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三重県 三重県

平成20年第2回定例会 09月19日−02号




平成20年第2回定例会 − 09月19日−02号









平成20年第2回定例会



                平成20年第2回

              三重県議会定例会会議録



                 第 2 号



            〇平成20年9月19日(金曜日)

          ──────────────────

              議事日程(第2号)

                  平成20年9月19日(金)午前10時開議

 第1  県政に対する質問

     〔代表質問〕

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              会議に付した事件

 日程第1  県政に対する質問

          ──────────────────

             会議に出欠席の議員氏名

 出席議員  50名

    1  番              山 中  光 茂

    2  番              津 村    衛

    3  番              森 野  真 治

    4  番              水 谷  正 美

    5  番              村 林    聡

    6  番              小 林  正 人

    7  番              奥 野  英 介

    8  番              中 川  康 洋

    9  番              今 井  智 広

    10  番              杉 本  熊 野

    11  番              藤 田  宜 三

    12  番              後 藤  健 一

    13  番              辻    三千宣

    14  番              笹 井  健 司

    15  番              中 村    勝

    16  番              稲 垣  昭 義

    17  番              服 部  富 男

    18  番              竹 上  真 人

    19  番              青 木  謙 順

    20  番              末 松  則 子

    21  番              中 嶋  年 規

    22  番              水 谷    隆

    23  番              真 弓  俊 郎

    24  番              北 川  裕 之

    25  番              舘    直 人

    26  番              日 沖  正 信

    27  番              前 田  剛 志

    28  番              藤 田  泰 樹

    29  番              田 中    博

    30  番              大 野  秀 郎

    31  番              中 森  博 文

    32  番              前 野  和 美

    33  番              野 田  勇喜雄

    34  番              岩 田  隆 嘉

    35  番              貝 増  吉 郎

    36  番              山 本    勝

    37  番              吉 川    実

    38  番              森 本  繁 史

    39  番              桜 井  義 之

    40  番              舟 橋  裕 幸

    41  番              三 谷  哲 央

    43  番              中 村  進 一

    44  番              西 塚  宗 郎

    45  番              萩 野  虔 一

    46  番              永 田  正 巳

    47  番              山 本  教 和

    48  番              西 場  信 行

    49  番              中 川  正 美

    50  番              萩 原  量 吉

    51  番              藤 田  正 美

   (52  番              欠      員)

   (42  番              欠      番)

          ──────────────────

          職務のため出席した事務局職員の職氏名

   事務局長               大 森  秀 俊

   書記(事務局次長)          高 沖  秀 宣

   書記(議事課長)           青 木  正 晴

   書記(企画法務課長)         内 藤  一 治

   書記(議事課副課長)         岡 田  鉄 也

   書記(議事課主幹)          中 村  洋 一

   書記(議事課主査)          平 井  靖 士

          ──────────────────

            会議に出席した説明員の職氏名

   知事                 野 呂  昭 彦

   副知事                望 月  達 史

   副知事                安 田  敏 春

   政策部長               坂 野  達 夫

   総務部長               福 井  信 行

   防災危機管理部長           東 地  隆 司

   生活・文化部長            安 田    正

   健康福祉部長             堀 木  稔 生

   環境森林部長             小 山    巧

   農水商工部長             真 伏  秀 樹

   県土整備部長             野 田  素 延

   政策部理事              山 口  和 夫

   政策部東紀州対策局長         林    敏 一

   政策部理事              藤 本  和 弘

   健康福祉部こども局長         太 田  栄 子

   環境森林部理事            岡 本  道 和

   農水商工部理事            南      清

   農水商工部観光局長          辰 己  清 和

   県土整備部理事            高 杉  晴 文

   企業庁長               戸 神  範 雄

   病院事業庁長             田 中  正 道

   会計管理者兼出納局長         山 本  浩 和

   政策部副部長兼総括室長        渡 邉  信一郎

   総務部副部長兼総括室長        北 岡  寛 之

   防災危機管理部副部長兼総括室長    細 野    浩

   生活・文化部副部長兼総括室長     長谷川  智 雄

   健康福祉部副部長兼総括室長      南 川  正 隆

   環境森林部副部長兼総括室長      長 野    守

   農水商工部副部長兼総括室長      梶 田  郁 郎

   県土整備部副部長兼総括室長      廣 田    実

   企業庁総括室長            浜 中  洋 行

   病院事業庁総括室長          稲 垣    司

   総務部室長              中 田  和 幸



   教育委員会委員長           丹 保  健 一

   教育長                向 井  正 治

   教育委員会事務局副教育長兼総括室長  鎌 田  敏 明



   公安委員会委員長           寺 田  直 喜

   警察本部長              入 谷    誠

   警察本部警務部総務課長        久 保  博 嗣



   代表監査委員             鈴 木  周 作

   監査委員事務局長           天 野  光 敏



   人事委員会委員            稲 本  節 男

   人事委員会事務局長          溝 畑  一 雄



   選挙管理委員会委員          浅 尾  光 弘



   労働委員会事務局長          吉 田  敏 夫

          ──────────────────

             午前10時0分開議



△開議



○議長(萩野虔一) 台風による被害も心配されるところですが、その進路にも注目しながら、ただいまから本日の会議を開きます。



△代表質問



○議長(萩野虔一) 日程第1、各会派の代表による県政に対する質問を行います。

 通告がありますので、順次発言を許します。40番 舟橋裕幸議員。

   〔40番 舟橋裕幸議員登壇・拍手〕



◆40番(舟橋裕幸) おはようございます。

 新政みえ、津市選出の舟橋裕幸でございます。議長からお話がありましたように、台風が近づいております。過日の大雨で被害を受けられた地域に被害が拡大しないように、また、新たなこの台風で被害が出ないように祈りつつ代表質問をさせていただきたいと思います。

 まず、1点目には、知事の政治姿勢について3点ほどお伺いをさせていただきます。

 今、国では自民党の総裁選挙が真っ最中でございます。候補者の中には、財政再建より財政出動を主張する積極財政派、財政規律を重視し、国民に消費増税を求める財政再建派、さらに、財政規律は大切であるが、増税は避け、減税など経済の成長戦略を重視すべきだとする上げ潮派などがあり、民主党が政権をとれば話は別でありますけれども、もし自民党政権が続くようであれば、次の総裁の経済政策は私たち地方自治体にも大きく影響することとなります。過去に、国は対米公約実現のため630兆円の公共投資基本計画を決定し、バブル崩壊後の経済対策として内需拡大の政策を打ち出しました。その結果、三重県も平成5年から10年間で2兆4914億円もの普通建設事業が実施され、積立金残高は1839億円から694億円に激減し、1兆862億円の地方債が増発され、その結果、地方債残高の累増となり、他の府県同様、財政の硬直化を招いています。

 知事は、平成21年度県政運営の基本的な考え方の中で、身の丈に合った財政運営を行うとともに、簡素で効率的な県政運営に取り組むとありますが、今後、国から積極的財政出動による景気対策を求められた場合、知事は国の求めに応じ財政出動をされるのか、それとも、過去の教訓に基づき、身の丈に応じた財政運営を進められるのか、基本的考え方をお伺いいたします。

 二つ目は、財政健全化法についてお伺いをいたします。

 昭和30年に施行された財政再建法を廃止し、地方公共団体の財政の健全化に関する法律、財政健全化法が施行されました。財政健全化法とは、例えば、自治体に対し一律の特定健康診断を義務づけ、その結果を公表し、健診数値が一定以上の場合は健康指導、入院治療、そういったものを制度化したものだと言えます。健康診断を幾ら受けたところで、それだけでは健康にならないのと同じで、健全化判断基準の測定と公表だけで健全化されないのは当たり前であります。先日、議会に報告されました財政健全化法にかかわる健全化判断比率等によりますと、資本剰余金があったり、黒字のため健全化判断比率が出ない健全な財政状況であるとのことでしたが、将来における見通しも含め、監査委員や私たち議会が十分監視機能を果たさなければならない必要性を痛感しています。

 そこで、議会では、今日の新聞にも載っておりましたが、萩野議長の提唱により財政問題調査会を設置し、専門的知見の活用による議論を始めたところでもあります。二元代表制のもとで、議会基本条例の制定をはじめ様々な議会改革を進めてまいりました。本年度からは全国で初めて会期の2期制も取り入れました。議会事務局職員に過重な業務を強いている実態もありますけれども、財政運営の監視機関としての責務を議会事務局職員の手もかりながら果たしていく決意でございます。

 ただ、財政健全化法も大切かもしれませんけれども、財政運営全般をこの法に縛られては知事の目指す県民主役の県政ができるのか、いささか疑問であります。このたびの健全化判断比率の4指標は、その基準値の妥当性はいかがか、連結のルールはこれでよいのか、国から十分な説明や議論はあったのでしょうか。また、土地開発公社の不良資産を積極的に解消する手立てにはなるでしょうが、赤字解消を至上命題とした際、県民サービスの大幅な低下を招く危険があります。

 例えば、病院事業は近年、単年度赤字、累積赤字を発生し続けています。当然、連結実質赤字比率を押し上げる要因にもなりましょう。対策として、人件費を減らす、医業収入を上げよとなるわけでありますけれども、今の県立病院の危機的状況は、医師、看護師不足や診療報酬の改定に大きな問題があり、高度・不採算医療を担う県立病院において、公的関与の必要性の高い領域にまで財政論理を優先させ、その運営の困難さから、最近発表されました三重県の病院事業の在り方検討結果の答申のような形で逃避することは、県の公的責任の放棄にもつながりかねません。

 また、大規模インフラ整備の筆頭である下水道事業においても議論の対象になるのは必至であります。加えて、民間企業が回避する赤字事業を担当し、公共性を維持しつつ可能な限り税金を減らすために存在する第三セクターへの対応も変わってくるでしょう。単なる財政の赤字、黒字だけの議論ならば、黒字の電気事業を今、なぜ民間譲渡するのかという議論もありましょう。

 このように財政運営に大きく影響を及ぼす財政健全化法に対する知事の御所見をお伺いしたいと思います。

 新年度予算についてもお伺いをいたします。

 内閣府が、今年、4月─6月期の国内総生産が、牽引役だった輸出、個人消費の減少で年率換算3.0%減と、4四半期ぶりにマイナス成長となったと発表しました。これは、戦後最長と言われた景気拡大が終わり、後退局面に入ったことを示すものでしょう。そこに、先日、アメリカ第4位の大手証券リーマン・ブラザーズの破綻により金融不安が世界中に拡大をしています。

 県内では、県商工会議所連合会が行った今年上半期1─6月の県内企業の景気調査によりますと、景気動向現状を示すDI値が3期連続で悪化したとの報道があり、国民生活金融公庫、津、四日市、伊勢の3支店が行った県内企業の経営調査によると、4─6月期の業況、売り上げ、採算状況の各判断はいずれも1─3月期の前期より悪化しており、特に、建設業の落ち込みが激しいとのことであります。

 知事は今年度予算の提案で、本県経済は平成16、17年度実質経済成長率、2年連続全国1位と好調に推移、平成18年度県内製造品出荷額などは初めて10兆円の大台を超えたと述べてみえます。しかし、残念ながら日本の景気は後退局面に入り、三重県も例外ではない状況の中で、新年度予算編成に向けた作業を始める時期になってまいりました。本年度予算ですら好調な税収にもかかわらず交付税の減額を受け、対前年度比マイナス予算でありました。

 そこで、来年度予算編成において、県内の景気動向に対する認識や県税収入をはじめとする歳入見直しをどのようにお考えか。また、歳出の基本的考え方をお伺いいたします。

   〔野呂昭彦知事登壇〕



◎知事(野呂昭彦) 舟橋議員の御質問にお答えいたします。

 まず、財政運営につきまして、身の丈に応じたやり方をするのかどうなのかということでありますけれども、これまでの経済対策、これは過去のものでありますが、バブル経済の終えんに伴いまして、三重県だけのことではございませんけれども、国と協調して三重県におきましても経済の早期回復を図るということから、遅れていた社会資本整備を充実させる、そういったことで公共事業等を実施してきたところでございました。

 そういうやり方をしました結果、社会資本整備ということについては一定の効果を見ながら進みましたけれども、議員のほうからいろいろお話がありましたように、県債残高、これが増加をいたしまして、県債を償還するための公債費が急増するというようなことで、現在の県財政を圧迫する要因というふうになってきていると考えております。

 それで、国のほうで、先般8月29日に、安心実現のための緊急総合対策というのが示されたところでございます。こうした国の動きを踏まえまして、三重県におきましても、特に原油高騰対策として、県内の農水商工業の実態に応じました県独自の緊急対策を今議会において予算計上しておるところでございます。

 議員のほうから、もし、今の政府、総裁選が行われておりますが、今後、国政の中で積極的に財政出動するというような経済対策が行われる場合の県の対応の仕方ということについてお尋ねがありましたけれども、現時点においては、仮にそういう積極的財政出動としても、具体的にどういう事業内容が出てくるのかとかというようなことについては不明でございます。したがって、今、状況をしっかり見守りながら、また情報収集に努め、詳細な内容がわかりましたら、国の対策、これは三重県として十分に活用すべきかどうなのか、適切な対応をその上で検討していきたいと、こう思っておるところであります。なお、仮に、積極的な財政出動を行うという場合にも、当然、地方財政の厳しい状況に政府は配慮すべきものであると、こういうふうに考えております。

 それから、次に、財政健全化法についてのお尋ねがございました。

 これは、全国統一の基準のもとで財政指標の整備とその開示の徹底を図るとともに、地方財政の早期健全化や再生のために新たに整備されたものでございます。この財政健全化法の特徴でありますが、まず、財政指標の算定結果を監査委員の審査に付した上で議会に報告をし、公表することを義務づけていること、それから、財政指標により財政の健全化度を、健全段階、早期健全化段階、再生段階の三つに分けまして、段階に応じた財政健全化の取組を行うことなどでございます。さらに、新たな指標でございます将来負担比率については、算定対象に普通会計のみならず公営企業、一部事務組合、地方公社、第三セクター、こういったものも含めておりますことから、今まで見えにくかった地方公共団体全体の負債が見通せるということができるようになりました。

 以上のことから、この法律は、全国比較の中での本県の位置づけや、本県における今後の財政運営の健全性の確保と透明性の向上には役立つものと考えております。

 この法律に基づきまして本県の平成19年度の決算分の指標について算定を行いましたところ、監査委員の審査はまだ終了しておりませんけれども、実質公債費比率や将来負担比率などはいずれも問題となる数値ではありませんでした。なお、今後は、公営企業や第三セクターなどの経営状況が本県の財政全体に対しどのような影響を与えるのかなどにつきまして引き続き分析を進めていく必要があると考えております。

 それから、一方で、議員御指摘のように、指標を改善するという視点、これのみにとらわれますと、医療や福祉を含め真に必要な県民への行政サービスの提供にも影響が生じるということにも留意する必要がある、こう考えております。このため、指標の健全化を図りつつも、必要な県民への行政サービスの提供が行えるよう、収支の均衡がとれた持続可能な財政運営を行っていくという中で適切に判断をしていくということが必要であろうと思います。

 次に、新年度予算編成についてお尋ねがありました。お話にもありましたように、国内の経済状況というのは今いろんな要因が重なってまいりまして、景気の後退が強く懸念をされておるところであります。本県にありましても、生産面では全国と比べますとやや高い水準にありますけれども、個人消費、あるいは雇用情勢、こういったものについても大変注意を要する状況になっております。

 さて、本県の21年度の歳入の見通しということでありますが、県税収入につきましては、景気の後退が強く懸念されております中で、法人二税を中心に平成20年度当初予算に対して大きく減少することが予測されております。また、地方交付税等につきましては、総務省の平成21年度地方財政収支の8月仮試算によりますと抑制傾向となっておりますので、そのことからいきますと多くを期待するということが困難な状況なのかと思います。さらに、基金につきましては、今年7月の全国知事会議におきまして、地方財政がこのまま推移した場合に都道府県は平成21年度に基金が底をつき、財政運営が立ち行かなくなるという、全国の集計をしたそういう数字に基づいた報告がなされております。本県におきましても、財政調整のための基金残高が底をつきつつあるということなどから厳しい財政運営を余儀なくされておるところであります。

 一方、歳出面でありますけれども、社会保障関係経費の増嵩でありますとか、退職手当、あるいは公債費、これが今後も高い水準で推移をするということが見込まれておるところでございます。

 そういう県財政を取り巻く環境が厳しい状況の中にありますので、限られた財源を重点的、効率的に配分していくという必要がございます。平成21年度の当初予算編成に当たりましては、県民しあわせプラン第二次戦略計画の着実な推進を図るために、みえ経営改善プラン、改定計画でありますが、これを踏まえまして、総人件費の抑制や各種事業費の節減、事務事業の抜本的な見直しなどを進めてまいります。また、県民への真に必要な行政サービスを提供するために、選択と集中をより一層進めまして、めり張りのある予算としてまいりたいなと考えております。今の国政の状況等を見ましても流動的な要素がいっぱいあるかと思いますけれども、そういう中で今後しっかり対応していきたいと思います。

