議事ロックス -地方議会議事録検索-


滋賀県 滋賀県

平成24年 9月定例会(第19号〜第25号)−10月01日-05号




平成24年 9月定例会(第19号〜第25号)

               平成24年9月滋賀県議会定例会会議録(第23号)

                                      平成24年10月1日(月曜日)
           ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
議事日程 第5号
                                        平成24年10月1日(月)
                                        午 前 10 時 開 議
 第1 議第126号から議第149号まで(平成24年度滋賀県一般会計補正予算(第3号)ほか23件)の各議案に対する質疑ならびに質問
           ──────────────────────────────
本日の会議に付した事件
 第1 日程第1の件
           ──────────────────────────────
会議に出席した議員(46名)
   1番   佐  藤  健  司  君   2番   目  片  信  悟  君
   3番   有  村  國  俊  君   4番   青  木  甚  浩  君
   5番   大  野  和 三 郎  君   6番   岩  佐  弘  明  君
   7番   山  本  進  一  君   8番   富  田  博  明  君
   9番   山  本     正  君   10番   大  橋  通  伸  君
   11番   駒  井  千  代 さん   12番   冨  波  義  明  君
   13番   井  阪  尚  司  君   14番   清  水  鉄  次  君
   15番   成  田  政  隆  君   16番   九  里     学  君
   17番   柴  田  智 恵 美 さん   18番   江  畑  弥 八 郎  君
   19番   今  江  政  彦  君   20番   木  沢  成  人  君
   21番   粉  川  清  美 さん   22番   宇  野  太 佳 司  君
   23番   細  江  正  人  君   24番   高  木  健  三  君
   25番   川  島  隆  二  君   26番   小  寺  裕  雄  君
   27番   奥  村  芳  正  君   29番   野  田  藤  雄  君
   30番   西  村  久  子 さん   31番   石  田  祐  介  君
   32番   宇  賀     武  君   33番   山  田  和  廣  君
   34番   佐  野  高  典  君   35番   赤  堀  義  次  君
   36番   家  森  茂  樹  君   37番   吉  田  清  一  君
   38番   辻  村     克  君   39番   三  浦  治  雄  君
   40番   蔦  田  恵  子 さん   41番   梅  村     正  君
   43番   山  田     実  君   44番   西  川  勝  彦  君
   45番   大  井     豊  君   46番   谷     康  彦  君
   47番   中  沢  啓  子 さん   48番   沢  田  享  子 さん
           ──────────────────────────────
会議に欠席した議員(なし)
           ──────────────────────────────
会議に出席した説明員
             知事              嘉  田  由 紀 子 さん
             教育委員会委員長代理      佐  藤  祐  子 さん
             選挙管理委員会委員長代理    河  部  哲  幸  君
             人事委員会委員長代理      宮  崎  君  武  君
             公安委員会委員長代理      堀  井  と よ み さん
             代表監査委員          谷  口  日 出 夫  君
             副知事             荒  川     敦  君
             知事公室長           東     清  信  君
             総合政策部長          西  嶋  栄  治  君
             総務部長            北  川  正  雄  君
             琵琶湖環境部長         北  村  朋  生  君
             健康福祉部長          渡  邉  光  春  君
             商工観光労働部長        堺  井     拡  君
             農政水産部長          青  木     洋  君
             土木交通部長          美 濃 部     博  君
             会計管理者           谷  口  孝  男  君
             企業庁長            南     史  朗  君
             病院事業庁長          福  井  正  明  君
             教育長             河  原     恵  君
             警察本部長           福  本  茂  伸  君
           ──────────────────────────────
議場に出席した事務局職員
             事務局長            加  藤  誠  一
             議事調査課長          丸  尾     勉
             議事調査課課長補佐       澤  村  治  男
           ──────────────────────────────
  午前10時 開議
○議長(佐野高典君) これより本日の会議を開きます。
   ────────────────
△諸般の報告
○議長(佐野高典君) 日程に入るに先立ち、諸般の報告をいたします。
 教育委員会委員長高橋政之君が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として同委員佐藤祐子さんが、また、選挙管理委員会委員長伊藤正明が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として同委員河部哲幸君が、また、人事委員会委員長市木重夫君が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として同委員宮崎君武君が、また、公安委員会委員長宮川孝昭君が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として同委員堀井とよみさんが、それぞれ出席されておりますので、御了承を願います。
   ────────────────
○議長(佐野高典君) これより日程に入ります。
   ────────────────
△議第126号から議第149号まで(平成24年度滋賀県一般会計補正予算(第3号)ほか23件)の各議案に対する質疑ならびに質問
○議長(佐野高典君) 日程第1、議第126号から議第149号までの各議案に対する質疑ならびに一般質問を続行いたします。
 発言通告書が提出されておりますので、順次これを許します。
 まず、36番家森茂樹君の発言を許します。
◆36番(家森茂樹君) (登壇、拍手)おはようございます。きょうから10月、朝夕めっきり涼しくなってまいりましたと、けさのフェイスブックに書いておきました。
 昨日は台風17号の襲来ということで、非常に心配をされましたが、大きな被害もなく過ぎ去ってくれたということで一安心をしております。去年からどうも台風は土日にやってくるという癖がついているみたいで、水防に出ていただいている職員さんの手当も気になっております。
 「地先の安全度マップ」の公表と県の役割について知事にお伺いをいたします。
 地先の安全度マップの公表をめぐって、県内市町の対応が異なったことにより、さまざまな論議となっております。それはあたかも県と市町が対立しているかのように報道されることにもなっております。また、県と市町のみならず、対応の異なる市町間の溝も生みかねません。しかしながら、県は県民福祉の向上を、市町はそれぞれの地域住民の福祉の向上を願っていることは当然でありますし、目指すところは同じはずであります。県と市町の連携や対話と言われながら、さきの新幹線新駅発言でも見られましたように、どちらかが一方的に事を進めてしまうと、どうもうまくいかないというのは、何も行政や政治に限ったことではありません。人間社会どこにでもあることであり、だからこそ行政や政治を進める上では、お互いの立場を尊重しながら物事を進める必要があり、その基本は、人の領分を侵さない、人の裁量権を侵さないという姿勢が必要なのではないでしょうか。そんな観点から、今回の地先の安全度マップの公表について、特に県の役割、国、県、市町の役割分担の観点ということから知事に質問をいたします。
 まず、それぞれの役割分担が法的にどうなっているのか、改めて確認をしておきます。少しこの部分、細かくなりますが、お許しを願いたいと思います。
 水防法における県と市町の役割の違いからお伺いいたします。
 まず、水防法で、市町の責任はどのように規定されているのか、お伺いをいたします。
○議長(佐野高典君) 36番家森茂樹君の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎知事(嘉田由紀子さん) (登壇)皆さん、おはようございます。台風も無事過ぎ去りましたが、昨日は日野川、大戸川などで氾濫警戒情報、また野洲川、杣川で氾濫注意情報を出させていただき、それぞれ水防、防災に当たっていただきました市町、あるいは水防組合の皆様、または県の職員の皆様、御苦労さまでございました。改めて感謝申し上げます。
 まず、1点目の水防法での市町の責任はどのように規定されているかでございます。水防法第3条では、市町村はその区域における水防を十分に果たすべき責任を有すると規定されておりまして、具体的には水防組織の整備、水防活動を行い、水防施設等の準備などを行う責務を有するとあります。
◆36番(家森茂樹君) (登壇)同じく県の責任についてお伺いいたします。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。
 県の責任については、水防法第3条の6では、都道府県は、その区域における水防管理団体が行う水防が十分に行われるように確保すべき責任を有すると規定されております。この確保すべき責任とは、大変数が多いんですが、典型的なことを申し上げますと、水防計画の作成、立ち退きの指示、指定水防管理団体の指定、水防計画の作成に当たっての協議、あるいは洪水予報または特別警戒水位到達情報の通知および周知など、また、水防に関する報告を求め、助言、勧告を行うなど、大変多岐にわたっておりますが、その中に情報提供ということも含まれております。
◆36番(家森茂樹君) (登壇)大変多岐にわたっておりますがという言い方をされましたので、なかなか違いがよくわからなかったんですが、基本的には住民と直接向かい合ってそれぞれの安全を図るという意味では、水防責任の主体というのは市町でありまして、県はそれをバックアップする立場であると、こういうふうに水防法では規定されているというふうに理解をさせていただいておきたいと思います。
 次に、災害対策基本法において、水害が発生、または発生するおそれのあるときですが、住民等に対して避難勧告または避難指示を行う権限はどこにありますか。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。
 災害対策基本法第60条では、災害が発生し、または発生するおそれがある場合において、市町村長は避難勧告や避難指示をすることができると規定されておりまして、権限は市町長にございます。
◆36番(家森茂樹君) (登壇)それらの市町長が行う避難勧告や指示に関して、県の果たすべき役割というのはございますか。どうなっているのかお伺いをいたします。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。
 災害対策基本法第4条では、都道府県は、その区域内の市町村が処理する防災に関する事務または業務の実施を助け、かつ、その総合調整を行う責務を有すると規定されておりまして、県の役割は市町への助言と総合調整であります。
◆36番(家森茂樹君) (登壇)ちょうど昨日そのような例があったのかなと思っております。今、知事が冒頭お触れをいただきました、例えば大戸川流域、田上地域におきましても、昨日県が大戸川氾濫警戒情報というのを5時30分、夕方17時30分に発表されておられる。その後18時20分に大津市長が避難準備情報を出されておる。これは、その県からの情報に基づいてということで、避難してくださいよというのは大津市長さんが情報として出されると、こういう関係になっているのかなというふうに思っております。要は、水防の直接責任は市町が負っていると。常に住民との緊密な連携を保ち、有事に備えておく役割というのは、住民と直接接している市町が担っているということであります。県はあくまでもそれをサポートする、まさに近接補完の原理であるというふうに私は思っております。
 そういう前提に立ちまして、次に震災想定区域図とハザードマップについてお伺いをいたしますが、まず、震災想定区域図というのはどういうものか、御説明をお願いいたします。
○議長(佐野高典君) 浸水ですね。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。
 浸水想定区域図、震災ではなく浸水想定区域図でございます。水防法第14条に基づく浸水想定区域図は、洪水時の円滑かつ迅速な避難を確保し、水災による被害の軽減を図るため、洪水予報河川および水位情報周知河川、これは滋賀県では主要14河川が含まれますけれども、今御指摘の大戸川は、この洪水予報河川に入りますが、それらの河川の洪水防御に関する計画の基本となる降雨により氾濫した場合の浸水想定区域および浸水深、深さ、浸水の深さです、を地図にあらわしたもので、国や県が作成し、公表するとともに、市町長に通知しなければならないとされております。
◆36番(家森茂樹君) (登壇)すんません、発言通告書を打ったとき、浸水と震災と間違うて打ってしまいまして、震災として出してしまいましたが、後ほど浸水というふうに訂正をさせていただいたと思っていました。すんません。
 それと、今、知事、どうでもいいことですけども、大戸川は洪水予報河川じゃなくて水位周知河川だと思います。それは結構です。
 次に、ハザードマップについて御説明をお願いいたします。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。
 ハザードマップは、水防法第15条に基づくものでございまして、国や県から提供される浸水想定区域図に、洪水予報等の伝達方法、避難場所、具体的にどの学校でとか、どの公民館にというような避難場所、その他洪水時の迅速な避難確保を図るために必要な事項を記載をし、市町長が作成し、住民に配布するものでございます。
◆36番(家森茂樹君) (登壇)ということは、ハザードマップに浸水想定区域図と全く同じものが含まれているとの理解でよろしいでしょうか。1個飛ばしました。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。
 ハザードマップは、浸水想定区域図をもとに作成されておりますが、プラスアルファの情報、つまり住民にとっては具体的にどこに避難したらいいのかとか、あるいはどこまで水が来たら家がどういうふうに危ないのか、あるいは避難をするときに注意情報、水路に気をつけるとか、そのようなことを具体的に住民が動きやすいようなプラスアルファ情報を入れたのがハザードマップと理解をしております。
◆36番(家森茂樹君) (登壇)そうしましたら、基本的に図面というのか、浸水想定区域図というのはハザードマップに含まれているということで、その図面というのは全く同じだということで、そうしましたら、これらの情報を住民に対して周知させる義務というのはどこにあるのでしょうか、お伺いをいたします。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。
 2段構えになっておりまして、水防法第14条では、知事が浸水想定区域図を公表するとともに、市町長に通知しなければならないと規定されております。また、15条では、市町長は、知事からの通知を受け、迅速な避難の確保を図るために必要な事項等を住民に周知させるため、ハザードマップを配布しなければならないと規定されております。
◆36番(家森茂樹君) (登壇)確かに県にも公表義務というのがあるわけでございます。これは、ただ、今の知事の御答弁にもありましたように、市町に知らせると、これが一つの大きなことですし、県が公表するというのは、県が公表しても、そのデータというのは直接県民全ての方々に届く保証というのは一切ないわけでございます。ところが、今、知事がお答えをいただきましたように、市町のハザードマップの公表義務というのは、この条文にも印刷物の配布等によりと、こういうことで、市町は全ての住民にわかる方法でもって知らせなければならないと、こういう規定になっておりまして、いわば県の公表というのは公にする義務やと、こういうふうに私はとらせていただいておりますし、市町のハザードマップの公表義務というのは、まさに住民への周知徹底を図り、水災に備えるためのものであるというふうに規定されていると思っております。まさに住民に直接責任を負う市町と、それを補完する県の役割分担というふうに理解をしたほうがいいのではないかなと思っております。
 それでは、次に、さきの浸水想定区域図とハザードマップは、法によりそれぞれが県と市町に作成が義務づけられたものでありますが、改めて今回の地先の安全度マップについて、その作成するに至った経緯を含めて、その概要についてお伺いをいたします。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。
 地先の安全度マップの作成経緯ですが、これまで示されてきた浸水想定区域図による情報だけでは、県民の皆さんの暮らしの舞台である地域のあらゆる水害リスクを認識し、みずから備えていただくには不十分であります。例えば、具体的には、この浸水想定区域図は県内主要14河川だけでございますので、例えば大津市などは、大戸川の周辺は入りますけど、それ以外のところは全く入らないということで、白地がたくさんできてしまうわけです。そういう中で、行政においては水害リスクを考慮したまちづくりを進めることが難しく、実態に即した水害リスク情報を県民の皆さんととともに認識する必要があります。
 そういう中で、全国的に河川の整備水準を超える洪水が多発する現状を踏まえながら、いかなる洪水にあっても人命が失われないことを最優先とし、生活再建が困難となる被害を避けることを目的に、自助、共助、公助が一体となって、川の中の対策に加えて川の外の対策、つまり住民の暮らす側からの対策を総合的に行うということで、流域治水政策の基礎情報として地先の安全度マップを整備したものです。
 ということで、大河川、滋賀県内では14大河川に加えて中小河川、農業用排水路、また下水道も含め内水の氾濫も考慮し、実際に近い浸水状況を地図に示すことで、県民の皆さんのお住まいの周辺がどうなっているのかということを住民目線で認識いただき、避難行動、あるいは安全な土地利用、住まい方に役立てていただきたいと考えております。
 市町においても、地先の安全度をハザードマップに反映していただくことで、より実際の浸水状況に即した避難ルートや避難場所の選定など、住民の避難体制の充実や浸水被害軽減対策に役立てていただきたいと考えております。
 少々長くなって申しわけございません。
◆36番(家森茂樹君) (登壇)詳しく御説明をいただきました。先ほどの浸水想定区域図、あるいはハザードマップのように法で規定されたものではないということでございます。
 作成に当たって、市町との連携はどのようにとっておられたのか、お伺いをいたします。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。
 地先の安全度マップは、平成19年に作成に着手をしまして、市町の担当者による行政部会ワーキングで議論を重ねてまいりました。平成21年からは毎年市町に意見照会をし、その結果に基づき修正を重ねるなど、市町の担当者と緻密に協議調整を続け、また、市町長にも担当者から説明させていただき、ようやく公表できる段階に至りました。また、8月28日には私から直接市長、また9月27日には町長に担当者のほうから説明をさせていただいております。
◆36番(家森茂樹君) (登壇)ということで、これらのことを踏まえて、県が地先の安全度マップを公表することについてお伺いをいたします。県が公表するというのは、具体的に何をすることであるのか、お答えをいただきたいと思います。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。
 県庁および地方機関で県民の皆さんに直接ごらんいただけるようにしているほか、県のホームページでも閲覧いただけるようにしております。
 また、関係する市町長には、地先の安全度マップに係る情報を提供し、この情報を反映したハザードマップの作成に役立てていただくようお願いをしております。ホームページで閲覧できるということで、ここで県民が直接アクセスすることも可能となっております。
◆36番(家森茂樹君) (登壇)今おっしゃっていただいた手法以外に、今後何らかの公表方法をお考えいただいておりますでしょうか、お伺いをいたします。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。
 現在行っている公表以外の公表ですが、これも常々申し上げておりますように、安全度マップあるいはハザードマップは、まさにマップができて終わりではございません。マップは避難行動、あるいは都市計画、安全な住まい方への基礎情報でございますので、このマップを使って市町や地域住民とともに行っております水害に強い地域づくり協議会、あるいは自治会、小学校、幼稚園への出前講座、水害に関する研修会において、地先の安全度マップを活用し、県民の皆さんに周知しておりますし、今後も周知していきたいと考えております。このことが、市町の役割を県が過剰に関与するということではなく、水害に強い地域づくり協議会などは、あるいは出前講座などは、専門的な立場から市町と協力をして求められるところで行っているわけでございます。
◆36番(家森茂樹君) (登壇)知事は、先ごろの我が会派の代表質問に対しまして、公表の目的は、水害リスク情報提供により避難行動に生かすことと安全なまちづくりへの活用というふうにお答えをいただいております。県庁や土木事務所に図面が置いてあるとか、ホームページに載せている、これは、その情報を見に来なさいよということでありまして、県から全ての県民の方々にこの情報を見ていただくという手法とはなり得ないわけであります。それから、今、知事からお話をいただきましたように、協議会でありましたり出前講座でありましたり研修会、これは市町が伝達する、その方法のモデルとしてこういう方法がありますよということが目的であって、県内全ての集落で出前講座やら研修会を開く、それも県が開くというのは、これは不可能なことでありますので、その辺、どうも私はここがこれからの論点になっていくんですけれども、もうちょっとその前提として、今、知事がおっしゃいましたような公表方法により、知事が言われております公表の目的、我が会派の代表質問にお答えをいただきました公表の目的を達成できるというふうにお考えをいただいているのでしょうか、お伺いをしたいと思います。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。
 この公表の目的を達成するためには、先ほど申し上げました市町との情報共有が必要でございます。本年3月に県議会の議決をいただき作成させていただいた滋賀県流域治水基本方針において、基礎情報として地先の安全度を位置づけております。この中で安全度マップを公表し、県民の皆さんが自分のお住まいの地域の水害リスクを知ることが可能になったことは、ホームページなどで直接知っていただくことは意義がございますが、あわせて住民の避難行動に役立てるためには、議員も御指摘のように、ハザードマップに反映され、全住民に配布されることが必要でございます。そういう意味では、県は出前講座をやったり、点と線のモデル的な仕事をさせていただきますけれども、それを面的に広げるためには、市町との2段構え、協力が必要でございます。
 また、安全なまちづくりへの活用という点でも、不動産を取得するとき、あるいは土地利用、安全な住まい方検討に当たって個別に情報を得る住民もいると思いますが、市町がこの情報を活用していただくことによって一層安全なまちづくりを進める上で効果があると考えております。つまり、市町と県は相互排除関係ではなく補完関係であるということを申し上げたいと思います。
◆36番(家森茂樹君) (登壇)いや、そんなことを聞いていなかったんです、今の質問は。知事は、我が会派の代表質問に対して、公表の目的は水害リスク情報提供により避難行動に生かすこと、だから、県がやることによって、この目的が達成できるとお考えなのですか、どうですかというふうに尋ねたんです。もう一度。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。
