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三重県 三重県

平成19年第2回 6月定例会 06月12日−02号




平成19年第2回 6月定例会 − 06月12日−02号









平成19年第2回 6月定例会



                平成19年第2回

              三重県議会定例会会議録



                 第 2 号



            〇平成19年6月12日(火曜日)

          ──────────────────

             議 事 日 程(第2号)

                   平成19年6月12日(火)午前10時開議

 第1  議案訂正の件

 第2  議案第1号から議案第31号

         〔質疑・質問(代表)〕

 第3  検討会設置の件

          ──────────────────

             会 議 に 付 し た 事 件

 日程第1  議案訂正の件

 日程第2  議案第1号から議案第31号

 日程第3  検討会設置の件

          ──────────────────

             会議に出欠席の議員氏名

 出席議員  51名

    1  番            山 中  光 茂 君

    2  番            津 村    衛 君

    3  番            森 野  真 治 君

    4  番            水 谷  正 美 君

    5  番            村 林    聡 君

    6  番            小 林  正 人 君

    7  番            奥 野  英 介 君

    8  番            中 川  康 洋 君

    9  番            今 井  智 広 君

    10  番            杉 本  熊 野 さん

    11  番            藤 田  宜 三 君

    12  番            後 藤  健 一 君

    13  番            辻    三千宣 君

    14  番            笹 井  健 司 君

    15  番            中 村    勝 君

    16  番            稲 垣  昭 義 君

    17  番            服 部  富 男 君

    18  番            竹 上  真 人 君

    19  番            青 木  謙 順 君

    20  番            中 森  博 文 君

    21  番            末 松  則 子 さん

    22  番            中 嶋  年 規 君

    23  番            真 弓  俊 郎 君

    24  番            北 川  裕 之 君

    25  番            舘    直 人 君

    26  番            日 沖  正 信 君

    27  番            前 田  剛 志 君

    28  番            藤 田  泰 樹 君

    29  番            田 中    博 君

    30  番            大 野  秀 郎 君

    31  番            前 野  和 美 君

    32  番            水 谷    隆 君

    33  番            野 田  勇喜雄 君

    34  番            岩 田  隆 嘉 君

    35  番            貝 増  吉 郎 君

    36  番            山 本    勝 君

    37  番            吉 川    実 君

    38  番            森 本  繁 史 君

    39  番            桜 井  義 之 君

    40  番            舟 橋  裕 幸 君

    41  番            三 谷  哲 央 君

    43  番            中 村  進 一 君

    44  番            西 塚  宗 郎 君

    45  番            萩 野  虔 一 君

    46  番            永 田  正 巳 君

    47  番            山 本  教 和 君

    48  番            西 場  信 行 君

    49  番            中 川  正 美 君

    50  番            藤 田  正 美 君

    51  番            岩 名  秀 樹 君

    52  番            萩 原  量 吉 君

   (42  番            欠        番)

          ──────────────────

          職務のため出席した事務局職員の職氏名

   事務局長                 宮 村  由 久

   書記(事務局次長)            神 田  要 文

   書記(議事課長)             青 木  正 晴

   書記(企画法務課長)           内 藤  一 治

   書記(議事課副課長)           岡 田  鉄 也

   書記(議事課主査)            西 塔  裕 行

   書記(議事課主査)            鈴 木  さおり

          ──────────────────

            会議に出席した説明員の職氏名

   知事                   野 呂  昭 彦 君

   副知事                  望 月  達 史 君

   出納長                  土 橋  伸 好 君

   政策部長                 戸 神  範 雄 君

   総務部長                 福 井  信 行 君

   防災危機管理部長             中 西  正 明 君

   生活部長                 安 田    正 君

   健康福祉部長               向 井  正 治 君

   環境森林部長               小 山    巧 君

   農水商工部長               中 尾  兼 隆 君

   県土整備部長               野 田  素 延 君

   政策部理事                長 田  芳 樹 君

   政策部理事                高 橋  陽 一 君

   政策部東紀州対策局長           坂 野  達 夫 君

   環境森林部理事              松 林  万 行 君

   農水商工部観光局長            大 森    久 君

   県土整備部理事              高 杉  晴 文 君

   企業庁長                 横 山  昭 司 君

   病院事業庁長               田 中  正 道 君

   副出納長兼出納局長            堀 木  稔 生 君

   政策部副部長兼総括室長          山 口  和 夫 君

   総務部副部長兼総括室長          真 伏  秀 樹 君

   総務部総括室長兼室長           稲 垣  清 文 君

   防災危機管理部副部長兼総括室長      若 林  隆 博 君

   生活部副部長兼総括室長          南      清 君

   健康福祉部副部長兼総括室長        太 田  栄 子 さん

   環境森林部副部長兼総括室長        長 野    守 君

   農水商工部副部長兼総括室長        大 森  秀 俊 君

   県土整備部副部長兼総括室長        山 本  浩 和 君

   企業庁総括室長              林    敏 一 君

   病院事業庁総括室長            東 村  良 重 君

   総務部副室長               坂 三  雅 人 君



   教育委員会委員長             山 根  一 枝 さん

   教育長                  安 田  敏 春 君

   教育委員会事務局副教育長兼総括室長    鎌 田  敏 明 君



   公安委員会委員長             水 谷  令 子 さん

   警察本部長                大 庭  靖 彦 君

   警察本部警務部総務課長          福 島  隆 司 君



   代表監査委員               鈴 木  周 作 君

   監査委員事務局長             天 野  光 敏 君



   人事委員会委員長             渡 辺  八 尋 君

   人事委員会事務局長            溝 畑  一 雄 君



   選挙管理委員会委員            岡 田  素 子 さん



   労働委員会事務局長            吉 田  敏 夫 君

          ──────────────────

               午前10時1分開議



△開議



○議長(岩名秀樹君) ただいまから本日の会議を開きます。



△諸報告



○議長(岩名秀樹君) 日程に入るに先立ち、報告いたします。

 知事から、会議規則第15条号第2項の規定により、議案訂正の申し出がありましたので、お手元に配付いたしました。

 次に、今期定例会に提出されました、議案第16号及び議案第25号について、地方公務員法第5条の規定により人事委員会の意見を求めましたところ、お手元に配付の文書のとおり意見が提出されましたので、ごらんおき願います。

 以上で報告を終わります。

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△議案の訂正について



件 名  議案第二十三号 三重県都市公園条例の一部を改正する条例案



訂正内容


事項現行第十四条の七の改正規定
頁数二頁
行数三十行及び三十一行
訂正前 第十四条の七に次の一号を加え、同条を第十四条の八とする。
 三 第十四条の五第二項の規定により利用料金を承認したとき。
訂正後 第十四条の七第一号中「前条第二項」を「第十四条の六第二項」に改め、同条に次の一号を加え、同条を第十四条の八とする。
 三 第十四条の十六第二項の規定により利用料金を承認したとき。




訂正理由

 条の追加に伴い引用部分に生じる条のずれ及び追加した条の記載誤り

          ──────────────────



△人委第40号

                        平成19年6月7日



  三重県議会議長 様



                     三重県人事委員会委員長



   地方公務員法第5条の規定による条例に対する意見について



 平成19年6月7日付け三議第6−1号でお尋ねのありました次の議案に対する本委員会の意見は別紙のとおりです。



                  記



議案第16号  三重県職員退職手当支給条例の一部を改正する条例案

議案第25号  公立学校職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例案





別 紙 1



三重県職員退職手当支給条例の一部を改正する条例案に対する人事委員会の意見



 三重県職員退職手当支給条例の一部を改正する条例案は、雇用保険法等の一部を改正する法律の施行に伴い、失業者の退職手当の受給資格要件を改めるほか、所要の改正を行うものであり、適当と認めます。





別 紙 2



   公立学校職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例案に対する人事委員会の意見



 公立学校職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例案は、雇用保険法等の一部を改正する法律の施行に伴い、失業者の退職手当の受給資格要件を改めるほか、所要の改正を行うものであり、適当と認めます。

          ──────────────────



△議案の訂正



○議長(岩名秀樹君) 日程第1、議案訂正の件を議題といたします。

 去る6月7日、知事から提出されました、議案第23号 三重県都市公園条例の一部を改正する条例案について、6月8日付をもって訂正したい旨の申し出がありました。

 お諮りいたします。議案第23号の訂正については、会議規則第15条第1項の規定により、これを許可することに御異議ありませんか。

       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○議長(岩名秀樹君) 御異議なしと認めます。よって、本件は許可することに決定いたしました。



△代表質問



○議長(岩名秀樹君) 日程第2、議案第1号から議案第31号を一括議題とし、各会派の代表による質疑並びに県政に対する質問を行います。

 通告がありますので、順次発言を許します。41番 三谷哲央君。

       〔41番 三谷 哲央君登壇・拍手〕



◆41番(三谷哲央君) おはようございます。桑名市・桑名郡選出、三谷哲央でございます。今日は、新政みえを代表いたしまして、当面の県政の課題につきまして質問をさせていただきたいと思っておるところでございます。

 また、知事におかれましては、2期目の御当選、まことにおめでとうございます。心からお祝いを申し上げたいと思います。2期目になりまして、今までも大変自信にあふれておられた知事でございますが、なお一層自信にあふれられているような感じがございまして、大変力強く、頼もしく感じるところでございますが、議員の声にも少し謙虚に耳を傾けていただいて、しっかりとした県政運営を期待するところでございますし、また、今日はできるだけ柔軟に、かつ前向きな御答弁を期待をいたしたいと思っておるところでございます。

 それでは、通告に従いまして質問を順次させていただきたいと思います。

 まず最初に、三重県自治憲章について、質問並びに提案をさせていただきたいと思います。

 知事は、提案説明で第二次戦略計画に触れ、その中で、第二期地方分権改革への対応としてこのように述べられております。「地方分権改革推進法が平成19年4月に施行され、第二期地方分権改革がスタートしました。道州制の議論も活発化しつつあります。地域主権の社会の実現に向けて、国と地方の役割を明確化し、地方の自主性、自立性が高まるよう、まずは第二期地方分権改革が着実に進められることが必要であり、道州制の議論は中長期的な課題として議論されるべきものと考えます。また、国土、県土を支える地域社会を、市町や県民の皆様と一緒に魅力的で足腰の強いものにしていくという基本的な視点が重要です。」こういうふうに結んでおられるわけであります。

 この認識は基本的に正しいと思います。地方の自主性、自立性を高めるためには、税財源の移譲など、分権の推進は必要不可欠な課題であり、知事の立場としてそれを主張されるのはごく当然だと思っております。しかし、同時に、分権の推進だけで地域主権の社会が実現するわけではありません。そもそも論で申し上げますと、分権は地方行政のカテゴリー、主権は地方自治のカテゴリーだと思います。中央政府がいろいろと持っている様々な権限、財源を地方に文字どおり分権していく、分権してくる、これが地方分権の本来持っている意味であり、それなくして地方の自主性、自立性を高めることはできない。知事のまさにおっしゃるとおりであります。

 では、主権とは何か。それは、国によって与えられるものでもなければ、地方自治法によって与えられるものでもない。県民が、あるいはその地域に住む人たちが、自らの社会のルールを自らの意思によって決定する権利、自己決定権、だれからも与えられたものではない、住民が固有に持つ権利、それが主権であると思います。であるがゆえに、三重県で言えば、その権利を持っている人、すなわち三重県民が主権者と呼ばれるゆえんは、まさにここにあるんだろう、こう考えておるところでございます。そして、その主権者が、自分たちの思いを実現できる社会、自己決定権を行使できる社会、これが地域主権の社会であると思います。また、理想ではあっても、その社会をつくり上げるために努力を重ねることも同時に我々の責務だと考えておるところでございます。

 それでは、本来あるべきといいますか、理想とすべき地域主権の社会とはどういうものか、これを考えてみますと、これはいろいろ諸説あるところでございますけれども、例えば、国連で協議されております世界自治憲章やもう既にございますヨーロッパ自治憲章では、近接性や補完性の原則を自治の普遍的な原則としているところですし、イギリスの植民地からの独立という歴史を経験しているアメリカのシティーチャーターなどは、自治とは自己完結型であるとの考えに立って、地域における住民の自己決定権は住民固有の権利であるとうたっているところが多いようでございます。それゆえに、自治体経営の組織運営に関する自己決定や自治体独自の住民の権利、義務の規定などが地域主権の必須条件となっておると、そのように考えております。

 これらの諸外国の例などを参考に考えてみますと、我が国の場合では、憲法92条の自治の本旨に即して、自治体の設立、組織運営に関するすべての権限を包括的にその地域住民固有のものであると認めることを前提とした社会、言いかえれば、自治体が固有の自治権に基づいて定めるルールに従って運営される社会が地域主権の社会であると言えると思います。

 こんな小難しい話ばかりしておりますと、また学校の授業のようだと、そのようなことでおしかりをいただくかもわかりませんが、今日ほど、先ほど来申し上げておりました住民固有の権利、自己決定権が地域主権であるということを再認識、再確認する必要があるときはないと思います。まさにその時代であると思います。

