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三重県 三重県

平成21年第1回定例会 02月26日−04号




平成21年第1回定例会 − 02月26日−04号









平成21年第1回定例会



                平成21年第1回

              三重県議会定例会会議録



                 第 4 号



            〇平成21年2月26日(木曜日)

          ──────────────────

              議事日程(第4号)

                  平成21年2月26日(木)午前10時開議

 第1  県政に対する質問

     〔一般質問〕

          ──────────────────

 会議に付した事件

 日程第1  県政に対する質問

          ──────────────────

             会議に出欠席の議員氏名

 出席議員  49名

    1  番                長 田  隆 尚

    2  番                津 村    衛

    3  番                森 野  真 治

    4  番                水 谷  正 美

    5  番                杉 本  熊 野

    6  番                村 林    聡

    7  番                小 林  正 人

    8  番                中 川  康 洋

    9  番                今 井  智 広

    10  番                藤 田  宜 三

    11  番                後 藤  健 一

    12  番                辻    三千宣

    13  番                笹 井  健 司

    14  番                中 村    勝

    15  番                稲 垣  昭 義

    16  番                北 川  裕 之

    17  番                服 部  富 男

    18  番                竹 上  真 人

    19  番                奥 野  英 介

    20  番                末 松  則 子

    21  番                中 嶋  年 規

    22  番                水 谷    隆

    23  番                真 弓  俊 郎

    24  番                舘    直 人

    25  番                日 沖  正 信

    26  番                前 田  剛 志

    27  番                藤 田  泰 樹

    28  番                田 中    博

    29  番                大 野  秀 郎

    30  番                青 木  謙 順

    31  番                中 森  博 文

    32  番                前 野  和 美

    33  番                野 田  勇喜雄

    34  番                岩 田  隆 嘉

    35  番                貝 増  吉 郎

    36  番                山 本    勝

    37  番                吉 川    実

    38  番                森 本  繁 史

    39  番                舟 橋  裕 幸

    40  番                三 谷  哲 央

    41  番                中 村  進 一

    43  番                西 塚  宗 郎

    44  番                萩 野  虔 一

    45  番                永 田  正 巳

    46  番                山 本  教 和

    47  番                西 場  信 行

    48  番                中 川  正 美

    49  番                萩 原  量 吉

    50  番                藤 田  正 美

   (51  番                欠      員)

   (52  番                欠      員)

   (42  番                欠      番)

          ──────────────────

          職務のため出席した事務局職員の職氏名

   事務局長                 大 森  秀 俊

   書記(事務局次長)            高 沖  秀 宣

   書記(議事課長)             青 木  正 晴

   書記(企画法務課長)           内 藤  一 治

   書記(議事課副課長)           岡 田  鉄 也

   書記(議事課主査)            西 塔  裕 行

   書記(議事課主査)            鈴 木  さおり

          ──────────────────

            会議に出席した説明員の職氏名

   知事                   野 呂  昭 彦

   副知事                  安 田  敏 春

   副知事                  江 畑  賢 治

   政策部長                 渡 邉  信一郎

   総務部長                 福 井  信 行

   防災危機管理部長             東 地  隆 司

   生活・文化部長              安 田    正

   健康福祉部長               堀 木  稔 生

   環境森林部長               小 山    巧

   農水商工部長               真 伏  秀 樹

   県土整備部長               野 田  素 延

   政策部理事                山 口  和 夫

   政策部東紀州対策局長           林    敏 一

   政策部理事                藤 本  和 弘

   健康福祉部こども局長           太 田  栄 子

   環境森林部理事              岡 本  道 和

   農水商工部理事              南      清

   農水商工部観光局長            辰 己  清 和

   県土整備部理事              高 杉  晴 文

   企業庁長                 戸 神  範 雄

   病院事業庁長               田 中  正 道

   会計管理者兼出納局長           山 本  浩 和

   政策部副部長兼総括室長          竹 内    望

   総務部副部長兼総括室長          北 岡  寛 之

   総務部総括室長              稲 垣  清 文

   防災危機管理部副部長兼総括室長      細 野    浩

   生活・文化部副部長兼総括室長       長谷川  智 雄

   健康福祉部副部長兼総括室長        南 川  正 隆

   環境森林部副部長兼総括室長        長 野    守

   農水商工部副部長兼総括室長        梶 田  郁 郎

   県土整備部副部長兼総括室長        廣 田    実

   企業庁総括室長              浜 中  洋 行

   病院事業庁総括室長            稲 垣    司

   総務部室長                中 田  和 幸



   教育委員会委員長             竹 下    譲

   教育長                  向 井  正 治

   教育委員会事務局副教育長兼総括室長    鎌 田  敏 明



   公安委員会委員              水 谷  令 子

   警察本部長                入 谷    誠

   警察本部警務部総務課長          久 保  博 嗣



   代表監査委員               鈴 木  周 作

   監査委員事務局長             天 野  光 敏



   人事委員会委員              稲 本  節 男

   人事委員会事務局長            溝 畑  一 雄



   選挙管理委員会委員            浅 尾  光 弘



   労働委員会事務局長            吉 田  敏 夫

          ──────────────────

               午前10時0分開議



△開議



○議長(萩野虔一) ただいまから本日の会議を開きます。



△質問



○議長(萩野虔一) 日程第1、県政に対する質問を行います。

 通告がありますので、順次発言を許します。48番 中川正美議員。

   〔48番 中川正美議員登壇・拍手〕



◆48番(中川正美) おはようございます。伊勢市選出の中川正美でございます。

 第62回伊勢神宮式年遷宮、あと4年と迫りました。去る2月1日、内宮の宇治橋の渡り納め式に参加をいたしました。いよいよ本年11月3日、新しい宇治橋の渡り始め式を迎えます。1300年の歴史を持ちます、20年に一度、新しい神殿へお移り願う一大行事であります。昔から20年を満数といって、時代の大きな区切りとしてまいりました。神宮の東の御敷地をお米座、西の御敷地をお金座といいます。昔からお金座の時代は経済が発展するが、混乱が続く。お米座は平和のよい時代であると言われております。次の遷宮はお金座にお移りになるわけでありますが、いずれにいたしましても、すばらしい時代が訪れることを心から念願するところであります。

 それでは、通告に従いまして順次質問をいたします。まず、最初は、地域主権社会の推進と地域づくりについてお伺いいたします。

 平成生まれも今や大学生や社会人になり、かつての右肩上がりの経済成長時代も隔世の感があります。今日のような成熟した社会におきましては、人々の生活の質や豊かさ、多様な価値観がより重視される時代となっています。

 県政におきましても、もちろんこうした時代の要請にこたえていくことが使命であり、知事が文化力を高め、生かしていくことで地域主権の確立を目指そうと述べられておりますことについて、私としても共感するところでございます。

 また、知事は、日ごろから市町を県政の最大のパートナーと述べてみえます。まさに住民に最も身近な行政体である市町が住民のニーズに沿ってきめ細かいサービスを提供してこそ、人々は生活の豊かさを実感できるわけでございまして、そのためにはこれまで進めてきた地方分権の取組を一層進め、市町の主体性や自立性を高めていくことが大切であろうと思うのであります。

 これまでの地方分権の流れを少し振り返ってみますと、平成12年の地方分権一括法の施行により、市町村には地方分権の受け皿と財政面での自立、自治能力の向上が求められ、さらに平成16年の市町村の合併の特例等に関する法律が施行されて、市町村合併が図られてきたところであります。

 平成19年7月には、地方分権改革推進法により、国と地方の役割分担の明確化に向けた国の関与の見直し、地方税財源の充実確保などの検討が進められました。また、地方公共団体への権限移譲を推進する方針も示され、平成21年度末までには新分権一括法案の国会への提出も予定されているところであります。

 一方、本県においては、平成13年12月に三重県市町村合併支援方針を策定し、合併に取り組む市町村を支援し、その結果、69市町村が29の市町に再編されました。また、権限移譲につきましても、三重県権限移譲推進方針を策定され、市町への権限移譲が推進されていると聞き及んでいます。

 市町では、こうした合併や権限移譲の進展を踏まえて、住民との対話、協働、行政改革プランの推進などにより、自主・自立に向けた新しいまちづくりに取り組んでおります。

 そこで、今後、県が地域主権社会の実現を目指して、市町の取組をより一層支援していこうとするのであれば、市町に対する支援の仕組みについては、市町の自主性や自立性が発揮できるものとしていく必要があるのではないかと考えています。

 このため、一つの方策として、これまで県が市町に支出してきた補助金を地域の実情やニーズに沿った行政サービスが展開できるよう、市町の自由度を高めながら包括的な補助金や交付金として交付することにより、市町をサポートしていくことについてどのようにお考えでしょうか。

 全国的にも既に取り組んでおられる鳥取県や来年度から導入予定の大阪府をはじめ、包括的な補助金に取り組もうとする都道府県が広がっていますが、本県における今後の取組について、知事の御所見をお伺いいたします。

 さて、我が国の総人口は2004年の約1億2780万人をピークに減少局面に入り、今後、本格的な人口減少社会を迎えます。2005年に1.26まで低下した出生率は依然として低水準であり、総人口は国立社会保障・人口問題研究所の中位推計によりますと、2030年には約1億1522万人、2050年には約9515万人になると見込まれ、今後、少子化の中で日本のすべての地域において人口減少が加速し、大都市圏でも地方圏でも人口が減少する過密なき過疎の時代が到来するとも言われております。

 こうした人口減少は、一方で特に農山村地域などの地方にとって、都市部との経済力格差の一層の拡大、地域社会の活力や集落機能の低下、耕作放棄地の増加や森林の荒廃など大きな影響を与えると予想されており、近年の限界集落などの問題に代表されるとおり、人、土地、村などの空洞化が一層に広がりをもって進み、ますます地方の活力が廃れてしまうおそれがあることから、大きな政策課題としてクローズアップされています。

 そのため、国においては、市町村合併の伸展を踏まえ、分権型社会にふさわしい社会空間の形成として地方の都市を中心とした圏域を設けて周辺地域の生活機能等を確保していくための新たな仕組みとして定住自立圏構想の制度を創設したと聞いております。まだスタートしたばかりの構想でありますが、県としてこの構想をどう進めていくのか、知事の御所見をお伺いいたします。

   〔野呂昭彦知事登壇〕



◎知事(野呂昭彦) 包括的な補助金についてのお尋ねでございますけれども、地域主権社会におきまして、市町が自らの判断によりまして、適切な行財政運営を推進いたしまして、個性的で魅力ある地域づくりを進めていくということが期待をされております。そのため、市町への支援の仕組みにつきましては、市町の主体性が高められていくよう配慮していくということが、御指摘のとおり、重要であると認識をしております。

 このような中で、市町を対象といたしました県単独補助金につきましては、県の関与を縮減いたしまして、補助金の整理や統合化が必要ではないか、こういった議論がございますが、しかし、一方で、現在の県単独補助金は、福祉、環境、社会資本の整備など特定の施策の奨励のための政策手段でもございます。

 この県単独補助金のあり方につきましては、これまでに県と市町村の新しい関係づくり協議会におきまして県と市町で検討を行いまして、毎年度、県単独補助金について、それを見直した際の市町への情報提供あるいは意見聴取等のルール化を図っておるところでございます。今後とも、県単独補助金などの県の市町への支援につきましては、市町のニーズがより一層反映されますよう努めていきたいと考えております。

 なお、市町の主体性や自立性を高めていくというためには、県と市町の役割分担を十分に見きわめた上で、必要な権限と財源が一体となった権限の移譲が重要でございます。今後とも、市町の理解を得ながら積極的に推進することによりまして、地域主権の社会の実現を目指していきたいと考えておるところでございます。

 次に、定住自立圏構想について御指摘がございました。定住自立圏構想は、人口減少社会におきまして、選択と集中、集約とネットワークの考え方を基本といたしまして、市町間の都市機能、生活機能といった暮らしに必要な機能を相互に連携させることで活力ある地域社会の形成を目指すものでございます。

 国が昨年12月に定めました定住自立圏構想推進要綱におきましては、一定の都市機能を備えた市を中心市とし、中心市と周辺市町村が協定を締結して互いに連携協力するということで、圏域全体の活性化を図ろうとするものでございます。

 こうした定住自立圏構想につきましては、市町域を越えて中心市と周辺市町の機能が有機的に連携することによりまして地域の活性化を図り、人口の定住につながるものと認識をしておるところでございますけれども、市町が地域の状況を踏まえまして、主体的に判断をして取り組まれるということが求められておるところであります。

 県としましては、市町に対しまして、こうした取組と連携が円滑に進みますように、支援措置等の情報の提供でありますとか調整につきまして、必要な助言等に努めてまいりたいと考えておるところでございます。

 以上でございます。

   〔48番 中川正美議員登壇〕



◆48番(中川正美) 御答弁いただきました。知事が尊敬してみえます福沢諭吉先生が「立国は公にあらず私なり」、私も大変好きな言葉なんですけども、この言葉というのは、地域主権社会、また、新しい時代の公のあり方というものをあらわしている言葉だと思うんですけども、市町村合併も3年を経過いたしました。いろんな問題点が今浮き彫りにされております。周辺部の衰退とか、あるいは住民負担の適正化、住民サービスの問題と、いろんな問題があるわけでございまして、そういった問題も今やはり一度検証する必要があるなと、こんなふうに思っておるわけでありますが、あくまでもやはり県から市町への分権を進める一つの手段として、先ほど申し上げた補助金の問題もあり、また、定住自立圏もあると、こういうことでございますので、どうぞ導入に向けて検討をお願いいたしたいと思います。

 それでは、続きまして、伊勢湾台風から50年、三重県の防災対策についてお伺いをいたします。

 本年は、本県に未曾有の被害をもたらした伊勢湾台風が襲来した昭和34年からちょうど50年目の年に当たります。消防白書によりますと、死者4697名、行方不明者401名、負傷者約3万8921名、全壊家屋約4万棟、半壊家屋約11万3000棟となっており、台風被害においては他に類を見ない、激烈な台風でございました。

 伊勢湾台風が縦断した本県におきましては、死者1233人、行方不明48人、負傷者5688人、被害総額約1800億円、罹災者総数30万人以上に及ぶ、本県の災害史上においても空前の被害でありました。

 この伊勢湾台風の大被害を受けて、我が国の防災対策は根本から変更を迫られ、我が国の災害対策の最も基本となる法律であります災害対策基本法が昭和36年に公布されることになりました。また、全国各地の防潮堤や堤防の建設、改修も伊勢湾台風を契機として事業が実施されてきました。治水対策も強化され、いわば現在の風水害対策の基礎となる事業が実施されてきました。

 結果的には、伊勢湾台風による災害の脅威が我が国の防災対策を進める一つの要因となったということもできるわけでありますが、その代償というには余りにも多くのとうとい犠牲を払ってしまうことになりました。

 また、近年、全国的に集中豪雨や台風による土砂災害等の風水害が増加しています。テレビ等で大々的に報道されていましたが、昨年の愛知県岡崎市での局地的豪雨や神戸市都賀川での鉄砲水による災害などは、従来では考えられないような短時間での局地的な降水量により、その被害がもたらされています。程度の差はあれ、このような豪雨の頻度が近年増加しているように感じます。

 とりわけ本県は、県南部が太平洋に面するとともに、その地形から、県の北部から南部まで非常に長い海岸線を有しています。こうした地理的、地形的な条件により、伊勢湾台風だけでなく、過去から多くの台風や集中豪雨による被害を受けている県であります。

 こうした状況の中、伊勢湾台風の被災経験や教訓を風化させることなく、次世代に伝えていくことが、その直撃を受け、甚大な被害を受けた本県の使命であると思いますが、伊勢湾台風から50年の節目の年を迎えるに当たって、県当局としてはどういった取組を展開し、県民に何を伝えようとしているのか、お伺いいたします。

 次に、本県は北部を中心に製造業が盛んなこともあり、全国的に見て、外国人の方の比率が高い県であります。世界経済のグローバル化、多文化共生の時代であり、今後もますます三重県にも国外から多くの方が見えることと思います。このほか現役をリタイアし、地域で暮らす高齢者の方もますます増えていきますし、障がいをお持ちの方や、三重県、日本の将来、次代を担っていく子どもたちなどに対するケアも重要であると思います。

 今般、県当局におかれては、今定例会に防災対策推進条例案を上程されています。条例案を拝見しますと、この条例は防災対策に関し基本理念を定め、県民自主防災組織、事業者及び県の責務並びに市町の役割を明らかにするとともに、相互の緊密な連携のもと、災害が発生した場合における被害の軽減を図るための施策についての基本的な事項を定めることにより、防災対策を総合的かつ計画的に推進し、もって災害に強い地域社会の実現に寄与することを目的とするとしています。

 また、開会日の提案説明におきまして、平成21年度が伊勢湾台風から50年を迎えることから、みえ風水害対策の日を設定し、自然災害に強い地域社会の実現に向けた減災対策を実施していくとされています。

 これらを進めていくためには、今まで以上に県民の皆さんに対して、わかりやすく、きめ細かな防災情報の提供が不可欠であると思いますが、県当局としては具体的にどのような取組を考えておられるのでしょうか。伊勢湾台風から50年を迎える節目の年に当たりまして、本県の防災対策に対する考え方や取組に関しまして、以上の点についてお伺いをいたしたいと思います。

   〔東地隆司防災危機管理部長登壇〕



◎防災危機管理部長(東地隆司) それでは、伊勢湾台風から50年、三重県の防災対策について2点の御質問をいただいておりますので、まず、1点目の被災経験や教訓を次世代に伝えていくため、県としてどういった取組を展開し、県民に何を伝えていくのかということに関しましてお答えをさせていただきます。

 近年、全国的に台風や集中豪雨等により災害が発生しており、本県においても地震だけでなく、風水害を含めた自然災害全般に対する防災対策が重要な課題となっております。また、本年はちょうど伊勢湾台風から50年の節目の年に当たり、徐々に風化しつつあるその被災経験や教訓を次世代につなげていくことも重要となってきております。

 このため、これまでの三重県地震対策推進条例を自然災害全般を対象とした三重県防災対策推進条例に全面的に改正することとし、今議会に条例案を上程させていただいているところです。

 この条例案では、本県に伊勢湾台風が来襲した9月26日を新たにみえ風水害対策の日と定めており、これを契機として今後様々な取組を展開させ、その被災経験や教訓を風化させることなく、次世代に伝えていきたいと考えております。

 平成21年度の主な取組といたしましては、東海3県市が共同して伊勢湾台風50年の集い、仮称でございますけれども、これを開催するとともに、県内においても桑名市をはじめとして各地域で県民、市町、防災関係機関などと連携した伊勢湾台風50年の啓発事業を展開していきたいと考えております。

 こうした啓発事業などを通じて、自助、共助、公助の理念のもと、県民や自主防災組織等が災害時に地域がどのような被害を受けるのか、危険を回避するためにはどのような行動をとるべきなのかを、そういうことをいった地域の防災に関する情報をあらかじめ把握し、災害に備えておくことの重要性などを伝え、災害に強い地域社会を実現していきたいと考えております。

 次に、2点目の御質問の減災対策のために県民へのわかりやすくきめ細かな防災情報の提供について、具体的にどんなような取組を考えておりますかの質問に答えさせていただきます。

 県におきましては、災害時の被害情報や避難に関する情報、気象や地震、津波などに関する情報を提供するため、平成15年度からホームページ防災みえ.jpを開設するとともに、電子メールにより情報提供をしております。しかし、近年の異常気象などに対応した局地的な防災情報の提供が不可欠となってきております。

 気象庁においては、平成22年の出水期から、注意報、警報などの気象情報を従来の三重県北部、中部、伊賀、伊勢志摩、紀勢、東紀州といった発表区分から市町単位に細分化することとしております。

 こうしたことから、ホームページ防災みえ.jpや電子メールの次世代化に取り組み、この発表区分の変更へ対応するとともに、見やすく操作しやすい画面表示とすることや、音声読み上げソフトへの対応、多言語化などに取り組み、高齢者の方や障がいのある方への配慮など、より多くの県民の皆さんが防災情報を入手しやすいようにしていきたいと考えております。

 また、伊勢湾台風の被災経験者の体験談や過去の浸水被害等に対する地域での取組などを取りまとめ、防災知識の啓発に生かしていきたいと考えております。

 このほか県が調査を行った活断層や土砂災害、河川や津波浸水などのハザード情報を、県が運用しております地図情報システムM−GISで一元的に取り扱えるように整備し、市町や県民の皆さんに地域の災害関連情報を活用していただきやすくしていきたいと考えております。

 さらに、避難施設や孤立する可能性がある地域などの実態調査などを実施し、より詳細な地域の減災につながる情報の提供に取り組んでいきたいと考えております。

 以上でございます。

   〔48番 中川正美議員登壇〕



◆48番(中川正美) 防災対策につきましては一朝一夕にいかない、十分わかっておるわけでありますが、今後の課題として、災害発信に備えまして、事前に業務継続計画、BCP、ビジネス・コンティニュイティー・プランというそうでありますけども、これが策定することも重要であると思います。

 東京都のほうでは、昨年、首都の直下型地震を想定したこの計画をまとめております。

 今後も災害に強い三重県づくりを継続して進めていく上で、本県におきましても、災害発生に備えた事業を継続計画、これがぜひとも必要ではないかと思いますので、その御検討といいましょうか、まとめていただきたいなと、このことを要望いたしたいと思います。

 続きまして、観光振興についてお伺いいたします。

 三重県は日本人の旅の原点とも言われる伊勢参りの目的地でありました。その目的地となった伊勢志摩地域においては、平成11年から取り組まれてきた式年遷宮の諸行事により、平成25年の式年遷宮への機運が高まる中、神宮への参拝者が増加しています。

