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平成24年 6月定例会(第12号〜第18号)−06月28日-04号




平成24年 6月定例会(第12号〜第18号)

               平成24年6月滋賀県議会定例会会議録(第15号)

                                      平成24年6月28日(木曜日)
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議事日程 第4号
                                        平成24年6月28日(木)
                                        午 前 10 時 開 議
 第1 議第109号から議第119号まで(平成24年度滋賀県一般会計補正予算(第2号)ほか10件)(質疑、質問)
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本日の会議に付した事件
 第1 日程第1の件
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会議に出席した議員(47名)
   1番   佐  藤  健  司  君   2番   目  片  信  悟  君
   3番   有  村  國  俊  君   4番   青  木  甚  浩  君
   5番   大  野  和 三 郎  君   6番   岩  佐  弘  明  君
   7番   山  本  進  一  君   8番   富  田  博  明  君
   9番   山  本     正  君   10番   大  橋  通  伸  君
   11番   駒  井  千  代 さん   12番   冨  波  義  明  君
   13番   井  阪  尚  司  君   14番   清  水  鉄  次  君
   15番   成  田  政  隆  君   16番   九  里     学  君
   17番   柴  田  智 恵 美 さん   18番   江  畑  弥 八 郎  君
   19番   今  江  政  彦  君   20番   木  沢  成  人  君
   21番   粉  川  清  美 さん   22番   宇  野  太 佳 司  君
   23番   細  江  正  人  君   24番   高  木  健  三  君
   25番   川  島  隆  二  君   26番   小  寺  裕  雄  君
   27番   奥  村  芳  正  君   28番   生  田  邦  夫  君
   29番   野  田  藤  雄  君   30番   西  村  久  子 さん
   31番   石  田  祐  介  君   32番   宇  賀     武  君
   33番   山  田  和  廣  君   34番   佐  野  高  典  君
   35番   赤  堀  義  次  君   36番   家  森  茂  樹  君
   37番   吉  田  清  一  君   38番   辻  村     克  君
   39番   三  浦  治  雄  君   40番   蔦  田  恵  子 さん
   41番   梅  村     正  君   43番   山  田     実  君
   44番   西  川  勝  彦  君   45番   大  井     豊  君
   46番   谷     康  彦  君   47番   中  沢  啓  子 さん
   48番   沢  田  享  子 さん
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会議に欠席した議員(なし)
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会議に出席した説明員
             知事              嘉  田  由 紀 子 さん
             教育委員会委員長        高  橋  政  之  君
             選挙管理委員会委員長代理    中  原  淳  一  君
             人事委員会委員長代理      宮  崎  君  武  君
             公安委員会委員長        宮  川  孝  昭  君
             代表監査委員          谷  口  日 出 夫  君
             副知事             荒  川     敦  君
             知事公室長           東     清  信  君
             総合政策部長          西  嶋  栄  治  君
             総務部長            北  川  正  雄  君
             琵琶湖環境部長         北  村  朋  生  君
             健康福祉部長          渡  邉  光  春  君
             商工観光労働部長        堺  井     拡  君
             農政水産部次長         窪  田  雄  二  君
             土木交通部長          美 濃 部     博  君
             会計管理者           谷  口  孝  男  君
             企業庁長            南     史  朗  君
             病院事業庁長          福  井  正  明  君
             教育長             河  原     恵  君
             警察本部長           福  本  茂  伸  君
           ──────────────────────────────
議場に出席した事務局職員
             事務局長            加  藤  誠  一
             議事調査課長          丸  尾     勉
             議事調査課課長補佐       澤  村  治  男
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  午前10時 開議
○議長(佐野高典君) これより本日の会議を開きます。
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△諸般の報告
○議長(佐野高典君) 日程に入るに先立ち、諸般の報告をいたします。
 選挙管理委員会委員長伊藤正明君が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として同委員中原淳一君が、また、人事委員会委員長市木重夫君が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として同委員宮崎君武君が、また、農政水産部長青木洋君が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として農政水産部次長窪田雄二君が、それぞれ出席されておりますので、御了承願います。
   ────────────────
○議長(佐野高典君) これより日程に入ります。
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△議第109号から議第119号まで(平成24年度滋賀県一般会計補正予算(第2号)ほか10件)(質疑、質問)
○議長(佐野高典君) 日程第1、議第109号から議第119号までの各議案に対する一般の質疑ならびに質問を続行いたします。
 発言通告書が提出されておりますので、順次これを許します。
 まず、5番大野和三郎君の発言を許します。
◆5番(大野和三郎君) (登壇、拍手)おはようございます。「時は金なり」とも申します。したがって、直ちに質問に入ります。
 まず、介護保険制度の広域化について質問いたします。
 国民の2人に1人は、老後に何らかの介護が必要と言われております。高齢社会を迎えた今日、介護は誰もが避けて通れない問題で、しかも家族だけでの介護には限界があります。そこで生まれたのが、国民みんなで介護を支え合う社会保険としての介護保険という制度であります。
 介護保険制度の導入は、高齢者介護分野のみならず、我が国の社会保障分野に対しても大きな変革をもたらしましたが、大きかった改革は、介護サービスの利用手続きが、従来の措置制度、すなわち、行政がサービスを決定するのではなく、利用者がサービス提供事業者との間の利用契約に基づきサービスを利用するという仕組みとなったことであります。
 そして、今日、生活保護を含む他の社会福祉分野の給付に匹敵するくらいの大きな保険制度となっており、介護保険制度はすっかり国民生活、とりわけ高齢者介護の世界に定着していることを示していると思います。この制度をいかにして継続していくのかが今問われております。
 いわんや、制度の定着とともに一層介護費用が増大し続けていることから、今後とも保険料負担の増大が見込まれ、財政面からも制度の持続可能性が危惧されるようになっていることも、また事実であります。
 ちなみに、本県の平成22年度の県下19市町の介護保険特別会計法定繰出金を見てみますと120億6,919万1,809円で、5年前の平成18年度と比較をいたしましても、実に29.79%の増加となっております。この介護保険事業特別会計の法定繰出金につきましては、おおむね普通交付税で措置をされますが、これだけの増加率で進みますと、いずれこうした措置も限界が見えてきます。そうしたことを念頭に、今後の介護保険事業会計を検討する必要があると考えます。
 そこでまず、昨年──平成23年度における県下市町の介護保険事業特別会計の法定繰出金の決算見込みはどのようになっているのか、健康福祉部長に問います。
 御承知のように、2015年ごろには第1次ベビーブーム世代、いわゆる団塊の世代が高齢者の仲間入りをします。高齢者人口は現在よりも約800万人も増加して3,300万人となり、ひとり暮らしの高齢者世帯は570万世帯を数え、認知症高齢者も約100万人増加し、250万人となると予想されています。
 こうした状況においては、私は昨年9月議会におきまして、介護保険事業特別会計の広域化について質問をいたしました。同時に質問した国民健康保険事業特別会計の広域化においては、国民健康保険広域化協議会において進めたいとの健康福祉部長からその方向性が示され、一定評価するものでありますが、介護保険事業の広域化について、再度見解をただすものであります。
 現在、国会で議論がされています消費税増税において、現行分の5%の実質配分比率は、国が56.4%、地方が43.6%であります。10%の税率の場合、この比率が、国62.8%、地方37.2%と低下はします。しかしながら、消費税率を引き上げた場合の増収分5%について、地方自治体ヘの配分は1.54%とされます。したがって、実質配分額が増加いたします。
 しかしながら、さきに述べましたように、介護サービスの利用の増加や高齢者人口の増加の現状に鑑みますと、増税後も厳しい財政状況が続くことは容易に想像できるものであります。また、増税後の景気の悪化は過去を見れば明らかであります。こうした中で、介護保険事業をいかに継続していくのか、各市町においても喫緊の課題であります。
 確かに、健康福祉部長が昨年9月に答弁されたように、介護保険の事業者は市町で、そのサービスを決定するのも市町であります。したがって、各市町の状況が直接保険料にはね返るのも当然であります。だから各市町に任せておけばよいということにはならないと思います。複数の市町による事業、すなわち広域化を進めることで、保険料を統一する場合の算定、特に、資産割合の扱いが課題となることや、統一保険料率によって増額になる市町が出ることなどはもちろん承知の上であります。
 私は一方で、広域化によるスケールメリットによって、給付費の引き下げや保険料の引き下げを見出し、もって健全な介護保険事業を築くことも可能であるということを示すことこそが重要だと考えます。こういうときに、県のリーダーシップを発揮すべきではないでしょうか。昨年9月定例会では、事務の共同化を市町ヘ提案すると健康福祉部長が答弁をされました。その後、どのような提案をされてきたのか、また、今後どのような道筋を描いておられるのか、示していただきたいと思います。
 私は、こうした広域化は決して健康福祉部だけの課題であるとは思っていません。当然スケールメリットが発揮されれば、介護保険事業の基盤の安定だけではなく、ひいては市町の財政基盤の安定化をもたらすものであります。
 そこで、こうした国民健康保険、介護保険などの事業に関連して、自治振興を担当する総務部長の立場の見解を求めておきます。
 1つには、県内各市町の社会保障に係る義務的経費は今後どのような推移でふえると予想されておられますか。また、介護保険事業の広域化を推進することに対して、どのような見解を持たれているのか。この2点の答弁を求めます。
 ここで健康福祉部長に提案ですが、県内には74の特別養護老人ホームがあります。平成23年1月から12月までの1年間で要介護度が上がった利用者は、定員4,700名の15.6%に当たる731人おられます。一方、下がった利用者は6.0%の283人であります。また、定員に対して、介護度が30%以上上昇した施設は2施設、20%以上では23施設あります。一方、介護度が下がった施設は、20%減が1施設、10%減が16施設であります。
 ここで注目すべきは、介護度を下げた施設、その取り組みであります。要介護度の上がった施設の実態を分析し、どこに課題があるのかを把握し、下げた施設のカリキュラムを取り入れるよう指導し、あわせて、適宜モニタリングを実施することで、結果、公費負担を抑制できるのではないでしょうか。
 特に、税源移譲後の介護保険の給付の負担において、施設等給付費の県の負担率が5%上昇しております。さきに述べた優秀な施設の取り組みを県下に広げる地道な取り組みについて、健康福祉部長の見解を求めます。まだ遅くはありません。将来来るであろう超高齢社会を見据えて、今からしっかりと対応をすることを求めて、質問といたします。
 なお、答弁は簡潔明瞭にして、あわせて、答弁漏れのございませんように、念のために申し添えておきます。
○議長(佐野高典君) 5番大野和三郎君の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎総務部長(北川正雄君) (登壇)おはようございます。
 大野議員の、介護保険制度の広域化についての御質問にお答えいたします。
 まず、県内各市町の社会保障に係る経費の今後の推移の予想についてでございますが、本年3月に厚生労働省が示しました社会保障に係る費用の将来推計によりますと、一層の少子高齢化の進展などにより、社会保障に係る全国の公費負担額は、平成37年度には現在の約1.5倍に増加をするものと見込まれております。
 一方、県内市町の扶助費や介護保険事業、国保事業等の繰出金などの社会保障関係経費の決算額でございますけども、ここ10年で見てまいりますと、平成12年度が約482億円であったのに対しまして、平成22年度は約1,219億円となり、この間、市町村合併に伴う生活保護事務の移譲、あるいは子ども手当制度の創設といった要因があるものの、直近の10年間で約2.5倍に増加をしているという状況でございます。
 今後につきましても、今申し上げました市町決算額の状況、また、本県において高齢者人口の増加が見込まれること、先ほどの国の公費負担の推計の結果などを踏まえますと、社会保障関係経費の大幅な増加が続くものと見込んでおります。
 次に、介護保険事業の広域化の推進に対する見解でございます。
 広域化という視点は、介護保険事業のみならず、市町の財政運営全般にわたりまして、財政の健全化を確保していくための方策の一つとして、常に意識をすべきテーマであるというふうに考えております。
 高齢化の進展によりまして、今後とも介護保険に係る財政負担の一層の増嵩が見込まれる中で、必要なサービスを安定して提供し続け、将来に向けて持続可能な財政運営を図ることが大変重要な課題であるというふうに認識をいたしております。そのような中、介護保険事業の広域化は、保険財政の安定化や事務の効率化を図るという視点において、有効な方法と考えております。
 現在、自治振興課と各市町の財政担当部局との間で、その時々の財政運営上の課題について議論を行う場を設けておりますが、今後は、そうした場も活用しながら、介護保険事業の広域化に関する情報の共有や意見交換等を進めてまいりたいというふうに考えております。
◎健康福祉部長(渡邉光春君) (登壇)市町の介護保険事業会計への繰出金の決算見込みでございますが、厚生労働省ヘ7月下旬までに提出するため、今現在、市町から決算額の報告を求めているところでありまして、現在把握している見込み額でございますが、約134億円で、昨年度と比べ、約10.8%の増加となる状況でございます。
 次に、事務の共同化の提案につきましては、まずは県と市町との事務の共同化としまして、定員29人以下の地域密着型特別養護老人ホームの監査事務の共同化に取り組んでおります。今年度中に6市と共同実施することとしております。
 また、今後の道筋でございます。
 持続可能な介護保険を運営していくことは、県としても重要な課題であると認識をしております。議員から御提案いただきました広域化は、保険者たる市町の考え方の尊重という前提に立って検討すべき視点であると考えております。
 広域化に関しましては、財政規模の拡大による介護保険財政運営の安定化が期待される一方で、地域における利用者ニーズに即した介護サービスの基盤整備をどうするか。それと、広域の範囲でございますが、県域全域か、福祉圏域か、どのエリアで広域するかというのも一つのポイントであると思っています。それとまた、広域化を希望する市町のみで広域化するかなどの問題もあろうかと思っております。
 そのため、まずは保険者である市町がどう考えるかが重要であり、広域化を含めた介護保険の諸課題について、意見交換や情報共有を行う研究会を設置しまして、課題の整理や国の制度提言などを検討してまいりたいと考えております。
 また、要介護度を改善している施設の取り組みを県内に広げることについてですが、すぐれた取り組みを県内各施設に普及させることは必要と考えております。このため、要介護度の上がった施設の課題、下がった施設の評価すべき点の分析を効果的、効率的に行うため、施設の要介護度を自己評価する仕組みを検討していきたいと考えております。
 具体的には、県が策定しております特別養護老人ホームの自己評価基準を見直し、要介護度の改善に関する評価項目を組み入れて、適宜それぞれの施設が継続的にモニタリングし取り組みを振り返るとともに、県は、監査指導の機会にチェックして指導していくサイクルをイメージしております。あわせて、県が実施します研修に要介護度の改善に効果ある取り組みを取り入れ、普及していきたいと考えております。
◆5番(大野和三郎君) (登壇)まず、総務部長についてですが、いわゆる一般論を求めているんではないんです。ここは県民代表の議員で構成する県議会であります。ですから、県民の声、あわせて地域の声の代弁者であるわけですから、滋賀県下における自治振興を所管する総務部長としていかにあるべきか、具体で説明をしていただきたい。
 と申しますのも、昨年9月の私の一般質問に対して、副知事にも答弁を求めております。その副知事の答弁の概要を申し上げますが、副知事の答弁です。「市町との信頼関係を築いていくためには、県、市町、それぞれさまざまな段階において、お互いを尊重して、率直に意見交換をして、相互に理解を深めていくことが大切であります。保険制度の施策展開に当たりましては、国、県、市町、それぞれが役割を分担しながら、緊密な連携を図っていく必要があることは言うまでもありません。したがって、当然、県と市町、それぞれ十分な意思疎通が図られなければなりませんし、実際そうなると思いますけれども、その中で副知事としての役割が求められる場面がありましたら、私自身、精いっぱい頑張ってまいる所存でございます」、ここまで副知事が述べられているわけですから、こういった方向性で総務部長としても取り組む姿勢を示す必要があるでしょう。
 今度は、健康福祉部長に申し上げておきますが、昨年の9月の議会において、事務の共同化等について市町に提案をされるということだったんですが、昨年の9月から今日まで、具体的にどういった提案をされたのか。答弁の中に、私が聞き漏らしたのなら私の問題なんですが、そうは思わない。
 あわせて、要介護度の下がった施設、上がった施設のモニタリングを行うということですが、どうして今日までそういった調査、モニタリングを行ってこなかったのか。
 おおむね、それぞれその1点を簡潔に御説明いただきたい。
◎総務部長(北川正雄君) 具体的には、財政担当課長会議等の場を活用いたしまして、市町の御意見、考えを十分把握しながら、県としても助言を行い、次のステップを踏んでいきたいというふうに考えております。
◎健康福祉部長(渡邉光春君) 事務の共同化の提案でありますが、先ほど、取り組んでいるというような言い方で、提案がなかったようにお聞きいただいたと思いますが、私どもとして提案しましたのは、まずは県と市町との共同事務化を提案しました。市町間相互のことについては提案はしておりません。
 それから、もう1点でありますが、モニタリングが今までなぜできていなかったというふうなことでありますが、このモニタリングというのは、施設ごとと申しますが、一人一人の要介護度とか、それから、あるいは時間的にどう追っていくかということが非常に難しゅうございます。それには多額の費用と、また多額の人がかかるというようなことから今まで取り組みをしてなかったわけですが、そういう中で、いかに効果的にやるかということで、自己評価ということの案を今イメージしているというようなことでお答えをさせていただいたところでございます。
◆5番(大野和三郎君) (登壇)まず、総務部長に再々質問ですが、つまるところ、市町の保険会計における給付が下がれば、当然負担が下がるわけです。したがって本県の負担も軽減される、その辺のところをしっかり念頭に置いて。先ほど、昨年の副知事の答弁のとおり、市町の財政の健全化が図れなければ当然本県の財政の健全化も図れない、そのことを強く申し上げておきたいと思います。
 なお、健康福祉部長ですが、昨年9月の議会で共同化において提案をする、諸般の事情があって提案したができなかった、今現在できないということなんですが、言うまでもありませんが、本会議における会議録、これは全文筆記で永久保存なんです。したがって、皆さんの、我々もそうなんですが、皆さんの発言、これは非常に重い。そのことを反すうしていただきたいと思います。
 なお、念のため、もう一遍、モニタリングですが、モニタリングの定義、これについて渡邉福祉部長に御披露いただければありがたい。
◎健康福祉部長(渡邉光春君) モニタリングと申しますのは、要は、特にこの要介護度という項目といいますか、ポイントで申し上げますと、対象で申し上げますと、1人の方の、例えば特別養護老人ホーム入所時点に要介護度3であった方が、例えば、その方が3.5に上がる、あるいは2.5に下がるというふうな状況の中で、どういうふうな生活をし生活訓練をやるか、あるいは理学療法士的な対応がいかに行われたか、また、本人さんの努力的なものがいかにあったか、そういうふうなさまざまな項目をつくりまして、いわゆる客観的な手法のもとに、その人の要介護度がどうであったかということを見ていくのがモニタリングでございます。
◆5番(大野和三郎君) (登壇)念のために申し上げておきますが、先ほど、特養施設で今日までモニタリングが実施をされていなかった。これは特養施設だけではございませんが、あらかじめ設定しておいた計画や目標、指針について、その進捗状況を随時チェックすることとあります。サービス、ケアマネジメントが提供されているか、状況の変化に応じた利用者のニーズが新たに発生していないかなどの現状を観察して、把握しておくこととあります。このことはこれ以上問いませんが、特養に限らず、公的な制度の運用に当たっては常に心にとどめていただいて、医療、福祉を所管する部長として職務に精励していただきたいと思います。
◎健康福祉部長(渡邉光春君) 御指摘を踏まえまして、今後頑張っていきたいと思っています。
◆5番(大野和三郎君) (登壇)次に、障害者、障害児の暮らし安心日本一滋賀を目指して、を質問いたします。知事に質問いたします。
 日本国憲法第14条は、全ての国民に自由と平等を認めております。全ての国民とは、当然、障害を持つ者、持たない者、関係なく自由と平等を認めているわけであります。しかしながら、現実に将来に不安を抱く人々は多く、とりわけ障害を持つお子さんの保護者は、自分自身の不安にも増して、そのお子さんの将来の自由と平等に対して大きな不安を持っておられます。
 自分たちの目の届く間は生活をともにすることが可能ですが、問題はその後であります。すなわち、両親や肉親が障害者を支えられなくなった後であります。私は、この問題の解決は、いかにハンディキャップを持っていようと、障害者の意思によって就労でき、自立することが可能な社会を構築することができるかにかかっていると思います。そして、その社会を構築するには、障害者の人生をベースに考えるべきだと思います。
 まず、学校教育法第72条には、障害者に対して、幼稚園、小学校、中学校または高等学校に準ずる教育を行うとともに、障害による学習上または生活上の困難を克服し、自立を図るために必要な知識、技能を授けることと、特別支援学校の目的が明記されていることは周知のとおりであります。ここでも、自立を図るためとありますが、ここが重要であります。
 学校教育の視点からは教育委員会が管轄でありますが、その子供たちにとって重要なことは、将来の社会における自立であります。現実に、学校を卒業し、その後の自立に対して、障害児を持っておられる保護者の皆さんは不安を抱えておられます。まず、こうした保護者の思いの中で、知事は、特別支援学校における障害児への生活上の困難を克服し自立を図ることにおいて、学校に何を求められておられますか。まず伺いたいと思います。
 学校を卒業しますと、いよいよ社会へ一歩踏み出すことになります。確かに、一口で障害を語れませんし、さまざまな段階の障害があります。その法的な支援が障害者自立支援法であります。障害者および障害児がその有する能力および適性に応じ、自立した日常生活または社会生活を営むことができることを目的とするものであります。この法律の大きな理念の一つが、障害者がもっと働ける社会にと、一般就労へ移行することを目的とした事業を創設するなど、働く意欲と能力のある障害者が企業などで働けるよう、福祉面から支援するものであります。
 今年度、本県においては、発達障害者の昼夜にわたる生活面と就労面の支援システムを構築する事業──発達障害者自立生活支援システム構築事業や、知的障害者に対する高等技術専門学校での実務訓練の実施──障害者総合実務訓練事業を行うとされています。決して無駄とは言いませんが、満足する結果や目的どおりの成果を上げられるか、個別障害者へのトータル的な支援や対策が見えない中で疑問を持つものでありますが、その成果は今後の課題といたします。
 私は、まずできるところから改善する。例えば、一般就労の移行実績の高い作業所の訓練をモデルに作業所をふやす。そのときには、現行の20名の定員規定を緩和して、受け入れ施設の拡大を図ってはいかがでしょうか。これも知事の見解を求めます。
 さきに述べましたが、障害者自立支援法は、働く意欲と能力のある障害者が企業において働けるようにと制定された法律で、結果としては、その出口であります企業の受け皿、すなわちが、一般就労への移行がやはり重要と考えます。
 障害者の自立を目指すもう一つの法律、障害者の雇用の促進等に関する法律のその理念は、障害者である労働者が、職業生活において能力の発揮の機会が与えられることと、そして職業人として自立するよう努めることの2点であります。障害者を労働者と、しっかり社会の一員と位置づけていますが、これは日本国憲法第13条、全ての国民は、個人として尊重される、生命、自由および幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他国政の上で最大の尊重を必要とするところにあると思っております。
 知事が自信を持って策定した基本構想のプロジェクトの一つ、働く場への橋架けプロジェクトの目標の一つに、障害のある人が、みずからの力に応じて自立した生活を続けることができる環境が整備されていることとあります。しかしながら、1つ注文をつけるならば、環境整備が究極の目標では、それぞれのニーズには応えられません。障害者が自立した生活を続けることができるビジョンの具体を示すべきだと考えますが、知事の見解を求めます。
 障害者が自立した生活を続ける、確かに「言うは易し」かもしれません。しかし、実現しなければなりません。ここで、改めて、現在の本県の障害者雇用率はどのような状況か伺っておきたいと思います。非常に低いと思います。全国平均並みでよしとしておられるのでしょうか。このように、多くの法整備がなされているにもかかわらず、なぜ、どうして障害者雇用が進まないのか。その大きな原因の一つは、障害者支援の組織のあり方に問題があることを指摘しておきたいと思います。
 プロジェクトの4つの橋を見ると、ハンディのある方の橋を一つの橋として、働く場や生活の場の充実と、わずか20文字余りで説明されてありますが、本来は、家族、地域の橋や教育の橋の中においても、障害者への支援策が明記されるべきであります。
 それは、先ほど来述べたように、障害者の自立への支援は、学校教育法、障害者自立支援法、障害者雇用促進法と、障害者の成長とともに支援の段階があり、これらをトータルで有効な施策を実現して初めて、全ての法の目的が達成されるものと思います。
 県内養護学校高等部卒業生の就労の実態をどのように把握し、今後の施策に生かすのか。ここで言う実態とは、何人が就労したのかだけではありません。どのような障害者がどういった分野ヘ就労しているのか、就労後の状況はどうか、途中離職者の実態は、就労先の企業の意見は、就労者の給与水準は、こうした実態が今、養護学校の教育現場に生かされているでしょうか。
 やはり自立を促す就労となりますと、就労時間も健常者に近づけるぐらいの就労時間が求められます。すなわち、体力的にも対応できる訓練がなされているかということですが、果たして養護学校ではこうした考えのもとでカリキュラムがつくられているのでしょうか。現在、体力づくりは1週間で8時間の作業と聞きますが、これで一般就労に耐えられる体力づくりができるでしょうか。私にはそうは思えません。
 また、途中離職者の実態把握も重要であります。途中離職となると、再就職はもっと難しくなるでしょう、困難になるでしょう。そうすれば、家に引きこもりが長引き、その結果、精神まで病んでしまうとなると、その先には、無職から、やむなく生活保護へと進んでしまうことが懸念されます。今、生活保護の問題も大きく取り沙汰されていますが、そうならないための障害者雇用の促進を真剣に取り組む行政が重要ではないでしょうか。
