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平成17年度予算特別委員会(第2日 3月10日)




平成17年度予算特別委員会(第2日 3月10日)





平成17年度予算特別委員会





                  予算特別委員会議事順序





                                    平成17年3月10日(木)


                                    午前10時


                                    大会議室


 
  開    会


1 諸  報  告


2 付託議案審査


 (1) 歳 入 審 査


    当 局 説 明


    質    疑


3 議 事 打 切 り


4 日 程 通 告


  閉    会


……………………………………………………………………………………………………………………………


出 席 委 員


    委  員  長     山  口  信  行


    副 委 員 長     杉  尾  良  文


    理     事     石  原  修  三


       〃        丸  上     博


       〃        加  藤  康  之


       〃        松  本  よしひろ


       〃        宮  田  しずのり


    委     員     石  井  秀  武


       〃        西  野  將  俊


       〃        松  本  隆  弘


       〃        野  間  洋  志


       〃        佃     助  三


       〃        中  田  香  子


       〃        杉  本  ち さ と


       〃        北  浦  義  久


       〃        葛  西  利  延


       〃        水  田     宏


       〃        合  田  博  一


       〃        岸  口     実


       〃        北  川  泰  寿


       〃        山  本  敏  信


       〃        石  川  憲  幸


       〃        清  元  功  章


……………………………………………………………………………………………………………………………


説明のため出席した者の職氏名


    企画管理部企画調整局長兼阪神・淡路大震災復興本部企画管理部企画調整局長


                           高  井  芳  朗


    企画管理部企画調整局財政課長         竹  本  明  正


    企画管理部長兼阪神・淡路大震災復興本部企画管理部長


                           荒  川     敦


    県民政策部政策室総務課長兼阪神・淡路大震災復興本部県民政策部政策室総務課長


                           山  本  和  秀


    企画管理部企画調整局総務課長兼阪神・淡路大震災復興本部企画管理部企画調整局総務課長


                           水  田  賢  一


    企画管理部企画調整局資金管理課長       藤  田  隆  司


    企画管理部企画調整局税務課長         宗  野  義  潔


    企画管理部企画調整局税務課軽油特別調査官   村  上  周  司


    企画管理部管理局管財課長           大  上  義  民


    企画管理部管理局財産管理室長         川  中  正  登


    健康生活部生活企画局総務課長兼阪神・淡路大震災復興本部健康生活部生活企画局総務課長


                           中  西  一  人


    産業労働部産業科学局総務課長兼阪神・淡路大震災復興本部産業労働部産業科学局総務課長


                           楠  見     清


    農林水産部農政企画局総務課長兼阪神・淡路大震災復興本部農林水産部農政企画局総務課長


                           京     雅  幸


    県土整備部県土企画局総務課長兼阪神・淡路大震災復興本部県土整備部県土企画局総務課長


                           小  林  利  裕


    阪神・淡路大震災復興本部総括部復興推進課長  常  松  貞  雄


    出納事務局会計課長              川  上  志 津 夫


    教育委員会事務局財務課長           西  明  芳  和


    警察本部総務部会計課長            芝  丸  信  也


……………………………………………………………………………………………………………………………


        午前10時3分開会





○(山口信行 委員長)  ただいまから予算特別委員会を開会いたします。


 この際、ご報告申し上げます。


 去る3月4日の委員会及び理事会において決定いたしました予算特別委員会運営要領及び申し合わせ事項をお手元に配付しております。


 また、各部局における重要施策を中心とした予算の主な点の説明につきましては、お手元に配付しております重要施策説明要旨の配付をもってこれにかえますので、あわせてご了承願います。


 次に、委員会条例第14条の規定により、本日、当委員会に出席を求めた者の職氏名は、お手元に配付しております一覧表のとおりでありますので、ご了承願います。


 議事に先立ち、お諮りいたします。


 県政記者クラブ、神戸民放記者クラブ所属の神戸新聞社ほか15社より、本日から3月22日までの間、写真及びテレビの撮影等許可についての申し出がありました。


 本申し出を許可することにご異議ございませんか。


  (異議なし)


 ご異議ないと認め、さように決します。


 これより議事に入ります。


 平成17年度関係、第1号議案ないし第22号議案を一括議題といたします。


 本日は、歳入関係の審査を行います。


 この際、念のため申し上げます。


 特別会計及び公営企業会計の歳入については、それぞれ関係部局の歳出審査の際にあわせて行いますので、ご了承願います。


 これより、一般会計の歳入について、当局の説明を求めます。


 竹本財政課長。





○(竹本財政課長)  (歳入関係説明)





○(山口信行 委員長)  宗野税務課長。





○(宗野税務課長)  (税収関係説明)





○(山口信行 委員長)  以上で当局の説明は終わりました。


 これより質疑に入ります。


 この際、当局に申し上げます。


 答弁は、発言の趣旨を的確にとらえ、簡明率直に願います。


 委員の発言は、通告に基づき、委員長より順次指名をいたします。


 丸上委員。





○(丸上博 委員)  長期間にわたる集中審議がされる予算特別委員会のトップを切って質問する。


 初めは、予算編成の基本的な考え方についてお伺いをする。


 平成17年1月21日に閣議決定された「平成17年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」によると、世界経済の回復が続く中で、生産や設備投資が増加するなど、企業部門が引き続き改善することを背景に、景気回復が雇用・所得環境の改善を通じて家計部門へ波及する動きが強まり、消費は着実に増加し、これにより我が国経済は、引き続き民間需要中心の緩やかな回復を続けると見込まれている。


 一方、平成17年度の地方財政計画の規模は、対前年度比マイナス1.1%の83兆7,700億円、地方一般歳出は、引き続き経済財政運営と構造改革に関する基本方針2003、いわゆる骨太の方針2003に沿った見直し、抑制を行い、対前年度比マイナス1.2%の67兆3,200億円となっている。


 その中で、一般財源総額、地方税・地方交付税・臨時財政対策債の合計は、三位一体の改革の全体像の中で、「平成17年度、18年度の地方財政について、必要な地方交付税、地方税などの総額を確保する」とされたことから、前年度並みの53兆4,400億円が確保されたものの、各地方公共団体においては、昨年度、大幅に削減された地方交付税及び臨時財政対策債の影響がなお残っていることから、引き続き厳しい財政状況にあると言える。


 このような中、平成17年度当初予算編成にどのように取り組んだのか、基本的な考え方についてお伺いをする。





○(荒川企画管理部長)  予算編成の基本的な考え方であるが、ご指摘もあったように、中国初め世界経済、あるいは我が国の企業業績の回復により、本県経済もようやく明るい兆しが見えてきたということであり、法人関係税では増収が期待できるわけであるが、一方、地方消費税などその他の税では、引き続き低迷すると見込まれるとともに、これもご案内のとおり、今年度――平成16年度に大幅に削減された地方交付税、それからその見合いの臨時財政対策債、その影響がなおも残っていることや、減税補てん債も減少する、あるいは我が県の事情として、阪神・淡路大震災復興基金貸付金の借入期間の延長に伴い公債費が増加するといったようなこともあり、平成17年度の本県財政は、引き続き厳しい状況が見込まれたということである。


 したがって、新年度の予算編成においては、「行財政構造改革推進方策後期5か年の取組み」を基本として、行財政の全般にわたる徹底した見直しを行い、限られた財源の重点配分、経費支出の一層の効率化、こういうことを文字どおり徹底していく中で、これも大きな影響があった台風23号などの一連の風水害に係る災害復旧・災害関連事業、約280億円になる、また180億円に上る新規施策の経費を確保して、5本の柱である「安全・安心の確保」、「未来への期待」、「地域の元気と連帯」、「新しいふるさとづくり」、「参画と協働の推進」、これを柱に、「元気兵庫の創造」の実現に向けて、県政課題に取り組むこととしたのが基本的な考え方である。





○(丸上博 委員)  大変なご苦労をされたというふうに理解をする。


 次に、三位一体の改革についてお伺いをする。


 三位一体の改革の全体像については、平成16年11月26日に政府・与党合意がなされた。


 その主な内容は、1.平成17年度及び平成18年度に3兆円程度の地方向け国庫補助負担金の廃止・縮減等の改革を行うこと、2.平成18年度までに、平成16年度に所得譲与税及び税源移譲予定特例交付金として措置した額を含め、おおむね3兆円規模の税源移譲をめざすこと、3.平成17年度及び平成18年度は、地方公共団体の安定的な財政運営に必要な地方交付税などの一般財源総額を確保することである。


 この政府・与党合意を踏まえ、平成17年度地方財政対策において、平成17年度における三位一体の改革の内容が議論されたと聞いている。この三位一体の改革については、最近はよく耳にするようになったが、内容についてはなかなかわかりにくいとの感じがする。


 そこで、まず、県としての三位一体の改革の全体像の評価についてお伺いをする。





○(高井企画調整局長)  三位一体の改革についての政府・与党合意は、平成18年度までの改革の大枠を定めたものであり、ご質問にもあったように、平成17、18両年度の地方交付税等の一般財源総額の確保をめざすということが明確にうたわれた点は、私どもも評価できる点ではないかと思っているが、一方では、次に述べるような問題点があろうかと考えている。3点ほどある。


 その1は、現時点では、税源移譲の額が骨太の方針で掲げた3兆円の目標額に大きく達していないということ、また、その廃止するとした国庫補助負担金額と実際の税源移譲との額に1兆円もの大きな乖離があるということ、第2点としては、義務教育費国庫負担金を初め、多くの内容の具体化が先送りをされてしまったということ、3点には、地方側から提案もしていなかった生活保護費あるいは児童扶養手当の負担率のカットといったような、この改革の趣旨に反する動きが強いことや、国債を財源とする公共事業関係補助金などの取り扱いがはっきりしていないということ、こういったことが問題点であろうかというふうに思っているが、ただ、全体として見たときに、このたびの一連の動き、すなわち地方が真摯に議論をして、みんなで議論をして改革案をまとめて、そして、国と地方が協議の場を設けて議論した上で、国庫補助負担金の廃止、あるいはそれに伴う税源移譲の道筋がつけられたということは、そのプロセスには大きな意義があったのではないかというふうに考えているところである。





○(丸上博 委員)  それでは、県財政への影響についてお伺いする。県財政にとって具体的にどのような影響があったのか、お伺いをする。





○(竹本財政課長)  平成17年度の三位一体改革による本県財政への影響であるが、いわゆる15、16年度に行われた制度改正分も含め、税源移譲としては、所得譲与税で293億円、税源移譲予定特例交付金で277億円、合計して税源移譲として570億円と見込んでいる。


 一方、国庫補助負担金の廃止・縮減に伴う影響額としては、平成17年度制度改正分としては、国民健康保険国庫負担235億円、公営住宅家賃収入補助19億円、義務教育費国庫負担金の暫定的減額182億円など、合計で637億円と見込んでいる。先ほど申し上げた税源移譲額570億円とこの637億円の差額、約67億円であるが、これは地方交付税で措置されるものと考えている。


 また、地方の安定的な財政運営に必要な一般財源総額、地方税・地方交付税・臨時財政対策債であるが、本県としては、9,790億円、対前年度当初比2.0%の増と見込んだところである。





○(丸上博 委員)  それでは、三位一体の改革の名のもとに、地方交付税や臨時財政対策債が大幅に削減された平成16年度と異なり、平成17年度の三位一体の改革については、地方交付税等の一般財源総額が確保されることとされたことは、ある程度、評価できるのではないかと考えている。


 しかしながら、この改革を平成18年度で終わりとすることなく、引き続き平成19年度以降についても、地方の自由度を高めていくため、第二期の改革を進めていく必要があると考える。


 そこで、本県として、今後、三位一体の改革をどのように取り組んでいくのか、お伺いをする。





○(荒川企画管理部長)  三位一体改革についての今回の政府・与党合意については、先ほど高井局長からも申し上げたとおり、残された問題点もある。したがって、今後さらに、国と地方の協議の場において、引き続き十分な検討が行われなければならないというふうに考える。また、あわせて、お話しもあったように、「改革と展望の期間」が終了した平成19年度以降の第二期改革というものへの道筋を明確にしていく必要があるものと考える。


 その際に、やはり留意するべき点が幾つかあるだろうと思う。具体的に申し上げると、まず、引き続き地方が実施するべき事業については、確実に地方交付税などの地方財政措置を行うことが必要であろう。また、義務教育費国庫負担金に関する検討が行われようとしている中教審に地方の代表というものを入れる必要があるだろう。また、国民健康保険における都道府県の負担導入に当たっては、今の制度の根幹を変えないということも必要だろう。また、生活保護費負担金や児童扶養手当の単なる負担率の切り下げというのは、これは地方への単なる財政のツケ回しであり、絶対に認められない。また、公共事業関係補助金についても税源移譲するべきであろう。また、国と地方の協議機関の継続あるいは地方財政計画の策定プロセスに地方の参画等が担保されなければならないといったような留意すべき点が考えられるわけであり、今後とも、本県で設けた地方分権推進自治体代表者会議や全国知事会ともども、本来、三位一体改革というのは、地方の自由度を高める、それが本旨であるので、その本旨に向け、また、先ほど申し上げた第二期改革に向けて、世論の喚起も行いながら、国に対して粘り強く働きかけていきたいというふうに思っている。





○(丸上博 委員)  答弁にあったように、一方的に国でいくということでなくて、やはり地方分権の趣旨に沿って、国と地方が対等にこの問題に取り組んでいく、こういうことが大事だろうと思う。よろしくお願いしたいと思う。


 次に、県税収入についてお伺いをする。


 最近の本県経済についての報道を見てみると、まず、日本銀行神戸支店は、「輸出と設備投資は増加傾向を維持しているほか、公共投資が低調に推移しており、住宅投資も増勢が一服しているものの、個人消費は強弱交錯しつつ底がたく推移している」としている。こうした状況のもと、企業の生産は増加を続けており、景気は回復を続けているようである。


 また、昨年度の全国の完全失業率は2年連続で改善し、4年ぶりに4%台を回復、改善幅は、1946年の調査開始以来、最大となっている。近畿においても4年ぶりに6%を下回る状況に回復したところである。


 さらに、厚生労働省の発表によると、昨年の従業員5人以上の企業の常用労働者数は7年ぶりに増加、また、現金給与総額も、一般、パートともに増加するなどしている。


 このように景気の回復感を報じる内容を目にするところであるが、16年度の県税収入においては、2月補正で約204億円を増額補正し、現計予算額は約5,273億円となっている。


 そこで、まず、16年度の県税収入の状況についてお伺いをする。





○(宗野税務課長)  平成16年度の県税収入については、企業業績の回復基調を反映し、法人関係税が伸びた結果、委員ご指摘のとおり、当初予算額から204億円の増額補正をお願いしたところである。


 主な税目について見てみると、まず、法人関係税においては、景気回復に伴い、15年度及び16年度の企業業績の回復基調を反映して、当初予算で想定していたよりも増収となった。業種別に見ても、製造業、非製造業ともに当初予算額を上回るという状況にあり、全体として216億円の増収となると見込んでいる。


 次に、その他の税については、軽油引取税が、課税標準量の落ち込みが想定より小さかったために18億円の増収、自動車取得税が、普通車、軽自動車ともに課税台数が伸び14億円の増収となるものの、地方消費税が、消費の低迷から譲渡割が伸び悩み14億円の減収、自動車税が、登録台数の減少に加えグリーン化の影響により12億円の減収、県民税利子割も、高金利の定額郵便貯金利子の伸びが想定よりも低く10億円の減収となる見込みである。こうしたことから、その他の税全体としては12億円の減収となると見込んでいるところである。





○(丸上博 委員)  次に、来年度の当初予算における県税収入は、過去の決算額と比較すると、阪神・淡路大震災直後の平成7年度決算と同水準の額となっており、平成16年度当初予算対比で5.9%増となる5,370億円と、当初予算では2年連続の増加となり、さらに16年度2月補正後予算額をも上回るものとなっている。


 これは主に好調な企業業績を反映したものと考えるが、税収を見込むに当たっての基本的な考え方をお伺いする。





○(宗野税務課長)  平成17年度の日本経済は、政府経済見通しによれば、引き続き民需中心の緩やかな回復を続け、国内総生産の実質成長率は1.6%程度になると見込んでいる。


 県税収入の算定に当たっては、16年度決算見込み額をベースにして、このような国の経済見通し、地方財政計画を踏まえ、本県の主要法人の業績予測等も参考としながら、これに税制改正の影響額を織り込み、現時点においてできる限り的確な見込みとなるように算定したところである。


 この結果、ご指摘のような計上額となっており、企業業績は改善を続けてきているものの、景気の回復が家計部門に十分に波及しているとは言えず、その他の税を中心に県税収入を取り巻く環境は依然として厳しい状況が続くものと考えており、今後とも、景気動向に注視しつつ、的確な税収見通しと機動的な税収確保対策に努めていきたい。





○(丸上博 委員)  平成17年度当初予算案は、先ほど述べたように、2年連続の増加となり、16年度当初予算に比べ301億円、16年度2月補正後予算に比べ97億円の増収となっている。主な税目ごとの状況はどのようになっているのか、お伺いする。





○(宗野税務課長)  平成17年度当初予算額における主な税目の状況であるが、まず、法人関係税については、上場企業の17年3月期の業績が2年連続で最高益を更新することが見込まれるなど、企業業績の回復基調を反映し、製造業、非製造業ともに前年度を上回り、16年度決算見込み比109.3%となるものと見込んでいる。


 次に、その他の税については、個人県民税が、雇用環境の悪化から特別徴収分が前年度を下回るものの、普通徴収分や配当割の増加等により決算見込み比101.2%の増収、自動車税が、グリーン化税制の軽減額が減少することから同103.3%の増収、自動車取得税が、16年度に引き続き自動車販売の好調が見込まれることにより同104.1%の増収となると見込んでいる。


