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平成29年総務県民委員会 本文




2017.06.29 : 平成29年総務県民委員会 本文


(主な質疑)
《議案関係》
【浅井よしたか委員】
 高度情報通信ネットワーク改修費について伺う。これは高層建築物に、電波が遮られたことにより通信障害が発生したため、う回した電波経路を構築して、通信障害をなくすための改修費用とのことだが、無線回線における電波障害について法制度はどうなっているのか。

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【災害対策課主幹(災害対策・通信)】
 電波法は、高層建築物の建築による電波の遮断を未然に防ぐことを目的として、人命財産の保護のための防災行政用無線など公共性が高い重要無線通信の確保を図るため、電波の通り道である伝搬路を伝搬障害防止区域として、総務大臣が指定することができると定めている。この防止区域では、地上31メートルを超える高層建築物を建築する場合、工事着工前に総務大臣に届出をしなければならない。総務大臣が建築物の構造部分が電波の障害原因となると認めた場合、建築主は通知を受けた日から2年間は障害原因の部分に係る工事を行ってはならないとされ、建築が制限されている間、建築主と無線局の免許人が、相互に当該構造部分に係る工事の計画変更などの措置について、協議を求めることができることを定めている。
 なお、総務省が電波障害を防止する区域を指定する基準の一つとして、電波の通り道である電波伝搬路が地上高45メートル以上であることが条件となっている。

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【浅井よしたか委員】
 今回の事案はいつどのように判明したのか。

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【災害対策課主幹(災害対策・通信)】
 県では、無線回線を24時間監視しており、昨年8月に障害を知らせる警報が発生したため、確認したところ、名古屋市中区の電波伝搬路上に建設中の高層建築物の上にクレーン2機と仮設工作物が設置されていることが分かった。その後10月に建物が完成し、屋上に工作物ができた段階で電波が遮断されたため、今回対策を取ることとしたものである。

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【浅井よしたか委員】
 今回の件では、県庁と日光川排水機場との間の無線回線に通信障害が発生したが、日光川排水機場側の地上高が30メートルであり、総務省の基準を満たしていないため、電波伝搬障害防止区域の指定対象外であったとのことである。県の高度情報通信ネットワークの中で、今回のように電波伝搬障害防止区域の指定が受けられない箇所はどのぐらいあるのか。

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【災害対策課主幹(災害対策・通信)】
 県の高度情報通信ネットワークのうち、電波法に定める電波伝搬障害防止区域の指定を受けられないものは、100回線のうち80回線である。

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【浅井よしたか委員】
 今後8割の県の高度情報通信ネットワークで同じことが起きるおそれがある。このままにしておくわけにはいかないと思うが、現在、国に対する要請など、どのように対応しているのか。

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【災害対策課主幹(災害対策・通信)】
 愛知県の電波伝搬障害防止区域の指定について所管している総務省東海総合通信局及び総務省に対して、現在指定されていない県の無線回線についても指定するよう、電波法関係審査基準の改正を要請した。また、基準が改正されるまでの間、建築主から県の無線回線の通信障害となるおそれがある高層建築物等の建築に係る照会が、所管している総務省東海総合通信局にあった場合には、その情報を本県に通知してもらえるような制度の構築も要請した。

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【浅井よしたか委員】
 100回線のうち80回線で今回と同じ事案が発生する可能性がある。衛星回線も雨天等気象状況により使えない場合があることから、早く制度を作ってもらうよう総務省東海総合通信局と協議を進めてほしい。


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《一般質問》
【藤原宏樹委員】
 中学卒業生を対象とした専修学校高等課程について伺う。専修学校高等課程は、昭和51年に学校教育法に定められた専門学校の一つであり、通信制高校との技能連携制度によって高等学校卒業資格を得ることができ、中学生の卒業後の進路の一つとなっている。県内に専修学校高等課程は27校あり、在籍者数は約7,400人と平成27年度の調査では全国で1番の在籍者数である。2位の大阪は約5,400人、3位の東京は約3,100人であることから、本県の専修学校高等課程の在籍者数が多いことが分かる。
 全国高等専修学校協会の平成27年度調査では、専修学校高等課程に通う生徒の家庭環境は、生活保護世帯及び生活保護に準じる世帯は約37パーセント、母子家庭・父子家庭の複雑な家庭環境は29パーセント、中学時代に不登校を経験した生徒数は24パーセント、また、発達障害を抱える人は、7.8パーセントとなっている。こうした課題を抱える専修学校高等課程に対する本県からの補助は、授業料軽減補助と経常費補助は制度が構築されているが、入学納付金補助は対応していないのが現状である。
 本県の子供たちの中学卒業後の進路の一つである専修学校高等課程が、人づくりに熱心に取り組むことが、県内全ての子供たちに明るい将来を提供することにつながると考えることから、1点目として本県の専修学校高等課程に対する認識について、2点目として専修学校高等課程が抱える課題に対して、今後県としてどのように取り組んでいくのか伺う。

