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平成14年  9月 定例会(第4回) 10月02日−03号




平成14年  9月 定例会(第4回) − 10月02日−03号









平成14年  9月 定例会(第4回)





△議事日程(第三号)



                     平成十四年十月二日(水)午前十時開議

 第一 議第百十九号から議第百四十九号まで

 第二 平成十三年度岐阜県公営企業会計決算の認定について

 第三 請願第五十九号から請願第六十四号まで

 第四 一般質問



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△本日の会議に付した事件



 一 日程第一 議第百十九号から議第百四十九号まで

 一 日程第二 平成十三年度岐阜県公営企業会計決算の認定について

 一 日程第三 請願第五十九号から請願第六十四号まで

 一 日程第四 一般質問



      ………………………………………………………………………





△出席議員       五十人



   一番   川上哲也君

   二番   渡辺嘉山君

   三番   古川雅典君

   五番   伊藤正博君

   六番   井上一郎君

   七番   笠原多見子君

   八番   洞口 博君

   九番   白木義春君

   十番   松永清彦君

  十二番   森  縋君

  十三番   大西啓勝君

  十四番   岩花正樹君

  十五番   野村保夫君

  十六番   渡辺 真君

  十七番   渡辺猛之君

  十八番   駒田 誠君

  十九番   藤墳 守君

  二十番   松岡憲郎君

 二十一番   市川尚子君

 二十二番   不破照子君

 二十三番   平野恭弘君

 二十四番   戸部一秋君

 二十五番   原 保治郎君

 二十六番   安田謙三君

 二十七番   尾藤義昭君

 二十八番   早川捷也君

 二十九番   玉田和浩君

  三十番   加藤一夫君

 三十一番   近松武弘君

 三十二番   白橋国弘君

 三十三番   伊佐地金嗣君

 三十四番   中村 慈君

 三十五番   岡田 脩君

 三十六番   高井節夫君

 三十七番   岩井豊太郎君

 三十八番   渡辺信行君

 三十九番   伊藤延秀君

  四十番   山下運平君

 四十一番   森  勇君

 四十三番   山田忠雄君

 四十四番   宮嶋和弘君

 四十五番   田口淳二君

 四十六番   加藤利徳君

 四十七番   殿地 昇君

 四十八番   高田藤市君

 四十九番   松野幸昭君

  五十番   坂 志郎君

 五十一番   古川利雄君

 五十二番   猫田 孝君

 五十三番   木村 建君





△欠席議員       一人



  十一番   板垣和彦君



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△職務のため出席した事務局職員の職氏名



 事務局長        高橋利栄

 参事兼総務課長     安藤 純

 議事調査課長      近藤 登

 議事調査課課長補佐   井上幸治

 同 課長補佐      酒井 忠

 同 課長補佐      小石明己

 同 課長補佐      仙名幸樹

 同 課長補佐      畑 弘史

 同 課長補佐      笠原真実

 同 主査        青木陽輔



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△説明のため出席した者の職氏名



 知事          梶原 拓君

 副知事         坂田俊一君

 副知事         奥村和彦君

 出納長         高橋新蔵君

 理事兼知事公室長    棚橋 普君

 知事公室参与      佐々木 浩君

 知事公室参与兼科学技術振興センター所長

             本間 清君

 経営管理部長      杉江 勉君

 経営管理部参事     武田裕治君

 防災監         林 雅幸君

 地域計画局長      橋場克司君

 県民生活局長      鬼頭善徳君

 事業経営局長      広瀬利和君

 健康福祉環境部参与   金田修幸君

 健康局長        亀山 ●〔禾へんに農〕君

 福祉局長        塩谷千尋君

 環境局長        田代一弘君

 農林水産局長      坂 英臣君

 商工局長        長屋 栄君

 新産業労働局長     豊田良則君

 建設管理局長      鈴木 治君

 都市整備局長      竹山 ●〔立心べんに僚のつくり〕君

 農山村整備局長     山口昌隆君

 人事委員会事務局長   渡辺忠雄君

 代表監査委員      丹羽正治君

 地方労働委員会事務局長 黒田孝史君

 教育長         日比治男君

 教育次長        郷 峰男君

 警察本部長       山本博司君

 警察本部総務室長    奥 節夫君



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△十月二日午前十時四分開議



○議長(高田藤市君) 皆さん、おはようございます。

 ただいまから本日の会議を開きます。



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○議長(高田藤市君) 日程第一から日程第三までを一括して議題といたします。



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○議長(高田藤市君) 日程第四 一般質問を行います。あわせて議案に対する質疑を行います。

 発言の通告がありますので、順次発言を許します。十五番 野村保夫君。

   〔十五番 野村保夫君登壇〕(拍手)



◆十五番(野村保夫君) 皆さん、おはようございます。二日目トップということで、公明党を代表して七点にわたり質問させていただきます。

 初めに、情報化と今後の県政について質問いたします。

 今議会の提案説明で、知事は、堺屋太一氏の「今、日本全国の地方は不況山に陣取った悪の軍団に威圧されたような形になっている」との言葉を引用し、地方分権のため、平成の関ケ原合戦で地域から日本を変える動きにしたい、また二十一世紀は地方の時代と言われながら、遅々として進まない改革を妨げるものは、中央集権構造や規制基準、情報発信の壁等の、国に対して怒りとも言える話をされました。確かに出口の見えない閉塞状況のトンネルに入り二十余年、このままで行くと国民は黙っていない。現在の状況をある政治評論家は、「浜口内閣を倒し、軍部台頭を許した昭和初期に酷似している。国家主義が頭をもたげてきている」と言いましたが、そんなふうにしてはならない、させてはならないとだれもが思うことだと思います。

 さて、今は産みの苦しみの改革過程のさなかにあると言われております。我々一人ひとりが何らかの形での出血を覚悟しなければなりません。やみが深ければ深いほど、暁は近いともいいます。本当の主権在民、真の民主主義が到来する基盤が今つくられつつある。だれもが改革を望んでおります。本県を初め地方公共団体が取り組んでいる「地方から国を変えること」を実現するためには、民主主義が成熟する社会を確立することにあります。

 これを可能にしたものの一つは、情報化に伴う情報公開であります。本県も同様ですが、全国ほとんどの地方公共団体は原則公開です。しかし、国はいまだ原則非公開です。小さな一つですが、この差は大きいと思います。情報の公開で従来の官主導で行ってきた行政は、だれも等しい情報が双方で即時に行き交うようになると、生活者、消費者の立場に変わらざるを得ません。政策決定プロセスの公開、公共事業での入札予定価格の公表、電子入札制度、第二段階として、県民が行政情報を共有し、県政の方向を一緒に考える協働作業への移行、予算が県民への満足度を評価する制度が導入されると同時に、監視機能も充実し、利権、口ききなど入る余地もなくなってまいります。これらは情報化の一つの成果です。公の立場にある者が裸になっていくことを防ぐことはできませんが、残るものは個々人の奥底にある心であり、人格であり、人間性です。これをどう発信し、個性化人間をつくるかが、また、その方法を発見できるかが今後の課題となってくると思います。国より情報化が進んでいるのは、ある意味では地方であるとも言われております。個人のプライバシーの保護、セキュリティーの問題はもっと研究されなければなりませんが、これからは地方での生活密着型のネット化が必要です。このたびの「善政競争・平成の関ケ原合戦」もその一つであると思います。

 最近、梶原知事も精力的に活躍されておりますが、各種の連絡会、シンポ等の開催が盛んに行われ、横の関係が強くなってまいりましたことも情報のネット化です。横の関係、その団結は権力者側には脅威だろうと思いますが、ストップさせることはできません。今後も情報化はどんどん進んでまいります。そこで、知事は情報化がこれから県政をどのように変えていくと考えておられるのか、お伺いいたします。

 次に、知事は県民の方を向いて仕事をすると常々おっしゃっております。民主主義は納税者が主役です。住民サービスに徹することであります。住民に最も近い立場にある市町村とどうつき合うか、関係が大切であります。県民の皆様からよく、県行政の役割は国との調整ではないかと聞きますが、しかし情報化時代では、市町村とは対等・平等の関係となっていかざるを得ません。市町村ができなければ、県が窓口対応することも発生するでしょう。従来の上意下達が通用しません。国と市町村の板挟みになっている県は、その存在意義が問われます。一つの市町村で実施するには限界がある施策について、県が基本的に市町村の側に立って代弁し、国と交渉し、住民サービスする姿勢が求められています。情報化によって、市町村も県も住民の方を向いて一線に立たねばならないことを考えると、飛躍した考えになるかもわかりませんが、本県の五圏域ごとの地域振興局、外郭団体、市町村の持つ行政組織も役割を変えざるを得ません。同じテーブルに立って仕事をすることも一段と進行するのではないかと思います。また、県・市町村にかかわる同一事業のデータベース化は当然このことを可能にし、市町村合併が加速するのではないかとも思います。このことは道州制、連邦制への議論をも活性化せざるを得ません。情報化は本庁内の行政システムを変えていきますが、同時に外部との関係も大きく変えていきます。そこで、知事は情報化の中で、本県と市町村とはこれから新しい関係を築いていく必要に迫られると思いますが、どのようにお考えか、お伺いいたします。

 次は、生涯安心福祉村構想についてお伺いいたします。

 二十一世紀の高齢社会をどう迎えるかは我々の最大の課題です。福祉は、措置から、介護保険制度のスタートを契機に、契約制度に変わりつつあります。今、求められているのは、遠く離れたところで一般社会と分断させる隔離政策から、生まれ育った場所で地域にかかわりながら老後を安心して元気で暮らせる社会への転換です。このことは、地域社会にかかわり世代を超えた交流をしていくことで、現代社会の深刻化している核家族化、中心市街地の過疎化の弊害を少しでも解消でき、元気なお年寄りとともに活力ある町を取り戻す、そんな方向へ目を向けなくてはいけない時代に入ってきていると思うのであります。今、まさしく待ったなしの対応が求められております。

 本県におきましても、平成十一年度より最重要施策として、総合的福祉の「福祉・医療・住宅」に取り組んでまいり、具体的には、今年度からソフト面として生涯安心共済制度の事業化が計画されております。これについては、先回の議会でもいろいろ賛否両論があり、県当局はよりよい制度へと検討を加えるとのことでしたが、私は高所得者だけの制度になりはしないか、何人の加入者が見込めるのか、将来は今よりも高齢化が一段と進む等、危惧するわけであります。そこで、この生涯安心共済制度について第二次試案が提出されたと聞いていますが、主な改正点と、当初、開始予定は平成十四年度中ということでしたが、開始時期について奥村副知事にお伺いいたします。

 次に、ハード面というべき、本県が現在計画中の「いきいき福祉のまちづくり」についてお伺いいたします。

 今、お年寄りが希望されているのは、一番目には、いつでも、どこでも、安心できる医療・福祉サービスが近くで受けられるということであり、二つ目には、地域の人々との連帯・交流ができるということであります。このことは、お年寄りが望んでおられることを兼ね備えた県が目指す総合福祉の一つの形として、高齢者向けのサービスと住宅の一体化した市街地生活密着型の拠点づくりではないかということです。個人的には、こちらの方が共済制度よりもっと早く取り組むべきではなかったかと思います。

 今、高齢者を担っている最も重要な福祉拠点施設の一つは特別養護老人ホームです。現在、特養の入居待機者は県内で二千八百名とも言われております。介護保険制度では、保険である以上、希望者には入居できる施設を用意することは当然であります。しかし、特養が高齢者のターミナルケアとしての施設にしてしまえば、どれだけ施設をふやしても追いつかないでしょう。介護保険制度は多様なニーズに対応できるショートステイ、デイサービス、訪問介護、グループホーム、ケアハウス等の用意がされております。日本が福祉先進国に見習った原点もそこにあります。高齢者の多様なニーズを地域ごとに受け入れ、しかも高いサービスが提供でき、特養だけに頼ることではなく、日常生活の中で労働・教育・居住などの生活の質を保障し、痴呆にさせない、寝たきりにさせない、予防のためのケアに重点を置く、このことに福祉のまちづくりはこたえる拠点であってほしいと思うのです。そのためには、地域の声は欠かすことができません。このたびの計画策定に当たって、本県では高齢者の方々二千名にアンケートをとっておられると聞いておりますが、声を十分配慮した計画を立てていただきたいと思います。

 一方、福祉のまちづくりの成功のかぎを握るのは、拠点づくりと同時に、そこで用意されるサービスの問題、それを支える人材であります。最近、続々とすばらしい福祉施設が設置されておりますが、サービスがそれについていっているのか、疑問視されるところもございます。県内にもケアマネジャー、ホームヘルパーの資格を持った方々も大勢おられますが、しかし、県の福祉人材センターから紹介される人の中には、資格取得中とか、仕事が合わない、待遇などですぐやめられる方も多いとのことです。これからは、地域に根差したケアが必要であります。それぞれの地域現場を大切にした本物の福祉を目指す実践型の人材を県が育成し、立派な人材を現場に送り込むことができれば、福祉のまちづくりは岐阜モデルとして、圏域へ、市町村へ、民間へと伝わっていき、全国へ発信できます。それが地域の活力を生み、雇用の増加へとつながっていき、地域の活力を生み出すことができると思います。そこで、知事の福祉のまちづくりの思いはどこにあるか、今後どのように計画を進めていかれるのか、お伺いいたします。

 次に、多重債務者問題についてお伺いいたします。

 最近、クレジット、サラ金などの消費者金融から多額の借金をし、返済困難に陥り、自転車操業を余儀なくされている方が多数発生しております。多くの場合、数社から借り、借りる回数を重ねるごとに高利となり、場合によっては年利三〇%でも借りなければならない状況に追い込まれ、中には、一週間あるいは十日ごとに返済期限が来て、借り入れ当初は数十万円であったものが二年後では数社で数百万円となり、返済と新たな借り入れで毎日が追われ、返済が一日でもおくれれば電話での再三の督促、家族への請求、債務者は時には家にも帰れず、車の中で一夜を過ごすこともあります。これに対して、行政の相談センター、あるときは警察、弁護士を紹介されるのですが、弁護士料を払う手持ちもなく、解決の方途を見出せぬまま、再度相談を持ち込んでこられるときは、大抵の場合、破産宣告か免責決定の自己破産の道あるいは夜逃げしかありません。確かに、借金は個人の責任の問題でもあります。しかし、昨今のテレビや新聞紙上でも、いともたやすく借りられるような宣伝・広告が大量に流され、無担保で借りられる無人の消費者金融の貸出機も増大してきております。これらの金融業者は、不況の中、年々利息を上げてきていること、銀行は消費者金融には貸し出しし、大手の消費者金融の所得十傑には数社が名を連ね、これらへ貸し出している一般銀行は個人の低利融資に対しては目を向けてこなかったこと、また長期の中小企業への貸し渋りや貸し金融業者の登録をしていないヤミ金融業者、紹介屋、買い取り屋、整理屋による二次被害の増加が弱い立場の消費者、自営業者を直撃している状況を考えれば、これは明らかに社会問題であります。多重債務者は、いわば経済的、社会的被害者とも言えるのではないかと思います。その救済は、社会福祉政策の一環として、今後の行政の対応が必要であると思います。

 その点、フランスの場合、銀行が消費者金融の中心を担っており、サラ金問題はなく、債務者を救済するために各県に設置してある過剰債務委員会で債務の減免や支払い猶予を行い、フランス銀行がこの委員会の運営に当たっている。また、ドイツでは十六州全部に消費者センターがあり、その上に四百カ所の債務者相談所があり、直接、クレジット・サラ金業者と債務整理に関する交渉をしますので、日本のように弁護士が返済困難者の救済活動に関与することはほとんどないそうです。

 そこでまず、社会問題化しつつある多重債務者問題に対応していくためには、借金をめぐる基本的な法知識の啓発の強化、弁護士相談の充実、消費生活相談員の教育等により相談窓口の充実が必要と思いますが、県として、この多重債務者問題についてどのように考え、どのように対応されていくのか、県民生活局長にお伺いいたします。

 次に、警察本部長にお伺いいたします。一、本県における事件に発展するような悪質業者の取り締まり事案、岐阜県内の年間の自殺者は交通事故死者数を上回るとされておりますが、サラ金などの負債による自殺者はどのように推移しているのか。二、サラ金問題で、相談の方に対して民事不介入とか、現行犯でないとどうすることもできないというようなことから、県民は相談から取り締まりまで一歩突っ込んだ対応を求めておりますが、警察の基本的な考えについてお伺いいたします。

 次に、児童虐待対策と里親制度について福祉局長にお伺いいたします。

 平成十二年十一月に児童虐待防止法が施行され、一年十カ月が経過しましたが、毎日のように全国的にも虐待に関する事件が報道され、厚生労働省の今年六月初めの全国調査の推計値によりますと、二〇〇〇年度に新たに発生した虐待が三万五千件に上り、また警察庁の調査によりますと、昨年中に警察が摘発した児童虐待事件の検挙件数は百八十九件と前年度比一・六%増ですが、防止法施行前の九十九年度と比べると三六・五%増の六十九件も増加しました。これらの増加は、これまで潜在していた虐待が、虐待防止法によって虐待の定義が明確になり、顕在化したあらわれとも言えますが、虐待自体がふえる可能性が考えられます。そこで、本県では相談数、通告の件数をどのようにつかんでおられるのか、お伺いいたします。

 現在、児童虐待で相談・通告を受けた受け皿は、子ども相談センターを通じ、県下では十カ所の合計定数五百五十五名の児童養護施設で対応することになっております。ところが、その児童養護施設への入所事由は、数年前までは両親の経済的問題、または離婚等でありましたが、最近では虐待による入所児童数が増加しております。施設にもよりますが、多いところでは現在半数が、県下でざっと見ても二百余名が虐待による入所児童とされており、今後もこの割合は多くなっていくことは十分考えられます。そのため、養護施設では今までにはなかった活動量が急増し、施設独自で非常勤等で増員しているところもあるものの、限界があり、とても国基準配置では対応できないのが実情のようで、人員不足が深刻化しつつあるとのことであります。また、通告や初期介入の体制整備と比べた場合、介入後の再発防止に向けた子供や親への専門的ケアが貧弱であるなど、いまだ発展途上にある虐待防止への諸課題の改善が急務であることが私の施設関係者からの声でわかりました。特に施設の現場に合った職員の配置、増員を強くお願いしたいと思います。