 知事がおっしゃるように、地方分権推進法がこの4月にスタートをしました。道州制の議論も活発化しつつあります。このときであるがゆえに、三重県のことは三重県民が決める。これはだれからも与えられたものではない、住民固有の権利である。国の法律以前にこの自己決定権は主権者たる県民が本来持っている権利なんだ。我々は、この権利に基づいて定めるルールに従って運営される社会、すなわち地域主権の社会の実現に向けて進んでいくのだということを明確にしておく必要があると思います。明文化する必要があると思います。

 また、明文化することにより、例えば今のような国の財政論から出発してきたと思われる道州制議論がこのまま進んできて、国の法律で一方的にその区割りが決定されようとしたようなときでも、我が三重県の形は私ども三重県民が決めます、こう主張できるわけです。これは何人も侵すことのできない県民固有の権利であると国に対して堂々と主張ができることになりますし、その根拠も示すことができると思います。

 私ども議会は、昨年の12月に議会基本条例を制定し、知事と議会の関係、議会と県民の関係を明らかにし、その権能と責務を書き示したところでございます。今度は三重県自治憲章と呼ぶのがふさわしいかどうかわかりませんが、三重県が実現に向けて進んでいる地域主権の社会の全体像を明らかにし、これから紆余曲折が予想される地方自治にとって、少なくとも三重県が進むべき道の間違いのないようにしなければならないと考えております。

 改めて知事の地域主権の社会に対するお考えをお伺いいたしますとともに、今申し上げました三重県自治憲章についても御所見をお伺いしたいと思います。

       〔知事 野呂 昭彦君登壇〕



◎知事(野呂昭彦君) まず、第二期地方分権改革についてでありますけれども、平成19年4月1日に地方分権改革推進法が制定をされまして、第二期地方分権改革がスタートしております。5月30日に地方分権改革推進委員会から、自治行政権、自治財政権、自治立法権を有する完全自治体を目指す取組でありますとか、法令の上書き権を含めた条例制定権の拡大の取組など、地方分権改革推進に当たりましての基本的な考え方が示されまして、本格的な議論が始まったところでございます。

 先般、近畿ブロックの知事会議がございましたときに、私ども、改革推進委員会の事務局長をされておられます先生をお呼びいたしましてお話を伺いまして、まさに、議論が今どういうふうに行われておるのか、そんなお話を聞いたところでございます。まさに、この国のあり方であるとか、あるいはこの国の形そのもの、そういった重要な議論がなされておるところでございます。

 今後、議員もおっしゃいましたように、地方の自主性だとか自立性を高めるというようなこと、これはもちろん大事なことでございまして、そういう意味では大変期待するところ大であります。しかし、逆に、これまでの三位一体の改革の議論でもそうでありましたが、これまでの国と地方のあり方の議論というものは、必ずしも地方の思いのとおり議論がなされてきておるわけではありませんし、逆にある面で期待を裏切られているというような議論が多くございました。

 そういう意味では、今回この地方分権改革推進委員会が、今の現状とそしてあるべき姿との落差、あるいは地方の思いと国との現状、現実との落差、これをどう乗り越え、そして、それをしっかり担保、展開できるのか、このことに非常に私としては強い関心を持っております。

 したがいまして、今いろんな議論をやりながら進んでおりますので、私どもとしては、例えば知事会の立場、あるいは他府県との連携、こういったことをしながら、国に対してもしっかりと議論を進められるようにしていきたいと、こう思っておるところでございます。

 地域主権のあり方そのものに対して、議員もいろいろおっしゃいました。私も、ほぼ私の考えておることと同じで理解できるところであります。そういう中で、自治憲章ということについて触れられたわけでございますが、ヨーロッパの地方自治憲章であるとか、あるいは国連でも議論をされました世界自治憲章、こういったことにつきましては、さっきお話がありましたように、補完性の原理をはじめとする地方自治の理念とかあるいは哲学を示したものでございまして、地方自治のあり方を検討する上でも、私も本当に大変参考になるものだと、こう思っています。

 しかし、一方で、いわゆる自治憲章という言葉そのものにつきましても確立した定義があるわけではありませんし、また、法的な拘束力のあるものから単なる宣言にとどまるものまで、その位置づけや内容などにつきましても様々な形が考えられるわけでございます。したがいまして、今、国と地方の役割分担などに関する地方分権改革推進委員会やあるいは知事会等の動きがございますから、こういったことをしっかり見きわめていく中で、これからの地域主権の社会についてどう表現をしっかり形づくっていくのか、これからの課題であろうと、こういうふうに思っております。

       〔41番 三谷 哲央君登壇〕



◆41番(三谷哲央君) 今の知事の話は、どちらかといいますと分権論が主の御説明のように理解をさせていただきました。

 確かに、三位一体改革等いろいろ不備なところもございますし、こういうものの本来あるべき分権改革に持っていくということが三重県を含めた地方自治体の自主性、自立性につながってくるんだろう、それを高めることにつながってくるんだろう、そのようには思いますが、やはりここは基本的に主権の議論をしっかりする必要があるだろうと思っています。

 確かに、これからの議論であることももちろん間違いありませんが、これからの大きな国からのいろんな流れに三重県がよって立つその根拠といいますか、よって立つ立場というものを明確にすることによって初めて国に対しても堂々と主張ができ、そして、本来あるべき地方自治体像といいますか、地域主権像というものが実現していく、そういう道が切り開かれてくるのではないか、そのように思っております。

 今の知事の御答弁、少し物足りないというか残念な感じがしておりまして、もう一歩主権論で踏み込んだお話をいただきたい。知事の考えている地域主権社会というのは一体何なんですか。



◎知事(野呂昭彦君) 我が国の場合には、明治以降特にそうでありますが、中央集権国家としてずっと成り立ってまいりました。そういう意味では、新憲法において、地方の本旨としての地方分権、地方自治ということについての高邁な方向というのを言葉で示しながら、しかし、実態としては、その運用は極めて細かいところまで国が決めていくという、そういう中央集権的な体制で来たわけでございます。

 そういう中で、地方においては、さっきもおっしゃいましたように、やっぱり自分たちのことは自分たちで決めていくんだ。特にこれまでは、国が示したいろんなメニュー、その中で、国が国民を幸せにするために引っ張っていくんだから、地方はせめてこのメニューの中から選んで国についてくればいいんだと、そういう考え方が主として成り立っておったところであります。しかし、私たちは、自分たちの生き方やあるいは自分たちの地域のあり方というものにこだわりを持ちながら、この地域のあり方、これは、自分たちが考え、自分たちが決め、そしてやっていく、そういう社会のありようが必要ではないか。そういうことから、国は、おっしゃったように分権という形で表現しても、地方からいえば、自分たちの地域が主役、主体でやるんだと、こういうことで地域主権の社会というものを考えていこうということに三重県としても持っておるところであります。

 しかし、それは、現状の国と地方の関係のいろんな法律等制度の関係からいえば、なかなか今それを取り得る状況がそろっておるわけではありません。むしろ、ほとんどそういうものはまだまだ進んでいないという状況の中で、今私どもは、地方分権をしっかり確立していかなきゃいかんということで、国に対しても対峙しておるところであります。

 一方で、我々は、その受け皿として地域主権の社会というものはどうあるべきなのかということで、例えば、今示しております総合計画の中でも、そういう中では、例えば補完性の原理、これもそうでありますし、そして、それよりも私はもっと重要なものであろうと思っていますが、個の確立、すなわち、補完性を言う場合には、まず住民が自分たちでできることはまず自分たちでやっていくんだと、そういうところを起点にする中で、個の確立の重要性ということもうたっておるところであります。考え方としては、十分これまでの県の総合計画の中等においても、あるいは、県が今進めております質の行政改革、すなわちニューパブリックガバナンス、新しい時代の公であるとか文化力、こういったものの考え方の底辺にも全くそういう考え方の思考をしておるところであります。

       〔41番 三谷 哲央君登壇〕



◆41番(三谷哲央君) こういう議論をしていますとなかなか終わらないので、いつまでもやっているわけにいかないんですが、常にあるべき地域主権の社会というのはどういうものか、これはしっかり議論をしていく必要が当然あると思っています。ややもすると、余り抽象的な話になってしまって具体像が見えてこない。これはやはり全体像を明らかにすることによって初めて、国が言っている様々なこととの落差、また現実との落差、こういうものが明らかになってきて、それをどう埋めていくのか、どう改善していくのかという、そこで初めて方法論も具体化してくると思っておりますので、引き続き地域主権社会の議論というのは続けさせていただきたいと、そのように思っております。

 では次に、新しい博物館構想についてお伺いをいたしたいと思います。

 今さら申し上げるまでもなく、本県における博物館構想は古くて新しいと申しますか、今までいろんな議論が展開され、ある意味では積み上げられてきたテーマでもあります。振り返ってみますと、昭和61年に当時の文化審議会が三重県における博物館構想を答申し、その博物館構想に基づいて平成元年に斎宮歴史博物館がつくられ、平成5年には三重県センター博物館(仮称)基本構想が発表をされておるところでございます。そして、翌年の平成6年にはその基本構想をもとに基本計画が策定され、それ以来、本県の博物館整備はこの基本計画に従って基本設計まで進められてきたのでありますが、平成7年に当選をしました北川知事の時代に入り風向きが一変し、平成8年には基本計画の見直し、続いて平成9年には建設スケジュールなどの再検討、県民主体ソフト事業検討へと、まさに文字どおりハードからソフトへの大転換がなされたのであります。

 このハードからソフトの持つ意味につきましては、後ほどまた改めて述べさせていただくといたしまして、では、博物館構想はその後一体どうなったのかと申しますと、どちらかといいますと自然系の学習の場や生涯学習の分野で整備の必要性が語られたり、訴えられてまいりました。

 例えば、1999年、平成11年に発表されました三重県教育振興ビジョンには、地域の自然・文化遺産の活用の施策の中で、今後とるべき施策の方向として新しい博物館の整備の一項を起こし、「三重県の自然、歴史を子どもたちが総合的に探求する学習の場として奥伊勢フィールド・ミュージアムとの連携も視野に入れた新しい博物館を整備します。」と書かれております。また、同じ時期に県教委が設置をいたしました、新しい博物館を考える懇話会が出しました新しい博物館についての提言におきましては、「三重県にふさわしい自然系に重点を置いた新しい博物館を早期に整備すること。」「地域の博物館とのネットワークを整備し、センター博物館としての機能を持たせること。」「三重県の自然環境の保全を目的とし、基本テーマを『自然との交差点』とする。」また、それにあわせて「準備段階から県民の参加を保障すること。」など、四つの提言を行っております。

 さらに、平成13年に発表されました、三重県生涯学習振興基本計画の中では、生涯学習による個性と魅力ある地域づくりの施策の方向として、博物館の持つデータの活用と地域への還元を推進する旨、記述されておりますし、未来を拓く人づくりの施策方向として、博物館などの施設を利用して初歩的な科学技術に触れる機会の充実をうたっておるところでございます。

 そして、今回、野呂知事の初めてのマニフェストというべき県民しあわせプラン第一次戦略計画、施策121、生涯学習の推進の中の基本事業12101の生涯学習環境の整備では、その主な取組として、「図書館、美術館、博物館などの県立生涯学習施設において多様化、高度化する利用者ニーズに応えられるよう整備するとともに、各施設相互の連携を緊密にし、県民にとって利用しやすい施設運営に努めます。(教育委員会)」と、博物館は教育委員会所管の生涯学習施設であると明確に示すとともに、その整備方向も明らかにしたところであります。

 この建物そのものの建設は棚上げになったままであっても、博物館構想は、いわばそのコンセプトは、議論の積み上げの中で生涯学習施設としてセンター機能を持った自然系博物館としての整備、こんな考え方で進んできたと私は理解をしてきたところでありますが、この理解が一遍に吹っ飛んでしまいましたのが、知事が今年の2月に知事選に臨む選挙公約として発表されました、「みえけん『愛』でもっと元気に!もっとワクワク!!」と題する、「私の決意」の中の基本政策であります。

 この中で知事は、「特に私の決意として皆さんに御理解をいただきたいものに絞って、掲げました。」と前置きをして、「知の拠点づくりを進めます」との表題のもとに、「三重県の歴史文化の拠点施設としてふさわしい新博物館の整備の新しい基本構想と整備スケジュールの策定を進めます。」と宣言をされたわけであります。ここから、この時点から博物館を取り巻く動きが大きく変わってきたのであります。

 県教委が進めておりました現在ある博物館の耐震補強などの暫定整備は、基本設計まで終わっているにもかかわらず、当初5億円くらいは見込んでいた事業費が実際には10数億かかることが判明したのでという理由で、実施設計は急遽取りやめになりました。博物館の所管も従来の教育委員会から、文化施設との位置づけによって生活部へと変更になるなど、博物館整備の方針は大転換がなされたのであります。

