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三重県 三重県

平成21年第1回定例会 03月04日−07号




平成21年第1回定例会 − 03月04日−07号









平成21年第1回定例会



                平成21年第1回

              三重県議会定例会会議録



                 第 7 号



            〇平成21年3月4日(水曜日)

          ──────────────────

              議事日程(第7号)

                  平成21年3月4日(水)午前10時開議

 第1  県政に対する質問

     〔一般質問〕

          ──────────────────

               会議に付した事件

 日程第1  県政に対する質問

          ──────────────────

             会議に出欠席の議員氏名

 出席議員  49名

    1  番                長 田  隆 尚

    2  番                津 村    衛

    3  番                森 野  真 治

    4  番                水 谷  正 美

    5  番                杉 本  熊 野

    6  番                村 林    聡

    7  番                小 林  正 人

    8  番                中 川  康 洋

    9  番                今 井  智 広

    10  番                藤 田  宜 三

    11  番                後 藤  健 一

    12  番                辻    三千宣

    13  番                笹 井  健 司

    14  番                中 村    勝

    15  番                稲 垣  昭 義

    16  番                北 川  裕 之

    17  番                服 部  富 男

    18  番                竹 上  真 人

    19  番                奥 野  英 介

    20  番                末 松  則 子

    21  番                中 嶋  年 規

    22  番                水 谷    隆

    23  番                真 弓  俊 郎

    24  番                舘    直 人

    25  番                日 沖  正 信

    26  番                前 田  剛 志

    27  番                藤 田  泰 樹

    28  番                田 中    博

    29  番                大 野  秀 郎

    30  番                青 木  謙 順

    31  番                中 森  博 文

    32  番                前 野  和 美

    33  番                野 田  勇喜雄

    34  番                岩 田  隆 嘉

    35  番                貝 増  吉 郎

    36  番                山 本    勝

    37  番                吉 川    実

    38  番                森 本  繁 史

    39  番                舟 橋  裕 幸

    40  番                三 谷  哲 央

    41  番                中 村  進 一

    43  番                西 塚  宗 郎

    44  番                萩 野  虔 一

    45  番                永 田  正 巳

    46  番                山 本  教 和

    47  番                西 場  信 行

    48  番                中 川  正 美

    49  番                萩 原  量 吉

    50  番                藤 田  正 美

   (51  番                欠      員)

   (52  番                欠      員)

   (42  番                欠      番)

          ──────────────────

          職務のため出席した事務局職員の職氏名

   事務局長                 大 森  秀 俊

   書記(事務局次長)            高 沖  秀 宣

   書記(議事課長)             青 木  正 晴

   書記(企画法務課長)           内 藤  一 治

   書記(議事課副課長)           岡 田  鉄 也

   書記(議事課主幹)            中 村  洋 一

   書記(議事課主幹)            山 本  秀 典

   書記(議事課主査)            西 塔  裕 行

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            会議に出席した説明員の職氏名

   知事                   野 呂  昭 彦

   副知事                  安 田  敏 春

   副知事                  江 畑  賢 治

   政策部長                 渡 邉  信一郎

   総務部長                 福 井  信 行

   防災危機管理部長             東 地  隆 司

   生活・文化部長              安 田    正

   健康福祉部長               堀 木  稔 生

   環境森林部長               小 山    巧

   農水商工部長               真 伏  秀 樹

   県土整備部長               野 田  素 延

   政策部理事                山 口  和 夫

   政策部東紀州対策局長           林    敏 一

   政策部理事                藤 本  和 弘

   健康福祉部こども局長           太 田  栄 子

   環境森林部理事              岡 本  道 和

   農水商工部理事              南      清

   農水商工部観光局長            辰 己  清 和

   県土整備部理事              高 杉  晴 文

   企業庁長                 戸 神  範 雄

   病院事業庁長               田 中  正 道

   会計管理者兼出納局長           山 本  浩 和

   政策部副部長兼総括室長          竹 内    望

   総務部副部長兼総括室長          北 岡  寛 之

   総務部総括室長              稲 垣  清 文

   防災危機管理部副部長兼総括室長      細 野    浩

   生活・文化部副部長兼総括室長       長谷川  智 雄

   健康福祉部副部長兼総括室長        南 川  正 隆

   環境森林部副部長兼総括室長        長 野    守

   農水商工部副部長兼総括室長        梶 田  郁 郎

   県土整備部副部長兼総括室長        廣 田    実

   企業庁総括室長              浜 中  洋 行

   病院事業庁総括室長            稲 垣    司

   総務部室長                中 田  和 幸



   教育委員会委員長             竹 下    譲

   教育長                  向 井  正 治

   教育委員会事務局副教育長兼総括室長    鎌 田  敏 明



   公安委員会委員長             寺 田  直 喜

   警察本部長                入 谷    誠

   警察本部警務部総務課長          久 保  博 嗣



   代表監査委員               鈴 木  周 作

   監査委員事務局長             天 野  光 敏



   人事委員会委員長             飯 田  俊 司

   人事委員会事務局長            溝 畑  一 雄



   選挙管理委員会委員長           大 橋  純 郎

   選挙管理委員会委員            岡 田  素 子



   労働委員会事務局長            吉 田  敏 夫

          ──────────────────

               午前10時0分開議



△開議



○議長(萩野虔一) ただいまから本日の会議を開きます。



△諸報告



○議長(萩野虔一) 日程に入るに先立ち、報告いたします。

 今期定例会に提出されました議案第83号及び議案第84号について、地方公務員法第5条の規定により、人事委員会の意見を求めましたところ、お手元に配付の文書のとおり意見が提出されましたので、ごらんおき願います。

 以上で報告を終わります。

          ──────────────────



△人委第234号

                           平成21年3月3日



  三重県議会議長 様



                        三重県人事委員会委員長



    地方公務員法第5条の規定による条例に対する意見について



 平成21年3月3日付け三議第290号でお尋ねのありました次の議案に対する本委員会の意見は別紙のとおりです。



                  記



議案第83号 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例案

議案第84号 公立学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例案





 別 紙 1



   職員の給与に関する条例の一部を改正する条例案に対する人事委員会の意見



 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例案は、本委員会が昨年10月9日に行った職員の給与に関する報告及び勧告等に基づき、通勤手当及び初任給調整手当の額等について所要の改定を行うものであり、適当と認めます。





 別 紙 2



   公立学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例案に対する人事委員会の意見



 公立学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例案は、本委員会が昨年10月9日に行った職員の給与に関する報告等に基づき、通勤手当、特殊勤務手当及び義務教育等教員特別手当の額等について所要の改定を行うものであり、適当と認めます。

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△質問



○議長(萩野虔一) 日程第1、県政に対する質問を行います。

 通告がありますので、順次発言を許します。15番 稲垣昭義議員。

   〔15番 稲垣昭義議員登壇・拍手〕



◆15番(稲垣昭義) おはようございます。新政みえ、四日市選出の稲垣昭義です。議長のお許しをいただき、一般質問の最終日に登壇の機会をいただきましたことに感謝を申し上げます。

 今日は、最初に、子どもたちの心の病に対する取組について、幾つか提案もさせていただきながら議論をしたいと思います。

 まずは、スクールカウンセラーについてお尋ねします。

 子どもを取り巻く環境が多様化し、心の病を持った子どもや保護者、教師の相談に乗る専門家の必要性が強まり、本県ではスクールカウンセラーが平成7年に3校で導入され、平成13年には40校となり、国策としても力を入れるようになったこともあり、平成20年度は、中学校147校、小学校17校、高等学校17校と増えてきました。また、スクールカウンセラーの数は平成20年4月現在で88名となっており、こちらも年々増えています。

 専門的な対応が可能なように臨床心理士の資格が必要ですが、人材確保が困難なことから、国の基準では、資格がなくても準ずる者ということで、全体の4割までなら認められております。本県の内訳を見てみますと、88名中54名が有資格者で、34名が準ずる者であります。また、問題は、本県に臨床心理士を養成できる大学がないこともあり、有資格者54名中、県内在住者は40名で、14名は県外の方であります。

 いじめ、不登校、暴力行為、児童虐待など子どもを取り巻く問題行動は極めて憂慮すべき状況にあり、これらの問題行動の背景には、家庭、友人関係、地域、学校など子どもたちが置かれている環境の問題が複雑に絡まり合っております。そんな中、スクールカウンセラーの役割は極めて大きく、配置学校を増やすことや数を増やすことは今後も重要なことと考えますが、それ以上に人材の質を向上させることが最も重要であると考えます。

 本県は、準ずる者の割合が多いことや県外在住者が多いことなどを考えると、県として人材を育成するプログラムを持ち、研修を義務化するとか、スクールカウンセラー同士のネットワークを構築するなどのさらに強固な取組が必要と考えますが、いかがでしょうか。

 また、スクールカウンセラーの質を向上し、よりよい制度にするためにスクールカウンセラーやその支援を受けた子ども、保護者、教員の声を聞き取る仕組みをつくるべきと考えますが、いかがでしょうか。

 我が国において、大人も子どもも心に病を抱える人の数は年々増加すると考えられ、臨床心理士の役割はますます大きくなると考えます。中長期的な視点で考えると、本県において、例えば三重大学とともに臨床心理士を養成できる学部の新設に向けた取組を始めるなどといったことも提案をしたいと思いますが、御所見をお聞かせください。

 さらに、今後、準ずる者の割合は減らしていくべきであると考えますが、今後の本県のスクールカウンセラーのあり方もあわせてお答えください。

   〔向井正治教育長登壇〕



◎教育長(向井正治) 稲垣議員のスクールカウンセラーについての御質問にお答えいたします。

 議員御紹介のように、スクールカウンセラーは、平成7年、3校でスタートしましてから、その後、毎年配置校を増やしてまいっております。本年度は、新たに小学校17校を加えまして、小・中・高等学校合わせまして181校に配置し、各学校での相談体制の充実を図っております。

 不登校やいじめなどの問題行動がますます複雑化、多様化しております。そういったことから、議員の御紹介がございましたように、スクールカウンセラーの資質の向上というものは非常に重要であると考えております。

 スクールカウンセラーの研修会につきましては、昨年度までは年3回、初任者については年5回を実施してきたところでございます。今年度は、しかしながら、国の支援が実はなくなりましたので、今後どういう研修体制をしていくかにつきまして検討を進めてまいったところでございます。

 教育委員会といたしましては、この検討結果に基づきまして、より専門性を向上させることが必要と考えております。来年度につきましては、議員からも必要性を質問していただきました情報交換、スクールカウンセラー間の事例研修会とか、そういった形での研修会を実施する予定でございます。そういった中にも、県にあります臨床心理士会等の専門的な方々の協力も得ながら、資質の向上には今後より一層取り組んでいきたいと考えております。

 議員の御提案でございました地元での養成機関の設置といったものにつきましては、三重大学ともいろいろな話を進めながら、今後研究はしていきたいと考えております。

 以上でございます。

   〔15番 稲垣昭義議員登壇〕



◆15番(稲垣昭義) 御答弁をいただきまして、昨年度までは年3回やっていただいておって、今年度、国の支援がなくなったということでできていないということで、来年度以降そういうのを実施したいというふうに考えているという御答弁をいただきましたが、議事録をちょっと読ませてもらっていましたら、平成19年の第4回定例会で私ども新政みえの津村議員のほうからスクールカウンセラーを養成する専門的な機関であったり、専門的な支援の方法が必要ではないかといった質問に対して、当時は安田教育長でしたが、答弁では、スクールカウンセラー同士の連絡会議を年3回ほど開いており、ここでいろんなケースが持ち寄られて情報共有をし、県教委も今後の生徒指導なり教育行政の参考にさせていただいているというふうに答弁をされておりまして、このネットワークでいろんなことを共有しながら有効に活用していこうというふうに思っておりますという形で答弁をされておりました。ただ、実際は、先ほどの答弁を聞かせていただきますと、このとき、3回開いているものを有効に活用してという答弁をされておりますが、この20年度は連絡会議というものが開かれていないということでしたし、ただ、それも全員に義務化されたものであるのかどうかというのはちょっと私はよくわからないんですが、その当時の安田教育長の答弁と大きく違うような形でこの20年度が進められていたというのは非常に残念に思いますし、国の支援がなくなったという理由でそんなことでいいのかなということも思います。先ほど向井教育長のほうからは、来年度は研修会を実施するということで言われておりましたし、臨床心理士会との連携もしながらという答弁もいただきましたが、はっきりともう一度確認をしたいんですが、それはただ1回だけ開くだけなのか、それまでやっていた年3回、あるいは初任者5回というような形のものを目指していかれるのか、その中身をもう少し詳しくお答えください。



◎教育長(向井正治) スクールカウンセラーの資質の向上につきましては、実際に活用事項としまして、どういった形かというのは具体的にはまだ今のところはっきりはしておりませんけれども、基本的な形では事業を今組み立てておりまして、全体としまして予算的には1億7000万の予算を組んでおりまして、そういった中でスクールソーシャルワーカーというものの活用と、さらに研修会の事業化をいたしております。

   〔15番 稲垣昭義議員登壇〕



◆15番(稲垣昭義) できるだけ、1回集まるだけというよりは、やっぱり情報交換をしっかりしていただくような形が望ましいと思いますし、先ほど申しましたように、本県の場合は、臨床心理士の方のみではなくて準ずる方の割合も多いですし、また、同じ臨床心理士でも県外の方も多いということですので、やっぱりその連携をしっかりとれるような体制を県として、これは責任を持ってやっていただきたいなというふうに思っておりますので、ぜひとも中身の濃い研修にしていただけるようにお願いをしたいなと思っています。

 それで、先ほど答弁の中で1億7000万円ぐらいでということでしたが、スクールワーカーのみならず、スクールソーシャルワーカーも活用してという答弁がありました。この20年度は、文部科学省のほうからスクールソーシャルワーカー活用事業が新たに始まっておりまして、本県においてもスクールソーシャルワーカーを採用していたというふうに聞いております。先ほど議論させていただいたスクールカウンセラーは、臨床心理士の資格を有するということですが、国のほうとしては、このスクールソーシャルワーカーは社会福祉士の資格を考えているようでありまして、複雑化した心の病に対応するために様々なこういう仕組みが考えられているというのは非常にいいことであるなというのは思う一方、制度が非常に複雑化して効果が見えにくくなるのではないかなというおそれも感じるところであります。現にほかの他県においては、このスクールソーシャルワーカーがうまく機能していないといった事例もお聞きをしますが、本県において、先ほど少し答弁のあったスクールソーシャルワーカー活用事業というのが、20年度の取組の検証と、あと、来年度以降どのような取組をされるのかというのもあわせてお答えをいただきたいのと、さらにこのスクールカウンセラーとのかかわり合い、兼ね合いをどのように考えていくのかも加えてお答えください。



◎教育長(向井正治) スクールカウンセラーにつきましては、臨床心理士の方が専門性を有しているということで、いわゆる生徒のいろいろな悩みとか心の病気等について対応していただくわけです。それに対しましてスクールソーシャルワーカーというのは、そういった中でそれに対応する社会の仕組みが様々ございます。例えば福祉の関係でありますとか、例えばそれに対応するような施設的なところでありますとか、専門的な相談機関とか、そういったところへのつなぎも含めまして、より社会性を要する対応について専門的な知識を有している、そういう方でございますので、両者がうまく連携していくことによりまして、より生徒のそういった心の病やいろいろな悩み等に答え、そして、それに対して対応していくといった連携がとれるというふうに考えております。

 20年度につきましては、始まったばかりで議員御紹介のように検証というところまで至っておりませんけれども、個々の事例を聞いておりますと、様々なところでいい連携ができておるというふうにも聞いておりますので、さらにこれをいい方向に発展させていきたいと考えております。

   〔15番 稲垣昭義議員登壇〕



◆15番(稲垣昭義) 国がスクールソーシャルワーカーって新しい制度をつくって、それにお金をつけているということもありますので、それも積極的に活用いただきたいと思いますが、冒頭からお話ししておりますスクールカウンセラーの役割、これはかなり大きいものがあると思いますので、そのソーシャルワーカーの方とうまく、先ほど答弁いただきましたように連携しながら、より質の高いものにしていただけるようにお願いしたいと思います。

 それでは、同じく次に、心の病のところで学校非公式サイト対策推進事業の取組についてお伺いをいたします。

 昨年、文部科学省が学校非公式サイト、通称学校裏サイトの実態調査を行いましたが、その結果、少なくとも3万8260件あることがわかり、全国に1万6300校ある中学・高等学校の数の実に2.3倍であることがわかりました。また、見つかった学校裏サイトのうち、「2ちゃんねる」をはじめとした電子掲示板に立てられたスレッド型が88%を占めており、特定の学校名を掲げた独立したサイトを立ち上げる特定学校非公式サイトは全体の2%に過ぎず、ここ数年で激減したことがわかりました。インターネット上の子どもたちは余りにも無防備であり、学校裏サイトはいじめの温床になっておりますが、今回の調査報告を見ると、さらにやみの深いところにもぐっている現状が見てとれます。自分の学校の裏サイトがないか巡回することも教師の任務の一環と考えるべきだと指摘されていますが、裏サイトの存在自体が見えにくくなっている現状や、先生たちがただでさえ日常の業務に追われ、余裕がない現状などを考えると、学校現場での対応はかなり困難であると考えます。保護者や地域の方々が裏サイトを見つけたら学校に知らせる仕組みを構築したり、サイトの提供業者を含めた大人、企業の責任を明確にすべきであると考えます。

 平成21年度当初予算案の中で、学校非公式サイト対策推進事業の取組を提案いただき、初めて県として子どもたちをインターネット被害から守る取組をスタートいただくことは評価をいたしますが、先に述べたような非常にやみの深いところにもぐり込んでいる現状を考えますと、かなり踏み込んだ対応が求められると考えます。全国に先駆けた取組が、粘り強く、中身の濃いものになるよう期待をいたしますが、1点だけ警察本部長にお尋ねをいたします。

 学校裏サイトは、いじめの温床のみならず、出会い系サイトや有害情報に関するものなど犯罪性の強いものが多々存在します。警察として厳しく取り締まる必要があると考えますが、これまで実態をどのようにとらえているのか、あるいはまた、平成21年度以降、教育委員会の新しい取組と絡めてどのように展開をされるのかお示しをください。

   〔入谷 誠警察本部長登壇〕



◎警察本部長(入谷誠) お答えをいたします。

 まず、インターネットに起因する少年犯罪被害の犯罪の現状等についてでございますが、平成20年中、三重県警察におきましては、インターネットに起因する性的被害等の少年の福祉を害する犯罪について、児童買春・児童ポルノ法、青少年健全育成条例等の違反により19件、16人を検挙しておるところでございます。

 また、いわゆる学校裏サイトなどへの個人情報や悪口などの無秩序な書き込みがいじめに発展するなど、少年の健全な育成に悪影響を及ぼすことも懸念されておるところでございます。

 こうした中、警察といたしましても、この種犯罪等の未然防止など少年の保護に向け、これまで警察によるサイバーパトロールのほか、サイバーパトロールモニターの活用、教育委員会、学校等の関係機関、また、警察ボランティア等などと連携いたしました広域的、多角的な違法情報等の把握収集、広報資料の配付、非行防止教室等の活用など多様な広報手段により、出会い系サイト等へのアクセスの危険性、フィルタリングの有効性などに関する少年、保護者等への広報啓発の徹底、把握あるいは提供のあった犯罪性のある情報に対する取り締まりの強化などを主とした対応を進めておるところでございます。

 今後の取組の関係でございますが、今般、県教委におきまして新規の事業として、いわゆる学校裏サイトに対する監視等を強化されることとなり、警察に寄せられる連絡、相談等の拡大も予想されているところでございます。

 子どもをインターネットに絡むトラブルや犯罪被害から守るためには、教育委員会、学校、また、ボランティア等との連携による総合的な対策の展開が不可欠と認識しておるところでございまして、今後、警察といたしましても、関係機関等と手を携えて取組の一層の推進を図ってまいりたいというふうに考えておるところでございます。

   〔15番 稲垣昭義議員登壇〕



◆15番(稲垣昭義) ありがとうございます。インターネット被害について20年度も取組をしていただいておりますが、21年度以降、県教委のこの新しい取組にあわせて、そういった相談とか通報も増えるであろうということですので、しっかり対応いただきたいなというふうに思います。

