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平成17年第282回定例会(第4日 3月 2日)




平成17年第282回定例会(第4日 3月 2日)





平成17年 3月第282回定例会


会議録第1439号


            第282回(定例)兵庫県議会会議録(第4日)


                         平成17年3月2日(水曜日)


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                               平成17年3月2日 午前10時開議


   第1 (平成16年度関係)


      第189号議案ないし第248号議案


      (平成17年度関係)


      第1号議案ないし第75号議案


       質疑・質問


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                 本日の会議に付した事件


   日程第1 (平成16年度関係)


        第189号議案ないし第248号議案


        (平成17年度関係)


        第1号議案ないし第75号議案


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                 出  席  議  員   (89名)


   1 番  吉  本     誠         48 番  酒  井  隆  明


   2 番  石  井  健 一 郎         49 番  山  口  信  行


   3 番  石  井  秀  武         50 番  内  藤  道  成


   4 番  小  池  ひろのり         51 番  釜  谷  研  造


   5 番  永  富  正  彦         52 番  長  田     執


   6 番  北  条  泰  嗣         53 番  原     吉  三


   7 番  松  田  一  成         54 番  葛  西  利  延


   8 番  いなむら  和  美         55 番  武  田  丈  蔵


   9 番  西  野  將  俊         56 番  水  田     宏


   10 番  藤  田  孝  夫         57 番  寺  本  貴  至


   11 番  松  本  隆  弘         58 番  立  石  幸  雄


   12 番  加  田  裕  之         59 番  永  田  秀  一


   13 番  筒  井  信  雄         60 番  原     亮  介


   14 番  森  脇  保  仁         62 番  岩  谷  英  雄


   15 番  野  間  洋  志         63 番  日  村  豊  彦


   16 番  長  岡  壯  壽         64 番  五  島  た け し


   18 番  加  茂     忍         65 番  羽 田 野     求


   19 番  田  中  あきひろ         66 番  内 匠 屋  八  郎


   20 番  梶  谷  忠  修         67 番  合  田  博  一


   21 番  矢 尾 田     勝         68 番  今  西  正  行


   22 番  栗  原     一         69 番  岡     や す え


   23 番  小  田     毅         71 番  中  村     茂


   24 番  谷  口  隆  司         72 番  ね り き  恵  子


   25 番  藤  本  正  昭         73 番  つ づ き  研  二


   26 番  山  本     章         74 番  中  村  まさひろ


   27 番  井  上  英  之         75 番  筒  井  も と じ


   28 番  佃     助  三         76 番  岸  口     実


   29 番  橘     泰  三         77 番  黒  田  一  美


   30 番  岡  野  多  甫         78 番  加  藤  康  之


   31 番  中  田  香  子         79 番  越  智  一  雄


   32 番  加  藤     修         80 番  大  野  由 紀 雄


   33 番  藤  井  訓  博         81 番  渡  部  登 志 尋


   34 番  杉  本  ち さ と         82 番  松  本  よしひろ


   35 番  新  町  み ち よ         83 番  北  川  泰  寿


   36 番  宮  田  しずのり         84 番  丸  上     博


   37 番  毛  利  り  ん         85 番  石  堂  則  本


   38 番  芝  野  照  久         86 番  山  本  敏  信


   39 番  宮  本  博  美         87 番  門     信  雄


   40 番  杉  尾  良  文         88 番  石  原  修  三


   41 番  小  林     護         89 番  石  川  憲  幸


   43 番  野  口     裕         90 番  小  林  喜  文


   44 番  浜  崎  利  澄         91 番  村  上  寿  浩


   45 番  前  川  清  寿         92 番  清  元  功  章


   46 番  北  浦  義  久         93 番  鷲  尾  弘  志


   47 番  藤  原  昭  一


          ─────────────────────────


                 欠  席  議  員   (1名)


   70 番  掛  水  す み え


          ─────────────────────────


                 欠        員   (3名)


          ─────────────────────────


                 事務局出席職員職氏名


 局長       稲  田  浩  之      議事課主幹 田  中  宏  忠


 次長       谷  口  勝  一      議事課長補佐兼議事係長


 議事課長     善  部     修            濱  田  直  義


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               説明のため出席した者の職氏名


 知事                           井 戸  敏 三


 副知事兼阪神・淡路大震災復興本部副本部長         藤 本  和 弘


 副知事兼阪神・淡路大震災復興本部副本部長         齋 藤  富 雄


 出納長                          五百蔵  俊 彦


 公営企業管理者兼阪神・淡路大震災復興本部臨海都市整備部長 吉 本  知 之


 病院事業管理者                      後 藤    武


 理事兼阪神・淡路大震災復興本部理事            大 平  一 典


 理事兼阪神・淡路大震災復興本部理事            清 原  桂 子


 理事兼阪神・淡路大震災復興本部理事            神 田  榮 治


 防災監兼阪神・淡路大震災復興本部防災監          東 田  雅 俊


 県民政策部長兼阪神・淡路大震災復興本部県民政策部長    井 筒  紳一郎


 企画管理部長兼阪神・淡路大震災復興本部企画管理部長    荒 川    敦


 健康生活部長兼阪神・淡路大震災復興本部健康生活部長    下 野  昌 宏


 産業労働部長兼阪神・淡路大震災復興本部産業労働部長    江 木  耕 一


 農林水産部長兼阪神・淡路大震災復興本部農林水産部長    黒 田    進


 県土整備部長兼阪神・淡路大震災復興本部県土整備部長    陰 山    凌


 阪神・淡路大震災復興本部総括部長             古 西  保 信


 のじぎく国体局長                     井 上  数 利


 企画管理部企画調整局長兼阪神・淡路大震災復興本部企画管理部企画調整局長


                              高 井  芳 朗


 財政課長                         竹 本  明 正


 財政課主幹                        西 上  三 鶴


 選挙管理委員会委員長                   柏 木    保


 教育委員会委員                      橋 本  章 男


 教育長                          武 田  政 義


 公安委員会委員                      田 中  教 仁


 警察本部長                        巽    高 英


 警察本部総務部長                     小 寺  英 一


 人事委員会委員長                     馬 場  英 司


 監査委員                         久 保  敏 彦


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       午前10時0分開議





○議長(原 亮介)  ただいまから本日の会議を開きます。


 直ちに日程に入ります。


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◎日程第1  平成16年度関係   第189号議案ないし第248号議案


       平成17年度関係   第1号議案ないし第75号議案





○議長(原 亮介)  日程第1、平成16年度関係、第189号議案ないし第248号議案、平成17年度関係、第1号議案ないし第75号議案を一括議題とし、質疑並びに県の一般事務に関する質問を続行いたします。


 発言は、通告に基づき、順次議長より指名いたします。


 まず、筒井信雄議員。(拍手)


  〔筒井信雄議員登壇〕


○(筒井信雄議員)  おはようございます。今議会の一般質問、最初の質問者とならせていただきました。少々今回たくさんの課題を取り上げておりますので、早口となりますし、風邪ぎみでございます。お聞き苦しい点がありましたら、ご容赦いただきたいと思います。


 では、早速質問に入らせていただきます。


 まず第1点目は、知事の任期制限についてでございます。


 まず最初に、知事の任期制限について取り上げます。この問題につきましては、平成15年11月議会において、私の初めての一般質問でも取り上げましたが、その後の三位一体の改革の進展や、この問題自体の議論が深まりつつある中で、再度取り上げたいと思います。


 さて、前回の質問では、私が知事に任期制限が必要であると考えているのは、ゆがんだ政治観に基づくものではなく、地方分権の先にある地方政府の確立のために必要なセーフティーネットであるからだと申し上げました。地方分権が進展するに従って、地方自治体ではなく健全な地方政府となっていくためには、適切なチェック・アンド・バランスと時間的分権が必要なはずです。知事も基本的には同様の見解をお持ちであると、その答弁から理解しております。また、知事の任期制限のみならず、議会の権能強化なども今後、議論を進めるべきですが、最近、知事の任期制限が、地方分権などの構造改革の進展とともに、国会などで議論がなされることが多くなり、まさに法改正などにまで至る可能性を秘めているので、再度取り上げる次第です。


 本年1月になってからも、我が党の武部幹事長が4選以上の知事に対しては推薦しないと発言する一方で、憲法で定められた地方自治の原則に抵触する可能性があると、細田官房長官が法制化に慎重な姿勢を示すなどの動きがありました。小泉総理は、多選禁止問題を議論すべきとはしながらも、一律に法律で制限するよりも、地域住民、つまり地方ごとに議論をすべきであるとの姿勢を打ち出しています。こうした動きに対して、知事会は、任期制限に対して反対であるように一般的には考えられているようです。


 このように、知事の任期制限に関する議論は、ここ数ヵ月で非常に高まっていますが、この議論は、官選知事制から公選知事制へと移行して間もなく始まった古くて新しい問題でもあります。当時は知事会が猛反発したことはもちろん、総務省、当時は自治庁でしたが、消極的であったようです。というのも、当時の議論は、中央集権の確立を目的とした多選禁止論であり、当然地方自治の理念に反するからだったのですが、今回の議論の盛り上がりは、多選が地方分権社会を見越した地方自治の発展を阻害することを論拠としている点で大きく異なっていると言われています。


 ただ、今回の議論の発端が、知事会と国会あるいは政府との対立にあり、国側が地方を牽制する道具として持ち出したことは否定しがたいところがあります。そうした観点からかんがみますと、本質的には中央集権体制の護持を目的としたものであり、任期制限論者である私としても、国会における議論には疑問を持たざるを得ません。しかしながらも、このことが任期制限の必要性を否定するものではないことを同時に申し上げたいと思います。つまり、法で制限すべきものではなく、各自治体がその首長の任期を条例で制限すべきだと考えるところです。


 そうしますと、必ず反対論の論拠として持ち出されるのが、法と条例との関係なのですが、特に、憲法との関係から反対論を主張される方が多いように見受けられます。その反対論の中核をなすのは、被選挙権の制限が法のもとの平等や職業選択の自由を侵害するという考え方です。つまり、被選挙権は人権かという問題と、公職は職業選択の自由の「職業」に当たるのかという問題ですが、法解釈面での決着はある程度ついていると思います。まず、被選挙権が人権に当たるのかどうかですが、選挙権については、一般的に人権として考えることはできると思われます。しかし、そのことは、被選挙権までも人権としてとらえられるということではなく、最高裁の判例から見ても、そうは思えません。


 また、職業選択の自由に抵触するかどうかという問題ですが、選挙によって就任する公職が、憲法第22条にいう「職業」に該当するならば、その遂行を阻む行為はすべて違憲であり、一度当選した者を次の選挙で落選させること自体が違憲ということになります。そうすると、公職に任期を定めている行為自体も違憲となり、すべてに矛盾を生じてしまいます。今ここで、改めてこうした基礎的なことを申し上げるのは、こんな憲法論からこの議論をスタートをさせたくない、そういう思いからです。


 そこで、知事にお尋ねしますが、最近の任期制限の議論に対してどのようなお考えを持っているのか伺います。任期制限の中身自体の問題はもちろん、国会が法を定めて制限することの是非、また、地方が独自にその議論を進める必要性などについてお答えください。


 続きまして、2点目に移ります。行政の基本方針に係る基本計画等のあり方について質問をいたします。


 我が県における基本計画の現状について、まずお尋ねします。


 いわゆる基本計画をどう位置づけるべきかという議論を始めようということなんですが、既に三重県を皮切りに、11県でこうした基本計画の策定や変更に当たって議会の議決を義務づける条例が成立しています。さらに、未成立の府県でもこうした議論が広がりつつあります。こうして三重県を初め、幾つかの県でこうした条例が成立した背景には、知事と議会の対立などがあったことも確かですが、最近の事例を見てみますと、こうしたトレンドがもたらされた背景には、平成12年に地方分権一括法が施行され、三位一体改革が進められている中で、地方の自己決定・自己責任が強く求められていることがあるのではないでしょうか。


 我が県でも数多くの計画が策定され、予算編成を初め、ほとんどの県行政がこれに基づいて行われているなど、県行政の推進においてこうした基本計画が占める役割は非常に大きなものとなっています。さらに、今後厳しい財政状況が続くと予想される中で、防災対策を初め、積極的な施策の展開が求められる中、こうした基本計画の重要性はますます大きくなっていくと思われます。このような状況を勘案しますと、県が策定する計画のうち、基本的かつ重要なものについて、計画の策定から執行に至る各段階において、知事と議会という二元代表制のもとで、県民を代表する議会が関与することにより、県民にわかりやすく、効果的な県行政の推進を図ることができるのではないでしょうか。


 そこで、我が県におけるこうしたいわゆる基本計画が、各部局別に一体幾つ存在し、その内容はどういったものなのか、策定過程はどうなっているのか質問をします。


 次に、その法的な位置づけについて質問をいたします。


 こうした基本計画の中には、地方自治法などに定められたものや国が地方に策定することを義務づけた基本計画がありますが、それ以外のものについて法的根拠があるのでしょうか。その策定過程はどうなっているのでしょうか。


 もともとこうした基本計画は、単年度主義の予算を政策的な整合性を持ったものにする必要性から生み出されてきた経緯があり、地方自治法などに定められたものや国が法などで地方に策定を義務づけたもの以外には法的な裏づけがないように思われます。


 そこで、地方分権型社会に移行しつつある今日、こうした法的裏づけのない計画を本県独自に法的な裏づけを持った計画とするために、条例にその根拠を求めてはどうかと思うのですが、いかがでしょうか。


 次に、基本計画条例に対する見解について伺います。


 日ごろ、私たちも議会審議の中で用いている基本計画が、実は、今、質問申し上げましたように、なかなかその根拠があやふやなところもある。そういう指摘を行うのは、何もこの基本計画の策定そのものを否定するものではありません。むしろ政策の一貫性を担保し、各予算の整合性を持たせるために基本計画は非常に重要だと思います。だからこそ、その根拠をしっかりとしなければならない、そう考えるところです。


 現在は、基本計画の策定や変更、廃止には議会での審議や議決が一切必要ありません。その一方で、予算は、こうした計画をもとに編成されています。予算審議を初めとする議会審議を効果的に行うためには、こうした予算編成の根拠となる基本計画そのものを審議し、その可否を論じる必要性があるのではないでしょうか。


 最近こうした条例を制定した香川県の場合、基本計画の策定に当たっては、事前に議会に報告する義務を知事に課したり、基本計画の策定や変更、廃止を議会が知事に求めたりすることができると定められています。地方分権を進め、地方が独自に政策展開をしていくためには、県民生活に密接に関連する基本計画の策定根拠を明確化することが求められると思います。こうした条例が知事の執行権を侵害するものだと考える法務当局があるとも聞いていますが、さきに述べましたように、こうした計画をもとに予算を編成することは、年度を超えて予算の一貫性を確保するために必要だと思います。


 そこで、こうした条例を定めることについて知事はどのような所感をお持ちか伺います。


 3点目、東南海・南海地震の津波に対する対策について質問をいたします。


 昨年末に発生しましたスマトラ島沖大地震によってもたらされた大津波は、未曾有の被害をインド洋沿岸諸国にもたらしました。私たちにとっては、決して他人事には思えず、いまだに復旧のめども立たない地域があると聞き、胸を痛め、一日も早い復旧・復興を願うばかりです。


 その一方で、今回の大津波から、私たちは数多くのことを学びました。何よりもテレビで繰り返し放送されたあの映像は、津波の恐ろしさ、破壊力のすさまじさを私たちに具体的な形で見せつけてくれました。近い将来、必ず発生すると予想されている東南海・南海地震では、揺れによる被害とともに、津波による被害も大きいと予想されていることは周知のとおりですが、それが一体いかなるものか私たちは具体的に理解していないところがあったのではないでしょうか。あるいは、正しく認識できていないところが数多くあったように思われます。


 そこで、改めて津波対策について質問をいたします。


 まず、防潮堤や防波堤についてですが、これまでは到達する津波の高さに対応できていれば安全であるとされていましたが、今回のスマトラ島に押し寄せた津波の映像を見てみますと、それだけでよいのか疑問を持たざるを得ません。というのも、台風などによる高波などとは異なり、地震による津波の場合、防潮堤や防波堤でとめられた際、後ろから寄せてくる海水によって水面が盛り上がって越流する可能性があるのではないでしょうか。また、相当な水圧を受けると思われるのですが、それに十分耐えられるのでしょうか。特に、防潮堤や防波堤は、夏場などの熱膨張に対応するために、連続した構造となっていません。こうした不連続面が果たして水圧に耐えられるのでしょうか。あるいは、引き波がいかに強いものであるか私たちは目の当たりにいたしましたが、こうした引き波による洗掘に耐え得るのかは疑問を持たざるを得ません。


 また、防潮門扉についても同様のことが言えると思うのですが、今回の津波によって、当局も新たなデータを得ることができたと思います。そうしたデータなどをもとに、何らかの変更が加えられているのでしょうか。また、どういった変更が加えられたのか、伺います。


 次に、ハザードマップの見直しについて質問をいたします。


 津波浸水予測図、いわゆるハザードマップの見直しのことですが、先ほども言いましたこのスマトラ島沖地震での大津波の映像、これは私たちの津波に対する意識を一変させました。そして、地域では、津波の怖さがこの映像によって浸透する一方、正しい知識がないばかりに無用の混乱や、ひどい場合は、仕方がないといったあきらめを生んでいるケースもあるようです。


 そこで、正しい知識を啓発する必要があると思うのですが、その一つに、現在鋭意作成に取り組んでいるハザードマップが挙げられます。ところが、その内容がかえって住民に間違った意識を植えつけかねない点があることを指摘したいと思います。


 現在、各地域で作成されている津波のハザードマップには、浸水地域やその水深についての記載はありますが、流速についての記載がありません。スマトラ島沖大地震の津波の映像や生存者の証言から、内陸に入り込んだ津波は、むしろ土石流のようになって流れて行き、それに人々が飲み込まれ、大きな人的被害がもたらされたことは確かで、流速が非常に重要な情報であることは確かです。ところが、現在のハザードマップには、例えば、自分の居住地域が水深30センチ、そう記載されていれば、「たった30センチか、ひざ下程度なら、床下浸水があっても命にかかわるほどのことはない」と安心してしまうところがあるのではないでしょうか。しかし、実際には、ひざ下といえども、流速が1メートルあれば、成人男性でも立ち往生してしまいます。あるいは、子供やお年寄りでは、足をすくわれて溺死してしまう危険性が高いと思われます。さらに、流速が3メートルともなれば、くるぶし程度の水深でも危険だと言われています。水がほとんどとまっており、少しずつ水位が上がってくるのなら問題はありません。実際には、内陸に流れ込んできた海水はビルにせきとめられ、その間の道をさらに流速を上げて流れていくと考えるべきだと思います。


 これは河川はんらんの場合についても同じことが言えるのですが、こうした流速についての記載をしなければ、正しいハザードマップとは言えないのではないでしょうか。また、その流速がどれほどの脅威になるのか、正しい知識や対処方法について普及啓発に当たる必要があると思うのですが、当局の所見を伺います。


