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平成28年  9月 定例会(第4回) 10月06日−03号




平成28年  9月 定例会(第4回) − 10月06日−03号









平成28年  9月 定例会(第4回)



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△議事日程(第三号)



                平成二十八年十月六日(木)午前十時開議

 第一 議第九十一号から議第百八号まで

 第二 平成二十七年度岐阜県一般会計及び特別会計並びに公営企業会計決算の認定について

 第三 請願第二十三号から請願第二十五号まで

 第四 一般質問



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△本日の会議に付した事件



 一 日程第一 議第九十一号から議第百八号まで

 一 日程第二 平成二十七年度岐阜県一般会計及び特別会計並びに公営企業会計決算の認定について

 一 日程第三 請願第二十三号から請願第二十五号まで

 一 日程第四 一般質問



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△出席議員 四十六人



      一番   中川裕子君

      二番   恩田佳幸君

      三番   牧村範康君

      五番   澄川寿之君

      六番   山田実三君

      七番   若井敦子君

      八番   広瀬 修君

      九番   布俣正也君

      十番   伊藤英生君

     十一番   水野吉近君

     十二番   国枝慎太郎君

     十三番   山田 優君

     十四番   長屋光征君

     十五番   高殿 尚君

     十六番   田中勝士君

     十七番   加藤大博君

     十八番   酒向 薫君

     十九番   高木貴行君

     二十番   野村美穂君

    二十一番   太田維久君

    二十二番   山本勝敏君

    二十三番   松岡正人君

    二十四番   篠田 徹君

    二十五番   小原 尚君

    二十六番   水野正敏君

    二十七番   脇坂洋二君

    二十八番   野島征夫君

    二十九番   伊藤秀光君

     三十番   川上哲也君

    三十一番   松村多美夫君

    三十二番   平岩正光君

    三十三番   佐藤武彦君

    三十四番   森 正弘君

    三十五番   小川恒雄君

    三十六番   村下貴夫君

    三十七番   矢島成剛君

    三十八番   渡辺嘉山君

    三十九番   伊藤正博君

     四十番   足立勝利君

    四十一番   尾藤義昭君

    四十三番   駒田 誠君

    四十四番   藤墳 守君

    四十五番   早川捷也君

    四十六番   玉田和浩君

    四十七番   岩井豊太郎君

    四十八番   猫田 孝君



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△職務のため出席した事務局職員の職氏名



 事務局長         宗宮正典

 総務課長         松永吉平

 議事調査課長       山田 恭

 議事調査課管理調整監   福田勝司

 同    課長補佐    浅井珠美

 同    係長      豊田弘行

 同    係長      佐橋 誠

 同    係長      堀 寛宜

 同    主査      森嶋 宏

 同    主査      桑山 保

 同    主査      高田昌司



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△説明のため出席した者の職氏名



 知事           古田 肇君

 副知事          岸 敬也君

 副知事          上手繁雄君

 会計管理者        宗宮康浩君

 秘書政策審議監      工藤 均君

 総務部長         坂口和家男君

 清流の国推進部長     神門純一君

 危機管理部長       市川篤丸君

 環境生活部長       桂川 淳君

 健康福祉部長       尾藤米宏君

 商工労働部長       河合孝憲君

 農政部長         高木敏彦君

 林政部長         瀬上繁隆君

 県土整備部長       高木善幸君

 都市建築部長       酒向仁恒君

 健康福祉部次長(医療・保健担当)

              森岡久尚君

 子ども・女性局長     鈴木裕子君

 観光国際局長       小原寿光君

 教育長          松川禮子君

 警察本部長        山本有一君

 代表監査委員       山本 泉君

 人事委員会事務局長    近田和彦君

 労働委員会事務局長    福井康博君



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△十月六日午前十時開議



○議長(矢島成剛君) 皆さん、おはようございます。ただいまから本日の会議を開きます。



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○議長(矢島成剛君) 日程第一から日程第三までを一括して議題といたします。



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○議長(矢島成剛君) 日程第四 一般質問を行います。あわせて議案に対する質疑を行います。

 発言の通告がありますので、順次発言を許します。五番 澄川寿之君。

    〔五番 澄川寿之君登壇〕(拍手)



◆五番(澄川寿之君) 皆さん、おはようございます。

 議長より発言のお許しをいただきましたので、岐阜県議会公明党を代表し、通告に従いまして本日は三つのテーマについてお伺いをいたします。どうぞよろしくお願いをいたします。

 初めに、古田県政三期目の総括と今後の政策方針についてお伺いいたします。

 昨日の議会質問におきましても確認されたところでございますが、古田知事におかれましては、三期目の任期が近づいてまいりました。三期目の取り組みにつきましては、昨日も各会派代表質問でも御質問され、御答弁された部分もあり、重なってしまうところもあるかもしれませんが、県議会公明党として過去の質問の経緯も踏まえて、改めて御質問させていただきます。

 知事が三選を果たされた直後の議会でありました平成二十五年第一回定例会において、県議会公明党の先輩である岩花正樹氏が代表質問をさせていただきました。

 その内容を抜粋させていただきますと、今回の知事選挙、これは平成二十五年の知事選挙のことでございますが、残念ながら投票率が三三・九二%と過去最低となり、最低となった前回、二〇〇九年、平成二十一年の三八・四四%から四・五二ポイント下落をし、知事選挙への関心の低さが露呈をされたのであります。当然のことながら、投票率の低さは憂慮すべき事態であり、本県にとって極めて重要な時期であるにもかかわらず有権者の関心が低かったのは、今後の県政運営に大きく影響すると思われるのであります。そこで、知事選で感じた県民の声と思いはどこにあるのか、また投票に行かなかった有権者の声をどのように吸い上げられていくのか、知事にお伺いをいたしますと、知事選が低投票率になってしまった点を知事がどのように捉えているか指摘をしました。知事の当時の答弁を抜粋させていただきますと、今回、投票率が低調でありましたことにつきましては、さまざまな原因・理由があろうかと思いますが、私としては、これを重く受けとめているところでございます。このため、特に身近な県政といいますか、つまり県民の皆様にとって県政をより身近なものとして感じ取っていただくために、現場主義と対話重視の姿勢で改めて原点に立ち返りながら、県政をわかりやすく御説明をし、親しみを持っていただけるよう、これまで以上にあらゆる機会を捉えて交流を求めていきたいというふうに考えておりますとおっしゃっておられました。大変に重要な考えであると思います。

 我が党の立党精神にも「大衆とともに」とあり、私が党職員時代に御指導をいただいた参議院議員の先輩からも「知恵は現場にあり」ということを徹底して教えていただきました。

 知事がおっしゃっておられた現場主義、対話重視ということは多くの県民の皆様が望むところであろうと思います。しかしながら、私も実際に、知事が海外に行ったニュースはよく目にするけれども、県内でどのように動いておられるかわからないといった厳しい御指摘もいただいたことがございます。

 そこで、改めて知事にお伺いいたします。

 知事は三期目の当選を果たされた最初の議会答弁の中で、現場の声を大切にしていく姿勢を示されました。この三期目の間にどのように取り組まれてきたのかお聞かせください。

 次に、今後の政策方針についてお伺いいたします。

 この点につきましても、昨日の各会派代表質問とテーマが重複いたしますが、我が党の観点から質問をさせていただきます。

 我が党は、九月十七日に党全国大会を開催し、その中で政策ビジョン「新・支え合いの共生社会の実現に向けて」を発表いたしました。公明党は、「誰もが公平に良質な教育を受けることができ、使命と能力を開花することのできる社会」「ライフステージに応じた多様で豊かな人生を実現できる社会」を目指しています。つまり、格差が固定しない、一人一人が輝き活躍できる社会であり、住民が自発的に支え合う新たな支え合いの共生社会の構築を急がなければならないと考えております。議会開会日の知事提案説明の中でも、一億総活躍社会は地方創生からとのスローガンのもと、国に強く要請したと報告をされました。

 岐阜県が長期的に人口減少になったとしても、その影響を最低限にとどめ、経済・福祉をバランスよく維持できる体制を目指していかなければなりません。そうした中、岐阜県においては長期構想を策定され、さらに昨年には「清流の国ぎふ」創生総合戦略を策定し、本年度予算から具体的な取り組みが始まっています。

 さて、本年初めに県議会地方創生対策特別委員会では、鹿児島県鹿屋市串良町柳谷集落、通称やねだんを視察させていただきました。

 やねだんは、百二十世帯およそ三百人が共存する、高齢化が進む典型的な中山間地域の集落であります。この集落がアイデアがあふれるリーダーのもと、子供たちから高齢者まで強いきずなで結ばれ、土着菌堆肥からサツマイモ栽培、オリジナル焼酎開発、トウガラシ栽培からコチュジャン開発といった、集団営農から六次産業化を推進、集落の独自財源を築き、高齢者には一万円のボーナスが支給され、地方創生のグッド・プラクティスとして全国的に注目されるようになり、過去には地方創生担当大臣も視察に来られました。中心者の方からお話を伺う中で、人づくりの重要性について学ばせていただきました。

 やねだんのホームページには、このような言葉が紹介されております。集落民一人一人がレギュラーで、やねだんには補欠はいません。地域活動では、絶対に犠牲者を出してはいけないし、できる人たちだけでやっては長続きしないし、感動もありません。もちろん小さな集落だからこそできた部分もあると思いますが、この考え方がこれからの地方創生には重要であると考えます。

 「清流の国ぎふ」創生総合戦略の中でも「ひとを育む」を第一項目に掲げ、取り組みを進めていると思いますが、これから欠かせないのは、地域の人づくり、地域を支える高齢者や女性、そして、これまでは余り地域づくりに参画してこなかった若者、加えて新たな地域の担い手となる移住者の力であると思います。

 そこで、知事にお伺いいたします。

 これからさらに岐阜県を活性化していくために、高齢者や女性、若者、そして移住者の活躍、つまり地域の担い手となる人づくりが欠かせないと考えますが、知事の御所見をお聞かせください。

 以上で一回目の質問を終わります。



○議長(矢島成剛君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) おはようございます。

 まず、県政三期目の取り組みとして、現場の声を聞くということについて、どんなふうに考えてきたのかという御質問でございました。

 私自身は、知事に就任して以来、現場主義、対話重視を旨として、県政を取り巻く課題に取り組むよう努めてまいったつもりでございます。困難な問題であればあるほど、対策のヒント、解決の鍵は現場にあるという思いを強くしておる次第でございます。このため、例えばぎふ創生県民会議、あるいは岐阜県成長・雇用戦略意見交換会、岐阜県地域医療対策協議会などなど、随時、県内各界各層の方々の御意見をお伺いする場を設定することはもちろんでありますが、できる限りプロジェクトの現場に赴き、県民の皆様から生の声をお伺いし、これらを極力本県の政策に取り入れるよう努力してまいりました。

