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三重県 三重県

平成21年第1回定例会 06月15日−18号




平成21年第1回定例会 − 06月15日−18号









平成21年第1回定例会



                平成21年第1回

              三重県議会定例会会議録



                 第 18 号



            〇平成21年6月15日(月曜日)

          ──────────────────

              議事日程(第18号)

                  平成21年6月15日(月)午前10時開議

 第1  県政に対する質問

     〔一般質問〕

 第2  議案第106号から議案第118号まで並びに議提議案第7号

     〔質疑、委員長付託〕

          ──────────────────

              会議に付した事件

 日程第1  県政に対する質問

 日程第2  議案第106号から議案第118号まで並びに議提議案第7号

          ──────────────────

             会議に出欠席の議員氏名

 出席議員  49名

    1  番                長 田  隆 尚

    2  番                津 村    衛

    3  番                森 野  真 治

    4  番                水 谷  正 美

    5  番                杉 本  熊 野

    6  番                村 林    聡

    7  番                小 林  正 人

    8  番                奥 野  英 介

    9  番                中 川  康 洋

    10  番                今 井  智 広

    11  番                藤 田  宜 三

    12  番                後 藤  健 一

    13  番                辻    三千宣

    14  番                笹 井  健 司

    15  番                中 村    勝

    16  番                稲 垣  昭 義

    17  番                北 川  裕 之

    18  番                服 部  富 男

    19  番                末 松  則 子

    20  番                中 嶋  年 規

    21  番                竹 上  真 人

    22  番                青 木  謙 順

    23  番                中 森  博 文

    24  番                真 弓  俊 郎

    25  番                舘    直 人

    26  番                日 沖  正 信

    27  番                前 田  剛 志

    28  番                藤 田  泰 樹

    29  番                田 中    博

    30  番                大 野  秀 郎

    31  番                前 野  和 美

    32  番                水 谷    隆

    33  番                野 田  勇喜雄

    34  番                岩 田  隆 嘉

    35  番                貝 増  吉 郎

    36  番                山 本    勝

    37  番                森 本  繁 史

    38  番                吉 川    実

    39  番                舟 橋  裕 幸

    40  番                三 谷  哲 央

    41  番                中 村  進 一

    43  番                西 塚  宗 郎

    44  番                萩 野  虔 一

    45  番                永 田  正 巳

    46  番                山 本  教 和

    47  番                西 場  信 行

    48  番                中 川  正 美

    49  番                萩 原  量 吉

    50  番                藤 田  正 美

   (51  番                欠      員)

   (52  番                欠      員)

   (42  番                欠      番)

          ──────────────────

          職務のため出席した事務局職員の職氏名

   事務局長                 大 森  秀 俊

   書記(事務局次長)            高 沖  秀 宣

   書記(議事課長)             青 木  正 晴

   書記(企画法務課長)           永 田  慎 吾

   書記(議事課副課長)           米 田  昌 司

   書記(議事課副課長)           藤 野  久美子

   書記(議事課主幹)            西 塔  裕 行

          ──────────────────

            会議に出席した説明員の職氏名

   知事                   野 呂  昭 彦

   副知事                  安 田  敏 春

   副知事                  江 畑  賢 治

   政策部長                 小 林  清 人

   総務部長                 植 田    隆

   防災危機管理部長             東 地  隆 司

   生活・文化部長              安 田    正

   健康福祉部長               堀 木  稔 生

   環境森林部長               渡 邉  信一郎

   農水商工部長               真 伏  秀 樹

   県土整備部長               北 川  貴 志

   政策部理事                山 口  和 夫

   政策部東紀州対策局長           林    敏 一

   政策部理事                藤 本  和 弘

   健康福祉部理事              浜 中  洋 行

   健康福祉部こども局長           太 田  栄 子

   環境森林部理事              岡 本  道 和

   農水商工部理事              南      清

   農水商工部観光局長            辰 己  清 和

   県土整備部理事              長 野    守

   企業庁長                 高 杉  晴 文

   病院事業庁長               小 山    巧

   会計管理者兼出納局長           山 本  浩 和

   政策部副部長兼総括室長          竹 内    望

   総務部副部長兼総括室長          北 岡  寛 之

   総務部総括室長              中 川  弘 巳

   防災危機管理部副部長兼総括室長      細 野    浩

   生活・文化部副部長兼総括室長       橋 爪  彰 男

   健康福祉部副部長兼総括室長        南 川  正 隆

   環境森林部副部長兼総括室長        水 谷  一 秀

   農水商工部副部長兼総括室長        加 藤  敦 央

   県土整備部副部長兼総括室長        廣 田    実

   企業庁総括室長              小 林  源太郎

   病院事業庁総括室長            稲 垣    司

   総務部室長                中 田  和 幸



   教育委員会委員長             竹 下    譲

   教育長                  向 井  正 治

   教育委員会事務局副教育長兼総括室長    山 口  千代己



   公安委員会委員              永 井  康 興

   警察本部長                入 谷    誠

   警察本部警務部総務課長          栃 木  新 一



   代表監査委員               植 田  十志夫

   監査委員事務局長             長谷川  智 雄



   人事委員会委員              稲 本  節 男

   人事委員会事務局長            梶 田  郁 郎



   選挙管理委員会委員            沓 掛  和 男



   労働委員会事務局長            小 西  正 史

          ──────────────────

               午前10時0分開議



△開議



○議長(三谷哲央) ただいまから本日の会議を開きます。



△諸報告



○議長(三谷哲央) 日程に入るに先立ち、報告いたします。

 6月4日までに受理いたしました請願3件は、お手元に配付の文書表のとおり、所管の常任委員会に付託いたしましたので、御了承願います。

 なお、陳情の受付状況は、お手元に配付の一覧表のとおりであります。

 以上で報告を終わります。

          ──────────────────



△請願文書表




請願文書表


(新 規 分)



 政策総務常任委員会関係


受理
番号件名及び要旨提出者・紹介議員提出された
定例会


49

(件 名)

 国家公務員法・地方公務員法における欠格条項の見直しを求めることについて


(要 旨)

 「障害者自立支援法」が施行され、入所施設から地域へ、福祉就労から一般就労へという道筋が示された。

 どんなに障がいが重くても一般就労できるものならしたい、させたいというのが私たちの長年の悲願である。しかし、現実は厳しく、受入企業も少ないのが現状である。

 三重県では、「県庁舎における知的障がい者職場実習事業」が実施され、今年度で6年目となる。平成19年度、新規採用試験が実施され、平成20年4月1日付で初めて知的障がい者が県庁に採用された。

 私たちは、県庁だけでなく、市・町での採用を最終目標に挙げ、機会あるごとに声を発してきた。幸いにも、新規採用の市も出て、他の市においても採用に向けた検討が進んでいると聞き及んでいるが、その際、思わぬことがネックになっていることに気付かされた。

 地方公務員法の欠格条項第16条第1号に「成年被後見人、被保佐人」と記載されているために採用試験が受けられない事態が起きてしまった。

 これは、成年後見制度施行前に「禁治産・準禁治産」という文言があり、「被後見人、被保佐人」が自動的に振り当てられたものだと推測される。

 私たちは、わが子を守るために非人道的な「禁治産・準禁治産」に替わる制度を求めて運動を展開してきたが、その結果がこのような形に表れるとは思いもよらないことであった。

 知的障がい者は、だましやすいと狙われている。現状で唯一守れるのが「成年後見制度」である。わが子を守るための制度が、昔々の家制度を守るために不都合な人を排除するための制度と同等に扱われる不条理に、憤りさえ覚える。わが子を捨てた覚えはない。大切なわが子を守りたいがための成年後見制度利用申請である。

 成年後見制度を利用したばかりに選挙権を奪われ(被後見人)、さらには、公務員の採用試験の受験資格さえ奪われている(被後見人・被保佐人)。

 成年後見制度では、被補助人になる人はごく限られた人である。

 障害者自立支援法が施行され、地域生活が重要視された今、わが子が成年後見制度で守られ、安心して働き、暮らせる社会を待ち望んでいる。

 一般企業の採用基準は知る由もないが、障害者雇用促進法の下、特定子会社を設立するなどの対策を講じ、雇用率アップを目指している企業にこのような欠格条項があるとは思いたくない。現代では、企業のコンプライアンスを疑われ、攻撃の対象になるのではないかと考えるが、希望的観測にすぎないのか。

 企業には知的障がい者の雇用を薦めながら、公務員だからというだけで知的障がい者を排除する理由はどこにあるのか。

 是非とも、障がい者の雇用機会の門戸を広げるためにも、国家公務員法・地方公務員法の欠格条項から「成年被後見人、被保佐人」を除外することを国に対して強力に働き掛けるよう請願する。
津市阿漕町津興205−

財団法人三重県知的
障害者育成会
 理事長 高鶴かほる

(紹介議員)
 末 松 則 子
 今 井 智 広
 舘   直 人
 藤 田 正 美
 真 弓 俊 郎
21年1回


 健康福祉病院常任委員会関係


受理
番号件名及び要旨提出者・紹介議員提出された
定例会


50

(件 名)

 細菌性髄膜炎ワクチンの公費による定期接種化の早期実現を求めることについて


(要 旨)

 細菌性髄膜炎は、初期は発熱以外に特別な症状がみられないため、診断も難しく、重篤な状態となって初めてわかる恐い病気である。毎年約1,000人もの乳幼児がかかる病気で、うち60%がヒブ菌が原因であり、死亡率5%、後遺症の残る率は20%といわれている。

 しかし、この病気の原因とされるインフルエンザ菌b型(ヒブ)と肺炎球菌にはすでにワクチンができ、世界保健機構(WHO)は1998年に世界中のすべての国々に対して、乳幼児へのヒブワクチン無料接種を推奨している。肺炎球菌についても七価ワクチンが世界77か国で承認され、このワクチンを定期接種化した国々では「細菌性髄膜炎は過去の病」となっており、アメリカでは発症率が約100分の1に激減したといわれている。

 日本では、ヒブワクチンは2008年12月にようやく接種できるようになったが、まだ任意接種のため、4回接種で約3万円もかかり、子育て世代には大きな負担となっている。また、七価ワクチンは乳幼児に接種できるものとしてはまだ認められていない。

 ヒブワクチンと七価ワクチンの公費による定期接種化が実現すれば、恐ろしい細菌性髄膜炎から子どもたちを守ることができる。是非、1日も早く肺炎球菌ワクチンの承認と両ワクチンの公費による定期接種化が実現するよう、下記の事項について請願する。

          記

1 国に対し、速やかにヒブワクチンを公費による定期接種化するよう要請すること。

2 国に対し、乳幼児が接種できる肺炎球菌(七価ワクチン)の早期承認と公費による定期接種化を要請すること。

3 当面、ヒブワクチンについて乳幼児がいる世帯に周知徹底すること。
津市観音寺町429−13
三重県保険医協会
 会長 真鈴川 寛

津市寿町7−50
新日本婦人の会三重
県本部
 会長 西川委久代

(紹介議員)
 舘   直 人
 藤 田 正 美
 中 嶋 年 規
 末 松 則 子
 真 弓 俊 郎
21年1回


 教育警察常任委員会関係


受理
番号件名及び要旨提出者・紹介議員提出された
定例会


51

(件 名)

 人権教育、啓発推進のための施策の充実を求めることについて


(要 旨)

 三重県では、これまでに「人権が尊重される三重をつくる条例」及び「三重県人権施策基本方針」を策定し、県民一人一人が互いの人権を尊重し合い、共に生きることのできる地域社会づくりに向けた施策を実施してきた。

 また、三重県教育委員会においては、「三重県人権教育基本方針」に基づき、学校教育及び社会教育をはじめ、あらゆる場を通じて人権教育を総合的に推進していく取組を実施してきた。

 昨今、世界的な金融危機による国内経済の悪化は、経済格差、教育格差を急速に拡大、固定化させている。そうした中、進学や就職を断念せざるを得ない子ども、帰国を余儀なくされる子ども等、子どもたちにも深刻な影響を及ぼしている。また、児童虐待や家族内での暴力、インターネット上での誹謗中傷、差別落書き等、社会全体の不安や不満の矛先は、より弱い立場の人々に向けられ、生命までも脅かされる人権侵害、差別事件が頻発している。

 このように、子どもを取り巻く家庭、地域の環境が極めて厳しい今日、人権に係る条例及び基本方針を具現化するための施策を求める地域住民の声は、日増しに大きくなっている。

 これまで教育行政においては、市町との役割分担論のもとで、教育事務所、指導主事の地域在住、社会教育主事を廃止してきた。また、人権教育主事についても、平成22年3月末をもって終了予定としている。しかし、こうした施策の終了により、市町への財政的、人的負担を増大させ、地域間における教育格差を更に広げている。

 昨今の子どもを取り巻く状況、地域間での教育格差等を踏まえたとき、三重県行政は、こうした状況を解決する施策を強く推進していかなければならない。また、これまで以上に市町への取組を支援し、補完していくことが、今後ますます重要となってくる。特に地域間での教育格差が著しい中、地域の実態に応じて、広域性と専門性をもった職員等の市町への配置は不可欠である。

 こうしたことから、すべての市町への専門性をもった職員等の配置の支援をはじめ、人権教育及び啓発を推進していくための施策の充実を強く請願する。
津市一志町八太387
−1
    東出 常市

(紹介議員)
 舟 橋 裕 幸
 前 田 剛 志
 前 野 和 美
 舘   直 人
 今 井 智 広
 中 嶋 年 規
 藤 田 正 美
21年1回


          ──────────────────



△質問



○議長(三谷哲央) 日程第1、県政に対する質問を行います。

 通告がありますので、順次、発言を許します。31番 前野和美議員。

   〔31番 前野和美議員登壇・拍手〕



◆31番(前野和美) おはようございます。自民みらい会派、津市選出の前野和美でございます。議長のお許しをいただきましたので、早速ですが、通告に従いまして質問させていただきますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。

 それでは、中山間地域の振興についてお伺いをいたします。

 中山間地域は、山合いの小さな農村地帯が多く、自然が豊かで地域の伝統、文化が数多く残っており、そこに住む人たちだけでなく、平野部に住む人たちにとってもかけがえのない地域であります。しかしながら、これらの地域での過疎化、高齢化は私たちが考えている以上に進行をしており、県内でも150を超える集落が高齢化率50%を超えています。

 過疎化、高齢化が進んでいる中山間地域では、地域の担い手不足、集落機能が著しく低下をしております。これらの地域では、病院も同様でありますが、公立病院以外の運営は困難であり、また、遠方への通学が必要となっています。集落内では就労の場が限られており、地域の若者も定住は困難であります。Uターンをしようと思っても、子どもを育てるための教育機関や医療機関が不足をしており、様々な課題が山積をしております。

 そんな中でも、中山間地域の振興において、最も重要となるのが就労の場で、地域産業の振興だと私は考えております。農林業の衰退や担い手不足から耕作放棄地や荒廃林も増加しており、後継者も少なく、山林の所在地や境界を知らないなど、農地山林の保全、公益的機能の維持は危機的な状況となっております。また、農作物への鳥獣被害が深刻でありまして、耕作意欲が減退し、経済的、精神的に大きな打撃となっています。

 鳥獣被害につきましては、この後、我が会派の村林議員が研究の結果を発表していただくようでございますので、私はこの課題はパスをしたいと思いますが、中山間地域では農業が基幹産業の一つであることから、農業の振興が最重要課題の一つであると考えています。このため、本県農業が持続的に発展し、県民に農産物を安定的に提供していくためには、本県の農地面積の39%を占めている中山間地域の農地においても持続的に農業が営まれることが必要であると考えます。

 しかしながら、中山間地域の農地は傾斜地が多く、まとまった耕地が少ないことから、経営規模の拡大が困難なため零細な農家が多く、農業所得、農外所得ともに他の地域に比べ少ない状況となっています。

 このため、国では、中山間地域等で農業をしている人たちを支援する中山間地域等直接支払制度を平成12年度に創設いたしました。この制度は、耕作放棄の防止等を内容とする協定を結んだ農業者に対して、平地地域との生産条件の格差に相当する額を直接支払交付金として交付するという制度でございます。この直接支払いという手法は、我が国では過去に例のない制度であることから5カ年の時限的な事業とされており、平成17年度に事業内容が見直され、現在は第2期目、本年度はその最終年度となっております。

 この事業は始まってから今年で10年目となり、地域を見てみますと、この事業を実施していない地域では農地の荒廃が進み、事業実施区域との格差が広がっているように感じます。言いかえれば、この事業の成果が着実に上がっていることの裏返しであり、22年度以降の事業の継続はどんなことがあっても実現していただかなければならないと強くお願いをするところでございます。さらに、第3期においては、次の世代に農地を引き継いでいくためには、現在取り組まれていない地域に取組を拡大して、中山間地域の農地の保全を進めていくことが大変重要だと考えています。

 それでは、中山間地域の振興に向け2点お伺いをいたします。

 中山間地域の活性化には地域産業の振興が大変重要です。中山間地域の活性化に向けて農業を核としてどのように取り組もうとされているのか、基本的な考え方をお聞かせください。

 次に、農業は中山間地域における重要な産業の一つですが、直接支払制度を活用していない地域では農地の荒廃が進んでいます。直接支払制度の対象地域を広げていく必要があると考えますが、県は今後どのように進めようとしているのか、お伺いをいたします。

 以上です。

   〔真伏秀樹農水商工部長登壇〕



◎農水商工部長(真伏秀樹) 中山間地域の振興について2点お答えをさせていただきたいと思います。

 まず、1点目の中山間地域の活性化に向け農業を核としてどのように取り組んでいくのか、基本的な考え方をお聞きしたいという点でございます。

 中山間地域は農産物の供給のみならず、県土の保全、美しい景観や潤いと安らぎの提供など、多面的な機能を担っております。また、そこで暮らす人々にとりましては就労の場であり、生活の場であることから、地域産業の活性化や遅れている生活基盤の整備に取り組み、定住化につなげていくことが中山間地域の重要な課題であるというふうに認識をいたしております。

 農業は中山間地域の産業の核となる大変重要な産業でございます。このため、平野部との格差を補てんする中山間地域等直接支払制度でございますとか、農業生産の維持・効率化を図る農業基盤整備など対策を進めてきているところでございます。あわせまして、集落営農の育成など、営農体制の整備を進めるとともに、伝統野菜など特色ある農産物の生産、地元生産物の高付加価値化など、地域産業の維持発展に向け個性的な農業の展開を推進しているところでございます。

 また、地域の農産物や景観、暮らし、食文化といった中山間地域の多様な資源を生かした新たな産業を創出するため、農商工連携によるビジネス創出に向けた取組を支援いたしますとともに、農家レストラン、農業体験など、交流を通じた地域の活性化につなげていく取組も進めているところでございます。

 現在、農業振興に関する条例の検討もいたしております。また、基本計画等の作成もいたしておりますので、そうした中でもしっかり中山間地域の活性化に向けての取組についてもうたっていきたいと思っていますし、農業の持っております多面的な機能の維持を図るとともに、農業を核とした形での地域の豊かな資源を生かした個性ある産業の展開ということで、中山間地域の活性化を推進していきたいというふうに考えております。

 それと、もう1点、中山間地域等直接支払制度の対象地域の拡大ということでございますけれども、中山間地域等における農地の持つ多面的機能の維持増進を図るための施策といたしまして、議員からも御紹介がございましたように、平成12年度から中山間地域等直接支払制度を実施しているところでございます。対象となる15市町において、農業者の主体的な取組を基本に推進をしてまいりました。本年度は約1329ヘクタールの農地で集落協定が締結をされておりまして、共同作業によります水路や農道などの維持保全活動、担い手組織への農用地の利用集積など、積極的な取組が行われておりまして、耕作放棄地の未然防止につながっているかというふうに考えております。

 しかし、一部の地域におきましては、高齢化や集落リーダーの不在などによりまして集落での合意形成が図れず、県内市町の基本方針に位置づけられております対象農用地面積に対して現在約76%の締結率にとどまっているところでございます。県といたしましても、中山間地域等における農地を保全し、多面的機能の維持増進を図ることは極めて重要であるというふうに認識しており、今後も市町と連携し、担い手の育成や集落での合意形成を図りながら、直接支払制度の活用を進めていきたいと考えております。この制度は今年度が第2期事業の最終年度でございます。国に対しましては制度の継続を要望しておりまして、今後打ち出されます国の基本方向を踏まえ、市町と緊密な連携をとりながら、この制度の利用拡大を図っていきたいというふうに考えております。

 以上でございます。

   〔31番 前野和美議員登壇〕



◆31番(前野和美) それでは、再度お聞かせいただきたいと思うんですが、中山間地域のこと、特に直接支払制度につきまして、中山間地域は、先ほども申し上げたんですが、高齢化が非常に進んでおります。平地に比べ営農条件が非常に悪い状態にあります。農地と農地の高低差が大きいためにあぜの草刈り作業だけでも相当な重労働で時間がかかります。山間にあるために日照時間も非常に短くて、収穫にも大きく影響をすると聞いております。

 それに拍車をかけるように、イノシシやシカ、猿の被害は農家の意欲を根こそぎそぎ取ってしまうというような状況であります。平地の農業と比較すると機械化の効率も悪く人手がかかり、獣害対策に余分な費用がかかるが、収穫は平地の7割ぐらいしか上がらない。初めから大きなハンディを背負っての農業に取り組んでおられるわけでございます。

 それを補うのが、先ほどから申しています中山間地域の直接支払制度、今、部長からもお答えをいただきましたが、対象地域が76%、1329ヘクタールで集落協定ができるというお話でございましたが、残りの24%はこれから100%を目指してぜひ取り組んでいただきたいと思いますし、いかに取り組んでいくか、また、市町の基本方針、位置づけですね。この対象地域自体を広げなきゃならんのではないかなというふうに思っています。

 中山間地域は三重県の農地の39%に当たると言っていますけれども、実際に市町がつくった基本方針の中に網羅されていない地域もかなりあるように思います。目指すところ100%実施をしていただきたいということで、当時つくられた市町の基本方針策定時、その当時に地域に十分な説明や地域リーダーを育てることがどうしてもできなかったという状況もあって今日に至っているんだろうなというふうに思いますが、とにかくその基本方針策定時につくられた、その地域だけは必ず100%この直接支払制度の実施ができるように、第3次に向けてひとつ御努力をいただきたいと思います。これは要望させていただきますので、ぜひお願いを申し上げたいというふうに思います。

 続いて、水田農業の振興につきましてお願いしたいと思います。

 先月、平成19年の食料自給率の概算値が公表されました。農水省の発表によりますと、18の道県で自給率が上昇し、12の県で自給率が低下をしたが、我が国の食料自給率は平成18年度の39%から1ポイント上昇し、40%となっています。わずか1ポイントでも増加したことは大変喜ばしいことですが、自給率の推移を見てみますと、過去10年で18年以外はずっと40%であります。19年がよかったというより18年が悪かったということのようであります。

 地域別に見てみますと、佐賀県では、平成18年の66%から何と36ポイント上昇し102%となっています。そんなことがあり得るのかということで考えましたが、確かに自給率は急上昇しております。佐賀県の農業を参考にすれば、本県でも大幅な増が期待できる。次期戦略では、食料自給率目標100%などということも期待できるのではないかと思いながら調べてみました。

 佐賀県の平成18年度産米の作況指数は台風の影響で49だったそうです。それが19年度には95となったことが自給率上昇の理由でございました。その証拠に、17年以前は佐賀県の食料自給率はずっと100%弱で推移しております。これもどうやら19年度がよかったというより18年度が悪かったことが原因のようでございます。

では、三重県の食料自給率を見てみますと、残念ながら42%と平成18年の44%から2ポイント低下をしております。これも原因を調べてみますと、平成18年の台風が原因で、九州の米の作柄が悪かったことにより総体的に三重県の自給率が上がったことなどが原因のようです。自給率が全国で1ポイント上昇、佐賀県が36ポイント上昇、三重県が2ポイント低下したのは同じ原因で、どうやら九州への台風による平成18年の食料自給率が影響されたことが大きな原因のようです。本県の自給率の推移を見てみますと、平成10年が42%となっており、それからほぼ横ばいで推移をしています。本県の農業を見てみましても、麦、大豆の本格生産に取り組まれているものの、耕作放棄地も増加をしており、食料自給率を押し上げるような大きな変化を見つけることはできませんでした。

 先ほど食料自給率の推移は横ばいと申しましたが、これはカロリーベースの自給率で、これと同時に公表されましたのが生産額ベースの食料自給率でございます。平成10年度の81%から平成19年までの10年間で69%まで低下をしています。この低下の原因は、米価の下落などが大きな要素の一つだそうであります。生産額ベースの食料自給率は余り注目をされませんが、農家にとっては生産額ベースの食料自給率低下が大きな問題なのではないでしょうか。食の安全・安心の観点から事故米や偽装表示の問題もあり、消費者の国産志向が高まっており、カロリーベース、生産額ベースの食料自給率の向上は急務であります。

 国では、昨年、食料自給率の強化のための取組と食料自給率50%を目指して食料自給力・自給率工程表の作成に取り組み、おおむね10年後において、国民が食料の安定供給に安心感を得られると考えられる食料自給率50%を達成するとした場合のイメージと取組事項を公表しました。この工程表では、米粉、飼料用米、大豆、裏作小麦の生産拡大と米の消費拡大を強化することにより、自給率の向上を目指すこととしています。これらの取組で耕地利用率を平成19年の93%から110%にまで向上し、消費熱量を2551キロカロリーから2480キロカロリーへと抑えることにより、おおむね10年後に食料自給率50%を達成することとしております。

 これらの具体策として、平成21年度から水田フル活用の取組が始まりました。水田フル活用では、麦、大豆等の生産とあわせて米粉、飼料用米の生産を進めていくこととしております。新たに麦、大豆や米粉、飼料用米の生産に取り組む農業者に対して、作付面積の拡大にあわせて助成金を交付するとともに、米粉の製造機の導入に対する支援を行うなど、米粉、飼料用米の利用促進に取り組むこととしています。

 食料自給率の向上のためには、水田を活用する取組を進めることが必要ですが、そこでお伺いします。

 水田フル活用は食料自給率の向上に向けて重要な取組であり、今後の生産調整のあり方を考える上でも重要な取組だと考えます。県は水田フル活用をどのように進めようとしているのか、お伺いをさせていただきます。

 以上です。

   〔真伏秀樹農水商工部長登壇〕



◎農水商工部長(真伏秀樹) 水田フル活用について御答弁を申し上げます。

 本県の水田利用は、平成20年度で水田面積4万7400ヘクタールに対しまして食用水稲作付が3万700ヘクタール、麦、大豆等転作作物の作付が1万144ヘクタール、不作付7260ヘクタールとなっておる状況でございます。活用指標として耕地利用率というのを見るわけでございますけれども、平成19年度の数字でございますけれども、本県は約90%となっておりまして、全国平均の92%を少し下回っている状況にございます。

 このような状況の中、地域の実情に応じた戦略的な作物を選定し、不作付の解消など、水田の有効活用を進めることは、生産調整の確実な実施や、担い手農家への経営安定を図るためには大変重要な取組であるというふうに考えております。国におきましては、食料自給率を向上させるため、耕作放棄地の解消や水田有効活用を促進させる新たな施策として、本年度水田フル活用を創設いたしまして、水田フル活用元年として事業展開をしているところでございます。

 本県におきましても、このような国の新たな対策を積極的に活用し、県水田農業推進協議会など、関係団体と十分な連携をとりながら、不作付になっております水田におけます米粉用米、えさ米等、新規需要米の作付の推進、技術者との連携によります小麦及び大豆の作付の拡大、飼料用稲など、耕蓄連携によります飼料作物の作付拡大など、具体的な戦略を展開することといたしております。今後とも、水田の有効利用や地域農業の特色を生かした生産体系の構築を図りながら、耕作放棄地の解消、耕地利用率の向上、さらには、担い手の経営安定や地域農業の活性化につなげていく取組を進めていくことといたしております。