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【私学振興室主幹(認可・助成)】
 専修学校は、学校教育法第1条に規定される学校ではなく、職業若しくは実際生活に必要な能力を育成し、又は教養の向上を図ることを目的とした教育施設として位置づけられており、その中でも中学校卒業者が入学する課程が専修学校高等課程である。県内では27校が運営されており、平成27年度は、約7,400人の生徒が修学している。専修学校高等課程には、調理師科、美容科、福祉科など多様な科があり、技能や実務面に重点を置き、社会に出てすぐに役立つ教育を行う施設として、中学3年生の進路選択の一つとなっており、学力不足や保護者の経済的理由など、様々な社会的背景の下にある生徒の状況に応じた選択肢として、後期中等教育で重要な役割を担っていると認識している。
 県の専修学校高等課程に対する取組は、国による財源措置が行われないため、県独自で経常費補助を行っており、本年度予算では、県内の私立専修学校高等課程決算額の2分の1を基に、生徒1人当たり13万6,114円、総額8億7,000万余円を計上している。本年3月に本県が実施した調査等では、本県の生徒1人当たり単価13万6,114円は全国第7位、予算総額では第2位となっており、全国的にも手厚い補助と考えている。また、父母負担軽減のための授業料軽減補助金は、高等学校と同様の考え方に基づき、国の就学支援金と合わせて、標準年収350万円未満の世帯は、私立専修学校高等課程平均授業料相当額である年額37万5,600円、年収610万円未満の世帯は、その3分の2相当、年収840万円未満の世帯は、その2分の1相当、さらに年収910万円未満の世帯は、就学支援金のみを補助しており、本年度予算は総額で17億4,000万余円を計上している。
 専修学校高等課程は、中学3年生の進路選択の一つとして重要な役割を担うものと認識しているため、県としても引き続き支援していきたい。

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【藤原宏樹委員】
 専修学校高等課程の現場での努力と重要性を十分認識し、本県の未来を築いていくこうした子供たちの環境整備に積極的に取り組むよう要望する。

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【鈴木 純委員】
 本県では、愛知県地域強靱化計画や愛知県地域防災計画、第3次あいち地震対策アクションプランなど、防災に関する各種計画やマニュアルがあるが、まず主な計画の体系やその概要について伺う。

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【防災危機管理課主幹(政策・啓発)】
 まず、事前対策期には、愛知県地域強靱化計画、地域防災計画、第3次あいち地震対策アクションプラン及び愛知県庁業務継続計画により、防災・減災対策を進めている。愛知県地域強靱化計画では、地震、風水害や土砂災害等本県に影響を及ぼす全ての自然災害に対して、本県を始め、国、市町村やライフライン事業者等が強靱化施策を定め、実施している。第3次あいち地震対策アクションプランでは、全庁が一丸となって地震防災対策を進めている。さらに、愛知県庁業務継続計画では、業務継続を阻む支障への対策を進めるとともに、被災直後や応急対策期に人やモノ等の資源が不足することから、非常時に優先して実施する業務を選定し、資源が制約される状況でも、それら業務を実施するための手順や方針を定めている。
 次に、応急対策期には、地域防災計画、愛知県災害対策実施要綱による災害対策を行うこととしている。災害対策基本法では、都道府県で災害が発生又は災害が発生するおそれがある場合の防災の推進を図るため、地域防災計画に基づき、知事を本部長とする災害対策本部を設置することができるとされている。このため、本県が防災に関し必要な体制を確立し、災害対策に関してとるべき措置を愛知県災害対策実施要綱で定め、総合的・効率的な災害対策を実施している。
 次に、復旧・復興期には、地域防災計画と被災者生活再建・産業再建支援マニュアルにより復旧・復興を進めることとしている。被災者生活再建・産業再建支援マニュアルでは、住宅対策、雇用・就業対策や被災者への経済的支援や商工業の早期復旧支援など九つの対策分野に関する庁内の各業務の担当者が実施すべき対応項目とその手順及び役割分担により取組を進める。
 なお、地域防災計画には、事前対策期、応急対策期、さらに復旧・復興期における県を始め防災関係機関等が処理すべき事務等が規定されている。

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【鈴木 純委員】
 次に、各計画の根拠法令などについて伺う。また、愛知県地域強靱化計画は、県の最上位計画であるあいちビジョン2020でも触れられていることから、アンブレラ計画としての性格も有しているが、その関係を伺う。

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【防災危機管理課主幹(政策・啓発)】
 愛知県地域強靱化計画は、平成25年12月公布・施行された、強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災に資する国土強靱化基本法、愛知県地域防災計画は、災害対策基本法、第3次あいち地震対策アクションプランは、愛知県地震防災推進条例、愛知県災害対策実施要綱は、災害対策基本法及び県地域防災計画、愛知県庁業務継続計画は、国の中央防災会議が定める防災基本計画である。被災者生活再建・産業再建支援マニュアルは、根拠法令はない。
 次に、愛知県地域強靱化計画は、国の国土強靱化基本計画との調和を図るとともに、平成26年3月に策定されたあいちビジョン2020で位置づけられた県が対応すべき重要政策課題と主要政策の方向性を共有し、平成27年度に策定した。

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【鈴木 純委員】
 先ほどの説明で、事前対策期、応急対策期、復旧・復興期という時間軸での計画が示されたが、復興の部分が弱いように思う。復旧・復興期のマニュアルとして、被災者生活再建・産業再建支援マニュアルがあるが、時間軸として、災害が起きてからの迅速な復興の観点からも、復興に関する方針や計画が必要であると思う。あいちビジョン2020の重要政策課題には迅速な復旧・復興という文言があり、国土強靱化計画の基本目標としても迅速な復旧復興が明記されている。このことについて、防災を取りまとめる防災局としてどう考えているのか伺う。

