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愛知県 名古屋市

平成17年  6月 定例会 06月29日−13号




平成17年  6月 定例会 − 06月29日−13号









平成17年  6月 定例会



          議事日程

     平成17年6月29日(水曜日)午前10時開議

第1 平成17年第104号議案 名古屋市特別職報酬等審議会条例の一部改正について

第2 同   第105号議案 名古屋市公立大学法人評価委員会条例の制定について

第3 同   第106号議案 名古屋市市税条例の一部改正について

第4 同   第107号議案 名古屋市立学校設置条例の一部改正について

第5 同   第108号議案 名古屋市総合体育館条例の一部改正について

第6 同   第109号議案 名古屋市体育館条例の一部改正について

第7 同   第110号議案 名古屋市スポーツトレーニングセンター条例の一部改正について

第8 同   第111号議案 名古屋市瑞穂運動場条例の一部改正について

第9 同   第112号議案 名古屋市港サッカー場条例の一部改正について

第10 同   第113号議案 名古屋市野外スポーツ・レクリエーションセンター条例の一部改正について

第11 同   第114号議案 名古屋市名城庭球場条例の一部改正について

第12 同   第115号議案 名古屋市東谷山フルーツパーク条例の一部改正について

第13 同   第116号議案 名古屋市農業文化園条例の一部改正について

第14 同   第117号議案 名古屋市都市公園条例の一部改正について

第15 同   第118号議案 名古屋市緑化センター条例の一部改正について

第16 同   第119号議案 名古屋市コミュニティセンター条例の一部改正について

第17 同   第120号議案 名古屋市民会館条例の一部改正について

第18 同   第121号議案 名古屋市公会堂条例の一部改正について

第19 同   第122号議案 名古屋市青少年文化センター条例の一部改正について

第20 同   第123号議案 名古屋市芸術創造センター条例の一部改正について

第21 同   第124号議案 名古屋市文化小劇場条例の一部改正について

第22 同   第125号議案 名古屋市音楽プラザ条例の一部改正について

第23 同   第126号議案 名古屋市演劇練習館条例の一部改正について

第24 同   第127号議案 名古屋市民ギャラリー条例の一部改正について

第25 同   第128号議案 名古屋市短歌会館条例の一部改正について

第26 同   第129号議案 名古屋市東山荘条例の一部改正について

第27 同   第130号議案 名古屋市民御岳休暇村条例の一部改正について

第28 同   第131号議案 名古屋市国際展示場条例の一部改正について

第29 同   第132号議案 名古屋市中小企業振興会館条例の一部改正について

第30 同   第133号議案 名古屋国際会議場条例の一部改正について

第31 同   第134号議案 名古屋能楽堂条例の一部改正について

第32 同   第135号議案 名古屋市営路外駐車場条例の一部改正について

第33 同   第136号議案 名古屋市バスターミナル条例の一部改正について

第34 同   第137号議案 名古屋市営住宅条例の一部改正について

第35 同   第138号議案 名古屋市港防災センター条例の一部改正について

第36 同   第139号議案 名古屋市消防関係事務手数料条例等の一部改正について

第37 同   第140号議案 名古屋市児童福祉施設条例の一部改正について

第38 同   第141号議案 名古屋市国民健康保険条例の一部改正について

第39 同   第142号議案 財産の取得について

第40 同   第143号議案 財産の取得について

第41 同   第144号議案 土地の無償貸付について

第42 同   第145号議案 公立大学法人名古屋市立大学定款の制定について

第43 同   第146号議案 公立大学法人名古屋市立大学に承継させる権利について

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   出席議員

    岡本康宏君      鎌倉安男君

    杉山ひとし君     服部将也君

    渡辺房一君      うかい春美君

    梅村麻美子君     吉田隆一君

    西川ひさし君     前田有一君

    村松ひとし君     稲本和仁君

    田島こうしん君    中田ちづこ君

    岡本善博君      こんばのぶお君

    長谷川由美子君    中村 満君

    木下 優君      山口清明君

    かとう典子君     さとう典生君

    のりたけ勅仁君    小林祥子君

    福田誠治君      ちかざわ昌行君

    山本久樹君      須原章君

    うえぞのふさえ君   佐橋典一君

    田中里佳君      橋本静友君

    小林秀美君      おくむら文洋君

    吉田伸五君      早川良行君

    諸隈修身君      村瀬博久君

    郡司照三君      久野浩平君

    横井利明君      伊神邦彦君

    坂崎巳代治君     桜井治幸君

    堀場 章君      岡地邦夫君

    浅井日出雄君     渡辺義郎君

    斉藤 実君      加藤 徹君

    三輪芳裕君      林 孝則君

    小島七郎君      西尾たか子君

    江口文雄君      梅原紀美子君

    黒田二郎君      村瀬たつじ君

    わしの恵子君     冨田勝三君

    荒川直之君      斎藤亮人君

    坂野公壽君      ふじた和秀君

    田中せつ子君     中川貴元君

    ばばのりこ君     田口一登君

    藤沢忠将君      ひざわ孝彦君

    加藤一登君      梅村邦子君

    加藤武夫君

   欠席議員

    西村けんじ君      工藤彰三君

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   出席説明員

市長        松原武久君    助役        因田義男君

助役        塚本孝保君    収入役       加藤公明君

市長室長      佐合広利君    総務局長      鴨下乃夫君

財政局長      林 昭生君    市民経済局長    杉浦雅樹君

環境局長      大井治夫君    健康福祉局長    松永恒裕君

住宅都市局長    一見昌幸君    緑政土木局長    森本保彦君

市立大学事務局長  尾崎憲三君    収入役室出納課長  岸上幹央君

市長室秘書課長   星野寛行君    総務局総務課長   二神 望君

財政局財政部財政課長         市民経済局総務課長 葛迫憲治君

          三芳研二君

環境局総務課長   西川 敏君    健康福祉局総務課長 森 雅行君

住宅都市局総務課長 柴田良雄君    緑政土木局総務課長 原口辰郎君

市立大学事務局総務課長

          上川幸延君

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上下水道局長    山田雅雄君    上下水道局経営本部総務部総務課長

                             佐治享一君

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交通局長      吉井信雄君    交通局営業本部総務部総務課長

                             中根卓郎君

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消防長       田中辰雄君    消防局総務部総務課長

                             岩崎眞人君

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監査委員      加藤雄也君    監査事務局長    村木愼一君

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選挙管理委員会委員 高取隆吉君    選挙管理委員会事務局長

                             日沖 勉君

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教育委員会委員   青木 一君

教育長       岡田 大君    教育委員会事務局総務部総務課長

                             横井政和君

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人事委員会委員   小林素文君    人事委員会事務局長 吉田 宏君

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          平成17年6月29日 午前10時5分開議



○議長(佐橋典一君) これより本日の会議を開きます。

 本日の会議録署名者には渡辺房一君、堀場章君の御両君にお願いいたします。

 これより日程に入ります。

 日程第1より第43まで、すなわち第104号議案「名古屋市特別職報酬等審議会条例の一部改正について」より第146号議案「公立大学法人名古屋市立大学に承継させる権利について」まで、以上43件を一括議題に供します。

 昨日に引き続き、質疑並びに質問を続行いたします。

 最初に、梅原紀美子さんにお許しいたします。

     〔梅原紀美子君登壇〕



◆(梅原紀美子君) おはようございます。通告に従い質問いたします。

 初めに、介護保険制度の改善について質問いたします。7月1日上程される議案につきましては触れませんので、あらかじめお断りいたします。

 5年前、だれもが安心できる老後を目指して介護保険制度が実施されました。国民が期待したような介護保険になっているでしょうか。介護の社会化が進み、中高所得階層のサービス利用が増加しましたし、介護基盤の整備が一定進みました。しかし、低所得者に対する措置制度がなくなり、国や地方の公的責任が後退しました。その上、今回の介護保険法の改正で介護サービスの切り縮めや負担増など、老後の不安が一層増すものになっています。

 先日、私どもが主催した介護シンポジウムにおいても深刻な実態が明らかになっています。施設に入所している家族からは、今は年金の7万円で何とかやっているが、10月から幾らかかるのか知りたい。特養ホームではいまだに教えてくれない。居住費や食費を取られるようになったら払えなくなってしまう。夫を連れて帰っても面倒を見る人がいない。93歳のひとり暮らしの方からは、ヘルパーさんが週2日来てくれて買い物などをしてくれるので、何とか生活できている。来てもらえなくなったらどうやって暮らしたらよいのかなど、切実な声が上がりました。そこで、介護保険の改正について、名古屋市としての考えを伺います。

 まず第1に、軽度要介護者の介護サービスの利用制限への対応についてです。多くの高齢者の生活の支えとなっているホームヘルプサービスなど在宅介護サービスの利用を制限して、新予防給付にすることについてお聞きいたします。改正法では、現在要支援の人及び要介護1のうち、急性疾患や認知症の方、トレーニングができない方以外の人が新しい予防給付サービスに移行し、筋力トレーニングや栄養指導など介護予防が中心になります。名古屋市での推計では、現在要支援と要介護1合わせて3万人いますが、新区分ではそのうち2万5100人がこれまでの介護給付から外されます。厚生労働省は外す理由として、家事援助介護サービスを受けることにより介護者の自立しようとする意欲を妨げ、介護度が重度化したとしています。新予防給付となる方は、現在要支援の方は無条件で、そして要介護1は本人の意向は聞かずに、行政処分としての介護認定時に一方的に見直しをされます。そして、新予防給付となった方の予防ケアプランは地域包括支援センターの保健師が作成することになります。

 厚生労働省の出した例を挙げてみましょう。90歳の要介護1の女性のケースです。ひとり暮らしで転倒骨折し、訪問介護による生活リハビリ、掃除、入浴介助を週3回利用している方です。厚生労働省の見直し後のプランでは、要支援2で通所サービスを一、二回利用し、運動機能の向上など予防サービスを受け、家事がひとりでできるようにする訓練をするための訪問介護を週1回受けることになります。この改善策では、掃除や買い物については地域のサービスとなっており、見守りが中心です。介護保険での家事代行サービスの生活援助は認められておらず、訪問介護は布団干ししか認められていません。この改善策で90歳のひとり暮らしの方の生活が支えられているとは思えません。新予防給付でも、ヘルパーやデイサービスの利用は一律には禁止されないと政府も言い始めましたが、その期間や内容は制限されると言われています。

 そこでお尋ねします。介護保険を外され新予防給付になる人が、名古屋市の予測では2万5100人になると言われています。この方たちの中には新予防給付となると自宅で自立した生活ができない方が出てくることが予測されます。政府の答弁でも、自治体が責任を持ち、地域包括支援センターで新予防給付を行うとしています。名古屋市ではどのように検討されているのか、局長、お答えください。

 第2は、健康診査の介護保険化の問題です。改正によって、これまで市町村が行ってきた65歳以上の健康診査を介護保険に組み入れると聞きました。これまでの老人保健事業などが再編され介護保険の地域支援事業として吸収されるということです。介護保険に該当しない高齢者を対象に、地域支援事業を行おうとしています。地域支援事業として高齢者の健診や福祉事業が介護保険になると、これまで70歳以上は無料だった老人健診や福祉事業の自己負担がふえる可能性があります。名古屋市のはつらつ長寿プランなごや2003では、基本健診の2007年度の計画目標を60%としていますが、2004年12月実績では47.5%しか達成していません。自己負担がふえると、当然健康診査の受診率がさらに低下するおそれがあります。今度の介護保険の改正では、予防を重視するためと政府は言っています。介護予防と言うなら、まず健診を受けやすくして、早期発見、早期治療が第一ではないでしょうか、局長の見解をお尋ねします。

 第3は、利用料負担の軽減の問題についてお聞きします。在宅介護の方から、一月1万円の自己負担が限界という声が出ています。ですから、ケアマネジャーの方は幾らなら出せますかと聞いてケアプランを立てるそうです。在宅サービスの利用率40%台という現状は、自己負担が大きいために必要なサービスを抑制しているということではないでしょうか。利用者負担に対する特別施策として、県下の自治体の中には介護手当の支給などで負担の軽減を図っているのです。ところが、名古屋市では昨年まではホームヘルプサービスの利用者への利用料減免や市民税非課税世帯に対する要介護高齢者等福祉金が7,500円支給されていましたが、段階的に削られ、ことしとうとうすべて打ち切られました。名古屋市は在宅での介護利用料負担の軽減を図り、安心して介護が受けられるような施策が必要かと思いますが、局長、お答えください。

 2番目は、市立高校の校舎老朽化についてお聞きします。

 市立高校、名古屋市には14校あります。建設以来40年以上たった校舎が5校ありますが、老朽化が著しい学校があると聞き、私は山田高校、緑高校、菊里高校などを訪問し調査いたしました。このコンクリートの破片は、山田高校の4階のひさし部分が欠け、2階のひさし部分に落下したものです。幸い、落ちたところに人がいなく、けが人もなくよかったのですが、もし人に当たっていたら大変なことになっていたと、ぞっとします。とりあえず応急修理をして、修繕計画を検討中ということですが、それだけで終わっては心配です。校舎周辺のひさしはコンクリートが至るところで浮いており、廊下やトイレであちこちの亀裂が見えております。天井や壁の傷みも激しく、床のPタイルが浮いて欠けています。この校舎は1978年に建てられてから27年になりますが、一度も改修工事がされていません。

 次に、緑高校です。この高校の校舎は鳴海町時代の鳴海中学を受け継いだものもあり、校舎は1962年の建設です。校舎は増築に増築を重ね、接合部の廊下側の天井には亀裂が入り、2・3階の廊下や一部の教室の床が波打っています。中学生用の教室であるため狭く、廊下側は木枠の窓がつけられ、教室の出入り口は179センチしかないため、頭を打たないように気をつけなくてはなりません。また、プールは老朽化し、塩化ビニールシートのプールは、泳いでいてターンをしようとするとターンができないような状況になっています。プールの更衣室は天井のプラスターボードがはがれ落ち、使えなくなっていますし、プールのろ過器も旧式のため水がろ過されず、アオコが発生し、保健所から指導を受けたということです。

 また、菊里高校は体育館兼講堂の屋根が老朽化しており、雨漏りをしていますが、改修計画がありません。3階の図書室の外壁は亀裂が入っています。

 さて、一般的に学校は20年を過ぎたら大規模改造工事が実施され、本年度四つの小学校が予算化されています。しかし、阪神・淡路大震災の後、大規模改造工事は耐震改修が終わってからと後回しにされ、いまだ高等学校の改修計画がないのは問題です。小さな修繕費用は学校運営費からやりくりしているそうですが、高等学校の運営費は生徒1人当たり、6年前2万7538円でありましたが、ことしの予算では1万8543円にと大幅に削られました。小学校や中学校の運営費が削減され、現場でもう限界という声をよく聞きましたが、高等学校はそれ以上の事態となっています。耐震改修でも小中学校が改修されているのに比べ、高校では耐震診断で優先的に改修しなければならない?−2が11棟も残っており、高校だけは大きくおくれています。危険な校舎や老朽化したプールは早急に改修して整備すべきです。市立高校における危険な校舎の改築、大規模改造工事を早急に進めるべきだと思いますが、教育長の見解をお聞きします。

 これで、第1回目の質問を終わります。(拍手)



◎健康福祉局長(松永恒裕君) 介護保険制度の改善について3点の御質問をいただきました。

 平成12年4月に開始いたしました介護保険制度は、サービスの利用も年々ふえてきまして、要介護認定者も現在約6万3000人と、制度の発足時に比べ約2倍強になってきたところでございます。今回の介護保険制度の見直しは、これまでの介護保険制度におけるサービスが、特に要支援者や、軽度の要介護者の状態の改善及び悪化の防止に必ずしも寄与していないことから、予防を重視したシステムへ転換されるものでございます。要支援、要介護1など比較的軽度の要介護者に対して、生活機能の低下を防ぐため介護予防サービスを実施することは、本市といたしましても大変重要であると考えておりまして、現在、国では法改正に向けて介護予防サービスの具体的な内容や介護給付の詳細等について検討されているところでございます。

 そこで、まず新予防給付の対象となる方について、従来のサービスが制限されるのではないかとの御質問でございます。新しく創設されます新予防給付の対象については、一律に従来のサービスをカットするものではなく、適切なマネジメントに基づいて提供されるサービスは認められると聞いております。また、新予防給付のマネジメントについては、従来の居宅介護支援事業者にかわり、新たに地域包括支援センターがその役割を担うことになっておりまして、この包括支援センターはこのような介護予防サービスのマネジメントを行うほか、権利擁護など地域における総合相談窓口として来年度創設されるものでございます。新予防給付の対象となる方への支援のあり方については、メニュー及び利用の仕組みや地域包括支援センターの内容など、現時点において具体的な内容がまだ国から示されていない状況でございます。今後、国から示される政省令等の具体的な内容を把握した上で、平成18年度から3年間の本市の第3期の高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の策定の中で検討してまいりたいと考えております。

 次に、健康診査の介護保険化のお尋ねをいただきました。65歳以上の高齢者の基本健康診査が介護保険の新たな地域支援事業に吸収され、受診者の自己負担がふえる可能性があるとの御指摘でございますが、現在私どもといたしましては、国からそのような情報を得ていないという状況でございます。また、基本健康診査の受診率は、平成16年12月の時点では47.5%でございましたが、17年の3月では54.7%となり、1年前の16年3月に比べ0.8%ほど増加したところでございます。いずれにいたしましても、基本健康診査の受診率につきましては、はつらつ長寿プランなごや2003の目標値であります60%の達成に向けて引き続き努力をしてまいりたいと考えております。

 最後に、介護保険料の利用料負担の軽減についてお尋ねをいただきました。介護保険制度における1割の利用者負担は、サービスを利用する方と利用されない方の負担を公平にするため、受益に応じ一律の負担をお願いしておる制度でございます。介護保険制度におきましては、利用者の減免できる要件が災害など省令で限定されておりまして、本市独自での減免は困難なところでございます。なお、利用料の低所得者対策につきましては、本来法制度の枠組みの中で対応すべきものであると私ども考えておりまして、従来からあらゆる機会を通じて国に対して要望しているところでございます。