 以上でございます。

   〔31番 前野和美議員登壇〕



◆31番(前野和美) どうも御答弁ありがとうございます。

 水田農業は本県農業の中心となるものでございまして、水田を活用することは本県農業にとって大変重要であります。食糧用米、米粉用米の取組は、水田活用をしていくために大変重要な取組だと考えております。

 先ほど部長からお答えをいただきましたように、耕蓄連携で対応をしていくというお話でございましたが、米粉用にしましても、食糧用米にしましても、特に畜産農家の皆さん方ときっちりと連携をしていかないとなかなか、食糧用米はつくったけれども、それがはけていかないというそんな状況も考えられます。特に全国一斉にこの制度が始まっていくわけですので、恐らく県外の畜産農家の方に三重県の飼料用米を使ってくださいということは非常に難しいのかなというふうにも考えます。ですから、県内できっちりと対応できるようなそんなことをしっかりお願いをしたいなというふうに思います。

 さらに、この制度を早くから考えておられて、特に岩手県だとか山形県では耕蓄連携の取組がされておりまして、特に豚肉、これは岩手県では「やまと豚米らぶ」という名前で、米粉を使った豚の飼育、非常に甘味があってやわらかいという高い評価が得られているようです。山形県の遊佐町でもありますし、酒田市でも同じように米を使った豚の生産をされています。通常の国産豚の約2倍の価格で取引をされているということでございますので、うまくいけば畜産家にとっても、また、水田農家にとっても非常に成果の上がる取組だというふうに思います。ぜひ三重県でもこういうような活用ができるようによろしくお願いを申し上げたいと思います。これも要望にさせていただきますので、ぜひ頑張っていただきますようにお願い申し上げます。

 それでは、次に移らせていただきたいと思います。地域防災の充実に向けてということで質問をさせていただきますが、自然災害に対応する県の取組についてということで、今日の災害や事故は複雑、多様化の傾向を強めております。住宅火災による死傷者がいまだに多数に上るほか、台風、集中豪雨による風水害が後を絶ちません。特に昨年はミャンマー連邦のサイクロン災害や中国四川省の大地震により甚大な被害が発生しました。国内でも、岩手・宮城の内陸地震のほか、神戸市都賀川での鉄砲水、愛知県岡崎市での記録的な短時間豪雨により大被害が発生をしております。本県においても、菰野町を中心に集中豪雨による多大な被害が発生しました。

 これらの災害は、狭い範囲の一部地域で非常に短時間にすさまじい降水量を伴ういわゆるゲリラ豪雨によってもたらされるもので、過去には余り起こらなかった災害ですが、こうした事態にも即座に、機敏に対応することが必要であり、集中豪雨に対する備えや訓練も十分にしておかないと被害が拡大するおそれがあります。

 今年は伊勢湾台風から50年目の年であります。県当局においては、たくさんの死傷者を出した被災経験や教訓を生かし、市町等と連携し、自然災害への対応や心構えをしておくことが必要だと思います。県におかれてはどういった取組を展開されているのか。さらに取組を進められておると思いますが、県民の皆様にお知らせをする意味も含めて改めてお伺いをいたします。

 それから、消防団員の確保と活性化について続いて質問をします。

 全国で多いときには約200万人いた消防団員は今では90万人を割っている状況にあります。本県の消防団員数は、平成20年の4月1日現在で1万3838人ですが、本県においても減少傾向は例外ではなく、10年前と比べ612人、4.2%減少しています。私も地元の消防団で副団長を長く務めさせていただいております関係上、現場の生の声を聞く機会が多くありますが、本当にどこの消防団においても後継者不足、団員の確保に苦慮をしております。中には、消防団の存続すら危ぶまれる状況に陥っているところもあります。

 これ以上消防団員の減少が続けば、地域の安全を確保する上で大変憂慮される状況となってきます。消防団員を確保する方策に一朝一夕の名案はなかなかないのでございますが、手をこまねいているだけでは団員の減少に歯どめがかかりません。

 そこで、3点提案なり確認をしたいと思いますので、よろしくお願いします。

 まず、1点目ですが、例えば、県や市町などの自治体職員の多くは基本的に居住地域で勤務されていますので、積極的に消防団に加入していただいたらどうでしょうか。もちろん、大規模災害時などには公務が優先されるのは当然のことですが、地方公務員法上の規定に従い、許可を受ければ入団は可能であります。地域社会への貢献、地域防災力の強化の観点からも非常に意義があるのではないかと思います。

 また、消防団活動は火災への消火をはじめとした災害対応はもちろんのこと、各種警戒や火災予防広報運動の実施、救命講習の指導など多岐にわたっております。女性消防団員は火災予防広報業務や救命講習の指導業務などで非常に活躍をされております。私の地元でも、高齢者のお宅などを巡回するなど、地域においても非常に感謝をされており、女性消防団員の活動にも大きな期待が寄せられています。

 このほか、消防団員を確保するための前提として、まず消防団を十分に理解してもらうことが必要であり、消防団活動やその活動の意義の県民への周知など、団員募集のPRについても積極的に行う必要があります。消防団の運営管理は基本的には市町長等の責務でありますが、近年、災害が大規模、複雑化してきております。広域にわたり被害が発生している状況から、広域の応援体制を確保する必要性が増しています。このため、県当局にあっては、消防団員の確保や消防団の活性化についても積極的に関与し、地域の防災力のさらなる向上の推進に努めていただく必要があると考えますが、どういった対策を行っているのか、お伺いをいたします。

 2点目としましては、さらに就業構造の変化によりまして、いわゆる消防団員のサラリーマン化が進んでおり、消防団員に占める被用者、いわゆる会社員の割合は7割となっております。このことは、逆に言いますと企業、事業者の消防団活動への理解が消防団員の確保、消防団活動の活性化に不可欠な状況であると言えます。しかし、残念なことに、サラリーマン団員の方は御本人が勤務先の理解を得ながら消防団活動を行っていただいておりますが、中には事業者から十分な理解を得られないということもあると聞いております。

 私が所属する消防団では、毎年入団をする団員がサラリーマンの場合、事業者に対して団長名で消防団活動への御理解、そして、御協力をお願いしております。サラリーマン団員を雇用する企業、事業所に対して、消防団員の雇用についてさらに理解を図るとともに、消防団員を雇用しやすい環境整備を進めることも必要ではないかと思います。

 最近では、自主防災組織も充実をしてきておりますが、一定規模の事業所では、防災管理上の企業内自主防災組織を設置しているというふうに聞いております。こうした組織はあくまでも企業内での火災等に対処するために設置をされたものであり、たとえ隣で火災があっても、その組織が消火活動に出ることはないと思います。しかし、サラリーマン団員で昼間地元にいない消防団員よりも、地域で事業所を構えている企業にそうした消防組織があるのなら、応援要請ができるような協定を結べないものかなと。

 もし協定ができるものなら、消防団員が行っている訓練等に参加をしてもらうことによりまして、地域の防火水槽とか消火栓の水利の位置が把握できますし、出動していただける範囲も設定ができるのではないかなというふうに思います。事業所がこうした活動を起こすことにより、企業防災知識の向上や技術に関するストックの活用など、消防団活動への協力を社会責任及び社会貢献の一つとしてとらえ、地域防災活動に協力をしてもらえる関係を構築することが求められているのではないでしょうか。

 総務省消防庁の平成18年11月29日付の消防防災第427号により、各都道府県知事及び各指定都市市長あてに消防団協力事業所表示制度の実施について通知をしています。運用開始は平成19年の1月1日からとなっております。本県においても、その取組はさらに行われていると思いますが、県から市町に対して通知がされて、消防団活動を支援する事業所表示制度を実施している市町はどれぐらいあるのか、把握してみえましたら教えていただきたいと思います。

 ここに消防団協力事業所の表示証を借りてきました。(表示証を示す)これでございます。この表示証は市町が消防団活動に特に協力をしている事業所に交付するものでございまして、このプレートがあるということは、当該事業所があるということと考えてもいいと思うんですが、これなんですね。本物はこれです。なかなか立派なものです。ここに市の名前が入っている、何々市と。3けたですから、私の地元、津市ではないんですけれども、さらにこういう取組をやっている市町があるということでございます。

 さらに、消防団に惜しみない協力をされた事業所に対しては、総務省の消防庁のほうから贈られる表示証は同じようなものですが、字体や枠が、見てもらうとわかりますが、ゴールドですね。ゴールドで描かれておりまして、これは総務省の消防庁から送られてくるというものでございまして、消防団と事業所による協力体制は欠かせないものでありまして、取り組まなければならない大きな今後の課題だと思っておりますが、県の取組や考え方をお聞かせいただきたいと思います。

 3点目としまして、特に建設業に従事をされている方などは地元の方が多く、こうした方々に消防団員として活動をいただくことは、その地域の密着性からも非常に有益であり、また、事業所にとって社会貢献につながります。今申し上げた消防団協力事業所に該当する事業所もたくさんあるように思います。従業員が消防団員となり、消防団活動をすることを、積極的に支援している事業者に対して消防団員を雇用しやすい環境整備を進める観点から、優遇措置として、入札総合評価方式での評価項目の対象とするよう検討する価値があるのではないかなというふうに思いますので、提案をさせていただいてお考えをお聞かせいただきたいと思います。

 以上です。よろしくお願いします。

   〔東地隆司防災危機管理部長登壇〕



◎防災危機管理部長(東地隆司) それでは、私のほうから、大きく2点質問をいただきましたけれども、まず1点目の自然災害に対する県の取組についてお答えをさせていただきます。

 県では、地震対策だけでなく、風水害を含めた自然災害全般に対する防災対策が重要なことから、本年3月に三重県防災対策推進条例を制定し、本県に伊勢湾台風が来襲した9月26日を新たに「みえ風水害対策の日」と定めたところであり、これを契機として様々な取組を展開させ、その被災経験や教訓を風化させることなく次世代に伝えていきたいと考えております。

 具体的には、東海3県1市が協働して8月23日に伊勢湾台風50年のつどいを開催するとともに、県内9地域において、県民の皆さんや市町、防災関係機関と連携して伊勢湾台風50年の啓発事業を展開していきます。また、風水害からの減災を目指すための行動計画、三重風水害等対策アクションプログラムを作成したいと考えており、今議会に補正予算を上程しているところです。

 このほか、県としましては、自助、共助、公助の理念のもと、県民や自主防災組織等の皆さんが地域の防災に関する情報をあらかじめ把握し、災害に備えておくことが重要であると考えております。このため、県が調査を行った活断層や土砂災害、河川や津波浸水などのハザード情報を一元的に扱えるように整備し、市町や県民の皆さんに地域の災害関連情報を活用していただきやすくしていきたいと考えております。

 さらに、避難所や孤立する可能性がある地域の実態調査などを実施し、より詳細な地域の減災につながる情報の提供にも取り組んでいきたいと考えております。今後とも市町と連携し、様々な機会をとらえて継続的に啓発を実施するとともに、自然災害全般に対する防災対策を総合的に推進し、災害に強い地域社会を実現していきたいと考えております。

 次に、2点目の消防団員の確保について答えさせていただきます。

 減少傾向が続いている消防団員の確保とその活性化は、県としましても重要な課題であると認識しており、これまで県内各市町長に直接団員の確保を要請するとともに、団員募集や女性消防団員の入団促進、機能別消防団の設置促進など、市町や消防協会と連携して様々な取組を行っております。

 こうした中、本県の消防団員総数は、平成20年4月1日現在、1万3838人であり、そのうち自治体の職員は1割弱となっております。災害対応部署に勤務する職員もありますが、減少傾向が続いている現状にかんがみ、県職員及び市町職員等の入団について、再度周知徹底を図ってまいりたいと考えております。

 また、一方、女性消防団員数は10年前に比べ100人以上増加し、342人となっておりますが、最近は頭打ちの傾向を示してきております。市町等と連携して消防団活動の意義や団員募集の広報を継続して実施していくとともに、女性消防団員についてより積極的に入団促進を働きかけてまいりたいと考えております。また、消防団員の就業形態が大きく変化している現状においては、消防団と事業所との協力体制を推進していくことは県としましても重要であると考えております。

 このため、休暇を利用した消防団活動への参加や協力事業所表示制度、これについては市町で要綱をつくっているところが7市町ございます。そのうち6市町が導入をしております。まだ少ない状況でございますので、より一層の普及などを図りまして、被雇用者団員が消防団活動に参加しやすい環境づくりについて、市町等と連携して進めるとともに、日ごろから消防団との訓練を実施するなどの連携強化についても働きかけていきたいと考えておりますし、御提案をいただきましたことも含めまして、市町消防協会等と協議しながら消防団員の確保と活性化に努め、地域防災力の向上に努めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。

   〔北川貴志県土整備部長登壇〕



◎県土整備部長(北川貴志) それでは、消防団活動と総合評価方式の評価項目との関係についてお答えいたします。

 本県では総合評価方式の施策拡大に取り組んでいるところであり、評価に際しては、入札参加企業の地域貢献、社会貢献の項目として、公共施設の美化活動などの評価を行っているところであります。消防団活動は水防活動を含め地域防災に貢献する効果があることから、企業が雇用する従業員の消防団活動の実績を評価することは意義があると考えております。しかしながら、総合評価方式の評価項目として、消防団活動を導入するに当たりましては、公正性や公平性を確保していく必要があると考えています。

 県内各地の消防団の充足率や入団要件など、地域によって状況が異なることから、評価方法などの検討と関係者の意見も聞く必要があると考えております。このため、今後実態の把握を行い、関係機関と連携しながら検討してまいりたいと考えております。

 以上です。

   〔31番 前野和美議員登壇〕



◆31番(前野和美) 時間もなくなってきましたので、ちょっと慌てて進めたいと思います。

 御答弁をいただきましたが、まず公務員の消防団入団ということで御答弁いただきました。積極的に県職員や市町職員にも消防団への加入の促進を進めていくということでございますので、どうぞよろしくお願いを申し上げたいと思います。

 特に男性の場合は、県、あるいは市町の職員の公務員の皆さん方も1割という話でしたが、たくさん加入をしていただいて現場で頑張っていただいております。ただ、新しくつくられた女性消防団、342名と言われましたか。この中に公務員の方が非常に少ないということもありますので、県にも女性の方々がたくさん勤めておっていただきますので、ぜひ消防団に加入していただいて、地域の防災に御努力をいただけたらなというふうに思います。今後ともよろしくお願いを申し上げたいと思います。

 それから、消防団と事業所の協力体制ですが、この表示制度、私も知りませんでしたが、7市町でもう実際にやっていただいているということで、非常にありがたいなというふうにも思います。ただ、事業所はその地域に根づいているわけですから、そこに仮に消防の防災に対するそういう組織があるのなら、企業内の火災に対応するだけではなしに、やはり隣で火災が起こっておればちょっと出動していただいて、消火器でもよろしいので、それで消火活動のお手伝いをしていただくとか、そういうことをやっていただける協定をきちっと結んでいただけたらいいなと思います。

 総務省のほうからの通知で来ていますのは、消防団が自ら積極的に事業所とそういう話し合いをするようにということになっていますけれども、なかなか消防団が出ていって団長が事業所とそういう話を対等にするということは非常に難しいと思いますので、ぜひ県や市町が入っていただいて、そういう協力関係ができるような体制をひとつお願いしたいというふうに思います。

 それから、総合評価にかかわる部分ですが、消防団への協力事業所といいますか、恐らくこういう手伝いをしてもらっているところにもそういう事業所が多いと思います。公平性ということを言われましたけど、十分このことを勘案していただいて、評価方式の中へはめていただけるようなそんな方策もぜひ検討をしていただきたいと思います。

 ちょっと時間が参りましたので、次に進めさせていただきます。

 県立病院の民営化についてでございますが、去る2月17日に開催されました全員協議会の場で、知事から県立病院に関する考え方(基本方針)(案)が示されまして、県議会でも様々な議論が行われてきました。その後、パブリックコメントが実施をされまして、住民説明会も開催をされまして、私も5月24日に開催された一志病院の説明会、美杉町と白山町に実際に出席をさせていただきまして、県民の皆さん方の声も聞かせていただきました。

 一緒に参加をしました舟橋議員や真弓議員からも質問がありましたが、そのときの住民からの意見というのは、県立病院として存続してほしいという反対がほとんどだったというふうに思います。5月の健康福祉病院常任委員会でも、パブリックコメントについて、その結果の99%が今回の基本方針案に反対であったという報告がありました。特にこれまで県立病院として運営されてきました一志病院については、民間への移譲という内容であることから、地域の住民に大きな不安や県に対する不信感があります。

 その理由としまして、まずなぜ民間に移譲しなければならないのか、なぜ県立ではできないのか、なぜ民間のほうが医師を確保しやすいのかといった疑問に対して、具体的にわかりやすい説明が十分行われていないことが挙げられます。柔軟な対応とか、取組の強化という抽象的な言葉で表現されておりますが、住民がああ、なるほどなと言えるような、実感できるような説明が必要だと思います。11日には、この改革による病院の具体像を示すという補正予算が上程されておりますが、現在答えられる範囲でできるだけ丁重な説明をお願いいたしたいと思います。

 次に、住民の声として、本当に民間で運営ができるのだろうか、県立で赤字が続いているが、なぜ民間になれば黒字経営になるのか、このこともなかなか理解ができない点です。例えば、民間になったらこのような費用がこのような理由で削減できるから、このようになれば収益が上がるよと、こうした具体的な事例を挙げて説明することが必要と考えますが、いかがでしょうか。さらに、民間での運営が理論上は可能であり、移譲の際の条件等が約束されたとしても、その後、不測の事態等で運営が行き詰まったり、継続できないという状況がないとは限りません。方針案については、「今後とも当地域の医療を確保するための支援等については検討していきます」と書かれております。

 議会として開催した公聴会で、賛成の立場で発言された公述人からも、「検討していきますという表現は民間から見るとやらないよとも聞こえる」という、そんな言葉の発言もあったかと思います。方針として決定されていない段階であり、具体的には補助金の方法とか、金額も言えないと思いますが、そういうことも理解できますが、財政的な支援の可能性があるのかどうか、また、違う手法があるのか、本当に支援策を検討するつもりなのか、ぜひお聞かせを願いたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。

   〔野呂昭彦知事登壇〕



◎知事(野呂昭彦) 県立病院改革につきましては、もうこれまでにも基本方針案等につきましてもいろいろ御説明申し上げてきたところでございます。今、全国的に公立病院をどうするかということが大きな焦点になっておりまして、先般も申し上げたと思いますけれども、全国で公立病院の過半が全部適用でない病院改革に既に取り組んだ、あるいは取り組んでおる状況の中にある。まことに一般的に申し上げても、公立病院のあり方については早急な改革が求められておるそういう状況にあろうかと思います。

 そこで、三重県におきまして、既に県立病院改革に関する考え方につきまして、申し上げてまいりました一志病院に関しましては、御指摘がありましたように、5月24日、美杉白山地域で住民説明会を開催しております。この説明会で出されました意見、あるいはパブリックコメントにおいても出されております意見を受けまして、私としては、住民の方々の不安が大変大きいということを重く受けとめておるところでございます。

 住民説明会では、一志病院を事業者に移譲する案につきまして、その考え方を3点お示しし、御説明をいたしております。一つは、診療圏が津市白山及び美杉地域に限定をされ、広域性があるとは認められないことから、県立病院としての位置づけが不明確になっておること。2点目に、取り組もうとする高齢者ケアなど、福祉の領域は地方公営企業法に基づく病院事業を担う県立病院ではなじまないが、民間事業者であれば保健・医療・福祉の各領域にまたがる総合的な高齢者ケアに柔軟に取り組むことができること。3点目には、複数の診療科の常勤医師を確保し、地域の病院としての入院機能や診療体制を立て直すために、民間事業者のほうが給与などの待遇面で柔軟な対応が可能になること、この3点でございました。その上で、目指す病院の姿につきましてもお示しをしまして、理解を求めたところでございます。

 しかしながら、住民説明会での御意見や、あるいはパブリックコメントにおきましては、一志病院の目指す具体的な病院の姿がわからない、あるいは本当に民間で運営できるのか不安であるといった意見が多く出されたわけでございます。こうした疑問や不安にこたえますために、基本方針案の段階でありますけれども、目指す病院の姿や医療サービスを継続的、安定的に提供するための必要な条件、運営の可能性等について、医療関係者の協力も得まして詳細な調査を実施し、実現可能な病院の姿をより具体的に明らかにすることによりまして、病院の改革に対する県民の皆さんの理解を進め、不安を解消することになればと考えております。

 なお、提案を行っております補正予算につきまして、コンサルティングへの丸投げではないかとの御意見もございますが、今は案の段階でありますので、県が特定の事業者名を明らかにして直接当たり調査するよりも、専門的な知識を持つ機関に幾つかの事業者の状況を広く間接的に取得できるようにするほうがより有効であり、状況が得やすいと考えておるからであります。その調査によりまして、案の中でより具体的な病院の姿を作成し、提示したいと考えております。なお、県として必要な支援は、実現の際にはしっかり検討をしてまいりたいと考えております。

   〔31番 前野和美議員登壇〕



◆31番(前野和美) 時間が参りましたので、これで終結をしたいと思いますが、あくまでもやはり検討という言葉が出てまいりました。まだ住民の皆さん方が今の話を聞いて十分納得されているとは思いません。できるだけ早く住民が安心して取り組めるような説明もお願いしたいと思いますし、最後に三重県における医療環境を見たとき、医療資源が不足している地域はほかにもあるでしょうけれども、一志病院はあの地域で頼りにされている病院であるということを重く考えていただいて、住民に対する安定的な医療が確保されることをお願いいたしまして、質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。(拍手)



○議長(三谷哲央) 12番 後藤健一議員。

   〔12番 後藤健一議員登壇・拍手〕



◆12番(後藤健一) 改めまして、皆さん、おはようございます。松阪市選出、新政みえの後藤健一でございます。議長のお許しをいただきまして、一般質問の機会を与えていただきましたことを感謝申し上げる次第でございます。県民の皆様とともに歩みつくる県政の実現を目指して、県民の皆様に成りかわりまして今回も一般質問に立たせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、通告に従いまして順次質問をさせていただきたいと思います。

 まず、一人ひとりが大切にされる社会の実現に向けてということで最初の質問でございます。地域医療体制の充実、特にここで私は看護師不足の問題について質問させていただきたいと思います。

 この6月会議では、既に何人かの方が県立病院改革については質問もされておるところでございます。先ほどもそうでございました。私も白山町での住民説明会を傍聴いたしました。いずれも大変厳しい意見ばかりであったというふうに思っております。

 知事は、去る5日の記者会見の中で、「住民は今まで提供されてきた医療が今後も継続される担保を一番得たいようだ。方針案を具体的に掘り下げられる方策を検討していきたい。また、意見をしっかり重く受けとめながら、県として今後も検討、議論を重ねていく」と述べられたと、そのように報道もされておるところでございます。また、9日の病院改革に対する一般質問の知事の答弁も同様であったかなというふうに思っているところでございます。

 私もつい数日前になりますけれども、市内のある小学校を訪問させていただいたときに、1人の教員から、「私の両親が一志病院にかかっております。何とか地域の医療を守ってほしい」と強く訴えられたところでございます。まさに何とか地域医療を守ってほしいと、その声、そのことこそ地域住民の真の声ではないかというふうに思っているところでございます。だれのための病院改革なのか、今後具体像を示されるということでございますけれども、地域住民はもちろんのこと、広く県民の願いや思いが最大限反映され、納得できるものになりますよう、私も十二分な協議を要望しておきたいと思います。

 この県立病院改革の中でよく言われておりますのが、医師不足、医師の確保の難しさでございます。その一方で、ややもすると隅に置かれてきたといいますか、看護師不足の問題があるのではないかと思っております。私は今回この看護師不足の問題について取り上げてみたいというふうに思います。

 医師不足や看護師不足はもとより、地域医療を崩壊させた原因は、ほかの議員の方も言われておりますように、やはり小泉政権による構造改革と規制緩和による社会保障費や医療費の削減にあることは明らかであろうというふうに思っております。その結果として、セーフティネットが崩壊し、私たち国民一人ひとりの生存権が脅かされるという社会状況をつくり上げているのではないか。まさにぶっ壊したのは自民党でなく、日本の社会の制度、仕組みではなかったのかと思うわけであります。

 看護職員は、大変厳しい医療の現場の中で、日々誇りと責任を持って働いてみえます。しかし、看護師不足とそこから来る労働過重という、まさに負の連鎖というものをなかなか断ち切ることができません。過日のNHKテレビでは、看護師の過労死の問題を取り上げておりました。夜間勤務と超過勤務、そして、医療の高度化と安全対策という現場の過酷なまでの厳しい労働環境の中で亡くなられ過労死とされたということでございます。休みたくても休みがとれないというのが現実でございます。その過労死に陥るかもしれない状況に置かれている看護職員が全国で2万人もいるというようなことでございました。

 県のほうでも、県民しあわせプラン第二次戦略計画の中で、その重点事業の一つとして、地域医療体制の整備、促進が挙げられております。看護職員につきましても、2010年度は157人の不足が見込まれる。看護師確保、離職者防止対策の充実に取り組むとなっております。

 今回出されております県政報告書の中でも、入職時期に応じた交流会を持つ。そして、県内の定着を図る。モデル病院へのサポーターの派遣、業務負担の軽減、働きやすい職場環境づくり等を支援するとなっております。また、残された課題と本年度の取組方針の中でも、修学資金の貸与制度の活用、新卒看護職員の相談体制の充実、院内保育所の設置、ワークライフバランスの導入等、様々な取組がなされております。

 しかし、このような県の取組が本当の看護師不足を解消するまさに切り札となっているのかどうかというふうに思うわけでございます。医師の確保もとても大切なことでございますけれども、患者である県民に良質な医療を提供する体制の確立と医療の安全を確保するためには、やはり看護職員の確保が必須条件であろうというふうに思うわけであります。

 そこで、県としてこの看護師不足の原因をどのようにとらえ、これまでの取組をどのように分析し、総括してみえるのか。そのことも踏まえまして、今後県民に良質な医療を提供し、医療の安全を確保していくための必須条件である看護師不足の解消に向けてどのように具体的に取り組もうとされているのか、改めてこの場でお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

   〔堀木稔生健康福祉部長登壇〕



◎健康福祉部長(堀木稔生) それでは、看護師不足につきましてどのように分析して、また、どのように検討して今後取組を行うのかにつきましてお答えさせていただきます。

 看護職員の不足につきましては、主に3点、一つは、医療の高度化、複雑化、さらには介護施設や訪問看護ステーションなど、看護職員の活躍する職場の拡大などによる看護需要の増大、二つ目は、臨床現場で求められます実践能力と看護教育内容の乖離による新人看護職員の早期の離職、三つといたしまして、就業条件、就業環境のミスマッチによります潜在看護職員の増加など、様々な原因が複合化した結果というふうに考えております。

 こうした中、平成20年末の本県の就業看護職員数は約1万9000人と、平成10年末の1万4000人に比べまして約5000人増加しております。ただ、人口10万人当たりで見ますと、全国平均、これは18年末の調査でございますけれども、人口10万人当たりで、国が934.6人に対しまして県は894.6人と全国平均を若干下回っており、看護職員の確保対策を一層進めていく必要があるというふうに考えております。

