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三重県 三重県

平成20年第2回定例会 10月01日−05号




平成20年第2回定例会 − 10月01日−05号









平成20年第2回定例会



                平成20年第2回

              三重県議会定例会会議録



                 第 5 号



            〇平成20年10月1日(水曜日)

          ──────────────────

              議事日程(第5号)

                  平成20年10月1日(水)午前10時開議

 第1  県政に対する質問

     〔一般質問〕

 第2  議案第1号から議案第19号まで並びに認定第1号から認定第4号まで

     〔質疑、委員会付託〕

 第3  議案第20号

     〔提案説明、採決〕

          ──────────────────

              会議に付した事件

 日程第1  県政に対する質問

 日程第2  議案第1号から議案第19号まで並びに認定第1号から認定第4号まで

 日程第3  議案第20号

          ──────────────────

             会議に出欠席の議員氏名

 出席議員  50名

    1  番              山 中  光 茂

    2  番              津 村    衛

    3  番              森 野  真 治

    4  番              水 谷  正 美

    5  番              村 林    聡

    6  番              小 林  正 人

    7  番              奥 野  英 介

    8  番              中 川  康 洋

    9  番              今 井  智 広

    10  番              杉 本  熊 野

    11  番              藤 田  宜 三

    12  番              後 藤  健 一

    13  番              辻    三千宣

    14  番              笹 井  健 司

    15  番              中 村    勝

    16  番              稲 垣  昭 義

    17  番              服 部  富 男

    18  番              竹 上  真 人

    19  番              青 木  謙 順

    20  番              末 松  則 子

    21  番              中 嶋  年 規

    22  番              水 谷    隆

    23  番              真 弓  俊 郎

    24  番              北 川  裕 之

    25  番              舘    直 人

    26  番              日 沖  正 信

    27  番              前 田  剛 志

    28  番              藤 田  泰 樹

    29  番              田 中    博

    30  番              大 野  秀 郎

    31  番              中 森  博 文

    32  番              前 野  和 美

    33  番              野 田  勇喜雄

    34  番              岩 田  隆 嘉

    35  番              貝 増  吉 郎

    36  番              山 本    勝

    37  番              吉 川    実

    38  番              森 本  繁 史

    39  番              桜 井  義 之

    40  番              舟 橋  裕 幸

    41  番              三 谷  哲 央

    43  番              中 村  進 一

    44  番              西 塚  宗 郎

    45  番              萩 野  虔 一

    46  番              永 田  正 巳

    47  番              山 本  教 和

    48  番              西 場  信 行

    49  番              中 川  正 美

    50  番              萩 原  量 吉

    51  番              藤 田  正 美

   (52  番              欠      員)

   (42  番              欠      番)

          ──────────────────

          職務のため出席した事務局職員の職氏名

   事務局長               大 森  秀 俊

   書記(事務局次長)          高 沖  秀 宣

   書記(議事課長)           青 木  正 晴

   書記(企画法務課長)         内 藤  一 治

   書記(議事課副課長)         岡 田  鉄 也

   書記(議事課主査)          平 井  靖 士

   書記(議事課主査)          鈴 木  さおり

          ──────────────────

            会議に出席した説明員の職氏名

   知事                 野 呂  昭 彦

   副知事                望 月  達 史

   副知事                安 田  敏 春

   政策部長               坂 野  達 夫

   総務部長               福 井  信 行

   防災危機管理部長           東 地  隆 司

   生活・文化部長            安 田    正

   健康福祉部長             堀 木  稔 生

   環境森林部長             小 山    巧

   農水商工部長             真 伏  秀 樹

   県土整備部長             野 田  素 延

   政策部理事              山 口  和 夫

   政策部東紀州対策局長         林    敏 一

   政策部理事              藤 本  和 弘

   健康福祉部こども局長         太 田  栄 子

   環境森林部理事            岡 本  道 和

   農水商工部理事            南      清

   農水商工部観光局長          辰 己  清 和

   県土整備部理事            高 杉  晴 文

   企業庁長               戸 神  範 雄

   病院事業庁長             田 中  正 道

   会計管理者兼出納局長         山 本  浩 和

   政策部副部長兼総括室長        渡 邉  信一郎

   総務部副部長兼総括室長        北 岡  寛 之

   防災危機管理部副部長兼総括室長    細 野    浩

   生活・文化部副部長兼総括室長     長谷川  智 雄

   健康福祉部副部長兼総括室長      南 川  正 隆

   環境森林部副部長兼総括室長      長 野    守

   農水商工部副部長兼総括室長      梶 田  郁 郎

   県土整備部副部長兼総括室長      廣 田    実

   企業庁総括室長            浜 中  洋 行

   病院事業庁総括室長          稲 垣    司

   総務部室長              中 田  和 幸



   教育委員会委員長           丹 保  健 一

   教育長                向 井  正 治

   教育委員会事務局副教育長兼総括室長  鎌 田  敏 明



   公安委員会委員            永 井  康 興

   警察本部長              入 谷    誠

   警察本部警務部総務課長        久 保  博 嗣



   代表監査委員             鈴 木  周 作

   監査委員事務局長           天 野  光 敏



   人事委員会委員            楠 井  嘉 行

   人事委員会事務局長          溝 畑  一 雄



   選挙管理委員会委員長         大 橋  純 郎

   労働委員会事務局長          吉 田  敏 夫

          ──────────────────

             午前10時0分開議



△開議



○議長(萩野虔一) ただいまから本日の会議を開きます。



△諸報告



○議長(萩野虔一) 日程に入るに先立ち、報告いたします。

 議案第20号が提出されましたので、さきに配付いたしました。

 次に、今期定例会の開会日までに受理いたしました請願6件は、お手元に配付の文書表のとおり所管の常任委員会に付託いたしますので、御了承願います。

 なお、陳情の受付状況は、お手元に配付の一覧表のとおりであります。

 次に、例月出納検査1件が提出されましたので、お手元に配付いたしました。

 以上で報告を終わります。

          ──────────────────



△追加提出議案件名

 議案第20号 収用委員会委員の選任につき同意を得るについて

          ──────────────────



△議案第20号

   収用委員会委員の選任につき同意を得るについて

 収用委員会委員に次の者を選任いたしたいから、土地収用法(昭和26年法律第219号)第52条第3項の規定に基づき同意を得たい。

  平成20年10月1日提出         三重県知事  野 呂 昭 彦



  住    所                 氏    名

四日市市安島二丁目11番1号           渕 野    睦

提案理由

 収用委員会委員の選任については、県議会の同意を要する。これが、この議案を提出する理由である。

          ──────────────────



△請願文書表




請願文書表


(新 規 分)



 生活文化環境森林常任委員会関係


受理
番号件名及び要旨提出者・紹介議員提出された
定例会


35

(件 名)

 「外国人学校の処遇改善」を求めることについて


(要 旨)

 日本には現在、200万人を超える外国人が暮らしており、210校以上の外国人学校がある。外国人たちは自力で学校を運営し、子どもたちに自国の言葉や文化を教えながら、近隣の日本学校、地域住民との相互理解を深めている。また、外国人学校で学んだ子どもたちは、日本の「多文化共生社会」実現のため様々な分野で貢献している。しかし、外国人学校に対する日本政府や自治体からの支援は十分でなく、学校経営を寄付に頼らざるを得ない状況である。

 指定寄付金制度は、公益を目的とする事業を行う法人等に対する寄付金のうち、学校の改築工事など、公共性が高く緊急を要するもので、多くの人を対象に募集される寄付について、学校等への一般の寄付よりもさらに手厚い優遇措置を寄付者が受けることができるものである。個人としての寄付にも一定額まで所得控除が認められ、とりわけ法人なら寄付金すべてが「損金」、つまり経費と同様に参入されるため、法人からの寄付を集める上で非常に効果のある制度で、日本の学校やインターナショナルスクールには以前より適用されてきた。

 特定公益増進法人制度は、日常的な学校運営費等への寄付について適用される税制度上の優遇措置である。日本の私立学校には従来から適用されており、2003年4月からはインターナショナルスクールが対象になっているが、朝鮮学校や中華学校、ブラジル人学校は対象になっていない。

 日本弁護士連合会は2008年3月、日本政府に対して、このような差別的な取り扱いを改善し、朝鮮学校や中華学校、ブラジル人学校などにも税制上優遇措置を適用するよう勧告を出した。三重県では「三重県国際化推進指針〜多文化を共に生きる三重を目指して〜」を2007年3月に策定し、多文化共生社会の実現を目指しているところであるが、県内で認可されている四日市朝鮮初中級学校とブラジル人学校・ニッケン学園は上記制度の対象にはなっていない。校舎の耐震問題や高い保護者負担もあり、指定寄付金制度と特定公益増進法人制度の、すべての外国人学校への適用は同校にとっても喫緊の問題となっている。

 以上のような理由から、2008年3月の日弁連勧告のとおり、すべての外国人学校が指定寄付金制度と特定公益増進法人制度の適用対象となるよう、国の関係機関に意見書を提出されたく請願する。
津市桜橋2丁目
142番地
三重県教育文化会
館内
日朝友好三重県民
会議
 会長 鈴木逸郎

(紹介議員)
 舘   直 人
 藤 田 正 美
 野 田 勇喜雄
 竹 上 真 人
 中 嶋 年 規
 今 井 智 広
 真 弓 俊 郎
20年2回


 健康福祉病院常任委員会関係


受理
番号件名及び要旨提出者・紹介議員提出された
定例会


36

(件 名)

 難病対策の充実について


(要 旨)

 国は、昨年12月特定疾患対策懇談会において、特定疾患の医療費公費負担の対象となっているパーキンソン病や潰瘍性大腸炎などについて軽症中等症患者を対象外とする方針を出した。その後国会での与野党一致した難病対策議論を踏まえ、平成20年度は現行のまま治療費公費負担を継続することで決した。しかし、平成21年度以降は白紙のままとなっている。

 ところで、パーキンソン病は、50代後半から発症する例が多く、家族の生活の中心者、年金生活者等が占め、潰瘍性大腸炎これら患者は、若年で発症することもあり就職することもままならなく、経済性に不安を抱える者もいる。公費負担が無くなると、まさに死活問題となっている。

 軽症中等症者に対する公費負担が対象外となれば、これら患者は原因不明の進行性、再現性のある病気であるから、軽症の間は治療せず家族等の助けを得て経過してもいずれ重症合併症を引き起こしかえって多額の医療費を要する。従って重症に発展する前の軽症中等症の間の公費負担により少しでもそれを抑制する治癒推進が、家族及び社会にとって得策である。

 よって、国においては、特定疾患に対する現行の医療費公費負担制度を堅持されることを強く要望する。

 また、?型糖尿病患者に対しては、小児慢性特定疾患治療研究事業より、20歳までは治療費の一部を負担してもらうことが出来るが、20歳になったとたん助成の制度が切れてしまう。しかし、インスリン自己注射は生涯続けなければいけないことから20歳以降の治療は患者にとって大変な負担となっている。?型糖尿病患者に対し、生涯にわたって医療費の補助をして頂けるよう要望する。

 また、膠原病の治療薬を必要な患者に使えるように認可をお願いする。一部の免疫抑制剤はリウマチでは使えても症例の少ない膠原病の場合には、保険が利かない薬がある。
 それに毎年の特定疾患の更新時には、診断書が必要となっている。特定疾患患者の中には働くことがままならない、低所得の人もみえる。その患者にあっては、小児慢性疾患の更新時のような処置をとっていただければ、診断書料が軽減される。

 以上請願の趣旨について貴議会において採択いただき、下記の難病対策事業の充実を求める意見書を国会及び政府に対し提出願いたく、ここに請願する。


          記


1 現在の特定疾病であるパーキンソン病・潰瘍性大腸炎の公費負担の継続

2 ?型糖尿病患者の年齢制限について

3 膠原病の治療薬の認可について

4 特定疾患の更新時の診断書の公費負担について
松阪市岩内町614
番地
特定非営利活動法
人 三重難病連
 会長 河原洋紀

(紹介議員)
 野 田 勇喜雄
 舘   直 人
 藤 田 正 美
 今 井 智 広
 真 弓 俊 郎
 末 松 則 子
20年2回


37

(件 名)

 「保育制度改革」の見直しを求める意見書の提出を求めることについて


(要 旨)

 私ども保育所では、子どもたちの保育はもとより、核家族化の中で生じる育児不安や育児放棄、さらには児童虐待に対応するため、それぞれの家庭の状況に応じたきめ細かい子育て支援を実践しており、公的な福祉施設として地域の中で大切な役割を果たしている。

 そんな中、政府の地方分権改革推進委員会や規制改革会議などにおいては、保育をサービス産業と見なし、市場原理に基づく直接契約等の導入や保育所への入所要件の拡大などの改革議論が行われている。

 また、子どもたちの保育の質を守るために国が定めた保育内容、設備、職員配置などについての最低基準を引き下げ、地方において自由に決定できるようにすべきであるとの勧告も出されている。

 こうした議論では、選択者(保護者)の意向のみが強く反映され、過度の競争を強め、子どもの福祉が軽
視されたり、少子化が進行し財政事情が厳しい過疎地などの地方への配慮を欠く恐れがあり、地域の保育機能を崩壊させる懸念がある。

 保育は単なる託児ではなく、子どもに良好な育成環境を保障し、次代の担い手を育成する公的性格を持つものである。

 よって、議会におかれては、保育制度の議論は子どもの立場に立ち、地方の実状をしっかりと踏まえて行うべきであるとの観点から、以下の事項について政府に対して意見書を提出していただくよう請願する。


          記


1 少子化社会の中にあって、次代を担う子どもの育成については、これまでに増して国と地方が共に責任を持って推進すべきであり、「認定こども園」の制度運用にあたってもこうした理念をもとに取り組まれること

2 保育所への入所要件の拡大は、保育に欠ける児童の福祉の後退を招かない措置を講じるとともに、国及び地方の必要な財源確保を前提として行うこと

3 保育所には、市場原理に基づく直接契約等の導入は子どもの福祉の低下を招くものであり、導入すべきではないこと

4 保育所の地域格差を生み、福祉の後退に繋がる恐れのある最低基準の見直しや運営費の一般財源化を行うべきではないこと
津市桜橋二丁目
131
三重県社会福祉会
館2F
三重県社会福祉協
議会内
三重県保育協議会
 会長 森本敏子
     外3名

(紹介議員)
 末 松 則 子
 野 田 勇喜雄
 舘   直 人
 真 弓 俊 郎
 藤 田 正 美
 今 井 智 広
20年2回


 教育警察常任委員会関係


受理
番号件名及び要旨提出者・紹介議員提出された
定例会


38

(件 名)

 「学校安全法」(仮称)の制定をはじめとする総合的な学校の安全対策を求めることについて


(要 旨)

 近年、学校への「不審者」の侵入による殺傷事件、震災や大雨などによる自然災害、O−157やノロウィルスをはじめとした健康被害、通学路での通り魔事件など、学校内外で子どもたちが被害者となるさまざまな事件や事故が発生している。

 全国各地で地震災害が頻発しており、中国四川省の大地震や岩手・宮城内陸地震は記憶に新しいところである。多くの学校が避難所であることもふまえて、各自治体においては小中学校・幼稚園等の耐震補強対策が早急に図られなくてはならない。子どもたちはもちろんのこと、地域住民にとって学校施設が安心・安全な場であることが急務である。

 学校の「安心・安全」が脅かされる事態は、子どもの成長や学びにとって重大な支障となりつつある。子どもや教職員、保護者や地域の人々が安心して諸活動を営めるように学校の環境を整えていくことが求められる。

 そのためには、国や行政の役割・責任、財政上の措置、学校、家庭、地域、関係機関等のそれぞれの役割、学校の安全最低基準等、基本的な措置を明記した「学校安全法」(仮称)を制定することが必要である。そして、被害を未然に防止したり、実際に起こった場合には被害拡大の防止、被害者の精神的なケアを行ったりなど、学校内外が協働して総合的な学校の安全対策やそのための条件整備がすすめられていかなければならない。

 以上をふまえて、子どもたちが安心して学校に通い、安全が保たれたなかで学校教育が行えるよう、国の関係機関に対し、「学校安全法」(仮称)の制定をはじめとした総合的な学校安全対策を求める意見書を提出されたく請願する。
津市一身田上津部
田1234
三重県総合文化セ
ンター内 生涯学
習センター2F
三重県PTA連合会
 会長 野中良成
     外3名

(紹介議員)
 舘   直 人
 藤 田 正 美
 真 弓 俊 郎
20年2回


39

(件 名)

 30人学級を柱にした義務教育諸学校及び高等学校次期定数改善計画の策定、教育予算拡充を求めることについて


(要 旨)

 三重県では、現在、小学校1、2年生の30人学級、中学校1年生の35人学級が実施されている。少人数学級が実施されている学校では、「子どもたちが落ち着いて学校生活にとりくめるようになった」「一人ひとりにきめ細かな指導ができるようになった」「子どもが意欲的にとりくんでいる」といった保護者・教職員からの声が多くある。

 2006年に成立した行政改革推進法では、「自然減を上回る教職員の純減」「子どもの数の減少を反映した削減」とされており、また、日本の教育予算は、GDP総額のうち教育機関への支出がOECD加盟国の平均5.1%に対して最低レベル3.5%のままである。教育振興基本計画の策定にあたっては、文科省は「GDPに占める教育予算の割合を3.5%から5%へ増やす」「25,000人程度の教職員定数の改善」などの原案を提示したが、財務省、総務省などの圧力のもと、具体的な財政的保障や数値目標が盛りこまれず、7月1日に閣議決定された。教職員定数の改善や教育予算の増額は、引き続き厳しい状況にある。

 山積する教育課題の解決をはかり、未来を担う子どもたち一人ひとりを大切にした教育をすすめるためには、学級編制基準の引き下げや教育条件整備のための教育予算の増額が必要である。国は、30人学級を柱にした義務教育諸学校及び高等学校次期定数改善計画を早急に策定し、実施することが重要である。

 以上の理由から、30人学級を柱にした義務教育諸学校及び高等学校次期定数改善計画の策定、教育予算の増額を行うよう、国の関係機関に意見書を提出されたく請願する。
津市一身田上津部
田1234
三重県総合文化セ
ンター内 生涯学
習センター2F
三重県PTA連合会
 会長 野中良成
     外3名

(紹介議員)
 舘   直 人
 藤 田 正 美
 野 田 勇喜雄
 竹 上 真 人
 真 弓 俊 郎
 末 松 則 子
20年2回


40

(件 名)

 義務教育費国庫負担制度の存続と更なる充実を求めることについて


(要 旨)

 政府の「三位一体改革」のなか、2006年3月「国の補助金等の整理及び合理化等に伴う義務教育費国庫負担法等の一部を改正する等の法律」が成立し、義務教育費国庫負担制度は存続されたものの、負担率は2分の1から3分の1に引き下げられた。

 「骨太方針2008」では、「地方分権改革推進委員会」の「第1次勧告」にもとづき、「国・地方財政状況を踏まえつつ、国庫補助負担金、地方交付税、税源移譲を含めた税源配分の見直しの一体的な改革に向け地方債を含め検討を行い、順次勧告する」としている。また、「地方分権改革推進計画」を策定し、「新分権一括法案」を2009年度内にできるだけ速やかに国会に提出することも明記している。このような地方分権改革推進のなか、義務教育費国庫負担制度について議論の対象となることは必至であり、同制度の存続は予断を許さない状況である。

 義務教育費国庫負担制度は、義務教育の機会均等とその水準の維持・向上及び地方財政安定のため、国が必要な財源を保障するとの趣旨で確立されたものであり、これまで学校教育に大きな役割を果たしてきたところである。その時々の国や地方の財政状況に影響されることのない、確固とした義務教育費国庫負担制度によって、未来を担う子どもたちに豊かな教育を保障することは、社会の基盤づくりにとってきわめて重要なことである。

 以上のような理由から、義務教育費国庫負担制度が存続され、国庫負担率が2分の1へ復元されるよう、国の関係機関に意見書を提出されたく請願する。
津市一身田上津部
田1234
三重県総合文化セ
ンター内 生涯学
習センター2F
三重県PTA連合会
 会長 野中良成
     外3名

(紹介議員)
 舘   直 人
 藤 田 正 美
 真 弓 俊 郎
20年2回


          ──────────────────



△質問



○議長(萩野虔一) 日程第1、県政に対する質問を行います。

 通告がありますので、順次発言を許します。29番 田中 博議員。

   〔29番 田中 博議員登壇・拍手〕



◆29番(田中博) おはようございます。鈴鹿市選出の新政みえ、田中博でございます。

 一般質問最終日になりました。トップでこうして発言の機会をいただきましたことを、まず感謝を申し上げたいと思います。

 きのうから台風、前線のことが天気予報で言われておりまして、大変心配をしておったんですが、今、小康状態のようであります。大きな災害が出ないように祈るところですが、片方、どうも金融の世界は大変な状況のようで、どしゃ降りのようでございまして、新聞を見ておりましても、東京の取引場の株価が年初からもう100兆円ぐらい目減りをした。驚いておったんですが、日経新聞を見ましたら、世界では2000兆円目減りをしたという。思わずバブル期の実業と虚業という、そういう言葉遣いをよくしたんですが、そんなことを思い出したところです。

 本当に虚業の世界が膨れ上がって、実態が伴わないのにと言ったのは正しいのかどうか知りませんが、そのことで、実は振り回されておる。実は、原油の高騰もそんなことが大きな要因だと言われておりますので、本当に経済のかじ取り、政治のかじ取りは難しいなというふうに思わせていただくところですし、その間、三重県の議会、この9月16日に開会をいたしましたけれども、それ以降、2週間でも大変な経済の変動がございまして、県民生活が本当に直撃をされておる。

 ですが、国会はごらんのような状況で、やがて審議が始まるのかなと思いますが、その辺、しっかりとかじ取りをしていただいきたいと、こんなことを思いながら、通告をさせていただきました順番に沿いまして、質問を進めさせていただきたいと思います。

 まず、1点目は、来年度予算編成に関しましてお尋ねをしたいというふうに思います。

 今会議の代表質問あるいは一般質問等で、来年度予算編成について議論がなされてまいりました。景気の減退による税収減、それから、継続される地方交付税の抑制、財政調整基金が底をつきつつあることなどから、歳入歳出の見直しを行わざるを得ない、そうした中でも、限られた財源を集中と選択で、重点的、効率的に配分し、めり張りをつけた予算編成をする、こうした考え方を知事が特に代表質問の中で示されました。

 景気が拡大をし、県税収入が増えても、厳しい予算編成を長年強いられてきておりました。加えて、この局面で、景気後退に直面してしまいました。非常にやりきれない気持ちにもなるわけですが、ぜひ県民の生活をしっかりと支える予算編成をしていただきたいと、このように思うところでございます。

 私からは、政府が明言をしております道路特定財源の一般財源化、それと、県民しあわせプランの重点事業、交流・連携を広げる幹線道路網の整備についてお尋ねをいたします。

 予算編成に当たって、最も不透明な課題だというふうにも思っております。政府は暫定税率を維持したままでの一般財源化を明言されましたけれども、道路整備の規模や必要額は不明ですし、税制の整備も不透明なままとなっております。早急に具体的な施策を明示してもらわないと、地方は身動きができないのではないかと思っております。

 しかしながら、現在は国政の空白が続いております。そんな状況をさらに混乱させるように、道路は不要だとか、必要な道路は全部つくるだとか、また、環境だ、社会保障だ、景気対策だ、こういうふうに特定財源の分捕り合戦としか思えないような発言がどうも国会議員の間から出てきております。

 道路特定財源は国民・県民の皆さんが理解されているとおり、受益者負担の考え方に基づいて収税されている税金であります。道路を利用する自動車ユーザーが負担をし、自動車ユーザーに還元される税金であります。したがって、道路特定財源に余裕があるのであれば、現行税率を引き下げるのが本来の姿だというふうに私は考えております。

 その上で、一般財源として国民の理解を得た上で、新たな税制を構築すべきものだというふうに思います。単純に暫定税率を廃止する、あるいは、維持して一般財源化する、こんな単純な問題ではなく、国民の理解を得て、早急に明確な施策、工程を打ち出していただきたいというふうに思っております。

 また、この一般財源化は国全体の道路予算を大幅に縮減するものと、こんな形でも受けとめられておる県民の方が多いようでございます。三重県では、道路整備の必要性や緊急性などについてアンケートや地域懇談会を実施するなどして、新道路整備戦略の見直しを進めてまいりましたけれども、財源が不透明ということもありまして先送りをされている状況だというふうに思います。

 道路網の整備は産業の活性化や人・物の連携・交流にとどまらず、災害時のライフラインとしても重要な役割を担っているだけに、県民の期待が非常に強い、大きい事業であると思います。現に、一般質問でも北勢地域の道路網について質問がなされたところです。県も幹線道路網の整備を重点事業として積極的に取り組むことを県民の皆様に約束をしておりますし、知事も幹線道路を10年で完成させると、たびたび発言をされてきております。

 ところが、予算編成の時期が近いのに、現在の政治空白であります。道路財源については、全く不透明であり、道路整備が大きく後退するのではないか、こうした不安が募る状況にございます。

 知事にお尋ねをいたします。

 政府の一般財源化の方針、政治空白、そして、道路財源の望ましいあり方等々についての知事の思いをお尋ねしたいと思います。

 そして、来年度予算編成で、重点事業である幹線道路網の整備にどう対処されるお考えなのか、財源の確保を含めて、お尋ねをいたしたいと思います。

 2点目ですが、今会議冒頭の提案説明で、知事は今年4月に東京で開催された日本人ブラジル移住100周年記念式典において、天皇陛下は日本人移住者が厳しい環境の中で努力を重ね、様々な分野で活躍してきた陰には、移住者を温かく迎え入れてきたブラジル政府、ブラジル社会の御厚意があったとの趣旨の発言をされています。私も今回の訪問で、天皇陛下のお言葉を実感したところであり、グローバル化する中で、多文化共生の社会づくりに積極的に取り組んでいく必要があると感じたところです。こうした発言をされました。また、平成21年度県政運営の基本的な考え方の中でも、外国人住民が年々増加している状況を踏まえ、多文化共生の社会づくりを進めますと、こういうふうに述べておられます。我が意を得たりと非常にうれしく思いました。

 平成2年の入管法の改正後、急激に外国人居住者が増加をしております。当初はやみくもに外国人が怖いですとか、文化ギャップによっていろんなトラブルが起き、地域で敵対的な感情を抱く市民、県民も多かったというふうに思います。しかし、定住が進み、日常生活の中、買い物のときや職場、あるいは学校等で接する機会が増えるにつれ、ともに地域の仲間として暮らしていこうという声が大きくなっているというふうにも感じ取れます。

 そうした背景もあって、多文化共生を考える議員の会に参加をさせていただいたところでございます。県政のトップである知事の発言をうれしく、頼もしく感じた次第でございます。

 これまでの国際交流、国際貢献・協力、こうした考え方から多文化共生へと確実に時代の要請が移り変わっていると感じております。

 議員の会でこんな発言がありました。紹介しますが、災害時に外国人の救助や連絡をどうするのか、これは事業として課題になって挙げられているわけですが、実態は違いますよということでした。ある団地では、実は日本人は高齢者ばかり、いざというときは、団地の若い外国人に助けてもらわないともう困るんです、立ち行かないんですと。

 多くの外国人が居住されている地域の方の議員さんの発言でしたけれども、県の北部は、国内でも有数の外国人集住地域となっております。国籍や民族などの異なる人々が互いの文化的差異を認め合い、対等な関係を築こうとしながら、地域社会の構成員としてともに生きていく多文化共生の地域づくりを強力に推進していくべきだと、こう思っておりますので、提言をさせていただく次第でございます。