 今回の博物館整備方針の大転換は、今申し上げました博物館の基本的なコンセプトや所管部局の変更だけにとどまらず、冒頭に申し上げました、ハードからソフトへの考え方の変更にもつながってくる可能性を秘めていると、こう考えております。このハードからソフト、言いかえれば、箱物抑制は北川知事の時代に打ち出された政策方向でございますけれども、これは単に財政上の理由から、箱物をできるだけつくらない、できるだけ抑制をするということだけではなく、もちろん、その意味も十分あったと思いますけれども、それ以上に、それまでの県政がややもすると箱物に頼るといいますか、ハードに頼り過ぎる嫌いがあった。そのハード整備に重心を置いた県政をソフト事業を中心としたシフトに切りかえようとする県職員、議会、または県民の皆様も含めた一種の意識改革の側面も持ち合わせた政策方向の転換であったと思っております。そして、その流れは今日まで続いておる、そのように考えておるわけです。

 先日、この博物館構想にかかわっておられます生活部と教育委員会の御担当の方にお越しをいただきまして御説明をいただきました。そして、そのときに、この新しい博物館構想は知事の選挙公約に書かれたから出てきたのか、そのようにお伺いをいたしましたら、意外にも、「いえ、違います。」と。「前年度末に発表しました三重の文化芸術振興方策に基づいて出してきたものです。」そのようにお答えをいただいたわけであります。そこで、改めて文化芸術振興方策なるものを読み直してみましたが、私自身の読解力の不足が原因かもしれませんが、どうしてもこの振興方策から新博物館構想などというものは読み取れませんでした。

 博物館という文字が書かれているところは全体で2カ所、一つは「県各分野における総合行政の推進」の項で、場所として、舞台ホールやギャラリー、美術館、博物館、図書館といったところと密接に関係をすると述べた上で、こうした生涯学習施設との連携を推進することで広がりを持った取組ができる、こう書かれておるわけであります。つまり、博物館などの生涯学習施設を連携の対象として位置づけていると、そのような記述の部分と、もう一つは、「みえの文化蔵」のフロー図の中で連携すべき県施設の例として小さく、総合文化センターや図書館などと並んで博物館と書かれているにすぎません。それだけしか書かれていなかったわけであります。わずかこれだけの記述で、従来の政策方向を転換するほどの新しい博物館構想など、その必要性を読み取れというのはどう見ても無理があるように思います。はっきり申し上げますと、博物館構想などと書かれていない、新しい博物館構想などは書かれていない、そのように言ってもいいのではないか、そこまで思ってしまうほどであります。

 さらに、それでは、今後どのようなスケジュールで検討していくのか、そのこともお伺いをいたしますと、三重県文化振興基本計画及び新博物館機能構想検討日程素案、こう出したものをちょうだいいたしました。そのフローチャート図を見ますと、6月に県議会に対して補正予算提出と、こう書かれております。今回示されております新たな文化振興策検討事業費480万5000円がそれに当たるわけであります。続いて、7月ごろに文化審議会に諮問予定となっており、新博物館検討を含む3分科会を設置し、県民との意見交換会を2回ほど実施しながら、来年の2月ぐらいに答申の予定と、このように書かれておるわけであります。

 県議会には12月ぐらいに中間案を提出し、そして来年3月に基本計画案を提出する予定と書かれております。「骨子ぐらいはもう少し早く示してもらえないのか。」そのように申しますと、「日程がタイトなため、9月に骨子を示せるかどうかはまだ定かではありません。」そのような返事でありました。ついでに、「この文化審議会というのは一体何なんですか。」そのようにお尋ねをいたしますと、「学識者で構成する附属機関だ。」このような説明を受けたところであります。

 このあたりの説明をずっと聞いておりまして、私、これはやはり少しおかしい、そう思います。知事の選挙公約で大転換するのだということなら、正直そう言っていただければいいわけであります。何も無理して文化芸術振興方策に基づいて出してきたなんていうことの必要はない、そのように考えています。私は、選挙でこの公約を示して県民の信任を得た、だから、この方向で新博物館をやるんだ、そう言えばいいだけのことだと、そのように思っております。

 そして、しかも、なぜ文化審議会に諮問をしなければならないのか、この点がよくわかりません。文化審議会には今から20年以上も前に諮問しております。そのとき、答申が出ているんです。その同じ文化審議会になぜまた諮問をしなければいけないのか。当時とはメンバーが違うとか、どうせそういう審議会というのは、その時々の権力者の意向に沿った形で答申してくるから大した問題はない、そのようにお考えかもしれませんが、何とか審議会に諮問して、中間案とか最終案の段階で議会の意見を一定聞いて、パブリックコメントか何かで県民の声をお伺いして、このような何十年も前からずっと続いている政策形成の手法というのはもうそろそろやめにする、卒業する時期が来たのではないか、そのように思っております。

 また、こんな審議会にいろいろ諮問するものですから、附属機関がたくさん必要になってきて、今回でもたくさんの条例を提出しなきゃいかん、そのようなことになってくるのではないか、そのように思っておるところでございます。

 ましてや、今までの政策方向を大転換して新しい概念の博物館を整備しようとするならば、こういう古色蒼然たる手法はとるべきではない、そのように考えております。思い切って、知事は知事、議会は議会、必要とあらば県民の皆様方の御代表も入っていただいて、新しい博物館を含む文化政策の検討会を設けて、知事は知事なりのお考えをしっかり述べていただき、議会は議会の意見を集約して述べさせていただき、県民の皆様方からの御意見も伺いながら、これからの三重県にとってどのような博物館が求められているのか徹底的に議論をして、間違いのない構想をつくり上げる、こういうことが必要ではないでしょうか。まさにそのような手法が今求められているのではないか、そのように考えておるところでございます。そして、その構想ができ上がってから学識経験者や専門家に入っていただいて肉づけをしていく、文字どおり、知事、議会、県民が一体となって新しい博物館に取り組んでいく、これこそが文化力だと思いますが、知事のお考えをお伺いしたいと思います。

       〔知事 野呂 昭彦君登壇〕



◎知事(野呂昭彦君) まず、文化ということについては、これまで総合計画の中であるとか戦略計画の中でもいろいろと表現したり、文化力の中でも表現してきておりますが、長い時間をかけてはぐくまれてきた知恵と工夫の結晶であり、暮らしの営みの履歴とも言えるものでございます。豊かな心や感性をはぐくんだり地域社会のきずなを形成したりするなど、文化の持つ意義、役割には大変大きなものがございます。

 こうした多様な文化の集積の中から宝を発掘し、活用、循環させ、地域の価値や魅力を高める多様な主体の参画による取組、こういったものを県の政策、施策に取り入れていくということで、三重の文化力の具体的な推進につながっていくものだと考えております。このような様々な文化を核にいたしました活動やあるいは交流のつながり、こういった中で新たな文化が、あるいは新たな価値が生み出されまして三重の魅力となっていくと、こう確信をしております。

 そうしたことから、三重の地域文化の振興に向けまして、多様な主体が互いの力を引き出し合い、地域の資源が生かされるよう、生涯学習や景観、あるいは地域づくりなども含めまして、新たな文化振興策の検討を行うということにしたわけでございます。また、博物館や図書館をはじめとする施設は知の拠点づくりにおいても欠かすことのできない施設であると、こういうことから、新たな文化振興策の検討の中で、これらの施設の収蔵、展示、学習機能などに関します連携、補完の仕方やあるいは蓄積された資源の活用のあり方、こういったものを明確にしていきたい、このように考えておるところでございます。さらには、市町とかあるいは民間を含みます多様な文化的機能を持つ施設との関係、こういったものについても検討していきたいと、こう考えております。

 特に、博物館についてでございますけれども、現状の施設というものは老朽化が著しく、早急な整備が必要であると、こう考えております。また、地域の文化資産も、市町村合併とかあるいは旧家の世代交代等に伴いまして、急速な散逸、喪失の危機に文化財も瀕しておるところであります。

 このように、博物館施設のあり方について検討を行うということについて、こういう状況がございますので、こうした資産の文化的価値というものを見きわめ、散逸、喪失から守り、次の世代に伝えていく。その方法として、新たな文化振興策の中で検討していくことが必要であると考えております。

 このように多岐にわたる課題につきまして、特に、学術的、専門的、そういった見地から検討をするということにいたしまして、学識経験者、それから、有識者から成ります三重県文化審議会に諮問をいたしまして、適切な意見をちょうだいいたしたいと考えております。もちろん、これは県民の皆さんからも、こういった文化資産の施設の利活用等についても、意見交換会であるとかパブリックコメント、こういったものを通じて御意見をいただきたいと思っておりますし、さらには県議会の皆さんにおかれましても、内外の政治や行政に通じたそういう専門的な立場、それから県民の代表としてのお立場でもありますから、そういう皆さんにも検討の節目におきまして大所高所から御意見をちょうだいしてまいりたいなと、こう考えております。

 そして、この博物館についてのこれまでのいろんな経緯を最初にお述べになりましたが、その中で、従来のハードからソフトへ転換したものというような御指摘をされましたけれども、過去の経緯を見てみましても、この博物館整備については、ソフト整備に転換したというわけではなくて、当面いろんな状況があるので、暫定整備として自然保護や地域文化への意識を高める場としての移動展示等を実施していくというようなことにしたところでございます。

 箱物抑制ということについて行われた時期がありました。しかし、箱物抑制が、抑制という政策の転換に徹することができるならばともかくも、しかし、私が知事になりました後、実は、箱物抑制の中で整備したくてもできなかった警察署の整備であるとか、箱物抑制ということについても、これはただ単に財政的なものとか時代の流れを強調するだけではなくて、一体何のために必要なんだ、どういう機能が必要なんだ、ソフト面をしっかり考えていく中にも、ソフトだけではなくて、そのソフトをどういうものにおさめていくのかと、そういったことが大事であります。そういった考え方に立ちまして、今回、新たな文化振興策の検討におきましては、博物館であるとかあるいは図書館が持ちます収蔵、展示、学習などに関する機能のあり方、あるいは他の施設との連携、補完のあり方、こういったことについて明確にしていくと、そういう考え方のもとで行ってまいるものでございます。

       〔41番 三谷 哲央君登壇〕



◆41番(三谷哲央君) ハードからソフトへの問題は、何もソフト整備で博物館をやると、そういうことが決まったと私は申し上げているのではない。その当時の政策の方向として、ややもすればハードに頼りがちであったそういう県政の考え方というものを、ソフトを中心にやれるところまでやっていこうというようなそういう考え方で推し進めるような、そういう方向に変わったんです。だから、例えば警察も、今おっしゃいましたように、やはり警察署は必要だろうという判断の中で警察署はつくられているんだ、そういうふうに僕は思っております。

 ですから、そういうふうな大きな政策の転換、しかも、今回のような新しい博物館構想をつくっていこうとするときに、また従来型の何とか審議会に諮問をして、そこから答申をいただいて、先ほど、知事がいみじくも言われました、検討の節目で県議会の声を聞いて、パブリックコメントだとか意見交換会等で県民の意見を聞いてつくっていく、そういう手法の時代ではないだろうと思っています。少なくとも、県会議員も選挙で選ばれた人間であります。県民の意見、意思を代表して出てきております。ですから、こういう大きなものの転換のときに、新しい構想をつくる、新しいコンセプトをつくるというときは、何とか審議会に諮問をするのではなしに、その冒頭から、最初から議会も入り、そして県民の御代表も必要ならば入って、そこで新しい構想をつくり上げて練り上げて、その上で、それを具体的にしていく上で、専門家の御意見なり学識者の御意見を聞く、こういう手法にこれからは切りかえていかなければいけない、そんな時代だと思いますが、知事の御見解を改めてお伺いしたいと思います。



◎知事(野呂昭彦君) 文化振興ということを考えたときの文化という言葉の定義もなかなか難しいものがございます。これまでどちらかというと文化審議会等で御議論をいただく際には、いわゆる狭い意味での、少なくとも国において文化庁というのがございますね。そういう文化庁が取り扱うような文化行政の範囲の中での、いわゆる芸術文化の振興策であるとか、そういった議論が主体となっておりました。そして、行政のこれまでの縦割り的な状況もありましたから余計でありますけれども、その範囲を超える議論というのはなかなかできにくい状態でありました。

 したがって、さっき三谷議員も、県の文化審議会での報告を見たけれども、そういうところでどこで見るんだ。おっしゃるとおりでございまして、文化審議会は与えられた議案の範囲の中でやっていますから、実は、それを飛び越えた生涯学習というようなことも含めた、あるいは知の拠点といったような、そういった広範な議論というのはなかなかできにくいから、この間の報告でも附帯決議というような形の中で、より文化行政そのものをもう少し広く一元的にも考える中で、遠慮がちに意見を言われておるというような感じがいたしておるところであります。

 したがいまして、これまでの議論よりもかなり幅は広いというところがございます。その議論の場がどういうふうなところがふさわしいのかということについては、さっきも申し述べましたように、かなり専門的な、あるいは学術的な、そういうところに及ぶということから、やはりそういう意味での専門的な知識を有しておられる方々、こういったものを中心に有識者等を交えて御議論をいただく、このことが大事なのかなと、こういうふうに思っております。

