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愛知県 名古屋市

平成17年  2月 定例会 03月02日−04号




平成17年  2月 定例会 − 03月02日−04号









平成17年  2月 定例会



          議事日程

     平成17年3月2日(水曜日)午前10時開議

第1 平成17年 第47号議案 平成17年度名古屋市一般会計予算

第2 同 第48号議案 平成17年度名古屋市市立大学特別会計予算

第3 同 第49号議案 平成17年度名古屋市交通災害共済事業特別会計予算

第4 同 第50号議案 平成17年度名古屋市国民健康保険特別会計予算

第5 同 第51号議案 平成17年度名古屋市老人保健特別会計予算

第6 同 第52号議案 平成17年度名古屋市介護保険特別会計予算

第7 同 第53号議案 平成17年度名古屋市母子寡婦福祉資金貸付金特別会計予算

第8 同 第54号議案 平成17年度名古屋市農業共済事業特別会計予算

第9 同 第55号議案 平成17年度名古屋市市場及びと畜場特別会計予算

第10 同 第56号議案 平成17年度名古屋市土地区画整理組合貸付金特別会計予算

第11 同 第57号議案 平成17年度名古屋市市街地再開発事業特別会計予算

第12 同 第58号議案 平成17年度名古屋市墓地公園整備事業特別会計予算

第13 同 第59号議案 平成17年度名古屋市基金特別会計予算

第14 同 第60号議案 平成17年度名古屋市用地先行取得特別会計予算

第15 同 第61号議案 平成17年度名古屋市公債特別会計予算

第16 同 第62号議案 平成17年度名古屋市病院事業会計予算

第17 同 第63号議案 平成17年度名古屋市水道事業会計予算

第18 同 第64号議案 平成17年度名古屋市工業用水道事業会計予算

第19 同 第65号議案 平成17年度名古屋市下水道事業会計予算

第20 同 第66号議案 平成17年度名古屋市自動車運送事業会計予算

第21 同 第67号議案 平成17年度名古屋市高速度鉄道事業会計予算

第22 同 第68号議案 職員の給与に関する条例の一部改正について

第23 同 第69号議案 名古屋市非常勤の職員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正について

第24 同 第70号議案 市長の退職手当の特例に関する条例の制定について

第25 同 第71号議案 名古屋市職員定数条例の一部改正について

第26 同 第72号議案 包括外部監査契約の締結について

第27 同 第73号議案 結核診査協議会条例の一部改正について

第28 同 第74号議案 福祉事務所設置条例の一部改正について

第29 同 第75号議案 名古屋市老人福祉施設条例の一部改正について

第30 同 第76号議案 名古屋市介護保険条例の一部改正について

第31 同 第77号議案 名古屋市国民健康保険条例の一部改正について

第32 同 第78号議案 名古屋市立中央看護専門学校条例の一部改正について

第33 同 第79号議案 指定管理者の指定について

第34 同 第80号議案 指定管理者の指定について

第35 同 第81号議案 指定管理者の指定について

第36 同 第82号議案 指定管理者の指定について

第37 同 第83号議案 損害賠償の額の決定について

第38 同 第84号議案 名古屋市立大学の授業料等徴収条例の一部改正について

第39 同 第85号議案 名古屋市特別会計条例の一部改正について

第40 同 第86号議案 全国自治宝くじ事務協議会への静岡市の加入及びこれに伴う全国自治宝くじ事務協議会規約の一部改正について

第41 同 第87号議案 関東・中部・東北自治宝くじ事務協議会への静岡市の加入及びこれに伴う関東・中部・東北自治宝くじ事務協議会規約の一部改正について

第42 同 第88号議案 名古屋市図書館条例の一部改正について

第43 同 第89号議案 名古屋市青年の家条例の一部改正について

第44 同 第90号議案 指定管理者の指定について

第45 同 第91号議案 緑のまちづくり条例の制定について

第46 同 第92号議案 道路の占用料等に関する条例の一部改正について

第47 同 第93号議案 乗合自動車乗車料条例の一部改正について

第48 同 第94号議案 区役所支所の設置並びに名称及び所管区域に関する条例の一部改正について

第49 同 第95号議案 名古屋市交通災害共済事業条例の一部改正について

第50 同 第96号議案 名古屋市個人情報保護条例の制定について

第51 同 第97号議案 名古屋市情報公開条例の一部改正について

第52 同 第98号議案 名古屋市中央卸売市場業務条例の一部改正について

第53 同 第99号議案 指定管理者の指定について

第54 同 第100号議案 名古屋市建築基準法施行条例の一部改正について

第55 同 第101号議案 名古屋市営住宅条例の一部改正について

第56 同 第102号議案 名古屋高速道路公社の基本財産の額の変更について

第57 同 第103号議案 愛知県競馬組合規約の一部改正について

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   出席議員

    ちかざわ昌行君    山本久樹君

    服部将也君      加藤一登君

    うかい春美君     梅村麻美子君

    うえぞのふさえ君   西川ひさし君

    工藤彰三君      村松ひとし君

    ふじた和秀君     稲本和仁君

    田島こうしん君    藤沢忠将君

    こんばのぶお君    長谷川由美子君

    中村 満君      小林祥子君

    木下 優君      山口清明君

    かとう典子君     田中せつ子君

    のりたけ勅仁君    冨田勝三君

    三輪芳裕君      鎌倉安男君

    杉山ひとし君     坂野公壽君

    前田有一君      中川貴元君

    伊神邦彦君      桜井治幸君

    吉田隆一君      小林秀美君

    佐橋典一君      おくむら文洋君

    吉田伸五君      早川良行君

    諸隈修身君      村瀬博久君

    郡司照三君      久野浩平君

    西村けんじ君     横井利明君

    堀場 章君      岡地邦夫君

    浅井日出雄君     渡辺義郎君

    斉藤 実君      加藤 徹君

    福田誠治君      ひざわ孝彦君

    林 孝則君      西尾たか子君

    江口文雄君      加藤武夫君

    梅原紀美子君     黒田二郎君

    村瀬たつじ君     わしの恵子君

    荒川直之君      斎藤亮人君

    須原 章君      梅村邦子君

    さとう典生君     ばばのりこ君

    渡辺房一君      田口一登君

    小島七郎君      橋本静友君

    中田ちづこ君     岡本善博君

    田中里佳君

   欠席議員

    坂崎巳代治君

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   出席説明員

市長        松原武久君    助役        因田義男君

助役        塚本孝保君    収入役       加藤公明君

市長室長      岡田 大君    総務局長      鴨下乃夫君

財政局長      林 昭生君    市民経済局長    杉浦雅樹君

環境局長      大井治夫君    健康福祉局長    木村 剛君

住宅都市局長    一見昌幸君    緑政土木局長    森本保彦君

市立大学事務局長  嶋田邦弘君    収入役室出納課長  岸上幹央君

市長室秘書課長   宮下正史君    総務局総務課長   二神 望君

財政局財政課長   住田代一君    市民経済局総務課長 葛迫憲治君

環境局総務課長   西川 敏君    健康福祉局総務課長 森 雅行君

住宅都市局総務課長 柴田良雄君    緑政土木局総務課長 竹内和芳君

市立大学事務局総務課長

          上川幸延君

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上下水道局長    山田雅雄君    上下水道局経営本部総務部総務課長

                             佐治享一君

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交通局長      吉井信雄君    交通局営業本部総務部総務課長

                             中根卓郎君

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消防長       田中辰雄君    消防局総務部長   近藤淑徳君

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監査委員      加藤雄也君    監査事務局長    村木愼一君

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選挙管理委員会委員 井上弘康君    選挙管理委員会事務局長

                             日沖 勉君

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教育委員会委員   川村洋司君

教育長       大野重忠君    教育委員会事務局総務部総務課長

                             横井政和君

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人事委員会委員長  瀧川治男君    人事委員会事務局長 杉山七生君

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         平成17年3月2日 午前10時4分開議



○議長(桜井治幸君) これより本日の会議を開きます。

 本日の会議録署名者には木下優君、吉田隆一君の御両君にお願いいたします。

 これより日程に入ります。

 日程第1より第57まで、すなわち第47号議案「平成17年度名古屋市一般会計予算」より第103号議案「愛知県競馬組合規約の一部改正について」まで、以上57件を一括議題に供します。

 昨日に引き続き、質疑並びに質問を続行いたします。

 最初に、福田誠治君にお許しいたします。

     〔福田誠治君登壇〕

     〔議長退席、副議長着席〕



◆(福田誠治君) おはようございます。お許しをいただきましたので、通告に従いまして順次質問させていただきます。

 初めに、階段室型住棟へのエレベーター設置についてお伺いします。

 これまで本市は、バリアフリー対策として市営住宅へのエレベーター設置について積極的に取り組んでこられました。特に廊下型の市営住宅については、本年度でほぼ設置が終了し、従来設置が困難とされていた階段室型住棟についても、近年、小規模な4人乗りエレベーターを設置する自治体がふえており、本市においてもその調査費が予算計上されております。

 従来設置が困難とされていた階段室型住棟へのエレベーター設置は、階段室型住棟にお住まいの方にとっては待ちに待った事業です。考えてもみてください、高齢者の方が重いお米や灯油を持って5階の部屋に運んでいくことを。エレベーターができればこのような苦労をしなくても済みます。また、荷物がなくても5階までの階段の上りおりは大変なことと思います。そのために外出を控える高齢者の方もお見えになります。このような苦痛が高齢者が外出しないことにつながってきます。外出しなければ他の入居者とのコミュニケーションもとれません。その結果、さらに足腰は衰えることになり、ますます外出しなくなります。これでは豊かな老後が送れないでしょう。そこで、市営住宅の階段室型住棟へのエレベーター設置は今後どのように進めていく計画であるか、住宅都市局長にお尋ねいたします。

 ところで、このエレベーターは、エレベーターの着床部分と各階の玄関の半階分を上りおりしなくてはなりません。そのような点を踏まえて、住戸改善工事とあわせてエレベーターの設置を行い、総合的なバリアフリー化を実現している自治体もあります。例えば静岡市では、階段室型住棟に外部共用廊下を新設して9人乗りエレベーターを設置しています。また、鳥取県では、住戸のレイアウトを変更し、外部共用廊下を最短にして階段室を改造することによって住棟内にエレベーターを設置しています。福島県では、住戸改善の際、バルコニーを改善し、住棟の南側にエレベーターを設置しています。バルコニーから住戸内に入室できるように発想の転換をしているわけです。このような住戸改善がなされれば、車いす使用者が気持ちよく入居できるようになります。

 このように他の自治体では、創意工夫を凝らし総合的なバリアフリー化を実現することにより、入居者の利便性の向上を図っております。確かに外部共用廊下を新設する費用や移転費用、住戸改善費用などは、各階段に小規模な4人乗りエレベーターを設置するタイプと比べ、別の費用がかかります。しかし、費用対効果、市営住宅の利便性向上、今後の使用年数、バリアフリー化など、総合的に考えてみたらいかがでしょうか。ちなみに名古屋市全体の高齢化率(65歳以上)は、昨年10月1日時点で約17.3%であり、市営住宅における率は昨年度末時点で約22.4%と、市全体より5%高齢化が進んでおります。公営住宅の入居基準や昨今の応募倍率の状況からすれば、今後さらに高齢化が進んでくることは推測できます。5年後、10年後は一体どうなっているでしょうか。

 そこで、住宅都市局長に御質問いたします。バリアフリーが必要な方への対応を考えて、外部共用廊下を新設するタイプなどの方法についてはいかがお考えでしょうか。

 次に、高齢者虐待についてお伺いいたします。

 私は、市民相談の中でこの問題の深刻さを知り、本会議において過去3回質問してまいりました。その結果、平成15年度には本市で初めて高齢者虐待の実態調査が実施され、平成16年には高齢者虐待防止ネットワーク支援モデル事業が取り組まれています。こうした成果を踏まえ、平成17年度予算では、政令市で初めて相談窓口を設置するなど本市での取り組みは大きく進展したところでございます。

 ところで、高齢者虐待は、児童虐待のように虐待者と被虐待者との関係が、加害者からの子供への一方通行の行為とは異なり、高齢者と子、夫と妻、嫁・婿としゅうと・しゅうとめ・兄弟姉妹など双方の複雑な家族関係が虐待の発生に大きな影響を与えており、さまざまな要因が契機となって起こることが多いと言われております。また、家族に虐待を受けている高齢者は、家族の恥を外に出したくない、自分だけ我慢すればいいなど、自分の中に抱え込み、表面にあらわれにくいことから、社会的認知がされない状況があります。

 だれもが老いることによって心身の機能、能力が低下し、人に依存せずに生きていくことは難しいことだと思います。社会の中で高齢者を価値ある存在として受け入れず、役に立たなくなった存在として見る見方があるとすれば、高齢者に対して暴力など危害を加えることに何の良心の呵責もない人間が多くなったことで、虐待の発生も増加の一途をたどっています。年齢による高齢者への差別をエイジズムと呼ぶそうですが、高齢者虐待の根底にはこのような高齢者の差別感があるのではないでしょうか。いずれにしても、高齢者虐待は重大な人権問題であると言わざるを得ないものです。

 こうした中で、国で法制化の準備が進められているようなことも聞きますが、早期に立法化されることを強く望むとともに、高齢者の尊厳を守り、安心できる高齢化社会を築いていく上で、高齢者虐待防止に向けて取り組むことが最も必要なことであると考えます。高齢者虐待問題について、現実の悲惨な状況を踏まえて、名古屋市では法整備を待つのではなく、先駆的に高齢者虐待の防止対策を施策化したことについて高く評価したいと思います。

 そこで、政令市で先陣を切って提案をした高齢者虐待の相談支援事業について市がどのような姿勢で取り組むのか、健康福祉局長にお尋ねいたします。

 次に、平成16年度、高齢者虐待防止ネットワーク支援モデル事業を現在までに5区で実施したと聞いております。そして、そのネットワーク会議の際には、平成15年度の高齢者虐待調査研究事業報告で開発した高齢者虐待リスクアセスメント表を試行的に活用し、虐待ケースのリスクの評価をしているとのことですが、そのモデル事業やリスクアセスメント表の活用から何が見えてきたのでしょうか、健康福祉局長にお尋ねいたします。

 先日、石川県の認知症高齢者グループホームで虐待事件が起こり、マスコミで大きく報道されたところです。これは、グループホームという施設内での虐待ですが、家庭での虐待は、虐待者、被虐待者ともにその認識が薄い場合が多く、表面化しにくいことは前にも述べたとおりであり、だからこそ市民啓発が最も重要であると考えているところであります。

 ところで、虐待は起こってからでは遅く、予防が最も大切であると考えており、そうした観点から最後にお尋ねいたします。

 リスクアセスメント表が家庭における虐待防止に有効なものであるとすれば、どのように活用していくのか、また、虐待防止の観点から市民啓発を図っていくことや高齢者介護にかかわる専門職の研修が重要ですが、そのツールの一つとして高齢者虐待防止マニュアルを作成してはどうか、その点もあわせて健康福祉局長にお尋ねいたします。

 最後に、ドッグランについてお尋ねいたします。

 ドッグランは、飼い犬が引き綱をつけないで自由に遊べ、思い切り疾走できる、さくに囲まれた犬のための公園です。他人に迷惑をかけることなく犬同士が遊べ、飼い主同士の交流も深め、しつけそのほかについての情報交流の場としても大変有効です。犬を飼っていない人も、これから飼われる人も、ここに来ればたくさんの犬に会うことができるようになります。今や3軒に1軒が犬を飼っています。犬は人間にとって大事ないやしとなり、飼っている人にとっては大切な家族でもあります。

 近年、東京や横浜など飼い犬を引き綱なしで遊ばせる広場、ドッグランを公園に設置する自治体がふえております。愛犬家はもちろんのこと、一般利用者にもおおむね好評です。東京のドッグラン設置の背景には、都立公園内では引き綱なしで犬の散歩をすることは原則禁止にもかかわらず、守らない利用者が絶えなかったことがあります。2001年度だけで約800件の苦情が寄せられました。ドッグランは、犬を伸び伸び遊ばせるだけでなく、一般利用者にとっても怖い思いをしなくて済みますので、これまでの苦情も減少する対策としてかなり効果的です。

 東京で試行的に行われたドッグランですが、土曜、日曜、祭日は利用者が盛況であったにもかかわらず、近隣住宅からの騒音や臭気などの苦情はなく、また、ボランティアによる施設管理、運営管理も円滑に行われました。このドッグランを期限つきでオープンした公園で試行期間中に聞き取り調査をしたところ、一般利用者の8割以上が、ドッグランは必要と回答、賛成を得ています。こうした試行期間を経て、現在では東京都内で国営、都営合わせて5カ所の施設が運営されております。また、横浜市や北海道千歳市、福岡市でも設置され、他都市でも検討されているようです。

 福井県丸岡町が主催する日本一短い往復書簡のコンテストで、大賞作品の一つに愛犬ハナへの手紙があり、紹介させていただきます。「雨がこう多いと億劫なもんでねぇ。散歩にも連れて行けなくて。」すると、ハナからの返事。「ごっついストレスたまるわ。おまえも鎖で繋ながれてみぃや。」という犬の心を代弁した作品です。人間はともすれば自分の方からしか物を見ない傾向があり、相手の立場から物を見るようにしなければならないと思います。

 本市も犬に対するさまざまな苦情があると思いますが、その実態についてお伺いいたします。市内の総合公園のような広い場所でドッグランの可能な箇所はあると思いますが、いかがでしょうか。ドッグラン施設を設置することによって犬のふん害対策にもつながると思います。本市としての考え方について緑政土木局長の御意見を伺います。

 これをもって、第1回目の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)



◎住宅都市局長(一見昌幸君) 市営住宅の階段室型住棟へのエレベーター設置につきまして、2点のお尋ねをいただきました。

 既設の市営住宅へのエレベーター設置事業につきましては、平成6年度から実施しておるところでございます。現在のところ、5階建て及び4階建て廊下型住棟に総数237基を設置いたしたところでございます。設置可能な廊下型住棟への設置につきましては、今年度で完了する予定でございます。