 例えば昨日のような場合でも、ホームページでアクセスしていただいて直接見ていただく方もいるかもしれませんが、そういう意味では直接避難行動に役立てていただくということはあるかもしれませんが、面的には、先ほど来申し上げておりますように、この地先の安全度マップを市町がハザードマップに反映をしていただき、それをもとに避難行動を、そして、水防責任者である市町の首長が避難勧告、避難指示をすることで、より十全に目的が達成できるものと理解をしております。
◆36番(家森茂樹君) (登壇)これでは目的は達成できると言えませんというふうにはっきりとお答えになるべきだと思っております。
 私は、この問題というのは、そもそも県が公表すると、これにどうもこだわっておられると。地先の安全度マップの公表です。ここに問題があるのではないかなというふうに考えております。県は市町にこれらの情報を提供すると、その情報を市町がその手法も含めて、それぞれの判断により住民に対して情報提供をする。こういうことであれば、市町と県が意見が合わないとか、市町によってばらばらの対応だということはなかったのではないかなというふうに思っております。なぜ公表を市町にお任せにならないのか、お尋ねをいたします。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。
 この地先の安全度マップは、有識者で構成する流域治水検討委員会学識者部会の助言をいただきながら、水利モデルを構築し、また、県全域にモデル降雨を与えた場合の浸水状況をシミュレーションしたものでございまして、大変専門的なデータを含んでおります。その過程で、県全域の地形、県が管理する一級河川の氾濫現象に関するデータの集積と分析も必要となり、広域的かつ専門的知識を有することから、県が作成するとしたものでありまして、この作成したものを公表するという説明責任を果たす義務もあると考えております。
 また、これまでから市町から、県が責任を持って公表するべきとの御意見もいただいております。例えば、平成20年の8月8日ですけれども、大津、草津、栗東、守山、野洲5市から成り立つ琵琶湖湖南流域水害に強い地域づくり協議会では、会長名で知事宛てに、内水も含めた起こり得るさまざまな洪水を対象にした情報を策定、公表されたい、また、県民に水害の危険性を周知し、浸水マップを県条例等により法的に位置づけられたい、と同時に、河川管理施設の適正な維持管理および適切な河川整備を図られたいという要望もいただいております。このようなところから、県が特に専門的、また広域的な情報については公表することにより、そのデータの意味、あるいはその背景なども含めて説明をすることが求められていると理解をしております。
◆36番(家森茂樹君) (登壇)だから、住民に、直接住民の皆さん方に、全ての住民の皆さんにですよ、説明をする、その責任を負っておられる、説明というのはリスクを説明する、その責任を負っておられる市町に県がしっかりと説明をする、これは大事やと思うんですわ。これは大事やと思うんです。ところが、県が本当にそこまで全ての県民の方々に、それぞれのエリアのその住民の方々に説明ができる、そういう手法を持っているのかということになってくると、私は持っていないと思っておりますし、それは県がすべきことではないというふうに思っております。したがって、県がするべきことは、市町にしっかりと説明をする、これが本来の立場ではないかなというふうに思っております。
 ところで、18日に6市町の安全度マップの公表を行っておられます。で、その後27日に県の町長会がございました。ここで県が町長会に安全度マップの説明をしたと、こういう新聞記事がその翌日28日にございました。質問にございません、それ、知事、探していただいても。こういう報道がございました。これは何を説明されたのか。打ち合わせの中でしゃべっておりましたので、土木交通部長に振っていただいたら結構かと思いますので、この27日の町長会での説明というのは、県は何をされたのか、お伺いをいたしたいと思います。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。
 9月27日の6町長連絡会議で、ここに出席要請がありまして、担当者から地先の安全度マップの概要、公表に係る目的、意義および活用方法について説明を行ったと報告を受けております。
◆36番(家森茂樹君) (登壇)いや、さすがにそれまで答弁書が用意されているとはびっくりをいたしました。ということは、市町にしたら、その安全度マップをどう生かしていくか、これはまだまだ県から説明を受けないかん段階なんです。ここが50センチつかります、1メートルつかります、3メートルつかります、その先はこれから条例制定をにらんでいます、こういう前提で、県民の極めてといいますか、非常に関心を持っていただいている方々は、もうすぐアクセスしてその情報を仕入れられるという状況に県は公表をすると。ところが、そのマップを利用して、本当の意味で避難に役立てていただきたい、ここが危ない、この地域は危険ですよ、こっち向いて行ったらもっと危険ですよ、だから、こっち側の避難所へ行ってくださいよとか、そういうデータというのは、やっぱり市町がつくるわけですよね。その市町がつくる、その説明を27日にまず町長さん向けに行っておられると。しかるに、16日には、もう既に県が公表しました、こういう形で公表している。だから、そこが、今まだ公表せんといてくれと、こうおっしゃっている市というのは、やっぱり公表する方法、その危険度を公表するのであれば、同時に避難経路の公表、あるいはそういった形で先ごろのハザードマップの地先の安全度版というのをつくって、そういう形で公表しないと逆に混乱するのではないかなと、そういうおそれもやっぱり市長さんというのは持っておられるのではないかなというふうに思っているんです。
 そういう観点から、どこを読んでいたのかよくわからなくなってしまいましたが、今、県がこういう形で公表していますと、まず知事が記者会見された、その後、県庁なり土木事務所に置いてあります、こういう県の今やっているような、知りたい人は自分の手段でアクセスしてください、こういうような公表方法というのは、私はやっぱりいかがなものかなと思っております。
 そこで1つ、残された市町については、それぞれの市町で公表していただくと、県はデータを提供いたしますと、そういうことにすれば、それぞれの市町が公表方法、あるいは時期を判断していただけるというふうに思いますので、そういうことはできないでしょうか。知事、お伺いをいたします。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。
 先ほどの6町長会議は、日にちが前後したじゃないかということですが、6町に関しては、担当者の説明会もし、これまで公表については納得いただいたけれども、追加的に説明してほしいということだったので担当者を派遣いたしました。結果的に、町だけが公表するから県は公表してくれるなという御意見はございませんでした。そういう報告を受けております。
 残りの市町について、それぞれの市町での公表ということですが、6町については県で公表してほしいという意見を伺っております。また、残りの市についても、公表の有無は確認をし、その意向を尊重した上で公表を行っているわけでございます。県としての説明責任という観点からも、地先の安全度マップを作成した県が、その背景の意味であるとかも含めて、作成者としての責任において公表する必要があると考えております。
 また、繰り返しになりますが、県が直接140万県民に避難勧告指示するものではありませんし、ハザードマップをつくるものではありません。先ほどから言っていますように、県は2次的に市町を補助する立場であるので、市町が活用したいというところを大いに活用していただきたい。既に地先の安全度マップを取り入れてハザードマップをつくっているところ、湖南市、あるいは高島市などございますので、先行しているところは先行して活用いただいております。
◆36番(家森茂樹君) (登壇)ということで、先行して使うところは先行して使っていただいたらいいんですよ。でも、さっき申し上げましたように、やっぱり市、町は皆いい言うているみたいですけど、市によっては、やっぱりうちの市は、先ほど私が申し上げましたように、ほかの情報も提供しながら、それと一緒に提供しないと、やっぱりこれは市民の不安をあおるだけになるとか、あるいは、今こういう浸水のリスクが非常に高いですよと、こういうふうに発表をしましたけれども、この地域については今後こういう対策を考えていきますと、それもしっかりと計画づけて、その上でやっぱり発表したいと、こうおっしゃっておられる市もあるように聞いております。やっぱりそういうデータをともに発表したいという市があれば、やっぱりその市の御意見を尊重するべきであると思っておりますし、全ての市町と県とが同じ立場に立った問題、同じ方向で結論が得られた問題については、私は知事の今おっしゃったような方法をとっていただいたらそれで結構かと思うんですけども、市町によって立場が違う、市町によって考え方が違うと、こういう問題が起こったときは、やっぱりそれぞれの市町の判断を尊重しましょうと、それぞれの市町で独自でやってくださいと。で、説明が私とこではできかねますと、県がぜひやってほしいと、こうおっしゃったというふうに先ほど知事はおっしゃったんでしょうが、それならそれで、この町から県が公表するようにという依頼を受けたのでやりますとか、何らかの方法をしないと、冒頭申し上げましたように、どうもこういったことから県と市町、あるいは市同士の見解が違う、こういうわざわざ溝をつくっていくような、そういうことになっているのではないかなというふうにとられてなりません。
 もう思ったより時間がどんどん進んでおりますので、次に行きます。
 土木交通部長人事についてなんですが、私が県議会へ寄せていただいたのが平成7年でございまして、その当時から、土木、当時は土木部長です。ずっと国からの割愛人事によっておりました。ところが、平成18年嘉田知事就任後、平成21年の7月以降、本県のいわゆるプロパー職員が土木交通部長についておられます。その理由について知事にお伺いをいたします。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。
 国からの割愛人事については、国や他の地方公共団体における幅広い行政経験や豊かな知識を本県行政に生かしてもらうことを目的として行っております。こうした割愛人事の持つ意義や効果は、幅広い行政経験、豊かな知識を本県行政に生かしてもらうことのほか、本県職員にとっても、多様な経験を積んだ方と議論したり、一緒に仕事を進めることでよい刺激を受け、今までとは違った物の見方、考え方が養われるといった点で十分に効果はあると思っております。
 その一方で、地方分権・地域主権改革をさらに進めていくためには、部長級など幹部職員は、国の割愛人事に頼るだけではなく、本県の実情を熟知し、意欲、能力を持った実力のある本県採用のプロパー職員の中から登用することも重要であります。
 こうしたことから、長年にわたって国の割愛人事によってやってきた土木交通部長のポストについては、平成21年7月から、私自身の責任で、本県採用の土木職員、国の職員に勝るとも劣らない能力を持っている土木職員を配置してきたところでございます。
◆36番(家森茂樹君) (登壇)そこにお座りいただいております副知事もそうなんでしょうけれども、現在、いわゆる国からの割愛人事として本県にお越しいただいている方はどれだけおられるのか、職階ごとの人数をお聞かせをいただきます。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。
 副知事1人、部長級1人、次長級1人、課長級6人でございます。
◆36番(家森茂樹君) (登壇)今9人お見えいただいているということのようでございます。ちょっと先ほど一部、もう先走って答弁いただいたような気もするんですが、改めてそれらの方々にお越しいただいている理由について、全体としてで結構ですので、お伺いをいたしたいと思います。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。
 先ほど申し上げましたけれども、政策づくりの中において、幅広い行政経験、豊かな知識を本県行政に生かしてもらうこと、また同時に、本県職員にとっても多様な広域的な経験を積んだ方と議論し、一緒に仕事を進めることでよい刺激を受け、新しい、また異なった物の見方などを養うことができるという2点を一つの利点と考えております。
◆36番(家森茂樹君) (登壇)そういうメリットがあると、こういうことでお見えをいただいていると。しかも、部長級もお一人、次長級もお一人お見えいただいていると。こういう中で、何で土木交通部長はそういう方には頼らないという方向をとっておられるのか、お伺いをいたします。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。
 先ほども申し上げましたように、地元の状況を熟知しながら、国の職員に勝るとも劣らないプロパー職員が育ってきたということを私自身判断させていただき、土木交通部長をプロパー人事とさせていただいたところでございます。
◆36番(家森茂樹君) (登壇)愛読書を持って寄せていただきました。さっきどうしたんやという話がありました。ちゃんと買い求めさせていただいた「知事は何ができるのか」という嘉田知事の著書でございます。ここで県の土木交通部長に触れた箇所がございます。122ページです。
 「滋賀県土木交通部長は、昭和40年代以降、代々国から派遣されてきており、彼としても大変苦しかっただろう」例の治水政策の話です。「親元が国」、個人名はね、この本、結構不思議なんですね。知事の味方は個人名出るんです。知事に逆ろうてる人は個人名出てこないという不思議な本です。
 もう一遍読み直します。
 「滋賀県土木交通部長は、昭和40年代以降、代々国から派遣されてきており、彼としても大変苦しかっただろう。親元が国であるゆえ、知事の方針に従えず、国の方針に従って、それでも滋賀県職員としての顔で仕事をしなければいけない。まさにダブルバインド、股裂き状態であった。その下で仕事をする職員にも、知事の指示、部長(霞が関、近畿地方整備局)の指示という股裂き状態を強制することになる」と、こういうくだりがございます。
 ここで気になる箇所があるんですが、「国から派遣されてきており」とあります。この派遣というのは国の意思によるものなのか、県の意思によるものなのか、お伺いをいたします。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。
 県から割愛をお願いをしているものでございます。
◆36番(家森茂樹君) (登壇)そうなんです。県からこの人に来ていただきたい、個人名も指定して、この人にこのポストへ来ていただきたい、これが割愛人事のひそかな、ひそかなか何か知りませんけど、ルールだというふうに私も聞き及んでおります。ただ、今読み上げましたが、どう読んでもここのくだり、知事の国派遣土木交通部長に対する表現というのは、悪意に満ちていると言うと悪いのか、一般の方がお読みになったら、そのルールというのは、そういうふうには読んでいただけないのではないかなというふうに思っておりますし、お見えいただいている9人の方がここのところを読まれたら、非常に憤慨されるのではないかなというような気もいたしております。
 ところで、さきの6月定例会で大きな問題となりました社会資本整備総合交付金の内示額の大幅減についてでありますが、これは、国の重点化方針と県の予算要求との認識のずれが非常に大きかった、それが原因であったと、こういうふうに聞いておりますし、その間のキャッチボールはどうなってあったんやと。知事は何回行ったんやとか、担当職員は何してたんやと、東京事務所長は何していたんやと、こういう話、国会議員さんは何していたんやと、いろんな話がございましたが、私は、土木交通部長と国とが極めて親しい関係にあれば、このような事態は起こるはずがなかったのではないかなというふうに思っております。知事はどうお考えになりますでしょうか。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。
 国土交通省は、予算配分、特に公共事業の予算配分においては、公平、公正、透明に配分をしていると、見識のある国土交通省はそのようにしていると理解をしておりますので、議員がおっしゃるようなことはなかったのではないかというふうに理解をしたいと思います。
◆36番(家森茂樹君) (登壇)その理解をしたいと思いますという表現は何かよくないですね。
 割愛人事に頼るのか、そうでないのか、それぞれのメリット、デメリットがございます。地方分権をとるのか、それとも先ほど知事がお答えいただいたようなメリットをとるのかということであると思っておりますし、その辺の関係というのは、まさに先ほどの知事の答弁のとおりでいいというふうに私も思っております。
 ただ、今の土木交通部長人事についていえば、メリット、デメリットという観点からは、今回は非常に失ったものが多かったのではないかなと、そんな気がいたしております。ここがこの質問の本質のようなところなんですが、地方分権を進めていく、こういう立場、国は国、県は県、市町は市町、このそれぞれの立場をどう守っていくのか、しかしながら、国と県、県と市町でどういう連携をとりながら、情報共有をしながら進めていくのかという悩ましい問題なのかなということで、あえてこの人事の話を取り上げさせていただいたということでございます。
 ここで話を本題に戻しまして、もう最後の質問にさせていただきたいと思いますが、最後に改めまして、今回の地先の安全度マップを公表というのは、私はどうも市町の独自性に対して県が少々踏み込み過ぎたのではないかなという気がいたしてなりません。改めまして、最後に、国、県、市町の役割分担ということについて、知事のお考えをお伺いをいたします。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。
 質問いただいてはおりませんが、土木交通部長、全国47都道府県の中で、20道府県でしょうか、が国からの割愛人事と伺っておりますが、27はプロパー人事ということで、そのプロパー人事のところが予算に関して不利な状態であったかということは証拠のないことでございます。
 お答えいたします。
 国、県、市町の役割分担でございますが、もとより、近接補完の原理のもとで、住民に身近な行政サービスは基礎自治体である市町で対応いただくことになります。ですから、避難勧告、避難指示、そしてハザードマップについては、面的に広く140万県民すべからく市町が直接対応いただくことでございますけれども、例えば、浸水想定区域図に同等のような今回の地先の安全度マップなどは、市町が従前の役割が果たせるように、県として助言あるいは支援をする役割があります。広域的な自治体として、広域的な課題、河川については、市町を越えます上下流についても、市町を越える範囲の河川も多いわけです。そういうところで、広域的課題や、あるいは専門的な課題は、県としての責務を果たすべきと考えております。
 先ほど来御指摘されておりますように、今回の地先の安全度マップ、2市については公表してほしくないということで、その2市の市長、首長さんの御意見を尊重させていただき、現在のところは公表対象にはさせていただいておりません。しかし、市のほうに行政的には報告をさせ、通知をさせていただく、それが県としての公表義務でございます。そのような中で、いずれにしろ市民、県民、命を守り、そして安全、安心に暮らしていくためには、お互いに支え合い、補完し合って行政を進めることが大切であると考えております。国との関係においても、その補完し合うということは一緒だと考えております。
◆36番(家森茂樹君) (登壇)ちょっともうやめておこうと思っていたんです、これ、最後の質問で。ただ、ちょっと2点気になったことをおっしゃいましたので。
 1つは、一番最初におっしゃいました、今の答弁で、国から割愛人事は20で、27はないと。27のないところが削られたという証拠がないと。AならばB、必ずしもBならばAではないということ、当然ですよね。AならばB、BならばCであったら、CならばAは絶対ないと。絶対ないじゃないわ、言えないと。これは当然のことですので、そのこともって今のお話は全然おかしいと思います。
 もう1つ、2市が公表してほしくないとおっしゃっている、これは県の義務として2市には伝えますよとおっしゃっているんですが、それはそんでいいんですわ。それはそんでいいんです。だから、同じ16市町の扱いにしといたらよかったのになという話を私はしているんです。そこのところがどうもまだわかっていただいてないなと。特に、先ごろの代表質問で、どういう表現やったかな。県は市町にそのデータを渡しますよと。市が提供しないと、そういうことがあれば、住民の側が公開請求すればいいんですよと、そうしたら公開せざるを得ないでしょうと、こういう居直ったかのような御答弁があったように思うんですが、ちょっとああいう表現というのは、知事、気をつけていただきたいと思います。恐らく各市が……(発言する者あり)もう一つありましたけど、それは言いません。恐らく市は、私がさっき申し上げましたように、ほかのデータと一緒でないと困るとおっしゃっているので、何もこのデータを隠しとことかいう、そういう意思はないと思います。
 5秒残して終わります。御苦労さまでした。(拍手)
○議長(佐野高典君) 以上で、36番家森茂樹君の質問を終了いたします。
 次に、14番清水鉄次君の発言を許します。
◆14番(清水鉄次君) (登壇、拍手)獣害対策について質問させていただきます。
 平成20年9月議会から毎年獣害対策について質問させております。県の施策も進んでおり、予算も増額されており、一定の評価もしております。しかし、被害は減少せず、地域によっては獣害の状況が変化もしており、このようなことを踏まえまして、今回質問させていただきたいと思います。
 昨年11月議会に、ニホンジカを中心に質問させていただきました。振り返りますと、それは、滋賀県では、ニホンジカの特定鳥獣保護管理計画は、科学的な調査に基づいて個体数調整が計画的に実施されていたため正確であると思っておりましたが、平成22年度の推定頭数は約4万7,000頭から約6万7,000頭というデータを出してこられ、これまでの推定頭数と余りにも違いがあり、これまでの捕獲目標の頭数の8,500頭を1万6,000頭に変更しなければ個体数は減少しないという結果を出されました。
 そのために、県では平成24年度に鳥獣対策室を創設され、市町や住民との連携を深めるために、4つの出先機関に職員を配置された組織をつくられました。
 一方、高島市民の方にお聞きをすると、ニホンジカは昨年に比べて減ったような気がするが、イノシシや外来種であるアライグマによる生活被害、ハクビシンによる農作業被害など、鳥獣害被害の多様化が進んでいるというお話もありました。そのためにも、市町や地元の住民の皆様との強い連携や協力が必要であります。
 そこで、1点目に、ニホンジカにつきましては、平成24年度には1万3,000頭の捕獲目標を示されていますが、従来の捕獲体制では大変厳しい目標ではないかと考えます。そこで、県は、先ほど言いましたように、鳥獣対策室の強化を図るため、鳥獣対策室の創設とともに、4つの森林整備事務所において職員を配置するなど組織体制が整備され、半年が経過しています。この新たな組織により、どのように市町との連携が行われているのか、また、森林整備事務所のかかわりを強めたことにより、森林保全整備と鳥獣対策をどのように進め、実効性のある対策を実施しようとしているのか、あわせて琵琶湖環境部長にお伺いします。
 2点目に、伊吹山と霊仙など、特に奥山におけるニホンジカの植生被害が深刻になっていることから、奥山におけるニホンジカの捕獲は大きな問題であります。昨年11月議会では、市町の境を越えた捕獲隊の編成など効率的な捕獲手法の確立が必要であり、県の果たすべき役割が非常に大きく、早急にその検討を進めたいと答弁をいただきましたが、これまで県ではどのように奥山におけるニホンジカの捕獲体制を検討されたのか、琵琶湖環境部長にお伺いします。
 3点目に、先ほども言いましたように、高島市では鹿の個体数が減少したのではないかと言われるほど苦情が減りました。しかし、湖北地域など、個体数調整が進んでいない場所では被害がさらに深刻になっています。昨年の11月議会で質問しましたが、個体数調整が進んでいない地域に対して、どのように指導されて、どのように成果が上がっているのか、琵琶湖環境部長にお伺いします。
 4点目に、住民に対する啓発についてお伺いします。
 年間捕獲頭数1万3,000頭の達成や農作物被害を減らすには、市町だけでなく住民の皆様の協力が必要です。稲の収穫後のヒコバエや野菜の収穫残渣などは、人の農作物被害と認識しない一方で、ニホンジカから見れば格好の餌となり、不必要に呼び寄せる原因になります。里の農作物だけでなく、このような被害と認識されないものを餌として与えない対策が進んでいない地域では、住民の意識改革をしなければならないと聞いております。
 その一方で、住民の意識改革が進み、集落が一体となって被害対策を進めておられる先進事例も生まれています。例えば、高島市今津町角川地区では、住民の合意のもと、里が餌場となっている要因を取り除く活動や防護柵の整備に取り組まれるほか、住民みずからが狩猟免許を取得し、鹿を捕獲するなど総合的な対策を実施されておられます。
 県内で被害が発生している集落を見ますと、また新たに被害が出始めたところや、被害が出ているにもかかわらず具体的な対策が行われずに被害が繰り返されているところ、また、集落が一体となった被害防止活動を始められたところなど、さまざまです。被害が出始めた集落には、まず意識改革を進めること、具体的な活動のない集落には、積極的な働きかけ、また、防護柵の整備など既に住民の力で取り組まれている集落に対しては、捕獲に取り組むなど被害防止活動のレベルアップに関する支援などが考えられると思います。行政任せでなく、住民を巻き込んだ集落の協力体制をつくり上げることが重要と思われますが、その普及啓発をどのようにして進めていくのか、農政水産部長にお伺いします。
