお伺いする。





○(下野健康生活部長)  DV対策については、ご指摘のように、体の面、心の面、経済的な自立の面、いろんな面、絡み合った対応が必要であるというふうに考えている。


 本県においては、女性相談センターにおいて相談から自立に向けた一連の支援を行えるよう、DV専門相談員、女性相談員が相談に応じるとともに、心理判定員、自立支援員等が一時保護したDV被害者の心のケアや自立意欲を高める働きかけを行ってきているところである。


 また、関連機関との関係で女性相談調整連絡員が市町や健康福祉事務所、ハローワーク等と連携し、就労先や住宅の確保等自立支援に取り組んできている。


 これら専門職員の配置については、社会福祉士や児童福祉司等の有資格者を配置し、DV被害者の信頼を得るように努めている。また、職員の専門性あるいは窓口対応の向上を図るために、弁護士や精神科医師、大学教授等の協力・支援を得て研修会なども開催してきている。


 今後、さらに女性家庭相談センターを中核として、こども家庭センター、健康福祉事務所、市町がそれぞれの役割を担いながらDV被害者に対して総合的に支援できる体制整備について取り組んでまいりたいというふうに考えている。





○(松本よしひろ 委員)  DV被害者の相談・保護に当たっては、市や町、またこどもセンター、福祉事務所、警察などと連携をした救済支援の取り組みが必要である。こういった中で一人一人の被害者をその保護から相談ケア、自立に至るまで継続的にケアをするマネジメントが大切となってくる。企画管理部でもこの問題を取り上げて、人の配置についての質問をしたが、下野部長はこの方面で非常に強い方であるから、所管部長として恐らく力を発揮していただけると思うので、期待をして質問を終わる。最後までよろしくお願いする。





○(杉尾良文 副委員長)  以上で松本よしひろ委員の質疑は終わりました。


 次に、水田委員。





○(水田宏 委員)  本日9人目の質問者に当たって、私はひょうごエコタウン構想に絞って質問させていただきたいと思う。


 21世紀は環境の世紀と言われてから久しいものがある。私たちはこの美しい地球を子々孫々にまで引き継ぐために、今しなければならないことが多くあることは言うまでもない。さて、現代社会は経済発展に伴い、生産活動や消費活動が拡大し、環境に与える負荷が急速に増大している。しかし、環境や資源は決して無限なものではない。これまでの大量生産・大量消費・大量廃棄というパターンを今後も続けていけば、近い将来に環境破壊や資源の枯渇に直面することになるであろう。私たちは社会構造や生活様式のあり方を見直し、資源を効率よく利用する努力を行い、環境負荷をできるだけ少なくすることにより持続的発展が可能な循環型社会の実現をめざす必要がある。また、循環型社会を実現するためには、県民・企業・大学等の研究機関、行政がそれぞれの立場で環境に対する役割と責任を自覚し、循環型社会の構築に参加していく必要がある。このため、県は環境先進県として循環型社会のモデルケースとなるよう、環境と調和したまちづくりと先進的な環境産業の育成により地域の活性化を図ることを目的にひょうごエコタウン構想を策定し、国から平成15年に承認を受けたところである。このエコタウン構想の理念の実現を我々は大いに期待しているところである。


 そこで、ひょうごエコタウン構想についてお尋ねする。


 このひょうごエコタウン構想では、県民・企業・大学など研究機関・行政が一体となって本構想を推進する組織を立ち上げ、環境と調和したまちづくりの推進を行っていくこととされている。めざすところは、循環型社会の構築や先進的な環境産業の育成により、地域の活性化を図るとなっているが、現在どのような取り組みが行われているのかお伺いする。





○(原田環境局長)  ひょうごエコタウン構想を推進するため、県が中心となり、県民・企業・大学研究機関・行政が一体となり、ひょうごエコタウン推進会議を平成15年12月に設立したところである。


 このひょうごエコタウン推進会議は、現在350の団体・個人の会員を有し、一つにはリサイクルに関する事業化支援、二つにはホームページ等を活用したリサイクル情報や廃棄物交換情報の提供、三つ目には大学研究機関と連携した調査研究事業、四つには民間企業会員を中心としたリサイクル研究会の開催などの事業展開を行っているところである。


 ひょうごエコタウン構想では、特に先進的なリサイクル技術を中心に、環境産業の育成を図ることとしており、本年度は本構想における主要施設の第1号となる廃タイヤガス化リサイクル施設を姫路市に立ち上げるとともに、ひょうごエコタウン推進会議の中に、新たに循環型社会水素エネルギーシステム研究会、バイオマス及び水の有効利用産業研究会、スラグなどの高付加価値材へのリサイクル研究会を設置し、事業の具体化に向けた検討を行っているところである。





○(水田宏 委員)  質問の2点目は、ひょうごエコタウン構想の普及啓発についてである。このひょうごエコタウン構想を推進するためには、県民・企業・行政等幅広い関係者のさらなる参画と協働が必要であると考えている。このためには、ひょうごエコタウン構想を普及啓発し、循環型社会の構築の必要性について県民等から広く理解を得ることが重要である。


 そこで県はひょうごエコタウン構想の普及啓発をどのように行っておられるのかお伺いする。





○(嵐 環境整備課長)  ひょうごエコタウン構想の普及のため、ひょうごエコタウン推進会議と連携し、循環型社会の構築に関する講演会やシンポジウム、リサイクル研究発表会を開催し、広く県民や企業に対し啓発を行っているところである。


 本年度は、10月に神戸市において、ひょうごエコタウンメッセを国際フロンティアメッセと同時に開催し、リサイクル製品や環境技術等を一堂に集めたエコプロダクツ展には、2日間で約1万5,000人の一般県民や企業関係者の参加を得る一方、姫路市においても、エコタウンフォーラムやエコタウンシンポジウムの開催、それからリサイクル施設の見学会を実施した。


 さらに、11月には、県民・企業を対象として廃蛍光灯リサイクル施設や食品リサイクル施設の見学会も実施した。


 今後、ホームページ等を活用して、リサイクル商品の紹介とその積極的な利用を呼びかけるとともに、廃棄物の発生抑制と資源循環利用に取り組む企業活動を広く紹介するなどの普及啓発活動を強化して、ひょうごエコタウン構想が目的とする循環型社会の構築の重要性について、県民等の認識を深めてまいりたいと考えている。





○(水田宏 委員)  3点目は、ひょうごエコタウン構想に位置づけられた主要なリサイクル施設の第1号として、廃タイヤガス化リサイクル施設が昨年7月に姫路市に竣工したところである。ご高承のとおり、姫路市は鉄鋼、化学を中心とした基礎素材型産業が数多く立地し、技術集積や基盤整備が進んでいるため、これら既存の生産施設や技術を活用した事業の推進を図ることは今後とも重要であると思われる。


 そこで、今後これらを活用してどのようなリサイクル施設が事業化され、ひょうごエコタウン構想を展開していかれるのかお伺いする。





○(下野健康生活部長)  ひょうごエコタウン構想の今後の展開についてであるが、ひょうごエコタウン構想は、基本的には県内各地域の企業等の持つ潜在的な能力、あるいは技術力を活用し、先進的なリサイクル産業を育成することを目的としている。阪神地域においては、パソコン等OA機器リユース・リサイクル施設が、東播磨地域においては廃プラスチック高炉還元剤化施設の計画的な整備が進められている。


 特に、姫路地区においては、既存の施設を活用して廃棄物のリサイクルを行うことができる産業が集積していることから、これらの技術や施設を活用し、一つには先ほどもご説明をしたが、廃タイヤガス化リサイクル施設、廃車スクラップ等の高度リサイクル施設をひょうごエコタウン構想の主要施設として事業化を推進することとしている。今後は、廃棄されたスプリング入りマットレスなどの適正処理困難物のリサイクルにも取り組んでいくこととしている。


 また、姫路市広畑地区においては、国から環境・リサイクル経済特区に認定されており、地元産業界、学識経験者、行政で構成する広畑臨海産業団地環境ビジネス推進会議が設置され、ゼロエミッション産業団地化に向けた調査研究等を行っている。こういった取り組みとも連携して、姫路市広畑地区が循環型社会のモデル地区となるように引き続き取り組んでまいりたいというふうに考えている。


○(水田宏 委員)  どうぞよろしくお願いする。これで質問を終わる。





○(杉尾良文 副委員長)  以上で水田委員の質疑は終わりました。


 この際、お諮りいたします。


 健康生活部・復興本部健康生活部での通告のありました質疑はすべて終了いたしました。


 ほかに通告を受けておりませんので、健康生活部・復興本部健康生活部関係の質疑を打ち切りたいと思いますが、これにご異議ございませんか。


  (異議なし)