 お尋ねの階段室型住棟へのエレベーター設置計画の検討状況でございますが、設置いたします場合は、建築基準法などの法規制の問題以外にも階段室型住棟特有のさまざまな課題がございます。具体的には、壁を撤去することによる耐震性への影響、敷地に十分な余裕があるかどうか、既設の駐車場の撤去が必要になるのではないか等々の問題でございます。また、設置によりまして居住環境等に影響が出ます居住者の方が多くなりますことから、居住者全体の合意を得ることが難しい点も挙げられるところでございます。

 そのようなことから、今後、設置箇所や影響範囲などの設置に向けましての詳細な調査を実施いたしまして、居住者の方に対して設置による影響等を説明し、御理解を得るということを予定いたしております。また一方では、現在エレベーターのない住棟にお住まいの方につきましては、一定の条件を満たせば、エレベーター設置済みの住棟あるいは1階への住宅変更制度を実施しております。今後この制度の活用がさらに図られますよう、周知に努めてまいりたいというふうに考えております。

 次に、外部廊下増設エレベーターについての考え方でございます。

 現在検討を進めております階段室型住棟のエレベーターにつきましては、エレベーターの着床部分と玄関との間に半階分の段差が生じますため、完全なバリアフリーとはならないのが現状でございます。

 そこで、外部廊下増設によりましてエレベーターの設置を行います場合、従来の階段室型エレベーターと比べまして、建設費の増加、工事に際しましてお住まいの仮移転を伴わざるを得ないために空き家募集戸数が減少するなど、これもまたいろんな課題が多くなってまいります。

 このように、外部廊下増設エレベーター等につきましては多くの課題がございます。今後、他都市の施工状況、技術開発等の情報収集に努めまして研究してまいりたいと考えておりますので、よろしく御理解賜りたいと存じます。

 以上でございます。



◎健康福祉局長(木村剛君) 高齢者虐待対応について4点のお尋ねをいただきました。

 本市では、平成15年度に国の未来志向研究プロジェクトの助成を得て調査研究事業を、16年度には高齢者虐待防止ネットワーク支援モデル事業を実施するとともに虐待防止シンポジウムを計画し、これらの成果を踏まえまして、新年度、高齢者虐待の相談支援事業を実施すべく関係予算をお願いいたしているところでございます。

 まず、高齢者虐待の相談支援事業に臨む本市の姿勢でございますが、高齢者が尊厳を持って幸せに暮らしていただくためには、虐待されている高齢者をなくし、良好な家族関係を回復することが必要であると認識いたしております。また、虐待のおそれがある家族や介護者を支援していくことが虐待の発生予防に極めて重要であると考えているところでございます。今回、高齢者虐待の相談支援事業を立ち上げまして、市民啓発、相談窓口の設置、区におけるネットワーク支援会議、緊急の一時避難所、ベッドの確保と、相談から対応まで一貫したシステムを整備し、本市としてこの問題に積極的に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。

 2点目に、16年度に実施しましたモデル事業から見えてきたことについてでございます。

 モデル事業6件のケースについてリスクアセスメント表を用いたところ、ケースごとの重要な虐待要因が容易に把握できまして、関係機関の役割や介入方法を判断する上での指標として有効であると、そういった認識を持ったところでございます。また、ネットワーク支援会議後、関係機関が高齢者本人や家族の双方へ介入・支援することで早期に虐待の解消・軽減へとつながったケースがございまして、虐待されている高齢者だけではなく、その介護をしている家族に対する支援が重要であること、また、ケースにかかわる関係機関の連携の必要性を認識いたしたところでございます。

 次に、リスクアセスメント表の活用方法でございます。

 このアセスメント表は、現在まだ試行的なものではございますが、引き続き区高齢者虐待防止ネットワーク支援会議等において活用するとともに、虐待予防の観点から、ケアマネジャー等高齢者介護の関係者にも活用していただき、虐待の早期発見や予防に役立てていきたいと考えております。

 最後に、高齢者虐待防止のマニュアルの作成でございます。

 市民の方が高齢者の人権擁護の意識を高めること、及び虐待予防や早期発見・介入へと円滑につなげていくための高齢者介護関係者に対する専門的研修の実施は、重要な課題の一つと認識いたしております。市民への啓発活動及び区役所初め関係機関の職員等への研修につきましては、本年7月に開設予定の高齢者虐待相談センターにおいて実施していくことと予定いたしておりますが、その市民啓発や研修を行う際の基本的な手引きとして、高齢者虐待防止マニュアルの作成を行っていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

 以上でございます。



◎緑政土木局長(森本保彦君) 公園へのドッグラン設置につきましてお尋ねいただきました。

 本市の公園における犬に関する苦情は、公園の中で引き綱なしで遊ばせたり、ふんが放置してあるなど、多くの市民の方々から寄せられております。その対策の一つとしまして、ドッグランの設置要望が出されており、他都市の例としましては、国営昭和記念公園や武蔵丘陵森林公園、東京都営の駒沢オリンピック公園、あるいは神代植物公園などの大規模な公園の中に設置されておるような状況でございます。

 ドッグランにつきましては、犬の鳴き声等の問題から、公園周辺の住宅から一定の距離を離す必要があること、スポーツ、レクリエーション等のさまざまな公園利用者の妨げにならないこと、さらに自動車で来る方のための駐車場が必要になることなど、大きな公園でなければ設置が難しいと思われます。また、ドッグランでトラブルが起きないような施設の管理運営体制や愛犬家のマナー向上を指導啓発するためのボランティア団体育成も課題となってまいります。今後につきましては、申し上げましたようないろいろな課題がございますが、東京都などの先進事例を参考にしつつ、規模の大きな総合公園などでの設置について調査検討してまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りたいと存じます。

 以上でございます。



◆(福田誠治君) それぞれの御答弁をいただきました。要望が1点ございます。

 ドッグランを検討していくとのお話ですが、動物愛護センターとも連携し、またNPO、ボランティアにも協力をお願いして、ドッグランに訪れる飼い主や犬に対する飼い方のしつけ教室も行えば、マナー向上にもつながると思います。今後検討される中で、こうした点も加味して、できるだけ早期に実施されるよう強く要望して質問を終わります。

 以上です。(拍手)



○副議長(田中里佳君) 次に、かとう典子さんにお許しいたします。

     〔かとう典子君登壇〕



◆(かとう典子君) 通告に従い、緑区東部の市民利用施設について質問いたします。

 現在、緑区東部地域は、住宅が次々建てられ、若い家族が住む活気あるまちになっています。徳重周辺地域には、緑区役所東部支所及び地区会館の建設計画が進んでいます。そこの住民の皆さんが住みよいまちにしたいという願いを実現しようと活動されています。住みよいまちというのは、人と人とが触れ合うことのできるまちのこと、触れ合いと文化をはぐくむまちづくりをしたいと積極的に取り組みを進めています。区政の役員さんを初め地域で合唱や絵画、空手、子育て教室などそれぞれ活動している方たちは、集う場所の少ないこの地域にできる地区会館に大変大きな期待を寄せています。また、あわせて支所及び地区会館の近くに公的施設を集めるよう要望も出されています。

 このような中、私が昨年秋に行ったアンケートで緑区東部に図書館を建設してほしいという要望が多数寄せられていますので、まず図書館について質問いたします。

 1979年、日本図書館協会は、「すべての国民は、いつでもその必要とする資料を入手し利用する権利を有する」こと、そして、この権利を社会的に保障することに責任を負う機関が図書館であるというふうに表明しました。「すべての国民は、図書館利用に公平な権利をもっており、人種、信条、性別、年齢やそのおかれている条件等によっていかなる差別もあってはならない」とも述べています。

 現在の緑図書館は1972年に建設され、33年が経過しており、老朽化も激しく、また、人口に比して狭く、蔵書数も少なく、また、バリアフリー化もされていません。緑図書館を、日本図書館協会の公立図書館の設置及び運営に関する数値基準というのがあるんですが、これに当てはめてみますと、延べ床面積では基準の3分の1以下、蔵書数では基準の7分の1しかありません。何と貧しい図書館行政か、改めて認識するところです。その上、昨年から実施された駐車場の有料化は、市民がひとしく図書館を利用する権利を奪うものになってしまいました。利用しにくくなった緑区民が、駐車場が無料である隣の市の市立図書館まで行っているんです。だれでも利用できる図書館ではなくなっています。21万人を超える区民の利用しやすい図書館が必要です。

 まず、支所管内に図書館を建設するということは聞いていますが、建設をするなら今後ますます便利になるこの徳重地区に、支所及び地区会館に隣接するところに建設することを求めたいと思いますが、いかがお考えですか、お聞きします。また、緑区東部支所管内の人口は10万人を超える勢いです。中区、東区、熱田区などの人口と比べても、また他の支所管内の人口と比べても、それをはるかに超えたこの緑区東部地区に人口に見合った規模の図書館をつくるべきと考えます。まさか他の区の支所管内と同じ、延べ床面積800平米の計画ではないと思いますが、教育長の答弁を求めます。

 次に、青少年の居場所づくりについて質問いたします。

 この東部は、5年前、中学校での5000万円恐喝事件の起きた地域です。もう二度とこのような事件を起こしたくない、起こさせたくないと、中学生を持った親のみならず、地元の役員の方を初め多くの方たちの努力で新しい中学校が建設され、マンモス校であった中学校を解消させました。地元の人たちも、子供たちに心を寄せています。

 今年度、次世代育成事業の行動計画策定に当たって、中高生の健全育成が挙げられていますが、中高生、青少年といえば犯罪の防止というように犯罪に結びつけた見方があっても、思春期の子供たちが集える施策は具体的には見当たりません。今、中高生がふと立ち寄れる場はコンビニぐらいしかありません。私は、青少年の健全なコミュニティーの場が必要だと思うのです。

 例えば、東京杉並区の児童青少年センター、ゆう杉並は、地下には体育館があり、球技などの用具が置いてあります。1階には飲食やおしゃべり、ゲームができる交流の場、2階にはバンド練習ができるスタジオ、テレビゲームや映画鑑賞ができる部屋のほかに図書室や勉強のできる学習コーナーもあります。ゆうホールは客席144席、ライブやダンス、演劇などの発表もできます。舞台の裏には、壁を登るフリークライミングができる施設もあります。緑区東部の地元のあるお母さんがゆう杉並について19歳の息子に話をしたら、息子がそういう施設があったら自分も行きたいと言っていたそうです。身近なところに青少年が興味関心を持つものがそろった設備があり、ふと立ち寄れて、仲間と集う場があったらと思うのは当然のことと思います。

 そこで、教育長にお尋ねします。身近に気軽に立ち寄れて、おしゃべりしたり、勉強したり、読書や踊り、演奏、スポーツなど自由にできる健全な地域ごとの青少年の居場所について必要性をどのように認識していますか。そして、緑区東部に地域に根差した児童・青少年の居場所になる施設を特に求めている地域の住民の声をどのように考えておられるか、教育長の答弁を求め、第1回の質問を終わります。(拍手)



◎教育長(大野重忠君) 緑区東部方面の市民利用施設の整備につきまして、2点お尋ねいただきました。

 まず、図書館の建設についてでございます。

 これまで名古屋市新基本計画、名古屋新世紀計画2010に基づきまして、図書館の整備、改築を進めてきたところでございます。支所管内図書館につきましては、平成9年度に富田図書館、楠図書館を開館したのを初めとして順次整備を進め、今年度は志段味図書館を開館したところでございます。さらに来年度は山田支所管内に開館を予定しておりまして、これですべての支所管内に図書館が整備されることになります。

 御指摘の緑区東部方面につきましては、区役所支所の設置が予定されておりますので、支所管内図書館の建設につきましても今後努力してまいりたいというように考えておりますので、よろしくお願いいたします。

 次に、青少年の居場所づくりについてでございます。

 青少年の健全育成については、常日ごろから大人が青少年と触れ合い、声をかけるなど温かく見守るということが何よりも重要であると考えているところでございます。そのため、私どもといたしましては、地域の世話やき活動など、地域における健全育成活動がより活発になるよう引き続きその支援に努めてまいりたいというように考えております。

 議員御指摘の青少年の居場所づくりの施設が必要ではないかとのお尋ねでございますが、現在ございます生涯学習センター、スポーツセンター等の施設を文化・スポーツ活動に有効に利用していただくというように考えておりますので、御理解いただきたいと思います。



◆(かとう典子君) まず第1に、図書館はいつかつくるということですが、本の貸出数も大変多く、大変利用者の多い緑区です。人口に見合った規模の図書館をぜひ早急につくっていただきたいということを要望いたします。

 第2に、青少年の居場所についてですが、私の質問を教育長は全く理解されていないようです。ただいまの答弁では、青少年の健全育成については、大人が触れ合うとか、声をかけるとか言われていますが、思春期の子供たちが集まることには目を向けておられないようです。むしろ避けようとしておられるように見えます。思春期の青少年の成長、発達段階を十分理解した対応が求められていると思います。生涯学習センターやスポーツセンター等の施設は市民のためには有効ですが、青少年が集う場所は既存施設では不十分です。青少年の居場所には、身近にふと立ち寄れる青少年専用のフリースペースやスポーツ施設、勉強やおしゃべりができる場が必要です。思春期の青少年に光を当てる新しい取り組みとして青少年の居場所づくりを引き続き求めていくことといたしまして、質問を終わります。(拍手)



○副議長(田中里佳君) 次に、梅村麻美子さんにお許しいたします。

     〔梅村麻美子君登壇〕



◆(梅村麻美子君) 通告に従い、順次質問いたします。

 質問の第1は、ゆとり教育について、それは本当に子供たちにゆとりをもたらしたのか、その総括、評価を質問いたします。

 学習到達度調査、国際数学・理科教育調査という二つの国際調査が行われ、その結果、日本の子供たちの学力も、学習意欲も、ともに低下傾向にあることが明らかになりました。そして、この結果を受け、中山文部科学大臣は、開始後3年しか経過していない学習指導要領の見直しを指示いたしました。施行前から疑問の声が上がっていた新学習指導要領、ゆとり教育の是非をめぐり、今国も地方も揺れ動いています。言うまでもなく、その最大の被害者は子供たちです。同時に、懸命に新制度と取り組んできた現場のまじめな先生方もやりきれない思いでいっぱいでしょう。

 昨年私は児童英語のシンポジウムにパネラーの一人として参加する機会があり、名古屋の英語活動の現状をお話ししてきましたが、その折、文部科学省の英語担当の教科調査官もパネラーとして参加されていました。そして、シンポジウム終了後の質疑応答の時間に会場内のお母さんの一人から、子供が中学、高校とまじめに英語の授業に取り組んで勉強すれば、ある程度英語でコミュニケーションができるようになってもらいたいと願っていますが、いかがでしょうかという質問が出ました。多くの親に共通する素直な願いではないでしょうか。

 しかし、これに対する文科省の英語担当調査官の答えは一言、週3時間の授業でできるはずがありませんというものでした。ゆとり教育と銘打って、英語の授業を週3時間にまで削減したのは一体だれなのか。余りにも当事者意識のない発言に驚き、これが日本の教育のグランドデザインをつくっている中央官僚の実態なのかと幻滅せざるを得ませんでした。と同時に、文科省自身が英語の習得にはこの時間数では無理と明言しているのですから、やはり自衛のためには、子供を英会話スクールや塾に通わせるしかないのだと、改めて私も親の一人として思い知らされました。しかし、これでは教育費の負担は重くのしかかりますし、塾へ通わせる経済的余裕がない家庭の子供はそのまま置き去りということになりかねません。

 私は、新学習指導要領の開始前の2002年2月議会で、学習内容とともに授業時間数も削減する新ゆとり教育は、本当に子供たちにゆとりをもたらすのかと質問いたしました。その折に指摘しましたように、ゆとり教育は急に始まったものではなく、1971年から進められてきた知識偏重の詰め込み教育への反省に立ち、1980年を皮切りにスタートしたものです。そして改訂ごとに授業時間を大幅に削減した結果、1971年当時と2002年の改訂とを比較すると、削減された主要4教科の授業時間は、小学校で1,000時間、中学校では570時間にも及びます。

 2002年の改訂開始前、このままでは塾通いをふやすだけなのではと多くの人が心配していました。そして現実に、名古屋のまちには塾のビルや看板があふれ、学力低下を危惧する親たちは子供を塾へ通わせ、今や学校と塾のダブルスクールが当たり前という状況になっています。理科の授業時間は628時間から350時間へと、1971年当時と比較してほぼ半分の時間数となっていますが、実験が減ったことから小学生向けの実験教室が今大盛況というのも、かつては考えられなかったことです。授業中当たり前のように電卓を使って算数のプリントを解いている子供たちを見ると、本当にこれでいいのかと疑問を抱かざるを得ません。

 また、旧来より公立優先、公立志向を誇ってきた愛知県においても、私立中学を受験する児童が急激にふえています。1万人前後とそれまでほぼ横ばいで推移していた受験者数は、ゆとり教育開始以降の3年間で一気に2,500人もふえました。この動向について、河合塾では、愛知県における近年の私立中学入試状況は、少子化や長期にわたる経済不況の影響により志願者数は減る傾向にあったが、新教育課程施行に伴う授業時間、学習内容の削減などによる学力低下が叫ばれる中、公教育への不安から私立中学進学への関心が一気に高まりを見せていると分析しています。まさに公立離れが進行しているのです。

 3年前、新学習指導要領を始める前に、まずゆとり教育を総括、評価していただきたいとの私の質問に対し、教育委員会は総括、評価できないとして答弁をしませんでした。今回こそは名古屋市公教育の担い手として、その使命感と説明責任の認識のもとに正面から答弁されるものと確信し、以下の質問をいたします。

 まず、1980年を皮切りに、1990年、2002年と学習内容と授業時間を大幅に削減してきたゆとり教育を名古屋市はどのように総括、評価するのか、現行の指導要領に問題があると考えるのか、あるとすればどの点が問題、あるいは不足と考えるのか、教育長の答弁を求めます。そして、多くの子供たちが塾通いに励み、私立中学受験がこの3年間で急増している原因をどのように分析しているのか、また、公教育を担う責任者として、こうした状況に対する危機意識はあるのか、教育長に答弁を求めます。