 5点目に、ニホンジカの捕獲頭数の不正についてですが、平成22年度から23年度にかけて、大津市や甲賀市、東近江市で不正が発見されましたが、昨年度以降、他の市町も含めて、ほかに捕獲頭数の不正は発生していないか、琵琶湖環境部長にお伺いします。また、捕獲頭数の不正を防止するためには、11月議会で答弁をいただきました尻尾や前歯などの提出による捕獲頭数の確認や検査の方法について、県の統一した基準はどのように改善されたのか、あわせて琵琶湖環境部長にお伺いします。
 6点目に、イノシシの特定鳥獣保護管理計画についてお伺いします。
 イノシシの被害額は、平成23年度で2億円を超え、全体の被害額の半分近くに増加し、住民や市町からもイノシシの対策の要望が強くなってまいりました。そこで、鳥獣対策室では、滋賀県イノシシ特定鳥獣保護管理計画案について、現在常任委員会に報告されており、計画期間は平成24年11月15日から平成29年3月31日までで、狩猟期間の11月15日から始まります。しかし、内容的には、現在の生息頭数も把握できていず、何頭捕獲し、生息頭数を何頭にするのか、全く示されておりません。イノシシも生息頭数の管理が重要であり、個体数調整を実施して生息頭数を減少させる必要があると考えますが、どのように生息頭数の管理をしていくのか、琵琶湖環境部長にお伺いします。
 7点目に、イノシシの発生源についてですが、山の周囲は獣害柵の設置が進んでいますが、河川沿いにニホンジカだけでなくイノシシも生息域を拡大しており、河川沿いからの発生を食いとめることが課題であります。しかし、河川敷に繁茂する竹や雑草が野性獣の格好の隠れ場所になっていて、猟犬が入れず、駆除も難しくなっています。
 このように、市町からの河川敷からの獣害によって農業被害が恒常化しているため、これを食いとめるための獣害柵の設置について、柔軟な対応を求めています。一方、河川部局は、治水に支障を来す可能性のある構造物を認めるわけにはいかないため、河川区域内への柵の設置は不可、河川保全区域であれば条件次第で可能と言われています。市町からの意見も、河川敷への獣害柵の設置が認められないのなら、県の責任において河川敷が野性獣の生息地とならないように、伐採等適切な管理をしてもらいたいと要望されています。このような要望に対してどのように進めていかれるのか、土木交通部長にお伺いします。
 最後に、ニホンザルについてお伺いします。
 今年度は、ニホンザル個体数調整推進補助金が予算化されておりますが、ニホンザルは捕獲をしても、その後の被害防除対策を適切に行わなければ、再び被害が発生してしまうことになります。不必要に群れを呼び寄せていることが被害の大きな原因であり、集落周辺の環境を変えるなど、被害を防ぐ対策を行ってから全頭捕獲することが原則です。集落環境点検など住民への普及啓発を十分にしていない中で、有害駆除によって群れが分裂し、群れが多く来るようになった例もあります。捕獲することばかり頼らず、ほかの対策をきちんと実施することが重要であります。
 現在、ニホンザル被害の激しい集落では、不必要に群れを呼び寄せないための対策がどの程度まで実施されているのか、お伺いします。また、集落環境点検など住民普及啓発をどのように進めていかれるのか、農政水産部長にお伺いします。
○議長(佐野高典君) 14番清水鉄次君の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎琵琶湖環境部長(北村朋生君) (登壇)1点目の新たな組織による市町との連携の実施状況および森林保全整備と鳥獣対策の進め方についての質問にお答えします。
 市町との連携につきましては、今年度より4つの森林整備事務所の次長を鳥獣対策室の兼務とし、鳥獣対策の地域の窓口として、農業農村振興事務所と密接に連携して、市町への支援、助言を行っております。具体的には、集落環境点検の共同実施や、両事務所が把握しています防護柵の設置位置やニホンジカの捕獲状況の情報等を一元化し、市町とともに有効な対策を進めているところでございます。
 森林保全整備と鳥獣対策の進め方につきましては、今年度から人と野性動物のすみ分けを図る里山リニューアル事業と、湖国の森林と自然を守るニホンジカ特別対策事業による個体数管理を組み合わせながら対策を進めています。
 また、ニホンジカによる森林生態系被害が深刻になっている現状を定量的に把握するため、今年度からゼロ予算事業で森林衰退度調査を始めており、この調査結果を今後の捕獲と被害対策に有効につなげていきたいと考えております。
 次に、2点目の奥山におけるニホンジカの捕獲体制の検討についてお答えします。
 奥山や高標高域での捕獲につきましては、捕獲技術がまだ確立されていないことから、まずはニホンジカの行動域やその地域に合った捕獲方法を調査検討することが必要です。このため、今年度は、伊吹山や霊仙山において、米原市が実施しておりますモデル事業を支援しておりまして、このモデル事業の検証結果を踏まえ、奥山での効率的な捕獲につなげていきたいと考えております。
 次に、3点目の個体数調整が進んでいない地域への指導と成果についてお答えいたします。
 議員御指摘のとおり、県下の捕獲数は地域により差があり、特に湖北地域は、近年急激にニホンジカの推定生息数が多くなっていることから、昨年度から市町や地域の猟友会とこの課題を共有し、捕獲の強化を進めております。その結果、平成22年度には600頭足らずであった捕獲数が、平成23年度には約1,000頭にふえ、さらに今年度については1,350頭の捕獲が計画されておりまして、着実に成果は上がってきているものと認識しております。
 次に、5点目のニホンジカ捕獲頭数の不正についてお答えいたします。
 昨年度の事例以降、捕獲頭数の不正申告につきましては行われていないと認識しております。不正防止の改善対策といたしましては、各市町との協議を踏まえまして、これまでの鹿の写真に加えまして、今年度からは捕獲者本人が鹿と一緒に写った写真、そして尻尾の提出を義務づけたところでございます。
 次に、6点目のイノシシの生息頭数の管理についてお答えいたします。
 イノシシは、密度や個体数を推定する方法が確立されていないこと、また、多産多死する動物であり、個体数の変動が大きいことから、ニホンジカのように生息個体数による管理は難しいと環境省のガイドラインにおいても示されているところであります。
 そこで、現在策定中の滋賀県イノシシ特定鳥獣保護管理計画におきましては、農作物の被害面積および金額を指標とした管理目標を掲げる予定でございます。
◎農政水産部長(青木洋君) (登壇)獣害対策に係る質問のうち、農政水産部に対する2点の質問にお答えします。
 まず、全体の4点目の住民を巻き込んだ集落の協力体制をつくるための普及啓発についてお答えをします。
 議員御指摘のとおり、被害集落の中には、水稲収穫後のヒコバエや畑の野菜くずなどが放置されることで、集落に鹿やイノシシの侵入が繰り返されている事例があります。効果的な防除のためには、集落住民みずからが被害の要因や対策について正確な知識を持ち、的確な対策を集落ぐるみで実施することが重要であります。
 そのためには、集落において率先して対策に取り組むリーダーの存在が不可欠でありますことから、県では、地域別研修会を開催するなど、リーダーの育成を行うとともに、そのリーダーが中心となって集落住民への意識啓発を行い、個々にとどまりがちな被害対策を集落全体のまとまりを持った共同活動に広がるよう支援をしているところでございます。
 次に、8点目のニホンザルの群れを呼び寄せないための対策の実施状況と普及啓発の進め方についてでございます。
 ニホンザルの被害を防止する対策につきましては、防護柵だけでは十分な効果が得られないことから、農作物の収穫残渣や放任されたままの果樹など、ニホンザルを引き寄せる要因の除去を徹底するとともに、追い払いの取り組みが重要であると認識をしております。県内では、集落が一体となってロケット花火や、いわゆる猿鉄砲、あるいはモンキードッグなどにより追い払いに効果を上げておられる事例があります。また、ニホンザルを含め、現在県内158集落において、集落ぐるみによる対策に取り組んでいただいているところでございます。
 こうした取り組みについて、各地域で開催しております研修会や現地指導を通じて、集落環境点検の手法とともに、被害状況に応じた正しい対策を集落みずからが実施していただくよう支援を行っているところでございます。
◎土木交通部長(美濃部博君) (登壇)7点目の市町からの獣害柵の設置や伐採等の適切な管理についての要望に対し、どのように進めていくかとの御質問にお答えいたします。
 市町や農業関係団体から堤防に獣害柵を設置することや、野性獣の生息の場となっている河川敷内の竹木等の伐採につきましては、多くの要望をいただいておるところでございます。堤防に獣害柵を設置することにつきましては、これまで河川管理上支障を来すおそれがあることから、設置を認めておりませんでしたが、最近の河川周辺の深刻な獣害の状況を踏まえ、やむを得ないと認められる場合には、構造など一定の基準を設けて設置の許可ができるよう検討しているところでございます。
 河川敷内における竹木等の伐採につきましては、これまでから、地域からの御要望を踏まえ、治水上必要性の高い箇所から順次進めているところでございます。しかしながら、河川敷に竹木が生い茂り、野性獣の生息地となり、周辺に被害が発生している場合は、治水上特に必要性が高くない箇所におきましても、まず、県において地域活動支援事業によりまして、地域では手に負えないような竹木の伐採を行いたいと思います。なお、その後の維持管理につきましては、河川愛護活動事業により地域の皆さんと協働をして取り組んでまいりたいと考えております。
◆14番(清水鉄次君) (登壇)それでは、再質問させていただきます。
 ただいま土木交通部長の御説明は、非常に柔軟な対応をしていただけるということで、河川からの獣害の侵入というのは、これから緩和というか防げる可能性もあるかなというふうに思います。
 ちょっと実は私ごとですけど、私の自宅はどちらかというと中山間より琵琶湖側にあります。私の家のすぐ近くに一級河川がありまして、先日の日曜日に、きのうじゃなくて、その前の日曜日だったんですけど、ニホンジカが、角の生えた雄が川沿いの側道を走っていったんですね。3時ごろやったと思うんですけど、これは実は初めて私、生まれて初めてその姿を見させていただきまして、やはりこの河川敷を通じて鹿が中山間から下流に行っているんだなということも目の前で見させていただいて、御近所の方も皆さんびっくりしておられたと、こういう報告をさせていただきますので、ぜひその点、対応をよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、2点目に対して琵琶湖環境部長に質問します。
 私は、ニホンジカは、やはりスピード感というのが大事やと思うんですね。1年たつとまたそれなりに増加しますので、またいろいろと検討しなければならないということがあると思います。その中で、奥山というのは特に下層植生が被害が非常に深刻でありまして、ただいまは、今年度は捕獲方法を検証すると答弁をいただいたわけなんですけれど、昨年の11月では、効率的な捕獲手法の確立や捕獲隊の編成について早急に検討を進めるということを答弁いただいたわけなんですけれど、この効率的な捕獲手法、捕獲隊の編成や、奥山の個体数調整のスピードを上げなければならないと思うわけでありますが、その点をどのように考えておるのか、お伺いしたいと思います。
 3点目の質問をさせていただきます。
 先ほど湖北地方のお話もいただきました。第二次鳥獣保護管理計画の中で、一番現実と差があるのは、実は湖北地方でございまして、1万3,000頭の目標を達成するには、平成24年度は、湖北地方は3,169頭を個体数調整せなあかんわけであります。ところが、先ほど部長から説明がありましたように、平成22年度は約600頭、平成23年度は約1,000頭、そして、平成24年度は1,350頭の目標を掲げているとおっしゃいました。確かに地域によって非常に取り組みの格差もあるのも現実であります。しかし、全体として1万3,000頭を個体数調整をしようと思ったら、その進んでいないところをいかに進めていただけるかということが大事であります。そういう意味で、捕獲の進んでいない地域での捕獲頭数の増加に対してどのように考えておられるのか、再度琵琶湖環境部長にお伺いします。
 そして、もう一つ、4点目の農政水産部長に対する質問をさせていただきます。
 先ほど、集落でのリーダーを育成していく。リーダーというのは、もうそのとおりであります。高島市今津町角川地区のように、自分たちの集落は自分たちで守っていくという考えが今後徐々にふえていただければと思っております。その中で、県の役割として、集落みずからがこの狩猟免許を取得したり、また、くくりわな等でニホンジカを捕獲することについては、こういった具体的な指導を今後どのように進めていかれるのか、農政水産部長に再度お伺いします。
◎琵琶湖環境部長(北村朋生君) お答えいたします。
 まず、奥山におけるニホンジカの捕獲体制について、もっとスピード感を持ってとの御質問でございますが、やはり限られた戦力の中で最大の効果を上げなければいけないということを考えておりまして、そのための効率的な捕獲手法というものを確立するためには、一定程度検証事業といいますか、どういったやり方が一番効果的なのかというものを踏まえた上で取り組んでいきたいと考えております。今年度、米原市におきましてモデル事業をやっておりまして、その結果を踏まえまして、できるだけ早くそういった本格的な捕獲の実施につなげていきたいというふうに考えております。
 また、もう1点、湖北地域と個体数調整が進んでいない地域における捕獲体制についての御質問でございますが、湖北地域につきましては、最近急激に推定頭数がふえていること、また、山が深い、あと冬は積雪が多くて、なかなか冬季の捕獲が難しいという地域の特性もございますが、この間、地域の地元の理解も大変進んでまいりました。引き続き市や猟友会などと個別課題の解決を図りながら、目標が達成できるように対策を進めてまいりたいと考えております。
◎農政水産部長(青木洋君) 地域住民みずからが捕獲することについての、県としてどのように進めていくかということについてお答えします。
 野性獣の被害防除は、議員御指摘のとおり、集落みずからが積極的な対応をすることが大切であると考えております。農地に侵入してくる野性獣の捕獲につきましても、住民が行えることが必要と認識をしております。このため、リーダーを育成をするための研修会、あるいは講座におきまして、集落みずからがニホンジカやイノシシを捕獲し、被害を防いでおられる高島市角川地区の先進的な事例、この取り組みを紹介するなどして、捕獲対策についても積極的な情報提供を行っているところでありまして、今後とも集落みずからが積極的に対応できますよう支援をしてまいりたいと、こんなふうに考えております。
◆14番(清水鉄次君) (登壇)どうぞよろしくお願いしたいと思います。少しでもおくれればおくれるほど個体数はふえていくと思います。
 それでは、次の質問へ行きます。
 空き家対策について質問させていただきます。
 日本の国は人口減少時代に入り、少子高齢化に伴い全国で空き家が増加しています。総務省によると、2008年の全国空き家数は約757万戸で、空き家率は13.1%、過去最高で、2003年の調査から97万戸が増加しております。2008年までのデータしかないんですけれど、多分最近はもっとふえているんじゃないかなと思います。(資料掲示)どれだけふえているか、図を持ってまいりまして、現在の、2008年のデータですけれど、ここまでしか、このようにふえてきていると。そして、空き家率もこのようにふえてきているというのが直近の現状です。
 過疎化が進む地方だけでなく、都市部でも、親が亡くなった後に子供が住まず空き家となるケースも増加して、管理が行き届かない空き家は、近隣の景観を悪化させ、火災や犯罪のおそれが高まるなど、住環境を脅かしています。そのような状況の中で、国交省の調査によると、平成24年3月末現在、空き家の適正管理などを規定した、いわゆる空き家条例を22都道府県の中の54自治体が制定しているそうです。しかも、そのうち46自治体は、空き家の撤去や改善を求める勧告を規定し、そのうち12自治体は強制的に撤去する行政代執行の規定も盛り込んでいます。全国で空き家が増加し、倒壊や放火などの問題が続出する中、条例制定で被害を防ごうとする自治体がふえております。
 さて、昨年の冬に、私の地元の方から倒壊した空き家についての相談を受けました。内容は、高島市マキノ町の木造平屋建ての空き家が、老朽化と積雪により自然倒壊いたしました。倒壊した瓦等が隣地に崩れ落ち、地域に迷惑がかかりました。この家は、住人が亡くなられてから三十数年がたち、その後、誰も住んでおらず、しかも相続人が不明であることがわかりました。そのため解体処分がされず、自治会があらゆるところに相談をされましたが、どうしてもできず、倒壊した建物は景観を損ない、地域活動においても不便を来したので、やむを得ず自治会の責任において自治会の費用で撤去されました。
 これは、たまたま私が相談を受けた事例ですが、今後、空き家が増加する状況で、どこにおいても同じような事例が頻発することが予想されます。そこで、このような空き家に関する問題をどのように考えておられるのか、土木交通部長にお伺いします。
 2点目に、空き家に関する対策は、市町が基本的に取り組まなければなりません。しかし、現在県内19市町で、制度的な仕組みをつくり、具体的に取り組んでおられる状況はどうか。今後、明らかに全県的にくまなく迫り来る大きな社会問題として、県が率先して進めるべきと考えますが、所見を土木交通部長にお伺いします。
 3点目、和歌山県では、建築物等の外観の維持保全及び景観支障状態の制限に関する条例が平成24年1月1日から施行されました。また、大阪府では、2008年の空き家総数が62万5,000戸あり、さきの2月府議会で、条例化を含め、実効性のある対策を市町村と協力して検討したいと大阪府知事が答弁されました。そして、府内43自治体で専門部会を立ち上げ、空き家実態把握に乗り出すことを決められました。
 そこで、滋賀県としても、ほかの自治体と同じような状況を迎えることは、人口動態からも明らかであり、先を見越した施策を講ずるためにも、空き家の実態把握について調査すべきであると思う。さらに、今後市町に対するこのような相談が増加するのではないかと思われますので、課題を共有する市町が情報交換し、共通する対策を講じるためにも、県として調整機能を検討すべきと思うが、土木交通部長にお伺いします。
◎土木交通部長(美濃部博君) 清水議員の空き家対策に関する御質問にお答えいたします。
 初めに、1点目の空き家に関する問題についての認識でございます。
 空き家は、その所有者等が適正に管理すべきものでございますが、管理が不十分な場合は、防災性や防犯性の低下、衛生の悪化など、周辺の生活環境にさまざまな悪影響を及ぼすおそれがあることから、重要な課題であると認識をしております。本県の空き家につきましては、総務省の住宅・土地統計調査によりますと、平成20年時点で空き家の総数は約7万3,000戸となっております。このうち、特に空き家に関する問題の対象となります居住世帯が長期にわたって不在となっている住宅、これにつきましては約3万5,000戸となっており、平成15年当時の調査結果と比較いたしますと、約9,000戸以上増加している状況となっております。
 次に、2点目の県内の市町の取り組み状況ならびにこの問題について県が率先して進めるべきとのことに対する所見についてでございます。
 本県におきましても、少子高齢化や中山間部の過疎化などにより、今後、管理が不十分な空き家がさらに増加いたしますと、どの地域におきましても、空き家に係る防災上の問題や防犯上の問題などが起こり得るものと考えます。こうした中で、議員御指摘のように、空き家対策は、本来地域の問題として市町に主体的に取り組んでいただくものでございます。県内では既に米原市を初め5市町で空き家の実態調査をされているほか、多賀町におきましては、国の空き家再生等推進事業を活用して、老朽化した空き家の除却に取り組まれております。また、彦根市では、空き家等の適正管理に関する条例制定を予定されております。
 しかし、これらの一部市町を除いては、県全体としては、空き家対策につきましては、まだまだ進んでいない状況でありますことから、今後、県として各市町における対策が一層進むよう支援をしてまいりたいと考えております。
 次に、3点目の空き家の実態把握に係る調査と県としての調整機能についてでございます。
 空き家に関する問題は、都市部と中山間部との違いなど、地域の特性や社会状況に応じてその性質が異なりますことから、地域の実情に応じた適切な対策を講じることが必要となります。こうしたことから、議員御指摘のとおり、まずは市町において各地域の空き家の実態を把握していただくことが重要であると考えます。先ほども申し上げましたとおり、既に一部の市町では実態調査を実施されているところでございますが、県といたしましても、ことし6月に国土交通省が作成いたしました地方公共団体向け空き家調査の手引きを空き家の実態調査の際に活用していただくよう、市町に配布したところでございます。
 今後、県といたしましては、国の協力も得ながら、この手引きを活用した実態調査の実施方法や具体的な取り組み事例等に係る説明会を開催するなど、各市町において実態調査が進展するよう働きかけてまいります。また、市町における取り組みが一層広がっていくよう、市町間での情報交換や空き家対策を議論できるような場を持つなど、関係部局の参画も得ながら空き家対策の促進に努めてまいります。
◆14番(清水鉄次君) (登壇)ただいまの部長の説明の2008年のデータというのは、総務省からもらったデータやと思うんですね。このグラフもそうですけど、やはり、より現場に近い市町とか県が状況をつかんでおかなあかんと思います。先ほど、今言いましたように、彦根市は条例も今パブコメにかけておられるということも聞いており、それぞれに問題意識は持っておられる市町もあると聞いています。しかし、全体として、まだそれに対して取り組もうという気配すらされておられない市町のほうがまだ多いですので、何とぞまず県の実態状況をぜひ来年度検討する場を設置していただくことを要望して質問を終わります。(拍手)
○議長(佐野高典君) 以上で、清水鉄次君の質問を終了いたします。
 しばらく休憩をいたします。
  午前11時41分 休憩
   ────────────────
  午後0時44分 開議
○副議長(山田和廣君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 次に、21番粉川清美さんの発言を許します。
◆21番(粉川清美さん) (登壇、拍手)あらかじめ通告をいたしております質問につきまして、質問をさせていただきます。
 まず初めに、いじめ対策についてです。
 大津市内の男子中学生の事件から1年を迎えようとしています。事件直後の11月議会では、私は、事件の原因究明と対応などいじめ対策について質問、要望をさせていただきましたが、その対応はほとんど進展していないのが現状でございます。今回の事件を教訓にして、全国に誇れる滋賀県の対応を要望するものです。
 以下、全て知事に伺います。
 まず、事実確認と原因究明に基づく本格的な恒久的な対策が重要ですが、同時に、いじめはいつでもどこでも起こり得ることを考えると、本格対応を実施するまでの間、今すぐの緊急対策も必要です。そのための対策として、生徒と教師が向き合える時間の確保のための人的支援について伺います。
 いじめによる児童生徒の自殺が大きな社会問題となり、その対応を考える中で実施された平成18年の国の調査で、生徒と教師が向き合える時間の確保が難しい状況が大きな問題となり、対応が求められてきましたが、これまでの県の取り組みについてお聞きします。
 次に、昨年11月議会での生徒と教師が向き合える時間の確保の要望に対して、教育委員会は、向き合う時間の状況調査を実施して、その結果によって対応を考えると答弁されましたが、調査結果と生徒と教師が向き合える時間の確保のための対応について伺います。
 新年度からは、県も国も人的支援を考えておられるようですが、新年度を待っていられません。今このときの緊急対応が求められています。本格的な人的支援が始まるまでの間、これまでも実施している緊急雇用対策事業を活用して先生をサポートする人的支援を拡充するべきと考えますが、見解を伺います。
 大きな2点目に、いじめ電話相談についてです。
 全国どこからでも同じ番号0570−078310でかけられる「24時間いじめ相談ダイヤル」を子供たちに知らせるカードですが、多くの情報が記入されていて、大人の私でもわかりにくく、また、2本の電話番号を案内していますが、同じところが対応しているのに、なぜ2つの電話が必要なのか。できるだけわかりやすく情報提供するべきと考えますが、いかがですか。
 そもそも、いじめの相談をしたいときにカードを見ないとわからないというのではなく、110番や119番、また小児緊急電話相談♯8000番のように覚えやすい番号に、また無料の電話相談などの改善をするように求めるものですが、見解を伺います。
 大きな3点目に、親教育についてです。
 いじめや児童虐待の事件が起きるたびに本当に心が痛みます。子供が幸せに暮らせる家庭、学校、社会の実現こそ私たち大人の責任であり、緊急にまた長期的に対策を講じる重要性を改めて感じています。親教育については、以前にも虐待防止の観点から質問をさせていただきましたが、虐待もいじめも本質は暴力であり、人権侵害の何ものでもありません。本来、命を育む希望の世界であるべき教育の場でいじめを受け、死を選ばなければならなかったことに対して、本当に憤りすら覚えます。
 スイスの大教育者ペスタロッチは対話を重視しましたが、コミュニケーション能力について、興味深い考察があります。気持ちの受信と発信に必要なのが、相手の立場になって考える想像力や共感性で、共感性は生後5カ月から育ち、情緒的な心を育む環境が重要で、笑顔と優しい言葉がけが最も重要というものです。相手の立場になって考える想像力や共感性は生後5カ月から育つ、このことから考えると、子供の健やかな成長は、家庭環境、特に親の存在が大きな影響を及ぼすものです。