 ご異議ないと認め、さように決します。


 この際、暫時休憩いたします。


 再開は、午後2時50分といたします。


       午後2時36分休憩


……………………………………………………


       午後2時52分再開





○(山口信行 委員長)  ただいまから予算特別委員会を再開いたします。


 これより病院局の歳出審査を行います。


 それでは、質疑に入ります。


 この際、当局に申し上げます。


 答弁は発言の趣旨を的確にとらえ、簡潔に願います。


 委員の発言は、通告に基づき、委員長より順次指名いたします。


 まず、松本隆弘委員。





○(松本隆弘 委員)  3日目にして初登場である。どうぞよろしくお願い申し上げる。質問者は4名ということで、4名しかいないというのは、病院局がしっかりと頑張っているんだと、そういう認識のもとで質問を始めたいと思う。


 まず、病院局のトップということであるから、当初予算案の編成方針についてお聞きしたいと思う。


 病院事業では、平成14年度には地方公営企業法の全部適用を行われたほか、平成15年9月には病院構造改革推進方策を策定して病院構造改革を推進されている。また、本年2月には、県立病院の基本的方向を定められ、県の医療政策等の充実と安全・安心ネットワークの拠点として県立病院の運営強化に取り組もうとされている。


 しかし、病院経営を取り巻く環境は非常に厳しい状況が続いており、病院経営の根幹をなす診療報酬改定は、全体として平成14年度にはマイナス2.7%、平成16年度にはマイナス1.0%となり、さらには医療費の自己負担割合が引き上げられた。


 そういったこともあって、平成17年度もまだ厳しい経営環境の中で病院構造改革を推進していかなければならないということだと思うが、来年度当初予算案の編成方針について、まずお伺いしたい。





○(後藤病院事業管理者)  ご指摘にあった近年の診療報酬のマイナス改定に加え、一般会計繰入金の縮減など、病院事業にとって厳しい経営環境が続いているが、平成17年度の当初予算案の編成に当たっては、財源の重点的かつ効率的な配分などによって、活力ある企業運営を行う観点から、収益の確保、費用の節減のための方策を盛り込んで、経営の効率化を図るとともに、診療機能の充実や患者サービスの向上にも意を用いたところである。


 具体的に言うと、急性期の入院医療を中心とした施設利用の推進などによって収益の確保を図るとともに、診療材料の統一による材料費の節減や業務委託の推進など民間活力も活用することなどで費用の節減を図り、収益的収支を改善していきたいと考えている。


 また、西宮病院に循環器疾患に対する診療機能を強化するために心臓用血管連続撮影装置を、加古川病院及び姫路循環器病センターに最新鋭のMRIを整備して、医療提供機能の充実を図るとともに、他の病院においてもユニバーサル社会づくりにつながるアメニティ向上のための施設整備などによって患者サービスの向上を図り、経営の改善にもつなげていきたいと考えている。


 さらに、県立新加古川病院と、県立こども病院小児救急医療センター、いずれも仮称であるが、これらの設計費に加え、麻酔科、小児科など不足しがちな特定診療科の医師確保を目的とする医師修学資金貸与制度も創設するなど、県立病院としてふさわしい高度専門・特殊医療をより充実する予算案としたところである。





○(松本隆弘 委員)  今、県が進める行財政構造改革の一環として、経営改善に努めておられるということである。そして、厳しい環境の中で一般会計からの繰入金を着実に削減をされているということも非常に高く評価したいと思っている。


 しかし、診療報酬の改定が病院経営に非常に大きな影響を及ぼすことや、医業収益に占める給与費の比率が民間病院よりも高いことなど、とても楽観できる状況ではないということも明らかであると思っている。ぜひ今後とも引き続いての経営改善に、全力で取り組んでいただきたいというふうに思う。


 次の質問であるが、そういった一方で、県立病院が患者さんに提供しているサービスについて、少し気になっている点があるので、質問させていただきたいと思う。


 経営改善という目標を達成しようとする余り、患者さんに提供するサービスの質を落としてしまっているのではないかという懸念である。幾ら経営基盤を強化するためとはいえ、患者さんに提供するサービスの質を落としたのでは話にならない。サービスの水準を落とすことで経営改善が実現されたとしても、そんなものは何の意味もないし、自慢にもならないというふうに思っている。


 私はよく県民の方から、病院の食事がまずいというか、おいしくないという話を聞く。何も入院している患者さんに霜降りの神戸牛を食べさせてあげろと、そんなことを言うつもりも全くないわけだが、当然、病院としても、それぞれの患者さんに応じた食事を提供していると、そういったことは十分に理解しているところであるが、せめて入院中においしいものが食べたいと、そんな気持ちが出るということも理解できるところである。


 今、学校においては、食育や地産地消ということで、子供たちの食事面にかなりの関心が払われているのに対し、病院ではそういう意識がちょっと低いのではないかと、そんなことを常々思っている。


 病院で提供される食事は、入院患者にとって、ちょっとした楽しみの一つである。患者サービスの向上のため、おいしい食事を出すことは時代の流れではないか、そんなふうに思う。当然、患者から徴収する食事療養費という制約条件があるわけであるが、そういった制約のもとで、各病院ともいろんな努力をされていると思う。


 そこで、県立病院において、おいしい食事の提供や県産の食材の使用について、どのように取り組んでおられるのかお伺いをする。





○(岩本経営課長)  患者給食については、医療の一環として、それぞれ患者の病状に応じて必要とされる栄養量や内容を有する食事を提供する必要があるものと考えている。


 また患者給食は、患者さんの療養環境の向上を図る上で重要な要素であることから、これまでも各病院において食事アンケート調査に基づく患者ニーズに合わせたメニューや、旬の食材を使用した季節メニューなどを提供するとともに、適時適温給食について、こども病院を除くすべての県立病院で今実施しているところである。


 また、食材については、主食である米を初め、タマネギやコマツナ、シイタケ、モヤシなどの野菜や鶏肉などについては、従来から兵庫県産を使用しており、その他の食材についても、納入業者の理解を得ながら、できる限り兵庫県産を使用するよう努力しているところであるが、納入量の安定確保だとか、価格、さらには品質にも留意する必要があるのではないかと考えている。


 今後とも、兵庫県産の食材については、引き続きその購入方法の検討も行いながら、食事アンケート調査なども活用し、患者さんに喜ばれるおいしい給食の提供に努めてまいりたいと考えている。





○(松本隆弘 委員)  ぜひ、兵庫の元気のためにも、県産の食材を使っていただきたいと思っているが、ちょっと1点、気になる点があるので、実は、価格のことであるが、当然、各病院によって違うのは当たり前だと思っているが、ちょっと聞くところによると、一般流通価格を下回るような価格で入札がされているというようなことも聞いたことがあり、いわゆる一般の競争原理とは違って、病院食であったり、学校の給食であったりするのは、やはり特に安全・安心という観点からいくと、余り安くなり過ぎると悪くなってしまう可能性があるのではないかなと、そんなふうに思うところがあるので、ぜひそういった点も気をつけて、今後やっていただきたいと思っている。よろしくお願いする。


 もう1点、患者サービスの部分で、アメニティの提供についてお聞きしたいと思う。


 入院患者さんにとって、病院は一時的とはいえ、生活の場である。もちろん患者さんにしても、我が家にいるときのような快適な環境整備を病院に求めているわけではない。だが、食事の例でもおわかりのとおり、患者ニーズが多様化する中で、やはり少しでも快適な療養環境を整備してほしいと望む声は高まっており、そのような環境を整備し、患者さんがゆったりとした気持ちで療養できる、そんな環境になれば、治療効果にも若干のプラスの影響が出てくるのではないかと、そういう思いもある。


 そこで、アメニティの提供について、病院局としてどのような取り組みを進めてこられたか、また今後どのように取り組みを進めていこうと考えておられるのか、ご所見を伺う。





○(岩本経営課長)  県立病院においては、これまでも豊かさ、快適さへの患者ニーズの高まりに対応するため、心和むアメニティ空間の創出などに取り組んできたところである。


 具体的には、患者意識調査だとか、各病院に常時設置している意見箱等に寄せられる要望なども踏まえ、病室だとかトイレの改修、平成17年度については、特にオストメイトトイレ、これの全病院の整備を今進めようとしている。患者面談室の設置だとか、屋上緑化の整備などのハード面に加え、院内禁煙の実施、絵画だとか写真の展示、観葉植物の設置など、ソフト面からも、より快適な療養環境の整備に努めてきているところである。


 また、平成17年度予算案については、これまでの取り組みに加え、新たにユニバーサル社会づくりを推進するため、誘導ブロック、多機能トイレ、案内板等の整備を行うこととし、アメニティ関連予算の充実を今図ろうとしているところである。


 今後とも、患者プライバシーに配慮した環境、清潔・安全・快適な環境などを基本的な視点として、患者や家族等のニーズも十分に踏まえながら、ハード・ソフト両面からアメニティの向上を図り、より快適な療養環境の整備に努めてまいりたいと考えている。





