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平成17年第282回定例会(第3日 3月 1日)




平成17年第282回定例会(第3日 3月 1日)





平成17年 3月第282回定例会


会議録第1438号


            第282回(定例)兵庫県議会会議録(第3日)


                         平成17年3月1日(火曜日)


          ─────────────────────────


 
                               平成17年3月1日 午前10時開議


   第1 (平成16年度関係)


      第189号議案ないし第248号議案


      (平成17年度関係)


      第1号議案ないし第75号議案


       質疑・質問


          ─────────────────────────


                 本日の会議に付した事件


   日程第1 (平成16年度関係)


        第189号議案ないし第248号議案


        (平成17年度関係)


        第1号議案ないし第75号議案


          ─────────────────────────


                 出  席  議  員   (90名)


   1 番  吉  本     誠         48 番  酒  井  隆  明


   2 番  石  井  健 一 郎         49 番  山  口  信  行


   3 番  石  井  秀  武         50 番  内  藤  道  成


   4 番  小  池  ひろのり         51 番  釜  谷  研  造


   5 番  永  富  正  彦         52 番  長  田     執


   6 番  北  条  泰  嗣         53 番  原     吉  三


   7 番  松  田  一  成         54 番  葛  西  利  延


   8 番  いなむら  和  美         55 番  武  田  丈  蔵


   9 番  西  野  將  俊         56 番  水  田     宏


   10 番  藤  田  孝  夫         57 番  寺  本  貴  至


   11 番  松  本  隆  弘         58 番  立  石  幸  雄


   12 番  加  田  裕  之         59 番  永  田  秀  一


   13 番  筒  井  信  雄         60 番  原     亮  介


   14 番  森  脇  保  仁         62 番  岩  谷  英  雄


   15 番  野  間  洋  志         63 番  日  村  豊  彦


   16 番  長  岡  壯  壽         64 番  五  島  た け し


   18 番  加  茂     忍         65 番  羽 田 野     求


   19 番  田  中  あきひろ         66 番  内 匠 屋  八  郎


   20 番  梶  谷  忠  修         67 番  合  田  博  一


   21 番  矢 尾 田     勝         68 番  今  西  正  行


   22 番  栗  原     一         69 番  岡     や す え


   23 番  小  田     毅         70 番  掛  水  す み え


   24 番  谷  口  隆  司         71 番  中  村     茂


   25 番  藤  本  正  昭         72 番  ね り き  恵  子


   26 番  山  本     章         73 番  つ づ き  研  二


   27 番  井  上  英  之         74 番  中  村  まさひろ


   28 番  佃     助  三         75 番  筒  井  も と じ


   29 番  橘     泰  三         76 番  岸  口     実


   30 番  岡  野  多  甫         77 番  黒  田  一  美


   31 番  中  田  香  子         78 番  加  藤  康  之


   32 番  加  藤     修         79 番  越  智  一  雄


   33 番  藤  井  訓  博         80 番  大  野  由 紀 雄


   34 番  杉  本  ち さ と         81 番  渡  部  登 志 尋


   35 番  新  町  み ち よ         82 番  松  本  よしひろ


   36 番  宮  田  しずのり         83 番  北  川  泰  寿


   37 番  毛  利  り  ん         84 番  丸  上     博


   38 番  芝  野  照  久         85 番  石  堂  則  本


   39 番  宮  本  博  美         86 番  山  本  敏  信


   40 番  杉  尾  良  文         87 番  門     信  雄


   41 番  小  林     護         88 番  石  原  修  三


   43 番  野  口     裕         89 番  石  川  憲  幸


   44 番  浜  崎  利  澄         90 番  小  林  喜  文


   45 番  前  川  清  寿         91 番  村  上  寿  浩


   46 番  北  浦  義  久         92 番  清  元  功  章


   47 番  藤  原  昭  一         93 番  鷲  尾  弘  志


          ─────────────────────────


                 欠  席  議  員   (なし)


          ─────────────────────────


                 欠        員   (3名)


          ─────────────────────────


                 事務局出席職員職氏名


 局長        稲  田  浩  之     議事課主幹 田  中  宏  忠


 次長        谷  口  勝  一     議事課長補佐兼議事係長


 議事課長      善  部     修           濱  田  直  義


          ─────────────────────────


               説明のため出席した者の職氏名


 知事                           井 戸  敏 三


 副知事兼阪神・淡路大震災復興本部副本部長         藤 本  和 弘


 副知事兼阪神・淡路大震災復興本部副本部長         齋 藤  富 雄


 出納長                          五百蔵  俊 彦


 公営企業管理者兼阪神・淡路大震災復興本部臨海都市整備部長 吉 本  知 之


 病院事業管理者                      後 藤    武


 理事兼阪神・淡路大震災復興本部理事            大 平  一 典


 理事兼阪神・淡路大震災復興本部理事            清 原  桂 子


 理事兼阪神・淡路大震災復興本部理事            神 田  榮 治


 防災監兼阪神・淡路大震災復興本部防災監          東 田  雅 俊


 県民政策部長兼阪神・淡路大震災復興本部県民政策部長    井 筒  紳一郎


 企画管理部長兼阪神・淡路大震災復興本部企画管理部長    荒 川    敦


 健康生活部長兼阪神・淡路大震災復興本部健康生活部長    下 野  昌 宏


 産業労働部長兼阪神・淡路大震災復興本部産業労働部長    江 木  耕 一


 農林水産部長兼阪神・淡路大震災復興本部農林水産部長    黒 田    進


 県土整備部長兼阪神・淡路大震災復興本部県土整備部長    陰 山    凌


 阪神・淡路大震災復興本部総括部長             古 西  保 信


 のじぎく国体局長                     井 上  数 利


 企画管理部企画調整局長兼阪神・淡路大震災復興本部企画管理部企画調整局長


                              高 井  芳 朗


 財政課長                         竹 本  明 正


 財政課主幹                        西 上  三 鶴


 選挙管理委員会委員長                   柏 木    保


 教育委員会委員長                     平 田  幸 廣


 教育長                          武 田  政 義


 公安委員会委員長                     野 澤  太一郎


 警察本部長                        巽    高 英


 警察本部総務部長                     小 寺  英 一


 人事委員会委員長                     馬 場  英 司


 監査委員                         久 保  敏 彦


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       午前10時0分開議





○議長(原 亮介)  ただいまから本日の会議を開きます。


 直ちに日程に入ります。


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◎日程第1  平成16年度関係   第189号議案ないし第248号議案


       平成17年度関係   第1号議案ないし第75号議案





○議長(原 亮介)  日程第1、平成16年度関係、第189号議案ないし第248号議案、平成17年度関係、第1号議案ないし第75号議案を一括議題といたします。


 この際、ご報告申し上げます。


 ただいま上程中の議案のうち、平成16年度関係、第211号議案、平成17年度関係、第32号議案、第33号議案、第35号議案、第36号議案につきましては、地方公務員法第5条の規定により、人事委員会の意見を聞く必要があり、議長より意見を求めておきましたところ、その回答がありました。


 よって、その写しをお手元に配付いたしておきましたから、ご了承願います。


 これより質疑を行います。


 この際、お諮りいたします。


 会議規則第62条の規定による県の一般事務に関する質問をあわせて許可いたしたいと思います。


 これにご異議ございませんか。


  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕


○議長(原 亮介)  ご異議ないと認めます。


 よって、さように決します。


 発言は、通告に基づき、順次議長より指名いたします。


 まず、門 信雄議員。(拍手)


  〔門 信雄議員登壇〕


○(門 信雄議員)  「天の時は地の利にしかず、地の利は人の和にしかず」、これは、孟子が残した有名な言葉です。物事が成功するためには、天の時、地の利、人の和の三つの要素が必要となりますが、その中でも最もまさるのは、人の和であるというものです。人の和、これを県政運営に当てはめるなら、県民との和、議会との和、県庁組織の和ということになりましょう。何事も1人でなし得るものではありません。常に支えてくれる人、耳を傾けなければならない人の存在を忘れてはなりません。「天の時は地の利にしかず、地の利は人の和のしかず」、この言葉を井戸知事に送り、私自身もその意味を深く心に刻みながら、自由民主党議員団を代表し、県政が抱える諸課題について知事及び県当局にご質問します。


 質問の最初は、井戸県政の総括についてお尋ねします。


 井戸知事が県政を担当して4年になろうとしています。自治大臣官房審議官の職を辞して震災後間もない平成8年4月、副知事として着任され、貝原県政を支えてこられました。平成13年7月の知事選では、県民の参画と協働を基本に据え、震災からの創造的復興、経済・雇用の再生、地方分権の推進などを公約に掲げ、第48代の兵庫県知事に就任されました。しかしながら、県政を取り巻く状況は、決して明るいものではありませんでした。厳しい行財政環境のもと、我が国は、まさに痛みを伴う構造改革に着手するときであり、経済・雇用情勢は、深刻の度をきわめていました。


 さらに本県では、震災のつめ跡、復興需要の終えんという事情も加わり、被災地であるがゆえの三重苦の状況に直面し、経済・雇用対策が眼前の課題でした。また、尼崎の児童虐待死事件、BSEやSARS、鳥インフルエンザ、加古川での多人数殺傷事件、さらには、台風や豪雨による風水害など県民の安全と安心を揺るがす事件や災害が次々と発生しました。


 このような事態に井戸知事は、その都度、迅速に対策を講じられました。震災復興に力を尽くすとともに、被災経験をもとにした防災意識の高揚や三位一体改革などの地方分権の推進にも積極的に取り組んでこられました。各般にわたって発揮された手腕には敬意を表するところです。しかし一方で、参画と協働条例やディーゼル車規制条例、超過課税の延長の問題などでは、その過程で議会の大勢の認識と隔たりが生じたこともありました。議会において議論が尽くせるよう事前の十分な情報提供と協議時間について深い配慮が求められます。


 さまざまなことがあったこの4年間の県政運営を総括し、ご自身の公約を踏まえた上で、県民に何をもたらすことができ、また、何ができなかったのか、率直な自己評価をお伺いしたいと思います。


 また、この夏には知事選が行われます。引き続き県政を担う覚悟の有無についてあわせてお伺いします。


 質問の第2は、県税の超過課税に関してお尋ねします。


 「代表なければ課税なし」という言葉があります。これは、君主による恣意的な税の賦課徴収が行われないようにするため、住民代表である議会が制定する法律に基づかなければ課税権を行使できないという租税法律主義の原則をあらわした言葉です。税の問題は、それだけ厳格で、より慎重さが求められます。結論ありきではなく、まず議会において十分に審議を尽くさなければなりません。


 そこで、1点目として、このたび創設されようとしている県民緑税(仮称)についてお聞きします。


 昨年の台風23号等による風水害は、多数の人的被害を初め、家屋等の全半壊、広範囲にわたる浸水、河川、道路、農地等の破壊や農作物に甚大な被害をもたらしました。森林や里山が本来有していたはずの洪水・渇水防止機能等が大きく低下していることを露呈しました。県民の生命や財産を災害から守るため、また、地球環境の保全のために、荒廃する森林等の公益的機能の回復は、我々の喫緊の課題であることを改めて認識させられました。また、都市化の進展により都市の緑も次々と失われていますが、ヒートアイランド現象の抑制や防災、景観など都市の緑がもたらす公益的機能もはかり知れません。森林を初めとする緑の保全や再生は、低迷する林業の状況なども考え合わせると、もはや一部の人に任せて行うものではなく、県民挙げて取り組むべき課題となっています。それゆえ、すべての県民が共同して負担を分かち合い、取り組んでいく仕組みとして、県民税均等割の超過課税である県民緑税を新たに創設し、その財源を緑の保全や再生に充てていくというこのたびの提案に、会派として賛同するものです。しかし、具体的な税の使途については、まだ検討すべき点が残されていると認識しています。


 1つには、都市部と郡部における受益と負担のバランスです。都市部が財源全体の80%強を負担しながら、都市緑化事業への充当は30%以下です。また、民有地整備の補助率についても、都市緑化と森林整備に差が設けられていますが、県民緑税における公平性、あるいは応益性についてどのように考えているのかお伺いします。


 また、都市緑化については、屋上緑化や生け垣整備などを目的とした現行の都市緑化推進事業の低調な利用実績を踏まえると、幼稚園や保育園の園庭の芝生化など公的施設への積極的な活用や、採択要件の緩和、補助額の引き上げなど効果が高く、県民にとってもっと魅力ある事業とする工夫が必要ですが、その取り組みについてあわせてお伺いします。


 2点目は、県民交流広場事業(仮称)についてお伺いします。


 県民交流広場事業のモデル事業が昨年11月より順次実施されています。昨年2月、法人県民税の超過課税の第6次延長の際に、我が会派を初めとする3会派は、県民交流広場事業の本格実施に当たっては、モデル事業の実施状況やスポーツクラブ21ひょうごの検証を踏まえ、県民意見が反映できるようにすること、事業内容等の検討・決定では十分に事前協議を尽くすことの2点について当局と確認したところです。しかしながら、現時点でモデル事業は実施されてからまだ日が浅く、その課題や効果等を見きわめるに至っていません。また、スポーツクラブ21についても、実施5年を踏まえた地域の評価や終了することに伴う影響、あるいは反省点についての課題がまだ残っています。さらに、事業の継続性などもしっかりと見据えた上で、真に必要とするところへ配分していくなど決して無責任なばらまきとならないようにすることも課題です。


 このような状況で、県民交流広場事業の本格実施について結論を出すことは、甚だ性急と言わざるを得ません。昨年の確認事項を十分に踏まえて、スポーツクラブ21ひょうごとあわせ、検証結果をもとに議論を尽くし、県民の十分な意見を聞きながら実施の可否を判断すべきです。事業の意義と超過課税による必要性について改めて説明を求めるとともに、本格実施の可否が正しく判断できるよう今後の検証の進め方についてお伺いします。


 質問の第3は、住宅再建共済制度についてです。


 平成10年11月、被災者生活再建支援法が施行され、それまでタブーとされてきた被災者への公的支援の道が開かれ、さらに昨年には、住宅再建支援の必要性を認めて法改正し、居住安定支援制度が創設されました。しかし、住宅本体の再建費用は対象外とされ、年齢・年収要件が厳しいなど、まだ十分な内容とは言えません。例えば、平成11年から15年までの間に全壊した全国の2,420世帯のうち、支援金の給付を受けたのは半数以下の48%にすぎないという試算もあります。全国知事会や議長会は、住宅本体への公費投入等について強く要望しているところですが、政府は、なお慎重な構えです。


 こうした状況も見据え、このたび県独自の住宅再建共済制度が提案されました。すべての自然災害を対象とし、1戸当たり年額5,000円の負担で、半壊以上の被害を受けて住宅を再建・購入する場合には600万円、補修の場合には損害の程度に応じて200万円から50万円、さらに、住宅の再建や補修をしない場合でも半壊以上の被害には10万円を給付するという内容です。


 住居は、生活の基本であるばかりか、復興の担い手となる被災者が生きる意欲の源となって、コミュニティの形成や地域経済の再生を図る上で不可欠なものです。それゆえ、自助・公助の不足を補うこの住宅再建共済制度の創設に対して、我が会派としても大いに賛同し、その円滑な実現に向け各方面への働きかけも惜しまないものです。しかし、これまでの自治体の共済制度としては、交通災害や火災を対象としたものはありますが、自然災害だけを対象とするのは全く初めてのことだけに、その制度設計に当たっては、専門家を含めた十分な検討がなされなければなりません。地震保険の場合を例にとると、一たび地震が起こると、その被害額は数兆円規模となり、保険会社の経営も危うくなることから、国が一部保険金を負担することで成り立っていると聞いています。


 このたびの共済制度の制度設計に当たって、災害が発生した場合における被害想定、給付額、負担額、さらに加入率の設定など制度の枠組み、また、県の財政負担についての考え方をお聞きし、この制度が安定的に持続し得る万全なものであることを改めて確認したいと思います。あわせて、県民への理解促進や全国展開に向けた取り組み方針についてもお伺いします。


 質問の第4は、介護保険制度の改革についてお聞きします。


 平成12年4月にスタートした介護保険制度は、施行5年を迎え、このたび大幅な見直しが行われます。今国会に改正案が提出され、これから本格審議が始まります。当初149万人だったサービスの受給者数が、昨年1月には297万人にふえるなどあっという間に国民に受け入れられたと言えますが、一方で、予想をはるかに上回る受給者の増加は、大幅な給付費の増大をもたらし、当初の3.2兆円から今年度は5.5兆円に膨らみ、10年後には10兆円を超えるとも言われ、深刻な財源不足が懸念されています。そのため、このたびの見直しに当たっては、制度の普遍化の方向をめざし、保険料の負担層を40歳以上から若年層まで引き下げることなどを主眼に検討が進められました。しかし、国民的合意を得るには至らず、財源問題は先送りとなり、今後年金や医療を含めた社会保障制度全体の見直しの中で議論されることとなりました。


 そこで、このたびの改革は、軽度な要介護者を対象とした介護予防サービスの強化と特別養護老人ホームなどの施設利用者の居住費、食費の自己負担化などが改革の柱となっていますが、いわゆる制度の谷間や介護報酬の不正受給といった解決すべき問題も山積しています。


 本県としても、このたびの国の改正作業の進捗にあわせて、昨年7月には制度改正全般に係る提言を行ったほか、ことし1月には具体の改正内容を踏まえた追加提案を行うなど運用上の課題を適宜指摘してきたところです。介護保険制度は、長寿大国である我が国にとって、今や欠くことのできない社会保障制度の一つであり、より良質のサービスが持続的に国民に提供されるよう、これからも改良を重ねていかなければなりません。


 保険者である市町や被保険者の声を直接聞く県として、この制度の実施5年を総括するとともに、このたびの改革への対応と残された課題の克服について、今後どのように取り組んでいかれるのか伺います。


 質問の第5は、クラスター構想の推進についてです。


 内閣府が先月発表した昨年10月から12月期の国内総生産の速報値は、前の期に比べ0.1%の減で、3期連続のマイナスとなりました。景気は回復へ向かう踊り場にあると政府は強気な認識を崩していませんが、一方で、既に景気は後退局面に入ったとの見方もあります。今後の外需の動きによっては、踊り場から足を踏み外す危険もはらんでいます。また、地方経済に生じつつある地域間格差も気になるところです。本県が勝ち組みとして生き残るために、持続的発展が可能な産業構造への転換を着実に進めなければなりません。


 先ごろ、平成17年度から3ヵ年の本県の経済・雇用政策の方向を示す「ひょうご経済・雇用再生加速プログラム」が発表されました。そこでは、本県のものづくりを支える中小製造業、基幹産業である重厚長大型産業、先端技術を生み出す大学や研究機関などが有機的な結合を図りながら、今後成長が見込まれる「ナノテクノロジー」、「次世代ロボット」、「健康」、「環境・エネルギー」の4分野をターゲットとする産業クラスターの形成をめざしていくとされ、大いに期待するところです。


 クラスターとは、米国の経営学者マイケル・ポーターによると、特定された分野に属し、相互に関連した企業と機関から成る地理的に近接した集団と定義され、それぞれが競争と同時に協力しながら発展する状態を言います。単に企業や関係機関が集合するだけでうまくいくものではありません。クラスターが成功するには、世界的に見ても、意欲的なインキュベーター施設の存在が大きいことが指摘されています。そして、そこには豊かな人脈を持つコーディネーターと使い勝手のよい資金、そして、豊富な情報がそろっていなければなりません。新しいプログラムに基づいて、今後、兵庫の産業構造の形成にどのような戦略で臨むのか、また、その核となるべきクラスターづくりに向けどのような施策展開をされようとしているのか伺います。


 質問の第6は、災害に強い県土づくりについてです。


 神代の時代から、政をつかさどるものは、山を治め、川を静めると言われています。これを現代に置きかえると、防災は行政の責務であるということになりましょう。このことは、1月に神戸で世界168ヵ国の参加を得て開催された国連防災世界会議の兵庫宣言や兵庫行動枠組の中でも明確に示されたところです。


 昨年10月の台風23号は、死者26人、全半壊家屋は1万戸に上るなど県民生活に甚大な被害を及ぼしました。今回の災害の特徴は、8月から10月にかけて断続的に襲来した台風による記録的な豪雨や暴風に加え、山林、ため池、河川、そして、農地、道路などが流域全体に連鎖的かつ広範囲にわたって被災したことでした。