 カナダでは1980年に、またアメリカでは早くも1960年代から親教育に力を入れてきました。現在日本では、親になるための学びをせぬまま親になります。本来、自分自身の経験がベースとなり、そして周りの人たちを見て、聞いて、教えてもらって子育てを学び、親になっていきます。しかし、核家族化や少子化などの現代社会では、その経験も少ないのが現実です。そんな孤独な子育てを支援するには、親は何をすればいいのか、子供はどう育っていくのか、そんな基本的知識やスキルを学ぶチャンスが必要です。
 そこで、滋賀県の親教育について、4点伺います。
 1点目は、生まれる前の取り組みとして、助産師会に子育て女性健康支援センター委託事業として委託していますが、限られた学校のみの実施となっています。例えば、昨年を例に見ますと、実施した小学校は3校、県内で229校中3校です。中学校は6校、高校は9校、実施校はほとんどふえていません。知事もこれまで充実していく必要があると答弁されておりますが、今年度はどのように対応されたのですか。今後、県の親教育は、この事業をベースにして考えていくのか、今後の方針について伺います。
 また、生まれてからの取り組みは、妊婦教室や両親学級で、平成23年度県全体で167回、1,518人が参加となっています。この事業も妊婦健診のように全ての親が参加できるように拡充できないのか、出産というまさに親になるその機会を活用した取り組みが必要と考えますが、いかがですか。
 また、大津市が叱り方などを学ぶ教室を始め、6人の母親が参加したとの新聞記事を見ました。子供の成長に合わせて育て方を学ぶ機会も必要です。滋賀県の虐待やいじめの深刻さを考えると、早急にかつ計画的に、年齢別、世代別に系統立ててプログラムをつくって親教育を実施するべきと考えます。本気で取り組んでいただくようにお願いするものですが、知事の見解を伺います。
○副議長(山田和廣君) 21番粉川清美さんの質問に対する当局の答弁を求めます。
◎知事(嘉田由紀子さん) (登壇)粉川議員のいじめ対策についての御質問にお答えいたします。
 まず最初に、生徒と先生が向き合える時間の確保についてでございます。
 そのうちの1点目、これまでの取り組みについてでございます。
 本県では、全国でも早い時期から少人数指導や少人数学級編成によるきめ細やかな指導に努めてまいりました。いじめ問題、不登校など、生徒指導上の課題や外国人児童生徒や発達障害のある児童生徒の対応についても、国の加配に加えて、県独自の加配教員も含め順次増員をし、人的確保をしてまいりました。このような人的支援を通して、いじめ問題など教育課題の解消に向け、教員一人一人が児童生徒と向き合いながらかかわりを深め、個を生かす指導に努めてきたところでございます。
 2点目の超過勤務に係る調査結果とその対応でございます。
 平成24年1月に県教育委員会が実施した県立学校教員の超過勤務に係る調査結果については、超過勤務時間数が月20時間未満の者が約4割、月20時間から40時間未満の者が約3割、月40時間以上の者が約3割となっております。勤務時間外に行った仕事内容としては、授業の準備や教材研究、部活動指導のほか、事務的な仕事が多くを占めていたと教育委員会から報告を受けております。
 ちなみに、比較のデータとして、平成18年度に文部科学省が行った教員勤務実態調査の結果では、全国の高等学校の月平均残業時間は約35時間であり、先ほどの24年1月の県教育委員会の調査と比べても大きな違いはないと判断できると思います。
 これらのことを踏まえまして、県教育委員会は、ワーキンググループを立ち上げ、子供と向き合う時間の確保のための取り組み方策を検討しておりまして、年度内にまとめる予定と聞いております。
 次に、3点目の先生へのサポートでございます。
 大津のいじめ事件にかかわって、緊急的な措置として、大津市教委と連携を図りながら、当該中学校へ加配教員を配置するとともに、非常勤講師を派遣し、県としても市への人的支援に努めてまいりました。また、今回の補正予算では、いじめ対策調査研究チームの事務処理のため、緊急雇用対策事業の活用をお願いしております。各市町においても、学校への人的支援の視点から、新たな事業の創出などに努めていただいていると聞いております。
 次に、大きな2点目の電話相談についてでございます。
 まず、本県では、いじめの電話相談として、文部科学省が設置している「24時間いじめ相談ダイヤル」の全国共通の番号と、子供子育て応援センターが行う県独自の電話相談「こころんだいやる」の番号の2つを常設し、相談を受けております。「24時間いじめ相談ダイヤル」は、いじめ専用ダイヤルであります。一方、「こころんだいやる」は、いじめだけでなく、保護者の子育ての悩みや子供からの家族や進路についての悩みなど、子供に関する相談全般に対応しております。カードにはこの2つの番号を記載をして周知しておりますが、相談者の視点に立つことは大切であり、周知の方法、内容について工夫が必要と考えております。
 次に、2点目の電話番号について、可能な範囲で利用者に配慮したものとできるようにしたいとの御質問でございます。
 無料化についてですが、これまでから、国のほうの「24時間いじめ相談ダイヤル」につきましては、夜間9時から翌朝9時までの相談に係る電話料金については、遠距離で県外になりますので、一部無料化を実施しております。具体的には、夜間相談は、県外の相談機関に委託して対応しておりますが、利用者からいただく御負担は、県内通話料相当分のみとしておりまして、残りは県が負担をしております。今後、無料化についてのメリット、デメリットを考慮しながら、他府県の状況も参考にして研究してまいりたいと考えております。
 次に、大きな3点目の親教育についての4点の御質問にお答えいたします。
 まず、1点目の子育て女性健康支援センターの事業の充実でございます。
 議員が御指摘のように、ペスタロッチの言葉、子供たちは想像力と共感性、その中でより相手を思いやる子供に育つんだということ、そのような子供を育てるためにも親育てが大切だということ、私も大いに共感をしております。2010年のマニフェストにも、親育ち、親育ての項目も入れさせていただきました。
 そういう中で、今回のこの女性健康支援センター事業ですけれども、この事業は、受託していただいている助産師会の兼務量のこともありまして、出前による健康教育の実施校の数はふえておりませんが、人数としては、23年度は3,644人が受講し、前年度より約1,000人ふえております。今年度は6カ月間で2,261人が受講しておりまして、健康教育の意義が定着しつつあるものと考えております。今後とも、センター事業の充実は、質の向上に視点を置きながら、近い将来親となる高校生に焦点を当てた内容としていきたいと考えております。本年度においても、県内の高校全てに母性を大切にするパンフレットを配布をしております。
 次に、2点目の今後の親教育の方針であります。
 子育て女性健康支援センター事業は、いわゆる親教育の一つであると考えておりまして、質の向上に視点を置き、選択と集中の観点から、将来親となる、特に高校生を対象とし、性に関する正しい知識、妊娠や出産、母性の大切さについて教育を行うものです。
 御指摘の親教育については、妊娠期、出産期、さらに現役の親世代、そして、将来親になる世代も含め、それぞれの年齢や環境に応じた取り組みを、例えば学校や子育て支援拠点、妊婦教室などさまざまな場を通じて、教育、福祉、保健など、各分野の専門性を生かして実施していく必要があると考えております。
 次に、3点目の産科医療機関の妊婦教室や両親学校についてであります。
 妊娠期や出産後など、その時期に合わせた健康教育が大切だと考えております。市町が実施する両親学校においては、市町を通じてさらに啓発してまいりたいと考えております。特にこの両親学校は、父親になる男性側が参加をすることで、より効果は高いと見ておりますので、男女ともが参加する両親学校、その意義を強調してまいりたいと考えております。
 また、妊婦は産科医療機関を受診することから、受診の機会を捉えて看護師や助産師などから働きかけを行い、妊婦教室の受講を呼びかけていただくよう、各医療機関に要請してまいりたいと考えております。
 次に、4点目の系統立てた親教育を実施すべきとの御質問でございます。
 第一義的には、家庭や地域の中で親として成長していくことが本来であり、行政はあくまでも補完的な役割を担うものであります。しかしながら、核家族化や少子化などの中で、親として子育てに困難を抱えている方も多いものと考えられますので、知識やスキルをみずから学び、親としての感性を磨いていただく機会をできるだけ多く提供することが大切です。教育委員会では、幼児期から中学生の子供を育てられている親を対象に、子供の年代に応じた家庭教育学習資料を作成し、親同士の語り合いによる親育ちの活動を支援されております。親育ちの活動の進行役となる人材を養成するため、PTAなど多くの親が集まる機会に活用されていると聞いております。互いに知恵や経験を出し合うことで、親同士のネットワークもできると考えられ、こうした取り組みを分野を超えて一層広げることが大切です。
 また、各市町が設置している身近な子育て支援拠点等の取り組みを通して親として育っていただくこと、男性女性いずれも必要でございます。県では、子育て支援機関交流事業を実施し、機能強化に努めております。今後とも、市町や関係団体と連携するとともに、教育や福祉、保健それぞれが各分野における取り組みに努め、親や子供の年代や環境に応じた親育て、親育ち支援のさらなる充実を図ってまいりたいと考えております。
 なお、ここに、全ての県内の高校生に配っているチラシ、また助産師さんによる無料電話相談などを見せていただきますと、私たちの時代にはこういう公的な施設での教育が全くありませんでした。今、新しい時代になって、大いに学校でも恥ずかしがらず、隠さずに伝えるべきことは伝える、それが親育て、親育ちの大切なきっかけになるのではないのかと期待をしております。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)3点再問させていただきます。
 1点目は、生徒と教師が向き合う時間の確保のために緊急雇用を活用した人的支援についてです。
 現状調査結果を見ましても、現場の状況から見ましても、さらなる人的サポートが必要なことは明白だと思っています。緊急雇用対策事業を活用した事業が今でもなされておりますけれども、あと5億円残っているという現状がございます。この5億円という予算を活用して、さらにこの緊急雇用事業を活用して、人的支援を拡充できないのか、そういう視点で質問させていただきましたので、再度お願いいたします。
 2つ目は、いじめ電話相談について。
 番号には触れていただきませんでしたが、今の番号が変えられないというのでしたら、必要なときにすぐ使えるように、カードではなくキーホルダーにしてかばんなどにつけるとか、子供たちの立場になった工夫や改善が必要と考えますが、いかがでしょうか。
 3点目は、親教育についてです。
 子供たちにとっても、また滋賀の未来にとっても、真剣に考えなければならないときに来ていると思っています。これまでの取り組みを詳しく御紹介をいただきました。いろんな取り組みがなされているのも事実でございます。しかし、これらの取り組みをもっと連携立てて、また、先ほどカナダやアメリカの例を出しましたけれども、しっかりとしたプログラムをつくって、年齢に応じた対応、親教育を進めていく必要があるというふうに考えておりますので、その点につきまして再度お尋ねいたします。
◎知事(嘉田由紀子さん) 3点お答えさせていただきます。
 まず、1点目のさらなる人的支援、緊急雇用対策事業の活用をできないかということでございます。先ほどもお答えいたしましたように、各市町においても、学校への人的支援の視点から新たな事業の創出に努めていただいているところであります。県としても各市町と協議をしながら努力をしていきたいと考えております。
 2点目のカードの使い方、利用者により使いやすいカードにということでございます。さまざま利用者の声も聞きながら、工夫できるところは工夫していきたいと考えております。
 3点目に、親教育の系統化ということでございます。親教育については、教育委員会、また健康福祉部、かなり部局横断的な取り組みが必要でございます。現場の声もさまざま聞きながら、どういうふうな系統的な仕組みがつくれるのか、検討、研究していきたいと思っております。
 実は、カナダやアメリカ、確かに進んでおります。私もアメリカで長男を出産いたしましたけれども、もう37年前ですが、その当時から、父親、母親両方が一緒に自治体に登録をすると、毎週のように両親教室がほぼ無料でなされておりました。男性の子育て参加というのも、もうその当時から、1世代前から進められており、性教育というものもかなり進んでおりました。そういう意味で、国民全体の理解が必要な分野でございますので、このあたりはじっくりと現場のニーズに合った形で、より系統的な教育ができるよう考えていきたいと思っております。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)緊急雇用を利用した人的支援ですけれども、各市町と協議しながら対応していくというふうに最後答えていただいたのかなと思っています。まだ6カ月残っておりますので、ぜひ活用していただくように対応をお願いしたいと思います。
 それから、最後も知事の貴重な経験をお話しくださいました。そのような貴重な経験をしていただいた知事だからこそ、この滋賀県において虐待やいじめの大変な状況が起こっている今、その経験を生かしていただいて、じっくりとおっしゃったのが大変気になりましたが、私はもう急いでこの滋賀県において親教育を具体的に進めていただきたいと思いますので、期限を決めて検討していただくように要望しておきたいと思っております。
 それでは、2項目めに、防災対策について一問一答方式で質問させていただきます。
 東日本大震災から1年半が経過しましたが、避難所の運営を初め、防災対策に多くの教訓を残しました。災害時における生活者の目線、女性の視点の大切さが改めて浮き彫りになりました。
 そこで、私たち公明党は、女性の視点を生かした防災対策を目指して、昨年10月に全国の自治体の防災総点検を実施しました。その結果、1、地域防災計画を決める地域防災会議の委員に女性委員がゼロと回答した自治体が全体の44%、滋賀県内自治体は36.4%、2、計画策定に至るまでに女性の意見を聞いていないが約55%、県内自治体は36.4%、3、避難所の整備、運営に女性の視点や子育てニーズを反映していますかといった問いに対しては、47%の自治体がノーと答え、県内自治体ではノーと答えたのは45.5%。滋賀県でも、また全国的にも、女性の視点が生かされていない事実が明らかになりました。
 今回の調査結果をもとに、野田総理宛てに女性の視点を生かした災害対策についての提言を行い、現在、国ではこの提言が反映されつつあります。
 それでは、まず1項目めに、滋賀県防災会議、原子力編を除いて、について伺います。
 昨年の東日本大震災後初めて、昨年12月に滋賀県地域防災計画の見直しが行われましたが、3月11日の教訓を生かす見直しがされたのかどうか、知事にお聞きします。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。
 昨年12月の県地域防災計画(震災対策編)の見直しでは、3月11日の教訓を生かすべく、避難所におけるペット動物の適正な飼育についての支援やアレルギー対応の食料備蓄の実施など、直ちに可能な対応について修正を行いました。昨年の見直し以降、東日本大震災で明らかになった諸課題について、1月から検討を進め取り組んでおります。具体的には、災害時要援護者等の広域的な避難支援体制のあり方、物資や燃料の効果的な供給体制の構築、災害医療に係る保健所機能の強化などでございます。
 また、6月には災害対策基本法の改正がなされたことに伴う市町や県域を越える広域一時滞在への対応や地域防災計画策定への多様な主体の参画、ここにはもちろん女性も含まれます、あるいは県災害ボランティアセンターの機能やあり方について一定の結論が得られた事案の反映など、今年度も地域防災計画の見直しを行う必要があると考えております。
 さらに、議員御指摘のとおり、9月に修正された国の防災基本計画で示されました災害時の避難所において女性専用の物干し場や授乳室の設置、安全性の確保などに配慮すること、それらを実施するため、女性の避難所運営への積極的関与、防災計画の策定時に女性の参画を促進するなど、男女共同参画での取り組みを地域防災計画へ積極的に反映してまいりたいと考えております。
 あわせて、私自身常々申し上げております、防災対策は生活防災、生活者目線が重要でございます。その生活者目線というのは、とりもなおさず女性の視点を取り入れる方向と御理解いただけたらと思います。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)見直しにつきましてはいろいろと御紹介をしていただきましたが、東日本大震災後初めての昨年12月の防災会議では、防災計画の見直しが一部しか行われなく、3・11の教訓が生かされたというふうに評価できるのかどうか、私自身は疑問に思っております。どうしてそういう問題が発生したのかということを考えてみたいと思っています。
 例えば、被災地に派遣された県の女性職員さんが避難所運営に女性の声を反映するなど、現地での活躍が報告されていますが、派遣職員や被災者の声は見直しに反映されたのかということです。また、今月1日の県の総合防災訓練において、孤立地域の住民を避難する訓練では、当初計画ではヘリ搭乗は健常者5人、しかし、住民の声で車椅子や担架を使って訓練を実施したとのことです。
 障害者団体は、かねてから現実に応じた避難訓練を要望されているとお聞きしています。また、備蓄品についても、例えば赤ちゃんのミルクの場合、必要な粉ミルクや哺乳瓶、水は備蓄されていますが、ばらばらに保管していて役に立たなかったことを教訓に、粉ミルク、哺乳瓶、水、水を沸かすカセットコンロをワンセットにして備蓄しておくことなどの改善をする子育て世代の声も聞いています。このような職員さんの声とか各種団体の声、現場の意見を反映する体制について、知事にお聞きします。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。
 ただいま御指摘いただいたことについては、現場の声を聞きながら、特に今、防災会議のメンバーをふやそうとしております。その中には女性もしっかりと入っていただきますので、現場の声を反映できる体制を一層整備していきたい。そのため、今回も条例の改正をお願いをしているところであります。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)防災会議の状況を見せていただいておりますと、たくさんの中でなかなかそういった意見を発言するというのは難しいのかなと思っていますので、先ほど3つの例を示しましたけれども、そういった現場の声を担当部局、行政がしっかりと把握をしていただいて防災会議にかけていただく、このことも大切だと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、次に、会議の活性化についてです。
 東日本大震災後初めての防災会議ですら、県の提案以外ほとんど意見が出ない状況でした。それぞれの立場で活発に意見を交換する工夫も必要ではないでしょうか。会議の活性化について、知事に伺います。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。
 これまでの防災会議においては、地域防災計画の修正が主な議決事項となっており、関係機関で一定の調整が図られた議案に対して会議の場で確認するという形態となっていたことから、一からの意見が出にくかったのではないのか、つまり、会議の前にかなりもう調整をしていたということで、会議で意見が出にくい場面があったと考えております。私も防災会議の議長をしておりまして、そのようなことは常々感じておりますので、今後、地域防災計画、より一層の充実に向けて、検討課題、意見をいただくような進め方も考えていきたいと思っております。
 また、今議会で提案をしております防災会議条例の改正案が可決をいただきましたら、学識経験者や自主防災組織の方が加わるとともに、女性委員の登用も進められることから、新たな視点での意見も期待でき、会議の活性化、会議の議長として図っていきたいと考えております。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)女性の登用についても今触れていただきましたが、改めて滋賀県防災会議委員の女性の登用についてです。女性の登用は重要で、他都市の先進事例を研究して前向きに対応すると知事はこれまで答弁されています。しかし、この1年、何ら実現はしませんでした。特に、本年5月8日の国の通知を活用すれば、女性の登用は実現できたはずです。昨年10月の調査では、地方防災会議の委員に女性委員がゼロと回答した滋賀県内自治体が36.4%ありましたが、県や県内市町の取り組み状況について知事に伺います。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。
 5月8日の国からの通知を受けて、速やかに女性の登用を取り組むべきではなかったかという御指摘ですけど、その直後の5月18日に災害対策基本法の改正法案が衆議院に提出されたこと、また、直近に防災会議の開催予定がなかったことから、法改正の趣旨を十分に反映できるよう、今議会を待って条例改正をお願いをすることといたしました。なお、県内の市町においても、今回の法改正等を受けて女性の登用が進められると既に聞いております。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)今回の国の災害対策基本法の改正に基づく県の条例改正で、女性委員の登用がどのように推進されるのか、知事に伺います。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。
 今回の条例改正により、防災会議の委員の定数については、全体で10名の増加を予定しております。改正条例案が今議会で可決されましたら、この10名の枠を活用し、まずは女性委員の割合が総委員定数60名の1割以上になることを目標に、具体的な人選に入っていきたいと考えております。
 さらに、次回の委員改選時には、指定地方行政機関と指定公共機関に対して、そもそも、その機関内での女性の役職員等で適任者がおられれば推薦していただくよう依頼するなど、女性委員の積極的な登用を進めてまいりたいと考えております。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)女性委員1割を目指すとの答弁でした。例えば岡山市では、今回の法改正前から防災会議委員の女性委員の登用は49人中20人で40.8%です。審議会委員は、男女どちらかが4割未満にならないように条例で義務づけている結果です。滋賀県男女共同参画計画〜新パートナーしがプラン〜の推進で、女性の登用目標を平成27年度末で40%を掲げていますが、今回の条例改正で実現する女性委員の登用1割というのは、本来、県みずからが手本となって40%に近づけるチャンスだと思うのですが、再度見解を知事に伺います。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。
 私も4割にしたいというのはやまやまでございますが、この今の50人の枠の中で、基本的には充て職でございます。近畿地方整備局の局長であったり、運輸局の局長であったり、さまざまな充て職ですと、充て職の組織そのものに代表となる女性がいないということが大変つらいところでございます。とはいえ、4割を目指してどこまでふやすことができるのか、私としても女性知事として全力で対応していきたいと考えております。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)充て職ということは私も承知をしておりますけれども、県の部局の中でも10人近いメンバーがいるわけですから、そこのところは県の裁量で女性登用も可能だと思うのですが、いかがですか。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。
 ただいま申し上げたように、女性知事として全力を尽くしてまいります。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)ぜひ県から4割を達成するという勢いで、ほかの参加機関につきましても御協力を仰いでいただきたいと思います。
 それでは、大きな3項目めに、地域の防災力の強化についてです。
 南海トラフを震源とする巨大地震の被害状況が公表され、同時に、防災・減災対策により被害を減少できることも示されました。ハード面の対策はもちろんですが、大規模災害では限界があり、自分の命は自分で守る、自分たちの地域は自分たちで守るという観点から、自主防災組織の存在が重要であると考えます。自主防災組織の状況と課題について、知事公室長にお聞きします。
◎知事公室長(東清信君) (登壇)県内の自主防災組織の総数は2,023団体であります。自主防災組織がつくられている地域の世帯数が、その管内全体の世帯数に占める割合を組織率としておりますが、平成23年度の消防庁の調査によりますと、滋賀県は85.5%でありまして、全国では13位となっております。しかし、市町によっては組織率が50%台と低いところがあったり、自主防災組織があっても実際には十分な活動ができていないことなど、課題も多いと認識しております。
 その原因といたしましては、地域の防災活動にリーダーとなって取り組む人がいないことや、自治会長が自主防災組織のリーダーを兼ねていて、1年で交代してしまうこともあり、継続的な取り組みができないことなどが考えられます。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)課題につきまして、特にリーダーとか人材について挙げていただきましたが、私は、自主防災組織への支援についても、資機材の整備などを求める多くの声を聞いておりますけれども、自主防災組織の資機材の整備などについてはどのように考えておられるのか、知事公室長に伺います。