 次に、アセットマネジメントの事業化について伺います。


 これは減災に深くかかわることですが、一般質問や決算特別委員会での質疑を通して、これまでもその必要性を訴えてまいりました。平成16年度から、全国的に見ても、先進的に道路、河川、港湾などの分野で取り組んでいると聞き及んでおります。このことは高く評価しておりますが、その一方でいまだ独立した項目を立てて予算化されていないことが残念でなりません。


 橋梁や堰堤、堤防などの重要な土木構造物や施設などの状態を把握することは、その情報をもとにした最も効率的な補修や補強を可能とし、災害が予想される際には、その被害を事前に予測し、先手を打つことを可能とします。「つくる」から「つかう」時代と言われている中、今度はメンテナンス費用の急激な上昇が予想されています。既に、ある民間企業では、自社で所有する水力発電用の送水管を調査し、どこにどのような亀裂があり、また、その送水管の周囲はどのような状態になっているのか、強度はどの程度低下しているかなどをデータベース化して、それをもとに最適なメンテナンス計画を策定し、企業の投資計画に反映すると同時に、災害などの際の被害の最小化に役立てているところもあります。


 今後増大する一方の補修費用の最小化を図り、減災のために必要不可欠なアセットマネジメントを今後どのように事業展開していくのか伺います。


 5点目に、小児救急医療電話相談♯8000のその後について伺います。


 この問題も決算特別委員会でも取り上げたのですが、ただ、その際には、昨年11月21日にこのサービスがスタートしたばかりで、利用状況がどのように推移していくのか不透明な状況の中でしたが、12月6日までの間で対応実績65件と、非常に利用度は低い状態でした。ただし、冬の寒さが本格化するにつれて、利用度はもっと高まるのではないかという答弁だったと思います。しかし、その後の利用度を見てみましても、12月で1日当たり13件、1月で19件と、11月の1日当たり4件から比べると利用度は高まっているものの、決して高いとは言いがたく、インフルエンザの流行などを考え合わせてみましても、県民に広く周知されていないのではないかと思わざるを得ません。


 私は、このサービスは、小さい子供を持つ親にとっては非常にありがたいサービスだと思いますし、夜間休日診療所に子連れの親たちが殺到する事態を軽減するために必要なサービスだと思いますから、その実施については非常に高く評価しています。しかし、そんないいサービスであるにもかかわらず、利用度が低い背景には一体何があるのかを考えなくてはなりません。つい先日も、西宮の夜間休日診療所に行きますと、子供を連れた親たちであふれ返っていました。サービス自体がピント外れであったのか、あるいは、サービスがあることが県民に伝わっていないのか、何らかの理由があるはずです。


 もう春もそこまでやってきていますから、恐らく利用度は減少傾向に向かうことと思いますが、なぜこのような利用度にとどまったのか、そうした検証を行い、来年度に生かす必要があると思います。そこで、この結果を検証し、どういった対策を立てていこうとしているのか伺います。


 決算審議の場で提言した母子手帳への記載など、さまざまな手を打っていくことについては高く評価していますが、これまでの相談内容や夜間休日診療所での小児の受診内容を分析することで、さらに有効な手段を講じることができると思われるのですが、どう取り組んでいくのか伺います。


 それでは、最後に、僻地医療へのIT技術の活用について伺います。


 昨年末の決算審議において、IT技術の小児救急の医療現場での活用ができないのかと提言したところ、当局は、小児科の充実対策のみならず、僻地医療対策として検討課題の一つであると答弁されました。そして、このたび、国が僻地医療対策として補助制度を創設したことにより、平成17年度予算に、但馬地域において僻地の診療所を地域の中核病院がサポートするシステムとして予算化されました。こうした素早い対応をしていただいたことを大変高く評価したいと思います。


 ただ、こうしたサポートシステムを有効に活用するためには、例えば、レントゲン撮影した画像などをデジタル情報として直接伝送できる撮影機器が必要です。既存のフィルム式のものであれば、幾ら通信回線がありましても、そのフィルムをカメラで撮ったものを伝送することしかできず、極めて精度の悪い画像しか提供できませんから、中核病院で対応する医師に十分な情報を提供することができません。CTなどについても同様ですし、データの送受信のために診療所の医師に負担がかかるようなシステムは有効に機能しない可能性すらあると思います。


 そこで、質問いたしますが、今回の僻地の診療所を中核病院がサポートするシステムの導入に当たって、その対象となる診療所に先ほど指摘しましたような機材が十分に設置されているのでしょうか。恐らくはまだ十分に整備されていないと思われるのですが、このシステムを有効に活用するためにも、こうした設備の診療所への設置を早急に進めることが必要だと思いますが、どういった対策を講じられようとしているのか伺います。


 また、こうしたシステムは、僻地医療のみならず、都市部においても夜間休日診療所と中核病院とを結ぶことによって、小児科のほか、眼科や耳鼻咽喉科といった専門診療科目の診察に応用できるところが大きいと思います。地域の機材や人材を有効に活用し、地域医療の質的向上を図るためには非常に有効なシステムだと思うのですが、何らかの検討はなされているのか伺います。


 以上で合計6点についての質問を終了いたします。途中大変聞き苦しい点がありました。おわび申し上げまして、ご清聴を感謝申し上げます。ありがとうございました。(拍手)


○議長(原 亮介)  井戸知事。


  〔井戸知事登壇〕


○知事(井戸敏三)  自由民主党の筒井信雄議員のご質問にお答えいたします。


 まず、知事の任期制限についてです。


 知事の多選禁止につきましては、ご指摘がありましたように、最近新たな観点から論議されていると承知しています。かつてはリーダーの長期在任が、マンネリ化による沈滞を招いたり、政策の硬直化等をもたらすのではないかと主張をされておりましたが、最近では、分権により権限強化された知事の長期在任に伴う権力集中等の懸念が指摘されているところです。しかし、これらの弊害が、多選によるものなのか、首長としての資質に根差すものなのかは一概に言えないと考えますし、一方で、任期を重ねることにより、複雑多様な地方行政への精通やリーダーシップの強化等のメリットもあるとも言われています。また、憲法でいう職業選択の自由との関係や公選制との関連でも論議がございます。


 私は、知事の任期は、任期ごとに選挙という住民意思の表明を通じて評価される仕組みとされておりますので、国が法律でもって一律に任期を制限することは、地方自治の本旨に照らして妥当ではないのではないか、このように考えております。それこそ地方自治にゆだねてよい問題だと理解すべきではないか、このように考えているところであります。


 次に、行政の基本方針に係る基本計画等のあり方についてご質問がありました。


 本県における基本計画は、中長期的な県政運営の基本となる目標や方向を定めるものとして、長期総合指針としての21世紀兵庫長期ビジョンのもと、健康・福祉、産業・労働、農林水産、県土の基盤整備などの各分野に及んでおりまして、こうした中長期の基本計画は、兵庫県環境基本計画、新ひょうごの森づくりなど、仮に中長期を、原則5年以上と、計画期間を5年以上としているものを前提にカウントしてみますと、件数として66件あります。うち、法令に基づくものが35件、ひょうご農林水産ビジョンのように、県が独自で任意に定めておりますのが31でございます。


 こうした計画の策定に当たりましては、基本的には、附属機関としての審議会や計画の策定のための協議会等での議論をもとに、幅広く県民の意見を聞くとともに、県議会には、審議会等への参画をいただいたり、また、パブリックコメントに先立ったご説明や内容の中間的な報告など、適宜適切な報告や協議・調整に努めているところであります。


 この県行政に係りますこのような基本的な計画の策定でありますが、その機能をしている実態から見ますと、ご指摘のような機能と私はいうよりも、県政の基本課題について取り組む基本的な考え方や方針を整理して明らかにし、具体的な施策の立案や実施に当たっての指針とされているものがほとんどである、このように考えております。この基本的な考え方や指針に基づいて具体化を図ってまいりますので、そのような意味では、県としての施策の基本をなすものであるということは否めないと、否めないというより、そのような機能を果たしていることは事実だと存じております。


 この基本計画を踏まえて、毎年予算編成に合わせて具体的なプログラムを策定することも多いわけであります。また、基本計画の策定過程には、先ほども触れましたように、県議会へのご報告や適切な時期に適切な協議・調整を行うよう努めているところでもございます。


 ご指摘のように、基本計画の策定に当たって、一般的な制度として、議会との調整を条例化して、制度化することについてでありますけれども、基本計画そのものが非常に多様にわたっておりまして、その趣旨や内容、範囲、あるいは対象地域が全県あるいは特定の地域など、多岐にわたっている面がございます。また、現に議会への説明、報告、協議等を行っている状況に、さらに具体的な手続としてどのようなことを行うことが望ましいのか等の問題もございます。


 今後、他府県の条例も参考にしながら、幅広に私は検討をしていくべき課題であると考えております。何も条例化をしたくないと言っているわけではございませんので、念のため申し添えさせていただきます。


 以上、私からの答弁とさせていただきます。


○議長(原 亮介)  東田防災監。


  〔東田防災監登壇〕


○防災監(東田雅俊)  私の方からは東南海・南海地震による津波対策についてのうち、ハザードマップの見直しについて答弁をさせていただきます。


 東南海・南海地震による津波の流速に関し、県の被害想定調査によりますと、例えば、阪神南地域では、防潮門扉が閉鎖できなかった場合、津波が秒速1メートルを超える速度で浸入し、秒速2メートル近い速度で陸域を遡上して、容易に避難できない状況になります。また、南あわじ市の福良地区では、越流した津波が秒速三、四メートルになり、木造家屋の多くが大破するおそれがあると予想しております。


 ただし、津波浸水予測図、いわゆるハザードマップの住民への公表に当たっては、これまで浸水想定区域の範囲及び浸水深を示し、津波来襲前の防潮門扉の閉鎖や浸水想定区域内の住民等の迅速な避難を働きかけているところであり、流速については必ずしも十分な説明を行っていなかったのが実情でございます。


 しかしながら、ご指摘のように、住民が避難行動をとらない要因の一つとして、「浸水深が浅いから大丈夫」という油断があることが懸念され、地域の実情に応じて、津波の流速をあわせて啓発することにも留意する必要があると考えております。


 今後、市町や専門家の意見も聞きながら、浸水予測図に流速も示し、水の勢いがあるときには、浸水深が浅くても歩行困難になることなど、住民が津波の恐ろしさを十分認識できるような啓発に努めてまいりたいと考えております。


○議長(原 亮介)  下野健康生活部長。


  〔下野健康生活部長登壇〕


○健康生活部長(下野昌宏)  私から、二つのご質問にお答えをいたします。


 まず、小児救急医療電話相談のお尋ねでありますが、小児救急医療電話相談♯8000の利用状況につきましては、直近の2月におきます1日当たりの平均相談件数は約30件という状況にございます。しかし、当初想定しておりました1日平均約40件という見込み数には至っていない状況にありまして、さらに私ども、広報・周知に努める必要があるというふうな認識をいたしております。


 そういうことから、ご提案の母子手帳への記載に加えまして、一つには、4ヵ月、1歳6ヵ月、3歳などの乳幼児健診の受診者家族への周知、それから休日夜間急患センターなどの救急医療機関での広報、小児科医院や産婦人科医院におきます家族等への周知といったような、一層きめ細かな広報に努めてまいりたいというふうに考えております。


 また、平成15年度から神戸、淡路において実施をしております地域における電話相談件数につきましては、♯8000の実施後も大きな変化はないという状況にありまして、その役割を果たしてきているというふうに考えておりまして、この地域電話相談につきましても、来年度新たに北播磨圏域において実施する予定でありまして、小児救急医療と電話相談の相乗効果が図れるものという期待をしているところであります。今後ともご指導、ご支援をお願いをいたします。


 次に、僻地医療のIT技術の活用についてであります。


 ひょうごIT新戦略におきましては、救急医療支援のための情報システムの整備、電子カルテシステムなどの情報システムの整備促進、医療機関のネットワーク化の促進を図ることなどが記載をされております。


 僻地医療につきましては、診療所に勤務する医師に対する専門医のレントゲンや皮膚所見などに基づく助言などの相談支援体制の整備を図ることを進めたい、そして、僻地診療支援システムの整備を進めたいというふうに考えております。


 僻地医療拠点病院とネットワークで結ぶこととしております診療所のエックス線機器につきましては、デジタル化対応となっていないことから、画像転送のためのスキャナーにより対応することといたしておりますが、当面、僻地医療のサポート体制としては、十分な効果が期待できるものと考えております。


 しかしながら、さらに高度化を図り、医療機器のデジタル化につきましては、僻地拠点病院、診療所双方のハード・ソフト両面の整備が必要でありますことから、地域の医療状況等を踏まえまして、今後、関係市町とも協議し、検討を行っていきたいというふうに考えております。


 なお、救急診療におきます専門診療科目への診察の応用などにつきましてのお話しでありますけれども、これにつきましては、遠隔診療が、医療安全の観点から、初診及び急性期の疾患に対して直接の対面診療によるといった制約もありまして、今後の検討課題であるというふうな認識をしているところでございます。


○議長(原 亮介)  陰山県土整備部長。


  〔陰山県土整備部長登壇〕


○県土整備部長(陰山 凌)  私から2点につきましてご答弁を申し上げます。


 まず、津波対策についての防潮堤、防波堤、防潮門扉等の強化対策についてでございますが、本県で行いました南海地震津波の被害想定調査によりますと、南淡路地区につきましては、想定した津波が防潮堤を超える可能性がありますが、ほかの地区では、高潮対策で整備してまいりました防潮堤により防御できる結果となっております。このことから、防潮門扉等の迅速、確実な操作と機能の維持が重要で、このための点検や閉鎖訓練を行うとともに、老朽施設の更新や防潮門扉の開閉の電動化などを推進してきております。


 先般発生いたしましたスマトラ沖地震津波の被害を見ますとき、津波の砕ける力等水圧によります防潮施設の破壊に対する安全性や長周期地震動による安定性等について再検討の必要があると考えております。これにつきましては、国土交通省におきまして検討委員会が設置されております。我が国の津波対策の現状を再点検し、本年度内に緊急対策と中長期的な目標を示すことといたしております。委員会では、スマトラ沖地震津波の外力、構造物の効果及び破壊状況を分析いたしまして、新たなデータを得て、今後の設計基準等への反映を緊急に行うことといたしております。


 県におきましては、この委員会の成果を踏まえまして、既設防潮堤や防潮門扉等につきまして、不連続となる部分も含めまして、波力や引き波によります安定性の検討など、総点検を再度実施いたしまして、設計基準等の改定にも的確に対応いたしまして、津波防護施設の強化対策に取り組んでまいりたいと考えております。


 次に、アセットマネジメントの事業化についてでございますが、「つくる」から「つかう」時代を迎えまして、今後は、県下の道路や河川、海岸、下水道等の社会基盤施設を限られた財源の中で適切に維持管理していくことがより一層重要な課題になってくると考えております。そのため、施設の建設費から維持管理費までを合わせましたトータルコスト、ライフサイクルコストと呼んでおりますが、これを最小化しつつ、予算制約の中で最大の効果を発揮するよう、最適な時期に修繕や更新を行う必要がありますことから、予防保全を含めまして、計画的に資産管理を行うアセットマネジメント手法を用いることといたしております。現在、学識経験者の意見を聞きながら、詳細について検討しております。


 平成17年度の具体的な取り組みでございますが、既定予算の中でございますが、これを活用いたしまして、道路施設では、劣化予測を踏まえました舗装の維持管理計画を策定いたします。また、橋梁・トンネルの健全度を把握する調査を進めますほか、河川施設や港湾・海岸施設につきましては、堤防や排水機場の点検、鋼構造物護岸の腐食調査等を行いまして、維持管理計画の策定に着手することといたしております。


 厳しい財政状況の中、今後とも可能な限り維持管理費を抑制しつつ、災害を防止し、県民の安全・安心で豊かな暮らしの実現に向けまして、適切な維持管理システムの構築に努めてまいる考えでございます。どうぞよろしくご指導のほどをお願い申し上げます。


○議長(原 亮介)  筒井信雄議員。


○(筒井信雄議員)  すみません。多少皆さんには早く読み過ぎてご迷惑をおかけしたなと今、反省をしております。


 1点目、2点目のですね、任期制限と基本計画条例のことにつきましては、大変これ、まだまだやりたいところでございますので、これからも取り上げさせていただきたいと思いますが、まず、その1点目の点について一つだけ質問をもう一度させていただきます。それと、その後また津波のことについてももう1点質問させていただきますが、知事が職業選択の自由の問題をおっしゃいました、答弁の中で。ところが、既にいろいろな判例のこととかを、法解釈の方を見ますと、選挙によって選ばれる公職は、職業選択の自由のあの条項でいうところの「職業」に当たらないという解釈が一般的だと思うのですが、知事は、やはり今のご答弁の内容というのは、それに当たるとお考えになっているのかどうか、お伺いをいたします。


 それから、先ほどの2点目ですが、津波の内陸部に上がってからの流速のハザードマップへの記載の話なんですが、啓発についての部分が少しなかったかなと思いましたので、質問したいと思います。今、総合学習の時間とか学校でございます。そういう時間に、子供に、例えば、実際にその流速の中に、流れの中にですね、そういう流れの水の中に立ってみるとか、そういうことで、どれほど流れる水が危険かということを体感をさせて教えていくというようなこととか、こういうことは、恐らくその子供を通じて親に情報がさらに行くと、そういう意味では、非常に有効なやり方だと思うんですね。ただ単にパンフレットをつくって地域にばらまくのではなくて、むしろそういった方法の方が、深く地域の中にどんどん情報として、本当に生きた情報として入っていくと思うんです。こういったやり方についてですね、いわゆるこれまでの防災当局ということでやってきたのではなくて、例えば、そういう教育の方と連携したりしながら、そういう啓発に当たられるような、そういう必要性についてはどう思われているのか、再度お伺いをいたします。


○議長(原 亮介)  井戸知事。


○知事(井戸敏三)  職業選択の自由と公選職の関係でありますけれども、私どもが憲法講義を受けておりましたころ、あるいは私が選挙部に在職しておりましたころは、明らかに関連があるというふうに理論的に議論をされているのが通常でありました。今、筒井議員がおっしゃっておられるように、最近の新しい議論として、ご指摘のような議論がされつつあるという点も私は承知しておりますけれども、だからといって、立候補をすることというのは、そういう仕掛けの中であえてそのような職業を選ぼうということとつながるわけでありますので、それが職業選択とは全く関係ない、保障している職業ではないんだという解釈をするのは、私は、いささか憲法解釈としては乱暴なのではないか、そんな思いがいたします。


 ただ、そのこととですね、憲法上の制約が課し得るのか課し得ないのかという議論とはまた別の問題だと、このように理解しております。


○議長(原 亮介)  東田防災監。


  〔東田防災監登壇〕


○防災監(東田雅俊)  それでは、私の方からは津波対策の、特に啓発の観点についてご答弁をさせていただきます。


 ただ今ご指摘のございましたように、私どもも、当然そういう津波浸水予測図等に記入するだけで事足れりと考えているわけではございません。やはり東南海・南海地震対策というのは、これからの県政にとりましても非常に重要な課題でございます。防災を考える上で重要な課題でございますので、ご指摘のございましたような学校教育等の教育との連携ですとか、地元の自主防災組織ですとか、あらゆる機会をとらまえてですね、津波についての正確な情報、どういうふうに対処すればいいのかということについてですね、今後ともあらゆる機会をとらまえて努力をしてまいりたいと考えておりますので、ご指導のほど、よろしくお願いを申し上げたいと思います。