 その一例として、まさに人口減少時代に不可欠な人材育成という切り口で幾つかの対応について御紹介申し上げますと、まず、今後成長が期待される航空宇宙分野でございますが、この産業界の皆様方との話し合いを踏まえて、幼年期から小・中学生期においてはかかみがはら航空宇宙科学博物館で、就職を意識し出す高校生の時期においてはモノづくり教育プラザで、実際に就職した後については岐阜県成長産業人材育成センターでと、切れ目ない教育、研修環境を構築するということにしたわけでございます。

 また、毎年、農業関係者の方々とはいろいろと意見交換の場を持たせていただいております。就農者の現在の岐阜県の平均年齢が七十歳前後という中で、若者に新規就農に踏み切ってもらうことの大変な苦労話をお聞かせいただいておるわけでございますが、そういう中で研修から就農までを一貫して支援する体制をつくるということで、若者の新規就農に働きかけてはどうかということで、その拠点として県内十五カ所に岐阜県就農支援センターを新設することにしたわけでございます。海津の成功に始まりまして、今や各地でこうしたセンターをつくりたいということで手が挙がってきております。

 さらに、特別支援学校を順次、かがやきプランということでつくってきたわけでございますが、その開校式とか、あるいはいろんな機会に親御さんとの意見交換会を持たせていただきますが、そこでは一方で、特別支援学校が整備されていくことについては大変喜んでいただけると同時に、反面、将来の就職に対する不安の声もたくさん聞かせていただいております。こうしたことから、岐阜県障がい者雇用企業支援センター、あるいは岐阜県障がい者総合相談センターといったものの整備を進め、障がい者への就労支援の強化を図ってきたという経緯もございます。

 ほかにも、児童養護施設退所後の子供たちへの就学、生活支援といったことにつきましても、強い御要望をいただいたことに対応したものでございます。

 こうした県民目線での現場主義、対話重視の姿勢は今後とも継続してまいりたいと思っております。

 次に、今後の政策方針の中で、人づくりの重要性ということで御指摘がございました。

 本県の人口は、昨年度行われた国勢調査の速報結果では、御案内のように二百三万二千人余りということでございますが、ことしの八月末時点の統計では二百二万四千人ということで推計されておりまして、この一年弱で八千人ほどが減少しているということでございます。

 岐阜県長期構想、あるいは岐阜県人口ビジョンでお示ししたとおり、この減少傾向は昭和四十九年から四十年以上にわたって続く少子化の影響もありまして、直ちに流れが変わるということはないと思われるわけでございますが、こうした中にあっても、岐阜県の活力を維持し、発展させていくため、「清流の国ぎふ」創生総合戦略におきましては、御紹介もありましたように、活力の根源である「ひとを育む」ということを基本目標の第一に掲げた次第でございます。

 御指摘のとおり、ここで言う「ひと」とは、子供だけを指しているわけでありませんで、もちろん高齢者や女性、若者、移住者など多様な方々のことを指しておるわけでございます。こうした県民誰もが活躍できる社会にしていくことは、極めて重要なテーマであるというふうに考えております。

 そこでまず高齢者ということでございますが、産業の担い手としての就労促進を引き続き図っていくとともに、例えば、放課後子供教室で子供たちとの交流や見守りを行っていただくなど、高齢者の豊かな経験や知恵を地域社会に生かしていただく取り組みも重要であると考えております。同時に、健康寿命の延伸も含めて、高齢者が社会の重要な一員として生き生きと活躍できるよう、例えば、県民誰もが一つはレクリエーションに親しむミナレク運動を推進し、二〇二〇年の全国健康福祉祭、いわゆるねんりんピックの開催につなげてまいりたいと考えております。

 女性の活躍に関しましては、平成二十三年に岐阜県版女性起業家サミットとしてぎふ女性経営者懇談会を立ち上げたのを皮切りに、業種やキャリアの垣根を越えた交流、県経営者協会と連携した経営者の右腕を養成する研修の実施などを通じまして、女性登用の流れをつくってきた次第でございます。

 また、従業員の仕事と家庭の両立に関し、特にすぐれた取り組みを行う企業を子育て支援エクセレント企業として認定し、女性が働き続けられる環境整備に取り組んでまいりました。今後もこうした流れを一段と加速してまいります。

 若者の活躍は、ふるさと教育の充実を図っていくとともに、現在、例えば、航空宇宙分野で取り組んでいるような、先ほども御紹介しましたが、幼年期から高校生、就職後まで一貫した人材育成、あるいは地域ぐるみでの農業の担い手育成、森林文化アカデミーを核とした産官学連携による森林技術者の養成といった取り組みを他の分野にも広く拡大をしてまいりたいというふうに考えております。

 移住者についてもお触れになっておられましたが、ただいま申し上げましたような、本県の地域ぐるみでの、あるいは産学官連携での人材育成の流れの中に入っていただいて、地域への定着を図っていくということでございます。また、同時に郡上地域で顕著でございますが、移住者の方の活躍がさらに他の移住者を呼び込むというきっかけとなるような、そういう好循環を生むような地域と一体となった取り組みを支援してまいりたいというふうに思っております。

 このほか、障がいのある方、県内在住の外国人の方も含め、本県に暮らしておられる全ての方が、岐阜県の担い手、社会の一員として活躍でき、幸せを実感できる社会づくりに努めてまいりたいと思っております。



○議長(矢島成剛君) 五番 澄川寿之君。

    〔五番 澄川寿之君登壇〕



◆五番(澄川寿之君) 続きまして、教育の機会均等という観点から三点お尋ねいたします。

 皆様は、夜間中学校の存在を知っておられますでしょうか。私は夜間中学校というと、中学生ぐらいのときに見た山田洋次監督の「学校」という映画を思い出します。当時、内容の全てを理解できなかったわけですが、学べるということのすばらしさを感じ取ったように記憶しております。

 夜間中学校は、さまざまな事情で義務教育を修了できなかった人が通われる中学校です。平成二十五年五月時点で一都二府五県に三十一校が設置され、千八百七十九人の方が通ってみえます。

 夜間中学の歴史は古く、戦後の混乱期、貧困のために学校へ行けず、長期欠席する児童・生徒も多くいたことから、中学校に付設され、一時期設置校数は全国で八十校以上を数えました。その後、社会が安定し、中学卒業者の増加に伴って設置校数は減少しましたが、近年、外国から帰国した子供の日本語教育、ひきこもりや不登校の増加などを背景に、再び注目を浴びています。

 現在、夜間中学に在籍している生徒の約七六%は外国人です。小学校を卒業していない十五歳以上の人は全国に約十二万八千人、これは平成二十二年の国勢調査の数字でございますが、義務教育未修了者の実数は詳細には把握されていません。

 夜間中学は、さまざまな理由により義務教育未修了のまま学齢を超過した方々の就学機会の確保に重要な役割を担っており、国が平成二十六年八月二十九日に閣議決定した子供の貧困対策大綱においてもその設置促進が盛り込まれるなど、政府としては、全都道府県に少なくとも一つの夜間中学の設置を目指して、積極的な動きを進めてきたと承知しております。

 さまざまな事情により義務教育を修了できなかった方々の中には、戦後の混乱期の中で教育を受けるにも受けられなかった方、あるいは親の虐待によって、学齢にもかかわらず居所不明となって学校に通えなかった方々、無戸籍など特別な事情で学校に就学させてもらえなかった方々も含まれていると言われております。こうした方々が、もう一度学びたいと希望される場合の教育を受ける機会の確保として、県としても検討する必要があると考えます。

 このたび国会において、義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律案が提出されたところでございます。この法律案の条文では、地方公共団体は、夜間その他特別な時間において授業を行う学校における就学の機会の提供その他の必要な措置を講ずるものとするとされ、夜間中学の設置など未就学者の就学機会の確保のための措置を行うことを全ての自治体に義務づける内容が盛り込まれています。

 また、法案が提出される以前より、文部科学大臣は国会答弁において各都道府県に少なくとも一つの夜間中学の設置を目指すとの方針も述べております。

 また、他の条文においては、都道府県及び都道府県内の市町村は、夜間中学の設置等に関する協議を行う協議会を組織することができるともされております。

 文科省は、夜間中学未設置道県でのニーズ調査や、設置に当たっての課題とその解消策の整理等に係る経費を支援する観点から、平成二十七年度補正予算において、全ての未設置道県分の経費を盛り込んだ委託事業も用意されました。

 そこで、夜間中学の必要性について県教育委員会はどのように認識しておられるのか、また設置に向けてどう取り組んでいくのか、教育長にお尋ねをいたします。

 続きまして、県の奨学金制度、そのうちまず大学生向けに行っております岐阜県選奨生奨学金についてお伺いいたします。

 教育基本法第四条には、教育の機会均等について次のようにうたわれております。

 すべて国民は、ひとしく、その能力に応じた教育を受ける機会を与えられなければならず、人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位又は門地によって、教育上差別されない。二、国及び地方公共団体は、障害のある者が、その障害の状態に応じ、十分な教育を受けられるよう、教育上必要な支援を講じなければならない。三、国及び地方公共団体は、能力があるにもかかわらず、経済的理由によって修学が困難な者に対して、奨学の措置を講じなければならない。

 この第三項に規定がありますとおり、学びたい意欲がありながら、家庭の事情により金銭的な課題がある生徒への奨学措置が岐阜県選奨生奨学金であると理解しております。

 経済的に厳しい家庭で育った子供が満足な教育を受けられず、進学や就職のチャンスを失うことがあってはなりません。しかしながら、現実的には両親の経済状況と大学等への進学率は比例関係にあり、児童養護施設等に通われている学生の大学等への進学率は著しく低くなっております。また、現在においては学歴と生涯賃金についても大きく見ると比例関係にあります。もちろん大学等に進学することが絶対によいとするわけではありません。全ての県民に選択肢、すなわち機会が与えられるということが重要であると考えます。

 しかしながら、県内に在住の高校三年生の方から、この岐阜県選奨生奨学金制度の利用に大きな壁があることを伺いました。この方は里子の方で、現在は理解ある里親さんのもとで高校生活を送っております。高校生活で学ぶ中で、大学進学を志すようになり、もっと学んで世界で活躍できるようになりたいと希望を持って頑張っておられます。とはいえ、高校を卒業すれば、基本的には里親さんのもとを離れ、自身で生活の基盤をつくっていかなければなりません。自身の目標である大学進学を実現するためには、奨学金制度の利用が欠かせない状況にあります。

 そんな中、岐阜県が行っています岐阜県選奨生奨学金制度を利用できないか確認したところ、制度の利用には保証人が必要であることがわかりました。当然、奨学金制度は大学進学等のためにお金を借りて、卒業後に仕事をしながらお金を返していく制度です。このお金を借りるという行為には保証人が必要であるという部分は理解ができます。