 それとまた、加えて、警察独自のやっぱり捜査力もしっかり強化をいただいて、このやみの部分、なかなか手が突っ込みにくいところかもわかりませんが、かなりの犯罪の温床になっている部分もあろうかと思います。そのあたりについての対応も強くまた求めたいなと思っております。

 県教委のほうも、この新しい取組、先ほど大きく期待するという話をさせていただきましたが、かなりやみの部分も多いということで、業者委託をして、いろいろ学校裏サイトのチェックをいただくんだろうと思いますが、先ほど言いましたように学校名が出ている裏サイトなんていうのは2%に過ぎず、それ以外、もう潜ってしまっておるわけですから、そこをどのようにやっていくのかというのは、事例もいろいろ研究もしながらやっていただきたいなというふうに思います。その取組は大いに期待をしていきたいなというふうに思っています。

 私は、そもそもインターネットの環境の整った携帯電話を子どもに持たせた大人の責任が非常に大きいものがあると考えます。現在、子どものネット利用は、ほとんどが携帯を使って行われており、大人の目が届きにくいのが大きな問題です。携帯電話は、親や教師の見守りが非常に難しいツールであり、学校裏サイトなどへの対策が、先ほども議論しましたけれども、後手後手に回っている現状を考えると、子どもが携帯電話を持つことに対する考え方を整理する必要があると考えます。

 インターネット機能つきの携帯電話を子どもに持たせているのは世界じゅうで日本だけであり、インターネット先進国のアメリカにおいても、子どもがインターネットを使うのはパソコンのみであります。

 知事にお伺いしますが、先ほどから議論しております、インターネット上の子どもたちが余りにも無防備な状態であることと、現状でこのことに対するしっかりとした対応策がないことを考えると、大人が子どもに携帯電話を持たせることの是非についてどのようにお考えか、御所見をお聞かせください。

 また、教育長にお尋ねしますが、文部科学省は、本年1月30日に携帯電話の持ち込みを原則禁止することを各都道府県教育委員会に通知をしましたが、現在の本県における小・中学校への携帯電話の持ち込み状況と、今後子どもたちが学校に携帯電話を持ち込むことに対する考え方、あるいは具体的な対応についてお答えをください。



◎知事(野呂昭彦) 携帯電話でありますけれども、今、大変な勢いですぐれたコミュニケーションツールとして大変な普及をしてきておるわけでありますけれども、お話にありましたように、インターネット等大変多機能な携帯電話でございまして、むしろ、情報末端としても、とらえるということのほうがふさわしいのではないかなと思います。しかし、いろんな今までのお話のとおり、子どもたちにつきましては、それがいじめの温床になったりとか、あるいは犯罪に巻き込まれるような、そういう危険性があるというようなことで、問題を数多く有しておるというところであります。

 お話にありましたように、子どもたちにつきましては、小・中のほうは、原則としてそれを持つことを禁止を既にしておるということでありますし、高等学校におきましては、授業中とか校内での使用を禁止しておるというようなことでございます。しかし、携帯電話というのは、これは使ってみると確かに大変便利なものでもあります。しかし、その便利さと同時に、子どもたちにはその裏にあるリスクというもの、これを両面しっかり教えていくということが大事でありますし、稲垣議員が今まで述べられておる中にもありましたけれども、やはり学校や保護者だけでなく、行政や事業者、社会全体が、やはり子どもたちを守り育てていくという立場で、大人として力を合わせてしっかり取り組んでいくというようなことが大事なんだろうと、こういうふうに考えておるところでございます。



◎教育長(向井正治) 学校での携帯電話の取り扱いにつきましては、本年1月に文部科学省から通知が来たところでございます。その中におきましては、小・中学校は原則持ち込み禁止、高等学校は校内における使用を制限すべきということがあらわされております。

 もう一つ、その通知の中には、例外的な措置としての緊急の連絡手段とせざるを得ない場合のやむを得ない事情とか、そういうふうなこと、また、学校とか地域の実情を踏まえることもできるというふうな内容がございます。そういうことも踏まえまして、今知事からも話がございましたように、三重県では、もう既に小・中学校では学習に不要なものは学校に持ち込まないという原則の中で、携帯電話につきましては既に原則持ち込み禁止となっております。高等学校におきましては、授業中やそういった学内での使用を禁止するということを既に全校で決められているところでございます。

 そういった中ではございますが、その通知にもございますように、基本的には学校で保護者等の実際の理解も得ながら決めていくというのが一番適切な対応ではないかというふうに思っております。それにつきましても、稲垣議員からも御紹介がございましたように、保護者の理解が不足しているというのもございますので、保護者に対する啓発といったものも非常に重要と考えております。そういった中で、理解を求めた上でそういう実際の子どもたちへの携帯の扱いというものを周知していく必要があると思っております。

 教育委員会といたしましては、今後、携帯電話の使用につきましては、今までもモラル教育といったものをネットモラルという観点からしてまいりましたけれども、プラスアルファとしまして、さらにリスク教育という観点も必要と考えておりますので、来年度の事業にもあわせまして、そういったリスクという面での教育を進めてまいりたいと、さように考えてございます。

 以上でございます。

   〔15番 稲垣昭義議員登壇〕



◆15番(稲垣昭義) ありがとうございます。

 知事のほうから携帯電話の今の現状、知事の思いも語っていただきましたが、なかなか学校に持ち込ませる、どうかというよりも、知事には、そもそも子どもが携帯を持つことをどう思うかなというのも率直に聞いてみたかったところでありますが、なかなかそれについてはちょっとお答え、今どうかなというのは、どう考えておられるのかなというのはわからなかったところがあったんですけど、時間もあれですので改めてはもう聞きませんが、先ほど教育長並びに知事のほうから、小・中学校については持ち込みは原則禁止にしているというお話もありました。この文部科学省の調査を見てみると、既に小学校の約94%、中学校の約99%は学校への携帯電話の持ち込みを原則禁止しているにもかかわらず、形骸化しているというふうに指摘もされています。このあたりは非常に微妙な問題でして、先ほど、保護者の理解とかいろんなことを教育長もおっしゃられました。まさにそうだと思います。現状として、携帯、保護者の理解も要るんですけれども、現状として起こっている、携帯からつながるインターネットの世界で子どもたちがたくさんの被害に遭う、あるいはいじめの温床になっているという事態を考えると、それぞれのもちろん意向は尊重するものの、それに対する対策というのはやっぱり考えていかなければいけないのかなということは強く思います。啓発とか親に対する教育というのも言うていただいておりますので、そのあたりもしっかりと、学校でどこまでできるのかという限界はあろうかとは思いますが、お願いしたいなと思いますし、こんな冊子も私も見せてもらったんですけど、(現物を示す)携帯安全教室とか、今いろんなツールはあるみたいです。そのあたりを県教委で独自につくれというよりも、あるものを活用してやるだけでもかなり有効な安全教育にもなるのかなとも思いますので、ぜひともお願いをしたいなと思います。

 それでは、次に、子どもを安心して産み育てることができる仕組みについて議論をさせていただきます。

 国は、第2次補正予算の中で、待機児童をゼロにするために保育所の整備や認定こども園の新たな整備、家庭で行うベビーシッターと言われる保育ママ制度の充実を図るために1000億円の予算を計上し、本県においては、そのうち11億7800万円が配分され、安心こども基金を設立することが決まりました。しかしながら、この中身は、平成22年までの2カ年で事業を行わなければならず、使えなかったお金は国に返さなければいけません。そして、県や市町は20年度中に事業計画を策定しなければいけないことになっております。20年度中といいますと、もう今日が3月4日ですので、今年度はもう1カ月を切っております。その20年度中に計画を策定しなければいけません。そして、10分の10の補助ではなく、市町あるいは事業者の負担が大きいことなど非常に使いづらいお金であります。また、使い道もある程度国で決められております。例えば認定こども園は、全国に2000カ所設置を目指しておりますが、先日の議案に対する質疑で公明党の中川議員への答弁でもありましたように、現在229カ所しか設置されておらず、その大きな原因は、保育園と幼稚園の所管が国で違うことによる二元行政の弊害であると言われておりますが、その改善の努力は国のほうでは見られずに、今回の特例交付金で設置を促すかけ声だけの目的となっております。本県としては、先日の答弁を聞く限りは、手続が煩雑なため広がらず、22年度までに尾鷲で1カ所できるかどうかということでありました。

 また、保育ママ事業に関しては、本県では現在ゼロでありまして、環境整備が大切で、待機児童解消のためのニーズがあるか疑問と答弁をされておりました。

 このように、現場の実情を知らない、あるいはもしくは知ってはいるが、あえて、政府の子育て支援策はパフォーマンスであって、やっているふりをして、実際には使いにくいお金を県に渡し、23年になったら返してもらうといった気持ちがあるのではないかと疑いたくなるような制度であります。

 知事はよく子育て支援は大切であると言われており、私も全く同感でありますが、今回の国の特例交付金が見せかけだけのお金に終わらないように、まずは22年度までの柔軟な運用と、23年度以降も中長期的な視点でこの基金を使うことができるよう強く国に求めていただきたいと思いますが、御所見をお聞かせください。

 さらに、妊婦健診臨時特例交付金についても申し上げます。

 これは、妊婦健診がこれまで5回無料であったものが14回まで拡大するものであります。先日、私の妻の友人が2人目の子どもを授かりましたが、お金がもったいないといった経済的な理由もあり、妊婦健診を受けていなかったところ、おなかの中で赤ちゃんが亡くなっておりました。私の周りでも、特に2人目以降の出産の場合、なれと経済的な理由などにより妊婦健診を受けないケースをよく耳にいたします。このような現状を考えると、先日、中川議員の質問に対して、本年4月から県内全市町で実施すると答弁されていたように、今回の制度改正は大いに評価をいたします。しかしながら、今回増えることになる9回分について、国2分の1、市町2分の1という負担割合であることから、国が4億1400万円、市町が4億1400万円の負担となります。この国の負担分については臨時特例交付金ということで、先ほど申し上げましたのと同様、平成22年までのものであり、23年度以降はありません。県民ニーズの高さから市町は今回努力をされ、9回分の増加を決断しました。この制度などは国の対応として2年で終わりといった見せかけの対応は許されず、安心できる、安定した制度にするために、今からでも23年以降の制度の継続を国に対して強く求めていただきたいと考えますが、こちらもあわせて知事の御所見をお聞かせください。

   〔野呂昭彦知事登壇〕



◎知事(野呂昭彦) まず、子どもたちのことでありますけれども、これは私たちにとりましては社会の希望そのものである、未来の力であると、こういうふうに思います。したがって、若い世代が安心と喜びを持って子どもたちを産み育てることができる、そして、その子どもたちが健やかに育っていく、そういう社会をつくっていくということは、現在最優先の課題であると私はかねてから考えてきておったところでございます。

 そこで、国のほうですが、昨年の10月30日に新しい経済対策であります生活対策が決定をされまして、その中で、今御質問をいただいております少子化対策として、平成20年度の第2次補正におきまして、安心こども基金の創設と妊婦健康診査の公費負担の拡充が打ち出されたところでございます。お話にありましたが、これらはいずれも県で基金を造成しまして、市町で行います保育基盤の整備とか、あるいは妊婦健康診査の助成につきまして、来年度、21年度と22年度の2年間にわたって補助するということになっておるところでございます。

 制度に対する考え方でございますけれど、私は、以前から高齢者に対する施策も大事であるけど、それ以上に私たちの未来である子どもたちに対する助成が非常に大事だと。特に、例えば出産や育児などいわゆる家族関係社会支出でありますけれども、これは、我が国はヨーロッパ諸国、先進諸国と比べまして非常に低いものでございます。対GDP比で、例えばフランスが3.02%、スウェーデンが3.54%ということですが、直近の日本の数字を見ても0.83%というような低いものでございます。

 それから、子どもの問題については、かねてから幼保問題がありましたように、私は、行政の縦割りで子どもに対するこういった施策が一緒にならない、できないということについては、これは政治の貧困だと、こういうふうに思っておるところであります。その意味で、課題は大変大きく重いものがあると思っております。しかし、これまでのこういった子どもに対する社会支出が少ないというような意味、あるいは妊婦健康診査の非常に必要性、重要性からかんがみますと、今回の国の財政出動については一定の評価ができるものと考えております。しかし、使途が限定されているということやら、それから、市町の財政負担が大きいというようなこと、それから、財政出動につきましても、2年間に限定されていますから課題もあると思っております。

 このため、既に東海4県連名で、国に対しまして安心こども基金の使い方の弾力化につきましては要望をさせていただいております。これは1月27日付で要望をさせていただいておるところでございます。

 それから、妊婦健診につきましては、全国市町会のほうが平成23年度以降も国の責任において所要の財政措置を行うよう国に要望するというふうに伺っておるところでありますけれども、私どもも、財政状況が厳しい中で、国の責任において両制度が本来の目的を十分達成できるように、市町と連携いたしまして国に働きかけてまいりたいと考えております。

   〔15番 稲垣昭義議員登壇〕



◆15番(稲垣昭義) 幼保問題は政治の貧困だとか、子どもに対する社会支出が我が国は少ない、それに対する対応としても一定の評価ができる、確かにそうかなと思っています。ただ、これをしっかりと継続できるようにしてこそその解消につながるのであるのかなと思いますし、知事のほうも東海4県の連名で要望を出していただいたりとか、そういった動きもあるという今お話もありましたので、これから継続して23年以降も続くように、そしてまた、特にこの安心基金については、より弾力的に運用できるように、結果的には返すだけになってしまわないような使い方ができるようなことを求めたいなと思っています。

 それから、妊婦健診の分についても、将来交付税で対応するというような形にどうしてもなりがちなんですが、市町はかなり今努力をいただいておって、今回足並みをそろえていただいて、例えば四日市でも、鈴鹿でも、亀山でもそうですが、不交付団体のところはその分また23年にかぶってくるというようなことも十分想定をされます。ですから、そのあたりも含めて国としての責任を果たしてもらえるよう、本来、じゃ、県の役割は何なんだということもちょっと議論したいところでありますが、もう時間もありませんので、しっかり国に対して言っていただきたいということだけ申し上げて、次の項目へ入らせていただきます。

 昨年、私は、政策防災常任委員長として本県の情報システム関連予算はブラックボックス化されていることから、その対応について専門家を招いて集中審議を行いました。その結果、本県の情報システムは現在206システムで、それらのシステムに関連する契約額は年間50億円程度、そのうち34システムが年間経費5000万円以上の大規模システムであり、情報システム全体の契約額の80%近くを占めていることがわかりました。

 また、大規模システムは、高い専門性などから入札参加者が少なく、落札率も高くなる傾向にあり、契約額の約70%以上とされる運用・保守費用については、平成19年度の契約状況から見ても随意契約の割合が50%近くを占め、高い状況が続いている現状がありました。

 本県としてこのような情報関連予算の実態が初めて把握できましたが、全国47都道府県のうち、情報関連予算の全体を把握しているのは15自治体しかなく、全国的に見れば先進的な取組をしているほうであると言えます。しかしながら、さらに効率化、適正化を求めて、昨年2月19日の委員長報告で6点の提案をいたしました。

 1点目は、保守・運用費用の削減についてで、これらの費用は毎年30億円程度の横ばいで推移しており、随意契約を減らす取組と調達額の厳正審査を求めました。

 2点目は、現在行われている予算要求前審査は適正な予算額を確保するために必要不可欠ですが、それにも増して調達仕様書や設計金額の妥当性を審査する調達前審査が重要であり、一層の充実を図るため、責任と権限を有するCIO補佐官の設置を提案いたしました。

 3点目は、現在調達したソフトウエアについて、投資された費用に見合った成果品であるかなどの確認が十分になされているとは言えず、今後は発注した仕様書どおりの成果品が納入されたかなどを確認する仕組みを構築すべきと提案しました。

 4点目は、IT投資の一連のプロセスを管理、支援し、適正な調達方法の採用による費用の削減や品質の確保を図っていくためにも、職員の育成とスキルアップを求めました。

 5点目は、情報システムのパッケージ化への取組で、これからはさらに調達費用を削減する観点からも、本県が率先して近隣の自治体と情報化に関する課題について話し合う機会を持ち、共同でシステムのパッケージ化などについても検討をし始めるべきだと提案いたしました。

 6点目は、情報システム関連予算などを議会に対してわかりやすい説明、報告を行うよう求めました。

 以上6点の提案について、20年度はどのような取組がなされ、どのような成果が出たのか。あるいはまた、21年度、どのような取組を予定されているのかお答えください。

   〔渡邉信一郎政策部長登壇〕



◎政策部長(渡邉信一郎) 情報システム関連予算についてお答えを申し上げたいと思います。

 ITを活用した行政サービスの高度化を進めるためには、IT調達の適正化、効率化に向けた取組が重要であり、運用・保守費用の削減、調達前審査の充実など様々な取組を進めていく必要がございます。そこで、今年度は、予算要求前審査や調達前審査において、開発から運用までのトータルライフサイクルを踏まえた情報システムの構築や競争性のある調達を前提とした見積書や仕様書の作成などを支援し、審査することで、運用・保守費用などの削減に努めております。

 また、データ地図を市町と共同で整備するとともに、GISシステムの再構築を進める中で、表示速度や使い勝手の改善だけでなく、その運用・保守費用の低減に努めました。さらに、IT調達の適正化、効率化をより進めるため、CIO補佐官の設置の必要性や導入方法の検討を進めてまいりました。

 平成21年度は、CIO補佐業務を新たに委託することで、一層のコスト削減を進めるだけでなく、効率的なシステムの調達から、調達したシステムの確認、そのシステムの運用評価までの一連のPDSサイクルを構築してまいります。また、全庁システムの適正化に向け、システムの再構築時期に合わせて、共通機能や運用管理の共同化を進めるとともに、県のホームページや環境総合情報システム等の中小システムのサーバー統合を行うことにより、コスト削減や運用の効率化を進めます。今後、これらの取組に加えまして、情報担当職員のスキルアップ、調達した成果品の確認方法の改善などを進めるとともに、県民や議会へのよりわかりやすい説明を引き続き行ってまいりたいと思います。

   〔15番 稲垣昭義議員登壇〕



◆15番(稲垣昭義) 今御答弁いただきまして、情報関連のことは片仮名も多くて非常にわかりにくいことですので、なかなか議論してもイメージがわきにくいんですけれども、具体的にちょっとお聞きをしたいんですが、来年度の予算でCIO補佐官を設置していく方向で提案もいただいております。これは非常に評価をするところですが、実際そのCIO補佐官を設置して、先ほど御答弁をいただいたような取組も継続してやっていただく中で、例えば、保守・運用費用30億円のうち、どの程度が削減できるだとか、そういった目標というか、見込みがもしあるようなら、まずはお答えをいただきたいと思います。



◎政策部長(渡邉信一郎) 来年度CIO補佐業務を委託するわけでございまして、およそ4200万ぐらいの経費をかけるということで、それによって具体的なコスト縮減策までの目標は持っておりませんが、ただ、今回の補佐業務の導入費用は十分賄えるだけのコスト削減はできるものと考えております。

 以上でございます。

   〔15番 稲垣昭義議員登壇〕



◆15番(稲垣昭義) 非常に見えにくい部分かもわかりませんが、4200万ですか、かけてCIO補佐業務を、それに見合うだけのものはあるというふうな答弁でしたけれども、当然それ以上の効果を期待もしますし、私どもが昨年その集中審議をさせていただいておったころには、保守・運用に係る経費をしっかりとチェックをして、CIO補佐業務を行う専門家を置いてやれば、1割程度は削減できるというような議論もいただきました、参考人の方から。そうすると30億の1割は3億円となりますし、そんなことも一つの基準ともしながら、やる以上はより効果的、効率的な形にしていただきたいなというふうに思っています。