 この本格復興に当たり、農林水産部と県土整備部から成る災害復興室が設置され、このほど復旧・復興事業推進計画の中間報告がまとめられました。そこでは、但馬や淡路を初めとする30ヵ所を重点地区、重点路線に指定し、河川改修や農地、ため池、山林の整備、風倒木や流木の除去といった緊急事業と、めざすべき復興後の姿に向けた中長期的な減災や農業振興策に至る総合的な対策が盛り込まれ、おおむね5年間で復旧総額2,500億円に上る計画となっています。


 一連の風水害に対する災害復旧に当たって県当局は、この計画策定を初め、既に補正予算を計上するなど追加対策を講じていますが、その迅速かつ懸命な対応には深く敬意を表する次第です。しかしながら、温暖化等の影響により、引き続き異常気象が懸念され、また、スマトラ沖地震による津波被害などもあって、県民の自然災害に対する不安は依然大きなものがあります。この質問の冒頭にも申し上げましたように、県民の平穏な暮らしを守り、安全・安心を提供することは、まさに我々県政に携わる者の責務です。県民が二度と危険な状態に遭うことのないよう万全を尽くしていただきたいと思います。


 そこで、今後、防災対策、減災対策をどのように展開していくのか、そして、災害に強い県土づくりに向けた決意についてお聞きします。


 質問の第7は、関西3空港のあり方と今後の展望についてです。


 先月17日、成田、関西に次ぐ本格的な国際空港となる中部国際空港が開港し、入場者が最初の4日間で36万人に達するなど大変なにぎわいを見せています。今月25日から開催される愛知万博とともに、中部経済の元気の源となっています。関西の景気は、最近ようやく回復の兆しは見られるものの、低迷から脱し切れない状態が続いています。先日、神戸空港の開港日が来年2月16日と発表され、いよいよ関西3空港時代の幕あけを迎えることとなります。また、関西国際空港の2本目の滑走路が平成19年に限定供用開始されるめどが立つなど、空港の整備・活用によって関西経済の活性化が期待されます。


 関西の2府4県は、人口2,090万人を擁し、国内総生産は約80兆円に上り、これは、カナダ1国の経済規模に匹敵するもので、我が国第2の経済圏を形成しています。しかしながら、現在3,000メートル以上の滑走路は、関空と伊丹の2本しかないことからも、3空港が担う使命は重大で、兵庫の再生、関西の復権、ひいては我が国経済の発展にとって欠くことのできない国民的財産です。


 最近、大阪国際空港用地を候補地として副首都の建設を主張する一部意見もありましたが、我々としては、関西3空港が効果的に機能するためには、関西国際空港、大阪国際空港、神戸空港がそれぞれの役割を果たしながら補完し合う、まさに3本の矢の関係を築かなければならないと考えています。大阪国際空港はもとより、これら3空港は、パイを奪い合う関係ではなく、これからは、むしろ3空港であることのメリットを大いに生かし、相互連携をしながら相乗効果によってパイを広げていく戦略が必要です。


 そこで、関西3空港時代を目前に控える今、改めて3空港のあり方と今後の展望についてお伺いします。


 質問の第8は、日本の伝統・文化への理解についてです。


 戦後60年を迎えようとしていますが、長年にわたる戦後教育のゆがみによって、日本人のアイデンティティーが失われつつあり、日本の文化をよく知らない日本人、あるいは日本に誇りを感じない日本人がふえてきています。このことが倫理観や社会的使命感の喪失につながり、道徳心や自律心の低下となってあらわれています。中央教育審議会は、このような事態を憂慮し、一昨年3月、日本の伝統・文化の尊重、郷土や国を愛する心について教育基本法で規定すべき旨を答申しました。もともと教育基本法の制定段階では、伝統の尊重という文言が検討されたのですが、当時のGHQの指示により削除された経緯があります。


 自分の国を愛し、誇りを持つことは、ふるさとや家族を思い、愛する気持ちと同じく、ごく自然な感情であり、諸外国への理解、敬意を払うきっかけにもなるものです。確かに、国を愛するかどうかは強制されるものではなく、あくまでも個人の判断によるものですが、その判断をするに当たって必要となる日本についての知識が十分与えられていないことが問題です。先人がはぐくんできたすばらしい日本の伝統や文化を学ぶ機会がこれまで余りにも少なく、むしろ我が国の負の側面だけが強調されて教えられてきたのではないでしょうか。自国の伝統・文化への正しい理解は、法改正をまつまでもなく、当然に行われるべきものです。本県教育委員会も重点的に取り組むべき教育課題を示した「指導の重点」の中で、自国の文化や伝統を大切にすることを明記しています。また、東京都では、平成19年度から、すべての都立高校で古典芸能や武道、茶道、華道といった日本の伝統・文化の履修が可能となります。


 そこで、国への理解を深める教育の現在の取り組み状況についてお伺いするとともに、全県立高校で日本の伝統・文化を教科として位置づけ、履修することを検討すべきと考えますが、ご所見を伺います。


 最後の質問は、運転免許更新時の県民の利便性向上についてです。


 運転免許の更新制度は、道路交通法に基づき、安全運転に必要となる知識の向上や適性の確認などを主な目的とし、交通事故防止に大きな役割を果たしています。県下の運転免許保有者は、平成16年度末現在で約332万人に上り、年々増加の傾向にあり、昨年は、80万人の県民が免許更新を行っています。


 本県では、三つの更新センターと32ヵ所の警察署または警部派出所で更新手続を行っていますが、即日交付や日曜開庁をしているのは、明石、阪神、但馬の更新センターとなっています。このため、実に免許更新の74%に当たる59万人が明石と阪神の更新センターに集中し、休日ともなると、受け付けを待つ行列が建物の外まであふれることもしばしばです。特に明石と阪神更新センターの間に住む神戸市の住民は、大変な不便を強いられていて、その解消を求めて強く要望してきました。そのため、我が会派の梶谷忠修議員がこれまで本会議などで運転免許更新時の県民の利便性向上について再三ただしましたが、県警は、免許のIC化も見据え、即日処理となっていない郡部の各警察署を優先しながら、逐次、神戸市内の警察署において即日交付できるよう検討すると回答されてきました。しかし、当面の課題を解決するためには、実現に時間のかかる各警察署での即日交付よりも、新たな拠点施設を設けることの方がより現実的な方策であるという考えに立ち、まず、県内免許保有者の26%を占める神戸市内に即日交付できる施設の設置を我が会派を挙げて強く訴えてきました。


 そこで、改めて運転免許更新手続に係る利便性の向上をめざし、各警察署の即日交付に向けた取り組みとともに、今後の県内の拠点整備の方針、特に免許保有者が多い神戸市域に住む県民の不便を解消する方策についてお聞きをします。


 終わりに、あの大震災から10年が経過しました。被災地の責務として、今後もその経験と教訓を後世に伝えていかなければなりません。このたび行われた復興10年総括検証・提言事業では、その責任の一端を果たすことができました。そして、県政は、これを一つの区切りとして、新たな創造的復興に向けた歩みを始めることとなります。この終わりの始まりに当たり、県政が進む道に誤りなきよう議会としての責務を全うすべく決意を新たにして私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)


○議長(原 亮介)  井戸知事。


  〔井戸知事登壇〕


○知事(井戸敏三)  自由民主党議員団を代表しての門 信雄議員のご質問にお答えいたします。


 まず、私の県政4年の総括についてお尋ねがございました。


 あの阪神・淡路大震災からの復興途上、貝原前知事の後を受けて知事に就任させていただいてからもう3年半が経過いたします。就任当初から、まず阪神・淡路大震災からの復旧・復興を進めること、特に被災高齢者対策、まちづくり、地域振興課題に対応していくこと、そして、当時後退期にあった経済・雇用の活性化が緊急課題でありました。そのため、復興計画最終3か年推進プログラムや5万人のしごと・雇用創出、セーフティネットの構築などの経済・雇用再活性化プログラムを推進してまいりました。


 また、事件や出来事が続出したことも事実であります。児童虐待を初め、BSE、いわゆる狂牛病や鳥インフルエンザなど食の安全・安心対策、昨年の台風被害等の風水害対策など安全・安心の確保を進める必要がありました。


 一方で、21世紀という新しい時代を迎え、20世紀が築いた経済的豊かさの上に、人と人とのつながりや支え合い、地域との結びつきが社会を営む原理となる社会、成熟社会にふさわしい兵庫づくりをめざす必要がありました。このことは、県民だれもが元気、安心、生きがいを実感できる地域社会に向けた取り組みであったと言えます。


 私は、成熟社会こそ生活者や消費者の視点が中心となるべきであり、それだけに県政は、県民本位、県民中心でなければならない、そうした考えのもと、県政と新しい地域づくりへの県民の参画と協働を推進してまいりました。また、県の機能や役割がもっと県民に身近なものであるべきとの考えのもと、現地解決型の県民局の充実を図ってきました。


 そうした新しい制度や仕組みへの取り組みにおきまして、ご指摘のような失点があったことも事実であり、さらに理解を深めていかねばならないと自戒をいたしているところでございます。


 今、復興10年という節目の年を迎え、ようやく創造的復興をめざした努力の礎をもとに、成熟社会へ向けた県政推進の新たなスタートラインに立ったと言えましょう。平成17年度は、そのような大きな節目の年であり、ただいまその基本となる予算等のご審議をいただいている途上であります。私は、今は、残された任期中、今後の元気な兵庫をつくるための足固めをすることこそ大切ではないかと考えておりますので、よろしくご理解を願いたいと存じます。


 続きまして、県民緑税についてであります。


 森林や里山、公園や街路の樹木などの緑は、洪水、渇水の防止や地球温暖化の防止、土砂流出や火災の延焼防止、自然とのふれあいの場としての活用など多様な公益的機能を有しており、その恩恵は、緑の存在する地域のみならず、森林の公益的機能が河川の下流域の都市住民にも及ぶなど地域を問わずすべての県民の生活全般に深く関連しております。


 森林については、林業採算性の悪化や生活様式の変化等により、森林所有者や林業関係者の活動のみでは保全できない状況であるため、既に森林を県民共通の財産と位置づけ、新ひょうごの森づくりとして、森林管理100%作戦などこれまでから公的な関与の充実に取り組んできました。また、全県花いっぱい運動など都市緑化や地域緑化も県民の協力のもと進めてきております。しかしながら、ご承知のように、社会変化の状況の中で森林の荒廃が進み、都市の緑も都市化の進展等により大きく損なわれてきている実情にあります。このような状況に対策が追いついていないのが事実であります。特に、このたびの一連の風水害による甚大な被害により、森林を初めとした緑を整備することの必要性が改めて強く認識されました。


 今後の県土の保全や安全を確保するためには、人工森や里山林を通じた緊急対策が不可欠であります。緑の保全、再生を社会全体で支え、県民総参加で取り組む仕組みとして、県民緑税を導入していこうとするものであります。県民の皆様には、新たな負担を求めるものとなりますが、ぜひ森林や緑の持つ機能の保全をするための措置であることをご理解の上、ご協力をお願い申し上げる次第であります。


 また、都市緑化の推進においても、ご提案の校庭や園庭の芝生化など公的施設の活用のほか、住民の協定等による住宅街の連続的な緑や工場等大規模民間施設の敷地を活用したまとまりのある緑の誘導など先進的、先導的な整備手法を検討しているところであります。採択の条件や補助額などの支援の枠組みについて、都市住民が取り組みやすいものとなりますよう、さらに検討を進めてまいります。


 県民交流広場事業についてお尋ねがありました。


 県民交流広場事業は、勤労者の仕事を離れた生活や活動が身近な地域活動に大きなウエートを移しつつある中で、生活の場である地域において、交流を通じてリフレッシュできるようにするため、勤労者を初め、多くの県民が身近な地域を舞台に取り組む学習や実践交流活動などを行う拠点づくりを支援していこうとするもので、法人県民税超過課税の趣旨に資する事業として推進するものであります。しかしながら、地域の活動実態は千差万別であり、そのような状況から、本格実施に先立ち、本年度は、地域における施設の実態を把握するとともに、市町の意見や地域のニーズ等を十分に踏まえながら進めることが必要でありますので、各県民局ごとに1地区を選定してモデル事業の展開を図っているところであります。


 ご指摘のとおり、いずれの地域とも整備に着手していまだ日も浅く、モデル事業そのものの実施過程の評価も確定をしているところではございません。このため、本年度に引き続き、来年度も地域の実情を踏まえたモデル事業をさらに県民局ごとに3ヵ所ずつ実施することにより、地域ニーズと事業との対応関係など十分に検証、評価することとしたものであります。


 したがって、モデルの種類や内容も相当数になると考えられますので、これらのモデル事業を各県民局ごとのワークショップや市町との意見交換会、全県検討委員会等でさまざまな角度からの検討を行い、検証、評価するとともに、適時適切に県議会にもご報告、協議しつつ、本格実施に向けて検討してまいります。


 住宅再建共済制度についてであります。


 住宅再建共済制度については、民間共済や自然災害の専門家等で構成する調査会において約2年間の議論を重ねた結果を踏まえて、県として制度案を固め、今議会に条例を提案させていただいています。制度設計では、過去100年間の自然災害のデータをもとに、まず、南海地震、山崎断層地震の被害を見込みますとともに、第2に、風水害等の被害認定の弾力化や地球温暖化による被害増も加味し、第3に、建物の耐震化や河川改修等の減災対策の進展も配慮して、100年間の被害を約33万戸として想定しました。また、県民意向調査の結果等も踏まえ、自力再建の呼び水となる水準として給付額600万円を設定した上で、被害想定から給付金と負担金との総額が均衡するように設計しているものであります。数理的には、加入率は低くても制度運営に影響はないと考えられますけれども、共済制度が県民に理解され、相互扶助の制度としてスタートする限り、地震保険が12.9%である実情から、初年度は15%程度をめざしていくことといたしました。


 なお、大規模災害時に運営主体の財団法人が資金調達しやすいよう県が金融機関に対して損失補償し、これに要した経費は、地震保険に対する国の再保険の仕組みと同様に、後年度の負担で県に償還する方式といたしております。こうした仕組みにすることで長期・安定的な制度運営が確保できるものと考えています。


 また、県民の理解を深めるため、県・市町の広報媒体を活用するわかりやすいPRビデオやパンフレット類を作成してその理解を深める、地域別ミーティングの開催を行う、そのほか、自主防災組織や職域団体、金融機関、不動産取引業者等の協力を得るなど、あらゆる機会をとらえて制度の周知を徹底してまいります。さらに、大震災の教訓を生かしたこの共済制度を、県議会のご支援もいただきながら全国に発信していくため、運用の実を示し、全国的な合意が得られるように全力を挙げて取り組んでまいります。


 続いて、クラスター構想の推進についてです。


 兵庫経済の本格的な再生を推進し、今後の環境変化に対応し得る成長・就業基盤を構築していく必要があります。現在、ようやく兵庫経済は景気回復途上をたどっております。そのような意味で、経済・雇用再生加速プログラムでは、まず兵庫の強みを生かす、続いて兵庫のやる気を伸ばす、3番目に国内外との交流を進める、4番目に地域の特性を生かすという四つの考え方に基づいて、本県の強みでもあるものづくりを中心に、新事業や新技術を生み出す成長性の高い産業構造への変革を進めることといたしています。


 その核となるのが、ひょうごクラスターの形成であります。中小から大手までのものづくり企業群を擁している兵庫県、SPring-8や多数の研究機関等の知的基盤に恵まれている兵庫県、産と学をつなぐ支援機関を擁している兵庫県、これらの本県の卓越した資源や潜在力を生かして、「ナノテク」「次世代ロボット」「健康」「環境・エネルギー」の4分野に焦点を当て、兵庫独自の自律発展型の産業集積の形成をめざしていこうとするものであります。


 このため、まず先端共同利用機器を備えたものづくり支援センターを整備いたしますほか、産・官・学連携等を支援するコーディネーターを配置して支援をいたしますとともに、独創的な研究を資金面から支援する兵庫県版COEプログラムを充実しますほか、先端産業や研究開発型企業の誘致に向けた立地支援の強化などを行うこととしています。このような取り組みを通じて、兵庫の強みであるものづくり産業、21世紀の兵庫を担う成長産業の育成・集積を図ってまいります。


 続きまして、災害に強い県土づくりについてです。


 ご指摘のように、特に台風23号により、但馬、淡路地域を初め、県下各地で広範かつ多様な被害が発生いたしました。この災害に対処するため、応急復旧に加え、ことしの作付期までの農地、水源の復旧や降雨期までの河川堆積土砂の掘削など所要の対策を完了させますが、さらに、3〜5年で抜本的対策を講じることにしています。


 今回の災害が治水治山の総合対策を要することから、さらなるハード・ソフト対策の強化を図る必要があります。この1月に設けました災害復興室において、農林と土木が連携して流域全体の総合的な対策を計画的に推進するとともに、「つくる」から「つかう」、そして、「まもる」視点に立ったひょうご治山治水防災基本計画を策定いたしました。これに基づき、速やかに山林、ため池、河川、道路等における対策を実施していくことにしております。


 また、減災対策としての災害時の的確な避難、水防活動に役立つように洪水危険情報通報システムを構築するほか、主要河川を対象に、CG――コンピュータグラフィックを活用したハザードマップを作成し、市町にもハザードマップづくりを働きかけることといたしまして、自主防災組織とも連携しつつ、社会全体として防災対策の強化に取り組みます。


 今後とも県民の生命・財産を守るため、復旧・復興対策、減災対策についてハード・ソフト両面から取り組み、減災をめざした安全・安心な災害に強い県土づくりに全力を尽くしてまいります。


 関西3空港のあり方と今後の展望についてです。


 関西3空港については、3空港が相互に連携補完しながら一つの国際・国内空港としての機能を発揮して、我が国の発展と関西、兵庫の地域経済社会の発展に貢献していくことが基本であると考えております。関西空港は、我が国の国際3空港時代の中にあって、4,000メーター級滑走路を2本持つ最大規模の国際拠点空港として機能することが期待されますし、大阪国際空港は、今後とも利用者利便に恵まれた国内基幹空港として、来年2月開港予定の神戸空港は、大阪空港の容量制約を緩和する地方空港としての役割を果たしていくべきものと考えています。


 今後は、3空港が連携し、一つの国際・国内空港としての機能を発揮していくために、湾岸線西伸部の事業化や神戸空港−関西空港間の海上アクセスの開設、また、大阪国際空港の広域レールアクセス構想等の推進など各空港間の交通アクセスの強化が必要ではないかと考えています。


 いずれにしても、人口2,500万人を擁する関西圏において、3空港時代を迎えても、滑走路でいえば、3,000メートル以上級3本、2,500メーター1本、1,800メーター1本の5本しかない状況であります。ニューヨークのジョン・F・ケネディ空港とほぼ同数でありますし、ニューヨークは、さらにラ・ガーディア空港、ニューアーク空港を擁しているのであります。そのような意味からも、3空港の役割分担を踏まえながら、十分な機能を発揮させていくことこそ、今後の関西圏域の振興の基本になるものと考えているところでございます。


 以上、私からの答弁とさせていただきます。


○議長(原 亮介)  齋藤副知事。


  〔齋藤副知事登壇〕


○副知事(齋藤富雄)  私から、介護保険制度の改革についてお答えをいたします。


 介護保険制度につきましては、要介護認定者数やサービス利用者数が制度開始時と比べまして2倍近くに増加いたしますとともに、介護サービス事業者数も約6割増加するなど、高齢者の自立を支援する制度として県民各層の間に広く浸透した一方で、急激な利用者増とサービスの普及による給付費の増加、あるいは、いわゆる軽度認定者の急増や介護保険サービス提供が必ずしも要介護状況等の改善につながっていないといった課題も生じていると認識をいたしているところでございます。


 今般の制度改正は、こうした課題に対応した制度の持続可能性を高めていくものであり、これを踏まえまして、県といたしましては、特に予防重視型システムへの転換や小規模多機能型施設等地域における多様で柔軟なサービス提供など新たなサービス体系の確立といった点を中心に、制度の実施主体であります市町や事業者等への適切な助言、指導を含めまして、必要な対応を着実に行ってまいりたいと考えております。


 また、残された課題であります被保険者、受給者の範囲の拡大につきましては、介護保険制度及び障害者施策のあり方に係る大きな問題であり、今後、国におきまして検討されるべき問題でありますが、県といたしましては、必要に応じ県としての立場から国に対して提言を行ってまいりたいと考えております。