 以下、二点について福祉局長にお伺いいたします。一つは、虐待を受けた子供の心の治療を行うための情緒障害児の治療施設の設置が本県でもぜひ必要と考えます。長野県、静岡県、愛知県には小または中学校を併設した施設があり、いじめ、不登校、引きこもりに対応しているとのことですが、どのようにお考えなのか。次に、被虐待児に必要な家庭的雰囲気でのケアを推進する里親制度が、この十月から新たに専門里親制度が追加されますが、現在の里親制度の現況はどのようになっているのか。また、新しくスタートする専門里親制度について県はどのように取り組んでいかれるのか、お伺いいたします。

 次に、耐震化についてお伺いいたします。

 七年前の阪神・淡路大震災を上回るとされている東南海地震は、いつ起こっても不思議ではないとされています。私は、阪神大震災が発生した数日後に、岩花議員とともに街頭募金を持って神戸市へ見舞いに行ってまいりました。今でも当時のことが思い出されますが、現場へ近づけば近づくほど、大空はざわめき、大地は余震を感じ、悪臭とともに火災後の煙が至るところで見え、それは悲惨そのものであり、大変ショックでありました。私たちは、建物の残骸跡の残る道路をまるで戦時中を思い出す防空ずきんをかぶった大勢の被災者の間をかき分け、徒歩で神戸市の新庁舎へ着いたのは岐阜市を前日に出発して翌朝でありました。

 予知できぬ災害は行政も限界があります。最終的には個人が知恵を出し、どう災害に立ち向かうかが大切だと、現場を見た実感でありますが、私が阪神・淡路大震災で一番悲惨であったと思ったことの一つは、犠牲者の多くは老朽化した木造の建物の下敷きになった多くのお年寄り、幼い子供たちのことであります。教訓を生かすのであれば、私たちは建物の耐震化の問題を最優先しなくてはいけないと思います。この三月議会でも質問もございました。昭和五十六年以前の古い建築基準で建てられた木造で、耐震化した方がよいとされる建物は県内で約三十万棟あるそうでございますが、今年度の予算では、県内二十六市町が参画した耐震診断補助事業が一千万円予算化されました。県の補助が一軒につき五千円ということで二千軒分ということになりますが、これは対象の三十万棟の約〇・六七%で、これでよいのかと思わざるを得ません。

 そこで、以下、都市整備局長にお伺いいたします。この補助事業を利用されたのは今までに百棟とお聞きしておりますが、この結果をどう受けとめておられるのか。さらなる啓発が必要と考えますが、どのようにお考えか。二点目に、先日、岐阜新聞が実施されました首長へのアンケート調査では、要望内容の多い一つは耐震診断、耐震補強の財政支援でありましたが、個人住宅についても補強支援が必要と思います。このことについてどのように思われるのか、お尋ねいたします。

 次に、緊急雇用創出特別対策事業についてお伺いいたします。

 現行の厳しい雇用情勢に対応するため、今年度も国からの交付金で緊急かつ臨時的な雇用創出事業が実施されておりますが、本県もこの事業を効果的に推進するため岐阜県人材バンクがスタートしました。この事業が少しでも地域雇用の創出の突破口を開くことを期待するわけでありますが、この事業については、求職者側から、中高年齢者または若い世代に合った専門性のある職種が少ないとか、雇用期間六カ月は短い。求人側からは、事業費に占める人件費の割合が八割以上であるとか、事業労働者に占める新規雇用の失業者数が四分の三以上であることでメリットが少ないなどで、これらの緩和を希望する事業主もございます。

 そこで、今年度、基金から県、市町村合わせて四十四億円が事業化されますが、これに伴う事業数、就業者数はどのようになっているのか。また、県が設置した人材バンクの登録者は現在何名なのか、まずお伺いいたします。

 次に、この事業は臨時的で、つなぎ雇用の色彩が強い各部局からの委託事業になっておりますが、貴重な基金であります。長期的な雇用創出に効果の出る基金の活用に工夫と知恵を出す必要を感じます。例えば、環境保全のための中山間地域の農林業の活性化に一部集中してはどうかと考えます。また、この基金を障害者雇用のための枠を持ってもいいのではないかと考えますが、どのようにお考えか、新産業労働局長にお伺いいたします。

 次に、子ども読書活動に関するアンケート調査についてお伺いいたします。

 昨年末、子ども読書活動推進法が国会で成立し、子供の読書環境の整備を国や自治体の責務と定めました。これを機会に、我々公明党岐阜県本部は県教委を初め県下教育委員会にアンケート調査を実施いたし、六二%の回答をいただきました。アンケートの調査結果につきまして一部紹介いたしますと、子ども読書活動推進法の努力義務である推進計画の取り組み状況については、「策定中」は県教委を初め一町の計二自治体、「検討していない」が三十七市町村の六三%で、その他では二四%の十四の市町村が「国・県の動向を見て」との回答でありましたので、県との連携で全県下で策定が望まれると思います。また、朝の読書運動の実施では、小学校七六・五%、中学校では三九・二%、県立高校では二三%で、今後の拡大については半数以上の五八%の教育委員会が各学校に任せるとの回答でありましたが、読書の意義を理解し、中学校、県立高校のさらなる取り組みが必要と考えます。そのほか五項目七点についてのアンケート調査でしたが、子ども読書活動推進法の趣旨が現場に必ずしも十分認識されていないのではないかと感じました。特に読書推進計画におきましては、本県の強いリーダーシップで全市町村が策定できるようにお願いしたいと思います。

 以下、三点について教育長にお伺いいたします。一つは、今回のアンケート調査では、学校図書館図書整備費は毎年交付税措置されているのですが、十四年度予算化していない市町村が四二%あり、要望でも交付税ではなく補助金制度にしてほしいとの声が寄せられていることは、図書整備費が他の目的に使われている可能性もあると思います。今年度から五カ年計画で、従来の図書費に上乗せして、全国で毎年百三十億円、総額で六百五十億円、約四千万冊の整備が予定されておりますが、今年度の約百三十億円が予定どおりに使われれば、一学級当たり小学校では約二万三千円分、中学校では約四万五千円分の本を買い足せることになります。図書館図書費がどのように扱われているのか調査していただき、県も毎年交付税化されている図書館整備費が確実に現場におろされるよう、市町村教育委員会に徹底する必要があるとも思いますが、どのようにお考えか。二点目に、小・中・高校の長期休みにおける子供の図書館利用についてはどのようになっているのか、今後どう指導されるのかでございます。三点目に、県立高校の学校図書館での検索システム、LANとの接続、学校間の図書館のネットワーク化の整備について今後どのように取り組んでいかれるのか、以上、教育長にお伺いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

   (拍手)



○議長(高田藤市君) 知事 梶原 拓君。

   〔知事 梶原 拓君登壇〕



◎知事(梶原拓君) まず、情報化と県の今後の県政についてお答えを申し上げたいと存じます。

 議員の御質問の中にもいろいろ触れられておりますけれども、情報技術−−ITがどんどん普及いたしてまいりますと、大きくいろんな面で構造改革が進んでまいります。一つは、ユニバーサル社会と申しますか、いつでも、どこでも、だれでも、ITを使うことによっていろんなチャンスが生まれるということでございます。障害がある、あるいは男女の差とか、年齢とか、所得とか、余りそういうものに拘束されないで活躍ができると。岐阜県の場合は、福祉メディアステーションで障害者の方がパソコンを習得されていろんな仕事をされております。

 それからオープン社会、透明性の高い社会ですね。インターネットで、本県の場合、予算編成を全国に先駆けて公開いたしておりますが、あるいは電子入札、電子調達、インターネット上でだれでもそれを見ることができるという透明性の高い社会になると思います。それから対話社会ということでございますが、ITを使ってこれからデジタル化が進みますとお互いにやりとりができると。今のテレビも一方通行でございますが、デジタル化いたしますと相互のやりとりができるということでございまして、県民の皆様方の御意見を双方向の技術を使って県政により反映できるということでございます。

 そうなりますと、コラボレーション社会といいますか、協働社会が実現する。情報を共有するということによって行動も共有すると。一緒にやろまいかと、NPOだとか、ボランティアだとか、いろんな形で県民の皆さんと一緒に仕事をやっていくと、こういうことが可能になってまいります。そういう意味から県政も大きく変わっていくと思いますし、これからの当面の課題として大きなものが電子自治体の構築ということがございます。これは全国共通の課題でございますが、インターネット上に言うなれば県庁がもう一つできると言ってもいいんではないかと。そういうことでございまして、県民の皆さんとは端末のパソコン等を通じてお互いにやりとりができるということでございます。

 そういう走りといたしまして、県民情報ネットワークというようなものも進めております。一日当たりアクセスが一万六千四百四十四件ありまして、平成九年四月からのスタートでございますが、既にアクセス累計千二百万件ございます。非常に有効な道具であるというふうに思っております。そして、県民の皆さんの生活のいろんな場面に応じて活用していただけるということでございます。出産したときに、いろんな役所その他とのかかわりが出てまいります。それから幼稚園、保育所への入園・入所、あるいは小学校・中学校への入学、大学入試、あるいは就職とか引っ越しとか、いろんな生活の場面がございますが、その場面ごとにアクセスしていただけると、ちゃんと道案内がしっかりしていて、得るべき情報がきちんと得られるし、とるべき連絡もきちっととれると。こういうようなものがいわゆるポータルサイトということでございまして、わかりやすい入り口、そして道路標識のようなものもきちんとあると、ナビゲーターもあると、こういうようなシステムをつくっていきたいと、こんなふうに思っております。現在、このイメージサイトというものを公開しておりますので、ぜひごらんいただきたいというふうに思っております。

 市町村との関係がどうなるかということでございますが、まず市町村自体が広域化してくるというふうに思います。住民基本台帳の住民票がどこでもとれるというようなことが近く実現いたします。例えば旅券をとるという場合には、戸籍謄本と戸籍抄本は本籍地の市町村役場に行きまして入手しておったんですが、これはもうパソコンでオンラインで取得できる。それから住民票も、現在住んでいる市町村役場に足を運ぶ必要がなくて、住民基本台帳ネットで省略が可能であると。そして、旅券センターへの申請はパソコン等からセンターに申請ができると。最後の受け取りだけはセンターにおいでいただくというようなことになるわけでございますが、いずれにしても市町村の境目というものがだんだん意味がなくなってくるということでございまして、行政の広域化というものが進みます。

 それから同時に、県とか国との関係も全部線で結ばれまして、シームレス−−継ぎ目なしにしなきゃいけないと。ここは県だ、ここは国だということをやっておっては住民サービスにならないわけでございますので、継ぎ目なしのサービスをやっていくと。今申し上げましたように、旅券でも市町村役場、それから県という違いがございますが、それも一貫して手続ができるというようなことでございまして、縦の関係も継ぎ目がなくなる、横の関係も継ぎ目がなくなるというようなことで、いよいよ協働で情報化もしていかなきゃいけないと。総務省もそういう方針を出しておりますが、県におきましても県と市町村、あるいは市町村相互、協働でこれから電子自治体の構築なんかをやっていかなきゃいけない。そういう中で、さらにお互いの関係が緊密になっていくのではないかと予測をいたしております。

 それから次に、生涯安心「ふるさと福祉村」構想について、そのうち「いきいき福祉のまちづくり」についてお尋ねでございます。

 まず、「いきいき福祉のまちづくり」というものが全体構想の生涯安心「ふるさと福祉村」構想の中でどう位置づけられるかということでございます。

 もう随分前から、県民の皆様から、老後のために貯金をしておるけれども、何ぼ貯金したらいいんだというお尋ねがありまして、大きな悩みになっております。そういう目安がないもんですから、老後のための貯金を老後になってもまだまだせっせせっせと貯金をしていかなきゃいけないという現状でございまして、現在、高齢者世帯の貯蓄総額は、大ざっぱな推計ですが、一兆三千八百四十億七千二百万円というふうに推計をされておりまして、一世帯当たり二千万程度と予測されております。そして、これが本当に老後のために十分使われない。例えば相続税の面から見ますと、平成十二年分で百八十億円余の相続税が払われているということでございまして、老後のための貯蓄が国庫に入りまして、何に使われたかよくわからないという御不満もあると聞いております。この一兆三千億円余の貯蓄総額というものが本当に貯蓄の本来の趣旨である老後のためにうまく活用されておるかどうか、そういうことが県民の皆様方の悩みである、老後のために貯金しているけど、何ぼ貯金したらいいかということにもつながっているというふうに思います。

 そこで、昨年の選挙でも公約でふるさと福祉村構想というものをお約束した次第でございまして、その中身は三つあろうかと思います。一つは、安心して老後を暮らせる基盤づくりですね。ハード中心でございますが、特別養護老人ホームだとか、あるいはグループホームだとか、ケアつき住宅とか、そういう諸施設を整備する。それからボランティアというよりも、さらにその以前の問題としてホームヘルパー、そういう制度にのっとった人材の確保、そういうソフトの部分もございますが、基盤づくりというものがなければ何ともならないわけでございまして、地域、地域でワンセット以上の諸施設を整備する、そして人材づくりもやっていくという、基盤づくりとしての地域のふるさと福祉村の整備を進めなきゃいけないということが第一点でございます。

 第二点は仕組みづくり、ソフト中心でございます。現在まで検討しておりますのは共済方式で、一定の金額を拠出すれば、生涯、介護費用等も大丈夫だと。あるいはお医者さんにかかりやすくなる。それから福祉のサービス、例えば自分が痴呆になった場合に適正に福祉サービスが受けられているかということを第三者に客観的に点検してもらう、監視してもらうという仕組み。あるいは財産管理。いろんなサービスがございますけれども、そういうものをワンセットで提供していくような仕組みができないかということを検討いたしております。一千万円でどうかと、今は五百万円でどうかという、いろんな標準・水準で見合うサービスがどんなことができるかということを検討いたしておりまして、ごく最近、木沢病院の山田院長さんからお伺いしたんですが、アメリカでは二百五十万円というサービスをやっているということでございます。貯蓄高あるいは拠出金額の水準によってどういうサービスができるかということを検討して、仕組みづくりというものを支援してまいりたいというふうに思っております。誤解がございますけれども、一千万出さないかんのかとかいうことがございますが、それはそれぞれの貯蓄額、拠出額に応じていろんなランクのサービスというものがあるということでございまして、標準的に、例えば一千万だとどうだとか、五百万だったらどうだということを今検討しているということでございます。いずれにしても、まず施設整備が先行して十分にならないと、ソフトだけ先行してもサービスができないということでございまして、何はさておき、まず環境整備というものに力を入れていきたい。

 それから三番目の問題点として、介護とか医療の費用が大きな負担になる重度の障害者の方とか、あるいは難病の方、こういう方をきっちり救済支援をしておかないといけないということでございまして、それがないと共済方式も成り立たないということでございます。共済方式のためにそういう方々の救済支援をするということもございますけれども、それ以前の問題として、我々の使命として、本当に一番お困りの方々に手を差し伸べるということが必要であろうかということでございまして、その問題とは別個に対策を講じてまいりたいと。今、ケアコーディネーターとかサポーター、そういう人材を配置するという事業を進めておりますが、そういうことと相まって、支援策というものをより強固にしてまいりたい。そういうものが解決できないと共済方式にも入れないと、こんなふうに思っております。

 そこで御質問のまちづくりでございますが、施設整備では特別養護老人ホームのようないわゆる介護保険の対象となるもの、それからケアつき共同住宅のように介護保険の対象にならないもの、大きく二つに分けられますが、この事業は介護保険の対象にならない事業でございまして、さきにアンケート調査というものを六十五歳以上の方々にさせていただきました。一千通弱の回答が参っておりますが、それによりますと、ケアつき住宅に必要な共用施設としては、まず診療所の要望が非常に強うございます。それから介護室ですね。それから食堂とか多目的ホールというように触れ合いの場ですね。そういうものが強く求められているということがわかっておりまして、こういうものを参考に設計をする。それから駅前のようなところがいいという方がかなり多いんです。郊外の方がいいという方もおいででございますが、やはり町中の便利なところにつくることが求められているということで、今、どういうところにつくったらいいか、まずは住宅供給公社のモデル事業として、そういうものに着手してみたいと思っております。潜在需要として、こういうサービスを求められている方々が県下で十五万人ぐらいおられます。そういう方々に都市の再開発を兼ねたケアつき住宅の提供というようなことができますれば、大変大きなプロジェクトになります。町の活性化にもなりますし、あるいは経済の活性化にもなるということでございます。今、申し上げましたような一兆三千億円という高齢者世帯の貯蓄をいかに活用させてもらうか、それをいかに高齢者の方々の御自身の生活に貢献させるかというのが大きな新しい課題ではないかと、こんなふうに思っておりまして、そのモデル事業につきまして、今、鋭意検討中でございます。

 御質問のように、人材がなければ事業は成り立ちません。ハードも大事でございますけれども、そういう人材供給というソフトの面が一番重要でございまして、これは介護保険の関係の人材育成をいろいろやっておりますし、県独自といたしましても、先ほど申し上げました重症心身障害者ケアコーディネーターだ、難病患者サポーターだというような研修をやっております。あるいはボランティアコーディネーターという方々の養成もさせていただいておる。いろんな形で福祉を支える人材づくりを一生懸命やってまいりたいと、かように思っております。