 このため、看護職員の確保対策を重点事業と位置づけまして、議員からも御紹介がございましたが、修学資金の貸与や病院内保育事業への支援、潜在看護師研修の実施など確保定着促進対策、看護職員養成所の施設整備費や運営費の補助など養成対策、がんや糖尿病に関する質の高い看護師の育成など資質向上対策を総合的に進めているところでございます。この結果、平成21年3月の県内養成機関新卒者の県内就業者数は前年度より約60名増加したところであります。また、潜在看護師の再就労も一定の成果が上がっているところでございます。今後、四日市看護医療大学など、新設校から新たに卒業生が出てまいりますなど、将来の看護人材の増加に向けまして明るい兆しはあるものの、やはり依然として厳しい状況であるというふうに認識をしております。

 今後のことでございますが、平成21年度はこうした取組の充実を図りますとともに、平成22年4月に開設予定の助産師養成所に対しまして開校準備のための経費などを支援することといたしております。今後は経済危機対策の一環として創設されます地域医療再生基金を活用しまして、看護職員の確保対策にしっかりと取り組んでまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。

   〔12番 後藤健一議員登壇〕



◆12番(後藤健一) 看護師の不足、先ほどの御答弁では医療の高度化等、あるいはミスマッチ等のことも出てきました。そして、県内就職者の数が増えているというような状況も答弁として聞かせていただいたわけでございます。ただ、今からちょっとデータもお示しするわけですけれども、ここに昨年1月、日本医師会の医療関係者対策委員会の報告書というものがございます。看護職員の不足、偏在とその対策と。これは全国的なデータでございます。

 (パネルを示す)これによりますと、この表は平成9年と平成18年の比較でございます。看護師、准看護師の養成所、学校の数を示しております。看護師の学校養成所総数の変化でございますけれども、平成9年は1063校、18年では1077校で、わずかに14校の増加となっております。ただ、准看護師の養成については、養成所も高等学校衛生看護科も含めましてともに激減しております。平成9年で570校が平成18年では285校と約半減しておるわけでございます。したがいまして、総数としても1633校から1362校と271校減少しております。

 三重県における数字を少し上げてみたいというふうに思います。三重県では、准看護師と看護師の養成所、学校の両方の総数でございますけれども、平成12年度で22校、平成22年度で16校、6校減っていることになります。今度新たな学校もできるというような答弁もございましたがでございます。また、入学時の定員でも、平成12年の959人から平成22年は755人と減少しているのが事実でございます。県内就職者の数が増えているとはいえでございます。

 これらのデータから、やはりその原因として、学校養成所の減少ということを挙げなくてはならないというふうに思うわけでございます。そのことが直接的な看護職員の不足につながっていると思うわけであります。まさに明らかになってくることは、看護師不足の大きな原因の一つとして、看護職員の養成力の低下というものが下地にあるのではないかと思うわけであります。

 今回、看護師等養成所教育拡充設備補助事業としまして5500万円の補正額が提案されております。国公立を除く民間11校、上限500万の施設設備費ということでございます。もちろん大変ありがたいことではございます。しかし、看護職員の養成力強化につながっていくものかというところでは疑問がつくと思います。

 看護師不足を招いた原因は、看護職員を取り巻く様々な要因が複合的に絡み合っている。そして、今日の看護師不足の状況をつくり出しているということは私も理解できます。しかし、なおかつ大きな原因の一つとして、その養成力の低下、そのことについて、看護師や准看護師の養成力の強化に向けた取組が三重県として必要ではないかというふうに思うわけですが、いかがですか。お伺いしたいと思います。



◎健康福祉部長(堀木稔生) 看護師等養成所の強化でございますが、看護職員の確保に当たりましては、御指摘のとおり、看護師等養成所の強化がやはり必要というように考えております。このため、平成21年度におきましては、看護師等養成所の運営費や施設整備費の補助といたしまして約3億2000万円を支援するとともに、議員からも御紹介がございましたが、臨床実習のための補助などを行うこととしております。県といたしましても、今後こうした取組を行いますことによりまして看護職員の養成を支援してまいりたいというふうに考えております。

   〔12番 後藤健一議員登壇〕



◆12番(後藤健一) なかなか厳しい状況で、取組についてもはっきりしたことが見えてこないわけでございますけれども、日本ではまだ制度化されておりませんけれども、制度化するためには法改正が必要でありますが、NP制度という制度、これはアメリカで既に40年前から始まっているナースプラクティショナーということのようでございます。そのNとPでございます。看護師が医師と連携、協働して医療処置を提供するというものだそうでございます。その診療看護師を養成する国内2校目の大学が日本でもこの4月に開校したということでございます。これも法改正が必要でございますけれども、ある意味では、医師不足の解消にもつながっていくものだろうというふうに思っております。

 医療の現場では、本当に日々高度な医療技術が求められております。こういった状況の中で、看護職員自らが自分の看護の質を高めるために大変な努力を重ねてみえるわけでございます。その中で、准看護師から看護師への資格を取りたい。いわゆる質を上げるといいますか、医療の質を上げるためにも、准看護師から看護師になりたいという意欲のある方も多いわけでございます。

 その道としましては、3年経験後2年制の専門学校へ進む道、そして、また10年経験後、専門学校の通信制課程を受ける。そういう二つの道が、准看護師から看護師への道がございます。もちろん後者は働きながら通信教育を受けるわけですけれども、残念ながらこの三重県には開設されておりません。県外、愛知県のそういった学校に行って、実習は三重県内の病院で受けるというような状況でございます。そういった意味で、今後看護の質の向上という面を含めまして、医師会、あるいは看護協会と連携して、三重県内にもそういった准看護師から看護師へのコースを開設、そのことをこの場で要望しておきたいというふうに思います。

 次の質問に移らせていただきます。障がい児・者への支援ということで質問をさせていただきます。

 県民しあわせプラン第二次戦略計画の重点事業の一つに、障がい者の地域における自立への支援を掲げて県は取り組まれております。この事業の目標には、「障がいのある人が、地域で自立した生活をおくることができるよう、相談支援体制の充実をはかるとともに、就労に向けた支援を行います。」と書かれております。

 その一環として、県が取り組まれ作成されたものとして、「はっぴい・はっぴい」というタイトルの障がいのある人の支援に関する総合生活支援ノートなるものがございます。これでございます。(実物を示す)私もつい最近知ったところでございます。この県がつくられました総合生活支援ノート、つくられたことすら知らない人がほとんどではないかなと思うわけでございます。このノートを見ていただきますとすぐわかりますけれども、この表紙のデザインでございますけれども、落ち葉か枯れ葉かわからないようなものが2枚、しかも1枚には穴があいておりまして、1枚はもう丸く縮まっております。私も驚いたような次第でございます。

 このノートでございますけれども、障がいのある本人の健康状態や成育歴などを記録することで、本人が安全・安心な生活を送ることができるように役立てると、これが趣旨でございます。また、手帳や年金、手当の受給、その他の福祉サービスの相談、制度利用など、そのときに利用する、それを目的とするとなっております。県内の障がい者団体の要請を受けて検討委員会を立ち上げ、他県のものを参考にわずか2回の協議ででき上がったそうでございます。平成19年度の最終補正で、障害者自立支援緊急対策助成事業として196万2450円が計上されております。そして、2万部つくられております。20年の3月には、各市町へ配付されているようでございます。

 もちろん県がこういった団体の要請を受けて障がい児・者への支援として取り組まれたものであります。障がい当事者はもちろん、保護者の皆さん、そして、また障がい児・者の支援者の皆さんに活用され、喜ばれている。そういったものと私も思っておりましたが、少し違うような状況もございます。ある窓口には、このノートがたくさん積まれているだけだとか、内容や中身を見ても少し使い勝手が悪いとか、そういった声が聞かれます。もう少し丁寧なやり方があったのではないかなというふうに思うわけでございます。

 御存じのように、身体障がい者の手帳を交付されている人、平成20年4月1日現在でございますが、7万1201人、療育手帳は9822人、精神障害福祉手帳は6245人の方に交付されております。このノートはどうも身体障がい者等への配付が念頭にはなかったように思います。今、松阪市では、社会福祉法人松阪市社会福祉協議会やNPOが中心になって県の「はっぴい・はっぴい」に代わる松阪版サポートブックをつくっていこうという動きがございます。実は昨日もこの取組の啓発のための講演やワークショップが持たれております。

 障がい児・者にとりまして、地震等の緊急時はもとより、自分の体調の急変等、いざというとき、そのときの支援は命をも左右するものとなります。そのいざというときに、初対面の人も含めてだれでもがサポートブックを見て適切な支援ができる。障がい児・者本人も楽、保護者も楽、支援者も楽という三方楽のまさにサポートブックをつくろうとしております。

 このサポートブックによって地域とのつながりがさらに強くなり、障がいのある人を地域全体で支え合える社会、そういった社会を目指そうとしております。三重県版のノートから少しその経過も含めまして、その内容なり、私どもの考えておる視点なりがちょっと見えてこないように思います。

 県の作成されたノートの中でも、サポートブックのつくり方が紹介されております。その作成ポイントの最初に、差しかえのできる冊子型がよいと書かれておりますが、実はこのノートはそうなっておりません。予算が足りなかったのでしょうか。もう少し使い勝手がいいものに、しかもいざというとき支援を必要とするすべての障がい児・者への配付を願うものであります。

 そこで、この総合生活支援ノートがつくられた経緯、また、配付先も含めまして、県の障がい児・者への支援について、基本的な考え方をお伺いしたいと思います。また、その表紙にもございますように、感性を疑いたくなるようなデザイン、障がい者にとってはまさに夢がしぼんでしまいそうでございます。その表紙も含めまして、内容を改定してバージョンアップを図るべきだと思いますが、いかがでしょうか。お伺いをいたします。

   〔堀木稔生健康福祉部長登壇〕



◎健康福祉部長(堀木稔生) それでは、障がい児・者への支援につきまして、議員が御紹介いただきました「はっぴい・はっぴい」の経緯等につきましてお答えしたいと思います。

 総合生活支援ノート「はっぴい・はっぴい」は、主に知的障がい児、自閉症児の御家族からの要望を受けまして平成19年度に作成したものでございます。作成の目的は、自らの様子を自身で説明することが困難な知的障がい児や自閉症児の健康状態や生い立ちなどを記録しておくことで、療育手帳の再判定など、様々な場面で適切な支援を受けやすくしようとするものでございます。

 このノートをつくるに当たりましては、知的障がい児・者、自閉症児・者のそれぞれの当事者、家族の団体であります三重県知的障害者育成会と自閉症協会三重県支部の役員で構成する作成委員会におきまして原稿等を作成いただき、県で2万部を印刷したものでございます。

 配付先でございますが、配付先は市町障がい福祉担当課、小児心療センターあすなろ学園、草の実リハビリテーションセンター、県内各児童相談所、それから、自閉症協会三重県支部、三重県知的障害者育成会であります。このノートは、療育手帳申請時や相談時に本人や家族の方にお渡しいただくこととしております。

 このノートにつきましては、多くの方からも好評いただいておりますが、今、議員から御指摘がございましたように、デザイン等改善すべき点があるという意見もお伺いしているところでございます。今後改正する際に当たりましては、今いただきました意見を含めまして、こうした意見を反映し、よりよいものにしてまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。

   〔12番 後藤健一議員登壇〕



◆12番(後藤健一) 改訂してよりよいものにと、表紙も含めましてということでございます。私は障がい児・者、いろんな種別はございますけれども、このサポートブックを必要とする方には障がいの種別にかかわりなく配付すべきではないかなというふうに思っております。

 さらに、私がここでちょっと申し上げるのは、このサポートブックの考え方といいますか、このサポートブックが単に障がい児・者のサポートだけにかかわらず、乳幼児や高齢者の方、痴呆になられた方、あるいは、また様々な病気にかかってみえる方、まさに弱い立場の人々を社会みんなで支援していく。そういった新たなシステムづくりにつながっていくツールといいますか、そういったものになり得るというふうに思っているところでございます。いずれにしましても、社会的に弱い立場に立たされております障がい児・者にとってもっと優しい県の行政を求めておきたいと思います。

 次に、大きな二つ目の柱でございます安心・安全に暮らせる社会の実現に向けてということで3点にわたって質問をさせていただきたいと思います。

 まず、一つ目は、地球温暖化対策についてであります。

 今年の三重県の梅雨入り宣言は去る9日にされたようでございます。梅雨があけますと、御存じのようにクマゼミの初鳴きが聞かれ、いよいよ夏本番となるわけでございます。日に日にセミの声がやかましくなっていくということでございます。

 子どものころ、羽が茶色のアブラゼミが多かったように私も記憶しております。クマゼミというセミでございますけれども、もともと南方系の昆虫であります。南方系といえば、ナガサキアゲハという尾のない黒いアゲハチョウがいます。図鑑でしか見ることのできなかったこのチョウが今三重県では普通に飛んでおります。地球温暖化が原因でどんどん北上してきているということでございます。動物、植物、こういった自然の変化に正直に反応しているわけでございます。

 一方、私たち人間のほうはなかなか敏感には反応できていないのかなというふうに思っております。徐々に暑くなっていっても、今年の夏は特に暑いなというようなことで過ぎてしまうのかなというふうにも思います。ぬるま湯につかっていてお湯の温度が少しずつ上がっていてもなかなか気がつかず、気がついたら大やけどを負っているということにならなければと心配しております。

 今、二酸化炭素を中心とする温室効果ガスの削減について、中央で盛んに議論がされております。日本は御存じのように、1997年の京都議定書に合意した会議で、08年から12年の平均排出量を1990年と比べて6%減らすというものでございました。しかし、二酸化炭素をはじめ地球温暖化ガスでございますけれども、減るどころか2007年で9%も増えております。そんな中、去る10日の麻生総理の発表につながっております。

 排出目標、中期目標でございますけれども、2013年から2020年のその基準年を1990年から2005年に変更する。そして、温室効果ガスを15%削減する。それを目標とするということをこの10日に発表されたわけでございます。中期目標といいますのは、2020年までに二酸化炭素などの温室効果ガスを減らす数値であります。世界の科学者は2050年までに二酸化炭素などを50%削減しなければ生物の絶滅、干ばつ、洪水等が起こり、地球環境が大変になると警告をしているわけでございます。この政府の方針なりは世界に向けた日本の決意だろうと、約束であろうと思うわけで、大変重いものと受けとめているところであります。

 一方、三重県は、2006年度に改定されました三重県地球温暖化対策推進計画に基づきまして、温室効果ガスの排出抑制対策に取り組まれております。県民しあわせプラン第二次戦略計画の中にも、みんなで取り組む地球温暖化対策プログラムが示されております。しかし、県政報告書によりますと、2010年度の目標としては、1990年度を基準にして3%の削減を設定しております。

 ところが、この数値には、森林による二酸化炭素の吸収量分3%を含んでおります。つまり、何もしなくても目標がクリアできるという大変甘い数値を目標に掲げているわけでございます。三重県においては、2005年度で既に9.4%の増になっているのが現状でございます。このままで推移していきますと、目標達成はもちろんでございますけれども、大幅な二酸化炭素の増という結果になることは明らかでございます。

 そこで、政府の決定が出たばかりでございますけれども、三重県として、この二酸化炭素の排出の現実をどのように受けとめてみえるのか。また、これまでの取組はどうだったのか。分析等総括、そして、これからの削減に向けて、目標値の設定も含めまして、県民に対してどのようなメッセージを伝えようとされているのか、知事の御所見をお伺いしたいと思います。

   〔野呂昭彦知事登壇〕



◎知事(野呂昭彦) 2007年のIPCC、これは気候変動に関する政府間パネルでございますが、この報告に地球温暖化の進行によりまして夏の北極における氷が21世紀後半までに消滅するのではないかと、こういう予測が出まして、これは世界に衝撃を与えたところでございます。

 政府におきましては、この6月10日に日本の2020年までの温室効果ガス削減の中期目標につきまして御指摘がありましたが、外国との排出権取引とか、森林吸収分を含まずに、いわゆる真水で、2005年比で15%減、1990年比で8%減と定め発表したところでございます。また、この目標を達成するためには、1世帯当たり年間7万6000円の負担を伴うという試算をいたしまして、国民にも相当の負担を求めておるところでございます。

 本県の温室効果ガス排出量でありますけれども、基準年の1990年と比べますと1999年度には14.2%の増加とピークに達しております。これは産業部門のCO2排出量の割合が全国平均の約4割に比べまして高いということ、また、素材産業の割合が高いということから、排出削減が容易でないといった要因が考えられるところであります。なお、1999年度のピークに対しまして、最新データの2006年には1990年基準年比で8.8%増という、依然として厳しい状況にはありますけれども、温室効果ガス排出量は減少傾向になっておるというところでございます。

 地球温暖化は、経済の豊かさとか、あるいは効率化を求めてきた結果でございまして、その解決にはすべての社会システムを抜本的に変えていくということが求められております。そのためには、三重の文化力の視点からとらえますと、県民一人ひとりがライフスタイルを見直せる力としての人間力、また、多様な主体が連携、協働して環境負荷への低減に取り組める力、すなわち地域力、地球環境を救う革新的な技術を生み出せる力としての創造力が必要でございます。

 このような文化力の視点でとらえた取組が地球温暖化の解決にもつながるものと考えております。この考え方を生かしまして、国が示しました中間目標に対しまして、県がどのような方針で取り組んでいくべきか、このことについて十分議論を深めまして、今後の取組目標とか、あるいは施策等の検討を進めてまいりたいと考えておるところでございます。

   〔12番 後藤健一議員登壇〕



◆12番(後藤健一) ありがとうございます。文化力が出てきまして、様々な力を利用してCO2を削減したいということのようですが、本当に文化力でCO2が削減できるのか、目標がクリアできるのかというふうに今ちょっと思わせていただきました。

 ことにこの問題は三重県だけの問題ではないわけでございまして、もちろん日本だけの問題でもございません。私だけの問題でもありません。このかけがえのない地球、この地球環境をこれからの子どもたち、10年先、20年先、50年先、どのような形で残していくのかということだろうと思います。そういった意味で、政治の力がまさに問われているんだろうと思います。

 隣の滋賀県では、2030年までに1990年比で50%の削減を打ち出しております。嘉田由紀子知事が、自身ができるかできないかでなく、やるかやらないかだと強い決意を示されております。また、経済界と協働で全国初という「しが炭素基金」を今年の4月14日に立ち上げたようでございます。企業が目標を達成できなければ二酸化炭素1トン当たり3000円の基金を拠出する。積極的に取り組んだ企業には支援するというものでございます。

 この基金という考え方は、私は意識を変える上で大変重要なんだろう、効果があるんだろうというふうに考えております。企業だけでなく、すべての県民が参加できるような基金の創設ができないものでしょうか。また、県民が二酸化炭素の削減に向けて参加できる、参加していると、そのことが私は大事だというふうに思っております。基金の創設も含めまして、このことについて県当局のお考えを聞かせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。



◎環境森林部長(渡邉信一郎) すべての県民が環境活動に参加できる仕組みということでございます。地球温暖化の問題は、産業、業務、運輸、家庭などあらゆる部門から排出される温室効果ガスが原因でございまして、だれもが温暖化防止に取り組むとともに、多様な主体が連携していくことがとても重要だと考えております。

 そこで、本県では、産業部門において企業グループや地域の事業所が協力し合い、省エネ、環境教育やエコ通勤などに取り組む企業連携によるCO2排出量削減促進事業をさらに進めることで、中小企業や従業員の家庭にまで地球温暖化対策が浸透するよう支援をしていきます。また、家庭部門におきまして、今年度から県民、環境活動団体、企業などあらゆる主体が協働することによりまして、県民一人ひとりの主体的な取組につながるみえ・まるごとエコ生活推進事業を進めてございます。

 この取組は、三重県地球温暖化防止活動推進センターを拠点とし、地球環境フォーラムを立ち上げまして、このフォーラムに県民、環境活動団体、企業がともに参加することで、多様な主体が連携して継続的にエコ活動を行う仕組みにつなげていくものでございます。特に県民が環境活動団体を支援するため、このフォーラムを通じまして出資することで地球温暖化防止に取り組むという仕組みづくりを進めていきたいと考えております。今後もこれらの取組を通じまして、すべての県民が地球温暖化防止に参加いただけるよう尽力してまいります。

   〔12番 後藤健一議員登壇〕



◆12番(後藤健一) 様々な取組を今も説明されましたわけでございますけれども、なかなか一人ひとりの県民の心にまで落ちているのかどうか、そのあたりを私としましては心配するわけでございます。もう少ししっかりと、啓発も含めて地球温暖化対策に取り組んでいただければというふうに思っております。まさに待ったなしの状況でございます。この7月には、全国知事会議が当地三重の地で持たれます。ホスト県の三重県知事として、二酸化炭素削減を含めた地球温暖化対策について思い切った提言も発言されるよう、ここで期待もしながらこの項を終わりたいというふうに思います。

 次の質問でございますけれども、間伐の促進についてでございます。林業振興といいますか、地球温暖化対策ともかかわって少し質問させていただきたいと思います。

 今議会では、太陽光発電導入事業所への補助金、新エネルギー普及事業費、事業促進事業として1000万円、また、住宅用太陽光発電啓発事業として約300万円、広域防災拠点施設及び災害対策本部地方部への太陽光発電設備等、災害対策本部機能強化費として約1億3800万円、また、環境対応車への買いかえということで3億9700万円、約でございますけれども、そういった様々な二酸化炭素削減によります地球温暖化対策にかかわる予算が計上されております。

 その中で、県産材利用の促進対策事業費7億5000万円、森林整備加速化・林業再生基金積立金に10億円が計上されております。林業振興、特に私は間伐等による森林整備が進むというふうに大きな期待をしているところであります。とりわけ、間伐材の活用が林業振興と地球温暖化対策の関連からも大変重要なものになってくるというふうに思っているところでございます。三重県は御存じのように65%が森林でございます。全国有数の森林県でございます。森林の持つ多面的機能はたくさんございます。

 平成20年3月の三重の森林づくり検討委員会が出された報告書がございます。様々な公益的機能を評価して、お金にかえて示している数字がございます。平成17年7月の試算ということでございますけれども、年間1兆2400億円、県民1人当たり約66万円、森林から三重県人が恩恵を受けているということでございます。

 その中で、二酸化炭素の吸収は185億円という評価でございます。化石燃料の代替分を含めまして223億円、全体の約1.8%であります。この数字をどう見るかは別でございますが、森林の持つ二酸化炭素吸収能力に対する評価、これは地球温暖化対策の大きな要因の一つとしてますます高まっていくというふうに思っております。そのためにもといいますか、間伐を促進することで木の成長を促し、林業振興とともに二酸化炭素の吸収能力を高め、地球温暖化対策の一助になるというふうに考えるわけでございます。そこで、二酸化炭素削減にもつながる間伐を推進していく上での基本的な考え方、また現状をお伺いしたいと思います。

 また、今年の2月27日でございますけれども、松阪木質バイオマス熱利用協同組合によるボイラーが稼働しております。これでございます。(パネルを示す)これは工場でございますけれども、そこでは木材のチップを燃やしております。これがチップでございます。(パネルを示す)この木材チップを燃やして蒸気をつくり、隣接する工場に供給する。総工費10億4000万円、国からの補助4億2000万円、県も4000万円の補助をしております。

 木材を熱量とするバイオマス燃料の場合、二酸化炭素の排出量がゼロでございます。二酸化炭素を排出しても、その分、木が吸収してくれるというものでございます。このバイオマス燃料供給施設の場合、二酸化炭素に換算して年間約2万トンの削減ができることになります。この木材のチップの原料でございますけれども、建築廃材が4割、そして、製材の廃材等樹皮等が5割、間伐等が1割という状況でございます。煙は全く出ません。ただ、灰が1日に4トンほど出ると。それも再利用するということでございました。

 また、木質バイオマスによる火力発電、これはほかの県でもあるようでございますけれども、これはどうなんだという話をしておりましたら、資金がかかり過ぎて断念したということでございました。この木質のチップは、ウッドピアにあります木質バイオマス利用協同組合から1日に80トン、8トンのダンプトラックで10回ほど来るんだというような話でございました。

 ただ、そのチップをつくっている工場にお伺いしますと、廃材は処理料をもらってチップをつくります。しかし、間伐材はお金を払って購入していますということでございました。間伐をしても、多くは切り出しのままで活用されることなく放置されているのが現状であろうと思います。さらに、間伐を推進し、活用を図るためにも、燃料チップ等木材加工流通施設、また、バイオマス利用施設の整備を進めていくことが大変重要なんだろうと思います。そこで、県として、そのような施設設備について、間伐の促進、推進ともかかわって支援をしていくお考えはないのか、お伺いをしたいと思います。

   〔渡邉信一郎環境森林部長登壇〕



◎環境森林部長(渡邉信一郎) 間伐の推進についてお答えをいたします。

 森林は、木材生産をはじめ水源の涵養や土砂流出の防止など、多面的な機能を有しますが、地球温暖化防止のためのCO2の吸収源としても大きな期待が寄せられています。森林がこうした多面的な機能を発揮するためには、間伐などの適正な管理を実施していくことが重要ですが、その機能が十分に発揮できていない森林が多く見られるようになってきております。

 こうした中、本県では、平成18年3月に三重の森林づくり基本計画を策定いたしまして、年間8000ヘクタールの間伐を目標に整備を進めておるところでございます。今回、国におきまして緊急経済対策を打ち出され、森林所有者の負担を軽減するための間伐に対する定額助成事業や新たな森林整備加速化・林業再生基金を積極的に活用し、未整備森林の解消を目指して間伐を進めてまいります。

 さらに、今年度、間伐材の利用に向けて、がんばる三重の林業創出事業を新たに立ち上げ、これまでの建築用材に加えまして、合板や集成材に活用するとともに、木の根元部分や先端部は製紙原料や燃料チップなど木材をすべて利用することを目指しております。また、チップ化施設や木材加工施設、木質バイオマス利用施設などの導入につきましても、森林整備加速化・林業再生基金を活用して支援をしてまいります。今後も、このように総合的な間伐対策を進めることで、CO2の吸収をはじめとした森林の多面的機能が効果的に発揮できるよう取り組んでまいります。

   〔12番 後藤健一議員登壇〕



◆12番(後藤健一) 様々な取組をされるということで、大きな期待もしておきたいと思います。まさに森林の持つ多面的機能、私はその中で今の地球環境の中で、森林の果たすべき二酸化炭素吸収能力というものに大きな期待を寄せているところであります。

 そうした中で、その間伐材の利用ということで少し紹介をさせていただきたいと思います。三重県教職員組合松阪支部では、環境保全に向けてマイはし運動と松阪市の間伐材を使った割りばし、まつさかエコ割りばしと名づけて、その推進と普及活動など、様々な環境保全運動に取り組もうと今プロジェクトを立ち上げております。この20日にもチャリティーイベントを開催いたします。皆さんのお手元にも配付させていただきましたこれでございます。(パネルを示す)

 私自身を含めまして、なかなか意識が変わっていかない。つい目の前の割りばしを使ってしまうということも多いわけでございます。本当に一人ひとりの問題として、また、この間伐材の利用について、こういった動きが、運動が起こってきている。そのことを少し御紹介させていただきまして、次の質問に移っていきたいというふうに思います。

 最後の質問になります。地球温暖化対策等にかかわって幾つか質問をさせていただきました。環境教育について教育長にお伺いいたします。

 三重県では、平成17年6月に三重県環境保全活動・環境教育基本方針が策定されておりまして、様々な取組もなされてきております。また、今年から次期教育振興ビジョンの策定にもスタートを切られると思います。その第4次の推進計画の中では、総合的な学習の時間や道徳、特別活動、学校環境デーなどを活用して取り組み、今後一層環境教育を日常の学校生活の中に根づかせていくことが重要であるとされております。

 その方向として、環境への意識を高め、一人ひとりが主体的に環境に配慮した行動がとれる。また、地域の問題について、観察、調査などの参加体験型の教育を推進し、学習とともに環境総合活動の充実を目指すとなっております。しかし、改訂学習指導要領では、総合的な学習の時間が縮減されておりますし、選択教科が削除されたりしております。総合学習や選択、理科などでこの環境教育や、また、振興ビジョンにも書かれておりますような地域の身近な環境問題について、その学習の時間がどんどん減っていくようで心配しておるところでございます。