 これに対し、不動産取得税は前年並みとなるものの、地方消費税が、消費の低迷により譲渡割が減少することにより決算見込み比99%の減収、県民税利子割が、17年度に課税対象となる定額郵便貯金の預入額が減少するとともに金利が低下していることにより同50.9%の減収となるなど、その他の税全体としては、16年度決算見込み比98.9%と見込んでいる。





○(丸上博 委員)  平成15年度の税制改正で導入されることとされた法人事業税の外形標準課税は、税負担の公平性の確保、応益課税としての税の性格の明確化、地方分権を支える基幹税の安定化などの重要な意義を有するものであり、導入によって約7割の法人が法人事業税を負担していないという税の空洞化を是正し、努力した企業が報われる税制を確立し、受益と負担の関係を明確化して、真の地方分権の実現に資するものである。


 こうした外形標準課税は、資本金1億円を超える法人を対象に、平成16年4月1日以降に開始する事業年度から適用されることとされており、その影響が17年度税収から本格的に出てくると思うが、17年度法人事業税における外形標準課税の影響額をどの程度見込んでいるのか、お伺いをする。





○(宗野税務課長)  17年度における外形標準課税の導入による影響額の算定については、まず、県下の代表的な大法人112社については、個別アンケートを実施して試算を行い、その他の法人については、制度設計時の考え方に基づいて、その4分の1の外形基準部分が平成3年度から12年度の平均税収と同額となるように理論的に試算を行ったところである。


 この結果、資本金が1億円を超える法人を対象にした外形標準課税の導入は、平成17年度では、その導入前に比べ、全体で53億円の増収効果があると見込んでいる。





○(丸上博 委員)  次に、県民緑税についてお伺いをする。


 県では、昨年12月の「緑の保全のための税検討委員会」の最終報告書を受け、ことし1月に、緑の多様な公益的機能の保全・再生を社会全体で支え、県民総参加で取り組む仕組みとして、県民緑税の案を取りまとめて公表し、県民意見の募集を行ったところである。そして、2月には最終課税案を公表するとともに、この2月議会では県民緑税条例案を提案しているところである。


 そこで、まず、県民緑税が導入されることとなった経緯がどのようなものであったのか、お伺いをする。


○(宗野税務課長)  森林を初めとした緑は、県民生活に密接に関連した公益的機能を有している。しかしながら、社会経済環境の変化による森林の荒廃、都市化の進展等に伴い緑の喪失が進み、これまでのように森林所有者等の一部の人々の取り組みでは、緑の保全・再生は困難な状況にある。また、緑の公益的機能を十分に発揮するためには、長い時間と多くの労力が必要とされる。


 これまでの間、平成12年に課税自主権の拡充、活用についての要件緩和が図られたことを踏まえ、平成13年11月に設置した兵庫県税制研究会の中で、「森林保全のための個人県民税均等割超過課税」の検討が行われ、さらに検討を進めるべき項目とされた。


 これを受けて、平成15年11月、「緑の保全のための税検討委員会」を設置し、都市の緑の保全・再生などもあわせ、さらなる検討を進め、ご承知のとおり、昨年9月に中間報告、12月に最終報告をいただいた。


 そうした中で、昨年、一連の風水害による甚大な被害が発生したことも踏まえ、緑の保全・再生を社会全体で支える仕組みを早期に確立する必要があることから、今議会に県民緑税を提案しているところである。





○(丸上博 委員)  先ほども触れたが、県当局は、県民緑税の案の公表に際し、県民意見の募集を行ったところであるが、寄せられた意見の状況はどのようなものであり、最終課税案にどのように反映されたのか、お伺いをする。


 また、あわせて、県民緑税のように課税自主権を活用するに当たっては、県民の十分な理解が必要であると考えるが、18年度の施行までに県民への周知等を図るために、どのような取り組みを行っていこうとしているのか、お伺いをする。





○(荒川企画管理部長)  県民緑税の県案については、公表してから146件の意見が寄せられ、おおむね県案に賛同しているものが4分の3ということであった。


 中でも、税を活用した事業について、使途についてさまざまなご意見をいただいており、特に、このたびの風水害の被害を踏まえ、防災面をより強化した森づくり、間伐の充実を求めるご意見が多かったということから、急傾斜地などの森林に、間伐に組み合わせて土どめ工とか幹が太くなるような枝打ちを行う防災林整備というようなものを新たに事業として加えたところである。


 また、「税の活用の状況が結果としてわかるようにしてほしい」というご意見も多くいただいた。この点については、県民緑税の税収を一般財源とは区別をして、使途を明確にするために、県民緑基金の創設も今回あわせて条例提案しているところであるし、また、基金の状況とかそれを活用した事業展開の状況についても、今後、県のいろんな広報媒体などを通じてお示しをすることで、県民の皆様に目に見えるような工夫をしていきたいというふうに考えている。


 今後、実施を予定している18年度までの1年間、県の各種広報とか関連部局のイベントなどの機会も活用し、また、市町などともよくお話をしながら、県民緑税の内容はもとよりであるが、緑の保全・再生の重要性とか、またこの税の使途となる事業についても、県民に十分ご理解を得られるように努めていきたいと思っている。





○(丸上博 委員)  この件に関しては、私はこの趣旨は大変理解ができる。しかしながら、今日までの間、やはり県民あるいは議員に対しての説明不足の感は否めない事実であろう、このように思う。どうか、ご答弁にあったように、これから先、県民の理解をしっかり得るように、ご努力を特にお願いをしておきたい。


 次に、県債についてお伺いをする。


 平成17年度一般会計当初予算における県債発行額は、臨時財政対策債を除く実質ベースで、対前年度比102.9%増の2,116億円と、前年度に比べ約60億円増加している。


 まず、県債発行額の増加理由についてお伺いをする。





○(竹本財政課長)  17年度の一般会計で発行を予定している県債であるが、総額は臨時財政対策債を含めると2,680億円、当初と比較すると108億円ぐらい減少している。しかしながら、委員ご指摘のとおり、臨時財政対策債を除くと2,116億円と、60億円前年度より増加している。


 これは、台風第23号等一連の風水害からの早期復旧・復興事業に適切に対応していくために、その事業の財源として県債を123億円活用することとしている。それを除くと、通常事業に充当している県債としては、前年度を63億円下回る1,993億円の額に抑制をしたというふうに私どもは考えている。





○(丸上博 委員)  昨年は台風23号等一連の風水害が発生した。この災害による公共施設等に係る災害復旧・災害関連事業については、平成16年度11月補正予算に加え、国の1次補正予算を踏まえた2月補正予算と平成17年度当初予算で対応することにより、早期に復旧・復興事業を推進することとしており、この対応については高く評価しているところである。


 災害対策においては、一時に多額の財政負担が生じるため、県債の果たす役割が大きいのではないかと考えるが、そこで、災害対策における県債の役割についてお伺いをする。





○(竹本財政課長)  このたびの台風第23号等の一連の風水害に対しては、2,600億円を超える対策事業費を見込み、早急な復旧・復興を図ってきているところである。


 このような災害対策事業については、臨時に巨額な資金が必要であるので、地方財政法においても地方債を財源とすることが認められている。早急な復旧・復興のためには、その財源として県債の活用が私どもとしては不可欠ではないかと考えている。


 なお、これらの災害対策に係る県債については、地方財政措置が手厚くなされており、元利償還金の一定割合が地方交付税で措置されることとなっている。





○(丸上博 委員)  県債が災害対策としては有効であることは理解できるが、一般的に県債は借金であり、後年度負担となることに十分留意しなければならないものである。


 そこで、県債発行に当たっての基本姿勢についてお伺いをする。





○(竹本財政課長)  県債の発行に当たっては、これまでから、災害等の臨時に生ずる資金需要、また、年度間の財源調整、世代間の負担調整など、起債そのものが持つ機能に着目し、一方で、その時点時点での発行条件や交付税措置の内容なども考慮し、将来に与える財政負担、これがどのような状況になるかの影響も踏まえながら、公共施設などの財源として活用してきた。


 来年度は、県税収入も、法人関係税などでようやく明るい兆しが見えてくるものの、いまだ低い水準にとどまっており、一方で、国、地方を通じ赤字国債や臨時財政対策債など赤字地方債に大幅に依存している現状を踏まえると、その時々の政策課題に適切に対応していくためには、その財源として、相当程度、県債を活用せざるを得ないのではないかというふうに考えている。


 しかしながら、県債への過度の依存というのは、将来の財政運営に支障を来すおそれがあるから、本県では、従来から、行財政構造改革推進方策に基づき、投資的経費に一定の枠を設定しながら、適切な公債管理に努めてきているところである。


 今後とも、県税収入や地方交付税などの状況を見きわめながら、一方で、起債の持つ機能を踏まえ、発行に当たっては、その元利償還金が将来の財政運営に大きな影響を与えないよう、また、将来の財政運営の弾力性を低下させないよう十分注意していきたいと考えている。





○(丸上博 委員)  平成17年度末の一般会計起債残高は3兆1,613億円となる見込みとのことである。阪神・淡路大震災復興基金貸付金債5,867億円が償還を迎えるため、一時的に減少しているが、それを除いて考えると、平成17年度中には989億円増加する見込みである。


 この県債残高をどのように認識しているのか、お伺いをする。





○(竹本財政課長)  国、地方を通じて厳しい財政環境が続いており、本県に限らず、財政運営の財源として起債を活用してきているが、本県においては、その上に、阪神・淡路大震災や昨年の台風第23号等一連の風水害に対して、起債を財源として活用し、復旧・復興に努めてきたところである。


 この結果、本県の17年度末の一般会計の県債残高約3兆1,600億円の中には、災害に係る県債も相当額あるが、この3兆1,600億円を平成元年度の残高と比べると、約3.8倍という伸びとなっている。一方、同時期における類似府県の県債残高、この伸びを見てみると約3.9倍と、本県の場合は阪神大震災等の災害を受けているが、類似府県と比べても、ほぼ本県と同様の伸びと類似府県もなっている。


 しかしながら、だからといって、いいというものでは決してない。先ほどもご答弁したように、県債への過度の依存というものは、将来の財政運営に支障を来すおそれがあるから、今後とも、適切な公債管理のもと、起債の発行量の管理をしていかなければならないと考えている。





○(丸上博 委員)  それでは、最後に、税務運営の基本方針についてお伺いをする。


 本県の17年度の財政状況は、県税収入は堅調な法人関係税増収が期待できるものの、地方消費税等その他の税目が減収となるとともに、既に地方交付税及び臨時財政対策債では16年度の約500億円の減額の影響が残るなど、引き続き厳しい状況にあると考える。


 一方、昨年11月には、三位一体の改革の全体像が取りまとめられ、所得税から個人住民税への税源移譲が改めて明確にされるなど、地方税の重要性はますます高まっており、今後、地方税に対する県民の関心も一層高まるものと考えられるところである。


 こうしたことから、税務職員には、これまで以上に適正・公平な事務の執行と規律の保持に努め、県民に信頼される税務行政を展開することが必要と考える。


 そこで、このような厳しい情勢の中で、県財政の根幹をなす県税収入確保のため、平成17年度はどのような基本方針で税務運営を行っていくのか、お伺いをする。





○(高井企画調整局長)  平成17年度の税務運営については、ご質問にもあったように、大変厳しい財政環境の中で、県税収入の最大限の確保が最重要課題の一つであるというふうに私どもも認識しており、平成16年度に引き続き、徴収歩合の向上、収入未済額の縮減、高額・困難事案の処理等について、具体的な数値目標などを掲げた取り組みを展開していきたいと思っている。


 具体的には、まず、徴収面では、自動車税の組織的な徴収対策の強化、チーム編成等による高額・困難滞納事案の重点処理などを行う。また、課税の面では、軽油引取税で、軽油特別調査官を中心とした全県体制のもとで、新たに導入する硫黄分析装置の活用などにより、さらに不正軽油の流通防止対策の強化に努める。また、今年度から本格的な申告の始まる法人事業税の外形標準課税についても的確な調査を実施するなど、より一層、効率的・効果的な税収確保の努力を続けたい。


 また、業務執行体制の強化のためにこの4月から行う県税事務所の組織再編についても、県民の皆様に混乱が生じないよう十分な広報と円滑な事務の移行に努めるとともに、IT等を活用した効率的な事務処理の推進、自動車保有関係手続などのワンストップサービス、あるいは電子収納の早期導入に向けた努力も続けていく。


 そして、何より、県税の役割が高まる中、県民の皆様に信頼される税務行政の推進のために、すべての税務職員が従前にも増して適正・公平な事務執行に努めるとともに、県民にわかりやすい広報にも努めて、説明責任の向上に努めていきたい。





○(丸上博 委員)  それぞれご答弁もいただいた。今定例会の冒頭、井戸知事は、提案説明の中で、昨年2月に策定した「行財政構造改革推進方策後期5か年の取組み」に基づく徹底した事務事業の見直し、また、限られた財源の重点配分と経費の一層の効率化を図ると、このように述べている。非常に厳しい時代を迎え、また流動的なときである。しっかりとご努力を今後ともいただくことを特にお願いをして、質問を終わる。





○(山口信行 委員長)  以上で丸上委員の質疑は終わりました。


 次に、岸口委員。





○(岸口実 委員)  ひょうご・県民連合を代表して、歳入審査をしたいと思う。


 先ほど丸上委員の質問の内容を聞いていて、私の質問と少し重なるところがあったので、何か半分ぐらい答弁を聞いてしまったようなところもあるが、通告どおり質問をしたいと思う。


 まず、第1に、地方分権を見据えた望ましい税財源の移譲と自主財源のあり方についてお尋ねをする。


 私は、昔、学校で「3割自治」ということを習った。地方自治体の自主財源となる地方税収入が3割から4割程度しかなく、残る6割から7割の部分を国からの地方交付税交付金や国庫支出金に依存していること、また、地方公共団体の事務内容が国の事務を代行する機関委任事務が大半を占めていたからだと記憶をしている。戦後の荒廃の中からの復興期、国のめざした方向性、目的を考えると、時代にマッチした制度であり、その結果、国土の均衡ある発展がなされたわけである。


 地域の発展とともに、それぞれの地域のニーズや価値観が大きく変わり、行政改革の中から地方分権が議論され始めた。1995年に地方分権推進法、また、1999年に地方分権一括法が成立し、2000年に施行され、そして昨年の三位一体改革議論へとつながっていったわけである。


 今や機関委任事務制度が全廃をされ、自治事務と法定受託事務に分けられたところであるが、税財源の移譲は大変おくれている。地方自治体においては、それに見合う自主財源の確保、税財源の移譲はこれからの重要な課題となるわけである。地方財政の自立が求められるわけである。これからは、財政の健全化や自立に努力をした自治体と努力をしなかった自治体との差が大きく開くこととなる。


 平成17年度の歳入予算額2兆1,112億3,100万円のうち、自主財源が1兆1,634億9,800万で55.2%となっている。歳入面で見ると5割自治ということになるが、これからの地方分権を見据え、望ましい税財源の移譲と自主財源のあり方について、まずお尋ねをする。





○(荒川企画管理部長)  難しいご質問をいただいたが、国・地方の機能を見直し、今日これからの成熟社会にふさわしい分権システムをつくるためには、地方が自己決定して自己責任をとるということが不可欠であり、そのために、まず財政面での自治の確立というのは当然の前提であろうかと思う。


 このために、地方が担う事務について、例えば災害の復旧・復興に係る補助金のように、特定の地域で、また臨時・巨額に財政負担が必要になるといったものは除き、そのすべてが地方税を初めとする自主財源あるいは地方交付税で実施できるような、そういう税財政制度をつくり上げるということが原則であろうかと思う。


 こう考えると、国から地方への税源移譲に当たっては、安定的で地方ごとの偏在性が少ない地方税体系を構築するという観点に立つと、まずは、基幹税と言われている所得税から個人住民税への移譲を行うべきであろう。その上で、これは19年度以降の第二期改革ということであるが、同じく基幹税である消費税から地方消費税への移譲ということも考えていくべきだろうと思う。


 なお、こうした税源移譲を行ってもなくならない税源の偏り、偏在については、地方交付税による調整が必要であり、地方交付税の果たす財源調整機能といったものについても充実強化していくということも重要なことであると考えている。





○(岸口実 委員)  全く同感であるが、ただ、自主財源をいかにふやしていくか、その比率を上げていくかということが、私は三位一体の一番基本だと考えている。今後ともご努力をお願いしたいと思う。


 続いて、第2に、財源対策についてお尋ねをする。


 その1として、収支不足の状況と対策についてである。


 平成17年度の当初予算については、平成16年度に大幅に削減された地方交付税及び臨時財政対策債の影響がなお残っていることから、引き続き極めて厳しい財政環境にあるとのことであった。


 このような中、昨年度の台風23号を初めとする一連の風水害からの復旧・復興対策など、新たな財政ニーズに配慮する必要もあり、「行財政構造改革推進方策後期5か年の取組み」を基本に、行財政全般にわたる徹底した見直しを行うなど、予算編成に当たり、引き続きご苦労をされたと聞いている。


 そこで、17年度における収支不足がどの程度あるのか、また、それに対してどのような対策を講じたのかについてお尋ねをする。





○(竹本財政課長)  県税収入などの大幅な財政収入の増加が期待できない中においても、行財政運営が適切に行えるよう、行財政構造改革推進方策を策定したところであり、昨年度は、県議会のご理解も賜り、後期5か年の取組みを策定したところである。