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【防災危機管理課主幹(政策・啓発)】
 東日本大震災の教訓と課題を踏まえた復興の枠組みを創設するため、国は平成25年6月21日に、大規模災害からの復興に関する法律を公布した。この法律は、大規模な災害を受けた地域の円滑かつ迅速な復興を図るため、政府による復興対策本部の設置や復興基本方針の策定等について定めている。都道府県は、国の復興基本方針に即して都道府県復興方針を定めることができ、市町村は、復興基本方針及び都道府県復興方針に即して単独又は都道府県と共同で復興計画を作成することができる。本県では、あらかじめ大規模災害からの復興に向けた取組の推進を図ることは県民の安心に寄与することから、この法律を踏まえるとともに、発生が危惧されている南海トラフ地震などを見据えて県が速やかに復興本部を設置して復興に向けた国等との連絡調整を行い、本県の復興方針や復興計画を策定するなどの復興体制について、本年度、地域防災計画に新たに位置づけた。こうした復興に関する体制を充実させることは、事前に進めておくことが肝要であるので、大規模災害が発生しても迅速な復興ができるよう、事前復興方針などの策定に向けて努めていく。

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【鈴木 純委員】
 是非、前向きに進めてほしい。
 次に、地域軸という観点から、県域を超える大災害、南海トラフ地震などの広域災害への対応について伺う。愛知県地域強靱化計画の中でも、南海トラフ地震の関係都府県市との連携がうたわれている。中部圏での計画を策定する場合には、愛知県がその中心的な役割を果たすべきであり、中京都構想のように、広域防災に対して県ではなく、一段上のレベルでの計画の取りまとめが必要であると考えるが、当局の所見を伺う。

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【防災危機管理課主幹(政策・啓発)】
 中部圏では、東日本大震災を踏まえ、国土交通省中部地方整備局が中心となって南海トラフ地震対策中部圏戦略会議を平成23年10月に設立し、国や本県のほか岐阜・三重・静岡・長野県と3政令市等を含む地方公共団体、学識経験者や地元経済界が幅広く連携し、南海トラフ地震等の巨大地震に対して総合的かつ広域的視点から重点的・戦略的に取り組むべき事項を中部圏地震防災基本戦略として協働で策定・共有し、フォローアップしている。
 自治体間の広域的な連携としては、中部地域に大規模な災害が発生した場合に備え、中部圏知事会を構成する9県と名古屋市の間で、災害時等の応援に関する協定を平成19年7月26日に締結し、食料・飲料水・生活必需品・医薬品等の資材の提供や職員の派遣等を行うこととしている。この協定に基づく応援が迅速に実施できるよう、中部9県1市広域災害時等応援連絡協議会を設け、定期的な情報交換や共同の防災訓練を実施している。
 また、濃尾平野に広がる海抜ゼロメートル地帯では、地震による津波や台風による高潮で一たび浸水被害が発生すると広大な面積が被害を受けるおそれがあるが、この課題は、本県だけではなく岐阜県、三重県にも共通することから、平成25年に開催された東海三県一市知事市長会議で大村知事が提唱し、東海三県一市・木曽三川下流域等における防災対策連絡会議を設置し、県境を越える防災対策について協議している。この連絡会議では、県境を越える広域的な避難を実施する場合の各自治体の役割などを整理した東海三県一市・県境を越える広域避難調整方針を定めるとともに、昨年度弥富市で開催した愛知県・弥富市津波・地震防災訓練では、この方針に基づいた住民の広域避難訓練を実施した。
 今後も、県境を越えた広域的な課題は、南海トラフ地震対策中部圏戦略会議を活用し、個別の近隣県と共有する課題は、関係県等としっかり連携して対応していく。

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【鈴木 純委員】
 県民にも分かりやすいように計画として示されていると、より安心であると思うので、検討してほしい。
 防災・減災対策には、県民、自主防災組織、企業、行政といった、自助、共助、公助それぞれの主体があり、総体として本県の防災力が確保されている。こうした中で、特に広域的な被害が想定される場合は県民一人一人の取組がより重要であると考える。それぞれの計画に県民の役割などが記載されているが、県民が読む、見るというものではない。県では防災意識向上・啓発のため、防災・減災お役立ちガイド、愛知県防災教育センター、防災・減災備L(そなえる)ガイドなど、いろいろな資料を作成、配布していることは承知している。平成31年9月には伊勢湾台風から60年が経過することから、県民に対する防災啓発の良い機会になると思う。東京都が作成した防災ブックである東京防災のような、個人に防災の取組を訴えかける啓発資材の作成について本県の考えを伺う。

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【防災危機管理課主幹(政策・啓発)】
 本県では、地震・風水害・防災協働社会編の3種類がある防災・減災お役立ちガイドのようなちらし類や、小学4年生全員に配布している防災カレンダーといった啓発資材を作成し、防災フェスタを始めとした各種イベント、防災・減災カレッジといった人材育成の場、県政お届け講座など様々な機会を捉え、子供からお年寄りまで幅広く防災啓発に努めている。
 また、昨年9月には、NTTタウンページ株式会社と防災啓発情報等の発信に関する協定を締結した。この協定に基づきNTTタウンページ株式会社は、避難所マップなど各種防災情報を掲載した防災タウンページ(名古屋版)を、名古屋市の全区で作成し、市内全戸に配布している。本年度は豊橋市版と岡崎市版を作成して配布する予定で、最終的に県内54市町村全ての版を作成して配布する計画と聞いており、こうした民間事業者の取組も活用して積極的に防災啓発を進めていきたい。
 また、多くの県民が大きな関心を持つ伊勢湾台風60周年に併せて防災啓発の取組を行うことができれば、非常に効果的な成果を出すことができると考えている。こういったことを含めて、より効果的な啓発について今後も検討していく。