○議長(原 亮介)  筒井信雄議員に対する答弁は終わりました。


 次に、小池ひろのり議員。(拍手)


  〔小池ひろのり議員登壇〕


○(小池ひろのり議員)  早速質問に入ります。


 質問の第1は、訪問型歩行訓練士の導入促進についてであります。


 さきの決算特別委員会においても質問しましたが、訪問型歩行訓練士の導入促進について改めて質問いたします。


 既に大阪府、京都府では、訪問型歩行訓練士の派遣事業を民間に委託して実施しています。和歌山県、奈良県においても、歩行訓練士のいる法人と派遣回数に応じて費用を支払う契約を締結しています。


 歩行訓練により、視覚障害者の歩行、外出を容易にすることは、盲導犬やガイドヘルパーを利用する方法に比べて、経費等の面で非常に効果的であると同時に、視覚障害者の自立に大いにつながると考えます。


 ガイドヘルパーを月30時間、支援費事業として利用した場合、年間1人当たり54万円にもなります。さらに、ガイドヘルパーには目的制限があり、一番必要度が高い通勤、通学、作業所等への通所は対象外で、休日、早朝、夜間や急用には利用が難しい場合があります。盲導犬は、1匹を育成するのに約300万円かかる上、育成した盲導犬により歩行できる障害者は1人です。さらに、盲導犬はおよそ8年ぐらいで引退してしまいます。視覚障害者の中には、犬が嫌いな人、世話ができない人、家庭・家族の事情で盲導犬の利用が困難な場合もあります。必ずしも万人向けとは言えない面があります。


 これに対して、歩行訓練士は、年間に10人から20人の視覚障害者に対して、白杖歩行――白いつえをついての歩行の指導を行うことができます。白杖歩行者は、基本的に覚えたところは半永久的に一人で歩くことができます。県では、これまで教室型の歩行訓練を実施されておりますが、問題なのは、その場所まで行けない人です。視力をなくした人が閉じこもりぎみになることなどを考慮すると、訪問型の歩行訓練士の導入こそ早急に進めるべきと考えます。生きる活力さえ失いかけていた人が、家の中で歩けるようになり、近隣生活圏の歩行が可能となれば、視覚障害者の自立と社会参加につながります。精神的な自立にもつながります。また、駅に行くことができれば、駅員などの協力で行動範囲はさらに大幅に広がります。


 視覚障害者にとってどの歩行方法が一番よいかは、それぞれ異なります。歩行支援の方法の選択肢を広げ、すべての視覚障害者が希望する方法で歩くことのできる仕組みを設けるべきと考えます。


 そこで、視覚障害者の外出、歩行を支援し、社会参加と精神的自立につなげる訪問型歩行訓練士の導入促進について、ご所見をお伺いします。


 質問の第2は、日中経済交流の促進についてであります。


 私は、20年間かけて中国全土2万2,000キロを自転車で駆けめぐってまいりました。その日中友好サイクリングを通じ、特に、ここ10年の中国の経済的な発展ぶりを肌で感じてきました。私は、21世紀はアジアの時代だと思っています。その牽引車になるべき日本と中国の役割は大変大きいものと考えます。国や企業等の地球的規模での経済活動が急速に進展する中で、今や、中国市場は、生産地であると同時に消費地としてもその規模をどんどん拡大しています。昨年の経済成長率は9.5%に達し、7ヵ国財相会議にも招かれるなど、その経済力と発展スピードは世界が注目するところです。


 日本にとって、昨年の対中国の輸出入は、貿易総額の20.1%を占めており、米国の18.6%を上回りました。兵庫県においても、神戸港貿易の中国向け輸出額が全国の港の中で1位となり、前年比15.4%増の1兆929億円で、4,000億円以上の黒字を計上、兵庫県の経済規模から見ても、今や大きく中国に依存していることは明らかであります。


 現在、本県経済は改善の兆しが見られるとはいえ、厳しい現状にあり、高い成長力を持つ中国経済の活用を図ることが肝要かと考えます。幸いにも、本県は、現在、中国経済の牽引的役割を果たしている広東省と友好関係にあります。さらに、上海・長江プロジェクトなどを通じ、中国各地とも交流を行っています。この友好関係の上に立ち、さらなる経済交流に取り組むべきです。


 本県では、広東省と協力して、進出する企業を支援する兵庫工業村構想を進めてきました。県内企業が新たな展開をするためにも適切な支援が必要と考えます。また、2004年の中国の国内総生産――GDPは13兆6,515億元、約170兆円です。特に、上海市、広州市を初めとする沿岸部では、自動車を持つような富裕層が急速に増加しています。旧正月である春節でも高級品が飛ぶように売れていたとも聞いています。この急激な発展をする中国市場に兵庫県企業や製品を紹介するなど、市場開拓にも努めていただきたい。


 さらに、企業誘致は、地域産業振興策の大きな柱であり、特に、経済活動が地球的規模と視野で進展する中で、全国自治体においても、外資系企業誘致に積極的に取り組んでいます。兵庫県においても、P&G、ネスレなど外資系企業が多く立地しており、国際性豊かな生活環境、すぐれた交通基盤や都市基盤といった高い潜在能力を有しています。震災以降、本県では、積極的な外資系企業の誘致に取り組んでいますが、今後は、欧米企業のみならず、成長著しい中国企業にも働きかけ、本県への進出を誘導すべきと考えます。


 そこで、県内企業の中国進出支援と中国企業の本県への進出に対する支援体制、そして今後の取り組みについてお伺いします。


 質問の第3は、参画と協働によるまちづくりの推進についてであります。


 去る1月17日で阪神・淡路大震災から丸10年が経過しました。あの大震災からの復興をめざした象徴的な事業でもあります神戸東部新都心HAT神戸は、震災の悲しみを乗り越え、生きる力を培う21世紀の安心文化の発信拠点をめざしています。これまで神戸市が全体の計画・事業の主体となり、土地区画整理事業、道路等の基盤整備を進めてきました。県も、その中心地区において、「いのちを守り健やかに生きる」ための新しい都市空間の創造の考え方のもと、施設群の整備に取り組んできました。昨年11月には、高齢者の多い地域性を配慮し、県民がくつろげる空間として、温浴施設とフィットネスなどの総合施設「HATなぎさの湯」がオープンしました。また、ことしの11月には兵庫県内最大の複合型映画館――シネマコンプレックスやスーパーなどが入る複合商業施設がオープンするとも聞いています。県立美術館や人と防災未来センターなどの施設はあるものの、商業施設が少なかった課題がこれで解消されます。しかも、神戸市内だけではなく、市外からの集客も見込まれ、新たな拠点として注目されるようになるのではないかと考えております。


 このように、HAT神戸は、利便性も高く、新しい機能がそろったニュータウンとしてのまちづくりが着実に進んでおり、住民も、新たな街として大いに期待しているところであります。


 しかし、その反面、これまでは行政主導でまちづくりを進めてきたために、住民の意見・要望が十分に反映されてきたとは言いがたい面があります。ふれあいまちづくり協議会など自治活動も定着した今、ニュータウンのまちづくりの仕上げの段階で、ぜひ住民の声を生かしていただきたい。


 これまでも機会があるごとにお願いしていますが、具体的にいうと、HAT神戸には非常に立派な横断歩道が設置されていますが、その反面、数が少なく、住民は大変不便さを感じています。まちづくりのあらゆる段階において、県、市、県警察、住民が協働して進めておれば、このような問題が生じることもないと考えます。こういった住民と行政との間の合意形成を欠くようなことのないように、ぜひこれからは、住民等の参画を図り、住民の意見・要望を的確に把握し、まちづくりに反映していただくべきと考えます。


 HAT神戸におけるこのような点を踏まえ、今後、まちづくりを進めるに当たっては、参画と協働のもと、安全・安心でにぎわいと魅力のあるまちづくりを進めるべきと考えます。


 そこで、県として、今後の参画と協働によるまちづくりの推進について、ご所見をお伺いします。


 質問の第4は、小学校の学級崩壊対策についてであります。


 今、小学校の教師は大変忙しい日々を送っています。ゆとり教育が導入され、従来のマニュアル的なものは存在せず、教師の創意工夫で教師の力量が問われる授業展開が必要となってきています。


 また、担任は、児童がきちんと食事をとっているかどうか、親が子供を虐待してはいないか、いじめはないかなど、今まで以上に幅広く気を使わなくてはならなくなっている現状です。ある教師が、児童の親に「あすは行事のため、水筒を持参させてください」と連絡したところ、当日、子供は、お茶が入っていない水筒のみを持参したという報告を受けました。1から10まで説明しないと本意が伝わらない親がいます。あるいは、何でも学校に対応を求める親がいたり、子供のトラブルに親が口出しし、問題が大きくなり、その対応に担任がまいってしまうケースも出ています。


 また、本来しつけは家庭の責任だと思いますが、全くできていない児童もいます。テレビゲームにかける時間が多過ぎて、夜寝ていない児童もいます。テレビゲームをする平均時間は約2時間、これは毎日やれば1年間の授業実数にも匹敵する時間です。戦う、殺す、死んでもすぐ生き返るを繰り返していたり、チャットで文字のみで過ごしていれば、人間関係も希薄になり、おかしくなるのは当たり前だと思います。このため、基本的生活習慣を身につけさせるために、保護者とのさらなる連携が求められるなど、教育以前の問題でもかかわりを持っていかなければなりません。


 情報時代で多様化した児童、しかも少子化の中で甘やかされ、怖い存在の人がいない環境で育った児童を、一斉に授業を進めるのは至難のわざです。さらに、学習障害――LD、注意欠陥・多動性障害――ADHD、アスペルガーなど発達障害に対する特別支援が必要な児童、また、自己中心的で集団に入れず、親がわりまでしなくてはならない児童もおり、その大変さが容易に想像できます。


 これに加え、学校現場での殺傷事件がこれだけ多いと、防犯体制も考え直さなければなりません。これ以上、学校だけでは無理です。民間の警備員を配置するなどの対策を考えていかなければなりません。


 このような状況の中、学級崩壊が深刻な問題となっております。多くの小中学校で学級崩壊に苦慮しており、最近では小学1年生でも起こっています。一方、児童とのかかわりで悩み、休職しているベテラン教師も少なからずいます。神戸市では、休職、育児休業等に対応するため、約700名の臨時的任用の教員がいますが、それでも不足している現状が生じてきています。


 こういった学級崩壊に対応するために、1年生の35人学級を初めとする新学習システムの活用により増員となる教員の配置は、学校長に権限をゆだねてほしいと思います。一番実情を知っているのは学校現場であり、荒れている学年に教員の配置を回すなど、学校の現状に合わせて柔軟にできる権限を学校長の裁量にしていただきたいと思います。このことは予算も伴わず、今すぐにできることです。


 さらに、子供たちの実態に応じたきめ細やかな指導や支援の充実、クラス崩壊や緊急的対応に、年度途中であっても学校側から要請があれば火消しの教員をすぐ派遣できるように、代替教員のような体制の整備が求められています。また、学級運営にすぐれた教師の重点配備など、学級崩壊を克服するための取り組みを進める声が学校現場からも上がっています。


 そこで、小学校の学級崩壊について具体的にどのように取り組んでいかれるのか、ご所見をお伺いします。


 質問の第5は、学校現場での積極的な人材登用についてであります。


 トライやる・ウィークの高校版とも言われる地域貢献活動・就業体験活動が、2月末にヒアリングを済ませ、この4月から実施されようとしています。学ぶ、働くことの意義を生徒に気づかせるという観点で、このインターンシップの推進プランは大いに評価するものです。


 しかし、今でもカリキュラムの関係で時間的余裕がない中、この活動の時間をどのように確保していくのか、また、2月のヒアリングで、4月から実施というのでは、せっかくの活動であっても、学校長にも現場教師にも趣旨が十分に理解されないのではないか、現場の声をどのように吸収されるのかなど、いろいろと疑問を感じるところであります。


 このインターンシップに限らず、もっと学校現場からの意見や改革を提案させるなど、意欲をかき立てる、教師も元気づけるようなやり方ができないものかと思います。教師が元気づくことで、学校は間違いなく生き返ります。


 先ほど、加配などの学校内人事配置で、もっと学校長に裁量権を与え、学校現場からの意見具申を重視していただきたいと述べました。権限を与え、責任もとってもらうためには、学校長のリーダーシップが大変重要になります。


 そのために、新しい教育に柔軟に対応できる指導者の育成と積極的な人材の登用が必要となってきます。現在、公立学校の教頭試験受験資格は43歳以上です。しかし、合格者の平均年齢は50歳ぐらいと聞いています。これでは、定年までの学校長としての勤務年数に限りがあります。このため、学校長は二、三年で転勤するという状態も生じています。二、三年間で一体学校をどのように変えることができるでしょうか。


 そこで、教頭試験の受験資格年齢を引き下げるなど、受験資格の緩和を図り、学校経営の改善を実施できる意欲ある若手の人材を幅広く発掘していただきたいと思います。指導者の育成を進め、少しでも学校長の在職年数をふやし、学校現場からの教育改革を進めていただきたいと思いますが、ご所見をお伺いします。


 質問の第6は、割れ窓理論の実践による実感できる治安回復についてであります。


 刑法犯認知件数は平成15年から減少に転じ、検挙件数も増加しており、警察官の頑張りで治安も回復してきているように思います。しかし、一方で、子が親を殺したり、若者による殺傷事件など、目を覆いたくなるような事件が余りにも多く、安全・安心な町と実感できる状態とはほど遠い現実です。


 私は、学校現場に長い間籍を置いていた経験から、「割れ窓理論」を高く評価しています。小さなことだからといって見逃すと、必ず積み重なり、やがて学級崩壊につながります。小さなうちにきちっと芽を摘むことが大切で、割れた窓を放っておけば、必ずスラム化します。敏速に対応することが大切だと痛感しています。大人になってからでは無理です。小さいときにしっかり覚えさすことが大切です。


 このことは、学校でも、家庭でも、社会でも同じことが言えると考えます。お気づきの皆さんもおられると思いますが、阪急三宮東口の高架下の歩行者用信号で、南北線の車用の信号機が赤になって、車が停止しても、なかなか歩行者用信号が青に変わりません。すぐ浜側の横断歩道では既に横断が開始されているのを見て、何人かが渡り出します。赤信号なので、気兼ねをしながらの横断です。やがて数人につられ、次第に多くの人が渡り出します。「みんなで渡れば怖くない」で、罪悪感も薄くなり、ほとんどの人が渡りかけます。先頭が4分の3ぐらい渡ったところで、やっと信号が青に変わります。一見、大したことではないように見えるかもしれませんが、私は大変問題があると思います。普通の人は、赤信号で横断するときは罪悪感を持っています。犯罪を犯すときは、この罪悪感が抑止力になります。しかし、小さな犯罪でもまかり通れば、たび重なるうちに罪悪感が薄れ、次第に拡大するのは想像にかたくないと思います。たかが信号と思われるかもしれませんが、仮に大人が罪悪感を持っていても、それを見ている子供は、大人の内面まではわかりません。全く罪悪感がないまま赤信号で横断します。学校で幾ら教えても、子供は目の前の大人の行為を見て学びます。子供によい影響を与えるはずがありません。そういった子供がどう育っていくのでしょうか。


 現場の警察官は、大きな事件が多く、そんな小さなことにかかわっておれないと思いますが、事件が起きてからの後追いだけでは治安は回復しません。犯罪を起こさせない環境づくりが重要です。小さなうちに芽を摘む、これが大切だと思います。現場の警察官による割れ窓理論の実践で治安回復に努めていただきたいと思います。


 現場の警察官の皆さんが、ノルマや目の前の数値に踊らされることなく、自分たちが安全・安心なまちづくりに貢献してるんだという誇りと自信を持って頑張っていただきたい。現場の警察官にこの精神を持っていただくことなくして、安全・安心なまちづくりはできないと考えます。県警察のご所見をお伺いします。


 第7の質問は、住民の要望に基づく安全・安心で住民に優しい交通環境の整備についてであります。


 従来、日本の警察は、犯罪が起こるまで動くことはできませんでしたが、しかし、ストーカー法が成立し、初めて予防の段階で警察が動くことも可能になりました。今や、ストーカー、家庭内暴力、児童虐待など、警察の仕事も広がり、大きく変化してきていると思います。


 先ほども述べましたように、割れ窓理論の実践で大きな犯罪を予防し、安全・安心なまちづくりに貢献していただきたい。犯罪検挙もさることながら、犯罪予防という観点にも力点を置いていただきたいと思います。


 さらに、このことを実践していくには、幾ら警察官を増員しても、警察だけの力では不可能だと思います。これからは、今まで以上に県、市町、地域との連携が大切になってくると考えます。


 信号機や横断歩道の設置は警察の仕事という従来の考えから一歩出て、縦割り行政を乗り越えていただきたい。例えば、ニュータウンにおいては、県警察は、まちづくりという観点から、県土整備部や市町とも連携する必要があります。まちづくりの計画段階で、将来的にどこに郵便ポスト、バス停、コンビニができるのかなどを警察も十分把握した上で、交通安全施設等交通環境の整備を進めるべきだと考えます。


 今までにも、決算特別委員会や常任委員会でも何度か取り上げさせていただきましたが、神戸東部新都心HAT神戸にぜひ横断歩道の増設と大型車乗り入れの規制をしていただきたいという住民団体の強い要望があります。横断歩道の増設はもとより、大型車の乗り入れについても、住民の安全・安心に大きな影響を及ぼす問題であり、県警察としても、乗り入れ規制やハーバーハイウェイを活用した迂回ルートを道路管理者である神戸市と調整するなど、積極的に解決策を模索していくべきと考えます。


 そのためには、今後は、道路管理者等関係機関・団体との密接な連携と住民の要望を的確に把握する仕組みが必要不可欠だと考えます。


 そこで、住民の要望に基づく安全・安心で人に優しい交通環境の整備について、ご所見をお伺いします。


 最後に、私は30年間、高校、大学の教師をしてきましたが、今回の本会議の一般質問に当たり、当局が使用している固有名詞を除き、ローマ字表示、片仮名表示の排除に努めました。あえて片仮名表示を使わなくても、日本語だけで十分解説できると思います。すべての人にわかりやすくするためにも、県当局に極力ローマ字表示や片仮名表示を避けるようお願いいたしまして、私の質問を終わります。(拍手)


○議長(原 亮介)  井戸知事。


  〔井戸知事登壇〕


○知事(井戸敏三)  ひょうご・県民連合議員団の小池ひろのり議員のご質問にお答えいたします。


 まず、日中経済交流の促進についてのお尋ねがありました。小池議員の日中友好サイクルという体験に基づいたお尋ねでございます。


 21世紀はアジアの時代と言われ、中でも、中国は本県にとって最大の貿易相手国であります。相互の経済発展を図る上で、双方向の経済交流を一層進めていくことは不可欠であると考えております。