 それから、もう1点、先ほどデジタル地図の話が答弁の中で少し出ておりまして、市町と共同アウトソーシング事業ということでやっていただいておったという、かなりの成果が出ているということは聞いています。余分にコストがかからないような成果が出ているということは聞いておりますが、この議会でもいろんな議論を過去にもされておる中で、その当時の議論の答弁を聞いておりますと、市町との共同アウトソーシング事業のデジタル地図の次は、例えば電子申請とか電子入札などのことについても市町と協力して、そういうシステムのパッケージ化ということをやっていきたいというようなこともこの議場で答弁もされておりますが、そんな動きも今進んでおるのかどうかというのの確認を1点と、それから、先ほどの提案の中での5点目にあったんですけれども、パッケージ化は、これからCIOを置いて、保守経費のところをできる限り削減をして、その先はどうするかとなると、やっぱ共同でシステムを開発していく、そこでコストを下げていくということしかなかなか考えられないというようなことも当時の集中審議の議論でもありました。市町との共同アウトソーシングは、先ほどのお答えをいただきたいんですが、例えば近隣の愛知県、岐阜県の、県とのシステムの共同化だとか、そういった働きかけも本県としてやっていくべきではないかということも前回提案もさせていただいておるんですが、これまでそういう動きはあるのかどうか。あるいは、もしなければ、21年度以降はCIO補佐官が設置をされた段階で、近隣の他府県と連携をしてITに関する予算の削減に向けた取組を進めていただきたいなと思いますが、そのあたりについての考え方もあわせてお答えください。



◎政策部長(渡邉信一郎) まず、市町との共同化の話でございますが、工事、測量入札参加資格の登録につきましては既に共同化を行っておりまして、現在、物件にかかわる入札参加資格登録事務の共同化について今検討を行っております。

 それと、他県への働きかけでございますけれど、これにつきましては、情報関係者が都道府県で集まる会がございますので、その中でもいろいろお話はさせていただくんですが、それぞれの事情があって、そういう意味ではなかなか進みづらい分野なのかなと思っておりますが、今後はよりそういう意味では、CIO補佐官業務を委託します関係上、それについてもまず積極的に働きかけてまいりたいと思っております。

 以上でございます。

   〔15番 稲垣昭義議員登壇〕



◆15番(稲垣昭義) もちろん、新しく設置をされるCIO補佐官の役割というのは、当然今までの、これまで県が使っておりますそういった情報管理に関する予算をもう一度精査をいただいて、チェックをいただいて、効率的、効果的に使われるように、そういったことをやっていただくというのは、当然一番大きな任務の一つなのかなというふうに思いますが、加えて、先ほども申しましたように、近隣のやっぱり他府県とそのネットワークをしっかりつくっていただいて、よりそれ以上の効果的な、先を見た中長期的なシステム開発とかに関するそういった取組ということも含めてやっていただければなというふうに思いますので、そういった取組も含めて大いに期待をさせていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願いをいたします。

 それでは、最後に、直轄事業負担金について議論をさせていただきます。

 最近、道路や河川整備における直轄事業負担金について、各知事のコメントが多く出されております。岡山県の石井知事は、2月13日の記者会見で、国直轄事業負担金について、事業主体である国が責任を持って負担しなければならないとして、廃止するべきとの考えを明らかにされております。茨城県の橋本知事は、19日の会見で、県道の維持管理は全部県の金でやっている。なぜ国道だけ維持管理費を県が負担しなければいけないのか、理屈に合わないと述べられ、国に対し、制度の見直しを訴える考えを示しております。福井県の西川知事は、制度そのものを見直す部分もあると思うと20日の会見で述べられております。大阪府の橋下知事は、地方が霞が関の奴隷となっている状況の打破の一歩は国直轄事業負担金廃止だと強調し、次の総選挙が勝負、負担金を民主党は廃止すると言い、政府与党は見直すと言ったが、中長期的にと言いかえている。マニフェストで廃止を明確にしたところを応援すればよいとまで述べられております。

 本県においての直轄事業負担金は、21年度当初予算案を見てみますと、道路、河川、港湾などの県土整備部分で約228億円、三重用水事業や中勢用水事業などの農水商工部分で約43億円の合計約271億円となっております。

 知事は、第二次戦略計画の中で幹線道路の整備を重点的に行うことを掲げられておることもあり、この議場でも何度も議論がありますが、この直轄事業負担金について精いっぱいの予算化をしていただいております。本県においても、他県同様、年々その負担は重くなってきております。地方財政が非常に厳しい現状にある中で、建設費で例えば3分の1、維持管理費で2分の1を一定に求められる直轄事業負担金のあり方について、知事はどのようにお考えかをお答えください。

 また、国と都道府県の関係から、権限移譲の議論なども含め、今後、直轄事業負担金の問題は全国の知事との連携を密にし、国と対峙する重要な課題になると考えます。

 本年7月に全国知事会を開催する本県としては、開催県の知事として、この問題に対して明確なメッセージを発信し、見直しあるいは廃止の議論をリードいただきたいと考えますが、知事の御所見をお聞かせください。

   〔野呂昭彦知事登壇〕



◎知事(野呂昭彦) まず、地方分権を進めていく中での国と地方との役割分担とか費用負担の考え方でありますけれども、私ども地方分権を進めるについて、よく、ニア・イズ・ベターということを言っております。住民に身近なサービスは、より住民に近いところで行うほうが適切なんだと、そういう視点を踏まえまして、国と地方の役割のあり方を整理していかなければなりません。また、その費用負担についても、その役割に見合ったものであるべきだと思っておるところであります。

 そんな中で、これまで、国が主体となって行うことが望ましいと考えられてきた事業につきましても、国と地方の負担割合というのは長年硬直化しているというようなところがあります。その地方に求められる負担が地方の役割に見合ったものになっておるのかどうなのかということについては検証していく必要があるというふうに思います。

 直轄事業負担金については、国の法律あるいは政令の定めるところによりまして地方が一定の負担をするということになっておりますが、御指摘がありましたように、三重県も、今、約270億円を負担しておるところでございます。実は、この国の直轄事業につきましては、もちろん地方にも一定の便益をもたらすわけでありますから、そういう意味で負担金制度そのものを全面的に否定できるのかということについては、これはそうもいかない面もあるというふうに考えます。しかし、例えば負担金の割合についても、直轄事業の中でも、維持系の、いわゆる維持補修等にかかっていく費用については、三重県は270億円のうち42億8000万円が維持系で使われておるんですね。その維持系については10分の4.5を負担しろということであります。これが改良系になりますと3分の1の負担、それから、新直轄事業ができましたけれども、これでいくと4分の1の負担ということで、実は負担金の割合についてもいろいろあるわけですね。やはり直轄事業によって整備された社会基盤の役割というものと地方負担のあり方について整理をして見直していくということは必要であると、こう思っております。

 県では、これまでも、直轄負担金の減額とか、あるいは事業の見直しについて国に対して要望をしてきておりますけれども、実は先日、全国知事会の会長のほうが国交省の大臣に対しまして協議の場をつくるよう申し入れておりまして、それを受けまして、全国知事会のほうでも、国との協議に向けまして2月24日に直轄事業負担金問題のプロジェクトチームを設置したところでございますので、こういうものを活用しながら、ぜひ国のほうにいろいろとこれの見直し等について議論をさせていただきたいと、こういうふうに考えておるところでございます。

   〔15番 稲垣昭義議員登壇〕



◆15番(稲垣昭義) もう時間もなくなりましたが、1点だけ、その2月24日に全国知事会に設置されたプロジェクトチームは、たしか、私も報道でしかちょっと見ていないんですけれども、山口県の知事さんか何かが座長だったと思うんですが、知事は、ちなみにそのメンバーに入っているんですか、プロジェクトチームには。野呂知事は。



◎知事(野呂昭彦) 私はメンバーには入っていないと思います。

   〔15番 稲垣昭義議員登壇〕



◆15番(稲垣昭義) できれば、この議論、国と地方との関係を知事はやっぱり強く議会でも言っていただいておりますし、国に対して言うことはしっかり言っていこうというスタンスでこれも発言をされております。ちょうどこの直轄事業負担金のあり方について、各知事がいろんな形で発言をされておりますが、それについてちょっと知事の、ほかの知事がいろいろ発言されていることについての感想も聞きたかったんですけれども、もう時間がありませんので終わりますが、ぜひとも知事がそのまた発言をリードするような、これまでしっかりと国と地方の関係を発言されてきた野呂知事ならではのこれから取組をしていただけることも期待をしたいと思っております。

 時間が来ましたので、21年度も本県にとって充実した県政が展開されることをお祈り申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。(拍手)



○議長(萩野虔一) 12番 辻 三千宣議員。

   〔12番 辻 三千宣議員登壇・拍手〕



◆12番(辻三千宣) それでは、議長のお許しをいただきましたので、一般質問をさせていただきます。

 まず、中小企業支援策についてでございます。

 今、日本の経済がまさに危機的状況にあるということは言うまでもなく、紛れのない現実であります。大企業も中小企業も、例外なく厳しい不況風をまともに受け、苦しんでいるのが実情と言えましょう。これから述べることは質問の趣旨とはいささか異なる部分もありますが、質問の前振りとしてお聞きください。

 昨年、トヨタ自動車は、決算で1500億円の赤字が見込まれると発表しました。その後さらに下方修正はされましたが、私は驚きました。あの日本のリーディングカンパニーとも言うべきトヨタが、たった1500億円の赤字が出たからといって多くの派遣社員や臨時工を解雇したということに対してです。なぜならば、ここ20年近く、毎年多くの黒字を出し続け、しかも、ある年には1兆円にもなんなんとする黒字を出した大トヨタにとって、1500億円の赤字は大した額ではないと思います。サラリーマン社長の目先の利益優先の判断が他の会社にも大きく影響を与え、たくさんの失業者を生んだものと私は思っています。

 そこで、経営の神様、松下幸之助についてエピソードを紹介したいと思います。

 昭和4年の大恐慌のときに松下電器も売り上げが半減、在庫が増え、倉庫には製品がいっぱいになって置き場もないぐらいでした。会社幹部は、この危機を乗り越えるためには従業員を半減するしかありませんと提言しました。これに対して松下幸之助は、私は、松下電器をさらに大きくしようと思っている。1人も解雇したらあかん。会社の都合で人を採用したり、解雇したりでは、働く者も不安を覚えるだろう。このみんなの力で立て直そうと述べ、具体的方法を示しました。それは、生産を直ちに半減して、工場は半日勤務とする。しかし、従業員の給料は全額を支給。そのかわり、全員休日を返上し、在庫品の販売に全力を挙げていこうというものでありました。この決断は従業員を奮い立たせ、社内に垂れ込めていた暗雲は瞬時に吹き飛び、それから2カ月、全員の懸命な努力が実を結び、在庫が一掃されて倉庫は空になったばかりではなく、半どんをやめて、また全力を挙げて生産に努力しなければならないほどになりました。また、昭和39年、40年の不況の折にも、販売会社や代理店の経営が厳しい状況を見て、すべて親会社である松下電器の責任として、松下幸之助は新しい販売制度を創設し、事態は好転しました。

 さて、本題に入りますが、中小企業支援対策についてでございます。

 中小企業の活性化に向けた取組についてお聞きします。

 米国発の金融危機に端を発する世界的な経済危機の影響は、県内にも急速に及んでおります。個人消費の落ち込みはもとより、大手製造業の大幅な減産により、特に県内中小企業への影響は多大なものがあります。この経済危機を県内中小企業が乗り切るためには、今議会で議論されている即効性のある対策が当面必須であります。さらに、三重県の持続的な経済成長のためには、これらの対策に加えて、この情勢下においても将来へ目を向けた取組もしっかりと進めていかなければならないと思っております。特に現下の経済情勢に回復の兆しが見え出したとき、地域経済の牽引役となる県内中小企業を育てておく取組は重要であります。その際の大切な視点は、技術力、そして、人材ではないでしょうか。大変ベーシックな視点ではありますが、中小企業の持つ企業力を底上げしていく取組は絶対に継続していくべきだと考えております。特にこれからの中小企業を支えていく、いわゆる産業人材を計画的、継続的に育成していく仕組みづくりには、将来的には取り組んでいく必要もあるのではないかと思っています。現下の経済情勢においても、将来へ目を向けた中小企業活性化の取組は重要であります。その際、新商品、新技術の研究開発の支援などによる技術力の向上、そして、中小企業の大切な資産である人材の育成などの取組を引き続き進めていくことが大切だと考えております。

 知事提案説明の中でも、知事は、経済対策については、中小企業の経営安定化に向けて、資金調達の円滑化の支援や緊急専門相談の実施等を進めるとともに、特徴ある技術を生かした事業化の促進や新たなビジネスの創出など、新たな事業展開に向けた取組を支援しますと述べられています。

 また、生活対策については、離職者等に対する市町の住宅確保策への支援や緊急生活資金貸付制度の創設などにより、離職者等の生活の安全・安心の確保にも努めますと述べられております。

 そこでお伺いいたします。まず、中小企業対策の基本的な考え方についてお伺いします。

 次に、具体的な取組として、中小企業の技術力の向上及び人材の育成の2点について、それぞれお伺いいたします。

   〔野呂昭彦知事登壇〕



◎知事(野呂昭彦) 中小企業対策の基本的な考えということでありますけれども、中小企業は、県内産業の中で大変広いすそ野を形成しておるところでございまして、本県経済を支えまして雇用の場を提供する重要な存在でございます。地域経済の原動力として大きな役割を果たしておるわけでございます。

 また、一方では、三重県の雇用経済情勢というのは、今現在日増しに深刻さを増しておるところでございまして、緊急雇用経済対策は、県政における最優先課題であると位置づけまして、今、雇用、経済、生活の三つを柱にいたしまして、平成20年度、21年度の切れ目ない、迅速かつ柔軟な対策を講じていこうということにしておるところでございます。

 特に中小企業につきましては、非常に厳しい環境になってきておるということでございます。したがいまして、今後とも状況を見守りながら、必要な追加対策があれば、それはまた迅速に対応していくというような考え方で行きたいと思っております。

 それから、辻議員のほうからお話がありましたように、今現在は大変な状況でありますけれども、この世界的不況もいずれ克服されて、そして、世界経済システムが再構築をされていくということになろうと思いますが、その時点におきましては産業構造も大きく変化もしてきておると考えます。そういう状況を考えますと、今後、中小企業が今現在厳しい中でも持続的に今後の発展をしていくというためには、まずは知恵とやる気を引き出していく、あるいは経営力とか技術などのイノベーションを促していく、それから、創造性豊かな人材育成であるとか経営基盤の強化、こういったことを着実に進めていくということが重要であると、こう思っております。

 そういったことから、昨年開設をしました高度部材イノベーションセンター、こういったところを拠点にしまして、産学官連携や大企業と中小企業の連携、川上産業と川下産業の連携、こういった連携によります研究開発を促進していくとか、あるいは中小企業の課題解決支援に資するように取り組んでいくというようなことをやってまいりたいと考えております。

 さらに、こういった取組に加えまして、御指摘がありました技術力の向上であるとか人材の育成といったような観点で中小企業の経営基盤の強化を図りまして、環境の変化にも柔軟に対応できるような中小企業の育成に取り組んでいきたいと、こう考えております。

 さらに、今後我が国は、省資源、省エネルギーあるいは環境技術、こういった技術を生かしながら低炭素社会の実現にもつながるような、そういう強靱な経済産業構造への転換が求められてきております。県内の中小企業が大企業とも連携しまして、こういった新たな産業分野へのチャレンジにも取り組んでいけるように支援をしていきたいと考えておるところでございます。

 なお、残余の御指摘のことについては、担当理事のほうからお答えを申し上げます。

   〔南 清農水商工部理事登壇〕



◎農水商工部理事(南清) 辻議員の中小企業支援策についてのお尋ねに関しまして、私のほうからは、技術力の向上と人材の育成についてお答えをさせていただきます。

 まず、技術力の向上についてでございますが、中小企業が社会の変化や急激な景気の変動を乗り切るためには、これまで持っている自らの技術に一層磨きをかけたり、あるいは独自の技術開発によりまして新たな付加価値をつくり出すなど、技術力に着目をした取組が必要不可欠なものと考えております。

 現在、県におきましては、技術力向上に意欲ある中小企業が、自らの独自性を高めるために取り組む研究開発などを支援しているところでございます。例えば、オンリーワン企業育成プログラムにおきましては、中小企業が行いますチャレンジ事業として、新技術の実用化や新商品の試作のための取組を、それからまた、従来から有する独自の技術にさらに磨きをかけて高い競争力を持ったものにするための取組をオンリーワン事業として、それぞれの発展段階に応じた支援を行うということによりまして企業競争力を高めていくこととしております。さらに、来年度からは、この事業枠に県工業研究所との連携を強化して、技術の高度化、高付加価値化を図るために新たに公設試共同・連携事業枠というのを設けまして、中小企業の技術開発の効果的な推進を図るということにしております。

 それから、緊急経済対策でございますけれども、その中で、新たに中小企業の事業化・市場化支援事業といたしまして、中小企業がその特徴ある技術を生かして新たな分野での製品の事業化でございますとか、市場の拡大に向けた事業展開を関係者と協力して重点的に支援をしていきたいと、このように考えております。

 それから、次に、2点目の人材育成でございますが、本県経済の根幹をなす中小企業が今後とも持続的に発展していく、こういうためには、技術、技能を向上させるとともに、その継承発展を担う人材の育成が必要であると考えております。

 しかしながら、中小企業におきましては、独自でこのような人材を育成するということは困難であろうというふうに思っておりまして、産学官が連携をいたしまして、開発設計とか生産などの製造現場で中核的な役割を果たすような人材を育成していくといった基盤を構築する事業を進めているところでございます。これまでに産業界と大学等が連携をして開発設計に携わる人材を育成する技術者育成講座、それから、製造リーダー等を育成する製造管理者育成講座を開設しますなど、産業技術人材育成事業に取り組んできているところでございます。

 それから、来年度からでございますけれども、メカトロ技術を活用した中小企業の生産性向上を図るための取組を大学とか高専、そういったところと連携をして進めますとともに、これまでの講座に新たに組み込みソフトウエアの技術者の育成事業、これを中南勢地域を中心として取り組んでいきたいというふうに考えております。

 それからまた、中小企業におきましては、次代を担う若手人材が不足がちでございますので、県内外の学生を対象にいたしました現場体験事業によりまして、すぐれた技術だけではなく、社長の人間的な魅力、こういったものを含めて製造業の魅力を効果的に発信していくということで、中小企業の若手人材確保のための取組も進めているところでございます。大企業に比べまして経営資源が限られる中小企業にとりましては、すぐれた人材の育成確保、こういったものは競争力を持って成長をし続けていくために欠かすことができないということでございますので、今後さらに体系化、総合化を図りながら人材の育成確保に向けた取組を行っていきたい、かように考えております。

 以上です。

   〔12番 辻 三千宣議員登壇〕



◆12番(辻三千宣) ただいまの知事の答弁の中で、知恵とやる気、イノベーション、経営基盤の強化、また、経済産業基盤の強化といった大変印象的な文言を聞かせていただきました。力強く感じました。

 そこで、理事に、今オンリーワン企業の育成という話がありましたけども、もう少し具体的なイメージがわくような説明をよろしくお願いいたします。



◎農水商工部理事(南清) オンリーワン事業は今のところ二つございまして、先ほど申し上げましたように、一つは、今まで持っている技術をさらに磨きをかけて魅力あるものにしていくという枠がございます。それは、スタートアップというよりも、これまでやってきたものに一つ、ワンステップ上がるという取組でございます。

 それから、二つ目は、今までにない新しい技術開発をして独自の企業をつくっていくということで、独自技術を開発する枠がございます。その二つを産業支援センターの補助事業のメニューで支援をさせていただくという事業でございます。

 来年度は、それに新しくもう少し工業研究所がかかわっていこうということで、その枠を別にこしらえさせていただくということでございます。

   〔12番 辻 三千宣議員登壇〕



◆12番(辻三千宣) それでは、次に、農商工連携についてお伺いいたします。

 地域の資源を生かした取組、例えば、農産物を生かした取組などは地域産業の活性化に向けて大変有効な取組だと考えております。グローバル化した経済を将来展望するのは極めて不確実で、不透明な状況に置かれているときこそ地域の産業振興として地についた産業をしっかりと育てていくことは、極めて重要だと思います。

 地域には、過去からの先人によって築かれてきた伝統や地域の気候風土の中ではぐくまれてきた農林水産物、工芸品などの資源が多くあります。こうした資源を生かして新しい地域産業を興していくことが、世界経済の変動に大きく左右されない地方の元気につながるものと考えています。

