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平成25年文教委員会 本文




2013.03.18 : 平成25年文教委員会 本文


(主な質疑)
《議案関係》
【直江弘文委員】
 愛知総合工科高等学校が本県のハイレベルな工業教育の拠点になると思うが、問題は中身である。本県には世界でも類例のないすばらしい技術を持った自動車産業や航空産業の企業がたくさんあるので、第一線の技術者を講師として招き、最先端の技術を教える必要がある。それと同時に、現場に行って目で見て技術に触れ、働くことの意味を体で感じさせる教育が必要であり、これこそがキャリア教育だと思う。体験研修のあるデュアルシステムは全体の中のどれくらいの割合なのか。

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【高等学校教育課長】
 愛知総合工科高等学校は本県の工業科では初めて2年の専攻科を設ける。専攻科ではデュアルシステムとして3か月程度の現場実習を予定している。専攻科だけでなく、高等学校でも指導主事が名古屋の企業を中心に訪問し、どのような人材を求めているか現場のニーズを調査している。その結果を教育課程に反映していくよう、平成27年の開校に向けて事業内容を今後検討していきたい。

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【直江弘文委員】
 東京都立六郷工科高等学校が功績を挙げている。地域の企業と協定を結び、1年生は1週間、2年生は2週間、3年生は3か月研修に行くことになっている。例えば定員が100人だとするとデュアルシステムはどれぐらいの割合なのか。そのウェートを高くしてほしい。

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【高等学校教育課長】
 今後、教育内容を検討するが、少しでも多くの者が研修に行けるようにしたい。専攻科については20人2クラスであるが、全員が3か月の実習に関わる予定である。

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【直江弘文委員】
 中小企業でも光る技術を持っているところはたくさんある。大企業にこだわる必要はない。情報を収集して時代に合った総合工科高等学校づくりをしてもらいたい。教育委員会は教職員の集まりで、世の中を知らない人が多い。もっと外へ出て情報を集めてもらいたい。中小企業は普通大学を卒業した者よりも工業高等学校を卒業した者の方が役に立つと言う。愛知総合工科高等学校に大変期待をしているので、モデルとなる学校をつくって欲しい。

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【吉田真人委員】
 スクールカウンセラー設置事業費について伺う。小学校では173校から181校へ増加し、中学校は全校配置と聞いているが、間違いはないか。

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【義務教育課長】
 スクールカウンセラーの配置状況は中学校では全校配置を完了しており、来年度は3校増え、307校となる。小学校では173校から181校へ増やし、全小学校の4校に1校の割合で配置され、全校に巡回指導ができる状況である。

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【吉田真人委員】
 スクールカウンセラー設置事業は専門家をなるべく配置すると聞いているが、臨床心理士の資格を持つ者を採用する予定か。

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【義務教育課長】
 臨床心理士あるいは臨床心理士に準ずる者を採用資格としている。

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【吉田真人委員】
 小学校では4校に1校の割合とのことだが、十分な配置と考えているのか。

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【義務教育課長】
 スクールカウンセラーは週に1回の勤務なので、小学校は月に1回の配置という状況である。小学校については、もっとスクールカウンセラーの配置を充実する必要があるとの声も聞く。一方、4校の中で、ある学校には月に2回行き、ある学校には行かないという柔軟な対応を求める声もあるが、基本的に配置を充実する方向で考えている。

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【吉田真人委員】
 財政等の問題もあると思うが、スクールカウンセラーの重要性も考慮し、今後の整備に努めてもらいたい。


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《一般質問》
【直江弘文委員】
 キャリア教育推進事業では具体的にどのようなことをやるのか。

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【義務教育課長】
 小・中学校では中学校2年生を対象に5日間程度の職場体験学習である「あいち・出会いと体験の道場」を行っている。また、小学校では伝統工芸士、技能士等を学校に招く「夢をはぐくむ あいち・モノづくり体験事業」を主に行っている。

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【直江弘文委員】
 近年、子どもたちの理科離れが叫ばれているが、理科離れするような教育の仕組みになっている。愛知県内の149の県立高等学校のうち7割が普通科である。ほとんどはホワイトカラーを育成する教育をしているが、時代遅れである。多くの生徒が目標なく高等学校、大学に進学すると聞く。大学を卒業したものの何の技術もないから企業に入ってもついていけずに辞めてしまう。親がいつまでも元気で子どもの面倒を見るから、ニートやフリーターになってしまう。小学生のうちから老人施設、消防署、警察署、工場などへ行って現場を見学させるべきである。そうすると、自然と興味を持つ。惟信高等学校に素晴らしい校長がいる。理科離れを防ごうと名古屋工業大学、豊田工業大学、大同大学などと連携して講義を受けさせた。その結果、子どもたちは理科に興味を持ち、十数人の生徒が工業大学に入学することとなった。勉強が好きでたまらない優秀な子どもは一握りである。そういう子どもにはどんどん勉強してもらってエリートになってもらえばいい。ところが、中途半端なことをやるから財界もしびれを切らして海陽高等学校をつくった。そういうエリートも必要だが、世の中のほとんどはブルーカラーである。どの子どもにも得手不得手がある。良いところを早く見つけて伸ばしてあげる。目的を持って高等学校、大学に行かせるべきである。名古屋大学を卒業して医療専門学校へ入り直す者もたくさんいる。そんな教育をやっていていいのか。総合高等学校、総合学科がうまくいっている。見違えるほど変わる。成功しているのに、どうして早くやらないのか。それが結局は子どものストレスになっていると思う。それが、ひいてはいじめや非行や不登校になるのではないか。東京都や大阪府に比べると本県は総合高等学校が少ない。愛知工業高等学校を東山工業高等学校に統合すると、愛知工業高等学校の土地が空く。そこへ総合高等学校を設置してもいい。総合高等学校をいくつか視察したが、子どもたちは自分の好きなことやっているから不平・不満が少ないという。うまくいっているから、教員の言うことも素直に聞き、素行も行儀も良くなる。いじめる生徒もいじめられる生徒もストレスを感じている。やはり戦後の教育制度、教育委員会制度はもう制度疲労していると言わざるを得ない。私の考えは間違っているか。

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【教育長】
 目的を持って学ぶことや、いずれは社会に出て、どのように役立っていくのかを一人ひとりが考えながら勉強することは重要なことだと思う。普通科ももちろん必要であるが、総合学科や職業科の高等学校もたくさんある中で、どういう道に進むのかを考えていくことも非常に重要である。高等学校再編となると予算の問題もあり、多方面の理解も得ながらやらなければならない。本会議でも答弁したが、これからの方向性をそろそろ見直すべき時期にきていると思う。早期に新しい高等学校のあり方を職業科も含めて検討していく方向で努力したい。

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【直江弘文委員】
 普通科の高等学校が7割では子どもたちにとって選択の余地がない。学校だけの責任ではない。親も社会も普通科志向、ホワイトカラー志向である。しかし、現実の社会はそうではない。もっと選択肢を広げて、自分の特性を見つけられるような仕組みにしないといけない。高等学校を大学のようにしてはどうか。1年生は教養課程、2年生、3年生はメニューがたくさんあって、自分の好きなコースを選んで専門教科を学ぶ。更にスキルを上げたい者は大学に行くということにしない限りは、ニートやフリーターが増えるだけである。子どもはストレスがたまっている。いじめ、非行、不登校はストレスのはけ口になっており、減ることはない。
 本県は農業、商業、工業もあり、日本のモデルのような地域である。新しい方向に向けて、教員の数を増やすなどというミクロな話ではなく、仕組みそのものを変えていき、社会の役に立つ即戦力になり得るような生徒をつくることが、これからの教育制度のあり方ではないか。教育委員長は民間出身だと思うが、感想を伺う。