 子どもたちが大人になったときに、どんな地球環境になっているのか。何よりも、どんな生き方ができるようになっているのかがこれからの環境教育にかかわっていると思います。子どもたちの身近な生活と結びついた環境学習に学校全体として取り組んでいくこと、さらには、学校全体から地域ぐるみの取組に広げていくことが大切なんだろうと思います。そのためにも、現場の教職員だけの力ではなく、地域の中で様々な環境問題に取り組まれております個人や団体も含めたたくさんの方がみえます。サポーター、ボランティア等、学校教育への支援が今まで以上に重要になってくるのではないかと思います。

 そこで、地球温暖化という大変な状況の中でございます。これからの日本を、そして、世界を担う今の子どもたちに一体どのような環境教育を今後進めていこうとされているのか。次期教育振興ビジョンの中の方向ともかかわりましてお伺いしたいと思います。

 また、学校現場では、多くの教職員が様々な教育活動や授業の中で環境教育の実践に取り組んでおります。環境教育を推進していくための条件整備と支援、このことがやはり教育委員会の責務だというふうに考えております。そのことも含めましてお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

   〔向井正治教育長登壇〕



◎教育長(向井正治) 後藤議員の環境教育につきましての答弁をさせていただきます。

 まず、最初の認識でございますけれども、産業革命以降、人類は地球環境に対しましてけた違いに大きな影響力を持つようになったと。まずはこのことを子どもたちに十分理解していただくということが重要かと思っております。そして、このすばらしい地球環境を将来にわたって保持して、次の世代に引き継いでいくということが重要であると考えております。このため、教育におきましては、命をとうとび、自然を大切にして環境を保全するために、具体的な行動に移せるような人づくりというのが大切だと思っております。

 学校におけます環境教育につきましては、持続可能な社会の実現を目指しまして自主的に活動する力を育成するよう、体験的な活動を大切にしながら、教育活動全体を通じて進めることが重要であるというふうに考えております。

 県内のすべての小・中学校、県立学校では、総合的な学習の時間に各教科において積極的な活動が行われております。特に学校環境デーですね。毎年6月5日をその日にしておりますが、それを中心にいたしまして、子どもたちや地域の状況に応じまして、地域の方々の協力も得ながら様々な工夫をした取組が行われております。

 教育委員会といたしましても、先ほど議員からも御紹介がございました三重県環境保全活動・環境教育方針に基づきまして各学校が環境教育に関します全体計画を作成しまして、総合的な取組を進めるよう働きかけているところでございます。また、すべての県立学校では、ISO14001を参考にいたしました県立学校環境マネジメント実施要綱に基づきまして、環境教育、環境保全活動が推進されるよう取り組んでいるところでございます。

 次期の教育振興ビジョン(仮称)の策定に当たりましても、持続可能な社会の実現に向けた人づくりを目指しまして、子どもたちの知識や気づきが実際の活動につながっていくよう、家庭、地域との連携を図りながら環境教育の充実に努めてまいります。

 以上でございます。

   〔12番 後藤健一議員登壇〕



◆12番(後藤健一) ありがとうございます。

 小・中学校はもとより、高校でもしっかり取り組んでいただいておるというようなことでございましたが、いろんな面で、いわゆる条件整備に向けては、あるいは財政的な支援も含めましてぜひとも要望しておきたいと思います。

 私もまずできるところからと、私の家は戦前の家でございますけれども、8年ほど前、平成17年10月1日から太陽光パネルを稼働させております。理科の授業等でも説明したりしてきました。今2人住まいでございますけれども、使用量を超える年間2000キロワット以上の発電をしてくれております。これからも自分の課題として、二酸化炭素削減に向けて、まさにできるところからやってまいりたい、そのことを申し添えまして、時間が来ております。私の質問を終結させていただきたいと思います。ありがとうございました。(拍手)



△休憩



○議長(三谷哲央) 暫時休憩いたします。

               午後0時2分休憩

          ──────────────────

               午後1時1分開議



△開議



○副議長(野田勇喜雄) 休憩前に引き続き会議を開きます。



△質問



○副議長(野田勇喜雄) 県政に対する質問を継続いたします。6番 村林 聡議員。

   〔6番 村林 聡議員登壇・拍手〕



◆6番(村林聡) 度会郡から選んでいただいています自民みらい、村林聡です。

 まず初めに、県立志摩病院について、簡潔に知事にお伺いしたいと思います。

 私の住んでいるあたりでは、今、県立志摩病院に対する不安が非常に渦巻いていると肌身に感じます。座談会をしますと、必ずといっていいほど話題になりますし、そこらを歩いていても志摩病院のことを聞かれるくらいです。どうやら皆さんのお話をまとめますと、基本的な診療科目を備えた地域の中核病院であってほしいということだと感じています。

 過去の実績を見てみますと、県立志摩病院はお医者さんさえそろっていれば黒字にできるはずの病院です。医者を確保するための手法は指定管理者が最もふさわしいのでしょうか。お尋ねします。

 それと、もう一つ、この渦巻く不安を取り除けるのは、長い説明じゃないように思います。形はどうあれ、県立志摩病院を地域の中核病院として維持していくという知事の不退転の決意が必要です。短く強い言葉をいただきたい。簡潔な御答弁をよろしくお願いします。

   〔野呂昭彦知事登壇〕



◎知事(野呂昭彦) 県立病院改革につきましては、病院の運営体制を再構築いたしまして、今後とも健全な経営を継続させるということを前提に、各病院が県民に良質で満足度の高い医療を安定的、継続的に提供することを目指しておるところであります。

 県立志摩病院につきましては、医師の不足によりまして地域の救急医療体制に影響を与え、このことによりまして住民の皆さんの不安につながっているということにつきましては十分理解をしておるところでございます。現在も、医師の確保に向けまして、病院事業庁をはじめ県としても最大限の努力を行っているところでございます。

 県立志摩病院への指定管理者制度の導入でありますけれど、これにつきましては、三重大学との協力を前提にいたしまして、指定管理者独自のネットワークによりまして医師を確保することを重要な条件としております。また、こうしたことをはじめ、指定管理者のノウハウを活用いたしまして、運営面の改善や医療サービスについての企画提案を受けまして、志摩地域の中核病院として、機能の充実、あるいは運営面での健全化を目指しておるものでございます。

   〔6番 村林 聡議員登壇〕



◆6番(村林聡) 御答弁ありがとうございます。

 地域の中核病院として目指しているという言い方でしたけれども、ぜひともきちっとその決意を持って中核病院として維持していくと、そのように取り組んでいただきたいと思うんですけど、再質問させていただいてよろしいでしょうか。決意をやはりいただきたい。



◎知事(野呂昭彦) 県立志摩病院につきましては、指定管理者導入後も県立病院として県がしっかりその責任を果たしてまいりたい。地域の中核病院としてしっかりその責任を果たしてまいりたいと、こう思っております。

   〔6番 村林 聡議員登壇〕



◆6番(村林聡) ありがとうございました。強い決意と受けとめさせていただきました。指定管理者は手段でありますので、ぜひともそのように、そちらを目標としてきちっと取り組んでいただきたいと思います。

 では、二つ目の項目に移ります。地域の生活交通の維持についてです。

 最低限の移動手段が確保されているということが地域の幸せの最低条件だと、そういうように思います。また、移動がもう少し便利になるだけで地域の幸せがぐっと上がるんじゃないかと、そういう思いも持っています。

 昨年度、地域間格差対策調査特別委員会に所属させていただきまして、この地域公共交通について取り組みました。また、政務調査費を使って事例を数多く集めたりもしました。そうして思ったのですけれども、いろいろな成功事例というのは、そこの地域で成功したからといって、そのまま隣の地域に持っていってもどうも成功するものではないのではないかと、そんなふうに思いました。いろんな成功事例のかなりの数の選択肢をその地域ごとに組み合わせたり、そこの地域の住民の方と一緒になって組み上げていくと、そういう必要があるんやと思います。

 こうした高い専門知識やノウハウというのは各市町では限界があります。県も一緒に考えるべきだと思います。専門知識やノウハウを伝える仕組みが必要です。例えば、アドバイザーの派遣などがあると思います。

 そして、もう一つ、県でモデル地域をつくって取り組んでほしいということです。モデル地域で生活交通を組み上げていくと、そういう過程で得られる経験や知見はほかの地域へと応用できると思います。これは成功事例を単に移すということではなくて、組み上げていく中でそういう生きた知見や経験が得られると思います。そういう生きた経験や知見を集めるのは、市町ではなく県の役割だと考えます。今のような集めた知見を、今度は先ほどの質問のほうとあれですけれども、アドバイザー派遣のような形でほかの地域でまた応用していくと、そういう繰り返しが必要なんだと思います。

 質問をまとめます。一つは、専門知識やノウハウを県から市町へと伝える仕組みづくりについて、二つ目は、モデル地域をつくって取り組んでほしいということです。よろしくお願いします。

   〔小林清人政策部長登壇〕



◎政策部長(小林清人) 2点お答えいたします。

 車社会の進展や少子化の進行などによりまして利用者が減少しておりますバス事業者につきましても、経営環境が悪化しまして、路線の縮小や廃止という事態が生じております。しかしながら、バスは地域住民の暮らしや生活に必要不可欠であり、移動手段を持たない高齢者や通学者の方々にとって大切な交通手段であると認識しているところでございます。

 このため、県といたしましても、地域の中で市町や住民が一体となって効率的で持続可能なバス路線の確保に取り組むことがバスを維持していくためには最も重要であると考えておりまして、市町単位の地域公共交通会議の設置を促進するとともに、この会議にも積極的に参加しているところでございます。こうした会議での議論を経て、その地域に最も適合した交通計画を策定していただくことが何より重要であると考えておりまして、県としては、市町が実施する生活交通に関する調査研究及び計画の策定を支援しているところでございます。その支援の一環として、御指摘のありましたアドバイザーの派遣も新たに取り組んでいくことといたしております。

 モデル事業につきましては、今年度県が有識者、事業者、市町の代表者の方々に御参加をいただき実施します公共交通調査検討事業の中で、公共交通とは何か、公共交通の必要性などを明らかにしながら、地域の公共交通を支えるための方向性、地域社会のニーズに合った運行主体、運行方法などの議論を通じて、効率的で持続可能なバス路線の確保策についても検討することとしています。御提案のありましたモデル事業については、こうした検討の中で様々な角度から協議してまいりたいというふうに考えております。

   〔6番 村林 聡議員登壇〕



◆6番(村林聡) 御答弁ありがとうございます。

 アドバイザーの派遣はこれからしていただけるということですし、モデル地区についても、これからの検討を踏まえて考えていってもらえるということのようですので、今、日本じゅうでこのバスの路線というのは非常に問題になっておって、きのうの日曜日の朝、特別委員会に来ていただいた加藤先生がNHKに出ておられて解説をしておられるのを拝見させていただきました。市町がきちっとそうやって取り組めるようにぜひともよろしくお願いいたします。ありがとうございます。

 では、小問の2のほうの広域バス路線の維持について質問させていただきます。

 市町は、大変な努力をして市町内の生活路線を維持しています。その市町内の路線は、その市町まで来ている広域路線があってこそ成り立っています。もしも広域路線がなくなると、それまでの市町の努力が一挙に水の泡になってしまいます。この質問は複数の市町を結ぶそういった広域の路線についてです。

 広域路線は、経常収益が経常費用の20分の11以上であれば国・県が協調して補助するという制度になっています。つまり、収支が55%を切ると補助をしてもらえない。収支が55%になるまでの部分は市町が自分のお金で穴埋めしていると、そういうところもあると聞いております。市町内の路線は市町の仕事だとして、みんな残すために四苦八苦しているわけです。なのに、市町を越えた広域路線の部分は55%というような一律の基準で、それ以下なら補助できませんよというわけです。どうでしょうか。ちょっとおかしいように思います。

 市町内の路線を残すために、市町が一生懸命工夫して新しい取組をしておるわけですから、例えばデマンドバスだったり、いろいろな方式を入れたりしておると思いますが、県が、一方の広域路線については、やはり工夫を凝らして残すように取り組んでいくべきだと考えます。地域に密着した市町が生活路線は何としても残さねばならないと頑張っています。ならば、県は市町に密着して、市町のために広域路線は何としても残さねばと頑張るべきです。関係市町の同意がなければ広域路線はなくなったりしないのだというぐらいでなければならないと考えます。特に広域路線の終点の市町の同意もなしになくなるなんておかしいです。

 では、質問をまとめます。複数の市町間を運行する広域的なバス路線については、市町が担うには限界があり、また、市町との役割分担からしても県が責任を持つべきだと考えますが、いかがでしょうか。御答弁をよろしくお願いいたします。

   〔小林清人政策部長登壇〕



◎政策部長(小林清人) お答えいたします。

 県では、運行距離が10キロメートルを超え、これは平成13年度時点のものでございますが、複数の市町間を運行する広域的なバス路線で、赤字のものについては、国と協調して一定以上の収支率、これは先ほど議員のほうから御指摘がございましたように、55%以上の収支率という形でございます。その路線を対象にしまして、その赤字額の2分の1をバス事業者に補助しています。現在30路線、36系統に補助を行っているところでございますが、県としても、引き続き広域バス路線の維持確保を図っていく必要があると強く感じているところでございます。

 一方、こうしたバスについても、地域の皆さんにより多く利用していただく取組も大切であると認識しております。さきに申し上げました公共交通調査検討事業の中で、バスの利用促進策、どんなふうにこの広域路線を守っていったらいいのかという形についても議論してまいりたいというふうに考えております。

   〔6番 村林 聡議員登壇〕



◆6番(村林聡) 御答弁ありがとうございます。

 これから議論していくという御答弁だったと思うんですけれども、平成23年に見直し時期が来るというように伺っておりますので、広域路線がなくなるなんてことはあってはならないと思いますので、ぜひともなくならないように強く要望いたします。そのようにやっていただきたいと思います。そして、私も勉強して、この件については継続して取り組んでまいりたいと、そういうように思っております。

 では、大きな三つ目の公共工事の入札契約制度について御質問したいと思います。

 商売をする上で、売り手よし、買い手よし、世間よしという三方よしという理念があります。近江商人の経営理念だと言われています。これは日本古来からの商いの道、商道と呼べるもので、今でも多くの経営者が座右の銘にしているそうですが、この三方よしの考え方に沿って公共事業について質問したいと思います。

 なぜか日本では競争というとダンピング合戦というか、適正利潤が確保できない泥沼の競争になりがちです。そのままどこまでも競争させていきますと、我々に必要な企業がなくなり、それによって地域経済も崩壊していきます。こういう泥沼の競争はただ単に体力勝負をさせているだけで、大きな企業は残りますが、小さな企業がつぶれます。こういう競争をさせるということは、少数の企業でシェアを占めるという寡占状態へ誘導しているということになります。こんなことでは困ると思います。

 映写資料をお願いします。(パネルを示す)例えば、そうした寡占状態になりますと、地域の業者がいなくなりますから、災害のときに素早く対応する人がいなくなります。道路が陥没したときに駆けつけるとか、洪水のときに土のうを用意するとか、つまりこの三方よしの図で言いますと、世間よしの部分が泣いていることになります。売り手よしの部分も小さな企業がつぶれて泣いています。三方よしというのは、この三方が全部笑顔になることだと思います。

 例えば、よいものを安くという言い方があります。ちょっと聞くだけだといいじゃないかと思ってしまいますが、この図に当てはめますと買い手は当然笑顔です。しかし、売り手は無理をしていますから泣いています。世間のうち安くてよい施設や道路を使える人たちは笑顔ですが、残りの雇用や経済循環などのしわ寄せを食う人たちは泣いてしまいます。もしも安かろう悪かろうになって、工事の品質が確保できなければ買い手と世間は泣きますし、売り手も半泣きでしょう。

 また、この図に当てはめますと、入札制度の透明性や公平性が大事だということもわかります。もしも不当な高値で落札されたとすると、売り手と世間の一部は笑顔でしょうけれども、買い手や税金を納めている大多数の世間は怒るでしょう。映写ありがとうございます。

 ちょっと抽象的な話でしたし、私がパソコンでつくった飾りっ気のない図でしたのでわかりにくかったかもしれませんが、改めて質問させていただきたいと思います。三重県の公共工事の入札制度は三方よしに照らしてみていかがでしょうか。御答弁よろしくお願いいたします。

   〔北川貴志県土整備部長登壇〕



◎県土整備部長(北川貴志) 県の公共工事の入札契約制度の取組についてお答えいたします。

 本県においては、公正性、透明性、競争性を確保するために、平成19年度より建設工事には一般競争入札を全面導入しております。

 次に、適正な価格での契約を図り、ダンピングを防止するための低入札調査基準価格と最低制限価格につきましては、本年4月1日、さらに、本年6月1日に改正を行い、引き上げを行っているところでございます。

 また、工事の品質を確保するため、平成16年度より導入しております価格と技術力から落札者を決定する総合評価方式を順次拡大しております。さらに、地域企業の育成のために、設計金額に応じた地域条件を付して地域企業への発注に配慮することとしております。また、総合評価方式においても、下請における県内企業の施工や県産材の使用など、地域経済への貢献度を評価することとしております。今後も公正性、透明性、競争性を確保した上で、適正な価格での契約、工事の品質確保、さらに地域企業の育成の観点をもって、入札契約制度のさらなる改善と適切な運用に努めていきたいと考えております。

 こうした取組を進めることによりまして、発注者である県は品質の高い社会資本を県民に提供できる。受注者である地域企業は地域の雇用確保と地域経済を支え、さらに地域貢献にもつながっていくものと考えております。

 以上です。

   〔6番 村林 聡議員登壇〕



◆6番(村林聡) 御答弁ありがとうございます。

 全く自分の思っておるのと同じ方向に行っていただいておるというように思います。世間よしの部分が少し今まで軽視されがちだったんじゃないかなと。そういう中で、ちゃんとした競争性を確保する中で、最低制限価格を引き上げたり、総合評価方式を拡大したり、あるいは地域でできるものは地域でと、そういう言い方をしていただきましたので、その方向でぜひともこれからもやっていただきたいと思います。

 個々のあきんどでさえ、売れてよしだけではない三方よしを意識して商売するわけです。まして、行政の行う公共工事は買い手よしのためだけにするものではないわけですよね。この三方とも笑顔というのは非常に絶妙な崩れやすいバランスだと思います。行政は常に三方よしに気を配っていっていただきたいと、そのように思います。

 ちょっと余談なんですけれども、この質問に関連する問題意識だけ聞いていただけますでしょうか。この三方よしの入札を続けてもつぶれてしまう、そういう建設業者もあることだと思います。それは仕方のない部分があります。しかし、行政がそれをそのままほうっておくのはいけないことだと思いますし、それ以上にもったいないと考えます。特に三重県の南のほうでは、建設業者というのは人を雇って経営感覚を持って活動する数少ない組織体です。その組織をそのまま消滅させてしまうということは実にもったいない。今、1次産業は高齢化が進み、後継者や担い手の問題が深刻です。それでは、高校生らの若い人が担ってくれるかというと、みんな就職を探しに行っていますね。とするならば、就職先としての1次産業が必要なのではないでしょうか。

 ここで1次産業への企業参入という話になるわけですけれども、遠くから大きな企業を持ってくるというよりは、今苦しんでいる建設業者に担ってもらうということが考えられないでしょうか。その地域のことを熟知し、これまでもその地域の人を雇ってきている業者であれば、地域のことを考えた経営をしてくれるのではないでしょうか。というような問題意識を持っているのですけれども、私は今防災農水商工常任委員会に所属しておりますので、委員会で取り組むことといたします。でも、執行部の皆様には、今のようなことも頭に置いていただければと、そのように存じます。

 では、四つ目の大きな項目の獣害対策へ進ませていただこうと思います。(1)のシカの特定鳥獣保護管理計画の進捗状況についてと、(2)のカワウによる被害についてを一括して伺います。

 今年度から、農水商工部と環境森林部が協力して獣害対策プロジェクトをつくっていただきました。また、獣害対策担当参事という役職まで置いていただきました。感謝するとともに大変期待しております。猿については、本年度に保護管理方針をつくっていただいているところですが、シカについては既に保護管理計画ができていて、岩田議員が質問で触れられましたように、5万頭いるもののうち1万頭が適正な頭数であるというようになっています。その保護管理計画の進捗状況についてお聞かせください。

 次に、カワウでありますが、カワウによる被害というと皆さん、川の被害、それもアユの食害を想像されるのではないでしょうか。今年度からアユの食害被害の実態調査をするということで、それは大変ありがたいのです。ぜひともよろしくお願いします。ところが、カワウはそれだけではなくて、海の漁師さんたちのことも大変困らせております。

 例えば、これは地元で晩御飯を食べておったときに、隣り合わせた人が言ってきたことなんですけど、その人はタイの養殖をしておって、タイの稚魚2万匹をカワウに6000匹にされてしまったと。その人の息子さんは2万匹のタイの稚魚を1匹にまでされてしまったんやというように訴えられまして、熊野灘漁協に問い合わせましたところ、1万匹が6000匹になったというような事例は確かににあると。カワウの被害については非常に困っておると、そのように伺っています。養殖業者だけではなく、定置網なんかにも被害が出ていると聞いています。ということは、県内全体で漁業被害が出ているものと想像できますが、カワウによる被害対策の環境は整っていますでしょうか。

 質問をまとめますと、シカの保護管理計画の進捗状況とカワウの被害対策の2点を環境森林部長に御質問します。よろしくお願いします。

   〔渡邉信一郎環境森林部長登壇〕



◎環境森林部長(渡邉信一郎) まず、ニホンジカの捕獲状況をお答えいたします。

 ニホンジカの第2期特定鳥獣保護管理計画では、平成23年度末を目標に平成19年度から捕獲を進めております。平成19年度の捕獲実績は、昨年の平成18年度よりも1508頭多い7979頭となり、目標頭数といたしておりました7600頭を上回っております。今後も、目標の達成に向けて適正な保護と管理を進めてまいりたいと思います。

 一方、カワウにつきましては、その水産被害は全国的にも課題となっており、国では法を改正いたしまして、平成19年度から狩猟鳥獣といたしております。さらに、カワウの有害捕獲の許可は県が行っておりますが、法に基づきまして、鳥獣被害防止計画を策定いただいている市町でカワウの捕獲許可権限の移譲を希望される市町におかれてはそれを移譲しておりまして、迅速に許可を出せるようになっております。現在、県内では7市町に権限を移譲いたしております。

 県といたしましては、カワウの捕獲がさらに進むように、猟友会に協力を求めていくとともに、カワウのねぐらやコロニーの調査などを実施いたしております。また、環境省が主催をいたします中部近畿カワウ広域協議会に参加をいたしまして、各府県のカワウの調査結果の共有や他府県との情報交換を行うとともに、被害対策について普及を進めてございます。

 さらに、カワウなどの捕獲につきましては、狩猟者の確保が重要であることから、狩猟免許試験日を増やすなどの工夫をいたしております。今後とも、関係者と十分連携をいたしまして被害の軽減を図ってまいりたいと思います。

   〔6番 村林 聡議員登壇〕



◆6番(村林聡) 御答弁ありがとうございます。

 カワウについては、どうしても猿、シカ、イノシシの影に隠れがちですので、よろしく進めていただきたいと思います。

 これは後の話にも係ってくると思いますが、とれるというところまでの制度は非常に十分と言えるほど進めていただいておるんですが、じゃ、カワウをだれがとるのかというと、今、猟友会というお話でしたが、カワウをとっても多分お金にならないですし、なかなか難しいんじゃないかなというようなところも感じます。

 後のお話と少しリンクして、シカについては大変進めてくださっておるということはわかります。5万で7900以上ですから、しかし、その割には実感がないと、そういうように地元でこれだけいろいろ獣害対策をしていますというような話を説明しても、皆さんから非常におしかりを受けるんです。山に草が生えないぐらい食べられているとか、海から、漁師どころから山のほうにお嫁に来て40年、タケノコとフキが食べられることが楽しみだったのに今年は口に入らんかったとか、そういうような実感が全くないと。実感がないどころか、むしろ農作物の被害以外へと広がりを見せているようにさえ感じております。

 どういうことかといいますと、夜に道路わきでよくシカを見かけるんですけれども、そのシカが急に飛び出してくるというようなことがあるんですね。ぶつかるとどうなるかといいますと、映写資料をお願いします。こんなことになります。(パネルを示す)もうこれはひどいですよね。あそこのタイヤのわきのところを巻き込んでこの後ほとんど動けない、走れないような状態で、これは僕の車なんですけど、僕ががらがらがらといいながらうちまで帰ったわけです。10万円かかりました。10万円というのはいいほうなんですよ。いろいろ後でお話を聞きますと、廃車になることもまれですし、エアバックが開いてしまえば50万円以上かかるなんていうこともよくあるようです。そのときのバンパーの破片がこんな感じなんですけど、(実物を示す)本当になかなか大変なあれです。

 今、こうやって議場に皆さんの笑いが広がりましたけれども、僕がぶつかったということで僕の地元でも笑い話として広まりました。県政レポートに今さっき映写していただいた写真を載せたらますます広がって、するとどうなったかといいますと、同じような事故に遭った人からの情報や何とかしてくれという苦情が僕のところに集まり出したんですね。地元の板金屋へ行ってみたんですよ。そうしたら、この並んでおる3台はみんなシカやにと、今一番のお得意さんやと、そんなことを言われるんです。冗談ですけどね。

 ひどい例は、例えば新聞配達のバイクが早朝シカにぶつかられたと。入院です。それどころか、一時失明しかけて今も後遺症に苦しんでおると、そういうわけですよ。もう僕の話とかを聞いて、僕の事務所に見えられて、速やかに何とかしてくださいと、こうおっしゃられるわけですけれども、ちょっと変わった例でいいますと、車で夜走っておると群れが道を全部ふさぐことがあるんですよ。そんな状態ですよ。逃げないんですよ、車が来て。群れが道をふさいだもんで、仕方なく停車したら、停車した車に向かって2匹突っ込んできて、そのまま車は修理行きみたいな、そんなお話なんかも伺いました。

 これは大変なことが起きているのではないかということで、我が会派が会派の政務調査費を使わせていただきまして、三重大学の地域開発研究機構へと調査を委託しました。2万枚のアンケートを新聞に折り込みましたところ、100件を超える回答が寄せられました。問題があることは明らかです。農作物などの被害を超えて、県民の生命、財産、もう本当に命にかかわるような、そこまで広がってきています。ちょっと話はそれますけれども、ダニを非常に連れてくるんですね、ヒルやダニを。そのダニにかまれて非常に高い熱を出して生死をさまようというようなケースなんかも伺っています。そういう生命、財産の問題になってきておるとも言えます。

 しかし、ここまで調べて県にこれについて質問しようにも、何かちょっと適当なところが見当たらへんのですね。道路だから、じゃ、県土整備部かというと違うような気がしますし、交通事故だから県警本部長かというとやっぱり違うような気がしますし、農水商工部や環境森林部の範囲は超えているように思いますし、政策部も恐らく困るやろうと、そんなふうに思うんですね。

 この図を見てほしいんですけれども、(パネルを示す)また自作の図なのでわかりにくいかもしれませんけど、地元の人たちの話を聞いていく中でこういう対策が必要なのではないかなというように感じてつくったものです。その一番循環しておる輪の一番下のわなですね。環境森林部がわなの許可を非常にとりやすくしていただいて、農作物被害に遭っておる方は自分でわなの免許を取れるように配慮してくださっています。とるというところまで来たときに、その後、とれたシカはどうしたらいいのかとみんな困っています。わなの免許をわざわざ自分できちっと取って、とるというところまで行く人もなかなか少ないです。