 障害者が自立した生活を続けられるという目標を実現するには、もっとつぶさに実態を把握し、教育の現場や福祉支援の現場、就労支援の現場が情報を一元的に共有することが重要であると思います。
 聞くところでは、障害者自立支援協議会なるものがあるようですが、連携調整というようなレベルでは、一元的に施策を講じるぐらいの責任ある組織が必要であります。つまり、各部局に分かれている障害者支援の使命は、障害者の自立という大きな目標で一致していることからも、今年度、獣害対策で室を設けたように、障害者支援においても、現行の県組織の一元化を図ることが必要ではないでしょうか。
 また、その場合、冒頭に述べたように、日本国憲法では全ての国民に自由と平等を認めていることからも、あえて、人権施策を担当する部局をも組織に入れることが必要だと考えます。こうした組織で臨むことこそがプロジェクト実現の第一歩と考えますが、知事の見解を求めて質問といたします。
◎知事(嘉田由紀子さん) (登壇)大野議員の、障害者、障害児の暮らし安心日本一滋賀を目指しての5点の御質問にお答えいたします。
 まず、質問に入る前に、大野議員の問題意識、障害を持つ親御さんたちが将来に対して大きな不安を持っておられるということ、私自身も、それぞれ、団体あるいは個人の皆さんからも生の声を聞いております。問題の重要さについては共有をしております。まず最初に申し上げさせていただきます。
 その中で、1点目の、特別支援学校に何を求めるかでございます。
 障害のある子供たちが、将来、地域でそれぞれの持てる力を十分に発揮して、自立し、社会参加することができるよう教育を実践していくことが求められております。そのため、子供一人一人の教育的ニーズを把握し、生活や学習上の困難を改善、克服するため、適切な指導、必要な支援を行っていくことが大切であります。
 次に、2点目の、一般就労の移行実績の多い作業所の訓練をモデルに作業所をふやし、現行の20名の定員規定を緩和して、受け入れ施設の拡大を図ることについてでございます。
 一般就労への移行実績の高い事業所は、企業内で訓練を行うグループ就労や、事業所職員がジョブコーチの役割を担っているなどにより効果を上げております。これら事業所のノウハウを、研修や事業所間の意見交換会などにより、県内事業所に広めることとしたいと考えております。
 あわせて、通所障害福祉施設の最低定員の緩和については、家族の会などが事業所を設置する際に、当初から20人の定員を確保することが困難なこともあり、日中活動の場を確保しやすくする観点から、最低定員の引き下げについて、滋賀県独自の方策として、11月議会に上程予定の社会福祉施設等の設備および運営に関する基準を定める条例に盛り込めないか、検討を進めているところであります。
 次に、3点目の、障害者が自立した生活を続けることができるビジョンについてであります。
 これも議員御指摘のように、数値はもちろん重要ですが、そのビジョンを具体的に有効につくり上げることの重要性、共感をしております。
 障害者が自立した生活への基本は、一般企業への就労を促進することであると考えます。このため、障害者が企業へ就職できるための教育のあり方や、障害者雇用についての企業のあり方が問われていると考えます。
 また、これとあわせて、障害のある人はその障害の程度や状況もさまざまであることから、個々の状況に応じた、きめ細やかで継続した福祉的支援も必要であると考えております。言いかえますと、既にある仕事に人を合わせる、そのための教育、訓練を行うのか。あるいは、もう一つの視点としては、人が持っている能力に仕事を合わせるのか。場合によっては、例えばアール・ブリュットのような形で、芸術的素養を持っている人の力が結果的に経済稼得につながるということも考えられます。
 そのような中で、働く場への橋架けプロジェクトの目標である、障害のある人がみずからの力に応じて働き、自立した生活を続けることができるための施策を進めることが必要であります。
 今後とも、障害者のライフステージに応じ、切れ目のない対応ができるよう、教育、労働、福祉、場合によっては文化振興などを含めて、一層の連携強化を図ってまいりたいと考えております。
 次に、4点目の、現在の本県の障害者雇用率の状況でございます。
 滋賀労働局が発表した平成23年6月現在の本県の56人以上規模の民間企業における法定雇用率達成割合は50.4%と、全国平均を上回っております。しかしながら、実雇用率は1.60%と、法定雇用率の1.8%や全国平均の1.65%を下回っている状況にありまして、県としては大変厳しく受けとめております。
 こうした中、平成25年──来年4月からは、民間企業の法定雇用率が2.0%に引き上げられることもあり、滋賀労働局や企業、さらにはさまざまな支援機関、団体等との連携を強め、実雇用率の高い山口県、福井県等の実情について早急に調査を行い、より一層取り組みをビジョンを持って進めてまいる所存でございます。
 次に、5点目の、現行の県組織の一元化を図ることでございます。
 障害者施策の推進に当たっては、関係者間の緊密な連携が必要であります。議員御指摘のとおりです。
 まず、1点目の福祉においては、行政と民間が協働して障害者の支援を考える場である県の障害者自立支援協議会に、今年1月、福祉・就労・教育連携委員会を設置し、一生涯にわたる切れ目のない自立支援という観点から、福祉、労働、教育の継続的な調整を図っております。
 また、2点目、雇用においては、県内中小企業を中心に障害者雇用の促進を図るため、昨年10月に滋賀県障害者雇用検討会議を設置し、行政、商工労働部、健康福祉部、教育委員会と企業、障害者支援団体等の関係者が連携し、障害者の雇用の場を拡大するための方策の検討協議を行っております。
 さらに、教育においては、各特別支援学校高等部では、働く意欲を培い、将来の職業生活や社会的自立を目指して総合的に学習し、生活する力を高めることを目的とする作業学習に取り組んでおります。
 加えて、生徒の障害の状況や学年に応じて就業体験を重ねるとともに、進路決定に至るまで、本人、保護者、学校、公共職業安定所、市町障害福祉課、障害者働き・暮らし応援センターなどが連携できるよう努めております。また、各福祉圏域に設けられた地域自立支援協議会に参画し、卒業生の進路調整や課題の共有を行っております。
 こうした中で、福祉においては市町が障害福祉サービスの責任主体であり、福祉、労働、教育等の連携においても、市町の地域自立支援協議会で対応が図られていることから、組織の一元化については市町の意向もあり、県としては限定的な対応になるという課題があります。
 また、雇用においては、障害者のみならず、若年者や女性、高齢者等のさまざまな対象者の雇用の推進を、滋賀労働局や企業との連携、協働のもとで進めているところであり、そうした取り組みとの整合を考慮する必要があります。
 また、教育においては、キャリア教育の推進も図っておりますが、特別支援学校卒業者の就職や定着、卒業後、就労後の生活調整等の課題があります。
 こうした課題をまず把握した上で、お尋ねの障害者支援の組織の一元化については、議員御指摘の人権尊重の視点などについても留意しながら、まずは前向きに、部局間連携を推進する観点から、本部組織など全庁組織のあり方も含め、検討していきたいと考えております。
◆5番(大野和三郎君) (登壇)今、知事から、障害者福祉施策の実施の一元化検討をしたい、そういった答弁をいただきましたが、念のために申し上げておきますが、政府与党が総合こども園の創設を提案されておりましたが、御案内のとおり、棚上げ、撤回をされました。認定こども園が拡充されるわけですが、今日までは、幼保、つまり就学前教育の幼稚園と保育に欠ける子、また欠けない子も含めてですが、別々の施設を単一の施設とするように定義づけられております。
 と同時に、補助金等におきましても、それぞれ認定こども園に一元的に給付されることとなっております。いわゆる、今日まで文科省と厚労省別々の予算を設けていた、それを1カ所にまとめた、一本にまとめるということでありますので、こういった取り組み、課題はありますが、極めて困難な課題だとは思いません。
 いま1点、知事は十分御存じだと思うんですが、念のために申し上げておきます。
 地方自治法における規定の中で、地方自治法第1条の2では、地方公共団体の役割と国の役割との関係について原則を定めております。その第1項では、地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本とし、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うものとすると定義されております。言うまでもありません。県民のニーズ、とりわけ障害を持つ皆さんの暮らし安心、安全に向けて、さらなる御尽力をお願いして質問とします。
 終わります。(拍手)
○議長(佐野高典君) 以上で、5番大野和三郎君の質問を終了いたします。
 次に、43番山田実君の発言を許します。
◆43番(山田実君) (登壇、拍手)民主党・県民ネットワークの山田実でございます。通告に従いまして、湖南省との友好提携30年につきまして質問をいたします。
 田中角栄首相と周恩来首相が日中共同声明に署名したのが1972年9月、ことしは日中国交正常化40周年に当たります。そして来年、1983年に洞庭湖と琵琶湖のつながりにより本県が中国湖南省と友好協定を結んで30周年を迎えます。滋賀県が湖南省の友好提携25周年のときには湖南省で記念企画が行われ、滋賀県議会からも訪中された皆さんもおられます。そして、来年の友好提携30周年企画は、本県が受け持つこととなっております。
 滋賀県は、アメリカ・ミシガン州やブラジル・グランデ・ド・スール州など、湖のある州や省との友好交流を進めてきておりますが、湖南省との友好提携は、湖だけでなく、中国湖南省との交流を模索していた初期の段階から、幾つかの分野における草の根の市民交流にあったと認識をしております。
 そこで、これまでの滋賀県と湖南省の30年の友好交流の歴史を踏まえつつ、自治体間での交流、市民レベルでの交流の意義と、30周年記念企画に対しての知事の御所見を伺います。
 最初に、中国湖南省との自治体間交流、市民交流の現代的意義について伺います。
 GDPで我が国を追い越し、世界第2位の経済力を持つに至っていることに象徴されるように、中国の国際的な存在が30年前に比べて随分大きくなってきております。また、尖閣諸島を初めとする日本外交との間での課題が顕在化する中で、国家間だけの外交交渉だけではなく、市民レベルでの友好関係づくりの意味は小さくないというふうに思います。
 中国湖南省と友好提携による交流が始まって30年がたとうとしておりますが、自治体間交流、市民レベルでの文化・経済交流の意義をどのように考えておられるのか、知事の御所見を伺います。
 次に、これまでの湖南省との交流の歴史と成果について質問いたします。
 知事は先日の記者会見で、これまでの交流の30年は、草の根の交流と行政の交流と発言されていましたが、私も、友好提携の当時、湖南省長沙市に図書館が建設されるということで、県立図書館と連携し、ここに日本語の図書を送ろうと、草の根レベルで湖南省に本を贈る運動というのにかかわりました。また、中国は若い世代が多いということで、びわ湖放送と協力して若い中国実行委員会を組織し、湖南省との若者交流活動にもかかわったこともあります。
 湖南省とも琵琶湖と洞庭湖の縁に基づいて行われてきたように、滋賀県の国際友好関係は湖をキーワードに行われてきております。近江八景が洞庭湖にある瀟湘八景を模してつくられた、これは江戸時代初期につくられたようでありますが、不思議な縁を感じるところでもございます。
 そして、湖の水質問題など、環境の分野だけでなく、図書館や放送局などの文化の分野、医療や福祉の分野、労働組合の分野、地場産業や観光の分野、あるいは大学や研究機関における交流など、幅広い市民交流がこの湖南省との友好交流活動においても行われてきたと認識しております。
 そこで、これまでの湖南省との交流において、行政分野や民間分野でどのような交流が行われてきたのか、その成果と評価についてお伺いいたします。
 次に、近年の湖南省との交流の現状について伺います。
 先日、知事は中国湖南省で行われた中部6省の投資貿易博覧会に出席してこられ、そこで環境産業、環境ビジネスのPRをされてきたと仄聞しておりますが、中国の反応はどうだったのでしょうか。そして、その手応えから、滋賀として今後どのように中国相手のビジネス展開を目指すべきとお考えなのか、御所見を伺います。
 また、中国で個人ビザが発給されるようになり、中国から滋賀への観光誘客も訪中の狙いの一つと述べておられましたが、中国から本県への観光の手応えはどうだったのでしょうか。中国から我が国、そして滋賀県へ観光客をふやすための受け入れの基本的な戦略をどう考えておられるのか、御所見を伺います。
 次に、来年の滋賀が受け持つことになっている友好提携30周年記念事業について伺います。
 まず、この30周年事業に向けた準備作業はどこまで進んでいるのでしょうか。草の根交流の歴史から、30周年企画の立案や準備作業には幅広い県民の参加を行うべきだと考えますが、どのように考えておられますか。
 特に、この30年の間に、200名近い湖南省の人が技術研修生として滋賀を訪れています。こうした人をどう位置づけた企画を考えておられますか。
 琵琶湖を見てもらい、体感してもらう、農家民宿などを活用し、滋賀の草の根のおもてなしで迎えるといった、滋賀ならではのもてなしを考えるべきだと考えます。こうしたことを踏まえながら、この30周年事業を未来にとって意義のあるものとするために、どのような基本的な考え方に立って進めていこうとお考えか、所見を伺います。
 最後に、以上を総括して、今後の湖南省との経済・文化交流をどのように進めたいと考えておられるのか、その基本的な友好交流活動の御所見をお伺いして、私の質問を終わります。よろしくお願いします。
○議長(佐野高典君) 43番山田実君の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎知事(嘉田由紀子さん) (登壇)山田議員の湖南省との友好提携30周年についての大きく4点の質問にお答えさせていただきます。
 まず、1点目ですが、湖南省と滋賀県との自治体間交流の意義についてでございます。
 両県省が友好協定を結んだ1983年──昭和58年ですが、その当時、海外渡航は現在ほど身近ではございませんでした。そういう中で、県と省政府には国際交流の主体として先導的な役割が求められていました。
 30年が経過しようとする今、議員御指摘のとおり、様相は大きく変化をし、経済・文化交流の担い手は県民、民間団体、企業など多様化し、厚みのある民間交流が盛んとなり、両国の友好親善等にも大きく寄与する意義深いものとなっております。
 一方、当初、交流の主体であった県、省という自治体間の交流については、先導的な役割から民間交流をサポートする役割へと変化しているものと考えております。
 また、中国側から見ると、官同士の交流が重要視されているという実態もありまして、県と民間が協働して国際交流を推進していくことが今も大切であると考えております。
 次に、2点目の、これまでの湖南省との交流における内容およびその成果と評価でございます。
 友好交流開始当初は文化交流を主なテーマとし、5周年では湖南省において滋賀県生活文化展を、また、10周年では滋賀県において湖南省紹介展を開催するなど、両県省の相互理解と友好親善の促進に努めてまいりました。
 その後、青少年、環境、観光、経済交流など、分野別の交流を展開し、例えば行政分野では、190名にも上る技術研修生の受け入れや20名を超える滋賀県職員の長期派遣、さらには、湖南省政府によるびわ湖環境ビジネスメッセへの出展、参加などがございます。
 一方、民間分野においては、議員御指摘のような各種の文化活動、例えば少年少女合唱団や植林交流団の派遣、大型商業施設の進出、また最近では、県内企業と湖南省企業との商談会の開催など、実益をもたらす交流事業も生まれており、両県省の友好関係は一層深まっているものと評価をしております。
 また、このような長年にわたる湖南省との交流が中国人民対外友好協会などから高く評価され、2010年には、対華友好都市交流協力賞が本県に授与されました。
 次に、大きな3点目ですが、近年の湖南省との交流の現状でございます。
 その中で、1点目ですが、ことしの5月に、私自身参加をいたしました投資貿易博覧会における環境産業、環境ビジネスへの中国側の反応でございます。
 まず、今回の博覧会において、滋賀県は滋賀経産協会などと連携をしまして、県内の環境関連企業2社の出展を支援いたしました。当該ブースでは、私も見せていただきましたが、中国側からの活発な質問もあり、また、若手起業家の来訪も目立つなど、盛況であったと感じております。中国での環境への関心は大変高く、この貿易博覧会でも、両型発展、経済と環境の両立ということが大変強く強調されておりました。
 そういう中で、本年11月に滋賀経済産業協会が湖南省で開催する商談会では、環境分野を中心としたビジネスマッチングを計画しております。県としては、産業界の取り組みへの支援など、県内企業が持つ強みを生かした中国市場開拓、販路拡大を進めてまいりたいと考えております。
 また、2点目の御質問ですが、中国から本県への観光への手応えと観光誘客の基本的な戦略でございます。
 滋賀県の観光紹介ブースでは、観光ルートやビザの取得方法、ベストシーズンなどについて、たくさんの方から問い合わせをいただき、本県への多くの関心を寄せていただいております。
 そういう中で、今後、訪日中国人観光客の増加が、特にビザの解禁にしたがって期待されております。関西広域連合や中部広域観光推進協議会等、広域連携の枠組みも生かしながら、琵琶湖を初め滋賀県の持つ魅力を積極的にPRすることにより、中国からの海外誘客に努めてまいりたいと考えております。
 その中でも、議員御指摘のように、近年、中国側の要望としても、いわゆる有名観光地にプラスして、農家民宿あるいは子供たちの直接交流なども要望されておりますので、その分野への展開も含めていきたいと考えております。
 次に、大きな4点目の30周年記念事業の準備作業でございます。
 この5月に湖南省を訪問した際、徐守盛省長と記念事業の基本コンセプトについて確認をし、行事日程や大まかな内容について、湖南省側と事務的な調整を始めました。企画立案、準備作業への県民の参加については、これまで湖南省との交流に熱心に取り組まれてきた多くの方が滋賀県にはおられます。30周年事業を企画、実施するに当たり、これらの方に御参画いただけるよう、仕組みを工夫してまいりたいと考えております。
 次に、3点目の技術研修生に関する企画でございます。
 湖南省から技術研修生として190名もの方が、環境、医療、観光あるいは教育など、滋賀県に数カ月間滞在し学ばれたことは、両県省の交流の歴史の中でも特筆すべきものであります。
 30年前に滋賀県を訪れた方は、既に湖南省でも中枢の役割を担っていただいております。これらの方々とのつながりをさらに強いものとするため、湖南省での交流会の開催や、研修生の代表団を滋賀県に招請するなど、考えていきたいと思っております。
 次に、4点目の、記念事業の基本的な考え方でございます。
 私は、来年迎える友好提携30周年を、先人たちが築かれた交流の歴史を振り返り、次の世代の人々にそのすばらしさを伝え、例えば、政治的にさまざまな課題がある両国間でございますが、人と人のつながり、顔の見える、そして個人的な過去のつながりをもとに、両県省のきずなをさらに深める契機にしたいとも考えております。
 最後に、今後の湖南省と経済・文化交流の進め方でございます。
 両県省の友好交流は、30年間、お互いを理解するための文化交流から始まりました。その後、さまざまな分野別の交流へと発展し、現在では、販路拡大を目的とした商談会の開催など、相互に実益をもたらす交流へと深化しております。
 両県省の交流の原点である琵琶湖と洞庭湖に象徴される環境をキーワードとし、環境政策、環境ビジネス、さらには観光など、さまざまな分野において双方の発展に寄与するよう、交流を深めてまいりたいと考えております。
 この5月、湖南省を訪問した際、徐守盛省長は、「友あり遠方より来る」、あなたたちは湖南省にとって最初の友好の行政体であるということで、大変深くおもてなしをいただきました。そのような中で、30年の成果をしっかり生かす形で、未来に向けたさらなるつながりを求めていきたいと考えております。
◆43番(山田実君) (登壇)2点だけ申し上げたいというふうに思います。
 1つは、アジアからの人々のもてなしのノウハウづくりということです。
 30周年記念事業に関連して、私は、この30周年記念企画を単に湖南省からの人々を招待するというイベントに終わらせるのではなく、滋賀県ファンをアジアにつくり出すためのおもてなしのノウハウ開発という観点で、アジアからの人々をどう迎えるか、一つのモデル的な取り組みをすべきではないかというふうに思っております。
 今、農家民宿の例を申し上げましたけれども、滋賀県での着地型、滞在型の観光を進めるためには、大きなホテルはもちろんですけれども、県下各地にある魅力的な旅館ですとか農家民宿、農家民泊、そういう多様な宿泊施設や、滋賀の食材をふんだんに使った湖国の味の提供、さらに、穏やかで美しい風景や温かいもてなしの心など、アジアの人々を迎えるためのノウハウ、これの開発をする機会とすべきではないかというのが1点でございます。
 もう一つは、友好親善を超えた対話交流ということであります。
 中国は、砂漠化を初めとする環境問題、民族問題、人種問題、所得問題、所得格差、地域格差など、いろんな課題を抱えている国家であります。しかし、その一方で、先ほども申し上げましたように、GDP第2位という経済力、世界に冠たる軍事力など、国際社会の中で存在が大きな国家でもあります。これからの国際化の中で、日中関係の大きさが今以上に増していくことが考えられます。
 そうしたときに、国家同士の交流だけでなく、自治体レベルや市民レベルの友好交流を積み重ね、また、単なる友好親善というレベルを超えて、もっとフランクな対話、これまではなかなか言い出しにくかったことも対話して、そういうことを進める中で、人々との間や自治体の間での信頼関係をつくり上げていくことが重要ではないかというふうに思います。この2つのことにつきまして、知事の御所見をお聞かせいただければというふうに思います。
◎知事(嘉田由紀子さん) 2点の再質問にお答えいたします。
 まず1点目ですが、滋賀県ファンをアジアにつくり出すという観点で、モデル的な取り組みをするべしという御意見でございます。
 今回の30周年記念事業では、子供から大人まで、さまざまな交流団を招請したいと考えております。その中で、特に本県の強みである琵琶湖を初めとする美しい自然環境や観光体験をしていただき、議員御指摘のような農家体験、あるいはおいしい食なども経験いただきたいと思います。
 そして、中国の方のニーズや嗜好は、アジア圏における滋賀ファンをつくり出すヒントがそこから得られるよう、今後、関係者とも意見交換してまいりたいと考えております。
 次に、2点目の、さまざまな国家的、政治的課題がある中で、今後、どういう信頼関係をつくり上げていくことが重要かとの御質問でございます。
 日中関係の中で象徴的な人が私は周恩来首相だと思います。周恩来さんは、それこそ、日本で学びながら、その学びの心で日中のかけ橋となっていただきました。湖南省との友好提携の原点は、両県省の人々が、顔が見える、心の通う相互理解を深め、信頼関係を構築することにあると考えております。
 今後も、特に若い世代含め、草の根の交流や、県、省、市、町の交流を通じて、一層の信頼関係の構築が重要であると考えております。
◆43番(山田実君) (登壇)終わります。ありがとうございました。(拍手)
○議長(佐野高典君) 以上で、43番山田実君の質問を終了いたします。
 次に、12番冨波義明君の発言を許します。
◆12番(冨波義明君) (登壇、拍手)対話の会・しがねっとの冨波義明でございます。通告に従いまして、以下、知事ならびに関係部長に質問をいたします。
 まず、震災瓦れきの広域処理についてお尋ねをいたします。
 さきの我が会派の代表質問の際にも紹介をさせていただきましたが、私たちは、去る5月29日から31日にかけて、岩手県、宮城県に県外調査に参りました。両県の沿岸地帯を中心に、震災瓦れきの処理の現状について現地調査を行うとともに、今なお厳しい生活をされている被災地の方々と親しく対話を交わさせていただき、率直な御意見をお伺いしてきたところでございます。
 昨年3月11日の東日本大震災による大津波は、東北各県の沿岸地帯に建ち並ぶ家屋やビル、工場から樹木に至る町並みを一気にのみ込み、波が引いた後は見渡す限りの瓦れきの町と化しました。私たちが調査に伺ったときには、ほとんどの地域でこれらの大部分は一時集積場へ搬入されており、建物の基礎部分だけが残る無残な光景が広がっておりました。
 そして、現在は、被災地のあちこちに一時集積場の巨大な瓦れきの山が築かれ、その中で無数のクレーン車が動き、トラックが行き交う慌ただしい光景を目の当たりにしてまいりました。
 東日本大震災から、はや1年4カ月が過ぎようとしていますが、被災地の現況をつぶさに調査をしてみますと、本格的な復旧復興にはまだまだ時間を必要とする感を強くするとともに、復旧復興の最大のポイントが震災瓦れきの処分問題にあることを改めて実感したところでございます。
 岩手県、宮城県、福島県の東北3県における震災瓦れきの総量は、当初、約2,253万トンと推計されていたものが、本年5月21日現在では、岩手、宮城両県で合わせて約1,679万トンと大幅に見直され、環境省は、この両県の合計量のうち約247万トンを広域的に処理するとして、全国の都道府県等に対して受け入れを要請されたところでございます。
 この膨大な震災瓦れきの処理に関しては、本滋賀県議会においても、本年の2月定例会において、東日本大震災で発生した災害廃棄物の処理に関する決議を採択したところでございます。被災された皆様にとっては、畳一枚、靴一足、たった一枚の写真であっても、それらはこれまで生活されてきたあかしであり、思い出の残る貴重な品々であります。これらが災害廃棄物、震災瓦れきとしてごみ呼ばわりされることに対して、被災された皆様方の無念さはいかばかりかと感じたところでございます。
 このような思いを抱きつつ、被災地の復興復旧に向けた私たちの支援の気持ちと、そして、きずなを形であらわすためにも、何を差しおいても協力すべきと判断し、私もこの決議に賛同したものであります。
 環境省が要請されました震災瓦れきの受け入れに対する全国都道府県等の状況を見てみますと、本年4月6日の締め切り期日までに、これを受け入れると回答されたのは3県1政令都市、受け入れを検討中と回答されたのは本県を含む6府県、今後、受け入れの合意を目指していると回答されたのは1道7府県4政令都市となっており、全国的には1道16府県5政令都市のみが受け入れに前向きな回答を寄せられているという状況でございます。本県では、4月6日現在、4つの市が受け入れを表明されたと承知しています。
 しかし、東電福島第一原発事故による放射性物質の拡散は、福島県や東北地域だけにとどまらず、はるか離れた関東地方まで及んでいることが明らかになってまいりました。このことから、福島県のみならず、岩手、宮城両県の震災瓦れきについても、一部が放射性物質に汚染されている可能性が指摘されており、国が要請されている両県の震災瓦れきを広域で処理することについては、受け入れを表明された市町を中心として、全国的に慎重論が高まりつつあると仄聞をしているところです。
 また、今回、私たちが実際に現地に赴き、震災瓦れきの処分状況について調査を行った結果、私自身、必ずしも震災瓦れきの実態とその処分の現状について、正確に知り得ていなかったことに気づかされました。震災瓦れきの広域処理については、被災地、被災者への思いやり、きずなといった精神論を大切にしながらも、科学的な見地から、慎重かつ冷静な判断に基づき対応することが重要と考えております。
 「過ちを改むるにはばかることなかれ」と申しますが、県議会で採択されました災害廃棄物の処理に関する決議について、被災地のためにという純粋な気持ちからとはいえ、これは私個人としてですが、軽々に判断したことを、現在、真摯に反省をしているところです。
 このような観点から、岩手、宮城両県の震災瓦れきの受け入れを表明していただいた本県の各市に対しては、心から感謝の意を表させていただく一方、なお一層慎重な対応をとっていただくためにも、県には、県下の各市と適切な情報交換を行っていただくことが重要であると考えております。
 このような観点から、震災瓦れきの広域処理対策に関して、以下3点、知事にお伺いをいたします。
 1点目に、震災瓦れきの受け入れについてお伺いします。
 さきにも触れましたが、東電福島第一原発事故による放射性物質の拡散は、被災地のみならず、はるか離れた関東にまで及んでいることが明らかになってきており、岩手、宮城両県の震災瓦れきも一部放射性物質に汚染されておる可能性が指摘されています。
 国では、宮城県と岩手県の震災瓦れきのうち、焼却後の放射性レベルが1キログラム当たり8,000ベクレル以下の瓦れきを安全な廃棄物として、これを広域処理が可能な対象物とし、全国の県、市町村に受け入れを要請されたところです。
 しかし、放射能に汚染されている可能性のある震災瓦れきについては、移動して拡散することを避け、現地で封じ込めることが原則とされており、また、放射性物質に汚染されていない地域においては、汚染物質の搬入をできるだけ避け、非汚染地域とすることが基本対策と認識しています。
 本県においても、4月6日の時点では、4市が震災瓦れきの受け入れを表明されておられますが、県民の皆様の不安や心配を払拭させるために、県としてどのような対応をされているのか、知事にお伺いします。
 2点目に、森林の造成による防潮堤構想についてお伺いします。
 去る4月30日、岩手県大槌町において、震災瓦れきの上に樹木を植える森の防潮堤を造成するために、試験的に約3,000本の苗木を植えられたと報道されているところです。この防潮堤構想は、横浜国立大学の宮脇昭名誉教授が提唱されているもので、防災機能や景観保護の観点のみならず、震災瓦れきの再利用の観点から大きな注目を浴びています。
 災害により生じた膨大な家屋などの廃木材や流木、コンクリート片等の瓦れきを、除染、分別した後に、これらと土を交互に積み上げて土盛りをしたその山の斜面に、タブノキの木など16種類の苗木を植えて、今後10年をかけて10メートル以上の高さに育て上げ、将来は大きな森をつくり上げる計画とお聞きをしております。太古の森を再生するというこの壮大な計画は、地震大国であり島国でもある日本の津波対策に対する具体的な行動であるとも感じられます。
 そもそも、このたびの震災で生じた瓦れきは、家屋などの廃木材やコンクリート片が大半を占め、これらは自然が生み出したエコロジカルな地球資源であることから、捨てたり焼いたりせずに、有効に活用すべきものと考えます。森の防潮堤、緑の防波堤と呼ばれるこの構想は、まさにもったいない精神の原点と言えるのではないでしょうか。
 調査に伺った被災地でも、この構想ならば、震災瓦れきを全国各地に拡散することなく現地に封じ込めることができると同時に、これら瓦れきは森の防潮堤実現のための必要な資材となり、この事業を行うことで地元の雇用も生む貴重な資源ともなるとの声もお聞きをしてまいりました。
 このように、建設的で有効な震災瓦れきの処理対策がそのほか次々と提案されている現況に鑑みて、ここは被災地のさまざまな声をお聞きし、情報交換をしながら、災害瓦れきの広域処理になお一層慎重に対応することが賢明と考えますが、知事の所見をお伺いします。