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【鈴木 純委員】
 東京都の防災ブック作成経費はどの程度か。本県で試算したことがあるか。

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【防災危機管理課主幹(政策・啓発)】
 東京都の防災ブックである東京防災は、首都直下地震等の様々な災害に対する備えが万全になるよう、一家に1冊が常備され、日常的に活用できる防災ブックとして、東京都が平成27年9月1日に発行し、都内の全世帯に配布されている。経費は、印刷・郵送費等を含めて約20億円と聞いている。これに対して、本県が東京防災のような防災啓発冊子を作成した場合に要する経費は、総額で約14億円と試算している。

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【鈴木 純委員】
 14億円のうち、本の制作はどれくらいかかるのか。

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【防災危機管理課主幹(政策・啓発)】
 14億円のうち、印刷製本費は5億円と聞いている。

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【鈴木 純委員】
 14億円というと大きいが、東京都の防災ブックは内容もかなり充実している。県でも時と場合に応じていろいろな啓発資材を配っているが、ちょうど伊勢湾台風から60年ということで、東京都の防災ブックのようなしっかりしたものを作れば、今まで関心がなかった人でも少しは振り向いてくれるのではないか。5億円で製本ができるのであれば、こういったものを配布することで防災コミュニティの意気も揚がると思うので、予算のかからない配布方法を工夫できるのではないか。
 また、あいちトリエンナーレ2016では、街中を紹介したガイドブックが大変人気だったと聞いているが、例えば愛知県内には、先ほどの防災教育センターや港区の防災センターなどのいろいろな防災施設があることから、防災の観点からどこかへ行けるような案内を載せれば、より一層県民の興味を引くことになると思う。今日作成して明日配布するというわけにはいかないと思うが、少し時間をかけて、できれば若手職員の英知を集めて、こういった取組を行うよう要望する。

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【田中泰彦委員】
 LGBTなど性的少数者と呼ばれる人たちが抱える問題は、私たちにとって身近な問題である。同性愛者や性同一障害者は、見た目で分からないが、全国にはたくさんいると言われているが、愛知県でも全国的にも、その対策が余り進んでいないことが問題である。
 人権教育・啓発に関する愛知県行動計画には、性的少数者も人権課題の一つとして位置づけられている。県として県民の理解・認識を深めるため、どのような取組を行っているのか伺う。

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【人権推進室長】
 本県では、平成26年3月に人権教育・啓発に関する愛知県行動計画を改定し、LGBTなど性的少数者についても、取り組むべき重要課題の中に位置づけ、人権教育・啓発を行っている。昨年度は、12月の人権週間にあわせて、性的少数者の人権を始め全部で7種類の啓発ポスターを作成し、名古屋駅等の主要駅に掲出した。掲出後、身近な会話を漫画にして訴えるポスターに「わかりやすい」「考えさせられた」といった意見が相次ぎ、その反響がマスコミ等にも取り上げられたことから、多くの人が人権について考えるきっかけとなったものと考えている。なお、この7種類のポスターをB6サイズのポケットブック一つにまとめ、増刷しながら現在も啓発資料として活用している。また、東大手庁舎にあるあいち人権啓発プラザでは、LGBTを始め様々な人権に関する啓発資料の配布や関連図書・DVDの貸出しを行っている。
 加えて、本年1月には、性的マイノリティの現在と題する講演会を開催し、性同一性障害の当事者であり、当事者やその家族を支援されている人の講演に100人を超える県民が参加した。参加者からは「LGBTの方の苦悩や葛藤を知ることができた」「支援者の存在が大切なことが理解できた」など、たくさんの意見をもらった。

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【田中泰彦委員】
 今の答弁にあったポスターや冊子の反響は全国的にも大きく、あのような取組は当事者や家族にも非常にうれしいことだと思うので、今後も効果的な取組を進めてほしい。
 また、県民と直接接することの多い、県や市町村職員に対しては、LGBTなど性的少数者に対する理解・認識がより不可欠なものと考えるが、県はどのような取組を行っているのか。

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【人権推進室長】
 人権教育・啓発に関する愛知県行動計画では、人権教育・啓発の推進に当たり、とりわけ人権に関わりが深く、より高い人権意識を持って職務に従事することが求められる県や市町村職員などの行政職員等に対して、研修等による人権教育・啓発の充実に努めることとしていることから、人権推進室では、自治研修所で実施する人権研修や各部局が個別に実施する研修会に、職員を研修講師として年間40回程度派遣しているが、そのテーマの一つとして最近ではLGBTなど性的少数者の人権をとりあげている。また、市町村職員を主な対象者として開催している市町村等人権啓発指導者研修会でも、性的少数者をテーマの一つとして取り上げ、性的少数者の当事者等を講師として招き、直接住民と接する機会が多い市町村職員の人権意識の向上を図っている。
 今後も、県や市町村の職員は元より、県民一人一人が、LGBTについて正しい理解・認識を持ち、また、深めることができるよう、市町村、関係団体等とも連携しながら、人権教育・啓発活動に取り組んでいきたい。

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【田中泰彦委員】
 実際に県民と直に接する職員は、LGBTの人がいるということを頭のどこかに置いておくことが大事だと思う。そういった取組を進めてほしい。
 また、LGBTの対策は、ごく一部でやるということではなく県庁をあげて、多くの職員が対応していくことが大事だと思うので、今後も取組を続けてほしい。
 あいち男女共同参画プラン2020でも、性的少数者への理解促進に向けた取組を行っていくこととしているが、県として県民の理解・認識を深めるため、どのような取組を行っているのか。