 しかしながら、児童養護施設にいる子供や里子さんは、周辺に保証人になれるような大人がいないのが現実であります。奨学金制度を実施している日本学生支援機構では、保証人をどうしても立てることができない利用者のために機関保証という仕組みをつくっております。我が党が実現に向けて進めてきた給付型奨学金制度の実現も見込まれるところではありますが、無利子枠の拡充を含め、まだまだ十分な枠を確保できていない状況です。そのような中で、無利子で実施していただいております岐阜県選奨生奨学金制度も、県民の教育機会の均等のため役割を果たしていただきたく存じます。

 そして、そのためにも、奨学金制度の理念・目的を鑑み、希望する県民が差別なく利用できる制度であるためにも、保証人をどうしても立てられない環境にある希望者に対する対策を御検討いただきたいと思います。

 そこで、教育長にお伺いいたします。

 県選奨生奨学金制度についてより多くの県民が利用できるようにしていくべきであると思いますが、お考えをお聞かせください。

 続きまして、清流の国ぎふ大学生等奨学金についてお伺いいたします。

 この制度は、進学を機に県外に流出する傾向のある若者に、県内に戻ってきていただき、活躍をしていただこうという趣旨で今年度から始まった制度であります。大変好評であると伺っておりまして、岐阜県活性化の一つとして、これからも推進していただきたいと思います。

 しかしながら、こちらの奨学金も保証人が必要となっております。別の制度とはなりますが、都道府県が主体となって貸し付けを行う、厚生労働省の平成二十七年度補正予算事業である児童養護施設退所者等自立支援資金貸付金では、原則、保証人を必要としながらも、一定の条件を満たせば保証人が立てられなくてもよいとする規定があると伺いました。同貸付金は、五年間しっかりと働いていただければその返還の義務がなくなる、いわゆる条件つき給付型貸付金であります。

 清流の国ぎふ大学生等奨学金についても、目的は同一でないにしても、五年間岐阜県で働いていただければ返還の義務がなくなる条件つき給付型貸付金という点では非常に類似した制度であると思っております。当然、制度の利用者の中には、県外から戻ることなく、奨学金を返還するという選択肢を選ばれる可能性もあり、その返済について保証人が必要になるということも理解できます。

 しかしながら、どうしても保証人を立てることができない方もおられると思います。児童養護施設退所者等自立支援資金貸付金のような一定条件のもとで保証人要件を緩和するような措置があってもよろしいのではないかと考えます。

 そこで、清流の国推進部長にお尋ねいたします。

 清流の国ぎふ大学生等奨学金について、平成二十八年度の実績及び今後の制度継続に向け、県民の方がより利用しやすい制度に改善すべきと考えますが、お考えをお聞かせください。

 以上で二回目の質問を終わります。



○議長(矢島成剛君) 教育長 松川禮子君。

    〔教育長 松川禮子君登壇〕



◎教育長(松川禮子君) 教育の機会均等について、二点御質問がありました。

 初めに、夜間中学の設置についてお答えします。

 本県の平成二十二年度の国勢調査では、千四百人余りの方々が未就学者であり、そのうちの六割程度を六十歳以上の高齢者が占めるという結果になっています。こうした方々の教育を受けたいという思いに応えることは、県としても大切なことだと考えております。

 一方、夜間中学は、市町村が設置する中学校で夜間に授業を行う学級であり、その設置には市町村教育委員会の意向が重要です。

 このため、ことし五月に県内市町村教育委員会を対象に過去五年間における設置に関するニーズの有無などについて調査を実施しました。その結果、全ての市町村において、住民から夜間中学校の設置に関する要望等が寄せられたことはなく、現段階では夜間中学校のニーズがないということが明らかになりました。

 今後、法律の制定等に伴って県民の皆様の理解が広がり、市町村に未就学の方々から要望が寄せられ、市町村教育委員会で夜間中学の設置を考えられる場合には、協議会の設置を含めて課題である教員の勤務体制や教育課程の編成を県も一緒に検討してまいります。

 次に、県選奨生奨学金のあり方についてお答えします。

 大学生を対象とした奨学金としては、日本学生支援機構の奨学金が主に活用されており、県の奨学金は同機構の採択に漏れた方や、さらに資金が必要な方が利用する、いわば補完的な役割を担っております。

 一方、児童養護施設等に入所している児童や里親に養育されているお子さんについては、福祉制度の観点からの貸付金が準備されており、御自分に合った資金を活用して大学進学を実現していただけるよう適切な情報を提供してまいりたいと考えております。

 また、日本学生支援機構の奨学金の貸付要件は、人的保証と機関保証のいずれかを選択できること、人的保証についても保証人と連帯保証人をそれぞれ一名立てれば足りることなど、県の奨学金の貸付要件とは異なる部分もあります。今後はこのようなことも念頭に置いて、奨学金が必要な方に確実に貸与できるよう、利用者や学校の声も聞きながら貸付要件を検討してまいりたいと考えております。



○議長(矢島成剛君) 清流の国推進部長 神門純一君。

    〔清流の国推進部長 神門純一君登壇〕



◎清流の国推進部長(神門純一君) 清流の国ぎふ大学生等奨学金の実績と改善についてお答えをいたします。

 今年度から創設いたしました清流の国ぎふ大学生等奨学金につきましては、他の奨学金制度を参考にして応募要件を設定いたしましたが、本奨学金制度の趣旨を踏まえて、学力要件については他の制度よりも緩和して募集をいたしました。その結果、百名の応募がございまして、審査の上、奨学金受給者九十七名を決定し、支給を開始したところでございます。

 本制度は、県外の大学に進学した方のUターン就職を促すため、県内就職を条件として奨学金の返還を免除するものでございまして、その条件を満たさなければ返還義務が生じます。その際には、返還金を確実に回収する必要があるため、他の一般的な県奨学金と同様の連帯保証人の制度を設けております。

 現在、応募された方や学校などに御意見を伺っているところでございまして、議員御指摘の点も含めまして、来年度に向けて応募要件等の見直しについて検討してまいりたいと考えております。



○議長(矢島成剛君) 五番 澄川寿之君。

    〔五番 澄川寿之君登壇〕



◆五番(澄川寿之君) 最後に女性の活躍推進について、二点お伺いいたします。

 女性の活躍の推進につきましては本年の三月の議会にもお伺いをさせていただきました。働きたい意欲がありながらお子さんを預ける場所がなく、働くことを断念せざるを得ないとの声はまだなくなっておりません。

 さきの議会では、潜在的な待機児童の課題についても議論が交わされました。待機児童の解消に向けた本県の取り組みとしては、施設整備の促進を図るとともに、保育士の数が不足しているので保育士を確保できるような取り組みを進めているということであります。

 新しい資格者の増加を推進するために保育士資格試験を年二回にする、有資格者でありながら働いていない方が復職しやすいように支援をする、大きく有資格者数をふやすこと。そして、有資格者の方に復職していただくこと、この二点の方向性で取り組みが進められていると理解しております。

 さまざまな課題を見聞きする中で、私自身、八月、九月と県内の保育園、また保育士さんとお話をさせていただく機会をいただきました。改めて痛感したことは、保育士さんがいかに多忙で、かつストレス過多の状態にあるかということであります。

 児童福祉法第二十四条には、市町村は、この法律及び子ども・子育て支援法の定めるところにより、保護者の労働又は疾病その他の事由により、その監護すべき乳児・幼児その他の児童について保育を必要とする場合において、次項に定めるところによるほか、当該児童を保育所において保育しなければならないと市町村が保育の義務を担っている点がうたわれております。

 社会環境が変化する中で、親御さんたちの働き方の多様化による保育へのニーズに応えるため、早朝保育、延長保育、病児・病後児保育等を行っている状況で、保育士が子供を預かる時間が幼稚園に比べて長くなっており、またお子さんが帰られてから事務作業となると勤務時間も長時間化してしまいます。さらに、ゼロ歳児から預かるというところもあり、生命を預かることのプレッシャーも高く、こうした仕事を新人からベテランの方まで同じレベルで行うことが大変に難しいと感じております。また、保育士さんの中でも、独身者の方と既婚者の方では家に帰ってからの家事負担の量も異なり、これはどの仕事でも一緒であると思いますが、仕事に一〇〇%力を注ぐということが難しい状況です。

 こうした現状を学ばせていただき、感じたことは、有資格者の方がふえても、保育士さんの働く環境が改善されなければ、保育士として定着していただくことが難しいのではないかということであります。

 東京都杉並区では、待機児童の増加が大きな話題になっているものの、保育士の配置が国で定めた基準より手厚くなっており、質の高い保育、安全・安心な保育の提供を考えるのであれば、そういったあり方も考えるべきだと思います。お隣の福井県では、第三次福井県元気な子ども・子育て応援計画において、保育士配置基準の見直しをテーマに挙げておられました。本県においても、持続可能な安心・安全の保育を実現するためにも、現状に合った保育士の働く環境整備を行っていく必要があろうと考えます。保育が充実してこれば、子供を安心し産み育てることができると考えます。今議会に上程された補正予算案の中にも、保育士の確保、保育士の業務負担軽減のための施策の予算が計上されておりますが、保育士が働き続けられる環境を整備していくことが重要です。

 そこで、子ども・女性局長にお尋ねいたします。

 保育士が働き続けられる環境の整備に向け、どのように取り組まれていくのかお聞かせください。

 最後に、女性活躍推進計画についてお伺いいたします。

 計画策定については三月の議会でも取り上げさせていただきました。岐阜県としても県民の意見も取り入れながら今年度中に策定していただけると伺っております。

 各都道府県の策定状況を調べましたところ、内閣府の発表によれば、既に策定済みが二十八道府県、今年度中に策定予定が本県を含め十八都県という状況であり、その計画内容は各道府県のカラーに合わせた部分もあり、多種多様であります。私も幾つか計画を読ませていただきましたが、推進計画の中で保育について記述のない計画もありました。その地域により計画に特色があることは否定いたしませんが、岐阜県の現状を鑑みますと、保育環境の整備は欠かせない事柄と考えます。

 私が実際に相談を受けた例を御紹介いたしますと、三人のお子さんを育てながらシングルマザーとして働かれている女性がいらっしゃいます。三人のお子さんのうち、一番下のお子さんが障がいを持たれていることがわかりました。市に相談すると、障がい児は保育受け入れができないので療育ができる施設に通わせてあげてくださいと言われました。療育施設では保育を目的としていないため、短時間の対応になります。しかしながら、働かなければ子供三人を育てることができない、そうやって必死に生きているお母さんがおります。女性のライフプランの選択肢をふやしていくためには、やはりこういった部分もしっかり検討していくべきであろうと考えます。

 また、職場環境でいいますと、例えば、保育士、介護士は女性が非常に多い職場です。では、なぜ男性が少ないのか。理由の一つとして、賃金が低く、結婚して家族を支える収入が得にくい職種ということが挙げられると思います。保育士の方とお話をしたときに、女性だけの職場と男性保育士がいる職場があるが、女性だけの職場より、男性がいる職場の方がかえって精神的に負担が少ない場合もあると教えていただきました。こうした点も長い目で改善すべきであろうと考えます。

