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大阪府 高槻市

平成17年第5回定例会(第5日12月21日)




平成17年第5回定例会(第5日12月21日)





   平成17年第5回高槻市議会定例会会議録





                             平成17年12月21日(水曜日)





 
 日程第 1          会議録署名議員の指名について


 日程第 2  議案第158号 高槻市無防備・平和都市条例制定について


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〇本日の会議に付した事件


 日程第1及び日程第2


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〇出席議員(36人)


    1番  吉 田 稔 弘 議 員         2番  灰 垣 和 美 議 員


    3番  奥 田 美智子 議 員         4番  橋 本 紀 子 議 員


    5番  杉 本   久 議 員         6番  山 口 重 雄 議 員


    7番  岡 田 みどり 議 員         8番  野々上   愛 議 員


    9番  松 川 泰 樹 議 員        10番  森 田 充 二 議 員


   11番  三 本   登 議 員        12番  林   啓 二 議 員


   13番  藤 田 頼 夫 議 員        14番  久 保   隆 議 員


   15番  中 浜   実 議 員        16番  勝 原 和 久 議 員


   17番  橋 本 恵美子 議 員        18番  中 村 玲 子 議 員


   19番  二 木 洋 子 議 員        20番  小 西 弘 泰 議 員


   21番  角   芳 春 議 員        22番  岩   為 俊 議 員


   23番  稲 垣 芳 広 議 員        24番  川 口 雅 夫 議 員


   25番  岡 本   茂 議 員        26番  福 井 浩 二 議 員


   27番  池 下 節 夫 議 員        28番  根 来 勝 利 議 員


   29番  大 川   肇 議 員        30番  岡 本 嗣 郎 議 員


   31番  小 野 貞 雄 議 員        32番  源 久 忠 仁 議 員


   33番  新 家 末 吉 議 員        34番  久 保 隆 夫 議 員


   35番  段 野 啓 三 議 員        36番  須 磨   章 議 員


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〇説明のため出席した者の職氏名


 市 長         奥 本   務       助 役         寺 本 武 史


 助 役         山 本   隆       収入役         安 満 二千六


 教育長         立 石 博 幸       自動車運送事業管理者  中 寺 義 弘


 水道事業管理者     杉 原   尚       市長公室長       清 水 怜 一


 総務部長        山 本 政 行       財務部長        畠 中 富 雄


 市民協働部長      吉 田 定 雄       福祉部長        伊 藤 和 雄


 健康部長        吉 里 泰 雄       技 監         吉 谷 幸 二


 建設部長        小 西 理 礼       都市産業部長      倉 橋 隆 男


 環境部長        塚 本   晃       管理部長        立 花 正 三


 学校教育部長      米 津 俊 司       社会教育部長      久 米 康 雄


 消防長         浅 野 文 雄


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〇議会事務局出席職員氏名


 事務局長        具 志 裕 一       事務局次長       小 島 善 則


 議事課長        舟 木 正 志       議事課副主幹      山 田 清 好


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〇会議録署名議員


   33番   新 家 末 吉 議 員      34番   久 保 隆 夫 議 員


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     〔午前10時 0分 開議〕


○議長(稲垣芳広) ただいまから平成17年第5回高槻市議会定例会の本日の会議を開きます。


 ただいまの出席議員数は33人です。


 小野貞雄議員から欠席届を、森田充二議員から遅参届を受理しています。


 したがって、会議は成立します。


 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。


 会議録署名議員は、会議規則第81条の規定により、議長において新家末吉議員及び久保隆夫議員を指名します。


 日程第2、議案第158号 高槻市無防備・平和都市条例制定についてを議題とします。


 これより、地方自治法第74条第4項の規定により、条例制定の請求代表者の意見陳述を行います。意見陳述者は、田中充郎さん、山西晴久さん、三好龍孝さんの3人です。


 意見陳述者に申し上げます。


 意見陳述時間は、昨日の本会議で30分以内と決定しています。制限時間をお守りくださるようお願いいたします。


 なお、制限時間の管理は、議場の壁と演壇上に設置されています発言残時間表示器により行います。最初の陳述者の発言と同時に30分を始動させ、陳述者の交代の際には停止します。表示のゼロが消えましたら陳述時間が終了したときですので、発言を中止していただきます。よろしくお願いします。


 また、陳述者の方には1人ずつ登壇して陳述していただきますが、3人の方の陳述が終了した後、そろって退場していただくことといたします。


 それでは、田中充郎さんからお願いします。


   〔意見陳述者(田中充郎)登壇〕


○意見陳述者(田中充郎) おはようございます。請求代表者の田中充郎と申します。条例案の趣旨について補足説明をさせていただきます。


 私たちは、戦争や軍事紛争における多くの人々の犠牲の上に、識者の知恵を1世紀以上かけて積み重ねてつくってきた国際法ジュネーブ条約、特にその追加第一議定書に基づいて、そしてさらに日本国憲法の平和主義の理念を生かした無防備地域条例制定の実現を目指しています。


 第1条では、国際平和を希求し、戦争と武力を国際紛争解決の手段としては永久にこれを放棄するとした平和憲法の理念、非核三原則、ジュネーブ条約という国際人道法に基づき、高槻市がこの条例によって、自治体として市民の平和と安全の責任を負うことを目的としています。


  次に、第2条、市民の平和的生存権についてですが、私たち高槻市民は、あくまでも平和のうちに生存することを求めています。しかし、一たび戦争が起これば、市民の意思に反して生存権が脅かされてしまいます。この間の憲法をめぐる情勢からも、平和的生存権をここで規定することは重要です。


 次に、第3条ですが、この高槻市無防備・平和都市条例の請求署名をした市民たちは、世界と日本の国が国際紛争を武力や戦争で解決しようとする考えや行動に対して反対する意思を示しました。私たちは、戦争に反対の意思を持ちながら、一市民として何もできないのか、何もしなくていいのかと絶えず考えていました。その中で、国際人道法としてジュネーブ条約について学習をしました。そして、ジュネーブ条約第一追加議定書第59条に基づき、憲法第9条の理念のあかしとして無防備地域条例制定を目指すことにしたのです。


 ジュネーブ条約に追加議定書が加わった背景を少し述べたいと思います。国際社会において侵略戦争は違法ですが、国家間の戦争は絶えません。しかも、新しい兵器の出現によって戦争の質が変わり、国境を越えて一般文民の被害が格段にふえてきたことはご承知のとおりです。ここに1つのデータがあります。


 第一次世界大戦では軍人の犠牲者が95%、民間人5%、第二次世界大戦では軍人52%、民間人48%、ベトナム戦争では軍人5%に対し民間人95%となっています。また、戦争の際には自国の一般住民は保護の対象から外され、戦争に協力をさせられてきました。この反省のもとに、追加議定書では、交戦国において両国の一般住民の保護を優先的に考えています。


 次に、この条例の根拠にしている議定書の第59条に規定された無防備地域の条項を説明します。


 第59条の第1項では、紛争当事国が無防備地域を攻撃することは、手段のいかんを問わず、これを禁止すると規定しています。第2項で、紛争当事国の適当な当局は、軍隊が接触している地帯の付近またはその中にある居住地で敵対する紛争当事国による占領のために開放されているものを無防備地域と宣言することができるとしています。


 そして、紛争当事国の適当な当局がその管轄する地域を無防備地域と宣言するための4条件を定めています。(a)すべての戦闘員・移動兵器・移動軍用設備が撤去されていること。(b)固定軍事施設・造営物が敵対的目的に使用されないこと。(c)当局または住民により敵対行為が行われていないこと。(d)軍事行動を支援する活動が行われていないこと。


 つまり、無防備地域とは、戦争から離脱することを認める地域のことです。紛争国の適当な当局が管轄下の地域を無防備地域とし、それを相手国に通告すると、その地域に対する攻撃は禁止され、結果として住民の生命・財産は守られます。


 以上が、私たちがこの条例を求めた趣旨です。


 次に、市長意見書に対する私たちの見解を述べたいと思います。


 第2項に、非核平和都市宣言を行い、非核三原則を遵守し、平和実現の努力をしてきているので、改めて平和的生存権を条例で規定する必要はないという趣旨が書かれています。私たちは、平和的生存権はこの条例案の目的であり、その目的達成のために無防備地域宣言及び平和行政を定めるものであって、本条例案の根幹をなすものです。そもそも、憲法の規定を自治体が市民の平和と安全を守るために実体化する条例を制定することは何の問題もありません。また、自民党の新憲法案では、平和的生存権が削除されており、そうした状況の中では、平和的生存権を実現するための条例を制定するのは自治体の責務であると思います。


