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大阪府 大阪市

昭和45年第1回定例会(昭和45年2・3月) 02月27日−02号




昭和45年第1回定例会(昭和45年2・3月) − 02月27日−02号









昭和45年第1回定例会(昭和45年2・3月)



◯大阪市会(定例会)会議録(昭和45年2月27日)

    ◯議事日程

    昭和45年2月27日午前10時開議

第1 議案第10号  昭和45年度大阪市一般会計予算

第2 議案第11号  昭和45年度大阪市大学医学部付属病院事業会計予算

第3 議案第12号  昭和45年度大阪市食肉市場・と畜場事業会計予算

第4 議案第13号  昭和45年度大阪市宅地造成事業会計予算

第5 議案第14号  昭和45年度大阪市市街地再開発事業会計予算

第6 議案第15号  昭和45年度大阪市駐車場事業会計予算

第7 議案第16号  昭和45年度大阪市土地先行取得事業会計予算

第8 議案第17号  昭和45年度大阪市母子福祉貸付資金会計予算

第9 議案第18号  昭和45年度大阪市国民健康保険事業会計予算

第10 議案第19号  昭和45年度大阪市心身障害者扶養共済事業会計予算

第11 議案第20号  昭和45年度大阪市市民病院事業会計予算

第12 議案第21号  昭和45年度大阪市中央卸売市場事業会計予算

第13 議案第22号  昭和45年度大阪市港営事業会計予算

第14 議案第23号  昭和45年度大阪市下水道事業会計予算

第15 議案第24号  昭年45年度大阪市路面交通事業会計予算

第16 議案第25号  昭和45年度大阪市高速鉄道事業会計予算

第17 議案第26号  昭和45年度大阪市水道事業会計予算

第18 議案第27号  昭和45年度大阪市工業用水道事業会計予算

第19 議案第28号  昭和45年度大阪市公債費会計予算

第20 議案第29号  昭和45年度大阪市都島本通外11財産区予算

第21 議案第30号  大阪八尾開発事業団の設置に関する協議について

第22 議案第31号  大阪八尾開発事業団に委託すべき事業に関する協議について

第23 議案第32号  大阪市同和地区解放会館条例案

第24 議案第33号  大阪市印鑑条例の一部を改正する条例案

第25 議案第34号  大阪市特別会計条例の一部を改正する条例案

第26 議案第35号  ガス普及の促進に関する件の一部改正について

第27 議案第36号  当せん金附証票の発売について

第28 議案第37号  「都市開発事業の公私共同経営について」の一部変更について

第29 議案第38号  大阪市中小企業融資基金条例の一部を改正する条例案

第30 議案第39号  大阪市生業資金貸付基金条例の一部を改正する条例案

第31 議案第40号  国民年金印紙購入基金条例の一部を改正する条例案

第32 議案第41号  大阪市心身障害者扶養共済条例の一部を改正する条例案

第33 議案第42号  大阪市屋外広告物条例の一部を改正する条例案

第34 議案第43号  大阪市街地再開発建築物融資基金条例案

第35 議案第44号  建物の取得について

第36 議案第45号  大阪市港湾施設条例の一部を改正する条例案

第37 議案第46号  大阪市交通事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例案

第38 議案第47号  無軌条電車事業の廃止に伴う関係条例の整備に関する条例案

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◯出席議員 89人(欠は欠席者)

      1番    小郷平八君

      2番    藤岡信雄君

      3番    吉田辰治君

      4番    加藤正武君

      5番    高野光男君

    欠 6番    井上英夫君

      7番    改発 弘君

      8番    柳井伝八君

      9番    中尾安夫君

      10番    和田正三君

      11番    若林伊太郎君

      12番    安達喜雄君

      13番    仲谷誠夫君

      14番    佐伯三郎君

      15番    安松克己君

      16番    岸田政夫君

      17番    欠員

      18番    植田完治君

      19番    山下喜一君

      20番    天野 要君

      21番    高貴伝三郎君

      22番    室屋定三君

      23番    森下土治君

      24番    岸本太造君

      25番    内村作二君

      26番    山下博義君

      27番    栗須 斉君

      28番    高橋幸一君

    欠 29番    山口武志君

      30番    島尾 茂君

      31番    隅野源治郎君

      32番    小林通夫君

      33番    中石清一君

      34番    鈴木清蔵君

      35番    音在又一君

      36番    井上長栄君

      37番    佐々木栄一君

      38番    加藤市太郎君

      39番    辻 昭二郎君

      40番    古山一郎君

      41番    沼田喜一君

      42番    綱沢靖二君

      43番    沢村信義君

      44番    長沢利治君

      45番    山川洋三君

      46番    松井義明君

      47番    塩田吾一君

      48番    上野 弘君

      49番    沓脱タケ子君

      50番    板並丈夫君

      51番    辻  渡君

      52番    野口末造君

      53番    黒木武好君

      54番    高垣松雄君

      55番    三原逸三君

      56番    長谷川元一君

      57番    倉川 薫君

      58番    大丸志朗君

      59番    大西保三郎君

      60番    美延重忠君

      61番    行岡忠雄君

      62番    長田義一君

      63番    坂本 実君

    欠 64番    柳本松太郎君

      65番    勝田真人君

      66番    南 常治郎君

      67番    岡野正雄君

      68番    寺西 武君

      69番    田中豊栄君

      70番    野村 清君

      71番    寄吉 極君

      72番    吉田 弘君

      73番    中田捨次郎君

      74番    佐野繁雄君

      75番    上田 武君

      76番    西風金之助君

      77番    伊藤 募君

      78番    中村賢三郎君

      79番    米沢正実君

      80番    田中正男君

      81番    粟井岩吉君

      82番    木下常吉君

      83番    森野熊一君

    欠 84番    松尾禎一郎君

      85番    次田虎雄君

      86番    黒田廣一君

      87番    坂井三郎君

      88番    井上秀之助君

      89番    北山 勇君

      90番    小林和美君

      91番    吉瀬昌幸君

      92番    大神 仁君

      93番    村田岩雄君

      94番    大井満利君

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◯職務のために出席した事務局職員

          市会事務局長       松浦芳平

          議事課長         榎村 博

          議事係長         谷口勝彦

          委員係長         永安茂夫

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◯議場に出席した執行機関及び説明員

            市長         中馬 馨

            助役         下村 進

            同          大島 靖

            同          中尾正平

            収入役        三宅季二

 (同和対策部長)   事務吏員       浅羽富造

 (総務局長)     同          久川芳蔵

 (財政局長)     同          内山敞義

 (総合計画局長)   技術吏員       福山真三郎

 (経理局長)     事務吏員       橋本 勝

 (民生局長)     同          藤井弘巳

 (経済局次長)    同          天野 開

 (衛生局長)     技術吏員       中山信正

 (清掃局長)     事務吏員       荻野二郎

 (土木局長)     技術吏員       大塚 清

 (都市再開発局長)  事務吏員       大重正俊

 (公園部長)     技術吏員       加藤一男

 (建築局長)     事務吏員       徳山正文

 (港湾局長)     技術吏員       叶  清

 (市立大学事務局長) 事務吏員       小島 誠

 (交通局長)     同          黒田泰輔

 (水道局長)     技術吏員       長谷川寛一

 (消防局長)     消防長        畑中良一

 (市長室長)     事務吏員       竹村保治

 (公聴部長)     同          円井東一

 (万国博覧会協力部長)同          大槻四郎

            教育長        石川多賀夫

            選挙管理委員会委員長 藤井利市

 (選挙管理委員会事務局長)事務吏員     米田拾二

            人事委員会委員長   滝石豊稲

 (人事委員会事務局長)事務吏員       林 道彦

 (監査事務局長)   同          森  光

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△開議

  昭和45年2月27日午前11時15分開議



○議長(植田完治君) これより市会定例会会議を開きます。

 本日の会議録署名者を伊藤募君、岸本太造君のご両君にお願いいたします。



○議長(植田完治君) 日程第1、議案第10号、昭和45年度大阪市一般会計予算ないし日程第38、議案第47号、無軌条電車事業の廃止に伴う関係条例の整備に関する条例案、一括して議題といたします。



○議長(植田完治君) これより質疑に入ります。

 岸田政夫君の質疑を許します。16番岸田政夫君。



◆16番(岸田政夫君) 私は、今回ご上程になりました昭和45年度予算案並びにそれに関連する諸案件に対し、自由民主党大阪市会議員団を代表して、中馬市長並びに理事者各位に質疑をいたしたいと思います。

 まず最初に、市長の3選についてお伺いいたしたいのであります。このことは、来年度の予算市会においては、もはやおそきに失しますので、あえてお尋ねするものであります。もし市長が立候補なさいますといたしますと、去る24日、本会議において説明なさいました「生活の場としての町づくりと、都会生活の谷間にある恵まれない人たちを大切にする市政を一段と強化いたしますとともに、あくまでも再開発の手をゆるめることなく、万国博を契機として一そう国際性を高めるであろう本市の都市機能の向上を期します」との市長抱負に対しましては、深い敬意をあらわすものであります。しかしながら、本予算を通覧いたしまして、非常に遺憾なことでありますが−−申し上げにくいのでございますが、中身が非常に貧弱であることであります。すなわち、予算総額5,825億円余とは申しますが、前年度の原予算総額に対比いたしますと、わずかに6.4%の増でしかありません。また現在の予算総額と比べますと、僅々1.8%の伸びしか見られなかったのであります。たとえば、一般会計での伸びは、第1部は、人件費の伸び77億円がその大半を占めているにすぎないのであります。また、第2部の政府認証事業につきましては、その全額を見込み計上しているにもかかわりませず、なお100億円の増額にすぎないのであります。一方、すでに公表されました大阪府の予算総額は、実に4,500億円であります。その規模の年を追って大きくなっておりますことと比べますと、まことに今昔の感があるのであります。これは、一に市の財源の貧困にほかならないのでありますが、申すまでもなく、シヤウプ勧告以来、自主財源の配分が本市に有利に導かれなかった結果であろうと思います。しかしながら、本市といたしましては、この自主財源の獲得のために、市会はもとよりでございますが、市長はじめ理事者各位の大いなる政治力、なかんずく市長の執拗なまでのご活動力によりまして、地方道路譲与税の配分是正、あるいは自動車取得税の創設及び市民税法人税割りの増率等の実をあげていただいたことは、敬服のほかないのであります。

今後もこれをゆるめることなく、政府に強く働きかけなければならないと考えるものであります。しかし、このことと予算規模の貧弱なこととは別の問題でありまして、はたしてこの状態で市長の念願せられる町づくりができるかどうかということを案ずるのであります。一方、先ほど申しました大阪府の異常なる財源の伸長を見ますとき、何としても、身近な府に対しましても、強く補助、助成を促すことが必要であります。たとえば43年に左藤知事の側面的な支援によって、城南射撃場の返還が実現いたしましたことは、ご承知のとおりであります。これについての助成金を受けたと記憶いたしておるのでありますが、市長が誠意をもって折衝せらるるならば、かかる財政援助も難くないと思うのであります。市長のご所信のほどを承りたいと思うのであります。

 次に、このような努力にもかかわりませず、本年における市税収入は886億余円であります。予算総額2,239億余円に占める割合は、実に38.6%でありまして、文字どおり三割自治の実態を露呈しているものであります。そこで、これの抜本的な打開策は、何といっても大都市制度の確立に帰着するのではないかと考えるのであります。近畿圏の中枢都市である本市の行政規模がいかに大きなものであるかということは申すまでもありません。大阪市は、地方自治法によるところの単なる指定都市の域を離れ、また府県の覊絆を脱却して、この際、地方自治としていかなる位置づけをなすかという段階に到達をしているのではないかと考えるものであります。民間、あるいは財界の一部では、この目に余る現実を黙視し得ず、構想として阪神都市の実現を打ち出し、また府においては阪奈和合併等の声も聞いております。国の道州制等につきましては、広域行政の動きもようやく活発に検討されておりますこのとき、市長は、周辺に向かって市域拡張の手を打つことを常々主唱せられておりますが、これまた大都市制度確立の下地として必要なことは言うまでもございません。そこで、この際市長が考えておられます大都市制度確立についての構想を、大阪市はこうあるべきだという確固たる姿勢を、ひとつお示しいただきたいのであります。

 さらにこの機会にお尋ねしたいのでありますが、八尾市との行政協定についてであります。昭和36年発足以来、この協定はすでに10年の経過を見ております。本市東南部に位しまして、人口20万、42平方キロの八尾市は、市長が常に言われるところの家屋連檐600万都市圏の一画であります。この協定も八尾市との合併をおそらく想定されたものであったと考えるのでありますが、今回の大阪、八尾開発事業団の設立も、両市の関係の著しく進展した証左であると見ているのであります。この際、決然と八尾市との合併に踏み切るときが参ったのではないでしょうか。われわれも協力いたしますことにやぶさかではないのでありますが、市長のご所信のほどをお聞かせいただきたいのであります。

 なお、ついででございますが、市長にお尋ねいたしたいのであります。最近、中央において指定都市に府県民税の個人所得税割りの分を一部移譲することについて、何らかの話し合いがあったように聞いておるのでありますが、仄聞するところによりますと、これは16項目移譲−−非常に気の遠くなるような話であります。これはどういうような結果になりましたかをあわせてお答えいただきたいのであります。

 次に、地下鉄の建設費の助成については、その50%が補助されました。なお既往分政府保証債の借りかえとその利子補給を受けるという画期的な国の補助制度の発足を見ましたことは、市長のご努力でもあり、ご同慶にたえないところであります。また、万国博開催時まで、地下鉄延長64キロ余りの悲願は、いまや達成され、実に全通寸前にあります。この成果も、市長のご烱眼と非常なご努力のたまものであると申し上げたいと思うのであります。さて、今後の地下鉄の建設について二、三、市長並びに事業管理者にお尋ねいたしたいのであります。その1は、建設補助金50%のうち、地方自治体が負担する25%についてであります。助成方法の内容によりますと、この25%の負担は、おのおの地方自治体が負うことになっております。すなわち、本市の一般会計が負うところのものであります。もっとも、自後、自治省において、地方交付税等をもって補ってもらうことになるのでありましょうが、府の負担いかんということをお聞きしたいのであります。もちろん、現在地下鉄は、企業として本市がもっぱらにするところでありますが。将来、市域外延長の必然性を考えますとき、起こる問題であるわけであります。その際、府との負担関係をどういうふうに処理されるお考えであるかということをひとつお伺いいたしたいのであります。

 第2点は、経営方針についてであります。地下鉄の営業収入、すなわち運賃その他209億余円−−これは現在の64キロの営業収入も見込んでいるものであります。これに対し営業費用は、 208億円でありまして、収支はおおむねとんとんであります。さらに一方、起債でありますが、本事業に関するものは、実に1,895億円に達しております。その利払い額は、本予算において127億円を計上しており、かてて加えて元金の償還額62億円を算入しますと190億円になり、これまた本年の純運賃収入1,932億円とほぼ同額であります。もとより地下鉄は、本市のみならず各市軒並みに赤字の企業でありますが、経営にもおのずから限度があると思われます。運賃の値上げ等をお考えになっておられますかどうか、ご所信のほどを承りたいのであります。

 その第3点は、将来の地下鉄建設計画についてであります。本年度は、2号線、3号線のそれぞれの一部の延長にとどめられるようでありますが、ことしは、市長の諮問機関でありますところの公営企業審議会の答申が出され、さらに国、公、私鉄を含めて、交通機関の具体的な決定の見られる運輸大臣諮問の都市交通審議会大阪部会が近く開かれると聞いております。したがって、市長はすでに新聞紙上でその計画の一部を発表されたようでありますが、あらためてこの機会に、将来の計画について明確にお答えをいただきたいのであります。

 以上、財源関係を主に交通事業に及んだのでありますが、次に、阪神道路公団の大阪・松原線の延長に伴います阿倍野地区の再開発についてであります。この用地としては、阿倍野墓地の一部を取得することになりますが、この墓地の移転は3,000基に近いと聞いております。これに対する移転補償費は、いかほど考えておられるのであろうかということであります。また、墓地の移転はここに限らず、周辺各区に散在する墓地を公園墓地に集めることは、本市再開発と関連いたしまして、年来の計画であったはずでありますが、その成案はできたのであろうか。近郊に適当な候補地を物色されまして、確保しておられるかどうかということをお尋ねいたしたいのであります。また、3億1,000万円余の計上を見ている阿倍野地区再開発はいわゆる副都心計画に重大な関連を持つものと考えられますが、どういうふうに処置なさろうとするのでありますか。またこの再開発事業は、何年で終わるものであるかということについて、確たるご答弁をいただきたいのであります。

 次に、昨年わが党の高野議員も触れられたのでありますが、市長説明によりますと、航空事業の増大に対処して、関西新国際空港の建設について、政府関係機関に要望し、その促進をはかると言っておられますが、どの地点を予定されておられるのでありましょうか、お聞かせいただきたいのであります。ただ必要であるだけでは、要望せられる側には強く響かないのであります。市長としてすでにお心の中で、この地点が望ましく地元の抵抗も受けない、立地条件も整っている候補地の成案がおありでしたらお示しいただきたいのであります。

 次に、水資源の確保は、わが大阪市民にとっては、事生存にかかわる重大な関心事であります。ことに本年度のように渇水期−−50日に及び降雨を見なかった事実を思い起こしますとき、水資源の必要性が、この上なく痛感せられるところであります。淀川3川の水資源のみならず、さらに他の水源に考慮をめぐらす必要があると考えるのでありますが、これに対する計画がありやいなや。中馬市長が、数年前、東京都の例をあげられて、水不足問題に冷笑をあびせられたこともあったのでありますが、もはや今日、人ごとではなくなったのではないかと思うのであります。いまにして第2の水資源確保に立ち上がらなかったならば、市民に及ぼす災厄、これに過ぎたるものはないのであります。市長のご確信のほどをお聞かせ願いたいのであります。

 次に琵琶湖総合開発事業とその負担についてでありますが、滋賀県は、県自体の開発として、また国が低開発府県の開発の見地から、それぞれ積極的にその事業に取り組むべきものでありまして、この事業の名称が示すとおり、滋賀県の発展、即国の治山治水事業が目的であり、これに伴って下流府県自治体の水源開発が主たるものであります。もちろん、水源確保のために、下流の本市といたしましても、他の自治体とともに滋賀県に対し働きかけてまいっておりますが、この事業の性格の主客を見誤ってはいけないのであります。本年度、国においては相当多額の調査事業費をつけたようでありまして、またこれと符節を合わせて、滋賀県当局は、この事業に対して1,000億円に及ぶ分担金を下流府県自治体に要請するもののように報ぜられております。もろろん、本市としてもこの一部を負担するにはやぶさかではないと思われるのでありますが、このような多額の負担金は、単に利水関係団体であるゆえをもって負担すべきものではないと思うのであります。本市としての水需要がますます増大し、市民の飲料水確保のために、累次第9回に及ぶ拡張計画の投資を余儀なくされております際に、このような負担を課せられることは、直接水道事業を圧迫するものでありまして、間接には市民の負担に影響するところが非常に多いと思うのであります。これに対する市長のご所信を承りたいのであります。

 続いて教育問題に移りますが、本市の小中学校で鉄筋校舎の1棟もない学校はなくなりました。この基本をつくられましたのは、故橋本助役と中尾助役が教育長ご在任時代になされた偉大なる功績であろうと思うのであります。自来、中馬市長も努力され、順次木造の改築を実行されたのでありまして、この点敬意を表するものでありますが、本予算案によりますと、周辺区の児童収容対策分を含めて525教室の増改築にすぎないのであります。

次の世代の育成のためにも、さらに積極的な建設が望ましいのでありますが、この微々たる計画ではおぼつかないのであります。一体何年計画ぐらいでオール鉄筋時代が実現いたしますか、市長のご見解を承りたいのであります。

 さらにプールであります。本年は15校建設を予定しているようでありますが、いまだにプールのない小中学校が10校あるのであります。児童、生徒をプールで遊泳させますことは、体育の一環として不可欠なことであり、いわば学校教育の正科として課せられたものでありまして、いかなる理由があるとはいえ、放置せられるべき設備ではないのであります。未設備の小中学校については、あらゆる障害を克服してもらい、プールの建設を完了していただきたいのであります。そのご自信のほどを承りたいのであります。

 なお、ついでではございますが、今回の予算には公立幼稚園の建設がわずかに1園であります。周辺部の保育所対策−−保育所の増設は、本予算においては12園であったと思うのでありますが、これにかえておられるようであり、それが現状であります。しかし、保育所と幼稚園は、おのずからその性質は違うものであります。本年、わずかに1園の公立幼稚園しか建てていただけないということについてお尋ねいたしたいのであります。

 なおまたPTAの父兄負担の軽減については、本案におきましては5億4,000万円を計上しておられます。これは当初4カ年計画、10億円を途中から15億円に変えられたようにも聞いておりますが、第3年目であります。総額として幾らを考えておられるのであるか。現下の物価高のおりから、はたしてその額でもってPTAの負担の軽減というものが実行できるかどうかということであります。水道の使用料の値上げでも一億数千万円と聞いております。これは別ワクかもしれませんが、このPTAの負担軽減について、他都市との関係はどうであるかということについても、あわせて承りたいのであります。

 次に、小学校のクラス編制でありますが、1校7学級、110名という小学校があります。

また、ことしの入学児童10名というのもあるようであります。このような少ないクラスでは、クラブ活動はもちろんのこと、児童の日常の学校生活に与える影響は、はたしてよいのであろうかということであります。1クラスの適正な人員は、過大はもちろん排すべきでありますが、過小にも限度があると思うのであります。アメリカでは25人、日本でも30人ぐらいが理想であると言われております。したがって、はなはだ人数の少ないクラス編制は、教育効果もマイナスになるということであります。大阪市の都心部では、都市の再開発のために環境に大きな変化が起こり、またドーナツ化現象にも伴い、これらの過疎小学校、中学校を招来したものでありますが、この際、これらの通学区域を再検討して、変更を行なうか、場合によっては勇気をもって統廃合を行なう等の整理に踏み切るべきではないかと思うのであります。財源難のおりから、人的配置、物的−−設備の転用等、その経済的効果を期せられるゆえんでもありますので、あえて提案いたしました。市長のお考えをあわせて承りたいのであります。

 次に、昨年わが党辻議員のご質問もありました市立大学の正常化についての問題でありますが、市長も積極的にこれに取り組むとのご答弁があったのであります。今日、形の上では平穏に見受けられますが、遺憾ながらいわゆる重症校として取り扱われまして、解決の見通しについては、確たるご報告には接していないのであります。幸い、昨秋、大学運営臨時措置法が制定されまして、全国的に学校封鎖の解除が行なわれましたが、その後、大学の運営が正常に軌道に乗りつつあるかどうかということであります。申すまでもなく、学問、研究の自由、大学の自治については、われ、人ともにこれを認めるものでありますが、私たちは、大阪市が多額の公費を注ぎ、全国に先がけて公立の大学を経営し、古い伝統を持つこの学舎が、いかに全国的に、いな世界的一連の若き学徒の風潮であるとはいえ、正常な管理、運営がなされていないことには、重大なる関心を持つものであります。設立責任者であられる市長の、その後の市立大学についての詳細なるご報告をいただきたいのであります。また、本年度、文科系学舎の建設に1億 6,000万円を計上し、学生ホール、図書館、閲覧室等、さらに研究費の増1億円と計7億円余を計上しておりますが、紛争による被害の復旧については、どうなさろうとするのでありますか。大学構内の建物、器材、器具については、優に1億円をこえると聞いております。もっともこの一部は、昭和44年度の補正予算で、ある程度の回復を見たようでありますが、残余については、本予算においていかなる形で組まれていますか、あわせてお伺いいたしたいのであります。また、この紛争により損害を与えました学生に対する賠償責任及び学内処分についてもご所信のほどを承りたいのであります。同時に、大学医学部付属病院についてでありますが、紛争のために一般診療の停止状態が相当長期にわたったことは周知のとおりであります。市民に直接迷惑をかけましたことは、おおいがたいことでありますが、本予算において使用料、手数料収入26億余円を計上しています。はたして診療収入において本年これだけの見積もりができますほどに、病院内部の運営が正常化されているのでありますか。医師や無給医の陣容についても、疑いなきを得ないのであります。さらに、昭和44年度病院事業会計の現時点での診療収入は、約10億円近い収入欠陥を来たしているそうであります。もちろん、この赤字は決算には至っておりませんが、昨年、わが党の辻議員が、診療収入の激減を予想いたしまして、月間約1億円の赤字を生ずるとして、強く指摘しておられたところであるにもかかわりませず、予算の修正を見なかったのであります。はたして、しからば歳入欠陥を本予算案においていかに処置されようとせられるのでありますか、お尋ねいたしたいのであります。