 三重県では、三重県国際化推進指針、多文化を共に生きる三重を目指して、これを平成19年3月に、当時、生活部が策定をしております。事業を推進する上で、多文化共生を所管する担当部署を設置することが事業のPDCAを回すためにも大変重要であると認識しておりますが、国際化推進指針には、庁内推進体制の強化策として、県庁内横断的な国際化推進庁内会議を時宜に応じて開催し、情報交換・連絡調整を行うなど、庁内の推進体制の一層の強化を図ることによって、国際化施策の充実を図ります。こういうふうに記されております。

 これらのことから、担当部署は現在の生活・文化部であり、庁内会議で関係部署との調整を行っていると受けとめておりますが、生活・文化部にどれだけの権限があり、庁内会議がどこからの指示で招集され、どれぐらい開催されているのか、私どもにはちょっとわかりません。そして、体制が不十分ではないのかと、こんなふうに感じております。各部局の事業をまとめて指針をつくったのが生活・文化部だったというふうな受けとめもしております。

 来年度予算編成に当たって、担当部署と権限をより明確にしていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。また、実際の事業は市町が中心となってまいります。協働のパートナーであるNPO、NGO、町内会、自治会、国際交流財団、あるいは各種の協会等に対する財政支援の充実も求められております。また、外国人労働者の就労状況改善など、自立ということへの支援を柱に据える必要があると思います。

 知事のお考えをお尋ねいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。

   〔野呂昭彦知事登壇〕



◎知事(野呂昭彦) まず、来年度予算編成に関しまして、道路特定財源の一般財源化の問題について申し述べます。

 道路でございますが、これは県民生活を支え、社会経済活動を活性化させるといったような、人と地域の交流・連携に大変必要な社会基盤でございます。

 しかし、本県の県管理道路の改良率でございますが、約71%でございまして、全国的に見ましても、例えば、この紀伊半島、奈良県だとか和歌山、あるいは四国、あるいは九州にもございますけれども、そういう県と並んで大変低い状況で、全国で第39位というようなことになっております。また、幹線道路網の整備も遅れておるということなどから、本県の道路整備はまだまだ十分とは言えないという状況でございます。

 このため、幹線道路網の整備を県民しあわせプラン第二次戦略計画の中におきまして、重点事業として位置づけております。そして、おおむね10年間でこれら幹線道路につきまして概成するということを目指しまして、平成17年度からは直轄事業の負担金、これも大幅に増額をいたしました。そして、国等に対しまして、事業の推進を強く働きかけておるところでございます。

 道路特定財源の一般財源化につきましては、議員のほうからいろいろとお考えがございました。私としましては、地方分権の観点から望ましいものであると、こういうふうに思っておりますけれども、一方で、地方が必要といたします道路整備がきちんと進められる仕組みであるということが大前提であると考えております。

 道路整備の財源の問題につきましては、一般財源化の具体的な中身、内容、それから、新たな中期計画の姿がどうなっていくのか。さらには、今後、今年の4月の暫定税率失効に伴う地方の減収の補てん措置、これは閣議決定はされておりますけど、まだ国会のほうの補正予算がどうなっていくのか、こういったこともわかりません。

 そういう意味では、多くの問題がいまだ不透明な状況にございますので、国の動きを注視しつつ、安定的な道路財源の確保に向けまして、国等に強く働きかけてまいりたいと、このように考えております。

 それから、多文化共生社会づくりについてお話がありました。私としての所見を申し述べて、残余につきましては、担当部のほうからお答え申し上げたいと思います。

 本県の外国人の住民でございますけれども、ここ10年で約2倍になっております。昨年12月末では5万人を超えるということに至っておるところであります。それから、県内の人口に占める割合でございますけれども、2.76%でございまして、これは東京都、それから、愛知県、これに次いで、全国で3番目に高いという状況にございます。

 こうした中で、多文化共生社会づくりにつきましては、既に第一次戦略計画におきまして、重点プログラムに位置づけておりまして、先導的な取組を行ってまいりました。第二次戦略計画におきましては、これをさらに進めまして、舞台づくりプログラムとして、生活・文化部が主担当となりまして、庁内をはじめ、市、町、NPOなど、多様な主体と連携して取り組んでおるところでございます。

 とりわけ多文化共生社会づくりは、教育をはじめ、福祉、医療、防災など幅広い分野にわたっておりますことから、各分野のネットワークを強化いたしまして、総合的に取り組んでいくということが必要でございます。また、こうした取組におきます企業の役割というもの、これは大変また重要でございまして、本年1月に、東海三県一市、愛知、岐阜、三重、それから、名古屋市でございますが、それと、経済団体の協力を得まして、外国人労働者の適正雇用と日本社会への適応を促進するための憲章というのをつくりました。

 この中では、外国人労働者の皆さんに対して理解を深めるとか、あるいは社会参画の機会を確保していかなきゃいかんとか、あるいは労働関係法令等の遵守とか、幾つかございまして、これを自主的にぜひ進めていこうというようなことで、三重県のほうも、三重県商工会議所連合会や商工会連合会、あるいは経営者協会、あるいは中小企業団体中央会、こういったところもこの宣言の中に、憲章の中に参加をしていただいております。四日市商工会議所と連携しまして、セミナーの開催などもしておりまして、今、企業の自発的な取組を促進しておるところでございます。

 それから、議員のほうからもいろいろお話がありましたが、私、8月にブラジルを訪問したわけでございます。ブラジルで多くの日系人が大変活躍をされておりました。それはもちろん日系人の皆さんが大変な御苦労を重ね、そして、努力をされてきたということはもちろんあるわけでございますけれども、一方で、やはりブラジル政府とブラジル社会の御厚意があった、受け入れる温かさというのが社会にあった、そういったことを大変実感したところでございます。

 今現在、三重県には2万人を超えるブラジル人の方々がいるわけで、こうした多くの外国人住民でございますが、現実、今、日本の産業の中で大変元気だと言われてきた三重県の産業を支える大きな力となってきていただいたところであります。

 こうした外国人住民が三重県におきまして安心して暮らすことのできる社会とするため、引き続き、多文化共生社会づくりに積極的に取り組んでいく必要があると考えておるところでございます。

   〔29番 田中 博議員登壇〕



◆29番(田中博) ありがとうございました。

 非常に不透明な要素が多い道路関係の予算ですけども、国の情報の収集、それから、可能な限りの国へのアクションを引き続きお願いをしたいというふうに思います。

 副知事が三重県でいろいろ御活躍をいただいて、お世話になったわけですが、国に戻られるということもございます。ぜひ地方の状況等々も一緒にお持ち帰りをいただいて、またぜひ国の中で御活躍をいただければと、こんなこと蛇足でございますが、つけ加えさせていただきたいと思います。

 外国人の問題です。非常に平成2年当時、外国人が入り始めたころと比べますと、大変状況の変化が来ております。そういう意味では、外国人の方も自立をしていく、その段階になったのかなと思っております。ただ、大変人数が増えておりまして、鈴鹿市で言いますと、県は2.数%という人口構成比でしたが、1週間ほど前にお聞きしましたら、もう鈴鹿市は登録が1万300人ということで、5%という形にもなっております。共生が本当に大きなテーマとして進めなきゃいかん時期に来ているなというふうに思います。

 また、南米の方が多いわけですが、私、アルゼンチンで日系の方とお会いしたことがあるんですが、ブラジルで大変苦労をされて、なかなか生活ができないので、実は南米各国を転々とされて、そんな方々も南米にはおられるようでありますので、そうしたバックヤードもあって、今の入管法になっているんだと思いますけども、ぜひ共生をしていきたいなというふうに思います。

 関連をしていく2点目の質問でございますけれども、多文化を共に生きる三重を目指してと、これは生活・文化部がまとめられた指針のサブタイトルでございますけども、具体的な事業につきまして、少し件数が多くて申しわけないです。件数が多くて、7点ほどお聞きをしたいと思います。

 先ほどは基本的な知事の姿勢をお伺いいたしました。ここでは、具体的な施策について担当部にお尋ねをいたします。

 本県の外国人登録者数は平成2年の入管法の改正以来、増加の一途をたどっており、19年12月末で、5万1638人となっておるようであります。ブラジルの方が2万1338人で41.3%で最も多くて、以下、中国、あるいは、歴史的な背景を背負われた韓国・朝鮮籍の方、そして、フィリピン、ペルー、こうした上位5カ国で87.4%を占めております。

 登録者数上位5市町は、鈴鹿、四日市、津、伊賀、桑名となっており、いずれの市もブラジルの方が国籍別で第1位となっております。平成2年の入管法改正以降、入国されたニューカマーと言われる方々の定住が進んでおり、日本語に堪能な方も多くおられます。

 外国人住民が地域で抱えている問題は、同じような文化的・社会的背景を有する外国人住民が一番理解できる立場にあるため、地域の外国人住民を相談員等として活用すること、こうした指摘がございますが、ボランティアでその都度では生活基盤が不安定で、効果を発揮しづらいと考えます。

 県や市町で職員として採用し、確固たる相談体制と情報提供ルートを確保すべきですが、現状と今後の取組についてお尋ねをいたします。

 また、多くの方が定住されている鈴鹿市では、外国人が起業をされて、商店やレストランを経営されています。先日、新聞を見ておりますと、三重県で10歳に来日されて、今、企業で正社員として働いておられるというこんな方の紹介もありましたけれども、そんな状況でありますし、学校も設立をされました。外国人コミュニティーができ上がっているというふうに見受けられます。

 こうしたコミュニティーは情報提供ネットワーク、そして、自助組織として機能できますし、多文化共生の核ともなり得ます。しっかりと支援し、町内会、自治会、PTA等々とのネットワークを築く施策を展開すべきだと思いますが、現状と今後の対応についてお尋ねをいたします。

 自治会、町内会への外国人住民の加入促進も難しい問題でございます。言葉や習慣の違いがネックとなって、コンタクトさえできない状況が多く見られます。ほとんどだと思います。自治会、町内会に通訳となる方が必要ですし、外国人登録と同時に、自治会、町内会と連携できるシステムの構築が必要だと思っております。現状と今後の対応をお尋ねいたします。

 次に、外国人居住者の就業環境について質問をいたします。

 外国人居住者が地域の住民として自立をしていくためには、現状の就業環境を改善する必要があると思います。県では、ハローワークとの連携による就業支援、優良企業の顕彰制度、企業及び商工会議所等への法令遵守、社会保険等への加入促進などを進めていただいておるわけですけども、まだまだ課題が多いんだろうというふうに思います。

 日本人のワーキングプアが貧困や犯罪など多くの社会問題を生んでおりますが、県の調査資料を見させていただきますと、外国人居住者の就労状況のほうがより厳しいのではないかというふうに受け取れます。法令遵守、社会保険の加入を満たした企業、雇用主に対する優遇措置、または不良企業への罰則強化など、強力な施策を国を挙げて打たないと、なかなかよくなっていかないのではないかと、そういうふうな危惧をするわけですが、現状、そして、今後の対応をお尋ねいたします。

 教育現場での課題についてお尋ねをいたします。

 日本語のできない子どもたちが、学校である程度日本語が話せるまで特別カリキュラムで教育をされ、そして、クラスに戻って勉強をする。ですが、学習言語が未発達のために、授業についていけない、ドロップアウトする、進学できないという問題が起きており、各市町の教育委員会では課題解決のために随分御苦労をされております。

 鈴鹿市では、日本語教育支援システム構築のために、早稲田大学大学院日本語教育研究科関係者を含めたプロジェクト会議を設けまして、従来の日本語指導の課題解決を行うとの強い意志を持って取り組んでおられます。有効な日本語指導システムを構築されて、外国人の子どもたちが日本の社会で能力を発揮できる社会人として成長され、活躍をしていただきたいというふうに思います。また、県内各市町への水平展開、こんなことも期待をしているところでございます。

 鈴鹿市の外国人児童・生徒数の推移ですが、平成15年に233人、5年前ですね。平成20年、現在では573人、2.5倍に増加をしております。定住が進むにつれて、実は日本生まれの子どもさんも大変増加をしてきております。外国人登録を参考に、今後の推移を推計しますと、平成25年、5年後には、1000人を超えるというふうに推測をしております。

 こうした子どもたちを育てる教育現場のマンパワーをしっかり増強する必要があるというふうに思います。現在、マンパワーとして県費で常勤の先生11名、非常勤の方12名、そして、鈴鹿市が市費で指導助手10名、講師という加配をして対応をされております。また、日常会話を理解できる外国人生徒たちへの指導は、すべての先生方が協力し合って当たっている、このことは加配された先生方の負荷軽減につながっているんだろうというふうに思います。

 生徒数の増加予測を見ますと、加配教員の増員が望まれるわけですが、大変財政状況が厳しい状況でありますから、せめて常勤の先生の増員、非常勤から常勤への変更、こういうことをしていただけないか、こういう強い要望が出されております。

 また、父兄との連絡調整等、どうしても言語の壁がありますことから、教員採用時において、言語の特別措置を拡大して、状況を見ながら採用して配置をしていただけないかと、そういう要望が出されております。県のお考えをお尋ねいたします。

 さらには、高校生の年代、15歳から18歳、この年代、あるいは、この直近の年代で来日をした子どもたちはなかなか高校に入学することが難しい。希望どおりの就職もなかなかできないと、こんな状況になっているのではないかというふうに思います。現状の外国人の高校入試制度と進学の実態、そして、自立をしていただく日本の社会の戦力になっていただく、こんなことも含めて、進学率を高めるための今後の対応についてお尋ねをしたいと思います。

 多岐にわたりましたが、よろしくお願いをいたします。

   〔安田 正生活・文化部長登壇〕



◎生活・文化部長(安田正) 多文化共生社会づくりに向けました取組についてお答えをいたします。

 まず、外国人住民への相談体制についてでございますが、外国人住民の増加に伴いまして、文化や生活習慣、社会制度の違いから様々な問題が生じてきておりまして、相談体制の確保が必要だと考えております。このため、県では市、町との役割分担に配慮しつつ、ポルトガル語やスペイン語など、7カ国語で対応できる相談窓口を三重県国際交流財団に委託をいたしまして、設置をしております。

 この相談窓口では、ポルトガル語やスペイン語に堪能で、かつ海外での在住経験が豊かな職員が対応いたしますほか、タイ語やタガログ語、インドネシア語につきましては、県内に在住いたします外国人住民の方々や国際交流員として県で採用しております外国人職員の協力などを得まして、総合的に運営をしておるところでございます。

 また、特に外国人住民が多数居住しております市町におきましては、独自に日本の慣習や行政情報を伝える生活オリエンテーションなどの取組が進んできておりまして、外国人住民が生活相談員や通訳として活躍する事例も多くなってきております。

 今後とも、市町と連携いたしまして、外国人住民が安心して相談できる環境づくりを進めてまいります。

 次に、外国人のコミュニティーのことにつきましては、一部地域では、御指摘のような事例が見られまして、コミュニケーションの不足からごみ出しや騒音問題など、様々な問題も生じてきております。また、文化の違いなどから、外国人住民が日本同様の自治会を組織いたしまして、主体的な活動を行うのは難しいと言われており、とりわけ核になります人材不足が指摘をされております。

 これらの地域コミュニティーが抱える固有の問題を解決するためには、やはり市町が中心となりまして、幅広い見地から外国人住民が地域社会へ参画しやすい環境づくりを進めることが必要と考えております。このため、県では、まず、日本語ボランティアや通訳ボランティアを養成いたしまして、地域での活動をコーディネートしたり支援するとともに、外国人住民が集住する県外自治会の先進事例を情報提供するほか、人材発掘につながる防災訓練などの行事、イベントなどを通じまして、外国人住民が参画するまちづくりに協力をしておるところでございます。

 今後とも、多文化共生のまちづくりのための人材育成や活動支援など、市町が主体的な取組を進める上で必要なサポートを行ってまいりたいと考えております。

 次に、外国人労働者の就労環境につきましては、労働基準法や健康保険法など、労働関係法令及び社会保険関係法令が原則として日本人と同様に適用されています。これら関係法令は国が所管をしておりますが、このうち、外国人労働者の適正雇用、労働条件の指導監督業務につきましては、三重労働局において実施されております。また、昨年10月には、雇用対策法が改正をされまして、外国人雇用状況の届け出が義務化されたことによりまして、事業主に対しまして、より一層の雇用管理の改善に向けた助言、指導が可能となったところでございます。

 このような状況でございますけど、県におきましても、労働・生活相談室におきまして、ポルトガル語やスペイン語のできる通訳を配置いたしまして、外国人労働者から雇用問題や賃金の不払いなどの労働条件に関する相談も受けており、適宜必要な助言を行っておるところでございます。

 また、安定した就労につながるよう、おしごと広場みえにおきましては、留学生など、外国人住民に対しまして、就職に向けた企業説明会をはじめとする就職支援を行っておるほか、津高等技術学校におきましては、県内中学校などの外国人生徒を対象といたしました入校ガイダンスの実施や市町教育委員会が主催します進路説明会の参加などを通しまして、職業訓練機会の拡大に取り組んでおるところでございます。

 今後とも、国の制度改革などの動きを注視するとともに、先ほど知事が述べられました憲章の趣旨を踏まえまして、外国人労働者の適正な雇用、労働条件の確保が図られますよう、三重労働局や経済団体など、関係機関と連携を密にして対処してまいります。

 以上でございます。

   〔向井正治教育長登壇〕



◎教育長(向井正治) 田中議員の多文化を共に生きる三重を目指すという中での、外国人の児童・生徒の増加に対応しました県教委としての対応につきまして御答弁申し上げます。

 教育委員会では、日本語指導が必要な外国人児童・生徒が多く在籍している学校を中心に、特に北勢が多いわけでございますけれども、日本語指導とか、学校生活への支援のために常勤講師、非常勤講師を配置しているところでございます。

 あと、一方、教員の採用選考におきましても、多様な資質・能力を持つ人材を確保するために様々な工夫をしているところでございます。具体的には、一定水準以上の英語力を持つ受験者とか、ポルトガル語の会話ができる受験者への得点の加点制度を設けております。それに、本年度につきましては、新たにスペイン語というのも、その対象としたところでございます。

 今後とも、外国人児童・生徒の教育の充実のために、教員としての基本的な資質に加えまして、外国語の能力を持つ教員の採用に工夫を図ってまいりたいと考えております。

 また、講師の配置につきましては、限られた財源を有効に活用するために、非常勤講師も必要と考えておりまして、引き続き、常勤講師や非常勤講師の確保にも努めてまいりたいと考えております。

 こういった状況に関しましては、国に対しても、外国人児童・生徒の教育に係る教員の増員といったことを要望しております。こういう中で、国におきましても、外国人児童・生徒に関しまして、文科省でも報告が出ております。初等中等教育における外国人児童生徒教育の充実のための検討会というものが今年の6月に提言がなされておりまして、その中での、外国人児童・生徒の教育の意義でありますとか、国、県、市、町、企業などの役割、責任につきまして一定の方向性が出されております。こういったことから、具体的な政策というものについて期待も申し上げているところでございます。

 もう一つ、具体的な高校進学の問題でございます。

 外国人生徒の高校進学に当たりましては、言葉とか学校の制度、そういう違いがございます。一人ひとりに応じたきめ細やかな学習の指導と進路指導が必要と思っております。

 このため、中学校では、生徒の実態に応じまして、個別の指導や放課後を利用した指導というものを実施しております。また、学力を高める取組を行っている中で、特に高校進学、これは非常にポイントではございますけれども、具体的な情報等を提供しまして、保護者の方々との話し合いも進め、進路指導の充実を図っているところでございます。

 こういった学校の取組を支援するために、教育委員会といたしましても、ポルトガル語を話せます巡回相談員を学校へ派遣しております。今年度、9名の巡回相談員が各学校を回っているところでございます。また、教師向けの教材としまして、日本語指導の手引きとか、教材のデータベースというものを作成しております。

 また、市町教育委員会と連携いたしまして、外国人生徒やその保護者を対象に、親と子の進路ガイダンスというものを県内7カ所で開催して、進路の選択というものを支援しているところでございます。

 特に入試についてでございますけども、本県では、平成5年度から特別枠というものを設けております。学ぶ意欲がありながら、日本語の力が十分でないという外国人の生徒のために学ぶ機会を保障しております。この制度では、外国人の生徒が受験する場合に、学力検査を軽減しまして、面接と作文ということで選抜することにしております。その際に使用する言語につきましては、受験者の方の実態と高校入学後の学習活動というのを考慮しながら決定するところでございます。

 議員御指摘のとおり、非常に外国人の生徒が増加しております。こういったことから、平成18年度からは特別枠を、平成5年には5校5学科だったものを17校21学科に拡大しております。さらに、応募資格についても、平成19年度から、当初は来日後3年以内という制限を設けておりましたが、これを来日後6年以内の者に緩和しております。より多くの生徒の方が受験できるように改善を図っているところでございます。

 その結果としまして、県立高等学校に在籍する外国人の生徒は、平成20年5月1日現在で381人となっております。その内訳は、全日制が210人、定時制が164人、通信制が7人となっておりまして、やはりブラジル人の方が非常に多いという状況でございます。

 教育委員会といたしましても、引き続き、市・町教育委員会とも連携いたしまして、外国人児童・生徒が学ぶ楽しさを感じまして、将来の夢や希望を持つことができると、そういうふうに支援してまいりたいと。入試制度につきましても、県内の地域的なバランスも考慮しながら、特別枠の実施校拡大につきましても一層の改善を図ってまいりたいと、かように考えております。

   〔29番 田中 博議員登壇〕



◆29番(田中博) ありがとうございました。

 外国人の皆さん、日本に定住をされると、そういう意思を固めておられる方も大変多いわけでございまして、事実、そういう形になってきておるわけですけども、やっぱり自立していただく、そして、日本の社会で御活躍いただくということになりますと、やはり教育、それから、就労条件といいますか、そういうところの改善が非常に大きなウエートを占めるんだろうというふうに思っております。

 先ほど紹介しましたが、10歳で日本へ来て、大学まで卒業されて、今、正規従業員として頑張っておると。就職のガイダンスの会で、その方が外国人の子どもたちにしっかり目標を持って頑張れと、こんなことを言っていただいたようであります。

 その方が申されておったことの中に、やはり日本語ができて、母国語ができると、これはもう非常に強みであると。経済的に見ましても、今、特にブラジルなんかは大変景気が上向いておる、どんどん経済が拡大しておるという状況ですから、そういう意味では、世界を相手に商売をしておられる企業も多いわけですから、大変な戦力になるんだろうと。

 ただ、今、小・中学校、かなりのレベルで教育が進んできているというふうに思います。ただ、先ほど、高校といいますと、やはり全日制に通われる方の比重が少ない、定時制、通信制の方が非常に多いということで、やはり日本人並みということころにはまだまだ至っていないんだろうなと、そういう意味では、ぜひ小・中、それから、特に大変なのは、学力はあっても日本語ができないと、高校の入学を許可しても、実は授業についていけない。特別に日本語の教育を受けてもらって、高校に入ってもらう。これには実はお金が要ります。

 日本でもよく言われるんですが、東京大学の学生は、平均所得の高い層の子どもさんたちが多いなんて、こんな話がまことしやかに言われておりますけれども、相当にやっぱり子どもたちに投資する、そのことも必要ですが、その根本が親御さんたちの労働条件なんだろうというふうに思います。

 県の資料を見てみますと、17年6月1日だからちょっと古いんですが、外国人労働者は1万5674人働いておられる中で、直接雇用というのは5506人、35.1%しかおみえにならない。その中で正社員率といいますと、さらにその中の15.4%になってしまうという、非常にどうも出稼ぎという感覚の働き方をされている方がまだまだ多いというふうに思います。

 非常に大切な社会保険ですけども、雇用保険に加入していると答えた方が23.4%、していない53.1%、わからないというのがあるんですね。日本のルールをよく知らないんだと思うんですが、その方も加入しているという方と一緒ぐらい、23.4%。年金の加入は15.3%、加入していない45%。健康保険も加入しているというのが44.5%。

 こういう状況ですので、知事に冒頭お答えいただきましたように、商工会議所の皆さん方とか、やっぱり雇用主の責任というのは大きいと思いますので、ぜひしっかりと連携をしていただいて、労働条件の向上をしていく。そのことが恐らく進学率の向上にもつながるでしょうし、まさに社会の戦力として成長していただける、そんなことにつながるんだろうというふうに思いますので、ぜひ多文化共生という言葉そのものもまだまだ新しい言葉でありますし、ぜひ生活・文化部にはしっかりとリーダーシップをとっていただいて、しっかりと各市町で生き生きと、ともに生活をしていける、生きていける、その社会づくりに御努力いただきたい。

 また、市町の活動に対して、いろんな情報の提供、人的な支援、あるいは、必要であれば財政的な支援も含めて、引き続き、検討いただきたいと、こんなことをお願いしたいと思います。

 最後になりますが、特別支援学校、さきの一般質問で北川議員と教育長と熱い議論、バトルをしていただいたんですが、私のほうからは杉の子特別支援学校、昨年も一般質問をさせていただきましたので、その続きという形で質問をさせていただきたいと思います。

 特別支援学校につきましては、昨年も杉の子特別支援学校を中心に質問をさせていただきました。本年から新たな知的障がいの児童・生徒を受け入れるに当たりまして、杉の子の受け入れ態勢を整えていただきたいと、こんなことを中心に申し上げました。

 教育長からは特別支援学校の整備は適正規模、適正配置の観点から、中長期的な視点に立って、段階的に進めていきます。まずは第1段階として、平成22年度までにどんなことができるのかを早くまとめたいと。20年4月、今年の4月の受け入れに当たっては、緊急の対応策、応急措置を講じていく必要があると。杉の子特別支援学校では、スクールバス、あるいは給食、高等部の就職支援といった課題のクリアについて走りながら考えていると、こうした答弁をいただいたところでございます。

 結果といたしまして、本年4月には、応急措置を講じていただき、スタートをすることができました。

 私も一度、学校をお邪魔させていただきまして、校長先生方のお話を聞きながら、見学もさせていただきました。先生方は早い対応に感謝をしておられましたし、私からも感謝を申し上げたいと、こういうふうに思います。

 緊急対応、応急措置で初年度を乗り切っていただいたところでございますけれども、まだまだ対応すべき課題のあることは、教育長の先ほどの答弁にもありましたとおりでございます。

 杉の子は、皆さん御存じのように、病院併設の大変狭い敷地に立地をしております。御父兄なんか、車でお見えになると、どうも病院の敷地をお借りして、学校の敷地をはみ出して駐車をさせていただいておる。いい関係でやっていただいていますので可能なわけですが、そういう状況でございます。したがって、受け入れられる生徒数には限りがあるわけで、物理的にあるわけでございます。

 今年は58名の生徒数というふうにお聞きしておりますが、来年の4月には、今のところの予定、74人というふうにお聞きしていますが、伺ったときの話では80人をもしかしたら超えるのではないかと、こんな心配もされておりましたが、今のところ、74人ぐらいの予定だそうであります。

 現在でも、見たところでは、学級数の確保、あるいは生徒さんたちの共同スペースの利用、大変御苦労をされているように見えました。また、先生方のスペース、ロッカーを含めて、実は大きく削られているように受けとめをさせていただきました。

 生徒数が増加する来年4月に向けて、現在、狭い空き地ですが、空き地に教室の増設をしていただくと、そういうことでございます。生徒の受け入れ態勢、先生方のスペース、それと、この学校はセンター機能を果たしていくという、こういう大きな役割もありますので、そうした機能の発揮に問題なく来年度もやっていけるのかどうか、お尋ねをいたします。

 次に、スクールバスです。

 現在のところ、利用者は少人数にとどまっているというふうにお聞きをしました。生徒たちのデザインでバスが塗装されたと、これは新聞記事に載っておりましたけども、生徒たちのスクールバスへの思いが強いなと、こんなことを感じた次第でございます。しかし、今は鈴鹿市内を1台のバスで巡回をするということですから、90分余の通学を強いられる、また、非常に利用に不便であったりするようでございます。