◎知事公室長(東清信君) 自主防災組織の支援につきましては、まず市町が取り組んでいただくことが重要かと思っております。県はそれを支援してまいりたいというふうに考えております。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)資機材等の整備の支援につきましては、制度としてあるというふうに聞いておりますので、できるだけ現場が使いやすいように、また市町とともに連携をしてしっかりと支援をしていただきたいことを要望しておきます。
 次に、先ほど述べていただきました人材についてなんですが、専門的な知識を生かして地域防災力の充実に大きな役割を担っている防災士の育成についてです。
 例えば、大分県の事例ですが、大分県自主防災組織が3,523で、加入率が91%、自主防災組織の代表の多くが、県と同じように自治会長や区長で兼務しているために、自主防災活動がなかなか進まないと。そこで、組織の中心人材に1組織に1人の防災士を育成することを目標に、その必要経費を県と市町が支援をし、現在県内の防災士が1,640人、県の目標がさらにプラス3,000人、全ての自主防災組織に1人の防災士を配置する取り組みを実施されています。
 地域防災力の強化に向けた本気の取り組みを感じるところですが、滋賀県においても、自主防災力強化のリーダーとして防災士を全ての自主防災組織に配置するなど、目標値を持って推進するべきと考えますし、また、その必要経費の支援なども含めて防災士の育成について知事公室長にお聞きします。
◎知事公室長(東清信君) 御提案のありました防災士制度は、地域や職場など、さまざまな場面における防災力の向上を図るための意識、知識、技能を有する人を、日本防災士機構が基準に基づいて認証する制度であります。議員御指摘のように、大分県の場合は、まず県が行う研修を受講することによって、防災士資格取得試験を受験するための履修証明を得ることができ、その後の受験費用や登録費用についても県と市町村が2分の1ずつ負担することとしています。
 本県の場合は、地域の防災組織のリーダーを育成するため、防災士養成研修と同じような内容で自主防災組織リーダー研修会を実施しています。防災士の受験資格を得られるわけではありませんが、受講者には地域のリーダーとしての自覚と知識を持っていただき、地域で活躍していただけるものと考えております。
 御提案の防災士の育成と活用につきましては、先進地の事例なども調査し、その費用と効果を確かめてみたいと思います。その上で、自主防災組織や地域の防災力の強化のために効果的な方策を、その経費も含めまして市町とともに検討してまいりたいと思います。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)ぜひスピード感を持って検証し、実現に向けて取り組んでいただくようにお願いをしておきます。
 最後に、女性消防団についてです。
 8月26日に草津市で実施をしました防災セミナーで、草津市の女性消防団、草津ファイアファイティングレディースの活動をお聞きしました。男性消防団の手薄になりがちな昼間の初期消火や、また地域や学校の防災意識啓発、防災活動にきめ細かく取り組んでおられ、本当に頼もしく感じました。女性消防団の県内の状況と県の取り組みについて知事公室長にお聞きします。
◎知事公室長(東清信君) 昨年4月1日現在での県下の消防団員数は、9,342人と横ばいで推移しております。このうち女性消防団員数は13市町で計184人となっており、この10年間では67人の増加となっております。全体に占める割合は2%にとどまっております。
 御紹介いただきましたように、男性消防員が手薄になる昼間の初期消防や救護、地域や学校でのきめ細かな防災啓発など、女性団員ならではの活動に対する期待も少なくありません。今後ますます女性団員の増加や活動の輪が広がることが望まれます。県といたしましても、企業や大学等に呼びかけまして、消防学校一日体験入校への女性の参加を促すなど、女性に消防団への関心を高めていただけるような取り組みを行い、入団を支援してまいりたいと考えております。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)13市町ということで、まだ女性消防団員がいらっしゃらない市町もあるわけでございますので、ぜひまた市町とともに連携して取り組んで御支援をいただけたらと思います。地域の防災力の強化は、災害だけでなく地域のきずなという面からもまちづくりに大きく貢献するものと考えます。現場の声に応える支援をお願いして、この項の質問を終わります。
 最後に、がん対策について質問します。
 9月15日の滋賀県議会がん対策推進議員連盟主催のがんフォーラムが、多くの方々の御協力のもと、盛会に開催できましたことに心より感謝申し上げます。これからも県民の皆さんとともに滋賀県のがん対策の充実に向けて頑張ってまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 がんは日本人の死因の1位で、生涯のうち2人に1人がかかり、3人に1人が亡くなる国民病と言われています。がんの予防や早期発見、早期治療などが大きな課題となり、本年6月、平成24年度から5年間を対象とした新たな国のがん対策推進基本計画が策定をされ、がん患者を含む国民が、がんを知り、がんと向き合い、がんに負けることのない社会を目指すための取り組みがスタートいたしました。まず、新たな国のがん対策推進基本計画についての所見を知事に伺います。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。
 本県においては、がん予防、早期発見、がん医療の均てん化を基本施策としまして、特に全国的に見ても特徴のある5大がんの県下統一地域連携クリティカルパスの活用や遠隔病理診断によりまして、地域医療との連携体制の推進を図ってきたところであります。特に最近、この遠隔病理診断がようやく実用化の兆しとなりました。病理の医師が不足する県下の病院とつなぎながら、遠隔地で病理的判断をし、場合によっては手術中であってもすぐに診断が下せ、そして処置ができるという、全国的にも初めての取り組み、成人病センター中心に進めております。
 また、今年7月に実施した滋賀の医療福祉に関する県民意識調査では、今後充実を希望する医療分野の1位にがん医療が挙げられておりまして、県民からは大きな期待が寄せられております。こうした中、国のがん対策推進基本計画では、新たな視点として、働く世代や小児へのがん対策の充実が取り入れられており、がんになっても安心して暮らせる社会の構築の実現が何よりも重要であると考えております。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)滋賀県として先進的な取り組みをしていただいておりますことに本当にありがたいなと思っております。私も、小児がんとかがん教育、がん予防がこの新しい国の計画で明記をされたこと、また、成人喫煙率の数値目標を初めて掲げたこと、予防できるがんとして胃がん対策について言及していることは特筆できるのではないかと私自身は考えております。
 2点目は、今回の国の新たながん対策推進基本計画により進められています県のがん対策推進計画の見直しについてです。
 まず、これまでの滋賀県がん対策推進計画の検証と課題について、健康福祉部長に伺います。
◎健康福祉部長(渡邉光春君) (登壇)これまでの滋賀県がん対策推進計画の検証と課題についてでございますが、平成20年12月に策定しました滋賀県がん対策推進計画は、がんの予防、早期発見、がん医療、医療機関の整備、相談支援、がん登録の6つの分野別に取り組みを進めてきたところでございます。これら分野別に検証いたしますと、目標を達成したのは、がん診療連携拠点病院の指定など医療機関の整備と、がん相談支援センターの設置など、相談支援の2分野でございます。また、目標に近づきましたのは、緩和ケアなどのがん医療と、がん患者の罹患状況などを把握するがん登録の2分野でございます。
 課題としましては、目標に届きませんでした生活習慣の改善によるがんの予防と検診による早期発見の分野です。具体的には、予防知識の一層の普及であり、受診率の一層の向上であり、特に働き盛り世代の受診促進が課題と考えております。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)検証をもとにした課題を示していただきましたが、緩和ケアの充実は大きな成果だったと私自身も感じております。ただ、緩和ケアが現場に浸透していないなどの状況があり、実感できる体制が求められていると考えますが、いかがですか。健康福祉部長に伺います。
◎健康福祉部長(渡邉光春君) 私も御指摘いただいた実感できるというのは非常に重要だと思っていまして、まさしく医療の現場と私どもが同じ方向の中でさらに進めることによって実感を持ったものができると考えております。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)それらの課題をもとにして、これから新たな滋賀県がん対策推進計画を進めていかれるわけですけれども、その中で、特にがん医療において、放射線療法、化学療法、手術療法のさらなる充実とチーム医療の推進について、国はチーム医療体制の整備や緩和ケアチームや緩和ケア外来の充実を掲げていますが、県の取り組みについて健康福祉部長に伺います。
◎健康福祉部長(渡邉光春君) お答えいたします。
 本県におきましては、がん連携拠点病院全てに何らかのチーム医療が導入されていまして、特に緩和ケアチームは全て設置されております。このように、国での次期計画での量的な目標は、一定、達成はされておりますが、次期の県計画の取り組みとしては、質の向上を視点におきまして、先ほど実感の持てる話もございましたけども、患者の副作用、合併症、その他の苦痛に対しても迅速かつ継続的に対応できるチーム医療の質を向上させていきたいというふうに思っております。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)次に、国が新たに取り組む小児がんについてです。
 小児がんは、子供の病死原因の第1位で、年間2,000人から2,500人が発症すると聞いていますが、県内の小児がん患者の現状と課題について、健康福祉部長に伺います。
◎健康福祉部長(渡邉光春君) お答えいたします。
 県内の小児がん患者として把握しておりますのは、平成23年度末で小児慢性特定疾患の公費負担受給者163人でございます。県ではこれらの人を対象に、本年6月、小児がん患者の実態調査を行いましたところ、75人の回答がありまして、その状況を見ますと、58%の人が乳幼児期に発症しているという状況でございました。病名で最も多いのは白血病21人、次に脳腫瘍の15人という現状であります。
 課題としては、長期にわたる治療、成長に応じた養育、治療と教育の両立と考えております。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)今お聞きしましたように、163人の患者さんがいらっしゃるわけですけれども、専門病院の関係で、県内外で治療を受けておられるようです。本人や家族への負担は大きなものがあると思うのですが、何か具体的な支援があるのでしょうか。健康福祉部長に伺います。
◎健康福祉部長(渡邉光春君) 具体的には、今先ほど申し上げましたように、いわゆる小児慢性特定疾患としての公費負担というのが今の現状でございます。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)これから新たに取り組まれるわけですので、支援の充実に向けてもしっかりと取り組んでいただきたいなと思っています。
 また、国は5年以内に小児がん拠点病院を整備し、小児がんの中核的な機関の整備を開始するとしていますけれども、今後、全国で1カ所の中核機関、全国10カ所の拠点病院、そして地域の病院でネットワークを構築し、専門的な医療を実施するとともに、患者と家族を長期にわたって支援することが重要だと考えますが、見解を健康福祉部長に伺います。
◎健康福祉部長(渡邉光春君) お答えいたします。
 国から、拠点病院は全国で10カ所、近畿ブロックにしますと1から3カ所指定するとの説明を受けています。ただ、その指定に当たっての詳細は明らかではございません。いずれにいたしましても、専門医療の実施に当たりましては、国から指定される拠点病院と県内の医療機関との効果的なネットワークの整備のあり方について、がん診療連携協議会での意見も参考にしながら、医療審議会で議論いただき、本県におきます小児がんの専門的医療の提供体制の整備を図っていくことが必要と考えております。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)患者の支援もお答えいただいたらよかったのかと思いますが、今、近畿1カ所から3カ所ということですが、国は11月末にも指定するというふうに伺っていますけど、県内の小児がん拠点病院の設置の見通しについてどうでしょうか。健康福祉部長に伺います。
◎健康福祉部長(渡邉光春君) 国の指定の関係は、私も詳細は聞いてはないんですが、ただ、指定要件としては、一番問題はいわゆる診療例ですね。今までの実績がどうであるかというようなことが非常に論点になるのではないかなと思っています。また、専門的な医師とかメディカルスタッフ、それは県内においても一定そろっているわけですが、そうした診療例の例が他府県と比べてどうなのかというとこら辺が一番ポイントで、滋賀県における指定がされるのか、また、病院、これは医療機関、あるいは大学病院等々の意欲的なこともありまして、みずから手を挙げるかというふうなことも問題があります。そういうふうなことを踏まえて、県としては当然本県にそういう指定されるような病院が出てくるようにもしてまいりたいと思っていますし、ただ、問題は、先ほど先生は11月とおっしゃいましたが、私の聞いておりますのは、まだまだ詳細が詰まっていないということで、まだまだとのように聞いております。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)私は11月末に決まるというふうに聞いておりまして、県内の病院でも手を挙げていらっしゃる病院もあるというふうに聞いておりますので、ぜひ県内の小児がん拠点病院が設置されたらいいな、そのように希望しているところでございます。かなわなくても、やっぱりしっかりとした連携によって専門的な医療が受けられるように、これからしっかり連携した取り組みをしていただきたいと思っております。
 次に、がん教育の推進についてです。
 例えば、がん教育に先駆的に取り組んでいる東京大学医学部附属病院の中川准教授が各地の学校で展開しておられるがん教育、生きる教育は、子供が親に逆教育しているほどの効果があると。また、東京都豊島区は、独自に開発した教材で、公立小中学校全てで、がんに関する教育を開始しているとしています。
 そこで、県のがん教育の状況と今後の取り組みについて健康福祉部長に伺います。
◎健康福祉部長(渡邉光春君) お答えいたします。
 県のがん教育の状況ですが、平成21年度から毎年、県民向けがんフォーラムを開催しております。また、22年度からは子宮頸がん予防ワクチンの接種促進のため、中学生、高校生の保護者向けにチラシを配布し、指導に当たる教職員を対象とした研修会を実施しております。
 今後、健康教育の充実の中で、正しいがん知識を普及することは非常に重要と私どもも考えておりまして、子供からの正しいがん知識を普及していくにはどういう方法が効果的だということを検討していく必要があるというふうに思っていますし、現時点で想定していますのは、例えば副読本などの作成の検討も必要かと考えております。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)滋賀県におきましても、がん教育がしっかりと充実されるように期待をしているところでございます。よろしくお願いします。
 次に、がん患者の就労を含めた社会的な問題について、国は、がんになっても安心して働き暮らせる社会の構築を目指すとしていますが、がん患者の就労を含めた社会的な問題について、県の現状と今後の取り組みについて健康福祉部長に伺います。
◎健康福祉部長(渡邉光春君) お答えします。
 現在、これまでと言ったほうがいいんでしょうが、がん患者の就労の実態といった側面はなかなか浮き彫りにされていませんでした。今回、がん対策の推進基本計画の新たな取り組み、これは全国的にも同じなんですが、いわゆる働く世代のがん対策が取り上げられることになったということで、そういうことを、これまでの経過も踏まえまして、今後、がん患者の就労の実態把握を進めることが必要と考えておりまして、そうした内容を踏まえまして、地域における就労に関する相談支援や職場でのがん患者への理解の促進のため、必要な対策の検討が必要と考えております。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)国が目指しているように、がんになっても安心して働き暮らせる社会の構築に向けて滋賀県でも取り組んでいただきたいと思います。
 次に、3点目は、がん予防についてです。
 がんの原因は、喫煙や過度の飲酒、肥満などが指摘されていますが、がんを防ぐ決定的な方法は見つかっていないのが現状です。だからこそ、がん検診で早期発見することが極めて重要です。しかし、がん検診の受診率は2割程度と低い状況です。がんになれば、手術や抗がん剤などの高額治療費や長期にわたる治療による患者や家族の負担が極めて重く、働き手そのものの人材を失う日本社会の損失ははかり知れません。まず、がんに係る医療費負担の現状について健康福祉部長に伺います。
◎健康福祉部長(渡邉光春君) お答えいたします。
 国民健康保険における本県の医療費総額は、平成23年度で約1,014億円、1人当たり医療費は約31万円であります。
 今後の予測ですが、国保の医療費は、平成20年度以降平均で約3.3%伸びております。高齢化の進展や医療技術の進歩からも今後さらに伸びるものと考えられ、このままの伸びで予測しますと、5年後の平成29年には220億円増の1,234億円になると推計しております。
 がんに係る医療費についてですが、国保連合会の疾病分類別統計によりますと、がんに係る医療費は総医療費の約15%を占めておりまして、年間では約149億円と推計をしております。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)患者さんの治療費の負担も大変厳しい状況をお聞きしております。医療費抑制のためにも治療重視の医療から疾病の予防重視に転換が必要と思いますが、見解を健康福祉部長に伺います。
◎健康福祉部長(渡邉光春君) お答えいたします。
 がんは加齢により発生のリスクが高まり、高齢化が進む中、がん患者はさらに増加していくものと予想されます。このことからも踏まえましても、予防重視の考え方は重要と思っております。
 このため、県のがん計画におきまして、がん予防を重点的に取り組んでいくこととしておりまして、結果としての医療費の抑制につなげていきたいと考えております。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)患者さんの負担が少しでも軽くなるように願っているものです。
 次に、がん検診の状況についてです。
 2010年国民生活基礎調査では、女性特有のがん検診受診率が大きく上昇していますが、子宮頸がん、乳がん、大腸がんの無料クーポン導入後の効果はどうか、評価と今後の取り組みについて健康福祉部長に伺います。
◎健康福祉部長(渡邉光春君) お答えいたします。
 子宮頸がん、乳がん、大腸がんの無料クーポン券導入後の効果でございますが、例えば、乳がんでは40歳から60歳の5歳刻みの節目年齢に無料クーポンを配布しておりますが、平成23年度に県内の市町が実施したがん検診において、無料クーポンの配布された節目年齢の受診率は、県全体の受診率に比べまして、乳がんで8.9ポイント、子宮頸がんで7.4ポイント、大腸がんで3ポイント高く、受診促進に大いに効果があったと言えます。このことから、市町が実施しますがん検診推進事業に対し、引き続き国庫事業が継続して行われるよう国に要望をしているところでございます。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)県の受診状況と課題について、また、さらに目標50%に向けて受診率をどのように向上させていくのか、健康福祉部長に伺います。
◎健康福祉部長(渡邉光春君) お答えいたします。
 平成22年度の国民生活基礎調査によりますと、本県のがん検診の受診率は、胃がん27.9%、肺がん16.3%、大腸がん24%、乳がんは29.3%、子宮頸がんは29.2%です。
 がん検診受診率の向上に向けた対策ですが、市町における検診の実施に当たり、対象者への個別通知の徹底や未受診への勧奨などをきめ細かく行うよう助言しているところでございます。
 さらに、がんフォーラムの啓発や地域・職域連携会議の開催など、事業者、保険組合などとともに受診率向上に取り組んでまいります。特に、検診を受けることの必要性やメリットについての広報啓発が一番重要とも考えているところでございます。
 これらの取り組みを今後とも市町や保険者とともに継続的に行い、着実に受診率を向上させることが重要と考えております。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)がん予防のためにもしっかりとがん検診を受けていただくように取り組んでいただきたいと思います。
 特に、今回は胃がん撲滅に向けたピロリ菌検診について伺います。
 胃がんは、年に11万人が発症し、5万人が死亡。胃がん検診の受診率も低い状況です。アンケート調査で、バリウム検診は苦痛だとする住民の声も多く、血液検査でできる簡単なピロリ菌検査を実施することで受診率も向上できると考えます。
 ピロリ菌は胃の中に生息している細菌で、1982年に発見され、1994年には世界保健機構がピロリ菌を発がん因子であると認定し、除菌治療を勧めています。日本でも胃がんの原因の95%はピロリ菌であり、感染症であるということがわかってきました。ピロリ菌ABC検査とは、血液検査で胃がん発症のリスクを明らかにし、その結果、リスクのある人は専門家の精密検査を行うことで、対象を絞った効率的な胃がん検診を行うことができます。また、ピロリ菌が発見された場合は、早期に除菌し、胃がんになる危険性を大きく低減させることができます。
 胃がん検診や特定検診に血液検査によるピロリ菌ABCリスク検査を実施するべきと考えますが、見解を健康福祉部長に伺います。
◎健康福祉部長(渡邉光春君) お答えいたします。
 がん検診は、国の「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」に沿って行うこととなっております。御質問の検査は、この指針に位置づけられておらず、また、国立がん研究センターによる有効性評価に基づく検診ガイドラインにおきましても、死亡率減少効果が不十分なことから、市町などにおける住民検診には推奨はされておりません。本県においても、有効性が実証されている現在のがん検診を選択しているところです。
 今後、国において効果が確認され、指針に位置づけられたときには、公共的な検診として対応してまいることとしたいと考えております。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)胃がん予防のために検診を受けてほしいとの思いで、住民や医療機関からピロリ菌検診の要望が出ているわけです。これまでの検診やワクチン接種などは、厚労省というよりは住民や医療機関の現場の声が国を動かしてきた事実があります。県もそのような現状を直視して、胃がん検診ピロリ菌ABC検診を追加することにつきましても、現場の声を重視する取り組みを要望させていただきます。
 次に、子宮がん検診について。年間1万5,000人が罹患し、3,500人が死亡します。特に20代から30代の罹患率、死亡率が顕著で、予防ワクチン接種補助を実施して、ワクチンによる予防と検診で対応しています。現在実施している細胞診にヒトパピローマウイルス検査を同時に実施することによって、早期発見がさらに確実になってきますが、子宮がん検診の今後の見通しについて健康福祉部長に伺います。
◎健康福祉部長(渡邉光春君) お答えいたします。
 子宮頸がん検診におけるヒトパピローマウイルス、いわゆるHPV検査の同時実施についてでございますけども、県内の市町においては現在実施しておりませんが、厚生労働省におきますと、来年度からHPV検査を全国的に実施の方向と聞いております。今後、国の予算の状況を確認しまして、速やかに市町へ情報提供を行い、県内における円滑な実施を進めてまいりたいと考えております。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)子宮がんから女性を守る対策について、さらに充実されますように期待をしているところでございます。
 最後に、肝炎、肝がんについて。年間約3万人が死亡し、1975年と比べて約4倍にふえています。血液検査で簡単にチェックできるため、定期検診に追加すれば多くの人が検診を受診できます。また、肝炎予防ワクチンについては、世界保健機構は、1992年に、生まれたらすぐにこのワクチンを国の定期接種として接種するように指示しており、世界158カ国で定期接種になっています。予防できるがんは、まず予防することが重要で、子宮頸がんワクチンの経験を生かして、肝がん予防ワクチン接種を実施するべきと考えますが、見解を健康福祉部長に伺います。
◎健康福祉部長(渡邉光春君) お答えいたします。
 本県におきましても、B型肝炎ワクチン等の定期接種化を進めるべきであると考えておりまして、これまでから国に対して要望しているところでありまして、引き続き国に働きかけをしていきたいと思っております。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)がん検診は、日本は世界の流れから約20年おくれています。ようやく国は新がん推進基本計画の中で胃がんとピロリ菌の関係を認めるなど、また、大津市は10月1日からピロリ菌ABC検診も開始しました。このようなことを参考にして、ぜひ県民の声を反映した新たな滋賀県がん対策推進計画の策定を要望して全ての質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○副議長(山田和廣君) 以上で、21番粉川清美さんの質問を終了いたします。