 この中で、平成17年度の収支不足額を790億円と見込んでいたが、平成16年度に地方交付税や臨時財政対策債が大幅に削減された影響がなお残っていることなどから、収支不足額は790億円から990億円と200億円拡大したところである。


 このため、健全財政を維持する中で、県債の発行を行うとともに基金の活用をしたことに加え、16年度に引き続き、退職手当債の発行100億円及び企業会計からの借入金100億円という特別の財源対策を講じたところである。





○(岸口実 委員)  先ほどのご答弁にあったとおり、財源対策の内容について、実は次に質問しようと思っていたが、この企業会計からの100億円であるとか退職手当債の100億円の借り入れ、こういったことになると、それぞれの企業会計であるとかの体力の低下が懸念をされるところであるが、そこで、これらの緊急的・臨時的な財源対策の具体的な内容についてお尋ねをしたいと思う。





○(竹本財政課長)  まず、退職手当債であるが、退職手当債は地方財政法第5条、いわゆる起債というのは地方財政法第5条に規定をされているが、そこでいう起債の特例として、定数条例の改正により職員定数の削減が行われた場合に、定数削減の範囲内で、かつ勧奨退職者に支給する退職手当の財源として発行することができる特例的なものである。職員を退職させることにより節減した経費をもって償還財源に充てるとともに、将来の財政構造の健全化にも寄与するという観点から認められているものである。


 なお、16年度当初のときには100億円ということで予算に計上したが、所要額を精査するとともに発行額の抑制をし、2月補正予算においては、20億円減額し、80億円としているところである。


 また、一方、公営企業からの借り入れであるが、企業庁が所管をしている会計の中で、土地、建物などの企業資産の運用を行っている企業資産運用会計から100億円を借り入れようとするものである。これは16年度と同様である。


 しかしながら、委員ご指摘の点もあるし、また、16年度においては、法人関係税収で増加が見込まれるというふうなこともあり、平成16年度における企業会計からの借り入れ100億円は取りやめて、2月補正で減額をしたところである。17年度においては、その100億円を一般会計で借り入れようとするところである。





○(岸口実 委員)  次に、この今後の対応についてお尋ねをする。


 今回、平成16年2月に策定された「行財政構造改革推進方策後期5か年の取組み」から変動要素を加味した「今後の財政収支見通し」の試算を発表している。心配をすれば切りのないことであるが、特にこの試算の前提条件となっている経済成長率であるとか自然災害を初めとする財政ニーズなど、不安を感じるところが多くあるわけであるが、これによると、平成18年度から平成20年度までの3ヵ年での収支不足額が約1,020億円増加すると発表をされている。


 これは、地方交付税と臨時財政対策債が、平成16年度に、三位一体改革の名のもと、国の財政負担の軽減のみを目的として約500億と大幅に削減されたことによるものであると聞いている。


 「後期5か年の取組み」では、「平成18年度までに取り組むこととされている三位一体改革の動向によっては、収支不足額が拡大することも懸念されていることから、必要に応じて財政見通しの見直しを行う」としている。このことは簡単な問題ではなく、限られた時間でこれまで以上に一層の歳出削減と歳入の強化策が求められることになる。また、安易に県債に依存するということがあってはならない。


 そこで、この収支不足額をどのように認識をし、今後どのように対応していこうとするのか、お尋ねをする。





○(高井企画調整局長)  このたびの再試算は、地方交付税あるいは臨時財政対策債が三位一体改革の名のもとに大幅に削減された平成16年度の年間予算、これを基本として、これに前提となる経済成長率を内閣府の直近の試算などに置きかえ、いわば機械的に計算したものであり、ご指摘にもあったように、仮にこのまま推移すれば、18年度から20年度までの3年間で収支不足が1,020億円増加すると見込まれるとしたところである。


 しかしながら、一方で、先ほど来議論になっているような、国の三位一体改革における税源移譲の具体的な内容、あるいは地方交付税改革の動向、さらには景気変動に伴う法人関係税を初めとする県税収入の動向など、今後の推移を見きわめるべきさまざまな変動要素も想定されるところである。


 したがって、現時点で直ちに、昨年の2月に取りまとめた推進方策の再度の見直しを行うというところまでは至っていないというふうに考えてはいるが、今後とも、行財政運営を取り巻く諸条件の推移を注意深く見守りながら、引き続き限られた財源の重点配分と経費支出の一層の効率化に努め、財政の健全性の確保を図っていきたい。


 また、ご指摘の県債についても、発行条件あるいは交付税措置の内容といったものを勘案しながら、将来に及ぼす影響を踏まえつつ、節度を持った活用に留意していきたいと考えている。





○(岸口実 委員)  よろしくお願いしたいと思う。


 次に、基金についてお尋ねをする。


 まず、基金運営の考え方についてである。


 兵庫県では、財産の維持、資金の積み立て、定額資金の運用などを目的に、平成16年度末現在で合計22の基金が設置をされている。厳しい財政状況が長期化する中で、新たな行政ニーズに的確に対応するとともに、一定の行政サービスを継続していくためには、予算編成上、歳入の確保が最重要課題であり、今後も基金を活用した財政運営を余儀なくされる状況が当面続くのではないかと考える。


 その基金の残高を見ると、平成4年の4,001億円をピークに減り続け、平成17年度当初には1,497億円と減少をしている。中でも財政基金の残高はほぼゼロとなっている。


 このような状況の中で、今後の基金運営の基本的な考え方について、まずお尋ねをする。





○(竹本財政課長)  本県に設置している22の基金については、それぞれの基金の目的に応じて積み立て・取り崩しというものを行っている。現下の厳しい財政環境のもとでは、当分の間、財政調整的な基金の総額というものが縮小することは、私どもとしては避けられないのではないかというふうに考えている。また、特定目的基金についても、その目的の範囲内での活用を図っていかなければならないのではないかと考えている。


 しかしながら、安定的な行政水準を維持するという観点からは、一定規模の基金というものも確保しておくことは当然のごとく必要である。今後とも、基金残高に十分留意しながら、中長期的な視点に立った基金の活用というものを図っていきたいと考えている。


 なお、17年度に基金残高が減少するのは、平成7年度に導入した縁故債の10年満期一括償還の財源として県債管理基金に積み立ててきた額を、計画どおりに取り崩すこととしたことによるものである。





○(岸口実 委員)  次に、基金の運用についてお尋ねをする。


 基金は、地方自治体の財産として、確実かつ効率的に運用しなければならないとされており、その運用方針は自治体の裁量権にゆだねられている。厳しい財政運営が長期化する中、自主財源を少しでもふやすためには、積極的な、また有利な運用を図る必要があると考える。先日、宝塚市の外郭団体が外国債で損失を出したとの報道もあったが、有利な運用にはリスクはつきものである。


 そこで、まず、どのような基準で運用されているのか、また、これまでの基金の運用実績と、基金をできる限り確実で有利な運用を行うための今後の取り組みについてお尋ねをする。





○(藤田資金管理課長)  ご指摘のように、基金は「確実かつ効率的に運用しなければならない」とされており、本県でも、この考え方を運用の基本方針としている。すなわち元本の確実な償還を第一に、リスクを最小にした上で、有利な運用を行うこととしている。


 県が保有する22の基金の、直近、平成16年度における運用実績は、低金利が続く昨今ではあるが、平均運用利回りで約0.71%、利子収入で約15億5,000万円程度を確保できる見込みである。


 今後の取り組みであるが、これまで同様、長期運用が可能な資金は、兵庫県債または国債等、元本の償還が確実な債券等で運用を行い、また、短期的な運用を行う資金については、大口定期等で運用することとしている。なお、その預け先については、安全性及び有利性を確保するため、担保提供もしくは県債引き受け等により相殺債務が設定されている金融機関を対象に、入札方式により決定していくこととしている。これからも安全性を第一に考えながら、可能な限り有利な運用を行い、収入の確保に努めていきたいと考えている。





○(岸口実 委員)  本当に金利の低い時代であるが、ご努力をよろしくお願いしたいと思う。


 次に、使用料・手数料についてお尋ねをしたいと思う。


 その1として、改定の基本的な考え方についてである。


 県立施設の使用料や各種申請手続に係る手数料については、現在の経済情勢のもとでは、安易な引き上げは実施すべきではないと考える。


 しかしながら、一方では、厳しい財政状況の中、適切な財源の確保が喫緊の課題でもある。


 このことから、使用料・手数料の改定については、他の類似施設との公平性の確保と住民サービスの維持・向上を基本とし、県民に合意が得られるような明確な根拠により実施し、適正な使用料・手数料を徴収することが重要であると考える。


 そこで、まず、使用料・手数料の改定の基本的な考え方についてご質問する。





○(竹本財政課長)  使用料・手数料については、県立施設の利用、また運転免許の交付や検査事務などに対する役務の提供、これら特定の行政サービスに対し負担の公平性を図るという観点から、受益の程度に応じ負担していただいているところである。


 具体には、新たに使用料・手数料を設定する場合は、それぞれの行政サービスに要する経費の全部または一部を負担いただくことを基本としつつ、類似施設との均衡なども考慮して決めている。また、改定に当たっては、物価上昇や国・他の地方公共団体との比較を行い、適正化に努めているところである。


 なお、17年度においては、新たにオープンする施設の使用料を設定する一方、国に準拠すべき手数料を除き、物価の状況等を考慮し据え置くこととしたところである。





○(岸口実 委員)  次に17年の主な改正点についてお尋ねをしようと思ったが、先ほどのご答弁にもあったので、省略をしたいと思う。


 次に、ペイオフ全面解禁に向けた本県の対応についてお尋ねをしたい。


 金融機関が破綻した場合に、預金など払戻保証額を元本1,000万とその利息までとするペイオフの全面解禁が4月に実施されることとなっており、目前に迫っている。このペイオフ全面解禁によって自治体の公金管理と運用の力量が問われることになる。


 既に、平成14年4月に定期性預金についてはペイオフが解禁されていることから、県においても既に公金保全のための対策を講じていると思われるが、普通預金など決済性預金を含めたペイオフ全面解禁に向けた県の対応を改めてお尋ねする。





○(荒川企画管理部長)  ご指摘のように、平成14年4月から定期性預金についてはペイオフが解禁されていることから、県においても既に公金保全の対策を講じている。


 具体的にいうと、まず、基金などの運用金については、元本償還が確実な県債などを購入するとともに、担保や相殺債務で保護可能な範囲内で、金融機関へ預金を行っている。また、制度融資に係る預託金については、預託方法を定期性預金から全額保護される決済性預金、具体的には有利子の普通預金ということになるが、これに変更をしたところである。


 ペイオフが全面解禁されるこの4月以降であるが、これまでと同様に、コスト負担が少なく、かつ地域経済などへ悪影響が生じないように配慮して、公金の保護を図りたいというふうに思っており、「制度融資の預託金」、それから「日々の支払いに必要な準備金」については、現在の有利子の普通預金などがペイオフの対象となるので、預金保険で全額保護される無利子の普通預金などの決済用の預金を活用して、保護を図りたいというふうに思っている。





○(岸口実 委員)  よろしくお願いをする。


 次に、法人事業税についてお尋ねをしたい。


 まず、その1として、17年1月末の業種別状況についてお尋ねをする。


 新聞報道によると、平成16年の国内株式市場の新規上場社数は、景況感が底がたく、業績の先行きに自信を持つ上場予備軍がふえたため、4年ぶりに前年を上回り、過去3番目の高水準であったとされている。


 また、16年度の予想連結経常利益が1,000億以上となる企業は、世界的な需給逼迫の追い風を受けて収益が拡大する素材メーカーや海運企業が新たに加わったことにより、前年度より22社ふえ、過去最高の60社になると言われている。


 さらに、16年度9月中間決算の集計では、全産業の連結経常利益は、デジタル家電の販売が好調だった電機や値上げ効果が出た鉄鋼などが牽引役となり、前年同期に比べ39%の増加となっているようである。


 こうした中、県税収入の大きなウエートを占める法人事業税について、17年1月末の現年調定額は前年同期と比べてどのような状況になっているのか、また、業種別の状況とあわせてお伺いをする。





○(宗野税務課長)  平成17年1月末現在の法人事業税の現年調定額は、15年度の企業業績の回復基調を反映した3月期決算法人の5月申告分が大幅に伸び、その後も16年度の好業績を反映して、対前年同期比124.2%と高水準を維持している。


 業種別の状況を見てみると、製造業は、繊維が、合繊事業の厳しい収益環境が続いたことから対前年同期比74.9%と前年度を下回ったものの、化学が、中国向け石油化学製品の需要増等により同129.5%、機械が、国内外の設備投資の増加や建機需要の回復が進んだことから同238.4%となるなど、ほとんどの業種で前年度を上回ったため、全体でも対前年同期比144.2%と前年度を上回っている。


 また、非製造業は、電力が、昨年度は一部法人において施設が本格稼働し確定申告が大きかった反動から対前年同期比97.1%と前年を下回ったものの、小売が、ローコスト経営により収益力が回復したことから同118.3%、卸売が、不採算部門からの撤退と利益を生む中核事業への集中化などにより同127.0%となるなど、多くの業種で前年度を上回ったため、全体でも対前年同期比114.2%と前年度を上回っているという状況にある。





○(岸口実 委員)  次に、17年度の税収見込みについてお尋ねをしたい。


 報道によると、兵庫県内の上場企業を見ると、ここ数年、事業の再編やコスト削減などリストラを進めた結果、利益の出やすい体質への転換が進み、好業績につながり、昨年9月期の中間決算では、バブル期をしのぐ過去最高益となった企業も多く、9割以上が黒字を確保したとのことである。その状況を受けた平成17年1月末の法人事業税収入は、現年・繰越合計額で前年同期比122.4%と大幅に前年を上回るようであるが、また、法人事業税収入に大きな影響を与える3月期決算の上場企業に関する中間決算発表によると、平成17年3月期決算は、電機や自動車が高水準の利益を稼ぎ出すほか、国際商品価格の上昇を追い風に鉄鋼や化学などの素材産業で増収効果が高まり、2期連続で過去史上最高益を更新する見通しとなっている。これを前提とした17年度当初予算の法人事業税の計上額は、16年度2月補正後予算比109.0%となる1,365億1,900万を見込んでいるようである。


 しかし、不安材料もないとは言えない。これまでの景気低迷の影響による企業の体力の低下や為替や原油動向によって大きく決算に振れを引き起こす。


 そこで、法人事業税の17年度当初予算計上額の算定方法及び16年度決算見込み額と比較した業種別の状況についてお尋ねをする。





○(宗野税務課長)  平成17年度の法人事業税の算定については、まず、県下の代表的な大法人130社に対しては、会社公表資料等から今後の業績予測を把握した上で、過去の業績と納税額との乖離を考慮し、個別に税収を見込んでいる。


 また、その他の法人については、本県の税収動向に関連の深い法人を選定、25業種約400社であるが、その法人を業種別に分類した上で、業績予測等と過去の税収状況を考慮して算定をしている。


 これに税制改正の影響額を盛り込んだ結果、委員ご指摘のとおり、法人事業税収を1,365億1,900万円、対前年度比109%と見込んだところである。


 業種別の現年調定額については、製造業は、化学が、薬品関連で薬価引き下げが減収要因となり87.6%、機械が、ハイテク業界の設備投資のピークアウトが懸念材料となり93.3%と前年度を下回るものの、電機が、薄型テレビやDVDレコーダーなどが好調なため127.6%、鉄鋼が、需給逼迫により228.2%となるなど、製造業全体では110.3%となっている。


 非製造業については、サービスが、レジャー関連の低迷もあり94.6%、小売が、営業が低調なことから98.1%と前年度を下回るものの、卸売が、ほぼ全分野で増益が見込まれることから140.6%、運輸・通信は、海運が好調なことから117.2%となるなど、非製造業全体では105.8%となっているところである。





○(岸口実 委員)  次に、分割基準の見直しの背景と内容についてお尋ねをする。


 法人事業税の分割基準は、平成元年度に改正されて以来、相当年数が経過している。近年、IT化の進展やアウトソーシングの活用、法人の事業活動形態も変化してきており、ここ数年、税源帰属の適正化が求められてきたところである。


 昨年末の平成17年度税制改正大綱において、法人事業税の分割基準の見直しが国より示されたところであるが、こうした見直しがなされることになった背景と具体的な見直し内容についてお伺いをする。





○(宗野税務課長)  法人事業税の分割基準については、平成元年度に改正されて以来、16年間にわたって見直しがされておらず、その間、委員ご指摘のとおり、法人の事業活動を取り巻く環境が大きく変化する中で、近年、社会情勢の変化に、より適合した分割基準にすべきであるということ、各都道府県の事業税収の構成比と事業活動規模の構成比が乖離しているのではないかなどの指摘がなされていたところである。このような状況を踏まえ、平成17年度税制改正大綱では、法人事業税分割基準を見直すこととされたところである。


 具体的な見直しの内容の1点目は、非製造業については、現行では、一部の業種を除き、課税標準を従業者数により関係都道府県に分割をしているが、これを課税標準の2分の1を事務所数により、残りの2分の1を従業者数により分割しようとするものである。


 これは、法人の事業活動を支える要素として、人的な要素のほかに、事務所の立地等が非常に重要になってきていることを踏まえて、事務所数を基準として加えることとしたものである。


 2点目は、資本金1億円以上の法人については、現行では、本社管理部門の従業者数を2分の1に割り落とす措置を行っているが、これを廃止するものである。


 その理由としては、近年、事業部制や分社化の導入で、法人の組織形態が多様化し、本社管理機能が各地に分散しつつあるため、本社管理部門の2分の1の割り落とし措置を講じる意義が薄れてきているということなどが挙げられるところである。