○議長(高田藤市君) 副知事 奥村和彦君。

   〔副知事 奥村和彦君登壇〕



◎副知事(奥村和彦君) 生涯安心共済制度についてお答えいたします。

 この当初案を、今年四月から五月にかけまして県民の皆様へお示しし、御意見や御要望、御提案等をいただきました。これをもとに、より多くの方に加入していただける商品となりますよう修正を加えたものが現在の修正案でございます。主な修正点といたしましては、当初案の掛金一律五百万円というものを、保障内容の種類を選別することによって掛金も低額になるようにした商品も追加したこと、また一時払いという方法しかなかったものを、掛金払込方法について分割払いを追加したこと、また六十五歳以降の加入年齢ということになっておりましたが、四十歳以降なら加入できるというような修正を加えたものでございます。

 また、制度の開始時期につきましては、現在、県民の皆様や老人クラブ連合会、また母子寡婦連合会、婦人会、民生委員の方々、県政モニター、また有識者でございます皆様方、そして医療機関、福祉施設、こうした方々から、現在、御意見だとか御提案、御提言、要望等をいただいております。それがまだちょっと全部そろっておりませんが、現在そんな状況にございまして、そうした御意見をさらに反映させながら試案をつくり、またお示しし、より多くの方が加入できるような加入されるような商品といたしまして、今後、運営母体を含めて、県議会とも御相談を申し上げるなど、またハードでございます施設の整備状況もあわせつつ、具体化の運びにしてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いします。



○議長(高田藤市君) 県民生活局長 鬼頭善徳君。

   〔県民生活局長 鬼頭善徳君登壇〕



◎県民生活局長(鬼頭善徳君) 多重債務問題についてのうち、多重債務者への相談対応についてお答えをいたします。

 まず、県民相談室と消費生活センターに寄せられました多重債務ですとかサラ金などに関する相談件数について申し上げますと、十三年度は前の年に比べて約四八%増の五百二十件、そして今年度途中でございますけれども、八月末現在でも前の年の同じ時期に比べまして九八%増の四百十二件と、大幅な増加をしております。県では、こうした相談の実態に対応するために、相談窓口の積極的なPRですとか、弁護士会との連携によります無料法律相談の実施、さらには専門知識の研修による消費生活相談員の資質の向上ですとか、こうしたことによりまして相談体制の一層の充実に努めているところでございます。

 また、多重債務に陥らないということでは、消費者の注意を喚起する必要がありますので、消費生活講座の開催ですとか、ラジオ、広報紙などによる具体的な相談事例の紹介ですとか、注意していただきたい点などの最新情報を提供したり、イベント、あるいは行事の際に多数の方が来られますので、そうした場で啓発パンフレットを配布するなどの効果的な啓発を行っております。こうした啓発活動をさらに徹底して、消費者自身にも意識を高めていただきますとともに、警察ですとか弁護士会とも連携をさらに緊密にしまして、消費者の保護に努めてまいりたいというふうに考えております。



○議長(高田藤市君) 福祉局長 塩谷千尋君。

   〔福祉局長 塩谷千尋君登壇〕



◎福祉局長(塩谷千尋君) 児童虐待対策と里親制度につきましてお答えさせていただきます。

 本県の虐待相談件数でございますが、平成十一年度の百三十六件から、虐待防止法施行後の十二年度には二百二十六件と増加いたしました。十三年度につきましては二百二十件となっております。

 虐待の予防と早期対応のために児童相談体制の充実だとか、地域の虐待防止ネットワークの拡充などを図りまして、積極的にこの問題に対処していきたいと思っております。

 また、被虐待児など手厚い心理的ケアが必要な子供を受け入れる情緒障害児短期治療施設につきましては、入所児童の義務教育等の問題もございますので、関係機関と協議し、検討をしてまいりたいと思っております。

 次に里親につきましては、現在百六十四世帯の登録をしていただきまして、二十八人の児童を委託しております。今回の制度改正によりまして、被虐待児などの養育に当たる専門里親が新設されましたので、希望者の資格取得研修への派遣を検討してまいります。また、将来的には、すべての子ども相談センターに専門里親を配置できるよう努めてまいります。



○議長(高田藤市君) 新産業労働局長 豊田良則君。

   〔新産業労働局長 豊田良則君登壇〕



◎新産業労働局長(豊田良則君) 緊急雇用対策事業についてお尋ねがございましたので、お答えを申し上げます。

 この事業につきましては、今年度、五百四十三事業−−これは県と市町村を合わせてでございますが−−予定いたしておりまして、約四千人の雇用を予定いたしております。現段階で、そのうち四百二十六事業、約三千二百人の雇用創出を図っております。

 また、御質問ございました人材バンクにつきましては、現在三百十七人に御登録いただきまして、九十一人が実際に就職をされておられます。これにつきましては、特に現在実施中の職員の超過勤務削減につながるような電算入力等の外部委託事業などを行っております。さらに、今後ともこの就業機会を確保するための事業実施を検討しているところでございます。

 また、この事業につきましては、国の制度ということもございまして、一定の制約がございますけれども、本県では創意工夫を凝らしまして、ビジネスナビゲーター事業でありますとか、特に環境に配慮いたしました間伐等の森林整備あるいは雪害倒木の処理など、できるだけ効果の高い、あるいは期待できる、しかも雇用創出につながるような事業の実施に努めておるわけでございます。

 また、御指摘の障害者を対象とする事業につきましては、障害者の中で例えばITができるという方につきましては、電子化の推進事業でありますとか、あるいは高齢障害者への意識調査でありますとか、そういったものを優先的に実施いたしております。特に現在では特別枠を設けておりませんけれども、現在のところ四事業、約二十名の障害者の雇用機会を確保いたしております。今後とも、地域の実情に応じましたきめ細かい雇用対策を実施してまいりたいと考えております。



○議長(高田藤市君) 都市整備局長 竹山 ●〔立心べんに僚のつくり〕君。

   〔都市整備局長 竹山 ●〔立心べんに僚のつくり〕君登壇〕



◎都市整備局長(竹山●〔立心べんに僚のつくり〕君) 建物の耐震化につきまして二点のお尋ねがございました。

 まず一点目でございますが、木造住宅の耐震診断補助制度についてお答えいたします。

 今年度新規事業といたしまして補助制度を始めておりますが、参加は二十六の市町、件数において現在百件程度とどちらも少なく、制度の浸透がいまだ不十分であると認識しており、なお一層努力していく必要があると考えております。このため、七月から市町村長さんへのPRに努めた結果、今年度中に三十六市町に拡大する見込みであります。さらに、来年度には十三町村が加わる意向を示しており、県内のほぼ半数の市町村で補助事業が利用できることになります。また、住民の皆様への制度浸透を図るため、引き続き広報紙等への掲載を行うとともに、市町村での説明会の実施や防災、観光など各種イベントへの参画など、さまざまな機会をとらえて積極的にPRに努めてまいります。

 次に、二点目の、木造住宅の耐震補強工事の補助につきましては、個人資産への公費の投入の是非や、診断費に比べまして補強工事費が極めて多額となることなどから、現在、耐震診断事業に一緒に取り組んでいただいております市町村に補助の必要性についてお伺いしているところでございますが、御意見が分かれております。今後、県議の皆様を初め、より多くの市町村の御意見をお伺いするとともに、県民の皆様の声をインターネットなどを活用して把握し、補助の必要性についての検討をしてまいりたいと思っております。



○議長(高田藤市君) 教育長 日比治男君。

   〔教育長 日比治男君登壇〕



◎教育長(日比治男君) 子供読書活動についてお答えいたします。

 まず、小・中学校における図書館図書整備費についてでございますが、図書の購入に要する経費は備品購入費等を含めてすべての市町村で予算化されており、そのうち八割の市町村では地方交付税措置に基づく額を超えております。また、県内の小・中学校の図書館の蔵書整備率も全国平均を上回っております。県教育委員会といたしましては、今後とも小・中学校の図書の整備を進めていくよう、市町村に対して適切に働きかけてまいります。

 次に、小・中・高等学校の長期休業日における図書館利用についてでございますが、この夏の長期休業日には児童・生徒が読書や学習に活用できるよう、八割の小・中・高等学校で学校図書館の開館日が設けられております。開館日数は、小・中学校では休業日の五割程度、高等学校では六割程度となっております。県教育委員会といたしましては、長期休業日にも児童・生徒が読書に親しむなど、図書館の利用が一層進められるよう、市町村教育委員会や各学校に働きかけてまいります。

 最後に、県立学校図書館の情報化についてでございますが、学校図書館の活性化にとって重要なことの一つは、学習活動に必要な情報が活用できるシステムの整備・充実であると考えております。現在、すべての県立学校の図書館にはコンピューターが設置され、岐阜県図書館などの蔵書を検索し、さまざまな図書情報を入手することができるようになっております。県教育委員会といたしましては、各学校の実情に応じ、生徒が活用しやすいよう、学校図書館の整備・充実に努めてまいります。



○議長(高田藤市君) 警察本部長 山本博司君。

   〔警察本部長 山本博司君登壇〕



◎警察本部長(山本博司君) 多重債務者問題についてお答えをいたします。

 まず、悪質業者の取り締まり状況でありますが、本県におきましては、高金利事犯を中心に昨年は二件三名、本年はこれまでに七件四名を検挙いたしております。本年七月に多治見署で検挙した事件では、東京都内の悪質業者が岐阜県内の多重債務者に対しましてダイレクトメールで勧誘をして、出資法で定める上限の三十五倍から百十四倍に及ぶ高金利をむさぼっていたという大変悪質な事案でありました。

 一方、自殺の状況でありますが、昨年、県内におきまして、負債を原因として自殺された方は七十四名、自殺者全体の一三・五%となっております。五年前の平成九年当時と比較をいたしますと、人員でほぼ倍増、比率も約五ポイント上昇しているところであります。

 次にサラ金問題に対する警察の基本的姿勢ということでありますが、警察では、本部、各警察署に警察安全相談の窓口を設置いたしまして、サラ金問題を初め県民の皆さんのさまざまな相談事・困り事に対応しているところであります。昨年の相談受理件数は約二万件ございましたが、このうちの千百件余りがこのサラ金問題を含む金銭・物品貸借に関する相談という状況でございました。この件数もまた増加の傾向にございます。こうしたサラ金問題等の相談を受けるに当たりましては、あくまで相談者の立場に立って親身に応対をし、適切なアドバイスを行うと。それと同時に、警察の最大の武器は何といっても捜査でありますから、相談内容をよく吟味して、高金利、無登録、あるいは暴力団の関与、そういった悪質な事犯につきましては、積極的に事件化する方向で臨んでいるところであります。今後とも、適切な相談対応とともに、悪質事犯を中心とした取り締まりの強化の両面からこの問題に対応していく考えであります。以上であります。



○議長(高田藤市君) 三十一番 近松武弘君。

   〔三十一番 近松武弘君登壇〕(拍手)



◆三十一番(近松武弘君) 県民クラブを代表し、六点について質問させていただきます。

 最初に、ワークシェアリングと雇用の創出について新産業労働局長にお尋ねします。

 不況の影響で、雇用状況は極めて深刻であります。完全失業率が五・四%、完全失業者は三百六十一万人、来春高卒の求人倍率は過去最悪の〇・五倍であります。今年の春、こうした雇用情勢下において、国レベルでワークシェアリングの実施について政・労・使が合意しました。確かに、緊急対応型のワークシェアリングは雇用対策の一つの有効な手段であります。しかし、その実施は難しい状況にあります。また、来春高卒の求人倍率は〇・五倍であり、就職希望者の二人に一人しか企業からの求人はありません。そこで、九月九日、県教育委員会は、県経営者協会、県商工会議所等の経済団体に対して異例の求人確保の協力要請をされたところであります。

 そこでお尋ねします。一、県は、こうした雇用情勢下でワークシェアリングの意味や目的を踏まえ、雇用の維持・創出の柱となっている緊急雇用創出特別対策事業をどのように進めておられるのか、成果も含めてお尋ねします。二、「若い人に職場を」は、四つの県政重点施策の一つであります。全庁を挙げて取り組むべき課題であると思います。教育委員会と手を携え、来春高卒の求人開拓に万全を期するべきであると思います。どんな取り組みをされようとしているのか、お尋ねします。

 次に、公立小・中学校の余裕教室の有効活用について教育長にお尋ねします。

 近年、急激な児童・生徒の減少に伴い、小・中学校の余裕教室が増加しています。各小・中学校は、各市町村、各地域の最も立地条件−−位置・環境・地形等−−のよいところにあります。また、市町村の貴重な財産であります。余裕教室の有効活用は極めて重要な施策の一つです。それだけに、市町村の腕の見せどころでもあります。

 そこでお尋ねします。一、余裕教室の有効活用について、国の指針や支援事業はどのようになっているのか。それを受け、県はどのように進められているのか。二、県下の余裕教室の有効活用のこれまでの実施状況と代表的な具体例についてお尋ねします。

 次に、各福祉計画のこれまでの実績と達成率などについて福祉局長にお尋ねします。

 県の最重要施策は「総合福祉」であります。「総合福祉」は「福祉」「健康」「まちづくり」の三つに分けられています。この中の「福祉」も、さらに三つに分けられています。「高齢者福祉」「障害者福祉」「児童福祉」です。そこで、福祉の整備・充実に絞って質問します。

 高齢者福祉は、岐阜県生涯安心計画−−平成十二年度から十六年度の五カ年計画−−に基づいて進められています。障害者福祉は、岐阜県障害者プラン−−平成十年度から十六年度の七カ年計画−−に基づいて進められています。児童福祉は、ぎふ子どもいきいき夢プラン−−平成八年度から十七年度の十カ年計画−−に基づいて進められています。そこで、各計画の主要三項目についてこれまでの実績と達成率、今後の見通しと課題についてお尋ねします。一、生涯安心計画では、特別養護老人ホーム、ケアハウス、グループホーム、二、障害者プランでは、身体障害者療養施設、知的障害者更生施設、デイサービスセンター、三、子どもいきいき夢プランでは、地域子育て支援ネットワーク、低年齢児保育、放課後児童クラブについてお尋ねします。

 次に、本県の地球温暖化対策について環境局長にお尋ねします。

 八月二十六日から九月四日までの十日間、南アフリカ・ヨハネスブルグで環境・開発世界サミットが開催されました。サミットには、世界百四カ国の首脳を含む百九十一カ国から六万人を超える人々が参加して行われました。確かに、今回の世界サミットは、九二年にリオデジャネイロで採択された地球再生計画−−アジェンダ21の実施状況を検証し、次なる計画−−ヨハネスブルグ実施計画をまとめることと、そして京都議定書を温暖化対策の柱にすることが目的でありました。しかし、ヨハネスブルグ実施計画はでき上がりましたが、そこには、後進国に対し先進国の援助の増額等、新たな約束もなく、緊張感の欠如したものになりました。また、京都議定書についても、アメリカの離脱等により先行きが心配されます。最終的には、日本の強い働きかけで、ヨハネスブルグ宣言には「地球温暖化は現実で、地球環境は破壊の脅威にさらされている」、また世界実施計画の中には「京都議定書の批准していない国に適切な時期に批准を働きかける」という文言が盛り込まれました。日本には、従来以上に地球温暖化防止に向け、強いリーダーシップが求められています。

 そこでお尋ねします。一、今回のヨハネスブルグ世界サミットの結果をどのようにとらえられているのか。二、「隗より始めよ」と言います。本県の温暖化対策をどのように進めようとしておられるのか。

 次に、道徳教育−−人格教育−−について知事並びに教育長にお尋ねします。

 今、中国、韓国、アメリカでは、道徳教育−−人格教育−−に積極的に取り組んでいます。日本では、いじめ、暴力、不登校、学級崩壊等、家庭や学校や社会の教育力の低下が露呈されています。「子は親の背を見て育つ」といいますが、最近の大人の凶悪犯罪や企業経営者等の倫理観の喪失は目を覆うばかりであります。

 改革・開放を進める中国では、国民の利己中心主義が横行し、道徳が崩壊、社会基盤が損なわれているといいます。道徳教育の失敗はインフレよりももっと重要な問題であるとして、中国教育界は、誤った価値観から脱却するため積極的な道徳教育に取り組んでいるといいます。

 アメリカの人格教育は具体的で実践的であります。アメリカは民主的価値観を持つキリスト教国でしたから、道徳教育、人格教育も宗教的色彩を強く持っていました。ところが、一九六〇年ごろから人口構成が多様化し、政教分離の原則に対して非常に敏感になり、道徳教育は一時遠ざけられました。その結果、十代の妊娠、青少年の麻薬使用や犯罪の深刻化、離婚の増大、家庭崩壊が進みました。そこで、九〇年代になって普遍的価値観を教える道徳教育は人間の価値について教えるものであり、民主主義にとっても極めて重要である。政教分離の原則を堅持しながら、道徳・人格教育はできる。知識だけで価値を教えなければ教育とは言えないという考え方が復活しました。道徳の危機的状況に直面して、アメリカの教育界は過去の価値観抜きの教育を反省し、人格教育の方向を決断したといいます。現在、人格教育プログラムは全米の公立学校で広範に実施され、その内容は急速に向上しているといいます。

 無責任に陥っていないか、日本の教育。「自分で決める」、日本の若者たちが何より強く同調し、家庭でも学校にも広がっている自己決定主義という価値観です。しかし、これはルールや規範を無視したわがまま、自分勝手に陥りやすいと思います。責任ある自由にはほど遠いように思います。善悪や責任、道徳や倫理等、心の教育は、教えて、鍛えて、育てる実践的教育が基本であろうと思います。

 こんな詩があります。「心が大事」。「勉強も大事だが、心はもっと大事。心がなくては生きている意味すらなくなってしまうから」。教育の手抜きは禁物であると思います。我が国の心の教育の廃退は国や文部科学省の怠慢大であると思います。国がもっとしゃんとしなければいけないと私は思います。確かに、中央集権構造、規制基準等が教育の弱体化を招いていると思います。しかし、地方の安易な中央ぶら下がり意識にも問題があると思います。私は、国や文部科学省に「もっと性根を入れて取り組め」と叫びたい心境です。