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【教育委員長】
 大学で心理学を専攻しており、その観点から意見を述べる。子どもたちにとって学ぶことは非常に重要だが、本来、学ぶことが働くこととつながっていくべきだと思う。学ぶことの意味が働くことにつながればいいが、多くの子どもたちが学ぶ中で勉強嫌いになってしまい、学力の二極化が進んでいると言われている。勉強をして、どんどん競い合って点数が上がっていく生徒は良いのかもしれないが、だんだん勉強に対して意欲を失う子どもたちが増えている。学力的に偏差値50を下回る子どもたちに多くいると思う。そういった子どもたちが働くことの意義や喜びを実感でき、働くことにつながる教育ができればいいと思う。また、高等学校教育に関しては全日制の普通科が非常に多く、そこへ子どもたちが目的を持たずに進学し、大学も目的を持たずに進学している実態は否定できない。
 瀬戸北総合高等学校と岩倉総合高等学校を視察したことがあるが、とても良い学校だったと記憶している。そのようなことも踏まえて、今後改善していけたら良いと思っている。

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【直江弘文委員】
 神奈川県の川崎高等学校はミニ大学のような単位制の公立高等学校である。生徒も教員も全県から募集しており、保護者の評価は90数パーセント満足だという。やはり目標を持っているから満足する。今の教育制度では不満足なのである。だから、いじめや非行につながる要因になっていると言った。教育長はこれを間違っていると完全否定しなかったから少しは理解していると思うので、できるだけスピードアップして子どもたちのストレスを少しでもなくすように努力してほしい。

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【日比たけまさ委員】
 キャリア教育の推進に向けた取組について伺う。昨年10月の文教委員会にてキャリア教育の現状について数点質問をした後、昨年11月の文教委員会県外調査にて福岡県立城南高等学校を訪問し、キャリア教育への取組を伺った中で、その推進に向けては、教員一人ひとりの理解度向上が大切であると改めて感じた。また、今回、愛知県産業教育審議会から「高等学校における産業教育等を通した本県産業を担う人材の育成方策(答申)」が公表されたので、その点も踏まえて確認をする。
 本年1月15日の読売新聞にて「キャリア教育高校必修に 来年度にモデル校選定」という記事が掲載された。このような動きを県教育委員会として把握しているのか。また、これに限らずキャリア教育推進に向けての国の動きをどのように把握しているのか。

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【高等学校教育課長】
 新聞記事の件について文部科学省に確認したところ、来年度から普通科5校をモデル校として指定し、生徒が主体的に進路を選択できることを目標とした学校設定科目を設けて研究し、その成果を見て、キャリア教育の高等学校必修化について検討していくとのことである。その他の国の具体的な動きは今のところないが、平成25年度から実施される高等学校の学習指導要領総則の中では、「生徒が自己のあり方、生き方を考え、主体的に進路選択することができるよう、学校の教育活動全体を通じ、計画的、組織的な進路指導を行い、キャリア教育を推進すること」と新たに示されていることから、この学習指導要領に沿った学校経営をしていかなければならないと考えている。

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【日比たけまさ委員】
 文部科学省が指定する5校とは、愛知県のことか、全国のことか。

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【高等学校教育課長】
 全国で5校である。

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【日比たけまさ委員】
 県教育委員会が掲げる「キャリア教育」とは何か。教員にどう説明しているのか伺う。一般的に狭い意味で就職支援と限定されがちであるが、その点についてはいかがか。また、前回の質問の際は義務教育課からキャリア教育推進の手引き、キャリア教育推進DVDの作成及び配付について説明があったが、これらはどの程度活用が図られているのか。また、具体的な活用事例があれば紹介してほしい。
 一方、高等学校教育課からはキャリア教育推進フォーラム、キャリア教育推進会議の取組について説明があったが、もう一歩突っ込んで、各学校単位での「キャリア教育推進委員会」といった組織体はあるのか。また、キャリア教育全体計画や年間指導計画はあるのか。先日訪問した城南高等学校ではこの組織がキャリア教育推進の担い手となり、今回の答申においても委員会設置や教育計画作成が求められているので確認する。

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【義務教育課主幹(義務教育)】
 「キャリア教育」とは「子どもたち一人ひとりの社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てる教育」と定義している。その能力とは「人間関係をつくる力」、「自分の役割を理解する力」、「課題に対応する力」、「自分の将来を設計する力」などであり、こういったものを身につけさせたいと考えている。県教育委員会では、キャリア教育推進の手引きをウェブページに掲載したのに続き、昨年度は、教員研修用にキャリア教育推進DVDを作成し、全小・中学校に配付し、キャリア教育の啓発に努めている。
 本年度実施した調査では、県内の約9割の小・中学校で校内での研修や授業を行うためにキャリア教育推進の手引きを活用しており、また、キャリア教育推進DVDは県内の約8割の小学校で視聴されているとの結果を得た。ある小学校では、キャリア教育の校内研修で、全職員がDVDを視聴し、キャリア教育について共通理解を図り、キャリア教育の年間指導計画作成に取り組んだ。研修後には「キャリアとは職業でなく生き方全般とわかった。」、「キャリア教育とは社会で生きていく総合力を育てる教育だと感じた。」といった感想が聞かれ、キャリア教育に対する意識が高まったことがうかがえた。今後も、手引やDVDを活用した研修を推進するとともに、各学校において教科や特別活動、日常的な係活動や当番活動など、学校教育全体を通して、キャリア教育が推進されるよう各市町村教育委員会に働きかけていきたい。

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【高等学校教育課長】
 県立学校の中には、進路指導部にキャリア教育を推進するプロジェクトチームを設けたり、キャリア教育担当教諭を置いたりして、学校全体のキャリア教育の計画、運営を行っている学校もいくつかある。また、「キャリア教育推進委員会」として独立した組織を設置している学校も数校ある。
 学校全体で3年間を通した系統的なキャリア教育を推進していくためには、キャリア教育の全体計画や年間指導計画を作成し、指導の目的を明確にする必要がある。このため、県教育委員会としては来年度、各学校が計画を作成する際の参考資料を示していきたい。

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【日比たけまさ委員】
 キャリア形成に関する学習やその成果に関する記録を作成するキャリア教育ノートが効果的なツールと感じるが、城南高等学校でもこの点を確認することができ、今回の答申でも積極的な活用と成果の検証が求められている。キャリア教育ノートの活用の実態や、小学校・中学校・高等学校間の連携はどのようになっているのか。

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【義務教育課主幹(義務教育)】
 小・中学校では、これまでも学校ごとに独自のワークシートを作成し、児童生徒が学校行事等で学んだことを書きとめたり、学期の始めや終わりなどの節目ごとに自分の成長を記録したりして、振り返りに活用してきた。キャリア教育ノートは、これまでの学校ごとの取組を系統化し、小・中・高等学校の12年間を通して、キャリア教育を実践していく手助けとなるように作成した。今のところ、小・中学校とも約80パーセントの学校でキャリア教育ノートを活用している。実際には、これまで使ってきたものとキャリア教育ノートとを組み合わせ、各学校の実態に合わせて、学校独自のキャリア教育ノートを作成しているので、活用の仕方や頻度等には若干の違いがある。また、キャリア教育は系統的に実践していくことが重要であり、そのためにキャリア教育ノートも作成したところであるので、今後、その状況を把握していくとともに、より有効に活用していくことで学校間の連携強化に努めていきたい。