 以上でございます。



◎教育長(岡田大君) 市立高校の校舎の老朽化についてお尋ねをいただきました。

 山田高校の件につきましては、直ちに応急対策工事を行いましたが、改めまして校舎の総点検を行い、補修が必要とされる箇所の工事を7月には実施してまいります。

 市立高校につきましては、昭和40年代に建設されました緑高校を初め9校は既に内外装の改修を含む大規模改造を完了いたしておりまして、昭和50年代に建設された山田高校初め3校につきましては、個々の建物の状況を見ながら、早急に改修が必要なものは適切な対策を実施しながら大規模改造の実施時期などを検討してまいりたいと考えております。現在は、優先的に耐震対策が必要とされる、いわゆる?−2の評価を受けた建物の耐震工事を行っているところでございますので、御理解賜りたいと思います。



◆(梅原紀美子君) それぞれお答えいただきました。再質問をさせていただきます。

 介護保険の点で、一つ目は介護保険の予防給付の点でございますが、今の局長答弁ではサービスの利用制限について一律に従来のサービスはカットしないと言われました。一律ではないけれども、カットされることがあるんですね。その点、局長さん、はっきりとお答えください。

 二つ目は、利用料減免の点です。これまで名古屋市は、要介護高齢者等福祉給付金を軽減策として行っていると説明してきましたが、これは利用料軽減策ではなかったのでしょうか、局長さん、お答えください。

 三つ目は、老朽校舎の問題です。緑高校などは大規模改造が完了したということですが、老朽化が進んでいます。こうした危険なところを放置してよいのか、教育長さん、もう一度お答えください。



◎健康福祉局長(松永恒裕君) 今回の国における検討の内容について、サービスの利用についてまずお尋ねをいただきました。今回の国における新予防給付の内容につきましては、先ほどお答えをいたしましたように、現在国の方で詳細について検討をされているという状況でございますので、その状況をさらに私どもとしては内容を十分検討した上で今後詰めていくことになるというふうに思っております。

 2点目に、具体的な従来やってまいりました措置については、私どもとしては制度の導入時においていろんな対応についてやってきた、そのように理解をしております。



◎教育長(岡田大君) 緑高校の校舎老朽化について、再度お尋ねをいただきました。教育環境改善のために学校施設の耐震対策とあわせまして、建物の老朽化への対応も重要な課題であるというふうに認識いたしております。そのため、生徒の安全にかかわる外壁の補修など早急に改修が必要な建物につきましては、大規模改造を待たずに補修工事を実施してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りたいと思います。



◆(梅原紀美子君) 今の御答弁の中で健康福祉局長さんは、一律カットはしないということだけで、これはカットがないという、全くないというこの答弁がいただけませんでした。措置制度は今、今回からこの制度もなくなります。利用料軽減の策はきちっと名古屋市で打つべきだと私は思います。今回の介護保険法の改正に当たり、政府は自治体の責任で地域包括支援センターで新予防給付を行うと言っています。新予防給付となった2万5100人の方、この方たちには現行水準のサービスを行って老後がきちっと過ごせるようにする名古屋市の責任があります。

 利用料の軽減ですが、要介護高齢者等福祉金は、施設介護の費用負担と比較して在宅介護に費用がかかるということでこれまで設けられた制度でもあり、愛知県の自治体の中には介護手当として負担軽減のために行っているところが多数あります。名古屋市でも利用料負担軽減策を講ずることを強く要望いたします。

 介護サービスの切り捨てにならないようにする、このことこそ安心の名古屋市と言えます。今回の改正は必要な介護サービスを取り上げることによって高齢者の生活と人権を踏みにじるものであり、名古屋市が自治体として住民の福祉を守る責務を果たすことを強く求めます。

 市立高校の老朽化校舎の問題では、このような危険な校舎を放置せずに早急に改築、大規模改造工事を行うべきことを申し上げて、質問を終わります。(拍手)



○議長(佐橋典一君) 次に、岡本康宏君にお許しいたします。

     〔岡本康宏君登壇〕



◆(岡本康宏君) おはようございます。さきの補欠選挙で緑区の皆様から選出いただきました岡本康宏です。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)

 それでは、お許しをいただきましたので、通告に従いまして、初めての質問をさせていただきます。

 本日は、4月に起きましたJR福知山線列車脱線事故に関することから幾つかお聞きしたいと思います。

 先週、6月20日になりますが、4月25日の事故発生以来55日ぶりの運転が再開されました。テレビでは久しぶりに通勤ラッシュの模様が映し出されていましたが、反面、事故により重傷を負い、一命を取りとめられた方の紹介もされていました。その方は当時の恐怖心からとても電車に乗れる心理状態ではないというもので、事故現場のカーブをゆっくり走る電車を見ながら手を合わせ、涙を流している姿が印象的でした。このように多くの人に深い悲しみと心の傷を与え、この先も消えることのない御遺族の心の痛みを考えますと、改めてこの事故の重大さを思い知らされました。この場をおかりし、亡くなられた方、そして御遺族の方に対しまして、心より御冥福をお祈り申し上げます。また、被害を受けられた方々には、心よりお見舞いを申し上げます。

 さて、この列車事故では乗客、乗員約580名のうち、亡くなられた方が107名、負傷された方が460名と、近年の列車事故ではまれに見る大惨事になってしまいました。テレビなどでは事故の原因等を中心にさまざまな報道がされていましたが、私が注目いたしましたのは、事故直後の救助活動の様子でした。アルミ製の列車がまるで紙くずのようにマンションの1階に折り畳まれ、原形をとどめないぐらい破壊された状況は、皆様の記憶にも新しいと思います。そのような状況の中での消防隊による懸命な救助活動が映し出されていました。次々と運び出される遺体には目を覆いたくなる思いでしたが、しかし中には明らかに呼吸をしていたり、かすかな動きがある方も見え、安心した記憶があります。

 私はこのときふと気づいたのですが、運び出される負傷のほとんどの方々に何か札のようなものが手、足、首などにかけられているのが見えました。そのときは何だろうという程度で見ていましたが、後になってからある医療関係のテレビで紹介されていたのを思い出し、もしかしたらあれがトリアージタグなのかと思い出しました。どうしても気になったのでインターネットなどで調べてみると、やはりこの列車脱線事故の救助活動で効果的に取り入れられたことがわかりました。

 このトリアージタグという言葉は初めて耳にする方も多いかと思います。トリアージとはもともとフランス語のトリエール、より分けるとか分別するという意味の言葉が語源とされているそうで、もともとは収穫されたコーヒー豆やブドウを選別する際に使われた言葉だそうです。その後、ナポレオン時代には負傷兵の医療救護のため、負傷の度合いによって効果的に選別をすることが行われるようになり、このときトリアージという言葉が使われるようになったと言われているそうです。

 今回の列車脱線事故のように、短い時間に多くの死傷者が発生するような場合、救護するために必要な医療の物的あるいは人的要素は限りなく制限されるのは言うまでもありません。災害の内容、現場の地理的条件、環境、自然条件などさまざまな要因が働く中で、限られた医療資源を最大限に生かし、多数の傷病者に対して最善の医療処置を行うためには、このトリアージ、つまり傷病者の選別が重要なポイントとなってくるのではないでしょうか。簡単に言いますと、優先順位をつけずに搬送だけを繰り返していると、治療が手おくれとなったり、後方の支援施設が対応できなくなったり、混乱がひどくなり、助かる命も失うことになりかねぬからです。すなわち、多数いる傷病者を緊急治療、準緊急治療、軽傷、死亡の4段階に分類し、先ほど御紹介しましたタグ、いわゆるカードのようなものによりそれぞれ赤、黄、緑、黒に色分けをして救護活動を行うものだそうです。

 タグは、水にぬれても字が書けるなど、3枚つづりで1枚目は災害現場用、2枚目は搬送機関用、3枚目本体は収容医療機関用となり、簡易カルテとして利用することも可能なものであります。また、受け入れ患者総数や傷病程度別患者数をより的確に把握することもできます。議長にお許しをいただいておりますので、皆様にトリアージタグをお見せします。これがトリアージタグです。これを実施することにより優先順位が明確になり、負傷者に対して効果的な救護活動が行われるということになるわけです。

 しかし、一刻一秒を争う緊迫した状況が続く災害現場では、救助する消防隊員や救急隊員のストレスははかり知れないものと想像されます。そのような状況の中で次々と救助される傷病者を選別するという作業は、これまた大変な作業になるのではないでしょうか。日ごろはほんのわずかでも望みのある傷病者に対して、全力を尽くして救命活動を行っている救急救命士を初めとする救急隊員が、集団災害の現場ではこのような傷病者に対して黒いタグ、つまり搬送しても助かる見込みがないものと判断せざるを得ない状況も考えられるということです。これはまさに想像を超えた大変な作業だと私は思います。

 しかし、今回の列車脱線事故は対岸の火事ではなく、私たち名古屋市においても起こり得る可能性はゼロではありません。また、いつ起きてもおかしくない東海地震、東南海地震の発生を考えますと、市内全域あちらこちらでこのような災害現場が発生することが予想されますし、政府の中央防災会議がまとめた試算によりますと、東海地震が起きた場合の想定される最悪のケースで、死者9,200人、全壊家屋は46万棟との発表もありました。

 そこで、消防長にお伺いいたします。

 第1に、このような状況下において、消防局としてこのトリアージについて組織的にどのように取り組んでいるのか。第2に、先ほど申し上げましたように、災害現場でのトリアージは救急隊員等にかなりの負担がかかると思います。このような現場で耐えられる隊員の育成など教育・訓練等がどのように行われているのか。そして最後に、東海地震、東南海地震の強化地域、推進地域に指定されている名古屋市の市民に対して、私はこのトリアージについてもっと広報していくべきではと考えますが、この点についてお考えをお伺いいたします。

 次に、救急救命講習についてですが、もし名古屋に大規模災害が発生した場合、あの阪神・淡路大震災での神戸市が多くの教訓を残してくれたように、大切なことは、やはり自分たちのまちは自分たちで守るということです。ある被災者へのアンケート結果を見ても、被災したとき一番頼りになったのはという問いかけに、多くの人が、家族を初め隣近所の方と答えています。私もそう考えますが、もう少し広い視野で考えると、災害時に頼りになりそうな人を年代別で考えてみたとき、私は高校生、大学生の世代が大きな役割を果たせるのではないかと考えます。大規模災害時には家屋が倒壊し、あちらこちらで火災が発生するなど過酷な状況が考えられます。このような状況の中でも、若く、体力的、知力的にも最も期待のできる年代が高校生や大学生の世代ではないでしょうか。

 人を助け出す上で大きなポイントとなるのが、救命措置などの知識を持っているかいないかではないかと思います。ただ助け出すだけではなく、救助する人の状態を観察し、救助した後にも適切な救急処置ができれば、かなりの効果が期待できます。しかし、現段階では高校生や大学生の世代が十分な救命知識を持っているとは実感として感じられません。現在名古屋市では、定期的に救急救命講習が行われていますが、高校生、大学生の世代の講習は少ないのではないでしょうか。私は、救命知識の普及について、高校生や大学生にターゲットを絞った施策が必要ではないかと考えますが、この点につきまして消防長のお考えをお伺いしたいと思います。

 以上で、私の第1回目の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)



◎消防長(田中辰雄君) 集団災害時の救急活動と若年層に対する救命知識の普及方策につきまして、数点のお尋ねをいただきました。

 まず初めに、傷病者の緊急度、重症度の選別、いわゆるトリアージの組織的な取り組みについてでございますが、東海・東南海地震、またJR福知山線のような列車脱線事故が発生した場合、多数の傷病者が発生することが予想されます。このような場合、傷病者の方に対してそれぞれの傷病程度に応じた医療を提供し、一人でも多くの方を救命するために、傷病者を救出し、トリアージを行い、応急処置、搬送といった一連の活動を組織的に行う必要があることは議員御指摘のとおりであります。消防局といたしましては、出動部隊の規模を事前計画として設定するとともに、各部隊の活動要領を策定し、集団災害時の救急救助活動体制を整えております。また、災害現場における傷病者のトリアージにつきましては、医師の指導のもとに行うことを基本としておりますが、医師が現場に到着するまでの間は救急隊員がその任に当たりますことから、救急隊員がトリアージを行う場合の判断基準を定めております。今後とも計画の実効性を向上させるため、訓練内容の充実を図るとともに、災害現場へ医師などの派遣が迅速に行われますよう、医療機関等との連携にも努めてまいります。

 2点目の救急隊員に対するトリアージ教育についてでございますが、救急隊員を養成する教育課程におきまして、トリアージに関する教育と訓練を実施するとともに、救急隊員によるトリアージが行われる場面を組み入れた集団災害訓練を定期的に実施し、実災害に備えているところであります。今後もあらゆる場面をとらえ、実災害において救急隊員によるトリアージが迅速・的確に行われるよう努めてまいります。

 3点目の市民の方に対するトリアージの広報でございますが、現在は集団災害の訓練を行う際に、参加していただいた市民の方に対しましてトリアージについて説明を行い、理解をしていただいているところでございます。トリアージは、多数の傷病者に対する医療救護活動を行う上で重要な行為でありますので、市民の方に広く理解していただくことは、大規模な災害により発生した多数の傷病者にそれぞれの傷病程度に応じた医療を提供し、一人でも多くの方を救命するために必要なことと考えております。今後は救命講習、防災訓練等の機会をとらえまして、トリアージにつきまして理解をしていただくよう努めてまいりたいと考えております。

 次に、高校生、大学生などの若い世代の方に対する救命知識の普及方策についてでございます。若い世代の方も含め、市民の多くの方に救命のための知識や技術を身につけていただくために、救命講習を開催して応急手当てや普及啓発を推進しているところでございます。昨年度に本市が行いました救命講習の受講者は1万6336人で、年代別には10代が1,645人、20代が3,990人、10代から20代までの受講者の合計は5,635人となっておりまして、全体の34.5%を占めております。多くの高校生や大学生などの若い世代の方が応急手当ての知識、技術を習得するためには、より積極的に救命講習に参加していただく必要がありますことから、今後とも若い世代の方がより多く救命講習等を受講し、応急手当ての知識、技術を習得していただくための効果的な方策を検討してまいりますので、よろしくお願い申し上げます。



◆(岡本康宏君) ただいま私の質問に対しまして、それぞれ消防長から前向きな回答をいただきました。ありがとうございました。

 集団災害時のトリアージについては、今後とも医師会等との連携を強化していただき、東海地震、東南海地震に備えていただきたいと切に願う次第でございます。

 私がこのトリアージを調べている間に、もう一つ目についたものがありました。CSMという言葉です。これはコンファインド・スペース・メディシンの略ですが、日本語に訳しますと、瓦れきの下の医療という意味だそうです。つまり、災害現場で瓦れきの下に閉じ込められた人に対し、医師らが点滴などの治療を施しながら救急活動を行うというものです。あの阪神・淡路大震災ではまだ活用されていなかったそうですが、今回のJR福知山線脱線事故現場では手際よく対処されていたそうです。阪神・淡路大震災の教訓が生かされた事例かもしれません。このような取り組みが医師会等を中心に研究が進んでいるとも聞いております。私は、東海地震、東南海地震がいつ起きてもおかしくない名古屋市として、人命救助に必要なあらゆる知識を習得していただき、最善の準備が必要かと考えますが、このCSMに関する取り組み等、現在の状況につきまして改めて消防長にお伺いいたします。



◎消防長(田中辰雄君) 集団災害時の救急救助活動におけるCSM、いわゆる瓦れきの下の医療について、再度のお尋ねをいただきました。

 瓦れきの下の医療は、災害時における医療活動を従来の救護所を中心とした活動から、最前線の救助現場にまで進めることによりまして、救命はもとより、その傷病者を救出した後の予後を最大限に改善させることを目指して、現場において救助活動と並行して行われる医療のことでございます。我が国におきましても、阪神・淡路大震災を契機といたしまして、その重要性が認識され、先般のJR福知山線列車脱線事故におきましても救助活動と並行して医療活動が実施されたことは、議員御指摘のとおりでございます。

 本市の場合、救出に長時間を要する場合や、救命のため直ちに医療処置が必要な場合には、災害現場へ医療チームを要請するなど消防部隊と到着した医師とが連携して活動を行っているところでございます。今後も災害現場に医師等の派遣がより迅速に行われますための体制について、関係機関と検討を行いますとともに、救助活動と医師等による医療活動が安全に、かつ、迅速・的確に行われますよう、医療機関とのより一層の連携強化に努めてまいりたいと存じます。

 以上でございます。



◆(岡本康宏君) 御答弁ありがとうございました。

 CSMにつきましても医師会等との今後も十分な連携をとっていただき、最善の災害対策ができるようお願いいたします。

 私たちが生きていく上で、災害は避けられないものです。いつ、どこで、どのような災害が自分の身に降りかかってくるかわかりません。しかし、日ごろから備えを万全にすることで、被害を限りなく小さくすることも可能ではないでしょうか。きょう私が紹介、質問させていただきましたことは小さなことかもしれませんが、このような小さな備えの積み重ねで災害対策が強固なものになってくると私は信じております。東海地震、そして東南海地震がいつ起きてもおかしくない名古屋市においては、今後とも市民と行政が一体となって災害に立ち向かえる、災害に強いまちづくりを推進していきたいと思っております。松原市長が掲げている安心・安全なまち名古屋の実現に向けて、行政として、消防局だけではなく全局の最大限の努力を強く要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)



○議長(佐橋典一君) 次に、西川ひさし君にお許しいたします。

     〔西川ひさし君登壇〕

     〔議長退席、副議長着席〕



◆(西川ひさし君) それでは、お許しをいただきましたので、通告に従いまして質問をさせていただきたいと思います。

 本日は、都市計画道路高田町線の見直しについてであります。

 つい先日、地元の郡道を歩いておりますと、ちょっとちょっと西川君、高田町線って知ってる。アンケートがどうだとかこうだとか、これってどうなってるの、どういうことなのと、何げない問いかけを由緒正しき滝子商店街の方からいただいたのであります。このことが今回この質問をさせていただくきっかけとなりました。

 高田町線とは、昭和区の吹上から閑静なる住宅街をずばんと東西に分断しながら南下いたしまして約4キロメートル、瑞穂区の妙音通まで縦断するという、地域の防災と交通のためにと昭和21年に計画をされた30メートル道路のことであります。その高田町線のアンケートということでありましたので、地元の皆さんの答えがどうだったとかこうだったとか、またその結果のことについての質問だと思って聞いておりましたところ、このアンケートというもの、存在そのものに対する問いかけであったのであります。