 平成20年の下半期はすべての月において平成19年の参拝者数を上回り、特に11月、12月は対前年比20%を超える増加となるなど好調に推移をし、平成20年、年間の参拝者数は平成19年を5.9%上回る750万人となりました。また、この正月三が日においても、伊勢神宮で昨年に比べ約8万人多い67万人の参拝客が訪れました。これらは式年遷宮に伴う諸行事の開催が注目を浴びる中、関係者や地域の方々の御努力の結果、神宮が持つほかにはない魅力が今国内外を問わず多くの方々に理解され始めてきたからではないかと考えるところであります。

 そこでお伺いをいたします。

 国におきましては、平成19年1月、観光が21世紀の重要な政策の柱であることを明確に位置づけた観光立国推進基本法を施行し、北海道や岐阜県、長崎県などは観光振興条例を設け、観光振興を推進しているところです。かつて旅の原点であった三重県としても、遷宮という絶好の機会を生かし、県を挙げて観光立県に取り組むという姿勢を明確に示すため、観光振興条例を制定する必要があると思いますが、関係者のお考えを聞きたいと思います。

 また、全国各地では、商工会議所が中心となって地域の観光振興を目的に、地域の歴史、文化、観光に関する知識を持つ人を検定し、認定する御当地検定が行われています。本県でも、伊勢市をはじめ各地、既に実施されていますが、県としてこうした動きを支援し、ガイドとして活躍していただく人材を育てることで、観光振興をさらに発展させていく考えはないのか、また、県レベルの御当地検定をつくるべきではないかと考えますが、御所見をお伺いいたします。

 さらに、今後、日本の少子・高齢化に伴う人口減少による観光入り込みの減少を補うには、アジア諸国をはじめとした海外からの観光客を誘致し、地域経済を活性化していく必要があると思われます。海外から三重県を訪れていくためには、まず、三重県の魅力を知っていただくことが重要であり、インターネットを活用した情報発信が効果的ではないかと思います。中でも韓国は日本をしのぐインターネット社会であり、韓国からの誘客にはウエブを活用した展開が必要と思われますが、今後の外国人観光客の誘客をどう進めるのか、当局としてのお考えをお聞きしたいと思います。

 もう1点でございますが、伊勢志摩地域におかれましては、平成16年から伊勢市内で渋滞対策としてパーク・アンド・バスライドに取り組まれているほか、今回の遷宮からはじめて宇治橋渡り納めの記帳活動に取り組まれるなど、伊勢地域の官民が力を合わせて観光客の受け入れに取り組まれています。

 これら地域の取組と協働しながら、今後、遷宮に向けて増えていくと思われる観光客をいかに遷宮後の本県のリピーター客としていくか、また、神宮にお越しをいただく多くの観光客の方々にいかに三重県の各地域の魅力を伝え、県内の広い範囲の集客につなげていくのか、観光戦略をお伺いいたしたいと思います。

   〔野呂昭彦知事登壇〕



◎知事(野呂昭彦) 観光振興条例についてお尋ねがございました。

 まず、これまでの観光の取組でございますけども、私は知事に就任をして以来、観光振興につきましては、県政の最重要課題の一つに位置づけてきておるところであります。平成16年11月に三重県観光振興プランを策定いたしました。そして、平成18年4月より観光局を設置いたしまして、総合行政を効果的に推進する体制を整備するなど、国に先駆ける形で取組を進めてきておるところでございます。

 国におきましても、観光立国の実現を国家戦略として位置づけておりまして、観光を21世紀における重要な政策の柱に据えまして、観光立国基本法の制定や観光庁を設置しておるところでございます。

 また、現在、全国では11道県が観光振興条例を設けているとともに、7県で策定に向けた検討がなされているということでございます。

 こうした動きにつきましては、観光振興が地域経済の活性化につながるということから、各県とも観光立県への取組に対しまして、本腰を入れ始めてきたということであると考えております。

 観光につきましては、あらゆる産業と関連をいたします裾野の広い産業であるだけでなく、地域の誇りあるいは住民の方々の生きがいにもつながるところでございます。

 こうしたことから、条例の制定につきましては、県民の主体的な参画や幅広い関係者のコンセンサスなど一定の機運の醸成が必要であると考えております。今後、条例のあり方も含めまして、その必要性や効果につきまして検討をしてまいりたいと考えているところでございます。

   〔辰己清和農水商工部観光局長登壇〕



◎農水商工部観光局長(辰己清和) 私のほうから、観光振興に係る残りの3点の部分についてお答えいたします。

 まず、御当地検定ということでございますが、県内では、現在、伊賀市、伊勢市、桑名市、亀山市、四日市市と、以上5地域におきまして、商工会議所を中心としまして、様々な名称がございますが、いわゆる御当地検定が実施されているところでございます。これまでにこの五つの地域をあわせまして10回の検定試験が実施されていまして、受験者数は4430人で、そのうち3234人の方々がもう既に合格されておるという状況でございます。

 自分の住むまちを愛し、そこに誇りを持つ住民の皆さんが各地で増えていくことは、今後の魅力ある観光地づくりをつくる上で大変寄与するものと考えておるところでございます。

 その例を申し上げますと、伊勢市におきましては、検定お伊勢さんという名称でございますが、これの上級編合格者がお伊勢さん観光案内人として、1日平均500人程度の観光客の案内を今実施されておるところでございます。来訪者の思い出に残る旅のお手伝いをされております。

 また、桑名市におきましても、桑名ふるさと検定、これの合格者が観光ガイドとして活動されるなど、他地域への波及事例も見られております。

 観光局といたしましても、観光ガイドに関心を持つ検定試験の合格者に対しまして、観光振興の一翼を担っていただけるよう、おもてなし三重観光ボランティア連絡協議会という、こういうボランティアの会が775名の会員でございますが、そこにおいて研修を実施するなど、さらなる観光ガイドとしてのレベルアップの機会を提供してまいりたいと思います。

 また、お伊勢さんの例を申しましたが実績を積み重ねていますお伊勢さん観光案内人、この取組に対しましては、旅行会社のパンフレットの掲載を通じまして、観光商品として活用が図られております。こうした各地域の活動の進展に応じて、観光面からの支援を引き続き行ってまいりたいと思います。

 それから、県レベルでも実施してはという質問がございましたが、もう一つ観光の側面で、地域固有の歴史、文化、風土、産業など、地域の外に住む人にも学んでいただくという点で、その地域への来訪意欲を高めていただくということがあると思います。観光につながる効果的な魅力の発信と、こういう点から県内全域を対象としたほうがよいのか、あるいはそれぞれの地域単位での実施のほうがよいのか、または行政が行うのがよいのか、民間が行うのがよいかなどについて検討してまいりたいと、このように考えております。

 次に、2点目の外国人の誘客、特に韓国人に向けての情報発信という点でございます。

 平成15年のビジット・ジャパン・キャンペーンの開始以来、我が国への訪日外客は年間835万人にも達しております。しかしながら、昨今の世界的な景気の後退等によりまして、昨年後半からは低迷の傾向にあり、特に韓国は経済状況の悪化と円高、ウォン安、これが重なりまして、大きく減少しております。11月以降、対前年比40%を超えるという大幅な減少でございます。

 韓国につきましては、既に訪日旅行者の約80%が団体旅行でなく、個人旅行というふうになっております。

 こうしたことから、奈良県あるいは京都市、さらに民間企業を加えました広域的な官民の連携で個人旅行客の誘致の取組を行ってきているところでございます。

 この広域連携への枠の中でずっと働きかけを行っておりましたが、今年の2月には現地の旅行会社への説明会を開催することができ、この3月には、韓国で新たに本県への個人旅行商品が販売される運びとなっております。この商品の販売の時期には、韓国で最大のアクセス数を持つと言われる旅行情報サイトのほうに広告を掲載されるなどの取組を行うこととしております。

 また、21年度、来年度には外国語版の観光ホームページに個人旅行者向けの情報を、これを充実するなど、新鮮で魅力的な情報の発信を展開し、さらに韓国への取組を進めていきたいと思います。

 外国人全体ということでございますが、海外からの誘客は国を隔てて取り組むということから、国内からの誘客に比べましても、ひときわ時間がかかる事業でございます。

 経済情勢は不透明な状況にございますが、訪日旅行の回復の際に、本県への誘客に確実につながるよう、この時期になすべき取組を着実に進めていきたいと、このように考えております。

 最後に、遷宮後の対策ということでございます。

 現在、御指摘のとおり、伊勢神宮への入り込み客は好調でございまして、昨年は750万人ということでございましたが、これを少し遷宮の単位で比較してみますと、例えば前回平成5年の遷宮時に比べてみますと、前回、一昨年、その前もそうだったんですが、遷宮の年になって入り込み客が急速に増えております。しかしながら、今回は遷宮の7年前でございます平成18年、御木曳のときでございましたが、そこから急速な伸びが示されておりまして、これは御木曳に訪れた観光客のおもてなしや広域の官民の連携による観光づくりなどが要因の一つになったということでございます。

 伊勢志摩において何度でも来たくなる、ずっと楽しめるといった継続する周遊型、滞在型の観光地づくりを行うことが重要と考えておりまして、現在様々な主体が昨年の国の認定を受けました観光県整備事業をはじめ、情報発信、誘客、おもてなし向上などを展開しておるところでございまして、19年度に策定された伊勢志摩観光振興プランに示された戦略を展開しております。

 遷宮後の対策に加えまして、経済情勢が大変厳しくなっておりますので、そうした情勢にも注視しながら強靭な観光地づくりに向けて的確に対応していきたいと、このように考えております。

 以上でございます。

   〔48番 中川正美議員登壇〕



◆48番(中川正美) 1点だけ確認したいと思います。

 知事から、観光振興条例、検討すると、こう発言されました。検討するということは策定するということで、私は理解させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたしたいと思います。

 それでは、次に、地球温暖化防止対策についてお伺いいたします。

 地球温暖化は人類の生活と将来の生存にかかわる深刻な問題であります。国際社会では、この問題に対処するため、1992年の地球サミットにおいて、気候変動枠組条約への署名が開始され、1997年には京都で開催された第3回締約国会議で京都議定書が採択されました。

 三重県でも京都議定書の趣旨に踏まえ、2000年3月に県民、事業者、行政等の各主体が地球温暖化防止に取り組むために、三重県地球温暖化対策推進計画を策定したところです。

 この計画は京都議定書目標達成計画の目指す方向である温室効果ガス排出量の削減などに向けて、三重県内から排出される温室効果ガスを中・長期的に減少基調へ転換することや、継続的に排出削減を進めることを基本としつつ、三重県としての地域特性を踏まえ、森林の二酸化炭素吸収分を含めて、温室効果ガス排出量3%の削減を目標として設定し、あらゆる主体が参加し、連携する温暖化対策の推進や目標達成に向けた的確な進行管理を掲げています。

 しかしながら、現実に三重県から排出される温室効果ガスの排出量はどうであったかといいますと、1999年の3012万トンをピークに、2000年度から2003年度にかけて確かに低減はしているのでありますけれども、2004年に再び上昇し、直近判明分の2005年度においても、1990年度に比べ9.4%の増加と、2003年度をやや上回る水準となってきております。

 このことの背景には、三重県の産業活動が活発化してきた面など、製品1単位当たりの削減を幾ら進めても、なかなか総排出量で削減に結びつかない面もあるなど、幾ら一生懸命に取り組んでもなかなか成果があらわれにくい要因もあろうかと推測されます。

 しかし、このままの状態で推移すれば、既に昨年から京都議定書の第1約束期間に入っている中で、2012年度の目標達成は非常に困難と言わざるを得ません。

 そこでお伺いをいたします。

 三重県地球温暖化対策推進計画に基づいて、特に一昨年の改定を踏まえ、三重県として温室効果ガスの排出量削減の取組を具体的にどのように展開されてきたのか、そして、こうした取組にもかかわらず、なかなか成果が出ないことについて、その要因をどのように考えているのか、そして、目標年次を3年後に控えた今、これからの目標達成に向けてどのように取り組んでいこうとしているのか、御所見をお伺いいたします。

   〔小山 巧環境森林部長登壇〕



◎環境森林部長(小山巧) 地球温暖化防止対策について、これまでの取組、それと成果、今後の取組等について御答弁申し上げます。

 本県の温室効果ガスの排出量におきましては、産業部門のCO2排出量の割合が約6割を占めておりまして、全国平均の4割に比べ高いのが特徴であることから、産業部門の排出量を減少させることが急務となっております。このため、第二次戦略計画のみえの舞台づくりプログラムにおきまして、産業・業務部門対策、家庭部門対策、新エネルギーの導入を三つの取組方向として進めているところです。

 産業・業務部門におきましては、大規模事業者が作成する地球温暖化対策計画書による削減のための制度を強化しまして、対象となります事業所を143事業所から321事業所に拡充をしましたほか、中小企業につきましては、省エネ診断やM─EMSの普及促進を行ったことのより、認証事業者が昨年度末の78社から現時点では119社になっております。

 一方、家庭部門におきましては、家庭において節減に取り組む三重のエコポイントを進めるとともに、新エネルギーの導入につきましては、太陽光発電の導入支援や普及啓発を行ってきたところでございます。

 このような取組を進める中で、産業・業務部門におきますCO2排出量は、企業のエネルギー転換などによりまして、2004年度以降、減少傾向に転じてはいますが、三重県地球温暖化推進計画における目標達成には依然として厳しい状況になっております。

 また、家庭部門におきましては、三重のエコポイントや三重県地球温暖化防止活動推進による普及活動を積極的に進めていますが、家庭部門のCO2排出量は年々増加しておりまして、家庭での省エネ活動が実践されるよう、さらに積極的な取組が求められております。

 今後の取組としまして、地球温暖化対策計画書の策定事業所に対しますフォローアップ調査、そして、中小企業に対するM─EMSの普及や省エネ診断の取組をさらに進めるということともに、企業グループや地域の事業所が協力し合って取り組む企業連携によるCO2排出量削減促進取組をさらに進めることで、中小企業とか従業員の家庭にまで地球温暖化対策が浸透するよう支援してまいります。

 また、県民事業者、環境活動団体などが連携する新たな取組としまして、みえ・まるごとエコ生活推進事業を進めることとしております。これらによりまして、産業活動から家庭や地域にまで地球温暖化防止の取組を広げていきたいというふうに考えております。

 以上でございます。

   〔48番 中川正美議員登壇〕



◆48番(中川正美) 先日、アメリカのアカデミー賞で「つみきのいえ」が受賞されました。これも地球温暖化の大きなテーマであったわけでありますが、ぜひとも県の計画達成に向けて、さらなる御努力をいただきたいと思います。時間の関係で次に移らせていただきます。

 教育・スポーツの課題について3点お伺いします。

 1点目は、高校生の不登校対策についてです。県教育委員会の調査によりますと、平成19年度の高校生の長期欠席者数は1480人となっています。その理由は、病気や経済的理由というものもありますが、半数以上がいわゆる不登校であり、828人となっています。そして、そのうち、全日制の生徒が544人となっています。

 それぞれ不登校になったきっかけは様々であろうと思います。本人たちは何とか復帰したいと考えていることと思いますが、やはり心の悩みが原因であるようなケースなどは特に難しい状況にあるのではないかと思われます。

 もちろんこうしたことは本県だけの課題ではなく、福岡県のある私立高校からは、高等学校全日制において不登校状態にある生徒に対し、IT等の活用による学習機会拡大事業と題する特区の提案が出されました。

 内容を簡単に紹介しますと、心的要因から不登校傾向にある生徒に対し、教員や臨床心理士が家庭訪問して支援するというもので、学習支援の方策の一つとして、通信制課程の特例の範囲内でIT等を活用して自宅等での学習と学校での学習の継続性を確保し、一定数を上限に単位を与えるというものであります。そして、この提案は本年度中に全国展開される結果となりました。

 私は必ずしもこの方法でというつもりはございませんけれども、学校に行きたくても行けずに悩んでいる多くの全日制の高校生を何とか手助けできないものか、何らかの形でITをうまく活用すれば、一人でも多くの生徒が不登校の状態から脱することができるのではないかと考えています。

 教育委員会におきまして、先ほどの特区構想なども参考にしつつ、インターネットなどITを活用して高校生の不登校に関する何らかの対策が講じられないのか、お伺いをいたします。

 次に、教員の社会人特別選考についてであります。現在、本県では、専門的な知識、技能や豊かな経験を有する社会人に門戸を開くという趣旨のもと、教員採用試験において社会人特別選考が実施されています。残念ながら、様々な事情もあってか、合格者はこれまでごくわずかにとどまっていますが、私は、この制度そのものについては非常に評価をしているところでございます。

 そこで、一つの提案でありますが、本県では選考に当たっての要件として40歳未満であることを求めていますが、これを撤廃、もしくはもう少し引き上げるといったことができないかということでございます。

 今、学校ではいじめをはじめとして様々な課題が生じています。子どもを取り巻く環境の変化、それは情報化、国際化、少子・高齢化など様々でありますが、これらの進展に伴って、従来とは異なる、まさに現代的な新たな課題が続々と発生をしてきているところでございます。

 こうした状況には、従来の教員だけで解決するのは困難であり、現在もスクールカウンセラーなど外部の方に学校に入ってもらって、様々な取組が進められています。しかしながら、今の学校の状況を見てみますと、豊かで多彩な経験を有する民間の方々にもっと教員として学校に入ってもらい、新しい感覚のもと、子どもたちの指導に当たってもらうことが重要であり、その必要性は日増しに高まっていると考えています。きっと学校そのものの活性化にもつながると思います。

 聞いてみますと、全国的に同様の制度におきまして、50歳や60歳まで年齢要件を緩和しているところもあるようです。私はこの要件を撤廃することによって劇的に受験者が増えるとまでは考えていませんが、一人でも二人でも従来の教員とは異なる豊かな経験や、現在の職を離れてまでも教職につきたいという強い意識を持った方々が選考試験に臨んでいただけるようなチャンスを広げていただきたいと強く思っています。

 教育委員会では、40歳未満の理由について、教員としてのキャリアアップに20年程度は必要との判断をしているようでありますが、私は、逆に20年以上もの間、民間企業等で培ってきた豊富な経験や知識を、本県の教育現場で5年でも10年でも構いませんので、生かしていただきたいと考えています。教員の社会人特別選考における年齢要件の撤廃もしくは引き上げについて、教育委員会の考え方をお聞きいたします。

 最後に、世界新体操選手権についてであります。世界規模の大会の開催を9月に控え、地元では、地域の振興、活性化を大いに期待をしております。私もぜひとも大成功に終えられるよう期待をしているところであります。

 現在、世界各地から1000名もの選手、役員が訪れる大規模の大会を半年後に控え、その準備を急ピッチで進められていることと思いますが、その準備状況や地元における様々な取組、また、今後一層周知にどのように取り組んでいくのか、教育長にお伺いいたします。

   〔向井正治教育長登壇〕



◎教育長(向井正治) 中川議員の御質問にお答えいたします。

 最初は、高校生の不登校対策にITを活用できないかという面でございます。

 議員からは福岡県の例を御紹介いただきましたが、本県でも定時制課程の伊勢まなび高等学校が国の指定を受けまして、IT等を活用しまして、不登校の生徒を段階的に授業に復帰させる仕組みにつきまして、平成17年度から3年間、研究開発を行っているところでございます。

 この研究では、教室と教育相談室をテレビ会議システムで結びまして、その学習を単位認定するなど、通常の教育課程を越えた取組を行っております。その結果、利用していただきました7人のうち、2人がIT活用によりまして単位認定をされ、うち1人が翌年から授業に復帰できたと、そういう報告を受けております。

 ITを活用しました自宅学習は、制度的にはこれまで通信制課程においてのみ特例として認められております。

 御提案の取組につきましては、生徒の学校生活への興味、それから、学習意欲を引き出しまして、学校復帰を目指すためのプログラムの一つでありますことから、特区の内容とか条件等を十分に研究してまいりたいと考えております。

 2点目の教員の社会人の特別選考につきましての御質問でございます。これにつきましては、平成17年度採用選考試験から専門的な知識または技能を有する社会人の方の経験が教育に生かされることをねらいとして行ってきております。

 現在、年齢要件につきましては、採用されてからのキャリアアップということで、議員からもお話がございましたが、一般選考と同じ40歳までとしているところでございますが、他県の例、議員からも御紹介がございましたけれども、調査しまして、社会人特別選考のあり方につきましては、その撤廃につきまして前向きに検討してまいりたいと考えております。

 3点目の世界新体操選手権の開催についてでございます。これにつきましては、大会実行委員会の設置、基本計画の策定などを本年度行っていったところでございます。名古屋とか大阪のほか、県内11カ所のショッピングセンターとか各種のイベントにおきましてチラシの配布、啓発資材の配布などPRに力を注いできております。

 一方、地元のほうでは、伊勢、鳥羽、志摩の3市におきましては、大会事務局に職員を派遣していただくとともに、選手団、また、観戦者を歓迎して、伊勢志摩の魅力を国内外に発信するための市民応援団といったものを結成しまして、大会のPRに御協力いただいております。

 また、地元をはじめとします県内20の学校からは既に3000人を超える児童・生徒の大会応援運動の申し込みをいただいているところでございます。こういった方々に大会の盛り上がりにも御協力をいただいているというところでございます。

 今後、大会開催の半年前となります3月には、記念となりますPRイベントを実施することといたしております。また、3月中旬ごろからは大会シンボルマーク、また、選手の写真等をあしらった近鉄電車、それにペイントいたしまして、そういう車両を走らせるということでいたしております。また、宇治山田、伊勢市、津の各駅にカウントダウンのパネルといったものを設置していきたいと思っております。