 議員をその中に入れたらどうだということでございますけれども、これはちょうど私が知事になりましたころですか、審議会には旧来いろいろ県の要請で入っておったけど、こんなものには入らない、辞退することとしたという、これは古い議員の方は御承知だと思いますけれども、そういうことを議会でも言われておるわけでありますね。それから、そういう議員の皆様については、いずれにしてもこういう県議会というようなところがあるわけでありますから、私どもは、議論の必要な節目節目でやはり皆さんにその検討状況なり、そして御意見もちょうだいする場を持っていかなければならないと思っています。

 それよりも、もう一つやっぱり考えていかなければならないのは、これは県民が主役の地域主権の社会の中での知の拠点としての、そういった博物館のありようということでありますから、広く県民の皆さんに御意見をいただいていくというようなことも大事であります。したがいまして、旧来からの考え方でいけばパブリックコメントだとかいろいろありますが、工夫して、意見交換会であるとか、そういう県民の皆さんの意見、こういうものもしっかり受けとめていく、こういうことも大事であるのかなと、こう思っておるところでございます。

       〔41番 三谷 哲央君登壇〕



◆41番(三谷哲央君) 私は何も審議会に議員を入れろと、こう言っているわけじゃない。県の基本的な考え方をまとめるときに、そういう審議会なんかに諮問する、そして、その節目節目に、中間案なりとか最終案の節目節目で議会の意見を聞いて、また県民の声を聞いて決定していく、こういうやり方をもうやめたらどうだと言っているんです。審議会から上がってきたものをなぜ一々、いかにもそれが県民の意思、または知事の意思のごとく出してこられて、それを県議会が意見を言わなきゃいけないのか。もっと基本的な考え方を決めるときには、その冒頭に議会も入って一緒に基本的な政策方向というのを決めて、それから専門家なり学識経験者の意見を聞いて、それらしきものをつくっていけばいいじゃないですか。何も審議会みたいなものに入れてくれと言っているんじゃない。基本的な考え方、政策の方向を決めるときに議会の意見をきちっと取り入れていただく。我々も選挙で選ばれた人間であります。何々審議会の委員というのは別に選挙で選ばれてきた方ではない、その点だけはっきりと申し上げておきたい、そのように思います。



◎知事(野呂昭彦君) 私は、今回この三重の文化振興策については非常に広い角度からとらえていくということで、これまで博物館についてもいろいろな議論がありましたけれども、それは参考にはしても、やはりゼロからの議論をしていくということが大事であろうと、こう思っております。旧来型の行政とはもう三重県は全然違いますから、したがって、審議会に対しても、そういう意味合いで、しっかりゼロからの議論を積み上げていただく、こういうことが大事かなと思います。

 文化ということについては、これまで議会とも議論してきました。私の言う、文化あるいは文化力、なかなかわからん、わからんと言われておる中で、しっかりまず専門的な場で、文化振興策という非常に広い中でゼロベースで議論をしていただき、そして、そういったものをたたき台に議会におかれても御意見を闘わせていただく。県民からもしっかり意見をいただく。まことにもってそういう方法がいいのではないかなと、こう思っております。

       〔41番 三谷 哲央君登壇〕



◆41番(三谷哲央君) 余り時間がありませんのでこれ以上議論はしませんが、ゼロベースで新しい構想を考えていくということであれば、なおさら旧来型の政策形成システム、これをなくして、新しい形での政策形成、そういうものに取り組む必要があるだろうと思っておりますし、県庁も今までの従来型ではないとおっしゃるならば、今までの従来型、旧来型の古色蒼然たる、何とか審議会に諮問して、この手法も改めるべきときが来ているのではないかと改めて申し上げて、次の質問に移りたいと思います。

 先日、ある新聞が医療危機についての特集を連載しておりまして、そのタイトルが、「深夜出産、長い拘束、今や絶滅種」このように書かれておりまして、ちょっと衝撃的な文字が躍っておりました。少し長くなりますが読んでみますと、「産婦人科医の勤務はなるほど救急現場並みの厳しさだ。深夜の出産で呼び出しは多く、拘束時間が長い。医療事故も怖い。それでいて、待遇が特別よいわけではない。なり手が少なくなるのも当然といえば当然だ。」そして、さらに、「数が減る動植物は準絶滅危惧種から絶滅危惧種、絶滅種へと進む。」と。さらに、「産婦人科医は今や絶滅種だ。」と、こう書かれておりまして、産婦人科医はもう絶滅してしまうんだ、このような記事でございました。

 今回の知事の提案説明でも、医師や看護職員の確保などによる地域医療体制整備の促進が取り上げられておりますように、本県医療を取り巻く環境はまことに厳しい。とりわけ、医師、看護師不足は深刻な状況であることは周知のことであります。その医師不足の中でも産婦人科医の不足が特に深刻でございまして、このまま放置していきますと本県の周産期医療は崩壊していくのではないか、その心配すら生じさせるほどの状況になっております。このことは単に本県の問題だけではなく全国的な傾向でございまして、そのため国においても、周産期センターなど拠点病院に集約することで当面乗り切っていこうとの対策を進めていることであり、我が三重県もその方向に従い、対策を進めておるところであります。

 この拠点病院化そのものは現在の状況から考えてやむを得ないというよりも、むしろ推進すべきことだと思いますが、一方において、病院が集約されることによる医療空白区ができるのではないかとか、日々の診察など、病院が遠くなることに伴う患者さんやその家族の負担が大きくなるのではないかとの心配の声も上がっておるのも、またこれも事実であります。

 この心配をなくすというか、その不安に対応するためには、地域医療、とりわけ、それぞれ妊婦さんや患者さんの身近なところにいて診察や治療をされております開業医、クリニックの皆さんの診療体制の充実が不可欠な要件となってくるのは当然のことであります。現に、本県の産婦人科医療の60%はこうした民間の開業医、クリニックの皆さんによって支えられております。しかし、今、本県産婦人科医療を実質的に支えてきたクリニックが危機的な状況に陥ってきておるのであります。

 原因は幾つかありますが、その第一は、先ほど申し上げました、今や絶滅の危機に瀕していると言われております産婦人科医の絶対数の不足。しかも、単に数が少ないということではない、足りないというだけではなくて高齢化してきております。本県医師の40%が50歳以上だと言われておりますが、データを拝見しますと、民間クリニックの産婦人科医はほとんど若い方がいない。つまり、体力的にも1人で対応することに限界があり、借金がある間はしようがないけれども、借金がなければこんなリスクの高い、後継者もいない、こんな家業は60超えてからやりたくない、これが現場の声であります。このままでは、限界集落ではありませんが、ここ10年ぐらいで産婦人科クリニックは消滅する、絶滅すると言われております。

 このことを克服するためには、クリニックを統合する。つまり、1人で診察、診療されているクリニックを統合して1カ所のクリニックに複数の産婦人科医を確保することにより、個々の医師の体力的、時間的な負担、さらには医療に伴うリスクを軽減して、何とか引き続きそれぞれの地域で産婦人科医療を継続してもらう以外に解決の方法はない、そのように考えておるところでございます。

 しかし、これを進めようといたしますと、大きな問題がというか、乗り越えなければいけない壁、ハードルが一つあります。それは医療法上の問題であります。現行の医療法は、病床過剰地域における病院の開設、病床数の増加は認めておりません。つまり、現に病床数が過剰である北勢保健医療圏で、二つの産婦人科クリニックを1カ所に統合し、20床以上の病院を開設しようとしても原則的には認めてもらえないのであります。

 ただ、このことはあくまでも原則論でありまして、厳しい現状にかんがみ、国も産科、小児科は医療計画から除外をしていると、そのように聞いておりますし、この4月から病院の新設は社会医療法人しか認めませんよという国の新しい社会医療法人というカテゴリーの条件にも産婦人科医療が入っていると、そのようにも聞いておるところであります。

 とりわけ、特に医療法第30条の11ではこれも少し長くなりますが読ませていただきますと、「都道府県知事は、医療計画の達成の推進のため特に必要がある場合には、病院若しくは診療所を開設しようとする者又は病院若しくは診療所の開設者若しくは管理者に対し、都道府県医療審議会の意見を聴いて、病院の開設若しくは病院の病床数の増加若しくは病床の種別の変更又は診療所の病床の設置若しくは診療所の病床数の増加に関して勧告することができる。」このように書かれております。大変わかりにくい文章ですが、要は、知事は特に必要が認められるときには病院の開設や診療所の病床数の増加を勧告することができる、つまり、知事の裁量権が及ぶと、こう書かれております。

 拠点病院と地域の小規模病院といいますか、大規模診療所と言うのがいいのかよくわかりませんが、統合されたクリニックとが相互に連携をしながら本県の産婦人科医療を支えていく形をつくり上げていかないと、産婦人科医師が絶滅するだけではなしに本県の周産期医療そのものが絶滅をしてしまうのではないか、そのように心配をいたしております。

 知事は、提案説明でも、次世代育成支援として、「子育て家庭を対象とした企業、商店などによる割引やサービス提供の仕組みづくりを行うなど、子育て家庭の負担軽減を図ります。」こう言われております。これはこれで非常に大切なことだと思いますが、子育ての前提となる安心して産める環境を確保しなければ、次世代育成も少子化対策も絵にかいたもちに終わってしまうのではないか、そのように思っております。知事の考えを聞かせていただきたいと思います。

       〔知事 野呂 昭彦君登壇〕



◎知事(野呂昭彦君) まず、県内の医師数でありますけど、人口10万当たり176.8人でございまして、全国平均が201人でございますので、それと比較しても少ないという状況です。そしてまた、周産期医療を担います産婦人科医、それから小児科医、こういったものにつきましても全国平均を下回っておるという状況でございます。こうした中で、安全な医療の提供、医師の過酷な勤務環境の改善、こういった観点から、県内におきましても、集約化あるいは重点化というものが進みまして、昨年度、尾鷲総合病院であるとか、あるいはまた県立の志摩病院で一時期お産ができなくなる、こういった大きな問題が生じたようなことがございました。こういうふうに、周産期医療につきましては、いろいろほかにも御指摘がありましたけれども、非常に厳しい状況にあるということを思っておるところであります。

 保健医療計画におきましては、医療の質の確保のために、二次医療圏ごとに病床が過剰とならないように基準病床数を決めているというところでございます。このため、病院とか入院施設を持ちます診療所を開設する場合には、県の認可等が必要になるわけでございます。

 開設の認可に当たりましては、病床過剰地域におきます病院の新設というものは認められていないところであります。しかしながら、既存の病院が再編統合を行いまして合計の病床数が減ずるというような場合には特例措置により新設ができるということになっております。一方、病床過剰地域の診療所が再編統合されまして病院が新設される場合には、その取り扱いというものは定められていないというところでございます。

 このため、診療所の再編統合を行います病床の取り扱いにつきましては、今、国においても検討すると聞いております。県内の周産期医療の現状も踏まえ、国とも協議をいたしまして、そして、医療審議会に諮りまして、慎重に検討をしていきたいと考えておるところでございます。

       〔41番 三谷 哲央君登壇〕



◆41番(三谷哲央君) 病院全般の議論ですと、僕は非常に困難だと思います。とりわけ、その中で産婦人科医療、こういうところに特化して、知事の指導力といいますか裁量を発揮していただきたいな、こう思っておるところです。これは必ずしも法律上不可能ではないと思っておりまして今、検討するというお話がございましたけれども、国の方とも御協議をいただきながら、また、今まで医療審議会まで至らない、ほとんどこういう議論というのは門前払いで終わっておったのですが、やはり少なくとも議論の俎上にのせる、それくらいのところまでは県として積極的にぜひ臨んでいただきたい、このようにお願いをさせていただきたい、そのように思っております。

 時間がありませんので、最後の質問に移らせていただきたいと思います。

 最後に、木曽岬干拓の土地利用についてお伺いをしたいと思います。

 実は、今回、会派で、代表質問でこうこうこういう質問をしますよと発表しましたときに、この木曽岬干拓の質問が一番評判が悪かったわけです。代表質問にふさわしくないと、木曽岬干拓がオール県庁の課題ではなくて、ローカル、地域課題だと、そのような認識が多かったのだろうと、そのように考えております。じゃ、なぜこういう認識がまだ県議会の中で多いのか、そのように考えてみますと、どうもやはり木曽岬干拓の将来がよく見えてこない、将来像どころか、そこへ至るスケジュールといいますか、大まかな日程すら明らかでない。やはりこれでは議員に関心を持てというのも無理ですし、ましてや県民の皆様方に共通認識の課題として考えていただきたい、そういうところまではいかない、こう思っております。今日は、そのような同僚議員のばり雑言を物ともせず質問させていただきますので、前向きの御答弁をぜひお願いしたいと思います。