 人間性の回復が強く求められており、その対策の最も緊急なるものは、公害処理であります。本年初めて西淀川地区を対象として被害者救済の措置がとられましたことは喜ばしいことであります。また、発生源の対策の最重点地区として西淀川区を措定し、同区の小中学校全校に防止対策設備として空気清浄器、防音装置を施されるのはけっこうでありますが、いまや公害は、程度の差こそありますが、全市域にわたる問題であります。なかんずく、此花、大正、住吉等の沿岸各区も、それぞれ同じ対策が打たれなければならないのであります。あえて西淀川区のみを、特に施策の対象として指定するような区別は、西淀川区にとっても好むところではないとするものであります。また別に公害発生源の防止のために抜本的な法の規制を推進される必要があるのではないかと思うのでありますが、市長のご所信を承りたいのであります。

 児童扶助の新設と生活保護関係についてお尋ねいたします。お年寄りと子供を大切にする福祉行政の一環として、今回多子家庭の第4子に月額2,000円の支給を新設いたしましたことは、児童手当等、国の施策に先鞭をつける意味においてもけっこうなことでありまして、画期的な企図であります。はなはだ言いにくいことですが、昔から貧乏人の子だくさんということがあります。すなわち、第4子を持つ家庭中、生活保護の対象者も非常に多いと思われるのであります。そこでお尋ねしたいのでありますが、この児童扶助金2,000円が、生活保護基準の計算において収入として計上されるかどうかということであります。収入されるとすれば、せっかくの扶助金制度も、日の当たらない保護世帯には潤いとならない結果を招来いたします。厚生省で本市の児童扶助金は収入に算入しないとの確約を得ておられますかどうか、お尋ねいたしたいのであります。

 次に、市営住宅の管理機構についてお尋ねいたしたいのであります。住宅施策につきましては、本年6,600戸の建設を予定されているようでありますが、年を追って増加する市営住宅は、現在5万4,000戸に達しております。これの管理はたいへんであろうと思います。建築局の一課である住宅管理課がこれに当たっておりますが、はたして、この機構で完全な管理がなされておるかどうかということを危ぶむものであります。また各住宅団地所在の監理員は、おおむね本市の職員をもって充てているのでありますが、各住宅団地の管理方法が個々ばらばらで、統一された管理に欠けるところがあるように、入居者から聞いております。この際、住宅の管理機構を強化する必要があるのではないかという点と、あるいは法律の制約があるかもしれませんが、思い切ってこの管理を本市から切り離して、別個の管理会社をつくり、これに管理せしめる方途がとれないものであるかということをお尋ねしたいのであります。また、入居資格者の所得制限については、書類審査によらざるを得ないので、正直者が損をするというケースが多いということであります。そういう取り扱いになりやすいのでありますが、この不公平を是正する方法はないかということについてもあわせてお答えをいただきたいのであります。

 一昨年、深刻な市民の抵抗を排除しまして、下水道使用料の値上げをいたしたのでありましたが、その下水道整備新5カ年計画が、物価高の今日、当初の計画どおり実施されていますかどうかであります。仄聞するところによりますと、全国的に公共下水道事業の補助対象が拡大されまして、本市に対する補助率の低下を来たす危惧があったようであります。また、下水道使用料を徴収しない他都市は、受益者負担金を徴収せざるを得なかったことも聞き及んでいるのでありますが、準公営企業として下水道使用料を徴収しています本市としては、この情勢の変化にいかに対応して、年限内に浸水防止、河川汚濁防止、全戸水洗化を目標とする所期の計画を達成せしめられるのか。また、特に周辺の地域の下水枝管の普及状況としては、第3年次−−ことし35億円を配しておられますが、過去2年の実績から見ますとき、幹線下水、あるいは処理場の建設に追われ、予定の進捗が見られないようであります。この点についてもあわせてご答弁をいただきたいのであります。

 次に職員の給与についても触れたいのであります。戦後、アメリカ直輸入の給与制度であります職階制が導入されて、すでに年久しいものがあります。複雑多岐な大組織の職種を分析して、その職分に見合う給与を打つことが至難であったこと、また一方、当時生活給的要素を多分に持っていた日本の現状であったから、中途はんぱな職階制、すなわち現在の号俸給が、公務員のすべてに取り入れられたのであります。しかし、現在、これが今日の職員を遇する制度として成功していない点を指摘せざるを得ないのであります。本市の職員は、もちろん、この何等級何号俸の格づけの中にあって、常に綱紀の粛正、能率の向上と、特に全体の奉仕者としての責任と義務を負わされているのであります。私は、職員に対する現在の給与は、厚きにすぎると考えるものではありませんが、一律一定のこの制度による給与待遇が、必ずしも各人の士気を鼓舞し、意欲を盛んにするものではないことを身をもって知っている一人であります。国、地方を通じ、公務員法の給与制度がもたらした現在の給与体系は、決して満足すべきものではないのであります。この体系の中にあって改善すべき幾つかの問題があります。本市が独自の見解をもって改善を企図する勇気が望まれるのであります。たとえば期末手当でありますが、これを一律ではなく、能力、能率に応じて配分するよう工夫することも、その一つであります。今日、民間の企業の多くは、ボーナスにおいては、少なくとも日常の各人の考課に基づいて配分している、いわゆる悪平等を避けてメリットシステムに切りかえているのが現状であります。ボーナスといい、期末手当というも、その性格は同断であります。この際、積極的にこの問題を取り扱われる勇気がおありかどうかを伺いたいのであります。

 世紀の祭典であります万国博の開催は、わが大阪市にとっては非常な誇りでありまして、それも半月あとに迫りました。老婆心であれば幸いでありますが、万国博会場への180日間に及ぶ長期の人員の輸送は、わが新開通の地下鉄が、その主力であります。日ごろ、朝夕、ラッシュを続けております1号線は、はたしてスムーズに輸送できますかどうか、その輸送計画を承りたいのであります。

 また、万国博終了後のあと地利用についてでありますが、私は、一昨年ヨーロッパを視察させていただきまして、緑の多い大公園を数多く見てまいりました。市長が常に念願とされております緑化100年運動の一環としましても、公園として利用することには大いに賛意を表するものであります。この公園が単なる公園ではなくて、真に日本の万国博を末長く象徴し得る場としての利用方法を考えていただきたいのであります。それにしても、あと地利用について関係当局にどのような進言をなさっていらっしゃいますか、市長のご答弁をいただきたいものであります。

 以上をもって私の質問は打ち切りますが、なお数項目にわたる質問を残しております。時間の制約がありますので、一応終わりますが、市長の懇切なるご答弁を重ねてお願いいたします。ご答弁のいかんによっては、再登壇いたしますことを申し添えまして、降壇いたします。(拍手)



○議長(植田完治君) 理事長の答弁を許します。中馬市長。



◎市長(中馬馨君) 岸田議員から非常に広範なご質問があったのでありますが、おもな点について私からお答え申し上げたいと思います。

 第1番目に、市長は次の改選期に立候補の意思があるかどうかというお尋ねであります。私は、信念として、非常に早くから現職の市長が次の立候補の意思の有無を表現すべきではない、ただ選挙のまぎわまで必死にみずからの仕事を遂行するのが適当だという、非常に強い考え方を持っておりますから、そのことについては、いま申し上げたくないと思うのであります。常にその年々の仕事に向かって全力を注いでいきたいと思っております。45年度の予算の編成にあたりましても、45年度、われわれが獲得した財源において、どれだけ有効に市民福祉を伸はずことができるかと、ただその1点から当たったわけであります。この問題については、いまお答えすることを差し控えることをお許しいただきたいのであります。

 そこで、45年度予算の伸びが非常に少ないではないかというご質問でありますが、私もその点は認めるわけであります。これが少なくなった大きな理由は、交通事業でありまして、これで106億大きく減っておるのであります。ご承知のとおり、地下鉄の建設はあくまでも積極的にやるという方針で進んでまいりました。世界のどこの都市の地下鉄建設と比較いたしましても、大阪の建設の速度が最も早かったということを、皆さんとともに、市民の方々にもご報告をしておるわけでありますが、しかし万国博開催の年は、道路を掘り返しておくわけにはいかない、そういうことで万国博開催期間中は、大規模な幹線道路等の工事はすべて控えるという方針をとりました。さようなことで地下鉄建設も、44年度に比べますと106億円というような減少を来たしておるのであります。しかしこれとても、万国博開催中といえども、あまり消極的になることを欲しないという意味で、260億余りの建設をすることにし、守口方面に向かって都島一帯の建設、あるいは城東区方面、あるいは住吉区方面の地下鉄工事は進めるのであります。いずれにいたしましても、交通事業で 106億円も減り、それから万国博関連事業といって今日までやってまいりました築港・深江線とか、御堂筋線の建設といったものにおいても45億円減りました。ですから、非常に特殊な現象が起こっておるということをご理解いただきたいのであります。しかし都市がこれだけ激しく伸展をいたしておりますと、都市に対する施策というものは、幾ら積極的であってもなお足りない状態でありますから、私ども、今後に向かってさらに一そう施策が充実するような努力をいたさなければならぬと思うわけであります。しかし、その伸びが比較的悪かったという前提には、シャウプ税制等の税財源が非常に貧弱だということがあったのではないかというご指摘でありますけれども、これは全くそのとおりでありまして、私どもが皆さんとともに、何としても税制改正をしなければ、日本の大都市というものはいよいよもって混乱を来たすことになるということを、ここ六、七年政府にも訴え続けてまいっておるわけであります。私どもは、この努力をさらに続けていかなければならぬと思っておるのであります。

 税制の問題については、これも岸田議員からお話がありましたように、私ども、過去数年、皆さんとともに税制改正の努力をいたしてまいりました。大幅な税制改正は、実現したとは言い切れないのでありますけれども、しかし41年には、固定資産税の評価がえ、負担調整が、かなり大きな財源を大阪市にもたらしました。また42年には、たばこ消費税の税率引き上げが実現しました。43年の自動車取得税も、初年度において14億ばかりの税収をもたらしたということで、今日かなりの財源になっております。なかんずく、私どもがかなり喜んでいいと思いましたことは、44年度における道路譲与税の配分是正であります。これは非常に強い壁であったのでありますが、とうとう実現をして配分是正が行なわれることになりました。また、国会提出中の法人税割りの税率引き上げが政府で行なわれるならば−−これは、私どもが法人税の税率引き上げによってのみ、根本的な対策ができると言っておりました点からすると、はなはだ不十分でありますけれども、しかし一歩それに手がついたという意味において、今日まで幾らかは税制改正の成果があったのであります。しかし、この激しい経済成長の中で、事業税、法人税等の税源を持っておる大阪府の税収は、驚くべき勢いで仲びておるのであります。皆さんご承知のとおりでありますが、44年度における大阪府の超過財源は、政府が発表するところによりますと256億円、われわれ大阪市の財源不足は85億円であるということで、交付税をくれておる状態であります。この税源のアンバランスというものは、政府においても、もう捨てておけないということで、本年度は法人税割りの若干の税源の移譲ということを行ないました。さらに16項目の、移譲されておる大都市の権限、これに見合う税が府県にそのまま残っておるじゃないか、これは当然行政責任が府にはなくなったんだから指定都市に移譲すべきだという意味で、府県民税を−−初めは20%、あるいは18%程度を指定都市に移譲するという案が、私どもの働きかけではなくて、中央みずからのイニシアチブにおいてつくられたわけであります。しかし、これにつきましても大部分の府県は賛成をいたしましたが、中央においては、なかなか大阪府の同意が得られないという過程もあったようであります。ついに今年度はこれが間に合わないということになったことは、私ども、非常に理解に苦しむところでありまして、このような財源のアンバランスというものは、大局に立って、府市融和のためにも、今後解決されなければならない問題だと思っておるのであります。いずれにいたしましても、税制の問題は今後私どもに課せられた大きな問題でありますが、さらに一方では、各地方団体間の税のアンバランスの問題について、国税の問題と関連して、税体系全体の再検討が行なわれようとしておるのであります。こういうように税制問題というものが、ようやく全国的な意味において、大きな問題として取り組むような傾向が出てきましたことは、私どもの税制改正にも一つの道が開けるのではないかという希望を持つわけであります。この問題は、なお皆さんとともに努力を続けたいと思うのであります。

 それから、大都市制度の問題について、いまどういうふうに考えておるかというご質問であったと思うのであります。大都市制度の問題は、行政の合理化といいますか、自治権の拡充といいますか、その主張をすでに明治時代から、われわれの先輩が長い間続けてまいりました。それが16項目の移譲というようなことで、市内の行政権限は大部分市に移っておるのであります。ところが、最近の経済成長等の世相の推移等から考えますと、現在のような個々ばらばらの小範囲の行政単位では、今日の広域化した社会、経済の実情に即しないということで、ご承知のとおり道州制の問題などが、いま大きく論議されておるのであります。また政府みずから昨年も一昨年も府県合併特例法案を国会に提出しておるような状態であります。さようなことで、現在のままの行政区域というものが、社会、経済の実情にもう合致しなくなったということは、世間一般の認めるところでありまして、政府もこれに何らかの対策が必要であるとしておるところであります。これは、私どものかねての主張と一致する点だと思います。そこで、大阪市自体の問題としては、市域の拡張をどうするかということでありますが、申し上げるまでもなく、大阪市の市域はわずか203平方キロにすぎない、そして隣接の自治というものが個々ばらばらに行政をやっておるのでありまして、これは日本のどこにも例を見ない姿であります。毎回申しておりますように、都行市政にとって大原則と申すべきものは、統一性と計画性であります。全体的に一つの統一性を持って近代計画が立てられることによってのみ、都市は乱雑でない、ほんとうに能率の高い、健康な町づくりができるということを、私どもは考えておるわけでありまして、いつの日か市域がもっと合理化されなければならないと思って、このことは事あるごとに主張しておるのであります。しかし、これは相手方のあることでありますから、相手方の態度がそうなってこなければ実現しないのであります。それにはまたいろいろな妨害もあることも、ご承知のとおりであります。そこで、八尾市との行政協定は、これは前の中井市長時代からのものでありますが、将来、合併を予想した協定ではないかというご質問でありました。おそらくそういうことを考えられてスタートしたと思いますが、いずれにしても、行政協定を結んで相携えて今日までやってまいりました八尾市において、合併の意思があるならば、大阪市においても、当然受け入れ態勢を整えて、市域の漸進的な合併、拡張というようなことに進んでいくべきではなかろうかと思うのであります。こうした問題は、市会の皆さんとともに決定すべき問題であると思うのであります。方向としては、さような考え方でおることをお答え申し上げておきたいと思うのであります。

 第3に地下鉄の問題でありますが、地下鉄の助成が実現したことは、まことにご同慶にたえない次第であります。今日の日本のこんな貧弱な道路輸送の中では、もう路面電車は機能を失ってしまうのでありまして、機能を失いそうになったから全廃をいたしたのであります。これにかわるものとして地下鉄以外にないということで、地下鉄とバスで補っておるのでありますが、バスすらも、日本の道路率ではやがて機能を失うときが来るであろうというような考え方から、私自身は、中央において、一体政府は都市交通政策をどうお考えになっておるのか、単に地下鉄自体の問題ではなくて、道路率との関連において、日本の場合は考えなければ、やがて取り返しのつかない交通の停滞、混乱を来たすときが参りますということを言いながら、あくまでも積極的な方針ということを今日まで主張してつくってまいりました。将来に向かっても、私どもはこの問題をあくまで大胆に推進しなければならぬと思っておるのであります。そこで、今日までの実績は先ほど申したとおりでありますが、しかしこうしましても、従来の独立採算制で、電車料金でもってこの莫大な建設費に償還していくことは不可能でありますから、皆さんとともに、昨年、ことし、非常に強く政府に要望いたしたのであります。そこで、所管省においてすらも20%程度の補助しか実現されないだろうと見ておりましたのが、50%の補助が実現しましたことは、世間を驚かしているくらいであります。日本としては画期的な都市対策が講ぜられたといってもいいと思うのであります。しかし、それすらも大阪市の計算においては、なおかなりの赤字が出てくるものと思われるのであります。諸外国は50%ではなくて、ほとんど100%の企業外資金をもって建設をしておるのでありますが、私どもはその世界の趨勢を考えて、将来とも国策として政府が都市交通の問題に取り組んで、さらに強力な助成制度等を打ち立てることを希望しなければならないと思う次第であります。そこで、50%の中の25%は地元負担ということになっておるが、これをどうするのかという問題であります。これは現在のところ、一応その都市−−大阪市の負担になっておりますが、これは今後自治省において検討されるべき問題として残されております。地元負担として私どもが負担しなければならない場合には、大部分は交付税で補ってくれるたてまえになっておると理解していただいてもいいと思うのであります。しかし、今後の問題として郊外に延長するという場合もありますし、また延長しなくても、現在の乗客などの実情を見ますと、大阪市民でない多数の昼間流入の人たちが利用しておるのでありますから、府がこれに適当な負担をしてくれるのは当然なことといってもいいと思われるのでありまして、岸田議員のお尋ねのように、郊外に出た場合、またそうでなくても府等が、これに助成、協力してくれるということは望ましいことだと思うのであります。すでに過去において、市会でそうしたことの附帯決議をつけられたことがあることも、いま回顧しておる次第であります。

 それから経営方針等については、局長からお答え申し上げたほうが適当かと思います。運賃値上げの問題についてお尋ねがありましたが、ただいまのところでは考えておりません。しかし、一般税収までつぎ込むという反面には、利用者が適当な負担をしてくれるということも、企業経営上は当然なことでありますから、今後の問題としては、たえず合理的な経営という点で研究を続けていかなければならないと思っておる次第であります。

 それから将来計画でありますが、将来計画は先ほど来繰り返しておりますように、私どもは、もうこれ以外には都市の機能麻痺を妨ぐ交通対策はないのだという感覚で、本年度も先ほど申しましたように、やはり二百数十億の建設費を投じようとしております。46年度からは、さらに積極的な建設を進めて、そして70年代のうちに−−10年間ぐらいに百五、六十キロまではつくり上げなければ、115キロの路面電車をはずした大阪は、周辺の人口膨張に対応できないのではないかと思っておりますし、さような心組みで皆さんとともに政府折衝も続けていきたいと考えておるのであります。

 それから阿倍野地区の再開発の問題でありますが、これは本年度からいよいよ着手することになりました。わが国のいずれの都市にも先んじて新しい都市再開発に基づく再開発に手をつけることになりましたことは、大阪都市行政の伝統からいってもうれしいことだと思うのであります。これに関連して墓地の移転の問題でありますが、高速道路にひっかかる分については、高速道路公団において処置をしてもらわなければなりませんけれども、墓地全体の問題は、墓地に対する新たな需要も市民生活の中から強くなっておるのでありまして、これを考えなければいけないのじゃないかということであります。しかしそうしたものの対策を講じます場合には、まず土地の確保が先んじて行なわれなければならないということで、予算には組んでおりませんが、適当な土地があるならば、これを確保してそれらの対策に移っていきたいというような心組みでおることを申し上げておきたいと思うのであります。

 それから次の問題は国際空港の問題であります。私どもは、大阪市政というものは、現在の限られた行政区域内の構想を持つだけではいけないということを絶えず申しておるわけでありまして、大阪の都市全体の問題として、大阪空港の問題は緊急対策を要するものであります。私どもは、地域を越えた伊丹飛行場においても、大阪府と対等な関心を持って出資をして開発につとめてまいったのであります。伊丹の飛行場は、昭和50年には飽和状態になる−−52年という計算をする人もありますけれども、大体50年か52年ごろになりますと、完全に飽和状態になる、それまでに第2国際空港をどうしても用意いたさなければならぬのであります。これはわが国の2大中枢都市としての都市の活況を示すものとして申し上げますが、現在、羽田空港が13万回、大阪空港が11万回の離着陸であります。そのうち国内は、大阪が9万7,000回、東京が8万6,000回で、大阪の国内航空の発着は、東京よりも活発になっておる状態でありまして、これは、大阪が西日本中枢都市としての機能を発揮しつつある証左でもあると思うのであります。国際空港の建設は急がなければならぬと思っております。それについてどこを考えておるかということでありますが、淡路島についてかなりいろいろな形で運動が起こされたこともご承知のとおりであります。

淡路島も一つの候補地でありますが、運輸省が5カ所を選んで、調査中であることもご承知のとおりであります。これは、淡路島、阪和の県境、明石沖、岡山の錦海湾、それから大阪湾内でありますが、この5カ所を調査対象にして、調査を続けておるのであります。

私どもの立場からすれば、大阪の都市圏の中枢であるこの大阪市にとって、いろいろな意味でできるだけ便利なところが望ましいのであります。しかし、これはいろいろな気象条件その他を総合的に検討されるべきで、運輸省においては、今後非常に積極的に調査をしようとして、45年度2億円の調査費を計上いたしておりますから、本格的な調査が進められることになるであろうと思うのであります。淡路島の場合は、あの島への橋梁の問題、輸送の問題等について、短期間で期待できるかというような問題をはらんでおることが、難点であるかと思うのであります。いずれにいたしましても、私どもは早期実現を願って、政府の積極的な調査、そしてやがて着手されることを期待して推進もしていきたいと思っておるのであります。

 次の水資源の確保の問題についても、私ども皆さんとともに琵琶湖の問題等については力を注いできたのであります。先ほどの道州制の問題等とも関連するのでありますが、府県の割拠主義といいますか、府県がそれぞれ府県民の利害を代表するというような事情もありまして、なかなか結論が出ないで今日に至っております。これもまた遷延を許さない状態にもなってまいりましたので、琵琶湖の水資源開発という問題については、予算編成の際にも関係府県都市の私ども打ちそろって、最後まで強く政府に対策を求めたのであります。政府において1億円の調査費をさらに計上しましたこともご承知のとおりであります。そして45年度において、話し合い等が済んでいよいよ実行に移せるというようなことになりました。公団借り入れ金等も加えて10億円程度の事業化が可能だ。そういうような約束もいたしたようなわけでありますが、いずれにいたしましても、これは大阪市民の将来にわたる水源確保の問題で、まことに重大な問題だと思うのであります。

 次の教育関係のことにつきましては、教育委員会からお答えしたほうが適当かと思うのでありますが、私の感じただけを申しますと、やはりご指摘のように、教育には最重点を置かなければならないと思うのであります。今後のわが国の将来−−ことに70年代というものを迎えて、いろいろと将来のことを考える立場に立って見ますと、何といっても教育のことは重大な問題であり、ことしは、幼稚園教育から大学教育まで国家的規模において真剣な検討がなされ、改革が行なわれるべきだと思っておるのであります。そして、その中でも、一つの小さい例のようでありますが、プールの問題を強調されましたけれども、私も、このような狭い大阪市においては、プールこそ狭い面積で有効な体育施設だと考えております。それらの建設には力を注がなければならないと思っておるような次第であります。通学区域の問題も教育委員会からお答えするのが適当かと思いますので、教育委員会に譲ります。

 それから、大学紛争の問題ででざいますが、昨年のあのような大学紛争は遺憾なことでありました。市民に対しても非常に申しわけないことだと思うのであります。しかし、これは大学のあのような伝統、大学の自主性というものが特に尊重されなければならないということで、中央、地方を通じて、昨年は紛争を続けたようなことであります。しかし大学法の制定等によって、処置もとられて、大阪市の場合も昨年の9月以来、紛争は大体解決したということになりました。その後、復旧につとめ、45年度の入学試験も正常に行なわれるというようなことになってまいったのであります。また病院等につきましても、今日ようやく、入院患者は50床をこえてまいりました。日々の外来患者も1,000名をこえてまいったようであります。また、大学の復旧についても、先ほどお話のように、大学の研究費の一部を留保して、これをもってとりあえず、大学が自主的に復旧に当たるというようなことで、授業等には差しつかえのない態勢ができたのであります。また、今後の改革の問題につきましては、これは大学自体が委員会等をつくって取り組んでおりますが、それとともに大学の中央審議会−−また、きようは国立大学の改革の案も発表されたようであります。いろいろな形で改革案というものが国をあげて論議され、そういう過程で大阪市みずからも改革案を用意し、そういうものが総合された結果として、私どもは健全な将来の大学運営の方針が、この45年度において確立されることを期待いたしておる次第であります。われわれもそのことは大学当局に向かって、また中央政府に向かっても、いろいろな形で要望いたしたいと思っておるのであります。その他数字等のことについては、担当者からお答え申し上げます。