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【男女共同参画推進課長】
 あいち男女共同参画プラン2020は「すべての人が、互いにその人権を尊重しつつ責任も分かち合い、性別にかかわりなく、個性と能力を発揮することによる、多様性に富んだ活力ある男女共同参画社会の実現」を基本理念としており、その具体的取組の方向の一つとして、性的少数者への理解促進を掲げている。LGBTへの県民の理解・認識を深めるため、昨年7月に2回、公益財団法人あいち男女共同参画財団主催の一般県民向けセミナーで、多様な性の在り方をテーマとして、LGBTの当事者であり、支援者としても活動している人の講演を行った。セミナー参加者からは「講師の実体験に基づく話であり、理解しやすく、説得力があった」「今回の話を聞いて大変参考になった」など、大変好評であった。
 また、本年度は6月17日から7月16日までの期間で、愛知県女性総合センター1階の情報ライブラリーで、LGBTの基礎知識と題して、性的少数者についての基礎知識や、当事者の置かれた困難な現状、支援などを紹介するパネル展示及び関連図書の展示、貸出しを行っている。
 今後も、こうしたイベントなど様々な機会を通じて、県民の性的少数者に対する正しい理解が深まるよう、人権推進室とも連携して取組を進めていきたい。

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【田中泰彦委員】
 県は県内市町村を引っ張っていく立場だと思うが、市町村に対してどのような取組を行っているのか。

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【男女共同参画推進課長】
 市町村に対する取組としては、昨年7月に市町村の男女共同参画担当課長を対象とした会議で、LGBTの基礎理解と支援をテーマに、専門家である大学教授による講演を行った。さらに、本年5月には、市町村の男女共同参画行政担当者を対象に、性的少数者に対するパートナーシップ認定制度をテーマとした研修会を開催し、LGBTに対する最新の動向などの情報提供を通じて、市町村職員の理解促進に努めた。
 県としては、市町村の職員が性的少数者に対して正しい理解・認識を持つことで、市町村でのLGBTに対する取組が推進されるものと考えている。

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【田中泰彦委員】
 愛知県公立大学法人愛知県立大学教育福祉学部とは、具体的にはどのようなことを行っている学部なのか。

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【学事振興課長】
 教育福祉学部は、教育発達学科と社会福祉学科から成り、教育と福祉の統一の視点に立った人間の尊厳を打ち立てるための教育を行っている。この学部では、将来、教員、保育士として子供に関わっていく者や、社会福祉士、精神保健福祉士として、地域や職場で活躍する人材を育成するという教育を行っている。

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【田中泰彦委員】
 今の答弁に人間の尊厳という言葉もあったが、教育と福祉のプロフェッショナルを育てるということであり、その中で、LGBTに対する対応についても、これからの時代は必要になると思うが、愛知県立大学の教職員への対応はどうなっているか。

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【学事振興課長】
 愛知県立大学におけるLGBTへの支援では、大学職員の理解促進も欠くことのできないものと考えていることから、愛知県立大学では、昨年9月にLGBTへの理解と支援と題した学内研修を行い、意識啓発に取り組んでいる。

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【田中泰彦委員】
 先日の一般質問で、7.6パーセントのLGBT対象者がいるという民間企業の調査結果を紹介した。学生の中にも対象者がいる可能性があるが、学生に対する対応はどうなっているか。

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【学事振興課長】
 愛知県立大学では、大学生活を送る上での様々な悩みについて、問題解決を進める場として、学生相談室を設置し、学生の悩みに応じて、保健師、臨床心理士などにより、専門的な相談にも応じている。その中で、LGBTに関して、現時点では学生からの相談はないものと聞いているが、仮に、そうした相談があった場合には、実情をよく聞き、相談者の意思を尊重し、心の性の問題についても十分配慮するなどして、大学で必要な対応を行うこととしている。あわせて、LGBTに関する情報提供や研修を行うなど、大学全体として学生を支援していく。

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【田中泰彦委員】
 これから大学に入ろうと考えているLGBTの人が入学を目指す、又は入学しやすい環境であることも必要だと思う。教育福祉学部の学科の中に、LGBTに対するカリキュラムは含まれているのか。

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【学事振興課長】
 教育福祉学部には、障害児教育や児童福祉論、発達心理学あるいは発達援助論といった授業科目がある。その中で、様々な状況に応じた支援の在り方について教育・研究を行っていくこととしている。また、福祉デザインの領域では地域福祉論や多文化社会論といった授業科目もある。こうした中に今日的課題としてのLGBTも含まれてくるものと考えている。
 また、将来、教員や福祉士を育てるという教育の使命があり、今後もこのような教育研究活動を通じて、LGBTの人も含めた、全ての人間の尊厳が守られる成熟した共生社会の創造に貢献できるような教育に取り組んでいきたい。

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【田中泰彦委員】
 今、多文化社会論という言葉が出たが、ダイバーシティという言葉があり、多様性のある社会を認めていくということは、これからの社会で非常に大事なことである。LGBTに関しても、環境の整備を始めとしてこれからしっかりと取り組み、世界に誇れる愛知になってもらえるように期待したい。
 次に、消防団は、火災出動のみならず、地震や風水害等の大規模災害が発生した際には、被災者の救出・救助等、多くの局面で地域の消防防災体制の中核的な存在であり、地域の安全安心を確保する上で大きな役割を担っている。また、南海トラフ地震の発生が懸念される中、地域の実情を知る消防団の存在はますます重要である。
 こうした中、消防団員数が全国的に減少しているが、本県の状況について伺う。