 現在、干拓にどんどん土が入ってきております。中日本高速から予定しています120万立米のうち、既に50万立米入っておると聞いていますし、また、東邦ガスさんからの20万立米の土も21年には入り終わる、そのように考えておるところです。また、木曽岬町と干拓地を結ぶ緑風橋も、今年、来年とこの2カ年で基礎工の下部工の工事に着手するということですし、県道バイパスも1日も早い開通が待たれておりますけれども、比較的順調に進んでおる、そのようにも聞いておるところです。

 まだまだ搬入土砂の量の問題とか、いろいろ愛知県側からのアクセスの問題等、解決しなきゃいかん課題もたくさんありますが、都市的高度利用に向けて大きく動き出した、そのように考えてもまず間違いはないと、こう思っておるところでございます。それだけに、これからの具体的な日程、スケジュールというものをやっぱりこの際お示しをいただきたい、そのように思っておるところでございます。

 例えば、干拓地の都市的高度利用を考えようとしますと、干拓を取り巻く社会情勢の変化、とりわけ産業構造の変化ですとか、経済の動向ですとか、交通インフラの整備など、基礎的な変化の調査をしなければいけないと思いますが、そういう調査はいつごろまでにして終わられる、そのような御予定なのか、それもお聞かせをいただきたいと思います。また、その調査が終われば、産業界が具体的にどのような土地のニーズを持っておるのかと、そういうニーズ調査等もしなければいけないと思いますし、調査項目等も県としても検討していかなきゃいけない、調整をしなければいけないと思いますが、そのような作業はいつごろまでにされるのか。また、それが決まれば、具体的な訪問先の決定ですとかヒアリングの実施など、こういうことをやっていきますが、それはいつごろまでなのか。また、関係自治体、愛知県や名古屋市や弥富市など、そういう関係自治体と干拓を取り巻く様々な課題につきまして協議をする、そういう協議会の場を設けなければいけないと、こう思いますが、その協議会はいつごろまでに考えられるのか。できれば、事務方の土地利用計画の案、こういうものもいつごろをめどに考えていかれるのか、このあたりのところを明らかにしていただきたいと思います。

       〔政策部理事 長田 芳樹君登壇〕



◎政策部理事(長田芳樹君) 木曽岬干拓地につきましては、干拓地へのアクセス道路の整備に加えまして、昨年6月から土砂の搬入作業に入りまして、約50万立米の土砂が搬入される状況になってまいりました。そういう状況の中から、当面の暫定利用から将来の都市的利用に向けた検討を始める段階に来たという認識に立っております。

 このため、昨年度からは、愛知県と意見交換を重ねつつ、経済界や学識経験者、シンクタンク等の方々に対し、社会経済情勢の把握やまた企業に対する具体的な用地ニーズの把握に努めておるわけですけれども、今年度も引き続きヒアリングを実施する中で、将来の都市的土地利用策定に向けた基礎的な調査を進めていきたいと考えております。

 また、高度利用だけではなくて、ほかにも堤防補強の必要性があるのかないのかとか、環境影響評価への対応策、また各種のインフラ整備手法などについても、今年度内をめどに愛知県と事務レベルの協議を進めていく中で、来年度には都市的土地利用計画策定のための意見交換の場がつくれればと、このように考えて鋭意努力しておるところでございます。

 なお、当然木曽岬町等の意向も十分聞いていきたいと、このように考えております。

 木曽岬干拓地につきましては、県北部に広大な土地を有します県民にとっての大切な財産と考えております。今後も広く県民の皆さん方の意見をお聞きしながら、またコンセンサスを得ながら、引き続き、愛知県、国、関係自治体との方々と連携して早期の都市的土地利用につなげていきたいと、このように考えております。

       〔41番 三谷 哲央君登壇〕



◆41番(三谷哲央君) 協議会は年度内に終わって来年度には設置するということですから、期待をしたいと思います。

 それから、基本的な、基礎的な調査を引き続き今年もやっていくというお話ですが、その調査はいつまでに終わるんですか。そのめどを教えてください。



◎政策部理事(長田芳樹君) 他の基礎的調査につきましては、時間がかかる課題もございます。例えば、堤防の補強についての必要性の有無の検討とか、そういうこともございますので、今の状況の中ではスケジュールとかは申し上げられませんけども、平成25年にはアクセス道路の整備が終わる状況も見えてきておりますので、そこら辺もにらみながら早急にいろいろ検討を進めていかなければならないと、こういうように考えております。

       〔41番 三谷 哲央君登壇〕



◆41番(三谷哲央君) 堤防の問題等は確かに難しい問題だと思います。しかし、例えば産業構造の変化だとか、交通インフラの変化だとか、産業界のそれぞれのニーズの調査だとか、こういうものは県の努力で一定程度できるはずなんだ。だから、これが難しいものがあるからということで全体を先延ばしにするんじゃなくて、できることをきちっとやって、例えば年度内にはここまでやります、そういう御返答を期待しているんですが、いかがですか。



◎政策部理事(長田芳樹君) 鋭意努力してまいりたいと思います。

       〔41番 三谷 哲央君登壇〕



◆41番(三谷哲央君) 御担当の方は年度内にということで、私には内々お話をいただいております。そのことが実行されることを強く期待いたしまして、時間が参りましたので質問を終わらせていただきたいと思います。

 ありがとうございました。(拍手)



○議長(岩名秀樹君) 36番 山本 勝君。

       〔36番 山本 勝君登壇・拍手〕



◆36番(山本勝君) 皆さん、おはようございます。偶然にも、桑名市・桑名郡選挙区の2人が壇上に立つことになりましたのですけど、私は、自民党・無所属議員団を代表して質問させていただきます山本勝でございます。どうぞよろしくお願いしたいと思います。

 まず、知事は今年の4月に見事2期目に当選をされました。1期目は一部政党の推薦を受けられましたが、今回は幅広い支援を望まれ、私どもも推薦を申し上げましたが、念願の県民党を標榜されて、首長におつきになられました。私どもも、政策につきましては、是は是、非は非で臨ませていただきますが、新知事さんとして大いに手腕を発揮されまして、県民の幸せのためにリーダーシップをとっていただきますことを切に要望させていただく次第でございます。

 今日は少し知事さんは元気がないようにお見受けをさせていただきますけれども、違うタイプの質問者でございますので、笑顔でひとつ、どうぞ御答弁のほどをお願いしたいと思います。

 初めに、2期目県政にかける知事の思いについて、第二次戦略計画についてお尋ねをします。

 さて、この10年余りの間に社会経済情勢は大きく変化をしてまいりました。グローバル化や少子・高齢化の進展、人口減少社会の到来など、地域社会を取り巻く環境は大きくさま変わりをし、新たな行政課題への対応が求められてきております。一方、財政状況を見ますと、交付税の削減や公債費の増大など、歳入歳出面にわたってますます厳しくなってきております。

 このような中にあって、どのようにして地域を元気にしていくのか、そして、心豊かな地域社会をどのようにして子や孫に引き継いでいくのか、非常に困難な課題ではありますが、今まさに政治、行政に問われている課題だと感じています。

 知事はさきの選挙に当たって、三重がもっと元気にわくわくするように、そして、県民の皆さんが幸せを実感できるように、幸せの舞台づくりを進めることを公約に当選をされました。先ほど申し上げましたとおり、自治体を取り巻く行財政の環境は非常に厳しいものがありますが、公約にされた県民が幸せを実感できる舞台づくり実現に積極的に取り組まれることを御期待申し上げます。

 さて、この幸せ舞台づくりの公約を実現するための4年間の具体的な取組が、第二次の戦略計画になると思います。今回、その戦略計画の最終案が示されましたところですが、基本的な考え方から始まって、重点的な取組、行政運営の取組など、全般にわたって今後の県政を展開するに当たっての考え方や具体的な内容がまとめられています。

 そこで、まず、これから4年間の県政を展開するに当たって、大きく時代環境の変化をどのようにとらえ、それを県政の課題としてどう受けとめられているのか、そして、その課題に向けてどのように方向づけをしようと知事は考えておられるのか、お聞きをいたしたいと思います。

 次に、計画を実現するためには多額の資金が必要になります。先ほども触れましたが、財政状況は非常に厳しいものがあり、今後の財政運営はますます厳しくなることが予想されるところです。知事はどのように財政を運営して、その計画を実現しようと考えられておるのか、この点につきましてもお伺いをいたしたいと思います。

 次に、質の行政改革について、次に、公約の一つに掲げられ、さきの知事提案説明にもありましたが、質の行政改革についてお聞きをしたいと思います。

 知事は、1期目において、新しい時代の公、文化力という考え方を打ち出されました。それは、成長から成熟への時代が大きく変化する中にあって、時代を先取りする考え方を県政の基盤に置かれ、これまでの発想を転換して地域主権の社会を目指すもので、持続可能な地域社会をつくるための羅針盤的な施策であると私は理解するところであります。

 国においても、改めて文化や感性の重要性、新しい公共のあり方を打ち出してきており、真に豊かさを実感できる地域社会を実現する考え方も打ち出されております。今回、知事は、この文化力と新しい時代の公の考え方に基づく質の行政改革というキーワードを打ち出されたわけですが、改めて何を目指しておられるのか、その考え方をお聞きしたいと思います。また、これまでの行政改革とどう違うのか、あわせてお聞きをいたしたいと思います。

 次に、第二期地方分権改革についてお尋ねをいたします。

 平成19年4月に地方分権改革推進法が施行され、国から地方への権限移譲、地方税財源の充実等の第二期の地方分権改革の議論がスタートをしました。この30日には地方分権改革推進委員会から、分権社会への転換、地方の活力の向上、強い地方の創出、地方の税財政基盤の確立などの目指すべき方向性や、基礎自治体優先、明快、簡素、効率、自由と責任、自立と連帯など、5項目の基本原則などが示され、議論が本格化しつつあります。今年の秋には委員会の中間的な取りまとめが予定されており、それに向けて様々な議論が行われることになります。

 これまでの分権改革の議論は、財政再建の議論と同時に行われたこともあり、交付税の削減など、地方にとっては非常に厳しい面があったことは否定できません。100年先を見据え、この国のあり方、形を論ずる非常に重要な局面にあると思いますが、今必要とされる改革のポイントについてどのように知事は考えているのか、お聞きをいたしたいと思います。

 また、経済界の提言や国土形成計画の策定等において議論が活発化しつつある道州制の議論について、知事の見解についてもあわせてお聞きをいたしたいと思います。

       〔知事 野呂 昭彦君登壇〕



◎知事(野呂昭彦君) まず、これから4年間の県政の課題をどうとらえ、どういう方向でやっていくんだということについてでございますが、2期目の県政を担うに当たりまして、県民しあわせプランの基本理念でありますみえけん愛を育む“しあわせ”創造県の実現に向けまして、これまでの取組をさらに進化、そして発展をさせていきたい、こう考えておるところであります。こうした思いを踏まえまして、第二次の戦略計画の最終案を取りまとめさせていただいたところであります。

 この第二次戦略計画におきましては、県民しあわせプラン策定後の環境変化やまた実績、こういったものを踏まえまして、計画期間中にとらえるべき課題というのを三つに整理をいたしております。一つは人口減少社会の到来ということ、二つ目に知識集約型の産業構造への転換、三つ目に第二期地方分権改革への対応という三つでございます。

 これらの課題に的確に対応すべく計画案を組み立ててまいりましたけれども、最終案で詳しくお示しをいたしました重点的な取組、この中で少し取り上げながら説明をいたしたいと思います。

 まず、人口減少社会ということの課題に対応していくために、労働力人口の減少やまた少子化対策の問題などに取り組んでいくという必要がございます。労働力人口の減少に対しましては、女性や高年齢者、若年者の一層の社会参画の促進でありますとか、外国人との共生を目指すということが必要であると考えておりまして、そこで、重点事業では、「『人間力』の向上/みえの人づくり」というのを事業展開いたしますし、舞台づくりプログラムにおきましては、「若年者の自立支援プログラム」、それから「多文化共生社会へのステップアップ・プログラム」、こういったものに取り組むことといたしておるところであります。

 また、少子化対策といたしましては、子育て環境の整備を図るということといたしまして、重点事業で、「安心して子どもを生み育てられる子育て環境の整備」という事業や、舞台づくりプログラムにおきましては、「企業や地域の団体とともに取り組む子育て家庭への支援プログラム」に取り組むことといたしております。

 それから、次に、知識集約型の産業構造への転換ということに関しましては、成長分野の産業集積とイノベーションを担っていく人材を育成していくという必要がございます。そこで、重点事業の中では、「国際競争力を高める産業集積の形成」という事業を展開しようとしています。舞台づくりプログラムにおきましては、「知恵と知識を呼び込み、多様なイノベーションを生み出せる環境づくりプログラム」、これに取り組んでまいります。

 それから、三つ目の課題であります、第二期地方分権改革に対応していくために、県境を越えた広域的なブロック化の議論が進む中で、魅力的で足腰の強い地域社会を形成していく必要がございます。そこで、県といたしましては、広域的な観点から、県北部を中心といたします産業集積活用ゾーンと、県南部を中心といたします自然文化活用ゾーンの二つのゾーンの振興方向で、強みを生かした県土づくりというものを展開してまいります。