○(岸口実 委員)  その分割基準の見直しについて、今度は税収への影響についてお尋ねをする。


 平成16年度の法人関係税の税収は、景気回復傾向を反映して前年度を大幅に上回るとのことであり、さらに17年度についても、引き続き大幅な増収が見込まれていることは大変喜ばしいことであるが、この法人事業税の分割基準の見直しが実施された場合、何らかの影響が出てくるのではないかと思うわけである。


 そこで、いつの時点から、どの程度の影響が出てくると考えているのか、お尋ねをしたいと思う。





○(宗野税務課長)  本県への影響額を平成15年度調定額ベースで試算してみたところ、非製造業における事務所基準の導入により約10億円の増収、本社管理部門割り落とし措置の廃止により約4億2,000万円の減収がそれぞれ見込まれ、合計では約5億8,000万円の増収を見込んでいるところである。


 また、総務省のまとめによれば、東京都が約600億円、大阪府が約80億円の減収となる。その他の道府県はすべて増収が見込まれている。増収見込み団体のうち、本県と同程度の5億円から10億円の増収を見込んでいるのは、本県を含め20府県で、最多となっているところである。


 なお、適用の時期が17年4月1日に開始する事業年度分であるため、本格的に税収に影響するのは18年5月末からの申告分となる。


○(岸口実 委員)  次に、県税事務所の組織再編についてお尋ねしたい。


 本県の組織については、平成13年4月に大規模な再編整備が行われたところであるが、その後、市町合併の急速な進展などを踏まえ、現地解決型総合事務所としての役割に的確に対応するため、この4月から、県民局の企画立案・総合調整機能や専門的・技術的機能を一層強化するとともに、急速なIT化の進展も踏まえ、効率的で、県民にとってわかりやすい組織体制となるよう所要の整備を行うこととしている。


 このような状況の中で、県税事務所の組織についても、個人事業税の所管事務所が一部変更になるなど、所管業務の見直しが行われるところであるが、県税事務所の組織再編に当たっての基本的な考え方をお尋ねする。





○(宗野税務課長)  県税事務所の組織の再編については、今回の地方機関の再編に係る県全体の考え方と同様に、1点は、専門的・技術的機能の一層の強化、2点目としては、効率的・効果的な事務執行体制の確保等の観点から、「圏域事務所」に業務を集約するとともに、これ以外の事務所については、県民サービスの低下等が生じないように、「地域事務所」として原則存置し、県民に身近な業務、現地性の強い業務を所管するという基本的な考え方のもとに再編を行ったところである。


 具体的には、圏域事務所では、すべての税目に係る課税・徴収と収納、納税相談等を所管するとともに、税収確保対策等、圏域の企画調整機能を担うものとしたところである。


 一方、地域事務所においては、県民の利便性等を考慮し、来庁者の多い自動車税、不動産取得税の課税・徴収業務と全税目に係る収納、納税相談等を所管することとした。


 なお、圏域が広大な西播磨地域の龍野県税事務所、但馬地域の和田山県税事務所及び大都市を所管する神戸地域の西神戸県税事務所については、県民の利便性等を考慮し、引き続き個人県民税・事業税の課税・徴収業務を所管することとしたところである。





○(岸口実 委員)  続いて、先ほどの基本的な考え方に基づいて、県民への周知及び事務の円滑な移行についてお尋ねをしたい。


 事務の効率化、業務執行体制の強化を図るため、圏域事務所に業務の集約を行うというふうに先ほどのご答弁でもあったし、また、一方では、地域事務所は県民に身近な業務を所管することにするとのことであるが、その基本的な考え方については理解をするところであるが、県民から見ると、県税事務所ごとに所管する税目が異なることになるわけである。このことにより県民の混乱を招く可能性もある。


 そこで、新体制について県民への周知を十分に行う必要があると思うが、どのように取り組んでいくのか、お伺いをする。また、4月から県税事務所の事務を円滑に行うには、短期間に大量の移行作業が必要となるが、どのように対処していくのか、あわせてお尋ねをする。





○(宗野税務課長)  平成17年4月からの県税事務所の再編については、県民に混乱が生じないよう十分留意しながら移行する必要があると考えている。


 このため、県民等への周知については、「県民だよりひょうご」等を利用した県民局再編全体の広報に加え、県税事務所の再編の内容等をわかりやすく説明した独自のリーフレットを作成し、県税事務所はもとより、市町役場、税務署などの窓口に配布するほか、所管事務所が変更になる税目については、納税通知等を送付する際にチラシを同封し個別に周知を図るなど、きめ細かな広報を実施していきたいと考えている。


 また、再編に伴い、大量の課税データの移行や税務電算システムの修正などが必要になることから、移行作業の進め方については、各税務事務ごとに各県税事務所と税務課の職員が連携して十分な検討を行ったところであり、その結果をもとに作成した手引等を活用しながら、円滑な移行作業に万全を期していきたいと考えているところである。





○(岸口実 委員)  特にこの県民への周知徹底はよろしくお願いをしたいと思う。特に県の行うサービスの窓口となる部分であるので、とりわけ本当によろしくお願いをしたいと思う。


 次に、不動産取得税の震災特例控除についてお尋ねをする。


 阪神・淡路大震災からことしでちょうど10年が経過をした。県内各地に甚大な被害をもたらしたあの大震災からの復興のために、国・県等においてさまざまな支援制度が創設をされた。


 不動産取得税についても、家屋所有者が被災し、代替家屋を取得した際に税の軽減を行う震災特例控除制度が平成11年度税制改正により設けられた。さらに、平成12年度税制改正により、制定時には平成12年3月31日までの取得を対象としていたものを、平成17年3月31日までの取得へと制度延長されてきたところである。


 震災10年を迎え、さまざまな震災復興支援制度が終了する中で、この不動産取得税の震災特例控除制度は、平成17年度税制改正において、制度がさらに延長される見込みであると聞いている。


 そこで、これまでの不動産取得税の震災特例控除の適用実績及び今後の制度延長の内容と、そのことに対する県の考えをお尋ねする。





○(高井企画調整局長)  この震災特例控除制度は、震災により被災した被災家屋の所有者等が、それにかわる家屋、代替家屋を取得した場合に、もとの被災した家屋の床面積等に応じて代替家屋の取得に係る不動産取得税の軽減を行うという制度であるが、本県でのこれまでの適用実績は、制度発足の平成11年度からこの17年2月末までの累計で、件数が6,835件、控除された課税標準額が約1,126億円、軽減税額のベースで約40億円となっている。1件当たりにすると60万円弱の軽減が図られたということである。


 被災市街地においては、震災から10年たった現在でも、毎年数百件という単位で代替家屋の取得が続いている。そういうことから、震災特例控除制度は17年度以降も必要な制度であると我々も考え、その延長について国に対し要望を行ってきた。


 その結果、平成17年度の税制改正において適用期限が2年間延長され、19年3月31日までの家屋取得が対象とされた。


 さらに、被災市街地の一部の地域では、土地区画整理事業あるいは市街地再開発事業などがおくれているところもあり、換地の指定がおくれたことによって、家を建てようにも建てられないといったような特殊な事情があるので、そういった地域にあっては、この2年の延長に加えて、さらにもう3年の延長、すなわち平成22年3月末までの適用というふうになったところである。


 今後も、これまでと同様、このせっかく措置された延長、これを活用していただくために、その広報に努めるなど、適切な制度運用に努めていきたいと存ずる。





○(岸口実 委員)  やはりまだまだニーズが多いようであるので、こういった制度については、ぜひ延長、そしてまた活用していただけるような制度の取り組みをよろしくお願いしたいと思う。


 最後になるが、自動車税月割り計算廃止の周知と徴収対策についてお尋ねをする。


 自動車税については、その賦課期日は4月1日であるが、賦課期日後に納税義務が発生した者には、その発生した月の翌日から月割りをもって自動車税を課すこととされており、県域を越えた移転登録や変更登録がなされた場合、月割り課税あるいは月割り還付を行うこととされている。ただし、賦課期日後に同一県内で移転登録があった場合においては、当該年度の末日に当該所有者の変更があったものとみなすこととされているところである。


 このような制度のうち、今回の平成17年度税制改正においては、平成18年4月1日以降の登録から、県域を越える自動車の転出入に係る自動車税の月割り計算が廃止されると聞いている。このことにより、膨大な還付事務が廃止されることとなり、自動車税の課税業務の効率化も進むのではないかと考える。


 しかし、一方で、自動車税は課税件数が多く、所有権移転等も頻繁にあることから、徴収には大変なご苦労が要る税目であると聞いている。


 そうした中で、4月1日の賦課期日現在の登録名義人に年税額が課税されることになることから、年度の初めに自動車を手放した納税者には理解が得られにくいのではないかと考える。そのことによって、自動車税の滞納額が増加するのではないかと懸念されるところである。


 そこで、このような制度改正の概要について、納税者や自動車販売業界等にどのような形で周知を図られるのか、また、どのような自動車税の徴収対策を考えているのか、あわせてお尋ねをする。





○(宗野税務課長)  今回の自動車税の制度改正により不要となる自動車税の還付事務は、年間約5万8,000件と非常に多くあることから、委員ご指摘のように、事務の効率化につながると考えられる。あわせて、現在は、所有者が同一であっても、県外への変更登録を行えば、転出元の県での税の還付を受け、転入先の県で納税しなければならないわけであるが、今回の改正により、こうした手続が不要となり、自動車所有者の負担が軽減されることも期待される。


 一方、今回の制度改正は、多数の自動車所有者、自動車販売業者に影響を及ぼすものであることから、1年間の周知徹底期間を置き、平成18年4月1日以降の登録から適用することとなっている。この間、国における広報にあわせて、本県においても、定期課税時に送付する納税通知書に当該制度改正のチラシを同封することを初め、県税事務所の窓口や関係団体を通じてのリーフレットの配布、県の広報媒体への掲載などを通じ、制度の周知に努めたいと考えている。


 徴収対策については、制度改正の周知はもとより、納期内納付率の向上をめざした納期限の周知などの広報活動を積極的に展開し、また、納期内に納付のなかった者に対しては、定期的な催告に加え、県外転出が判明した時点で文書催告や電話催告を行うなど、これまで以上に徴収を強化していきたいと考えている。





○(岸口実 委員)  以上で私の質問を終わる。最後に一言だけ申し上げたいと思う。三位一体の改革により、これは一番最初に申し上げたが、各自治体の能力に応じて歳入というのは変わってくる時代が来ると思う。そういった意味では、皆様方のご努力を切にお願いをするとともに、ご精励をお祈りをして、質問を終わる。





○(山口信行 委員長)  以上で岸口委員の質疑は終わりました。


 この際、暫時休憩いたします。


 再開は、午後1時といたします。


        午後0時2分休憩


……………………………………………………


        午後1時2分再開





○(山口信行 委員長)  ただいまから予算特別委員会を再開いたします。


 休憩前に引き続き、質疑を行います。


 佃 委員。





○(佃助三 委員)  私は、公明党を代表して、歳入審査の質問をしたいと思う。


 この歳入審査を初め部局審査、そして総括審査などを通じて、当局から提案されている17年度当初予算案及び条例等の関係議案に対する会派の態度を十分に検討していきたいと思うので、よろしくお願いしたいと思う。


 本日は歳入審査ということで、受益と負担の関係から地方自治の本来の姿を考えたときに、住民の代表である我々議会は、こんなつまらない事業をするなら税金をまけろとか、もっとサービスをふやしていいから税金も上げろとか、もっとサービスを効率的にせよとか、こういったぐあいに公益と負担を関係づける立場にあるのではないかと思う。


 そうした地方分権時代にふさわしい地方税財政基盤の確立のために、現在、三位一体の改革が進められているが、このような議論も、県民から見ると、わかりづらい部分が多いのが現実であると思う。我々議会からは、歳入歳出にわたりさまざまな意見を提案するが、この意見をどのようにとらえるか、これはまさに県幹部の皆さん方の考え方によるものであり、県民の納得できる健全な財政運営に努力していただきたいと思う。そのような認識のもと、以下、質問に移りたいと思う。


 まず最初は、県債残高と交付税措置についてである。


 17年度当初予算案では、通常事業に充当する県債のほか、一連の風水害に対処する災害関連充当県債を加えると、2,116億円、対前年度比102.9%となり、17年度末には、地方交付税としての性格を有する臨時財政対策債などを除いて2兆8,451億円、過去最高の県債残高になっている。


 このことに関連をして、我が会派の代表質問で取り上げたところであるが、知事は、「県債の活用に当たっては、その総額、発行条件や交付税措置の内容を勘案をして、将来の財政運営に及ぼす影響を踏まえながら、節度を持って県債を活用している」旨の答弁がされている。


 そこで、お伺いしたいのは、特に交付税措置という点が重視されていると思うが、2兆8,000億の県債のうち、後年度に交付税措置される、言ってみれば、安心できる県債はどれぐらいあるのか、そのほかの県独自で償還する県債はどれぐらいあるのか、さらにまた、今後の県の財政運営にどのような影響を与えると考えているのか、お伺いしておきたいと思う。





○(竹本財政課長)  17年度末の県債残高は、地方交付税の振りかえである臨時財政対策債などを除き2兆8,451億円、この残高のうち、元利償還金が地方交付税の対象となっている県債は約75%、4分の3相当分が対象となっており、2兆1,181億円程度である。これらの起債は、それぞれの起債により交付税算入率は異なるが、平均すると、その約6割に当たる1兆2,515億円程度が後年度に交付税で措置される見込みである。この結果、起債残高の約44%程度の元利償還金が交付税で措置されることになる見込みである。


 一方、元利償還金が交付税措置の対象となってない県債は、先ほど申し上げた残りの4分の1、約25%、7,300億円程度となっている。


 地方債の元利償還金については、毎年度、内閣が作成するいわゆる地方財政計画の中に算入されており、このうち地方交付税で措置される起債については、地方交付税の基準財政需要額に加算され、地方交付税額として増額されることとなっている。


 行革の後期5か年の取組みでは、この県債残高や新たに発行する起債も踏まえた各年度の元利償還金を収支フレームの中に織り込んで見込んでいるところである。今後の地方債の活用に当たっても、その総額、発行条件、地方交付税措置の内容を勘案し、起債の元利償還金が将来の財政運営に大きな負担とならないよう、十分注意していかなければならないと考えているところである。





○(佃助三 委員)  ただいまの答弁を伺うと、交付税措置もあり、将来の財政運営に大きな影響を与えないよう適切な県債の管理に努めていくと、こういうことだったと思う。


 しかし、県債の償還のために年度当たりに支払う額は、来年度予算案としては2,695億円で、対前年度比にすると103.5%である。そういう意味で、平成15年度決算までの公債費を見ると、ここ数年、一貫して増加している、こういうことを指摘しておきたいと思う。


 次に、交付税についてであるが、私は、三位一体改革の中で、地方交付税の見直しが実は最も大きな課題ではないか、こう思う。地方交付税については、財源保障機能の縮小や規模縮小など、いろいろな議論がある。例えば県債との関係で見ると、予算案の歳入で提案されている地方交付税3,855億円のうち、県債の元利償還金ばかりが計上されて、いわゆる地方の自主性、裁量性は拡大しないようにも思うわけである。そのような地方交付税の確保では余り意味がない、こういうふうな懸念もするわけである。


 そこで、三位一体改革は、とりあえず平成18年度までの改革とされているが、17年度の地方交付税の改革の内容について伺っておきたいと思う。





○(竹本財政課長)  ご案内のように、三位一体改革は、国庫補助負担金を廃止し、国の仕事を地方に移し、それに見合う額を税源移譲して、地方の自主性、自立性の運営にゆだねて全体の効率化を図ろうとするものである。この中で、地方交付税の改革は、税源移譲、国庫補助負担金廃止の一環として行われるものであって、交付税総額の抑制は、本来の三位一体改革とは別の問題ではないかと考えている。


 平成16年度においては、地方交付税が大幅に削減をされたが、17年度は、まず、政府・与党が11月に決めた三位一体改革の全体像に沿って、地方税、地方交付税、臨時財政対策債、いわゆる一般財源総額が53兆4,399億円、このうち地方交付税総額は16兆8,979億円と、いずれも対前年度比0.1%増と、前年度並みの額が確保されたところである。


 また、17年度においては、地財計画の決算の「乖離」「逆乖離」を一体的に是正するため、投資的経費を7,000億円削減する一方、経常的経費を3,500億円増加したところである。


 また、このほかにも、補助金削減や税源移譲に伴う財政力格差に適切に対応するため、税源移譲等による増収分については、交付税の基準財政収入額に100%算入することとされたところである。





○(佃助三 委員)  ただいま答弁をいただいたわけであるが、地方交付税の改革を踏まえた当初予算計上、すなわち3,855億円、こうなっている。先ほども指摘をしたように、県債の交付税措置の確保ではなく、県の自主性、裁量性が高まる地方交付税の確保が重要であると思うが、その算定の内訳及びそれらの認識についても再度お願いしたいと思う。





○(高井企画調整局長)  ご承知のように、地方交付税は、基準財政需要額から基準財政収入額を控除した額が基本となって決定されるわけであるが、その基準財政需要額の積算として、今ご指摘のあったような元利償還金に係る交付税措置というのが含まれているわけであるが、17年度当初予算の積算の中身を見ると、その基準財政需要額の内訳として、地方債の元利償還に係る措置分が、需要額8,483億円のうち1,509億円、約17.8%含まれている。この金額を平成10年度と15年度で比べてみると、10年度が835億円、15年度が1,411億円、ことしが1,509億円というふうに、増加傾向にあるということは言えようかと思う。