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【消防保安課主幹(消防・予防)】
 本県の消防団員数は、平成17年の約2万5,200人から平成27年には約2万3,200人と減少傾向にあったが、昨年度は前年比で14人の増加、本年度は前年比で312人の増加となっている。

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【田中泰彦委員】
 本年度、消防団員が増加した要因は何か。

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【消防保安課主幹(消防・予防)】
 名古屋市が大学生分団を増設し、昨年度2大学50人が7大学175人に増加した。また、西尾市が旧西尾市地域で機能別消防団16分団、263人を発足させたことが主な要因である。

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【田中泰彦委員】
 県は消防団への加入促進にどのように取り組んでいるのか。

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【消防保安課主幹(消防・予防)】
 県では、平成25年から毎年1月20日をあいち消防団の日とし、県内市町村と一体となりPRしてきた。また、昨年度からは、あいち消防団応援の店制度の導入、消防団一日入団体験事業、学生消防団活動認証制度普及事業、消防団加入促進事業費補助金といった四つの事業を実施し、本年度からは、学生消防団交流シンポジウムや女性消防団活性化推進プログラムを実施する。

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【田中泰彦委員】
 消防団応援の店の登録状況について伺う。

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【消防保安課主幹(消防・予防)】
 本年1月20日に106店舗で運用を開始し、本年6月23日現在で231店舗となっている。

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【田中泰彦委員】
 登録店舗数が少ないようだが、今後、登録店舗数を増やすためにどのように取り組んでいくのか。

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【消防保安課主幹(消防・予防)】
 前年に引き続き、制度を理解してもらうよう市町村、商工会や、飲食店等の同業者組合等に働きかけ、協力を得ながら増加に努めていく。

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【田中泰彦委員】
 名古屋市内の登録が少ないようだが、どのように取り組んでいくのか。

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【消防保安課主幹(消防・予防)】
 名古屋市でも、ほかの市町村と同様に、商工会や同業者組合へ働きかけを行っていくことで、登録店舗が増加していくことを期待している。

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【田中泰彦委員】
 名古屋駅周辺や栄、西区など都市部では、日中に人が多く集まるが居住者は少ない。消防団の確保にも特別な対応がいると思う。豪雨の場合など、帰宅困難者が生じたときの対応にも消防団の力が必要と考える。都市部特有の事情を考慮してほしい。
 消防団応援の店制度についても、消防団員とその家族はもちろん、登録店舗にとってもメリットのある制度とするように要望する。

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【浅井よしたか委員】
 あいちトリエンナーレはこれまで2010年、2013年、2016年と3回実施したが、来場者数の推移を伺う。

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【トリエンナーレ推進室主幹(トリエンナーレ)】
 総来場者数は、2010年の第1回は57万2,023人、2013年は62万6,842人、昨年が60万1,635人であった。

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【浅井よしたか委員】
 2013年に来場した人で2010年も来ていた人、2016年に来場した人で前回2013年も来ていたリピーターの割合を伺う。

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【トリエンナーレ推進室主幹(トリエンナーレ)】
 2013年に来場した人で2010年に来場した人は、40.6パーセントであった。また、昨年来場した人で2013年に来場した人は、46.1パーセントであった。

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【浅井よしたか委員】
 2010年、2013年、昨年のトリエンナーレにおける企業からの寄附金の推移を伺う。

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【トリエンナーレ推進室主幹(トリエンナーレ)】
 企業からの寄附金の推移は、2010年は56社から1,546万円、2013年は35社から1,295万円、昨年は35社から1,196万6,000円であった。

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【浅井よしたか委員】
 総数が増えていない中で、リピーターが増えているということは新規の来場者が増えていないということである。県が頑張っている割には、今一つ広がりが出ていないのではないか。県として、人数の推移を見て原因をどのように考えているのか伺う。

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【トリエンナーレ推進室主幹(トリエンナーレ)】
 昨年の総来場者数は、前回より2万5,000人減ったが、開催日数が79日間から74日間へと5日間減ったことに加えて、話題性やインパクトのある作品が少なかったことも要因ではないかと分析している。来場者数の設定は、会場・会期・作家数等とも関わるので、これらと一緒に検討していきたい。

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【浅井よしたか委員】
 芸術なので来場者数だけが目標でないとは思うが、13億円、14億円の予算を使う事業であり、来場者数も大きな指標になると思う。ほかの地域で実施されるトリエンナーレでも、例えばヨコハマトリエンナーレは来場者数が伸びていない。ヨコハマトリエンナーレも愛知県と同様に芸術監督を毎回交代していたが、本年は新たに芸術監督を3人体制として状況を打破していこうという意気込みがあるようである。2000年から始まっている越後妻有アートトリエンナーレは、50日間の開催期間で1回目は16万3,000人、2回目は20万5,000人、3回目は34万9,000人、4回目は37万5,000人、5回目は48万9,000人、6回目は51万人とどんどん伸びている。また、成功しているという瀬戸内国際芸術祭は、愛知県と同じく2010年に第1回を開催し、最初は94万人であったが、昨年は104万人まで伸びている。瀬戸内国際芸術祭の芸術監督は、第1回からずっと北川フラム氏である。偶然かもしれないが、越後妻有アートトリエンナーレは50日間で51万人、瀬戸内は108日間で104万人と成功しているところでは、来場者は大体1日1万人である。100年以上続いているベネチアのビエンナーレは、次世代のアーティストの登竜門というような位置づけになっており、それぞれ特徴があると思う。
 あいちトリエンナーレの開催目的について伺う。