 そうすると、この循環の輪のわなまではいいですけど、とるとか処理というところがもう既に詰まっておるというように思うんですね。ごく私的なアイデアですけど、そうしたらもうとるとか、処理の部分に何か別のところから人を連れてこないといかんのやないかなと。この循環がわずかでもお金になれば推進力になって自分で回りますから、お金になるもの、例えばペットフードなんかどうかなと。ここで食べるというのは、やっぱり天然の食物連鎖の中でオオカミが絶滅してしまって、今食べられていないわけです、増え続けて。ですから、オオカミの代わりに食物連鎖を補うという意味でもどうだろうかと。

 どうしても値段は高くなりますので、ブランド化は不可欠じゃないかなと思いますし、ただ、人間以外の食べ物のブランド化というと、なかなか先進的、多分ほかに余りないと思うので、早く取り組めばうまくいかんでもないのやないかなと。いずれにしても、行政が自分でこの輪を回し続けるということになりますと、ずっと税金を入れ続ける、押し続けるということになりますから、こういう完結した輪の中で、しかも自立して自転するような輪をつくらないかんと思うんですね。映写資料ありがとうございます。

 これは今のペットフードとか、そういう今の図の間にこだわる必要はないんですが、要するに、自立自転するようなこういう図を考えてくれるかぎになる人が県にはいないんじゃないですかということが言いたいわけです。計画とか、目標とか、制度自体はよくできていて十分だとさえ思います。しかし、県は制度をつくっただけで、コントロールしていないんじゃないかと、そんなふうに思います。ですから、さっきのカワウのお話も非常にありがたいんですけど、この輪が最後まで完結しないんじゃないかなと。わなのあたりの段階でとまってしまっておるんやないかなと思います。

 天敵もいないのに増え続けている生き物というのはやっぱり不自然です。ならば、生態系のバランスを保つプレイヤーが必要なのではないでしょうか。県にも、地域にも、そういう人々をつくらないと、管理計画の達成は難しいと思います。そのように問題を提起させていただきます。

 では、5番目の総合型地域スポーツクラブについての質問に入ろうと思います。

 この総合型地域スポーツクラブというのは、初心者からトップ選手まで、子どもから大人まで、一貫した指導のもと、地域で支えるスポーツクラブです。今までのチームありきではなく、参加者起点、まずスポーツをしたいと思う参加者ありきだというように理解させてもらっています。県がすべての市町で総合型地域スポーツクラブが設立されることを目標に取り組んでいることは11日の本会議でお聞きしましたが、映写資料をお願いします。(パネルを示す)まるっと私の住んでおるあたりが空白地域です。度会郡と紀北町ですね。これがもう図ったように真っ白であります。これを教えてくれたのは青木謙順議員なんですけれども、そこで地元でこの総合型地域スポーツクラブをつくろうと頑張っている人、お二人に話を聞いてみました。すると、この地域独特の事情というのが見えてまいりました。映写資料ありがとうございます。

 それはどういうことかといいますと、実はこのあたりの地域はかなり切実にこの総合型地域スポーツクラブを必要としているということです。なぜかといいますと、子どもの数が少なくなってきて、部活が成り立たなくなっている種目が出てきているからです。部活動が成り立たないんですね。例えば、中学校の女子バスケットボール部が今年からなくなったとか、そういうお話も聞きます。ということは、中学生の女の子がバスケットボールをしたいと思っても、する場所がないということになります。参加者起点、やりたいときにそこにチームがあるという総合型地域スポーツクラブが運動部の代替機能を果たす、そういうことが期待されています。

 また、普通のスポーツクラブであれば、親が送り迎えをしなければならず、例えば片道1時間だとかざらだと思うんですが、1時間行って子どもが1時間そこで卓球なりをした後、また迎えに1時間、片道30分でも何でもあれですけど、とても負担が大きいと思います。しかし、この総合型地域スポーツクラブの地域で支えるという仕組みであれば、隣のおばさんも同じチームかもしれませんので、そういう場合であれば一緒に車に乗せていってくれるかもしれません。しかしながら、もし総合型地域スポーツクラブが部活の代わりとなったときには、中体連の大会に出場できないのではないかというような課題もあります。

 質問をまとめます。総合型地域スポーツクラブが早期に設立されるよう引き続き取り組んでもらいたいのですが、その際には学校の運動部とのすみ分けなど、それぞれの地域の実情を十分に踏まえながら設立を支援していく必要があると考えますが、いかがでしょうか。御答弁をよろしくお願いいたします。

   〔向井正治教育長登壇〕



◎教育長(向井正治) 村林議員の総合型地域スポーツクラブにつきまして御答弁申し上げます。

 議員御紹介のように、生徒数の減少などによりまして、小規模校では既存の運動部の活動が困難な状況になるものもございます。子どもたちのスポーツニーズに十分にこたえられていないと、そういう地域があることを十分認識しております。こういった状況を解消するためにも、身近な地域でだれもがスポーツに親しみ、子どもたちのスポーツニーズにこたえる場として、総合型地域スポーツクラブの設立が望まれるところでございます。

 県内で既に29市町のうち、21市町で総合型地域スポーツクラブが設立されております。議員に映していただきました三重県地図の中でも、青い部分がそうでございます。黄色く表示された部分、桑名市、亀山市、木曽岬町で黄色くなっておりますのは設立の準備中ということで、残りの部分がまだ取組が進んでいないということでございます。

 そういった地域のスポーツ環境を充実させようという強い思いの方もみえます。議員からも2人の方を御紹介いただいたところでございます。そういった地域の実情にも最も精通している地元の熱心な方々の努力によりまして設立されたところも実はございます。教育委員会といたしましては、こういった事例も参考にしながら、地域の実情に応じたクラブの設立に向けまして、それをお手伝いするという意味で社会教育主事を派遣しております。南伊勢町のほうにも派遣させていただいているところでございます。

 実際に中学のクラブ活動の中の大会への出場等についても、いろんなところでまだまだ課題が多うございますが、こういった空白地域がぜひとも早くなくなるように、市町教育委員会とも連携を図りながら推進してまいりたいと、かように考えております。

   〔6番 村林 聡議員登壇〕



◆6番(村林聡) 御答弁ありがとうございます。

 進めていっていただいておるようですし、また、地域の事情も酌んでもらえるというような御答弁だったと思います。中体連のその先には、大会に出られないという寂しい話があると思うんですね。どうも伺ったところによると、合同チームとか、そういうような出場の仕方もあると。特に例えば個人種目であれば、臨時でその部活動をつくることによって出場したりすることもできるというように聞きましたので、ぜひともそういう柔軟な対応もしていただきたいと思います。

 ところが、一方、ドリームチームの危険性があるというお話なんかも地元では伺っております。総合型地域スポーツクラブが大会に出られるということになりますと、優秀な選手をそこへ全部集めてそれで出てしまうんやないかという危惧する声なんかもあります。しかし、それは総合型地域スポーツクラブの本来の趣旨からは全く外れておると思いますので、そういうことなんかもぜひ考慮に入れながら設立の支援をしていっていただきたいと、そのように思います。

 では、最後の項目、6番の障がい者の駐車場利用の利便性向上についてに入りたいと思います。

 ちょっとタイトルからではわかりにくい話だと思いますが、順を追ってお話ししたいと思います。障がい者の駐車場のあれですけど、障がいをお持ちの方からお話を伺う機会があったんですけれども、この質問はそのときに聞かせてもらったことがもとになっております。映写資料をお願いします。

 (パネルを示す)この車いすのマークを町で見かけることがありますよね。このマークを張っている自動車もよく見かけませんか。張っておると思います、後ろとかに。また、この車いすのマークの入った駐車スペースなんかもありますよね。県庁の前なんかにもあると思います。ところが、ごく一部ではあると思いますが、不心得者がいて、障がいを持っているわけでもないのに、このマークを自動車に張って駐車場にとめているんだそうです。それで困っているのだというお話を聞きました。

 それでは、この車いすのマークがどういうものなのかといいますと、ちょっと資料をそのまま読み上げますと、「障がい者が利用できる建築物、施設であることを明確に示す世界共通のシンボルマークで、1969年に国際リハビリテーション協会の総会で採択されました。」というものです。版権は財団法人日本障害者リハビリテーション協会がお持ちです。使用指針とかをいろいろつくっていただいて、にせもののマークなんかはいろいろ取り締まったりもしていただいておるようなんですが、それほど大きな団体でもないというようには伺っております。

 ということで、この車いすのマークは自動車に張ることは予定されていないということになります。エレベーターの少し低い位置にあるボタンがありますね。ああいうわきなんかに張ってあるのもみますが、ああいう使い方が本来予定されている使い方だということになります。

 では、一方、自動車に張るマークはといいますと、こっちの四つ葉マークがあります。(パネルを示す)警察庁交通局のマークで、これも資料をそのまま読み上げますと、「自動車の運転免許を受けた人で、肢体不自由であることを理由に運転免許に条件がついている人が自動車に添付します。このマークをつけている自動車に幅寄せや割り込みをすると道路交通法違反になります。」というものです。

 しかし、このマークでは運転者だけの話ですし、障がいをお持ちの方を一緒に乗せている場合は該当しません。内部疾患をお持ちの方も該当しないでしょう。また、道路交通法のお話なので、道路や公道ではない駐車スペースでの問題にも当たらないわけです。映写資料ありがとうございます。

 どうもお話を伺っていますと、この問題というのは、さっきの二つのマークのちょうどすき間で起きている問題のように感じられます。これらのマークを整理研究する必要があるのではないでしょうか。例えば、佐賀県のパーキングパーミットのような独自マークをつくるというような取組も全国にはあります。

 質問をまとめます。二つのマークを整理するように研究していってほしいということと、今後障がい者の方が駐車場で困らないための方策について、県はどのようにお考えになりますでしょうか。御答弁をよろしくお願いいたします。

   〔堀木稔生健康福祉部長登壇〕



◎健康福祉部長(堀木稔生) 障がい者の方の駐車場利用の利便性の向上につきましてお答えしたいと思います。

 議員のほうから御紹介がございましたが、障がい者の方が利用できる建築物及び施設であることを示すいわゆる車いすマーク、これは正式名称が「国際シンボルマーク」といいますが、これを障がいのない人が車に表示し、車いす使用者用駐車区画を利用していることは極めて不適切な使用であり、とても残念なことであります。

 この車いすマークの適正な使用のあり方につきましては、議員からも紹介がございましたように、国際リハビリテーション協会に日本の代表として加盟しております財団法人日本障害者リハビリテーション協会がその使用の管理や法的保護の権限を持っております。個々の状況について、また県としても伝えてまいりたいと考えております。

 また、議員から御紹介がございました佐賀県をはじめ7県で利用されていますけれども、他県におきましては、車いす使用者用駐車区画を必要とする人が利用できるように利用者証、これをパーミットといいますが、これを交付いたしまして、駐車区画を利用できる人を明らかにしておりますパーキング・パーミット制度を導入してございます。この制度を導入している県におきましても、やはり同じように不適切な利用が見られるなど、マナーについての啓発が課題となっているというふうに伺っております。

 三重県といたしましては、視覚障がい者の方や内部障がい者の方、妊産婦や乳幼児連れの方など、施設に近い場所に駐車することが望ましい人を対象といたしました三重県独自の取組といたしまして思いやり駐車区画の設置を進めてきております。これにつきましても、岐阜県等数県が導入されております。今後とも、駐車区画の利用マナーのモラルの醸成など、県民意識の高揚を図りますために、市町やNPO団体などと協働いたしまして、多くの県民の方が集まりますイベントの機会を利用しまして普及啓発に努めてまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。

   〔6番 村林 聡議員登壇〕



◆6番(村林聡) 御答弁ありがとうございます。

 たとえほかのマークを導入したとしても、やはり最後はマナーの問題になるというような御答弁だったと思います。しかし、マナーの前にマークにもし未整理の部分があるというのなら、やっぱりマナーを言う前に少しそれを整理するべきじゃないかなと、そのように思います。例えば、ごみのぽい捨てがマナーの問題であるから、ぽい捨て条例なんかは無意味かというと多分そうでもないでしょうし、優先座席なんかもマナーを守らない人がいるから無意味かというと、多分そういうことでもないでしょうから、マークについて研究を続けていってほしいわけです。

 ただ、先ほどのマーク、車いすのほうのマークは国際的なマークでありますから、日本一国のことではないかもしれませんし、四つ葉のマークであれば警察のほうも含めて、あるいは全国的な問題でもあると思います。すぐにそんな解決するようなことではないと思いますけれども、継続して努力していってほしいと、研究していってほしいと、そのように要望させていただきます。

 今回の質問の中で、三方よしという考えを少し述べさせていただきましたけれども、この考え方はひょっとしたら1次産業にも言えるかもしれないなというように思っています。例えば、おいしくて、体によくて、安全・安心で、しかも安いものがあれば、それはすごいいいものだというような風潮がありますけれども、どこか何かおかしいんじゃないかなという気がしております。

 それはいいものでしょうけれども、三方のうちのどこかを泣かせたり、無理させたりしているんじゃないかなと。そういう循環の中で一巡、二巡はいいかもしれませんけれども、どこかに無理をかければいずれはみんなが笑っていられなくなるんじゃないかと、そんなふうに思います。恐らくこの考え方というのは、いっときもうかったとしても、どこかを泣かせたり無理していれば必ず自分にしっぺ返しが来て最後は損してしまうという、これは道徳とかそういうことでは、道徳もそうでしょうけど、恐らく商人、あきんどのそういう座右の銘ですから、実利面から見ても恐らく最後は損をしてしまうんやないかなと、そんなふうに考えています。

 今、道徳というお話もしましたけど、道徳も恐らくそうだと思います。正直であるとか、マナーを守るとか、そういう話が一見マナーを破っておる人に対して損をしておるように見えておっても、世間よしという部分で最後は自分の利益になるそういう部分だと思います。

 少し余談ですけれども、三重県食の安全・安心の確保に関する条例に私は反対させていただきましたが、あの問題も実はちょっと似た部分があるんやないかというように考えます。あれは食べる人とつくる人が分けて考えてあって、食べる人の安全・安心を守るためにつくる人に無理をさせようというような条例に私は感じられました。ちょっと無理をさせるというのは、みんなが笑顔になれないんやないかなと、そんなふうに思うところであります。少し時間がまた余ってまいっておりますけれども、ぜひ、一生懸命質問させていただきましたので、この質問の前と後で何かが少しでもよくなればと、そのように思っております。では、御答弁をいろいろいただきましてありがとうございました。質問を終結いたします。(拍手)



○副議長(野田勇喜雄) 43番 西塚宗郎議員。

   〔43番 西塚宗郎議員登壇・拍手〕



◆43番(西塚宗郎) 新政みえの西塚でございます。6月会議の一般質問の最後でございます。お疲れのことと思いますが、最後までよろしくお願いをいたしたいと思います。

 先日、森野議員の質問でも取り上げられましたけれども、去る6月3日、厚生労働省は人口動態統計の概数を発表いたしました。それによりますと、女性1人が生涯に産む子どもの数を示す合計特殊出生率が3年連続で上昇し、2008年は1.37となりました。ちなみに、三重県の合計特殊出生率は全国平均を0.01上回る1.38であり、最高は沖縄県の1.78であります。最低は東京都の1.09でありました。日本における合計特殊出生率は1960年代から70年代前半までは2.0前後で推移したものでありますけれども、75年に2.0を割り込み、2005年には1.26と過去最低を記録いたしました。その後、06年が1.29となり、07年が1.34と上昇傾向にあります。

 自分自身が第2子出産を控えた小渕少子化担当相は、出生率が上がるのは喜ばしい。これまでの少子化対策が少し形になってきたという気もするが、気を緩めず対策を進めたい、このようにコメントされてみえます。出生率の低下は晩婚化や未婚化が大きな原因と見られますが、人口維持に必要とされる水準は2.07であり、アメリカ2.10、フランス2.02、イギリス1.90と諸外国と比較しても日本の低水準ぶりが際立っているところであります。厚生労働省は、女性の人口が減る傾向にあり、今後、出生率は減少傾向が出てくると予想しており、出生率の3年連続の上昇に慢心することなく対策を進めていくべきであろう、このように考えているところであります。

 前置きが少し長くなりましたが、通告に従って質問させていただきます。

 質問の第1は、木曽川水系連絡導水路事業についてであります。

 木曽川水系連絡導水路は一般的に徳山ダム導水路と言われるもので、この事業は徳山ダムに確保した渇水対策容量と、新規開発した愛知県と名古屋市の特定水利権量を揖斐川から長良川、木曽川へ導水することにより、木曽川水系における流水の正常な機能の維持及び利水の安定供給に資するための導水路として計画されている事業であります。

 徳山ダムにおける利水計画は、当初水道用水に毎秒10.5立方メートル、工業用水に毎秒4.5立方メートル、合計毎秒15立方メートルの利水計画を設定されたものであります。その後、平成10年1月に名古屋市の水道用水を毎秒3立方メートル減量する計画変更がなされ、平成16年には愛知県、岐阜県、名古屋市の利水参画量が減量され、当初計画の毎秒15立方メートルから毎秒6.6立方メートルに減量する計画変更がされました。

 しかし、利水計画が大幅に縮小されたにもかかわらず、名古屋市の水道用水の減量、毎秒3立方メートル相当分を木曽川水系の異常渇水時における補給水にするとともに、徳山ダムの洪水調節能力が見直され、洪水調節容量が増加されたことから、ダムの規模の変更はされず、総事業費のみが2540億円から3500億円に増額変更されました。その後、事業は平成20年3月に概成し、堤体工事の見直しなどにより約159億円のコスト縮減が図られ、全体事業費は約3341億円となり、三重県の負担額も4億円減額され、約97億円支払われることになりました。

 こうした徳山ダムの建設目的や利用計画が変更される過程で、徳山ダムで開発された水を有効利用するために、平成16年6月の徳山ダム事業に係る愛知県、岐阜県、三重県、名古屋市の3県1市副知事助役会議において、導水路の早期具体化に向けて検討を進めることを中部地方整備局に要請したことから、具体的な検討が進められ、事業着手されたものであります。

 木曽川水系連絡導水路計画の目的である異常渇水時の河川環境の改善について、異常渇水時、これは平成6年規模の渇水を対象にシミュレーションされているわけでありますけれども、徳山ダムの水を揖斐川から長良川、木曽川に導水することにより、河口から約24キロ、東海大橋の約1キロ上流の木曽川成戸地点で、毎秒40立方メートルの流量を確保し、瀬切れを防止するとされています。

 この成戸地点の流量40立方メートルの内訳を見てみると、徳山ダムの渇水対策容量から16立方メートルを導水するとともに、24立方メートルは木曽川ダム不特定補給で補っております。この木曽川ダム不特定補給とは、導水路の上流部に位置する阿木川ダム、味噌川ダム、新丸山ダムに確保されている水で補うものであり、独立行政法人水資源機構のホームページによりますと、木曽川成戸地点の正常流量とされる毎秒50立方メートルの80%に相当する毎秒40立方メートルを確保することで河川環境を守るとされています。

 一方、同じ水資源機構のホームページによりますと、長良川忠節地点においては、毎秒4立方メートル増水しても、正常流量とされる毎秒26立方メートルの42%である11立方メートルの流量で河川環境を守るとされています。このことから、各河川の正常流量と河川環境を守る流量の比較において、木曽川水系連絡導水路事業を進めるため、意図的な説明が行われているのではないかと疑問に感じているところであります。

 また、都市用水の渇水被害への軽減効果については、平成6年の異常渇水時には愛知県では水道用水の断水に追い込まれたと聞いておりますが、木曽川上流ダム群の枯渇日数が36日から28日へと軽減されるとともに、上水に対する35%以上の取水制限日数が81日から45日間へと短縮され、渇水による社会経済活動への影響がおおむね半分程度に緩和されるとされています。三重県では、北伊勢工業用水道が平成6年7月15日から30%の給水制限に入り、8月15日から60%の給水制限を実施したため、約150億円の被害が発生したと言われ、導水路ができればこうした被害が軽減されるとしています。

 ところで、先般、名古屋市長選挙で圧倒的な支持を集められ当選された河村たかし市長は、5月15日、徳山ダム連絡導水路事業に対して今年度の支払いを一時とめ、市民や専門家の意見を聞いた上で必要性について検討することを表明されました。いろいろと申し上げましたが、私はこの際、無駄が無駄を呼ぶと多くの皆さんから批判されている木曽川水系連絡導水路事業を中止したらいかがかと考えておりますが、知事の御所見をお伺いいたします。

 また、三重県においては、異常渇水時においても企業庁が持っている既存の水源、施設を上手に利用するなど工夫すれば、被害の軽減どころかゼロにすることが可能であると考えますが、いかがでしょうか。お答えください。

   〔野呂昭彦知事登壇〕



◎知事(野呂昭彦) 木曽川水系連絡導水路事業でありますけれども、これは平成20年3月に完成しました徳山ダムに確保されました渇水対策のための補給水と、新たに開発した都市用水、これを揖斐川から長良川及び木曽川へ導水するものでございます。これによりまして、異常な渇水時におきましても既得用水などの安定的な取水を図りまして、また、本来河川が持っております漁業や塩害の防止、動植物の保護、こういった機能を維持確保することとあわせまして、愛知県、名古屋市の水道用水や工業用水の利活用を図るということを目的といたしまして国において計画をされまして、現在、水資源機構により実施をされておるという事業でございます。

 木曽川水系の治水、利水につきましては、過去から様々な面で県境を越えた協議、調整、協力がなされてきておるところであります。徳山ダム及び導水路につきましても、国、水資源機構と愛知県、岐阜県、名古屋市、三重県の3県1市の連携によりまして事業を進めてまいりました。名古屋市長の発言でございますが、これについてはまだ市長の個人的な意見としての段階でありまして、名古屋市としての意見ではないと承知をいたしております。

 これまで、私たちは木曽三川の豊富な水を利用するということによりまして大きな恩恵を受けてきたところでございますけれども、一方では、平成6年のように大きな渇水に見舞われまして、甚大な被害を受けてきたということも事実でございます。加えまして、近年、地球温暖化の影響によりまして降雨量の変動などで、一方で豪雨、一方では渇水の発生する頻度が高まってくるものと懸念もされております。こういうような状況のもと、導水路事業につきましては、渇水対策としても有効であり、河川環境の保全、あるいは社会経済活動を支えるものとして必要なものと考えております。

 三重県といたしましては、導水路事業につきましてはあくまで国の事業でございますから、今後どのように事業を進めていくかにつきまして、費用負担であるとか、関係自治体の意見を十分踏まえた上で、まずは国、水資源機構が主体となり、議論、調整が図られるべきものであり、今後その動向については注視をいたしまして、適切に対応をしてまいりたいと考えております。

   〔高杉晴文企業庁長登壇〕



◎企業庁長(高杉晴文) 工業用水に関します御質問にお答えいたします。

 北伊勢工業用水道事業は、木曽川、長良川、員弁川の三つの河川から取水しており、1日当たり給水量ベースで99万立方メートルの水源を確保しています。

 各水源の状況といたしまして、木曽川につきましては独立行政法人水資源機構が管理しています岩屋ダムを水源としており、近年たびたび渇水が発生しています。長良川につきましては、千本松原取水所地点で、塩分でございますが、塩水が混入するため取水が困難な時期がありましたが、平成7年度以降は長良川河口堰の運用が開始され、塩水の遡上がなくなったことから安定取水が可能となっています。員弁川につきましては、流況が悪化している状況もありますが、一定量の取水は可能でございます。

 また、北伊勢工業用水道事業の運営状況といたしましては、現在1日当たり契約給水量は約71万立方メートルで、給水量は平均約44万立方メートルで推移しており、安定供給を行っているところでございます。企業庁としましては、これまでも通常の渇水時には既存の水源や伊坂ダム、山村ダムの貯留水を活用することなど、水運用を工夫し、安定供給の確保に努めてきたところであり、近年、平成8年度以降でございますが、給水制限には至っておりません。

 今後も、基本的にはこれまで同様対応していくことになると考えていますが、平成6年並みの異常渇水が発生した場合は被害が生じることも十分想定されます。なお、木曽川水系連絡導水路の整備により、異常渇水時には取水制限日数が短縮できるとされていますので、三重県の都市用水にとっても間接的な効果があると考えております。

 以上でございます。

   〔43番 西塚宗郎議員登壇〕



◆43番(西塚宗郎) 先ほど私も申し上げましたように、平成6年の異常渇水時には三重県の漁業なりにも影響したと、こんなふうにお聞きをしているところでございます。シジミの被害が出たと、こんなことも言われておりまして、木曽川以外の河川も含めて三重県下全体で工業用水以外に約16億円の被害が出た、こんなふうにお聞きをいたしております。

 ただ、平成17年の渇水時には、先ほども企業庁長がおっしゃられたように、ほとんど被害が出なかった、こんなことも実は言われているわけであります。そんなことなどを考えていくと、果たしてこの導水路が必要なのかどうか、甚だ私自身は疑問に思っているわけでありますけれども、今日まで3県1市で合意し事業を開始してきた問題でありますので、三重県の費用負担が増えないようなそんな努力をぜひお願いしたい、このことだけ申し上げておきたいと思います。

 次に、質問の第2でありますけれども、県立病院改革に関する考え方についてであります。

 この課題につきましては、2月に全員協議会で基本方針案が示されて以来、県議会においても様々な議論が行われてまいりました。今日の一般質問でも、私の前の3人の議員がそれぞれ取り上げられたものであります。また、県民からも937通のパブリックコメントが寄せられ、私ども新政みえに対しても88通の御意見をいただきました。さらに、一志病院、志摩病院における県民説明会においても、多くの意見が出されたところであります。ただ、私は県議会における議論は質問、答弁にずれがあり、すれ違いに終わっているのではないか、こんな印象を持っているところであります。そこで、改めて県立病院改革について質問させていただきたいと思います。

 質問に入る前に、知事の認識の誤りを指摘しておきたいと思います。知事は、県立病院改革に当たって、民営化手法の導入議論は三重県議会公営企業事業の民営化検討委員会の最終報告書を参考にしていると言われております。去る9日の一般質問で、舟橋議員は、民営化検討委員会の最終報告は議長の諮問機関からの答申として議長が受けたものであり、議会としての意思は別途議長声明として発表したと述べられました。

 このことについて、知事は、民営化検討委員会の最終報告書は直接受けたものではないが、平成20年2月の県立病院等調査特別委員会提言に、本委員会では、公営企業事業の民営化検討委員会の最終報告書とあわせて次の提言をいたしますと記述されている部分を指摘され、知事が直接受けたことと同じであると、このように反論をされました。

 しかし、県立病院等調査特別委員会の提言には、県立病院の経営形態については民営化にこだわることなく、最も県民福祉の向上が図られるものにすることとされ、次のように記述されております。「民営化検討委員会の最終報告では、経営形態としての民営化の選択肢を示していますが、『まず民営化ありき』というものではありません。県に限られた予算・医療資源を最大限に活かし、継続的に県民サービスの維持・向上を行うべきものとの観点で検討を行い、選択肢の一つとして民営化に言及したものであります。」となっています。知事は、私の質問に対し、「よく読んでもらえばわかる」とか、「部分的に取り上げて自分のよいとこどりするな」とおっしゃいますけれども、私はこの言葉をそっくりお返ししたいと思います。