 さらには、4月には、会場となります県営サンアリーナにおきまして、国内のトップ選手、団体を招いた新体操のエキシビション、演技の披露会といったものを開催して、大会を盛り上げたいと、そういう企画を今三重県体操協会と行っているところでございます。

 こういった取組をはじめとしまして、半年後に迫りました大会開催に向けまして様々なPR活動を行って、さらなる周知を図り、これを大成功に終わりますようにつなげていきたいと、かように考えております。

 以上でございます。

   〔48番 中川正美議員登壇〕



◆48番(中川正美) インターネットの問題でありますけれども、大変課題もありますけれども、やはり問題を抱えた生徒が一人でも多くあきらめずに学校に来たい、そのためにぜひとも学習の機会確保に向けた取組をお願いいたしたいと思います。

 2点目の年齢の撤廃の問題でありますけども、平成19年10月に雇用対策法が改正されました。求人年齢制限原則禁止ということであります。したがいまして、ぜひとも即戦力のある優秀なそういった教員を確保する観点から、やはり門戸をさらに広げていただきたいと、こんなふうに思わせていただいている次第でございます。

 もう最後でございますので、実は平成15年、知事が誕生されたわけでありますけれども、私も議長でございました。そのときにぜひとも10年後の平成25年、式年遷宮がある、その前後に大きなイベントをやってもらいたいと、こういうお話をさせていただきまして、それが言うならば知事のこころのふるさと三重づくり、マニフェストに書いてありますけれども、それが現在の「美し国おこし・三重」につながったと、こんなふうに考えておるところでございます。

 上智大学の渡部先生が、お伊勢さんを生成り文化、これは飾り気のない、ありのままの姿をよしとする文化であると、こう言われましたけれども、まさしく私は「美し国おこし・三重」はそれに通じるのではないかなと、こんなふうに思わせていただく次第であります。と同時に、伊勢におる人間といたしまして、この遷宮を通して日本人の心の再構築を図っていきたいなと、こんな大きな思いもあるわけでございますけれども、ぜひともこういう形で美し国おこしの成功と同時に、遷宮の成功に向けて、なお一層いろんな面で頑張っていただきますよう心からエールを送らせていただいて、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。(拍手)



○議長(萩野虔一) 21番 中嶋年規議員。

   〔21番 中嶋年規議員登壇・拍手〕



◆21番(中嶋年規) 志摩市選出、県政みらいの中嶋年規でございます。この場に立てます機会を与えていただいたすべての皆様に感謝を申し上げたいと思います。

 唐突ですが、最初に問題を出させていただきます。

 (パネルを示す)日本の国会は二院から構成されていますが、同様に二院制を採用している国として正しいものを一つ選択しなさい。1、スウェーデン、2、デンマーク、3、韓国、4、ドイツ。

 これは、先日開催されました議員力検定先行試験問題から抜粋したものであります。議員力検定は、民主主義の基本である議会政治をはじめ、広く政治の仕組みを検定を通じて学んでいこうというものです。議員のよしあしを判断しようとするものでは決してありません。ぜひ多くの議員、県民の皆様にも挑戦していただきたいと思います。

 答えですけれども、答えは4のドイツであります。実は、連邦制の国家、アメリカとかカナダとかオーストラリアとか、こういうところは二院制が多いのですが、日本も連邦制ではないんですけども、二院制をとっていると、こういったことから、果たしてその日本の二院制がいいのかと、こういう議論もやっていくきっかけ、もうパネルのほうは結構でございます。それがこの議員力検定ということでございますので、また、皆さん、この5月から本格的に実施されるということでございますので、ぜひ興味のある方は御参加いただきたいなと。

 ちなみにあの問題、私は間違えた問題であります。議員力だとか文化力とか、いろんな力というのがここの議場でも語られておりますが、ぜひとも今日は前向きで力強い御答弁をお願いしたいと思うわけであります。

 それでは、最初の質問に入らせていただきます。

 国民がどこに住んでいても、ひとしく安い費用で医療を受けられるはずの国民皆保険制度が危機的な状況に置かれている。なぜなら、保険制度に加入する権利は保証されているが、医療を受ける権利が大きく制限されてきている。どこに住んでも、産み、育てることができ、救急医療も安心して受けられる医療供給体制を復活させることが最大の医療改革の政治課題となっている。

 これは総務省の公立病院改革懇談会の座長であり、東日本税理士法人代表社員の長隆先生からいただいた資料の中にあった文言であります。まさに今、地域医療崩壊という大きな政治課題、これに対しまして、今回、知事のほうから県立病院の改革についての考え方が示されました。

 ちなみに、この長隆先生が出演される「ガイアの夜明け」が3月10日に、この地域医療についてのどうやって維持していくんだということについて特集を組まれるそうでございまして、ぜひ皆様もごらんいただきたいなと思う次第であります。3月10日の「ガイアの夜明け」です。

 こういう地域医療の崩壊が叫ばれる中、志摩市においても住民の皆さんが行動を始めております。

 ちょっとこのスライドを見ていただきたいのですが、(パネルを示す)これは2月22日、この間の日曜日に「みんなで守ろう地域の医療、志摩市民として何ができる、何をすればよい」と題して、志摩地域医療を考える会のメンバーが主催で地域医療についての講演会を開催したときの写真です。講師には兵庫県立柏原病院、小児科を守る会設立の立役者であります丹波新聞社の足立記者に来ていただきました。

 この志摩地域医療を考える会というのは、自治会連合会、老人クラブ連合会、女性の会連合会、PTA連合会、保育所保護者会、子育ての応援団とか子育てのグループの皆さんで構成されておりまして、かかりつけ医を持とう、早目の受診をしよう、これは要はコンビニ受診は控えようということです。「医師に感謝の気持ちを伝えよう」をスローガンに掲げて、地域医療を住民から守ろうとする運動に手弁当で、スピーディに熱心に試行錯誤しながら取り組んでいただいております。ぜひこの考える会の活動に注目をしていただきたいと思いますし、私も一緒になって行動していきたいと考えておるところであります。

 この講演会が開催される5日前の2月17日に、知事の県立病院改革に対する考え方が示されました。今回のこの改革案全体に関すること、それから、志摩地域の中核病院であります県立志摩病院に関すること、以上の2点に分けて質問させていただきます。

 本県は平成11年度に、都道府県では全国で6番目となる病院事業への地方公営企業法の全部適用を行いました。10年前、平成10年の第3回定例会で、舟橋議員がこのことを質問されております。

 それに対しまして、健康福祉部、当時の鈴木医務政策監の御答弁ですが、県立病院事業について地方公営企業法全部適用をいたしますと、職員の任免や契約締結など日常業務遂行に係る権限と責任を有する病院事業管理者を設置することが可能になります。これにより、経営体制をより病院事業に適した形態へ変更することができると思いますという答弁であります。

 これに対しまして、舟橋議員のほうから、現実の問題として、医療、医療政策、医療経営に精通した管理者を得ることがキーポイントになると考えるが、そういった人材を確保できるのかというふうに問われまして、鈴木医務政策監は、そういう人材が全国的にもいると思いますので、幅広く人材を求めていく中で確保していきたいというふうな御答弁をされました。

 徳島県では、実際にカリスマ医師と言われる塩谷泰一医師を香川県から病院事業管理者として招聘し、それ以来、劇的な経営改善を実現しております。塩谷医師は、やって当たり前の自助努力を行った結果であると、ある雑誌の寄稿で自己分析されていらっしゃいます。

 翻って、本県の病院事業の現状を見ますと、毎年40億円近い繰り入れをしても赤字経営、平成21年度は、予算の段階から18億3300万円を超える経常赤字を計上、一般会計から1億9000万近い長期の借り入れをしないと経営が立ち行かなくなるまで悪化しております。

 そこで御質問でございますが、なぜ三重県では、徳島県と同じ地方公営企業法の全部適用を行ってきたにもかかわらず、それを続けることができなくなったのか、その原因をどのように分析されているのかということについてお答えいただきたいと思います。また、このような危機的な状況を迎えるまで、病院事業庁長はその経営責任をしっかりと果たされてきたのでしょうか。病院事業庁長御本人にお伺いいたします。

 次に、平成16年度から始まった医師臨床研修制度の見直しに関連して、県立病院改革について、あわせてお伺いをしたいと思います。

 県立病院経営の悪化や地域医療の崩壊を招いた医師不足のきっかけの一つとなった医師臨床研修制度を平成22年度から見直すといった方針が2月18日に厚生労働省、文部科学省の合同専門家検討会が決定をいたしました。

 その見直しの内容は大きく2点ございまして、一つは、必修科目を7科から3科へと減らし、実績に2年間の研修期間を1年と短縮し、専門科の現場に研修医が早く出られるようにして、現場の働き手を増やすといった見直し内容。それと、もう一つは、都道府県ごと、病院ごとの応募枠というものを設けて、医師の偏在を是正するといった内容であります。

 この見直しによりまして、かなり深刻な医師不足の対策として、即効性はないものの、一定の医師偏在の是正になることが期待できるのかなと私は考えております。

 しかし、その一方で、医師の側から見れば、自由な研修の機会が制限される、専門以外の分野の習熟が不十分になるといった課題もありますし、我々地域、医療を受ける側からしても、大学医局から地域の医療現場に医師を派遣してもらえるのかが明らかではない。医師が不足しております産婦人科や小児科、麻酔科などの現状改善には結びつかないおそれがあるのではないか、こういった課題も考えられるわけであります。

 そこでお伺いいたしますが、今回の医師臨床研修制度の見直し方針を地域医療確保の観点から、知事としてどのように評価されていますでしょうか。また、この見直しを受けても、やはり一志病院の民間移譲、志摩病院の公設民営を含めた今回の県立病院改革の基本方針を見直すことは行わないのか、先ほどの質問とあわせて御答弁いただきたいと思います。お願いいたします。

   〔野呂昭彦知事登壇〕



◎知事(野呂昭彦) 全部適用についてお尋ねがありました。県立病院につきましては、四つの病院に地方公営企業法を全部適用して運営を行ってきたところでございます。

 地方公営企業法の全部適用につきましては、法制度の中で認められたものでございまして、この制度での病院経営というもの、これについてすべて否定をしておるものではございません。

 しかしながら、三重県におきましては、全部適用に移行いたしまして約10年間、診療機能の特化と規模の適正化、迅速に対応する経営管理体制とそれを支えます事務部門の強化、人材確保と病院経営におきます給与のあり方、企業職員としての意識改革などの多くの課題がございますが、これらについて解決をするということができないところでございました。

 診療報酬の引き下げとか、あるいは病院における医師不足など、医療を取り巻く環境は急激に厳しさを増しておるところでございます。地方公営企業法におきましては、全部適用で管理者を置くという場合、病院事業の管理者は一人に限定をされておりまして、4病院一括の全部適用で運営を行ってきたわけでございますが、実は、それぞれの病院の機能や規模、さらには立地環境ということを異にいたしておる中で、このような変化に柔軟かつ迅速に対応していくということが困難であったと考えておるところでございます。他につきましては担当部長からお答えいたします。

   〔堀木稔生健康福祉部長登壇〕



◎健康福祉部長(堀木稔生) 私のほうからは、臨床研修制度の見直しの件につきましてお答えさせていただきます。

 平成16年度の新医師臨床研修制度の施行は、深刻な医師不足と地域偏在をもたらし、県においても、医師臨床研修制度を抜本的に見直すよう、国のほうに対して強く働きかけてまいったところでございます。

 国においては、臨床研修制度のあり方等に関する検討会を設置し、制度の見直しについて検討が進められ、先ほど議員から御紹介ございましたが、このほど地域偏在の解消に向けた都道府県別の募集定員の上限設定、研修医のキャリア形成に配慮し、特色ある研修が実施されるための研修プログラムの弾力化などの見直し方針が示されたところであります。

 見直しの方針に医師の地域偏在の解消策が盛り込まれましたことは、一定評価はできるものの、制度改正の具体的な内容は、現在のところ示されておりません。実際に制度改正が行われる際には、医師の地域偏在や診療科目間の偏在の解消につながる実効性のある制度となるのか、しっかりと見きわめていく必要があると考えております。

 このようなことから、現時点で県立病院の考え方(基本方針)に反映させることは考えておりませんが、今後も国の取組を注視しつつ、真に実効性のある臨床研修制度が確立されるよう、引き続き国への働きかけを行っていく必要があると考えております。

 以上でございます。

   〔田中正道病院事業庁長登壇〕



◎病院事業庁長(田中正道) 病院事業庁長の経営責任をどのように考えているかというふうな御質問でございますけれども、若干経緯も含めて御答弁を申し上げます。

 議員からもお話ございましたけれども、病院事業庁は、平成11年の4月に地方公営企業法を全部適用した県立病院事業の組織といたしまして、経営の健全化を図るため、他の自治体と比較しても早い時期に設置をされたところでございます。以来、二度にわたります経営健全化計画、これは平成10年から15年度でございますけれども、こうした計画のもとに、県民サービスに直結をいたします病院機能等の充実に努める中で、病院事業庁全体として経常収支の黒字化を達成するなど、健全経営の成果も上げてまいりました。

 しかしながら、平成16年度に導入をされました医師臨床研修制度や診療報酬の引き下げ改定等、病院経営を取り巻く環境が急激に厳しさを増しまして、平成16年度以降、経常収支におきまして、再び赤字基調となってきております。

 また、地方公営企業法の全部適用におけます課題として、私どもも認識をしております診療機能の特化と規模の適正化あるいは迅速に対応する経営管理体制とそれを支える事務部門の強化、また、人材確保と病院経営における給与のあり方、そして、企業職員としての意識改革等に対しましては、適切、また、かつ、有効な施策あるいは措置というものを講じることができずに、現在に至っているところでございます。

 このような経過の中で、県立病院事業の現状は、医師、看護師の不足や解決に至らなかった課題等の要因などによりまして、地域に求められております病院の役割あるいは機能というものが十分に発揮できなくなってきております。また、それに伴いまして病院事業の収支も急激に悪化をしてきておりまして、資金の確保という面からも危機的な状況にございます。

 県立病院事業がこのような状況に陥り、設置者からも県立病院改革に関する考え方(基本方針)(案)が示されます事態に至りましたことにつきましては、病院事業の公営企業管理者といたしまして、厳しく、また、重く受けとめているところでございます。

 翻って、県立病院に与えられた使命は、県民の皆さんに良質で満足度の高い医療を安定的、継続的に提供していくということでございまして、今後とも、その使命を果たすべく課題の解決、改善に向けまして、不断の努力をしていく所存でございます。

   〔21番 中嶋年規議員登壇〕



◆21番(中嶋年規) 何と申し上げたらいいのでしょうか、診療報酬が下がったとか、そういう医師不足を招いた臨床研修制度とか、いわゆる国策の部分で非常に問題があったということは、これはすべて皆さんわかっておりますし、ただ、そのことでこんなに病院事業がいかなくなるのか、あの平成10年の舟橋議員の質問に対する当時の県当局の御答弁からいけば、全部適用されるためのキーパーソンが必要じゃないかという的確な質問されておりますし、その努力をしていくというふうなこともおっしゃっております。

 そういった心配が今顕在化して、全部適用ではやっぱり不可能だったと、それがどうも他人事の理由だけしかないというふうな分析をされているような気がしてならない。これは本当に地域医療、我々、県立志摩病院に頼っている者の一人にとってもとても理解しがたい話であります。非常に認識が甘いと言わざるを得ない。

 例えば、じゃ、今まで病院事業庁長は御自身の給与とか管理者の給与をカットしよう、ないしは職員の皆さんにこれだけ今厳しいんだから、皆でちょっと給与我慢しようよと、そういうことをお話しされたことがありますか。少なくとも私はそういう話をしたというのは聞いておりません。

 また、これは伊丹病院である事例ですが、領収書の裏に広告をとる、大した額にならないかもしれませんが、そういう形でも医業外の収益を少しでも増やそうという努力をされる、それが地域住民の皆さんに、今、病院は大変なんだということを理解していただいて、先ほどの志摩地域医療を考える会のような行動をしていく中で、みんなで病院を支えようという機運をつくるとか、そういう努力はされましたか。されていないと思います。

 また、例えば志摩病院の例をまた出して申しわけないですけども、極端に医師が不足している状況の中から、何度も総合医療センターのほうから短期的にでもお医者さんを回してもらえないかというふうなこともお話をさせていただきましたが、それも実現していただけない。

 もう今、志摩病院は、病床稼働率は70%を切っております。今回の総務省のガイドラインで70%を切るのが3年間続くと診療所になっちゃいます。救急外来ができないどころではない。現場の職員の皆さんも大変不安を感じております。

 こういった事態を、いや、国の政策がこうだったからと、唯々諾々とまねてしまった病院事業庁長の経営責任は非常に重いと感じますけれども、このことに関して、もう一度知事に御答弁を求めたいと思いますし、また、こういった事態を招いた経緯や今後の対応について、地元説明を行うということを表明していただいておりますが、先般公明党の今井議員からも御要望をいただきましたように、知事自身が地域に足を運んで、地域の皆さんの理解を得る努力、これをされるかどうかお伺いをしたいと思います。お願いします。



◎知事(野呂昭彦) この県立病院につきましては、中嶋議員は、今そういう形でかなり不満を漏らされておりますけれども、県議会のほうで平成19年2月に公営企業事業の民営化検討委員会、こういった中で病院についても皆さんも議論をしてきた中で、いろいろ分析をしてきたわけであります。もちろん民営化というような検討委員会でスタートした議論でありますが、その後、何も民営化ありきではないというような意見も付されたりいたしました。

 したがって、議員の皆さんの中にもそれぞれ地域性もありますから、いろんな御意見も当然おありなんだろうと、こういうふうに思いますが、私としては、そういった議員の皆さんの認識もしっかり受けとめる中で、これまで全部適用でやってきて、一時的にはよかったわけでありますけれども、より医療を取り巻く環境が厳しくなる中で、しかし、与えられた用件の中でしっかりやっていこうということになりますと、この全部適用という状況の中では、志摩の病院と四日市の病院とでは余りにも地理的にも違えば、取り巻く状況も、病院そのものが県立病院として果たしていく役割も違うわけであります。

 そういう中で、管理者は病院事業庁長、しかし、各病院については病院長にもっとしっかりそういう状況を踏まえて頑張れというふうな督励をいたしましても、やはりいろんな観点から制約がある。特に労働環境が給与の問題とかいろいろおっしゃいましたけれども、中嶋さんも県の職員でありましたから、組合等との話し合いだとか、そういう共通の理解を得ていくことの難しさというのは十分御存じのはずであります。

 そういう難しい状況をいろいろ考えてまいりますときに、病院事業庁が今日のような大変厳しい状況に至ったということについて、私としてはもちろん極めて残念なことでありますけれども、やはり経営体としてこれは限度があるというふうに感じてきたところであります。

 県議会での議論もいろいろやっていただきました。そして、私どももしっかりそれも受けとめながら検討委員会のほうにもお願いをして、ゼロベースから御検討をいただいて、御意見もいただきました。そういう中で、私としては、今回の県立病院改革に関する考え方を、今まだ案の段階でありますけれども、まとめさせていただいて、やはり今考えられる最善の方法であると、こう考えて、お示しをいたしておるところでありますから、どうぞ御理解を深めていただくようにお願いを申し上げます。

   〔21番 中嶋年規議員登壇〕



◆21番(中嶋年規) 安易に全部適用した病院事業を放り出そうとしているようにしか聞こえないんですよね。我々も議会でいろいろと議論してきました。私としては、最終の話の中で、今やってきた、これまでやってきた全部適用がなぜだめだったのかというところの自己分析をしっかりした上で、その上で必要な経営形態についての考えを示してほしいという中で、いや、県議会が言うていたからとか、外部環境が変わったからとかじゃなくて、やっぱり病院、今おっしゃられたように、組合との合意は非常に難しいですけれども、そこの部分の努力というのが見られないとか、我々からすると、在り方検討委員会の調査報告も現状の分析というのは私はしっかりできていると思うんです、読ませていただくと。ただ、結論に至る過程、そのロジックというのが一足飛びに行っている、英語でジャンプ・ツー・コンクルージョンとよく言うんですけど、結論にぴょんと飛んでいっているこの間が我々にはどうしても理解できない。それはやっぱり住民の皆さんも多分理解できないと思うんです。

 今、立ちどまる余裕がないということはよくわかっております。ですから、経営形態が今のまま全部適用ではもう無理なんだということを明らかにしていただければ、私も次の議論に行けるんですけれども、どうもそのあたりが他人事のようにしか聞こえないというのは私だけなんでしょうか。非常に残念であります。

 ただ、今一つよくわかったことは、病院事業庁長御自身も自らのマネジメントに問題があった、これは田中さん個人の問題ではありませんが、病院事業庁としての組織としての限界、全部適用ということの限界、それをどうしてもできなくなったという、その知事の判断ということをまず確認させていただきます。

 時間もありませんので、志摩病院のことについて特化してちょっと御質問させていただきます。

 志摩病院の内科・循環器科の救急外来について、非常に私、今心配をしております。4月から6名程度に半減するおそれがありますことから、救急医療については、かつては365日、24時間、志摩病院が受け入れておりましたけれども、現在では週1日を志摩市立大王病院にお願いしております。

 しかし、3月23日以降は、水・金・日の3日間だけが志摩病院で、市立大王病院が2日間に増え、残りの2日間、具体的には月曜と土曜は志摩地域で救急医療を受けることができないといった危機的な状況になるのではないかというおそれがあると聞いております。