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【トリエンナーレ推進室主幹(トリエンナーレ)】
 あいちトリエンナーレでは、三つの開催目的を示している。一つ目は、新たな芸術の創造・発信による世界の文化芸術の発展への貢献、二つ目は、現代芸術等の普及・教育による文化芸術の日常生活への浸透、三つ目は、文化芸術活動の活性化による地域の魅力の向上である。

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【浅井よしたか委員】
 これらは愛知ではなくてもどこでも通じる目的だと思う。ほかの地域で成功しているトリエンナーレは、その地域らしさや独自性があるのではないか。来場者数とともに、愛知らしさや芸術監督の在り方について、もう一度しっかり議論する必要がある。それから、越後妻有アートトリエンナーレや瀬戸内国際芸術祭では旅行業者とうまくタイアップして、旅行のルートに組み込んでいるが、本県では旅行業者や観光業との連携についてどのような取組を行っているか。

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【トリエンナーレ推進室主幹(トリエンナーレ)】
 あいちトリエンナーレでも観光客を誘致するために旅行会社と連携したツアーを実施している。また、ホテルと連携して、様々な方法で県外や海外からの呼び込みを図っている。

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【浅井よしたか委員】
 2019年はオリンピックの前年であり、愛知県ではラグビーワールドカップが開催される。2019年、2020年、2021年と愛知を発信していく中で、十数億円の予算を使うトリエンナーレも大きな要素としていかなければいけない。人数の目標設定や運営体制や芸術監督について、トリエンナーレ2016の反省や課題を踏まえ、どのように考えているか伺う。

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【トリエンナーレ推進室長】
 2019年に向けては、トリエンナーレ2016の課題等を踏まえ、監督を選考委員会で選考している。毎回、新しい監督の下、新しいテーマで行うのがあいちトリエンナーレの特徴と考えていることから、新しい監督の下で、今までの課題等をきちんと検証して、素晴らしいものにしていきたいと思うので、引き続き御支援をお願いしたい。

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【富田昭雄委員】
 あいち・なごや強靱化共創センターの開設の経緯について伺う。

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【防災危機管理課主幹(政策・啓発)】
 国立大学法人名古屋大学とは、平成26年2月に覚書を締結し、これまでも防災教育、啓発活動等で連携するとともに、県職員を受託研究員として派遣し、防災・減災に関する課題について共同研究を行ってきた。本県では、平成27年度に愛知県地域強靱化計画を策定したことから、地域の強靱化を実現するため、関係機関が一層連携して強靱化施策を推進する必要があると考えている。そうした中、松尾名古屋大学総長が提唱した名古屋大学松尾イニシアティブに、産学官民連携モデルの構築に関する提案があった。
 また、一般社団法人中部経済連合会の平成28年度事業計画に産学官連携による防災・減災対策の推進が新たに追加されたことから、産業界や大学からも産学官連携による地域の強靱化の機運が高まってきた。この機会を捉え、本県が事務局になり、名古屋市・名古屋大学・国土交通省中部地方整備局、経済産業省中部経済産業局、中部経済連合会、名古屋商工会議所等で構成する産学官連携による地域強靱化の推進体制構築に関する協議会を昨年12月に立ち上げ、産業界、大学、行政が戦略的に地域強靱化を推進する組織として、あいち・なごや強靱化共創センターの開設に向けた検討を進めてきた。さらに、本年5月に開催した第3回協議会で、同センターの基本計画や本年度の事業計画等について産学官の関係機関の合意に至ったことから、本年6月1日に名古屋大学、名古屋市と本県の三者であいち・なごや強靱化共創センター設置に関する協定書の締結を行い、名古屋大学減災館での開設に至った。

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【富田昭雄委員】
 今後は、本県が中心となり引っ張っていくということだが、あいち・なごや強靱化共創センターでは当面の事業として何を実施するのか。また、県と名古屋大学の役割分担について伺う。