○(松本隆弘 委員)  経営改善とサービスという点で、非常に難しい面もあろうかと思うが、これからもまたご努力をいただきたいと思っている。


 次に、新加古川病院と成人病センターとの役割分担と連携についてお聞きをしたいと思う。


 県立加古川病院については、老朽化、狭隘化が進んでいることから、今年度に基本構想、基本計画が策定され、いよいよ仮称「県立新加古川病院」として新築されることになった。


 県立新加古川病院には、糖尿病に関する専門医療、がん医療、災害医療等の政策医療を中心に提供する医療機関として整備されるということで、特に県立成人病センターと連携したがん医療が大きく進展することを大いに期待するものである。


 ご存じのとおり、県立成人病センターにおいては、がんの診断・治療から終末期ケアまでを一貫して実施するには、医師も必要な機材も不足していると聞いている。


 県立新加古川病院ができた暁には、県立成人病センターや県立粒子線医療センター等との適切な役割分担と連携のもと、治療を待っている患者さんが速やかに、そしてレベルの高い治療を受けられるようになると思うし、本当にそうなることを願っているところである。


 そこで、がん治療において、県立新加古川病院と県立成人病センターそれぞれが果たすべき役割と、具体的にどのような連携を図っていく考えなのか、当局の見解をお伺いする。





○(高田病院局参事)  県立成人病センターにおいては、県立粒子線医療センター等と連携して、がんに対する高度な専門医療、特殊医療を提供して高い評価を得ているところである。その一方で、糖尿病とか白内障など、がん以外の疾患にも対応しているため、がんの患者さんの入院待機を多数抱えるなどの課題を有している。


 このため、県立成人病センターについては、がん以外の疾患に対する医療を他の医療機関に移管して、がん医療に純化するとともに、一層の高度化を図り、がんに対する新たな診断・治療法を開発するなど、全県の拠点病院としての役割を果たしていくことと考えている。


 また、県立新加古川病院については、県立成人病センターとの適切な役割分担のもとで、東播磨圏域における中核病院としてのがん医療に加え、移転・新築にあわせて新たに緩和ケア医療を提供する専用病棟を整備するなど、今後、両病院におけるがん医療の分担する内容などについても検討する課題と考えている。


 さらに、患者の症状に応じた相互の紹介や、両病院の医師の一体的な診療体制の活用など、連携の強化を図り、限られた医療資源を有効に活用し、県民に対して、より一層高度に専門化したがん医療を提供していきたいと考えている。





○(松本隆弘 委員)  将来は病気で亡くなる人の大半ががんだということも言われておるようであり、実は、成人病センターが私の地元、明石であるので、本当に要望が多い。たくさん入ってきて、そういった意味で、ぜひ連携というのを本当に大事に、これからなってくるんだろうなというふうに思うので、ぜひよろしくお願いしたいと思う。


 最後に、セカンド・オピニオン制度についてお聞きをしたいと思う。


 主治医の治療方針について、患者が他の病院の医師に客観的な意見を求めるセカンド・オピニオンは米国で生まれた考え方であり、米国ではインフォームド・コンセントと一体となり、広く普及している制度である。


 県内の病院においても、セカンド・オピニオンを行う専門窓口の設置が進みつつある。既に、宝塚市立病院や姫路医療センターなどがセカンド・オピニオンの外来を設置をしているし、宝塚市立病院では昨年8月の開設以来、10人の利用があったと報じられたところである。


 2005年度からは、災害医療センターを除く県立病院でセカンド・オピニオンの窓口を設置する予定であるし、神戸市立病院でも専門窓口を設置すると聞いている。


 私は、地域住民にとって、やはり県立病院が本当に頼りになる、信頼できる病院であってほしい、そういうふうに考えている。医療に係る情報開示が進み、医師に対する信頼が揺らぎつつある今日、セカンド・オピニオン制度が広まり、患者が他の医師の意見をあわせて聞けることで、治療方針に対する不安感が随分和らぐのではないかと思う。また、医師にとっても、自分の診断が正しいかどうか、他の医師から評価されることで、医師自身の意識改革がなされ、その結果、医師の資質向上にもつながるのではないかと考えている。


 ただ、日本においてもセカンド・オピニオンに対する認知度が高まっているのは事実であるが、しかし依然として、患者の主治医に対する遠慮があったり、主治医にとっても反対意見を言われたくない、患者が減ることを恐れた医者が患者の便宜を図らないという事態が生じてしまうのではないかという部分を危惧をしているところである。


 そこで、来年度からいよいよセカンド・オピニオン制度を実施するに当たり、こうした問題点があることを踏まえ、具体的にどのような考え方で実施していこうとされておらされるのか、ご所見をお伺いする。





○(中島病院局長)  セカンド・オピニオンは、医療技術が進歩し、治療法がますます多様化する中で、患者本位の医療の実現をめざすものである。別の言い方で申し上げると、患者が医師との信頼関係のもとで、納得してみずからの治療法等を選択するための判断材料を得るものとして大変重要なものであると認識している。


 このため、県立病院のセカンド・オピニオン制度では、患者さんに提供した意見の内容を原則として主治医にも報告し、また患者さんには意見の内容を踏まえて、主治医と十分に相談の上、みずから治療法等を選択していただくことにしている。


 一方、県立病院を受診している患者さんがセカンド・オピニオンを希望された場合には、信頼できる専門医を紹介し、紹介状を交付するとともに、病状や検査結果などの診療情報を紹介先の専門医に提供することとしているところである。


 このように、セカンド・オピニオンは、委員ご指摘のような医師の意識改革や資質の向上などが期待される。さらに、医療過誤の未然防止、診療情報の開示の促進などにも資することが期待される。こうしたことから、セカンド・オピニオンの趣旨が患者や他の医療機関に十分理解されるよう、制度の周知を積極的に行ってまいりたいと考えている。そして、セカンド・オピニオンが広く県民に活用される環境を県立病院が率先して提供していきたいと、このように考えている。





○(松本隆弘 委員)  私はやはり県立病院というのは、地域医療において民間病院も含め、また市町立の病院も含めて、いつの時代であっても、リーダーというのか、先導的な立場でこれからもしっかりとやっていただきたいという思いもあるし、例えばこのセカンド・オピニオンの制度についてもそういうネットワークづくりをきちっと県が支援をするというのか、推進をしていただきたいなと、そんなふうに思っている。ぜひ、今後とも県民に信頼される県立病院づくりにご尽力をいただきたいとお願いして、質問を終わる。





○(山口信行 委員長)  以上で松本隆弘委員の質疑は終わりました。


 次に、加藤委員。





○(加藤康之 委員)  まず最初に、県立病院の新築・改築の基本的な考え方についてお尋ねする。


 県立加古川病院については施設の老朽化、狭隘化が進んでおり、疾病構造や住民ニーズの変化に十分対応できない状態にあるとともに、県立病院の基本的方向に基づき、政策医療を中心に提供していくことが求められているため、県立病院間の役割分担、機能連携を前提に、糖尿病を初め、がん、心疾患、脳血管疾患等の生活習慣病に対する専門医療や緩和医療、3次救急医療などを提供する病院として、平成17年度から県立新加古川病院として整備されることとなっている。


 一方、他の県立病院についても、主たる建物で、塚口病院が築後31年を経過し、淡路病院が築後26年を経過するなど、竣工後かなりの年月を経過した病院があり、県立加古川病院と同様、竣工後の疾病構造の変化や、車社会の発展等に伴う住民ニーズの変化等に十分対応し切れていない病院があることも考えられる。


 本県の財政状況が大変厳しいものであることは十分に承知しているものの、住民ニーズに的確にこたえ、県立病院に求められる役割を果たしていくためには、老朽化した病院は適切な時期に新築・改築していくことが必要であると考えるものである。


 そこで、このような県立病院の更新について、住民ニーズ等を踏まえながら、その必要性をどのように判断し、新築・改築を行っていくのか、ご所見をお伺いする。





○(後藤病院事業管理者)  県立病院の新築については最近整備された粒子線医療センターや災害医療センターを例にとるまでもなく、医療の進歩や疾病構造などの変化などに対応し得る医療機能の確保などを目的として知事部局において計画決定がなされ、病院局も蓄積してきたノウハウを提供するなどにより協力してまいった。


 一方、加古川病院のように病院局が管理運営している既存県立病院の改築・改修等については、39年という法定耐用年数を基本として、施設の老朽化の程度を判断するとともに、それまでの改修の際に借り入れた企業債の未償還残高であるとか、特に経営状況を勘案して、適宜実施し、あわせて医療機能の充実、患者ニーズへの適切な対応を行っていきたいと、そのように考えている。


 今後は、本年2月に県において策定された県立病院の基本的方向の実現に向けて必要とされる改修などを実施していくこととなる。


 いずれにしても、県立病院の新築・改築などには多額の資金を必要とするので、知事部局とも十分協議し、できるだけ計画的に進めていきたいと考えているので、今後とものご支援、ご協力をお願い申し上げる。





