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三重県 三重県

平成20年第1回定例会 02月29日−04号




平成20年第1回定例会 − 02月29日−04号









平成20年第1回定例会



                平成20年第1回

              三重県議会定例会会議録



                 第 4 号



            〇平成20年2月29日(金曜日)

          ──────────────────

              議事日程(第4号)

                  平成20年2月29日(金)午前10時開議

 第1  県政に対する質問

     〔一般質問〕

 第2  請願一部訂正の件

          ──────────────────

              会議に付した事件

 日程第1  県政に対する質問

 日程第2  請願一部訂正の件

          ──────────────────

             会議に出欠席の議員氏名

 出席議員  51名

    1  番          山 中  光 茂 君

    2  番          津 村    衛 君

    3  番          森 野  真 治 君

    4  番          水 谷  正 美 君

    5  番          村 林    聡 君

    6  番          小 林  正 人 君

    7  番          奥 野  英 介 君

    8  番          中 川  康 洋 君

    9  番          今 井  智 広 君

    10  番          杉 本  熊 野 さん

    11  番          藤 田  宜 三 君

    12  番          後 藤  健 一 君

    13  番          辻    三千宣 君

    14  番          笹 井  健 司 君

    15  番          中 村    勝 君

    16  番          稲 垣  昭 義 君

    17  番          服 部  富 男 君

    18  番          竹 上  真 人 君

    19  番          青 木  謙 順 君

    20  番          中 森  博 文 君

    21  番          末 松  則 子 さん

    22  番          中 嶋  年 規 君

    23  番          真 弓  俊 郎 君

    24  番          北 川  裕 之 君

    25  番          舘    直 人 君

    26  番          日 沖  正 信 君

    27  番          前 田  剛 志 君

    28  番          藤 田  泰 樹 君

    29  番          田 中    博 君

    30  番          大 野  秀 郎 君

    31  番          前 野  和 美 君

    32  番          水 谷    隆 君

    33  番          野 田  勇喜雄 君

    34  番          岩 田  隆 嘉 君

    35  番          貝 増  吉 郎 君

    36  番          山 本    勝 君

    37  番          吉 川    実 君

    38  番          森 本  繁 史 君

    39  番          桜 井  義 之 君

    40  番          舟 橋  裕 幸 君

    41  番          三 谷  哲 央 君

    43  番          中 村  進 一 君

    44  番          西 塚  宗 郎 君

    45  番          萩 野  虔 一 君

    46  番          永 田  正 巳 君

    47  番          山 本  教 和 君

    48  番          西 場  信 行 君

    49  番          中 川  正 美 君

    50  番          藤 田  正 美 君

    51  番          岩 名  秀 樹 君

    52  番          萩 原  量 吉 君

   (42  番          欠        番)

          ──────────────────

          職務のため出席した事務局職員の職氏名

   事務局長               宮 村  由 久

   書記(事務局次長)          神 田  要 文

   書記(議事課長)           青 木  正 晴

   書記(議事課副課長)         岡 田  鉄 也

   書記(議事課主査)          平 井  靖 士

   書記(議事課主査)          鈴 木  さおり

          ──────────────────

            会議に出席した説明員の職氏名

   知事               野 呂  昭 彦 君

   副知事              望 月  達 史 君

   出納長              土 橋  伸 好 君

   政策部長             戸 神  範 雄 君

   総務部長             福 井  信 行 君

   防災危機管理部長         中 西  正 明 君

   生活部長             安 田    正 君

   健康福祉部長           向 井  正 治 君

   環境森林部長           小 山    巧 君

   農水商工部長           中 尾  兼 隆 君

   県土整備部長           野 田  素 延 君

   政策部理事            長 田  芳 樹 君

   政策部理事            高 橋  陽 一 君

   政策部東紀州対策局長       坂 野  達 夫 君

   環境森林部理事          松 林  万 行 君

   農水商工部観光局長        大 森    久 君

   県土整備部理事          高 杉  晴 文 君

   企業庁長             横 山  昭 司 君

   病院事業庁長           田 中  正 道 君

   副出納長兼出納局長        堀 木  稔 生 君

   政策部副部長兼総括室長      山 口  和 夫 君

   総務部副部長兼総括室長      真 伏  秀 樹 君

   総務部総括室長          稲 垣  清 文 君

   防災危機管理部副部長兼総括室長  若 林  隆 博 君

   生活部副部長兼総括室長      南      清 君

   健康福祉部副部長兼総括室長    太 田  栄 子 さん

   環境森林部副部長兼総括室長    長 野    守 君

   農水商工部副部長兼総括室長    大 森  秀 俊 君

   県土整備部副部長兼総括室長    山 本  浩 和 君

   企業庁総括室長          林    敏 一 君

   病院事業庁総括室長        東 村  良 重 君

   総務部室長            中 田  和 幸 君



   教育委員会委員長         丹 保  健 一 君

   教育長              安 田  敏 春 君

   教育委員会事務局副教育長兼総括室長鎌 田  敏 明 君



   公安委員会委員          水 谷  令 子 さん

   警察本部長            大 庭  靖 彦 君

   警察本部警務部総務課長      福 島  隆 司 君



   代表監査委員           鈴 木  周 作 君

   監査委員事務局長         天 野  光 敏 君



   人事委員会委員          楠 井  嘉 行 君

   人事委員会事務局長        溝 畑  一 雄 君



   選挙管理委員会委員        浅 尾  光 弘 君



   労働委員会事務局長        吉 田  敏 夫 君

          ──────────────────

               午前10時1分開議



△開議



○議長(岩名秀樹君) ただいまから本日の会議を開きます。



△質問



○議長(岩名秀樹君) 日程第1、県政に対する質問を行います。

 通告がありますので、順次発言を許します。50番 藤田正美君。

   〔50番 藤田 正美君登壇・拍手〕



◆50番(藤田正美君) おはようございます。度会郡選出の未来塾の藤田正美でございます。まず、通告に従いまして、順次質問をさせていただきます。よろしくお願いを申し上げます。

 最初に、新博物館の建設について、今後の議論のあり方を財政問題などの側面を踏まえて質問をさせていただきます。

 平成20年度当初予算案については、県債発行額が1050億円で、平成20年度末には県債残高がついに1兆円を突破する見通しになりました。この1兆円を突破するということは、将来の三重県、そして、三重県が今後持続可能な財政運営を行っていくことができるのか、大きな不安材料の一つであります。今の地方財政は様々な問題や矛盾をはらんでいると思います。知事がかねがねおっしゃっていられるように、税収が増えても、交付税等が減らされて三重県の予算に反映できないということをよく言われております。地方自治を推進するための地方固有の財源であるはずの地方交付税自体の先行きが不透明になってきております。

 交付税の財源調整機能と財源保障機能が限界に来ているのではないか。そんな中で国に大きく振り回されているのではないか。このことに関しては、知事と私は考え方が一致していると思います。ただ、そういう事情があるにしても、現役世代と将来世代の負担が本当にこういう状態でいいのか。将来を見据えて、県債残高が1兆円を超える、こういうときに、三重県が改めて自らの財政運営を考え、どのような方針でいくのか県民に示す必要があると考えます。

 臨時財政対策債などの赤字県債の問題やその位置づけ、公募債などの新たな資金調達の研究、また、県債の償還のあり方についても考えていかなければなりません。いずれにいたしましても、自治分権時代を踏まえ、負債管理、資産管理をしていかなければいけないと思っております。知事にそういった視点を大事にして今後とも取り組んでいただきたいと思っております。

 そこで、新博物館建設についての質問をさせていただきます。

 博物館の建設については、過去の経緯から考えましても、これまでも議論されながらも、主に財政的な事情で実現に至らなかった歴史があります。それが知事の選挙公約に掲げられることから議論がなされるようになり、この議会で基本構想案が発表され、平成20年度の当初予算案でも博物館建設に関する予算が計上されています。この博物館の建設は、財政的な事情等で実現してきませんでしたが、財政面からの議論というのがこれからも当然必要になってまいります。

 平成20年度の予算調製方針、ここにも書いてあるわけでありますが、新規の箱物建設については、PFI等多様な方策について検討するとともに、平成12年6月1日付予第92号、管営第55号、建設抑制期間終了後の県有建築物の整備のあり方及び県有建築物の望ましい姿に基づき検討することと、新規の箱物建設についての進め方、手続についての方針が記載されています。ここには、箱物建設についての財政的な考え方についても書かれております。知事が公約を掲げ選挙で選ばれたことから、この博物館の建設を知事、関係当局が進めていくことは尊重されるべきだと思います。また、知事の掲げる文化力、あるいは建物の老朽化や耐震性、保管や展示スペースの問題など、博物館に関する事情も理解いたします。

 しかし、それらの博物館が本当に必要と考えるなら、何をコンセプトにして、だれをターゲットに置いて、入り込みをどれぐらいに見込み、そして、そのための場所はどこがふさわしいか、あるいは何を展示するのか、情報管理とは何の情報管理なのか、人材育成の計画はどんなものなのかなど、様々な議論をしていかなければいけないと思います。また、そういう中で、ライフサイクルコストであるとか、機会費用であるとか、当然財政という側面から議論していかなければいけないと思っております。そういう議論が見えてくれば、県民も新博物館について注目し、議論が起こり、県民参画につながると思います。

 また、知事の考える博物館は決して短期的な視点でなく、世代を超えてリレーしていく大きな考え方がそこにあるはずだと思います。現在は新博物館の基本構想案の段階ですが、基本計画が発表されるまでに適時必要な情報と考え方を開示し、開かれた形で県民に指示していただいて議論していく必要があると思いますが、知事のお考えをお伺いいたします。

   〔知事 野呂 昭彦君登壇〕



◎知事(野呂昭彦君) 新博物館につきまして財政的な見地からいろいろと御質問いただきました。御指摘ありましたように、平成20年度の末、すなわちちょうど1年後には、県債の発行残高が1兆円を超えるということで大台に乗るところであります。県債そのものはやはり県民の借金でありますから、そういう意味では世代間の公平を図るという観点があるにしても、これが多くなり過ぎるということは大変好ましいことではございません。

 ただ、今日の財政の状況、これを見てまいりますと、実は、いわゆる建設地方債というまさにいろんな建設関係で負担を公平にしていくという債権だけではなくて、実は、御承知のとおり、国のほうから財政手当がなかなかできないので交付金の額が思うように発行できない、国からの割り当てができないから足らん分を臨時財政債で発行して、そして後で国のほうでそれを補てんするからと、こういうことで出してきた債権がかなり実はあるわけであります。

 特に、景気対策のための公共事業を相当額地方に求めてきたとか、そういったこともありまして、今日の財政状況というのは、三重県に限らずどこでも大変厳しい中にあるところでございます。しかし、その部分をどういうふうに考えるのかという、実は、これは国のほうからのかなり押しつけ部分も含めたいびつな財政構造というのがございまして、現在、建設関係の地方債については、三重県においてもずっと減になってきておるという状況でございます。しかし、いずれにしろ、それはまだ県民の借金ということからいきますと、やはり財政の健全化ということについてはしっかり留意していかなければなりません。

 しかし、一方では、それは県民サービスに対してどうなるのか、あるいは、重要かつ緊急な、そういった課題も含めて、借金を減らして、じゃ、そういうものをあきらめていくのかという極めて重要な判断のしどころになるだろうと、こういうふうに思っています。したがいまして、私が知事になりました以降も、常に財政の健全化に向けた取組はしながらも、しかし、ぎりぎりのところ、将来に対する投資も含め、あるいは必要な行政サービスを含めどのようにやっていくのか判断をしながらやってきたところでございます。

 今回、1兆円を超えるということになりますけれども、これは、よく申し上げておりますように、他の府県と比べてみましたときに、例えば、東京のような不交付団体、これは、まさに都の税収増が全くそのまま生きるわけでありますけれども、三重県のようなところは相当税収が増えるにもかかわらず、反面、増えた分の75%は交付税で自動的に減らされる。さらに、それ以上の交付税減額ということになりますと、実は、それが県民に還元できないと、全くマイナスになるというようなつらい状況がございます。

 が、そういうひどい状況の中にありましても、東京や、あるいは沖縄というところは若干国からの措置も条件が違います。そういうのを除くと、栃木、群馬、三重というのは、残る中のベスト3ということになっておるところでありまして、私は、そういう意味では、三重は悪い悪いといいながら、比較の上では優等生の中でぎりぎりの努力をしておるんだと、こういうふうに思っております。したがいまして、根本的な国の財政構造の変革というものを期待しながら、それまでは苦しみながらもぎりぎりの努力を続けていくということが極めて大事ではないかと、こう思っております。

 新博物館の事業費につきましては、既にいろんなところで申し上げておりますけれども、平成20年度に策定をいたします新県立博物館基本計画の中で、例えば、新博物館の活動や、あるいは施設などの概要、こういったものを明らかにしてまいりたい、その上で、概算としてお示しをするということにしてまいりたいと考えております。

 また、この基本計画におきましては、民間の資金でありますとか能力の活用、これを目的といたしましたPFIの導入の可能性であるとか、あるいは持続的な運営のためのライフサイクルコスト、こういったことについても検討を行うということにしておるところでございます。基本計画の策定につきましては、審議会に諮問をするという形はとらずに、県のほうで検討のたたき台となるような原案を作成いたしまして、三重県文化審議会の御意見を取り入れながら県の考え方を段階的に固めてまいりたいと、こう思っております。

 もちろん県議会の皆さんには基本構想段階で政策提言をいただきました、そういった熱意、思い、これも真摯に受けとめながら、基本計画におきましても随時検討状況を御説明しながら引き続きともに考えていただけるような形を模索していきたい、このように考えております。また、これらの検討過程につきましては、県のホームページ等におきましても情報提供をいたしまして県民の皆さんにも明らかにしてまいりたいと、このように考えております。

 このように、県民とともに成長する開かれた博物館、これを目指しまして、基本計画策定過程におきましても県議会や、あるいは県民の皆さんとともに考え取り組んでいきたいと、このように考えております。なお、全体的なスケジュールでございますけれども、9月中をめどに基本計画の中間案をまとめまして、県議会におきまして御説明を申し上げたいと思いますし、県民との意見交換会、あるいはパブリックコメント、こういったことによりまして県民の皆さんから幅広い御意見もちょうだいをいたしてまいりたい、このように考えておるところでございます。

   〔50番 藤田 正美君登壇〕



◆50番(藤田正美君) 御答弁ありがとうございました。

 財政健全化というのはなかなか難しい判断でありますが、やはり持続可能な財政運営をしていくということは非常に大切な考え方でございます。それは、どれだけ現金があって、どれだけ歳入があって、それが持続可能に確保できるかというところがこれから一番大きな問題ではないかと思っておりますし、特に、国が800兆円を超える借金をしておりますから、地方交付税がこれから臨時財政対策債というように県が立てかえたような状態、あるいは、立てかえるけど後から交付税でバックすると、そういうこれから交付税でバックするような問題は非常に我々は財政錯覚に陥りやすいので、その辺が特に気をつけていただきたいし、国がこういう状況でございますので、持続可能な財政運営という意味では、知事も国に対していつも言っているように、国にだまされたと言っておりますが、特に気をつけてやっていかなければいけないと思います。

 博物館は、少なくともいろんな三重県のイメージがみんなにわかってきて、それで財源規模がわかってきて、そして、いろいろな施設が必要か必要でないかという議論を真剣にしながらつくり上げていくという意味では、この建設抑制期間終了後の県有建築物の整備のあり方というのは、施設の必要性からどうつくるのか、あるいは経済性を含めた総合的評価、また、県の財政状況、例えば県政運営における県財政に及ぼす影響はどうだ、そういう機会費用、何百億かけたときにそれに代わる何かができなくなるわけでありますが、そういうのを真剣に考えていく意味では、このルールに従って適時開示していただいて、県民参加をしていただいて博物館の基本計画に盛っていく準備をしていただきたいと思います。強くその辺を要望いたしまして次の質問に入らせていただきます。

 次には、地域経済と中小企業政策についてお伺いをさせていただきます。

 三重県経済につきましては、知事の提案説明にもありましたように、製造品出荷額等が14.4%と伸び率も増加しておりまして、10兆7885億円と増加いたしました。10兆円の大台を突破したわけであります。また、製造業は設備投資が活発で高い生産水準を維持しております。また、今後とも、このような三重県財政の経済の強みを生かして県内製造業の知識集約型構造への転換を促進し、経済成長を目指していく。また、その取組の一環として、高度部材イノベーションセンターをこの3月8日に新設する運びになっております。

 一方で、社会を見渡していますと、今、問題になっております原油高、原材料高、そして商品の値上げ、これらは県民、そして企業に負担感を増してきておりまして、地域経済が、従来より、グローバル経済、市場経済の影響を直接的に受けるような、そういう時代になってきたのではないかと思っております。

 これまでの地域に密着した形で事業を展開してきた中小企業は、グローバル経済や市場経済の影響を受け、あるいはモータリゼーションや少子・高齢化、人口減少社会の到来による社会環境の変化により大変厳しい状況にあります。市街地や過疎地におきましては、その傾向がさらに顕著になってきております。それぞれの地域においては、事業者がなくなる、減少する、そういうことは、本来の我々の生活の中で生産と消費、そして雇用が一体であった、そういう生活との分離がされてきております。地域の事業者がこれまで行ってきたサービスが低下するということは、地域のサービスや地域の付加価値が減少するということでありまして、この意味は、ひいては地域住民の生活の質が下がるということであります。

 中小零細企業はなかなか難しくて経営に行き詰まっているところもあると思います。負債も多くて、そして売り上げも上がらない、収益が上がらない、上げようと思ってもなかなか上がらないところ、また、先ほど言ったように、グローバル経済や市場経済に対応できない。しかし、私は、そういう負の部分だけを見て中小企業政策を打つ限り、創業も起業も起こってこないのではないかと思います。

 先ほど申し上げたように、現在の三重県の商工政策は県内製造業の知識集約型構造へ転換を図っております。これは、三重県の強みでありますから、伸ばしていただかなければいけないと思いますが、一方では、地域が製造業を中心に産業をつくり上げていくのか、例えば、1次産業を柱にしていくのか、あるいはにぎわいある商業のまちをつくり上げていくのか、観光のまちをつくり上げていくのか、どのような産業をつくり上げるかによって、地域によって様々に異なってまいります。

 また、三重県に存在する多種多様な事業者を現在の三重県の産業政策だけでは私はカバーできないと思っております。その波及効果がなかなか及ばない、産業政策から漏れ落ちる中小企業も当然出てくると思っております。そういった多種多様な事業者、産業政策ではカバーできない事業者であっても地域社会にとって必要な存在であります。そのことを認識した上で、グローバル経済や市場経済とは異なるコミュニティーや地域経営という視点で中小企業を育成していくことが必要だと思います。そのためにも中小企業政策をしっかりとした一つの柱として、産業政策とは分けて打ち出すべきではないかと思っております。

 そこで、中小企業の地域社会に果たしている役割や機能というものに光を当てた中小企業政策、また、地域経営の担い手として中小零細企業を育成するための中小企業政策の必要性について、今後の中小企業政策の知事のお考えをお伺いしたいと思います。

   〔知事 野呂 昭彦君登壇〕



◎知事(野呂昭彦君) 社会、経済そのものが大変グローバル化しておりますし、それから、少子・高齢化、人口減少社会が到来をしてきておるというような社会経済を取り巻く環境というのは大きく変化をしておるところであります。そういう中で、三重県におきましては、産業政策につきまして総合的にいろんな取組をやっておるところであります。現在、三重県が経済成長率、実質で日本一になっておる状況であるとか、あるいは、御紹介ありましたように、新産業創造に向けて知識集約型産業構造への取組、これも私は自治体の中では飛び抜けて、今、三重県においては進んできておる。そういう意味では、将来の産業についても、三重県はかなり明るい夢を今展開しようという方向で着実に進んでおると思っております。

