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平成19年総務県民委員会 本文




2007.03.14 : 平成19年総務県民委員会 本文


(主な質疑)
《議案関係》
【原田信夫委員】
 第1号議案平成19年度愛知県一般会計予算のうち歳入第15款県債のうち、退職手当についてである。この件は、先の本会議で民主党の代表質問、議案質疑において質疑が展開されているが、その経緯も踏まえ、改めて私の方から質問を行う。
 団塊の世代の大量退職を迎えるにあたり、歳出の義務的経費の約7割を占める人件費の圧縮は非常に大きな課題であり、これに対する的確な戦略が必要なことは誰もが認めているところである。
 来年度から退職を迎える職員に支給すべき退職金の水準は、平成20年度、21年度の約810億円をピークに、今後10年間にわたり700億円を超える額で推移するとのことだが、他方では、こういう時期が行政のスリム化のチャンスでもあり、しっかりとした戦略を持つべきと考えている。
 この平成19年度予算では、大量退職に対する退職手当の支払増加分を、退職手当債180億円で賄う形になっている。我々民主党県議団では、減債基金からの繰入運用額を増やすことによる対応も考えられるため、この手法が本当にベストなのか、疑問を持っている。そこでこれらの点を明らかにするため、以下いくつかの質問を行う。
 最初に、再度今後10年間にわたる退職手当額の見込みについて、どう考えているのか伺う。

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【人事課主幹(給与)】
 退職手当額の今後の見込みは、平成20年度、21年度の約810億円をピークとして、平成28年度までの10年間にわたり700億円を超える額で推移していくと見込んでいる。

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【原田信夫委員】
 そもそも退職手当債とはどのような制度なのか。

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【財政課長】
 退職手当債が初めて制度化されたのは、昭和30年に地方財政再建促進特別措置法が制定された時であり、赤字団体が赤字を解消し財政健全化を図るため、職員を退職させる場合の退職手当の財源として発行できるものであった。定年制の制度化後は勧奨退職者に限定して発行が認められ、本県も赤字に陥った平成10年度、11年度に退職手当債を発行した。平成19年度に計上している退職手当債は、平成18年度から地方財政法を根拠として、団塊の世代の大量退職に伴う退職手当の大幅な増加に対応するため、将来の総人件費削減に取り組む団体を対象に、退職手当急増額のうち定数削減により、将来の償還財源が確保されると見込まれる範囲内で、定年退職者等の退職手当の財源に充てるために発行が認められることとなった。

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【原田信夫委員】
 退職手当を退職手当債の発行によって賄うべきではなく、減債基金の繰入運用を財源とすべきと考えるがどうか。

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【財政課長】
 退職手当債の発行は、地方財政法や平成18年度以降、地方債計画に位置づけられた正規の地方財政制度であり、これを活用せずに減債基金からの繰入運用のような臨時の財源対策を優先することは、財政運営上適切でないと考えている。退職手当債は、定数削減により将来の償還財源を確保できる範囲内の限定的な活用であり、一方、平成19年度は県債発行総額を大幅に抑制している中での活用である。

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【原田信夫委員】
 減債基金からの繰入運用は内部調達資金なので問題ないと考えているが、これにはどのような問題があるのか。

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【財政課長】
 減債基金からの繰入運用を安易に増やすことは、債券市場ではマイナス評価を受ける。従前から厳しい財政状況のため、減債基金からの繰入運用を実施しているが、現在、これを着実に減らしてきたところである。減債基金は将来の県債償還に備えるための基金であり、繰入運用すれば、本来あるべき基金残高は不足し、財政指標の一つである実質公債費比率が悪化することとなり、結果的には県の信用力が低下し、県債全体の借入金利が上昇するおそれがある。
 また、本県の税収構造は法人関係税に大きく依存するため、平成10年度のような急激な税収の減に備える意味でも、減債基金にキャッシュフローをきちんと確保しておくことが、中長期的な財政運営からも必要である。