○議長(原 亮介)  武田教育長。


  〔武田教育長登壇〕


○教育長(武田政義)  私から、日本の伝統・文化への理解を深める教育についてご答弁申し上げます。


 急速にグローバル化が進む現在におきましては、国や国境を越えて異なる伝統・文化を持った人々と交流をし、共生していくことが重要な課題となっております。そのような状況の中で、日本人としての自覚、アイデンティティーを持ちつつ国際社会の一員として生きていきますためには、まずみずからの国や地域の伝統・文化についての理解を深め、ふるさとや国を愛する心をはぐくむことが何よりも大切であると認識をいたしております。


 このような観点から、日本の伝統や文化に対する関心や理解を深める教育につきましては、小中学校で道徳や社会等の教科で取り上げておりますほか、本県では、土曜いきいき教室や伝統文化こども教室、ふるさと文化再発見アクションプラン等を実施しているところであります。


 また、東京都では、平成17年度から都立高校10校で日本の伝統・文化に関するカリキュラム等の開発を行うと聞いているところでありますが、既に本県では、34の県立高校で伝統芸能や伝統文化等を学校設定科目として設置をし、プロの狂言師、あるいは日本画家等すぐれた知識、技能を有する講師が指導する取り組みをスタートさせているところでございます。


 県教育委員会といたしましては、新たに小中学校でふるさと文化いきいき教室に取り組むことといたしておりますほか、全県立高校で実施を予定いたしております高校生地域貢献事業におきましても、高校生が地域の伝統・文化の継承や伝統行事に積極的に参加することを促しますほか、ご提案のありました伝統・文化に関する教科につきましてもさらに充実を図りますなど、児童生徒の発達段階に応じて、日本の伝統・文化を愛する気持ちのさらなる醸成を図ってまいる所存でございます。


○議長(原 亮介)  巽 警察本部長。


  〔巽 警察本部長登壇〕


○警察本部長(巽 高英)  運転免許更新手続における県民の利便性向上についてお答えいたします。


 運転免許証の即日交付のあり方につきましては、神戸市内等の警察署窓口における即日交付の可能性についてさまざまな角度から調査・研究を重ねてまいりました。その結果、警察署において更新業務を開始することとなれば、講習会場、免許証作成機器の設置場所、来庁者用駐車場の確保や講師の拡充などクリアしなければならない課題が多く、警察署での即日交付は極めて困難であることが判明いたしました。


 このため県警察では、この調査結果やこれまでのご指摘、ご提案の趣旨を踏まえ、当面、運転免許人口の多い神戸市内に明石、阪神更新センターを補完する施設を設置することについて具体的に検討しているところであります。


 なお、更新センターの混雑緩和対策としましては、本年4月から、現在の日曜日隔週開庁を全日曜日開庁とし、県民サービスの向上を図ることとしております。


 今後とも運転免許行政、特に更新手続のあり方については、まず神戸市域において実施することを検討し、これに引き続き、他の地域についても県民の利便性の確保となるよう検討することとしております。ご理解、ご支援のほどよろしくお願い申し上げます。


○議長(原 亮介)  門 信雄議員に対する答弁は終わりました。


 次に、越智一雄議員。(拍手)


  〔越智一雄議員登壇〕


○(越智一雄議員)  私は、ひょうご・県民連合議員団を代表いたしまして、10項目につきまして順次質問をいたします。


 質問の第1は、超過課税による県民交流広場事業の実施についてでありますが、質問に入る前に、県民緑税の導入について意見を申し上げます。


 地方分権推進の流れの中で、地方分権一括法により地方税法が改正をされ、地方公共団体の課税自主権が大幅に拡大されたことに伴い、全国の自治体で課税自主権の活用に向けた取り組みが進められ、その中で、高知県等6県では、森林環境税等が導入をされ、山口県等幾つかの県においても、同様の新税の導入に向けた取り組みが進められています。


 水源涵養や自然災害の防止、さらには、地球温暖化の防止等多様な公益的機能を有する森林の保全は、農山村住民のみならず、都市住民も含め、県民全体の合意の得られやすいものであると考えられ、あたかも地方分権の象徴のごとく森林保全を目的とした税が導入されていますが、県民に新たに税を課すに際しては、歳出の徹底的な見直しと新規課税による事業の必要性等についての厳しい検討が求められるものであります。特に、県民の参画と協働を県政運営の基調とする本県にあっては、新税導入の検討を始める段階から、県民の参画と協働による取り組みを進める必要があります。


 昨年の一連の風水害による山崩れや風倒木の甚大な被害により、森林を整備することの必要性が改めて強く認識されたところであり、多様な公益的機能を有し、県民共通の財産である緑の保全を社会全体で支え、県民総参加で取り組む仕組みとして県民緑税を導入することに対して反対するものではありません。しかしながら、このたびの条例案の提案に際しては、平成14年11月の兵庫県税制研究会による「兵庫県にふさわしい課税自主権の活用のあり方についての報告」を受け、緑の保全のための税検討委員会を設けて検討を重ねるとともに、県民から2度にわたって意見を求めたというものの、ここに至るまでの県民の参画と協働の状況がわかりづらく、県民に十分な説明責任が果たせているとは思えません。


 県民緑税については、平成18年度の施行までさらに1年間の周知期間が設けられており、新税を財源とする緑の保全・再生事業への県民の参画と協働を推進するためにも、緑の保全・再生の必要性及びそのための県民緑税の導入の必要性について十分に周知するとともに、今後新たな税の導入を検討する場合には、県民の参画と協働を一層徹底し、その状況が一般県民にわかりやすいものとして県税の必要性等について、より幅広い見地からの議論を深めることが必要であると考えるものであります。


 さて、同じく課税自主権による超過課税を財源として実施する県民交流広場事業につきましては、真に県民とそれぞれの地域ニーズに即したものとなるよう平成16年度の1年をかけて事業内容を検討し、平成17年度以降に本格実施するということでありました。しかしながら、モデル事業の十分な検証ができていないこと等から、平成17年度においても、平成16年度事業の検証を続けるとともに、試行的に事業を実施することと聞いております。


 この事業の財源となる超過課税を負担している県内の事業所では、バブル経済崩壊後の長引く不況に加え、阪神・淡路大震災による影響を克服し切れていないところも多く、企業活動を維持するためにリストラを含め、懸命の経営努力を続けているものであります。こうした中で納められた貴重な財源は、勤労者を初め、県民のCSR活動の充実のため効率的、効果的に活用されなければならないものであり、県民交流広場の財源としての税が納められてくる平成17年度は、当該事業を本格的に実施するというのが本来の姿であり、納税者の負託にこたえるものであると考えます。また、昭和49年度の制度創設以来、県内事業所からの理解を得て実施している法人県民税超過課税そのものに、今後、悪影響を及ぼすのではないかと大変危惧されます。


 そこで、県として県民交流広場事業の本格実施に係る経費を平成17年度当初予算に反映できない現状をどのように認識されているのかお伺いをいたします。


 次に、自然災害被災地の復旧・復興に向けての国際的な貢献についてお伺いをいたします。


 阪神・淡路大震災が発生した日から10年目を迎える本年1月17日には、兵庫県公館で天皇・皇后両陛下のご臨席のもと、阪神・淡路大震災10周年追悼式典がしめやかにとり行われ、翌1月18日から22日まで5日間にわたって第2回国連防災世界会議が開催をされました。昨年末に発生したインドネシア・スマトラ島沖の地震、津波災害により、世界的に自然災害への関心が高まりを見せる中で開催されたこの会議には、世界168ヵ国、78国際機関の代表者等約4,000人が参加し、政府間会合やテーマ別会合での協議の成果として、21世紀の新しい国際防災戦略としての「兵庫宣言」及び「兵庫行動枠組」が採択をされました。


 従来、こうした国際会議の成果としての宣言や戦略には、開催都市の名前が冠せられるのが慣例となっていますが、このたびの国連防災世界会議においては、開催県である「兵庫」の名前が冠せられました。このことは、この国連防災世界会議の開催準備はもとより、自然災害被災地の復旧・復興に対する本県のこれまでの国際的な貢献が評価されたものだと考えられます。


 また、本県では、かねてから自然災害の被災国の復旧・復興において、災害に強い国、コミュニティづくりを行うための支援を一元的に調整する拠点、国際防災復興協力センター構想を提唱してきたところでありますが、このたびの国連防災世界会議において、国際復興支援機構の設置に向けての提案が行われ、日本政府において、その拠点を神戸市に誘致することが決定されました。神戸市内には、既に国連人道問題調整事務所神戸、アジア防災センターなど国際防災・人道支援の拠点となる多くの国際機関が存在をしており、そこに国際復興支援機構が設置されることで、神戸はまさしく国際防災・人道支援の世界的な拠点になると考えられます。国内外から多くの支援を得て阪神・淡路大震災からの復興をなし遂げつつある本県にあって、震災で得られた教訓や復旧・復興の過程で培った知識、経験を国内はもとより、広く世界に発信し、国内外の自然災害被災地の復旧・復興に貢献するのは極めて重要なことであり、国際復興支援機構の運営に対して、本県として可能な限りの協力を行うことが求められるところであると思います。


 そこで、今後、人と防災未来センター、アジア防災センター等の関係機関との連携を図りながら、国際復興支援機構の活動をどのように支援し、自然災害被災地の復旧・復興に貢献しようとされているのか、ご所見をお伺いいたします。


 次に、小児救急医療の充実についてお伺いをいたします。


 小児救急については、小児が自分の症状を正確に訴えることが難しい上、子育ての経験が少ない保護者が子供の状態を的確に判断することが困難であり、夜間や休日に救急医療機関を受診する傾向が強いという特徴があります。平成14年に発表されました厚生労働省の調査結果では、休日・夜間の救急患者に対応する急患センターに来る患者の半数以上が子供であったということであります。一方で、少子化傾向にあることや、小児救急医療等に関し、特に若手の病院勤務小児科医への負担がふえていることなどから、小児科を希望する医師が減少しており、小児科を標榜する医療機関も減少傾向にあります。


 初期救急に対応する在宅当番医制についても、県内42の郡市医師会のうち、在宅当番医制をとっているのは28医師会でありますが、小児科医のみによる当番医制を実施しているのは、そのうち、2医師会のみであり、また、県内20ヵ所の休日夜間急患センターについても、小児科医のみが対応しているのは5ヵ所にしかすぎません。その上、小児科専門医や小児科を標榜する医療機関の数が小児人口に比して都市部に多く、郡部では少ないという医療資源の地域間格差も存在をしております。そのため、医療圏域の中には、初期救急において小児科医が対応するとは限らない医療圏域があります。


 こうしたことから、小児専用の救急医療システムを構築する必要性が高まっており、平成15年10月には、小児救急医療システムの整備に関する基本方針を策定されたところであり、また、平成16年12月に策定された国の少子化社会対策大綱に基づく重点施策の具体的実施計画について―これは子ども・子育て応援プランですが――においても、小児救急医療体制整備について、平成16年度の221地区を平成21年度には404地区に拡大するとともに、かかりつけ医を持っている子供の割合を今後5年間で100%に高めることとされているところであります。


 こうした状況にある小児救急医療について、医療資源の地域間格差が存在する小児救急医療の現状を踏まえ、その課題をどのように認識をし、今後どのように取り組んでいかれるのか、ご所見をお伺いをいたします。


 次に、介護保険制度見直し後の円滑な運用についてお伺いをいたします。


 介護保険制度につきましては、平成12年の制度発足後、急速に普及し、この4年間で利用者が300万人に倍増する中、当初個人負担分を含め3.6兆円であった費用が、今年度には6.1兆円に膨らむなど現状のままで介護保険制度を維持していくためには、保険料の大幅な増額が必要となることが予想されるところとなっています。


 また、ケアマネジャーの業務に対する報酬の適正化や中立性の確保、地域の特性に応じた介護サービスメニューの拡充などさまざまな課題が顕在化してきています。特に要介護認定者のうち、要支援、要介護1といった軽度の者の数の伸び率が著しく、これらの方々の要介護度の改善率が低いといった傾向が明らかになってきており、適正な給付のあり方が問われているところであります。


 こうした中にあって、本年2月8日に介護保険法改正案が閣議決定されるとともに、同日、国会に提出をされるなど、介護保険制度は制度発足後、初めての見直しが大詰めを迎えています。この介護保険制度の見直しについては、昨年7月29日、本県から国における議論以上に踏み込んだ多岐にわたる提言を厚生労働省に提出したところであり、さらに本年1月13日には、再度、社会保障審議会介護保険部会報告等において方針が示されていなかった事項、方針を変更すべきと思われる事項等について、厚生労働省に提言したところでもあります。


 少子・高齢化が進む中、本格的な成熟社会を迎え、社会制度の全般にわたって中央集権的な制度から地方分権型社会にふさわしい制度へと抜本的な見直しが求められる中にあって、介護保険という県民生活に直結する制度の見直しに際して、最前線で制度の運営に携わる立場から、2度にわたって提言を行われた県当局に対しては敬意を表するものであります。このたびの介護保険法改正案は、介護予防の重視等本県からの第1回目の提言の趣旨とおおむね方向性を一にしているとともに、第2回目の提言においても、仮称「地域包括支援センター」の業務における在宅介護支援センターの活用等が取り入れられたところであります。


 このような状況のもと、予防重視型システムに転換されようとする今後の介護保険制度に求められる県の役割をどのように認識し、その上で、特に介護予防を推進するため、具体的にどのように取り組んでいかれるのか、ご所見をお伺いをいたします。


 次に、中高年齢者の雇用の確保についてお伺いをいたします。


 第一次ベビーブーム時代の昭和22年から昭和25年までに生まれたいわゆる団塊の世代が再来年の2007年以降60歳に到達し始めます。現在我が国の企業の約9割が定年制を定めており、さらにその約9割が定年年齢を60歳に定めているため、仮に企業の定年制度が現状のままなら、2007年から2010年にかけて大量の定年退職者が出ることになります。その結果、年金制度については、それまで掛け金を負担していた団塊の世代の人々の多くが受給者の側へと立場を変えることとなり、経済・産業面においては、団塊の世代が長年の勤労者生活で培ってきた技能、知識を次世代に円滑に継承することが大きな課題となっています。一方、定年期に達した後も雇用者としての生活を続けることを望んでいる高年齢者も多いと思います。


 我が国経済が回復基調にあると言われる今日、雇用情勢にも改善の兆しが見え始めていますが、平成16年11月現在、我が国の60歳以上64歳以下の男性の完全失業率は7.1%と極めて高い水準にあり、高年齢者への求人が少ないことや、求人・求職のミスマッチなどのため、定年退職等により一たん退職した後は、再就職は極めて厳しい状況にあります。また、みずからの意思によらない非自発的理由による離職者数については、平成15年8月以降減少が続いており、リストラ等事業主による雇用調整が一服していることがうかがわれると言われていますが、募集、採用時の年齢条件等により、中高年齢者は、一たん離職するとその再就職は困難な状況にあります。この年齢層は、世帯主として扶養家族を抱える方々が多く、子供の教育費や住宅ローンなど出費がかさむ一方で、厚生年金支給開始年齢に達していないことから、失業した場合の影響はより深刻であると考えられます。


 こうした中にあって、活力ある高齢化社会をめざし、厚生年金支給開始年齢の段階的繰り上げと雇用との接続の観点に立ち、高年齢者雇用安定法の改正趣旨に沿った65歳までの定年延長や希望者全員の再雇用など継続雇用制度の確保、さらに、社会全体で雇用の場を分かち合う兵庫型ワークシェアリングなど中高年齢者の雇用を確保するシステムの構築が喫緊の課題となっています。2007年の到来を間近に控え、県として中高年齢者の雇用の確保にどのように取り組んでいかれるのか、ご所見をお伺いをいたします。


 次に、留学生の住居問題への取り組みについてお伺いをいたします。


 今から約20年前の1983年8月、我が国政府は、21世紀初頭までに留学生受け入れ数を10万人にするという留学生10万人計画を発表しました。以来、大学などの多くの教育機関も国際化する日本経済・社会の需要にこたえるべく留学生の積極的受け入れに取り組み、日本でバブル経済が崩壊し、アジア通貨危機を迎えた90年代に一時停滞と減少はあったものの、今日まで概して留学生数は増加をしており、1983年には1万400人余りであった国内の留学生数は、1999年には5万5,700人余に達した上、2000年には6万4,000、2001年には7万8,800人と急増し、2003年には10万人を突破をしています。


 こうした留学生にとって、留学生生活の拠点となる住居を確保することが大きな課題となっています。大学等の寮にも数的な限界があり、入寮できない留学生は、民間アパート等に生活の本拠を求めざるを得ませんが、民間アパートでは、家賃や敷金等が経済的に大きな負担となる上、外国人お断りの民間アパートもあり、さらには、入居に際しては、多くの場合、国内に居住する連帯保証人が必要となります。単身来日し、異国の地で学ばんとする留学生にとって、こうしたことをクリアして生活の本拠を見つけることは容易なことではありません。


 「大学の街」を標榜する京都市では、京都地域の51の大学、短大、経済4団体及び京都市により構成されている財団法人大学コンソーシアム京都を事務局とし、平成13年に京都地域留学生住宅保証機構を設置し、当該財団法人が連帯保証人となって留学生による住居の確保を支援をしています。また、福岡県においても、平成9年度から福岡地域留学生住宅保証制度を実施し、福岡県、福岡市、北九州市の三つの地域国際化協会がエリアに応じてそれぞれの連帯保証人を引き受けているところであります。


 留学生を引きつけ、呼び寄せるのは第一義的には学問レベルの高さと大学自身の教育、研究環境にあり、受け入れる大学側の努力による魅力アップが求められるものでありますが、加えて、こうした関係業界、団体、自治体等による取り組みが留学生の受け入れを促進するものであり、地域の国際化を推進するため、留学生の受け入れ体制の整備が求められるところであります。


 本県においても、近年、県内の大学等に留学する留学生が急増しているところでありますが、本県として急増する留学生の住居問題に対する取り組みの現状をどのように認識をし、今後どのように取り組んでいかれるのか、ご所見をお伺いをいたします。


 次に、大規模集客施設の立地に係る都市機能の調和に関する条例についてお伺いをいたします。


 物品販売店や飲食店などの大規模店舗等の出店は、道路の交通渋滞や環境の悪化などに大きな影響を及ぼすおそれがあります。県下の大規模小売店舗立地法に基づく届け出状況を見ますと、平成13年度以降、毎年20件を超える新設店舗の出店があり、その周辺では、交通渋滞が発生しているところも少なくないと聞いています。特に休日は顕著であります。現在の大規模小売店舗立地法では、周辺の生活環境の保持の観点から、知事は、事業者に対して意見を通知することができるとされており、庁内の関係部署から成る大規模小売店舗立地法連絡会議において、庁内連携のもと、届け出審査が行われていますが、広域的な観点からの調整が行われないことや、他の法令手続と関連づけられていないことなどから、その段階では既に建物の工事に着手されているなどの問題が生じています。


 このことから、県では、立地計画の早期の段階で事業者と調整ができるよう、「大規模集客施設の立地に係る都市機能の調和に関する条例」を制定され、総合的に協議・調整するとされていますが、大規模集客施設の適正な立地を進めるためには、交通渋滞、駐車・駐輪、交通安全、騒音、廃棄物、町並み景観などの多面的で、かつ、広域にわたる配慮が必要であります。


 また、そのためには、国、市町を初めとし、県内部においても、県警察、環境部局、景観部局、道路管理者など多岐にわたる機関との協議・調整と、これを踏まえた事業者との協議をスムーズに進めることが重要であり、現在の仕組みを十分検証した上で、その体制、仕組みづくりを進めるべきであります。特に、事業者に対して講ずべき対策を通知する知事意見書を実効あるものとするための担保措置が必要と考えます。大規模集客施設の適正な立地を進め、地域社会の健全な発展を図るためにも、この条例には大いに期待するところであります。


 そこで、条例が適正に運用され、実効あるものとするための体制、仕組みづくりについてのご所見をお伺いをいたします。


 次に、ゆとり教育と学力の向上についてお伺いいたします。


 昨年暮れに公表されました二つの国際調査では、読解力や応用力の低下が指摘され、教科への興味や自宅での勉強時間など学ぶ意欲を示す数字も先進国の平均を大きく下回っていることが明らかになりました。このことを受け、文部科学省はもとより、全国的に学校週5日制の見直し等が大きな課題として取り上げられてきています。