 まず、このアンケートが存在するとするならば、第1にいつやったのか、そしてこれはどこでやったのか、そしてどのような方法にて行ったのか、またそのアンケートにはだれが答えたのかという質問であり、アンケートなど初耳で聞いたことがないし、ましてやこの高田町線の話はもう20年も30年も前に中止になったことじゃなかったのという我が耳を疑わざるを得ない内容だったのであります。

 実際私自身で、何かの間違いではと自分の足で何軒か歩いて聞いて回ってみましたけれども、その日のうちにはアンケートのことを知っている人を見つけることはできませんでした。翌日、去年その道ができたら困るとアンケートに答えておいたよという人をようやく探し当てることができました。予定地域周辺を、アンケートを知っていますかというアンケートをしながら、約30軒ほど訪ねてであります。大きな耳を持つ小さな市役所を目指すと、先日所信表明の中で市長はおっしゃってみえました。大きな耳というものは、小さな声は聞こえないということでは決してないことと思いますが、このことはいかがなものでありましょうか。

 この高田町線の問題は、とんでもないぜいたくな要求やむちゃくちゃな話を言っているのではなく、地域の方々の生活に直接にかかわってくる本当に大事な大事な問題なのであります。予定地の隣接地には御器所小学校、桜山中学校、そして向陽高校が位置しておりますが、小学校、中学校それぞれの学区を分断、またバスケットボールで全国に名をはせる桜花学園、そしてお隣瑞穂区の瑞穂ケ丘中学におきましては、敷地を削りながらの道路建設の予定となっているのであります。

 この中のある学校法人は、現在の学校用地内に建築されている低層校舎を中高層に改築することによって運動場用地を拡大し、時代のニーズに合った中高一貫教育を目指しているにもかかわらず、この都市計画道路による規制のため一切それがかなわず、ほとほと困っているのであります。学校関係者はもちろん、生徒、父母の無念を思うとき、相応の柔軟な対応が必要なのではないかと強く念じるのであります。

 また、このかいわいは家庭と地域、そして学校との密接なる良好な関係による子育てをまち全体で支えていく環境のモデル地区のような地域でありますが、そのど真ん中を分断いたしますのもこの道路であります。そして、地域に愛されている商店街にもこの予定道路と並行しているがために、人の流れや車の流れ等々の変化により非常に大きなダメージとなることが容易に予想されております。これこそ地域住民の方々の死活問題であるというほかはありません。増改築のときに規制がかかり、いつまでこのままなのかという、建設予定地に係る多くの住民の方々の不満の声等々。非常時、臨戦態勢になったら、いざ滑走路にでも使うかのような、今から60年も前に計画されたような30メートル道路など、何百億円もの多大なる血税を投入してまで完成させなければならないほど、本当に今現在必要とされているのか。安心・安全、快適なるまちづくりというものに対し、このことは逆行しているものではないでしょうか。素直な疑問を感ぜずにはおれません。

 そこで、住宅都市局長にお伺いいたします。

 まず第1に、このアンケートはいつ行ったのか、そしてどこで行ったのか、そしてどのような方法であったのか、そのアンケートにはだれが答えたのかという点について。そして第2に、名古屋市当局におきましては、この高田町線の話も含めまして、事業未着手都市計画道路について、計画の見直し作業を進めておられるとお聞きしておりますが、現在の進捗状況と今後の予定はどうなっているのでしょうか。

 以上につきまして、まずは住宅都市局長にお伺いをさせていただきまして、第1回目の質問を終わらせていただきます。(拍手)



◎住宅都市局長(一見昌幸君) 都市計画道路高田町線の見直しにつきまして、数点のお尋ねをいただきました。

 まず、高田町線沿線住民アンケート調査についてでございます。このアンケート調査につきましては、高田町線の整備のあり方などにつきまして住民の皆様のお考えをお聞きし、見直しの検討の基礎資料とするために、昨年の2月から3月にかけまして実施したものでございます。実施内容といたしましては、高田町線に接する町丁目を中心としたおおむね沿線の両側500メートルの区域を対象にしまして、住民の約5%、2,800人の方々を無作為に抽出しまして、アンケート調査票を郵便により配布、回収しているところでございます。

 調査の結果につきましては、回収率43%、約1,200人の方から回答をいただいております。その回答の中では、災害時の避難路、延焼防止などの理由から、計画の内容の見直しを含めて整備を望む意見がある一方、財政事情や交通事故、環境への懸念などから整備の必要性は低いという意見もございました。なお、アンケートの結果の概要につきましては、昨年の10月から11月にかけまして沿線町内会に回覧させていただいております。

 次に、未着手都市計画道路の計画の見直し作業についてでございます。まず、見直し作業の状況でございますが、名古屋市では大正13年に初めて都市計画道路を決定した後、昭和21年の戦災復興計画による見直しなどを経まして、現在848キロメートルの幹線道路が都市計画決定されております。このうちの約85%が整備済みでございますが、残りの約80キロメートルの区間は事業未着手のままとなっております。未着手都市計画道路につきましては、平成15年度より見直しの作業を始めまして、平成17年3月に有識者や市民代表から成る検討委員会より、見直し作業の進め方のガイドラインとなります「未着手都市計画道路の整備に関する提言」をいただいております。現在、この提言の内容に従いまして高田町線を含めすべての未着手都市計画道路を対象にしまして内部的な検討作業を進めているところでございます。

 次に、今後の予定でございます。個々の路線につきまして計画の見直しの方向を示す、未着手都市計画道路の整備方針の素案を作成いたしまして、パブリックコメント等により広く市民の意見をお聞きしながら、今年度内に整備方針をまとめる予定でございます。その後、この整備方針をもとにしまして地域住民や関係権利者の皆様に御説明し、合意が得られたところから、今後おおむね5年をめどにしまして順次都市計画変更の手続を行ってまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。



◆(西川ひさし君) 事業未着手の都市計画道路の見直しにつきまして、住宅都市局長から、今年度中に未着手都市計画道路の整備方針を策定し、市民の皆さんの意見を聞きながら今後5年程度で都市計画の手続を進めていくという答弁をいただきました。今回のこの高田町線につきましても、この中において見直しが進められていくものと思っておりますが、沿線における両側500メートルの範囲だけでも5万人を超える多くの方々の生活圏であります。

 先ほどの住宅都市局長の答弁によりますと、昨年実施されましたアンケート調査はわずか5%の方を対象に行われたということであります。この地域には、私が先ほど申し上げたとおり、建設予定地に隣接する方々においてこのアンケート調査のことを知らない方々が圧倒的に多いのが実情であります。名古屋市の整備方針は、このアンケートによるところの約1,200名の意見だけで決めていかれ、これによって都市計画の見直しが進められていくのだとしたら、これこそこの本会議初日に松原市長が所信表明の中で3点目に述べられておりました、「市民の暮らしを最大限に向上させるためには、市民に一番近い自治体が市民の声に真摯に耳を傾け、市民ニーズを的確に把握しながら、みずからの責任と権限に基づいて行き届いたサービスを提供していかなければならない」という考え方に対しましても大問題であると感じざるを得ません。私としましては、より生活者の視点に立った住民本位の市政運営を実現していくがためにも、今後の見直しを進めていくためには、さらにより多くの方々の御意見を聞きながら、地域住民や関係権利者との対話を重ねていただかなければならないと考えております。

 そこで、高田町線の見直しに当たりまして、今後どのように住民の皆さんの意見を聞きながら集約していかれる考えなのか、再度住宅都市局長にお伺いをさせていただきます。



◎住宅都市局長(一見昌幸君) 住民の方々からの意見の聴取につきまして再度お尋ねをいただきました。

 先ほど申し上げましたように、今年度全市的に個々の路線ごとの整備方針を策定してまいりたいというふうに考えております。高田町線につきましては、延長、事業量ともに未着手都市計画道路のうちで最大であり、最も重要な懸案路線というふうに考えております。整備方針の策定後、できる限り速やかに沿線の地域の住民の方と行政、名古屋市の担当の者とが協議する場を設けさせていただきたいというふうに考えております。そのような場におきまして整備方針を検討材料として提案させていただきながら、地域住民の皆さんから幅広く御意見をお聞きしながら、誠意ある対応策をまとめてまいりたいと考えております。

 以上でございます。



◆(西川ひさし君) ただいま御答弁をいただきました。

 未着手計画道路は、この高田町線以外にも市内にまだまだ多く存在するとお聞きしております。何十年も前の計画にて決まっているからといって、何が何でもやらなければならないという強硬姿勢ではなく、対象となる地元の方々を初め市民生活に直結する声を大きな耳で真摯に受けとめていただき、こうした意見を集約しながら地元の方々の思いを踏まえ、協議と見直しを進めていただきたい。50年後に、あのときの努力が名古屋の発展の礎を築いたと、今の子供たちに評価していただけるよう、全力でこの使命を果たしていくことが我々の大きな責任でありますので、このことを強く強く要望をさせていただきます。

 また、この件につきまして我が党の桜井議員より関連質問があるようですが、私はこれにて今回の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)

     〔「議長、関連質問」と呼ぶ者あり〕



○副議長(加藤武夫君) 桜井治幸君。



◆(桜井治幸君) ありがとうございます。ただいま我が党の精鋭西川ひさしさんの質問に関連して、一つ二つお尋ねをいたします。

 私も昭和区に関しましては昨年の補欠選挙以来、大変縁ができました。たまたま私も由緒正しき人からお尋ねをいただきました。その方は学校法人の方です。大変苦労されておるわけです。現在は500名程度の学生数ではあるが、もう30年も前には1,500人ほどの学生を預かって立派に教育をされた。そういう中ですら、今日ではなかなか学校用地が狭く、運動場もなかなかままならぬと、こういう大変な事情の中でぜひとも高層化をしたいというようなお気持ちがあるにもかかわらず、その計画道路のために網がかかり、思うようにならぬと、こういう非常に苦しい状況に置かれておるわけです。

 そういう中での質問は、私の地元である広小路線の拡幅、これは池下から東山公園まででございますが、そういった先例もあります。そういうことに絡んでの御質問があったわけですが、万が一その計画道路がこのまま進めるということになった場合、用地買収、または建物補償についてどんな項目があるのかという質問を私はいただきましたので、私が土木の担当者から平成8年にいただいたある事例の例をもって言いますと、土地代は当然ですわね、建物解体費、建物を新しくつくる建築費、工作物の移転料、仮設建物賃借料、動産移転料、営業補償、その他と、こういうような項目があるわけですが、そういう項目があるよということで私は答えさせていただいたが、土木局長にお伺いいたしますが、万々が一、高田町線を進めるということであるならば、そういう補償項目で当たられるということは確認させていただいてよろしいですね。イエスかノーかで答えてほしい。



◎緑政土木局長(森本保彦君) ただいま補償につきましてのお尋ねをいただきました。本市といたしましては、いずれの事業にいたしましても全国レベルで統一されております損失補償基準、これに基づきまして適切な補償を行っているところでございます。先ほどのお尋ねの項目もその基準の中でございますが、今後ともその基準に従って一層適正な補償に心がけてまいりますので、よろしく御理解をお願いいたします。



◆(桜井治幸君) よくわかりました。しかと胸に秘めさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)



○副議長(加藤武夫君) 次に、西尾たか子さんにお許しいたします。

     〔西尾たか子君登壇〕



◆(西尾たか子君) お許しをいただきましたので、通告の順に質問をさせていただきます。

 最初に、チャイルドファースト(子ども最優先)のまちづくりと次世代育成支援についてでございます。

 今日、少子化の到来が叫ばれて久しいものがございます。1990年の1.57ショックからいわゆる少子化対策が本格的にスタートしたものの、15年が経過した現在も改善の兆しは見えていないのが現状でございます。本市の平成16年合計特殊出生率は前年に比べ0.01上回り1.19でございましたが、全国平均1.29からは低いところでございます。政府の少子化社会白書によると、第2次ベビーブーム世代の女性が30歳代前半の出産期に当たる今後5年間を少子化の流れを変える好機と位置づけ、育児重視の施策を集中的に実行すべきであると主張しております。

 本年、本市は次世代育成支援推進法にのっとり、次世代育成行動計画(なごや 子ども・子育てわくわくプラン)を策定し、社会全体で子育てを支える仕組みづくりに取り組むところでございます。子供が幸せに生きられる社会、子育ての安心が確保される社会、すなわち子供が育っていくことを最優先に考える社会を目指し、まちづくりにチャイルドファーストの理念が重要と思いますが、市長の御所見をまずお伺いいたします。

 今回、行動計画策定に際し、「市長がこども100人に聞きました」という試みをされました。私はまちづくりに際し、子供の視点を取り入れることは重要なことであるとかねがね思っております。子供は、与えられるばかりの存在ではありません。生まれ育つ主役は子供でございます。もっと継続して子供たちの意見を聞く機関をつくるべきと思います。例えば、小学校1年生の平均1メートル20センチの目の高さから、大人中心でつくられているまちを見渡すとき、いろいろの疑問が見えてまいります。バス停の案内表示が高過ぎます。公共表示の漢字が読めません。公園は、何もない原っぱの方がいいかもしれません。思い切りボール遊びができるところが欲しい。塾の帰りがとても暗いなどなど、いっぱいでございます。子供の意見や思いを真摯に受けとめ、今後のまちづくりに生かすことは重要でございますが、いかがでしょうか、市長にお伺いいたします。

 さて、白書からもこの数年が少子化対策の正念場でございます。本年度は行動計画が本格的に実施される少子化対策元年とも言われる年でございます。出発の年に当たり、仮称「子ども・子育てわくわく都市宣言」をし、内外にその決意の深さをあらわし、また市民の皆様に次世代育成支援の御理解と御協力をお願いしてはいかがでしょうか。何事もまず決意をし、表明するところに知恵もわき、行動する勇気もわき、何よりも勢いが出てまいります。いかがでしょうか、お尋ねをいたします。

 また、「赤ちゃんの日」の制定についてでございますが、小さな命を慈しみはぐくむ、この行為は毎日毎日同じことの繰り返しの中で多くの困難があると同時に、何物にもかえがたい喜びもまた大きいことは、今さら論ずるまでもないことでございます。しかし、現在どちらかというと子育ての大変さばかりが浮き彫りになり、子育ての本当の楽しさ、うれしさ、おもしろさ、待ち遠しさが薄れているように思われます。ゆゆしき一大事でございます。子育ては次の世代を育てる、本市の将来をつくるという重要な意義がございます。だから、社会全体で子育てを応援しようという機運も今盛り上がっているところでございます。子育てをみんなで応援するシンボルとして「赤ちゃんの日」を設け、子育ての楽しさをアピールし、次世代育成の啓発の日としてはいかがでしょうか。

 その日は、市挙げて子育て支援運動を展開します。赤ちゃんがまちにいっぱい出てきます。レストランにはベビーベッドが用意され、離乳食もあります。特製お子様ランチも値引きされています。お母さんたちの交流もあります。お父さんは育児教室で頑張っています。相談コーナーもいっぱいです。ベビー服のガレージセールは大繁盛です。赤ちゃんをだっこさせてもらう高校生の手に力が入ります。高齢者の方たちの孫自慢が始まります。20年後の孫へのラブレターを投函するポストがあります。みんな喜んでいる。みんな見守っている。子育てってとっても楽しい、そんな一日があってもいいのではないでしょうか。赤ちゃんの日ですから、メーン会場はエンゼルパークがいいかもしれません。市長の御所見をお伺いいたします。

 次に、男女平等参画の視点からの次世代育成についてお尋ねいたします。

 女性政策の国際基準となる北京行動綱領が採択された北京での第4回世界女性会議から10年を経て、本年、ニューヨークで北京プラス10会議が開催されました。会議では、この10年間の検証と今後の取り組みの検討がなされました。10年前、私も北京会議に参加し、世界の女性の中で、画期的な綱領を厳粛な気持ちで受けとめたことが思い出されます。女性の人権という視点に立った北京綱領は、この10年で女性政策の流れを大きく変えてまいりました。現在、バックラッシュへの警戒感もあるものの、国際女性年から30年が経過した今日、男女平等参画の実現は時代の流れであり、少子・高齢化などによって激変する社会の要請であり、21世紀の重要課題であるという認識は今や揺るぎないものになっております。しかし、現実には家庭においても職場においてもまだまだ不十分であり、中でも子育てをしながら働き続けられるための環境整備が緊急課題でございます。

 例えば、育児休業の取得率は女性が約7割で、男性は1%にも満たないというデータがございます。しかし、実際には出産1年前には有職であった女性も、出産半年後には約7割弱の人が無職になっていることを考えると、全体では2割強しか出産後育児休業を取得し、働き続けることができない状況と言えます。

 また、次世代育成支援推進法では、従業員301名以上の企業に一般事業主行動計画を策定、実施することを義務づけております。4月20日現在、愛知県内で200企業の届け出があったとのことでございます。全国的に見ても約36%とのことで、企業の意識や姿勢には大きな差があるようでございます。少子・高齢化の流れの中で、子育てしながら働く人が今や主流を占めるようになり、企業サイドも意識を変えないと、次世代育成の取り組みはかけ声に終わってしまうのではないかと危惧いたしております。働き続けるためのサポート、企業の意識変革などどう対応されるのか、総務局長にお尋ねいたします。

 次世代育成支援の最後に、計画の着実な推進についてでございます。先日閣議決定された国の骨太方針の中で、バブル後と呼ばれた時期を確実に抜け出たとしておりますが、期待少々と大きな不安が入りまじる、まだまだ先行き不透明さがある中で、5年間での行動計画実施には市長の一歩も引かないリーダーシップが求められるところでございますが、市長の決意をお伺いいたします。

 2に、個人情報保護の観点から、住民基本台帳の閲覧制度の見直しについてでございます。

 現在、個人情報保護に関する法整備の進展とともに、行政機関だけでなく民間事業者においても適切な個人情報の保護を図ることが緊急課題となっております。しかし、本年4月から個人情報保護法が全面施行された中にあって、区役所窓口において住民基本台帳法第11条により、氏名、住所、生年月日、性別の4情報が原則としてだれでも大量に閲覧できる状況でございます。本市の平成16年度の実績は約7万9000件であり、1件10名の閲覧が可能であることから、推計79万名、全市民の3分の1の情報が閲覧されているということにもなりかねません。住民基本台帳制度は昭和42年制定以来、居住関係を公証する唯一の公簿として広く活用されてまいりましたが、一方で高度情報化社会の急速な進展により、住民のプライバシーに対する関心が高まるにつれて、本人の同意なしにその情報を提供することについて問題視する世論もあり、閲覧制度に対する住民の不満や不安は高まっているのも事実でございます。