 また、授業や行事の時間確保のため、土曜日や夏休み等の長期休暇を使うことは文部科学省も地方の裁量であると認めています。この視点に立つならば、土曜日が完全休業になったため、夏休み、生徒もいないのに教師が出勤しなくてはならないような形式にとらわれた無意味なことをするよりも、たとえ月1回でも土曜日登校を実現し、授業や行事を充実させた方がはるかに子供たちのためになることは明らかです。そこで、土曜日あるいは長期休暇の弾力的な運用ができるよう、関係諸機関に積極的に働きかけをしていく考えはあるのか、この点もあわせて教育長の答弁を求めます。

 さて、主体的に考え行動する子供を育てるには、当然のこととして、育てる側にも主体性が求められます。2002年2月議会において市長は、ゆとり教育の総括、評価を求める私の質問に対し、次のように答弁されました。学習時間が減るという部分について多くの方々に不安があることは事実だと思うが、これらについては大変長い間の議論を経て到達したものであるので、その本質、趣旨をしっかり受けとめて、教育委員会あるいは各学校がそれぞれの保護者、子供の不安を解消するようなきちっとしたメッセージを出していくべきと思っている。何度読み返しても、残念ながらこの答弁からは市長の主体的な考えは伝わってきません。ゆとり教育が長い間の議論を経て到達したものであるから、どのように総括、評価すべきとおっしゃるのでしょうか。よい教育制度であり、推進すべきものと考えてみえるのでしょうか。国が決めた以上、仕方がないから進めざるを得ないと思われたのでしょうか。少なくともこの答弁からは、ゆとり教育に問題意識を持っていらっしゃる様子はうかがえません。

 そこで、3年前の答弁のときとゆとり教育に対する基本的な考えに変わりはないのか、また、教育現場での豊富な経験を有する者として、授業時間の減少と学力低下との関係をどのように考えるのか、名古屋市行政の最高責任者である市長に教育の主体は地方であるとの認識に立った明快な答弁を求めます。

 質問の第2は、英語が話せるなごやっ子の育成について、小学校英語活動の改善点及び中学校英語指導助手AETの有効利用の2項目を取り上げ、以下、計7点にわたって質問と提言をしてまいりますので、あらかじめ一括して教育長に明快かつ積極的な答弁を求めておきます。また、私の質問の趣旨は、名古屋市が財政難の中で5億2000万円もの予算をかける以上、子供たちの英語の習得にはっきりとした成果を上げていただきたい。そのためにも人材や事業を点で終わらせることなく、相互につなげて連携を図り、有効活用していくことができるようにしていただきたいとの視点に立つものであることを冒頭に述べて、質問に入りたいと思います。

 まず、小学校英語活動の改善点についてです。

 第1点としては、小学校で担任が英語活動に取り組みたくとも、現状ではさまざまな問題があります。年間指導計画やカリキュラム案が十分でない、教材がない、AETとのチームティーチングの方法がわからない等といったことが、実際に始めようと思ったとき大きな障害となっています。文部科学省は、こうした小学校の英語活動が共通して抱える課題への取り組みを支援するプロジェクトとして、小学校英語活動地域サポート事業と英語指導力開発ワークショップ事業を今年度中に立ち上げる計画です。そこで、ぜひ名古屋市もこれに積極的に手を挙げ、英語活動の前進を図るべきものと考えますが、いかがでしょうか、答弁を求めます。

 第2点として、英語アシスタント事業についてですが、担任のかかわりが少ないとの声も聞こえてきます。子供たちが何に対して興味を持ち、どのように指導すれば効果的であるのか、これを総合的に理解しているのは担任なのですから、英語活動においても、担任が私は関係ないとばかりにテストの採点をしていたのでは、派遣の効果も非常に薄いものとなってしまいます。そこで、どの担任もしっかりと授業に参加していただけるよう指導していただくとともに、将来を見据え、英語活動は担任が担うべきものと位置づけて、初任者研修の中にも取り入れるべきと考えますが、いかがでしょうか、答弁を求めます。

 第3点として、英語アシスタント事業を4時間という限られた時間の中で少しでも実のあるものとするために、前回の派遣の活動記録を次のアシスタントが見ることのできるようにしていくことが必要です。しかし、現状では、アシスタントが学校に尋ねても記録が残っていないことの方が多く、このことが学習成果の積み上げをさらに困難にしています。そこで、派遣の活動記録を指導室で保管するなどの措置を講じ、改善を図っていくべきものと考えますが、いかがでしょうか、答弁を求めます。

 次に、中学校の英語指導助手AETの有効活用についてです。第4点として、昨年好評であった夏休み英会話教室が拡大され、各区の生涯学習センターで実施されることとなりました。その予算額220万円のほぼすべては、講師となるAETの人件費です。今名古屋市には、国のJETプログラムで雇用したJET・AETと人材派遣会社を通して雇用したノンJET・AETがいますが、今回の教室の講師はすべてノンJET・AETです。しかし、夏休み中も給与が支払われているJET・AETの方を使えば、事業予算での人件費は不必要となります。彼らは観光目的で日本へ来ているわけではないのですから、給与の対価として夏休み子ども英会話教室の講師を務めてもらうのに何の遠慮も要らないはずです。そこで、今後はJET・AETを講師として有効活用していくべきものと考えますが、いかがでしょうか、答弁を求めます。

 第5点としては、2006年にはほぼすべての中学校にAETを配置する予定だそうですが、将来的にはそのAETを活用して各中学校で夏休みや放課後に英会話教室を開いていくべきものと考えますが、いかがでしょうか。その可能性について答弁を求めます。

 第6点として、現在AETたちは月に1回教育館に集まって、クラスで好評なアクティビティーやカリキュラムの情報交換をしたり相互研修をしていますが、せっかくよいアイデアを披露しても記録がされないため蓄積されず、情報の共有が不十分となっています。2006年に120名にまでAETが増員されたとき、それだけ多人数のAETの質をそろえるのは容易なことではありません。質の高い授業をするためにも、アクティビティー事例集をつくることが必要不可欠になります。そこで、書式を統一し、記録に残す措置を講じていくべきものと考えますが、いかがでしょうか。また、AETたちでホームページを作成してもらい、そこに記録を残していく方法も考えられますが、いかがでしょうか、答弁を求めます。

 最後に第7点として、小中の連携について取り上げます。一方で、これほど大学入試では英語に重点を置いていながら、御承知のとおり、他方では、日本はTOEFLスコアの平均点が世界で最も低い国の一つという状況にあります。我が国の英語教育が現状のままでよいとされる方は恐らくいないでしょう。日本の英語教育を改革していくためには、小学校から大学まで一貫性のあるプログラムをつくる必要があり、そのためにも小中の連携は不可欠です。そこで、中学の英語教師が小学校の英語活動を視察するなど、小中の連携を一層深めていくべきものと考えますが、いかがでしょうか、答弁を求めます。

 以上、ゆとり教育並びに英語教育にかかわる諸問題について質問と提言をしてまいりましたが、市長及び教育長の誠実、明快、かつ積極的な所見と答弁を期待いたしまして、私の第1問を終わります。(拍手)



◎市長(松原武久君) ゆとり教育につきまして、ゆとり教育は本当に子供にゆとりをもたらしたのか、その総括、評価ということで、3年前に私がこの本会議で答弁したこととの違いということについてお尋ねいただきました。

 平成14年2月の議会におきまして、ゆとり教育と学校週5日制について、子供を1日家庭に返して、学校と家庭、地域社会で協力して子供をきちっと育てていこうという趣旨で始まったものであり、教育委員会、各学校がその本質、趣旨をしっかり受けとめて、責任を持って進めていくことが大切であるというふうにお答えをしたと思っております。私は、この学校週5日制の導入に関しましては、月に2日休みをとる、あるいは完全に週5日制にする。非常に長い議論を経てこのような形になったものと、これは理解をいたしております。

 そして、完全実施をされて3年たったわけでございます。その現状を見ておりますと、家庭においては、返された1日を子供にどう過ごさせるかといったことで戸惑いがある。また、現実に自分が家庭にいないために、その子供が午前中どのように過ごすかということについて確認できていない家庭がある。私は、この問題につきまして、50人から30人ぐらいの小集団でのお母さんたちの会合を約50回重ねました。多くの方々から、これについての幾つかの御意見を承りました。そういう中で、確かに戸惑いがあるということは事実でございます。と同時に、子供たちが家庭での学習を十全にしていない。端的に言うと、家庭における学習時間というのは非常に少ない。そういったことに関していら立ち、戸惑いを持っておられることは、確かに感じ取っているところでございます。

 そういった意味で、学校ではまた、完全に5日でございますから、この5日間というのは非常に濃縮された5日間になっているわけでございます。また、総合学習というような形が入ってまいりまして、その総合学習がある面でアトランダムに行われたりする場合もございます。その準備、あるいはテーマの選定、あるいは講師の調整等々に非常に精力を使っておられる、簡単に言うと、その調整に奔命しておられるというふうに思っております。それぞれの機能が十分発揮されない状態になってきている面があるというふうに私は今思っております。これが現在の私の思っているその状況でございます。そういう中で、我々は子供の実態を絶えず具体的に検証し、見直すべきものは見直し、改善すべきものは改善していくことが必要であると、こんなふうに今私は思っております。

 なお、これは私が言及すべきかどうか、後で教育長がお話しになるだろうと思いますが、土曜日の問題、長期休業中の問題等が今触れられました。この問題について言うならば、これは現在の学校週5日制の問題は法によって決まっておるものですから、もしこれをやるとするならば、特区の形でやる以外はやる方法はないだろうというふうに私は思っております。これについては相当の議論をしなきゃならぬだろうなというふうに今思っておるところでございます。

 以上でございます。



◎教育長(大野重忠君) 教育委員会に2点お尋ねをいただきました。

 1点目のゆとり教育についてでございます。

 多くの知識を詰め込むということに偏りがちだった教育への反省ということから、基礎的、基本的な内容の確実な定着を図るということから、子供みずからが興味、関心を持って、そういった興味、関心に応じた課題、あるいは体験的な活動で主体的に取り組むというねらいでスタートしたと、このように理解しているところでございます。

 そういった状態を私ども教育委員会といたしましては、平成15年度学習状況調査を実施し、調査いたしました。国語を例にとりますと、達成すべき期待値を100と設定した場合に、小学校では113、中学校では122という結果が出たところでございます。また、中学校3年を対象に実施しております標準学力診断の分析をいたしますと、全国平均を100といたしましたとき、本市では、国語では109、あるいは数学では105という結果を私どもは認識いたしておるところでございます。他の教科においても、多少の動きはありますが、おおむね良好という結果を私どもは把握しております。ただ、細かく分析いたしますと、例えば、国語では読解力、あるいは数学では直線と平面の位置関係に若干の弱さが見られるのかなというようなところは、私ども、今後の工夫、指導の改善の余地があると十分に思っているところであります。

 それから、学習と生活のアンケートの実態調査を見ますと、子供が授業がわかり、そしてやる気が高まっていると感じていると回答した教師が小学校で約73%、中学校では約56%いるところでございます。そして、総合的な学習につきましては、興味があると答えた小学校5年生が88%、中学校2年生では65%というようなことから、総合的に考えますと、子供たちの授業に対する関心、意欲というのは高まっているのではないかと私どもは感じているところであります。

 ただ、問題は、こうした関心、意欲が次の取り組みにどうつながるのか、あるいは体験活動とどういうふうにかかわるのか、こういったプログラムといいますか、こういった面で私どもはまだまだ改善する余地があるのかなと、このように認識いたしておるところでございますので、ゆとり教育についての現状認識及び総括については、以上のようなことで考えているところでございます。

 それから、議員御指摘の塾の問題でございますが、学習塾につきまして本年度調査したところによりますと、小学校5年生では48%、中学校2年生では60%の児童生徒が通っているという実態を私どもはつかんでおります。学習塾へ通われるその理由は、それぞれ保護者の考え方、それから子供の興味、関心などさまざまな理由があろうかと思います。

 それから、私立中学校への受験につきましては、小学校卒業生に対する私立中学校の入学者の割合というのは、ここ3年間ほど大体8%ほどで推移しているところでございます。公立・私立中学校それぞれ特色を持って、ともに名古屋の子供たちを健やかに育てるという共通の責任を持っているものと考えているところであります。

 また、同時に調査をいたしましたところによりますと、家庭での学習の時間ですが、30分未満と回答した小学生が31%、中学生が29%となっている事実から、家庭での学習の仕方、例えば子供たちへの課題の与え方、あるいは宿題の出し方など、各学校でのきめ細かな対応をすることが今後求められるのではないか、そういったことが子供たちを学習に結びつけていく一つの手がかりになるのではないかというように考えております。

 それから、危機意識があるのかというようなお尋ねでございますが、私ども教育委員会といたしましては、市民の皆様方から教育に対する信頼を少しでも高めたいというような気持ちでいっぱいで取り組んでおりますので、御理解をいただきたいと思います。

 それから、土曜日、日曜日につきましては、子供たちにとってさまざまな体験や家庭での触れ合い、こういった時間に有効に過ごしてもらいたい、このようなことを思っているところであります。そうした体験の場の設定、活動内容の工夫など、これから今後取り組んでいく条件整備に努めていくということでございます。

 それから、夏期休業等長期休業中につきましても、さまざまな体験、家庭との触れ合い、こういったものができるように、また、有効活用の内容につきましては、いろいろ工夫、努力されているさまざまな実践などを参考にしながら、今後とも研究、検討してまいりたいというように考えております。

 いずれにいたしましても、各学校でのそれぞれの成果、問題点を各学校が明らかにし、校長がそれぞれ中心になった教育議論を深め、子供一人一人が、学ぶことはつらくても学び得た喜びが味わえるような、そんな感動のある教育実践を進めてまいりたい、そして教育委員会もそういったものに支援してまいりたいというように考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。

 2点目の英語活動関係についてでございます。

 英語が話せるなごやっ子の小学校の面でございますが、現在、希望する小学校1学級当たり年間4時間の英語活動ができるよう英語活動アシスタントを派遣しているところでございます。そこでは、学級担任と英語活動アシスタントが協力して指導に当たることによりまして、子供たちが互いに英語であいさつをしたり、朝の会等で英語の歌を歌ったりすることなど、英語になれ親しむ活動を進めておるところでございます。英語活動アシスタントとのチームティーチングにおきまして、学級担任の役割は大変大切であると考えております。そのために、新規採用教員を対象といたしました研修におきまして、英語活動に対する理解、意識高揚を図るとともに、小学校の教員を対象といたしました小学校英語活動講座におきまして、英語活動の場面における指導力の向上を図ってまいりたいと考えております。また、英語活動アシスタントの活動記録につきましては、次年度の英語活動に生かすことができるよう指導してまいりたいと考えております。なお、文部科学省の英語教育にかかわる事業につきましては、その詳細が3月中旬に知らされるということでございますので、その内容を十分吟味いたしまして検討してまいりたいというように考えておるところでございます。

 それから、中学校のAETの有効活用についてでございます。

 外国人英語指導助手につきましては、今年度1学級当たり年間15時間程度の派遣をしておりまして、平成17年度には25時間程度へと拡大してまいりたいと考えております。AETの派遣時間の拡大に伴いまして、英語の授業の充実に加え、現在放課後に行われております個別指導の拡大など、AETの各学校での活用を図ってまいりたいというように考えております。

 夏季休業中におけるJETの活用につきましては、約半数のJETが入れかわるそういった中で、新人のJETの指導、あるいは英語教員の研修会などの参加等さまざまな活動にかかわって活用されているところでございます。また、御指摘の指導事例集につきましては、AET同士が研修に活用していくことが大切なことと考えておりますので、英語活動の年間計画に沿いました効果的なチームティーチングの指導事例、あるいは授業以外にAETを活用した活動例、こういったものとともに、AETのアイデアにあふれた実践をまとめた指導参考事例集を作成する予定でございます。

 次に、夏休み中にAETを活用したらどうかということでございますが、勤務条件や雇用形態など解決すべき課題も多うございますので、これらの課題を踏まえまして検討してまいりたいと考えております。なお、小中学校の連携につきましては、具体的な方法を含め、今後研究してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願いします。

 以上でございます。



◆(梅村麻美子君) 随分と丁寧に答弁をしていただきましたので時間がなくなりましたが、同僚の議員から少し分けていただきましたので、再質問をさせていただきます。

 教育課程の改訂以降、市長さんは市長さんなりに、教育委員会は教育委員会なりに、本当に一生懸命努力していただいているということは承知いたしております。しかし、多くの子供たち、保護者の声なき声を伝えさせていただきたいというふうに思います。方針をぐらぐらさせて保護者や現場の教師を混乱させないよう配慮して答弁されたのだとしても、それは決して誠実な姿勢であるとは言えないと思います。形式的な建前論では、保護者の不安や教師の無力感は解消できないからです。

 市長は昨日の質疑の中の答弁で、学校では基礎、基本をしっかり教え、座学だけでなく総合的な学習の時間などの体験活動や触れ合い活動によって新たに知り得たもの、いわゆる体験知を確実に定着させていくことが大切であるとして、こうした理念に基づいて実施されている現在の教育課程を一定評価すると答弁されました。

 では、現実にこの理念どおりの方向に動いているでしょうか。体験活動が単なる体験として終わってしまうことなく、そこからさまざまなことを学び、考え、身につけていくことが市長のおっしゃる体験知の意味するところだと考えますが、そういった考え、学ぶ力の土台には基礎学力が必要です。つまり、体験知の定着のためにも、まず基礎学力が必要だということです。市長も教育長も、学校では基礎、基本をしっかり教えとおっしゃっていますが、土曜日が休みになり、ハッピーマンデーで3連休がふえ、総合的な学習が週3時間入り、基礎、基本をしっかり定着させるだけの授業時間数が確保されていると本当に信じていらっしゃるのでしょうか。

 皆さん、御存じでしょうか。例えば、今小学校では都道府県の名前も位置も教えていません。教科書に載ってすらいないのです。名古屋市の区の名前も位置も教えていません。自国の地理、文化、歴史を知らずして、どうして外国のことを学ぶことができるでしょうか。みずからの国を知らずして、本当の意味の愛国心は育ちません。そして、自分の国を愛せずして、他国を大切にすることはできません。郷土愛も同様です。新潟の地震のニュースを聞いたとき、どのあたりに新潟県があって、どういう気候の地域だという予備知識があってこそ、より身近に感じることができるのではないでしょうか。名古屋市は、学校現場にこの点全く何の指示も出していません。心配した一部の良心的な先生が自主的に教えているだけです。都道府県の名前や位置、名古屋市の区の名前や位置、これを覚えさせることは知識の詰め込みでしょうか。基礎、基本ではないのですか。