 現在行われているゆとり教育は、詰め込み教育への反省に基づき、教える内容を絞って、どの子にも基礎学力を身につけさせる、知識だけを重んずることを改めて、生きる力、考える力や自発的に学ぶ態度を身につけさせる、個性を重視するというものでした。変化の激しい時代を生き抜くには、そうした生きた学力こそが必要と考えます。さきに述べました国際調査で1位になっているフィンランドでは、総合学習や読書時間を国家的プロジェクトとして推進しており、OECD調査では、フィンランドの中学の授業時間は、世界最少であったとの新聞報道もあります。このことから、単に授業時間数の減少が学力の低下を招いているとは言い切れないと考えます。ゆとり教育と学力の低下を短絡的に結びつけるのではなく、基礎学力低下の実態を調査し、どこに原因があるのかを分析し、対処の方法を考えることが重要であります。


 来年度から本県が全国に先駆けて実施してきたトライやる・ウィークをモデルとした事業が全国展開されますが、このようなトライやる・ウィークなど生きる力をはぐくむ取り組みや地域の教育力の向上を図る取り組みは大いに評価するところであり、阪神・淡路大震災を経験してきた兵庫県から、心の教育、地域の教育力の重要性をさらに発信していくべきだと考えます。


 そこで、ゆとり教育と学力の向上について、教育長のご所見をお伺いをいたします。


 次に、安全・安心を享受できるまちづくりについてお伺いをいたします。


 県下の犯罪情勢は、刑法犯認知件数が平成8年以降ふえ続け、平成14年には16万4,000件を超え、10年前、平成5年の約2.4倍となり、危機的な状況となりました。このことから、県警察では、一昨年を「治安回復元年」と位置づけ、警察官の増員による人的基盤の強化などにより、治安対策に積極的に取り組まれ、平成15年には前年比6.9%減となり、その後は減少傾向にあります。とはいうものの、依然として高水準で推移をしており、楽観視できる状況にはありません。特に阪神間では、身近な犯罪と言われる路上強盗やひったくり、車上ねらい、自動車盗などの街頭犯罪の発生件数が今なお高い水準で推移をしており、昨年1年間のひったくりの認知件数だけでも1,000件を超えており、体感治安は回復しているとは言いがたい状況です。


 このような身近な犯罪に立ち向かうためには、地域住民との連携は欠かせないものであり、その前線拠点が交番であります。警察の交番制度は、地域の安全を守る機能として海外にも誇り得るものですが、治安への信頼が揺らぐ中で、交番への信頼も徐々に失われているのではないかと考えます。


 交番や駐在所では、平素からパトロール活動等により管轄区域の実態を把握し、事件・事故発生時の基礎資料とするとともに、不審者の発見などに努めてきました。このシステムが、良好な治安を維持してきた警察力の基礎とも言えるのではないかと考えます。しかしながら、最近の事件・事故の増加、パトロールの強化、交番数の増加などから、交番勤務の警察官が不足になり、空き交番問題が住民に不安・不満をもたらすこととなっています。夜間など事件・事故の多発時間帯や多発地域においては、警察官を拠点交番に集中し、その予防、検挙活動を行っており、そのため不在となるケースもあると聞いています。駆け込んでも、警察官がいなければ、かえって住民の不安は増大します。


 県警察では、交番再編整備計画を策定され、今年度から3ヵ年で32交番を対象に再編整備を進め、交番勤務員の複数化を図っておられますが、分散されていた警戒力の集中化は理解できますが、機動性がこれまで以上に問われることになります。またあわせて、交番勤務員が不在がちとなる1人や2人勤務交番を中心に、警察OBの交番相談員が配置されているところでありますが、夜間での対応はできていません。2007年問題を踏まえると、警察官OBの積極的登用は評価するところであり、より一層積極的に進めるべきでありますが、いま一度地域ごとの治安状況を検証、分析し、有効な犯罪情報を地域とともに共有し、地域の実情に即した地域の足元から街頭犯罪をなくす地道な対策を住民と一体となって進めるべきであります。また、親切なお巡りさんをめざして地域の信頼の回復を図り、地域、交番、警察署の連携を進め、地域ぐるみで安全・安心なまちづくりを進めていくべきであります。


 来年度には、のじぎく兵庫国体やのじぎく兵庫大会の開催が控えております。他府県から多くの方々が、この兵庫県に来られます。震災からの復興をなし遂げた元気な兵庫県をアピールする上においても、安全・安心を享受できるまちづくりを進めることが最重要課題であると考えますが、本部長の現状認識と決意をお伺いをいたします。


 最後に、井戸県政の総括と今後の県政に臨む決意についてお尋ねをいたします。


 知事が就任されて3年半余りが経過しました。この間、平成15年にはSARS騒動が本県の観光業界を揺るがし、昨春には鳥インフルエンザの発生で県内の畜産業界は大きな被害を受けました。さらに、昨年秋には大型台風が相次いで本県に上陸し、各地で多数の犠牲者を出すとともに、家屋の全半壊、床上浸水や土砂崩れなど大きな災害が発生をいたしました。


 知事におかれては、昨秋にはフランス訪問の日程を繰り上げ、急遽帰国し、台風被害対策の陣頭指揮に当たられるなど、続発する災害や事件に対してリーダーシップを遺憾なく発揮し、早期の解決に取り組まれてきました。また一方で、平成14年には県民の参画と協働の推進に関する条例の制定を実現し、県民の参画と協働を21世紀の県政推進の基本に位置づけられました。さらに、平成維新とも呼ばれる改革が大きなうねりとなり、地方分権型社会へと大転換を遂げつつある我が国にあって、この流れの向かうべき方向性を示し、全国をリードしてこられました。また、本県行財政構造改革の面においても、後期5か年の取組みを策定され、確かな将来展望のもと、21世紀初頭の本県県政を着実に運営してこられたところであります。


 しかしながら、阪神・淡路大震災からの復興の面では、復興計画の10年を終えようとしている現在にあって、なお多くの課題が残されているとともに、真の地方分権の実現のために欠かせない三位一体の改革の先行きは予断を許さず、超高齢化社会の到来を目前に控え、年金制度を初め、社会制度のあらゆる面での抜本的な改革が求められています。また、震災で大打撃をこうむった本県経済は、全国的な不況の影響もあって、以前の活気を取り戻すには至っていません。


 本県をめぐる状況は、このように本当に厳しいものでありますが、こうした中にあって、知事は、ご自身で在任中の3年半余りの取り組みをどのように総括をされ、その上で、今後の県政運営にどのように立ち向かわれようとされているのか、決意のほどをお聞かせ願いたいと思います。


 以上で私の代表質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)


○議長(原 亮介)  井戸知事。


  〔井戸知事登壇〕


○知事(井戸敏三)  ひょうご・県民連合議員団を代表しての越智一雄議員のご質問にお答えいたします。


 まず、超過課税による県民交流広場事業の実施についてでありますが、その前に、県民緑税についてご意見をちょうだいいたしました。


 県民緑税の趣旨については十分ご理解いただいているところでありますが、この税は、18年度からの実施となることといたしておりますので、この1年の準備期間がございます。この期間におきまして、さらに十分な県民理解を得るように努めまして、これを財源とする事業について十分吟味しながら、県民の意向を踏まえて円滑な実施をめざしてまいる所存でございますので、ご理解をちょうだいいたしたいと存じます。


 県民交流広場事業については、本年度、「生活図書と学習の広場」とか、「生活情報の広場」など五つのタイプを設定して、地域提案型を基本にモデル事業に取り組んでまいりました。本格的な展開に向けては、これらモデル事業の成果や課題の検証・評価を尽くすことが不可欠でありますが、整備タイプの設定や募集、地域での合意形成、市町との調整など、実施箇所にかかわる一連の選定プロセスに時間を要してしまいましたため、現時点では、それぞれの地区で活動をスタートしてまだ日も浅く、本格実施につなぐに足る検討の素材が十分に出そろっていないのが実情であります。


 このため来年度は、まず県民や地域団体等の意見をお聞きしながら、本年度のモデル事業を検証・評価していく必要があります。また、各県民局1地区のみであることを踏まえますと、引き続き各県民局ごとにおおむね3地区ずつモデル実施することとして、これらの取り組み状況をも踏まえて、生活の場での交流を通じてのリフレッシュを図るというCSR事業の趣旨が、地域ニーズとマッチしているかどうかなど、本格実施の進め方を十分見きわめる必要があると考えております。今後、県議会にも十分ご報告、協議する中で、本格実施に向けて検討してまいります。


 続きまして、自然災害被災地の復旧・復興に向けての国際的な貢献についてです。


 このたびの国連防災世界会議の成果の一つとして、自然災害の被災国に対し、国際社会が連携して復興支援を行うための一元的な窓口機能を持つ国際復興支援機構の設立の提案がなされたところであります。現在、国や国際防災戦略などの国連機関などで17年度の早期にも神戸市東部新都心に設置する方向で協議が開始されているところです。


 県としましては、国際復興支援機構の設立に際して積極的に協力することとし、事務所スペースの提供や復興関連セミナーの共同開催などの支援を行いますとともに、神戸東部新都心に集積するアジア防災センターや人と防災未来センターなどの防災機関との連携により、復興データベースの構築、復興施策に関する調査・研究、防災専門家の派遣等のサポート体制を整えてまいります。


 今後とも、このような災害関係国際機関が集積している地の利を生かしながら、阪神・淡路大震災での教訓や経験、復興のノウハウの発信を行いつつ、被災地ならではの国際貢献をさらに積極的に果たしてまいりたい、このように決意をいたしております。


 小児救急医療の充実についてお尋ねがありました。


 小児救急医療体制については、まず、小児人口や小児科医が多い地域は、1次救急、2次救急のいずれも充実させる必要がありますし、小児人口や小児科医が少ない地域は、2次救急指定病院で1次、2次の包括的な受け入れなど地域の実情に応じた取り組みを進めていく必要があります。


 特に医療資源の乏しい地域におきましては、小児救急患者に対する体制の確保などの課題があるのはご指摘のとおりです。このため僻地においては、小児科を含めた総合診療が可能な僻地医師の養成を図ってきております。さらに来年は、その養成をふやすこととしております。


 また、これまで内科医等を対象に1次救急に対応できる医師の養成を行う小児救急医療研修事業を実施してまいりました。平成15年度では、但馬で89人、丹波で113人、淡路で160人に対して研修を行いましたが、平成17年度におきましても、こういった取り組みを充実してまいります。


 なお、今年度から、県下全域を対象に小児救急医療電話相談を実施しているところでもありますし、また、地域相談も充実します。


 今後とも、地域の医療資源を最大限有効活用する観点から、小児救急医療体制の充実に努めながら、その万全を期することとしておりますので、よろしくご理解を賜りたいと存じます。


 続きまして、中高年齢者の雇用の確保についてです。


 雇用情勢の改善が進展する中にあって、中高年齢者の雇用対策が大きな課題となっておりますし、また、社会における労働力の確保の観点からも、これらの年齢層の65歳までの継続雇用は、経済的、社会的にも重要な課題になりつつあります。


 こうした状況の中、中高年齢者の雇用対策として、新たにシニアしごと倶楽部を創設することとしました。50歳代を中心に、一人一人の就職活動に応じたワンストップの相談あっせんをするきめ細やかな就職支援を実施し、マン・ツー・マンの取り組みをすることとしています。とりわけ、一番ネックになっている賃金のミスマッチについては、賃金差を一部助成することで雇用を促進する中高年モデル雇用奨励金を創設し、就業促進実験を行うことといたします。


 また、65歳までの継続雇用の確保については、継続雇用制度の順次導入を進める高年齢者雇用安定法の周知・啓発に努めます。あわせて、連合兵庫や兵庫県経営者協会とともに取り組んでおります世代間ワークシェアリング等の成果を踏まえつつ、今後、各地域の企業等に対する働きかけを一層強化してまいります。また、あわせまして、高年齢者の雇用の確保とその知識、技能等の伝承を図ってまいります。


 さらに、定年退職後の生きがいを重視した働き方を支援するシニア生きがいしごとサポートセンターを新たに設置して、高年齢者の多様なニーズに対応した働き方が可能となる雇用・就業システムの構築に今後とも努めてまいります。


 留学生の住居問題への取り組みについてお尋ねがありました。


 本県におきましては、中国などアジア諸国の経済成長に伴う大学等への進学意欲の拡大や大学等の積極的な受け入れ姿勢等により、留学生が増加傾向にあります。こうした中で、県では、留学生は同じ地域にともに生活する県民であるとともに、将来の諸外国との国際交流を担うキーパーソンであるとの認識に立って、住宅支援、奨学金支給、日本語講座や相談窓口の設置による生活支援、地域との交流支援を行う留学生版安全安心ネットの構築を図ってきております。


 中でも、留学生の生活の基盤である住宅支援につきましては、震災後、誘致活動を続けてきた国の留学生会館であります兵庫国際交流会館が平成11年に開館されましたが、これの活用を図っていくとともに、公社住宅での受け入れ拡大や留学生向けの入居マニュアルの作成に取り組んでいます。特に県住宅供給公社住宅は、全住宅について、留学生に対しましては実質20%の減額措置をとってその入居促進に便宜を図っております。平成17年度からは、大学等が賃貸借契約の保証人となるいわゆる機関保証を推進するため、兵庫県版留学生住宅機関保証推進システムを新たに実施して、留学生の入居の便宜を図ることとしております。


 今後とも、県、市町、大学、関係機関、NPOなどが一体となりまして、留学生の住環境支援を行うことにより、本県へ優秀な留学生の誘引を図り、知的人材の集積拡大による兵庫の地域産業活性化につなげていくとともに、留学生に兵庫ファンとなってもらえるよう、多文化共生社会の実現に向けて努力してまいります。


 続いて、大規模集客施設の立地に係る土地機能の調和に関する条例についてです。


 大型店等大規模な集客施設の立地に際しましては、交通渋帯発生の抑止等都市機能との調和を図るため、広域的な観点を含めまして、事業者と調整することが必要です。しかし、現行の法令手続のみでは事業者が先行して工事に着手してしまい、例えば、出入り口の変更等適切な指導が行えない状況も見られます。このため本条例案は、全国に先がけ、県が一元的な窓口となって、法令手続に先立ち、事業者と関係行政機関等とが期間を限って調整する仕組みを構築しようとするものです。その運用に当たっては、大規模小売店舗立地法や都市計画を所管する部局が中心となり、道路等関係部局を含んだ庁内の協議体制を整えます。これに加えて、市町、公安委員会、公共施設管理者等と県とが個別に調整するのではなく、関係者の協力を得て個別の案件ごとに調整会議を設置・開催して、総合調整が可能となる体制をつくり、調整していくこととしています。


 さらに、条例の実効性を高めるため、勧告・公表制度の導入等条例による手続を定めておりますが、それに加え、その後に行われる大規模小売店舗立地法の審査においても、条例に基づく知事意見書等を踏まえた指導を事業者に対して行うなど適切な対策を講じてまいります。


 私の県政の総括と今後の県政に臨む決意についてのお尋ねがございました。


 阪神・淡路大震災からの復興・復旧の途上におきまして、貝原前知事の後を受けまして知事に就任して以来、復旧・復興の最終3か年推進プログラムの実施や経済・雇用活性化対策などとあわせて、成熟社会にふさわしい県政の確立をめざしてまいりました。一方、児童虐待やBSE、鳥インフルエンザ、台風被害などの出来事や事件も多く、これへの迅速な対応を迫られたことも事実であります。


 しかし、一貫して県民本位、生活者や消費者の視点、参画と協働を基本姿勢に、県民主役と地域主導をめざし、21世紀兵庫長期ビジョンのもと、県民だれもが生き生きと県内各地域がきらめくふるさと兵庫づくりをめざして推進を図ってきたつもりであります。また、分権社会づくりを進めるため、現地解決型県政の推進に努めてまいりました。


 阪神・淡路大震災からの創造的復興をめざした10年を経過し、この礎のもとに、ようやく元気な兵庫づくりをめざすスタートラインに立つことができたと言えるのではないかと考えています。


 このような意味で、平成17年は、大切な節目の年であります。今は、平成17年度の県政運営の基本となります予算案等が本議会でご審議中であります。私としては、今は、残された任期においてこれらの足固めをしっかりすることこそ務めであると認識しておりますので、よろしくご理解を願いたいと存じます。


 以上、私からの答弁とさせていただきます。


○議長(原 亮介)  齋藤副知事。


  〔齋藤副知事登壇〕


○副知事(齋藤富雄)  私から、介護保険制度見直し後の円滑な運用についてお答えをいたします。


 このたびの制度改革におきましては、ご指摘の予防重視型システムへの転換といたしまして、新予防給付や地域支援事業が創設されますが、これらは、法の基本理念であります自立支援をより徹底するために必要な改正でございまして、県といたしましても、県民だれもが健康をみずから守り育てていけるよう県民健康プランを推進する中で、これらの事業につきまして、市町と連携しつつ、積極的に推進する必要があると認識をいたしているところでございます。


 具体的には、市町に対しまして、一つは、平成18年4月からの本格実施をめざしました介護予防試行事業の積極的な実施、二つには、地域介護・福祉空間整備等交付金の市町村交付金を活用いたしました介護予防拠点や介護予防マネジメント等を行います地域包括支援センターの積極的な整備、三つには、市町介護保険事業計画の策定におきます介護予防事業の積極的な実施の位置づけなど、適切な助言・指導を行うことを通じまして、介護予防の一層の推進に努めてまいりたいと考えております。


○議長(原 亮介)  武田教育長。


  〔武田教育長登壇〕


○教育長(武田政義)  私から、ゆとり教育と学力の向上についてご答弁申し上げます。


 このたび報告をされました国際学力調査におきましては、子供たちの学力低下が指摘されたところでございますが、あわせて、確かな学力の基盤となる学ぶことへの興味・関心や学ぶ意欲が乏しいこと、自宅での学習時間が短いなど学習習慣が身についていないことが明らかになったわけであります。これらの面からも大きな課題があるものと認識をいたしておるところであります。


 本県が昨年実施をいたしました総合的な基礎学力調査におきましても、子供たちがつきたい職業など将来への夢や希望を持つことや、読書など学習習慣の有無が学ぶことへの意欲や学力に大きな影響を及ぼしていることが明らかになったところであります。


 このような観点から、平成17年度におきましては、「わくわく読書」推進プランでありますとか、市町教育委員会と協力いたしまして学力向上を図る特色ある指導プランを開発いたします「ひょうご学力向上推進プロジェクト事業」を実施する予定であります。さらに、これまでの中学校でのトライやる・ウィークに加え、高等学校でのインターンシップ推進プラン等を実施いたしまして、就業体験や社会体験活動が子供たちの職業観を育てたり、人生の目標を考えさせることで学ぶ目的が明確になり、学ぶ意欲が高まることを期待しているところであります。


 県教育委員会といたしましては、今後ともゆとりと学力向上を対立概念として受けとめるのではなく、インターンシップ推進プランなど体験活動の充実を図りますとともに、繰り返し指導や習熟の程度に応じた学習、問題解決的な学習を実施し、学ぶ意欲を含めた総合的な学力を育成する教育を着実に推進してまいりたいと考えているところでございますので、ご理解を賜りたいと思っております。


○議長(原 亮介)  巽 警察本部長。


  〔巽 警察本部長登壇〕


○警察本部長(巽 高英)  安全・安心を享受できるまちづくりについてお答えいたします。


 現下の厳しい治安情勢を回復するためには、警察活動のみならず、地域住民の防犯意識の高揚や自主的な防犯活動の促進を図るなどして、地域住民の方々との連携を強化することが極めて重要であると認識しており、本年の県警察の業務重点の第1に、地域社会と連帯した地域安全総合対策の推進を掲げ、その実施に努めているところであります。


 そのような観点から、地域住民の最も身近に存在する交番は、住民の方々との重要なふれあいの場、安全・安心のよりどころと位置づけております。しかしながら、最近、増加する事件・事故や110番通報等への対応のため交番勤務員が不在になりがちであることから、交番の再編整備やパトカーの交番への前進配置などを推進して、その機能強化を図るとともに、交番相談員の配置と休日・夜間を含めた弾力的な運用、パトカーの機動力を生かしたきめ細かなパトロール等を実施しているところであります。