 本市では、この制度を悪用した不幸な犯罪事件が発生しており、総務省の検討結果が待たれるところでございますが、住民を保護すべき自治体として緊急の対応が求められております。事件後、閲覧申請者の本人確認を実施するなど、改善の取り組みがなされましたが、再発防止までにはまだまだ不十分でございます。他都市ではいち早く手数料の見直しや閲覧の時間制限、人数制限など条例改正にまで踏み込んだ積極的な改善がなされております。公益性と個人情報保護のバランスをとりながら、本市も再発防止のため、国の結論を待つことなく早急に改善策が求められていますが、市民経済局長にお尋ねをいたします。

 3に、レジ袋の有料化に伴う影響についてでございます。

 レジ袋の有料化について、環境省と経済産業省で2006年の容器包装リサイクル法の改正時に向けて検討がなされております。ごみ減量の象徴とも言えるレジ袋を規制することで、ごみ排出削減をねらうものでございます。本市におきましては、平成14年、脱レジ袋宣言がされ、マイバッグ持参行動への動機づけを図るため、平成15年から、レジ袋を断った人には市内共通シール方式による還元制度、エコクーぴょんを実施しています。その結果、市内の平成13年度のレジ袋使用枚数は16億枚だったものが、平成16年度には14億7000万枚にまで減少し、徐々にその効果があらわれております。

 そこでお尋ねいたしますが、レジ袋有料化に伴い、根づき始めたエコクーぴょん制度を今後どう展開されるのか、環境局長にお尋ねをいたします。また、レジ袋有料化により、「有料によりごみは減る」という考えが一歩身近なものになるおそれがございます。市長は平成13年本会議において、家庭ごみの有料化を実施すべき状況にはないと答弁され、今日まで経過しているところでございます。

 ところで、第3次一般廃棄物処理基本計画によれば、家庭ごみの有料化はごみ減量という観点のみからすれば緊急性は小さくなっている。しかし、税金で賄うべき基礎的なサービスの範囲はどこまでが妥当かなど、議論と検討を進めますとあります。第3次基本計画の計画期間は平成22年度までとされ、社会情勢などに適切に対応するため、おおむね5年で見直しをするとのことでございます。そこでお尋ねをいたしますが、本年は策定から5年目になり、基本計画の見直し時期がそろそろ近づいております。ごみ非常事態宣言以降、ごみ減量意識が、並々ならぬ市民パワーにより定着した現在、まさか有料化はないと確信しておりますが、国において本年5月、経済的インセンティブを活用した一般廃棄物の排出抑制などを進めるため、一般廃棄物処理の有料化の推進を図るべきであるとの考え方が示されました。基本計画見直しに当たって、家庭ごみ有料化は断念すべきであると思いますが、家庭ごみ有料化の今後の考え方を市長にお尋ねいたします。

 4に、内部障害者への支援策についてでございます。

 このマークを皆さん御存じでしょうか。これは「ハート・プラス」マークでございます。公的場所である愛知万博で初の使用がされましたが、内部障害者の団体が作成した啓発マークでございます。内部障害者とは、内臓機能の障害によって身体障害者手帳の交付を受けた人のことをいいます。心臓、呼吸器、腎臓、膀胱、直腸、小腸の機能障害とヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害の六つの障害に分けられています。本市では約7万2000名の身体障害者のうち内部障害者は約2万1000名に上り、身体障害者のほぼ3人に1人を占めております。

 ところが、外見からはわからない障害であることから、他の障害に比べ社会的認知が低く、その言葉すら知られていないのが実情でございます。そのため、社会の無理解の中で多くの困難に直面していらっしゃいます。障害者用駐車場スペースを利用しようとすると警備員に注意されたり、地下鉄・バスなどの優先席に座ると周囲から冷たい目で見られたり、誤解が後を絶たない状況でございます。内部障害者への社会的理解を広げるため、「ハート・プラス」マークも含め普及啓発が必要と思いますが、健康福祉局長にお尋ねいたします。

 5に、地下鉄・バスの優先席についてでございます。

 本市では、地下鉄・バスに昭和50年ごろからいわゆるシルバーシートが設置されました。そして、時代とともに現在では高齢者、妊婦、身体障害者、子供連れの方を対象として4種類の絵文字の表示がなされております。そこでお尋ねいたしますが、先ほどの内部障害者のマーク、「ハート・プラス」マークも追加すべきと思いますが、いかがでしょうか。また、高齢化の進展により、高齢の利用者の増加も踏まえると、優先席の増席を図るべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。さらに、私は全席優先席が理想的だと思っております。既に横浜市営地下鉄や阪急電鉄では全席優先席を実施しております。譲り合い精神を培うためにも、本市の市バス・地下鉄において実施してはいかがでしょうか、交通局長の御所見をお尋ねいたします。

 以上で、私の第1回目の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)



◎市長(松原武久君) チャイルドファースト(子ども最優先)のまちづくりと次世代育成支援につきまして数点お尋ねをいただきました。

 チャイルドファーストのまちづくりが必要ではないかという御意見をいただきました。これからの市政運営、特に次世代育成支援を推進していくためには、子供の視点に立って子供の権利を守り、子供の最善の利益を追求することが重要だと考えております。次世代育成行動計画の策定に当たりましては、こうした観点から昨年、「市長がこども100人に聞きました」というイベントを開催したところでございます。子供たちは日ごろの生活や家族のこと、名古屋のまちの好きなところ、将来の夢や希望などについて率直な意見を言ってくれました。直接子供の声を、また表情を見ながら聞くことができまして、計画の策定だけではなくて、本市まちづくりを考えていく上で大変参考になりました。

 なお、そのときの子供たちの声の中で、塾及びけいこごとに使っている時間の多さ、こういったことに対して私は大変驚きました。今後、市政運営に当たりましてもさまざまな機会をとらえまして子供たちの意見を聞き、子供の視点を生かしたまちづくりに努めていくことにしていきたいというふうに思っております。

 次に、仮称「子ども・子育てわくわく都市宣言」と「赤ちゃんの日」についてのお尋ねでございます。

 計画を推進するに当たりましては、すべての市民が次の世代を担う子供の健やかな成長を願い、家庭、地域、企業、行政が協働して取り組むことが必要であると考えております。そのためには、次世代育成支援を社会全体で取り組んでいくという機運の盛り上がりは不可欠と考えておりまして、今後こども条例の制定も予定をいたしておるところでございます。計画を着実に推進するために、市民参画による推進組織も立ち上げてまいりたいというふうに考えております。御提案の「子ども・子育てわくわく都市宣言」、あるいは「赤ちゃんの日」の制定につきましては、ただいまいただきました提案の趣旨も含めまして、社会全体で次世代の育成支援に取り組んでいくための効果的な方策を検討する中で研究してまいりたいというふうに思っています。

 先ほどのお話の中では、宣言することによって勢いが出るというお話がございました。私は、宣言と施策が一体となって勢いが出るというふうに思いますので、施策を考える中で考えていきたいなというふうに思っております。実は、7日が、健康の日であるといったことが、いろいろ議論しておる中で出てまいりまして、7日を健康の日だと知っておる者が局長の中でそう何人もいないという状態もございまして、私ども8の日は環境保全の日でございまして、私はその日は歩いておりますけれども、なかなかこれも浸透しないといった部分がございまして、その勢いをどんな形でつけていくかといったことで、施策と一体となって考えてまいりたいというふうに思っておるところでございます。

 次に、名古屋市次世代育成行動計画の確実な推進についてのお尋ねをいただきました。計画では重点事業として5年間で集中的、優先的に取り組む事業110事業を掲げまして、計画の初年度に当たる平成17年度の予算額は約500億円となっておるところでございます。本市の財政状況は依然として非常に厳しい状況が続いておりますけれども、次世代育成支援は名古屋の未来を担う子供たちにかかわる重要かつ緊急な課題と認識をいたしております。今後も市長としてのリーダーシップを発揮いたしまして、財源の重点化、施策の効率化などによりまして必要な財源の確保を図るなど、着実な計画の推進に努めてまいりたいと考えておるところでございます。

 次に、レジ袋の有料化に伴う影響に関し、家庭ごみ有料化の今後の考え方についてお尋ねをいただきました。

 本市では、市民の皆様とごみ問題に対する危機意識を共有し、大都市では不可能と言われた大幅なごみ減量を達成することができました。これは220万の市民の皆様の真剣な御協力をいただいて、各種のごみ減量施策に取り組んだことの成果でございまして、大変感謝をいたしております。本市といたしましては、循環型社会の実現のため、今後とも引き続き市民の皆様との協働によりごみ減量施策等に取り組んでまいりたいと考えております。なお、議員から御質問いただきました家庭ごみの有料化につきましては、大幅なごみの減量を達成できたことを踏まえまして慎重に対応してまいりたいというふうに思っております。

 以上でございます。



◎総務局長(鴨下乃夫君) 男女平等参画の視点からの次世代育成につきましてお尋ねをいただきました。

 本市におきましては、この3月に名古屋市次世代育成行動計画を策定したところでございます。男女平等参画の視点から、この計画におきまして、男性、女性にかかわらず、働く人が仕事と子育てのバランスのとれた生活を送ることができるように、市民や企業への働きかけを五つのアクションの一つに位置づけております。企業への意識啓発といたしまして、本年度は企業を初め多くの方々に御参加をいただき、生活と仕事の両立を考えるフォーラムを開催し、女性と男性がともに子育てにかかわり、仕事との両立を可能にする職場づくりのための意識啓発の機会にしたいというふうに考えております。また、地域や企業の求めに応じまして専門の講師を派遣する男女平等出張講座の中でも、家庭と仕事の両立の促進につながる、そういったテーマを取り上げまして、企業への働きかけを行いたいと思っておるところでございます。

 一方、子供を育てながら働き続けるためには、育児休業や短時間勤務などさまざまな働き方の導入を初めとしたさまざまな環境整備とともに、子育てと仕事との両立に伴います不安や社会からの孤独感などを解消することも大変重要であると思っております。男女平等参画推進センターにおきまして、これらの不安や孤独感を解消するために、育児休業からの職場復帰を目指す方々を対象に専門家や職場復帰経験者を講師に迎えまして、職場復帰準備セミナーを実施し、仕事と家庭を両立できるよう支援したいと考えております。

 以上でございます。



◎市民経済局長(杉浦雅樹君) 個人情報保護の観点から、住民基本台帳の閲覧制度の見直しにつきましてお尋ねをいただきました。

 住民基本台帳の閲覧制度につきましては、住民基本台帳法の規定によりまして住所、氏名、生年月日、性別の4情報につきましては何人も閲覧をすることができるとされており、各区役所、支所において閲覧いただいているところでございます。しかし、議員もお触れになられましたように、大変残念なことでございましたが、本年3月にこの閲覧制度を悪用した不幸な事件が発生いたしてしまいました。本市といたしましては、事件発生後速やかに閲覧申請者の本人確認の実施に踏み切りまして、その後も閲覧リストの並び順の変更や不特定多数を対象といたしました閲覧者に対する予約制の導入、閲覧理由を裏づける資料の提出を求めることなど、この制度運用をより厳しくするための取り組みを実施してきたところでございます。現在、国におきましては閲覧制度のあり方に関する検討会が設けられておりまして、法改正を含めまして検討されている状況でございます。この動向にも留意しつつ、本市といたしましても現行制度を運用する中で、議員御指摘のございました他都市の事例も参考にいたしまして、手数料の問題、あるいは閲覧リストの修正などにつきまして早急に検討してまいりたいというふうに考えておりますので、よろしく御理解賜りますようお願い申し上げます。



◎環境局長(大井治夫君) レジ袋の有料化に伴う影響につきまして、エコクーぴょんの今後の展開方法についてお尋ねを賜りました。

 現在、国の審議会で容器包装リサイクル法の見直しについて審議中でございます。その中で発生抑制の一つとして、レジ袋等の無料配布を禁止する措置、いわゆる有料化が検討されております。しかし、有料化につきましては販売価格や実施する店の数、消費者の理解度などにより削減効果は変わってくるものと思われます。

 一方、有料化されたレジ袋等は商品という扱いになるため、容器包装リサイクル法の対象から外れ、不燃ごみとなり、その削減が新たな課題となるということでございます。仮に、御指摘のようにレジ袋の有料化が制度化されたような場合、無償の容器包装を対象といたしますエコクーぴょんを重ねて実施する意義は小さくなるものと思われますが、買い物袋持参によるレジ袋等の削減について啓発を引き続き行っていくことは必要であり、不可欠であると考えております。当面は、エコクーぴょんの一層の充実を図り、消費者の理解と行動をお願いしつつ、国の審議状況や対応を注意深く見守っていく必要があると考えております。今後はエコクーぴょんを無料のレジ袋や紙袋以外に、無償で配布されます割りばしであるとかスプーンなどのサービス品や、有料で販売されたレジ袋などの使い捨て商品などに応用し、その発生抑制を進めていく方法を検討してまいりたいというふうに考えておりますので、よろしく御理解賜りたいと思います。



◎健康福祉局長(松永恒裕君) 内部障害者への支援策に関しまして、「ハート・プラス」マークの普及啓発についてお尋ねをいただきました。

 昨年度策定をいたしました名古屋市障害者基本計画におきましては、障害のある人もない人もお互いに人権を認め合い、ともに生きる社会を目的とすることといたしております。この社会を実現するためには、内部障害者を含めすべての障害者に対する理解の促進が必要としております。とりわけ内部障害者の方々は、外見からは障害のあることがわかりにくいために、周囲の方々からの理解が得にくい実情がございまして、今後はこうした点に配慮した取り組みが必要であると考えております。本市では、市職員や公共交通機関の職員、市民利用施設、商業施設等の職員が障害と障害者に対する正しい理解を図ることを目的に、障害者理解のための手引書を今年度新たに作成することを予定いたしております。この手引書の中に内部障害者についても取り上げてまいりたいと考えております。

 お尋ねの「ハート・プラス」マークにつきましても、この手引書の中で紹介し、さらに毎年発行いたしております「障害者福祉のしおり」、その中にも掲載するなど、今後市民の方への普及啓発に努めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。



◎交通局長(吉井信雄君) 市バス・地下鉄の優先席につきまして2点のお尋ねをいただきました。

 まず、内部障害者への拡大、すなわち優先席の表示に「ハート・プラス」マークを追加することについてでございます。議員御指摘のとおり、現在優先席には4種類の絵文字で優先して着席できるお客様を例示しているところでございます。私どもといたしましては、市バス・地下鉄をどなたにも気軽に、また安全に御利用いただきたいと考えておりまして、身体の内部に障害を持つ方にも安全、快適に御利用いただくことは大切なことと考えております。しかしながら、内部障害者の方は外見からそれとわかりにくいことから、そういった方が市バス・地下鉄の優先席を気軽に御利用いただけない現状がございます。一方、新しく作成されました「ハート・プラス」マークはまだ広く認知されてはいない状況でございますので、まずは市民、利用者の方にこのマークのあらわす意味が広く認知されることが必要だと考えておりますが、内部障害者の方も優先席を気軽に御利用いただけますよう、関係局等と連携を図りつつ、今後検討してまいりたいと考えております。

 次に、優先席の増設についてでございます。市バス・地下鉄に初めて優先席を設置いたしましたのは、今から30年ほど前になりますが、その後社会の高齢化が進展をしまして、当時6%ほどでありました本市の高齢者人口の割合が現在18%と、当時の3倍ほどにもなっております。このような状況のもとで市バス・地下鉄の利用者に占める高齢者の割合も年々増加しておりまして、より多くの高齢者の方に御利用いただくことは、交通局の経営の面から判断しましても重要なことと考えておるところでございます。現在交通局では、だれもが気軽に、また快適に市バス・地下鉄を御利用いただけますよう、さまざまなバリアフリー化施策に取り組んでいるところであります。さらに高齢化が進むことが想定される中で、市バス・地下鉄の優先席の増設につきましても今後検討してまいりたいと考えております。

 一方、全席を優先席にすることにつきましては、いまだ一部の鉄道事業者の動きにとどまっておりまして、全国的な流れとはなっていないことから、まずは既に実施しております鉄道事業者における効果等を見きわめてまいりたいと考えております。私どもといたしましては、現時点では優先席の御利用に係るお客様の乗車マナーの向上に努めることが大切であると考えておりまして、優先席以外の座席につきましても座席をお譲りいただけますよう、今まで以上に、車内放送を初めさまざまな方法で御利用の皆様へ啓発に努めてまいりたいと考えておりますので、よろしく御理解を賜りたいと存じます。

 以上です。



◆(西尾たか子君) ありがとうございました。

 チャイルドファーストのまちづくり、市長の決意をお聞きして、とても安心いたしました。今回私はさまざま提言をさせていただきました。ぜひ実現に向け、積極的に検討してくださいますことを要望いたします。

 住民基本台帳の閲覧の見直しの件でございますが、総務省の結論を待つことなく見直しをされるとのことでございます。再発防止のため、現時点でできる最大限の改善を強く要望いたしておきます。

 それから、「ハート・プラス」マークの件でございますが、市民への普及啓発、これはぜひ早期に広報なごやへの掲載を要望いたしておきます。

 「ハート・プラス」マークを優先席に追加されるとのことでございます。評価いたしております。早期に実現されますことを要望いたしておきます。

 それから、優先席の増設の件でございますが、いわゆるシルバーシートが設置されて約30年ぶりの見直しとのことでございます。30年間、これは非常に時代が大きく変わっております。先ほど局長もおっしゃいましたように、高齢化率が当時の3倍になり、そしてまたノーマライゼーションの社会の進展で障害者の方もより多くまちへ出かけられるようになりました。また、早い時期から赤ちゃんが、まだ首が座っていない時期から赤ちゃん連れでまちに行かれる方も非常に多くなりました。また、働く妊婦さん、通勤をされる妊婦さんも随分多くなりました。優しい気配りが少し薄かったのではないかと私は思っております。サービス精神をしっかり持っていただきたいと思います。真剣であればいろいろ見えてくるし、知恵もわいてくると思います。大きな耳と大きな目を、今後時代の要請、市民のニーズを的確につかみ、きめ細かなサービスに徹していただきますことを要望いたしておきます。