   〔40番 舟橋裕幸議員登壇〕



◆40番(舟橋裕幸) 平成7年に私も当選させていただきました。ちょうどこの積極財政支出が始まったころでありました。その当時の北川知事から、有利に起債が起こせるだとか、高い率で交付税措置がされるでということで、何となく行け行けどんどんで行ったような記憶がございます。もう少し議会としても、それぞれ実施される事業に対してやっぱり精査をする必要があったのかなという反省もあります。あの当時に比べて三重県の財政的な体力というのは格段に落ちているわけでありますから、そういった意味では、国から積極的にやれと言われたって、なかなか、そんなのできへんわなというようなのが実情かと思いますし、知事が言われるように、積極財政を組めというならそれなりの裏打ちの財源をくれというのが本音のところだろうと思います。議会も、これからはやっぱり、今やっている事業を、知事が選択と集中とおっしゃいましたけれども、うちのほうからもこの事業はやめたらどうですかという提案も含めながらしていかなければならない時代になってきたということも認識をさせていただいておるところでございます。

 財政健全化法ですけれども、早期健全化基準、この基準なんですけれども、甘ければ、国はこれだけ貧しいのに地方はこれだけ豊かやないかという理由に使われそうでありますし、逆にこの数値が厳しければ、どんどんどんどんイエローカード、レッドカードを国から乱発されて、いわゆる国によっての自治体の予算編成権の侵害ということにもなりかねないというふうに思います。ある面では、実質公債費比率や将来負担比率を押し上げるような投資的経費を抑制せよといっているというふうに読めるわけでありますし、これが県の自主性を縛るものではないかなと、縛っていくのではないかということを危惧しているところであります。ある面では、地方分権の時代に国がまたおせっかいな制度をつくってきたというような気持ちの受けとめ方をしているところでございます。余りこの健全化法に振り回されないような県政運営を求めておきたいなと思います。

 めり張りとか、集中と選択というようになりますと、先ほどもちょっと話に出ましたように、人件費の問題が必ず出てまいります。総人件費の抑制については、定数削減を中心に執行部のほうで随分取り組まれてきましたけれども、まず、先ほど私のほうからも提案しました、議会からも仕事を減らすということをやっぱり提案させていただくとともに、執行部のほうでも、仕事を切るということも積極的に検討をしていただかなければなりませんし、加えて、情報公開も大切な制度でございますけれども、一部のクレーマー的対応に時間外を含めて随分忙殺されている実態を聞いております。もう少し、情報公開制度が円滑に適正に運営され、職員がやる気を持ってその対応もできる体制を整えていただきますようお願いをしておきたいなと思うところでございます。

 新年度予算については財政調整方針が出てまいりますし、今後の予算決算の委員会のほうで十分議論もできると思いますので、次の項目に移らせていただきます。

 2点目は、自立・持続可能な地域産業の振興についてでございます。

 1点目に、三重県農業振興基本条例(仮称)の制定についてお伺いします。

 農業を語る際、厳しいという枕詞がないときはありません。燃料高騰による経費の増嵩、農家の高齢化、後継者不足、安い農産物の輸入、転作による自由な米づくりに対する規制など、課題、問題が山積であります。過日、WTOドーハ・ラウンドが決裂しました。再開すれば日本は改めて農産物の一層の市場開放を迫られます。再開までの猶予期間において農業改革を進めなければなりません。日本は世界経済の浮揚を促す自由貿易拡大の旗を振る一方で、その自由貿易がもたらす食料自給率の押し下げ圧力を抑えるという二律背反の課題を突きつけられています。一方、現在の食料輸出国が自国の食料確保のために様々な輸出規制をかけており、お金を出せばいつでも国民の安全で安心な食料が安く手に入れられる時代は過去のものになりつつあります。今後、政府の動向を注目していかなければなりません。

 6月27日、閣議決定された骨太の方針2008に、2011年度までに農業上重要な地域を中心に耕作放棄地を解消すると明記されました。また、食料自給率向上についても、日本の食料自給率が40%に回復し、三重県の食料自給率も44%に上がりましたが、それぞれ抜本的な改善ということが理由ではないようであります。自給率向上は生産と消費両面から施策を推進する必要があり、日本農業の基幹である稲作対策がかぎになると考えています。耕作放棄地解消と食料自給率向上は今後、農政上の重要な課題でもあります。

 話は変わりますけれども、女性向けの観光雑誌にるるぶというのがあります。見る、食べる、遊ぶをもじったものであり、観光、食事、レジャーが集客交流の大きなポイントになる証左でありましょう。この中で、景観、食事は一次産業が担うことになります。三重県は観光立県であり、農業県でもあります。荒廃した山林、耕作放棄の農地、赤潮やごみが浮遊する海岸、まずくて高い食材に観光客は魅力を感じることはありません。また、牛肉、ウナギ、そしてお米まで食品の安全性などに対する県民、国民の信頼は大きく失墜する中、県民は安全で安心な農産物の供給を求めるとともに、食育に対する関心も高まっています。

 加えて、食料の供給のみならず、水源涵養、二酸化炭素の吸収・固定、保健休養、災害防止などの公益的機能や県土、自然環境の保全など、多岐にわたり県民生活に重要な役割を果たしていることを改めて認識すべきときであろうと思っています。

 ある農家が、農家がつぶれるのは農家自身の問題かもしれない、しかし、農業がつぶれることは消費者をはじめ国民全体の問題であると言ったのを思い出します。改めて、第一次産業に対し県は積極的かつ総合的施策を進めるべきと考えています。しかしながら、三重県の農業振興施策は、県民しあわせプランにおいて個々の課題解決に向けた事業は進められていますが、多くは国からの指示に伴うものであったり、それぞれ農水省内での縦割りに沿った事業中心であります。横ぐし的な基本的施策をうたった基本条例なり基本方針がありません。肋骨はあるが背骨がない骨格のようで、一本、筋が通っていないように思います。

 そこで、第1に、農業従事者にとって夢のある、前向きな、かつ三重県の特性を生かした農業振興のバイブルとして三重県農業振興基本条例(仮称)なり、農業振興基本方針をつくり、その条例や方針に基づきそれぞれの施策を進め、同時に、生産だけでなく流通、消費、食育に至るまで一気通貫の方針をうたうことが重要と考えますが、知事の御所見をお伺いします。

 加えて、このたび上程された原油高騰対策として漁業関係140万円、農業関係8538万円の緊急対策補正予算の効果についてお伺いをいたします。

 二つ目は、入札制度についてお伺いします。

 今、原油高騰やそれに伴う原材料費の大幅値上げによる経営圧迫は、先ほど申し上げた第一次産業のみならず、公共事業の大幅削減の影響を受けた地域の建設土木関係業種も同様で、瀕死の状態であります。昨年12月、第4回定例会にて測量設計業協会から、また、本年第1回定例会3月会議にて建設業協会から出された入札及び契約制度の改善に関する請願書を県議会にて採択いたしました。

 請願の趣旨を受け、県は本年度に入り、総合評価方式については拡大を図っていただいておると伺っておりますが、低入札価格調査制度や最低制限価格制度についてはいまだ検討中とのことでございます。昨年、私の一般質問の際にも申し上げましたが、県下の各市においては最低制限価格の引き上げを行っています。また、愛知県においては、災害協定を結んだ建設業者などの減少対応として地震等の災害時対策の検討に入ったと伺っています。岐阜県においては、多くの県がよりどころとしている中央公共工事契約制度運用連絡協議会モデルの改正に伴い、低入札価格調査制度における調査基準価格の算出を改正するほか、失格判断基準の適用を全工種に拡大し、調査基準価格を同額としている最低制限価格も変更し、あわせて適用工種を一部拡大するなどの改正を先月から開始されるとの報道もありました。

 三重県においても何らかの見直しを行わなければ、地元企業の廃業、倒産が拡大し、低入札価格調査における見積内訳等の検討にかかわる基本的判断基準である工事の手抜き、下請業者へのしわ寄せ禁止、赤字見積もりの禁止、また、防災協定内容の履行などは絵にかいたもちになってしまうのではないかと危惧しています。一方、最低制限価格の引き上げは税の持ち出しとの意見もありますけれども、業界が極限状態になって財政支出するより、今、予防的効果をねらって財政支援するほうが地域産業育成として費用対効果を考えても有効と考えます。

 そこで、採択された請願の趣旨である低入札価格調査制度や最低制限価格制度の早期見直しを強く求めたいと思いますが、県の御所見をお伺いします。

 また、総合評価方式において、建設・土木工事における7000万円、設計測量業務の500万円の基準を引き下げてほしいとの声も聞きます。すべての工事を総合評価方式にすれば行政コストの増大、新規参入業者の阻害などの弊害が発生しますが、産業界の声を反映した見直しをすべきと考えますので、あわせてお伺いいたします。

   〔野呂昭彦知事登壇〕



◎知事(野呂昭彦) まず、農業振興についてのお話でありますけれども、昨今の農業を取り巻く状況につきましては、国内におきましては国産食料に対する消費者ニーズが高まっております一方で、農業従事者の急激な高齢化や耕作放棄地の増大が続いておりますなど、安定的な農業生産が懸念される状況にございます。また、国際的には、穀物の自給逼迫と価格高騰、原油価格の高騰、WTOでの農産物貿易ルールの強化に向けた調整、こういった農業を取り巻く環境というのは大きな転換期を迎えているとも言えるような状況でございます。

 このような中で農政を進める上で最も基本的なことは、将来にわたり消費者に信頼される安全で安心な農産物を持続的、安定的に供給していくこと、そして、農村地域をはじめとする地域経済の健全な発展を促進していくことであると、こう考えております。こうしたことを的確に進めていくためには、農業者をはじめといたします農村地域の方々の能力、これが十分に発揮をされ、自らの創意工夫と地域の特性を生かしました活動を伸ばしていく、そんな環境づくりということが必要でございます。特に本県農業の特徴でございます水田農業を基幹とした第二種兼業農家主体の農業構造、こういった本県の特徴を踏まえますと、地域農業を元気にしていくためには地域ごとの状況に応じて各種の施策を横断的に展開していける、そういった仕組みを構築していくことが重要であると認識をいたしております。

 農業振興に関する条例とか、それから農業振興基本方針の策定ということにつきましては、こうした考え方のもとで既に条例を制定している20の道府県などでの取組効果でありますとか、農政の方向に大きく影響を及ぼします国の政策動向などを見きわめる中で、生産者、そして事業者、消費者などの御意見もいただきながら今後ともしっかり議論をさせていただきたいと、こう考えております。

 次に、入札制度についてでありますけれども、本県におきましては、平成19年度から原則としてすべての工事に一般競争入札を適用いたしますとともに、工事の品質確保対策といたしまして総合評価方式の試行拡大をしたり、また、低入札価格調査制度、最低制限価格制度の適切な運用、こういったことに努めているところでございます。しかしながら、公共事業費の減少に伴う競争の激化によりまして落札率が下落をしているというようなことから、工事の品質や災害時における緊急対応など地域の安全・安心の確保への影響について危惧しているところでございます。

 総合評価方式につきましては、価格のみならず技術力を積極的に評価する方式でありますことから、品質確保を図るためには有効な方法であると言われております。本県でも平成19年度の試行結果からその効果について検証しましたところ、価格競争による工事に比べまして工事成績点が79.7から83.7へと4ポイント上昇するなど、品質の向上につながっているということを確認しております。このことから、本年度は、予定価格7000万円以上の一般土木工事及び3000万円以上の専門工事のすべての入札、これは約280件ございますが、これに総合評価方式を適用するなど、対象の拡大に取り組んでいるところでございます。

 また、設計業務につきましては平成19年度から、測量業務につきましても本年度から総合評価方式を試行しているところでございまして、本年度は、予定価格500万円以上の測量設計業務の入札につきまして、半数以上、約90件でございますが、これで総合評価方式を試行する予定でございます。今後も、総合評価方式につきましては対象金額を引き下げるなどさらなる試行の拡大に取り組んでまいります。

 一方、低入札価格調査制度につきましては、その基準価格が前回の改定から既に5年以上経過をしております。品質確保の観点から国や近県の状況を踏まえまして、現在、算定方法の見直し作業を進めているところでございます。

 また、総合評価方式を実施しない工事や測量設計業務については最低制限価格制度を適用しておるところでありますが、これにつきましても同様に、現在、見直しを進めておるところでございます。

 残余につきまして担当部長からお答えいたします。

   〔真伏秀樹農水商工部長登壇〕



◎農水商工部長(真伏秀樹) 原油高騰対策に係ります補正予算の効果についてお答え申し上げたいと思います。

 原油高騰対策につきましては、平成19年12月から順次実施をされております国の緊急対策を活用いたしまして、県内生産者に対する支援を行ってきているところでございますけれども、最近の原油価格の高騰の長期化でございますとか、飼料、肥料の高騰等を踏まえ、制度融資の充実でございますとか、省エネ、低コスト化への構造転換対策、こういうものに対して、国の制度では対応できないところを中心に県独自の対策を講じるため、今回補正予算を計上しているところでございます。

 今回の補正予算といたしましては、県内生産者の実情も踏まえまして、まず一つ目といたしましては、融資の面で、農業分野では、認定農業者に対します運転資金4億円でございますけれども、融資枠の拡大をいたしておりますし、それと、一般農家を対象といたします10億円の新たな新規融資枠を設定するということで、農業信用基金協会に対する増資を行うことといたしております。また、水産分野では、操業に大量の原油を消費する漁業者に対しまして5億円の運転資金の融資枠の拡大を行っております。こうしたことによりまして、今後も事業を継続しようとする意欲のある生産者の方の経営の安定をしっかり図っていきたいというふうに思っております。

 二つ目でございますけれども、農業分野、特に原油価格高騰の影響が大きい園芸施設分野でございますけれども、燃油使用料の10%から40%ぐらいの節減が図れるということで、それに対する施設の改良に取り組むための意欲的な生産組織に対する助成をいたしまして、生産コストの削減につなげていきたいというふうに考えております。

 3番目といたしましては、いわゆる耕畜連携というふうに申し上げておりますけれども、その取組といたしまして、肥料価格の高騰への対応といたしまして鶏ふん堆肥をペレット化することによりまして化成肥料の代替となる畜産堆肥の流通体制、これのモデルを県内地域で実施をしていきたいというふうに考えております。これによりまして農家の生産コストを軽減いたしますとともに、堆肥を活用いたしました資源循環型農業というのを県内全域に広めていきたいという形で考えております。今後、このような対策を関係機関、それから団体等と連携を図りながら実施することによりまして、国のほうの対策とあわせまして県内生産者の経営の維持安定を図っていきたいと考えております。

 また、今後も原油高騰等県内に及ぼすいろんな影響というのをしっかり見きわめる中で、国の対策とも連携する中で必要な対応をしてまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。

   〔40番 舟橋裕幸議員登壇〕



◆40番(舟橋裕幸) 地域ごとに状況に応じて各種の施策を横断的に展開する取組を構築したいというお答えでございました。そのために一つの指標をつくったらどうですかという提案をさせていただいたつもりでございます。ですから、そこまで知事がきちっとした、まとまってそれぞれの地域の特性に応じた農業を進めていこうという御意志があるならば、一つの方向性を示して、それに対して農商部の各室がその方向に沿ってそれぞれの事業を展開していくということが必要なのではないですかというお話をさせていただいたところです。私も現場におらせてもらったときに、ややもしますと、ハード部門とソフト部門が同じ地域に入ってミスマッチングの事業展開をしてきたという経過も見てきています。特に過去にはこういう指針なり計画があったわけであります。途中で切れている。ですから、やっぱり、早い時期に、今改めて、食育の問題とか安心・安全の問題、また消費まで一気通貫の、こういったことの総合的な指針を示すべきではないですかと言わせていただいておるところでございます。

 知事お答えのとおり、もう既に20県からの県が制定をしています。また、この三重県議会においては、森林においては既に議員提案条例で三重の森林づくり条例を制定させていただきました。本年度、特別委員会では食料自給の特別委員会もあります。新政みえの中では農業に関するプロジェクトチームをつくり、その議論も進めさせていただいておりますので、余り知事がゆっくりこの問題について対処をされるようでしたら、うちの議会のほうでも、一度議提条例でつくることも今後検討させていただきたいなと思っておりますので、知事のそこまでの思いがあるなら早くつくっていただき、提案をいただきたい。当然のことながら行政だけでつくって机上の空論になることなく、様々な関係団体とも十分協議、連携の上つくっていきたいというのは私も同感でございます。

 入札制度でございますけれども、算定方法を見直します、総合評価方式の対象金額を引き下げますと、非常に前向きにお答えをいただきました。できれば今会議の県土整備の常任委員会でもう少し具体的な数字をお示しいただいて、早い時期から実施をしていただきますように強く求めておきたいと思います。