 教育で男女共同参画社会をうたいながら、社会に出ると、男性に比べ女性の方がキャリアアップを含めた生き方の選択をする上で、出産や子育て、介護など、ライフステージのさまざまな場面において、いまだハードルが高いように思います。子育てしながらキャリアアップもしていきたい、時間をとって子供に寄り添いたい、多様な価値観・生き方のもとさまざまなニーズがあり、その対応に一〇〇%応えていくには難しい部分もあるかと考えますが、行政としては県民のニーズにできる限り応えていく環境をつくり上げていく必要があると考えます。

 そこで、子ども・女性局長にお尋ねします。

 岐阜県における女性活躍推進計画の策定の見通しと、また中身について、特に保育についてはしっかりと明記していただきたいと考えますが、お考えをお聞かせください。

 以上で私の質問を終わります。御清聴、大変にありがとうございました。

    (拍手)



○議長(矢島成剛君) 子ども・女性局長 鈴木裕子君。

    〔子ども・女性局長 鈴木裕子君登壇〕



◎子ども・女性局長(鈴木裕子君) 女性の活躍推進につきまして、二点御質問をいただきました。

 まず、保育士の業務負担の軽減についてお答えします。

 保育所入所児童に占める三歳未満児の増加や延長保育への対応など、保育ニーズは多様化しており、現役保育士の業務の負担は増大しています。こうした状況を改善するには、より多くの保育士を早急に確保する必要があり、その対策としてこれまでの保育士の確保策に加え、潜在保育士の就労支援の一層の強化が重要になると考えています。そのため、今年度から新たに貸し付けを実施する潜在保育士の就職準備金の額を二十万円から四十万円に倍増することにより、就労を後押ししたいと考えております。

 そのほかにも保育士・保育所支援センターにおいて、現役保育士の悩み相談に応ずるなどの取り組みを行ってまいりましたが、さらに今後は、現役保育士の負担軽減を図るため、業務補助を行う保育補助者の雇い上げ費に対する新たな助成を考えており、先ほどの就職準備金の倍増とあわせて、今議会において予算化をお願いしているところです。今後とも市町村と連携のもと、これらの取り組みを通じて、保育士が働き続けられる環境の整備に努めてまいります。

 次に、県女性活躍推進計画の策定見通しと保育に関する考え方についてお答えします。

 女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づく県計画につきましては、現在、女性を取り巻く本県の現状と課題を洗い出し、課題解決に向け、盛り込むべき具体的な取り組みについて検討を重ねているところでございます。計画案がまとまりましたら、県議会を初め有識者の方々、パブリックコメントによる県民の皆様の御意見をお伺いし、今年度中に策定すべく準備を進めています。

 また、本県では出産・子育て期に一旦離職する女性が多いといった課題があり、県民へのアンケート調査では、一旦離職した女性の再就職に必要な支援として、保育所など子育て環境の整備を求める声が多く寄せられております。さらに、女性の活躍推進のために県に期待する取り組みとして最も多い回答は、子育て環境の整備となっております。こうした点も踏まえ、女性の活躍を推進していく上で、子供を預けられる環境の整備は重要であると認識しており、推進計画に盛り込んでまいりたいと考えております。



○議長(矢島成剛君) 二十三番 松岡正人君。

    〔二十三番 松岡正人君登壇〕(拍手)



◆二十三番(松岡正人君) おはようございます。

 発言のお許しをいただきましたので、通告に従って大きく二項目について質問をさせていただきます。

 まず大きく一項目めとして、農政関係についてお尋ねをいたします。

 本県では、来る十一月十日から十一日にかけて、第十九回全国農業担い手サミットinぎふが開催されます。これに先立ち、県下では飛騨牛や花卉、酪農といった業態別の三つの応援隊と、六月の中濃を皮切りに七つの地域別に就農応援隊が立ち上がり、サミット開催や農業担い手育成の機運が盛り上がっているところです。

 農業の担い手が増加し生産高増大のためにも、農産物の販路拡大は不可欠です。国内においては人口減少や高齢化などにより、市場や消費形態が大きく変化しています。こういう時代だからこそ、既存の枠組みにとらわれることのない新しい考え方による県産農畜水産物のブランド化や販路拡大に係る戦略が必要だと考えます。

 そこで、一つ目として、県産農畜水産物のブランド化、販路拡大に係る戦略について、農政部長に四点お尋ねいたします。

 初めに、名古屋市を中心とした中京圏への販路拡大についてお尋ねいたします。

 本県の主要農産物の流通実態は、品目ごとに随分異なると伺いました。例えば飛騨牛は、県内での屠畜・加工処理がほとんどであることから、主に中京圏に流通しているそうです。キュウリ、イチゴ、夏大根、柿などの園芸品目は、全農岐阜による販売が中心で、中京圏のシェアが約六割と高いそうです。同じ園芸品目でも、トマト、ホウレンソウ、枝豆のように、関西のシェアが約五割と高くなっているものもあるそうです。

 これまでの本県農畜水産物の販路拡大やブランド力向上への取り組みは、アジアを中心とした海外向けや、国内については首都圏や関西圏に向けた取り組みに力点が置かれていたと感じています。今後は、輸送コストの低さ、食文化の類似性や岐阜県に対する認知度の高さを考えて、名古屋市を初めとした中京圏にもっと目を向けてはどうでしょうか。これまでに確立してきたブランド力を利用しながら、中京圏のマーケット調査や市場ニーズを把握して、出荷額と対象品目の拡大に向けた戦略が必要だと考えます。

 そこで、農政部長に一点目のお尋ねをします。

 農産物の販路拡大を行う上で、中京圏は大きな可能性を秘めた魅力的な市場の一つと考えますが、今後、県はどのような取り組みをお考えでしょうか。

 次に、本県農畜水産物の中京圏向けアンテナショップとも言える清流の国ぎふ産直市場「ジ・フーズ」についてお尋ねします。

 ジ・フーズは、岐阜県産農業六次産業化商品のテストマーケティングと県産農畜産物の販路拡大のために、名古屋市栄のオアシス21にて運営されています。平成二十六年八月に開設され、平成二十八年一月に一旦閉店後、五月にリニューアルオープンしたところです。

 私も先日行ってまいりましたが、店舗は木目調の内装と陳列棚を設置し、グリーンの配色で岐阜県らしい温かみのあるイメージで統一されていました。

 現場において、店長から店舗運営について生の声を聞くこともできました。オアシス21の顧客層は二十代から四十代の女性が多いようですが、ジ・フーズの顧客は五十代以上の主婦層が多く、お値打ちな新鮮野菜がお目当てで来店される方が多いようです。オアシス21での出店メリットを生かすためには、もう少し若い世代の方々をターゲットにした取り組みや、岐阜の六次産業化商品の戦略的な販売が必要なのではないかと感じました。

 そこで、農政部長に二点目のお尋ねをいたします。

 中京圏の販路拡大の拠点とも言える清流の国ぎふ産直市場「ジ・フーズ」の成果と課題についてどのように分析されているのでしょうか。それを踏まえて、今後どのような取り組みを計画しているのでしょうか。

 次に、ことしで第三十回を迎える農業フェスティバルについて、御提案も含めてお尋ねをいたします。

 農業フェスティバルは、岐阜県農業の現状と将来について広く県民にPRするとともに、米を初め地域特産物や加工食品の消費拡大等を通じて本県農業の一層の活性化を図るという趣旨で開催をされています。昭和六十年に始まってから年々盛大になっており、昨年は十八万一千人が来場され、七千百八十万円もの売り上げがあった一大イベントです。実行委員会組織で運営されていますが、その事業予算が二千五百万円ということを考えると、費用対効果の大きさ、認知度の高さ、来場者の満足度の高さにおいて、すばらしいイベントだと思います。

 会場は第一回以来、駐車場も含めた県庁の敷地と近隣施設を活用して行われており、大きな事故もなく継続して開催されています。しかしながら、最短で平成三十四年度供用開始をめどに県庁再整備が計画されており、それに伴う工事期間中は、従来どおりの開催はできなくなることが想定をされます。庁舎の建てかえのスケジュールを考えると、開催方法を早急に再検討しなければならない時期に来ているのではないでしょうか。

 ここで一つ御提案をさせていただきます。

 まずは農業フェスティバルの趣旨について、県民へのアピールにとどまるのではなく、岐阜県の食のフェスティバルとして近隣県、特に名古屋からの集客を目指した企画をしてはいかがでしょうか。そして、開催場所については、公共交通機関の利便性や県外からの誘客を考えて、岐阜駅周辺から柳ケ瀬のアーケード街、そして司町にあるJA岐阜本店あたりまでを広く活用した開催を検討してはいかがでしょうか。駐車場も民間駐車場が十分ありますし、天候のリスクもアーケードによってかなり回避できる上に、まちの活性化やにぎわい創出にも大きく寄与すると考えます。中京圏に向けた本県農畜水産物の大きな宣伝も目的の一つに掲げる農業フェスティバルの開催を、ぜひ前向きに御検討いただきたいと思います。

 そこで、農政部長に三点目として二点お尋ねをいたします。

 まず一点目は、農業フェスティバルについて、開催趣旨や開催場所、開催方法の見直しの必要性について、県としてのお考えや今後の方針について御答弁願います。

 次に、二点目として、農業フェスティバルという一大イベントに、県外からより多くの誘客を目指すことについてどのように考えられるでしょうか、具体的に御答弁願います。

 次に、農業の六次産業化についてお尋ねします。

 農業の六次産業化の推進は、農産物のブランド力を向上する上で有効な手段であり、農業者の所得向上に不可欠な取り組みだと思います。これまでの県の取り組みの成果で、六次産業化に新たに取り組む事業者は着実に増加しており、開発された加工食品数は平成二十七年度で百四十八品目になっていると伺っています。

 また、最近は、産学官金連携の流れの中で、県内の金融機関も農業に対して積極的に取り組んでいます。例えば十六銀行は、株式会社農林漁業成長産業化支援機構と共同で、六次産業化を支援する地域ファンド、じゅうろく六次産業化ファンドを設立されました。また、大垣共立銀行は、野菜や米などの生産、加工、販売までを手がけて、農業の六次産業化を目指すOKB農場を開設されました。その農場運営や農作物栽培は障がい者施設の利用者が担っており、県が取り組む障がい者の農業参入事業の事例となりました。私の地元、各務原市では「廃棄人参を救え!ジェットニンジンプロジェクト発進!!」という、規格外にんじん活用プロジェクトを、クラウドファンディングの手法で岐阜信用金庫が支援している事例もあります。

 他方で、六次産業化事業者の中には、魅力的な商品開発や販路開拓が十分に行えず、開発した商品が所得向上に結びついていないケースも少なからずあるようです。行政の支援に加え、金融機関、大学からの資金面や技術面の課題改善のための協力やアドバイスは、今後ますます必要になるのではないでしょうか。