 それから、家庭ごみの有料化についてでございますが、先ほど市長の答弁で慎重に対応するとのことでございましたが、私としては、すっきり、考えていないと、このように言っていただきたかったのでございます。市長の心は、国からそうしたものもございましたので、例えば他都市で実施しても、絶対有料化はないと、そのように決意をされていると、そのように理解いたしております。さらなるリーダーシップで減量施策に取り組まれることを要望し、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)



○副議長(加藤武夫君) 次に、冨田勝三君にお許しいたします。

     〔冨田勝三君登壇〕



◆(冨田勝三君) お許しをいただきましたので、順次質問をいたします。

 まず、前立腺がんの基本健康診査への導入についてであります。

 ある病院で、50歳以上の男性を対象に前立腺がん腫瘍マーカー(PSA)の話と検査をする企画があり、私も参加いたしました。35人が集まって話を聞き、そのうち検査を受けた人が14人、2人は要精密検査で、1人は前立腺肥大、1人は前立腺がんと診断され、その後それぞれ治療を受け、早期発見のため経過は順調のようであります。

 前立腺がんは、食生活の欧米化や高齢者の増加などに伴って、近年患者が急増している病気であります。平成8年の全国の患者総数が6万6000人、平成14年が10万2000人と50%以上の増加率であります。これを名古屋市の平成15年の死亡数で見ますと103人で、がん死亡順位では11番目、女性の子宮がんは94人で12番目であります。ところが、前立腺がん検査(PSA)は健康診査に入っていませんが、子宮がんの検査は前から実施されており、なぜか男性が差別されています。

 PSAのがん発見率は2.4%、子宮がんは0.08%で、他のがんの検査に比べて非常に、比較にならないほど確率が高く効果的であります。また、PSA単独検診のすぐれている点は、1回の採血で高い感度の検診が可能であること、採血のみで、受診者の精神的・肉体的負担が少なく、また一定期間に多くの受診者をより短時間で検査できるメリットがあると言われております。そのため、指定都市では仙台、さいたま、横浜、福岡の4市が、近郊では長久手がPSAを実施しています。PSAの実施で患者が早期発見、早期治療でき、市民を病気から守るだけでなく、国民健康保険医療費の低減ができるメリットがあります。

 そこで、健康福祉局長にお尋ねをいたします。

 1、仮にPSAを導入した場合、受診数、要精密検査数、がん発見数、所要経費などはどの程度と推計されるのか。2番目に、PSAを早期に基本健康診査に導入すべきと考えますが、御見解を伺いたいと存じます。

 次に、分権時代における本会議答弁のあり方と活性化について、総務局長にお尋ねいたします。

 地方分権が言われて久しくなります。分権時代に対応できる議会の構築が叫ばれており、特に本会議質問の活性化が急務と言われています。本会議での質問は行政全般にわたり疑問点をただし、政治姿勢や責任の明確化を迫り、施策を要求することができる行政監視の有効な手段として威力を発揮することが期待されているものであります。

 以上の視点から、過去2年分の本会議質問に対する答弁の分析、検討を試み、その問題点や答弁から見られる分権化の問題などについて考えてみました。16年と15年の2年分の議事録を精読しました。質問項目で878、膨大な量になります。それぞれ答弁がされております。ほとんどが「検討します」「研究課題です」との答弁であります。かなり多くが質問者へのリップサービスの感じを受けます。特に多いのは、「国の動向を見守り対処したい」が2年間で20件。この中身を見ますと、介護保険や生活保護、義務教育などナショナルミニマムを維持するための国の動向待ちは、これは理解できます。しかし、既に名古屋市の権限に属するような問題でも、国の実質規制や補助金での縛りなどがあって、国の動向待ちが多くあることがわかりました。このほか、現実対処のために市から法改正を要望しているものが3件。これらを見ますと、地方分権とは名ばかりであります。また、「他都市の動向を見て」との答弁が10件。ことわざのように他人のふりを見て我がふり直すなのか、施策に主体性がないのか、判断に迷います。国や他都市の動向という隠れみのに逃げ込み、当面の質問を先延ばししたと思われる答弁も幾つかあります。こんな責任逃れの答弁は許されません。しかし、我々質問者の側にも追及の甘さがあることを反省しなければなりません。そのほか、審議会、委員会の答申待ちや地域の意見集約待ちなどが10件、答申待ちは県議会でもその問題点が指摘されています。問題が大きいものになると、国の指示待ち、横並び様子眺めの答弁が多くなり、市の主体性が消えてしまうようであります。

 昨年2月定例会のいわゆるガチンコ市会で、市長と総務局長が本会議の答弁のあり方についておおよそ次のように答弁しています。議員と執行機関が議論を交わすのは非常に重要。言葉や語尾の微妙な言い回し、ニュアンスで済ませるのではなく、当局の方針を十分説明する。本会議の答弁内容の対応状況を事後で確認したい、こういう答弁であります。私も全く賛成であります。それは、私が市の職員であったとき、本会議答弁は、実現困難な事項でも、そのまま書いたら先生の顔をつぶす。できないものでもできるがごとく、できないがごとく玉虫色に書く、それが答弁のコツだと上司に教わったことがあります。もう15年以上になりますので、そんなことはないだろうと思い、市会議事録を見ましたが、その当時の後遺症が、まだ一部ですが残っているようであります。

 議会の質疑で行政と議員のなれ合いの結果は、本会議の質疑が空虚で形骸化したものになってしまいます。分権化が進み、自治体の権限と責任が大きくなる。行政と議員が本会議の質疑を通じて大いに議論し、新たな施策の展開を求める、これが分権時代、行政と議会に課せられた使命であります。ガチンコ市会で見られた出たとこ勝負の議論ではなく、一定のルールの中でお互いに追及すべきは追及し、ノーはノーと答える、これが分権時代の本会議質疑ではないでしょうか。そんな視点で、以下の質問をいたします。

 国の動向、他都市の動きなど、指示待ち、横並びの答弁が多い。分権化が一向に進んでいない証左だと考えますが、どう考えられるか。法制上、行政上のルールの上でそうならざるを得ない場合でも、その問題に対する名古屋市としての主体的な考え方を答弁で明らかにすべきではないのかと思います。

 2番目に、昨年3月の定例会答弁にあった答弁の事後確認はその後どのようにされているのか。私は、この事後チェックが行われれば、その場逃れの玉虫色答弁やその場限りの言いっ放し、聞きっ放しの質疑もできなくなり、質疑の活性化につながると思うものであります。

 3番目に、今後の分権化時代、行政と議会、その質疑の活性化について、行政としてどのように対処するのか、見解をお聞かせいただきたいと存じます。

 最後に、市民から見た政務調査費と市長の責務について、これは市長にお尋ねをいたします。

 老人会の役員のK君が、「市はどうして老人会の補助金を2割もカットするんだ。おかげで行事は大幅縮小だ。」私、「景気が悪くて市民税が減っている。片方で高齢者対策や生活保護費がふえており、事業費の一律カットもやむを得ぬぞ。」K君、「議会もカットしたのか。」私、「3月まで議員給料は5%カットだ。」K君が、「老人会は20%。不公平だ。政務調査費を20%カットしたら幾らになる。」私、「約1億円だ。」K君、「議員がまず率先垂範カットすべきだ。」私はうーんとうなっただけで、K君が「それに加えて、市民は1万円足らずの補助金をもらうのに区役所で難しいことを言われる。政務調査費は領収書も要らぬそうだが。」私、「領収書は出す。公開しないだけだ。」K君、「公開しないならあるかどうかわからぬ。ないのも同じだ。」私、またうーんとうなったんであります。

 以上は、市民の素朴な意見であります。私は、市民の素朴な意見こそ政治の原点だと思います。意見のように、議員の歳費や政務調査費などカットされず、領収書の扱いも不透明、市民の目には議員がかかわる問題だけに異様であり、聖域化と映っています。この種の議会にかかわる問題は、私はまずは議会自身が自主性と倫理性を発揮して決めることであり、前議長の提言もあって既にその動きがあるようでありますので、私も議員として期待をしているところであります。

 一方で、市長は5月23日の記者会見で、政務調査費は公金だからできるだけ透明性が望ましい。議会内での議論を期待すると述べておられます。議会の自主性を尊重した発言と思いますが、予算執行権者である市長は、予算の執行に当たって公金の配分や負担について、公平、公正や透明性確保のために十分意を払うべき責務を負っています。政務調査費についても、議会の自主性を尊重しながらも、予算執行権者の責務として政務調査費などのあるべき姿について意見を述べるべきであります。議会側も、その意見を十分しんしゃくをして、議会としてその意思を決定する。そのことは市長と議会の2元代表制をとっている自治体制度の根幹でもあると考えます。

 そこで、市長にお尋ねをいたします。

 まず1番目に、議員にかかわる歳費や政務調査費は現在はノーカット、老人会の補助金は20%カット。同じ補助金でありながら不公平との市民意見にどう答えられるのか。

 2番目に、議会にかかわる問題については議会の自主性を尊重だけだったら、予算執行権丸投げのそしりを免れません。予算執行権者として議会にも必要な意見を言うべき責務がありますが、議会とどのようにあるべきと考えられるのか。

 以上をもって、第1回の質問を終わります。(拍手)



◎市長(松原武久君) 市民から見た政務調査費と市長の責務についてお尋ねをいただきました。

 政務調査費は、議員の皆様の調査活動の充実を図ることによりまして審議能力の強化、あるいは議会の活性化に役立つよう、地方自治法において制度化され、条例に基づいて支給されておるものでございまして、市としては条例で定められた額を予算化しているところでございます。

 政務調査費にかかわる市長と議会との関係といったことについてもお尋ねいただきました。市長と議会はチェック・アンド・バランスの関係にあるというふうに思います。市民の代表である議員の皆様の自由な政治活動、あるいは市政に対する調査権に制限をかけることがあってはならないというふうに思っております。一方で、市民の目線から不透明と思われることがないようにすることも大切であるというふうに思っております。このことは記者会見でも述べたことでございます。ただいま議員から、議会にかかわる問題はまずは議会自身が自主性と倫理性を発揮して決めることというお話がございました。今後、皆様方の議会の活発な議論、そして自主的な判断を期待しております。また、そういったものを受けて、私どもはどのような形にするのか、これがいいのかといったことをまた判断してまいりたいというふうに思っております。

 以上でございます。



◎健康福祉局長(松永恒裕君) 前立腺がんの健康診査への導入につきまして2点お尋ねをいただきました。

 まず第1点目の、前立腺特異抗原、いわゆるPSAを測定する検査を健康診査へ導入した場合の受診者等の推計についてお尋ねをいただきました。指定都市のうち、既にこの検査を実施しておりますさいたま市の実績をもとにして推計いたしますと、受診者数は年間約7,000人、要精密検査数は約400人、がん発見数は約40人、所要経費は約1200万円程度になるであろうと、そのように考えております。

 次に2点目の、この検査を基本健康診査に導入することについてのお尋ねをいただきました。本市におきましては、国の指針に基づき、胃がん、大腸がん、子宮がん、乳がん、肺がん検診を実施いたしております。これらの検診につきましては、平成13年の国のがん検診評価委員会において検診が有効であるとされております。一方、前立腺がん検診につきましては、この委員会において検診による死亡率減少効果を判定する適切な根拠となる研究や報告が現時点で見られないとされているところでございます。したがいまして、この検診の実施につきましては、国における検討の動向を見守りながら、本市としても対応を検討してまいりたいと考えておりますので、お願いをいたします。



◎総務局長(鴨下乃夫君) 分権時代におきます本会議答弁のあり方と活性化についてお尋ねをいただきました。

 まず、本会議答弁のあり方でございます。議会と行政とは、市政運営におきまして車の両輪の関係にあると認識しております。市民の代表でございます議員の皆様方と私ども執行機関とが、本会議や委員会などのさまざまな場面で充実した活発な議論を交わしていくことは、市民本位の市政運営を実現していくためにも大変重要なことでございます。議員御指摘のように、地方分権が進み地方自治体の権限が大きくなろうとしている今、このようなことは一層強く求められているものと理解しておるところでございます。本会議答弁に当たっては、その質疑や質問の趣旨を十分に踏まえながら、本市としての対応方針や基本姿勢をできるだけ明らかにした上で本会議答弁に臨んでいるところでございます。

 次に、本会議答弁の事後確認でございます。本会議答弁の事後確認につきましても、本会議答弁をその場限りのものとすることのないよう、議会からいただきました御意見、御要望等の対応方針、予定、課題などにつきまして総務局、財政局が中心となって集約するなど、執行機関として常に最大限の責任を持って対応していくよう心がけておるところでございます。

 3点目に、分権時代におきます質疑の活性化についてでございます。市民の代表でございます議員の皆様方からの質疑や質問につきまして、これまで以上に真摯に受けとめ、的確にお答えし、そして行政として責任ある対応に努めていくことは議会におきます質疑、質問を活性化させ、ひいては自治体主権の時代にふさわしい真に自立した市役所の実現につながるものと認識しております。今後とも行政としてできる限りわかりやすく、明確で主体性のある答弁を心がけながら、議会や市民に対する説明責任をしっかりと果たしていかなければならないと考えておるところでございます。

 以上でございます。



◆(冨田勝三君) それぞれ答弁をいただきました。少し時間がありませんので、市長に再度お尋ねをいたしたいと存じます。

 政務調査費と老人会の補助金カットの不公平について、市民意見に対して市長は政務調査費は条例に従って支給したと答弁されました。全くそのとおりでありまして、私は間違っているとは言いません。しかし、その結果、市民の間に不公平感が生じているわけでありますから、私はこれをどうするかということをお聞きしたんですが、市長はそのことについては触れられませんでした。その辺について再度お伺いをいたしたいと思いますが、時間がありませんので、なるべく短目によろしくお願いをいたします。

 次に、前立腺がんのPSA検査についてでありますが、今笑いがありましたように、答弁で国の動向を見てという、はしなくも出てまいりました。この種の答弁がいかに多いかということが実証されたような気がします。さて、答弁で国の動向を見るということでありますが、国がやると言えば、経費も1200万程度ですから、名古屋も即実施と理解していいかどうか。

 以上でございます。



◎市長(松原武久君) 確かに各種補助金のカットがなされているわけでございますが、私は政務調査費が議員の皆さん方の調査活動を充実させるという観点から、条例に基づいて支給をし、またそのような十全な調査活動をしていただいているものというように思っておりますし、期待をしているわけでございます。と同時に、一方で税金からの支出でございますから、これについての透明性を担保する、こういったことは大事なことと思っております。

 以上です。



◎健康福祉局長(松永恒裕君) 前立腺がんのPSA検査の基本健康診査への導入について、国の方針が出た場合の本市の対応について、改めてまたお尋ねをいただきました。

 国は、がん検診の実施に当たりましては、国のがん検診に関する検討会、この意見をもとに判断をいたしております。この検討会の委員は、国立がんセンターや大学病院の医師を初めとする専門家で構成されておりまして、死亡率減少効果など医学的データに基づきまして検診の有効性などを判断いたしております。本市といたしましては、前立腺がんの検診の実施につきまして、他の検診と同様に専門家の判断を踏まえたこの国の考え方をもとにして検討してまいりたいと、そのように考えております。



◆(冨田勝三君) 市長さんの答弁ですが、私の考え方と少しずれがあります。時間的にそのずれを今論ずるわけにはいきませんのですが、内容は議会にかかわる問題ですから余り触れたくないという気持ちはわかります。しかし、問題提起をした老人会の人たちがきょうこの傍聴席に見える。恐らくその人たちは、この問題について一層わからないようになった、消化不良になったという感じではないかなと思います。またこの問題については後日やりたいと思っております。

 それで、第1回の質問で昨年2月の市長の答弁、「議論が必要」、「微妙な言い回しやニュアンスで済ませるのでなく」を引用しましたが、はっきり言いまして、市長の答弁、それが実行されていなかったというような感じがいたします。2回同じことを言われたわけですから、言外でわかってほしいということでしたら、これはおかしい。去年の答弁と違うんじゃないかと思います。こういう核心に触れない答弁というのはいろいろあります。私は名づけて人工衛星答弁と。なぜならば、着地しないということで。私は、これからの答弁、やはりもっともっとお互いにはっきり物を言って、その中から議論を発展させていくべきだというふうに考えます。

 ちょっと、一つだけ。市長はこの議会で初めて政務調査費の透明化について言及されました。私は大きな意味があると思います。我々議会としては、市長の意向を受けて、議会の中で真摯に、自主的に倫理性を持ってこれを審議すべきだというふうに考えます。

 以上で、私の質問を終わります。(拍手)



◆(加藤一登君) この場合、暫時休憩されんことの動議を提出いたします。

     〔「賛成」〕



○副議長(加藤武夫君) ただいまの加藤一登君の動議に御異議ありませんか。

     〔「異議なし」〕



○副議長(加藤武夫君) 御異議なしと認め、暫時休憩いたします。

          午後0時17分休憩

         −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

          午後1時24分再開



○議長(佐橋典一君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 第104号議案初め43件を一括議題とし、質疑並びに質問を続行いたします。

 次に、田中せつ子さんにお許しいたします。

     〔田中せつ子君登壇〕



◆(田中せつ子君) 通告に従い、順次質問いたします。

 最初に、公の施設の受益者負担のあり方についてお尋ねします。

 1点目は、使用料の値上げが利用者減につながる悪循環についてです。

 昨年11月、受益者負担のあり方研究会において、「公の施設に係る受益者負担のあり方に関する報告書」が提出されました。それによると、縦軸が収益性の大小、横軸が公的関与の大小で図式化され、受益者負担の割合が示されています。公的関与と収益性で示された九つの升のうち、真ん中の升は公費負担50%、受益者負担50%となっています。ここに当てはまる施設には、動植物園、生涯学習施設、スポーツ・レクリエーション施設、文化施設、観光施設などがあります。