 これはほんの一例ですが、私は、一定の年齢の子供に知識を詰め込み、習得させることは必要だと考えています。そのためには反復練習が欠かせませんし、そして、それには当然時間がかかります。漢字や英語の単語も同様です。どんな崇高な理念も、現実を見据え、しっかりと地に足を着けて具体化していかなければ、単なる抽象論、空念仏に終わるか、現場での混乱を引き起こし、これによる被害者を拡大再生産するだけだと思います。

 そこで、再質問ですが、ゆとり教育の総括、評価とは、形式的な理念を述べて事足れりということではないと思いますが、いかがでしょうか。教育現場での実態をしっかり把握し、客観的に否定し得ない学力低下をもたらしたことを率直に認めた上で、理念として今後も生かしていく点と現場での具体化に当たって改善すべき点をしっかり仕分けしていくべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

 また、私学受験は、この3年間、私学進学8%で変わらないとおっしゃいましたが、それは受け入れる人数が変わらないのであって、受験生は急増しており、それだけ競争が厳しくなって子供たちが厳しい状況に置かれているということです。塾通いや私学受験の急増が公教育への不安からきているとしたら、公教育を担う責任者として危機感を持つのが当然と思いますが、いかがでしょうか。それとも、河合塾の分析の方が現実離れしていると考えていらっしゃるのでしょうか。

 以上3点、教育長に答弁を求めます。



◎教育長(大野重忠君) 再度お尋ねをいただきました。まず、前提として、学力が何であるかという前提が必要だろうと思います。

 知識の多い少ないを問うということであれば、確かに授業内容、あるいは授業時間が減っておることでございますので、これは当然前に比べれば減っているということは事実でございます。そういった点において、私どもは、そういった知識が多い少ないということと同時に、知り得た知識を次のものに行く、そして興味、関心を持って次のものに行く、そういった面を新たな学力として両面が必要ではないかというふうにとらえているところでございます。

 私もかつて教壇に立ったときのことを思い出し、今議員の御指摘を、また自分の体験をいえば、例えば社会科の授業でいえば、北から北海道から順番にやっていきました。こういう山脈がある、こういう県とはこういうふうだと全部やりました。今はそういう学習ではなくて、例えば暖かい地方、寒い地方の工夫はどうであるかというような、その人々の知恵とか工夫とかという人に焦点を当てた学習展開をしておりますので、そういった面で、当然先ほど冒頭申し上げた学力という面での議論がこれから出てくるだろうと、そういった学力の面での議論は、これからも私はやっていくべきだし、やらなければいけないだろうと、このように考えております。

 それから、危機感があるかないかと、私は、危機感という言葉は使いたくありません。名古屋市民に対しての責任感と、そしてきちっとした実績は述べたい、このように思っております。勝ったとか負けたとか、上だとか下だとかいうことではなくて、一人一人がやはり感動するようなそんな授業をやるようにやっていきたい、また、そういう支援をしてまいりたいと、このように考えておりますので御理解いただきたいと思います。



◆(梅村麻美子君) 学力の問題についてしっかりと議論していきたいということですので、しっかりと今後とも議論をして、保護者、そして子供、そして現場の先生方の不安を解消するようにしていっていただきたいというふうに思います。

 そして、地理について、人に焦点を当てて今はやっていらっしゃるということですが、私は、やはり体系的に県名、位置や場所などを覚え込ませるということも、それは必要なことではないかというふうに思っております。それがあって初めて考える力、応用する力、そういったものが出てくるのではないかというふうに思っております。その点もしっかり配慮していただきまして、今後とも進めていっていただくように要望いたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)



○副議長(田中里佳君) 次に、西川ひさしさんにお許しいたします。

     〔西川ひさし君登壇〕

     〔副議長退席、議長着席〕



◆(西川ひさし君) それでは、お許しをいただきましたので、通告に従いまして質問をさせていただきたいと思います。

 まず初めに、名古屋における救急救命率の向上についてでございます。

 現在、この大都市名古屋では、94万6990世帯、220万3600余名もの方々の救急事態にこたえることができるよう、市内各所に34の救急隊を配置し、また、その各救急隊には救急救命士が必ず乗務し、昨年からは気管挿管、そして今後の予定では薬剤投与を行うことができるようになるなど、大変高度な、そして適切なる救命処置を迅速に実行することができるよう、医学の発展、医療機器技術の進歩とともに救急体制のより一層の充実が進められているところであります。私たち市民にとっては、まさに安心して生活することのできる環境が確実に整えられてきているのであります。

 しかし、実際にこの救急部隊の出動件数を調べてみますと、平成13年には8万2175件、同じく14年には8万7187件、翌15年9万1395件と、毎年4,000件から5,000件ずつ増加をしておりまして、このままでは来年あたり10万件を超えてしまうというほどのすごい勢いの増加の仕方なのであります。この数字を救急隊1隊当たりに換算しますと、1日で8件、年間で約3,000件の出動件数となり、毎年120件から150件もの、これまたすさまじい増加を続けていることとなるのであります。本当に今このとき救急車を必要としている方、特に急を要する心肺停止状態の方や心臓疾患をお持ちの方などに対して、最も近くの救急隊が別の救急事態出動と重なり、どこか別の場所に出払ってしまっていたら、必然的に到着時間はおくれ、迅速なる救命処置をとることもできなくなり、せっかくの救急体制のより一層の充実が進められていたとしても、根本からこの意味をなさなくなるのであります。

 このような事態を少しでもなくすようにするためには、どのようにしたらよいのでしょうか。緊急にて救急車を待つ身にとって、ただでさえ時間は長く感じるものなのであります。私が小さいとき、今は亡き母正子が心の臓の病の発作を起こし、近所の方に救急車を呼んでもらったとき、幼心に、小さいながらに一秒一秒が何十分にも感じたもので、あのときの必死の願いの気持ち、思いは今でも決して忘れることのできるものではありません。

 現在の救急体制について、どうか今後早急に対応していただかなければならない次の3点についてお伺いいたします。

 まず第1に、救急隊の増隊についてであります。この増加する一方の救急需要に対しまして、てきめんに効果を発揮させるとすれば、救急隊の増隊であります。消防力の基準から、救急隊につきましては38隊が必要とされており、現在、少なくとも4隊が不足しているということになります。しかしながら、平成17年度の消防局予算案には、救急隊の増隊は一切計上されておりません。人の生命を守るという本来一番大事にされなければならないこの問題に直結する救急隊の増隊が本当にできるのか、疑問を感じずにはおれません。それは、現在の救急隊の体制で救急隊を1隊ふやすためには、救急の資格を持った職員の方を新たに10人配置しなければならないからであります。松原市長が推し進めてみえます消防局の定員削減や厳しい予算編成の現状の中で、果たして増隊というものができるのか、この点につきまして市長にお伺いいたします。

 次に、最近テレビ、新聞等報道にて目にする機会がふえてまいりました自動体外式除細動器、いわゆるAEDであります。これまでは医師や救急救命士などの資格を有する者だけしか行えなかった心肺停止状態の患者さんに対して、電気ショックによる除細動、つまり、最近人気のテレビドラマ「救命病棟24時」の中で、江口洋介扮するドクターが、「200でチャージ。離れて」−−ボンとやっているやつですが、今回厚生労働省の通知により、だれでも使用できるようになったものであります。

 救急業務の中でも重要なものが救命率の向上であります。名古屋における過去3年間の救命率を見てみますと、心肺停止の患者さんを搬送した場合の1週間後の生存率は6.4%から6.9%、1カ月後の生存率は4.3%から4.5%前後という結果が出ております。この救命率をさらに向上させるためには、119番通報して救急車が到着するまでの間の応急処置の質の向上が欠かせないことは言うまでもありません。これは一般の方の応急手当ての知識、技術の向上ということでありますが、このAEDというものが特効薬となることは間違いありません。そこで課題となりますのが、AEDを使うための知識、技術の普及であります。AEDという言葉は聞いたことはあるけれども、実物はさわったことがなく、ましてや見たこともない、そして使い方は全くわからない、そうした皆さんばかりなのではないでしょうか。

 そこで、消防長にお伺いいたします。現在名古屋では、人工呼吸や心肺蘇生法、そしてすぐ忘れてしまう三角巾の畳み方など、救命講習を行っておりますが、AEDに関する講習、見学などはお考えになってみえるのか。もし考えてみえるのなら、どのような方法、そしてどのような計画となっているのか、お伺いいたします。

 次に、救急車の利用に関するモラルの問題についてであります。先ほど申し上げましたように、救急出動件数はウナギ登りであります。年間出動件数9万件から10万件の中には、風邪など緊急性の薄い症状の方や、極端な話ではありますが、いわゆるタクシーがわりに利用するような常習者もいるということを聞いたことがあります。もしそういう事実があるとすれば、1分1秒を争うまさに救急車を必要としている方への大きな障害となっているのではないでしょうか。この点につきまして消防長にお伺いいたします。

 本来、共とも生いきをしていかなければならぬこの社会において、当たり前の常識であり、正直こんなことをいまさらとは思うのですが、救急車の適正利用について、現在市民の皆さんに対する広報など、何か行ってみえるのか、また、今後の具体的な方策は持ってみえるのか、あわせてお伺いいたします。

 次に、昨年社会実験が実施されましたエコポイントTDMについてお伺いいたします。

 名古屋の交通体系は、前回質問させていただきましたなごや交通戦略にても御承知のとおり、東京や大阪と比較しまして、公共交通機関よりも自動車に依存した割合となっております。一方、地下鉄に代表されます市内の公共交通機関の基盤整備につきましては、昨年の地下鉄環状線化やあおなみ線の開通、そしてまた、この3月5日に開通式を迎えます日本初のリニモなど、ネットワークは充実してきているのではないかと思われます。しかし、市バスに代表されるように、公共交通機関の利用者数は伸び悩んでおり、快適で便利な自動車利用はますます進みます少子・高齢化などにより増加の一途をたどっており、公共交通機関を取り巻く環境というものは、今後さらに厳しくなってくるのではないかと危惧しているところであります。

 ごみ問題にて全国に名をはせました松原市長率いる環境首都を目指す名古屋にとって、多量のCO2排出に伴います地球環境悪化の原因でもある自動車依存型から、環境負荷の小さい公共交通型の都市へと誘導していくこと、すなわち、なごや交通戦略の柱の一つであります交通エコライフの普及としまして大きな意味を持つのではないでしょうか。そのためには、市民の皆さんにもっともっと公共交通機関を使っていただかなくてはなりません。利用しやすくするだとか、公共交通機関にもっと興味を持ってもらうとかの創意工夫が必要なのではないでしょうか。

 最近では、交通局でも新しいアイデアを出されております。先日のとある新聞にも、「局長は語る」にて局長は語ってみえました。ちょうどきのう、3月1日から、ベビーカーごとでもバスの乗車が可能になったことや、4月1日から予定されております本人以外でも利用可能なバス定期券の導入など、全国初というわけではありませんが、公共交通機関利用者の立場に立った取り組みとして評価できるのではないでしょうか。

 こうした交通局みずからが取り組んでできるサービスにつきましては、今後も進めていただきたいと思います。しかし、一事業者ではできないサービスにつきましては、民間や市民団体など、関係する方々とも連携をしたシステムをつくっていくことが必要であると考えます。

 そこで、エコポイントTDMであります。エコポイントTDMとは、地下鉄や市バスを利用したときに、ICカードや携帯電話をリーダーというものに掲げまして、そして、そのたまったポイントに応じ景品がもらえるという、エコ活動の普及と公共交通機関の利用促進を目的とするすばらしいアイデアだと考えるところであります。また、最近自動車利用がふえている女性、特に主婦の皆さんがこういったことに興味を持たれるのではないかと期待しているところでありますが、それだけに難しい点も多いのではないでしょうか。

 昨年の実験では、話題の先端技術であり、市民生活にも浸透しつつあるICカードや携帯電話といったアイテムをうまく活用していると思います。身近なわかりやすい、だれでも利用できる技術を活用していくということが今後大変重要になってくることと思います。また、施策名称についてでありますが、エコポイントは別としまして、TDM、すなわちトランスポーテーション・ディマンド・マネジメント、交通需要管理の略だそうですが、非常にわかりづらく、なじみにくい言い回しであります。公共交通機関の利用促進を目的としているため、よりわかりやすい、そしてまたなじみやすい公共交通エコポイントとか、交通エコポン、そしてまた、エコポンタなど、身近でわかりやすい名称をお決めになられてはいかがでしょうか。

 そこで、次の3点についてお伺いいたします。昨年実施したエコポイントTDMの社会実験ではどのような成果があったのでしょうか。また、今後実用化に向けた取り組み方針はいかがなものでしょうか。また、エコポイントTDMについての市民の皆さんへの知識や技術の普及につきましてはいかがなものでしょうか。

 以上につきまして総務局長にお伺いいたしまして、第1回目の私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)



◎市長(松原武久君) 救急救命率の向上に関しまして、救急隊の増隊のお尋ねをいただきました。

 現在、市内で34隊の救急隊を運用いたしております。平成16年中の救急出動件数は9万5382件でございまして、平均現場到着時間は6.6分となっているところでございます。救急出動件数は増加傾向にあるため、ただいま議員御指摘のように、このまま推移すれば、近い将来10万件を超える可能性がございます。

 救命率を向上させるためには、できるだけ早期においてその場に居合わせた人の通報と応急手当て、そして、救急隊による救命処置に加えまして、医療機関の処置の実施が求められております。本市では、基準といたしまして、38隊の救急隊の配置を定めるとともに、平均6分以内に救急隊が到着できる体制を目指しておるところでございますが、厳しい財政状況のもとで、職員削減という定員管理にも一方で取り組んでいるわけでございます。

 そういう状況下でございますが、救急体制の強化は救命率の向上のために大変重要な事項でございますので、今後とも救急需要等を勘案いたしまして、増隊について検討を進めてまいりたいと存じます。一方で、消防隊による自動体外式除細動器の運用、あるいは市民に対する一層の応急手当て普及啓発を進めるとともに、さらに、今これも御指摘ございましたけれども、救急車の適正利用−−今このとき救急車を本当に必要としている方のためにも、適正利用についての周知を進めてまいりたいというふうに思っております。こうした総合的な対策を講ずることによりまして、救命率の向上を図ってまいりたいと考えておりますので、御理解賜りたいと存じます。



◎消防長(田中辰雄君) 救急救命率の向上について2点のお尋ねをいただきました。

 1点目の自動体外式除細動器、いわゆるAEDの知識及び技術の普及についてでございますが、心肺機能が停止した傷病者の救命率の向上のためには、早期の除細動が有効であり、議員御指摘のとおり、平成16年7月からは、災害現場に居合わせた市民の方々によるAEDの使用が認められたところでございます。多くの市民の皆様に、いざというときにAED を適切に使用していただくためには、訓練用資機材などの整備を行いますとともに、指導員を育成し、市民の皆様に知識及び技術を習得していただくための講習を早急に実施する必要があると認識しております。したがいまして、応急手当研修センターを初めとして、事業所や学校などで実施しております普通救命講習のカリキュラムに新たにAEDの使用に関する内容を加えまして、平成17年4月からその講習を実施してまいりたいと考えております。

 次に、2点目の救急車の適正な利用についてでございますが、救急出動件数は毎年4,000件程度増加し続けておりまして、増加に伴って現場到着時間がおくれることも懸念されるところでございます。平成16年中救急車が出動した9万5382件のうち、搬送を拒否されたものや傷病者が不在だったもの、こういった緊急性がなかったと考えられるものが約9,000件ございました。119番の通報を受け付ける防災指令センターにおきましては、救急要請の内容から傷病者の緊急性の有無を判断することは非常に困難であります。そのため、御本人もしくは御家族での対応が可能なものや緊急性の低いものにつきましては、救急出動の要請を控えていただくよう市民の皆様に対しまして啓発を進めていく必要がございます。

 このため、市民の皆様一人一人が救急業務について正しい理解と協力をしていただけるよう、現在行っている講習会やビデオ作成による啓発に加えまして、医師会やマスコミなどの関係機関と連携するとともに、他都市の例なども参考にしながら、今後とも効果的な救急車の適正な利用の普及方策を検討してまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りたいと存じます。



◎総務局長(鴨下乃夫君) エコポイントTDMにつきまして3点のお尋ねをいただきました。

 まず、平成16年度の実験成果でございますが、エコポイントTDMにつきましては、昨年の10月から12月までの2カ月間、1,000人のモニターの方に限定した実験を行いました。初めての試みではございましたけれども、3倍近くの応募がございましたことなどから、市民の関心が高まったのではないかと考えております。また、モニターへの意向調査からは、半数近くの方が公共交通の利用をふやしましたと答えられるなど、ポイントによる誘導の効果が得られたものと考えております。

 次に、実用化に向けた取り組み方針でございます。今後の実用化に向けましては、企業の参画が大変重要な要素でございます。そのためには、規模を拡大した実験により、企業の参加意欲を高めていく必要があると考えております。このため、16年度は地下鉄7駅とあおなみ線、金城ふ頭駅に限りましたが、17年度の実験は、参加人数や期間のほか、駅数もふやしまして実施してまいりたいと考えておるところでございます。また、この実験では、交通行動の変化によるCO2の削減量が携帯電話で確認できることで、交通エコライフへの動機づけも目的としているところでございまして、その意識をより高めていけるような工夫もしてまいりたいと考えておるところでございます。

 3点目に、知識、技術の普及のお尋ねでございます。なごや交通戦略では、ポイント制度によって交通行動を誘導していくことから、エコポイントTDMとされております。このTDMは、日本語に訳しますと交通需要管理となりますが、この言葉が一般的にわかりにくいことは、御指摘にもいただきました。16年度の実験ではエコポンという愛称を用いましたけれども、今後さらに多くの市民参加を促進していくためには、施策名といたしましてもわかりやすいことが必要であり、御指摘の公共交通エコポイントなどを含めまして検討してまいりたいと考えております。また、昨年の実験では、ICカードでポイントを取得し、その情報を携帯電話のメール機能で確認するという形で行いました。これは、広く一般に普及しているIT技術を採用したものでございます。今後も日進月歩で進んでおります技術革新やその普及を踏まえまして、より利用しやすい工夫もしてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りたいと思います。