 こういう立場から、友好省であります広東あるいは海南を中心に、兵庫工業村構想等を通じて、本県企業の中国での事業展開や市場開拓について、積極的に県といたしましても支援し、成果を上げてきたと考えます。3年前に私が広東省を訪ねました際にも、本県の企業の子会社のオープンに出席させていただくことがありましたし、最近でも、県内重工業メーカーが広東省へ進出するなど、新たな進出もあります。


 今後は、中国各地域の経済発展状況や県内企業のニーズを踏まえながら、神戸市とも連携しつつ、華南地域以外にも視野に入れて、ご指摘の上海・長江プロジェクトへの積極的な支援を行うとともに、中国を新たな市場としてとらえ、華東地区での県産品の販路拡大にも努めることとしています。


 また、中国企業の誘致に関しましては、香港事務所を中心に、各種情報を提供し、または紹介を行っているところでもあります。平成10年度以降、食品からITまで幅広い分野の企業31社の誘致に成功しており、今後とも大きな可能性があると考えます。


 産業集積条例によるインセンティブを活用していくことも大切です。この4月に拡充整備いたします「ひょうご・神戸投資サポートセンター」を活用いたしまして、情報収集・発信機能を充実し、企業誘致・進出を強化してまいりたいと考えます。


 観光面におきましても、中国は非常に大きな存在です。中国人向け観光スポットの掘り起こしや教育旅行の誘致等にも取り組み、双方向の交流の促進を図ってまいりたいと考えます。


 続きまして、参画と協働によるまちづくりの推進についてです。


 神戸東部新都心は、震災後、災害復興公営住宅が約3,500戸建設されましたほか、中心地区にIHDビルやJICA兵庫国際センター、人と防災未来センター、神戸海洋気象台、災害医療センター、日赤病院、県立美術館など、公共施設が立地しますほか、神戸市施行の土地区画整理事業により基盤整備を進め、建物は住民等の意見を反映させた地区計画に従って建設し、新しい都市拠点の創造が図られております。


 現在、東部と西部の住宅地区では、ふれあいのまちづくり協議会が組織され、中心地区では、企業・団体によるHAT神戸中心街区協議会が発足して、住民意見やニーズの把握とともに、祭りや一斉清掃実施など、にぎわいと活力のあるまちづくりが進められているのもご指摘のとおりです。


 県としましても、既に中心地区などの整備の統一性を図るため、東部新都心中心地区整備に関するデザイン調整会議を設置して、県、神戸市とともに、利用関係者との調整を図ってきております。街がかなり熟成してきた現在、このような協議会の場を活用しながら、横断歩道の増設など交通安全対策について、地域住民等が取り組むまちづくりもあわせて支援をしているところであります。


 このようなまちづくり協議会は、もともと震災復興に当たって、自分たちの街のデザインは自分たちの手でつくることを目的に、自治会等を中心に発展してこられたものでありますが、まちづくりを進める上で、地域住民の意見をまとめ、行政と協議する重要な機能を果たしてもおられます。県でも、まちづくり支援事業等によりその活動を支援してきており、県下では、このような協議会が約300に達して活動を展開されております。


 今後とも、まちづくり協議会への支援や連絡等を通じまして、課題解決に向けた参画と協働によるまちづくりのさらなる推進を図ってまいります。


 以上、私からの答弁とさせていただきます。


○議長(原 亮介)  下野健康生活部長。


  〔下野健康生活部長登壇〕


○健康生活部長(下野昌宏)  私から訪問型歩行訓練士の導入促進についてのお尋ねにお答えをいたします。


 県におきましては、平成2年度から、視覚障害者に歩行訓練を中心とした生活訓練を行うために、中途失明者療育指導教室を各地で開催してまいりました。


 教室型におきましては、一度に多くの視覚障害者に訓練を受ける機会を提供できるということから、毎年40人ないし60人の方々の訓練を実施し、一定の成果も上げてきているというふうに思っております。訪問型の場合には、個別のニーズに応じたきめ細かな指導が行えるという点での長所もありますけれども、教室型から訪問型に切りかえた場合に、量的に訓練者数が大幅に減少するということに対する費用対効果、あるいは、本県の場合、既に民間団体で実施している派遣事業もあるというふうなことからのすみ分け、訪問型と教室型を併用した場合の対象者の区分方法などといった課題もございますことから、まだ課題解決についての問題と効果的な実施方法について、さらに検討をしていく必要があります。そういった状況にありますので、関係団体とも引き続き相談をしながら検討を続けてまいりたいというふうに考えております。


○議長(原 亮介)  武田教育長。


  〔武田教育長登壇〕


○教育長(武田政義)  私から教育関係2問についてご答弁申し上げます。


 まず、学級崩壊対策についてであります。


 県教育委員会といたしましては、子供たちを学級担任だけに任せるのではなく、できるだけ多くの教師や専門家が複数の目で多面的に理解をし、取り組むことが何よりも大切であると考えているところでありまして、複数担任制あるいはチームティーチング等の新学習システムの活用でありますとか、また、学習障害や注意欠陥・多動性障害等の問題に対しましては、ひょうご学習障害相談室を設置いたしまして、相談あるいは専門家チームによる支援を行っているところであります。


 また、学級崩壊が起こりました場合には、支援のための教員の配置や学校サポートチームによる指導をあわせて行っているところであります。


 さらに、今後は、いわゆる小1プロブレムの解決を図りますために、幼稚園、保育所、小学校の担任教職員が集まりまして、円滑な就学のあり方を検討する「地区別幼児教育研修会」を実施することといたしておりますほか、問題行動を起こす子供に対処いたしますために、生徒指導推進協力員を配置するなど、学級の実態に応じましたきめ細やかな学級崩壊対策を進めてまいる所存でございます。


 次に、学校現場での積極的な人材登用についてであります。


 社会の急激な変化の中で、学校が保護者や地域の信頼にこたえて、魅力ある学校づくりを進めていくことが求められておりまして、これからの管理職には、これらの期待にこたえることができる力量あるいは学校マネジメント能力等が必要不可欠となってきております。


 そのために、これらの能力を備えた有能な人材につきましては、年齢にかかわらず管理職に登用をいたしますとともに、熱意と意欲ある教職員に対しましては、若いうちから管理職としての幅広い能力を身につけさせることが重要であると考えているところであります。


 そのような観点から、私どもといたしましては、3年前から県立学校の教頭試験の受験資格を45歳から43歳に引き下げ、意欲や能力のある若手教員に対しまして、管理職への道を開きますとともに、来年度からは、高度な専門性を有する管理職の育成をめざして新設をされました兵庫教育大学大学院のスクールリーダーコースに意欲ある40歳前後の教員を派遣をし、管理職候補として養成することといたしているところであります。


 また、従来からやっております管理職研修に加えまして、今年度から「学校管理職・教育行政職特別研修」を新たに実施するなど、研修を充実し、リーダーシップや学校マネジメント能力等の向上に努めているところであります。


 今後、教員の大量退職時代を迎えますことから、年齢構成のひずみの是正をも視野に入れながら、若手の登用にも意を用いるなど、教育改革に果敢に取り組むことのできる管理職の総合的かつ計画的な育成・登用に努めてまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと思います。


○議長(原 亮介)  巽 警察本部長。


  〔巽 警察本部長登壇〕


○警察本部長(巽 高英)  私からは2点についてお答え申し上げます。


 まず、割れ窓理論の実践による実感できる治安回復についてでございますが、県警察といたしましては、安全で安心な社会をつくるためには、重大な事件・事故への迅速的確な初動対応はもちろんのこと、身近で発生する軽微な犯罪に対しても、指導・警告や取り締まりを行うなど、的確に対応することが重要であると考えており、現場の警察官に対してこれを徹底しているところであります。


 ちなみに、昨年、軽犯罪法違反及び迷惑防止条例違反についての検挙件数は、5年前と比較して約20%増加しているところであります。


 今後も、現場の警察官に対しましては、治安のプロとしての誇りと責任感を持たせ、引き続きこのような迷惑行為等の取り締まり等を積極的に行わせるとともに、パトロールや交通安全活動などをより充実させることによりまして、犯罪の未然防止を図り、県民が安全で安心な暮らしを実感できるよう、安全・安心なまちづくりを行ってまいりたいと考えているところであります。


 続きまして、住民の要望に基づく交通環境の整備についてであります。


 地域における交通環境の整備につきましては、関係機関・団体との連携を図り、地域住民の要望を十分に踏まえて実施していくことが重要であると認識しております。


 道路管理者等関係機関・団体との連携につきましては、県、市町がまちづくりを計画する段階で開催されます都市計画審議会への参画、道路管理者が主催する事業説明会での意見交換、あるいは道路の改築等に関しましては、交通の安全と円滑を図るため、具体的に道路管理者との協議を行うなど、従来からも緊密な連携を行っているところであります。


 また、地域住民の要望の把握につきましては、春、秋の交通安全運動の際に行われます地域住民との合同による交通安全総点検、各市町の交通安全対策担当者との打ち合わせ会議、警察署協議会や市民との懇談会などの機会や自治会、PTA等から直接要望を受けるなど、幅広く要望・意見を把握し、必要性に応じて交通安全施設の整備を実施しているところであります。


 今後とも、地域住民のニーズを的確に把握し、道路管理者等関係機関・団体等との連携を一層強化することによりまして、安全・安心で人に優しい交通環境の整備に努めてまいる所存でありますので、ご理解、ご支援いただきますようよろしくお願いいたします。


○議長(原 亮介)  小池ひろのり議員に対する答弁は終わりました。


 この際、暫時休憩をいたします。


 再開は、午後1時といたします。


       午前11時27分休憩


  ………………………………………………


       午後1時0分再開





○副議長(永田秀一)  ただいまから会議を再開いたします。


 休憩前に引き続き、質疑、質問を行います。


 藤田孝夫議員。(拍手)


  〔藤田孝夫議員登壇〕


○(藤田孝夫議員)  養父市選出の藤田孝夫でございます。「田舎が時代を変える、円やドルではかれない地方の魅力が今」をタイトルに掲げ、この実現をライフワークとして活動してまいりますので、どうかよろしくお願いいたします。


 1853年、江戸湾に姿をあらわした、たった4隻の黒船が我が国に産業革命の衝撃をもたらした。櫓と帆で動く日本船は鉄製の蒸気船に取り残され、「彼らは風に抗して進む快速の汽船を見て疑いもなくろうばいしていた」とペリー提督日本遠征記は誇らしげにこう書き記しています。


 以来、我が国は、国家主導の日本型産業革命を進め、欧州列強がそうしたように国際分業による自活できる経済圏の拡大獲得をアジア諸国に求め、第2次大戦での敗戦を経て、戦後の復興、高度経済成長を経験し、経済のグローバル化の一翼を担う経済大国と言われるまでになりました。しかし、今や資本主義は世界市場の覇権を争う巨大マネーゲームとして、その基軸通貨ドルは人間の手を離れ、勝手に暴走しているかのように見えるのは私だけでしょうか。


 1997年、タイバーツがヘッジファンドからの売りを浴びせられ、バーツは急落しました。タイ国中央銀行と政府は手持ちのわずかな米ドルを売ってバーツを買いましたが、あえなくヘッジファンドの大量のバーツ売りに負け、金融危機が起こって、タイ経済は1週間で奈落に沈みました。この壮絶な通貨戦争により、勤勉なタイ国民が長年にわたり蓄積してきた財産や日々の営みは打ち砕かれてしまいました。


 世界を覆う金融システムとその上に乗って自己増殖しながら暴走するマネーは、富を一国に集める道具としての一面を持つことも否定できないものであります。このショッキングな事実は、国家とは、国民とは何なのか、経済・資本と政治はどう対峙すべきかを問いかけています。世界的分業の資本主義システムに組み込まれ、自分が一体何をしているのかさえわからなくなった今の混迷をあらわしているのがいろいろな社会問題であると言えます。すべての物の価値を具体的な共通指数としての金額のみであらわすことの矛盾が露呈した現実に対し、現在考え得る真に豊かな社会とは一体どのようなものでしょうか。


 これからの県政のあり方、方向性について、特に20世紀型発展、つまり、過度な効率性に根差した経済発展に追随することができなかった但馬であるからこそ、兵庫の山間部、北部一帯の可能性を追求しながら、今後めざすべき方向性をテーマに6項目について質問を進めてまいります。


 質問の第1は、県下の最高峰氷ノ山周辺の自然環境保全・再生についてであります。


 但馬地域面積の83%を占める山林についても、昨年の台風災害の余りの甚大さもあり、環境問題を言及するよりも、まずは人為的な治山が重要であるとの見解が多くなるのは当然の成り行きであります。しかし、同時に貴重な自然についても複眼的な観点、長期的視点に立ち、21世紀型自然との共生を実行する時期としては決して早過ぎません。氷ノ山・高丸・鉢伏エリアは今まで比較的人間の入り込みにくい地形にあり、県下にありながら、その存在は単なる最高峰、自然の宝庫などを象徴するだけの霊峰としてのとらえ方が支配的でした。


 その貴重性の一端を紹介しますと、高樹齢のブナ林数百ヘクタールがいまだ残っており、ススキの大草原とそこに生息するチョウ、ウスイロヒョウモンモドキや、植物ではササユリ、オミナエシ、ウメバチソウ、わき水周辺には今なおミツガシワ群落やヤマドリゼンマイ群落、渓流沿いにはザゼンソウ、ミズバショウといった非常に貴重性の高い動植物群落が存在します。


 また、既に鉢伏エリアでは、こうしたすぐれた自然環境を自然学校などのフィールドとして積極的に利活用する動きがあり、冬のスキーと並ぶ地域の生活基盤となっています。自然や生き物の多様性を保全・再生することは、自然そのものばかりでなく、ここをフィールドとした自然体験の幅をもさらに多様で豊かなものとし、ひいては地域のなりわいや生活の活性化、独自性の追求にも寄与するものとなります。


 しかし、昭和10年から40年代にかけて大面積にわたる原生林の伐採と針葉樹の植林が断続的に行われたこと、また、シカやクマなど野生動物による被害、風水害の影響などもあり、近年では頂上付近は岩肌露出が進み、湿原では人為的な乾燥化が見られます。また、渓谷沿いでは上流域の伐採跡地からの土砂の流入、登山道周辺では盗掘や人の踏み入れなどにより貴重動植物の生態エリアが減少しています。


 環境省が進める北海道釧路湿原での自然再生プロジェクトにおいて、「自然再生釧路方式」と命名し、従来の公共事業のイメージを一新すべき取り組みが実験されています。その特徴は、再生目標の設定では生態系を踏まえ、地域合意を得ることから始まり、小規模な実験的事業での継続的なモニタリングを経て、地元NPOなどの幅広い市民の積極参加を促進するものです。また、その都度、検討経過をインターネットなどにより情報公開し、さらに環境教育でのネットワークづくりや自然との調和を探るエコツーリズムや環境保全型産業の育成による地域の魅力向上にとつなげていくという方法であります。


 兵庫県においても貴重な自然生態系の保全に取り組まれ、学識者、地域住民など広範な意見抽出に取り組んでいただいていますが、今後予定されている事業の基本的な進め方については、従来の舗装道路やコンクリートダムなど、いわゆる物をつくる公共事業とは異なり、自然がみずからの力で回復していくことを人が手助けしようとするものでなければなりません。したがって、重機に頼らない人力による運搬、施工方法の検討が必要かと思われます。設計、監理、施工管理に当たっても、自然系のNPOや集落や地域の協会が携わることなども考えられます。


 自生植物から種の採取に始まり、育苗・成長させ、植草・植樹を実験することになりますが、氷ノ山山系で採取、確保された間伐材など資材の徹底活用、県民総参加の仕組みづくりのための通年型森林ツーリズムの推進、参加型情報公開なども考えられます。このように氷ノ山周辺の自然環境保全・再生にたくさんの県民が長期間にわたり、知恵を出し合い、汗を流し、積極的に参加することになれば、交流人口を増加させ、かつ継続的なものにするばかりでなく、参加者が自然の英知を感じ、一度破壊されたものを復元することの困難さを体験し、21世紀を生きる私たち兵庫県民が未来に何を残し、今、何を改善すべきかを知る生きた参画と協働になると考えます。


 ついては、県民にとって共有の貴重な財産である氷ノ山周辺の自然環境をどのように保全・再生していくのか、また、どのように利活用を図っていくのか、当局のご所見をお伺いします。


 質問の第2は、但馬長寿の郷の今後の展開についてであります。


 昨年12月、養父市ビバホールにおいて、地域教育フォーラムが開催されました。市内の各中学校よりそれぞれの代表と養父市の担当者とがパネラーとなり、生徒なりに感じている夢、疑問などを話し合う会でした。そのとき、一人の女の子がこう言ったのです。「養父市は高齢化が進んでいて今後さらにお年寄りがふえると聞いています。今、私の家にはおばあちゃんがいるのですが、老人ホームに入れてもらえず、1週間に2度だけデイサービスを受けています。うちのお母さんたちがもっと年をとったとき、養父市には入れてもらえる施設があるのでしょうか」。市の担当者がどんな回答をしたかはここでは差し控えますが、高齢者がすべて介護施設を利用することを当然のことのように感じている子供たちの感覚に私ははっとしました。


 実際のところ、大屋地区の横行というところで林業、畑作を中心とした第1次産業従事者が多い地区があるのですが、まだまだ生活の中に山、畑などでの農作業がごく自然に溶け込んでいるよき時代を感じさせるところで、寝たきりの高齢者を見たことがない地区でもあります。但馬長寿の郷は、過疎、高齢化が進む但馬地域の現状と課題を踏まえて、高齢者を初めとするすべての人々が住みなれた地域で安心でき、生きがいを持って暮らせる理想的な長寿社会とするため、各種施策を展開され、10年が経過しました。


 基本理念を具体化した事業の一つとして、平成6年度からは、市町では確保が困難な理学療法士などの専門的人材を但馬長寿の郷が確保し、各市町に派遣する事業は評価が高いところです。また、今後は世代間交流を促進し、地域、家庭での介護のあり方を示唆できることが求められています。


 ことしの小泉内閣総理大臣の施政方針演説においても、介護保険制度の安定に向け、できるだけ介護が必要にならないよう予防を重視するシステムへの転換が言われています。35年後には高齢者数がピークになり、少子化と相まって人口も平成18年から減少に向かうことが予想されます。高齢者大国は同時に定年者、年金受給者大国となることは明らかであるが、生活習慣病大国や要介護者大国になってはならないために施策が求められます。


 私は、健康づくりとして、過疎地で農林業との生活密接度の高い但馬地域の人々の暮らしぶりをさらに科学的に分析することに、これからの介護予防のヒントがあるのではないかと思います。例えば、農作業を取り入れた介護予防プログラムが実施されれば、高齢者の体力づくりとともに、もともと高いレベルにある但馬高齢者の農業技術の伝承に寄与するばかりでなく、楽農生活の推進にもつながると考えます。