 そこで、身近にある東山動植物園を例にとって見てみました。東洋一として戦前から親しまれてきた東山動物園は、潤いとゆとりのある社会教育の場とするため、1968年に動物園と植物園を一本化されたという経過があります。東山動植物園の支出に対する収入の比率が、2003年度決算で24.7%でした。これを受益者負担50%まで引き上げるとなると、支出の水準が現行のままとした単純計算で、大人の入園料、現行500円が1,000円となります。そうなるとどういうことになるかですが、報告書には、使用料をアップすることにより利用者数、利用率が減少し、使用料収入が確保できないため、使用料をアップしなければならなくなるという悪循環に陥る事態も想定できると意見が述べられています。利用者が減るようなことがあれば、社会教育の場という本来の設置目的から外れてしまうことになります。こうしたことは他の公の施設でも同じようなことが言えますが、公の施設の使用料について、受益者負担を徹底することによって、使用料の値上げが利用者減につながることの悪循環について財政局長はどのようにお考えになりますか、答弁を求めます。

 2点目は、受益者負担の考え方は住民福祉の増進から後退するという点です。

 報告書によると、「利用者と利用しない人との負担の公平の観点から、その利用者に費用負担を求める」という考え方が貫かれています。この考え方は、名古屋市民の生活を豊かにしていくという本来の地方自治の役割、機能、法的根拠を揺るがすことになるのではないでしょうか。

 例えば、身近にある名古屋市のスポーツセンターは、レクリエーション的な役割と同時に健康維持の役割も果たしています。特に温水プールは、働き盛りの方や高齢者にとっては生活に欠かせないスポーツとなっています。その上安い料金で利用でき、喜ばれています。しかし、残念なことに、2002年10月から受益者負担の名のもとにいち早く駐車場が有料化されてしまいました。その結果どうなったのか、2001年と2003年の各スポーツ施設の利用状況を比較してみました。中、東、昭和のスポーツセンターは新設された時期なので除きますが、9施設のうち6施設で利用者数が減少していることがわかりました。私の住んでいる名東区でも、スポーツセンターを利用する人が2000年度から2002年度までは毎年30万人を超え、全市でも利用率が高い方でした。ところが、2003年度は利用者が27万人となっていました。なぜこの年に利用者が減ったのか。スポーツセンターを利用している人たちから、「夜仕事を終えて健康のために毎週二、三回通っていたが、駐車料金が300円、プールが500円、計800円かかるので、今は週1回にしている」、「仕事が終わってから利用するので、公共交通を使っていたら時間的に厳しくて利用できない」、「腰痛があり、医者にプールで歩くといいよと言われたので、リハビリのために通っていたが、駐車料金が要るようになってからは3回のところ1回にした」などの御意見を伺いました。利用者が減ったのは、2002年10月からスポーツセンター駐車場が有料化になったことが影響していることは明らかです。

 受益者負担の名のもとに一律に駐車場有料化が決まってからは、利用する人が名東区で3万人減ってしまったわけです。これから先、なお一層収益性を上げるために使用料を上げたり、高齢者の減免制度をなくしたりすれば、ますます利用者が減ることは目に見えています。スポーツセンターを多くの名古屋市民が利用し、健康の増進を図ることができれば、そのことは回り回って医療費の方で税金を使わないで済むことにつながります。

 公の施設とは、地方自治法で「住民の福祉を増進する目的をもつてその利用に供するための施設」と定義づけられています。公共の施設を利用する人をいかにふやすかということを考えるのが自治体本来の仕事です。そうした考え方に立つならば、公の施設で利用者に負担を求めたり、さらに値上げをしたりする受益者負担の適正化の考え方は、住民の福祉の増進という自治体本来の目的から大きく後退することになると考えますが、財政局長の見解をお聞きします。

 次に、万博開催中における諸問題について質問します。

 1点目は、帰宅時における万博会場駅での滞留解消についてです。

 6月に入って、万博入場者が平日でも10万人を超すようになってきました。土曜日や日曜日は、少なくても12万8000人、多くて17万1000人で、今後15万人を超えることも予測されています。最高入場者数も、夏休みに入ると17万人を超えて20万人に近づくこともあり得る状況です。特に平日の夕方4時以降の入場者が8,000人を超えるようになり、4月のころに比べ2倍以上に膨れ上がっています。ちなみに6月に入ってからの土日の夕方4時以降の入場者は1万2000人から2万2000人です。1日の入場者総数に占める夕方4時以降の入場者の割合が10%以上あるのは、開幕以降6月26日までで見ると合計28回もありました。こうした状況から考えると、当然万博客の帰宅時間は午後9時からの時間帯に集中することは言うまでもありません。これから先、お盆や9月の連休、閉幕時は、朝、藤が丘駅で名古屋市交通局が臨時バスを出す予定であると聞いています。こうした日や大きなイベントがあるような日は、夜、帰宅難民が出るのではないかと新聞でも報道されていますが、9時以降の帰り客の万博会場駅での滞留解消策も考える必要があるのではないでしょうか。特に帰り客は、リニモの本数に限りがあるので、初めから400人は乗せるそうです。途中駅から乗る客もいるので、400人以上乗せて走ることになります。

 私どもの調査では、6月の3日間、夜9時からリニモ万博会場駅において実態を調査しました。6月10日金曜日は午後9時ごろ現地に到着し、北側エレベーターに乗り、万博客と合流して並びました。約30分待って9時40分の藤が丘行きに乗車しました。10日の万博来場者は12万人でした。13日月曜日も同じ時間帯に並びましたが、並んで待つ時間はほとんど10日と同じ状態でした。6月18日土曜日は、いつもより遅く万博会場に向かいました。万博会場駅一つ前の駅、公園西駅でたくさんの乗客が乗り込んできました。八草駅方面に帰る万博客が万博会場駅の混雑を避け、一つ前の駅まで歩いて乗車したと考えられます。市民の足の確保と安全性から考えて、万博会場駅から藤が丘行き、八草行き、両方面のリニモの増発、または臨時バスを出す必要があるのではないでしょうか。名古屋市として率先して万博協会初め関係機関に働きかけるべきと考えますが、総務局長、いかがでしょうか。

 先日、愛知県立大学の夜間学生が帰宅時、リニモの乗車制限に巻き込まれ、1時間以上待つ事態が起きている。混雑時学生の使う通路が閉鎖され、万博帰り客の長蛇の列に並ばされる事態が起きていると新聞で報道されたので、大学当局の方や県大生に毎日どんな様子か聞いてみました。「毎日30分待ち」、「ジャパンデーの日は、はなみずき駅まで行くのに1時間もかかった」、「5月のある日、乗車までに1時間以上。名鉄名古屋から豊橋間の終電に間に合わず、運賃1,280円を自己負担してJRで帰宅しなければならなかった」、「あすの仕事に差し支えるので1時間講義を早退したこともある」などの話も聞きました。

 そこで、お尋ねします。毎日のように朝も帰りも県大生や県職員が万博客と一緒に並んで、平常時で30分、ピーク時は1時間待ちの状態は日常生活に支障を来していると見るべきです。リニモを利用する県大生は1,000人、その多くが名古屋市在住です。県大の夏休みは8月からなので7月が一番心配だと大学側は言っています。早急に何らかの対策を検討する必要があるのではないでしょうか。対策として大学側は、県大側の入り口が夜になると閉められるが、今までどおりあけておいてほしいと県、万博協会、愛知高速交通に申し入れているが、まだ対策がとられていないそうです。学生証や証明書を見せれば優先的に大学側の入り口が通れるようにすることも一つの方策だと思います。しかし、万博会場駅の滞留の解消にはなりません。そこで、最初お尋ねしたように、市として万博協会初め関連機関に働きかけ、シャトルバスを出し、リニモの定期券で学生優先に乗ってもらうことが帰り客の滞留解消にもつながると考えます。いずれにしても、名古屋市として夜の滞留問題を真剣に考えなければならないと思いますが、総務局長の答弁を求めます。

 2点目は、香流川の水質悪化についてです。

 愛知万博長久手会場から出る排水を処理している愛知県長久手町の下水処理施設、長久手浄化センターの処理水が開幕前と比べて汚れがひどくなっていると新聞報道がありました。住民からも、以前より川が濁って見える、異臭がするなど声が寄せられていると言われています。長久手町議会では、この問題が6月定例会の一般質問で取り上げられました。

 そこで、私どもも調べてみました。長久手浄化センターの放流水の調査によると、BOD−−汚れの程度を示す値ですが、これが5月の平均値は1リットル当たり6.7ミリグラムで、万博開幕前の2倍近くに悪化しています。目標値が8ミリグラムなので問題ないということですが、4月では最大9.1ミリグラム、5月では8.9ミリグラムという目標値を超える数値が出ています。名古屋市を流れる香流川の香流橋付近で調査したことし4月と5月のBODの数値は7.4ミリグラムと5.1ミリグラムでした。昨年度平均値は3.6ミリグラムです。また、全窒素−−これはし尿をあらわしていますが、全窒素の数値はことしの4月に10ミリグラム。昨年度の平均数値5.4ミリグラムと比較すると倍の数値が出ています。全燐−−これは洗剤などをあらわすものですが、全燐も4月の段階で0.43ミリグラム。昨年度の平均値の0.31ミリグラムを超えています。

 この調査場所は、下流で他の川から水も流れてくるので、長久手浄化センターから放流されたときよりかなり薄まってはいるものの、昨年の数値より徐々に悪くなってきていることがわかりました。この原因は自然環境も影響していると思いますが、まず第1に万博による影響が大きいと私は思いますが、環境局長はどのようにお考えでしょうか、お尋ねします。

 万博期間中毎日10万人を超える人々が万博会場に集まることを考えれば、そこに一つの都市ができていると考えても過言ではありません。環境をテーマにした万博会場からの排水が原因で環境を悪化していたとするなら、世界に対し恥ずかしい話です。香流川は、下流の矢田川、庄内川、そして藤前干潟にも影響を及ぼすことは否めません。市長は、6月定例会冒頭で、環境のさまざまな側面からこの地球環境問題に積極的に取り組んでいく、このことを提案されました。それならば、例えば万博期間中、レストランで使う油は直接排水に流さないで処理するとか、洗剤も環境負荷の少ない石けんにかえるなどの、環境悪化を食いとめるための提案をされてはどうでしょうか。市長、あなたは万博協会の副会長です。万博による環境悪化を絶対にさせない、この大原則を万博で生かすように働きかけていただきたいと思います。そうしたことに取り組んでこそ、「自然の叡智」というテーマにふさわしい万博になり、世界にもアピールできるのではないでしょうか。市長の見解をお聞かせください。

 これで、私の第1回目の質問を終わります。(拍手)



◎市長(松原武久君) 万博開催中における諸問題に関しまして、香流川の水質悪化についてお尋ねをいただきました。

 「愛・地球博」長久手会場からの汚水排水につきましては、長久手町の公共下水道を利用することといたしております。御指摘の長久手町浄化センターから香流川への処理放流水の水質は、BODなどで少し上昇は見られますものの、いずれも水質基準の範囲内におさまっていると聞いております。長久手町ではさらなる水質浄化に向けまして、センターへの流入汚水量の調整、あるいは水処理の空気量の調整など、迅速・的確に対応していると伺っているところでございます。

 一方、博覧会協会では、会場内の全飲食店舗に厨房からの排水のごみや油分を除去する装置を設置するよう指導するとともに、汚水量調整施設を設置するなど、排水浄化に努めてきておるところでございます。その結果、毎月長久手町に報告をする水質検査の結果は、町が定める排水基準に適合し、適正に処理されているとのことでございますので、私は、それぞれのところがそれぞれのお立場で努力をしているものと考えております。



◎財政局長(林昭生君) 公の施設の受益者負担のあり方についての2点のお尋ねにお答えを申し上げます。

 まず、使用料の値上げによります利用者の減についてでございますが、受益者負担のあり方研究会の報告書におきましては、受益者負担の検討に関する手順といたしまして、最初に最低限の管理運営費への削減を、次に利用者の増加策を講じた後の目標利用者数の設定を、最後に施設の性格に応じた受益者負担割合の設定を行った後に使用料の見直しを検討すべきものという提言をいただいております。使用料の見直しに当たりましては、それぞれの施設の実情に応じて、回数券や定期券の拡大、あるいは各種割引サービスの導入など、利用者の増加策に取り組んでまいる必要があるというふうに考えております。

 次に、住民福祉の後退ではないかとのお尋ねでございます。右肩上がりの経済成長が望めず、少子・高齢化社会が急速に進行するなど、社会経済情勢が大きく変化する中で、多様化し増大いたします市民ニーズにどう対応していくか、これが市政の大きな課題となっておりまして、こうした中で受益者負担の適正化などの財政健全化のための方策を着実に推進することによりまして、各種施策・事業を持続的・安定的に運営していくことこそが住民福祉の増進につながるものであると考えております。よろしく御理解を賜りたいと存じます。



◎総務局長(鴨下乃夫君) 万博期間中におきます諸問題に関しまして、帰宅時における万博会場駅での滞留解消についてお尋ねをいただきました。

 「愛・地球博」の会場には多彩な展示や催し物が多くあることから、閉場の間際まで楽しむ観客が多く、帰宅時の交通手段となるリニモやシャトルバスに混雑が見られております。週末となる金曜日や土曜日の夜には、乗車待ち時間が長くなる傾向がありますが、おおむね1時間以内にとどまっております。

 そこで、博覧会協会では、会場内におきまして、アナウンスやディスプレー表示を通じまして交通機関の混雑に関する情報を提供したり、混雑を回避した早目の帰宅を促したりするなど、帰宅時間の分散を観客に呼びかけております。また、会場の運営に当たりましても、閉場時刻の午後10時よりも1時間前の午後9時以降には各パビリオンには入館できないこととしておりますし、各種イベントにつきましても午後9時までには終了するように運営をしておるところでございます。その上でなお、リニモやシャトルバスが混雑する場合には、各交通機関が適宜増発するなど、その状況に応じまして対応していると聞いておるところでございます。なお、愛知県立大学の学生の帰宅手段につきましては、関係者の協議を見守っていきたいと思っておるところでございます。

 以上でございます。



◎環境局長(大井治夫君) 香流川の水質についてお尋ねをいただきました。

 香流川の環境目標値の調査地点でございます香流橋の水質をBOD、すなわち生物化学的酸素要求量、これで見てみますと、昨年の12月以降上昇傾向が見られるところでございます。しかしながら、名古屋市の環境目標値は達成しておるところでございます。この香流川の水質は、降雨量であるとか、あるいは河川の流量の変動により大きく変化するという傾向がございますので、この上昇が万博の影響による可能性ということでございますけれども、それにつきましては定かではございませんが、それだけの影響であるということもまた判断できないものというふうに考えておるところでございます。



◆(田中せつ子君) 御答弁いただきました。公の施設の受益者負担の方ですが、税で利用部分以外を負担しているとか、利用していない人の税金で運営費を賄っている、このように言われますが、公の施設のあり方として当然のことではないでしょうか。公の施設はそもそも税金で建てられた施設です。少しでも多くの市民が使用できるように、使用料は低廉で安価であることが原則だと思います。公の施設を利用する場合、利用しない人に申しわけないといって無料のところを有料にしたり、使用料の値上げをしたりすることは公という立場を忘れています。本来の自治体の仕事を投げ捨てていることをまず指摘しておきたいと思います。

 万博会場駅の滞留問題についてですが、私が調査し始めたころより滞留人口もどんどん増加してきております。そして、対策もとられてきているということが新聞報道でも、今の答弁でもわかりました。これはリニモが増発されているということでよかったなと思うと同時に驚いてもいます。といいますのは、6月17日、18日、増発されていても最大70分待ちの状況もあったわけです。県大生も相当ストレスが、毎日毎日のことですからたまっているようです。シャトルバスも走らせているようですが、八草方面行きだけなんですね。ぜひ県大生の問題も含めて、藤が丘方面行きのシャトルバスも走らせることができるように、関係機関に強力に働きかけていただくことを要望いたします。

 2点目は、万博の環境問題についてです。今答弁で、ごみや油を除去する装置をつけているから大丈夫だというそういった答弁でしたが、これは徹底されているのでしょうか。一部のところでこうしたことがやられているのではないかというふうにも思いますが、再度このことは総務局長にお尋ねいたします。



◎総務局長(鴨下乃夫君) 先ほど市長もお答えさせていただきましたが、博覧会協会からは会場内の全飲食店舗に厨房からの排水ごみや油分を除去する装置を設置するよう指導しておると、そういうふうに聞いてございますので、よろしく御理解いただきたいと思います。



◆(田中せつ子君) ここに2005年日本国際博覧会基本計画というのがあるんです。これは私もよくよく読みましたけれども、環境に対する配慮の考え方がしっかり書かれています。ですから、環境万博というふうに銘を打っているわけですから当然のことだと思います。これを見ますと、発生抑制や分別の徹底をする。もうこの考え方がしっかり貫かれています。これはごみなんかそうなんですけれども、やはり排水、このことも本当に気をつけなければいけないと思います。実際数値が上がっているわけですから、目標値以内でとどまっているから大丈夫だという考え方では私はいけないと思います。やはり環境汚染は発生源で絶つ。流せば時間も、そしてお金もかかるわけですから。例えば洗剤なんかも、全燐の値がすごく上がっているわけですから、やはりこういうことも含めて、市長さんは副会長さんという立場、9人の中の1人ということで9分の1の発言権だとは思いますけれども、しかし、強力に働きかければ、こうしたところもしっかりと改善されていくと私は思います。ぜひそのことを要望して、終わりたいと思います。(拍手)



○議長(佐橋典一君) 次に、ちかざわ昌行君にお許しいたします。

     〔ちかざわ昌行君登壇〕



◆(ちかざわ昌行君) お許しをいただきましたので、通告に従い、順に質問いたします。

 まず、市立大学将来構想についてお尋ねをいたします。

 少子化により大学もいよいよ淘汰される時代が目前に迫っています。市立大学では、昨年の2月に個性と魅力あふれる総合大学を目指し、将来構想を策定しています。しかし、私は、その将来構想の内容について二つの大きな疑問点を感じています。

 一つ目の疑問点は、個性の意味するところです。大学間競争が始まるわけですから、個性は最も大切です。しかし、この将来構想は、名古屋と書いてあるところを、例えば他都市、横浜とか大阪とかと置きかえても全く通用する内容になっていて、名古屋市立大学ならではの個性が全く感じられないのです。