 公害対策の問題についても、先般予算説明の際に申し上げましたが、私どもは45年度において最重点を置かなければならない対策だと思っておるわけであります。その中でも西淀川に対する処置というものは、指定を受けただけに少なくとも一、二年で、ほかの地域に劣らない状態になったというところまで急いで持っていかなければならないということで、総合的な対策を立てることにいたしたのであります。その一々については申し上げませんが、昨年度の公害対策費が6億8,800万円、ことしは11億2,100万円というようなことで、予算もかなり伸ばしたのであります。発生源の工場等の移転を促す賠償費5億円、公害防止の設備資金の融資ワクを7億5,000万円にふやしております。それから先ほど申しましたように、教室におるときはせめてきれいな空気をということで、西淀川の小中学校の教室に一斉に空気清浄器を入れるといったようなこと、また健康被害救済制度を適用して、できるだけ、健康を害された人に、法の保護に浴してもらうということが適当だということで、あえて指定を受けたような次第であります。この問題については、なお一そう皆さんとともに努力を続けたいと思っております。

 それから多子家庭の扶助について、生活保護法等の関係はどうなっておるかということでありますが、これは、ただいまのところ収入に入らないということを民生局長からお答えいたすかと思います。大体さようなことで話し合いを進めておるわけであります。

 それから団地管理のことについては所管からお答えいたします。

 次に下水道の5カ年計画が可能かという問題であります。これも政府折衝において、国策として下水道の国家予算自体が十分組まれなければ、われわれの配分も少なくなるわけでありますから、下水道の国家予算の獲得について、都市が非常に真剣に推進いたしまして、おかげでこの予算はかなり伸びたのでありますが、しかし起債の率等が減った点において多少の問題があるわけであります。しかし、私どもとしては5カ年計画を立てたその線に沿って、そのまま45年度もこれを実行に移すということで予算を組んでおるわけであります。なかんずく枝管の問題等も、ことしは35億円という大きな予算を組みました。これは、周辺部が下水処理区域になっても、枝管が徹底しておらないということで、市民の要望にこたえかねておる点も多いので、特に35億円を計上したようなわけであります。

 それから万国博に関する輸送計画の点でありますが、これは幸いにして1号線が会場まで入ります。それから堺筋線も万国博会場へ通ずることになりました。これが万国博開催時に最も大きな輸送機関としての役割りを果たすものと、私どもはこの二つを仕上げたことを非常にうれしく思っておるわけであります。先般、運輸大臣が見えましたときに、一緒に朝の混雑状況を見たのでありますが、幸い万国博会場へ行くのは、逆コースになります。朝、通勤人口が市内に入りますが、こちらから出ていきますから、交通機関としての輸送力には、それがダブるという現象は起こらないのであります。しかしホームの混雑が心配されますので、ホームの点も私どもは検討してみたのであります。ただ、時間的なずれが、何とかしてできるようにというように、輸送計画の配慮をすべきではないかと思っておるわけでありまして、これらの点は、担当の専門家からお答えしたほうが適当かと思います。

 あと地の問題につきましては、どういう考え方で市長は推進しておるかということでありましたが、いろいろな機会にも皆さんに申し上げておりますように、この都市は−−単に大阪だけではなくて、東京もそうでありますが、全く自然を失った、非常に環境の悪い都市であります。外国の都市に比べて公園の比率が、大体1割しかないのが日本の大都市の姿であります。そして、世界じゅうが1970年代は都市に人間性を回復する時代だと言われておるのに、外国の1割しか自然を持たないこの姿は、将来にわたって、日本国民の非常な不幸だという考え方で、市民の皆さんとともに、緑化100年宣言をして、この運動に特に力を注いでまいっておるのでありまして、市民の方々の協力によって大阪の緑化は進んでまいっております。そこで、5年前に万国博を開催するということが決定した際に、石坂さんと知事と私を参議院に呼んで、万国博に対する構想を尋ねられたことがありますが、そのときに言いましたことが、都市の周辺にいま一番必要なものは、公園、緑地である、だからあの全域を将来にわたって、公園、緑地−−記念公園として残されるべきであるということ、それからもう一つ申しましたことは、東京には博物館がある、西洋美術館がある、また近代美術館がつくられる、国民劇場がつくられるというふうに、日本的権威のある文化施設は全部東京に集中しているじゃないか、あえて大阪にとは言わないが、西日本の国民のために権威ある文化施設を公平に配分すべきだ、それには絶好のチャンスではないか、だから万国博あと地には、日本的な権威を持ったすばらしい文化施設を残すべきだということを説明したのであります。その私の主張は、変わることなく今日に至っております。初めは大阪府等においては、ご承知のとおり一部に二、三の大学を持っていく、また一部をトラックセンターにする、一部に中央市場を持っていくという案が出されておりましたが、私どもは、そうしたこま切れ処分をするのはおしいじゃないかということを言い続けて、今日では大体の考え方が、私どもと同じように、全域を公共的に使うというような方向に進んでおると思うのでありますが、あの建物は、なお5年、10年使えるものが相当あるのであります。閉鎖の後、どういうふうに建物を処分し、また残し、使うかという問題は、政府において委員会がつくられて決定されることになると思うのであります。

 私から大体お答え申し上げましたが、またそれぞれの部局長からお答えすることにいたします。



○議長(植田完治君) 黒田交通局長。



◎交通局長(黒田泰輔君) ただいま交通に関する質問に市長よりお答え申し上げたのでございますが、残っております問題は、万国博輸送の問題だと思うのでございます。

 市長がご答弁申し上げておりましたように、朝のラッシュは8時から9時、万国博のラッシュは、私たちは9時半から10時半だと予想しておりますので、その点きわめて幸いだと存ずるわけでございます。皆さんのご支援を得まして、万国博関連事業ということで64キロの路線が近く完成をする見込みでおるわけでありますが、直接あの地域に参ります鉄道といたしましては、すでに申し上げておりますように、1号線と北大阪急行とのタイアップ、それから6号線と阪急千里山線とのタイアップということでございまして、ご指摘いただいておりますように、期間中に5,000万人という輸送計画は、関係の国、私鉄と私どもとバス路線の配置等も考え合わせながら、いろいろと協議をしてまいったわけでございます。現在、一応の見込みを申し上げますと、問題は休日でございます。したがいまして、1号線と6号線が北大阪急行、阪急とタイアップしながらさばかなければならない人は、23万人でございます、したがいまして、ラッシュを9時半から10時半と想定いたしますと、大体乗車効率200%未満でさばけるのではなかろうかというような一応のもくろみをもって現在保安設備の改善等とともに進んでおり、これを基盤に鉄道の運営をしてまいりたい、かように考えておるわけでございますが、何ぶんご案内のように、1時間のラッシュの見方でありますから、30分ということで見れば、200%をこえることも予想されます。それから新幹線、あるいは東海道、山陽線等を通りまして来る、いわゆる団体のお客さんでございますが、そのピッチがかなり早いと思うのでございます。したがいまして、ラッシュ1時間中の10分、あるいは20分という間隔で見ますならば、いろいろ応用して、私どもは輸送の万全を期していかなければならないのではないか、かように考えておる次第でございます。ご指摘のとおり、輸送は重要な問題でございますので、そういう基盤を持ちながら状況に応じてすみやかな措置をとって輸送の責めを果たしたいというように考えておる次第でございますので、よろしくご了承願いたいと存じます。



○議長(植田完治君) 石川教育長。



◎教育長(石川多賀夫君) 教育問題についてお答え申し上げます。

 第1点の校舎問題についてでございますが、これにつきましては、何よりもまず周辺区の収容対策と昨年より行なっております越境対策に対応する収容策、こういった観点で校舎問題に対処してまいっておるわけでございます。先ほどおっしゃいましたように、校舎の建設と改築合わせて525教室をお願いしておるわけでございますが、そのうち校舎の改築につきましては、実は152教室を考えておるわけでございます。44年度におきましては94教室でございますが、それを58教室ほど上回って、現在152教室を予定しておりまして、この面において相当積極的にやってまいりたい、かように思っておるわけでございます。そうして、現在本市の小中学校、いわゆる義務教育に関する学校の鉄筋保有率でございますが、これは大体、全市平均で80%ということで、他都市と比べましてもいいほうであるというふうに考えておりますけれども、なおこの面につきましては、計画的にできるだけ鉄筋保有率をよくするようにつとめてまいりたい、かように存ずるわけでございます。

 それから第2番目にプールの問題でございます。実は、小学校で15校、中学校で10校不足しておるわけでございまして、45年度にプールは10校お願いしておりますが、これまでの経過を見てみますと、43年に10校、44年に14校、そうして45年に15校、かようになってきておるわけでございます。したがいましてこのままのペースでいけば間もなく義務教育関係についてはプールの問題は解消する、かように存じておるわけでございます。

 それから次に幼稚園の問題でございますが、現在大阪市におきます幼稚園の現状は、公立が59園、国−−これは付属でございますが、国と私立が167園でございます。そして、その結果就園率は、全市平均をとりましたら非常に高いのでございますが、地域ごとにしさいに見ていきますと、アンバランスがあることは事実でございます。とりわけ周辺地区では、人口の急激な増加等によりまして、そういう偏在といった問題が出てきておるわけでございます。したがいまして、教育委員会としましては、地域的な偏在がないようにつとめてまいりたい、かように従来から考えておりますけれども、本年は1園で少ないのじゃないかということでございますが、私どもとしましては、実は、44年度は新設がないわけでございますので、45年に1園でもやりたい、そしてさらに今後積極的な姿勢を示して計画的に充足してまいりたい、かように思うわけでございます。

 次に、PTAの負担軽減の問題でございますが、43年度より4カ年計画でこの問題に取り組んでおるということは、ご承知のとおりでございます。本年は、44年度の当初予算に比べて約5億4,000万円増額して、予算額としては約23億9,000万円お願いいたしておるわけでございます。昭和45年度に、このように予算がつきますれば、当初計画の学校運営費総額の約86%を措置いたしたことになるわけでございます。そして46年度でもって一応完了いたしたい、かように存ずるわけでございます。そこで、物価高等の問題が出ておったわけでございますが、この面につきましては、45年度は公共料金関係を見てもらいたいというわけでございます。何はともあれ、当初計画をまず完成することが必要じゃないかというたてまえに基づきまして、完成した上でさらに教育の進歩に伴う維持運営費の増額、あるいは仰せのような物価上昇に伴う問題等を検討いたしまして、積極的な姿勢で臨んでまいりたい、かように思うわけでございます。それから他都市との関係でございますが、大阪市と同じような考え方で、同じような方法でやってまいっておるのが東京都でございます。その他の都市につきましては、まだ維持運営費についての標準額設定について頭を悩ませておるような状況でございまして、本市としては、他都市に比べて先行しておるといっても過言ではない、かように存ずるわけでございます。

 それから、学校の過疎、過密の問題ですが、仰せのとおり周辺地区では非常な過密状況であり、中心区では過疎の状況が出ておることは事実でございます。また、過疎の学校における児童、生徒への教育上の影響、あるいは教育上の効果のプラス、マイナスといった問題が出ておったわけでございますが、あまり児童、生徒が少ないと教育上の効果はやはり減少してくる、これも通説になっておるようでございます。適正な規模は、大体18学級から24学級じゃないかということが一般に言われておるわけでございます。したがいまして、過密学校については、37年度から漸次計画を進めてまいりまして、この上ともさらに積極的に対処してまいりたいと存ずるとともに、過疎の学校につきましては、やはり適正規模になるように対処しなければならない、したがって、おっしゃっておりますような統合問題もその一つではないかと思います。われわれも、今後教育行政の中にあって、この過疎の学校をいかに持っていくべきかということは、重要な課題として真剣に、また周到な準備のもとに進めていかなければならない、かように存ずるわけでございます。しかし、一方学校の伝統とか、地元住民の方々の感情とか、あるいは最近の交通難による災禍、そういった問題もいろいろございます。また、都市の再開発に伴いまして、今後の人口構成等が大きく変動するということも予想されます。したがって、それらの要因を慎重に検討し、積極的にこれらの問題を十分な準備のもとにやってまいりたい。かように思うわけでございます。

 次に、通学区域の問題につきましても、これも同じような観点に立つわけでございまして、越境防止の対策上、通学区域の問題は所々方々に出ておるわけでございます。これもいろいろと要因を含んでおりまして、それらに適切に対処してまいりたい、かように思うわけでございます。

 それから最後に西淀川区の学校の空気清浄器の問題でございますが、実は、此花区、大正区、西淀川区におきましては、うがいを励行させ、また耳鼻科の検診等をやっておるわけでございます。教育委員会としては、公害の問題を取り扱っておるわけでございますが、45年度には西淀川区で空気清浄器をお願いしておるわけでございます。本来なら、西淀川区、大正区、此花区を一ぺんにやれれば、それにこしたことはないんですが、まず初年度として公害地域に指定された西淀川区より始めたい。そして計画的に漸次大正、此花にも及ぼしていき、公害対策全般の中で学校教育上いかにすべきかというような観点でこの問題を取り扱っていきたいわけで、ひとり西淀川区のみを対象としておるわけじゃなしに、計画的にこの問題を取り扱ってまいりたい、かように存ずるわけでございます。

 以上でございます。



○議長(植田完治君) 小島市立大学事務局長。



◎市立大学事務局長(小島誠君) 大学関係につきましてお答えいたしたいと思います。

 まず、昨年は大学の紛争のために市民の各位に非常なるご迷惑をかけましたことを厚くおわび申し上げる次第でありますが、同時に市会の各位から当大学に寄せていただきましたあたたかいご支援に対しまして、厚く感謝申し上げる次第であります。

 さて、市長は大綱を申し述べましたので、私は細部を申し述べたいと思うのであります。紛争の期間中に、私たち大学がこうむりました被害でございますが、建物の関係におきましては、約7,700万円、研究備品等で約6,900万円というようなものでありますが、まことに残念なことでありまして、市民の重大な財産に、かかる被害を受けましたことを、私は厚くおわび申し上げる次第であります。しかしながら、私たちは10月の初めに封鎖を解除いたしまして以来、直ちに本来の目的であります授業の再開と病院の正常なる運営に対して全力をあげてまいりました。おかげをもちまして、先ほど市長から申し上げましたように、授業も正常に行なわれ、卒業もすることができるようになりました。また、病院も大体紛争当時の倍以上の人をお受けできるというようになったのであります。特に、医学部におきましては、問題の発端でありました研修医の問題も、2月から一部正常化できまして、そうしたことは、私たちも非常に喜ばしいと思っておるのであります。こういうような状況で、建物の被害も大いに受けましたが、理工系、あるいは病院そのものは、ほとんど被害はございませんので、復旧が快調に進んでおるのであります。今後ともこうしたものにつきましては、一そうの努力をしていきたいと思っておるわけでございます。建物の関係は、おおむねできております。備品関係は、日進月歩で今後機械も新しくなりますので、45年度予算も含めて考えていきたいと思うのであります。

 次にお尋ねの学生の処分等の問題でありますが、こうした問題は、やはりきわめて重要な問題でありまして、一つ方法を誤れば、それがまた紛争の原因になるということは、他大学でもあったわけでありますので、私たちは、事実をよく確認した上で、この問題については処置をすべきである、かように考えておるのであります。しかしながら、非常に暴力的な行動をしたことが明確な学生につきましては、大学としては告発をしておるのであります。今後十分検討をしていきたいと考えておる次第でございます。

 なお、第3点の病院の問題につきましては、この紛争中非常にご迷惑をかけ、また経営上、約9億円の経常収支の赤字になるのではないかと思っておるわけであります。こうした赤字につきましては、44年度中に整理すべきものは多少ありますが、残りにつきましては、今後十分市ともご相談いたしまして、病院の努力によって、年は変わりましても解消するように努力いたしたい、そういうように現在検討中であります。

 以上、簡単でございますが、ご答弁申し上げました。どうぞよろしくお願いいたします。



○議長(植田完治君) 徳山建築局長。



◎建築局長(徳山正文君) ただいまのご質問でご指摘のありました住宅管理の機構の強化の問題、それと管理会社をつくる問題についてお答え申し上げます。

 ご承知のように、5万6,000戸に及びます市営住宅の管理につきましては、入居の問題、あるいは使用料の徴収の問題、あるいは補修、管理の問題というように、非常に多くの事務量を持っておるわけでございますが、これにつきましては、日ごろ担当者が鋭意その事務処理に邁進しておるわけでございます。

 ただ、そのスピードの問題につきましても、日ごろ指摘を受けておるところでございまして、われわれといたしましては、管理機構の改革、あるいは人員の強化、あるいは補修機構の問題について、日常いろいろ苦慮し、また対策を考えておるわけでございますが、45年度を迎えまして、多少、管理機構の変更ということで、いろいろと事務の迅速化をはかっております。

 第2にご指摘のありました管理会社の問題でございますが、補修管理の問題について、一部、他の団体に委託してはどうかということにつきましても、現在検討中でございます。

 第3点の収入基準の改正の問題でございますが、ご承知のように、市営住宅は住宅に困っておられます低所得者の方に安い家賃で住宅を提供することが目的になっておる関係上、国において入居の収入基準をきめられておるわけでございますが、昭和26年に公営住宅法が改正に相なりまして、制定されまして、以後、一昨年の10月に収入基準が改正されますまで、4回の収入基準の改正があったわけでございます。それにいたしましても、まだ収入基準が低いのではないか、公団、公社の住宅入居の資格とを非常に断層があるということも日ごろご指摘を受けておるわけでございまして、われわれといたしましても、機会あるごとに、この収入基準をアップすることについては、国に対して要請をしておるのが現状でございます。



○議長(植田完治君) 久川総務局長。



◎総務局長(久川芳蔵君) お答えいたします。現在の職員の給与体系は、いわゆる年功序列型で、万事一律で、これでは信賞必罰にもならないし、また士気を鼓舞し意欲を高揚さすには不十分ではないか、したがって、ここで大阪市独自の給与体系を打ち出してはどうかというお尋ねであったと思うのであります。ご承知のとおり、終戦後、公務員の給与体系は非常に変革があったわけでございまして、それが二十数年の間にいろいろな経過−−いきさつを経まして、現在の給与体系になったわけでございます。したがいまして、ここで急に大阪市だけが別個の給与体系を打ち出すということは、非常に混乱を起こし、事実不可能に近いことではないかと考える次第でございます。しかしながら、職員の士気を鼓舞し、また信賞必罰をして能率をあげるということは、非常に大事なことであると考える次第でございますので、私どもは、現行の給与制度の中におきましても、いろいろな手当制度を運用、あるいは褒賞制度の活用、あるいは抜てき、昇任というような、いろいろなものを組み合わせまして、運用の面におきまして十分考慮し、職場の規律を保ち、士気の高揚に今後もつとめていきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。



○議長(植田完治君) 藤井民生局長。



◎民生局長(藤井弘巳君) 多子家庭児童扶助金と生活保護家庭の収入認定の関係につきましてのご質問にお答えいたしたいと思います。

 収入認定に関します厚生省の昭和44年度の基準では、月額2,000円までは収入認定をしないということになっておりますので、本市が実施いたそうといたしております第4子分の2,000円につきましては、問題はないわけでございます。ただ、この基準は年々引き上げられておりまして、昭和45年度の基準におきましては、ただいま厚生省において検討中でございます。したがって、いまの基準どおりに参りますと、第4子につきましては問題はございませんけれども、第4子、第5子の4,000円とか、あるいはまた第4子、第5子、第6子の6,000円とかいうことになりますと、収入認定の基準外になってくるということになるわけでございます。しかしながら、私どもはこの扶助金制度が直接児童福祉の向上というたてまえをとっておりますので、この趣旨を強く打ち出して、厚生省に対しましては、これを収入認定しないように折衝いたしてまいろうと考えておるわけでございます。ちなみに東京都がすでに実施いたしております第3子、月額3,000円−−これは昭和46年度を目途に国が実施しようといたしておりますのとほぼ同様でございますけれども、この東京都の処置に対する厚生省の方針等も、私ども非常に真剣に着目いたしておるような状況でございますので、ご了承賜わりたいと思います。



○議長(植田完治君) 16番岸田政夫君。



◆16番(岸田政夫君) 自席から発言することをお許しいただきたいと思います。

 ただいまの市長はじめ理事者のご答弁には、いろいろと不満な点がございますけれども、今後、常任委員会においてわが党の議員より、それぞれ質疑をしていただくことにいたしまして、一応私の答弁を終わらせていただきます。



◆35番(音在又一君) 動議を提出いたします。この際暫時休憩せられんことを望みます。



○議長(植田完治君) 35番議員の動議にご異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)



○議長(植田完治君) ご異議なしと認めます。よって動議のとおり決しました。

 暫時休憩いたします。

   午後1時2分休憩

   午後2時6分再開



○副議長(中石清一君) これより休憩前に引き続き会議を開きます。

 佐伯三郎君の質疑を許します。14番佐伯三郎君。



◆14番(佐伯三郎君) 私は大阪市会公明党議員団を代表いたしまして、ただいま上程されております昭和45年度予算案並びに関連案件についての質問をいたしたいと思います。

 先日の市長説明によりますと、今回の予算編成にあたっては、生活の場としての町づくりと、都会生活の谷間にある恵まれない人たちを大切にする市政を一段と強化するとともに、あくまでも再開発の手をゆるめることなく、万国博を契機として、一そう国際性を高めるであろう本市の都市機能の向上を期して編成したということになっております。この市長説明に関する限り、これはまことにけっこうなうたい文句でありますけれども、それでは、はたしてこの予算案の中身はどうでありましょうか。われわれの見るところでは、一言にしてこれを評するならば、総花的予算であると断ぜざるを得ないのであります。限られた財源の中で、大都会特有の各種の深刻な都市問題をかかえながら、他方においては市民生活の安定と、教育問題や民生福祉の諸問題を解決していかなければならない市長の苦衷は、わからないではありませんけれども、それにいたしましても、あまりにも総花的でありすぎはしないかと思うのであります。市長はもっと確固たる信念を持って、冗費節減に大なたをふるい、大英断をもって市長説明どおりの、名実ともに整った予算編成をしていただけなかったかと、まことに残念に思う次第であります。

 まず一般会計の構成を一覧いたしますと、総額2,239億3,823万9,000円、そのうち民生費を見ますと、236億7,560万9,000円で、約10.55%となり、これは44年度の9.35%に比べますと、新年度はやや上向きかげんではあります。しかしながらこれを過去の実態に照らして考えてみますと、41年度が9.56%、42年度が9.80%と上昇しつつあった民生事業費が、万博のあおりをくらって43年度は9.40%、44年度は9.34%と逆に下がってしまいました。そこで市民は、万博後の45年度予算には、かなり多額の民生費が計上されるであろうと期待を寄せておったのであります。ところが今回の伸び率は意外なほど少ない。これでは、とうてい過去のおくれを取り戻すことはできません。全国の平均と考えられる国家予算ですら、民生費が14.0%をこしたではありませんか。教育費についても全く同じであります。一般会計総額に対する割合が41年度8.35%、42年度8.71%と上向きであったものが、43年度が8.20%、44年度が8.15%と下がってしまっており、今回は8.81%とふえてはおるものの、従来のおくれを取り戻すには至っておらないと思うのであります。そのほかに市民生活に特に関係の深い衛生、清掃等についても同様でありまして、数字は省略いたしますけれども、まことにわずかな伸び率で、市民の期待とは全くほど遠いものがございます。またわれわれが非常な関心を持って見てまいりました一般財源の増収分についての配分は、はたしてどうなっておるのでしょうか。新年度の増収分総額が159億 6,426万5,000円、そのうち民生費に対する配分は19億4,278万1,000円で、これはわずか12.2%である。教育費は15.2%、衛生、清掃合わせて11.8%というまことにお粗末なもので、これではたして45年度予算が市民生活に基盤を置いて編成されたと言えるであろうかどうかと反駁せざるを得ないのであります。このほかこの予算案は、数々の指摘すべき問題点があります。市長説明とはまるでうらはらな、いずれにいたしましても、われわれにとっては、まことに不満な点が多い予算案ではありますけれども、予算編成にあたっての市長の真意、あるいは新年度に向かっての市長の姿勢、将来への施策等について、以下数点にわたってお伺いしたいと思うものであります。

 まず最初に、税財政の問題についてお伺いいたします。この問題は市長をはじめ理事者各位とともに深く考え、かつ従来以上の活発な活動を展開しながら、抜本的な改革をみるべく粘り強い努力を続けたいと常に自覚しつつ、一、二伺いたいと思うのであります。