 子供たちが、高齢者は体力、知力が衰えてきて、特別養護老人施設等に入らねばならないと思う感覚は余りにも悲し過ぎます。お年寄りもまた当然家族の一員であり、最後まで同じ屋根の下で過ごすことが真の家庭教育であり、若者の言動をも正しい方向に導くものと考えます。


 但馬長寿の郷は、過疎地だから但馬に設置したのではなく、自然環境と融合できる人々の暮らしぶりがあるから、また、豊かな地域コミュニティが存在する但馬だからこそ設置されたという観点より考えるべきものです。


 ついては、但馬長寿の郷を今後求められる介護予防においても、蓄積された地域一体の福祉での10年の取り組みを検証しつつ、域内ばかりでなく、全県としての先導的拠点施設として、情報発信を含め、機能充実を図るべきと思うが、今後の展開について当局のご所見をお伺いします。


 質問の第3は、農山漁村と都市の交流についてであります。


 日本の農業は、米作を中心とした自給的な農業として発展してきており、また、多様な自然条件のもと、多種多様な品目を丹精込めて耕作し、その結果、高い土地生産性と高品質を達成しています。兵庫県においても、作物ごとに研究会等の組織をつくり、収量の向上、品質の向上、生産労力の削減を図る数々の取り組みがなされていますが、私は、近年のグリーン・ツーリズムの推進に我が国農業の新たな自立の可能性を強く期待します。


 もともとツーリズム、さらに進んで農家民泊については、ヨーロッパの専業農家から発祥しています。フランスの農家では単にワインブドウを効率的に栽培するだけではなく、複合的にビネガーやシードオイルに加工したり、ジャムをつくったり、また、家畜からも肉ばかりではなく、さまざまな加工品をつくったりします。自家消費できないものについては、その保存方法を考え、また、製品化して直販したり流通させています。さらに都市住民を農家に受け入れ、地域のおいしい食を提供したり、ありのままの田舎生活を体験してもらう農家民泊がこのような地域内での循環型生活スタイルに経済生活に必要な通貨を獲得するための方法の一つとして発展してきました。


 このような例を見ていくと、日本の農業の経営的自立の可能性は、単に生産するだけでなく、加工や販売を初め、農山漁村での生活体験を含め、その魅力を高めて組み合わせていくことで、新たなビジネスモデルを見出すことができると考えます。既に、但馬地域でも地元大豆を加工して、みそづくりに取り組んだり、販売してきましたが、さらに近年、農家民宿が続々と誕生し、どぶろくづくりにも挑戦するなど、新たな動きの芽も見えつつあります。そのような中で、農林漁業体験などのできるグリーン・ツーリズムが農家の新たな収入の方法として確立されれば、都市住民が農と親しみ、触れ合う機会となり、豊かな地域農産物が再確認され、県産品の消費拡大につながるばかりか、新たな就農者に門戸を開くことにつながるなど、今後の発展への期待が高まります。つまり、農業、林業、畜産、水産業を地域の生活と一体となった付加価値のある魅力的な資源としてとらえることから経済的自立へのプログラムを展開することができ、その中の一施策がグリーン・ツーリズムであると考えます。


 今後、グリーン・ツーリズムを展開していくに当たっては、一過性のものとならないように、その定着を図り、通年型のグリーン・ツーリズムにしていくことや、リピーターを確保していくために個々人のニーズに対応して、その中身を多様化させていくことが求められます。


 ついては、農家の経済的自立や農山漁村地域の活性化にもつながるグリーン・ツーリズムの推進について、どのように考え、今後どのように進められるのか、当局のご所見をお伺いします。


 質問の第4は、コウノトリと共生する地域づくりの推進についてであります。


 本会議冒頭、井戸知事の提案説明要旨の中でも、「私は、県鳥コウノトリが再び大空を舞う、人と自然の調和した兵庫づくりは、成熟社会の地域づくりのモデルになり得るという気概を持って、21世紀の新しい兵庫、「美しい兵庫」の実現をめざしていかなければならない」と決意を新たにしています。このように県政理念の項目で力強く述べられています。ことしはとり年、この秋にはコウノトリの野生復帰の節目となる自然放鳥が行われ、但馬の空を舞うことになります。


 思えばコウノトリが但馬の空を悠々と舞っていたのは昭和の初め。当時、但馬の人々は「ツル」と呼んでいました。つまり、鶴亀のツル、非常にめでたい縁起物、瑞鳥でもあったようです。しかし、時と場所により縁起物は害鳥でもあったのです。田植えの時期のコウノトリは植えた苗を踏み荒らす害鳥とされ、それを追い払う行為を「つるボイ」と呼び、老人、子供の仕事でした。しかし、稲刈りのころは農作への被害をもたらさないことから、きれいな鳥として人々は好意を持って観賞していた記録が残っています。


 私は、この但馬人の感性こそが豊岡盆地が日本で最後の生息地足り得た理由のような気がします。野生復帰への取り組みは、社会の変化に伴い自然環境が損なわれ野生のコウノトリが減少していく中、昭和30年のコウノトリ保護運動の提唱以来、昭和40年には人工飼育を開始、平成元年にロシアから寄贈されたペアが初の繁殖に成功を経て、現在112羽が飼育されるまでになっています。さらに、平成14年夏に飛来した野生コウノトリが今日に至るまで豊岡にとどまり、自然界での30数年ぶりに巣づくりを始めたとの報道がされたところです。


 今月下旬から開催される2005年愛知万博へ出店し、コウノトリ野生復帰がめざす意義を全国に、そして世界にアピールすることも意義ある進展です。


 このように幾多の苦難を経験しながら、半世紀にも及ぶ長い歴史を刻む息の長い取り組みは、実にまれなものだと思います。世界に例を見ない人里近くでのコウノトリの野生復帰は単に一つの種を保存するだけでなく、人と自然が共生する地域づくりであると位置づけられるところであります。


 地元が野生復帰推進計画を策定し進めていますが、さらに、地域再生推進のためのプログラムに基づき、但馬・コウノトリ翔る郷づくり計画が認定されたところです。今後、コウノトリが放鳥され、コウノトリと人が身近に共生する段階では、野生化したコウノトリが飛行する範囲が拡大し、豊岡盆地だけにとどまらず、但馬地域全体にまで広がって住民と共生することになるので、飛来する地域全体の姿が19世紀の自然環境と21世紀の人々の暮らしが融合し、調和した、井戸知事が言われる成熟社会の地域づくりのモデルになり得るものでなければなりません。これを実現するためには、世界先進的な取り組みとして、さまざまな面で環境と調和した新たな地域整備実現のため、県の力強いリーダーシップが期待されるところです。


 ついては、コウノトリの野生復帰を契機としつつ、コウノトリと共生する地域として、具体的にソフト・ハード両面にわたり、どのように地域整備を図っていくのか、当局のご所見をお伺いします。


 質問の第5は、環境に優しい商品の普及についてであります。


 おまけつきのお菓子で「世界自然動物」という商品があります。このお菓子のおまけは、レッドデータブックに載っている動物をリアルに再現しています。昨今のフィギュアブームの中、一世を風靡した商品ですが、実は外箱の片隅には「この商品の売り上げの一部は世界自然保護活動団体「WWF」に協力します」と書かれています。ほかの商品でも、スナックなどの袋の裏面にWWFのシンボルマークであるパンダを見ることがあります。このマーク使用に係るライセンス契約料は1商品につき売り上げの5%前後、もちろん商品もWWFの活動支援に関連する条件に合うものでなければなりません。パンダマークをつける商品は、店頭にあふれる商品の中にあって、他の商品との差別化として自然保護に寄与していることを示すと同時に、その発売元企業のイメージについても、自然保護活動支援に理解があり、積極的であるという形で社会貢献を行っていることを示すなど、企業のCSR――コーポレートソーシャルレスポンスビリティ、社会的責任においてもプラスアルファを発生させています。


 地球温暖化や廃棄物問題など、深刻化する環境問題の解決に当たっては、県民、企業、行政が総力を挙げて、環境への負荷の少ない循環型の社会経済システムとライフスタイル等を構築していかなければならないと言われています。


 私は、このように社会的に受け入れられた仕組み、環境問題に貢献しようとする企業の活動、支援する消費者の購買活動、地域社会での共通理解などをうまく引き出していくことに、循環型社会を形成していく上での大きなヒントがあるのではないかと思います。いわば、パンダマークのような生産者と消費者に満足のいく形で負担を求め、環境問題解決に役立つような環境に優しい商品が社会に広く受け入れられる必要があると考えます。


 ごみを減量化していく上には、製造者に対してはできるだけごみにならないよう、少なくともリサイクル可能な商品の開発が求められます。また、場合によっては、著しく分別が困難な資材の使用について、一定の制約を加えること、逆に自然に優しい素材の使用を促進する支援策も検討していく段階になるかもしれません。


 一方、消費者となる県民に対しても、環境に優しい商品を購入するよう、また、製品価格へのリサイクル経費を内部化していくことで、消費者として応分の責任を果たしていくことを進んで行うような意識に転換していくことが重要であります。言えば環境に優しい商品を購買することが社会的に格好いいこと、ステータスになるようにしなければならないということです。


 パンダマークのようなシステムについては、確かに行政が直接ライセンス料を徴収することは、さまざまな解決すべきハードルが多いとは思いますが、県で推進中の環境にやさしい買物運動のような活動を通じて、県民への意識啓発を行い、すぐれた商品の普及を図り、環境問題の解決に努めていく必要があると思いますが、今後どのように取り組んでいかれるのか、当局のご所見をお伺いします。


 質問の最後は、合併市町への支援体制等についてであります。


 現行の合併特例法の適用期限である平成17年3月31日までの県への廃置分合申請が間近に迫り、現在、県内では、行財政基盤の充実強化、少子・高齢化社会にふさわしい高度化、多様化する住民ニーズへの適切な対応等を目的に、市町合併に向けた動きが大詰めを迎えようとしています。しかしながら、合併協議会に与えられた権限の制約、地域住民への事前説明の不徹底等から合併後も市民の関心事は市町名、市町庁舎の場所、市町人事配分であったりすることなどから、合併の意味するところの理解が十分になされていないのではないかと思います。したがって、合併は決してゴールではなく、新しいまちづくりのスタートと考えるべきです。合併したからと言って各市町が抱える課題等が解決されるわけではなく、また、合併直後からすべての合併のメリットを享受できるとは限らないなど、合併市町においてはこれからが正念場という時期を迎えています。


 折しも、県内の平成の大合併のトップを切って今年度スタートした我が養父市においても、合併直後から三位一体の改革等の影響による厳しい財政状況、大きな被害をもたらした台風災害からの復旧等、幾多の課題を抱えながら船出を切っております。先般就任した梅谷新市長においても、まずは市政を安定させ、軌道に乗せるべく平成17年度を行財政改革元年と位置づけ、今後、財政の健全化等に積極的に取り組んでいく方針を打ち出しつつも、山積する行政需要にどうこたえていくのか、頭を悩ましておられるところであります。


 とりわけ、財政の健全化には、バランスシートや行政コスト計算書の活用、事務事業評価制度の導入、柔軟な職員研修、合併市町と市民のパートナーシップの確立、また、そのための的確な情報公開などの課題があり、それは養父市を初め、県内各地で誕生する新たな市町が早急に取り組まなければならない共通の重要課題であると考えます。それぞれの団体が懸命な自助努力を行っていますが、おのずと限界があることも事実であり、行政区域の拡大や組織の再編等の大きな転機を経験した合併市町においては、むしろ合併前以上に県からの支援、助言等を必要としていることから、身近な県民局での相談体制や本庁でのバックアップ体制を弱体化させてはならないと考えます。ついては、合併した市町の住民が不安を感じることなく、市町経営が円滑に行えるよう、今後、市町の支援体制と行財政支援をどのようにしていかれるのか、ご所見をお伺いします。


 終わりに一言申し添えます。


 とうとうたる円山川の流れに古今の思いをはせるとき、往きては輔国の責に任じ、来りて北兵庫の中核たらんと欲し、平成の大合併県下一番目、新生養父市。先人の郷土を思う崇高な歴史観を顧み、幾多の激論を超え、昨年4月1日誕生しました。兵庫県議会議員として活躍のころより、いち早くこの課題に取り組み、率先推進され、初代市長就任7ヵ月、昨年12月17日急逝されました佐々木憲二氏に心より哀悼の意をささげながら、私の一般質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手)


○副議長(永田秀一)  井戸知事。


  〔井戸知事登壇〕


○知事(井戸敏三)  自由民主党議員団の藤田孝夫議員のご質問にお答えいたします。


 まず、但馬長寿の郷の今後の展開についてです。


 但馬長寿の郷では、これまで僻地医療支援機構として僻地医師の医局的な機能を果たすほか、個々の市町が単独で確保することが困難な理学療法士の専門的人材を県がプールし、これを派遣してリハビリをベースとした在宅ケアの事業を展開してきました。あわせて、県民や専門職を対象とした介護等の研修の実施、都市と農村との健康・福祉関連の交流イベントの実施など、多彩な事業の展開を行っています。特に、リハビリをベースとした在宅ケアや予防活動は全国的に注目を集めており、これまでの但馬長寿の郷における介護予防活動の実践などの具体的なノウハウをまとめた教本を今年度中に作成することとしています。


 今後、介護予防活動を担う人材養成に積極的に活用できるよう普及してまいります。


 さらに、今後の展開としては、引き続き僻地医師、理学療法士等専門的人材の派遣を行い、市町の健康づくり事業等の支援を行いますとともに、都市との交流事業を積極的に進めていくなど、全国的にも先駆的な但馬長寿の郷事業の展開を進めてまいりたいと考えています。


 また、リハビリをベースとした在宅ケアや予防活動の人材確保が難しい西播磨においては但馬長寿の郷の実践をベースに、平成18年度開設する予定の総合リハビリテーションセンターブランチにおいても、理学療法士等の在宅への派遣について取り組む方向で検討しているところです。


 今後とも、但馬長寿の郷の事業がその役割を果たしていけるよう努力してまいります。


 続きまして、農山漁村と都市との交流についてです。


 日本の縮図、ミニチュアと言われ、他府県に例を見ない多様な自然と特色のある風土、文化、歴史、農山漁村と大都市の近接など恵まれた環境を持つ兵庫県です。各地で都市農村交流のさまざまな取り組みが見られています。


 県の農林水産ビジョンにおきましては、農山漁村と都市の共生社会の実現を一つ柱に掲げて、交流基盤の整備や交流活動への支援を積極的に実施しています。


 また、楽農生活、農と親しむ生活をめざす生活スタイルにもその展開を呼びかけています。本年度は従来からのグリーン・ツーリズムバスに加えて、双方向の交流を進める消費地探訪バスやわが町PRバスの運行、都市と農山漁村の交流連携の結び付け事業を実施することとしています。


 また、昨年秋には但馬2市14町を舞台に全国グリーン・ツーリズム研究大会が開催され、但馬の魅力ある伝統文化と楽農生活の取り組みが全国に発信されたところです。これらの中で、例えば人口6,000人の八千代町では交流を地域活性化の核としてとらえ、交流人口31万人、雇用創出161人、12億円の経済効果を上げ、先月、都市農村交流の内閣総理大臣賞を受賞したという例もあります。17年度には交流バスを400台から800台と倍増するとともに、新たに子供たちの自然体験の充実を図る「ひょうご学びの農」の推進や楽農学校「アグリビジネスコース」の開設に取り組むなど、都市農村交流の一層の推進に努めてまいります。


 戦後、人口の増加を引き受けてきたのは、平地と海との間、平地または臨海部だったと言われています。21世紀は人口、特に交流人口を引き受けるのは山と平地の間、つまりいわゆる多自然居住地域、中山間地域だと言われています。都市的生活と農村的生活を二つながら味わう、享受できる豊かな生活スタイルが確立されていくのではないでしょうか。


 続いて、コウノトリと共生する地域づくりの推進です。


 コウノトリの野生復帰への取り組みは、失われた自然や環境を見詰め直し、人とコウノトリが共生する地域の創造を図る世界に例を見ない壮大でロマンあふれるプロジェクトだと考えます。こうした中、地元市町や地域の方々の参画と協働のもと、転作田のビオトープ化を進め、アイガモ農法など環境創造型農業を推進し、多様な生物の生息に配慮した河川の自然を再生し、荒廃した里山林の整備を行い、豊かな田園景観を創造する電線類の地中化などを行って、コウノトリが生息できる環境づくりを進めているところです。さらに、この地域づくりを担う人材を育成する環境教育の場づくりや、全国の賛同を得て野生復帰を応援するコウノトリファンクラブ活動の拡充などを通じて、多くの仲間づくりにも取り組んでいます。


 この秋には、いよいよ自然放鳥が始まり、豊岡盆地だけでなく、将来的には全国各地にコウノトリが飛来することも期待しながら、「コウノトリ未来・国際かいぎ」の開催や自然の英知をテーマとする愛知万博への出展などを通じて、21世紀の新しいふるさとづくりの指針ともなるコウノトリと共生する地域づくりを進めていくこととしております。まさしくことしはとり年ですが、そのとり年にふさわしいイベントとなることを期待しているところです。


 以上、私からの答弁とさせていただきます。


○副議長(永田秀一)  荒川企画管理部長。


  〔荒川企画管理部長登壇〕


○企画管理部長(荒川 敦)  私から、合併市町への支援体制等についてお答え申し上げます。


 地方分権の時代を担う基礎自治体をつくろうとすることで進められております市町合併が県内でも大詰めを迎えている中で、新しいまちづくりがスタートいたしました新しい団体に対しまして、きめ細かな助言、支援を行ってまいりますことは、市町行政補完的な役割を担う県の責務と考えているところでございます。特に合併市町の一体性が発揮されるまでの間は、逆に各市町ごとにきめの細かい配慮が必要となるとも考えられます。したがいまして、市町数が減少するといたしましても、本庁、県民局を通じまして、助言、支援を担う体制を維持しつつ、さらに県民局におきましては、当面、その権限、予算面で強化を図って現地解決機能を高めていくことといたしております。


 また、新年度におきましては、市町規模や地域の実情に応じました県と市町の役割分担やその支援のあり方について検討を進めることといたしております。


 一方で、行財政支援といたしましては、合併市町職員研修の充実ですとか、合併特例債を有効に活用したまちづくりに対する助言、地域のネットワークや一体性を確立するための合併支援県道の整備を初め、合併市町の商工会ですとか、社会福祉協議会などの地域団体への補助につきましては、経過的に旧市町単位で行うなど、そういったきめ細かな支援を行いまして、地域特性に応じた新しい市町経営が円滑に進められますように積極的な支援に努めてまいりたいと思います。


○副議長(永田秀一)  下野健康生活部長。


  〔下野健康生活部長登壇〕


○健康生活部長(下野昌宏)  私から、二つのお尋ねに回答申し上げます。


 まず、氷ノ山周辺の自然環境保全・再生についてのお尋ねでありますが、氷ノ山周辺地域におきましては、ご指摘のように湿原やススキ草原等におきまして、乾燥化や灌木侵入などの貴重な自然環境の劣化が見られますために、今年度から地域の人々の全面的な協力と参画を得ながら、植生や生態等の識見の高い専門家の協力のもと、生活と共存共栄できる自然環境保全・再生の取り組みについて、実施計画の策定に取り組んでいるところです。