 そこで、農政部長に四点目のお尋ねをいたします。

 六次産業化による農産物のブランド化を進めていく上で、産学官金連携のように新しいアプローチがより一層必要になってくると考えていますが、県では今後どのように取り組んでいかれるのでしょうか。

 次に、大きく二項目めとして、障がい者の就労支援と雇用の拡大に向けた取り組みと施策についてお尋ねします。

 この件については、昨日、きょうと各会派の代表質問の質問に対して、知事から四期目の政策として積極的に取り組む御答弁があった件でございますが、各部署の担当部長に対して御質問をさせていただきます。

 初めに、特別支援学校における就労支援の現状と課題について、教育長に三点お尋ねいたします。

 県では、特別支援学校における職業教育をより高度で専門的にするために、平成二十九年四月に岐阜清流高等特別支援学校を新設予定です。この学校は、知的障がいの程度が軽度の生徒を対象とした高等部単独の特別支援学校であり、職業教育に特化した教育を行う学校として開校されます。専門教科の専門コースとして、工業、園芸、食品、ビジネス情報、福祉、ビルクリーニングを、そして必修専門コースとして喫茶サービス、ロジスティックスを設置すると聞いています。今議会の議案にも、学校と企業の連携を深めて就労支援体制を整備する目的で就労支援コーディネーターを設置するための補正予算が上程されています。

 岐阜清流高等特別支援学校において、専門的な知識や技能習得について現状よりレベルの高い授業を行うためには、指導する教員の専門性を高めることや、コースに関連した企業等からの技術指導支援が必要ではないかと考えます。

 現在行われている職業教育に関連する連携の一例を紹介いたします。

 平成二十二年七月に、岐阜県ビルメンテナンス協会と岐阜県教育委員会が特別支援学校の就労支援に関する協定を結びました。これに基づき、協会が指導教本を制作し、協会加盟各社が県内各地の特別支援学校においてビルクリーニング授業の講師や実習授業を行い、卒業した多くの生徒の雇用受け入れを行っています。あわせて、教員のスキルアップ指導もしています。

 こうした連携の成果もあって、県内の特別支援学校の生徒が、ぎふアビリンピックと称する県障がい者技能競技大会におけるビルクリーニング部門に出場して、優秀な成績をおさめているそうです。こうした大会の出場経験を生かして、資格取得や技能試験に挑戦する生徒たちが毎年業界に就職して活躍していることは、大きな成功事例だと思います。

 来春開校する岐阜清流高等特別支援学校において新しく設置される各コースが、それぞれに関連する協会や団体とより一層連携することで、授業内容が充実し、生徒が就労につながる技能や技術を習得できることを期待します。また、人口減少や少子化によって人材確保で苦境に立っている県内中小企業に求められる人材を送り出す職業教育を実践していくことが、岐阜清流高等特別支援学校の大きな役割になってほしいと思います。

 そこで、教育長に三点お尋ねします。

 一点目に、今までの特別支援学校での職業教育や就労支援についての取り組みと課題について、どのように捉えられているのでしょうか。

 二点目に、新たに設置される岐阜清流高等特別支援学校の選択コースで資格取得や技能試験などに対してより専門性の高い指導をしていくために、企業や関係団体とどのように連携していくのかをお聞かせください。

 三点目に、高等特別支援学校における職業教育に関して、主な就職先となる県内企業のニーズにマッチさせるための情報収集など、商工労働部を初めとした他部署との連携についてもお答え願います。

 次に、障がい者福祉就労の拡大に向けた施策について、健康福祉部長にお尋ねいたします。

 国においては、国や地方公共団体等が率先して障がい者就労施設等からの物品等の調達を推進するよう、必要な措置を講じることが定められた障害者優先調達推進法が、平成二十五年四月一日から施行されました。

 これを受けて、本県においては岐阜県障害者優先調達推進方針が策定され、これまでの障がい者支援施設等に加えて、特例子会社や重度障がい者多数雇用事業所に対する優先的な発注が可能となりました。特例子会社とは、障がい者の雇用の促進及び安定を図るため、事業者が障がい者の雇用に特別の配慮をした子会社を設立し、一定要件を満たす場合には、特例としてその子会社に雇用されている労働者を親会社に雇用されているものとみなして実雇用率を算定できる制度です。

 岐阜県障害者優先調達推進方針では、具体的な数値目標も示されています。平成二十八年度の調達目標額を物品で九百万円、役務で一千四百万円としています。物品の購入については、現在行われている福祉施設や福祉事業所からの購入金額を今後より一層拡充することを期待します。他方で、役務の調達については、調達先の対象が限られておりますので、これをもう少し拡大して数値目標を増額すべきだと考えます。

 そこで、健康福祉部長にお尋ねいたします。

 障害者優先調達推進法の施行を受けて、県としての取り組み状況はどのようになっているのでしょうか。あわせて課題についても御答弁願います。

 次に、特別支援学校との連携や卒業後の生徒の就労に対するバックアップ体制と、障がい者一般就労の雇用拡大について、商工労働部長にお尋ねします。

 県では昨年四月に障がい者雇用企業支援センターを新設し、企業の障がい者雇用管理に関するサポートや職場適応援助者と呼ばれるジョブコーチの養成を実施してきました。障がい者雇用に関しては、企業を含めた社会全体の認識も徐々に高まっていることや、行政による支援もあって、法定雇用率二%を達成している企業は前年度より六十九社増加し、七百五十七社になりました。

 さらに県では、平成三十一年には(仮称)岐阜県障がい者総合就労支援センターを開設して、就労支援機能、訓練機能、定着支援機能という三つの機能を備えて、障がい者の就労支援をより一層拡充すると伺っています。

 特別支援学校の生徒に対する卒業後の就労支援やバックアップは、多忙をきわめる特別支援学校の教員による対応では限界があり、新設される岐阜県障がい者総合就労支援センターと学校との連携や情報交換が重要であると考えます。在学中から卒業後までの一貫した職業教育と就労支援の体制が構築されること、就職後の離職を防ぐとともに、万一離職した場合のバックアップ体制が構築されることを期待します。

 そこで、商工労働部長にまず二点お尋ねをいたします。

 一点目は、障がい者の雇用の受け皿となっている企業に対する支援の状況、ジョブコーチの育成についての現状はどのようになっており、どのような課題があるのでしょうか。

 二点目は、新設される岐阜県障がい者総合就労支援センターは、障がい者の就労に向けて、どのような方針で具体的な取り組みを行い、特別支援学校との連携をどのように構築していこうとしているのでしょうか、お答え願います。

 続いて、障がい者一般就労の雇用拡大についてお尋ねをいたします。

 障がい者の雇用を拡大するためには、障がい者への職業訓練の充実と、雇用する企業に対するきめ細かなフォローアップも大切ですが、障がい者の雇用に積極的な企業の業績向上こそが雇用の拡大に直結していくのではないかと考えます。

 先ほど健康福祉部長にお尋ねした岐阜県障害者優先調達推進方針は、調達対象先が限定的であるため、障がい者の福祉的就労支援の効果は期待できますが、一般就労の雇用拡大支援としては十分ではありません。また、大企業の少ない岐阜県においては、障害者優先調達推進法の調達対象先に該当する特例子会社の数は限られているのが実情です。

 障がい者雇用についての意識や必要性は、企業によってかなり温度差があり、それが法定雇用率二%を達成できていない企業と法定率以上に雇用している企業の差であると思います。障がい者雇用に積極的な企業や法定雇用率以上に障がい者雇用をしている中小企業に対し、行政がさまざまな契約を発注するなど、より意識的に受注の機会を創出していけば、障がい者の一般就労の雇用拡大につながるのではないでしょうか。アイデアベースではありますが、例えば、特別支援学校の維持管理業務を委託する際、当校の卒業生を活用する旨を契約の仕様書に盛り込むことなどは考えられないでしょうか。あるいは、県営公園の植栽管理や県有建物の清掃業務に障がいのある方による役務を条件として仕様書に盛り込むことで、障がい者雇用に配慮する県の姿勢をより一層強く示してはどうでしょうか。県庁の各部局が担当業務において、障がい者一般就労の役務としてどのような仕事の創出が可能なのかを見つけ出して、検討しながら仕組みを構築することで、岐阜県らしい取り組みを打ち出してほしいと思います。

 そこで、商工労働部長にお尋ねします。

 障がい者一般就労拡大に向け、県が契約の発注者として障がい者の役務を創出していくための新たな取り組みについて、お考えをお聞かせください。

 障がいのある方々が生き生きと働いて自立できる環境づくりのために、部局横断で積極的な取り組みをお願いして質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

    (拍手)



○議長(矢島成剛君) 農政部長 高木敏彦君。

    〔農政部長 高木敏彦君登壇〕



◎農政部長(高木敏彦君) 県内の農畜水産物の販路拡大とブランド化について五点御質問をいただいております。

 まず、中京圏における農産物の販路拡大についてお答えをします。

 中京圏は、名古屋市など大消費地を抱え、県内各産地からの距離が近く、輸送コストを抑えられることから、販路拡大において魅力のある地域であります。また、海外からのインバウンドが好調であり、将来的にはリニア中央新幹線の開業も控えるなど、国内外からの交流人口の増加が見込まれる重要な市場であると考えております。このため、これまで関西市場を中心に出荷しております夏秋トマトやホウレンソウ、枝豆につきましても、中京圏でのPRのため、先月には名古屋市内の大型量販店において飛騨・美濃実りのフェアを開催したところでございます。

 今後、来月の十一月には、名古屋市内で愛知、岐阜、三重、静岡などの量販店バイヤー向けの食と農の大商談会に参加することとしており、中京圏における県産農産物の取扱量拡大にさらに力を入れてまいります。

 次に、ジ・フーズの成果と課題及び今後の取り組みについてお答えをします。

 現在、名古屋市内において出店しておりますジ・フーズでは、約百二十事業者、六百二十アイテムの商品を取り扱っております。その中で、山県市の黒ニンニク業者の方は、積極的に対面販売を行った結果、ジ・フーズで取り扱う前と比較いたしまして名古屋市内の顧客数は七倍に、黒ニンニクの年間売上は二倍となっております。

 また、恵那市でトマト、桃のジュースやジャムなどを生産する果樹農家の方は、ジ・フーズでのテスト販売におきまして顧客の方からいただいた意見を取り入れ、先月にトマトケチャップのラベルデザインを一新したところ、デザインを変える前と比較いたしまして売り上げが三倍に伸びたと聞いております。

 一方、ジ・フーズでは、主婦層を中心に一定の顧客を確保しておりますが、さらに売り上げを伸ばすためには、若い世代へのアプローチも重要と考えております。今後は、地元に隠れた魅力ある商品の発掘を行うとともに、スイーツフェアなど若者をターゲットにしたイベントも開催をしてまいります。

 次に、農業フェスティバルについて御質問をいただいております。

 まず今後の開催方針についてお答えを申し上げます。

 今月二十二日と二十三日に開催する農業フェスティバルは、およそ三百団体の出展があり、五百小間、テント二百五十張り分の出展スペースを必要としております。また、民間団体の協力も得て、県庁周辺に四十六カ所、四千六百台分の無料駐車場を確保するとともに、駐車場と会場を結ぶシャトルバスを四台運行し、来場者の利便性を確保しているところでございます。