 生徒数増への対応、それから、通学時間の短縮、生徒さんの負荷の軽減、利便性の向上に向けて増車を希望するところでございますけれども、教育委員会の現在の検討内容、方針についてお聞かせをいただければと思います。

 次に、給食についてお尋ねをいたします。

 幸いにして、杉の子は給食施設もそうそう大きくありませんが、鈴鹿市なり、あるいは鈴鹿病院の御協力を得て、給食が実施をされております。今後の生徒数の増加や、この先、分校の設置の動きがあるわけですが、そうした動きをあわせて、給食への対応を今後どう考えていかれるのか、お聞かせをください。

 平成22年には、石薬師高校に杉の子の分校として高等部が開設される予定、こういうふうにお聞きをしております。分校の設置は、県内の適正規模、適正配置、そして、施設・設備の充実に大きく寄与するものだというふうに考えております。そして、生徒たちの学校生活を一層充実させてくれる、こんな期待をしておるところでございます。まずは、日程、計画どおりの開校を望むところでございます。

 石薬師高校、父兄、地域との話し合い、調整も順調だというふうに聞いておりますし、そのことで計画どおり推移をしているというふうにはお聞きをしておりますが、あえて以下の点についてお尋ねをしたいと思います。

 施設・設備の充実が学校生活、教育に十分生かされるためには杉の子本校と分校の連携、それから、杉の子の分校と石薬師高校との協力・協調関係、これをどう強化していくかが大切だと思います。また、学校や地域で生徒たちの人権がしっかりと守られるためにも、これは大切なことだというふうに思います。

 種々検討を続けておられる段階だとは思いますが、教育委員会の検討状況、目指す姿をお聞かせいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

   〔向井正治教育長登壇〕



◎教育長(向井正治) 田中議員の杉の子特別支援学校の拡張とか、そういったことにつきましてお答えを申し上げます。

 平成20年度に、杉の子特別支援学校に知的障がい教育部門を設置しまして、肢体不自由児の子どもたちに加えまして、知的障がいの子どもたちの受け入れも始めたところでございます。

 平成21年度につきましては、特に高等部の生徒の増加が予想されますので、特に議員御指摘のように、教室、職員室の不足が見込まれております。そのために、教室の改修に加えまして、新たに二つの教室の増設というものを、今、予定しております。

 また、センター的機能につきましても、子どもたちの増加にかかわらず、特別支援学校として有効に機能を発揮していくということが求められてございます。特に、教員の専門性の向上というのは必要だと思っております。そういった研修を充実するとともに、また一方、地域の小・中学校の教員も参加できるような研修会も開催いたしましたり、学校全体で支援体制を整備しまして、積極的に地域の学校の相談に応じたりして、小・中学校との連携を深めまして、この地域におけるセンター機能を発揮した特別支援教育の充実を図るセンターとして機能していくように考えております。

 スクールバスでございます。

 議員御指摘のように、非常に入り口も狭うございまして、運行には苦労してございます。新しいデザインの本当にいい車ができたと思っております。

 今現在、定員37人のバス1台を運行しておりまして、17人の子どもたちが利用しております。平成21年度につきまして、今現在、入学希望者の状況把握、どこにお住まいであるとか、どこで乗っていただいたらいいのかと、コース等も検討しておりますけども、現在のところ、希望に応じることができるというふうに考えております。

 今後のことでございますが、石薬師高校内に設置予定の杉の子特別支援学校の高等部が開校するまでに、実際に県全体のスクールバス配置の状況も考慮しながら、子どもたちの通学状況に十分対応できるように検討を進めております。

 それから、給食の問題でございます。

 給食につきましても、議員御紹介のように、地元の鈴鹿市教育委員会の御協力も得て、非常にうまく給食等についても対応しているところでございまして、平成21年度につきましても、継続して実施できるというふうに考えております。

 石薬師高校内に設置予定の特別支援学校、杉の子の高等部につきましても、給食を実施する方向で検討を進めております。

 今後、実際の連携の姿でございます。とにもかくにもでございますけれども、ノーマライゼーションという考え方、こういった理念を中心に据えまして、特別支援学校の生徒と高校の生徒が運動会でありますとか、文化祭等の行事もはじめとしまして、様々な交流とか共同学習、こういうものを通じて共生の心を学ぶということが何より大事と思っております。そういった学校づくりを目指していきたいと考えております。

 議員御指摘のように、こういった連携は、現地で杉の子特別支援学校と石薬師高校の教職員で構成しますプロジェクトチームを今、設置しております。そういうところで準備を進めているところでございます。今後もその中で協議を重ねまして、双方の教育機能を有効に発揮して、連携して特色ある取組ができるように進めてまいりたいと、かように考えております。

   〔29番 田中 博議員登壇〕



◆29番(田中博) ありがとうございました。

 1点だけ、ちょっと再度お尋ねしたいんですが、給食について、高等部分校ができても給食を続けていくと、こういうお話でしたけども、どういう形で給食の提供をされるのか、お聞かせください。



◎教育長(向井正治) 具体的なところにつきましては、今、まだ決定しているところではございませんけども、特に地元等とも話をしながら、近隣のいろんなところと調整を図って、実施する方向で進めてまいりたいと思っております。

   〔29番 田中 博議員登壇〕



◆29番(田中博) 特別支援学校、鈴鹿の教育委員会とも深く連携をしていただいて、こういう形で運営をしていただいているということに感謝を申し上げます。

 特に、高等部の皆さん方は就職ということもございまして、これも見学させていただいたのですが、実際、実習みたいな形で就職の訓練もされておって、非常に地元の、例えば、園芸ですとか、清掃ですとか、そういう業種のことを挙げておられましたけども、地元の業者の皆さんと非常にうまく連携がとれていて、実習をした生徒がそのまま実習を提供してくれた、教えてくれた企業に就職をされていくみたいなんですね。そういう話も伺います。

 そうしたことが、まさに親御さんたちもそうでありますけども、子どもさんたちも社会の一員として自立をしていくという意味で、非常に強く望まれておるところです。そういう意味では、高等部の分校がそうしたところをしっかりとカリキュラムを組んでいただく、あるいは、地域のそうした企業の皆さん方としっかりスクラムを組んでいって、本当に実のある成果を上げていただきますように心から祈念を申します。

 そのためにぜひ県の教育委員会も力を注いでいただきたい、こんなことを重ねてお願いを申し上げまして、時間でございますので、質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。(拍手)



○議長(萩野虔一) 18番 竹上真人議員。

   〔18番 竹上真人議員登壇・拍手〕



◆18番(竹上真人) おはようございます。松阪市選出、自民・無所属の闘う県議会議員、竹上でございます。

 質問の機会をいただき、ありがとうございます。本日は農業と林業に絞って質問をいたします。

 まず初めに、うれしいニュースがありますので報告いたします。今年6月から、三重県、特に松阪が発信元で2年がかりではありましたが、国の税制改革を実現いたしました。内容はというと、担い手と呼ばれる農業者にも軽油の免税措置が実施されたのです。

 何それと、農機具はもともと免税じゃないのと思われる方も多いと思いますが、それまで担い手が他人の土地で農業を行っても、軽油の免税さえ受けられなかった。委託作業扱いになり、農業と認められなかったんです。担い手の皆さんは大いなる憤りを感じていました。我々こそが農業者であると思っているのに、国では農業ではない。担い手農家は大規模に営農するので、多い方は年間、それだけで50万円程度の負担になっていました。農業が危機に直面している今、少しでも負担が軽くなったことは喜ばしい限りです。

 前置きはこれぐらいにして、私には常々疑問があります。それは、農業はビジネスか、農業は過保護なのかということなんです。これを本日のテーマに考えてみたいと思います。

 まず、農業の実態について述べていきます。

 農業と一言で言っても、米から、野菜から、畜産に至るまで、様々な業種があります。余り知られていませんが、今、三重県では農業生産額は米を抜いて畜産が一番多い。そして、専業農家もあれば、兼業農家もある。

 では、実際に、専業農家が三重県の農業生産のどれぐらいを占めていて、どれくらいの収入を得ているのか。

 まず、生産額ですが、農業生産、1140億円のうち、実にほぼ8割が専業農家ということになります。単純に米以外は専業農家がほとんどです。特に畜産などは全部専業農家です。

 次に、収入ですが、私の目から見て厳しいと思うところを調べてみました。この図を見てください。(パネルを示す)これは原木シイタケ農家の実態です。何と家族3人で、年収380万円。1人当たりの時給にすると、514円。県の最低賃金は689円ですので、いかに苦しいかがよくわかります。しかも、男性は年間2700時間も働く。

 もう一つ、この下ですね。花をつくっている農家の実態です。こちらも1人当たりの時給にすると、273円です。本当に苦しい。これは特異な例ではないんです。この花農家は、賞までもらっている農家です。

 じゃ、年間500万円を確保するには、どれぐらいの作業や面積が要るのかといいますと、この図を見てください。(パネルを示す)県内の主要な農業である稲作、お茶、酪農の3種類を出してみました。平成17年度をもとに今の単価を入れて、単純計算した数字ですが、稲作では29町、お茶ですと25町、酪農ですと、何と2400頭必要となります。

 この数字を見てわかっていただけると思いますが、稲作以外は家族経営でできるわけがない。今の制度では500万円を稼ぐことは不可能に近い。危機的という意味がよくわかります。

 一方、では、残りの2割の部分、いわゆる兼業農家の実態はどうでしょうか。少し古いですが、平成15年のデータによると、兼業農家の総所得は771万円で、サラリーマン世帯の2割以上多い。ただし、農業所得は110万円で、総所得の14%に過ぎない。言いかえれば、日本の兼業農家は零細ではあるが、農地という資産を持ち、サラリーマン世帯よりはるかに豊かです。

 さらに、全国では、兼業農家の割合は6割程度ですが、三重県の場合、実に8割5分が兼業農家であり、実際に専業農家は販売農家4万世帯中6000世帯しかありません。これが三重の農業の実態です。

 こうした専業農家と兼業農家の実態を踏まえると、おのずと明らかであると思います。今、進めるべき政策は、すべての農家を一律に保護し、現状維持を図ることではありません。専業農家を重点的に保護し、育て、その数を増やすことです。

 この一番の課題は後継者がいないということです。今や耕作放棄地という、農業を全くできない農地は、ここ10年間で全農地面積の1割に達し、さらにどんどん増えていっています。このままでは自給率の確保どころか、日本の農業が、日本の農村が存続していけるのか。限界集落なる言葉まで頻繁に聞かれるようになりました。

 どうすればよいのか。当たり前のことですが、農業をする人をつくるということが喫緊の課題です。でも、その前提となるのは、食える農業ということなんです。

 では、何をなすべきか。私なりに三つあると思います。

 まず、専業農家の担い手を保護すべきです。すなわち所得保障を行うべきです。

 次に、担い手の規模拡大と効率的経営を促すために、農地の集約を進める。そのためには、所有権と利用権を分けるなど、農地の流動化が必要です。

 三つ目は、農業を独自にビジネスとして成功させる仕掛けづくりやきっかけづくりを進めることです。そのヒントは既に三重県にあります。今、危機に瀕している農業者を保護し、将来的には自立していける強い農業を育てることが私たちに求められているのではないでしょうか。

 さて、今、申し上げた三つのなすべきことに関して、三重県として個別に対応できる話に入っていきたいと思います。

 まず、最初は、誤解を解くことです。先日、とある異業種交流会に招かれて出席したときのことです。商店街で頑張っている若い世代の経営者から、どうして行政は農業に非常に手厚い保護をしているのに、商店街には何も手を差し伸べてくれないのかと、こういう質問をいただきました。さらに、地元の大学関係者からは、圃場整備に数十億円の税金を入れて、一体何年でペイするのか、行政は経営感覚を持たなければ悪である。私も改めて愕然としたのです。県民の皆さんの感覚は多分これに近いのではないでしょうか。

 私から見ると、本当に誤解が蔓延している。果たして、本当に農業に手厚い保護をしているでしょうか。もし、手厚い保護がなされていたならば、40%ではなく、欧米並みの100%に近い自給率になっているのではないでしょうか。また、もしこれまで圃場整備をしていなかったらと考えれば、答えは明白です。日本の農業は既に完全に立ち行かなくなっているはずです。

 欧米では、既に一般常識のように、農家への直接支払い制度が確立されています。どうしてこのような誤解が世の中に蔓延しているのでしょう。私は今まで農業政策について、その本質を行政が住民に示していない、あるいは、示し方がわかりにくい、このことが一番の原因だと思います。

 農業とは一体何か。農業は一言で言えば、食糧生産です。しかし、そのものがナショナルセキュリティー、すなわち国家の安全保障であるだけでなく、大雨のときの遊水機能であったり、作業そのものがいやしであったり、農村風景を守ることが景観の保全であったりと、様々な公益的な機能を持っているわけです。これを小難しい言葉ですが、多面的機能と言います。

 専業農家の実態を伝えた上で、県民の皆さんにわかりやすい、明確な指標を用意する必要を感じます。まずは誤解を解く努力をするべきだと考えますが、いかがでしょうか。直接支払い制度などはこうした誤解を解かない限り、実現しないと思います。

 次に、担い手の育成と農地の集約化に触れたいと思います。

 まず、この図を見ていただきたい。(パネルを示す)三重県の農業予算の推移です。本当に減っているのがよくわかります。ここで問題なのは農業費です。よく農業関係の県職員の話を聞くと、決まって出てくるのが国への恨み節です。国の制度なのでどうしようもない。

 また、先日、農業団体の要望聞き取りを行いました。団体サイドからは行政が何もしてくれない。ところが、行政は団体が動かない。まさしく相互不信のありさまです。余りにも旧態依然とした国への追従のみの政策展開が県民との意識のずれを生んでいる。私には、本当に自らが進んで、県独自で事をなす姿勢が感じられない。

 なぜにここまで批判するかといいますと、三位一体の改革によって、農業政策に関するソフト部分は平成18年度から既に税源移譲されており、県独自で行うようになっているんです。しかしながら、それが毎年2割ずつ減らされて、18年度ベースの、今や6割になっている。減っていく一方なんです。そのうち、さらに申し上げますと、20年度当初予算で47都道府県のうち、実に34県が独自の農業支援策を打ち出しています。当たり前で、昨年度からの飼料高騰や、米の価格下落などに対して、早急な対策が今、必要だからです。ソフト対策として県で今、やらなければならない事業だと思います。

 ところが、三重県は当初予算では何もせず、やっと補正で燃料やえさの高騰対策を出した。でも、単独費でたった3600万円。これでは農業に冷たい、関心がないと言われても仕方ない。

 大体、重点事業になっていないことがそもそも問題であると思います。農業の本質的な問題である後継者対策にとって、一番重要な担い手や農地の集約化など、全く重点事業に位置づけられていない。このままでは、来年度は税源移譲を受けた18年度の半分以下に減ってしまいます。これでは、国から、やっぱり地方に権限委譲してもまともに仕事をしないと言われかねません。ぜひ重点事業に位置づけることを御検討いただきたいと思います。

 さて、余りけなしてばかりいてもいけませんので、ここからは三重県のすばらしい取組を紹介したいと思います。

 農業を独自にビジネスとして成功させる仕組みづくりやきっかけづくりを進めるに当たって、既に三重県にあるヒントについてです。マーケティング室の事業がそれに当たります。

 三重県の農政の特徴は、その名前のとおり、農水商工部として農業部門と商工部門が一体化していることにあります。商工部門と一体的に取り組めるメリットは売り先の確保にあります。余り農業政策ではここまで考えない。しかし、三重県の場合は、最終の売り先を見つけることに重点を置いています。

 ざっと事業を紹介します。この図を見ていただきたいと思います。(パネルを示す)まず、バイオトレジャーという事業でもって、地域にある生産品や加工品を見つけていきます。その次に、ブランドアカデミーという事業で経営戦略を教え込みます。そして、新規市場開拓支援事業で、関東を中心に、小規模で高品質な商品を売り込みにいきます。最終的に三重ブランドとして三重県を代表する商品を目指すというぐあいです。

 この一連の事業は、まさしく地域資源を付加価値として、小規模で高品質な品物を市場へ送り出す作業と言えます。言いかえれば、多面的機能の市場化を実現した事業なのであります。実は今、国が進めている地域資源活用促進法のお手本になったのが、この三重県の取組です。本当に高く評価しています。こうした農業によるビジネスモデルの構築は、地域の元気に直結します。

 有名なビジネスモデルを一つ紹介します。福岡に葡萄の木というレストランがあります。ここでは、近郊農家から規格外野菜といってJAが引き取ってくれないものをすべて一定価格で引き受けます。

 皆さん、知っていましたか。野菜は2割は規格外といって、形が悪いというだけで捨てられているのです。バイキング形式でもって、地域の食材をふんだんに使った料理で大成功を収めました。地域の農家も、今まで捨てていた野菜が売れるから大喜びです。

 三重県でも、ファーマーズマーケットと言われる農家が直接販売するシステムが、昨年度、29億円売り上げました。近ごろはJAのみならず、流通大手でもこうした取組がなされてきました。地域を活性化する上で本当に有意義です。

 県としても、今後、さらに地域の元気に直結する農業によるビジネスモデルの構築を支援する方向を検討いただきたいと思います。それが私の言う、農業を独自にビジネスとして成功させる仕掛けづくりやきっかけづくりにつながります。

 最後に、喫緊の、今そこにある危機についてお話しします。

 まずは、昨年の飼料高と原油高の影響について簡単におさらいしますと、実際、えさ代で1.5倍、重油が2.7倍、軽油が1.6倍、化学肥料で1.4倍となっており、本当に危機的な農家が出てきております。

 県議会はこの春、昨年の毒入りギョーザ事件を受けて、私を含め、一部の会派の反対はあったものの、さらに農業者を規制するような条例を可決しました。ちなみに、この条例にJAは別として、個別の団体で一番反対したのが鶏卵協会、すなわち卵農家の団体です。なぜだと思いますか。

 この図を見てください。(パネルを示す)18年度と19年度の卵の価格です。物価の優等生と言われた卵の値段は上がらない。しかし、えさ代は大きくはね上がっています。その結果、この2年間で、倒産または廃業した卵農家は27戸で、実に2割がいなくなった。これ以上、我々をいじめるなと言いたくなるでしょう。今年の団体の要望聞き取りで、来年はこの場にいないかもしれないと言って、帰っていかれた。本当にひどいことになっています。

 もう一つ、本当に厳しいところがあります。牛乳農家です。牛乳については今年の春、3円値上げしましたが、それではもたずに、さらに10円値上げする交渉がなされています。3カ月たっても、いまだに値上げに応じてくれていない。搾れば搾るほど赤字になるような状態です。こちらはさらにひどい。2年間で4分の1がいなくなりました。今年だけでも13戸がやめていって、今や86戸しか残っていない。

 この二つが特によくない。えさ代の高騰により、大きく経営が圧迫されています。今、手を打たなければ、大げさでなく、三重県からこうした農家がなくなってしまいます。早急に、この2業種に限って、支援策をお願いしたいと思います。

 さて、そろそろまとめに入っていきたいと思います。

 先日、稲作からイチゴや花、酪農など、様々な若い専業農家の皆さんと懇談する機会がありました。そこで、冒頭申し上げた私の疑問、農業はビジネスか、このことをぶつけてみたんです。

 様々な意見が出る中で、その中の1人がこう言いました。何と言ったと思いますか。彼はこう言ったんです。農業はプライドや。その意味は、きつい仕事で収入も厳しい。しかし、安全でおいしい食材を消費者に提供する誇りをおれたちは持っている。だから、頑張っているんだ。こういうことです。

 それを聞いて、私は本当にうれしかった。心から三重の農業を守らなくてはならないと、このように思いました。

 では、質問をまとめます。

 1点目は、農業はビジネスか。今日、申し上げた担い手への直接支払い制度や県民の誤解を解くことなどを踏まえて、農業に対する知事の考えをお聞きしたい。

 2点目は、農業の本質的な問題である後継者対策にとって一番重要な担い手や農地の集約化などを重点事業に位置づけられたい。

 3点目は、農業によるビジネスモデルの構築に支援策を講じられたい。

 4点目は、畜産、特に乳牛農家と卵農家を早急に救う手だてを講じられたい。

 以上、4点、よろしくお願いします。

   〔野呂昭彦知事登壇〕



◎知事(野呂昭彦) 農業はビジネスかというお問いかけで、農業についてのいろんな思いを申し述べられました。

 まず、私として、農業についてどう考えておるかということについて申し上げたいと思います。

 農業は、安全で安心な食料を安定的に供給する食料供給産業でありますとともに、水源の涵養や安らぎの場を提供するなど、多面的な機能を有しておるところでございます。特に、昨今のように、食料自給が課題となり、食料が国際的な戦略資源として認識されます中では、各国ともWTO等の国際的な枠組みも考慮しながら、自国の農業を守るための施策をめぐらしているというところでございます。

 日本でも同様に、農業基盤への助成、あるいは融資制度、中山間地域への直接支払い制度や水田経営安定対策など、各種の施策が実施をされておるところでございます。

 こうした支援策は、農業団体への補助金であったり、農家への所得保障という形態をとっておりますことから、農業以外の産業分野の方から見れば、これらの支援策が特別に優遇されているのではないかというような印象を持たれるのも一つの現実であると思います。

 こうしたことから、今後とも食料自給に向けての取組や地産地消の県民運動、あるいは学校現場での食育教育等の機会を通じて、やはり県民に農業に対する一層の理解を深めていただく、このことを求めていきたいと、こう考えております。

 一方、議員は専業農家を重点的に支援すべきだというような点を述べられました。本県の農業生産の構造、あるいは後継者不足、他県と比べても早い高齢化の進展、こういう現況を考えますと、これまで農業を支えてきた兼業農家にはやはり一定の役割を果たしていただくということが必要であると思います。しかし、同時に、専業農家をはじめ、御指摘がありましたように、意欲のある担い手がこれからの本県農業の主体になるとの認識は大変重要であり、私も議員と同様に思っております。

 また、農業生産法人等の法人組織による農業経営であるとか、あるいは他産業から農業分野への参入を促進するということによりまして、農業分野の一層の活性化と農業構造の変革を進める必要があると、こう考えておるところでございます。

 なお、議員のお話の中で、三位一体改革の中で、農業のソフト事業についても税源移譲がなされているはずだと、こういうことをおっしゃいました。重要なところでありますので、誤解があるといけませんから申し上げておきますが、三位一体改革では、国の全体像として見てみますと、税源移譲は確かに3兆円ありましたけれども、しかしながら、国庫補助負担金は4.9兆円減ぜられ、そして、地方交付税は5.1兆円減ぜられ、総額で7兆円減ぜられているんです。

 三重県で見てみますと、税源移譲を受けたのは約300億円。しかしながら、補助金の改革で減ぜられた補助金は342億円。さらに、それにつけ加え、交付税が647億円減ぜられておりまして、総計で689億円減ぜられておる。これを、実は三重県民が一生懸命汗水流して、あるいは事業所が頑張って、北勢地域を中心に頑張った人たちの三重県の税収増、これが389億円ありましたから、ようやく300億円の穴、減ずるということで、埋め合わせておるところでありまして、こういうだましの三位一体改革を評価するようなことはとてもできないところでございます。

   〔真伏秀樹農水商工部長登壇〕



◎農水商工部長(真伏秀樹) 農業問題、3点ほどお答えをさせていただきたいと思います。

 まず、一つ目でございますけども、農業の担い手対策でございますとか、農地の集約化など、こうしたものを重点事業に位置づけをすべきだという御意見でございますけども、私どものほう、農業、農村の振興を図っていく上で、本県農業の大宗を占めております水田農業におきまして、大規模な担い手でございますとか、集落営農組織を育成していく、こういうことは大変重要な課題だというふうに思っております。

 このため、担い手の施策といいますか、それを育成する施策といたしましては、現在の県民しあわせプランの第二次戦略計画におきましても、一つの施策を打ち立てまして、その中で、農業を支える生産、それから、経営基盤の充実という形で施策を展開いたしております。

 内容的には、次世代を支えます担い手の確保でございますとか、それから、農業経営体そのものの自立でございますとか、集落機能そのものへの向上の支援、それと、生産・経営支援機能の充実でございますとか、農業生産基盤の整備という形での各種施策を展開いたしておるところでございます。

 一方、重点事業のほうでございますけども、農業・農村におきます過疎化でありますとか、高齢化の進展によりまして、集落機能が大変低下をしてきておると、そういう現状に対しまして、農村が担っていますこういう多面的な機能をしっかり守っていかないと、地域における集落機能の再生でございますとか、充実そのものも図れなくなるという視点から、重点事業のほうでは農山漁村再生への支援という形での取組をいたしております。

 このプログラムの目標を達成するためにも、地域の核となります農業の振興を図るということは大変重要だというふうに認識をいたしておりますので、地域の集落機能の維持、それと、産業としての農業というのが相まっていく中で、農山漁村の再生も進むものというふうに考えております。

 こうしたことから、今まで農業振興に係る取組につきましては重点事業への取組というのを明確にはしてこなかったところもありますけども、今後の県の農業のあるべき方向というのをしっかり見据える中で、担い手の育成でございますとか、集落営農推進など一連の取組を重点事業の中にもしっかり位置づけるべきじゃないかというふうに思っておりますので、その点の検討についても、今現在、進めておるところでございます。

 それから、2点目でございますけども、いわゆる農業によるビジネスモデルの構築という点でございます。

 本県農業の元気を取り戻し、地域経済を活性化するためには、創造的で意欲的な事業者による農産物の高付加価値化でございますとか、他産業との連携によります6次産業化に向けた取組というのが大変重要だと思っております。

 このため、議員、いろいろ御指摘もいただきましたし、評価もいただきましたけども、農林水産資源の高付加価値化のためにいろんな形でのブランド化の支援の事業というのは現に取り組んでおるところでございます。

 こうした取組の成果といたしまして、具体的な例で申し上げますと、例えば、昨年度、三重ブランドの認定事業者でございます、いわゆる伊勢茶の中で、いわゆる有限会社の深緑茶房の取組でございますとか、それとか、あと、いなべ市藤原町のほうでも、有限会社藤原ファーム、それから、松阪市嬉野町のほうでも、豆腐等を製造するために農商工連携という形でやっている例もたくさんございます。

 このような農業ビジネスとしての成功をさせるために、農業とそれ以外の分野、特に商工業の分野でございますけども、その壁を越えた形での、お互いの強みを活用した形での創意工夫ということが大変重要だと思っております。

 こうしたことから、これまでもブランド化に向けた取組をいろいろやっておりますけども、それの取組に加えまして、本年7月に施行されました農商工連携等促進法という新たな法律もできましたので、この法律も活用しながら、生産者、加工事業者、流通事業者の方と手を組んだ形での新たな魅力を創出するためビジネスモデルというものに対する構築もこれから取り組んでいきたいと思っております。

 それと、3点目でございますけども、畜産農家への支援という点でございます。

 県内の畜産農家につきましては、大規模化が進んでおる関係もありまして、海外の飼料への依存度が大変高いという状況でございまして、飼料価格の高騰による影響等を大きく受けているという現状でございます。

 特に、養鶏農家につきましては、飼料費の生産に占める割合というのが6割を超えるという話になりますので、大変農家経営の圧迫をしておるというところでございます。また、酪農家につきましては、飼料の高騰に加えまして、先ほどお話にありましたように、乳価が低迷をしているというところから、さらに経営が悪化しているという状況にございます。

 このため、国内のいわゆる飼料の自給率の向上でございますとか、経営コストの削減のためのいろんな形での飼養技術の向上というものも大変必要になってきておるかと思います。