 次に、11番駒井千代さんの発言を許します。
◆11番(駒井千代さん) (登壇、拍手)通告に従いまして質問をさせていただきます。
 まず、大項目1問目は全て知事に伺います。
 ことし6月20日から22日まで、ブラジル、リオデジャネイロ市において開催された国連持続可能な開発会議、通称リオ+20は、約120カ国の首脳を初め、国連史上最大という約5万人が参加されました。成果文書「われわれの望む未来」には、持続可能な発展のために、環境保全と両立した経済社会を目指す考え方であるグリーン経済が重要な手段と認識されたほか、貧困問題などに力を入れるよう明記され、持続可能な開発目標を2015年までに策定することも決まりました。
 しかし、経済活動を制限されることを懸念する発展途上国の抵抗は激しく、グリーン経済の達成そのものは各国の自主的な取り組みに委ねられ、欧州連合などが求めた数値目標や達成時期の明記が見送られたことは非常に残念なことであります。
 さて、今回、「グリーン・イノベーション−復興への力、世界との絆」をテーマに出展された官民共同のジャパンパビリオンは好評を博したとお聞きしています。行政団体では、東京都、横浜市、北九州市と並んで、滋賀県も国際湖沼環境委員会──ILECとともにブース展示を行い、各国政府やNGO関係者等に向け、琵琶湖の環境保全や湖沼とその流域のガバナンスの強化を提唱する施策を紹介されたと仄聞しております。ILECからは、私も昨年参加させていただいた湖沼会議で採択されたオースティン宣言、これは統合的流域管理の考え、それをリオ+20にて発信するとのことでしたが、滋賀県とILECとの出展について、各国、参加団体の反応はどうであったか、この会議で滋賀県が得たもの、今後の課題について伺います。
 次に、リオ+20では、滋賀県は近い水と遠い水、飲水思源についての説明をされましたが、水と人とのかかわりを改めて見直すマザーレイク21計画第2期につきましては、先般9月16日にマザーレイクフォーラムが開催され、進行管理について確認がされたところです。現在の進行状況についてお伺いします。
 次に、新興国が目覚ましい経済発展をしていく一方で、従来は見られなかった国での湖沼の汚染問題が顕在化しています。最近では、中国やアフリカの経済発展も著しく、水に対する基本的理解が不足しているために対策が追いついておらず、今後の悪化が懸念されます。今回の会議を通して、初めて滋賀の取り組みを知っていただいた方もいるようで、まだまだ滋賀の取り組み、理念が世界に伝え切れていないように感じております。
 世界湖沼会議の今後のあり方については、昨年の11月議会でも質問をさせていただきましたが、今回NGOの活発な活動を聞くにつけ、このような多様な主体に世界湖沼会議に参加いただくべく、さらなる発信力の強化が望ましいのではないかと考えます。世界湖沼会議は、昨年で一巡したため、今後、次回からは3年ごとの開催とされています。次回15回目に向けて、これを機に、新たな湖沼問題を抱えるに至った国や、世界で湖沼問題など水の問題について取り組んでいるNGO、NPOに対し、湖沼会議への積極的な参加を呼びかけてはいかがでしょうか。所見を伺います。
 リオ+20が開催された今回のブラジルの会場は3会場あり、会場によっては1時間半ほど離れていたものの、参加者の往来に距離的な支障はなかったと仄聞しています。7月に滋賀県で開催された先進陸水海洋学会、通称ASLOは、琵琶湖ホール、ピアザ淡海、コラボしが21と近隣3会場での開催でしたが、これ以上の大きい会議となりますと、厳しい財政状況のもと、より大きなホールの新たな建設は現実的ではありません。さらに大規模な国際会議については、滋賀単独での誘致は難しく、大阪府、京都府とあわせて招致することが必要となってくると思われますが、このような連携の可能性も含めて、滋賀県への国際会議誘致について所見を伺います。
○副議長(山田和廣君) 11番駒井千代さんの質問に対する当局の答弁を求めます。
◎知事(嘉田由紀子さん) (登壇)駒井議員の「国連持続可能な開発会議(リオ+20)を終えて」に関して、4点の御質問にお答えいたします。
 まず、1点目のジャパンパビリオンの出展について、各国の反応、会議で得たもの、今後の課題でございます。
 パビリオンの来館者総数は1万8,000人を超え、本県としても、自治体としては4つのうちの1つでありまして、各国政府やNGO関係者等に対し、大きく3点の発信をいたしました。1点は、滋賀県ならではの伝統的な水の使い方を含め、近い水の再生の重要性、また2点目は、これまで滋賀県で取り組んできた琵琶湖の環境保全に関する行政、科学的対応、そして3点目が、ILECを中心に行ってまいりました湖沼とその流域のガバナンスの強化、いわゆる統合的流域管理に関する発信でございます。
 まず、来訪者の反応ですけれども、その多くは、水問題を抱えた政府、NGO関係者であり、利害関係者が多数存在する水問題の解決には、住民、科学者、行政等多様な主体が参加して、湖沼と流域の管理を一体的に進めてきた本県の経験は大変参考になるとの意見をいただきました。そもそも本県のパビリオンが県とILEC共同で出したということも御評価をいただきました。
 また、2点目に、近い水のコンセプトは日本らしい考え方であり、例えば、エコサントイレなどの使い方についても、先進技術の展示だけでなく、伝統的な水とのかかわりについて、途上国の方からのこのコンセプト発信に対する重要性を認識いただき、感想をいただきました。さらに、出展を通じて、持続可能な社会づくりや地球環境問題に取り組む国内外の政府、NGO、民間企業関係者との人的ネットワークもつくることができました。
 今後、地球上では、人口の急激な増加と社会の発展に伴い、多くの地域で水不足や水質汚染が一層深刻化することが懸念されております。20世紀が石油の時代であったのと対比されて、21世紀は水の時代であると言われております。そういう中、これまで琵琶湖を守ってきた滋賀県としての経験を世界に発信することは、滋賀ならではの国際貢献であり、責務であると考えております。引き続き、あらゆる機会を通じてこれらの経験を発信し、世界に貢献していきたいと考えております。
 次に、2点目のマザーレイク21計画第2期の進行状況でございます。
 この第2期計画については、昨年の9月議会で議決をいただき改定をし、1年がたとうとしております。その間、ことしの3月には、県民、NPO、事業者など多様な主体が分野を超えて交流しながら、計画の進行状況について評価、提言をいただく場としてマザーレイクフォーラムを立ち上げ、設立シンポジウムと円卓会議を開催をいたしました。言うまでもなく、このマザーレイク、2つの柱がございます。生態系の再生、保全とあわせて、湖と人々のかかわりの再生です。特にこのかかわりの再生がマザーレイクフォーラムの役割でございます。
 去る9月16日には、びわコミ会議とこれまでの円卓会議を改称して、第2回目の会議を開催いたしました。びわコミ会議は、3つのコミ、つまり地域に根差すというコミュニティーのコミ、対話を大事にするというコミュニケーションのコミ、そして、みずからできること、かかわりというコミットメントのコミの3つの意味を込めております。当日、駒井議員にも御参加をいただき、ありがとうございました。
 当日は、午前中に計画の評価会議を開催し、計画に掲げた各種指標の達成状況を確認しながら評価をしていただき、午後には「さかなの旅、ふたたび〜取り戻そう、山・里・湖のつながり〜」と題して、さまざまな立場の方を交えて、これからの施策の方向性について議論を行いました。河川についてはアユグループ、内湖、水田についてはフナグループ、学習の手法についてはメダカグループと、3つのグループで大いに盛り上がって協議、方向を議論いただきました。
 こうした会議を定期的に開催することで、意見や方向性を施策に反映させながら、マザーレイク計画の目標を達成することができるよう、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、3点目の第15回世界湖沼会議について、湖沼問題に取り組んでいるNGO、NPOに対し、湖沼会議への積極的な参加を呼びかけてはどうかとの御質問でございます。
 湖沼会議は、湖沼問題の解決は多様な主体の参加なくしてはなし得ないとの故吉良龍夫先生が提唱された基本理念のもとに、研究者、行政だけでなく、住民が集まり、まさに3者が一堂に集うことができるよう、広く参加を呼びかけて、1984年以来開催をしてまいりました。琵琶湖の環境問題に先進的に取り組む住民が参加することは、世界の同様な問題で苦しむ湖沼にとっては、モデルの事例として参考にしていただけると考えております。また、地域で活躍される住民団体が、世界の舞台で発表することで、ローカルからグローバルへと視野が広げられるとともに、活動への意欲も高まるよい機会になるとも考えております。
 次回の開催地はまだ未定ですが、現在、主催団体の財団法人国際湖沼環境委員会──ILECにおいて、こうした会議の理念を示した上で、希望を募り、絞り込んでいるところでございます。今後とも世界のNGOやNPOなどがより多く参加し、活発な交流をいただける湖沼会議となるよう、ILECの持つ海外や国内のネットワークなどを通じて広く参加を呼びかけてまいりたいと考えております。
 次に、4点目の国際会議誘致についての所見でございます。
 本県では、かねてよりびわこビジターズビューローと連携しながら、国際会議の誘致に努めており、平成23年度は、東アジア生態学連合大会など6件の国際会議の開催を支援をいたしました。また、ことしは、議員御指摘のように、ASLOという大変大規模な会議も招致いたしました。そういう中で、参加者数は年々ふえておりまして、例えば、平成19年750人、20年1,300人ほどであったのが、23年には4,330人とふえております。
 そういう中で、特に大規模な国際会議の誘致については、議員御指摘のとおり、広域で取り組むことも有効でございます。関西広域連合では、昨年度策定した関西観光・文化振興計画の中で、関西を1つのエリアとして広域的な国際会議の誘致に取り組むこととしております。先般、私自身参加しました中国でのトッププロモーションでも、国際会議を含め、関西の魅力をアピールしたところであり、MICEの誘致もアピールしてまいりました。今後とも関西広域連合の中でさまざまな府県、大阪の持っている都市中心性、商業の中心、京都の文化にプラスして滋賀の水上、湖上の、あるいは環境学習の拠点としての個性など、それぞれ異なった個性を持ち合うことで、関西として積極的な誘致活動を展開してまいりたいと考えております。
◆11番(駒井千代さん) (登壇)前向きな御答弁ありがとうございます。滋賀というのはなかなか小さくて、東京都や京都府などと同じような形ではまだまだ知られていないんですが、先ほどのASLOの会議でもそうですが、比叡の山並みを見ていただき、琵琶湖を見ていただくと、本当に喜んでいただけました。知っていただくと本当に喜んでいただけますので、やはり今後とも発信力の強化というのはしていただきたいとお願い申し上げて次の質問に移りたいと思います。
 文部科学省の学校基本調査速報によりますと、大学卒業者55万9,030人のうち、就職した人は35万7,285人、そのうち契約社員など非正規雇用の就職が2万1,990人でした。一方、進学も就職もしていない人のうち、就職準備などもしない、いわゆるニートに相当するのは3万3,584人とされています。就職氷河期と言われた1990年代からの若年無業者、いわゆるニート、フリーターの問題、派遣法改正による非正規雇用の拡大、2011年、8.2%という高い若年失業率からは、若者の学校から社会、職業への移行が円滑に行われていない点が浮き彫りにされました。また、職業意識、職業観の未熟さ、進路意識、目的意識が希薄なまま進学する者の増加、さらには、近年発達障害や引きこもりの問題など、若者の社会的、職業的自立に向けては、さまざまな課題が見受けられます。
 平成24年版子ども・若者白書によりますと、10代、20代の若者を対象にした調査では、十分な収入が得られるか、老後の年金はどうなるか、きちんと仕事ができるかなどについて不安を感じる割合が8割を超える高さとなっています。少子高齢化といえば、高齢者の社会保障費の増大が論じられることが多いわけですが、2050年には二十から64歳の生産年齢人口の1.2人で高齢者1人を支えることになるとも言われる、いわゆる現役世代が従来と同様に支える存在でいられるのか、その根幹が揺らぎつつあると言えます。
 仕事についていない若者でも、若いうちは親との同居や支援も期待できますが、40歳を超えるころになりますと、親が亡くなったり、また転職、再就職もかなり厳しくなると思われます。就職氷河期に社会に出た世代が40歳を超えるようになり、今後フリーター、ニート問題がさらに顕在化してくれば、貧困層の拡大にもつながるだけではなく、将来の社会保障財政、財源にも大きな影響を及ぼすことになるのではないでしょうか。
 滋賀県でも、滋賀県未来構想8つの取り組みの中で、「働く場への橋架け」として、雇用対策を重点施策の1つにされていますが、今回は特に若年者の雇用問題について質問させていただきたいと思います。
 そこで、まず、ことし3月に開設されたおうみ若者未来サポートセンターについて伺います。
 おうみ若者未来サポートセンターは、幅広く就労に関する支援をワンストップでサポートするため、大津駅前のヤングジョブセンター滋賀や国のハローワークなどを今回草津に集結したものです。特にハローワークの移管問題は、国との調整が難しく、関係各位には大変御尽力をいただきました。さきの子ども・若者白書によりますと、働くことを支援する公的な相談機関等の認知度調査では、ハローワークが90%で最も高く、ジョブカフェは24.3%、地域若者サポートステーションは6.8%となっております。
 新しいおうみ若者未来サポートセンターは、若者が利用する店舗が多い場所に開設されたことで、立ち寄りやすく、利用者の増加が見られると仄聞していますが、開設から半年を経たこのおうみ若者未来サポートセンターの現在の利用者数について商工観光労働部長にお伺いいたします。
◎商工観光労働部長(堺井拡君) (登壇)若者雇用対策についての御質問にお答えします。
 まず、おうみ若者未来サポートセンターの現在の利用者数についてでございますが、当センター内の各支援機関の本年4月から8月までの状況は、まず、ヤングジョブセンター滋賀は、来所者数が6,651人で、前年同期と比べ1,018人、約18%増加しております。
 次に、滋賀県地域若者サポートステーションの来所者数は798人で、前年同期と比べ56人の増加となっております。
 また、滋賀の“三方よし”人づくり推進センターにおきましては、県内中小企業への就職を支援するため、現在、4期生49人の人材育成に取り組んでおり、さらに11月からは5期生50人の受け入れを予定しております。
◆11番(駒井千代さん) (登壇)ただいま部長の御答弁により、増加しているというふうにおっしゃいましたが、その原因についてはどのように分析されていますでしょうか。商工観光労働部長にお伺いします。
◎商工観光労働部長(堺井拡君) お答えします。
 利用者数の増加の分析についてですが、1つには、依然として厳しい就職環境が続いている中で、支援に対するニーズが高いというふうに思っております。2つ目には、センターを設置したJR草津駅前は、アクセスがよく、また近隣に多くの大学がありますことから利用がしやすいこと、あわせて、センターにおきましても大学へのPRに努めております。3つ目には、若者の就労支援機関を一体化させ、相談から就労までの一貫した支援により、利用者の利便性が高まっていると、こういったことなどによるものと考えております。
◆11番(駒井千代さん) (登壇)支援を要する若者がふえているということなどをおっしゃっていただきました。
 次に、機関の連携についてお伺いします。
 おうみ若者未来サポートセンターには、滋賀県が実施するヤングジョブセンター、滋賀労働局が実施する滋賀新卒応援ハローワーク、滋賀わかもの支援コーナー、厚生労働省から委託を受けた滋賀経済産業協会が実施する若年者地域連携事業事務局、厚生労働省と滋賀県から委託を受けた滋賀県中小企業家同友会が実施する滋賀県地域若者サポートステーション、滋賀県の委託を受けたオムロンパーソネル株式会社が実施する滋賀の“三方よし”人づくり推進事業が一体となって運営体制がとられています。
 これらの機関は、場所は1カ所に入っているわけですけれども、機関同士の連携はできているのでしょうか。商工観光労働部長にお伺いします。
◎商工観光労働部長(堺井拡君) お答えします。
 各機関の連携状況についてでありますが、当センターは、各支援機関が持つ強みを発揮し、相談から就職までの一貫した支援をワンストップで提供しようとするものでありまして、各機関の緊密な連携は不可欠なものであります。そのため、同一フロアにあることの利点を生かしまして、日ごろから情報の共有を図るとともに、それぞれの強みやノウハウを出し合って、事例研究や支援方法について意見交換を行っております。さらに、ヤングジョブセンター滋賀の所長を中心といたしまして、定期的にリーダー会議を開催し、双方の情報交換を行っているところでございます。
◆11番(駒井千代さん) (登壇)ありがとうございます。
 次に、この運営主体は、先ほど申し上げたように、国と県のかかわりはございますけれども、市町との連携はどうでしょうか。商工観光労働部長にお伺いします。
◎商工観光労働部長(堺井拡君) お答えします。
 市町との連携についてでございますが、まず、ヤングジョブセンターでは、市町から提供されました就職面接会等の情報を登録者にメールで周知をしております。それから、地域若者サポートステーションでは、市町からの要請や地域性を考慮いたしまして、現在、米原市、高島市、日野町で月1回から2回の出張相談を実施しているというところでございます。
 今後とも各支援機関におきましては、出張相談を初め、どのような連携が市町とできるのか、市町の意見も十分聞いて検討していきたいと考えております。
◆11番(駒井千代さん) (登壇)ただいま部長より市町の連携についておっしゃっていただけたわけなんですけども、最近若者の失業者がふえてきている、そのことは生活保護を受ける方がふえているんですね。この生活保護というのは、ほとんど市の場合は市の管轄、町の場合は県のほうが管轄したりはするわけなんですが、これも健康福祉部の所管となっております。このように、市町の連携というのは福祉との関係で非常に連携が今後強くなってくるわけなんですが、その点の認識も含めて連携を考えていただいているのか、いま一度確認をさせていただきたいと思います。商工観光労働部長、よろしくお願いいたします。
◎商工観光労働部長(堺井拡君) お答えします。
 市町との連携なんですが、今お答えしました市に対する出張相談につきましては、市のほうが少年非行の目的で実施されております少年センターのほうへ出向いて出張相談をさせてもらっているというようなことでございます。単に雇用の問題は雇用だけで片づくわけではございません。それによって議員おっしゃいました生活保護の問題ともかかわってまいります。十分健康福祉部のほうと意思疎通を図りながら進めてまいりたいと考えております。
◆11番(駒井千代さん) (登壇)ありがとうございます。
 次に、実際にワンストップサービスを開始して、課題は出てきていないでしょうか。商工観光労働部長にお伺いいたします。
◎商工観光労働部長(堺井拡君) お答えします。
 センターの課題についてでありますが、当センターは、若者の支援機関をワンフロアで共同運営しているものであります。それぞれの支援機関は、独立して施設運営を行っているというようなところです。このため、支援記録の共有などの連携は図っておりますが、例えば、センター全体として支援計画を策定するとか、総合的なコーディネートまでは実現するには至っていないというのが現状であります。また、職業訓練の受講、あるいは雇用保険の受給手続につきましては、センター内のハローワークではできません。居住地のハローワークに行く必要があるといった制度的な課題があります。今後とも、こうした課題解消に向けましては、各支援機関や滋賀労働局と協議を行ってまいりたいと考えております。
◆11番(駒井千代さん) (登壇)ありがとうございます。
 次に、就職活動でのつまずきや、コミュニケーション能力の不足などから臨床心理士のカウンセリングが必要な方も多いと聞いております。地域によっては臨床心理士の予約が1カ月先まで埋まっているところもあるようですが、滋賀県のサポートセンターでの予約状況はいかがでしょうか。商工観光労働部長にお伺いします。
◎商工観光労働部長(堺井拡君) お答えします。
 臨床心理士相談の予約状況についてでございますが、地域若者サポートステーションや滋賀新卒応援ハローワーク、それから若年者地域連携事業事務局、この3つの機関におきまして臨床心理士合計3人が配置されております。この3つの機関が共同で週3回のカウンセリングを行っていると、そういう状況にあります。現在は、予約はほぼ埋まっている状況にはありますけども、おおむね利用者の希望に沿った相談が行われているというふうに判断をしております。
◆11番(駒井千代さん) (登壇)予約は多いですけど、今のところは大丈夫ということで、ありがとうございます。
 次の質問に移ります。
 ニートや引きこもりの若者が就職していくには、社会とのつながりをつくること、コミュニケーション能力の向上、仕事とは何かについて、挨拶の仕方を含めて学ぶことがまず必要とされています。この点、2001年という早くから若者の雇用問題に向き合って取り組んでいるNPO法人育て上げネットを今回調査させていただきました。この育て上げネットは、一人でも多くの若者が職業社会に参加し、自立するための支援として幾つかの事業をされています。主な活動として、1カ月ごとに最大3カ月先まで各自に合わせた支援計画を策定し、職業体験や地域ボランティアのジョブトレーニングを段階的に施すことで、個人の状態や適性を見きわめていきながら、就職活動ができる状態にまで寄り添って支援をされています。確かに労力を要することではありますが、若者個人に着目して就職活動までのきめ細やかな支援計画でステップアップの流れをつくることが必要ではないでしょうか。商工観光労働部長にお伺いします。
◎商工観光労働部長(堺井拡君) お答えします。
 就職活動までのステップアップの流れをつくるということについてですが、当センターの地域若者サポートステーションでは、ニートや引きこもりの若者を対象に支援を行っております。また、“三方よし”人づくり推進センターでは、コミュニケーション能力など人材育成に関する支援により就職が可能となる若者の支援を行っております。さらに、ヤングジョブセンターでは、自力で就職が可能な方に求人情報の提供や面接対応など就職活動のアドバイスを行っております。
 こうしたそれぞれの機関の支援をつなぐことによりまして、若者の就職へのステップアップの仕組みができるものと考えております。この仕組みがしっかりと機能するよう、各支援機関の連携を図ってまいりたいと考えております。
◆11番(駒井千代さん) (登壇)ありがとうございます。各自の状態に合わせて、その機関にしっかりとつないでいただきたいというふうに思います。
 次の質問に移りたいと思います。
 就職しても3年以内に退職する若者も多く、早期離職防止も課題と伺っております。退職の原因をどのように捉えていらっしゃいますでしょうか。商工観光労働部長にお伺いします。
◎商工観光労働部長(堺井拡君) お答えします。
 次に退職の原因についてでありますけども、平成22年度に18歳から39歳までの若者を対象に本県が行いました若年者就業構造等実態調査によりますと、退職の理由としては、まず、会社の将来性に不安があった、これが16.6%で最も多く、次に仕事が合わなかったが16.1%、上司との人間関係がよくなかったが14.1%という結果になっております。この結果から、退職の原因は、企業選定の際のミスマッチによることが大きいものというふうに考えております。県で実施しております“三方よし”人づくり推進センターにおける県内中小企業とのマッチングは、こうした課題解消のモデル的な取り組みであるというふうに考えております。
◆11番(駒井千代さん) (登壇)丁寧なマッチングをしていただくということで、三方よしのほうの取り組みも非常に評価が高いというふうに聞いておりますので、これまで以上に丁寧なマッチングと、さらに、それ以外でのヤングジョブセンターとハローワークのつながりもありますので、その辺についてもしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 さて、この就職後のフォローについて質問をさせていただきたいと思います。
 京都のジョブパークでは、就職支援を担任制でサポートし、若者が就職した後、1カ月後、3カ月後、6カ月後に職場での状況や悩み事はないかなど、電話などを通じてサポートし、職場定着支援をされています。また、今年度はジョブパークを通じて就職された方などの同期会を試行的に開催されるとのことでした。企業の採用人数減や、特に中小企業においては、もともと採用人数が少ないため、悩みを相談し合える同期が少なくなっていることから、このような取り組みをすることで離職率を下げようとする試みでありますが、このような就職後の定着支援の取り組みについて、滋賀県としても取り組まれてはいかがでしょうか。商工観光労働部長にお伺いします。
◎商工観光労働部長(堺井拡君) お答えします。
 就職後の定着支援の取り組みについてでありますが、現在、センターの相談機関におきましては、利用者の就職後の状況について、系統的には把握はしていないというような状況であります。ただ、就職後におけるさまざまな不安や悩みの相談については対応をさせていただいております。
 若者の離職を防止するためには、定着支援が大変重要であるということから、このセンターにおいて就職後のサポートを実施しているということにつきまして、利用者への周知を徹底していきたいと考えております。さらに、今後、就職後の職場定着を図るためにどのような支援ができるのか、これは各支援機関と協議をしていきたいと考えております。
◆11番(駒井千代さん) (登壇)ありがとうございます。