 それはそれとしまして、総合評価方式の中で今やられている内容が余りにも価格評価に重点を置き過ぎたり、過度の技術者を要求するなど大手有利の評価システムに問題があるのではないか。これが地元の業者の育成の視点からも乖離が見られるという声も聞きます。また、19年度から評価項目の拡大が図られ、男女共同参画や障がい者雇用、M─EMSなどが追加されていますけれども、雪氷対策などに限られている地域貢献度評価、これを災害防止とか復旧作業にも拡大すべきであります。総合評価方式の評価についてさらなる改善を進めるべきと考えますがこの御所見をお伺いしたいと思います。



◎県土整備部長(野田素延) 総合評価方式につきましては、技術力の評価に加えまして参加者の社会的責任を評価するということでいろんなことを取り組んでございます。今後の対応といたしましては、県民の安全・安心に直結いたします災害時の緊急対応業務等、それからまた地域の活性化につながる県産品の活用等いろんな項目があるかと思いますが、積極的な導入に向けていろんな検討を進めていきたいというふう考えてございます。

   〔40番 舟橋裕幸議員登壇〕



◆40番(舟橋裕幸) 検討していただくのは結構ですけれども、台風が来て災害が起きて、災害協定に基づいて地元の業者さんがはせ参じようにも、協定を結んだ業者さんが1社もいない、そういう地域も今発生してきておりますので、そういった意味では早い時期での御検討、結論を出していただきますことをお願いしておきたいと思います。

 入札価格が高ければいいというふうに申し上げているわけではなく、あくまでも適正な品質の確保に支障が出ないような制度にすべきというふうに考えています。とりわけ、重層構造の業種においては、結局、下請業者を泣かし、適正な人件費が支払われないことになります。過去において雇用の受け皿の受け皿的業種が今や、失業率を高める賃金水準を低下させる要因業種になってきています。本会議では、公契約法の制定など公共工事における建設労働者の適正な労働条件の確保についてという請願を平成16年の第4回定例会に採択し、国に意見書も上げておるところでございます。今こそ、自立・持続可能な地域産業に向けた施策を進めていただきたいと思います。

 余談でありますけれども、昨年4月、定例会にて総合的な防災対策条例の制定について私のほうから提案させていただきましたところ、伊勢湾台風被災50周年となります来年度に制定したいとのお答えがありました。本年度、策定中と伺っておりますので、ぜひともいいものをつくっていただきますようこの場をおかりしまして要望しておきます。

 時間がありませんので、最後の、「美し国おこし・三重」三重県基本計画についてお伺いをいたします。

 本定例会に「美し国おこし・三重」三重県基本計画が示されました。基本計画の冒頭、地域の多様な主体が地域の特色ある自然や歴史・文化などを活用して取り組む地域づくりを基本に、2009年から2014年までの6年間にわたって多彩な催しを展開することにより、地域の魅力や価値を向上させ、発信するとともに集客交流を図り、自立・持続可能な地域づくりへとつなげていく取組ですとあり、議員提案条例、三重県地域づくり推進条例を具体化させるものですとのことでありました。

 確かに、議提条例の目的、多様な主体の協働による地域づくりにより個性豊かで活力ある地域社会の実現とベクトルは一致しており、この事業に期待するところであります。

 「美し国おこし・三重」が観光戦略、地域づくりとするならば、県民しあわせプランの政策の多くを占めることになります。県の総合計画である県民しあわせプランは政策、施策、事業という組み立ての中で各事業を部局に分担し進められており、県政における縦ぐし的とするならば、「美し国おこし・三重」は、地域単位に横の連携で特色ある事業化を目指しており、県民しあわせプランを補完する県政の横ぐしと言える一大イベントであると言えるんですけれども、ここまで言いますと、余りにも褒め過ぎでありまして。ただ、全文を通して自立・持続可能な地域づくりというフレーズが余りにもくどく記載されているのは、読ませていただいて少し閉口したところでございます。

 さて、第2章の目的に、文化力を生かした自立・持続可能な地域づくりにおいて、この取組を契機として、この地で暮らしたい、暮らし続けたい、訪れたいと感じることのできるような「美し国 三重」づくりを展開するとあります。また、21年度県政運営の基本的な考え方においても、住んでよし、訪れてよしの観光三重・魅力増進対策により、地域づくりと観光振興を一体的に進めて行いますと記載されています。暮らしやすさの向上に向けた地域づくりと集客交流拡大に向けた観光資源の発掘充実は重複するところもありますが、同一目標のようで異なる目標ではないでしょうか。

 住みたい地域に対する県民のニーズは、1万人アンケートにありますように、医療、福祉、環境、教育、雇用、防犯など多岐にわたり、日々の生活環境の充実であります。一方、訪れたい地域に対するニーズは、非日常的な景観、食、祭り、歴史・文化、レジャーなどであります。確かに三重県は気候温暖であり、様々な社会的環境もそれなりで、観光立県でありますが、住みやすい地域と、訪れたい地域の両者の充実発展を、別々の事業ならともかく一つの事業で求めるのは無理があるのかもしれません。この事業をここまで間口を広めた場合、県政全般にかかわる事業となってしまい、事業としての目的や成果が不明瞭になってしまうのではないかと危惧しています。

 集客交流イベント中心で事業展開された場合、8月4日、津・松阪・伊賀地域における膝づめミーティングにおいて伊賀市の今岡市長は、市町抜きでは事業が一過性に終わってしまう、芭蕉生誕360年では計画を実行したが、後は何にもないと述べています。県が行う単発の集客交流イベントとはそんなものではないでしょうか。後に何かを求めること自体無理があるように思います。県内外で行われる集客交流イベントの数々は、長い時間を積み重ね、地域が主体となってはぐくまれてきたものが中心であります。地域が6年間、県よりささやかなお金と人材の提供を受け、仕事をさせられ、一過性の行事を行い、それで終わりにならないか、また、各地域におけるイベントのホッチキスで終わらないか心配をしております。

 一方、地域づくりに主眼を置くならば過去に生活創造圏ビジョン推進事業がありました。平成12年から18年まで7年間の事業で、各圏域でテーマを設定し、多様な主体と組織をつくり、住民と行政が協働し、地域づくりを行う場として設定され、7年間で7億円余りの事業費で展開されました。議会も議員提案にて推進条例を制定し、支援をしてきたところです。このたびの美し国おこしは目的・手段など共通する点が多く見られ、生活創造圏事業が発展したものかと感じるところがあります。また、取組手順の中で、他のグループ、国内外のグループとの連携とありますが、これほど間口を広げた事業で、国内外、県内外の地域を問わず、また、集客交流や地域づくりといった目的の異なる団体が独自課題を越えて連携するというのは非常に大変だというふうに思っています。基本計画を読んでいますと、地域づくりが色濃く出ているところ、観光戦略的なところと何かまだら模様に記述されているような気がしてなりません。従来のイベントや活動に対し、この事業から補助を受けるためには文化力の視点を加味することが条件のようでありますが、県職員のみならず市町を含めた多くの主体に、よりこの事業が展開されるためには、参加者全員がこの計画を十分理解しなければ成功しません。改めて計画の主旨、目的等をわかりやすく説明を求めておきたいと思います。

 次に、2014年の集大成イベントのイメージであります。

 観光戦略や地域づくりといった非常に間口の広い事業の集大成イベントのイメージがなかなかわきません。集客交流イベントであれば、過去のまつり博のように各地域の祭りを一堂に集めたものになるでしょうし、地域づくりの実績発表であれば、華やかさのない学術的講演会、シンポジウム、パネル展など研究・活動実績発表会的イベントになるのではないでしょうか。当然、参加者やイベントのイメージも異なってくるはずであります。

 基本計画によりますと、集大成イベントは目的別に3回開催されるようでありますから無用の心配かもしれませんけれども、改めて、フィナーレとなる集大成イベントのイメージをお伺いいたします。

 第3に、事業を推進する担い手についてであります。

 座談会を開催し、キーパーソンを発掘して、組織化して、ネットワーク化して、最後には新しい時代の公の担い手として育成支援するとあります。非常にきれいで理想的な組織育成方法として記載がされています。しかし、これほど間口を広げたイベントであります。暮らしやすさや環境対策を求めるのと、集客交流のための観光資源を掘り起こすのとでは、企画段階から集める対象者、座談会の方法なども違ってくるのではないかと思います。きっかけとなる座談会に人を集める際、何を表題にして集めるんでしょうか。また、人は簡単に集まってくるものではありません。人集めの苦労は知事も十分ご存じのはずであります。結局、県や市町の職員に過重な役割を負わせることになるのではないでしょうか、心配をしております。今までの地域づくり、人づくりの失敗の総括は十分反映されているのでしょうか。従来の反省をもとに、今までとここが違うというものがありましたらお聞かせをいただきたいと思います。

 第4に、この基本計画では、終了後に活動の継続、発展を期待しています。県が人的支援、財政的支援を行う期間はまだしも、その後は県は知らん顔というのが今までのパターンでありました。ゆえに、集客交流イベントは一過性のものとなりました。

 一方、地域づくり施策として進めた生活創造圏ビジョン推進事業報告書では、生活創造圏事業で多様な主体に協働の考え方が定着し、各地で地域課題の解決に向けた地域の主体的な活動が展開されるようになったのが最大の成果と言えると総括しています。

 そこで、この生活創造圏事業と、このたびの美し国おこし事業との関連、位置づけはどのようなものかお伺いをしたいと思います。

 また、19年度事業終了以降、生活創造圏事業の追跡調査を行っているんでしょうか。

 最後に、地域づくりに関する県の関与についてお伺いします。

 生活創造圏事業終了後、策定されました県民しあわせプラン第二次戦略計画においては、県域全体を対象にした県土づくりと県域よりも狭いエリアを対象にした地域づくりの二つの方向で地域政策に取り組む場合、県土づくりは県が行政の主な担い手となり、地域づくりは市町が行政の主な担い手となるとあります。市町の自発的な地域づくりに県の役割は支援補完するとの提案に、県はそこまで地域づくりに対して消極的関与しかしないのかと議論が議会であったのを私は覚えております。このたびの美し国おこしはあくまでも県主体の地域づくり事業であります。第二次戦略計画の基本的考え方との整合性がとれないのではないかと考えていますが、地域づくりに関する今後、県の関与のあり方についてお伺いをいたします。

   〔野呂昭彦知事登壇〕



◎知事(野呂昭彦) まず、「美し国おこし・三重」の基本計画の趣旨とか目的等についてお尋ねいただきました。今、地域は人口減少、少子高齢化といったような様々な課題を抱えておりまして、絆の維持とか再生、地域を担う人づくりと人材を生かす舞台づくり、こういうものが大切であると考えております。そのため、「美し国おこし・三重」では、文化力を生かし、地域資源の持つ多面的な価値に着目をいたしまして、その地域ならではの埋もれた魅力の再発見、磨き上げを行うとともに、県内各地で展開される地域づくりの取組をさらに加速させ、自立・持続可能な地域づくりにつなげていきたいと考えております。この取組を契機といたしまして、人と人、人と地域、人と自然の絆を深め、この地で暮らしたい、暮らし続けたい、訪れたいと感じることのできるような「美し国 三重」を目指していきます。

 このような取組というものは住民の主体性や自発性を尊重しながら進めるものでございまして、地域の住民グループが取り組もうとしていることを支援していくということが大切であります。したがいまして、取り組む分野は多岐にわたるということが想定されますけれども、各市町と十分調整を図り、また、行政施策とのすみ分けを行いながら、地域の実情に応じた支援を行っていきたいと、こう考えております。

 人口減少、少子高齢化が進む中で、交流人口の増大は今後の地域づくりには欠かせない要素となります。魅力ある地域づくりを進め、そこに住む人々が元気で生き生きとし、独自の魅力を発信し続けるということによりまして他の地域の人々が魅力を感じて交流が起こり、地域の活性化につながってまいります。

 住んでよし、訪れてよしの地域づくりには、住む人、訪れる人双方の視点が必要となってまいります。そうした意味におきまして、地域づくりと集客交流は一体的に進めるものであると考えておるところであります。

 それから、最後にお尋ねのありました地域づくりに関する今後の県の関与のあり方についてお答えを申し上げます。

 「美し国おこし・三重」の取組におきましては、県は多様な主体で構成をいたします実行委員会の一員として、また広域自治体としてこの取組に対して役割を担っていくということにしております。

 その一つは、多様な主体が参画し、自立・持続可能な地域づくりにつなげていくというという県の政策展開のモデルとしていくということ。

 それから、二つ目には、県内各地の地域資源を相互に結びつけたり、価値を高めたりすることによりまして、県域全体にその効果や成果を波及させ、県全体の活力と魅力を高めていくということ。

 三つ目には、広域的な視点に立ち三重の魅力を情報発信し、さらなる交流・連携の拡大の拡大につなげていく。こういった役割を担っていくということになります。

 このことから「美し国おこし・三重」の取組は、県が主体となって地域づくりを進めるものではなく、県は広域自治体として主体的に県土づくりに取り組むとともに、自立・持続可能な地域づくりが県内全域で進められるよう、第二次戦略計画にありますように地域づくりにおける県の役割を果たすものでございます。地域づくりそのものはそれぞれの地域が主体となって、自分たちのまちは自分たちでつくるという地域主権の精神で取り組むことが重要でございます。県としては地域づくりが円滑に行われるよう、多様な主体の一員として市町とも十分連携しながら県の役割を果たしていきたいと考えております。

 残余につきましては担当理事のほうからお答えをいたします。

   〔藤本和弘政策部理事登壇〕



◎政策部理事(藤本和弘) 私のほうからは、三つの点についてお答えをさせていただきたいと思います。

 まず、集大成イベントのイメージでございますが、「美し国おこし・三重」集大成イベントは、6年間にわたります地域での美し国おこし、テーマに基づき全県的に取り組む美し国おこし、この二つの取組の集約、披露を行うものでございます。

 基本計画ではこの集大成イベントとしまして三つの取組を考えております。1点目が、地域づくりの成果を発表する大会でございまして、各パートナーグループがそれぞれの取組の成果を披露いたしまして、その中身を共有するとともに情報発信をしていくことでございます。そして、さらに活動の継続につなげていこうとするものでございます。

 2点目は、地域づくりを応用する集客イベントでございます、例えば、街道などをテーマとする地域づくりの成果を応用いたしまして、誘客の仕組みなどの体制を整え、県内全域を対象とした大規模な集客交流を目指すものでございます。

 最後は、地域づくりを高め合う交流イベントです。直接、観光や集客には結びつかない取組がございます。こういう取組についてテーマや活動領域を同じくする国内外のグループあるいは団体等と連携を図りまして、その後の継続や発展につなげていきたいと考えております。

 このように集大成イベントにおきましては、今回の取組に参加したグループだけでなく県内の様々なグループあるいは県民に6年間の成果の共有をしていただく、そういうことで、この取組が終了いたしました後も自立・持続可能な地域づくりにつなげていきたいというふうに考えております。

 2点目に、担い手の養成でございます。

 特に職員等に過重な役割を負わせるのではないかという御指摘でございますが、地域づくりの行政の主な担い手は市町であることから、座談会では市町の皆さんに開催の案内、会場の設営など一定の役割はお願いしていきたいと考えております。実行委員会といたしましても、座談会をはじめとする地域での取組状況につきまして、機関紙の発行や行政のネットワークの活用によりまして期間中継続的に情報発信を行い、座談会への参画の気運を醸成していきたいと考えております。

 「美し国おこし・三重」における地域づくりの担い手の育成といたしましては、主に人材の発掘と育成、グループの育成、中間支援組織の創設と機能の充実という三つの取組を進めていきたいと考えております。これらの取組によりまして県内各地の地域づくりを加速させるとともに、自立・持続させていくことが、これまでの地域づくり、人づくりとは大きな違いではないかと考えております。

 三つ目でございますが、生活創造圏との関連、位置づけ、それから、追跡調査という御質問でございます。

 生活創造圏事業が終了した後、それぞれの地域におきましての取組のその多くが自主的な取組や新しい取組に移行しているというふうに見ております。具体的な事例といたしましては、「鈴鹿川を通じてのやすらぎ」をテーマとして活動していただいております「やすらぎくんネット」、伊勢志摩の魅力をみんなで探し、育て、紹介していただいております「伊勢志摩きらり千選」などがございます。現在でも地域で引き継がれ、定着し、多様な主体の協働による活動につながっていると聞いております。

 このような生活創造圏事業とこれから行います「美し国おこし・三重」の取組の手法については、次の4点におきまして違いがあるというふうに私どもは考えております。

 「美し国おこし・三重」では、1点目として、市町との連携を今まで以上に一層深めたいというふうに考えておりますし、県民の皆さんや企業、団体、大学等、これまで以上により多様な主体で取り組んでまいりたいと考えております。

 2点目といたしまして、住民の自発的な地域づくりグループの活動に着目をさせていただき、市町の区域を主な取組のエリアととらえていることでございます。そして、その取組の効果や成果を県全体に波及させる県土づくりの視点もあわせて持っておる取組であると考えております。

 3点目でございますが、パートナーグループ活動に参加していただくグループの皆さんが、自立・持続可能な地域づくりにつなげるという方向性の中で、それぞれの地域ごとに課題や将来の目標を設定いたしまして取り組んでいくというふうな点でございます。