 3項目めに、平和事業の推進についても、非核平和都市宣言に基づいて行っているので、改めて条例で規定するまでもないというふうに書かれています。しかし、条例案の平和事業の推進は、条例の趣旨に沿う平和事業の推進、及び無防備地域宣言を広げるために国際交流等を規定したものです。


 平和事業としては、まずジュネーブ条約等の市民への周知、学習があります。昨年6月、追加議定書は国会の承認を受け、ことし2月末、発効しました。第一追加議定書第83条、周知は、締約国は武力紛争が生じているか生じていないかを問わず、自国においてできる限り広い範囲において諸条約及びこの議定書の周知を図ること。また、軍隊及び文民たる住民に周知させるため、軍隊の教育の課目にその学習を取り入れること。並びに、文民たる住民によるその学習を奨励することを約束する、と締約国に周知と学習を義務づけています。この義務は、批准した日本政府が責任を持って推進することはもちろんですが、地方自治体もその一端を担うべきものと考えます。国際人道法を批准した国の地方自治体として、新たな平和事業推進が問われているものとの認識に立って、条例案に盛り込んだ趣旨をご理解いただくようにお願いいたします。


 4項目めに、無防備地域宣言は国の見解によると、防衛に責任を持つ当局、すなわち国において行われるべきもので、地方公共団体が当該宣言を行うことはできないという趣旨が書かれております。しかし、ジュネーブ条約第一追加議定書第59条2項は、紛争当事国の適当な当局が無防備地域宣言をできると規定しており、国家に限定していません。当局とは、原文でauthorities、sをつけて複数を示しています。赤十字国際委員会の解説集では、町長、市長、知事といった地方民政当局から出されることがあり得ると明記しており、国しかできないというのは、日本政府の赤十字国際委員会の公式解釈を無視した見解にすぎません。国の見解は法令ではなく、市長は住民の安全を守るために何が必要かを判断すべきと考えます。


 また、あえて掘り下げるなら、赤十字国際委員会は、自治体が宣言できる条件として、軍当局との完全な合意を挙げています。他の都市では、この条件をとらまえて軍隊である自衛隊の指揮権を持つ国が同意するはずがないから、市が宣言しても無効としています。しかし、ジュネーブ条約第一追加議定書では、第56条第3項において、文民たる住民及び個々の住民はすべての国際法の保護を受けると規定し、政府の意向にかかわらず住民の決定は尊重されるべきものとしています。加えて、軍隊はその任務の必要性から何をしてもよいのではなく、戦争のルールと文民保護を定めた国際人道法ジュネーブ諸条約の範囲内でしか軍事行動ができません。ジュネーブ条約は、あくまでも住民保護を貫くことを紛争当事国と軍に求めているのです。


 したがって、地域住民の安全に責任を持つ適当な当局である自治体が無防備地域宣言を行えば、政府と自衛隊はそれを認め同意しなければなりません。それが初めて自国民の文民保護を規定したジュネーブ条約第一追加議定書を批准した日本政府の憲法第98条に基づく条約遵守義務なのです。


 さらに意見書では、宣言は市が行うべきものでないので、地方自治法に抵触すると言っています。しかし、市の事務ではないという根拠は、国際的に非常識な日本政府の勝手な見解に基づいているにすぎません。地方自治法第1条の2では、自治体の事務を住民の福祉を基本とし、地域における行政を自主的かつ総合的に実施、と規定し、国については、本来果たすべき役割を重点的に担い、住民に身近な行政はできる限り地方公共団体にゆだねるとしています。


 有事の際の住民の生命、財産を守ることは、自治体にとって最優先事項であり、住民の福祉の増進そのものであり、住民に身近な行政そのものです。したがって、この条例案が市の事務であることは明白であり、地方自治法に抵触するどころか、その趣旨を実現するものです。


 現に、神奈川県大和市は、自治基本条例において第6条で法令の自主解釈を定め、国の見解に頼ることなく地方自治の本旨に即した解釈と運用がこれからの自治体法務であるとし、第29条で米軍厚木基地移転を設け、一部、国防政策に踏み込んだ条例を制定しています。


 大和市でできて高槻市でできないことはありません。市長は、何ら根拠のない政府見解の引き写しでなく、自治体首長として住民の平和と安全に責任を持つ立場からこの無防備・平和都市条例を制定すべきです。


 5項目めに、戦争に協力する事務を行わないことは、武力攻撃事態対処法や国民保護法で定める地方公共団体の責務に係る事務を行わないことを条例で定めることになり、地方自治法に抵触するとあります。


 この見解は、武力攻撃事態対処法や国民保護法で定める地方公共団体の責務が戦争に協力する事務であることを明言したものであり、これらの法律が戦争放棄を明記した日本国憲法に抵触していることを端的に表明したものと考えられます。事実の認識としては、私たちも市長と同様の見解に立つわけですが、逆にそうであるならば、日本国憲法を守る立場で戦争に協力する事務を行わないとするのが公務員としての責務であると考えます。また、自衛隊はその任務を自衛隊法第3条で、国に対する侵害排除としており、主任務は戦闘です。ですから、本条例の想定する有事となれば、住民を保護するわけでも、災害の復興をするわけでもありません。事実、鳥取県の住民避難シミュレーションでは、我々は侵害排除が仕事、住民避難は自治体と警察でとし、作戦行動の邪魔にならない限りにおいてしか道路は住民に使わせないと自衛隊第8普通科連隊長は明確に言っています。したがって、平時では災害復興で一定の役割を果たしているとしても、有事では武力を行使する戦闘集団になることは明白です。有事における軍事行動に協力することは沖縄戦の教訓が示すように、市民の平和と安全を損なうものであり、地方自治体の責務を放棄するものであると言わざるを得ません。


 以上、市長意見書は、本条例案の制定趣旨やジュネーブ条約第一追加議定書の文民保護の趣旨並びに憲法第98条の条約遵守義務を理解しないものであると言わざるを得ません。しかし、市長は私たちの平和への熱意を理解し、市民の平和と安全を確保することは地方自治法の最も重要な責務と述べておられるので、本意見陳述の内容を十分ご理解いただけるものと思います。市長と市当局、並びに市議会議員の皆様には、住民の平和と安全を守る立場に立って、高槻市としての主体的で賢明な判断と議会審議をお願いをして陳述を終わりたいと思います。ありがとうございました。


○議長(稲垣芳広) 次に、山西晴久さん、お願いします。


   〔意見陳述者(山西晴久)登壇〕


○意見陳述者(山西晴久) 皆さん、おはようございます。請求代表者の山西と申します。この機会を与えていただきましてありがとうございます。では、私の意見を述べさせていただきます。


 先日、映画を見ました。「亀も空を飛ぶ」という題名で、現在の戦禍の中にいるクルディスタンの子どもたちを描いた映画です。地雷にやられたのか、劣化ウランによる影響なのか映画は語ることはしませんが、片足のない子ども、両腕のない子どもたちが生活のために地雷を堀り起こしています。雨が降っても傘などあるわけでなく、文字通り着のみ着のまま、ぬれ細ぼった体をテントの毛布に預けます。夜中に虫歯がうずけば灯油を口に含み、それで痛みがおさまったのでしょうか。表情を変えることもなく傍らに吐き出します。水で口をすすぐわけでもなく、何事もなかったかのようにそのまま寝入る姿をカメラは淡々と追います。


 戦禍に追いやられた彼らに頼るべく大人も戻るべく場所もなく、彼らを待ち受けるのは、当てのない絶望という名の日常が延々と続き、その過酷なテント暮らしから逃れるすべもありません。


 映画の方は、私たちを悲惨な結末に導くわけですが、映画の中だけでなく、今を現実として戦禍の中で生きる彼ら、子どもたちを前にして、私はみずからの無力感をさらすだけです。映画館で泣いて、それはそれで済ますこともできるかもしれません。しかし、日本で、この町で、私たちが守るべく愛する人を、かの地の彼、彼女たちと重ね合わせて考えれば、できることならこの身をもってかわってやりたい、怖がらなくてもいいと抱きしめてやりたいと思う心、それが人の情けであり、愛情の自然な発露であると思うのです。


 想像してみてください、戦禍の外にいる私たちが愛する人のことを思うことと、過酷な境遇に置かれている彼、彼女たちのことを同じ地平で考えておれば戦争は起こらなかったかもしれないし、劣悪なテント暮らしはなかったかもしれないし、腕や足、さらに命も失わなかったかもしれないということを。今の私には戦禍にまみれる彼、彼女たちに手を差し伸べることはできません。戦争がなくなり、平穏なあすがあることを信じられるよう、ただ願うばかりです。