 さて、三重県議会では、さきに述べたように、議長の諮問機関である三重県議会公営企業事業の民営化検討委員会の最終報告を受け、平成19年4月24日、議長から知事に対して県立病院に係る地方公営企業法の全部適用の検証を要請いたしました。その後、県立病院等調査特別委員会が設置され、三重県議会公営企業事業の民営化検討委員会の最終報告の流れを受けつつも、必ずしも県立病院の民営化推進の立場ではなく、真に県民にとって必要な県が行うべき医療のあり方について検討がなされました。そして、平成20年2月、一つ、県立病院の経営形態の検討に当たっては、現在行われている地方公営企業法の全部適用について、その効果と限界を検証すること、2、県立病院の経営形態については民営化にこだわることなく、最も県民福祉の向上が図られるものにすることとの提言が行われたところであります。

 ところで、地方公営企業法全部適用の検証の経緯について、基本方針案では、三重県は県議会議長の要請に対しては県立病院等調査特別委員会に平成19年10月10日付、病院事業に係る地方公営企業法の全部適用の検証を報告し、また、平成20年2月の県議会特別委員会からの改めての提言に対しては、病院事業の在り方検討委員会へ議会に報告されたものと同じ資料が提出され、審議をいただいたとしています。

 しかし、これは事実と全く異なります。なぜなら病院事業の在り方検討委員会へ資料が提出され、審議が行われたのは、議長の要請に従って県議会特別委員会へ報告したとされる20日前の平成19年9月20日に開かれた第2回検討委員会であります。県議会特別委員会では、平成19年10月10日に報告された検証は不十分とし、改めて検証すべきとの提言を行ったものであります。この提言に対する検証を全く行わず、あたかも検証を行ったがごとく基本方針に記述されたことは議会軽視も甚だしく残念であります。どうしてこのようなことになったのでしょうか。お答えください。

 次に、県議会が求めています地方公営企業法全部適用の検証について具体的にお尋ねいたします。

 一つは、全部適用の検証の経緯について、基本方針には、「病院事業の在り方検討委員会へ資料を提出し、審議をいただいた結果、県が報告を行った全部適用の検証については、同委員会としてもおおむね妥当であると判断されたと考えています。」と記述されています。

 しかし、病院事業の在り方検討委員会の議事録を見ますと、事務局である県立病院経営室長から、病院事業に係る地方公営企業法の全部適用の検証という資料の説明が行われ、その後、会長をはじめ5人の委員が発言されています。その主な内容は、1、医業外収益と繰入金について、2、病床利用率と医業収益について、3、事務職員の人事交流などであります。これで十分な検証が行われたとお考えなのでしょうか。お答えください。

 二つには、基本方針案に病院事業の在り方検討委員会の答申について、全部適用の趣旨やメリットを最大限に発揮するまでに至っておらず、県立病院が地域ニーズに的確にこたえていくためには、1、診療機能の特化と規模の適正化、2、迅速に対応する経営体制とそれを支える事務部門の強化、3、人材確保と病院経営における給与のあり方、4、企業職員としての意識改革などの課題を解決する必要があり、現在の運営体制では抜本的に解決することは難しいと指摘されたとあります。確かに、病院事業の在り方検討委員会の答申、13ページ後段に同じ記述がされています。

 しかし、先ほど申し上げた四つの課題は県立病院が地域ニーズに的確にこたえていくための課題ではなく、県が病院事業の在り方検討委員会に示した資料のとおり、収支を大きく改善するための主な課題であったはずであります。また、在り方検討委員会においても、その方向で審議が行われたはずであります。なぜこのようなすりかえが行われるのでしょうか。お答えください。

 次に、先ほどから申し上げています地方公営企業法全部適用の検証で上げられた四つの課題の検証についてお尋ねいたします。

 まず、第1に診療機能の特化と規模の適正化についてであります。診療機能の特化や規模の適正化については、公立病院の役割の一つである不採算部門の見直しや診療圏における必要病床数の確保の観点から、県全体としての政策的な意思決定が必要となり、迅速に対応することは困難な状況にあるとしています。これは、民営化や独立行政法人化、指定管理者制度の導入により、県の政策とかかわりなく、病院の診療機能や規模を自由に変更できるようにするということであり、まさに今最も県民が心配していることではありませんか。お答えください。

 第2に、経営管理体制とそれを支える事務部門の強化についてであります。病院を取り巻く環境は大きく変化し、このような厳しい環境変化に迅速かつ着実に実行する体制の充実が求められている。しかし、事務職員は知事部局との人事交流により配置され、専門職としての人材育成並びに確保が難しい状況にあるとしています。病院経営に精通した人材の外部登用による経営体制の強化や、あるいは事務の任期つき職員の採用、あるいは人事異動の周期の見直しなどによる一定の専門職としての人材育成がなぜ図られなかったのでしょうか。お答えください。

 第3に、人材確保と病院経営における給与のあり方についてであります。人材確保の一つの手段として、独自の給与体系や柔軟な勤務条件の構築が考えられる。また、民間病院と比べた職員の給与水準についても、病院経営における側面からも検討が必要である。しかし、実際には、知事部局の職員との均衡を図る必要があり、根本的な見直しは多くの課題があるとしています。

 私は、県立病院の職員の給与水準は平成11年の地方公営企業法全部適用後の職員の賢明な努力の結果、平成13年度から15年度まで収支が黒字になったことを見ても決して高いとは思っておりません。しかし、民間病院との比較や健全経営を目指す上で、人件費が高いとされるのであれば、知事部局との均衡を図る必要があるとされるだけではなく、職種別に同機能の民間病院と比較するなど分析をした上で、制度上可能な範囲において病院職給料表などを検討されるべきではないでしょうか。お答えください。

 第4に、企業職員としての意識改革についてであります。病院経営を継続的に改善し続けるためには、企業職員が高いモチベーションを持ち、経営に参加する運営体制の構築が必要である。しかし、平成18年度の職員アンケートにおいて、病院のビジョンや戦略に関する重要性の認識度は勤務条件や職場環境の項目に比べて極めて低い順位にあり、改善を図る課題となっているとしています。アンケート結果のみで勤務条件や職場環境の項目に比べて、病院のビジョンや戦略に関する重要性の認識度が低く、意識改革を図る必要があるとされるのは余りにも検証が不十分ではありませんか。

 特に近年、慢性的な人員不足の中で、勤務条件や職場環境が悪化しており、現場で働く医療スタッフから見れば、それらの項目に関心が高くなるのは当然のことであります。そうした状況の中で、全職員に病院のビジョンや戦略が十分浸透させられなかったのは、むしろ管理体制に問題があったのではないでしょうか。お答えをいただきたいと思います。

   〔野呂昭彦知事登壇〕



◎知事(野呂昭彦) まず冒頭、私の認識の誤りについて御指摘がありまして、私が以前申し上げた言葉をお返ししたいということでありましたが、さらに私のほうからそちらへお返しをしたいと、こういうふうに思います。もう経緯は西塚議員もよく御存じだと思います。県議会の中でもいろんな意見があって、反対のお立場の御意見もある中で、いろんな経緯をたどって今日に来ておるということもよく承知をしておるところであります。

 特におっしゃいました特別委員会からの提言につきまして、これは最終報告とあわせて次の提言をするということで、20年2月にいただいた中で、先ほど御紹介されました分の後のほうに、さらに公営企業民営化検討委員会、これは県議会の最終報告書を参考にして検討を行うべきであると、こういうふうにも載っておりまして、すなわち、最終報告書というのは、事実上県にもいただいた報告書と同じような位置づけで述べられておるところです。

 私は、最初の検討委員会の最終報告書、まことに県議会としては意気込んで突っ込んで書かれたものだと、こう思っております。この中では、とにかく病院事業庁については一定の改善を進めてきたけれども、しかし、構造的な問題を抱える公立病院としての経営改革には踏み込めていないのではないか。それから、県が供給責任を負う医療サービスというものは、やはり圏域広く及ぶものに限定されるべきだということ。あるいは、民営化のメリットについてはいろんなところがあると。かなりこれを今見ても、私はよく踏み込まれてやられたものだと思います。

 その後、もちろん何次かにわたって県議会のほうでいろいろ議論をされてきたところであります。一番直近にいただきました今年の2月2日の県議会からの病院事業の在り方見直しに関する申し入れ、これは一番直近のものでありますが、この中でも、例えば一志病院につきましては、市町村合併の進展により県立病院としての位置づけが不明確になっている側面もありますと。かなりしっかり率直に書かれておるものだと思います。

 私は拝見しまして、検討委員会で一番最初に議論された。それが議長に対する答申として、その後議長声明も出された。それから、その後、私に対してのいろんな申し入れがありました。県議会の中でも、西塚議員も非常に熱心に議論に参加をされておると思いますけれども、西塚議員のようないろんな意見があって、このまとめには随分当時の委員長なり、あるいは座長を務められた方は御苦労もされたんだろうと思います。その行間にそういう雰囲気が漂ってきておるところでありまして、そういう意味では、今日またそういう中での議論をさせていただくということなんだろうなということを申し上げておきたいと思います。

 それから、いろいろ御質問の中で、全部適用に対する検証についてお話でありましたけれども、これにつきましては、平成19年の4月、議長声明を受けまして、9月に開催されました病院事業の在り方検討委員会に資料の提出をいたしまして御議論をいただきまして、同じ資料を10月に開催されました県立病院等調査特別委員会、これは県議会のほうに報告を行ったところでございます。さらに、平成20年2月には、県議会の特別委員会から、全部適用について、その効果と限界を検証することという提言をいただいたところでございます。

 私としても、毎年、各病院長のフリートークをやっておりますけれども、そのフリートークを行った際に病院事業庁及び各病院の運営面に対します評価が必要であると、こう考えまして、平成19年の11月から第三者によります経営診断を受けさせまして、そして、平成20年3月には、その課題の報告や改善策の提案をいただいたところでもございます。このことにつきましても、全部適用の検証につながるものであったと、こう考えておるところであります。なお、この経営診断につきましては、平成20年2月の第5回病院事業の在り方検討委員会に中間報告を行っておりまして、議論の参考にもしていただいておるところでございます。

 地方公営企業法の全部適用は、法制度の中で認められたものでありますので、この制度での病院運営をすべて否定するものではありません。しかしながら、全国の公的病院の約過半の病院が全部適用ではない独法化であるとか、あるいは民間事業者への委託とか、あるいは民営化、しかし、一部にはもう県立病院としての維持が難しいので診療所化するとか、あるいは老人ホーム等機能を変える、こういうことにもしっかり取り組んでおる。それが全国過半であるように、全部適用についてはいろんな課題が、特に三重県のように四つの病院という複数の県立病院を抱えるところはございます。

 三重県においても、全部適用に移行をしまして約10年たつところでございます。診療機能の特化とか、あるいは規模の適正化、迅速に対応する経営管理体制、それから、それを支える事務部門の強化、あるいは人材確保、病院経営における給与のあり方、企業職員としての意識改革、こういう幾多の課題がありますけれども、これらの課題を解決することができませんでしたし、現在も解決に至っていないところでございます。なお、病院事業の在り方検討委員会におきましては、平成20年5月の第7回、7月の第8回で最終報告案について議論が行われておりまして、現状の課題を踏まえた全部適用継続の可能性ということに対しましては、各委員の認識は共通しておりまして、おおむね妥当であると判断されたものと考えております。

 残余につきましては担当部、あるいは病院事業庁のほうからお答えをいたします。

   〔浜中洋行健康福祉部理事登壇〕



◎健康福祉部理事(浜中洋行) それでは、全部適用の検証の経緯に関する記述につきましてお答えをさせていただきます。

 県立病院改革に関する考え方(基本方針)(案)における地方公営企業法全部適用の検証の経緯に関する記述についてでございますが、議員から御指摘をいただきましたように、あり方検討委員会の資料提出の記述に誤りがあり、議会からの提言に対応した資料をあり方検討委員会に提出したかのような誤解を招く表現となっている部分がございます。この点につきましては、おわび申し上げるとともに、基本方針の決定の際には修正をさせていただきたいと思います。

 次に、全部適用に関する四つの課題について、県の報告では収支を大きく改善するための主な課題であったものが、あり方検討委員会からの答申では、県立病院が地域ニーズに的確にこたえていくための課題とされている点についてお答えします。

 病院事業の在り方検討委員会の答申では、まず、県が行った報告と同じように、収支を大きく改善するための主な課題として、診療機能の特化や規模の適正化など、四つの課題を挙げております。その上で、あり方検討委員会として、改めて医療費の抑制基調や医療スタッフの確保が困難な状況が今後も続くことが予想される中で、県立病院が地域ニーズに的確にこたえていくためには、この四つの課題等についても解決を図る必要があると位置づけた上で、結論として、これらの課題は現在の病院運営では抜本的に解決することは難しいとの判断に基づく答申がなされたものだと考えております。

   〔小山 巧病院事業庁長登壇〕



◎病院事業庁長(小山巧) 全適検証の四つの課題につきまして、私のほうからお答えさせていただきます。

 まず、19年度に行いましたこの病院事業に係る地方公営企業法の全部適用の検証の中で挙げさせていただきました四つの課題のうち、一つ目の診療機能の特化や規模の適正化につきましては、診療圏における必要病床数の確保など、病院経営の健全化には重要な要因であると認識しておりますけれども、県全体としての政策的な意思決定が必要となるため、迅速に対応することは困難な状況にあると言わざるを得ないところでございます。

 しかしながら、県立病院の使命は、経営形態にかかわらず、地域にとって必要かつ良質で満足度の高い医療を継続的に提供するということであると考えておりまして、現在検討が進められております県立病院改革においても県の政策を踏まえ、地域が求めている必要な医療が確実に行われるための諸条件が確保されるべきであると考えております。

 次に、二つ目の事務の強化についてでございますが、県立病院の事務職員につきましては、専門研修の充実を図ることなどにより、病院経営に従事する専門職員としての能力向上に努めてきたところでございます。しかしながら、最近事務職員の人事異動の周期が長期化している傾向にはあるものの、知事部局との人事交流を前提としている以上、そうした人事サイクルのもとで専門職としての人材育成を行うにはどうしても一定の限界があると言わざるを得ません。

 一つの例でございますが、診療報酬制度につきましては、その制度改定が比較的短期に行われるなどの状況にありまして、これに的確に対応できる専門的な能力の蓄積を図るには十分な時間や経験などが必要になってくるということでございます。

 三つ目の給与のあり方についてでございます。県立病院の職員の給与制度につきましては、地方公営企業法第38条におきまして、企業職員の給与は生計費、同一又は類似の職種の国及び地方公共団体の職員並びに民間事業の従業員の給与、当該地方公営企業の経営の状況、その他事情を考慮して定めなければならないと規定されています。

 知事部局との交流による人事配置を行っております現状におきましては、これも例えばですが、知事部局の職員を給与の引き下げを行った県立病院に人事異動させるという場合に不利益処分の問題が発生するというおそれもあることから、現実的な運用においては、知事部局と給与面の均衡を図らざるを得ないという状況にあります。したがって、県立病院に限定した抜本的な給与制度の見直しはなかなか困難ではないかというふうに考えております。

 最後に、四つ目の企業職員としての意識改革でございますが、病院事業庁としましては、全職員参加型の経営システムにするために、平成14年からバランススコアカードを導入しまして、全職員が病院のビジョン、戦略を共有できるような仕組みをつくってきました。バランススコアカードは県立病院経営のビジョンを戦略、目標へ落とし込んでいくためのマネジメントシートでありまして、病院事業庁長、各病院院長が作成しまして、対話を通じて各病院のそれぞれの部門長、セクション長が作成しますマネジメントシートに拡大していきまして、個々の職員にまで浸透させるためのマネジメントツールとして運用しているところでございます。

 しかしながら、病院の経営が非常に厳しい状況に陥っている実態や、平成20年3月に行われました病院事業庁の運営等診断業務報告書での職員の経営に対する関心度が低いと、そういうような報告結果などを見てみますと、職員一人ひとりにまで経営ビジョン、戦略を浸透させ、病院経営に対する関心を高めていくということは大変難しいことだというふうに認識しているところでございます。病院事業庁としましては、さらに病院のビジョン、戦略の職員への浸透に努力し、経営の健全化と職員のモチベーションの維持高揚に勤めてまいるところでございます。

 以上でございます。

   〔43番 西塚宗郎議員登壇〕



◆43番(西塚宗郎) 私がそっくりお返ししたいと言ったらまた返されましたので、なんでありますけれども、私が申し上げたかったのは、常々知事が議会の民営化検討委員会で民営化の方針を打ち出されたと。それを参考にしておるというか、前提にしておるというか、そんなことを常々おっしゃるものですから、私は認識が違うんじゃないですかと、こういうことを申し上げたのであります。

 もう時間がありませんので、先に進ませていただきますけれども、私は、県立病院に対する県民の思いというのは、運営形態がどのようになるか、そういうことではなくて、県民の医療が守られると、そういうことであればよしとするんだろうと、こんなふうに思っているわけであります。

 しかし、今回の改革は、先ほどから申し上げておりますように、今、病院事業庁長は否定されたようでありますが、全部適用の検証のところで申し上げましたように、県立病院の収支を大きく改善するために診療機能の特化や規模の適正化の項で述べられておりますように、県の医療政策とかかわりなく収支を改善する。すなわち、赤字をなくするために診療科目の縮小であったり、あるいは規模の縮小、不採算部門の切り捨て、そんなことにつながるのではないかということを私は心配しておるわけであります。こうしたことが行われるということになりましたならば、それは県民の医療に対する期待に逆行するものであります。

 先ほど知事は自治体病院の半数が全適から運営形態を変更しようとしている、こんなふうに述べられました。これも何回か述べられております。今、三重県の県立病院が経営形態を変更すれば、そのことが県内はもとより多くの自治体病院に波及をし、そのことがひいては地域医療が崩壊をする道、こんなことに進んでいくのではないか、こういう危惧をいたしておるわけであります。そういう意味で、私が今回抵抗しておりますのは、県立病院が地域医療のとりでとしてぜひとも頑張ってもらいたい、そういう一念で実は申し上げているところであります。

 時間がありませんので、少し先に進ませていただきますけれども、これは私が通告した後に議案が提案をされてまいりましたので、通告はいたしておりませんけれども、議案第117号 平成21年度三重県一般会計補正予算についてであります。病院の姿をより具体的に示し、議論を深めることを目的に運営形態の変更による病院の具体像の調査を行うとされておりますけれども、一つは、本来ならば病院事業の在り方検討委員会で既に検討が行われ示されるべきではなかったんでしょうか。あるいは、初めに病院のあり方、あるいは病院の姿が示されて、その姿を実現するために運営形態はこうあるべきだということが提案されるべきではないんでしょうか。

 現在、全国の医療専門のコンサルタント会社が総務省からの公立病院改革ガイドライン対応の業務が大きな事業として展開されている、このようにお聞きをいたしておりますけれども、今回の病院の姿を示すための調査事業も医療コンサルタントへ委託される、このようにお聞きをいたしております。このような医療コンサルタントが病院の姿をつくれば、他県での民間移譲や指定管理者制度の導入などの事例を引用し、バラ色の病院の姿を上手にまとめるだけに終わるのではないでしょうか。果たしてそれが真に県民の病院改革に関する議論を深めるためにつながるのでしょうか。

 真に議論を深めるためには、地域住民の声を聞きながら、ニーズを再度調査検討した上で、県立病院の役割や機能を導き出し、改革への道筋を示すべきではないでしょうか。私は、県の今日の一連の進め方を見ていると、民営化手法の導入ありきの姿が見えて仕方がありません。

 もう一つは、議案聴取会において、浜中理事は一志病院、あるいは志摩病院における説明会で、職員が手づくりした資料で説明したが、地域住民に理解してもらえなかった。そのため、専門家にお願いして説明資料をつくってもらうとも述べられました。説明会には、安田副知事、浜中病院改革担当理事、総括推進監、推進監などが出席されております。副知事を先頭に部長級や課長級と言われる県の幹部職員が出席しながら、説明ができないからといって改めて専門家に資料をつくってもらうなどというのは余りにも情けないのではないか、こんなふうに私は考えるわけですが、いかがでしょうか。



◎知事(野呂昭彦) まず、いろいろおっしゃいましたが、病院改革については多分私は議会が言い出したからとか、そんなことは全く言っておりませんが、かなりの部分は議会での議論と意識を共有しておるように思います。

 そして、病院改革では、確かにいろんな改革によるメリットというものを求めております。もちろん、その中には、例えば薬剤品の後発医薬品を活用することによって経費を下げるとか、あるいはかなり大幅な人件費削減に取り組むとか、そういうのもありますが、一方では、民間事業者の知恵だとか、そういうのを指定管理者制度で活用したり、あるいは民営化することによって、実は患者さんに対するサービス向上につながっておるという面もありまして、実はそういう意味では、民間事業者の知恵を最大限活用しようというところがあります。

 それから、地域医療を県として守っていくということは当然大事なことでありますけれども、しかし、その際、この改革、改革には大きな痛みが伴いますけれども、だからといって決して後ろ向きに考えるのではなくて、私はピンチをチャンスにというような思いで、ぜひ志摩の地域の方々にも、一志の方々にも、それをすることによってよかったなと思える改革後の姿をしっかりお示ししていきたいなと、こう思っておるところであります。

 ところで、実は御質問の中で、なぜ当初からもっと具体的な病院の姿というものを提示しなかったんだと、その調査を最初からしなかったんだというお話でありますけれども、これについても3月の議会、あるいはその後にも申し上げておりますように、私どもから示した案につきまして、御説明、御理解をいただきながら、その案をとって考え方について進めていく中で具体的に相手との交渉が始まってまいります。

 私どもは、当初そういう意味では相手との交渉に入ったときに、案の中で示しておりました条件について、具体的にこうこうこういうふうな形で担保されていくんですよということを報告申し上げたいと思いましたが、実は説明会、あるいはパブリックコメントにおきましても、案そのものに対しても最初から病院の姿がいま一つ具体的でない、あるいは不安である、医療が継続されるのかどうなのか、そういった大変な疑問、不安というものがたくさん出てきましたので、これではこの状態で案をとって具体的な事業者と折衝をしていくということは少し無理があるなと。やっぱりこれだけ大きな痛みを伴う改革でありますから、丁寧に住民の皆さんにも説明できるように、また、議会にも説明できるようにしていかなきゃいかん。そういうことから、実は今回の病院の姿の可能性詳細調査に入るべきだと、こういうふうに考えるに至ったところであります。

 なぜコンサルに依頼するのか、ここは非常に重要なポイントであります。御指摘がありましたが、コンサルに依頼することによって全国のいい例を引き出してきて、こううまくいくんですよ、そんなことを提示するために言っておるのではありません。実は具体的に私ども県が直接ここになるかもしれないという病院の事業者と折衝をしてまいりますと、これはまだ案の中での調査でありますから、相手の病院が実はあるところで特定されたりというようなことになってまいりますと、病院事業者としても情報がなかなか出せるものではありません。

 そういう意味では、具体像を描くためには、私どもがきちっとこうなりますよという姿を出そうと思いますと、私ども県が直接調査をするということではその把握に限度があります。限度がある以上は専門的な知識を持つ機関にお願いをしまして、そして、間接的でありますけれども、事業者の状況を取得しやすいそういう形にして情報を得て、私どもが県民や県議会にそういった病院の姿についてよりわかりやすい姿をお示ししたいと、こう考えてきたところであります。

 議案の説明会で少し混乱をしたということも後で聞きましたけれども、そういう意味では、県のほうからの説明不十分な面があったということについては反省をしながら今後に資してまいりたい、このように考えておりますので、何とぞ皆さんには御理解をいただくようお願い申し上げます。

   〔43番 西塚宗郎議員登壇〕



◆43番(西塚宗郎) 時間がなくなりましたのでなんでありますけれども、先ほど知事が民間事業者の知恵をおかりしたいとか、こうおっしゃった。私の記憶によると、何年前かわかりませんけれども、当時政策部を企画部というふうに言っていたかもわかりませんけれども、専門家の野村理事を県に採用して知恵をかりた、そんな経緯もあります。

 先ほど病院事業庁長が知事部局との人事の交流でというのをおっしゃられた。小山庁長も税務課長をしてみえたので御承知だと思いますけれども、もう終わります。県税事務所の職員は20年、30年の経験を持っています。そんなことになると、そういった知恵がなぜ出せなかったんでしょうかと、こういう質問をさせてもらったところであります。

 もう時間がありませんので終わらせていただきます。間もなく全国知事会議が三重県で開かれるわけでありますけれども、全国津々浦々の自治体病院が困っている課題でありますので、ぜひ。



○副議長(野田勇喜雄) 西塚議員に申し上げます。申し合わせの時間が来ましたので、よろしくお願いします。



◆43番(西塚宗郎) 終わります。知事会議でも議論をいただいて、厚労省などについて働きかけていただくようにお願いをして終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。(拍手)



△休憩



○副議長(野田勇喜雄) 本日の質問に対し関連質問の通告が2件ありますが、この関連質問は後刻認めることとし、暫時休憩いたします。

               午後3時1分休憩

          ──────────────────

               午後3時18分開議



△開議



○議長(三谷哲央) 休憩前に引き続き会議を開きます。



△質問



○議長(三谷哲央) 質問を継続いたします。

 最初に、西塚宗郎議員の質問に対する関連質問の通告がありますので、これを許します。5番 杉本熊野議員。

   〔5番 杉本熊野議員登壇〕



◆5番(杉本熊野) 津市選出の新政みえの杉本です。西塚議員の県立病院改革に関する考え方について、それに関連して3点質問いたします。

 私は、5月24日に開催されました住民説明会、美杉会場、白山会場に参加しました。この説明会は、県立病院改革の基本方針案をまずは地域住民の皆さんに情報提供し、御理解いただくことが目的だったと思いますが、結果は理解どころか、ますます溝が深まったというのが私の感想です。

 これについては、先ほどから十分に住民に対して病院の姿を示さなかったからなどの見解を示されていますが、私はそうではないと思います。県と地域住民とでは求めているものが違う、一志病院に対する立場が違うと私は感じました。その違いがより鮮明になった説明会であったと思います。

 どう違うかといいますと、県が求めていること、県のニーズは県立病院改革です。病院の運営体制を再構築し、健全な経営を継続させることによって安定的な医療提供を目指しています。そのための病院改革だとしています。ですから、説明会で把握された説明資料のタイトルは「魅力ある病院を目指して」でした。病院改革を目指す県の立場からすれば当然のタイトルです。説明事項は、その後、県立病院の主な課題は、県立病院改革の方向性は、こうしたい一志病院と続いていきました。

 一方、地域住民が求めているのは、地域のニーズは地域の医療確保です。過疎化、高齢化が進むこの地域で、住みなれたこの地域で暮らし続けられるための医療の確保です。この問題を地域住民の立場から考えたのであれば、説明資料のタイトルは「魅力ある病院を目指して」ではなくて、「魅力ある地域医療を目指して」となったはずです。そして、説明は病院の課題から出発するのではなくて、「地域医療の課題は」となり、病院改革の方向性ではなく、「地域医療改革の方向性は」となり、こうしたい一志病院と続いていくはずです。最後はこうしたい一志病院と同じですけれども、住民の理解は全く違うと思います。

 そして、その流れの中では、まず初めに医療や介護のこの地域での実態、暮らしの困り感が明らかにされたはずだと思います。そして、私はそのことが意見交換できる共通の足場だったと思います。そして、これらの実態は、県と地域住民がともに共通理解し合うことができますし、そのことができて初めて県と地域が同じ舞台に立って意見交換ができるのではないでしょうか。

 課題を共有し、同じ舞台に立たない限り、議論はいつまでたってもかみ合わずすれ違い、何度説明会を開いても溝が深まるだけだと思います。より詳しい病院の姿を説明したとしても、やはり出発点が違えば理解がされるということはないのだというふうに私は思います。住民の理解を得ようとするのであれば、一志病院の今後をどの立場から提案していくのか、そのことをいま一度考え直していただくときではないでしょうか。