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【高等学校教育課長】
 高等学校におけるキャリア教育ノートの活用については、全日制の県立高等学校146校のうち33校、2割強にとどまっている状況である。このため、来年度、県内14地域で実施しているキャリア教育に関する地域推進会議の場で、キャリア教育ノートの活用について協議を進め、その活用率の向上を図るよう指導していく。

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【日比たけまさ委員】
 キャリア教育推進に向けては、現場の負担を把握しフォローすることが大切である。受入れ企業や講師の選定については現場での負担感があるとの話も聞くが、こうした実態を県教育委員会としてどのように認識しているのか。例えばキャリア教育担当教員を配置するといった大胆な取組も検討できないものかと考えるが、どのような現場支援をしているのか。

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【高等学校教育課長】
 現在、全ての県立高等学校でインターンシップ等の体験的なキャリア教育に取り組んでいるが、普通科では、日頃、就職指導等で企業との付き合いがなく、受入れ事業所の確保が大変厳しいと聞いている。人数分の受入れ先が確保できなかったり、インターンシップ先の業種に偏りがあるなどの課題があると認識している。
 この課題を解決するため、県教育委員会では、インターンシップ等の受入れや社会人講師の派遣に協力してもらえる事業所等を「あいち夢はぐくみサポーター」として広く募集をしている。現在、各種メーカーや銀行、スーパーなど264事業所の登録があり、来年度は各学校でこれらの事業所を活用するよう指導していく。
 また委員から提案があった担当教員の配置については、標準法に規定のない担当教員を配置することは困難であるが、各地域の拠点校にはキャリア教育の担当として「就職支援事務嘱託員」を配置し、その地域の学校のキャリア教育を支援している。

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【日比たけまさ委員】
 平成25年度実施予定の「第23回全国産業教育フェア愛知大会」は今後キャリア教育の推進を図る上で一つの契機になると考えるが、どのように活用するつもりか。

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【高等学校教育課長】
 本年11月に開催される「第23回全国産業教育フェア愛知大会」は専門学科等で学ぶ全国の高校生が愛知県に集い、研究発表や作品展示、ロボット競技大会、各種コンクール等により生徒同士の交流を深めるとともに、学習成果を広く社会に発信するものである。開催後はその成果を整理した上で、今後の活用を検討していきたいが、大会のねらいを踏まえると、今回の大会では地元の小・中学生が参加する予定となっており、小・中・高等学校の系統性のあるキャリア教育の取組が必要であることから、今後参考としていきたい。また、この大会は商工会議所や経済連合会等の協力を得て実施され、地域の産業界からのニーズを十分に把握することができるので、今後はそのニーズを踏まえた人材育成のためのキャリア教育を進めていきたい。

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【日比たけまさ委員】
 今後キャリア教育の重要性が増すことは間違いない。より一層の推進をお願いする。
 次に特別支援学校における児童生徒の安全対策について伺う。始めに防災対策について、ハード面の対策、耐震化については実施済みと聞いているが、避難訓練を始めとするソフト面の対策についてはどのように図られているのか。また、東日本大震災での対応を考慮して、改善した点があれば併せて伺う。

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【特別支援教育課長】
 特別支援学校においては、各学校が幼児児童生徒の障害や地域の実情に合わせた内容・方法で防災訓練や防災教育に取り組んでいる。防災訓練としては、避難の方法や経路、避難場所を理解して、安全かつ速やかに避難できるよう、地震、火災を想定した避難訓練やスクールバス乗車中の非常時対応訓練、地域によっては津波を想定した避難訓練などを年に3回以上行っている。また、寄宿舎を設置している特別支援学校では、寄宿舎における避難訓練も実施している。防災訓練の際には、揺れを体験できる起震車やスモークハウスなどを使った災害体験を行ったり、消防士などによる防災に関する講話を行ったりして、幼児児童生徒が災害についてより理解できるように努めている。
 東日本大震災後は、全ての学校で避難訓練の取り組み方について見直しや検討を行っており、避難経路を見直したり、地域等の協力について検討したりするなど、東日本大震災での対応を教訓とした防災訓練や防災教育の実施が重要であると考えている。例えば、新たな取組として、災害時の緊急下校訓練において、携帯電話などを使った緊急メール配信を活用して、学校に子どもを迎えに来た保護者に安全に幼児児童生徒を引き渡す訓練を実施したり、巨大津波を想定して、学校に隣接する5階建ての社員寮の上層階を避難場所として提供してもらい、寮の社員と合同で避難訓練を行うようにした学校の例がある。

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【日比たけまさ委員】
 現在、建設が進められているいなざわ特別支援学校におけるスクールバスの運行計画について伺う。児童生徒の通学経路は保護者から見ると大変不安な要素である。ある程度早い段階から保護者への情報提供が必要であると考えるが、児童生徒の円滑かつ安全な通学に向けどのような計画を立てているか。

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【特別支援教育課長】
 平成26年度開校予定のいなざわ特別支援学校は、稲沢市、清須市、北名古屋市、豊山町及び一宮市の約半分の地域が通学区域となっている。現在、この地域に在住している一宮東養護学校と佐織養護学校の児童生徒が通学することとしている。
 スクールバスについては、来年度、通学を予定している全ての児童生徒の居住地やスクールバス乗車希望の有無を確認し、乗車人数や乗車時間等を考慮しながら具体的な運行計画を検討していく。バスのコースや台数については予算の関係もあるが、来年度実施を予定している教育相談や学校説明会等において、バスの運行や通学経路など新しい学校生活に関わることを説明していく中で、可能な範囲でできる限り早めに順次情報提供を行い、児童生徒が円滑かつ安全に通学できるよう、保護者の要望も踏まえて適切なスクールバスの配置に努めていきたい。

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【日比たけまさ委員】
 特別支援学校の過大化、老朽化、狭あい化の解消に向けた取組については平成25年度に策定予定の「特別支援教育推進計画」に盛り込まれることに大きな期待をしていることから、今回はあえて質問しなかった。私が日頃訪問している春日台養護学校は過大化、老朽化だけでなく迷路のような学校配置となっており、有事の対応など大変心配している。一刻も早い対応をお願いする。
 次に養護教諭の勤務実態について伺う。いじめ問題を始めとする児童生徒の心のサポート体制の充実については、スクールカウンセラーの設置拡大にて対応しているが、児童生徒の心身の健康における初動対応においては養護教諭の存在も大きいものと考える。養護教諭の役割はどのようになっているか。

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【健康学習課主幹(健康学習)】
 養護教諭の職務は学校教育法において「児童生徒の養護をつかさどる」と規定され、児童生徒のけがや病気の応急処置を始め、保健指導や健康相談など児童生徒の健康の保持増進を図るための様々な活動を行っている。児童生徒の中には身体の不調を訴えるだけでなく、心の健康問題を抱えている場合もあり、養護教諭はそうした心身の健康問題に対応していく立場にある。また、養護教諭がいる保健室は、いつでも、誰でも、どんな理由でも気軽に入れることから、子どものありのままの姿を見ることができる場所でもある。養護教諭は子どもたちと関わる中で、心身の健康問題の早期発見に努めており、特別な対応が必要な場合には、学級担任等と情報共有を図りながら、児童生徒の適切な健康管理に努めている。