 以上でございます。



◆(西川ひさし君) それぞれの御答弁ありがとうございました。救急隊の増隊は、より多くの市民の命を救うためにも、どうしても早期の対応が必要不可欠であると考えております。また、AEDにつきましても、今後各所に配備が進められていくことと思われますが、命の宝箱もその使用方法がわからなければ、ただの高価ながらくたにすぎないのであります。人の生死に直結する救急救命の問題でありますので、特に早期実現をしていただけますことを強く強く要望、そしてまたお願いをさせていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)



○議長(桜井治幸君) 次に、斎藤亮人君にお許しいたします。

     〔斎藤亮人君登壇〕



◆(斎藤亮人君) 通告に従いまして、2点について伺いたいと思います。

 まず1点目は、平成17年度の予算編成方針について、特に今回の編成予算を骨格予算にしなかった理由について松原市長にお伺いしたいと思います。

 平成17年度の予算編成において、市長は骨格予算を組まれませんでした。しかし、通常政治の世界の常識では、選挙直前の予算編成になる場合は骨格予算を組むというのが通例であります。新たに市民から選ばれた人に予算編成をする余地を残すために骨格予算にするからであります。

 幾つかの例を挙げてみます。平成15年4月に行われました三重県知事選挙に際しまして、立候補を取りやめた北川知事は、15年度予算を一般会計で前年比7.6%減の予算で組みました。そのときの予算の提案説明において、当時の北川知事は、新しい価値創造に係る政策判断については、新しい知事にゆだねたと述べました。この場合、北川知事は立候補を取りやめていますので、松原市長の場合とは少し違いますけれども、北川知事はこのような姿勢を示されました。もう1点、松原市長と同じようなケースが、同じく平成15年4月に選挙のあった鳥取県においてであります。再選を目指した片山知事は、年度当初から本格的な予算が組めないということは、ある意味若干の空白期間があったり、本来やるべきことがちょっと停滞するという面は否めないが、予算編成のエチケットとして、選挙が終わるまでは新規、大規模なようなものは控えると記者会見で述べておられます。このように一定の見識を示されているわけです。

 私は、選挙情勢がどうであろうと、市民からの審判を受ける前は骨格予算にするのが政治家としての品のある姿勢ではないかというふうに思います。確かに政治は現実というものがあって、さまざまな争いや妥協というものはせざるを得ないというのは確かであります。しかし、政治家としての品格を持った政治姿勢こそが真に市民から信頼を得られる政治をつくり出すと思うのです。

 また、4月の選挙に向けて松原市長は、基本政策であるマニフェスト21を示されました。最近では、国政選挙における政党の主張が具体的な数字などを盛り込まれて主張される。また、公職選挙法も改正され、このようなものが国政選挙においては配布が可能になっているわけであります。その意味で、選挙におけるマニフェストの重要性の認識というものが広がりつつあると思います。

 地方自治体の首長選挙においてもマニフェストが示されることが多くなりまして、この2月には、ローカル・マニフェスト推進首長連盟というものも結成され、知事16名、福岡市、川崎市、横浜市などの政令市などの市長を初め、152名の首長の方々が参加されています。マニフェストを示すのは、広く有権者に自分の政策を提起し、みずからの政策を明確にするプロセスの一環として位置づけられていると思います。だからこそ選ばれた市長は、マニフェストに従って責任を持って施策を実施していくことになるわけです。

 以上のような理由から、私は平成17年度予算は骨格予算にすべきだと思います。なぜ今回骨格予算を組まなかったのか、市長の考え方を伺いたいと思います。

 次、2点目ですけれども、長期的な住宅政策について、特に住宅基本計画の策定について住宅都市局長にお伺いいたします。

 私は、前回の質問に際しましても、住宅の問題を取り上げました。衣食住と言われるように、住宅の問題は人間が生活をしていくために基本中の基本であるというふうに考えています。だからこそ、自治体において住宅政策がどれだけ充実しているかということが自治体の豊かさを示すのではないかというふうに私は思っています。

 現在名古屋市の住宅政策は、新世紀計画2010に掲載されている住宅部分が該当しています。従来名古屋市には、平成3年から12年の10年間を期間とする名古屋市住宅供給基本計画がありました。その後、平成12年3月の名古屋市住宅対策審議会の答申の内容が2010の計画に受け継がれて、進行管理は現在実施計画でやっていくという仕組みになっています。しかし、私はそれだけでは不十分である、もっと長期的な視点に立った住宅基本計画を名古屋市でも策定したらどうかと、そして、住宅政策を総合的に進める体制をとってはどうかというふうに思うんです。

 平成15年に行われました住宅・土地統計調査の速報によりますと、住宅の総数はその5年前の調査に比べて8%伸びているのに対しまして、空き家は17.7%増加している。名古屋市の1世帯当たりの人員も、平成3年には2.68人だったのが昨年には2.33と13%も減少しています。単身高齢世帯は、国勢調査のたびに四十二、三%の割合で伸びを示しておりますし、単身者向けの住宅は、公営住宅の倍率は平成15年度では49倍。しかし、この5年の単身者向けの住宅の供給戸数は、毎年200戸前後で推移するような状況でしか対応できていません。福祉向けの住宅の倍率においても、障害者世帯の場合、この3年間、10倍前後で推移しています。

 このような状況を打開するには何らかの方策が必要です。民間のストックを有効に活用する施策、住みかえがしやすくなるような施策など、課題は山積であります。また同時に、日本の住宅政策は大きな変動期にあります。今国会には公営住宅法の改正や、また、地域における多様な需要に応じた公的賃貸住宅等の整備等に関する特別措置法案が上程されております。そして、18年度中には住宅基本法をつくろうというような形で物事が進んでいるわけであります。

 このような中で議論されている大きな柱に、公営住宅のセーフティーネット機能の役割を果たそう、果たさなければいけない、そういう役割を持たせようということがあります。政府も、子育て世代やDV被害者などの住宅弱者に対してどういうふうに円滑に入居してもらうか、民間活力との連携によって、福祉との連携もやりながら、どうやって入居していってもらうかというような議論が進められているわけであります。

 そういった時代が今進んでいる中で、私はこの名古屋市で住宅基本計画をつくるべきだというふうに思います。政令市の中で、実は住宅基本計画がないのは、大阪市と広島市と名古屋市であります。何も計画をつくればいいというものではないかもしれませんけれども、このように国の動向が大きく変わる。そして、これは急にあらわれたわけではなくて、平成15年から国の審議会等でも新たな住宅政策のあり方が示されている。そういう中であればこそであります。

 そこで、住宅都市局長に、まず、この住宅基本計画の必要性の認識についてどうお考えになっているのか、そして、17年度予算の中で少しでもこの策定に向けての取り組みがなされるのかどうか、その点についてお伺いしたいと思います。

 以上で、私の第1回目の質問を終わります。(拍手)



◎市長(松原武久君) 平成17年度予算編成方針について、骨格予算にしなかった理由のお尋ねをいただきました。

 これも昨日来答弁をさせていただいておるわけでございます。平成17年度の予算編成に当たりましては、安心・安全をささえあうまち、環境と個性のとけあうまち、人と産業をはぐくむまちの三つを重点テーマとして、未来への布石、協働性、そして緊急性の三つの視点から、限られた財源を効率的、重点的に配分することによりまして、名古屋新世紀計画2010の第2次実施計画を着実に実行して、生活、環境、文化、産業のすべての分野にわたって調和のとれた誇りと愛着の持てるまち・名古屋の実現を図ることとしたわけでございます。

 とりわけ本市が直面しております課題、例えば次世代の育成支援、安心・安全・快適なまちづくり、あるいは地震対策の基盤づくり、そして交通戦略、産業の創出・活性化など、一刻の猶予も停滞することもなく、適時適切に対応していくことが市政を運営する上での基本との考え方に立ちまして、現時点で見込み得るものはおおむね当初予算に計上したところでございます。よろしく御理解を賜りたいと存じます。

 以上でございます。



◎住宅都市局長(一見昌幸君) 長期的な住宅政策に関しまして、住宅基本計画の必要性についてのお尋ねをいただきました。

 まず、必要性について触れる前に、私どもの基本的な考え方をお答えさせていただきたいと思います。まず、住宅は、市民の皆様にとりまして重要な生活基盤でございます。長期的な視点に立って、すべての市民がみずからの努力に応じて良好な居住環境を確保できるようにすることは、市政の重要な課題の一つであるというふうに認識しております。

 本市におきましては、御指摘ありましたように、平成12年3月の名古屋市住宅対策審議会答申を踏まえながら、名古屋新世紀計画2010の部門別計画におきまして、良質な住宅の形成やいきいきとした交流の促進、市民とともにすすめる住まい・まちづくりなどの住宅施策の基本方針を定めているところでございます。これらの基本方針に基づきまして、市営住宅を初めとします公的住宅ストックを活用しました住宅困窮者の居住の安定や住情報提供を通じました市民の適切な住まいの選択の支援などを図ります各種事業を位置づけているところでございます。今後もこれらの基本方針に基づきまして、少子・高齢化や障害者のノーマライゼーション、地球環境問題などに対応する各種施策と連携いたしまして、住宅施策の展開を図ってまいりたいと考えております。

 続きまして、住宅基本計画の必要性についてでございます。これまでも名古屋新世紀計画2010に基づきまして、関連部門と連携しまして諸課題に取り組んできております。また、引き続きこの計画のもと、適切な役割分担と相互連携を図ってまいりたいというふうに考えております。なお、御指摘ありました国におきましては、地域における住宅に関する多様な需要に的確に対応するための新たな特別措置法が今国会で審議される予定だと伺っております。このほかにも、来年の通常国会に向けまして住宅建設計画法など、これまでの住宅施策の制度枠組みにつきまして、抜本的な改正が検討されているというふうにもお聞きしております。今後の本市の住宅計画のあり方につきましては、名古屋新世紀計画2010を基本としながらも、今後の法令改正の動向などを見きわめながら適切に対応してまいりたいと考えておりますので、よろしく御理解賜りたいと存じます。

 以上でございます。



◆(斎藤亮人君) それぞれ御答弁ありがとうございました。まず、市長の方にもう一度伺いたいと思うんですけれども、御理解をお願いしたいというふうに言われましたけれども、しかし、今市長は一刻の猶予、停滞は許されないんだというようなことで骨格予算にしなかったんだという答弁をされました。

 確かに次世代育成対策や児童虐待の問題、災害対策ということは、確かにそういう面があります。また、こういうことについては、病後児保育の問題にしましても、委員会や本会議の中で何度も議論をされてきたことであります。例えば30人学級にしましても、4月からできなくて学年の途中から急に30人学級になるというのでは、やっぱり都合が悪いし、混乱するだろうというようなこと。それから、例えば障害者の問題でいいますと、中高生の障害児放課後支援事業というのがありますけれども、こういったものは既に概算要求等で国がもう施策を打ち出していたものというようなもので、こういったものを当初予算に盛り込んでいくということについては、一定程度理解ができるわけであります。

 しかし、今回の予算と、それから市長のマニフェスト等見させていただきますと、東山動植物園再生プラン策定に1000万円、地域密着型ビジネス創業支援施設の整備に2500万とか、NPO活動支援施設に2500万、産業技術未来博物館構想の基礎調査に500万などが新しく新規事業としてのっているわけですけれども、これは果たして本当に今言われました一刻の猶予も停滞も許されない事業なんでしょうか。これは、この今の市長の答弁では全く説明ができないと思うんです。もちろん額が少ないからこれはもういいんだということでは、私は済まされないと思います。

 といいますのも、市長のマニフェストには、若干なぜか字句が違うわけですけれども、産業技術未来博物館構想に当たるものに産業未来博物館とか、東山動植物園再生プランに当たるだろうと思われる野生体感型動植物園というものがマニフェストに登載されているわけであります。このような手法というのは、私は余りいい方法ではない、禁じ手のようなものではないかと思うんです。マニフェストが先に出され、そしてその後に予算編成が来るということであります。今話題の新株予約権のようなことかもしれませんけれども、しかし、私は、まずこういった今言ったような事業については、とりあえず予算を修正して取り下げて、選挙後に新たに提案したらどうかと思うんです。

 例えば、私もこの東山動植物園の再生プラン、これはなかなかおもしろい。しかし、これはいろんな意見がある。また、市民からいろんな意見も聞けばいい。こういったようなことを考えるわけです。例えば本陣小学校の使い方にしても、このNPO等の施設として使うという話になっているわけですけれども、私などだったら、もっと福祉のスペースとして使えないだろうかとか、産業技術未来博物館というのは本当にこれは必要なものなのだろうかと、いろいろ思ったりするわけであります。こういった議論を逆に選挙の中で、市民の中で広く議論をしていく。そして、その結果を施策に反映させるという方がいいんじゃないかと思うんです。そういった意味で、もう一度今言ったような施策が本当に一刻の猶予もないものなのかというようなことについて、市長に再度質問したいと思います。

 以上です。



◎市長(松原武久君) 何度も御質問いただいてまことに恐縮でございますが、平成17年度予算につきましては、先ほど申し上げたとおり、名古屋新世紀計画2010の着実な推進を図るために、可能な限り見込み得る施策を盛り込んだところでございます。これは、第1次、第2次実施計画の延長上の内容でございまして、ポスト万博も視野に入れた今後の方向性を決める上で大切な施策も当然含まれておると、こういうことでございます。

 また、東山動植物園の再生につきまして今お尋ねあったわけでございますが、このことにつきましていえば、例えば、平成15年の7月に策定、公表いたしましたなごや東山の森づくり基本構想におきまして、その基本方針の一つとして位置づけられたものでございまして、また、昨今の他都市の動物園もさまざまな工夫などがなされておりまして、社会の注目も集めているところでございます。本市といたしましても、再整備の必要性を強く感じているところでございまして、こういった状況から、東山動植物園の再生を喫緊の課題としてとらえたわけでございます。

 また、産業技術未来博物館構想についての御指摘もあったわけでございますが、このことにつきましていえば、第2次実施計画の中で産業遺産の保存・活用といったような観点から、名古屋の物づくりの歴史上貴重なものにつきましては、将来にわたり引き継がれていくようにということで、その保存活用についての言及をいたしておるところでございまして、そういったものの延長線上ということで御理解を賜りたいと思います。

 以上でございます。



◆(斎藤亮人君) やはり私は、今の答弁でも、先ほど最初に言われた一刻の猶予、停滞は許されないというところとはどうしてもつながらないわけであります。やはりマニフェストを掲げていろいろ選挙戦をこれから戦われると思うわけですけれども、そういった時期だからこそ、先ほど他県の知事の例も出しましたけれども、やはり政治家としての政治姿勢をしっかりと節度あるものとして持っていくということが必要だと思うんです。そういった意味で、今の市長の答弁では、残念ながらその点は理解ができません。またいろんな形でこのことについては言っていきたいと思います。

 そしてまた、住宅都市局長から基本計画についての重要性について言われたわけですけれども、しかし、先ほどから繰り返されて言われているのは、連携をしてやっていくんだということばかりを言っているわけですけれども、しかし、どうやって連携するのかということが全然描かれていないわけであります。それが住宅基本計画で必要だというふうに言っているわけですから、これは早急に、平成17年度の間に住宅基本計画の策定準備を始める。そして、もう既に18年度には、先ほど言いましたように住宅基本法が策定されるかもしれないという状況であります。その意味でも、着実で、そしてまた万全な準備をした上で、名古屋市独自の、また地域に密着した住宅基本計画をつくっていただきたいと強く要望して、私の質問を終わります。(拍手)



◆(中田ちづこ君) この場合、暫時休憩されんことの動議を提出いたします。

     〔「賛成」〕



○議長(桜井治幸君) ただいまの中田ちづこさんの動議に御異議ありませんか。

     〔「異議なし」〕



○議長(桜井治幸君) 御異議なしと認め、暫時休憩いたします。

         午後0時7分休憩

     −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

         午後1時4分再開



○議長(桜井治幸君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 第47号議案初め57件を一括議題とし、質疑並びに質問を続行いたします。

 次に、小林祥子さんにお許しいたします。

     〔小林祥子君登壇〕



◆(小林祥子君) お許しをいただきましたので、通告に従い質問をさせていただきます。

 初めに、多様な保育サービスの推進についてお尋ねいたします。

 少子化や核家族化が進む中、不安や悩みを抱えながら子育てをされているお父さん、お母さんもたくさんおられます。本市では市民の皆さんに、子育てするなら名古屋で、と安心して子育てをしていただけるよう、さまざまな支援策をしているところでございます。保育所につきましても、保育所待機児ゼロを目指し、毎年保育所を新設したり、受け入れ人数をふやしたりしております。また、保護者の就労などに合わせた延長保育、夜間保育、一時保育等のさまざまな保育サービスがなされております。

 そこで、まず1点目、待機児童の解消についてお尋ねいたします。本市では、保育所待機児ゼロを目指し、平成13年7月よりその取り組みがされております。保育所の入所定員も、平成14年は3万1558名、平成15年は3万1845名、平成16年は3万1995名と毎年ふやしてまいりました。しかし、待機児童数は平成14年で618名、平成15年で499名、平成16年で461名という状況であります。ピーク時に比べれば減っているものの、依然横ばいの状況でございます。これは、近年、入所ができれば仕事をしたいという潜在的な女性の就労希望が多くあることも原因の一つです。こうした女性の就労状況の変化を踏まえ、新たな計画策定等、本市として目指す待機児ゼロへは一体どのようにして取り組んでいかれるのでしょうか。また、国は待機児が50人以上の自治体に強くゼロへの達成を促しておりますが、本市の達成目標はいつまでにと考えておられるのでしょうか。

 2点目に、リフレッシュ一時保育についてであります。昨年行われました子育てに関する意識・ニーズ調査によりますと、アンケートに答えた約半数の人が子供を預けてリフレッシュしたいと思うことがあると回答しており、そのうちの約3分の2の人が保育所などの施設での一時保育を希望しております。子育ては適度のゆとりと適度の緊張が必要かと思います。家庭での子育てに少々疲れぎみになってしまい、リフレッシュしたいとき、ちょっとだけ自分の時間が欲しいとき、保育所の一時保育が活用できれば、お母さんもリフレッシュでき、あしたからまた元気に笑顔で育児ができるのではないでしょうか。