 その際、県内中小企業の活性化という観点に立つと、特に農業者と中小企業が有機的に連携して取組を進める農商工連携が重要なポジションを持ってくるのではないかと思っております。国においても、こうした取組を促進するために、昨年、農商工等連携促進法が制定されたところです。県においても、この法律を活用するなどして農商工連携の取組を促進していく必要があると考えます。

 そこで、農商工連携に対して県はどのように取り組もうとしているのかお伺いします。



◎農水商工部理事(南清) 農商工連携についてでございますけれども、議員のお話もございましたように、中小企業の活性化の取組につきましては、異分野との連携を促進させていくということが非常に重要だというふうに考えております。それで、昨年の7月に農商工連携促進法が施行されまして、農業者とともに地域の中小企業が、自らの経営資源やノウハウを有効に活用して新しいビジネス展開を図るということができるということで大変期待を持っている取組でございます。

 このために、県といたしましても、昨年経済産業省から指定された区を受けました6カ所の地域力連携拠点でございます産業支援センター、それから、商工会連合会、そういったところと連携をいたしまして、この法律に基づいた支援を行うための事業の掘り起こしでございますとか、あるいはその事業計画の作成などきめ細かなサポートを行っているところでございます。

 それから、来年度からでございますけれども、県独自の取組といたしまして、この取組を促進させるために財団法人三重県産業支援センターにおきまして基金総額25億円のみえ農商工連携推進ファンド、この組成の準備をしているところでございます。

 このファンドによりまして、その果実によって農林漁業者と中小企業者が連携をして取り組む新商品、新サービスの開発でございますとか販路開拓を重点的に支援してまいりたい、また、公設試験研究所とか大学との連携をした研究開発、そういった取組も支援をすることとしております。

 それからもう1点でございますけれども、このファンドの組成をするのは財団法人中小企業基盤整備機構からの出資もございますので、年度後半になってくるということがございます。したがいまして、その効果をいち早く発揮させるということで、県単独事業の緊急経済対策として予算額2000万ほどの農商工連携促進事業というのを予算計上させていただいているところでございます。

 今後は、この国の制度やファンドも活用いたしまして、地域金融機関、農業団体、商工団体等と連携をいたしまして、1次、2次、3次といった業種の壁を超えて連携する事業を数多く生み出していきたいと、かように考えております。

   〔12番 辻 三千宣議員登壇〕



◆12番(辻三千宣) ありがとうございました。

 それでは、商工費にかかわる予算についてちょっとお尋ねします。

 平成20年度予算と21年度予算を対比しますと、21%減という非常に大きく減っているわけですけれども、ただし、うち、ファンド造成分や融資制度改正に伴う預託額の減などの特殊要因を除きますと3.8%減という数字になりますけれども、財政状況が厳しい中で全体的に予算額が減少することは理解できますけれども、今回の緊急経済事情を踏まえれば、緊急にとるべき対策と将来を見据えた対策と、双方からもっと積極的な中小企業対策予算を組むべきだと考えますが、当局の考えを聞かせてください。



◎農水商工部理事(南清) 県の当初予算そのものが、平成20年度の2月補正予算を合わせて一般会計ベースで14カ月で4.7%という厳しい状況になっておりますが、商工費につきましては、先ほど議員御紹介ございましたように、これで比較をいたしますと21.4%の大幅な減ということになっております。しかしながら、先ほどのファンドの話と、それから、緊急経済対策を含めますと、ほぼ20年度並みの額は確保できたのではないかなというふうに思っておりますが、今現在、中小企業を取り巻く環境は非常に厳しいというふうに思っておりますので、今後、状況を見きわめながら、補正予算も念頭に置いて迅速な対応をしてまいりたいと、かように考えております。

 以上です。

   〔12番 辻 三千宣議員登壇〕



◆12番(辻三千宣) 日本の中小企業の底力といいますか、技術力は、例えば東京の町工場ではオリンピックや国際大会に使う砲丸投げの砲丸、これはもう世界一の技術で、多くの国からそういった受注をしているようでございますし、また、大阪の町工場、衛星を打ち上げたり、大変すばらしい技術力を持った中小企業が多い、これが日本の現実だと思います。

 それでは、1問目はこれで終わらせていただきまして、次に、2問目は、人権教育についてお尋ねいたします。

 2002年3月をもって、33年間施行されてきた同和対策事業に係る特別措置法は終了しました。特別措置法は、かつて歴然と存在した部落の生活環境や子どもの教育環境といった実態面での差別の解消は一定の成果を上げたものの、まだ心理的な解消は十分ではもちろんありません。また、教育啓発の遅れから差別事象が後を絶たないという現状にあります。特にここ10年ほどで急増している例としてインターネットにおける差別書き込みがあります。財団法人反差別・人権研究所みえが把握した三重県にかかわる差別書き込みだけでも2006年度は1215件、2007年度は887件に上っています。

 そこで、伊勢市における実際に起きた事象について紹介をさせていただきます。

 三重県は、2007年8月、他人の戸籍謄本や住民票等を大量に不正取得したとして伊勢市に事務所を置くP行政書士を同年8月から10カ月の業務停止にする行政処分を発表しました。それによりますと、P行政書士は、横浜市内の興信所の依頼に応じ、2006年5月から2007年2月の間に、契約書作成のためなどと虚偽の使用目的を書いた職務上請求用紙511枚を使って、全国44都道府県の230市区町村の窓口から他人の戸籍謄本等を不正に取得してきました。その不正取得した戸籍謄本等を興信所に送付し、1枚3000円、これは住民票ですが、そして、原戸籍と住民票2枚ですと2500円、3枚以上ですと1枚2200円というような金額で報酬を受けていました。行政書士への計491件の注文書の依頼理由は、半数以上の261件が、実は結婚に関する調査でした。

 三重県行政書士会も、2005年8月以降、統一請求用紙を使用することになり、請求用紙50枚1冊のものを一度に2冊ずつ、使用された請求用紙の複写控えと交換して個々の行政書士に渡していました。

 こうした中、2007年1月、P行政書士による請求用紙の使用が急増したことを不審に思った県行政書士会が本人に問いただしたところ、この事件が判明しました。県行政書士会から報告を受けた県は、同年8月、行政書士法と住民基本台帳法に反する事件として10カ月業務停止の行政処分にし、伊勢簡易裁判所に過料処分を求める通知をしました。また、県は、横浜の興信所に直接出向いて知事名で抗議し、その後、興信所は廃業を報告してきました。

 そこで、人権教育の観点から教育長の所信を聞かせていただきたいと思います。

   〔向井正治教育長登壇〕



◎教育長(向井正治) 辻議員の人権教育についてのお尋ねでございます。教育委員会では、子どもたちが人権の意義やその重要性について正しい知識を身につけ、豊かな人権感覚が態度や行動にあらわれるように取組を行ってきております。人権教育は教育活動全般を通じて推進していくとともに、特に学習の場においては、人権が尊重される環境であるということが何よりも必要であるというふうに考えております。

 現在、県内のすべての公立学校では、地域の歴史や産業を教材化いたしましたり、地域の方を招いて学習したり、また、子どもたちの人権作文をもとに学習するなど子どもたちや地域の実態に応じた人権教育の実践を行っているところでございます。

 また、教育委員会では、平成17年度に人権教育の指導内容を充実させるための教材を作成しております。「わたし かがやく」というふうに題しましたこの教材は、中学校を中心に、社会見学の事前学習でありますとか、社会科や総合的な学習の時間などで活用されております。さらに、県内の約9割の学校では、保護者とか地域の住民と連携しました人権教育というのを行っております。

 人権教育を推進するための協議会を保護者や地域住民の方と設置しております。この協議会では、校区の住民を対象にいたしました講演会とか学習会などの啓発の活動、また、住民同士の触れ合いを深めるような体験的な活動も行っているところでございます。

 このように教育委員会では、平成20年に県内の高校3年を対象にしたアンケートも行っております。これも、児童・生徒の人権意識がどのようなものであるかということでアンケートを行ったものでございますけれども、そこから見てとれることは、人権問題につきます理解が進みまして、体験的な学習がなされていることなど評価ができる面も非常に結果が得られております。一方では、子どもたちが受け身のまま終わるのではないかと、自らの関心とか意欲を高めつつ、能動的に活動を重ねられる学習にしていくという必要性も読み取れるところでございます。

 一方、教職員の意識の調査も平成18年に行っておりますが、その中では、多くの教職員につきましては、様々な人権問題についての確かな知識を持っているというのが確認されております。

 一方で、特に若い教職員の方々を中心に人権教育の取組でありますとか、子どもたち、保護者への接し方など具体的な取組については若干戸惑いを持っているということも明らかになっております。

 こういうふうな状況を踏まえまして、教育委員会では、このたび、人権教育基本方針と同和教育基本方針を一元化する形で人権教育基本方針というものを改定することといたしております。この方針では、これまでの取組を継承、発展させていくとともに、人権教育の目的、目標というものを具体的に設定いたしまして、多様な主体と連携しながら主体的に取組を進めていくといたしております。

 また、来年度には、この人権教育をさらに進める際の参考となるよう、指導上の観点でありますとか、取組のポイント等を具体的に記載したガイドラインを作成することといたしております。

 人権尊重社会の実現のためには教育の果たす役割は非常に大きいものがあると思っております。議員からも御紹介がありましたそういった差別事案について、本当にこれはいけないことだというふうに子どものときから理解をして、そういう中で社会に出ていくということが何よりも重要だと思っております。

 今後は、人権教育基本方針やガイドラインに基づきまして、まずは自分の人権を守り、さらに他者の人権を守るための実践行動ができる、そういった力をつけ、人権文化を構築する人づくりを進めてまいりたいと、かように考えております。

 以上でございます。

   〔12番 辻 三千宣議員登壇〕



◆12番(辻三千宣) 人権施策とは違って、人権教育という観点からですから、なかなかそういった施策の人権教育において成果目標を設置したりとか、また、その後、その評価をするというような作業も難しいかとは思いますけれども、教育長の感触では、そういった一連の人権教育は、どの程度浸透し、また、効果を上げてきているのか。別に数字で出すという必要はないんですけれども、教育長の実感として、こうこうこういった成果が上がっていますよというような答弁をもう一度聞かせていただきたいと思います。



◎教育長(向井正治) 先ほどのアンケートの中では、例えば小・中学生の子どもたちの書き込みなんかのところでも、本当に差別はいけないということを思っている子どもたちが76.5%あるとか、自分でも取り組んでいきたいという子どもたちもおります。本当にいけないと思った生徒が非常に多いということは、一定のそういった面での学習の効果があったというふうに理解しております。

 また、私は、今年度教育長に就任しましてからは、各学校へかなり合間を縫って出かけておりますけれども、そういった中でも非常にいろいろな学習、要するに人権の学習だけではなく、様々な学習の中でそういった人権が尊重されるという雰囲気を非常に感じてきております。いろんな面でそういった方々、教職員の理解も進んでおりますし、子どもたちも理解も進んでおるというふうには非常に感じております。これはもう一歩進めて、それが他者の差別について実際に実践できるような、そういう力を持っていくところにまでもう一歩踏み込んだような取組がこれからは必要だなというふうに感じております。

 以上でございます。

   〔12番 辻 三千宣議員登壇〕



◆12番(辻三千宣) 今現在教育を受けている児童・生徒が大人になった時点で、全くそういった人権意識の上で差別とか偏見とかそういったものを一切持たないような大人になることを期待しておりますし、また、そういった子どもたちが逆に大人を啓発して、差別のない社会をつくっていく、こういうようなことを私としても期待をいたします。

 話はちょっと飛びますけれども、これも人権の話にかかわるものなんですが、幕末のころ、15代将軍慶喜の担当医師だった松本良順という人物がいますけれども、その松本良順が、幕末、まさに幕府が崩壊しようとするときでしたけれども、徳川慶喜に、士農工商以外の身分制度があるけれども、この際、この身分制度をすべて廃止すべきだと。士農工商は、まだ幕府が続けば続いたでしょうけれども、その四つの階級以外のいわゆる階層を士でも、まあ、士は無理かもしれませんけれども、農とか工とか商、そういう分野に入れて、一切の差別をやめるべきだということを徳川慶喜公に提言しました。そこで、徳川慶喜は、直ちに若年寄兼老中の立花出雲守に命じて、この触れをすぐに出せという命令を出しましたけれども、幕末の混乱でその後幕府が崩壊してしまいましたから、この触れが徹底していかなかったというのを大変残念に思っております。

 この松本良順という医者は、千葉県の佐倉順天堂という医学塾と病院を兼ねたところがあったんですけれども、その佐藤泰然という名医の息子だったんですけれども、幕府のお医師の松本家に養子に入って松本良順と名乗るようになりましたけれども、非常に豪快な性格で、浅草に浅草の弾左衛門という、そういう階層の親分がいるんですけれども、早速私がこのお触れを出して、そういった身分を撤廃したということを報告に行くというぐらい、非常に熱血漢、正義感のある医者でした。

 また、その人の弟も、大変、後、林董といいまして外務大臣になったような、非常にそういう意味では優秀な兄弟でしたけれども、この幕末にそういった考えを非常に身分の高い人が持ったということは、私も大変うれしいことだなというふうに思いました。この精神を私も忘れずに、今後ともこの社会からあらゆる差別とか偏見がなくなるように努力をしてまいりたいと思います。2問目についてはこれで終わらせていただきます。

 次は、3問目、平和教育についてです。また教育長、よろしくお願いします。

 つい最近、北川裕之議員のお父様、北川茂さんにお会いしました。彼が戦艦「大和」の乗組員だったからです。約2時間の面談でしたが、話は時のたつのも忘れるほどの迫力ある内容でした。太平洋戦争もいよいよ日本の敗色が濃くなった昭和20年4月6日午後3時20分「大和」は出航。4月7日、翌日午後2時23分に沈没しました。乗組員総数3432名、うち生存者はわずか279名でした。戦争の悲惨さを伝える厳しい数字だと思います。北川さんは、沈み行く大和から海に飛び込み、重油が厚い層になっている海を泳いでいるうちに丸木が漂ってきたので、それにつかまりました。4時間後、漂流の後に駆逐艦「雪風」に救助されました。戦艦大和の姉妹艦に「武蔵」という戦艦があります。全くの同じ型ですが、「武蔵」はフィリピンで撃沈されました。排水量7万2000トン、主砲の口径18インチ、センチに直しますと46センチ、射程は4万メートル、ちょうど津駅から伊勢市の山田上口まで届くという非常に強烈な主砲でしたけれども、そういった主砲も有効に使われぬうち、海の藻くずと消えた。まさに戦争とはむなしいものだなと思います。辺見じゅんの「男たちの大和」という作品を数年前に読みましたけれども、今度映画化されるそうですが、その作品の中に北川茂さんの名前も載っていました。北川さんは、様々な場所で戦争体験を講演されておられるそうです。これはまさに平和教育と呼ばれるものだと思います。

 さらに、2006年6月20日、伊勢市で開催された教育研究集会、三重集会のレポートについて触れさせていただきたいと思います。大変、レポートといいましても小学生に対してアンケートをとった、その結果なんかも解説つきで載っているんですけれども、非常に興味のある内容でしたので、一部だけ紹介をさせていただきます。

 アンケートの中で、日本がおよそ60年前に戦争をしたことを知っていますかという質問に対して、25人に聞いたんですが、「はい」が15人、「いいえ」が10人ということでした。その点は非常に驚きに思うんですが、さて、その次の、戦争相手はという質問では、一番多かったのが17人ということですから、その点太平洋戦争のことを思い浮かべて答えたんだと思います。その他、「わかりません」が3人、それから、1人ずつですが、「外国」、「アメリカ、ドイツ」、「アメリカ、朝鮮」、「アメリカ、ドイツ、中国」といったような回答もありましたけれども、おおむね歴史についてそれだけ認識があるんだなというふうに思いました。

 また、6月23日、それから、8月6日、8月9日、8月15日、12月8日、この日付について、どんな日でしたかという質問をしたんですが、6月23日、私も、一瞬、あれ、何だったかなというふうに考えてしまいました。最近、沖縄戦のことについて、軍が沖縄の県民に自殺を強いたか強いなかったかという論戦がありましたけれども、そのテレビ番組を思い出して、ああ、沖縄の地上戦が終わった日かなというふうに私は思い出したんですけれども、これは大変難しい質問ですから、25人全員知りませんでした。8月6日も16人が知りません。8月9日は21人が知りません。8月15日も、意外ですが、20人の生徒がわからなかった。12月8日、これは24人が知りません。ただ1人だけ、「日本がアメリカを攻撃した日」と、正解が1人だけいました。こんなことで非常に先生方は熱心に平和教育をしていただいているということはわかりますので、うれしく思っています。

 また、伊勢に空襲があったことを知っていますかという質問にも、「はい」が12人で、「いいえ」が13人ということですから、これは伊勢市の小学生ですから、12人の人たちが伊勢にも空襲があったということを知っていました。そんなところですが、それと、伊勢市の多くの小学校は、以前から夏休みの登校日を8月6日か9日に設定していることが多い。今年度は9日を登校日とした。若干、平和教育というか反戦教育、思想の部分も入ってくるので、これも、まあこういう日でもいいでしょうと私も思いますけれども、こんな日を設定して生徒の登校日にしていると、こういうことでございます。

 それと、北川さんのお父さんが大和から海に飛び込んで、重油が厚い層をつくっている、その中を泳いでいたんですが、非常に泳ぎにくくてもうだめかと思ったそうですが、丸木がたまたま浮かんでいたのが見つかりまして、そこにつかまって4時間という長い間しがみついていたと、こういう話を聞きますと、本当に御苦労さまと言いたくなります。

 それから、この北川さんは様々な場所で平和教育と呼ばれてもいい講演をされていると申し上げましたけれども、その回数も半端ではなく、たくさんの方々が大きな感動を得られているということを聞きました。そこで、この平和教育について、教育長の考えを聞かせていただきたいと思います。

   〔向井正治教育長登壇〕



◎教育長(向井正治) 辻議員の平和教育についてのお尋ねにお答えいたします。

 さきの大戦の記憶が徐々に風化しつつある今日、戦争の悲惨さとか平和のとうとさというのを世代を超えて伝え、世界の恒久の平和を確立していくことは何より大切だと思っております。しかしながら、戦後60年以上が経過した今、子どもたちが日常生活の中で家族の方や地域の方々から戦争体験を直接聞く機会は非常に少なくなってきております。北川議員からも、以前、この議場でお父上のお話を伺ったことがございます。そういうふうなことを語れる方は非常に少なくなっている。そういった中で、どういうふうに平和教育を進めていくかということでございます。

 学校教育におきましては、そのように戦争を実際に体験された方からの直接のお話を聞いたり、また、自分たちで図書館とかインターネットで調べたり、また、戦争の跡の史跡を訪ねるとか、そういった学習を充実することが大切だというふうに思っております。

 そういう中で、各学校では、学習指導要領にも基づいておりますが、各教科や道徳、総合的な学習の時間など様々な場面で平和に関する学習が進められております。これらの取組につきましては、子どもたちの発達段階や地域の特色に応じて様々創意工夫がされております。今御紹介がございました名張市立名張中学校では、北川議員のお父様のお話というふうなことも行われているというふうに聞いております。また、伊勢市の東大淀小学校では、8月6日の登校日、議員が御紹介していただいたとおりでございますが、全校集会を開いて、空襲の中の話ですね、そういうことを教材に用いまして、実際に空襲の中で家族と離れ離れになって幼い子どもが命を落とすような話、そういうふうなことについてもみんなで読み合うというふうな取組もやられておりますし、学校で育った野菜ですね、それを使いながら、当時の代用食でありますすいとんですね、そういうのを食べるという取組も行われております。様々そういったようなことが行われておりますし、例えば高等学校では、修学旅行で沖縄へ行く、また、長崎へ行く。沖縄の場合には28校でございます。長崎へは7校が出かけて、実際に戦争を体験された方から当時の話を聞くなどといった取組が行われております。

 教育委員会といたしましても、各学校において平和に関する教育の一層の充実が図られるように市町教育委員会とも連携しまして、そういった取組を支援してまいりたいと考えております。