 3点目に、震災瓦れきの焼却処分に関してお伺いします。
 震災瓦れきの処分については、これを全国各地に移動させ処分すること以上に、焼却処分することによる危険性が心配をされております。さきにも触れましたが、岩手、宮城両県の震災瓦れきも一部が放射性物質で汚染されている可能性もあることから、これらの瓦れきの焼却には慎重な対応が求められているところです。
 放射性物質で汚染された可能性のある一部震災瓦れきを全国各地で受け入れ、焼却したり、その焼却灰を一般廃棄物の焼却灰と同様に埋め立てたり、また、被災地からの焼却灰を受け入れて埋め立てることは、全国各地で新たな環境汚染や健康被害を生じる可能性が高まることから、放射線防護の観点からも、厳しい管理と対応が必要とされているところでございます。
 また、震災瓦れきは、放射性物質などの汚染物質だけでなく、倒壊建物のアスベストや、その他もろもろの有害物質などが混入している可能性もあり、これらとの複合的な汚染も指摘されております。これらを焼却することへの不安の声が上がっているという現実もございます。
 しかし、一方では、私たちが調査した被災地に野積みにされた震災瓦れきからは、腐敗による悪臭が漂い、また、これら腐敗物から蚊やハエが発生している厳しい状況も見てまいりました。被災地や被災者の皆様からは、このような状況から衛生上の不安を危惧する声も聞かれ、目の前にある危険を取り除くためにも、早急な焼却処分を望まれる切実な御意見も聞いてきたところでございます。
 このように、震災瓦れきの焼却処分に関しては相反する意見もあり、また、どちらも命と健康に対する切実な意見でございます。これらの声に的確に応えるためにも、科学的知見に基づき、しっかりとモニタリングを行い、これを地域住民に公表、説明していかなければならないと考えますが、県として、県下各市町に対して、災害廃棄物の焼却や焼却灰の搬入に関して、どのような観点から指導方針を立てられ、各市町に伝えておられるのか、知事にお伺いします。
○議長(佐野高典君) 12番冨波義明君の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎知事(嘉田由紀子さん) (登壇)冨波議員の震災瓦れきの広域処理についての3点の御質問にお答えいたします。
 まず1点目の、震災瓦れきの受け入れについて、県民の皆さんの心配を払拭させるため、どう対応するかとの御質問であります。
 国では、災害廃棄物の運搬から埋め立て処分までの処理工程における被曝量を計算し、1キログラム当たり8,000ベクレル以下の廃棄物であれば、作業員や周辺住民にとって安全に処理することが可能であることを確認し、ガイドラインとして示したところです。この基準については、IAEAからも国際的に見て適切な手法であると評価されております。
 県が参加する関西広域連合では、処理に対する一層の安全性を確保するため、処理を行うこととなる市町の作業工程の実態を勘案し、専門家会議で検討を行い、陸上で埋め立てする焼却灰は1キログラム当たり2,000ベクレル以下という、国より厳しい受け入れ基準を定めたところです。
 災害廃棄物を受け入れる市町があった場合には、こういった基準の確認が重要であることから、県としても、今後、放射能の検査体制を整備するなど、受け入れ市町の支援を行うことで安全を確保し、県民の不安の払拭に努めてまいりたいと考えております。
 次に、2点目の、被災地のさまざまな意見を聞き、情報交換をしながら慎重に対応してはどうかとの御質問であります。
 国のガイドラインでは、災害廃棄物は被災地において可能な限り分別を行い、可能なものは極力再利用する方針とされており、その上でなお、平成26年3月までに被災地での処理が困難とされたものを、広域処理の対象としております。
 ことし5月に災害廃棄物の発生量や広域処理が必要な量の見直しが行われ、岩手県と宮城県で広域処理が必要とされた量は、当初見込みの401万トンから247万トンに減少したところであります。
 また、処理が見込み以上に進捗している仙台市では、市外の災害廃棄物の受け入れを表明したと聞いております。
 さらに、議員御指摘のように、横浜国立大学の名誉教授の宮脇昭様の御提案による森の防潮堤の構想など、それぞれの地域で具体的に進めていただくことも一つの選択肢と思います。
 今後も、処理が進むにつれて状況が変化していくことは十分に考えられますので、現地の状況の把握に努め、関連市と連携しながら、適切に対応していきたいと考えております。
 次に、3点目の、震災瓦れきの処理に対する県の指導方針でございます。
 県では、放射能対策を厳格に行い、処理の安全性を確保するという観点から、さきにも述べたとおり、関西広域連合が策定した災害廃棄物の広域処理に関する考え方に基づき、取り組みを進めております。
 この考え方では、原則として、1キログラム当たり100ベクレル以下の可燃物を受け入れ対象とし、陸上で埋め立てする焼却灰は1キログラム当たり2,000ベクレル以下として、国より厳しい基準を目安としております。これらは、標準的な処理工程における目安を示したものですが、県内市町の処理施設の処理工程に応じて、きめ細かく対応することとしております。
 県では市町に対して、関西広域連合の基準の考え方や各施設への適用について説明会で伝えてきたところであります。
 今後も、それぞれの市町と十分な意見交換をしながら、また、県民の皆さんの不安を払拭しながら、十分な安全を確保するために努めてまいりたいと考えております。
◆12番(冨波義明君) (登壇)ありがとうございました。少々県政の域を超えた大所高所からの大きな質問をさせていただきましたが、御丁寧な回答をいただき、ありがとうございました。
 県民の皆様の不安、心配を解消するためにもというつもりで、あえて知事の答弁を求めたわけですが、1点、関連して質問をさせていただきます。
 いわゆる震災瓦れきの広域処理については、復興支援や被災地とのきずなというかけ声のもとに、膨大な輸送費を費やして全国各地に瓦れきを拡散するような対策をとられましたが、これは全国的に見ましても、先ほど言いましたように1道16府県5政令都市と、そんなに大きな広がりはなかったように感じております。
 このことからも、ちょっとこれは復興対策費という国費の無駄遣いではないかという声も聞かれるところですけれども、この点について、知事の所見があればお答えいただきたいというふうに思います。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。
 国費の無駄遣いではないかとの御質問ですが、国費といえども私たちの税金でございますから、意見を言う声があっても当然と思います。そういう中で、被災地の施設の処理能力、あるいは議員御指摘のような、復興の妨げになっているという声が被災地から切実に届けられているという状況を見るときに、ここは、あくまでも安全性、また科学的なモニタリングを経た上での受け入れというのは必要ではないかとも考えております。
◆12番(冨波義明君) (登壇)ありがとうございました。私たちも、この議会でさまざまなことを議論していることでは見えないことが向こうへ行って見えたわけですから、あえて質問をさせていただいたわけです。この現地でのお声は、私たちがちょっと想像していたこととは違うことを各地で聞いてまいりましたので、質問をさせていただきました。
 何はともあれ、県民の安心、安全、4市、3市になると思いますけども、これが搬入されることです。県民の安全、安心を第一に、各市町と情報交換、連絡を蜜にしていただき、適切に対応していただきますようお願いをいたします。
 次に、福島第一原発事故の影響から子供を守ることについてお尋ねをいたします。
 東京電力福島第一原子力発電所の事故から、早くも1年4カ月がたちましたが、現在でも、原発事故現場から放出される各種放射性物質は、被災地の福島県や近接する東北地方はもちろん、関東地方でもわずかながら検出が報告されており、自然環境や農林水産物、国民生活への影響が懸念をされています。
 東電福島第一原発事故による放射性物質の拡散が大きかった福島県内では、被災直後、放射性物質から健康被害を防ぐために、警戒区域以外でも多くの小・中学生、高校生、特別支援学校において、屋外活動の制限やマスクの着用を実施されました。平成24年4月末時点では、原子力発電所の機能回復や各自治体などにおける放射性物質の除染作業により、警戒区域以外において屋外活動の制限等を行っている自治体は存在しないとお聞きをしています。
 しかし、被災地の放射線量は以前より少なくなったとはいえ、成人に比べて低線量放射線の影響を受けやすく、被曝リスクが格段に高い子供たちや胎児を持つお母さん方の不安の声は、広がっていると感じられるところです。
 そこで、東電福島第一原発の影響から子供を守るために、本県として何をしなければならないのか、何ができるのかという観点から、以下3点、お伺いをします。
 第1点目に、福島県の子供たちの現状把握についてお伺いします。
 さきにも触れましたが、福島県内では以前より放射線量は少なくなったとはいえ、低線量放射線の影響を受けやすく、被曝リスクが高い子供たちや胎児を持つお母さん方の不安は、消えるどころか、広く大きくなっているように一部報道機関も伝えております。
 いまだこのような状況下におられる福島県内の子供たちなどへの支援の現状について、県はこれをどのように掌握され、どのような対応をされているのか。総合政策部長にはNPO法人などの活動状況から、また、健康福祉部長には子供たちの置かれている心身の健康状態の面から、お伺いをします。
 第2点目に、福島県などから本県に避難されている皆さん、特に子供たちに対して本県が行っている支援の現状についてお伺いします。
 本県にも、東日本大震災の影響によリ、福島県からは子供を含む235名もの皆様が避難されていると聞き及んでいます。そこで、県内に避難されている子供たちに対して、現在、県はどのような取り組みを行っているのか。総合政策部長にはNPO法人への支援の観点から、健康福祉部長には子供たちの心身の健康増進の支援から、教育長には子供たちの現状や学校への支援という観点から、お伺いします。
 第3点目に、保養プログラムという取り組みについてお伺いします。
 福島第一原発事故からの影響を避けるために、外出を制限されたり避難の対象となる地域に暮らす人々を、短期間、安全な地域に避難させる支援活動として、保養プログラムという取り組みがあります。
 この保養プログラムとは、放射線からの影響により、日常生活において外出や運動など生活行動の制限を余儀なくされている子供たちに対し、一時的にでも、青い空の下、緑の大地で心おきなく飛びはねたり遊んだりできる場所と空間を提供し、身も心も伸び伸びとできる環境と機会を保障していこうという支援事業と伺っています。
 この保養プログラムは、仮に短期間であっても、精神的、身体的な解放感から、身体内の免疫細胞の抵抗力が高まり、放射線量の低下促進を促すという見地からも、有効なプログラムとされています。かつて海外で起きた原発事故の場合も、日本を含む世界各国が被災した子供たちの保養先に名乗りを上げ、多くの子供たちがこの保養プログラムの支援を受けています。
 そして、この保養プログラムは、その後も、現在でも、20年、30年と長期間にわたり継続的に行われている事業でもあります。本県でも今春、任意の民間団体が、子供たち27名を含む39名の福島県の皆さん方を招待され、県内で一定期間過ごす保養キャンプを実施され、また、ことしの夏も約40名を招かれる計画があると伺っております。
 この取り組みは、生活に余裕がない家庭の子供たちも平等に行うことや、子供たちの友人関係を保ちながら行うことが望ましいとされており、また、学習活動を保障する観点からも、これは教育行政の一環として取り組まれていることが多いと伺っております。
 一方、本県が被災地などの子供たちに対してこのような保養プログラムの取り組みを行うに際しては、本県の子供たちが果たす役割やかかわりも大変重要と考えております。
 被災地の皆さんや子供たちをさまざまな面から支援するこの活動を通して、逆に、滋賀の子供たち自身が自然や環境について学び、自他の命のとうとさについて考えていくよい機会ともなることも大いに期待できるのではないでしょうか。
 このような観点から、被災地の子供たちに対する保養プログラムについて、教育長の率直な御意見をお伺いします。
◎総合政策部長(西嶋栄治君) (登壇)福島第一原発事故の影響から子供を守ることについての2点の質問のうち、まず1点目の、福島県の子供たちなどへの支援の現状などのうち、NPO法人などの活動状況の把握と対応についてお答えをいたします。
 個々のNPO法人などの活動状況につきましては、網羅的な調査を行っているわけではございませんが、NPO災害ボランティアネットワークを組織して支援情報を提供する取り組みや、被災地において、農業振興のため、菜の花栽培に取り組むNPO等がございます。このほか、福島県の子供たちの心を癒やすため、現地でよし笛づくりや陶芸を行うなどのアート体験プログラムを提供される団体があることは承知をいたしております。
 こういった活動に対しましては、新しい公共支援事業を活用した支援、また、県やNPOを含めた実行委員会である滋賀・絆・アート支援プロジェクトによる取り組みを行っているところでございます。
 次に、2点目の、県内に避難している子供たちに対してどのような取り組みをしているかということでございます。
 本県では、先ほども申し上げました滋賀・絆・アート支援プロジェクトによる取り組みといたしまして、既に滋賀県内に避難されている方々に対し、滋賀の芸術や文化に触れていただくため、各種公演や展覧会などに御招待する取り組みを、これまでに29回、延べ298名の方々に提供いたしております。
 今後、県内のNPO法人より、被災地から避難している子供たちに支援をしたいなどの要望や相談がございましたら、淡海ネットワークセンターなど関係機関とも協力をし、利活用可能な支援ファンドの紹介や情報提供などの支援に努めてまいる所存であります。
◎健康福祉部長(渡邉光春君) (登壇)福島県の子供たちヘの心身の健康状況の面からの現状の把握でございますが、福島県では、平成23年3月11日時点での県内居住者を対象に、被曝線量の推計調査を行う基本調査と、甲状腺検査や健康診査などの詳細調査からなる県民健康管理検査を実施中と伺っております。そのことから、現時点においては、福島県の子供たちの心身の健康状況は把握できない現状があります。
 次に、県内に避難している子供たちへの健康増進への支援の観点からの取り組みでございますが、福島県から避難している子供たちに対しましては、県内の文化施設で開催される公演等の無料招待や花火大会への無料招待など、リフレッシュする機会の提供を通じて、子供たちへの健康増進の支援の取り組みが行われていることと承知をしております。
 また、避難している子供たちが伸び伸びと体験活動ができるよう、各種団体が実施します延暦寺での座禅、針江大川での魚つかみなど体験事業についても、県内避難者の会や市町と連携を図りながら、情報の提供に努めているところでございます。
◎教育長(河原恵君) (登壇)福島県などから避難している子供たちの現状や学校の支援についてお答えをいたします。
 6月現在、福島県から本県へ避難している子供は73人であり、昨年度の同じ時期の94人からしますと、卒業や転居により20人ほど少なくなっております。避難してきている子供の多くは、当初は不安な様子が見られることもありましたが、徐々に学校生活になれてきていると聞いております。
 例えば中学校では、学校生活になれ、部活動に入って、夏の大会に向け元気に練習に励んでいる者や、今後も滋賀県で生活する予定で、県内高等学校への進学を目指して学習に取り組んでいる者が見られるところでございます。
 子供一人一人の状況に合わせて、安心して学校生活が送れるよう、教員が声かけや見守りをしっかりするなどの配慮をしているところであり、また、必要に応じて、スクールカウンセラーによるきめ細かな対応をするなどの支援もしております。
 次に、保養プログラムに対する所見についてお答えをいたします。
 議員御指摘の福島の子供たちを対象としたいわゆる保養キャンプが、福島第一原子力発電所事故以来、NPOなど民間団体を中心に各府県において行われており、本県においても民間団体が行っていることを承知しております。
 このような保養キャンプは、福島の子供たちにとってリフレッシュの場となるという点、また、滋賀の子供たちにとっても、福島の子供たちとの交流を通じて、被災地の現状などを学ぶことができるという点において、大変意義があるものと考えております。
 教育委員会としましても、県内の民間団体がこの春に行った保養キャンプについて後援をしておりますが、今後も、協力要請があった場合には、自然体験活動の指導者情報等の提供など、できる支援をしてまいりたいと考えております。
◆12番(冨波義明君) (登壇)ありがとうございました。落ちついてしっかり答えていただきまして、非常にありがたい。ありがとうございました。
 福島県をサポートする本県といたしましても、単に被災地や被災者の皆様を支援するというだけでなく、この支援活動を通じて、隣接する福井県に我々は原発を抱えておる地域に住まいをしております。私たち自身や子供たちが滋賀の自然環境を学び、命と健康について深く考えていく有効なプログラムであると私は考えておりますので、ぜひ、この取り組みを民間の任意団体などだけに任さずに、県の施策としてもサポート県として積極的に取り組んでいただくのを私は希望しております。また、これ、長期的な取り組みにもなりますので、これから、必要な対策を講じて、これを具体の計画にしていただければ幸いです。
 本日の質問を通しまして、大飯原発の再稼働につきましても、震災瓦れきの広域処理につきましても、この被災者の支援につきましても、私たちは現実に目をつぶり、耳を塞ぎ、多分大丈夫だろう、そういうような、ごまかすことなく、つらくとも現実を知り、真実を学び、その上で判断して行動していくことが重要と考えて、この2つを設定をさせていただきました。被災地の瓦れきを受け入れるより被災地の子供たちを受け入れる、このことへの思いを込めて、私の質問とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○議長(佐野高典君) 以上で、冨波義明君の質問を終了いたします。
 しばらく休憩いたします。
  午前11時51分 休憩
   ────────────────
  午後0時59分 開議
○副議長(山田和廣君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 次に、10番大橋通伸君の発言を許します。
◆10番(大橋通伸君) (登壇、拍手)民主党・県民ネットワークの大橋通伸です。教職員が教育活動に専念できる環境づくりについて、一問一答方式で、質問の全てを教育長に伺います。
 動物行動学者のコーラント・ローレンツは、その著書の中で、「人間は、自分の好きな人、しかも尊敬する人からのみ、文化、伝統を受け継ぐことができる。そのようにプログラミングされている」と記しています。このローレンツの言葉は、私の一昨年までの教員生活を振り返っても、学校教育にずばり当てはまると考えます。
 この意味において、人間形成に深くかかわる教員は、子供たちの前に、薫り高く尊敬の的として立たねばなりません。子供たちは、教員のあふれる笑顔と弾む声に導かれて学びます。子供たちは、そのまなざしを、大人のモデルとして、希望のモデルとして教員に注いでいます。にもかかわらず、近年、身も心もすり減らし、病気休職、もしくは定年を待たずして退職している教員がふえていることは、本県の教育にとってゆゆしき事態であると考えます。
 教員の病気休職、定年前退職のあおりをもろに受けるのは子供たちです。大人のモデルとして、また希望のモデルとしての教員がくたびれていては、休職していては、元も子もありません。教員の資質向上もさることながら、教員の健康保持は、この点、極めて重要です。
 近ごろの先生は、昔と比べて教育に対する熱意が使命感が薄れているとか、ひ弱な先生がふえているんとちゃうかとかの声を耳にします。しかし、教員をめぐるこの事態を休職や定年前退職を選択する当該教員個人の問題に押し込めてしまうと、本県の教育を土台から危うくする、そう私は見ています。休職に至らなくても、心身に異変を来している予備群は、幾つかの学校の幾人かの教員から聞いた話だけでも相当数に上ると考えています。
 そこで、現在、教育職場に横たわるこの問題の所在を立ちどまって考えてみたいと思います。
 ここに、国際経済労働研究所と日本教職員組合が協力して行った教員の働きがいに関する意識調査があります。この調査は、平成22年から平成23年にわたり、各都道府県の小学校、中学校、高等学校ごとに教員120人ずつを無作為抽出し、特別支援学校においては10名ずつを無作為抽出し行ったものです。その有効回答8,320、比較対象データとした一般企業の有効回答2万2,628の結果と照らした一部をここに紹介します。
 「今の仕事にとても生きがいを感じる」、一般企業26.8%に対し、教員67.6%、「今の仕事を続けたい」、一般企業44.8%に対し、教員68.1%という数字が出ています。教員の仕事への非常に高い意欲がうかがえます。片や、「今の仕事を続けたい」の問いに、教員は、男性の場合、30歳未満で82.9%が50歳以上で56.6%に低下、女性の場合、30歳未満で71.9%が50歳以上で53.9%に低下しています。一般企業では、意欲自体は比較的低いものの年齢とともに緩やかに高まっているのに対し、教員では、若年層での高い意欲がその後に持続せず、次第に失われていっています。教員の意欲が年齢を重ねるとともにそがれていくのはどうしてなのか。ここを教育委員会と一緒に重要視し、その解決の方途を探りたいと思います。
 この問題の深刻さは、ベテラン教員だけの問題にとどまらず、先輩教師に学び育つ比重の大きい教員にとって、先輩教員から後輩教員への教育のツボの継承が崩れることにもあります。
 平成23年12月22日付の文科省調査、各都道府県教育委員会通知には、こう書かれています。「病気休職者数は17年連続で増加し、過去最多を更新しています。そのうち、精神疾患による求職者の割合は減少したものの、依然として高水準となっています。このため、精神疾患による休職に至る原因や背景の把握、分析に努め、適切な方策を講じることにより、病気休職者数等を減少させることが急務です。学校教育は、教職員と児童生徒との人格的な触れ合いを通じて行われるものであり、教育職員が心身ともに健康を維持して教育に携わることができるような職場環境を整えるため、教育職員へのメンタルヘルス等の保持等に、より一層積極的に取り組むようお願いします」と通知しています。
 直近の資料、平成22年度の文科省調査によると、全国の教職在職者数91万9,093人、うち病気休職者数8,660人、そのうち精神疾患による休職者数5,407人、病気休職者数に対する割合は62.4%という数字が出ています。本県の近年の教職員の定年前退職者数、病気休職者数はどうなっていますか。教育長、お願い申し上げます。
○副議長(山田和廣君) 10番大橋通伸君の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎教育長(河原恵君) (登壇)本県の近年の教職員の状況についてお答えをいたします。
 ここ2年間の小学校、中学校、高等学校、特別支援学校全体の定年前退職者数は、22年度末が182人となっており、23年度末では206人となっています。また、病気休職者数は、22年度においては99人、23年度におきましては87人となっております。
◆10番(大橋通伸君) (登壇)そのうち、精神疾患による病気休職者数はどうなっておりますか。
◎教育長(河原恵君) お答えいたします。
 22年度においては65人となっており、23年度においては54人となっております。
◆10番(大橋通伸君) (登壇)全国のデータは、10年前、平成13年度比、病気休職者数で1.7倍、そのうち精神疾患による休職者数で2.2倍となっています。本県にとっても、精神疾患による休職者数の増加の傾向にはありますか。教育長、お願いします。
◎教育長(河原恵君) お答えいたします。
 微増傾向であるということで認識をしているところでございます。
◆10番(大橋通伸君) (登壇)精神疾患による休職者のうち、男性、女性の別はどうなっておりますか。
◎教育長(河原恵君) お答えいたします。
 昨年度54人のうち、男性は26人、女性は28人でございました。
◆10番(大橋通伸君) (登壇)小・中・高・特別支援の校種別ではどうなっておりますか。
◎教育長(河原恵君) お答えいたします。
 昨年度54人の内訳は、小学校が19人、中学校が21人、高等学校が8人、特別支援学校が6人となっております。
◆10番(大橋通伸君) (登壇)病気休職者数のうち、精神疾患者数が尋常でない現状についての教育長の認識を伺います。
◎教育長(河原恵君) お答えいたします。
 教職員自身のためはもちろんのこと、子供たちのためにも、教職員の方々が心身ともに健康で教育活動に従事されることが願いでありますが、残念なことに、全国とほぼ同じ割合でここ数年、精神疾患も含めて、病気休職されているのが現状でございます。
◆10番(大橋通伸君) (登壇)その原因について分析、解明されているところを伺います。
◎教育長(河原恵君) お答えいたします。
 その原因の特定については大変難しいものがありますが、学校現場の教職員はストレス要因の多い職種の一つとされており、人間関係が多彩で複合的であることや校務が多岐にわたっているということが、精神疾患の多い大きな要因ではないかと考えております。
◆10番(大橋通伸君) (登壇)今ほど申し上げました昨年12月の文科省通知を受け、本県として講じた方策にはどのようなものがあり、その実効は上がっていますか。教育長、伺います。
◎教育長(河原恵君) お答えいたします。
 本県では、これまでにも、県立学校および県教育委員会事務局、県教育機関職員のメンタルヘルス対策として、当該教職員の早期発見、早期対応、円滑な職場復帰に向けた精神科医等との相談や勤務軽減、啓発活動や相談体制の整備、長時間労働対策など、総合的、体系的に取り組んでいるところであり、文科省通知についても各県立学校および市町教育委員会にも周知しており、例えば、労働安全衛生法で定められております長時間労働に従事した教職員を対象とした医師による面談などに取り組んでおります。
 このようなことから、管理職だけでなく、教職員全体にメンタルヘルスについての認識が深まり、当該教職員が治療に専念できたり、復職時の校務が軽減されたりするなどの取り組みにつながっているところでございます。
◆10番(大橋通伸君) (登壇)今も教員とのつき合いが多い私には、子供と過ごす時間が減ってきたとの声が年々多く届くようになりました。あしたの授業のために必要なことは持ち帰るとの声も多く聞くようになりました。また、生徒指導や保護者クレームなどの対応に追われ、平日にできなかった業務を土日に出勤してこなしている教員も少なくありません。それを覚悟で教師になったんやろうと指弾を引き受けている教員です。
 よい1時間の授業をするには1時間の教材研究、このことを矜持としている教員は、その多くが睡眠時間を削っています。さらに、自分の家庭を顧みない教師もふえています。家庭を顧みない教員のどこが未来を築く子供たちのモデル足り得ましょう。
 教育長、このような心身をむしばむ教員の働き方に伴う負担感をどう受けとめておられますか、伺います。
◎教育長(河原恵君) お答えいたします。
 教職員の職務が多忙化していることは承知しており、長時間労働の解消などのための対策をより一層進めていかなければならないと思っております。
 また、教職員が心身の健康を保ち、子供たちと向き合う時間を確保することは、児童生徒のよりよい教育環境をつくり上げていくためにも大変重要であり、その意味でも、校務の効率化等を推進することが必要であると考えております。
◆10番(大橋通伸君) (登壇)よろしくお願い申し上げます。
 さきに述べた全国調査によると、1カ月の超過勤務時間は、一般企業20.3時間に対し、教員50.7時間と2.5倍になっています。昨年度超過勤務に係る調査を県立学校においてなされました。その結果の生かし方についてお伺いします。教育長、お願いします。
◎教育長(河原恵君) お答えいたします。
 超過勤務の縮減を通じた教育環境の充実や各職員の健康管理の推進を目的に、平成24年1月の1カ月間において、県立学校の教員を対象に、自己申告の方法により勤務時間の把握を試行的に行いました。その結果、超過勤務時間数が月20時間未満の教員が約4割、20時間以上40時間未満の教員が約3割、40時間以上の教員が約3割を占めるとの結果でありました。
 この結果を踏まえまして、各県立学校に対しましては、管理職員の適切な指導のもと、校務分掌の適正配分等の一層実効ある取り組みを求めたところであり、県教育委員会としましても、学校の負担軽減のための取り組み方策を今年度検討することとしているところでございます。
◆10番(大橋通伸君) (登壇)全国調査によりますと、義務制のほうが高い数字が出ております。また御検討のほう、よろしくお願い申し上げます。
 元教員で、学校支援ボランティアとして学校に出入りしている方の声、「先生たちの目が子供でなくパソコンに向いている」は、今の教育現場の仕事量の肥大と、子供たちとの時間を奪われている教員の実態を如実に伝えています。
 文科省は、さきの通知で校務の効率化等の推進を挙げていますが、県教委としてはどのような具体策を講じていますか。今ほど御答弁いただきましたが、再度伺います。教育長、お願いします。
◎教育長(河原恵君) お答えをいたします。
 学校の負担軽減を図る観点で、県教育委員会としましては、照会、報告等の削減、簡素化、会議の精選、会議運営の効率化、研究指定授業の精選などに取り組むとともに、毎年度、市町教育委員会教育長および県立学校長宛てに超勤縮減に関する通知を出し、機会を捉えて通知の趣旨を説明し、実効ある取り組みを進めるようお願いしているところでございます。
◆10番(大橋通伸君) (登壇)ありがとうございました。長時間勤務は自己管理の問題として、その全てを個人責任化するような空気が社会に蔓延しています。教育長、この考え方、つまり自主性頼みの自己管理という考え方の危うさが教育職場にあっていいかどうか、教育長の御所見をお伺いします。
◎教育長(河原恵君) お答えいたします。
 長時間勤務の軽減につきましては、教職員一人一人が勤務時間に関する認識を高め、校務を計画的、効率的に処理するようにすることが求められているところでもありますが、学校経営、学校運営の責任者である管理職が長時間勤務となっている要因を把握し、例えば、それが校務分掌の配分に偏りが生じていることによるものであれば、適正化を図る配慮や協力体制を整備するなど、組織として業務のあり方等を検討すべきものであると考えております。
◆10番(大橋通伸君) (登壇)管理職の役割と任務の大きさについて言及いただきました。管理職について、1つお尋ねしようと思っておりましたことを飛ばします。
 管理職にかかわってですが、管理職の異動により、やる気が湧いてきたとか、ストレスが減ったとかの声を耳にします。その逆もまた耳にします。管理職選考に当たり、教員の意欲と能力を引き出すとともに、教職員の心身の健康に親身になって心配りができる素養をどの程度重視しているか。教育長、伺います。
◎教育長(河原恵君) お答えをいたします。