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【日比たけまさ委員】
 次に養護教諭の配置について伺う。現在30歳以下の若手教員が多く配置されているが、配置基準では小学校が児童数850人以下、中学校が生徒数800人以下の学校は1人となる。若手の養護教諭が1人で勤務する職場環境では経験不足による不安感や妊娠時などに負担が掛かると思うが、どのような対応を取っているのか。

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【健康学習課主幹(健康学習)】
 養護教諭については、新規採用者、1年経験者、5年経験者、10年経験者を対象に資質向上のための研修を実施している。実践力を高めることで経験不足による不安の軽減に努めており、研修受講者からは「同じ年代の者が集まることで、養護教諭としての悩みや不安が話し合えた。」、「実際の執務の方法等についても情報共有することができ、不安の軽減と共に、頑張ろうという気持ちになった。」という感想も多く聞いている。
 特に新規採用者に対しては、退職したベテランの養護教諭による長年の知識と経験を基にした実践的な研修を学校に直接来てもらい実施している。また、養護教諭としての実践的能力の向上が望まれることから、来年度からは新たに2年目経験者を対象とした研修も行うこととしている。
 本県では平成元年度より、養護教諭の中から、経験及び高い資質を持つ者を主任養護教諭として選考し、新規採用養護教諭に対する指導を始め、地区の養護教諭の職務・研修の充実など、養護教諭の資質向上に向けた役割を担わせている。
 妊娠した養護教諭の負担軽減措置としては、平成21年度から健康診断業務で多忙となる4月から6月までの期間において、母体保護の観点から非常勤職員を配置しているが、本年度からは、健康診断業務については、準備や事後事務等もあるため、年間を通し必要に応じて非常勤職員を配置できるように改善した。

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【日比たけまさ委員】
 昨今、いじめ問題がクローズアップされる中、早期発見が大きなカギとなるし、養護教諭の役割も大きいことは明白である。今後とも養護教諭の職場環境の改善に尽力してもらいたい。

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【東 裕子委員】
 本県のICTを生かした教育について伺う。国が平成23年4月に策定した「教育の情報化ビジョン」においては、「子どもたちの情報活用能力の育成」、「教科指導におけるデジタル教科書・教材や電子黒板などを効果的に活用した、分かりやすく深まる授業の実現」、「教員の校務の情報化」の大きく3点を通して、教育の質の向上を目指すとしている。
 ICTを活用した分かりやすく理解が深まる授業を展開するには、まずはICTを活用して指導できる能力を持つ教員の育成が必要不可欠と考える。県教育委員会では、教員のICT活用指導力向上のために具体的にどのような取組をしているのか。加えて、文部科学省が平成18年度から平成21年度までに全国規模で実施した高等学校教員のICT活用指導能力調査では、本県の教員は全国平均の61パーセントよりも7.6パーセント低い53.4パーセントとなっている。この理由をどう考えるか。ICTの活用に重きを置いていないのか。所見を伺う。

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【高等学校教育課長】
 平成16年3月に県立学校情報化推進計画を策定し、「コンピュータ利活用のための教員の指導力向上研修」を実施している。平成18年度までに、おおむね全ての教員がコンピュータを使用できるようにするため、県総合教育センターの研修指導主事が学校を訪問し、操作方法を指導する「県立学校情報教育推進巡回講座」を実施してきた。また、その後、コンピュータを使って教科指導等ができる教員を増やすために、県総合教育センターで、授業の活用方法や実践事例を研修する「コンピュータ活用研修」や「ICT能力向上研修」等を実施した。これらの研修は、県立学校だけでなく小・中学校の教員も対象としている。現在は、情報教育推進のためのリーダーを養成する「情報教育指導者講座」やコンピュータを活用した教材作成等を研修する「コンピュータ活用講座」を実施し、教員のICT活用指導力の向上に努めている。
 委員指摘の文部科学省の調査については、平成23年度の「学校における教育の情報化の実態等に関する調査」では、授業中にICTを活用して指導する能力について、本県は57.0パーセントと平成21年度より若干向上しているが、全国平均は66.1パーセントであり、まだまだ低い状況にある。その理由についての調査は実施していないが、本県の場合、コンピュータ1台あたりの児童生徒数の割合が8.3人と全国的にみて高いため、情報以外の教科で生徒がコンピュータを使用しにくい状況が影響しているのではと考えている。今後は調査結果を分析するとともに、環境整備も含めて研修等のより一層の充実を図っていきたい。

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【東 裕子委員】
 本県のICTを活用したモデル事業で、知立東高等学校と岡崎東高等学校において11台のタブレットを活用して数学と家庭科の授業を実践していると聞いたが、このモデル事業の取組状況とその成果、今後の課題を伺う。

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【高等学校教育課長】
 県総合教育センターが高等学校2校と特別支援学校2校を研究協力校とし、平成24、25年度の2年間でタブレットを活用した授業実践の研究を行っている。
 その研究の成果として、普段スマートフォンを操作している生徒たちにとって、特別な説明は必要なく抵抗感なく操作ができること、設置準備が容易で、普通教室でも活用できるなどがあげられる。特に特別支援学校においては、力を入れずに指先だけで直感的に操作ができ、筆記具を使用することが苦手な生徒でも使いこなすことができるなどの成果につながっている。
 課題としては、新たにタブレットを配備するために機器本体の費用に加え、無線LANの整備も必要となることなど、費用が多大になることがあげられる。
 現在、県内の高等学校では、本年2月、商業科4校にタブレットを21台ずつ配備し、アプリを開発したり、グループ学習の発表等で活用したりする予定である。整備したばかりであり、実践研究はこれからとなるが、今後、教育現場における活用は不可欠なものとなると考えられるため、費用対効果の面も考えながら整備について検討していきたい。

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【東 裕子委員】
 教員の校務の情報化について、ICTにより効率的にペーパーワークを処理することができれば、工夫を凝らした授業の準備や子どもたちの指導に目を向ける時間の余裕が出てくると思うが、これまでの取組状況や具体的な目標を伺う。

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【教育企画室長】
 校務の情報化は学校運営の効率化につながることから、「県立学校情報化推進計画」に基づき、平成23年度に校務支援システムの開発を行い、昨年の夏に全県立学校に導入した。
 このシステムを活用することにより、教員が一堂に会さなくても随時、連絡事項の伝達や情報交換を行うことができ、会議時間の短縮につながるとともに、スケジュールの共有も行うことができる。成績処理にあたっても、テストの得点等を入力することにより自動的に成績一覧表や調査書、指導要録などの各種帳票等を作成することが可能となり、校務の軽減につながると考えている。更に、全校統一のシステムであるため、教員がどの学校に異動しても同じ操作で利用することができる。
 このシステムが全校において活用されることが非常に大切であるので、今年度には教員を対象とした操作研修会を行うとともに、サポート体制も整備した。来年度においても、一層の活用を促すとともに、より使いやすいシステムとなるよう必要な改善を行っていきたい。

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【東 裕子委員】
 スーパーイングリッシュハブスクール事業における12校のモデル校についてもICTを取り入れた英語教育を研究してもらいたい。