   〔12番 辻 三千宣議員登壇〕



◆12番(辻三千宣) 二宮尊徳とは違うんですけれども、大変危険な、これは焼夷弾です。(実物を示す)これが戦争中、無数に投下されまして、多くの被害を日本は受けた、こういうことですね。本来、アメリカ軍は爆弾で日本を空襲しているんですけれども、余り効果が上がらないということで焼夷弾にかえました。38本一緒になって、B29から落としますと、これがばらばらになりまして、この上にリボンがついていまして、必ずこちらが下になるようにということで落ちてくるわけですけれども、地面に落ちますと爆発をして、中はリンが中心の成分が入っているんですが、一気に家、建物を燃やすという、非常にそれで効果を上げたわけですけれども、特に有名な昭和20年3月10日、アメリカ軍の爆撃機が325機東京に来襲しまして、この焼夷弾を投下しました。その死者は8万3793人、負傷者4万918人、被災者の総数は100万8005人、また、被災家屋は26万8358戸、行方不明者数万人という大被害を受けました。この焼夷弾は、伊勢空襲を記録する会、伊勢に空襲があったことを通じて平和を訴える団体ですけれども、そこから中村進一議員を通じてお借りしました。中村進一議員は、この焼夷弾を使って、それから、紙芝居とともに伊勢市内の児童・生徒に非常に熱心に平和教育をしていただいております。それをちょっとお借りしました。

 私も、この焼夷弾、危うく犠牲になるところでした。東京に私は住んでおりまして、あるときから疎開をしたわけなんですが、群馬県前橋市の近くの田舎に疎開しまして、ところがそちらのほうにも空襲がありまして、母は私の弟を背中におぶって、私の手を引いて逃げ惑っていたんですけれども、目の前にこれが落ちてきました。たまたまそこの目の前が田んぼだったものですから、爆発せずに命を救われました。そんな経験がありますもので、この野郎と思うんですけれども、こういった悲惨な戦争はやっぱりあってはならないというふうに思いますし、教育長も、これからもひとつ平和教育について格段のまた力を入れていただきたいというふうに思います。

 そして、もう時間がありませんけれども、「敷島の大和心を人問わば朝日に匂う山桜花」という本居宣長の歌がありますけれども、敷島、大和、朝日、山桜、この言葉をとりまして、最初の神風特攻隊の各隊の名前にしました。本居宣長さんも、そんな使われ方をして怒っているとは思いますけれども、まさに戦争というのは、優秀な若い人たちが先に死んでいくということですから、ダーウィンの進化論からいいますと逆淘汰の現象が起きるということですから、まさに日本の発展はそれによってしばらくは停滞したんじゃないかというふうに思いますが、二度とこのような悲惨な戦争を起こさないよう、これからも努力すべきだと思います。

 ちょっと時間が早いですけれども、この辺で私の一般質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。(拍手)



△休憩



○議長(萩野虔一) 暫時休憩いたします。

               午前11時56分休憩

          ──────────────────

               午後1時0分開議



△開議



○副議長(岩田隆嘉) 休憩前に引き続き会議を開きます。



△質問



○副議長(岩田隆嘉) 県政に対する質問を継続いたします。26番 前田剛志議員。

   〔26番 前田剛志議員登壇・拍手〕



◆26番(前田剛志) 津市選出、新政みえの前田剛志でございます。今議会の質問者も私で19人目であり、数多くの議論を重ねられてきたところでございます。できるだけ重複を避け、簡潔に質問させていただきたいと思いますので、簡潔かつ前向きな御答弁を御期待申し上げ、早速質問に入らせていただきます。

 それでは、まず最初に、緊急雇用経済対策の充実についてお伺いいたします。

 米国発の経済危機は、本県においても昨年秋以降著しい影響を及ぼしておるところであります。県においては、中小企業への融資枠の拡大や相談事業の充実、県営住宅への一時入居等緊急対策を講じるとともに、来年度予算においても緊急雇用経済対策を最優先課題として取組を進めていただいておるところであります。

 また、雇用対策においても、介護や1次産業等における人材不足へのマッチングなど、就労の促進に向けた取組を積極的に展開していただいておるところでございます。

 そこで、まず、緊急雇用対策の充実に向けた取組についてお尋ねをさせていただきます。

 さきの三谷代表の雇用対策の充実に向けた質問に対し、知事の御答弁は、県事業による新規雇用者が850人、市町の計画で把握している18市町で680人程度の新規雇用、さらに残された11市町でさらなる雇用が創出されるため、2次、3次の追加予算が必要と判断されたならば迅速に補正予算で対応いただくとの答弁でありました。しかしながら、2月末に三重労働局から公表された1月末の集計結果は、既に御案内のとおりでございますが、有効求人倍率が0.69ポイントと、前月を0.2ポイントも下回りました。6年3カ月ぶりの低水準となり、さらに非正規労働者の雇いどめにおきましても、10月から本年3月までの予想数字が4062人から5割近く増え、5927人となったところであります。現当初予算案の雇用対策では到底追いつかない状況であるのは明白であろうかと思います。緊急雇用創出基金の調整額の活用やふるさと雇用再生特別基金の前倒し等を行い、雇用対策の充実を早急に図るべきと考えますが、まずは知事の御所見をお聞かせいただきたいと思います。

 あわせて、現当初予算案でいろいろな施策が提案されておるところでございます。来年度末の総合的な雇用見込みをどの程度と想定して提案いただいておるのかお尋ねをしたいと思います。

 また、県福祉人材センターにおいては、2月11日に第3回福祉の就職フェアを開催され、会場には外国人の就業希望者等が殺到し、536人の方がお越しをいただきました。学生92人、一般日本人60人、一般外国人が384人という状況でありました。さらに、農林水産支援センターにおかれても、去る2月28日に三重県農林漁業就業・就職フェア2009を開催されたところであります。過去2回に比べて3倍近い411人の方が訪れてみえました。そのうち205人の方が外国人という状況でございます。私も当日見せていただきましたが、外国人の方が非常に多く、また、会場に入れない状況の中で整理券が配られ、求職者の方があふれていた状況であります。

 このように、各業種で就職フェア等積極的に取り組んでいただいておるところではありますが、残念ながら、いろいろと聞き及ぶ中では、就職までにはなかなか至りにくいというのが現状であると聞き及んでおります。いろいろな施策を展開いただいた10月から現在までの県内の就職状況、あるいは介護や1次産業への就職状況についてお尋ねをしたいと思います。

 あわせて、就職者の方が定着をすることが最も大事なことでもあろうかと思います。県福祉人材センターや県農林水産センターにて就職者へのフォロー等も実施すべきと考えておりますが、定着対策をどのように考えてみえるのかお聞かせをいただきたいと思います。

 次に、2点目は、チャンスづくりの充実に向けた取組についてお尋ねをいたします。

 1次産業においては、後継者不足の解消や食料自給率の向上、地球温暖化防止対策等1次産業の活性化を図るチャンスであります。新規就職者の定着や若者に魅力のある産業へと転換を図るべきであります。

 農業においては、さきの三谷代表の答弁で、農業振興の条例や農業振興基本計画の策定に向けた取組を進めるとのことでありました。また、林業においても、平成18年に策定した三重の森林づくり基本計画に沿って取組が進められておるところであります。

 一方、漁業におきましては、燃油や養殖用飼料の価格高騰による生産コストの増大、あるいは漁獲量の減少や魚価の低迷、就業者の高齢化に加え、食の安全確保への対応等厳しい状況が続いておるのが現状でございます。漁業協同組合の自立支援や財務改善、広域合併に向けた取組などを推進されているところではございますが、まずは漁業協同組合の広域合併の促進を行った上で、鳥取県でも昨年末に策定してみえますが、沿岸漁業振興ビジョンというのを鳥取県もこの厳しい状況の中、策定をされてみえます。三重県においても、やや漁業面において取組が遅れておるのかなと思いますので、漁業振興ビジョンを三重県でも策定すべきと考えますが、お考えをお聞かせいただきたいと思います。

 次に、チャンスづくりの2点目につきましては、産業振興についてお尋ねをいたします。

 四日市市産業支援センターあるいは県、津市の訪欧団が1月31日から2月7日にパリ市やアヌシー市のメカトロニクス産業集積地域とスイスの産業技術研究開発機関のCSEMシーセム社とこれから言わせていただきます。を訪問し、メカトロ関連企業の情報収集や県内企業の情報提供を行い、誘致や技術提携の環境整備を進めるため訪欧されたところであります。

 そのときに、県と津市、四日市市、県産業支援センターが、スイスにある産業技術の研究開発機関シーセム社と中小企業支援の覚書を締結されてみえます。シーセム社は半官半民の組織で、マイクロエレクトロニクス、ナノテクノロジーなどの技術分野や中堅中小企業に対する技術革新の支援に強みがあります。覚書では、新技術で付加価値向上を目指す県内中小企業やベンチャー企業に対し、技術開発や事業開拓、高等教育機関との連携で協力するとしておりますが、今後どのように活用していかれるのか具体策をお聞かせいただきたいと思います。

 チャンスづくりの最後に、景気回復に向けて、やはり個人消費の活性化を図ることが何よりの景気対策であろうかと思います。来年度の予算で耐震シェルターの開発と高齢者世帯への支援事業が上程されておるところであります。地震対策の中で耐震シェルターの積極的な推進を図ることにより、個人消費の活性化を期待申し上げ、提案を申し上げたいと思います。

 木造住宅の耐震補強工事におきましては、国、県、市町の補助制度があるものの、数百万円の自己資金が必要になるケースもあり、補強工事がなかなか進んでいないというのが現状であります。平成16年度から19年度までの実績が457戸、今年度も目標を400戸に掲げていただいておりますが、残念ながら12月末までの申し込みが160戸と、ほとんど進んでいない現状であります。来年度予算に三重県型耐震シェルターモデル開発事業で杉やヒノキなどの県産材を使い、比較的安価で設置するだけで済む木質耐震シェルターを開発、普及させ、木造住宅の減災対策を促進するとともに、県産材の需要拡大につなげようというものであります。

 これが耐震シェルターの図面でございます。(パネルを示す)あるハウスメーカーのほうでも既にもう商品化されておるものでございますし、今回高齢者向けの耐震シェルターということで検討をいただいておりますし、また、開発も取組を計画いただいておる部分でございます。ごらんいただいておわかりのように、この白い部分がシェルターでございます。家が倒壊をしても、この中にいれば生命が守られる。それがこの耐震シェルターの開発された目的であります。工期もわずか2日間で工事ができ、また、販売価格についても、なるべく多くの方の人命を守りたいということで、施工費を含め、税込みでございますが25万円で、あるハウスメーカーの方が取組をしていただいております。そして、中がこういう状況でございます。(パネルを示す)まず、上の部分ですが、これは斜め上空から見た平面図であります。居間があり、隣に寝室があるんですが、ここの平面のところのように、木の箱をつくり、耐震シェルターとして活用するということです。下の図面については、これは、耐震シェルターの中をこういう形でベッドを置いたり、寝室にしたり、居間にしたりして安全な空間をつくるというのがこの耐震シェルターでございます。

 県においても、この耐震シェルターの開発を県産木材を活用して開発していくということでお取組をいただくということで聞かせていただいております。

 そこで、来年度予算に命を守る減災対策推進事業では、新たに高齢者世帯への耐震シェルター支援はありますけども、それ以外のこれまでにも木造住宅の耐震補強工事がなかなか進まない中、さらに現在の景気状況では到底難しい状況であろうかと判断をいたします。県民の生命を守るためには、耐震シェルターによる減災対策を広く一般に普及させるべきと考えます。そのためには、やはり誘導策として耐震シェルターを設置するのであれば、耐震調査、設計あるいは補強が不要となろうかと思います。その県単の県の持ち分の補助分の補助金を、県予算を活用して旧耐震基準の木造住宅すべて、数万円でも結構でございますので、補助制度を新設し、促進してはどうかと考えます。御見解をお聞かせいただきたいと思います。よろしくお願いします。

   〔野呂昭彦知事登壇〕



◎知事(野呂昭彦) まず、大変厳しい雇用情勢のことでございますけれども、先日公表されました1月の有効求人倍率、これが0.69倍でございまして、対前月比、12月と比べまして0.20ポイント下がったということでございます。また、雇いどめ等の状況については、2月18日時点で5927人、前回の1月23日調査と比べましても1865人増えておるというようなことでございまして、県内の雇用状況は急速に悪化をしておるということが言えます。特に有効求人倍率の下落率というのは、さっき申し上げました0.20というのは、第1次オイルショックのとき、昭和50年2月でございますが、そのときに0.24ポイントマイナスになって以来の大きな落ち込みと、こういうことでございまして、景気も底が見えない状況の中で一段と悪化を懸念しておるという状況でございます。

 そういう中で、経済対策、雇用対策についてでありますけれども、まず、今回の基金事業について、当初予算に計上いたしました緊急雇用創出事業におきましては、3年間の事業総額の約7割は21年度に前倒しをいたしまして、新年度の早い時期から実施するということによりまして早期に雇用創出を図ろうということにしておるところです。

 それから、ふるさと雇用再生特別基金事業については、現在、県と市町合わせて63本の事業を予定しておるところでございますけれども、今後NPOやいろんな具体的な提案も出てこようと考えておりますが、それにつきましては必要な事業を補正予算に盛り込んでいきたい、このように考えております。

 さらに、今後の雇用情勢に弾力的に対応するために留保いたしております両基金の調整額、合計約7億円等の活用につきましても視野に入れまして、迅速かつ的確に雇用対策を講じていきたいと、このように考えております。

 次に、人材不足と言われております介護、第1次産業分野への就業定着の促進ということについてでありますけれども、2月23日に三重県社会福祉協議会に設置をしました三重県福祉就労生活相談センターを中心に、離職者等から生活相談や福祉職場への就労相談に応じておるところでございます。まだ始まったばかりでございますけれども、福祉就労相談センターのほうには、いろいろと来られて相談をさせていただいておる中で、日本人の方で13名のうち8人は福祉人材センターへの登録という方もいらっしゃるというようなことであります。これも、今後ぜひしっかりいろんな効果が上がるようにしていきたいと、こう思っております。

 それから、ふるさと雇用再生特別基金事業などを活用いたしまして、介護現場での職場体験とか、あるいは資格取得のための研修を通じて人材を養成し、福祉職場への就職、定着、こういったことを支援しておるところでございます。

 それから、福祉の就職フェア等やっておりますが、今年はこういう状況の中で、第3回目のフェアを2月11日に実施いたしておりまして、第1回目、第2回目と比べますと、もうはるかに多くの方々が御来場いただきました。1回目の152人、2回目の97人に比べまして、3回目は536人、そのうち384名が外国人ということでございました。

 これらにつきまして、今、求人とのすり合わせということにつきましては話がまだ進んでおる途上かと思います。聞いておりますのでは、外国人7人の方が試用期間として3法人に雇用されるというような状況もあると聞いております。

 それから、第1次産業分野でございますが、これにつきましては、農林水産支援センターにおきまして、雇用情勢の悪化を受けまして、2月28日に緊急に三重県農林漁業就業・就職フェアを開催いたしました。先ほど前田議員のほうからも御紹介がありました。この会場でいろいろと、まだ行ったばかりでありますから、昨日少し報告を受けましたけれども、その中で、これからもこういったイベント等をぜひやってほしいとか、非常に予想以上に人数が多くなりまして、当初の予定をずっと上回った596名の方、そして、そのうち約半数の205名が外国人であったということでありますが、そういう中で、しかし、丁重な対応をしてもらったとか、大変好評な御意見が多くあったということです。これについても実効性がぜひ上がっていくことを期待しておるところでございます。

 それから、この2月からは、新たに厚生労働省の認可を受けまして就業の斡旋も開始をいたしまして、資格取得のための研修などワンストップで相談から就業までできる、そういう支援を実施してまいります。

 さらに、緊急雇用経済対策の一環として、研修への支援とかトライアル雇用に対する助成を実施するというようなことで、これはできるだけ多くの方々を対象にやる中で、その成果をきちっと得ることができるならば、相当就業定着ということに効果が期待できるのではないか、また、そういう成果が出せるように今後もしっかり取り組んでまいりたいと考えております。

 残余につきましては、担当部長のほうからお答えします。

   〔東地隆司防災危機管理部長登壇〕



◎防災危機管理部長(東地隆司) それでは、私のほうから耐震シェルターに関してお答えをさせていただきます。

 県では、平成19年度から、いのちを守る減災対策推進事業を実施し、津波対策、孤立対策、避難所耐震化対策及び災害時要援護者対策に重点化して、市町の積極的な減災対策の促進を図っているところです。

 平成21年度におきましても、災害時要援護者対策を継続する中で、耐震シェルターを新たに補助対象とすることとして当初予算に計上しているところです。

 住宅の耐震化は命を守る上で最も重要な地震対策の一つであり、また、被災者のその後の生活に大きな影響を及ぼすものであることから、本来、最も望ましいのは、住宅全体を耐震化していただくことと考えております。しかしながら、市町からの話によりますと、住宅の耐震化には相応の費用を要するため、特に高齢者の方々においては、生活状況や経済状況から住宅の耐震化が進んでいないということを聞いております。そのため、21年度の取組としまして、住宅の耐震化については、従来の制度に加えて、新たに補強設計や簡易補強工事に対する補助を行うこととしておりますし、さらに市町からの強い要望を踏まえまして、高齢者等の安全・安心を守るための減災対策として耐震シェルターを補助対象に加え、市町を支援することで努力していきたいと考えておりますので、御理解を賜りますようお願い申し上げます。

 以上でございます。

   〔真伏秀樹農水商工部長登壇〕



◎農水商工部長(真伏秀樹) 漁業振興ビジョンの策定についてお答えを申し上げたいと思います。

 本県は、1000キロ以上にも及ぶ海岸線を有し、北は静穏な伊勢湾から南は黒潮の影響を強く受けます熊野灘まで、地域特性のある豊かな漁場に恵まれております。こうした中で多種多様な漁業が営まれているところでございます。

 平成18年の漁業生産量は21万7000トン、生産額は518億円でございまして、ともに全国8位という状況でございまして、本県は全国的にも有数の水産県であり、本県にとりまして漁業は大変重要な産業であるというふうに認識をいたしております。

 水産業は、県民に新鮮な魚介類を提供いたしますとともに、雇用の創出や関連産業を通じまして地域経済の活性化に貢献するなど重要な役割を果たしております。今後も地域の特色を生かした漁業活動が効率的かつ安定的に展開をされまして、食料供給産業として持続的に発展をさせていくことが大変重要であるというふうに考えております。

 こうした考え方のもと、県民しあわせプラン第二次戦略計画におきましては、安全で安心な水産物の安定的な提供を水産施策の柱とし、さらに、水産物等の高付加価値化や水産業の持ちます多面的な機能の維持向上などにも取り組んでいるところでございます。

 漁業、水産業を取り巻く情勢につきましては、資源の減少でございますとか、漁業者の高齢化、魚価の低迷など厳しさを増してきております。このため、現在、地域で漁業振興の中核を担う漁業協同組合が経営体としての強化を通じ、地域において十分な役割を果たせるよう、外湾地区の漁協合併を現在進めているところでございます。また、これとあわせまして、漁協合併後の地域振興の施策のあり方等についても調査を実施することといたしております。こうした調査を進めてまいります中で、県全体の漁業振興ビジョンについても種々議論を進めていきたいというふうに考えております。

 以上でございます。

   〔南 清農水商工部理事登壇〕



◎農水商工部理事(南清) 私のほうからは、CSEMを活用した産業振興についてお答えをさせていただきます。議員と同じように、私もCSEMについてはシーセム社と呼ばせていただきたいと思いますので。

 三重県といたしましては、県内企業の技術革新を支援するために国内の研究機関、大学、さらには先進的な技術を持ちます海外の研究機関等ともネットワークづくりを推進しているところでございます。津市長とともにこの2月初旬に訪問をさせていただきましたシーセム社でございますけれども、ここは、スイスの機械式の時計が日本のクォーツ式の時計との競争によりまして一時的に衰退をした際に、スイス国内の中小企業の技術力の向上を図るためにスイス連邦政府等の支援のもとに設立をされまして、スイス時計産業の復活に大きく貢献をした研究組織でございます。現在、このシーセム社は、先ほど議員のお話にもございましたけれども、メカトロニクスとか、あるいはマイクロテクノロジー、こういった分野におきまして非常にすぐれた世界有数の研究機関へと発展をしているところでございます。