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【原田信夫委員】
 減債基金の繰入運用は県債の信用力を低下させるということだが、民間企業の観点からすると、キャッシュフローも大切であるが、有利子負債の債務がどれだけ積み上がっているかの方が、企業の存続について、極めて厳しい評価を受けることになる。そういう面から見た場合行政としても、キャッシュフローよりも債務を高める方が問題だと思うが、その点はどう考えているのか。

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【財政課長】
 外部からの借入れを少なくする方がよいが、地方自治体の場合、借入れをしても償還財源が減債基金にきちんと積み上がっていれば、償還したことと同じ評価を受けるものであり、償還に不安を与えないためにも、減債基金にきちんと積み立て、かつ繰入運用を少なくし、現金を確保することが最優先であると考えている。

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【原田信夫委員】
 諸情勢を踏まえいろいろな面から考える必要があるが、いずれこれまでの行政の常識、基準も変わってくると思う。
 次に、退職手当債を発行し借金で賄うよりも、減債基金からの繰入運用の方が、財政負担が軽くなるのではないかと考えるがどうか。

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【財政課長】
 長期で借り入れた退職手当債の元利償還に要する経費から減債基金に180億円を置いたまま長期で運用した場合の利益を差し引いたものと、減債基金から一般会計が短期で借り入れた場合の元利支払いとを比較することになるが、金利が一定でなく、長期と短期の金利差が非常に縮まっており、今後の見通しは難しい。

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【原田信夫委員】
 今後確実に金利が上昇することは、誰が見ても認めざるをえない。金利差や発行手数料などを考えると、退職手当債を借りた方が、財政負担が大きくなると思う。
 新聞報道などによると、財政状況が悪化している団体が比較的多く退職手当債を発行しているが、一部では歯をくいしばって発行しない県もいくつかある。これに対する県当局の所見を伺う。

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【財政課長】
 平成19年度当初予算でみると、47都道府県の内、退職手当債の制度を全く活用しないのは、東京都、岐阜県、鳥取県、島根県の4都県である。このうち、東京都は税収が非常に好調であるためと思われる。鳥取、島根の両県は、団体の規模が小さく、団塊の世代の退職手当の増加が非常に限られたものであるためと思われる。大多数の県は退職手当債を活用すると聞いている。

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【原田信夫委員】
 県内の市町村についても団塊の世代が退職を迎えるのは同じであるが、市町村は、退職手当支給に関して10年ほど前から準備している。具体的には、退職手当に関する基金を積み立て、それを取り崩し、不足分を一般会計から支出する形態を取っているが、市町村を指導する立場の県として、今回の対応は少し問題があると思うがどうか。

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【財政課長】
 県内の市町村は、退職手当組合の活用や、独自の基金を設置している団体があると聞いているが、県の財政状況は、平成10年度に戦後初の赤字決算となり非常に厳しい状況である。平成11年度以降は、行政改革に取り組んできたが、収支不足が続き、毎年度臨時の財源対策を行い、何とか予算編成を行ってきたところであり、退職手当用の基金を積むような財政的な余裕がなかったのが現実である。他の都道府県についても同様であると考えている。

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【原田信夫委員】
 いろいろな角度から退職手当債に関して質疑を行ってきたが、最後に総務部長からなぜ、減債基金からの繰入運用ではなく、退職手当債を活用することとしたのか総括的な答弁を求める。

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【総務部長】
 退職手当債は、平成18年度から地方財政法や地方債計画に位置付けられた正式な地方財政制度であり、これを活用せずに減債基金からの繰入運用のような臨時の財源対策を優先すべきではないと考えている。まずある制度を活用し、どうしてもできない場合は、臨時の財源対策である減債基金からの繰り入れ運用をするしかないと考えている。なお、減債基金からの繰入運用は、マーケットからマイナスの評価を受けるため、その額を毎年減らす努力をしている。特に減債基金は将来の償還に備えた基金であり、安易に繰入運用することは本来の必要額に不足するばかりでなく、実質公債費比率も悪化し、結果として、愛知県の信用力が低下することになりかねないものである。また、退職手当債は、定数削減により将来の償還財源を確保できる範囲内の限定的な活用であり、しかも今回は県債発行総額を176億円減と大幅に減らしている中での活用であり、県民の理解を得られると考えている。