 そこで、質問します。現在示されている県の改革方針案は、ほとんど病院事業の在り方検討委員会の答申どおりです。あり方検討委員会は国の公立病院改革ガイドラインによって各自治体でも公立病院改革プラン策定が求められる中で、知事の諮問機関として設置されたものですから、内容はさておき、病院のあり方から答申をしたのは当然のことです。しかし、それを参考としながら、改革方針を策定する県は県当局として地域の実態とニーズをしっかりと踏まえ、地域住民の立場から論理を構築するべきだと私は考えます。

 病院改革は手段であって目的ではないはずです。目的は厳しい医療環境の中での地域医療の確保です。幸い今は案の段階ですから、ぜひ今後は病院改革という立場からではなく、地域の医療確保という立場から改革方針を策定していただく必要があると思います。その方向で検討をしていただく必要があると考えます。御所見を伺いたいと思います。

 2点目は、一志病院の診療圏については広域性がないからということで、県立病院として位置づけるのは難しいとされています。そのことはほかの地域の県民からの理解は得られないという見解も示されています。では、もし民間の引き受け手がなかったらどうなるのでしょうか。今、県が目指している内容を考えると、応募者がないということも考えられると思います。そのときは病院機能は廃止されるのでしょうか。

 3点目、この間何度も出てきます地域のニーズということについてお尋ねします。これは改革方針案の中でも使われています。そのもとはあり方検討委員会の答申の中にあります。あり方検討委員会の答申の中では、地域のニーズについて、保健、医療、福祉の各領域で切れ目のない連携体制による高齢者ケアの充実が期待されるとされています。この答申で示された地域のニーズはだれが、いつ、どのように把握したものでしょうか。どのような調査がもとになっているのでしょうか。そのことをお尋ねいたします。

 以上3点です。よろしくお願いします。



◎知事(野呂昭彦) 杉本熊野議員がおっしゃいました地域医療という視点からしっかり考えるべきではないか、それは全くそのとおりだと思います。県におきましても、そういう地域医療のあり方をどうするかという観点に立ち、その中で県が県立病院としてどういう役割を担っていくのかという観点でしっかり対応していくべきものだと、こう思っております。

 県内全域では、いろんな民間病院が中心になって医療を担っているところもあれば、大変厳しい財政の中で市立病院、あるいは町立病院という立場で担っているところもあります。県としても、いろんなそういう機関と連携、ネットワークをしながら、県としての役割、ニーズにおこたえしていくということだと、こういうふうに思っております。

 地域の医療のニーズにつきましては、いろんな形でもうこれまで議論をしてきておるところであります。私は、地域の方から見ても、この地域が求めておる医療ニーズにつきましては、これは一定そのとおりではないかなと、こう思っておりまして、もしも杉本熊野議員がおっしゃるように、地域の医療ニーズを地域の住民から見たらもっと違う点ではないかというのであれば御指摘をいただきたいと思いますが、私どもはこの改革案の中でお示しをしておるその地域のニーズにつきましても。



○議長(三谷哲央) 答弁は簡潔に願います。



◎知事(野呂昭彦) 非常に過疎・高齢化が進展しておるところでは、切れ目のない連携体制によって高齢者ケアを充実していくということが大事だということ、あるいは患者を二次救急へスムーズにつなぐための一次救急体制の維持も大事であるということ、入所施設を持った地域医療を継続するということも必要だというようなそういうニーズをもとにしまして、その中でのその後の論の展開をしておるところであります。もしも地域ニーズが違っておるというならば、これはまた御指摘をいただき、私どももよりいいものにしていきたいと、こう考えておるところであります。

 それから、2点目の。



○議長(三谷哲央) 答弁は簡潔に願います。



◎知事(野呂昭彦) 民間事業者がなかった場合ということでありますが、今、案の中で詳細調査もして詰めていきます。決定をしましたら具体的にその後は詰めていくということになりますが、具体的に詰めて決定という際には、引き受ける民間事業者がなかった場合、あるいは決定方針に基づいたとおりいけないときにはどうするのかということについて、きちっとお示しをしていかなきゃならないと思います。今はまだ案の段階でこうしたいという考え方でお示しをしております。以上のようなことでございます。

   〔5番 杉本熊野議員登壇〕



◆5番(杉本熊野) ありがとうございました。

 知事が冒頭おっしゃったお考えがより鮮明に改革方針に映し出されるように、方針案を変えていただきたいと私は思います。いつも御答弁なさっていらっしゃるお考えが改革方針案では本当に読み取りにくいです。そのあたりのところをもう一度再検討をお願いしたいと思います。

 それから、ニーズですけれども、済みません。じゃ、終わります。(拍手)



○議長(三谷哲央) 同じく西塚宗郎議員の質問に対する関連質問の通告がありますので、これを許します。41番 中村進一議員。

   〔41番 中村進一議員登壇〕



◆41番(中村進一) 西塚議員の県立病院改革の質問に関連いたしまして、私のほうから県立志摩病院の指定管理者制度についてお伺いいたします。

 先ほど知事は村林議員の質問に簡潔にお答えいただきましたけれども、現実はそんなものではないというふうに私は感じさせていただきました。そして、また先ほどから西塚議員の答弁に対しまして改革は痛みを伴うものだということを何度もおっしゃいますが、私はこの病院改革は命がかかっているものだというふうに思っております。そんなに簡単に痛みを伴うという言葉を使っていただきたくないというふうに考えております。

 県は、去る5月22日に志摩病院改革ということで住民説明会を開いていただきました。志摩市議会でも、実は早速この住民説明会の結果について質問が出ておりまして、志摩の市長は地元の医療体制を守りたいということで、一定の考え方を示しております。市長は答弁で、県が示した考え方と住民からの不安の声を挙げた上で、医師の確保がはっきりしないまま、また、産婦人科医や小児科医の救急や入院の診療体制が約束されない中で指定管理者制度ありきでは納得できないと考えている。これは志摩市長の考え方です。そして、また県に対して、県立志摩病院としての役割を果たしてほしい。そのためには、県はしっかりと現場を見て議論すべきだとの考え方を示しております。

 一方で、県の指定管理者制度ありきの方針には異論を唱えていくが、現状のままで志摩病院の機能が守られるとは考えてはいない。これにかかわる志摩地域の医療体制の確立も視野に入れて対応策を考えていかねばならない。今後も県としっかりと対話し、志摩市として何ができるかを市民も市議会も行政も一丸となって取り組み、早急に志摩市民が安心できる医療体制を確立していきたい、そういう考え方が出ておるわけでありますけれども、私のほうから質問させていただきたいのは、堀木部長、志摩市長の市議会での議論を聞いておりますと、今の産婦人科、あるいは小児科医、救急医療ですね。こういったものに対する現状、これをまず志摩市民にきちっとした形で地域の医療体制を説明していかないと、こういった問題に入っていけないんじゃないかという感じがしますので、まずその辺は今どう考えておられるのか。それから、これから改革をしていくに当たってその辺をどう志摩市民にアピールしていくのか。その辺をお聞かせください。



◎健康福祉部長(堀木稔生) まず、志摩地域の医療の現状でございますけれども、やはり医師不足、これは志摩地域だけでなくて全国的に、県内においても大変厳しい状況がございます。そういう中ではございますけれども、県といたしましても、志摩病院に対しましてこの4月から自治医科大学から2名派遣してきておりますし、みえ医師バンク制度の中で、昨年から産婦人科医とか脳神経外科医の確保に努めてまいります。

 当面大変厳しい状況でありますので、それにつきましては、地域の医師会なり、市町としっかり話し合ってまいりまして、厳しい状況につきましては共有しながら、志摩地域の医療をどうするかについてともになって考えてまいりたいというふうに考えております。

   〔41番 中村進一議員登壇〕



◆41番(中村進一) 今の答弁で、部長は今こういった状況の中で頑張って、何とか今の状況でクリアをしていけそうなそういう雰囲気を私は感じさせていただきましたし、県としての様々なパブリックコメント、あるいはその当日の住民説明会なんかでももっと頑張れという声が出ておったというふうに思っております。

 それから、今度は知事にお伺いをさせていただきますが、当日参加しました発言者、市議会議員の皆さん方、そして、また住民の皆さんにもお話を聞かせていただきました。その中で、やはり説明責任が果たされていないという不安材料の声も随分多かった。圧倒的に反対ということでありますが、そういった中で、今回どういう形になるかわかりませんけれども、可能性調査も含めて考えておられるということでございますが、私はこれだけ時間をかけて一生懸命、副知事もいろんなお話もしていただいたようでありますし、県としても今後も責任を持つとか、あるいは赤字だから改革するのではなく、本来病院が果たすべき機能を発揮するための改革だとか、そして、診療の縮小などは考えていない。指定管理の条件は地元住民としっかり議論していく、そんなことをおっしゃったらしいんですが、それでもほとんどの住民は納得をしなかったわけであります。そういった中で、もし住民が最終的に納得をできなかった場合、それでも知事は、これは命にかかわる問題でありますが、強行していくのかどうなのか、そういった部分も含めまして考え方を聞かせてください。



◎知事(野呂昭彦) まず、これは中村議員と出発点の基本の共通認識が必要だと、こういうふうに思います。県議会でも、やはり病院改革を最重要課題として取り上げて、もうここ数年ずっと議論をしてきたわけであります。それにこうして私どもも議論をしています。それは、今のままでは大変だということから始まっておる議論であります。

 今の考え方を引っ込めたらどうだ、撤退したらどうだというようなお話は、何か撤退したほうがいいようなそういうことを印象づけるような議論の仕方だと、こういうふうに思います。私はそうではなくて、何度も申し上げておりますように、今の状況でいくと大変な状況だと。しかし、やはり志摩病院が地域の中核病院としてのそういう機能をしっかり守っていかなきゃいかん。でも、中核病院といっても、あらゆる機能をオールマイティーに持っておるようなそんな病院はあり得ないことである。現に、今、産婦人科とか小児科、そういったお医者さんが確保できない。そのための機能も今大変心配されておるところであります。

 今、部長も申し上げましたけれども、じゃ、今の努力でそれがずっと大丈夫なのかということについても大変不安が多くあります。しかし、幸い、伊勢市には山田赤十字病院とか、それをさらに補完する三次救急機能を持った、高度医療を持った病院があるわけです。したがって、中核病院として、少なくとも二次救急の機能はしっかり果たしながら、しかし、それでもかなりリスクの高い、あるいは高度なものについては、三次救急との連携があってようやく地域医療というものは成り立つものであります。

 何か今のままであれば昔のよき病院だと住民の方々が思っておる志摩病院にそのままいくのではないかというのは、現状を見ればそんな甘い考え方は持てないんだということがわかるはずであります。そういう意味では、皆さんも私は痛みということを言いましたが、病院の職員の内部的な痛みだけではなくて、地域においてもこれだけ限られた医療資源を有効かつしっかり連携をさせながら機能させていくということについては、今回の病院改革については相当しっかりしたスタンスで臨んでいかなければならないと、こういうふうに思っております。

 今度の改革案が実現できないとすれば、さらに難しい改革を将来迫られてくるということになるかと思います。私は、一志病院にいたしましても。



○議長(三谷哲央) 答弁は簡潔に願います。



◎知事(野呂昭彦) やっぱり将来うまくいかなかったから診療所にせざるを得なかったというような結果を招かないように、今の病院機能を何とか、民営化してでも維持できるそういう方法をとるべきだと思うし、あるいは志摩については民間事業者の知恵をかりながら、県立病院としてのスタンスで県は責任を持ちながら民間事業者への管理委託をしていく。そういう方向が今ベストの方法ではないかと、こう考えておるところです。

 説明不足については、さらに努力をし、詳細調査等においても県民に、あるいは地元の住民の皆さんに説明をしていけるようにしたいと、こう考えております。

   〔41番 中村進一議員登壇〕



◆41番(中村進一) 地元の住民に対して突っ込み、深さが甘いというふうに申し上げておきます。終わります。(拍手)



△質疑



○議長(三谷哲央) 日程第2、議案第106号から議案第118号まで並びに議提議案第7号を一括議題とし、これに関する質疑を行います。

 通告がありますので、順次発言を許します。16番 稲垣昭義議員。

   〔16番 稲垣昭義議員登壇・拍手〕



◆16番(稲垣昭義) 新政みえ、四日市選出の稲垣昭義です。

 議案第111号 平成21年度三重県一般会計補正予算(第5号)に関して質問をさせていただきます。

 経済・雇用を取り巻く環境が非常に厳しい中、私は国も県も景気対策として最大限の効果を求めて財政出動することを否定はいたしません。本県においては、2次補正と当初予算で第1次緊急雇用・経済対策として約63億円、5月補正で第2次緊急雇用・経済対策として約19億円を議決し、そして、今回6月補正で第3次緊急雇用・経済対策として約238億円が上程されております。速やかに効果的に財政出動することを否定はいたしませんが、これらのお金は税金であり、特に次の世代から借りる借金の要素が強い以上、私たちは子どもや孫の世代に責任を持つことを強く意識しなければいけないと考えます。

 国からお金が来るならこの際といった無駄遣いや、ないとは信じますが、選挙目当てのばらまきは言語道断であると考えます。そういう視点から、限られた時間ですので、教育委員会関係分の産業教育基盤整備事業予算について質問をいたします。

 議案聴取会のときに、産業教育基盤整備事業費約3億円と新時代に対応した産業教育推進事業費約4億4000万円の内訳を資料請求し、その資料をいただきました。前者は昭和40年代、50年代に整備した専門高校のかなり老朽化した設備をこの機会に買いかえるものであり、本来県単で随時教育現場のニーズにこたえた対応が必要だったのではないかとの感じも受けますが、理解はできます。

 今日お伺いするのは、新時代に対応した産業教育推進事業費についてであります。この内訳を見ますと、例えば各商業高校に入れる電子商取引システムを120万円掛ける10校分であるとか、マルチメディア実習装置を630万円ないしは900万円で5校分、アパレルCADシステム一式を1000万円で2校分など、新時代とついているからか情報システム関連の予算が多くなっています。

 私は、一昨年、政策防災常任委員長として、県の情報関連予算がブラックボックス化されていると指摘をさせていただき、様々な提案をさせていただきましたが、今回の予算内訳はまさにブラックボックス化された不明瞭なもので、十分な精査がなされているとは思えませんが、教育長、いかがでしょうか。



◎教育長(向井正治) 特にCADの実習装置なり、マルチメディア関係の実習装置、情報関係の教育費が含まれております。これにつきましては、議員も御紹介がございましたように、特に工業高校関係につきましては待ちに待ったものということでございます。

 特に情報産業関係につきましても、この時代に合ったような関係で、例えば商業高校なんかでも電子商取引といいますのは、今までやっておりましたのは学校の中での仮の教室の幾つかの場所でA金融機関と向こうの場所を伝えというようなことから、今回につきましては、数校分ありますというのは、各学校間で既存のシステムを使いまして、それらの学校のところでそれぞれの担当の企業なり、金融機関なりというのを想定しながらやっていく実習というものを想定して、今回、国のほうでの経済対策がつきましたので、ぜひ導入したいという現場からの要望があって採用したというようなことでございます。

 また、CADのシステムにつきましても、やはりこういった建築関係のところで求められております。また、被服関係のところでも求められるところがございまして、今まではそういう要求がございましてもなかなか対応できなかったことにつきまして、その意味ではこの際と言われるかもわかりませんけれども、こういった中でせっかく整備できる資金的なところがございましたので、これについてもこの際予算要求させていただきまして整備していくということでございます。

 整備にかかわる予算の内容につきましては、各学校の計画というものを精査してはございます。さらに、整備に当たっては、学校の状況に応じて効果的に運用、また執行できるように適正に執行してまいりたいと考えております。

   〔16番 稲垣昭義議員登壇〕



◆16番(稲垣昭義) 個々のものを説明というよりも、予算的にちゃんと精査がされているんですかということをお聞きしましたので、それについては精査もしていきたいというようなこともおっしゃっていただきましたが、どうもこのいただいた内訳を見るとそのようには思えないということがありますので、一度、特にこの情報関連については過去にそういう指摘もさせていただいておりますので、しっかり精査をいただきたいと思いますが、もう1点、この内訳の中で指摘をさせていただきます。

 理科系離れ対策として、約4700万円かけて全県立高校に理科実験観察用備品として生物標本や地学標本などを配るというふうになっています。これらのものは現場で有効に使える教諭がいて初めて効果を発揮するもので、教材としてニーズがあるところに対応するべきものであって、全県立高校一律に対応するべきものではないと考えますが、いかがでしょうか。また、これらの標本を各学校に配ることが理科系離れの対策になるとお考えか、お伺いをいたします。



◎教育長(向井正治) 一律に使う配るべきものということにつきましては、やはり先ほども申し上げましたように、随分古くなっているものがございますので、対応させていただくということでございます。

 全体としての理科教育離れということに対する対応につきましては、もちろんこういった事柄だけではなくて、現場で地道に対応していく。また、教員等の資質向上というものも当然ながらやっていかなきゃいけないことだと思っておりますけれども、そういった中でのこういった標本等につきましては、この際の経済対策を活用させていただきたいということでございます。

   〔16番 稲垣昭義議員登壇〕



◆16番(稲垣昭義) 詳細はまた委員会ででも議論していただきたい部分であろうと思うんですけれども、当然現場のニーズに合った、現場からのそれを使う教諭のほうからの声がという話が今教育長からありましたので、そういうものをちゃんと精査していただいて組んでいただいている予算なのかなという気はしましたけれども、それにしてはこれを見る限り、いや、どうなのかなと思う部分もありますので、もう一度しっかり議論をしていきたいというふうに思っています。

 本県の産業政策として、地域集約型産業構造への転換を目指して、その産業基盤を支える人材を育成するためということで、高等学校設備、そういう教育の設備を充実させる方向ということでは評価をいたしますが、しかしながら、冒頭申し上げた次の世代に対しても説明ができるということを念頭に置いて、改めての精査をお願い申し上げます。

 最後にもう1点、今回は教育委員会として産業教育推進ということで合計約7億4000万円の補正予算案を提案いただいていますが、学校現場からはグラウンドや体育館などの体育施設備品の老朽化や校舎そのものの老朽化による課題や、あるいは新しく学習指導要領に位置づけられることになった部活動への対応など、様々な要望が出ていることと思います。これらの課題について教育委員会の考え方を簡潔にお答えください。



◎教育長(向井正治) 各学校の様々なニーズにつきましては、それぞれの予算年度につきまして精査させていただきまして、要望等を聞きながら予算措置を毎年図っているところでございます。また、そういった施設関係につきましては、計画的にいろいろな施設関係の老朽化したもの、また、新しい要望等につきましても計画的に順次年度別に整備を進めているところでございます。

 実際各学校の個別の事情もございますので、そういったことにつきましては、特に予算時期等につきまして施設関係と一緒に聞き取りをして、そして、計画的に整備をしているという状況でございます。

   〔16番 稲垣昭義議員登壇〕



◆16番(稲垣昭義) 教材の部分はもちろんですが、その施設、備品の部分についてもしっかりまた学校のニーズを把握して、これからまた対応もいただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。

 今回は限られた時間でしたので、教育委員会関係分のみ質疑をさせていただきましたが、緊急雇用・経済対策ということで各部とも例年以上の財政出動をいただいております。非常に厳しい経済情勢の中、スピード感を持ったこういった効果的な予算執行を求めますが、その際、先ほどから何度も申し上げておりますように、次の世代にツケを回しているという観点から、無駄遣いをしないという観点もしっかり考慮いただいて、いま一度精査をいただきますことを要望して質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)



○議長(三谷哲央) 20番 中嶋年規議員。

   〔20番 中嶋年規議員登壇・拍手〕



◆20番(中嶋年規) 自民みらいの中嶋でございます。

 議案質疑ということでございまして、議案第111号に関する質疑ということで通告を出させていただいております。議案質疑なのでなんですけれども、ちょっと一般質問みたいな雰囲気になってしまう部分もあるかもしれませんが、できるだけ議案に関することだけをお聞きしたいと思います。

 先ほど稲垣議員のほうから御質問があった最後の緊急雇用・経済対策について、私のほうからも御質問をさせていただきたいと思います。

 今回、この病院改革の問題もそうですし、今の経済雇用状況というのも本当に危機的な状況にあるということはみんなが共有しているところであって、それを克服するために考え得るあらゆる手段を講じていかなければならない。そういった中で、今、議論しておる病院の改革の話もあるでしょうし、今回の第3次の補正予算もあるんだと。そういう位置づけの中で、今、稲垣議員のほうからも無駄のないようにということもあったんですが、加えて、私のほうからは、できるだけ速やかに効果が出るようなそういう施策になっているかどうかというところを御質問させていただきたいと思います。

 国が今回出した15.4兆円の経済危機対策、これによって政府のほうは21年度の実質GDPを2%押し上げるんだと。需要の拡大によって40から50万人の雇用創出を図るんだというふうな数値をお示しになって今回の補正が成立したわけでございます。そういった観点からいきますと、今回の私どもの議案としていただいております238億5500万円と言われる第3次の緊急雇用・経済対策による県内の経済・雇用への波及効果、これをどのように見込んでいらっしゃるのかというのをまずお聞きしたいと思います。

 特に常々知事のほうからもお話しいただいています経済雇用波及効果の高いと言われる観光、この観光について、今回の対策によってどの程度の観光入り込み客が増えると見込んでいらっしゃるのか、それもあわせて教えていただきたいと思います。

 もう一つ、三重県の産業構造ということに着目してちょっとお聞きしたいと思っておるんですが、もう皆さん大体イメージできているとは思うんですけれども、三重県の産業構造の特徴を統計で見る三重の産業とか、統計で見る三重の姿からちょっともう一度確認をしてみたんですが、例えば第1次産業における経済活動に占める比率特化係数というのがあるらしいんですが、これは三重県は大体全国平均と同じということですけれども、第1次産業の経済活動に占める水産業と林業の比率というのは全国平均の2倍であったりとか、第2次産業が非常に強い。特に製造業の占める割合が高い。そのうち、自動車関連、電化機器、化学工業の出荷額というのは全国屈指の高さであるということはもう皆さんは御承知のとおりでございます。

 そして、また第3次産業につきましては、さっき申し上げましたように、私どもの伊勢志摩地域を中心に観光が占める割合が高いと。こういった産業構造も踏まえていただいた上で、本県産業の特徴、いわゆる強み、これを生かしての対策になっておるのかというところについての御所見をお伺いしたいと思います。お願いいたします。



◎知事(野呂昭彦) 緊急雇用・経済対策につきましては、これまで順次雇用対策、あるいは経済対策、生活対策、それぞれの中で逐次対応しておるところです。今度3次の中で238億円の対策を打ち出したところでありますが、例えば、その中で公共事業について申し上げますと、172億円でありますけれども、これには国の事業の直轄負担も入っておりますので、国が投入する事業費、これが126億円ほどになりますので、合わせますと公共事業の事業費規模全体では約298億円になるところでございます。

 これによります経済波及効果でありますけれども、三重県の産業連関表をもって算出をしてまいりますと約410億円ということになりますし、また、雇用効果につきましては約3000人という数字になってきておるところです。そういう経済波及効果があるというふうにすれば、県の名目成長率を0.5%程度押し上げる効果があると、こういうことでございます。

 それから、観光事業における経済波及効果ということですが、観光では三つほどの事業をやることになっておりますけれども、その中の二つほどを取り上げて試算をしてみますと、総客見込み数が約3000人、それから、経済波及効果につきましては約1億2016万円というような試算が出てきておるところでございます。これについては、3次対策では総額で2764万円の事業費を計上した中で、その三つの事業の中の二つでこういう効果が試算をされておるということでお答えしておきたいと思います。

 それから、やはり地元の特色、特徴を生かした中でその対策を打ち出していくべきではないかということについては、まことにそのとおりだと、こういうふうに思います。したがいまして、中長期的な観点から、私どもとしてはチャンスづくりだとか、あるいは地域の資源を生かした産業振興、こういったところに視点を当てながら対応しようということにしております。県の北部では製造業の集積、それから、県南部は観光第1次産業、これを対策の中でピンチとチャンスにしていけるようなそういう考え方をとりたいと、こう思っております。

 このため、3次対策におきましては、例えば県内中小企業と大手企業の新たな取引でありますとか技術提携、こういったものを促進するということとともに、例えば首都圏におきます県産品の流通、これを早急に拡大していこうということでマッチング交流会、これを開催するというような中小企業の販路開拓等への支援も行おうとしておるところです。

 そのほかには、真珠養殖の品質向上に向けました取組、支援でありますとか、あるいは観光客の誘致に向けた取組、こういった地域資源を有効活用し、その特性を伸ばしていく、そういう取組を支援するということにしておるところです。今後もやはりこういった取組を推進するということで、地域産業の競争力を強化し、地域経済の安定と成長につなげていきたいと考えておるところでございます。

   〔20番 中嶋年規議員登壇〕



◆20番(中嶋年規) ありがとうございました。よく理解できました。

 経済というのは生き物ともよく言われますので、いろんな状況変化があろうかと思いますが、その都度迅速に、そして、稲垣議員が言われたように、無駄なく将来の世代にも説明責任がつくような形で、かつ効果のあるということで、非常にいろんな要望をさせてもらいますけれども、そういった経済政策を立案していただいて実行していただきますことをお願いして終わります。ありがとうございました。(拍手)



○議長(三谷哲央) 49番 萩原量吉議員。

   〔49番 萩原量吉議員登壇・拍手〕



◆49番(萩原量吉) 日本共産党の萩原量吉ですが、私も議案第111号、緊急雇用・経済対策を中心とする補正予算について端的に聞いておきます。

 こんなひどいこんなばかげた補正予算ってありますか。今まで当初の予算を組んだこんな直後に、何か緊急事態が発生したというときにはあり得る補正予算でありますけれども、238億円ですよね。しかも、4分の3が公共事業、今、知事も言われたけれども、合わせて298億円、300億円からの補正を組むんだと。これは結局、高規格高速、あるいは国直轄事業の分担金、これは大きいですよね。やっぱり結果として西松建設などをはじめとするゼネコン大企業奉仕になってしまう、こんなのが経済対策だといつでも出てくる。それでまた借金を増やすでしょう。国の14兆円の大規模な補正のほとんどは赤字国債の発行でしょう。

 三重県も土木債で新たな県債発行を90億円、県債残高は1兆1000億円近くになるじゃありませんか。こんな財政のルールからいって、あるいは議会のルールからいって、本来、こんなことはあり得ないということを言いたい。まさに先ほども指摘があったように、選挙目当ての急速なばらまき予算。これで経済の回復ができますか。その自信がありますか。このことを端的に問いたいと私は思うんです。

 案の定財源の保障がないからほとんど借金で、財政再建の見通しが全く立たない中で、今度は経済財政諮問会議は何と消費税12%を打ち出しましたよね。12%といったら20兆円ですよ。こんな国際的な経済危機の中で、庶民大増税を押しつけるような国というのは日本以外にないですよ。アメリカでさえ中低所得者に10年間で72兆円の減税、高額所得者の富裕層には60兆円の増税、これを10年間でやるんだとオバマ大統領は言っていますね。

 ですから、これはもう本当に大変。しかも、中身はいろいろばらまきですから、それはこの際という話も今あったし、すべてが悪いものばかりとは言いません。予算がなかなかつかんだのに、やっとこんなときだからといってようけ滑り込ませるようなものがあるかもしれんけれども、だけどちょっと考えてくださいよ。

 県の公用車は259台、ハイブリット車や環境対応車に買いかえる。何と4億円でしょう。環境対策だ、地球環境だというんだったら、高速道路の1000円なんて乗り放題、これをどうするの。矛盾していませんか、こんなばかげた話。しかも、公用車だから買えるんでしょう。アナログテレビ1000台以上、アナログ対応はまだ2年先ではないですか。低所得者の人らが買いたくても買えないでしょう。