○(加藤康之 委員)  確かに、おっしゃるように、病院という施設は、多額の金を要するところだと思う。建物も、中身の問題も含めて。しかし、計画的にぜひお願いをしたいというふうに思う。


 次に、高額医療機器の整備に係る基本的な考え方についてお尋ねする。


 良質な医療を効果的かつ効率的に提供し、県民ニーズにこたえつつ県立病院としての役割を適切に果たしていくためには、老朽化した病院施設を更新するとともに、機材面においても、最新の高度先進医療に対応できる先端医療機器を整備していくことが重要である。


 そのため、平成17年度予算においても、磁気共鳴コンピューター断層撮影装置――MRIを加古川病院及び姫路循環器病センターに配備する経費、血管連続撮影装置――アンギオを西宮病院に配備する経費、合わせて約6億円が計上されているところである。


 こうした1億円以上の高額医療機器は、1台当たりの価格が高額であるため、予算の平準化が難しいことは理解できるが、最近3年間の主な高額医療機器の整備実績を見ると、平成14年度が約6億円、平成15年度が約13億円、平成16年度が約12億円と、年度間でかなりばらつきがあるように思われる。県立病院の収支の均衡を保ちつつ、最新の高額医療機器を整備していくためには、将来的な展望のもとに、計画的に整備することが必要であると考える。


 そこで、こうした高額医療機器の整備について、どのような考えのもとに取り組まれているのか、基本的な考え方をお伺いするとともに、どのような整備・更新計画を持たれているのかお伺いする。





○(岩本経営課長)  高額医療機器の整備については、疾病構造の変化や県民の医療ニーズの高度化、多様化、また医療技術の進歩などに対応し、県立病院に求められる診療機能を十分発揮することを基本的な考え方として計画的に行ってきたところである。


 このような考え方のもと、従来から1,000万円以上の医療機器を対象に高額医療機器整備3ヶ年計画を策定し、県立病院が地域の中核病院や専門病院としての役割を果たすため、老朽化している機器を優先的に整備するとともに、高度専門医療に対応した新規の医療機器等も計画的に整備してきたところである。


 今後の整備については、県立病院の基本的方向に示された各病院の診療機能に適合するように、さらには、本年度策定する新中期経営計画とも連動させ、各病院の経営状況も勘案の上、中期、20年度までの4ヶ年計画を早期に策定し、高額医療機器の計画的な整備に努めてまいりたいと考えている。





○(加藤康之 委員)  確かに、新たな病気が発見をされたりということで、治療機器についても技術開発というものが急速な進歩ということがあって、次々に新しいものばかりを買うというわけにいかないと思うので、そうした点は、専門的な知識をもとにしっかりとした計画を立てていただきたい、このように思うのでよろしくお願いする。


 次に、県立病院における医師の確保についてお尋ねする。


 午前中の丸上委員の質問でも、小児科医師や産婦人科医師の不足というのは特に郡部において顕著であると。我が会派の中村議員もそうした地域から出ており、この点については特に力を入れて言うてくださいと、こういうことであったので、力を入れてお聞きをしたいと思う。


 平成16年度から新医師臨床研修制度が実施されている。この制度は、医師が将来専門とする分野にかかわらず、一般的な診療において頻繁にかかわる負傷、疾病に適切に対応できるよう、一時的な救急処置や日常的に見られる疾病の治療などの初期治療、すなわちプライマリーケアの基本的な診療能力を身につけることなどを目的とするもので、国家試験に合格した新人医師に研修プログラムを有する医療機関での2年間の研修を義務づけるものである。


 近年、医療分野においては、診療科目の専門化が進み、それぞれの医師が専門の診療科目に特化する傾向が指摘され、医師でありながら適切なプライマリーケアを施せないという事態も懸念されるところであり、このようなプライマリーケアの習得をめざす制度が設けられたことは望ましいことであると考える。


 また、この制度においては、小児科が必修科目とされており、近年問題とされている小児科医不足の解消にも役立つことを期待するものである。


 一方、従来、国家試験に合格し、大学を卒業した後も、大学病院で研究・診療を続けていた若手医師にもこの制度が適用され、2年間の研修が義務づけられるようになったことから、卒業後、大学病院を離れ、各地の医療機関で研修を受ける新人医師が出るようになった。


 その結果、まず大学病院において医師不足が生じ、大学から各地の病院に派遣されていた医師が、大学病院に呼び戻されるという動きが全国的に見られるようになった。


 さらに、医科大学、医学部の定員が減少傾向にあるということもあり、医師不足に陥る病院が各地であらわれるようになってきた。


 全国自治体病院協議会が昨年行った調査では、全体の43%の病院が医師不足を訴え、特に小児科や産婦人科では診療休止に追い込まれる病院もあるということである。


 本県においては、以前から人口10万人当たりの医師数が全国平均を下回っているところであり、県立病院、とりわけ若手医師の勤務希望が少ない都市部以外の病院にあっては、十分な医師を確保することに困難なものがあると思われる。


 そこで、都市部以外にあるものを含め、すべての県立病院において十分な医師を確保するため、どのように取り組まれているのかお伺いする。





○(岡本病院局管理課長)  全国的に医師不足と言われている状況の中で、絶対数自体が不足している麻酔、病理、放射線等、特殊医療の分野を担当する医師については、特定大学の医局にとらわれず、広く公募を行うこと等により、人材の確保に努めてきたところである。


 一方、その他の分野の医師については、県立病院が高度専門・特殊医療を中心とした政策医療を担い、地域の中核的な医療機関として重要な役割を果たしているという基本的な部分について大学のご理解をいただいていることもあり、都市部以外に設置している県立病院も含め、必要とする人材については、関係大学の医局を通じて、おおむね確保できている状況にある。


 しかしながら、新臨床研修制度の導入に伴い、近い将来には、従来のように、大学医局から医師人材が安定的に供給されるということが期待できない状況に至るものと見込まれることから、県立病院においても一体となって魅力の高い研修プログラムを提供すること等により、全国から優秀な人材の確保に努めるとともに、臨床研修修了後に、引き続き安定した身分のもとで、より高度で専門的な研修を受けることができる専攻医制度を創設するなど、優秀な若手医師の養成・定着を図っているところである。


 また、これらの取り組みに加えて、来年度県下の公立病院の管理・運営責任者で組織する協議会を立ち上げ、関係病院等とも緊密に連携を図りつつ、医師の適正配置、人事交流等について検討を行うことにより、臨床研修必修化等に伴う医局による医師の引き上げ等の動きにも適切に対応してまいりたいと、このように考えているところである。





○(加藤康之 委員)  本当に医者の養成というのは時間がかかるし、特に特定の分野というのは、より専門的な知識が求められるということでもあり、養成に時間がかかると思うし、確保も難しいと思うが、ぜひご努力をお願いしたいというふうに思う。


 次に、感染性廃棄物の適正処理についてお尋ねする。


 私は幼少のころ、予防接種という名前で記憶しているが、小学生のころは、保健室の前の廊下で列をつくって並びながら、腕をまくり、迫り来る注射の痛さに備えていたのを覚えている。


 また、風邪をひいたとき、母親に連れられていった近所の医院では、熱をはかられ、聴診器を当てられた後は、必ず、決まって注射を打たれた。注射の前にアルコールに浸したガーゼで腕を拭かれるときのひんやりとした感触と、注射の痛さは今でもよく覚えている。そのころのお医者さんは、消毒液の入ったガラスの容器から注射器を取り出し、薬品を注入し、注射をし、終わった後は針のついた注射器をもとのガラス容器に戻していた。


 近年、肝炎、エイズなどの感染症の危険性が強く認識されるようになって、私の記憶にあるこのような光景は過去のものとなったようである。現在では、注射針は1度限りの使用で廃棄処分されるようになっている。


 院内感染の問題等、病院における安全確保への要請が高まる中、昔のように注射針を使い回すなどもってのほかで、安全確保の徹底に努めていただきたいところであるが、他方、こうした形で処分される感染性廃棄物が増加しているのではないかと案じるものである。


 新聞紙上では、感染性廃棄物が一般廃棄物と一緒に捨てられていたり、山中に不法投棄されていたりするといった記事も、時折見かけるところである。危険な感染性廃棄物は、定められた手続に従って、適正に処分する必要がある。例えば、注射針を捨てる際にも、針が突き出るようなごみ袋でなく、きちんとした容器に密閉して、廃棄物を運送・処分する人にも危害を及ぼさないよう、安全を期さなければならない。


 そこで、県立病院において日々発生している感染性廃棄物について、廃棄分の運搬過程を含め、発生から最終処分に至るまで、全行程での安全確保を図りながら、どのように適正処理が行われているのかお伺いする。





○(岩本経営課長)  県立病院における感染性廃棄物の処理については、平成16年3月に改正された廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアルに基づき、各病院において管理規程を定めている。