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【原田信夫委員】
 総務部長から総括答弁を受けたが、この質疑を通じて、少しでもコスト負担が少なくて済む減債基金で対処すべきとの我々の考え方と県当局の考え方との溝を埋めることができなかった。この溝が埋まらない理由は、今日の税収が好調な時こそ将来の借金を控え、少しでもコスト負担を下げながら、財政構造を改革すべきであるという我々の主張と、今、可能な時に借金をしておいて、少しでも手元資金を確保しておこうとする当局の考え方との差であると思われる。地方分権がどんどん進展していこうとする今、地力を持つ愛知県がまさに国の示した救済策に安易に乗るのではなく、より自立していくという考え方を示す最大のチャンスであるにもかかわらず、どうも従来の発想から抜けきる意思を明確に示せない行政の姿勢との違いがより浮き彫りになったと言える。したがって、私どもとしては、本日の総務県民委員会における態度として、退職手当債の組替えなども視野におきながらの検討が必要と考えており、第1号議案には賛成しかねるということを申し上げる。

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【久保田浩文委員】
 団塊の世代の大量退職の問題は、全国共通の課題であるが、他の都道府県のうち、本県と規模が類似している大阪府や神奈川県の退職手当債の予算額はいくらか。また、基金からの繰入運用の計上額はいくらか。

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【財政課長】
 神奈川県は、平成19年度は骨格予算であり、退職手当、退職手当債とも計上保留となっている。今後、補正予算案で、退職手当を330億円増額計上し、その財源として退職手当債330億円を計上すると思われる。なお、減債基金からの繰入運用は予算計上されていない。一方、大阪府は、退職手当債を100億円計上する一方で、財政状況が厳しいため、減債基金からの繰入運用を992億円計上しているところである。大阪府は、他の都道府県より、厳しい財政状況を反映して府債の調達資金の金利が0.1から0.2パーセント程度高くなっているのが現状である。

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【久保田浩文委員】
 今回の地方財政法に基づく新たな退職手当債は、地方公務員の総人件費削減を進めるためという趣旨から、将来の人件費の削減により償還財源が確保できる範囲内で発行が認められるとのことであるが、本県の平成19年度当初予算で計上した180億円の償還財源の見通しはたっているのか。

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【財政課長】
 退職手当債の償還財源の確保は、その考え方が総務省から示されており、平成19年度から平成20年度への職員数の純減による人件費の削減効果が10年間継続するものとして算出することとされている。本県の場合、「あいち行革大綱2005」に基づき定数削減を進めてきており、平成17年度から3年連続で250人以上の削減を行ってきており、来年度も、引き続き定数削減に取り組むこととし、仮にこれまでと同程度の250人の削減を行うと想定すれば、10年間で人件費削減効果額は200億円程度と見込まれることから、当初予算で計上した180億円分の償還財源は十分確保できるものと考えている。

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【久保田浩文委員】
 退職手当債を起債して活用した場合と減債基金を繰入運用した場合の市場の評価とメリット・デメリットについて伺う。

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【財政課長】
 退職手当債は、地方財政法に位置付けられた制度であり、借金ではあるが、まずこちらを活用して退職手当の財源にしたいと考えている。減債基金からの繰入運用はあくまで臨時の財源対策であり、この金額を増額させることは、将来の県債の償還に不安をもたらすこととなり、減債基金はきちんと積み立て、繰入運用を減らすことが重要であると考えている。県債は長期金利で借り入れることになり、減債基金の繰入運用は、短期の金利で借り入れることになるが、昨今の金利情勢から、長期金利と短期の金利の差が縮まっている。特に、本県は税収の変動が激しく、法人税収を中心に税収が急減した場合に、臨時の財源対策を行うことができるように金利を負担しても基金残高を確保する必要がある。基金が枯渇すれば、すぐに財政再建団体になりうると考えられることから、財政運営上は、金利を支払ってでも減債基金をきちんと積み立て、繰入運用額を減少させ、市場からの高評価を得ておく必要性があると考えている。
 トータルとして、退職手当債を活用し、臨時の財源対策を極力少なくすることが、中長期的な財政運営には望ましいと考えている。