 このシーセム社は、これまでに県との中小企業支援に関します意見交換でございますとか県内企業の訪問などを行ってきているところでございます。特に津市におきましては、メカトロ技術を活用した産業振興を図るということにしておりますので、同社との今後の連携による技術力向上が期待できるということで、津市長がシーセム社を訪問していただいて、県、四日市市を含めました中小企業支援に係る協力の覚書に至りました。

 今後は、この新しい技術によって復活をしましたスイスの時計産業のように、シーセム社のすぐれた技術を活用することによりまして、県内の中小企業が持つ技術力を向上させますとともに、津市を中心といたします地域のメカトロ関連技術産業の発展へとつなげてまいりたいと、かように考えております。

 以上です。

   〔26番 前田剛志議員登壇〕



◆26番(前田剛志) 一通りの御答弁ありがとうございました。私が質問をさせていただいた項目まで触れていただきましたので、時間がとてもなくなってまいりました。

 簡潔に二、三お聞かせをいただきたいと思います。

 まず、雇用の関係でございますが、知事からの答弁を聞かせていただくと、とりあえずは現予算でやっていかれるというふうに聞き取りました。まず現状の認識の中で、今の現当初予算案で足りておるかどうか、その点だけまず知事、お聞かせいただけますか。



◎知事(野呂昭彦) 今ある基金事業につきましても、私もいろんなアイデア、各部で持ってきておる事業についても精査をいたしました。やはりいろんな検討がまだ必要だというやつについては保留をしてありますし、それから、市町においても、まだこれからいろいろ地域での提起も含め、これをさらにどうしていくかということを考えているんだと思います。そういう意味では、とりあえずまずこういったところからやるという予算を今回確保しておるところでございます。

 今回の景気は、どこが底になるのか、底が見えない状況です。もちろん6月期あたりから、生産調整、在庫調整が終わって、自動車産業なんかは上向きに転ずるんではないかという予測もされております。そういう状況もこれからどうなるかわかりませんから、我々とすれば、今現在だけではなくて、今後ずっと経過をしていく中で適宜必要な対応をしていくという考え方が大事であろうかと思います。そういう意味では、緊急の対応をやるということになりましたら、これは県議会も幸い年2回開会でありますから、私ども、すぐさま補正が必要だという判断をすれば、議会のほうにも御協力を申し上げて、通例、これまで6月補正とか言われておる前に、必要ならばそういった対応も講じていく必要があるのではないか、こういうふうに考えておるところでございます。

   〔26番 前田剛志議員登壇〕



◆26番(前田剛志) 苦しい御答弁なのかなとお聞きをさせていただきました。私の認識は、先ほどの質問でもさせていただいたように、当然今の現予算案では十分ではない、全く足りないというのが私の考えでございます。だけど、非常に状況判断をしながら迅速に対応いただくということもおっしゃっていただいておりますので、もう少し現状を把握いただいた中で、4月の早い時期に、国でももう補正予算のお考えを示されてきておるところもありますので、三重県としても遅れることなく、早期に補正予算での対応をお願い申し上げたいと思います。

 現在、求職者が3万1589人三重県でみえるというのが1月末でございました。3万人の方が三重県で仕事を探しているというのが現状であります。そういったことを十二分に頭に入れていただき、そしてまた、有効なお取組をいただきますことを御要望させていただきたいと思います。

 それともう1点、チャンスづくりの耐震シェルターだけ触れさせていただきたいと思います。

 今の行政の立場の中では限界の答弁なのかなと感じております。いろいろと私も提案させていただいたようになかなか進んでいかない。その中で命を守るということが何よりも大切ではないかというので、少し頭を柔軟にしながら切りかえていただければと思います。

 また、この耐震シェルターというのは一石五鳥ではないかなと私なりに考えております。

 防災危機管理部としては、当然県民の生命を守るというメリット、メリットというより任務もあります。

 環境森林部としては、県産材の需要拡大を図る。30万円の住宅補助をなくしてきたということであれば、数万円の補助をしていけば、より広く県内の方で享受できるという部分でいいのではないか。

 あるいは農水商工部におかれては、当然建設業界として冷え切っておる中、すそ野の広い建設業界の活性化につながっていくのではないでしょうか。

 それと、県土整備部については、私は不満でございますので、本当は再質問させていただこうと思いましたが、常任委員会またはで論議も深めさせていただきたいと思います。耐震化補強工事が全く進んでいない中で、来年度いろんな設計なり簡易補強工事というメニューを検討され、取組もいただくんですが、この不景気な中ではやはり非常に難しいんではないかな、そういう部分の中で御検討もいただきたいと思います。

 最後に、総務部としては、補助金として金額が、調査、設計、施工という部分の中で、耐震シェルターを設置することによって金額的に安くなるというメリットも当然あろうかと思いますので、御検討もいただきたいと思います。

 再質問、知事にお考えだけ少しお聞かせをいただきたいなと思いますが、どうでしょうか。耐震シェルター。



◎知事(野呂昭彦) 21年度、それについて実施をしようということで対応を決めておるところであります。いろいろお話がありましたけれども、ぜひ有効な手だてになるように、効果を発揮できるように取り組んでいきたいと、こう思います。

   〔26番 前田剛志議員登壇〕



◆26番(前田剛志) 余り内容を聞かれていなかったみたいでございますので、またオール県庁トータルで御判断をいただきたいな、政治的判断をしないことには、今の補助基準の中では、やはり今東地部長から御答弁いただいた内容だと思いますので、三重県トータルで御検討いただきたいと思います。開発も秋までかかるということでございますので、また補正予算で上がってくることを御期待申し上げたいと思います。

 それじゃ、続きまして、2項目の地域づくりの充実について入らせていただきます。

 昨年5月に施行された三重県地域づくり推進条例の仕組みに基づく仕組みといたしまして、県と市町の地域づくり連携・協働協議会を位置づけ、多様な主体による地域づくりに関する意見の情報共有、課題解決に向けた制度、仕組みの整理、地域経営基盤の強化等について共通の理解の深めた上で連携協働し、地域づくりの基盤整備に向けて取組を進めようとされております。

 そこで、県と市町の地域づくり連携・協働協議会についてお聞かせをいただきたいと思います。

 初めての総会が2月10日に開催されました。来年度の検討課題も示されておるところでございますが、新たに地球温暖化対策、あるいは道路管理手法のあり方について、住民アンケート等の研究、継続で法定権限譲渡を報告されておるところでございます。本来であれば、報告ではなく、課題を洗い出した中で市町の意見を十二分に聞き、十分な協議を総会で実施すべきではないかと思います。1点お聞かせいただきたいと思います。

 また、緊急雇用経済対策についても、当面の県政の最重要課題であるならば、情報交換、共有化を図るとともに、総合的な対策の協議をすべきと考えますが、いかがでしょうか。

 そしてまた、総会の中で超高齢化地域対策についても報告がされております。このことにつきましては、私が昨年度質問させていただいた中で、限界集落への対応を早急にすべきという提案をさせていただいた中で、答弁はとても後ろ向きではございましたが、1年間で前向きに取り組んでいただきましたことに感謝を申し上げる次第でございます。

 報告内容につきましては、青木議員のほうから質問で御説明があったとおりでございますし、また、今後の取組についても、超高齢化地域への対応については、「美し国おこし・三重」の取組と第二次戦略計画に基づき、政策部が中心となって関連部と調整して、連携して総合的に進めていくという答弁でございました。

 今後の対応について、まだまだ従来の取組と変わらないのかな、これからが一番、計画ができた中で進めていくというのが大事な部分であろうかと思います。だけども、これからが一番難しい取組になっていこうかなと思っております。せっかく1年間かけて検討いただいたのであるならば、実効ある取組となるように、過疎地域対策に含めて地域会議で市町が基本的に中心となって、地域住民の方も一緒に交えながら地域別の対策を立てるとともに、実行し、そしてまた、地域会議の中でフォローをしていくべきと考えますが、お考えをお聞かせいただきたいと思います。

 さらに、地域づくりに関する補助事業についても、240という多くの事業があります。また、行政特有の国、県の縦割りによる類似の事業等もふくそうしておるようなところであり、かつ担当部署も県部局においても多岐にわたっておる状況であります。今後、地方分権を進めていく上で地域づくりが最も重要であるとともに、これまでの長年の取組で成果が上がらなかった過疎地対策への取組、さらには「美し国おこし・三重」の取組を成功させるためには、一元的な窓口として、部局を横断した、調整した、総合的に調整できる地域づくり支援局、または美し国おこし創造局でも結構でございますが、組織改正をすべきと考えますが、いかがでしょうか。

 次に、2点目は、「美し国おこし・三重」の取組についてお聞かせをいただきます。

 また、美し国におきましても、先ほど言いました地域づくり条例に基づく仕組みとして位置づけがされております。第1回目の座談会が玉城町で1月31日に行われました。なかなか新聞で拝見すると内容が伴っていない、そのように感じております。町の総務課の担当者の方も、いまだに事業の全体像が見えない、走りながら考えていくしかないという状況である中で、本当にこの座談会がこれから350回取り組まれる中で大丈夫なのかな、不安に思っておるところでございます。今後の充実に向けて、市町が主体で取組をしていただくということを大切にしながらも、やはり開催規模なり対象者なり、そしてまた共通テーマも含めながらテーマ別の取組なり、そういったことを県としても、プロデューサーとしてもアドバイスをしていただくべきではないかなと思っております。

 また、共通テーマの考え方については、出てきた中で共通するものをテーマに設定していくということであるんですけども、そうではなくて、超高齢化対策についても美し国を使ってということも言われております。それならば、ある程度政策誘導をしていかないことにはなかなか共通テーマの設定に至らないのではないかな、そういったところをお聞かせいただきたいと思います。

 あわせて獣害対策についても、それならば市町だけの取組では、県を横断した取組も必要になってこようかと思いますので、あわせてお聞かせをいただきたいと思います。

   〔野呂昭彦知事登壇〕



◎知事(野呂昭彦) 新たな地域づくりの協議会のことでございますけれども、私は、知事に就任しましてから、住民サービスをともに提供する市町、これを県政の最大のパートナーと位置づけてまいりました。これまで、膝づめミーティング、それから、県と市町の新しい関係づくり協議会、さらには県と市町の地域づくり支援会議、これらを設置いたしまして、県と市町が連携して課題解決に取り組んできたところでございます。

 このような中で、昨年5月に三重県地域づくり推進条例が制定をされましたことから、これまでの取組状況を踏まえた上で県と市町の一層の連携強化を図りまして、地域づくりの基盤を整備しようということにいたしまして、本年2月に新たな県と市町の地域づくり連携・協働協議会を設置したところでございます。

 この新しい協議会におきましては、県全体に関する課題につきましては全県会議で、地域における課題につきましては地域会議で検討をするということにしております。そして、この両会議は、それぞれ知事、各市町長等が出席をいたします総会とトップ会議、それから、担当部課長によります調整会議、それから、担当者によります検討会議の3層の会議を考えておりまして、これらを県と市町との協議の場として仕組みを強化したところでございます。

 協議内容について、少し感想をお触れになりましたけれども、先般行われました2月10日の会議につきましては、これは、旧来の県と市町の新しい関係づくり協議会の総会、並びに、それを新しくした県と市町の地域づくり連携協働協議会の初めての第1回の総会、これをあわせてやらせていただいたということ、それから、途中で、「美し国おこし・三重」につきまして市町の皆さんと一緒にぜひ勉強もしていこうということで、多摩大学の望月教授においでをいただきましてお話をお聞きしました。このテーマも含め、また、報告事項についていろいろありましたが、インフルエンザ対策だとか緊急経済対策等についても時間内ぎりぎりいっぱい使いましていろんな意見交換もさせていただきました。

 ただ、この新協議会におきましては、県と市町が協働して検討する課題につきましては、事前のやはり調整もしていこうということで、担当部が市町と十分な意見交換を行いまして、調整会議というのを持ちまして、そこでいろいろ議論をした上で総会に図っているというような状況にもなっておるところでございます。

 今後とも、新協議会の運営に当たりましては、市町の意見を踏まえた上で十分意見交換ができるよう努めてまいりたいと、このように考えておるところでございます。

 それから、もう一つ私のほうからお答えをいたしますけれども、地域づくりについての窓口の一元化というようなことについてお話がございました。地域主権の精神でそれぞれ取り組んでいく中で、まずは住民団体が担うことが難しい、そういう課題について県や市町が連携協働してその解決を図っていくということが必要でございますけれども、その中で、地域の課題については、新しい協議会の地域会議におきまして県と関係市町が解決に向けた協議を行いまして、県民センター所長が主催をします各事務所の所長連絡会議等の場を通じまして、事務所間の調整とか地域との連携に取り組んでおるところでございます。それから、全県的な課題につきましては、新協議会の全県会議というのが持たれますが、そこで県と全市町が協議を行いますとともに、本庁で調整が必要な課題につきましては、関係部局長、これは三重県地域づくり調整関係部局長会議というのを設置しておりまして、そこで協議を行うということにしておるところでございます。

 今後も、こういう仕組みを活用しまして、総合調整を図って的確に対応したいと考えておるところでございます。したがいまして、今政策部のほうには地域づくり担当理事も置いて、あるいは東紀州対策局も置いておるところでございますけれども、窓口の一元化ということにつきましては、政策部が各事業を所管する各部局と連携をしまして、引き続き市町へのいろんな窓口として、あるいは適切な助言を行うところとして機能を総合調整しながら果たしていくということになります。

 以上でございます。残余につきましては担当のほうからお答えいたします。

   〔渡邉信一郎政策部長登壇〕



◎政策部長(渡邉信一郎) 超高齢化地域の対策についてお答えを申し上げたいと思います。

 本年度、市町とともに実施いたしました超高齢化地域に関する調査を具現化いたしますには、御指摘がございましたように市町との連携協働が非常に重要でございます。そこで、県、市町の地域づくり連携・協働協議会の地域会議においてテーマとして取り上げて検討を進めていくことも重要であると考えておりますので、今後そのことにつきまして市町と協議してまいりたいと思っております。

 以上でございます。

   〔藤本和弘政策部理事登壇〕



◎政策部理事(藤本和弘) これまで4回ほど座談会を開催してまいりました。この「美し国おこし・三重」の取組につきまして、その座談会では概要の説明、参加団体、グループの活動の紹介などを行ってきております。参加者からは、ほかの団体、グループが何をしているかがわかりやすい、そういうことで有意義であるとか、今後もこうした意見交換の場を設けてほしいといった意見をいただいております。

 また、一方では、予想以上に参加者がございまして、活発な意見交換ができないところもございました。そんな中で、もっと意見交換の時間が欲しいといったような意見もいただいております。

 今後、各市町や地域における2回目以降の座談会につきましては、参加者が多い場合については場を分けるなど、1座談会当たり20人程度にいたしまして、具体的意見交換が行われるようにしたいと思います。それに先立ちまして、具体的な意見交換が行われるように、各市町と座談会の開催方法とか進め方、あるいはテーマなどについても事前に十分協議、調整を行いながら進めてまいりたいと考えております。

 この「美し国おこし・三重」の取組につきましては、地域での自発的なグループの活動を支援するものでございまして、実行委員会が誘導するものではないと考えております。したがいまして、市町の地域づくりの方向性に沿って進めていくものではございますけれども、今後、各地域での座談会での議論の中から、自発的、主体的な取組として全県的に共通するテーマが出てまいりましたら、テーマプロジェクト化をするなどのことも想定しながら取組を積極的に進めてまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。

   〔26番 前田剛志議員登壇〕



◆26番(前田剛志) ありがとうございました。もう時間もありませんので、要望だけさせていただきます。

 まず、組織の話ですが、今までもそういう形の中で部局横断的に、そしてまた連携して取り組んできていただいていたのではないのかな、だけど、じゃ、なぜ過疎地域の対策が進んでこなかったのか、そこのところを十分考えていただきたいと思います。私も1年、今年監査をさせていただいて、やはり感じるのは、まだまだ、総合行政と言うものの、県も縦割りだな、ややもするとセクト主義になっておるというのをすごく感じさせていただきました。そこの部分が今の組織でやれるものなのかどうか、なぜ今まで進んでこなったのかということを十分分析いただきながら、今後どういう形で本当に野呂知事が美し国を成功させたいという思いがあるならば、お取組、御検討いただければと思います。

 それと、藤本理事、ありがとうございました。大変ですが、あと346回頑張っていただきたいと思います。ただ、私は、政策誘導というのは、参加者で過疎地域の方が一般公募して本当に出てきていただけるのかな、そういう課題が市町であるのならば、そういう方が出てきていただきやすいような状況をつくっていただかないことには、なかなか公募した方で集まっていて論議していても、当然そういう課題というのは上がってこない。だから、そういう事前の調整をする中で、そういう方にも出てきてもらうにはどうすればいいのか。そういうことを真剣に考えていただかないと進んでいかないのかなと思いますので、強く要望させていただきたいと思います。

 それでは、あと5分しかございませんので、簡潔に病院についてお聞かせをいただきたいと思います。

 地域医療の再生に向けてでございますが、もう今議会で県立病院改革の基本方針が示され、多くの論議が重ねられてきておるところでございます。私が言いたいのは、この国の公立病院改革ガイドラインのねらいとして、一つは経営の効率化であり、もう一つが再編・ネットワーク化である。そして、三つ目が経営形態の見直しが求められておるというのが今回の国のガイドラインの目的であります。悲しいかな、今回の県立病院改革の基本方針においては、単独病院での経営形態の見直しのみであるというのが現実であります。地域医療が今崩壊寸前な状況の中で、限られた医療資源の効率的な配置が急務であります。そのためには、医療圏ごとに必要な医療提供内容を分析し、すべてを一つの病院が担うのではなく、民間病院等も含めた医療機関相互の連携を深め、機能分担なり集約化を行う必要があろうかと思います。

 まずは同一地域内にある複数の、当然各公立病院においてはガイドラインに基づいて検討が進められておるところでありますので、併存しておるところについては重複しておる役割分担見直しを行い、それに合わせながら経営形態の見直しを含めて再編されるべきだと思います。第4次医療計画の中でも明記されておる状況でございまして、その基本方針に当たり、どのように検討されてみえたのか、検討状況と今後の進め方についてお聞かせいただきたいと思います。

 それと、もう1点、医療圏ごとに検討委員会を設置して、やはり取り組んでいくべきではないかと思います。そこのところをどうやって取り組んでいかれるのか、お考えがありましたら、あわせてお聞かせをいただきたいと思います。

 以上です。



○副議長(岩田隆嘉) 答弁は簡潔に願います。

   〔堀木稔生健康福祉部長登壇〕



◎健康福祉部長(堀木稔生) 地域医療再生につきましてお答えさせていただきます。

 平成20年3月策定いたしました三重県保健医療計画第4次改定におきましては、県内の公立病院等の再編・ネットワーク化及び経営形態の見直しにつきまして検討を進めること、また、県立病院につきましては、各病院ごとに地域で果たすべき役割や機能を検証し、そのあり方について検討していくことを明記しております。これは総務省の方針も踏まえております。

 今回お示ししました県立病院改革に関する考え方(基本方針)(案)策定に当たりましては、地域の事情を考慮する中で、再編・ネットワーク化についても意識しながら、それぞれ病院ごとに医療環境とニーズ、役割や機能、課題等、対策とその効果について検討を行い、今後の方向性を明らかにさせていただいたところでございます。

 また、医療圏単位の関係でございますが、本県におきましては、県民が良質で効率的な医療が受けられる体制整備に向けまして、三重県保健医療計画を策定し、がん、脳卒中、救急医療対策など4疾病5事業を中心に地域における医療、保健、福祉の切れ目のないサービスが提供される体制づくりに取り組んできておるところでございます。

 具体的には、がん対策につきましては、がん診療連携拠点病院を中心にした予防治療から術後までの一貫したケアが提供されるための地域連携クリティカルパスの導入などの取組を進めているところでございます。

 県といたしましては、今後も、医療機関がその機能に応じて役割分担を明確にし、適切に連携を図るとともに、4疾病5事業ごとに地域の医療資源の状況を踏まえた効率的な医療提供体制を構築していく必要があるというふうに考えておるところでございます。

 このため、地域における医療連携促進のための検討会の開催支援や医療機能分化の促進に向けた住民への啓発の取組などにつきまして進めてまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。