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【犬飼明佳委員】
 県立高等学校の体育館の非構造部材の耐震化について伺う。東日本大震災では学校施設にも大きな被害が発生した。柱やはりなど構造体の被害だけでなく、天井や照明器具、内壁、外壁などいわゆる非構造部材も崩落し、児童生徒が怪我をした例や、避難所として使用できない例も発生した。学校施設は地震等の発生時には応急避難所となる。児童生徒だけでなく、地域住民の命を守る地域の防災拠点であり、いわば最後のとりでとなる。その安全性の確保、防災機能の強化は待ったなしの課題となっている。こうした観点から、平成23年9月議会の一般質問で、非構造部材の耐震化の推進について取り上げた。当時の教育長からは、「非構造部材の点検を平成23年から3か年で実施する」ことと「非構造部材の耐震化についても様々な工夫をしていきたい」という答弁があった。そこで、まず、非構造部材の耐震点検の進捗状況はどのようになっているか。

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【財務施設課主幹(計画・整備)】
 専門家による非構造部材の耐震点検については、平成23年度で58校805棟、平成24年度で61校612棟について実施した。平成25年度は51校322棟について実施を予定しており、これをもって全ての点検が完了する。

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【犬飼明佳委員】
 避難所に指定されている県立学校は何校あり、そのうち、体育館が避難所に指定されている学校は何校あるのか。

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【財務施設課主幹(計画・整備)】
 平成24年10月現在で避難所に指定されている県立学校は120校あり、そのうち体育館が避難所に指定されている学校は109校である。

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【犬飼明佳委員】
 体育館は多くの人を収容できる。そこで、天井が落下すると致命的な大事故につながる。例えば、東京都千代田区の九段会館では、東日本大震災当日、専門学校の卒業式が開かれており、学生・保護者600人が出席する中で天井が崩落し、死者2名、負傷者26名の大惨事を招いた。施設の構造体自体は耐震化が図られていたが、天井が耐震化されていなかったことにより、被害が発生した事例と言われている。そこで、避難所となる体育館のうちリスクの高い吊り天井構造で落下防止の耐震化が必要な学校は何校あるのか。また、昨年度の一般質問の答弁にあった「非構造部材の耐震化についても様々な工夫をしていきたい」という言葉は点検のみでなく、耐震対策も並行して行っていくと解釈ができるが、天井の落下防止対策をどのように実施しているのか。

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【財務施設課主幹(計画・整備)】
 避難所に指定され、吊り天井構造の体育館を持つ学校は44校ある。これらの体育館の天井落下防止対策については、これまで耐震改修工事に合わせて実施してきており、44校のうち14校は既に改修済みであり、現在30校が未改修となっている。

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【犬飼明佳委員】
 構造体の耐震化と同様の緊急性を持って早急に対策を講じる必要がある。文部科学省も体育館の天井落下防止対策は平成27年度までに速やかに完了を目指すと言っている。平成27年度の完了に向けて、本県として今後どのように取り組むのか。

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【財務施設課長】
 天井落下防止対策については、耐震改修工事に併せて実施してきた。天井落下の危険性が強く認識され始めたのは平成15年の十勝沖地震、平成17年の宮城沖地震の頃と近年になってからである。そのため、既に耐震補強が終わっている建物や耐震性を備えたいわゆるAランクの体育館については根本的な対策が実施されていない。建物の耐震補強の考え方は震度6強から7の大地震から人命を守ることが大きな目的となっており、それより震度が低い場合でも人命に関わるような天井落下防止対策については同様の危機感、スピード感を持ってやれるものから取り組んでいかなければならない。3年間の調査結果を踏まえ、対応策を体系的に施すべきであるが、それを待っていてはスピード感を持った対応とは言えない。既決の予算の執行を工夫し、財源を捻出するなど条件が整った際には、工期の隙間をねらって臨機応変に改修が実施できるように設計のストックを蓄えておく必要があり、本年度から天井落下防止対策の設計を始めている。効率的な予算執行が求められる状況で、スピード感を持って対応するためには、これが最善の工夫と判断している。

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【犬飼明佳委員】
 吊り天井の構造自体が危険視されているので吸音効果や断熱効果は後回しにしてでも、スピード感を持って、まずは吊り天井を先んじて撤去してはどうか。またその方がコストも安くなるかもしれない。他県ではそういった研究をしているとも聞く。工夫、知恵を出しながら、一刻も早く事業を仕上げてもらうよう要望する。

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【野田留美委員】
 今年度から必修となったダンスについて伺う。ダンスが必修化となる報道から、慌てて教員も生徒もダンススクールに通いだす現象が話題となった。生徒も保護者も体育の授業の一環ではあるが、ダンスの技能を持っていることが評価につながるとの思いからであると考えられる。県教育委員会では技能だけが評価の対象ではないとしているが、保護者からは、下手でも一生懸命やっていれば評価されることを誰も信じていないとのことであった。また、ダンスの内容は「創作ダンス」、「フォークダンス」、「現代的なリズムのダンス」であるが、その中でも「現代的なリズムのダンス」いわゆるヒップホップが一番の人気であると聞いた。生徒がダンスに楽しく取り組めることは非常に良いと思うが、なぜヒップホップなのか、日本の伝統文化である盆踊りでもよいのではという意見もあった。盆踊りができない、知らない子どももいるとのことで、これから伝統文化を海外へ発信していく子どもたちが自分の国の踊りが説明できなくてもよいのかとの意見もあるようである。
 今年度から中学校において新学習指導要領が全面実施となり、保健体育の授業でダンスが必修化となったが、どのような状況か。また、ダンスを教えることになり教員の負担が大きくなっていると思うが、授業を専門家に依頼することについてどう考えるか。

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【体育スポーツ課長】
 これまで中学校の第1学年から第3学年で球技や武道、ダンスの中から一つまたは二つの運動種目を選択してきたが、ダンスは第1学年及び第2学年において全ての生徒が必ず履修しなければならないことになった。また、ダンスの指導内容は「創作ダンス」「フォークダンス」「現代的なリズムのダンス」の中から選択し履修することになっている。
 年度当初に行った学校体育実施状況調査によると名古屋市を除く県内公立中学校304校では、創作ダンスが156校、フォークダンスが73校、現代的なリズムのダンスが224校で実施予定となっている。合計で453校となるが、学校によっては同一学年で複数の内容を取り扱っていたり、学年によって違う内容を取り扱っていることによるものである。
 ダンスを専門とする外部指導者の状況について、県では国の委託事業により、体育担当教員を対象としたダンスの講習会を開催したり、市町村の求めに応じて外部指導者を中学校へ派遣しており、平成21年度から4年間で21名を派遣している。また、独自に市町村や学校でも平成23年度には6市8校が12名に依頼した実績がある。
 外部指導者に依頼することについては、生徒が専門家からレベルの高い指導を受けることにより、一層ダンスの特性や楽しさに触れることができるとともに、教員にとっても指導力を向上させる良い機会であると捉えている。しかし、授業は本来、教員が行うものであり、外部指導者はあくまでも教員を補佐する立場である。県としては、これまでも体育担当教員のダンスの指導力向上を目的とした講習会を年1回開催してきたが、今年度はダンスが必修となったことから、9月と11月に2回講習会を開催した。参加した教員からは、「自信をもって指導できるようになった。」という意見が多く出され、有意義な講習会であったと考えている。今後も教員が自信をもって指導できるよう講習会・研修会の内容を充実させていく。