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【久保田浩文委員】
 今回の退職手当債の計上と減債基金からの繰入運用について中長期的な財政運営の観点から見た考え方を県の財政運営をあずかる総務部長に伺う。

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【総務部長】
 中長期的な財政運営の観点から見ると、本県の税収構造からして税収が大幅に伸びる時もあれば落ちる時もあり、こうした税収の急減に備えるためには、本県では平成3・4年度に3,000億円程度あった基金が数年間で底をついたことを踏まえ、一定の金利を負担しながらも減債基金の実質的な積立残高を確保することが最優先であると考えている。減債基金への積立不足は財政指標の一つである実質公債費比率を悪化させ、それが金融市場における愛知県の評価となり、市場から調達する県債全体の金利に影響することから、減債基金からの繰入運用は、制度的に認められた財源対策を講じた後のやむを得ない財源対策として最小限に限定すべきものと考えている。

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【久保田浩文委員】
 基金からの繰入運用のような臨時の財源対策を優先するという意見は、あまり好ましいものではないように思われる。減債基金の積立残高は、財政指標の一つであり、実質公債費比率の算定に反映され、それが市場からの評価につながる。指標の悪化は、県債全体の調達金利に大変影響するとの説明があった。それにあわせて、今後の税収の急減に備えるという意味でも、一定の金利を支払っても、減債基金という現金を確保しておく必要があり、中長期的な財政運営の観点からも、本県にとっては必要であると考える。退職手当債を減額して基金からの繰入運用という臨時の財源対策を増やすということは、短期的には金利負担が軽減されるかもしれないが中長期的な視点から見れば、財政制度を理解していないものと考える。また、退職手当債は発行せずに済めばそれに越したことはないものであることから、それを発行しなくても済むような財政状況を目指すことが必要である。団塊の世代の大量退職にあわせてより強力に行政改革を進める必要もあり、財政の健全化に向けより一層の取組を条件に今後の退職手当債の活用についてはやむを得ない措置であるとして賛成の立場を表明する。

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【鬼頭英一委員】
 退職手当債の計上を取りやめ、繰入運用を増額することについて、その適否を総務部長に伺う。

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【総務部長】
 本県の財政状況は、平成19年度当初予算においても臨時の財源対策である基金からの繰入運用を400億円計上しなければならない厳しい状況にある。その状況にあって、地方財政法上の制度である退職手当債を活用せずに臨時の財源対策をさらに180億円増額し、580億円に増額することは財政運営の原則からは外れるものと考えている。減債基金からの繰入運用の増加は、県債調達先の市場からの評価の低下につながり、県債全体の調達金利の面からも将来の本県の財政運営にとってマイナスになるものと考えている。

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【鬼頭英一委員】
 愛知県の財政状況は、県税収入が増収見込みであるとはいえ、義務的経費が増加し、平成19年度当初予算でも減債基金を始めとする6基金から合わせて400億円の繰入運用をし、一時的に借入を行わないと当初予算が組めない状況である。そのような状況下にあるにもかかわらず、地方財政法上の制度である退職手当債を活用せず、臨時の財源対策をさらに180億円も増やすことは本末転倒と言わざるを得ない。特に減債基金は愛知県債を購入する投資家からすれば、将来の償還財源たるべき基金である。この基金から安易に繰入運用を増額すれば、愛知県債に対する投資家の評価が低下し、将来の本県の財政運営にもマイナスであると考える。更に、退職手当債は定数削減により将来の償還財源が確保される範囲内で認められるものである。このため全国の道府県のほとんどは定数削減を進めながら、この退職手当債を活用しており合理性も認められる。以上のことから、私は退職手当債を歳入予算で計上することに賛成する。