 昭和25年のシャウプ税制の改革が、民主政治の確立のための地方自治体の強化、つまり市町村の財源の確保を目途に制定されたにもかかわらず、本市においては、昭和30年を境として府税が市税を上回り、対24年度で府税が35倍以上にもなっているのに対して、市税は15倍と低迷しているのは周知のとおりでございます。そのために本市財政は窮乏し、勢い市税以外の収入にその多くを依存しなければ、やりくりができない状態を続けておる実情であります。ちなみに一般会計の中における市税収入の比率を見ると、昭和40年度に47.2%であったものが、45年度には38%と低下し、その穴埋めは必然的に税外収入に頼らなければならないのであります。たとえば市税が40年度に比して1.85倍しか伸びていないのに、その他収入は4.7倍にも及んでおるのであります。この一つを見ても実に明白であります。ここで極端でありますが一例をあげるならば、中心部の比較的有効な場所に、本市の公共用地を有していたとしても、それを売却して周辺部の安い土地を取得しなければならない羽目になり、これは即市民サービスの低下ということになるばかりでなく、都市計画の上にも大きな阻害となっておるのであります。市税そのものを簡単に見ても、市民の財産課税の比率が高く、利益課税がやや低くなっており、市民税にいたしましても、個人税の伸び率に比して法人税の伸び率が低下しておるのであります。続いて歳出面を見るならば、昭和35年を境として投資的支出が経常的支出を上回り、これが年々上昇の一途をたどっております。そこで本市の公共投資がはたして300万市民を対象として行なわれておるかどうか。本市の公共投資は、昼間流入人口を含めた420万、いな450万市民を対象とした公共需要に対応する公共投資がなされておるのであります。またそうせざるを得ない都市機能になっておることは、すでに指摘されておる事実であります。ここに本市特有の税財政問題が起因しておることを常に忘れてはならないのであります。市長の税制改革に尽くされた情熱の偉大さと、またその努力によって増収しつつある交付税、あるいはその他特定財源等、その足跡は高く評価さるべきであると思うのであります。しかしながら国会の地方行政委員会の附帯決議とか、税制調査会の答申だけでは市民への公共サービスは向上しないということも考え合わせて、70年代を迎えて、大都市問題はさらに拡大するであろうことは、容易に予想されるのでありますが、45年度はその初年度でありますし、税制改革以来20年、ここらでこの税の問題は、どうしても適正な形に改革しなければならないのであります。心ある市民はこう言っております。いつまでも市長さんや市会にばかりまかせておれない。われわれ市民も一体となって、広く市民運動を展開して、是が非でもやり遂げてもらいたいとの力強い叫び声が市民の間にきわめて多いのであります。そこで市長にお尋ねいたします。こういう心ある市民の声をむげにしないで、一日も早く幅広い市民運動を展開しつつ、積年の課題となっている税制の抜本的改革をなすべきであると思うが市長はいつまで手をこまねいていらっしやるつもりか、はっきりと態度をお示し願いたいと思うのであります。

 次は、マスタープランについてお尋ねいたします。市長は就任と同時に大阪市総合計画基本構想を発表いたし、その構想に基づく10カ年実施計画を策定、積極的にこれが実現に取り組んでこられたのでありますが、総合計画事業は、たまたま実施途上において決定した万博関連事業に切りかえざるを得なかったため、国家的大事業である万博関連事業が優先し、その方針が一部不本意ながら変更せざるを得なかったと考えるものでありますが、万博関連事業終了を転機に、当初の西日本経済中枢都市としての地位の強化と、効率的に都市機能を配置した経済、産業の基礎確立の計画も、産業構造の高度化とともに、さらに企業構造、金融機構、流通機構、労働市場や人口の変動、生活水準の向上等々、社会経済的変化は広範、複雑多岐となり、行政全般にわたって均衡のとれた施策を行なう都市行政の基本的構想からも、市民に直結したところの計画に思い切って大転換すべきであるとの関係方面の意見があります。そこで市長が予算説明で述べられた人間性の回復と都市機能の向上にマッチしたところの万博後の本市の新しいマスタープランの全貌を具体的にお聞きいたしたいのであります。また、激しい都市化と人口急増の東住吉区、城東区等周辺地は道路の新設、下水道の整備、交通、教育等、生活環境の改善、整備の行政は、全く立ちおくれております。昨年に引き続きわずか周辺地区画整備事業調査費が計上されたのみで、全く中心に厚く周辺に薄い、へんぱな行政が端的にあらわれております。たとえば新年度において、いよいよ鶴見緑地の造成に着手されるが、この周辺は環境に恵まれた絶好の住宅地域でありながら、まさに地域全体がスプロール化し、苦心の緑地公園も、接続する幹線道路の見通しすらなく、市長はこれら周辺地開発計画をいかにお考えか、計画をお聞きいたしたいと思うのであります。また万博関連事業遂行のため、枝管を含む下水道整備計画のおくれが目立ち、いまポスト万博のときを迎え、下水道整備計画実施倍増を市民は特に期待しておりますが、この点あわせてお答えいただきたいのであります。さらに総合的都市づくりにはその前提として行政区の問題がありますが、近年、市内人口の流動から見て、現行の行政区規模がはたして適当であるかどうか、行政区の再編成も当面早急に処理しなければならない重要な課題であると思いますが、この点もあわせてご所見をお伺いいたしたいと思うものであります。

 次は教育問題についてお伺いいたします。わが国は世界で最も教育に熱心な国とされております。しかしながら相次ぐ諸物価の値上がりに加えて、父兄の教育費負担の増大は、市民生活の大きな圧迫となっております。そこで本市は昭和46年度に義務教育費の父兄負担全廃を目途として、学校維持運営費を43年度より毎年4億円ずつ累増し、4年目の46年度には15億円を増額する計画で今日まで進んでまいりました。45年度は第3次措置分として、学校維持運営費を約5億円増額計上しております。ところが43年当時の考え方からすればすでに2ヵ年を経た今日、父兄負担は相当軽減されていなければなりません。しかるに現実はどうでありましょうか。父兄負担は一向に減らないばかりか、むしろ以前にもまして手をかえ品をかえ、父兄からの諸経費が徴収されているのが現実の姿ではないでしようか。たとえば教科書は無償配付になっているものの最近は副読本を次々と買わなければなりません。社会科の教科書1冊に対してでも、五、六冊もの副読本、練習帳、ノート等を買わされております。加えて給食費、学級費、物品代、PTA会費、対策費等の一切が何らかの形で増額され、多くの市民を苦しめている実情をはたして市長はご存じでありましようか。学校維持運営費の4カ年にわたる増額は15億円となっておりますが、物価の値上がり等を勘案した場合は、この程度の増額では父兄負担の軽減にはなっておりません。この現実を市長はどう考え、どう対処するのか。この際当初の目標15億円を一歩進めてさらに増額すべきであると考えておりますが、市長のお考えはいかがでございましようか。また、父兄負担の軽減についての条例の制定、副読本に対する規制、あるいはその他の適切な措置を講ずるお考えはないのかどうか、市長の所信を承りたいと思うものであります。

 次に、幼児教育についてお尋ねいたします。次の世代の育成は、市長説明の中の一つの柱となっておりますが、幼児教育もまた次の世代育成に欠くべからざる重要性を持っております。この観点からすれば、まことに時代に逆行した施策ではないでしようか。わが国の文明の高度化は、幼児の世界にも波及し、いまや幼稚園に入園することは当然のこととなってしまいました。この点については、先ほどお話がありましたので、ご答弁はけっこうであります。しかし今後幼稚園を義務教育として、公費でまかなうべきであるという世論は次第に高まっており、それが常識となりつつあります。このような社会の推移の中で、わが大阪市には市立幼稚園が一つしかない区、あるいは全然ない区さえあるのであります。これらの恵まれない地域の父兄はこう言っております。同じように税金を納めながら、なぜわれわれだけが、大阪市民として平等に恩恵を受けられないのかと、非常な不満をぶちまけておりますが、市長はこれに対してどうお考えになるか、お答え願いたいと思います。

 次に、市立大学についてお伺いいたします。市立大学の紛争は、過激分子と言われている一部の無謀な学生の封鎖によって、市民の財産が破壊され、ばく大な損害をこうむっております。したがって大学の正常化にも大きな障害となっておるのでありますが、無謀な分子のほとんどが他の大学の学生たちであると伝えられております。また、医学部の紛争よりみて、病院の管理、運営はますます複雑多岐にわたり、現行法では管理、運営の責任を大学教官に負荷せしめており、教官にとってはまことに気の毒であるばかりでなく、本来の使命である教育、研究に専念できないのが実情で、少なくとも大学教官には後顧の憂いなく教育、研究に専念できるよう配慮する必要を痛感するものであります。こうした一連の被害をこうむった校舎、施設等の損害賠償要求については、現在一体どうなっているのでしょうか。またこのような無謀を働いた不法学生の処分はどうするのか、これにつきましても、先ほど岸田議員の質疑の中にありましたので省略させていただきますけれども、新年度学生の入学及び進級、卒業等を含めて、今後の大学の管理、運営の民主化、能率化についてはどのようにするのか、以上の諸点について市長の明快なるご答弁をお願いするものであります。

 次に、民生福祉の問題についてお伺いいたしたいと思います。市長は絶えずお年寄りと子供を大切にする福祉行政ということを口にされてこられました。口にはされておりますけれども、いままであまり芽が出なかった。しかし今度はちょっぴり芽が出てきたようであります。その一つが多子家庭扶助金制度の新設であると思うのであります。わが党は、昭和36年以来国会において児童手当の必要性を主張し、推進してまいりました。佐藤首相をはじめ厚生大臣も45年度には必ず実現することを公約したのでありますが、いまだ実現の運びにはなっておりません。しかしながら各地方自治体においてはその必要性を認め、本年1月1日までに222の地方自治体がすでに児童手当の給付を実施しております。本市においても、今回の予算案の中で多子家庭扶助金制度は盛り込んでおりますが、これは本市の福祉行政の一歩前進であるとわれわれは評価しておるのであります。ただし一歩前進とはいっても、市民の希望からみれば、これはたいそうお粗末なものと言わざるを得ないのであります。国の考えている児童手当制度は、義務教育終了前の第3子以降に対して毎月3,000円を支給することとなっておるようでありますが、これとても決して満足すべきものではありませんが、本市の場合はそれよりもさらに悪く、第4子から毎月2,000円であります。これでは市民の期待とは全くかけ離れたものであると言わざるを得ません。しかしわれわれはこの制度が新設されたことは、本心の福祉行政が新しく一歩を踏み出したものとして、今後の市長の施策を期待いたしたいのでありますが、市長はこの多子家庭扶助金制度を将来さらに発展させるお考えをお持ちかどうか、腹蔵のない真意を承りたいのであります。

 いま一つわれわれが強く関心を持つのは、老人対策の問題であります。老人福祉法には「社会の進展に寄与してきた者として敬愛され、かつ、健全で安らかな生活を保障されるものとする。」と定められておりますが、中でも疾病に悩む老人については、最も保護の手を差し伸べるべきでありましょう。今回の予算に寝た切り老人の医療費無償制度が盛り込まれたことは、前段の多子家庭扶助金制度と並んで、まことに時宜を得た施策であると存ずるものであります。しかし一般市民は、寝た切り老人のみならず、老人全般に対する医療費無償制度をも望んでおるのであります。市長は今回の寝た切り老人対策から、前向きの施策を考えられているかどうか、市長の将来への姿勢をお伺いいたしたいと思うものであります。

 次に、中小企業対策についてお伺いいたしたいと思います。昭和45年度はいわゆる激動の70年代の始まりであります。中小企業者の皆さんは、はたしてこの激動の時代に対応できるだけの体制ができているでしょうか、はなはだ心もとない現状であります。今日までの大阪の繁栄は、中小企業に負うところが多かったことは事実であります。今後もまた大阪の繁栄とともに中小企業も発展していかなければなりません。しかし現在までの旧態依然たる中小企業では、激動の70年代には対応できないことは、まことに明白であります。

わが国の国民総生産は、米国、ソ連に次いで世界第3位であると言われております。その経済成長のはなばなしさにもかかわらず、国内における経済的なひずみは次第に大きくなり、これに伴ってわが国の中小企業は、かつて経験したことのない環境変化に直面しております。経営者の苦悩は一そう深刻の度を加えていることは、否定できない事実であります。まず第一は、労働力の不足であります。そしてこれを背景として、急激な賃金上昇が起こってきました。統計上から見ると、中小企業に対する若年層の充足は、今後ほとんど期待できないと憂慮されております。このために労働力の定着率の向上と、中少年層や家庭婦人労働力の積極的な活用を推進する必要がある。さらに設備の近代化等によって、その体質を強化しなければならないと思うのであります。また技術のレベルアップ、デザイン水準の向上、あるいは製品の国際競争力の強化等までも考えなければ、今日の中小企業は生存していけなくなるのではないでしょうか。さらに70年代は情報化時代であります。コンピューターを利用した外部情報の収集、企業内部の経営情報の処理体制も必要となります。ところが以上述べた幾つかの課題は、現在の中小企業の体質ではとうてい解決できないのであります。それに加えて資金調達力の弱さも手伝って、次第に時代の流れから取り残され、遂には中小企業の危機を招来するのではなかろうかと、われわれは中小企業の存立を危惧するものであります。この激動の新時代に対応して、何とかして中小企業を守り、そして繁栄させなければならない。それがためには通り一ぺんの従来の施策では、とうていその目的を達することはできません。いまこそ強力な中小企業への援助策を講じなければ、悔いを千載に残すであろうと私は声を大にして訴えるのであります。そこでこの問題についての市長の将来の所信をお聞かせ願いたいと思います。また、中小企業をさらに強力に支援し、前にも述べましたようないろいろの問題点を消化せしめ、時流に適応した指導を行なうために中小企業局、あるいは中小企業部を設置すべきであるとわれわれは考えるのであります。市長のお考えはどうでありましょうか。

 さらにもう1点は、中小企業の育成振興に要する情報を収集し、または提供するためにコンピューターを導入した情報センター、または指導センターを設置することが必要であると思うのでありますが、市長のお考えを承りたいと思います。

 次に、住宅問題についてお伺いいたします。本市の住宅不足数は20万戸を上回ると言われ、さらに年々増加の一途をたどっております。加えてサラリーマンや低所得者にとっては、自力で住宅を建設する経済的余力は全くなく、政治の力で現今の住宅難解消をはかっていかなければならない事態に追い込まれている現状であります。こうした中にあって、依然本市の住宅応募数は、建築戸数の20倍以上にも達しており、住宅難に直面する市民にとっては、まことにきびしい競争率を示しております。そうした中で公営住宅が昨年に比べて200戸増の4,200戸と前進し、切実な市民の要望にこたえる積極的、前向きの姿勢は、住宅困窮者にとってはささやかではありますが、福音であろうかと思われるのであります。公共用地の取得なり交通事情の悪化等、山積する問題が非常に多い。そこで今後の住宅建設には、職住接近の政策の見地からも、交通至便の市内に、都市の美観を十二分に考えた用地取得、空中権利用の高層住宅建設を急務とするものと思われるのでありますが、市長のお考えはどうか、明確なご答弁をお伺いいたしたいと思います。

 次に公営住宅といえども、その家賃は上がる一方で、給与所得の4分の1から3分の1を充当しなければならないために、生活の基盤そのものが破壊されていることはまことに残念で、悲惨と言わなければならない現状であります。ことに民営アパートに住む子持ち家庭の入居拒否や、狭い住宅に大ぜいの家族がひしめき合って生活している事実は、何としても早急に解決しなければならない問題であります。市長は1世帯1住宅が実現するまで、この多くの住宅困窮者に対して、家賃補助制度ないしは住宅手当制度を創設して、市民の悩みを解消し、健康にして明かるい生活に希望を持たせる施策を遂行するお考えはないかどうかお伺いいたしたいのであります。

 次に、港湾問題についてお尋ねいたします。万国博開催後の積極的都市再開発として大きくクローズアップされると思われるが、市長も本年度の計画として、湾岸道路の築造、ベイブリッジ架橋工事の着手、南港コンテナ埠頭の築造等、南港開発に積極的意図を表明され、その成果は大いに期待をされるものでありますが、さらに市長は今後1970年における南港埋め立て地の利用度を含む南港開発総合計画をどのようにお考えになっておられるか、具体的かつ詳細なる構想をお伺いいたしたいと思うのであります。さらに大阪港は、年々出入船舶が増加の一途をたどり、港内も狭隘となり、なお沈船、廃船に対する掃海作業の遅延で航行の安全はきわめて不安定でありまして、ひんぱんに出入する船舶の安全航行の実施と、大阪港美観保持の見地から、今後の具体的管理方法をお尋ねしたいと思うものであります。

 次に、消防問題についてお聞きいたしますが、住宅の過密化と交通事情の悪化は、火災の多発化とともに罹災家屋の激増に加えて、焼死者の続出という、実に悲惨な現状に直面いたしております。ここにおいて痛感されることは、初期消火の重大さと、常々公明党の主張する消火用水の確保が急務であり、関係部局へ強く要望するところであります。なお大阪市内の特に都島区京橋地区、西成区潮路地区、その他においては、いまだ水圧低下の個所が数十個所あり、あたら高性能の優秀消防車の多数常備も、これに対応する消火機能を完全に発揮することができず、したがって消防署員の必死の努力にもかかわらず、なお一そうの消火困難を来たしているのが現状であります。そうした現状にあって消火栓増設費は、44年度3,822万8,000円、45年度は3,859万円になっております。こうした前年度並みの予算では、はたして全地区の水圧低下解消に対処し得るかどうか、はなはだ危惧の念をいだくものであります。よってこれが解決には、配水管の取りかえ及び新設等が早急に実現されて、防火対策に万全を期し、その実をあげられんことを全市民の声として市長に強く要望するとともに、その具体策をお伺いいたしたいのであります。

 次は交通問題であります。中馬市長の念願であった高速鉄道も67キロの完成を見、本市都市交通の機能を一段と発揮するようになった今日、今後の計画と経営についてお尋ねしたいと思います。本年はポストエキスポとして、高速鉄道建設計画について、昨年10月7日市長は万博後もこの調子を落とすべきではない。路線は108キロまでのはずだが、現在の計画は人口分布の変化に応じて手直しが必要である。また大阪市営交通は、周辺も含めた都市交通を運営してきた伝統と経験を尊重しなければならないと表明しておられるのでありますが、すでに決定された計画路線を、人口分布の状況に合わせて変更される意思があるかどうか。また、八尾市との関係がより一そう緊密化した今日、両市合併を前提にした新路線の八尾市乗り入れの意図があるかどうか、お尋ねいたしたいのであります。

 次は、交通局の人件費であります。45年度予算案を見ると、市長部局のベースアップは計上されておりますが、交通局予算には見込まれていない。再建団体指定の路面交通事業とはいえ、あまりにも人権を無視した片手落ちの予算であると思うのであります。市長はこれら職従業員のベースアップをどのようにお考えになっておられるか、対策があるならば、その財源の確保はいかにお考えになっているのか、具体的にお伺いいたしたいのであります。

 次に、経営面について交通局理事者は、昭和42年度公営企業決算特別委員会の席上、独立採算制の原則にのっとり、地下鉄路線が格子目に完成した時点において、運賃の均一制の問題も含めて、運賃のあり方を検討しなければならないとの答弁がありましたが、その地下鉄路線の完成を目前に控えた今日、交通事業の合理化、営業収益増加のための運賃体制の改正の検討時期に入ったと思われるのでありますが、その考えがあるのかどうか。また、その時期はいつごろが適当か、お尋ねいたしたいのであります。市民サービスについては、その改善、充実を再三再四要望し続けてまいりましたが、依然として市民の苦情は増すばかりであります。これら市民のサービスはいかに考え、いかにするのか、明快なるご答弁をお伺いするものであります。

 次に、大都市行政の悩みの一つに、水資源をいかに確保するかが大きな問題となっております。近畿圏の広域水資源開発、なかんずく琵琶湖総合開発こそ国家的事業であるのみならず、本市を中心にした淀川流域自治体の共同責任のもとに解決しなければならない問題であると思うのであります。45年度予算には、造林公社貸し付け金3,000万円を計上されたのみでありますが、水資源確保には後顧の憂いがないのか、また市長は、近畿園広域水資源開発について、どのようにお考えになっているのか、お尋ねいたしたいと思います。

 次は、清掃事業についてお尋ねいたします。まず第1点は、各家庭から排出さるごみの収集体制の整備と、ごみの終末処理、処分策についてでありますが、最近ごみの排出量は飛躍的に増大し、従来のごみ処理の体制、規模をもってしては、とうてい家庭のごみすら十分に処理できない状況下に立ち至っているのではないかと思われるのであります。近ごろは一般家庭から排出されるごみにいたしましても、不燃物や大型化が目立ち、いわゆるこれらの都市廃棄物によって、このままの状態で推移するならば、ここ数年を出でずして大阪市は、ごみの山に埋まってしまうのではないかと非常に心配をしておる次第であります。家庭ごみの収集は、週2回取りを原則としてはおるものの、地域においては収集のおくれや、取り漏れがあることは事実であり、これがため市民は非常に困っております。この実情は市長はおそらくご存じだと思いますが、これを解消するために、どのような処置をお考えになっているのか、お伺いいたします。

 第2点は、産業廃棄物についてであります。今日各種の工場や作業場から排出される廃棄物には、多種多様のものがあります。昭和43年における大阪府の調査によりますと、府下の廃棄物の量は1カ月に約270万トンと推計されております。したがって大阪市域内から排出される量についても、きわめて膨大な量であることは想像にかたくありません。これら廃棄物の処理については各企業なり、事業所が排出責任を持つたてまえでもって、自分で処理するのが当然ではあろうけれども、これはあまりにも膨大な量で、しかも焼却方法が適当でなく、また埋め立て等による最終処分についても、完全に行なうことが困難な現状であります。そのため、大気汚染や水質汚濁等の二次的な環境汚染を引き起こす原因となり、さらに道路、河川、空地等への不法投棄が増加し、いまやゆゆしい公害問題となりつつあるのであります。このような状況下において、産業廃棄物をどのように処理されるのか、市長の構想をお伺いいたしたいと思うのであります。

 次は、公害問題についてお尋ねいたします。今日、都市における公害はますます複雑化し、産業優先主義がかもし出した種々の公害問題は、住民の健康と豊かな生活環境を全く無視した現状にあることは、周知のとおりであります。したがって急を要する解消対策については、単なる規制や安易な部分的施策では、とうてい解決できるものではありません。都市行政の中においての公害対策は、重要課題の一つであることは、最近のきびしい世論の高まりを見ても、明白でありましょう。市長は予算説明の第1の柱として、人間性の回復と健康な環境づくりを掲げたことは、まことに時宜を得たうたい文句であると思いますけれども、これを単なるうたい文句に終わらせることなく、中馬市長の強力な施策として推し進めていただきたい。たとえば西淀川区は、健康被害救済の指定地域となったものの、根本的にはやはり発生源の解決策を積極的に講じない限り、患者の治癒はあり得ないのではないでしょうか。しかるに公害発生源となっている中小企業の施策には、事業主一同の意見を総合してみましても、本市の援助施策の薄いことは口をそろえて強調しており、また、その被害を受けている側の居住者も、本市の救済施策の弱さをうらみながら、やむなく市外に移住していくのがその実情であります。しからば、その公害対策を強化するには、どのように手をつけるべきであろうか。それにはまず第一に、総合的かつ科学的に、しかも集中的に対策を講じなければ効果が薄いというのが大かたの見解でございます。したがって分散しているのは、はなはだ非能率で効果がない。そこでともかくも公害対策強化への手始めとして、本市の分散した行政機構を一本化すべきではないか。そこで市長にお尋ねいたしたいのでありますが、行政機構の効率化を期するために、公害対策本部を設けるべきであるという意見が、最近市民の間に起こっております。市長にはこのようなお考えがあるのかどうか、また、公害対策についての今後の構想を説明していただきたいと思うのであります。

 まだ質問したいことがたくさん残っておりますが、時間の都合もありますので、以上で終らせていただきます。理事者各位におかれては、具体的かつ明快なご答弁をお願い申し上げる次第であります。ご答弁の次第によりましては、さらに再質問させていただくことをお願いいたしまして、私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○副議長(中石清一君) 理事者の答弁を許します。中馬市長。