 こうした状況の中で、国におきましては、20年2月に、総額1871億円の緊急対策を打っております。さらに、6月には、738億円の追加の緊急対策も講じられたところでございます。この緊急対策では、これまで実施をしてきております畜産経営の安定を図るための飼料価格の高騰を補てんする制度でございますとか、それから、畜産物の価格下落対策の制度というものをきちんと維持をしていこうということで、例えば、卵でございましたら、卵価格の補てん基準、これの引き上げを図ったりとか、それから、飼料価格安定基金があるんですけども、その基金への増資を行ってきているという状況でございます。

 それに加えまして、配合飼料への依存からの転換ということで、いわゆる栽培農家と畜産農家が連携をいたします資源循環型畜産への転換の支援でございますとか、それから、飼料作物の増産など生産性向上、これに対する取組の助成というのも実際されておるところでございます。

 県では、関係機関とも連携いたしまして、そうした国の制度の一層の普及にも努めてきたところでございます。さらに、中長期的な視点からも、一定の対策が必要かなというふうに思っておりますので、酪農及び養鶏農家、その方々の一層の経営の安定を図りたいということで、例えば、稲のホールクロップサイレージ、そういうもの、それから、飼料米などの水田における飼料生産の推進という形で、飼料価格の安定を図る取組をやっておりますし、卵につきましては、その高付加価値化を目指した形でのみえの安心食材表示制度への登録というような形での取組を進めておるところでございます。

 今後もこれらの取組を進めることで、畜産経営の安定化に努力をしてまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。

   〔18番 竹上真人議員登壇〕



◆18番(竹上真人) ありがとうございました。

 知事の言われること、私はよくわかりますよ。税源移譲と、声だけ言うなと。それは、その気持ちは私はよくわかります。それと、前半の部分で言われたほぼ私の思いと同じだというふうな回答を私はいただいたと思います。ありがとうございます。

 それで、重点事業の話なんです。確かに今、重点事業で、言われたとおり、農村の再生と題して、農地・水・環境ですね。それとか、「きっかけづくり」推進事業、これは単純に担い手をつくるという事業ですけれども、ありますよ。そのほか、今、話したマーケティング室の事業とか、地産地消、これが入っています。

 じゃ、どうしてなんですか。どうして一番肝心の担い手の効率的経営であるとか農地の集約化であるとか、この農業の一番の部分ですね。木でいえば、一断面の枝の施策だけ、これだけが取り上げられていて、大きな柱の部分が置き去りになっているんですよ。本当に大事なのはどちらなのかと、私は理解に苦しむんです、ここ。どういう認識でそこはおられるのかと。検討を進めるというふうな御回答でございました。もう一度、この決意だけを私は聞きたいと思う。

 それと、この畜産農家の牛乳と、それから、卵ですね。るるお話をいただきました。私は部長に聞きたい。じゃ、今、言われておる対策をやったら、なくならないのかと。問題はそこなんです。一度やめてしまえば、二度と、再び、三重県でここに進出するというのは、農家が出てくるのかどうか。

 確かに三重県には名古屋コーチンもなければ、宮崎地鶏もないです。全国にとどろくようなブランドもない。しかし、大内山牛乳はありますよ。それで、スーパーに行ってみてください。大内山牛乳は在庫切れというふうな形で売っていないです。原因は何か。今、言った話なんです。

 本当にここは私は三重県農政の真価が問われていると思うんです。本当に農業を守っていこうと、そうするならば、今こそ、財政当局を説得して、知事を説得して、県議会を説得して、これ以上、農家をなくさない。こういう取組をぜひやってほしいんです。

 私、今回、農業を質問するときに本当に不思議でしようがない。県議会で、よく農業の質問を聞きますけれども、米ばかりなんです。確かに米農家は多いですよ。だけど、米の農業生産は3割でしかない。残りの7割についてだれも語ろうとしない。特に、今、本当の危機を迎えているのは米農家じゃないです。酪農ですよ。でも、だれも触れてももらえない。今回、質問の機会をいただいたときに、農業全般をぜひとも質問したいと思ったのはここなんです。

 もう一度、部長に決意のほどを聞きたいと思います。



◎農水商工部長(真伏秀樹) 三重県の農業の現状は大変厳しいというのは十分私は認識をいたしております。恐らく今後10年ぐらいの間に、一定のちゃんとした、きちんと対策を打っていかないことには、本当に三重県農業は大変なことになるよということで、ずっと今、事業の点検もいたしております。

 その中で、三重県の農業が本当にどういう方向性を持って進むんだという部分、それから、それを進めるために、どういう施策を打っていったらいいんだというのを一生懸命、この間も議論をさせていただきまして、その辺のことを踏まえて、先ほど申し上げたように、必要なら、重点事業にも位置づけたいと思いますし、いろんな形での事業の展開をしていきたいと思っております。

 それと、畜産関係でございますけども、今の現状は、国のほうの対策が一定打たれたということもあって、一番最悪のところよりは少し安定してきた、落ちついてきたのかなというふうに思っておりますけども、実際、まだ国のほうの制度そのものが、このまま飼料価格が高いまま続いていってしまうと、制度そのものが働かなくなるということも十分懸念がされておりますので、そういうことをしっかり見ながら、私どもとしても、県でもできることを、先ほど中長期的な話もさせていただきましたけども、そういうことも含めて、畜産というのがしっかり維持できるように取組は一生懸命していきたいと思っております。

   〔18番 竹上真人議員登壇〕



◆18番(竹上真人) ありがとうございます。

 一生懸命していく、こういう回答をいただきました。ぜひとも本当に頑張ってください。これはもう私の切なるお願いでございます。

 では、続いて、もう一つの質問のほうに入っていきたいと思います。

 さて、ここからは林業について語っていきたいと思います。

 今から3年前、三重の森林づくり条例という議員提案条例ができました。それに基づき、今日10月1日から、もりづくり月間がスタートいたしました。当時、私はこの条例検討会の事務局長という立場で、言い出しっぺの1人でありましたので、特別な思い入れがあります。そこで、条例ができてから3年、森林を取り巻く環境はどのように変わったのか。

 まず、この図を見ていただきたい。(パネルを示す)皆さんも御存じのとおり、山が荒れている原因の大もとは木の値段が安いことです。山の手入れの費用が出ない、再び植林ができないなど、様々な問題を引き起こし、土砂災害や川の水の濁りなど、生活の基本のところに影響を与えます。ここ数年、原木の価格はやはり上がっていない。燃油高などの外国からの影響で、国産材の需要は確実に広がっています。しかし、住宅着工戸数の減少などから、相殺されている。このような状態であります。

 もう一つ、この図を見ていただきたいと思います。(パネルを示す)今、申し上げたとおり、国産材の需要は増えているので、全国的には生産量は増えていっています。ところが、三重県の木材生産量は減っている。どうしてだと思いますか。国内の製材工場が大規模化する中で、原木を安定的に供給する仕組みづくりが遅れているからです。

 三重県の特徴として、小さな山林所有者が多い。小規模では木を出す費用が割高になり、合わないんです。今、何をしなければならないのかというと、集団施業といいまして、大規模な面積を効率よく安く作業して、木を出していくということが必要です。しかし、本当にそれが可能かというと、大きな問題があります。しかも、それはあと10年程度で取り返しがつかなくなる。何かというと、山の境界がわからない。

 先日も地元の組合長さんから、こんな話がありました。山の境界立ち会いに行ったら、自分が一番若かったというんです。この方は69歳ですよ。わかっていただけると思いますけれども、あと10年もすると、山の境界を知っている人がどんどん減っていく。そうなると、木が切れない。まさしく今、なすべきは、境界を明らかにすることです。

 この図を見ていただきたい。(パネルを示す)地積調査を行った三重県の山は、全国平均41%に対して、何と3.5%です。これではいけないと、国の補助を受けて、何とかこの5年間で1万3000ヘクタールの境界が明確化しましたが、三重県の山は人工林だけでも20万ヘクタールあります。とても10年じゃ終わらない。真っ先にこの問題に取りかかるべきです。残り時間はあとわずかしか残っていません。

 次に、三重県の木材が抱えている大きな問題について幾つかお話をしたいと思います。

 アリクイというのを皆さんは御存じでしょうか。正式にはスギノアカネトラカミキリという虫によってできた虫食い跡がある木材のことですが、大手住宅メーカーには相手にされません。ところが、この現象は三重県では当たり前のことで、言いかえれば、三重県の山はアリクイだらけということになります。

 業界では今まで、この虫食い跡を隠すようなことをしてきたのですが、それよりも自然にできた虫食い跡をあえて公表することで、製品の優位性を出そうという逆転の発想で、アカネ材と称して売り出すことにしました。一般的に安くて、強度も何の問題もない。ある面、地元材の証明のようなものです。

 実は、平成16年3月にも、このアカネ材の質問をしています。内容は、県の単価にアカネ材の設定を行い、利用しやすい環境を整えてはどうか。当時の石垣部長からは県の設計条件やコスト条件などを踏まえて、積極的に活用されるよう働きかけていくとの回答がありましたが、いまだにそうなっていない。

 今、業界を挙げて、こうした取組を行っているわけですから、県としても何らかの支援を行うべきだと考えています。それによって、県も安い値段で建物ができるわけですから、ぜひともこのアカネ材を使えるように、設計時にアカネ材を指定するような働きかけをお願いしたいと思います。

 次に、製材業の苦境についてお話しします。

 この図を見てください。(パネルを示す)三重県の製材業者の推移です。本当に減ってきています。三重県の特徴は、中小・零細の製材業者が多いことですが、それにしてもこの減り方は異常です。原因は製品価格の低迷にあります。製材の価格はどんどん安くなっています。ヒノキで見ると、10年前には立米当たり10万円していたものが、今や6万3000円。1本の柱の値段は2700円。本当に安い。これでは採算割れを起こしても仕方ない。

 今年の2月に、三重県と関東の中堅住宅メーカー、古河林業が提携し、約50戸分を三重県の県産材を用いて住宅建設を行うことになりました。大変喜ばしいニュースです。森林行政の皆さんの努力を高く評価いたします。

 どうしてかというと、単価がよそと比べ物にならないくらい、いいんです。関東への売り込みが本当に価値があるのはこの点です。ざっと8万円台で取引されています。この差は本当に大きい。この価格なら、地元の製材業者も十分にやっていけますし、山にも還元できると思います。これを契機に、関東への売り込みをさらに加速させていただきたいと思います。

 次に、住宅の瑕疵担保履行法への対応についてお話ししたいと思います。

 昨年6月に、建築基準法が改正になり、すさまじい影響を与えたことは記憶に新しいところですが、この一連の改正の中で、来年10月引き渡しの物件から、建築を行う施工者は供託金もしくは保険をかけることが義務づけられました。この8月に説明会がありまして、主用部材である木材は規格などを一切問われないということになりましたので、ほっとしています。

 何かというと、工業製品のJIS規格に相当するJASという規格がありますが、このJASを満足していないものについては保険契約してもらえないといううわさが流れていたんです。幸い今回は関係なしということになりました。しかし、いつ変わるかわからない。それもそうで、保険会社は高価な家の保障をするわけですから、その主要部材の品質証明がないというのはおかしな話です。

 今後、製材業ではJASの取得が必要になることが予想されます。ところが、このJASを持っている製材業者は県内には9社しかありません。たった2%です。倒産・廃業が相次ぐ業界では、自社の努力でJASの取得が難しい。そこで、県内の意欲のある製材業者に対して、JAS取得のための支援策を講じられないかと思います。ぜひとも御検討をいただきたいと思います。

 さて、最後に、三重の木の事業についてお話ししたいと思います。

 私は質問も含め、事あるたびに、この県産材のことを言ってきました。ですので、この県産材の制度ができたときは本当にうれしかった記憶があります。

 さて、現在、300戸分、1億円の予算で三重の木を使って家を建てた方に30万円の直接補助を行う事業があります。三重の木を使おう推進事業といいます。平成17年度から始まって、4年目を迎えています。実にこのような制度を持っている都道府県は21県。三重県はその先駆けで、言いかえれば、我が県のまねを他の県はしたということなんです。

 この事業の目的は三つです。まず、品質・規格の明確な県産材を周知させること。2番目は、三重の木の優位性を明確にして、信頼を高めること。3番目は、消費者から評価を得ることです。

 さて、この目的は達成されたでしょうか。この図を見てください。(パネルを示す)三重県の製材出荷量は19年度で31万立米に対して、県産材の出荷量は8000立米で、わずか3%です。とても周知されたというところまではいっていない。また、三重県の住宅のうち、三重の木を使って家を建てる割合は4%で、優位性を明確にしたとは言えない。さらに、このように知られていないものが消費者の評価を得るところにいっているはずがない。4年目を迎え、やっと地域の製材所や工務店もやる気になってきた段階と言えます。

 私なりにこの事業を分析してみました。まず、経済効果はどうかという視点ですが、三重の木の出荷額は約6億円で、経済波及効果は13億円ということになります。出荷額からだけで出しましたが、木を使うということは家を建てるということですので、一般的に波及効果はさらにその数倍はあると思います。

 1億円の投資で県内経済に与える影響が少なく見積もっても13億円、13倍の事業は少ないと思いますが、いかがですか。せめて県内出荷量の1割程度に達するまでは続けていただきたい。そうでないと、せっかくここまで広がってきた制度がしりすぼみになる可能性が高いと思います。

 様々なことを申し上げましたけれども、この中には、森林環境税を取らなくてはできない事業も多々あるように思います。新しい税への結論を急ぐようにお願いをいたします。その上で、三重の木を守っていくため、今後とも御尽力をお願いいたします。

 では、質問をまとめます。

 1点目は、山の境界を早く明確化しないと、できなくなってしまう。

 2点目は、アカネ材を積極的に支援していただきたい。

 3点目は、関東方面への売り込みを加速させていただきたい。

 4点目、JAS取得のための支援策を講じていただきたい。

 5点目、三重の木の事業を続けていただきたい。

 以上、5点、よろしくお願いします。

   〔小山 巧環境森林部長登壇〕



◎環境森林部長(小山巧) 森林、林業に関する質問を5点いただきました。順次お答え申し上げます。

 まず、1点目の、山の境界の点でございますが、木材価格が低迷してきていまして、特に小規模な森林所有者は事業の採算性がとれないということで、手入れが行き届かない森林が増えております。森林を小規模森林も含めまして団地化しまして、施業の集約化、作業道の整備、機械化を進めまして、低コスト化を図っていくということで、安定的な木材生産が可能となり、ひいては、森林整備が進み、山が元気になっていくというふうに考えております。

 しかしながら、御所見のように、過疎化、高齢化によりまして、地域の森林に詳しい人が少なくなってきているということから、森林整備や施業を進めるためにも林地の境界を明らかにしていくということが課題となっております。

 林業関係の事業で、境界を確認しながら今まで事業実施しました面積は、平成16年から平成20年度見込み、5年間で、約1万2400ヘクタールでございますが、20万ヘクタールと比べるとなかなか少ないということでございます。

 境界を確定する地籍調査では日時を要しますことから、今後とも、森林整備関係事業とか、あるいは森林所有者情報データベース設置事業などを活用させていただきまして、森林の団地化を推進して、継続的な木材の安定供給に取り組むために、地域の森林組合などと協働しながら、境界の明確化を進めていきたいと。特に、森林組合に強く働きかけながら進めていきたいと思います。

 次に、アカネ材の支援でございますが、このアカネ材の需要拡大に向けましては、これまで地域のネットワーク等で、建築士の方々が施主に説明していただいて、納得して使ってもらうという取組を中心に進められてきたようです。

 このような中、今般、木材関係団体と鈴鹿市の農業生産法人の間で、鈴鹿コミュニティの中に農畜産物直販施設の建設にアカネ材を使用するという合意に至りまして、昨日、調印がなされたところでございます。この施設は来春の1月16日にオープンする予定でございますが、安全・安心な農畜産物の直販が行われるということになっておりまして、その建物の一部に、木材PRのためのスペースを設けまして、今後10年間、アカネ材や三重の木の利用拡大のための情報発信を行うということにしております。

 このような取組を契機にいたしまして、今後もアカネ材が広く使われるよう、各方面に働きかけてまいります。

 3点目、三重の木の関東方面の売り込みでございますが、三重の木の関東方面の販売戦略としまして、本年2月、御紹介いただきましたように、関東の木材住宅メーカー、松阪木材コンビナート、それと県の三者により、三重の木の利用の協定を結んだところでございます。住宅メーカーでは、伊勢ヒノキと称しまして、今春のキャンペーンにおきまして、約50戸の成約を済ましております。

 関東方面での三重の木の需要をさらに拡大していくということのために、現在、関東方面の工務店とかメーカーを対象にしまして、地域木材への関心度と三重の木のイメージ、要望など、三重の木がさらに多く利用されるためのニーズや意向を調査しているところでございます。

 今後、この調査結果をもとに、さらにこのような取組を進めていきたいというふうに考えております。

 4点目の、JAS取得の支援でございますが、木造住宅建築は瑕疵担保履行法等により、今後、さらに木材の乾燥とか、寸法、強度など、品質の確保がより必要になってまいります。しかしながら、御所見のように、県内の製材のJASの取得は低調な状況でございます。このため、木材乾燥技術の高度化、それとか、既存のJAS取得事業者が中心となる地域の連携が進むような方策につきまして、現在、関係者と検討を進めております。ネットワークでもって、そういうことを達成していきたいと。

 最後、三重の木の関係でございますが、17年度から実施してきました三重の木の認証制度、先ほど御紹介いただきましたようなところでございますが、認証事業者は増加したということが大きいと思います。それと、三重の木の優位性とか製材業の品質・規格に対する意識が向上してきたというのが、この4年間の成果かなというふうに考えております。

 この三重の木の出荷量が平成19年度に8416立米になりまして、当年度の目標を上回ることができております。このように、三重の木の認証制度を定着するということで、三重の木が消費者に認証されまして、今後も利用が拡大されるというふうに考えております。

 引き続き、建築事業者とか設計事業者の認証事業者を増やしまして、やはりユーザーに対する説明をされる方、こういう方を増やしていくということが、三重の木がさらに需要拡大が進んでいくというふうに考えておりますので、そういう認証事業者との協働によりまして、消費者に三重の木をより一層利用していただくというための情報提供とか、PR活動を行っていくということで、第二次戦略計画の目標である1万立米を達成していきたいというふうに考えております。

 三重の木の1万立米を達成することによりまして、さらにそれを牽引役としまして、県産材の利用拡大が進む、需要が拡大するというふうに考えております。さらなる三重の木の利用拡大とともに、県産材の安定供給は今後必要となってまいりますので、そのために団地化を中心としました木材の安定供給体制とか流通体制の仕組みづくりを検討してまいります。

 以上でございます。

   〔18番 竹上真人議員登壇〕



◆18番(竹上真人) ありがとうございました。

 あとの回答は、私はそれなりにうんと思いましたが、三重の木ですよ。甚だ不満です。こういうことでしょう。県産材の制度は残して、PRとかそういうのは残していきます。直接補助をやめますよと言っているのと一緒のことですよね。それで、目標は1万立米だと。これはいけるだろうと。

 じゃ、今、言われた話、その三重県の、いわゆる木材生産の需要環境、これはある程度果たしてきたかなと言われる。もう一度、これ、見てくださいよ。この図をもう一回、出してください。(パネルを示す)現実に、三重県の出荷量は確実に減っていっているんです。需要喚起の起爆剤としてこの事業はあったはずなんですよ。ところが逆の結果になっている。

 三重の木が需要が増していくのならば、この三重の出荷量も本来増えていくというのが目的だったはずなんです。ところが、結果は逆。それで、1万立米だと言うけれども、1万立米は、じゃ、これの何%なのと。3%ですよ。せめて1割ぐらい行かないと、やはり周知されたことに私はならないと思うんです。そこのところはよく考えていただきたい。

 そして、今、やっと起爆剤のまだ火がついていない状態。そして、みんながやる気になってきた。じゃ、今からやろうよというところに、本当にやめてしまうんですか。私はもう一度聞きたいと思います。



○議長(萩野虔一) 簡潔に願います。



◎環境森林部長(小山巧) 製材出荷量30万立米のうち、三重の木は1万立米を目指しておりますが、そのうち、30万立米のうち、県産材は15万立米ございまして、それを増やしていくということが重要だと思います。

 先ほど、議員の御所見もございましたように、安定供給する体制が遅れているというのが大きい問題でございまして、三重の木の伝統工法による住宅だけじゃない、そのほかの需要をますます喚起できる。山から安定的に大量に素材が生産されるという体制を築くことがまず必要だと考えております。

 以上でございます。

   〔18番 竹上真人議員登壇〕



◆18番(竹上真人) もう時間が来ましたので議論はやめますが、15万立米と申しましても、数%しかないと、このところを申し上げて終わっておきます。どうもありがとうございました。(拍手)



△休憩



○議長(萩野虔一) 暫時休憩いたします。

               午後0時2分休憩

          ──────────────────

               午後1時0分開議



△開議



○副議長(岩田隆嘉) 休憩前に引き続き会議を開きます。



△質問



○副議長(岩田隆嘉) 県政に対する質問を継続いたします。14番 笹井健司議員。

   〔14番 笹井健司議員登壇・拍手〕



◆14番(笹井健司) 皆さん、こんにちは。

 今日は10月1日、生活文化から見ると、衣がえの季節、そして、野山ではヒガンバナが満開に咲き誇り、実り多い秋の訪れとともに、まさしく「美し国 三重」の実感できる季節を迎えたのではなかろうかと思います。

 さて、私、松阪市選挙区、新政みえ所属の笹井健司でございます。昨年、就任させていただきまして、早々の6月議会で一般質問の機会をいただいてから、はや1年6カ月を迎えました。本議会において、2回目の一般質問の機会を与えていただきました先輩議員の皆さん方に心から感謝を申し上げます。

 私、県議会議員として1年半の経過の中で、三重県全域を訪問させていただくことができました。海や山、そして、豊かな自然に恵まれ、それぞれの特性を持った地域で暮らす人々が伝統文化などを継承しながら、元気にはぐくんでおられる雄姿を見て、改めて三重県のすばらしさを実感させていただいたところでございます。

 しかし、車社会での自動車の通行量や人々の行動のにぎわいにも大きな差があることを感じました。このことがそれぞれの地域における元気さを表現していると言っても過言ではないかと思います。まさしく地域間のひずみを解消し、均衡ある県政の推進で、安心・安全のもと、豊かで楽しい暮らしの実現に向けて努力していかなければならないと思います。また、着々と進められている高速道等の道路整備は、一日も早く完成し、地域に貢献できることを望むものであります。

 さて、野呂知事におかれましては、今期において、三重県政の歴史に残るそれぞれの功績を築いていただくときであるかと存じます。そのことが、このたび提案されました「美し国おこし・三重」、新県立博物館の基本計画かと思います。

 まず初めに、「美し国おこし・三重」三重県基本計画について質問させていただきたいと存じます。

 今議会においても、各議員から視点を変えていろいろ質問されました。執行部からの計画に基づく説明を拝聴いたしておりますが、今、県民の皆様が求めているのは、基本理念で示されたように、絆が薄れていく現状であります。人と人、人と地域、人と自然の絆、そして、住む人も訪れる人も本当の心の豊かさ、幸せを感じることができる地域社会の実現であると思います。すばらしい基本計画のもと、いよいよ平成21年度から向こう6カ年の長期にわたっての実施期間、この事業に賛同する1人として、その成功を大いに期待するところでもございます。

 顧みますと、田川県政時代、平成6年に、新たな出会いを求めてをテーマに、まつり博が展開されました。県民総参加事業として、各市町村が地域住民、各種団体、地元企業の皆さんと一体となって、新たなイベントづくり、地域づくり、伝統文化の発表、そして、海外からも数多くの文化芸術団も招かれ、国際交流豊かに開催されました108日間のまつり博も目標入場者数300万人を上回る351万人の大盛況で終えられたことはまだ記憶に新しいものとなっています。

 県内全市町村がそれぞれの地域のすばらしさを表現されたり、自主的に参加されたサークルなど、積極的に取り組まれたイベント内容は、参加された多くの方々に感動を与えたものと思います。このまつり博で発揮された知恵や情熱、行動力はそれぞれの地域で幅広く生かされ、新しい地域づくりや伝統文化の継承につなげていただいているものと信じるところでもあります。

 また、このまつり博の準備期間から、嬉野町時代、町の職員が研修事業の一環としてスタッフの一員に加えていただき、研修を終えさせていただきました。博覧会で得たいろいろなノウハウをその後の仕事に生かして、新しい地域づくりやイベントの企画にと積極的に取り組み、それぞれの地域やサークル活動が芽生えてきたことも町にとって大きな成果でありました。しかし、今回の合併により、行政と地域が一体となってつくり上げていくものが失われつつありますのがまことに残念でなりません。

 計画に示されたように、この実施期間には熊野古道世界遺産登録5周年や、平成25年の伊勢神宮御遷宮は心のふるさとを思い、全国から多くの人々が訪れていただくことになり、三重の元気さを示す絶好のチャンスと言えると思います。

 そこで、この21年からの実施に当たり、知事の熱い思いを聞かせていただきたいと存じます。よろしくお願い申し上げます。

   〔野呂昭彦知事登壇〕



◎知事(野呂昭彦) 「美し国おこし・三重」に対する思いということでありますが、市町村合併によりまして、県民しあわせプランが目指します地域主権の社会に向けた機運が高まっておると思います。この機運をとらえまして、御指摘がありましたように、薄れてきたと言われる絆の再生であるとか、あるいは地域を担う人づくりと人材を生かして、三重県愛をはぐくむような人生の舞台づくりというのが極めて重要であると考えております。

 そのため、「美し国おこし・三重」におきましては、文化力を生かし、地域主権の持つ多面的な価値に着目をいたしまして、その地域ならではの埋もれた魅力の再発見、磨き上げを行うとともに、県内各地で展開される地域づくりの取組をさらに加速させ、自立・持続可能な地域づくりにつなげていきたいと考えております。

 そして、お話がありましたように、人と人、人と地域、人と自然の絆を深め、この地で暮らしたい、あるいは暮らし続けたい、訪れたいと感じることができるような「美し国 三重」を築き上げていきます。

 なお、各年度におきます具体的な取組につきましては、その前年度に策定をいたします実施計画などで明らかにしながら、21年のオープニング以降、地域での美し国おこしや、あるいはテーマに基づき、全県的に取り組む美し国おこし、人材育成、集大成イベントなど、6年かけましてじっくり取り組んでいきたいと考えております。

   〔14番 笹井健司議員登壇〕



◆14番(笹井健司) ありがとうございました。

 6年間の実施期間に、それぞれ提案されます計画に、非常に楽しみにしているところでもございます。

 自立・持続可能な地域づくりは市町との連携なくしては実施できないし、計画では、平成21年のオープニング年は地域づくりの一環として、人と人との対話を目的に、県内の指定された地域でワールドカフェ方式、すなわち限られた会議室での会議方式ではなく、人々がオープンに会話し、自由にネットワークを築くことのできる対話方式で開催される計画ですが、数地域では、県内一円に浸透することは難しいのではないかと思います。

 事業主体である県は、主役である市町との連携を密にし、例えば、清掃作業をもとに、人と人との触れ合いや対話ができる機会を持つために、県民総参加の日を定めてはいかがでしょうか。既に県の職員の皆さんの中には、NPOやサークル活動を通じ、地域づくりに積極的に取り組んでおられる方もみえます。県民総参加の中で、新たな人との心の触れ合いや幅広い地域づくりを見出すことができると私は思います。

 例えば、先ほど、清掃作業を例に出しましたが、来年の4月18日は県民の日であります。この日に、早朝に皆さんがお集まりをいただいて、それぞれの地域の指定する場所に集合いただく。目的は地域の清掃活動、環境日本一を目指すごみゼロ運動、いかがでしょうか。