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【水野富夫委員】
 退職手当債はいろいろと議論され、それぞれ意思表示がされたが、我々にしても大きな問題である。過去、平成10年度、平成11年度に本県が赤字になった時に退職手当債が発行されており、その時は勧奨退職者のみであり、定年退職者は認められなかった。平成10年度は予算100億円であり、決算92億円、平成11年度は予算50億円であり、決算41億円となった。今回は、地方財政法第5条の特例として定年退職者にも認められたもので、平成18年度から平成27年度までの間は、きちんと地方債計画の中にも盛り込まれた。これに基づき平成18年度予算では30億円、平成19年度予算では180億円を計上することになっているが、一連の流れに間違いはないか。また、平成18年度の退職手当債の30億円は、最終的な決算はどのようになるか。

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【財政課長】
 決算は、今後の執行残などを見つつ、また、最終的には県債全体の発行の抑制を行っていることから、はっきりしたことは言えない。また、発行に係る諸条件が総務省から示されたのが本年度後半であり、当初予算ではどのような条件になるか未定であったため、平成18年度予算は、少なめに30億円と見積もったところである。総務省のルールでは金額を増やすことも可能であったが、県税収入の大幅な増加もあり、極力県債を圧縮する方針の元、当初予算のままで据え置いている。

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【水野富夫委員】
 退職手当債は、過去3回発行されてきたが、今まで一度も議論されなかった。いろいろ議論するのは構わないが、県税で賄いきれる部分以外の単独事業も、県債発行に歯止めをかける議論をすることを視野に入れる必要があるのか、例えば、一部の人が恩恵を受けるだけの事業に県債を発行すれば、無駄な県債の発行ではないのかと議論が拡大していきかねない。一番大切なことは、県民に対して不安を与えない方法を考えて、いかに県債を充当しないような県政づくりに取り組むことが議会として一番大事だと思う。退職手当債が今回議論となったが、退職手当債だけで、委員会での第1号議案の採決が否決とか修正とか言うのは、これから予算を組み、住民のニーズや、同時に今、苦しんでいる方々への手当に当てていくことを考えた時に、果たしてこの議論が正当なのか否かに疑問を感じる。最終的には、今までの流れではなく、本当に独立した愛知県政として、行政改革や、無駄な支出を抑える議論を今後していきたいと思う。


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《一般質問》
【水野富夫委員】
 本庁・地方機関の定数削減の問題は、地方機関に特に顕著に出ている。その穴埋めとして、正規職員を嘱託員にするという発想が安易に出てしまう。
 これは現実にあった問題であるが、ある施設で食道の部分が非常に狭く、大きいものを与えると詰まってしまう人がおり、正規職員の時には細かく砕いて皿の上にひとつかみ、食道を通る分だけ置き食べさせていた。しかし、定数削減で正規職員から嘱託員に変わったところ、「刻んで出す」という指示は出たが、皿の上に山盛りに盛ってしまったので、手づかみで口の中に一度にたくさん入れてしまい食道が詰まったということである。
 また、特に建設事務所で、道路などの維持管理の面が非常に遅れてきている。これは予算を伴うものでもあるが、例えば、U字溝の板などが割れても、ボードは立てるのだがいつまで経ってもふたの入れ替えをしていないなど、なかなか維持補修、修繕ができていない。
 今回、出先機関の定数が大幅に削減される。同時に地方事務所のあり方も議論されている。本庁の定数の問題と出先の定数のあり方について、今回どのような基本姿勢に基づいて定数削減に取り組まれたのか。単年の総枠があり、これに近づこうと各部局も相当苦労されたと思うがその点についても伺う。