 しかし、実は、そういったことも多く中小企業の皆さんが下支えしておるものでありますし、それから、藤田議員の御指摘にありましたように、広く県民生活そのものから考えてみますと、多種多様な中小企業の皆さんが非常にすその広い形で本県の経済を支える、あるいは雇用の場を提供するというような形で地域の生活者への商品やサービスの提供などをやっていただいておりまして、まさにそういう意味では地域経済を支えていただいておると、こういうふうにも思っております。こういった中小企業に焦点を当てましていろんな課題というものを考えていくということが非常にまた大事であるということは御指摘のとおりだと思います。

 中小企業につきましてはいろんな状況がありますけれども、中小企業によっては市場においてコスト面での競争力を維持するということが困難なことも多いところでございますし、また、活用すべき経営資源とか、あるいは情報発信力、こういったことも限られておるというような状況もございます。それから、小規模な事業者ほど経営者の高齢化というものも進んでおる。また、事業の承継というものが円滑に行われずに廃業に至るケースがあるといったように、地域の活力への影響というものも懸念をされておるところでございます。

 そこで、今後の産業政策の中での中小企業の問題でありますけれども、中小企業が地域経済の中心的な役割を担うという認識のもとで、これから取り組んでいこうとしておることについて幾つか申し述べたいと思います。その一つは、中小企業の創造力、あるいは技術力、こういったものを生かして、消費者の感性に訴えるような付加価値の高い商品開発を進めることによります競争力を向上させていく、こういう取組が一つ必要でございますし、また、マーケティングとかブランド戦略、こういったものに精通した仕掛け人によります販路開拓の支援、こういったことも大事であります。それから、中小企業の魅力発信によります優秀な人材の確保についての支援とか、あるいは中小企業の経営実態に即した金融対策の充実、こういったことが必要でございますので、こういったことに今後も取り組んでいくことといたしておるところでございます。

 さらに、県内には、歴史、文化、伝統産業など多様な地域資源を有しておりますとともに、地域が抱える課題をビジネスの手法により解決をする機運も出てきておるような状況でございます。したがいまして、各地域で中小企業の皆さんが住民と主体となって創意工夫する余地も大きいということも踏まえまして、みえ地域コミュニティ応援ファンド、これを活用した形で市町や、あるいは地域の商工団体などと密接に連携しながら地域の特色を生かした事業の創出、こういったものも促進をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。

   〔50番 藤田 正美君登壇〕



◆50番(藤田正美君) 知事、ありがとうございます。

 先ほど、私が申し上げたのは、中小企業、零細企業は、事業者は、まちのサービスを提供していると。そういうサービスがなくなったり減少していくことによって、当然地域の、先ほども申し上げましたが、付加価値がなくなってくる。今、グローバル経済、市場経済という中で、例えば、先ほど知事が申し上げたように、創造力であるとか、競争力であるとか、あるいはマーケティングであるとか、販路であるというのは、ある意味ではグローバル経済の物差しの中で動いている嫌いもあると私は思います。

 そういうグローバル経済、あるいは市場経済という視点だけではなくて、いわゆる地域経営、あるいはコミュニティーという観点から、やはり中小企業というものを本当に見ていかなければいけないかなと思いますし、まさに中小零細企業は、事業者は、その地域と一体となって生産、消費、雇用を担っていただいておる、まさに私はセーフティネットではないかなと思っておりますし、そういうまちのにぎわいであるとか、あるいはコミュニティーを再生していく、そういう意味ではまちの装置ではないのかなと思っております。

 知事、産業政策という概念だけではなかなか中小企業にはどういう政策を打っているかわかりづらい。やはりこれは中小企業政策として、しっかり二本柱で中小企業の皆さん方に今後希望が持てるように方向を位置づけていただければ私はありがたいと思っております。どうかそういう意味でも、今後とも中小企業、零細企業というところに大きな視点を置いていただいて、よろしくお願いを申し上げまして次の質問に入らせていただきます。

 次は、中小企業政策、まちづくり、そういうものを含めたLLPの活用ということで提案と質問をさせていただきます。

 日本のこれまでの社会は、創業や起業を考える選択肢は、会社とか個人事業、あるいは個人商店、そういうものしかなかったわけであります。2005年の商法の改正に関連いたしまして、パートナーシップ型の組織形態が新たな選択肢に加わってまいりました。それは、LLP、リミテッド・ライアビリティー・パートナーシップ、有限責任事業組合であります。これは新しく創設された組織形態でありますが、一言で語れば、人的資源を生かしたパートナーシップ型の組織形態ではないかなと思っております。

 これまで、企業社会であるとか経済社会は、大きな役割を果たしてきたのは、金とか物を重視した資本団体、あるいは株式会社であったと思います。株式会社は、一般的に大航海時代、16世紀の末から17世紀の初めごろにイギリスやオランダ、そういうところが設立した東インド会社、それが起源だと言われております。何を株式会社にするかによって、その起源はいろいろあると思いますけど。七つの海をまたにかけ活躍してきた東インド会社は、現在の株式会社の特色を多く含んでいるのではないかなと思います。

 株式会社の特徴の一つに所有と経営の分離というところがあります。これは、お金を持っておる人が出資をして、そしてオーナー、そういうものを担って、経営は経営のプロに任そう、そういうことではないかなと。先ほど私が申し上げた大航海時代、冒険は冒険家に任す、そういう意味ではないかなと思います。

 実際、多くの中小零細企業は、事業者は出資と経営というのが一緒のところも多くありますが、これは法的にまさに株式会社は出資と経営が分離している、そういうことであると思います。この株式会社が紆余曲折を経て、今までの経済社会において大きな役割を担ってまいりましたし、また、今後とも、グローバル経済であるとか地域経済の中で大きな役割を果たしていくと私は思っております。

 しかし、これからは、多様な価値観であるとか、あるいは多様な企業形態が必要な時代に入ってきているのではないかなと。事業を行う人の価値観や特性に応じてLLPやLLC、あるいはNPO、株式会社以外の選択肢がこのように生まれてくるということはこれからの時代の要請でありますし、株式会社だけでうまく機能しない様々な分野への活用の可能性が期待されると思います。

 そもそもLLPとは何だろうと。それは出資者が有限であるということであります。そしてもう一つは、所有と経営が一致しているということであります。株式会社の場合は、取締役会とか、あるいはそういう機関を設けなければいけません。このLLPの場合は、出資だけではいけませんから、出資と経営をやるということになっておりますから、自分たちでいろんなことを決めて、ルールを決めて経営をするということになっておりますから、当然、経営が柔軟なわけであります。その経営が柔軟ということは、そこで借金をどうしたらいい、あるいはどういう事業をしたらいい、地域のことに対してこういう事業があるのでどうしようということを皆さん方が議論をしながら真剣に知恵とわざ、そういうきずなでつくり上げていくという意味で、大変経営が柔軟であると思います。そういう意味では、先ほど申し上げましたように、人と人、企業と企業、人と企業、そういうものが連携し、パートナーシップ型の組織で人や知恵やわざ、そういうものをやっていくきずなを大切にしながら取り組む組織形態だと言えます。

 このパートナーシップ型の組織形態を私は中小企業政策に生かせないか、そう思っております。新しい創業をしようと思っても、既存の本業をしている人が解散して新しい事業を興すことがなかなか難しいです。何らかの理由がある人もおります、解散できない。また、1人で事業を興すにも限界がありまして、そういう企業の人もおります。そういう中小企業とか企業の人が連携をして新しいそういう企業をつくり上げていく、そういうようなことにもこのLLPは利用できるのではないか。言いかえれば、知恵とわざ、きずなでリスクをシェアしながら、そういったものを活用しながら創業、起業していく、そういうものに使えるのではないかなと思っております。

 また、今まで異業種の連携なんか、そういうものをLLPで実践事業をすれば、これが新たにまた展開して創業につながっていくというようなことにもなりますし、先ほど、私が言ったように、地域経営、いわゆる地域経済であるとか環境であるとか、また、学校、病院、医療、そういうものを複合的にこれから地域を経営していく中で、様々な地域の課題、そういうものをビジネスとしてやっていく。先ほど、知事が応援ファンドということで、今回50億、その果実でいろんなことをやっていこうと言うておりますが、まさにそういう地域の課題をみんなで知恵とわざときずなでやっていく、そういうところにも利用ができるのではないかなと思っておりまして、ぜひこれは頑張って三重県の中小企業の政策の一つにしていきたいと思います。

 また、LLPは法人格でございませんので法人税がかかりません。パススルー課税なんです。ですから、いろんなこれから新しい創業をする、そういうものをいろいろ考えていく上においては非常にいいのではないかなと私はそう思っておりまして、このLLPをぜひお願いしたいと申し上げます。

 そこで、新しい組織形態であります株式会社と比べれば社会的な認知度も低く、自治体や商工団体の理解や研究も少なく融資などの問題もあります。先ほど言ったように、法人格を持っておりませんから融資の問題はこれから研究をしていっていただかないかんと思います。出資なんかで応援するところは、先ほどのコミュニティービジネスなんかのファンドでカバーできると思うんですけど、それらの研究をしっかりしていただいて、先ほど言ったように中小企業政策に加えていただいて、中小企業政策が幅広い中小零細企業再生、地域経営、コミュニティービジネスの実践、そういうものにつながるような三重県版のLLPを中小企業の政策の一つにして研究、支援していく必要があると思いますので、この件についてお考えをいただきたいと思います。

   〔農水商工部長 中尾 兼隆君登壇〕



◎農水商工部長(中尾兼隆君) 三重県版のLLPにつきまして御答弁を申し上げます。

 議員から御紹介いただきましたように、有限責任事業組合、いわゆるLLPは、平成17年の8月からスタートした新しい制度でございまして、株式会社と同様に営利を目的とする事業体ではありますけれども、簡単な手続で設立できることなどを特徴としているために、人の持つ技術、わざ、あるいは知識を最大限に生かした共同事業の展開に有効な制度となっておると考えております。

 三重県では、既に、観光振興でありますとか、環境保全に資する事業などでLLPを設立している事例が出てきておりますけれども、今後は、この制度の特徴を踏まえて、中心市街地の活性化などの地域課題に対応した事業や地域資源を活用した事業など、地域住民や事業者がパートナーシップを組んだ取組に対してLLP制度の利用を促していくことが大変必要であるというふうに私どもは考えております。

 少し事例を申し上げますと、県内では、これがたしか第1号だったと思いますが、東紀州環境システム有限責任事業組合というのを皮切りに、少し遅いデータで申しわけないんですが、平成18年12月で8件三重県では既に起こっていまして、その後かなり増えてきておるであろうというふうに考えております。

 こういったことで、こうした事業の創業や新たな事業展開を目指す方々に対しまして、国や商工団体などの関係機関と連携してLLP制度のメリットや特性の啓発を進めていくとともに、みえ地域コミュニティ応援ファンドでも支援する事業の内容に応じましてLLP制度の利用を促してまいりたいと、このように考えております。なお、議員から提案ございました融資の問題等々につきましては研究をさせていただきたいなと、このように考えております。

 以上でございます。

   〔50番 藤田 正美君登壇〕



◆50番(藤田正美君) どうも御答弁ありがとうございました。

 今、8件ということで、頑張っていただいているということで理解をさせていただきます。LLPというのは2人以上という共同事業制でございますので、まさにパートナーシップ型の組織形態であると思いますので、今後、それがさらに三重県の多様な中小企業の幅を広げる政策になっていけばいいと思っております。時間の関係上、次の項目に移らせていただきます。

 三重県の制度融資をはじめとする中小企業等への金融政策についてお伺いしたいと思います。

 近年の民間金融機関の金融の動きを見てみますと、バブル崩壊以降の不良債権問題への対応や金融ビッグバンやグローバル経済の進展により、金融機関は市場経済、効率的な分野への資金循環を図っていこうという方向に移行してきております。また、財政投融資改革や行財政改革の流れを受け、昨年には郵政事業の民営化がされました。今年の10月には、国民生活金融公庫、中小企業金融公庫などの中小企業向けの政府系金融機関が一元化され、株式会社政策金融公庫として民営化されることになります。日本政策投資銀行も株式会社化される、民営化されることになります。

 民間金融機関だけではなく、政策金融も官から民へという流れの中で市場原理や効率性に基づく金融へと方向をシフトしていると言ってもいいと思います。また、昨年の10月には、保証協会の代位弁済が従来の全額保証ではなく、保証協会が8割負担になり、2割は民間金融機関の負担となったことで、他の都道府県でも影響があるのではないかなと伺っております。

 金融機関や政策金融、制度融資の市場化、効率化の一連の流れが地域経済や中小企業などにどのような影響を及ぼすのか、また、三重県として融資制度を効率化の方向へ持っていくのか、あるいは、国や民間金融機関の市場化、効率化に対して独自でセーフティネットを張っていくのか、大事な時期に来ていると思いますので、中小零細企業は資金面でも大企業と比べて大変不利な環境下にあると思いますので、このように市場化の流れ、民営化の流れの中で三重県の制度融資はどのようになるか、時間もございませんので簡潔に御答弁いただきたいと思います。

   〔農水商工部長 中尾 兼隆君登壇〕



◎農水商工部長(中尾兼隆君) 三重県の金融政策について御答弁を申し上げます。

 ただいま御紹介ございましたように、政府系の金融機関が統合して日本政策金融公庫が10月に発足する予定でございます。つきましては、そんな中で、この新しい日本政策金融公庫は透明性の高い効率的な事業経営を行うために株式会社の仕組みをとるということでございますが、機能的には、引き続きまして公益性の高い政策金融を担う、こういうことになっております。

 特に、国民生活金融公庫が担っております小規模な事業者向けの融資の機能は、その重要性から貸付制度に大きな変化がない、このようなことを確認させていただいております。今、津市内に新店舗が建設中でございまして、そこには農林水産関係の中身も入ると、こんなことでこれから進めていこうとしております農商工連携、こんなことでもできるということで期待もしているところでございます。県といたしましては、新しい公庫ともより一層の連携を深めまして、中小企業向け融資の円滑化に努めていくことと考えております。

 これまで、本県では、金融機関の補完的機能を担いますセーフティネットなどの融資制度とあわせまして、環境保全への対応などを促す政策誘導を目的といたしました融資制度の二本柱といたしまして中小企業向けの県単融資制度を運用してきております。今後とも、こうした金融環境の変化などに的確に対応するなど弾力的な制度設計に努めてまいりますとともに、各金融機関、信用保証協会、商工会議所及び商工会との連携を深めていく中で、中小企業の資金の円滑化を進めまして中小零細企業の経営基盤強化と経営力の向上を図ってまいりたいと、このように考えております。

 以上でございます。

   〔50番 藤田 正美君登壇〕



◆50番(藤田正美君) どうもありがとうございました。

 そのように金融というものが効率化、そういう方向で動いておりますから、ある意味ではそういうセーフティネット的なところをこれから特に注意して政策を打っていっていただきたいと思います。最近では、民間のNPOのファンドであったり、マイクロファイナンスみたいな小さなお金をグループ融資で貸したり、隅々までお金が回るような仕組みも検討されておりますので、ぜひそういうことを検討していただいて金融政策をやっていただきたいと思います。

 次に、宮川の問題について、流量回復についてお伺いをいたします。

 特に、最近、企業庁の電力事業の民営化が進められている中で、様々な問題が改めて議論されております。これらの問題、課題は、電力事業の民営化の議論がなされているときに方向性をつけていく必要があるのではないかと考えております。

 その中で重要な問題になってくるのが流量回復であるのではないかなと。流量回復というのは、我々、宮川という自然の恵みを受けて生活している、そういう利水という観点。もう1点は、本来自然を取り戻し、あらゆる生物の住める川にしていこうという考え方があります。いわゆる利水と環境が共生していくという考えでございます。

 国のほうでは、整備方針がこれまで宮川は立てられまして、これから整備計画が行われると思いますが、正常流量というものの考え方がありまして、まさにこれは生物、いわゆる環境と利水の両面を共生していくというような物の考え方でありまして、宮川の岩出の地点で観測をされております。まだ、三重県全体の川に対してそういう正常流量の測定をするところは岩出だけでありまして、ほかにもそういうところを観測しながらやっていかなければいけないと思っております。いずれにしても、利水か環境かではなく、利水と環境、この両方が私は必要になってくると思います。

 具体的には、この問題に関して何のために流量回復をするのか。何を基準に流量回復するのかということをより明確に示していく必要が今後あるのではないかなと考えております。宮川ルネッサンスの水部会でも、提言いただいた流量回復、復元していく流量は宮川直下で毎秒2トン、粟生の頭首工で毎秒5トン、これは将来的というような目標を掲げております。また、流域関係市町村も企業の電力の民営化に当たって、宮川直下で毎秒2トン、そういうことを強く要望しております。

 平成9年度から実施された宮川ルネッサンスの事業においては、まさに自然を取り戻すというか、そういう意味で、市町、県、学識経験者、住民の皆さん方が一体となってそういう行動をしてきたのではないかなと私は思っておりまして、宮川流域の豊かな自然を保全、再生し、自然と人とが共生していく、そういう活動であると理解しています。

 この毎秒2トン、毎秒5トンの数値の検証というのは当然必要になってくると思いますが、この宮川ルネッサンスの提言は大きな意義があると思います。それは、自然を守り再生させていくという我々現代社会への本質的な問いかけではないのかなと思います。流量回復を議論する場合、これまで我々が電力事業においても宮川から多くの恩恵を受けてきたという、宮川への感謝の気持ち、そういうものを宮川に対するミティゲーション、代償措置を行っていく、宮川の自然を守っていく、再生させていくという気持ちが私は必要ではないかと思います。

 そういう観点から、三重県も何のためにどのような基準で流量回復をしていくのか、その目標とする数値も検証していかなければなりません。そして、将来の宮川の姿をしっかりと描いていく必要があると思いますし、改めて地域における流量回復についての合意形成に取り組んでいかなければいけないと思います。利水だけでなく、環境という視点も加えて、環境と利水という両面を大事にしながら、企業庁の電力事業民営化が議論されるこの時期に、流量回復への明確な方針を改めて打ち出し未来への約束をすべきだと考えますが、知事の流量回復に関するお考えを伺いたいと思います。

   〔知事 野呂 昭彦君登壇〕



◎知事(野呂昭彦君) 宮川ダム直下での流量回復につきまして長い年月をかけて協議をし、調整をしてまいりました結果、関係の方々の御協力をいただきまして宮川ダムの発電用水を本流に戻す形で毎秒0.5トンの放流を一昨年4月から開始しておるところでございます。このことによりまして、ダム直下の河川環境の改善につながっておると評価をしておるところでございます。

 それで、環境について関連してお話しになられましたが、水力発電そのものも、実は地球に大変優しい循環型社会を構築するクリーンエネルギーとして位置づけられておりまして、CO2、温暖化が言われておる今日の状況の中で、水力発電というのは世界的に規模をさらに数を増していかなければならないというのが今世界での潮流にもなっておるところでございます。

 環境政策の象徴としては、二酸化炭素の排出抑制、あるいは石油代替エネルギーの確保、こういったことに貢献が大きいところでございます。したがいまして、今後とも、水力発電による電力供給を継続していくということは、おっしゃった自然と共生していく上でも重要でございます。そういう意味では、これを継続していく最適な主体として民間を選択し、今、譲渡協議を進めておるのも環境との共生の取組の一つであると、こう思っておるところです。

 譲渡につきましては、毎秒0.5トンの放流、これは、現在やっておりますことから、譲渡後も引き続き継続していただけることを前提として中部電力と協議をしております。



○議長(岩名秀樹君) 答弁は簡潔に願います。



◎知事(野呂昭彦君) さらなる流量回復につきましては、50年近く三浦湾のほうに実は放流をしておる、あるいは発電量の減少に伴う環境の影響などいろんな点がございますので、水力発電事業の継続の意義も含め慎重に検討していきたいと考えております。