 しかも、この志摩地域で救急医療を担えない2日間について、輪番制をとっている伊勢の一部の病院では、志摩市からの患者については直接の搬送を受け入れず、紹介状を持っていたとしても、当直医が受け入れるかどうかを判断するといった救急医療難民を生むおそれがあるような議論もされていると、にわかに信じがたい話も出ております。

 そこでお伺いしたいのですが、こうした喫緊の課題に対しまして、県として一時的な医師派遣を関係機関に働きかけたり、例えば松阪地区から伊勢地区への搬送をちょっと我慢していただいて、志摩市からの受け入れも可能となるよう広域的な調整に取り組むなど、志摩地域において危機的とも言える内科・循環器科の救急医療体制の確保について、当面どのように対応していくのかというのをお伺いしたいと思います。

 次に、県立病院改革に関する考え方(基本方針)(案)における志摩病院の今後の運営形態に関することについてお伺いいたします。

 昨年9月の病院事業の在り方検討委員会の報告書にはこう書いてあります。志摩病院の課題である医師不足に対しては、僻地等の地域医療を支援するノウハウを持つ事業者を指定管理者とすることによって医師の確保は期待できると記述されております。

 これに該当すると思われる全国展開をしている主体は、さきの御紹介しました東日本税理士法人会の長代表社員のお言葉をかりますと、医療法人の徳洲会グループか社団法人の地域医療振興協会しかないのではないかとのことであります。

 しかし、徳洲会グループにつきましては、平成10年に香川県で病院開設の中止勧告をめぐって県と意見の対立を見たり、愛媛県の宇和島徳洲会病院での万波医師によります病気腎移植に絡む診療報酬不正請求の報道、それに係る行政処分をめぐる協議が進行中であるなど、トラブルと申し上げると言い過ぎかもしれませんが、地域にとっては気にかかる事例が発生しております。

 また、地域医療振興協会についても少しコメントをさせていただきたいと思います。

 地域医療振興協会は、既に志摩市が設置した老人保健施設と診療所の指定管理者としてしっかりと運営をしていただき、地域内の医療機関相互の連携を図る上でも一日の長があると思われます。また、全国各地でも地域医療振興協会のおかげで僻地医療が維持できている地域もあるとの実績も伺っております。

 しかし、一方で地域医療振興協会についても、10年間指定管理者として経営をしてきた静岡県の共立湊病院からの撤退騒ぎが発生し、それを受けて地元はかなり混乱をし、現在も安心できる状況にないと聞いております。

 ここで共立湊病院の概要について少し御説明をさせていただきます。

 共立湊病院は、全体で約8万人の人口となる6市町による一部事務組合が国立病院から譲り受ける形で、平成9年に開設されております。当初から地域医療振興協会が管理運営を受け、制度変更によりまして、指定管理者として経営を行ってきております。

 伊豆半島の南部、南伊豆町に位置しまして、近くには下田市もございます。観光地を抱え、二次救急と僻地医療を担う地域の中核病院であり、許可病床は154床、近年は医師不足の問題から、平成16年からの経営赤字が続いております。

 この共立湊病院の経営に関しまして、地域医療振興協会は、地理的に不利な状況では医師などスタッフも限界にあると、地域の人口も大きく減っておる。救急医療に適した立地ではなく、新病院構想が必要だが、議論の進捗がないなどの理由で、昨年2月に経営撤退を表明するといったことが生じました。設置者であります一部事務組合との協議が重ねられ、とりあえず平成23年度末までの暫定的な継続経営を確保できたところであります。

 この共立湊病院は、志摩病院と立地条件や経営環境などが類似しているところもありまして、共立湊病院における教訓は、私たちにとっても他人事ではないと思います。

 そこで、今後、志摩地域の中核病院を維持していくため、学ぶべき事例を私なりに検討してまいりました。

 その結果、例えば私立の金沢医大が平成20年4月1日から指定管理者となった富山県の氷見市民病院だとか、高知大学が、同じく平成20年7月1日からですけれども、指定管理者となった高知市の土佐山へき地診療所、これらの事例というのは、近隣あるいは地元の大学病院とのパートナーシップによる取組であります。

 こうした国立大学法人のほかに、平成19年度からスタートした救急医療、僻地医療など公益性の高い医療を担うことを要件に認められる社会医療法人を今後の指定管理者の対象として考えていくべきではないでしょうか。

 また、今回の知事の基本方針(案)では、志摩病院の指定管理者を公募する際に、次のような条件を例示として上げております。

 (パネルを示す)七つの条件ですけれども、例えばほかの公立病院等と連携し、志摩地域の救急医療体制を維持することだとか、医療環境や現在行われておる医療の実態を踏まえること、現在入院している患者を引き継ぐことだとか、災害医療、僻地医療を支援する役割を担う等々、七つの条件を事例として示されております。

 ここで、お伺いをしたいのですけれども、知事の基本方針(案)を読みますと、こう書かれております。

 県として三重大学等に引き続き協力を求めつつ、病院経営のノウハウを持つ事業者へ病院運営をゆだねると、最初から三重大学は指定管理者の対象でないような記述が見られますけれども、先ほど御紹介しました先行事例も参考に、もっと三重大学へ働きかけていく、場合によっては、志摩病院を三重大学附属病院として位置づけてもらうような努力もするべきではないでしょうか。あるいは、一般医療法人や公益法人などではなく、地域医療を担うことを使命とする社会医療法人を対象とするべきではないでしょうか。

 また、指定管理者の指定に当たっては、先ほど御紹介しました条件をもとに、これから選定委員会を設置して詳細な条件を決定していくことといっておりますけれども、志摩地域の二次医療を完結したものとするために、例えば専門医のリストを出していただくとか、医師不足の際の応援体制を明確化する、救急ができなくなった場合のペナルティーを事前に約束する、二次救急などの政策医療に関する費用は経費的に明確化して、県が責任を持って委託する、冒頭に紹介した志摩地域医療を考える会など、住民とのパートナーシップを構築するなど、地域の中核病院としての機能を確実に確保できる条件をつけるべきであり、こうした条件を今の段階から住民等も巻き込んで、地域が納得する過程を踏まえて決定することが必要だと考えますが、いかがでしょうか。御答弁お願いをいたします。

   〔野呂昭彦知事登壇〕



◎知事(野呂昭彦) 私のほうからは、後段のところについて、指定管理に関するところをお答え申し上げます。

 志摩病院は、救急医療等、地域の中核病院として、今後もその役割を果たしていくという必要がございますけれども、現在は病院機能の維持もが危惧されるほど、医師不足が深刻な状況になっておるところでございます。

 県といたしましては、引き続き県立病院として維持をしつつ、医師確保と運営体制の改善を図るというために指定管理者制度を導入するということとしておるところであります。

 指定管理者の選定に当たりましては、公募の手続により行うということになりますけれども、そのため、選定委員会を設置いたしまして、医療環境や現在行われております医療の実態を踏まえまして、求められる役割を担うことができるよう、事業者を選定していきたいと、こう考えております。

 お示しをしております基本方針(案)におきましては、指定管理者の選定に当たっての条件を、先ほど御紹介あったように例示をしておるところでございますけれども、住民の皆さんや大学等関係者の意見を伺いました上で、地域の医療を安定的、継続的に確保するということを前提といたしまして、より詳細な条件というものについては、具体的に話を進めていくということになりました際にはその検討をしていきたいと考えておるところでございます。

   〔田中正道病院事業庁長登壇〕



◎病院事業庁長(田中正道) 志摩地域におけます二次救急を当面どのように確保するつもりかというふうな御質問でございますけれども、議員、御紹介ございましたように、これまで志摩病院は、365日24時間、救急時における医療体制というものを維持してまいりました。

 しかしながら、志摩病院の内科・循環器科の医師が開業や他病院への異動などによりまして、平成21年4月からは大幅に減少することが見込まれておりまして、内科系に係る救急体制の維持が厳しい状況となってきております。

 こうした厳しい状況を受けまして、本年1月から、志摩市あるいは志摩消防署、志摩医師会、志摩市民病院、南伊勢町立病院、そして、私ども志摩病院で構成をされます志摩地域救急医療合同会議を開催いたしまして、志摩地域の救急体制について協議を進めているところでございます。

 そうした中で、志摩地域内で対応ができない二次救急につきまして、他地域の二次救急医療機関に応援を求めますとともに、できる限り志摩病院で対応できるよう、現在、先ほど議員のほうからは、水・金・日の二次救急というふうなことで、そういうふうなこと、やむなしということの見直しも含めまして、現在、院内外での調整に鋭意努めているところございます。

 志摩病院といたしましては、志摩地域の救急体制の維持を図るため、今後も地域医療機関等との連携を一層強化していきますとともに、まずはとにかく不足する医師の確保に最大限努めていきたいというふうなことで、現在も三重大学等も含めまして、懸命に調整をしておりますので、一層の努力を重ねていきたいというふうに思っております。

   〔21番 中嶋年規議員登壇〕



◆21番(中嶋年規) まずは、志摩地域のこの喫緊の課題であります3月後半から志摩地域で内科系の救急医療が受けられなくなるというふうな事態にならないような努力を、本当に最後の最後まで粘り強くやっていただきたい。

 ちょっと今日は病院企業庁長の経営責任ということで、きつい言葉もちょっと言わせていただきましたけれども、そこは期待しておりますので、ぜひお願いしたいと思います。

 要は、私、今日の議論を通じて思ったことは、少なくとも志摩病院に限って申し上げますが、これまでの地方公営企業法の県直営のやり方ではやはり限界があったと、そういう中で、このまま続けていても非常に苦しいということを、私なりにはいたし方ないというところでございます。

 そういった場合に、セカンドベストではないですが、次善の策として指定管理者制度を導入するというのではなくて、積極的に中核病院としての機能を維持するために指定管理者制度を導入するという視点に立って、それならばどういう指定管理者がいいのか、そのためにどういう条件を付したらいいのかということをぜひとも地域の皆さんに情報を共有していただいて、そういう中で検討を進めていただきたい。もちろんスピーディーな取組というものも求められるわけでありますが、地域の皆さんに情報をいかに共有できるか、その受け皿となる志摩地域医療を考える会というものもできたわけでございますので、ぜひともそういう場をつくっていただきたいと思います。

 富山の氷見市民病院のことについては、チューリップテレビという、富山県のテレビがシリーズで「岐路に立つ自治体病院」ということで、こういうDVDを、非売品なんですが(実物を示す)、ありまして、知事に1個渡しますので、またごらんいただいて、ぜひともその地域の皆さんとのいろんなやりとりということについても学んでいただくところもあろうかと思いますので、老婆心でありますが、ぜひごらんいただきたいと思います。後でお渡しさせていただきます。

 それでは、時間がありませんので、二つ目の質問に入らせていただきます。

 厳しい経済・雇用状況に立ち向うためにということで、今、非常にサブプライムローン問題に端を発した世界規模の景気の低迷ということが大きな課題となっております。

 シティバンクの株価がスターバックスのコーヒーよりも安くなるという信じられない状況が続いております。まさに優先課題として取り組むべきことでありまして、私も防災農水商工常任委員会の委員長としてしっかりと委員の皆さんと議論を行いまして、様々な指摘や提言もさせていただいております。

 そういうことで、今回は農水商工部関係ではない経済・雇用対策について幾つか提言をしながら県当局の所見をお伺いしたいと思います。

 まず、雇用創出のことでございますが、今般、国の2次補正予算を受けまして、短期のつなぎ雇用機会を創出するための緊急雇用創出特別事業に126の事業を、地域におけます新たな雇用を創出し、一定期間が終了しても継続した雇用を実現できるふるさと雇用再生特別基金事業に19事業を平成21年度当初予算案として提案していただいております。

 これらの事業を三重県の産業構造の特徴に照らしまして、雇用創出効果、経済波及効果が高いものなのかどうなのかということを、産業連関表という統計手法を用いて分析をしてみました。

 つなぎ雇用の機会づくりを目指す緊急雇用創出事業では、雇用創出効果の高い部門への事業として社会福祉法人への委託など社会保障の部門に四つの事業、森林組合連合会への委託など、その他の公共サービス部門に七つの事業、コンサルタントなど専門サービスに関するその他の対事務所サービス部門に29の事業を立案するなど、全体件数の55%を超える事業が、104産業部門があるんですが、そのうち雇用創出効果が高いというふうに分析される上位20部門に対する内容になっておる。全体の55%というのが上位20部門の雇用創出効果の高い部門に係る事業であるということは評価していいのではないかなと思います。

 これから市町も含め、さらなる緊急雇用創出のための事業を検討していく際にも、この本県の産業構造に照らして有効だと思われる社会保障だとかその他の公共サービス、その他の対事業所サービスに力を入れていってはどうかと思います。

 加えて、雇用創出効果は高いものの、今回の事業化の対象となっていない飲食店の部門だとか観光ガイドなど、その他の対個人サービス部門、介護の部門に対する事業立案を図ることが雇用機会の創出に有効だと思います。

 一方で、継続的に新たな雇用機会づくりを目指すふるさと雇用再生特別基金事業では、総事業数が19と少ないとともに、雇用創出効果の大きい上位20部門に対する事業は、全体の40%程度にとどまっているのは若干残念であります。

 ふるさと雇用再生の事業を今後検討する場合にも、先ほど申し上げた雇用創出効果の高い部門を対象とした事業を中心に御検討いただければなということを考えております。

 加えまして、ふるさと雇用再生の事業というのは今後も継続していくということでございますので、地域経済の活性化に中期的にも資するためには、経済波及効果の高い産業部門ということも配慮する必要があろうかなと思います。

 具体的には、今回提案されておりますデータベース作成など、広告、調査、情報サービスの部門、ウエブサイト管理などの通信の部門、この後質問します公共事業の部門、それから、今回は事業化の対象となっておりませんが、放送の部門だとか、旅館、その他の宿泊所の部門、食料品の部門、これらというのが比較的経済波及効果の高い産業部門でありますので、市町ともどもこうした部門に係る事業に優先的に取り組むべきだと思います。

 さらに、県議会でも、稲垣委員長のもと特別委員会を設けて調査しておりますソーシャル・ビジネスをふるさと再生雇用の事業として県として積極的に取り入れる、また、市町にも働きかけてはどうかと考えます。

 ソーシャル・ビジネスって聞きなれない言葉ですけれども、ここではまちおこし、村おこし、少子・高齢、環境、貧困問題などの社会的な課題をビジネスとして事業性を確保しながら自ら解決しようとする活動のことでございまして、これまで行政が担ってきた公の分野をビジネスとして多様な主体が担うという意味において、まさに知事がおっしゃっております新しい時代の公の実践そのものだと思います。

 2月17日には、経済産業省が日本を代表するソーシャル・ビジネス55選というものを発表いたしました。本県でも、生活バス四日市だとか松阪市のMブリッジ、鈴鹿市の愛伝舎の三つのNPO法人が選ばれております。

 経済産業省の発表資料から、全国的な取組を幾つか簡単に紹介したいと思います。

 (パネルを示す)これは観光部門でございますが、NPO法人鳥の風というのが沖縄のほうでありまして、島のこしが島おこしということで、古い民家を再生した観光事業に取り組んでいる例で、従業者数は21人を抱えております。

 次の例です。(パネルを示す)病児保育に関することで、NPO法人フローレンスという東京のところなんですが、不採算の病児保育児業を脱施設型、共済型モデルで収益を安定化させるということで、病児保育に関して従業者55人を抱えるというNPO法人の例であります。

 (パネルを示す)次の例、有限会社ビッグイシュー日本という大阪市の事例ですけれども、これはホームレスの自立支援ということで、雑誌「THE・BIG・ISSUE」というのを月2回発行して、それをホームレスの方に販売員となっていただいて、販売手数料の一部をお渡しすると。これまでに780人のホームレスの方が販売登録者になって、70人以上が自立をされたという、そういう例であります。

 (パネルを示す)最後の例ですが、これはこういった企業家とかそういうソーシャル・ビジネスを支援するという中間支援組織的なもので、NPO法人、例えば右が鹿児島県の例ですが、ネイチャリング・プロジェクトというところは、従業者9人を抱えて、こういったビジネスの支援をしておるというふうな事例であります。

 ここから御質問ですが、メニューを立案していきます緊急雇用創出特別事業やふるさと雇用再生特別基金事業につきましては、三重県の産業構造の特徴も踏まえて、雇用創出効果や経済波及効果の高い産業部門に対する事業に市町とともに優先的に取り組むことが有効かつ迅速な経済雇用対策に資すると考えますが、いかがでしょうか。

 また、新しい時代の公の実践であり、地域の新たな就業機会づくりにもつながる経済産業省が示したソーシャル・ビジネス55選をベースに、三重県に合った形にアレンジして、ふるさと再生雇用の事業として積極的に取り入れる、あるいは市町に示していってはどうかと考えますが、いかがでしょうか。この2点についてお伺いをいたします。

   〔安田 正生活・文化部長登壇〕



◎生活・文化部長(安田正) 新たな雇用を創出する事業といたしまして、ふるさと雇用再生特別基金事業といたしまして、県において18本の事業を企画したところでございます。市町においても、経済波及効果の見込まれます観光分野や産業分野など45本の事業が現在予定をされております。

 これらの事業の中には様々な地域の資源を生かした新商品、サービスの開発や販売促進を図る取組など、ソーシャル・ビジネスにつながるような事業が含まれておるところでございます。

 今後も追加事業の構築に当たりましては、雇用創出効果や経済波及効果、社会的課題の解決などの視点から創意工夫に努めますとともに、市町に対しましても同様の視点で事業を構築していただくよう必要な助言や情報提供をしてまいります。

 なお、55選の事例でございますけど、55事業のうち、約30事業がNPO法人が事業実施主体になっておりますので、現在ふるさと雇用の仕組み等をNPO等に提供しまして、いろいろ知恵を出していただくというようなことをやっております。まとまり次第、委託事業としてまとめていければと考えております。

 以上でございます。

   〔21番 中嶋年規議員登壇〕



◆21番(中嶋年規) せっかくの基金の事業でございますので、ぜひ有効に使っていただきたい。

 私どもは、竹上真人、自民党の三重県連幹事長、政調会長を中心に自民、無所属議員団、県政みらいの三者で県民の皆さんに提案の募集もしております。

 NPO法人の方にもいろいろと御協議をされていらっしゃるということですが、ぜひとも私どももいろんな意見をまとめてまた知事のほうに御提案したいと思いますし、これだけの未曾有の経済危機でございますので、ぜひ多くの主体と一致団結してこの危機を乗り越えられるように努力していきたいと思いますので、ぜひ当局の皆さんにも引き続きの御尽力をいただきたいと思います。

 一言苦言を申し上げておきたいのですが、人手不足感が高い介護の分野、こちらへ人材を流動化させようという相談窓口まで設置していただいておることは非常に評価するんですけれども、今回議案第24号として提出されております三重県手数料条例の一部を改正する条例案において、ケアマネジャー資格を得るための試験手数料が7000円から8000円へと引き上げられるというのは、いろんな理由があって、また、全国的に見ても三重県は低いという状況もあるということも勘案しますと、規模としては適正なのかもしれませんが、この時期がええのかということだけはちょっと苦言を申し上げておきたい。これをもってこの条例に反対するものではございませんが、時期というものについて、県の姿勢というものについて、一度またこういうことはよく考えていただきたいなということを思うわけでございます。ぜひともそのあたりもいろんな機会を通じて、手数料を上げるということになった場合は、その理由を理解していただけるように御説明いただきたいと思います。

 最後に、公共投資ということにつきまして、公共投資と入札契約制度についてちょっとお伺いをしたいと思います。

 知事のほうからも先般代表質問で、公共事業についても経済対策効果も大きく、住民福祉に資する政策としてとらえ直してやっていくということでございますが、埼玉県でも、今回厳しい財政の中でも事業を2割増しでやろうというふうな機運もあると聞いております。

 改めて、簡単で結構でございますけれども、地域経済対策として県単独事業も含めたさらなる公共投資の追加実施、補正対応について、知事の決意をお伺いしたいと思います。

 また、公共事業の入札契約制度についてなんですが、この4月1日から、総合評価方式の対象工事の拡大とか最低制限価格の引き上げなどを行う見直しを行いまして、県内の説明会も開催しております。

 公共調達は単に安ければいいというものではなくて、産業政策の一面を有することも念頭に置くべきという意味では、今回の見直しを高く評価したいと思います。

 でき上がりの公共施設の品質向上も非常に高まるということも期待されますので、ぜひともこの見直しについては速やかに周知していただきたい、そして、実行していただきたいと思うわけでございますが、経済対策という点で言えば、もう一歩踏み込んで、宮崎県が本年の1月20日から導入した地域企業育成型総合入札制度というものも見習っていただいてはどうかと思います。

 この宮崎県の新しい制度は、2000万円未満の小規模工事を対象に、一定の技術力も考慮しながら、工事現場のある市町村に本店があるか、防災協定に加入しているか、災害復旧工事の実績があるかなど、地域に根ざした活動をしているかを重視し、この入札で落札した業者は、その工事が終わるまでこの地域企業育成型の入札に参加できないというふうにして、中小の建設業者が仕事を分け合う仕組みとなっております。

 今回の入札契約制度の見直しでも一部地域要件、企業要件などに重点を置いた新しい方式を導入しておるところでありますが、宮崎県のこの方式も見習っていただいたらどうかなと思うわけであります。

 そこで質問ですけれども、総合評価方式の拡大、最低制限価格等の引き上げという入札契約制度の改正は、経済対策としてどのような効果があるとお考えでしょうか。また、宮崎県が導入した地域企業育成型総合評価方式の入札の導入を検討してはどうかと思いますが、いかがでしょうか。御答弁をお願いいたします。