 今後は、さらに交番相談員の増員、ミニパトカーの交番への増強配備、テレビ電話の設置のほか、住民の方々等に対してメールや地理情報システム等活用して、防犯情報や犯罪情報をタイムリーかつきめ細かく発信するなど、地域住民、自治体、関係団体等とより緊密に連帯して、安全・安心なまちづくりに全力で取り組んでまいる所存でありますので、ご理解、ご支援よろしくお願い申し上げます。


○議長(原 亮介)  越智一雄議員に対する答弁は終わりました。


 この際、暫時休憩いたします。


 再開は、午後1時といたします。


       午後0時2分休憩


  ………………………………………………


       午後1時0分再開





○議長(原 亮介)  ただいまから会議を再開いたします。


 休憩前に引き続き、質疑、質問を行います。


 松本よしひろ議員。(拍手)


  〔松本よしひろ議員登壇〕


○(松本よしひろ議員)  阪神・淡路大震災から10年、長くもあり、また短くも感じる復興の歩みも大きな節目を刻みました。


 井戸県政も4年という任期最後の予算編成作業を終えられて、議会審議に臨まれようとされておりますが、18年度以降の事業が盛り込まれるなど、客観的には、知事の2期目に向けた決意の表明ともとれる提案となっております。


 ともあれ、この4年間、アメリカ牛のBSE、9.11同時多発テロ、イラク問題、北朝鮮の問題、高病原性ウイルスによる鳥インフルエンザ、台風23号等の風水害、新潟県中越地方の大地震、スマトラ沖地震とインド洋大津波等々、息つく暇のない年月ではなかったかと思います。また、地方分権と三位一体改革という社会変革の流れの中で、補助金削減と税源移譲をめぐっては、全国知事会の急先鋒として活躍され、世界防災会議の開催に当たっては、防災先進県の知事として世界をリードされるなど、激務を切り回される知事のご活躍に、心からの感謝とエールを送りたいと思います。


 さて、質問の第1は、財政運営の基本方針についてであります。


 小泉首相が構造改革を掲げ、「官から民へ」、「国債発行額30兆円」を公約して国民の喝采を浴びた第1次小泉内閣発足から間もなく4年を迎えます。この間、国民の期待にもかかわらず、財政再建は進まず、国と地方を合わせた累積債務は増大を続け、平成17年度には770兆円を超えようとしています。これは国民1人当たり660万円という途方もない国の借金です。


 しかも、国民の可処分所得は減少を続け、国民年金の未納者や生活保護世帯が激増しています。少子化には歯どめがかからず、高齢化が進み、年金や医療・介護などの社会保障制度の破綻が危惧され、給付の削減、保険料負担の増大、さらに増税が避けられないというのが大方の見通しです。


 その一方で、グリーンピアに象徴される社会保険庁の放漫経営や大阪市役所の公務員への過剰な福利厚生問題など、公僕という自覚の片りんすら感じられない行政への不信感が一層高まっています。


 公務員にあっては、行政が組織的に行うことに対して、個人的に責任を問われることはありません。組織的にも、人事異動で絶えず人が入れかわることから、結果的に責任をとらないのが常識となっております。財政運営においても、だれも長期の経営的管理責任を負わず、困難な問題の解決と負担を先送りして、そのとき、そのときをやり過ごし、結果的に大きな借金をつくってきました。


 無責任といえば、行政だけでなく、これをチェックするべき立場にある議会、さらにこれに便乗する経済界、こういう構造的に無責任な社会システムがバブルを発生させ、大きな負の遺産をつくってしまいました。


 バブル経済崩壊後、金融機関や民間企業はリストラで体質改善に取り組みましたけれども、国や自治体の体質改善はこれからと言わなければなりません。地方分権における三位一体改革も、心してかからなければ、中央政府の借金を地方が肩がわりさせられることは、補助金削減と税源移譲の交渉で大活躍された知事が最も詳しい問題です。


 しかし、そういう中央と地方の問題というとらえ方自体が、役所本位の考え方であることに注意が必要です。今日の社会不安と政治不信の底流には、単なる税金のむだ遣いや不況の中でぬくぬくとしている公務員へのやきもちだけでなく、このような体質化した無責任な財政運営への反省と方向転換を求める大きな意思が働いているように思います。


 国・地方を通じて債務残高が増加する中で、一部には、借入元金は返済できなくても、金利を払える範囲であれば問題はないという考えもあるようです。また、公共事業への投資は、将来世代もその恩恵を享受するのであるから、未来に借金を残すことに問題はない、現在のような超低金利時代は借金をするチャンスであるとの意見もあります。しかし、超低金利は永遠に続きませんし、少子化で先細りする次の世代に巨額の借金を残すことは、大きな問題があると考えます。


 兵庫の未来のために、自律的な県財政の実現に向け、補助金など国への財政的な依存を少なくし、過度に県債に依存しない歳入構造への転換に努めるべきであると考えますが、知事のご所見をお伺いいたします。


 本県においては、かつての赤字再建団体時代の経験があります。健全財政を心がけ、早くから行財政構造改革に取り組んでこられました。しかし、近年の不況による税収の落ち込みと震災復興事業による財政需要の増加から財政状況が悪化しており、県債残高も年々増加し、平成17年度末には2兆8,451億円となる見通しです。その他、債務負担行為による将来の義務的負担や先行取得用地に要する3,070億円の用地費、それに付随する金利負担等があることも忘れてはなりません。


 平成17年度からは、県民の生命と健康を守るセーフティーネットともいうべき福祉医療についても、制度存続のためには内容の見直しが避けられず、老人医療費助成事業を初め、重度心身障害者(児)医療費助成事業、母子家庭等医療費助成事業、乳幼児医療費助成事業にまで切り込み、それでもなお、今後の財政収支の試算で、平成20年度までに約1,020億円の収支不足が見込まれております。今後も、行政組織・事務の効率化とリストラを果断に進め、一層のコスト削減を図るとともに、不要不急の歳出を削減し、財政運営に当たる必要があります。


 特に、投資的事業においては、知事が「つくる」から「つかう」県政への転換を掲げられているように、新規につくるためのコストだけでなく、既存施設の改良・補修のコスト、維持・管理のメンテナンスコストをトータルにとらえた公共事業費総額の抑制が課題となっております。


 そして、厳しい財政状況であることから、県民の目線に立って、県民の生活をしっかり守り、県民が未来に希望を持てる施策に予算を重点配分するべきです。


 このような視点に立って、歳出構造の転換と歳出規模の抑制を訴えますが、知事のご所見をお伺いいたします。


 質問の第2は、県の政策形成のあり方についてであります。


 知事は、13年8月に貝原前知事の後継として就任され、県政の基本姿勢として「参画と協働の県政」を掲げられました。県民とのパートナーシップの構築を重視し、翌平成14年に「参画と協働の推進に関する条例」を制定されましたが、この条例制定に際しては、議会で議論百出でありました。


 昨年は、地域コミュニティの再生と地域の自主的な取り組みへの支援策として、県民交流広場事業を提案されました。この事業は、5年間で110億円という法人県民税超過課税を財源として、全県下の地域コミュニティに対して、各小学校区ごとに1,300万円を助成しようとするものであります。


 私たちが県民の多くの方からお聞きする声は、所得の減少に加え、年金、医療、介護など社会保障給付の削減と負担の増加、そしてこれら社会保障制度の存続への不安です。また、県政への要望としては、地域経済の活性化と雇用の確保、救急医療の充実、子育て支援や教育費負担の軽減への要望が多く、学校や地域の防犯対策なども急を要します。震災被災地では、ポスト10年の復興課題として、高齢者対策とともに、まちのにぎわいづくり等が切実です。地域のコミュニティにあっては、その担い手の高齢化と先細りです。


 福祉医療予算の削減を行わなければならないほど厳しい財政状況のもとで、このように多くの課題が山積みしている中、県民交流広場事業に110億円を投入して、小学校区のコミュニティに対し1,300万円を配ることに緊急性、必要性があるのか大きな疑問を投げかけてきたところです。


 井戸知事は、井戸端会議で県民からの声をくみ上げていらっしゃるかもしれませんが、私たちは私たちで、直接、秘書も担当部局も通さず、県民の声を受けております。


 本議会には、森林保全などを目的とする県民緑税条例の制定が提案されております。県民税に一律の税金を上乗せして徴収するもので、これを財源にして、民間の山林に行政が関与し、森林の保全や再生の事業を行うというものです。森林の持つ、水を蓄え、水害を防止し、空気をきれいにしたり、生活に潤いを与えるなどの公益的な機能とその恩恵を考えれば、森林保全の重要性を否定するものではありません。しかし、今、県民に新たな負担を課してまで最優先に取り組むべき課題が森林保全であると言われても、どうもしっくりこず、バランスを欠いているように思います。


 法人県民税超過課税の使途の議論からやり直してはどうか、このように考え、申し入れを行ったところでありますが、これら一連の政策形成のあり方について、議会との協議のあり方を含め、知事のご所見をお伺いしたいと思います。


 ちなみに、昨年は、台風23号などで、本県でも大変大きな被害をこうむりましたが、これらの相次ぐ台風の襲来が、地球温暖化による異常気象によるものではないかという不安が脳裏を離れません。


 1997年に気候変動枠組条約第3回締約国会議「COP3」で採択された京都議定書が、先月16日、発効となりました。これを記念して開催された記念行事に、昨年ノーベル平和賞を受賞されたケニア環境副大臣のワンガリ・マータイ博士が基調講演をされました。その講演のキーワードは「もったいない」、日本語の「もったいない」という言葉であったそうであります。


 マータイ女史は、開発による森林伐採で、まきを集めることができず、子供に食事をつくってやれない農村女性の姿に胸を痛め、ひとり植樹に立ち上がり、グリーンベルト運動を提唱されました。独裁政権の弾圧を受けて投獄されながらも、環境保護と民主化、女性の地位向上に尽力をされました。その運動が大きなうねりとなって、10万人の参加と3,000万本の植樹に広がり、環境分野としても、アフリカ女性としても、初のノーベル平和賞受賞となったものです。このような民衆レベルからの意識の変革を基調に、自発的に展開される自然保護、森林保全の運動にケニアの人々の心を感じます。


 「新たなる公」を提唱され、森林ボランティアを募集し、人々の価値観とライフスタイルに変革をもたらしながら取り組まれてきた井戸県政の路線を大切にしていただきたいという意見を申し述べ、次の質問に移りたいと思います。


 質問の第3は、芸術文化とスポーツの振興についてであります。


 ことしは日韓友好40周年に当たりますが、昨年のテレビ映画「冬のソナタ」が韓流ブームを巻き起こし、韓国への親近感を高めました。世界的にアフリカ音楽など各地の民族文化が注目をされております。国内においては、沖縄音楽や津軽三味線などが元気です。


 本県では、地域に根づいた文化や芸能を見直し、地域のアイデンティティーを回復しようとされております。また、震災からの心の復興・文化の復興のシンボルとして、芸術文化センターがオープンしようとしております。10月のオープンから約4ヵ月半に及ぶ開館記念事業の公演ラインナップも発表され、付属交響楽団の活躍などが楽しみです。


 先般、会派の調査で札幌を訪問いたしました。札幌市では、「パシフィック・ミュージック・フェスティバル」と称して、次代を担う世界の若手音楽家の育成を通しての音楽文化の普及・発展をめざした国際教育音楽祭を毎年夏に開催し、これまでの15年間で、海外から1,500人以上の若手音楽家が学んだそうであります。このほか、世界トップレベルの音楽指導を広く一般の方にも公開する聴講生制度や教育セミナーも行い、本県芸術文化センターの芸術監督・佐渡 裕氏も指導に当たっておられます。


 このような札幌市の芸術文化への一貫した取り組みは、確実に芸術文化の人材を育成し、芸術文化を地域に根づかせ、住民の真の豊かさの実現に貢献しているものと考えます。


 我が会派としても、幾つかの提案と要望をしてまいりました。県が芸術文化のパトロンとしての役割を果たすために、予算の1%の枠取りをしてはどうか、県が後援する芸術・文化活動に対しては、会場費などの負担を軽減するなどの支援を行ってはどうか、また、若手芸術家を育成するために、奨学金制度を設けるとともに、その住宅確保に支援をしてはどうか、さらにまた、子供たちに芸術文化に直接触れる機会を提供すること、芸術文化情報センターの機能を有するアーティストクラブのクラブハウスを提供してはどうか等々であります。


 芸術文化センターのオープンを機に、今後、世界的なアーティストが兵庫に集い、新たな人材が兵庫で育ち、世界を舞台に活躍する芸術文化の拠点、芸術文化の殿堂としていくことが期待されますが、今後の芸術文化の振興にどのように取り組んでいかれるのか、ご所見をお伺いいたします。


 次は、スポーツの振興についてであります。


 近年、アテネで開催されたオリンピック、パラリンピックに続き、今、長野では知的発達障害者が日ごろの練習成果を競う「2005年スペシャルオリンピックス冬季世界大会」が開催されております。このスポーツの祭典が、知的発達障害者への国民理解を促し、スポーツを通じた心のバリアフリーを世界に発信することを強く期待しております。


 スポーツは、芸術文化とともに、障害の有無や国籍、民族、宗教を超えて、人生をより豊かに充実したものにし、精神的にも肉体的にも大きな欲求にこたえる世界共通の人類の文化の一つであります。


 我が国では、どうも遊びを悪とする風潮が根強いためか、何らかの理由づけをしなければ無条件でスポーツを楽しむことが難しい、こういった傾向があります。教育の一環で、体育としてのスポーツであったり、企業の広告・宣伝のためのスポーツといったものが目立ってしまっております。ヨーロッパ諸国では、地域のスポーツクラブを中心にスポーツ活動が行われているため、例えば散髪屋さんのご主人がオリンピックに出場する、地域におけるスポーツのすそ野の広がりとともに、水準の高さがうかがわれます。


 心身ともに豊かな地域社会の実現のためにも、青少年から中高年に至るまで、自分のスタイルに合ったスポーツを楽しめるように、地域地域のクラブスポーツ振興のための支援策、基盤整備に本腰を入れた取り組みが必要であります。


 本年1月、中央教育審議会の教育制度分科会は、地域づくりの観点から、文化・スポーツ両分野の事務は、自治体の判断で首長が管轄する部局に移管できるよう制度改正を検討すべきだと提言をいたしました。トトカルチョの実施に際して、文部科学省を含めた各省庁がその収入の分配をめぐって争ったことを思うと、画期的な思いがいたします。また、昨年9月には、新たに国民スポーツ担当大臣が置かれ、スポーツの国民への普及及び振興を、関係各大臣と協力して、総合的に推進することとされたところであります。


 本県においては、来年ののじぎく兵庫国体、のじぎく兵庫大会に向けた準備を知事部局で行っているものの、障害者スポーツを健康生活部が福祉施策として所管している以外は、スポーツ全般に対する取り組みは知事部局になく、教育委員会が所管しております。


 そこで、学校スポーツや実業団スポーツを含め、スポーツ全般の振興に関する事務を知事部局が所管し、総合的なスポーツ振興の推進体制を構築すべきであると考えます。


 そして、法人県民税超過課税をスポーツ振興の財源として用い、さらに、スポーツ・メセナの受け皿となる団体を設けることで、クラブチームの活動や各種スポーツ団体が自主的に企業などからの寄附を募れるようにしてはどうか。システムづくりを提案いたします。


 また、学校のグラウンドを初め、県下各地のグラウンドを芝生化すること、スポーツ指導者の登録制度を設け、その活動に経済的支援を行うこと、サッカーのワールドカップ世界大会の試合を誘致できるスタジアム――兵庫県下には現在一つもありません――をつくってはどうか、スポーツ振興策をこのように提案をいたしますが、知事のご所見をお伺いいたします。


 質問の第4は、ひょうご未来の人づくりについてであります。


 現代社会は、便利に快適に暮らせるようになった反面、人が人として生まれても、人として育ち、人として生きることが大変難しくなりつつあるように思います。


 東洋大学の中里至正教授が、日本、アメリカ、韓国、中国を含む7ヵ国の中高生6,000人を対象に、どれだけ親を信頼しているかという調査をされたそうであります。いずれの国でも、父親より母親への信頼感の方が高く、アメリカ、中国では70から80%の割合であったそうでありますが、韓国が意外に低く、母親54%、父親47%。ところが、日本は、何と、母親21%、父親に至っては10%でありました。日本のように信頼感の低い国は他にはなく、これは非常にショッキングな統計結果だと思います。


 子供の育ちには家庭環境が大切で、家族のきずなを強めることが課題とされています。私は、このテーマに関して、子供の遊び、子供の群れ社会の再生、自然や社会とのふれあい体験、教育ファームの設立など、質問のたびに角度を変えてこのテーマに取り組んでまいりました。昨年、その原点として、お産にまで行き着きまして、お産のあり方について、人格形成に重要な乳幼児期における母と子の関係形成、すなわち周産期ケアの問題を取り上げたところであります。


 先日、我が会派の研修会に、日本産婦人科医会兵庫県支部長の三浦 徹先生を講師にお招きをいたしまして、助産師分娩科について講演をいただいたところであります。


 産婦人科医院の中で助産師による手厚いケアによる自然な出産が、女性の産む力と子供の産まれる力を引き出し、家族としての関係、親子の関係を強め、子育てへの不安を解消する上で非常に有効であり、注目を集めていること、多くのお産を扱う激務と医療事故とのリスクから、なり手がなく、産婦人科医の不足となって、分娩の取り扱いをやめる産婦人科医院が増加していること、助産師の不足から、助産資格のない看護師が分娩介助に関与することによって、産婦人科での医療事故が多くなっていること、妊娠初期から女性に寄り添って、妊婦や家族の不安を解消し、育児の細やかなアドバイスに至る周産期のケアをする助産師本来の力が発揮されることで、産婦人科医が少数のハイリスク患者のケアに専念できることなどの諸点が示され、助産師の養成に力を入れてほしいとの要望を受けたところであります。


 もともと出産のほとんどは正常で、病気などではなく、健康な営みであります。それを介助するのは、助産師の本来的なテリトリーであったわけであります。


 県としても、人づくり施策として、また、児童虐待防止など家庭づくり支援策として、産婦人科医院内にいわゆる助産師分娩科の設置を奨励するとともに、助産師の養成確保に力を入れていくべきであると考えますが、知事のご所見をお伺いいたします。


 質問の第5は、心のケア対策についてであります。


 現代はストレス社会と言われております。青少年に限らず成人者においても、さまざまな心のやみ、心の傷に苦しむ人は急増しており、理解できないような犯罪事件も後を絶ちません。


 私は、平成9年、神戸市須磨区で起きた連続児童殺傷事件直後の6月議会において、社会に適応できなくなった人や良好な人間関係を保てなくなった人々に対する取り組みとして、メンタルヘルスケアの体制づくりについて取り上げさせていただきました。その後、兵庫県では、こころのケアセンターが整備され、大規模災害被災者や犯罪被害者、DVなど虐待被害者のトラウマ、PTSDへの対処、心のケアの研究、人材育成に取り組んでいただいております。新潟県中越地震やインド洋大津波被災地でもその活躍が注目を集めましたが、その役割の大きさを考えると、体制・予算ともに十分でなく、人的体制を初めとする強化が必要であります。


 関連で、昨年9月議会と決算委員会で、我が会派の渡部議員が、心のケアを要する人たちのための支援体制の整備を取り上げたところであります。有識者会議の報告を受けて、取り組みが進められることとなりました。このように、最近、ようやく心のケアの必要性が認識され始めましたが、この分野の重要性への認識はまだまだ不十分です。


 事件があれば、「こころのケアが必要」、「学校へスクールカウンセラーを派遣」、このように叫ばれますけれども、本来の心のケア人材としては、精神科医、臨床心理士など、限られております。心のケアは、カウンセラーがクライアントと、顔の表情やしぐさ、言葉を通して心でする極めてデリケートなものであります。心をはかる検査機械もなければ、一部の薬物療法を除けば、手術もありません。心に傷を負ったり、心を病んだり、心を閉ざしてしまった人の心に、心で触れて、心を感じ、心を通じさせる高度な専門技術を必要といたします。


 専門家による本格的なカウンセリングや心理療法は、大変な時間と労力が必要な熟練作業であるだけに、現在の診療報酬体系のもとでは、診療行為としては成り立ちにくく、人材は非常に不足しております。育成の体制も全く不十分であります。多少の経験や短期間の研修でカウンセラーという肩書をつけたからといって、人の心の中に踏み込んで、心をどうこうしようというのは大変危険なことです。