   〔50番 藤田 正美君登壇〕



◆50番(藤田正美君) 御答弁ありがとうございました。

 ちょっと時間がなかったので、またこれを次の議論にさせていただきます。あと、限られた時間、魚道の問題になります。

 (パネルを示す)これは宮川の図でございますが、こちらが伊勢湾で、ここに粟生の頭首工、長ヶ逆調整池、三瀬谷ダム、宮川ダム、そして、宮川の最大支川の大内山川。ここに滝原堰堤があります。これは大きな上流から見た図面でございますが、上に魚道が向いている。魚は流れへ上がってくるわけでありますが、それは専門の人らや漁業関係の人も。



○議長(岩名秀樹君) 藤田議員に申し上げます。

 申し合わせの時間が経過しましたので、速やかに終結願います。



◆50番(藤田正美君) 大変上がりづらいと言っております。こういうものを調査していただくことをお願いいたしまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました(拍手)



○議長(岩名秀樹君) 11番 藤田宜三君。

   〔11番 藤田 宜三君登壇・拍手〕



◆11番(藤田宜三君) 皆さん、おはようございます。昨年の4月に、地元鈴鹿の多くの皆さんのお力をいただきまして初めてこの場にお送りいただきました新政みえ、鈴鹿市選出の藤田宜三でございます。このような機会をいただきました先輩、同僚議員の皆様に感謝を申し上げる次第でございます。また、岩名議長におかれましては、昨年11月20日に、長年にわたる地方自治への貢献に対して、地方自治施行60周年記念功労者として総務大臣表彰をお受けになられましたことを心からお喜び申し上げお祝いを申し上げる次第でございます。

 その表彰の際に、三重県よりもう一方、私の地元の地区で、農事組合法人クマダという水田営農関係の法人の責任者をしていただいております川北さんという方が同時に表彰を受けておられます。私は、この方の受賞は、農村集落に残る共助、共生の精神のもと、長年にわたる地域自治活動への貢献に対して、また、それをともに支えられた地域の多くの皆様に対してのものとして、ある意味、知事のおっしゃられます地域社会の持つ広い意味での文化力に対しての評価をいただいたような気がいたしまして本当にうれしく思い、心よりお喜びを申し上げる次第でございます。

 私ごとで大変恐縮でございますが、私も農村集落で生まれ育ち、約30年間花卉栽培を中心とした農業をいたしてまいりました。地域で生活をいたしますと、地域社会の根底にある共助、共生の精神を感じざるを得ない、言いかえますと、地域社会で生かされているという、そんな思いを肌で感じてまいった1人でございます。このような地域の中で農業者として生きてまいりました私が、この場に立つため多くの皆様とともに努力をする決意をいたしますまでには多くの思いが頭の中で行き来したこともまた事実でございます。

 そのような中で、私の背中を押した大きなものに、この三重県議会が二元代表制の考え方を示され、議会基本条例を制定する予定とのお話をいただいたことでございました。この意味は大変大きいものがある、議会の政策提言までの可能性を示唆している、三重県議会が変わり始めた、そんな思いを持たせていただきました。同時に、そのことは私のような農業の現場に生きてきた人間が、その思いを持って51人のメンバーに加えていただき事に当たる意義は大きいものがあると、そんな思いに至り決意をさせていただきました。そして、地元の多くの皆さんの御支援によりここに立たせていただいていることに改めて心より感謝を申し上げ、初心忘れずの決意を表明いたしまして、発言通告に従いまして質問に入らせていただきます。

 初めての質問でございます。先ほど申し上げましたように現場の人間でございますので、内容が微に細に及ぶ場合もあろうかと思いますが御容赦をいただきたいと思います。今回の質問の機会をいただきましてどのようなことをお尋ねするかいろいろ考えさせていただきました。三重県における諸課題、地元鈴鹿市における課題、特に、鈴鹿市の場合、道路につきましては多くの課題を抱えております。記念すべき初めての質問でございますので、あえて自分の経験より食と農業のテーマでお聞きすることにいたしました。

 昨年の12月に、清水寺の森貫主が和紙に「偽」という大きな文字をお書きになったことをテレビや新聞でごらんになった方も多いかと思います。年末の恒例となっておりますが、日本漢字能力検定協会が公募で選ぶ今年の漢字として「偽」が選ばれたという報道でございました。日本漢字能力検定協会のホームページを見ますと、「偽」が選ばれた背景として、食品に偽り。食肉、野菜、菓子、ファーストフードまで産地や素材、賞味期限に多くの偽り。政治も偽り。年金記録、政治活動費、米艦への給油量にも偽りが発覚し、国会答弁も偽り。しにせにも偽り。伝統ある土産物にも名門のしにせ料亭にも偽り。ああ、おまえもか。さらに、耐震強度偽装、スポーツ選手、英会話学校にも偽り。中国には偽りの遊園地が開業いたしました。そういうことだそうでございます。

 三重県もそういう意味で大きく揺らいだ問題でもありました。全国からの投票による1位が「偽」であったことは皆さんも御存じだと思いますが、2位以下の結果を調べますと、2位が実は「食」でございます。3位が「嘘」、4位は疑惑の「疑」なんだそうです。偽装の「偽」「嘘」疑惑の「疑」そしてその中に「食」がある。そんな1年だったそうでございます。

 先ほど申し上げましたが、私は農村で育ち、30年も農業を正業として生きてまいりました。県民の皆様に食をお届けし、その内容に責任を持つべきものなのが農業であると考えております。「偽」をお書きになられました森貫主は、日本人の1人としてこういう漢字が選ばれるのは悲憤に耐えない。自分を律する気持ちを持って、これをばねに来年はよい年にしたいとおっしゃったそうでございます。私も今年はよい年にしたい、本当にそう思います。今回、食の安全・安心について聞かないでいつ聞くのか、そんな思いで、私にいただきました時間を使いまして、食、農業をテーマとして県民の健康を守るために安全・安心な食の供給体制について私なりに聞かせていただこうと思います。

 まず最初に、食を提供する農業・農村振興についてお聞きしたいと思います。

 日本経済はグローバル化の進展に伴い、競争原理、市場原理を基本とする産業振興の考え方が一般化しております。そのような中で、農業という産業分野にあっても競争原理、市場原理を基本とすることが一般化しております。水田農業を中心とした兼業農家が大部分を占める三重県の農業におきましても、経営規模を拡大し、既に、競争原理に耐え、他の製造業、サービス業と十分に拮抗できる経営体もわずかでございますが出始めております。

 しかしながら、一方、中山間地域をはじめとする生産基盤が十分に整っていない地域では、経営規模の拡大が望めず、競争原理のもとでは農業が成り立たない地域があるのも、これもまた事実でございます。このような状況から、地域農業が衰退した地域では、人口の減少により限界集落と位置づけられる集落も生まれつつあります。他の産業と同列の競争原理に基づく施策だけでは、生産振興どころか生活の継続すら危ぶまれている、そんな状況が出始めております。

 もともと農業、農村では、例えば、ため池、農道、用排水の整備、保全等に見られる集落の共助システムがございます。地域で農業に取り組む共生原理を基本とする農村文化を構築してきた、そんな状況もございます。この共生原理に基づく農村文化が、日本の豊かな自然を守り、環境に優しい持続的な日本型農業、実に2000年を超える長きにわたり、同一農地で同じ作物をつくり続けるという世界でもまれに見る誇れる水田農業を現在まで維持してこれたのではないでしょうか。

 そこで、2点お伺いいたします。

 まず、知事の言われる政策ベースである文化力の視点に立った新たな農業・農村振興策について、そのお考えをお伺いいたします。また、大規模な担い手農業者や集落営農組織をどのように育成していくのか、また、中山間など担い手を育成できない集落ではどのように対応するのか、県のお考えをお伺いいたします。

   〔知事 野呂 昭彦君登壇〕



◎知事(野呂昭彦君) 私のほうから、文化力の視点という観点からお答えをいたしたいと思います。

 農業・農村につきましては、安全で安心な食糧の安定的な供給をはじめといたしまして、水源の涵養、美しい景観の形成、あるいは伝統文化の伝承、藤田議員のほうからもいろんなことについても御紹介ございました様々な機能を持っているところでございます。こういった機能につきましては、過去から農村で培われてまいりました、それこそ先人たちの努力の積み上げ、あるいは活動の積み上げ、共生文化という表現も使われました。県の言っておる文化力という観点からいけば、まさに地域力、あるいは人間力をはじめとした農村での文化力を発揮した活動の成果であると、こういうふうに認識をしておるところであります。農業・農村の元気というものは、県政を発展させていく上で非常に重要な力であると考えておるところでございます。

 本県の農業・農村政策につきましては、県民が主役という視点から、農業者をパートナーとしてとらえておりますとともに、県民に価値あるサービスを提供いたします農業者を担い手として位置づけまして、例えば、三重県を代表する産品のブランド化や、あるいは地産地消運動の展開、それから、6次産業化など、新たなチャレンジへの支援、あるいは、農業経営の法人化や生産基盤の整備など、経営発展への支援、こういったことに取り組んできておるところでございます。

 しかし、実は、農業者の高齢化とか、あるいは意識の変化、あるいは農業に従事しない住民が増加をしてきておるということなど、過去から地域で培われてきた共同農業、あるいは農村を維持する機能、いわゆる集落機能でございますけれども、これが低下をしてきておりまして、地域活動の継続というものも危惧されてきておるところでございます。

 このために、実は、県民しあわせプラン第二次戦略計画では、地域の気づきとやる気の醸成によります集落の再生や都市との交流による農山漁村の活性化、あるいは多様な主体の参加によります農業・農村が持ちます多面的機能の維持、増進、こういったことのいわゆる集落機能の強化に向けた新たな施策を、それこそ地域の持つ文化力を生かしつつ、そして新しい時代の公にふさわしい、そういう展開の仕方でやっていこうとしておるところでございます。

 これまでの様々な対策とあわせて取り組むことによりまして、生産者の意欲をかき立てる、意欲を持っていただける、あるいは県民の多様なニーズにこたえることのできる価値ある農業、そして自然と文化あふれる豊かな農村を実現していく、そういう方向へしっかり展開を進めたいと、こういうふうに思っておるところでございます。

 残りにつきましては担当部長からお答えいたします。

   〔農水商工部長 中尾 兼隆君登壇〕



◎農水商工部長(中尾兼隆君) それでは、知事の答弁を補足させていただきます。

 農業・農村の振興を図っていく上では、本県農業の大宗を占めております水田農業におきまして、大規模な担い手や集落営農組織を育成していくことが重要な課題と今なっております。こんな中にありまして、議員からも少しございましたように、平坦地域では、10ヘクタール以上の大規模の農家が平成12年から17年までの5カ年で、12年には104戸あったわけなんですが、5カ年間でトータル199戸に増加してきておりまして、また、中山間地域では、集落ぐるみの営農展開など多様な取組が一部で進められているなど、新たな動きが始まってきております。

 こうした新たな動きを加速していくために、県では、集落機能を生かしました三重県型集落営農を推進することとしておりまして、地域の水田の利用について話し合いを進める中で、集落の合意に基づき、一つには、平坦地域など条件が良好な地域で認定農業者等に農地を集積して大規模な担い手を育成していく方式、二つ目が、中山間地域など条件の不利な地域では、集落ぐるみの営農組織が担い手となっていくように育成していく、こういうことで地域の上限に応じました営農体制の構築を進めていくことと考えております。

 現在、県内では121地域、集落数にしまして202集落におきまして集落営農が確立されているところでございます。例を少し挙げてみますと、平坦地域におきましては、農地集積によりまして約30ヘクタール規模の大規模な担い手を4戸育成しております。これが鈴鹿市の玉垣営農組合でございます。それと、集落営農の法人化によりまして、集落を法人化いたしまして、延べ120ヘクタールの大規模化と経営の多角化を実現いたしました鈴鹿市の農事組合法人クマダ、また、中山間地域におきましては、地域で合理的な営農体系を確立するとともに、農産物の加工、直売など、付加価値の高い経営を行っておりますいなべ市の藤原ファーム、こういったモデル的な事例が見られるところでございます。

 今後、このようなモデル的な取組の県内各地域への普及、定着に向けまして、地域リーダーの育成や研修会の開催を行います「みんなで挑戦!みえの集落農業推進事業」でありますとか、集落内の農地状況の把握や農地利用ビジョンの策定を促進いたします集落営農組織育成支援事業等々に取り組むことによりまして、地域の実情に応じた大規模な担い手の育成や集落営農組織の育成などを進めていくことと考えております。

 以上でございます。

   〔11番 藤田 宜三君登壇〕



◆11番(藤田宜三君) ありがとうございました。

 鈴鹿市の営農組合、それから、私の地元の営農組合を紹介いただきましてありがとうございます。私、考えますに、大変な状況の中で集団化をする、あるいは、個人が面積を増やしながら現に成功した事例、頑張っている事例が多々出てきておるというふうに思います。ぜひ、先ほどおっしゃられました事例を三重県全域にどのように広げていくのか、この具体的なことをぜひとも詰めていただきまして広げていただきますことを心からお願い申し上げておきたいと思います。

 それでは、引き続きまして次の質問に移らせていただきます。

 昨年、奥野議員も質問されましたけども、自給率の問題でございます。自給率を高めるという話、いろんなところでいろんな意見をお聞きいたします。特に、日本の食料の海外依存度というのは、食料全体で、特にカロリーベースで申し上げると61%にもなります。逆に申し上げれば、自給率はわずか39%という先進国の中でも異常と言わざるを得ないような状況であります。

 また、安全・安心の観点で見ますと、古くは輸入小麦の輸送中の農薬使用の問題、そして、狂牛病に関連しての牛肉の輸入停止と再開。再開に当たっては、20カ月未満の牛は検査をしても狂牛病の反応が出ないから検査の意味はない。だから、輸入しても悪くないというちょっと理解に苦しむ論理であります。そして、今回、中国産の冷凍ギョーザ農薬混入という問題は、輸入食品に対する不安、不信が募ってまいります。この思いに至るのは私だけではないと思います。

 特に、最近の中国産のギョーザにつきましては、子どもさんが一時重体になる、そんな深刻な問題でございました。その原因の発生場所につきましては、いまだ確定をいたしておりませんが、多くの方々の思いは一致しているように思います。この問題は、冷凍野菜に限れば、その90%が海外から、また、その41%を中国という多くの量が輸入をされ、それらが日本の目の届かないところで生産をされ加工されているという実態が我々の前に浮き彫りにされました。輸入食品の品質に対する疑念、信頼、不信感、我々に対してそのことは大きな警鐘を鳴らした事件であったと思います。

 一方、輸入食料の量の確保という点で見た場合、先ほど申し上げましたように、平成18年度のカロリーベースで申し上げますと39%という主要先進国の中でも極めて低い状況であります。特に、1965年の73%から34%もの劇的な減少というのは、これも世界の国々の中でも目を見張る大きな変化であります。私どもが自給率を考えるとき、先ほど申し上げました輸入分の61%を当然のように考えております。ところが、ここ数年、世界の食料の生産と消費のバランスにおいて若干の変化が起きております。

 ここに『食糧争奪』という柴田明夫さんという方の書かれた世界穀物全体の状況を書いた本がございまして、それよりデータをいただいてグラフでお示しをいたし、最近の世界の穀物の状況をお示ししたいと思います。なお、このデータの出所は、アメリカ農務省の需給報告書をもとにつくられております。(グラフを示す)このグラフは、世界の穀物の生産量、消費量、そして期末の在庫率、年間消費量で期末の在庫量を割った数字でございますけども、その表でございます。

 2000年から2001年の生産量は18億3900万トンでありました。それが、2006年から2007年の生産量は19億7450万トンと、6年の間に1億3550万トン増加をいたしております。この増加の理由でございますが、後ほどグラフでお見せいたしますけども、単位面積当たりの平均生産量が増加をしている、そういう理由で増えております。

 一方、消費のほうでございますけども、白のグラフでございますが、2000年から2001年が19億170万トンでございます。それが、2006年から7年になりますと、消費のほうが19億170万トンから20億5022万トンになっておりまして、伸びが1億4852万トンと大きく上回っております。特に、2000年から以降におきましては、2004年を除くと消費がすべて上回っておると、こんな状況になっております。この原因は、中国、インドなどの振興国における人口の増と食生活の変化に伴う消費量の増加と考えられております。

 特に、この表で御注目いただきたいのは、期末の在庫量を年間消費量で割った在庫率が、30.2%から2007年の15.6%まで急激に落ち込んできておるということでございます。この適正在庫率ということにつきましては、考え方がいろいろございまして、15%がちょっと危ないという考え方もありますし、今の情報のやりとりが迅速に行われるということで10%強でもいいんだという説もございます。しかし、このように急激に在庫の量が減っているということを御理解いただきたいと思います。

 そして、先ほど申し上げましたけども、2番目の表をごらんいただきますと、(パネルを示す)これは、単収の関係のグラフでございます。特徴的なのは、収穫のできる面積が極端に減ってきておるということでございます。ただし、このグラフを注意して見ていただきたいのですが、6億ヘクタールがゼロのところにいっていますので、棒グラフの変化は、全体から見ますとそんなにパーセントにしまして小さいのでございますが、確実に減っているということを御認識いただきたい。同時に、それをカバーするために生産技術の向上等で単位面積当たりの収量を上げていると。その結果、先ほど見せました生産量が増えておるという現状がございます。当然、収穫面積が減っておる理由の中に温暖化の理由もあろうかなというふうに思っております。

 (パネルを示す)もう一つ、生産量の状況でございますが、これは小麦の生産需給の状況でございます。同じような傾向でございます。生産量は、小麦においては一時伸びて、それから3年前からまた下がりつつありますが、それよりも消費の量が増えている。同時に、期末在庫を年間消費量で割った在庫率が急激に下がってきておる。この状況を御理解賜りたい、こんなふうに思います。

 このような小麦の状況の中で、この小麦の在庫率が増えていく要因というのが決定的なものが現在見当たりません。そして、もう一つ注意をしておく現象が起こってまいっております。それは、穀物の輸出国の一部に、輸出に課税をかけたり、制限を加えたり、厳しい場合、禁止をする国があらわれ始めているということでございます。例えば、人口の多いインドにおきまして、米、小麦、トウモロコシ、タマネギに対して輸出禁止の措置をとっております。米の輸出国であったベトナムは、既に契約をしたもの、あるいは政府の契約分を除いては米の輸出を禁止いたしました。

 中国におきましては、小麦、大豆、トウモロコシなど57品目について、輸出に対して課税を始めました。471品目については、そのうち食料品に関しては100品目強でございますが、割り当て制を、2008年より、今年より実施を始めております。そのほか、ロシア、カザフスタン、ウクライナ、セルビアなどが何らかの規制を行い始めているという事実がございます。

 もう1点、今まで輸出国であった国が輸入国に転じた国も出始めております。その中でも特筆すべきは中国の大豆でございます。(パネルを示す)この表がそうでございますが、1995年は中国は輸出国でございました。それが、1996年に入ると、輸入が輸出を上回り始めまして、2000年には1000万トンの大台に輸入量が乗りました。2002年には、中国国内の大豆生産が至上最高という1650万トンを記録したにもかかわらず、2000万トンを超える量を輸入いたしております。2005年には2500万トン、2006年には3150万トンという大規模な輸入をするに至っております。

 これは、中国の経済発展の中で食習慣が穀物中心から畜産物への移行が起こっていることをあらわしております。この量がどこまで増えるのか、不確定でございます。ただ、この量が減少するという要因が見当たらないのも実情でございます。このような現象が他の国でも起こり得る可能性が十分に秘められている。特に、人口の多いインドでは、現在輸入を一部の農産物で禁止いたしております。恐らく輸入が始まるのではないか、そんなふうに考えられます。