 ただ、これらについては、震災からの復旧・復興事業に係る交付税措置のある県債の増加、あるいは地方の自主的・主体的な投資事業の選択を支援するために設けられた交付税措置のある地方債、これらを私どもが主体的・積極的に活用して事業を展開してきたことの結果、増加しているというものであると認識をしている。こうした要素を除いた通常の交付額を見ると、平成10年が7,035億円、15年度が7,003億円というふうに、それほど大きな変化がなくて、通常分はほぼ同額が保たれているということであるから、今のところ、こういった元利償還に係る需要がそれ以外のものを大きく圧迫して、地方の自主性を損ねているという状態には至ってはいないのではないかというふうに考えている。





○(佃助三 委員)  今回の予算編成に当たっては、昨年、策定をされている「行財政構造改革推進方策後期5か年の取組み」を基本に、行財政全般にわたる徹底した見直しを行い、そしてまた行政経費については、新規施策経費約180億円の財源を捻出をしたほか、投資的経費については、通常の投資補助事業とか投資単独事業を抑制をして、台風第23号等の一連の風水害対策に適切に対処をしている、そして前年度並みに確保していると、こういうことであるが、このような新たな事業に対処するためには、もっと内部努力による財源の捻出が非常に大切である。そして、また県債に過度に依存しない予算編成を実現するためにも、積極的にこれは見直していかなきゃならないと思う。そこで、一方で、我が会派が必要であると認識している福祉医療を見直さなければならない、こういう厳しい財政事情にあるということも重ねてご指摘をして、次に移りたいと思う。


 このような中で、このたび、県民緑税が提案をされている。この県民緑税についてお伺いしておきたいと思う。


 我々会派は、先般の代表質問においても、この森林保全の必要性は認めるが、今この時期に、なぜ新たな税を課してまで最優先で取り組む課題がこの森林の保全であるのかどうか、こう疑問を呈してきたわけである。


 代表質問でも、県民緑税に関して、県民の理解を十分に得た上で実施すべきである、そしてまた、県民の理解を得ながら進めていくよう今後とも県民とのワークショップや普及、協議を尽くし、県民の理解をもとに推進したいという知事の答弁をいただいているが、この知事の答弁では、今議会で成立後に県民の理解を十分に得ていきたいと、こういうふうにとるわけである。我々の感覚からすると、非常にこの県民理解を得るための手順が逆転しているのではないか、こういう思いがしている。


 いずれにしても、今定例会に県民緑税を提案をした趣旨を、まず改めてお伺いしておきたい。





○(荒川企画管理部長)  県民緑税の導入の趣旨であるが、まず、森林や都市の緑まで含め、緑の必要性についてはもうたびたび申し上げてきたところであり、ご理解もいただけるものと思っている。そしてまた、緑の保全のためには、森林保有者など一部の人々の取り組みだけではとても困難である、また長い時間もかかるので、来年、再来年ということではなくて、今すぐにでも始めていかなければいけない問題でもあるということも、ご理解をいただけるものと思っている。


 本県では、これまでも「新ひょうごの森づくり」とか「さわやかみどり創造プラン」ということで、緑の保全・再生に取り組んできたわけであるが、こうした計画を達成したとしても、例えば里山林、そこだけをとっても、必要とされる整備量の半分にも満たない。都市の市街地、これもいろんな考え方があるだろうが、それに必要とされる緑の量というのも、まだまだ足りない状況にあるということで、やるべきことはたくさんあるということである。


 これに加え、このたびの一連の風水害により、緑の保全・再生を社会全体で支える仕組みを早期に確立する必要が改めて認識されたというふうに考え、この議会に県民緑税を提案をしたところであるので、ぜひともご理解を賜りたいと思う。





○(佃助三 委員)  今ご答弁があったように、多大な甚大な台風被害を受けた今だからこそ導入する必要があると言われているが、しかし、昨年決定した法人県民税の超過課税の使い道でさえ、まだ今、十分に固まっていないような状況の中である。そういう中で、県民緑税を導入する必要があるのか、ないのか。この点は、我々としてもこれは十分に検討する必要があると考えている。


 そういう意味で、もう少し詳細に質問をするが、今の当局のご説明によると、緑の保全は、これまでのように森林所有者等の一部の人々の活動では進めがたい状況だと、県民共通の財産である緑の保全を社会全体で支えて、県民総参加で取り組む仕組み、こういうことで今度は税方式を提案している。


 しかし、県民総参加で取り組む仕組みとしては、我が会派が今まで提案をして実現をしたグリーンエネルギーファンド基金の設置とか、金銭的な負担のほかに、森林ボランティアとしての労力の提供もあるわけである。


 さらには、災害関係は別にしても、県内部の農林土木行政に係る事業・予算の見直し、こういうことで財源の捻出するということもあるわけである。こういう県民に一律に負担を求める税方式ではなく、さまざまな方法があったのではないか。議論があるところではあるが、そこで、なぜこの税方式を採用することになったのか、お考えをお伺いしたいと思う。





○(宗野税務課長)  本県では、「新ひょうごの森づくり」等に基づき、緑の保全・再生に取り組んでいる。この中では、森林開発者からの協力金やグリーンジャンボ宝くじによる財源を活用した事業、また、森林ボランティアによる人的協力等を展開しているところであるが、こうした計画を達成しても、まだまだ膨大な緑の整備が必要とされる。例えば里山林を見ても、必要とされる整備量3万ヘクタールの約4割の整備にとどまり、残りの6割の整備に、ご指摘のように、270億円の財源が必要と推定され、すべての緑を整備する場合には、その費用は大きなものになる。


 もとより、本県では、かねてから行財政構造改革により施策・事業の見直しを行っており、現在でも「後期5か年の取組み」に沿って、さらに見直しを進め、新規施策の財源確保に努めているところであるが、緑の保全・再生のために必要な多額の財源のすべてを、これにより生み出すということは難しい実情にある。


 緑を保全するための取り組みとしては、ご指摘の協力金、募金、知識・技術・労力提供などの人的協力など幅広い取り組みとともに、緑の保全・再生を社会全体で支える仕組みとして、税の活用は有力な方法であると考えており、このたび、県民緑税を提案したものである。





○(佃助三 委員)  概略の説明であったが、ここでもう一歩、税のことであるが、こういう税方式を導入しているが、その中でも、なぜ県民税均等割の超過課税なのか。そして、税額においても、個人においては800円、企業においては資本金のランクで2,000円から8万円というふうになっている。どのような、もう少し根拠を、その額、そういう課税をしようとされたのか、そのあたりをもうちょっとお聞きをしておきたい。





○(宗野税務課長)  検討委員会では、課税方式については、緑には多様な公益的機能が併存していることから、その一部の機能である水源涵養機能に着目して水の使用量に応じた課税をしたり、また二酸化炭素の排出量に応じて課税することは、課税標準量の把握が困難なことに加え、この税の趣旨から見て適切ではないというふうなご意見と、また、緑の公益的機能は、地域社会を支える基礎的なインフラとしての側面を持つことから、地域社会の会費的性格を有する県民税均等割がふさわしいとされたところである。


 加えて、法定外目的税の創設とした場合には、新たな税についての課税や徴収事務が行政はもとより雇用主などの民間にも発生するなど社会的なコストも大きいことなどから、県民税均等割の超過課税方式が最もふさわしいとされたところである。


 また、検討委員会では、広く一定の負担を県民に求めることから、その負担が極端に重くならないようにとされたところであり、税収は緑の保全・再生のために必要な多額の財源の一部とならざるを得ないとする中で、個人は1,000円程度、法人は標準税率の16%相当程度という超過課税の税率の目安が示されたところである。


 県の課税案をまとめる際には、これらの案をもとに、さらに県民の負担感や当面想定される事業等を考慮し、慎重に検討を進め、個人800円、法人は標準税率の10%相当として提案をしているところである。





○(佃助三 委員)  税の算定の内容を言われた。岡山とか高知、こういうところも300円から500円とか、こういうふうな額をしているが、それはそれとして、次に、本県では、地方分権一括法に基づいての地方税法の改正による課税自主権の拡大を受けて、平成13年11月には、今も言われたように、税制研究会を設置をし、そしてまた、環境保全のための税など課税自主権の活用についての検討を行ってきた。


 そして、また平成15年11月からは、「緑の保全のための税検討委員会」で審議を重ねて、昨年9月に中間報告、年末には最終報告がなされた、こういう経緯もお聞きした。


 そういうことで、県民緑税は、このような経緯を経て、このたび提案されているわけであるが、我々としては、このような新たな税を県民や企業に課して負担を求めるという、まさにこれは地方自治の根幹にかかわる問題であろうと思う。そこで、井戸知事がよく提唱している「参画と協働」、こういう理念を活用して検討するべきであったのではないか。これまでの県民緑税の検討に際して、県民との関係、どのようにこの税の導入までの取り組みはされたのか、お聞きをしておきたいと思う。





○(宗野税務課長)  県民緑税については、委員ご指摘のように、まず、平成13年11月に設置した税制研究会での検討内容等についても、県のホームページで公開し、広く情報発信を行ってきたところである。


 また、税制研究会での検討をさらに進めるために、平成15年11月に設置した「緑の保全のための税検討委員会」における審議内容についても、県のホームページ内で新たにページを設けて、委員会の開催ごとに概要を公表し、昨年9月には中間報告に対する県民意見の募集を行ったところである。


 さらに、検討委員会の最終報告を踏まえて作成した県案についても、この1月に県民意見の募集を行ったところであるが、この際には、記者発表はもとより、県のメールマガジンやテレビなど電波媒体の活用、県税事務所や県民局、県下の事務所へのチラシの設置等による広報を行ったところである。


 こうした結果、県民緑税のページへのアクセスは、委員会中間報告への意見募集から現在までで、約6,200件に達しているところである。





○(佃助三 委員)  今説明はあった。パブリックコメント等とかいろいろな事務手続を行っているようであるが、これは県民に新たな負担を求めるというものであるから、単なるそういうパブリックコメントの募集といった、こういうことではなく、もっともっと十分な手続が必要であったのではないか。それとまた、さらに県民への普及啓発、事業実施に当たって、十分に議会との協議も、これはやはり努めてもらわなきゃならないなと、こういうことをあわせて指摘をして、次に移りたいと思う。


 県民緑税、すなわち県民税均等割の超過課税が平成18年度から5年間計画される。一方において、今、国において、来年度税制改正では見送られたが、さきの京都議定書の発効を受けて、今、待ったなしの地球温暖化防止対策が求められている、こういう中である。そこで、急遽、環境税の問題、環境税を導入するかどうか、こういう課題が大きな今後の課題になっているようである。


 そのような中で、この県民緑税の課税延長、そして、こういうふうな今の動きをどのように認識されているのか、さらに、国の環境税がもし導入された場合、県民からすると、これは本当に二重も何重もという、そういう感覚になるわけである。そういうことも予想されるが、県民緑税の扱いと、今も申し上げたこういう動向を踏まえて、どういうふうにお考えになっているか。





○(高井企画調整局長)  県民緑税の課税期間については、税の導入の効果、あるいは社会経済情勢の変化を考慮する必要があることから、当面5年間としているところである。この5年間の期間が終了する時点で、改めて県議会のご意見などもちょうだいしながら、その取り扱いについて検討を加えることが不可欠であるというふうに認識をしている。


 なお、環境税のお話があった。これについては、現時点では、揮発油あるいは石炭などの化石燃料等を課税対象とする方向で検討されてはいるが、経済や、あるいは産業の国際競争力、こういったものに与える影響とか、既存のエネルギー関係のもろもろの税との関係、あるいは税制全体の中での位置づけなど、数多くの検討課題があると言われており、導入についてはいまだ流動的な面がある。今後、その動向については、私どもも十分注意する必要があると考えているが、現時点での検討案を見る限りは、県民緑税とは課税の客体が異なるので、いわゆる二重課税ということには当たらないのではないかというふうに思う。また、森林の整備や保全のための活動は極めて多岐にわたるから、私どもが緑税の使途として考えている災害に強い森づくり、あるいは森林・動物共生の森づくり、こういったものと全く同じ事業がこの環境税の充当事業になるかというようなことも見きわめる必要があるというふうに思っている。


 今後、周知期間は1年間というふうに設定をしているので、その期間を使って、今のような面も含めて、さまざまな手法を用いて県民の皆様のご理解を得る努力をしていきたいというふうに考えている。





○(佃助三 委員)  いろいろ、今、県民緑税についての関連のことも申し上げたが、この後、また歳出とか、引き続いて予算特別委員会で取り上げたいと思う。


 次に、この県民緑税と関連をする法人県民税の超過課税についてである。


 我が会派の今回の本会議での代表質問において、法人県民税法人税割の超過課税の使途に関する議論があった。その議論は、やり直すべきであるとの質問をしたわけである。他会派からも、十分な検証を行った上で、県民交流広場事業の本格実施の是非についても検討するよう質問があったところである。


 このような中で、新たに法人県民税の均等割の超過課税として県民緑税の提案がされたり、さらには、来年の3月を期限とする法人事業税の超過課税をどうするかという課題があるわけである。


 県税の中でも、この法人関係税のウエートは非常に高い。企業に対する説明責任を果たすことは非常に大事だと思う。


 こういうことで、企業に対して、県民交流広場に係る法人税割の超過課税について、どのように今説明をして、さらにはこの法人事業税の超過課税についてどのように理解を求めていくのか、所見をお伺いしておきたい。





○(荒川企画管理部長)  昨年度の法人県民税の法人税割の超過課税の延長に当たっては、事業案などの超過課税の概要について、全県レベルの経済4団体への説明はもちろんのこと、平成16年2月中旬には、各県税事務所長、県民局参事など、県民局中心になって、主要法人約400法人に対して、出向いて説明を行ったところであり、大半の法人、皆様方にはおおむねご理解をいただいたというふうに理解をしている。また、3月の終わりには、超過課税の対象となる法人、約7,000社であるが、この超過課税の概要をまとめたリーフレットなどを送付して、周知、またご理解をいただくよう努力したところである。


 次に、法人事業税の超過課税については、ご案内のとおり、平成18年3月11日までに終了する法人の事業年度をもって終了するということになっているが、その後の取り扱いについては、事前に十分に県議会を初め関係の皆様方にご相談をして、検討していきたいと考えているわけであるが、もし延長するとなった場合には、先ほど申し上げたような法人、経済団体等に対して、超過課税の必要性とか使途について十分説明をして、法人県民税同様にご理解を得る努力をしていくことは、これは当然のことというふうに思っている。





○(佃助三 委員)  次に、税務事務手当について質問をしたいと思う。


 今、総務省は、昨年12月に、全国の都道府県及び政令指定都市の特殊勤務手当についての調査結果を発表している。調査の結果によると、他の手当や給料と重複し二重払いの疑いのあるものや、支給の仕方が、本来、対象となる業務に従事した場合ごとに支給するべきであるにもかかわらず、月額で支給しているものなどがあり、各自治体において今見直しを行うように求めているわけである。


 月額支給の代表的なものとして、本県においては、県税事務所の職員に今支給をしている税務事務手当がある。この税務事務手当については、ご承知のとおり、一般手当と特別手当がある。


 国税専門官であれば専門性が高い、こういうことから一般行政職よりも本俸が高い別の俸給表が設けられているわけであるが、県税事務所の職員について、手当という方法でその他一般の県職員よりも優遇することが妥当なのかどうか、検証する必要があるのではないかと考えるわけである。


 そこで、本県の現在の税務事務手当に関し、他府県と比べて支給の方法や水準はどのようになっているのか。また、県税事務所の職員は、育児休業等を除いて平成15年度末で約650人と伺っているが、昨年度、一般手当と特別手当がそれぞれ、どれだけ支給されているのか。





○(宗野税務課長)  まず、税務事務手当の趣旨の関係であるが、国の税務職俸給表と行政職俸給表(一)との水準差を地方自治体については特殊勤務手当により措置すべきであるという旧自治省の通達に基づいて制度化されたものである。他府県の状況であるが、すべての都道府県で税務事務手当を支給している。


 一般手当については、6団体が日額で支給し、その他の団体は、本県と同様、月額で手当を支給している。手当額は、役職・職務の級などによって差を設けているところが多く、単純な比較はできないが、例えば地方機関の課長級同士で比較すると、月額の手当としている41団体の中では、本県は6位の水準となっているところである。また、特別手当については20団体で支給をしているが、本県は17位の水準である。なお、平成15年度の支給実績であるが、一般手当が2億600万円、特別手当が170万円となっている。





○(佃助三 委員)  我々としては、県税事務所に在籍している、こういうだけで月額の手当が支給されるという実態、これはちょっと不適切な支給であるんじゃないかなと、見直す必要があるのではないかと考えている。例えば今、大阪市のカラ残業による手当の支給とか互助会を通じたお手盛りぶりが社会的な問題になっている。今こそ行政が、みずから襟を正さなきゃいけない、こういうときだと思う。


 昨年末の総務省通知を受けて、大阪府においても四つの特殊勤務手当について、現在では通常業務と考えるべきだということで、今年度末で何か廃止・縮小する、こういうふうな報道がされている。また、税務事務手当については、総務省の通知に先立って、岩手県や群馬県では既に日額化やその減額を行っている。そういうことで、非常に組合との交渉等、問題もあると思うが、全国的な動きも踏まえ、税務事務手当の見直しについては、どうか積極的に取り組んでいただきたいことをここで要望しておきたいと思う。


 次に、税務行政に関して、地方自治体が滞納や未納になっている税の取り立てに力を入れているという報道が最近よく見られるわけである。そういう意味で、次に、税の徴収体制についてお伺いをしておきたいと思う。


 政府の規制改革・民間開放推進会議の最終答申においては、地方税の徴収業務の民間開放が明記をされている。来年度から、総務省などと本格的に検討に入る方針がもう今、示されているわけである。