 参加者は一般住民、お子さんから高齢者まで、家のお留守番だけ残して、全員参加をすることです。そして、地元企業、商工業に勤務する人、市町の職員ももちろんでございます。住民との密接な関係あります市町の職員がリーダーシップをとっていくというのは大切な役割になるのではなかろうかなと。そこへ、県の職員の皆さん方、2万4441人、この方たちも地域に臨んでいただいて、皆さんと一緒に行動をしていただいたらいかがかなと思うところでもございます。

 こうしたイベントに参加することに意義があり、作業は一、二時間で終わりますが、すべての皆さんが集まる機会を利用し、市・町・県行政の施策の骨子を提案したり、報告したり、自由な議論の場として大きな役割を果たすものと考えます。

 また、毎年、継続することが重要であり、自立できるサークルや持続可能な地域づくりが生み出され、このたびの「美し国おこし・三重」の本心である人と人、人と地域、人と自然、そして、すべての絆を深めていくことにつながっていくものと思いますが、この事業実施に当たり、ソフト事業の一環として県民総参加の日の設定はいかがでしょうか。よろしくお願い申し上げます。



◎知事(野呂昭彦) この美し国おこしの取組でございますけども、いろいろと笹井議員のほうからもお話がありました。

 私どもとしては、地域の課題とか、あるいはビジョン、こういったことについて、まず、意見交換する場として住民グループの参画によります座談会、これは市町単位で複数回開催をいたしまして、こういう取組を6年間継続していくこととしております。

 もちろんその取組の中に、お話がありましたワールドカフェなどは大変新しいユニークな取組であると、こういうふうに思っております。こういった取組をすることによりまして、絆を深める取組でありますとか、あるいは地域資源を掘り起こす取組を展開いたしまして、地域の魅力、活力を高めていきたい、このように考えております。

 それから、「美し国おこし・三重」の取組におきましては、パートナーの皆さんから、いろいろ沸き上がってくる自発的な活動、例えば、環境とか森づくり、海づくり、こういったテーマに基づく全県的な取組である美し国おこしとしてプロジェクト化をいたしまして、有機的に連携をさせることによって、相乗効果を生み出して、大きな発信力につなげていきたいと、このように思っております。

 このような6年間の取組で、テーマに基づき、全県的に取り組む美し国おこしとして、笹井議員御提案の県民総参加の日というような、そういうふうな形で、その機運が十分高まっていけば、そういったことも一つのやり方ではないかなと、こう思っております。

 しかも、御指摘がありましたように、この取組はあくまでも地域づくりということがテーマでありますから、ふだんの取組に継続して行われていくということも御指摘のとおり、大変大事なことだと、こう思っておるところでございます。御意見として承っておきたいと、こう思います。

   〔14番 笹井健司議員登壇〕



◆14番(笹井健司) ありがとうございます。

 ぜひこの実施計画の期間の中で、それぞれの地域に臨んでいただいて、心の絆を深めるそれぞれの実施事業ができ上がってくればすばらしいかなと思います。

 私も町の時代に、町民総参加ということでうたってまいりましたごみゼロ運動、もう10年近くになるわけでございますけども、初めのころ、二、三年は本当にごみの山ができました。しかし、最近になりますと、ごみは本当に少なくなってまいります。

 そして、せっかく寄る機会をただごみの清掃活動で終えてしまうのではなしに、自然と、それぞれの地域の特性の中で、午後からは焼き肉パーティーをして絆を深めるなり、あるいは、そういう自由な議論の中で新しいサークルが誕生したりしてまいりました。公園づくりもしかりでございます。

 いよいよと元気づくりがそれぞれの地域で起こってきておるわけでございまして、行政から仕掛けるそうした事業ではなしに、地域から、自ら出てきたそれぞれのサークル活動が今も続けられているわけでございますので、そうした方向にもぜひ目を向けていただいて、御指導いただきたいなと。

 私は2万4441人の県の職員の皆さん方、すばらしいノウハウを持ってみえます。今まで先輩の皆さん方が地域に入られまして、退職後、なかなか地域となじめないという場面も見るわけでございます。せっかくのそうした技術や、今まで現職で活躍いただいたノウハウを、せっかくのその機会、地域で集まる機会に、ぜひリーダーシップのもとに広めていただきたいし、町の職員の養成なり、あるいは県行政との太いパイプ役を務めていただくと、大きくそれぞれの地域がよみがえってくるのではなかろうかなと思うところでございます。どうかひとつよろしくお願い申し上げたいと思います。

 続きまして、新県立博物館に移らせていただきます。

 新県立博物館建設計画につきましては、昨年、今期のスタートともに、県民しあわせプラン第二次戦略計画に基づき、文化力の向上を新しい時代の公にふさわしい進め方で、今日までの懸案となっていました新県立博物館構想を提案されました。そして、本年に入り、文化審議会や基本計画検討部会の御審議を賜り、このたび、基本計画中間案を示されたところでもございます。

 基本計画の検討経緯で、現在の県立博物館は昭和28年に開館してから、既に55年の半世紀を超え、老朽化が進む中、スペース不足と相まって、一時、新しい博物館の基本構想をまとめられたこともあったようですが、今日に至ったとのこと。また、現博物館の老朽化が進行する中、当面の方針として改修計画を検討されましたが、見送りの結論が出されました。

 県民の皆さんはそれぞれの分野において、知識を高め、価値ある人間形成を築いて、自分自身の夢や希望の実現に一生懸命頑張っておられます。そうした中、充実した県政の推進を大きく期待されているものと思います。

 新博物館構想は知事の熱い思いである文化力の向上に欠かすことのできない条件整備の一つであると思います。一日も早い実現を県民は望まれており、新博物館整備で示された三重の未来を拓く人づくりのため、三重を知り、三重を学び、三重を伝えるため、三重の豊かな自然と歴史・文化の資産を保全・継承し、活用するための文化と知的探求の拠点施設として最も重要な施設であり、現博物館の経緯からも、時機を得た建設計画と思います。

 しかし、新博物館の建設に要する経費は約120億の試算を示されましたが、現状の財政事情あるいは将来を見据えた財政状況の中で、事業費の捻出が可能かどうか疑問です。

 先般、総務部長から、平成21年度をめぐる財政事情を報告されました。財政状況は景気回復の原則から、県税収入が減少傾向にある中で、今後、地方交付税などの財源が圧縮され、また、基金残高が減少する一方で、退職手当、公債費、社会保障関係経費が増加する見込みであり、人件費、投資的経費、一般行政経費の削減について、引き続き検討は必要とのこと。

 また、新政みえでは、この夏に実施いたしました議員研修でも、地方自治研究センターに依頼をいたしまして、三重県財政の分析を平成2年から17年間の経緯を勉強させていただきました。

 分析に当たっては、全国で多くの自治体の財政分析を実施された豊富な経験をお持ちの自治研究センターの母体である地方自治総合研究所の研究員の知識を得ているところですが、歳入面では、製造業の好調によって地方税の伸びはあるものの、地方交付税等の依存財源が主なものとなっているわけでございます。歳出面では、普通建設事業費の補助費、地方単独事業費の拡大や各種団体等に対する補助費等が歳出規模の拡大となっています。

 さらに、今後の県財政の方向性においては、人口減が本県の衰退の始まりとならないような施策を講ずる必要があり、人口減は中長期的には住民税の減収、国勢調査人口で算定する普通交付税の減収にもつながり、行政サービス水準低下と財政規模の縮小の負のサイクルにはまり込まないとも限らないと指摘されています。

 また、健全財政を維持する目安として、経常経費比率は3年前から90%を超え、18年度決算では94.6%と、年々上昇しているところでもあります。この数値は通常、70から80%が望ましいと言われており、先般の総務部長からの県財政の現状でも報告されたように、一般財源総額の9割以上が経常的経費に費やされており、臨時的な財政需要に機動的に対応できる自由度が失われつつある。今後、公債費や退職手当の増嵩により、経常収支比率はさらに悪化の見込みであるとの説明をいただきました。

 まさしく夕張市の財政破綻や大阪府の財政力の弱体な自治体にならないような配慮をしていかなければならないと思い、弱体な自治体、財政が豊かな自治体にかかわりなく、不適正な財政運営のあり方が根本から問われる事態が相次いでいるところでもございます。

 今日の新聞でも、夕張市をはじめ、三つの市、村が破綻をしております。40の市町村が黄信号にまさしくなっているという記事が朝日新聞で報道されておりました。

 こうした中、県財政運営をチェックすべく住民の選挙で選ばれた私たち議会議員の財政責任が改めて問われているものです。そこで、厳しい県財政事情の中で、私の思いとしては、野呂知事の一大事業としての新県立博物館建設をぜひ実現してほしいと思いますが、厳しい財政事情の中で、どのように財源を確保されていくのか、お伺いしたいと思います。

   〔野呂昭彦知事登壇〕



◎知事(野呂昭彦) るるお話がございましたが、まず、本県の財政状況につきましては、歳入につきまして、地方税収入が減少する見通しであるということ、地方交付税の削減等によりまして、一般財源の総額が抑制される傾向にあるところであります。さらに、財政調整基金等の基金残高も底をつきつつございまして、歳入の確保が非常に困難な状況でございます。

 それから、歳出につきましては、公債費や社会保障関係経費が高い水準で推移をしているというようなこともありまして、政策的な経費に使える一般財源は年々厳しくなっておるというような状況でございます。

 そういう中での博物館整備ということでありますが、私はこういうときにありましても、人の心を豊かにする文化の意義を高く評価をし、学びや知的探求といった三重の資産の保全・継承を通じまして、三重の文化力を高め、そして、次の世代と新たな地域創造のため、博物館を整備するということはまさに未来への投資であると考えておるところでございます。

 そこで、新博物館整備に係る財源でございますけれども、建設費や用地取得費など、建設当初に必要となります事業費、これは概算で120億ということをお示ししておるところでありますが、これにつきましては、世代間の公平の観点から、地方債を有効に活用するという考え方を持っております。充当率70%で、約84億円程度ということになります。

 この地方債を充当した残りの部分、120億としますと、残りが36億でございますが、これにつきましては、他の事業には極力影響を与えないような財源手当の方法を今後検討し、お示しをしていきたいと考えておるところでございます。

 それから、博物館ができました後の博物館運営に係る財源の問題でありますけれども、想定約10億円、これに地方債の償還費、それから、人件費、維持管理費、そういった毎年の運営費等が含まれておるわけでございますが、これにつきましては、今後、具体的な組織体制、あるいは職員数、事業内容についての検討を進める中で、より効果的、効率的なものとなりますよう、十分精査をしてまいりたいと思います。

 いずれにしましても、全庁的にさらなる事業の見直しを進め、新県立博物館の整備運営費に対応していきたいと、こう考えております。

   〔14番 笹井健司議員登壇〕



◆14番(笹井健司) ありがとうございます。

 この9月19日には、三重県議会においても、財政問題調査会が発足をいたしました。大学教授3名の方々に調査員を依頼して、これから、県財政の分析をまたいただくと思いますけれども、まさしく健全財政第一に、一大事業である新博物館構想、ぜひ実現をしていただきたいなと思います。県民の皆さん方の待望の施設づくりでもありますので、知事のそうした行動力に大きく御期待申し上げるところでもございます。

 続きまして、農業振興に移りたいと思います。

 先般から、前野議員なり、吉川議員さん、あるいは、今日も竹上議員さんが農業全般にわたりまして、いろいろと提案なり、御意見をちょうだいいたしました。

 私も、今年の米づくり、今日も伊勢新聞で作況指数を発表いただいておりました。私も小さな飯米農家でございますけれども、今まで以上に収穫があったわけでございますけども、まさしく平均作況よりも上回った三重県の作柄であって、ほっとしているところかなと思うところでもございます。

 しかし、担い手をいただいておる作業員の皆さん方、あるいは、農業に携わるそれぞれの農家の皆さん方には、年々、老齢化しつつありまして、担い手の中での面積はどんどんと増える一方でございますけれども、それをこなしていく作業する人が、高齢化と、あるいは人不足で大きな緊急課題になっているわけでございます。

 せっかく投資をして、きれいな圃場整備ができ上がって、いよいよとこれから農業振興を一層深めていきたい、そういう思いの時代から、今や耕作放棄地がちらほら、そうした整備をされた田んぼでも見られるわけでございます。

 山間部の田畑においては、獣害でイノシシ、猿、そして、シカ等の被害にやられて、本当に農業をやっていく意欲すらなくなっているところであるわけでございます。

 米の値はそう上がることなく、安値安定化方向で定着をしているわけでございますし、まして資機材を調達するのにも多額の経費がかかります。今年もコンバインを導入いたしました。1台1500万かかるという農家の皆さん方の御意見も聞きまして、すばらしい性能を持ったコンバインでありまして、それはきれいに刈り上げて、収穫も完全に行くわけでございますけれども、それだけ投資をしても、果たしてそれを生み出す経費をどこから出すのかなということが問われるわけでございます。

 ぜひ私は担い手の育成、緊急課題として具体的な方策を取り組んでいただきたい、県のこれからの農業政策に対しての考え方をお示しいただきたいと思います。

 もう一つは、地産地消の推進であります。

 先般も、豆腐を営業してみえる皆さん方の御意見を拝聴いたしました。県の地産地消の推進には平成15年度からそうした運動が展開をされてまいりまして、豆腐を携わる皆さん方につきましても、地域の集落営農とあわせて、大豆を契約栽培し、順調にそうした栽培面積も増え、そして、豆腐の業者も喜んですばらしい製品ができ上がっており、地産地消の本当に原点でありますそうした自然の食品の確保ができるわけでございますけども、一つの方向の中には、学校の給食材をそうした地産地消の導入を得て、一層連携を強めていきたいという計画がありますけども、生産消費という経済活動にとどまらず、地域の文化や伝統を見詰め直し、経済成長で失った地域資源を取り戻し、地域が本当に自立できるかどうか。

 学校給食は食育という観点から、地域を見詰める題材として、教育の一環として最も大事な役割を果たしているにもかかわらず、早秋、県内で生産された自然植物が導入をいただくのが非常に難しいというお話も聞きました。

 なぜならば、どうしても経費がかさむ、食事になっての単価が上がってしまう、給食費の増加にもつながるわけでございまして、なかなか地元の産物のそうしたものを導入することができないというのが現状のようでございますけども、そうしたものも県行政の中でもう少し見直しをいただいて、積極的に地産地消の推進を図っていただければと思うところでもございます。

 さらには、原油と原材料高騰による支援策でありまして、午前中の竹上議員のお話も、御意見も御指摘をいただいて拝聴いたしました。農業だけではなしに、漁業の皆さん方も大変な御苦労をいただいておるわけでございます。とりわけ農業のそうした燃油等の高騰によりまして、関連資材が値上がりするのも事実あります。来年度の肥料の購入をどうするか、農薬の購入をどうするか。今、農家の皆さん方が非常に苦慮している現状でもあります。そうした現状の経済情勢の変化によっての対応を一気に解消できる県の中での行政支援ができればと思うところでございます。

 そうした状況の中で、この3点についてお聞きをしたいと思います。

   〔真伏秀樹農水商工部長登壇〕



◎農水商工部長(真伏秀樹) 農業振興についてお答えを申し上げたいと思います。

 まず、1点目の、担い手の育成でございますけども、いろいろ御指摘がございましたように、本県の農業の就業構造というのを見てみますと、いわゆる兼業農家率というのが約89%、また、基幹的農業、特に中心になっていただいておる基幹的農業従事者の占める割合の中で、60歳以上の比率というのが約85%ということになっておりまして、いずれも全国平均に比べて、大変高い状況になっておる状況でございます。こうしたことから、将来、地域の農業が維持できるかどうかというのが大変懸念をされておるところでございます。

 このような中にありまして、国におきましては、平成19年度から水田経営所得安定対策など、スケールメリットを生かせる一定規模以上の担い手に施策を集中するという形での効率的かつ安定的な経営体の育成に取り組んでいるところでございます。

 本県では、国の新たな政策展開に対応するとともに、小規模農家が多いという特徴も踏まえまして、平たん地域など条件の良好な地域では、いわゆる認定農業者でございますけども、その認定農業者を農業の担い手として位置づけておりまして、農業者への農地の集積を進めているところでございます。

 また一方、中山間地域などの条件不利地域におきましては、集落ぐるみでの営農組織というのを担い手という形で位置づけておりまして、地域の核となるそうした組織の育成について、現在、努めているところでございます。

 このため、平地農村では、基盤整備をするに際しましても、担い手への農地の集積というのを要件とするような形で実施をしておりますし、また、機械施設等の導入の各種事業をも活用いたしまして、担い手が農業分野においての経営基盤がしっかり確立できるように、そういう形での取組を進めているところでございます。

 一方、中山間地域におきましては、営農組織の中心となりますリーダーの育成でございますとか、組織づくりに向けました集落での話し合いの場づくり、そうしたものを進めておりまして、各地での営農組織の育成に努めているところでございます。

 今後、市町、それから、農業団体とも連携をいたしまして、担い手への農地の集積でございますとか、規模拡大を進めつつ、融資、それから、税制面等の優遇措置もございますので、そうした制度もしっかり活用しながら担い手の育成を着実に進めてまいりたいというふうに思っております。

 2点目の、地産地消でございますけども、県では、地域で生産をされました農林水産物の消費でございますとか、農林水産物に由来するサービスを享受することを通じまして、自らの生活でございますとか、地域のあり方を見直そうという形での運動として地産地消というのを定義いたしております。

 現在、NPO法人地産地消ネットワークみえとの協働により、こうした運動を展開しておるところでございます。また、県民の方々に県内産品を購入できる機会を拡大するということで、小売店でございますとか、販売店、それから、レストラン等の協賛によりまして、みえ地物一番の日のキャンペーンも実施をしておるところでございます。

 こうした地産地消の推進につきましては、生産者の方と消費者の顔の見える関係づくりを進めるということがございますので、県民の皆さんに安全・安心な県内農産物を提供するということにつながっていくというふうに考えております。

 このため、県では平成14年から、安全・安心な県産食材を県民の方に選択していただく、そういうことが選択しやすくなるようにという制度のもとで、県独自のみえの安心食材の表示制度もあわせて進めてきております。

 こうした取組を進めました結果、県民の方の意識、アンケート調査の結果でございますけども、県産品を意識して購入する県民の割合というのが、平成18年度34%であったものが、19年度には42%に増加をしておると、そういうこともいろいろ意識の広がりというものが見えてきているかと思っております。

 今現在、先ほど、給食の関係のほうにつきましては、安全・安心な食を通じて、子どもたちの健全な成長でございますとか、それから、農林漁業への理解を深めるという部分で、教育委員会でございますとか、生産者団体とも連携をいたしまして、学校給食への地域食材の導入ということについても検討を進めておりますので、こうした取組で、いろいろ取組の拡大も図っていきたいというふうに思っております。

 それと、三つ目の、燃油高騰の関係でございますけども、いわゆる農業生産に係ります燃油ですとか原材料につきましては、暖房用のA重油でございますとか、農業用の軽油、それから、肥料ですね。あわせて農業用ビニールでございますとか、出荷用の段ボール等、生産流通の資材も上昇をしておるという状況にございます。

 特に燃油等を多く使用いたします温室ミカンでございますとか、施設花卉、施設トマト等を中心に、生産コストが大きく上昇をしておりまして、コストの上昇を農産物価格に転嫁することができないという状況が、現在、生まれておるわけでございます。

 このため、県内の生産現場におきましては、農家ですとか、JA、その辺を中心に燃油等の原材料使用料を少しでも減らすための栽培管理の改善でございますとか、施設の改良等に取り組んでいただいているところでございます。

 県といたしましても、そうした生産者の取組を支援するために、国のほうの緊急対策も活用いたしておりますし、地域の普及センターとも連携をとりまして、施設園芸のエネルギー効率を高めるための施設の改良でございますとか、化学肥料の代替としての畜産堆肥の活用ということもいろいろ独自に取り組んでおるところでございます。

 さらに、JAグループとの協働によりまして、施肥コストの抑制のための広域的な土壌診断システムの確立でございますとか、モデル的な実証圃での設置、それと、燃油にかわります熱源の活用等、技術開発等にもこれからいろいろ普及に取り組んでまいりたいと思っております。

 なお、国のほうでは、平成20年度の補正予算、それから、21年度の概算要求の中で、いわゆる肥料費ですとか、燃油の増加分に着目をいたしまして、直接的な形で支援策が検討されておるようでございます。こうした国のほうの対策についてもしっかり注視をしていきながら、生産現場の実情に応じた効率的な措置を講じ、農家の経営安定を図ってまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。

   〔向井正治教育長登壇〕



◎教育長(向井正治) 笹井議員御質問の学校における地産地消についての取組でございます。

 教育委員会では平成16年度から、地産地消の観点で地場産品を学校給食に積極的に活用する取組を支援してきてまいっております。各学校でありますとか、共同調理場では、その地域とか県内で収穫されました地場産品を使用しまして、安全で安心な学校給食の提供に努めております。

 例えばでございますが、議員の地元の松阪市の三雲学校給食センターでは、イチゴとか嬉野大根、豆みそなどを多く取り入れました「みくもっ子ランチ」というのを月一回実施しております。また、地元ではございませんが、菰野町では、学校給食に使用する豆腐、これは地元産の大豆でつくられた豆腐を使用する体制がとられております。他の様々な市町におきましても、地域の特色を生かした取組が進められております。

 このような地場産品を使った学校給食は、子どもたちからも非常に好評でございます。また、食育という点においても、生きた教材として活用できることから、有意義であると考えております。

 また、学習の面でも、教育委員会といたしましては、今後とも市町教育委員会と連携いたしまして、地場産品を活用した食育の推進、また、地域の生産者の方々、JA営農センターの方々の協力によりまして、農林漁業体験活動等をモデル的に実施するなどして、各学校での地産地消に関する取組を推進してまいりたいと考えております。

   〔14番 笹井健司議員登壇〕



◆14番(笹井健司) ありがとうございました。いろいろ提案をさせていただいて、御回答いただいたわけでございます。

 特に担い手の問題、農地を確保する、その中での本当に兼業農家が80%もあるわけでございまして、農地を守るだけでも農家の皆さん方、本当に後継者は見つからず、大変な心配をしているところでもございまして、強力な担い手の組織づくりなり、あるいは、地産地消で本当に元気な農業を目指していきたいなと思うところでございます。

 経済状況の本当に厳しい状況の中でございますけども、それぞれの変化に即対応できる県政の御努力を大きく御期待申し上げるところでもございます。

 次に、望月副知事さんには、平成18年から御就任をいただいて、2年間余りでございますけども、三重県政に御尽力を賜りました。

 私、望月さんとの出会いは昨年の3月ごろだったと思いますけども、県職員のスポーツ大会、マラソン大会だったと思うんですけども、そこでマラソンスタイルにきちっと身を包んでいただいて、筋肉隆々のすばらしい容姿を拝見させていただきました。あの方はだれですかと職員にお尋ねしましたら、あの方が副知事の望月さんですということで御紹介をいただいたわけでございます。日ごろ、本当に鍛え抜かれたお体かなというのを直感し、この頭に印象に残っているわけでございます。

 この2年間の厳しい三重県政の中、野呂知事さんのもとで御活躍いただいた結果、感想をお聞かせいただきたいな。そして、これから向かっていく「美し国おこし・三重」の行く末はどうなっていくのかな。県の将来展望もあわせてお聞きできればと思いますので、どうかよろしくお願い申し上げたいと思います。

   〔望月達史副知事登壇〕



◎副知事(望月達史) 平成18年の7月から2年3カ月弱でございますが、そのわずかな期間でございますが、野呂知事のもとで副知事として三重県政の仕事に携わらせていただきました。

 今ほど、議員のほうから過分な御紹介を賜りましたが、私は走ることが趣味でございまして、仕事の合間を縫いまして、できるだけ県内各地、自分で地図を広げて、コースを決めまして、デイパックを担いで、走り回ってまいりました。

 そういった自分の私生活、あるいは仕事を通じまして感じました三重県でございますが、私は非常に奥の深さを感じたところでございます。よく言われますが、地域ごとの多様な文化でありますとか、それから、深い歴史でございますとか、それから、変化に富んだ豊かな自然、私はそういうものを非常に強く感じまして、器でたとえるならば、大変深い大きな器を感じたのが三重県でございます。

 こうした三重県が持ちます特性を、器からにじみ出るものをどのようにこれから地域づくりに生かすかというのが「美し国おこし・三重」ではないかと、私なりに思うものでございます。

 それから、そうした器に入っております先人の知恵でありますとか、歴史や文化を後世に伝えるのが県立博物館の役目ではないかと、そのようにも思います。

 こうした魅力を持つ一方の三重県で、北勢地域を中心に、他県には見られないような産業集積がございまして、全国でも一番活性化した地域だというふうに言われておりますし、私もそのように思います。よくほかの県で勤務しております先輩・後輩からも三重県のことをよくうらやましがられます。

 そういった非常に多様な顔を持つ三重県でございます。私はこれから県外に出ます。これからは県の魅力に非常に引かれました者の1人として、また、県外のいわば応援団の1人として、こういった三重県の魅力がさらに発信され、力が増しますように、微力ではございますが、力を尽くしてまいりたいと、そのように考えております。

   〔14番 笹井健司議員登壇〕



◆14番(笹井健司) ありがとうございました。

 本当に2年間余り、県政に尽くされた功績は大きいものと思います。また、東京のほうへ帰られて、そのすばらしいきれいなフォームでジョギングをされるのかなと予想されるわけでございますけども、健康には十分御留意をいただいて、一層御活躍をいただきたい。

 今度は国会の場で、こうして画面に映ることを私は期待をしたいかなと思っておりますし、皇居の外苑では、そのきれいなスタイルでジョギングをされる姿が見れるかなという楽しみもありますので、ぜひ続けながら、大いに御活躍を御期待申し上げまして、3分余してしまったわけでございますけども、私の一般質問を終わらせていただきたいと存じます。ありがとうございました。(拍手)



○副議長(岩田隆嘉) 44番 西塚宗郎議員。

   〔44番 西塚宗郎議員登壇・拍手〕



◆44番(西塚宗郎) 桑名市・桑名郡から選出されております新政みえの西塚でございます。第2回定例会一般質問の最後を務めさせていただきたいと思います。お疲れでありますけれども、ぜひ最後までおつき合いいただきますようにお願いしたいと思います。

 汚染米の転売が大きな社会問題になっておりますけれども、そもそも不正転売されましたのは、ウルグアイ・ラウンド合意で輸入が義務づけられましたミニマムアクセス米のうち、安全基準を超えたり、あるいは輸送中に傷んだ事故米であります。これまで返品や、あるいは廃棄処分がされなかったのは、食用にならなかっても、輸入枠が消化できる。そのために、農林水産省にとりましては都合がよかったからだと、こんな指摘もあるところであります。

 メタミドホスは中国製冷凍ギョーザの中毒事件で問題になった有機リン系殺虫剤でありますけれども、内閣府の食品安全委員会では、体重50キロの人間が1日事故米を3キロ食べなければ悪影響はないとしています。しかし、食の安全・安心に対する意識が高まっている中で、汚染米の流通は相当以前から続いており、体内に蓄積した場合の健康被害への不安はぬぐい切れません。

 三重県内でも、桑名市、いなべ市、木曽岬町で、平成19年9月から20年2月の間に実施をした学校給食で、事故米混入の疑いがある加工食品を使用していたことが、去る9月21日、明らかになりました。さらに、現在、県下全域に広がりつつあるところであります。

 県民の食に対する安全や、あるいは安心を確保するために、全力で対応してもらいたい、こんなふうに思っているところであります。

 汚染米と認識しながら、食用に転売した悪徳業者を厳しく追及することはもちろんでありますけれども、事務次官や大臣が辞職したことで許されることではなく、農林水産省の無責任体質を根本的に改める必要があるのではないでしょうか。