 また、地域づくりの主体となります市町の取組に対しましては、県として支援と補完の役割を果たしてまいりますために、重点事業では、「地域主権社会の実現に向けた地域づくり支援」に取り組むということにしております。

 こうした三つの課題をはじめ山積する課題、こういったものにしっかりと取り組みながら、もっと元気に、もっとわくわくする舞台づくりを展開をしてまいりたいと考えております。

 さて、次に、厳しい財政状況の中でどのようにやっていくのかということでありますが、今後の県財政の状況というのは、歳出面におきましては、社会保障関係費の増加、あるいは退職手当、公債費が高い水準で推移するというようなことが見込まれる一方で、歳入面におきましては、景気回復に伴いまして県税収入が増加はしましたものの、地方交付税等が削減をされ、一般財源総額は抑制傾向にありますなど、一層厳しい財政状況が続くものと見込んでおるところでございます。

 具体的には、今後4年間の中期財政見通しにおきまして、骨太方針2006を受けまして、歳入面では、県税は今後3.8から4.6%程度の比較的高い伸びを設定いたしましたものの、それらに伴います地方交付税の減を見込み、また、歳出面におきましては、投資的経費の年平均3%程度の減及び施策別包括配分経費の10%程度の減を見込むなど、これまでにない厳しい財政運営を想定しておるところでございます。

 しかし、こういう中にあっても、県民しあわせプランの中の中期実施計画である第二次戦略計画、これを着実に実行していく必要があります。とりわけ、第二次戦略計画における取組を代表します重点的な取組、これにかかる事業費として4年間で1559億円を見込んでおるところであります。ぜひこれを着実に実行していきたいと思っております。もちろん、事業効果とか毎年度の財政状況などを踏まえまして、柔軟に対応して見直すということも前提といたしまして、これらに優先的に財源配分を行うことといたしております。

 今後、限られた経営資源の中で最大の効果が得られますように選択と集中をより一層進めつつ、身の丈に合った財政運営を行ってまいります。

 また、今後は、資源や経費の節減という従来の量的な改革のみならず、文化力に基づく政策を新しい時代の公にふさわしい進め方で展開し、質の行政改革を本格的に推進していくことによって、厳しい財政状況におきましても、県民生活を支える公共サービスの維持、質の向上を目指してまいりたいと思っています。

 さて、その質の行政改革についてお尋ねがあったわけでございます。これまで経済発展を優先的に、余りにも効率性を追求し過ぎた結果、助け合いや思いやりといった人々のきずなが薄れてきたり、地域の特色や独自性が失われるなど、社会のひずみが顕在化をしております。また、時代が成長から成熟へと大きく転換をいたしてきております中で、県民のニーズはより多様化、複雑化してきておりまして、介護や子育てなど、これまで私的な領域だと考えられてきたことも、公共サービスの提供が求められるようになってきております。このような、県政を取り巻く課題、県民のニーズ、こういったものに対応していくために、政策のベースとして文化力を、また、仕事の進め方のベースとして新しい時代の公を提唱しまして、その基盤づくりに取り組んできております。

 文化力は、経済性や効率性を重視してきたこれまでの政策の発想や視点を変え、多様な主体の互いの力を引き出したり地域の資源や特色を生かすなど、人間力、地域力、創造力を高め、生かす視点で政策を考えることにより、政策の質を高めるということを目指しております。

 また、新しい時代の公は、行政が提供いたします場合には画一的になりがちな公共事業というものを、多様な主体で担うガバナンス、共治ですね、ガバナンスのシステムに変えるということによりまして、多様化、複雑化する県民ニーズに対応し、きめ細やかな、より効果的な公共サービスを提供できるようにするということを目指しておるところであります。

 一方、平成18年6月に成立をいたしました行政改革推進法や骨太方針2006におきまして、地方自治体というものは行財政運営の一層の効率化、簡素化というものを迫られてきております。本県も、予算やあるいは職員の削減など、量的な行政改革に引き続き取り組むことは、これは避けられないことでございます。このような、非常に厳しい財政状況にあっても公共サービスの水準の維持や質の向上というものを図るためには、政策の質的向上でありますとか、多様な主体で公を支え、公全体の質を高めるという質の行政改革の視点が重要でございます。

 今後、経営品質の取組を一層進めまして、職員の意識改革を図りながら、文化力に基づく政策を新しい時代の公にふさわしい進め方で展開する質の行政改革を本格的に推進をすることによりまして、県民の皆様の生活の質を高め、暮らしの中の豊かさ、幸せを実感できる地域主権の社会を目指してまいりたいと思います。

 最後に、第二期分権改革について、道州制の見解も含めてというお尋ねでございました。本年4月に設置をされました地方分権改革推進委員会におきましては、地方の行政権、財政権、立法権、これを有する完全自治体を目指すということ、条例によります法令の上書き権を認めることなど、こういったことを5月30日に基本的な考え方として取りまとめておるところでございます。

 今回の地方分権におきましては、これまで残されてきた幾つかの課題があります。一つは、地方税財源の充実、確保。それから、国の地方に対する関与の廃止、縮減。それから、国と地方の役割分担の見直しと事務・権限移譲。それから、国と地方の二重行政の解消。こういった残された課題について、どの程度進めることができるかということがポイントになろうかと思います。

 今後、政府は委員会から数次にわたって勧告を受けまして、平成21年末までに新分権一括法の提出に取り組むということになりますけれども、県としても、真の地方分権改革に向けまして、全国知事会等を通じまして、国等への働きかけ、あるいは提言を行っていきたいと考えております。

 そこで、道州制議論についての考え方ということでございますが、現在、まだ地方分権改革については不十分な状況にあるという状況において、もし道州制にそのまま移行していくということになりますと、例えば単なる都道府県合併に終わってしまったり、あるいは道州というものが実質的に国の機関になりかねないというようなことが起こったりいたしまして、本当の意味での地方の自主性、自立性の向上につながらないというおそれがあると考えております。

 このために、まずは第二期地方分権改革に国、地方を挙げて全力で取り組むということが必要不可欠でございまして、道州制については、地方分権改革の中長期的な課題として、その成果を受けて議論されるべきものではないか、このように考えておるところでございます。

       〔36番 山本 勝君登壇〕



◆36番(山本勝君) 知事、どうもありがとうございました。

 特に、第二次戦略計画については、人口減少社会、知識集積型、それから第二期の地方分権改革の対応と、この柱を3本で進められて、21本の重点事業と11本の舞台づくりのところでこの4年間進められていくと、こういう説明だったと思いますけど、これについては理解させていただきます。

 あと、財源の問題でございますけれども、確かに財源については中期財政見通しで、私どもも全協で説明をいただきましたのですけれども、特に、3月の予決の委員会の中でも少し質問させていただきましたように、既に平成19年の予測の県債の発行残高が9500億円ぐらいの発行高になっておると思いますけれども、当初は9000億ぐらいのところで維持をしていきたいと、こんな説明もあったり、それから、1兆円は超えないというようなこともございましたので、そういう見通しからしますと、この第二次戦略計画を実施していくということになりますと、特に相反する財源が欲しい。それから、ある面では、財源が不足するとこの実施ができやんと、こんなことになりかねないわけでございますけれども、その辺の財源のところ、3ほどお聞きをしたわけでございますけれども。財源的なところでもう少し御答弁があればお伺いをいたしたいと思います。

 それから、地域主権につきましては、なかなかこれもわかりにくい話だなと、特に、私ども議員は議論をしておって、それでもわからないのがあるわけですけれども、一般の県民の方には大変わかりにくい話ではなかろうかと思いますが、いろいろ今お聞きをさせていただきますと、政策についてはこれからベースは文化力でやっていくと。そして、また、仕事の進め方のベースとしては新しい時代の公でやっていく。そして、やっぱり職員の意識の改革を経営品質でやっていきながら、いわゆる量の面を主眼にしておったところから質の面に進化をしていくと、こういうものがどうも地域主権の改革の大きな柱というんですか、流れではないかなと、こういう感じにまた理解をさせていただいたんですけれども。そういう面では、ガバメントからガバナンスに転換をさせていきながら意識を変えていくということになる、それはよくわかるんですけれども、地方分権と地域主権というもの、この辺の違いのところをもしひとつ御説明いただければお願いしたいのと、県民の皆さん方に、例えば、地域主権の社会ができたら行政はこうなるとか、それから県民はこういう生活のレベルになっていくとか、地域がこんな明るいものができてくるというような、そんなところのような表現で説明があると割とわかりやすいんですけれども、何かその辺のところで少しお触れになられるようなことがございましたら、ひとつよろしくお願いします。



◎知事(野呂昭彦君) まず、財源、財政のことについてでありますけれども、非常に厳しい状況であることはさっき申し上げたとおりであります。この4年を振り返りましても、小泉内閣においては、小泉さんは、とにかく頑張った地域が報われる、そういうことでなきゃいかんと、そういう日本をつくるんだということでございました。

 そういう意味では、三重県においては産業が全国に先駆けて活況を呈してきて、そして、三重県におられる事業者、あるいは県民の皆さんの活動が活発になったおかげで税収が毎年100億円ぐらい増えてくるという状況になって、これはありがたいことだと思ったわけですけれども、ところが、実は国においてはその分、交付税を一定割合減らすというだけではなくて、全体額で約200億円ぐらいずつ減じていくということなんですよね。したがって、地方の努力が今報われない。100億円増えた県税収入が県民に実質有効に還元できないという状況にあります。

 したがいまして、こういう状況が続く中で、私も県政の中で、必要な県民へのサービスの質的な水準をしっかり維持していく、このことは実はそれを両立させることは非常に難しい状況です。しかし、そういう中で、ぎりぎりの努力をしてまいりたいというのが私の本音でございます。県の借金が確かにもう1兆円に近づきつつあります。今のように、国が地方に財政改革の圧力を転嫁してくるという状況の中で、県の行政を維持していくためには、近い将来1兆円を超えるのはこれは避けられないことだと、こういうふうに思っておるところであります。

 ただ、財政状況につきましては、じゃ、三重県が他府県と比べてどうなんだということを言えば、まだ三重県は全国でも最もよい県の状況だと言われております。ひどい状況にあるのに、全国の中ではまだよいほうだと言われておるこの状況は何だといえば、実はそれぐらい国全体がひどい状況になっておるということです。地方が悪い悪いという財政状況の割には、本当はもっとひどい国の状況、これが実は明らかにされない、あるいは国民の批判を何か地方へ転嫁しているような、そういう嫌いがあってなりません。

 私は、国のことについて地方が知らないと、あるいは地方に責任がないんだということを言っておるのではありません。しかし、そもそも的に、基本的なあり方というものについて、過去の失敗をもっとやっぱりしっかり率直に認めて、どうあるべきかということに構造的にしっかり取り組んでいただくということがないと本当はいけないのではないかなと思っています。

 そういう期待感を込めながらも、現状は現状ですから、三重県としては、他府県と比べてより悪くなるというようなことはもちろんないように、ぎりぎりの努力を続けていきたいと思っております。

 それから、地域主権と分権ということについてでありますけれども、地方分権というのは、どちらかというと国の立場から地方に対して権限を分けてやるよ、あるいは地方から、国から持ってくる権限を意味するところが多いですね。しかし、地域主権というのはやっぱりもっと中身のあるものでありまして、最近はニア・イズ・ベターということが言われていますね。世の中の考え方として、これまでは国が責任を持って国民を引っ張っていくんだということが多かったわけですが、最近は、やっぱり住民に一番近いところで決めることが本当は一番正しいんだと、こういう考え方に立って、自分たちの地域のことは自分たちで決め、自分たちで取り組んでいこうではないかと。こういうことで、その表現が地域主権というような、そういう表現になっておるのかと思います。

 したがって、地方分権と違って地域主権というのは、本当にそこに生活しておる地域の人たちから見た地域のあるべき社会の姿なんだと、こういうふうな言い方もできるのではないかなと、こう思っておるところであります。

       〔36番 山本 勝君登壇〕



◆36番(山本勝君) 知事、どうもありがとうございました。

 まだ幾つか答弁は求めたいんですけど、時間もございませんので、特に道州制の論議については、やっぱり一般論的な答弁だったと思うので、もう少し本音を聞かせていただきたかったなと思っておるんですけれども、この程度にさせていただいて次の質問に移らせていただきます。

 次に、産業が元気な三重づくりということで、現在、日本経済は好況の中にあります。5月22日に国の内閣府から公表された月例経済報告では、基調判断を、景気は生産の一部に弱さが見られるものの回復をしているとして、また先行きについては、原油価格の動向が内外経済に与える影響等に留意する必要があるとしながらも、企業部門の好調さが持続し、これが家計部門へも波及し、国内民間需要に支えられた景気回復が続くと見込まれるとしています。平成14年2月に始まった今回の景気拡大は、戦後最長を更新し続け、息の長いものとなっています。