 今後、本格的な心のケアの時代に向けて、人材の確保と人材育成の体制づくりについて、どのように知事は考えておられるのか。そして、全国にただ一つのこころのケアセンターを有する兵庫県として、これをどのような理念と構想を持って整備・活用していくお考えなのか、知事のご所見をお伺いいたします。


 質問の第6は、DV対策の強化についてであります。


 昨年12月、我が党の女性局は、「DV防止策強化を求める要望書」を32万7,524人の署名簿とともに知事に提出をいたしました。改正DV防止法の施行に伴い、県下のDV被害の実態調査、DV防止基本計画の早期策定、相談体制の強化と保護施策の整備・拡充などを要望したところであります。


 改正DV防止法は、被害者の保護・支援を国や自治体の責務と明記しております。いよいよ基本計画づくりの段階に入ります。


 DVは、家庭内で起きる暴力・虐待という点では、児童虐待、高齢者虐待と同じように考える向きもありますが、児童虐待や高齢者虐待とは事情が異なっております。DV被害者は、長期にわたって虐待を受け続けながら、だれからも理解されず、逃げることもできず、世間体がありますので、外面の平静を装うなど、心身ともに深く傷ついています。しかも、このような結末に至ったことに対して、自責の念が強く、非常にみずからを責める人が多いようであります。


 このような被害者を安全に保護し、心から安心できる環境で、自立への道を歩み出せるまで心身のケアを行い、生活支援、就業支援など十分な支援を行える体制づくりが必要です。特に、相談からケア、支援に当たる人材の育成・確保は重要です。傷ついた心は過敏なまでに反応してしまいます。不用意な対応で2次被害を発生させることがあってはなりません。担当職員の人選、担当職員への研修には万全を期すことが求められます。


 母と子の人権、安全・安心を守るため、DV防止に向けた万全の対策を求めますが、知事のご所見をお伺いいたします。


 質問の最後は、関西エリアの広域連携による観光・ツーリズムの振興についてであります。


 中部国際空港が開港し、間もなく愛知万博「愛・地球博覧会」が開幕となります。中部地方では、経済界のリーダーシップのもとで、経済圏、文化圏としての力強さが感じられます。


 政治経済のみならず、芸術文化、スポーツや情報といった分野で東京一極集中が進み、このことを私たち関西人として非常に危惧をいたしております。翻って関西では、京阪奈研究学園都市にしても、近畿エリア各地の大規模開発事業にしても、産業集積など、いま一つ元気がありません。関西経済の再生が大きな課題となっております。しかも、関西エリアとしての連携が弱く、競争意識が足の引っ張り合いとなっている感もあります。道州制の議論はともかく、それぞれの地域特性を生かしつつ、相互に連携を強めることで、関西全体としての魅力と活力を発揮していくことが大切ではないかと考えます。


 その意味で、まず近畿エリア2府4県の連携の第一歩として、観光・ツーリズムから始めてはどうかと考えるところであります。


 神戸空港開港まで1年を切り、いよいよ関西3空港時代を迎えます。中国などアジア諸国の経済発展が著しいこと、そこから大量の観光・ツーリズム客が日本に来る可能性が期待されます。そして、国内12の世界遺産のうち五つがこの関西エリアにございます。姫路城もそうであります。観光・ツーリズムの分野で広域的な連携を強め、これまでそれぞれが行っていた観光キャンペーン、観光客誘致の取り組みを共同で一体的にキャンペーンを行う、観光客誘致に向けた取り組みを共同で行う、こういった取り組みで、兵庫県としても観光・ツーリズムをより活性化していくべきではないかと考えます。


 より高い視点で、より大きな視野に立って、関西の各府県と連携し、これからの観光・ツーリズムの未来を展望してはどうかと考えますが、知事のご所見をお伺いいたします。


 この後、3月29日まで、本会議、予算委員会など審議を通じ、私たち公明党議員団、生活者の目線で、県民の皆さんが誇りにできる兵庫の未来を築くため、全力で取り組む決意を表明し、質問を終わります。ご清聴、大変ありがとうございました。(拍手)


○議長(原 亮介)  井戸知事。


  〔井戸知事登壇〕


○知事(井戸敏三)  公明党議員団を代表しての松本よしひろ議員のご質問にお答えいたします。


 まず、財政運営の基本方針についてです。


 県債に依存しない歳入構造への転換についてお尋ねがありました。


 地方自治体が自治体として住民の要請に自主的に責任を持ってこたえていくためには、地方がみずからの権限と責任、そして財源を持つ必要があります。その意味で、権限、責任、財源が分配された自立型の統治システムが不可欠であり、このためには、何よりも地方税源の充実、それと、地方固有財源である地方交付税の総額を確保していく必要があります。それによって、自主的・安定的な財政基盤の確立ができるものと考えます。


 しかしながら、国、地方を通じて、大きく赤字国債や赤字地方交付税に依存している現状にあります。ご指摘のような財政構造改革を進めるために、2010年代初頭までに、プライマリーバランス、国債と国債費を除いて収支バランスを回復する、このプライマリーバランスを取り戻そうとされているところですが、これが実現されない限り、なかなか国債や地方債依存体質は脱却できません。


 三位一体改革は、税源を地方に移譲するかわりに、国庫補助金を縮減して、地方の自主性、責任のもとに事業を実施させようとするものであり、地方分権推進の基本方向にかなうものであります。しかし、18年度までの枠組みはいまだ十分なものとは言えず、第2段階への道筋をつけていく必要があります。


 一方、本県独自の対策として、行財政構造改革推進方策を定めて、中期的な財政見通しのもと、地方債活用に当たっても、その総額発行条件や交付税措置の内容を勘案して、将来の財政運営に及ぼす影響を踏まえながら、節度を持って県債を活用することとしています。新年度予算においても、台風第23号等、一連の風水害被害に対して県債も財源として活用し、早期復旧・復興に努める一方、通常事業に充当する県債を前年度を下回る水準に抑制したところです。


 今後とも、全国知事会等と連携しながら、地方の自由度を高める分権改革である三位一体改革を進めていくとともに、県債については、将来の財政運営に大きな影響を与えないよう、適切な公債管理に努めてまいります。


 歳出構造の転換についてご意見をいただきました。


 21世紀の政策課題に的確に対応して県民本位の県政を推進するため、県議会や県民のご理解をいただきながら、行財政構造改革推進方策を定め、中間年である「後期5か年の取組み」も策定して、定員・給与、事務事業及び投資事業など、行財政全般にわたる見直しを行ったところです。


 投資事業については、8,400平方キロメートルに上る広大な県土の均衡ある基盤整備にも意を用いつつ、年平均投資額を3,400億円とするとともに、事業の重点化、効率化にあわせ、「つくる」から「つかう」をキーワードに、既存の社会ストックの機能向上や拡充による利活用を進めています。


 新年度予算においては、厳しい財政事情のもとで、投資的経費については、一般事業は約10%縮減するものの、一連の風水害に係る災害復旧・災害関連事業費を積極計上して、早期復旧・復興をめざしますとともに、約180億円の新規施策経費を確保し、安全・安心の確保、未来への期待、地域の元気と連帯、新しいふるさとづくりなど、県民ニーズへの対応に意を用いたところです。


 ご指摘のように、「行財政構造改革推進方策後期5か年」の財政フレームに対して、今のまま推移するとの前提で機械的に試算しますと、平成20年度までに1,000億円の歳入歳出ギャップが生じるおそれがあります。しかしながら、いまだ三位一体改革の具体化など見きわめることが必要となりますので、今直ちに歳出の内容について再度の見直しを行うまでに至っていないと考えておりますが、今後とも、限られた財源の重点配分と経費支出の一層の効率化を図りつつ、県民のニーズに即した効率的・適切な予算とするよう努力してまいります。


 次に、県の政策形成のあり方についてです。


 県民交流広場については、昨年2月の定例県議会で、県民が身近な地域において多彩な分野で実践活動や生涯学習等を行う場づくりに、法人県民税の超過課税を充てることにしていただきましたが、その際のご意見を踏まえ、本格実施に先立ち、モデル事業として地域の実情に備えた対応を検討することといたしました。


 新年度においても、モデル事業の数を追加して、モデル事業を地域の実情に踏まえて実施し、その成果や課題の検証を行い、これを踏まえつつ、議会には十分にご報告、協議を申し上げ、本格実施につなげていきたいと考えています。


 県民緑税についても、ご指摘のように、県民の理解を十分にいただいた上で実施すべきものであります。森林保全事業の実施や緑化事業についても、県民の理解を得ながら進めていくよう、今後とも県民とのワークショップや普及協議を尽くしてまいりまして、県民の理解のもとに推進を図らせていただきたいと考えています。


 もともと議会と執行機関は、二元代表制のもとで、それぞれのチャンネルを通じて多様な県民の意向を把握しながら、県政の実現を図っていくべきものであります。今後、さらに地方分権の進展によりまして、地方の判断や責任で地域行政を推進していくことの比重が高まりますが、そのため、これまで以上に相互の連携を密にする必要があると考えます。


 私としては、予算編成前の政策申し入れやパブリックコメントの際の事前協議、地域政策懇話会等を通じて、政策形成段階での情報や課題意識の共有に努めてきたところでありますが、意欲が先走り、十分な理解が尽くされなかった事例もあることに自戒しております。


 今後とも、相互理解のもと、議論を尽くし、ともに県民の負託にこたえ、成熟社会にふさわしい的確な県政運営が実現できますよう努めてまいります。


 次に、芸術文化とスポーツの振興についてです。


 芸術文化は、いつの時代にあっても、人々に生きる喜びやあすへの勇気を与える源泉でありますが、あの大震災後の復旧・復興への立ち上がり時に、人々の意欲を支えてくれたのも芸術文化の力ではなかったでしょうか。そのような意味でも、私たちの生活基盤であると言えましょう。


 また、本県は、広大な県土に多くの人々の生活が長年豊かに展開されてきたこともあり、高度で多層な文化や歴史が形成されてきています。さらに、人々の文化活動を見ても、「見る」や「参加する」だけではなく、「みずからが行う」、「する」県民が多く、豊かな文化生活が定着している県と言えます。そのような意味で、本県は文化力が高いと私は確信しています。


 新年度は、いよいよ待望久しい芸術文化センターと陶芸美術館が開館しますが、これらを単なるはこ物としてではなく、みずからが芸術文化を発信する拠点として活動することを期待しています。これらを契機として、芸術文化情報センターの機能を持つアーティストクラブの設立など、ご提案のことについても十分に検討しながら、芸術文化振興ビジョンのもと、兵庫らしいユニークな活動の展開等を通じて、兵庫の芸術文化の頂点をさらに高めるとともに、新たに県民の多彩な芸術文化活動をきめ細かく支援するなど、幅広く県民文化のすそ野を広げ、「芸術文化立県ひょうご」をめざしてまいります。


 地域でのスポーツ活動から競技スポーツに至るまで、スポーツの振興に関しては、体育館やプールなど学校が有する施設の活用や、体育協会、体育指導委員会等の関係団体と連携しながら進めることが不可欠でありますことから、現在は教育委員会においてスポーツの振興を推進しております。


 特に、教育委員会に地域スポーツ活動室が設置され、県民一人一人が健康と体力の保持・増進に積極的に取り組むとともに、地域でのコミュニケーションを深めるためスポーツを楽しむ機会を提供し、県民の健康と体力づくりの推進を図り、560万県民総スポーツを強力に展開しているところです。


 しかし、一方で、ご指摘のような中央教育審議会での議論もあり、スポーツの振興を知事部局で担当する場合には、地域のコミュニティづくりや公園等のスポーツ施設の整備、健康づくりなど、地域振興や健康福祉施策との連携・協力を図りやすいといった利点もあることから、総合的なスポーツ振興の推進体制のあり方については、今後、検討していくべき課題であると考えます。


 特に、地域スポーツの振興については、地域のコミュニティ活動や健康福祉づくりとも関連しますので、スポーツクラブ21などの事業を通じてその普及・交流を図っていくなど、幅広く進めていく必要があると考えます。


 ご指摘のように、スポーツ振興策については、学校スポーツ、地域スポーツ、生涯スポーツ、競技スポーツなど、スポーツの持つ多面的、多段階的なそれぞれの特色を生かしたスポーツ振興が必要でありますし、先ほど触れましたように、健康づくりや、あるいは地域コミュニティづくりという観点からも関連がございますので、ご指摘を含めて幅広く検討し、その推進体制や環境の整備・充実に努めてまいりたいと考えております。


 続きまして、DV対策の強化についてです。


 現在、改正DV防止法を踏まえて基本計画の策定に取り組んでおり、相談、一時保護、自立支援等の一連の対策について充実・強化をめざしております。


 DVや児童虐待問題は家庭と密接不可分であり、一部、家庭という場への拒否があるものの、やはり家庭問題として総合的に取り組むことを県民にわかりやすく表示するため、実施機関の名称を「女性家庭センター」「こども家庭センター」に改めることとして、条例案を今議会に提案させていただいています。


 また、相談体制について、各こども家庭センターにDV被害者の相談に応じる家庭問題相談員を配置いたしますし、一時保護については、家族用居室や同伴児用スペースの整備等の質的充実を図るとともに、県内外の民間シェルター等への委託施設の拡充を図ります。自立支援については、県営住宅の活用による一時入居住宅の提供や母子生活支援施設等における心理的ケアの拡充等についても配慮いたします。これらを来年度から実施することとしております。


 なお、DV対策にかかわる人材については、適切な対応を図るため、社会福祉士等の専門人材を配置するとともに、被害者に直接応対する県や市町等の職員対象の研修会を開催し、育成しております。


 今後とも、市町、民間団体等との緊密な連携のもと、DV防止、被害者支援に総合的・一体的な対策を講じて積極的に対応してまいります。


 関西エリアの広域連携による観光・ツーリズムの振興についてです。


 関西での広域連携事業としては、ご指摘のように、観光振興の取り組みを行っています。国内向けには「三都物語」や歴史街道推進協議会による共同事業等を実施しています。また、今後、世界的な大交流時代を迎える海外からの誘客を図るためには、平成10年に関西各府県と共同で、関西外客来訪促進計画を策定し、関西広域連携協議会や民間企業中心で設立された関西国際観光推進センターが一体となって、中国を初め東アジア地域をターゲットとして、最近では国のビジット・ジャパン・キャンペーンとも連携しながら、海外ミッションの派遣や海外旅行エージェント等の招聘ツアーの実施や現地メディア活用事業を積極的に展開しているところです。


 先般の関西財界セミナーでの中国の王毅大使は、中国海外旅行者3,000万人のうち、訪日旅行者は60万人程度しかないこと、観光客が日本で消費する金額は1人当たり約40万円であり、日本は中国からの誘客に注力、力を注ぐべきであるとアドバイスされておりました。


 こうしたことを踏まえ、県としても、中国人向け観光スポットの掘り起こしや教育旅行誘致に努めるとともに、3空港時代を迎え、ポテンシャルの高まる関西地域として、より一層連携を強化して、団体観光客へのビザ発給地域が全国に拡大する中国や、ことし国交正常化40周年を迎える韓国等を中心に、国内外からの積極的な誘客促進に努めてまいります。


○議長(原 亮介)  齋藤副知事。


  〔齋藤副知事登壇〕


○副知事(齋藤富雄)  私から、ひょうご未来の人づくりについて及び心のケア対策について、お答えをいたします。


 まず、ひょうご未来の人づくりについてお答えをいたします。


 産婦人科医院に助産師を配置することは、妊産婦に対します妊娠後期のサポートをする上でも、あるいは出産時の陣痛の緩和等きめ細かなケアができるという点からも、適切な助産技法を活用し産婦人科医師と一体的に妊娠中から出産時までの医療安全の確保が図られることから、望ましいと考えているところでございます。


 本県におきましては、県立総合衛生学院の20名の助産師養成に加えまして、県立大学看護学部の助産師養成課程で、平成18年度卒業生から20名程度助産師の養成が図れる状況でございます。また、神戸市看護大学におきましても、平成17年度に助産学専攻科が設置され、助産師15名が養成されることとなっているところでもございます。


 平成17年度には、看護職員の需給見通しを行う予定でございますが、これにあわせまして、助産師につきましても、今後の需給見通しを行うこととしているところでございまして、これを踏まえまして、将来の助産師の養成確保につきましても、検討する必要があると認識をいたしているところでございますので、ご理解を賜りたいと思います。


 次に、心のケア対策についてお答えをいたします。


 兵庫県こころのケアセンターは、阪神・淡路大震災以降、本県が先導的に取り組んでまいりましたトラウマ、PTSDなどの心のケアにつきまして、実践的研究、研修、診療が有機的に機能する、唯一随一の国内機関として運営してまいりました。


 具体的な取り組みといたしましては、子供のPTSD症状と愛着障害との関連、被災住民を対象といたしましたメンタルヘルス調査などの研究や、医師、臨床心理士等を対象といたしましたPTSD臨床診断、保健、医療、福祉など人を対象とした職業についている方々のためのセルフケア等の専門研修、あるいは診療や相談等の事業に取り組みますほか、県内はもとより、国内外で発生しました災害への支援にも取り組んでいるところでございます。


 今後は、研究テーマに即しました優秀な研究員の確保に努めますとともに、精神科医、臨床心理士、保健師、精神保健福祉士等を対象といたしました専門研修の一層の充実や、国内災害に対応できる情報データベースの構築による遠隔地の被災者への支援、また国外災害に対しますJICA等と連携した専門研修に取り組むなど、国際的にも有用な成果を上げることのできるよう、センター機能のさらなる充実を図ってまいりたい所存でございます。


○議長(原 亮介)  松本よしひろ議員に対する答弁は終わりました。


 次に、筒井もとじ議員。(拍手)


  〔筒井もとじ議員登壇〕


○(筒井もとじ議員)  知事に就任されてから3年半を迎え、ことしは知事選挙の年、これまでの県政運営の審判を受ける年であります。井戸知事が県民の現状にこたえた県政運営を行ってきたかどうかが問われます。


 県民の置かれている現状はどうでしょうか。国民が長引く不況で苦しんでいる一方で、リストラなどによる合理化で、鉄鋼や自動車などの大手企業は過去最高の利益を上げていますが、家計には恩恵は回っていません。


 2002年の所得再配分調査によれば、富裕層と最も所得の低い層の所得の格差は、1996年は33倍、99年61倍、2002年は168倍と拡大するばかりです。「弱肉強食」、「勝ち組・負け組」をつくり出す政治が小泉構造改革であります。大企業は過去最高の利益を上げる一方で、国民の暮らしと雇用・営業は泥沼というように、経済の二極化、所得格差が広がっているのです。このことが県民の暮らしを冷え込ませ、県民意識調査でも、「自分の生活が低下している」と答えた人が44%、「向上した」の5%の8倍にもなっています。


 追い打ちとして、さらに、2007年度までに、定率減税の廃止など合わせて7兆円もの国民負担増を押しつけようとしています。「これでは橋本大失政の二の舞だ」との声が広がっているのも当然であります。このような政治が推し進められるもとで、自治体の役割、何のために存在するのかが問われざるを得ません。


 井戸知事は、貝原前知事の後を受け継いで、県行革も引き継ぎ、老人医療費の対象者の削減や長寿祝金や在宅老人介護手当、私学助成の削減など、1,360億円の負担増計画を強行してきました。昨年、「より財政が大変だ」と言って、さらなる負担増の福祉医療改悪案を提案し、県民とのあつれきを生み出してきました。


 県民への負担増の一方で、公共事業などのむだ遣いは相変わらずであります。空港や六甲グリーンベルトなど大型公共事業の予算を確保、台風や学校耐震化などを除いても国の示した水準よりも高い投資的経費の伸び率となっており、2月補正では、宝塚新都市や小野市市場地区などといった活用のめどがない土地の買い戻しに534億円もの税金を投入しようとしています。


 新聞社の県民アンケートでは、「県政で最も重点的に取り組んでほしい」との問いへの回答で、25%もの人が「むだ遣いをなくしたり、公共事業を見直すなどの行財政改革」と答え、一方で、「子育て、医療福祉、教育」を20%近くが要望しています。