 県庁舎建てかえ工事のスケジュールを考慮しますと、来年度は現在の場所での開催が可能であると考えておりますが、平成三十年度以降しばらくの間は、現在の場所で同規模のフェスティバルの開催は困難であると考えております。議員御提案の柳ケ瀬周辺や、大規模イベントの開催が可能な岐阜メモリアルセンター周辺など幾つかの開催候補地につきまして、開催運営上のメリット・デメリットを検討しまして、年度内をめどに今後の開催方針を決定したいと考えております。

 次に、農業フェスティバルにおける県外からの誘客の取り組みについてお答えをします。

 農業フェスティバルは、県内はもとより県外に対しましても岐阜県の食と農業をアピールする絶好の機会と考えております。しかしながら、来場者アンケートから見ますと、県外からの来客は愛知県を中心に全体のおよそ一割程度にとどまっている状況にあり、今後、県外でのPRが必要と考えております。このため今回の開催に当たり、既にジ・フーズにおきましても農業フェスティバルのポスターを掲示し、開催をPRしております。また、今週末から農業フェスティバルとタイアップした県産の野菜と果物を販売するフェアをジ・フーズで開催することとしており、今後ともより多くの県外からの誘客を目指してまいります。

 最後に、産学官金連携など六次産業化の取り組みについてお答えをします。

 農産物の加工品を開発するに当たり、加工技術や衛生管理技術の開発が可能な大学や、資金の調達先である金融機関と連携することは、非常に有効であると考えております。例えば、下呂市では、こんにゃく生産者が岐阜大学と技術連携するとともに、地元金融機関からは資金や経営面での支援を受け、解凍しても食感を損なわない新しい冷凍用コンニャクを商品化しており、現在、この商品は大手コンビニチェーンのおにぎりの材料として使われております。

 今後は、こうした商品開発だけでなく、販路開拓のために、大学や高校と連携して、ネーミングやパッケージデザインなど、魅力的な商品づくりのための検討会を開催するとともに、金融機関と連携した模擬商談会や商品の魅力を伝えるプレゼンテーションの研修を開催するなど、産学官金連携による六次産業化の取り組みを進めてまいります。



○議長(矢島成剛君) 教育長 松川禮子君。

    〔教育長 松川禮子君登壇〕



◎教育長(松川禮子君) 障がい者の就労支援と雇用拡大について、三点御質問がありました。

 初めに、特別支援学校での職業教育や就労支援の取り組みと課題についてお答えします。

 平成二十二年に立ち上げた「働きたい!応援団ぎふ」については、登録企業がこの五年間で八十社から七百七社へと拡大し、多くの企業に実習の受け入れや雇用等の御協力をいただき、多くの卒業生の企業就労につなげてまいりました。しかし、就労先が製造業中心からサービス業へも広がったことに対して、教員の専門性が十分対応できていないこと、これを補うため、企業からの講師派遣については企業の厚意に頼るところが大きく、派遣回数を確保できていないこと、また生徒の特性や能力を企業に十分伝え切れていないこと、さらには企業のニーズを教育内容に必ずしも反映できていないことなどに課題があると考えております。

 次に、企業や関係団体との連携についてお答えします。

 先ほど申し上げた課題を踏まえ、現在、開校に向け専門教科担当教員の専門性を高めるため、ビルクリーニングコース以外にも、福祉コースでは老人福祉施設で、喫茶サービスではホテルの喫茶部門でホテルマンから接客マナーを学んだりしています。また、現在は岐阜県ビルメンテナンス協会には、特別支援学校高等部において無償で技術指導していただいておりますが、今後、高等特別支援学校においては経費負担のあり方を見直すとともに、内容の高度化や回数の増加を図り、一層連携を深めてまいりたいと考えております。さらに他の専門コースについても、企業等が所属する関係団体や協会を窓口に、こうした協力関係を広げてまいります。

 最後に、就労支援などの部局間の連携についてお答えします。

 岐阜清流高等特別支援学校においても、ハローワークや障がい者就業・生活支援センター、協力企業等で構成する就労支援ネットワーク会議を設置し、実習で行う作業内容や就労に向けた課題など、生徒一人一人に応じた支援のあり方について検討していきます。

 あわせて、企業に対して当校生徒の特性や能力を伝えたり、障がい者を雇用する体制の整備を働きかけたりする就労支援コーディネーターや、実習先との調整を行ったり、卒業後の定着支援を行ったりする進路指導専門職員を配置することとしており、企業のニーズを的確に把握し、教育内容に還元する機能を強化してまいります。

 現在、県教育委員会が事務局となって、商工労働部、健康福祉部、労働局や企業とキャリアアップ推進委員会を設置し、就労支援の方策を検討しています。今後は、この委員会を拡充し、専門コースに関連する企業も委員として参加していただき、企業の声を関係部局に直接伝える機会とすることで、企業ニーズが県の施策に反映していけるよう努めてまいります。



○議長(矢島成剛君) 健康福祉部長 尾藤米宏君。

    〔健康福祉部長 尾藤米宏君登壇〕



◎健康福祉部長(尾藤米宏君) 障害者優先調達推進法の施行を受けた県の取り組み状況と課題についてお答えいたします。

 この法律に基づく県の調達実績は、二十五年度が七百八十七万円、二十六年度が一千百三十一万円、二十七年度が二千百四十三万円と伸びてきております。特に昨年度大きく伸びた要因は、障がい者総合相談センターの清掃業務や自動車税事務所のデータ入力業務など、役務の調達額が一千万円以上伸びたことによるものです。このうち障がい者総合相談センターの事例は、県立の庁舎の清掃業務を初めて障がい者就労支援事業所が受注したものです。従来、小規模な事業所による大口の受注は困難でしたが、県社会福祉協議会に設置しました共同受注窓口が五つの事業所を取りまとめることにより、受注することが可能となったものです。

 今後の課題としては、安定した収入が得られる役務の調達の拡大が必要であると考えております。このため、事業所に対しては清掃業務など役務のサービス内容の向上に向けたセミナーの開催や専門アドバイザーの派遣などを行うとともに、庁内各部局に対しては、共同受注窓口の活用など優先調達の一層の推進を徹底してまいります。



○議長(矢島成剛君) 商工労働部長 河合孝憲君。

    〔商工労働部長 河合孝憲君登壇〕



◎商工労働部長(河合孝憲君) 三点のお尋ねがございました。

 最初に、企業に対する支援とジョブコーチの育成状況についてお答えをいたします。

 まず、企業への支援につきましては、昨年開設した障がい者雇用企業支援センターにおいて、障がい者雇用の受け入れ体制のアドバイスや合同面接会、先進的な雇用事例の見学会などのサポートを行っております。

 また、障がい者の職場定着には、ともに働く従業員の理解が重要であり、平成二十六年度から職場での調整役を担うジョブコーチの養成を進めております。この二年間で三十三名の方が研修を終え、現在、各企業の現場で御活躍をいただいております。

 一方で、障がい者雇用の推進には、企業経営者層の意識の涵養が何よりも重要ですが、企業によって温度差があるのが実態でございます。このため、企業トップを対象にしたセミナーを開催するなど、引き続きその啓発に力を入れてまいります。

 次に、岐阜県障がい者総合就労支援センターの就労支援と特別支援学校との連携について、お答えをいたします。

 当センターでは、身体、知的、精神、発達の全ての障がい者を対象に、IT、介護、経理等の訓練を行うとともに、先ほどの障がい者雇用企業支援センター機能を移管・拡充するなどにより、相談等の就労支援、就労後の定着支援まで、総合的な支援体制を整備してまいります。

 また、特別支援学校との相互の連携に向けては、現在も各圏域に特別支援学校との連携を担う障がい者雇用開拓員を配置し、雇用や実習先の開拓、生徒や卒業生の職場定着支援を行っておりますが、センター開設後は、これらを各圏域のブランチと位置づけ、引き続き情報共有を図りながら、継続した切れ目のない支援に取り組んでまいります。

 最後に、障がい者の役務を創出するための取り組みについてでございます。

 本県では、平成十四年度から、障がい者雇用率四%以上の企業を対象に、百六十万円以下の物品や百万円以下の役務を優先的に調達できるハート購入制度を独自に設けており、昨年度は、前年に比べて二十件増の六十七件、調達額は四百六十五万円となっております。庁内の各部局に対しては、引き続き本制度を徹底するとともに、新たに障がい者雇用創出につながる発注事例や手法を紹介する研修会を開催するなど、県政の各分野での取り組みをさらに促してまいります。

 また、制度創設から十年以上が経過し、登録事業者数、調達実績ともさらなる拡大が望まれる中、今後、本制度の改善・見直しも視野に関係者との協議も進めてまいりたいと考えております。



○議長(矢島成剛君) 三十六番 村下貴夫君。

    〔三十六番 村下貴夫君登壇〕(拍手)



◆三十六番(村下貴夫君) 議長のお許しをいただきましたので、通告により今回は大きく三つの項目について質問いたします。

 最初に、県営都市公園の活性化について二点質問いたします。

 このテーマにつきましては、前回、前々回の定例会での県政自民クラブの代表質問においてもされておりますが、その後も鋭意検討が進められ、先月二十七日に開催されました第五回都市公園活性化懇談会において、岐阜県都市公園活性化基本戦略策定に向けた有識者の意見がおおむねまとまったと聞いております。

 また、今回の補正予算を見てみますと、新規事業として県営都市公園の活性化の推進が上げられており、県単独事業として公園の魅力向上や老朽化対策に十四億円の金額が計上されています。

 こうした状況から、都市公園の活性化に向けては、戦略策定の面でも具体的な事業推進の面でも、大きな節目を迎えていると考えられますので、今回改めてお聞きしたいと思います。

 さて、今回、活性化の対象となる養老公園、花フェスタ記念公園、平成記念公園、世界淡水魚園の四公園は、いずれも単独で年間三十万人以上を集客しており、昨年度の来園者数が合計六百五十万人を超えるなど、県内屈指の誘客力を誇り、各地域の重要な観光拠点となっています。

 その一方で、ここ十年間の推移を見てみますと、世界淡水魚園を除く三公園については来園者数が減少傾向にあり、一昨年度の合計が平成十八年度の六五%と全体的に利用者が伸び悩んでいます。

 昨年度は「花フェスタ二〇一五ぎふ」の成功により、花フェスタ記念公園の来園者数が倍増し、見事にV字回復をいたしましたが、今後の人口減少等を踏まえると、現状のままでは長期的な減少傾向が続くと考えます。