 さて、第二次大戦以降の現代の戦争での死者の実に75%は民間人であるといいます。戦争に勝った、負けたと関係なく、戦争で死ぬのは武器を持たない民間人が圧倒的多数であるということです。国家という組織が始めた戦争でも、傷つき、倒れ、人殺しをするのも個人です。


 ベトナム戦争当時で、米兵の戦死者より帰還兵の自殺者の方が多いということが、このことを死者は静かに物語っています。国が始めた戦争のしりぬぐいは国民一人一人に負わされるということを私たちはもう既に十分学んでいるはずです。


 さきの戦争で、この国において、父や兄が、弟が兵隊にとられたとしても、空襲など直接的な攻撃を免れた町があることは、その町に共通した理由があるはずです。本議会に上程されました無防備地域宣言がその理由の1つになるとは考えられないでしょうか。さらに、この無防備地域宣言が世界じゅうのすべての町に行き渡り、戦争のない理想とする世界を実現できると想像するのは夢想家だけのことでしょうか。無防備地域宣言がこの高槻で成立しても、なお戦禍の中で苦しんでいる人々に、すぐさま利益があるとは正直思えません。しかし、映画の中で出会った彼、彼女たちが大きくなったとき、遠くの海を隔てたこの町が戦争のない世界をつくるための道しるべへの一歩を勇気を持って歩み始めたことを知るでしょう。


 本議会にお集まりの議員の方々にお願いです。戦争は、つまるところ人殺しです。国家組織による戦闘行為での人殺しで、社会的に免罪されても、あるいは栄誉とされても、その人殺しの事実は生涯つきまといます。正義の戦争、正義の人殺しがいいわけはありません。この国の防衛予算は世界で2位か3位とのことです。憲法によって軍隊はあってはならないはずが、世界でも突出した軍備を持っている。憲法ですら守られていないわけですから、戦争への足かせは二重にも三重にも幾重にもあるにこしたことはありません。国が最終的に守るべくとするのは、恐らく国体の維持でしょう。しかし、地方自治体、高槻市にありましては、最優先に考えなければならないのは市民の安全の保障であると考えます。市長の出した意見書は、つまるところ前例の踏襲、ほかの市との横並びであり、これでよしとするか、市民の生命を最優先に考え、さらなる平和への取り組みを始めるか、議員の方々一人一人の個人の意思で、勇気と誠意を持って判断下されますよう、切にお願いいたします。


 海の向こうで、今は暗闇でも朝が来ることを待ちわびている子どもたちがいることを想像してください。以上が映画で出会った子どもたちに励まされて書いた私の意見書です。


 以上です。


○議長(稲垣芳広) 次に、三好龍孝さん、お願いします。


   〔意見陳述者(三好龍孝)登壇〕


○意見陳述者(三好龍孝) 上牧町の本澄寺住職の三好龍孝と申します。今回の無防備・平和都市条例の請求代表者の一人に加えていただきまして、それで発言の機会を得まして、本当にありがとうございます。


 今、我々の請求と、それから市民の皆さん、あるいは議員の皆さんとの間に、いろいろな幾つもの理解の壁があるようなことをいまだに思っております。私の僧侶という立場は、亡くなった人の回向ということで、前の戦争からもう60年を経ているわけですけども、亡くなった人のことを一心に、特に8月の敗戦のときとか、そういう機会になりますと、いつもそちらの方に向いて考えるものですから、そういうところから考えておりまして、今2人の方は主に前の方に向いて、私は後ろも引きずって前を向いていこうというふうに思っておりますので、随分と皆さんにご理解いただくのに壁があるのではないかというふうに思っておりますが、私の意見陳述をさせていただきます。


 平和の活動は、高槻市でも常々心がけており、既に非核平和都市宣言というものがあって、そして、それでもう十分ではないかというのが市長さんの意見書で、そういうふうにお考えのようですし、議員の皆さんも大変良心的な皆さんであっても、そういうふうにお考えかもしれないというふうに思うのですが、私たちの今回の請求は、そんなことでは、60年前の敗戦のことを思いますと、日本の平和は守れないのではないかというふうなことを訴えたいのであります。


 我が日本国は、60年前に戦争で敗北したのですが、原爆を広島、長崎に落とされたから負けたと。それで、そのことを深く熟慮するがゆえに非核平和都市宣言をして、平和のために私たちは努力しているんだと。それで、今十分ではないかと。この無防備というのは何かおかしなものではないかというふうに、あるいはお考えかもしれません。


 実は、私も、亡くなった人の回向はしておりますが、戦後生まれでありまして、じかの戦争体験者ではございません。しかし、これは今の非核だけではとてもだめなんだというふうに思います。それは、原爆を落とされる前、昭和20年3月10日の未明、前の日から米軍のB29の編隊はやってきたわけですけども、零時8分から、およそ2時過ぎまでの東京大空襲がありまして、その後、全国の都市が空爆を受けております。これは木造住宅――民間人が住んでいるだけのところです。軍事施設のないところをねらって、そして民間人への無差別戦略爆撃というのをやられたわけです。軍人は、これをやられたら日本は負けるだろうというのは、戦争を始める前から大体わかっているわけです。真珠湾の前からわかっていたと思います。そして、3月10日未明の東京大空襲では、2時間という間に10万人の人が焼け死んでいるわけです。ですから、原爆はほぼ一瞬だったと思いますけども、それが2時間という間の目に見える形、体験して語れる形で、しかも10万人が既にこの3月10日にやられているわけです。物すごい熱風で人間の体に自然に火がついてみんな燃えていったという。ですから、やはり私たち日本人は、原爆を越えているこの体験から、本当にそこから見ていかないといけない。


 これは、民間人のところをねらっているわけですから、軍事目標は外されているぐらいでいってるわけです。ですから、これはジュネーブ条約以前に、自然法としての国際法違反なんだと。それを日本人は強く持ったと思うんです、このときに。


 そういうことでいいますと、いかにして戦争に勝つかということになると、日本は敗戦したけども、それから20数年後に、ベトナムがベトナム戦争ではなぜ勝利したかというと、大きな枠組みの理由としては、米ソの冷戦構造というものがありまして、国際監視の状況下で、民間人へのそのような日本に対して大空襲やられたような、そして完璧な無差別攻撃というものは、国際世論の上ではとてもこんなのは自然法でおかしなことですからできないという枠組みがあったから、これは勝てないんです。それで、そういうものが決定的にあったから、ベトナムは勝利しているわけです。


 日本は悪人国と決めつけられて、全然、国際世論の支持も何もなかったですから、これはやりたい放題にやられて、そしてあげくの最後の原爆なんていうのは、科学実験の材料にされているものです。日本は東京大空襲から始まって、大体、敗戦は決定してますから、日本の政策決定者もこれはどこかでとめないといけないと思っていたはずなんです。そうして、最後に落とされたのが原爆だけです。ですから、我々は、そんな目の前のほんの目立つところだけをもとにして発言していたのではいけないのであります。


 私は、この10年間、沖縄の戦争体験を伝える県民映画の「GAMA−月桃の花」の上映運動をずっと続けておりますけども、沖縄戦も艦砲射撃、とにかく一木一草、全部艦砲射撃でまず破壊すると。あと、とんぼという偵察機で動くものがあれば全部空爆でやると。そして、艦砲射撃もどこを撃てということをやるわけです。全部地上のものをなくしたら、軍人も民間人もみんな洞窟の中に入ったわけです、沖縄は自然の洞窟がありますから。そこへどうするかというと、そういう民間人との区別のない、日本人というただ人間の集団に対して馬乗り攻撃というので、上から削岩機であけて爆雷を落とすという。その後で、次は黄麟弾というナパーム弾で焼くわけです、焼夷弾の一種なわけですけど。そして最後に毒ガスを放り込んで、それでもう全部殺してしまって、だからそういうやり方で、あと残ったのだけが出てきなさいという、そういう映像がありますけども、民間人への無差別攻撃です。明らかに毒ガスを使っておりますけども、ひめゆり部隊の洞窟でも毒ガスの話は当然出てくるわけです。そういう禁止兵器であるとか、無差別攻撃とかをやらなかったら絶対に勝てないわけです。


 沖縄では21万人の人が死んでいますが、このうち1万人が米軍です。日本人が20万、米軍が1万と。原爆で100万人の米軍の死者を救ったと言いますけど、これは沖縄の100倍のことをやらなかったら日本は屈伏しないだろうということ。そういう計算で、沖縄で米軍が1万人死んでますから、日本全部沖縄みたいなやり方で勝とうと思ったら100万人米軍も死なないといけない。日本人だったら20万人沖縄で死んでますから、2,000万人死ぬと。だから、それを無条件降伏で、日本はそこで沖縄だけがそういう被害を受けてとまったわけです。