 また、切実な雇用の問題では、完全失業率が少し改善されたからといって、内容は派遣やパートが多いのが実態です。企業は、リストラを進めながら、さらに人件費節約のため、パート、派遣、契約などの非正規雇用を増大させ、県内の就業の4分の1になっています。若者雇用の深刻さなど、構造的問題からくる雇用の深刻さは変わりません。将来に、雇用の安定や収入の増は見込めない人が多いのが現状であります。


 しかし、これまで知事が行ってきた対策は、国の交付金、緊急雇用施策が実績の約3割を占め、県民に役立つ福祉や教育の分野の正規雇用はわずかな人数で、実態にふさわしい施策になっていません。


 さらに、特養と保育所の問題でも、待機者を「ゼロにする」、「解消する」と公約されましたが、3年たった今も、両者ともたくさんの待機者を生み出しているのが現状です。この間、抜本的な待機者解消策を求めてきたのに対し、特養では、ショートステイ床の転用や入所コーディネートマニュアルなどの入所制限などでお茶を濁し、保育所では、新設を十分にせず、定数増、分園、認可外保育などで、これもごまかしの対策でしか手を打てていません。


 知事、県民の深刻な実態や県民の願いにこたえ、県行革方針を撤回し、雇用や待機者の解決、むだな公共事業の削減に踏み出すことを求めますが、いかがですか。


 先ほど福祉医療の問題で「県民とのあつれき」と言いましたが、福祉医療問題で県政と県民の矛盾は深まるばかりです。


 まず、やり方の点で、県は、昨年末の12月に、福祉医療助成制度の改悪について、ことし7月から実施すると発表し、改悪が含まれた予算案がこの議会の議案として出されていますが、実施主体の市町では、条例の改正や予算の確定を待って4月以降に住民に知らされることになり、7月実施となれば、文字どおり、直前になって市民に患者負担の変更が知らされることになります。行革の留意点とされている「対象者に説明、周知徹底する」ことにも反することになります。


 内容面で、我々が従来から強く要求していた精神障害者の医療費助成を創設するなど評価できる面はありますが、従来からの助成削減・改悪は、1割ないし3割の対象者に対して低所得者対策をつけ足し、わずかの修正をしたもので、改悪の本体そのものは何ら変わっていません。


 この改悪の実施が実質上凍結されていたのは、パブリックコメントや医師会を初めとする広範な団体からの反対の声を受けて、県議会も慎重な検討を求めていたからです。


 「再検討」や「継続してほしい」という意見は広がりを見せ、その後も、3月と6月の高砂市議会に始まり、9月には稲美町と西宮市、10月には神戸市、12月に入っても尼崎市、明石市議会が意見書を上げています。町村会長の中田波賀町長も「現行のままの維持を要望した」と明言されております。先日2月7日には、「県民いじめの「行革」ストップ!要求実現連絡会」が3万筆を超える福祉医療の患者負担増計画撤回を求める請願署名を知事あてに提出したところであります。


 尼崎市が1月に行った市民意見募集でも、「弱者に負担させる制度は考え直してほしい」、「負担を考え通院できなくなる人を見殺しにする」、「65万円という低所得者制限は厳し過ぎる」など反対の声ばかり。これが県民の率直な声であります。


 また、兵庫県肢体障害者協会は、17日に知事あてに要望書を提出し、「一部自己負担の導入撤回」を求めています。


 知事、なぜこれだけの反対の声を押し切って医療費助成の削減を強行されるのでしょうか。県の強硬姿勢に市町当局も困惑しております。我々が2月に入って独自に県下市町に行った市町長アンケートでは、現在47市町からの回答で、明確な反対は6自治体ですが、「継続を要望していたが、やむを得ない」など、事実上反対の意見を持っている自治体も数多くあります。来年度予算でも、市町独自の上乗せ事業を継続・拡充する自治体も出てきています。


 「協議」について聞いたところ、担当者レベルの県からの一方的な説明の会議ばかりで、とても協議と呼べない中身であり、市町長との協議など一切していないのではありませんか。


 福祉医療制度の改悪をストップし、少なくとも現行どおり継続することを強く求めます。知事の温かい答弁を求めます。


 阪神・淡路大震災から10年が経過し、膨大な資料による並列的な検証が行われましたが、何ができたか、何ができなかったか、その原因は何か、被災者にはわかりにくいものでありました。被災者の人生や暮らしの中での大震災は、数限りないドラマがあり、体験した者が得た教訓、生き残った者が生き長らえた人生をどのように生きるのか、筆舌に尽くしがたい大きなものだと思います。


 震災の影響は、暮らし向きの低下や失業、中小・零細業者の売り上げ・経常利益の低下、時間の経過にかかわらず、色濃く残っています。相変わらず続く孤独死や自殺数にもその深刻さはあらわれているではありませんか。


 大震災は、45万世帯の生活基盤である住宅を破壊し、生活再建の自助努力の土台を奪いました。国家と社会が最も基本に据えるべき支援は、被災者の生活基盤の破壊からの回復にありました。


 可及的速やかに自力で頑張れる状況にするため、被災直後の公的支援が不可欠であること、これこそが最大の教訓であります。被災者の声を背景に、3年後に不十分ながら被災者生活再建支援法がやっと成立いたしました。3年もかかったのです。自助努力を強調するなら、その土台の回復のために、国や行政の公的支援の役割の重要性がもっと強調されるべきであります。


 震災による10兆円と推定された損害に、「創造的復興」を掲げ、「17兆円で10年でめどをつける」とされたが、国、県、市全体の復興予算事業費16兆3,000億円のうち、6割の10兆円が「多核・ネットワーク型都市づくり」に投入され、県は4兆数千億円の予算措置のうち、生活救援対策は12ないし13%程度で、融資が中心でした。復興資金のソフトとハードの分野における極端なアンバランス、復興格差の広がりは、復興の優先順位に問題があったことは明らかではありませんか。


 避難所解消に半年以上、仮設入居も5年を要したのは、住宅は個人の資産、回復のための個人補償はできないとの基本姿勢に従ってきた、従わざるを得なかった知事の責任と思います。


 国は、今も基本的にこの姿勢を変えていません。知事の年頭あいさつを見ても、この点での明確な反省は見られません。ことしの記者会見で、知事、あなたは、被災者生活再建支援法での住宅本体への公費投入で小泉首相が慎重姿勢をとっていることと、あなたの提唱する住宅共済との組み合わせについての質問に、「居住安定支援制度は、昨年4月からスタートしたばかりの制度で、4年後の見直しの附帯決議があるから、今直ちに制度改革を検討するのは、なかなかしにくい立場だと思う」と同情してみせておられますが、個人補償という重い課題、核心となる課題をこんなに軽く受けとめてよいのでしょうか。


 野党3党が、今国会に共同提出した被災者生活再建支援法の抜本的改正案が示すように、被災者支援の一番の焦点は、住宅本体への公的支援――個人補償の実現に踏み込むか否か、これ抜きには、魂の抜けたものになると考えます。


 今回の台風等の被害で県が行った住宅再建等支援金も、住宅再建共済制度が創設されるまでの臨時的措置とされています。公助の基本をあいまいにして、共助に力を入れることに疑問を感じる県民も少なくありません。


 住宅本体再建への適用など、被災者生活再建支援法を直ちに改正するよう、政府と国会に知事みずから要請を行うことを求めます。


 次に、震災復興のあり方、コミュニティの回復についてです。


 本県で国際会議が開かれ、今なお復興道半ばと指摘せざるを得ない状況です。どの点で何が道半ばなのか。被災者の生活、コミュニティが戻っていないからであります。


 兵庫県に戻りたいと希望している県外避難者が今なお戻れない。その理由は、県の調査でも、7割が公営住宅に当選しないなど希望の住宅が確保できないことが原因です。このままずるずると放置するのではなく、県外被災者の願いにこたえる特別の手だてが必要です。


 県内の被災者はどうでしょうか。復興公営住宅も、今なお、毎回、募集戸数の10倍を超える被災者の応募が常にある実態です。その一方、一定の収入基準以上向けの特優賃の所得制限を外して、かつて準公営住宅と称して募集した住宅は、建設された3,276戸のうち、被災者の入居はわずか279名です。県は、いみじくも「民間賃貸住宅への家賃補助は、仮設住宅から移っていただくための緊急施策」と委員会で答弁されましたが、住宅を失った被災者の生活再建、コミュニティの再建ではなく、別の動機で事が進められたということではありませんか。


 被災者のコミュニティ回復、もとの街に戻すことは、今でも求められております。


 大震災の復興公営住宅での孤独死250人、仮設の孤独死233人、自力で仮設バラック・コンテナ住まい5,000棟中、1,000棟以上が残っており、神戸市、芦屋市、西宮市で駐車場にもなっていない更地は、8,700世帯分が10年たってなお残っております。


 避難所から仮設、仮設から復興公営と移行ごとに行政がばらばらにしたコミュニティ、「人と人との支え合いの大切さを学んだ」、「ボランタリー活動やコミュニティビジネスが生まれた」と県は評価していますが、この行政によって分散させられたものをどうするのか。被災地では、スーパーの進出で商店街・市場が寂れ、マンションが増加、復興都市計画で区画整理の網かけ地域のおくれや、戻れなくなった人々、新長田駅南地区再開発の挫折、残された多くの課題をどうされるのか。コミュニティをばらばらにし、失わせた責任と今後の対応は、どのようにされるのでしょうか。


 震災から10年を経過しても、住宅を失った被災者がいまだに住宅を保障されていないのは、まさしく住宅復興施策全体が間違っていたということであります。施策を全面的に見直し、民間賃貸住宅への家賃補助の復活を含め、県外被災者を初め住宅を失った被災者が一気に戻れる抜本策を直ちに実施することを求めますが、いかがですか。


 個人補償と復旧のあり方、この二大問題こそ最大の教訓であったのではないでしょうか。


 次に、災害対策、住宅の耐震化についてです。


 政府の地震調査委員会は、このほど、兵庫県西部を中心に岡山県にまたがる山崎断層帯について震度予想図を発表しました。そこでは、断層の箇所によっては30年以内の発生確率が最大5%とも言われ、地震が発生した場合、神戸市中央区、加古川市など広い範囲で震度6強以上になる危険性を示しています。また、南海地震についても、津波とともに県下で震度5強を超える地震地域も多く指摘されています。地震は過去のものではなく、いつ地震が起きてもおかしくない状態が今なお続いていると言うべきです。こういう中で、大震災の教訓が本当に生かされる対策が進められているのでしょうか。


 震災の大きな教訓は、住宅倒壊で約5,000名の人命を失ったことであり、大災害が起きても人命は守る、これが災害対策の最優先課題にされなければなりません。住宅が壊れることがあっても、人命を奪うほどの倒壊は防ぐということであります。住宅の耐震化は、地域防災計画の中心的柱に据えられなければなりません。


 ところが、県の地域防災計画では、住宅の耐震化という課題は上がっていますが、目標数も年次計画も全くない状況です。これでは、人命を守ることに直結した防災対策は成り行き任せとしか言えない状態です。住宅の耐震化の目標数と年次計画を防災計画に明記すべきと考えますが、いかがでしょうか。


 次に、住宅の耐震化をどのように進めるかということです。


 住宅の耐震化を進めるには、まず、各住宅がどの程度危険なのか、県民自身が知ることが大切です。私たちは、住宅耐震診断の無料実施を復活することを求めてきましたが、今回、県が簡易耐震診断を1割負担で実施するなどの改善をすることになったのは、一歩前進として歓迎するものです。


 さて、この間の県の取り組みを見ると、実績はごくわずかで、毎年の予算すら実行できていない実態です。このように県の耐震助成が不評なのは、実際に必要な耐震化工事と比べて余りにも助成が低く、いつ起きるかわからない地震に対し工事にお金を費やすより、今の苦しい生活や老後の不安にその金を回したいという住民の生活実態とかみ合わない支援になっていたからです。今回、耐震診断や耐震設計とセットでなくても耐震工事助成を受けられるように改善はされましたが、それでも、百数十万円の耐震工事をしても、工事に実際に回せる補助金は30万円で、耐震化工事の大半は自己負担となっており、これまでの問題点を抜本的に改善するものになっていません。


 住宅の耐震化は、対象は私有財産ですが、人命が奪われるなどの被害を防ぐ、一層大きな被害となることを防止するという公共的意義が極めて高いものです。その公共的意義に見合った支援制度に改善することが必要です。住宅の耐震化を進めるため、条例によって県下の住宅に耐震化を求めるとともに、住宅耐震化に必要な思い切った財政支援を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。


 次に、教育についてです。


 2年前の長崎佐世保事件、さらに今回の大阪寝屋川などの事件等々、学校の安全だけではなく、子供たちをめぐる状態が一体どうなっているのか、全国民に大きな衝撃を与えています。子供たちの人間的成長や発達がゆがめられていることの深刻さを改めて痛感するものです。そして、学校の安全性確保にとどまらず、子供たちの人間としての成長と発達をはぐくむために全力を挙げていくことが必要だと思います。


 一方で、昨年暮れに発表された国際調査結果から、ゆとり教育の見直し、詰め込み教育への揺れ戻しの動きもありますが、これは本末転倒と言うべきで、管理主義の強化や上意下達の教育こそ見直さなければならない問題です。


 一人一人の子供たちの人間としての成長と発達を保障していくため、学校教育の改善が不可欠ですが、そのためにも少人数学級の拡大が必要です。


 先日、山形県教育委員会の主催による「少人数学級編制研究会」が開かれ、全国の都道府県の教育委員会や国立教育政策研究所などから多数の教育関係者が参加しました。主催者のあいさつの中で、「この少人数学級編制研究会は、全国で初めて少人数学級を導入した山形県に対し、当時の文部省などから、少人数学級を実施しても効果がないなどと言われる中で、少人数学級の効果を立証していこうと研究会を立ち上げてきたもので、既に6回を超え、少人数学級は42道府県にまで広がった」と述懐されました。


 私どもは、国と堂々と議論もし、みずから実践し、少人数学級の効果を立証し、全国の大きな流れにまでしてきたこの山形県の取り組みには、大いに学ぶべきと痛感するものであります。今では文科省も、「少人数学級は明るい光」、「地方で進めるのは大いに結構」と勧めるほどです。


 山形県では、「橋の建設の一つや二つやめても少人数学級を」と実行されてきたものですが、既に少人数学級を小学校全学年に実施し、不登校児童の減少、欠席日数の減少、学力の向上と少人数学級の成果は総合的なものになっていると指摘しています。


 今や少人数学級の成果は明らかです。全国34府県で少人数学級を複数学年で導入し、県下でも稲美町が町独自に小学校2年生に少人数学級を広げようとしているではありませんか。県民と子供たちのために、不急の公共事業はおくらせてでも、少人数学級の拡大に取り組むべきではありませんか。35人学級を2年生以上に拡大実施することを求めるものです。


 教育の2点目は、教育基本法を遵守し実行することについてです。


 戦前、「命は鴻毛より軽し」と太平洋戦争に日本は突入しましたが、戦争に国民を総動員するのに使われたのが戦前の教育でした。その大きな反省から、憲法とともに教育基本法がつくられました。そして、戦前と戦後の教育の決定的な違いは、教育基本法第10条にあらわれています。すなわち、「教育は、不当な支配に屈することなく、国民全体に対し直接に責任を負って行われるべきものである」と述べています。太平洋戦争に国民を総動員した同じ過ちを二度と起こしてはならないという痛苦の反省と決意から生み出された大原則です。教育を行政当局が一方的に意のままに決めてはならず、教育への住民参加の保障の徹底こそ、教育基本法がうたう教育であります。教育の主人公は教育行政当局ではなく、子供、父母、地域住民であり、そしてその実践を教育現場に保障していくことこそ、教育行政当局が取り組まねばならない責務です。


 そして、この取り組みの方向は、ひとり日本だけではありません。フィンランドでは、既に10年以上前に教科書検定をやめ、指導要領もそれまでの10分の1というほど大幅に縮小し、授業の組み立てや教科書選定、教育内容など、教育の権限を徹底的に現場教師におろし、「落ちこぼれを絶対につくらない、楽しんで学ぶ」を教育現場で実践できるようにしてきたことが、学習到達度世界一の水準をつくり上げてきたと言われています。


 教育基本法の遵守と実践こそ、今、日本と本県の教育に求められているのではないでしょうか。


 ところが、本県の教育行政はどうでしょうか。県教育委員会は、明石、西宮、西播学区に総合学科高校導入を計画し、既に新年度予算説明では、新年度には、それらの学区での総合学科高校は既定の事実として、総合学科高校への移行の具体的取り組みを進めるとしています。ところが、新年度まであと1ヵ月という現在に至っても、一体どの高校が総合学科に変わるのかということすら、全く明らかにされていません。現場教師はもちろん、子供たちや地域住民に秘密裏に準備が進められている実態です。


 例えば西宮では、市民や関係者からの大きな批判の中で、市教育委員会による説明会がなされ、県教委の幹部が説明に出席しましたが、その説明に不満、批判の声が市教委に殺到し、再度、市教委が行っている状態です。しかし、肝心の市教委は、総合学科については説明できない状態です。県教委の頭越しのやり方に怒りの声が広がり、署名が短期間で1万を大きく超え、今も署名が寄せられていると言います。


 また、西播学区の相生市では、県立高校の統廃合の動きに対し、相生市内部からも異論の声が上がっており、明石市でも、父母や地域住民の集会が大きく広がり、また、神戸市北区では、鈴蘭台の二つの高校の統廃合に反対する署名が短期間に6,000を超えています。


 県教委は、フォーラムなどを行って高校改革を決めてきたとの態度ですが、その決定過程自体がほとんど県民に知らされることなくされたものであり、県民参加とは到底言えない実態です。ましてや、どの高校を総合学科高校にするのかは、全く何の合意もなされていません。教育行政当局で一方的に決めるやり方は直ちに中止すべきであります。


 教育基本法を遵守し、明石、西宮、相生、神戸市北区などの一連の「高校改革」計画を一たんストップさせ、関係する住民や子供たちの声を聞き、地域住民の参加で改革の中身を決めていくことを求めます。


 次に、関西3空港の問題についてです。


 神戸空港の開港が1年後に迫り、新聞各紙は相次いで特集記事を組みましたが、見出しには「離陸への課題」、「視界晴れず」など、一路開港でない現状があらわれています。


 昨年末には、関西国際空港の2期事業が政府で大問題となりました。10月25日に、財政制度等審議会が「慎重を期すべき」、「国民の理解が得られない」との意見を出したにもかかわらず、補助金300億円を支出、関空救済を無理やり押し通しました。それに対して、「伊丹空港と神戸空港を含めた3空港体制が不透明。需要見通しを十分点検しないままの見切り発車」と報道されました。


 現在の「伊丹縮小、関空救済」は、関西2空港でも供給過大になっている証拠であり、国内線が取り合いになっている。航空需要と実績のギャップはより大きくなることは明らかです。また、「関空に移転したとしても、ビジネス客の多くは便利な新幹線を利用」とのアンケートもあり、伊丹からの国内線移転がスムーズにいったとしても、乗降客はふえない可能性があります。


 神戸市民のアンケートでも、神戸空港建設について「延期・中止」が半数近くあり、その理由として多い意見は、「需要が不透明」、「二つの空港が既にある」というものであります。


 井戸知事は「関西3空港の役割分担」を強調されるが、市民には全く支持と理解を得られていません。兵庫県は、関空2期に出資と補助を合わせて100億円近く、神戸空港に75億円の税金を投入することになっており、説明責任があるにもかかわらず、その責任を果たせていないではありませんか。


 神戸市の需要予測でも、神戸空港の利用者の内訳として、利用者全体の56%、243万人も大阪府北部から見込んでおるわけであります。2空港に影響を与えるのは明らかです。


 結局、知事も「3空港役割分担」を主張しながら、利用者を確保できる根拠を示していないわけであります。神戸空港の1日30往復便も関空の年23万回の離着陸を前提にしています。計算どおりいかないのは、これまでの予測と実績の大きな乖離を見れば明らかです。結局、「将来は航空需要は増大する」とする願望、目標しか根拠を示せないのであれば、税金投入する資格はないと言わざるを得ません。


 関空2期と神戸空港への税金投入を再検討し、中止を強く求めます。


 最後に、国民保護法制と関連して県条例が提出されることについて質問をいたします。


 有事関連法案が国会を通過し、それ以来、危機感を抱く県民がふえています。自衛隊宿舎でイラク派遣反対のビラを配って逮捕された市民が出たり、イラクの自衛隊の報道規制が行われている中で、先制攻撃の米軍に自衛隊が集団的自衛権の名のもとに参加させられることを危ぶむ声が広がっています。