 また、総務省は、都道府県が市町村にかわり個人住民税の徴収や滞納処分を引き継ぐ特例について、「1市町につき年度間を通じて1度限り」、こういう制限などを大幅に緩和する方向で今、見直しをしている。今国会で地方税法の改正後、この4月から施行予定であると伺っているわけである。


 このほか、静岡県においては、県と市町村が個別に行っている地方税の課税徴収事務について、広域連合を創設をして、平成20年度からの一元化をめざす、こういう状況である。この一元化の利点としては、税務職員の削減や市町村税の徴収アップによる増収、納税者の利便性などのこういう効果的なものが挙げられているが、このような徴収体制の強化に関する国や他府県の動向をどのように今認識をして、本県として今後どのように取り組んで徴収率アップを図ろうとしているのか、お伺いしたいと思う。





○(宗野税務課長)  政府の規制改革・民間開放推進会議の最終答申に盛り込まれた地方税の徴収業務の民間開放は、徴収率の向上等の観点から、徴収業務にノウハウを有する民間事業者を活用すべきであるとする内容であるが、強制力を伴う税の徴収権限を民間に付与する場合の問題点をいかに解決するのか等の課題がある。


 また、静岡県が提唱した地方税の課税徴収事務の一元化に向けた広域連合の創設についても、委員ご紹介のとおり、納税者の利便性の向上等のメリットは想定されるが、現行法令上では、広域連合が処理することとなる申告受け付け等の事務が、県・市町村の窓口では取り扱えなくなるといった課題もあることから、本県としても、総務省及び静岡県の今後の検討状況を十分に見きわめる必要があると考えている。


 一方、市町からの引き継ぎ要件が緩和される都道府県による個人住民税の直接徴収については、本県においても、個人住民税の徴収歩合の低い市町などを対象に、市町と協議をしながら、取り組みの検討を進めていきたいというふうに考えている。


 また、個人住民税の徴収対策については、県と市町との間で徴収対策を協議するため、平成11年度に設置した個人住民税等徴収対策特別会議を中心に、情報交換はもとより、職員研修や共同徴収等に取り組んでいるところである。


 今後とも、他府県における取り組み等も十分踏まえ、より効果的・効率的な徴収体制について検討を行いながら、徴収率アップに向けて取り組んでいきたいと考えているところである。





○(佃助三 委員)  今後、課税自主権の検討とかその活用とともに、どうか納税者の間に不公平感が残らないよう、滞納者に対する適切な徴収強化をひとつよろしくお願いしておきたいと思う。


 次に、還付事務の見直しの問題についてお伺いしておきたいと思う。


 17年度の地方税制改正によると、自動車の県外移転に伴う自動車税の月割計算制度が廃止される、こういう方向である。この見直しによって還付事務が簡略化されるわけであるが、15年度の県税の還付事務は、今、17事務所で年間20万3,305件、こういうふうに伺っている。


 この還付方法について、例えば自動車税の還付のケースでいうと、抹消登録をした場合、振り込んでもらう口座を申告した場合において、その口座に還付金を振り込んでもらうことができるが、そこまでの手続を今自動車ディーラーに依頼する県民は少ないと思う。


 その結果、本人あてに還付通知が届いたり、還付金を受け取ろうとすると、居住地域によって受け取れる金融機関が限られている、こういうことで、本人の勤務場所とか居住地が異なることが多い昨今の事情から、結局は県民に不便が生じる実態があるのではないかと認識するわけである。


 地方税法の改正によって、今、コンビニで自動車税を納付することができるなど、県民の立場に立った行政サービスの提供が進んでいるわけである。


 そこで、県民の立場に立って、もっと簡単に還付金を受け取れるよう、還付事務の改善が必要ではないかと考えるが、どのように認識をされ、今後どういう方向性を持っているのか、お伺いしておきたいと思う。





○(宗野税務課長)  県税の還付金に係る支払い事務については、支払いを受ける納税者の利便性を考慮すると同時に、安全かつ確実な方法によることが重要であるというふうに考えている。


 こうした観点から、県税還付金は、口座振替払いを推進しているところである。しかし、そのほかに、指定金融機関または指定代理金融機関で支払いを受けることができる送金通知書の送付、送金通知書の方法により支払いを受けることが困難である県外納税者等に対しては、郵便振替払出証書の送付による支払いを行っている。


 また、平成16年度からは、特に件数の多い自動車税還付金の口座振替払いの利用促進を図るため、県税広報パンフレットや納税通知書に同封するチラシによるPR、また、自動車販売会社等への口座振替払いを推奨するチラシの配布など、便利で安全な口座振替払いの周知に努めているところである。今後とも、県税還付金に係る支払い事務のより一層の改善に取り組んでいきたいと考えている。





○(佃助三 委員)  いろいろ努力されるようであるが、現に今コンビニで税金の納付が可能になっている県も出ている。還付事務を含めて、どうか県民の利便性を考慮した適切な事務改善を行うことと、それから、県下17の県税事務所に勤務している600人以上の税務職員の皆さんについても、県のこの行革努力、一番発信しやすい立場にあるわけである。そういうことで、組織的にも、こうした意識改革、具体的な取り組みをどうか進めていただきたいということを要望しておきたいと思う。


 最後に、芸術文化センターの利用料金の減額についてお聞きをしておきたいと思う。


 10月22日には、我が会派が特に力を入れている芸術文化振興の拠点、いわゆる芸術文化センターがオープンすることになっている。今定例会に、この芸術文化センターの設置及び管理に関する条例が提案されている。


 この芸術文化の振興を図る立場からすると、主催者から申請があり、兵庫県や県教委が後援する場合に、何らかの判断基準が必要かもしれないが、必要な場合、センターの利用料金の減額措置を行っていただきたいなと思うが、そこで、県や教育委員会が後援する場合の利用料金の減額についてのお考えをお聞きしておきたいと思う。





○(山本県民政策部総務課長)  芸術文化センターの利用料金については、受益者負担の原則を踏まえ、類似施設との均衡とともに、利用者の利便性に配慮しながら、利用時間区分等に応じた利用料金の設定を行っているところである。


 また、自主的な経営努力が発揮しやすい利用料金制を導入し、利用料金を指定管理者に収受させるとともに、収入については、施設の維持管理費に一定額を充てるほか、残額を広報活動や普及事業に充てることとしている。


 具体的な料金設定の考え方としては、条例別表により、入場料金3,000円を基準として収益性を考慮し、入場料金が3,000円以下の場合は、約3分の2の利用料金を設定するほか、リハーサルなどの準備等の利用の場合にも、10分の7に割り引くこととしている。


 なお、利用料金を減額する場合の基準については、ご提案の県等の後援の有無もさることながら、県の芸術文化振興の面で、芸術文化センターが果たすべき役割を踏まえつつ、当該公演の広域性なども十分考慮して具体的に検討していきたいと考えている。





○(佃助三 委員)  このことについては、会派としても以前から強く主張をしている意見でもあるので、どうか当局においても、芸文センターのオープンを機に、本腰を入れた取り組みを着手していただきたいと思う。


 そういうことで、時間も来たので、これで私の質問を終わる。





○(山口信行 委員長)  以上で佃 委員の質疑は終わりました。


 次に、杉本委員。





○(杉本ちさと 委員)  私は、歳入審査に当たって、県民の目線、庶民の目線から、暮らしがどう変わるのか、福祉と暮らしが守られるのか、そういう視点から質問を行う。


 まず、三位一体改革についてである。


 政府は、2004年度予算において、三位一体改革で、前年度予算から地方交付税を2兆9,000億円も削減した。これによって全国の自治体で大変厳しい財政運営が強いられ、本県でも570億円もの交付税が削減され、減額され、基金の取り崩しや県債の発行が行われたところである。そして、ことし、地方からの大きな反発の中で、政府は、今後2年間は地方交付税など一般財源の必要総額を確保すると公約をした。三位一体改革が本年度予算に一体どのように影響しているのか、お尋ねをする。





○(竹本財政課長)  三位一体改革の17年度予算への影響という点であるが、午前中にもご答弁をしたが、税源移譲として、所得譲与税で293億、税源移譲予定特例交付金で277億、合計570億円が税源移譲されたと考えている。


 一方で、国庫補助負担金の廃止・縮減に伴う影響額では637億円と見込んでいる。したがって、ここに差が67億円あるが、これは地方交付税で措置されるというふうに私どもは考えている。





○(杉本ちさと 委員)  政府の公約は2年である。言いかえれば、2005年、2006年の後には、すなわち2007年度には削減をするということだと思われる。実際、これまで骨太方針第2弾で、交付税の財源保障機能全般について見直し、縮小していくと打ち出して、そして2004年度に大なたを振るった。


 今度は、2007年度以降は、地方交付税の仕組みを変えて、数年間の中期地方財政ビジョンを策定して交付税額を決めていく方法に変えていく、そして交付税削減を行うことをめざしている。県として、今後、中長期的にどのように見通しを持っているのか、お尋ねをする。





○(山本県民政策部総務課長)  今回の政府・与党合意には数々の残された問題があり、今後さらに国と地方の協議の場において、引き続き十分な検討が行われなければならないと考えている。あわせて、「改革と展望の期間」が終了した平成19年度以降の第二期改革への道筋を明確にしていく必要がある。


 そのため、今後とも、兵庫県地方分権推進自治体代表者会議や全国知事会などとともに、地方の自由度を高めるという三位一体の改革の本旨の実現に努め、また、平成19年度以降の第二期改革に向けて、世論喚起を行いつつ、国に対して粘り強く働きかけていきたいと思う。





○(杉本ちさと 委員)  国に対して粘り強く働きかけていくというご答弁であるが、国の三位一体改革の本当のねらいというところを、しっかりと見ていただきたいというふうに思う。財務省の宮内 豊財務省主計官は、ことしの1月、三位一体改革セミナーで、地方交付税の目的は財政調整と財源保障の二つだが、これが地方の自主性・自立性を妨害している、また、地方の財政運営にモラルハザードをもたらすとか、いろいろ言って、地方交付税が多過ぎる、縮減しなければならないと本音を述べている。三位一体改革が地方への財政支出削減にあることは明らかである。


 県として、地方交付税削減を許さない取り組みが必要である。地方交付税の財源保障機能、財政調整機能を堅持するよう知事会等で一応要望しているが、県独自としても強く国に働きかけることが必要と考えるがどうか。





○(高井企画調整局長)  私どもにとって、地方交付税の重要さというのは、先ほど来の議論にあるように、大変大きなものがあるので、かねてから全国知事会等とともに連携しながら、強く要望しているところであるが、先ほどご紹介されたような国の財政当局の思いというのも、もちろん我々は認識した上で、そういう戦略をお持ちであろうということを踏まえながら、それに対応できるような理論の構築をしながら、国に粘り強く働きかけていきたいというふうに思う。





○(杉本ちさと 委員)  ぜひ県独自ででも、また、広く世論を喚起して、交付税制度の堅持を強く求めていただきたいと思う。


 次に、国庫補助負担金の見直しについて質問をする。


 昨年の11月、政府と与党が三位一体改革で合意をした。その中身は、2005年、2006年度で、国庫補助負担金を3兆円程度廃止・縮減し、税源移譲はおおむね3兆円規模をめざすというものである。


 これは、2004年度の6,560億円を含んでいるが、この税源移譲の対象に、検討も含めて候補に挙げられているのが、義務教育費負担金や国民健康保険負担金、生活保護や児童扶養手当などである。これらは、今後10年間の単位で見てみると、ふえ続けていくことが予想される。税源移譲となると、人口と所得に応じて増減する個人住民税、これが基準になるため、財政力の弱い自治体では今後ふえることは期待できない。経費の増大に見合う税収が確保できなければ、財政運営に支障を来す。


 一方、国庫補助負担金の制度ならば、国が必要経費の一定割合を法に基づいて地方自治体に財源を保障するという責任がある。義務教育費や生活保護費などは、憲法が保障する国民の生存権や教育権、国の責任にかかわるものであるから、国の責任の後退を許してはならないと思う。


 国民の福祉や教育、暮らしにかかわる国庫補助負担金制度の堅持を、県として政府に働きかけていただきたいと思うが、どうか。





○(山本県民政策部総務課長)  生活保護費負担金や児童扶養手当の負担率の切り下げは、単なる財政のツケ回しであり、絶対に認められないと考えており、兵庫県地方分権推進自治体代表者会議や全国知事会などとともに、国に働きかけていきたい。


 また、義務教育については、国が憲法に定められた責務を果たすことは当然であるとしても、小中学校の先生方の給与の2分の1を国が負担していることで、国の責務が必ずしも担保されているわけではなく、義務教育費国庫負担金制度を堅持すべきだとは考えていない。


 義務教育は、現行制度上、学級編制や教職員定数に係る標準が定められており、今、さらに、全国一律・画一的な教育のあり方自体を、もっと選択的で、もっと自由な内容にしていこうとの動きが強い中、これからの社会を担う人材は多様であるべきとするのは共通の理解であると考えているところである。


 三位一体改革の全体像では、義務教育費国庫負担金の削減額のみが示されており、その中身において中央教育審議会の審議にゆだねるなどにより、義務教育における財源のあり方についても、教育内容とのかかわりでさらに検討することとされており、今後とも注視していく必要があると考えている。





○(杉本ちさと 委員)  生活保護費とか児童扶養手当については認められないが、義務教育費については別だというふうなご答弁であった。私たちは、そういうふうには考えていない。また、多くの教育関係者、また団体、多くの国民が、この義務教育については国の責任をしっかりと堅持させるべきだという世論も大きいというふうに思う。憲法第26条に基づいて義務教育が国の大きな責任を明記されているところである。改めて国の責任を求め続けていただきたいと要求をして、次に移る。


 次は、税源移譲の問題についてであるが、国は地方に税源移譲と言いながら、必要な税源移譲は行われていない。地方自治体の仕事に見合う税財源の配分を地方は強く求めているが、非常に厳しい財政状況の中、財源に消費税の増税をとの声が出てくることが考えられると思う。


 政府は、実際、2007年度消費税増税に向けて、今、着々と準備を進めているが、消費税は庶民に最も重く負担を押しつける最悪の不公平税制である。これ以上の消費税増税は、県民の暮らしと営業を破壊するものになる。国に消費税を増税しないよう働きかけることを求めるが、いかがか。





○(宗野税務課長)  消費税については、あらゆる世代が広く公平に負担を分かち合い、安定的な歳入構造を構築する上で重要な税であるとされ、今後の税体系構築に当たっては、国民の理解を得る努力を払いつつ税率の引き上げが必要であるとの認識が、昨年11月の政府税制調査会の答申で示されたところである。


 いずれにしても、消費税や個人所得課税のあり方については、少子・高齢社会を支える税制の構築を進める中で、所得・資産・消費の各税の負担が国民負担や社会経済の枠組みにおいてバランスのとれた税体系となるよう、国において十分な議論がされるものと考えているところである。





○(杉本ちさと 委員)  消費税の増税の必要性を国は認めているという答弁で、そして、それに対して、県はどのようにお考えなのか。消費税の増税が、県民の立場からして、大変これ以上の増税は反対だという声が大きい中で、県はどのように考えているのかという質問に対するお答えがかみ合っていないと思うが、私の質問は、消費税の増税を、政府に、反対として、増税を認めないという声を上げてほしいという要望に対してのお答えをお願いする。





○(荒川企画管理部長)  消費税についても、税制調査会の方で、今後、国民的な議論を行っていくべきであるということが言われており、私どもも、今後そういう方向で議論がされていくものというふうに考えている。





○(杉本ちさと 委員)  消費税増税に反対という声を改めて表明をして、次の質問に移る。


 次は、県の行財政改革推進についてお聞きする。


 私たちは、これまで、繰り返し福祉医療などの削減をやめて、投資事業の抑制などの行財政運営を求めてきた。行財政構造改革後期5か年の取組みの財源対策では、一般財源が1,880億円の収支不足と見込んでいたが、新年度の今後の財政収支見通し試算では、収支不足が2008年度までに1,020億円の増加を見込んでいる。合計2,900億円もの収入不足としている。


 三位一体改革で、昨年、国が500億円余りの交付税削減を行ったため、見通しが変わったと県当局は説明した。また、経済見通しなどの修正によるものとしているが、最大の問題は、その大もとにある、たびたびこれまで私たちが指摘してきたように、支出で投資事業を温存していることが一番収支見通しを狂わしているのではないか。その点についてお答えいただきたい。





○(竹本財政課長)  今回の収支見通しは、平成15年度をベースとしていた従来の見通しを16年度の年間見込みをベースに前提として置きかえをした、いわば機械的に計算したものである。


 もう一方で、投資的経費という点についてのご質問があったというふうに考えているが、投資的経費については、県議会ともご相談をしながら、昨年度、行財政構造改革推進方策の見直しの中で、年平均投資額を3,400億円とするとともに、事業の重点化・効率化、また「つくる」から「つかう」という観点からの既存社会ストックの機能向上や拡充に努めているところである。





○(杉本ちさと 委員)  投資枠が3,400億円と、この枠をつくったという答弁である。しかし、例えば新年度予算の投資的経費は3,568億円であるが、投資枠3,400億円を既に168億円超えている。その理由は、台風被害対策がふえたからだということであるが、原因はそれだけではないと思う。投資事業に余りにも固執する財政運営の姿勢にあるというふうに思う。


 それで、県行革が始まってからこれまで、決算ベースで投資的経費の枠内におさまった年は一度もなかったというふうに思うが、いかがか。





○(竹本財政課長)  まず、17年度当初予算、これは、委員も言われたが、台風第23号等一連の風水害、また市町合併の支援に対応していく中で、それ以外の通常の投資事業については、投資補助が92.8%、投資単独は94.8%と、前年度よりも抑制をしたところである。