 こういう負け方をした日本国人として、非核平和都市宣言をして平和のために高槻市は努力してますと言っている、こんなことでは私はいけないと思います。やはり日本国民ならば、無防備地域宣言という、国際法の民間人への無差別攻撃を絶対に許さないという明確な発言をしなければならないでしょう。それでこそ、日本人の誇りと名誉の歴史を子々孫々伝えることができるというものです。そうでなければ、東京大空襲や沖縄戦を初めとする戦争体験をいかに伝えることができるでしょうか。


 かつて、日の丸の旗の波で、正しいと信じた皇軍を送り出した日のように、日本の全国の市町村から無防備・平和都市条例の旗を、まずこの高槻でぜひ立てていただきたい。そして、全国の市町村がそういう旗を立てて、その世論の力で、日本人は本当に戦争が何かということ、そして平和の外交官をその旗の波の世論の力で送り出さないといけない。


 このことは、完全武装の軍隊を送り出した昭和16年の真珠湾攻撃のときよりも、今はるかにもっと、より武器を使わないことにおいて、より大きな勇気と決意が私たちに求められていると、そういうふうに国際情勢のもと思います。


 そして、署名運動をやっていたときにはいろいろな妨害があったりして、非常に弱々しい集団だからおどしをかければ黙るだろうと、そういうことではなくて、本当にこれをやらなければ、そんなことで今の状況を我々が生きていくとしたら、我々日本人は戦後ずっとぼけてきたんではないかと。もう私なんかは50何歳、戦後ずっとそういうところでこの歳になっております。本当にいろんな日本の今の状況、社会の状況、そして、これからの若い人のこととかを思いますと、この戦争のことというのは日本の社会のあり方にかかわっている、そして、私たちがどこから物事を発言しなければいけないか、そういうことにつながっていることでございますので、ぜひ熟慮していただきまして条例を可決していただきたいと思います。どうもありがとうございました。


○議長(稲垣芳広) これで、意見陳述は終わりました。


 意見陳述者の方々は退場してください。ご苦労さまでした。


 しばらく休憩します。


     〔午前10時32分 休憩〕


     〔午前10時33分 再開〕


○議長(稲垣芳広) 再開します。


 これから質疑に入ります。


○(大川 肇議員) 無防備・平和都市条例制定についての市長意見について何点か質問をいたします。


 1つは、署名に託された市民の皆さんの意見をどう受けているかという問題です。


 1万2,518人の市民の皆さんが、戦争のない世界を何とか実現をしてほしい、それを求める流れの上に立って、高槻市に対して条例制定の直接請求をされたものです。請求に当たっての文書の中には、年配の方々の悲惨な戦争体験、最近の憲法改正議論に対する危機感、子どもたちに対する平和な町を残したいという思い、願いなどが、平和の強い思いとして込められていると書かれています。市長は、直接請求に寄せられた平和を願う市民の声をどういうふうに受けとめておられるのか、まず最初の質問とします。


 2つ目は、憲法第9条の役割、そして評価についてです。


 市長の意見は、憲法の前文を引用されて、平和的生存権、こう規定しているから条例の必要性はないというふうに述べておられます。しかし、憲法第9条は国際社会の平和秩序、とりわけ東アジアでの平和と安定の秩序をつくる上での指針として今、評価する動きが広がっています。


 例えば、ことし7月に行われたGPPAC、武力紛争予防のためのグローバル・パートナーシップの国際会議が世界118か国のNGOの諸団体が参加をして行われました。採択された世界行動宣言、ここでは世界には規範的・法的誓約が地域の安定を促進し、信頼を増進させるための重要な役割を果たしている地域がある。日本国憲法第9条は、アジア太平洋地域全体の集団的安全保障の土台となってきた、と第9条を平和の土台として高く評価をしています。それに先立って、2月に採択されたGPPACの東北アジア地域行動宣言、ここでは、第9条の原則は普遍的価値を有する、そして認知されるものであって、東北アジアの平和の基盤として活用されるべきであると述べています。憲法第9条が持つ今日的な国際的意義について市長の考えをお聞きします。


 最後の問題は、平和に関する施策について条例化をする問題です。


 非核平和都市宣言で、高槻市は、世界の恒久平和は人類の願いである、また、地球上から核兵器を廃絶することを願い非核平和都市宣言となることを宣言しています。市長意見は、平和展を毎年開催して戦争の悲惨さ、平和のとうとさを市民に訴えてきたということも書かれていますが、それをより実効性のあるものにするために、今回、直接請求された条例を制定するべきだと考えますが、市長の答弁を求めます。


○総務部長(山本政行) ご答弁を申し上げます。  他の部局と関連いたしますが、調整の上、私の方から一括してお答えを申し上げます。


 まず1点目の、この直接請求に寄せられた市民の声をどう受けとめるかということでございます。


 先ほどもございましたように、今回の直接請求では、署名総数として1万3,574筆、有効署名数として1万2,518筆にも上っておりまして、この署名にあらわされた平和に対する市民の強い思いにつきましては真摯に受けとめております。意見書でも述べておりますけれども、恒久平和は人類共通の願いであり、市民の生命と財産を守ることは地方自治体の重要な責務であると、このように考えております。


 2点目でございます。憲法の基本理念である平和主義、国際協調主義といった考え方につきましては、将来にわたってこれを堅持すべきものと考えております。


 3点目でございます。今回、直接請求されている条例を制定することにつきましては、意見書でも述べておりますとおり、現行法の枠内では条例の制定権に限りがあり、地方自治法に抵触するような条項を規定する本条例については制定することは無理である、このように考えております。しかしながら、非核平和都市宣言に基づき、平和を愛する文化都市として平和展を初めとするさまざまな事業を行うことにより、世界平和に向けた国際交流事業や平和教育のさらなる推進に努めてまいる所存でございます。


 以上でございます。


○(大川 肇議員) 署名に託された市民の思いを真摯に受けとめる。そうするなら、条例を制定すべきだと思うんです。市民の皆さんの平和への取り組み、また安全確保、高槻市自身が平和への取り組みを進めることが重要な責務、こういうふうに考えるならば、それ自身も私は具体的に形にすることが大事ではないかというふうに思うんです。それは条例ではないと市長はおっしゃるわけですから、だとするなら、どんな取り組みが必要と考えておられるのか、改めて答えていただきたいと思います。


 2つ目は、今、世界で、そしてアジアで、国と国の紛争については、武力行使だとか戦争ではなくて、ましてやテロではなくて、話し合いで解決する方向というのが広がっていると思いますし、かつて1990年代の半ばに、フィリピンでは南シナ海で海洋資源をめぐって中国と武力紛争、武力衝突の危機が高まった時期があります。しかし、対話と共同の中で、現在はベトナムも含めて3か国で共同と協力の関係が築かれて、共同で開発を進めています。


 国と国との紛争、同時に国と国の問題、これは平和的に解決をする。そのためにも、日本の憲法第9条の考え方、これを守っていかなければならないというふうに思います。周辺ガイドラインの法律が制定されました。続いてテロ特別措置法、イラクの特別措置法と3つ、自衛隊海外派兵の根拠となる法律がつくられました。しかし、憲法第9条がまだあるからこそ、そこで日本が武力攻撃を行うことができないという歯どめになっています。提案されている条例の前文ではどう書いてあるかといいますと、憲法第9条を高槻の地から実現をし、そして、またこういうふうにも書かれています。市民だれもが平和と安全のうちに暮らせる町とするとなっています。この平和憲法を高槻に根づかせよう、こういうふうに考えておられるのかどうかお聞きをします。


 条例の制定は、法との、国との関係で無理だという答弁でした。しかし、自治体独自に制定できるという考えもあります。できないということではないというふうに私は主張しておきたいと思います。


 以上です。


○市民協働部長(吉田定雄) 平和に関しての取り組みでございますから、私の方からご答弁申し上げます。


 まず、1点目の関係でございます。先ほどもご答弁申し上げておりますように、市長の意見書でも申しましたとおり、今後とも非核平和都市宣言に基づき、市民一人一人に平和のとうとさを伝え、広く人々の中に平和のとりでが築けるよう、平和に関するさまざまな施策、事業を推進していく考えでございます。


 次に、憲法の問題でございます。日本国憲法の平和主義、国際協調主義といった基本理念は、同時に、世界の恒久平和実現のための国際社会における基本理念でもございます。本市では、昭和58年に憲法の平和主義に基づき非核平和都市宣言を行い、平和を愛する文化都市として世界のすべての国が非核三原則を遵守し、地球上から核兵器を廃絶することを願い、臨界前核実験を含むすべての核実験に対し、その実施国に抗議、あるいは中止要請を行ってきたところでもございます。