 しかしながら、現在、一時保育の利用については、保護者が週3日までの仕事をしている場合、もしくは親の短期の入院や冠婚葬祭、やむを得ない事情の緊急の場合にのみ各区1カ所の指定保育園が利用できることになっております。リフレッシュしたいとき、本市はのびのびサポートでの対応を進めていますが、子供の視点からしても、近所のお兄ちゃん、お姉ちゃん、お友達の通っている保育所に行って一緒に遊べるということは、楽しく一日を過ごせ、よい経験になると思います。家庭で子育てをしている親への支援として、のびのびサポートのほかに、現在の一時保育の利用要件にリフレッシュ型一時保育の機能を取り入れるべきと考えますが、いかがでしょうか。

 3点目に、休日保育についてお尋ねします。これも子育てに関するニーズ調査によりますと、休日保育事業が実施された場合、現在子供が幼稚園、保育所などに通っている家庭の約3分の1に利用希望があるとの結果が出ております。私たちの周りを見ましても、コンビニ、スーパー、飲食店等365日24時間営業の店もふえ、美容院、理容院等のように当然日曜、祝日に就労する保護者の方もおられるわけであります。こうした御家庭にとりまして、日曜、祝日の保育ニーズへの対応が強く求められるところでございます。他都市におきましては、かなりの地域で実施されております。今の時代を考えれば、休日保育を一刻も早く実施し、保育サービスをさらに充実させるべきと思いますが、いかがお考えでしょうか。

 以上3点、健康福祉局長にお尋ねいたします。

 次に、食育の充実についてお尋ねいたします。

 まず1点目、栄養教諭制度の導入についてお尋ねいたします。本年4月より、小中学校などで子供たちに食の教育を行う栄養教諭制度がスタートいたします。この制度発足の背景には、朝食をとらないなど食習慣の乱れや肥満の増加、逆に過剰なダイエットに走る子供の増加、食物アレルギーなど食生活を取り巻く環境の変化があります。こうした中で、栄養教諭は子供が将来にわたって健康に生活していけるよう、栄養や食事のとり方などの食の自己管理能力や、望ましい食習慣を子供たちに身につけさせることを目的としております。現在、本市では111名の学校栄養職員さんと学級担任の先生などが連携をとりながら、給食の指導や栄養の指導をしておられます。今回の栄養教諭制度により、きめ細かい指導や家庭、地域と連携した食育の推進が期待されるところであります。本市としまして、栄養教諭制度をどのように導入されるおつもりか、教育長にお尋ねいたします。

 さて、本市には家庭、地域と連携して食育に力を入れて取り組まれている学校があります。例えば、米づくり活動の中で田植えや稲刈りを体験させたり、野菜づくりを通して身近な食材に関心を持ち、栄養について学習をしています。また、異学年との交流給食や親子クッキングの実施、健康教室を開催したりして、マナーや健康を学んでおります。学校教育の中で、どんなものを食べたら安全か危険か「選食」できる能力をつけることや、はしなどの使い方を初め食事のしつけをすること、また食糧事情を学んでいくことなど、食育の意義は大変大きいと思います。

 ここで、2点目にお尋ねいたします。モデル的な取り組みをされている学校での食育をどのように総括されており、今後全校への普及をどのように考えておられるのか、あわせて教育長にお尋ねいたします。

 3点目に、妊産婦への食育の充実についてお尋ねいたします。ある調査によりますと、生まれたときの体重が2,500グラム未満の低体重児の赤ちゃんは、1989年が全体の6.1%だったのに対し、2003年には9.1%と増加傾向にあります。双子などの多胎児や高齢出産の増加とさまざまな要因がある中で、妊娠中の過度なダイエットが大きな問題となっているようです。諸外国では、胎児期の栄養不足が成人後の生活習慣病の発症につながるという調査研究や、やせ型の母親で妊娠中の体重増加が7キロ未満の場合、低体重児で生まれる割合が高いとの報告がございます。妊娠中の体重の過剰な増量も低栄養も、赤ちゃんの将来が脅かされる危険性があるのですから、お母さんは責任重大であります。適切な食生活等胎児の成長に必要な栄養を十分摂取できるような、食育を通じた妊産婦への健康支援が大変重要であります。本市では、妊産婦へ冊子を配ったり、母親教室を開催されたりと指導を進められております。近年のダイエット志向など、時代の状況変化に合わせた妊産婦の食育指導に今後どのように取り組まれるのか、健康福祉局長にお尋ねいたします。

 最後に、防災備蓄倉庫に関しまして2点質問いたします。

 まず1点目に、防災倉庫につきましてお尋ねいたします。地域での防災意識の高まりの中、防災機材を入れる倉庫が欲しいとか、自治会で倉庫は用意したものの、設置するところが見つからない等、防災倉庫についてさまざまな声が私のもとにも寄せられております。地域では大変に苦労して機材を用意したり、倉庫を設置したりされているわけであります。本市では、本年度より防災備蓄倉庫モデル事業としてモデル地域を指定し、住民からの意見を聞きながら試行的に倉庫を設置しております。16年度は学校の敷地に5カ所、17年度も引き続き防災倉庫が設置されるとともに、学校の空きスペースなどの利用も検討されると聞いております。今後、防災倉庫の設置が適切に進められることは大変に望ましいことと期待をしております。いつ起きてもおかしくない大災害に備え、今後避難所となっているところへの防災倉庫の設置はどういう形で全市に広げられていくのか、消防長にお尋ねいたします。

 2点目に、アレルギー対応ミルクの備蓄についてお尋ねします。現在、本市の備蓄食糧といたしまして、乾パン、五目御飯の缶詰、おかゆ缶、粉ミルクが用意されております。赤ちゃんのための粉ミルクについては、生後6カ月児の標準使用量の2日分、3,000人分を備蓄されております。しかしながら、普通の粉ミルクを飲むことのできないミルクアレルギーの赤ちゃんのためのアレルギー対応ミルクは全く備蓄されておりません。ある調査によりますと、ミルクアレルギーの乳児数は全乳児の4.5%であるとのことでございます。ミルクアレルギーを持った赤ちゃんは本市にも相当数おられます。アレルギーの種類によって対応する粉ミルクが違ってくるのですが、まずは一番広く対応できるアレルギー対応ミルクを準備すべきであると考えます。アレルギー対応ミルクの備蓄についてのお考えを健康福祉局長にお尋ねいたします。

 以上で、私の第1回目の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)



◎健康福祉局長(木村剛君) 健康福祉局に3点のお尋ねをいただきました。

 最初に、保育サービスのうち待機児童解消についてでございます。本市では、保育所入所待機児童の解消を重要な課題として位置づけ、その対応といたしまして、民間保育所の新設、定員増及び公立・民間保育所の定員超過入所を行っており、平成17年度におきましては保育所入所定員264人の増を図ってまいります。また、17年度予算では新たに民間保育所2カ所の整備補助を計上しておりまして、これによりまして平成18年4月には210人の定員増が図れるところでございます。この二つを合わせまして474人の増となるものでございまして、定員数の増といたしましては、平成16年度の待機児童数461人を上回るものとなっております。しかしながら、地域的な状況や年齢構成、さらには女性の就労等に伴う保育需要の動向もございますことから、引き続き待機児童の解消に向けた取り組みは必要と考えております。

 現在、次世代育成支援の行動計画の策定を進めておりまして、この中で平成16年度の待機児童数461人に加えまして、今後の就学前児童数や女性の就労等による保育需要の動向も見込みながら、その解消に向けた計画を検討いたしております。今後は、この行動計画の期間であります5年間で計画を着実に実行していくことによりまして、待機児童の解消を図ってまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

 次に、保育所でのリフレッシュ型一時保育の導入についてでございます。家庭で子育てをしてみえる方がリフレッシュにより、また元気に子供に笑顔を向けていただくための支援につきましては、私どもも必要なことというふうに考えております。家庭で子育て中の方への支援策といたしましては、これまで保育所や幼稚園において各種事業を実施するとともに、平成16年度からは育児相談などを行う地域子育て支援センター事業や、地域での交流の機会や一時保育の場となるつどいの広場事業も開始いたしまして、平成17年度には、これら合わせて11カ所を26カ所に大幅な増を予定いたしております。また、会員相互で援助を行いますのびのび子育てサポート事業ではリフレッシュも対象とし、これまでにも多い年には600件からの御利用をいただいているところでございます。私どもでこれら事業の周知を一層努めてまいりますので、当面はこうした事業を十分活用していただくこととし、保育所の一時保育事業でリフレッシュを対象とすることにつきましては、こうした施策との関連を見きわめていく必要もございますので、今後もリフレッシュできる機会を広げていくといった観点を念頭に置きながら検討してまいりたいと考えております。

 次に、休日保育の実施についてでございます。休日における保育につきましても、現在のびのび子育てサポート事業で、保育所が休みのときの援助を対象としまして御利用をいただいているところでございますが、休日に勤務するといった保護者の就労形態の多様化に伴いまして、休日保育事業には一定のニーズがあるものと承知いたしているところでございます。先ほども述べましたように、現在行動計画の策定を進めておりますが、12月に公表いたしました計画素案には、新規に休日保育事業を掲げているところでございまして、今後市民ニーズや他都市の動向も踏まえまして、早期の実施に向け検討を進めてまいりたいと考えております。

 2点目に、食育の充実についての保健所における取り組みについてのお尋ねをいただきました。

 保健所では、母親や父親を対象とした両親教室や子育て教室などの場を通じて、妊産婦に対して栄養士や保健師による、栄養に関する正しい知識やバランスのとれた食事のとり方などに関する講話や相談などを実施いたしまして、食生活を通じた健康支援に努めているところでございます。一方、議員御指摘のように、2,500グラム未満のいわゆる低体重児の出生割合が増加傾向にあり、国はその要因の一つとして、妊娠中の過度なダイエットが問題であるとして、新たに研究会を設置し、食生活指針など報告書をまとめ、食を通じた妊産婦の健康支援を行っていくと聞いております。本市におきましても、この国の検討の推移を見守りつつ、さまざまな状況変化に合わせて妊産婦への食育の充実に努めてまいりたいと考えております。

 最後に、アレルギー対応ミルクの備蓄についてお答えいたします。災害や非常時における乳児の食糧となりますミルクにつきましては、議員御指摘のとおり、よりきめ細かく配備する必要があると考えているところでございます。したがいまして、これまでの粉ミルクの一部を、市販されております乳糖不耐症、牛乳・卵・大豆アレルギー対応のミルクに切りかえることによりまして、アレルギーをお持ちの乳児の方への対応が可能になるものと考えております。粉ミルクの更新は、品質保持期限の関係で毎年行っているところでございますので、次の更新機会であります本年10月の更新時期に向けまして詳細を検討してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

 以上でございます。



◎教育長(大野重忠君) 食育の充実につきまして、2点御質問をいただきました。

 初めに、栄養教諭制度についてでございます。現在、教育委員会におきましては、議員御指摘のように、111名の学校栄養職員が勤務しておりまして、学校給食の衛生管理に加え、必要に応じ、学級担任とともに食に関する指導に当たっているところでございます。栄養教諭制度につきましては、食に関する指導のさらなる充実をねらいといたしまして、17年4月より設けられるものでございます。現在の学校栄養職員が栄養教諭免許を取得するには、まず必要な単位を学校等で修得しなければなりません。ことしの夏には、県の教育委員会主催の単位修得を目的とする講習会が開催されますので、関係者に日程等の周知を図ってまいりたいというように考えているところでございます。

 なお、栄養教諭を実際に任用するためには、職務内容や給与等について、条例、規則等の整備も必要でございまして、現在県におきましてこうした課題につきまして検討が進められると伺っております。本市といたしましては、県の検討状況、あるいは他都市の動向を見守りながら、この制度の有効な活用について検討を始めてまいりたいと考えているところでございますので、よろしくお願いいたします。

 2点目の、学校での食育のさらなる普及についてでございます。議員御指摘のように、各学校では子供たちの手による米づくり、あるいは野菜づくりなど体験活動や給食の時間を利用した栄養指導など、さまざまな場面において食に関する指導が行われているところでございます。そうした中で、特色ある活動を展開している学校に対しまして、研究を一層進めるよう、学校給食の研究校として食に関する指導の研究を依頼しているところでございます。研究校では、子供の発達段階に沿った取り組みが進められており、その研究成果は他の学校が食に関する指導を進めていく上で参考になる内容になっていると考えております。こうした研究成果を全市の学校へ普及させるためには、毎年発表会を開いて研究成果を直接お知らせするとともに、研究報告書を各学校へ配付するところでございますので、御理解をいただきますようよろしくお願い申し上げます。

 以上でございます。



◎消防長(田中辰雄君) 防災備蓄倉庫モデル事業の全市への拡大についてお尋ねをいただきました。

 現在、備蓄物資につきましては市が集中的に備蓄しているもののほか、避難所となる小中学校などに食糧など一部を分散配置しているところでございます。議員御指摘のとおり、平成16年度から防災備蓄倉庫モデル事業として、各区1学区を対象として避難所を運営するために必要な物資の種類、数量、活用方法などにつきまして地域住民の方々に対し意向調査を行うなどの取り組みをしてまいりました。避難所の運営に必要な物資は、市民の皆様の身近なところに確保することが重要であり、備蓄物資や災害用仮設トイレなどの分散配置を行う上で、これらの物資を避難者により使いやすい形で保管する必要があると認識しております。

 防災備蓄倉庫モデル事業につきましては、平成17年度も継続実施し、各種の調査を踏まえた上で、避難所で必要となる物資のあり方や倉庫の形態を明らかにいたしまして、関係局と協議しながら防災備蓄倉庫の設置計画を作成してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。



◆(小林祥子君) それぞれお答えをいただきました。

 保育所の待機児童の解消につきましては、女性の就労希望等を踏まえた上で、遅くとも5年以内で実現をしていただけるということで、子育て支援の最大課題に明確なお答えをいただいたと思います。しかしながら、働くお父さんやお母さんの生活を考えますと、これは早急な問題でございます。さらにきめ細かな的確な対応をしていただきまして、一刻も早い実現を図られるよう要望いたします。

 休日保育については、早期の実施に向かうということで、大きく前進となります。

 また、リフレッシュ保育については子育てをする母親のリフレッシュしたいという、そういう気持ちへの理解が肝要かと思います。さまざまな事情を抱えたさまざまな生活の中で、昼間はもちろん、夜中も24時間息抜くことなく子育てを懸命にしている、そういった親御さんにとりまして、いつも子供に優しいママとして向き合う、そういったためにも、少し疲れたとき、ちょっとリフレッシュの時間をとるということは大事なことであると思います。そんなときに、のびのびサポートを利用することもあれば、また子供と同じ世代のお友達のいる保育所を利用することもできるという、こういう選択肢があった方が、子供のためにもよいのではないでしょうか。子育てを放棄するのではなく、元気に子育てをするための施策として理解と認識をしていただきまして、保育所の利用要件の拡大に取り組んでいただけるように要望いたします。

 栄養教諭制度につきましては、導入についてはさまざまな課題がありますし、またその養成や研修は県が担うことになっております。しかし、せっかくのすばらしい制度であると思いますので、子供の食育に実際に役立っていくよう、積極的な取り組みを要望いたします。

 以上で、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)



○議長(桜井治幸君) 次に、わしの恵子さんにお許しいたします。

     〔わしの恵子君登壇〕



◆(わしの恵子君) 通告に従い、質問します。

 我が党は、これまでも青年の支援策について質問を重ねてまいりましたが、再度お尋ねします。

 まず、青年の雇用についてです。完全失業者の半分が34歳以下の若者です。日本の将来を担う若者が、安定した仕事にもつけず、自分の生活もままならない。雇用や労働条件の悪化、教育や家族の変化の中で、日本の若者は、このままでは若者の大半が社会的弱者に転落するのではないかと指摘されるほどの深刻な状況に置かれています。行政としての対策が急がれるものですが、数点に及んでお聞きします。

 新年度の予算案で、市は若年者就労支援事業として、フリーターやニートを対象に正規雇用等の実現に向け、勤労意欲の醸成・確立を図ると、親子向け就労支援セミナーやワークショップの開催を行うということですが、青年の意識だけを問題にした対策だけで本当に正規雇用の実現につながるのでしょうか。今の青年たちの多くは、働く意欲がないためにフリーターやニートになっているのではないのです。2004年度の国民生活白書でも、若者の就職難とフリーター急増の大きな原因について、これまでは青年の意識の問題としてきた政府も、大企業の新規採用抑制とアルバイト、派遣などの非正規雇用への切りかえが大きな要因と認めざるを得なくなっています。正規雇用の実現を言うのなら、こうした現実に目を向けた対策が必要ではないでしょうか。

 そこで、名古屋市役所で働く人たちの雇用実態はどうでしょうか。この数年間、名古屋市では正規の雇用職員を減らしてパートやアルバイト、嘱託や非常勤職員をふやしていることと思います。調べてみましたら、昨年の4月1日現在で嘱託、アルバイト、パートの職員の合計は4,247人となり、さらに名古屋市立幼稚園・高校の常勤・非常勤講師を含めれば、非正規雇用の職員は2万人の全職員に対し20数%にも上ります。これでは率先して正規雇用の実現を図るべき名古屋市としては問題ではないでしょうか。

 そこで、総務局長にお尋ねします。正規の雇用の実現を図るためにも、名古屋市が正規雇用の増大に努めること、特に若者の雇用に責任を負うようにすべきではないでしょうか。

 次に、ニートと呼ばれる青年が名古屋市内にどれだけいるのか、きちんと把握する必要があります。例えば、愛知県内の昨年3月の高校卒業者のうち3,267人が無業者であり、高校卒業者数の5%を占めています。さらに、高校中退者が県内で年間約4,220人もおり、少なくない中退者が無業者となっていることでしょうから、20代前半までの若年無業者は愛知県内では数万人、名古屋市内でも万を超えていることが推測できます。しかし、残念ながら名古屋市立高校の卒業生の追跡調査は行われていません。調べてみましたら、2000年当時までは文科省の指導によって、高校卒業後の追跡調査が行われていたということですが、現在は行われていません。