 基本的には、地域住民やNPO等さまざまな主体の参画と協働のもと、一つには湿原への侵入灌木の伐採などの保全・再生活動、自然とふれあい学ぶ動植物の観察会、ガイドつき登山などのプログラム開発などを行うことによりまして、環境学習の場として活用し、都市との交流も図りながら、継続的な取り組みとなるように進めていくことが重要であるというふうに認識をいたしております。そして、具体的な取り組みを進めることを通じまして、自然の大切さへの共通の理解を醸成し、地域の意識の高揚を図りながら、地域の活性化にも寄与する自然環境保全活動として釧路湿原再生など、お話にありましたような先進事例も参考にしながら、県下のモデルとなるような取り組みを進めていきたいと考えております。


 また、事業の実施や施設整備に当たりましては、郷土個体・種子の増殖や自然素材の使用とともに、自然の復元力の活用や生態系の微妙な均衡に十分配慮しながら、自然への負荷を最小限にとどめることといたしたいというふうに考えております。


 次に、環境に優しい商品の普及についてであります。


 ご指摘の世界自然保護基金のロゴマークでありますパンダマークにつきましては、企業とのライセンス契約によりまして、製品にマーク使用を認めるかわりに、売り上げの一部を使用料として徴収し、自然保護活動や助成等に活用する仕組みであります。エコラベルのように製品の環境配慮を保証するものではありませんが、県といたしましてライセンスを活用した基金を創設し、県民、企業そして地域の共通理解のもとでの自然環境の保全と創造の事業を行うことが考えられますが、この場合、ライセンス料徴収の可否、それから事業主体のあり方など、事業スキームの検討とともに、企業、消費者の理解など、導入に当たっての課題も多いことから、多面的に勉強をさせていただきたいと考えております。


 そして、環境にやさしい買物運動につきましては、環境保全に貢献する商品を表示するエコマークや家電機器等の省エネ度を示す省エネラベルなど、普及啓発を図り、環境に優しい商品の購入を促してきたところでありますが、基金制度について消費者の理解を得るための意識調査の実施など、連携のあり方についても、あわせて取り組んでまいりたいというふうに考えているところです。


○副議長(永田秀一)  藤田孝夫議員に対する答弁は終わりました。


 次に、北条泰嗣議員。(拍手)


  〔北条泰嗣議員登壇〕


○(北条泰嗣議員)  姫路市選出の北条泰嗣でございます。ただいまよりご質問をさせていただきます。


 質問の第1は、マンモグラフィー、乳がん専用のエックス線撮影装置を併用した検診の普及についてであります。


 マンモグラフィー検診については、昨年の2月定例会においても要望をさせていただきましたが、さらに質問をさせていただきます。


 胃がんなど一部のがんは、早期発見の医療技術の開発などで死亡者数が減少しているのに対し、乳がんの死亡者は増加傾向を続けており、平成15年には9,800人に達し、早急にマンモグラフィーを併用した検診を促進する必要があります。


 さらに平成6年には、がんになる割合である罹患率で女性のがんの中でトップになり、患者数は年間約3万5,000人を記録し、今後も増加する傾向を示しています。


 こうした状況の中、乳がんになりやすいのは30代からで、特に40代からは顕著となり、ピークに達するのは40代後半と言われていることから、厚生労働省は昨年4月、がん検診に関する指針について、乳がん検診に病巣の小さい早期がんの発見に極めて大きな威力を発揮すると言われているマンモグラフィーを導入する対象年齢を50歳から40歳に引き下げるなどの法改正を行い、都道府県に通知いたしました。これにより、乳がん検診はこれまで50歳未満は視触診と問診のみとされていましたが、40歳以上の女性にマンモグラフィーと視触診を併用するよう改められました。


 しかし、平成14年度の本県における乳がん検診の受診率は7.1%で、全国の12.4%を大きく下回っており、さらに新聞報道によると、本県の平成15年度のマンモグラフィー検診の受診率は何と0.4%と全国で下位から4番目とのことです。


 本県におけるマンモグラフィー検診の実施状況は、平成15年度は19市町のみであったものが、本年度は約6割の市町で実施され、さらに来年度にはほとんどの市町で実施される予定とは聞いておりますが、県民への浸透がさらに必要喫緊の課題です。


 一方、新聞報道によると、厚生労働省においては、乳がんと子宮がんの検診について受診率の低さや見落としが問題となっていることから、実施する市町がみずから検診の質を調べ、公表する制度を導入することを決めたとのことです。この調査内容は、市町の受診者数の把握状況、検診を受けた人のがん発見率やそのうちの早期がんの発見率を医療機関別に集計しているかなどを共通の項目としたほか、乳がん検診については、日本医学放射線学会の仕様基準を満たすマンモグラフィーを置く施設数や、2人以上の医師でフィルムを分析している施設数などを調べ、市町が調べたデータを県がまとめてホームページや広報紙などで市町ごとに結果を公表するというものです。これを受けて乳がん検診のさらなる体制整備を図ることが重要であることは言うまでもありません。


 それとともに、厚生労働省によると、受診率を60から70%に上げないと死亡率の減少効果は出ないとの研究報告もあり、受診率向上が急務としています。さらに、乳がんは早期発見・治療と適切な術後治療を続ければ生存率は95%以上になると言われているだけに受診率のアップが非常に重要であります。


 そこで、受診率の向上を図り、助かる命をみすみす失うことのないよう、今回制度改正によりマンモグラフィーの併用が導入された40歳代、特に乳がんの罹患率が高い40歳代の始めである40歳において、できるだけ多くの対象の方がマンモグラフィーを併用した乳がん検診を受診されるよう啓発するとともに、特に40歳という節目において受診される方に対する助成制度を設けることが有効であると考えますが、ご所見をお伺いいたします。


 質問の第2は、不妊治療の助成の拡充についてであります。


 近年、我が子が欲しいと妊娠を望みながら不妊に悩む夫婦は10組に1組あると言われ、治療を受けている患者数は増加傾向にあります。また、不妊治療は長期間に及ぶことも多く、その経済的負担は数百万円にも上り、心理的負担も厳しいものになるケースが多いのが実情であります。


 経済的な理由から子供を持つことをあきらめざるを得ない夫婦もおられ、少子化の進む中、重要な課題であります。このため高額な不妊治療費の経済的負担を軽減するため、特定の不妊治療を受ける夫婦に対し、年間10万円を、2年間を限度に支給する助成制度が創設され、県においても今年度から助成をされています。このことについては、公明党としてもかねてから推進をしており、私も一昨年の決算特別委員会や昨年の2月定例会の本会議で要望をさせていただいたところですが、来年度からは助成期間が2年から3年に延長されるとお聞きし、一定の評価をするとともに、大いに期待をしているところです。


 この特定不妊治療費助成事業の利用状況を見ると、昨年8月から12月の5ヵ月間で承認件数は県全体で400件を上回り、まずまず好調なスタートではないかと感じており、一層の普及啓発をお願いしたいと思います。ただ、本制度について、より利用者の立場に立った制度にしてほしいと望む声が届いております。


 不妊治療は、原因によっては最初から高度で負担も大きい治療の適応になることもありますが、通常、比較的容易で負担が少ないものから開始をしていきます。現行助成事業の対象となる治療は医療保険が適用されない体外受精と顕微授精で、これらはいわば最終手段とも言うべき方法であり、ここに至るまでにも治療が長期間に及び、重い経済的負担をしているのが実態です。そこで、重い経済的負担を軽減するため、不妊治療の、より入り口に近く医療保険の対象とならない人工授精等の一連の治療も対象にしていただきたいと考えますが、ご所見をお伺いいたします。


 また、この助成事業は、夫婦合算の給与所得ベースで650万円の所得制限が設けられており、これは治療を受ける夫婦の約85%が助成を受けられるという想定となっていますが、若い夫婦では、共働きの場合650万を超えることもあり、何とかならないかという要望を現場の医師から聞いております。


 そこで、少しでも多くの経済的負担に苦しむ夫婦の支援となるよう、所得制限の緩和が望まれますが、あわせてご所見をお伺いいたします。


 質問の第3は、障害者手帳の統一についてであります。


 平成15年度末現在、県下の身体障害者手帳の所持者数は20万6,872人、知的障害者手帳の所持者数は2万6,525人ですが、この数は実際の身体・知的障害者とほぼ同様の数と言われています。一方、精神疾患を有する人の数は、平成14年の厚生労働省の推計によると、全国で約258万人とされていますので、県下では人口比でその4.4%に当たる約11万4,000人と推計をされますが、これに対し、県下の精神障害者保健福祉手帳の所持者数は平成15年度末現在1万4,507人にすぎません。


 障害の程度により、精神疾患を有する人のすべてが手帳を取得できる対象とは限らないものの、精神障害者保健福祉手帳の取得は進んでいないのが現状であります。このことの大きな理由としては、手帳の外観が違うため、福祉サービスを受けるたびに手帳を提示する障害者やその家族の方からは、障害を目に見える形で区別されていることになり、取得や利用についての心理的負担が大きいという訴えが多く聞かれております。


 したがって、3手帳の統一により期待される効果として、色、形、大きさなどの外観の統一により障害を目に見える形で区別されることがなくなることから、精神障害者の手帳取得・利用に係る心理的負担が軽減され、取得者の増加が見込まれるほか、障害を区別しない意識の醸成が図られ、ひいては障害者の保健・福祉の向上へとつながるものと考えます。


 そして、この際、形式については手帳を提示するときの便利さを考慮し、手帳を開かずに提示できる定期入れの形式に統一することが望ましいと思います。


 私は、過日、昨年10月から手帳の統一を行った佐賀県に会派で調査に行ってまいりましたが、心理的負担の軽減のみならず、手帳を統一し、大きさや形式、色、表記と言った外観を共通にすることによって、この手帳の製作費のコストダウン効果も見込まれるというお話も伺うことができました。


 一方、政府は2月10日、身体、知的、精神の障害別の福祉サービスを一本化する障害者自立支援法案を閣議決定したところであります。これにより、障害者支援を施設での保護中心から地域生活や就労中心へと転換し、市町を実施主体に、身体、知的、精神の障害種別に分かれているサービス提供を一元化し、相互利用できるようにするものであります。


 県において、来年度から精神障害者保健福祉手帳1級所持者に対し、医療費助成を始められることについては評価をするものでありますが、残念ながら、障害福祉の中で精神障害の分野には、まだおくれがあると言わざるを得ません。


 そこで、現在、色、形、大きさ、表記がそれぞれ異なっている3種類の障害者手帳を統一し、障害者の保健・福祉の向上を図ることが必要であると考えますが、知事のご所見をお伺いいたします。


 質問の第4は、発達障害者の支援についてであります。


 無理解、無支援の中で苦しむ発達障害者やその保護者、関係者の皆様が心から待ち望んでいた自閉症や学習障害――LD、注意欠陥・多動性障害――ADHD、アスペルガー症候群などへの支援を定めた発達障害者支援法が昨年12月に成立し、本年4月1日に施行されます。これは、公明党として原案作成から深くかかわり、かねてから強力に推進をしてきたものです。私も過日、発達障害の方より就労支援のご相談をお受けしたところです。


 発達障害者は、人口の5%以上いると言われる頻度の高い障害ですが、発見がおくれ、不登校や引きこもりなどの2次障害を引き起こすケースも多いにもかわらず、知的障害を伴わない場合は障害と認定されないため、必要な支援がおくれていました。


 同法は、発達障害の定義を自閉症や学習障害などの脳機能の障害であり、症状が低年齢で発現するものと初めて明記し、国と地方自治体に早期発見と早期支援が行われるよう、必要な施策の実施を定めています。そして、具体的な支援策としては、専門的な相談や助言、就労支援などを行う「発達障害者支援センター」を都道府県に置くことができると規定をされています。


 不注意や多動を特徴とするADHDは、いわゆる個性レベルから障害まで連続性があると言われています。障害を正しく理解した上で、いじめや虐待などの2次障害を防ぐ環境が整えば、障害は個性レベルにとどまり、高い能力を発揮することも可能です。その意味でも重要な早期発見と早期支援が法律に位置づけられたことは、大変有意義なことであると思います。


 歴史上、偉大な仕事をなした人で、最近では米国の有名俳優がLD、遠くは坂本龍馬、エジソンなどがADHDであったと聞きますが、いずれも保護者の懸命な支援があったと言われています。周囲が理解し、支援することで、その人にしかない才能が開花した例です。障害を個性ととらえる理解と支援、まさに今の社会に求められる視点ではないでしょうか。法の成立を機に、広く正しく障害への認知が進むことが必要です。


 さらに、法律を実効あるものにするため、専門家の養成や支援センターを中核としたネットワークの構築など、県の支援体制の整備、NPOへの支援と連携などが重要であると考えます。そこで、発達障害者を支援し、違いを認め合える社会づくりに向けて、県としてどのように取り組まれるのか、ご所見をお伺いいたします。


 質問の第5は、学校における食育の推進についてであります。


 昨今、偏った栄養摂取や朝食を食べない「欠食」、一人で食べる「孤食」などの食習慣の乱れ、肥満の増加や過激なダイエットに走る子供の増加や食物アレルギーなど、食をめぐる子供の危機的な状況が指摘をされています。文部科学省の平成14年度の学校保健統計調査によると、肥満傾向の子供の割合は小学5年生で10.1%、同6年生で10.9%、中学校1年生で11%に上り、20年前に比べるといずれも1.5倍を超える増加傾向を示しており、その反面、若い女性のやせ願望の低年齢化も進み、厚生労働省の平成14年度の調査によると、不健康にやせている女子は、中学3年生で5.5%、高校3年生では13.4%にも上っています。


 また、きれる子供たちや校内暴力、学級崩壊などの問題行動の要因に食生活があるとも指摘され、今、食の乱れが子供たちの心と体を急速にむしばんでいます。


 こうしたことから、食を通じて子供の心身にわたる健全育成をめざす食育の重要性が叫ばれているところです。


 こうした中、昨年5月、給食の管理、子供の食生活に関する教育を担う栄養教諭を創設する改正学校教育法など、関連法が成立し、本年4月より栄養教諭制度がスタートいたします。ただ、この制度の導入については、県教育委員会の判断にゆだねられているところであります。健康は人生のすべてではありませんが、健康を失うとすべてを失いかねません。子供が将来にわたって健康に生活していけるよう、何をどう食べるかといった栄養や食事の取り方などの食の自己管理能力や望ましい食習慣を子供たちが身につけることは重要です。


 また、体験学習で栽培した食材や地域の食材を給食に使うことで、生産や食事のつながりを学ぶなどのような、食に関する指導と給食を一体的にとらえていくことや、世界一の長寿国をはぐくんできた日本の食文化のよさを伝承するという観点からの食育も必要です。将来的には、栄養教諭が学校現場における食育のかなめとなることが望まれるところです。


 そこで、栄養教諭の設置も視野に入れ、学校における食育の推進に地域、家庭とも一体となって取り組んでいくことが必要であると考えますが、どのように取り組まれるのか、ご所見をお伺いいたします。


 質問の第6は、公用車等を活用した安全・安心のまちづくりについてであります。


 平成16年中に認知した刑法犯は約13万5,000件でやや減少傾向にはありますが、依然、高水準で推移しており、また、住民に身近な犯罪である街頭犯罪や侵入犯罪が9万8,000件と全体の72%を占めるなど、本県の治安情勢は極めて厳しい状況にあります。


 また、残念ながら、通学中の子供たちをねらった卑劣な犯罪は後を絶たず、昨年11月までに全国で起きた略取・誘拐事件は約300件に上りますが、そのうち4分の3が街頭で発生し、実に被害者の約半分が13歳未満であります。


 昨年の奈良市での小学1年生女児誘拐・殺害事件は、その残忍な行為が記憶に新しいところですが、それ以降も児童を連れ去ろうとする事件が相次いで発生をしております。また、痴漢、声かけ等、力の弱い子供をねらった事案が後を絶ちません。このように、特に子供のように力の弱い者をわずかなすきをついてねらう卑劣な犯罪から子供たちを守るには、やはり地域全体で死角をなくし、地域ぐるみで見守っていくことが必要であると考えます。


 このため、地域においては、犯罪抑止力を高めようと自治体を初め、各地で地域住民によるパトロールなどが行われており、また、関係機関や団体については、街頭で従事する従業員を多く抱える郵便局、宅配業者やタクシー会社、あるいは消防署、消防団と所轄の警察署間において、110番通報制度を設け、犯罪情報や関連情報の提供を受けるネットワークを構築し、地域ぐるみの監視体制で積極的に取り組んでいる地域もあります。


 さらに市町においては、子供の登下校の安全を守るため、公用車に「こども110番」と表示したステッカーを張り、パトロールを実施しているところもあります。


 そこで、県民への犯罪抑止の意識啓発や地域と一体となった防犯の取り組みにより、地域の安全・安心を確保するため、地域に密着した施策に鋭意取り組まれている県におかれても、例えば、本庁や各県民局所有の公用車等に「安全・安心パトロール中」と書いたマグネット式ステッカーを張って、移動の際に地域を巡回し、危険を感じた子供などが助けを求められるようにするといった取り組みをされることを提案しますが、ご所見をお伺いいたします。


 質問の最後は、地元姫路市南部の網干区から飾磨区にかけての国道250号の渋滞対策についてであります。


 国道250号は、通称「浜国道」とも呼ばれ、神戸市を起点として岡山市に至る総延長約160キロメートルの神戸と中国地方を結ぶ幹線道路であり、このうち姫路市域においては、臨海部の播磨工業地帯を結び、沿線には新日本製鉄、山陽特殊製鋼を初め、ダイセル、日本触媒化学など、大企業とその関連企業が林立し、原材料や製品を運ぶ大型トラック、トレーラー等が浜国道にあふれています。まさに国道250号はこの播磨工業地帯を支える大動脈であり、他方、日々の生活を支える地域の生活道路としての役割も担っています。


 一方、県においては、「つくる」から「つかう」への視点から「渋滞交差点解消プログラム」により、重点的に渋滞交差点の解消を推進するなど、既存ストックの機能の向上や有効利活用を進めるほか、道路交通騒音を低減させる効果と排水効果をあわせ持った低騒音舗装による沿道環境の改善や、両側に自転車・歩行者道を設け、自転車や歩行者の安全性を向上させた「安全・快適道路ネットワークの形成」など、国道250号の改良に取り組まれているところです。


 しかし、国道250号の飾磨区周辺の渋滞は著しいものがあり、交通量は、平成11年度の交通センサスによると、飾磨区今在家から網干区新在家間は平日12時間交通量が1万7,000台を超え、指定最高速度は50キロであるのに対して、旅行速度は22キロにとどまっています。また、近年、大型店舗の出店が相次ぎ、現在では沿線に8店も存在するため、渋滞に拍車をかけ、地元からは抜本的な渋滞対策を望む声が日に日に強くなっています。これでは、幹線道路としての役割を十分に発揮しておらず、速度低下による大気汚染物質の排出量増加など、地域の生活の利便性、安全性は著しく阻害されていると言わざるを得ません。