 何と三重県はアンテナ、チューナーを含めて2億円でしょう。パソコンも5年以上のもの937台を1億3200万円、これを県民の皆さんに報告したら言いましたよ。私らの税金だからやれるんでしょう。県が独自に財源をつくってくれましたか。しかも、やれハイブリット車だ、やれ大型テレビだ、パソコンだ、結局は大企業、大手製造メーカーの製品を応援する。まさに日本の国の形というのはこういう税制の面でもそうです。派遣切りの問題でもそうです。そして、実際に経済対策などと言っているようなこの問題でも、結局のところは大企業、財界応援の仕組みがここでもできている。私はそう思う。

 新型プリウスについても、私はこの間深刻な話を聞きました。何が売れて売れて仕方がない、予約がいっぱいだ、そうじゃないですよ。この間も私の知り合いの小さな板金業者が言っていました。板金で細々食べているけれども、ディーラーからも仕事をもらわんならん。そうしたら、あんたのところは新型プリウス1台な、あんたのところは2台な、押しつけされている。トヨタの新しい社長のプレゼントだそうですわ。これが実態ですよ。

 それから、セーフティネットと言っても、最後のセーフティネットも三重県は大変でしょう。鈴鹿では、生活保護が暴力団絡みの男に食い物にされておったり、桑名では、生活保護を受けておった人が打ち切られて、申請しようと電話したけれども、応対してくれなくて餓死しているじゃありませんか。三重県の生活行政はおかしいですよ。餓死ですよ、この時期に。さらには、東芝を派遣切りになった30歳の青年が自殺をした話を私は聞きました。ごく最近です。

 こんなことが起こっている中で、県民の家計を応援していますか。これで消費は増やせますか。あなたのこの間の提案説明、景気の底支えと将来の成長へつながるための取組、あるいは県民生活の安心と安定に資するように取り組みます。言葉だけじゃないですか。知事、端的に聞きます。こんな緊急雇用・経済対策で、あなたの言葉どおり本当に将来の経済対策になると思いますか。

 子どもや孫の世代、これでいいんですか。ツケだけ、消費税の大増税だけを後送りにする。しかも、選挙目当てだということでしょう。この間も1回切りの予算だというそんな質問があったり、あるいは、また最初で最後の予算だからという話もありました。最初でというのはわかるけど、最後の予算ということになったら政権が代わってしまうということを意味するのではないかと私は理解しましたけどね。知事、端的にこのことを、この批判に対してあなたは自信を持って県民の皆さん、安心してください。これが経済対策だと言えるのかどうか、その点を聞いておきたいと思います。



◎知事(野呂昭彦) 端的に申し上げます。いつも萩原節をお聞きさせていただいていまして、今日は何か衆議院選が近いせいか、街頭での演説を半分聞いておるようなそんなお話で、なかなか焦点がよくわかりません。今、私どもは国が出してきたそういった政策とも連動しながら、この経済危機の中で雇用対策、あるいは経済対策、あるいは生活対策、いろんな観点での今県ができるものをしっかりと対応していこうということでやっておるところであります。

 ちなみに、公共事業について少し申し上げておきますけれども、決して無駄な公共事業をやろうとしておるわけではありません。共産党がそもそも的に高速道路やそういうのは必要ないとか、そういう主張がおありで言うならともかくも、私どもは命の道というべき高速道路等も含めた公共事業については、少なくとも何年か先のものをやるんだったら、どうせやるんだったら無駄なものでない、前倒しをして本当に必要なものにやっていこう、こういう形でやっておるところであります。

 各般そういったことに十分配慮しながら対応をしておるところでございますので、どうぞたまにはもう少し褒めてもいいのではないか。多くを期待しておりませんけれども、御理解を深めていただきますようお願いいたします。

   〔49番 萩原量吉議員登壇〕



◆49番(萩原量吉) たまには褒めるような予算をどんと組んでください。公共事業で一言言うなら、私の近所のことを言って悪いけど、子どもたちが毎朝毎夕通る歩道橋の色を塗り直して、地下のところがさびついて穴があいてきておるのや。ずっと前から言っておるのやけど、これは予算がないんですわ。いや、本当の話、ぶっちゃけた話、こういう維持管理予算が全然ないんですよ。

 そんな中で、高速道路だ、やれ優先してというところが私たちは指摘をしているところで、高速道路を全面的に否定するつもりはありません。そのことでやっぱり、最後は我田引水じゃありませんが、本当に知事、指示してやってくださいな。本当にその意味で、こんなことをやっておったら将来に禍根を残す。厳しく指摘をして質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)



○議長(三谷哲央) 9番 中川康洋議員。

   〔9番 中川康洋議員登壇・拍手〕



◆9番(中川康洋) なぜか萩原議員の後が多い中川康洋でございます。同じ四日市選出ですので、ともに頑張りたいとは言いませんが、しっかりと応対をしたいと思います。

 先ほど財政諮問会議で12%の消費税と言われたという話がありましたけれども、あれは決定したわけではなくて、そこに示された資料の一つとしてあったというふうに私は理解をしておりますので、この場で発言をさせていただきたいと思います。通告にないことを言いまして申しわけございません。

 それでは、通告に従いまして議案の質疑をさせていただきます。

 議案第117号 平成21年度三重県一般会計補正予算(第6号)につきまして質疑をさせていただきます。

 これは県立病院改革に関する考え方(基本方針)(案)に関連して、病院の姿、可能性詳細調査等事業費として、その調査を外部に委託することや、有識者等を招いてのシンポジウムなどを開催する費用として約1000万円弱が計上されているものであります。

 私は、今回の一連の県立病院改革については、内容はどうであれ、今回しかるべき改革が必要であると考えておる議員の一人でございます。また、先月開催をされました県民説明会におきまして、安田副知事が自ら出向き説明をされ、県民の皆さんの意見を直接聞かれたことにつきましては、私は一定の評価をしているものでございます。

 しかし、そんな私でも、今回の補正予算の提出には少し唐突な感を持たざるを得ません。今まで、会期途中の緊急を要する上程は議案としてありました。しかし、今までの議案というのは、日切れ法案に関係するものや新型インフルエンザなど、本当に緊急性のあるものに限って上程がされていたように思います。しかし、今回は少し質が違うのではないかなというふうに思っております。

 また、今回の補正予算は、病院の姿をより具体的に示すため、その病院の具体像の調査を外部に委託するための予算でありますが、今、この県立病院改革にとって最も大事なのは、県民が抱いている、特に地域住民が抱いている不安を取り除くことであります。そのために必要なのは、調査を外部に委託し、病院のあるべき姿のイメージを示すことではなく、もっと職員が足を使い、時には時間をかけながら、今回の県立病院改革の本来の趣旨、目的を説明していくことであると私は考えます。要は、今は県が住民にこの病院改革について信頼されるかどうかが問われているのだと私は思っております。

 ゆえに、今回のこのような調査が当初予算から計画的に示されているのであれば、それはまだしも、県民説明会を志摩や白山、美杉で各1回行って、そして、現状において理解が得られないから調査を外部に委託するというのは少し理解ができないところでございます。繰り返しますけれども、今回調査をして示す病院の具体像、これはあくまでイメージであると理解をいたします。

 また、今回の改革案の中において、改革後の運営形態について検討しますとか、例示などという表現が多いことも多く指摘をされているところであります。県民の地域住民の不安を取り除くために、今後具体的に必要なことは、イメージを示すことではなく、この改革案の中に示されている検討、例示という文言を一日も早く外し、県として責任ある方針を打ち出すことであると私は考えます。仮に、手続的にそれが今の段階で無理ということであれば、少なくとも知事なり、執行部の皆さん自身が、政治的にでも結構ですので、改革の担保を示すことが必要であるというふうに思います。

 また、今回の補正予算はシンポジウムの開催等の予算が計上されておりますが、今大事なのは、先ほども申し上げたとおり、職員が足を使って何回も説明会を行っていくことであると私は思います。その中において、必要に応じて、時には角度を変え、視点を変えるという意味で、学識経験者等を呼んでシンポジウムを開催するということであればまだ理解ができますが、今後さらに説明会を重ねていく予定を示すことはなく、有識者等を招いてのシンポジウムを開催するという予算はどうかと考えますが、改めて今回この補正予算を提出されました知事のお考えを伺います。



◎知事(野呂昭彦) まず、申し上げておきたいと思うんですが、今回詳細調査をやるということは、ただイメージをさらにまた示してくるということではないかということについては、そのお考えは違うということであります。

 私どもは実は案として当初示させていただいて、その上でこれは例えば民間事業者に指定管理で委託をするにしても、あるいは民間譲渡という形で相手との交渉をするにしても、具体的に交渉をする中でないとなかなか住民の皆さんが求めておるような担保が得られません。例えば、私どもが条件として、こういう姿の病院だということで幾ら申し上げても、具体的にこの科目がその病院の中にあるのかどうなのかということを問い詰められたときに、相手との交渉がないままそういうことをお示しすることができません。

 したがいまして、私どもは当初は案を示し、そして、一定の御説明を申し上げ、御理解を得た上で案をとって決定にかえてから、具体的な交渉相手を見つけながらそれを示していこうということでありましたが、実は案をお示しした段階であれだけ地元の皆さんは将来に不安を感じておられる。病院の継続に不安を感じておられる。ならば、案をとることが先ではなくて、案のままでより具体的にその担保をお示しできるようにしていくべきだと、こう思っております。

 したがって、今回、民間のコンサルティングにお願いをするというのは、何もイメージづくりを言っておるわけではなくて、多分私どもが具体的に交渉することになるであろう事業者に対しまして具体的に実はいろんな状況を聞いて、そして、その中でより詳細な具体的な病院の姿というものをお示ししていこうということにしております。

 なぜ直接それが県のほうでできないんだということについては、先ほども少しお答えを申し上げましたけれども、私どもは直接具体的な事業者と今の案の段階から話を持っていきましたときに、多分事業者の名前だとか状況を公開するということはなかなか難しいと思います。もしもそういうことが前提として考えられる場合には、相手はその調査には応じてくれないというようなことが出てきます。そういうことからいきますと、専門的な知識を持っておる第三者である調査機関に実は間接的に入ってもらって、その上で多分県が決定の後は直接交渉するであろうそういう事業者の状況をきちっととってもらうと、こういうふうな段取りを実はとらざるを得ないのではないか。そうでなければ、なかなかイメージではなくて具体的な病院の姿についての担保が得られないと、こういうふうに思っておるところであります。

 なお、後段お話になりました今後については、より工夫をすべきだということについては仰せのとおりだと思います。シンポジウムなり、そういう専門的な知見を持った方々も交えながらやっていくということは非常に大事なことかなと思い、御意見については十分参考にさせていただきたいと思います。

   〔9番 中川康洋議員登壇〕



◆9番(中川康洋) 今日は議案質疑ですので、詳細に関しては所管の委員会で鋭意御議論をいただくこと、これが重要になってくるかというふうに思います。しかし、少なくとも今回単独で予算を出されたという唐突感、そこから来るものと、さらには、先週の議案聴取会において説明された内容、そこから受ける意見を今申し上げておるわけですけれども、その部分においては、職員として、本当にプロとして、これから住民説明会等重ねて説明をしていくというところが求められるのに、その雰囲気を感じなかったというところで今回は確認をさせていただいたわけでございます。

 改革をしようとするときは、相当なエネルギーとパワーを要するものでございます。この改革を行うときに大事なことというのは、最初にこの改革を行おうと決意したときの思いや信念、これを貫くことであるというふうに思います。これが変わられてしまっては、支えている側も支え切れなくなります。

 また、もう一つは、県民の思いやニーズをつかめとよく言われていますけれども、今、最も大切なこと、特に職員に求められていることは、県民や住民の思いをつかむのではなくて、つかみにいく、それぐらい入り込んでいくという姿勢が問われているのではないかなというふうに思っております。

 そのためには、県はもっと足を使い、時には時間をかけながらでも現場に行くことが大事であり、間違っても今の知事の答弁ではそのように私は理解をしませんけれども、理解を得るためにはすぐにお金を使えばいいというふうに考えることは間違いであるというふうに思いますので、そのような姿勢で今回の病院改革を進めていただかないことをお願い申し上げ、私の議案質疑を終わります。後は所管の委員会での鋭意審議をよろしくお願いいたします。終わります。(拍手)



○議長(三谷哲央) 4番 水谷正美議員。

   〔4番 水谷正美議員登壇・拍手〕



◆4番(水谷正美) 新政みえ所属の水谷でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 ポイントを絞りまして、奨学金制度についてお伺いをするところでございます。

 最近のテレビ、新聞報道等でかなり報道がされております。全国の授業料、高校のですね。滞納者の割合が増えてきたと。全国で0.9%から2.7%に増加しているということでございます。三重県はどうかということなんですが、未収状況は0.57%から1.01%に増加している状況だと。この授業料の減免者数が増え続けて、今、国公立の高校生が4万1000人ぐらい三重県内にいらっしゃいますけれども、そのうちの10%近い約4000人が授業料の減免を受けているという状況でございます。

 この授業料の減免制度は、保護者の収入が生活保護世帯、非課税世帯などにのみ適用されることになっているため、生活保護世帯などではないけれども、高校の授業料を払えない世帯には奨学金制度を利用するということだと考えております。この奨学金制度の拡充のために今回の補正予算があって、高等学校等進学支援事業費約4億5500万円に新規貸付額として3000万円の増額をして申込増に備えるということでございます。

 まず、お伺いしたいんですけれども、この3000万円の根拠なんですけれども、文部省の想定する貸付対象額が増加する割合、20%ぐらいだろうというふうにしているそうでございます。そのことについて、県はどうお考えになっているのか。この数字は正しいというふうに思われているのかどうか。20%の根拠と3000万円増額した根拠のところからまず説明を求めたいと思います。



◎教育長(向井正治) 奨学金につきましては、この21年度当初予算を組む際から経済状況が非常に悪化しておりましたので、その際、既に昨年度の採用実績でございます新規の495人分、これの2割増しということで600人というところでございます。しかしながら、さらに経済情勢が悪化しておりますことから、今回、奨学金を必要とする生徒が予想を上回る可能性があるということで、さらに100名分の貸付枠を拡大したというふうなことで補正を計上させていただいたところでございます。

 3000万円につきましては、基本的には国のほうの対応状況にはよっておるところでございますけれども、20%増しの部分で、その部分につきまして新規の枠が増えるというところに対しまして計算した額でございます。この議場で細かい計算式を言うのはちょっとややこしくなりますので、また議員にも資料提供させていただきたいと思っておりますが、そういうことで当初予算から2割増しで計上して、さらに今回の補正で100人分を積み増した。その100人分が3000万円という計算でございます。

   〔4番 水谷正美議員登壇〕



◆4番(水谷正美) やはり根拠のところがざっくり2割とか、100人増しとかいうふうにお話になっておられるんですけれども、ここのところは緻密に積み上げたいというふうに思うわけです。というのは、今年、日本学生支援機構という大学の奨学金を受け付けている機構がございます。そこが利子つきの条件にもかかわらず4000人程度という予想が9000人殺到したという状況でございまして、三重県では、国公立の高校の奨学金を担当するということなんですけれども、そこのところをきっちり分析をしながら積み上げてほしいなという思いがございます。

 恐らくまだまだ使いづらいところがあるんだというふうに思っておりまして、例えば、連帯保証人制度は県がやっている奨学金制度にはあるわけですけれども、学生本人に奨学金を貸すんですが、学生にあなたの銀行口座を持ちなさいと。貯金通帳を出してそこにちゃんと奨学金が振り込まれるようにしますから、あなたは自立するんですよという指導をしながら、残念ながら連帯保証人は親はだめだとか、親以外の人で探してきなさいというふうに指導がされて条件になっていたりするわけです。なるだけ奨学金を申し込むときにバリアがない形にしてほしいという思いなんですけれども、ここのところはどうお考えですか。



◎教育長(向井正治) これまでも借りやすい制度ということにつきましては、毎年様々なことに取り組んできたところでございます。ここで紹介させていただきますと、返還期間の延長でありますとか、連帯保証人の国籍要件の緩和、返還事由に失職を加えるというふうなことでございますが、こういった条件緩和につきましては、実際に中学校のときに担任の方とか、各学校に相談していただく担当の先生方を置いております。

 そういうところで、今の条件に課題となっていることについて、教育委員会のほうが聞き取りを行いまして、それでこの場合には対応した項目がないなというようなことで、そして、今度の実際に貸していただくときまでにそういった変更をしていくと。また中学校でそれがうまくいったのかどうかということを実際に高校で貸す際に検証しながら、そして、今度はまた中学校で貸す際の課題になったことについて聞き取りをしてさらに制度を使いやすくしていくと。そういう形で制度の改変をしてきたところでございます。

 議員御提案の連帯保証人ということについて、実際の保護者ではどうかという御提案でございます。それも一つの考え方ではございますけれども、やはりこの制度につきましては、実際にお貸しして返していただいて、それをその次の原資にしていくというふうな考え方もございます。そういう中で、制度運営を図っております関係上、やはり一定の保証人の方は必要かなということも考えておりますが、今の経済情勢の中でそれについてもどうなのかという意見があるのは承知しております。

 そういう中で、いま少し全国の教育長協議会等でも議論をしていただいていますのは、今、議員が紹介していただきました大学の制度については、実際の機関保証、信用保証協会のようなものですね。そういうものがバックにあって、あるいは国際教育協会とか、そういうところから一定の、月1000円程度を払うと保証人がなくてもいいよという制度がございます。そういうのを高校の奨学金にも採用したほうがいいんじゃないかという意見が結構ございますので、それについては制度要望として国のほうにも要望しているところでございます。

 制度の安定性からいきますと、確実にそういったもし何らかの事由が生じて返してもらえないときには、そこから返ってくるとなれば制度の持続可能性なり、安定性から見れば、それのほうがはるかに安定性があるかなというふうにも考えているところで、そちらのほうを今主に検討を進めているところでございます。

 議員御提案の保証人の保護者要件につきましても、実際に現実にどういうところをやっているのか。また、そういうことについての課題が何なのかということについても研究はさせていただきたいと思っております。

   〔4番 水谷正美議員登壇〕



◆4番(水谷正美) ぜひお願いしたいんですけれども、先ほどお話になられた大学のほうですね。日本学生支援機構の制度設計のあり方についてのお話だったんですね。機関保証制度というのを高校の場合導入したらどうかという話だったと思います。

 平成17年に旧育英会から都道府県に移管されたとき、それ以降それほど大きな制度を抜本的に考えるような制度設計のやり直した部分というのはないというふうに僕は思っているんですね。そこのところをこれからぜひやっていただきたいというふうに思っておりまして、担当者の方といろいろお話をすると、やはり年度がわりのときに告知をして、そのときに大きく制度が変わったということをお知らせして受け付けるというふうにやってきたとお話になっておられて、私はぜひ秋にやるべきだというふうに申し上げたんです。そこのところも考えてほしいなというふうに提案をしておきたいと思います。

 時間が近づいてまいりましたので終結をしますけれども、この奨学金制度の拡充につきましては、我が派で昨年の末に緊急経済対策要望として取り上げさせていただいておりました。今回予算の増額ということになったんですが、条件の緩和というところまではなかなかいっていないということでございます。ぜひお願いを申し上げたいと思います。親の経済力によって生まれる教育格差というのをなくしていきたいという思いでございますので、心からお願いを申し上げて、質疑を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)



○議長(三谷哲央) 19番 末松則子議員。

   〔19番 末松則子議員登壇・拍手〕



◆19番(末松則子) お疲れのところ申しわけありません。議案第117号 平成21年度三重県一般会計補正予算、衛生費の増額補正について質疑をさせていただきます。

 先ほどの一般質問の中でも質問をされておりましたし、中川議員のほうからも質疑がありましたので、私の10分は必要ないのかなというふうな気もいたしておりますけれども、改めて確認をさせていただきたいと思います。

 知事は、2月に県立病院改革に関する考え方(基本方針)(案)を示されたとき、記者会見の中でも、2月会議の答弁の中でも、先ほど来の質問の答弁の中でも、「病院機能を廃止することが目的ではなく、病院の運営体制を再構築し、今後とも健全な経営を継続させることを前提に、各病院が県民に良質で満足度の高い医療を安定的、継続的に提供することを目的としている」というふうにお答えをいただいておりますし、2月に私が質問をさせていただいた答弁の中には、「県立病院改革というものは避けては通れない大きな課題でございまして、今後この基本理念、あるいは病院の方向性について、県民とか、あるいは関係者の皆さんに十分説明を行いまして、できるだけ速やかに基本方針を決定いたし、着実に進めてまいりたい、そう強い思いでございます」と答弁をいただきました。

 ここまで繰り返しいろいろな会議の中で答弁をしていただいておりますし、熱く語ってこられておりますこの県立病院改革につきまして、政治的決断をされ、不退転の覚悟で取組をされているはずのこの改革案に対して、今なぜ想定内であったと思われるような予算を上げられるのかが理解できません。

 先ほど知事の答弁の中にもお答えがありました、当初予算を示した後に具体的に相手を探していく中では、やはりコンサル等と専門的権威のもとに確かめていかなければならないところがあるというような答弁でございましたし、竹上議員のお言葉をかりるのであれば、今回の病院関係の予算は婿探しのための嫁入り道具をどうするか、婿候補を探るための委託であるかというような竹上議員は表現をされておりますけれども、余りに手法に走り過ぎて、本来の目的とは少し離れているような気がしている予算でございます。

 「美し国おこし・三重」、新博物館、新体操、すべていつもこのような形で後づけのように補正で上げられてきております。県立病院の問題は命にかかわる最重要の県政課題であります。繰り返しますが、なぜこの時期にもっと慎重に補正予算を出されなかったのか、確認をさせてください。



◎知事(野呂昭彦) 経緯については、しっかり私の発言録も読み上げていただきまして、大変ありがとうございます。病院改革につきましては、なぜ当初予算に上げなかったんだとか、あるいは想定内であったのかどうなのかということですが、今回の補正予算というのは、少なくとも想定内とは言えない状況で出させていただいたような状況にあるかなと思っています。

 まず、当初予算のほうで具体的なこういう病院の相手について、いろんな調査をもっと詳細に詰める経費を上げなかったのは、あくまでも案としてお示しをしておるときに、案をとってからの調査費等を当初から上げていくということについては、これはいかがなものだろうかということもありまして、したがいまして、案としてお示しをし、それを、例えば住民説明会等で必要な経費だけをまず当初予算に上げさせていただいて、そして、その後の経費については、案をとって方針を決定した後で補正予算として上げさせていただこうと、こういうふうに考えておったところでございます。

 しかし、実は住民説明会、あるいはパブリックコメント等をいたす中で、地元の皆さん、特に津の美杉、白山地域の方々とか、あるいは志摩地域の方々は大変病院の継続、医療が継続されるんだろうかというようなことに疑問を持たれ、不安を感じておられる。これが非常に強いものだという状況がわかっておる中で、もう一方、わかりやすい病院の姿を、案をとって決定にして調査していこうということは、これは住民に対する、県民に対する丁寧な説明の仕方ではないだろうと、こう考え、そうなりますと案をとって決定という方針のもとでお示しをするのではなくて、今の案のままでより具体的に、多分交渉相手になるだろうというところからのいろんな状況、情報を集めてこなければならない。

 そうでないと、なかなかそれは具体的に担保されたような病院の姿をお示しすることはできませんから、そうなりますと、やはり県が直接ということについては、相手がありますから、したがって、多分直接ということであれば、我々が得たい情報も向こうは出してこない可能性がありますので、コンサルタントを間接的に挟ませる形で、その病院の状況を調べたいと、こう思ったところでございます。

 今回の補正予算につきましては、したがいまして、パブリックコメント、住民説明会、これをやった状況の中で、やはり県として、これ以上また住民の皆さんとのいろんな説明会等を進めるにしても、それに対して必要な資料をより深く集めていく必要がある。こういうことで出させていただきました。当然それをまた県議会の今後の御議論にも生かしていただくべく、ぜひ今度の補正予算でお認めいただいて、そういった具体的な病院の姿というものをより詳細に御提示申し上げたいと、こう考えておるところであります。

   〔19番 末松則子議員登壇〕



◆19番(末松則子) ありがとうございました。

 当初予算、住民説明会等、終わってからそういうふうな形で出てきた。具体的に詳細に県民の皆さんに御理解をいただくためにどうしても必要な予算であるというふうに御説明をいただきました。余り手法にということではなく、真摯に説明をするためのというふうに理解をさせていただきますので、しっかりと調査もしていただかなければならないというふうに思います。

 私の個人的なこの問題に関しての感想だけ最後に述べさせていただきたいと思いますけれども、確かに平成17年、県議会で当時の議長の諮問機関の中で、公営企業民営化検討会の最終報告の中で、運営形態のことまでしっかりと踏み込みをさせていただいた提言をしてきたというふうに思っておりますし、これもしっかり読ませていただきましたらかなりすばらしいできのものだなというふうに思っております。

 それから以後、いろいろな時間を繰り返す中でいろいろ方向性が見出され、今に至ったというふうな経緯の中は、もうこの議会も含めて何回も繰り返し皆さんが御議論されていることだというふうに思っております。ただ、その当時と今とでは時間の経過もあり、それぞれ考え方も、みんなが感じる温度差も違ってきておりますし、まして、これは議会や執行部、知事だけではなく、住民の皆様方もそういうふうな形で環境、立場というものも変わってきておられるというふうに思っております。

 命にかかわる問題でございますので、慎重にこれから住民説明会等、それから、今から常任委員会がありますので、その中で慎重審議をしていただいた結果、この補正がしっかりと有効に活用をされていくというふうに思わせていただいて、これからの議論に期待をさせていただいて質疑を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。(拍手)



○議長(三谷哲央) 以上で、議案第106号から議案第118号まで並びに議提議案第7号に関する質疑を終了いたします。



△議案付託



○議長(三谷哲央) お諮りいたします。ただいま議題となっております議案第106号から議案第118号まで並びに議提議案第7号は、お手元に配付の議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○議長(三谷哲央) 御異議なしと認めます。よって、本件はそれぞれ所管の常任委員会に付託することに決定いたしました。

          ──────────────────



△議案付託表





議案付託表





 政策総務常任委員会


議案番号件名
議提7三重県における補助金等の基本的な在り方等に関する条例の一部を改正する条例案


 健康福祉病院常任委員会


議案番号件名
118財産の取得について


 県土整備企業常任委員会


議案番号件名
107三重県屋外広告物条例の一部を改正する条例案


 教育警察常任委員会


議案番号件名
108三重県警察の組織に関する条例の一部を改正する条例案
109工事請負契約の変更について(松阪警察署建築工事)
110損害賠償の額の決定及び和解について


 予算決算常任委員会


議案番号件名
106平成21年度三重県一般会計補正予算(第4号)
111平成21年度三重県一般会計補正予算(第5号)
112平成21年度三重県母子及び寡婦福祉資金貸付事業特別会計補正予算(第1号)
113平成21年度三重県農業改良資金貸付事業等特別会計補正予算(第1号)
114平成21年度三重県水道事業会計補正予算(第1号)
115平成21年度三重県工業用水道事業会計補正予算(第1号)
116三重県森林整備加速化・林業再生基金条例案
117平成21年度三重県一般会計補正予算(第6号)


          ──────────────────



○議長(三谷哲央) これをもって本日の日程は終了いたしました。



△休会



○議長(三谷哲央) お諮りいたします。明16日から29日までは委員会の付託議案審査等のため休会といたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○議長(三谷哲央) 御異議なしと認め、明16日から29日までは委員会の付託議案審査等のため休会とすることに決定いたしました。

 6月30日は、定刻より本会議を開きます。



△散会



○議長(三谷哲央) 本日はこれをもって散会いたします。

               午後4時40分散会