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【野田留美委員】
 生徒や保護者はダンスの技能を持っていることが評価につながると考えている。ダンスが上手な生徒を特別扱いしない、技能だけが評価の対象ではないとの県教育委員会の姿勢は浸透していないと感じた。こういった方針を関係者へしっかりと周知してもらいたい。
 不登校について、小・中学校で約8,000人、県立高等学校で1,257人いると聞いた。不登校のきっかけは情緒的な不安が大きいと思うが、その原因として、いじめや友達、教員との人間関係、勉強や家庭の問題、病気など様々である。学校生活において、どういったことが不登校につながるのか調べたところ、いじめが一番多く、次に教員との関係であった。学校に自分の居場所がないと感じた子どもが不登校になったのではないかと思う。子どもが不登校になった親もまた苦しんでいる。保護者と教員とがうまくコミュニケーションをとって対策を講じていけるとよいが、不登校の問題において保護者と学校との良い関係を築くため、県として市町村教育委員会に対し、どのような働きかけをしているのか伺う。

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【義務教育課長】
 不登校に限らず、問題行動等子どもたちの抱える様々な問題を解決していく上で、保護者と学校との連携は大変重要であると考えている。そのためには、教員は子どもだけでなく、保護者ともしっかりとした信頼関係をつくっていくことが大切である。子どもの様子で気になることがあれば、教員は保護者へ、また、保護者は教員へ気兼ねなく相談できる関係を築くことが、子どもたちの問題を未然に防いだり、発生した問題の早期解決につながったりすることになる。
 義務教育課では、本年度、保護者や児童生徒との円滑な関係を築くため、コミュニケーションの際の言葉がけに焦点をあてたリーフレットを作成した。その中では、保護者への信頼を得るために必要な教員の姿勢や言葉がけの仕方の留意点をまとめた。3月末までには、義務教育課のホームページに掲載し、研修等に役立ててもらえるよう、各市町村教育委員会や学校に働きかけていく予定である。

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【野田留美委員】
 クラスに自分の居場所がないと感じることが不登校の一番の原因であると思う。教員が子どもの様子をしっかりと観察し、また親や他の教員との連携により十分な対応が図られるようお願いする。

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【吉田真人委員】
 前回の委員会で不登校の小・中学生が約8,000人いると聞き、衝撃を受けた。ただ、不登校の定義がはっきりしない。8,000人が学校を休んだまま卒業していないのか、少し休んだだけでも不登校となるのか。また、小・中学校の内訳についても伺う。

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【義務教育課長】
 不登校は「病気や経済的な理由を除き、1年間の欠席日数が30日以上の児童生徒」と定義されている。
 小・中学校の不登校の児童生徒数について平成23年度は県内の国公私立小学校が1,787人、国公私立中学校が6,232人、合わせて8,019人である。

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【吉田真人委員】
 中学校は高等学校へ進学するのか就職するのかという重要な時期であり、ここでの指導が生徒の未来につながっていく。スクールカウンセラーはこうした問題にどのように対応しているのか。

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【義務教育課長】
 スクールカウンセラーは中学校では全校へ週に1回配置しており、不登校等の問題に対応するためのカウンセリングを受けるスケジュールが組まれ、児童生徒本人や保護者の相談を受けている。更にその児童生徒にどのように指導していくかという教員等の相談も受けている。また、スクールカウンセラーによる教員に対する子どもの深い理解のための研修等も考えている。

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【吉田真人委員】
 教員の負担は非常に重い。スクールカウンセラーは週に1回で解決出来るのか。

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【義務教育課長】
 週に1回で全て解決できるわけではない。長期的に継続してカウンセリングを行っているものもある。また、不登校の児童生徒に対して、カウンセリングを行った場合、すぐに学校復帰とはいかないが、何らかの改善方向が見られたものが6割ある。カウンセリングを行わなかった場合、改善方向が見られたものは2割程度であり、効果はつかんでいる。

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【吉田真人委員】
 教員は制約されることがある。それだけの効果が分かっているのならば、スクールカウンセラーという独立した専門職の有効な活用方法をもっと県教育委員会で検討した方がよいのではないか。他国においては、スクールカウンセラーや心理学者に生活や学校の悩みを相談して随分改善されると聞く。
 中学生の不登校児童生徒は6,232人いるとのことだが、長期にわたる不登校児童生徒はどれくらいいるのか。

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【義務教育課長】
 欠席日数の内訳については50日程度の児童生徒が一番多く、100日以上が約4割である。全て欠席も2パーセントいる。

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【吉田真人委員】
 100日以上や全て欠席が本県で放置されているのは大変な問題である。一人ひとりのケアを学校として行う強い意気込みが必要である。これを教員だけに任せるのは厳しい。専門家である臨床心理士を週に1回、月に1回のように画一的にせず、不登校の多い学校には週に3回配置するなどめりはりをつけた弾力的な運用をして、不登校がなくなるようにケアしてもらうよう要望する。
 前回の委員会で学習指導要領の増加によって、土曜授業を実施する自治体が少しずつ増えているが、本県はどうかと伺うと、今後検討していくとのことだった。検討状況を伺う。

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【義務教育課長】
 学校週5日制の学校・家庭・地域社会が協力して、豊かな社会体験や自然体験など様々な機会を子どもたちに提供し、生きる力を育む趣旨を踏まえつつ、保護者や地域住民等に開かれた学校づくりを進める観点から、現在、東京都、埼玉県、神奈川県等11都府県で土曜授業が実施されている。全県一斉ではなく一部の研究指定校や希望する学校で月2回を上限として実施されている。
 また、土曜授業を実施していない道府県に聞き取りをしたところ、土曜授業の実施を希望する市町村教育委員会がないこと、各小・中学校において授業時数の確保ができていること、土曜日に学校行事や授業参観を開催することで開かれた学校づくりの推進ができていることなどの理由から土曜授業を実施していないとの回答を得た。土曜授業は正規の授業時間として行われるため、月曜日に振替等はなく、そのまま授業日数が増えると理解してもらいたい。それに対し、県内でも土曜日にいろいろな取組が行われているが、その場合は、月曜日等に振替休日がある。本県においては、土曜授業を実施したり、実施に向けて検討している市町村教育委員会はない。

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【吉田真人委員】
 東京都や神奈川県が既に実施しており、大阪府も来年度の実施を検討していると聞くが、なぜ土曜授業を実施するのか検討したことはあるか。

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【義務教育課長】
 土曜授業を実施する理由としては保護者や地域住民に開かれた学校づくりを進めるため保護者を呼ぶことが共通項になっている。また、学力向上も一つの理由だろうと考える。

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【吉田真人委員】
 現在の週5日制で新しい授業時数を確保するとのことだが、小・中学校では6限目を行う曜日が増える。生徒に対するストレスはどうなのか。平日の授業時数が増えることによる子どもへの影響はどう考えるのか。

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【義務教育課長】
 学習指導要領の内容は年間35週間で消化できる計画となっている。授業ができる時間は年間で40週あり、5週間の余裕があるが、実際には学校行事等があり、平均2週間くらいは行事でとられてしまう。それでも余裕はあるが、もし土曜日に3時間を足して時間割を組めば、平日の子どもたちへの負担感は和らぐのではないかと思う。