 周辺事態法の成立で米軍の戦争協力に踏み出す一方、関連法の一つである国民保護法は、その名のように私たちを守るのでしょうか。


 有事とは、自然災害と違い、戦争や事変が起きることであります。自然災害と武力攻撃による被害は違うのです。国民保護法は、武力攻撃を予想し、敵と戦うためであって、自然災害のように国民の救援を目的に活動するわけではありません。有事の際、早く避難してもらわないと、自衛隊と米軍が十分活動できないということからの発想ではありませんか。国民保護法は、地方自治体の責務や国民の協力を進め、一丸となって対応できるよう国民を動員する「国民統制法」となります。


 どこかの国から日本が攻撃されたらどう対応するのかという議論は、抽象論であります。日本の地理的地位は、日本、中国、韓国、北朝鮮、ロシアと、基地を持つアメリカを加えても、6ヵ国です。有事といっても、北朝鮮と台湾海峡をめぐる対立に絞られます。実際の国際状況は、ジグザグはあっても、全体としては平和的解決を優先させる方向に動いています。昔のように、占領、植民地が許される世界ではありません。平和のルールの国際秩序がつくれる時代になっています。


 私たちは、いかなる理由・大義があっても、無差別テロは許されないとの態度は一貫しております。報復戦争でテロをたたきつぶすといった条件反射的な対症療法ではなく、テロを生み出している社会的・政治的根源を取り除く対応をしなければなりません。社会制度や文明の異なるものとの平和的共存にこそ力を尽くすべきです。これが憲法の精神です。


 国民保護協議会をつくり、非現実的な発令や訓練に知事は県民をつき合わせるおつもりかどうか。たとえ「防災訓練と有機的連携に配慮する」と言っても、内容には大きな違いがあるのは、戦争と震災双方を体験した私にはよくわかりますが、知事にはおわかりになるでしょうか。


 憲法9条を守る立場で、アジアの国々を敵視し、アメリカに追随する国民保護計画を進める審議会設置のための条例案の提案を中止することを求めます。


 以上で質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)


○議長(原 亮介)  井戸知事。


  〔井戸知事登壇〕


○知事(井戸敏三)  日本共産党議員団を代表しての筒井もとじ議員のご質問にお答えいたします。


 まず、「県行革」方針の撤回についてご意見をちょうだいいたしました。


 厳しい行財政環境の中で、中長期にわたる健全な行財政運営を確保しつつ、少子・高齢化に伴う健康・福祉や教育や環境、産業・雇用など、今後ますます重要となる政策課題に的確に対応していくためには、行財政構造改革は必要不可欠であると考えております。


 新年度の予算編成においても、昨年2月に県議会特別委員会においてもご審議いただいて策定した平成20年度までの行財政構造改革推進方策後期5か年の取組みに基づき、組織や定員・給与、投資事業や事務事業などの見直しを行うことにより、スクラップ・アンド・ビルドの徹底を図り、新規施策のための財源を確保して、新規事業に取り組んでいるものであります。


 これにより、安全と安心の確保を初めとする五つの柱のもと、参画と協働を基本姿勢として、元気兵庫の創造に向かって諸施策を積極的に展開し得る予算編成ができたものと考えております。


 ご指摘の雇用対策については、経済・雇用再活性化プログラムにおいて、中小企業の活性化や企業誘致等による常用雇用に加え、緊急雇用創出、求職ニーズを踏まえた常用雇用と変わらない多様な働き方への支援を行っておりまして、目標とする5万人を大きく超える約6万3,000〜6万5,000人のしごと・雇用創出を実現できる見込みです。


 なお、最近の新規求人に占める常用雇用割合を見ても、直近、昨年12月では、66.5%が常用雇用を求人にされております。この数値は、数年の動向では60%前後で推移しているところです。


 また、入所の必要性の高い特養待機者は、16年4月時点では1,383人でありますが、既設での空床や新規開設などにより、年度末にはおおむね解消できると考えてます。


 保育所待機児童につきましても、532人が平成16年4月時点での待機者でありましたけれども、確実に保育所の新設などにより減少しており、年度末には解消できるものと考えています。


 公共事業については、安全・安心なまちづくり等、いまだ整備すべき箇所も多く、既存ストックの機能を有効を発揮させながらコスト縮減等を図り、社会基盤整備プログラムを基本としながら、県民の声を反映しつつ、重点的・集中的に取り組んでおります。


 今後とも、議会や県民、市町、関係団体等の幅広いご意見やご助言をいただきながら策定した推進方策後期5か年の取組みを基本に据え、改革の着実な推進に努めながら、元気兵庫の創造をめざしてまいります。


 続きまして、現行福祉医療助成制度の継続についてお尋ねをいただきました。


 厳しい行財政構造や医療制度改革などの環境変化に対応する必要があるのではないかということ、更生医療や育成医療など本体医療でさえ一部負担が求められていることとの均衡をとる必要があるのではないかということ、将来にわたり制度を維持する必要性をどう考えるかなどの観点から、福祉医療制度について、一部負担のあり方を見直すこととさせていただきました。


 基本となる老人医療費助成事業は、全国的には廃止の方向にありますが、本県ではカバー率を約5割として実施しておりますが、これを確保するという制度の根幹を維持することにより、私は、かえって制度本体を存続させることにつながるものと考えています。


 これら福祉医療の見直し内容については、市町、関係団体及び有識者のご意見を聴取するとともに、県議会の行財政構造改革調査特別委員会でのご審議を経て、平成16年2月に後期5か年の取組みとして取りまとめました。


 この取りまとめに先立ち、市町に対しては、市長、町長、幹部職員に対して説明、意見交換を行うとともに、方針決定後も、各市町の担当部局長等に説明を重ねてきております。また、実施時期についても、市町等の意見を踏まえて、受給者証の切りかえ時期である平成17年7月から実施することにしました。


 さらに、市町や関係団体との協議を重ねる中で示された意見を踏まえ、重度精神障害者に対する新たな福祉医療制度を創設すること、4ヵ月以上の長期入院患者の負担を求めない措置を講ずること、低所得者については、老人医療の1割負担据え置き、その他の医療についても軽減措置を講ずること、災害・失業対策等に対しても配慮することなど、きめの細かな措置を講ずることとしたところです。


 平成17年1月の県政懇話会でも、各市町長に対して改めて説明し、また関係資料を送付し、確認作業を行っております。現在、各市町では、平成17年7月の実施に向けた諸準備が行われているところであり、適切に実施してまいりたいと考えております。


 続きまして、被災者生活再建支援法の改正要請についてです。


 震災復興に当たって、ご指摘のように、被災直後の生活再建への支援が必要であることが重要でありますので、生活再建支援法による緊急・応急時における生活再建支援金が制度化されるほぼ1年前に、高齢世帯生活支援金を支給できるよう制度化したのが本県でありました。このことを制度化したからこそ、この生活再建支援法も制定されたものと考えておりまして、私は、本県が阪神・淡路大震災の復旧過程において制度化への突破口を開いた、そのように考えております。


 また、住宅の再建は、被災者の自立した生活の再建と被災地の再生を図る上で最も基盤となるものと認識しておりますので、本県は、震災直後から、国民的な賛同を背景としつつ、県議会の皆様ともども、住宅再建支援制度の創設を訴えてまいりました。こうした取り組みが結実し、昨年4月に、居住安定支援制度が創設されたのでありますが、残念なことに、この制度は建築費本体に充当できないとされておりますので、どうしても不均衡が生じます。したがいまして、本県独自に補完事業を行うなど、公的支援を充実したところであります。


 また、公的支援には、住宅非所有者との公平性や大規模災害時の財政負担などから、その支給水準にはおのずと限界があると考えます。したがって、大震災の教訓を生かす共助の仕組みとして、住宅所有者の助け合いの精神に基づく住宅再建共済制度を実施することとして、お諮りをさせていただいております。


 居住安定支援制度の課題については、本県が全国の先頭に立ってしてまいりました。昨年の台風23号や新潟県中越地震の際にも、新潟県知事とともに、総理を初め関係閣僚に直接改善を求めてきたところです。今後とも、制度の改善に加え、住宅再建支援に係る法体系の整備も含めた総合的な改善を、全国知事会にも賛同を求めながら、機会あるごとに政府及び国会に対して求めてまいります。


 関西3空港問題についてです。


 関西3空港については、3空港が相互に連携・補完しながら、それぞれの機能を発揮していくことが重要です。関西国際空港は国際拠点空港として、大阪国際空港は国内線の基幹空港として、神戸空港は大阪国際空港の容量制約を緩和する地方空港としての役割を果たしていくべきものであります。


 関西の航空需要については、アジア諸国の高度経済成長を背景とした観光ビッグバンの到来の中、世界の航空関係機関では、アジア・太平洋地域の航空需要の年平均伸び率が世界全体を上回る6%程度と予測しています。関西圏は、2,500万人の人口とカナダ一国に匹敵する経済規模を有している拠点でありますだけに、国際都市間競争に打ち勝っていくためにも、アジア諸国等世界の航空整備の状況を踏まえると、3空港5本の滑走路でも私は不足するのではないかと考えているぐらいです。


 関西の復権、ひいては兵庫の発展のため、関西3空港時代を間近に迎えようとしている今こそ、この3空港が一つの国際・国内空港として機能を十全に発揮するよう、その連携・強化に取り組むことこそ今の課題ではないかと考えております。


 国民保護法に基づく県関連条例についてお触れになりました。


 国民保護法は、武力攻撃事態等から国民を守る仕組みを定めたものでありまして、この法律の施行によって関係機関の有事における行動を民主的に事前にコントロールする枠組みができた、このように考えます。私は、このような法律による仕組みがあって初めて、民主主義国家の安全システムが確立したものであると考えるべきだと考えているのです。何もないのは、一番問題だと考えます。


 国民保護法では、武力攻撃事態等における県の主な役割として、住民の避難、救援、武力攻撃災害への対処がありますが、これらは、県が県民の生命、身体及び財産を保護する使命を有することから、県民の安全・安心を守る立場として適切に対処すべき事項と考えます。


 また、知事は、この法律で、国が作成する基本方針に基づき国民保護計画を作成しなければならないとされていますので、県民の生命、身体、財産の保護を第一義に、関係機関との調整を進めながら、国民保護計画の作成に取り組むこととし、そのため、関係条例を今議会に提案させていただいているわけであります。


 なお、自然災害と有事を原因とする災害とでは内容に大きな違いがあることとのご指摘でありますが、災害に対して県民の安全を確保するための方策を講じる点では共通項が多いと考えております。必要な場合には避難訓練等も行い、事前に準備しておくことも必要となる場合があるのではないか、このように考えている次第でございますので、ご理解ください。


 以上、私からの答弁とさせていただきます。


○議長(原 亮介)  藤本副知事。


  〔藤本副知事登壇〕


○副知事(藤本和弘)  私から、3点についてご答弁申し上げます。


 1点目は、住宅復興施策の全面的見直しでございますが、震災からの住宅復興につきましては、ひょうご住宅復興3か年計画に基づきまして、低所得者のための低廉な家賃の災害復興公営住宅等を約4万2,000戸供給いたしましたが、この間、コミュニティ形成につきましては、コレクティブハウジングの導入や全団地のシルバーハウジング化など、災害弱者の居住安定に向けた取り組みを行い、このことがさきの復興10年総括検証においても高く評価をいただいたところでございます。


 また、県営住宅におきますコミュニティ形成支援につきましては、コミュニティプラザの設置・活用、自治会運営の支援等を行ういきいき県住推進員などの活用によりまして実施を図っておりますが、今後とも、団地コミュニティの形成に十分配慮してまいります。


 さらに、ご指摘の民間賃貸住宅家賃負担軽減事業につきましては、民間賃貸住宅に入居をして生活再建を図るために、被災者の初期負担の軽減を図ることにより被災者の生活の立ち上がりを支援することを目的として、家賃補助を行ってきたところでございまして、その所期の目的を達成したことから、既に平成11年度に新規受付を終了しており、予定どおり、17年度末をもちまして当事業を終了することとしております。


 県営住宅の被災者優先枠は今後も継続いたしますし、特に、県外被災者で県営住宅入居希望者につきましては、本県へ戻られることを希望されている方々の希望地の聞き取り調査結果を反映させて、できるだけ希望の多い地域の団地で県外居住者優先枠を設けるなど、募集方法の改善に努めてまいりたいと考えております。


 次に、住宅耐震化の年次計画等についてでございますが、県地域防災計画につきましては、ご案内のとおり、総合的かつ計画的な防災行政の整備・推進を図り、県民の生命、身体及び財産を災害から保護することを目的として定めており、県、市町その他の防災関係機関の業務等について基本的な指針を示しているところでございます。


 したがいまして、計画の見直しにつきましては、諸般の状況の変化を見きわめながら対応することとしております。住宅の耐震化につきましては、民間が主体で、建てかえ、増改築、リフォーム等の機会にあわせて実施するケースが多いことから、防災計画の中に、目標数、年次計画を記載することは難しい面もあると考えております。


 県といたしましては、阪神・淡路大震災の経験を踏まえ、「減災」の重要性から、全国でも先駆的な無料耐震診断や耐震改修助成に取り組んでいるところでございます。今般、国土交通省におきましても、地震による人的・経済的被害を軽減するために、住宅等の耐震化が不可欠であると考えていることから、住宅・建築物の地震防災推進会議を設置いたしまして、耐震化の目標設定や目標達成のための施策の方向を検討されているとこでございます。


 県といたしましても、この国の動向と連携し、平成17年度に見直しを予定しております「ひょうご住宅マスタープラン」の中で、住宅の耐震化の目標等の位置づけについて、今後、検討してまいりたいと考えているところでございます。


 次に、住宅耐震化の推進についてでございますが、民間住宅の耐震化につきましては、平成15年度から、「わが家の耐震改修促進事業」を実施をいたしまして、平成16年度には助成額を最大で50万円まで増額いたしましたし、さらに、低廉で簡便な18のケースを設けまして優良な耐震改修工法を設定し、これに対して補助対象としていることを追加したところでございます。


 来年度からは、耐震診断なしで、すぐに改修工事に着手できる、いわゆるパッケージ方式を新たに採用いたしまして、民間住宅の耐震改修をより一層推進していくこととしております。


 また、バリアフリー化をあわせて行う場合には、「人生80年いきいき住宅助成事業」が併用できることから、このことを積極的にPRをしてまいりたいと考えております。


 さらに、建築士や工務店等へ講習会を開催するとともに、昨年8月に設置いたしました、わが家の耐震改修推進協議会を通じて、広く関係業界や市町の協力も得まして、この事業の普及啓発に努める等、より一層の住宅の耐震化を推進してまいります。


 さらに、今般、国におきましては、住宅の耐震化に関連する法律等について、現国会で審議中の「地域における多様な需要に応じた公的賃貸住宅等の整備等に関する特別措置法案」を初めとして、大きく枠組みの変更が検討をされているところでございます。


 県といたしましては、この法制度の枠組みの変更をも見きわめる必要があると考えておりまして、現時点では、条例を定めることは困難ではないかと考えているところでございます。


○議長(原 亮介)  武田教育長。


  〔武田教育長登壇〕


○教育長(武田政義)  私から、教育問題2点について答弁申し上げます。


 まず、35人学級についてであります。


 小学校1年生の35人学級編制は、就学前教育と小学校入学期とのスムーズな接続や基礎・基本の定着を図るための効果的な指導方法として、今年度から、希望する学校に対し、新学習システムの中での研究指定として35人学級編制を認めることとしたものであります。


 一方、小学校1年生以外での少人数学級につきましては、本県でも、従来から、弾力的学級編制の調査・研究のため取り組みを進めてきたところであります。ご紹介のありました複数学年で実施をいたしております全国34県の中にも、本県は含まれているところであります。


 しかしながら、現時点におきましても、メリット、デメリットがあり、また、今後の国の義務教育改革の動向等についても見守る必要がありますことから、画一的な少人数学級編制を実施するに当たりましては、なお解決すべき課題があると考えているところであります。


 来年度からは、既に取り組みを進めております新学習システムやLD、ADHD等に係る学習障害相談員などの専門家の配置等に加えまして、児童生徒の暴力行為や授業妨害などの問題行動に対応する自立支援活動補助員や生徒指導推進協力員、部活動指導補助員の配置、外国人児童生徒の自己実現を支援する子ども多文化共生サポーターの派遣や、教職員のカウンセリング・マインド実践研修の実施など、今日的教育課題の解決に向けた教職員に対する支援体制のさらなる充実強化を図っていくことといたしておりますので、ご理解いただきたいと思います。


 次に、高校教育改革についてであります。


 本県では、ご案内のとおり、平成10年に設置をいたしました全日制高等学校長期構想検討委員会の審議及び高校教育改革フォーラムでの意見を経てまとめられました報告を踏まえ、平成12年に策定をいたしました県立高等学校教育改革第一次実施計画に基づきまして、個性を尊重する多様で柔軟な高校教育への転換、あるいは生徒の行ける学校から行きたい学校への選択を可能とする選抜システムの構築などをめざす高校教育改革を推進してきたところであります。


 この計画の実施に当たりましては、教育委員会から、事務局において円滑かつ積極的に推進することとの指示を受けており、これまでも推進状況等を教育委員会に報告をし、県民にも公表してきたところであります。


 現在までに、この計画に基づき、総合学科10校、全日制単位制6校など、新しいタイプの学校や特色ある学科を設置いたしましたほか、発展的統合につきましても、4校を対象に既に実施をいたしておりまして、これらの学校では、志願者もふえ、意欲的な生徒が増加するなど、学校が活性化しているところでございます。


 また、ある総合学科高校が実施をいたしました卒業生へのアンケートでは、9割以上が総合学科での学びに満足し、7割以上が「学んだことが卒業後役立った」と回答するなど、高校教育改革は着実に成果をおさめているものと受けとめているところであります。


 後期計画推進委員会において、こうした前期計画の推進状況を検証の上、第一次実施計画に基づき、前期計画と同様、後期計画についても推進することが望ましいとの意見をいただいたところであり、今後も、第一次実施計画に基づき、県民すべてがかかわる兵庫の教育をめざし、学びたいことが学べる魅力ある学校づくりを着実に推進してまいりたいと考えておりますので、ご支援のほど、よろしくお願いいたします。


○議長(原 亮介)  筒井もとじ議員に申し上げます。


 筒井もとじ議員も会派として加入されております議会運営委員会による申し合わせ時間が切迫をいたしております。端的に一問に限って許可をいたします。


 筒井もとじ議員。


○(筒井もとじ議員)  長くなってるのは答弁が長いからです。


 もう仕方がないから、国民保護法制に限って質問いたします。


 国民保護法制は、日本人だけを保護するんですか。外国人はどうするんですか。在日外国人や居住者、これ、どうするおつもりなのか。こういうことも含めて、非常に問題がある。


 第一、本部長があなたになった場合、決めていくこと、協議会を開いていくことに議会は何の関与もできない、こういう制度になっているんではありませんか。75人決める中で、防災会議以外のメンバーを何人入れるのか。その中に、法律の専門家や、あるいはまた弁護士会ですね、あるいはマスコミの関係者、在日外国人、こういう人たちの代表を入れるおつもりがあるのかどうか。これは、国だけではなくて、県の知事の権限で決められることなんです。答弁していただきたいと思います。


○議長(原 亮介)  井戸知事。


○知事(井戸敏三)  国民保護計画の策定に当たりましては、幅広い検討が必要です。したがいまして、ただいまご指摘になりました弁護士や関係機関、あるいは住民代表の方々にもご参画をいただくことといたしておりますし、議会の代表の方にも代表として入っていただくことにしたいと考えております。在日外国人の方は、現在、予定はいたしておりませんけれども、検討をさせていただくことにします。


○議長(原 亮介)  筒井もとじ議員に対する答弁は終わりました。


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○議長(原 亮介)  この際、お諮りをいたします。


 本日の議事は、これをもって打ち切りたいと思います。


 これにご異議ございませんか。


  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕


○議長(原 亮介)  ご異議ないと認めます。


 よって、さように決します。


 次の本会議は、明2日午前10時から再開し、質疑、質問を続行いたします。


 本日は、これをもって散会いたします。


       午後3時0分散会