 この管理規程においては、各病院の副院長を特別管理責任者、病棟看護長などを取扱責任者とすることで、管理体制の明確化を図り、廃棄物の分別、収集、運搬を適正に処理をしているところである。


 具体的には、感染の原因となる血液の付着したガーゼや注射器などの鋭利なもの、また手術室、救急外来室及び検査室等において、治療や検査に使用されたものについては、感染を防止するために専用容器に入れ、所定の場所に集積・保管するなど、職員ばかりでなく、搬出する業者にも細心の注意を払っているところである。


 また、その後の感染性廃棄物の処理についても、最終処分を行った場所の住所地及び処分が終了した年月日を記載した産業廃棄物管理表、いわゆるマニフェストの提出を処分業者から受け、最終処分に至るまでどのような過程で適正に処理しているか確認している。





○(加藤康之 委員)  特に、感染性の廃棄物については、今おっしゃったような手続できちっと、すべての人に徹底していただくように、よろしくお願いしたいと思う。


 最後に、病院経営の安定確保についてお尋ねする。


 県立病院については、昭和54年度以降赤字経営が続いており、平成7年度から11年度までの5年間は当期純損益が30億円前後の赤字で推移していたが、中期計画を策定した平成12年度は22億円の赤字、平成13年度は12億円の赤字と、経営状況は改善傾向にあった。


 しかしながら、平成14年度には、診療報酬本体が初めてマイナス改定となったこと等により、当期純損益が26億円の赤字となり、平成15年度においても一般会計からの繰入金の減少などもあって、当期純損益が26億円の赤字となったところである。


 病院別に見ても、平成15年度決算の純損益において黒字を計上しているのは、尼崎病院、成人病センター、姫路循環器病センターの3病院で、他の七つの県立病院は、軒並み赤字決算となっている。


 県立病院には、先端高度医療の提供等、年々高度化・複雑化する県民ニーズに的確にこたえていくことが求められており、単に黒字決算となればよいというものではないが、県民の求める良質な医療を安定的に提供していくためには、経営改善に取り組み、経営基盤を確立する必要がある。


 県立病院への入院・外来患者数の状況を見ると、平成15年度は合わせて約300万人で、平成11年度の約330万人と比べ、10%近く減少している。


 こうしたことも、県立病院の経営状況を悪化させる一つの要因であると考えられ、その原因を分析した上、より多くの県民に利用していただけるように努める必要があると考えるものである。


 このような状況のもと、県においては、本年2月に、病院事業の進むべき方向や、各県立病院が提供すべき医療内容を明らかにする県立病院の基本的方向を取りまとめられ、県の政策医療などを充実するとともに、安全・安心ネットワークの拠点としての運営を強化することとされた。そして、その一環として、自立した経営の確保を図ることとされている。


 そこで、県立病院の経営状況を改善し、安定的な経営を確保するため、今後どのように取り組まれるのか、ご所見をお伺いする。





○(中島病院局長)  県立病院の運営については、これまでから医療法の改正や診療報酬の改定等に対応し、急性期型病院として、他の医療機関との機能分担を図りつつ、紹介率の向上や平均在院日数の短縮に努めてきたところである。しかし、このことは入院及び外来患者数の減少につながり、病院経営上はマイナスとなる側面を有するものであった。


 しかしながら、今後の医療制度改革の動向を見据えると、急性期型病院として、これまで取り組んできた平均在院日数の短縮等は、なお推進する必要があるものと認識しており、このことは、病院経営面において大きな影響があると見込んでいる。


 このため、中長期的な視点から計画的な経営を推進することを目的として、本年度新中期経営計画を策定することとしている。この新中期経営計画に沿い、急性期の入院医療を中心とした施設利用の推進による収益の確保を図る一方で、材料費の節減や業務委託の推進等による費用の節減を図ることなどにより、安定した病院経営の確保に努めてまいりたいと思っている。


 なお、県立病院の基本的方向の実現に向けて、平成17年度に行うこととしている各病院の必要病床数や診療科目などの見直し、さらにはそれらに伴う適切な人員配置の検討に当たっても、病院経営上の視点からの取り組みも必要であると考えている。





○(加藤康之 委員)  病院の経営というのは、特に難しいというふうに思う。私は経営した経験がないから、特にそう思うが、ぜひそうした計画に基づいて適時適切な治療が行えるように、この経営の状況もしっかりとやっていただきたいと申し上げて、私の質問を終わる。





○(山口信行 委員長)  以上で加藤委員の質疑は終わりました。


 次に、佃 委員。





○(佃助三 委員)  17年度当初予算では、仮称「県立新加古川病院」の整備ということで関連予算を提案していただき、地元議員として、感謝を申し上げたいと思う。


 加古川市を含む東播磨・北播磨地域では、長年にわたり救命救急センターの整備を訴えてきたが、医療審議会の答申を踏まえて、このたびようやく新加古川病院に併設して救命救急センターを整備し、東播磨・北播磨地域における3次救急医療を提供することとなり、非常に地元では、地元関係者を含めて新しいこの加古川病院に非常に大きな期待を寄せているところである。


 そういった県民の期待にこたえるべく、まず加古川病院の移転・新築整備に関連する諸課題について質問する。


 最初は、この新病院整備の後の地域医療の確保についてである。


 県立加古川病院は、総合型県立病院として、この東播磨圏域における地域の中核的な機能を担ってきたと認識しているが、このたび策定された県立病院の基本的方向では、東播磨圏域が病床過剰地域である、こういったことも勘案されて、新病院は、先ほどからもいろいろ質問にもお答えになっていたように、3次救急医療、また生活習慣病に対する急性期医療、緩和医療等の政策医療を中心に提供する病院として整備されると伺っている。


 この新しい方向を見ると、新病院整備後は、地域医療の後退するのではないか、こういうような懸念をいたすところであり、十分な地域医療の確保が必要不可欠であろうと、こう思うわけで、加古川病院が担う今後の地域医療についてお伺いする。





○(後藤病院事業管理者)  現在の県立加古川病院は、東播磨圏域において、糖尿病に関する専門医療やがん医療、リハビリテーション医療等の政策医療を提供をするほか、地域の中核的な医療機関の一つとして、一般医療も提供してきた。


 一方、県下の状況では、東播磨地域の3次救急医療を初め、糖尿病等の内分泌・代謝性疾患に対する全県の拠点的な機能や、近年脅威となっているSARSなど、新興感染症に対する医療等、政策医療に対する提供体制が十分ではない分野があることから、このたびの新築整備に当たっては、こうした機能を中心に担う医療機関として整備することとしたところである。


 しかしながら、新病院においても、専門医療を補完する一般医療についても、充実・継続することとしており、他の東播磨圏域における中核となる医療機関とともに、地域医療の確保にも引き続き貢献していきたいと考えている。


 幸い東播磨圏域には、中核となる市民病院や、その他民間医療機関も多く立地しているだけではなく、保健医療計画上の基準病床数5,812床に対して既存病床数が6,350床と538床の過剰となっていることでもあり、新病院の整備が地域医療へ与える影響はそれほど大きいものではないと認識しているところである。





○(佃助三 委員)  東播磨圏域、今もおっしゃったとおり、病床過剰地域、これは存じているわけだが、そうは言っても、やはり県立病院の地域医療に果たす役割は非常に大きいと思う。そういうことで、さらにこの点、十分にご留意いただき、ひとつお願いしておきたいと思う。


 次に、この病院の跡地利用についてである。


 現在の加古川病院は、市街地の非常に交通条件のよい場所に立地している。平成21年度の移転後の、この跡地利用、これが非常に地元では今、新たな関心が集まっているということである。


 加古川病院が移転する今度の場所は、加古川市の北部地域であり、そこには、旧の国立病院を引き継いだ甲南病院、そして民間の幸生病院、こういった病院が立地している。そういう意味で、北部地域において、新加古川病院の立地、これは非常にありがたい、そしてまた大規模病院がこういうふうに集中してるということであるが、その一方、今度、現在ある県立病院が、今、加古川市の中心部にあり、そこの中心部からこのような大規模の病院がなくなる。こうなれば、加古川の中心市街地に今いらっしゃる方々が非常に懸念されていることは、これ医療過疎にならないか、こういうふうな懸念の声が聞かれるわけである。そういう意味で、現在の敷地に新たな病院の誘致とまではいかないが、それに必要な一つの医療ゾーン施設、こういうこともいろいろな方々からのご意見がある。


 いずれにしても、加古川病院の跡地利用について、どのように考えているのか、また移転後の速やかな段階での跡地利用を視野に入れて、ひとつご検討を進めていただきたいと思うが、ご所見を伺いたいと思う。





○(船木企画課長)  県立加古川病院については、敷地が狭隘であり、救命救急医療、緩和医療、感染症医療などの新たな政策医療を提供するには、より広い敷地の確保が必要であるため、移転新築により新病院を整備することとしたところである。