 4点目といたしまして、交流・連携を促進させるため、イベントの力も活用いたしまして地域づくりを加速させ、自立・持続可能な地域づくりを目指す取組である。そのため地域づくりやイベントに関する専門的なノウハウを持つプロデューサーとともに取り組む。

 この四つの点にあると考えております。このように「美し国おこし・三重」では新しい仕組みで取組を進めてまいりたいと。この点では生活創造圏とは異なりますが、生活創造圏事業での成果でございます協働の考え方を踏まえながら取組を進めてまいりたいというふうに考えております。

   〔40番 舟橋裕幸議員登壇〕



◆40番(舟橋裕幸) 嫌味のように丁寧にお答えいただきまして、1分しか残してくれませんでしたけれども。知事の答弁のときに、後ろが静かに聞いていただいた後は一遍にざわざわとなりました。それが今、現実を物語っていると思うのです。まだまだ十分な議論が必要だと思いますし、後、森本議員がこの議論をしていただきますので期待をしたいと思います。

 ただ、事業をしていくときに、その主体と主役、この整理が要ると思うのですよ。主役は当然、地域である市町です。しかし、主体はやっぱりこれは県だと思うのです。実行委員長は知事です。幹事会の幹事長さんは今お答えいただきました藤本さんです。だから、主体が県ならば、果たして第二次戦略とどうかという整合性の問題があります。

 それから、もう一つは、それほど県が、主役・主体が市町村と言うならば、評価制度って何事やと思います。評価というのは優劣をつけることになります。それぞれの地域で進捗状況をチェックするならともかく、地域の進捗状況に対して、やっていることに対して評価をすることは僕はいかがかと思います。

 以上です。終わります。(拍手)



○議長(萩野虔一) 46番 永田正巳議員。

   〔46番 永田正巳議員登壇・拍手〕



◆46番(永田正巳) 自民・無所属議員団を代表いたしまして、四日市選出の永田正巳でございます。どうぞひとつよろしくお願いをいたします。

 先般の北勢地域を襲いました集中豪雨のときに大変飛来する思わぬ水量で川がはんらんし、非常に大きな災害を受けられました。私からも、御見舞いを申し上げますとともに、一時も早い復旧をお願いするものでございます。どうぞよろしくお願いをいたします。同時にまた、今もお話がありました台風の接近、これまた雨の問題、大変心配でございますが、何とか追い討ちをかけることにないようになればと願うところでもございます。どうぞひとつよろしくお願いを申し上げるところでございます。

 それでは、通告に基づきまして順次、質問させていただきたいと思うのですが、昨今の世相について、私、非常に胸が裂かれる毎日でございました。今日もまた、朝のニュースでは6歳の子どもが何者かに襲われて死亡しておると、殺されておると、こういうニュースがございまして、またかと、実は思ったところでもございます。したがいまして、この問題は本当に考えることが多いわけですが、しかし、これは先送りすることであってはならんと、道のりは遠いかもわかりませんけれども、何とか一つ一つみんなで解決していく大きな問題であろうと私は思います。

 そういった意味で、まず、1番目に世相の問題について挙げさせていただきました。この件については、全県民的な問題として、みんなが心合わせを一人ひとりするという意味で今日はこの議場で取り上げさせていただいたところでございますので、その点、ひとつ皆様方におかれましても十分なる御理解をお願いしておきたいと思うわけであります。

 何の罪もない人が無差別に襲われ、7人が死亡、10人が負傷したあの秋葉原無差別殺傷事件は今も脳裏にしみついて忘れることができないのでありますが、この件の犯罪が後を絶たず、毎日のようにマスコミをにぎわわせているのであります。また、昨年1年間に検挙されました殺人事件が、未遂も含めて1000件以上になるそうであります。そのうち、家族、親族間の事件は500件を超えておりまして、中でも、親が子を、子が親を殺すというこの現実をどう考えたらいいんでしょうか。困難があればあるほど、一番身近な親子や家族が協力し、助け合って生きていくものであり、かけがえのない存在である家族の中で殺し合うなどということは、古きよき時代の日本では考えられなかったことではないでしょうか。

 いま一度、私たちはこの現状を冷静に受けとめ、原点に戻って論議し、正しいありようを方向づけてまいらねばならない最も大切な時期と申さねばなりません。この世に生を受け、今を生きる私たちが果たさねばならない責務は何なんでしょうか。それは次世代にどう引き継ぐかであり、このような国家、社会では到底その責任は果たし得ないと確信いたす次第であります。戦後、半世紀以上たち、ふと立ちどまって思うとき、物の豊かさを追い求め、国民全体で経済至上主義に一直線で走ってまいったため、心の豊かさという我が国が本来培ってまいりました精神文化が置き去りにされてきた結果と私は考えます。これはもう限界であります。もはや、モグラたたきのような対症療法ではなく、根底に横たわっている根本問題の解決に手を打っていくことこそが残された唯一の方法だと思う今日このごろであります。

 そのためには、県民一人ひとりがこの根本問題の認識を深めていくことが肝要であり、県政の果たさねばならない役割は大きなものがあると考えますが、いかがでしょうか。知事の御所見をまずお伺いをいたしておきたいのであります。

   〔野呂昭彦知事登壇〕



◎知事(野呂昭彦) 昨今の世相についてでございますけれども、駅や歩行者天国など多くの人が行き交う場所で、一面識もない人々を標的といたしました全く理不尽で身勝手きわまりない無差別殺傷事件が相次いで発生をしたりしております。だれもが安心して行き交うはずの駅や歩行者天国で、地域社会の安全・安心を大きく揺るがしますこうした痛ましい事件には慄然とすると同時に憤りを覚えます。また、最も安らぎを覚えるべき家庭内で、子が親を殺害するという事件が相次いで発生をしているということに対しても大きな悲しみを感じるところでございます。

 このような事件が起こる背景には、これまでややもすると経済的な豊かさというものを最優先の目標として取り組んできた結果、私たちはより便利で豊かな生活を手に入れましたが、一方で助け合いや思いやりといった人と人との絆が薄れたり、あるいは地域の特色、独自性が失われるといったような社会のひずみが表面化してきていることがあるのではないかと考えております。

 このような社会のひずみを解消し、成熟社会を実りあるものにするためのかぎになるのが文化の持つ力である文化力であると私は考え、提唱してきました。これまでの政策はどちらかというと、対症療法的なものであったとすれば、文化力に基づく政策は社会の体質を改善し、健康な社会をつくる、いわば漢方薬的な効果を期待するものだと考えております。

 静岡県の文化芸術大学の学長である川勝平太先生が三重県に来られまして、講演の中で、亡くなられた高坂先生のお話を引用されましてこういうことを言われました。国には三つの大きな体系が必要である。その一つは力の体系であり、これはいわゆる軍事力と言われるような国民の生命、財産、安全を守っていくことだと。二つ目には、利益の体系ということが必要であり、これは国民が暮らしていく生活の基盤になる経済力であると。そして、三つ目に大事なのが価値の体系であり、これは、三重県の言っておるのと全く同じ文化力であると、こういうふうにお話をされております。

 そして、戦前は、日本は軍事力に大変力を入れ、しかし、その結果、忌まわしいあの大戦に行ったわけであります。戦後、日本は経済に大変力を入れ、世界に冠たる経済力のある国に行ったわけでございます。しかし、国にとりましては、先ほどの三つの体系、どれも大事なんでありますが、どこに力を入れるのかということはそのときの政府が決めて実行をしてきておるわけであります。私は、そういう意味では今こそ、この21世紀というのは、価値の体系、すなわち三重県が言っております文化力、これをしっかりやっていくということが大事であろうと、こういうふうに思っておりまして、川勝先生にもそういう意味での三重の取組の評価をいただいたところでございます。

 御指摘のありました無差別殺傷事件に象徴されるような殺伐としたそういう世の中でなく、安全で安心、暮らしの中の幸せを実感できるような社会の実現に向けまして、文化力を政策のベースに位置づけましてしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

   〔46番 永田正巳議員登壇〕



◆46番(永田正巳) どうもありがとうございました。

 知事のお考えはよくわかりました。ただ、私もよく県民の方とお話をさせていただく機会があります。この文化力についてでございますけれども、新しい時代、あるいは文化力、この2本立てでございますが、新しい時代の公は県民の方に申し上げてもまあまあそれなりに理解を深めてくれるわけですが、文化力と、こういうことで申し上げるといま一つなんですね。知事の今おっしゃることは私はよく理解できますけれども、県民の方にもっとうんと時間をかけて議論すればわかってくれると思うんですが、なかなか理解を深めてくれない。文化力って何なんだと、こういうような意見が、実は返って来ることが多いわけであります。したがいまして、知事の意図する文化力につきまして、もう少し県民にわかるようにこれからの文化力についての施策をよろしくお願いをしておきたい。この際だから申し上げておきたいなと思います。

 さて、それらの事件を思うときに、一体これは何をしておったかということを申し上げたいと思うのですが、ここに一つ出てくるのが、これは社会全体の問題であること、何も学校教育に私はどうと言うことを申し上げておるわけではないんです。学校教育であり、家庭の問題であり、地域教育の問題でもあるということになるわけですが、ここで議論をするならば、一つ、学校教育にさせていただきますならば、道徳教育。道徳教育が学校教育の中に取り入れられて長くなるわけでございますけれども、この道徳教育についてどのような結果になっているのか、結果というか実態になっているのか、そして、今後どのように進められていくのか、このことについて教育長からの答弁を求めておきたいというふうに思います。



◎教育長(向井正治) 永田議員お尋ねの道徳教育の問題でございますけれども、小・中学校におきましては、道徳の時間を中心にしまして、様々な教材でありますとか、またボランティア体験のような実際の体験等を通じまして家庭、地域とも協力しながら進めているところであります。

 成果というお話でございますが、本県で調査しました結果がございますが、本県の小学校6年生と中学校の3年生の調査におきますと、友達との約束は守っているというふうな子どもたちが95%でございます。また、学校の決まりを守っている、近所の人にあいさつをしていると答えた子どもが85%という内容でございます。そういった一定の成果は出ていると思っておりますが、しかしながら、いろいろございますように、子どもたちの倫理観でありますとか規範意識ということが十分に育っていないのではないかというふうな御指摘もございます。今後、道徳教育の一層の充実が必要というふうに考えております。

 国におきまして、今度変わりました新しい学習指導要領の中では、今後とも道徳の時間を中心に行うとされておりますが、さらに加えて、学校の教育活動全体の中で子どもたちの発達段階に応じたポイントを押えた教育をしていくとしております。例えば、指導要領の中では、小学校低学年でありましたら、あいさつといった基本的な生活習慣、それを身につけること。例えば中学年では、集団や社会の決まりを守ると、そういったポイントを明確に示しながら学校教育全体の中で道徳教育を行っていくとされております。

 こういうことから、県教委といたしましても、教育といいますのは人格の完成を目指す、自らを律しつつ、他者を思いやり、一緒に協調しながら感動、そういった心を育てていく、豊かな人間関係をはぐくんでいく、そういうことが学校教育の中心だというふうに思っております。新しいそのような学習指導要領の趣旨を踏まえまして、各学校におきましては、家庭や地域の人々の協力も得ながら、子どもたちの豊かな心、規範意識を養いまして、生命や自然を大切にしていけるように市町教育委員会とも連携しながら進めてまいりたいと、かように考えております。

   〔46番 永田正巳議員登壇〕



◆46番(永田正巳) ありがとうございました。

 この問題について学校教育の中でもいろいろやってくれてあるんでしたら、もう少し我々の肌で感じるものになっていなきゃならない。どうもそこに至っていないんじゃないかと。道徳教育というものが本当に子どもたちの倫理観に結びつき、実生活の中でそれがあらわれているのかということを思うときに、どうも学校で行われている道徳教育とはいかがなものかなと、こういうふうに、実は私自身は今、とらざるを得ない。

 これはまた新学習指導要領というのが実施されるようでございますので、三重県として三重県版として真剣に考えていただき、この問題についてしっかり学校教育の中で根づかせていただけないか、特に要望をしておきたいというふうに思います。ただ国の政策に基づいてそのままでやるんじゃなくて、三重県版としてこうやるんだということを一遍打ち立てていただきたいなと。これ、ひとつお願いをしておきます。

 もう一つ、今日は要望でございますが、子どもたちにもう少しスポーツの振興、これをもっと進めてみてはいかがなものでしょうか。スポーツを通じて、体力の向上はもちろんでございますけれども、規範意識なりそういう道徳心もそこに来るでございましょうから、そういうものを植えつけていくと、こういうことが大事であります。私は、意外と早く、即効性のあるといいますか、手っ取り早い方法はスポーツの振興が何よりだというふうに思わせていただいておりますので、この点についてもひとつぜひ力を入れて今後お取り組みいただきたい、このように考えるところでございますので、スポーツの振興については御感想があればお聞かせいただきたいなと思います。



◎教育長(向井正治) 議員御提案のスポーツでございますが、私も教育長にならせていただいてから、様々なスポーツのところ、例えば高校野球とか、総体等に出させていただきまして、非常に感動を覚えます。そういったものは子どもたちの感動を覚える心を育てる、または規範意識、また、一緒に協力し合って自分が向上していくと、そういう意味で非常に大きな力を持っているものだと思っておりますので、ぜひ、これからも、議員が言われるとおり、様々な分野で力を入れていくことをこの場でも本当に進めていきたいと考えております。

   〔46番 永田正巳議員登壇〕



◆46番(永田正巳) ありがとうございます。

 この問題は、今日言って、明日ということにはなかなかならないかと思いますが、しかし、これは何度も申しますが、先送りする問題じゃないと、こう思いますので、ぜひひとつ真剣に心を入れてお取り組みいただきたいことを要望しておきます。

 さて、景気対策についてでございますが、先ほど舟橋議員からのお話がございましたので、私も全く同意見でございまして、今やこの日本国ひとりの問題じゃなくて世界の状況において左右されているこの経済状況であるわけであります。アメリカのサブプライム住宅ローンの問題から端を発し、もう計り知れない影響が起きて、日本にも起きておるわけであります。今やまた、リーマン・ブラザーズの破綻によって、これまた大変な影響が来ておるわけであります。この景気対策については、経済評論家は来年の暮れとか何とか回復があると言うんですけれども、私は、これは少し根が深いように思えてなりませんし、少々長引く低迷期を迎えるものと私自身は思っておるわけであります。そんな中で、三重県政として景気対策をどうするかという問題が大変大きな問題であろうと私は思いますので、あえて私も通告をさせていただきました。

 我が国の経済は、長期停滞を脱し、平成14年を景気の底として改善に向かい、息の長い回復を続けてまいりました。しかし、昨年夏以降、今申し上げましたサブプライム住宅ローンの問題として非常に暗い状況にあるわけでありますが、ましてや、そこに原油や、あるいは原材料価格の高騰が追い討ちをかけてきたと。我が国の経済にも大変大きな影響を及ぼしているところであります。

 このような状況の中で、国においては安心実現のための緊急総合対策として、去る8月29日に定額減税をはじめとする事業規模11.7兆円、財政支出2兆円の総合経済対策を実施するとされたところでございます。その総合経済対策は三つの目標と8本の柱立てから成っておりますが、三つの柱のうち、第1の目標として、生活支援対策など生活者の不安解消、第2の目標として、低炭素社会実現対策などの持続可能社会への変革加速を、第3の目標として、中小企業等の活力向上対策などの新価格体系への移行と成長力強化を挙げておるわけであります。

 具体的には、食パンやめん類などの価格に影響がある輸入小麦価格の値上げ幅の抑制策のほか、高速道路料金の引き下げなど物価に対する総合的対策や所得税、個人住民税の定額減税の検討、消費者政策の強化、非正規雇用対策の推進など国民の生活支援策が柱となっておりますが、これらの対策が有効に作用し、生活の不安の解消につながることを期待したいと思うのであります。

 さらに、中小・零細企業対策では、原材料価格の高騰に伴う価格転嫁が困難な場合の資金繰り対策に万全を期するため、中小企業向けの融資、保証の拡充を行うとともに下請事業者対策を強化することとされております。このほか、医療、年金、介護、子育て、教育、農林水産業などの多岐の分野にわたって対策が講じられるとされておるのであります。これらの対策は、いずれもかつてのような公共事業中心の財政出動とは異なり、生活者の負担を軽減するための真に必要な対策に集中する内容となっておるのであります。また、財源の捻出については、いわゆる骨太の方針2006に掲げられた財政健全化の取組を堅持し、歳出・歳入一体改革を徹底して進めつつ、歳出経費の削減を通じて財源確保を行うとされておるのであります。

 さて、本県の状況でございます。確かに、常日頃から野呂知事がおっしゃられるように、本県は北勢地域の製造業を中心として製造品出荷額などが全国の上位にあるなど、我が国の景気回復をリードし、それに伴い法人関係税も増加してまいったことは事実であります。しかしながら、好調であった県内企業の収益も伸び率が鈍化し、これまでの好調を維持することは困難との新聞報道も目立ってきてございます。企業収益の圧迫はそこで働く従業員の収入を圧迫し、日常生活にも大きく影響します。中小・零細企業にとってはさらに厳しい状況を迫られていることとなっております。また、食料品やトイレットペーパーなど生活必需品やガソリンの高騰は県民の消費意欲を減退させ、さらなる景気の悪化を招きかねないところであります。