 本県には、教育をマクロ・ミクロから検討する岐阜県教育協議会、岐阜県教育改革懇談会、市町村教育会議の三つがあります。この中で私が注目しておりますのは、今年五月から七月にかけて知事が出席されて開催された市町村長主体の市町村教育会議です。これからの教育改革は、教育委員会任せであってはいけないと思います。地域から改革を進めるということであれば、首長が中核的役割を担っていかなければならない、そう思います。

 そこで知事にお尋ねします。中国の言葉に「虎嘯雲起」という言葉があります。配布させていただきました資料のメモ欄に書いておりますけれども、「虎」という字は虎という字です。「嘯」というのは難しいですが、ほえるとかうなるという意味です。「雲起」は雲を起こす。虎がウウーとうなれば、雲を起こし嵐を呼ぶということです。世の中は、だれかがほえなければ変わらないと思います。この「虎」の字を梶原拓の「拓」の字に変えますと「拓嘯雲起」。梶原拓がウウーとほえれば、改革の嵐を起こすという意味です。知事は、国にほえると言うと語弊がありますが、活を入れる先駆者ではないかと思います。ぜひ文部科学省に活を入れて、教育改革への嵐を起こしていただきたい、そう思います。心の教育も地方から変えていく、そんな気概がないと日本の教育改革は進まないと思うからであります。岐阜県においては、どのような考え方でどのように進めていかれるのか、地方からの教育改革の推進について、知事の見解をお尋ねします。

 次に、教育長にお尋ねします。一、学習指導要領も変わり、国は新しい道徳教育の方向と目標を示しました。本県では、道徳教育−−心の教育−−の充実をどのように進められるのか。二、アメリカでは、実践的な人格教育が広範囲に実施されています。こうした取り組みにも関心を深め、岐阜県の道徳教育−−人格教育−−に生かしていくことも大事だと思います。見解をお尋ねします。三、確かに、教育基本法の改正には賛否両論があります。しかし、大いに議論すべきであると私は思います。教育基本法関連の動きや、中教審・基本問題部会の議論の概要についてお尋ねします。

 最後に、二十一世紀を切り開く思想と理念、二十一世紀の夢おこし県政について知事にお尋ねします。

 こんな詩があります。「人の幸せ」。「屋根の大きさで人の幸せは決まるものではない。その下で暮らす人の心の持ちようで幸せは決まります。」次に「人生の目的」。「おお、人間、何と不思議な生命か。人間、何のためにこの世に生まれてきたのか。何をせんとして生きていくのか。」今、人生にとって最も重要なことは、哲学があるかないかである。真実の宗教があるかないかである。魂を納得させ、揺り動かしていく根拠のない理法や哲学のない政治も宗教も真っ平です。新しく創造する二十一世紀は根源的な人間の心の奥を究明し、変革していく新しい人間の世紀です。

 古来、社会が閉塞し、苦難に遭遇するのは、思想を喪失したときであるといいます。「二十一世紀は歴史が見たことのない未来が始まる」、経済思想家 ドラッカーの言葉です。今、ドラッカーの著書「ネクスト・ソサエティ−−異質の次なる社会−−」が注目を集めています。根本思想は、経済が社会を変えるのではない、社会が経済を変えるのであるという思想です。文明の進歩は、確かに生活を便利に快適にしました。しかし、それだけに人情や風情や叙情を失いました。今、政治に求められているのは、人間や社会の本質や根源に立った新たな思想と理念ではないでしょうか。思想とは、人生観、社会観、政治観、世界観などです。理念とは、普遍的価値観といってもいいかと思います。

 さて、人間や社会の本質や根源を究明するのが哲学、宗教、心理学等であります。哲学も宗教も約二千六百年の歴史があり、人類の英知の結晶であります。哲学や宗教が二千六百年かけて求めてきたものは一体何でしょうか。哲学が究明してきた人間の本質とは、一口で言うならば一体どういうことでしょうか。人間の本質は高まろうとする意志そのものであり、絶対的自由を求めてやまない存在だといいます。絶対的自由とは一体どういうことでしょうか。人と人、人と自然は本質的には一つである。人と人、人と自然が対立を超えて一体になることであると言っています。このことを、西洋哲学では主観客観の合一、仏教・禅では自他一如、一般的な言葉では人と人との共生、人と自然の共生と言っています。

 ここにこんな詩があります。「自由」。「自由なんてあり余るほど用意されています。ないとしたら、むしろそれはあなたの心の問題です」。次に「あなたとぼく」という詩です。「あなたにできること、僕とともに喜ぶこと。僕にできること、あなたとともに苦しむこと」。自他一如の詩のようです。「春は花 夏ホトトギス 秋は月 冬雪さえて冷しかりけり」、道元禅師の禅の世界です。

 西洋思想は、極めて理論的、合理的、分析的であります。野球でいえば剛速球投手で、なかなか打つのは難しいと思います。東洋思想は、直観的、実践的、情操的であります。野球でいえば七色の球種を持つ投手で、見ていて楽しい、そんな気がいたします。西洋哲学では、主観客観の合一に達するまでに約二千六百年、思索に思索を積み重ねてきました。それだけに極めて論理的であり、その歴史的緻密さに感嘆します。

 仏教の開祖 お釈迦様は、既に二千六百年ほど前に修行によって自他一如を悟られました。西洋哲学二千六百年の結論−−主観客観の合一が、既にお釈迦様を開祖とする仏教の出発点でありました。仏教や禅のこれまでの二千六百年は、自他一如を実際に体得する実践の歴史であります。特に、禅は自他一如、生死一如を身をもって悟る実践学そのものでありました。

 近代詩の改革者 正岡子規は、長い病床の末に三十四歳で亡くなりました。禅の実践者です。随筆で悟りについてこう語っています。「悟りとは、いかなる場合にも平気で死ぬことかと思っていたのは間違いである。悟りとは、いかなる場合にも平気で生きていることである」と言っています。禅は茶道・華道等、日本の美しい精神文化をはぐくんできました。

 イギリスの歴史学者 トインビーは、「現在の危機は西欧の物質文明が生んだ危機である。これを救うものは百八十度対照的な日本の精神文化である。二十一世紀は日本の宗教の時代である」と予言しています。確かに今、仏教思想は埋もれています。しかし、二十一世紀の心の時代には再び脚光を浴びてくるに違いありません。

 さて、ここでちょっと人間の本質や根源を究明してきた西洋哲学や心理学の歴史とその究極の結論を見てみます。大変恐縮に存じますが、配布させていただいた資料をごらんいただきたいと思います。

 表一は哲学の結論です。人間が求めている自由の中身です。具体的には、政治的自由、経済的自由、精神的自由の三つです。高まろうとする意志は、具体的には主体性、協調性、創造性の三つであります。表二は、西洋哲学が到達した実存哲学です。実存哲学の究極の結論は、ヤスパースの主観客観の合一です。人間は、自と他の対立を超えたものであるということです。仏教の自他一如の思想にぴったり一致しています。表三は、深層心理学が究明した究極の結論です。人間の心の構造をわかりやすく表現すると、意識、個別的無意識、普遍的無意識の三層になっている。人間の無意識には、自己と他者の対立を超えた普遍的無意識があるということをユングが解明しました。普遍的無意識とは、自分と他者の対立を超えた心の働きです。実存哲学の主観客観の合一、仏教の自他一如とぴったり一致し、深層心理学的にそのことを裏づけています。表七は、哲学思想の発展過程です。哲学にも発展原理があります。唯物論から絶対論まで九段階です。西洋のギリシャ哲学も、近代哲学も、インドの仏教哲学も、見事にこの九段階の発展原理に従っています。同様に、下の方を見ていただきますと、人間の心の進化、例えば自由の進化、欲求の進化、生き方の進化も同じ発展段階に従っています。

 現在の社会は、第七段階から第八段階、第九段階への変革期であるといいます。哲学的には、自然論から無意識論・絶対論への変革期です。マズローの欲求五段階説では、自己実現の時代であります。

 以上、ちょっとくどく言いましたが、確かに哲学では飯は食べられません。しかし、哲学がなければ生きていけないといいます。現在の政治や経済や社会の混迷は、こうした基本的・根源的な思想が崩れているといいますか、喪失しているのではないかと思います。二十一世紀は、最高に発達した物質文明から心豊かな精神文明への大転換期にあるといいます。

 知事提唱の本県の夢おこし県政は、平成元年にスタートしました。県民総参加の夢おこし県政は、その発想や展開について外部からも大きな関心と評価を得ています。私も、岐阜県政を切り開いてきた大きな原動力であると思います。夢おこし県政にも、当然、発展段階があると思います。段階的に発展していかなければならないと思います。県民の本質的・根源的な夢、意志、欲求を実現するため、県民総参加のさらなる向上した夢おこし県政へと発展させなければならないと思います。

 ところで、かつてインドのガンジー首相は七つの社会的大罪を掲げ、その改革に政治生命をかけてきました。一、哲学なき政治、二、道徳なきビジネス、三、労働なき富、四、人格なき教育、五、人間性なき科学、六、倫理なき快楽、七、犠牲なき宗教です。人間や社会の本質問題に、民衆とともに果敢に挑戦しました。今、政治に求められていることは、まさにこのことではないでしょうか。

 そこで知事にお尋ねします。知事は、二十一世紀の岐阜県政を県民とともにさらに発展させるために、どのような思想や理念、つまりどのような基本的な考え方を持って進めようとされているのか。また、どのような二十一世紀夢おこし県政を展開されようとしているのか、以上お尋ねします。

 大変難しい話になりまして申しわけないと思っておりますが、こういったことは今の世の中でむしろ一番大事なことではないかと私は思います。御清聴ありがとうございました。

   (拍手)



○議長(高田藤市君) 知事 梶原 拓君。

   〔知事 梶原 拓君登壇〕



◎知事(梶原拓君) まず、教育の問題についてお答えを申し上げたいと存じます。

 時代は、国家教育から自治体教育へとどんどん移行をいたしております。これは、文部科学省あるいは国の教育に対する統制・支配というものが徐々に緩和されてきております。その反面、自治体のウエートが高まっているということでございまして、制度的には教育長の任命を文部大臣の承認ということになっておりましたが、それも廃止されました。地方分権一括法でも、国と地方は対等になりました。徐々に、実態的に、国家教育から自治体教育に移行いたしております。その自治体教育の受け皿づくり、これは全国的に大変おくれております。岐阜県では、その受け皿といたしまして、県議会議長さんにも入っていただいている教育協議会、それから一般の方々に参加していただいている教育改革懇談会、そして市町村長が中核の市町村教育会議と、この三点セットで自治体教育をこれから進めてまいりたいと、このように考えております。従来、何かといえば国が悪い、文部省が悪いということで、半ば自己責任というものが放棄されてきた面もなきにしもあらずだと、かように思います。一方的に国あるいは文部科学省にツケを回すということではなくて、我々自身が自己責任を持って教育改革を進めなければならない。これが我々の責任でもあると、かように考えております。

 具体的に道徳教育についてのお尋ねがございました。岐阜県の場合は、未来から現在を振り返って教育改革をしていこうということでございまして、二十一世紀の人間像として、共生人、国際人、情報人、創造人という四つの人間像をイメージいたしまして、教育改革を進めております。その第一の共生人づくりこそ、まさに道徳教育でございまして、自然と人との共生、そのルールを体得する。そして、人と人との共生のルールを体得する。まさに道徳というものは、個人個人のそれ自身の人格の錬磨ということもございますけれども、まずは人と人との間を整えていくというルールでございまして、人間社会が存在していくためには共生のルールというものをそれぞれが体得して実行しなきゃいけないということでございます。

 その共生のルールが全く欠けているというのが今日の状態でございまして、教室で大きな声でしゃべる、暴れる、それを放置しているということでございまして、一部少数身勝手派の権利を尊重して、その他大勢の良識派の教育を受ける権利というものを阻害していると、こういう大きな矛盾があるわけでございまして、私たちは、例えば出席停止制度というものを励行すべきであるということを主張しております。大多数の方々の教育を受ける権利を守るために、一部少数の教室の規律を乱す人たちの出席を停止するということは当然でございますが、その当然のことが行われていないことが、これまた社会の乱れになっているということでございます。ああ、そうか、教室の中で何ぼ大きな声でワーワーしゃべってもいいのかと、あるいは走り回ってもいいのかと。そんなことが当たり前だということであれば、何ぼ道徳教育を叫んでみたって物の役にも立たないわけでございまして、まず共通のルールというものをお互いに体得するということ、共生人づくりを進めなきゃいけないと、かように考えております。

 そういう人と人との共生が可能な共生人というものが、これから進学する場合にも面接重視という方向でございまして、高く評価されている。それから岐阜県の職員の採用試験もそうですが、人物重視ということになっておりまして、面接重視ということでございまして、従来、かつては学校、学歴、学業成績、そういうものが優先しておりました。過去の採用の歴史を振り返って検査してみましても、圧倒的に面接の結果がよかった方の方が役所に入ってからいい成績を上げておられます。そういう実証もしております。そういうことで、県職員もそうでございます。それから教員の採用もそういう方向にございます。ということで、世の中の家庭の皆様も人と人と共生できる人格、人づくりが大切だと。それをやらないと、将来就職にも差し支えるというようなことをやっぱり認識していただきたいし、社会もそういう人格重視の人物採用を励行していくということが共生のルールというものを徹底する早道ではないかと、こんなふうに考えております。

 それから、夢おこし県政についてお尋ねがございました。

 十三年間、夢おこし県政を進めてまいりました。従来は国の下請でございましたけれども、我々は県民の皆さんの夢の実行の下請だということに大きく転換をいたしまして、夢投票、ガヤガヤ会議等々、県民の皆様本位の県政を進めてまいりました。そして、おかげさまでこれまで大きな成果を上げ得たと思います。時代も、そういう国本位ではなくて、県民本位の県政というものが一般化しつつございます。各都道府県の知事もそういう方向で動いております。我々の路線が正しかったということを時代が証明してくれておると、かように思っております。

 そこで、夢おこし県政、惰性に陥らないように、常に新鮮な気持ちで新しいものに取り組んでおりますが、今や、昨年の選挙でも申し上げましたように、県民が主役の時代でございまして、県民の皆さんが、野球場であれば観覧席あるいは応援団の席からおりてきていただいて、フィールドで一緒にプレーをしていただくと、こういう協働の時代になってまいりました。そういうようなことで、例えば県民元気プレーヤーズというようなもの、あるいは県民協働サポーターズというような制度をつくりました。県民の皆様に県民寄りの県政補助者になっていただく。これは平成十四年度から登録を開始いたしましたが、既に登録者数は六千人を超えております。福祉だ、子育てだ、健康だ、いろんな分野でサポーターズに積極的に乗り出してきていただいております。今年度始めたばかりで早くも六千人を超えるという登録者の数でございまして、大変これは頼もしいことだと、かように考えておりまして、こうした一緒に県政を進めるという夢おこし県政をこれから進めてまいりたい。先ほど古今東西の歴史、哲学、宗教、一覧表をちょうだいいたしまして、大変勉強させていただきました。そこにもございますように、人間も地域も組織もそうですが、やはり生きがい、やりがいは自己実現だというふうに私は思います。この夢おこし県政も、県民の皆さん自身、あるいは県の職員、あるいは県の組織の自己実現の目的でありプロセスであると、このように考えております。

 そこで、新しい展開としては、先ほども取り上げていただきましたように、平成の関ケ原合戦・善政競争を全国的に展開いたしております。これからの世直しは、岐阜県だけでは何ともならないということになってまいりました。県下市町村も御一緒に、そして各都道府県にも一緒に参加していただいて、世直しをやっていくというのが天下分け目の平成の関ケ原合戦ということでございます。関ケ原合戦場を所管しております知事として設営奉行を務めておりますが、県下の市町村も五十市町村以上が既に参加をしていただいておりまして、全国の知事も、岩手、宮城、三重等々、改革派と称される知事さん方が率先して参画をしていただいておりまして、できれば全自治体が参加していただいて、我こそは我こそはと新しい事例づくりを打ち出していただく。岐阜県は、夢おこし県政の成果として、多くの岐阜モデルをつくっております。これを、岩手県は岩手モデル、宮城は宮城モデル、どんどんどんどん打ち出していただくということによって競争原理が働いて、地方自治体の行政が大きくレベルアップするということになります。

 日本国というのは三千余の自治体の集合体でございまして、自治体がよくなれば日本はよくなるということでございまして、同時に国の方も自治体のいいところを学ぶということを今既にやっておりますけれども、国も自治体から学んでもらうということです。どうしても、なかなか国の方も石頭が多くて変えられないということであれば、単にうそぶいておると、ほえるというだけではなくて、虎のようにその石頭をかみ砕くというぐらいの気概で臨んでまいりたいと、このように思っております。



○議長(高田藤市君) 福祉局長 塩谷千尋君。

   〔福祉局長 塩谷千尋君登壇〕



◎福祉局長(塩谷千尋君) 議員御質問の、各種福祉計画のこれまでの実績と達成率につきましてお答えさせていただきます。

 まず、高齢者福祉に係ります生涯安心計画につきましては、平成十六年度の目標値に対しまして十三年度末では、特別養護老人ホームが八八%、それからケアハウスが七六%、グループホームが四五%を達成しております。いずれも目標を達成できる見込みでございます。なお、生涯安心計画につきましては、今年度見直しを進めておりまして、特養の未入所者の解消を初めといたしまして、幅広い県民のニーズを酌み取った新しい目標を設定いたしまして、施設だとか、あるいはサービスの充実を推進してまいります。

 次に障害者福祉についてですが、障害者プランにつきましては、平成十六年度の目標値に対しまして十三年度末に、身体障害者療護施設が七八%、それから知的障害者の更生施設が九四%、デイサービスセンターが八二%を達成しております。障害者プランにつきましても、平成十五年度から新たに始まります支援費制度の円滑運営に向けまして、現在、目標数値の見直しを行っております。地域のニーズを十分に踏まえ、利用者本位の制度運営に対応してまいります。