 また、新病院の用地の取得に当たっては、企業債を財源として購入する予定としており、後年度に元金及び利息の償還が必要となるため、現在の県立加古川病院の施設を撤去の上、用地を売却し、その益金をこれに充てたいと考えている。


 一方、県立加古川病院の移転後の跡地利用については、売却の相手方と密接に関連することから、その選定に当たっては、現有地における後医療の必要性の有無等も含めて検討していく必要があると認識している。


 このため、新病院が供用を開始する平成21年度以降、可能な限り早期に跡地利用が図られるよう、地域における医療提供体制の状況を踏まえるとともに、医師会等の関係機関との調整も図りながら慎重に検討してまいりたいと考えている。





○(佃助三 委員)  今、ご答弁あったが、企業債等も使われる、それ以外に用地売却という方針もなされるわけだが、その跡地の選定等、そしてまた今も申し上げた市街地のところでの一つの医療的な件も、よくひとつ踏んでいただき、これも地元住民にとっては非常に大きな問題にしているので、その点ひとつよろしくお願い申し上げたいと思う。


 次に、地元医療関係機関等との調整についてであるが、私は、このたびの移転に際して、医療関係機関等との調整、今もお話あったように、特に留意される必要があろうと、こう考えている。


 そういう意味で、地元加古川市においては、加古川病院の移転については、現在よりも中心部から遠方になって、少し、あるところにおいては不便もあるとか、総合的に見れば、これは大きなプラスだと、こういうふうに歓迎しているわけである。その一方で、移転に伴って市内の医療機関の配置がアンバランスになるんではないかという、こういう懸念もある。そういうことに加えて、国立病院の統廃合で、旧の国立加古川病院がなくなりそうになったときに、甲南病院がこの後を引き継いだと、こういう経緯がある。このたびの移転先は、その甲南病院の近くになり、結果的に大規模の病院が集積する北部地域の過当競争にまでならないかどうかわからないが、そういう懸念もあるわけである。そういう状況もあるということをひとつ置いていただき、また一方、加古川市加古郡医師会においては、この新病院の高度医療に期待を寄せる、そしてまた既存のそういう医療機関と競合するのではなく、うまく連携することの必要性を指摘をされている。


 そこで、県民のための医療を確保するためにも、病院移転に当たって、どうか地元医療関係機関との連携、特にこういう点については意を用いていただきたい。そういう意味から、現在の調整状況、どういうふうになっているのか、また今後の取り組みもあわせてお伺いしたい。





○(船木企画課長)  新病院の整備に当たって、地域の医療機関等との十分な調整を行うことは、新病院が他の医療機関との適切な役割分担や連携により医療を提供する上で、重要なことであると認識している。


 このため、県立加古川病院の提供すべき医療内容についても記載した県立病院の基本的方向の策定に際して、医師会を初め関係団体代表で構成する県立加古川病院運営懇話会や東播磨圏域健康福祉推進協議会医療部会で意見聴取を行ったほか、新病院の整備内容についても、現在までに地域の各医師会への個別説明等を行い、理解を求めてきたところである。


 また、来年度においては、東播磨地域の3次救急医療を初め、新病院が担う診療機能の整備に向け、必要な医師の確保や他の医療機関との機能分担、連携強化等について調整するため、大学や北播磨圏域を含む東播磨地域の医師会等の参加も得て、県立新加古川病院整備検討会を設置したいと考えており、今後とも、こうした場を活用しながら、新病院の開設に向け、地元医療関係機関等との調整に努めてまいりたい。





○(佃助三 委員)  今、いろいろな検討会を持っていく、こういうような方向をしていただいた。どうか、新加古川病院の開設に向けて、今もお話あったように、地元調整等、万全の体制でひとつ取り組んでいただくことを強く要望して、次の質問に移りたいと思う。


 次に、医療安全対策についてお伺いをしておきたいと思う。


 今、全国的に医療事故や医療訴訟の報道が後を絶たない状態である。県立病院での医療事故のほか、私の地元でも、何件かこういった医療事故が発生しており、県民の皆さんが医療環境は本当に大丈夫かとか、県民からも医療の安全性等を心配する声を聞くわけである。


 そういうことで、医療事故を原因とした訴訟も最近多いようであり、この2月には、淡路病院で6,100万円の損害賠償を求める訴えが提起されている。また、今定例会においても尼崎病院の医療事故に係る損害賠償調停事件に関しても3,800万円を定める件が提案されている。


 そこで、県立病院ではどのくらいの件数や請求額の訴訟を抱えているのか、またここ数年の傾向はどのようになっているのか、さらに年度当たりに支払う損害賠償の額がどれくらいになっているのかお聞かせ願いたい。





○(岩本経営課長)  県立病院の医療訴訟対応については、医学上の事実を的確に主張して裁判所の判断を仰ぐことを基本としているが、平成17年2月末現在、係属中の訴訟件数は13件である。5年前の平成11年度末における係属訴訟件数21件であったので、減少している状況にある。


 また、訴訟における賠償請求額については、現在係属中の13件の1件当たり平均額は約5,700万円であり、過去5年間に提訴された事件の1件当たりの平均約5,600万円とほぼ同額となっている。


 次に、訴訟で敗訴した場合や、訴訟に至る前に病院がみずからの過失を認めて和解する場合などにおいて、患者側に支払う損害賠償額については、過去5年間の平均であるが、単年度当たり約4,800万円という状況である。





○(佃助三 委員)  今数字をお聞きして、ちょっとびっくりしたり、多かったり少なかったり、いずれにしてもこの賠償事案が多くなるということは、非常に努力されているが、県民の病院に対する信頼喪失、こういったものにつながりかねないと思う。まず、組織を挙げて徹底した医療事故防止対策、さらに取り組んでいただくことを指摘して、次に移りたいと思う。


 県立病院で今年度から発生している、今いろいろご答弁あった医療事故を自主的に今回公表するなど、患者の信頼を得るよう努力されている。


 大企業にあっても、このごろは消費者に商品の故障を隠すことが続発するそういう事案、いわゆる企業のコンプライアンス、いわゆる法令遵守がより問われる、こういうような時代であるからこそ、病院自身がこのような基本姿勢でもって、県民の安全・安心に取り組むことは、高く評価したいと思う。


 先般、昨年10月から12月までの3ヵ月間に、県下の県立病院、先ほどもお話あった、11件の医療事故があった。そのことについては公表をされ、新聞報道もされている。


 こういう事故の公表を行い、県民に透明性を確保する、これは非常に大事である。しかし、それに加えて、今後こういった、発生した事故を教訓として、いかに事故の起こらないように、再発防止につなげるか、これが大きな課題だと思う。


 そういうことで、その観点から、今後、県立病院においては、どのような医療安全対策を取り組まれるのか、そしてまた17年度にはどのような対策強化、こういったものを考えているのかお聞きしたい。





○(中島病院局長)  過去に発生した事故等の教訓を再発防止に生かすために、従来から、各県立病院ごとに、事故事例はもとより、医療従事者が医療の過程でヒヤリとしたり、ハッとした経験事例を広く収集し、各職種のリスクマネジャーが一堂に会して、事例の原因分析や、その防止策の策定をきめ細かく行い、職員教育を徹底するなど、精力的に取り組んできたところである。


 今年度は、新たに診療部、看護部等の各職種ごとに全病院の職員が参加する病院横断的なリスク管理委員会を設置し、それぞれに各病院の事故や、ヒヤリ・ハット事例を持ち寄り、事例分析に基づく全病院共通の事故防止策の策定を行い、全病院の職員に周知徹底を図ったところである。


 さらに、17年度はこれまでの取り組みの質の向上をめざし、事故等の原因分析に際し、事例発生の背景や要因を多角的に分析する新たな手法を導入することとしている。また、各病院に配置した医療安全対策担当部長を中心として院内巡回による各医療現場の業務監査やリスク点検を実施し、その結果に基づいて対策の向上・改善を図るなどの取り組みを推進することとしている。


 今後とも、県民が安心して医療を受けることができるよう、医療安全対策の強化に努めてまいりたいと、このように考えている。





○(佃助三 委員)  いろいろと対策、そうした取り組みをされるということである。どうか、こういった事故再発防止をさらに努力していただき、それとともに今後、県民に良質な医療を提供するという基本的な目標、そしてまたそういう原点、こういったものを見失うことなく、どうか病院経営に取り組んでいただきたいことを要望しておく。


 最後に、セカンド・オピニオンについてである。先ほど松本委員からもあった。


 患者の視点に立った医療提供の一環として、患者が主治医以外の専門医から意見を聞く、いわゆるセカンド・オピニオンについてであるが、今、県立病院で、いよいよ来年度から導入すると今伺っている次第である。


 しかし、今いろいろな事案もあった。神戸市においては、既に中央市民病院において、ことしの夏には、専門窓口のセカンド・オピニオン外来を設置する、こういう状況を聞いている。一般外来にまじって受け付けているものを予約制に改めて、他の予約患者の待ち時間の短縮にも効果がある、こういうことで非常に期待されている。