 そこで、教育長にお尋ねします。ニートやフリーターという立場に置かれている青年たちに対して行政としての支援をするためにも、まずは名古屋市立高校卒業生の中で、卒業時に進学もしない、就職もしない青年たちの追跡調査を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。また、先日、青年たちと話をする機会があり、改めて大変ショックを受けました。パートのため、年金や健康保険などの社会保険への未加入者が少なくないという問題や、結婚しようと思っても不安定な働き方をしていては自信が持てないとか、就職活動を頑張っている若者からは、自分はだめな人間かもしれないと落ち込んでしまうと、深刻な声ばかりでした。青年たちが人間らしく暮らしていけるように、まずは青年たちの悩みや困難に心を寄せることが求められます。新年度予算案では新たな青少年教育の中核施設の整備を掲げていますが、そこにはこのような青年たちのさまざまな悩みや困難に心を寄せて相談に応じることができるような、青年のための相談窓口を開設することを求めますが、教育長のお考えをお聞きします。

 また、パートやアルバイト、派遣や請負などの不安定雇用は、十分な職業訓練や教育が受けられず、青年自身のスキルアップにつながらないだけでなく、日本の産業技術の継承や発展にも支障をもたらすものです。市として、青年のための新卒者を含めての有給の職業訓練制度及び訓練貸付制度の創設をすべきだと思いますが、いかがでしょうか、市民経済局長にお尋ねします。

 次に、山田工場の溶融処理施設についてです。

 西区の山田工場は、昨年4月から稼働がストップし、ごみ焼却工場の役割が終わりました。そして、今年度に続いて新年度も溶融処理施設への用途変更調査が行われるとしていますが、山田工場の周辺は町工場が多く、また、地域住民も多く居住している地域です。これまでも山田工場の稼働中は近隣にさまざまな影響を及ぼしてきましたが、灰溶融炉への変更はさらに地域住民にとって見過ごすことができない問題が生じてきます。山田工場では、南陽工場で出た年間3万2000トンの焼却灰を灰溶融炉で溶融処理をするというものです。年間3万2000トンの焼却灰を処理するためには、日量130トンの炉が必要ということですが、これは稼働したばかりの名古屋市五条川工場の灰溶融炉の約2倍の規模にもなるものです。周辺地域の方々に影響を与えるおそれのある灰溶融炉の施設の建設については、あらゆる機会を通して住民参加・合意を前提にして進めることは当然のことです。住民の目線に立って、安全性の確保はもちろん、建設の問題で住民がチェックできるのは環境アセスメントのときだと思うものです。

 そこでお尋ねしますが、周辺地域の住民の声を受けとめるためにも、環境アセスをしっかり行うべきだと思いますが、どのように行われているのでしょうか。

 次に、灰溶融炉には施設そのものが持っている問題があります。その点で質問します。言うまでもなく、灰溶融炉とは、ごみを焼却して出てきた灰を1,300度から1,500度の高熱で溶かし、固形化する施設です。焼却灰を溶融してスラグ化することで、その容積は約半分になるとか、溶融スラグは道路工事などでの有効活用ができるなどの利点が宣伝されていますが、まだまだ問題点も多いのではないでしょうか。

 一つは、事故が相次いでいることです。2001年8月には、愛知県の小牧岩倉衛生組合の炉の壁からスラグが流出する事故が起きています。2002年の1月には、東海市の灰溶融炉で爆発事故が起こり、従業員10人が重軽傷を負っています。さらに昨年7月には、静岡市のプラズマ灰溶融炉で水蒸気爆発が起きています。この静岡市の沼上工場では、1日当たりの処理量は60トンで、2基の灰溶融炉が設置されていました。山田工場でも日量130トン規模の炉が計画されているそうですので、もし爆発が起これば、同じような大惨事になるおそれがあります。

 二つは、建設、運転のコストの問題です。灰溶融炉を設置すると、焼却炉の建設コストは10%から20%増しになると言われています。また、山田工場では南陽工場で出たごみの焼却灰を一たん冷やしてから運び込み、その焼却灰を灰溶融炉で再び乾燥させ、さらに温度を超高温に上げるという作業が繰り返されるため、膨大なエネルギーの浪費になります。そのため、運転コストですが、130トン規模では年間億を超える膨大な電気代がかかるそうです。これでは税金のむだ遣いだと言わざるを得ませんし、地球温暖化防止対策にも逆行することにもなります。

 三つは、灰溶融炉から出てきた溶融スラグの使い道は、道路工事などでの有効利用ができると言われますが、安全性には問題が残ります。もともと焼却灰の中にはダイオキシンや水銀、鉛などの重金属類などさまざまな有害物質が含まれています。焼却灰が溶融、固化されたスラグは、灰の状態よりは漏出の危険は少ないものの、将来にわたって安全と言えるのかどうか、疑問点は残ったままです。

 以上のように、まだまだ技術的に未完成であり、安全面でも問題が残り、財政的にも大きな負担を招くような灰溶融炉施設についてどのような認識をされているのか、環境局長の答弁を求めます。

 最後に、妊婦一般健康診査の拡大についてです。

 1人の女性が産む子供の数、合計特殊出生率は、全国が1.29、名古屋市では1.18と、さらに深刻です。子育て世代の多くが子育ての負担を軽くしてほしいと望んでいます。名古屋市が子育て支援の充実を掲げるのなら、無料妊婦健診の拡大についても真剣に取り組むべきではないでしょうか。妊娠、出産の費用は、およそ健診が10万円、分娩・入院費が40万円で、合計50万円もかかります。出産後に30万円は戻ってきますが、50万円もの現金を用意しなければなりません。特に近年、フリーターなど不安定雇用の増加によって、出産費用は若い夫婦に重くのしかかっています。妊婦健診を受けるために生活費の節約もしているという涙ぐましい話も聞いています。厚生労働省は96年11月の通達で、妊婦健診の望ましい受診回数をおおむね14回としています。そのうち市の無料妊婦健診は2回のみです。妊婦健診を安心して受けられるよう、負担を軽減すべきではないかと思います。健康福祉局長にお尋ねします。無料妊婦健診の回数拡大を求めますが、いかがでしょうか。また、数年前までは妊婦健診への国庫補助があったのに、現在はなくなったと聞いています。そこで、政府に対して妊婦健診への国庫補助復活を求めることについても伺います。

 以上で、私の第1回目の質問を終わります。(拍手)



◎総務局長(鴨下乃夫君) 青年に対します支援策に関しまして、本市による雇用の実態についてお尋ねいただきました。

 本市の多様な業務に対応するため、正規職員や臨時的任用職員、嘱託職員を必要に応じまして配置しておるところでございまして、最小の経費で最大の効果を上げる行政運営に努めなければならないと認識しているところでございます。正規職員は、長期にわたりまして業務に従事することを予定しております。競争試験、または選考を経て採用しているところでございます。一方、臨時的任用職員は、一時的な業務の繁忙などに対応するため雇用するものでございます。また、嘱託職員は、短い勤務時間で特定の業務に従事することを予定して雇用しているものでもございます。今後とも、正規職員、臨時的任用職員、嘱託職員のそれぞれのメリットを生かすことによりまして、さらに効率的な行政運営に努めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。



◎教育長(大野重忠君) 青年に対する支援策として、2点お尋ねをいただきました。

 1点目の、市立高校生の卒業後の追跡調査についてでございます。高等学校卒業時に進学、あるいは就職などの進路が決まらない生徒のその後の状況の把握につきましては、従前は文部科学省による卒業半年後の追跡調査に合わせまして実施してまいったところでございますが、平成12年度より文部科学省が調査を取りやめたことに伴いまして、現在は市立高校においてそういった調査をしてはおりません。しかしながら、昨今、フリーターやニートなどが深刻な社会問題となっておることは十分承知いたしておりまして、高等学校卒業後の進路状況につきましても調査把握し、今後の進路指導に生かしていく必要がある、そのように考えているところでございます。したがいまして、市立高等学校におきまして、次年度より卒業生を対象に、9月末現在で進路状況について追跡調査の実施を予定しておるところでございますので、よろしくお願い申し上げます。

 2点目でございます。新たな青少年教育施設における青年のための相談窓口の開設についてでございます。この施設におきます主な機能といたしましては、情報・相談、社会参加支援、活動発表・交流支援、主体的活動支援の四つを予定いたしているところでございまして、これらの具体的な内容については現在検討を進めているところでございます。いずれにいたしましても、この施設につきましては、青少年の多様な夢の実現、あるいは交流の支援といったこととともに、地域で主体的に活動する青少年を育成する施設として運営してまいりたいというように考えておりますので、御理解いただきたいと思います。

 以上でございます。



◎市民経済局長(杉浦雅樹君) 有給の職業訓練制度及び訓練貸付制度の創設についてお尋ねをいただきました。

 若年者向けの職業訓練制度といたしましては、国において35歳以下の方を対象といたしまして、職業能力や社会人としてのマナー等の習得を目的としたプログラムを専修学校等に委託をして実施しておるところでございます。また、愛知県におきましては、本市を初め県下各地に高等技術専門校を設置いたしまして、30歳以下の中高卒者を対象に木造設計、自動車整備、コンピューター制御などの技能、技術の習得を目的としたプログラムを実施しておるところでございます。

 なお、公共職業安定所長から公共職業訓練を指示された雇用保険給付対象者につきましては、受講手当、通所手当が支給され、また技能者育成資金の貸付制度の利用も可能となっているところでございます。本市といたしましては、これらを活用していただくよう広報に努めてまいりたいと考えておりますので、よろしく御理解を賜りたいと存じます。



◎環境局長(大井治夫君) 山田工場の溶融処理施設について、2点のお尋ねをいただきました。

 まず、環境アセスメントの実施の件でございますが、平成16年3月に閉鎖いたしました山田工場につきましては、現在、他工場から出る焼却灰を溶かす溶融施設に用途変更するという方向で検討を進めておるところでございます。お尋ねの環境アセスメントについてでございますが、仮に施設規模を130トンといたしますと、名古屋市環境影響評価条例の対象事業には該当せず、溶融施設にかかわります環境面の調査、予測、評価につきましては、廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づく生活環境影響調査、こちらの方で行うことになるものでございます。

 現在行っております工場周辺の環境調査につきましては、地元4学区の代表者で構成されます山田工場環境保全協議会の場で説明させていただき、御了解をいただいた上で実施しているものでございまして、工場閉鎖前後の周辺の環境を詳細に把握することができ、地元の皆様の御理解をいただくための基礎資料となるものでございます。

 山田工場の用途変更につきましては、地元の方々の御理解が重要というふうに考えておりますので、これからも地元の方々に説明をさせていただき、御意見を伺いながら進めてまいりたいというふうに考えております。

 次に、灰溶融炉の問題点でございますけれども、幾つか御指摘いただきました。

 まず、灰溶融炉の安全性についてでございますが、灰溶融施設につきましては、既に国内で約80の施設が稼働している状況でございまして、実用化されているものという認識をしております。御指摘の安全面についてでございますが、事業を進める上でなお一層留意してまいりたいというふうに考えております。

 建設・運転コストについてでございますが、山田工場の灰溶融施設への用途変更に当たりましては、既設建物を活用して建設することや、運転コストを抑えるシステムを検討することなどにより、建設・運転コストの削減に努めてまいりたいと考えております。

 最後に、溶融スラグについてでございますけれども、国の定めました溶出基準などにより安全性を確認した上で使用することといたしており、さらにスラグの土木資材への利用につきましても、経済産業省におきまして標準化、すなわちJIS化の動きもあり、スラグの利用促進が図られるものと考えておるところでございます。いずれにいたしましても、処分場の延命化を図るという上では、埋立量削減に大きく寄与する灰溶融施設の整備はぜひとも進めなければならない事業であるというふうに考えておりますので、よろしく御理解賜りたいと思います。

 以上でございます。



◎健康福祉局長(木村剛君) 妊婦の一般健康診査でございますが、現在すべての妊婦の方を対象に、妊娠前期に1回、後期に1回、合計2回、市が委託した医療機関において無料で実施をいたしているところでございます。この制度は、国の通知に基づいた事業でございまして、国の考え方は、妊娠前期に1回、妊娠後期に1回、合計2回無料で実施することとされております。本市といたしましても、この国の考えに沿って実施しているところでございまして、多くの市町村におきましても同様の実施回数とされております。したがいまして、実施回数の拡充につきましては、他の指定都市などの動向を見守ってまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りたいと存じます。

 次に、廃止されました国庫補助の復活を求めることにつきましてもお尋ねをいただきました。妊婦一般健康診査につきましては、国庫補助の復活ということではなく、国の三位一体改革の動きを踏まえ、必要な財源の確保という観点から、他の自治体と協力しながら国への要望に努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。



◆(わしの恵子君) それぞれお答えをいただきました。

 まず、本市の雇用実態ですが、非正規の職員を含めて、それぞれのメリットを生かすと総務局長は言われました。パートやアルバイト、嘱託など非正規の職員は正規職員と比べて待遇格差は大きいと思います。私は最近、名古屋市立高校の非常勤講師をしている若い女性から、給料が安くて国保料を払うのが大変とお聞きしました。

 そこで、市長にお尋ねしますが、本市に働く非正規の職員について、大変待遇が悪いことや、雇用期間に制限があって、1年や半年といった雇用契約の更新時に、自分は働き続けられるかと心配をしながら不安な気持ちを抱き続けている実態を御存じでしょうか。市長の認識についてお伺いいたします。



◎市長(松原武久君) 臨時的任用職員、あるいは嘱託職員はともに本市の行政運営を支える貴重な人材であるというふうに認識をいたしております。そういった方々と正規職員がともに本市の行政運営を進めていく貴重な人材であるというふうに理解をいたしております。それぞれ互いに補い合って仕事を進めていくものというふうに思っております。

 以上です。



◆(わしの恵子君) 市長は、非正規職員については貴重な人材だと言われました。そうであるならば、待遇改善を図るべきではないでしょうか。私は、そのことを強く求めたいと思います。

 さて、市長はこれまで名古屋市の職員について大幅に人員削減をしてきたことを評価されておりますけれども、その一方で、そのために待遇の悪い非正規の職員が多くいるというのは納得することはできません。名古屋市が正規雇用の実現を図るためにも、正規職員の雇用増大に努めること、そして若者の雇用にも責任を負うべきだと強く指摘します。

 私は今回、青年の問題について総務局を初め教育委員会、市民経済局に質問いたしましたけれども、青年の支援策についてはまだまだこれからだなということを痛感いたしました。今後、名古屋市が青年の問題についてしっかり取り組んでいただくように思います。そして、私ども党市議団としても、引き続いてこの問題を取り上げることを表明いたしまして、私の質問を終わります。(拍手)



○議長(桜井治幸君) 次に、須原章君にお許しいたします。

     〔須原章君登壇〕

     〔議長退席、副議長着席〕



◆(須原章君) 私は、通告をいたしました項目により、順次質問をいたしてまいります。

 私はこの際、ごみ、環境に関する取り組みの地域における問題点と、その対応についてお尋ねいたします。

 21世紀に入り、廃棄物行政を取り巻く状況は大きく変わり、急速に動いております。1991年に廃棄物処理法が改正され、廃棄物処理の中に減量、リサイクルの概念が登場したほか、有害性についても特別管理廃棄物の指定がされるなど、廃棄物の適正処理が重要視されることになりました。また、リサイクルに関する社会整備の踏み込んだ法律として、1991年に再生資源の利用の促進に関する法律、いわゆるリサイクル法が制定され、2000年5月には廃棄物の削減、再利用を目指す循環型社会形成推進基本法を初めとして、廃棄物処理法の改正などを含めて6本の廃棄物関連法が成立。続いて2002年7月には、使用済自動車の再資源化等に関する法律が制定され、さらに2003年10月からはパソコンリサイクル法が家庭用も含めて全面施行されました。このように今後の廃棄物問題は、ごみが個性を持ち、リサイクルや資源化といったルートの中で処理体制の整備が図られる状況にあります。

 一方、名古屋市においては、平成11年2月のごみ非常事態宣言以降、プラスチック製容器包装、紙製容器包装などの資源収集を初めとして、矢継ぎ早にさまざまな取り組みを市民の協力、まさに協働で進めてまいりました。その結果、かつては右肩上がりに増加し続けてきたごみ量に歯どめがかかり、この5年間でごみ量は4分の3、資源回収は2倍以上、埋立量はほぼ半減という、減量とリサイクルに大きな成果をおさめることができ、環境先進都市の名にふさわしい大きな成果をおさめることができたことは御承知のとおりであります。

 このような成果は、ごみ処理は行政の責任であるという従来の概念から、排出する側の責任の浸透と、加えて市民、事業者の努力のもとに、とりわけ保健委員を初めとする地域役員らに支えられた分別、そしてリサイクルの実施であったと思うのであります。しかしながら、今日、資源回収量は市民の積極的な取り組みで引き続き増加傾向にありますが、ごみの状況は最近横ばい状況で推移をいたしております。廃棄物対策は広範にわたり、その対策をさまざまに模索をし、実施されていますが、ごみの排出、分別、収集、処理に至るまで、実情に楽観することなく、一層のごみ減量と循環型社会の構築を目指して、さらなる見直しと対策をしていくことが必要であると思うのであります。

 私は、以上の観点から、以下数点についてお尋ねをいたしたいと思います。

 第1の質問は、地域協力・地域協働のあり方の検討状況であります。前述のように、これまでの成果は市民の大きな尽力と協力があり、それだけに担当役員に負担の集中と拡大がされ、分別指導に伴う対人との感情的なしこり、さらに健康上の問題までに至って生じているのが現状であります。そこで、本市では平成14年に策定された名古屋市第3次一般廃棄物処理基本計画における市民相互の合意形成の重要性を受けて、翌平成15年12月、地域協力や協働のあり方を明確にすべく、「循環型社会に向けた地域協力・地域協働のあり方検討会」を設置いたしました。1年余りにわたり検討され、地域の課題について昨年8月、取りまとめをされたところであります。これまでの検討状況について、環境局長の答弁を求めたいと思います。

 質問の第2は、市民からの意見と要望などの現状についてであります。資源収集開始から4年が経過し、ごみの分別や収集体制について、市民からさまざまな意見、あるいは要望などが寄せられていると思いますが、その内容について、さらにそれをどう認識されているのか、開示されたいと思います。