 教職員の健康状態への配慮については、教育が教員の資質に大きく依存しているものである限り、管理職として当然持っていなければならない重要な役割だと考えております。そのことから、管理職選考における重要な要素の一つとして取り上げ、重視しているところでございます。
◆10番(大橋通伸君) (登壇)よろしくお願い申し上げます。
 片や、今日の管理職のストレスも相当高いものがございます。管理職へのメンタルヘルスはどのようにされておられますか。教育長、お願いします。
◎教育長(河原恵君) お答えをいたします。
 重責を担う管理職の方々もまた、教育を行う学校においては重要な役割を担っておりますので、所属職員の健康管理に適切に対応していただくようお願いするとともに、御自身の健康にも気をつけていただくよう、研修会や学校訪問の機会を通して、その重要性について認識していただくよう働きかけを常にしておるところでございます。
◆10番(大橋通伸君) (登壇)子供たちの安全確保の面から、子供たちから片時も目を離せない職種である教員にとって、互いの健康保持を考慮し、職員集団としての働き方の工夫をおのおのの学校でなされています。それでもなお年次休暇取得や休憩時間取得が進まないのは、同僚に迷惑をかけるという思いが教員に強く働くからです。また、子供のために、子供のためなら、教員にこんな思いが強ければ強いほど、無理をし過ぎ、疲労を蓄積し、休職や精神疾患に至る可能性も高まっています。
 こうした教員の職務負荷に応えるには、今の学校制度では立ち行かなくなっていると私は考えます。また、教員の熱意や使命感だけに頼るには、現在の教育職場は限界に来ていると私は見ています。
 つきましては、教育委員会内に所管を超え教育現場の切実な声が反映されるよう、現場教員の参加も得た、仮称ですが、教職員の心身の健康を守るプロジェクトチームの創設について検討されませんか。教育長、いかがでしょう。
◎教育長(河原恵君) お答えをいたします。
 県立学校に設置している安全衛生委員会の中でも、議員がおっしゃいましたのと同様の意見を聞いており、現場の職員の意見も反映させながら、職員の安全や健康の保持、増進について、各学校で取り組んでいるところであります。
 県教育委員会としましても、全体を所管する総括安全衛生委員会を設置しておりまして、まずは、この中で教職員の心身の健康を維持するためにどのようにすればよいかを検討していきたいと思います。
◆10番(大橋通伸君) (登壇)御答弁いただいた事業の成果が当の教育職場に届いているかは甚だ疑問なところもございます。時代の変化と、それに伴う社会の多様な要請に応えることが、そのまま教員への負荷増大にならないようにしたいものです。そのための施策がこの事業にしっかりと位置づけられることを期待申し上げます。
 この際、伺います。保護者等の訴訟に対応するための顧問弁護士制度については、県教委の設置状況はどうなっていますか。教育長、お願いします。
◎教育長(河原恵君) お答えいたします。
 県教育委員会では2人の弁護士と顧問契約をしており、その対応について、法制面から貴重な指導、助言をいただいているところでございます。
◆10番(大橋通伸君) (登壇)ありがとうございました。
 教員の過剰な職務負担軽減のためには、部活動のことに触れないわけにはまいりません。中学校、高等学校の部活動については、その成果を上げるため、教員の自主的な貢献に頼っている現状があります。
 まず、土日の指導に係る現在の手当額について伺います。教育長。
◎教育長(河原恵君) お答えいたします。
 滋賀県学校職員の特殊勤務手当に関する条例に基づきまして、週休日等に4時間以上部活動指導に従事した場合、1日当たり2,400円が支給されております。
◆10番(大橋通伸君) (登壇)子供たちを練習試合に連れていき、朝7時から家を出発し、帰って日暮れ、これでも同じでしょうか、再度伺います。教育長。
◎教育長(河原恵君) 先ほども申し上げましたように、特殊勤務手当に関する条例に基づいているということで、4時間以上、1日当たり2,400円は変わりません。
◆10番(大橋通伸君) (登壇)部活動に割く時間、労力だけでなく、万が一の事故への精神的負担も職務負荷として教員にのしかかっている現状があります。運動部部活動指導中の教員は、どのようなことに配慮しなければならないか。教育長、伺います。
◎教育長(河原恵君) お答えいたします。
 運動部活動の指導に当たる教員は、まず、生徒が技術的にも人間的にも成長するよう指導することはもとより、安全な環境を保持するとともに、生徒に対し適切な説明や指導を行うこと、さらには万が一の場合に適切な救護対応をとること等、生徒の安全に十分配慮することが求められていると考えております。
◆10番(大橋通伸君) (登壇)部活動の手当になかなか匹敵しない負荷が教員にあるものと理解しております。
 このような運動部活動指導に係る教員の負担軽減に関して、地域スポーツ人材の活用実践支援事業がありますが、どのような効果を果たしておりますか。教育長、お願いします。
◎教育長(河原恵君) お答えいたします。
 ただいまの地域スポーツ人材の活用実践支援事業は、運動部活動の活性化や充実はもちろんのこと、専門的な指導が十分にできない教員を技術的な面で支援することや、教員の負担軽減を目的として実施しているところでございます。
 昨年度の事業実施校からは、未経験の競技を担当する教員にとっては、指導に対する不安が大きく軽減された、専門的なノウハウを学ぶことができたなどの声を聞いており、教員の負担軽減にもつながったと考えております。
◆10番(大橋通伸君) (登壇)運動部活動の社会体育移行が以前議論されましたが、現在、新学習指導要領に明記されています。そこで、適切な運動部活動の指導の今後の方向性について、どうお考えなされておられますか。教育長、お願いします。
◎教育長(河原恵君) お答えいたします。
 運動部活動は、生徒の自主性や協調性、責任感や連帯感など、生きる力を育む上で大きな教育的意義を有していると認識しております。
 県教育委員会といたしましては、生徒のスポーツに対する多様なニーズに応えることはもとより、教員の過剰な負担軽減など、指導に当たる教員の支援にも配慮しながら、運動部活動が実のあるものになるよう、今後とも努めてまいりたいと考えております。
◆10番(大橋通伸君) (登壇)そうありたいものです。
 子供たちの豊かな学びを保障するためには、繰り返しますが、教員が教育活動に専念できる環境づくりが大前提です。この点において、指導が行き届く少人数学級編制の実施、とりわけ、小中学校における35人学級の早期完全実施が望まれます。山口県は昨年度──平成23年度に、全国に先駆け、小中学校全てを35人学級としました。長野県は平成25年度に完全実施されます。静岡県もその予定と聞いています。
 そこで伺います。こうした先行する府県と滋賀県とは、その事情のどこがどう違うのですか。教育長、お願いします。
◎教育長(河原恵君) お答えいたします。
 本県では、法制化がされた小学校1年のほか、小学校2年、3年、そして小学校4年から6年のうち1学年、中学校1年での35人学級編制の実施に加えて、小学校では国語、算数、理科で、中学校では数学、理科、英語で、20人程度の少人数による指導を実施しております。
 また、小学校2、3年生では、学校事情に合わせて、35人学級編制とチームティーチングによる複数指導との選択もできることとしております。
 このように、本県では35人学級編制と少人数でのきめ細かな学習を併用して実施しており、成果を上げていると考えております。
◆10番(大橋通伸君) (登壇)本県の教育委員会は、35人学級編制の実施に向けて平成15年度より工夫を重ね、努力を続けてこられたことを承知しております。改めて、35人学級の完全実施への意思と、完全実施を展望した県の考え方を教育長に伺います。
◎教育長(河原恵君) お答えをいたします。
 義務教育においては、学級編制の標準など、教育水準の維持や教育機会の均等にもかかわる教育の根幹をなす施策については、国が責任を持って実施すべきであると考えております。
 一昨年度、国が小学校1年生での35人学級編制を法制化した今後については、全ての学年で35人学級編制ができるよう、引き続き国へ早期完全実施を働きかけてまいります。
◆10番(大橋通伸君) (登壇)期待申し上げます。
 これまでより、家庭の問題を見過ごすと、その子が学校で安心と自信をなくし学習に打ち込めなくなることも起こると、教員はその責任感と良心から、時に深夜に及ぶ家庭訪問を本務と自覚し行ってきました。こうして幾多の生徒指導上の問題を未然に解決してきました。しかし、こうした貢献の評価もないままに今日を迎えていることもお伝えしておきたいと思います。
 一方で、教員が内向きになっている状況、正確には内向きにならざるを得ない状況が気がかりです。
 ことしの4月に開催された文科省主催の教職員のメンタルヘルス対策検討会議で、精神科医の委員が、「教員は今、社会との関係で権威を取り上げられ、要求され続け、責任は求められ続ける状態にある」と指摘しています。また、同委員のスクールカウンセラーは、仕事が多岐にわたり、量も多く、その人間性が批判の対象になることもあるなど、責務の境界に曖昧さがあると、教員の今の仕事が無定量であることに着目しています。教員が近年萎縮せざるを得ない傾向にあることについて、教育長は認識を共有いただけますか。お願いします。
◎教育長(河原恵君) お答えをいたします。
 社会が急激に変化する中、学校教育を取り巻く環境も変化し、教育に対する期待も多様化しております。このため、求められる責任の範囲も広く、また、これまでの経験の積み上げだけでは対応できない課題も多いことから、教員が消極的にならざるを得ない状況が見受けられることについては、承知をしておるところでございます。
◆10番(大橋通伸君) (登壇)ありがとうございました。
 教員が学校に束縛される時間が多過ぎることも気がかりです。そこで、私はこう考えます。
 授業のない長期休業中、年度変わりの春休みは別として、とりわけ夏休みについては、学校外での研修機会を幅広く保障してはどうでしょう。県教委も市町教育委員会も、夏休み期間中は幾つもの研修を用意されますが、思い切って控えられてはどうでしょう。まとまった期間の海外旅行の体験での収穫は、子供たちにまたとない知的好奇心を呼び起こすことでしょう。漁業体験や林業体験もいい、福祉施設での体験もいい。学校を離れ、別世界に挑戦するチャンスを提供してはどうでしょう。それこそ、教員の心身の健康保持のためにも有効です。
 子供が登校していないのに出勤を求められる夏休み、毎日部活の夏休み、学校と自宅との往復の毎日で、子供たちに日本のあすを指し示すことができるでしょうか。長期休業中の教員に、学校外で視野を広め、見識を深める機会を大いに保障、推奨する、私のこの考え方について、教育長の御所見をお聞かせください。
◎教育長(河原恵君) お答えいたします。
 教員の研修については、その専門性の維持、向上を図る上で大変重要であります。研修の内容により、教育公務員としての服務の取り扱いは異なりますが、長期休業中において研究と修養に努めることは、その職責上、不可欠なものであると考えております。
◆10番(大橋通伸君) (登壇)ありがとうございました。
 保護者向けの情報誌「教育しが」、ことしの5月号でございます。この「教育しが」の中の御挨拶の中で、教育長は、「滋賀の教育を進めていく視点としては、次の4つの点を大切にしていきたいと思います」として、3点目として、「教員に対しては、教育に対して熱意を持ち、教育活動に満足を感じるよう力を尽くしていただきたい」と声援を送られました。この声援が声援として県下の教員に届くことを願い、私は、きょうここに質問に立ちました。
 最後に、教員が教育活動に専念できる環境づくりに向けて、最前線で奮闘する教員に安心と希望を届けるメッセージを、教育長、お願い申し上げます。
◎教育長(河原恵君) お答えをいたします。
 社会の変化とともに学校教育の課題が多様化する中、教職員はそれぞれの教育現場において、日々、子供たちと向き合い、課題の解決に向けて努力しております。次世代を担う子供たちの健やかな成長を願う県民の皆様から、現場の教職員に寄せる期待は大きなものがあります。この負託に応えるべく、子供たち一人一人を大切にすると同様、教職員一人一人の健康に十分に配慮し、教職員一人一人がその熱意と使命感を持って教育に取り組み、より一層力を発揮できるよう、教育委員会といたしましても、教職員が働きやすい環境づくりをするために努めてまいりたいと思います。
◆10番(大橋通伸君) (登壇)県下の子供たちに、そして教職員に、ぬくもりのある教育行政をこれからも推し進められますことを期待申し上げ、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○副議長(山田和廣君) 以上で、10番大橋通伸君の質問を終了いたします。
 次に、21番粉川清美さんの発言を許します。
◆21番(粉川清美さん) (登壇、拍手)それでは、通告に従いまして質問をさせていただきます。
 まず第1項目めは、太陽光発電の推進について、知事に質問いたします。
 昨年3月に起きた深刻な原発事故を契機に、原発に依存しないエネルギー社会の構築が求められております。卒原発を掲げる滋賀県は、どの県よりもいち早く、また熱心に再生可能エネルギーの推進を図ることが求められていますが、現実はまだまだ行動が伴っていないというのが実情ではないでしょうか。いよいよ再生可能エネルギーの固定価格全量買い取り制度が7月1日からスタートすることを受けて、太陽光発電の推進について、5点伺います。
 1点目は、県内の一般住宅、民間施設など、また県、市町の公共施設などの状況についてお聞きします。
 2点目は、本年の取り組みについてです。
 当初予算では、新しい事業として、既築一般住宅1,000件、予算約1億円と、公共的建物予算2,250万円の事業が計画されています。これらの取り組み状況についてお聞きします。
 3点目は、今後の計画についてです。
 県では、国のグリーンニューディール基金が5月1日に採択され、5年間で9億円の事業と聞いています。県、市町、事業所、NPOなどの多様な事業が推進されるものと、大きな期待を寄せているところでございます。この基金を活用した学校などの県有施設の太陽光発電施設設置計画について、また市町や事業所の計画など、国のグリーンニューディール基金を活用した太陽光発電施設設置の計画、将来像についてお聞きします。
 4点目は、県の公共施設の屋根や敷地を貸し出して、県民共同出資の太陽光発電設置を推進することについてです。
 東近江市は、太陽光発電設置などに公共施設の屋根を市民に貸し出す条例を制定しました。また、山梨県南アルプス市は、市が財政負担することなく、太陽光発電を導入する官民連携による公共施設への太陽光発電設置の整備、運営事業を7月からスタートすると仄聞をしております。いずれも、再生可能エネルギーの利用促進と災害時などの公共施設への電力供給が目的です。
 ところで、滋賀県はどうか。今議会の代表質問での答弁は、引き続き検討を進めるという答弁で、ここ3年間、同じ答弁の繰り返しです。県はいつまで検討を重ねるつもりですか。県有施設の屋根などを貸し出し、太陽光県民共同発電所の取り組みに対する県の対応について、いつまでに答えを出すのかお聞きします。
 5点目に、メガソーラーについて。
 県内に大規模な太陽光発電施設の設置を促進するため、発電事業を希望する事業者と、立地を希望する市町や土地所有者との調整の場を提供するマッチング事業の具体的な取り組み状況について。また、実現に至らない問題点や課題についてお聞きします。
 エネルギー量から考えると、メガソーラーの推進は滋賀のエネルギー政策に大きく貢献するものです。期限を切って推進するなど、結果を出す取り組みが必要と考えますが、今後の取り組みについて伺います。
○副議長(山田和廣君) 21番粉川清美さんの質問に対する当局の答弁を求めます。
◎知事(嘉田由紀子さん) (登壇)粉川議員の太陽光発電の推進についての5点の御質問にお答えいたします。
 まず1点目の、県内一般住宅、民間施設等の太陽光発電の状況であります。
 県内の一般住宅については、平成23年度末で導入容量は6万3,996キロワット、導入件数は1万6,737件であり、普及率は5.1%です。都道府県別に見ると、全国で10番目、近畿では最も普及が進んでおります。
 民間施設および公共施設については、現時点で把握しているところで、民間施設は4,490キロワット、市町の公共施設は1,585キロワットが設置されております。県の公共施設では、湖南中部浄化センターや近江大橋、また本庁舎等に、計725キロワットが設置されております。
 2点目の、太陽光発電等に関する2つの事業の取り組み状況でございます。
 まず、1つ目の事業である個人用既築住宅太陽光発電システム設置推進事業ですが、5月14日から申し込みを開始し、現時点で、交付申請登録数は316件となっております。これは昨年などと比べて、出足が早いと理解をしております。
 2つ目の事業ですが、公共的施設等再生可能エネルギー導入推進事業は、再生可能エネルギー等導入推進基金を造成した後、速やかに募集していきたいと思っております。
 次、3点目の、国のグリーンニューディール基金を活用した太陽光発電設置の計画、将来像についてです。
 議員御指摘のこのニューディール基金は、今年度より再生可能エネルギー等導入推進基金として始まった事業でありまして、全国で15自治体が採択され、本県も採択をしていただき、9億円を基金として積み立てることとしております。
 地域の防災拠点等において、太陽光発電等の再生可能エネルギーと蓄電池を組み合わせることで、災害に強い自立・分散型エネルギーシステムを導入した環境先進地域づくりを目指しているものであります。
 本県としては、この基金を活用し、平成24年度から平成28年度の5年間に、防災拠点等である庁舎、学校等の県または市町の施設や、自治会館や民間社会福祉施設等に、再生可能エネルギーを導入する計画であります。
 標準的な15キロワットのシステムを想定すれば、県内一円に50カ所程度の防災拠点等に再生可能エネルギーが投入でき、災害に強く、環境負荷の小さい地域づくりに寄与できるものと期待をしております。
 4点目の、県民共同出資による太陽光発電のための設備用地として、県有施設の屋根などを貸し出すことについてでございます。
 議員御指摘の東近江市等で計画されている取り組みについては、これから導入されるものであり、その手法も含め、先進的な取り組み事例として研究、検討していく必要があります。こうした取り組みには、市民共同発電と県有施設の屋根などを貸し出すという2つの視点があります。
 市民共同発電については、全国に先駆け、15年前、平成9年に滋賀県で始まった取り組みであります。県内の事例や新たな動きについては、既に再生可能エネルギーに係る県市町研究会で情報の共有を行っております。市民共同発電はまさに地域レベルでの自主的な取り組みであり、県としては、その住民なり皆さんの自主性を尊重しながら、いかにバックアップしていくか、議論を進めていきたいと考えております。
 一方で、県有施設の屋根などを貸し出すことについては、県みずからが県有施設において太陽光発電を率先して導入していく選択肢もありますが、7月1日から再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度がまさにスタートするこのタイミングを有効に活用しながら、関係各課で構成する低炭素社会づくり再生可能エネルギー推進本部で検討し、年内を目途に取りまとめてまいりたいと考えております。
 5点目の、メガソーラーの設置に向けた取り組み状況と問題点、課題でございます。
 メガソーラー誘致の取り組みとしては、まず再生可能エネルギー県市町研究会の場をつくり、そこを活用しながら、各市町から民有地も含めた誘致候補地の提案をいただきました。その後、立地を希望する事業者があれば関係市町に情報提供するとともに、県と市町で立地希望事業者を現地へ案内し交渉をサポートするという、個別のマッチング事業を進めております。
 メガソーラーの立地に適した土地としては、一般的には面積が1.5ヘクタール以上の造成済み土地で、系統接続も容易であること等が挙げられております。全国的に見ても、工業団地や工場跡地、あるいは埋立地などの立地事例が多くなっております。
 誘致に至っていない問題点や課題としては、2点ございます。まず、本県の場合、このような上に述べたような適地は既に工場立地など土地利用が進んでいて、なかなか遊休地が少ないということです。また2点目は、これまでの案件では、土地の売却を希望する所有者と借地を希望する事業者との間で、なかなか調整がつかないという課題が挙げられます。
 こうしたことから、昨今、比較的大規模な設置も進んでいる工場の屋根や、さらには倉庫などの屋根も含めて、適地を把握し、立地希望事業者へ紹介できる候補地を掘り起こして、メガソーラーの誘致を進めていきたいと考えております。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)1点だけ再問をさせていただきます。
 太陽光設置事業本年事業で、防災拠点としてエネルギーの確保を目的とした公共的建物に太陽光などを設置する事業ですが、これはまだ申し込みも始まっておりません。先ほどの説明では、これから基金を積んでということですが、当初予算で計画された事業なので、そんなにおくらせるということが理解できませんが、その点についてはいかがですか。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。
 国のニューディール基金のほうは、この6月議会で、今議会で補正で基金のお願いをしております。もう一つの公共的施設等再生可能エネルギー導入推進事業、県のほうでございましょうか。それについては、4月から準備をし、当初予算で基金を造成し、速やかに募集していくという段階でございます。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)新年度の事業が2つあって、1つは5月から申請が開始されている、もう一つはまだ始まっていない、このことについての見解をお伺いさせていただきました。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。
 ただいまのように、6月補正予算で財源振替を行うということで、提案を基金としてさせていただいております。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)エネルギー政策は待ったなしの状況ですので、全力で取り組んでいただきますように要望させていただきます。
 では、続きまして、2項目めの、公共施設の安全対策(防災・減災ニューディール政策)について、一問一答で質問させていただきます。
 国民生活や産業活動を支える道路や橋などの社会資本は、今後、急速に老朽化が進んでいくと言われています。放置すれば思いもよらない大惨事を招くおそれもあるだけに、対策を急ぐ必要があります。また、東海、東南海、南海3連動地震などの影響や湖西断層帯など、滋賀県においても防災力を高める観点からも、人命を守る社会資本の整備は強力に進めていかなければなりません。
 国において公明党は、社会資本の老朽化対策や防災・減災対策を進めるため、10年間で100兆円を集中投資する防災・減災ニューディール政策を提唱しています。いずれ必要になる対策を前倒しして計画的かつ集中的に取り組むことで、防災力の強化と経済の活性化を同時に実現することが狙いです。防災・減災ニューディール政策の実施によって、年間2%程度の経済成長と100万人の雇用拡大が期待できると言われています。
 政治の最大の役割は、国民の命と財産を守ることです。県においても社会資本の老朽化の現実を直視し、的確な対策に取り組んでいただきたいとの思いから、以下、質問をさせていただきます。
 まず、国において公明党が提案している防災力の強化と経済の活性化を同時に実現する防災・減災ニューディール政策について、知事の所見を伺います。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。
 橋梁、道路、上下水道、河川、港湾施設などの社会資本については、国民生活や産業活動の基盤であることはもとより、災害時には、いわば命を守る公共施設として、極めて重要な役割を果たすものと認識しております。
 しかしながら、その多くが高度経済成長期に集中的に整備されたものであり、老朽化に伴う強度や機能の低下が懸念されることについては、議員御指摘のとおりです。このため、防災力の強化という面で見ると、本県においても、施設の計画的な修繕や改修を進め、公助による防災機能の向上に継続的に取り組む必要があると考えております。
 また、経済の活性化という面で見ても、施設の効率的、効果的な維持管理や予防的修繕など、むだのない社会資本の整備により内需を拡大させることは、地域経済にとっても、雇用や景気の面で大きな効果が見込まれるものと思っております。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)それでは、続いて、県の社会インフラの状況などについて伺います。
 まず、橋梁、トンネル、港湾、河川施設、公園などの状況について、土木交通部長に伺います。
◎土木交通部長(美濃部博君) (登壇)土木交通部が所管をしております橋梁、トンネル等の施設の状況についてお答えいたします。
 まず、橋梁の状況でございますが、県が管理いたします15メートル以上の橋梁は742橋あり、うち建設後50年を超える橋は現在75橋ですが、20年後には半数を超えます。また、このうち、災害時の緊急輸送道路やJRの跨線橋など重要橋梁87橋につきましては、耐震化を推進し、現在85橋まで済んでおり、残り2橋につきましても平成25年度には完了する予定をしております。
 次に、トンネルについてでございますが、トンネルにつきましては48本、延べ約22キロメートルを管理をしておりますが、定期的な点検および必要な修繕を行うことにより、施設の安全性確保に努めております。
 次に、港湾についてです。
 県が管理する港湾は4港ございます。これまで順次施設の更新を行ってきておりますが、平成23年度より港湾ごとに維持管理計画の策定を進めており、施設の長寿命化を図ることとしております。
 次に、河川についてでございます。
 県が管理いたします一級河川において、治水上必要な堰や樋門が14カ所ございます。いずれも小規模で、設置年度も比較的新しいものであり、定期的な点検および必要な補修を行うことにより、施設の安全性確保に努めております。
 次に、都市公園についてでございます。
 県が管理する公園は6公園あり、総面積は272.5ヘクタールとなっております。公園施設では、特に遊具の適正な安全管理が必要なことから、毎年、専門家による点検を行っております。この点検結果により、施設の更新や必要な修繕を行っております。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)県民にとって身近な重要な社会インフラですので、今後も安全管理に努めていただきたいと思います。
 続きまして、下水道施設について、琵琶湖環境部長に伺います。
◎琵琶湖環境部長(北村朋生君) (登壇)下水道施設についてお答えいたします。
 県では、4つの処理区の流域下水道におきまして、処理場4カ所、ポンプ場18カ所、延長約344キロメートルの管路施設を有しているところでございます。このうち、昭和57年に供用開始しました湖南中部処理区が最も古いわけでございますが、その中には30年を経過している施設がございますが、国の定めるコンクリート構造物の標準耐用年数50年にはまだ達していないところでございます。
 次に、これらの資産の管理状況の取り組みについてでございますが、処理場およびポンプ場につきましては、経過年数を考慮しながら診断調査を行っております。管路施設につきましては、定期的にテレビカメラによる内部調査を実施しております。引き続き、施設の老朽化の進行を注視しながら的確に事業の選択と集中を行いまして、あわせて、事業費の平準化とコストの低減を図りつつ、適切な施設管理を実施してまいります。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)下水道施設について、他県では老朽化による道路の陥没などを耳にいたしますが、滋賀県は大丈夫ですか。お聞きします。
◎琵琶湖環境部長(北村朋生君) お答えいたします。
 そのような陥没事故等も時々はあるようでございますので、そういった事故がないように、引き続き、そういった調査につきまして実施してまいりたいと考えております。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)よろしくお願いいたします。
 それでは、水道施設について、企業庁長に伺います。
◎企業庁長(南史朗君) (登壇)御質問にお答えいたします。
 水道施設の状況でございますが、上水道で約200キロメートル、工業用水道で約100キロメートルを合わせまして、約300キロメートルの管路を有しております。このうち、上水道は昭和48年から順次工事に着手し、現時点で39年が、また、工業用水道は昭和42年から順次工事に着手し、現時点では45年が経過をいたしております。
 老朽化対策の観点から、管路の更新の考え方でございますが、法定耐用年数の基準はありますものの、管路の実用年数はおおむね60年から70年と言われております。
 先ほど申し上げましたように、布設後40年を超えているものが出てまいりましたので、上水道につきましては、平成27年度からおおむね25年程度をかけまして更新することといたしております。工業用水道につきましては、既に受水企業との調整を始めておりますが、可能な限り早期に計画を策定した上で、更新してまいりたいと考えているところでございます。
 また、防災・減災対策を進めるために、この管路の更新に合わせまして耐震化を実施することにより、現在、上水道で約30%、工業用水道で約9%となっております管路の耐震化率を、さらに引き上げてまいりたいと考えているところでございます。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)最も重要なライフラインの一つですので、十分な管理と計画的な保全等をよろしくお願いいたします。
 それでは、次に、社会インフラの中で、県民に身近な橋梁の管理についてです。
 県の資料によりますと、県管理で一番古い橋は彦根市の高宮橋と長浜市の難波橋の2橋で、79年前、昭和8年に建設されました。先日、無賃橋として有名な高宮橋の状況を見てきましたが、歴史を感じる古い橋で、ところどころ高欄の補修の鉄骨がむき出しになっていて、このような対応で大丈夫かと心配になりました。県内の橋梁の現状を実際に見て回りますと、県の資料と実態が合っていないように感じました。
 修繕の記録が整備されていない様子であり、今後の管理を行う上で、橋の点検、修繕の履歴がしっかり記録されることが重要と思われますが、土木交通部長に伺います。
◎土木交通部長(美濃部博君) お答えいたします。
 議員御指摘のとおり、橋梁の適正な維持管理や今後のアセットマネジメントを行っていく上で、点検、修理の履歴情報の蓄積は必要不可欠なものであると考えております。
 アセットマネジメント着手に当たりまして、いま一度、この根幹的な基礎情報となります点検、修繕の履歴情報の不備等について確認をし、必要な情報の補足を行いたいと考えております。