◎市長(中馬馨君) 佐伯議員からのご質問にお答えいたします。

 最初に一般会計の編成について、いろいろと数字をあげてお尋ねがあったのでありますが、一般会計財源の増加額は、これを主として民生、衛生、清掃、教育、住宅、道路−−裏町道路の意味でありますが、そうした市民生活に直結する行政部面に充当をいたしたつもりでおるのであります。そこで一般財源の現年度分の増加額は167億3,200万円でありますが、その中の市民生活行政関係には148億7,400万円と、その大半を充てておるのであります。また、歳出面から見ましても、一般会計所要額では、前年度に比しまして、13%の伸びであります。一般会計全体で13%の伸びであるのでありますが、その中で特に本年度は先ほど申しましたように、人間性の回復とか、生活環境の改善ということに重点を置くというたてまえから、特別会計関係を除きました民生費は、最も伸び率が大きいのでありまして、29%伸ばしております。次いで大きいのが住宅費でありまして、これが29%伸びております。次が清掃費に重点をかなり置くことにいたしまして、25%の伸びを示しております。教育費が20%、これらの市民生活に直結をした行政部面にかなり力を入れたのは、数字の上にあらわれておるわけであります。そこで第1番目に、全体として伸び率の低いことをお述べになっておるのであります。しかしその理由は、結局はシャウプ税制後の不利な税制の推移にあるものである。そこで何としても税制改正の運動の必要があるのではないかということでありましたが、これは全く同感であるのでありまして、ご承知のとおり私どもも過去7年間、もっぱら税制改正の裏づけによって、市政を積極化する以外にないということで、努力を続けてまいっていることは申し上げるまでもないところであります。先ほどもお答えいたしたのでありますが、この数年間の税制改正の成果といたしまして数字を拾ってみますと、市民税、固定資産税あるいは都市計画税、たばこ消費税、道路譲与税、自動車取得税等、先ほどあげましたような税制改正の成果といたしまして、45年度の予算計上額は975億円であるのでありますが、それがもし税制の一連の改正がなかったとするならば、792億円程度にとどまるのであります。したがって差額の182億円程度は、われわれ数年間の税制改正の成果として増収をもたらしておるのであります。しかしいずれにいたしましても、大阪市内からあがる税金の中の73%が国にいってしまっている。また13%が府にいっている。そして大阪市には依然として11%程度にとどまっている。かような税制の改正が行なわれたとしても、なおかつ経済成長に伴う自然増収が大きく府に増収をもたらしている関係もありまして、依然として12%の少ない状態、これは今後の都市経営の困難な状態にかんがみまして、まことに重大な問題であると言わなければなりません。税制の改正には、先ほどお話がありましたように、市民運動を展開して、これが達成につとむべきではないかというようなご意見もあったのでありますが、私ども税制の実態を、今後は市民にもその真相を伝えることが必要であるのではないかと考えておる次第であります。

 次に大阪市政といたしましては都市行政は常に20年、30年の長期の計画を持たなければならないということでマスタープランを策定いたして、その線に従って都市の再開発につとめていることはご承知のとおりでありますが、しからばポスト万博の構想はどうかというお尋ねであります。万博関連事業でそのマスタープランがゆがめられたのではないかというお話もありましたが、私どもはそうは考えていないのでありまして、万博関連事業は私どもが意図してるマスタープランを、ある程度これを促進することができたというふうに考えておるのでありますが、万博後の構想といたしましては、そうした町の再開発にさらに一そう積極的な努力をいたしますと同時に、先ほども申し述べましたとおり、都市の生活環境の悪化というものは、もう捨ておけない状態にきております。私どもよほどこの点にこそ真剣な努力を続けなければならぬと考えておるわけであります。しかし幸いにして皆さんとともに大阪市は、すでにマスタープラン策定の当初から70年代の当初に当たって、世間が問題にいたしております生活環境の整備ということに重点を置いてまいったことは、申し上げるまでもないところであります。それは緑化運動をはじめとする市民生活の環境整備、児童公園の問題等でありますが、こうした問題をさらに一そう進めていくことにいたしたいと思っております。予算説明でも申し上げましたから、多くを繰り返しませんが、考え方といたしましては、一方ではそうした生活環境を整備するという問題、積極的には緑化その他の児童公園とかいうような問題の整備、さらに公害対策に真剣に取り組むということ、こういうこととともに、その具体的な事業等の一例といたしましては予算説明でも申しましたように、鶴見の大自然公園を新たにつくるということであります。

 従来の大阪城公園、長居公園、明治100年記念公園、あるいは市内の児童公園を今年も60カ所整備するという問題であります。これは単に大阪市の自然を回復する問題だけでなくて、私どもは大阪が一国の公園緑化の予算をふやさせる推進的な使命も持っているということで、政府に向かっても、予算編成に大阪が先頭に立って強く働きかけておるところであります。また、町の再開発につきましては、予算説明で申しましたから繰り返しになりますが、千島の公園住宅団地、あるいは大阪市住宅供給公社の住宅を大淀区につくっております。職住接近の政策を推進する。あるいは阿倍野の再開発事業を新たに着手するといったような、積極的な構想を持ち、また、事業化の促進をいたそうといたしておるのであります。

 また、これと関連して行政区域の再編成が必要であるのではないかというご質問でありました。このことはもう市会の皆さんにかねてからいろいろと論議を重ねてきてもらった問題でもありますし、昨年来、市の職制といたしましても、市長室内に行政調査課を新たに設けまして、そうしたことに十分な調査、研究を続けていくという体制をとって、いま検討を続けておる次第であります。これは適当なる機会に皆さんとご相談を申し上げることになるかと思うのであります。

 次に、教育問題についてご質問がありました。これは教育委員会から大部分お答えしたほうがいいかと思うのでありますが、その中で幼児教育の問題についてご質問があったのであります。今日、幼児たちの成長が非常に早いというような世界的な傾向から、幼児教育の問題は、むしろこれを義務教育化すべきではないかということが日本においても言われております。諸外国においても、さような傾向が見られるのであります。私ども特に今後は幼児教育に力を注いでいかなければならぬと思うのであります。そこで大阪市の幼稚園建設が非常に少ないのではないかという問題であります。実は大阪市の幼稚園の建設につきましては、民間幼稚園が非常によく普及しておるのであります。しかし公立の幼稚園を多くつくることは、なおそれを補う意味においても望ましいことであるのでありますが、私どもの今日の財政事情からすれば、まず保育所を先に建設すべきであるということで、これは毎回繰り返しておりますように、7年前、私が就任する前は毎年1カ所ずつしかつくっていなかったが、保育所を8カ所ずつつくってまいりました。昨年は同和関係を含めて14カ所つくることにいたしました。本年は17カ所の保育所を建設する計画を立てておるのであります。まず、公の費用でつくるものとしては、負担力の弱い保育所に力を注いで、そして漸次幼稚園に及ぶという政策をとることが適当だと考えて、保育所建設に力を注いでいることをご理解いただきたいと思うのであります。

 次に、大学紛争の問題がございましたが、この問題は先ほどお答え申し上げましたように、今後の大学制度の改革の問題が全国的な問題でありますし、大学を管理している大阪市の重大な問題でもあるのでありますが、これは大学自体がいま改革案をしきりに練っております。また先ほど答えたところでありますが、中教審の答申もすでに出ております。これに対して各方面の世論を中教審は問うておる段階であります。また、国立大学も自主的に改革案を発表いたしました。私立大学も共同して研究をいたしております。これらのいろいろな案が出てまいりまして、国民世論もこれに加わって、大学改革の方向が漸次決定されることと思います。われわれの大学もそうしたものと関連して、適正な運営の方針が確立されることを期待いたしておる次第であります。われわれもただ傍観するのではなくて、これらの問題に関心を寄せながら大学の、またわが国の教育制度の確立を推進する側面的な努力もいたしていきたいと考えておる次第であります。

 次に、お年寄りと子供を大切にする市政、市長は必ず繰り返しておるがということでありますが、私は非常にわかりやすいことばでお年寄りと子供を大切にするという表現をいたしておりますけれども、これは必ずしもわかりやすいだけではなくて、私は私なりの一つの政治理念だ、政治哲学だというくらいにまで考えておるのであります。佐伯議員の言われましたように、長い間、自己のためにも、家族のためにも、社会のためにも営々として働いて、働き終えた人生の晩年が不しあわせであるような世の中は、すべての人にとっていい社会とは言えない。そう考えていきますと、いまの若い者にも必ず来る運命であります。すべての人が晩年に孤独でなくて、しあわせであるような社会を打ち立てるという方向に向かって政治を進めることは、非常に大事なことだと考えて、常にお年寄りと子供を大切にする市政ということを繰り返しておるわけであります。そういう線に沿って、不十分ながら本年は、寝た切り老人の人たち、これは子や孫に気がねをして、病院に行きかねるお年寄りがあるのでありますが、そういう人たちが気がねなく療養ができる、その端緒をつくるという意味でも、寝た切り老人の無料医療制度をつくることにいたしたような次第であります。したがって、この問題は、佐伯議員の言われたとおり、今後に向かっても推進していきたいと思っておる次第であります。

 子供につきましても同様でありまして、私どももこの悪環境の中にある都会の子供たちは、よほど守られていかなければならぬというような気持ちで、児童公園の問題など、しつこいくらい繰り返しておるのでありますが、そういう意味で児童公園や、保育所や、第4子の子供さんを持つ家庭に扶助金を出すということにいたしたわけでありますが、これとてもまだ端緒をつくったにすぎないと言わなければならぬと思うのであります。今後この制度は、できるならば国の制度として確立されて、子供たちが完全に守られ、健全に成長させられるような国家的な制度が確立されることを期待しておる次第であります。

 中小企業の問題につきましては、私ども、大阪が中小企業の都市であるという感覚で事に接しなければならぬということで、いろいろな施策はいたしてまいっておりますが、中小企業の問題は、日本全体としてもまことに重大な問題であり、かつむずかしい問題であるのであります。最もその中で有効な対策としては、金融の問題が常に取り上げられるのでありますが、金融の問題としては、ここ数年来金融のワクを毎年100億近くふやしてまいりまして、数年前に比べますと、倍にも3倍にもなるかと思うのでありますが、800億のワクに到達したのでありまして、窓口に見える融資には大部分が応じられている状態であるのであります。今年は金融の条件、手続等の改善につとめることにいたした次第であります。そしてまた、中小企業の方々の情報センター、計算センターというようなことで大阪卸商共同計算センターを設けることに対して、助成することにいたしました。また、大阪の中小企業において、大阪の商品のデザインが古い、見劣りがする、洋品、雑貨等においてもデザイン負けをするというようなことも言われておるのでありますから、そういうことからデザインハウスに1億円の補助を出して、今後大阪のデザイン向上をはかるというような処置もとったようなわけであります。これらの問題については、なお経済局からもお答えをすると思いますが、依然として私ども今後積極的な方針をとっていきたいのであります。そこで中小企業局とか何とかいうようなものをつくる意思はないかというご質問でありました。これは私が就任いたしましたときに、7年前に総合計画本部をつくり、そしてそれは名称を変えて総合計画局をつくり、総合計画審議会をつくってマスタープランの策定をいたし、また中小企業においては、中小企業対策本部をつくるということを7年前に申したのでありますが、中小企業対策審議会をつくって、私ども役所の者では及ばない実際の経験を持った中小企業の経験者、また学者等を入れて審議会をつくって、その対策を検討してもらっておるわけであります。その線に沿って、いろいろな施策を今日やってきたのでありますが、たとえば大阪マーチャンダイズマートなどは、大阪の問屋町の近代化をはかるための審議会の答申にこたえたのであります。そういうことでただいまの段階では、中小企業対策審議会の意見をたえず尊重しながら、この問題には積極的に取り組み、推進していきたいと思っておるのであります。いま直ちにどうこうということは考えておりませんが、しかしいずれにいたしましても、そうした問題は今後もよく検討していきたいと思っております。

 次は、港湾の問題、南港の総合的な対策としてどういうものを持っておるのかということであります。これもすでにご承知のとおり、港区にも匹敵するような新しい臨海の土地ができるわけであります。これを私どもは将来の大阪の海の玄関として、りっぱに、機能的に開発をしていかなければならぬと思っておるのであります。現在の規模に匹敵する港湾規模を新たに増築しようとしていることは、開港100年の際の策定でありますから、ご承知のところであります。それから内外輸送の増大に対処するだけでなく、コンテナ時代を迎えまして、これに対応するコンテナ埠頭の築造をいたしていることもご承知のとおりであります。

 また、フェリー輸送時代がまいりますから、いま、フェリー埠頭を盛んにつくりつつあります。そうした輸送方式の近代化をはかってまいります。あるいはまた、航路別の集約化など、港湾荷役の近代化に適応した埠頭の整備をはかっておるのであります。また都市消費に密接する流通あるいは加工を受け持つところの臨海性企業をここに移そうとする計画を持っております。またこれらの背後には当然のこととして、倉庫やトラックターミナルの流通関連用地を十分に確保して、昭和45年度から着工される南港、先ほどお話のベイブリッジを一環とする湾岸自動車道路をこれに誘致して、道路網を整備しようといたしておるのであります。そして陸海一貫総合輸送体系を整備して、将来の大阪の物的な流通の中枢たらしめるべく、計画を進めておる次第であります。さらに内部の埋め立てにつきましては、都市再開発等の関連において進出が予想されております。これはすでにいろいろと打ち合わせもいたしております中小企業の用地また職住接近をかねた緑と空間に恵まれた高層住宅をここに誘致する用意をいたしておるのであります。また各般の都市施設、商業用地を計画的に配置するとともに、ここにもまたかなりの規模、1万坪程度でありますか、市民公園をつくるということにもいたしておるのでありますが、さようなことで、港区の1区にも相当するような新たな土地を持ったところであります。十分総合的な計画を持って開発を進めていきたいと考えておるのであります。

 私からお答えするのは大体これでとどめまして、あとはそれぞれの局長からやや詳細にお答え申し上げたほうが適当かと思いますので、これで終わります。(拍手)



○副議長(中石清一君) 大重都市再開発局長。



◎都市再開発局長(大重正俊君) 周辺部対策につきまして、私からお答えを申し上げます。

 ご質問にもございましたように最近における本市周辺部の人口増加は著しいものがございまして、公共施設が十分に整備されない状態のままで、市街のスプロール化が進行しているのが実情でございます。そういう無秩序な市街化に対処いたしますためには、一日も早く健康な町づくりが急がれるわけでございますが、私どもとしましては、まずその緊急対策としまして、関係各局が集まりまして、早急に解決をする、個々の具体的な問題を解決しますと同時に、反面、恒久対策といたしまして、将来の基本構想に基づくマスタープランを基礎としまして区画整理事業を実施し、土地の宅地造成あるいは公共施設の整備を急いでいこうということでございます。ちょうどたまたま政府におきましても、新しい都市計画法の制定を機会に、今後新しく市街化される区域、あるいは大都市周辺部における町づくりは、今後区画整理事業を基礎としてやっていこうという基本方針ができまして、その方針に基づいて今後3年の間に区画整理事業の調査を全部やってしまいたい、こういうことになったわけでございます。したがいまして私どもはそういう政府の方針にもこたえ、また、市民の皆さん方の要望にもこたえるために、ポスト万博の大きな仕事の一つといたしまして、周辺部の区画整理事業を実行することにいたしたわけでございます。そして政府の補助金を得まして、昭和44年度は東住吉区の東部並びに城東区の茨田町、45年度からは東淀川区の東部の調査を実施することになりました。東住吉区東部と、城東の茨田町につきましては、すでに工区測量も終え、マスタープランもでき上がりまして、現在、区画整理の概括設計をやっておりますが、4月ごろその結論が出る予定でございますので、その案ができましたならば、地元の方のご意見も聞きまして、できることならば46年度ぐらいから事業に着手いたしたい、そういうふうに考えております。今後積極的に周辺部対策を区画整理事業という形でやってまいりたいと考えておるわけでございます。どうぞよろしくお願いいたします。



○副議長(中石清一君) 石川教育長。



◎教育長(石川多賀夫君) 教育関係についてお答え申し上げます。

 第1番目に、父兄負担の解消の問題でございますが、これにつきましては、岸田議員さんに先ほどご答弁を申し上げましたように、また、佐伯議員さんからもお触れになっておりましたように、われわれとしましては、43年度から4カ年計画でもって、標準運営費を策定し、そして学校維持運営費の増額によって父兄負担の解消をしてまいりたいというふうにしてきたわけでございます。45年度におきましては、約5億4,000万円の増額をお願いし、予算額はトータルして23億9,000万円というふうになっておるわけでございます。その結果、当初計画の学校維持運営費総額の約86%を措置したことになるわけでございます。45年度におきましては、特に公共料金関係について増額をみておるわけでございますが、物価上昇等の面につきましては、何はともあれ46年度に一応当初計画を完成した暁に、いま申しました物価上昇だとか、あるいは教育の内容充実といいますか、進歩に伴う運営費の増額、こうしたものを検討してまいりたい、かように思うわけでございます。しかし校費を増額しても、父兄負担の解消にはなっておらないのではないかというご質問でございましたが、事実をよく調べましても、42年度−−この年度はまだこうした措置をとっておらなかった時代でございましたが、42年度と初年度の、34年度における小中学校のこうしたことを調べてみますと、校費の負担を増額した分だけ私費のほうは減額になっている、軽減されているということは事実でございます。しかしまだこの計画は完了しておりません。途中の、経過的な次第でございますので、未措置の分につきましては、PTAの負担はまだ残っておるわけでございます。それから先ほど申しましたように物価上昇分等についても、今後よく検討していかなければならぬのは当然で、こうした問題も残っていることは事実でございます。しかしここでわれわれとして混同してはならないことは、こうした父兄負担が終わっても、社会教育団体としてのPTAの本来的な自主的活動の経費は、これは必要なわけでございます。したがっていわゆる学校維特運営費の解消があっても、いま申しましたような経費が残るわけで、この点については、はでにならないように、また、ぜいたくにならないように、したがって多額の経費の捻出が必要だということにならないように、今後なお一そう指導、助言をいたしてまいりたい、かように存ずるわけでございます。

 それから、義務教育経費の無償化の問題に関連して、副読本の点も出ておったわけでございますが、義務教育経費の無償という問題についてはいろいろと解釈があるわけでございますが、最高裁の判列あるいは文部省の見解によりますれば、憲法で言われている義務教育の無償ということは、授業料の不徴収であるというふうに、きわめて厳格な解釈をされておるわけであります。広義に解釈すれば、いろいろなものが入るわけでありますが、これにつきましては、府においても財政上の制約があると言われております。また、地方公共団体にあっても、当然この問題が出てくるわけであります。われわれとしましては、この義務教育の無償の問題につきましては、先ほど来申し上げております父兄負担の軽減という角度から、これを取り上げてまいっておるわけであります。そういうわけでございますので、この無償の問題についても、本市といたしましては、積極的に努力しておるわけでございます。

 副読本につきましては、これは小中学校におきましては、一般に社会科と道徳について副読本が使用されておるわけでございます。社会科につきましては、これは教科書はありますが、全国画一的なものでございますので、郷土大阪という観点からすれば、こういうものが必要になってくるのではないか。道徳につきましては、教科にございませんので、必然的に副読本の問題が出てくるわけでございますが、いずれにせよ、父兄負担軽減の見地から、副読本の使用に際しましては、教育的見地から必要最小限にとどめるよう、今後とも一そう強く指導してまいりたい、かように存ずるわけでございます。

 幼稚園につきましては、市長からご答弁がございましたので省きますが、ただ私立の幼稚園に関連いたしまして、われわれは私立の幼稚園の先生方の資質の向上、したがって研修といった意味から、44年度に私立幼稚園の連盟に600万円の助成をいたしたわけでございますが、本年度はその倍額の1,200万円をお願いいたしておるような次第であります。



○副議長(中石清一君) 天野経済局次長。



◎経済局次長(天野開君) 経済局からお答え申し上げます。

 古くて新しいものは中小企業問題であると言われておりますように、中小企業問題は時代の進むにつれまして、いろいろ新しい問題を提起しておるのでございますが、先ほどご指摘がございましたように、労働力の逼迫、あるいは技術革新、低開発国の追いあげ、さらに特恵関税の問題、また、情報の問題、いろいろな問題がございまして、どれをとりましても非常に大きな問題でございます。昨年7月ご賛同を得まして、中小企業指導センターを合同ビルの1階に設けまして、窓口業務を強化したわけでございますが、その中で指導、診断、私どもこれを今後ますます強化していきたい、こういうふうに考えております。

 コンピューターの問題につきましては、経営合理化という面におきます効果につきましては、いまさら申し上げるまでもないところであります。したがいまして、中小企業におきまして、なかなか現在単独で利用することは非常に困難でございますので、先ほど市長からご説明申し上げましたように共同方式でやるということで、45年度におきましては、大阪卸商連盟におきまして、共同計算センターを設置するように企画を進めております。さらに先ほどご指摘がございました中小企業指導センターにおきましても、コンピューターを入れ、実地にソフトウェアの指導並びに標準的なプログラムの作成、開発、こういうことを考えておったのでございますが、予定しておりました中小企業庁の補助金が時期尚早ということで大蔵省の査定落ちになりました結果、やむなく本年度は見送ったような次第でございます。しかし一般的に申し上げましてコンピューター、これは非常に高いレンタル料で、中小企業が実際に使うということは、まだ非常に不十分でございまして、これを十分に使いこなせる条件を培養するということが非常に必要なわけであります。こういうことでその準備といたしまして、企業内の事務組織の改革、あるいはソフトウェア要員の養成、こういうことをはかることが現在にとりましては、最も緊急なものではないかと考えられます。こういうことで45年度といたしまして、そういう方面に力を入れていきたい、こういうふうに考えております。また、業種別の標準プログラムの開発につきましては、大阪科学技術センターに委託いたしまして、業界への浸透をはかっていきたい、ただいまこういうふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。



○副議長(中石清一君) 徳山建築局長。



◎建築局長(徳山正文君) ご質問の第1点でございますが、住宅の職住接近と高層化の問題でございます。ご承知のように大阪市は、指定都市の中でも最も市域が狭く、しかもその90%が市街化されておりまして、用地取得の問題に非常に困難を来たしております。しかしそういう貴重な土地を使って住宅を建設する場合に、できるだけ数多くつくるためには、この住宅を高層化しなければならないということで、われわれ国に対してもその制度化について従来叫んできたわけでございますが、幸いに44年度から国におきましても、公営住宅の高層化を制度化することになりまして、大阪市におきましても、現在600近い市営住宅の高層化をはかっておりますが、45年度におきましては、さらに飛躍的にその数を増していきたいということで、予算的には大体1,500戸ほどの高層住宅を考えております。こういう高層化することによりまして、空地をたくさんとり、それを緑化して、環境を良好なものにしていきたいということで、われわれ努力いたしておる次第でございます。

 第2点の住宅手当あるいは家賃補助の問題でございます。住宅難時代にこの問題の解決ということにつきましては、まことに複雑で困難な問題が多々あるわけでございます。大阪市といたしましても、毎年相当数の公営住宅を建設いたしまして、低所得者の方に住宅の供給はいたしておるわけでございますが、それでもなお毎年募集いたしましても入居できない方が数多くあるわけでございます。ご承知のように、国の住宅政策といたしましては、建設補助をすることによって、低家賃の住宅を提供するというのが政策の主眼でございます。しかし一挙に不足住宅を建設することはできません。またお入りになれない方がたくさんあるという背景から、おそらく先生のおっしゃる家賃補助、あるいは住宅手当という問題が出てきたことだろうと想像するわけでございますが、この問題につきましては、国の政策いかんということが大きな問題でございます。しかしわれわれとしては住宅不足問題についての努力は今後とも続け、また国に対しても要望していきたい、かように存じております。



○副議長(中石清一君) 畑中消防局長。



◎消防局長(畑中良一君) 消防の水利不足地区に対する配水管の整備と、消火栓の充実についてお答えいたしたいと思います。

 現在、市内には2万8,791の消火栓を設置いたしておるのでございますが、その中で小口径の配水管に接続しております消火栓の中には、消防水利として不十分のものがあるのはご指摘のとおりであります。したがいまして、いま小口径の配水管に付設してございます消火栓を、大、中の口径の配水管に付設がえをいたしますとか、あるいは配水管が新設されましたときには水道局と連絡をとりまして、消火栓を設置しようということを言ってまいっておるのであります。これらの消火栓の設置は、ご承知のように水道局が実際いたしますところの配水管の整備計画と密接不可分の関係にありますので、常に水道、消防両局が協議いたしまして、その年度に布設をされました新しい管には、特別の理由がない限り消火栓を設置いたしまして、逐年1基でも有効な消火栓を設置できるように努力をいたしておるわけであります。しかしただいまご指摘がございましたが、両地区のような場所がございますので、こういう地区に対しましては、なお今後とも十分な努力は続けなければならないと考えておるわけでございますが、本年は特に水利不足地区、ただいまご指摘になりました両地区も含めまして、重点的に消火栓を設置してまいりたい、かように考えております。しかしなおその地区は今後かなりの数が残るかと思うのでございますが、配水管の増設、消火栓の整備につきましては、水道局とも今後密接な協議をいたしまして、消火栓の整備に努力をしてまいりたい、かように存じておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。