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【人事課長】
 定数削減の基本姿勢は、第1に「あいち行革大綱2005」の6年間で1,500人以上の削減をするということで、各年度250人以上の削減を目指していくが、基本的には、それぞれの職場の実態等を把握した上で削減していく。事業の消長、超過勤務時間の実態やこれまでの削減実績などを検証し、おおむね250人の削減を達成するため、各部局に目標値を示している。その目標を達成した部局には、人事課の方で、ここの分が多い少ないなどの個別査定は無くし、部局長に自由に定数の貼り付けをしてもらう。ただ目標に達しなかった部局については、個別具体的に議論していく。今年度は、最終的に250人削減目標のところを、291人の削減をした。
 総枠の中での本庁と地方とのバランスは、基本的に250人を超えたいという中で色々と示し議論してきた。結果として、確かに今年度の場合、本庁が10パーセントぐらい、地方機関で90パーセントぐらいのウェイトで291名という削減ができた。例年は3対7ぐらいの割合だが、今年度は特に地方機関の方でたくさんの削減数を出した。その大きな理由は、BPRによる庶務機能・庶務要員の減である。地方機関の方が機関数が多く、各機関に庶務機能があり、かなりの人数になったという特殊要素がある。
 本庁は先行して実施した分もあり、主管課にしか庶務機能が残っていないため、そのウェイトになった。

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【水野富夫委員】
 特に今回は、本庁は事実上10パーセントに満たない状況で、出先の方が90パーセントを超えている。極端なことを言うと、地方事務所の方に相当しわ寄せが来ている。
 また、本庁組織の見直しを行ったが、今後団塊の世代の大量退職が始まる。心配な点は本庁内の組織のあり方である。組織の底辺がしっかりしていないと、組織そのものがガタガタになる。まず、今のグループ制は、本当にグループ全体が組織として成り立っているのかを伺う。また、管理職に対し、部下が人事評価を行った。人事評価とグループのあり方の中で、どのような改善点を見つめれば、今の本庁内の人員削減が可能なのか。人事評価と組織のあり方の中でどのような見識を持っているのか伺う。

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【人事課長】
 グループ制の大きな目的は、従来あったいくつかの係を一つのグループにすることにより、全員をスタッフとして使い、少しでも超勤を減らし、結果として定数削減につなげていくことである。ただ一人が責任を持って行っていることは、長い時間、経験の中で行っている側面もあり、今申し上げたことが、100パーセントの効果を発揮できているとは、胸を張って言える状況ではない。それではいけないので、人事評価制度もそうであるが、自分たちのグループが何のためにどういう役割分担で仕事をしているのかを一人一人認識し、少しでもグループ内で応援できるように、お互いの仕事を見つめ合うことが必要である。ただ、グループ全員が集まり進ちょく状況、課題などを議論する機会をなかなか持ちにくい現状がある。その意味では、グループ内の仕事の確認、進ちょく状況をある程度、例えば四半期ごとに、共通認識を持ち進めていくことも今後必要かと思う。
 今回の研修プランや、昨年の人材育成ビジョンの中では、グループ内の一人一人が役割をきちんと果たし、上司と部下とのコミュニケーションを図るために、来年度から確実に年3回は話し合う機会を持つことをあげている。今年度実施した部下からの評価を、来年度は地方機関にも浸透させたいと思う。さらに、横のつながり、評価を、お互いの仕事が良く分かり合える機会作りに生かしていきたい。それにより、不要不急のものが本当にあるかどうか見つけ出し、定数削減に前向きの議論ができるような意識改革を図っていく。

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【水野富夫委員】
 今の組織の大きな欠点は、人口急増で職員を大量に入れたことと、横並びの昇給のあり方により、あまりにも細分化されたことである。そのために、定員削減でおかしなところにしわ寄せがいっている。今こそ簡素な組織のあり方に視点を置かないと、住民サービス、県民と一番接触する地方機関にしわ寄せがくると思う。
 総務課の方で地方事務所のあり方を平成20年度に向けて検討しているが、合わせて本庁の内部組織のあり方についても、従前の人口急増のあり方から、団塊の世代の退職後のあり方を考えていかなければならないと思う。定数削減を行い再任用等に切り替えることによりラスパイレスの関係は落ちるが、その他の経費部分で抑えることができないと思う。
 こうした見解に対してどう考えているか。