 今後は、アセットマネジメントの一環として、情報の管理に万全を尽くしてまいります。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)それでは、続きまして、長寿命化修繕計画についてです。
 15メートル以上の橋梁724橋は、長寿命化修繕計画を策定し本年度から実施しているとのことですが、長寿命化計画によれば、維持管理費用は、総費用が1,708億円から600億円へと1,108億円のコスト削減が見込まれていますが、必要予算も含めて、長寿命化修繕計画の具体的計画内容について、土木交通部長に伺います。
◎土木交通部長(美濃部博君) お答えいたします。
 長寿命化修繕計画は、今後の50年間についての各橋梁の状況に応じました点検計画、修繕計画を積み上げたものでございます。各橋梁ごとに5年間隔で点検を行うこととしており、発見されました損傷につきましては、優先度を決めて逐次修繕し、橋の健全度を保つこととしております。
 この計画に基づき、本年度6橋、来年度は27橋を修繕する予定でございます。
 修繕に必要な費用は、50年間に全体で約600億円を見込んでおるところです。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)単純にはいかないとは思いますが、50年間で600億円といいますと、年間に約12億円の予算が必要となりますけれども、現在の年間予算と比較していかがですか。土木交通部長に伺います。
◎土木交通部長(美濃部博君) 本年度6橋予定してございますが、損傷の程度に応じて必要な予算を確保していきたいというふうに考えておりますので、これは全体を通じまして、50年間で600億円と推定をしておるということでございます。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)今、私は単純に計算しますと倍の予算が必要で、12億円、今年度予算が6億円とすれば、その倍の予算が必要かなと思ったんですが、今、単年度ごとの計画ではないということですので、ぜひ、計画はしたけれども予定どおり進まなかったというようなことがないように、予算をしっかり確保して実行していただきますようにお願いをしておきたいと思います。
 次に、長寿命化修繕計画に基づく取り組みには、点検、診断、修繕計画、補修対策、データ更新などのサイクルの実施が必要で、これまで以上に人材育成や人材確保が必要となると思いますが、今後、どのように対応されるのか、土木交通部長に伺います。
◎土木交通部長(美濃部博君) お答えいたします。
 議員御指摘のとおり、人材育成、人員確保は、今後、長寿命化修繕計画を進めていく上での重要な課題と考えております。このため、本年度より建設技術センターにおきまして、経験の浅い職員を対象に橋梁維持管理講座を開講することとしております。この講座を受けることにより、本県の橋梁長寿命化の考え方を学んだり、点検実習を行うことなどで、専門的な技術力の向上を図っていきたいと考えております。
 さらに、ベテラン職員による指導のもと、現場で知識や技術を習得する、いわゆるOJTの取り組みなど、技術の伝承についても強化してまいりたいと考えております。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)部長から先ほどは県管理の15メートル以上の橋梁について御説明がありましたが、県管理の15メートル未満の橋梁2,205橋も私たちの生活に欠かせない身近な橋だと思うのですが、修繕計画についての今後の取り組みなどを、土木交通部長に伺います。
◎土木交通部長(美濃部博君) お答えいたします。
 長さ15メートル未満の橋梁につきましては、昨年度に調査をいたしました。現地調査を行いました。その上で、各橋梁の状況を確認したところでございます。
 今後、15メートル未満の橋梁につきましても、橋の老朽化の進行状況等をチェックしながら、適切な維持管理を行うことにより、施設の安全性確保に努めてまいりたいと考えております。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)社会資本を効率よく管理運用するアセットマネジメントの導入についてです。
 アセットマネジメントを実施していくためには、点検や修繕に大変な労力と費用がかかるものと考えられます。県管理橋梁についても例外ではありません。このため、点検など、県民との協働を検討していく必要があると思われますが、土木交通部長の見解を伺います。
◎土木交通部長(美濃部博君) お答えいたします。
 現在、県民との協働で公共施設の維持管理をしている例といたしまして、個人の方や団体が日常の道路利用の中で発見された道路の損傷等の状況を報告をしていただくマイロード登録制度を実施しておるところでございます。道路利用者の視点、また地域の生活者の視点から貴重な情報をお寄せいただいておりまして、きめ細やかな道路管理に役立てているところでございます。
 今後は、橋梁につきましてもこの制度を活用し、職員が行う専門的な点検に加えまして、住民の皆さんによる、橋梁を日々利用されている立場からの点検をしていただけるような仕組みを検討してまいりたいと考えております。このことによりまして、施設の劣化の詳細な進行状況がチェックをされ、予防保全的な維持管理に役立つ情報を得ることが期待できると考えております。
 なお、その際、住民の皆さんの安全確保につきましては、十分配慮してまいりたいと考えております。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)ぜひそういう制度をつくっていただきたいと思います。
 地域住民に身近な社会資本によっては、地域特性を生かした住民との点検など共同管理や、地域経済の活性化の観点から修繕に地域の事業者などを活用するなど、地域ごとのオーダーメード型の修繕計画についてもぜひ検討していただきたいと考えますが、土木交通部長の所見を伺います。
◎土木交通部長(美濃部博君) 現在のところはそういったことを検討しておりませんが、今の御指摘に基づきまして、研究をしてまいりたいと思います。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)点検体制の構築や長寿命化修繕計画の策定、またさらに、修繕計画に基づき実施した補修履歴は一元化して管理されなければなりませんが、これら全てが全庁での対応が必要だと考えています。このように、アセットマネジメントの導入は全庁的な取り組みが不可欠ですが、知事の見解を伺います。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。
 高度経済成長期を中心に急速に整備が進められてきた施設の老朽化が進んでおりまして、まさにこの財政負担も課題と見込まれる中で、適切な時期に適切な維持管理を行い、県庁全体としてコスト削減や平準化を図っていくことが重要であると認識しております。
 昨年度実施の包括外部監査においても、全庁的な観点から、情報収集および意思決定を行う体制であること、ならびに予算に結びつく仕組みが重要であるとの御意見をいただいております。各部局において現在進めている取り組みの成果も踏まえ、今後、全庁的なアセットマネジメントの実施について研究してまいりたいと考えております。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)それでは、次に、公共施設、建物についてです。
 公共施設の管理は県有建築物保全支援システムを活用していると伺っていますが、現在は、個々の施設の補修や更新については、担当する所管の部局から予算が要求され、予算の範囲の中で必要に応じて執行されているという状況です。これが公共施設の白書を策定し、検討を進めていくことによって、全体の施設の管理、財政の計画が立てやすく、また、客観的なデータ整備による施設のあり方や配置についての検討や議論がされやすくなると考えますが、公共施設白書を策定し、アセットマネジメントの視点を導入することについて、知事の見解を伺います。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えします。
 建物についてのデータベース化の取り組みでは、現在、県有建築物保全支援システムや滋賀県公営住宅管理システムにより、工事履歴などを一元的に管理し、維持管理に活用しております。
 また、現在更新中の公有財産台帳管理システムでは、建物に係る耐用年数や現在価格などの財務的データの整備を計画しており、将来的には、全庁的な建物について、そうしたデータが即時に入手、活用できるようになります。
 今後、これらの客観的なデータを活用し、アセットマネジメントの視点で、全体の施設の管理や予算の配分にどうつなげていくのかが課題であります。
 議員御指摘の公共施設白書についても、そうした取り組みの一手法であると認識をしており、全庁的なアセットマネジメントを進めていく上で参考となるものと考えております。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)先ほど、社会インフラについても全庁的な取り組みをと提案させていただきましたが、公共施設の整備や維持管理についても、これからは行政のみが施設整備やサービスを提供するのではなく、民間の経営的視点、機動力、柔軟性、活力、創意工夫などを積極的に活用することにより、既存の公共サービスの付加価値を高めながら、本県が担う費用の削減を目指すべきであると考えております。
 公共施設の整備や維持管理に民間活力の活用を考えていく必要があると思いますが、知事の見解を伺います。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えします。
 公共施設の整備や維持管理を効率的、効果的に行うために民間の資金やノウハウを活用することは重要な視点であります。本県での民間活力の導入事例としては、平成16年竣工のコラボしが21の整備に当たり、PFI方式を全国初の合築方式を採用し、活用しております。
 今後、ライフサイクルコストの削減や経費の平準化など、アセットマネジメントの視点とともに、先ほど申し上げたアセットマネジメントの取り組みを進める中で、民間活力の導入も含め、さまざまな手法について、幅広く庁内で研究してまいりたいと考えております。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)災害、防災、減災は、地域、現場でどう住民の命を守るのかが最重要課題です。公共施設が建造後50年近くなる現実を踏まえて、早い段階でのメンテナンスが大切になります。単なる公共事業の復活とは異なり、命を守るために本当に必要な公共事業を進めていく必要があります。
 危惧されている地震に対する災害への対応、これに加えて、今、需要をつくり出すことにより、需給ギャップが大きいデフレ下の経済を活性化させて、今最も重要な景気、経済の再建にも資することが期待されている。そういう意味で、一番最初に、公明党の防災・減災ニューディール政策を紹介をさせていただきました。県でもこのような対応が実現しますように要望して、次の質問に移らせていただきます。
 3項目めには、学校施設の非構造部材の耐震点検、対策の実施について、知事に一問一答で質問いたします。
 昨年3月11日に発生した東日本大震災では、学校施設にも甚大な被害がありました。被害の状況を見ますと、建物の柱やはりといった構造体だけでなく、天井や照明器具、外壁など、いわゆる非構造部材が崩落し、避難所として使用できないばかりか、児童生徒が大けがをする事故まで起きた例もありました。さらに、一般の会館では、お2人の方が亡くなられ、26人もの重軽傷者が出るという痛ましい事故まで発生しております。
 地震等災害発生時において地域の避難所となる学校施設は、児童生徒だけでなく、地域住民の命を守る地域の防災拠点であり、いわば最後のとりでであり、その安全性の確保、防災機能の強化は待ったなしの課題です。
 現在、学校施設の構造物の耐震化は鋭意進めておられますが、東日本大震災を教訓にして、学校施設の耐震化とともに、天井や壁、窓などの非構造部材の耐震化も早急に実施していく必要があると考え、質問させていただきます。
 まず、文部科学省は本年4月26日に、知事および教育長宛てに、「学校施設の非構造部材の耐震化対策の推進について」を通知し、学校施設の安全確保に万全を期すように、特に点検と対策を進めるように通知しています。学校施設における天井や照明器具、外壁などの非構造部材の耐震点検の実施状況について、まずお伺いします。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。
 文部科学省からの調査依頼を受け、教育委員会において点検実施済みの県立学校は、高校が49校中17校、中学校が3校中1校、特別支援学校が14校中4校となっております。
 なお、県内私立学校の非構造部材の耐震点検の実施状況については、7月9日を期限として、現在調査中であります。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)今、知事から報告いただきましたとおり、県立学校の点検状況を聞いておりまして愕然といたしました。この状況を知事はどのように考えておられますか。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。
 県立学校としては鋭意進めていただいている、教育委員会としてと理解をしておりますが、できるだけスピード感を持って進めていただきたいと思います。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)例えば、県立高校だと3校に1校しか調査をしていないという結果が出ているわけです。今回の点検の取り組み、全国平均では、高校で77%が実施しています。特別支援学校では80%と、全国から見ますと、滋賀県の取り組みは大変低い、おくれていると感じます。
 文科省は、点検を速やかに実施するように再三通知をしております。なぜ全ての学校が取り組んでいないのかと、大変心配になっております。今後、早急に全ての学校で点検を実施するように求めますが、いかがでしょうか。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。
 教育委員会において鋭意進めていただくよう、知事としてもお願いをしていきたいと思います。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)県下の子供たちの命を守る対策ですので、ぜひ教育委員会とともに、しっかりと取り組んでいただきますようにお願いをしたいと思っております。今回の点検は職員による点検ですので、早急に、今月いっぱいででもしっかりと取り組むように、指示をというか、お願いをしていただけたらと思っております。
 次に、点検の結果による対応についてお伺いします。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。
 教育委員会において点検の結果、すぐに対応が必要な箇所があれば、生徒の安全を確保するため、修繕等の対応を行うこととしております。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)ただ、今回のこの文科省の通知による点検では、3分の1の学校ですけれども、点検を実施したのは。その学校では、対応する箇所はないという報告が上がっていると聞いております。
 これから残りの学校の点検が進みますと対応箇所が出てくるかと思いますけれども、例えば他県では、点検結果と点検後の改善状況について、ホームページなどで公開をしている県がございます。このようにしっかりと点検していただき、また対応していただき、その情報を県民にお知らせする。これは学校だけの問題ではなく、これが災害時の防災拠点となることを考えますと、そういった情報提供が必要ではないかと思いますが、この点について知事のお考えを伺います。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。
 個別のところについては、鋭意教育委員会で、現場、大変お忙しいとは思いますが、まずは教員による目視というところで進めていただきたいと思います。そして、対応するべきところは即対応し、命にかかわるようなところについては補正予算でも出していただくということで、知事部局としては支援をしていきたいと思います。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)今回行われました点検は学校の職員による目視点検と聞いていますが、職員の目視で、天井や照明器具、外壁、内壁などの安全性がどこまで把握できるのだろうかと心配をしております。例えば私が先日訪れました県立高校、築30年でしたが、2年前に突然、3階から窓が落下してきたそうです。幸い、下には誰もいなくて被害は出ませんでしたが、万が一のことを考えると本当に心配です。地震ではなく、通常時に起こったことです。
 30年経過すると、現実に窓枠などのゆがみであけ閉めが大変ですが、全教室の窓枠を取りかえることは、財政的に見て学校では到底できません。被害が出てからでは遅過ぎます。このような学校は特に、今回のように職員の目視点検だけでなく、専門家による点検を実施し、学校全体の安全対策を講じるべきです。子供を守る責任を果たす対応を要望するものですが、知事、いかがでしょうか。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。
 文部科学省の点検方法では、まずは、施設を日常的に使用している学校職員により点検を行うこととされております。一方、点検項目や作業内容の専門性に応じて、専門家による点検も必要であると考えております。点検チェックリスト、ここにありますけれども、目視でできるところ、まず使用しながらということで、不足するところは今後、専門家の追加的な点検も必要だろうと考えております。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)今御紹介をいたしました築30年の県立高校は、もう築30年なので、窓枠などの在庫が業者にもないそうです。このように、やっぱり学校の経年数に応じて修繕とか保全対策をしっかりやっていかないことには子供の安全を守れないとも思っておりますので、現場が安心していただけるような対応をお願いをしたいと思っております。
 次に、今、知事が御紹介いただきましたが、文科省は、「非構造部材の点検項目によって、建築基準法第12条に規定される法定点検の機会を活用することも有効と考える」と通知に記しています。防災拠点としての役割を考えると、専門家による非構造部材の耐震点検を今年度中に終了すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。
 点検未実施の学校については、学校職員による点検を9月上旬までには実施されると聞いております。また、点検項目や作業内容の必要性に応じて、建築技術職員による点検の実施や建築基準法第12条に基づく法定点検の活用など、適切に対応されるものと考えております。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)教職員による目視は、そもそも去年の調査なんですね。それができていない学校に対して、3分の1はできているわけですが、できていない学校に対して9月上旬というのは、余りに甘い考えだと思います。教職員の目視だったらすぐできると思いますので、もっと早くまず目視をしていただき、そして、今紹介しました文科省が指定をしておりますような危険箇所等については、また古い学校については今年度中に専門家による点検をしていただくように、再度お聞きしますが、知事、いかがでしょうか。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。
 教育委員会、職員の皆さん、忙しいと思いますが、ここはぜひともスピード感を持って対応していただくよう、私からもお願いをしたいと思います。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)今お聞きしましたのは、専門家による非構造部材の点検ということです。何度も申し上げておりますが、学校は子供たちの学びの場ですけれども、いざとなれば地域の災害拠点となります。そういった観点から、専門家による非構造部材の耐震点検を今年度中に終了すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。
 教育委員会で鋭意御努力いただきたいですし、予算が不足するところは、9月議会であり、あるいは11月でも、補正予算をお出しいただけたらと思います。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)教育委員会と連携をしながら、ぜひ安全確保に努めていただきたいと思います。
 先ほどから文科省の通知を御紹介しておりますけれども、文科省の非構造部材の耐震対策について、東日本大震災の1年前にガイドラインを通知しております。また、昨年4月8日には、東日本大震災の教訓を受けて再度通知をしております。本年4月26日に、全国調査を受けまして、国の財政支援の活用を促す通知をしております。そして、さらには6月8日に、点検に係る財政支援の通知をしております。国は再三の通知で、また財政支援も示して、確実に取り組むことを求めています。
 今、知事から、補正予算を組んででもとおっしゃっていただきましたので、ぜひ専門家による非構造部材の点検を今年度中に終了していただきますように、再度お願いをしておきたいと思っております。
 次に、非構造部材の耐震化の取り組みです。
 国も東日本大震災後の防災対策に力を入れており、公立学校、私学ともに非構造部材の耐震対策に係る財政支援制度が拡充され、文部科学省、国土交通省の予算で対応が可能と言われています。この機会を活用して点検した結果、対策が必要となったもののうち、緊急的に対策を講ずべきものについては、国の支援制度なども活用していただきまして、早急に完了していただきますように要望するものですが、知事の見解を伺います。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。
 国の支援制度がある部分につきましては、支援制度を有効に活用しながら対策を進めることが必要だと考えております。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)今回は県立学校について御答弁をいただきましたが、小中学校や私学についても、国の支援制度を徹底して早急に対応するように取り組むべきと考えますので、ぜひよろしくお願いいたします。
 県内の全ての児童生徒の安全のために、また地域の拠点として役割を果たすことができるように、学校施設の安全対策に県として財政措置を含めて、早急に取り組んでいただきますようにお願いをして、この項の質問を終わります。
 最後に、障害者雇用の推進のための滋賀県ナイスハート物品購入制度について、一問一答で質問します。
 国において、障害者優先調達推進法が6月20日に成立をいたしました。国の機関や自治体に対して、事務用品などの製品を障害者が働く福祉施設から優先的に購入することや、清掃や印刷などの業務の委託をふやすよう求めています。障害者雇用や障害者の賃金向上につながることを期待しています。
 滋賀県では、先進的な取り組みとして平成18年から、積極的に障害者を雇用している障害者雇用促進事業者や障害者支援施設等から優先的に物品等の調達を行う滋賀県ナイスハート物品購入制度を実施しています。
 まず、障害者支援施設等から優先的に物品等の調達を行う調達の現状、課題について、健康福祉部長にお聞きします。
◎健康福祉部長(渡邉光春君) (登壇)障害者支援施設等からの調達の現状でございますが、県庁各課や中央機関から障害者施設への発注額で見ますと、平成21年度は435万円、22年度は606万円、23年度は453万円余りという現状でございます。
 課題としましては、発注する課や中央機関の数がふえず、固定化が見られることと考えております。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)今、部長のほうから課題について、制度を活用する部局がふえないことを示していただきました。制度活用のお願い文書が毎年出されているにもかかわらず、県民文化生活部、これはなくなりましたが、農政水産部、土木交通部は平成21年、22年度と実績がゼロですが、制度を活用しない、できないなどの課題を明らかにして、調達実績を上げていただきたいと考えますが、いかがですか。健康福祉部長に伺います。
◎健康福祉部長(渡邉光春君) お答えをいたします。
 制度を活用しないなどの課題についてですが、活用できなかった主な理由として、各部局からは、ニーズに合う物品や役務がなかった、単純作業を外部発注せず直接臨時職員などが行ったためなどと、主な理由として聞いております。
 ただ、健康福祉部の問題意識としまして、障害者の就労収入の向上や就労支援事業所での仕事の量の確保などの観点から、県庁各課に対し、ナイスハート物品購入の実態調査を近々行うこととしておりまして、制度を活用しない、できない問題の所在、例えば、発注側である県庁各課の問題がどこにあるのか、また、受注側の障害者支援事業所の問題を分析しまして、その対応策を考えたいと思っております。
 あわせて、今般成立しました障害者優先調達推進法の趣旨を踏まえまして、県庁全体で障害者支援施設等への優先発注に取り組んでいただけるよう、県の各課、各機関で構成しますユニバーサルデザイン推進員の研修会で改めて活用事例を紹介するとともに、ナイスハート物品購入制度の周知、徹底を図ってまいりたいと思っております。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)障害者支援施設等からの物品調達が進みますように、よろしくお願いいたします。
 次に、障害者雇用促進事業者からの調達実績の現状、課題について、会計管理者に伺います。
◎会計管理者(谷口孝男君) (登壇)障害者雇用促進事業者からの調達実績の現状と課題についてお答えいたします。
 直近の平成23年度は、件数で77件、金額で279万円余となっております。制度発足当時の平成18年度、19年度は、合わせて29件、金額で270万円余でございます。調達件数および金額は増加しているものの、1件当たりの調達金額が少なくなっているという状況でございます。
 課題でございますが、平成20年度当時、9事業者が障害者雇用促進事業者として登録いただいておりましたが、現在では8事業者と減少している状況で、登録事業者数が少ないこと、また、その営業内容もコピー用紙や印刷など物品調達に係るものがほとんどで、役務の提供事業者としての登録がほとんどないこと、こういったことが課題と認識いたしております。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)今、登録者数がふえない状況を課題として挙げていただきましたけれども、その課題を解決する登録事業者をふやす対策について、会計管理者にお聞きします。
◎会計管理者(谷口孝男君) お答えいたします。
 会計管理局では、これまで、滋賀県ナイスハート物品購入制度を紹介したパンフレットを作成し、事業者に対し制度の周知を図るとともに、障害のある方の雇用の協力を依頼してきており、また、障害者支援施設等に対する優先的取り扱いができる分野を拡大するなど、登録者の拡大につながるよう努めてまいりました。
 また、庁内的には、健康福祉部と会計管理局の担当課長名で県の各所属長宛て文書により通知しているほか、財務担当職員の研修や庁内電子掲示板等を活用し、制度の周知と積極的な実施の呼びかけ、案件の拡大に努めてきたところでございます。
 今後は、こうした取り組み等に加えまして、事業者の声もお聞きしながら制度の充実に努めてまいりたい、このように考えております。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)次に、この滋賀県ナイスハート物品購入制度を推進するためにこれまで具体的に取り組んでこられましたけれども、県のこれまでの取り組みについて、実績や効果なども含めて、会計管理者にお聞きします。
◎会計管理者(谷口孝男君) お答えいたします。
 これまで、制度活用するための実績や効果などを含めてでございます。
 実は、これまで、私どものほうでは実施要領を定めております。それは、県が推進する重要な社会施策を入札契約事務の側面から支援することを目的に、競争入札参加者資格の審査項目、あるいはプロポーザルにおける落札者決定基準等に、事業者の社会政策面での取り組みを評価しようとするものでございます。
 この評価を付加するものとして、ワーク・ライフ・バランス推進事業などを掲げております。これは、次世代育成支援対策推進法に基づきまして、平成22年3月に、本県の行動計画でございます淡海子ども・若者プランを策定いたしましたことから、この計画と連携した一体的な取り組みとして付加すると、このような取り組みをしたものでございます。
 一方、実はこの中で、高齢者や障害者の雇用につきましては、付加するかどうかは判断するというふうな表現の要綱でございます。
 それは、実は考え方といたしましては、この高齢者や障害者の雇用というのは法令に基づき実施されるという面がございまして、評価を付加するかどうかにつきましては、法律の枠を超えて自主的に取り組んでいただいているかどうか、その内容に応じて判断する。こういう考え方のもとで、付加するものと、付加するかどうかを判断する、こういう要綱をつくったものでございます。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)すみません。ちょっとずれているかなと。すいません。質問と答弁がずれているかなと思いますが、社会政策推進に配慮した入札等実施要領の制定について御説明をいただいたものと思います。その政策、今御説明いただいたとおり、ワーク・ライフ・バランス推進と障害者雇用推進を、付加するものと、付加するかどうか判断すると、2つに分けているのですけれども、私は、この時代において分ける必要はないと思っておりまして、同じ評価をすべきと思いますが、会計管理者に見解を伺います。
◎会計管理者(谷口孝男君) お答えいたします。
 今説明申し上げましたのは、要領をつくったという実績を御説明申し上げたわけですが、実は、付加するということと、付加するかどうかを検討するということについて要領をつくっているんですが、その23年度の実績を調べてみますと、対象となりますプロポーザル件数33件のうち、31件でワーク・ライフ・バランスの推進について評価をしておりますが、高齢者や障害者の雇用については、評価をしたものはありませんでした。
 さらに、今回の法律の趣旨あるいは目的を踏まえまして、改めて今の御指摘の点も踏まえまして、庁内関係課で構成いたしております入札制度検討チームで検討してまいりたい、このように考えております。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)ぜひ、政策等に合わないもの、理解できないものについては、検討の結果、改善をしていただきますようにお願いをいたします。