 前置きが少し長くなりましたけれども、通告に従って質問をさせていただきたいと思います。

 質問の第1は、知事の平和への認識と国民保護計画についてであります。

 三重県の国民保護計画にかかわっては、平成18年第1回定例会で取り上げさせていただきました。その中で、私は三重県国民保護計画が想定する武力攻撃事態、すなわち着上陸侵攻、ゲリラ及び特殊部隊による攻撃、弾道ミサイル攻撃、航空攻撃が起こり得るかどうか、そして、また、武力攻撃事態に対する避難計画についてお尋ねをいたしました。

 野呂知事は、平成17年3月に閣議決定された国民保護に関する基本指針において四つの武力攻撃事態と四つの緊急対処事態が想定されており、武力攻撃事態であるとか、あるいは緊急対処事態ということはあってはならないが、もし万が一、そういった事態が発生した場合には、県は市町や、あるいは関係団体と連携して、国民の安全を確保するため、国民保護のための措置を実施する責務があると答弁されました。

 私も万が一、そういった事態が発生した場合には、知事は国民の安全を確保するため、必要な措置を実施する責務を負ってみえるものと思っております。

 しかし、問題は、国民保護に関する基本指針や三重県国民保護計画が想定するような武力攻撃事態が起こり得るかどうかであります。第二次世界大戦の終戦から63年が経過しましたが、日本はこの戦争の反省の上に立って、二度と戦争を起こさないとする平和憲法を制定したのであります。

 日本国憲法前文で、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起きることのないようにすることを決意し、第9条では、日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄すると定めているところであります。

 ところが、憲法制定から60年が経過する現在、憲法解釈が徐々に変更され、自衛隊という名の軍隊が海外にまで派遣され、活動をしております。こうした状況のもとで、日本は着々と戦争のできる国へ変わりつつあるのではないかと私は危惧いたしております。

 小泉元総理は、備えあれば憂いなしと言われ、国民保護法を含む有事法制について、武力攻撃事態対処法等有事関連三法が平成15年6月、成立をいたしました。また、安倍総理のもとで、国民投票法が平成19年5月に成立をし、平成22年5月に施行されますと、国会において憲法改正への発議ができることになっています。

 日本における備えあれば憂いなしとは、戦争に備えた準備を進めることではなく、憲法前文にあるように、再び戦争の惨禍が起きることのないように決意をし、世界のすべての国々との外交努力などにより、平和を追求することであります。

 先般、名古屋高等裁判所において、イラクに派遣されている航空自衛隊の活動は憲法違反との判決が出され、年内に撤収せざるを得ない状況になりました。

 こうした状況のもとで、武力攻撃事態等のように、突然発生する事態に際して、的確かつ迅速に国民保護のための措置を実施するためには、平素から十分に訓練しておくことが重要であるとして、国民保護法第42条の規定に従って、国民保護に係る国と地方公共団体の共同訓練が実施されております。

 この共同訓練は、都道府県国民保護計画が策定された平成17年度に福井県など5県で実施され、その後、平成18年度に10都道府県、平成19年度には15府県で実施されました。平成20年度には18県で実施されることになっており、本年度で37都道府県が共同訓練を終えることになります。三重県におきましても、10月下旬に実施される予定であると伺っております。

 この共同訓練の目的は、国、地方公共団体、その他関係機関が一体となり、共同訓練を実施し、関係機関の機能確認と相互の連携強化を図るとともに、国民保護のための措置について国民の理解を促進することにあります。共同訓練を実施し、あるいは、これから実施する37都道府県の中で、11道県にあっては、実動訓練ということで、地域住民も参加をさせる、まさに国を挙げての訓練であります。

 私は地域住民と一体となって実施する共同訓練により、国民の理解を促進するというもっともらしい目的に隠された意図があるのではないかと疑問に思っています。

 平成20年度で37都道府県が共同訓練を終えることになりますけれども、麻生内閣で農林水産大臣に就任された石破茂元防衛大臣の出身地であります鳥取県では4回目、福井県、愛媛県では3回目、茨城県、埼玉県、長野県、山口県、佐賀県が2回の訓練であります。

 このように武力攻撃事態が起こり得ることを前提に訓練を繰り返すことにより、結果として、国民の意識の中に、知らず知らず、戦争に備えなければならないということを認識させ、憲法改悪に向けた世論形成につながるおそれがあります。あるいは、むしろそのことを目的に、共同訓練が行われているのではないでしょうか。

 私はこのようにして、いつの間にか日本が戦争のできる国に変わろうとすることをおそれております。そして、三重県が結果として、日本が戦争のできる国に変わることに加担をしているのではないかと思います。

 そこで、お尋ねいたします。

 有事法制や憲法改正に係る国民投票法の成立、自衛隊のイラク派兵など、いつの間にか日本が戦争のできる国に変わろうとしているのではないかと私は懸念をいたしておりますが、知事自身はこの点についてどのようにお考えなのでしょうか。お伺いいたします。

 また、県の国民保護計画について、国と共同訓練が計画されていますが、このことが日本の戦争のできる国に変わろうとしていることに結果として加担するものではないでしょうか。あわせて御見解をお伺いいたします。

   〔野呂昭彦知事登壇〕



◎知事(野呂昭彦) 平和への認識と国民保護計画についてお答えをいたします。

 国際情勢はもう御承知のとおりでありますが、世界各地で地域紛争やテロ事件が多発をするなど、緊張の度合いを増しつつあると受けとめておるところであります。これらの背景には、政治経済上の要因とともに、宗教、民族などの違いが根底に横たわっているのではないかと感じております。

 平和を実現していくためにはこういった違いを乗り越えて、歴史的背景や価値観が多様であるということをお互い認め合い、お互いに理解を深めていくということが重要でございます。私は今こそ、日本が国際社会の恒久平和の確立に取り組むべきときであると、こう考えております。

 申し上げるまでもなく、戦争のない平和な社会でなければ、例えば、三重県が目指しております県民しあわせプランの社会像であるところのくらしの安全・安心が確立された社会、こういったものを実現していくことはできません。そんな意味からも、県民の皆様とともに、平和への意識と理解がさらに深まるよう取り組んでいきたいと考えております。

 なお、有事法制でございますけれども、これは日本への武力攻撃やテロへの危険を避けるための外交努力等にもかかわらず、危険が現実のものとなったやむを得ない場合においてとるべき措置を定めたものでございます。また、国民投票法は、憲法96条に定めます改正手続がこれまで具体化していなかったのを立法化したものでございます。私は戦争のできる国に向かっているわけではないと考えています。

 それから、国民保護の訓練に関してでありますが、県が実施をいたします国民保護に関する訓練につきましては、国民保護法に基づきまして実施をしておるものでございます。以前にも西塚議員には何回かお尋ねがありまして、御答弁申し上げておりますけれども、武力攻撃事態や緊急対処事態というのはあってはならないことでございますけれども、もし万が一、それらの事態が発生した際に、県民の生命、身体及び財産を守るため、日ごろから訓練を通じまして、職員の対処能力の向上とか、あるいは市町、防災関係機関との連携強化を図りまして、避難、救援、被害の最小化といった国民保護法で定められております自治体の責務を迅速かつ的確に行えるようにするものでございまして、県としては、あくまでも県民の安全の確保を図るということを目的として行っておるものでございます。

   〔44番 西塚宗郎議員登壇〕



◆44番(西塚宗郎) ありがとうございました。

 知事のおっしゃることは一般論としてはそのとおりだろうというふうに思うんです。しかし、そういったことが日常茶飯事行われることが、知らず知らずのうちにインプットされていくのではないか、そういうことを私自身は恐れているということでお尋ねをしたところであります。

 そこで、二つの点について改めて御質問させてもらいたいと思います。

 三重県で10月下旬に図上訓練でありますけれども、実施をされるということになっております。日時がわかればお答えをいただきたいと、一つは思います。

 それから、もう一つは、三重県の共同訓練は大規模テロを想定して訓練を行うと、こういうことになっているわけでありますけれども、大規模テロというのはどの程度の規模のことを指されるのか、お答えできましたらお願いしたいと思います。



◎防災危機管理部長(東地隆司) 訓練の日時は10月21日にやる予定でおります。

 それから、大規模テロという概念ですけれども、これは非常にちょっと難しい概念でございまして、今、ここで、ああのこうという話はちょっとできません。ただ、テロの状況というのはいろんな対応がございますので、そういった中で、やはり被害が大きく出るというところの中で、大規模ということになろうかと思います。

 以上でございます。

   〔44番 西塚宗郎議員登壇〕



◆44番(西塚宗郎) 何かよくわかったような、わからんような答弁でありましたけれど、また別途機会がありましたら議論させてもらいたいと思います。

 それでは、質問の第2に移らせていただきたいと思います。

 情報公開制度の現状と課題、今後の運用等についてであります。

 この課題については、私の所属する生活文化環境森林常任委員会で議論をさせていただいておりますけれども、なかなか前に向かって進みませんので、あえて本会議の場で議論をさせていただきたいと思います。

 情報公開制度は県民の知る権利を尊重し、県の保有する情報の一層の公開を図ることにより、県の諸活動を県民に説明する責務が全うされるようにするとともに、県民参加のもとで、県民と県との協働により、公正で民主的な県政の推進に資することを目的といたしております。

 三重県では情報先進県を目指して、平成12年4月に情報公開条例を全面改正し、その後、今日に至るまで御苦労をいただきながら、円滑な運用に御努力いただいているものと認識いたしております。

 しかし、一方で、制度としての未成熟な点や様々な情勢の変化から、現行条例の規定や運用に様々な新たな課題が生じていることも事実であると考えています。本来の情報公開の趣旨に基づき、県民の行政への参画を促進し、県民と県との協働による県政の推進がさらに前進していくよう、さらなる制度の充実が必要であるとの観点から質問させていただきます。

 一つには、情報公開請求の近年の実態と傾向についてであります。

 時代の変遷や情勢の変化なども相まって、その請求件数や請求内容に変化が見られるものと考えています。さらに、請求に対応する職員の状況にも変化が見られるのではないかと考えています。

 そこで、過去3カ年程度における情報公開請求件数の推移及び請求内容の特徴や傾向についてお伺いいたします。

 二つには、さきにも述べましたとおり、県民と県が情報を共有することで、県民の県政への参画を推進するとともに、円滑な県政運営に向け、県民との協働をさらに推進するためにも、情報公開は必要不可欠であり、それに伴う一定の業務量やコストは当然であります。

 しかし、近年、頻発かつ膨大な公文書の開示請求により、対応する職員の業務量が増大し、時間外勤務についても増加していると聞き及んでいます。ケースによっては、公開対象が限定されず、広範囲にわたるため、多数の職員が対応を余儀なくされたり、請求申請時の対応に深夜まで及ぶことがあったり、開示に当たって、多数の職員が対応せざるを得なかったりなど、県民に対する説明責務を逸脱するような状況が見られます。

 そこで、情報開示請求への対応に係る業務量やコスト、対応の実態についてお伺いいたします。

 三つ目は、今後の対応についてであります。

 現行制度の未成熟さから発生している様々な課題や県職員の過剰な業務対応の現実を踏まえて、本来の県民と県との協働による公正で民主的な県政の推進に向けた条例改正や運用の改善を急がなければならないと考えています。

 本年第1回定例会2月会議において、森本議員の質問に、総務部長は情報公開条例の見直しについて検討が必要な時期に来ているとの考えを示されましたが、いまだに具体化されていません。条例改正を含めて、今後の情報公開制度をどのように見直していくのか、見直しの方向性とその進捗状況並びに見直しのスケジュールについてお伺いいたします。

   〔安田 正生活・文化部長登壇〕



◎生活・文化部長(安田正) 情報公開制度について3点御質問をいただきました。

 情報公開制度につきましては、昭和63年度からスタートした本県の情報公開制度は、今年度で20年となりまして、これまで広く県民等に利用されておるところでございます。

 最近の情報公開の状況につきましては、請求件数で、平成17年度、約6000件、18年度、約6800件、19年度、7900件と増加傾向にあります。この要因といたしましては、法人による請求の増加がありまして、請求内容としては、工事の設計等が増えております。

 また、決定件数につきましては、17年度で約3万件、18年度で約3万9000件、19年度で7万4000件で、19年度が大きく増加しているのは、対象公文書が複数の所属にわたる支出関係書類等の開示請求が多くあったことなどによるものでございます。

 次に、業務量の問題でございますけど、昨年11月及び12月における開示の実施に要した時間等を調査いたしました。その結果によりますと、全庁で情報公開に要した2カ月間の業務量は約3万時間で、計算上、延べ90人強の人員が携わったこととなります。

 開示の対応につきましては、19年度に深夜まで及んだ開示事例も一部ありましたが、年度末に、各所属長宛の通知により、開示対応が勤務時間外にまで及ぶような場合は、管理職が全面的に対応することといたしまして、今年度に入り、状況は改善をしつつあります。

 しかし、一方で、地域機関の公文書の開示場所をめぐりまして、開示請求者との間で調整がつかず、開示が進まなかったり、従前からの大量請求や公文書の特定が困難な請求等の問題がありまして、情報公開制度を運用していく上で大きな課題となっております。

 このような状況を踏まえまして、現行条例において明確な規定がないことから混乱が生じておると判断いたしまして、条例の改正を検討しております。改正の内容につきましては、開示方法、それから、開示場所や開示の有効期限などを規定したいと思っております。

 条例改正に向けてのスケジュールでございますが、パブリックコメント及び公聴会などをこれから実施いたしまして、11月会議に条例改正案を提出したいと考えております。

 また、条例を改正いたしましても、かなり運用の面で問題がございますので、条例の改正に加えまして、開示記録の作成や関係部で情報共有などによりまして、情報公開の円滑な推進を図っていきたいと考えてございます。

 以上でございます。

   〔44番 西塚宗郎議員登壇〕



◆44番(西塚宗郎) ありがとうございました。

 11月会議で条例改正をというお答えでありました。ぜひお願いをしたいと、こんなふうに思っております。

 今、部長もおっしゃられたように、運用でどのようにしていくかということが非常に大切な課題だと、こんなふうに思っておりますので、条例改正のみならず、運用面についてもぜひ改善をしていただくようにお願いをしておきたいと思います。

 次に、質問の三つ目に移らせていただきたいと思います。

 国民健康保険の保険料滞納者の取り扱いについてであります。

 この課題につきましては、去る9月25日、真弓議員の一般質問並びに関連質問で萩原議員からも質問がありました。お二人は保険証を取り上げられた子どもがたくさんいることが問題である、そういった趣旨であったのではないかと、こんなふうに思います。重複する部分もありますけれども、改めて私からも質問をさせていただきたいと思います。

 小泉構造改革によって格差社会が拡大したと言われ、社会問題になってから久しくなりますけれども、いまだ格差社会は解消されていません。このような格差社会を反映して、国民健康保険の保険料を滞納する世帯が急激に増加いたしております。

 三重県における国民健康保険の保険料滞納世帯の状況は、平成20年6月現在、全加入世帯数27万8526世帯に対し、滞納世帯数6万6247世帯で、23.78%であります。後期高齢者医療保険制度の始まる前の昨年6月現在では、全加入世帯数36万352世帯に対し、滞納世帯数6万4460世帯で、17.89%でありましたので、滞納世帯が5.89%もの急激な増加となっています。

 市町村は保険料を滞納している世帯に対し、滞納6カ月目から、滞納者の滞納状況等を勘案し、総合的に判断されるものの、国民健康保険法第9条第10項の規定により、被保険者証に特別の有効期間を定めることができるとされています。これは短期証と言われるもので、特別の有効期間は三重県内の市町においては、統一して1、3、6カ月が基本であります。

 また、国民健康保険法第9条第3項では、市町村は保険料を滞納している世帯主が納期限から厚生労働省令で定める期間、これは1年でありますけれども、経過するまでの間に保険料を納付しない場合には、政令で定める特別の事情があると認める場合を除き、被保険者証の返還を求めるものとすると規定しています。

 そして、同じく第9条第6項で、被保険者証を返還したときは、市町村は世帯主に対し、被保険者資格証明書を交付することが規定されています。このことについて、真弓議員並びに萩原議員は、保険証が取り上げられ、あたかも無保険者になったように発言されたように私は感じました。県民に誤解を与えるのではないかと、こんなふうに私自身、思ったところであります。

 正確に申し上げれば、次のように取り扱いされることになります。被保険者資格証明書の交付を受けている世帯主の世帯に属する被保険者は、保険医療機関で療養を受ける場合には、資格証明書を提出しなければなりませんが、療養の給付、保険外併用療養費及び訪問看護療養費等の支給を受けることができず、診療費用の全額を一たん支払うことになります。また、特別の事情がなく、1年6カ月、保険料を滞納している場合は、保険給付の全部または一部が一時差しとめられることになっております。

 資料を映写してください。(パネルを示す)数字が細かくて全く見えませんので、申しわけありません。お手元に配付いたしております資料をあわせてごらんになってください。

 これは平成19年6月現在の都道府県の滞納世帯の状況であります。上から18番目が三重県の状況でありますが、滞納世帯数6万4460世帯のうち、資格証明書の交付世帯数は1万1504世帯で、率にして17.8%と、全国平均の7.2%を大きく上回り、資格証明書交付率は全国1位であります。

 去る9月2日付朝日新聞に次のような記事が載りました。少し読ませていただきますと、8月16日、大阪府東大阪市のさる診療所へ、首や腕をかきむしりながら、中1の男子生徒が入ってきた。小児ぜんそくとアトピー性皮膚炎を患っている。診療所長が、かゆそうやなあ。前回、薬を出したのは去年の11月やから、古いから使わんといて。新しい薬を出したいけど、これ、お金が要るねん。ええかなあ。男子生徒は一瞬ためらってから、うなずいた。この生徒は8年前に母親を亡くし、左官業の父親は仕事で各地を転々とし、不在が多い。資格証明書を交付されていたが、診療所の努力により、年金生活者である祖父とやっと連絡がとれ、滞納している保険料を月3000円ずつ、祖父が分納することで短期証が交付された。また、家庭でけがをしたのに、学校の保健室へ来た子どもがいたとも報じられています。

 特別の事情があると認められる場合を除き、保険料を1年間滞納すると、被保険者証の返還が求められることになりますが、この場合の特別の事情とは、国民健康保険法施行令で定める次の5項目であります。

 1、世帯主がその財産につき災害を受け、又は盗難にかかったこと。2、世帯主又はその者と生計を一にする親族が病気にかかり、又は負傷したこと。3、世帯主がその事業を廃止し、または休止したこと。4、世帯主がその事業につき著しい損失を受けたこと。5、前各号に類する事由があったこと。

 なお、三重県では、特別の事情の有無の判断に当たっては、本人との接触、交渉等に努め、機械的に資格証を発行することのないよう、機会を通じて、市町に要請しているとのことであります。

 しかし、先ほど資料でお示しをしたとおり、資格証明書の交付率が全国一高かったり、市町によって大きなばらつきがあることを考えると、市町によっては、特別の事情の判断に当たって、本人との接触や交渉などの努力が不足しているのではないかと思われます。

 さきにも述べましたように、保険料を1年間滞納したために、被保険者証の返還を求められ、被保険者資格証の交付を受けた世帯にあっては、保険医療機関における受診に際し、診療費用を一たん全額支払う必要があります。保険料を納めることが困難な世帯にとって、診療費用を全額一たん支払うことは極めて難しいのではないか、このように想像できると思います。

 このような事態になることを避けるためにも、被保険者証の資格証の交付に当たって、特別の事情の判断はより慎重であるべきと考えますが、いかがでしょうか。県の考えをお伺いいたしたいと思います。

   〔堀木稔生健康福祉部長登壇〕



◎健康福祉部長(堀木稔生) 国民健康保険の保険料滞納者の取り扱いにつきましてお答えさせていただきます。

 県といたしましては、保険料の滞納をしている世帯への被保険者資格証明書の交付に当たりましては、滞納期間のみで機械的に判断して交付するのではなく、先ほど議員からも御紹介がありましたが、国民健康保険法施行令第1条に定めます、世帯主がその財産につき、災害を受け、また、盗難にかかったこと、世帯主またはその者と生計を一にする親族が病気にかかり、または負傷したことなど、こういう特別の事情を十分配慮した上で慎重に交付すべきものと考えております。

 このため、これまでも市町に対しまして、納税相談や被保険者証の更新時など、あらゆる機会を利用して、滞納者本人との接触、相談に努めまして、特別な事情に十分配慮して、被保険者資格証明書を交付するよう、事務指導とか研修会等を通じて助言等を行ってまいっております。

 こうしたことを受けまして、市町は被保険者資格証明書を交付する前に、滞納者に対し、連絡を入れたり、特別の事情の届け出を促したり、弁明の機会を与えるなど対応していただいたところであります。しかし、多少市によりまして、おっしゃっていただいたように、取り扱いに少し差が出てきております。

 今後、滞納世帯の特別の事情の配慮を徹底するように、従前の取組に加えまして、国民健康保険主管課長会議などを通じ、市町の幹部職員にも被保険者資格証明書の発行について特別な事情に配慮し、慎重に期すよう求めてまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。

   〔44番 西塚宗郎議員登壇〕



◆44番(西塚宗郎) 特別の事情の判断については、厚労省令で定める5項目あるわけでありますけれども、災害を受けたとか盗難に遭ったであるとか、そういったことではなくて、より家庭の事情そのものを慎重に見きわめて判断をする、そういったことではないかと思うんです。もう一度、ちょっとお願いできますか。

 18番目が三重県なんですけれども、その下の長野県、見てください。19番目。滞納世帯数はほぼ三重県と同じなんですけれども、わずか485件こそ資格証明書は発行されていないんです。率にしてわずか0.8%でありますので、こういったことを考えていきますと、三重県は冷たい行政が行われているのではないか、こんな感じもするわけであります。ぜひ特別の事情の判断を慎重にやっていただきたい。かつ、家庭訪問していただいてでも、実態を十分調査をした上で判断するように、機会を通じて、ぜひ努力してもらいたい。そのことを申し上げておきたいと思います。

 それから、最後の質問に移らせていただきます。

 県立病院の在り方について質問させていただきます。

 昨今、我が国においては、顕在化する医師、看護師不足や、たび重なる診療報酬改定などにより、公立・私立を問わず、病院経営への厳しさが増しております。

 このような状況のもとで、平成19年5月の経済財政諮問会議を受けて閣議決定された経済財政改革の基本方針2007についての中で、公立病院改革に取り組むことが明記され、平成19年12月、総務省から公立病院改革ガイドラインが示されました。これにより、各自治体は経営効率化、再編・ネットワーク化、経営形態の見直しなどの視点で、公立病院の見直しを行い、経営指標に関する数値目標を設定した上で、公立病院改革プランの策定が求められています。

 経営環境の厳しさが増す中で、これまで民間では担いにくい僻地医療、救急医療など不採算領域の医療や地域医療を担ってきた多くの公立病院にとって、経営形態の変更が迫られています。そのため、経営効率を優先させた病院運営が迫られ、政策医療や不採算医療の切り捨てにつながっていくことが懸念されるところであります。

 70年の歴史を持つ神奈川県の南横浜病院では、2004年に独立行政法人化したものの、経営効率を優先したがために、廃止に追い込まれる結果となったことは、医療崩壊の一例ではないでしょうか。

 公立病院といえども、採算を度外視できるものではありませんし、経営の効率性は必要でありますけれども、採算性の名のもとで、政策医療や地域医療が後退することがあってはなりません。

 三重県の病院事業は平成10年度から、二次6カ年にわたる経営健全化計画を進める中で、平成11年度から地方公営企業法の全部適用へ移行するとともに、4病院の役割と機能を明確にし、収支の健全化のみならず、様々な取組を職員が一丸となって取り組んできました。

 その結果、医療の標準化、患者安全対策、地域連携など、病院機能の強化、また、職員の意識改革による患者サービスの向上、経営参画意識の向上などの成果を上げ、こうした努力のかいあって、計画目標とする病院事業全体としての収支均衡が達成されました。こうした職員の大変な努力に敬意を表したいと思います。

 こうした職員の努力にもかかわらず、新しい臨床研修医制度の導入や診療報酬のマイナス改定など、病院運営を取り巻く環境が変化する中で、医師、看護師不足を主な要因とする特定診療科の休診や稼働病床数の抑制などにより、病院機能が十分発揮できず、経営状況が悪化しています。

 三重県議会では、県立病院等調査特別委員会で、県立4病院の役割と経営形態に関すること及び次期保健医療計画について議論され、本年2月、県立病院の経営形態への検討に当たっては、現在、行われている地方公営企業法の全部適用について、その効果と限界を検証し、民営化にこだわることなく、最も県民福祉の向上が図られるものとすることという提言を行ったところであります。

 このような状況の中で、去る9月9日、病院事業の在り方検討委員会から知事に対し、病院事業の在り方が答申されました。この答申では、こころの医療センターを除く三つの病院の経営形態について変更することが適当であるとされました。県議会から提言させていただきました地方公営企業法全部適用の効果と限界について掘り下げた議論がしっかりとなされたのか疑問に感じるところであります。

 そこで、病院事業の在り方検討委員会の答申について幾つかの問題点を指摘しながら、お尋ねいたします。

 まず、第1に、全部適用継続の可能性について、収支を改善するために、1、診療機能の特化と規模の適正化、2、迅速に対応する経営管理体制とそれを支える事務部門の強化、3、人材確保と病院経営における給与のあり方、4、企業職員としての意識改革の課題について解決が困難であるとされた点であります。

 これらの四つの課題は、全部適用のもとで十分に対応することが可能であると考えられることはもちろん、特に1の診療機能の特化と規模の適正化については、県立病院としての重要な役割である不採算部門を見直すかどうかの判断や、診療圏における基準病床の確保に県立病院が果たす役割を考えれば、十分な議論のもとで、政策判断されるべきであります。

 第2に、病院事業庁県立病院経営室について、廃止または縮小させることが適当であるとのことでありますが、四つの病院にそれぞれ組織を分離することになれば、病院運営のすべてに責任を持つことになり、県や議会や、あるいは医師会など対外的な対応をするための体制を常に整えておく必要が生じ、事務部門が肥大化することは避けられないことになります。

 第3に、総合医療センターについてであります。

 総合医療センターについて、市立四日市病院との統合も視野に入れられておりますが、岩手県の県立釜石病院と釜石市立病院の統合失敗に象徴されるように、重複する機能が多いからという安易な発想で物事を進めると、将来に禍根を残す結果になるのではないでしょうか。私はこのことを危惧いたしております。

 また、経営状況を早期に改善するために、早期に実現可能な地方独立行政法人へ移行することが適当であると結論づけられております。さきに南横浜病院の例を申し上げましたように、独立行政法人に移行したからといって、必ずしもすべての病院において経営状況が改善されるわけでもなく、独立行政法人へ移行のための準備期間などを考えると、現在の経営形態のままで、すぐさま経営改善のための計画を策定し、実行に移すことが現実的ではないでしょうか。

 第4に、こころの医療センターについて、県の必置義務とされていることを踏まえ、県の精神障がい福祉行政との連携を重視し、現行の経営形態で努力をし、その結果、経営改善が得られないときは、指定管理者への移行が適当であるとされています。改善の成果を収支の改善にだけ目を向け、指定管理者制度へ移行させた場合、精神障がい者行政との連携強化はどのように図られるのでしょうか。

 第5に、一志病院について、県立としては廃止し、地域ニーズにこたえられる事業者へ移譲するとされております。しかし、この地域は、過疎・高齢化が進み、それは患者のみならず、診療所の医師にまで高齢化が進み、なおかつ、交通アクセスが不便であることに留意する必要があると答申にもあるように、まさにこの地域は医療における不採算地域であることを検討委員会も認識されておられます。