 このような穀物の世界的な需給バランスが裏側にあって、皆さん御存じのように、投機資金が原油相場に流れ高騰いたしました。また、アメリカでトウモロコシのバイオアルコールの政策が発表され、投機的な圧力も加わりまして穀物価格が急激に上昇するという現象が起きております。例えば、2006年1月から2008年の今年の1月まで、この2年間の変化を見ますと、小麦におきましては、2006年1月が3.44ドルでございました。それが、今年の1月には9ドル24セント、約2.7倍になっております。大豆の場合は、1ブッシェルで2006年1月が5ドル89セントであったものが、今年の1月には12ドル57セント、約2.1倍という大幅な上昇を引き起こしております。

 この変動を受けて、皆さんも御存じのように、政府売り渡しの小麦の価格が、昨年の4月には1.4%、10月には10%、そして今年の4月からは再び30%の引き上げを余儀なくされるという結果になっております。このように、価格面での不安定さというのは穀物において当分続くのではないか、そういうのが予測のようでございます。

 このように申し上げたように、質の問題のみならず、量と価格の点から考えましても、食料を海外に依存することの危険性、自給率を高めることの重要性がますます大きくなってきております。そのような中でも、三重県としても自給向上の目標設定をされております。平成17年6月議会で、我が会派の中村進一議員が質問されております。その質問に対して、平成15年度は42%、目標値を平成18年度45%、平成22年度46%としてございますが、しあわせプランの中で、平成18年度の目標を45%に対して、実績は42%と目標に届いておりません。

 それでお伺いをいたします。

 2006年度の目標値、県民しあわせプランの中でございますが、45%に対して実績が42%と目標が達成できておりません。これまでの反省を踏まえまして、この自給率を高める方法、施策についてお答えを願いたいと思います。

   〔農水商工部長 中尾 兼隆君登壇〕



◎農水商工部長(中尾兼隆君) ただいま、世界の穀物の状況につきましてたくさんのスライドを見せていただきまして、中でも、中国の大豆輸入の量につきまして、おおよそ日本の6倍強、あの時点で6倍強ということで改めて脅威を感じたところでございます。

 さて、県では、県民の皆さんが安全で安心な農産物の提供を安定的に受けていることを施策目的といたしまして、その状況をあらわす指標として食料自給率の目標を46%として取り組んでおりますけれども、ここ数年間、御指摘ありましたように42%の状況が続いております。この主な要因につきましては、食生活の変化によります、第1に米の消費量の減少と輸入に頼っております油脂類などの消費量の増加、また、こうした食生活の変化への生産する側の対応の遅れなど、食料自給率は向上しなかったものと我々は分析をしております。

 こうした状況を踏まえまして、第二次戦略計画におきましては、県産食料の消費拡大や農林水産業が持ちます食料供給力の強化など、消費と生産の両面にわたる取組を進めてまいるということを考えておりまして、具体的な取組につきましては、消費面におきましては食育を通じました日本型食生活の推進、あるいは地産地消運動の展開、それと、人と自然にやさしいみえの安全食品表示制度の推進によるPR活動、それと、食品の安全性向上に向けた取組の促進等々を取り組んでいきたいと考えておりますし、生産面におきましては、三重県型集落営農の推進によります効率的で安定した農林水産業を支える経営力のすぐれた担い手の育成でありますとか、あるいは、消費者に支持されます農林水産物の地域特性に応じた生産体制の構築によります多様な生産者や実需者ニーズに対応いたしました生産の拡大、食品産業と農業の連携強化によります生産から加工流通につながる食の循環の構築、担い手への農地集積、あるいは農業生産基盤の整備、こういったことを進めまして、豊かで健全な食生活と、それを支える生産者等の主体的で活発な活動を実現することで食料自給率の向上につなげてまいりたいと、このように考えておりますので、よろしく御理解賜りますようにお願いを申し上げます。

   〔11番 藤田 宜三君登壇〕



◆11番(藤田宜三君) どうもありがとうございました。

 時間がございません。次の問題に移らせていただきます。

 地産地消の検証と今後の進め方についてでございます。

 食の安全の観点から、食料自給率の向上が必要だということをお話しいたしましたが、次に、地産地消という考え方に基づきお話をさせていただきたいと思います。今回の中国産冷凍ギョーザなど、輸入食物の安全確保についての具体的な安全策について我々ができることは残念ながら少ないように思いますが、県民に安全で安心な食を届けるために我々にできる施策の一つとして地産地消は有効な手段ではないかと考えます。県におかれましては、ファーマーズマーケットの推進、地物一番、みえの安心食材の認定など、施策を行ってみえるとお聞きいたしております。

 そこで、お尋ねをいたします。

 これまでの取組の現状とその検証方法及び今後の対応方針についてお聞かせください。

   〔農水商工部長 中尾 兼隆君登壇〕



◎農水商工部長(中尾兼隆君) 地産地消の推進につきましては、平成12年から地産地消を進める民間団体でございます地産地消ネットワークみえとの協働によりまして、県民運動としての取組を進めております。現在、約2万人の県民が会員となっておられます。また、平成16年度から取り組んでおりますみえ地物一番の日につきましては、現在協賛店舗の数が905店舗まで増加しておるところであります。さらに、県産品を取り扱う県内事業者を対象といたしましたビジネスマッチング交流会を開催いたしましたところ、65の事業者、団体の参加がございまして多数の商談が行われました。県産品の県内流通の活性化に大きく寄与したものと我々は分析しております。

 こういった取組によりまして、三重県産品を意識して購入する人の割合は、平成14年度の13%から、平成18年度には34%にまで大きく向上してきております。このようなこれまでの取組によります着実な成果を生かしながら、今後より一層地産地消を振興していく必要があるものと、このように考えております。

 このために、現在、みえの舞台づくりプログラムの中で、食に学び、食を育む環境づくりプログラムといたしまして、地産地消の推進に取り組んでいるところでありまして、地域段階での地産地消の実践活動の定着推進や、みえの安心食材の積極的な推進、消費者ニーズに応じた県産品の魅力づくりを支援することにより、さらなる地産地消の定着に努めてまいりたいと、このように考えております。

 以上でございます。

   〔11番 藤田 宜三君登壇〕



◆11番(藤田宜三君) ありがとうございました。

 検証方法につきまして明確に進めていただきますようにぜひともお願いをいたしておきます。現実的に三重県の産品がどの程度県内で消費されているのか、これをぜひともつかむ手だてを考えていただきたい。これをお願いいたしておきます。

 次に、食育についてお伺いをいたしたいと思います。

 豊かな食生活を送る一方で、ライフスタイルの変化と関連しながら食習慣の乱れであるとか、運動不足等による肥満、生活習慣病の増加、朝食の欠食や孤食の問題などが顕在化しております。特に、最近メタボリックシンドロームは健康診断の1項目に加わるほど、ある程度の年齢になればほとんどの方にとって気になる言葉となっているのではないでしょうか。メタボリックシンドロームは生活習慣病の主な原因となると考えており、国民の死亡原因の6割が生活習慣病に起因し、関連する医療費は全体の3分の1まで占めているというふうに言われております。

 私たちは、健康であると感じ、健康について配慮した生活を送っていけるように、栄養や食事のとり方などについて正しい知識に基づいて自ら判断をしていく力や望ましい食習慣を身につけていく必要があり、その中で県産食材の評価を高めていくことも重要なことと考えております。また、子どもにおきましても、朝食の欠食によるやる気、集中力の欠落、欠如といった子ども自身の体や心に対しても深刻な問題が迫っているのではないかという不安を感じている方も多いと思います。

 このような状況の中で、栄養や食事のとり方などについて正しい知識に基づいて自ら判断していく力や望ましい食習慣を子どもたちに身につけさせることが重要になっており、県内の学校では、既に、総合的な学習の時間等を活用した食育の取組や栄養教諭の配置など、食育推進の取組が進められていると聞いております。また、給食におきましても、地場産品の活用につきまして米飯給食の活用が週に平均3回弱と配慮がなされており、引き続いて副食への地元産品の活用へと広げていく時期に来ているのではないかと考えられます。食育を進める上でも、地域の農業者をはじめとして関係者との連携を深めていく必要があると思われます。

 また、生産振興を担当いたします農水商工部においてどのような振興策をお考えか、また、教育委員会におかれましては教育現場の、あるいは健康福祉部においては食育の方向性について考えをお聞かせいただきますようにお願いをいたします。

   〔健康福祉部長 向井 正治君登壇〕



◎健康福祉部長(向井正治君) 食育についての健康福祉部の考え方について答弁させていただきます。

 健康福祉部におきましては、食生活の改善や健康増進の観点で食育を推進しているところでございます。特に、関心が高まっておりますメタボリックシンドロームや糖尿病といった生活習慣病の予防につきましては、幅広い世代における健康的な食習慣の形成を図ることが重要であると考えております。このため、エネルギーのとり過ぎや栄養の偏りを自ら改めるセルフコントロールの普及に向けて、何をどれだけ食べればいいかをわかりやすく示しました食事バランスガイドの啓発をはじめ、ヘルシーメニューや栄養情報を提供する健康づくりの店の増加に取り組んでいるところでございます。

 平成20年度には、ヘルシーピープルみえ・21の新たな取組として、民間企業等と連携しまして、20歳代、30歳代を主なターゲットにしたメタボリックシンドローム予防戦略事業に取り組んでまいります。具体的には、肥満予防のため運動の体験機会を提供するとともに、健康的な食生活の実践のための指導を行うなどの取組を行うことといたしております。

 また、朝御飯を食べない子どもをなくすため、地域で食育にかかわっております関係者を対象にしましたセミナーの実施、これを引き続き実施してまいります。また、保護者の方々を対象にした健康教育につきましても一定の成果が得られております。引き続き取り組んでまいります。こうしました取組を通じまして、子どもから高齢者に至るまで、県民の様々なライフステージに応じた食育の推進を図ってまいります。

   〔農水商工部長 中尾 兼隆君登壇〕



◎農水商工部長(中尾兼隆君) 食育の推進に関しましては、昨年の3月に、家庭、学校、地域等におけます取組の方向性を示しました三重県食育推進計画を策定したところであります。この計画を具体的に進めていくために、平成19年度から、先ほど申し上げましたみえの舞台づくりプログラムの中で、食に学び食を育む環境づくりプログラムに農水商工部が主担当部となりまして関係部局が連携して取り組んでいるところでございます。

 農商部といたしましては、地産地消ネットワークみえと協働いたしまして、広く県民の皆さんに食育に関する情報を提供するとともに、地域住民や生産者団体等が実施いたします食育推進活動を支援しておりまして、地域におけます食育の実践や生産者団体等による食事バランスガイドの普及活動の取組が行われているところでございます。

 今後とも、これらの取組を積極的に推進することによりまして、農林漁業者を含む幅広い主体が食育を展開できるよう環境づくりを進めてまいりたいと考えております。また、食育を推進する上におきまして学校給食への地域食材の導入は大変重要でありまして、各地域における取組を拡大していくために、納入する食材の規格、品ぞろえ、ロットなどに関しまして生産者と学校側の双方が課題を共有して解決していくことが必要であります。このために、地域食材給食導入ワーキンググループを設置いたしまして県内での検討を進めておるところでございます。よろしくお願いをいたしたいと思います。ありがとうございました。

   〔教育長 安田 敏春君登壇〕



◎教育長(安田敏春君) 教育での食育の取組についてお答えを申し上げます。

 教育委員会では、地産地消の観点も取り入れた食育を推進するために、平成16年度から重点事業としてモデル事業を実施しておりまして、これまで県内15地域を指定してきているところでございます。ここでの生産者の顔が見える安全・安心な地域食材を学校給食に活用したり、子どもたちが地域の食文化を体験し、あるいは郷土への関心を高める、こういう取組を支援してまいりました。

 このモデル事業のほかにも、県内の非常に多くの学校で地域食材を使用した学校給食を生きた教材として活用するなどの取組も行われております。教育委員会といたしましては、今後とも、学校給食をはじめ地域食材を活用した食育がより一層進められるように地域と連携した各学校の取組を支援してまいりたいと、このように考えております。

   〔11番 藤田 宜三君登壇〕



◆11番(藤田宜三君) ありがとうございました。

 食育によりまして、県民の皆さんの中に食に対する意識が高まるようにぜひともよろしくお願いをいたします。

 時間がございません。次の質問に移らせていただきます。

 本年11月に、伊勢市のサンアリーナをメーン会場にいたしまして、第11回全国担い手サミットが開催されると聞いております。全国より2000人を超える意欲的な認定農業者が一堂に会し、現地視察を含め意見交換とともに交流を深める予定になっております。現在、このサミットを成功させるべく、指導農業士や青年農業士、農村女性アドバイザーなど、農業者自らが中心となって準備委員会を立ち上げて準備を進めていただいております。

 並行して、各地区において地域準備委員会を立ち上げ、地域にある農業の任意団体を巻き込みながら地域別交流会の進め方を検討いただいているようでございます。私の地元の鈴鹿市では、イベントをやる前と後では、地域が、組織が変わったと言えるようにしたいという考えのもと準備をしていただいております。中でも、先日、県が発表いたしました酒米、神の穂を鈴鹿で栽培をし、収穫をし、そして醸造会社で醸造をいたし、できた酒を参加者に飲んでいただこうという企画を立て、それぞれの機会に認定農業者をはじめとして、農業者、児童、消費者などを巻き込んでイベントを進めながらつながりを深める中、組織化を図っていこう、そして強化を図っていこう、そんな計画をいたしております。

 それぞれの地域には、隠れた文化、特色があるはずでございます。ぜひ見つけていただいて、磨いていただいて、その中で人と人とのつながりを深めていく、その過程で獲得した人と人とのつながりは一過性のものではなく、長く担い手のものになると信じております。

 そこで、2点にわたりお聞きいたします。

 これまでの10回の大会開催地におきましては、中心となる認定農業者の組織がつくられておりました。三重県には認定農業者の組織が一部を除いてございません。この大会を契機に県全体の組織化をぜひとも図っていくべきだと考えます。また、今回、運営の中心にかかわっていただいております農業指導士、青年農業士、女性アドバイザーについて、行政の中で明確に位置づけをし、施策提言なども可能な組織にしていってはどうかと思いますが、考えをお聞かせください。

   〔農水商工部長 中尾 兼隆君登壇〕



◎農水商工部長(中尾兼隆君) それでは、御答弁申し上げます。

 全国農業担い手サミットは、全国の担い手が一堂に介しまして、相互研さん、交流を行い、自らの経営と地域農業の発展に貢献することを目的に、平成10年度から各県持ち回りで開催されております。第11回目となります20年度は11月に、先ほどございましたように三重県において開催することが決定しておりまして、伊勢市をメーン会場に七つの地域会場において開催する予定となっております。

 大会の主催は、指導農業士会、青年農業士会、市町県などの関係機関により構成いたします実行委員会方式となりますけれども、県といたしましても、三重県の担い手の元気づくりと、三重県の観光や文化を全国にPRする絶好の機会ととらえまして、大会の成功に向けて取り組んでまいります。また、大会を成功させるためには、主役でございます農業の担い手の方々に一人でも多くの参加をいただくことが大変重要でございます。これから十分に周知を図ってまいりたいと思っております。

 今回の大会を契機にいたしまして、今後の三重県の担い手育成につなげていくことが重要であると考えておりまして、担い手や認定農業者の組織化のあり方についても、現在、調査、検討を進めております。また、今大会の地域会場でのイベントは、地域の担い手が中心となって取り組むことになっており、こうした取組を今後の組織化に向けてつなげてまいりたいと、このように考えております。今回の全国農業担い手サミットの開催を一つの契機ととらえまして、元気な担い手づくりに取り組んでまいります。

 また、ございました指導農業士等々でございますけれども、農村女性アドバイザー等々のこういった皆様には、地域のリーダーといたしまして農業・農村の振興、後継者育成や地域活性化など、地域で重要な役割を果たしていただいております。現在、知事との懇談会をはじめ、農水商工部との農政懇談会、また、地域では、市町、JA幹部との意見交換などを行ってきておりまして、農政に関する多様な御意見や提案をいただいております。今後もこうした懇談の場を積極的に設けることによりまして、本県農政に対して活発な御意見や御提案をいただき政策へ反映をしていきたいなと、このように考えております。

 以上でございます。

   〔11番 藤田 宜三君登壇〕



◆11番(藤田宜三君) ありがとうございました。

 初めての質問でございますので、実は、一つ飛ばしてしまいました。1点、今まで農業研究部が科学技術振興センターに属しておりました。それが新年度より農水商工部に移ることになりました。今までの科学技術振興センターにおいて各研究部門の連携の中で視点を広げた研究がなされていたと聞いておりますが、今後の体制、方向性についてお聞きをいたしたいと思います。

   〔「要望」と呼ぶ者あり〕

 ぜひとも、連携を深めながら農業生産及び振興に役立つような研究をしていただきますことをお願いいたして、初めての質問で大変申しわけございませんでした。今後ともよろしく御指導をお願い申し上げまして質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。(拍手)



△休憩



○議長(岩名秀樹君) 暫時休憩いたします。

               午後0時4分休憩

          ──────────────────

               午後1時1分開議



△開議



○副議長(桜井義之君) 休憩前に引き続き会議を開きます。



△質問



○副議長(桜井義之君) 県政に対する質問を継続いたします。49番 中川正美君。

   〔49番 中川 正美君登壇・拍手〕



◆49番(中川正美君) 伊勢市選出の中川正美でございます。

 さて、野呂知事は、本定例会の提案説明で洞爺湖サミットに触れられました。そこでは地球環境問題が主要なテーマとなり、京都議定書の後に続く温室効果ガス削減の新たな枠組みづくりに向けた議論が行われるとの認識を示されています。私も、7月のサミットが地球環境問題についての重要な議論の場になると期待をしておる1人でございます。今、地球温暖化など環境の問題は全地球規模で深刻なものとなってきており、北極の氷がこのままでいくと約10年で溶けて消えるという研究者もいるようであります。

 私たち、政治をやっておる者が、本気で20年、30年先の子や孫のためにどう責任を果たすかを考えなければなりません。地球温暖化は地球規模での問題であるため、一地方自治体では大きなことはできないかもしれませんが、このまま手をこまねいて見ているだけでは解決になりません。そうした意味からも、ぜひとも三重県が地球温暖化対策の先進県を目指すことを提言したいと思います。知事の地球温暖化防止に対する思いをお聞かせください。

 次に、知事の政治姿勢についてであります。

 三重県の元気さにつきましては、知事提案説明において実質経済成長率が2年連続で全国第1位であったり、また、製造品出荷額が10兆円を超えたというデータに言及をされています。製造品出荷額について、知事は、東京に迫りつつある、また、超えた、他県がうらやましがるほど元気だ、自画自賛をしております。しかし、私どもの伊勢志摩地域では、1人当たり市町民所得が県平均を上回っているのは玉城町のみであり、対前年度経済成長増加率についてはすべての市町が県平均を下回っている状況にございます。平成17年度の県内5地域別の総生産額構成比は約12%にとどまっています。

 全国レベルの経済の地域間格差が大きな課題となっていますが、地方での地域間格差も広がっております。地方のことは地方に、地域のことは地域に、経済のことは市場に任すとの役割分担のもと、官と民、中央と中央の相互の施策を有機的に連携させた展開が薄らいでいるのではないでしょうか。改めて、こうした地方における地域間格差をどのようにとらえ、どうするのかお聞きをいたします。