 また、風化しつつある戦争の悲惨さを語り継ぎ、平和を希求する市民の願いを結集し、真の恒久平和を目指すために、戦後50周年記念事業として城跡公園での平和モニュメントの設置や、戦争の悲惨さと平和のとうとさを訴え、非核・平和の精神が多くの市民に定着することを目的に、去る昭和60年から毎年平和展を開催するなど、さまざまな取り組みを行っており、今後とも、平和な国際社会の実現に向けて積極的にアピールしていきたく考えております。


 以上でございます。


○(大川 肇議員) 私は、平和を求める、そして、その思いを託され署名をされた市民の方々の思い、これは戦争に反対して、ぜひ平和を求めてほしいというものだというふうに思うんです。その思いを受けて、市の姿勢として条例制定に向けた努力をすべきではないかというふうに思います。


 条例制定が、国民の宝である第9条、これを世界の平和を愛する人々の希望の星として今後も輝かせてほしい、草の根で守ってほしいということにつながっていくというふうに思うんです。そういう点では、あす、総務消防委員会で議論が行われます。条例を制定できるように、慎重に委員会でも議論していただきたいということをお願いして質問を終わります。


○(小西弘泰議員) 市長の意見書に対して若干質問いたします。


 市長の意見書は、結論的には、いろいろやっているから必要ないということと、それから地方自治法に抵触するからできないという、この2つに要約されるわけですけれども、まず第1に、平和的生存権というものについて質問いたします。


 憲法の前文にあるように、全世界の国民が等しく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認するという規定があるということで、平和的生存権そのものは認めておられるということのように思えます。問題は、その平和的生存権というものが現実にどんな状態にあるのか、本当にそれが憲法の前文に保障されたようなものとして現実に有効な役割を果たしているのかという問題です。私は、今、平和的生存権というものが極めて危機的な状況にあるというふうに考えます。ここは単に、この平和的生存権というのは、日本の国民あるいは住民だけではなくて、全世界の国民というふうになっているわけです。現実に、イラクにおいて、あるいはアフガニスタンにおいて市民が無差別に殺され飢えている状況の中で、平和的生存権というものが本当に生かされているのかどうか、これはもう考えてみたらわかることであって、何一つそれは守られておらず、それを踏みにじっているのはアメリカ帝国主義と、それに加担している日本の政府なわけです。


 また、日本の国内においても、あるいは日本国民においても、その平和的生存権というものがきちっと保障されているのかといえば、そうじゃない。イラクの自衛隊は、サマワは比較的安全なところだなんて言われておりますけれども、現に10回も迫撃砲による攻撃を受け、そして先日は、3,000名からの市民のデモが行われて自衛隊の車が壊されるという事態もあり、占領軍の一員として憎しみの的になっているわけです。それは、単に自衛隊だけではなくて日本人、あるいは日本国そのものに向けられているわけであって、既にイラクでの日本人の自衛隊以外の旅行者その他が武装勢力によって拘留されたり、あるいは殺されたりしている。また日本においても、いわゆるテロの危険性というのが高まっていると。いつ何どき我々も攻撃されるかもしれない。しかし、それに対しても文句言うことはできない。なぜなら、それは日本政府がイラクの民衆に対してアメリカと同じことをやっているからであって、そうしたことによって、日本国内においても私たちの平和的生存権というものが、今、脅かされているのが現実ではないかと思うわけです。


 したがって、憲法前文に書かれているからということで、もう必要ないということではなくて、書かれているにもかかわらず、それが現実に空文化しているからこそ、条例においてそれを制定することが必要なのではないかというふうに私は考えるわけですけれども、これについての考え方はいかがでしょうか。


 それからもう1つ、平和事業の推進についても、もうやっているから要らない、条例で規定する必要はないというふうなことを言われますが、これは極めて消極的な姿勢であって、むしろ今、部長が述べられましたように、そういう平和活動というものを高槻市がこれまでもやっており、今後も一貫して続けていくのであれば、そのことを条例によって根拠づける方がはるかに安定して、今後、継続的に、また積極的に行っていくことができるのではないか。なぜ、みずからがやってきており、これからもやろうとしている正しいことを条例にうたうことをためらうのか、やはりそれは極めて後ろ向きの姿勢であるというふうに言わざるを得ないと思うわけですけども、これについてはいかが考えられるか。


 その次に、無防備地域宣言ということについては、これは国が行うものであって自治体が行うことができないというふうになっていて、そして、それを行うことは地方の権限を超えたものであるというふうに言われますけれども、今、条例の提案者からの説明によりますと、ジュネーブ協定の追加議定書においては、国でなくてもそれはできると。町長、市長、知事といった地方民政当局からも出されることがあるというふうに明記されているのであって、そのことを日本政府は批准しているわけでありますから、それに反するようなことをする、あるいはそれと違った見解を出すということは、その協定を批准した立場と矛盾するのではないかと思うわけですけれども、この点についてはいかが考えられますか。


 その次に、戦争に協力する事務を行わないというのは、これは国の決めた法律に反するから、これも自治体ではできないというふうに言っておられます。確かに、武力攻撃事態法であるとか、あるいは国民保護法制であるとか、その他8つばかりの有事法制が一昨年から昨年にかけて制定されましたけれども、それ自身が憲法の第9条に違反することはもとより、地方を国の始めた戦争に協力させることを義務づけるという内容があって、これは完全に地方自治法にも違反しているわけです。


 また、いざとなれば、家から土地から道路から、すべてを自衛隊が強制的に接収することができると。高槻市が今、つくろうとしている防災公園にしても、あるいは市長の目玉であるサッカー場を持った都市公園にしても、これもいざとなったら、全部、市の許可なく、管理者である市長の承認を得ずに、自衛隊がそこに陣地をつくることができるというふうになっているわけです。このことはもう既に私が指摘し、市長公室長はそのとおりでありますというふうに言って開き直られました。これは財産権、あるいは基本的人権というものも奪うものであって、完全に憲法のあらゆる条項に違反した、徹頭徹尾、憲法違反の法律なわけです。その法律があるからできないんだというふうに言うことは、悪法も法であると。決められた以上守らなければならないという立場だと思うわけですけども、そういう考えを市はとっているというふうに考えていいのかどうか、私はそれは間違いであると。憲法に違反した法律については、これは認めることはできない。憲法にのっとったような条例を制定することこそが正しい地方自治体の責務であるというふうに考えますが、この点についてはいかがお考えか、お聞かせ願いたい。


 それから、最後に、この署名活動が行われるに当たって、市の方からさまざまな妨害が入ったと。2度にわたって署名活動をするなということで妨害されたというふうに聞いておりますが、一体これはどういう事態なのか。条例制定を求める市民の正当な法律に基づく政治活動に対して、市当局がそれを積極的に協力するのではなくて、むしろ妨害に出たということはゆゆしき事態だと思いますけれども、これについての詳細と見解をお聞かせ願いたい。


 以上です。


○市民協働部長(吉田定雄) 平和的生存権につきましてのお尋ねでございます。


 このことにつきましては、日本国憲法の前文で、今もありましたように、我らは全世界の国民が等しく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認すると規定されているところでございます。本市といたしましては、市民の生命、財産を守るために全力を尽くすことが重要であると考えておりますが、意見書でも申し上げておりますように、防衛に関する措置は国において行われるべきものと考えております。しかしながら、平和と安全を保障するには、戦争は紛争が起きないように世界が協調していく努力をするということが第一であると考えております。平和のとうとさを生活の中に、地域や社会に定着させていくことが重要であり、現在、取り組んでおります平和施策、そういったものについて、平和意識の高揚、定着を目指す啓発や事業の取り組みが大切であると考えております。


 条例で確認することについてでございますが、意見書でも述べたとおりでございまして、それぞれの見解の違いがあるものと思います。


 それから、無防備の宣言についてのことでございます。


 これらにつきましては、特定的な形の条件のもとに、一部特定の都市が宣言を行うことができるというところもありますが、それらは、総じて国の見解によりますとおり、防衛に関する部分については、国の措置というふうに考えております。


 以上でございます。


○総務部長(山本政行) 3点目の件でございます。


 世界の恒久平和は人類共通の願いでございまして、市民の生命と財産を守ることは、地方自治体の重要な責務であると、このように考えております。憲法第92条では、地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基づいて法律でこれを定めるといたしておりまして、また第94条では、地方公共団体は法律の範囲内で条例を制定することができると、このようにされております。そして、地方自治法では、意見書でも述べておりますように、第14条第1項におきまして、地方公共団体は法令に違反しないかぎりにおいてその権限に属する事務に関し条例を制定することができる、このように規定をいたしております。したがいまして、法令に違反する条例は制定できない、このように考えております。