   〔26番 前田剛志議員登壇〕



◆26番(前田剛志) 余り理解できる答弁ではありませんでした。もう時間がないので要望にとどめます。

 やはり県立病院改革の基本方針案ですが、緊急避難的な、県立病院だけを考えた、経営形態を考えた単発的な案であろうかなと思います。だから、地域医療をどうしていくんだというビジョンがないからそのプロセスが見えてこない。だから、議会でも議員も不安になっておるし、県民も不安になっておるのではないかな。全体のビジョンを示した中で今回の県立病院改革の位置づけをこうしていくんだ、だからこうなっていきますよということをお示しいただけていないと思います。今、病院、地域医療というのは本当に崩壊寸前であります。公立病院も、民間病院も、必死で厳しい悪循環の中、頑張っていただいておる。ただ、単独でどんだけ頑張っても限界があるというのが正直なところであります。だからこそ、この県立病院改革のときにネットワークなり、再編なり、分担化ということを考えていかなければいけないというのが今回のチャンスではなかったのかなと思います。

 議論する時間がなくて残念ですが、三重県の医療を守れるのは野呂知事しかおりませんので、期待を申し上げ、質問を終えさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)



○副議長(岩田隆嘉) 49番 萩原量吉議員。

   〔49番 萩原量吉議員登壇・拍手〕



◆49番(萩原量吉) 皆さんの御協力をいただいて、幸いにも一般質問の最後、1時間をいただきましたので、知事にお願いしておきたいんですが、わからないことを聞くとか知らないことを教えてという、そんな質問ではなくて、知事と論戦を交えたい、そんな思いで聞かせてもらいたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。

 まず第1に、今の極めて無法といいますか、人間を物扱いするような派遣切り、雇用どめ、これをやめさせるためにどうするか。この問題であります。

 今の派遣切りと言われているこの状況。やっぱり県の認識が少し甘くないのかということを率直に言いたいと思うわけであります。前回、私は11月28日でしたか、質問をしたときには、そっけない答弁、とんちんかんなお答えでした。しかし、その後の急変の中で、県も対策会議を開かれて調査に入られた。1000社近くを県幹部が行かれた。だけども、雇用のお願いという文書を渡してきたけど、なかなか実情全体がつかめないという状況ですね。そこでやっぱり知事、端的に言って聞きたいんですが、知事自身がこのような人間物扱いの派遣切り、これは許せないことだと、全くこんなことはけしからんことだという認識に立たれるのかどうか。そして、その立場から、やっぱりシャープをはじめとする派遣切り、県内の大企業なんかに対してきちんと申し入れをする、もうけ過ぎた内部留保がどんどんあるんだから雇用に回すべきだ、このことをおっしゃることができるのかどうか。

 パネルをちょっと出してください。(パネルを示す)資料とも渡してありますけれども、これはこの間真弓さんが質問をいたしました、製造業、大企業でこの10年間に経常利益は8兆円以上も伸ばしている、配当金は4兆円も増やしている。しかし、従業員給与は2兆3000億円も減らしている。このようなことは理不尽なことだ、許せないことだ、こういう立場からあなたが申し入れできるのかどうか。

 いま一つ次のページのパネルを示します。(パネルを示す)製造業、大企業の内部留保と非正規労働者数の推移です。なぜこのように大企業がぼろもうけしてきたのかというこの97年88兆円から2007年の120兆円という内部留保ですね。この内部留保の増え方が、実はそれにきちんと比例するような形で派遣労働者の数が1152万人から1732万人へと急激に増えていっている。まさに非正規の安い労働力を使ってぼろもうけをしてきた。それを内部に留保してため込んでいるんだ。このことはやっぱり許せないではないか。内部留保を使ってでも派遣切りをやめよ、雇用を守れ、こういう立場で強く要求していただきたいというふうに思うんですけれども、まず知事の基本的な姿勢を聞いておきたいと思います。

   〔野呂昭彦知事登壇〕



◎知事(野呂昭彦) 今回の経済危機につきまして、こういう厳しい経済状況あるいは雇用状況でございます。そこで、必要な経済対策、それから、雇用対策を迅速に、そしてまた、総合的に推進をしていかなければならないということで、そしてまた、県民生活の安心・安全を図るということから、昨年12月に三重県緊急経済対策会議を設置いたしまして、緊急に取り組むべき対策を進めておるところでございます。

 その一つとして、昨年末に幹部職員が従業員50人以上の。

   〔発言する者あり〕



○副議長(岩田隆嘉) 静粛に願います。



◎知事(野呂昭彦) 県内企業約900社を訪問いたしまして、雇用の維持及び採用内定の履行を要請いたしました。

 その際、中小企業を資金面で支援するための制度の拡充を図ったセーフティネット資金など県独自の取組であるとか、あるいは国の制度ではございますけれども、企業の雇用維持を支援します雇用調整助成金などの制度について周知を図ったところでございます。

 また、訪問時に企業から要請がございました融資制度の拡充のほか、新たに問題になっておる離職者の住居の確保、これを図るために、雇用促進住宅の入居要件の緩和などにつきまして、全国知事会などを通じまして国へ提案要請を行っているところでございます。

 厳しい経済情勢ではありますけれども、企業には地域の経済や社会を構成する一員としての役割を果たすとともに、雇用の維持に向けまして今後とも最大限の努力をしていただきたい、こう考えておるところでございます。

 さらに、県におきましては、県内の雇用経済情勢の的確な把握と効果的な雇用経済対策等の検討協議を行うために、2月19日に産業団体金融機関、労働団体や国等の関係機関など官民が一体となりました三重県経済危機対策会議を創設したところでございます。

 今後も、雇用の維持に向けまして必要な対策を総合的に推進をしてまいりたい、このように考えております。

   〔42番 萩原量吉議員登壇〕



◆42番(萩原量吉) 私の聞いたことは何も答えないで、今までから並べ立てられている対策会議のその報告をしただけ。これはどういうことなんですか。これは、議員の皆さんも不思議がってみえると思う。県民の皆さんも不思議がってみえる。知事、あなた自身がと言っているんです。1000社行かれたと言うけれども、私はやっぱり県内の大手の本社を訪問すべきです。

 知事、もう一度端的に聞きます。はっきり答えてください。シャープへあなたが行く気がありますか。社長とトップ会談する気がありますか。北川さんがシャープの、当時は松田社長とトップ会談で90億というのを決めてきたんでしょう。あなた、本社へ行く気があるのかどうなのか。その他大企業、軒並みありますけれども、あなた自身がこのような雇用切り捨ては許せないという立場に立てるのか、その申し入れができるのか、はっきり答えてください。



◎知事(野呂昭彦) 私は、三重県の知事として、県の職員並びに関係機関の皆さんとしっかり必要な知事としての責任を果たしていく。そのためにやるべきことはしっかり対応をしてまいりたいと、このように考えております。

 経済対策につきましても、そういう中でチームワークよろしくしっかり取組を続けてまいりたいと考えております。

   〔49番 萩原量吉議員登壇〕



◆49番(萩原量吉) 情けないですよね。県民が不安を感じるでしょう。やっぱり大企業には物が言えんということですね。そのようにはっきり言うたらどうですか。

 副知事にちょっと聞きます。副知事は中央から見えた人でもあるし、大阪あるいは東京など本社へも訪ねてみえるやに推測していますけれども、あなた自身はどうでしょうか。そういう県内の大企業へ直接赴かれて要請等聞き取りなど話されたことはありませんか。

 あわせて聞きますが、先日の「シャープ中国で液晶パネル価格下落 円高が背景」という、こういう記事が2月22日付各新聞にもだっと流れました。県民は大変不安に思っています。シャープの労働者も困っています。この点についても聞き取りをしてきた事実があるならば、はっきりとお答えください。



◎副知事(江畑賢治) お答えいたします。

 先ほど知事から答弁の中で話がございましたように、年末から年始にかけて県幹部職員が企業を訪問するのとあわせて、私も複数の企業に対しまして県内、県外合わせて訪問をさせていただいた事実がございます。その際に、知事名の雇用維持の要請の文書をお持ちいたしまして、雇用要請のお願いをしてまいりました。

 もう一つは、シャープの報道につきましては、これにつきましては担当部のほうで確認をさせていただいたところでございますが、そのような内容については当社からは発表してないという、そういう報告を受けているというふうに聞いているところでございます。

   〔49番 萩原量吉議員登壇〕



◆49番(萩原量吉) たった一つだけ言われましたが、現時点では、シャープはこのような新聞報道のようなことを検討はしていない。これをやっぱりきちんと知事なり副知事なりがトップと確認をしなさいよ。そして、大丈夫なんでしょうねと念を押しなさいよ。90億から補助金を出しているんでしょう。私はその姿勢を問いたいんです。非常にこの点では残念です。

 内部留保金というのが物すごくため込まれているわけですね。製造業120兆円と言われているわけでありますが、この内部留保を遣って雇用に回せというのは、何も私たち日本共産党だけが言っているのではない。この間自民党の幹事長も言っていましたよね。やはりもうけ過ぎた内部留保、これは、ちょこっと出すだけで十分企業が運営していくんです。これは、私はおもしろい雑誌を見つけたんですが、光文社に『フラッシュ』という雑誌がありますけどね、『フラッシュ』という写真週刊誌的な(実物を示す)。この『フラッシュ』が、「首切り社長たちの<資産>暴く!」という特集をしているんですよね。この中で、トヨタなんかが役員報酬は年間1億2000万円だとか、大変な高い状況を言っていますが、雇用削減を発表実施した主な企業の体力という一覧表を出しまして、これら大企業がこれから仕事を全くしなくても従業員にそのままお金を出し続けいて一体何年もつか内部留保で試算している。これは非現実的かもしれないけれども、これほどたくさんあるんやという点で、トップは何とこの三重県の本田技研、鈴鹿工場もありますけれども、ホンダですわ。この試算では23.9年、耐久年数って書いていますわ。トヨタは21.4年。とにかく20年以上もここの企業が何も生産もせんと、仕事もせんと、もうけを新たに増やさんでも20年以上の労働者の賃金を払えるんだ。だから、今その意味でわずかな内部留保を出してでも雇用を守れ、これ以上被害を出すな、このことをはっきり言うべきだと思うんですね。

 知事、その点で私はもう一つ聞いておきたいんですけれども、今回のこういう派遣切りというのは、いわゆる市場原理主義、まさに何でも規制緩和で自由化、そして、派遣業を労働行政の中にも持ち込んできた、製造業の中にも自由化してきた。こういう中で大変非正規の労働者が増えたわけでありますけれども、これはやはり政治による災害ではないのか。政災。これはまさに自然災害じゃないでしょう。地震や風水害ではないんですよ。だけども、突然に職を奪われ、家を奪われ、大変な事態になっている。これは政治による災害だというふうにあなたは認められますか。現行法でも派遣切りはとめられる、また、だからこそ派遣法などの改正が必要だ、このようにあなたは思われますか。この点をはっきり聞いておきたい。



◎知事(野呂昭彦) まず、企業の社会的責任として雇用についてどう対応すべきかということにつきましては、やはり企業が今回のこの不況によりまして大変な、企業にとっても存続がかかるような厳しい状況になっております。したがって、設備投資の抑制であるとか、あるいは事業の再編成を進める中で、しかし、正規社員の雇用はできるだけ確保をしながら、全体的にいろんな経営戦略、経営方針の中で、経営判断の中でいろんな状況が起こっておるんだろうと、こういうふうに思います。

 先ほど私がお答えしましたように、やはり企業には地域の社会、経済を構成する一員としての役割もありますから、ぜひ雇用については私も維持に向けてお願いをしていきたい。今後も不況がどれだけ続くかわかりませんけれども、今後さらに社会の発展のために企業がいろいろと貢献をしていかなければなりません。そういう意味での原動力になる人材確保のためにも、私としては雇用確保はぜひお願いをしたいと、こういうふうに思うところでございます。

 それから、今回のことについて、政治的な災害ではないかというお話ですが、これについては、私も、これまでの小泉内閣以降のいろんな政治のあり方について批判をしてまいったところです。今日は中谷巌さんのこのことについても何かご質問があるやに聞きました。

 私は、実は、きのうまで読んでいなかったんです。きのう、夜、分厚い本でありますので、斜め読み、拾い読みみたいな感じでありますけれども、中谷さんのような大変な学者が、自分でも信じてやっておったことをこれだけしっかり反省をされて、こういう書物にざんげの書と言えるようなものを書かれた。そのことは敬意を表するところでありますし、私としては思いは一つだなというふうに思いました。しかし、決してだから共産主義がいいとは書いてありません。

   〔49番 萩原量吉議員登壇〕



◆49番(萩原量吉) 共産主義がいいとは書いてないというのは要らん答弁ですね。(実物を示す)それで、「資本主義はなぜ自壊したのか」。こう言っているんですよ。私たち日本共産党は、ルールなき資本主義はだめだ。ルールある経済社会をつくれ、こんなひどいルール破壊の、いいですか、人間を物扱いするようなこういう資本主義であってはだめだ、これは私たち日本共産党の主張です。志位委員長が、だから、経団連をはじめ財界のトップにどんどん会うているやありませんか。

 それで、中谷巌さんを出されたからちょっと聞きますけれども、これは『文藝春秋』にも、「竹中平蔵君、僕は間違えた」というのを書いていますね。知事が中谷さんのこの主張と気持ちは一緒だとおっしゃったんだけど、実は私ね、その点で違うぞというふうに言いたいわけです。

 例えば知事は、今回の議会の始まるときの提案説明ね、この提案説明の中にも、あなたは、過度に規制が緩和される中、アメリカの金融資本の破綻を来したというようなことやら、あるいはまた、その中で、これまでの小さい政府を標榜する経済構造改革が進んだ結果、医療や雇用などに関するセーフティネットの崩壊が進むなど云々と書いてありますね。あなたが実はこの立場に立ってきたのではないかと言いたいわけです。違いますか。

 小泉構造改革はというのは、最近盛んにおっしゃいますけれども、批判的な言い方を。だけど、小さな政府論、これは、自治体に置きかえたら小さな自治体論です。そして、まさに官から民へ、官から民へ、何でも民間がいいんだ。そして、市場原理主義だ。民間任せになったらすべてうまくいくという思想ですよ、この新自由主義経済、市場原理主義。まさに今あなたがやろうとしている、病院も経営は民間に任せ、あるいはそれこそ指定管理者でええんだ。これ、医療の崩壊ももたらしたというのは、中谷さんまで言っているじゃありませんか。こういう市場原理主義が医療の崩壊もつくり出しているんですよ。その点については、あなたは、制裁とははっきり認めない中で中谷さんに話をすりかえたけれども、やっぱりあなた自身で大変人減らしをやっています。

 例えばこの間ちょっと調べてみたら、野呂知事が就任される前、平成14年から平成20年、県職員の定数、もちろん知事部局やら教育委員会も含めてですが1328人減っていますよ。あなた、この7年間で1328人減らしている。警察だけは増えていますけどね、326人ばかり。だけど、1328人減らして、そして、今現在、業務補助員あるいは非常勤嘱託員、業務補助が747人、この人たちは18日限定されて163万ですよ、年間収入。まさにワーキングプアでしょう。官製ワーキングプアですわ。それから、非常勤嘱託が690人、合わせて1437人の人が非正規で働いている。その人たちが働かなかったら、これ、県庁も県議会も成り立たないじゃないですか。まさにここにも大変な格差をつくり出している。国の様々な干渉、圧力、財政の問題などがあったことは事実ですけれども、やっぱりこの事実も私はきちんと見てもらわなかったら、今のこの日本を救えないのではないか、このように思うんです。

 知事、いかがですか。中谷さんの言うことと全然反することをあなたはやってきている。このように私は決めつけたい。いかがですか。



◎知事(野呂昭彦) まず、中谷氏は、実はこれはアメリカだけではなくて、アメリカの新自由主義に、あるいは金融資本主義に巻き込まれて、世界じゅうが今大変なことになっておる。それは、国としてそのグローバル化がいいんだというような前提で、あるいは日本も小さな政府、あるいは構造改革論、こういった嵐を自ら政府がまた国内においても進めてきたというところであります。でありますから、したがって、その被害は全国民に、そして、全地方にいろいろと及んでおるところであります。

 しかし、例えば、いろいろ県職員の人減らしの話もありましたけど、これも、国が人員削減を実は地方財政計画の中で、あるいは骨太方針等で削減を強要してきた。そういう状況の中で、もちろん子どもたちが減って教員が減ったというのは、さっきおっしゃった数の中には相当数入っていますから、やや違う要素もあるにしても、現実としてはそういうふうな形で進んできたわけであります。にもかかわらず、三重県では、文化力ということで、政策の質を高め、そして、そのより効果を深める取組を平成17年から勉強しながら、そして、18年に文化力指針をつくりまして、そして、19年に第2次戦略計画の中で政策にしっかりそれを生かしながらやろうという取組をしたわけでありますから、萩原議員から言えば、むしろ、そこのところを少し評価をしていただいたら、もっと三重県政というのは県民の方に見えるのではないかなと、こういうふうに思うところであります。

   〔49番 萩原量吉議員登壇〕



◆49番(萩原量吉) あなたの文化力は全くわからないです。文化力という言葉でごまかして、結局やっていることは構造改革路線そのままやっぱり押しつけてきた。そして、今また県立病院の民営化、競合しようとしている。大変なことだと、私はそのように言いたいのであります。

 この問題だけやっておるわけにいかんので大変ですが、やっぱり知事ね、何でも自由化してしまったらうまくいくのだ、市場原理に任せたらうまくいくのだという、これが失敗、破綻したんですよ。私は、時間があったら聞こうかと思っておったけど、例えば、知事、あなたが国会に見えたころに大型店舗法の改悪をやられたですよね、大店法。これ全部規制緩和ですよ。どんどん規制緩和やって、結果としてどうなったかといったら、大型店が郊外にできて、駅前の商店街がなくなりましたやないか。これも、規制緩和、自由化、何でも市場原理主義の間違いですわ。そんな中で、今まさにこの労働者派遣法の問題も出てきているわけで、私は、これは政治の災害。だからこそ今政災という言葉を使いました。派遣法の抜本的な改正、そして、人間らしく働けるルールづくり、これは、今すぐ国へ要求してほしい、そのように思います。

 私たち北勢は特にそうですけれども、私らの事務所へ年末は何人か見えましたよ、派遣切りされた人が。私らの事務所に泊めてあげた人もある。それから、本当に悲惨な話なんだけれども、若い二人が一緒に社宅で一生懸命頑張っておったんだけれども、そのだんなのほうが派遣切りになって、そして、一緒に住めなくなって社宅から追い出される。その女性のほうは泣く泣く帰ってきたんだけれども、何と妊娠15週。どうするか。産みたくても産めない。まさに15週の妊娠をしていた。15週だから、これもうかなり進んでいるんです。それで中絶するのに32万かかる、こういった人たちをどう救済するのかというような問題。あるいはまた、これは先週の土曜日ですわ。私らの住んでいる団地には雇用促進住宅があるんです。今そこに約10数人の派遣切りの労働者が来ているんです。みんな自治会から民生委員らが協力して、何が足らんのや、何がないのやと言って出し合ってくれる。1人の青年に、私も話が終わってから、シャープで派遣切りになったというような話の中でいろいろしておったら、元気がない。晩飯ちゃんと食ったのかと聞いたら、朝から何も口にしていませんって、そんな実態なんですよ。生活保護は申請したのか。しました。だけども、期間待ち、調査待ち。それで朝から何も食べていないというこの現実がいまだにあるんです。だから、その意味でも、皆さんそれぞれがばらばらにされているから見えないけれども、実態調査をもっと全面的に行って、そして、それこそ先ほどからのいろいろな状況があったけど、何よりも大もとは大企業が派遣切り競争をやっているからですからね。これはもう経営者としては全くお粗末です。

 品川正治さんという経済同友会の終身幹事の方。人間を大事にする目で経済を見詰めなさい、配当や内部留保はまず雇用に回すべきです、ほんのわずかでこんな首切りはしなくても済むんだ、大量解雇は国を滅ぼすとまで言っている。まさにこういう経営者の立場が今求められているわけで、中小企業のおやじさんたちは、使っている人を目の前に見ているから、自分らが食わんでも労働者を食べさせると言っているんですよ。やっぱり今のまさに理不尽なルール破壊のこういう状況をなくすために強く県が、県知事先頭になって大企業の社会的責任を果たすよう問うてほしい。