 次に、知事が県政運営のベースに置くと日ごろ言明されております新しい時代の公と文化力についてお聞かせ願います。

 みえの文化力指針が策定されたのが平成18年5月でしたから、新しい時代の公に加え、文化力を県政のベースにすると知事がメッセージを発してからやがてもう2年になります。新しい時代の公も当初はそうでありましたが、文化力をベースにして目指す方向がわかりにくいという声も今もって聞かれておるように思います。この2年間を振り返って知事はどのように検証されているのか、新年度予算ではどのようにレイアウトされているのか、知事が文化力に込めた思いは県民の皆さんの心にきちんと届いていると思いますか、職員には伝わっているのでしょうか、また、今後、新しい時代の公と文化力を通じて三重をどんな姿に描いていこうと考えてみえるのか、お伺いをします。

 次に、文化芸術についてであります。

 平成19年2月9日に閣議決定されました文化芸術の振興に関する基本的な方針においては、芸術や伝統芸能、生活文化、文化財といった文化芸術について文化を人間が理想を実現していくための精神活動及びその成果という視点でとらえると、文化の中核をなすとしています。また、文化芸術の持つ人々を引きつける魅力や社会に与える影響力をすなわち文化力としています。私はこの考え方に同感で、本県におけます文化力はもっと広い概念であろうと思いますが、本県の文化力をはぐくむことに文化芸術は最も大きく影響すると考えています。県の文化力を高めるためには、文化芸術の振興が非常に重要であります。そこで、文化芸術を振興するために県はどのような長期的な展望を持っているのかお伺いをします。

 ところで、私は地元で能楽にかかわっていますが、こうした古来の伝統的な芸能、いわゆる伝統芸能は、文化芸術の一翼を担っていますが、指導者や演技者の高齢化等が進み、近年はその後継者が減っている状況にございます。また、伝統芸能の活動には衣装や舞台等で非常に費用がかかる等から活動が低迷している団体が多いと聞いています。このような団体に対しまして県はどのような支援をしていくのかお伺いします。

 あわせて、伝統芸能に限らず、文化芸術を守っていくためには、これを担う人材や支援する人材等の確保や育成が必要だと考えますが、今後、文化芸術における人材の育成等についてどのように対応しているのかお伺いをします。

 次に、新年度の組織改正では、生涯学習分野が教育委員会から知事部局である生活文化部に移管され、これに伴い、博物館や美術館、図書館等の施設が既存の文化会館等とともに生活文化部で一括して管理運営されることとなりますが、どのような点でメリットがあるのかお伺いをします。また、私としても、新しい組織体制のもとでの新たな取組を期待しておるところでありますが、新年度予算におきまして具体的にどのようなことを考えているのかお伺いします。

   〔知事 野呂 昭彦君登壇〕



◎知事(野呂昭彦君) まず、地球温暖化対策についてであります。

 この地球温暖化対策につきましては、一刻の猶予も許されない非常に深刻な問題でございます。地球温暖化によりまして海面上昇によります太平洋の島々の海岸侵食であるとか、あるいは氷河の融解によります洪水をはじめ、世界各地に様々な被害を及ぼすおそれがあるということが指摘されております。この地球温暖化対策というのは特効薬のない非常に困難な課題でありますけれども、本県におきましても県政の重要課題といたしまして、みえの舞台づくりプログラムに位置づけまして、グローバルに考えローカルに実践するという考え方のもとで一人ひとりが自らの問題として受けとめまして、県民や事業者などすべての主体による自主的な主体的な地球温暖化対策を進めていくということにしておるところでございます。

 それから、地域間格差についてどう対応するのかということでございますけれども、本県経済の状況を概観いたしてまいりますと、今議会の提案説明でも申し上げましたように、経済成長率、製造品出荷額、有効求人倍率など全県データを見ますと、県全体としては好調に推移をしてきておるところでございます。しかし、有効求人倍率や御指摘のあった1人当たりの市町の市町民所得などの経済指標を地域別に分析いたしますと、伊勢志摩地域や東紀州地域でございますが、地域別1人当たりの分配所得では、東紀州も含め伸びてはおるのでありますけれども、北勢等と比べますと低い状況にありますなど、経済の好調さというのが県南部にまで十分及んでいないと認識をいたしておるところでございます。

 こういう地域間格差が拡大してきた要因の一つとしましては、効率性や経済合理性といった市場経済の競争が強調され、条件不利地域の厳しさがより増してきているのではないかと感じておるところでございます。このような地域間格差を解消いたしまして、三重県が全体として元気になっていくためには、様々な地域資源を生かしました経済の活性化や観光振興の取組によりまして県南部地域の底上げを図るということが必要であると考えております。

 このため、式年遷宮や熊野古道、豊かな食文化、景観など地域の貴重な資源、こういったものを生かした観光振興の取組でありますとか、紀南中核的交流施設の整備、海洋深層水など地域資源を活用した産業振興等に総合的に取り組んでいくことが大事であります。その取組と同時に、交流基盤としての高速道路、あるいは直轄道路など道路ネットワークの整備にも取り組むことが必要でございまして、こういった取組を県としても今やっておるところでございます。

 また、条件不利地域を含めた三重県には、先人の知恵や伝統など地域が培ってまいりましたすばらしい地域資源がございますことから、「美し国おこし・三重」の取組を進めてまいります中で、頑張って地域おこしに取り組んでおります市町と連携、協働しながらこれを発掘、活用いたしまして、自立、持続可能な地域づくりにつなげていきたいと考えておるところでございます。

 次に、文化力についてお尋ねがございました。

 職員の内発的な活動を促進いたしまして不断の改善を組織風土として定着させる目的で、去る2月14日に率先実行大賞の発表会というのを催しております。今年は過去最高の190取組、全部でございまして、その中でグランプリなどを選定したところでございます。これまでにも文化力の好事例だと思えるような取組が見られましたけれども、今年は、文化力、あるいは新しい時代の公の考え方を踏まえました取組が特に目立ったと思っておるところでございます。こういう取組が非常に増えてきておるということにつきましては、現場や、あるいは職員の中で、文化力、あるいは新しい時代の公の考え方が浸透しつつあるのではないかと考えておるところでございます。

 来年度予算につきましては、予算発表の際に、産業だけでなく、三重の文化力を高めていく本格的なスタートとなる予算という思いから、美し国おこしスタート予算と名づけたところでございます。平成20年度から、「美し国おこし・三重」の取組でありますとか、あるいは、新博物館整備の検討が本格的に始まるわけでございます。いずれも文化力の考え方を具体化していく取組でございまして、県民の皆さんをはじめとする多様な主体の参画も得て取り組んでいこうとするものでございます。

 三重県は地域格差の問題を抱えているというものの、経済成長率は日本一であり、新しい産業の創出に向けた取組も極めて進みつつあります。それに加えて、県民の皆さんの暮らしぶりも経済と同じように光輝き、本当の豊かさを感じている、そのような地域社会を目指しまして取り組んでまいりたい、文化力という考え方もそういう意味で柱になる考え方であると考えておるところでございます。

 なお、文化芸術の観点と、それから組織改正の観点がございましたが、これは担当部長のほうからお答えを申し上げます。

   〔生活部長 安田 正君登壇〕



◎生活部長(安田正君) 初めに、文化芸術を振興する長期展望と伝統芸能などの支援につきまして御答弁させていただきます。

 三重の文化振興方針(案)でございますけど、この中では、文化の範囲を幅広くとらえまして対象領域を広げるとともに、その中心となる文化振興と生涯学習施策を一体的、総合的に進めることで感性と創造性豊かな知的探究心に満ちた人をはぐくみ、地域の魅力と個性を高め、活力と新たな価値を生み出し発信していくことを展望として持っております。この目標を達成するために幅広い人の交流を促進し、地域の自然、歴史、文化資産を保存、継承しまして他地域や世界へ情報発信するとともに、未来に向けた文化の創造とまちづくりにつなげるという4本の柱を基本的な取組として位置づけております。

 このような大変間口が広く効果的な施策が難しい文化振興の取組を支える体制づくりといたしまして、今回、文化に関する人や資料、情報、活動が集積する博物館や図書館などの施設を文化振興の拠点と戦略的に設定いたしまして、各拠点を連携させた総合的な事業展開を図ってまいります。また、この方針の中では、伝統芸能など様々な地域固有の文化の継承が困難になりつつあり、課題の一つとしてとらえております。

 こうしたことから、地域の皆さんがその地域の文化の価値を十分認識していただくことに加えまして、地域内にも理解、協力していただける人々のすそ野を広げていくことが重要であると考えております。このため、身近な拠点における伝統芸能の発表会や学校における郷土史の学習などと文化振興の拠点である文化会館をつなげまして、地域文化の紹介や発表の機会の提供などを通じまして保存、継承に向けた支援を行ってまいります。

 さらに、将来の三重の文化を担う人材の育成も大変大きな課題の一つであり、特に、次代を担う子どもたちが豊かな感性や創造力をはぐくむ上で、本物の芸術や文化に触れることが大切だと考えております。このため、現在、学校を舞台といたしまして、文化会館、博物館など県内の文化の振興拠点、文化関係団体等が連携いたしまして、子どもたちが舞台芸術や伝統芸能など様々な文化に直接触れる機会を提供する文化体験プログラムづくりに取り組んでおります。このような体験プログラムづくりを通じまして、様々な文化を担う専門家やサポーターなどの人材を育成しまして、各拠点を活動の場といたしまして地域の文化活動を支援していきたいと考えております。

 次に、組織改正のメリットでございますけど、20年度から美術館、斎宮歴史博物館と文化会館を文化振興の拠点というふうな形で、それぞれ各施設の機能や専門性を生かしつつ一元的に運営し連携した事業展開をしていくこととしております。このことによりまして、これまで各施設がそれぞれ機能や専門性に応じて個々に企画、実施してきました、例えば、児童や生徒を対象にいたしました子ども向け体験プログラムなどは、その内容を総合化したり、実施時期を調整いたしまして体系的に提供することによりまして厚みを増したり、より質の高いプログラムにすることが可能と考えております。

 施策の連携による事業展開といたしましては、折しも本年は、源氏物語が記録上確認されましてから1000年に当たることから、20年度には、この源氏物語をモデルに取り上げ、文化会館における一人芝居の実施、斎宮歴史博物館における企画展の開催、美術館における美術に関する講演会の開催、生涯学習センターにおける映画の上映などに取り組んでまいります。

 このような取組によりまして源氏物語を文化作品としてのみとらえるのではなく、舞台における言葉や動き、展示資料の中の衣装や部屋の様子、映像の中での人間関係や暮らしぶりなどを通じまして、平安時代の人々の生活や文化を多角的に理解することが可能となります。一つの事柄やテーマを異なる角度からとらえることが新たな発見や発想につながり、時代や地域を象徴する文化に対する認識も深まっていくものと考えております。このような文化や生活に対する視野の広がりや理解の深まりは、新たな文化創造や文化振興につながるものと考えております。

 以上でございます。

   〔49番 中川 正美君登壇〕



◆49番(中川正美君) 答弁ありがとうございました。

 伊勢市の通町にございます伊勢三座の一つで能楽勝田流というのがございます。これが、実は、そもそもは勝田で発祥いたしまして、そして通町に移ったんですが、ちなみに私は勝田の生まれなんですけども、この勝田流が430年ぶりに伊勢市で里帰り講演をいたしました。大変感動したんですけれども、まさに私どもの役目というのは、一言で言えば、これまでの文化を守り育て後世に引き継いでいくことはもちろんでありますけども、長い年月がたって、風雪に耐えて本物の文化をしっかりとつくり出していく、これが文化芸術の分野の文化力ではないかなと、こんなふうに思いますので、ぜひとも文化力を高めていただきたいと、こんなふうに思います。

 次の質問に移らせていただきたいと思います。

 次に、県南地域の振興についてであります。

 現在、62回式年遷宮に向かっていろんな行事が展開をされております。昨年1年間の神宮の参拝数も13年ぶりに700万人を超えるなど、これから25年の御遷宮に向けまして、さらに多くの観光客の皆さん方が伊勢志摩地域を訪れることが予想されるわけであります。これまで、御遷宮の際には伊勢志摩地域で大きな盛り上がりを見せ様々な効果をもたらしてきましたが、遷宮の後はどうしても観光入り込み客数も落ち込む傾向が見られます。ぜひとも一過性のものにせず、その成果が継続するよう、その後を見越した取組が非常に重要であると思います。そういった意味では、美し国おこし、これが最たるものではないかなと、こんなふうに思いますので、これにつきましては知事のリーダーシップをお願い申し上げて御要望にさせていただきたいと思います。

 次に、伊勢志摩地域の産業振興についてお伺いいたします。

 伊勢志摩地域におきましては、県民しあわせプラン第二次戦略計画では、県土づくりの振興方向として、県北部を産業集積活用ゾーン、県南部を自然・文化活用ゾーンとして施策を展開しております。それぞれの地域に合った産業振興策を展開していく計画となっていますが、自然・文化活用ゾーンでは、観光交流の舞台としての整備や地域の農林水産資源の高付加価値化、ブランド化を進め、2次産業、3次産業との複合化を図り、地域資源を生かした企業誘致や観光、交流産業の創出などを進めることとされています。私も、このような地域の資源を活用した産業振興が非常に重要だと考えているところであります。

 平成20年度には、みえ地域コミュニティ応援ファンドを40億円と大きく追加造成され、50億円のファンドとされる計画とのことでありますが、このファンドで地域の資源を生かした取組を支援されるとのことで、私も大変期待をいたしておるところでございます。そこで、地域の資源を生かした産業振興への取組の中で、みえ地域コミュニティ応援ファンドなどをどのように生かして進めていこうとされるのかお伺いをいたします。

 次に、これまで20年ごとの御遷宮に際しましては道路等の基盤整備に取り組んできましたが、今回の第62回遷宮に向けましてはそのような取組がなされていないように思われます。特に、自動車の利用客が増えている伊勢志摩地域へのアクセス整備や渋滞対策等は伊勢市だけで解決できる問題ではございません。遷宮をきっかけに、県内外、国外から多くの観光客を受け入れるため、道路、駐車場、交通機関等、社会基盤の整備が必要であり、また、産業振興のためにも基盤整備が必要であります。

 そこで、県道伊勢南北幹線道路、玉城町と宮川右岸の県道南島線を結ぶ宮川への橋梁の新設、第2伊勢道路、紀勢道を今後どのように道路整備を進めようと考えているのか、特に、内宮周辺の渋滞対策、景観づくりはどのように考えているのかお伺いいたします。

 次に、まつり博跡地についてであります。

 平成6年度に県営サンアリーナをメーン会場として世界祝祭博覧会、いわゆるまつり博が開催をされました。これをきっかけに地域振興が図られ、伊勢志摩地域に多くの効果をもたらしました。その後、まつり博跡地の活用につきましては、伊勢志摩であい交流スクエア整備構想で交流、情報、文化などの機能を重点整備するエリアとして位置づけられたものの、長年の懸案とされましたけれども、一昨年でありますけれどもようやく活用方針が決められました。

 そういった中で、今回、伊勢市からの伊勢フットボールヴィレッジ構想の提案によりまして、県と伊勢市との土地を交換し、広域防災拠点の整備並びにサッカーコートの整備がされる方向となりました。そこで、まず、今回、まつり博跡地活用の一環として整備を計画されております広域防災拠点についてお伺いをします。

 広域的な災害が発生した場合、災害応急対策活動を迅速かつ的確に実施するために、広域的な活動拠点を平常時から確保していくことは非常に重要なことであります。まつり博跡地を三重県広域防災拠点施設基本構想に基づいた伊勢志摩地域の防災拠点として活用することとされていますが、計画している広域防災拠点施設はどういった規模でどのような機能を有したものを整備されるのかお伺いをします。

 また、伊勢フットボールヴィレッジ構想につきましては、スポーツによる集客交流を一つの核とした伊勢市の新たな地域づくりの施策として位置づけられており、御遷宮に向けまして新たな観光客層の獲得が期待されるところであります。一方、まつり博跡地には産業用地もありますので、今後、企業誘致も進めていく必要があります。跡地全体の活用を図っていくためには、やはり県と市が連携した取組をしていくことが大変重要な点であろうと考えます。

 伊勢市は、同地で4月から産業支援センターを開始、さらに、伊勢市は、まつり博跡地を新たにサン・サポート・スクエア伊勢と名づけ、産業誘致への立地企業に対しての新たな奨励金制度を創出するなど企業誘致に積極的に取り組む姿勢を示しています。昨今の伊勢志摩地域は依然として景気が悪く、経済の活性化には地場産業が活発になることが大切であると考えますが、あの場所を産業の拠点としたいという伊勢市の取組が本格化されつつあります。まつり博跡地には県の産業用地もあることから、こうした伊勢市の取組に対して、市とともに当地域への企業誘致をさらに積極的に行っていくことが大切だと思います。

 また、まつり博跡地は伊勢志摩国立公園の玄関口に位置しており、交通の利便性にすぐれた場所にありますが、現在、まつり博跡地に行くためのアクセス道路は伊勢二見鳥羽有料道路となっており、この道路はまつり博開催にあわせて整備され、アリーナ前インターチェンジについては開催期間中開放されてきたところですが、閉幕後は平常時は閉鎖しており、イベント時に臨時開放されるのみとなっております。このようなことでは、フットボールヴィレッジ構想を始め観光客が多数訪れることになれば不便この上ないことは明白であります。まつり博跡地をさらに魅力ある土地にし産業用地への企業誘致を進めるためにも、アリーナ前インターチェンジの常時開放が必要ではないかと考えますが、今後も一層の努力を求めるものでございます。

 以前から言わせていただいておりますが、県内の地域格差、北主南従の是正というものが永久の課題としてあるわけでございますが、まつり博の開催というのはまさに南北格差の是正だったと思っております。したがいまして、今回のまつり博跡地での動きを一つの契機としてとらえ、この地域全体の活性化を進めることで、長期的に見て伊勢志摩地域全体の地域振興へつなげていくことが非常に重要であると思います。このことにつきまして、県としての考え方やどのような支援をしていくのかお伺いをしたいと思います。

   〔知事 野呂 昭彦君登壇〕



◎知事(野呂昭彦君) 何点かについてお尋ねがありました。地域支援に伴います地域コミュニティ応援ファンドの件であるとか、あるいは、アクセス等の基盤整備につきましては後ほど担当部長からお答えを申し上げます。そして、私のほうからは、まつり博跡地広域防災拠点につきましても担当部長からお答えいたしますが、このまつり博跡地について県としてどのように考えておるのかという観点についてお答えしておきたいと思います。

 まつり博跡地につきましては、中川議員はよく御承知でございますが、伊勢志摩であい交流スクエア構想に基づきまして、平成18年にまつり博跡地の活用方針を策定いたしまして、その中で、県営サンアリーナと一体利用する土地と、それから産業用地として活用する土地に分けまして活用を図っていくといことにしたところでございます。

 平成19年2月に、御紹介ありましたように、伊勢市からフットボールヴィレッジ構想が提案をされまして、その後、昨年の7月に、伊勢市から土地交換の申し出がございまして検討してきたところでございます。フットボールヴィレッジ構想は、県営サンアリーナ付近に大規模な合宿や大会が可能なサッカーコートを整備するものでございます。伊勢志摩地域におきましてスポーツを目的とした誘客というのは極めて少ない状況でありますから、新たな誘客につながる有効な構想でないかと思います。アリーナとの一体利用ということにつきましてもさらに効果的なものになると考えておるところでございます。それから、高台部分の土地に広域防災拠点の位置を変更した場合にも、これが支障がないということから、土地交換については合意をいたしまして伊勢市の構想を支援しようと考えておるところでございます。

 伊勢志摩地域の現状を踏まえますと、雇用の確保等、これは重要な課題でございます。伊勢市がこのまつり博跡地に産業支援センターを開設いたしまして様々な産業政策を展開していくという方針であると聞いておりますので、今、御指摘ありましたように、伊勢志摩全体の地域に大変有効なそういった効果が及ぶことを期待し、伊勢市とも連携をいたしまして企業誘致等も行っていきたいと考えておるところであります。