 このような地域では、民間事業者が担ったとしても、採算性が低く、継続的に地域医療を確保できるかどうか懸念されるところであります。

 第6に、志摩病院については、現在の機能や役割についてすべて必要とされ、公的関与を認めつつも、困難な医師確保という課題を解決するために、指定管理者制度の導入が適当であるとされています。志摩病院は僻地医療支援だけでなく、24時間365日の二次救急受け入れや災害医療、一般病床併設の100床の精神科など、重要な役割を担ってきました。

 全国的にも医師の不足が厳しい状況の中で、指定管理者に移行すれば、医師の確保が保障されるはずもなく、県として責任を持って医師確保の努力をするべきであると考えます。公的医療を担っているからといって、赤字が幾ら膨らんでもよいというものではなく、県民に対し、十分な説明責任を果たすことは言うまでもありません。

 しかし、全国的に医師不足を招いた新たな臨床研修医制度、看護師不足、診療報酬など、抜本的な医療制度改革をすることもなく、総務省から示されたガイドラインに沿って、経営効率を優先させる病院改革は地域医療を崩壊させることは明らかであります。

 県議会、県立病院等調査特別委員会からの提言を無視することなく、県民が安心して医療を受けられるように、最も県民福祉の向上が図られるものとするための県立病院改革についてお伺いいたします。

   〔野呂昭彦知事登壇〕



◎知事(野呂昭彦) るるいろいろお話がありましたけれども、公立病院を取り巻く環境というのは大変厳しい状況にございまして、病院そのものの役割・機能を十分に発揮できなくなってきておるというような状況がよく見られます。

 実はつい最近、千葉県の銚子の市立病院が閉鎖をされ、そして、市民が大変困っておるというようなことで、大きな問題になりました。今、県立病院につきましても、同じような大変厳しい状況がありますから、もしもああいう事態が発生した場合には、それこそ県民にとっても大変な大きなことになります。

 したがって、私はこういう状況、特に今、県から繰入金が、負担金も入れまして年間40数億円、毎年、入っておると。これは博物館の120億という話からいけば、3年でもう十分超えてしまうような額なんですね。これは比較するような問題ではないのでありますけれども、大変そういう状況にあるわけでございますから、これ、県立病院の改革というのは避けて通れない課題であると、こういうふうに認識をしております。

 そんなことから、病院事業の在り方検討委員会には、県民の皆さんに良質な医療を継続的に提供するという視点から、既存の枠にとらわれずに、ゼロベースでの検討をお願いいたしました。9月9日に、その答申を受けたところでございます。

 もちろんこの委員会で御議論をいただいたことの中には、三重県議会で公営企業事業の民営化検討委員会の最終報告というのもございましたし、また、県立病院等調査特別委員会からの提言というのもあったわけで、これらもこの在り方検討委員会での議論の中では参考にされたと伺っておるところでございます。

 その上で、県民に良質な医療を継続的に提供していくため、県立病院が果たすべき役割や機能と、それらをより効果的に発揮できる運営形態を提言いただいたものと理解をいたしております。

 私としては、今後、県民が安心して医療を受けられるようにするために、この答申を最大限尊重して、病院改革に取り組んでいきたい、そう思っておるところであります。もちろん、この病院改革に当たりましては、住民や様々な関係者に大きな影響を与えるものでございます。そういうことから、市町、三重大学などの関係者のほか、もちろん病院職員の意見というものも十分聞いた上で、県としての考え方をまとめてまいりたいと、こう思っております。そのためにも、できるだけ早期に庁内に専任の推進組織を設置していくことといたしております。

   〔44番 西塚宗郎議員登壇〕



◆44番(西塚宗郎) 病院改革のための、検討するための組織を庁内に立ち上げるということでありますけれども、検討していただく場合に、先ほども申し上げましたように、議会からも本年2月に提言させていただいておりますので、そのことは尊重してもらいたいということを申し上げたいと思うんです。

 先ほど、知事がおっしゃられました、一般会計から40億入れていると。3年間たてば、博物館が建つよと、こうおっしゃられたわけですけれども、博物館も重要ではありますけれども、人の命より重いものはないわけでありますので、ちょっと知事、軽率な発言ではないかなという感じがいたしました。

 それで、この在り方検討委員会の答申、これ、全部見させていただきました。かなり矛盾するようなことが書いてあるのではないかなと、こんなふうに実は私は思ったわけであります。

 第1章の病院事業のこれまでの取組の中では、先ほど申し上げましたように、平成10年度からの二次6カ年にわたる健全化計画の中で、職員が一丸となって努力した結果、収支均衡が達成されるとともに、多くの成果を上げてきたというふうに書いていただいております。

 ところが、第5章のところまで来ると、少し矛盾を感じるような感じになってくるわけであります。例えば、総合医療センターの方向性について、このような表現がされております。市立四日市病院との関係性において期待されているのは、二つの病院がよい意味で競合しながら専門性を高め合い、身近なところで選択可能な病院群を形成することであると、方向性としてはそういうことだと書いてある。

 期待される役割なり、機能の点では、総合的な機能を活かした初期臨床研修の充実や、高度先進領域の臨床への積極的な取組等により、臨床研修医及びシニアレジデントの育成及び定着を図り、将来的には県内の医師不足の解消に貢献することが期待されると、このようにおっしゃっていただいているわけであります。

 ところが、一方では、市立四日市病院と統合せよとか、新たに経営形態を変更せよとか、おっしゃってみえることが支離滅裂ではないか、こんな感じを受けるわけでありますけれども、その点について改めてお伺いしたいと思います。



◎健康福祉部長(堀木稔生) 今回の在り方検討委員会におきましては、それぞれ病院の院長さんはじめ、もしくは、医師会はじめいろんな方が入っていただいて、検討会をしてきていますし、その中で、いろいろ現場の御意見も聞いてきております。

 今、おっしゃっていただいた議論の中には、それまでの病院事業の取組評価も入っておりますし、今後のあり方につきまして、いろいろ多面的に検討していただきまして、その中でいろいろの検討した結果として、運営形態のあり方、地域の医療ニーズをどう確保していくかということを踏まえた中で、運営形態の議論がされてきていますので、論理的に一応整理をされているというふうに、こちらは考えております。

   〔44番 西塚宗郎議員登壇〕



◆44番(西塚宗郎) どうもありがとうございました。

 これから具体的に検討をいただくわけでありますけれども、ぜひ、先ほど申し上げましたように、議会における提言でありますとか、あるいは職員の意見なども十分聞いていただいた上で進めていただきたい。

 そんなことを申し上げて、少し時間を残しましたけれども、このあと、議案の質疑があるようでありますので、この辺で終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。(拍手)



○副議長(岩田隆嘉) 以上で、県政に対する質問を終了いたします。



△休憩



○副議長(岩田隆嘉) 暫時休憩いたします。

               午後2時54分休憩

          ──────────────────

               午後3時14分開議



△開議



○議長(萩野虔一) 休憩前に引き続き会議を開きます。



△質疑



○議長(萩野虔一) 日程第2、議案第1号から議案第19号まで並びに認定第1号から認定第4号までを一括議題とし、これに関する質疑を行います。通告がありますので、順次発言を許します。41番 三谷哲央議員。

   〔41番 三谷哲央議員登壇・拍手〕



◆41番(三谷哲央) 議案第17号、「美し国おこし・三重」三重県基本計画についてお伺いをしたいと思います。

 さきの議案説明のときに、この「美し国おこし・三重」は、この5月に議決をいたしました三重県地域づくり推進条例の具体的展開であるとのお話だったと記憶をいたしております。これは当然といえば当然のことであります。国でいえば法律、県でいえば条例、我が国は法治国家である以上、県の諸施策は法律、条例にのっとって、または、条例趣旨に沿って展開されるのは当然でございます。三重県地域づくり推進条例は議提条例でございますけれども、全会一致でこの本会議で可決をされております。

 今回、提案されています「美し国おこし・三重」は新しい手法による地域づくりであると伺っております。先ほども地域づくりがテーマだとおっしゃっておりました。地域づくりであるならば、本県の地域づくりの基本条例とも言うべき三重県地域づくり推進条例の条例趣旨に沿って、施策展開がなされていなければならないし、なっていなければこれは少し困った話になってまいります。

 そこで、改めて地域づくり推進条例を読み直してみますと、条例の第2条に地域づくりの定義が書かれております。地域づくりとは、多様な主体が地域社会の課題の解決に向けて、地域の資源や特性を生かし、地域社会の維持及び形成を資するために行う、県内各地域における持続的な活動を言うと、このようにあります。つまり、地域づくりは地域社会の課題の解決に向けて行う持続的な活動であると、こう言っているわけであります。

 また、第3条の、この条例の基本理念でも、地域づくりは次に掲げる事項を基本理念として推進されるものとするとした上で、地域社会の課題解決のため、地域社会を支える多様な主体の協働により、その展開が図られることと、このように書かれております。

 この条例趣旨を踏まえてお伺いいたしますが、「美し国おこし・三重」が解決しようとしている地域課題とは一体何なんでしょうか。地域課題が明確でないと、一体何のために、これから6年間、36億のお金を使って行うのかがわからなくなってまいります。この点をお伺いしたいと思っております。

 ついでにつけ加えさせていただきますと、今、県民の皆様方に地域づくりのために解決をしなければならない地域課題は何ですかと、このようにお伺いをすれば、恐らく100人中99人ぐらいは、先ほど来、御指摘のありました崩壊の危機に瀕している地域医療の問題であったり、また、様々な問題が出ております地域間格差の問題であったり、また、過度な過疎等の結果、限界集落など、このような問題だと。このようなことが、すべての方が挙げられるのではないかと、こう思います。

 このイベントを6年間やって、このような地域課題が本当に解決するんでしょうか。暮らしたい、暮らし続けたい、訪れたい、幾らこう言っても、地域医療が崩壊していたり、また、中心市街地が寂れていたりすれば、暮らしたくても暮らせなくなるのではないかと、このように思っておりますが、知事の御見解をお伺いしたいと思います。



◎知事(野呂昭彦) まず、地域づくり推進条例でございますけれども、ここでは少子高齢化の進展、住民の地域社会とのかかわり方の変化等に伴い、地域においては、集落の有する機能の維持等に関し、看過することのできない問題が生じてきているという認識のもとで、今、おっしゃいましたような多様な主体の協働による地域づくりが推進され、もって個性豊かで活力ある地域社会の実現を図るということを目的としておられます。この条例を、そして受けておるところであります。

 これまでの地域づくりにおきましては、さっきほかの方の質問にもありましたけれども、薄れゆく絆の維持・再生や、それから、地域を担う人づくりと人材を生かす舞台づくり、こういったことへの対応が不十分であったというふうに考えております。

 そして、昨今は、人口減少であるとか、あるいは少子高齢化、あるいはグローバル化、あるいは環境問題、こういった様々な地域課題を抱えておるわけでございます。そういう中では、県が提唱しております新しい時代の公によります新たな住民自治のあり方、こういったことも求められておると考えております。そのために、自立・持続可能な地域づくりを目指す「美し国おこし・三重」に取り組むものでございます。

 そういう中で、例えば、医療のような課題とか、そういうこともいろいろと地域課題としてあるではないかというようなお話でございます。確かにいろんな課題が地域においてはあるわけでございます。「美し国おこし・三重」では、新しい時代の公の考え方のもとで、住民の皆さんやNPO、あるいは企業など多様な主体が一体となりまして、地域の特色ある資源を生かしながら、様々な課題の解決に取り組みまして、自立・持続可能な地域づくりにつなげていくということにしておるところであります。

 そのために、住民の皆さんによります自発的なパートナーグループが取り組みます身近な地域課題の解決や将来ビジョンに向けた活動、こういったことに対しまして、多様な主体から成ります実行委員会が様々な支援を行うということによって、その活動が自立・持続できるようにしていこうと考えております。

 そして、こういった地域の取組を通しまして、薄れゆく絆の維持・再生や、地域の担い手の育成、あるいは地域経済の活性化などにつなげていきたい、こう考えておるところでございます。

 御指摘があった地域医療というようなことについて考えてみますと、「美し国おこし・三重」の取組の中で考えてみても、例えば、医師の養成や確保、あるいは病院の施設の整備、こういったことは、これはこのことによっての解決は難しい地域課題でございます。したがって、政策的には広範なこの条例の範囲ではとても納まり切らないたくさんの課題を県政は抱えておるところであります。

 しかしながら、例えば、この「美し国おこし・三重」においても、在宅介護だとか、あるいは通院などを地域で支えるような、そういう自主的な取組が生まれてくるならば、これはまた地域医療に係る課題解決の一助にもなっていくのではないかと、そういうふうに考えております。

   〔41番 三谷哲央議員登壇〕



◆41番(三谷哲央) できることとできないこととある程度明確にしていただいたほうがいいと思うんです。6年、36億の金をかけてやるイベントで、こういうことは解決できますよ、こういうことはやはり手に負えないと、とても手が出せないよということはやっぱり明確にしておかないと、県民の皆さん方の過度な期待なり、誤解を与える可能性が多分にあると思いますし、ただ地域が抱えている諸課題というのは、こういう祭り事で、お祭り騒ぎで解決できるほど簡単なものではなくて、本当に深刻で、大変な課題がたくさんあるということの認識の上でお考えをいただければと、こう思っています。

 それから、もう1点、余り時間がないので使わせていただきたいなと思いますが、評価についてです。

 私は地域づくりの評価というのは、基本的には自己評価だと、こう思っています。ほかの地区の方が何とおっしゃっても、その土地に住んでいる方がこれでいいと、これで納得だ、満足だと思っておられれば、その地域づくりはおおむね成功しているのではないかなと、こう思います。

 しかし、この計画では、自己評価や客観的数値等を踏まえた外部評価を組み合わせた評価・検証を行うと、こう書いてあります。しかも、総合評価指標として、美し国おこし度というものが出てきまして、文化力の視点、人間力、地域力、創造力から取組の全体指標及び個別取組の指標全項目を傾斜配分し、合計100点満点として5段階評価を行うと。80点以上が5、60点以上が4、40点以上が3、20点以上が2、20点未満が1。

 何か小学校の通知表みたいなものが出てくるんですが、地域課題を解決していくというのが推進条例の目標でしたら、こういう、今、知事がおっしゃったようなパートナーグループに登録するグループ数だとか、仕組みの構築数など、また地域活動参加率とか、こういうものじゃなくて、どれだけ具体的に地域課題が解決していったのかと、そういう解決度だとか、進捗率、こういうものが目標になってこなきゃいけないと思いますし、こういう美し国おこし度なんていう言葉が出てきますと、昔、県民満足度調査というのがあって、満足度というのがあったんですね。

 ちょうど居戸さんが総務局長のころに、職員の皆さんとニュージーランドあたりに行って、勉強されてきたような記憶もあるんですが、あれは県民を顧客に見立てて、その顧客の満足度を最大限にしていくというのが県政の目標だと、こういうふうにしたところです。ただ県民が顧客だけではなしに、所有者でもあるという問題があって、さたやみになっておりますが、しかし、あの満足度のときは、少なくとも満足度が低いというのは、県庁がまだ努力が足りないと、県のほうがまだ悪いんですよというところなんですが、こういう新しい手法を出してくると、地域づくりがうまくいかないのは、おまえらが1や2の点数しかとらないからだという、非常に、とっても失礼な指標になってくるのではないかと思うんですが、いかがですか。



◎政策部理事(藤本和弘) 評価についてお答えをさせていただきたいと思います。

 「美し国おこし・三重」では、地域の魅力や価値を向上させまして、発信するとともに、集客交流の拡大を図り、自立・持続可能な地域づくりにつなげていくという取組でございます。

 この三つの目的を達成するために、それぞれの取組の進みぐあいを、それをはかるものとしまして、地域への愛着度、集客・交流者数、パートナーグループの活動充実・満足度、これを全体指標に設定をさせていただいております。

 ほかに個別の取組につきましては、その成果をはかるものといたしまして、パートナーグループの数、中間支援組織や機能といった自立・持続の仕組みの構築数、それから、地域活動参加率などの個別指標を設定させていただいております。

 さらに、これらの指標に重要度に応じまして配点をさせていただき、その合計点により、総合評価を行う、今、御指摘の美し国おこし度という命名で、それによりまして、地域づくりの進み度合いをはかっていきたいというふうに考えておりまして、御懸念のような比較するものではないというふうに考えております。

   〔41番 三谷哲央議員登壇〕



◆41番(三谷哲央) だれが評価するんですか。



◎政策部理事(藤本和弘) 実行委員会のほうで、それ相応の組織をつくりまして、評価をさせていただきたいというふうに考えております。

   〔41番 三谷哲央議員登壇〕



◆41番(三谷哲央) 冒頭、言いましたように、地域づくりというのは、基本的には僕は自己評価だと思うんですね。実行委員会の方がどんなに偉い方がそろわれるか知りませんけれども、そういう方が他の地域の地域づくりの内容を、少なくとも数値で評価するというのは大変失礼だと思いますが、藤本さん、いかがですか。



◎政策部理事(藤本和弘) 先ほど申しましたように、グループ活動の充実満足度につきましては、各グループに参加をされた方々の自己評価をもって、その評価に充てたいというふうに考えております。

 こういう個々の指標をトータルして、全体の評価をさせていただきまして、私どもの取組がどのように進んでいるかを、我々自身が進捗管理、評価いたしまして、次の取組の改善につなげていくというようなことで、この評価というものを考えておりまして、先ほどから御指摘のような、市町を比較するとか、あるいは、グループごとに比較するとか、こういった目的で使っているわけではございません。

   〔41番 三谷哲央議員登壇〕



◆41番(三谷哲央) 目的で使わなくても、具体的に5段階評価で出てくるわけでしょう。あんたのところは5だよ、あんたのところは1だよ、あんたのところは2だと。これ自体がもう比較することになるんじゃないですか。



○議長(萩野虔一) 簡潔にお願いします。



◎政策部理事(藤本和弘) 数値をそのように使えば、そういうことになるかもしれませんけれども、我々はあくまでこの取組自体の改善あるいは次のもっと効果的に取り組むようなこととして、その目的に使いたいと考えております。

   〔41番 三谷哲央議員登壇〕



◆41番(三谷哲央) もう時間がないので、これで終わらせていただきますが、あと、また詳しく検証させていただきたいと思います。終わります。(拍手)



○議長(萩野虔一) 36番 山本勝議員。

   〔36番 山本 勝議員登壇・拍手〕



◆36番(山本勝) 自民・無所属の山本でございます。

 議案第17号に関する「美し国おこし・三重」についてお伺いをいたします。

 この事業は、世界遺産の熊野古道や伊勢神宮の遷宮を好機ととらえて、平成21年から平成26年までの6年間で県が進める地域おこし事業の企画であり、いわゆる知事が提唱している文化力を生かした自立・持続可能な地域づくりを主眼とする事業であると示されています。

 基本構想では、コンセプトにいろいろ文化力を生かした持続する地域とか、テーマではいろいろ掲げておりますが、実際、今の段階では、いわゆるタイトル的な言葉なり、美辞麗句が並べられているような、こんな感じがいたしまして、どのように具体的に施策を進めていくかというのがなかなかまだ示されておらず、課題も多いようでございます。

 まず、この文化力をどうこの施策の中へ結びつけていくか。そして、基礎自治体である市町の連携がどこまでできるか。これがこの事業の成否のかぎを握っておるのではないかなと、このように思われるわけでございます。

 私も県庁でお聞きをすると、きれいな言葉でお聞きをしますので、そうかなと、こう思うわけでございますが、地域なり、それから、市町の立場に立って、少しちょっとお聞きをいたしたいなと思いますけども、3点ほど、最初にお聞きをしておいて、あと、細かいことに行きたいと思いますけど、「美し国おこし・三重」の施策と文化力の関連について、改めて知事の説明をお伺いしたいと。

 二つ目には、基本計画で、市町の関与がどのような内容になるのか。市町はまだ具体的には理解をされていないようでございまして、地域づくりにおける住民活動やNPOなどとの連携で、自立・持続可能な地域づくりを醸成することは容易でない。これはおわかりになってみえますが、関与がどのような内容になるのか。

 三つ目は、実行委員会、いわゆる県。県といいましても、知事がトップの実行委員会でございますけども、それと市町が協働で行っていくということになっていますが、各市町は職員数の削減など、厳しい財政環境等に置かれております。県は任意ではありますが、新たに市町に地域推進組織を求めてはおりますが、この市町にとっては新たな業務でありまして、人的とか財政的支援をどのようにお考えになっておるのか、とりあえず、この3点、まずお伺いしたいと思います。



◎知事(野呂昭彦) まず、文化力と「美し国おこし・三重」ということについてであります。

 文化力については、かなり多くの人も理解もしてきていただいた反面、しかし、いまだによくわからないという御指摘もあったりします。したがいまして、文化力ということについて、もう一度、改めて申し上げておきますと、文化、これは広い意味のウエー・オブ・ライフとか、人の生き方というような、そういう意味合いでありますが、その文化というのは、例えば、人間がなかなかしっかり生活をして生きておるというと、やっぱりその周りの人は感化を受けるわけですね。それだけ人間の持っておる、そういう力というのは人に感化し、また、周りを変えていくという力を持っています。

 それから、地域ではぐくんできた文化というものは、やっぱり人を魅了し、そして限りなく引きつける力、こういうものを持っておるわけであります。そのように文化の持つ力、これを文化力と私どもはとらえておるわけでございまして、それは心豊かに生きるための一人ひとりの力である人間力。また、たくさんの人の力が集まって、地域の魅力や価値を高めていく地域力。さらに、もう一つ、つけ加え、新しい知恵や仕組みを生み出していく、そういう創造力。この三つの側面に着目をして、三重県ではこれを政策に生かしていこうということにしておるわけでございます。

 この文化力の考え方を県民の皆さんにも御理解いただきたい、わかりやすくお伝えをしようということで、文化力を高め、生かしている取組事例を題材にしましたフォーラムとか、あるいはシンポジウム、これを県内各地で開催をいたしまして、文化力の普及啓発に努めておるところでございます。

 「美し国おこし・三重」では、この文化力の考え方をもとにいたしまして、地域づくりということの取組を加速させていこうということです。地域づくりということになりますと、それぞれの地域で、やはりまずはその地域づくりに取り組んでいこうという多様な形態の中でありますが、まずは人の問題があるわけですね。そういう意味では、そういうキーパーソンとか人づくり、こういった観点、すなわち人間力をしっかりそこで高めていけるような、そういうことの視点というものはどうしても必要であります。

 それから、もう一方、実はそういう人がいても、行政だとか、あるいは多様な主体が地域づくりにかかわっていくわけでありますけど、そういうキーパソンや人材、人が十分に力を発揮できるような、そういう仕組み、仕掛けができなければなりません。

 この「美し国おこし・三重」のお話をしております中では、ある町長は、これはそうか、自分たちの町で住民自治基本条例をつくって、そういう仕掛けをやっぱり用意していくということ、こういうことなんだなという理解をされておる方もいらっしゃいましたが、私はまさにそういう仕組みづくりというものがやっぱり大事だと。

 そして、3点目に、自立・持続というからには、それが、活動が継続するための経済的な視点、こういったことも必要であると。そういうものをとらえまして、実は、この文化力に基づく考え方で「美し国おこし・三重」というものを表現しておるところでございます。

 このような取組の具体例として申し上げますと、例えば、経済面だけから見ますと、効率性の悪い農地の棚田、こういうものが都市住民と協働して復興する取組、こういった例が現にもうあるわけですね。あるいは、ものづくりの知恵も大切な地域資源であると考えまして、地元の食材を使った手づくりの農村料理を様々な世代がかかわって提供をしていく取組。もう既にいろんな取組も行われつつありまして、そういうものも例示としては挙げられるのかなと、こう思います。

 具体的には、今後、市町や、あるいは多様な主体の皆さんがそれぞれいろんな取組を提案され、そして、この美し国おこしの中での取組にされていくのではないかなと思っておりまして、こういう文化力を生かした取組、これが自立・持続可能な地域づくりにつながっていくということを期待いたしておるところでございます。

 残余は、理事のほうからお答えします。



◎政策部理事(藤本和弘) 市町の役割についてお答えをさせていただきたいと思います。

 「美し国おこし・三重」の取組を進めるに当たりましては、多様な主体がそれぞれの役割に応じて、地域づくりを進めていく必要があると考えております。その中で、市町は地域づくりの行政の主な担い手として中心的な役割を担っていたものと考えております。

 例えば、この取組となる座談会への参画と開催案内、会場の設営、あるいは広報などを通じました取組への参画の機運醸成、また、「美し国おこし・三重」実行委員会とともに行います、活動に取り組むグループへの人的・財政的な支援、さらには、活動の効果や情報発信力を高めるために、活動や資源を結びつける、こういったことが期待されるところでございます。

 地域づくりを加速させるために今、この取組を行うわけでございますけれども、担い手づくりや仕組みづくり、コミュニティビジネス等、経済的な視点も加えました一連の取組を市町と連携いたしまして、一体的に進めることによりまして、自立・持続可能な地域づくりにつなげてまいりたいと考えております。

   〔36番 山本 勝議員登壇〕



◆36番(山本勝) 知事からまた詳しく、ある意味では耳ざわりのいい話も今日していただいたんですけども、一般的に文化というのはやっぱり自然に対して学問、芸術、道徳、宗教など、人間生活を高めていく上での新しい価値観を生み出すものということで、いろいろ今、お聞きしたところを見れば、文化という面でのとらえ方というのは合致をしておるなと、こう思うんですけども、この「美し国おこし・三重」の今度、この施策を遂行に当たっては、ベースがこの文化力ということと、ある面では新しい時代の公ですか、これをベースにしてみえるということでございますから、果たして、この文化力というのがこういう、ある面ではイベント的なところもありましょうし、これから展開しようというところに果たして合致をするかな。また、それが本当に基本のベースになるのかなと、こんな思いをちょっとしておるわけでございます。

 もう一つは、実行委員会を設けるということでございますから、どちらにしましても、この文化力をベースにして、最終的な各地域から上がってくるいろいろな取組指標なり、それからまた、構造的に与えられたテーマのところについて各地区から上がってくるという、こういうところを基本にしていくならば、この実行委員会が審査をするというところには必ず文化力というところの、これをベースに審査の基準になってくるという、こういうぐあいの判断をしますから、そう思ったときには、このことをやることによって、活動が狭められてきはしないかと。

 例えば、もうそれを離れて、地域活性化でひとつ持続可能なこんなテーマで出してくれと言うたら、もう少しそれはいろいろ出てくるかもわかりませんけど、そんなところを少し文化力等について、今回の運動のベースについてはいかがなものかなと、このように思っておるわけでございまして、もし御意見があればお願いします。



◎知事(野呂昭彦) まず、文化という言葉の意味につきましては、かなりこれは文化というのは狭い意味の芸術文化というようなとらえ方もあれば、実は私たちの生き様そのものという、そういう大きな意味までいろいろあるわけですね。

 三重県で言っております文化というのは広い意味であります。戦前、軍事力に力を入れた日本が、戦後、経済力に力を入れてきて、そして今、いろんなひずみが起こってきて、もう一度絆を取り戻そうよ、私たちの価値観をもう一遍見直しながら、そういう社会のありようを考えていこうよと、それがまさに文化力だと。こういう言い方をするならば、もっとわかりやすいのではないかなと、こう思っております。

 そこで、その文化力を政策にどうやって生かしていこうかということで、随分研究、勉強もいたしました。そこで出してきた三つの側面というのが人間力ということと地域力ということと、それから、創造力ということでございます。