   〔野呂昭彦知事登壇〕



◎知事(野呂昭彦) 私のほうから、公共事業を地域経済対策としてどう考えているかということについてお答えします。

 公共事業予算につきましては、現在の厳しい雇用・経済情勢を踏まえまして、国の緊急経済対策に対応いたしました、平成20年度の12月補正及び2月補正、さらには平成21年度当初予算、これをあわせまして、一般会計で総額約1027億円でございまして、これは平成20年度当初予算と比べましても3.1%上回る規模の額となっておるところでございます。

 公共事業につきましては、雇用創出効果だけでなく、資材の購入等の需要の創出によりまして、直接及び間接の経済波及効果が期待をされるということでありますので、これはできるだけ早期に発注をしていくということが極めて重要であると考えておるところであります。

 このため、12月補正と、それから、今、審議をお願いしております2月補正で追加をした公共事業につきましては、可能な限り年度内に発注をするということにいたしまして、平成21年度当初予算分を早期に発注をするということとあわせて、切れ目のない執行に取り組んでいこうとしておるところでございます。

 なお、国の追加的な経済対策への対応につきましては、今後、その動向を見きわめながら対応していきたいと思います。

 そして、今後も厳しい財政状況が予想されるところでありますけれども、三重県におきましては、その社会基盤整備というのはいまだ不十分でございます。公共事業が地域経済の活性化と住民福祉の向上に寄与するという、そういう観点から、県民生活の安全・安心の確保に向けまして、着実に推進をしてまいりたいと考えております。残余につきましては、部長のほうからお答えをいたします。



○議長(萩野虔一) 答弁は簡潔に願います。

   〔野田素延県土整備部長登壇〕



◎県土整備部長(野田素延) 総合評価方式の拡大や最低制限価格の引き上げにつきましては、品質の確保や技術力向上に資するものでありまして、ひいては地域企業の育成につながるものというふうに考えてございます。

 今回の対象の拡大にあわせましても、地域要件、地域貢献、それから、技術者の実績等をこれまでより高く評価する新たな評価方式を導入することとしてございます。今後とも、地域企業育成の視点を反映いたしました総合評価方式を引き続き検討してまいりたいと考えてございます。

 以上でございます。

   〔21番 中嶋年規議員登壇〕



◆21番(中嶋年規) どうも私も気合いの空回りをしてしまった、今日は質問をしてしまったなと反省をしつつ、これで質疑を閉じさせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)



△休憩



○議長(萩野虔一) 暫時休憩いたします。

               午後0時1分休憩

          ──────────────────

               午後1時0分開議



△開議



○副議長(岩田隆嘉) 休憩前に引き続き会議を開きます。



△質問



○副議長(岩田隆嘉) 県政に対する質問を継続いたします。

 3番 森野真治議員。

   〔3番 森野真治議員登壇・拍手〕



◆3番(森野真治) 失礼いたします。新政みえ所属、伊賀市選出の森野真治でございます。2回目の登壇となりますけれども、一生懸命頑張らせて努めさせていただきたいと思います。午後一番ということで、大変厳しい時間帯でございますが、どうかよろしくお願いを申し上げます。

 それでは、通告に従いまして、順次質問をさせていただきます。

 まず第1に、循環型社会の実現についてであります。近年、最終処分場の確保が難しくなってきたことや天然資源の枯渇、人間の経済活動が地球の自浄能力を超えるに至ってきたことなどにより、大量生産、大量消費、大量廃棄型の経済社会から脱却し、環境への負荷が少ない循環型社会の実現が求められています。

 そのような中、三重県におきましても、県民しあわせプラン第二次戦略計画において、持続可能な循環型社会の構築を掲げて取り組んでいただいております。その中の一つに、ごみゼロ社会実現プランの着実な実施が上げられておりますが、これについてお伺いしたいと思います。

 三重県では、平成17年3月にごみゼロ社会実現プランを作成し、20年後にごみを出さない生活様式やごみが出にくい事業活動が定着し、ごみの発生、排出が極力抑制され、排出された不要物は最大限資源として有効活用されるごみゼロ社会の実現を目指して事業を展開していただいております。ごみゼロ社会実現への強い思いは、担当部署の名前がごみ減量推進室ではなく、ごみゼロ推進室であることにも込められているように思われます。

 そして、ごみゼロ社会実現プランの中身を見せていただきましたところ、20年後の目標として異なる三つの目標が掲げられております。まず、第1に、ごみの排出量を30%減らす、第2に、資源としての再利用率を50%に引き上げる、第3に、ごみの最終処分量を0トンにするとなっています。これを図に示すとこのようになります。(パネルを示す)

 まず、資源ごみも含めてごみとして出される量を30%削減ということですので、70%になります。そして、そのうち50%、今は14%、2002年が14%のものを50%まで引き上げるということで、残りが35%残るということです。しかしながら、最終処分量については15万1386トンが0トンになりますよと、このようなプランでございます。

 普通に考えると、86%が35%になりますので、6万トンぐらい残るのかなというふうに考えるわけですが、これは一体どういうことなのか、お伺いをしたいと思います。

   〔岡本道和環境森林部理事登壇〕



◎環境森林部理事(岡本道和) ごみゼロ社会実現プランの数値目標についてでございますが、この平成17年3月に策定いたしましたごみゼロ社会実現プランにおきましては、ごみの減量化に関しまして、ごみの排出量の削減率、資源としての再利用率、それから、先ほどお話のございましたごみの最終処分量という、この三つの数値目標を掲げておりまして、最終処分量についてはゼロという目標ということでございます。

 このごみの処理をしていきます中で資源として再利用されないごみ、これは先ほどお示しいただきました映写資料でいきますと、平成14年の86%、これに相当する部分でございますけれども、これの処理につきましては大きく二つございまして、一つは、焼却等の中間処理を行います。それから、もう一つは、中間処理をした後の焼却灰、あるいは直接に埋め立てを行うもの、この大きく二つの方法がございます。

 このプランで設定しました目標といたしましては、この埋め立て処分をするものを最終処分という形でとらえて、目標として設定をしたものでございます。これから埋め立て処分をしているものにつきましては、目標の設定に当たりまして、新たなシステムの検討であるとか資源としての有効利用、あるいは今後目標設定まで約20年という期間を計画目標に設定していますので、その間に新たな技術開発による削減も期待できるであろうということで、最終処分量、埋め立て量はゼロという高い数値日標を設定したものでございます。

 なお、目標年度であります2025年度におきましても、資源化されない残りの35%、これは残るという想定をしておりますけれども、それにつきましては、どうしても焼却処理をせざるを得ないだろうと想定しておりますが、その過程において発生します焼却灰等につきましては、これは再資源化をするということで、目標の中に組み込んでおるものでございます。

 以上でございます。

   〔3番 森野真治議員登壇〕



◆3番(森野真治) そうすると、その35%であれば、焼却灰だけが残って、そうでなかったら、それ以外の不純物があるということなんですかね。何となくよくわからないんですが、どちらにしても、ぜひ再利用の50%の分とか30%削減、これも忘れずに、全部灰になったからゼロだ、だから、いいということでなくて、そちらのほうもしっかりと取り組んでいただきたい、このように思っております。

 ごみゼロ社会実現のためには焼却ごみを減らすことが必要でありまして、そのためには分別による再資源化の推進が重要であります。しかし、分別の種類や回収方法など、各市町によってばらばらであり、同じものでもA市では資源ごみとして回収されるものが、B市では焼却ごみに出さなければならない場合があったりします。また、資源ごみの回収率は回収頻度が多ければ多いほど高くなると言われていますが、経費の問題で、各品日につき月1回程度しか回収日がないというのが実情のようでございます。

 ごみゼロ社会実現プランが計画どおりに実行されるには、実際のごみ処理の実施主体であります市町でのさらなる取組が不可欠です。

 そこでお伺いいたします。

 今後、さらなるごみの再資源化向上のために、市町の取組を財政的にも支援していく必要があると思いますが、どのようにお考えでしょうか。



◎環境森林部理事(岡本道和) ごみゼロ社会実現プランを確実に実施いたしますためには、ごみ処理の実施主体でございます市町におきまして、それぞれの実情に応じた効果的な取組を行っていただく必要が不可欠であると考えております。

 そのため、県といたしましては、各市町でのさらなるごみの再資源化の向上も含めた取組、これへの財政的な支援といたしまして、家庭系ごみ有料化制度の導入検討であるとか、あるいはレジ袋有料化の検討であるとか、リサイクルパーク整備等の他の地域でのモデルとなる先駆的、実験的な取組につきましては、これをごみゼロプラン推進モデル事業として、これまで支援をさせていただいてきたところでございます。

 これらのモデル事業で得られた成果につきましては、その他の各市町での実情を踏まえながら県全般への展開というのが非常に大事だというふうに考えておりますので、このプランの目標の達成に努める中で、各市町への先駆的な取組の普及に努めてまいりたいと思っております。

 以上でございます。

   〔3番 森野真治議員登壇〕



◆3番(森野真治) 今おっしゃっていただいたのは、市民の方が直接出されるごみについての減量の取組についてアイデアを出しているということなんですが、私が先ほど申し上げたのは、リサイクルできる分別ごみの回収の頻度を上げられるように、市町に財政的な補助ができないかという話をさせていただいたのですが、そちらのほうはどうですか。



◎環境森林部理事(岡本道和) ごみを回収する頻度等の回数の増加につきましては、これはそれぞれ自治体のごみの回収を行っております市町のごみ収集体制でありますとか、処理の体制によってかなり左右されてまいりますので、そちらのほうを、市町の御努力というのは一番大事かと思っておりますが、一方では、県といたしましては、先ほど申しましたモデル事業の中でございますけれども、そのごみ収集が円滑にいきますように、拠点回収の整備についての一定の補助もさせていただいたというところでございます。

   〔3番 森野真治議員登壇〕



◆3番(森野真治) わかりました。今後、引き続いての御支援をよろしくお願い申し上げたいと思います。

 次に、昨年5月に三重県から自動車税納税通知書が送られてきました。これが実物なんでございますけれども、私はこれを見て大変残念に思いました。(実物を示す)なぜかといいますと、この窓の部分、この部分がセロハンになっておるんです。ほかに届く国民健康保険税の納税通知書とか、クレジットカードの利用明細、携帯電話の利用料など、ほとんどの封筒のこの窓の部分はグラシン紙という半透明の紙でできた窓を利用しているものもかなり増えてきております。

 そのグラシン紙を使っていただいておりますと、紙でございますので、これはそのまま封筒は紙として丸まるリサイクルをできるわけなんでございますけれども、これの場合はカッターで切って、そのセロハンの部分を外して分別しないといけないわけです。しかも、私の地元の場合ですと、まだこのセロハンがリサイクルに対象になっておりませんので、セロハンはそのまま燃やすごみに出さないといけないということなんです。調べてみましたところ、県内でほかにもたくさんの市町でセロハンのリサイクルができないところがございます。これらはすべて可燃ごみとして焼却をされております。

 議会関係以外では、自動車税納税通知書が私に届くほとんど唯一の書類ですから、ほかのものがどのようになっているかまではわかりませんけれども、これ一つだけでも県内で年間50万通郵送をされております。

 そこでお伺いいたします。

 県庁などが排出するごみや県民に向けて提供し、やがてごみとなるものについて、どのように把握をし、減量に取り組まれているのでしょうか。



◎環境森林部理事(岡本道和) まず、今、お話のございましたセロハンでございますけど、やはり県内の市町ではほとんど焼却処分されておるというふうにお聞きしております。国内でも、今のおっしゃったセロハン部分をリサイクルに回しているのはもう限られたところだという状況があるというふうにお聞きしております。

 まず、お尋ねのございました県庁自らが排出するごみ等についての取組でございますけれども、県庁自らの取組につきましては、環境マネジメントシステムISO14001に基づき、環境方針の中にごみゼロ社会実現に率先して取り組むということを盛り込んでおりますし、また、その環境方針に基づきます重点目標といたしまして、庁内のオフィスごみの削減であるとか、あるいはコピー用紙の使用量の削減等を掲げまして取組を進めておるところでございます。

 このうち、庁内オフィスごみにつきましては、少しずつ削減の効果というのもあらわれてきておるところでございますけども、さらなる削減が必要であると考えておりまして、平成22年度におきまして、この18年、19年度両年度の庁内オフィスごみ量の平均値からさらに5%を削減しようという目標を設定しております。これに向けて、現在、庁内では、マイボトル・マイカップ運動であるとか、あるいは紙を減らす10カ条ということの取組も進めておるところでございます。

 このような環境マネジメントシステムを推進していく中で、県職員一人ひとりの環境マインドを高め、庁内で発生いたしますオフィスごみの削減にとどまりませず、先ほどお話もございました県民の方々への資料提供なども含めました日々のあらゆる行政活動におけます環境負荷の低減に積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。

   〔3番 森野真治議員登壇〕



◆3番(森野真治) 庁内から出るごみについてはISOでやっていただいているということですけども、庁外へ出ている分というのは把握ができないという部分があるようですが、ほかの一般の民間企業でありましても、ISOに取り組まれているところに対して県もいろいろごみゼロの部分で指導されているわけですから、県についても一つの事業者でありますから、そういう視点でちゃんとチェックをしていただいて、外部的に声を入れていただけるようなことをまず率先してやっていただきたいと思います。

 それから、そのISOの浸透によりまして、頑張っていただいておるということですけども、県の職員さん、全部で2万4000人いらっしゃると聞いております。それだけでも1家族2.5人平均とすれば、6万人の方にその精神が浸透するわけですから、県民187万人でいけば3.2%ということになります。そういう地道な努力も重ねていきながら頑張っていただきたいと、このようにお願いをさせていただきまして、次の質問に移らせていただきます。

 次は、鳥獣害対策ということで御質問させていただきます。

 鳥獣害対策については、議会のたびにその強化を要望されてきております。しかしながら、いまだに抜本的な対策が講じられていないため、被害は一向に減らず、頼みの猟友会の方々も高齢化により減少の一途をたどっており、県民のいら立ちは頂点に達しています。

 私も地元各地でたくさんの方々から早く何とかしてほしいとの切実な要望や、県は一体何をしているんだというお叱りをいただき続けております。

 県内の特に中山間地において、猿、イノシシ、シカ等による鳥獣害が日常的に発生し、農作物が被害を受け続けており、農林生産物の被害額は数億円に上るとされています。

 それ以外にも、たび重なる被害により生産意欲が失われ、耕作放棄地が増加していますし、高齢者の生きがいが奪われてしまい、地域の活力が失われてしまったり、家へのひきこもりが医療費の増大に拍車をかけているなど、様々な悪影響を引き起こしています。

 また、アライグマは町なかにまで大繁殖をしており、この年末年始には、私がお借りしている事務所の天丼裏にアライグマが入り込み、大家さんが猟友会の方にお願いをして捕獲をしてもらったところ、5匹もいたとのことでした。

 ちょっとフリップを何枚かお見せいたします。(パネルを示す)

 まず、これがイノシシの被害に遭った田でございます。一番村の中で山手にある1枚は、大体こうやってイノシシがこの上でごろごろ転がるんだそうです。かゆいのかわかりませんけども、これで田を1枚つぶしてしまうと。この田1枚で済むので、これはほうってあるという。これを刈ってしまうと、また下の田へ来るので、結局一緒のことだという話でございました。

 それから、ちょっとぼけておるんですが、猿の写真でございます。(パネルを示す)これは伊賀の大山田地区で撮られた写真ですけども、このすぐ手前にもう民家がありまして、その裏の土手のところで毛づくろいをしておるんです。これ以外にも全体で40頭ぐらい周りに群れがいたということでございまして、民家の横でこんな余裕をかましているというほど、もう本当に猿に乗り込まれてしまっているといいますか、そういう状況になっております。

 それから、最後に、これが先ほど言いましたアライグマでございまして、5匹目捕まえていただきました最後のアライグマがこれでございます。かわいらしいんですけども、外来種でございますので、駆除しなければならないと、こういうことでございます。

 これまで何度も県の担当部署へ鳥獣対策についてお願いをしてまいりましたけれども、農作物の被害に着目した取組は農水商工部でしていただいておりますけれども、捕獲の許可については環境森林部で所管をしていただいており、対策と捕獲とに縦割り行政の弊害があることが三重県の取組の遅さの一因であるようにも感じました。

 国においては、平成19年12月21日に鳥獣被害防止対策特別措置法が制定され、平成20年度には、新たに鳥獣被害防止総合対策事業を創設して、大幅に予算拡大するなど、これまで以上に対策の強化を図っていただいており、各市町では、事業実施に向けて様々な計画を策定し始めています。

 鳥獣は追われれば都道府県や市町村を関係なくまたいで逃げていきますので、対象区域を囲む市町村が一体的に事業を行わなければならない場合が多いと思われます。鳥獣害対策の近隣都道府県との調整や各市町の事業計画の整合性をとるためには、より柔軟かつ的確に、そして迅速に決断をしながら進めていく必要があります。

 そこでお伺いいたします。

 県として今年度の獣害対策をどのように取り組まれるのか、また、昨年、子どもに関する施策を総合的かつ一元的に進めるためにこども局を設置されたように、獣害対策室を設置されてはどうかと思いますが、いかがでしょうか。

   〔真伏秀樹農水商工部長登壇〕



◎農水商工部長(真伏秀樹) 獣害対策の取組の状況、それから今後の取組、それと、組織体制についてお答えさせていただきたいと思います。

 中山間地域を中心に、猿、イノシシ、シカ等の鳥獣被害が多く、営農面の被害にとどまらず、生産意欲の喪失といった精神面の被害にもつながっています。最近では、野生化したアライグマによる農作物の被害も発生をしている状況ということでございます。

 国におきましては、平成19年12月、鳥獣被害防止特別措置法を制定いたしまして、本格的な支援策を打ち出してきております。これまで、この法律に基づきます被害防止計画のほうは19市町のほうで策定をされておりまして、それに基づきます支援の活用が始められておるという状況にございます。

 県では、この法律ができます前から少し一定の対策というのをとってきたわけでございますけども、平成19年度には、鳥獣の生態に基づいた追い払いですとか、収穫残渣なんかを除去するための取組等をやってまいりまして、集落をえさ場にしないための地域ぐるみの取組が重要というふうに考えてまいりました。このために獣害対策を指導できる地域リーダーの育成等を進めてきたところでございます。

 また、地域単位での研修会でございますとか、獣害対策マニュアルの作成などにも取り組んでまいりました。

 先ほどの特別措置法の制定を受けまして、平成20年度からは、各普及センターのほうに獣害対策の担当者を配置いたしましたし、市町の被害防止計画の策定にも協力をするという形で、市町の協議会への参画、有効な防除対策などの情報提供にも努めてまいったところでございます。また、被害が広がりつつありますアライグマにつきましても、被害実態の把握と対策の研究を始めております。

 来年度からの取組でございますけども、これまでの取組に加えまして、被害マップの作成でございますとか大量捕獲おり、それと、簡易な防護さくの設置、捕獲人材の育成など地域の取組を重点的に支援いたしまして、これらの取組によりまして、獣害対策モデル集落を平成22年度までに50集落ほど育成をしていきたいというふうに考えております。

 また、近年、被害が深刻化しておりますニホンザルにつきまして、適切な生息管理につなげていくためのモニタリングの調査を環境森林部のほうと連携をしながら実施をしていくことといたしております。

 こうしたことを進めるための県の体制でございますけども、来年度から農水商工部と環境森林部との連携を一層強化する中で、被害対策、生息管理を一体的に取り組めると、そういう形のことを進めるという趣旨から、両部で構成をいたします三重県獣害対策プロジェクトを立ち上げようと思っております。また、各農林水産商工環境事務所にも獣害対策の支援チームを設置することといたしております。

 そのための中核といいますか調整の組織といたしまして、農水商工部内の農山漁村室のほうに新たに獣害対策グループを設置するということにいたしております。こうした取組によりまして、市町の被害防止計画が着実に進められるよう支援をしていきたいというふうに考えております。

 以上でございます。

   〔3番 森野真治議員登壇〕



◆3番(森野真治) プロジェクトチーム並びにグループをつくって努力をされる予定だということで、ありがたいことだと思います。

 ただ、農水商工部と環境森林部はフロアが違いますので、できたら室ということで、同じフロアになるようにされるほうがよりいいかと思いますけど、形だけしても中身がないよりは、今の御答弁のほうがかなりありがたいというか頼もしいなというふうに思いました。ぜひ頑張ってやっていただきたいと思います。

 そういう中で追い払いの話がたくさんあったんでございますけれども、昨今はもうすごく個体数が増えてしまっているので、追い払って、ものすごい勢いでイノシシとかシカとか猿が増えているということで、それを駆除していただかないと、あふれてきてしまうという部分がありまして、狩猟期間の延長について、各都道府県で取り組んでいただいております。

 狩猟期間については、法律で毎年11月15日から2月15日までの3カ月間と定められておりますけれども、各都道府県において延長が可能であるというふうにされております。

 今年度は31都道府県が延長をしており、延長をしている都道府県はいずれも獣害対策を理由に、シカとイノシシの両方あるいは一方に限定をして延長しています。

 隣接している滋賀県、奈良県、和歌山県は、最大3月15日までそれぞれ延長をしておりまして、現在、三重県は狩猟期間が既に終わっておりますけれども、隣接3県は延長期間中となっております。

 先ほど申し上げましたが、鳥獣は追われれば都道府県や市町村関係なく、またいで逃げていきますので、対象区域を囲む市町村が一体となって対策を講じないと、十分な効果があらわれません。奈良県や滋賀県からシカやイノシシが逃げ込んでくるおそれもあるので、ぜひ延長していただきたいということで、伊賀市並びに伊賀市猟友会も県に以前から申し入れをされているとお聞きしています。