 三方よしについては、サポート企業様へ訪問をされると同時に、就職された方とのお話もされているということなので、電話等、必ずというわけではないですけれども、やはりやめてこられて、また新たな相談から就職支援に入るというよりは、やはり一旦就職されたことを続けていただけるということが何よりだと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 次の質問に移りたいと思います。
 草津市と米原市には、滋賀県立高等技術専門学校、いわゆるテクノカレッジがあります。ここは、職業訓練を行う場として、主にハローワークを通じて訓練生が入校してきています。今回開設されたおうみ若者未来サポートセンターとの連携はどうでしょうか。商工観光労働部長にお伺いします。
◎商工観光労働部長(堺井拡君) お答えします。
 テクノカレッジとおうみ若者未来サポートセンターとの連携についてであります。
 本年6月から、テクノカレッジ草津の職員が、おうみ若者未来サポートセンターに出向き、利用者に対して毎月公共職業訓練説明会を開催し、職業訓練の周知を図ることとしております。現在までに3回実施をしております。
 また、説明会では、個別の訓練相談にも応じておりまして、就職活動において職業訓練の活用が進むよう努めているところでございます。
◆11番(駒井千代さん) (登壇)はい、ありがとうございます。
 次の質問に移ります。
 テクノカレッジでは、おうみしごと体験フェスタ内でのものづくり体験教室や、単独でものづくり体験教室を小学生向けに開催されています。しかし、以前は、中学卒業後、テクノカレッジに入校される方もいらっしゃいましたが、高校の進学率の高まりとともに、ほとんどが高校卒業後か、それ以後に入校されるようになってきています。
 私自身、草津市のテクノカレッジを訪問させていただいて、実際に指導されている指導員の方とお話をさせていただきました。限られた予算の中で、時代の企業ニーズに合わせた人材育成や、企業訪問の折に就職した方のフォローや新たな就職先の開拓など、精力的に取り組まれていることを確認させていただいた次第です。
 このようにテクノカレッジの出口が就職にあることからしますと、今後は中学生、高校生に対しても、学校と連携したキャリア教育の一環として、働くことの意義や職業観を育む取り組みがテクノカレッジには期待されると考えますが、商工観光労働部長に所見をお伺いします。
◎商工観光労働部長(堺井拡君) お答えをします。
 テクノカレッジは、職業に必要な技能や知識を習得するために職業訓練を実施しているという施設でありますけども、子供たちにものづくりへの関心を持ってもらう取り組みも行っております。技能継承や技能尊重の観点から、小学生を中心に毎年ものづくり体験教室を実施しておりまして、例えば、ゲルマニウムラジオとか木製ベンチの製作などをやってもらっております。
 また、オープンカレッジを高校生を対象に米原と草津それぞれ3回開催しておりまして、実際に訓練を体験してもらうことによって、テクノカレッジの理解を深めてもらっているというようなところです。
 このような体験が、働くことの意義や職業観を育むことになるように十分努めてまいりたいと考えております。
◆11番(駒井千代さん) (登壇)ありがとうございます。
 滋賀県経済というのは、まだまだ厳しい状態にあるわけなんですけれども、やはり活力を生み出すというのは、人の力にほかならないと思うんですね。先ほど申しましたように、生活保護や引きこもりセンター、子ども自立相談センターなどの福祉との連携や、長期的には、先般、木沢議員がおっしゃったようなキャリア教育ですね。中・高・大学などの教育との連携、こういったものも、このおうみ若者未来サポートセンターには期待されてくると思います。ぜひとも県の機関としてしっかりと位置づけていただき、安定的な運営体制のもと、若者雇用の問題にしっかりと目を向けていただきたいと申し上げまして私の質問を終わらせていただきます。(拍手)
○副議長(山田和廣君) 以上で、11番駒井千代さんの質問を終了いたします。
 しばらく休憩いたします。
  午後2時39分 休憩
   ────────────────
  午後3時 開議
○副議長(山田和廣君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、あらかじめ会議時間の延長をいたします。
 次に、10番大橋通伸君の発言を許します。
◆10番(大橋通伸君) (登壇、拍手)民主党・県民ネットワークの大橋です。よろしくお願い申し上げます。
 来る11月7日から9日までの3日間、部落解放研究第46回全国集会が、滋賀県では初めて開催されます。主会場、県立長浜ドームにて開催されます。この集会に積極的に参加することで、私たち滋賀県民の人権意識がさらに高まることを希望します。
 (資料掲示)さて、直近の滋賀プラスワン9・10月号にも掲載されました昨年度の人権に関する県民意識調査結果について質問します。
 この調査は、昭和56年度の同和問題についての意識調査以降、5年ごとに実施されており、平成13年度からは、人権に関する県民意識調査として実施が続けられてきました。このたび平成23年度の人権に関する県民意識調査結果から見えてきたものについて質問いたします。
 この調査の目的にうたわれています、県民の人権に関する考え方や県民が求めている施策の方向性等を把握し、今後の人権に関する施策を推進する上での基礎資料とする、この目的の成果を上げるための質問です。「住み心地日本一の滋賀」を目指す上でも、県民の皆さんと心をつなぎたい、そんな思いを込めて質問します。議場の皆様も御一緒にお考えいただきたく存じます。
 まず、人権が尊重される社会の実現に向けての考え方を問うた結果についてです。自分も実現に向けて努力したいと答えた人、つまり人権が尊重される社会の実現に取り組もうとする人の割合が、前々回の11年前調査60.4%から、前回の6年前調査では51.7%に減少、昨年度調査では47.2%とさらに減少しています。逆に、特に考えていないとする人の割合が、前々回の11年前調査13.8%から、前回の6年前調査では15.9%に増加、昨年度の調査では18.8%とさらに増加しています。加えて、成り行きに任せるとする人の割合が、前々回の11年前調査12.4%、前回の6年前調査では12.2%と横ばいだったのに対して、昨年度の調査では17.9%と急増しています。この傾向、つまり人権問題に対する無関心層の増加、言いかえれば、人権問題の自覚的認識と人権問題解決に向けた主体性の欠如の増大という調査結果は、真摯に受けとめる必要があると考えます。
 この点、報告書では、この調査結果を講演会、研修会への参加等とクロス集計して、関心が高い人が啓発活動に触れたり、講演会、研修会等に参加していることが考えられる。無関心層も含めた幅広い人が啓発活動に参加できるよう工夫が必要であると考察するに終わっています。しかし、恐らくこの調査結果を受けて、関係部局で議論されたことは、今の表記にとどまらないと拝察します。
 そこで、知事に伺います。この調査結果を受けて、認識をどう新たにされましたか。
 このことについては、総合政策部長にも伺います。関係部局で交わされた議論のうち、私の指摘にかかわっての議論の内容をお聞かせください。
 次に、調査報告書を見て、おやっと思ったことは、不動産取引の際に問題とされる事項についての考え方の項にありました。この問いは、不動産取引の際に、不動産業者が同和地区であるかどうか、低所得者や外国人住民が多く住んでいる地域であるかどうかなどの情報を提示することについて、あなたはどう思いますかというものです。その答えとして、全体では、差別につながると思うが50.0%と最も多く、次いで、一概には言えないが29.7%、差別とは無関係だと思うが18.7%、無回答1.6%という結果でした。
 私が、おやっと思ったのは、一概に言えないと差別とは無関係だと思う、この2つの答えの合計が全体では48.4%だったのに対して、20歳代で57.7%、30歳代で54.2%と高いことです。このことは、70歳以上からも同じ傾向が見てとれますが、若い世代に高くあらわれていることを私は重視したいと思います。若い世代の多くに忌避意識、つまり忌み嫌い、避けようとする意識がより強く働いているのではないかと考えるからです。
 教員生活30年の私の場合からこの結果を見ると、私の教え子のほとんどが、今は20歳代から40歳代であることを思うとき、じくじたる思いを隠し切れません。学校教育において、同和教育に熱心に取り組んできた当時の生徒の世代だからです。
 この点について、ある有識者は、私たちがこれまでより推進してきた人権・同和教育は、被差別者責任論の否定に効果を上げてきたが、忌避意識を低減することに効果を上げてきたとは言えないと指摘しています。この指摘は、これまでの人権教育、啓発の視点と目的、成果を評価しつつも、新たな展開の必要性を的確に言い当てていると思いました。この点について、総合政策部長ならびに教育長の見解を伺います。
 若い世代のこれらの傾向については、次の問いにも同じようにあらわれています。こんな問いです。あなたは、家を購入したりマンションを借りたりするなど、住宅を選ぶ際に、価格や立地条件などが希望に合っていても、次のような条件の物件の場合、避けると思いますかとして、以下の4つの事例について答えを求めています。1、近隣に同和地区がある。2、近隣に低所得者など、生活が困難な人が多く住んでいる。3、近隣に外国人住民が多く住んでいる。4、近くに精神科病院や障害者施設がある。その答えは、いずれの事例でも30代、40代で避けると思うが多くなっています。この点について、報告書では、実際に住宅を選ぶ機会が多いと考えられる年齢層で避けると思うと答える人が多いことから、自分自身の問題として直面した場合に忌避意識が顕在化すると考えられると考察しています。
 この考察に理解を示しつつも、2つの疑問が私に浮かびました。1つに、若い世代の職場等での研修は、差別の現実を直視したものになっていたか。2つに、本県の若い世代の傾向は、他の自治体の同様の調査においても見られるのか。以上、2点の疑問を私は持ちました。この2点については、このたびの調査結果から、大いに深掘りする必要があると私は考えます。人権意識が若い世代において後退していると言わざるを得ないこの調査結果を受けて、これを今後の人権施策にどう生かしていこうと考えているか、総合政策部長の見解を伺います。
 次に、同和問題の解決方法についての考え方の項目を取り上げます。この問いは、同和問題を解決するために、次のような取り組みや対応はどの程度効果的だと思いますかとして、7項目尋ねています。そのうち、注目すべき2つの項目について、報告書では、1つ目、部落差別を受ける人が一定の地区に固まって生活しないで、分散して住むようにするが効果的だと答えた人の割合が54.9%であること。2つ目、同和問題のことなど口に出さず、そっとしておけば差別は自然になくなるが効果的だと考えた人の割合が40.0%であることを注目する必要があると考察しています。同和問題のことなど口に出さず、そっとしておけば差別は自然になくなるが効果的だと考えた人の割合40.0%、この結果は、これまでの人権啓発は何だったのかと愕然とする数値でした。この結果は、過去との比較云々ではなく、今現在の県民の意識として看過できない割合であること、加えて、これまでの県の方針と施策が、多くの県民にまだまだ届いていないことを示す調査結果であると捉えるべきと私は考えます。意識されないで解決に向かった人権問題はありません。この認識について、総合政策部長の見解を伺います。
 このたびの人権に関する県民意識調査は、私が指摘申し上げたことも含め、人権・同和問題の今日的な課題を映し出しています。ですから、県民への教育、啓発の教材として、これほど価値のあるものはほかにないとも言えます。滋賀プラスワン9・10月号そのものでもよいし、それをもう少し加工してもいい。自治会等での研修会における研修資料として、この調査結果を大いに活用していくことを提案します。最近は、地域での人権学習において、同和問題以外の分野が取り上げられることが多いのですが、最も身近で最も深刻な同和問題を取り上げることが、それこそ忌避されているのではないでしょうか。
 教育長、人権に関する県民意識調査の結果を進んで地域の教材にしていくという私の提案、いかがでしょう。
 最後に、県職員等の研修について伺います。
 人権の教育、啓発が県民に根づくためには、まず、指導的立場にある県職員等の研修が重視されなければなりません。平成15年に策定された滋賀県人権施策基本方針では、推進の中の県職員等に対する人権研修の項で、人権に関係の深い職業に従事する者に対して、より一層の人権研修の充実に努めるとうたっています。このたびの人権に関する県民意識調査の結果から、県職員等に対する人権研修のより一層の充実に向けて、今後何が必要と考えるか、関係の深い県職員については総務部長、教職員については教育長、警察職員については警察本部長に伺います。
○副議長(山田和廣君) 10番大橋通伸君の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎知事(嘉田由紀子さん) (登壇)大橋議員の平成23年度人権に関する県民意識調査結果からの御質問のうち、最初の1点目についてお答えをいたします。
 滋賀県人権尊重の社会づくり条例の前文では、全ての人の人権が尊重される社会をつくり上げることは、私たちみんなの願いであり、また責務であるとうたっております。つまり、人権はどこかに与えられ、あるものではなくて、私たちがつくり上げていく、県民一人一人の絶え間ない努力によって初めて実現可能となるものです。そのことをこの前文ではうたっております。
 特に、この条例のもと、人権教育、啓発にこれまで県として取り組んできたところでございますけれども、議員御指摘の調査結果において、人権問題に主体的に取り組もうとする県民が減少傾向にあると分析できることは大変残念です。
 無関心層がふえ、また、主体的関与したくないという人がふえている、この調査結果を真摯に受けとめることが重要でございます。今後、滋賀県人権施策推進審議会において、世代別、性別、地域別、深掘りをして詳細に分析をし、なぜこのように忌避意識が広がっているのか課題を洗い直し、人権教育、啓発の推進になお一層努力していく所存でございます。
 あわせて、この秋、46回目の全国の大会についても、さまざまな全体会議、分科会がございます。そちらに県民の皆さん、参加をしていただいて、改めてこの問題を学ぶ場として活用いただきたいと思います。私も代表と対話討論を、湖上討論をさせていただく予定で参加をさせていただきます。
◎総合政策部長(西嶋栄治君) (登壇)人権に関する県民意識調査結果についての7点の御質問のうち、2点目の人権問題に対する無関心層の増加についてでございますが、人権啓発は、県民一人一人が人権問題を自分の課題として捉え、人権尊重の社会づくりに主体的に参画していくことを訴えてきたところでございます。このたびの調査結果を受け、無関心層に人権問題への最初の気づきを提供するとともに、主体的な態度につなげるため、効果的な人権啓発活動を展開していく必要があると、関係部局において議論をしているところでございます。
 こうした議論を踏まえまして、あらゆる世代の方が啓発に触れていただけるように、親しみやすい人権啓発キャラクター、ジンケンダーを使いまして、テレビ、ポスター、広報誌、新聞広告、インターネットなど多様なメディアを活用していきたいと考えております。
 また、啓発に触れた人の心に共感が生まれますように、啓発テーマや場面を、日常生活や身近な人間関係の中から選んだり、感性に訴える表現を工夫して、効果的な人権啓発を実施してまいりたいと考えております。
 次に、3点目の人権啓発の新たな展開の必要性についてであります。
 これまでから人権啓発活動を積極的に推進してまいりました結果、県民の同和問題に対する知的な理解や認識は徐々に深まってきており、今回の調査結果からも、議員御指摘の被差別者責任論の否定などにも効果を上げてきたものの、みずからが同和問題に直面した際に、忌避意識が顕在化する傾向があると認識をいたしております。今後は、啓発活動を通じて、より多くの県民が人権を身近に感じ、そして考えることができる機会の提供に努め、個々人の自発的な学習を促してまいりたいと存じます。
 また、忌避意識の解消には住民交流が効果的と考えられることから、地域総合センター等を活用した住民交流がより一層活発に行われるよう、市町へ積極的に働きかけていくとともに、県としても必要な助言や支援に努めてまいる所存であります。
 次に、4点目の若い世代の人権意識についてであります。
 このたびの意識調査では、若年層の人権意識が後退しているのではないかと思われる結果が幾つかあったところでございます。この結果がどのような要因によるものなのか、御指摘があったように、職場研修の内容や方法が差別の現実を直視した真に効果のあるものであったのかどうかの検証も必要であると考えます。
 また、若年層での人権意識の後退は、一部他の自治体の調査でも見受けられるところでございまして、共通の要因の有無について分析していく必要があると認識いたしております。
 さらには、現下の厳しい社会経済、雇用情勢が要因の一つとなっていることも考えられますが、いずれにいたしましても、この調査結果につきましては、今年度の滋賀県人権施策推進審議会において、さらに深く分析することといたしておりまして、その分析結果を、人権啓発を初め今後の人権施策の推進に活用していきたいと考えております。
 次に、5点目のこれまでの県の方針と施策が多くの県民に届いていないということについてでございますが、同和問題のことなど口に出さず、そっとしておけば差別は自然になくなるという考え方は、差別を容認し、差別を受けている人たちに我慢を強いる考え方であり、また、同和問題に限らず、知らないということは誤った情報による偏見を持ちやすいと言えます。議員御指摘のとおり、40%の方々がこうした考え方を非常に効果的、あるいは、やや効果的と回答されたことは非常に残念であり、県としてもこの結果を重く受けとめているところでございます。
 今後とも、無関心層を含めて、幅広い県民の皆様が啓発活動に御参加いただき、県民一人一人が同和問題をみずからの課題として捉え、同和問題解決に向けた正しい理解、認識を深めることができるよう啓発手法の一層の工夫改善を図ってまいる所存であります。
◎総務部長(北川正雄君) (登壇)次に、県職員の研修についてお答えいたします。
 職員の人権研修につきましては、これまでから全職員を対象といたしまして、各職場単位での統一テーマ研修や、各部局等を単位とした部門研修、各職階での研修等の中で毎年実施をしているところでございます。特に、今年度の統一テーマ研修では、人権尊重の視点に立った行政の推進を統一テーマといたしまして、平成23年度人権に関する県民意識調査の結果を題材として取り上げ、各職場で意見交換を行い、自己の人権意識を高めて、日常の実践につなげようといたしております。
 また、部門研修では、地域に学ぶという観点から、地域総合センター等におきまして、講義だけではなくフィールドワークも取り入れた現地研修も実施をしているところでございます。さらに、職階別の研修では、新規採用者を初め、主事級、主任主事級、主査級、副主幹級という若手職員に対しても、人権問題の現状と課題について研修を実施いたしております。
 今後は、今までの研修のあり方も、今回の調査結果も踏まえまして、いま一度研修をいたしますとともに、引き続き、地域に学ぶ現地研修など、より実践につながる効果的な職員研修に取り組んでまいりたいと考えております。
◎教育長(河原恵君) (登壇)大橋議員の3点の御質問にお答えをいたします。
 まず、人権教育の新たな展開の必要性についてですが、人権教育とは、人権尊重の精神の涵養を目的とする教育活動であり、学校教育および社会教育においては、人権感覚を高め、人権問題についての正しい理解、認識を培うとともに、人権を尊重する実践的な態度に高めるための教育内容を創造していくことを目指すものでございます。
 本県では、これまでから人権教育、同和教育の取り組みを積極的に進めてまいり、成果も見られるところですが、今回の調査結果からは、みずからが同和問題に直面した際に忌避意識が顕在化する傾向が見受けられました。
 議員御指摘のとおり、若い世代の人権意識の後退が伺われるなど、課題がありますことから、知識としての理解にとどまらず、より一層実践的な態度を育むために、聞き取り学習、ボランティア体験、交流活動等の主体的な学びが推進されるよう、人権教育研究指定校を通した教育活動や、実践に係る研修、講座等の充実を図ってまいりたいと考えております。
 次に、本調査結果を地域での教材にしていくという御提案についてお答えをいたします。
 本調査結果は、人権・同和問題の今日的な課題を映し出しており、県民への教育、啓発の教材として活用することは、人権教育の推進の観点から重要であると考えております。自治会等での研修内容については、基本的に各市町や各自治会において判断されるものでありますが、県教育委員会としましては、今月開催予定の市町教育委員会の担当者会議や、県人権教育推進協議会の会議において本調査結果を周知し、各市町や各自治会における本調査結果の活用を一層促してまいりたいと考えております。
 3点目の教職員の人権研修の充実に何が必要かについてお答えいたします。
 教職員は、子供の人格形成に直接かつ多大な影響を与える存在であることから、教職員みずからが人権問題についての正しい理解と認識を深めるとともに、みずからの人権感覚を磨き、人権意識を高めることはもちろんのこと、子供たちに人権を尊重することが人として最も大切であるということを教えていくことが何よりも必要であると考えております。今回の意識調査から、若年層の人権意識に課題が見られることを、教職員がしっかり受けとめる必要があることから、管理職や担当者の会議等において調査結果の内容の周知徹底を図ってまいります。
 さらに、調査結果を踏まえ、いま一度人権尊重の精神や人権感覚を醸成する教育を進めるとともに、実践的な態度を育むために、県教育委員会が実施します研修会において、参加、協力、体験を取り入れた主体的な学びなど、研修内容や方法を精査し、研究を充実させるよう努めてまいる所存でございます。
◎警察本部長(福本茂伸君) (登壇)大橋議員より、人権研修の充実に向け今後必要とされるものは何かにつき御質問をいただきました。
 警察には、犯罪被害者を初め、さまざまな種類の人権侵害に困り苦しむ県民の皆様が相談に来られます。しかも、その相談の中身や、あるいは警察に求められる対応というものにつきましては、国民意識や社会情勢等により常に変化してまいります。そうした中にありまして、警察はさまざまな人権侵害から県民の皆様を守るとりでとして役割を果たさなければならないと考えております。そういった意味での努力をしなければならないというふうに認識をしております。
 このため、一人一人の職員に対しまして、被害者の訴えに真摯に耳を傾け、その心情を理解した上で、被害者の立場に立って一歩踏み込んだ積極的な対応をすべきであるということにつきまして、警察学校や各職場におきまして、事案ごとにさまざまな実例を示しながら、徹底させ、浸透させるよう努めております。今後も時代の変化に対する鋭敏さを持ちながら、こうした教育研修内容の充実に努めてまいる必要があるというふうに考えております。
◆10番(大橋通伸君) (登壇)人権・同和問題をめぐる今日的な状況について、私は今回の質問で、昨年度実施の人権に関する県民意識調査の結果から、若い世代の答えに、より多くの、そして、より根深い課題があることを指摘し、県行政の認識をただしてまいりました。人権問題も時代の変遷とともに、刻々とその様相と内実を変えていきます。
 滋賀県人権施策基本方針では、人権は、国や自治体から与えられるものでなく、国や自治体を構成する個々人の絶え間ない努力によって、初めて実現可能となることを忘れてはなりませんとうたっています。県行政として、人権施策の初心に返り、県民に何を届けてきたか以上に、県民に何が届いていたかの検証を、何よりも同和問題を県民一人一人がみずからの課題として捉えてきたかの検証を、ぜひこの機会に期待いたします。そして、県職員等が不断に人権感覚を磨き続けることを願います。
 質問を終わります。(拍手)
○副議長(山田和廣君) 大橋議員、今のは要望みたいなもん、最後のは。質問ではないんやね。
◆10番(大橋通伸君) (登壇)要望です。
○副議長(山田和廣君) 以上で、10番大橋通伸君の質問を終了いたします。
 最後に、3番有村國俊君の発言を許します。
◆3番(有村國俊君) (登壇、拍手)それでは、早速質問に入ります。
 県内の都市計画区域の再編と滋賀県の権限執行の考え方についてです。
 滋賀県の都市計画区域は、都市計画法第5条の規定に基づき当時50あった市町村を一体の都市として総合的に整備し、開発し、および保全する必要がある区域として、昭和45年の大津湖南都市計画区域の指定を初めとして、12の区域で都市計画区域を指定されています。その後、県下では市町村合併が進み、19市町となったことで自治体区域が変わり、当初のままである都市計画区域との間に乖離が生まれている状況が見受けられます。
 合併により複数の市町が1つの自治体になったことによって、自治体区域内で線引き都市計画区域、非線引き都市計画区域、および都市計画区域外の混在が典型として挙げられ、特に一つの自治体区域の中に複数の都市計画区域が存在していることは、都市計画の趣旨から見れば非常に深刻な状態と言えるのではないでしょうか。いずれもその原因は、合併によりまちづくりの基盤が新しくなったにもかかわらず、都市計画区域だけが旧態依然のままであることに尽きると考えております。
 まちづくりの基盤である自治体の区域が変われば、その変化に応じて必要なまちづくりの方向性にも変化が生まれるはずであります。合併による自治体区域の大きな変化に順応していない都市計画区域の設定のままでは、都市計画法が意図するまちづくりの趣旨が実現できるのか、非常に疑問に思うところでございます。
 県においては、合併という大きな変化に順応する都市計画区域の再編が必要であることは明白であると感じるところでありますが、それは単なる再編ではなく、昨今の地方分権を主眼にした考え方が取り入れられたものでなければ意味をなしません。都市計画にかかわる市町の考え方が生かされるものでなければならない、市町の意向を非常に重く受けとめ、尊重し、実現できるものにすべきと考えます。