 次に児童福祉関係でございますが、「子どもいきいき夢プラン」につきましては、十七年度の目標値に対しまして十三年度末に、地域子育て支援ネットワークが二〇%、低年齢児保育が八二%、放課後児童クラブが七九%を達成しております。この中で、地域子育て支援ネットワークにつきましては、平成十三年度に新たに創設した事業でございまして、予定どおりに進捗しております。今後、身近な地域によります効果的な子育て支援の仕組みづくりといたしまして、さらに積極的な推進をしてまいります。



○議長(高田藤市君) 環境局長 田代一弘君。

   〔環境局長 田代一弘君登壇〕



◎環境局長(田代一弘君) 地球温暖化対策についてお答えをします。

 まず、ヨハネスブルグサミットの結果のとらえ方でございますが、サミットにおいて京都議定書の発効の見通しが立ったことは、国際的な地球温暖化対策がさらに一歩前進したものと考えております。特に持続可能な開発を進めるための各国の指針となります実施計画が採択されましたことは、温暖化対策の国際的取り組みを効果的に推進する上で大変意義深いことと考えております。

 次に、本県における取り組みについてでありますが、本県の地球温暖化対策は、これまでも県として可能なものから全国に先駆けて積極的に取り組んできたところであります。平成元年度には、岐阜県環境保全推進本部を設置いたしております。また、二年度には、ラブアースぎふ運動を策定しております。七年度には、全国で初めてとなります大気環境木を選定し、十二年度には、全国で初めてとなります異常気象研究会を立ち上げまして、またこれも全国で初めてとなります環境配慮事業所−−E工場の登録制度を創設いたしております。そして、十三年度には、岐阜県地球温暖化対策研究会を設置いたしまして、具体的な対策や、森林の持つCO2 の吸収効果を検討いたしております。特にその間、ISO一四〇〇一の取得では、県みずからが率先垂範することを基本方針に、十一年度には中部圏で初めて県庁舎を、また十三年度には全国で初めて主要総合庁舎を単独で取得いたしております。また、本年度は他の総合庁舎及び県立三病院の認証取得を目指しております。また、本年度は県全体の温室効果ガスの排出状況を把握いたしまして、削減目標の設定と協働を基本とします具体的な取り組み施策を内容とします岐阜県独自の地球温暖化防止推進計画を策定することといたしております。



○議長(高田藤市君) 新産業労働局長 豊田良則君。

   〔新産業労働局長 豊田良則君登壇〕



◎新産業労働局長(豊田良則君) 緊急雇用対策についてお尋ねがございましたので、お答えを申し上げます。

 この事業につきましては、昨年の十二月に六十二億五千万円という交付金で基金を創設いたしました。現下の雇用情勢は非常に厳しゅうございますけれども、この基金を前倒しいたしまして、積極的に雇用の創出を図っておるところでございます。今年度につきましては、四十四億円を予算計上いたしまして、約四千人、五百四十三事業の雇用創出を図る予定でございます。例えば深夜のコンビニパトロールの事業でございますとか、あるいはブラジル人相談員の派遣でありますとか、社会不安の解消につなげる事業、あるいは産業廃棄物の監視など環境に配慮した事業などを実施いたしております。

 また、御指摘のワークシェアリングという観点から、基金を活用いたしまして、県の仕事を分担していただくための県の人材バンクを四月からスタートしておりまして、現段階で三百十七名の登録と九十一名の就職実績を上げてございます。今後とも創意工夫を凝らしまして、効果的な事業を推進してまいりたいと考えております。

 二点目に御質問がございました高卒就職のための求人開拓への取り組みということでございますけれども、近年の高校卒業者の内定率の低下は、長引く不況の中で企業が求人を手控えているという現状のほかに、さらに若者の職業意識の低下あるいは企業からはIT技術者などの即戦力が求められているという、いわゆるミスマッチの状況にあるんではないかというふうに考えております。そこで、本県では、全国初の試みといたしまして、この夏休みを利用いたしましてソフトピアで大垣商業高校の生徒にネットワーク言語の研修を実施いたしました。また、テクノプラザでは、岐阜工業高校の生徒に対して、特に製造業で使われます先端技術であります三次元CADのセミナーを実施いたしまして、大きな成果を得たところでございます。特に高校生につきましては、地元企業に就職をするという度合いが高いわけでございまして、さらに地元企業につきましてはIT人材が不足しているという現状にございます。今後とも、企業ニーズに呼応した即戦力に直結する事業を行ってまいりたいというふうに考えております。

 また、ビジネスナビゲーター事業を岐阜県商工会連合会に委託をいたしまして、社会保険労務士の企業訪問などによる高卒求人開拓等も行っているところでございまして、今後とも教育委員会や岐阜労働局と緊密な連絡をとりながら、実効のある高卒求人開拓に努めてまいりたいと考えております。



○議長(高田藤市君) 教育長 日比治男君。

   〔教育長 日比治男君登壇〕



◎教育長(日比治男君) まず小・中学校の余裕教室の有効活用についてでございますが、そのうちの国の指針、支援事業等につきましては、余裕教室の活用につきましては、文部科学省から活用指針や先進的な事例等を紹介した手引書等が配布されております。また、転用に係る財産処分手続も承認から届け出にされるなど、大幅に簡素化が図られております。県におきましても、小・中学校が身近で利便性の高い施設であることから、文部科学省や厚生労働省等の国の補助制度を活用し、学校以外の施設への転用についても積極的な対応が図られるよう、市町村を指導してまいります。

 次に、これまでの実績と代表的な具体例についてでございますが、余裕教室につきましては、最近の三カ年で小・中学校合わせて約四百室が積極的に活用されております。本年五月一日現在の調査によりますと、余裕教室は四市町の小学校が保有する六室となっております。活用事例といたしましては、その大部分は学校施設として多目的教室等への活用でありますが、岐阜市ほか九市町村では社会体育施設や地区公民館の分室等への転用が図られております。

 次に道徳教育についてでございますが、県の道徳教育の充実につきましては、本県では、子供たちの道徳性を一層高めるため、新しい道徳教育の方向として、体験活動をこれまで以上に重視した取り組みを進めております。このため、すべての学校において、地域の清掃活動や福祉施設の交流などさまざまな体験活動が実施されるよう働きかけております。また、県内すべての中学校区ごとにあいさつ運動や花いっぱい運動などが行われるよう、岐阜県方式による地域ぐるみの実践活動の推進にも努めているところでございます。

 二点目の人格教育についてでございますが、子供たちの規範意識や倫理観を培うためには、アメリカの人格教育で言われているように、事の善悪をきちんと教えることが極めて大切であると考えております。子供に規範を示し、よい行動習慣が身につくよう奨励したり、よい行いとは何であり、悪い行いとは何かについて理解させたりして、人間としてあるべき姿を教えていく必要がございます。今後とも、さまざま実践に学びつつ、教育のよりよいあり方を考えてまいります。

 最後に教育基本法の関連の動きでございますが、新しい時代にふさわしい教育基本法と教育振興基本計画の策定につきましては、中央教育審議会の基本問題部会において検討されている段階でありまして、この秋には中間報告が出されると聞いております。現在、今後の教育の基本的方向や教育基本法の具体的な見直しの方向、教育振興基本計画の基本的な考え方などが議論をされております。



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○議長(高田藤市君) しばらく休憩いたします。



△午後零時九分休憩



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△午後一時五分再開



○副議長(伊藤延秀君) 休憩前に引き続き会議を開きます。



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○副議長(伊藤延秀君) 引き続き一般質問並びに議案に対する質疑を行います。八番 洞口 博君。

   〔八番 洞口 博君登壇〕(拍手)



◆八番(洞口博君) NHKの朝の連続ドラマ小説「さくら」も大変好評のうちに、また高視聴率のうちに終了をいたしました。おかげさまで飛騨弁がメジャーなものになりまして、私も非常に心強い限りでございます。また、先般行われました全国和牛能力共進会では、岐阜県が非常にすばらしい成績をおさめました。我が岐阜県の国府町の牛丸さんの牛は、実に一キロ当たり十万円以上の値をつけまして、一頭四千四百万を超しました。消費税だけで普通の肉牛が一頭半買えるというすばらしい値段でございました。こんなチャンスはめったにないと思います。今は、名実ともに飛騨牛が日本を制覇するときではなかろうかと思います。今こそ、この契機に飛騨牛を全国に宣伝して、そして善政競争の一番手になっていただきたいというふうに思っております。

 それでは、きょうは議長のお許しをいただきまして、四点につきまして質問をさせていただきます。

 まず最初に、外形標準課税の導入についてお伺いいたします。

 本年七月十八日に沖縄で開催されました全国知事会議で、外形標準課税の導入が緊急決議されました。知事のほとんどは前向きでありましたが、唯一、藤田広島県知事は、「このような景気低迷期の導入には問題がある」として反対されました。また、賛成ではありましたが、麻生福岡県知事は、「中小企業に大きな影響を与える。配慮が必要である」という慎重な発言をされておられます。

 県当局では、「法人事業税の外形標準課税について」という見出しで、法人は事業活動をするに当たって、道路、上・下水道などを利用することはもちろん、各種中小企業対策、勤労者・家族に対する福祉・教育・医療等、企業活動を維持する上で必要不可欠な地方公共団体の行政サービスの提供を受けている。法人事業税は、本来、これらの各種の行政サービスに必要な経費を分担すべきという考え方に基づいて課する応益課税であるが、現行では所得に課税されているため、税を負担しているのは全法人の約三〇%にすぎない。残り約七〇%の法人が、地方公共団体の行政サービスを受けていながら税を負担していないのが実情である。法人事業税は都道府県の基幹税目であるが、現在は所得を課税標準としているため、経済情勢の影響を受けやすく、特にバブル経済崩壊後は極めて不安定で、これが現下の地方財政悪化の大きな要因となっている。本県においても、かつては県税収入の三分の一を占めていたが、現在は五分の一程度まで落ち込んでいると説明をされておられます。外形標準課税は、県当局では広く薄い税制で全法人が納入する、税収の安定が図られる、よって財政運営上に限っていえば不況に強い税制であると考えておられると思います。

 ところが、国・県下の企業団体からは、この外形標準課税の導入に対し強く反対する要望が出されております。その理由の主なものとしては、企業の九〇%以上が増税になる、赤字企業も負担しなければならない、課税基準に賃金が含まれており、節税を考える企業では賃金カット、リストラにつながるおそれがある、などが挙げられております。

 また、私はこの外形標準課税を導入すると、税を徴収する県にも新たに大きな負担が生じるものと考えます。その一つは、現在、消費税や社会保険料の滞納者が増加しているという事実があります。外形標準課税の導入に際しましても、新たに滞納が生じるおそれがあります。二つ目は、現行の法人事業税の課税標準は国税である法人税の計算を前提としており、税務調査は税務署が行っており、県は税務調査を行っておりません。今回、外形標準課税を導入されると、県が独自で税務調査を行う必要があり、徴税費用が増大すると考えられます。外形標準課税を導入しても税収はふえないと説明されておられますが、このような費用はどのように賄うのか、まだはっきりしてきておりません。まだまだ経済の先が見えてこない時代であり、つい最近でもかつてない負債で民事再生法を申請した企業もあり、県下の企業は大変な窮地に追い込まれております。このような時期に導入に踏み切ることは、青息吐息の中小企業にとっては死活問題にもなりかねません。

 海外には、この外形標準課税に似たような税制で、フランスの職業税、ドイツの営業税、アメリカ・ミシガン州の単一事業税などがありますが、いずれも縮小あるいは廃止の方向にあります。これは企業活力をつけるためであり、世界は地方財政の論理よりも市場経済における企業論理を優先した結果ではなかろうかと思っております。

 そこでお伺いいたします。総務省や全国知事会では、平成十五年度の税制改正において外形標準課税の導入が図られるよう積極的な活動をされておられますが、この経済状況の中、外形標準課税を導入することについて、そのタイミングを含め知事の御見解をお伺いいたします。

 次に、オウム問題についてお伺いいたします。

 オウム真理教は、過去に地下鉄サリン事件など数々の凶悪犯罪を引き起こしました。これに対しましては、「無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律」、いわゆる団体規制法により平成十二年二月一日から公安調査庁の観察処分に付されております。岐阜県内でも法に基づく観察処分により、美濃加茂市や関市の教団施設に対し、公安調査官や警察官による立ち入り検査が実施されております。さらに、教団には、三カ月ごとの活動状況の報告が義務づけられております。

 しかしながら、こうした処分によっても地域住民の不安や恐怖が完全に解消されたとは言えない状況にあると言えます。かつて彼らが引き起こした数々の事件につきましては、教団幹部の有罪判決が相次いで出されておりますが、依然、教団としての明確な謝罪はありません。なおかつ、現在でも従来の教義とは決別しておらず、全国各地で多数の問題が生じているという報道もあります。県内においても、元信者を含む二十数名の信者がいるほか、オウムとの関連が疑われる施設が存在をしておりますが、その活動は不透明であり、依然として地域住民に強い不安感を与えているところであります。

 私の選挙区にあります古川町でも、オウム真理教の元信者という人たちが転入届を提出しております。町民は、オウム真理教の関係者ということで大きな不安を抱いております。このため、古川町は転入届を受理せず、現在、裁判で抗争中であります。

 そこでお伺いいたします。このような状況の中、公安調査庁による観察処分期間が来年の一月末で終了をすると聞いております。しかしながら、いまだ地域住民の不安は完全に払拭されておりません。県当局はオウム問題についてどのように認識をされておられるのか、また今後どのように対応していかれるのか、県民生活局長にお伺いをいたします。

 次に、青少年の海外派遣交流事業の今後の展開についてお伺いいたします。

 県当局では、昭和四十二年の青年東南アジア派遣を第一期として、あすの岐阜県で活躍する個性豊かでたくましい青年を育成するため、毎年、数多くの青年を海外に派遣されておられます。今年もそれぞれ十日間の日程で、タイ、マレーシア、アメリカのユタ州、ハンガリーのヴェスブレーム県への派遣が行われております。また、海外派遣は中学生・高校生を対象とした少年のための研修事業としても行われており、今年も北マリアナ連邦のサイパン・ロタ島への派遣が行われたところでございます。いずれも、感受性の豊かな若者が、ボランティア、ホームステイ体験などで現地の人々との交流を通じまして、文化や生活習慣の違いを理解し、将来の岐阜県を担う若者の国際的視野を広げるということを目的としているとお聞きしております。

 一方、現在では、県内市町村でも中学生を対象とした海外研修を行っているところも数多くあります。また、学校単位でも海外研修を行っているところもあります。格安の海外旅行も出回り、卒業旅行、グループ旅行など、だれでもが手軽に海外へ出かけられるようになっております。海外への日本人旅行者数は、昭和四十二年が四十八万人、平成十三年では千六百二十一万人となっております。県が行った第一期の青年東南アジア派遣から三十四年目にして、実に三十四倍にふえております。単に青少年が海外体験をするということだけでは、あえて県の事業とする意味はなくなっていると思います。

 そこでお伺いいたします。青少年の海外派遣に当たり、県が事業を行う意義を改めて問い直し、時代の変化に合わせた事業の遂行をするべきであると考えますが、今後の青少年海外派遣・交流事業のあり方についてどのように考えておられるのか、重ねて県民生活局長にお伺いいたします。

 次に、森林整備についてお伺いいたします。

 森林と木材は、我が国の長い歴史の中で人々の暮らしに深くかかわってまいりました。世界的に森林面積が減少する中にあって、我が国は国土の七〇%近くが森林として維持され、森林率は先進国の中でも極めて高くなっております。「山を治めるものは水を治むる」と言われておりますように、森林整備はいにしえより重要視されてまいりました。今日では、良質な水の安定供給源として、また生活環境の保全や保養の場、さらに地球温暖化防止の大きな要因とされます二酸化炭素の吸収・貯蔵の場として、その多面的機能が大きく見直されております。

 日本学術会議が平成十三年十一月に答申した「地球環境・人間生活にかかわる農業及び森林の多面的な機能の評価について」及び同関連附属資料によりますと、森林の有する多面的機能のうち、貨幣評価が可能なものを挙げますと、年額でございますが、二酸化炭素吸収一兆二千三百九十一億円、化石燃料代替え二千二百六十一億円、表面侵食防止二十八兆二千五百六十五億円、表層崩壊防止八兆四千四百二十一億円、洪水緩和六兆四千六百八十六億円、水資源貯留八兆七千四百七億円、水質浄化十四兆六千三百六十一億円、保健・レクリエーション二兆二千五百四十六億円になるとされております。また、森林に覆われることで陸地は湿潤となり、地表の温度変化も緩和されるなど、生物が住みやすい環境が形成されております。このように、森林は人類の生存に重要な存在と言えます。

 しかしながら、現在の森林の置かれている状況を見ますと、崩壊の一途をたどっております。このままでは、水はかれ、空気は汚れ、災害は発生し、ひいては国土崩壊にまでつながっていく懸念を持ちます。一刻も早い森林整備と恒久的な森林保全が必要であります。平成十一年の九・一五豪雨災害、平成十二年の恵南豪雨災害、そして本年の豪雪災害により森林は大きな被害に見舞われました。特に今年の雪害では、森林の被害金額は百十二億円にも上っております。

 そこでお伺いいたします。九・一五豪雨災害、恵南豪雨により被害をこうむった山林の復旧は現在どのようになっておりますか。また、本年の豪雪による森林災害の復旧の現状と今後の整備についてお伺いをいたします。

 災害に強い森林づくりには、間伐を進めることが重要であります。県当局は間伐を積極的に進めるため、補助率のかさ上げなどを行いその推進を図っておられますが、その進捗状況はどのようになっておりますか。さらに、間伐材を県発注工事に積極的に取り入れられ、特に河川・砂防・道路工事においては、大幅に利用が伸びているとお聞きしておりますが、昨年の八月からスタートしました岐阜県産材の認証制度により、岐阜県産間伐材の需要拡大がどの程度図られておりますか。以上、農山村整備局長にお伺いいたします。