○副議長(中石清一君) 黒田交通局長。



◎交通局長(黒田泰輔君) 交通局に関します3点について、お答えいたします。

 まず第1点は、今後の地下鉄計画の問題でございますが、ご案内いただいておりますように、ただいま64キロが完成する。ご指摘のように基本計画といたしましては108キロもっておりますけれども、何ぶん大阪市に隣接します19都市、20キロ圏を見ましても、都市集中と人口のドーナツ化によりまして、大阪市周辺からの人口の移動が激しくなってまいりました。したがいまして60年の長期の展望におきましても、ただいま116万人の通勤人口が入っているという状態が、60年ごろには164万人に増加するという数字も長期計画によって推定される状態にありますから、今後かなりの地下鉄を、現在の格子状から放射線状に延ばしていって、それらの通勤を円滑ならしめ、都市活動に寄与する必要があるという前提のもとに、昨年来、大阪市の公営企業審議会に諮問をいたしまして、今後の地下鉄計画はどうかということでございます。再々の審議によりまして、現在の状態を申し上げますと、ようやく成文を急ぐという状態になっておるわけでございます。したがいまして、ご質問にございました108キロの変更はどうか、また八尾市の問題はどうかということでございますが、その審議会の過程におきまして、ただいま基本計画108キロ策定により情勢の変化もある。したがって一部修正の必要があるのではなかろうか。あるいは八尾市の輸送需要はどうかということも十分審議を尽くされております。また、その答申を受けて後、ご説明する機会もあるかと存じますが、私の考えといたしましては、その案を尊重いたしまして、運輸大臣の諮問機関であります都市交通審議会の大阪部会がこの春に開催される予定でありますので、そこでオーソライズされるよう努力してまいりたい。かように考えておるわけであります。

 それから第2点は、毎年ご心配をいただきます職員の給与の問題でございます。これは再建計画にも織り込んでございますが、動けなくなりました市電を廃止し、引き続き同じ運命にありますトロバスの廃止を予定しまして、路面はバスをもってやっていき、地下鉄と相まって輸送需要を果たしたい、こういうことでやっておりますし、バスのワンマンカー化もご案内のとおり進めております。

 それから乗務員の廃止もいたしましたし、44制の実施、諸手当の整理等を進めてまいっておるわけでございますけれども、何ぶんにも年々のベースアップのことでございまして、逐年財源難に追い込まれている現状にございます。したがいまして、ただいま職員のベース改定に関する私の考え方といたしましては、ベースアップの重要性にかんがみて実施する方針をとっておりますけれども、そういう情勢の中で財源がきわめて困難であるということと、このことにつきましては自治省と十分折衝しなければいかんということで、現在折衝中でございますが、いまだ不幸にしてその目途を得ませんので、具体的な措置ができない状態でございます。引き続きまして財源の問題は自治省との折衝を強化して、早期にこれが実現をはかってまいりたい、かように考える次第でございます。

 それから第3番目におっしゃいました64キロまできたときには均一制を検討するという、地下鉄料金の問題でございます。料金のことでありますから、日ごろ検討をいたしておりますけれども、運賃制度といたしまして、利用者負担の公平を考えますと、現在とっております対距離区間制というのが非常に公平のように私は考えるのでございます。しかしながら駅業務の簡素化等を考えますと、均一料金が好ましいという状態でございます。それで完成された外国等におきましては、均一制がかなりあるようでございますが、日本におきます地下鉄は、まだ建設途上にございまして、対距離区間制というのが日本の運賃体系でございます。したがいまして、すでに結論を得たかというご質問でございますが、なお引き続いて検討をしてまいりたいと思います。地下鉄の放射線状の前進につとめながら運賃制度の問題は引き続き研究させていただきたいと存ずる次第でございます。



○副議長(中石清一君) 荻野清掃局長。



◎清掃局長(荻野二郎君) 家庭から出ますごみの収集、週2回取りの厳守という点についてお答えいたします。

 各戸収集の体制につきましては、昨年の1月に失対労務者を清掃局の現業員に転換いたしました。また、収集の車両につきましても、全車のパッカー化、これを完了いたしまして、週2回収集の体制の強化をはかってまいりました。一部の地域におきまして、収集のおくれがあったということは、たいへん遺憾に存じておる次第でございます。今後の対策といたしましては、ごみの増量ということがございますが、これにつきましては、収集車の増車ということでもって対処していくということ、それから地域によりまして、それぞれ排出するごみの量を正確に把握する、そういうことによりまして、ごみの収集車の適正な配車をする、こういうことでもって今後週2回取りの収集徹底をはかる、こういうことでやってまいりたいと存ずる次第でございます。



○副議長(中石清一君) 長谷川水道局長。



◎水道局長(長谷川寛一君) 水資源の開発につきまして、お答え申し上げます。ご説のように、今後の水資源の開発と申しますことは、いろいろな条件から広域的な解決をはからなければならない情勢にあるかと思います。そういうことでございまして、国のほうでも昭和36年に水資源開発促進法を制定いたしまして、産業の開発または発展、そういったものに伴いまして、用水を必要とする地域に対する水の供給を確保するため、水源の保全かん養と相まって、河川の水系における水資源の総合的な開発及び利用の合理化の促進をはかり、もって国民経済の成長と、国民生活の向上に寄与することを目的といたしまして、水系の指定等を行なって、もっぱら水資源開発公団の手によって水資源開発をやっていこうという趣旨のものでございます。それによりまして、当淀川水系におきましても、長柄可動堰の改築事業、高山ダムの建設、近く竣工せんといたしております青蓮寺ダムまたは正蓮寺川の利水事業、そういうものが建設済みあるいは建設中でございます。引き続きまして先ほど市長からも答弁がございましたように、当面の淀川水系の水不足解決のための本命の事業と目されます琵琶湖総合開発事業というものも、ようやくわれわれ多年の要望が実りまして、実現の道を歩み出そうといたしておるわけでございます。そのような水資源の開発につきましては、下流の利水者は常に一体となりまして淀川上工水連絡協議会を設け、そういう場におきまして、将来の水需要の予測あるいは開発の方向といったものを国と常に接触を持ちながらやってまいりましたわけでございます。琵琶湖の総合開発につきましては、非常に残された問題も多うございまして、関係の下流の府県と一体となりました琵琶湖総合開発促進協議会を本年1月に設けて、琵琶湖の開発の促進をはかっていこうというふうな体制もとっておるわけでございまして、おっしゃいますように、今後とも下流の利水者が一体となって将来の水資源の確保というものに努力してまいりたいと思いますので、何とぞご了承をいただきたいと思います。



○副議長(中石清一君) 福山総合計画局長。



◎総合計画局長(福山真三郎君) 産業廃棄物の関係につきまして、お答え申し上げます。産業廃棄物はただいま佐伯議員もご指摘のように、都市環境の整備あるいは都市機能の問題から、非常に重要な問題になってきております。産業廃棄物と申しましても、量が多いだけでなくて、非常に種類が多いわけでございます。形から言いましても、固体あり、液体あり、あるいはどろどろのものがあり、燃えるもの、燃えないもの、化学的処理を要するもの、また、処理のしかたによっては使用できるもの、いろいろな種類がございますし、これを処理いたしますには、ある程度広域的に、化学的に処理しなければならない、そういうことで私どものほうでは、関係各局で委員会をつくって検討しておるわけでございますが、それだけでなくて、やはり大阪府なりあるいは関係機関等ともいろいろ協議してまいっておるわけでございます。本年におきまして、府なり関係機関と協力いたしまして、何とか緊急度の高いものから処理していきたい、その処理体制の具体化をはかるということで、45年度の予算に約1,000万円を計上しておるわけでございますが、これは今後非常に重要な問題でございますので、緊急度の高いものから順次進めてまいりたいというふうに考えております。



○副議長(中石清一君) 14番佐伯三郎君。



◆14番(佐伯三郎君) 再登壇にあたりまして、できるだけ簡単にご質問申し上げたいと思います。

 先ほどからの質問に対しまして、市長はじめ各理事者のご丁重なる答弁をいただいたのでありますけれども、その中で二、三お忘れになったのか、どうされたのか存じませんが、抜けたものがございますので、まずそれを申し上げたいと思います。

 その一つは、民生福祉問題の中で、多子家庭扶助金制度の今後の発展策と申しましょうか−−第4子に対して2,000円という制度はでき上がったわけでありますが、今後これをどのように拡大していくか、この方針あるいは計画をお聞きいたしたいと思います。

 次に、周辺地域の計画の問題でありますが、この周辺地域は、たとえば下水道5カ年計画がすでに3年目に入ろうとしております。万博関連事業とともにこの事業が始まったわけでありますが、その進捗率と、万博関連事業が終わりました後の、3年目に入る今後の下水道5カ年計画の進捗率、こういう点について具体的にお伺いしたいわけであります。

 次に、教育問題でありますが、父兄負担は減っている、このようなご答弁があったように思いますが、決して軽くなっておらない。むしろ重くなっている。それに加えて、父兄負担軽減の条例の制定はどうか、また、副読本等に対する購入規定というものは設けられないものかということであります。これに対していま一度具体的にお答えを願いたいのであります。

 それから大学問題でありますが、大学の民主化をはかるために、教授、教員、それに加えて学生も含めた協議会のようなものを設けてはどうかという意見を持っておるのでありますが、その点に対してひとつお答えを願いたいと思います。

 それから住宅問題の中で、住宅手当制度あるいは家賃補助制度についてでありますが、20倍からの競争率で、たまたま住宅が当たっても、家賃3ヵ月分の保証金ないために、せっかく当たったその権利を放棄しなければならないという現状に置かれている人が非常に多いのでございます。たとえば100戸あき家抽せんをしても、二、三十戸は再びあき家を続けなければならない。家賃が5,000円のところであるならば、その3カ月分1万5,000円を保証金として納めることができない。たとえそれを納めたとしても、あとの毎月の生活が成り立たない。そういうようなものに対しての補助はどうだろうかということであります。これは質問というよりも、住宅手当制度、家賃補助制度実現のための運動といいましようか、それに対しての要望をいたしておきたいと思います。

 最後に、先ほど市長からお答えがありました税制改革のための市民運動についてであります。市民は自分の納めている市民税あるいはその他の税金が、納めた金額の1割にも満たないものしか自分の市に返ってこないということを耳にいたしますと、非常に憤激いたします。そこで、ただそれを市民に伝えるだけでなくて、市民の総意における大市民運動を起こして一日も早く税制改革を抜本的に行なって、わが市への、要するにシャウプ勧告以前の状態に戻してはどうかという意見を持っておりますが、この大々的な市民運動に対して、いま一度のご答弁をお願いしたいと思います。

 以上数点にわたって申し述べましたけれども、ご丁重なるご答弁をお願いいたしたいと思います。



○副議長(中石清一君) 中馬市長。



◎市長(中馬馨君) 佐伯議員からの再質問の中の数点についてお答えいたします。多子家庭扶助金制度について第4子月額2,000円という今回の措置であるが、将来拡充する用意はあるか、どう考えているかというお尋ねであります。先ほどお答えいたしたつもりでありますが、この問題についても将来ともさらに積極的に拡充するような努力をいたしたい。そしてできることならば政府規模において、全国的規模においてこれを実施されるよう推進をいたしたいということを申したわけであります。本年度予算のことを提案いたしておるのでありまして、来年度どうするかは、いま直ちにここでお答えをする用意がないわけであります。

 それから大学の問題についてであります。大学の民主化をはかるために、教授、教員だけでなくて学生も参加さすべきではないかというご意見であります。このことはすでに各大学また、中教審等の答申においても、この問題が取り扱われておるのであります。私どもが直ちにここで私どもの考えを開陳するよりも、そうした大学、また中教審等の総合的な検討の結論を見ながら、大阪市の大学の運営の方針がきまるものだというふうに考えております。学生参加の問題についての私どもの考えは、いま一応の考えといたしまして、やはり今日の情勢から言って、学生が何らかの参加をすることは適当であろうかと、しかしそれは主として学生の福利厚生等の面であってしかるべきではないかとも思うのであります。しかしこれはもっと慎重に、いろいろな角度から検討してきめらるべきものであると考えておるような次第であります。

 それから税制改革について市民運動を、単に市民に知らしめるだけでなくて、市民とともに一大運動を起こして、市民の利益を守る都市行政の推進をはかることが必要ではないかというご意見であります。これも私ども情勢によってはそういうことを考え、市民とともに市民自体の要望として、中央にも働きかけるというようなことを考えてしかるべきではないかと思っております。これはいま直ちに起こる問題ではなくて、今後の税制改正またそういうものを論議するチャンスをとらえて行動しなければならぬと思っておるのであります。

 その他の問題につきましては、それぞれ担当者からお答えいたします。



○副議長(中石清一君) 大塚土木局長。



◎土木局長(大塚清君) 万博関連事業ということで、下水道事業の今後の進行の方針はどうかというお尋ねでございます。下水道の場合に、万博関連事業と特に銘は打っておりますが、この計画は過去の10カ年計画並びにこれを引き継ぎました現在の新5カ年計画の中の、淀川以北におきます下水道施設等、ピックアップして関連事業、こういうふうに名づけたわけでございます。全額はほぼ50億でございます。5カ年計画で43年度、44年度で建設費に使いました金が大体230億、45年度はこれをさらに152億に建設費をふやすということで実施をしていきたい、かように考えております。したがいまして、関連事業を特に中心にいままでやってきたということではございません。事業費の使用の方法といたしましては、施行の可能な場所に応じまして、未整理の地区に資金を投じてきた形でございます。万博関連事業といたしましては、そういったことで一応本年の3月に十八条の処理場が通水可能になりましたが、完全に水洗化というところまでは、まだまだ事業が残るわけでございます。そういったことで一応の区切りはつきますので、45年度といたしましては、最もおくれております東南部方面すなわち平野市町、あるいは排水処理区域であります住吉区、生野区の排水処理区域に対して、事業を特に重点的にしていきたい、こういうふうに考えております。



○副議長(中石清一君) 石川教育長。



◎教育長(石川多賀夫君) 第1点の父兄負担軽減の事実の問題でありますが、先ほどお答え申しましたように、42年と43年とを比べましても、実質的に軽減せられているというふうに理解いたしておりますが、これも先ほど申しましたように、まだ経過的な時代でありますから、未措置の分もあり、また、本来的なPTAの活動の経費等もありまして、外見的にはいろいろ錯綜しておる面もございます。しかしわれわれといたしましては、各地域地域によっていろいろと事情も異なろうかと思いますので、総体的にはわれわれは先ほど申しましたような考え方を持っておりますが、今後はなお一そういろいろ是正すべき事情がありますれば、よく事情も調査し、PTAに対しても適切な指導、助言をいたしてまいりたい、かように存ずる次第でございます。

 第2番目の条例の制定につきましては、これも先ほど申し上げましたように、校費の増額によって私費負担の解消をしたいというふうな方向で取り組んでおりますので、われわれは校費を負担することによって、この問題を解決したい、したがって条例は不必要だというふうに理解いたしております。

 次に副読本の問題でございますが、副読本につきましては、地域や学校の実態に応じまして、学校で選定し購入することになっております。したがって学校によりましては、副読本を使用しないで、必要なプリントを印刷して配付しているところもございます。また副読本の選定に当たつては、学習効果が上がるように、父兄の経済的負担が過重にならないように強く指導いたしておりますのが現状でございますが、なお一そうこの点適切な指導をしてまいりたい。したがってまずわれわれとしましては、適切な指導をすることが第一で、その上に立ってこまかい点を配意してまいりたい、かように存ずるわけでございます。なお、要保護、準保護の児童に対しましては、福祉事務所等から無償で副読本を支給いたしております。以上でございます。



○副議長(中石清一君) おはかりいたします。この際10分間程度休憩いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)



○副議長(中石清一君) ご異議なしと認めます。それでは10分間程度休憩いたします。

   午後3時55分休憩

   午後4時16分再開



○副議長(中石清一君) これより休憩前に引き続き会議を開きます。



○副議長(中石清一君) この際おはかりいたします。定刻が参りましたならば時間を延長することに決してご異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)



○副議長(中石清一君) ご異議なしと認めます。よって時間は延長されました。



○副議長(中石清一君) 隅野源治郎君の質疑を許します。31番 隅野源治郎君。



◆31番(隅野源治郎君) 民主社会党大阪市会議員団を代表いたしまして、昭和45年度予算案並びに関連の案件につきまして、ご質問申し上げます。

 わが党議員団は、昭和45年度の予算案を編成されるにあたりまして、中馬市長に、万国博関連事業も一段落した本年は、特に市民生活の安定に市政の重点を置き、大気汚染等による生活環境の悪化等に強く対処し、下水、道路、公園等、生活基盤の整備充実につとめ、快適な市民生活の実現に邁進されるよう強くご要望申し上げておったのであります。この民社党議員団の要望に対しまして、新年度予算に示されました回答は、必ずしも満足できるものではないことをまず申し上げ、以下その立場に立って具体的な質問に触れてみたいと思います。なお、質問点は、できるだけ重複を避けるつもりでございますが、同一問題であっても若干角度を変えてお尋ね申し上げたいと思いますので、あらかじめご了承いただきたいと存ずるのでございます。

 まず第一に市域拡張の問題につきましてご質問申し上げます。市長は、本年度予算の説明にあたって、本年は1970年代の幕あけの年であり、新しい転換が大きく期待されている、60年代の目ざましい経済成長がもたらした激しい都市化の波は、生活環境の悪化と都市機能の低下など、都市問題をいよいよ深刻なものにしている、その都市化のひずみの中から、特に人間性の回復が強く求められており、70年代こそはいかにしてこの要請にこたえるかが国家的な課題であり、都市問題解決の年代でなければならないと述べられておるのであります。わが民社党議員団も、この市長の見解には全く同意見であります。そこでお尋ねいたしますが、最近、行政効果の能率化をはかるために、広域行政問題とか、道州制の問題が新しい世代の問題として盛んに論議が戦わされるようになってまいったのは、ご承知のとおりであります。特に、本年2月23日、東京で開催されました地方制度調査会の席上では、道州制の実施を審議すべきか、あるいはこの問題よりも、大都市制度の問題について先議すべきだと活発な論議が戦わされたことが、報道機関によって知らされておるのであります。在来、この問題につきまして、中馬市長の市会における答弁、あるいは諸種の会合における発言を取り上げてみましても、とかく慎重な態度をとられておったようでありますが、本年度の予算説明から拝察いたしますと、明るい住みよい大阪市をつくるためには、市長の腹の中に、未来の大阪市の地図がすでに描かれているような気がいたすのであります。このことは、ひとり大阪市民のみならず、大阪経済圏に生活するすべての人たちの問題として、たとえば国鉄運賃一つでも、大阪市域内であれば安くなる、電話一つでも、局番は合理化され、料金は安くなる、貿易の面でも大阪市なるがゆえに大きな信用を得る、税金の問題しかり、交通、水道をはじめ市民生活の合理性等を具体的に訴えて、この時期にこそ、じっと機が熟するのを待つ態度ではなく、率先して隣接市町村の協力を求めるべきではないかと思います。そのため、先ほどの質問にもございましたように、市長みずから本年度はこの運動の先頭に立ってのろしを上げられるお気持ちがおありかどうか。あるいは大阪市会が関係市町村の協力を求めるための意思表示をすること等について、どのようにお考えになっておられるかをあらためてお伺い申し上げたいと思うのであります。

 次に税制の問題でお伺いいたします。本市の発展に伴って行政需要は逐年増加の一途をたどっておりますが、このような大都市の機能と活動に対応する財源を確保するためには、今日の税制度、特に税配分については、大きな不合理を含んでいることはご承知のとおりであります。昭和44年度の実情をながめてみましても、大阪府には256億円の超過財源があり、大阪市は85億円の財源不足となっておるのであります。国と地方を通ずる税の不均衡は、今日の大都市行政を麻痺させているのでありますが、本市においては市長はじめ市会の税財政制度特別委員会等の運動によりまして、ようやく政府、学界等の認識も深まってまいったのであります。国会も4度にわたって大都市財政制度是正の附帯決議をつけるところまで進んでまいったのでありますが、それでもなおこの問題は、遅々として抜本的な改正への動きは残念ながら見当たりません。一方、一般市民の間でも、この問題につきましては、一部の有識者を除きまして、案外等閑に付されがちなのであります。これは市政に関係いたしますわれわれのPRの努力不足と反省しなければならないのでありますが、また一面、税問題は一般市民に理解しがたいむずかしさがあるためでもあります。

市民の皆さんに、行政と税収の関係をもっとわかりやすく説明し、たとえば大阪市は政令都市として16項目の行政を委任されており、警察行政と小、中学校の先生の給与を除いては、あとは全部中馬馨の仕事になっているんだ、パチンコ屋の立ち入り検査も料理屋の衛生指導も映画館の火災防止もみな私の仕事だが、これをやるのにはずいぶん金がかかる。

しかるに、ここから上がった料理飲食税は、43年度大阪市だけで58億300万円で、これは府に入る、入場税、14億4,200万円で、これは全部国に行ってしまって、中馬馨のふところには1銭も入らないというところを明確に市民に知らすことによって、仏は市民の間からほうはいとして、行政と税制度の不合理に対する批判ののろしが上がってくると考えるのでありますが、こういう具体的な問題を取り上げて、あるいは市民運動の先頭に立つことに対して、市長はどのようにお考えになっておるかということを重ねてひとつお伺い申し上げたいと思います。

 次に、市街地再開発事業についてお尋ねいたします。都市再開発事業については、136億3,000万円の予算が計上されまして、特に本年は、再開発法による最初の事業として阿倍野地区の再開発に着手されるのでありますが、現在、交通上の一番のデッドロックになっておりますのは、南海上町線の路面軌道の存在であろうと存じます。これについて市長はどのような計画をお立てになっておられるのか、あるいはこの軌道を経営しております南海電鉄との間で何らかの話し合いを進めておられるのかということをお伺いいたしたいと思うのであります。また、この問題と関連いたしまして、市内交通の混乱を引き起こす大きな要因の一つとして私鉄路面軌道の存在を見のがすわけにはまいりません。阿倍野橋の南北交通の混乱は、南海上町線の阿倍野橋駅の位置の関係で、また少し南に下って阿倍野斉場の東西交通の混乱は、南海平野線の路面のためにと原因は明らかであります。

大阪市営の路面電車も交通難緩和の一方策を理由といたしまして、営業廃止、路面電車の全面撤去に踏み切った今日であります。大阪市内に起終点を持つ南海上町線、同じく平野線、同じく阪堺線や阪神電鉄北大阪線等に対しまして、今後、都市の再開発と交通難緩和のためにどのような対策を考えておられるか、お伺いいたしたいと思うのであります。

 次に、地下鉄の環状線内の整備についてご質問申し上げたいと考えておりましたが、すでに前の2人の議員からご質問がございましたので、省略いたします。そこでひとつお聞きをいたしますが、昨日、市長の説明にもございましたように、市長の諮問機関である交通審議会が、市長公館で開催されたはずでありますが、この問題に関連いたしまして、どういう議論が戦わされたかということをお答えいただきたいと存ずるのであります。

 次に水資源の確保の点につきましてお尋ね申し上げます。人口の都市集中と産業、経済の急激な発展に伴いまして、本市の水需要は増加し、需要者の要請にこたえるべく、44年度から7カ年計画で着手された第9回水道拡張事業を推進するためには、水資源の確保が緊急な重要課題となってまいったのであります。本市の水道の水源は、その大部分を淀川水系に求めていることは周知のとおりでありますが、最近、水源池の琵琶湖の総合開発をめぐりまして、地元の滋賀県と淀川流域の下流利水者の間に意見の相違が生じておるようであります。本市をはじめ淀川流域利水者の水資源確保の将来に大きな問題を投げかけているようであります。私どもの承知している範囲では、琵琶湖の放流による水位調整の関係で、地元のマイナス1.5メートル案と建設省のマイナス2メートル案との間に食い違いが生じ、この水位調整によって生ずる現場補修の基幹事業費として560億円が必要となり、実に滋賀県側が在来から主張しております開発補償の性格を持つともいうべき琵琶湖一周観光道路建設費用等を含めた1,900億円の補償を下流利水者に申し入れておったのでありますが、昨年12月に3,400億円と変更、増額をしてきたと聞いております。本年度の国の予算では、建設省がこの調査費として3億円、経済企画庁では水資源公団の交付金として1億円を計上されているそうでありますが、もし琵琶湖開発特別立法が国会で制定され、地元滋賀県の意向等を中心とした開発計画が進められた場合、本市水道事業経営にとっては、たいへんな事態に当面すると思います。そこで昨年12月9日、大阪府知事、兵庫県知事、大阪市長、神戸市長、阪神上水道理事長の皆さんが、滋賀県知事と会談を行なわれたと聞いておりますが、この会談の経過と今後のこの問題に対する見通しにつきまして、下流利水者としての市長からお伺いいたしたいと存ずるのであります。