 したがいまして、そうした都市計画区域の再編とともに、市町の意向を尊重し実現させることが県の役割であり、県としてあるべき権限執行の姿と強く感じております。
 こうしたことを前提に、今後の都市計画区域の再編と都市計画に関して市町の意向を最尊重する県の権限執行のお考え方について、2点知事にお伺いいたします。
 まず1点目に、市町が独自性を発揮して、地域の創意工夫を生かしたまちづくりを進めることが必要と考えますが、都市計画法における権限執行の実態はどうなっているのでしょうか。2点目に、市町の独自性を発揮してもらうことを目的とし、なおかつ今生まれている乖離、課題を解消するために、都市計画区域の再編などにより県下の都市計画区域を今後どのように、そしてどのような工程で改善を目指すのか、お伺いをいたします。
○副議長(山田和廣君) 3番有村國俊君の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎知事(嘉田由紀子さん) (登壇)有村議員の都市計画区域の再編についての2点の御質問にお答えいたします。
 まず、1点目の都市計画法における権限執行の実態はどうなっているかでございます。
 都市計画区域は、市町境界にとらわれず、実質的に一体的な区域として定めるもので、均衡ある地域発展を図るための都市計画の前提であることから県が指定するものであります。都市計画区域を定めた上で、さまざまな都市計画を決定していきますが、都市計画法では、第15条において、県が定める都市計画と市町が定める都市計画とに権限が分類されております。その中で、都市政策の根幹である都市計画区域マスタープランや区域区分および県道や県が設置する公園などの計画については県が決定するものです。一方、用途地域やその他の都市施設、市街地開発事業、地区計画など、市町が主体的にまちづくりを行う上で必要となる具体的なまちづくりに係る計画については、市町が決定することとされております。
 地域主権一括法に伴う都市計画法の一部改正の結果、平成23年8月から、それまでは市が都市計画を決定する場合に必要とされていた知事の同意が、協議へと知事の関与が緩和されております。市町の主体性をより一層尊重するという方向に変わっているわけでございます。あわせて、市に対する義務づけ、枠づけの廃止が進み、都市計画策定に際し、基礎自治体が主体性を一層発揮できるようになっております。都市計画と連動する開発許可や建築許可などの許認可事務についても、県から市に権限が移管をされております。
 次に、大きな2つ目の都市計画区域を今後どのように、そして、どうなって工程で改善するのかでございます。
 本県の都市計画区域は、昭和43年の都市計画法の改正により、大津湖南都市計画を初めとする広域都市計画を策定してから既に40年が経過しております。議員御指摘のとおり、市町合併により、同一市域の中に複数の都市計画区域が存在することとなった市も出てきました。県では、そういう中で、合併後の新しい市の区域と都市計画区域の不整合を解消するため、平成19年には、都市計画審議会の答申を受けて、滋賀県都市計画区域再編指針を策定し、都市計画区域の不整合の解消に取り組んでまいりました。
 まず、平成21年3月には、大津湖南都市計画区域および甲賀広域都市計画区域にまたがっていた湖南市、つまり旧の石部町が大津湖南、旧甲西町が甲賀広域でありました。そのように2つの区域にまたがっていた市については、市全域を一まとめにしまして、大津湖南都市計画区域に含めるように再編をいたしました。
 今年度は、1市8町が合併した長浜市、4町が合併した米原市のような大規模な合併をした県東北部圏域を対象として、圏域の人口、産業、土地利用の現状や推移を把握するとともに、通勤や通学の人口流動などから、生活圏の広がりも考慮して、一体的に均衡ある発展を図るべき区域を見詰めつつ、都市計画区域の再編を検討中でございます。
 今後、他の圏域においても、こうした取り組みを順次進めてまいります。都市計画区域の再編に際しては、具体的な都市計画の策定主体となる関係市町の意向を十分に踏まえて協議調整してまいります。
◆3番(有村國俊君) (登壇)再質問いたします。
 市町がおのおのの独自性を発揮して、自主的な都市計画に取り組めるように、地方分権で権限移譲や義務づけ、枠づけの廃止が進んできたというようなことでありますけども、今後の均衡あるとおっしゃいました、均衡ある県内の都市計画を進める上で県の役割はどうあるべきか、知事の所見をお伺いいたします。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。
 都市計画の根幹となる都市計画区域マスタープランや区域区分については、広域行政の立場から県の権限でありますが、関係市町の意見を十分尊重し、各市町が円滑にみずからの地域にふさわしい都市計画が策定できるよう、県が国や関係機関との調整を図り、策定していくべきものと考えております。具体的な都市計画は、住民に最も身近な市町が中心となって進めていくべきものでありますが、複数の市町に関係するような課題に対しては、県が広域的な観点に立ち、関係市町間の調整を行い、スムーズに都市計画決定ができるよう図ることが県としての重要な役割と認識をしております。
◆3番(有村國俊君) (登壇)それじゃ、県としての立ち位置を決めていただいて、地域の実情性に応じた、それを酌み取ったものを、きちんと県としての指導力を発揮すべく、よろしくお願いします。
 次に、教員の人事権移譲についてです。
 現在の教育の、特にガバナンスの問題で、公立小中学校については責任の所在というものがばらばらになっています。人事権は県の教育委員会ですし、設置者は市町です。行政権は教育委員会ですが、財政権は首長部局です。こういう縦横の権限のばらばらというものに問題意識を持っております。それを何とかしていきたいということで、具体的には、県教委が持っている人事権を初めとする関連の権限を、条例を定めることによって、100の議論よりも1つの実例というものを一緒になってつくりながら、それを進化させていくということのほうが極めて有効であろうというふうに思っております。
 自由民主党政権下の平成19年1月に教育再生会議の第1次報告で、各市町教育委員会へ一定の人事に関する権限を移譲することが提言されております。文科省においても、現行制度内で教員の人事権移譲は可能であると見解を示しています。県が持っている公立小中学校教員の人事権を市町教育委員会に移譲することができれば、より主体性を発揮し、創意工夫を生かし、特色ある教育を実現するとともに、より地域に根差した優秀な人材を育成し、確保することが可能となります。教員の人事権を市町へ移譲することについて、知事と教育長、それぞれからお考えをお聞かせください。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。
 公立小中学校の教職員の人事権については、給与水準の確保や一定の教職員の確保を図り、教育水準の維持向上や教育の機会均等を保障することを目的に、都道府県が権限を有し、教員採用や給与負担を担っております。一方、市町立学校の設置者が市町であることや、教職員の服務監督が市町教育委員会にあることから、各市町が責任を持って教職員の人事を図ることが重要との意見もございます。議員御指摘のとおりでございます。
 人口50万人以上の政令指定都市では、これまで法の特例により、給与負担に関することを除き人事権を有しております。また、今年度から人口65万人の大阪府の3市2町からなる豊能地区、豊中市を中心とする3市2町ですが、こちらでは条例による特例制度等の活用により政令指定都市に準じて人事権の移譲が行われたところでございます。地方分権の一層の推進が求められている中で、地域に根差した教育をという狙いからして、人事権の移譲を含め、本県のよりよい教育制度について議論、検討することは重要でございます。
 同時に、人事権の全体を見ますと、教員の採用、つまり採用試験から年々の人事、適材適所の教員配置、また人件費の捻出など、大変幅広い奥深い課題がございます。滋賀県内を見ましても、33万人を超える大津市から1万人以下の人口の町もございます。そういう中で、県費負担教職員制度の趣旨や目的を損なうことがないよう、人口規模、学校数、教職員数など本県の実情を踏まえた対応が大切であると考えております。
◎教育長(河原恵君) (登壇)教員の人事権を市町に移譲にすることについてお答えいたします。
 教職員の人事につきましては、全県的な立場から本県の教育水準の維持向上を図るために、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第38条に基づき、市町教育委員会の内申を待って、県教育委員会が実施しているところでございます。この人事権を各市町へ移譲することは、議員の御質問にもありましたように、地域の実情に応じた教育の実現に向けて、より一層主体的な取り組みが可能となるというメリットがあると考えております。その一方で、小規模な市町にとりましては、事務負担の問題や人材確保の課題もあると考えております。
 これまでのところ、本県においては、全県を1地域として人事を行うことにより、スムーズに広域人事交流がなされており、十分に効果を発揮していると認識しております。
 教職員の人事権の移譲は、義務教育に関する中央教育審議会の答申にも触れられていることから、国での議論のほか、県内各市町や教育委員会などの意見を踏まえながら、現行の県費負担教職員制度の趣旨や目的が損なわれないよう、議論、検討をしていかなければならないと考えております。
◆3番(有村國俊君) (登壇)知事と教育長の御答弁、お考えは、若干温度差があるかなというふうに思いました。
 ここで、公立小中学校の教員の身分とその人事についてですが、教員の身分は、あくまで学校の設置者である市町の職員となっています。しかし、実際には採用と異動と懲戒などの処分とか研修といった人事権は県が持っています。さらに、教員の給料、給与は、3分の1を国、3分の2を県が負担しております。つまり、教員は、市町立の学校に勤務しているにもかかわらず、人事や給与などの面で、市町教育委員会の内申などを除いて、市町とほとんどかかわりがないのです。しかも、公立学校の教員は、数年置きに異動するために、勤めている学校のある市町や地域を身近な存在として感じることがどうしても難しいと言われています。このため、市町が自分たちで教員を採用し、地域のために働く我がまちの先生になってもらえるようにすることを目指すのが教員人事権の移譲であります。
 知事からは前向きの御答弁をいただきました。教育長は、メリットがあることも認識をされていらっしゃいましたので、御答弁のとおり、滋賀の教育がより一層充実されるよう、実りのあるお取り組みをよろしくお願いを申し上げます。
 次に、卒業式の定番歌についてです。
 仰げば尊しは、130年前に発表された当時の文部省の唱歌で、卒業生が先生方に感謝し、貴重な学校生活を振り返る内容の歌であります。卒業式で広く歌われ、国民に親しまれています。5年前の平成19年に日本の歌100選の1曲に選ばれたことも記憶に新しいところです。一方、蛍の光は、仰げば尊しとほぼ同時期に尋常小学校の唱歌として小学校唱歌集初編に載せられたものであります。これら定番の歌、仰げば尊しと蛍の光は、耳にするだけで目頭が熱くなる人も多い有名な歌であります。
 3カ月前に学校教育課にお願いしまして、平成23年度卒業式における仰げば尊し、蛍の光の歌について調査していただきました。そこで、1点目に、仰げば尊し、蛍の光は、どの程度学校で歌われているか、ほかにどのような歌が歌われているか、現状と、2点目に、道徳的、伝統的、文化的観点から、もう一度原点に戻って、卒業式においては仰げば尊しと蛍の光を多くの学校で歌ってほしいと願っておりますが、いずれも教育長のお考えをお聞かせください。
◎教育長(河原恵君) 卒業式の定番歌についての御質問にお答えいたします。
 まず、卒業式で、仰げば尊し、蛍の光はどの程度歌われているのか、ほかにどのような歌が歌われているのかについてですが、現在、仰げば尊しや蛍の光が歌われる学校は、私たちが学んだ昭和の時代に比べると少なくなってきております。平成23年度の卒業式では、仰げば尊しが歌われていた市町立、県立学校は、小学校228校中4校、中学校100校中2校、高校53校中5校でした。また、蛍の光については、小学校4校、中学校10校、高校15校、特別支援学校14校中1校となっております。
 一方、小中学校で最も多く歌われている曲は「旅立ちの日に」という曲で、そのほか小学校では「さよなら友よ」、「大空がむかえる朝」という曲が、中学校では「そのままの君で」も「流れゆく雲を見つめて」という曲が多く歌われております。
 次に、卒業式において、仰げば尊しと蛍の光を多くの学校で歌うことについてでございますが、仰げば尊し、蛍の光は、多くの人々に長い間親しまれてきた歌であり、いずれも現在、本県の小学校で使われている音楽の教科書に掲載されております。一方、卒業式で取り扱う楽曲については、学習指導要領に基づき、卒業式にふさわしいものであるとともに、児童生徒の実態や発達段階に適したものを選曲しております。
 また、卒業式は、厳粛かつ清新な雰囲気の中で、新しい生活への動機づけを行うとともに、信頼、尊敬、親愛、協力などの温かい人間関係を育成し、集団への帰属意識を深める上でよい機会となるものであります。特に、仰げば尊し、蛍の光のように、教育の原点である教師と児童生徒との関係を尊敬と親愛を通して知らせる歌を式歌として歌うことは、意義あるものと考えております。
◆3番(有村國俊君) (登壇)数字の先ほどの受けとめ方は多様だと思うんですけれども、現在では県内ほとんどの公立校で仰げば尊しと蛍の光は歌っていないということが判明いたしました。今の教育長のおっしゃったのを、ちょっと数字で事前に計算しているんですけど、小学校は1.8%ですね。仰げば尊し、1.8%。ごめんなさい、小学校、中学校のトータルですね。1.8%。蛍の光は、小学校、中学校トータルで4.3%しか歌っていない。で、県立の中学校は、仰げば尊し、蛍の光ゼロですか。それから、県立高校ですね。これは、仰げば尊しが9.4%、蛍の光が、ちょっと多いんですが28%。3分の1が蛍の光と。県立特別支援学校は、仰げば尊しゼロで、蛍の光は7%ということです。まことに残念な結果であります。
 仰げば尊しの歌詞、我が師の恩というのがあるんですけれども、この我が師の恩というのは、先生と生徒は対等であるとか、この歌は教師をあがめるようであるとか、また、身を立て名を上げは、立身出世でよくないなど、大きな偏見の意見が一部にあると聞いていますが、これは到底私は納得できるものではありません。道徳を否定する考えであります。
 歌全体としては、時の早さ、特に思い出深く充実した日々は過ぎるのが早いこと、恩師のありがたさ、とうとさを歌っています。悲しい別れ、寂しい別れではなくて、希望に胸を膨らませて卒業していく輝かしい別れといいますか、お世話になったいろいろな人への恩返しとして、きっと立派な人間になってみせますという決意の強さを感じております。
 仰げば尊しと蛍の光、蛍の光は本来4番まであるんですけれども、戦後、何かの理由で3番、4番を削除されてしまいました。伝統的に卒業式で歌い継ぐことが大切なことと捉えることができると思います。少数ではありますけれども、先ほど教育長がおっしゃっていただいたように、現在も伝統的に歌っておられる県内校の取り組みは大変すばらしいなというふうに思っております。
 教育長、どうですか。そのことについて、もう1回お考えをお聞かせください。
◎教育長(河原恵君) ただいま議員のほうから御指摘ありましたように、蛍の光や仰げば尊しは、音楽の授業の中でも取り組んでおります。そして、今御指摘のとおり、恩師を尊敬し、感謝する気持ちと、一途に努力し励んできたことに満足と充実を感じる歌であり、日本人の感性が息づいている音楽と言えます。このような伝統的に歌われている楽曲を取り入れていくことは、世代を超えて歌い継ぐよさにつながり、学習指導要領にもありますように、式歌選曲の折に考慮することは意義あるものと思っております。
◆3番(有村國俊君) (登壇)それじゃ、来年3月、今年度の卒業式から、今、教育長のおっしゃった学習指導要領にもそういったことが明記されているということでもあるし、教育長自身もそれは大変意義のあることだとおっしゃっていらっしゃいますし、そういったことを勘案しますと、来年の卒業式から、県内の公立小中学校ならびに県立中学校ならびに県立高校ならびに県立特別支援学校全てにおいて、仰げば尊しと蛍の光を歌うように教育長として推奨されると、または指導をしていただくということでよろしいですね。お伺いします。
◎教育長(河原恵君) 先ほども申し上げましたように、卒業式で取り扱う楽曲は、学習指導要領に基づき、児童生徒の実態や発達段階に適したものを選択するということになっており、発達段階等もございます。しかし、先ほどお答えをいたしましたように、仰げば尊し、蛍の光の趣旨ということの重要性もございますし、その趣旨を各市町に伝えまして、本県の小学校で使用する教科書にも掲載されている仰げば尊し、蛍の光を子供たちが歌い続けていくように促してまいりたいと思います。(発言する者多し)
◆3番(有村國俊君) (登壇)議長、ちょっと今、議場からヒントをいただきました。そしたら、促していくということであれば、来年の3月の、この先ほど申し上げました学校で仰げば尊しと蛍の光はどれぐらい達成されるおつもりか、その目標値、それはもう自分の教育長としての心構えというか、教育長としての考え、これは介入じゃなくて教育長として先ほどから聞いているので、ぜひ答えていただきます。
◎教育長(河原恵君) 先ほども申し上げましたように、卒業式で取り扱う楽曲につきましては、卒業式、特別活動の中で儀式的行事としての意義が一方でございますし、もう一方は、それぞれの児童生徒の実態や発達段階に適したものを各学校で選曲をしているという状況もございます。
 国旗や国歌につきましては……(「聞いてはらへん」)はい。今申し上げましたように、式歌につきましては各学校の主体性もございますが、先ほど申し上げましたように、このよさをしっかりと伝え、各市町に伝えまして、子供たちが受け継いでいくようなことにつきまして促していくということで、どの程度ふえるかということは、今、予測はできないという状況でございます。
◆3番(有村國俊君) (登壇)本当に教育長、思いをしっかりと言っていただきましてありがとうございました。ぜひ応援しております。よろしくお願いします。
 それでは、次、最後の質問に移ります。学校で学ぶ領土、領海についてです。
 昨年の6月議会で、前教育長は以下述べられました。「領土、領域に関する問題につきまして、学習指導要領あるいは政府見解では、歯舞群島、色丹島、国後島、択捉島の北方領土、それから竹島、尖閣諸島が我が国固有の領土であること、これが記述されております。そういう面におきまして、こうしたことについて適切に指導してまいりたい」ということでありました。
 あわせて、日本の領土と領海、これをしっかり理解してもらうために、日本の白地図を学校内に張り出す提案を採用していただきまして、早急に各市町教育委員会へ大型の日本地図を掲げるように指導してくださいました。県立3中学では、職員室の前の掲示板など、生徒が目につきやすい場所に日本地図を掲示してくださいました。
 そこで教育長にお伺いします。これは昨年の取り組みでしたが、本日も、きょうもこの地図は各学校で張り出しておられますか。見取りはできておられますか。あわせて、児童生徒の領土、領海に対する学習成果は上がりましたか。お伺いいたします。
◎教育長(河原恵君) 学校で学ぶ領土、領海についての御質問にお答えいたします。
 まず、地図の学校現場での張り出し等についてですが、地図につきましては、現在、全ての県立学校と9市町の全ての小中学校で常時掲示されております。残りの10市町では常時掲示できていない学校も見られますが、その学校にあっても授業の中で全てが掲示し、固有の領土の位置や領域の範囲を確認できるよう、地図の有効な活用を図っているところでございます。
 また、今年度におきましては、年度当初の校長や市町教育指導担当者の会議において指導をしており、学校訪問時に確認をするなど、これからもその状況の把握に努めてまいります。
 次に、児童生徒の領土、領海に対する学習成果についてでありますが、1つの成果として、今年度滋賀県で開催された近畿ブロック少年少女北方領土研修には、定員を上回る応募があるなど、児童生徒の意識の高まりが見られ、主体的に領土問題を学ぶことができました。学校においても、写真など具体的な資料を活用し、日本の領域をめぐる問題にも触れながら、自分自身の課題として領土問題を考えさせ、領土問題に対する理解を深める授業を行っております。
 今後も学校での指導とともに、県などが取り組む事業に子供たちが参加し、全ての子供たちが領土問題についてさらに理解を深められるように努めてまいります。
◆3番(有村國俊君) (登壇)昨年6月の後、3カ月後に9月に知事に質問しているんですが、知事は以下述べられております。「竹島や尖閣諸島についてですが、いずれも歴史的経緯からして日本の領土であると考えております。一方、社会問題として対立があることは承知しております。そのことはしっかりと現場で指導していただきたいと考えております。現場というのは、これは学校のことなんですけれども」とおっしゃいました。
 さきの我々会派の代表質問で、宇野議員から、今回の平和堂襲撃に対する対応と同様に、中国要人への尖閣ほか種々の問題打開に向けた意向は持っていたのかの問いに対して、知事は以下述べられました。「尖閣諸島をめぐる問題は、申すまでもなく国家間の外交案件であります。トッププロモーションの中で私から申し上げるべきではないと思っておりました。この問題は国の専権事項として、国において適切に対応していただけるよう期待をしております」とのことであります。
 率直な感想なんですが、これはどうしたものかなというふうに思いました。知事は、尖閣諸島をめぐる問題は国家間の外交案件、あるいは国の専権事項と言われたんですけれども、これまで知事が種々と指摘してこられた原子力発電の問題なども国の専権事項があったはずであります。責任と覚悟を持って、批判を恐れずに滋賀県知事としての外交姿勢がまさに問われているのじゃないのかなというふうに思います。
 知事が湖南省へ送った書簡の返事が、先週……。
○副議長(山田和廣君) 有村議員に一言申し上げますが……。
◆3番(有村國俊君) これはちょっと関連しているんですけど。
○副議長(山田和廣君) 分割質問においては、2回目以降の質問、継続していなければなりません、再質問になりますので。その点注意して続行してください。
◆3番(有村國俊君) (登壇)わかりました。はい、注意して。もとに戻りますので。
 もう一度戻ります。湖南省へ知事が送った書簡の返事が先週県庁に届きましたが、その内容を一部紹介いたします。
 「尊敬する嘉田由紀子知事。事件につきまして遺憾の意を表します。湖南省における日系企業および個人の財産と身の安全の保護に努めております。魚釣島とそれに属する島々は、古来より中国の領土であります。最近、我が国各地において大規模な群衆による自発的な抗議デモが多く突発的に発生しているのは、全て日本政府による魚釣島の問題における一連の間違ったやり方と決定が引き起こしたものであります。両国において正常な関係が重大な問題に直面している状況においては、地方間の交流が影響を受けるのは必然であり、私たち両省県の経済と社会発展および人々の生活に損失を与えるでしょう」との旨を、指摘を、湖南省は湖南省なりに主張してまいりました。
 直営部分だけで被害額は約5億円に上って、仮に11月末まで再開できなかった場合、営業上の損失が最大で13億円にも上るとする株式会社平和堂初め、多くの被害を受けたのは我々日本側であるにもかかわらず、何とも悔しい思いであります。
 あわせて、我々会派の代表質問で、目片議員が指摘しましたが、当事者意識なる姿勢が私たちには何よりも大切なことであります。今となってはもう手おくれなんですけれども、滋賀県から湖南省へ送った書簡には、1行であっても毅然として日本の政府の見解を、すなわち尖閣諸島は古来より日本の領土であると明記すべきでありました。外交とはまさに双方にとっても大変厳しい、厳しい厳しいしのぎ合いであるという現実を我々は認識しなければなりません。
 そこで、最後に教育長にお伺いをいたします。
 中国と韓国では、幼いころから領土、領海について学校で教育を受け、みずからの主張を行います。滋賀の児童生徒が、日本政府の見解を知り、日本の領土、領海をきちんと学び、成長すること、もうこれは先送りできません。まさに今がタイムリーですので、早急に学習環境を整えるべきであります。教育長、どうされますか、お伺いします。
◎教育長(河原恵君) お答えをいたします。
 領土問題につきましては、学習指導要領に定められており、小学校、中学校、高等学校とも年間指導計画にしっかりと位置づけて学習しております。まず、小学校では、国土の広がりを学習する中で、国土の範囲とともに領土問題に触れることとしております。中学校においては、領土、領海、経済水域などの意味を理解させるとともに、日本固有の領土が不法に占拠されている問題を解決しようとしていることについて指導しております。また、高等学校においては、地理、歴史、現代社会において、日本固有の領土であることを歴史的な経緯や領土などに関する国際法の意義などを踏まえて指導しております。子供たちの発達段階や経験によって理解度の違いがありますので、全ての子供たちに領土問題を理解させるためには、繰り返し指導をするとともに、時宜を得て新聞記事やニュースも活用しながら指導することが大切であると考えております。
 こういった指導につきましては、現在、既に実施されていますが、今後も機会を捉えて実施するよう指導してまいります。領土と国民と主権があってこそ国家であり、領土について子供たちが学習を積み重ねることは大変重要なことであります。引き続き学習指導要領に基づき、領土問題の学習を着実に進めてまいる所存でございます。
◆3番(有村國俊君) (登壇)終わります。(拍手)
○副議長(山田和廣君) 以上で、3番有村國俊君の質問を終了いたします。
 以上で本日の質疑ならびに質問を終わります。
 明2日は、定刻より本会議を開き、質疑ならびに一般質問を続行いたします。
 本日はこれをもって散会いたします。
  午後4時19分 散会
   ────────────────