 その中でも景気回復の牽引役を担っている一つが、中部地域の産業、特に自動車関連産業を中心とする製造業だと言われており、さらに、本県においてはこれに加え、液晶、半導体といったIT関連産業も大きくその実績を伸ばしています。ここ数年の間、IT関連産業の県内への大規模設備投資が相次いでおり、世界最先端、最大規模の生産施設が次々と本県に立地しています。また、三重県の平成17年度の製造品出荷額は9兆4000億円となり、ここ4年連続の増加となるなど、三重県は着実に元気になってきています。

 こうしたことも背景にあるのだと思いますが、今議会に示されました県民しあわせプラン第二次戦略計画では、製造品出荷額の全国順位を現状の10位から9位に上げる目標が掲げられています。非常に挑戦的な数字であると思いますが、知事の2期目に向けての意欲のあらわれだと期待するところがあります。こうした目標を掲げられるまでに三重県の産業が元気になってきたのは、これまで進めてこられたバレー構想をはじめとする産業振興施策が身を結びつつあるのではないかと評価をしている次第であります。

 しかし、三重県の産業を取り巻く状況は、こうした好材料だけではありません。将来に向けきちんと認識しておくべき課題も多くあります。今日、急速に成長し、世界の工場となりつつあります東アジア諸国、いわゆるBRICs、ブラジル、ロシア、インド、中国の4カ国をはじめとする新興大国の台頭など、グローバル経済が急速に進展する一方で、国内では急速な少子・高齢化の進行により、日本人がこれまでに経験したことがない人口減少社会が既に到来しているなど、我が国の社会経済には大規模な構造変化が起こりつつあります。

 こうした中、国では昨年、骨太の産業政策として経済成長戦略大綱を策定し、国際産業戦略と地域活性化戦略の二本立てで、高付加価値で成長性の高い企業や新産業が次々に生まれる環境整備を進めようとしています。この大綱の中で、地域においては、国の施策に独自の施策を加え、新規企業の誘致、既存企業や新たな産業の育成などによって地域経済の活性化に取り組むことが強く求められております。

 そのような状況の中で、経済産業省は今年度から、価値創造と産業の競争力の強化を図る、2010年度までを感性価値創造イヤーと位置づけて、感性価値創造の実現に向けた様々な施策を重点的に行うとしています。このような国での新たな産業政策の方向が打ち出されつつある中で、県としては、国の施策をうまく活用しながら地域独自の支援策を講じ、より現場に近いところで経済や産業の活力を引き出し、成長力を維持、加速していくことが強く求められるところであります。

 そこで、知事の2期目に当たって、知事の公約から、産業政策関連について3点ほどお伺いをしたいと思います。

 第1点目は、企業誘致施策についてです。企業誘致施策は、これまでバレー構想を中心として進められてきましたが、平成19年度から、企業の立地動向や産業分野の成長性などを見きわめ、より競争力が高い新たな企業立地補助制度を構築するとされていたところです。新たな企業立地補助制度はどのような視点から構築をされているのか、まずお伺いをいたします。

 第2点目は、高度部材などに関する人材育成の専門機関についてです。この機関については、今議会の補正予算でも提案されているソリューションセンター、いわゆる仮称ですが、あると思います。このセンターでは、最先端の研究開発から中小企業の課題解決支援までを1カ所で行うとされています。三重県産業を取り巻く新たな流れを着実に受けとめ、未来へつなげていくための中核的な拠点であると期待するものでありますが、このセンターを具体的にどのように整備していこうとされているのか。また、高度部材などに関する研究開発の促進や人材育成をどのように進められていくのか。さらに、中小企業への支援として、付加価値向上への取組を加速させることが重要と思いますが、このセンターでどのような切り口で中小企業の課題解決を図っていこうとされているのか、お伺いをいたしたいと思います。

 3点目は、地域コミュニティファンドについてです。地域の人材や地域資源を活用して、地域に密着した新しいビジネスや事業活動の新たな展開を支援するため、地域コミュニティファンドを平成19年度に造成するとされているところで、今議会の補正予算でも三重地域コミュニティ応援ファンドとして提案をされています。このファンドでは、コミュニティビジネスや、スモールビジネスなどの地域に密着した新しいビジネスの創出を支援して、地域の産業振興につなげていくことを願っているのだと思います。地域を活用していくためには重要な取組ですので、積極的な展開を期待をしているところですが、具体的にどのように進めていこうとされているのか、考え方をお伺いしたいと思います。

 三重県をもっと元気に、もっとわくわくするためには、野呂知事の2期目、この4年間がまさに正念場で、特に産業が元気な三重づくりは極めて重要な柱です。ぜひ県民の皆さん方が元気にわくわくできるような答弁をよろしくお願いいたしたいと思います。

 続きまして、幹線道路網整備と道路特定財源の堅持について少しお伺いいたします。

 幹線道路の整備について。

 道路は社会、経済、生活を支える基本的なインフラであり、交通ネットワークの整備は物流、移動の効率化を進め、産業、経済の安定、発展並びに緊急時への対応等に大きく貢献するものであります。中でも、幹線道路網はまさに本県の大動脈として、北中部では、製造業を中心とする好調な経済活動をさらに活発にすることが期待をされるとともに、南部では、災害時に対応できる安全・安心のための緊急輸送路の確保等を図る道路ネットワークとしてその整備が急務となっています。

 また、平成25年の第62回伊勢神宮式年遷宮には、世界遺産、熊野古道との相乗効果により、前回の840万人を上回る来訪者が予想をされています。このため、知事におかれましては、県内の幹線道路網について御遷宮までにおおむね完成することを目指し、重点的に整備することを公約として掲げられ、このたびの6月補正予算でも、直轄道路事業負担金として49億円を追加し、6月補正後の直轄道路事業負担金、予算額は対前年比10%増と大幅に増額をしていることは大いに評価をしたいと思います。

 しかしながら、県内の幹線国道はまだ約130キロの整備が必要であり、これを完成させるためには、おおむね5000億円の投資が必要と言われています。それに伴う県の負担も非常に大きく、さらにこの負担が今後も増えていくことから、本県の厳しい財政状況の中でその財源を確保していくことは、予算のやりくりを含め非常に難しい問題であると思います。

 かつて、名阪国道は千日道路と言われ、実際、ルートの決定から用地買収、トンネルや橋の建設なども含めて1000日以内に完成をし、昭和41年に暫定2車線で開通しました。また、昭和44年に西名阪自動車道が、昭和45年には東名阪自動車道が開通をして現在の形となりました。昭和48年の第60回伊勢神宮式年遷宮では、国道23号線南勢バイパスの整備、前回、平成5年の第61回の遷宮では、伊勢自動車道の全線開通、国道23号線南勢バイパスの4車線化など、本県では御遷宮にあわせ幹線道路網を集中的に整備し、県土の骨格をなす社会資本の整備を進めてまいりました。そのおかげでチャンスを確実に生かすことができ、今日の活発な製造業の立地につながっているわけであります。

 県財政につきましては、今後ますます厳しくなることが予想される中で、将来をしっかり見据えつつ、より一層選択と集中を進めていくことが求められる中で、県内の幹線道路網を御遷宮までにおおむね完成することができるよう重点的に取り組むとする知事の強い決意を改めてお伺いいたしたいと思います。

 次に、道路特定財源について。

 さらに、道路整備の財源確保の前提条件となる道路特定財源についてお伺いをします。

 道路特定財源については、昨年12月8日、道路特定財源の見直しに関する具体策が閣議決定をされました。その中でも、税収の全額を道路整備に充てることを義務づけている仕組みから、道路歳出を上回る税収は一般財源とする仕組みに改める、いわゆる道路特定財源から道路優先財源へと、揮発油税も含めた一般財源化が可能となるように、20年通常国会において所要の法改正を行うということとされました。

 しかしながら、公共事業に対する一律のシーリングにより自動的に道路歳出分が抑制されている状況の中で、道路歳出を上回る分を一般財源とする仕組みに移行するとなれば、今後ますます道路歳出分が圧縮されることになりかねません。幹線道路網の整備に必要な直轄事業負担金の確保をするためにも、県道整備にかかる事業費の安定的な確保が必要不可欠であり、平成19年度までとされる地方道路交付金事業及び地方特定道路整備事業の制度の継続並びに予算の拡充が必要であります。

 また、県管理道路の構造物の多くが高度経済成長期につくられており、これらの多くの道路ストックが今後老朽化をし、更新需要時期が一時期に集中することが見込まれることから、適切な時期に必要な維持、修繕、更新を実施していくことが必要であります。道路歳出分が圧縮されれば、幹線道路整備が計画的に進まなくなるだけでなく、身近な生活道において日常の維持管理にも支障を来すことになります。

 このように、真に必要な道路整備を計画的に進めていくためには、道路財源を安定的に確保していくことが必要不可欠であります。このため、国に対して道路財源の確保を強く求めていく必要があると思いますが、このことに関する今後の三重県の取組について、知事の御所見をお伺いいたしたいと思います。

       〔知事 野呂 昭彦君登壇〕



◎知事(野呂昭彦君) まず、企業立地補助制度についてでございますけれども、三重県では、これまでバレー構想等の成長産業分野を中心にいたしまして企業誘致を進めてまいりました。そして、新産業や新事業が自律的に集積する地域の形成というものを目指してきたわけでございます。ここ数年の間にIT関連企業の県内への大規模設備投資が相次ぎまして、製造品出荷額は9兆4000億円を超えるということなど、三重県は着実に元気になってきていると思っております。

 この三重の元気を持続的なものとし、さらなる発展へつなげていくというために、本県経済の根幹を支えております基幹産業の成長を促してまいりますとともに、新しい生産技術を世界に提供できるような研究開発施設や次代を先導する産業分野の企業を誘致していく必要がございます。

 また、企業進出上、条件的に不利な地域につきましては、その地域の特性を生かしました産業の誘致活動を展開するということで地域産業を活性化し、雇用の場の確保を図っていく必要があると、こう思っております。

 こうした考え方を踏まえまして、本年度から企業立地補助制度というものを見直しまして、これまでの三つのバレー構想、シリコンバレー、クリスタルバレー、メディカルバレーのこの3構想に加えまして、将来の成長が見込まれる燃料電池、情報家電、ロボットといった国際競争力の核となる先端的な産業や高度な研究開発機能を県内に誘致をしてまいりますとともに、自動車、石油化学などにつきましても同様に対策をしていきたいと考えております。そして、本県の基幹産業の最先端製造施設の立地を促していくこととしたいわけでございます。

 さらに、条件的に不利な地域につきましては、既にある地域産業に加えまして、今まで気づかなかった新たな地域資源というものを地元市町とともに発掘いたしまして、これを生かした、例えば野菜工場などの農的企業でありますとか食品関連産業、こういったものの誘致を進めてまいりたいと考えております。

 次に、ソリューションセンターについてお尋ねがございました。

 まず、日本の強い物づくり産業を支えているというのは高度部材産業でございまして、既に世界じゅうの先端製品に日本の高度部材というものが組み込まれておりますなど、国際競争力の源泉となっております。幸い三重県におきましては、北部を中心といたしまして、自動車産業や電機・電子産業を核に、これらと連鎖をいたしました高度部材産業群が集積してきております。この三重県の強みをさらに高めるということで、県内の産業構造を知識集約型産業構造へと転換していくことが重要であると考えております。このため、企業等の研究開発の促進や産業技術人材の育成を通じまして、燃料電池産業など次世代産業分野への取組を積極的に推進してきたところでございます。

 この流れを加速していくために、国が進めます中部地域の東海ものづくり創生クラスター、これに本件の三重高度部材産業クラスターというものを位置づけまして、産学官の連携や企業間の連携など、国内外とのネットワークを構築することにより次々とイノベーションを生み出していく、そういう産業クラスターを形成していきたいと考えております。その核として、まだ仮称でございますが、ソリューションセンターを整備することといたしております。

 ソリューションセンターでは、川上産業と川下産業の連携、大企業と中小企業の連携など、既存の枠組みを超えまして、様々な人、組織、機関、こういったものが交流、融合する舞台を構築いたしまして、研究開発を通じまして多様なイノベーションを創出できる人材の育成を行います。さらに、計測・評価機器を備えたオープンラボを付設いたしまして、中小企業の技術の高度化、製品の高付加価値化というものを支援してまいります。

 特に、世界規模での競争が激しさを増す中で、今後の日本の物づくりには、消費者のより大きな感動や共感を得られる最終製品をつくるということが求められておりまして、素材、部品の段階から、従来の価値観を超えて人の心に訴えられる感性価値に着目すべきであると、こう考えております。今般整備を予定しておりますソリューションセンターにおきましても、国と協力して感性価値に着目した取組を進めてまいりたい、こういうふうに考えております。

 次に、地域コミュニティファンドについてお尋ねでございました。

 地域経済の活性化を促進するために、企業誘致や産業構造の高度化に加えまして、地域の知恵と知識を活用いたしまして、その特性や社会環境に応じた新たなビジネスを次々と創出できる環境づくりというものが重要でございます。このため、地域の特性を生かしました事業や地域の課題に対応した事業など、多彩なビジネスモデルの創出を資金面から支援する、果実運用型のみえ地域コミュニティ応援ファンドを立ち上げることにいたしたわけであります。