 そこで、既存ストックの活用や美しい兵庫の道づくりを進められる県として、国道250号の総合的な渋滞対策にどのように取り組まれるのか、ご所見をお伺いいたします。


 以上で私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)


○副議長(永田秀一)  井戸知事。


  〔井戸知事登壇〕


○知事(井戸敏三)  公明党議員団の北条泰嗣議員のご質問にお答えいたします。


 まず、マンモグラフィーを併用した検診の普及についてです。


 ご指摘のように、乳がん検診等の受診率が本県としては、かなり低位にとどまっているところであります。このため受診率の向上が急務であります。推進員による声かけ運動や医師会との連携による受診勧奨、いずみ会などの女性団体を通じた「マンモグラフィ検診のすすめ」など、乳がん啓発の推進を従来から図ってきております。今後は、さらに保険者協議会や健康福祉推進協議会への働きかけを行いまして啓発を図ること、各市町の受診率を公表して市町ごとに競い合っていただいて啓発の徹底を図ること、受診率の向上を加味した国民健康保険特別調整交付金の配分を行うことなどにより、さらに受診率を向上させたい、このように考えています。


 ご指摘のように40歳節目検診は大切な時期であるだけに、さらにその推進を図る必要があると考えていますが、検診の助成についてのご意見をちょうだいいたしましたけれども、受診機会が平成16年度の指針改正により、毎年から2年に1度となるなど、受診しやすくなったことなどを考えましたとき、受診環境を整える方がまず大切ではないかと考えておりまして、県としては、まずマンモグラフィーの機器整備が市町村にとって財政負担として大きいということを勘案しまして、新年度も1台増車することとしておりますマンモグラフィー検診車を提供して、市町の検診体制の支援を行うことにより、乳がん検診の充実を図ってまいりたいと考えています。


 続きまして、発達障害者の支援についてです。


 発達障害には、治療が必要な脳機能障害がある場合と生活指導、訓練等いわゆる療育により改善する、例えば行動に落ちつきがないなど発達障害の疑いがある場合があるとされています。いずれにせよ、早期発見による治療や療育による支援が重要であります。早期発見・治療の機会を確保することが大切なことは言うまでもありませんが、そのような機会として、1.6歳児や3歳児健診の機会を活用し、極力、早期発見ができますようにマニュアルの改定や従事者の研修を徹底し、これに取り組むことが大切ではないかと考えます。あわせまして、集団学習の中での行動等から早期発見し得るよう、保育士等を対象とした早期発見のための研修を実施するなど、早期発見に努めまして、早期治療をめざして、こどもセンターや専門医療機関につなぐことをシステム化したい、このように考えています。


 また、療育については、平成15年に「ひょうご自閉症・発達障害支援センター」を設置して大きな役割を果たしていますが、さらに、これに加えて県単独の取り組みとして、ブランチ2ヵ所を新たに設け、専門相談指導機能の充実を図ります。そして、支援センター二つのブランチを中心にネットワークの構築を行ってまいりたいと考えます。


 教育過程における対応としましては、昨年6月から全国に先駆けてひょうご学習障害相談室を開設し、教育相談を実施するとともに、精神科医等から成る専門家チームを学校に派遣し支援するなど、LD、ADHD等に関する相談・支援事業を実施しているところです。さらに、総合的な対策をめざして、今後、検討委員会を設置し、NPOとの連携、支援を含めた地域で支える体制や理解促進のための施策の検討を進め、発達障害者の支援にさらに取り組んでまいります。


 続きまして、公用車等を活用した安全・安心のまちづくりについてです。


 県内の刑法犯認知件数の増加を見てみますと、未成年者の犯罪被害についても10年前の2倍、件数にして2万130件にも及んでいます。こうした厳しい状況に対応して、県警察や防犯協会はもとより、市町や郵便局等の関係機関、自治会を初めとする地域団体、さらにはタクシーや宅配業者など、関係の皆様方が独自に、あるいは一体となって、地域ぐるみで防犯パトロールや警察への通報協力、子供の見守り活動、駆け込み寺ともなる「子どもを守る110番の家」の設置など、子供を犯罪から守るさまざまな取り組みが進められています。


 平成16年度からも地域防犯を重要な県政課題と位置づけまして、新たに住民による自主的なまちづくり防犯グループの組織化と活動への支援を行っているところでありますが、近く県内の防犯に関するさまざまな団体が参画した「ひょうご防犯まちづくり推進協議会」が設立されることとなっています。


 また、新年度からは、県警察におきまして、自治体や学校、自治会等の犯罪発生や防犯情報を携帯電話等にメールで届ける防犯情報配信システムが動き出します。これも犯罪の未然防止に寄与してくれることと期待しております。


 ご提案の公用車へのステッカーの張りつけでありますけれども、現在、東播磨県民局でモデル的に取り組んでおります。今後、その成果も参考にしながら、必要性について検討してまいります。


 以上、私からの答弁とさせていただきます。


○副議長(永田秀一)  下野健康生活部長。


  〔下野健康生活部長登壇〕


○健康生活部長(下野昌宏)  私からは、二つのご質問に対してお答えをいたします。


 まず、不妊治療の助成の拡充についてであります。


 体外受精、顕微授精につきましては高度生殖医療であるということで、人工授精と同様、保険適用外の治療でありますけれども、これらは1回の治療費が約40万と非常に高額の自己負担となっておりますために、この負担につきましては、自己負担額としてはかなり高額であるということから、年間10万円、2年間助成することとされておりますが、不妊治療は継続的な長期間にわたる治療を要することも多いということにかんがみまして、新年度から、2年を超える対象者が多いということから、助成期間を1年間延長して制度を拡充したいということで、ご提案を申し上げております。


 また、夫婦合算で650万円未満という所得制限につきましては、平成15年5月に行われました与党の3党合意に基づきまして、所得制限はサラリーマンの約85%を対象になるように設定されたというふうに承知をいたしておりまして、今後とも適切な運用に努めてまいりたいと考えております。


 また、ご提案のありました人工授精等一連の治療につきましては、保険適用外の治療法でありますが、1回で約1万円程度の負担であるというふうに認識をいたしております。この助成につきましての提案があったわけですけれども、国の動向にも注視しながら、保険適用の治療との負担の公平という観点からもいろいろ検討すべき課題があるというふうに思っておりまして、今後、私ども勉強させていただきたいなというふうに思っております。当面、今年度からスタートいたしました助成制度について、十分な浸透に努めてまいりたいというふうに考えております。


 次に、障害者手帳の統一についての問題でありますけれども、障害者手帳につきましては、これまで窓口等で提示を受けるサービス提供者が識別しやすいようにという観点から障害別にカバーの色を変えてきたということでございます。しかし、外観で識別できることで手帳を提示する際に障害者にとって心理的な抵抗感があるという意見もありまして、私ども検討を進めてまいりましたが、手帳の記載内容で必要な情報を確認すれば支障はないというように考えますので、カバーの色について検討を行う必要があるのではないかと考えてきました。そこで、障害者団体のご意見もお聞きした上で、4月からカバーの色を統一し、外観を同様とするというふうなことで、障害のある方が心理的な抵抗なく手帳を提示することができるように準備を進めているところでございます。


 国におきましては、障害の種類にかかわらず、共通のサービスを共通の制度で提供するという「障害者自立支援法案」の成立がめざされている中で、県におきましても、重度心身障害者(児)医療費助成制度に新たに1級の精神障害者を加えるなど、3障害についてバランスのとれた取り組みを推進しておりますが、ご提案のあります手帳様式の統一についても、更新の都度、実施するといった実施方法も含めまして、検討を進めさせていただきたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。


○副議長(永田秀一)  陰山県土整備部長。


  〔陰山県土整備部長登壇〕


○県土整備部長(陰山 凌)  私から、姫路市南部の国道250号の渋滞対策についてご答弁申し上げます。


 姫路市南部を東西に走ります国道250号につきましては、臨海部に集中する交通によりまして、慢性的に渋滞する状況にございます。この緩和を図るために右折レーンを設置するなど、交差点改良などに取り組んできております。このような中で、近年、沿道に相次いで大型店舗が出店いたしております。この際には、大規模小売店舗立地法に基づきまして、「駐車場の出入りは左折とする」など、交通対策への配慮を求めてきましたが、依然として、国道250号の渋滞は続いている状況でございます。このため、今後も交差点改良などを進めますほか、引き続き国道250号飾磨バイパスの整備を進めます。また、県道広畑青山線、阿成姫路停車場線等の南北道路の整備に全力で取り組みまして、格子型ネットワークを形成しまして、東西道路の交通分散化を図ってまいります。


 また、今後は新たな大型店舗等が立地する際には、このたび提案させていただいております「大規模集客施設の立地に係る都市機能の調和に関する条例」に基づきまして、法手続に入る前に、例えば駐車場の入り口に滞留スペースを設置する等の、より強力な指導を実施することも含めまして、この条例に基づき総合的な渋滞対策に取り組んでまいりたいと考えております。


 さらに、播磨地域臨海部の道路機能の抜本的な強化対策となります神戸姫路間道路構想の具体化につきましても、国や地元市町と連携しながら検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。


○副議長(永田秀一)  武田教育長。


  〔武田教育長登壇〕


○教育長(武田政義)  私から、学校における食育の推進について答弁申し上げます。


 学校におきます食育は、生涯にわたって健康で生き生きとした生活を送ることをめざし、児童生徒一人一人が正しい食事のあり方や望ましい食習慣を身につけ、楽しい食事や給食活動を通じて、みずから健康管理ができるようにするとともに、豊かな心を育成し、社会性を涵養することであると受けとめているところであります。県教育委員会といたしましては、従来から実践的教育力の向上を図りますため、食に関する教育研究会等を実施してきたところでございますが、来年度は栄養教諭の免許法認定講習会を開催し、学校栄養職員の専門的知識や食育に関する技能の向上を図ることといたしているところであります。


 また、学校給食の実施の有無や都市部、農村部といった地域性により食指導の状況が異なりますことや、食指導における学級担任、学校栄養職員、そして栄養教諭等の役割分担等の課題もありますことから、新たに学識経験者や保護者代表などで構成する「食育のあり方検討委員会」を設置いたしまして、食育に係る指導体制のあり方や効果的な指導の進め方等について検討し、それを具現化する実践プログラムを作成することといたしているところであります。


 また、あわせまして、食育推進モデル校6校を指定いたしまして、このプログラムをもとに教職員と新たに配置をいたします食育推進員が協力をしながら、学校や地域の実態に応じた実践研究を行い、その成果を広く県下に発信することによって、学校における食育の積極的な推進を図ってまいる所存でございますので、ご理解いただきたいと思っております。


○副議長(永田秀一)  北条泰嗣議員に対する答弁は終わりました。


 この際、15分間休憩いたします。


       午後2時24分休憩


  ………………………………………………


       午後2時49分再開





○議長(原 亮介)  ただいまから会議を再開いたします。


 休憩前に引き続き、質疑、質問を行います。


 石川憲幸議員。(拍手)


  〔石川憲幸議員登壇〕


○(石川憲幸議員)  本日トリを務めます。いましばらくおつき合いをいただきたいと思います。


 私が議員活動を始めましてから本年で7年目になります。民間出身のせいか、いかなる組織でありましても、みずからが計画し、みずからが行動する自主・自立の組織運営を是とする思いが常に根底にありまして、勉強を重ねるたびに国、県、市町の関係に戸惑うことが多くありました。その間、平成12年の地方分権一括法の施行、そして今回の三位一体改革の議論、また、地元では、6町合併による丹波市の誕生など、歴史的な変革に立ち合わせていただく中で、ゆっくりですが、自主・自立への歩みが具体的な形で進んでいますことを非常に心地よく感じております。しかし、平成17年度に向けての三位一体改革の中身につきましては、数字の面からも実質的な独自性の面からも課題が多く、一層の議論が必要であると思っています。


 そのような流れの中で兵庫県並びに県議会は、県民のさらなる幸福の追求と県政に対する満足度向上のために、より自立的で効率的な兵庫戦略を展開する必要と責任があります。そのためには、今まで行ってきたあらゆる施策に対する的確な検証と、その検証に基づいた新たな戦略について十分な議論を尽くし、広く県民にも理解を求める必要があるのではないかと思います。


 以下、さまざまな観点から提言も交え、的確な検証と新たな兵庫戦略について質問してまいります。


 まず、質問の第1として、検証と戦略のための評価システムについて伺います。


 最初に述べましたように、県当局並びに県議会は、互いに適切な距離、緊張関係を持ちつつ、常に県民の幸福を追求するため、限られた予算の中で最大の効果が期待できる有効な政策、戦略を実行し続ける必要及び責任があります。そのため、ある目的を持った政策について、あらかじめそのめざすべき目標と期限を明らかにするとともに、必要な時々の評価を実施し、貴重な予算及び人員の投下量と、得られている結果・成果から判断して、必要な見直しを行ったり、新規の施策や主要事業へ反映させたりしていくことが必要となります。


 そういった観点から、当局においては、従来から進めている投資事業評価及び事務事業評価に加え、施策目標の達成度を視点とする政策評価システムの構築に努めておられます。そして昨年、平成15年度の施策をどう評価し、16年度の施策へどう反映したかについて、兵庫県のホームページ上で「平成15年度政策評価結果と平成16年度施策」及び「施策体系別政策評価結果」として、県民の前に公表されているところです。


 このことにつきましては、時代が求めている方向に着実に進んでいると言えますが、政策の評価に際して、具体的かつ的確な指標が設定されているか、県民が参加できるように整備されているのか、政策評価が正確に次年度施策へ反映されているのか、そして、その判断が行政の内部評価だけとなっているのではないかなど、検証に対する課題が見受けられます。


 もっとも、この政策評価につきましては、国においても平成13年度から取り組み、総務省に行政評価局という独立した局を設けて推進しているにもかかわらず、まだまだ問題があるようであり、兵庫県でこの制度が定着するためには、少なくとも5年、あるいはそれ以上にわたり工夫改善が必要となってくると思われます。


 そこで、平成16年4月に初めて公表されたこの兵庫県の政策評価について、その実施方法などをどう自己評価されているのか、また、今回提案されています平成17年度当初予算の施策にどのように反映されたのか、お伺いします。


 さらに、今後なお効率的、効果的な県政を推進していくため、この県政の評価システムをどのように充実させていくおつもりなのか、あわせてお伺いします。


 質問の第2として、井戸知事が就任されて以来、県政推進の基本姿勢とされています参画と協働について伺います。


 私は、先ほど自主・自立的な行政運営こそが地方自治体のめざす理想の姿だとの思いを述べましたが、そのためには、住民が自治体運営に強い関心を持ち、ともに事業を推進していこうとする地域力を高めていくことが大切だと考えております。現在、井戸知事が県民の参画と協働を推進しておられることは、まさにこの地域力をアップさせることと本質的には共通のものだと思っており、このことは2年前の一般質問でも述べたとおりであります。そして、その参画と協働の推進に当たっては、どの程度県民に理解され、効果を上げているかを検証しながら推進することが重要だと思っております。


 平成15年4月に施行された「県民の参画と協働の推進に関する条例」が、毎年その推進状況の報告を求めておりますとともに、施行後3年間での見直しを義務づけているのはその趣旨であると理解しており、平成17年度に行われるその見直し作業を注目したいと思っております。


 ここでは、参画と協働条例の二つの側面、県民と県行政のパートナーシップ、すなわち県行政推進への参画と協働と、県民と県民のパートナーシップ、地域社会の共同利益実現に向けた参画と協働、この双方に向けた具体的な取り組みとして「パーセント条例」を取り上げたいと思います。


 これは、1990年代のハンガリーで、自由主義国家への移行過程におきまして、公的サービスを行う団体の経済的自立を支援するために国民が納税額の一定割合、これが1%なので俗にパーセント法と呼ぶのですけれども、これをみずからが評価するNPOや協会に寄附することを認めたものであり、結果として、住民が納税額の一部を自分で選んだ活動に充てることができることとなります。同様の制度はスロバキアやリトアニア、ポーランド、ルーマニアで制度化されており、国内でもこのパーセント法にヒントを得た形で、千葉県市川市が「市民活動団体支援制度」を導入し、来年度から市民が自分で選んだ市内のボランティア団体、NPO法人などに市民税の1%を託すことができるようになっております。


 ハンガリーなど国税で実施されている事例に比べて、地方自治体で実施する方が、より地域に根差した具体的な事業や団体を支援することが可能になると考えられます。


 本県におきましても、現地解決型県民局体制の構築並びに県民の参画と協働の推進を目的として、地域づくり活動応援事業、いわゆるパワーアップ事業を平成15年度から導入しています。これは、地域社会の共同利益実現を図るため、各種団体が行っているさまざまな取り組みや企画に対して助成を行う画期的な事業であり、私はその事業効果を高く評価しております。


 今回の提案は、参画と協働条例に基づく地域づくり団体の登録制度も活用し、パワーアップ事業を県民がみずからの選択で行うように、県民がその納税額の一定限度をみずから応援したい地域づくり団体を指定し、寄附の形で支援するという内容であります。このことにより、県政、地域づくりに対する参画・協働意識をさらに高める仕組みとなることが期待され、納税者、実践者ともに県政に深くかかわることができる最適な事業と期待されます。


 この提案も含めて、県民みずからが参画・協働していることを実感できるような具体的施策を新年度以降どのように展開されるおつもりなのか、ご所見をお伺いいたします。


 質問の第3として、兵庫県の経済戦略の検証と今後の展開を取り上げます。


 自主・自立をめざす地方自治体にとって、地元経済の発展は必要不可欠な要素であり、三位一体改革がさらに進み、国税から地方税にシフトする比率が高まるにつれ、なお一層、本県の経済・雇用施策は大きな責務と役割を担うことになります。


 こうした中、本県では、平成14年から3ヵ年を期間とする「ひょうご経済・雇用再活性化プログラム」を策定し、本県経済の再活性化に取り組んでこられたところであります。その間、製造、流通、サービスなど産業界においては、都市と地方、大企業と中小・零細企業といった地域や規模によって回復の度合いにかなりの差が感じられます。このような県内の状況を正確に把握し、再活性化プログラムの3年間を的確に検証して次なる展開を図っていただくことをお願いしたいと思っています。


 ところで、その再活性化プログラムが平成16年で終了することを踏まえ、兵庫県立大学経済経営研究所長である加藤恵正教授を座長とする「ひょうご経済雇用戦略会議」の委員が昨年6月より半年間、さまざまな情報収集や意見交換を経て、「ひょうご経済・雇用再生加速プログラム」をまとめ上げられました。そして、平成17年度から3年間にわたり、「元気産業・活力就業・自立兵庫」をめざして政策展開されると報告をいただいております。


 その政策の基本方向として、「兵庫の強みを生かす、兵庫のやる気を伸ばす、国内外との交流を進める、地域の特性を生かす」の四つの柱が提言されております。これらのどの柱も非常に的を射ており、重要な方向だと思いますが、ここでは特に、やる気と国際交流について伺ってまいります。