 そこでお伺いいたします。

 なぜ三重県は20年度、延長されなかったのでしょうか。また、21年度は延長する予定なのでしようか。隣接する県や市町村との連携の現在の取組状況と今後の取組についてお伺いいたします。



◎環境森林部長(小山巧) まず、鳥獣害対策のために必要な猟期延長を行うには、鳥獣ごとに特定鳥獣保護管理計画の策定または変更が必要になります。

 そこで、三重県におけるニホンジカにつきましては、平成19年度から第2期特定鳥獣保護管理計画を策定いたしまして、狩猟による捕獲頭数の制限の緩和と有害捕獲許可の頭数制限緩和により、計画目標の達成を図ることとしております。猟期の延長は計画に現在のところ盛り込まれておりません。

 それで、平成19年度の捕獲実績を見てみますと、目標頭数7650頭を超えます7979頭であり、目標を上回っておるところでございます。

 しかしながら、御所見のとおり、隣接県の猟期延長に伴いまして、三重県の猟期との不整合が生じるということになりますと、シカの移動によります計画達成の影響も考えられるということから、平成20年度の捕獲実績並びに生息密度調査の結果等を検証いたしまして、それで、猟期の延長について、学識経験者等の意見も聞きながら検討してまいりたいというふうに考えております。

 一方、イノシシについてでございますが、従前から狩猟による捕獲の頭数制限を設けておりません。また、有害捕獲につきましては、平成19年度から許可頭数制限を緩和しているところでございます。

 これらの対応によりまして、被害の軽減は可能であると考えておりまして、現状において特定鳥獣保護管理計画を立てていないところです。

 今後につきましては、被害の状況、推移を見守りながら猟期の延長について検討してまいりたいというふうに考えております。

 また、隣接県との連携の関係ですが、県域を越えて調整が必要なものにつきましては、関係府県鳥獣担当者会議などで調整を行うこととしております。また、各市町との連携につきましては、ニホンジカ保護管理計画連絡会議を開催いたしまして、各市町の取組の紹介並びに連携に向けての情報共有を図っているところでございます。

 以上でございます。

   〔3番 森野真治議員登壇〕



◆3番(森野真治) シカについては大体数がわかっておって、延長することができるかもしれないということですが、イノシシについては、計画がされていないので、延長の前提である計画がないから、延長することが事実上不可能という御答弁だったと思います。

 恐らく直接お聞きもされておると思いますが、相当数被害はやっぱりあるんですね。ですので、数すら数えていないというのは、やっぱり県民としては考えられないことだと思いますので、イノシシ、まず、頭数の把握を早急にしていただいて、その後、計画するかどうかはまた考えていただきたい。

 それから、細かい話ですけども、狩猟期間の延長期間中というのは、普通の狩猟としてとれるものですから、猟友会さんもお金がかからないんですけども、期間外のときはお金がかかるという部分もありますので、そういう意味でも延長されるとやりやすいんやという話も聞いていますので、ぜひ御検討いただければと思います。

 それでは、次の項目に移らせていただきます。

 駐車禁止除外指定車標章につきまして、次はお伺いいたします。

 平成19年9月28日付で三重県道路交通法施行細則の一部を改正する規則の施行により、障がい者への駐車禁止除外指定車標章の交付方法及び交付対象が変わりました。

 変更点のうち、評価できるものとして、第1に標章の交付対象が車両から本人に変更になったということです。これにより、自動車や運転免許証を持っていない方でも標章の交付が受けられるようになり、タクシーや人の車に乗っている場合でも、駐車禁止除外の適用が受けられるようになりました。

 第2に、パーキングメーターのある駐車スペースにもチケットなしで駐車できるようになったことです。

 第3に、精神障がいの1級の方と聴覚障がいの2級及び3級の方が新たに対象となったことです。

 しかし、残念ながら改悪になった部分もあります。それは視覚障がいの4級の2の方、上肢不自由の2級の3から4級までの方、下肢不自由の3級の2から4級までの方、乳幼児以前の非進行性の脳病変による運動機能障がいの上肢機能、ただし、一上肢のみに運動機能障がいがある場合を除くで、3級から4級までの方、同じく移動機能で3級及び4級の方、内臓疾患の4級の方、これらの方々が既に標章の交付を受けられている場合には、平成22年9月27日までの3年間の経過措置の後に対象外とされることになりました。しかしながら、平成19年9月28日の改正以降、新たに交付申請する方は対象外となり、現在も交付を受けられない状況が続いています。

 それを図にまとめますと、このようになります。(パネルを示す)

 まず、青い部分は改正によって新たに受けられるようになった方です。もともと改正前は緑も赤も黄色もよかったんですけれども、19年9月28日の改正によって赤と黄色の部分が受けられなくなったということです。青は改正で受けられるようになったということです。

 ただ、これらの改悪部分に関しまして、特に駐車禁止除外という点にかんがみて、下肢不自由並びに移動機能の障がい等級の縮小部分、黄色の部分です。この部分については関係団体等から特に強く反対されたと伺っています。実際に大阪府ではそれらの意見を反映し、下肢不自由並びに移動機能の障がい等級については縮小せずに改正を行われております。

 三重県はその2カ月後の改正であったにもかかわらず、それに倣うことなく、対象範囲の縮小を強行されました。

 1年ぐらい前に私がこのことを知って、県警にお聞きしたときには、愛知県と歩調を合わせて下肢不自由並びに移動機能の障がい等級の範囲をもとに戻すということを検討しているとおっしゃっておられました。早急に改正をとお願いいたしましたが、なかなか改正されず、そうしているうちに、昨年12月18日付で警察庁から同趣旨の通達、つまり、この黄色の部分を対象にしなさいという通達が出されました。隣接している滋賀県並びに奈良県は、通達の8日後の昨年12月26日付で既に改正をされております。そのほか少なくとも7都県で既に改正が済んでおります。

 そこでお伺いいたします。

 三重県は今日に至っても改正されていませんが、これまでの検討状況と今後の改正予定についてはどのようにお考えでしょうか。

   〔入谷 誠警察本部長登壇〕



◎警察本部長(入谷誠) お答え申し上げます。

 まず、御指摘の駐車禁止除外指定車標章の平成19年改正に至った経緯について、まず、御説明を申し上げます。

 平成18年6月に新駐車対策法制が施行されまして、民間委託の導入により、取り締まり力の充実が図られました。これを契機として物流業者あるいは福祉活動に従事されている方々などから様々な要望をいただき、同時に、日本郵政公社の民営化に伴う対応など公平性が求められたこともあり、駐車秩序の一層の改善に向けて全般的な見直しを行う必要に迫られました。

 そのような中、平成19年2月に駐車規制からの除外措置の対象範囲の見直しの一つとして、身体障がい者の方につきまして、障がいの区分とその等級により、対象範囲の考え方が国から示されました。これを受けまして、愛知など中部管区内の6県で検討・協議いたしました結果、身体障がい者の方に係る駐車禁止除外指定車標章の効力が他県に及ぶということも勘案しまして、府県間で大きな差が生じないよう、他の多くの県と同様、国で示された対象範囲の考え方に準拠し、平成19年9月に規則の一部改正を行ったところであります。

 その改正後の状況でございますが、その後、どのような影響が見られるかを、身体障がい者の方から具体的事例をお聞かせいただいたり、関係機関団体から御意見を伺う中で、三重県の身体障がい者団体から下肢障がいを4級にしてもらいたいという強い要望も受けたところでございまして、対象範囲外の方であっても、真に歩行困難な方をどのように救済するかを検討してまいったところでございます。

 そうした中で、国におきましても関係団体との意見交換の結果等にかんがみまして、御指摘のように、昨年末、下肢障がいを1級から4級までとする対象範囲の見直しが示されることとなりました。

 これを受けまして、さらに中部6県で検討・調整を行うとともに、三重県身体障害者福祉連合会など関係機関団体と意見交換を行い、下肢障がいを1級から4級までとするとともに、歩行困難という面から類似障がいと考えられる移動機能障がいについても同様とするという方向で、そういうことなどを内容といたします規則をこの春には改正をいたしまして、施行することを目途に現在作業を進めているところでございます。

 以上でございます。

   〔3番 森野真治議員登壇〕



◆3番(森野真治) 春に改正予定ということでございますけれども、先ほども申しましたけども、すぐに変えている都道府県もあるわけなんです。そういう中で、やはり普通の改正ならいざ知らず、今回のことにつきましては、明らかに1回目の改正がまずかったということで、慌てて1年半で見直した、こういう部分でございますので、対象範囲外になられた方のお気持ち等を考えれば、もっと早急に改善をするべきであったのではないかというふうに思います。

 春とはいっても、3月1日でも春だと思いますので、3月1日にぜひ改正をしていただきますようにお願いをさせていただきます。

 今回の件では、ある意味、三重県警につきましても警察庁に振り回された部分というのがあるのかもしれません。1年半で見直すぐらいだったら最初から盛り込んでほしかったなというのが本音かもしれません。しかし、一番迷惑したのがその間対象外とされた方々でありまして、今後、警察本部としての対策が大切だと思います。

 そこでお伺いいたします。

 この1年半の間に新しく身体障害者手帳を取得された方のうち、今回の拡大対象範囲に入っている方は改正情報を知らないまま、これからも標章をもらえないと思い続ける可能性があります。警察本部としての改正の周知について、今後どのように取り組まれる予定なのでしょうか。



◎警察本部長(入谷誠) ただいま、この春に改正をし、施行したいと申し上げたところでございますが、この改正の具体的な内容につきましては、改正をし終わった段階におきまして、三重県公報に登載されることとなりますが、このほかにも県警ホームページや警察署窓口などでの広報、交番だよりなどの警察広報紙でのお知らせ、また、三重県身体障害者福祉連合会等との関係団体、県、市町への協力要請などにより周知してまいりたいというふうに考えておるところでございます。

   〔3番 森野真治議員登壇〕



◆3番(森野真治) 様々な媒体、団体等を使って周知されるということですが、では、具体的に県と市町に協力要請をされるというのはどういった内容になるんでしょうか。



◎警察本部長(入谷誠) 先ほど申し上げましたように、改正の内容、それから、その改正が施行される日、そういうようなことなどにつきまして、また、その手続などについて、関係の方に周知をしていただくようにお願いするということを考えているところでございます。

   〔3番 森野真治議員登壇〕



◆3番(森野真治) その関係の方に周知をされることについて、県や市町にお願いするというのは、具体的にどういうことなんですか。対象になられるであろう方々の名簿を洗い出していただいて、その人に通知を個別にしていただくということなのか、どういうことなのかということです。



◎警察本部長(入谷誠) 具体的な方法については今後検討することになると思いますが、基本的には、例えばいろんな県や市町が持っております広報紙等の媒体に載せていただくというようなことを考えていくことになるかと思います。

   〔3番 森野真治議員登壇〕



◆3番(森野真治) 市町の広報は恐らく県の広報と一緒に配られていますので、ダブって載るだけですので、そういう対策ではちょっと弱いのかなと思います。

 健康福祉部とかと相談していただいて、できるだけ団体からも行かない方もいらっしゃいますので、通知等が、個別に対応できるように、少なくともその間に申請されて却下されている方等はつかんでいらっしゃると思いますので、それぐらいの努力はしていただきたいなというふうにお願いをさせていただきます。

 最後に、三重の文化力向上と芭蕉について御質問させていただきます。

 伊賀市が輩出をいたしました松尾芭蕉は、わび、さびを重んじる独自の俳風を開き、俳句を真の芸術にまで高め、今も愛し続けられている俳句という文化を確立したと言われております。

 俳句は、今も世界中の人に愛され、近年では外国語による3行詩、ローマ字書きのHaikuもつくられるようになり、名実ともに世界の芭蕉となりました。

 三重県におきましても、ホームページの中に、残念ながらトップページにバナー等が置かれているわけではありませんが、トップページから歴史・文化・芸術を通って俳句のくに・三重という順に進んでいくと、バーチャル俳句のくに・三重というページで芭蕉と俳句についての情報発信をしていただいておりますし、全国俳句募集の実施もしていただいており、三重県の芭蕉として、県の芭蕉として認識をしていただいているものと考えております。

 そこでお伺いいたします。

 三重の文化力向上のために芭蕉は大変有効なツールであると思われますが、今後、県としてのハード、ソフト両面にわたる芭蕉の活用、振興についてはどのようにお考えでしようか。

   〔安田 正生活・文化部長登壇〕



◎生活・文化部長(安田正) 芭蕉さんを文化資源としてどのように活用していくかということだと思いますけど、俳聖松尾芭蕉の生誕地である伊賀市におきまして、史跡めぐりや野外音楽祭、全国俳句募集の表彰が行われます芭蕉祭、それと、音楽法要や俳句大会が行われますしぐれ忌などが開催されまして、特色ある地域づくりが進められております。

 また、俳諧の始祖であります荒木田守武を顕彰する守武祭が伊勢市内で、芭蕉門下の中興の俳人と評価されます三浦樗良顕彰祭が紀北町で行われるなど、地域ゆかりの俳人を活用した取組が県内各地で行われております。

 一方、県は、芭蕉や俳句という三重の文化資源を生かしまして、平成8年度から全国俳句募集を行いまして、三重の情報を全国に発信し、平成16年度には、「生誕360年 芭蕉さんがゆく 秘蔵のくに伊賀の蔵びらき」事業を地域と連携して広域的に開催をしたところでございます。

 このように、芭蕉や俳句は伊賀地域のみならず、三重の持つ多様な文化資源の一つと考えております。今後は、毎年10万句以上の応募があります全国俳句募集で培いましたノウハウや、県内21カ所の散策・吟行ルートなどの蓄積を例えば県民の皆さんによる地域づくり活動や観光振興につなげていただくことにより、さらなる情報発信の充実や地域の魅力向上につなげてまいりたいと考えております。

 以上でございます。

   〔3番 森野真治議員登壇〕



◆3番(森野真治) 現状や今までの事業についてお話をいただいたわけなんですけども、すべてソフトの事業だと思うんですね。伊賀市でも本当に2004年には2億円以上のお金を使っていただいて、ソフト事業をしていただきました。

 そういう中で、やはり今求められているのは、次にお願いするハードの事業でございまして、実は、伊賀市の上野城あるいは忍者屋敷があります上野公園というところの一角に芭蕉翁記念館というものがございます。ちょっと資料はないんですが、これでございます。(パネルを示す)

 芭蕉翁記念館は俳聖松尾芭蕉を顕彰するために、生誕地である伊賀の地に建てられたもので、昭和34年、1959年に神部滿之助氏の寄附によって建てられて、当時の上野市に寄附をされ、現在、財団法人芭蕉翁顕彰会が管理運営を行っています。

 記念館は本館と別館からなり、この写真のものですが、本館は校倉様式を取り入れた高床式鉄筋コンクリートづくり平家建てで、この中に資料展示室、芭蕉文庫並びに事務室が入っております。別館には茶室つきの和室がありまして、俳句会やお茶会あるいは会議などに利用されております。

 しかしながら、現在、再建が進められております県立博物館同様に、建築後約50年がたちまして、閉館にこそ至っておりませんが、老朽化をしており、雨漏り等もあります。もちろん耐震基準も満たしておりません。国の重要文化財に指定されている芭蕉に関する資料もありますけれども、収蔵庫がないため、保存環境は決してよいとは言えませんし、展示室も手狭になってきています。

 このような施設のため、入館者数は年間1万6000人程度しかなく、伊賀の文化力向上のためにも新芭蕉翁記念館の建設が望まれています。

 そこでお伺いいたします。

 芭蕉生誕370年でもあり、「美し国おこし・三重」のフィナーレの年でもある平成26年、2014年開館に向けて、今年20周年事業を行う県立斎宮歴史博物館や県立熊野古道センターのように、県の文化施設の一つとして伊賀の地に建設をしていただきたいと思いますが、いかがでしようか。



◎生活・文化部長(安田正) 現在、伊賀市が新芭蕉翁記念館の基本計画を策定されております。また、市の総合計画の中で松尾芭蕉を核とした地域づくりの推進の拠点として建設に取り組むとはっきりそういうふうに表明されております。

 こういうことを踏まえまして、今後は県の持つ文化と知的探求の拠点が新芭蕉翁記念館とさらなる連携とか交流を図りまして、今後よりよい関係を築いていきたいと、そのように考えております。

 以上でございます。

   〔3番 森野真治議員登壇〕



◆3番(森野真治) 伊賀市の基本計画に載っているから、県は横どりしないと、趣旨はそういうことなんでしょうかね。ただ、そうはおっしゃっても、特に補助金を出すとおっしゃるわけでもないし、何をされるともおっしゃられないわけですけども、先ほど部長のほうからも三重県の芭蕉として認知をしていって取り組んでいるというふうにおっしゃっております。野呂知事も午前中には観光は最重要課題だとおっしゃいましたし、芭蕉は三重の宝だとおっしゃったと聞いております。

 伊賀市には、この芭蕉翁記念館以外にも芭蕉が生まれました芭蕉生家とか蓑虫庵あるいは俳聖殿、幾つもの句碑などたくさんのものがありまして、これはすべて伊賀市のほうが管理をしております。ですから、記念館ぐらいは県で建てていただいてもどうかということでお伺いをしたわけでございます。そういう意味で、再度お答えをいただけたらと思うのですが。



◎生活・文化部長(安田正) 先ほども申し上げましたように、伊賀市におきましては四つの吟行ルート等がございます。これは芭蕉さんの事業で、生誕360年の事業で、県外からたくさんの人が来ていただいて、いろいろ吟行等をやっていただきました。県内にかなりこういうルートを、俳句のくにづくりとあわせましてやってきております。そういうものをきちっとこれから地域の人が使っていっていただくと、そういうことを私たちは進めていきたいと考えております。

 以上でございます。

   〔3番 森野真治議員登壇〕



◆3番(森野真治) やっぱり全く記念館には補助をされないと、かかわらないということなのかなと思います。

 不景気ということもありますけれども、この間新名神が開通をいたしました。この関係で名阪国道からかなりの観光バスが消えたというふうに言われています。やはり高速道路のほうが線形もいいですし、安全だということもあるんでしょうし、高速道路会社としても看板が出ていますけれども、大阪方面へは新名神を通ってというふうに書かれております。そういうこともあるのかもしれません。

 伊賀の観光は、名阪国道とJR、この2本で支えられておるわけでございますけれども、JRにつきましては、既に三重県が助けていただけないということで、大変ネガティブスパイラルという状況が続いておりまして、疲弊をしておりまして、今はもう本当にこの国道一本でございます。

 また、この間は伊賀にあります、唯一の大学であります皇學館大学も撤退をされるというふうに表明をされ、近鉄の沿線の真横にありまして、伊賀地域ではもっともアクセスのいい、環境のいい場所であっても大学がやっていけない、こういう地区でもあります。

 伊賀地域が不交付団体であるとか、ほとんど補助金をもらっていない、そういうふうな裕福なことであれば、私もこんなお願いをさせてもらわなくても済むんでございますけれども、御存じのとおり、2回ほど再建団体になったこともございますし、大変厳しい状況。午前中にも質問のありました県立病院につきましても、伊賀にはございませんので、二つの市立病院で、自分たちのお金で何とか頑張っている、そういう地区でございますので、もう少し温かい御配慮をいただければというふうに考えるところでございます。

 最後に、知事にお伺いします。

 10月12日には毎年芭蕉祭が開かれます。既に吉川議員や岩田議員も何回もこの場でお願いしておりますけれども、この芭蕉祭に知事が出席をしていただけていないということでございまして、やはり伊賀において芭蕉さんがどのくらい大事にされているか、あるいはどんな施設があるかということは、百聞は一見にしかずといいますので、ぜひ知事の目で見ていただいて、確認をしていきながら御判断をいただければと、再考をお願いしたいところでございますが、今年の芭蕉祭につきまして、知事は出席の御予定についてどのようにお考えか、お伺いをさせていただきます。



◎知事(野呂昭彦) 森野議員におかれては、地元伊賀に対する大変熱い思い、御質問からも本当に伝わってまいります。ぜひ県議会議員として、三重県全体にその熱い思いをお広げいただいて、今後とも御尽力いただくよう、ぜひよろしくお願いを申し上げます。

 私の個人的な日程につきましては、またいろいろと状況を見ながら判断していきたいと思います。

   〔3番 森野真治議員登壇〕



◆3番(森野真治) 毎年10月12日ということで、曜日関係なく、これは決まっております。ですから、ぜひ今期終わって8年間の間に1回も来ないということではちょっと情けない部分がありますので、ぜひお越しをいただきますようにお願いを申し上げまして、少し余っておりますけれども、質問を終結させていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)



○副議長(岩田隆嘉) 30番 青木謙順議員。

   〔30番 青木謙順議員登壇・拍手〕



◆30番(青木謙順) 失礼します。自民・無所属議員団、津市選出の青木謙順でございます。議長のお許しをいただきましたので、一般質問をさせていただきます。

 マスコミでは、連日、米国発の経済危機の報道がなされ、最近ではGDPの落ち込み等も話題になっており、今議会は雇用、経済、生活を柱とする取組が中心となっております。

 さて、以前にも県議会で少し触れたことがありますが、中国とインドの間にブータンという小さな国があります。この国は、国民総生産、GNPに対して国民総幸福量、GNHというユニークな概念を提唱しています。GNHの「H」はHAPPYの「H」でございます。