 その一方、こういうオピニオン制度はあるが、料金面で、セカンド・オピニオン外来の場合、保険が適用されないということで、そこで、1時間までの料金が一律1万500円ということで、もう少し利用しやすい料金での提供が課題ではないかと思う。


 そこで、セカンド・オピニオンの導入に当たり、どのような仕組みを考えておられるのか、こういったもろもろの点も少し伺いたい。





○(船木企画課長)  県立病院では、これまでも災害医療センターを除くすべての病院において、外来診療時間帯等を活用して、セカンド・オピニオンの申し出にそれぞれ対応してきたところであるが、患者の家族への対応や費用負担の面で課題があったことから、平成17年度から県立病院全体として統一的な考え方のもとに制度化を図ることとしている。


 この制度では、患者本人のほか、本人の承諾書の提出を求めた上で家族等にも対応し、また的確なセカンド・オピニオンを提供するため、予約制により1回当たり30分程度の時間を確保し、各種学会により認定された専門医等がきめ細かく相談に応じることとしている。


 また、セカンド・オピニオンは、保険診療の対象外となることから、料金については、他府県等の例も参考にしながら、診療報酬体系に準じて自己負担として徴収することとしており、相談の内容に応じて、おおむね8,000円から1万4,000円程度になると見込んでいる。


 今後、より多くの県民の皆さんにセカンド・オピニオン制度を利用していただくため、ホームページや院内掲示などの各種広報媒体を活用して、広く周知を図りながら、豊富な症例や経験豊かな専門医を有する県立病院として、適切な対応を図ってまいりたいと考えている。





○(佃助三 委員)  いろいろ今後の対応のお話があった。どうか、県民が少しでも利用しやすい、こういったサービスに努力していただくことを要望して、私の質問を終わる。





○(山口信行 委員長)  以上で佃 委員の質疑は終わりました。


 次に、北川委員。





○(北川泰寿 委員)  本日最後の質問者となった。質問も最後になると、まさに私の通告している質問の答弁がかなり今の3人にあったので、これは困ったなと思いつつ、多少方向性を変えながら、質問をしていきたいと思う。よろしくお願いする。簡潔に、簡略に申し上げる。


 質問の1点は、感染症医療への対応についてである。


 神戸空港開港が来年2月16日、あと339日と迫り、神戸の街角では、よく「まち、人、飛び立つ神戸空港」のポスターや横断幕を見かける。


 開港当初で年間319万人、平成22年度には、年間400万人以上の旅客数が見込まれ、この地を中心に新規産業や観光産業など、大きな経済効果が期待されている。


 しかしながら、人の往来、物資の流通がふえ、関西国際空港との海上を初めとするアクセスが強化される中、日本人にとって未知の疾病や犯罪についての危険性も高まってくることを忘れてはならないと考える。


 一昨年5月に関西空港に入国した台湾人医師が、県内を含む関西各地を観光し、帰国後に新型肺炎SARSに感染していることが判明して、大騒ぎとなった事件はまだ記憶に新しいところである。


 SARSのようないわゆる新興感染症は、発症すると患者を死に至らしめる可能性が高く、県民に脅威を与えるものであるが、1類感染症患者に対応する病床は神戸市立中央市民病院の2床のみであり、県民の安全・安心を確保するためには、いささから心もとなく、さらなる診療機能の確保が必要である。


 県民は、県立病院に高度専門医療を担うことも期待しており、新興感染症のような一般の医療機関での対応が困難なところへの寄与を望んでいるとも考える。


 そこで、県民の生命に直接かかわる県立病院が、これからの新興感染症を初め感染症医療に対し、どのように対応していくのかご所見を伺いたい。





○(今井病院局参事)  県立病院においては、これまでから総合型の病院を中心にコレラ、赤痢等の2類感染症や結核に対応する専用病床を確保するとともに、エイズに対しても地域の拠点病院などとして医療提供するなど、感染症医療の確保に貢献してきたところである。


 しかしながら、このたびの中部国際空港や来年の神戸空港の開港などに見られるように、人や物の移動の高速化が進んでおり、SARSや高病原性鳥インフルエンザ等の新興感染症を初めとする感染症の流行も、短期間で、かつ広範囲に蔓延する可能性があることから、感染症対策の重要性が高まっている。


 このため、県立病院においては、県内における感染症医療の提供体制も踏まえ、県立新加古川病院の整備に際して、全県を対象とした1類感染症や東播磨圏域を対象とした2類感染症に対する専門医療を提供することとしている。


 さらには、2類感染症に対応する第2種感染症指定医療機関が指定されていない阪神南圏域について、県立尼崎病院においてその機能を担うための病床の整備をすることとしており、今後とも新興感染症を初めとする感染症の発生に的確に対応できるよう、感染症対策担当部局とも連携を図りながら、診療機能の充実に努めていくこととしている。





○(北川泰寿 委員)  ぜひ、新興感染症の対応に関しては、さらに力を入れていただき、これは本当に時間との勝負になることが多々あるかと思う。どうぞよろしくお願いしたいと思う。


 質問の2点目は、医療ミスを防ぐ医療技術の向上についてである。


 県立病院は、県民が安心して医療を受けることができるよう、医療提供体制の充実に努め、避け得ない問題でもある医療事故の防止に向け、さらに努力を重ねていく必要があると思う。


 最近の医療事故の件数は、平成14年度74件、15年度66件、そして今年度は12月末までの9ヵ月で30件という状況にあるようだが、その事故防止のために、県立病院側でさまざまな医療安全対策をとられており、本日、先ほど佃 委員の方からも質問があったが、この対策が形骸化して、形式的なものにならないよう、日々対策の有効性を点検し、さらなる改善にどん欲に取り組んでいただくことを要望しておく。


 そして、ここでは医療ミスを防ぐ観点から、医療技術向上に向けた取り組みについてお伺いする。


 一般に医師はだれでもどの医療にも当たることが許され、未熟な医師によるミスが各地で後を絶たないように聞いている。これを防ぐために、治療に当たる未熟な医師の医療技術向上を図る必要がある。


 そのためには、高い技術を持つ医師の確保が重要であり、その一環として、臨床研修制度はもとより、専攻医など若い能力のある医師をベテラン医師が育てていく仕組みも必要であると考えている。


 そこで、県立病院が高度専門医療を行いつつ、医療事故を防止していくため、県立病院の医師の医療技術向上に向けたその取り組みと今後の課題について伺う。





○(高田病院局参事)  医師の医療技術の向上についてであるが、県立病院における若手医師の教育・指導は各病院の診療科ごとに、経験年数が5ないし10年目の中堅医師が中心にこれまで行ってきたところである。


 今年度からの新医師臨床研修制度発足に伴い、尼崎、西宮、淡路、柏原の4県立病院を管理型病院とし、残る8病院を協力型病院として、県立病院全体での幅広い臨床研修が受けられるという場を設けている。研修病院では3年ないし5年目の専攻医、あるいは実務経験7年目以上の研修指導医、さらに副院長クラスの研修責任医師がそれぞれのレベルにおいて研修指導にかかわり、原則として、さらにマン・ツー・マン方式で質の高い、きめ細かな教育を行っているところである。


 さらに、今年度に採用した研修医が2年間の臨床研修を修了した後、専攻医としての採用時期を迎える平成18年度に向け、3年間の専攻医研修カリキュラムを作成する中において、総合型と専門型の病院が協力をし合い、県立病院にふさわしい優秀な医師を育成していきたいと考えている。


 また、専攻医修了の後は、学会認定指導医などの指導・監督のもとに、さらなる研さんを積み重ねるとともに、内外において評価が確立している学会が認定する専門医の資格が取得できるように、医療技術の向上に不断の努力を続けていくところである。


 医療技術の向上に向けた課題としては、今後とも、これまでの取り組みに創意工夫を加えながら、充実強化を図っていくとともに、より高度な専門知識や技術が修得できるよう、国内外における各種学会への参加機会の拡大や、長期の海外留学制度の充実などを検討するなど、県民により信頼される優秀な医師の育成に努めてまいりたいと考えている。





○(北川泰寿 委員)  ぜひ、医療技術の向上に向けては、そのまま取り組んでいただきたいと思うが、ただ1点、先ほど健康生活の方でもあったが、この研修医制度によってベテランの医師がとられるようなこともあるというのを聞いているし、また、この研修医制度によって医療技術向上が図られた医師を十分また都市部において、まだ人数がそろっている医師のみならず、僻地の方にもいろいろと目を向けて取り組んでいただきたいということも要望して、次の質問に入る。


 3点目は、医師を初めとするスタッフの意欲向上策についてである。


 先ほどの医療事故防止のための技術向上もそうだが、県民に対し、適切な医療を提供するためには、優秀な医師を安定的に確保し、何よりその医師を初めとするスタッフが意欲を持って医療に当たれるように環境を整える必要がある。