 次に、県が取り組んでこられました中の一つで、ナイスハート物品購入実施要綱の改正があります。障害福祉施設に対する優先取り扱いができる分野の拡大をしたと聞いておりますけれども、改正による効果について、会計管理者に伺います。
◎会計管理者(谷口孝男君) お答えいたします。
 これまでの要綱では、障害者支援施設等からの優先的に調達できる物品やサービスの種類を限定いたしておりました。この改正によりまして、例えば障害者支援施設等で製作された物品の買い入れに限定していたものを、障害者支援施設等が製作または販売等する物品の買い入れに広げるなど、受注の機会が拡大できるように今年度から実施いたしております。
 今年度は改正後の初年度となりますため、より大きな効果が得られますよう、先ほど申し上げました財務担当職員の研修等を活用し、制度の啓発および積極的な実施を呼びかけているところでございます。
 さらに、今後は毎年度契約実績を調査し、庁内外に公表するとともに、制度の効果的な運用に努めてまいりたいと思っております。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)国のいわゆる障害者優先調達推進法の施行は来年4月からです。全ての省庁と自治体などは、福祉施設からの製品の購入や業務委託についての計画を毎年つくり、実績を公表することが義務づけられております。
 滋賀県ナイスハート物品購入制度も、全庁で目標値を決めて、具体的に成果の出る取り組みを進めていただきたいと考えますが、今後の取り組みについて、知事に伺います。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えします。
 本県では、これまで国に先立って滋賀県ナイスハート物品購入制度を創設し、平成18年度から障害者の雇用および福祉的就労の促進に取り組んでまいりました。今般、障害者就労施設等が供給する物品および役務に対する需要の増進等を図る、いわゆる障害者優先調達推進法が制定されました。
 今後は、この国の法律に基づき、毎年度、調達を推進する物品および役務、ならびにそれらの調達目標を定めた調達方針を作成し、計画的な調達を行うことで受注機会の拡大を図ってまいりたいと考えております。
 調達方針の具体的な内容については、庁内関係課で構成する入札制度検討チーム員会議において、平成25年4月1日の法律施行に向け検討を行うこととしており、障害者支援施設等からの物品等の調達を推進してまいりたいと考えております。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)また、障害者雇用を推進する事業者であることを社会にアピールすることも制度の推進に、ひいては障害者雇用に効果があるのではないかと考えています。そのために、障害者雇用促進事業者のロゴマークを作成して、会社紹介や名刺、封筒などに活用する取り組みを提案したいと考えますが、知事の見解を伺います。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。
 平成18年度から取り組んできた経験からわかった課題、3点ございます。1点は、登録事業者が少ないこと、2点目は、登録事業者の営業品目が物品販売に偏っていること、3点目は、県が発注する際、障害者雇用促進事業者が提供する物品やサービス等についての情報を効果的に提供する仕組みが必要なことでございます。
 議員御提案のロゴの活用については、京都府で平成24年度──今年度から取り組まれている事業と承知しております。これも一つの有効な支援策であると思いますが、京都府にお聞きしますと、やはり登録事業者数が少なく、その拡大が課題であるとのことです。こうした他府県の取り組み情報や企業の生の声を広く収集し、本県に適した支援策として、関係部局でより効果の上がる取り組みについて検討してまいりたいと考えております。
◆21番(粉川清美さん) (登壇)今、私はロゴマークを提案させていただきました。その思いは、やはり今知事が御紹介いただきましたとおり、なかなか登録事業者がふえないというその現実、何とか解決したい、そして障害者雇用が進むようにこの制度の推進を図っていただきたい、そんな思いから、ある意味、ない知恵を絞って提案をさせていただいたことでございます。
 検討していただけるということなので、ぜひお願いしたいんですが、今、最後のほうに京都の例を取り上げられました。京都は、知事が御紹介いただいたとおり、今年度からスタートしていますので、それでふえないという、その実績をもって効果があるかどうかというのはまだまだはかれないと思いますので、これからしっかりと検討していただいて、この制度の推進にどうすれば進むのかと、そういう観点で事業を推進していただきますように、そして、結果、障害者雇用が進んだという、その結果が出てまいりますようにお願いを申し上げまして、質問を終了させていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○副議長(山田和廣君) 以上で、21番粉川清美さんの質問を終了いたします。
 しばらく休憩いたします。
  午後3時2分 休憩
   ────────────────
  午後3時19分 開議
○副議長(山田和廣君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、あらかじめ会議時間の延長をいたします。
 次に、41番梅村正君の発言を許します。
◆41番(梅村正君) (登壇、拍手)それでは、早速、通告に従いまして質問させていただきます。
 まず最初に、安心、安全のまちづくりと通学路の安全対策について、知事、教育長、警察本部長に、それぞれ伺います。
 最初に、安全なまちづくりについてです。
 地域の安全は地域でとの県民の熱い思いの中、平成15年4月に「なくそう犯罪」滋賀安全なまちづくり条例が施行されまして、ことしで10年目を迎えております。
 1点目は、この10年、社会環境の変化の中で、犯罪の多様化、深刻化や、地道に取り組んでいただいております県民運動など、時代の変化とともに大きな節目を迎えていると思います。今日までの総括と今後の方針を、知事、警察本部長に、それぞれ伺います。
 通学路の安全対策について伺います。
 通学路での悲惨な事故の報道に胸が痛みます。幸せの御家族が一瞬にしてとうとい命を奪われるなど、幼い通学児童や住民を巻き込む悲惨な事故は、人智を集めて絶滅しなければなりません。
 私は、通学時の事故ゼロ実現をと訴えたいのであります。本県の第9次交通安全計画では、通学、通園時の歩道整備など、通学時の安全確保にどのような目標で取り組まれておるのか。今日までの成果とあわせて、知事に伺います。
 2点目に、警察本部長に伺いますが、本県での通学途上での事故の発生は、近年、どのような状況なのか伺います。
 3点目に、このような事故を誘発する環境は、私たちの日常生活する中に存在します。例えば、地域のことで恐縮でございますけれども、当局に応急対応していただきました大津市立瀬田北幼稚園、小学校、中学校の児童生徒が、極めて狭い道路の路肩を約350人の通学状況が極めて危険だと、このような箇所、また、瀬田南小学校の児童生徒は、名神と新幹線の高架橋、また跨線橋を通りまして通学をしておりますけれども、この橋の道幅が約4メートル、そこに人、車、自転車、バスも通行し、皆が注意をし合いながら、約330人の通学児童が通っておられます。
 しかし、混雑時には通学児童が橋のフェンスにしがみつくような光景は異常であります。さらに、雨の日の危険性は例えようのないほど一層深刻です。これは行政の課題だと思います。知事と教育長には、その場の写真をお渡ししておりますけれども、ぜひごらんいただきたいと思います。
 教育長の児童生徒一人一人への思いは昨日来お聞きをさせていただきましたが、毎日、危険と隣り合わせのこれらの通学状況に対して、どのように対処されるのか、教育長の見解を伺います。また、県民の安全を旨とされている知事の見解も、あわせて伺います。
 4点目に、文科省の通知に従いまして、教育委員会では、ことし5月、市町立の全ての小学校228校、中学校97校の全校を対象に、通学路の危険箇所の再点検調査をされました。どのような視点で調査をされたのか。そして、緊急対策が必要な危険箇所数や特筆すべき内容など、調査結果と解決への取り組みについて、教育長にお伺いをいたします。
 5点目に大事なのは、その危険箇所へどのような安全対策を講じるかということであります。道路管理者、学校、警察、地域が一体となって、危険箇所の状況に応じた安全対策を早期に実施すべきであります。
 また、抜本的な安全対策につきましては、中長期的な改善計画として、いわゆる全体で通学路安全総合対策として計画的に進めるべきだと思いますが、どのような体制と方針で推進しようとしているのか。極めて重要かつ迅速性が求められますことから、知事の明確な答弁を求めます。
 また、通学途上での交通事故ゼロを目指して、具体的かつ積極的な取り組みを求めますが、警察本部長、教育長に伺います。
 この項の最後、6点目です。
 また、学校施設から一定距離エリアというスクールゾーンの考え方があります。今日的な事故の発生状況から、ドライバーや児童生徒、保護者、地域住民などが注意を喚起する歩行者安心ゾーンとして特別な対策を講じることなど、検討すべきと思いますが、知事の見解を伺います。
○副議長(山田和廣君) 41番梅村正君の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎知事(嘉田由紀子さん) (登壇)梅村議員の5点の御質問にお答えいたします。
 まず、1点目の1ですが、安全なまちづくりについての御質問にお答えします。
 条例についての総括と今後どのような方針で取り組んでいくのかについてですが、平成15年4月に「なくそう犯罪」滋賀安全なまちづくり条例が施行され、県民総ぐるみで、県民、行政、事業者が一体となった取り組みを推進し、また、自主防犯活動団体への立ち上げを支援し、広報、啓発活動など進めてきました。これによりまして、犯罪件数は、平成20年から4年連続で平成14年のピーク時の3万2,000件の半減、アンダー1万6,000を達成するなど、大きな成果があったと認識をしております。
 一方で、まだまだ子供、女性、高齢者を狙った犯罪が多発していることから、本年2月に、新たに子ども、女性、高齢者等を守る犯罪多発警報等発令制度を創設いたしました。この制度は、県や県警察が把握している犯罪発生状況などの情報をあらかじめ広く地域の皆様にお知らせすることで、一人でも犯罪に遭う人を減らしていくという全国初の取り組みであり、大きな効果を上げております。
 今後も、社会情勢の変化に対応しながら、自分たちの安全は自分たちで守るという防犯意識の高揚や自主防犯活動の支援等を通じて、犯罪のない滋賀づくりのための取り組みを、県民総ぐるみで進めていきたいと考えております。
 次に、2点目の1問目でございます。本県の第9次計画での通学時の安全確保の目標と、これまでの成果でございます。
 平成23年度を初年度とする第9次交通安全計画では、最終年に当たる平成27年までに、交通事故死者数を55人以下、年間死傷者数を8,800人以下とすることを目標としております。
 通学時の安全確保については、この計画では、通学路における歩道等の歩行空間の整備を推進することとしております。平成18年度から22年度までの5年間に、県管理道路の歩道は約89キロメートル整備され、総延長約914キロメートルとなっております。県管理道路の総延長は2,214キロですから、歩道整備率は約41.3%でございます。この5年間で、歩道整備率4.1%増加いたしました。
 次に、3の2でございますけれども、危険と隣り合わせの通学状況について、どう対処するかでございます。
 今ほども写真を見せていただきました。瀬田の南部地域、大変混み合ったところで、大きな事故がなければと願うところですが、県では、交通安全対策基本法に基づき策定した第9次交通安全計画では、交通事故のない滋賀を目指し、3点を重点目標としております。まず1点目は、高齢者および子供の安全確保です。2点目は、歩行者および自転車の安全確保です。そして3点目が、生活に密着した身近な道路および交差点における安全確保でございます。
 県として、第9次計画の目標を的確に推進するため、近畿地方整備局や教育委員会、警察本部等の長で構成する滋賀県交通安全対策会議で実施計画を作成し、各種の施策を着実に推進することとしております。
 また、今年度2回目の見直しを予定している道路アクションプログラムにおいて、必要な交通安全対策を位置づけ、計画的に整備を進めていきたいと考えております。
 次に、2の5の質問ですが、抜本的な安全対策をどのような体制と方針で推進するのかの御質問です。
 県内では、国の通知に基づき、通学路における緊急合同点検を行っているところであります。点検の結果に対しては、市町教育委員会、学校、地元警察署、道路管理者が連携協力して対策を講じることとしております。県としても、既に独自に各土木事務所において通学路の緊急点検を行ったところです。
 県管理道路のうち、通学路に指定されている約470キロメートルの区間について、自転車、徒歩により点検を行いました。その結果、側溝ぶたの破損、ガードレールの折れ曲がりなど、緊急対応が必要なものが70件報告されました。これらについては夏休みまでに修繕を完了いたします。
 その他、歩道のない道路での路側帯の幅の狭い箇所や、横断箇所で歩行者だまりがない箇所など、課題のある案件については、教育委員会、警察、市町など関係機関と連携し、速やかに対応を検討していきたいと考えております。
 最後に、5点目、2の7の御質問でございます。ドライバー等に注意喚起する歩行者安心ゾーンとして、特別な対策を検討すべきとの御質問でございます。
 議員御指摘のとおり、歩行者や自転車、また、子供や高齢者などのいわゆる交通弱者の事故発生が懸念される区域に着目して、それぞれの区域に応じた安全対策を講じることは、有効な方策と考えております。
 具体的な対策としては、ドライバーの注意喚起を促す対策のほか、交通弱者がみずから事故を回避するような注意喚起を促す対策として、カラー舗装や路面標示等が考えられます。これらについて、今後、学校、警察、道路管理者、地域が連携して情報共有を図り、一丸となって通学路の一層の安全確保に努めてまいりたいと考えております。
◎教育長(河原恵君) (登壇)まず、危険と隣り合わせの通学状況に対しての見解についてお答えをいたします。
 議員御指摘の通学路を朝の通学時間帯に教育委員会の事務局職員に確認させましたところ、交差点のカラー舗装をしていただくなど、早急に改善できる場所は既に対応されていた一方で、道幅が狭い上に朝夕の交通量の多い時間帯に通学時間が重なるなど、今後改善が必要な箇所があるとの認識を持ったところであり、教育委員会といたしましては、子供たちの命にかかわる重大な行政課題であると考えております。
 現在、通学路における安全性を一層確実に確保するため、学校、警察、道路管理者、保護者による緊急合同点検が実施されており、現在のところ、県内6市においては、既に点検が完了しているとの報告を受けているところでございます。
 また、通学路の安全対策につきましては、警察、道路管理者、教育委員会が連携して取り組むという共通認識ができていることから、県教育委員会といたしましては、安全教育に全力を尽くすとともに、子供たちの安全確保を最優先に考え、必要なものにつきましては、今後速やかに改善できるよう、関係機関に積極的に働きかけてまいりたいと考えております。
 次に、通学路の再点検の視点ならびに調査結果および解決への取り組みについてお答えをいたします。
 まず、通学路の再点検の視点につきましては、子供の安全を第一に考え、子供の立場、子供の目線で通学路の安全点検をすることが重要であると考えているところでございます。
 また、その調査結果につきましては、調査を終えた市町から随時報告をいただいている段階ではありますが、その報告によりますと、幅の狭い道路を減速しないまま走行する車が多い箇所や、横断歩道前で信号待ちをする児童で歩道がいっぱいになり、児童が後ろから来た自転車の中学生と接近する箇所があることなどについても聞いているところでございます。
 次に、課題の解決にどのように取り組んでいくかについてですが、既に合同点検を終え、それをもとに対策が講じられた市町の例としましては、カラー舗装による歩道部分の明確化や白線の引き直しによる歩道の確保、さらには通学路の指定の変更などの改善対策がとられたところでございます。
 今後、こうした取り組み事例を参考にして、県と市町教育委員会が関係機関と連携を図り、必要な対策を講じてまいりたいと考えております。
 次に、通学途上での交通事故ゼロを目指した取り組みについてお答えをいたします。
 先ほど、知事答弁にもございましたとおり、通学路における緊急合同点検の結果を踏まえ、必要な箇所につきましては、学校、警察、道路管理者、保護者に対して連携協力を求め、改善を図ってまいりたいと考えております。
 また、通学途上の危険な箇所を一番よく知っているのは子供たちや保護者、スクールガードであることから、その情報を最も早くキャッチできる教育委員会の特性を最大限生かし、学校現場が必要とするハード整備につながるよう生かしていくとともに、子供たちの安全、安心を第一に考え、関係機関に積極的に働きかけてまいりたいと考えております。
 今後も、県教育委員会といたしましては、こうした取り組みを通して、子供たちの命を守るため、関係機関と連携協力して、通学路の安全確保に向け全力を尽くす所存でございます。
◎警察本部長(福本茂伸君) (登壇)梅村議員から3点の御質問をいただきました。
 まず1点目の、安全なまちづくり条例施行後10年の総括と今後の取り組みについてでございます。
 条例は、さまざまな地域や職域の県民の皆様、あるいは自治体、さらには警察が一緒に立ち上がり、社会全体の運動として犯罪との戦いを進めようというものでございます。この結果、先ほど知事からもございましたけれども、10年間で犯罪は全国平均を大きく上回る6割も減少をいたしておるところでございます。
 しかしながら、最近の状況を見ますと、本年に入りまして件数が増加に転じておりますほか、県外からやってきて、ヒット・アンド・アウェイ型で敢行される重要凶悪事件、さらには子供、女性、高齢者に対する犯罪などが続発をいたしておりまして、地域社会に不安をもたらしているという状況でございます。今このときが重要な分岐点にあるというふうに感じております。
 そこで、今後の方針でございますけれども、まずは、地域の連帯を支えるネットワークの強化ということが必要だというふうに感じております。とりわけ、若いボランティアの力が地域の防犯力を高める起爆剤となるように、支援を惜しまない考えであります。
 また、ボランティアの方の好意に頼るだけではなくて、実費、装備など、心のこもった支援を行い、勇気を少しでも鼓舞できるよう、力を尽くしてまいりたいと思います。
 そして、もう一つのキーワードが、自分の身は自分で守ろうとする意識を高める運動だと思います。現場の実情を知る警察が地域や地区ごとにきめ細かく犯罪情勢を分析し、県民の皆様に実情をお示しをするということで、自主的、自律的に対策をとっていただくように努めねばならないというふうに思います。
 先ほど知事からございましたけれども、この2月からは条例に基づく実践県民会議のネットワークをフルに活用いたしまして、知事に犯罪多発警報を発令していただくことになりましたけれども、この期間中、犯罪は激減をしたところでございます。
 今後とも、タイムリーでわかりやすい情報の発信に努めてまいりたいと思っております。
 2点目、本県での通学途上の交通事故の発生状況でございます。
 昨年の負傷者数は、小学生が26人、中学生が87人ということで、合計113人でございました。これは、データを確認できる最近14年間の中では最少でありまして、10年前と比較しますと2割以上減っております。そしてまた、本年の状況ですけれども、この5月末の状況を昨年の同時期と比較をいたしますと、昨年よりもさらに2割減少をいたしております。
 しかしながら、実際の具体的な事故実例を分析をいたしますと、小学生の場合は、幅員の狭い生活道路に減速せずに車が入ってきてひかれるという例がございますし、さらには、運転手の安全不確認などが原因で、道路を横断されようとしている児童の皆さんが事故に遭っているというケースが後を絶ちません。道路や交差点の形状、構造などに応じたハード、ソフトの対策が必要だというふうに思われます。
 一方、中学生の事故の状況ですけれども、これはほとんど全てが自転車通学中のものであります。中学生の側にも安全不確認、交差点での徐行違反など、何らかの違反があるという場合が圧倒的に多いのが実態でございます。
 そこで、以上を踏まえまして、3点目の御質問でございますけれども、交通事故ゼロを目指した取り組みという御質問にお答えをいたしたいと思います。
 それは、今申し上げました事故状況を踏まえた対策ということが鍵になると思います。
 まず、梅村議員のほうからも御示唆がございましたけれども、道路管理者と手を携え、ゾーン内の全ての最高速度を30キロに規制をするとともに、路側帯などの拡幅などを集中的に行って、通学路を含む生活道路の速度を面的に抑制をしていくという、ゾーン30というふうに名づけておりますが、こういう対策を今後実施することにいたしたいと思っております。夏以降、今年度中に7カ所で実施し、来年度以降もエリアを計画的に広げてまいりたいというふうに考えております。
 また、警察は国道、県道、市町道、全ての交通実態、さらには事故の悲惨さやその原因を知る実務家でございます。昨年、警察は道路管理者の皆さんと現場に赴き、500回近くの点検を実施をいたしました。その上で、通学路関係だけでも150カ所以上の安全対策を提案をさせていただいたところでございます。
 今後とも、地にある実務家として、このような地道なプロセスを誠実に積み重ねてまいりたいというふうに思っております。
 最後に、中学生の自転車マナーの問題でございますけれども、交通安全教室を昨年だけでも県下の全中学校の半数に出向き実施をいたしました。スタントマンが実際に車にはね飛ばされる場面を見ていただくなど、今後とも、年齢に応じ、心と意識に届く啓発となるように工夫してまいりたいと考えております。
◆41番(梅村正君) (登壇)すいません、1点だけ。通学路の関係です。
 知事、先ほど、歩道整備率41.3とおっしゃいましたが、全国の整備率との比較を教えてください。
 それから、教育長、すいませんが、このような文科省のこの指示に対して、例えば茨城、北海道、山形、福岡は、その具体的な対応をしておられます。ここでは緊急会議等を開いてやっている県もございまして、いわゆる県として受けはどうなのかと。受ける態勢をきちっとしなければ、各市町でやってくださいというわけには今回の場合いかないということですので、その受けの態勢について、明確に滋賀県としてやるべきだと思いますが、その点について答弁をお願いします。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。
 県管理道路の歩道整備率ですが、至急調べて、他府県との数値、お知らせさせていただきます。
◎教育長(河原恵君) お答えをいたします。
 ただいま議員様のほうからいただきましたように、教育委員会としてしっかりと受けて、この問題に対応するようしていきたいというぐあいに思います。
◆41番(梅村正君) (登壇)ぜひよろしくお願いをいたします。
 知事、県管理道路の全国平均は66.9じゃないかと思いますので。他の資料でございますが、その資料でいきますと、41.3というのは、大変申しわけないですが、ちょっと低いのかなと思いますので。いわゆる前年からふえているのは間違いないんでしょうけど、全体的なこの流れから見れば、いや、もっと力を入れないとだめだというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
 それから、次、医療的ケアの必要な児童生徒の送迎問題について、知事、健康福祉部長、教育長に伺います。
 さきの議会で、長年願い続けておられます医療的ケアの必要な児童生徒、また保護者の声を聞かせていただきながら、最も苦労されている方に最大の支援をするのが行政としての力だというふうなことで、通学バス運行の実施について質問してまいりました。毎日必死の保護者の皆さんの不安と願いを踏まえながら、さきの議会に続けて質問いたします。4点です。
 1点目は、まず、具体化と課題解決のために、提案させていただきました健康福祉部と教育委員会、市町との協議の場づくりについて、教育長の当時答弁は、関係部局と協議しながら、対応できるように考えたいということでありました。その進捗について、健康福祉部長、教育長に伺います。
 2点目に、この協議機関を設置し、実現へ取り組むことについて、まず保護者の皆さんから現状を伺うという答弁でもございましたが、どのような意見であったのかを教育長に伺います。
 3点目に、また、さきの議会で、喫緊の課題でありますことから、これを具体化するために小型バスの運行、また、その後も要望、提案もさせていただきましたが、モデル地域の実施等でございますが、どのような検討状況なのかを健康福祉部長と教育長に伺います。
 最後に、知事に、改めて、一日も早い送迎実施を願うばかりでございますが、今後のスケジュールを伺います。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。
 送迎の実施に向けたスケジュールでございますけど、医療的ケアの必要な児童生徒の送迎については、保護者の方々が大変御苦労されていると認識をしております。
 教育委員会で保護者の皆さんの課題を整理した上で、できるだけ早い時期に、健康福祉部と教育委員会で連携して、何ができるのか検討していただきたいと考えております。
◎健康福祉部長(渡邉光春君) (登壇)健康福祉部と教育委員会、市町との協議の場づくりの進捗についてでございますが、健康福祉部としましては、2月議会での答弁、また本年3月に保護者の方から要望もいただきました。これらを踏まえまして、先ずは当部のみで対応可能な問題を整理することとしまして、医療を必要とする人のための生活支援を優先度の高い課題として位置づけ、びわこ学園など関係者で構成します障害者自立支援協議会の研究部会において、課題の整理を行っているところでございます。
 これまで3回の会議を開催し、関係者からは、医療的ケアを行う看護師等を送迎の車に同乗させる際の支援体制が必要、支援に必要な実数の把握が必要、家族による送迎で介護疲れなど負担が大きい、などの課題が出ているところでございます。今後、さらに課題整理を深めるため、この研究会に要望いただきました保護者の御参加をいただくことも必要と考えております。
 当部としましては、児童生徒への通学支援は福祉制度としては限界があるわけではありますが、医療ケアを必要とする観点から、対応でき得る工夫を進め、教育委員会の課題整理がまとまり次第、速やかに対応していきたいと考えております。
 次に、小型バスの運行やモデル地域の実施など提案についての検討状況でございますが、本年3月に保護者からのいただきました要望項目を踏まえまして、送迎態勢の整備として、看護師等の医療スタッフの確保や医療機関との協力体制など、検討項目として整理をしているところでございます。
 現行の障害福祉の制度上、保護者の病気等による一時的な通学介助は市町の判断で対応することはできますが、継続的な通学支援というのはできないというふうなことになっております。また、一時的な状況にあっても、医療ケアを伴う子供の通学支援を現在実施している市町はございません。その理由としても、やはり医療スタッフの確保が困難との理由でありました。
 もう一つの検討項目でございますが、医療機関との協力体制のあり方については、送迎中の子供の急変時の対応、送迎ルートの隣接近隣の医療機関との緊急時の安全、安心ネットワークの構築が必要であると考えているところでございます。
 今後設置することとなります教育委員会と市町と健康福祉部との協議の場で、健康福祉部としての課題整理を行った検討項目について、その場で健康福祉部の考え方を提示してまいりたいと思っております。
◎教育長(河原恵君) 医療ケアの必要な児童生徒の通学に関する御質問にお答えをいたします。
 まず、関係部局との協議の進捗についてでございますが、2月県議会の答弁にもありますとおり、現在、各学校を通じ、保護者の皆さんからそれぞれの現状を伺っているところでございまして、保護者の皆さんの抱えておられる課題を整理した上で、健康福祉部と協議してまいりたいと考えております。
 2点目の、保護者の御意見でございますが、現在、関係の学校を通じて、通学の状況や課題となっていることなどを伺っているところであります。今後、7月中に保護者と直接面談して、聞き取りを行いたいと考えております。
 次に、小型バスの運行に関する御質問でございますが、本県では、特別支援学校の通学の利便を図るため、大型バスにより1,276名の児童生徒の送迎を行っているところでございます。乗車中に医療的ケアを必要とする児童生徒についてはリスクが大きく、保護者による送迎とさせていただいているところです。
 医療的ケアの児童生徒専用の小型スクールバスの運行については、毎日の通学のことであり、検討すべきさまざまな課題があると考えております。
 一方、保護者の御意見の一つに、保護者の体調不良などで送迎ができない際の支援を求められていると聞いております。さきに申しましたさまざまな課題を整理した上で、どのようなことができるかを医療的ケア運営協議会や健康福祉部等と協議してまいりたいと考えております。
◆41番(梅村正君) (登壇)先ほど御答弁をいただきましたが、知事も健康福祉部長さんの御答弁も、要は教育委員会のほうでどのように実態をまとめ、課題をまとめ、それをそのテーブルに提示していくのかというお話だったと思いますが、教育長、先ほどの御答弁で、7月中に保護者面談しというお話でございましたが、この御返事は、さきの2月議会でいただいたものです。だから、もう4カ月たっているのですけども、教育長、御承知いただいておりますように、保護者の皆さんは毎日、どんな日でも子供さんを学校に送っていらっしゃいます。4カ月たってまだ7月だというふうにおっしゃるのは、半年ぐらい経過することになると思うんですけど、そのようなことは大変対応がどうなのかというふうに思いますが、改めて、教育長さんにその件についてお伺いいたします。
 それから、健康福祉部長には、先ほどの課題の中で、いわゆる現行法では継続的な運行は無理だと、それはそのとおりなんです。ですから、保護者の皆さんは何も毎日とはおっしゃってない。ただ、本当にそういうふうな大変なとき、体調の悪いとき、そういうことをおっしゃっているわけですから、話をもう少し具体化して進めていただきたいというふうに、これは要望しておきますので、お願いをしておきたいと思います。教育長さんだけ、その点について。
◎教育長(河原恵君) お答えいたします。
 まず、学校に要請をし、これまで、担任等教員を通しまして聞き取りをし、大まかな状況を把握するところまでいたしました。さらに、課題を正確に把握するため直接保護者と面談をし聞き取るということで、先ほど申し上げました、7月中に保護者と直接面談して聞き取りを行いたいと考えているところでございます。
◆41番(梅村正君) (登壇)教育長は、代表なり、また一般質問で、こうおっしゃいました。いわゆる子供さんの人と人とのつながり、心と心のつながり、遊ぶ姿、そういうふうな活発な子供を育てたいという趣旨のお話がありました。この子供さんは動けないのです。自分で歩けないのです。そういう子供さんに対して、このような半年もかかるような対応でいいのかどうか。私、本当にそのお考え、どうかと思います。改めて、ちょっと決意を伺います。