 それから、武力攻撃事態対処法、また国民保護法等につきましては、あくまでも憲法の枠内で制定されている、このように我々としては認識をいたしております。したがいまして、先ほどもお答えいたしましたように、法令に違反する条例は制定できない、このように考えております。


 それから最後に、署名活動に妨害が入ったというご指摘でございますが、我々としては、あくまでも市の庁舎管理規則に基づいて対応したと、このように考えております。


 以上です。


○(小西弘泰議員) 平和的生存権の問題ですけど、私が先ほどから言ってますように、現実にそれが脅かされているという事態を言っているわけです。今、部長が答弁されましたように、一般的に平和と安全を保障するには、紛争が起きないように世界が協調していく努力、あるいは平和のとうとさを生活の中に、地域や社会に定着させていくことが重要であるというふうに言っておられるのは、それはそれで一般的には間違ってはいないだろうと思うわけですが、現実には、今、日本政府が戦争政策をとっている。具体的には、イラクへの自衛隊の派遣は、もう既に2度にわたって延長されていると。こういう事態の中で、平和的生存権がどうなっているのか。日本国内においては、沖縄の基地はどうなのか。沖縄は、戦後60年間ずっと一貫して実質的に米軍の占領状態に置かれ、基地の75%があの小さい島に密集して、沖縄の人たちは、それによって数知れず命を落とし、あるいは強姦され、もう本当に基地によって生存権そのものが完全に踏みにじられているというのが現実ではないですか。そうした現実を無視して、一般的に世界が協調していくとか、あるいは平和のとうとさを地域や社会に定着させていくというふうなことを言っても、それは無意味であって、現実に起こっているそうした平和を脅かす諸行動に対して、それと闘っていくということが、唯一、平和を守り戦争を防ぐ手段だと私は思うんです。そういう意味では、今の沖縄の名護の辺野古沖に米軍基地の再編ということで巨大な空港をつくり、一層沖縄を新しい軍事基地として強化するような動きに対して、沖縄の人たちが命を張って、おじい、おばあが連日、座り込みをやって、体を張って闘い抜いている。この闘いこそが大事なわけでありまして、そこを高槻市の今度の条例においては、無防備・平和都市ということで言っておられますけれども、やはりそういう闘いを高槻の中においても私は起こしていかなければいけないだろうと思います。


 要するに、もう一遍お聞きしたいことは、そういう抽象的なことではなくて、具体的にイラクで、アフガニスタンで、沖縄で起こっている事態は、平和的生存権を脅かす事態ではないのか、その事態についてどう認識しているのかということを私は尋ねているのであって、それについてのお答えをいただきたい。


 それから、その無防備宣言というものは、国がやるものだと、市はできないというふうに言っておられますけれども、ジュネーブ協定ではそうではない。市や町においてもできるということについて、やはり国の見解というのは間違っているのではないでしょうか。高槻市としては、なぜ国の見解が正しいんだとおっしゃっているのか、その理由をもう一遍お聞きしたい。


 それから、法律に定められているから、それに違反するような条例はつくれないということですけれども、今、部長は、有事法制について武力攻撃事態対処法であるとか、国民保護法であるとかについては、これは憲法にのっとったものだというふうにおっしゃいました。これはとんでもない認識ですよ。いいですか。武力攻撃事態法というのは、敵が武力攻撃をかけてきたとき、あるいはかける以前、そうした危機があるというふうに予測される前段階において、既に自衛隊は攻撃をしても構わないと、先制攻撃というものを認めている。自衛隊が戦争することを容認してるんですよ。憲法は、交戦権はこれを認めないというふうにはっきり書いてるではないですか。軍隊はこれを持たないと。これのどこが憲法違反でないのですか。憲法違反そのものでしょう。こんなことでは、本当に常識的なことすら知らない。知らないというよりも、国の言うことに全面的に屈伏して、みずからの考えを曲げているというふうにしか思えない。こういう姿勢に対して、私は強く反省を求めます。


 改めて、悪法については従う必要はないと。憲法にこそ我々は従わなければならない。憲法違反の法律には従う必要はない。地方自治法の規定においてもそうです。まず、住民の福祉、生活というものを基本にして、そこから必要な条例をつくっていくという立場に立ち切るべきではないかと思いますが、改めてそれについてのお考えをお聞きしたいと思います。


○市民協働部長(吉田定雄) 平和的生存権の問題があります。いろいろな戦争事例、あるいは基地の問題も含めてのご質問でございます。


 先ほども申し上げておりますように、日本国のよって立つ基盤となるべき防衛、あるいは外交の問題は国の専権事項でございます。それらについては、ご承知のように、国会においても十分議論を尽くされて国の責任のもとに対応されております。その辺のところでご理解いただきたいと思います。 それから……(傍聴席より発言する者あり)


○議長(稲垣芳広) 傍聴席は静かにしてください。


 退場願いますよ。


 答弁続けてください。


○市民協働部長(吉田定雄) そういう意味から我々としては、憲法の前文にある、そういう生存権というものは今後とも尊重してまいるというところでございます。


 それから、宣言の問題でございます。


 これについては、無防備地区を宣言できるのは、当然、紛争当事国の政府というところでございます。しかし、何らかの理由でそれが不可能な場合においては、一定、当該地区のそういう首長とか、そういう場合でもできるという例外的な規定はございますが、先ほども申し上げておりますように、主体的に防衛に関する措置は国においてなされると、そういう見解でございます。


 以上でございます。


○総務部長(山本政行) 武力攻撃事態対処法等の関係でございますが、先ほどもご答弁申し上げておりますように、我々としては、憲法の枠内で制定されたものと、このように認識をいたしております。したがいまして、我々といたしましては、現行法体系の中で、市民の生命と財産を守るという地方公共団体の重要な責務を果たしてまいりたいと、このように考えます。


○(小西弘泰議員) 第二次世界大戦、あるいはそれに至る15年戦争、あるいはそれ以前の戦争、すべてこれは国が始めたものなんです。で、国の始めた戦争に、日本の労働者、人民はすべてそれに強制され、そして300万人からの犠牲者を出したわけです。そのとき、やはり必要だったことは、国の始めた戦争に対して人民が反対すること、そして、自治体がその国の悪政から市民を守るとりでとして、たとえ国が始めた戦争であっても、それが間違っているのであれば、やはり反対していくと。あくまで、市民の安全と福祉を守っていくという立場に立って行動するということが求められていたわけであって、それがすべて戦前においては地方自治も認められず、天皇制の権力のもとに統一されて戦争へと突っ込んでいった、この苦い反省の中から地方自治という考えが出されてきたのであり、当然、憲法第9条というのは、それの一番の骨格をなすわけです。


 したがって、高槻市においては、再び今のような姿勢をとっているならば、日本が再び戦前と同じような状態になっていくことについても、それを容認するということであって、とても地方自治体の理事者の姿勢とは思えない。私はそのことについて強く懸念し、あくまで日本国憲法の平和主義、民主主義、基本的人権、そして地方自治という立場に立ち切って高槻市が行動されることを強く要望しておきます。


 それから、署名活動の妨害については、庁舎管理規則を適用したものだというふうに言われますけれども、庁舎管理規則には、住民の請求による署名活動を行ってはならないというような規定はどこにもないはずです。そこで騒いだり、あるいは何か器物を壊したり、そういったことがないように一定の管理者としての庁舎管理規則というものをつくることは認められると思いますけれども、市民の正当な政治活動を妨害することは、それは庁舎管理規則の乱用です。拡大解釈です。この問題については、これから当事者と市の方とは引き続き話し合っていかれるものと思いますけれども、市としては、市民の正当な政治への参加の権利というものを妨害した、庁舎管理規則を盾にとってそれを阻害したということについては、強く反省されることを求めておきます。


 以上です。


○(二木洋子議員) 私も市長の意見書についてお伺いしたいと思います。


 戦争のない平和な世界をというのは、今回署名をされた皆さんを初め、人類共通の願いであります。しかし、現実には、世界で愚かな戦争や武力紛争が繰り返され、数多くのとうとい生命が奪われています。しかも、武器を持った兵士や戦闘員だけでなく、一般市民がたくさんの被害者となっている現状があります。今回、市民の皆さんから提案のありました高槻市無防備・平和都市条例は、前文や第1条、目的にも書かれていますけれども、日本国憲法の第9条を具現化しようというものであります。