 残念ながらもう30分過ぎてしまいましたから次へ行かざるを得ませんけれども、2点目は、県の幹部職員の民間あるいは外郭団体などへの天下り、再就職をやめろという問題です。

 ちょっとこのパネルを見てください。(パネルを示す)これは、県の出資する法人だけを天下りといいますか、再就職の調査をしました。出資金が103法人に対して271億3200万も出していた。ここに県幹部のOBの役員49人、天下りで行っている。これはいわゆる再就職をしているんですね。県からの派遣職員64人、これはまあ、派遣はある点ではやむを得ない部分もあるでしょう。ここに補助金、交付金が26億8600万円、委託料は73億8500万円、合わせたら100億を優に超えるでしょう。これは19年度だけです、1年間で。単年度100億円を超えるような補助金や委託料が要っている。そこのトップにそれこそ県の幹部の再就職組が行っているわけです。

 今、県では公表されているのは63団体ということでありますけれども、私は、出資比率が低いものも含めて全部公表してほしい。私たちは、建設土木会社75社、80人が天下っているということを一昨年この議場で私が追及もしました。昨年は建設技術センターに県幹部職員が3人も天下ってということを真弓議員が追及しました。すべて随意契約じゃないかと。多額の委託料、これはまさに県職員のお土産工事だと言っても言い過ぎじゃないと。検査官も9人がこの間行きましたね、全部。

 こういうような形で県とのかかわりが深い中で、委託料のうち件数で90%、金額で97.5%が随契です。なぜこんな随意契約になるんですか。おかしいでしょう。公明性とか、あるいは透明性とか公正さ、これが全く守られていない。これは公募や公入札にすべきじゃないでしょうか。

 それから、こういうところへ行っている人たちのところが定席になっている。定席。まさにほかの人がかわることができない、こういう状況になっているということを私は強く批判したい。

 私たちのところへもメールなどを送ってくれて、「新聞で天下り問題の記事を読みました。昨年まで県の外郭団体で働いていました。県庁を退職した方が代々トップの地位を独占しています。ですから、団体で採用された人は、どんなに頑張っても昇進できない運命なので仕事に対する意欲もわきません」。こう言っていますよ。このような天下りの制度は絶対に廃止すべきだと思います。

 私は、もちろんこの中で、県職員の経験を生かして、給料が安くても福祉の団体などで一生懸命頑張ってもらっているという人を何人かも知っています。だから、一律にこういう再就職をすべて否定するつもりはありません。しかし、定席になっているところが多い。もうずっと歴代県から来る人、あるいは環境保全事業団みたいに、これは後でちょっと触れるけど、それこそ大変悪い役割を果たしていると私は言いたい。あるいはまた、理事長、月給50万近くですね、最高49万8000円までは認めるでしょう。そうすると、ボーナスを含めると年間900万にもなっていく。今派遣切りや家まで追い出される、仕事がないという人が、わかっているだけで6000人から三重県におるのに、公務員はええなというのは、私は一般的に言うたら間違いやと言っているんです。だけど、こういう高級幹部が間違いなんです。国では、天下りだ、あるいは渡りだ、何遍も退職金をもらって。私はそんな実態が三重県にないことはよく知っています。それでも12年も居座っておったというので新聞に大きく報道された人もありましたやないか。1000万超えていたんやと。8年間おった人もありましたやんか。新聞は「県庁一家の内部抗争」と、いい見出しをつけましたね。「県庁一家の内部抗争」と。そんなので幹部の皆さんが和気あいあいでぽっと天下りする定席になっておる。こういう実態はやめてください。

 私はぜひ言いたいんです。私は実態はなかなか十分よくわからんけど、岩名さんがいなくなったから言うつもりではないんですけども、体育協会なんかも、県議会の事務局長が行っているというふうな状況とかいうのも含めて、やっぱりこのあたりは改善すべきではないかな。

 知事、民間も含めてこれらを全面的に公表して見直すということを言うてくれませんか。お答えください。

   〔野呂昭彦知事登壇〕



◎知事(野呂昭彦) 県幹部職員の民間外郭団体等への再就職についての話でございますけれども、これにつきましては、まず外郭団体等への再就職については、県在職中の知識とか経験を有する人材を必要とする団体からの要請によるものでございまして、その場合に適任者の情報提供をしておるということでございます。

 県職員がこれまで培ってきた知識とか、あるいは経験を再就職先で活用するということは決して否定されるものではないと考えておるところであります。その再就職そのものが問題なのではなくて、再就職をしました職員が県に対して不正な働きかけをするというようなことがあれば、それが問題でありまして、その働きかけを防止するということが実は重要なのでございます。

 この点につきまして、三重県は、他県にないような、文書によらない要望等に関する取り扱い要領を定め、それを運用しておるところであります。その中には、私、知事をはじめ、県の三役、二役も入った中で、かつて県職員であった者からの要望等についても記録をし、情報公開の対象としておる。こういう制度をつくり、運用しておるところは三重県以外ないと私は思っております。そういうことで、いろいろ対応しておるということ。

 それから、実はいろいろ数字の御指摘があったのでありますけれども、補助金につきましては、やはりそれぞれ交付目的に合致をするときちっと判断をいたしまして交付をしておるものであり、そして、その執行については県の監査も受けておりますし、一定額以上のものについては県議会のほうにお諮りをして、御報告をして、チェックもしていただいておるというようなことから適正にやっておるところでございます。

 それから、先ほど委託契約の金額がそこにお示しされておりましたけれども、あの金額の中には、半分以上多額の、実は指定管理者の指定管理料まで入っておるところでありまして、随意契約の中でこれが非常に大きな額になっておりまして、きちっと御説明をされませんと、これも県民に理解をきちっとしていただけない状況なのではないかなと、このように思うところでございます。

 以上、お答えといたします。

   〔49番 萩原量吉議員登壇〕



◆49番(萩原量吉) 野呂知事というのは不誠実ですね。私の聞いたことにまともに答えずに、言いわけやら答弁をそらす。本当に極めて不満であります。

 天下りをやっぱり許せないということで、私は、やっぱりあなたの姿勢を聞いたんだけども、これはやめようとしない。口ききとあなた言うんだったら、この団体にみんな文書を出させておるでしょう。お願いですから理事長をうちへまた送ってくださいって。あれね、職員の人らはみんな不満に思っていますんや。またこんなん書かんならんのやと。こうやってして出して上に長をいただかんことには。そうせんだら、委託料も来んわ、補助金ももらえやんわということになっている。おかしいやない。これはまさに、県庁一家の県民の税金で上手にやってござるわ、県の幹部はということになるわけですね。まともに答えていただけなかったということだけ申し上げておきます。今後、引き続き追及をしていきたい。

 3点目は、新小山の産廃処分場、この不当な建設、それから、どこまで石原産業に奉仕するのかということで、これはちょっと込み入った話になりますのであれですが、ちょっとパネルを一つ出して。

 (パネルを示す)実は、リサイクル利用推進条例、これができた。これはもう2001年のことです。実はこのリサイクル利用推進条例が、あのフェロシルト、石原産業の産廃そのものが不正に投棄された。私ね、条例検証検討会でこの問題をぜひやってくれと言うたんだけど、それは条例検証検討会の目的じゃないからと言われたもんで、残念ながらそれを十分できなかったんですが、2001年7月19日版の別表第3条というのは、これはリサイクルに認定するときの要件です。そこに下に線を引きましたけど、「原材料又は部品に特別管理一般廃棄物又は特別管理産業廃棄物を含有するものでないこと」と言うておるんですよ。

 特別管理廃棄物、特別管理一般廃棄物は排除するというふうになっておったんです、7月19日版。1週間した7月26日版、ないんです。全く消えたんです。何で消えたのということがわからない。それで資料を要求した。そんなら、(パネルを示す)この表はメモみたいな格好ですけれども、これは環境部からもらったメモ。施行規則には19日版と26日版、8月8日版があるけど、26日版から、さっき言ったように、特別管理廃棄物が消えているんです。担当者の打ち合わせがその前後に、19、20、21、22、23とあるんです。ところが、何とこの消えたときの一番大事な7月10日報告メモなし。7月23日報告メモなし。内部の文書が消えていっているって、こんなばかげたことありますか。だけど消えていってないと言うんです。なぜそうなったのかわからないと言うんです。今の担当の人らは当時はいなかったかもしれんね。

 (パネルを示す)そして、さらに追及していったら、私は本当に驚いたんだけど、これはありましたって、芝議員にはちゃんと報告しましたと言っている。これは意図的と思いませんか。当局が何か議会側に責任をなすりつけるようなね。それで、これは報告書もちゃんとついているんです、これには。だけど、この報告のメモの中には、「リサイクル製品利用推進条例進捗状況について芝議員へ説明、供覧します。なお、芝議員から、8月24日10時半から11時、施行規則について新政みえ会派へ説明してほしい旨依頼がありました。」というのがあるんです。そして、はっきりと新政みえには8月24日に概要報告をしました。

 この条例は、三重県ではようけ条例を出しましたけれども、たった一つだけ、全会派から名前を並べたのではなくて、新政みえの皆さんだけが名前を並べて出した。私ら当時いたときに、何で新政みえだけで出すのというふうに言っていた。当時の岩名さんも言ってみえたんだけど、なぜかそうなったんです。そして、結果として、今の前後でこの特別管理廃棄物が消えていっているというような事態とか、さらに、私はやっぱりこの問題について一層不審に思っているのは、このような状況をつくり出しておいて、ましてや特に三重県議会のメモの中には、この問題について、当時の田中覚議員から、特別管理廃棄物についても中間処理すればリサイクル可能であること、外す必要はないというような電話メモがリサイクル条例の第3条についてありましたよという議会のメモまであるんですよね。当時、確かに、田中議員、芝議員が、中心に一生懸命やってみえたことは私はよく知っている。

 この問題で、なぜこんな事態になっていったのか。私は当時条例をつくるときにはおったけれども、全くこういう背景があるということを残念ながら知りませんでした。着実にこういうことがやられておったのだということですね。この点について、この間、リサイクル認定の参考の認定委員の先生たちを呼んで状況を聞いた。私が、なぜ特別管理廃棄物が除外されたのか、あるいは、それこそ放射性物質なんかも含めたあんなものがリサイクルの対象になったのかということを聞きました。参考人いわく、それについては政治的な問題と認知しており、私の立場からは言いにくいが、産業廃棄物税の創設を考えたとき、だれが考えても最大の負担は石原産業であった。その一定のお金を環境努力に対して補助金でバックしている。専門的知見以外に政治的な意見から、放射性物質が多少入っていてもいいという拡大解釈につながった。リサイクル製品認定委員会よりも行政の中で落とし穴があったと認識している、このように答えられたわけであります。まさにこういうような証言もあるだけに、私は、これはもう本当に放置しておけない重大な問題だ。ましてや私は、当局がいかにもこれは議会側からやられたことだからわしらに責任がないと言わんばかりのそういう姿勢です。

 だけど、私は、前からも言ったように、石原への立ち入りというのを事前に通告しておいて、行ったらその日だけはフェロシルトを生産減らしておいて、アイアンクレーのほうをようけしておいて、これは産廃で埋め立てますというようなことをやってきたというようなことやら、あるいは放射線の高いフェロシルトの測定に16年間一度も現場で調査していなかったというようなことなどを含めて、やっぱりおかしいじゃないか。

 さっきの天下り団体の環境保全事業団、これが、トップの理事も専務も、今、かつての環境部長でしょう。だから、かつての環境部長が、今それこそ県の外郭団体と言っていても、出資していても、物言えやんやない、かつての先輩や大先輩や。こういうやっぱりなれ合い、ここにこういったような石原産業のあの産廃をリサイクル製品として認定し、そして岐阜県や愛知県など全国に迷惑かけたその原因があった、私はそう見ています。これについての明確な見解を、細かい経過は要りませんから、ずばり私は県の責任はなかったのかと、県は何も責任ないのかと、この点を改めて問うておきたい。

 以上です。

   〔岡本道和環境森林部理事登壇〕



◎環境森林部理事(岡本道和) 先ほどの三重県のリサイクル製品利用推進条例施行規則の中での、特に再生資源の規定関係、特別管理産業廃棄物の取り扱いの関係でございます。

 これは先ほどの議員のお話にもございましたように、この条例が施行されます平成13年10月1日に向けまして、これは県の執行部側で規則の検討をしておりました。あわせて県の内部の検討会をつくりまして、20数回の検討をしておりまして、その過程で条例を検討されておりました、あるいはもうつくられておりました議会のほうとも折り目、折り目に御意見をお聞きしたというのもございます。ただ、当時の資料を見ますと、先ほどのお話にもございましたように、条例制定と並行して規則の検討作業が行われていた時点におきましては、規則の中の別表に特別管理産業廃棄物の除外規定が設けられて検討が県の内部でも進められておりましたですけれども、施行規則の最終的な検討段階、これが、先ほどの映像にもございました平成13年7月ごろだと思いますが、この段階で規定が削除されてございます。

 ただ、私どもも、現在担当者のほうで保管している資料もくまなく見、また、パソコンに入っている情報も逐一見たわけですけれども、残念ながら、先ほど議員がおっしゃったように、どうしてそういう経過になったのかというのは確認はできなかったし、今現在も同じということでございます。

 それから、フェロシルトのリサイクル認定との関係でございますが、時系列的には、リサイクルの条例が施行されて1年半ほどたって、2年ほどたってと言ったほうが正確ですけれども、認定したところでございます。ただ、このリサイクル認定が、やっぱりいろいろな地域へ持ち出されるというその口実に使われたということは、これはやはり厳然とした事実としてございます。当時、申しましたように、フェロシルトの違反についてはやはり石原産業の故意的なものがあったとしても、やっぱり県としても道義的な責任、これはやはり感じるところである。これにつきましては、4年たった現在でもその気持ちは変わっておりません。

 以上でございます。

   〔49番 萩原量吉議員登壇〕



◆49番(萩原量吉) 皆さんお聞きされたように、おかしいでしょう。こんな妙な話があるんですわ。県が資料がないと言っている。こんなことがまかり通るのか。私は許せないと思う。ましてやいかにも何か芝議員には説明しましたというふうなことだけは言うてきておるもんで、いかにも議会側の責任も問われているということもあるもんで。────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────

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◆49番(萩原量吉) ──────────

 ─────その点については、これはやっぱり本当に石原産業奉仕がまだ新小山の産廃処分場で続くなどというのは全く許せないし、その点では、私たちも一層この問題を宣伝もしながら頑張りたいというふうに思っております。

 最後に、野呂知事、あなたの政治資金のかかわりで、12月の県議会では間違ったあなたの報告をしたもんで、私も、商工会連合会から100万もらったという、その話を言いました。薬剤師会から実は100万もらっておったんですね。大体、100万間違うなどということは、そんなにようけあったんですかね。

 それから、今、本当に国会では大変な事態になっていますね。西松建設からのダミーがどうも政治献金をしたらしい。この点で言うと、実は薬剤師会も含めた歯科医師会、医師会、3師会の連盟という名前だけかえて、そして献金したという回し献金のようなもの。これ、今国で大問題になっているダミーと同じような問題ですよ。この点については、私らは199条違反だということで選挙管理委員会なんかにも言うたんですが、時間があれば答えてほしいけども、知事、やっぱり、これは献金の隠れみのに連盟を使っておるだけやないか、そう言われても仕方がない。あなたね、連盟の会計すべて公開させますということであなたの説明責任を果たしてもらいたい。この点を最後にきちんと明確に答えてください。

 以上、お答えください。

   〔野呂昭彦知事登壇〕



◎知事(野呂昭彦) 御指摘がありましたが、私の政治資金収支報告書の一部に記載の誤りがあったということにつきまして、まことに遺憾でございます。今後このようなことのないように十分留意をしてまいりたいと、こう思っております。

 訂正内容につきましては、今年の1月9日付三重県公報で記載をされておるとおりでございます。

 なお、選挙費用につきましては、公職選挙法、それから政治資金規正法の規定がございますから、これにしっかり従いながら、今後とも法の趣旨に基づきまして公明と公正の確保に努めていきたい、このように思っております。

 なお、念のために申し上げておきたいと思いますが、例えば医師会と、それから、私が政治献金を受けました、例えば医師の連盟というのは、実は会としては全く別で、それぞれ構成者が、連盟の会員が会費を納めておる。これは、歯科医師会や薬剤師会の関係で、実は歯科医師連盟あるいは薬剤師連盟がありましても、それぞれ実は政治連盟として別の会員構成を持ってやっておるということでございます。法のもとでは私は認められておる、そういう法に従ったものであると、こういうふうに思っておるところであります。

 今回の西松建設に係ることにつきましては、ちょうど捜査が進められておるところでありますから、それをしっかり見守ったらいいのではないかと、このように思います。

   〔49番 萩原量吉議員登壇〕



◆49番(萩原量吉) 私は、やっぱりこういう県が多額の補助金を出しているような、また、県の幹部が今の話、天下りというか、再就職しているようなところから100万、200万なんていうお金をもらったら、これは結局は補助金の還元だ、あるいは委託料の還元だということになってしまいますやないか。こういうところからもらわないというのは、田川知事のときからやめにしているのやから、こんなのを今どきあなたは持ち出してというのでは、やっぱりおかしい。選挙管理委員会は、酒1本も送るな、もらうなと言うてくれているような、そんな厳正なところであるにもかかわらず、100万、200万なんて、それで、もらったところを間違えるわというのは、これもお粗末な話。私は、金と政治家の問題というのは、今現に厳しく慎んでもらわなきゃならんときでありますから、そういうような点では今の答えについては大変不満でありますし、遺憾という言葉は、私は余り反省の言葉がないと思うんですよね。遺憾というのは、自分の思いどおりにいかなくて残念なことをいうということも広辞苑には書いてありますから、甚だ申しわけなかったという立場で言ってもらわなきゃ本当は困るということを言うておきたいと思うんです。

 今日の質問、私はやっぱり、時間は1時間ちょうだいをしました。だけど、残念ながら本当に十分な論戦ができたとは思っておりません。私の質問にきちんとやっぱり答えてもらったという実感は残念ながらありません。特に私は、派遣切り、雇用の問題では今大変な事態になっているわけで、それこそこれは3年、5年で解決するというふうには思えない重大な事態だと思うんです。事実、多くの識者の方もおっしゃってみえます。私たちは、このような派遣切り、作家の、だれだっけ、どこやらへまた行っちゃったな、本当にやっぱり資本主義という海流が断末魔の時期を迎えている。だからやっぱり長引くといったようなことなども指摘されておりますし、やはり理不尽なこういう人間の物扱い、この間私らもホンダへ行きましたけど、ホンダは2カ月で切るんですよ、2カ月で雇用を。何で2カ月なんだと聞いたら、2カ月先しか自動車の生産台数が決まらんのやと。だから、2カ月先をめどにして、それこそ部品を持ってこい、いろいろと鉄板持ってこいという中に、はい、人間も2カ月使ってやろうと、こういうやり方ですね。これは労働者契約法の17条に違反しているんです、明確に。労基署なんかにも通告しました。だから、そういうふうな点を本当に考えて、今の法規でも十分私は派遣切りをこれ以上増やさないということができると思うんです。そのあたりを十分、労働法制はそれこそ国のほうだというふうに逃げるんじゃなしに、県の窓口の人らも十分研究もしていただいて、そして、本当にこれ以上被害を増やさないような、政治の災害をこれ以上広げてはならない、こういう点でぜひ努力もしてもらいたい、このように思います。

 まともに知事がやはりその点で本当に深刻に考えてくれているのかどうかというのが全くわからんようなお答えであったのは極めて不満でありますけれども、今後とも、私たちは大いに努力もしながら、このルールある資本主義を大いに発展させていくということも含めて頑張りたいというふうに思っております。いろいろとありがとうございました。これで終わりたいと思います。(拍手)



○副議長(岩田隆嘉) 以上で、県政に対する質問を終了いたします。

 これをもって本日の日程は終了いたしました。



△休会



○副議長(岩田隆嘉) お諮りいたします。明5日は休会といたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○副議長(岩田隆嘉) 御異議なしと認め、明5日は休会とすることに決定いたしました。

 3月6日は、定刻より、議案に関する質疑を行います。



△散会



○副議長(岩田隆嘉) 本日はこれをもって散会いたします。

               午後3時0分散会