 次に同和対策についてお尋ねします。同和事業の推進は、本市の重点施策として住宅建設、保育所、地区解放会館、共同浴場、更生生業資金の貸し付け、教育、産業の振興、用地の先行取得等々、積極的な推進をはかると述べておられます。かねて大阪市会で、その制定促進を満場一致で決議いたしまして、国会でも立法化された同和対策特別措置法は、その後国で具体的な財政的裏づけの措置がとられていないと承っております。予算の裏づけのない法令は全く無意味で、これこそ仏つくって魂入れずのことばのとおりであります。

そこでお尋ねいたしますが、市長の予算説明によりますと、本年度施策の大かたのものは、予算額とその趣旨が美辞麗句を用いて説明されているのであります。余談ではありますが、一例をあげれば、「人類が初めて月に到達して持ち帰った月の石も出展され、人類の無限の進歩を物語る画期的な万国博覧会を間近に迎えることとなりました。」とか、「卸売の殿堂、大阪マーチャンダイズマートの偉容など変貌した町の姿を見てまことに感慨深いものがあります。」とか、多少、感傷過ぎるかと思われるほどに多くのページをさいて親切、丁寧な説明がなされておるのであります。しかるに、さきに申し上げたように、市政の重点施策として積極的に推進をはかると言っておられる同和対策のみ予算額が明示されておらず、事業の輪郭を知ることができません。さきの国会における特別措置法の例もありますので、この際、同和対策の積極的な推進を望みます6万人の市民のために、計画に基づく予算額はどの程度なのか、明らかにしていただきたいと考えるのであります。

 次に、勤労青少年対策についてお尋ねいたします。市長は、都会生活の谷間にある恵まれない人たちを大切にする市政をとうたわれておるのであります。しかし、行政の現状において、はたしてそのとおりの施策が行なわれているかどうか、私は疑問を持つものであります。その一例としてお伺いいたしますが、昼間、職場で働きながら、みずからかせいだ費用で、夜間、向学心に燃えて懸命に勉強に励んでいる定時制高校生は、大阪市立高校だけでも6,630人おられるのであります。この家庭的、経済的に恵まれない青少年諸君が、定時制高校の入学試験に合格しても、入学手続をとる場合にたいへんな費用がかかるわけであります。一例を申し上げますと、都島第二工業高校におきまして、入学試験に合格いたしますと、まず後援会の入会金として850円、教育の援助費として2,800円、これを一括納入しなければならない。それに教科書代として300円、雑費として400円、またそのほか、後援会費として毎月300円、教育の援助費として150円、生徒会費として690円、同窓会費として30円、これだけの費用を納めなければ、定時制高校に入学できないのであります。

 また教育長にお伺いしたいのでありますが、せっかく入学試験に合格しても、この後援会入会金が払えない場合は、入学を取り消されるかいなか、このように、後援会費用を必要とするのは、校園費の補助が少な過ぎることが原因となっているのであります。勤労青少年を守る意味においても、校園費を増額して、後援会と肩がわりをする措置をとるべきであると考えますが、そのご意思があるかいなかということをお伺い申し上げたいと思います。

 次に労働会館の建設についてお尋ねします。民社党議員団は、過日中馬市長に、過去数年間にわたって、日本経済の中心たる大産業都市大阪の面目にふさわしい近代的な一大労働会館の建設を要望してまいったのであります。先日も万博関連事業の一段落した本年こそ、その建設に踏み切っていただきたいと強く申し入れをしたのでありますが、幸い建設費総額約10億円、さしあたり45年度2億円の増改築費を計上されたことについては、勤労大衆の福祉向上のため、そのご決定に敬意を表するものであります。しかしながら、その反面次のような点をお尋ねしておきたいと思います。それは、今日まで大阪市内には、規模の小さな大阪市立労働会館と同じような規模の府立労働会館の二つがごく近い場所に建設されていて、その目的も設備も運営も全く大同小異でありまして、これこそ府市2重行政の典型的な見本ともいうべきものだと考えておったのであります。したがって私どもはこれを一本化して、一大総合労働センターとされてはどうか、かくすることによって経費のむだも省け、利用者も便利になるのではないかと申し上げておったのでありますが、仄聞するところによりますと、建設、運営についての府市の意見調整は至難であったと聞いております。そこでお尋ねいたしますが、本予算に計上された2億円の増改築費は、今後も大阪府と共同して会館建設に進まれるためのものであるか、あるいは現在の森之宮会館を大阪市のみで増改築される意図のものであるか、お伺いをしておきたいと思います。

 次に住宅問題についてお尋ねします。本年度は183億5,000万円をもって6,600戸の住宅を建設する計画をお立てになっていることについては、おおむね了といたすものであります。しかし実際には、住宅難を訴えている市民の多数の人は、次のような点で困っていることと思います。そこでお伺いいたしますが、まず第一に、公営住宅入居希望者の中で一番困っている問題の一つとして、入居収入基準がきわめて低いということであります。最近の物価の傾向から勤労者階級の所得も上昇しているにかかわらず、公営住宅の入居収入基準は、昭和43年に改正されたものでありまして、一例をあげると、扶養家族2人で賞与等も含めた年収55万円から79万円まで、扶養家族3人でも年収59万5,000円から83万5,000円までとなっております。この基準額では本市の一般職員の方でも少しく超勤手当がつけば、大阪市営住宅に収入オーバーで入居できない、こういう状態であります。これでは市民大衆に対する公営住宅としての意義が薄れるのでありますが、市長は、先ほどの質問にもございましたように、この際公営住宅入居収入基準の改定のため、強く政府に働きかけていただきたいと思います。

 次に、公営住宅には収入基準の超過で入居できず、住宅公団による市街地住宅は、家賃が2万から3万という高額で入居できず、遠距離の郊外から通勤すれば、交通費の増高と交通混雑の疲労で職場における作業能率も十分に発揮できないという中間所得の勤労市民のために、大阪市住宅供給公社等を通じまして、職住接近の市街地高層賃貸住宅を大量に建設すべきではないかと考えておりますが、残念ながらことしの予算には出てこないようであります。市長の所見をお伺いしたいと思います。

 次に、最近マイホームの建設は市民多数の熱望であります。しかるに現行の住宅金融公庫の融資制度には、一定坪数の土地の確保や、あるいは建設資金の頭金の確保、融資手続の複雑さや検査制度の困難さから、坪当たり建設費が高額につく等、種々制度上の欠陥がありまして、利用率はきわめて低い。昨年1年間の住宅公団大阪支所管内でも、わずかに年間融資件数は、大阪府全体でも8,000件であります。これでは住宅金融制度として大きな効果をあげているとはいえません。そこで大阪市が全国に先がけて、大阪市の保証によって個人住宅建設組合−−これは仮称でありますが、建設組合をつくって、一定期間に一定の金額を積み立てることによりまして、銀行取引等のない人たちのために、土地の購入、住宅建設資金の融資等を行なえる組織の設立を検討されたいと思いますが、これに対する市長のご所見を承りたいと考えるのであります。

 次に、保育所の関係についてお尋ね申し上げます。まず第1点は、本年度は保育所12カ所の建設をはじめ、中小企業の振興対策として企業内託児所設置融資制度を設けられたのであります。これは、市立保育所の増設と相伴って、働く母親が子供を預けて安心してその職場につとめられるようにとの配慮の施策と承知いたすのであります。そこでお尋ね申し上げますが、託児所設置融資制度は、保育行政を所管する民生局で実施するのか、あるいは中小企業の振興を所管する経済局で所管するのか、まずお伺い申し上げたい。さらにこの融資を受けて建設しようとする託児所の保母は、市立保育所の場合と同じく児童福祉の立場から政府の認定を受けた有資格の保母を勤務せしめることを条件として融資するのか、もし無条件で融資を行なうとすれば、ただでさえ有資格保母の不足しているおりから、おそらく昔の子守り程度の託児しか行なわれないと考えるのでありますが、それでは託児されたお母さんが安心して働くことはできない。また、もし事故の発生した場合、児童福祉の立場からこの制度を推薦した大阪市としては、たいへんな責任を生じることになりますが、その点どのように考えておられるか、お伺い申し上げたいと思うのであります。さらに、このような企業託児所に対しては、大阪市が責任をもって保母を供給するのかどうか、そういう点をお伺い申し上げたいと思うのであります。第2点として、保育所の保育時間の延長についてお伺いを申し上げます。現在、午前8時から実質午後6時までを限度として保育業務を行なっているが、この時間を母親たちの希望によってさらに延長する考えはないかどうか、お伺い申し上げたいと思うのであります。

 次に、環境衛生対策についてお尋ねいたします。昨年来、わが民社党議員団は、大阪同盟の人たちと共同いたしまして、市長に要望申し上げておりました問題の一つとして、郵便、新聞、牛乳の配達人や電気、ガスの集金人等、市民の各家庭を訪問して、市民生活に奉仕する数万の人たちの最も困っている問題に、飼い犬の放し飼いによる被害があります。昨年1年間にそれぞれの団体に報告されただけでも、犬による咬害の件数が1,000件余りございます。そのために転職を希望する人たちも出ているということであります。このまま捨ておけば、市民の文化生活にも支障を来たすおそれもありますが、われわれの承知するところでは、大阪府においては、本年もこの被害をなくするため、1年間の経過措置をつけて飼い犬条例を制定する見通しがあるのであります。もしこの条例がつくられた場合、政令都市たる本市では、さっそくこれが実施に踏み切らねばなりません。聞くところによりますと、その必要経費が5,000万円とも7,000万円とも言われているのであります。ところが本年の予算案では、その受け入れ態勢としての調査費も計上されていないのであります。そこで市長にお尋ねしますが、条例制定に対する大阪府の動向をどのように見ておられるか、また条例の制定を見た場合、政令都市として直ちに来年度から責任をもって実施に踏み切るご決意があるかどうかをお尋ね申し上げたいと存じます。

 最後に、市民サービスと職員の服務規律について一、二点お尋ねいたします。まず第1点は、まことに残念な質問でありますが、昨年末に行なわれた総選挙で、特定候補の選挙運動で市長部局の職従業員や交通局関係その他の職従業員の中に、公職選挙法違反の疑いで司直の取り調べを受けた人たちが多数にあると聞いております。そこでまずお聞きしたいのは、各局ごとに司直の取り調べを受けた者が何人で、逮捕された者が何人か、また取り調べを受けた容疑内容は何であったかをお教え願いたいと思います。同時に、この事件の捜査中、市民に行政サービスの上で何のご不便も与えなかったかどうか、特に交通局の関係者においては、業務運営上に何らの支障も生じなかったかどうかをお伺いいたしたいと思います。第2点として、昨年1年間に公聴部に集まった市民の市政に対する苦情件数は3万件ありますが、その中で清掃業務に関するものが、大体5,300件ございます。またその中でごみに関するものが3,300件もございます。苦情の内容は、ごみの取り方が悪い、それから容器のあと始末が悪い、あるいは定時収集が履行されない等、いろいろございますが、こういう立場から、市長にお聞きいたしたいのであります。市長は、万博を控えて特に「町をきれいに」というスローガンを掲げ、本年度も清掃事業に26億400万円を計上して、二つのごみ焼却工場の建設と新たに粗大ごみの処理工場を4億円をかけてつくり、あるいは機械の整備や道路清掃の拡充等、町の清潔保持と美化につとめると言われています。しかし私は、はたして市長の期待どおりの実効があがっておりますかどうか、疑問を持つものであります。もちろん清掃事業の実効をあげるためには、ひとり市長の努力のみでなく、清掃事業に携わる清掃局長以下全職従業員が、市長の意思を体して努力せねばなりませんし、同時に市民の協力も必要であることは言うまでもありません。しかしながら、私ども市民の立場から見れば、いま一歩清掃事業関係者皆さんの努力を求めたいと思うこともありますので、あえてごみの収集についてお尋ねいたします。いま、1清掃工場当たりの清掃面積をどのぐらいに見ておるのか、あるいは対象としている市民戸数は、一体どの程度を基準にしておられるか、こういう点をお伺いいたしたい。また、最も遠い収集地区から工場までの距離、運行時間をどの程度に見込んでおられますか。さらに収集作業に当たる人たちの工場と現場との往復回数を1日何回を標準にして指導しておるかという点を具体的にお教えいただきたいと思うのであります。

 まだ数点にわたる質問があるのでありますが、時間の関係もございますので、以上をもちまして私の質問を終わらせていただきますが、ご答弁の内容によりましては、再び質問させていただく機会をお願い申し上げまして、降壇させていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手)



○副議長(中石清一君) 理事者の答弁を許します。

 中馬市長。



◎市長(中馬馨君) 隅野議員のご質問にお答えいたします。

 まず第1に、民社党としていろいろ要望したのに対して、本年度の予算は必ずしも満足できるものではないというお話でありました。私自身も現在の予算は必ずしも満足し得ないものであると思っておるわけであります。これはたびたび言っておりますように、今日の都市行政に対応する税財源が与えられておらないということで、私ども、絶えず不十分な予算を組み、不十分な対策で市民にご迷惑をかけておることは、まことに申しわけない残念なことだと思っておるような次第であります。しかし、そうした中にも、1970年は何としても都市問題がもっと政治的な問題としても取り上げられて、これに真剣に取り組む時代たらしめなければならぬということは、先般も申し上げたとおりでありまして、幸いそうした機運は、全国的に相当盛り上がっておると言わなければなりませんし、各方面の識者の協力も得ながら、都市問題の解決に皆さんとともに取り組んでいきたいと思うのであります。そこで、70年代に一体どうするのか、一応の構想を持ってしかるべきだ、持っておるのじゃないかということでありますが、先般の予算説明に申し上げましたとおり、この都市化の勢いに対応する都市経営でなければならぬと思うのであります。都市化の勢いというものは、依然として非常に激しいのでありまして、たとえば道路交通をとってみましても、これだけ積極的に道路建設、あるいは地下鉄の建設をやったつもりであるのでありますが、それにもかかわらず交通麻痺は減らない、減らないどころかふえておるのであります。このことは、やはり私どもは一国の政治としてもっと積極的に取り組まなければならない問題だと思っておるのであります。さようなことで、都市問題全体は、中央・地方を通じて、積極的な解決に向かって前進しなければならないものと考えておるのであります。将来の構想といたしましては、おおむねマスタープランにおいて、私どもは大体その構想を描いておるのでありますが、それをどういう順序でもって実行に移すかということになると思うのであります。

   (副議長退席、議長着席)



◎市長(中馬馨君) (続) しかしそうした中において−−先ほど来の見解になるのでありますが、単に町の構築という形における再開発だけではなくて、あくまでも市民生活優先の感覚をもって町づくりを進めなければならないと思う次第でありまして、一々内容は申しませんが、さような心がまえで公害対策、あるいは公園、緑地の問題、あるいは職住接近の政策、あるいは公園を持つ住宅といったような政策、さらには児童公園の問題、また町の立体化をはかって空地を確保するといったような政策を推進しなければならないと思うのであります。そうした考え方で進める過程において、一方において、隅野議員がご指摘になりましたように、現在の市域はこのままでいいのかというような問題、また現在の府県制度は、そうした時代の流れに沿って、現状でいいのかという問題、さらに道州制の問題、これらにどう対処していくか、大阪が西日本中枢都市としての機能を果たしていく上に、これらの市域を越えた大阪都市圏をどう考えるかという点があると思うのでありますが、私どもは、かねてから都市の規模は、常に家屋連檐と申しますか、都市の膨張に伴って、行政区域というものは適正に拡張されていかなければならない、そしてその中で−−繰り返して申しますが、総合的に計画が立てられて都市の運営が行なわれる、これが都市行政のごく単純な原則であると言わなければならないと思うのであります。そうした中にあって、一方では府県の問題があるのであります。わが国の過去を振り返ってみましても、3府43県の府県制度ができたのが明治21年であります。またこのころは、馬車や人力車が走っておった時代であります。それから80年も経過しておるのでありますが、ジェット機や新幹線の時代に入っておる今日、現状のままの府県制度は、現在の社会的、経済的な国民生活に適応した政治、行政の姿であるかというと、これはだれでも考えるように、何らかの改編が行なわれなければならないのであります。また、もう一つ振り返ってみますと、そうした馬車や人力車の時代には、郡役所というものを持っておりました。これすらも大正の時代までは機能を持っておったのでありますが、これが行政区画としての意味がなくなり、むだになって大正12年ぐらいでありましたか、廃止となったのであります。いまや府県制度はもはや何らかの改革が行なわれなければならないということで、府県の廃止、あるいは府県の合併、あるいは道州制の問題が絶えず論議され、また政府の地方制度調査会という正規の機関においても、終戦以来たびたび繰り返されて論議しておるのであります。技術革新、経済成長はまことに驚くばかりでありますが、政治、行政の上だけが、ひとり依然として現状のまま足踏みをしておるという姿であると思うのであります。私は、心ある人たちによって、このあたりで真剣にこれらの問題を実行に移さなければならないと思うようなわけでありまして、さような考え方から、私どもの意見としては、道州制というような問題も漸次推進さるべきだが、その実行の過程において府県合併というプロセスをとることも適当であるということで、阪奈和の合併等をかねてから主張し続けております。奈良のあのような古文化を維持し、国際的な観光資源を維持していくためにも、大阪のこの財政力をもって抱いていくことが適当である、また和歌山のあの未開発資源を開発し、熊野川の水資源を大阪と結びつけるためにも、執行権を一体化する、そうしたならば有効にこれらを活用することができるという主張をいたしておるのであります。またこのことは、すでに政府においても府県合併特例法という形で法案を議会に提出しておるようなことでありまして、私どもも、そうであるべきだと思っておるのであります。しかし、さらに進んで道州制に持っていくべしという論議が、いま世間で戦わされておるのであります。これは全国を8ブロックに分けての道州制で、これは、私どもの将来の目標ではないと思いますが、それを直ちに実行に移せるかという点になると、いろいろ研究を要する問題があろうかと思うのであります。しかし、そうした中において、東京地区、あるいは近畿地区というものは、すでに府県の境界がほとんど意義を失っておる、むしろそれらを越えて−−先ほどの琵琶湖の問題を一つ片づけるにしても、一元的な執行機関、一元的な議会において協議するならば、もっと能率的に解決されるのじゃないかというふうにも考えるのでありまして、私どもは、道州制の問題、あるいは府県合併の問題、さらには市域拡張の問題は、70年代を迎えた本年度こそ、さらに積極的に検討もし、また意思表示もして進むべきではなかろうかと思っておるのであります。またその中でさらに具体的な問題として、隣接の都市からの合併の協力の問題をどうするかということでありますが、先ほどもお答えしましたように、合併の問題は、一つの住民意識と一つの住民意識の合意によるものでありますから、先方からその意図があるということになれば、われわれもまた受け入れ態勢を整えて、これと合体をしていくということも必要であると思うのであります。私ども、しばしば府県との合併が一つの考え方である、そういうことが望ましい姿であると言ってはおるのでありますが、直ちに住民の合意は成り立つものではないのであります。個々の問題として今後の推移に応じた受け入れの態勢をとっていかなければならないものだというふうに、私個人は考えておる次第であります。

 それから第2番目に税制の問題でありますが、先ほどから申しましたように、現在の大都市税制が非常に不利な状態にあることは、国会が4回にわたって附帯決議をつけて政府に税制改正を促しておる、地方制度調査会も税制調査会も繰り返して大都市税制の陥没状態を指摘して答申をしておるということですでに明らかでありますし、さらに隅野議員も数字をおあげになりましたように、また私自身も申しましたように、今日、府市の財政比較をいたしましても、府が44年度に256億円の超過財源を持っておる、また大阪市が85億円の交付税をもらわなければならない税源の不足状態になっておる、こういうふうに、数字にも非常に端的にあらわれておるのであります。そしてここまでアンバランスがひどくなりますと、政府自体もほっておけない、これをほっておくならば、自治省の調整機能をも十分果たしていないことにもなりかねないということで、自治省自体がこれを調整しようとする動きを見せてくれておることは、私ども、ありがたいことだと思うのであります。その中で、ここで繰り返すまでもなく、皆さんご承知のとおりでありますが、法人税割りも2%税率の引き上げが行なわれ、これに関連して府県、市町村の法人税割りをどう扱うかという問題の際に、わずかな金ではありますが、同率の1.75%引き上げるということになって、府県はこれ以上ふやす必要はない−−全国府県と全国市町村の税の状態を比較しても、全国府県税の総額は、市町村税の総額をはるかにこえる豊かさを持っておるということで、府県分はふやさないで、その分を市町村分に譲るということで、法人税割りの率が、従来の8.9%から9.1%に増率されるということになったのであります。初年度の金額は、8億程度にすぎませんけれども、将来に向かって幾らか伸びていくことも期待できるのではないかと思うのであります。それと同時に、これは6大都市側から働きかけると、直ちに反対運動を誘発することもあるから、市側からの動きはやめてもらいたいということで、非常に客観的に、自治省またその他の政府関係等において、指定都市の16項目に見合う税源を6大都市に移譲すべしという原案が作成されました。それも当然のことと言わなければなりません。府県の税収が、大阪府において250億円、愛知県、神奈川県もほとんど同額の税のだぶつきがあるのであります。その中から、財政負担を免れており、そして指定都市に仕事をさせておる分だけでも税を譲り渡すべきだという改正案なのですが、これは57億程度の金だと、指定都市で計算をいたしております。それで、住民税の20%ないし18%程度をさいて指定都市に譲るという案であります。そういう案が用意されたのでありまして、政府の取り扱いとしては、6大府県を納得せしめて円満に移譲すべしという努力をしたのであります。他の府県はみな賛成をいたしたということでありますが、どういうことか大阪府において了解が得られないということで、足踏みをして、今年度には間に合わないようであります。これは大阪市民全体に関係するところでありますから、率直にご報告をするわけでありますが、市長とか、市会とかいう問題ではなくて、市民の福祉を、どうして税制を改正してまかなっていけばいいのか、これだけ極端なアンバランスをそのままにしておいて、市民生活をまかなっておると言えるのかどうかということを痛切に感ずるわけであります。先ほど来の各党の質問もそのことに尽きるかと思うのであります。率直にこのことをご報告申し上げるわけでありまして、こうした問題をも市民の前に明らかにしつつ、税制改正をし、市政の内容を充実していくことにつとめなければならぬと思うのであります。民主政治の大原則というものは、市民が納める税の行くえを主権者である市民によく知らせて、そしてともに市政を運営するということでなければならぬと思うわけでありまして、税制改正の問題は、市民とともに今後つとめていって、この大都市行政というものを改善していきたいものだと思うのであります。

 その次に、上町線を廃止することについてどういう考えでおるかということでありますが、大阪市が115キロの路面電車を撤去したということで、中央方面においても、大阪市政の実行力を非常に高くたたえてくれておる状態であります。しかし、機能を失った電車を廃止することは、大阪市のような実利主義の土地柄としては、率先してやるのは当然のことだとも思うのであります。そうした中に、上町線とか、阪神北大阪線というものが残っておって、新大阪駅でおりると、電車はないはずなのに、電車が走っておるという姿であります。これは姿においてそうであるだけでなくて、市民の都市活動の上にもいろいろと不便を来たしておるのでありまして、これらの問題は何とかして解決しなければならない問題だと思っております。それらの路線の多くは、もう収益の伴わない路線になりつつあるということで、会社側においても何らかの解決をしようとする機運が出てまいっております。また、私どもも、たとえば上町線などは阿倍野一帯のあの再開発と相関連して問題を解決するようなことにしていただきたいと思って、よりより協議を進めておるような状態でありまして、その他の路線についても、今後総合計画局においていろいろと交渉もし、検討もいたしていくつもりであります。いろいろと努力いたしていきたいと思っておるのであります。