 なお、伊勢二見鳥羽有料道路の仮設インターチェンジの常時開放についてもお触れになりましたけれども、解決すべき課題も多いということから引き続き関係機関で検討を続けていきたいと、こう思っております。

   〔防災危機管理部長 中西 正明君登壇〕



◎防災危機管理部長(中西正明君) 広域防災拠点の機能、規模につきまして御答弁申し上げます。

 今後、30年以内の発生確率がだんだんと高まってきております東南海地震、これが発生をいたしますと、志摩半島沿岸部は主要道路が不通となり孤立するということが非常に懸念されております。こういったことから、中勢、東紀州に引き続きまして、平成20年度から伊勢志摩地域におきまして広域防災拠点を整備するということで、これをまつり博跡地で整備するということで現在計画をいたしておるところでございます。

 その機能でございますが、まず、国、あるいは他府県から救助部隊なり救援物資の受け入れを行ったり、あるいは、被災地への救援物資の供給、あるいは重症患者の搬送などを行うためのヘリポートをまず常設いたします。さらに、陸送が必要になった場合のトラックヤードなり、物資の集配機能としての荷さばき施設、あるいは応急復旧用の資機材を保管しておく備蓄倉庫などを備えた施設を計画しておるところでございます。

 また、規模といたしましては、この拠点は松阪地域、それから伊勢志摩地域の4市7町をカバーいたしますことから、ヘリポートを約1万2000平方メートル、荷さばき場及びトラックヤードを3万平方メートル、備蓄倉庫1200平方メートルの約4万3000平方メートルで整備することといたしております。今後、整備を進めるに当たりましては、この広域防災拠点が当該地域におきまして有効に活用される施設となりますよう、関係市町や防災関係機関と連携を図ってまいりまして整備を進めてまいりたいと、このように考えております。

 以上でございます。

   〔農水商工部長 中尾 兼隆君登壇〕



◎農水商工部長(中尾兼隆君) 私からは、県南地域の産業振興について御答弁を申し上げます。

 地域産業の活性化を図るためには、地域の農林水産品や産地の技術、観光資源など特色のある地域資源を活用いたしました中小企業の新商品や新サービスの開発、市場化の促進などを総合的に支援していくことが必要であると考えております。このため、今年度は、昨年の6月に施行されました中小企業地域資源活用促進法に基づきまして、県では100品目の地域資源を指定いたしますとともに、新たな地域ビジネスの創出を支援する果実運用型のみえ地域コミュニティ応援ファンドを10億円造成し、その普及啓発などを進め事業者の取組を促してまいったところでございます。

 その結果、今年度は法に基づく認定を九つの事業者が受ける見込みとなっておりまして、また、ファンドによります支援では51件もの応募がございました。その中から、例えば、志摩地方特産のアオサを使った商品開発など5件を採択させていただいておるところでございます。これからの事業創出を今後より一層活発にしていくためには、採択数が限られております国の支援に頼るだけではなくて、県独自の支援枠を広げていくことが必要だと思っております。

 また、地域の事業者は商品企画開発に必要なノウハウ、あるいは人的ネットワークに乏しくて市場に関する情報も不足しがちでありますことから、商品開発から流通、販売までを総合的にサポートする仕組みをつくっていくことも必要でございます。このため、平成20年度は、みえ地域コミュニティ応援ファンドを40億円追加造成し、より多くの取組を支援していきたいと、このように考えております。

 また、地域の商工団体、農業団体、行政などの関係者によりますフォローアップ会議を設置いたしまして、事業者の掘り起こしや事業化に向けた計画策定の支援を行いますとともに、その事業の進捗に応じましてアドバイスをするなど、サポート体制も構築していくことで新たなビジネスの創出をより一層促進してまいりたいと、このように考えております。

 以上でございます。

   〔県土整備部長 野田 素延君登壇〕



◎県土整備部長(野田素延君) 私からは、伊勢志摩地域の基盤整備と、伊勢市内の渋滞対策についてお答えいたします。

 本県では、御遷宮を契機に訪れる方が様々な三重の文化に触れ合えることのできる道路ネットワークを形成するため、高速道路や直轄国道、さらにこれにアクセスする県管理道路等の整備を進めているところでございます。現在のこれらの進捗状況でありますが、第2伊勢道路につきましては、伊勢市二見町松下から鳥羽市白木町に至る延長約7.6キロメートルの区間につきまして平成8年度から事業に着手しており、現在用地買収を完了し、松下ジャンクション及び白木インターチェンジの改良工事を推進しているところでございます。

 紀勢自動車道につきましては、三重県内では有料道路方式、新直轄道路方式、直轄国道事業合わせて約74キロメートルで整備が進められております。勢和多気から大宮大台間につきましては平成18年3月に開通し、大宮大台から紀勢間は平成20年度、紀勢から紀伊長島間は平成24年度の開通を目指して現在整備を進めているところでございます。それに続く新直轄区間や熊野尾鷲道路につきましても御遷宮に向けて事業を進めているところでございます。

 また、伊勢市内の渋滞解消を目的に整備を進めております伊勢南部幹線道路につきましては、現在、近鉄のアンダーボックス工事とJRの高架橋工事を推進しているところです。これらの道路整備につきましても御遷宮までの完成を目指し重点的に整備を進めてまいります。

 なお、玉城町と宮川右岸の県道伊勢南島線を結ぶ宮川への橋梁架設につきましては、まず、地元市町で熟度を高めていただくということが重要でありまして、県といたしましても、地域の道路ネットワークのあり方について一緒になって検討してまいりたいと考えております。

 御遷宮に向けた内宮周辺を中心とした伊勢市内の渋滞対策につきましては、まず、車の流れをいかにして分散させるかという視点が重要でありまして、渋滞を点や線ではなく面や空間でとらえ、町全体の都市計画の中で考えていくことが大切でございます。現在、県では、御遷宮に向けて第2伊勢道路や伊勢南北幹線道路の整備を重点的に進めているところですが、ハード対策だけで渋滞解消を目指すことには限界があることから、ハード整備に加え、例えば、正月などに実施されておりますパーク・アンド・バスライドなどのような車の流れを変えるソフト対策をあわせて考えていくことが重要でございます。

 渋滞緩和に向けまして、まず、地元伊勢市が中心となって各種のハード対策やソフト対策を検討していただき、さらに、県や国、公共交通事業者などが連携しながら総合的に検討していくことが望ましい姿であると考えています。県といたしましても、伊勢県民センターを中心に各部局が連携し、伊勢市の取組が円滑に進められるよう協力してまいりたいと考えてございます。

   〔県土整備部理事 高杉 晴文君登壇〕



◎県土整備部理事(高杉晴文君) 景観づくりについてお答えいたします。

 本県では、美しい景観づくりを県内全域で展開していくため、昨年12月に三重県景観計画を策定し、今年4月から本格的に運用開始することとしています。そうした中、伊勢市につきましては、あした、3月1日から景観法に基づく景観行政団体となり、景観行政を担う主体として良好な景観づくりに取り組んでいくこととなっております。県といたしましては、伊勢市の取組を支援してまいります。

 また、具体的な重点事業といたしまして、屋外広告物では度会橋から県道鳥羽松阪線、伊勢磯部線を経由した浦田橋の間におきまして、屋外広告物条例に基づきます屋外広告物沿道景観地区の指定をするため現在関係者との協議や調査を進めているところでございます。また、県道伊勢磯部線の伊勢神宮の下宮と内宮を結ぶ区間につきまして、歩道舗装やガードレール等の防護さくを地元の景観に配慮したものに修景化するとともに、JR伊勢市駅付近の県道鳥羽松阪線の約800メートルの区間におきまして無電柱化を進めます。今後も引き続き、地域の方々や伊勢市と連携しながら良好な景観づくりに取り組んでまいります。

 以上でございます。

   〔49番 中川 正美君登壇〕



◆49番(中川正美君) 御答弁いただきましてありがとうございました。

 2点ほど要望申し上げたいわけですけども、知事、朝熊インターの開放ですけども、いろんな課題があると、これもよく承知をしております。最後は知事の決断であろうと、私はこんなふうに思っておりますので、ぜひともよろしくお願いいたしたいと思います。特に、遷宮、企業誘致、広域防災等々いろんな関係でこの朝熊インター開放をぜひともやってもらいたいという、そういった要素がたくさん増えてきておるわけでありますから、私は、行政は最大のサービス産業、そして政治はドラマであると、その二つを持っておるのが知事ではないかと思いますので、知事の大英断を期待いたしたいと思います。

 もう1点は、伊勢志摩地域の海上アクセスの関係でありますけれども、先般、4月に竣工予定でありましたが突如中止となりました。これは直接には伊勢市の問題でありますから県は関係ないにしても、二つの課題があろうと思います。一つは、伊勢志摩広域観光のアクセスという観点に立てば、県としての課題でもあったのではないかなと。もう一つは、この伊勢を含んで4港が、言うならば需要と供給という面で本当に妥当性があるのかどうか、このあたりが大きな問題であったかと思うんです。いずれにいたしましても、今後、こういう形で二度とこういう事態が起こらないように適切なアドバイスを行っていただきたい、このことを申し上げたいと思います。

 時間の関係で次に移らせていただきます。教育についてであります。

 子どもたちを取り巻く環境が大きく変化する中、ここ数年、教育に関しましては子どもたちの学力低下や基本的な生活習慣の乱れ、社会性の低下や規範意識の欠如など様々な指摘がなされ、そのあり方が問われてきました。特に、学力の低下につきましては、OECDによる国際的な学力調査により日本の子どもたちの学力の低下が明らかにされたところであります。

 このような状況を受け、一昨年成立いたしました安倍内閣は教育の再生を最重要課題の一つに掲げ、まずは教育基本法の改正に取り組みました。この改正では、教育の目標として幅広い知識と教養、豊かな情操と道徳心、健やかな身体の、知・徳・体を養うこと、伝統と文化を尊重し我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うことなどが規定されました。さらに、各界の有識者からなる教育再生会議が設置をされ議論が続けられてきました。先月末に出された最終報告では、ゆとり教育を見直し、授業時数の増加や土曜日の活用などにより学力の向上に徹底的に取り組むこと、徳育の教科化や体験活動などに積極的に取り組むことなどが提言されました。

 国では、これらを踏まえて、既に、学校教育法をはじめとする教育関連三法も改正され、教育委員会制度や教員免許制度の見直しなども実施に移されつつありますが、具体的な教育内容への反映ということになりますと学習指導要領の改訂になろうと思います。学習指導要領については、これまでも社会の変化や時代の要請等に応じておおむね10年ごとに改訂されてきました。授業時数につきましては、昭和40年代の改定をピークに、その後は詰め込み教育の批判や受験競争の激化など、背景にゆとりという言葉のもと減少してきました。現行の学習指導要領も、こうした流れの中、平成10年から11年にかけて改訂され学習内容がさらに厳選されましたが、その後はゆとり教育への批判が寄せられたり、新設された総合的な学習の時間について学校現場などから戸惑いの声が聞かれたりしてしばしばマスコミ報道などにも取り上げられてきました。

 このような中、数年前から中央教育審議会では次回の改訂についての審議が重ねられ、本年1月11日に答申が取りまとめられました。文部科学省では、この答申を受け本年度中に改訂し、平成23年度から順次実施をする予定とのことであります。今回の改訂について、国はゆとり教育から詰め込み教育への転換ではないとしていますが、その内容は、授業時数を増加する一方で総合的な学習の時間は縮減する、あるいは理数教育の充実、小学校高学年での外国語活動の新設、学校週5日制を維持した上での土曜日の活用など多岐にわたっています。いずれにいたしましても、今回の改訂は決して小さいものではございません。県教育委員会といたしましても、子どもたちや教員など現場が混乱しないよう適切に対応していく必要があると思います。

 そこで、今回の改訂について教育委員会に対して御質問申し上げたいと思います。

 まず、学力の低下が指摘されている中、新しい学習指導要領により授業時数が増加される見込みですが、これまでのいわゆるゆとり教育に対する認識、評価と学力や学習意識の低下への今後の対応についてお聞きします。その際、昨年から始まった全国学力・学習状況調査の結果をどのように有効活用していこうとしているのかもあわせてお伺いします。

 次に、小学校での外国語活動の新設、理数教育の充実といった今回の具体的な改訂について、教育現場が的確に対応し円滑に移行されるようどのような取組、支援をしていくかお伺いします。

 最後に、一昨年、未履修が大きな問題になった高校の世界史につきましては、今回の改訂でも引き続き必修となり日本史は選択のままとなりましたが、神奈川県では独自に日本史の必修化を決めました。本県におきましても、我が国の歴史や伝統、文化をより深く学習するという観点で日本史を必修にできないものか、この点についての御見解をお伺いいたします。

   〔教育長 安田 敏春君登壇〕



◎教育長(安田敏春君) 教育につきまして3点御質問をいただきました。

 まず、学習指導要領についてでございますが、現行の学習指導要領では、基礎、基本を身につけて、自ら学び、考え、判断する、生きる力というのをはぐくむということがねらいとされてきたわけでございます。しかしながら、これまで、生きる力の意味や必要性について十分浸透していなかったのではないかというふうなこと、あるいは、子どもたちの知識を活用する力や学習意欲に課題が見られるといったことが指摘をされてきております。

 こうした中での、今、議員からもいろいろ述べていただいたような状況で新しい学習指導要領が改訂に対して大詰めを迎えているわけでございますが、この中でも、やはり生きる力をはぐくむという理念は引き継がれる方向でございます。その上で、基礎的、基本的な知識、技能の確実な習得と、それらを活用する力の育成、これをねらいとしておりまして、そのために必要な授業時間数を確保して指導内容も充実させると、こうしております。

 今、全国学力調査についても触れていただきましたが、この調査でありますとか、もう一つ、国際的な学力調査、PISAでございますが、こちらのほうでも同様に、知識の活用や学習意欲に課題が見られるといった結果がうかがえるということでございまして、教育委員会といたしましては、授業改善の参考としてもらうために指導事例を今まとめておりまして、これらも学校で活用していただきたいと思っておりますし、こういったことも含めまして新しい学習指導要領の中でも子どもたちへのきめ細かな指導や指導方法の工夫、改善が行われるように引き続き支援をしてまいりたいというふうに考えております。

 それから、2点目の移行についてでございますけれども、教育委員会では、今回の学習指導要領の改訂に向けまして、これは平成23年度からの実施ということになっておりますけれども、来年度から3カ年にわたりまして、すべての教員を対象にしまして模擬授業なども含めて研修会を開催することにしております。そこで、改訂の趣旨でありますとか、内容の周知徹底を図っていきたいと思っております。

 また、今回の改訂のポイントとなっております今御紹介いただきました理数教育の充実、あるいは小学校での外国語活動、こういったものにつきましては、既に、本年度から、企業とか大学の協力を得まして、理科支援員とか、特別講師の方々、今、56名の方々ですが、こういった方々を小学校へ派遣したり、あるいは、従前からおりますALT、外国語指導助手などを活用した外国語指導の実践研究を進めているところでございます。これらの取組の成果とか課題を踏まえまして、今後、新しい学習指導要領の円滑な実施に向けまして十分な準備ができるように支援をしていきたいと思っております。

 それから、最後に、日本史の必修化についてでございますけれども、現在、高等学校では、地理、歴史科の学習につきまして、世界史を必修としまして、もう一つ、日本史か地理のいずれかを選択しなければならないと、このようになっているわけでございまして、ちなみに、日本史を今開設している学校は全日制全部で61校ですが、そのうち52校でございます。85%になっております。そこで、日本史を履修した生徒は約6割と、こういう状況でございます。ただ、改訂作業が大詰めのこの新学習指導要領の中でも、同じく世界史が必修になると、そして、日本史か地理のどちらかが選択になると、こういう見込みでございます。

 教育委員会といたしましては、将来の三重を担う子どもたちが豊かな感性を身につけていくためにも、議員御指摘のとおり、国や地域の歴史、伝統、文化について学習をして理解を深めていくということは非常に大事なことであるというふうに思っております。しかしながら、世界史を依然として必修にした上でさらに日本史も必修にしようとしますと、一つは、弾力的な教育課程の編成が非常に難しくなる、もう一つは、特色ある学校づくりの観点からもその幅を狭くしてしまうといったようなことも懸念をされるわけでございます。

 こうした状況でございますので、今後、神奈川県がどういう形で仕組んでいくのかまだよくわからない部分もございます。そういった検討状況でありますとか、それに対する国の対応、こういったことも注視をしていきたいと思っておりますが、まずは、三重県におきましては、限られた時間割りの中で柔軟に科目を選択できる環境を整えたり、あるいは、生徒が日本史に一層興味、関心を持つような取組ができないかといった観点から研究してまいりたいというふうに思っております。

 以上でございます。

   〔49番 中川 正美君登壇〕



◆49番(中川正美君) どうもありがとうございました。

 神奈川県のほうで全国で初めて2012年度から実施をすると、こういうことでありますけども、神奈川県の教育長さんはこんなことをおっしゃってみえたんですね。日本とアメリカが戦争をしたことも知らない、そういう高校生がおると、こういう話。私はびっくりしたんですけども、これから国際社会で主体的に生きていくためには、もちろん世界史も大事なんですけども、やはり自国の歴史を学ぶ、これは私は原点だと思います。日本史の必修があって初めてというんでしょうか、言うならば愛国心とか郷土愛、こういうものが生まれると、こう思いますので、ぜひともそういう方向で実現に向けて御検討願いたいと思います。

 また、冒頭に教育再生会議のことについて触れました。この中身を見ますと、直ちに実施に取り組むべき事項、また、検討を開始すべき事項等々があるわけです。ぜひとも再生会議で言われております県教委としての対応をきちっとやってもらいたいなと、こんなふうに思いますのでよろしくお願いいたしたいと思います。

 最後に、るる申し上げましたけれども、伊勢神宮というのは知事も言われましたけれども、本県の最大の文化資源であり、また、県民の宝だと私は思っております。来々月、4月25日には、御遷宮の最初の祭儀であります内宮正殿西側にあります新たな宮、新宮造営地、御敷地といいますけれども、ここで鎮地祭、これは民間でいいます地鎮祭のことなんですが、これがとり行われるわけであります。また、来年は、いよいよ宇治橋渡始式と、こういうことでございまして、これから20年間、延べにいたしますと恐らく1億人もの方々がこの宇治橋を踏み渡るわけではないかなと、こんなふうに思っております。ぜひとも、この式年遷宮を好機としてとらえまして、地域の活性化、また日本人の心の再構築をこの遷宮を通して私どもは伊勢から訴えていきたいなと、こんなふうに思いますので、今後ともよろしくお願い申し上げまして質問を終わります。

 ありがとうございました。(拍手)



○副議長(桜井義之君) 12番 後藤健一君。

   〔12番 後藤 健一君登壇・拍手〕



◆12番(後藤健一君) 松阪市選出、新政みえ所属の後藤健一でございます。昨年4月、県民の皆様方の温かい真心をいただきまして初めて県議会に送っていただきました。以来、焦らず、慌てず、そして何よりも県民の皆様とともに一歩一歩しっかりと歩んでいこうと決意したところでございます。議長のお許しをいただきました。県民の皆様に代わりまして、県民の代表として一般質問に立たせていただきます。初めてのことでございます。いろいろ御迷惑をかけることもあろうかと思いますが、よろしくお願いいたします。それでは、通告に従いまして順次質問をさせていただきたいと思います。

 まず、最初の質問でございます。新県立博物館についてお尋ねします。

 この博物館建設につきましては、長い経過の中でこれまで幾度となく持ち上がり、また、様々な動きがございます。2002年、平成でいいますと14年でございますが、三重県における自然系博物館整備を求める請願書も採択されております。しかしながら、結果として今まで実現することはありませんでした。また、議会の一般質問の中でも何度となく取り上げられている課題でございます。