 森林を整備し、二酸化炭素の吸収量を維持するためには、山から出てくる木材の需要を拡大して、森林を循環させることが重要であります。平成十二年の我が国の木材総需要量のうち、四〇%が柱や家具などに利用される製材用材に向けられております。一方、国産材は六〇%が建築用に向けられており、住宅や事務所などの建築物への木材利用は国産材の木材需要に大きな影響を与えております。ところが、国産材は品質や性能が明確なものの、供給量が少ない上、加工や流通が多岐にわたることから、ロットが小さく、コストも割高になり、外材との厳しい競争にさらされております。現在我が国は、アメリカ、中国に次いで世界第三位の木材輸入大国となっております。平成十二年の我が国の木材総需要量は一億百万立方メートルで、実にその八〇%が外材であります。しかも、そのシェアは年々拡大方向にあります。このまま推移すれば我が国の林業は破綻し、我が国の森林崩壊にまでつながっていく懸念をしております。我が国の森林を守るため、国土を守るために、国産材の需要を拡大していくことが重要であります。

 県当局は、公共施設の県産材利用での木造化、内装の木質化、木造住宅の建設振興、さらには公共施設の助成など積極的に推進され、県産材の需要拡大を進められております。このことにより、県産材の需要量は増加をしていくと期待しておりますが、より一層の需要拡大を図るために、例えば公共土木・建築工事の使用工種の拡大、産直住宅などの助成対象の拡充、公共建築工事の補助規定の緩和、また不動産取得税の減税・免税措置など、でき得る限りの対策を取っていただきますようお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。どうもありがとうございました。

   (拍手)



○副議長(伊藤延秀君) 知事 梶原 拓君。

   〔知事 梶原 拓君登壇〕



◎知事(梶原拓君) 外形標準課税についてお答えを申し上げます。

 景気が低迷しまして、岐阜県も例外でなく、来年度は約三百六十億円の財源不足が予測されております。一方では、福祉・教育等々、景気の動向にかかわらずやらなきゃいけない仕事を地方自治体は抱えておるわけでございまして、安定的な税収の確保というものは全国の自治体の長年の悲願でございました。ようやく総務省の案というのがまとまりまして、前向きの方向に行きつつあるということは大変ありがたいことだと、県民の生活を守るためにぜひこの外形標準課税を導入したいと、このように思っております。

 現在の総務省の案を採用しますとどうなるかということでございますが、資本金によって三つに部類されます。資本金一千万円未満の部類と資本金一千万円以上一億円以下、それから資本金一億円を超える、この三つにA・B・Cというランクをつけておきますと、そういう三つの分類になります。それで資本金の小さい一千万円以下の法人、岐阜県では一万九千五百四十七ございますが、全体の五二%です。半分以上がこのAグループでございます。このAグループの場合にどうなるかといいますと、施行時期が大分ずらされまして、平成十八年から実施ということになります。現在十四年度ですから、十五、十六、十七、そして五年後、十八年度に実施ということになります。そして、十八、十九、二十の三年間、税額が半分になります。それで、一年間にどれだけ納めればいいかというと、二万四千円でございます。毎月二千円でございます。十八、十九、二十の三年間、毎月二千円の税額でございます。年額二万四千円でございます。この程度の負担はしていただきたいと私は思います。そして、その三年間を過ぎた平成二十一年以降には、簡易税制を選択した場合でございますが、毎月四千円、一年間で四万八千円ということになります。資本金一千万円未満の場合には簡易外形税額というものを採用できますから、赤字でもその簡易税制をとればいいわけです。そうしますと今申し上げましたように、十八、十九、二十年では毎月二千円、平成二十一年以降は毎月四千円、年額四万八千円ということでございまして、これもぜひその程度の金額は納めていただきたいというふうに思います。

 それから、資本金一千万円以上で一億円以下という中法人−−真ん中の部類−−は県内で一万七千八百二十社ございまして、全体の四七%でございます。この場合は、実施時期が平成十八年からでございます。十四、十五、十六、十七年を過ぎて十八年から実施されますが、この十八、十九、二十の三年間は外形標準課税を取るのは四分の一部分だけということでございます。赤字法人の場合は、その四分の一相当分の外形標準課税の税額を納めればいいということでございます。そして、本来の外形標準課税を全体に当てはめるのは平成二十一年からでございます。そして、資本金一千万円未満の場合、黒字法人の場合は税額は減額になります。それから今申し上げた中法人、Bクラスの場合は税額は黒字法人の場合、ほぼ横ばいという推計をしております。

 残るのが、県内で二百九十七社、一%ございます資本金一億円を超えるところでございます。これも平成十六年度からという実施になりました。十六、十七、十八年、三年間は四分の一相当だけを外形標準課税にすると。大法人の場合、四分の一部分について外形標準課税を充てると、こういうことになっております。

 このように、我々が主張しておりました中小零細企業への配慮、そして導入における景気の動向、そういうことは十分に配慮されているというふうに思います。平成十八年からの実施でございます。幾ら何でも景気もいいかげんにそのころにはよくなっておるんじゃないかと。さもないと、日本はつぶれております。そういうように中小零細企業に対する配慮、それから導入時期についての配慮は十分行われているというふうに思います。私は、現行の案であれば、岐阜県の場合、ぜひ導入をしたいと。そして、一方では、今申し上げましたように黒字法人は減額になるということで、企業の一種の活性化税制ですね。努力するものは報われるという税制でございます。

 そしてまた、資本金一億円以上の企業というのは、赤字の場合、全く税を納めなくてもいいということになっておりまして、これは余りにも不公平ではないかと思います。警察だ、治水だ、あるいは道路だ、上・下水道だ、いろんな恩恵を受けております。そして多くのまた従業員を抱えておりまして、従業員のための福祉あるいは教育等々、自治体は支出をしておるわけでございまして、一億円以上の大企業が大きな社会的な活動をしておって、赤字だからといって何も払わなくていいのかという不公平の問題もございます。ということで、ぜひ導入をしたいと、かように思っております。



○副議長(伊藤延秀君) 県民生活局長 鬼頭善徳君。

   〔県民生活局長 鬼頭善徳君登壇〕



◎県民生活局長(鬼頭善徳君) お尋ねいただきましたオウム問題についてお答えをいたします。

 現在、県内には三市一町にオウム関連施設がございまして、いずれもその実態が不明なところが多いものですから、住民の皆様に大きな不安を与えているということでございます。大事件を起こしました団体でもございますし、公安調査庁による観察処分に基づく立入検査を初めとしまして、社会全体で引き続き注意を払っていかなければいけないと考えております。

 県では、平成十一年六月にオウム問題に関しまして庁内連絡会議を設けまして、関係各課・室あるいは警察本部、そして関係する市町の皆さんと常に情報の共有と行動についての連携を図ってこれまで対応してまいりました。また、国に対しましては、従来から教団のさらなる実態解明について要望しておりますし、観察処分の期間が御指摘のように来年一月三十一日をもって終了いたしますので、本年六月には、関係する自治体からの強い御要望もいただきましたので、公安調査庁長官に観察処分の期間更新などにつきまして要望もいたしております。また、さらに本年十一月にも国の要望の際に再度要望する予定をいたしておりまして、今後も関係する市町の皆さんの御意見を伺いながら、国の関係機関や警察本部と連携しまして、住民の皆様の不安を取り除くための対応に努めてまいりたいと考えております。

 それから、青少年の海外派遣・交流事業の今後の展開についての御質問でございますけれども、本県では、これまでに青少年の海外派遣事業によりまして青年で千五百八十六名、少年で二百三十名の皆さんを世界各地に送り出し、これまでの参加者の中からは、青少年のリーダーとして地域で活躍してくださる方も育ってきております。また、こうした方々ともあわせまして、県内には世界各地との国際交流・協力の分野で独自のすばらしい活動をしておられる団体、個人がたくさんいらっしゃいます。本年度、県では、こうした皆様方の御意見を伺いながら、海外派遣事業のあり方について見直すための懇話会を設けまして御検討をいただいてまいりました。その結果、これまで県が主導でこうした海外派遣事業を実施しておりましたけれども、民間団体の経験、ノウハウあるいはネットワークなどの活用ですとか、派遣事業のプログラムの作成から派遣の実施までを、県民との、こうした経験の豊富な団体の皆さんとの協働で実施したらどうかということ。あるいは、青少年の意見を十分にいただきながら、派遣に当たっての、ボランティアですとか地球環境などのテーマをさらに具体的にして、体験型プログラムの実施で臨むのが望ましいのではないかと、そういうような意見をいただいております。そこで、来年度以降、こうした御意見を踏まえまして、将来の岐阜県を担う若者の国際的視野と感覚を養うために、豊富な経験と実績をお持ちの関係団体の皆様の御協力をいただきながら、さらに効果的な事業の実施に努めてまいりたいと考えております。



○副議長(伊藤延秀君) 農山村整備局長 山口昌隆君。

   〔農山村整備局長 山口昌隆君登壇〕



◎農山村整備局長(山口昌隆君) 森林整備についてお尋ねのありました四点についてお答えをいたします。

 最初に、九・一五豪雨災害及び恵南豪雨災害の山地災害の復旧状況についてでありますけれども、九・一五豪雨によります災害につきましては、災害関連緊急治山によりまして四十三カ所、公共治山、県単治山によりまして二百四十五カ所、計二百八十八カ所の復旧を終えております。また、恵南豪雨災害につきましては、災害関連緊急治山により五十一カ所、公共治山、県単治山によりまして五十九カ所、計百十カ所の復旧を終えております。この結果、人家や道路等に被害を及ぼす箇所につきましては、必要な対策を講じることができたと考えております。

 次に、平成十四年の豪雪による森林被害の復旧状況と今後の整備についてお答えをいたします。

 本年一月の豪雪では、岐阜県の中・南部を中心に、杉人工林が幹折れ、倒木など大きな被害をこうむりました。特に激しい被害を受けました森林は約四千ヘクタールございます。本年度は、特に二次災害のおそれのある約千七百ヘクタールについて、森林所有者の理解を得ながら造林補助事業、治山事業並びにこの雪害を機に創設いたしました緊急災害対策ライフライン確保事業等によりまして、被害木の処理や跡地の植栽等を進めているところでございます。残余の森林につきましても、森林所有者の協力を得ながら、早期の処理・復旧に努めてまいります。

 次に間伐の進捗状況についてでございますが、間伐を計画的に進めるために、平成十二年度に岐阜県緊急間伐推進計画を策定いたしました。この計画では、平成十六年度までの五年間に五万四千二百ヘクタールの間伐を行うこととしておりまして、平成十三年度末までに二万一千三百四十三ヘクタールを実施いたしたところでございます。流木災害監視地域等におけます間伐に対して県単かさ上げの補助を行ったことなどによりまして、二年間の進捗率は計画に対しまして一一七%となっております。今後とも健全な森林を育成し、災害に強い森林づくりを推進するため、間伐の一層の促進に努めてまいります。

 最後に、岐阜県産材の認証制度の成果と今後の取り組みについてでございますが、県発注土木工事では、昨年十月からこの制度により認証された岐阜県産材を使用することとしております。この結果、昨年度の県発注土木工事における間伐材の使用量は、前年度の約一・八倍に当たる五千四百九十三立方メートルと大幅に伸びてございます。これは末口十センチ、長さ三メートルの木材に換算いたしますと十八万三千本余という多大な量になります。今後は、岐阜県産材の一層の需要拡大を図るために、先生もおっしゃいましたように、地産地消というような観点から、県発注土木工事以外の公共工事に対しましても県産材認証制度の普及を進めてまいりたいと考えております。



○副議長(伊藤延秀君) 二番 渡辺嘉山君。

   〔二番 渡辺嘉山君登壇〕(拍手)



◆二番(渡辺嘉山君) ただいま議長より発言のお許しをいただきました民主党の渡辺嘉山です。

 私にとって初めての議会、初の質問の場をお与えいただきまして、一言ごあいさつをさせていただきます。

 開会のときにもあいさつで申し上げましたように、まだまだこれからの未熟者であります。本日も生まれて初めての県議会の質問でありまして、大変緊張しております。今も、ひざはがたがた、のどはからからと。鼻の調子もちょっと悪いもんですから、大変お聞き苦しいところがあるかと思いますが、御容赦いただきたいと存じます。諸先輩議員の皆様初め梶原知事、そして各部局長の御指導をいただきながら、岐阜県のため、岐阜県民のため全力で進んでまいりますので、よろしくお願いを申し上げます。

 では、質問に入らせていただきますが、できるだけわかりやすく、ゆっくり話させていただきます。

 まず初めに、平成不況について述べさせていただいて、県単事業による教育、人材育成についてお尋ねをいたします。

 現在、平成不況と言われて既に十二年の年月がたちました。この平成大不況がいまだに本格的回復にないのは、明らかに国の判断の誤り、政策の失敗によるものだと言わざるを得ません。バブル崩壊後の一九九三年のGDPの成長率は一%近くのプラス水準で、完全失業率も年平均二・五%でありました。そこで、当時の経済白書や政策担当者は不況など存在しないという楽観的なムードで、ただ株価の下落のみを心配したにすぎなかったのです。九二年から九三年にかけまして三十兆円規模の財政政策・公共投資が行われ、また公定歩合も一・七五%まで引き下げられ、一時的な投資の回復をもたらしました。そして、九六年には、GDP成長率も三%ほどに上昇したため、経済白書は「日本経済は、自律回復過程への移行を完了しつつある」と大変ややこしい表現で宣言し、判断を誤ったのです。そして九七年、第二次橋本内閣は財政構造改革に着手し、消費税率二%の引き上げを含む財政支出の実質的な緊縮政策を採用し、不況は一気に悪化しました。昨年、二〇〇一年には、GDP成長率はマイナス四%まで落ち込み、完全失業率も五・五%と高い水準に上昇しました。この岐阜の場合、縫製に携わるパート・内職者が多い実情を考えますと、実質は一〇%に近い数字になったと私は考えます。日銀は、九九年二月から史上初のゼロ金利政策を開始し、現在も継続中でありますが、全く効果を発揮しておりません。そして、デフレが問題であることを認めた今なお、この景気低迷が長期に続く理由を経済構造の問題や不良債権にあると言っているのです。これは、今の内閣の「構造改革なくして、真の景気回復なし」という的外れなこの言葉にあらわれております。

 さて、本年七月、岐阜市に本社を置く中堅の一部上場建設会社が負債二千七百億円で倒産をいたしました。ある調査機関によりますと、大手建設会社の自己資本比率水準は二〇%台であるにもかかわらず、この破綻した建設会社は、昨年二〇〇一年三月期には六・八%まで下落していました。それにもかかわらず、岐阜の地銀は、この建設会社の保有債権の大部分の債権を保全していなかったために、この破綻により貸倒引当金を積み増し、業績予想を黒字から八十四億円の赤字に修正をいたしました。新聞によりますと、リストラを前倒し、役員報酬、役員賞与等のカットが行われると報じられています。この背景には、グループ企業である関西の私鉄大手企業の存在がありました。そして、この建設会社は、昨年四月にその私鉄大手グループ企業、主要取引銀行及び下請会社等を引き受け先として、第三者割り当て増資を何と百二十億円実施いたしました。私が調査したところでは、岐阜県下の引き受け先には個人も入っておりますが、全国で千二百三十三社中二百八社で、約一七%を占めており、二十億円を超える金額を引き受けております。この私鉄大手企業は、グループの一角を占めるこの東証一部上場建設会社を見放し、破綻させてしまったのです。そこには、下請業者のみならず、多くの地元関連業者、従業員持ち株会も含まれております。株式は劣後債権ですから、返ってくる見込みはありません。長引く不況と資金繰りの苦しい中を県内の下請関連業者は、大手私鉄が後ろ盾だから大丈夫、とのふれ込みに乗せられて、苦しい中で無理して買ったり押しつけられたりした株券が、たった一年でただの紙切れになったことは余りにもひどいことです。それもこの出資の使い道は新規事業に充てるのではなく、どこに返済されたかわかりませんが、借入金返済と運転資金に充当する目的であったことです。知人の取引先は「だまされた」「詐欺だ」と憤慨し、「うちもますます苦しくなった」と私に訴えられました。岐阜県行政として対応できることはなかったのでしょうか。この私鉄大手企業は、道義的責任を感じないのでしょうか。この行為をこのまま見過ごすことも、また、事後処理をするだけでは、県民の立場に立った行政として許されないのではないでしょうか。

 前段で述べましたように、公共事業に偏った国の判断、政策の失敗がここまで不況を長引かせている現状を見ますと、少しの判断、政策の誤りが大変な事態を起こします。岐阜県行政も、こういった事実を直視し、県民の立場に立った県民のための正しい方向に導くための経済施策を進めなければならないと考えます。

 さらに、過去十年間における県単事業費は土木事業と聞いておりますが、六千七百八十七億円に上る事実も忘れてはなりません。金額を聞いただけでも驚きですが、これを国・市町村との協力による公共事業に置き直したときの経済効果は一兆円を超えると考えられます。ひょっとすると、先ほどの岐阜の建設会社も、この効果により破綻せずに済んだかもしれません。どちらにしても、大きい物づくりの時代は終わりました。県民の皆さんは、これ以上の物づくりを望んではいません。私たちの後の世代のための教育・福祉、特に人づくり、教育のためにこの県単事業をこれからは進めていくべきだと考えます。

 例えば、知事の提案説明の中でおっしゃいました人づくりの推進の中で、二十一世紀の成長産業として期待される花と緑の産業を担う人材を育成するための国際園芸アカデミーの平成十六年四月開校に向けた準備はまさにそれです。また、情報産業の振興のための優秀なIT人材を外部より確保するのではなく、地元より輩出、確保するための五年、十年先を見越した長期的な人材育成に力を注ぐべきだと考えます。知事公室長のお考えをお聞かせください。