 健全で活力ある経済があってこその財政健全化であり、安全・安心な社会の構築があってこその健全で活力ある経済の実現があるのではないでしょうか。これらが相互にかかわり合いながらうまく循環させる必要があると私は考えます。物価上昇による厳しい県民生活、景気の減速、県税収入の減少、さらには県財政の悪化といった悪循環を避け、県民が安心して暮らせる社会をつくり、子どもや孫に引き継いでいくことが政治や行政に課せられた大きな使命であると考えております。今こそ三重県としての対策を打ち立て、県民生活の不安を解消し、安心・安全な社会を確立する必要があるのではないでしょうか。厳しい財政状況の中ではありますが、財政出動を行うことは困難であるとは認識しておりながらも、限られた財源の中で知恵を出し、工夫を加えて、三重県として真に必要な対策を早急に実施することを要望したいのであります。

 そこで、この物価上昇と景気減速の板挟みの中で県民や中小・零細企業が苦しんでいる状況に対応するため、三重県としてどのような対策をお考えなんでしょうか。この議会におきましても補正予算が出ておりますけれども、それはそれといたしまして、やっぱりこの際知恵を絞っていただきたい。というのが私のこの質問の趣旨であります。そして、あえて今日、質問通告させていただきましたので、これを踏まえてひとつ御答弁いただければありがたいと思うのであります。

   〔野呂昭彦知事登壇〕



◎知事(野呂昭彦) 今の景気状況等についていろいろお話がございました。県内経済でございますけれども、生産面では比較的元気さを保ってきておったところでございますけれども、今、消費、雇用情勢等についても大変注意を要する状況にありますし、アメリカ発の金融不安等新たに大変心配な大きな動きにも発展をしております。原油等の価格高騰等物価上昇もございました。したがって、景気の先行きについては大変不透明感が広がっておるところでございまして、県民生活あるいは中小企業、あるいは地域の産業への影響というものが懸念されておるところでございます。

 今の議員御指摘にもありましたけれども、政府においては8月29日に安心実現のための緊急総合対策というものが示されたところでございます。三つの目標、八つの柱、これが示されまして、それに基づきましてあらゆる政策手段を活用して、切れ目のない連続的な施策実行を目指すものとしておるところでございます。こうした国の動きを踏まえまして、本県では特に原油価格等の高騰対策として、県内の農水商工業の実態に応じました県独自の緊急対策として、例えば、農水商工業者への低利の運転資金の融資枠の拡大でありますとか、省エネ、低コスト化への構造転換対策などについて今議会に補正予算として計上しているところでございます。これらの取組以外の支援ということにつきましては、今、政府のほうで安心実現のための緊急総合対策の中で幅広い支援策が打ち出されてきておりますから、今ちょうど自民党の総裁選やあるいは選挙といったことも気になるところでございますが、今後、政府のほうでのこうした動向につきまして引き続き情報収集に努めまして、景気対策に関連した詳細な内容がわかり次第、県としての役割などについて検討いたしまして、適切に対応してまいりたいと、こう考えておるところでございます。

   〔46番 永田正巳議員登壇〕



◆46番(永田正巳) どうもありがとうございました。

 余り目新しいという私の要望ではなかなか難しいかと私もそれは承知をいたしておりますが、あえて景気対策については申さざるを得ないんです。各業界団体さんと意見交換会も実はあります。そんな中でいろんな要望、実は受けております。そんな中で総括して申し上げれば、特に中小企業の皆さんは今深刻なんですね。そういうことをあえて申し上げて、知恵を絞れということを私は申し上げたわけですが、どうぞひとつ大いにその点は、業界の皆さん、中小企業の皆さんの思いを県政の場で実現することも大事だと、このように思います。

 とりわけ、今日ちょっと申し上げておきたいことは、トラック業界が燃油高騰で非常にまともに影響を受けているんです。ある業者の方は、月間、これは大小によりますけれども、1000億にも達するといっているんですね。それが運賃に反映できれば、これはいいんです。とてもできない状態にあると。これはどうするんだと。サーチャージの問題もありますけれども、そんなのすぐにいかないというわけです。これは一日も早く何とかしてもらわないとというような悲壮感の状況でございました。あるいはまた三重県商工3団体の方々も、特に中小企業問題については、何とか三重県政においても手を打ってほしいということでもございました。あるいは、また、県の市長会の方々からの要望も、これまた中小企業の皆さんについての、手を早く差し伸べていただきたい、大変な問題なんだ、こういうことでもございましたので、ぜひひとつ、県政においてもこの問題については集中して何らかの手立てをお願いするところでもございますので、どうぞよろしくお願いを申し上げさせていただきます。

 担当部長、何か。



◎農水商工部理事(南清) 中小企業への対策についてでございますけれども、国におきましては、原油・原材料価格の高騰など経営環境の厳しい中小企業を支援するということで、昨年10月に資金繰りの円滑化、あるいは、その適正な下請取引の推進、相談窓口の設置など総合的な対策を定めておりまして、県におきましてもそれと連携をしながら適切な役割を果たしてきているところでございまして、さらに、この8月には現計予算の範囲の中ではございますけれども、融資枠を融通いたしましてセーフティネット資金の新規融資枠を40億円から60億円に、それからリフレッシュ資金の新規融資枠を10億円から20億円に増額をし、中小企業の資金調達の円滑化を図っているところでございます。

 今後は、先ほど議員からもお話がございました国が行う緊急総合対策について、その動向を注視しながら政府系金融機関あるいは信用保証協会などの関係機関と連携をして、地域の中小企業の実情に応じました対策を迅速にやっていきたいというふうに考えております。

 以上です。

   〔46番 永田正巳議員登壇〕



◆46番(永田正巳) これ以上申し上げてもと思いますので、次に移らせていただきます。

 次の、少子化対策でございます。

 この少子高齢化問題が我が国の重要課題として叫ばれて以来、とりわけ少子化についてはあらゆる角度から議論を重ねてまいったところでございます。いよいよこの少子化についても我が三重県においてはそれなりに歯どめをかけ、上昇局面へと結果を出さなければならない。今までいろいろ議論してまいりました。ところが、なかなかこの問題についてはそう簡単にできる問題ではないということは承知をいたしておりますけれども、そろそろ歯どめをかけてという思いでいっぱいなんです。そんなことで、私はあえてこの少子化については取り上げたところでもございます。したがいまして、この件につきましては、一つ一つありようを見つけて探りながら進んでいくということからして、私はあえてこの問題を提起させていただいたのでございます。

 合計特殊出生率が先ごろ発表されましたが、それによりますと、1971年から1974年にかけての第二次ベビーブームから下がり続けた出生率が2005年に最低の1.26まで下がってしまいました。後2年連続で上向き、2007年には1.34と、昨年に比べ0.02ポイント持ち直しました。やっとですね。しかし、出生率は多少回復いたしましたが、生まれた子どもの数を見ますと、合計特殊出生率の対象年齢となる15から49歳の女性の中で特に出産が多い年代である20代後半から30代前半の女性の人口が減少していることから、前年度に比べ約3000人少ない109万人弱になってしまいました。今後、大幅に出生率が回復しない限り、生まれてくる子どもの人数はますます減少していくことが考えられます。日本の2007年に生まれた子どもの人数は、第二次ベビーブームの1973年の209万人に比べると2分の1になってしまいました。まさに日本の少子化対策は待ったなしの状況であると考えておるわけであります。

 皆さん御承知のように、少子化による日本の人口の減少は様々な面に重大な影響を与えておることは御承知のとおりでございます。その一つが、やっぱり年金問題だと思います。これは現役世代の負担の緩和を図るため、基礎年金の国庫負担割合を来年度から2分の1に引き上げる議論がなされておりますが、若い世代からは、将来に対する年金制度の不安から未納などの問題が起こってきておるのであります。このほか高齢者医療の問題など少子化問題は、これまで国民の安心・安全を支え、またセーフティネットとしても機能してきた様々な日本の社会保障制度の根幹を揺るがしております。国民が将来に対して不安なく、安心して暮らせる状況にはとてもないのであります。また、少子化による人口減少はこのほか経済面でも様々な影響を与えておるのでありまして、既に国内の食料の消費量は落ちてきておりますし、今後、少子化による人口の減少により工業製品、農産物など国内の需要はますます縮小し、企業の経営ばかりではなく個人経営の店舗などに大きな影響を与えると考えておるのであります。

 私は少子化の要因としては大きく二つあると考えています。一つは、女性が社会に出て働くようになったにもかかわらず、女性が働き続けることのできる社会的な環境整備が整っていないということであります。そして、もう一つは、経済のグローバル化などにより労働市場での競争が激化し、非正規労働者の増加などで若者が低賃金で不安定な労働環境にあることにより、結婚に踏み切れない、また、子どもを持つことにちゅうちょしてしまうことにあると考えます。子どもと家庭を応援する日本、そういう重点戦略によりますと、国民の9割の人が結婚を希望し、2人以上の子どもを望んでおるのであります。この現実を出生率にしようと思いますと1.75に上がっちゃうんですね。1.75程度になると試算されておるのであります。

 私は、この二つの要因に対して適切な政策、施策を実施すれば合計特殊出生率は大きく回復するものと考えるのであります。

 少子化問題は大きな課題で、国が本腰を入れて取り組むべき問題でありますが、県としてもできることから取り組んでいかなければならない最も大事な課題であると認識をいたしております。

 そこで、次のことについて知事の考え、県の取組についてお聞きしたいのであります。

 少子化対策には、先ほど申し上げた二つの要因を取り除いていくことが必要なんですね。一つ目の要因である、女性が働き続けることができる社会的な環境整備については、保育など子育て支援は欠かせないものと考えますが、男女の働き方の見直し、ワーク・ライフ・バランス、すなわち仕事と生活の両立が大切と考えています。総務省の調査によりますと、30代男性の4人に1人が週60時間以上働いており、多くの職場で長時間労働が常態化してきておるのであります。また、女性が働き続けようと思えば、仕事か出産かの二者択一を迫られ、家庭に入った女性は夫の協力が得られず孤独な育児を強いられるという状況になっています。三重県においては、三世代同居の家庭もあり、少し状況は異なると感じますが、やはり企業において働き方を見直し、短時間勤務などワーク・ライフ・バランスを可能にするフレキシブルな制度の導入を進めていくことが大切と考えます。県としてワーク・ライフ・バランスの取組をどのように進めていくのかお聞きしたいのでございます。

 次に、二つ目の要因であります非正規労働者の問題につきましては、1990年代に入って、若者の間で急速に非正規労働者の比率が増加しているのでありまして、また、大都市では、ネットカフェ難民など日々の住まいにすら困っている若者の姿が報道されております。三重県においてはここまで至る事例は少ないと思うのですが、フリーターの問題やパラサイトシングルなど、親からの援助に頼り、経済的に自立できない若者がいます。また、企業においても競争が激化し、将来に対する不確実性が高まる中で、どうしても人件費を削減するため正社員の採用を抑制する企業が増えてきております。若者が経済的な要因から結婚に踏み切らないことがないよう、若者の就労支援、非正規社員の問題に取り組んでいくべきと考えます。フリーターなどの課題を含め、若者の就労支援、非正規社員の問題について少子化対策の視点から県としてどう取り組むのかお伺いしておきたいのであります。

   〔野呂昭彦知事登壇〕



◎知事(野呂昭彦) まず、ワーク・ライフ・バランスの取組についてでありますけれども、女性が安心して結婚、出産し、男女ともに仕事も家庭も大切にしながら働き続けるというためにワーク・ライフ・バランスの実現ということが重要であると考えております。このためには、企業におきまして従業員が多様な働き方を選択できる雇用条件の整備をすること、そして、仕事と子育ての両立を支援する職場環境づくりということが必要でございます。このことにつきまして、次世代育成支援対策推進法におきましては、従業員301人以上の企業に対しまして一般事業主行動計画の策定を義務づけておるところでございますが、300人以下の企業に対しましては努力義務にとどまっておるというところがございます。三重県におきましては、従業員300人以下の企業が99%以上を占めておりまして、労働者の87%がここで働いているということでございますから、特に中小企業の取組を促していくということが大切でございます。

 こうしたことから、三重県では昨年度に県内事業主の意識やあるいは取組実態、企業の先進事例、こういったことについて調査を行いまして、中小企業が次世代育成支援に取り組むための参考となりますガイドブックを作成いたしました。本年度につきましては、社会保険労務士など専門家の方々に中小企業を訪問していただきまして、このガイドブックを使って、一般事業主の行動計画の策定や働き方の見直し、こういったことについての指導助言を行う事業を実施しております。そのほか、セミナーでありますとか、フォーラム、こういったことを実施いたしましてワーク・ライフ・バランスの社会的な気運の醸成を図っておるところでございます。

 それから、全国知事会に次世代育成支援対策特別委員会というのがありまして、私が委員長を務めておりまして、今年度はワーク・ライフ・バランスをテーマにいたしまして、中小企業の取組の促進策などについて提言を取りまとめることといたしております。

 いずれにしましても、県としましては、今後、一層の促進、それから県民に対する啓発、それから国に対しての制度の見直し、こういったことについて取り組んでいきたいと考えております。

 次に、フリーターなどの若者の非正規雇用問題への取組ということでありますけれども、本年7月に総務省から発表されました平成19年就業構造基本調査によりますと、本県におきます15歳から34歳までの若者の就業者のうち、フリーター等の非正規就業者というのはおよそ8万3000人、率にして約3割となっております。若者が非正規雇用状況にあるということは、これは単に個人の問題にとどまらず、低所得によります非婚化、晩婚化といったことから少子化といったことにまでつながっていくと言われておるところでございます。また、社会保険への非加入というようなことで社会保障の面からも大きな問題となっております。

 このため、県ではこうした若者の支援策を第二次戦略計画の舞台づくりプログラムに位置づけ、重点的に取り組んでおるところでございますが、具体的には、例えば、国と県が一体的に運営をしております、おしごと広場みえ、ここにおきまして、教育団体や経済団体との連携によりまして若者の就職を総合的に支援する取組をやっておるところでございます。それから、産業を担う人材の育成と雇用のミスマッチ解消に向けた就職支援講座というのも開催をしております。それから、また、若者のキャリア教育やインターンシップの推進によりまして職業意識の形成、あるいは早期離職防止、こういった対策に取り組んでおります。さらに、津高等技術学校中心としました職業訓練の実施等の取組をやっておるというところでございます。

 今後とも三重労働局やハローワークをはじめ、教育機関、経済団体、労働団体などと連携を深めながら舞台づくりプログラムに盛り込まれました事業、これを着実に実施いたして、若者の正規雇用に向けた就職支援策の一層の推進に努めてまいりたいと、こう思っております。

 また、本年度からフリーター等が企業現場、教育機関等で実践的な職業訓練等を受けまして、訓練終了後の評価をジョブ・カードに取りまとめまして、これを就職活動に活用し、正規雇用への移行促進を目的としていくジョブ・カード制度というのが始まりました。そこで、地域ジョブ・カードセンター等関係機関と連携をいたしまして、この制度の周知、こういったことも図っていきたいと、こう思っております。

   〔46番 永田正巳議員登壇〕



◆46番(永田正巳) この問題については新しく、こども局もつくっていただき、三重県として本当に真剣な取組がスタートしたと私は認識をいたしておりますし、ましてや、知事会の次世代育成対策委員長をお引き受けいただいたことでもございますし、それなりに三重県としても委員長のもとでこの問題については真剣に取り組んでいただいて、何らかの歯どめの中で結果を出していくことが大事かと思いますので、ぜひこれはよろしくお願いいたしたいと思うところでございます。

 次に、地球温暖化対策とエネルギーにつきましてに移らせていただきます。

 私から申すまでもなく、CO2対策、温暖化、この問題については避けて通れない地球規模の最大の課題であろうと、私はこのように認識をして、あえて通告をさせていただきました。

 三重県におきますこの温暖化対策の取組についてお伺いしたいと思うわけでありますが、今年は温暖化対策に向けまして様々な取組が注目を浴びております。御承知のとおり、温暖化対策は待ったなしの状態となっております。環境先進県であります我が三重県においても、この問題につきましては大いに議論をしていきたいと思っております。

 まず、今年に入りまして4月には、温室効果ガス削減に向けた取組として京都議定書の第1約束期間がスタートしました。我が国は2008年度から2012年度の平均値で、1990年度に比べ6%削減を目標達成とした取組を進めているところであります。そして、7月には北海道洞爺湖サミットが開催され、主要国各首脳が参加し、また、中国、インドなどの新興国が参加する主要経済国会合も開催され、温暖化対策について熱心に議論が繰り広げられたところでもあります。サミットでは、主要8カ国は、2050年度までに世界全体で温室効果ガスを半減させる長期目標を国連気候変動枠組条約の全締約国に求めることで一致し、2009年度末の国連気候変動枠組条約第15回締約国会議COP15での採決に向けまして、新興国を含む全締約国に2050年半減への賛同を求めていくことになったものであります。