 二つ目の疑問点は、だれにとって魅力のある総合大学なのかということです。独立行政法人化になれば、学生さんも、少々荒い言葉で言えば、お客様です。すなわち、お客様が魅力を感じ、選択してもらえる総合大学になれるかどうかということが疑問なんです。

 この二つの疑問点を念頭に将来構想を見ていきたいと思います。この将来構想では、三つの視点、四つの目標、10の方針が掲げられています。

 一つ例を挙げてみたいと思います。大学で最も大事な方針、「教育の改善・充実」においては、学生及び教員レベルにおける国内外の大学との積極的な交流をさらに推進し、教育力の向上を図るとしています。具体的には、学外学習の単位化、インターンシップ制度の活用、少人数教育、ITの活用、単位互換の推進、学生による授業評価制度などが掲げられています。

 これらの施策は、名古屋市立大学の独自性なんでしょうか。学生が来たくなる施策なんでしょうか。また、私立大学では既に実施されている項目ばかりです。しかも、これが将来構想というわけなんです。本当に危機感があるなら、翌年からでも実施できる項目もたくさん含まれています。さらに、独立行政法人では、今ある将来構想を実現するために6年間の中期計画を掲げなければいけません。そうすると、この将来構想を実現するには中期構想を経なければいけませんので、6年以上かかるということになるわけです。すべての文章、すべてがこの調子です。どの大学も生き残りをかけて必死で改革を進めている中で、当然のことが将来構想として掲げられているようでは、生き残りをかける必死さが伝わりません。ライバルは全国の大学だと思います。たとえ生き残っても、優秀な学生に来てもらわなければなりません。

 そもそもこの将来構想の根本的な問題は、実は大学側が考える教育機関としての大学のあり方と、学生が考える大学のあり方が余りにかけ離れていることにあります。文系と理系では大きな違いがありますから、分けて考えていくことが必要だと思います。文系に関しましては、アンケート調査にもあるとおり、今の学生の多数が、学歴重視の世の中だから進学する、または就職までの猶予期間だというふうに考えています。すなわち、この将来構想は、大学が考える教育機関としてのあり方を実行することにこだわっていて、学生が魅力を感じる手段を取り入れていないことが一番の問題だと思います。

 例えば、「国際的に開かれた大学」の方針で、学生・研究者の派遣・受け入れ制度を充実するというふうにあります。これは、確かに大事です、大事だと思いますよ。でも、実際は成績優秀なほんの一部の人しか参加できない留学制度です。これでは制度を活用できない人が大半です。それなら、外国語の授業はすべてネイティブとしています。学生のダブルスクールを回避するためにも、外国語会話学校とも提携します。英検やTOEICの試験結果で単位認定します。もしくは名古屋市姉妹都市の提携都市で語学学校への短期留学を学生全員に行うというようにした方が魅力的ではありませんか。

 また、「教育・研究環境の整備」については、知の拠点整備に当たり、教育委員会に協力を求め、栄に市立大学サテライトキャンパスを設置してはいかがでしょう。都心に大学があることは、学生にとっても魅力です。事実、瀬戸から都心に戻ってくる大学もあるわけです。さらに、「高度情報化の推進」でも、ノートパソコンを1人1台、例えば贈与してしまおうと。学内LANを整備して使いこなせるようパソコン教室を行う。このパソコン教室は、名古屋市民もノートパソコンを持ち込めば自由に参加できると、地元貢献を図りながらのツールの充実も非常に大事なのではないでしょうか。

 極端な例を三つ申し上げましたが、目玉施策の導入は認知度を高めることにもつながります。その結果、学生が地元で就職し、市民税を納めてくれれば、名古屋市にとっても僕は補助をする意味があると思います。

 理系においては、将来医者や薬剤師になりたい人が目的を持って入学するわけですから、文系と同様にはいかないと思います。しかし、残念ながら薬学部については、定員100名のうち、ほかの大学に1年後合格したから退学しますという人は、何と平成14年が16名、平成15年は19名で、5分の1にも及んでいます。仮面浪人をしている間、名古屋市立大学のすばらしさを説き、とどまってもらう努力を一体しているのでしょうか。5分の1もやめてしまっては、その分新規の学生の補充もないわけですから、経営も苦しくなります。名古屋市立大学にとどまる魅力がないから、他大学に入学をしてしまうわけです。

 私には、大変申しわけないが、これでは将来構想とは言えません。この将来構想は、独立行政法人化をしてもしなくても当然のことだと思います。他大学も将来構想に基づいた改革を行っていて、将来はお互いがレベルアップした中で大学間競争に勝ち抜かなければなりません。独立行政法人化はあくまで手段です。今まで以上に思い切った改革が可能になるから、職員のやる気が向上するから、独立行政法人化を行うのではないでしょうか。

 そこで、市立大学事務局長に2点お尋ねをいたします。名古屋市立大学しか行っていない独自性とは、将来構想において一体どんなものを指すのでしょうか。次に、将来構想のどの部分が、名古屋市立大学ならではの学生の立場に立った視点なのか、今回私が提案した学生の視点に立った目玉施策の所感も含め、お聞かせいただきたいと思います。

 次に、生活保護・児童扶養手当受給者の就労支援についてお尋ねをいたします。

 最近あらゆる制度が国政の場で見直されていますが、その根底には、給付額や補助金をいかに下げることができるか、または、どのようにしたら税収が伸びるかということしか国は考えておらず、常に国民、市民にしわ寄せが来る制度になる傾向があります。

 ここ近年、生活保護費と児童扶養手当の給付額もウナギ登りになっていることから、制度の見直しが行われています。その内容は、老齢加算の段階的廃止、母子加算の見直し、また児童扶養手当に至っては、所得範囲の見直しや、受給期間が5年を超えた場合、手当の一部を減額するなど給付額の抑制が目につきます。また、三位一体改革の議論の中で、生活保護費負担金の国の負担割合を現行の4分の3から3分の2もしくは2分の1に引き下げ、地方に押しつけようとしています。

 ここで皆さんに本当に考えていただきたいことがあります。国と地方の負担割合を変えても、市民にとっては同じ税金なんです。給付抑制を行う前に、福祉本来の目的に立ち返って、受給者自体を減らす努力をするべきではないのでしょうか。国もようやくその方向性を感じ、自立支援を行うことが決まっています。しかし、その内容は余りにもお粗末であります。

 この自立支援プログラムの一つである就労支援プログラムは、自立意欲のある生活保護・児童扶養手当受給者を福祉事務所がまず選定します。選定後ハローワークに要請し、選定チームを設置します。福祉事務所担当コーディネーターを新たに設けて、計画書をつくって、その後、五つのメニューの中から受給者の対応に応じメニューを選択する制度になっています。この五つのメニューとは、従来の方法とほとんど変わらない就職支援ナビゲーターによる支援、トライアル雇用の活用、公共職業訓練の実施や受講のあっせん、民間の教育訓練講座の受講推奨、一般の職業相談や紹介の実施となっていて、何とメニュー実施後、就労による自立ができてしまうとされています。

 皆さん、少しおかしくないでしょうか。今まではハローワークに行っても就職できなかったのに、これからはハローワークに行って五つのメニューを選択受講さえすれば、就労による自立ができてしまうわけです。まさにお役所仕事と言われる特徴がここに出ていると思います。就職先がないから自立できないことは明白なのに、計画書をつくって用意したメニューを実施したら、就職ができて受給者の削減にもつながるという本当にお役所論理です。これでは、役所は何もしていないと言われないためのアリバイづくりにほかならないと思います。やりました、でもだめでした、まあやったからいいでしょうというわけではなく、就職先を拡充して、その拡充分を生活保護・児童扶養手当受給者に就職してもらうことを考えなければ、真の受給者の減少にはつながらないのです。

 現在名古屋市の被保護世帯は、平成16年度、母子家庭が1,255件、高齢者世帯、傷病者世帯、障害者世帯を除いた、就労が可能だと思われるその他世帯は1,906件にもなります。特に就労可能な世帯については、平成7年度と比較し、増加率は283%とまさにウナギ登りです。全体に占める割合は、母子家庭と就職ができそうなその他の世帯を合わせて約16%と非常に少なくはなりますが、もしこの16%が就職できた場合、単純計算で受給金額は名古屋市一般財源予算で約22億円、国家予算では65億円もの削減につながります。また、自立をすれば税金を納めることになり、二重の効果があると思います。三位一体改革で国と地方とが財源配分で争う前に、本来の福祉行政の目的と問題点の根幹を認識し、改善策を講じなければなりません。

 また、名古屋市も、法律が改正されないと何ともならないという答弁ではなく、できることからやる意欲を示すことが大事です。就職先をふやすことは役所にはできないとの固定観念があります。でも、私は可能だと思っています。就労支援プログラムで、自立意欲のある生活保護・児童扶養手当受給者を福祉事務所が選定するところまでは同じです。そこで選定された方にNPOや会社を設立してもらえるように役所がお手伝いをするという方法はいかがでしょうか。そして、設立されたNPO法人に対し、市の公共事業の一部を他業者が圧迫されないよう予算を少額に切り分け、優先受注させるのです。また、指定管理者にしてもいいと思います。

 わかりやすく言いますと、現在名古屋市で行っているホームレス対策の道路清掃事業についてですが、こちらはシェルター管理団体に委託をしています。道路清掃事業を、従来の業者が受注減で倒産することがないよう少額に切り分けて、その分をホームレスの皆さんが設立した法人に優先受注をさせるという方法です。市役所は、設立、契約、初期の運営に関し、その手助けを行うものです。この仕組みをすべての局に、すべての外郭団体に導入すれば、生活保護費や児童扶養手当を減らし、福祉行政本来の目的を達成することができると思います。そして、この方法こそ真の公共事業であり、真の公的関与のあり方ではないでしょうか。さらに、公共事業から手離れをする可能な限りの手伝いを行い、さらなる自立を目指していただくシステムを役所がお手伝いをする。また、母子家庭のみのNPOであれば、長時間労働をよしとした現在の労働環境で勤務評価されることはなく、子供が病気になっても、フレキシブルな勤務にも対応しやすい環境ができ、新しい労働価値観の創造にもつながっていくと思います。今回の提案は、じっくりとやらなければいけませんので、時間がかかります。でも、確実に解決に結びつきます。今までの安易な手段に予算を使ってアリバイづくりをするのとはわけが違います。

 そこで、まず健康福祉局長に、国が提示している就労支援プログラムについて、本当に実効性があるのかないのか率直にお答えいただいた上で、今回提案した施策の所感とその実効性について前向きなお答えを期待し、第1回目の質問を終わります。(拍手)



◎市立大学事務局長(尾崎憲三君) 市立大学将来構想につきまして2点のお尋ねをいただきました。

 最初に、市立大学の独自性についてでございます。市立大学におきましては、昭和63年度に大学として21世紀を展望した市立大学将来構想を策定し、その後少子化の進展など大学を取り巻く状況が著しく変化していることなどを踏まえる必要があり、大学としての今後の方向性を示すため、独立行政法人化の問題も含めて、平成15年度に新たな将来構想を取りまとめたところでございます。

 国立大学がすべて法人化され、全国700余の国公私立大学がその存在をかけて競わなければならないという状況の中で、名古屋市立大学の独自性、特色を打ち出していくといったことは非常に重要なことであると考えております。この将来構想におきましては、本学が医学、薬学、看護学といった健康・福祉に関する学術分野をそろえた我が国唯一の公立大学であり、こうした資源を最大限に活用して、市民の健康や福祉の向上に資する研究を推進することが本学に与えられた役割であり、本学の特色であるとうたっているところでございます。具体的には、直接医療に関すること以外にも経済学や人文社会学などといった分野も含めて、医療経済、年金・社会保障制度、次世代育成、社会福祉施策など多様な分野において、広く市民の健康や福祉に資する研究を推進していくことが独自性の発揮につながるものであり、全学を挙げて早急に取り組んでいきたいと考えております。

 次に、学生の立場に立った視点についてでございます。大学での教育は、学生一人一人が主体的に学ぶ意欲を持ち、自主性と創造性を身につけていくことに主眼があり、大学といたしましては、このような学習意欲を持った学生を支援していくという姿勢が最も重要であると考えております。このような視点に立った上で、将来構想におきましては、市立大学の特色でもある少人数教育を生かした課題探求・解決能力を備えた学生の育成や学生による授業評価を活用した教育の改善、さらには学生ニーズのより細かな把握によって学生生活全般を支援するなど、学生の立場に立って教育を改善、充実する方向性を示したところでございます。

 今後、独立行政法人化の作業を進めるに当たりましては、議会の皆様や市民、そして学生の意見をお聞きしながら、将来構想を具体化し、6年間にわたって法人が達成すべき、業務運営に関する中期目標を定めることといたしております。議員からいただきました提案も、その参考とさせていただきながら、中期目標を策定し、その中でできるものから実施し、熱意を持って個性と魅力にあふれる大学づくりを進めていきたいと考えておりますので、御理解賜りたいと存じます。



◎健康福祉局長(松永恒裕君) 生活保護費・児童扶養手当受給者の就労支援につきましてお尋ねをいただきました。

 国は、生活保護受給世帯の自立を促すために、その世帯に応じた自立支援プログラムを平成17年度から導入いたしました。この中の就労支援プログラムは、ハローワークにコーディネーターを配置し、福祉事務所と連携をいたしまして、共同して就労支援を実施していくものでございます。本市におきましては、就労支援プログラムは、本人の職業能力の向上を図ることにより就職に結びつける一つの有効な手段と考えておりまして、就労可能な被保護者及び母子世帯の母親に対する自立支援施策として本年度から実施することといたしておるところでございます。生活保護受給者や児童扶養手当受給者の雇用の確保につきましては、求人倍率が回復している現在においてもなお、なかなか難しい状況にあるということは理解をいたしておるつもりでございます。

 その中、健康福祉局におきましては、母子世帯の母親の雇用促進を図るため、今年度生活保護電算入力補助業務を民間委託することといたしまして、その契約の内容に母子世帯の母親をおおむね3割程度雇用することを盛り込む契約を行ったところでございます。また、議員御指摘の、生活保護受給者や母子家庭の母親の就労先の確保を目的とするNPO法人等の設立に当たっては、申請手続や運営方法などについて設立関係者からの相談を受けた場合には、設立趣旨が生かされるよう助言などをしてまいりたいというように考えております。なお、生活保護受給者及び母子家庭の母親が就労できるような雇用環境が醸成されることが大切であると考えておりまして、今後とも国・県へ要望してまいりたいと、そのように考えております。

 以上でございます。



◆(ちかざわ昌行君) それぞれ御答弁ありがとうございました。

 まず、市立大学についてですが、本当に改革する気があるのかないのか、私には今の答弁では全くわかりません。私の質問の趣旨に対して、しっかりともう一度お答えをしていただきたいというふうに思っています。仮に健康・福祉分野に特化すると今御答弁でおっしゃいましたけれども、それを認めていたとしても、その具体策は、各研究科においては、名古屋市立大学の特色を勘案した職員選考を行うとか、市立病院との連携を図るとか、シンポジウム、セミナーを開催するというふうに将来構想には書いてあるわけです。

 それでは、今まで特色を勘案した教員を採用してなかったんですか。また、名古屋市が掲げる市立病院改革プランが実施されたら自動的に目標が達成できる、そんな将来構想を掲げていいんですか。シンポジウムやセミナーを開催することが今から目指す将来構想なんですか。おかしくないですか。特化した先が、独自性もなければ、学生の視点すらないと私は質問しているんです。質問の趣旨が違います。学生の視点に及んでは、就職支援、生活や健康上の支援、演習などの社会活動への参加で本当に大丈夫ですか。これで学生が集まってきますか。しかも、就職支援なんていうのは、将来構想じゃなくて来年度から取り組んでもいいぐらいじゃないですか。今や就職難と言われているんですから。

 さらに、学習意欲を持った学生を支援していくというふうに御答弁されましたけれども、私の質問は、学習意欲のない受け身の学生が文系にはふえているから、自主性を身につけるための誘導策も必要じゃないかと質問しているんです。もしこの将来構想このままだということであれば、今後6年間の中期計画を策定するわけですから、この将来構想を前倒しして本当に実施する気はあるのか。今答弁いただいたのは、将来構想に書いてあるだけです。いま一度事務局長が考える、事務局長個人で結構です。事務局長が考える名古屋市立大学の独自性と学生の視点は何か、もう一度お聞かせをいただきたいというふうに思います。

 また、市長、今の質問を受けて、このような将来構想のもとで本当に市立大学に中期計画を作成させて大丈夫でしょうか。今年度、名古屋市は137億円も資金援助することになっています。そのような価値がある将来構想なんでしょうか。私は、職員から、数名ですがヒアリングを行って、その中でも、職員の中からも、独立法人化しても名古屋市から財政援助があるから実質何も変わらないよとあきらめの声が上がっている人だっているんです。ましてや私の知り合いの私学の人は、国公立大学が真剣に改革に取り組まないから我々が生き残れるという非常に手厳しい意見もあるぐらいです。3選を果たされた市長、当局寄りの答弁ではなく、この将来構想を見直すことも含め、市立大学が勝ち残れるよう、市長御自身の言葉でしっかりと注文をつけていただきたいと思います。市長答弁の後、事務局長が答弁されるわけですから、市長が檄を飛ばしていただいたことも受けて、真摯に御答弁をしていただきたいというふうに思います。

 次に、就労支援プランについて、こちらも市長にお尋ねをいたします。福祉行政の本来の目的は、生活保護費や児童扶養手当を支給することではありません。生活保護者をできるだけ少なくして、自立した生活を送ることができるようにすることです。もちろん、国や県の労働行政にも多くの問題はあります。でも、名古屋市発のプログラムで実績を積めば、愛知県に対しても、生活保護者や児童扶養手当受給者に仕事を割り当てる仕事を探してこいということも依頼できると思いますし、国に無意味な施策であるということだって注文をつけることができるわけです。一番大変な底辺の仕事を、成果のない方法で、国が決められているからといって、費用も名古屋市負担で押しつけられ、三位一体改革の財源まで押しつけられるのは私はいかがなものかと思います。逆に、名古屋市は22億も削減した。同時に国には65億も削減してあげたじゃないですかと、だから、削減額の半分を削減した地方自治体に還元してはどうでしょうかという意気込みで国に折衝するのが、スーパー指定都市を目指す市長ではないでしょうか。今健康福祉局長から、相談を受けた場合助言したいと少し前向きな答弁が出されましたが、ここで各局が仕事を出し合うことが必要になってくると思います。ぜひ役所が団体の設立を助け、仕事を付与する仕組みを全市的つくり上げれば、今までの福祉行政のあり方から根本的な転換を図ることができると思います。ぜひ市長の意気込みをお聞かせいただきたいと思います。