 それから琵琶湖の水資源の問題につきましては、交渉は遅々としております。建設省も、ご承知のとおり河野建設大臣時代から、ずっと毎年歴代大臣が出かけて滋賀県に乗り込んで、みずから事に当たっておるのでありますけれども、いまだに結論を得ないのであります。また受益地域である下流の市においても、滋賀県とできるだけ話し合いを進めようといたしておるわけですが、まだ結論も得ていないのは、残念なことだと思うのであります。しかし、けさほどもお答えいたしましたように、政府においても45年度は積極的に調査を進め、そして実行に移せる段階が来るならば実行に移せる態勢をとっていくのだということを言っておる状態で、さらに一そう政府とともにわれわれ関係の府県、市としても交渉を進めていかなければならないと思つておるのであります。それから、この前の滋賀県への申し入れの際の経過はどうであったかというお尋ねでありました。実は私はやむを得ないことで行けなくて、大島助役が行ったのでありますが、そのときの向こうとの折衝の内容は、下流の水の逼迫の実情から、できるだけ多くの水をできるだけ早く持ってきてもらいたいという当然のお願いを頭を下げて各知事、市長そろってお願いをしたわけであります。これに対しまして、県としては、琵琶湖開発方針の推進審議会でありますか、ここで現在検討中である、その結果を待たなければ滋賀県としては何とも申し上げられない、45年度着工というのは、何としても無理だというようなことであったのであります。このことが中央の予算編成にも関連をして、先ほど申しましたような調査費は組まれたが、着工の経費は組まれないというのが実情であります。今後とも努力を続けていかなければならないと思うのであります。

 それから私がお答えするものといたしまして、恵まれない人たちへの配慮で、定時制高校のことは十分な配慮が足りないのではないかというご指摘であります。実は定時制の問題は、私自身が−−助役時代からでありますが、非常に気にしておるのであります。友だちが気楽に勉強しておるときに、定時制の諸君が職場からかけ足で来てパンをかじって教室に飛び込んでいく姿を見ておると、この諸君のためには、何らかの積極的な手を打っていきたいという気持ちも持ってまいっておるのであります。ことしは私自身からも注文をして、教室や廊下を明るくするということなどは一挙にやってしまうようにしてもらいたいということもいたしたのであります。またお聞きするとかなりの負担もあるようでありますが、こういう負担はできるだけ軽減するような処置を講じていきたいものだと感じたような次第であるのであります。

 それから労働会館の問題でありますが、これはことし2億円計上いたしたのでありますけれども、労働会館は終戦直後、地域組織だけでなくて、職場を中心とした職域組織が、民主政治の基盤として非常に重要な国民組織になるということを考えて、近藤市政のもとに私自身が推進してつくったような経過もあるのであります。府の労働会館は、あの付近の中小企業の職従業員等の福利施設として非常に役立っておるのであります。大企業の職従業員は、みずからのところでそういう施設を持っておるのでありますが、そういうことで、いい機能を果たしておるから、財政の余裕さえあれば、もっとしっかりしたものに改築すべきだということを考えながら、今日に至っておるのでありまして、関係団体の協議会等でも、審議会式のものをつくって協議をしてもらっておりましたが、その答申を得ました。これは相当長い期間をかけなければ、財政事情が許さないと思うのでありますが、1,200平方メートルの建物にだんだん改築をしていく、こういう考え方を持っておるわけであります。そして、本年度は2億円計上しましたが、来年度は3億円か4億円計上して、第1期の工事は仕上げたいものだと考えておるのであります。これは、労働者の施設でありまして、厚生年金の還元融資という方法もありますので、そういうものを利用して働く人たちの福祉施設を充実するということに持っていきたいと思っておるわけであります。この過程において、府からの補助を受けていいじゃないか、府も金を出そうじゃないかという空気も一時あったのでありますが、これはどうも話が整わなかったようであります。あの場所に府と市の施設を一緒にやったらどうかという意見も出たようでありますが、私は、これは必ず失敗するものだ−−一つの施設を府と市という二つの団体が共同で経営するというようなことは、過去にそういう例がなかったことはありませんが、すべて失敗しております。館長をどうするか、副館長をどうするか、あるいは建物の修理をどっちがするかというようなことで、将来のために決して望ましい結果をもたらさないということで、共同施設というものはよくない、もし気持ちがあるならば、府が市町村に補助するのはごく自然なことであるから補助して、施設を充実させてもらうのが望ましいということであったのでありますが、いまのところは、それは整っていないようであります。しかし、労働団体等の話し合いなどからそういうものができて、幾らか施設が充実されるということがあればけっこうだと思っておるような次第であります。

 それから住宅問題についてもいろいろご意見がありました。このお答えは担当者からいたしますが、建設組合の問題などは、私どもも研究させてもらいたいということを申し上げておきたいと思うのであります。

 それから、飼い犬の問題については、これはかねてからお聞きしておる問題であります。これの咬害も、いろいろとひどくなってくるようでありまして、その条例という問題も府側で起こっておるような状態でありますが、飼い犬の咬害の実情等もさらに調べて−−調査費は組んでおりませんが、これは私ども当然のこととして調査もし、また府において条例をつくろうということになれば、これに対応して実施することは当然のことでありますから、十分連絡をとって進めていきたいと思っておるのであります。

 その他の問題については、局長から具体的にお答えいたします。



○議長(植田完治君) 黒田交通局長。



◎交通局長(黒田泰輔君) 職員の服務に関するお尋ねに関しまして、このたび公職選挙法違反の疑いで取り調べを受けました職員の大多数は交通局の職員でございますので、私からご答弁申し上げたいと存じます。まずおわびを申し上げねばならぬのでございますが、多数の職員が公職選挙法違反で警察当局の取り調べを受けなければならなくなったということは、やはり私が日ごろ局内の指導と監督に不十分な点があったということによるものだと反省をしておる次第でございます。深くおわびを申し上げねばならぬと考えております。それでお尋ねの内容でございますが、取り調べを受けました職員数は50名に及んでおります。これは、私のほうで把握いたしました職員でございます。その中で逮捕、拘留されました者が13名ございます。内容は文書の違反が大部分でございますが、一部買収の容疑があると承っておる次第でございます。それで組合業務に専従いたしております職員は随時ということで、またその他の一般職員につきましては、勤務時間外に任意出頭するように取り計らっていただきましたので、積極的には業務に支障を来たさなかったと考えております。今後の考え方でございますが、ご案内をいただいておりますように、公営企業の職員は、適法に選挙活動をすることを前提として、公務員の服務上は認められておるわけでございます。しかし、それはどこまでも選挙関係法規の活動をするのがたてまえであるにもかかわりませず、そういう容疑を受けられたことにつきましては、職務に直接関連する内容のものではありませんので、私といたしましては、検察当局の被疑の内容の固まるのを待ちまして、その内容を勘案しながら行政上の措置を慎重に考えてまいりたい、かように考えておる次第でございます。望ましくないことでございますので、重ねておわびを申し上げる次第でございます。

 それから前段でご質問になりましたが、昨日、本市の諮問機関であります公営企業審議会に市長が出席いたしまして、どういう話をしたのですかということでございました。先ほど来の地下鉄の将来計画についてのご答弁で触れておりますように、昨年以来、公営企業審議会で、将来路線いかんということをご審議願っておるわけでございます。それが成文を急ぐ時期に相なりましたので、審議会の要望によって市長がご出席になったわけでございますが、いよいよまとめるにあたって、市長の地下鉄の将来計画に関する考え方を参考に聞きたいということであったわけでございます。したがいまして、いろいろな話が出ましたけれども、要約いたしますと、市長の地下鉄将来計画に対する考え方について、意見を交換いたしたような次第でございます。

 以上でございます。



○議長(植田完治君) 浅羽同和対策部長。



◎同和対策部長(浅羽富造君) 同和対策事業関係の予算額の点につきましてお答えを申し上げます。

 同和地区の市民館の整備、あるいは隣保事業などの同和対策関係の予算といたしまして3億1,390万3,000円、それから地区の環境改善、更生生業資金、住民福祉対策など、民生局関係といたしまして9億6,062万7,000円、それから医療施設の整備、トラホーム診療、母子栄養対策など、衛生局関係のものといたしまして7,425万3,000円、それから金融、公社の補助、中小企業融資など、経済局関係といたしまして3億127万5,000円、それからなにわ育英費、特別就学奨励、青少年婦人対策など、教育委員会関係といたしまして2億 6,467万7,000円、以上、合計19億1,473万5,000円でございます。なお、このほかに同和関係のものといたしまして、建築局関係のもので、住宅建設の中にいわゆる同和住宅が含まれてございます。また、教育委員会関係で、学校の校舎建設の中に同和地区の学校建設が含まれております。

 以上でございます。



○議長(植田完治君) 石川教育長。



◎教育長(石川多賀夫君) お答え申し上げます。

 第1点は、定時制高校における後援会入会金等と入学との関係の問題でございますが、後援会入会金等の問題は、これは後援会自体の問題でございまして、入学試験の合格、不合格とは別個の問題でございます。入学につきましては、いわゆる選抜要領によりまして、学校自身が行なうものであることは当然で、後援会とは全く関係なく合否を決定いたしておるわけでございます。しかしながら、父兄、あるいは広くは市民の方々が、そうした考え方を万一にもお持ちにならないように、今後とも十分意を用いてまいりたい、かように存ずる次第でございます。

 次に、定時制高校の後援会費等の問題で、教育委員会として今後これについてどう対処していくかというご質問でございます。この後援会費等につきましては、学校によって金額にいろいろと相違はございますが、現段階におきましては、取られておることは事実でございます。そこで教育委員会といたしましては、この点、適切に行なわれるよう指導してまいったわけでございますが、同時に44年度におきましては、校費の増額によって1,000円程度減少するようにいたしたのでございます。しかしながら、今後はなお一そうこの寄付金問題については強く指導してまいると同時に、45年度におきましては、44年度よりさらに校費の増額をはかりまして、積極的に問題点についての軽減、あるいは減少ということをやってまいりたい、かように存ずるわけでございます。しかし、先ほど市長からもご答弁ありましたように、われわれとしましては、こうした方法以外にもいろいろとあらゆる角度から、昼間懸命に働いておられる定時制の高校生に対してあたたかい行政的配慮を行なう方策を積極的に検討いたしてまいりたい、かように存ずる次第でございます。



○議長(植田完治君) 天野経済局次長。



◎経済局次長(天野開君) 企業内の託児所についてお答え申し上げます。

 中小企業の労働力不足の問題は、先ほど申し上げましたように非常に深刻なものがございまして、特に年々減ってまいっておるわけでございますが、私どもといたしましては、中小企業に対しまして、省力化の問題、あるいは未利用労働力の確保の問題など、いろいろ検討してきておるわけでございます。特に、先般家庭婦人を対象といたしまして調査をいたしたのでございますが、26歳から35歳までの婦人層の中で、働きたくても現状では働くことができないと回答された方が55.4%ございました。その答えの中で、子供が小さくて手が離せない、こういった回答をされた方が49.4%で、ほぼ半ばに達したわけでございます。そういった意味からいたしまして、家庭婦人の利用ということを考えますと、こういった施設をやはり企業内で充実していく必要があるのではないか、また家庭婦人の労動力を、従来の非常に短いパートタイマーとしてよりも、レギュラーな形に持っていくべきではないか、こういうふうに考えておる次第でございます。この託児所につきましては、やはりあくまでも企業の自主運営にゆだねるわけでございますが、しかし施設の内容、それから保母さんの定員といったものにつきましては、幼児の保健、安全を十分考えまして、一般の保育所に準じたものに指導していきたい、融資のときにそういった点も考慮に含めていきたい、この点民生局とも十分相談いたしまして、遺憾のないようにいたしていきたい、こういうふうに考えております。



○議長(植田完治君) 藤井民生局長。



◎民生局長(藤井弘巳君) 保育所の長時間保育についてのご質問にお答えいたします。

 児童福祉施設の最低基準という省令がございますけれども、これの54条によりますと、保育所の保育時間は、原則として8時間であるということになっております。これは児童福祉の立場から考えて妥当な保育時間だということであろうかと考えますけれども、同時に働く母親の立場から考えますと、8時間労働というものが通常の勤務体系でございます。これに通勤時間等を加味いたしました場合に、どうしてもさらに長時間の保育が必要であるということに相なるわけでございます。このように保育される児童、それから働く母親の立場、そして保育担当者の勤務条件を考えまして、保育時間というものは決定されなければならない、かように考えるわけでございます。市立の保育所におきましては、ご存じのように原則として午前8時から午後4時までの8時間保育でございますけれども、どうしても長時間保育を必要とする子供たちのために、現在午後6時まで10時間保育を実施しておるわけでございます。市立80カ所の保育所のうち、現在32カ所が10時間、それから民間保育所では87カ所のうち10カ所が10時間保育をやっております。私ども公立の保育所につきましては、さらに保育所の数をふやしてまいりたいと思いますけれども、同時に民間保育所に対しましては、本年初めて予備保母という制度も設けられた機会でございますので、市立の保育所の措置に準じた長時間保育を行なうように指導してまいりたい、かように考えております。なお、10時間以上の保育というのは、現在のところ、保母の勤務条件等を考えましても、直ちに踏み切るというわけには参らないのでございますけれども、この点はひとつご了承いただきたいと思います。



○議長(植田完治君) 徳山建築局長。



◎建築局長(徳山正文君) 建築局関係のご質問にお答え申し上げます。

 第1点の市営住宅の入居の収入基準が低いから、この修正について政府に対して働きかけたらどうかというご質問でございます。これは午前中のご質問と同じでございまして、ご承知のように昭和26年に公営住宅法ができまして、そのときにできました基準が一昨年の10月までに4回修正を行なっております。しかし、経済の上昇と給与所得の増高によります基準とのアンバランスについては、われわれも十分承知いたしておりまして、機会あるごとに本省に向かって要請いたしております。また、現在の時点では、建設省自身も考慮せざるを得ないという機運も相当出てきておりますので、われわれといたしましては、さらに一そう基準の改正について努力をいたしていきたい、かように存ずる次第でございます。

 それから第2点の公団住宅と公営住宅との間に谷間が生じておる。この谷間を埋める方法はどうすればいいか、これを大阪市の住宅供給公社の賃貸住宅で埋めてはどうかというご趣旨のご質問でございます。この点につきましては、ご質問のとおり、われわれもそういう方法で救済していくべきであるというふうには感じておるわけでございますが、ご承知のように、供給公社で賃貸住宅をいたします場合には、住宅金融公庫から工事費の70%の融資を受けますが、あとの30%は事業主体がまかなわなければならない、この30%をまかないます資金は、相当長期間低利で貸し付けをしない限りにおいては、家賃にもはね返ってまいりますし、なかなかむずかしい問題がございます。この融資の問題につきましては、制度化もできておりませんので、われわれといたしましては、国に向かっては制度化と利子の問題について、いろいろと意見等を述べ、またこれについて進捗できるような方法で働きかけをやっております。われわれといたしましては、ご質問のご趣旨を体しまして、今後さらに一そう実現に向かって努力をいたしたい、かように思っております。

 第3点のマイホームの問題でございますが、個人住宅の助成制度といたしましては、ご承知のように住宅金融公庫の貸し付けというものがございます。先ほどのご質問にもあったようでございますが、その内容につきましては、基準建設費が非常に安いとか、あるいは手間が非常にかかるとか、その利用につきましては、いろいろ批判はございます。しかし、現在といたしましては、この方法が制度としては一番充実しておるわけでございますけれども、先ほど先生がおっしゃいましたように、あるいはまた市長がご答弁申し上げましたように、ご提案の問題につきましては、われわれも真剣に取り組んで一ぺん研究していきたい、かように存ずる次第でございます。



○議長(植田完治君) 荻野清掃局長。



◎清掃局長(荻野二郎君) ごみの収集作業の能率の問題についてお答えいたします。

 現在の標準作業方式は小型のスイーパーによるものでございまして、運転手のほかに車付作業員が2人、これが原則になっております。それで担当の収集区域をきめまして、1日に大体3回作業を行なうのでございます。それから、作業員の1日当たりの平均取り扱い量でございますが、これは日曜日の関係がございまして、週の前半は1人当たり大体2トン、週の後半になりますと、1人当たりの収集量は1.67トンということになっております。それから、オートパッカーの収集戸数でございますけれども、週に2回が原則でございまして、1台当たり1,800件を担当いたしております。それから、収集しましたごみを焼却工場へ搬入する場合の距離の問題でございますが、収集の区域から城東工場、あるいは八尾工場といった遠距離のものもございますけれども、昨年森之宮工場ができまして、稼働を始めましてからは、その距離も短縮されております。現在、平均いたしまして6キロ程度でございます。交通事情の悪化であるとか、それから工場がオーバーホールであるというときに、搬入工場の振りかえということもございますけれども、ごみの輸送時間につきましても短縮されておるということは事実でございます。今後の作業能率の問題につきましては、事故防止のために、あせり作業をしないというようなこと、それからより親切でより丁寧な作業をするということ、さらに先ほど申し述べられました諸点でございますが、収集人の作業に要する時間、あるいは輸送に要する時間、これは勤務時間との関係がございます。したがいまして、作業回数の問題にもからんでくるわけでございます。それと詰め所なり自動車事務所との往復時間、こういったものもからんでくるわけでございますが、そういったものを総合的に勘案しながら作業能率の点、それからサービスの点を一そう向上できるよう、今後とも努力してまいりたい、かように存じておるわけでございます。ご了承いただきたいと思います。



○議長(植田完治君) 31番隅野源治郎君。



◆31番(隅野源治郎君) 私の質問に対しまして、たいへんこまかいご答弁をいただきまして感謝しておる次第であります。もっと聞きたい点はございますが、いずれまた常任委員会で具体的に、問題を掘り下げてみたいと考えております。

 ただ1点だけ重ねてお聞きしたいのでありますが、いま清掃局長から、清掃局の作業の合理化の点につきまして、現状と将来の見通しについてのご説明がございました。きょう、この本会議の席上で、むしろ委員会で質問すべき内容のものを持ち上げましたのは、いわゆる市民の代表として、今日の清掃局の事業内容について、いま少し努力願える余裕が残っておるのではないかというところから申し上げたのであります。もしかりに時間的な余裕、あるいは作業能率の余裕が存在するといたしますならば、いま局長が将来の指導要綱として申し述べられたように、たとえばごみの収集の済んだ容器の始末、あるいは収集にあたっての市民への応接態度、こういうところにさらに市民サービスの徹底を期していただきたいのが、私の質問の趣旨であります。そういう点につきまして、最後に市長からひとつご答弁いただきたいのでありますが、市長もずいぶん諸外国を旅行されまして、諸外国のごみの収集の状態についてはご承知のはずであると思います。おそらく先進諸国の中で昼の日中にごみの収集をしたり、あるいはわずかではありますが、バキューム車によって屎尿の収集をやっておるのは、日本だけであると思うのであります。万国博を大阪に招致いたしまして、この3月15日から多数の外国のお客を迎えようという時期であります。この時期に、少なくともごみの早朝収集は実現できないものかどうか。労働団体との関係もございますし、団体交渉における非常にむずがしい問題もあることは、十分承知いたしております。さらに他の部局と違いまして、きわめてたいへんな作業をやらなければならない局でありますが、こういう作業を実施するにあたりましては、関係者諸君の給与体系その他について特別の待遇をすべきは当然であると思います。これは十分な予算措置で解決できると思います。こういう立場に立って、ごみの早朝収集作業ということについて、市長のご決意はどうかということを承りたいと思います。

 次は、答弁は必要ございませんが、あえて、いま企業再建のためにたいへんな努力をされておる交通局長に、交通局の問題を中心とした残念な質問をいたしますのは、他に理由があります。私は、地方公営企業体の従業員が、政治活動、選挙活動の自由を持っておるぐらいのことは、十分承知いたしております。しかしこの問題を取り上げるのは、70年代の当初にあたりまして、これから環状線内における地下鉄網の整備、あるいは混雑する市内における交通問題の解決に真剣な努力を払っていただかなければならない交通局の皆さん方に、頂門の一針を申し述べたいと思うからであります。これは卑近な例でありますが、2月7日の土曜日のことであります。私は、3月に1回か4月に1回しか乗せてもらわない地下鉄に我孫子から乗って淀屋橋で下車いたしました。8両連結の2両目の前部のドアのところにおったのでありますが、そのドアのところにおかあさんとおった3歳ぐらいの子供がドアに手をはさまれた。50人ぐらいの乗客がドアをあけようとしたのでありますが、非常コックのあるところがわからない。私もふだんならば非常コックの位置はわかっておるのでありますが、事態が急でありましたので、頭に浮かんでこなかった。そこで乗客が騒いでおるうちに、車掌が発車合い図をした。運転手は前部の車におりますからわからない。ドアがあいておりますから、電車は動きません。電車を出すなと騒いでおるお客さんは、ホームに50人ないし70人おるにもかかわらず、淀屋橋の駅員は1人もいない。ようやくドアのコックがあいて子供のはさまれておった手が抜けた。たいしたけがではございません。たいした事故ではなかったと思います。そのときに、ようやく駅勤務の人が階段の上からとことことおりてきた。駅員さん、どこにおったのですかと聞けば、私はいま交代でおりてきたところですと言う。いままでおった駅員さんはどこに行ったのですかと言えば、もう上に行って休憩しておりますと言う。駅長室に入れば、なるほどおりました。私は、事故はたいしたことはなかったが、こういう事故こそ重なれば大事故を起こすという考えから、3時26分だったと思いますが、本庁の守衛室に入りまして、交通局に電話をかけて、どなたか管理職はおるかと聞いたところ、土曜日のことですから、係長は一人もおらない。私は、局長以下が真剣に交通局の再建にご配慮をいただいておるとするならば、あれだけ大ぜいおられる管理職の中の1人でも2人でも、たとえ土曜日といえども、交通局再建のために残ってもらってしかるべきではなかったかと思いますが、それがなかった。そこでやむを得ませんので、淀屋橋の管区駅である本町に連絡しようと思って電話番号を聞きましたところ、交通局で本町の駅の電話番号を調べるのに60分かかった。これは守衛長がおられるのならご承知ですが、守衛長と私と時計を見ながら電話をしておったのだから間違いありません。こういうことでは、非常事態が起こった場合に、局長以下が第一線に飛び出すのにどれだけの時間がかかるのかと憂えたので、あえてこういうように申し上げたのであります。きわめて真摯な努力をされておる黒田交通局長、あるいはその他担当の方々に対して、私はきわめてつらいのであります。しかし、交通局の事業が、ほんとうに重要な大阪市の事業であり、また市民の大事な生命を預っていただく事業であるといたしますならば、私の悲願であるこの問題を十分にかみしめていただきまして、この機会に、ひとつ将来の交通局の真摯な再建のために、一段のご努力を局長以下にお願いしたいということは、民社党議員団の気持ちであります。

 ご答弁は必要ございませんが、これだけを申し上げまして、再質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。(拍手)



○議長(植田完治君) 中馬市長。



◎市長(中馬馨君) 隅野議員から清掃事業の早朝作業についてのご質問であります。諸外国では早朝にごみの収集をやっておるのが普通だと、私も思っております。日本においてはそういう体制になっておりません。できればそういうところに持っていくのがよかろうと思うのでありますが、隅野議員もご承知のとおり、これだけの従業員の勤務体制を早急に切りかえるということは、なかなかむずかしいことであろうと思いますから、万国博を目当ての切りかえは困難であろうと思うのであります。担当局に様子を聞いてみますと、もし現状を切り換えるとしても、通勤者の住居が遠方になっておって、もしさようなことであれば、住宅、公舎というものを用意しなければいけない、通勤事情、住宅事情等から考えて、急速な切り換えはなかなか困難ではないか、かようなことを申しておるのでありますが、しかし、都市の交通というものがあれだけ逼迫してまいりますと、大阪だけではなくて、東京その他においても昼間の作業はだんだん困難になるのでありますから、日本の大都市の清掃事業のあり方等については、担当局長のもとにおいて、将来にわたって研究を続けさせるようにいたしたいと思います。

 それから答弁は要らないということでありましたが、いま交通局の勤務についてご注意がありました。これは、私もよく調べまして今後さようなことのないように、緊張した勤務ができるようなことについて、私としても検討してみたいと思いますから、ご了承願いたいと思います。



◆35番(音在又一君) 動議を提出いたします。本日の質疑はこの程度で打ち切り、明28日午前10時より会議を開かれんことを望みます。



○議長(植田完治君) 35番議員の動議にご異議ありませんか。

   (「異議なし」と呼ぶ者あり)



○議長(植田完治君) ご異議なしと認めます。よって動議のとおり決しました。



△閉議



○議長(植田完治君) 本日の日程は以上で終了いたします。



△散会



○議長(植田完治君) 本日はこれをもって散会いたします。

  午後5時49分散会

大阪市会議長  植田完治(印)

大阪市会副議長 中石清一(印)

大阪市会議員  伊藤 募(印)

大阪市会議員  岸本太造(印)



◯大阪市会(定例会)会議録(昭和44年2月27日)(終)