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【吉田真人委員】
 詰め込み教育などの問題で指導要領を減らして週5日制にした。それを戻して週5日制となると子どもたちに負荷がかかる。更にキャリア教育などの学校外行事も増えるとますます子どもの負担は増える。子どもたちはストレスを感じるのではないか。それならば土曜日を使ってゆっくりと、時間的余裕を持った方が教育効果は上がるのではないか。教員の労働時間の問題もあろうと思うが、知恵を絞った運用ができるのではないか。夏休み等の長期休暇の時間もある。1年間トータルで考えた中で授業時数の増加分をどうするのか議論があってしかりである。今後この問題についてどのように取り組むのか。

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【義務教育課長】
 土曜日に時間数を増やせば学校で教える内容については時間的なゆとりは生まれる。しかしながら、一方で現在学校週5日制の趣旨にのっとり、土曜日に様々な教育活動が行われている。例えば、学校・家庭・地域社会が協力して行うボランティア活動や少年少女発明クラブなどの文化的講座、スポーツ少年団等のスポーツクラブ活動など、また、学校においても土曜日に運動会、学習発表会などの行事や授業参観等が行われている。県教育委員会としては各市町村において授業時数の確保はできており、児童生徒の学力保障の面では問題ないと思っている。また、市町村からは土曜授業の実施の要望がなく、現時点で土曜授業の実施について考えや理由、意見等をまとめて県教育委員会から積極的に通知することは考えていない。市町村においては、様々な活動が行われているので、土曜日を活用した教育が進められるよう今後とも市町村に働きかけていきたい。市町村には学力保障に向けてボランティアを雇って、土曜塾のようなことを考えているところがあるので、そうしたところに働きかけていきたい。更に国においては児童生徒のゆとりある学びや学力の向上を目指して週6日制の検討も始まっているが、法的な整備を始め、不透明な部分が多いため今後とも国の動向を注視しながら、研究を進めていきたい。

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【吉田真人委員】
 国がやるから、県も後追いするのではだめだ。県教育委員会として教育に対して、どういう思いを持って本県の子どもたちを育てていくのか考えてほしい。市町村教育委員会に伝えておくでは県教育委員会の意義は何か。土曜日授業をどう考え、もし実施となった時に、どういったことをやっていくべきなのかをしっかり検討してもらいたい。

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【かじ山義章委員】
 知人の子どもの話であるが、部活動で軽いいじめにあって、部活動を辞めたいとスクールカウンセラーに相談したところ、スクールカウンセラーから担任には情報提供されたが、実際に生徒が部活動の顧問に辞めたいと伝えると慰留された。そのことをスクールカウンセラーに再度相談し、担任にも伝わったが、部活動の顧問からは再び慰留されたとのことであった。
 このケースはたまたま連携がうまくいかなかったのかもしれないが、スクールカウンセラーは職員会議などの会議へ出席しているのか。学校ごとでスクールカウンセラーへの出席依頼を行っているのか。

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【義務教育課長】
 スクールカウンセラーの役割にはカウンセリングを行うこと、教員に子どもの理解を深める研修を行うこと、それ以外にも校内の相談体制を整備する役割もある。職員会議は月曜日か木曜日の夕方が多く、スクールカウンセラーの勤務時間もあり、必ず職員会議に出席するわけにはいかない。しかし、いじめ・不登校対策委員会が全ての小・中学校にあり、そこにはできるだけ出席し、スクールカウンセラーから情報提供することとなっている。校内での指導におけるそごが起こらないよう、また、子どもにとって一番良い方法を提案する役割を担っている。

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【かじ山義章委員】
 委員会だけでなく職員会議に出席してもらい、最近ではこういった相談が多いなど教員と問題意識を共有すると変わるのではないか。PTAの会合などはどうか。

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【義務教育課長】
 スクールカウンセラーを教員の研修に活用することを計画しており、事例を挙げながら、児童生徒への対応について理解を深めるものになると考えている。
 また、保護者に対してもスクールカウンセラーを活用し、子どもの見方について理解してもらうことなども視野に入れて、今後、スクールカウンセラーの活用の仕方を研究していきたい。

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【かじ山義章委員】
 家庭・地域・学校で連携して子どもたちを育てていくのが理想である。地域と学校とで問題を共有してもらいPTAの会議、職員会議にスクールカウンセラーが出席するよう働きかけてもらいたい。

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【谷口知美委員】
 教職員のメンタルヘルスについて伺う。教職員の休職者のうち約6割が精神性疾患というデータが示された。文部科学省の調査では、その割合が10年間で約3倍に増加したとのことである。子どもたちの健やかな成長のためには、教員の心の元気が必要であることから、県としても管理職が勤務状況を把握すること、公務の効率化、相談したり、気づきやすい職場環境づくりなど様々な取組をしているが、心に悩みを持つ教員は相変わらず多いのが実態である。教員の仕事は感情労働や対人援助職などとも言われ、成果が見えにくいことが特徴である。自分の言動が適切かどうか迷いながら仕事をするストレスはもともと大きい中で、近年は児童生徒への指導に対し様々な意見があり、子どもたちと一緒に過ごす中でその笑顔や成長ぶりがやりがいになり、心を癒されるのだが、子どもたちと触れ合う時間さえも近年は減りつつある。
 12月時点で、県立学校において管理職が行うべき対応を中心とした「メンタルヘルス支援の手引き」を本年度中に各県立学校へ配付する予定とのことであった。どのような内容で、配付については、どのような状況か伺う。

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【福利課主幹(共済経理)】
 職場でのストレスの要因には、個人では取り除けないものも存在するため、職場としてメンタルヘルス対策に取り組むことが必要であり、中でも日頃から教職員と接する管理職の積極的な関わりが重要となる。平成24年3月にメンタルヘルス対策に計画的に取り組んでいくため、メンタルヘルス対策の基本的な指針となる「県立学校の教職員の心の健康づくり計画」を策定しているが、その中でも自分自身が行うセルフケアと管理職等が行うラインによるケアが重要とされている。
 そこで、「メンタルヘルス支援の手引き」では、主に管理職が対応すべきケアについて、早期発見・早期対応のポイントや休職した教職員の職場復帰支援や再発防止などを中心とし、教職員一人ひとりの意識の向上とセルフケアに取り組むための基礎知識なども掲載し、学校における研修会等で活用できる内容として本年3月に作成し、県立学校全校に配付をした。また、市町村教育委員会へも、市町村立学校の教職員のメンタルヘルスの保持増進の参考となるように、教育事務所を通じて送付している。今後、福利課ホームページにも掲載し、市町村立学校での研修会等で活用できるようにしていく予定である。

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【谷口知美委員】
 小学校、中学校、高等学校、特別支援学校の校種別で、それぞれ精神性疾患による休職者数と、母人数に対する出現の割合はここ2、3年ではどのようになっているのか。

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【教職員課長】
 名古屋市を除く小・中学校と高等学校・特別支援学校の県立学校に分けて答える。
 平成22年度の小・中学校の病気休職者数は202人、約6割の115人が精神性疾患による休職者となっている。全教員に対する割合は0.44パーセントである。同じく県立学校は病気休職者81人、精神性疾患51人、全教員に対する割合は0.44パーセントである。合計で283人の病気休職者があり、精神性疾患は166人、全教員に対する割合は0.44パーセントである。
 平成23年度の小・中学校の病気休職者は267人、そのうち164人が精神性疾患で、全教員に対する割合は0.62パーセントである。同じく県立学校は病気休職者100人、そのうち57人が精神性疾患、全教員に対する割合は0.50パーセントである。合計で病気休職者367人、精神性疾患221人、全教員に対する割合は0.58パーセントである。
 平成24年度は2月1日現在で、小・中学校の病気休職者183人、そのうち精神性疾患134人、全教員に対する割合は0.50パーセントである。同じく、県立学校は病気休職者69人、精神性疾患45人、全教員に対する割合は0.39パーセントである。合計で病気休職者252人、精神性疾患179人、全教員に対する割合は0.47パーセントである。