 若い人々を、この教育県岐阜に引き寄せ得る魅力ある町にしていこうではありませんか。小泉総理は米百俵の例えを用いていましたが、有言実行の梶原知事に期待しまして、岐阜県でこそ本当の意味の米百俵を実現してくださるようお願いをいたします。

 次にワールド・デザイン・ORIBE構想について、御質問とお願いをしたいと思います。

 この事業の推進は、大変評価の高いものだと感じております。岐阜市を例にとりますと、岐阜市はアパレル、縫製の町として、岐阜駅前繊維問屋街を初め中小零細縫製工場を中心とした繊維製品製造・卸の町として発展してきました。今まで比較的安くてよい製品をつくることを中心に行ってきたこの岐阜市に、ORIBE構想による最新のデザインと、株式会社ホリプロとの連携による販売戦略をプラスすることにより岐阜ブランドの確立を目指すことは大変有効な手段と考えます。しかし、先ほども述べましたように、岐阜は縫製の町、製造業の町であったんです。もちろん現在もそうです。外部より講師を派遣し、最新のデザインによるタレントを使った販売戦略も間違ったものではありませんが、長期的な、本当の意味での岐阜ブランドを考えたとき、流行によるそのときだけの製品づくりでは、決して日本の、ましてや世界の岐阜ブランドになるとは到底思えません。やはり、長く着られるものは、デザインのよしあしだけではありません。例えば、私たちが今着ているスーツでも基本は変わりません。しかし、着心地は見た目ではわからないのです。私のスーツは、かえズボンがついて二着で六万円ほどでありますが、イタリアブランドになると、かえズボンもなく、一着二十万、三十万円するんです。それでも売れるというのは、実際着た人には違いがわかるんです。過去のデザイナーたちがどれだけ岐阜の縫製技術を世界最高と褒めようと、そういった服をつくる技術が今の岐阜にはないのです。日本のスーツのデザインは、イタリアのそれに決して劣っているわけではないのです。このORIBE構想に製造部門の強化を組み入れることによって、デザイン、たくみの技にさらに技術力を高めた製品づくり、そして販売と、トータルで本当の岐阜ブランドができると考えております。商工局長のお考えをお聞かせいただきたいと存じます。

 これに関して一つの提案を申し述べたいと存じます。

 今、申し上げました製造部門の強化は、やはり人を育てることが絶対条件となるわけです。技術を習得したい意欲のある若者は大勢いると思われますし、そのための学校設備も、岐阜県の場合、十分整っていると思いますが、その製造ノウハウを持った先生はいないのです。私も含め、机上で考える者にはわからないことです。まず手がけなければならないのは、そのノウハウを持った先生を育てることです。技術を持った講師を外国より呼んでも、新規技術等、根本的、重要なノウハウを教えてくれるようなお人よしはどこにもいないと思います。ならば、技術力を持った国・現地に行って、その技術を、実際にそういった企業・工場で働き、直接修得する以外にないと考えます。今、この岐阜県とイタリアのミラノは、九七年よりデザイン大学院大学ドムスアカデミーと提携を結んでいるとお聞きしましたので、もう一歩踏み込んだ提携をミラノとして、一年から二年の長期留学ができる岐阜県の派遣プロジェクトをぜひ考えていただきたいと存じます。

 どちらにしても、五年、十年といった長期サイクルの、今現在だけを考えるのではなく、岐阜県の、そして県民の将来のための人づくりに重点を置いた経済政策を進めていただきたいと存じます。これが、岐阜県米百俵の第一歩だと思います。ぜひよろしくお願いいたします。

 以上、お願いも含めまして、初めての質問を、若干短いですが、終了させていただきまます。御清聴ありがとうございました。

   (拍手)



○副議長(伊藤延秀君) 知事公室長 棚橋 普君。

   〔知事公室長 棚橋 普君登壇〕



◎知事公室長(棚橋普君) ハード事業の見直しと人づくりについてということでのお尋ねでございましたが、もとより公共事業などのハード事業につきましては、事業それ自体が目的ではないわけでございまして、福祉とか教育とか産業振興といったような多様な目的を持っておるわけでございます。したがいまして、その事業を一面的に評価することはできないものと考えております。

 そこで、米百俵の精神で人づくりとか人材養成に取り組むべしということでございますが、県におきましては、従来より「弱い人に力を」「若い人に職場を」「みんながより健康に」、そして「これらを支える「二十一世紀の人づくり」」を県政のスローガンにいたしておるわけでございます。まさに、人づくりこそが県政の基本となる最重要課題であるとの認識で各施策に取り組んでいるところでございます。具体には、次代を担う人づくりとしましては、「個性」と「責任」をキーワードに教育改革を進めるという考え方のもとに能力開花支援事業とか、学校間ネットワークの整備などを内容といたします岐阜県学園構想の推進などにも取り組んでおります。あるいは産業の担い手としての人づくりの問題、情報科学芸術大学院大学あるいは国際情報科学芸術アカデミー、森林文化アカデミー等々の取り組み、さらには福祉を支えるマンパワーの養成事業等々取り組んでおるわけでございます。今議会におきましても、お話もございました国際園芸アカデミーの整備とか、あるいはオリベデザインアカデミーのプランづくり、福祉メディアステーションのブランチの設置等についても予算を提案させていただいておりますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。

 いずれにいたしましても、今後ともハード事業かソフト事業かということではなくて、人づくり、人材養成につきましては、県政の基本命題ということで、全力で取り組んでまいりたいと考えております。



○副議長(伊藤延秀君) 商工局長 長屋 栄君。

   〔商工局長 長屋 栄君登壇〕



◎商工局長(長屋栄君) 議員の御発言にございましたように、違いのわかる物づくりこそがこれからの二十一世紀の産業において大変重要かと思っております。県におきましては、新旧・東西の融合をテーマにいたしまして、オリベイズムのコンセプトでございます「本物」「一流」「斬新」、そして「個性」というものをキーワードにいたしまして、まずデザインパワーの育成、それから生産パワーの発揮、市場パワーの創出という三位一体の取り組みによりましてORIBEブランドづくりを進め、ORIBEブランドといえば岐阜、岐阜といえばORIBEブランドという世界に通用する物づくりに発展させていきたいと、時間がかかりますが、こんなふうに考えております。

 そのために具体的な取り組みといたしまして、オリベデザインセンターにおきますセミナーや交流会の開催、それからオリベデザインアカデミーと申しますが、ここでは一流の講師をお招きしまして、熱意ある企業グループと一体となった新商品の開発、あるいはこういう取り組みを通じた人材養成、そして世界といろんな連携がございますが、こういったすぐれたデザイナーと県内企業の協働による物づくりの実践、あるいはやる気のある企業グループの物づくりに対する支援、さらにはORIBEファッション・コンソーシアム・プロジェクトの展開など、こういったものに積極的に取り組んでまいりたいと、かように考えています。議員御提案にございました人材養成プログラムも参考にさせていただきながら、ワールド・デザイン・ORIBE構想の実現を図ってまいりたいと考えております。



○副議長(伊藤延秀君) 一番 川上哲也君。

   〔一番 川上哲也君登壇〕(拍手)



◆一番(川上哲也君) 発言のお許しをいただきましたので、通告に従い質問をさせていただきます。

 質問に入る前に、先ほども発言がありましたが、おととい閉会式を迎えました全国和牛能力共進会、第八区の審査の際、私も現地でその状況を見ておりました。飛騨牛がグランドチャンピオンになりましたとき、涙が出てきました。本当に多くの皆さん、牛を飼っている皆さん、そしてそれを支えた皆さん、そして縁の下の力持ちでいろいろと力を注いでいただいた皆さんに対し、心より敬意と感謝を申し上げるものでございます。

 では、質問に入らせていただきます。

 さて、けさの岐阜新聞、ちょうどきょうでありますが、「ぎふ防災元年 安心を追う」という記事が出ておりました。NPOの記事でありました。先日の大垣の水害に対して県とNPO、そして大垣市が協力して、その復旧支援に当たったという記事であります。防災の局もいろいろと頑張っておるというふうで評価をさせていただいております。

 さて、昨日から防災に関する質問が幾つも出ております。大垣の水害についても出ておりますので、私は災害時における行政と民間ボランティアのパートナーシップに絞って質問をさせていただきます。

 今年七月、大垣でこんな電話を受けました。「避難所から家へ帰ってみたら、家の中が変わり果てていました。どうしていいかわからないんです。何から手をつけていいか、それさえもわからないんです。ボランティアさん、とにかく来てください。とにかく来てもらいたいんです。お願いします」、泣きながらの電話でありました。これは、災害ボランティアセンターへ支援を求める多くの電話のうちの一本でありました。昨日の質問で、家を購入してから十回も水害に遭ったというお話もありました。しかし、この方は家を購入されて間もなく水害に遭ってしまいました。まさか自分のうちがと思っていたそうであります。

 大垣市だけでも、床上浸水三百三十二戸、床下浸水二百三十四戸という被害を出した台風六号。現地が一面水につかってしまった様子、そして民間ボランティアがその復旧支援に汗を流した様子は新聞やテレビなどでごらんになった方も多いと思います。被害を受け、今もまだいつ水害を受けるかと心配されている地域の皆様に対し心からお見舞いを申し上げますとともに、ボランティアとして参加された皆様や御協力いただいた皆様、そして防災活動に御尽力いただいた皆様に対し、心より敬意と感謝を申し上げるものでございます。

 さて、今回の災害ボランティアもこれまで同様、交通費、宿泊費、そしてボランティア保険料、食費さえもすべて自前で駆けつけました。今回はわずか三日間の活動でありましたが、延べ千人を超えるボランティアが参加し、二百五十件を超える被災者からのニーズ対応に始まり、被災地域の清掃活動に至るまで、本当に真剣に私たちとともに汗を流してくれました。「わしにも何かできることはないんだろうか」といって八十を超えるおじいちゃんも参加してくださいました。また、就職活動に失敗し、自暴自棄になりかかっているときに大垣の災害が発生し、「自分を見失いそうになっていました。この復旧支援に自分を見つけに来ました」と語る若者もいました。そして、こんな方も見えました。「四国に住む自分の娘に「大垣はこんなに大変な状態なんだよ」とメールをしたら、娘から「そう、大垣は本当に大変なんだね」という返事があり、そしてその最後の行に「ところで、お母さんは何もしなくていいの」。この一行を見たとき私はパソコンを閉じ、すぐに飛んできました」と言って活動に参加される女性も見えました。参加した理由はいろいろありました。でも、自分もこの地域の役に立ちたい、何とかその一人として頑張りたいという気持ちはみんな一緒でありました。そのボランティアに与えられた仕事は、下水もまじった不衛生な泥水で浸水した家屋からの畳や家具の運び出し、床や床下にたまった泥の搬出などつらい仕事も多くありました。畳一枚運び出す、普通に考えたら簡単なことでありますが、水を含んだ畳は本当に重くなります。ましてや、曲がりくねった廊下などありますと、五、六人がかりの仕事となってしまいます。個人宅の中でのこういった作業、これはもちろん行政が手を出せない分野に入ります。知り合いに頼むことができない場合、すべて自分でやるか、あるいはボランティアに依頼するしかなくなる。そういった状況に陥ってしまいます。

 私も、七月十日、テレビの報道で多くの家屋が水につかっている映像を見て、危機管理室で被災状況の確認を続けました。しかし、そこで得られる情報では、夕方の時点でも床上浸水は五十軒にも達していませんでした。これは現地で確認しなければいけないということで、大垣市へ向かいました。現地へ到着してみると、あたり一面水につかっていました。ボートで運ばれている方もありました。腰ぐらいまで水につかりながら自転車を押している方もありました。そして、目に入ったのは「分譲住宅売り出し中」という看板でありました。これがすごく気になりました。家を買って、すぐに災害に遭ってしまった方もいるんじゃないかと思いました。でも、思ったそのことは先ほど電話のように当たってしまいました。

 ここで直観的に感じたことは、この床上浸水、先ほどの五十軒に満たない数字はかなりタイムラグがあり、時間的誤差があり、少なくとも二百戸以上に達しているのではないかということでありました。そこで、災害ボランティアセンターを立ち上げなければいけない。岐阜県災害ボランティアコーディネーター協議会のメンバーと二人で被災地を回り、災害ボランティアセンターを設置するのに適当な場所がないか探して回りました。結局、避難所にもなっている大垣市勤労者福祉センター「サンワーク大垣」に設置の申し入れを行いました。その後、市役所、大垣市社協、県の防災、そしてさまざまな支援団体とも打ち合わせを行い、準備を進めました。岐阜県内で初めて民間が本格的に災害ボランティアセンターを設置するという取り組みでありますから、つまずきかけたときもありました。それは、大垣市役所も市社協も、民間ボランティアに本当に任せてしまっていいのか、被災地の方の復旧支援を任せてしまっていいのかというところで戸惑っておられましたが、被災者からのボランティア派遣の申し込み、そしてボランティア参加希望者の問い合わせが続き、決断されたということでありました。この戸惑いは仕方のないことであると思います。県内初のケースであった上に、事前打ち合わせがなされていたわけではありませんでしたので、そういった面食らった、戸惑ったことがあっても当然だったと思っております。

 むしろ重要なのは、その後、災害ボランティアセンターの設置に同意していただき、翌日よりセンターの閉所まで積極的に御協力いただいたこと、例えばボランティアの集めてきたごみをごみ集積場、ごみ焼却場まで運ぶトラックの手配を最終日に二十台のトラックを手配いただきました。それも大垣市の方でやっていただきました。また、センターの設置に対する臨時電話、あるいはコピー、そういったものも市の方で協力いただきました。行政と民間の協働のモデルケースとして、いつ起こるかわからないと言われております東海地震を初めとする大災害に対し大きな意味を持つことになったと、大垣市長を初め関係職員皆さんに対し心より感謝している次第であります。

 今回のボランティアセンターでは、さまざまな教訓がありました。その中でも特に大きなものは、今も述べましたとおり、行政と民間ボランティアのパートナーシップを向上させることにより理想的な支援活動が展開できるというものであります。大きな災害では、ボランティアに支援を求める方が多数発生します。しかし、このニーズに対し、ボランティアが単独で、あるいは行政が単独でその支援を行おうとすると、ボランティアにはボランティアの限界があり、行政も行政の限界があります。先ほどのように、個人宅の中へ入っての作業は行政ができる範疇ではありません。そこで、行政の力、民間の力、それぞれのよい面を出し合い、協力して支援活動を展開することが必要となってきます。

 県では、東海地震を想定してさまざまな対策を進めておられますし、新しい分野であります災害ボランティアコーディネーターの養成も開始されました。阪神・淡路大震災以降、北陸の重油流出、東海豪雨、そして今回の大垣水害など、多くの災害で災害ボランティアが活躍しており、一般的に、被災した件数が多ければ多いほど、そしてその家が密集していれば密集しているほど、災害ボランティアの活躍を無視することができなくなってまいります。この秋以降、東海地震の発生確率が上昇するとの予測もあります。いつ起こるかわからない、そして昔は「天災は忘れたころにやってくる」と言われておりましたが、今では忘れないうちに必ずやってくると言われている天災に対し、行政と民間ボランティアのパートナーシップについて、今後、県内の各自治体も含め、事が起こる前にボランティアとの関係をよく検討し、スムーズな支援態勢がとれるよう改善していかなければならないと考えておりますが、大垣の水害における支援活動を踏まえた上で、今後の体制づくりについてどのように整えていくか、防災監、お答え願います。

 さて次に、聴覚にハンディのある方に対する支援策について質問をさせていただきます。

 先ほどの防災に関連する内容から入らせていただきたいと思います。

 災害時、聴覚障害者は情報を得にくい状態となり、当然のことながら災害弱者となってしまいます。最も大切なことであるどんな災害が発生したのか、そしてどこへ避難すべきかなど、それさえ知ることができなくなってしまうこともあります。これに対し、県が進めている「見えるラジオ」という方法もありますが、文字を受信するためにはFMラジオがかなりきれいに受信できる必要があり、その範囲が限られていることから、聴覚障害者の間でもこれはいまいち不評であり、ほとんど使われていないのが現状であります。

 一方、携帯電話のメール機能を見てみますと、これは県内の話でありますが、聴覚障害者全体の約六割強の方が情報交換手段として使用されており、これを使うことが苦手な方、特に高齢者層では使用割合が低くなってはおりますが、聴覚障害者協会の中でもメールによる情報配信を望む声が強くなっております。また、「見えるラジオ」は常にスイッチをオンにしているわけではありませんので、いざというとき、オフのときにそういった情報が入っても、受信したことがわかりません。しかし、携帯でしたら必ず受信したこともわかりますし、さらにそういった着信が容易に確認できる上に、今、さまざまなメニューが充実しつつあります。そういった携帯電話のメールの方が、より現実的だと言わざるを得ない状況になってきております。

 災害時に最も重要な災害初期の情報をどうやって聴覚障害者に知らせるかでありますが、「見えるラジオ」に流している情報につきましては、今、御使用の方もあると思いますし、そして車のナビシステムでも受信できるため、このまま配信を続けていただき、さらに携帯電話へのメールによる災害情報、先ほどのどんな災害が発生したか、そしてどこへ避難すればよいかなど、そういった初期情報を加えていただきたいと考えております。東海地震がいつ起こっても不思議ではない時期に差しかかっております。聴覚障害者の命にかかわる問題になるかもしれません。ぜひとも防災及び福祉の各課において、早急に検討していただきたいと要望させていただきます。

 さて、災害時の支援策についてはこれくらいにさせていただき、平時における聴覚障害者に対する支援策についてでありますが、岐阜県におきましては、現在、障害者支援の複合施設を岐阜に設置する方向で検討されているようであります。しかし、当然のことながら、飛騨からその施設を利用しに行くというのは余り現実的な話ではありません。将来、なるべく早い時期にその出先機関を飛騨地域にもつくっていただきたいと考えておりますが、現在のこの財政状況の中、ソフト面でできるだけカバーできないものだろうかと考えてみました。