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【総務課長】
 行革を絶え間なく実施してきたが、組織の見直しに関しては常に簡素で合理的な組織を目指してやってきた。
 一方で、住民サービス、対人的サービスが地方機関では一番多いので、第一線での住民サービスの低下を招かない形で組織の合理化に取り組んできた。今後も、住民サービスの低下を招かないことを目標とし、一方では、簡素で効率的なものにすることを念頭に置き、今後も取り組んでいこうと考えている。
 この実現のためには、やはり仕事の見直しの中で、定数削減、民間委託、ITを利用した合理的なサービスの活用などで、人員削減がどれだけできるのか、あるいは廃止できる仕事はないかという観点で、無理やり仕事を存続して、人を削減するのではなく、実施方法などを置き換えることにより人が削減できる形で合理化を進めていきたいと思っている。

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【水野富夫委員】
 民間委託の問題で、建設部で設計まで全部コンサルタントに丸投げし、職員自体の現場における技術の低下を招いた現実がある。定数の問題は、場所によってメリハリも考える必要がある。すべてを民間委託にすると、無駄な金、無駄な投資にもつながる。これを踏まえ組織のあり方、同時に定数のあり方、また、退職者の問題も含め、愛知県として健全な運営ができるようにお願いする。

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【山田幸洋委員】
 公有財産について伺う。
 現在、不動産、動産、物権、無体財産権、株式等、出資による権利及び不動産の信託による受益権はどこで管理されどれだけあるのか。

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【財産管理課主幹(財産)】
 財産管理については、各部局が管理している。
 保有する不動産は、土地及び建物で約1億820万平方メートル、動産は船舶等で15件、物権は地上権等で約3,200万平方メートル、無体財産権は特許権等で58件、株式等は307億2,500万余円、出資による権利は2,536億8,400万余円、不動産の信託による受益権は2件である。

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【山田幸洋委員】
 これらは売却することは可能か。可能ならば売却金額はいくらか。また不可能な場合の理由を伺う。

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【財産管理課主幹(財産)】
 不動産の99.6パーセント、その他の動産、無体財産権等の財産は、現在、行政目的に供しており売却することは不可能である。
 不動産で未利用である土地は、約37万平方メートル、全体の約0.4パーセントである。これらは一応売却が可能であるが、市街化調整区域などの行政上の規制により民間利用が著しく制限されるものや、民間の需要が見込めない地域に所在するものなど、専門家による評価を待たなければ算定できないものが多くある。したがって、現在のところ、売却金額がいくらになるかは、把握することが困難である。

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【山田幸洋委員】
 売却不可能な未利用地とは具体的にどういった土地なのか。

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【財産管理課主幹(財産)】
 未利用地といっても即売却できるわけではない。狭あいな土地や無道路地など単独では利活用が困難な土地や、県としての利用計画はないが、地元市町村等相手方と調整がつかず処分に至らない土地などもある。未利用地のうちで、一番面積が大きなものは、元三河湖公園施設の約11万平方メートルであるが、自然公園区域内かつ保安林区域であり広大な土地のため、民間での需要が見込まれない状況である。

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【山田幸洋委員】
 平成14年度には外部委員による県有財産検討会議を開催したが、外部委員とはどの様な方々なのか。また、本会議をどのように活用したのか。

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【財産管理課主幹(財産)】
 県有財産検討会議の委員には8名の方に就任していただいた。内訳は、弁護士が1名、公認会計士が1名、不動産鑑定士が2名、県信用保証協会の実務者が1名、大学教授が1名、業界団体が2名である。
 検討会議では、参考価格の公表による一般競争入札、プロポーザル方式の活用など、新たな処分方法により未利用財産の活用・処分の促進を積極的に図るべきであるとの提言をいただき、翌平成15年度から、これらの処分方法を取り入れた。