 我が国に目を向けてみますと、サミットに向け福田首相が議長国としての意気込みを見せ、いわゆる福田ビジョンを発表いたしました、ここでは、我が国の温室効果ガス排出量を2050年までに現状から60〜80%削減するという長期目標が示されました。さらには、サミット終了後の7月末には、福田ビジョンを実践するために低炭素社会づくり行動計画が閣議決定され、各種政策が示されたのであります。その政策の一つの柱にCO2を出さない電源の割合を、現状の約40%から、2020年をめどに50%以上とすることが挙げられております。私としてもその実現に向け太陽光、風力などの新エネルギーを大いに推進すべきであると考えます。しかし、太陽光にしても風力にいたしましても自然任せのところがあり、夜間や風がない日や、逆に風の強過ぎる日には発電ができなかったり、とまったときのために火力発電などのバックアップが必要であります。また、量的にもこれは限界があると言えましょう。発電のコストも比較的高いことなどから、太陽光や風力を政策の中核に据えることは現実的ではないと考えますが、知事の御見解をひとつ聞いておきたい。

 さて、最近、原子力ルネッサンスという言葉をよく耳にいたします。プロジェクターをお願いします。(パネルを示す)今、プロジェクターを見て、お席にも配らせていただきましたが、その背景といたしましては、一つには、石油、天然ガスなどの燃料価格の高騰、もう一つは、地球温暖化問題の深刻化が挙げられております。アメリカでは、1970年代以降約30年ぶりに30基以上の新規原子力建設が計画されておりますね。2006年2月には国際原子力エネルギー・パートナーシップ構想を発表し、核燃料サイクルや高速増殖炉開発に積極的に取り組む姿勢に転じておるのであります。また、イギリスでは、1990年代以来、新規原子力発電所の建設は行われておりませんでしたが、2006年7月に発表されましたエネルギー政策の見直しにおきましては、原子力発電の必要性や今後、建設に向けた取組を進めることが明示されたんです。さらに、中国、インド両国におきましても、電力の供給不足と大気汚染の深刻化から原子力発電を長期的に有力な電源として位置づけ、本格的な開発に乗り出しつつあります。特に中国は、2020年までに原子力発電による発電能力を4000万キロワット程度まで引き上げる計画を立て、原子力発電の建設を進めておるのであります。

 私といたしましては、閣議決定されました低炭素社会づくり行動計画にもあるように、その実現のためには原子力発電を中核に据える必要があると考えますが、いかがでしょうか。知事は前回の私の質問における答弁で、その必要性は認めながらも、原子力発電は国策であり、県として電源開発に対して、四原則三条件が基本であると発言されております。四原則三条件には地域住民の同意と協力が得られることとして、地域住民の意思、判断を尊重することが必要だとされていると思われますが、地域からの声に対しては、知事はこれに前向きに取り組まれるよう理解してよろしいんですか。知事の御見解をお示しいただきたいと思います。

 次に、我が三重県としての取組でございますが、三重県は今、多くの企業が立地し、製造品出荷額が東京都に匹敵するまでに伸びています。それら製造業をはじめ様々な企業が生産する商品は温室効果ガス排出量を表示する動きがあり、CO2排出原単位が企業活動に大きな影響を与える時代となりました。こうした中、我が県では2000年に地球温暖化対策推進計画を策定し、地球温暖化対策に取り組みましたが、2003年度の三重県における温室効果ガスの排出状況は、残念ながら、京都議定書の基準年であります1990年度に比べ8.2%、二酸化炭素においては9.3%、逆に増加になっておるのです。このため、昨年2007年には同計画を改訂し、温室効果排出ガスを2010年度までに1990年度対比3%減、二酸化炭素は1990年1.4%増に抑制する新たな目標を設定したところであります。目標達成に向けた推進対策として、事業者と連携しての排出抑制や家庭でのエコライフの推進、また、新エネルギーなどの普及等に取り組むとされております。

 そこで、これらの活動により、その目標に対して達成可能なのかどうか、その見通しをお伺いしたいのであります。

   〔野呂昭彦知事登壇〕



◎知事(野呂昭彦) お答えの順番が少し違うかもしれませんが、まず、地球温暖化対策等についての県の取組について申し上げたいと思います。

 三重県におきましては、2010年度までに温室効果ガス排出量を森林吸収分も含めまして1990年度比で3%削減すると、こういう目標を掲げておるところでございます。しかし、最新のデータでございます2005年度におきましては9.4%の増加という厳しい状況になってきておりまして、さらなる取組が必要でございます。このため、第二次戦略計画のみえの舞台づくりプログラムにおきまして、産業・業務部門対策、それから家庭部門対策、新エネルギーの導入、この三つの取組方向をお示しして進めているところでございます。

 産業・業務部門におきましては、企業連携によりますCO2の削減を進めてまいります企業連携によるCO2排出量削減促進事業や、あるいは、中小企業を対象といたします省エネ診断でありますM─EMS、これの認証取得などを進めております。それから、家庭部門におきましては、みえのエコポイントといったような取組、それから、新エネルギーの導入につきましては、太陽光発電などの導入支援や普及啓発、さらにはCO2の吸収源対策としての三重の森林づくりに取り組んでいるというところでございます。

 地球温暖化、一刻の猶予も許されない非常に深刻な問題であり、県政の大きなテーマでございまして、総力戦で温暖化対策を進めていくということが大事であると、こう考えております。

 そこで、エネルギー対策についてでありますけれど、太陽光発電とか風力発電といったような新エネルギーにつきましては、これは地球温暖化防止対策に貢献できるエネルギーとして期待されておるところでございまして、本年7月29日に閣議決定しております低炭素社会づくり行動計画、これにおきましては、従来の原子力や水力に加えまして、今回、特に太陽光発電の導入量を、2005年度を基準といたしまして2020年に10倍、2030年に40倍とするなど、新エネルギーの一層の推進が掲げられておるところでございます。

 そこで三重県におきましても、平成17年3月に三重県新エネルギービジョンを改定しまして、県民とともに導入を進めている太陽光発電とか、あるいは地域特性を生かした風力発電など8種類の新エネルギーにつきまして積極的な導入を進めようと目標を定め、取り組んでおるところでございます。

 なお、原子力発電などの電源開発を含むエネルギー政策につきましては、エネルギーの安定供給確保の観点から国全体の取組が必要でございまして、国策として取り扱われ実施をされております。それから、先ほどの低炭素社会づくり行動計画におきましても、この原子力につきましては発電過程で二酸化炭素を排出しない原子力発電を推進するというようなことが掲げられておるところでございます。

 三重県におきましては、原子力発電所の立地につきましては基本方針であります四原則三条件を前提といたしております。この四原則三条件はいずれも重要なことでございまして、その中の一つでございます地域住民の同意と協力が得られること、これにつきましても当然尊重されるべきものでございまして、県としてはこの四原則三条件に従いまして慎重に対応してまいりたいと、こう考えております。

   〔46番 永田正巳議員登壇〕



◆46番(永田正巳) 時間が押してまいりましたので、もうちょっと詰めたいんですが、四原則三条件、これを守りつつ、もう少し前向きなエネルギー対策でやっていただきたいなと思わせていただきました。国の流れ、あるいは、ましてや世界の流れ、こういうことも踏まえながら皆さんの理解を大いに得るべく行動を起こしていただきたいなと、このように思わせていただいております。

 時間がなくなってまいりました。福祉人材確保についてだけ、お願いになると思うのですが。

 この問題についてはいよいよ見直し時期に入っているんですね。来年の3月は高齢者福祉、あるいは障害者自立支援法、この二つの見直し時期にあるわけです。したがって、今のこの状況は、私から申し上げるまでもなく、人材の確保が大変厳しくなっております。厳しくなっておる。実は、私、昨日はちょっと時間もありましたので、福祉施設にもお伺いをし、聞いてまいりました。相変わらず人材の確保ができていなくて、空き室ができちゃうと。これがなかなか解決に向かっていないというのが実態でございました。

 こういうことを考えますときに、この解決策たるやと、こういうことでございますが、これは間違いなく介護報酬の見直しに当たり、あるいは自立支援法の見直しに当たり、その方向で厚労省もその協議に入ったということも新聞等で報道されておりますけれども、だけど、その厚労省に私も参るんですが、なかなか机上のプランであるわけです。現場の生の声を吸い上げながらの改定に結びついていないというのが私の実感であります。したがって、県政におきましても実態の生の声を中央のほうに伝えるべくひとつ努力をぜひしていただきたい。そして、それが反映されて初めてこの確保対策にもつながっていくというふうに思いますので、これ、ぜひひとつ当局のさらなる努力をお願いいたしまして、時間も参りましたので答弁は求めませんが、このことの御趣旨を御理解いただきまして、よろしくお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)



△休憩



○議長(萩野虔一) 暫時休憩いたします。

               午後0時25分休憩

          ──────────────────

               午後1時30分開議



△開議



○副議長(岩田隆嘉) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 代表質問を継続いたします。38番 森本繁史議員。

   〔38番 森本繁史議員登壇・拍手〕



◆38番(森本繁史) 県政みらいを代表して知事並びに関係部局長に質問をしたいと思います。御心配かけております東紀州、熊野、南郡地域は、2時から42号線が閉鎖される、既にJRは運休したというような非常に厳しい条件の中から、昨日から泊り込みで今日に備えておりますのでよろしくお願いします。

 まず、質問に先立ちまして、第69代の議長を歴任された伊藤作一先生が去る8月30日に逝去されました。先生は県議会議員として天性のものを持っておられましたし、剛毅不屈の精神というか、人間味も豊かな本当に温かい県会議員でした。私も本当に自分自身最も尊敬する県会議員の先生でありました。心から御冥福をお祈りしたいと思います。

 さて、県政みらいの代表であった岩名前議長が辞任され、新しい陣容でスタートし、小粒になりましたけれども、どうぞひとつよろしくお願い申し上げたいと思います。知事におかれましては、岩名さんの辞任は目の上のたんこぶが落ちたというような思いかもしれませんけれども、小粒といっても小さなごみでも目に入れば激痛を伴いますので、ゆめゆめ御油断を召されないように御忠告を申し上げておきたいと思います。

 野呂知事も2期目2年目を迎えましたけれども、依然として、RDF等の焼却量だとかそういうものについて前知事時代の負の遺産の処理に追われておりますけれども、そういう中で、やはり野呂知事らしさというものが少し、双葉ぐらいの芽が出てきたかなというような思いもします。とりわけ、こういう時代だから余り目立ちはしないですけれども、国の財政事情が非常に厳しい、交付税が来ないという中でそう目立った存在ではないですけれども、この税収だけを見ると過去最高の税収を記録しておるということは、これは知事が、地道だけれども企業誘致とそういうものに取り組んできた成果だと思います。これは評価してもいいのではないかと思いますし、もう一つは、この4月の人事において女性の部局長を登用した。これも県政始まって以来ではないのかなというふうな気がします。ひたひたとこの男女共同参画社会の波が押し寄せてきておる。ちょっと話がそれますけれども、主婦の友が90年の歴史で今年廃刊になったんです。これもただ単純に、女性を家庭に縛りつけるということじゃなくて、どんどんどんどん女性が社会進出をしてきた、いわゆる発展的な廃刊というか、休刊として評価してもいいのではないかと思います。そういう意味で、太田局長さん、紅一点、頑張っていただきたいと思います。今、上のほうでかすんで見えますけれども、そのうちにだんだん下へおりてくる機会もあると思います。秋の紅葉は山の頂きからふもとへだんだんおりてくるので、あなたもそのうち知事の横へ座るようになるかもわかりませんので、どうぞそれに備えていただきたいと思う。ただ、この話は知事3選あっての話ですから、余り期待しないほうがいいのかもわかりませんけれども。

 そういうことで、原稿なしで言うとだらだらと横道にそれますので、発言通告に沿って質問していきたいと思いますけれども、やはり午前中、舟橋議員、議会における論客ということで微に入り細に入り質問をしていただきまして、余り残ってはおりません。マグロの解体でも、大体とろの分だとか赤身の部分を取って、中落ちといって骨の部分の肉を残してくれるんですけれども、舟橋さんは骨の中落ちの部分までスプーンでそぎ取って質問されたので、私は少し間合いを見ながら質問していきたいと思いますし、答弁も舟橋議員に答弁したというような部分は不必要でございますので、簡単明瞭にしていただきたいと思います。

 県は平成21年から平成26年にかけて「美し国おこし・三重」というイベントを計画しています。このイベントを通して、三重県に住んでおる人も三重県の県外から訪れる人も心の豊かさを実感できる心のふるさと三重づくりをしたい、これがこのイベントにかける知事の思いではないかと思います。まだ、この意味についてはよく理解できないんですけれども、少し私なりに要約しますと、知事の思いというのは、ふるさとづくりの柱として、私たちの先人が長い歴史の中ではぐくんできたいわゆる伝統芸能、地域の特色ある自然、行事、風俗、習慣等に代表される三重県の各地域に埋もれている文化を活用して、各市町のいろんなグループ、そういうものの力をかりて知事のおはこである文化力というものを核にした、そういうお祭り、イベントを計画した、そういうふうな理解でよろしいのかどうか、そこらについてもお答えいただきたいと思います。

 そして、テーマの、「めぐる つむぐ はぐくむ 常若の三重」と魂となる部分が抽象的で不透明なのに加えて、職員の説明もかすみを食うような、禅問答のようなとらえどころのない話で、このイベントの何たるか、心の豊かさを実感できる三重とはどんな姿をしているのか、何を創造したいのか、いまだに理解できないのは私だけではないと思います。

 知事になると、どの知事も最近の知事はイベントをしたがります。田川知事は、まつり博、これもサンアリーナというやっぱり何ともならん負の遺産を残しました。北川知事はジャリンピックだとか、あるいは東紀州体験フェスタというものを企画されましたけれども、これもやっぱり金の切れ目が縁の切れ目で、いつの間にかポシャってしまった。いずれにしても今までのイベントというものは一過性のものに終わってしまっていると思います。このイベントによって、知事が言っているような自立・持続可能な人づくり、地域づくりが果たしてできるのか。索漠とした現代人の心の隙間を埋める地域づくりができるのか、はなはだ疑問であります。知事は今回のこのイベントで具体的に何を生み出し、何に、どういうものを期待しているのかということについてもあわせて質問したいと思います。

 あなたが文化力、これは知事のおはこですけれども、文化力にこだわってイベントというものを催さなくても、新博物館という、120億とも150億とも言われているこの博物館を完成させることによって文化力知事としての面目、思いというのは達成できるのではないのかなというふうに思っております。大体、知事が文化力、文化力と言うたびに、知事と職員の間で文化に対する認識に格差が生じているような気がいたします。職員自身が、知事の文化力という言葉を聞くたびに白けてしまっているのではないかと思います。一例を挙げるなら、かつて県の職員の作品展というのがありました。真珠という雑誌もありましたけれども、この作品展は県庁の講堂で催されるほど本当にすばらしい作品展でした。今は厚生棟の片隅で細々とやられている。文化県三重県を標榜するなら、知事と職員とがいわゆる文化に対する価値観というものを共有して文化の風薫る県政の実現に努めていただきたいと思います。

 さらに、かつて大分県の平松知事が一村一品運動というものに取り組まれました。これは比較的成功したのではないかと思いますけれども、知事がそういう思いで一村一文化というような構想なら、総事業費36億円をこの事業にかけるとしておりますけれども、かつて竹下総理大臣が全国の市町村にふるさと創生事業として1億円を交付したように、県下29の市町村に1億円ずつ交付して、県が口出しすることなく市独自で地域文化にかかわるイベントをすれば、財政的な支援だけにとどめたほうがより効果が期待できるのではないかなというふうに思います。

 埋もれている文化、消えかかっている文化を残していきたいという発想は評価できるし、私自身もそのとおりだと思います。ただ、イベントをやる効果がはっきりしない以上、いわゆるスパンコールのようにきらきらしたきらびやかなイベントとしてではなく、地道な文化施策としてやられたほうがいいのではないのかなというふうに思いますけれども、文化力知事さんの御意見をお尋ねしたいと思います。

   〔野呂昭彦知事登壇〕



◎知事(野呂昭彦) 森本議員の御質問にお答えしたいと思います。

 「美し国おこし・三重」についていま一度説明せよということでございますが、「美し国おこし・三重」は、文化力を生かした自立・持続可能な地域づくり、これがコンセプトになっておりまして、それを担う人づくりや仕組みづくりを行うとともに、地域づくりの成果を発信しまして交流・連携の場を広げていく取組でございます。この取組におきましては、取組の企画から準備に至る過程、活動の発表、その後の成果の検証を含む一連の取組、これらすべてをイベントとしてとらえておりまして、従来とは異なる新しいスタイルのイベントであると考えております。