 それで、今までの投資の決算額ということであるが、行財政構造改革推進方策は、一般会計をベースに、その収支を見込みながら対応してきているところであり、昨年、県議会ともご協議をしながら、3,400億円にしている。15年度の決算を見ると、ほぼ一般会計では3,481億円という数字である。


 3,400億円というのは、20年度までの年平均的に3,400億円ということであるので、15年度もほぼそれに沿った数字の決算ではないかというふうに私ども考えている。





○(杉本ちさと 委員)  3,400億円を少し超過しているだけだというふうなご答弁であったが、私たちは、県行革の投資的経費の見込み額が余りにも高過ぎることを以前から指摘をしている。そして、大幅な削減をめざす取り組みを求めてきた。


 ところが、兵庫県の財政運営は、行革で設定した枠を補正予算等で大幅に超える財政運営に終始してきた。2003年度決算では、一般会計だけで3,564億円、特別会計を入れた普通会計ベースでは4,697億円と大幅にふえている。ことし2004年度の補正後の額を見ると、一般会計だけでも4,404億円と、行革で枠取りしている3,400億円を1,000億円も超過して、本当に異常なものだと指摘せざるを得ない。幾ら台風被害対策がふえたといっても問題だと思うが、これはどのように考えているのか。





○(竹本財政課長)  もう一度繰り返しになるが、まず、行財政構造改革推進方策、これは一般会計をベースに20年度まで平均的に年3,400億円と、この中には災害とかに係る部分は除いて、3,400億円を年平均的に行っていくということで、県議会とも協議したところである。


 特に本年度の場合は災害復旧もあったが、当然、年度内に入っての県税収入とかいろいろな歳入の状況等の中で、午前中も答弁したが、県債は、その交付税算入の状況とかも考えながら、適切に財政運営の財源として私ども活用している。


 しかしながら、その総額においては、協議した中で、単年度だけを見れば、当然、移動はあるが、平成20年度までの間の中では、行革の中で協議した額に応じたように、平均的に3,400億円前後という形で対応していきたいというふうに考えている。





○(杉本ちさと 委員)  福祉医療の削減など本当に県民の暮らしと福祉を痛めつける、そういう行革ではなくて、投資事業の見直しで健全な財政運営を行うことを改めて求めて、次の県税の質問に移りたいと思う。





○(竹本財政課長)  私ども、投資的経費3,400億という議論を先ほどからしている。しかしながら、本県を見てみると、8,400平方キロメートルと非常に広大な県土を保有している。その中で、私たちは、投資的経費については、地域間・分野間での均衡とれた整備も図っていかないといけないというふうに考えている。


 しかしながら、投資的経費そのものは、その財源に県債、これはもともと地方財政法で規定をされているが、財源に県債も活用できることとなっている。その活用も、健全財政を図りながら、どの程度活用していくかもにらみながら、投資的事業を行っているところである。





○(杉本ちさと 委員)  改めて、福祉医療の削減など県民犠牲の行革ではなく、むだな大型の公共事業、むだな不要不急の投資事業を削っていくという方向、改めて進めていただきたいことを表明して、次の質問に移る。


 法人関係税が大きくふえている。356億円増で、対前年比27.5%の大幅増である。午前中の質問とダブるが、どのような業種の事業か、そしてどれだけの利益を伸ばしているのか、もう少し詳しくお答えいただきたい。





○(宗野税務課長)  17年度の法人事業税の算定については、先ほど申し上げたように、県下の代表的な法人130社に対しての業績予測等と、その他の法人に対しては、本県の税収動向に関連の深い法人を対象に、その業種別の分類をした上で、過去の税収状況と業績予測との差を考慮して算定をしているところであるが、法人事業税収については、委員ご指摘のとおり、1,365億1,900万ということで、対前年決見比109%と見込んでいるところである。


 内訳としては、製造業については、化学が、薬品関連で薬価の引き下げ等が減収要因となり87.6%、機械が、ハイテク業界の設備投資のピークアウト等が懸念材料となり93.3%と前年度を下回るものの、それ以外の業種においては総じて好調なため、製造業全体では110.3%となっているところである。


 一方、非製造業については、サービスが、レジャー関連の低迷もあり94.6%、小売が、営業が低調なことから98.1%と前年度を下回るものの、それ以外の業種ではほぼ好調なことから、非製造業全体では105.8%というふうな状況になっているところである。





○(杉本ちさと 委員)  法人事業税の大幅な増益ということであるが、法人事業税の業種別状況の推移というのが配られた。その中身を見てみると、例えば鉄鋼では、対前年比利益率が613.4%、実に6倍以上、また、石油産業では、681.8%、6倍以上で、本当に軒並み大きな利益を増大しているということが見てとれる。多いところでは、昨年の6倍以上もの利益をふやしている。企業によっては、過去最高の利益を上げたところもあるのではないか。


 しかし、法人にもいろいろある。財務省が法人企業統計調査を発表したが、1997年から2003年の間に、国内の資本金10億円以上の大企業の経常利益、これが実に6兆円も増加していると発表している。一方、県内では、資本金1,000万円未満の中小・零細企業、この7割が赤字企業というデータが出ている。大企業は大きく利益を伸ばしているが、中小企業は厳しいということが言えるのではないか。県はどのようにこれを認識しているか、お答えいただきたい。





○(宗野税務課長)  委員ご指摘の資本金別の大企業なり中小企業の税収の推移の関係であるが、15年度の過去の実績ベースであるが、本県において資料としてある1億円以下の企業の場合、平成15年度においては対前年伸び率104.4%というふうになっている。これに対して、1億円超の法人の場合、96.0%というふうになっており、15年度の状況を見る限りには、1億円以下の法人の方が伸びているというふうな状況がある。


 そしてまた、日銀神戸支店の短観予測等を見ても、中小企業の伸び率の方が高いというふうな傾向が示されているところである。





○(杉本ちさと 委員)  県の決算資料として出されている中に、私は、資本金が1,000万円以内の中小・零細法人の赤字企業の割合を述べている。そこの部分で指摘をしているが、それについてご意見をお聞きしたいと思ったが、私は、本当に大きなところは非常に利益をふやしているが、零細企業の場合、赤字企業は7割もある、そういう状況が、二極分化が大きく進行しているというふうに認識をしているが、もう一度お答えいただきたい。





○(宗野税務課長)  ご質問の関係であるが、ただいま手元にその中小企業と大企業における赤字法人の割合の数字等は持っていないが、委員ご指摘のように、一概に中小企業の方の伸び率が低くて、大企業の伸び率が高いということについては、先ほど申し上げたような数字等もあり、そうした傾向については具体的に検証はできていないということで、むしろ傾向的には、中小企業の伸び率が、本県の場合、このところ高いのではないかというふうに考えているところである。





○(杉本ちさと 委員)  認識の違いがあるということを保留をして、次の質問に移りたい。


 個人県民税が6億円ふえている。率にして前年比0.6%増である。そのうち、所得割分、これが11億円減収となっている。一方、先ほど言ったが、法人事業税が370億円もふえて前年比34.4%増に比べて、所得割はマイナスとなっている。これについて、私は県民の所得が逆に減少しているからというふうに思う。


 経団連の奥田会長は、大企業はリストラ合理化を進めて利益をふやしたと公言をした。1997年から2003年の間に、正規社員が193万人減少し、一方、派遣や請負、パートなど非正規社員が184万人ふえている。そういうデータが財務省の調査で明らかとなっているが、非正規社員の賃金は正規社員の約半分ほどしかない。企業が賃金の支払い経費を減らして大もうけをしたという仕組みがここにあらわれていると思う。


 企業の利益が従業員の給料などに還元されていないことは、県税収入の所得割の中身からも明らかだというふうに思うが、この所得割のマイナスについてどのように受けとめているのか、お聞きしたい。





○(宗野税務課長)  平成17年度の当初予算における個人県民税の現年課税分の調定額については、対前年度当初予算比で、ほぼ前年並みの100.7%の伸び率となっている。


 この大きな要因は、15年度の税制改正により創設をされた配当割において、景気回復に伴い、収益の向上した企業等からの配当の増加が見込まれることから、対前年度比162.4%と大幅な増収がこの配当割において見込まれることによるものである。


 個人県民税の太宗を占める所得割と均等割については、対前年度当初予算比99.2%ということで、ほぼ前年度並みとなっているところである。





○(杉本ちさと 委員)  質問したのは、昨年度、県民所得割が前年度に比べて11億円減収になっている。そのことは県当局の資料から出ているが、それについて、県民の所得そのものが減っていることをあらわしていると思うが、減っていないというふうに認識しているのか、それとも県民の所得そのものは減っているということを認識しているのか。





○(宗野税務課長)  委員ご指摘のとおり、個人県民税の所得割については、特別徴収分については減少している。ただ、普通徴収分については、人員等については増加しているが、総じて所得割全体が減少しているということで、個人県民税そのものが厳しい状況にあるということについては認識をしているところである。





○(杉本ちさと 委員)  県民の暮らしの実態、これは本当に厳しくなっているというふうに私は認識をしている。


 先月2月に、年金の振込通知書が年金生活者のもとに届いた。「所得税額が変更されました。あなたの年金は」の書き出しで、2ヵ月分の振込金額が記されているが、所得税額を見て、多くの方が本当にびっくりした。


 ある方は、64歳で年金生活者であるが、2ヵ月で5,200円も増税されている。本当にびっくりをすると同時に、年金額は減るし、これから年とっていくばかりなのに、とても不安だと、本当に情けないというふうにも言われていた。また、1年間で年金208万円で暮らす72歳のひとり暮らしのお年寄り、この方は、2月の年金振込通知書には、今まで税金がゼロだったが、所得税額が2ヵ月分で6,167円支払わなければならなくなった。これは、年金控除が縮小され、老年者控除が廃止されたからである。


 昨年は配偶者特別控除が廃止された。そして、今、定率減税の縮小・廃止がさらに負担増を迫るという予定である。また、この72歳の方のように、非課税者だった多くの方が課税者になることになっている。今、政府が進めている大増税計画、先ほどの県民の所得が減少しているということも踏まえて、本当に県民の生活、負担増がこれ以上押しつけられると大変である。国に対して、政府に対して、大増税計画、負担増をやめるように要望していただきたいと思うが、いかがか。





○(荒川企画管理部長)  税の体系については、個人の所得課税のみならず、いろんな法人課税、いろんな問題があり、それこそ政府税制調査会を初めいろんなところで議論されているわけであり、そういうところにおいて、日本の経済力、国際的な経済力も含め慎重な検討がなされるものと理解をしているところである。





○(杉本ちさと 委員)  先ほどの大増税計画が今、政府で進められているが、それについて、それぞれの制度ごとに、この兵庫県の県民税がいろいろと負担が重くなると思うが、試算されていると思う。制度ごとにお答えいただきたいと思う。





○(宗野税務課長)  個人住民税の税制改正の関係については、平成15年度、16年度、17年度のそれぞれの改正で、各種の控除等の廃止や制度の見直し等があったところである。


 主な項目の影響額と影響人員を可能な範囲で試算をすると、15年度税制改正では、配偶者特別控除が廃止され、その影響額は平年度ベースで32億2,500万、約65万人。


 16年度税制改正では、均等割の見直し、これは生計同一で100万円超の収入のある配偶者の非課税措置の廃止の関係であるが、その影響額については、平年度ベースで3億6,300万円、約37万人。老年者控除の廃止の影響額については、平年度ベースで14億1,400万円、約18万人。公的年金等の控除の65歳以上の者の上乗せ措置の廃止の影響額については、平年度ベースで6億3,900万円、約18万8,000人。


 そして、17年度の税制改正の関係については、定率減税の縮減による影響額が、平年度ベースで54億500万円。先ほどお話しのあった満65歳以上の者に係る非課税限度額の見直しに係る影響額は、平年度ベースで2億6,500万ということで、約4万3,000人というふうに見込んでいるところである。





○(杉本ちさと 委員)  合計金額にすると、多分110億円以上になると思う。すごい税金ではないか。113億円だったかもわからないが、ちょっと電卓が近くにないので計算できないが、110億円以上もの新たな負担が県民に押しつけられる計画になっている。


 一方、1999年に、定率減税と同時に法人税の減税も行われたが、今回の改定では、定率減税の縮小・廃止だけとなっており、法人税への減税はそのままである。これは逆さまではないか。この間の県の法人税減税の影響は、法人税が減税されたということで、過去5年間の影響額、これが実は381億円にも上っている。企業には減税を続け、国民には半端じゃない増税を押しつける。こんな県民泣かせの政府増税政策、やっぱり県として撤回するよう国に求めていただきたいと改めて要望をして、次の質問に移りたい。


 先ほどから見てきたように、大企業と県民の生活、本当に二極分化がさらに進んでいる実態だと思う。富める者がさらに富み、貧しい者はさらに貧しくなるように進めていることは、税制上から見ても明確ではないか。勝ち組、負け組をつくり出すことが目的の構造改革など県民は望んでいない。


 県は、国の悪政の防波堤となって、県民の福祉や安全を守ることが本当に求められている。能力に応じて負担をする、これが近代税制の本来の姿である。空前のもうけをしている大企業に応分の負担を求めること、これが今必要ではないか。


 大企業が大きく利益を上げている今、法人県民税の超過課税を、現在税率0.8%、これを1%に引き上げることを求めたいと思う。制限税率が1%となっており、県の裁量でそれができるのではないか。いかがか。





○(宗野税務課長)  まず、前段の法人課税の税率の関係であるが、これは、政府税制調査会の平成17年度の税制改正の答申において、法人課税の税率についても、当面引き下げる状況になく、我が国の税負担の水準や税体系のあり方との関連、他の先進国との税率のバランスを踏まえ、総合的に検討すべきという認識が示されたところである。


 そして、法人県民税の超過課税の関係であるが、法人税割の超過課税については、本県も含め現在46都道府県で実施をされており、東京と大阪を除き、すべての府県では本県と同様に5.8%という税率を採用しているところである。


 超過課税の税率については、課税自主権の活用として納税義務者に負担を求めるものであり、納税義務者の理解が得られる水準であるということが必要である。また、こうしたことから、他府県とのバランスにも考慮して判断すべきものであるというふうに考えている。





○(杉本ちさと 委員)  法人県民税の超過課税、いろいろと議論がなされているところである。私たちも、使途、目的を変えて、広く県民の福祉や暮らしに役立てるよう、そして社会に還元することができるようにと改めて求めて、緑税について質問をしたいと思う。


 県は、今回の緑税導入に当たって、なぜこのように急がれるのか、本当に多くの県民が怒っている。本県より先に導入した高知県であるが、2年間かけて県民の意見を聞く努力をしている。例えば広報紙、広報番組、シンポジウムの開催や全県民を対象にした説明会を66回も行うなど、丁寧に県民の意見を聞き対応している。私も高知に行き、そのときのさまざまな意見を聞いてきた。


 本県では何人の方が緑税の導入をご存じか、非常に疑問である。今回、本県ではどのような周知をしたのか、お伺いする。





○(宗野税務課長)  県民緑税については、平成13年11月に設置した税制研究会での検討内容等についても、県のホームページを活用し、広く情報発信を行ってきたところである。


 さらに、平成15年11月の「緑の保全のための税検討委員会」の設置に合わせて、県のホームページ内に新たにページを設け、検討委員会の審議内容や中間報告、最終報告、また、委員会での最終報告を踏まえ作成した県案など、逐次、情報発信を行ってきた。


 昨年9月の検討委員会の中間報告の公表の際には県民からの意見募集を行い、さらに、1月に作成した県案についても県民意見の募集を行ったところであるが、県案に対する意見募集に際しては、記者発表を行うとともに、県のメールマガジンやテレビなどの電波媒体の活用、県税事務所や県民局、県下の市町へのチラシの設置等による広報を行ったところである。


 こうした結果、県民緑税のページへのアクセスは、9月の委員会中間報告への意見募集から現在までで、約6,200件に達しているところである。





○(杉本ちさと 委員)  そのように言われるが、ほとんどの県民が緑税を知っていない。そして、これは、県民の理解を得ないで、県民に十分周知、知らされないまま、緑税を導入するという拙速な行き方、この点に対して、知れば知るほど県民は怒りを増しているという状況だというふうに思う。


 手続上の問題だけでも全く県民無視だというふうに思う。県民が知ったころには、もう条例化され、実施あるのみではないか。いつ県民がイエス、ノーを表明するのか。民主主義のルールを全く無視しているではないか。


 その上に、県当局は146件のパブリックコメントで8割の賛成があったと言われるが、私がパブリックコメントの中身を精査してみると、賛成の中にも、「原則的には」とか「条件つきで」などの意見が多く見られた。私の感想では、賛成は半分程度だというふうに思う。とても県が言われる「8割が賛成」とはとれない。しかも、賛成には、明らかに林業の関係者と見られる意見が大半を占めている。もちろんそれぞれの立場で意見を出すのは当然のことであるが、ちょっと偏り過ぎているのではないか。


 先日、私たちが主催した県政懇談会に参加した方も、この税についてはご存じの方はなかった。また、井戸知事は、つい最近、日曜日に、宝塚で、さわやかトーク、また地域ビジョンの総会などを行い、出席をしたが、緑税について一言も発言をしていない。三田でも同じような状況だったそうである。本当に緑税について県民に周知徹底するというのなら、知事みずから、また県が、多くの県民に直接説明をしなければならないのではないか。


 本当に必要かどうか、県民の納得を得られているのかなど、導入に当たっての方法が余りにも性急でいいかげんである。決める前に、もっと時間をかけて県民の理解を得るべきと考えるが、いかがか。