 しかし、今の状況はこれまでと随分違っているというふうに思います。県行政のトップである知事と私ども議会とが、新博物館について理念の共有を図ることができたということでございます。去る2月19日の全員協議会の中で、知事のほうから基本構想について御説明がございました。その質疑の中から知事のお考えが明らかにされました。私ども、議会の政策討論会議で昨年10月に新博物館整備に係る基本的な考え方について提言をさせていただきました。そのことにつきまして知事のほうから、博物館については県議会と共有できた、議会の意見を十分網羅した、ただ、場所、規模、公文書館についてはつけ加えたということでございます。100%という数字も出てきましたが、これからしっかりと議会としても検証していく必要があるかなというふうに思っております。

 私も、この政策討論会議の一員に加えていただきました。現県立博物館に出向きまして調査もさせていただきました。また、建設予定地にも行きました。6月末から10月初めの実質3カ月という短い期間でございましたが、7回の検討会、本当に皆さん、充実した議論を重ねることができたというふうに思っております。私自身、三度目の正直といいますか、今度こそ新しい博物館をという気持ちでいっぱいでございます。今回、あえて自然系の博物館という自らの思いを封印してでも何とか実現したいというふうに思っております。子どもたちにとって夢が持てる、しかも誇りに思える三重に県立博物館ありと言えるものと大きな期待を寄せております。知事の言われる文化力、その拠点の一つになる博物館の実現に向けて、まさに議会と知事とがともに進んでいける条件が整ってきたのではないかなと思っております。

 三重県内には、動物、植物、鉱物、自然観察などで様々な団体が活動しております。その団体の皆さん方からいろんな声を聞かせていただきます。現博物館には28万点にも及ぶ資料がございますが、そのうち何と26万点が自然系の資料でございます。化石、鉱物、植物、昆虫をはじめたくさんの資料、標本がございます。ほっておけばどんどんと劣化し、最後には、植物や昆虫の標本はなくなっていきます。個人が所蔵します貴重なそういった資料、標本を博物館に預けたいと思っても、今の博物館では雨漏りのするような状況でございます。心配で預けられないというような声でございます。三重県の貴重な財産が県外に流出しているのが現実だと思います。

 博物館の機能は、何よりも資料の収集、そして保存だというふうに思っております。収蔵庫に金をかけるべきではないかな。県民の財産を100年、いや、200年先まで残し伝えていくという私たちの大きな義務と責任があるはずでございます。たくさんの機能が博物館にはありますが、やはり収集、収蔵、そして何よりも調査、研究が大事なんだろうというふうに私は思っております。この機能を充実することは、ほかの機能、例えば、展示等の機能にも厚みが増すというふうに思っております。

 私は、昨年の夏、琵琶湖博物館に行ってまいりました。驚いたのは、研究スタッフの充実でございます。博士号を持ってみえるスタッフ等、物すごいものがございました。内容もすごかったと思います。その内容の充実と、そして展示の充実、これは表裏一体なんだろうというふうに思って帰ってきたところでございます。そしてまた、そういう研究スタッフとともに、博物館のたくさんある機能を有機的に結びつけるコーディネーター、その重要度が増してくるんだろうと思っております。

 新博物館につきまして、知事のほうから、これは未来への投資、子どもたちの未来に向けてと繰り返し言われております。私たちも、本当に三重の未来を担う子どもたちの夢をはぐくむ博物館を実現したいと思っております。そのためには、子どもたち自身にどんな博物館にしたいのか夢を語ってもらうことが大事なのではないでしょうか。利用者の大半は恐らく子どもたちだろうと思います。大人の側の論理だけで進めていくのでなく、当事者である子どもたちの声をしっかり聞いていただきたい、また、そういう場を設定していただきたいと思うわけでございます。

 新博物館、総合博物館ということでございますが、文化審議会の委員の中に自然系の委員がいなかったというような県民の声もございます。2008年度、平成20年度文化審議会の中に新県立博物館基本計画策定部会が設置されようとしております。ぜひ、今度は自然系の人にも入っていただけるよう御配慮をお願いしたいと思います。いろいろと要望等を含めまして私の思うところを申し上げました。改めまして新県立博物館にかける知事の熱い思いと実現に向けての強い決意のほどをお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

   〔知事 野呂 昭彦君登壇〕



◎知事(野呂昭彦君) 後藤議員の御質問にお答えいたします。

 御質問を聞いておりましても、後藤議員自身も大変熱い思いをこの博物館に持っておられるなと、まさに気持ちを共有しているなという気持ちで聞いておりました。実は、この検討の経過でございますけれども、社会が変動いたしてまいりまして今大きな転換期を迎えておるところであります。したがって、三重の未来を見据えた、そういった政策展開が必要でございます。

 私は、先人たちが築いて、また私たちがはぐくんでまいりましたこのふるさと三重、これを次世代に発展的に継承していくというために必要な取組をしっかりと進めていかなければならない、こう思っておるところでございます。そこで、産業政策だとかいろんな観点で三重県は大変目立っておるところでありますが、より根幹的なこととして、三重の人をはぐくみ未来を築くための取組が必要であると、三重の文化力を高め生かしていくための取組、これをさらに進めていかなければならないと考えてきたところでございます。

 その展開の柱として思い描いたのが、芸術文化分野にとどまらないもっと広い文化の範囲、これは幅広く文化というものをとらえました文化振興に取り組むということでございます。中でも、博物館は、三重のことを知り、伝え、考えるためにも最も適切な施設でございまして、三重の文化振興のための中核的な拠点として重要な役割を担うことになるのではないかと、こう思っております。

 こうしたことから、私は、次代を担う三重の子どもたちが夢や希望を持ち、将来を切り開くきっかけとなる場として、また、県民の皆さんが、一人ひとりが三重の魅力を再発見し、三重への愛着と誇りをはぐくむ場として、さらには三重の魅力を発信していく拠点として博物館が必要だと考えまして、新県立博物館基本構想(案)をお示ししておるところでございます。

 今回の基本構想の大きな特色でありますけれども、これは、県民とともに成長する開かれた博物館を目指しておるところでありまして、県民参画型の取組を強く打ち出したところにございます。県民の皆さんが主体的に活用、あるいは活動していただける場にしていきたいなと考えております。

 また、公文書館機能を一体整備することによりまして、博物館が持つ物資料と、公文書館が持つ文書資料、これを合わせまして閲覧、レファレンス機能を発揮させまして、県民の皆さんが三重の歴史、文化を総合的に知り、学ぶことができる拠点になるものだと考えておるところであります。こうした博物館を整備することによりまして、新しい時代の公のもと、県民の皆さんとともに三重の魅力、つまり文化力でありますが、これを高め、生かしていくことができると考えておるところでございます。

 県議会からも新県立博物館整備に係る基本的な考え方として御提言をいただいておるところでございますが、博物館の整備は、具体的には、まだこれから基本計画等で詰めていくわけでございますが、前にも御指摘しましたように、また後藤議員からもそのことを繰り返し御発言なさいましたけれども、三重の子どもたちをはぐくみ未来を築いていくための投資として位置づけて、県民の皆さんをはじめ多様な主体の皆さんの参画と御支援をいただきながら着実に進めてまいりたいと、こう思っておるところでございます。

   〔12番 後藤 健一君登壇〕



◆12番(後藤健一君) ありがとうございます。

 今、知事の御答弁を聞かせていただいたわけでございますけども、本当に子どもたちの夢をはぐくむという博物館になればというふうに思っております。

 少し質問させていただきたいと思います。今後のスケジュールでございますが、やはりいつごろ完成予定なのかということが気になるわけでございます。2008年度、平成20年度に基本計画を策定し、2009年度、平成21年度から設計、用地買収、造成工事というふうに進んでいくと基本構想の中に書かれております。それと、現在の博物館が閉鎖中というようなことで、展示につきましては移動展示というようなことも言われております。ただ、展示以外の機能についてどういうふうにお考えなのか。今も自然関係の団体は手弁当で調査を続けております。そういった資料や標本を託すところがないというような声も聞かれております。

 2点目は建設場所でございまして、県総合文化センター隣接地ということでございます。私も見させていただいて、やはりここかなというふうに思っております。今さら松阪の中部台運動公園にというふうには言いませんが、実は、2004年、平成16年の新博物館整備検討業務調査報告書の中に、この松阪の中部台運動公園周辺が挙げられていたわけでございます。その後、候補地から外れていったというわけでございますが、そのあたりの経緯について少し教えていただきたいというふうに思います。よろしくお願いします。



◎生活部長(安田正君) まず、完成までのスケジュールということでございますけど、全協でお話ししましたように、これから20年度に基本計画づくりに入るということで、その中で、施設構成や建築面積が定まってまいります。こういうことで工期も変わります。それと、PFIと直営手法のどちらを採用するかということで全体工程が大きく変わると思います。このようなことを踏まえまして、基本計画を策定する中で、新博物館の施設概要やPFI導入の可能性等につきまして検討した上で具体的なスケジュールをお示ししたいということで、20年度の秋をめどにそういう作業を進めてまいりたいと考えております。

 それと、もう1点、用地選定の問題でございますけど、今回の新博物館は、三重の自然と歴史、文化を総合的にとらえる総合博物館として、地域づくりや地域課題の解決などにも貢献する拠点にしていこうと、一つそういう性格を持っております。また、大きな特色といたしまして、地域の研究グループ、団体とも連携いたしまして、県民の皆様が博物館活動に参画していただく県民とともに成長する博物館というようなことを目指しております。

 さらには、県の中核的な文化振興拠点と位置づけまして、様々な文化振興拠点や大学等の研究機関と連携を強化していきたいと考えております。こうした今回の新博物館の性格、機能などから求められます施設構成を明らかにした上で、基本構想では建築面積を1万2000から1万8000平方メートル程度、敷地は3ヘクタール以上は要るというふうな形でお示しをさせていただきました。

 立地場所も、こういうふうな基本的な性格といいますか、それに加えまして、最終的にアクセスの利便性や用地取得の可能性を条件と設定しまして、これらの条件を満たす候補地を幾つか挙げまして検討した結果、県総合文化センターの東南側に隣接する場所が一番適当であるというふうな判断をしたところでございます。こういう基準に基づきまして判断いたしましたのを御理解賜りたいと思います。

 以上でございます。

   〔12番 後藤 健一君登壇〕



◆12番(後藤健一君) 御答弁ありがとうございます。

 私も理解できるところでございます。最後に、子どもたちのことにもかかわりまして、二、三、要望なりさせていただきたいと思いますが、博物館の展示物、これはやはり本物でないといけないというふうに思っております。レプリカですが、どれだけ似ていても、子どもたちは、何だ、作り物かということで夢や興味がしぼんでしまうように思います。そして、今度の博物館に子どもたちの要望がここに生かされているよというようなことがあれば、博物館に行って本当に子どもたちの目は輝いているんだろうなというふうに思うわけでございます。子どもたちの目が新しい博物館でいつまでも輝き続けるように願っております。まだまだ建設に向けて乗り越えなければならないハードル、財政面のことも含めまして多いかと思いますが、何としても実現に向けて力強く推し進めていただくよう強く訴えまして、この項を終わらせていただきたいと思います。

 次に、安全・安心に暮らせる社会の実現に向けてということで、二つの項目につきまして質問をさせていただきたいと思います。

 一つ目でございますが、県の平和政策についてでございます。

 私たち、県民はだれしも一人ひとりが大切にされ、平和で安全・安心に暮らせることを日々願っております。県としてもその願いにこたえるべく様々な政策や施策に取り組まれております。今、安全・安心という言葉が聞かれない日はないのではないかというふうに思うわけでございます。逆を返せば、それだけ今の社会が危険と不安に満ち満ちていて安全・安心に暮らせないということなんでしょうか。

 県民しあわせプラン第二次戦略計画の中の様々な項目には、安全・安心という言葉がたくさん出てくるわけでございます。ざっと拾い上げただけでも十五、六箇所に上るというふうに思います。それだけ県民のすべてがより安全・安心に暮らせる社会を望んでいるということなんだろうと思いますが、したがって、県の政策、施策にそういう言葉が出てくるということなんだろうと思います。

 一方、この安全・安心という言葉の多さに比べて気がつくことは、平和という言葉が全く出てこないのでございます。県の政策、施策の中でどこに平和という言葉が使われているのか、私たちが見落としていたとすれば教えていただきたいと思います。平和という言葉が使われているものといたしまして、唯一かもしれませんけれども、非核平和県宣言が挙げられるというふうに思います。今から11年前の1997年、平成9年でございます。10月13日、これは議会として非核平和県宣言に関する決議をいたしました。少し紹介させていただきます。決議文でございますけども、「人類共通の願いである世界恒久平和は、三重県民すべての願いでもある」から始まりまして、「領土侵犯、局地戦争、紛争、核物質の不法投棄など、人々の生活を脅かすすべての行為の絶滅を求め、自らもそのために努力することを表明する」と高らかにうたわれております。

 しかし、今日、平和に関する政策や施策もなく、当然予算もなく、聞かせていただきますと、2005年、平成17年の戦後60周年に購入されました戦争資料パネルだとか戦争体験文朗読のCD、これを市町に貸し出している。そしてまた、昨年の9月と10月には、アスト津、県庁1階で、平和に関するパネル展を実施されたということでございます。私は全く気がつきませんでした。三重県として平和政策について余りにもお粗末と言わざるを得ません。

 このような状況ですから、県の平和に対する姿勢や取組が私たち県民には全く見えてきません、伝わってきません。今、私たちが安全・安心に暮らせる生活ができるということは平和であるということだと思います。戦争のない平和な社会が大前提なのです。戦後62年間、平和憲法のもと、戦争も紛争もなく平和であったがために今日の繁栄がもたらされております。安全・安心が今強く求められております。当たり前と私たちがとらえている平和であるということが、県民にとって、また命ある者にとって最も大事なことではないかと思うわけでございます。

 そこでお尋ねいたします。

 安全・安心の大前提として、この平和を求めていく姿勢を県の政策や施策として、また事業として打ち出すべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか。どのように考えてみえるのか、知事の御所見を伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。

   〔知事 野呂 昭彦君登壇〕



◎知事(野呂昭彦君) さきの大戦から今年は63年を迎えておるところであります。時代の経過とともに、さきの悲惨な戦争の経験をともすれば忘れがちでございますけれども、世界においては紛争、あるいはテロが多発をいたしておりますなど、昨今の国際情勢につきましては緊張の度合いを増しておると考えております。そういう中で、今こそ平和に対する認識を深め、世界の恒久平和を確立していくということがますます重要になってきておると考えます。国連をはじめ各国政府が連携、協調いたしまして、世界平和に向けて取り組んでいただきたいと考えております。

 県におきましては、県民しあわせプランの目指す社会像の一つといたしまして、暮らしの安全・安心が確立された社会ということを掲げております。そのためには、戦争のない平和な社会であるということが大前提であるということは言うまでもありません。また、平成9年10月には、県議会におきまして非核平和県宣言が決議をされておるところでございまして、その趣旨を重く受けとめておるところでございます。

 こうしたことから、県におきましては、平和に関連するパネル展、さっきお話しがありましたが、この開催でありますとか、それから、県のホームページにおきましては、戦争資料館の掲載、それから斎宮歴史博物館での企画展の開催、こういった平和のとうとさに対する認識を深めていただくための取組を行っておりますのとともに、平和の根幹をなす人権意識の向上、こういったことに取り組んでおるところであります。

 それから、毎年、三重県戦没者追悼式、これを県が主催でとり行っておるところでございます。戦争で亡くなられた方を追悼いたしますとともに、戦争の惨禍が再び起こらないよう平和の誓いをここで立てておるところでございます。今後も、県民の皆さんの平和への意識と理解がさらに深まるよう取り組んでまいりたいと思います。

   〔12番 後藤 健一君登壇〕



◆12番(後藤健一君) 御答弁ありがとうございます。

 県の平和に対する姿勢や取組が私たち県民には全く見えてこないということを言わせていただきます。そこで、あえて少し提言をさせていただきたいと思うわけですが、県民にも見えるようにするためには、県庁の中に平和行政を担う窓口となる、例えば平和担当室とか、平和担当グループとかを新たに立ち上げ、県当局の姿勢を県民に示すべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

 私は、一昨年10月、退職をさせていただきました。そのとき、先生、頑張ってと励ましてくれた子どもたちの姿を忘れることができません。その子どもたちが安全に安心して、しかも夢を持って生きていける社会であり続けるためにも平和でなければならない、今、強く思っているところでございます。ぜひ、県当局におかれましても、安全・安心の社会を実現していくためにも、子どもたちが夢を持って生きていけるためにも、県行政の大前提としての平和政策にしっかりと取り組んでいただくよう強く要望してこの質問を終わらせていただきたいと思います。

 先ほど、知事の御指摘ありました戦後の62年という、63年でございます。訂正させていただきます。

 それでは、二つ目の新型インフルエンザについて質問をさせていただきます。

 この冬も例年のようにインフルエンザが県内各地で流行し、松阪市内でも小・中学校、幼稚園では学級閉鎖が出てきました。地元の新聞でも報道されております。そういったふだんのインフルエンザのことではなく、新型インフルエンザということで質問させていただくわけでございます。

 年が明けまして、今年の1月12日と13日、土曜日、日曜日でございますが、2夜連続でNHKスペシャル「シリーズ最強ウイルス」という番組が報道されております。ごらんになられた方も多かったのではないかと思います。新型インフルエンザが大流行するというものでございます。第1夜はドラマでございまして、「感染爆発〜パンデミック・フルー」というタイトルで、日本海に面するある村で、H5N1型新型インフルエンザが確認され、そこから封じ込めの包囲網を破って東京じゅうに蔓延するという、東京でインフルエンザの爆発が起こるということでございます。そういうドラマでございました。そして、行政機能が麻痺するということでした。第2夜は調査報告、報道番組のような形で新型インフルエンザの恐怖ということでございました。新型インフルエンザの大流行、世界流行が秒読み段階に入っているというふうにその番組でも報道されております。

 死者数でございますが、厚生労働省では64万人、日本でございますけども試算しております。しかし、中には、日本だけで2000万人、世界では1億人を超えるという専門家もあるというようなことでございました。この番組を見まして、これは大変なことだなと私は感じたわけでございます。

 県民しあわせプラン第二次戦略計画の中の政策、安全な暮らしの確保と安心できる環境の創造の中の施策、感染症対策の推進、その中では、新型インフルエンザ等の発生を想定した訓練、研修、その実施、防疫用薬品、資材の備蓄等が書かれております。また、基本事業の感染症、危機管理体制の確保にも同じような内容の文章が載っております。

 ただ、これを読ませていただいて、本当にこれでいいのかな、大丈夫なのかなというふうに思ったわけでございます。新型インフルエンザをエイズや結核などと同じ単なる感染症の一つととらえてみえるように思ったからでございます。そうだとすると、ちょっとこれは危険なことではないかなと思うわけでございます。新型インフルエンザを他の感染症とは別に扱い、その対策を一つの基本事業として新たに打ち出すべきではないかなというふうに思ったところでございます。

 この新型インフルエンザに対する免疫を私たち人間が持っておりません。だから、大爆発、爆発的な流行、大流行、パンデミックというわけですけども、起こるとされているわけです。過去には、1918年、大正7年、いわゆるスペイン風邪で世界じゅうで4000万人、日本では約39万人という数字でございます。亡くなっております。アメリカのCDC、疾病予防管理センターのモデルで類推しますと、日本では64万人が亡くなると予想されております。三重県に当てはめてみますと、最大37万人が病院にかかり、3万人が入院し、9400人が亡くなるという数字でございます。もちろん想定であり、推計でございまして、そしてまた、ワクチンやウイルス薬等の効果や衛生状況は考慮されていないという中での数字ですが、大変大きな数字と言わざるを得ません。