 イベントの効果でございますけれども、イベントには多彩な交流を生み出すことができるというような効果でありますとか、目標や期限を決めて地域の力を結集することができるとか、実験的な取組ができる、その他、活動のPRなど効果的な情報発信もできるといったような様々な効果がございます。「美し国おこし・三重」では多様な主体が地域づくりを展開いたしますとともに、このイベントならではの効果を生かしながら、その成果を一過性のものとせずに、自立・持続可能な地域づくりにつなげていきたいと考えておるところでございます。

 そこで、自立持続可能な地域づくりということでございますけれども、「美し国おこし・三重」におきましては、地域づくりにつきまして地域の皆さんと一緒に考えてまいりますとともに、専門家の力もかりながら、三つのところをしっかり取り組みながらやっていかなきゃならんと思っています。一つは、やはり地域づくりのもとになるのは人でございますから、キーパーソンなどの人づくり、これがしっかりできていかなきゃなりません。それから、そういう人ができても、そういう活動がきちっと行えるような仕組みというものができていかなきゃなりませんから、地域の皆さんが活動できる仕組みづくり、これを行っていくことが大事であります。そして、3点目には、そういった活動が継続されていくためには経済的な視点、やはり人はその地域で生活していかなきゃなりません、そういう意味での経済的な視点も加味した取組ということが大事であります。私はこの3点を大事にしながら自立・持続可能な地域づくりにつなげていくんだという思いでこの「美し国おこし・三重」を考えておるところでございます。

 今回、この「美し国おこし・三重」の取組を通しまして、地域の皆さんが地域の特色ある資源を生かして創意工夫を発揮し、交流と連携を深める、進めていく、そのことによりまして、その土地で生き生きと元気に暮らしていける、そういう人や地域が元気な三重、これを生み出してほしいと私は思っておるところでございます。そして、地域そのものに愛着を感じ、誇りを持って、この地で暮らしたい、あるいは、暮らし続けたい、訪れたいと、こう感ずることができるような「美し国 三重」がさらに磨き上げられることを期待いたしております。

 さて、そこで、森本議員のほうからは、ふるさと創生事業のようにお金だけ出したらどうだというようなお話がございました。

 ふるさと創生事業が行われた20年前と今日とでは地方自治体を取り巻く環境はもちろん大きく異なっておるところであります。近年は人口減少社会の中で少子高齢化への対応、あるいは薄れつつある人、地域、自然との絆の再生など、実は自立・持続可能な地域づくりを実現していかなければならないその必要性というものはより高まっておると考えております。これらの課題というのは、広範かつ複雑多岐にわたるわけでございまして、これまで行われてまいりました市町独自の取組に加えまして、県や企業、団体、それから地域づくりに携わる方々など多様な主体の参画を得た中で連携をし、そして専門的知識の活用といったようなことによりまして一層効果的に解決されていくものと考えております。

 したがいまして、多様な主体で構成されます「美し国おこし・三重」実行委員会の様々な人的資源を活用しまして、パートナーグループの育成や担い手の育成・支援、これをじっくり行うことで市町との効果的な連携ということが可能となってまいります。さらに、その連携が県域全体、さらには県域を越えて広がるということで、より効果的な地域づくりが進んでいくのではないか、そう思い、期待をいたしておるところでございます。

   〔38番 森本繁史議員登壇〕



◆38番(森本繁史) まだ実施していないからわかりませんので、これから見守っていったらいいんだろうと思うけど、私は、金の切れ目が縁の切れ目、舟橋議員も言われたように、やっぱり継続してその成果を持続させられるようなそういう県の対応というのは必要ではないかと思います。藤本理事、ちょっとおまけにあんたに聞くわ。

 この基本計画の中にいわゆる県民しあわせプランとどう結びついておるものかという、県民しあわせプランというもののあれがないんだけど、県民しあわせプランというのは、これは知事の一つの県政運営方針の核になる、柱になるものだけれども、そこらがどういうふうにマッチしておるのか。

 それと、もう一つ、この補正予算に美し国おこしのプロデュース業務についてということはあるけれども、これは特定の総括プロデューサーが決まっておるのではなくて、これからプロポーザル方式で総括プロデューサーを募集するんだという理解でいいだろうか、その2点。



◎政策部理事(藤本和弘) まず、1点目の、県民しあわせプランとの関係でございますが、県民しあわせプランのそれを実現いたします第二次戦略計画、昨年からスタートをしております、その中に舞台づくりプログラムとして、私ども、こころのふるさと三重づくりプログラムの中にこの「美し国おこし・三重」というのは位置づけられておりまして、心のふるさとを実現する美し国を磨き上げると、そういうアクションプランの中の一つの位置づけでこれを推進してまいりたいと考えております。

 2点目のプロデュース業務でございますけれども、今、プロポーザル方式というような御提案もございましたが、その方式も含め、まだどのような形で、今後、後半部、具体的に座談会等の運営をしていただくプロデューサーについてどう委託していくかについては、まだ検討中でございます。具体的なところは方式も含め決まっておらない段階でございます。

   〔38番 森本繁史議員登壇〕



◆38番(森本繁史) そういうことで、慎重にやっていただきたいと思います。それで、特に申し上げたいのは、金の切れ目が縁の切れ目ということのないような取組というのは要望しておきたいと思います。

 今日は、永田さんの後の質問で、あの方は非常にソフトな方で知事はソフトに答えられて、私のところまでソフトに答えられたんですけれども、どうぞ共産党の質問と同じぐらい丁々発止とやっていきたいと思いますので、ちょっと今度は核心に触れる部分を申し上げます。

 中部国際空港への海上アクセスについてでございますけれども、現在、セントレアへの海上アクセスとしても、津、四日市、松阪の3ルートに加えて伊勢ルートも計画されておりますけれども、現時点では、定期航路の事業に意欲を示している業者は伊勢ルートにはおりませんので、当面、伊勢ルートは実現が困難であろうと思います。残る3ルートのうち、四日市市は来月廃止が決まっております。

 松阪ルートに係る問題は松阪市のことですけれども、県も港湾の整備も含めて4億円弱の助成をはじめ、この就航に知事が深くかかわっていたのでお尋ね申し上げます。

 現在、同ルートは当初見込んだ乗客が確保できず、経営の見通しが全く立たない状態にあります。石油価格の高騰を口実に撤退しようというような、そんなうわさも聞こえてきます。松阪市が税金で運行事業者に補てんしようとしている燃料値上がり分、いわゆるサーチャージの分の負担についても、業者は税金の持つ重みを深く考えていない虫のよい要望のような気がします。ちまたでは、今日の質問にもありましたけれども、石油価格の高騰で漁業者、あるいは運送業者というようないろんな業種で廃業、倒産、そういうのが少なからず出ております。緊急な公的な支援が求められている今、しかも、このルートの公募に当たって県と関係市で組織した協議会で定めた三つの条件、そのうちの一つ、いかなる場合でも税金で穴埋めはしないという条項に抵触していると思います。知事は、記者会見等でこの企業への公費の投入を容認していますけれども、これはどういう考えのもとに容認しておるのでしょうか。

 利用者の利用促進を図るための費用で、赤字の補てんでないという言葉のすり変え、ごく一部のほんの一握りの空港利用者の負担軽減のため税金を投入するという、そのことを正当化する知事だとか松阪市長の説明に多くの県民だとか市民はやっぱり納得できるものではないと思います。極端なことを言えば、飛行機の燃料代が上がって利用者が減ったということで日本政府が日本航空だとかあるいは全日本空輸にその燃料値上がり分を補てんするかどうか、補てんしないと思いますよ。それと同じではないのかなというふうに思います。利用促進を図るといっても今の松阪ルートの状況のままでは、今のレベルを維持するだけで向上するとは考えられないと思います。基本的には油の高騰に対しては津ルートのように運賃を上げる、運賃の値上げで対応するというのが当を得たものだと思います。幾らへ理屈をつけて助成しても、当面の延命策でしかなく、状況は好転すると知事自身思っていないのではないでしょうか。

 とりわけ、私が懸念するのは、運航事業者の圧力で津市が松阪に追従する形でサーチャージ分の負担に踏み切った場合、公募三条件、税金で穴埋めしないという条件が、その他にもありますけれども、空文化して、運航事業者そっちのけで行政同士の争い、津市と松阪の不毛の泥沼の争いを助長するのではないか、そのことを私は心配します。

 あくまでも、市場原理にゆだねるべきではないでしょうか。もし、万が一倒産ということになれば、船の購入代の1億4000万、この県の助成金はどのようになるのか、そこらについて知事の見解をお聞きしたいと思います。

   〔野呂昭彦知事登壇〕



◎知事(野呂昭彦) お答えを申し上げたいと思います。

 今回の中部国際空港への海上アクセスにつきまして、松阪市のとりました対応策でございますけれども、これは松阪市として利用促進に必要と判断された取組でございまして、県はその取組が公募三条件に抵触するか否か、こういうことについて判断を行ったわけでございます。

 そこで、アクセス高速船建造費補助金の条件でございます、運航事業費の赤字補てんは行わないという条項でございますけれども、これは運航事業者がその事業において赤字になった場合でも、自治体がその欠損額に相当する金額の全部または一部を事業者に支援しないことであると考えております。

 松阪市の対応策の対象になっておりますサーチャージ料金は、補助金を交付したときには想定できなかった急激な燃油の高騰に対応するもので、運航会社が一定期間、運賃に上乗せして、利用者に負担を求めるものでございます。松阪市の対応策はこのサーチャージ料金を利用者に代わって市が負担するということで海上アクセスの利用促進を図るということを目的とすると伺っておるところであります。

 このように、松阪市の対応策は運航事業者への直接支援ではないこと、利用促進策の一環として利用者の負担軽減に資すること、燃油サーチャージ代に限定した期間限定の一時的な措置としていることなどを総合的に勘案いたしまして運航事業費の赤字補てんに該当しないものと考えております。

 なお、津市への影響ということでありますけれども、津市としてもいろいろ利用促進策について検討されておるということは伺っておりますけれども、今後、津市のほうから相談がございました段階で適切に対応をしていきたいと、このように思っております。

 それから、万が一、運航事業者が倒産ということになった場合にどうなるのかということでございますけれども、松阪ルートの整備につきましては高速船の建造事業費に対します補助として約1億4000万円支援をしておるところでございます。仮に、運航事業者の倒産が起こった場合、アクセス事業の継続に対する可能性といったことなどを慎重に見きわめて判断をしていかなければならないものだと考えておるところであります。

   〔38番 森本繁史議員登壇〕



◆38番(森本繁史) 最後の部分についてはやっぱりそれなりの覚悟でもって、別に給料をカットせいとか辞任せいとかというんじゃないですけれども、やっぱり、これは最後のほうに倒産したような場合にそれなりの考え方というのは整理しておいていただきたいと思うし、それと、やっぱりサーチャージ分は運航業者への補助金ではないと言うても、もう、ちまたでは、さっき申し上げましたように、運送業者でも、私のところの熊野でもたくさんの漁業者がサンマの漁業をやめました。そして売りに出しています、船を。そういうふうな状況にある。確かに燃料高騰対策を挙げておるじゃないかという、それは補正予算で上げているのは承知しておるし、来年度予算に計上するのも承知しておるけれども、極めて零細な部分の階層については非常に使いづらい対策だろうと思います。そういうことの中で私は、知事の、税金での補てんではないという意味合いについては少し理解できないところがあります。

 ただ、このことについて申し上げても水掛け論ですから申し上げませんけれども、さらに、もう一つ、聞きますけれども、この津、松阪ルートの採算の調査を、この両ルートを並行して運航しても事業採算性、事業継続性とも大丈夫だという判断を下した監査法人トーマツの責任も問わなければならないのではないかと思います。トーマツは、業者の作成した事業計画書による費用及び需要予測をもとにシミュレーションを行って出した結果であり、将来を保障するものではないとしているけれども、おおよそ監査法人というのはいろんな資料の真偽を監査し、粉飾とかあるいは隠ぺいとか、資料の中にあるそういう部分を見破るのが仕事だろうと私は理解しております。このトーマツの行った資料作成は、会社に都合のいいものをただ上っ面だけなでたような非常に不適切な監査ではなかったのかというふうに思います。そして、将来を保障しないと言うけれども、将来を予測するのが監査の役割だろうと思いますけれども、こういう監査のもくろみが外れたことについてトーマツの責任があるのかないのか、このことについても知事の見解をお聞きしておきたいと思います。



◎政策部長(坂野達夫) 津と松阪の二つのルートが並存可能かどうかを検討するため実施いたしました調査でございますが、需要につきましては、この調査を受託した会社が独自に利用意向調査を行った上で推計しております。また、経費につきましても、各事業者から提出された事業計画を調査会社で評価した後にシミュレーションを実施するなどの作業を行っております。したがいまして、当時の社会状況などを考えますと、妥当な調査であったのではないかと考えております。

 しかしながら、松阪ルートにおける利用実績は需要予測を下回っております。その内容を見ますと、利用目的からは空港見学者が伸び悩んでおります。また、地域別に見ますと伊勢志摩地域や東紀州地域、さらには県外からの利用実績が伸び悩んでいる状態でございます。

 こういったことから、観光目的の利用促進を図るとともに、ビジネス目的の需要を掘り起こすため、運航事業者を中心になお一層の利用促進を図っていくことが必要であると考えております。

   〔38番 森本繁史議員登壇〕



◆38番(森本繁史) 坂野部長、知事が答えてくれると思った。あなたでもいいんだよ、別に、役者不足ということではないけれども。観光客云々の話まで聞いておるんじゃなくて、トーマツの責任があったのかどうか。あなたはその当時の実情では仕方がなかったんだという判断だろうけれども、これについても、あなたたちと私の間に意見の相違があるところです。

 時間がないので進めますけれども、企業庁のあり方について引き続いて質問をしていきたいと思います。

 今回、四日市における企業庁の配管工事で2名のとうとい犠牲者を出してしまいました。責任の大半は請負業者にあると思いますけれども、企業庁側に全く問題がなかったとは言い切れないと思います。これは当初、契約は工事延長が1000メーターでした。しかし、地元調整をしないまま入札を行って、地元の反対にあって、この延長を約600メートルに切ってしまった。真ん中にいわゆる空気抜きの換気口の縦抗を掘る計画があったんです。これは作業抗とも併用しますけれども、入り口と真ん中にそういう換気口を設ける処置になっておったんだ。これが今回の変更によって削減された。このことも大きな原因の一つじゃないのかなというふうに思いますし、その後、工事の変更を行った時点で、業者と企業庁の間に労働安全衛生法等、工事の安全にかかわるものについて、縦抗を一つなくするんだということについての十分な議論がなされたのか。終点から送風機で空気を送ることによって安全なのかどうかと、そういうところまで詰めたのかどうかは私は疑問です。

 企業庁についてはこれまでたびたび指摘しておりますけれども、工事担当者の技術力に加えて、緊張感、責任感、さらには幹部の危機管理意識が全く欠如しております。

 別件の揖斐川水管橋耐震補強工事では、設計図面と現場が著しく違っておって、契約した途端に1億5000万の変更をせざるを得んような状況だったと。こういうことと、それから、工事の仮設道路をつくったら、これが干潮河川で、潮が満ちてくると道路の上60センチ水没して、この仮設道路が使えないというような変更もあります。そして、干潮河川ですから潮の満ち引きが当然あるわけですけれども、海水というのは重たいですから、ずっと底をはって川をさかのぼっていくんです。真水は上を流れるんです。そのために、いわゆる干潮河川における河床のヘドロというのは塩分が含まれておるんです。これを客土として農地に流用しようとしたら、当然こんなものはできるわけがないでキャンセルされたというような、コンサルタント自体の設計が非常にずさんであったし、それを見抜く力が企業庁になかったんだろうと思いますけれども。そこまででもかなり驚いたけれども、驚いたことには、現場と設計図書とが合わなかった、それを訂正するためにあわててもう一回再測量、再設計させたわけですけれども、これを当初のずさんな設計をした業者に900万で随意契約をさせておる。これについても非常に、知事部局の公共部門では考えられないようなことをしておる。盗人に追い銭ということわざがありますけれども、まさに盗人に追い銭の状況じゃないでしょうか。

 さらに、長良川の河口堰がかりの上水道についても、市町と調整の結果、当初の半分しか水が要らなくなった。そのために送水管が半分の量でよくなった。これは過大設計です。それも工事をしてしまっておったからだ。これについても過大設計した、無駄になった設計の部分についてはどうするのかという質問に対して、水道の料金を上乗せして取るというようないわゆる役所、役人の論理を展開しておりますけれども、本当にこれは利用者にとって非常に迷惑な話ではないのかなと思います。

 それと、繰り越しも非常に多い。事前調整をしないで発注して、結果、繰り越しになった例が非常に多く見られます。私はまだ、知事の答弁によっては反論しますけれども、これは氷山の一角ですよ。企業庁というのは非常に、資料を求めてもなかなか出さない。それで、説明を求めても言を左右にして事実関係を明らかにしない。この原因としては、今の時点では企業庁に人材がいないのも事実だろうと思います。歴代企業庁長は事務系の職員が落下傘で就任し、いわゆる事務系職員の指定席となっている。かつてはそうじゃなかったんですよ。かつては企業庁出身の庁長さんも見えたんです。そして、そういう事務系の指定席になって2年で代わっていくから、企業庁の技術集団がいわゆる庁長の権限の及ばない治外法権集団を形成してしまっておる。だから、企業庁長は戸神さんも前の横山君も含めて非常に優秀な人材ですけれども、いまいち、自分の優秀な能力を発揮できていないのではないかなと私は思います。