◎教育長(河原恵君) お答えをいたします。
 ただいま議員様の御質問にありましたように、教育委員会としましても、大変重要な課題でありますし、2月県議会での答弁もございます。できるだけ早く保護者の皆さんに直接聞き取るというような形で、しっかりと課題を整理し、次の段階、健康福祉部等との協議に入っていきたいと考えております。一生懸命させていただきたいと思います。
◆41番(梅村正君) (登壇)どうぞよろしくお願いをいたします。
 その次に、雇用対策の強化について、知事、商工観光労働部長、教育長に伺います。
 最初に、本県の雇用状況についてです。
 長引く不況や非正規雇用の増加を背景に、現役世代の危機が深刻化しております。経済的な理由で結婚できず、経済的生活苦に苦しむ子育て世代が急増しております。現役世代に対する雇用対策と社会保障の充実が求められます。
 第2次産業に特化している本県産業の実態から、近年の若年者の正規雇用と非正規雇用の実態はどのように推移しているのか、その格差について伺います。
 本県の傾向と解消への強い取り組みを願いますが、その対応について、知事に伺います。
 本県では、高校を卒業したが、就職されていない卒業生はどれほどなのか。また、卒業して就職後1年未満の離職者はどれほどなのか。教育長に、原因と対策を伺います。
 この実態を鑑み、若者が希望を見出せる雇用対策をすべきです。特に、教育、訓練、情報提供、求職支援など、就業支援が重要であることは論を待ちません。取り組みの一つであります、企業が求職者を原則3カ月間雇用して若者の正規雇用を促すトライアル雇用の本県での成果を伺います。
 また、昨年12月から、実践的な職業訓練を行います有期実習型訓練を企業が併用して使えるようになりました。本県での取り組みを、商工観光労働部長に伺います。
 今や誰もが離職の危機にあるとき、就業の定着を目指し、今も指摘されておりますミスマッチの原因を早急に見直し、その解消への取り組みを強化しなければなりません。例えば卒業生と中小企業、例えば求職者と職業訓練制度、例えば職業訓練制度と中小企業などでありますが、その解消のためには、関係部局が一体的に連携して取り組むことだと思います。商工観光労働部長に見解を伺います。
 次に、障害者雇用についてです。
 厚生労働省は、障害者の法定雇用率を現在の1.8%から2%にすることを発表しました。本県においては1.6%と厳しい状況であると仄聞いたしますが、格段の取り組みが必要です。
 1点目は、知事に伺いますが、2%をどのように達成しようとされるのか。今までの1.8%目標に対する現状と、新たな目標に対する決意と取り組みを、また方針を伺います。
 知事に伺います。私は、さきの議会で、障害者の雇用を強く推進するために、教育、福祉、労働の3分野の一体的な取り組みの提案をさせていただきました。この新たな視点での3者協議の推進体制が図られていると思いますけれども、現状について伺います。
 障害者の方がすばらしい個性を備えておられることは、アール・ブリュットの作品で証明されたと思います。その個性や潜在力を仕事という面にどのように発揮できるのか。その観点から、個性に応じた職種を選ぶことが大切であり、十分なアドバイスで自立への一歩を歩む取り組みについて、商工観光労働部長に伺います。
 最後に、被災者の救援、求職支援について、商工観光労働部長に伺います。
 東日本大震災から1年3カ月が経過いたしました。郷土から離れて生活されている御苦労ははかり知ることができません。特に住居や就職が大変な課題でありますが、さらに強い求職支援を望むものでありますけれども、その見解を伺います。
 いずれにいたしましても、ぜひ、青年が、また障害ある方が、被災者が希望を見出せる、そのような雇用対策をぜひお願いをいたします。
◎知事(嘉田由紀子さん) 雇用対策の強化について、3点の御質問にお答えいたします。
 まず、若年者の正規雇用と非正規雇用の推移、格差の解消への取り組みでございます。
 平成19年の総務省就業構造基本調査によると、本県の15歳から34歳の若年者の非正規労働者の割合は33.5%と、平成14年の前回調査30.4%と比べ3.1ポイント上昇しており、全国平均の3.2ポイントと同程度の上昇となっております。
 次に、格差の状況と傾向についてですが、賃金については、平成23年賃金構造基本統計調査の全国平均では、20歳から24歳の正社員、正職員の賃金20万500円に対し、それ以外は16万4,500円と正社員の82%にとどまっており、同じく25歳から29歳では80%と格差が生じております。
 また、平成22年度に本県が実施した若年者就業構造等実態調査によりますと、独身の理由として「経済力がないから」とした者は、正規雇用者が35.2%であるのに対し、非正規雇用では47.4%と高くなっております。特に、男性では70.9%を占めておりまして、経済力のなさが結婚できないということの切実な状況を示しております。
 次に、格差の解消に向けての取り組みですが、県では、キャリアカウンセリング、職業相談、職業紹介、人材育成などをワンストップで行うおうみ若者未来サポートセンターを今年3月に草津市に開設したところです。構成する各支援機関が持つそれぞれの強みを生かした就職支援の取り組みを進めていきたいと考えております。
 さらに、リーマンショックを機に設置した緊急生活・経済・雇用対策本部を恒常的な組織として改組することとしておりまして、国や県の関係機関との連携を一層強化しながら、足腰の強い本県経済の確立と雇用の場の確保を図ってまいりたいと考えております。
 こうしたことによりまして、若者が安定した仕事につき、結婚し家族を持ち、安心して望むだけの子供を生み育てることができるように、就職支援の取り組み、より一層強化してまいりたいと考えております。
 次に、5点目の、障害者雇用について法定雇用率の現状と新たな目標に対する決意と取り組み方針でございます。
 滋賀労働局が発表した平成23年6月現在の本県の56人以上規模の民間企業における法定雇用率達成割合は50.4%と全国平均を上回ったものの、実雇用率は1.60%と、法定雇用率の1.8%や全国平均の1.65%を下回っている状況にあります。県としては、大変厳しく、重く受けとめております。
 現在、県、滋賀労働局、連合滋賀および滋賀経済産業協会の行労使4者で設置します雇用推進行労使会議では、平成26年度に障害者の実雇用率1.8%以上の目標を掲げ、4者が連携して取り組みを進めております。
 こうした中、平成25年4月から法定雇用率が2.0%に引き上げられることから、4者の連携を強め、法定雇用率達成を目指すとともに、一人でも多くの障害のある人の雇用を実現するため、私自身、先頭に立ち、より一層取り組みを進めていきたいと考えております。
 また、実雇用率が高い他県、山口県であるとか福井県などの実情について、早急に調査を実施させたいと考えております。
 次に、3点目の、障害者雇用についての教育、福祉、労働の3者の一体的な推進体制の現状でございます。
 行政と民間が協働して障害者の支援を支える場である障害者自立支援協議会に、福祉・就労・教育連携委員会を設置し、これまで3回の開催をしております。
 今後は、特別支援学校、特別支援学級の生徒の就労や日中活動の場を確保することを主な課題といたしまして、定期的に開催し、教育、福祉、労働の連携を深めていきたいと考えております。
 また、昨年10月に、障害者雇用を雇用サイドから促進するため、滋賀県障害者雇用促進検討会議を商工観光労働部に設置し、企業、労働、教育、福祉の関係者で情報を共有するとともに、課題や問題点を明らかにし、その解決のための方策の検討協議を行っております。
 これまで2回の検討会議を開催した結果、3点の御意見などが企業から出されております。まず1点目ですが、中小企業において障害者雇用についての理解が不十分であり、さらなる啓発が必要であるということ、2点目には、障害のある人がきっちり仕事をしているということを見たり聞いたりすることが最初のきっかけとして重要であるということ、3点目は、障害のあるなしではなく、一人一人の能力に応じて、職場での適職を見つけることが重要だということのような意見が出されております。
 今後は、こうした意見を踏まえて、障害者雇用を経験したことのない企業を重点的に商工団体に対する働きかけを行うなど、早期に具体的な成果につなげていきたいと考えております。
 なお、本日午前中、大野議員にお答えをいたしましたように、今後、部局間連携を推進する観点から、本部組織など全庁組織のあり方も含め、検討していきたいと考えております。
◎商工観光労働部長(堺井拡君) (登壇)雇用対策の強化についての4点の御質問にお答えします。
 まず、若者の正規雇用を促すトライアル雇用についてです。
 実施主体である滋賀労働局によりますと、本県における平成23年度3年以内の既卒者のトライアル雇用におきましては、トライアル雇用開始者485人のうち、正規雇用へつながった方が301人となっております。また、40歳未満の若年者では、1,408人のトライアル雇用のうち、正規雇用へつながった方が852人となっており、効果的な取り組みであると承知をしております。
 一方で、企業での有期実習型訓練の併用につきましては、昨年12月から開始され期間も短いことから、現時点では、事業主の方から滋賀労働局に対する計画申請がなされている段階でございまして、まだ成果が出るまでには至っていない状況でございます。
 今後とも、こうした国の取り組みと連携し、本県の雇用対策を推進してまいりたいと考えております。
 次に、ミスマッチの解消についてであります。
 雇用のミスマッチは、採用意欲が旺盛な中小企業がある一方で、学生は大企業指向が強いといった、求人と求職の不一致、また求職者と企業の間での能力や経験、年齢、勤務条件などの不一致といったことにより発生しておりまして、その解消が、就業の促進、企業の人材確保、双方にとって重要であると考えております。
 こうしたミスマッチを解消するためには、各種就労支援機関における求職者の希望や特性の的確な把握、魅力ある中小企業情報の発信、公共職業訓練の受講、若年者の人材育成などが重要であると考えております。
 このため、県といたしましては、滋賀労働局や県関係部局と連携した取り組みといたしまして、求職者総合支援センター、おうみ若者未来サポートセンター、滋賀マザーズジョブステーションを設置して、外国人を含む失業者や若年者、女性など、それぞれの特性やニーズに応じて、きめ細かな相談や就労支援を行っているところであります。
 今後とも、関係部局が一体的に連携するとともに、相談支援の充実強化を図り、ミスマッチが解消できるよう、精いっぱい取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、障害のある人の個性や潜在力の発揮でございます。
 支援を必要とする障害のある方の状況は一人一人異なることから、相談者の状況を的確に把握し、就労意欲を引き出しながら支援することが重要であると認識をしております。
 県下の各福祉圏域7カ所に設置しております障害者働き・暮らし応援センターにおいては、利用登録時に障害者本人から十分な聞き取りを行い、さまざまな機関と連携を図り、適性ある職種を絞り込み、企業への働きかけを行っております。また、実習中における支援や採用後の定着支援を通して、それぞれの特性に応じた就職の実現、個性や潜在力の発揮、定着につなげております。
 今後とも、働き・暮らし応援センターはもとより、各支援機関の的確な支援によりまして、障害のある方が個性や潜在力を発揮し、就労することによる自立の実現に努めてまいりたいと考えております。
 最後に、東日本大震災の被災者の就職支援についてでありますが、昨年の東日本大震災以降、求職者総合支援センターを本県への避難者の方の就労に関する相談窓口として、生活と合わせた就労相談支援を実施してまいりました。現在までに延べ46人、72件の相談があり、その内訳としましては、労働に関する相談が39件、その他が33件となっております。被災された方のハローワークを通じての就職者の数ですが、本年2月末現在で22人ということになっております。
 現在は、相談自体が少なくなってきておりますが、今年度、県独自に設置を継続することといたしました求職者総合支援センターにおきまして、被災者の方の生活も含めた、就労に関する総合的な相談、支援を引き続き行ってまいります。
◎教育長(河原恵君) 高校を卒業しながら就職していない卒業者と、1年未満の離職者についての御質問にお答えをいたします。
 平成24年3月に県内の高等学校を卒業した生徒のうち、就職を希望しながら就職しないまま卒業した生徒は118人でございます。卒業後4月以降もこれらの卒業者に対し引き続き支援した結果、現在までに15人の就職が決定しております。
 就職が決まらなかった原因でございますが、リーマンショック以降、雇用情勢が厳しいままであることが考えられます。学校からは、希望する業種からの求人がなく、積極的な就職活動を行わなかった、基礎学力やコミュニケーション能力の不足から不合格になったなどの報告がございました。
 今後は、基礎的な学力を確実に身につけさせることや、コミュニケーション能力を育成すること、就業体験などを通して勤労観、職業観を育むことなどが重要であると考えております。加えて、生徒のニーズをきめ細かく把握しながら求人開拓を進めていくことも必要であります。
 また、本県での就職後1年未満の離職者につきまして、滋賀労働局発表の調査結果によりますと、平成20年3月卒業者では17.0%、平成21年は13.7%、平成22年は16.4%となっており、いずれも全国平均を下回っております。
 離職の原因につきましては、新規採用が減るなどから仕事量がふえたり高度化したりして、若年の正社員の負担感が増していることなどが考えられます。学校からも、仕事の内容が思ったよりきつかった、職場での人間関係になじめなかったなどの卒業生の言葉が報告されております。
 学校では、離職した卒業生から相談があれば、担当者が面談を行い、企業を紹介するなどの支援を行っております。また、定期的に企業を訪問して卒業生の状況を把握し、定着に向けて支援をしております。
 県教育委員会といたしましては、生徒が希望を実現し安定した就業を継続できるよう、関係機関と連携し、求人要請などの支援に一層取り組んでまいりたいと考えております。
◆41番(梅村正君) (登壇)ぜひよろしくお願いをいたします。
 次に、地震の被害予測と減災対策について、知事に伺います。
 南海トラフの巨大地震、東海、東南海、南海の3連動地震が与える本県への影響につきまして、19市町全てが震度6弱、6、6強と予測され、特に6強は揺れに対して動くことができず、固定しない家具の多くが倒れ、壁のタイルや壁が落下し、そして大きな地割れ、崖崩れ、地滑りや山林の崩壊、また液状化など、甚大な影響を受けることが予想されています。地震動や液状化などの被害に対して、知事はどのように把握されているのか、その対策についても伺います。
 2点目に、減災対策が不可欠であることは言うまでもありません。しかし、例えば本県の耐震改修は、平成20年の住宅土地統計調査では、昭和56年より以前に建築された住宅が約15万6,000戸とされておりますが、その多くが耐震性がないと想定されています。しかるに、木造住宅耐震・バリアフリー改修の補助件数は、平成23年度末で139戸であり、この本県の現状をどのように認識をし、分析し、対処しようとされているのか伺いますとともに、耐震シェルターなどを含めた計画的な推進について、知事に伺います。
 3点目の件につきましては割愛いたします。
 4点目に、地域における支援体制について伺います。
 地域防災監の位置づけでありますけども、その任務、体制について、早期に具体的に初動期などの地域防災監の所管地域内の市町との連携、また、指揮系統や防災体制などの明確化、具体化をすべきと思いますが、見解を伺います。
◎知事(嘉田由紀子さん) 地震被害予測と減災対策についての3点の御質問にお答えいたします。
 まず1点目の、南海トラフ地震による地震動や液状化などの被害をどう把握しているか、またその対策でございます。
 東日本大震災を受け、内閣府は、南海トラフ地震について、マグニチュード9クラスの地震モデルを設定して、3月末に震度分布と津波高さの推計結果を公表しました。この震度分布は、今後の地震防災対策を検討する上で、あらゆる可能性を否定しない最大クラスのものでございます。本県では、平成15年に国が示した想定震度分布をもとに、平成16年度に人的被害と液状化の影響を加味した建物被害を想定いたしました。
 今回示された震度分布についても、今後に公表される国の被害想定の考え方を参考にしつつ、より詳細な被害想定を実施し、これをもとに地震防災計画を修正するなど、地震対策の一層の推進を図ってまいりたいと考えております。
 次に、2点目の、木造住宅の耐震・バリアフリー改修と、耐震シェルターを含めた計画的な推進でございます。
 まず、平成20年住宅土地統計調査に基づき、滋賀県内の昭和56年より前に建設された住宅15万6,000戸のうち、耐震性の低い住宅は約10万8,000戸と推定しております。このうち、県の補助を受けて耐震改修されたものは、これまで139戸ですが、統計調査をもとに算出した自主改修も含めた件数は、平成15年から平成20年の5年間で約2,500戸程度と推計しております。平成20年の調査による住宅の耐震化率は約78%であり、耐震改修や建てかえにより、平成27年度には85%に改善される見込みであります。
 滋賀県既存建築物耐震改修促進計画で定めた90%の目標達成に向けては、補助制度の活用を図るため、木造住宅耐震・バリアフリー改修補助の高齢者割り増しについて、対象者を高齢者のみの世帯から高齢者同居世帯へと要件を緩和したところであります。
 この耐震化率の低さについては私自身も常々問題視しておりますが、高齢者世帯が多いことから、なかなか進まないのが実態でございます。そういう中で、できるだけ普及啓発に努めるということで、出前講座、県広報誌、テレビ番組の活用により、情報提供を通じより多くの方に耐震化に関する認識を深めていただけるよう、特に去年の3・11以降、努めているところでございます。
 また、耐震シェルター事業は、比較的安く簡単に安全な空間が確保できるよう、耐震改修が進まない場合の補完的な事業として取り組んでおります。耐震改修に踏み出せない御家庭に設置していただけるよう、さまざまな媒体による幅広い啓発に加え、市町の協力を得ながら、助成制度をPRしていきたいと考えております。
 次に、4点目の、地域防災監の市町との連携、指揮系統や防災体制についてでございます。
 地域防災監は、地域における防災危機管理体制の構築と、部局を超えた危機事案への迅速な対応を主な任務としております。今年度から、大津地域を除く土木事務所長が地域防災監を兼務することとしております。また、新たに、地域防災監を補佐し、管内の地方機関や市町等との連絡調整を行う副地域防災監を設置するとともに、防災担当職員を土木事務所に配置いたしました。
 平常時から、関係地方機関と連絡調整、情報共有を行うとともに、管内市町や警察、消防等と顔の見える関係を構築することとしております。また、危機事案の発生により地方本部等が設置された場合には、地方本部長として、職員を指揮監督するとともに、必要に応じ職員を市町へ派遣するなど、市町等との緊急連絡体制の確保に万全を期すこととしております。
◆41番(梅村正君) (登壇)知事、私たち公明党県議団は、過日、静岡とか神奈川県に視察に行かせていただきました。いわゆる防災、減災についての取り組みでございます。そこで、先ほど耐震の話が出ましたけども、静岡なんかが具体的にすぐ進めていらっしゃるのは、やはり県と市町が一緒になって個別に訪問、啓発をされているということ、大変共感を受けました。
 ですから、そういうふうな手法につきましてもぜひ検討いただきたいということと、もう一つは、3連動の地震でも、いわゆる震度6強は県内で8市町がその対象となってございます。ここは想像今までにない震度でございますので、そういうところをとにかく第一義的に考えるなどの角度をつけたそういう取り組みが必要かなと思いますので、ぜひ、これについては要望でございますけども、お願いをしておきます。
 じゃ、最後に、一問一答で、地域防災計画(原子力災害対策編)の強化について、全て知事に伺います。
 私たち公明党滋賀県本部が、喫緊の課題であります本県の原子力災害対策の強化を目指しまして、140万県民と琵琶湖流域1,450万人の命と生活を守るために政府に求めた、滋賀県を原子力行政の地元にと県下で実施いたしました署名活動は、2万2,476人の多くの県民の皆さん方から、強い願いを込められた御署名を一筆一筆いただきました。この場をおかりいたしまして、心から感謝を申し上げる次第でございます。
 5月31日に、その署名簿を牧野経済産業副大臣に手渡しをさせていただき、その際に、原発施設から13キロの近距離にあり、当然国が定めて示したおおむね30キロUPZエリア内にあること、また、琵琶湖を擁していることなどの地域性、また、本県独自の取り組みを重ねていることなどを強く訴えまして、要望趣旨を訴えた次第でございます。御署名いただきました皆さん方の思いをお伝えをさせていただきました。
 多忙の中、副大臣は一つ一つ耳を傾けていただきまして、滋賀県の取り組みは承知をしている、要望内容は大臣と検討したい、また、UPZ地域内にオフサイトセンター的な機能配置を検討したいとのお話をいただきました。ぜひ一刻も早く要望内容や副大臣が言われた今後の対応の実現を強く願うものでありますが、このような取り組みについての知事の所見と今後の対応について伺います。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。
 このたび、本県の喫緊の課題であります原子力災害対策の強化に向け、牧野経済産業副大臣に2万2,000人もの署名とともに御要望いただいたということ、大変心強いことでありまして、感謝申し上げます。
 これまで国に対し、京都府知事とさきの提言および再提言も行ってまいりました。今回示された大飯3、4号機の再稼働に伴う安全基準は、あくまで暫定的なものであることに加え、中長期的なエネルギー政策が示されていないことや、使用済み核燃料の処理あるいは危機管理体制の中でのSPEEDI情報がいまだ提供されていないことなど、未解決の課題が残っております。
 引き続き、こうした課題の解決を求めていくとともに、UPZ地域内でのオフサイトセンター的な機能の配置や地元自治体も参加した緊密な連携協力体制の整備など、安全体制の確立を訴え続けていきたいと考えております。
◆41番(梅村正君) (登壇)次に、さまざまな解釈をされております地元ということについてでありますけれども、その内容と位置づけを明確にし、その上で関係自治体との対応を副大臣に求めました。
 地元というくくりでは議論が拡散しまとまらないことが懸念されますことから、例えば、緊急防護措置が必要なUPZ内で、立地県、そしてまた隣接県などとするほうがわかりやすいのではないかと言わせていただいた次第でございますが、この地元という言い方、考え方について、知事の所見を伺います。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。
 今回の福島の事故の放射性物質の拡散状況を見ておりますと、被害は広まっているわけです。それをもとに、国においては、従来10キロというEPZの範囲をUPZとして30キロに拡大をした。つまり、具体的に影響があるかもしれないと、想定される範囲として30キロを指定したものでございます。
 そういうことからして、直接影響を受けるかもしれないという意味で、私は被害地元という概念を出したものでございます。しかも、本県のシミュレーションでは、30キロを超えて四十数キロまで放射性ヨウ素の拡散、しかも屋内退避を求められる濃度という結果も出ております。
 そういう中で、隣接というと、関係性が弱くなってまいりますので、あくまでも被害を受けるかもしれない当事者として、被害地元という言葉は使わせていただきたいと思っております。
◆41番(梅村正君) (登壇)知事、ですからUPZ内というのが、いわゆる知事がおっしゃる当事者というエリア、これは国がそう決めたわけですから、滋賀県は43キロ言うておりますけど。国が決めたその緊急防護対策をとらなあかん、準備せなあかん、そのエリアを30キロと決めた。それはまさに当事者という、そういうふうな概念で決めはったわけじゃないんでしょうか。それがそうでなかったら、今までのEPZ以外と、その捉え方と変わらないということになると思うんですが、私はそういうふうに思うのでありますが、ぜひ、言いましたそういう点についても検討いただければといふうに。でないと、国のほうがUPZ、そしてまた地元という、そういうまとめ方が大変難しくなるのではないかという。例えば大阪も、いろんなところが地元ということになるわけですから。
 そういう意味では、これは緊急課題でございますので、国のそういうふうな考え方もあるでしょうけれども、ぜひそういうふうなわかりやすい、そしてまた具体的に、また早く迅速に国が対応して判断していただけますようにということを込めて先ほど申し上げたそういうことでございますので、また御検討いただきたいと思います。
 それから、その次に、大飯原発再稼働の知事の判断について伺います。
 滋賀県議会が、ことし2月議会で全会一致で、3・11の教訓を生かした慎重な再稼働を求めた意見書を国へ提出をいたしました。その声が届かなかったことにつきましては、まことに残念であります。
 野田総理と関係大臣が慎重でなけりゃならない再稼働について、厳しい今夏の電力供給の理由から大飯原発を再稼働すると判断されたわけでありますが、今夏の関西電力の節電要請に対しまして、企業への支援策について、今議会に提案されております中小企業節電対策緊急支援事業費補助金制度や、早期に追加支援を願いたい滋賀県民間事業者省エネ設備整備モデル事業補助金制度、これらの効果的な取り組みについて、知事に伺います。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。
 中小企業節電対策緊急支援事業費補助金については、照明や空調等の設備整備により一定の節電効果が見込まれる事業等に要する経費の一部を補助するものであります。
 支援に当たっては、補助対象期間を、節電をお願いしている7月2日からとして、補正予算成立後、速やかに執行するなど、時期を逸しないよう弾力的な対応を考えております。また、周知啓発にも工夫して取り組んでまいります。
 当初予算に計上している民間事業者省エネ設備整備モデル事業補助金については、今夏に向けて早期に事業実施できるよう、本年5月16日から6月12日までの間に募集を行い、先週、9社に対し、総額1,296万3,000円の事業計画を採択したところであります。
 当初予算額3,000万円に達していないことから、近々に追加募集を行う方針であり、経済団体等を通じて速やかにこの旨を周知し、中小企業者等の省エネ、節電対策の支援に引き続き努めてまいりたいと考えております。
◆41番(梅村正君) (登壇)ぜひよろしくお願いいたします。
 次に、関西広域連合の暫定的、限定的な再稼働に合意されたその際の知事の判断を伺います。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。
 広域連合の会議で、細野環境大臣も安全基準は暫定的と言っておりました。そのような安全性の検証しかなされていない中での再稼働は慎重であるべきと考えております。それゆえ、再稼働は大飯原発3、4号機と電力逼迫期に限定すべきと考えております。
◆41番(梅村正君) (登壇)知事、その合意内容でございますが、安全第一というこの3月11日の教訓は生かされたと御認識されていらっしゃいますか。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。
 福島第一原発の事故に学び、応急措置はなされているというふうに伺い、また、私も4月12日に大飯3、4号機を見せていただきました。しかし、恒久措置はなされていない中で、安全性は完全に担保されたものではないということから、今回のような限定的という判断をさせていただいたものでございます。
 そして、3・11の教訓、何よりも大変な被害、ふるさとを追われ、家を追われ、そして家族がばらばらになりという状況の中で、大変大きな影響、被害をもたらしたわけでございます。決して事故は収束しておりません。まだ渦中にあります。そういう中で、今後、二度と同じような原子力災害、起こしてはいけないと私自身は強く願っております。
◆41番(梅村正君) (登壇)私は、昨年のその教訓というのは、1つは、やはり安全第一、2つ目に、その常の備え、3つ目に、人災をなくす、このように捉えております。
 この再稼働が次にまた同じような形で進まないことを願うわけでありますけども、知事、安全第一というのは、やっぱり、昨年の教訓をどう生かすのか、生かしてこそ次の安全が確保されるということになると思うのでありますけれども、その教訓を生かすのは、まさに私たちだというふうに。後世代の人でない。今、この3月11日を体験した被災地の方はもちろんでございますけど、今を生きる私たちがしっかりとこの教訓を認識をして生かさなければならない。そのような教訓を生かしてこそ将来に安心を送れるものだと、それが私たちの責任ではないのかというふうに思いますが、そのことについて知事はどのようにお感じいただいていらっしゃるか、お聞きいたします。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。
 まさに今回の福島の事故、そしてその周囲への影響を見ながら、滋賀県としては四重の安全対策が必要という方針を立てております。1つ目は、原発プラント自体、施設自身の安全性の確保です。2つ目は、立地地域の地震、津波等の地域条件の中での安全性、3つ目は、地元も参加した情報共有も含めた危機管理体制の確立、そして4つ目は、万一事故が発生した場合に、被害を最小化する、また被害を最小化できる防災体制の整備、備えでございます。
 こういう中で、今回の3・11の教訓を学びとして、若狭湾岸の原子力発電所の集中地域に隣接する、そして被害を万一受けるときの被害地元である滋賀県としての判断をしていきたいと考えております。
◆41番(梅村正君) (登壇)ぜひ、その安全第一というのを実現できますように、また、かなえられますようにお願いをいたします。
 私は、もう一つ、人災をなくすということを言いましたが、この人災は、例えばきょうのお昼のNHKニュースでも報道されておりましたけども、アメリカ政府の放射線の総量地図を日本政府は公表しなかったというきょうの昼のニュースで流れておりました。本日でしょうね、あれ、ちょっと日はあれでしたけども、国の担当者が、川内村の町長さんに謝罪に行きましたというニュース報道でありました。
 このアメリカ政府の放射線総量を日本政府が受けていたけども公表しなかったということは、昨年の3月11日起こりまして、その3月17から19日にかけて、アメリカのエネルギー省が米軍機を使って空から放射線測定したと、そういうふうなことが日本政府に渡ったわけでありますけども、それが活用されませんでしたので、結局、逃げてはならないところへ避難をしてしまったりというようなことが起こったということでございます。