 具体的には、第1条の目的にこのように書かれています。戦争と武力を永久に放棄するとした日本国憲法の平和主義の理念、政府の掲げる非核三原則、ジュネーブ条約等の国際人道法、並びに本市の非核平和都市宣言に基づき、戦争の危機の迫ったときには、国内外に向けて無防備地域宣言を行う旨を明らかにし、もって自治体の責務である市民の平和と安全を保障することを目的とするというふうに書かれています。


 ここで、日本国憲法の平和主義、日本政府の非核三原則、本市の非核平和都市宣言の精神は皆さんよくご存じだと思いますが、ジュネーブ条約等の国際人道法の存在というものについては、これは実際なかなかその内容、理念が知らされておりません。1949年に採択されたジュネーブ条約というのは4条約あるということですけれども、日本ではこれほど知られていない条約はないというふうに言われています。日本は1953年にこれを批准しておりますけども、国会でもこの条約をめぐっての議論はなされませんでした。また、本条例案の根拠となっておりますのは、1977年、ジュネーブ条約の追加第一議定書でありますけれども、これについても、日本は昨年8月に加入の申請をし、本年2月末にようやく発効したという状況であります。


 現在、日本の皆さんがNPO、あるいはNGOという形で、世界各地で平和活動の最前線に立っておられる現状もありますが、そういうことも含めれば、このジュネーブ条約や追加議定書などの国際人道法がどのようなものであるかということを私たちが知ることは非常に重要だと思います。


 そこで、2点伺いたいと思います。まず1点目は、過去、世界で戦争の悲惨な歴史の中で、1949年にジュネーブ諸条約ができてきた経過、及び1977年に追加議定書ができた経過、そして、これに対する市長の見解をお示しいただきたいというふうに思います。


 2点目ですけれども、この1977年の追加第一議定書には、この無防備地域という規定が盛り込まれました。これはどういうふうな理由で盛り込まれたのか、あわせて市長の見解も伺いたいというふうに思います。


 以上、まず2点お願いいたします。


○市民協働部長(吉田定雄) ジュネーブ条約に関しましてご答弁申し上げます。


 ジュネーブ諸条約の経過についてでございます。武力紛争時の傷病兵、捕虜、文民ら戦闘行為に参加していない状態の人々の保護を目的として、1864年以降に、スイスのジュネーブで結ばれた多国間条約の総称でございます。2度の大戦を踏まえ、改正や補完を経て、1949年にジュネーブ4条約、今、お話のあったところが採択されました。1977年の追加2議定書は、ベトナム戦争や頻発する各国の内戦で、多くの一般住民が犠牲者になったのを教訓として採択されたもので、国際的武力紛争の犠牲者の保護と非国際的武力紛争の犠牲者の保護から成っております。


 戦争自体はあってはならないものですが、紛争時であっても攻撃対象を無制限に拡大することは許されないという国際人道法の考えを基礎にしたジュネーブ諸条約は、各国が守るべき最低限のルールであると認識いたしておるところでございます。


 それから、無防備地域の関係でございます。


 この条項は、1907年に、オランダのハーグで開催された第2回国際平和会議で締結されたハーグ陸戦協定第25条の無防備都市、集落、住宅、建物はいかなる手段をもってしても、これを攻撃、砲撃することを禁ず、との趣旨を受け継ぎ、より詳細に、紛争当事国が無防備地区として宣言する際の条件などを規定したものでございます。これらも戦争の惨禍を最小限にするための最低限のルールというふうに認識いたしております。


 以上でございます。


○(二木洋子議員) ジュネーブ諸条約、そして追加議定書のできてきた経過、それの意義というものについて、今、お述べいただいたというふうに思います。私自身は、このジュネーブ諸条約や追加議定書の精神というものは、まさに、個人の平和的生存権を認めたというところから出発しているというふうに考えています。


 1949年の条約の段階では、これは国と国の戦争を前提にしていました。そして、保護されるのは占領下にある一般の人々、あるいは、負傷した戦闘能力を失った兵士たちということだったというふうに思います。その後、1977年には追加議定書ができておりますけれども、当然、ベトナム戦争、あるいは朝鮮戦争等、国と国ではなくて、内戦等のいろいろな武力紛争が世界各地で起きたことを踏まえて、占領下にある一般市民だけではなく、自国の一般の市民もどのようにして平和的生存権を認めていくのか。そして、国と国ではなく、内戦状態あるいはそういう武力紛争の中でも、このジュネーブ諸条約というものを適用していこうじゃないかということで、改めてその諸条約を全面的に変えた形で、私は追加第一議定書、並びに第二議定書ができたというふうに考えています。


 そういう意味では、日本の憲法にうたわれている平和的生存権のことは非常に皆さんよくご存じでもありますけれども、この平和的生存権というのは国際的にも一つ認められた、これは戦禍においてということでもありますけれども、大きな権利だというふうに押さえておきたいというふうに思います。


 あわせて、無防備地域のことについてでありますけれども、ご答弁の中で、1907年というふうに言われておりますけれども、ハーグ陸戦協定の第25条を踏まえているということであります。個人だけではなくて地域そのものをこういう形で宣言した場合には攻撃してはならないという規定が設けられているわけで、それがハーグ陸戦協定がこのジュネーブ条約の追加第一議定書の中にも盛り込まれていっているという経過も、私は押さえておかなければならないというふうに思います。


 そこで、2点目です。これは、小西議員の質問と重なることを――私も準備しておりまして重なりますが、もう一度、確認をさせていただきたいというふうに思います。


 それは、この条例の中核をなす無防備地域宣言ということについて、だれがそれを宣言できるかという宣言主体の問題であります。市長の意見書の中では、これは国の見解を引用されまして、地方公共団体の中ではできないというふうに言われておりました。改めて、この国の見解というのは、何を根拠に置いておられるのか確認しておきたいというふうに思います。


 もう1点ですけれども、きょうの意見陳述者の方の中でもご説明がありましたが、条約の日本語では、第一議定書の第59条の無防備地区の訳では、第1項に紛争当事者――国じゃない――が無防備地区を攻撃することは手段のいかんを問わず禁止するというふうになっています。そして、これでは、無防備地区というのは紛争当事者の適当な当局が宣言することができるというふうに書かれています。そして、これが英文で言うと、そのauthoritiesという形で複数形になっていると。だから、1つの国だけではなくて地方公共団体等も含めるのではないかということでありました。


 実際、こういう条約や議定書に関しては解説書が出されております。赤十字国際委員会の方でこの解説が出されております。英文で書いてあるのですが、日本語訳も出されておりますけれども、それも改めて読みますと、確かにmayorという言葉が出てきまして、市長も宣言できるというふうに書かれています。そういう意味で、先ほどご答弁の中で、特定の場合に都市もできるというふうなご答弁もあったのですが、改めてこの点について地方公共団体もできるのかどうか、そして特定の条件というふうに言われましたけれども、それは、そうすればどういうことを指しているのかお伺いしておきたいというふうに思います。


 以上です。


○市民協働部長(吉田定雄) 無防備地域宣言の問題でございます。


 政府の見解でございます。我が国の領土が侵害されるような危機に際して、その防衛、保全のため、いかなる対応をとるのかといった、まさに国家間の関係での国家の存立にかかわる事項は、本質的に国が役割を果たすべきものであり、無防備地域宣言についても、そうした国防上の措置にかかわるものとして考えられると。こうしたことから、国の見解としては、条約に言う無防備地域宣言は、当該地域の防衛に責任を有する当局、すなわち、我が国においては国において行われるべきものであり、地方公共団体が条約の宣言を行うことができないというところでございます。


 それから、先ほども小西議員のご質問にお答えいたしました、適当な当局の中で地方公共団体が可能かどうかというところでございます。これも、赤十字国際委員会の解説によりますと、先ほども申し上げましたように、紛争当事国の政府であるところが何らかの理由でそれが不可能な場合に、当該地区の軍事当局や知事、市町村長などの自治体の長が行うことも可能であると。しかし、それらについては、当然のことながら戦闘員とか軍事施設の撤去など、そういうところの責任までもが入ってまいりますので、その辺のところで、特定の都市がこの宣言を行ったとしても、この宣言をするための条件として、先ほど申し上げた、その宣言の裏づけとして、実効性を持たせるような権限を持っている適当な当局でなくてはなりませんと。我が国に照らして考えるならば、先ほども申し上げておりますように、地方公共団体はこれに当たらないという国の見解であり、本市といたしましても、その見解と同じでございます。