 代表質問ですから一つ一つの状況によってどうだこうだという責任は問いませんけれども、知事にお尋ねしたのは、県土整備部をはじめ関係部局も参加させて土木部門の問題点について組織改革も含めた対応策を検討させる必要があるのではないかと思いますが、どうでしょうか。総務部が営繕部門を県土整備部に移管したように、場合によってはそんなことも考えていかなければならないのではないでしょうか。

 それと、企業庁長に、暇そうにしておるからちょっと聞くけれども、随意契約、さっきに言った、ずさんな設計をしたそのコンサルタントに再び随意契約をしたこの理屈は、通るような理屈があるのかどうか。もし通らなんだら、この間、60人近い出先の公共部門の所長さん方が注意処分を受けたように、注意ぐらいはしてもいいんではないのかなと思いますけれども、あわせてお尋ねします。

   〔野呂昭彦知事登壇〕



◎知事(野呂昭彦) 企業庁のあり方につきましては平成19年2月に企業庁のあり方に関する基本的方向をお示ししたところであり、この具体化を通じまして経営改善を進めるため、企業庁において現在、取り組んでいるところでございます。この取組の実現により企業庁の行う業務が大きく変化をいたしますけれども、この変化に対応し、適切な業務執行を行うことができる、そういう組織体制にしていくことが必要でございます。

 こうした企業庁の経営改善の取組などにつきましては適宜企業庁より報告を受けているところでございます。今、議員のほうから御指摘いただきました問題点につきまして、これは企業庁の業務執行における課題でございますけれども、公共事業の適正な執行にかかわる問題でもございますので、企業庁と関係部局が情報を共有いたしまして議論を深めていく必要があろうかと思います。例えば、事例研究でありますとか、人事交流、こういった拡大によりまして具体的な改善につなげていくということが大事であろうと、こう思っております。今後も、御指摘いただきました問題点等につきまして最善を尽くしてまいりたい、このように思っております。

   〔戸神範雄企業庁長登壇〕



◎企業庁長(戸神範雄) 私からは揖斐川水管橋耐震工事の変更設計につきましてお答えいたします。

 企業庁の土木事業につきまして種々御指摘をいただきました中で、特に揖斐川水管橋の耐震補強工事につきましては本年5月16日の議案聴取会におきまして変更契約の締結について御報告を申し上げたところでございます。その重要性にかんがみ、私も現場へ出向きまして、工事の経過や現状につきまして再確認を行ってまいりました。

 今回の設計変更に係る主な変更内容といたしまして大きく3点ございます。具体的には、河底の浸食を防ぐための補強工事の追加、そして作業ヤードの設置方法の変更、三つ目が、仮設道路のかさ上げでございます。そのうち、浸食防止の工事の追加と仮設道路のかさ上げにつきましては、御指摘のございましたように企業庁及び設計業者双方の現地の状況把握が不十分であったこと、そういったことが大きな変更を生じた要素と考えてございます。

 この工事につきましては、老朽施設の耐震補強が企業庁の喫緊の課題となっておりまして、工事を急ぐ必要がございました。また、当初設計を行った業者が工事内容を熟知していることなどから、修正の設計を当初設計の業者と随意契約したものでございます。当時の状況としてはやむを得ない判断であったのかなというふうに考えております。しかしながら、現地の状況把握が不十分だったこと、そして、入札契約事務におけます透明性確保の問題、そして業者に対する指導、監督の面から私どもとして反省すべき点が多々あるというふうに受けとめております。

 こうしました企業庁における問題の背景には様々な課題がございますけれども、大もとには適正な業務執行に対する職員の認識の甘さ、そして、プロとしての自覚に欠ける部分があったと認識してございます。このため、今後職員の意識改革を一層進めるとともに、組織を挙げて人材育成に取り組んでまいりますので、御指導よろしくお願いします。

 以上でございます。

   〔38番 森本繁史議員登壇〕



◆38番(森本繁史) 知事の答弁にしても、これはちょっと不満ですし、企業庁長の答弁にしても、あんた、急ぐと言うたけど、工期を1年間延長しておるんやで。この仕事の工事を。1年間も延長できるんやったら、急ぐも何もないやろう。あんた、知らんから答弁せんでもいいけれども。

 それと、もう一つ、これは後で自分らの反省にしてもろうたらいいと思うけど、工事内容をずさんな設計をしたそのコンサルタントがよく熟知しておるからその業者にお願いしたんだと、随契したんだと言うけど、それだったら、一つの工事を落札したら、工事落札というか測試を落札したら、そのルートはずーっと同一のコンサルタントに随契をしなきゃならんというようになっていくよ。

 僕は、あなたのような素人に議論を挑むつもりはなかった。しかし、僕はあなたにも申し上げたように、この質問に対して、あなたのところの企業庁の技術集団が企業庁長に恥をかかさないようなどういう答弁資料を書くかということを試したかったんや。だけど、今の状況やったら答えになっていないやないですか。急ぐと言いながら、1年も工期を延長しておる。工事内容を熟知。そんなことで、公共部門ではそういうことはあり得ん話だし、こんなことをしたら問題があると思うよ。だから、もう一つ、これはどうなの。注意処分ぐらいは知事に具申するつもりあるの。



◎企業庁長(戸神範雄) 処分はどうかということでございますけれども、私といたしましては、まずこの揖斐川の水管橋耐震工事の設計変更につきまして最初からの業務プロセスを再点検させまして、問題点を把握の上、業務の改善方策を検討させることが第一に必要なことと考えております。そして、その上で処分というよりも、こうしたことをきちんと実行させまして、私も報告を受ける、そして、職員間で情報を共有することによって常に問題意識を持って業務を行えるよう意識改革を図っていく、こうした取組が大切ではないかというふうに思っております。

   〔38番 森本繁史議員登壇〕



◆38番(森本繁史) 答えになっていないけれども、まあ仕方ないわ。知事、私は、あなたの答えに対しては非常に不満。やっぱり、人が亡くなっておる、あるいはこの前、今日は触れなかったけれども、員弁川の用地買収にしても、350万の用地買収を計上しておるにもかかわらず50万しか渡さないで300万は懐に入れた、業者は。こういう問題についても、今後気をつけます、今後改めますということだし。それで、知事の認識の甘さというのは、人事交流をすることによって解決していきたいと言うけれども、現実に今、人事交流はやられておるんですよ。抜本的な解決というのは必要だろうと思う。

 ちょっと、監査委員事務局長、要望にしておくわ。要望にしておくけれども、やっぱり、今、るる申し上げたように、契約した途端に、7億で契約して8億5000万に契約した途端に変更しなきゃならんような、こういうこのことだけじゃなくてたくさんありますよ。あの夢が丘の管理、施設、これについても、始めは高野尾から無線で飛ばすあれを、途中でいつの間にか夢が丘で操作するようなそういうすり変えもなされておる。もう少し監査委員事務局としてもトータル的に適正な監査というものはやってもらうように要望しておきます。

 時間がなくなるのでいきますけれども、来年度の21年度の予算編成方針についても、るる舟橋議員から質問があったので、重複は避けますけれども、現在、県の負債、県債残高が1兆円を超えております。これを一朝一夕に減らすということは大変なことだろうと思います。財政的な健全率を見る実質公債費比率、あるいは起債制限比率というものを見ても、大体、健全に推移しておる。ですから、知事としてこの1兆円の借金は三重県財政としてそう厳しい状況ではないなというふうな考えなのかどうなのか。

 そこらもお尋ねしたいのと、平成12年度の県予算は7740億円あったんです。本年度は6770億円と1000億減となっています。知事になってから、本年度もこれまでどおり、去年も20%ぐらいのシーリングを行ってきた。今年もかなりのシーリングを行うんであろうと予測されますけれども、こういう歳出を余り抑え過ぎると予算の硬直化というものを招いて、投資的経費が減となって新しい事業というものができなくなってしまうのではないのかというふうな心配もあるんですけれども、そこらについての答弁をお願いします。

   〔野呂昭彦知事登壇〕



◎知事(野呂昭彦) 御指摘がありましたけれども、本県の県債の残高につきまして、今年度末には1兆円を超えて1兆171億円となる見込みでございます。これの要因についてでありますけれども、これは過去に国の景気対策に合わせまして公共事業等の追加を行ってきたというようなことがございますし、それから、最近では地方交付税の一部が臨時財政対策債に振り替わりました。そんなことから、本来なら県債にはならなかったはずのものが国の政策によりましてそういうふうなことに替わってきた。したがって、個々の地方団体ではなかなかコントロールできないそういう面もこの財政、あるいは借金というような面ではあると思っております。しかし、この県債が、そうではありますけれども県民の借金であるということには間違いないわけでありますから、県債への依存が将来の公債費の増加をもたらして、あるいは、県の財政を圧迫するということから、やはり県債の発行抑制をしていくということは必要でありますし、私もそのことを心がけ今日まで努めてきたつもりでございます。

 来年度の予算編成に当たりましてもその姿勢は変わっておりません。しかし、一方では、チャンスを的確にとらえていくということも大事でございます。でありますから、私は国の財政の枠組みにどっぷりつかっておる今日の状況の中では、やはり国が本格的な財政再建がきちっとできなければ、私も、いわゆる国の歳出削減の押しつけに一方的に振り回されるというような心配もございます。それだけに、事あるたびに、国に対しては、今の国の政策を基本的に転換させる、そして税財政の改革を抜本的にやってもらう必要があるんだということを申し上げておるところでございます。

 しかし、一方、現実としては、三重県民が稼いだ県民税、過去最高を記録しながら、その税収増が県民に還元できないというような状況の中で、私が知事に就任してからだけでも1000億円から予算規模縮小を余儀なくされてきておるわけですね。そういう現実は現実としてしっかり受けとめながら、借金につきましても、これはしっかり配慮しながら、しかしチャンスを逃すことのないように、そういった点にもバランスよく配慮をしながら事務事業の徹底的な見直しや定数削減によります総人件費の抑制とかそういったことにも努める一方、選択と集中をより進める、そんなことの取組をやりまして、めり張りのきいた予算編成を今後も心がけていきたいと、こう思っております。そういう中で可能な限り県債残高の抑制には努めてまいりたいと、こう思っておるところでございます。

   〔38番 森本繁史議員登壇〕



◆38番(森本繁史) 県債残高そのものは、知事になってからそう増えているわけじゃないし、今後も恐らく横並びで推移していくんだろうと思います。こういうところについては、率直に評価してもいいと思うんですけれども、午前中の舟橋議員の質問にお答えになった、人件費も見直していくんだと、人件費についても検討していくんだというような答弁がありましたけれども、大阪府のようにいわゆる人件費、職員の給料、退職手当、そういうものも含めて知事は見直していく気があるのかどうか、お答えいただきたいと思います。



◎知事(野呂昭彦) 公務員の賃金のあり方につきましては、これは人事委員会というところがございます。国における人事院と同じでございまして、人事院等の判断、それに基づいてまた人事委員会もそれぞれの県の状況の中で判断をいたして、意見をいただいておるところであります。いわゆる勧告でございますね。

 したがいまして、それを当然尊重するということが大事であろうかと思います。もちろん、そうはいいながら、総人件費の抑制ということは国からも強く要請を受けておるところでありまして、特に定数削減といったことについては強い要請がありますから、そういう中で、みえ行政経営体系の経営改善プランの中でも、組合はかなり強い抵抗も持っておるところでありますけれども、私どもとしては粛々と厳しい定数削減を実行するということで取り組んでおります。そのほか、管理職の手当についても削減をしたり、三重県はできるだけそういうことをせずに済めばいいんですけれども、そうばっかりはいきませんから、私もできる範囲を今粛々とやっておると、こんな状況でございます。

   〔38番 森本繁史議員登壇〕



◆38番(森本繁史) よくわかりました。そこまで答弁していただけば、何も県の職員の給料を切ることだけが問題ではないと思うので、やりくりしながら健全な県財政を遂行していただいたらいいと思います。

 人事委員会の話が出たので、稲本人事委員会委員、ちょっとお尋ねしたいけれども、人事院のいわゆる裁定があるから、それを尊重していきたいんだよという知事があるけれども、それはそれでいいと思うわ。だが、こういうことについて、あなた、どう考える。例えば、10年前は県が定める大工さんの日当は2万8500円だった。現代は1万7600円だと。県が定める単価にこれだけの差がある。1万円以上カットされておる。公務員の給料は人事委員会に持っていかなきゃならんけれども、そういう公務員以外のもののあれが確保されないという現実に対して、あなたたちは民間の企業を参考に公務員の給料を算定するというけど、そこらの見解はどうですか。



◎人事委員会委員(稲本節男) 人事委員会、県の職員の給与というのは、先生御承知のとおり、職員の労働基本権というものが制約をされておるということがございまして、民間の労働組合のように労使が交渉して決めるというんじゃなくして、そういう権利が制約されておるということで、これは国家公務員も同様でございますが、県の職員についても人事委員会が民間の給与を調査して、その上で決定するということになっております。

 先ほど、大工さんの賃金のことを質問されたわけでございますが、以前、先生から多分この問題について御質問があったと思いますが、私どもの権限としましては、県職員の給与についての権限を与えられておりますので、その辺、個人関係のことについては権限がございませんので御了解をお願いしたいと思います。

   〔38番 森本繁史議員登壇〕



◆38番(森本繁史) わかった。民間の給料がどんどんどんどん、土木作業員でも一緒です、普通の作業員でも一緒ですよ、今仕事がないからどんどんどんどんと給料が下がっていますよ。極端なことを言ったら1日7500円ぐらいでやっているところもあるんです。知事、なぜこういうことを言うたかというと、今回の企業庁のあの四日市の事故、これも入札請負率が七四、五%ですよ。それで、埋設管、挿入していく管は、あれは官給品なんですよ。だからほとんどあれは労務と言ってもいい。それを74%ぐらいで受注したらやっぱり無理が起こってくるんですよ。

 だから、そういうことも含まれて、やっぱり民間というもの、今日、舟橋さんからも入札問題、総合評価方式も出てきた、そやけど、そういう形の中で必ずしも安く安く上げることが県民の幸せにつながることではないということは少し理解しておいてほしいと思うし、あのあれについてももう少し調べておいてほしいなという気がします。

 それと、もう時間がないのであれですけれども、県民センター、これは県の出先である県民局は県と県民、県と市町のパイプ役を務めておったわけですけれども、野呂知事は県民局制度を廃止して県民センターとしたため、県民センターの所長の権限が著しく制限されて、農林なり建設部のそれぞれの事務所長が縦割りとなって、県庁とは強く結びつくようになりました。そのために県民センターの所長が核となって、その地域の問題点、農林事務所と建設事務所との調整というようなものもできにくくなったような弊害もあります。来年度の組織検討の中でこういうものについても検討する気があるのかどうか、そこらについてお尋ねしたいと思います。



◎知事(野呂昭彦) 以前ありました県民局につきましては、市町村合併とか地方分権の進展が進みまして、県の役割というものもより広域的なそういう状況になってきた中で、いろいろ市町も含め議論をしていただきました。むしろ県民局廃止については市町側からも強いそういった意見が出てまいりまして、その必要性はもうないのではないかというようなことでございました。したがいまして、県の地域機関についてはできるだけ必要なサービスを迅速的確に適用できるようにというようなことで、本庁各部につながった事務所制というのをしきました。

 今、議員から御指摘ありましたそういう横の連携といいますか、統合的な調整機能、こういったことについてもいろいろ組織の中で工夫いたしまして取り組んでおるところでございます。あるいは、本庁で調整が必要な場合には地域担当理事がおりますし、東紀州担当理事がいるというようなことでやっておるところでございます。しかし、組織につきましては、やはり今後ともそのときそのときに最大効果が出るということがもちろん大事でございます。私は今の県民センター制度というので当面いいのではないかなと、こう思っておりますけれども、御指摘いただきましたような課題も含めて。



○副議長(岩田隆嘉) 答弁は簡潔に願います。



◎知事(野呂昭彦) 今後、よく対応を図って考えていきたいと思います。

   〔38番 森本繁史議員登壇〕



◆38番(森本繁史) 時間が来ましたので終わらせてもらいます。本当に長い間、御清聴ありがとうございました。(拍手)



○副議長(岩田隆嘉) 以上で、各派の代表による県政に対する質問を終了いたします。

 これをもって本日の日程は終了いたしました。



△休会



○副議長(岩田隆嘉) お諮りいたします。明20日から24日までは休会といたしたいと存じますが、御異議ございませんか。

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○副議長(岩田隆嘉) 御異議なしと認め、明20日から24日までは休会とすることに決定いたしました。

 9月25日は、定刻より、県政に対する質問を行います。



△散会



○副議長(岩田隆嘉) 本日はこれをもって散会いたします。

               午後2時40分散会