 素人考えで、乱暴な言い方になるが、信賞必罰、医療技術の高い医師とミスをする医師、未熟な医師や工夫・努力をしない医師との間に、報酬の格差といったものを大きくつければよいとも考えるが、現在の病院局においてその実施は現実的に困難とは思われるので、将来への検討課題としてとどめていただければと思う。


 また、医師の方々もこのような単純な動機だけで医療に臨まれるわけもなく、その使命感ややりがい、自己実現など、さまざまなことで自己研さんされ医療現場の激務に臨まれていることと思う。


 県立病院において、高度専門医療の期待にこたえる地域の中核病院として、全国的に不足している小児科医、麻酔医、救急医、病理医など診断・治療に重要な役割を担う医師の安定的な確保のため、医師らがその職務への意欲を向上し続けられるような取り組みが重要になってくると思う。


 また、患者本位の医療を進めるため、医師のみならず、看護師や臨床検査技師などが互いに連携するチーム医療が一般的となっており、医療スタッフ全体が意欲を持って取り組むことが望まれる。


 そこで、県立病院における医師を初めとしたスタッフの意欲向上策の現状と今後の取り組みについて伺いたい。





○(岡本病院局管理課長)  医師を初めとした病院の医療技術職員にとっては、最新の医療技術や情報を身につけつつ、最良と判断される医療を患者様に提供していくということが使命感ややりがいの充足、自己実現といったことに直接つながることから、これまでからできるだけ多くの研修機会の確保等に努めるとともに、最新医療機器の導入等による職務環境の充実などを図ってきたところである。


 また、大学等での長期研修や先進的な取り組みを行う民間病院等での研修を整備する等、研修制度の一層の充実を図るとともに、平素からの研究成果を発表する場として県立病院学会を開催するなど、職員の自己研さんを積極的に支援をしてきたところである。


 さらに、業務に功績があった職員に対しては、特別昇給制度や各種表彰制度等を積極的に活用するとともに、研究や研修にかかる経費や最新医療機器等の購入経費についても、病院ごとの経営成績や経営改善の成果に応じて予算配分を行うなど、成果に対する評価を適切に行っているところである。


 今後とも、最先端の医療技術の習得ができるよう国内外の学会等への出席機会の一層の拡大を図るとともに、病院運営への参画意識の向上を促すために、病院の各種委員会委員への一般職員の登用や、医療技術職の病院幹部への登用の拡大を図るなど、職員のさらなる意欲向上に努めてまいりたいと、このように考えている。





○(北川泰寿 委員)  ぜひ取り組みをお願いする。


 4点目は、地域医療連携の推進についてである。


 先ほど、佃 委員の方からも、加古川病院を例に挙げられていたので、私の地元の県立西宮病院の例をとりながら、地域医療連携室についてお伺いしたいと思う。


 今、私申したように、県立西宮病院を初め、県の総合型病院というのは、地域医療機関との間で医療連携を進め、特に以前より地域医療連携室が設置されており、かかりつけの診療所や病院から、特別の治療や検査が必要と判断された場合、紹介を受け、初期治療が終了して病状が安定次第、かかりつけ医へ逆に紹介するなど、地域医療機関との連携により継続的な医療の推進が図られているところである。


 また、尼崎病院に地域医療室が設置されてから既に20年近く経過している。この間、この取り組みを通し、地域の医療資源の有効活用や機能分担と連携に寄与しているものと思うが、県立病院の待合室の混雑などを見ていると、なお一層の推進が必要ではないかと考えるところでもある。


 そこで、県立病院における地域医療連携のこれまでの取り組みと今後の展開についてお伺いする。





○(中島病院局長)  我が国の医療制度においては、国民皆保険制度のもとで、国民がどの医療機関でも受診が可能な仕組みとなっていること、それから国民が大病院志向の傾向にあると言われる中で、県立病院においては、患者の利便性の確保、さらには医療資源の有効活用の観点、こうしたことから、地域医師会等とも連携しながら、これまでより地域における医療連携の取り組みを進めてきたところである。


 具体的には、患者紹介システムの充実や高額医療機器の有効活用、オープン病床の設置、医療技術向上のための研修の充実、そして地域の医療従事者との合同症例検討会の開催、こうしたことを実施してきたところである。


 平成16年4月からは、こうした取り組みを明確な責任体制のもとで一層推進するために、県立病院に副院長クラスの医療連携担当参事及び地域医療連携部を設置して、組織体制の充実強化を図ったところである。


 そして、この各県立病院の医療連携担当参事で構成する医療連携会議を開催して、各県立病院での取り組みに係る情報交換あるいは情報の共有といったことを図っている。また、地域ニーズに応じた地域医療連携室の受付時間の延長、地域の医療機関に対する県立病院の診療機能のPRなど、さらに実効性のある対応策の検討も進めることとしているところである。


 今後とも、地域医師会等とも連携を図りながら、地域医療連携を一層推進することにより、患者の病態に応じた効果的かつ効率的な医療の提供に努めてまいりたいと考えている。





○(北川泰寿 委員)  私も以前から地域との合同カンファレンス、それは私もちょっといろいろと地元医師会とも話をする機会があり、聞いている。ぜひ、医療の内容とかに関しても、紹介状にいろいろ書かれているので、その点に関しては改めての確認は必要ないかと思うが、改めて地域医療と県立病院との関係を強化していただくよう、改めて申し上げておく。


 最後の質問は、病院事業の地方公営企業法全部適用方式の検証についてである。


 病院事業においては、本県の医療提供体制に関する県民ニーズの変化、保健医療計画の見直し、医療をめぐる国の動きなどを背景として、平成14年2月に県立病院の担うべき医療の明確化と充実、自立した運営体制の確立、医療サービスの向上をめざして、兵庫県立病院の今後のあり方について(基本方針)を策定し、この基本方針に基づき、平成14年4月に地方公営企業法の全部適用が行われた。


 さらに、平成15年9月には、新しい県立病院像の確立に向けて、病院構造改革推進方策を定め、医療提供機能、経営手法等病院事業全般にわたり、抜本的な見直しが進められており、このたびこの推進方策の具体化を図るため、今後、病院事業及び各県立病院が取り組むべき方向を明らかにした県立病院の基本的方向が策定されたところである。


 病院構造改革を着実に推進していく上で、この基本的方向に記載されているとおり、現行の全部適用方式を検証し、県立病院としてふさわしい運営形態を検討していく必要があると考える。


 そこで、病院事業として、全部適用の実施から4年目を迎える平成17年度において、どのような視点から検証されるか、また県立病院にふさわしい運営形態としてどのようなものを想定されるのか、ぜひ後藤病院事業管理者のご所見を伺いたい。





○(後藤病院事業管理者)  病院事業においては、平成14年4月に地方公営企業法の全部適用が実施されて以降、3年を経過しようとしている現在に至るまで、経営責任の明確化と自立性の拡大を通じ、効率的な病院経営や職員の意識改革などに努め、一定の成果を上げてきたと認識しているところであるが、まだまだ満足できる状況ではない。


 そこで、平成17年度には学識経験者などの参画を求めて、病院構造改革委員会のもとに、全適検証部会を設置して、病院構造改革の基本理念である、より良質な医療の提供、安心してかかれる県立病院の実現、自立した経営の確保の推進に向けて幅広い視点から検証を行いたいと考えている。


 この検証の結果を勘案して、県立病院事業としてふさわしい運営形態についても、現行の全部適用方式の維持を初め、想定される多様な運営形態に関して、いずれがより望ましいのか、比較検討していく。


 さらに、他の公立病院等との機能分担を念頭に置いて、総合型病院と専門病院を別々に運営するメリット・デメリットについて、また個別の病院については指定管理者制度適用の是非などについても検討することになるものと考えている。


 なお、こうした検討に当たっては、県下の地域医療や政策医療がより充実される方向になるように、十分に配慮していく所存である。





○(北川泰寿 委員)  今、答弁にもあったが、自立した経営の確保、もちろんこれは県立病院とはいえど、もちろん赤字でいいというわけではないが、良質な医療の提供、これを念頭に、患者側に立った手法が一番何がいいのか、これは永遠の課題でもあるかと思う。ぜひ今後もどん欲に取り組んでいただくことを心から祈念し、質問を終わる。





○(山口信行 委員長)  以上で北川委員の質疑は終わりました。


 この際、お諮りいたします。


 病院局で通告のありました質疑はすべて終了いたしました。


 ほかに通告を受けておりませんので、病院局関係の質疑を打ち切りたいと思いますが、これにご異議ございませんか。


  (異議なし)


 ご異議ないと認め、さように決します。


 次の委員会は、明15日火曜日午前10時より開会し、産業労働部・復興本部産業労働部、労働委員会及び復興本部総括部、部外局関係の歳出審査を行います。


 本日はこれをもって閉会いたします。


        午後4時35分閉会


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