 その背景として、三公園はそれぞれ個別の懸案事項を抱えており、施設の老朽化や展示のマンネリ化など、共通する課題も多くあります。もちろんこの間、県は指定管理者制度の導入や四公園の周遊促進など、さまざまな改善策を行ってきておりますが、公園施設の維持管理に軸足を置き過ぎることで、都市公園の観光資源としての高いポテンシャルや地域の核としての存在意義を十分に意識し、戦略的な観点から公園を生かしてこなかったのではないかと思います。加えて、近年における外国人観光客の急増や観光スタイルの変化、インターネット、SNSの急速な普及など、新たな時代への対応も急務となってきています。今後の公園の運営に向けては、コンセプトやターゲット、活性化に向けたビジョンを改めて明確にする時期に来ていると思います。

 また、活性化を図る上では地域との連携が鍵となります。公園に限った話ではありませんが、地域に愛される施設でなければ、再生に向けた取り組みが成功するのは難しいのではないでしょうか。活性化においては、地域住民や地元団体を巻き込みながら、その魅力を再構築することが不可欠だと考えます。

 県では、本年一月に幅広い分野の有識者や地元市町の首長から構成される岐阜県都市公園活性化懇談会を設置し、基本戦略の策定に向けて議論を重ねてこられました。その際の議事要旨を拝見いたしましたが、委員からは非常に鋭く、かつ忌憚のない意見が出されるとともに、今後の方向性に関する熱心かつ建設的な意見が交わされておりました。古田知事も毎回出席され、積極的に発言されるなど、活性化にかける並々ならぬ熱意を感じました。都市公園の活性化に向けた県の主導的な役割を期待しています。

 そこで一点目として、知事にお尋ねします。

 今後の都市公園の方向性を決める岐阜県都市公園活性化基本戦略が間もなく策定されると聞いておりますが、この基本戦略の考え方と今後の取り組みについてお伺いします。

 二点目として、私の地元である養老公園の活性化について質問いたします。

 来年はいよいよ養老改元一三〇〇年祭が開催されます。養老改元は、今から約千三百年前の奈良時代、西暦七百十七年に養老の地を訪れ、当地の美泉が持つ若返りの効能に感心された女帝元正天皇が、元号を「霊亀」から「養老」へと改元されたことに由来しています。そして、このことは滝の水がお酒になったという有名な孝子伝説の起源になるとともに、町の成り立ちに強い影響を与え、養老町は元号を町名として取り入れる数少ない自治体の一つとなりました。そして、養老改元一三〇〇年祭は、こうした養老町の歴史的経緯を踏まえて、「時を超えて息づく親孝行と若返りのふるさと」を事業テーマに、「きずな・歴史・自然・健康」の四つのキーワードを掲げ、来年三月二十日から十二月二十三日までの約九カ月間にわたり開催されます。

 ここで、少し一三〇〇年祭の紹介をさせていただきますと、春は養老自然回廊として三月二十日にオープニングセレモニー、四月には自然探訪ウオーキング、夏には養老夢幻回廊として、孝子伝説に由来した能の演目等を舞う養老薪能、秋には養老歴史回廊として、元正天皇の行幸行列を再現する一三〇〇年祭歴史絵巻、養老の滝ひょうたんイルミネーションや肉フェスなど、養老町の四季折々の自然を舞台に多彩なイベントが開催されます。ぜひ多くの皆様に何度でも御来園、御来場いただきたいと思います。

 そして、春のオープニングイベントを初め、夏の養老薪能、秋のメーンイベントの舞台となり、一三〇〇年祭の中心的な会場となるのが養老公園であります。

 養老公園の歴史は古く、開園は明治十三年にさかのぼります。明治十三年といえば、西郷隆盛の西南戦争からわずか三年後であり、武士の精神が色濃く残る明治初期の時代から、庶民の遊び場、憩いの場として、百三十年以上の長きにわたり多くの人々に親しまれてきました。

 園内には、孝子伝説発祥のシンボルで日本の滝百選の名瀑「養老の滝」と名水百選の「菊水泉」。養老の滝に至る滝谷周辺の景観は「飛騨・美濃さくら三十三選・紅葉三十三選」にも選ばれています。このほか、荒川修作氏による養老天命反転地や岐阜県こどもの国など、自然と芸術、スポーツ施設を備え、幅広い層に楽しんでいただけます。しかしながら、先ほども申し上げましたとおり、養老公園の利用者数は平成二十一年度に百二十一万人を記録したものの、ここ五年間は百万人を下回り、伸び悩んでいます。

 こうした中で迎える養老改元一三〇〇年祭は、養老公園の活性化に向け、起爆剤となる絶好の機会と言えます。一三〇〇年祭のPRやさまざまなイベントの開催を通じて、多くの集客が期待できますし、この機会を捉え、来園者の方々に公園の魅力を体感していただくことで、リピーターの獲得にもつながり、県としても養老改元一三〇〇年祭を追い風に、養老公園の活性化を一気に加速させる必要があるのではないでしょうか。

 また、養老公園の活性化に当たっては、公園単独ではなく、より広域的に公園を含めたエリア全体を生かす視点が求められます。その一つが、養老鉄道との連携であります。

 養老鉄道の養老駅は、公園入口まで徒歩約十分の好立地にあります。うまく乗り継げば、JR岐阜駅から約四十分。JR名古屋駅や四日市駅からでも、約七十分で到着いたします。このように電車を利用される方のアクセスも比較的よいと思われますが、現在は来園者の多くが車を利用し、春・秋の行楽シーズンには頻繁に渋滞が発生していますが、渋滞解消の面からも養老鉄道との連携は極めて効果的であると考えられます。

 また、養老鉄道で好評な薬膳列車は、養老公園の歴史から示唆される健康、若返りのイメージに合いますし、養老鉄道のサイクルトレインを利用し、沿線周辺のサイクリングから公園を訪れていただくルートも考えられます。養老公園と養老鉄道、冠は同じ養老でわかりやすく、ストーリー性もあり、相乗効果が十分に見込めるのではないでしょうか。

 養老鉄道については、本年三月に公有民営方式での存続が決まりましたが、あくまで当面の課題が解決しただけであり、利用者が減少すれば、沿線自治体の負担がふえ、存続問題が再燃しかねません。観光面での養老鉄道の活用は、非常に大きな意味があると思います。

 さらに、公園周辺の観光資源との連携も求められ、過去にも質問させていただきましたが、西美濃地域には多くの観光資源があり、養老公園と関ケ原古戦場、ユネスコ無形文化遺産登録を目指す大垣祭の●〔車へんに山〕行事やお千代保稲荷など、公園周辺の観光施設を広域的につなぐことで、養老公園を核に周遊性が高まり、観光客の滞在時間の増加が期待できます。

 現在、養老鉄道の養老駅を中心とした周辺地域は道路整備が進みつつあり、それによって交通アクセスの改善が大幅に図られると思われます。関ケ原古戦場では、グランドデザインのもと再整備が進み、着実に成果が上がってきていますが、例えば関ケ原のように養老駅周辺を整備し、駅前に観光交流拠点を設けることで、観光案内や県産品販売とともに、県内各地につながる広域観光の発着点として活用してはいかがでしょうか。

 来年度には、東海環状自動車道の養老インターが開通予定となっています。また、西回りルートの完成時には交通アクセスが飛躍的に向上し、人の流れも大きく変わると予想されます。二〇二〇年には、養老公園開園百四十年を控えています。来るべき時期に備え、養老公園を含めた広域観光ルートを構築しておく必要があると考えます。

 そこで、知事にお尋ねします。

 養老公園の活性化に当たっては、来年の養老改元一三〇〇年祭の開催や養老鉄道、公園周辺の観光資源との連携を積極的に図る必要があると考えますが、今後どのように取り組みを進められるのか、お伺いいたします。

 次に、クルーズ船からの観光誘客拡大に向けた取り組みについて質問いたします。

 昨年の訪日外国人旅行者数は、過去最高の一千九百七十四万人となり、初めて一千万人を突破した平成二十五年からわずか二年で一気に倍増する結果となりました。中でも、クルーズ船による外国人観光客の増加は著しく、昨年の実績は百十二万人と過去最高を記録し、前年比二・七倍、平成二十五年からは約六・五倍と驚異的な伸びを示しています。世界的なクルーズ人気の高まりは、海洋国日本にとって大きなチャンスであると言えます。

 こうした流れを受け、国は本年三月、二〇二〇年までに外国人旅行者数を四千万人に倍増する新たな目標を決定いたしました。そして、クルーズ船については、その八分の一に当たる五百万人の大胆な目標を掲げています。実際、今回の安倍内閣の経済対策でも、大型クルーズ船の寄港に対応した港湾整備が重要項目に位置づけられており、国としても本腰を入れ始めています。

 クルーズ船の誘致といいますと、海なし県には難しいのではと思われるかもしれませんが、大型クルーズ船の停泊には、水深や港湾施設など一定の条件が必要となり、実際に寄港する港は限定されます。全国的には博多や長崎が上位にあり、この近辺では主に名古屋港や金沢港となります。つまり、海や港があっても、寄港できなければクルーズ船による観光に関しては海なし県と同じ条件であり、その意味では本県が特に不利なわけではありません。

 むしろ重要なのは、寄港先からの距離であります。現状、クルーズ船からの観光は日帰りに限定されており、観光先は港から片道一時間半圏内に制約されています。そして、名古屋港や金沢港を前提とすると、高速道路を利用すれば、県内の多くの地域が対象となり、今後の東海環状自動車道の全線開通を想定すると、可能性はさらに広がりますし、海なし県であっても十分に地の利があるということになります。

 本県は昨年、内陸県として初めて全国クルーズ活性化会議に加盟しました。また、クルーズ船の誘致に向けて、石川県との連携や名古屋港での観光PR等も行っており、その先見性は大いに評価したいと思います。しかしながら、昨年の県への誘客実績は、主に金沢港から白川郷行きの観光ツアー客約千人とのことであり、名古屋港から県内への観光ツアーは現在のところ行われていないともお聞きしています。

 名古屋や金沢から一時間半圏内には、清流長良川に代表される豊かな自然や景観、関ケ原古戦場などの歴史的遺産、美濃和紙や地歌舞伎等の伝統文化、飛騨高山の古い町並みがあり、食の面でも飛騨牛やアユなど、外国人観光客に訪れていただくための資源は十分にあると思います。先ほどもお話ししましたが、西美濃地域にも多くの観光資源があり、養老の滝を中心とした養老公園から飛騨牛をメーンに焼肉街道をめぐるツアーも可能性が高いと思います。

 いずれにしても、現状の打開には、クルーズ船からの観光プランの作成や船会社等への提案・PRなど、具体的な取り組みを進め、県内への実績を積み重ねるしかありません。また、誘客に当たっては、港を要する隣県との連携が不可欠となりますし、県内へのアクセス強化という点で、名古屋港から東海北陸自動車道に一直線につながる一宮西港道路の建設促進など、インフラ整備への支援も考慮する必要があります。

 ことしは同じ内陸県の奈良県が新たに全国会議に加盟しました。他県もクルーズ船の可能性に着目し始めており、国の施策とも相まって、今後は同様の動きがふえてくると思います。さらに先手を打つためには、誘客に向けた取り組みを加速させる必要があると考えます。