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【谷口知美委員】
 県立学校と市町村立の小・中学校の状況を比較すると、小・中学校も近年多くなってきている。県教育委員会として県立の対策は当然であるが、小・中学校の対応についてもしっかりとお願いしたい。
 学校においても労働安全衛生法に基づいて労働安全衛生管理体制の整備が求められている。学校においては、まだまだ認識が広がっておらず、一般企業に比べて整備が遅れているという報告もある。労働安全衛生法の下、学校で行わなくてはならないことはどのようなことか。

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【福利課主幹(共済経理)】
 労働安全衛生法に基づいて学校で整備すべき労働安全衛生管理体制については、一般の事業所と同様に職員数50人以上の学校においては、衛生管理者や産業医の選任及び衛生委員会の設置が、職員数50人未満の学校においては、衛生推進者の選任が義務付けられている。また、全ての学校において、長時間にわたり時間外労働を行った者等に対する面接指導体制の整備が求められている。

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【谷口知美委員】
 求められている整備について、どの程度進んでいるのか。県教育委員会が把握している状況について伺う。

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【福利課主幹(共済経理)】
 平成24年5月1日現在の本県の県立学校における労働安全衛生管理体制整備状況は、産業医の選任を除いて整備率は100パーセントとなっており、産業医は選任が必要な160校のうち141校の88.1パーセントとなっている。
 また、市町村立小・中学校における整備状況は、衛生管理者は選任が必要な69校のうち61校の88.4パーセントが、産業医は選任が必要な69校のうち59校の85.5パーセントが、衛生推進者は選任が必要な1,308校のうち1,299校の99.3パーセントが選任されており、衛生委員会の設置が必要な69校のうち53校の76.8パーセントが設置されている。また、長時間労働における面接指導体制は1,388校のうち1,361校の98.1パーセントにおいて整備されている。
 県立学校と小・中学校を比較すると、小・中学校の整備率はどの項目も低くなっているが、平成22年度と24年度の整備状況を比較すると、全ての項目において整備状況は進んでいる。また、衛生委員会の設置状況を除き、全国平均の整備率を上回る状況となっている。

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【谷口知美委員】
 教員もスクールカウンセラーを活用しているとの答弁が本会議であった。基本的には児童生徒の指導に関する相談と考えるが、教員のメンタルヘルスの関係では、スクールカウンセラーの活用はどのようになっているのか。

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【義務教育課長】
 教職員は、児童生徒への指導上の問題や保護者との関わり方などに苦慮することも多く、そうした問題をスクールカウンセラーに相談し、助言を得ることで結果として精神的な負担が軽減されることがあると捉えている。しかし、スクールカウンセラーは、いじめや不登校など、児童生徒の問題行動の対応にあたって、学校におけるカウンセリング機能を充実させるために配置しており、教職員個人の問題についてカウンセリングをすることはスクールカウンセラーの本務ではない。
 また、スーパーバイザーからは、カウンセリングで正確な判定を下すためには、相談者にとって第三者的立場で相談することが必要であると聞いている。

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【谷口知美委員】
 管理体制について整えているとの答弁があったが、「相談に行きなさい」だけでは、いま一歩進んでいかないように感じる。悩んでいる教員がいれば、例えば管理職が産業医を派遣するなどの積極的な対応が必要ではないか。また、教員がなぜ精神性疾患により休職するのか、十分把握できていないではないかとも感じる。大阪府教育委員会では、教職員が学校業務において、どのような場合に精神的な負担を感じ、どのような支援策を求めているのか等、未然防止の観点から府立学校教職員1,000名、市町村立学校教職員2,000名の計3,000名にアンケート調査を実施し、対策に生かす取組をしたと聞いている。広島県教育委員会では、精神性疾患による病気休暇から復帰した教員へ原因となった要因等病気休暇に入る前の状況や予防のために自身が留意すること、周囲に行ってほしい配慮などを、小学校、中学校、県立学校それぞれから聞き取りを行っているようである。本県の学校の教員が精神性疾患を発症しないで済むようにお願いする。
 また、スーパーバイザーのことが答弁であったが、第三者の活用も重要ではないか。県がイニシアティブをとって、小・中学校も含めた教員の精神的な負担感やどのようなサポートを望んでいるのかの実態把握、産業医などの活用や体制の整備など、メンタルを含めた教員の健康面へのサポート体制をどう進めていくのか。

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【福利課長】
 県立学校については、平成23年度末に「県立学校の教職員の心の健康づくり計画」を策定し、市町村教育委員会へも参考としてもらうため送付した。まずは、設置者としてこの計画を着実に進めていくとともに、県の取組について市町村教育委員会へも適宜情報提供するなどして小・中学校の教職員のメンタルヘルス対策の推進を働きかけていく。
 委員指摘の大阪府や広島県の事例は、平成21年度に文部科学省が調査研究を委託して実施したものと承知している。現時点で、個々の教職員へのアンケート調査等は予定していないが、来年度、県立学校の一般教職員を対象としたメンタルヘルス研修を予定しているので、その中で受講者アンケートを行うことを検討したい。市町村立学校については、例えば、今後各市町村の労働安全衛生の整備状況の調査をする際に合わせて、メンタルヘルス対策の取組状況についても調査し、その結果をフィードバックしてメンタルヘルス対策の充実を促すことなどを検討したい。
 市町村の中には、教育委員会で産業医を選任し、その者が必要に応じて各学校に出向くなどして業務を行っているところもあることから、そういった方法なども紹介し、メンタルヘルスを含む労働安全衛生管理体制の充実を図っていきたい。
 教職員への直接的なサポートについては、公立学校共済組合の事業であるが、平成25年2月に教職員のセルフケアをサポートするために、愛知支部として、啓発用の冊子「働く人の新メンタルヘルス」を小・中学校を含む全ての教職員に配付した。
 メンタルヘルス相談については、総合教育センターで全ての教職員を対象に精神科医による相談を実施している。また、共済組合のメンタルヘルス相談についても開設当初の三つから順次増設し、現在八つの医療機関となっているが、来年度はさらに一つ増やす予定であり、相談体制の充実と周知を図っていく。
 今後とも、「県立学校の教職員の心の健康づくり計画」を進めていく。また、市町村立学校についても、共済組合事業なども活用するとともに、市町村教育委員会に対してメンタルヘルスを含む労働安全衛生管理体制の一層の整備を働きかけていく。

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【谷口知美委員】
 労働安全衛生という観点は一般の教職員にはあまり浸透していないと思われることからしっかりと進めてもらいたい。県としてイニシアティブをとって何が必要であるかを把握することをお願いしたい。
 また、休職から復帰した後について、子どもたちの前に立つとすぐに求職前と同様の働きを求められる状況があるが、復帰直後の負担の軽減についての研究もお願いする。
 教員は1年間担任や教科で教える責任から節目としての年度が大きな意味を持っている。教員は子どもたちの成長を見ることにより、頑張っていける部分があるので、年度の意味を適切に踏まえた教育行政を行ってもらいたい。