◎市長(松原武久君) 市立大学の将来構想につきまして、私の思いということでお尋ねをいただきました。

 先ほど事務局長も答弁いたしましたように、名古屋市立大学は医学、薬学を初め各分野において社会に貢献し得る人材を多く輩出してまいりました。また、高度先進医療の提供、あるいは長寿社会への対応など、この地域の福祉の向上に貢献してきたものと私は考えておりますが、今御指摘のように、多額の貴重な税金を投入し運営しておるわけでございますから、学生はもちろんのこと、市民にとっても、より一層誇りと愛着の持てるようなすばらしい大学になってほしい、私は思っております。

 今議員御指摘のように、将来構想ができた後であきらめの声を言っている職員がいるといったことについて言えば、まことに残念であると言わざるを得ない。自分たちが一生懸命になってつくった将来構想についてあきらめの声を述べるようであっては困るというふうに私は思います。

 それから、目指すべき大学のあり方で、名古屋市立大学の独立行政法人化は、来るべき大学全入化、全入時代、大学淘汰の時代に備えまして、市立大学の魅力を高めていくための有力な手段であると私は思っております。これは、関係者含めて全部意識改革しなきゃならない、こういうことが独立行政法人にしていく意味でございますから、この制度を活用して、広く市民や学生の視点に立った大学改革を率先して進め、全国にアピールできるような魅力ある大学にしてまいりたいというふうに私は思っております。

 そこで、個性と活力に満ちて、競争力を持った大学として市立大学があることによって名古屋市の存在感も高まると、このような大学になってほしいと思っています。理事長のリーダーシップのもとに全教職員が一丸となって積極的に取り組んでほしいというふうに思っています。評論家的に言っておってはまことに困るというふうに私は思います。

 それから、もう一つの生活保護費・児童扶養手当受給者の就労支援。私は、議員の提言というのは、前向きの福祉ということで極めて大事というふうに思っております。与えられて、まあもらっておればいいわと、こういうことじゃなくて、受給者でなくなるためにどう努力するかという、言ってみればそういった強い意思を持った受給者、また、受給者でなくなるようにしていく、これは非常に大事なことと思っております。したがって、NPO法人等を設立する。また、この設立についても、いろいろ行政の持っているノウハウ、あるいは組織をもって支援していくことが大事であろうし、またその方々が、NPO法人が設立されて、その活動によって就労機会がふえていく。それを市全体が支援していく。そうすることによって少しでも生活保護世帯から脱却していくことができれば、私どももそのほかにその福祉の原資を回すことができるわけでございますから、前向きの福祉ということで私は貴重な提言だと思います。ただ、どうするかということについては、とても難しいと思います。とても難しいと思いますが、その提言というのは極めて前向きな福祉についての提言であるというふうに私は思っております。どうするかということについては、それぞれの事務局が考えるというふうに思います。



◎市立大学事務局長(尾崎憲三君) ただいま、独自性につきまして再度のお尋ねをいただきました。

 議員御指摘のように、大学間競争を勝ち抜いていくためには、学生の立場から見た名古屋市立大学としての独自性をより明確にしていく、大変重要であると認識をいたしております。今後、先ほど申しましたように、中期目標を策定する中で、具体策について検討してまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、学長以下全職員が一丸となって積極的に取り組んでまいりたいと存じますので、よろしく御理解賜りたいと思います。



◆(ちかざわ昌行君) 今回の質問は、行政のアリバイづくりのための施策から、現実を正しく認識して本来の目的に立脚した施策へ転換する契機になればと思い、この2問の質問を行ったものです。市立大学においては、もう一度将来構想を見詰め直していただいて、本来の問題点を把握した上で、実りある改革をしていただきたいというふうに思います。

 市長については、両方ともいいお答えをいただきまして、大変ありがたく思っています。雇用の創出は、今までの福祉行政の政策転換を始める答弁であろうというふうにうれしく思っています。市を挙げて早期に取り組んでいただくことを強く要望し、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。(拍手)



○議長(佐橋典一君) 次に、前田有一君にお許しいたします。

     〔前田有一君登壇〕

     〔議長退席、副議長着席〕



◆(前田有一君) 通告に従いまして質問いたします。

 初めに、産業技術未来博物館の早期実現について御質問いたします。

 今名古屋、愛知は、セントレア・中部国際空港の開港、愛知万博の開催など、日本で一番元気なまちと言われております。多くの外国人や要人初めこれまでこの地域に来たことのない方々が万博で集い交流していることは、大変大きな成果であります。松原市長さんは、6月23日の提案理由説明において、空港と万博の成果を生かしたまちづくりの重要性を訴えられました。この2大事業をやり抜く力、パワーをぜひとも産業技術未来博物館に結集して、日本一、いや、世界一の博物館を建設していただきたいと思っております。

 日本が世界に誇れる物づくりにおいて、製造品出荷額27年連続日本一を誇る当地域が、日本の技術を世界へアピールすることは大変重要なことだと考えます。フランスのルーブル美術館やアメリカのスミソニアン博物館など世界的に有名なこうした施設は、さまざまな国の人々がそこに集い交流することで都市を活性化させるとともに、地域の魅力向上に役立っております。そして、フランスのパリといえば芸術の都といったように、美術館や博物館がその国や都市の個性を代表するシンボルとなっております。産業技術未来博物館が名古屋の大交流時代にふさわしい千客万来の元気なにぎわいを生み出せる施設となり、名古屋といえば物づくりの都といった、世界に発信できるブランドをぜひ確立していただきたいと存じます。

 また一方、物づくりを支える人材の面で、現在大きな不安材料として、団塊の世代が退職を迎える2007年問題があり、これまでの経済発展を支えてきた技術の伝承が大きくクローズアップされております。1300年前から伊勢神宮で20年ごとに行われております式年遷宮ですが、なぜ20年かという定説はないものの、技術の伝承を守るためにも合理的な年数であるとともに、建築のみならず刀工、金工、漆工、織工、どの美術工芸技術の伝承にも大きく役立っているそうでございます。

 私は、この産業技術未来博物館が式年遷宮による技術伝承の装置のように、今後の日本の産業人材の育成に役立つものであるとともに、世界へ日本の産業技術を発信できる日本を代表する施設としてもらいたいと考えております。そこで、当局に産業技術未来博物館の早期実現に向けて、現在の取り組み状況とその方向性についてお伺いいたします。

 次に、「なごや 子ども・子育てわくわくプラン」であります。名古屋市次世代育成行動計画についてお伺いいたします。

 名古屋の出生数、最も多かった昭和46年、4万2280人、去年平成16年は何と1万9708人。この33年間で2万2572人が減少いたしております。国の将来推計人口では、2050年には9203万人になると言われております。まさに人口減少社会を目前に控えております。この影響は、労働力不足、経済の低下によって暮らしが悪くなると予想されております。数は力でございます。国力でございます。大きく言えば、この問題は国家存亡の危機に直面していると私は考えております。この少子化に歯どめをかけるために次世代育成支援を強力に推進し、子供を生み育てることの不安と負担を軽減しなくてはなりません。松原市長の強力なリーダーシップを期待いたしております。

 実は市長さん、私の市議会におけるテーマは、「子供に夢を」でございます。未来の主役である子供たちが大きな夢と希望を持って思い切り挑戦できる世の中をつくるのが大人の責任でございます。知、徳、体の徳育を重視した教育力を高め、世界から尊敬される元気な日本を再構築しなくてはなりません。人づくりは国づくり、その基本は教育でございます。そういう信念を持って議会活動を頑張っておりますけれども、そこで、頑固で誠実な松原市長さんに御質問いたします。

 一昔前は、地震、雷、火事、おやじ、子供たちにとって怖い存在のものがあった時代がございました。今何とおやじの権威が一番低下していると言われております。市長さん自身はどんな子育て観を持っているのか、また、自分の子育て経験と今の子育てで状況は相当違うと思いますが、比較いたしましてどんな感想を持っておられるか、お伺いいたします。

 次に、子育て家庭の一番の希望は、経済的な負担の軽減であります。少子化白書によると、理想の子供の数は2.56人でありますが、それを相当下回っております。その理由で最も多かったのは、子育てや教育にお金がかかり過ぎるという調査結果です。

 そこで、健康福祉局長にお伺いいたします。若い親が安心して子供に向き合い、しっかりと子育てできるためには、経済的不安の解消を図る必要性が非常に大きい。特に三つ子の魂百までと言われるように、小さいときの経済的支援を強力に推進すべきと私は考えます。それと同時に、子育て家庭に優しい、子育てしやすい名古屋をつくるためには、地域力の再構築が必要と考えますが、局長の御答弁をお願いいたします。実は私、持ち時間25分でございましたけれども、先ほど同僚議員に5分間譲りましたので20分しかございません。簡潔に答弁いただきますようお願い申し上げまして、1回目の質問を終わります。(拍手)



◎市長(松原武久君) 「なごや 子ども・子育てわくわくプラン」、名古屋市次世代育成行動計画についてのお尋ねをいただきました。

 その中で、私の子育て観といったようなことについてもお尋ねいただいたわけでございます。名古屋市では、この次世代育成行動計画を作成するに当たりまして、約8,000世帯の子育て家庭を対象として、子育てに関する意識・ニーズ調査を実施いたしました。その結果、子育ての幸福感、充実感に加えて、親として自分も成長できた、育ててもらった親に感謝できるようになったというプラスのイメージを持つ一方で、子育てに不安や負担を感じている。その負担の中には、経済的な負担、あるいは仕事を持ちながら、あるいは連れ合いの協力を得られない中で子育てをしているという負担感、こういったマイナスの面もあることが明らかになりました。

 私は、子育ての基本は、今も昔も変わらず、親であると思っております。子供を心身ともに健やかに、また、たくましく自立できるように育てていく。そういう家庭で自分も育っていく。それが子育てじゃないかなと思っています。私も相当長く生きてまいりまして、いろいろ考えてみると、子育てやっておる最中は、目先のことであれがやってほしい、これがやってほしい、これができたらうれしいなと思うことがいっぱいありましたが、今から考えると健康で前向きならええなあと、こんなことを私自身は思うようになりました。健康で前向き−−前向きでないと、後ろ向きですといろいろな問題が発生しますから、健康で前向きならいいなと、こんなことを今になって思います。それを若いお母さんやお父さん方はなかなかそこを思えない。そこが問題じゃないかなということを私は思っております。

 おまえ自身の子育ての状態を少しは語れと、こういうことでございますが、私は実は集中豪雨的なかかわりしかしてまいりませんでした。自分の暇があるときというのか、余裕があるときだけうわーっとかかわって、あとは知らぬ顔と、こういうような状態がございました。昭和38年から40年代にかけての子育てでございましたから、我々は働き続けるのが当たり前みたいな状態で、うちへ帰ったら、ばたんきゅうか、子供の寝顔を見るというような状態は余りございませんでした。そういう意味で、親として思うことは、親という字がありますが、あれは木の上に立って見ると書く。だから、まあ木の上に立って、少し遠いところを見ながら、子供が悪い方へ行かぬように案じながら見ておるということで、現実に見ていたのは妻であったというふうに私は思います。

 そういう意味で、子育てに主体的にかかわったと、こういう思いが余りないものですからじくじたるものがありますが、私は今となって思いますと、本当に健康で前向きであればええと、こんなふうに私自身は思います。そこまで考えると相当おおらかに子育てができるんでなかろうかなということを私は思っているところでございます。と同時に、自分だけがすごく孤立しておると、こういうように思ってしまうとなかなか子育てできない。いろいろなデータで、例えば合計特殊出生率が2を大きく超えている、4に近いというような町や村があるんです。そういうところを調べてみると、子育てのネットワークがしっかりしている。要するに子供を、例えば保育所へ迎えに行ってくださる方が20人もいると。お母さんがぐあいの悪いときに、順番に行ってくれる人が20人近くいると。そうすると、とりにこられる方の保育園にしてみれば、20人の顔写真を見て、いいかげんな人に渡すわけにはまいらぬのでとても大変でありますが、現実に20人ということはないけれども、住宅地図に丸を打ちなさいと言うと20ぐらい丸を打てるというようなところもあると聞きました。そういったところは合計特殊出生率が高いんです。東京の区部で0.8というところがありますが、これは本当に子育てのネットワークができていない。子育てにかかる経費がむちゃくちゃかかる。こういったところがございます。

 そういった意味で、私は、核家族化が進み、あるいは隣との間の自分のプライバシーは大事にしたいが、人には助けてもらいたいといういろんな部分がございまして、難しゅうございますけれども、私は、今名古屋がやっている子育てサロンであるとか、いろんなところへ出かけていただいて、自分が仲間をつくるといったこともする、ネットワークを自分からつくるといったこともしなきゃいけないなというふうに思います。

 それからもう一つ、100人の子供に聞いたときに、子供たちが塾通いやけいこごとで大変忙しいということがわかりました。そうすると、塾通いやけいこごとで忙しいということは、その分の経済的な負担がかかっておるということでございます。こういったことについて、やはり相当行政はメスを入れていくということ、あるいは公教育の信頼性を高めるといったこと等々が本当に必要になると、こんなことを私は思っております。子育て観を語れと言われると、やや遠くに立って案じながら見守るというぐらいしか言いようがない、私自身はじくじたるものがある、こういうことでございます。

 以上です。



◎総務局長(鴨下乃夫君) 産業技術未来博物館の早期実現につきましてお尋ねをいただきました。

 この博物館構想は、日本が世界に誇る物づくり文化を発信する施設として、これまでにない博物館を目指していきたいと思っております。今年度は、実現可能性を検討する基礎調査といたしまして、産業技術資産の所在調査や運営等に関する事例調査などの基礎的な情報の収集や関係者とのヒアリングを行いながら、博物館の機能や運営方法など、基本的な枠組みにつきまして検討していきたいと考えております。

 議員の御発言のとおり、交流や技術の伝承という趣旨を十分に考慮しまして、都市個性の発信、産業観光と産業振興、人材育成という目的をかなえていくためには、ただ物を置いて展示するというハードの部分もさることながら、ソフトの部分が非常に重要であると考えております。国におきましても、経済のグローバル化などに伴い、物づくり基盤技術の衰退への懸念から、経済産業省、厚生労働省、文部科学省の3省を中心といたしまして、物づくり基盤について振興の取り組みを始めたところでございます。

 このような中、日本の物づくりの中心でございます当地域としまして、これまでに蓄積いたしました物づくりの技術や文化を発信し、新しい物づくりにつながっていく博物館を目指したいと考えております。また、そうした取り組みによりまして、名古屋の都市個性を発信し、大交流時代における集客力の向上を図りたいとも思っております。こうした思いを具体化するために、産業界、専門家などの御意見を伺いながらいろいろな可能性を検討していきたいと考えております。

 以上でございます。



◎健康福祉局長(松永恒裕君) 次世代行動計画について2点お尋ねをいただきました。

 まず、子育ての経済的な負担の軽減についてでございます。この計画では、子育ての経済的な負担の軽減を掲げ、15の事業を重点的に推進していくというふうにしております。本市におきましては、経済的負担を理由に産みたくても産めないという声に対して、昨年度政令市として初めて、第3子以降3歳未満児の経済的負担の軽減策として、保育料の無料化を実施いたしました。あわせまして、保育所に子供を預けないで家庭で子育てをしている方を対象に、子育て支援手当を創設したところでございます。今後も、この行動計画に掲げました乳幼児医療費助成の拡大策や小学生医療費助成の創設の検討など、経済的負担の軽減を図り、安心して子供を産み育てることができるよう環境づくりに努めてまいりたいというように思います。

 2点目に、子育てに適した地域力の再構築についてお尋ねをいただきました。

 計画策定に当たりまして、子育て家庭を対象に実施いたしました市民ニーズ調査などから、依然として子育てに自信が持てないなど、子育てに関する不安感や負担感が強く残っているということが見えてまいりました。次代を担う子供の育成にとって、地域づくりの視点は非常に重要な課題であると考え、計画では、地域での子育て支援とネットワークづくりを掲げ、全体事業数の約半数の52事業を重点的に進めていくことといたしております。

 昔は地域の中でさまざまな助け合いが行われており、そのことは子育て家庭にとって大きな支えであったというふうに思われます。子供や子育て家庭への支援を進めるに当たって、地域の人々が子供や子育て家庭に関心を持ち、ともに次代の子供を育てていくという地域の子育て力を高めていく必要があるというように考えております。したがいまして、計画に掲げられました、なごやつどいの広場事業など、さらには世代間交流を通じて身近な地域でのネットワークづくりを進め、自然に手助けし合える共助あふれる地域社会の実現を目指してまいりたいというように考えております。

 以上でございます。



◆(前田有一君) ありがとうございました。私は、人口減少社会に歯どめをかけるのは非常に難しい問題と思っておりますけれども、育成計画を着実に実行していただいて、親子が夢と希望の持てる名古屋を目指して全力で頑張っていただきたいと存じます。

 それと、総務局長さん、ありがとうございました。世界一の博物館、それも日本人の職人魂の入った博物館を、ぜひとも早目に市長さんの在任期間中に建設していただきますよう強く要望いたしまして、私の質問を終わります。(拍手)



◆(加藤一登君) 明6月30日午前10時より本会議を開き、第104号議案初め43議案に対する質疑並びに質問を続行することになっておりますので、本日はこの程度で散会されんことの動議を提出いたします。

     〔「賛成」〕



○副議長(加藤武夫君) ただいまの加藤一登君の動議に御異議ありませんか。

     〔「異議なし」〕



○副議長(加藤武夫君) 御異議なしと認めて、さよう決定し、本日はこれをもって散会いたします。

          午後2時44分散会

            市会議員   渡辺房一

            市会議員   堀場 章

            市会副議長  加藤武夫

            市会議長   佐橋典一