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【防災危機管理課主幹(政策・啓発)】
 あいち・なごや強靱化共創センターでは、地域を強靱化する上での課題を解決するための調査研究を行う研究・開発部門と産業、県民及び行政支援等を行う事業部門に分かれて事業を進めていく。
 研究・開発部門では、企業の事業継続の支障となるインフラ、ライフライン施設の脆弱性を解消するため、施設の耐震状況など関係機関が保有する情報を集約し、施設が被災した場合のほかのライフライン機関への影響や産業全体への影響を分析する産業基盤ボトルネック調査を行う。本年度はライフライン機関等の施設の耐震性等に係る基礎的なデータの収集・整理を行う予定である。
 また、災害時の情報システムとして、県の防災情報システムや国土交通省の統合災害情報システム等があるが、それぞれ開発・運用されているため、情報を利用する側、発信する側にとって利便性の高い災害情報システムとなっていない。こうした課題を踏まえて災害情報基盤研究を行っていく。本年度は、名古屋大学減災連携研究センターで行ってきた研究成果を継承し、開発中のシステムや既存のシステムの課題について整理・分析する。
 事業部門では、防災ワンストップ事業と産業、県民、行政に係る人材育成事業を実施していく。防災ワンストップ事業は、企業等からの防災・減災に係る相談に対応し、必要に応じて適切な相談先を紹介する。産業人材育成事業では講習会の開催や啓発資料の作成等により中小企業の事業継続計画策定を支援していく。県民人材育成事業では、県民の自助・共助の取組を促進するための職種別防災講習会の開催や啓発資料の作成等を行う。行政人材育成事業では熊本地震の教訓を踏まえ、市町村職員が災害対策に係る専門的な知識を身につけられるよう専門研修を実施する。その中で住家の被害認定研修を受講した者を家屋被害認定士として登録・管理していく。
 県と名古屋大学の役割分担について、あいち・なごや強靱化共創センターは、県、名古屋大学と名古屋市が協定を締結し、共同で開設しているが、研究開発部門は大学が、事業部門は行政が中心となって業務を進めている。研究・開発部門には、名古屋大学が教員3人、本県から職員1人を配置し、共同して調査・研究を進めていく。また、人材育成などを行う事業部門にも本県から職員1人を配置し、その職員が中心となって人材育成研修等の業務を進めている。あいち・なごや強靱化共創センターの組織は、福和名古屋大学教授がセンター長、本県の防災危機管理課長が副センター長として、名古屋大学と県が共に業務運営に関与し、事業を進めている。あいち・なごや強靱化共創センターの事業計画や事業計画に係る収支予算や決算等について議決する運営協議会の会長には本県防災局長が選任され、副会長の福和名古屋大学教授や名古屋市、中部地方整備局、中部経済連合会、名古屋商工会議所といった構成員と連携・協力して、事業計画等を決定していく仕組みとなっており、本県が大きな役割を担いながら、この地域の強靱化を推進していく。

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【富田昭雄委員】
 民間では相当前から名古屋大学と組んで研究しているので、まちづくり等の研究は相当進んでいると思うが、地域防災のことを考えると行政の人材育成が最も大事であると考えるので、県にはしっかりと市町村の職員の研修等を行ってほしいが、定期的に行う計画はあるのか。

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【防災危機管理課長】
 あいち・なごや強靱化共創センターの役割の一つに研修事業があり、これには市町村の参画等も重要と考えている。行政職員の研修を今後引き続き行うことはもちろんであるが、あいち・なごや強靱化共創センターへ市町村にも関わってもらい、県と市町村が連携して、強靱化の取組を進めていきたい。

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【富田昭雄委員】
 是非、地域防災を主に、人材育成に積極的に取り組んでほしい。
 次に、愛知県は、中学3年9月の進路希望調査では全日制高等学校への進路希望が94.5パーセントであるが、12月には91パーセントまで落ち込んでいる。どこに原因があると考えているか。公私立高等学校設置者会議では、計画進学率を93パーセントと定めているが、着地点では90パーセントになってしまう状況が20年も続いている。公私受入れ比率を2対1と決めている公私立高等学校設置者会議では、結果として90パーセントになるということについて問題意識を持ち、私学としてそれを改善しようという取組を行っているのか。また、公私立高等学校設置者会議でそのような議論はあるのか伺う。

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【私学振興室主幹(認可・助成)】
 本年度は、私立高等学校の募集計画数2万2,479人に対して、5月1日現在の暫定入学者数は2万496人と1,983人の欠員となっている。また、国公立高等学校でも、募集計画数4万5,040人に対し、5月1日現在の暫定入学者数は4万4,612人と428人の欠員が生じている。私立高等学校に欠員が多い原因は、国の就学支援金制度による公立高等学校授業料の実質無償化に伴う公立志向の高まりや、全日制課程以外にも広域通信制を含む通信制課程や定時制課程、また、専修学校、各種学校、職業訓練校など、生徒の進学希望の選択の幅が広がったことも要因と考えている。

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【私学振興室長】
 全日制高等学校への進学が選択されていないという問題意識は、設置者会議でも持っている。
 公立高等学校では単位制の高等学校、長期不登校生徒の選抜制度の実施など、全日制高等学校を選択してもらえるような取組を実施している。私立高等学校でも、不登校の生徒を受け入れるための特別選抜の制度や、私立を選択してもらえるような魅力づくりが大事であり、入学時に一定の基準で学業不振と判定された生徒に対して、学力別のクラス編成や習熟度別のグループ分けを行い、中学校レベルの学び直しを含む特別な対策など、魅力づくりに取り組むところも増えてきている。県としても、そうした特色を持った取組に経常費補助金を配分することで改善努力を促している。

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【富田昭雄委員】
 昨年度、そういった多様な生徒を受け入れる取組を実施した私立高等学校に対して新たに補助を実施したということか。

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【私学振興室長】
 特別な対策を講じている私立高等学校に対しては、昨年度、新たに配分項目を設けて補助を実施した。

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【富田昭雄委員】
 学校側もいろいろ工夫して取り組んでいるので、そのような補助を増やすなどの取組を積極的に実施し、全国最下位の90パーセントを脱するとともに進学率93パーセントの達成に向けて公私で努力するよう要望する。

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【岩村進次委員】
 トリエンナーレに関連して、一宮市内で本年度実施する取組について伺う。

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【文化芸術課長】
 トリエンナーレは3年ごとに開催するが、トリエンナーレを実施しない中間年には、トリエンナーレ地域展開事業を行っている。本年度は、地域展開事業の中心となる現代美術展を、一宮市内の5か所で行う。トリエンナーレ2016の開催成果を広めることと、トリエンナーレ2019の開催気運の醸成を図ることを目的として、地域で展開していきたい。

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【岩村進次委員】
 中間年でそういう仕掛けを行い、次の年のトリエンナーレに生かしていくための努力を行うことでしっかりと盛り上げてほしい。