 したがって、そういう取組、見方、側面からはかっていくと、やっておることのとらえ方がよりわかりやすいのではないかということです。ただ活力ある地域づくりという。



○議長(萩野虔一) 答弁は簡潔に願います。



◎知事(野呂昭彦) 一般的な言い方で取り組んだら、それはそれで、そういう今、申し上げた文化力の指標で、もう一遍見直したらいいところであります。

 それから、評価については、市町村別に評価が出てくるようなものではありません。それから、先ほど、三谷さんの質問にも一つお答えが足りなかったと思いますが、それは、例えば、県民アンケートみたいな中で、この「美し国おこし・三重」に取り組んだことの評価を県民の方からもどういただくのかということを組み込もうということで、今、そういう知恵も絞ろうとしておるところでございます。

   〔36番 山本 勝議員登壇〕



◆36番(山本勝) 時間もございませんけども、知事の選挙公約というところでは、一生懸命理解をしようかなと思いながら質問をさせていただきました。

 ひとつやっぱり持続可能な地域づくりというのは、住む住民の皆さんが自らやっぱりつくり上げていかない限り、なかなかそれは難しいと思いますので、引き続き、努力をお願いさせていただいて、市町の考え方というのは決して今、知事が言うてみえるような、そしてまた、藤本さんが言われるようなこと、思ってみえるようなことばかりではございませんので、例えば、もう費用は大半はもう県が担うべきやとか、人員もやっぱり県がどんどんひとつ、地域の中へやっぱりある程度派遣すべきやとか、いろいろ話はございますので、どうぞその辺、よろしくお願いして終わります。ありがとうございました。(拍手)



○議長(萩野虔一) 21番 中嶋年規議員。

   〔21番 中嶋年規議員登壇・拍手〕



◆21番(中嶋年規) かなり「美し国おこし・三重」、これについての議論が伯仲しておりまして、県政みらいの中嶋でございます。

 私、1点だけちょっと御要望させていただきたいと思います。

 11月1日に、本音でトークが私どもの志摩のほうへおいでいただく予定になっておりまして、何とテーマが「美し国おこし・三重」ということでございまして、この調子ですと、なかなか盛り上がらないんじゃないかなという気もしますので、「美し国おこし・三重」に絡めて、様々な地域課題の解決というようなことも、広くテーマとして取り上げて、意見募集をしていただきたいというふうなことをちょっと御要望させていただきまして、私からの質疑に入らせていただきたいと思います。

 私のほうからは、本県で初めて地方独立行政法人制度を導入します議案第2号の三重県公立大学法人評価委員会条例案、それと、議案第18号の公立大学法人三重県立看護大学定款の制定についての2議案に関して、質疑をさせていただきたいと思います。

 地方独立行政法人制度ということについて復習になるんですが、法律に基づきまして、地方公共団体から独立し、法人格を与えられた組織が、地方公共団体が自ら行う必要性はないものの、民間の主体にゆだねては確実な実施が確保できないおそれのある公共性の高い事務・事業を効率よく、かつ効果的に推進させることによって、地域住民の生活の安定、地域社会及び地域経済の健全な発展を図ることを目的としまして、平成16年度から導入されたものでございます。

 この制度運用のポイントとしましては、議会の議決を経て設定されます中期目標の達成を図るべく、透明で自律的、弾力的な運営を行わせる一方で、適切な事後評価と改善、見直しを行うという仕組みによって、業務の効率や質の向上を図ることとされております。

 こうした観点から見ますと、この制度を有効に活用するためには、法人に対します事後の評価体制、これをしっかりしたものにしなければならないというふうに思うところでございます。そのためには、知事が任命されます監事や、今回提案されております知事の附属機関である評価委員会に期待されておる役割というのには、非常に大きなものがあるのではないかなと思うところでございます。

 この監事の職務や権限につきましては、議案第18号、定款の第9条に書かれておりまして、監事は法人の業務を監査する。それから、監事は監査の結果に基づき、必要があると認めたときは、理事長または三重県知事に意見を提出することができるとされております。

 また、評価委員会の役割につきましては、これは地方独立行政法人法の第11条に書かれておりまして、その第2項に、地方独立行政法人の業務の実績に関する評価に関すること、その他、この法律または条例によりその権限に属させられた事項を処理することとされております。

 こうした職務、役割を果たすために、監事とか評価委員会の委員さんというのは、地方独立行政法人が担う業務の内容とか経営についての専門的な知識や経験を有していらっしゃることはもちろんですけれども、やはり法人とは独立して、客観的な立場で、その職責を担っていただける人物であるということが強く求められるのではないかと思います。

 じゃ、監事さんや評価委員さんの資格はどうなっているのやろうかということを調べてみましたら、まず、監事さんの資格ですけれども、法律の14条2項に、財務管理、経営管理、その他当該地方独立行政法人が行う事務または事業の運営に関し優れた識見を有する者であって、弁護士、公認会計士、税理士その他監査に関する実務に精通している者のうちから、設立団体の長、いわゆる知事が任命すると定められております。

 評価委員会委員の資格については、議案第2号の第3条1項に、委員は経営又は教育研究に関し学識経験を有する者のうちから、知事が任命するとしております。

 一方で、同様の職責を有すると思われる地方公共団体の監査委員、この方々の資格については、地方自治法で、196条で、議会の同意を得て、人格が高潔で、普通地方公共団体の財務管理、事業の経営管理その他行政運営に関し優れた識見を有する者及び議員であることを適格な要件としておるところです。

 とともに、ここが大事なんですが、198条の2において、普通地方公共団体の長又は副知事若しくは副市町村長と親子、夫婦又は兄弟姉妹の関係にある者は、監査委員となることはできないと不適格要件についても規定がされております。

 しかし、前述のとおり、今回の地方独立行政法人の監事や評価委員は、法律や条例案には適格要件だけが規定され、監査委員に適用されるような不適格要件は規定されておりませんので、ちょっとお伺いするのが、知事が任命することとなっております監事や評価委員会委員については、その職責の重さを踏まえて、地方自治法第198条の2に規定する監査委員の不適格要件を適用させて運用していく必要があると考えますが、いかがでしょうか。お答えをお願いします。



◎健康福祉部長(堀木稔生) 御質問にお答えしたいと思います。

 地方独立行政法人法では監事や評価委員の選任の制限についての規定はされておりませんが、監事の場合は厳正公正な監査機能を確保する観点からも、地方自治法第198条の2の監査委員としての就職及び在職の禁止に関する規定の考え方を踏まえまして、そういうような形で選定していきたいというふうに考えております。

 それと、評価委員の選任につきましても、法人制度の趣旨として、その業務の実績に対する客観的かつ中立公正な評価が行われる必要があることから、監事の場合と同様に取り扱っていくこととしてまいりたいというふうに考えております。

   〔21番 中嶋年規議員登壇〕



◆21番(中嶋年規) そういった運用をぜひしていただきたいと思うんですが、それを担保するために、条例を改正というところまで私は申し上げる気はないんですけれども、どういった形で、その運用を担保されていくのか、この答弁だけなのかどうか、そこのあたり再質問させていただきます。



◎健康福祉部長(堀木稔生) この取り扱いを遵守していくために、規定等をまた定めることになっております。その中で明文化をしてまいりたいというふうに考えております。

   〔21番 中嶋年規議員登壇〕



◆21番(中嶋年規) 規定、規則というのは知事が設定する範囲内のものでありますので、議会としてはそれを見せていただいてということになるので、それ以上は申し上げることはできないんですが、そういう形で、文章で残していただいて、また、今後、この地方独立行政法人制度というものをほかの分野にでも導入されていく可能性というのもあると思うんですね。そういった場合の監事とか評価委員の任命に当たっても、同様の配慮をしていただきたい、そのようなことをお願いしたいと思います。

 では、2項目目のほうの質問に入らせていただきます。

 地方独立行政法人化による県内への看護師の就職率の向上についてということをお伺いしたいと思います。

 本会議におきまして、二つの議案を議決すると、この後は、この公立大学法人の中期目標を執行部のほうで検討されまして、そして、議会のほうへ提案していただくと、こういうふうに進んでいくわけでございます。

 これまでも議会で様々な議員から指摘してきたところでありますが、看護大学の卒業生の県内就職率でございますけれども、最近5年間を見ると、平成15年が41.1%、16年が45.1%、17年がちょっと上がって48%、18年度はまた下がって44.1%と、県立という冠がありながら、50%を割っておるという残念な結果になっておるところでございます。

 ただ、直近の平成19年度は62.5%とぽんとはね上がったわけでございますけれども、これにつきましても、なぜこのように高くなったのか、その原因についてはよくわからないということを聞かせていただいておるところでございます。

 ここで御質問なんですけれども、この看護大学、地方独立行政法人化をしていくとなった場合、中期目標には卒業生の県内就職率というのを目標項目として設定されていくお考えなのかをお伺いしたいと思います。

 また、あわせて、この地方独立行政法人制度のメリットであります自律的、弾力的な運営を可能とする、このことによって、県内就職率の向上を期待することはできるのでしょうか。お答えをいただきたいと思います。お願いします。



◎健康福祉部長(堀木稔生) 県立大学を取り巻く厳しい環境に対応いたしまして、将来にわたりまして、医療の高度化、専門化に対応できる質の高い看護師などを養成するとともに、質の高い教育研究を実施、さらに地域に貢献する大学を目指すために自律的かつ弾力的な業務運営が可能な地方独立行政法人化を進めることとしております。

 県内就職につきましては、本人や保護者の就職先の希望や、県内医療機関などの職場としての魅力などの要因に大きく影響されておりまして、平成9年の開学以来、先ほど御紹介もありましたが、卒業生が平成12年度から出てきております。19年度までの卒業生の県内就職率は45.3%ということで、議員御紹介のとおりでございます。

 このため、県内就職率を向上させる取組といたしまして、県内就職先の情報提供や県内就職を勧めるための修学資金の広報にも力を入れておりまして、昨年度の卒業生では8名が修学資金を利用して、県内の病院に就職しております。

 また、県内出身者の県内就職率が高いことから、県内出身者を増加させる取組といたしまして、入学試験におきまして、一般選抜とは別に、県内枠35名を設定してきております。

 今回の法人化に当たりましては、知事が法人に指定いたします6年間の期間の中期目標へ、先ほど議員からも御指摘がございましたが、県内就職率を設定してまいりたいというふうに考えております。さらには、法人が作成いたします中期計画におきましても、これまでの向上策に加えて、県内に就職した卒業生とのネットワークを構築するなど、新たな取組につきましても展開して、さらに県内就職率の向上を目指してまいりたいというふうに考えております。

 メリットにつきましては、御指摘のように、他府県におきましても、大学法人化にとりまして、リーダーシップが強化されるとか、それから、目標が明文化されて、職員に共有されるということがありまして、やはり目標達成に向けて、統一した取組ができるようになりますし、やはり柔軟な取組も理事長の権限等も強化されますので、そこで目標が達成できるものと考えております。

   〔21番 中嶋年規議員登壇〕



◆21番(中嶋年規) ありがとうございました。

 ぜひともこの地方独立行政法人制度のメリットを十分生かして、県内に今、不足しております看護師、できるだけ、1人でも多く就職していただき、また、かつその後の定着については、これはまた県の政策としてしっかり取り組んでいただきたいことを改めてお願い申し上げるところでございます。

 私自身は今まで外部委託化のガイドラインを見直すべきだとか、三重県版市場化テストを導入してはどうかとか、そういったことを提唱してまいりました。行政が担う分野というのはやっぱり時代とともに変わってきておりまして、昔のゆりかごから墓場までという時代ではなくて、やっぱり民間でできることというのは民間にゆだねていただく。

 ただ、それはあくまでも放り出すのではなくて、民間とのパートナーシップのもとで進めていくという姿勢をぜひとっていただく上において、今回のこの地方独立行政法人制度というもののメリット、そしてまたデメリットというものもやっぱり懸念される部分があると思うんです。そういったことも考えていただきながら、この制度の活用というものについて、ぜひとも図っていただきたい。

 そこで、ちょっと知事にお伺いしたいところではあるんですが、基本的に地方独立行政法人法第21条で、地方独立行政法人ができる業務というのは、今回の大学以外に試験研究とか、水道、工業用水、電気、それから、病院、社会福祉事業の経営、公共的な施設の会議場施設なんか、制限列挙されておるわけですが、今後、三重県政において、可能な範囲で地方独立行政法人を導入していく方針であるのかどうか、そのあたりについてのお考えを簡単にお聞かせいただきたいと思います。



○議長(萩野虔一) 簡潔に願います。



◎知事(野呂昭彦) 国においても、行政独立法人のあり方について、いろいろ検証もしながら議論もされておるように聞いております。

 私ども、まず、やっぱり今度、この看護大学につきまして、これを適用しまして、その状況もよく検証しながら、今後、そのほかにも可能性があるのかどうか検討していったらいいことだと思っています。

   〔21番 中嶋年規議員登壇〕



◆21番(中嶋年規) ありがとうございました。

 これで終結いたしますが、しっかり県民、議会とも情報共有をしていただきながら、検証を進めていって、使えるものはどんどん使っていきたいというふうなことを私も思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。終わります。ありがとうございました。(拍手)



○議長(萩野虔一) 萩原量吉議員。

   〔50番 萩原量吉議員登壇・拍手〕



◆50番(萩原量吉) 日本共産党四日市の萩原量吉です。

 認定第4号の平成19年度三重県病院事業決算について、若干質問をいたします。

 今回の決算でも、4病院全体で13億4592万円余の赤字の決算になっています。累積欠損金33億9194万円。しかも、今年度末には、今年は当初から赤字を予定した予算を組んでいますから、今年度末47億円余りの欠損金に膨らむと、こういうことになるわけです。

 問題は、なぜこんなことになったのかということですね。私は自民党や公明党の政権による総医療費の抑制、ここにやはり一番の根本があると。だから、この最大の原因をたださなければ、根本的には直らない、このことを指摘したいのであります。

 この総医療費抑制という点では、社会保障費、連続2200億円削減であるとか、医者を増やさない、医師の抑制という形でずっと続けてきた。定員がなかなか増えなかった。最近ちょっと見直しが進んだけどね。それから、医療費も、OECDなんかでは、医師数も含めて最下位。それから、療養病床なんかも大幅削減をしていく。さらに、今の後期高齢者医療制度もそうです。

 あるいは、国民健康保険証をどんどん上げていって、取り上げという、先ほど問題になった点もそうでありますけれども、とにかく現在、4病院で医師数は29人、定員から減っていると。看護師は定員から44人減っている。定数よりも減っているというような状況ですから、ベッドが稼働しない。だから、当然、利益が上げられない。こういう状況を放置しておいて、赤字だ、赤字だなどといったようなことを宣伝されるというのはいかがなものか。

 その上、ここ3回連続で、診療報酬が引き下げになりましたね。あわせて7.3%。これを今の病院事業会計に当てはめると、約10億円になる。この診療報酬引き下げがやられなかったら、10億円利益が増大していたはずですよね。

 さらに、無保険の人たち、あるいは外国人の人たち。先ほど、無保険については誤解があるんじゃないかと言われたけれども、そうではなくて、保険証が与えられないで、資格証明書を与えられる。資格証明書というのはもらったって、行ったって、それこそ10割払わんならんわけですから、実質、保険証がないというのと同じで、ちょっと紹介しておきますと、全国保険医団体連合会、保団連と言っていますが、39都道府県のデータから計算しまして、正規の保険証を持っている人の平均受診率というのは年間で受診率747%。大体、年間7回以上、医者にかかっている。ところが、資格証明書、いわゆる無保険の人は14.9%。年に0.15回しか診察していないということに現実なっているわけですよね。

 ですから、正規の人に比べて、平均で51分の1。そんな医療機関にかかっていない。だから、もう医療から排除されておる。大変深刻な事態。

 ですから、県立病院なんかは外国人も含めて、無保険の人などが飛び込んできて、未収金1億9000万円、収入減ですよ。民間の病院ならお断りと言えるんだけど、公立病院であるからこそ、やむを得ないという、そういったような実情もあるわけであります。

 この現実をどう変えていくのか。地域医療をこの中でどう守っていくのか。その点で、私は国の、それこそ総医療費抑制の政策にやっぱりきちっと物申す。この姿勢が今ほど求められているときはない。

 ところが、野呂知事は病院事業の在り方検討委員会というのをつくって、そして、この間、出た答申を最大限尊重するというふうに先ほど来、答えておられた。病院事業の在り方検討委員会の答申、病院事業庁は廃止、縮小せよ。志摩病院は指定管理者制度の導入だと。一志病院は県立病院の廃止、地域ニーズにこたえられる事業者に移譲せよと、売り払えと。こころの医療センターは改善が見られない場合には指定管理者に移行だと。総合医療センターは、一般地方独立行政法人への移行をして、市立四日市病院との統合も含めてといったようなことで、現場の実情をわかっているのかと言いたいわけですね。現実に苦労している県職員や県のお医者さん、県の看護師さんたちの、その苦労に思いをいたしてもらいたいと思うんです。

 しかも、この在り方検討委員会のメンバーは、会長は笹川記念財団の理事長、私はどんな人か知りません。立派な人なんでしょうけれども、そういうよその人を呼んできている。

 あるいは、その中には、あの福岡で、福岡は今、もう県立病院は全部なくなったそうですね。かつて九つあったか。この間も、もう第二次の行革で五つとも全部民間に売り払った。麻生財団といいますか、麻生グループの麻生塾本部ディレクターなどというのも入っているわけですね。この人は福岡の公立病院、いわゆる民間に売り払いのための行革委員のメンバーで、ほとんどこれ、麻生グループが安く買うたそうですね。めちゃくちゃ安く買うたそうですね。敷地も施設もものすごい立派やのに。

 そういったようなことをやるような人たちが行革委員のメンバーといいますか、この在り方検討委員会のメンバーで、そして、あなたはこの答申を最大限尊重と。現場の声を聞いているのか。さっき部長は病院長なんかも参加してと言っていたけど、これ、病院長は了解していますか。私、そのことを本当に聞きたい。

 国のこういう様々な施策の中で、本当に苦労しながら、医師や看護師が患者さんの命、健康を守るために頑張っているのに、そういう実情を踏まえないで、よそから来た人を中心にして、こんな答申を出して、最大限尊重だと。県議会の長い時間をかけた答申はどうなっているの。あるいは、病院事業庁そのものがやっている中期経営計画もある。一体、それらはどうするの。やっぱり姿勢が問われますよ。

 本当にその点であなたはどちらの立場に立つのかといったような点を、明確にまず聞いておきたいと。



◎知事(野呂昭彦) 先ほど、西塚議員の一般質問の中でも、この問題、申し上げました。

 医師、看護師の不足などによりまして、病院を取り巻く環境は非常に厳しいものがございます。御指摘がありましたように、国のいろんな医療制度を取り囲む、そういう制度的な問題、国に係る問題、これも強く大きくありますから、どうしても、いつも国に対する要望、提言のときにも強く激しく、また、知事会等でも共通しながら、取り組んで、要望もいたしておるところであります。

 しかし、現実には、冒頭、おっしゃったように、大変、今、病院経営については困難な状況になってきておるところであります、先ほど、私は千葉県の銚子市民病院の例を申し上げましたけれども、結局は医師不足やそういうことも原因しておるけれども、財政上から、もう病院の経営が立ち行かなくなった。聞きましたら、あそこの市長さんは病院経営を継続するということを公約に出られたんだそうでありますが、あの苦渋の決断をするというのは大変なことであったろうと、こういうふうに思います。

 そういうふうに考えていきますと、三重県でもどうにもやりくりできないような状況で病院が破綻をするということになれば、より県民の医療に対する悪い影響が出てくるわけであります。そういう意味では、住民の医療ニーズにも的確にこたえながら、しかし、やはりきちんとした経営ができるようにしていかなければならない、こういうふうに思っておるところであります。

 今回、いろいろ答申をいただいた中に、例えば、運営形態の変更など、様々な御提言もいただいておるところでございますが、もちろんそういったことにいろいろと取り組んでいく必要があるということもありますが、あわせて病院事業管理者、あるいは病院長はもとより、職員自ら経営意識を持って、経営改善に不断の努力を重ねていくということが大事であります。

 先般、私も4病院の院長さんと意見交換をいたしました。それぞれいろんな思いを持っていらっしゃいますけれども、私は病院長の皆さんに申し上げましたのは、とにかく大変なピンチの中にあるんだと。そのピンチをどうやってはねのけながら、県民に適切な医療を提供できるのか。そういうことを、これをチャンスにできるような、そんなこともぜひ考えてほしいということを申し上げました。

 それから、やはり県民の皆さんに説明責任が果たせなければなりません。病院の状況については繰入金が先ほど40数億あると言いました。そして、19年度もさらにそれでもなお13億円の赤字、そして、長期貸付金が25億、そのほかにあるわけですね。そういう状況の中で、まだそれが悪化していくというようなことを置いたままで、それで県民にそれでも御理解くださいよというのは、やはりどこかに限度を超えてしまうところがあるのでないかと、そんなふうに考えますと、病院改革はやはり今の状況の中で避けられない、こういうふうに思っております。

   〔50番 萩原量吉議員登壇〕



◆50番(萩原量吉) 私が聞いたことに全く答えていないでしょう。それで、病院を取り巻く環境は厳しい。その厳しさは一体何なんだという点で、私は本当に、あなた、やっぱり県民の命や健康を守るためというので、もっとやはり中央の自民・公明政権に迫るべきですよ。ねえ。その姿勢がやっぱり本当にない。

 やっぱりこの点で、よそから来た人にそういう内容をいろいろと、わずか10回ぐらいのあれで答申をもらってという形でやっていますけれども、それでは根本的に解決しないし、結果としては、財政が大変だからもう民間に売り払えという形になってしまう。これはやっぱり医療の水準を落とすことになりますよ。

 さらに言えば、私、こういうような状況を放置しておいて、それこそ赤字だというふうに言うておいて、採算性やら、経営の効率化といって、職員が努力していない部分があるのやったら、それは指摘しなさいよ。ねえ。もっとこう改善せよというふうに言ってください。だけど、みんな本当に苦労しているんですよ。

 そんな中で、やっぱりこういう病院にお医者さんや看護師さんが積極的に行ってくれるかどうかという、私、ここの問題があると思う。言葉にはモチベーションだ何だと言うているけど、こんなの、実際、今、働いている人もやる気が出てこんやろうと。違いますか。働きがいや生きがいがわいてきますか、これで。

 だから、やっぱりそこは知事はじめ、県幹部が本当に医師の確保や、あるいは看護師の確保や、今の医療に対する様々な総医療費抑制なんかに対して、これは間違いだということで中央政府に思い切って迫っていく、その姿勢。その中で、私は本当に医師や看護師もこたえてくれる。職員も頑張ってくれる。苦しいけれども、やろうやないかという気持ちが出てくるのやないかということさえ、私はあえて指摘をしておきたいと思うんです。

 これ以上聞いても、あるいは、また時間も来ていますから、やめますけれども、今後とも、やっぱりそういったような今のこういう地方医療といいますか、地域医療を崩壊させる今の政治、これを今、思い切って変えていかなきゃならんし、ある意味では解散総選挙も近い。変えるチャンスですね。私たちも一生懸命、その点では頑張りたいというふうに思っております。

 以上で質疑を終わります。ありがとうございました。(拍手)



○議長(萩野虔一) 以上で、議案第1号から議案第19号まで並びに認定第1号から認定第4号までに関する質疑を終了いたします。



△議案付託



○議長(萩野虔一) お諮りいたします。ただいま議題となっております議案第1号から議案第19号まで並びに認定第1号から認定第4号までは、お手元に配付の議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○議長(萩野虔一) 御異議なしと認めます。よって、本件はそれぞれ所管の常任委員会に付託することに決定いたしました。

          ──────────────────



△議案付託表





議案付託表





 政策総務常任委員会


議案番号件名
4三重県の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例案
16三重県国土利用計画の変更について
17「美し国おこし・三重」三重県基本計画の策定について


 防災農水商工常任委員会


議案番号件名
10三重県中央卸売市場条例を廃止する条例案
12損害賠償の額の決定及び和解について
13損害賠償の額の決定及び和解について
14損害賠償の額の決定及び和解について
15損害賠償の額の決定及び和解について


 生活文化環境森林常任委員会


議案番号件名
3三重県産業廃棄物の適正な処理の推進に関する条例案
6三重県生活環境の保全に関する条例の一部を改正する条例案
7三重県特定非営利活動促進法施行条例の一部を改正する条例案


 健康福祉病院常任委員会


議案番号件名
2三重県公立大学法人評価委員会条例案
5食品衛生の措置基準等に関する条例の一部を改正する条例案
18公立大学法人三重県立看護大学定款の制定について


 県土整備企業常任委員会


議案番号件名
11工事請負契約について(中勢沿岸流域下水道(松阪処理区)松阪浄化センター2系1池水処理設備(機械)工事)


 教育警察常任委員会


議案番号件名
9三重県警察の組織に関する条例の一部を改正する条例案


 予算決算常任委員会


議案番号件名
1平成20年度三重県一般会計補正予算(第2号)
8三重県地方卸売市場条例の一部を改正する条例案
19平成20年度三重県一般会計補正予算(第3号)





認定番号件名
1平成19年度三重県水道事業決算
2平成19年度三重県工業用水道事業決算
3平成19年度三重県電気事業決算
4平成19年度三重県病院事業決算


          ──────────────────



△追加議案の上程



○議長(萩野虔一) 日程第3、議案第20号を議題といたします。



△提案説明



○議長(萩野虔一) 提出者の説明を求めます。

   〔野呂昭彦知事登壇〕



◎知事(野呂昭彦) ただいま上程されました議案第20号について説明申し上げます。

 この議案は、収用委員会委員の選任について議会の同意を得ようとするものです。

 以上、甚だ簡単ですが、提案の説明といたします。何とぞよろしく御審議いただきますよう、お願い申し上げます。



○議長(萩野虔一) 以上で提出者の説明を終わります。

 お諮りいたします。本件は人事案件につき、質疑並びに委員会付託を省略し、直ちに採決いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○議長(萩野虔一) 御異議なしと認め、本件は質疑並びに委員会付託を省略し、直ちに採決することに決定いたしました。



△採決



○議長(萩野虔一) これより採決に入ります。

 決議案第20号を起立により採決いたします。

 本件に同意することに賛成の方は起立願います。

   〔賛成者起立〕



○議長(萩野虔一) 起立全員であります。よって、本案は同意することに決定いたしました。

 これをもって本日の日程は終了いたしました。



△副知事発言



○議長(萩野虔一) この際、望月達史副知事から発言を求められておりますので、これを許します。望月達史副知事。

   〔望月達史副知事登壇〕



◎副知事(望月達史) 発言のお許しをいただきまして、ありがとうございます。退任のごあいさつを申し上げます。

 このたび、10月3日付をもちまして、副知事の職をのくことになりした。平成18年6月の定例会におきまして選任の御同意をいただき、着任以来、知事を補佐する立場といたしまして三重県政の推進のために微力ではございますが、全力を尽くしてまいりました。その間、議員の皆様方には一方ならぬ御指導、御鞭撻をいただきましたことを衷心より厚く御礼申し上げます。

 これからも、県行政とは関係のある仕事に携わることになりますので、三重県政推進のために微力ではございますが、力を尽くしてまいります。今後ともよろしく御指導、御鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

 大変お世話になりました議員の皆様方のこれからの御健康とますますの御活躍を心から祈念申し上げまして、お礼のごあいさつといたします。大変ありがとうございました。(拍手)



○議長(萩野虔一) 御苦労さまでした。



△休会



○議長(萩野虔一) お諮りいたします。明2日から19日までは委員会の付託議案審査等のため休会といたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○議長(萩野虔一) 御異議なしと認め、明2日から19日までは委員会の付託議案審査等のため休会とすることに決定いたしました。

 10月20日は、定刻より本会議を開きます。



△散会



○議長(萩野虔一) 本日はこれをもって散会いたします。

               午後4時19分散会