 第3の質問は、保健委員を初めとして、地域役員の負担の現状とその軽減策についてであります。ごみ非常事態宣言以来、さまざまな施策の展開と市民の非常な理解と協力、努力によって一定の成果を上げ、今日ごみに対する意識と取り組みが定着、しかも安定しているかのように思われます。しかしながら、地域ではさまざまな問題を抱えています。

 その顕著な例は、ごみは本来自分自身一人一人の問題であるにもかかわらず、集積場所の管理は保健委員、地域役員が行うのが当然のように思われ、分別方法・ルールを守らない不法投棄者が後を絶たないのが現状であります。昼夜を分かたずの監視、不法投棄者に対する注意と指導により口論し、対人関係のしこりを残し、分別作業、残留ごみの管理等と負担が集中し、精神的、肉体的に影響も多く、困惑しているのが地域の実態であります。特に、ことしは保健委員の改選期。保健委員のなり手がなくて苦慮している町内が多々あると仄聞いたしております。

 名古屋市保健委員制度は昭和22年に発足し、翌23年に保健所に協力する組織として改められました。公衆衛生事業に関する事項に、地域住民と行政を結ぶパイプ役として活動されてきたのでありますが、今や環境事業所業務、すなわちごみ・資源の排出・分別指導活動が中心の任務となって、職務範囲が不明確なまま、その活動はごみの問題に対する任務が過重となって、限界に来ております。今後の保健委員制度の崩壊、ひいてはごみ問題の後退を危惧するものであります。この現状をいかに考え、その対策をいかに進めるか、環境局長と、保健委員にかかわる所管の健康福祉局長の見解を求めたいと思います。

 第4の質問は、ごみ・資源の分別指導のあり方であります。ごみや資源について、基本的には市民一人一人、すなわち排出者が責任を持ってマナーやルールを守って分別・排出すれば問題はないのであります。今日までは、市と市民が共同して取り組みを進めた結果、一定の成果を見るに至り、それは定着したかのように思いますが、前述のように、地域収集現場では多くの問題を抱えています。一層の分別と排出指導を強化し、充実しなければならないと思いますが、その対策と方針について環境局長に具体的な答弁を求めます。

 質問の第5は、地域における協力・協働のあり方とその理念についてであります。名古屋新世紀計画2010第2次実施計画では、「協働なごや」で元気発信を目標に掲げ、重点テーマでは、「21世紀は、市民一人ひとりがお互いに支えあい、地域とともに、身近な安心・安全を築いていく時代。誰もが安心して暮らせる地域社会を育てていきます。」このように述べられています。社会のあらゆる分野において抱える問題が増加し、その解決に当たって市民、企業、行政がそれぞれ個々の対応から連携、協働していく、こういうことが必要になっています。ごみを抱える問題もしかりであります。問題は、地域市民、企業、団体等の主体的な取り組みを支援し、それを十分に発揮することができる環境と仕組みをつくることが、これから大きな行政の役割であると思います。その考え方と対処方針について、環境局長に答弁を求めます。

 さらに、市長は、市民とのパートナーシップ、協働という言葉をたびたび発せられますが、この際、市長の理念、見解をお聞かせいただきたいと思います。

 最後の質問は、資源の各戸収集への検討と今後の対応について伺います。容器包装リサイクル法の施行により、名古屋市では、資源は品目別に週1回、ステーションで収集しておりますが、主に集積場所で管理と指導を行っている保健委員を初め地域役員の現状は、昼夜を問わずの監視活動、分別指導、仕分け作業、苦情の集中など職務範囲が不明確のまま活動範囲が拡大し、それに伴いさまざまな問題が生じ、もう限界に来ていると言っても過言ではございません。絶えない不法投棄、分別作業と管理、収集場所の確保、歩道・公道における交通問題、生活環境の悪化、住民同士の対立などのトラブルなど、解決すべき課題は多く、今こそステーション収集から各戸収集へ移行、実施すべきであると考えます。これらの課題について、平成13年11月、名古屋市保健委員会からの要望を初めとして、機会あるごとに提出され、このたび当局を初め本議会各会派にも資源の各戸収集の実施について切実な要望が出されています。3年余りによるこれらの願いに、市は、引き続き検討に慎重を期してまいりますといとも簡単に答えられています。検討会の事情もさることながら、もうその方針を固めるときではないかと思うものであります。一石を投じたいと思います。ごみの各戸収集についての見解と今後の検討と対応について、環境局長に前向きな、かつ、明快な答弁を求めます。

 時間の関係で、前置きを簡単にし、質問の真意をお酌み取りをいただきまして、明確な、かつ前向きな答弁を求めまして、私の第1回目の質問を終わります。(拍手)



◎市長(松原武久君) ごみ・環境に関する取り組みの地域における問題点に関しまして、協力・協働のあり方、またそれについての私の考え方についてお尋ねをいただきました。

 今御指摘ございましたように、本市ではごみ非常事態宣言以降、大都市では不可能と言われた大幅なごみ減量を可能にいたしました。その原動力は、さまざまな問題点、葛藤がありながらも、ごみの捨てる場所がなくなる、こういったことに起因いたしまして、危機意識を皆様が共有してくださった、その危機意識がごみ減量に協働して取り組もうと、こういう意識が生まれたというふうに思っております。大変大きな問題がございまして、2,300カ所における説明会がありました。10万件に及ぶ抗議、疑問、質問、提案、こういったものがございました。そういった大変な葛藤場面を経て、ごみ減量が実現できました。それは、協働があったからだと思っております。その点を評価されまして、平成15年度の自治体環境グランプリにおきまして、我が国初の環境大臣賞とグランプリを、220万名古屋市民と名古屋市が連名で受賞できました。これは、協働が評価されたものとして、大変ありがたいことと私は今思っております。

 この協働の中で、保健委員の皆様初め地域の役員の皆様が献身的な努力をされましたことにつきましては、大変感謝をいたしております。今後は、このごみ問題で築いてきた協働をさらに発展させまして、ただいま御提案ございましたようなごみ減量・リサイクル、それを発生抑制に結びつける。なお、CO2の削減などに取り組んでいく、こういったことが今後大事になるのではないかというふうに思っています。安心・安全で快適なまちづくりなごや条例に基づく区のまちづくり協議会の活動も視野に入れながら、こういったことについて協働体制の検討をしてまいりたいと思っております。

 繰り返しますけれども、保健委員の皆様初め地域役員の皆様の本当に献身的な御協力があったからこそ、この協働は進んだというふうに思っています。ただ、このごみの減量、先ほどやや横ばいであるといったことの御指摘もございましたが、横ばいであることは事実でございます。少しずつ減ってはおりますが、横ばいでございます。そして、市内にあるごみの処分場はわずかなものであり、そして市外にありますごみの処分場は刻々とその残容量を減らしておるといったこともまた事実であると、このことを申し上げたいと思います。何度も言って恐縮でございますが、協働については大変ありがたく思っております。

 以上でございます。



◎環境局長(大井治夫君) 環境局に対しまして6点ほどの御質問をいただきました。

 まず、「循環型社会に向けた地域協力・地域協働のあり方の検討会」のこれまでの検討状況についてでございますが、検討会には、保健委員、区政協力委員、女性会、商店街などの公共的団体の代表者の方や、市民の公募委員、学識経験者などに参加していただきまして、ごみや環境に関するさまざまな取り組みの中から分別指導のあり方、地域協力・地域協働に関する制度のあり方、資源の各戸収集の是非などの問題点や課題につきまして、これまで7回の議論と検討を行ってまいったところでございます。

 この検討の中では、例えば分別指導のあり方や地域協力・地域協働に関する制度のあり方につきましては、地域における連携・協力体制が不十分との意見や、地域における担い手の問題といたしまして、環境全般について市民が自発的に取り組んでいけるような仕組みづくりが必要であるといったような意見が出されており、また、資源の各戸収集の是非の検討の中では、地域役員への過大な負担の問題であるとか、一方、ステーション収集の中で協働のコミュニティーをはぐくみ、地域コミュニティーを活性化することが大切であるといったような意見が出されるなど、さまざまな観点から議論と検討がなされたところでございます。

 このように、これまで積み重ねてまいりました議論や検討の中から浮き彫りとなりました問題点や課題を整理いたしまして、昨年8月には中間とりまとめという格好で地域における課題をとりまとめさせていただいたところでございます。検討会におきましては、今後このとりまとめを材料としてさらに課題を絞り込みまして、地域における課題の対応策について検討を重ねてまいりたいというふうに考えておるところでございます。

 続きまして、市民からの意見と要望などの現状でございますが、平成12年8月に開始いたしましたプラスチック製容器包装や紙製容器包装などの新しい資源収集から4年半が経過いたしました。この間、地域の集積場所での分別指導に保健委員初め地域役員の皆様方が積極的にお取り組みいただき、分別ルールも市民の方に定着し、分別についての質問も、名古屋ルールになれていない新しく転入された方などからのものがほとんどであるというふうな現在の状況でございます。この点に関しましては、大変ありがたく思っておるところでございます。

 しかしながら、最近はこういった市民のごみに対する意識の高まりと同時に、一部のマナーの悪い地域、例えば単身者向けの共同住宅等が多い地域について、分別の徹底やごみ出しルールの徹底についての御意見や御要望が多く、地域の集積場所において役員の皆様方が御苦労されているということはお聞きいたしております。これからは、このような地域のマナー向上を強化していくことが重要であるというふうに認識しておるところでございます。

 続きまして、保健委員初め地域の役員の方々の負担とその軽減策でございますけれども、平成15年度の調査では、集積場所で地域の方により分別指導が毎回あるいは時々行われているといった場所は、市内で約6割ございます。分別指導に当たっておられる皆様には、心から感謝申し上げる次第でございます。このように熱心にお取り組みいただいている地域の中には、一部の役員の方に御負担が集中するといった問題も生じておりまして、この負担の集中をいかに軽減するかが今後の大きな課題と考えております。その軽減策といたしまして、一部の役員の方に集中している集積場所での負担の軽減、特に地域における分別指導につきましては、「循環型社会に向けた地域協力・地域協働のあり方検討会」、この中で問題点や課題を整理いたしまして、一部の役員の方に負担が集中しないよう、地域全体での協力や協働に関する制度のあり方とあわせまして、対応策について検討を進めておるところでございます。

 続きまして、ごみ、あるいは資源の分別指導のあり方でございますけれども、資源やごみにつきましては、排出者みずからがきちんと分別し、ルールを守って排出するよう、広報啓発に努めているところでございます。特に、最近地域で問題となっております単身者向け共同住宅等の対策につきましては、住宅の管理会社と連携して対策を進めたり、転入・転出の多い時期には区役所にごみ相談所を設置して、名古屋のごみルールを知らない転入者への広報等に努めているところでございます。また、平成17年度からは、従来の環境事業所に配置しておりました分別推進員を増強いたしまして、マナーの悪い地域において重点的に指導啓発に努めていくほか、地域の要望がある場合には、環境事業所の職員が直接指導啓発を行うなどの対策の強化を図る予定でございます。

 今後とも、保健委員初め地域役員の皆様から御意見や情報をいただきまして、指導啓発を徹底するとともに、地域の実情に即しましたより効果的な対策を講じまして、地域集積場所等における地域の皆様の負担軽減を図ってまいりたいというふうに考えております。

 次に、地域における協力・協働の必要性で、私の方にも御質問いただきました。ごみの問題に関しましては、地域によっては以前から地域全体で取り組まれているところもございましたが、一般的には、集積場所の管理や分別指導等は保健委員や地域の役員が行うべき仕事と、こういうふうに思われがちな部分がございました。資源やごみは生活する限り、だれもが排出するものでございまして、資源やごみを住民全体の問題としてとらえて、一部の地域役員に任せっきりにするということではなく、住民が連携・協力してみずからの問題として取り組んでいくことが必要であるというふうに考えております。

 平成12年度から開始いたしましたプラスチック製容器包装や紙製容器包装などの新しい資源の収集以来、資源集積場所では排出指導などにつきまして地域役員に大きな負担となっているといった地域もございます。このため、今後は一部の地域役員に負担が集中しないよう、例えば自分たちの住む地域の集積場所の管理をだれがどのように行うのか、こういったことを住民同士で連携・協力して、資源やごみの問題に取り組んでいくシステム、あるいは仕組み、こういったものについてさらに検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

 最後でございますが、資源の各戸収集へ向けての検討と今後の対応ということで御質問いただきました。現在、資源につきましては地域の集積場所にお出しいただくステーション収集ということによっておりますけれども、これをごみと同じように各戸収集にいたしますと、集積場所を管理している地域の皆さんの負担は軽減できるということや、排出者にとって自宅前に出せるといった利便性があるという効果があります。一方、ステーション収集に比較いたしまして、収集に関する時間がかかるということや、狭い道路用としての小型車の導入が必要になることや、したがいまして積載量も低下するといったようなことから、車両であるとか人員の大幅な増加が伴いまして、収集コストの増加につながりますほか、資源の5品目別に収集車両が生活道路を錯綜するという問題も出まして、生活環境への影響であるとか、CO2の増加の問題といったことも発生いたします。いずれにいたしましても、資源の集積場所での分別指導に当たっておられる地域役員の皆さんの御負担も承知いたしておりまして、このような各戸収集のメリット、デメリット、こういったものも考慮しながら、「循環型社会に向けた地域協力・地域協働のあり方検討会」、ここで各戸収集の是非についても現在検討を進めておるところでございます。現在、検討会の中では、各戸収集、ステーション収集、それぞれの利点、問題点、こういったものが個人、地域役員、保健委員、行政、それぞれの地域における主体ごとにさまざまな観点から検討がなされておるところでございます。

 今後でございますけれども、こういった検討会の中で課題となっておりますのは、やはり集積場所での分別指導等の負担が集中しているといった地域における負担の軽減ということでございまして、このため、あわせて検討を進めております地域協力・協働に関する制度のあり方といったものとも関連しながら、地域全体で具体的な方向性をさらに検討を進めてまいりたいということを考えております。

 以上でございます。



◎健康福祉局長(木村剛君) 保健委員活動につきましてお尋ねをいただきました。

 保健委員制度は、昭和22年6月から公衆衛生活動を推進するため発足し、昭和32年には保健委員規則が改正され、保健所業務のほか、環境事業所業務などの公衆衛生事業への援助と協力等の職務が定められたところでございます。当時の保健委員の具体的な職務といたしましては、大掃除の検査済証や消毒剤の配布などの保健所防疫業務に対する協力援助が主な職務でございましたが、その後の衛生状態の向上により、現在は保健所防疫業務への協力は減少しているところでございます。一方、昨今におきましては、議員御指摘のように、保健委員の職務はごみを初めとした環境事業所業務へ大きく推移しているところでございます。

 こうした中、現在の保健所関係の主な職務内容といたしましては、住民健診への協力、飼い犬の登録と予防注射への協力、ネズミ、ゴキブリ駆除対策などの地区衛生活動への協力をお願いしておりまして、こうした保健委員の皆様の活動に対しましては感謝し、また敬意を表するものでございます。健康福祉局といたしましては、地域住民と行政を結ぶパイプ役として、現在の保健所業務に関する業務内容は大切なものと認識いたしておりますので、引き続き御協力をお願いしたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。



◆(須原章君) 質問項目に対しまして、特に環境局を中心にしたお答えを聞いておりますと、余り検討検討ということばかりで、理解と納得ができない内容でありますので、ただ1点だけ質問させていただきたいと思います。

 その前に評価をさせていただきますが、ごみ非常事態宣言以降の必死な協働の力と取り組みに対する成果に、市長初めたびたび感謝の言葉が出ております。これは評価をいたしたいと思います。地域の現状をどう把握するか、この1点だと思いますけれども、やはり今申し上げましたような、地域の事情というものを十分把握していただいて、検討会での検討は随分進んでおりますけれども、昨年8月に中間報告がまとめられて、もう問題点ははっきりしているわけです。そろそろ方向性を示してあげないと、市民の皆さん方も本当に我慢して今までやってきているんです。これ以上この状態を続けると、地域の組織そのものがもう崩壊の現状になっている。ひいては、ごみの問題がまた再びもとへ戻ってしまうような嫌いすらあるわけであります。ぜひひとつそこら辺の、私が提案いたしました個別収集の問題も一つでありますが、一石を投じる形で、きょう私申し上げました。ぜひここら辺を中心にして、どういう方向で今後ごみ行政を進めていくのか、そこら辺をはっきりと市民の皆さん方に示してやることが問題であるというふうに私は思います。

 非常に検討検討という、検討を重ねているということの答弁でありますけれども、昨年8月にもう中間報告が出されているわけです。もうそろそろ方向を出していいんじゃないですか。一体この問題の方向性を出すには、いつごろを念頭に置いておられるのか、この1点だけひとつお答えをいただきたいと思います。市民と協働、制度のあり方と対応策を早急にまとめて、まさに市民の理解と納得の上で、快く、気持ちよく協力し合える仕組みにしていかなければならないと思います。

 さらには、CO2問題を初めとして環境問題、さまざまな問題が出てまいります。ぜひひとつ、今後市民との協働のあり方をさらに前進させるべく、一層の御努力を要望いたしまして、私の質問を終わります。



◎環境局長(大井治夫君) 検討の結果を早くということで再度の御質問をいただきました。

 先ほども申し上げましたように、ごみ非常事態宣言以来、地域の役員の皆様方には献身的な御尽力をいただきまして、また多くの地域では現在も継続してお取り組みいただいております。御苦労に対しまして、大変ありがたいというふうに思っております。そうした中で、先ほどから何回も申し上げて恐縮でございますけれども、検討会で検討はやっておるというのは事実でございます。その検討をやっておるというのは事実でございますけれども、私どもといたしましては、なるべく早く、早急に対応策を取りまとめてお示しさせていただくよう努めてまいりたいと思っておりますので、御理解賜りたいと思います。



◆(中田ちづこ君) 明3月3日午前10時より本会議を開き、第47号議案初め57議案に対する質疑並びに質問を続行することになっておりますので、本日はこの程度で散会されんことの動議を提出いたします。

     〔「賛成」〕



○副議長(田中里佳君) ただいまの中田ちづこさんの動議に御異議ありませんか。

     〔「異議なし」〕



○副議長(田中里佳君) 御異議なしと認めて、さよう決定し、本日はこれをもって散会いたします。

         午後2時28分散会

          市会議員   木下 優

          市会議員   吉田隆一

          市会副議長  田中里佳

          市会議長   桜井治幸