 こうした状況の中で、国のほうでは、2005年、平成17年11月に行動計画を策定しました。三重県でも同年12月27日、知事の会見で県の行動計画が公表されております。その中で、いわゆる抗インフルエンザ薬、タミフルの備蓄についても15万2000人分を確保するということがその場で言われております。既に、タミフルにつきましては、この15万2000人分の備蓄が3億5791万1400円をかけて完了されております。また、陰圧テントだとか、アイソレーター等も購入されております。図上訓練、実施訓練もなされております。今日も、恐らく今、この時間帯に訓練が四日市の市立病院で実施されているというふうに伺っております。

 現在、鳥から人への感染が見られるが、人から人への感染は見られない、いわゆるフェーズ3の段階でございます。ここで、パネルを見ていただきたいと思います。(パネルを示す)この表でございますが、WHOがまとめたデータでございます。この表によりますと、2003年以降、今年の1月24日までの数字をまとめたものでございまして、インドネシアでは120人が鳥から人に感染し、98人が亡くなっている。ベトナムでは102人が感染し、48人が亡くなっている。東南アジアを中心に、ごらんのように14カ国、353人が発症しまして212人が亡くなっております。死亡率63%ということでございます。余りにも誇大に不安をあおる必要はないと思いますが、県民の不安を取り除かなければならないと思います。早急に県民に正しい情報を提供していくことが必要なんだろうと思います。

 地震対策といいますと、県民のほうも地震や津波に対する危機意識は随分高まっているようですが、この新型インフルエンザについては余りにも知らなさ過ぎるのではないかなと思います。備えあれば憂いなしの言葉どおりでございまして、パンデミックが起こるという前提のもとで対応をお願いしたいと思います。

 そういった中で、対応マニュアル、フェーズ3が既にでき上がっておりますし、フェーズ3から4のマニュアルも3月末までにはできるというふうに伺っております。しかし、最悪のパターンを想定しますと、やはりパンデミック期、フェーズ6のマニュアルまで早急に作成すべきではないかなというふうに思っております。いかがでしょうか。

 最も心配することは、パンデミックが起こったときに、県の行政機能、社会機能が麻痺をし、社会秩序が崩壊し、県民がパニックに陥ることではないかと思います。そのとき県の危機管理能力が問われるものと思います。マニュアルを作成して徹底的に訓練をすることは大変大事なことでございます。しかし、あくまでも相手は生物でございます。マニュアルは基本にし、対応は臨機応変に願いたいと思います。最後は知事の御判断ということになるのでしょうか。

 一昨日、ある新聞の社説に、危機に直面したときにその人の地金があらわれるというが、組織も同じであるという言葉が載っておりました。私自身含めまして、お互いに心しなければならないというふうに思ったところでございます。そこで、この世界流行が秒読み段階に入ったと言われる今でございます。もしも大流行となれば多くの県民の命が奪われることは必至でございます。県民の安全・安心、そして何よりも命にかかわる新型インフルエンザ対策につきまして、県としてどのように考えてみえるのか、具体的にお答えいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

   〔健康福祉部長 向井 正治君登壇〕



◎健康福祉部長(向井正治君) 議員お尋ねの新型インフルエンザに対する県の対応についてお答えいたします。

 議員も御紹介していただきましたように、新型インフルエンザ、最後のインフルエンザの大流行といいますのは1968年の香港インフルエンザ、いわゆる香港風邪でございます。それから既に40年が経過しております。議員も御紹介ありましたように、近年、東南アジアを中心にしまして、高病原性鳥インフルエンザ、要するに高い病原性を持った強毒型の鳥インフルエンザが流行しております。鳥から人への感染も報告されております。それが、議員も言われましたように、人人感染、人から人への感染する新型インフルエンザの発生と、その危険性が非常に高まっているところでございます。発生した場合には、人類のほとんどがこのウイルスに免疫を持っておりません。そういった関係で、容易に人から人へ感染して爆発的に広がってしまうと、いわゆる社会的大流行、パンデミックというのが引き起こされ、大きな健康被害と、これに伴う社会的影響が非常に懸念されているところでございます。

 こういうことから、国におきましては、平成17年11月に、新型インフルエンザ対策行動計画を策定いたしております。それを受けまして、県におきましても、平成18年11月に、三重県新型インフルエンザ対策行動計画を策定するとともに、流行段階に応じた各マニュアルを順次作成して発生に備えているところでございます。

 県の行動計画に基づく取組といたしましては、平成17年から、抗インフルエンザウイルス薬のタミフルの備蓄を開始して、今年度、目標量であります15万2000人分の備蓄を完了したところでございます。また、発生時に的確な対応ができるように、患者搬送用の自動車、陰圧テント、アイソレーター、患者輸送用の陰圧装置、患者が入れる大きなカプセルでございます、防護服、防護マスク等の防疫用資材の備蓄を行いまして、これらの資材を使って関係機関との研修や実地訓練を行うとともに、関係機関との情報交換、検査機能の強化など体制の整備、強化に取り組んでいるところでございます。

 訓練といたしましては、平成18年1月に、県庁舎におきまして図上訓練を初めて行いました。これまで、患者搬送の実地訓練等様々な訓練を行ってきております。最近では、今月の21日に、中部国際空港の空港施設で行われました東海北陸厚生局の訓練に参加したところでございます。また、昨日28日には、同じく中部国際空港の空港施設と飛行機の機内での名古屋検疫所中部空港検疫支所が実施しました訓練にも参加しております。本日は、議員より御紹介ありましたように、市立四日市病院で発熱外来等の実施訓練が行われておるところでございます。

 また、そういった行政側の対応もさることながら、実際に流行時の感染の拡大を防止するためには、県民の皆さんの正しい理解、そして冷静な行動が必要でございます。例えば、そういう際に当たりましては、できるだけ外出を控える。外出のときには必ずマスクを着用する。また、帰宅したときには必ずうがいと手洗いを行う。そういう基本的なところ、そういったところの非常に冷静な行動が必要でございます。こういった取組について普及するために、市町、コミュニティー、企業等を対象にしました講演会、研修会の開催とか、三重県感染症の情報センターによるホームページでの公開、また、感染症情報メールの配信などによる啓発を行っているところでございます。

 このように、県では行動計画に従いましてマニュアル等を整備しまして、パニック防止を含め、的確で必要な情報を県民の皆さんに伝えまして新型インフルエンザ発生の危険に備えた冷静で的確な取組を進めてまいりたいと、かように考えております。

   〔12番 後藤 健一君登壇〕



◆12番(後藤健一君) 御答弁ありがとうございます。

 今の御答弁で県民がどれだけ安心できたのかということでございます。私も、松阪市の市民病院、健康センター、また、松阪保健所、また、自宅近くの開業医の方などに聞き取りをさせていただきました。まだフェーズ3でしょうという言葉に代表されますが、全く危機感が伝わってきません。県当局から各保健所を通じて指導がどうなっているのか、県の方針がどうもはっきりしていないのではないかなというようなことがちょっとわかってきたと思います。

 そこで、2点、再質問させていただきたいと思います。

 一つは、知事の2005年、平成17年の関係の中でおっしゃってみえます、現実にはそれぞれの地域で対応しなければいけませんから、私ども県、あるいは市町、この場合は市町村だったようでございますが、十分連携をとってやっていかなければならないと発言されています。そのことも踏まえまして、ネットワークの構築、連携等についてどのように進めていかれるのかお教えいただきたいと思います。

 それから、2点目ですが、2008年度の当初予算で、793万9000円が計上されております。その中にはタミフルの備蓄を増やすというような項目がございません。最大37万人が病院にかかるかもしれないと言われております。国でも備蓄をされておりますが、新たに県で増やす考えはないのか聞かせていただきたいと思います。

 そしてまた、総合システムの活用とありますが、ちょっとわかりにくいわけでございまして、一体どのようなことを考えてみえるのか、されるのか、お教えいただきたいと思います。



◎健康福祉部長(向井正治君) 議員お尋ねの感染症の危機管理ネットワークでございますけれども、感染者の発生に際しまして、関係機関が連携して的確に対応する、そういう仕組みでございます。地域の医療機関、医師会、警察、消防、市町等の参加を得まして、保健所単位、9はございますが、その保健所単位ごとに設置していくものでございます。迅速な情報収集と共有を行う体制の整備充実に向けまして、県内の感染症指定医療機関とともに連携しまして、今後も研修訓練等による連携の強化を図ることといたしております。

 もう一つ、感染症の危機管理システムでございますけども、これは総合的なものでございまして、今、御説明申し上げました感染症危機管理ネットワークもその中の一つの項目でございます。二つ目には、感染症に係る正確な情報を迅速に収集、提供します三重県の感染症情報センター、それからもう一つ、科学技術振興センターの保健環境研究部、それから津保健所が備えております迅速なウイルス検査を行うための検査機能と、その三つのところからなるこれを感染症危機管理システムと呼んでおります。それぞれの機能が十分に発揮できるように緊密な連携を図ることといたしております。

 タミフルの件でございますけども、これにつきましては、国におきまして、備蓄目標が全人口の25%と、そういうふうに想定されまして、それに沿った形で県におきましても人口割で15万2000人分というのを備蓄したものでございます。今後、ワクチンの開発とか国の備蓄動向、国からのいろいろな想定も変わってまいるかもわかりませんけども、当面のところ、こういった想定の中で県としてもタミフルの備蓄を完了したところでございます。

   〔12番 後藤 健一君登壇〕



◆12番(後藤健一君) ありがとうございます。

 この新型インフルエンザに係りましては、御存じかと思いますが映画ができるそうでございます。「感染列島」という題名で来年1月完成予定。主演、妻夫木聡さん、ヒロイン、檀れいさんだそうでございます。私も気になるところでございますが、いずれにしましても、不安をあおるものではなく不安を解消するものでなければならないと思っております。不安を解消するためにもしっかりした取組をお願いしたいと思います。県民の命にかかわるこのパンデミックということでございます。何千人もの方が亡くなられるということになります。ひょっとしますとその中の1人に、私が、そして皆さん方が含まれるかもしれないということでございます。187万県民の命を守り、安全・安心に暮らせるよう、再度県当局の強い取組を要望し、この質問を終わらせていただきたいと思います。

 それでは、最後の質問に移らせていただきたいと思います。一人ひとりが大切にされる社会の実現に向けて、特に、障がい者に対する人権施策について質問をさせていただきたいと思います。

 先ほどの質問でも申し上げましたように、私たちは、だれしも一人ひとりが本当に大切にされる社会の実現を強く望んでおります。しかし、現実は一体どうでしょうか。この地球上に人間として生を受けた以上、等しく人間らしく生活できる権利を皆持っているはずでございます。障がいがあるとかないとかにかかわらずでございます。

 千葉県では、2006年10月、障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり条例が制定されております。そして、2007年7月に施行されております。その前文には次のように書かれております。少し長いですが引用させていただきたいと思います。「障害のある人もない人も、誰もが、お互いの立場を尊重し合い、支え合いながら、安心して暮らすことのできる社会こそ、私たちが目指すべき地域社会である」さらに、「このような地域社会を実現するため、今、私たちに求められているのは、障害のある人に対する福祉サービスの充実とともに、障害のある人への誤解や偏見をなくしていくための取組である」と続いております。

 この条例制定までの取組につきましては、昨年11月25日、津市白山総合文化センターで開催されました障がい者福祉フォーラムの中で、毎日新聞夕刊編集部長、野沢和弘さんの講演で詳しく述べられております。障がい当事者の声をもとに悔しい思いをしたこと、嫌な思いをしたこと、苦労したこと、困ったこと、排除されたこと、そしてばかにされたことなど、いろいろ事例を集められる、そういうことから始められたようでございます。

 松阪市では、既に、障がい者福祉計画を策定する基礎資料として、2005年、平成17年10月に、松阪市障がい者・障がい児実態調査を実施しております。三重県におかれましても、このような調査がなされておるということであれば、またその結果を教えていただきたいというふうに思っております。野沢さんの言葉では、三重県は千葉よりもはるかに、いわゆるこういう条例づくりの下地ができているというようなことでございました。

 一昨年の2006年12月、国連総会におきまして障がい者の権利条約が全会一致で採択されております。日本政府は、昨年9月28日、署名をいたしました。この障がい者の権利条約を日本政府が署名したということは、いずれ批准するという意思をあらわしたものと思います。条約が批准されますと、国内法、政令、条例が変わり、私たちが目指す障がいのある人もない人もともに暮らしやすい地域社会の実現に向けて大きく前進することは明らかでございます。子どもの権利条約は批准するまで5年かかっております。そうならないよう一日も早い批准を日本政府に求めていきたいというふうに思っております。

 こうした状況の中で、三重県でも様々な団体、NPO等が障がい者の権利条約の早期批准と障害者差別禁止法の制定、そして三重県として障がいのある人の権利に関する条例、仮称でございますが、その制定を求めて運動を広げております。私自身も、過日、津駅での街頭署名活動にも参加してきました。これまでに、署名の数でございますが、1万6561筆、2月27日現在でございます。その数に上っております。この数でございますけども、本当にたくさんの方が理解し、賛同し、署名していただいております。そういう皆さんの願いを何としても実現したいと思っているところでございます。私ども、新政みえでも、このことにつきまして障がい当事者の方からお話を伺い学習してきたところでございます。

 県民しあわせプラン第二次戦略計画の中でも言われております新しい時代の公、行政だけでなく多様な主体の参画というふうに言われております。その多様な主体の一つである障がい種別の団体やNPO等の参画のもとに、障がい者差別をなくす県条例の制定に向けて、まず、その環境づくりに取り組んでいただきたいと思います。

 ここで、ところがということになるんですが、この運動していますNPOの代表者が差別発言を受けるというようなことが起こりました。この国連障害者権利条約の公開学習会を人権センターに申し込んだわけですが、会場をちょっとお借りしたいということで、そのとき、県の職員と電話でのやりとりの中で起こったということでございます。私は、この報告を初めて聞いたとき、怒りを通り越して情けないというか、悲しいというか、そういう複雑な感情に変わっていきました。人権センターとは一体何をするところだったのかと言いたくなりました。

 第二次戦略プランの施策の一つとして、人権尊重社会の実現に取り組まれておるはずでございます。人権が尊重される三重をつくる条例の普及等の啓発活動にも取り組まれているはずでございます。その中には人権センターへの来館者数が上げられておりますが、その来館者数を増やすということよりももっと大事なことがあるのではないかと思っております。

 三重県では、人権が尊重される三重をつくる行動プランができております。その中の施策の一つに、人権課題のための施策の中で障がい者の県の取組として障がいのある人や障がい自体に対する社会における理解を広めるための啓発活動とも書かれております。人権センターは、そういった活動の拠点、中核をなすものだというふうに理解するわけでございます。

 そこで、三重県の障がい者福祉政策、とりわけ障がい者の人権に対する施策について2点にわたって聞かせていただきたいと思います。このような差別の実態が明らかになってきました。一つは、障がい者に対する差別をなくすために県として今後どのような取組を進めていこうと考えてみえるのか。二つ目は、この差別発言についてでございます。既に、当事者同士は和解もされているというふうに伺っております。県として、この問題をどのようにとらえ、今後どのように生かしていこうと考えてみえるのか、人権センターのあり方も含めまして責任ある御答弁をお願いするものでございます。

   〔生活部長 安田 正君登壇〕



◎生活部長(安田正君) 御答弁申し上げます。

 平成17年度に作成いたしました三重県人権施策基本方針では、一人ひとりの身近な暮らしや地域の活動の中で、それぞれの人格や個性を尊重し、互いの存在を認め合う人権が尊重されるまちづくりを人権施策の基本方針と位置づけまして、障がいのある人もない人もすべて同じ社会の構成員として地域社会でともに暮らす共生社会を実現するということを目指しております。

 こうした共生社会を実現していく上で、意識や物理的な障壁を取り除き様々な活動への参加を促すとともに、多様な就労環境づくりなど各種の取組を進めていく必要があると考えております。このため、県民の皆さんが障がいに対する正しい理解と障がいのある人の人権についての認識を深められますよう、市町と関係機関と連携いたしまして、各種広報媒体や集会など、様々な機会を通じまして広報、啓発を努めておるところでございます。

 また、物理的な障壁を取り除くため、まちづくりに参加する個人、企業、団体、行政などは、人権を尊重した活動を行うことを基本としながら、三重県ユニバーサルデザインのまちづくり推進条例というのがございますので、これに基づき取組を進めてまいります。さらに、就労面での支援といたしましては、国や企業と連携いたしまして、障がいのある人の働く意欲と能力、適性に応じた雇用を促進し、障がいのある人とともに働ける環境づくりを進めてまいります。

 こうした取組を庁内関係部、関係機関等が連携をして進め、障がいのある人もない人も互いの人権を尊重し合い、障がいのある人自らが生きていくことに誇りを持ち夢や希望を抱くことができる社会、地域でともに暮らす共生社会の実現に努めてまいりたいと考えております。

 御指摘ございました人権センターにつきましては、人権に関する研修、啓発の中核機関でございます。この人権センターがこのような役割を十分担っていくためには、そこに勤務する職員は、より高い人権感覚、知識を持って業務に当たることが求められます。今回、障がいのある方に対しまして心を傷つけてしまったということはまことに私としては残念なことであり、反省すべきことだと考えております。

 今回、これまでの人権センターの職員研修に県の福祉施設等における体験的な実習等の研修を取り入れまして、研修方法をさらに工夫しながら一層研修内容の充実を図ってまいりたいと思います。また、職員自らが主体的に自己研さんに取り組みまして、そういうことに取り組んでいくという、そういう機運を人権センター内につくりまして、拠点施設に勤務する職員としてふさわしい資質、人権感覚の向上に努めてまいりたいと考えております。なお、センターの運営につきましても利用者の視点に立って施設運営に努めてまいりたいと思いますので、御理解を賜りますようお願い申し上げます。

 以上でございます。

   〔12番 後藤 健一君登壇〕



◆12番(後藤健一君) 御答弁ありがとうございます。

 今の部長の答弁をしっかりと受けとめておきたいというふうに思います。私ども、障がい当事者の願いや思いをこれからも県当局で受けとめていただき、その声を県のすべての障害者福祉政策に反映していただきたいという思いでございます。とりわけ、県として今回の問題をきちっと総括し、障がいのある人もない人もともに暮らしやすい地域社会の実現に向けて、やはり障がい者差別をなくすための条例の制定に向けて、県当局としましても一歩を踏み出していただくことを強く要望しておきたいと思います。時間になったようでございます。これで、私の質問を終結させていただきたいと思います。

 ありがとうございました。(拍手)



○副議長(桜井義之君) 以上で、本日の県政に対する質問を終了いたします。



△請願の一部訂正



○副議長(桜井義之君) 日程第2、請願一部訂正の件を議題といたします。

 総務生活常任委員会において継続審査中の請願第16号について、お手元に配付の請願訂正一覧表のとおり、提出者から訂正願が提出されました。

 お諮りいたします。本件を許可することに御異議ありませんか。

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○副議長(桜井義之君) 御異議なしと認めます。よって、本件は許可することに決定いたしました。

 これをもって本日の日程は終了いたしました。

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△請願訂正一覧表


委員会名受理
番号事  項訂正前訂正後
総務生活請16自主的な共済を新保険業法の適用除外とする意見書を国に提出を求めることについて(要旨中記)
 1自主的な共済を新保険業法の適用除外にすること。
 2平成20年3月末までの経過措置期限を延長すること。(要旨中記)
 1自主的な共済を新保険業法の適用除外にすること。


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△休会



○副議長(桜井義之君) お諮りいたします。明3月1日から3日までは休会といたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○副議長(桜井義之君) 御異議なしと認め、明3月1日から3日までは休会とすることに決定いたしました。

 3月4日は、定刻より、追加議案の上程並び議案に関する質疑を行います。



△散会



○副議長(桜井義之君) 本日はこれをもって散会いたします。

               午後3時2分散会