 すなわち、経済成長の観点を過度に重視する考えを見直して、1、経済成長と開発、2、文化遺産の保護と伝統文化の継承・振興、3、豊かな自然環境の保全と持続可能な利用、4、よき統治の四つの柱として、国民の幸福に資する開発の重要性を訴えております。

 これは経済優先や効率性至上主義とはまた異なる物差しでございまして、国の方向を決めようという考え方であり、何か知事の提唱してみえる文化力や「美し国おこし・三重」と共通するものを感じます。

 今、三重県では、過疎化や超高齢化が進展し、限界集落が問題になっている中で、生まれ育ったふるさとに暮らしたいと思う人のだれもが暮らし続けることが求められていると思います。

 そこで、今回の質問の一つは、過日2月10日に行われました県と市町の新しい関係づくり協議会・総会の資料として出されました超高齢化地域のあり方調査報告をもとに進めさせていただきます。

 それでは、莫大な調査報告を青木なりに説明を加えながらOHP数枚にまとめましたので、ごらんください。ちょっと字が小さいので、読みます。(パネルを示す)

 県と市町が調査した超高齢化地域とは、中山間地域等における自治会等の集落で、高齢化率(住民に占める65歳以上人口の割合)が50%を超える地域をいうと、こういう定義でございます。

 限界集落を参考に書いてございますが、その下に、高齢化率が50%を超え、地理的条件等が不利な地域では、地域の助け合いや共同作業といったコミュニティーの機能が弱くなっている地域もあり、今後、人口減少や少子・高齢化が一層進展する中で、コミュニティーとしての存立が厳しくなるおそれがあると。

 そして、こういった地域は、地域住民の生活の場であるだけでなく、農林漁業が営まれ、農地等が適正に管理されることにより、国土や自然環境の保全、良好な景観の形成、文化の伝承など公益的な役割を担っている。

 そして、最後に、このため、県内の中山間地域等における超高齢化地域の実態を把握し、今後の対応方向について調査・検討をしたものが今回の調査であるということが今回の趣旨であります。

 そして、二つ目(パネルを示す)、これもちょっと小さいので、県内の856集落のうち、高齢化率が先ほどの50%を超える集落は153集落、約18%でございます。特に中南勢や東紀州地域で超高齢化地域の集落の割合が高い。地図に点点点と三角であらわしてございますが、旧市町村別でいいますと、美杉、嬉野、飯高、宮川、志摩、南島、紀伊長島、海山、尾鷲、熊野、紀和において、中山間地域における超高齢化地域の集落の割合が3割以上あります。あと、山村や漁村で高齢化率が高いと、小規模集落ほど超高齢化地域の集落の割合が高いという傾向がございます。

 次のOHP、これも小さいんですけども、読みます。(パネルを示す)

 五つ項目にまとめさせていただきました。資料が大変多かったんですが、でも、1番目に持ってきましたのが、医療、福祉機会への不安、例えば病院が近くにないために、病気になったとき不安と、これはヒアリングとかいろんな結果でございますので、生の声で出ております。訪問診療がなくならないか不安、地域福祉サービスが十分でない。

 二つ目に、災害への不安ということで、集落の孤立や津波など防災面で不安、携帯電話の電波が入らないため、救急時や災害時に不安。

 三つ目は、移動手段等への不安であります。バス等公共交通機関が少ないため、自家用車に乗れなくなったとき不安、道路が狭く、交通の不便さが生活上不安、商店が遠く、買い物が不便、移動販売がなくなったら困る。

 四つ目が、集落維持機能の低下、公共空間の管理の困難さということで、高齢化が進む中、道路の草刈りや水路、水源の管理などの共同作業や共同財産の維持管理が困難、役員等特定の人への負担が大きくなっている。後継者が少なく、耕作放棄地や荒廃林が増えており、農地、山林等の保全、公益的機能の維持は危機的な状況、農作物への、先ほども森野先生の話がありましたけども、鳥獣被害が深刻、集落には固有の祭り・行事等の伝統文化が数多くあるが、既に消滅あるいは今後消滅が進む懸念がある。

 最後、五つ目ですけども、移住・定住への期待は課題が多いということで、近くに就労の場所がなく、教育、医療環境等も不十分であるため、Uターンや移住者を期待できないと考えている人が多い。地域外からの移住者の受け入れには抵抗を感じる住民も多いということが出ております。

 そして、続けていきます。(パネルを示す)円グラフでございますけども、それでは、この課題の多いところに住んでいる人に聞きました。集落に住む大半、約9割の人が集落内に住み続けることを希望しております。これが思いであります。

 そして、次、あと2枚なので、少々お待ちください。(パネルを示す)

 超高齢化地域の今後のあり方ということで担当部がまとめておりますけども、1、将来の目指す地域の姿は、そこに暮らしたいと思う人のだれもが暮らし続けられる、自立・持続可能な地域社会を形成する、中山間地域等が有する多様な公益的な機能が発揮される地域社会を形成する、そして、基本的な視点として、地域住民の意向の尊重、地域に住む人の意向が尊重され、生きがいを持って暮らし続けられる地域づくりとそれを支える環境を整備する。集落の状況や特性を把握し、それに応じて的確に対応、高齢化や人口減少の進展状況あるいは地域特性など、各地域の状況を把握し、それぞれの状況に応じて的確に対応する、また、集落が衰退あるいは機能を低下する前に対応していくことも重要と。最後に、エリアごとの機能維持、充実と連携ということで、あらゆる世代が暮らせる地域社会を形成するためには、それぞれのエリアの単位における機能を維持、充実させ、単位ごとの役割を分担し、連携していく必要があると記述をしております。

 そして、最後、私の感想。これは一番大きい字で見えますね。(パネルを示す)

 超高齢化社会の今後のあり方、方向性は共感ができます。なるほどなと思います。しかし、具体的な超高齢化地域対策がどのように進められるのか。基本的には、地域、市町、県が一体となって取り組むということであろうけども、今後の超高齢化地域の目指すべき姿を実現していくために、県は具体的にどのような役割を担って、どのような施策を展開していくのか、私には全く見えてこないわけでございます。

 そこで質問でございますけども、超高齢化地域に対する知事の認識と県の取組方針について、さらに今回の調査結果で出てきた超高齢化地域の課題に対する県の役割と超高齢化地域の自立、持続可能な地域社会の形成に向けた対策を知事にお伺いしたいと思います。まず、よろしくお願いします。

   〔野呂昭彦知事登壇〕



◎知事(野呂昭彦) 実態調査の結果について、かなり詳しく分析もいただきました。

 いろいろ御指摘がありましたけれども、過疎地あるいは山村振興地域などの中山間地域等におきましては、これまで地域を支えてきましたコミュニティー機能が低下をしてきておるだけではなくて、今後、さらなる人口減少とか、あるいは少子・高齢化が進んでまいりますと、その存立そのものが厳しくなる地域があらわれてくるというおそれもございます。

 そういったことから、本年度、市町や大学等と連携をいたしまして、高齢化率が50%を超える地域、すなわち超高齢化地域でございますが、これを対象にアンケート調査あるいはヒアリング調査を実施したところでございます。

 結果についていろいろと青木議員のほうからの分析もございましたが、私のほうから申し上げますと、一つは、地域の担い手が不足をして、集落機能が低下しておるということ、二つ目には、地域経済の基盤が大変弱い、森林、農地などの管理も難しくなってきておるということ、三つ目には、多くの課題がありますけれども、御指摘の中にありましたように、大半の住民は継続的な居住を希望しているということ、こういうことが明らかになりまして、人口減少とか、あるいは高齢化が進んだ地域の置かれている状況には本当に厳しいものがあると、改めて私も認識をしておるところでございます。

 こうした実態を踏まえまして、市町とともにコミュニティーの再生や移住、交流の推進、地域経済の振興と公共空間の活用、安全・安心に暮らせる地域社会の形成といった方向性について検討をいたしてまいりまして、整理をしてきておるところでございます。

 このような課題への対応につきましては、私は、人の心を豊かにし、地域のきずなを高める、さらに新しい知恵や仕組みを生み出していくという文化力の取組が非常に大切になってきておると、こう思います。

 そこで、地域の主体性が発揮されますよう、市町とも連携をいたしまして、ちょうど「美し国おこし・三重」の取組などもあるわけでございますが、こういったことも進めながら地域自らの取組を支援していくということが大変有効であると考えておるところでございます。

 さらに、今回の検討をきっかけにいたしまして、幾つかの市町では具体的な検討や取組が始まりつつございます。県といたしましては、こうした動きを支援いたしまして、県内全体へ広げていくということが必要であると考えております。

 今後、そのような取組をモデル的に支援していくということで、庁内の総合的な推進体制、中間支援機能のあり方、こういったことについて検討をいたしてまいりますとともに、医療体制の整備や移動手段の確保といった生活の安全・安心に関しましても、第二次戦略計画に基づきまして、総合的に取り組んでまいりたいと考えております。

   〔30番 青木謙順議員登壇〕



◆30番(青木謙順) 今、知事からお話を伺いました。

 今、調査の結果を見ながらいろいろと私も考えさせていただきました。この調査にはいろんな意味があるんだろうなと思いながら、現状として各部局が今までどのようなことをされてきたのか、さらにはこれからどうしていこうとしているのかというのが見えるといいなと思います。

 それで、時間の都合もありますので、ちょっと細かいんですけど(パネルを示す)、5項目、そして、あと細かく、先ほど朗読させていただいた中で幾つか取り上げさせていただきたいと思います。

 一つは、やはり命にかかわることというのが、どの地域に住んでも最優先でございますので、一番はじめに来ております医療福祉機会への不安について、健康福祉部長、どのようにお考えでしょうか。



◎健康福祉部長(堀木稔生) 医療福祉の関係についてお答えさせていただきます。

 条件が厳しい中山間地域等におきましては、総じて地域内に医療機関が限られていますことから、医療の確保が求められております。また、過疎化、高齢化の進展に伴いまして、保健・医療・福祉の切れ目のない連携体制による高齢者ケアが求められているところでございます。

 今回の調査におきましても、今御紹介ございましたが、生活の利便性の確保とともに、安全・安心に暮らせる地域社会に向けて、医療・救急体制の確保、地域福祉の推進の必要性が報告されております。

 こうしましたことから、今後、超高齢化地域の市町等の取組を支援する全庁的な推進体制を構築する中で、こうした医療・福祉施策の観点からも検討が進むよう取り組んでまいりたいというふうに考えております。

   〔30番 青木謙順議員登壇〕



◆30番(青木謙順) 全体的なことにお話をいただきました。

 ここで、ちょっと通告の項目とは違いますが、この超高齢化地域を支える医療機関ということで、県立一志病院について少し触れさせていただきたいなと思います。

 一昨日も津市選出のお二人の議員、そして、本日午前中に中嶋議員から県立病院の見直し案について詳細な質問もございました。

 先日、この超高齢化地域の不安にさらに拍車をかけるような県立病院の見直し案が出されました。それ以来、私も地域住民から毎日のように苦情や落胆の電話をいただいております。知事から言わすと、それは誤解なんだろうということでしょうが、真実、そういった生の声がたくさん届けられます。

 定例記者会見では、野呂知事は、このまま放置すれば、4病院は総崩れを起こしてしまうと述べられました。しかし、それは、大変地域から見ておかしなことで、地域や現場サイドから見ると、地域住民は病院を頼りにし、職員は心温かい医療提供に一生懸命努めているという現実がございます。それが主に医師不足という原因で累積赤字を生み、現在に至ったわけです。何ら住んでいる地域住民に責任はありません。

 これまで、北川県政以来の医師確保対策の遅れ、そして、三重県と大学や医局との不協和音がもとで、緩和ケアの拠点化も失敗に終わりました。

 こうした中で、一志病院では、2年前から総合診療部による家庭医療がせっかく定着し始め、三重県に残って頑張りたいというお医者さんが、私の聞いたところによりますと2名育っている、そういうことで喜んでいるにもかかわらず、その矢先に地域住民を不安のどん底に突き落とすような事態になったことに、三重県の責任は相当大きいと思います。

 また、これまで地域住民の意見を十分に聞いてきたとも思えません。それどころか、1月30日に美杉・白山地区の代表の方が提出された陳情書を無視するような形で、事前通告もなく発表されたことはとても残念です。代表の方は、かつて国立静澄病院が統合され、白山町からなくなるときに、県立一志病院だけは絶対残すと明言された当時の野呂衆議院議員の言葉をひたすら信じてみえます。

 さらに、在り方検討会の内容は、関係市町に答申内容を説明してきたと記述されていますが、市町村合併後、診療圏に広域性は認められないと主張する以上、最大のパートナーである津市とはどんな話になっているのでしょうか。

 津市民は、同時に三重県民でもあるということで、例えば、津市と県との一部事務組合にするなどの方法は協議されたのでしょうか。また、これはある方でございますけども、県立こころの医療センターの移転またはほかの診療科との分院としての一志病院の活用も言われます。それも可能じゃないかということです。発達障がい者の増加によって、今の状況は大変手狭で、多様化する医療内容で、増設する時期が来ているということです。

 要するに、私は、民間譲渡の前に県として検討すべきことは山ほどあると思います。

 そこで、改めてお尋ねをいたします。

 一志病院については民間譲渡の方向とされておりますが、これからのパブリックコメントや住民説明会の結果、また、各種協議によっては、今後基本方針(案)を柔軟に修正する余地はあり得るのか、期待もしておりますが、いかがでしようか。

 また、13日の全員協議会においても聞かせていただきましたが、そのときは努力をするということだけではっきりしませんでしたので、もう一度お尋ねします。

 民間譲渡によって医療内容や医療サービスの低下が心配されることもあるわけでございますが、もし地域住民が安心できるしっかりした民間譲渡先が見つからない場合は、県が言われる切れ目のない医療ということですから、5年後も10年後も、見つからないときには県立病院のままで運営するということでよろしいでしょうか。知事、御回答願います。



◎知事(野呂昭彦) 地元で一志病院に係るいろんな住民の皆さんの不安、そういったものを受けておられるということから、いろいろと気にされているのはよくわかりますが、私ども、お示しをしておる基本方針(案)につきましては、しっかりまたお読みいただきたいと思いますが、一志病院につきましても、実は、医療環境とニーズのところでも、なぜ一志病院について、病院機能を継続して行えるようにしていかなきゃならないのか、すなわち高齢者等が非常に高齢化が進展しているということから、総合的な高齢者ケアが必要でもあるし、それから、交通アクセスの問題からいっても、一次救急体制の維持というのがやっぱり大事であると。そして、入院機能も持った医療機関を継続的に持っていく必要があるということ、そういうニーズを踏まえながら、今の病院機能の役割、機能として、やはり総合ケアを確保していけるように、あるいはまた、白山や美杉地域の病院機能を引き続き確保する、また、一次救急体制を維持するということをこの役割・機能の中でもしっかりうたっておるところでございます。

 ただ、そういうことを指摘しながらも、課題として、今どういう課題があるんだといったときに、やはり白山・美杉地域に診療圏が限定されておって、そういう意味では、白山、美杉の皆さんだけではなくて、県民の皆さんに県立病院としての位置づけということについてしっかり説明できるのかというと、その位置づけは非常に不明確になってきておるんだということ、それから、高齢者ケア等、福祉領域へ踏み込むようなことについては、やはり県立病院に求められておる役割にはどうしても制約が出てくるであろうということ、そういったことから、県立病院というよりは、やはりそういったニーズにこたえられる事業者に移譲すること、そして、民間のノウハウを活用するということで、地域が求めておる、要するに地域に今必要なニーズによりこたえていくことができるのではないかと、こう考えて、実はさっきの案についてお示しをしておるところでございます。

 津市とはしっかり話しておるのかということでありますけれども、例えば一次救急とかそういうことについては、当然津市は第一義的に行政としての責任を感じておるところであります。したがいまして、担当部局間だけではなくて、私も松田市長にお目にかかったときには、しっかり連携をとりながら、これは対応していかなきゃならないことだねという、これは漠とした意識としてこれまでも申し上げてきたところでありますが、そういう思いはしっかり共有しながら、しかし、こうやって案を出させていただいたところであり、住民の皆さんはじめ、いろんな皆さんが本当にうまくいくのかいというような、そういった御不安もお持ちでありますから、私としては、より一層津市とも連携をしながら、最良の案、最善の案として今出させていただいたわけでありますので、これをぜひ実現できるようにしっかり最大限の努力を今後もしていきたいと、こう考えておるところでございます。

 お立場をよく理解しながら、さらにその御理解をお願い申し上げるところでございます。

   〔30番 青木謙順議員登壇〕



◆30番(青木謙順) 何度も読んでというふうなことでございますけども、十分読んだ上で質問しておりますので、地元の意見としても紹介もさせていただきながら、ただ、今、最善の方法として提示しておるというお言葉に引っかかるんですけど、今までのことも最善の方法として何度も緩和ケアにしても、いろんな総合診療部の取組にしてもされてきたんじゃないですか。あれは適当な提案だったんですか。そんなことはないでしょう。やっぱり最善であっても、やはりいましばらくしっかり検討する時間を持っていただいて、より結果として最善の方法となるように御努力を賜りたいと思います。

 超高齢化地域の課題の中で少し時間をとらせていただきましたけども、何か平行線のような感じですが、ただ、実は、私はこの県立一志病院で生を受けて以来、私、ここで生まれまして、白山町に育って半世紀以上になるんです。この歴史といいましょうか、一志病院とともに育ってきたという感じがしております。それだけに思いは深いんでありますし、愛着もございますので、野呂知事の愛着の程度がどの程度かわかりませんが、私はそういう思いで先ほど質問させていただきましたので、今回、私はふるさとを奪われるような気持ちであります。

 今までの一志病院に対する取組がうまくいかなかった割には、知事は今回相当な自信をもって臨んでみえるようでございますけども、今後しっかりと、今決意されましたような地域住民や現場の意見を聞いて、津市とも十分に協議をされているようですけども、その県民の不安をとり除いた上で、3月にまた津の市議会も始まりますので、いろんな意見もまたその中で出るでしょう。見直すべきところは素直に見直していただくことを期待しまして、超高齢化地域における後の課題に戻らせていただきます。

 (パネルを示す)今、2の1個目だったんですけども、あと2、3、4、5と時間の都合でまとめていきたいと思います。

 まず、災害時のライフラインの確保、とりわけ飲料水の供給は最重要課題でございます。このことは都市部についても過疎地域についても同様ですけども、市町村合併により市町の区域が拡大しており、大規模災害発生時に市町の中心部から遠く離れた過疎地域まで十分な支援が受けられるのか、大きな不安を抱えてみえます。

 過疎地域の住民が安心して暮らすことができるよう、県としても市町における水道施設の耐震補強など、飲料水の確保にかかわる大規模地震等に備えた対策を促進するため、積極的な支援や適切な指導、助言を行うことが必要ではないかと思います。市町の現状と県の取組状況はどのようになっておるのか、また、今後どのように対処していくのか、超高齢化地域に対しての取組をお願いしたいと思います。

 二つ目は、表にもありましたように、携帯電話の電波が入らないので、救急時や災害時に不安ということについても答えてください。

 三つ目、道路が未整備で、交通の不便さが生活上に不安があることについてはいかがでしょうか。

 四つ目、超高齢化地域では森林整備もままならず、荒廃した森林が広がり、公益的機能が損なわれております。この対策には間伐が重要だと考えるんですけども、どういった施策で間伐を進めていくのでしょうか。

 最後に、先ほども答弁の中にございました。知事お得意の文化についてでございますけども、超高齢化地域における固有の祭り、行事等の伝統文化の継承が非常に難しく、今まさに消滅の危機にさらされるということでございますけども、これもまた「美し国おこし・三重」で解決できるのでしようか。

 以上、5点ほど、各担当部局別にお答え願います。



◎政策部長(渡邉信一郎) 私のほうからは、まず、携帯電話の不通話解消についてお答えをいたしたいと思います。

 携帯電話の不通話地域の解消につきましては、本来、携帯電話事業者が行っていただくことが基本でございますが、本県としては、県民の安全・安心な暮らしを支える基盤の一つであると認識をしておりまして、その解消に向けて取り組んでいるところでございます。

 不通話地域の解消が必要な地域につきましては、おおむね1年置きに市町の状況を把握しており、その結果や市町の意向を十分に踏まえた上で、不通話地域の解消について市町と一体となりまして、事業者に働きかけているところでございます。

 しかしながら、中山間地域など世帯数が少ない地域では、事業者による通信用の鉄塔などの整備は採算面から困難な状況となっております。そのため、国の補助制度の活用とあわせまして、市町による鉄塔の整備に対しまして、本県独自に支援することで不通話地域の解消を図っております。平成20年度2月補正におきましては、3市7地域の整備について支援する予算を計上させていただいております。

 今後も、市町とともに携帯電話事業者に働きをかけまして、不通話地域の解消に努めていきたいと思っております。

 もう1点、公共交通の確保の点でございます。

 超高齢化地域の実態調査におきましても、こういう公共交通がないなど、移動手段の確保に不安を覚えながらも将来もそこに暮らし続けたいという住民の意向が明らかにされております。

 地域の移動手段の確保は住民の通院や買い物などの日常生活を支え、自立、持続可能な地域社会の形成に必要不可欠でございます。このため、例えば乗り合いタクシーや市町運営の有償運送など住民のニーズや地域の特性に応じた手法により生活交通を確保していく必要があると考えております。

 そこで、県といたしましても、地方バスの運行に支援を継続するとともに、新たに交通計画を策定いたします市町を支援いたしまして、地域の特性や実情に応じた移動手段の実現を促進することで、少しでも地域住民の方々の不安の解消につなげていきたいと考えております。