 そしてまた、SPEEDIの情報もその活用が不十分であったとか、また、6月10日の読売新聞でありますけれども、政府対応の混乱から、放射線量の高い地域への避難と、こうなったと、大隈町の町長の話等が報道されておりましたり、また、最近でいいましたら、6月19日夜の再稼働の準備中であります大飯原発3号機のトラブル警報が13時間後にいわゆる公表されたとか、こういうふうなことを散見いたしますと、いわゆる起こってはならないそういうふうな事故でありますけれども、さらに、起こしてはならない人災をどのように私たちは食いとめなきゃならないのかとかと、これは全ての者が肝に銘じなければならないと思うのでありますけれども、そういうふうなことをしていくためにもどうしても大切なのは、原子力の人材をどう育成していくのか、また危機管理意識を強く持った人をどう育成していくのかということでありますけれども、この人災をなくすということについての私は人づくりだと、こう思うのでありますが、その取り組みを強化すべきだというふうに知事に申し上げたいのでありますけども、知事の見解はいかがでしょうか、伺います。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。
 私も、そもそもSPEEDIのデータがなぜ提供されないのか、1年以上追及してきましたけれども、これは、ひとえに国の文部科学省と経産省の縦割りの問題です。つまり、文部科学省はデータをとることを目的とし、それを提供し活用することが法的にもできていないということです。
 それから、アメリカのデータがなぜ提供されなかったか。これについても、朝日新聞のこの問題を追及した記者の方が昨日書いておられましたけれども、やはりデータを活用するという視点が保安院の中にもなかった。これは最終的に人災の面が高いのは、やはり、避難をして、あるいは被害を受けるかもしれない人たちの思いなり現状に想像できる人がいなかったということではないかと思っております。
 そういう意味で、縦割り組織をできるだけ横につなぎながら、最終的に被害を最小化する、その意識を誰もが持つ。これは単に原子核の技術的な技術者を養成するということではなく、行政マンあるいは危機管理体制に向かう人たちの基本的な考え方であると思っております。これ自身、大変大事な発見であり、答弁の中身だと思っております。
◆41番(梅村正君) (登壇)ぜひよろしくお願いいたします。
 時間も超過しておりますので、6番と8番は割愛いたします。
 最後に、オフサイトセンターに職員派遣について、確認というか、知事にお尋ねさせていただきます。
 これ、先ほど、人災という話をさせていただきましたが、このオフサイトセンターというのは、よく言われておりますように、国、地方自治体または原子力事業者、専門家等々が一体となって、いわゆる被害防止、また避難等々、情報交換とか、さまざまな対応する現地機関、こういうことでございます。
 私どもが国に署名を持っていったときに副大臣がおっしゃっておりましたように、その機能をUPZ内の地域に配置をしたいということでありますけれども、大変私は重要な話としてこれを伺っておりました。今回、大飯のオフサイトセンターに職員配置の任務を見せていただきますと、大飯発電所の運転状況およびその特別な監視体制による確認状況の把握でありますとか、または緊急対応で、原子力災害対策特別措置法に基づく現地対策本部と連絡調整を開始するというような、そういう場所の緊急対応に県の職員もその場に参画するというふうなことだと思うのでありますけれども、このことにつきましては、このオフサイトセンターの職員配置と、先ほど我が党が持っていったそのときの副大臣のこのことからいたしますと、極めて滋賀県の地域防災計画、なかんずく原子力災害対策の初動時の対応について、極めて有益な取り組みになるのではないかというふうに思っているわけでありますけれども、この職員さんのセンターへの配置については、ぜひそのような意味を持って、そして将来の滋賀県の原子力災害対策の一番根幹であるその部分の、大切なその部分、その部分にどうぞ現地の有効な情報が生かされますように、ぜひそのような派遣にしていただきたい、こういうふうに思いますが、知事の見解を伺います。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えいたします。
 まさに議員御指摘のように、万一の事故のときの初動体制がとれるように、今から備えておくということでもございます。
 そういう中で、現地派遣は、国、立地自治体、現地スタッフと直接情報交換を行い、人的関係をつくりながら、初動体制、防災対策にもつながるものと、そのような役割、任務を帯びて派遣をしているものでございます。
◆41番(梅村正君) (登壇)ありがとうございました。以上でございます。(拍手)
○副議長(山田和廣君) 以上で、41番梅村正君の質問を終了いたします。
 最後に、48番沢田享子さんの発言を許します。
◆48番(沢田享子さん) (登壇、拍手)それでは、通告に従いまして、まず、大きな項目、1つ目は、公益法人等の経営状況について、知事に質問をさせていただきます。
 公益法人等の経営状況説明書、これが今議会に提出をされました。昨年度までは、県が出資または出捐している金額が資産の2分の1以上の法人に関する報告が行われておりましたけれども、今年度は、地方自治法施行令の改正に伴う県条例の改正で、県が出資または出捐している金額が資本金等の4分の1以上となったために、報告されておりますのは28法人等となっており、うち財団法人滋賀県消防協会など9法人が、新規に議会へ報告されることとなりました。
 報告をされております28法人の経営状況に関して、具体的には議会の各常任委員会で報告事項としてもう少し詳しく説明をされるものと思われますが、知事が各法人などに対して、これから収支状況の報告聴取や予算の執行状況の実地調査などを行うことができるようになってこられたことから、私たち議会のほうもしっかりやらなきゃいけないというようなことで、知事に、3点、質問をさせていただきます。
 1点目は、知事に総括的な考え方について伺います。
 二元代表制のもとで、今まで議会は、県が出資する金額、補助金であったり委託金であったり、そういうものを毎年、予算、決算案の中で主に審議をしてまいりましたけれども、これからは、知事が行われる各法人などに対する報告聴取や実地調査などに関して、市民目線や納税者感覚でチェックを私たちが入れられる制度だと、そのように改正されたと理解をしております。
 県は、これまで条例に従って、例えば、県職員を団体に派遣をして日常職務に当たっていただいたり、県職員幹部が理事になったり、中には、知事が理事長など、その団体の代表者を務めてこられました。
 しかし、これらを市民目線から見てみますと、それら法人等は県そのものではないかと見えている部分もあります。けれども、法人の業務内容によっては、許認可や監視監査を行う立場にある県が、される側にも県職員や幹部がいて、本当に厳正にきちんと対処されているのかと感じているのが普通の市民感覚とも言えます。一方、制度や法令、技術に堪能な県の職員を派遣することで、日常のコンプライアンスが作用するとも理解をすることができます。
 私は、今まで、両造林公社の長期、多額の損失補償問題などの議論の経緯を反省しながら、それぞれ各法人等の設立目的は尊重されつつも、県としてのこれまでのかかわりをどのように踏まえ、これからどうしようとされるのか、総括的に知事にその考えを伺います。
 2点目に、この中の報告の一部分にはなるんですけれども、土地開発公社の汚染土壌処分について伺います。
 まちの中や新規の開発事業を推進するその役割を、土地開発公社、大変たくさん担っていただいております。現地にあるものを撤去したり地盤を改変することによって、開発される部分はすっかりよくなりますが、撤去されたものはどこでどう処分をされていくのかについても、環境県滋賀においてはしっかり考慮しなければならないと思います。
 特に、土砂については、これから申しますことに限ったことではないんですけれども、県内県民の皆さん方の感覚から見れば、頻繁に行き交う道路、たくさんの土砂を積んでいる大型ダンプの動きは、どこで空っぽになるのかという懸念をされるところでもあり、ましてや、それが汚染物なのかどうか、汚染土壌なのかどうかというようなことについては、丁寧な説明と理解が求められると思っております。
 この滋賀県土地開発公社の事業報告によれば、米原駅周辺中核施設用地において数年にわたる事業を続けていただいておりますが、昨年は汚染土壌処分をされております。その汚染土壌の処分の実態と事業の概要、今後の対応に関して、県はどのようにかかわっておられるのか伺います。
 3点目に、公益財団法人への移行について伺います。
 公益財団法人制度によって各法人が自立した運営を可能にするために、寄附受け入れを可能にすることや収益的事業も行えること、税の減免を受ける特典、それらを生かして、広く県民に向けた公益的事業も積極的に図られることが期待をされております。県の公益財団法人への出資金が県民サービスとなって生きて戻ってくると考えられ、喜ばしいことだと思います。
 公益財団法人の認定についてですが、例えば財団法人国際湖沼環境委員会に関しましては、平成21年の11月議会の答弁では、公益財団法人として自立化に向けて努力をされている、まさに現在進行形の答弁があったわけですが、報告書によりますと、今年度移行手続を行うとなっておりまして、おくれているようにも感じられます。
 また、財団法人滋賀県食肉公社に関しましては、さきの造林公社と同様に、県が損失補償をしている法人でもあります。私たちは注意を払っていかなくてはなりません。
 公益財団法人に移行した法人等は、どのような長所が発揮できているのか、公益法人に移行していない法人に関しては、県はどのような関与をされるのか伺います。
○副議長(山田和廣君) 48番沢田享子さんの質問に対する当局の答弁を求めます。
◎知事(嘉田由紀子さん) (登壇)公益法人等の経営状況についての3点の御質問にお答えいたします。
 まず、1点目の、外郭団体に対する県のかかわり方をどう踏まえ、どうしようとしているのか、総括的な考えでございます。
 外郭団体に対する県のかかわり方については、平成21年12月に策定した外郭団体見直し計画において、県は、外郭団体が自立した経営体に転換していくよう、必要な助言、指導を行い、人的関与についても縮小を図ることといたしました。職員の派遣については、団体の要請に基づき、かつ必要最小限の範囲にとどめることとし、ここ数年、派遣人数を減らしてきております。また、代表者の交代も進めてきました。
 これまでから、県と外郭団体との関係については、役割分担や責任を明確にし、適切な指導を行ってきたところでありますが、今後とも団体みずからが積極的な情報開示を進めるとともに、県としても、経営状況説明書や外郭団体見直し計画に基づく取り組みの進捗状況など、丁寧な説明を行うことにより、透明性の確保を図っていく所存でございます。このような透明性の確保を図る中で、市民感覚でのチェックを入れていただき、制度改正を図っていきたいと考えております。
 次に、土地開発公社の汚染土壌処分についてでございます。
 米原駅周辺中核施設用地は、米原駅周辺における地域活性化のため、土地開発公社に先行取得を依頼した土地でございます。平成15年、米原駅東部土地区画整理事業の工事中に、一部、鉛汚染を含む石炭殻の埋設が判明したため、県としては県公社に対し、石炭殻等を撤去するよう指示を行いました。
 このうち、まず、汚染が認められない石炭殻まじり土は、国との協議により、国道8号バイパスの工事で道路盛り土材として有効活用できることになり、大幅に経費を削減できました。また、土壌調査により、鉛の基準値を超過した石炭殻まじり土は、産業廃棄物管理型最終処分場であるクリーンセンター滋賀へ搬入し、適正に処分をいたしました。
 なお、汚染土壌を運搬するに当たっては、クリーンセンター滋賀が指定する表示板をダンプトラックに添付して、住民の皆さんからも判別できるようにいたしました。
 こうした対応により、昨年度には鉛汚染のある石炭殻まじり土を全量撤去したところでありますが、今後も、地下水のモニタリングを一定期間継続するなど、適正な処理に努めてまいります。
 次に、3点目の、公益財団法人に移行した法人の長所、あるいは公益財団法人に移行していない法人にはどう関与するかとの御質問でございます。
 外郭団体のうち、本年4月1日現在、公益財団法人へ移行したものは13団体あります。移行を契機として、議員御指摘のとおり、税制面の優遇措置の拡充等のメリットを生かして民間資金の受け入れをふやすなど、自主財源の確保により、団体経営の自立性を高める取り組みが行われております。
 また、外郭団体は、それぞれ見直し計画に基づき自立した経営体となるよう目指しておりまして、公益財団法人に移行していない法人についても、こうした見直しに資することから、移行に向けて必要な助言、指導を行ってまいりたいと考えております。
◆48番(沢田享子さん) (登壇)お答えをいただきましたが、2問目について、知事、もう少し詳しく再質問をさせていただきたいと思います。
 御答弁は大体それで結構なんですが、例えば、汚染土壌を運んでいる状態というのはそういうふうにわかりやすくしましたということで結構なんですが、事業内容の説明をお聞きしていますと、そうすると、その土壌の分析調査をやっていただいているんですね。そしたら、その分析した結果どうであるのか、そこの米原駅のところにある汚染された土壌についての汚染の状態、そのことがはっきり明示をされているかといえば、契約の中には、出すほうと受け入れるクリーンセンターとの間の契約の中身には、汚染をされている土壌というのはあるけれど、その汚染のぐあいというか、程度というのがきちんと書かれていないと私は見ました。
 それで、やっぱりどこが県が関与しなければならないか。済んだことはもう結構ですから。ですから、これからさまざまなことをやっていく場合に、やっぱり汚染されているものですよと分析してもらいました、それから、汚染土壌として処理しなくちゃいけないというようなものがある場合は、それは汚染のぐあいというものをはっきりして、それをどこそこに受け入れてもらうという契約にきちんと明記すべきではないかというふうに思います。その点について、お考えがあったら聞かせてください。
◎知事(嘉田由紀子さん) お答えさせていただきます。
 議員の御質問の趣旨としては、県が今後、土壌汚染などでどうかかわっていくかということだろうと思うんですが、それについては、県の琵琶湖環境部のほうでしっかり、計測したものが環境基準にきちんと合っているのかどうかということで、一般的な土壌汚染の監視をするということで、県としての役割を果たさせていただきたいと思っております。
◆48番(沢田享子さん) (登壇)質問に関する協議を担当者の方とお話ししている最中もきちんと法令に従ってやっておりますということは伺っています。しかし、例えば、A地点の汚染された土壌を受け入れていただくB地点に持っていくというようなことの契約を交わす場合に、何々を含んだ汚染土壌というふうにはなってるんですけれども、それが分析調査をしているものなんだから、だからそれは何%含んでいるかというようなことなどがきちんと書かれているほうがいいなと私は思ったんです。以上です。それはもう結構です。
 その次に、大きな2問目に入ります。
 大飯原発再稼働問題に関連をいたしまして質問をさせていただきます。
 県民の安全を確保するために、県はいち早く、科学的な知見に基づいた放射線量測定の必要性を国に提起され、このたび、モニタリングポストが新たに設置をされることになります。
 放射能は自然界にもあると言われていますが、それは地域によって差があり、他の6基のモニタリングポストと、それから2台のモニタリングカーが機能的に作動することにより、通常時の正確な線量を県民によく知らせ、いわゆる自然に由来するものなのか、それとも何らかの異変に伴う放射能なのかを区別でき、適切な行動へと結びつけるために重要だと考えております。
 既に11月定例議会の一般質問において、私は、道路際で気温や雨量を大きく見えるように表示をしてスリップ事故が起こらないようにという計らいが行われているように、正確な放射線量測定値のよく見えるようにするということは、退避や避難、医療にかかるかどうかなど、判断する上での基礎となる情報、ひいては、国土、県土、その土地で作物をつくってよいかどうかというようなことなどにまで至る非常に重要な基礎となる情報として、その意義を訴えてきたところであります。
 一方、大飯原発3、4号機に関しましては、暫定的な安全基準のもとで暫定的な安全策しか図られていないのに再稼働が決定をされ、先ほども梅村議員の御発言の中にもありましたけれども、準備作業が始まった6月20日、続く23日、24日、そしてきのうも警報が鳴ったというようなことです。警報が鳴ったということだけでなく、きちんと公表されるまでの間に時間がかかっている。果たして、本当に異常があったときに正確なことがきちんと知らされるのかどうか。迅速的確な対応策がとられ、被害は最小限に食いとめられるのかどうか。周辺住民の健康や、そこの作業に当たっていただく作業員の健康が確保できるのかという点で、電力事業者は厳しく問われている。そして、まだまだ不信が募っているところだと思います。
 通告に従いまして、まず1点目、教育長に質問をいたします。
 たくさんの子供さんを預かり、瞬時に安全策を求められるところとしての学校、科学や文化に関して基本となる教育を行う学校、非常事態には地域の皆さん方の避難所となる学校、まだまだ学校の果たす役割や価値はあると思います。そして、そこに働く教職員の役割も非常に大きいと考えております。
 昨年の福島第一原発事故以降の、子供たちが現地でどのように学んでおられるか。滋賀にいる私たち、滋賀にいる子供たちは、それをどう捉え、世の中の動きにつれ何を子供たちは考えているか。前代未聞の大事故を乗り越えられる力を、そして将来、こういう原子力のある社会の中に生きていく子供さんたちに、それを乗り越えられる力を育む上で、子供たちに最も身近な専門職としての教職員に期待されることは多くなっていると思います。
 原発の安全神話が崩壊をし、文部科学省は昨年度、東日本大震災の被災地を中心に線量計を配布をされています。その数は教育現場にとれば全く不十分だと思われますが、でも、目には見えない、においもしない、位置や時間によって異なるという放射線量を、平常時にこそ正しくはかり正確に記録することなどが、この滋賀でも求められていると考えます。
 そこで、教育活動に使用できる放射線の測定器の整備状況と、これからの計画、教職員への研修はどのように行われているか。
 また、私どもが昨年度提案いたしましたように、学校における子供たちにもわかりやすい定期測定が要ると思いますが、どのように考えておられるか、教育長に伺います。
 2点目は、知事公室長に、モニタリング値の広報について伺います。
 先月、被災地へ伺いまして、その調査、研修から戻りました。滋賀県内では東日本被災地のことがどのように今報道されているかということが気がかりになりまして、改めて各新聞、こちらを見比べ、そして東北のものと見比べてみました。
 滋賀では、三社三様の編集によります。それは当たり前なんですが、報道をされております放射線量に違いがありまして、潮位──潮の高さでありますとか、気温の観測値を示す、どこではかっても同じようなもので示されている、それとは異なっているということがわかりまして、私は考えさせられております。
 一体、住民が普通に新聞という、毎日の一番情報がたくさん載っているそういうものの中で正確な情報とは何なのか、最も知らなければならない市民に対して、共有されるのは共通の数値でなくてはならないと思うのですが、現に私が見比べた点、6月の5日、6日ごろですが、そのころには差がありまして、不信を覚えております。
 原子力村という言葉があって、その原子力村と言われるのは、電力事業者や研究者、行政や報道関係も巻き込んで、情報を隠蔽しつつ、安全神話を国民に植えつけてきたと評されており、福島第一原発の事故が人災だと言われているのはその辺であって、これからは、せめて正確な情報が簡便な方法で、より広く知られるようにすべきだと考えます。正確な情報は文部科学省のホームページで、あるいは滋賀県のホームページで見ていただけますというような範囲にとどめることではなくて、テレビや新聞でも正確に知られるように図るべきだと考えます。
 県内でのモニタリングポストがこれから稼働をすることになりますが、その観測値の広報のあり方についてどのように考えておられるか、お聞きをします。
 3点目は、商工観光労働部長に伺います。
 昨年の原発事故以降、数多くの線量計が広く市民の手元、国民の手元に使われるようになりました。一時期は品薄になって、買うのも大変、値段もいろいろ、ネットによって国外からも買うことができるというようなことで、価格も精度もさまざまなものが出回っていると仄聞をいたしております。
 私たち、これから、いわゆる福井の隣接県、被害地元の私たちとしては、正確な情報をふだんから把握をし、風評を立てたり、あるいは風評被害に遭わないようにするためにも、各般からの取り組みが望まれると考えます。
 県では、計量法に基づく検査機関を商工労働部が所管をしていただいております。私は、既に県民の手元にある線量計、これから皆さんが買われるかもしれない線量計、その精度を、正確度ですね、精度を確認するための手だてが必要だと考えております。計量機器に関し、適正な計量の実施を確保するための機関として、商工観光労働部では滋賀県計量検定所を所管していただいておりますが、線量計の精度確認については、現状はどのようになっているのか伺います。
 4点目は、知事に、災害時の女性の抱える問題への対応について伺います。
 非常事態には、ふだんの生活の中で解決されず問題になっていることが浮上をし、そのしわ寄せは災害弱者と言われる人々に集中してあらわれるために、平常のときにこそ対応策を図っておく必要があると考えます。
 今年度、政府が公表されました男女共同参画白書には、男女共同参画の視点からの防災、復興が特集編で示されております。それによりますと、実際に被災をされた現地では、さまざまな申請などを行うときなどに、世帯主義で各種の申請とか調査が行われていて、家族そのものがそろってもいないようなときに、初めてのそういった対応をしなくてはいけないときに大変に困ったというようなこととか、瓦れき処理などには費用弁償があっても、食事の支度、これはとても大事なのですが、費用弁償が払われないことなど、いわゆる社会的性別役割分担に基づく不平等があるという実態。また、乳幼児を抱える女性にとっては、子供の安全を考える上でのストレス度が非常に高いこと、高齢者の中でも女性の占める率は高く、避難できず犠牲になった女性も多いことなどが挙げられております。
 今、東日本大震災の復旧活動のさなか、被災地で頑張っておられる女性、避難先で頑張っておられる女性の問題、言おうと思っても言えない声を持っておられる人たちのことをどのように受けとめ、これからのことを、我が県にも万一の災害が発生した場合に備えて、どう取り組むべきかが問われていると考えます。
 一方、滋賀県の男女共同参画審議会からは、このほど、若年層の男女共同参画に関する意識調査と検討結果が報告をされたとお聞きしています。20代の女性に性別役割分担意識が高くあらわれ、今後の施策の必要性が求められていると思います。日常ふだんから、あらゆる機会に男女がともに主体的に社会参画をし、男女が対等の立場で、たくましく生き生きと暮らし続けていけるように、特に災害時の女性の抱える問題への対応といった観点から、知事の所見を伺います。
◎知事(嘉田由紀子さん) 沢田議員の大飯原発再稼働問題に関連して、4点目の、災害時の女性が抱える問題への対応についての御質問にお答えいたします。
 議員御指摘のとおり、男女共同参画白書において、東日本大震災における男女共同参画の視点が不十分な現状が報告されております。例えば避難所運営において、女性だからという理由で当然のように食事準備を割り振られたり、あるいは女性用の物資が不足したり、女性が授乳や着がえをする場所がなかったという点が挙げられております。
 滋賀県が派遣をしました職員の報告の中からも、やはり避難所での女性視点の欠如が報告され、県職員派遣をしたところで、喜ばれる対応をしたという報告を伺っております。これらは、災害時に固定的性別役割分担意識が強化されたこと、あるいは日常的に意思決定過程に女性の参画がなく、女性の視点が反映されなかったことによるものであると考えております。
 女性が災害時に抱える問題に的確に対応するためには、議員御指摘のように、まさに平常時から男女共同参画社会に向けた取り組みを着実に進めることが必要であります。また、世代的に見て、若い女性の間で固定的な性別役割分担意識が強まっているという課題を受けて、県としても、今後、副読本の活用による幼少期からの教育を進める、あるいはワーク・ライフ・バランスの促進や男性の家事、育児参画の支援など、さまざまな機会を通じた普及啓発などに取り組んでいきたいと考えております。
 さらに、地域における女性リーダーの育成など、自治会あるいはPTAなどで、実質的に女性が働いていてもなかなか責任者になれない、そういう中で、行政、企業、地域といったさまざまな場面における女性の参画拡大も進めております。
 今後は、さらに女性の社会活躍の支援を進めるとともに、若年層の意識変化にも留意しながら、職場、家庭、地域など、あらゆる場面で男女がともに主体的に社会参画をし、ともに支え合うこと、これを日常的に徹底することで、いざというときの災害対策の場面でも有効に機能できるよう、リダンダンシーとロバストネス、代替可能性、それから強靱なシステムを埋め込んだ形での男女の補完的な助け合える社会づくりに取り組んでいきたいと考えております。
◎知事公室長(東清信君) (登壇)2点目の、モニタリングポストの観測値の広報のあり方についてでありますが、今年度設置予定のモニタリングポストの観測値につきましては、リアルタイムで情報提供することが重要であると考えておりまして、まずは県のホームページに掲載していくとともに、観測地点におきましても、その数値を表示していきたいと考えております。
 また、防災情報テレビ番組「くらしセーフティ」の中で、わかりやすく観測値をお知らせするとともに、新聞やテレビでも報道していただけるようお願いしてまいりたいと考えております。
◎商工観光労働部長(堺井拡君) (登壇)線量計の精度確認についての御質問にお答えします。
 計量法では、計量の基準となる長さ、質量、圧力などを計量単位と定めておりまして、御質問の放射線については、ベクレルで示される放射能、それからシーベルトで示される線量当量などが定められております。
 県の計量検定所では、タクシーメーターや質量計など、計量法で規制対象となる18品目の特定計量器に対して、法定基準への適合性を確認する検定を行っておりますが、線量計はこの特定計量器には該当せず、計量法に基づく検定業務は行うことができないのが現状であります。
 そうした中で、線量計の精度を測定する仕組みとしましては、経済産業省が計量法に基づく事業者の登録制度を設けておりまして、公益社団法人日本アイソトープ協会や財団法人日本分析センターなど8事業者が登録され、線量計のメーカーや販売者に証明書を発行されています。また、個人が所有している線量計の精度測定にも対応されております。
 なお、比較的安価な線量計の性能につきましては、独立行政法人国民生活センターがテストした結果が公開されており、これも参考にしていただくことができると考えております。
◎教育長(河原恵君) (登壇)学校における放射線に関する指導についての御質問にお答えをいたします。
 まず、放射線の測定器の整備状況についてでございますが、県内の7つの市町で、教育活動に使えるように測定器が購入されております。また、児童生徒が定期的かつ継続的に放射線量を測定することができるよう、小中学校に測定器を整備しておられる市町教育委員会もございます。
 県立学校では、現在、25校に合計49台の測定器が整備されており、これらを使って、生徒が身近な放射線や放射性物質の存在を理解できるよう指導しております。
 今後、県立学校の中で整備できていない学校においては、順次整備を進め、放射線や放射性物質等についての理解を深めるとともに、防災意識の向上に努めてまいります。
 次に、教員を対象とした研修についてでございますが、本年度から全面実施となった中学校の学習指導要領において放射線についての指導が明記されたことから、市町の教育委員会に対して、放射線に対する正しい理解と、発達の段階に合わせた指導の充実について説明してまいりました。そのことを踏まえて、市町の教育委員会では、理科の教員を対象に、放射線に関する指導内容や指導方法などの研修を実施するよう進めておられるところです。
 県教育委員会といたしましては、本年度、文部科学省主催の放射線セミナーを開催することとしており、また、県総合教育センターにおける研修も計画をしているところでございます。
 小学校、中学校、高等学校、特別支援学校の教員が、放射線の性質や人体への影響、放射線の利用等の基本的な知識を深める研修とあわせて、放射線の測定や放射線を観察する実習などの研修を進めてまいりたいと考えております。
 最後に、学校における放射線の定期測定についてお答えいたします。
 放射線の定期測定については、防災関係部局等との連携が何よりも重要であると考えております。県では、今年度、モニタリング体制の整備が進められていると伺っております。県教育委員会におきましても、その他の関係機関にも意見を伺いながら、学校での平常時における放射線の定期測定をどのように行うことができるかについて、研究を継続しているところでございます。
 このような中、学校現場でできることは、放射線の測定を子供たちの目に触れる形で実施することなど、教員や児童生徒の安全に対する意識を高める防災教育をまず行うことであると考えております。
 したがいまして、御指摘の御提案につきましては、県の整備状況を注視しつつ、関係機関の御意見も伺いながら、さらに研究を続けてまいりたいと存じております。
◆48番(沢田享子さん) (登壇)教育長に再問をさせていただきます。ほかの方は結構です。
 測定を現地でするかどうかは別にしまして、おおむね御答弁いただいたんですけれど、教育委員会の所管としては、幼稚園の教諭などの研修もあろうかと思いますので、それで、さっきのセミナーでありますとか、あるいはセンターの研修ですとか、そういうところに幼稚園の先生方も、子供さんが幼い分、やっぱり子供さんを早く何とかしなくちゃいけないというような場面があるかもしれない。そういう面から、幼稚園教諭、教職員に対する研修ですね、それはどうだったのか。ちょっと補充して御答弁をお願いしたいと思います。
◎教育長(河原恵君) お答えをいたします。
 幼稚園教諭におきましても、教育というよりも、放射線の問題をしっかりと認識するということが非常に重要だというぐあいに考えております。そのような意味で、幼稚園の先生方に対して、放射線の意識を高め、防災教育を行っていただくような資質向上のための研修等、どのようにすればいいかを検討させていただきたいと思います。
◆48番(沢田享子さん) (登壇)終わります。(拍手)
○副議長(山田和廣君) 以上で、48番沢田享子さんの質問を終了いたします。
 以上で本日の質疑ならびに質問を終わります。
 明29日は、定刻より本会議を開き、一般の質疑ならびに質問を続行いたします。
 本日はこれをもって散会いたします。
  午後5時28分 散会
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