○(荒川企画管理部長)  森を守る、緑を守る、保全していくことの必要性、重要性については、ご理解をいただいているものと思う。また、このたびの一連の風水害によって、特に緑の脆弱性、本県の緑の脆弱性が強く認識されたということも、ご案内のとおりかと思う。


 したがって、県民の代表であるこういう議会の場でも、何度も説明をして、何とぞご理解をいただきたいということで、今、汗をかいているわけである。


 何人の人が知っているか、知事も申し上げたが、200万世帯みんなにというわけにもいかないだろうし、できるだけのパブリシティー、努力をしたところであるし、これからも、実施に向け、ご理解をいただくように、これまで以上の汗をかいていきたいというふうに思っているので、何とぞこの県民緑税の必要性についてご理解をいただきたい、切にお願いをするところである。





○(杉本ちさと 委員)  お願いをされても、納得できないことはできないわけであるが、緑税条例の趣旨には、「緑の保全及び再生を社会全体で支え、県民総参加で取り組む」とある。もちろん森林の重要性については異議を挟む余地はないが、一般県民と企業の責任分担という点で、これでいいのだろうかという疑問がある。


 今、国においても、排出者責任としての環境税が議論されているところである。日本原子力文化振興財団の資料集の中でも、CO2 の排出量の1番はエネルギー部門、2番目は産業部門、その次に運輸部門と、全体の90%を占めるという報告がある。


 本県でも、例えば神戸製鋼の火力発電所を見てみると、CO2 の排出量は2基で200万トンと言われている。その二酸化炭素を森林が吸収する木の量を林業白書をもとに計算すると、炭素換算値で換算すると、200万トンとして、杉では実に5億2,600万本にもなる。しかも、神戸製鋼の火力発電所の排出量は200万トンではなく、実は3倍以上だと神戸商船大学の西川名誉教授は指摘している。単純に置きかえても、それだけの木が1年間で奪われている。県民総参加を言われる前に、そのように多くのCO2 を排出している企業にその責任を十分に果たさせる必要があるのではないか。これについてお答えいただきたい。





○(宗野税務課長)  緑の公益的機能は、二酸化炭素吸収による地球温暖化の防止、大気の浄化等の環境面での機能のほかに、土砂の流出や山崩れ、火災の延焼防止のような防災面での機能、さらには、保健・休養面から主に個人にその効果が及ぶ機能など、さまざまなものがある。


 また、地球温暖化防止の関係では、民生部門での二酸化炭素の排出の伸びが大きいというふうな指摘がされているところである。


 県民緑税については、こうした多様な公益的機能を有し地域社会を支える基礎的なインフラとしての側面を持つ緑を県民共通の財産として位置づけ、緑の保全・再生を社会全体で支えるという観点から、法人についても資本等の金額に応じた負担を求める内容で提案をしているところである。





○(杉本ちさと 委員)  法人の課税は2,000円から8万円程度というふうになっている。この緑税、抜本的に考え直すべきだというふうに思っている。


 さらに問題があるのは、緑税の課税対象人数の問題である。対象者が240万人というふうに算定をしているが、18年度から導入される先ほど言った65歳以上の非課税措置の対象者は、反映されていない。この税の対象である住民税均等割、65歳以上の対象者は3万数千人に上るというふうに試算が出ている。住民税の均等割が800円、この方たちに大きくのしかかることになる。定率減税や配偶者特別控除の廃止、本当に県民の負担がふえるばかり、その上に県民緑税が大きくのしかかるという負担増になる。


 先ほど申し上げたように、県民の多くの方は、この緑税について周知、知らされていない。そして、240万人を超える方たち、正確には240万人を大きく超える人たちが800円の上乗せの税金が課税されるわけである。本当に手続上からの問題を見ても、弱い立場にある人たちから税金を取るというこの緑税の性格、到底納得できるものではない。撤回するしかないというふうに思うが、白紙に戻すことを求めるが、いかがか。





○(荒川企画管理部長)  弱い人からいただくのではなくて、緑のメリットを享受している方々皆様から、法人も含めて皆様方からひとしく会費的にいただくということであることを、十分これからも県民の皆様方にご理解をいただくよう努力をしていきたいと思う。





○(杉本ちさと 委員)  緑税は、白紙撤回を求めて、県債の問題について一言質問したいと思う。


 台風災害があって、新年度、対策がとられて、県債を多くふやしているというふうに言われている。しかし、この県債の中で土木債の占める割合、土木事業の中で借金がふえているという点について注目をしたいと思う。


 私は、2000年・12年度から、これまでの当初予算において土木費がどう推移し、その中で土木債がどの程度発行されたか、土木費に占める起債の割合を予算書の中から調べてみた。


 そうすると、土木費の総額は3,300億円から2,970億円へと5年間で1割程度減っているが、その財源としての起債、土木債は逆に70億円もふえている。土木費に占める起債の割合も38.8%から45.1%へと7ポイントもふえている。一方、反比例するように、土木費に占める一般財源の割合は、人件費を除くと10%を切る状況まで落ち込んでいる。その中でも、特に国の補助事業に至っては、事業費が911億円のうち一般財源の占める割合はたった0.2%、2億円だけである。お金がないのに投資事業を続け、借金ばかりふやしていることは、これでよくわかるのではないか。


 私は、公共投資の確保に躍起になって、将来に大きなツケを残すようなこれまでのこのやり方に見切りをつけて、新たな起債をできる限り抑える姿勢を持つべきであると考える。投資事業全体をそれこそ聖域をつくらず全面的に見直して、大幅削減をする以外にないと考えるが、いかがか。





○(竹本財政課長)  まず、起債については、総務省において地方債の起債の充当率を、例えば土木の中でも港湾とか河川とかいろんな事業がある、そういうふうな中で、どれだけの率で起債を充当するかというのは、年々「地方債の手引」というふうな形で総務省の方から指針が出される。したがって、同じ事業を行うに当たっても、その財源スキームというものは、毎年毎年、国庫、起債等の財源内訳であるが、変わってくる。


 そのような中で、年々、必要な事業については、私も何回も申し上げて申しわけないが、後年度の財政負担、いわゆる弾力性をそがないような形で、起債については元利償還という形で後年度負担が出てくる、ただ、施設そのものは後年度も使う方がいるので、当然、年度間の調整という形で、財源としても活用していかなければというふうに考えている。そういう中で、起債を充当しながら対応してきているところである。


 また、もう一方、公共投資関係の県債発行の中の、例えば普通土木債の割合がというお話があったが、年々の県債の発行額の中で、例えば道路、河川等の普通土木債の占める割合、こういうのを見てみると、従来50%台で推移をしていたが、40%台、まして平成17年度は約36%程度、いわゆる発行額の中における普通土木債の割合というのは低くなってきているのではないかというふうに考えている。ご理解いただきたいと思う。





○(杉本ちさと 委員)  時間になったので、これで私の質問を終わるが、最後に、本当に先ほどから申し上げたように、国の大増税計画、本格的に進んでいる。そんな中で、国の悪政の防波堤となって、県民の暮らしや福祉、教育を守るのが、本来、県が行うべきことであり、その方向で財政運営がされることを心から期待をして、質問を終わりたいと思う。





○(山口信行 委員長)  以上で杉本委員の質疑は終わりました。


 次に、西野委員。





○(西野將俊 委員)  すばらしいやりとりの後で、私がトリを務めるのは甚だ恐縮であるが、いましばらくのお時間をお許しいただいて、私の質問、1点だけさせていただきたいと思う。


 私が日々議員になってから活動する中で、常に意識していることがある。それは、私の初めての一般質問の冒頭でも述べたが、次の世代に胸張って何を残せるかということである。


 きょうは私にとっては初めての予算委員会の歳入審査ということで、一体何を質問したらいいのか、随分と悩んだ。というのも、議員になるまで歳入というものを明確に意識したことがなかったからである。新聞の国・地方合わせた債務残高が危機的状況にあるという記事を見て、えらいこっちゃなと漠然と考える程度であった。


 とはいえ、前々から漠然と疑問に思っていたことがある。それは、これだけ借金があって、何で日本の財政は破綻しないんだろうという単純な疑問である。民間企業であれば、これだけ負債が膨らめば、当然、倒産である。では、なぜ国や地方政府は倒産しないのか。それは、いざとなれば、増税によって強制的に民間の資金を巻き上げることができるという強力な切り札を持っているからである。


 それでは、一体、いつ、その増税という切り札を切るのか。景気が奇跡的な回復を見せて、それに伴って大幅な自然増収が発生する可能性もないわけではないと思うが、今の状況では恐らく無理ではないか。だとすれば、将来のいずれかの時点で増税が行われるのは確実であり、そうなれば、バローの中立命題が成立しない限り、次の世代に税負担が転嫁されることになる。


 問題なのは、選挙権を持っていない次の世代の子供たちにとって、自分たちの選考を現在の政府に対して顕示するすべがないということである。政治家も含め、結局、臭い物にはふたということで、問題を先送りしようというインセンティブが働く。年金などはその最たる例であると私は思っている。


 このような問題意識のもとで、次の世代の若者や未来の子供たちに過度な負担を転嫁しないという観点から、1点だけ質問したい。


 平成17年度の当初予算を見ると、三位一体改革で平成16年度に地方交付税と臨時財政対策債が大幅に削減された影響が残り、可能な限りの財源対策を講じてもなお解消できない収支不足に対して、昨年度に引き続き100億円の退職手当債の発行と企業会計からの100億円の借り入れで対応したことがある。


 依然として厳しい財政環境のもとで、いろいろとやりくりに苦心されていることは重々承知しているが、結果的には、昨年度と全く同じ臨時的な財源対策を講じざるを得ない状況となっているのは事実である。


 もちろん、火急の状況下において臨時的な対応をとることをすべて否定するつもりはないし、三位一体改革の全体像が見えない段階において、直ちに抜本的な見直しを行えというのは時期尚早かもしれない。しかし、どんな理由づけをしようとも、結局、これらが次世代の若者や未来の子供たちに負担を残す借金であるということに違いはない。


 また、臨時的な特別対策のみならず、例年、財源不足に対応するために基金を取り崩し、借金である県債を発行している。今がなければ未来もないわけであるから、借入金をできるだけ圧縮するという意味でも、活用可能な基金は当然使うべきであるし、将来世代も一定の恩恵が享受できる公共事業についても、その財源確保の仕組みとして県債を活用しようとするのも、財政当局にとってごく自然な考え方だと思っている。


 しかし、平成17年度の県債発行額を見ると、一連の風水害対策を除くと、昨年度より抑制されてはいるものの、現実問題としては県債残高は増加し続けており、毎年の元金返済額以上に借り入れを行っている状況である。


 このような状況下で、私が一番気になっているのは、県債と地方交付税の関係である。「三位一体改革の影響で地方交付税が削減された」と訴える一方で、「県債残高については地方交付税措置があるから大丈夫」というのでは、理屈が合わないのではないか。臨時財政対策債についても、国の地方交付税特別会計における財源不足のうち地方が負担すべき部分について、これまで国が借金をして立てかえていたものを、地方の借金であることを明確にするために、最初から地方の借金として計上するようになったものだと私は理解している。


 県の財政当局の立場としては、「交付されるべき地方交付税は、満額交付されるのが当然である」、「臨時財政対策債は地方交付税の振りかえなので、通常の県債とは性格の異なるものである」、「他の県債残高についても、交付税措置されるべきものについては、当然、交付税措置されるから大丈夫である」と主張することは、立場上、当然だと思う。


 しかし、結局は「だれが借金の当事者になるか」という不毛な議論をしているだけのような気がする。国が地方のかわりに借金をするにしても、地方が借金をするにせよ、しょせんは国民全体の借金がふえることに違いはないと思う。


 兵庫県民はすべて日本国民である。地方交付税が果たして本当に措置されるかどうかさえ怪しい状況であるが、仮に措置されれば、「組織としての兵庫県」は大丈夫かもしれない。しかし、県民の目線で考えてみると、次世代の若者や未来の子供たちにとっては、「兵庫県民」として負担を負わされるのか、「日本国民」として負担を負わされるかが違うだけであり、いずれにせよ重い負担を背負わされることに変わりはない。


 そこで、臨時財政対策債や交付税措置といった特殊要素を除かず、総額ベースで近年の県債残高はどのように推移しているのか、お伺いする。あわせて、その残高については、どのような認識を持っているのか。「組織としての兵庫県」という観点からではなく、大きな負担を強いられる「日本国民」としての「兵庫県民」の目線に立った答弁をお願いする。





○(高井企画調整局長)  国・地方を通じて大変厳しい財政環境が続く上に、震災あるいは台風などからの復旧・復興事業を行わなければならない本県においては、財政運営の財源として、一定程度、県債に依存せざるを得ないという状況である。また、大量に発行した過去の県債も、30年にわたって元金を償還するということであるから、なかなかその残高が減っていかないというのも事実である。


 平成元年度がいろんなもの全部合わせて8,400億円だったものが、17年度末で3兆1,600億円、約3.7倍となった。これは類似府県と同様の傾向を示しているということである。


 だからいいんだというわけではなくて、ご指摘のように、国債も地方債も、その償還は最終的には国民の負担である税という形で賄われるし、あるいは交付税措置があるといっても、その交付税も、もとは所得税とか法人税とかの税であるから、いずれも国民の負担になるということであり、将来的にも財政の弾力性を失わない範囲での活用にとどめることが望ましいということは言うまでもない。ただ、近年、国・地方を通じて大幅な収支不足が続く中で、特に国においてその収支不足が大きいわけであるが、これの対応として、2010年代の初頭をめざして、いわゆるプライマリーバランス、国債費と国債を除いた収支、これの均衡を保つように努力しようということで、今、努力中であるが、これが達成されないと、なかなか国債・地方債に依存するという体質からの脱却、我が国全体としてすることは困難ではないかというふうに考えている。


 私ども、ついついこの兵庫県財政がよければというふうな発想で物事を考えがちであるが、確かにご指摘のような巨視的な、日本全体としてどうなのかというふうな観点、認識を持つべきであるということは、ご指摘のとおりであろうかと思う。


 そうした意識を持ちながら、当面、私どもにできることとしては、県債の元利償還金が将来の財政運営に大きな影響を与えないように、ここで交付税のことも考えながら、公債費負担の状態を示す目安としての起債制限比率、これを目安として、尺度として、県債の発行量を適切に管理をしていきたいというふうに考えている。





○(西野將俊 委員)  後々の、未来の子供たちとは言ったが、県民だけじゃなく、やっぱり県職員としても次世代の若者が就職しているはずだと思う。そういう職員に対して余り負担にならないような形で、県政運営をやっていただきたいと思う。


 でも、あの3兆1,600億という県債残高、余りにも途方もない数字であって、幾ら県当局から大丈夫だと説明を聞いても、なかなかすぐに、私としても、ああ、なるほどと納得するような数字ではないのが現実である。


 単純な話、ことし並みの県税収入であるなら、その全額をつぎ込んだとしても、完済には5年以上かかるわけであり、年収が800万の人なら4,000万円からの借金を抱えている状態である。今の状況を住宅ローン並みと考えるかどうかはともかくとして、県民1人当たりにして56万円程度の負担ということであるから、父母と子供2人の家庭であれば、住宅ローンのほかにまだ200万円以上の借金を負わされる計算となるわけである。しかも、その額は減ることなく膨らみ続けている状況である。


 このような状況を打破するには、歳入の爆発的な増加か、歳出の抜本的な改善しかないわけであるが、本日のこれまでのやりとりを聞いていると、緑税を導入するだけでもこの議論である。新たな税源の開拓など夢のまた夢のように感じている。


 普通の感覚を持った人ならば、自分がどれだけ給料をもらえるかということを前提に、日々の支出額をその範囲におさまるようにやりくりすると思う。仮に借金をするにしても、返済が可能かどうかを考慮してローンを組むのが普通だと思っている。


 しかし、そういった普通の考えができない、若者というか、ちょっとばか者が多いのも事実であり、子供の養育ができないとこどもセンターに相談に訪れた大半の20代前半の親は、収入のほとんどを養育に充てるのではなく自分の遊興費に使ってしまい、あげくに、生活保護手続をしてもらおうと思って、後日、再度来るようにと言ったら、豪華な高級車、セルシオに乗ってあらわれるという、常識では考えられない、うそのような本当の話を私、この間聞いた。


 そういう若者にとっては、借りたお金の金利負担がどれぐらい膨らむかも考えずに、金がなかったら消費者金融に行って借りたらええんやというような感覚なんだろう。それで返済できなくなると、また別のところで借金する。こういう自転車操業を続けていたら、いずれ破綻してしまうことはだれの目にも明らかである。でも、この状況というのは、まさに今、国や地方公共団体でやられることと基本的に同じなのじゃないかと思うのは、私だけだろうか。


 子供は大人の背中を見て育つとよく言うが、次世代の若者や未来を担う子供たちに誇れる元気兵庫をどのように引き継いでいくのか、県当局と我々県会議員、県民一人一人が知恵を絞って、出し合って、考えて、改善していく、そういう時期に来ているのではないかと強く訴えて、私の質問を終わる。





○(山口信行 委員長)  以上で西野委員の質疑は終わりました。


 この際、お諮りいたします。


 歳入関係で通告のありました質疑は終了しました。


 ほかに通告を受けておりませんので、歳入関係の質疑を打ち切りたいと思いますが、これにご異議ございませんか。


  (異議なし)


 ご異議ないと認め、さように決します。


 次の委員会は、明11日金曜日午前10時より開会し、県民政策部・復興本部県民政策部及び企画管理部・復興本部企画管理部の歳出審査を行います。


 本日は、これをもって閉会いたします。


        午後3時8分閉会


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