 以上でございます。


○(二木洋子議員) だれがこの無防備地域宣言をできるかということは非常に重要な問題です。ご答弁を受けまして、第1の答弁のところですけれども、国が防衛とかいうものについては権限を持っているということでした。しかし、ジュネーブ条約の追加議定書は、先ほども申し上げましたけれども、国と国の争いだけではなく、そうでないものも含めているわけです。しかも、いろいろな場合、何らかの不可能な場合があれは、その宣言は可能であるということでありますから、理屈の上で言えば可能なわけです。宣言はできるわけです、理屈の上では。そして、どういう状況かと言うと、この中では軍隊が接触している地帯の付近ということでありますから、かなり緊迫した雰囲気だというふうに思いますけれども、地方自治体の中には、義務として住民の生命や財産を守る責務があるわけです。本当に緊急な事態の中で、政府が機能してない場合もあるかもしれません。そんな場合に、地方自治体の市長、地方自治体がまさにみずからの地域の住民の命や財産を守るために、もしそこに軍当局があるのであればきちんと交渉をして、ここから出ていってほしいとか、そういうことをやることもできるわけです。それが今のジュネーブの精神の流れじゃないですか。そこを国の見解だけをとって高槻市も援用するというのは、私はジュネーブ諸条約、あるいは、追加議定書がこのように国際的なルールというふうな形でもって積み上げてきた理念をきちんと理解しておられないのではないかというふうに思うわけです。


 そういう意味で、私はあすの委員会でも、ここの点については、できるんですから、そこの点で、いきなり国の見解だけを引用してできないということを前提にするのではなくて、できることを前提に前向きな議論をしていただきたいというふうに思います。


 平和的生存権、そして平和事業の部分も、先ほどの小西議員のご答弁も聞いておりましたけれども、その必要性が大事であるということであるならば、私は条例化をしても何も問題はないというふうに思います。そういう意味では、市民の皆さんの熱い思いを受けとめて、高槻市としてより一層、世界の中で、憲法を生かした上で、かつジュネーブの諸条約や追加議定書の精神を生かして、どのような形で平和に対して貢献していくのか、十分な議論をしていただけるようにお願いをして私の質問は終わらせていただきます。


○(松川泰樹議員) 私の方からも、市長の意見書について何点かご質問をしたいと思います。


 市長の意見の中にもありますように、我が国の日本国憲法の前文及び第9条では、戦争放棄をし、武力による威嚇、または武力の行使は永久に放棄し、陸海空軍その他戦力保持せずと、交戦権を明確に否定しております。今回、無防備・平和都市条例ということで審議がされているわけですけども、この憲法が守られ、遵守され、実施されておれば、まさにこれこそ日本全体が無防備宣言できる状態であるはずです。しかし、現状を見れば、日米安保の問題や、現実に沖縄を中心に日本全国に米軍及び自衛隊の基地がある状況です。そういった中で、新たに無防備・平和都市条例を制定していこうという動きは、これまでの平和運動にとどまらず、世界的な合意を得た上での地域からの平和の発信だと、私はとらえております。


 意見書、もしくは先ほどまでの質疑を聞いておりまして、その答弁の中でも、ゆがめられて解釈され、自衛隊をつくり、イラクへ派兵する時の国家、政権の解釈のみを市の見解の根拠として述べられることに非常に残念に思います。新たに高槻市としての条例制定に向けて、市の考え――国の見解をもとにするのではなく、市みずからの言葉でお答えするのが、住民の方への誠意ある対応だと、まず申し上げておきます。


 先ほどから、いろいろ細かな部分についてご質問があり、ご答弁がありましたので、重ならない点でお伺いをしていきます。


 このジュネーブ条約について、非常に大きな期待といいますか、実効性というものは、攻めてくる国に対してというよりは、やはり自国に対しての住民の安全、そして戦いたくないという生存権の保障を国際社会がそれを認めるということにあると私は思います。60年前、沖縄戦を初めとして第二次世界大戦のときに、望む望まずにかかわらず、反対を唱えれば、暴力をもって、あるいは弾圧をもって戦争を強いられ、そして多くの犠牲を払わなければならなかった。そんなことが二度とないようにということで、このジュネーブ条約というのもが、ある意味そういうところで実効性を持つのではないかと、私自身はとらえております。


 確かに、このジュネーブ条約は、戦時下及び戦闘中を想定した国際的なルールという位置づけの中で決められているものなので、平時においてこの条約がどのように効力を持つのかについては、まだまだ不確かなところもあります。しかし、先ほどから、防衛は国の専権事項とおっしゃいますが、住民・市民の財産、生命を守るというのは市の第一義的な最重要の責務であると思います。


 そういった状態において、そういうことを踏まえた上で、もし戦争状態、もしくは攻められる、そういう危険が間近に迫ったときに、やはり市町村、自治体として、この無防備宣言をすることで市民の生命、財産を守るということは、私はそれは何ら法に抵触するものではないと思いますし、また、そういった極限状態においては、国や自治体との関係、あるいは法令そのものが正常ではない、そういうときだと想像します。そういった中にあって、市民の生命、財産を守るということの保障なり国際合意というものをジュネーブ条約に基づく無防備都市宣言を行うことで担保する、保障する。これは、やはり一番身近な自治体としての役割だと私は考えておりますが、その点についてお答えをいただきたいと思います。


○市民協働部長(吉田定雄) 1949年に調印されたジュネーブ4条約、並びに1977年にまとめられました2つの追加議定書において、武力紛争については、最低2か国の軍隊の間における争いを対象とする国際的武力紛争と、ある国の領域内での正規の軍隊と武装集団の争い、あるいは武装集団同士の争いなど、非国際的武力紛争を対象としているところでございます。


 ジュネーブ諸条約の第一追加議定書においては、敵対する紛争当事国による占領のために開放し、特別な保護を受ける地域として無防備地域の規定が置かれていますが、その宣言は、当該地域の防衛に責任を有する当局、先ほどから申し上げております。すなわち、我が国におきましては、国において行うべきものであり、地方公共団体がこの条約の無防備地域の宣言を行うことはできないものと、国の見解は先ほど申し上げたとおりでございまして、本市もそのような見解でございます。


 以上でございます。


○(松川泰樹議員) 先ほどから同じような答弁ばかりですが、しかし、そういう状態、そういう危機が迫った、間近に迫った状態で、国の判断じゃなく、やはりその場その場の決断というものが、やはり地方自治体には求められてきます。そのため、その判断の中で、住民を守る手法として無防備を高槻市は選ぶと。その宣言ができる状態を高槻市が明確に示し、そしてそれを守っていこう、つくり上げていこうというものが今回、出されている条例だと思います。その点においては、国の法律や法体系というものを根拠にしていては、非常に脆弱な、現実と違う、日本の国でありますが、そういう戦争状態、もしくはそういうときに、まず第一義的に考えなければならないのは、市民の生命であり財産の確保ということだと思います。だから、できるできないの議論ではなく、高槻市の姿勢としてこの条例をつくる、そして、これを維持していくという方向で私は考えるべきであると思います。


 あす委員会、また本会議で議論はされると思いますが、それぞれの議員の方も真摯にこの問題を受けとめていただいて、真正面から、賛成、反対にかかわらずきちっとした議論をしていただきたいと思います。


 そして最後に、きょうも傍聴に来られておりますけれども、これまでの平和運動、国内での憲法を守るということだけ、また、そういった国内だけではなく、国外に目を向けた平和運動に一歩踏み込まれた市民の皆様の熱い思いに心から敬意を表するとともに、私もこの条例制定に向けて日々努力してまいりたいと思います。


 以上です。


○議長(稲垣芳広) 質疑は尽きたようです。


 以上で質疑を終結します。


 お諮りします。


 ただいま議題となっています日程第2、議案第158号 高槻市無防備・平和都市条例制定については、総務消防委員会へ付託したいと思います。これに異議ありませんか。


   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕


○議長(稲垣芳広) 異議なしと認めます。


 したがって、お手元に配付しました議案付託表のとおり、総務消防委員会へ付託することに決定しました。


  ――――――――――――――――――――


   議案・議事関係書類綴120ページ参照


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○議長(稲垣芳広) ただいま総務消防委員会へ付託しました議案審査のため、別紙お手元の委員会招集通知のとおり、委員長から休会中の委員会の招集がなされています。


 委員各位には、よろしくご審査賜りますようお願い申し上げます。


 お諮りします。


 本日の会議は以上にとどめ、委員会審査のため12月22日から12月25日までの4日間休会とし、12月26日午前10時から本会議を開会したいと思います。これに異議ありませんか。


    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕


○議長(稲垣芳広) 異議なしと認めます。


 したがって、本日の会議はこれで散会します。


     〔午前11時42分 散会〕


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 地方自治法第123条第2項の規定により、ここに署名する。








 議  長  稲 垣 芳 広








 署名議員  新 家 末 吉








 署名議員  久 保 隆 夫