 以上でございます。



◎環境森林部長(小山巧) 私からは、水道施設の耐震化と荒廃森林の整備についてお答え申し上げます。

 まず、地震対策につきましては、緊急の課題とされている中で、巨大地震が発生した場合でも、生命の維持や生活に必要な水を安定して供給するということには、水道施設の耐震化を図り、被害の発生を抑制して、影響を最小限化することが大切であります。

 しかし、中山間地域における水道施設の耐震化につきましては、地理的条件とか過疎化が進む中、その財政負担が重く、水道施設の耐震化は遅れているという状況にございます。

 施設整備につきましては、国の財政支援としまして国庫補助が制度化されております。特に給水人口が5000人以下の小規模な簡易水道における施設の更新につきましては国庫補助を除く全額が起債対象となり、財源措置がされております。それとともに普通交付税により財政措置もされております。

 しかしながら、水道施設の耐震化につきまして、水道料金の影響等もあることから、利用者の理解を得るのが難しく、耐震化が進みにくいという一面にもなっております。

 こういう中で、住民の安心・安全の観点から、水道施設の耐震化を早急に実施していくという必要がありますので、県としましては、計画的な施設整備を行うよう市町に対して働きかけてまいります。

 次に、荒廃森林でございますが、中山間地域を中心に過疎化、高齢化が進みまして、不在村所有者の増加などから、山林の所在や境界がわからない所有者が増えております。また、木材価格の低迷等によりまして、林業採算性が悪化し、経営意欲が低下したことから森林施業が行われず、森林の荒廃が進んでいる状況にあります。

 このため、森林の持つ公益的機能が十分発揮されず、山腹崩壊等のおそれがあるということで、住民の安心・安全な生活への影響も危惧されるということから、荒廃森林の間伐が必要となっているところでございます。

 三重県では、平成18年3月に三重の森林づくり基本計画を策定しまして、年間8000ヘクタールの間伐を目標に森林整備を進めておりますが、森林所有者の事業負担が重荷になっている荒廃森林では、従来の造林事業に加えまして国庫補助事業の条件不利森林公的整備緊急特別対策事業の導入など、これも検討しながら荒廃森林の整備を進めてまいりたいと考えております。

 さらに、境界の不明確な森林や不在村所有者、小規模所有者等の森林等で、間伐がされず荒廃している森林につきましては、これは新しく取り組むがんばる三重の林業創出事業の中で地域ぐるみで団地化を図り、施業の集約化及び低コスト化を実現しまして、森林生産活動による間伐を積極的に進めてまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。



◎政策部理事(藤本和弘) 集落には固有の祭り、行事等の伝統文化が多くあるが、消滅あるいはその危機に陥っていると、「美し国おこし・三重」で解決できるのかというお尋ねでございますが、まず、「美し国おこし・三重」では、地域をよりよくしていこうとする、住民の皆さんによります自発的な地域づくりの活動を支援していく取組でございます。その活動が自立・持続できる仕組みをともに考え、そして、あわせて交流・連携を進めまして、地域の活性化につなげていきたいということでございます。

 地域に固有の祭りや行事等の伝統文化を維持していくことも、確かに地域づくりの大切な要素であると認識をしております。このため、地域の皆さんには、「美し国おこし・三重」のいろいろな支援がございますので、それを活用していただきまして、魅力ある地域づくりを進めていただければというふうに考えております。

 それによりまして、人と人、人と地域、人と自然のきずなが紡がれ、そこに住む人々が元気で生き生きとし、独自の魅力を発信し続ければ、ほかの地域の人々と交流が起こってくるというふうに考えております。

 こうしたことによりまして、解決そのものにベストということではないかとは思いますけれども、その一助にはなるのではないかというふうに、活用次第では十分可能かなというふうに考えております。

 こういうきずな、交流を大切にしまして、この地で暮らしたい、暮らし続けたい、訪れたいと感じることのできるような「美し国・三重」をさらに磨き上げていきたいというふうに考えておりますので、よろしく御理解をいただきたいと思います。



◎県土整備部長(野田素延) 道路整備につきましてお答えいたします。

 過疎地域などにおきます道路整備につきましては、地域の安全・安心だとか、それから、生活の利便性を確保するという視点が重要であるというふうに考えてございます。

 このため、県といたしましては、災害などの緊急時におきます救助救援活動、それから、復興活動を支え、各地域の防災拠点等を結ぶ道路、それから、合併後の市町の一体化を促進し、公共施設等の拠点を結ぶ道路につきまして、現在重点的に整備を進めることとしているところです。

 過疎地域等に至る主要な道路につきましては、そのほとんどを緊急輸送道路や合併支援道路に位置づけているところでございまして、引き続きこれらの道路整備を着実に進めてまいりたいと考えてございます。

   〔30番 青木謙順議員登壇〕



◆30番(青木謙順) 部局のほうから、それぞれの現状は理解しました。

 恐らく水に関することは、今、環境森林部に答えていただきましたけども、災害が実際起こったときには恐らく企業庁のほうも御活躍であるのかなと思いながらでございますけど、ちょっと時間が押しておりますので、まとめに入りたいと思いますが、私がこの調査をしまして一番感じたことは、いろいろ今お答えいただきましたけども、その施策がばらばらで行われていくとするならば、余り効果は出ないんじゃないかなということでございます。

 例えば、東紀州については、17年当時だったと思いますけども、特別委員会をつくり、当時の森本委員長をはじめ、これまでの様々な御尽力によりまして、東紀州対策局ができて、そして、進行管理も含めた全体調整が可能な体制に現在なっておりますと私は感じております。

 しかしながら、中南勢地域をはじめ、他の地域の超高齢化地域対策については、どこが一体責任を持ってこれから進行管理や全体調整を行うのかが見えてこないということであります。今後は、ひょっとしたら地域支援担当理事が行っていかれるのかなと思ってみたり、今回、政策部で調査されたわけですけども、報告を決してまとめっ放し、分析しっ放しではなくて、施策の進行管理や成果の毎年の検証をきちっと実施をして、そして、議会に報告もしてほしいと思うんですけども、担当になる部長か理事、御答弁いただきたいと思います。



◎政策部長(渡邉信一郎) 今回の高齢化地域の調査は私ども政策部で実施しておりまして、これの総合的な対策も私どものほうで関係部局と調整しながらまとめております。したがいまして、今後、政策部が中心となりまして、関係部との連携をし、総合的に進めてまいりたいと考えております。

   〔30番 青木謙順議員登壇〕



◆30番(青木謙順) ありがとうございました。

 今回、地域の課題というのをいろいろと取り上げさせていただきました。よく考えてみると、超高齢化地域といっても、少し前は普通の高齢化地域であったと思います。それから、その前は、ひょっとしたら何も心配しなくてもいい平和な村、田舎だったかもしれません。

 今回、バスのことは、一昨日、話が出ましたので、省略させてもらいますけども、例えば美杉地域ではコミュニティーバスが走っておりまして、県立一志病院に行くのに片道900円、往復1800円かかるところにお住まいの方もあります。年金生活で、本当はもっと通院したいなと思っていても、回数を減らさざるを得ない、そういう実態もございますので、一志病院のことはもう先ほど終わりましたので、また触れておりますけども、過疎対策が遅れたために人口が激減し、病院経営にも悪影響を及ぼしているとも考えられると思います。

 ここで県がきちんとした取組をしなかったら、都市部を含めて三重県中がどんどんマイナスのほうに進んでいく可能性も否定できません。先ほどのグラフで約90%の人がずっとどんな不便でも暮らし続けたいと、そこに暮らしたいという人がおるわけですので、そういう方が暮らし続けられるような、そういう地域づくりができますことを強く願いまして、時間が短くなってまいりましたので、次の質問に移らせていただきます。

 教育問題につきましては、大きく二つのことをお伺いいたします。

 一つ目は、三重県における来年度の教育方針です。

 県はこれから2年間、次期教育振興ビジョンの策定に着手されますが、現在は、平成11年3月に策定されました三重県教育振興ビジョンに基づいて、3年ごとに推進計画が出されております。また、三重県内の各市や町におきましては、それぞれの市町教育委員会における来年度の教育方針が近々打ち出され、それに伴う予算が示される予定だと思います。

 市や町によっては市長や町長の次年度の施政方針演説の後、直後に必ず教育委員長が教育方針を述べられるところがございまして、29市町のうち、聞くところによりますと、半数以上がそうしてみえると伺っております。かつて亀山市の教育委員長だった長田議員もそう言ってみえました。冊子を持ってみえました。

 そこで、この際、すばらしい教育理論は十分承知しておるんでございますけども、いつも質問者の顔を微動だにせずにじっと見つめる姿勢のいい竹下教育委員長に、三重県における来年度の教育方針について述べていただきたいと存じます。

 二つ目は、午前中に我が会派の中川議員から多岐にわたって教育に関する質問もございましたが、特にいじめ問題解決のための取組について質問させていただきます。

 県民の皆さんから受ける相談で、学校教育の中でのトラブルは後を絶ちません。その多くは、本当に残念ながら教員とのトラブルといじめ問題です。特にいじめ問題は深刻です。また、その相談には県から派遣された人権教育主事が地域の高校生の仲間の会を通じて乗るケースも多いようです。

 いじめ問題の傾向ですが、小学校高学年から高校生ぐらいになると、いじめによる人間関係はかなり複雑になっています。いじめをしている側は余り罪の意識を持たず、悪ふざけのつもり、冗談の延長線のつもり、そして、複数でいじめる傾向にあると聞いています。例えば、何もしていないのに、びんたを突然される、ガムの食べかすを衣類につけられる、無視をされる、そんなことが毎日繰り返され、しかも、相手は集団です。

 いじめる側は悪ふざけのつもり、冗談の延長線のつもりでも、いじめられる側の精神的苦痛ははかり知れません。当然、される側は精神的に衰弱し、孤立していきます。運よく子どもの変化に親等が気づき、大人が介入しても、当事者同士の関係の修復はかなり難しいようです。

 そうした場合には、まず、いじめる側に事情を聞きます。でも、いじめる側に余り罪の意識はありませんから、悪ふざけのつもり、冗談の延長線のつもりだったと答えるだけで、反省は望めません。それどころか、そのことで注意を受けたと、より一層いじめが加速するおそれが多分にあります。また、その加速するいじめを常に監視し、防ぐのは物理的に相当難しいようです。

 さらに、担任教師が、いじめている人たちは悪ふざけのつもりだったのだから、あなたも頑張りなさい、あなたが変わりなさいと、逆にいじめられる側に打開策を求めるケースもあるようです。

 すると、いじめられる側は何もしていないのに、自分が悪いのではとか、我慢が足りないのかとか、周りとの人間関係を形成できないと考えて、さらに自分を追い込んでしまいます。ついには学校に行けない、引きこもってしまうなど、自分が望まない生活を強いられ、最悪は自ら命を絶ってしまうことなどの事例は全国でも少なくありません。

 そこで、現在、いじめ問題解決のためにどのような取組をされているのかを教育長にお伺いします。

 以上です。

   〔竹下 譲教育委員会委員長登壇〕



◎教育委員会委員長(竹下譲) 教育の重要性というのはだれしもが認めるところですが、その教育の内容の中で、私が最も重要なものだと考えておりますのは、学力の育成、それから、社会規範とかコミュニケーション力とかそういうものを含めての知力の育成、それから、体力の育成だろうと思っています。

 こういう三つの内容、これが基本方針になるというふうにかたく信じておりますが、これを私が教育委員になってから以後もずっとすべての教育委員が承認するところで、この三つの内容を実現しようということで、愚直に進めてきました。来年度もこの愚直な基本方針を続けようと思っています。

 そして、それを具体化するためにいろんな施策を事務局を含めてみんなで頭をひねっていますし、その中身のほとんどはこれまでもやってきた、例えば少人数教育とか、そういうものの継続ということになりますけれども、新しい改善策もとろうとしております。

 ただ、そういういろんな改善策をこれまでも施してまいりましたけれども、県民の皆さんがこの数年間の間に三重県の子どもたちの学力が上昇したというふうに考えてくれているか、あるいは体力が向上したというふうに考えてくれているかということになりますと、どうも不安でならないというところがあります。

 それから、例えば文部科学省も学力テストという、あるいは体力テストということを2年ほど前から始めておりますけれども、この学力テストは、三重県は真ん中辺、それから、体力テストのほうは、私は自信があったのですが、それとは逆にもう最下位に近いような状況であったというような事実も突きつけられております。

 そこで、そのための改善策もこれから講じていかなくてはならないんですけども、今まで考えてきた以上にいい方法があるかということになりますと、なかなかそういうものが見つからないと。

 そこで、まだこれは始めてから時間がたっていませんけれども、学力テスト、体力テストで全国で1位、2位だった秋田県と福井県、こういうところの教育委員長とつき合うようにしております。この数週間つき合っていまして、いろんな知恵を拝借しようというふうに考えておりますが、今まで聞いている範囲内では、三重県でもそんなことはやっているなというふうなことでして、なかなかいいことではない。

 ただ、教育委員長はアマチュアですから、教育のプロではなくて、私も同じですけれども、いわゆるレイマンということで、素人がやっておりますので、秋田県は女性の社長ですけれども、ある会社を運営している社長さん、それから、福井県の場合には僧侶がやっているというふうなことで、お坊さんがやっておられますので、そういう方々の目で見て、何かいいものがないかなというふうな形で感じたもの、できれば現場を見てほしいという私の無理な注文もつけておりますけれども、現場を見て、こういうところが秋田県にとっていいんじゃないか、あるいは福井県にとっていいんじゃないかというようなことがあれば教えてくれというふうな形で、今、交流を図っております。

 それから、それに加えまして、三重県よりもずっと芳しくなかった大阪府がありますけれども、大阪府のほうもそういうメンバーの中に加わっていまして、交流しようということになっておるんですけれども、あちらのほうは悪い例として見習いたいなと思っておるんですが、大阪府は大阪府のほうでもうすぐ改善だというふうな形で、今、学力に関しては全く新しいものをつくり出したということを聞いております。そして、それについては早速資料を送ってもらっておりまして、それを今三重県の教育委員会事務局の担当のほうで検討してもらっているという段階ですので、これからそういうことを考えまして、いろいろな愚直な基本方針を愚直ではなくてスマートに実現していきたいなというふうなことを考えております。

 以上です。

   〔向井正治教育長登壇〕



◎教育長(向井正治) 議員お尋ねのいじめ問題の解決のための取組でございます。

 いじめ問題につきましては、その重大性というものを教職員全員が認識するということが最低限必要だと思っております。そのためには校長を中心として、やはり協力体制をとっていくということが必要です。家庭、地域と連携しまして解決に向けて取り組んでいくということでございます。

 本県でも、これまでも教員がいじめに関する総点検を行ったり、リーフレット等の啓発資料を使って指導をしていくとともに、生徒が主体となって学校見守り隊というふうな活動を実施すると、いじめ防止のための取組を徹底しているところでございます。

 また、各学校では教育相談担当者を中心にしましてスクールカウンセラー、そういったところの活用も図りながら学校の相談機能を充実させまして、児童・生徒の悩みを受けとめる取組を継続的に行っているところでございます。

 教育委員会といたしましては、いじめは人間として絶対に許されないと、基本的な人権の問題というふうに認識しております。未然防止、早期発見、早期対応の取組を一層徹底するとともに、教育相談体制の確立に向けた取組を学校へ行っておりますが、そういったところへの支援というものを充実してまいりたいと考えております。

 また、新たに今日の新聞にも出ていましたけども、携帯電話が非常に普及しております。そういったのを使いましたネットいじめの発生も見られますことから、来年度につきましては、新たにすべての公立中学校、高等学校を対象としました事業に取り組むことといたしております。

 具体的には、学校非公式サイトと言われるサイトの検索、監視等を行いまして、悪質な書き込みにつきましては削除を行うと、警察等関係機関との連携したネットいじめの被害防止対策を実施してまいりたいと考えております。

 以上でございます。

   〔30番 青木謙順議員登壇〕



◆30番(青木謙順) ありがとうございました。

 私も副住職歴30年目を迎えますので、しっかり頑張りたいと思いますが、今、教育長のお話の中にいじめの取組というのがあったわけでございます。

 来年度の教育委員会の施策の中で二つほど僕はいいなと思うのがありまして、一つは、先ほど東京都と三重県しか取り組んでいないんですか、学校非公式サイト対策推進事業、非常に期待しておるわけであります。

 もう一つは、社会の変化やニーズに的確に対応する教育の推進の中の医学部進学向上対策支援事業、さっき医師不足の話もあったんですけども、医師不足の顕著になる五、六年前から、こんなことを教育委員会の人や健康福祉部の方と話しておったんですけども、医師になりたいという夢も能力もある小・中学生が家庭的とか経済的な理由で途中で断念、中学生のときとか高校生になってからとか、そういった理由で断念せざるを得ない状況を何とかできないのかと訴えていたときがあるんです。少しそういう意味では光が見えてきたのかなと、あとは奨学金制度もそういったつなぎが要るわけですが、学校に入るだけでも厳しいですけど、やっぱり医学の専門の本とか非常に高価でございますので、その辺、医者の道が切れないような形のサポートが今後できればいいなという私の思いがございます。

 そのサイトのほうはそういった進めでございますけども、学校におけるいじめ問題は、学校側の対応として多く見られるのが、残念なことなんですけど、学校の名誉を守るためとか、教師の保身のためか、クラブの対外試合の影響を心配してか、上司である学校長に報告をしていないのか、なかなかいじめと認めない事例が多く見られます。

 私も最近かかわった事例で、いじめの被害者から相談を受けて、直接、学校長にちょっと内々で連絡をしたんですけども、その事実の把握はできていませんでした。

 その被害者は担任教師の心ない言葉というか、そういったことに精神的に追い込まれていまして、しかし、学校を休むと勉強が遅れるということで、無理に学校に行きましたが、とても授業を受ける精神状態にありませんでしたので、担任に早退を勧められたそうです。担任教師はことの重大さに気づいていたと思いますが、上司の学校長に報告していなかったということでございます。

 本気で苦しんでいる子どもたちのために解決する意思があるなら、自分の身を守るというよりも、相談をしてほしいなと思うわけでありますけども、しっかりした体制があってこそ、生徒の信頼を得られる学校ではないかと思いますので、特に一人の人間の命がかかっているわけですから、学校側の体質改善、こういうのも不可欠じゃないかと思います。

 また、いじめ問題への現実的な対応の一つに転校という方法があると思うんですけども、特に高等学校については義務教育ではないとか、受験が伴う、科やコースが違うなど幾つかのハードルとか、それから、住所を遠方に移さなければ、一家で転居するとか、そういうことをしなければならないと、非常に難しいルールがありまして、被害者なのに苦渋の選択を強いられるわけです。

 転校は逃げるのではなくて、環境を変えて再出発をするという観点に立って、環境を変えてやり直したいのに、それができないのでは、被害者はもう八方ふさがりになります。いじめによる救済措置を含めた転校制度の改革が必要ではないではないかなと思います。

 学校の枠組を越えた機関として、いじめ問題に関する、例えば相談所の設立に取り組むべきだと思うんです。その相談所、どんな名前かわかりませんけども、心のケアも含めたいじめ問題の具体的処方せんを提示する機関とする必要がございます。そんな子どもの再出発を学校制度や大人の都合で妨げることがあってはいけない。そこで救われた子どもたちはきっと人の痛みのわかる優しい大人になると思います。

 そこで、デリケートな問題ですが、幾つかのかかわった事例で私が思ったことです。当然ほとんどの学校や教師の皆さんは多忙な中で一生懸命教育活動に取り組んでみえると思います。しかし、当事者のために周りの大人が人間関係をきちんと修復することが本当に難しいならば、こうした制度を改善していく必要が極めて高いと思いますが、いかがでしようか。



◎教育長(向井正治) 議員から幾つかのお話をいただきました。

 まず、相談体制でございますけども、県教育委員会につきましては、そういった事務局に相談を受け付ける窓口もございます。そういったところで解決に向けまして、学校に対して直接指導を行うこともやっておりますし、また、スクールカウンセラー等を派遣して、子どもの心のケアに取り組むといったことも取り組んでおります。

 また、転校問題につきましては、義務教育につきましてはそういった法的な規定がございますけども、高等学校についてはそういう規定はございませんが、県の教育委員会といたしまして、転校で保護者の転勤を伴わないという場合に、そのときの転校の事象としまして、一つに、いじめ等の被害に遭っているものという文書を出させていただいております。これは平成9年に出させていただいておりますが、それの適用といったことで、転校も可能ということでございます。

 以上でございます。

   〔30番 青木 謙順議員登壇〕



◆30番(青木謙順) 通達を見せてもらいましたけど、紙1枚ぺらっと、本当に徹底しておるのかなと思います。時間もありませんので、しっかりこの辺の現実を直視していただきまして、これから子どもたちのためにお願いします。

 今日のテーマは、質素でもいい、安心して暮らしたい、どこでもいい、安心して教育を受けたい、そういう人間の願いをかなえるべく、これからも県政で皆さん頑張っていただきたいと思います。

 以上、私の質問といたします。(拍手)



○副議長(岩田隆嘉) 以上で、本日の県政に対する質問を終了いたします。

 これをもって本日の日程は終了いたしました。



△休会



○副議長(岩田隆嘉) お諮りいたします。明27日から3月1日までは休会といたしたいと存じますが、御異議ございませんか。

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○副議長(岩田隆嘉) 御異議なしと認め、明27日から3月1日までは休会といたすことに決定いたしました。

 3月2日は、引き続き定刻より、県政に対する質問を行います。



△散会



○副議長(岩田隆嘉) 本日はこれをもって散会をいたします。

               午後3時0分散会