 障害福祉課では、福祉メディアステーション飛騨ブランチという事業を行う予定であります。これと同じような考え方で、ソフト重視、つまり人材があれば委託に近い形で第一歩をスタートさせることも可能ではないかと考えております。まず第一歩をスタートし、そして将来的に理想的な形に変えていく、そういったことで一歩一歩前進をしていただきたいというふうに考えております。この主な機能につきましては、手話通訳者の育成と派遣、相談業務、相互のコミュニケーションづくりなどでありますが、現在は県の協会でやっている内容も一部あります。この件について聴覚障害者協会などに尋ねてみますと、手話通訳者の派遣業務などにつきましては、地域的情報がないとどうもうまくコーディネートできないということでありました。もし飛騨地域に小さくてもこういった施設、というより部屋があり、専門知識と経験を持った設置通訳者がいれば、かなりの部分をカバーすることが可能となります。

 そしてもう一点、字幕ビデオライブラリー事業につきましても、現在は岐阜のみに設置されております。飛騨地域の方が借りる場合、距離的に郵送方式による貸し出しとなるため、不便な状況となっております。そこで提案でありますが、字幕ビデオ事業、手話通訳者派遣事業につきましては、岐阜県聴覚障害者協会に委託し、県下全域を対象に実施されておりますが、これを飛騨地域に住んでみえる方の利便性を考え、地元地域に通訳者派遣業務を委託するとか、福祉センターあるいは市の図書館などに字幕ビデオを設置するなど実施してはどうかと考えております。この件につきまして、福祉局長、お考えをお答え願います。

 なお、聴覚障害者協会からCS放送に関する要望も届いておると思います。ぜひとも聴覚障害者協会の皆様からいただいている意見に対し、真摯に受けとめていただき、対策を講じていただきたいと強く要望を申し上げるものでございます。

 さて、最後に、ITの整備と活用について質問させていただきますが、先ほどの聴覚障害者に対する支援策に関連した内容から入らせていただきます。

 例えば医療現場において、聴覚障害者が受診しているところを想像していただきたいと思います。患者が紙に症状を書いて伝えようとしています。でも、なかなかその自分の気持ちが伝わりません。どこが痛い、どういう症状だ、なかなかうまく伝わりません。そこで、その医師はインターネットで聴覚障害者支援センターとつなぎました。そしてブロードバンドを利用したテレビ電話により、手話通訳者と会話を行い、患者が画面を通して自分の気持ち、自分の症状をその通訳者に伝えます。その手話通訳者は音声で医師に的確に伝えます。これは、高速通信網−−ブロードバンドを使用すれば可能なことであります。しかし、普通の通信網では、今の通信、インターネットの画像を想像していただければわかるとおり、かくかくっとした映像しか送れないため、とても手話でコミュニケーションをとることはできません。紙に文字を書く筆談もありますが、聴覚障害のハンディを持ってみえる方の中には、手話はできても文章をつくることが苦手だという方もあります。手話によるコミュニケーションが最も適する場合も多くあります。では、この高速通信網を利用した医療、その意思の伝達は、将来はどの地域でも見ることができるようになるのでしょうか。県が今進めている高速通信光ファイバー網の整備により可能になるのでしょうか。答えは、ちょっと首をかしげなければならない状態であります。それはなぜでしょう。

 以前、インドへ出かけ、NGOの事業を視察した際、バンガロールから普通の乗用車、四輪駆動車、大きなトラクターを乗り継いで約七時間かけて山奥の村へ行ったことがあります。その村には電気が来ておらず、NGOが太陽光発電システムを設置し、村の各家に電球が点灯する電力を供給していました。しかし、その村の小高い丘の上に上がってびっくりしました。頭の上と言ってもいいようなところを高圧電線が走っていました。そして数キロ先には風力発電機が幾つも回っておりました。目の前を電線が走っているのに、その村は貧乏であるため、その電気を使うことができない状態なのであります。

 さて、話を情報ハイウェイに戻しますが、先ほどの電気の話が高速情報網についても同じような状況になるのではないかと懸念しているのであります。現在の高速通信網−−岐阜情報スーパーハイウェイは、地域間の情報格差を是正するとともに、県民がいつでも、どこでも、だれでも、快適にITを利用できる環境を提供することを目的としており、合併前、今、九十九市町村ありますが、その各市町村の役場や学校までは接続されることとなっています。ここまで説明すると、「そうか、自分のうちの近くに役場があるから、自分のうちの近くに学校があるから、自分がその高速通信網を使える日は近いぞ」と思いがちなのでありますが、そこから先は残念ながら先ほどのインドの山奥の電気状態になってしまいます。一体これはどうしてなのでしょうか。

 これは、地域の企業、そして各家庭のパソコンをその高速通信網に接続するためには、目の前の線ではなくて、アクセスポイント、つまり飛騨で考えた場合、高山や古川のアクセスポイントに接続しなければならず、そこから現地までは民間で整備する必要があり、幾ら近所に役場や学校があっても、幾ら目の前をその高速通信網の本線あるいは支線が走っていても、それにつなぐことはできないのであります。ITは地域間格差を是正する一つの手段であると考えられ、飛騨地域にも高速通信網が整備されようとしています。しかしながら、過疎地域や山間地域における情報インフラの整備はおくれており、高速なインターネット接続サービスが得られないという地域間格差が生じているのが現実であります。また、十七年三月の合併期限を目指して、今、さまざまな地域で合併の検討が続けられておりますが、人口密度が低く、広い面積で合併する予定の地域もあります。その広い面積の高速通信網の整備を合併後の新しい市だけで考えろと言われても、かなり厳しい地域も出てきます。アクセスポイントから遠い地域について、そしてまた民間企業がその整備を見合わせた場合、どのように対応していくのか、早急にその対策を考えなければなりません。

 ラストワンマイルという言葉があります。しかし、ラストワンマイルどころか、高山のアクセスポイントから五十キロ以上離れた地域もあり、ラスト数十マイルは本当に大きな課題であります。今後、医療への利用のように、住民の生活向上に役立つさまざまなメニューが開発されると予測されております。もちろん、この中には、高速通信網を使用しなければうまく利用できないものも多く出てくるであろうと予想されます。となると、地域間格差を是正するために整備を進める高速通信網の整備が、実は数年後に、その比較方法によっては、地域間格差を大きくしてしまうことさえあります。その格差を根本的に是正するために、最終的には県内の企業や各家庭が直接高速インターネットに接続できることが必要であり、岐阜情報スーパーハイウェイもこうした観点から積極的に整備・充実させることが必要だと考えています。この点について、どのように考えておられるか、またどうすべきだと考えておられるのか、知事公室参与、お答え願います。

 さて、ITについてもう一点。

 現在、県では新しいポータルサイトについて検討されておりますが、この内容について提案をさせていただきます。県の情報、例えばイベントの情報や講演会の情報、そしてその他の情報について、自分の欲しい情報の分野や項目をポータルサイトから登録してもらい、それらの情報を登録した、つまり希望した県民に対して発信するというシステム、これも検討してみてはどうかと考えております。

 携帯電話観光ガイドシステムについては、姫街道四〇〇年祭をテーマに進めているようでありますが、そのほか、例えば今の時期ですと十月九日、十日に高山まつりが行われますとか、十月のこの日に白川村のどぶろく祭りが行われますとか、この辺の話題では、例えば高富町で栗まつりが行われますとか、あるいは道の駅でこんなマツタケが売っていますとか、お祭り情報とか、イベント情報とか、道の駅の情報、そしてまた、いつこんな講習会があり、いつまで申し込みを行っていますとか、例えば県の採用試験ですとか、いろんな研修会、講習会の申し込み、そういった情報を分野別にポータルサイトから申し込んでもらうと。そして携帯電話、パソコンなどのメールに配信することによって、県内の交流産業の発展にもつなげることもできますし、県の事業について理解を深めることもできると考えております。ぜひ検討していただきたいと思っておりますが、この点も含め、以上二点について知事公室参与、お答え願います。

 きょうは、傍聴席に聴覚障害者協会の方も見えております。福祉局長、ぜひ前向きな御発言、そしてこの「見えるラジオ」はかなり聴覚障害者の方からもいろんな要望が入っておったようですが、防災の局には届いていなかったようであります。これからしっかりとした対応をしていただくことをよろしくお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

   (拍手)



○副議長(伊藤延秀君) 知事公室参与 佐々木 浩君。

   〔知事公室参与 佐々木 浩君登壇〕



◎知事公室参与(佐々木浩君) ITの整備と活用についてお答えいたします。

 県民がIT社会の恩恵を十分享受するためは、企業や各家庭から高速のインターネット環境に直接接続できること、すなわちADSLやケーブルテレビ、さらには光ファイバーによる加入者系の高速大容量通信ネットワークを直接利用できる環境整備が必要です。こうした、いわゆるラストワンマイルの通信網は民間通信事業者による整備を基本としておりますが、条件不利地域においては国・県・市町村の民間事業者に対する支援が、それでも難しい場合には、市町村みずからの整備が地域間の情報格差を是正するためには不可欠であると考えております。こうした考えに基づき、県ではケーブルテレビの整備に対し、国の補助事業に加え、県単の上乗せ助成をするなど、その事業展開を積極的に支援しております。さらに、来年度から本格運用する岐阜情報スーパーハイウェイを県内及び県内に進出した民間事業者等に無料で開放することにより、ADSLやケーブルテレビ等の条件不利地域における事業展開に積極的に活用していただくことを考えております。

 また、ポータルサイトの構築に当たっては、御提案いただきました個々の県民ニーズに応じた情報提供が、観光情報に限らず、幅広く可能となるよう検討してまいりたいと考えております。



○副議長(伊藤延秀君) 防災監 林 雅幸君。

   〔防災監 林 雅幸君登壇〕



◎防災監(林雅幸君) 災害時における行政と民間ボランティアのパートナーシップについてお答えをいたします。

 災害ボランティアにつきましては、平成七年の阪神・淡路大震災や平成九年のナホトカ号重油流出事故などの大規模災害時の有効かつ貴重な経験を通じ、急速に国民の認識が高まったところであります。県では、この重要性にかんがみ、災害ボランティアの活動をコーディネートする人材を今年度から五年間で五百人養成する計画であります。今回の荒崎地区の水害に際してもボランティアセンターが設立され、一千人余りの方々が三日間にわたり地域で大きな貢献をされたと伺っております。今回は、大垣市の協力により、行政とボランティアの連携が比較的円滑にいったケースと考えられますが、県外などからのボランティアがその力を十分に発揮するためには、やはり地元にそれを受け入れられる下地が必要であると考えております。このような観点から、今後、県といたしましては、市町村、関係団体とボランティアの代表者との情報交換会を圏域ごとに実施するなど、官民が協働して災害時に効果的な活動ができるよう体制強化の支援を図ってまいりたいと、こんなふうに考えております。



○副議長(伊藤延秀君) 福祉局長 塩谷千尋君。

   〔福祉局長 塩谷千尋君登壇〕



◎福祉局長(塩谷千尋君) 聴覚にハンディのある方への支援策につきましてお答えさせていただきます。

 字幕ビデオライブラリー事業につきましては、聴覚に障害をお持ちの方々に対しましてテレビ等の音声情報を補完するために字幕ビデオの閲覧・貸し出しを行っております。また、手話通訳者の派遣事業につきましては、社会生活を営む上で必要なコミュニケーション手段を確保するために、手話通訳者の派遣を行うものでございまして、ともに岐阜県聴覚障害者協会に委託し、実施しております。現在、飛騨地域の方々の利用に対しましては、字幕ビデオにつきまして郵送による貸し出しを行っております。また、手話通訳者の派遣につきましても、地元飛騨地域の手話通訳者を派遣しております。

 御提案のございました、これらの事業を飛騨地域の関係機関において実施することにつきましては、利用の増加があれば、岐阜県聴覚障害者協会の御意見を伺い、検討してまいりたいと考えております。



○副議長(伊藤延秀君) 一番 川上哲也君。

   〔一番 川上哲也君登壇〕



◆一番(川上哲也君) 再質問させていただきます。

 まず、防災監におかれましては、ぜひともいろいろな諸事業に対し頑張っていただきたいと思っております。大垣の際でも、九月の今年初めてやりましたマニュアルを重視した防災訓練に対しても、本当にその課のほとんどの皆さんが目の下を真っ黒にしてやっておりましたが、本当にこれからも頑張っていただきたいというふうに思っております。

 さて、ITの関係、今ほど「市町村みずからの整備」という言葉がありました。きょう、午前中、知事の発言の中に、「いつでも、どこでも、だれでもチャンスが生まれる。年齢、そして障害、いろいろな差にとらわれず活躍できる」、そういった発言がありました。この「いつでも、どこでも」。「どこでも」というのはやはり飛騨地域の、例えば長野県境、富山県境、福井県境のそういった地域も含めてと考えてよろしいんですよねと知事に聞きたいんですが、質問の知事の指名がありませんのでそのお答えはいただけませんが、そういうことだというふうに思っております。どこでもということを考えますと、やはり先ほどのラスト数十マイルの問題が出てきてしまいます。岐阜県は、今、ブロードバンドの普及率が非常に低い状況であります。ブロードバンドの普及率が一番高いのが大阪府であります。その次がお隣の三重県であります。岐阜県はずうっと下がったところにいます。ソフトピアをつくったりいろいろとやっていますが、なかなかその普及率は上がってきておりません。

 さて、こういったブロードバンド−−高速通信網を使用して、これからの社会の中で活躍していきたい、そう思っている方が、都市部だけではなく、そしてまた今の高速情報ハイウェイをその沿線の方だけではなく、県内すべての方にそのチャンスを与え、そしてまた、先ほどのだれでもチャンスが生まれる、そういった社会を築いていかなければならないと考えております。

 きょう、傍聴席で聞いてみえる方もそうだと思います。例えば飛騨地域ですと、高根村は高山から何十キロもあります。白川も何十キロもあります。そういったところの方が自分の生まれた地域に関係なく、こういった高速通信網を使って、そしてまた自分が体にハンディを持っていても、そういったチャンスが与えられる、自分の家でチャンスが与えられる、そういった形づくりを県が取り組んでいくべきであります。まさに、デジタルデバイドの世界であります。

 今の支線を埋めていくのに、民間も一緒にそこに工事を合わせていく。例えばここに県が埋めていく、あるいは上から通していく、それに民間が乗った場合、このくらいの料金で一緒にやりましょうといった新しい考えも考えていかなければならないと感じております。私の発言の前に、多分この議場の中でも、自分の目の前に高速通信網が通れば、そして自分の近くの役所にその高速通信網が来れば、自分が高速通信網を使えると思っていた方がかなりあると思いますし、実際、私も勉強不足で、先日までそう思っておりました。ところが、情報関係のかなりキャリアを持った方に尋ねてみますと、アクセスポイントが問題だというふうに言われて、きょうの質問に至りました。すべての県民に均等なチャンスを与えるためにも、そういったデジタルデバイドをなくすために、そしていろんな障害を持つ方が自分のハンディを克服し、ノーマライゼーションを目指す社会の中で活躍していくためにも整備を考えていただきたいと思っておりますが、その点について市に任せるということではなくて、県も頑張っていくんだというふうにお答えいただきたいと思いますが、その点について知事公室参与、もう一度御答弁をお願いいたします。



○副議長(伊藤延秀君) 知事公室参与 佐々木 浩君。

   〔知事公室参与 佐々木 浩君登壇〕



◎知事公室参与(佐々木浩君) お答えいたします。

 いわゆる各家庭に引く場合には、それぞれの利用者が御自分で利用料を支払うということでございます。そうした意味において、利用料を払いやすいという意味ではケーブルテレビが一番わかりやすいということで、県としてはケーブルテレビの普及を全面的に支援しているというところでございます。

 もう一つの制度として、直接インターネットだけできるように光ファイバー網を整備するという国の助成措置もございます。条件不利地域において市町村がやる場合にはそういう措置もありますが、そういったものをいろいろ組み合わせていくということが基本になろうかと考えております。もちろん、市町村においてイントラネットを整備するに当たって、アクセスポイントと同様な機能を持つものを役場に設けると、そのための機器整備にお金がかかります。その整備のお金を市町村が負担していただければすぐそばで使えるんですが、そこをどうするかというのは、市町村と我々県が一体となって一緒に考えていきたいと思っております。いずれにしても、最終的には県内全域でそういう高速インターネット環境が享受できるような環境整備に努力してまいりたいと考えております。



○副議長(伊藤延秀君) 一番 川上哲也君。簡潔にお願いします。

   〔一番 川上哲也君登壇〕



◆一番(川上哲也君) 今のお答えでありますが、自分が払う、それは皆さん考えていると思うんですよ。その前の公共の整備ということについて、確かにケーブルテレビというものも県で進めておりますが、その意思が伝わっていないためか、各市町村についてなかなかそれが普及していない。ブロードバンドについても、高速情報通信網についても整備されない。ですから、そういった整備について、先ほども申し上げましたように、その線について県がその支線をつなぐのであれば、そういったものを活用できる、民間でも活用しやすい手法もぜひとも考えていただきたいと思っておりますので、答えがまた同じになると思いますので、要望させていただき、でもやっぱり一言お答えいただきたいと思いますので、よろしくお願いします。



○副議長(伊藤延秀君) 知事公室参与 佐々木 浩君。

   〔知事公室参与 佐々木 浩君登壇〕



◎知事公室参与(佐々木浩君) お答えいたします。

 議員御質問の問題に関して十分理解させていただいております。その中で、どういう手法がいいか、あるいはどういう国の助成が考えられるかということを我々は国にも働きかけてまいりたいと考えておりますし、県としてもできる限りのことを検討してまいりたいと考えております。



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○副議長(伊藤延秀君) 以上をもって本日の日程はすべて終了いたしました。

 明日は午前十時までに御参集願います。

 明日の日程は追って配布いたします。

 本日はこれをもって散会いたします。

 御苦労さんでした。



△午後二時五十七分散会



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