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【山田幸洋委員】
 外部委員の名前を伺う。

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【財産管理課主幹(財産)】
 平成14年度の役職名であるが、社団法人不動産協会中部支部・幹事伊藤洋一、弁護士太田勇、不動産鑑定士長田保夫、不動産鑑定士纐纈正剛、公認会計士長谷川新一、社団法人愛知県宅地建物取引業協会専務理事箕浦憲二、愛知県信用保証協会三宅正剛、名古屋文理大学教授山本和子である。

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【山田幸洋委員】
 平成17年度及び平成18年度に県有財産のどこをいくらで売ったのか。これらの財産は、何を目的として取得し、または造成されたのか。また、取得費用と売却費との収支決算はどのようになったか。

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【財産管理課主幹(財産)】
 県有財産売却のうち主なものは、元県営住宅跡地を平成17年度に6件、22億6,000万余円、平成18年度に7件、29億3,000万余円、また、庁舎及び職員住宅等の跡地を平成17年度に4件、3億7,400万余円、平成18年度に11件、19億6,300万余円である。
 これらの財産はいずれも売却する目的ではなく、特定の行政目的のために取得したものであり、一定の行政目的を終えた後の財産売払いであることから、収支決算としてとらえることにはなじまないと考えている。

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【山田幸洋委員】
 県有財産のより一層の利活用を図るためには、総務部長の所で一元的な管理をすべきと考えるが、総務部長に所見を伺う。

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【総務部長】
 企業庁や病院事業庁が管理する財産は、公営企業管理者が管理することと法律で定められている。それ以外の公有財産の事務の取扱いは、総務部長が総括し、取得、管理及び処分について必要な調整を行っている。これらの公有財産は、所管する部局の事務・事業と密接に関連するため、各部局が主体的に取得、管理しており、今後も各部局が行うことが適当と考えている。
 実質的に一元管理がされていることと同様の効果を得るため、平成15年度から庁内に県有財産利活用調整会議を設け、各部局間の横の連携を図り、情報の共有に努め、未利用財産の有効活用を積極的に図っている。

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【山田幸洋委員】
 県民が県有財産のことを尋ねると、所管の各部局に問い合わせる必要が生ずるので、総務部長のもとで一元化に努めてもらいたい。

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【長江幸彦委員】
 市町村の財政状況について伺う。不交付団体が、本年度は36、平成15年度は25であった。全国でも愛知県は恵まれた環境であり、全国で129の内、本県は36の不交付団体がある。非常に結構であり、好ましいことであるが、近ごろは格差社会、格差問題があり、非常に恵まれた市町村とそうでない市町村で、市民サービス面で不公平になっていないかという問題があると思う。次年度もこの傾向が高まるのか。行革などの努力の結果や地の利、時の状況により、恵まれた環境の市町村と、山間部や過疎の市町村で、ある意味格差があることは事実である。この現状についてどう考えるか。

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【市町村課長】
 愛知県の市町村の財政状況は、全国の縮図のようであり、大きな団体から小さな団体まで、財政力の裕福な団体から厳しい団体までいろいろある。
 昨今の国の答弁等をみていると、裕福な団体との格差に対して税源の見直し、法人税から地方消費税へシフトを変えていくことで格差を無くしていくということである。
 現在、不交付団体が35であるが、35の不交付団体は税体系を変えたくないのが現実である。一方、山間部は、地方交付税を少しでも自分の所へ持ってきたいという思いがある。全国の縮図のような本県は、両にらみで指導していく必要があると思っている。

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【長江幸彦委員】
 不交付団体数は、全国で神奈川県が第2位、静岡県がその次、また、岐阜県は1市町村しかない。本県は活力があり、全国から注目されている県であるが、次年度の傾向として、35の不交付団体の市町村は増えるのかどうか。ある程度見通しがあれば伺う。

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【市町村課長】
 昨年の「骨太の方針」が出た時に、国と地方の財源を将来的に1対1にするという方針が出ており、その中で、20万人以上の都市の半分は不交付団体にするという目論見であると聞いている。
 今でも、基準財政需要額を圧縮し、不交付団体を増やすことで推移しており、この傾向は今後も続いていくと考えている。