 ファンドは金融機関の協力を得まして、財団法人三重県産業支援センターに本年度10億円という基金を造成いたしまして、その運用益を活用いたしてまいります。その活用によりまして、例えば、子育て支援などのコミュニティービジネス、農林水産物や観光資源などを活用した事業、商店街の空き店舗を利用いたしましたチャレンジショップの取組など、地域への貢献度が高い事業の初期段階の取組を支援していきたい、こう考えておるところでございます。

 最後に、幹線道路、そしてその財源確保というようなことについてお話がございました。

 道路は、県民生活を支え、社会経済活動を活発化させるなど、人と地域の交流・連携に必要な社会基盤でございます。本県では、「産業をもっと元気に」、「観光で地域を元気に」、「安全・安心で心を元気に」の三つの元気に取り組んでおりますけれども、この基盤となるのが道路網でございます。

 このうち主要な幹線道路網の整備につきましては、直轄道路事業負担金を大幅に増額するなど、最優先で取り組んでおるところでございます。引き続き、御遷宮までに主要な幹線道路網がおおむね完成することを目指して取り組んでまいりたいと考えております。

 実は、こうした道路網の整備を計画的に進めてまいりますためには、道路財源を安定的に確保いたしますことや、国の歳出を上回る道路特定財源については、これは一般財源化することなく地方の道路整備に配分することが必要であると私は考えておりまして、このことにつきましては、去る5月23日に行いました国への予算編成に関する提言要望におきまして、強く訴えてきておるところでございます。今後も、あらゆる機会を通じまして一層強く国に訴えてまいりたい、こう思っております。

 また、県議会におかれましては、これまで道路特定財源に関する意見書を議決していただくなど、積極的にお取り組みをいただいておるところでございまして、引き続きこの点でも御協力をお願い申し上げたいと思います。

       〔36番 山本 勝君登壇〕



◆36番(山本勝君) どうもありがとうございました。

 企業誘致施策とかソリューションセンター、これは知事が今まで取り組んでこられました、それをより一層強化していくと、こういう施策でないかと思いますので、大いにひとつ期待をさせていただきたいと思います。

 それと、地域コミュニティファンドにつきましては、これは今までにない新しい支援策だと思いますので、これからの取組についてもひとつ円滑に立ち上げていただきたいと、このように思いますが、この辺で1点だけ、この間の説明等でも説明がありましたが、9億から10億ぐらいの金を拠出して、その利息でやっていくということでございますけれども、これは、民間のほうではどんな反応を持ってみえるのかなという、この辺のところをちょっとお聞きしたいのと、それから、今年度これで、約9億から10億ぐらいということでございますけれども、引き続いて来年度に向けて、これが増額というんですか、どの程度ぐらいまで考えてみえるのか、この1点だけちょっとお伺いしたいと思います。



◎知事(野呂昭彦君) このファンドにつきましては、ぜひ多様な主体で、民間の方々、こういった方々の御協力を得ながら、特に金融機関等についても大変関心も持っていただいております。そういうところの御協力をいただきながら造成してまいりたいと、こう思っています。今年度は当面10億円ということで造成をいたしていきます。そのうちの8億円は国のほうから出てくるわけでありますが、残りにつきましても、したがって、民間の皆様方とも十分連携しながら取り組んでいけるような、そういう体制に持っていきたいと思っています。

 国においては、このファンドを造成の、コミュニティ応援ファンドについては、数年間にわたっていろいろ展開をしていこうということにしておるところであります。したがいまして、私ども三重県としましても来年度についてもさらに10億円を上に足して、総額20億円ということを想定いたしておるところでございます。国のいろんな状況に応じて今後も適切に対応してまいりたい、そしてぜひこれを生かしていきたいと、こう思っております。

       〔36番 山本 勝君登壇〕



◆36番(山本勝君) どうもありがとうございました。

 道路の、遷宮に向けての決意ということでちょっとお伺いしたんですけど、余り決意が私のほうへ伝わってこなかったんですけど、どうぞひとつ、これからいろいろ地域のところで大変要望があろうと思いますので、どうぞ御留意をしていただきますようによろしくお願いします。

 次に、教育に対する知事の思いということで質問をさせていただきたいと思います。

 今、国におきましては、安倍内閣のもと、教育改革の動きが盛んになっています。昨年12月に教育基本法が初めて改正をされましたのをはじめ、現在、学校教育法、教育職員免許法、地方教育行政の組織と運営に関する法律の、いわゆる教育関連3法の改正案が通常国会で審議されています。このまま成立をしますと、教育委員会の責任の明確化や教員免許更新制の導入などが実施されることになります。

 また、今月1日には、内閣に設置された教育再生会議から第二次報告が提出をされました。その提言の内容を見ますると、夏休みや土曜日などを活用した授業時間の10%増、教科書の分量の増大、徳育の教科化、高等学校での奉仕活動の必修化、さらには教員評価を踏まえた教員の給与体系の実現など、学力向上にあらゆる手だてで取り組み、ゆとり教育を見直していくための具体策などが列挙されています。そして、年末の第三次報告に向けて、今後は、学校や教育委員会の第三者評価制度、6・3・3・4制のあり方や小学校での英語教育のあり方などについて、さらに検討を加えるとされています。

 さて、教育現場に目を向けてみますと、国際的な学力調査の結果、日本の子どもたちの学力や学習意欲が低下していることが明らかになるとともに、いじめや暴力行為など、規範意識や社会性の欠如による様々な問題行動が社会問題化していますが、こうした課題に対する的確な解決策が見出せていません。また、全国的に教員の不祥事がなかなかなくならないほか、教育委員会のあり方そのものにも様々な意見が出されています。

 一方で、特別支援教育への移行や、外国人児童・生徒の増加、あるいはキャリア教育や食育など、新たな教育課題も生じ、学校現場ではそれらへの適切な対応も求められています。教育改革に関する議論が活発に進められ、各界各層からも様々な指摘や提言、要望が出されるのも、やはり教育に対する国民の関心と期待が大きいからに違いありません。県としても、公教育の信頼の確保に向けて一層取組を強化していく必要があるのではないでしょうか。

 このような中で、知事はさきの選挙で、30人学級など少人数教育を平成22年度までに県内の公立小・中学校のほぼ全校で実施をするとか、平成22年度までに県内の公立小・中学校、高等学校のほぼ全校に学校経営品質に取り組むと、このように公約でも言われておりますが、知事としての2期目をスタートするに当たって、改めて教育に対してどのような思いを抱き、今後、どのように取り組んでいかれるとするのか、お伺いをいたしたいと思います。

 次に、中心市街地対策についてお伺いをいたしたいと思いますが、衰退しつつある中心市街地対策についてお尋ねをします。

 平成10年にいわゆるまちづくり3法ができて、大型店舗を大幅に規制緩和する一方、中心市街地を活性化して地元商店街の振興を図る仕組みとなってから9年を経過しました。結果は法改正の意図したところからはほど遠く、都市部における中心市街地の衰退は目を覆いたくなるほどと言ってもいいと思います。

 その原因は、規制緩和の美名のもとに、無原則な土地利用を許したことにあると考えます。本来、開発が抑制されるべき市街化調整区域への大規模集客施設の建設と、農地つぶし、工場跡地などへの大規模集客施設の誘致、郊外部への都市機能の移転、通過交通を処理することが目的のはずのバイパスに、いつの間にか市街地道路のように商業・サービス店舗が建ち並ぶといった市街地の拡散が中心市街地の衰退を招いていたと言っていいでしょう。

 こういう状況の中で、今回、法改正で、県知事が関係市町の意見等を聞く、いわゆる広域調整をするということができることになり、県当局がその調整のため案をつくって、現在パブリックコメントをやられておりますけれども、福井県あたりの例を見てみますと、もう少しコンパクトで個性豊かなまちづくりの推進に関する基本的な方針というような形で指導されておりますけれども、三重県の広域調整についての御指導等についてお伺いをいたしたいと思います。

 以上です。

       〔知事 野呂 昭彦君登壇〕



◎知事(野呂昭彦君) まず、教育に対する思いということでございます。

 私としても、教育環境をしっかり整備していくということは県の最重要課題の一つであると、こう考えております。したがいまして、県民しあわせプランの第二次戦略計画におきましては、子どもたちが基礎・基本の学力だけでなく、それを実生活の様々な場面で活用する力でありますとか、コミュニケーション能力、公共心や規範意識などをしっかり身につけまして、将来自立して社会に参画し、力強く生きていけるような、そういう人間力を高めるという視点を大切にした「みえの人づくり」を重点事業に位置づけまして取り組んでいきたいと、こう考えております。

 特に少人数学級についてでありますが、小・中学校すべての学年で30人学級などの少人数教育を実現いたしまして、学校現場を支援していけるよう今後努力を重ねてまいりたいと思います。また、子どもたちや保護者、そして地域の方々から信頼される学校づくりを推進するために、学校経営品質の取組がすべての学校で導入をされ、一層充実していくということを期待しているところでございます。

 今、国におきましては、様々な教育改革に関する議論がなされておりますけれども、私は、何も国の改革を待たずとも、それぞれの学校で教職員が一丸となってこの学校経営品質の取組をうまくツールとして活用いたしまして、日々、改善、改革を積み重ねていけば、質の高い学校づくり、教育の実践がこの三重県でしっかり実現できると、こう信じておるところでございます。

 ぜひ子どもたちの将来のために教職員の皆さんに志を高く持っていただき、創意工夫しながら、よりよい教育の実践に取り組んでいかれることを期待をいたしております。そして、できるだけの支援をまた私どもはしていきたいと思っています。

 次に、まちづくりについてでありますけれども、人口減少とか環境問題等、こういった問題に的確に対応しながら、限られた資源を有効に活用しながら持続可能なまちづくりを進めていくということが必要でございまして、そういう意味で、コンパクトなまちづくりに取り組んでいく必要があると思っています。

 県でも、県のマスタープランにおいて、コンパクトで個性ある都市空間の創出というものを都市づくりの方向として打ち出しておりますけれども、今年度から改定作業に着手するということにしておりますので、この方向性をより明確に打ち出していきたいと、このように思っております。

 しかし、このまちづくりにおいては、やはり地域が主体となって検討していただき、県は広域的な視点から支援、調整を行う、その補完をする役割を担うということが大事でございます。今回の都市計画法の改正によりまして、用途地域等に関しての都市計画の見直しが必要になるような場合に、市町の都市計画決定に際して県が広域調整というのを行うわけでございますが、今、これについての基本的な判断基準の策定というものを進めておるところでございまして、三重県の都市マスタープランの理念に沿いまして、その判断基準に基づきまして、今後、的確な広域調整を図っていきたいと、こういうふうに考えております。

       〔36番 山本 勝君登壇〕



◆36番(山本勝君) 知事、どうもありがとうございました。

 特に教育の抱負については、少し時間がなかったので、えらい申しわけございません。

 それと広域調整の件ですけれども、都市計画法が変わって、その法律の施行というか、そういう立場の中で広域調整のいわゆる三重県版がつくられておるような気がするわけですけれども、もう少し商工関係の立場とか、それから地域貢献とか、そういう立場のところ、それからやっぱり出店して退店をする、いわゆる撤退をするという、この辺のところも見据えて、一回三重県としての県の立場でのこういうビジョンの中でそういうまちづくりの姿をつくっていただいて、それで広域調整をやっていただくと。こんなところを一回、私どもとしては、できれば福井県の例を見ていますとお願いしたいなと思っていますので、そのことを最後に要望させていただいて、これで質問を終結させていただきます。

 どうもありがとうございました。(拍手)



○議長(岩名秀樹君) 以上で、各会派の代表による質疑並びに質問を終了いたします。



△検討会の設置



○議長(岩名秀樹君) 日程第3、検討会設置の件を議題といたします。

 お諮りいたします。三重県議会基本条例第14条第1項の規定により、お手元に配付の一覧表のとおり、道州制・地方財政制度調査検討会を設置いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○議長(岩名秀樹君) 御異議なしと認めます。よって、お手元に配付の一覧表のとおり、道州制・地方財政制度調査検討会を設置することに決定いたしました。

          ──────────────────



△検討会設置一覧表



1 道州制・地方財政制度調査検討会

(1)設置目的

   分権型社会の地方自治の実現に向け、道州制及び地方財政制度に関する調査・検討を行うため

(2)定  数  20名以内

(3)構成議員  議長が指名する者

(4)設置期間  当該調査終了まで



          ──────────────────



○議長(岩名秀樹君) これをもって本日の日程は終了いたしました。



△休会



○議長(岩名秀樹君) お諮りいたします。明13日は議案調査のため休会といたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○議長(岩名秀樹君) 御異議なしと認め、明13日は議案調査のため休会とすることに決定いたしました。

 6月14日は、定刻より、質疑並びに県政に対する一般質問を行います。



△散会



○議長(岩名秀樹君) 本日はこれをもって散会いたします。

               午後0時23分散会