 まず、やる気についてですが、中小企業のやる気を支えるには、その企業が持っている特性、強みを適正に評価し、具体的な支援につなげていくことが大切であると思います。今まで経営を続けてきた企業は、それなりの技術力やノウハウなどの特色を持っているからこそ継続してやってこれたのであって、その強みをやる気につなぐ評価システムが必要になってきます。特に、ベンチャー企業や第二創業に挑戦する企業にとって、たとえ融資を受けるのに必要な物的担保能力や第三者保証人がなくても、その企業が持っている技術力に裏打ちされた将来性を評価してもらえるシステムがあれば、さらにやる気を伸ばすことができると思います。


 現在は、融資を受け付ける地元金融機関や県の信用保証協会がその役割を担っていますけれども、さらに専門的な視点から技術力や将来性を適正評価するシステムを充実する必要があるのではないかと考えるところです。


 県では、財団法人ひょうご中小企業活性化センターにおいて、新たに評価支援委員会を創設し、中小企業より融資申し込みを受けた金融機関から、その企業の技術力や将来性の客観的評価を受け付ける制度を平成17年度から立ち上げようとされています。そして、金融機関がこの評価制度を活用することにより、スムーズな融資の実行を図ることができると期待されています。


 そこで、この新たな制度のPRなども含め、制度の活用に向けて、どのように取り組んでいかれるつもりなのか、お伺いをいたします。


 次に、先ほどの再生加速プログラムの四つの柱の一つ、「国内外の交流を進める」に関連して、国際的な兵庫経済戦略、特に東アジアに対する戦略について伺ってまいります。


 北朝鮮問題は、経済制裁や核製造発言など、ことしも大きな政治課題となっていますが、いずれ民主化への道を確実に進んでいくものと考えております。中国との合併といううわさもありますが、たとえそうなったとしても、生産、消費という経済的な流れは間違いなく大きく進んでいくと思います。韓国と統一されるならばなおさらです。一方、中国やロシアの資本主義拡大路線は、もはや世界に大きな影響を与えており、将来的にはアメリカ、EU、そしてアジアという3大経済圏域として進んでいくことは多くの識者が認めるところであります。そうなっていくときに、日本としてのスタンスも大切ですけれども、同時に兵庫県として、どのようなスタンスでかかわり合っていくのか、将来の兵庫県経済を考えるとき、極めて重要な問題だと思います。


 私は、長い目で見た場合、アメリカとの関係も重要ですが、アジアの一員として日本海戦略に一層力を注ぐべきではないかと思っております。具体的には、神戸空港や豊岡自動車道、福知山線の複線化など、空路、道路、鉄道、そして港湾のインフラ整備も長期的に見ると有効な戦略になると考えています。残念ながら日本海側の港湾に関しては今後の大きな課題ですが、空路を持たない京都府との連携も視野に入れる必要があります。


 この対アジア交流につきましては、既に福岡を中心とした九州や東北、特に新潟県が玄関口としての整備を着々と進めていると聞いておりますが、我が兵庫県こそ近隣府県も含めて立地条件や空港整備などの交通インフラ、そして華僑の方々など、人的資源や歴史的なつながりも豊富であり、アジア極東地域への我が国の窓口にふさわしいポテンシャルを有していると確信しております。


 そして、中国、ロシアなどの友好州との幅広い交流、特に午前中に小池議員が述べられました広東省との経済交流、また、北東アジア地域自治体連合への参画など、現状の取り組みを発展させ、さらなる戦略的な取り組みを進めていくべきであると考えるところです。


 そこで、関西圏のリーダーとしての存在価値を高め、将来の県経済に大きく貢献すると考えられる兵庫県のアジア戦略について、当局のご所見をお伺いいたします。


 質問の第4として、野生動物との共生に向けた新たな戦略について伺います。


 昨年相次いで上陸した台風は、兵庫県にも大きな被害をもたらしました。とりわけ山崩れや風倒木など森林被害は甚大で、改めて戦後放置された森林の脆弱さと森林整備の大切さを思い知らされました。この思いは森林に生息する野生動物たちも同様であろうと思います。林業活動の停滞による人工林の放置や人間の生活様式の変化による里山の荒廃に起因し、えさを確保できなくなった動物たちはやむなく集落に出没し、農作物をめぐって私たちと厳しい摩擦状態に陥っています。


 県では、以前より頭数管理の徹底や防護さくの設置など、被害防除対策を展開していただいておりますけれども、根本的な解決策となっていないのが現状です。このため、さらに踏み込んで人と野生動物と自然の調和的共存をめざす取り組みとして推進されている新たなワイルドライフ・マネジメント――野生動物の保護管理の中核施設として、「森林・野生動物保護管理研究センター」を我が郷土、丹波市青垣町において、来年度から建設に着手されます。


 この施設は、野生動物に特化した県レベルでの調査研究機関として、全国初の施設と聞いており、平成13年9月定例会において、早期整備を提案した私にとりましてもその実現をうれしく思うとともに、その研究成果を全国に発信できる施設となることを願うものであります。


 さて、ワイルドライフ・マネジメントの具体的施策の一つとして、「森林・野生動物管理官制度」の創設もめざしておられますが、それにとどまらず、県民の参画と協働の観点から、林業関係者を初め、関心のある住民の方々に対しても野生動物の保護管理に関する知識の普及啓発に取り組むことが重要だと思うところです。この施設を拠点とし、戦略的に取り組むことにより、真に野生動物と共存できる社会の実現を望みますが、そのために必要となる人材育成や知識、技術の普及啓発に今後どのように取り組んでいこうとされているのか、お考えをお伺いいたします。


 最後の質問として、教育における検証と新たな戦略、具体的には一昨年の9月定例会で提案したオープンスクール週間――学校公開週間の全県的取り組みについてお伺いします。


 教育や青少年にかかわるさまざまな問題や課題を考えますとき、家庭、学校、地域がもっと密接な連携を図り、地域を挙げて子供たちを育てる体制を築いていくことが大切です。そして、そのための有効な取り組みとして、学校とPTAが連携して1週間、普通どおりの授業や休み時間、給食などの様子を保護者、行政、議会、地域の皆さんが参観できるオープンスクール週間――学校公開週間の全県的取り組みを前回提案させていただきました。この取り組みにつきましては、教育長を初め、教員委員会の方々の理解も得まして、兵庫の教育推進月間の取り組みとあわせ、県民すべてがかかわる兵庫の教育として推進いただいております。


 ところで、先日、大阪・寝屋川市で17歳の少年が自分の卒業した小学校で、教職員3人を殺傷するという痛ましい事件が起きております。我々の常識では理解しがたいことであり、事件当時の状況や犯人の少年を取り巻く背景などを徹底捜査して、同種の悲劇を防ぐ努力が必要だと思っております。しかしながら、今、与えられている情報で考える限り、この事件を理由に学校、家庭、地域の連携の動きを減速する必要はないと思います。むしろ、長い目で見れば、このような事件を防ぐためにも、地域に開かれた学校づくりを加速すべきではないかと考えるところであります。


 このような観点で昨年から始まったオープンスクールを見てみますと、参加者は保護者が中心となっており、地域の住民を巻き込むところまで浸透していない実態もあるのではないかと思います。オープンスクールがめざすところは、特別の1週間だけでなく、いつでもふだんの学校を見てもらうことですが、始まったばかりの現時点では、期間を限って特別な仕掛けをしてでも多くの地域住民に参加してもらうことが必要だと思っております。


 多くの人がオープンスクールに集まるようになり、地域全体で子供を育てようという機運が高まることが第一歩として重要だと考えるからです。そのためには、秋の運動会のように地域住民の方々が参加しやすい仕掛けを検討することが必要となってきます。例えば、トライやる・ウィークでお世話になった人を招待し、トライやる・ウィークの報告会を実施する、地元産の食材を使った給食の試食会を開催したり、教育に関する講演会を開催することなど、最初は地域の皆さんが参加しやすい、お互いに誘い合いやすい雰囲気づくりを地域や学校で工夫することも必要ではないかと考えるところです。


 昨年からモデル的に実施したオープンスクールの実績を検証し、今述べてきたような工夫も含め、みんながかかわる教育に向けて、どのように推進されていくおつもりなのか、ご所見をお伺いいたします。


 終わりに、国、県、市町の役割がさらに明確化し、それぞれの責任が増してくる中、これからの兵庫県のあり方についても、行政と県民の代表である議会とが従来にも増して広く深く議論を重ねていかなければなりません。特に厳しい財政状況が続くと予想される中、限られた財源で効果的な事業を展開していくことが課題となり、その基本的方向を定め、一定の目標を設定した行政計画の重要性はさらに増していくことになります。


 このような状況を考えますと、午前中に筒井議員が質問しましたように、県が策定する計画のうち、基本的かつ重要なものについて計画の策定段階から執行過程に至る各段階において、県民を代表する議会がかかわりを持っていくことは非常に大きな意義があります。


 議会が基本計画に関与し、より県民にわかりやすく効果的な県行政の推進を図っていくことは、県議会の重要な責務だと思っております。県議会の今後の大きな課題として問題提起をさせていただき、私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)


○議長(原 亮介)  井戸知事。


  〔井戸知事登壇〕


○知事(井戸敏三)  自由民主党県議団の石川憲幸議員のご質問にお答えいたします。


 まず、参画と協働の検証と具体的な施策展開についてです。


 量的拡大から質的充実が求められているただいまのような成熟社会では、県民みずからが生活者、消費者として身近な地域づくり活動に自律的に参画・協働していただき、「新しい公」をつくり出していくことが基本になっていくと、このように考えております。参画協働条例におきましても、県行政への参画・協働とあわせて、県民の地域社会の共同利益の実現をめざす参画と協働を掲げておりますのも、このようなゆえんだと存じます。これを具体化する参画と協働の指針、計画に基づき県民運動や震災を契機とするボランタリー活動を初め、長期ビジョンの県民行動プログラムの展開、さらには子育て応援やまちづくり防犯活動等の地域協働事業を支援しております。


 ご指摘の納税額の一定額を支援する仕組みは、参画協働の実践活動につながる具体的な仕組みの一つの提案として考えられますが、本来の税の性格から見て、使途を特定することが適切なのかどうかとか、このような税金の使途を納税者が指定することの是非など、さらに検討すべき課題があるものと考えております。また、寄附の活用も重要であろうと思います。特定公益増進法人に対する寄附金控除制度を、もっとNPO法人に活用しやすい運用を図ることが必要ではないでしょうか。私も税制調査会でも再三発言しているのでありますが、なかなか弾力運用に至っていない実情にあります。


 いずれにしましても、NPO活動を支援するための財政支援の仕組みは、その活動を促進する基盤をなすものと考えておりますし、そのための充実を図っていく必要があります。


 ことしは、参画協働条例施行後3年目を迎えます。阪神・淡路大震災復興基金で支援しておりましたボランタリー活動助成につきましては、ボランタリー基金による支援に切りかえますほか、活動支援情報発信機能の充実や県民とのパートナーシップを高める新たな展開を図っていきます。


 なお、条例に基づく参画協働関連施策の総合的な検証・評価にも積極的に取り組んでまいりますので、よろしくご指導をお願いしたいと存じます。


 続いて、ひょうご経済戦略の検証と新たなプログラムの展開についてです。


 まず、中小企業が持つ技術力評価についてですが、中小企業の円滑な資金調達を支援するため、新年度、企業の技術力、成長性を評価し、融資につなげていく「ひょうご中小企業技術評価制度」を立ち上げ、物的・人的担保に依存しない融資制度の一層の充実を図ることとしています。この評価制度の仕組みとしては、金融機関から申し込みを受け、ひょうご中小企業活性化センターが工業技術センター、NIRO等の技術支援機関とのネットワークを生かして中小企業の技術力、新製品の市場性、成長性を適切に評価した上で評価書を交付することで金融機関による無担保・第三者保証人なしの融資につなげていこうとするものです。金融機関からはこの仕組みに対して、支援ネットひょうごの総合力を生かした公的機関の技術評価であること、技術評価だけではなく、経営・技術支援が期待できることなどから、融資審査に活用していきたいとの意見を伺っておりまして、中小企業の新たな資金調達の道を開くものと期待しております。


 今後、支援ネットひょうごや金融機関との連携によりまして、さらにその活用を図るよう促進を進めてまいりますとともに、この制度の活用を通じて成長力と意欲のある中小企業の新たな事業展開を応援してまいりたい、このように考えております。


 続きまして、本県のアジア戦略についてです。


 東アジア地域は本県と地理的、歴史的にもつながりが深く、近年、経済成長が著しい地域であることから、県としても先導的役割を果たしながら相互交流を深めていくことが重要であると考えております。兵庫国際新戦略でも、アジアに重点を置いた国際政策の推進を今後の国際戦略の基本理念の一つに掲げております。東アジアとは、これまでも友好省であります広東省や海南省と双方向の投資促進を初め、販路拡大、販路開拓など経済交流を進めてきました。北東アジア地域自治体連合への参画を通じまして、北東アジア地域とも経済、環境、防災面でのネットワークを形成してきております。


 このほど策定しました経済・雇用再生加速プログラムにおきましては、国内外との交流、とりわけ中国、ロシアを中心とした東アジア地域との経済交流をさらに推進することとしております。平成17年度には、本年度の経済ミッションの派遣に引き続きまして、新たに中国・華東地区での販路開拓やロシア・ハバロフスク地方への企業人の派遣、中国からの国際ツーリスト誘客促進事業等に取り組むことにしております。しかし、何と言っても交流の始まりは、やはり人と人との結びつきでもあります。現地進出企業の活動を通じて、兵庫の紹介や兵庫のよさをPRしていくこと、留学経験者のネットワークを活用していくこと、本県立地外国企業の協力を得て、さらに関連企業との関係を築いていくことなどにも組織的に取り組んでまいります。


 今後とも、これまでの交流の積み重ねを基礎に貿易、企業誘致、観光など、東アジア地域との経済交流を初め、さまざまな分野での交流を深め、兵庫経済の新たな飛躍に結びつけていく決意であります。


 以上、私からの答弁とさせていただきます。


○議長(原 亮介)  荒川企画管理部長。


  〔荒川企画管理部長登壇〕


○企画管理部長(荒川 敦)  私から、政策評価についてお答えを申し上げます。


 今日の厳しい財政環境の中で、県民の要請に的確にこたえて、成果重視の施策を展開するために、例えば生涯を通じた健康づくりの推進とか、多様な保育サービスの充実といった105の施策ごとに目標と達成年度を明確にして、毎年度、定量的な指標に基づいて達成状況を評価いたします政策評価、これを平成14年度から試行的にですけれども導入をいたしまして、昨年4月には公表もいたしたところでございます。施策の中には、例えば、豊かな心をはぐくむ教育の推進みたいな定量的な評価指標を設定することが難しいものがあるなど、政策評価の実施方法等につきましては、さらに検討を要する課題がございます。


 しかしながら、政策評価は適切な事業選択と予算配分の一層の重点化を図る有効な手法の一つであることでもございますので、平成17年度、新年度の当初予算の編成におきまして、新規事業の要求に当たりまして、105の施策ごとに政策目標の達成度と目標達成に向けたその事業の有効性等を評価することとするなど、その活用も図ってございます。


 今後とも、ただいまいただきましたご意見も踏まえ、またこの4月を目途に平成16年度の評価結果を公表する予定です。そこでの県民からの意見も求めながら、よりよい評価方法や評価指標の検討を進めまして、制度の充実に努めてまいりたいと思います。


○議長(原 亮介)  黒田農林水産部長。


  〔黒田農林水産部長登壇〕


○農林水産部長(黒田 進)  私から、野生動物との共生に向けた新たな戦略についてご答弁申し上げます。


 科学的な根拠に基づいて、個体数管理や生息地管理、被害管理を総合的、計画的に行いますいわゆる野生動物の保護管理――ワイルドライフ・マネジメントを推進するためには、その調査、研究の拠点となります森林・野生動物保護管理研究センターの整備はもとより、保護管理を実施する専門技術者の育成や幅広い県民の理解と協力が必要であると考えております。


 専門技術者につきましては、地域別の個体数調整計画の策定や生態系に配慮した森づくり、鳥獣害に強い集落づくりの指導などを行います森林・野生動物管理官の育成を17年度から始めますほか、狩猟者や農林業関係者等への研修を通じて、管理官と連携して保護管理施策を進める人材として養成していくことにも努めていくこととしております。


 さらに、各地域において、円滑かつ効果的に保護管理施策を実施するためには、何よりも県民への普及啓発が重要であると考えておりまして、具体的には野生動物との共生に向けた取り組みに関するセミナーの開催、野生動物の生態を紹介するビデオの放映や野生動物の剥製の展示、あるいは野生動物相談窓口の設置など、さまざまな啓発活動を行うこととしております。


 今後、こうした取り組みを行うことによりまして、全国に誇れる人と野生動物と自然環境との調和をめざした地域づくりを一層進めてまいりたいと考えております。


○議長(原 亮介)  武田教育長。


  〔武田教育長登壇〕


○教育長(武田政義)  私からオープンスクールの検証と推進策についてご答弁申し上げます。


 県民すべてがかかわる兵庫の教育をめざしまして、昨年の11月の兵庫の教育推進月間の取り組みに合わせましてオープンスクールを推進いたしましたところ、多くの皆様方のご支援を得まして、これまでから先導的に取り組まれておりました丹波市などの学校を含め、全県下の小中学校で833校が実施をしていただきました。目標といたしておりました50%を大きく上回り、約70%という結果が得られたところであります。


 一方、実施初年度でありましたことから、各学校におきまして、実施期間の長短でありますとか、地域住民の皆様方の参加に差があるなど、その取り組み状況や成果にばらつきがあったことも事実でございます。中でも、オープンスクールに学校行事をあわせて実施をしたり、PTAが地域への広報を担うなどの工夫を凝らしたところでは保護者以外の参加者も多く、また、企画の段階から地域の皆様方が加わったり、受付や校内巡視などにPTAや地域住民が携わったところは、実施後も児童生徒の安全確保といった面でも地域住民の皆様方の協力が得やすくなったなど、地域で子供たちを守り、はぐくむ機運が高まり、開かれた学校づくりを進めていく上で確かな手ごたえを感じているところでございます。


 来年度から、これらの先進的な取り組みを広く紹介をする事例集をつくり、地域住民のより一層の参加を促しますとともに、市町教育委員会とも連携をしながら、オープンスクールの100%実施をめざしまして、ご提案のありました趣旨も踏まえながら、保護者や地域住民の期待にこたえる信頼される学校づくりに取り組んでまいる所存でございますので、ご支援のほどよろしくお願い申し上げます。


○議長(原 亮介)  石川憲幸議員に対する答弁は終わりました。


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○議長(原 亮介)  この際、お諮りをいたします。


 本日の議事は、これをもって打ち切りたいと思います。


 これにご異議ございませんか。


  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕


○議長(原 亮介)  ご異議ないと認めます。


 よって、さように決します。


 次の本会議は、明3日午前10時から再開し、質疑、質問を続行いたします。


 本日は、これをもって散会いたします。


       午後3時30分散会