 そこで、観光国際局長にお尋ねします。

 本年六月、名古屋港に初寄港したクアンタム・オブ・ザ・シーズの乗客定員は四千百八十人であり、クルーズ船から県内への誘客が実現すれば、観光の基幹産業化を目指す本県にとって大きな効果があると考えます。クルーズ船からの観光誘客拡大に向けて、具体的にどのような取り組みを進められるのか、お伺いします。

 最後に、熊本地震を踏まえた防災対策の強化について質問いたします。

 このテーマの論点は、多岐にわたり昨日も質問されておりますが、私は初動期における避難所運営の円滑化と耐震化の促進の二項目に絞り質問いたします。

 今回の熊本地震は、一連の地震動で震度七を二回記録するなど、過去に例のない地震となり、その対応においても、行政庁舎の倒壊や車中泊など、想定外の事態が続発し、自助・共助・公助の面でさまざまな課題が浮き彫りとなりました。

 特に、避難所運営をめぐっては、配慮が必要となる方への対応や衛生面での対策など、多くの改善点が明らかとなりましたが、中でも重要な課題の一つとして、初動期における避難所運営のあり方があると思います。

 避難所は発災後、できる限り速やかに開設し、避難者を受け入れ、軌道に乗せる。つまりは初期段階の運営が大きな鍵を握ります。しかしながら、熊本地震では円滑な運営がうまくいかず、避難者の把握や物資配給が遅延するケースも見られました。その主な要因は人手不足となりますが、その背景には運営体制の問題、具体的には、各地域の自主防災組織など、避難者による自主的な運営がうまく機能しなかったことも挙げられます。

 内閣府の熊本地震に係る初動対応検証チームの検証レポートにおいても、避難者による自主的な運営が少なかったと指摘されており、あわせて避難所運営に携わった熊本市の職員が、発災直後から三週間まで常に千人を超え、ピーク時には二千人近くになるなど、被災自治体の負担が大きかったことも報告されています。

 こうした状況から、円滑な避難所運営には、避難者との連携や避難者による自主的な運営が不可欠と考えられます。

 県は、平成二十三年に避難所運営ガイドラインを策定し、県内三十三市町村では、運営マニュアルも定められています。まずはこうした観点から、ガイドラインやマニュアルを実践的に改善する必要があり、言うまでもなく全市町村でのマニュアル策定が急務となります。

 また、県内には被災経験が少ない地域もあります。災害時にスムーズに対応するためには、平常時から避難所運営のノウハウ、行政との役割分担など、地域住民を含めた研修や協議、実践的な訓練を重ねる必要があり、中心となるリーダーの育成が求められます。災害時に行政と避難者が連携し、初動期の避難所運営を円滑に進めることができれば、被災自治体の負担軽減とともに、マンパワーの確保を通じて、災害復旧を全体的に推し進める原動力となります。熊本地震の教訓を踏まえ、事前準備を徹底していただきたいと思います。

 そこで、危機管理部長にお尋ねします。

 初動期において避難所運営を円滑に進めるため、どのような対策をとっておられるのか、お伺いします。

 次に、耐震化の促進について二点質問いたします。

 先月中旬に開かれた国土交通省の熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会の中で、益城町中心部の住宅を含む木造建築物において、一九八一年以前の旧耐震基準による七百七十棟のうち、約三割の二百十五棟が倒壊、二割の百三十六棟が大破となる一方、新耐震基準が強化された二〇〇〇年以降の三百二十三棟については、倒壊七棟、大破が十二棟のみとの報告がなされました。熊本地震で亡くなられた方の多くが、住宅倒壊を要因とすることを踏まえると、この結果からは、大切な命を守るためには、住宅の耐震化が極めて重要であることが改めて裏づけられたと言えます。

 その一方、本県の状況を見ると、旧耐震基準による木造住宅の割合が相対的に高く、住宅耐震化率は七八%と、全国平均の八二%を下回っています。今後の大震災に備え、特に木造住宅について、耐震診断から耐震補強への流れを一層強化しなければなりません。

 こうした中、今般の国の第二次補正予算では、住宅の耐震改修補助金が国・地方を合わせて三十万円増額される予定となっています。従来から、県では高い水準の補助を行っており、県・市町村の追加負担は必要ないとのことですが、今回の上乗せ分を含めると、最大約百十六万円の補助が可能となります。県民の防災意識が高まる中、今回の国の補正措置は、耐震化を一気に進める好機でもあります。市町村とも連携しながら、こうした予算を積極的に活用することで、木造住宅の耐震化率を高めていく必要があると考えます。

 また、耐震化については、熊本地震でも、防災拠点となる行政庁舎や緊急輸送道路の沿道建築物の倒壊により災害対応がおくれ、支援物資が滞る事例がありました。こうした災害時に司令塔となる建物、災害救助や物資輸送等の障害となる沿道建築物については、早急に耐震化を図る必要があります。現在の科学では地震の予知は難しいかもしれませんが、過去の教訓から、災害時に何が起こり得るかは想定できます。財政的な制約もありますが、優先順位をつけながら、万全の備えを進めていただきたいと思います。

 そこで、都市建築部長に二点お尋ねします。

 一点目として、木造住宅の耐震化を今後どのように促進されるのか。二点目として、災害時に重要性の高い防災拠点施設や緊急輸送道路の沿道建築物についてどのように耐震化を進められるのか、お伺いいたします。

 以上をもちまして質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

    (拍手)



○議長(矢島成剛君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 都市公園の活性化について、二点御質問がございました。

 地域資源の発掘・発信、広域観光、周遊観光、さらには「清流の国ぎふ」全体の回廊化を展望する時期に来ております。

 そういう時期を捉えて、花フェスタ記念公園、養老公園、世界淡水魚園、平成記念公園の四つの県営都市公園を対象に、そのポテンシャルを最大限に発揮させ活性化していくため、岐阜県都市公園活性化基本戦略を策定することとした次第でございます。このため、本年一月に有識者による活性化懇談会を設置し、まことに活発かつ率直な議論が行われてまいりました。このほどその方向性がまとまったということでございます。

 基本戦略としては、三つのテーマを設定しております。

 一つは「観光振興の拠点として、本県の交流人口拡大に貢献する公園」、二つ目が「経済活動の活性化、県民活動の充実に貢献する公園」、三番目が、周辺の地域資源と相互に連携することにより、「本県のブランド力向上に貢献する公園」、これが目指すべき三つの方向でございます。その上で、各公園の特徴を際立たせていくために、県民の皆様にわかりやすい言葉でそれぞれの公園の基本コンセプトを定めております。花フェスタ記念公園は「世界に誇るバラ園を中心に花による感動を伝える」、養老公園は「健康長寿の願いと命への感謝が込められた自然と歴史をたどる」、世界淡水魚園は「川が育む豊かな自然と文化に触れ、生き物に親しむ」、そして平成記念公園は「人と自然が共生する里山の暮らしと文化に親しむ」ということでございます。今後はこの基本戦略に基づき、年度内にも具体的な整備スケジュールを策定した上で、二〇二〇年までの五年間、公園の活性化に積極的に取り組んでまいります。

 次に、養老公園の活性化についてお尋ねがございました。

 御指摘のとおり養老公園は、明治十三年に開設されました歴史のある公園でございます。孝子伝説で有名な名瀑「養老の滝」、他に類を見ない芸術作品・養老天命反転地など、人々を魅了する景観や施設を有するとともに、養老鉄道養老駅からのアクセスが比較的容易であることが強みとなっております。こうした強みをさらに伸ばすため、先ほど申し上げましたとおり、養老公園の基本コンセプトを「健康長寿の願いと命への感謝が込められた自然と歴史をたどる」というふうに定めております。

 来年三月から十二月にわたりまして、養老公園をメーンに養老改元一三〇〇年祭が開催されますが、ここでは「親孝行と若返り」「きずな・歴史・自然・健康」がキーワードとされております。これらは先ほど申し上げました養老公園の基本コンセプトと深くつながっておりますことから、今後の公園活性化の取り組みを進めていく上で、またとない機会であるというふうに認識をしております。

 そこで、養老改元一三〇〇年祭に向けて、養老の滝に至る橋のリニューアルなどの再整備に既に着手しておるわけでございます。また、今議会に補正予算案を上程しておりますが、養老の滝や紅葉エリアのライトアップヘの対応、園路の改修など所要の整備を進めてまいります。

 また、基本戦略におきましては、先ほども申し上げましたが、公園と周辺の地域資源との相互連携を重点的に進めていくということにしております。養老公園の周辺には、関ケ原古戦場を初め、養老鉄道や大垣祭りの●〔車へんに山〕行事など、魅力ある地域資源が数多くございます。これらをつなぐ周遊モデルコースの構築などにより、地域全体への集客につなげていきたいと考えております。さらに、東海環状道路西回りの整備もその追い風となるわけでございます。

 養老鉄道との連携につきましては、既に養老駅と公園を結ぶ無料シャトルバスが運行されているところでありますが、今後はサイクルトレインとタイアップした園内でのサイクリングイベントの開催など、双方が連携して公園の活性化と養老鉄道の利用促進をあわせて図ってまいりたいというふうに考えております。

 このほか、この公園に養老天命反転地がある地の利も生かし、新たな魅力づくりも検討してまいりたいと思っております。例えば、情報科学芸術大学院大学や岐阜県美術館と連携し、周辺の景観と一体となった芸術作品や園内の樹木や花を使った作品など、ここでしか体験することのできない作品の制作から展示までを行うアートイベントの開催なども考えてみたいと思っております。



○議長(矢島成剛君) 観光国際局長 小原寿光君。

    〔観光国際局長 小原寿光君登壇〕



◎観光国際局長(小原寿光君) クルーズ船からの観光誘客拡大に向けた取り組みについてお答えいたします。

 県ではこれまで、県内へのツアー拡大に向け、旅行会社やクルーズ船運航会社への訪問営業、またそれら担当者の招聘を積極的に行うとともに、乗船客に直接本県の魅力を発信するべく、名古屋港や金沢港の埠頭に特設PRブースを設け、継続的に観光案内や県産品販売を行っております。

 さらに本年八月には、内陸県で初めてとなるクルーズシンポジウムを開催し、県内自治体と観光関連事業者などが一体となって誘客を進める機運の醸成を図ったほか、あわせて発足した岐阜県クルーズ船客誘客推進協議会において、現在、旅行会社などに提案する具体的なツアープランを企画しているところです。

 今後は、これらツアープランの提案とあわせ、観光地における受け入れ環境をさらに充実させるなど、県内ツアーの拡大に向けて取り組んでまいります。また、旅行会社などへの訪問営業では、美濃地域の歴史資源や体験メニューへの関心が高くなっており、これらへの地域の名古屋港発着ツアーの実現に向けても、積極的に働きかけてまいります。



○議長(矢島成剛君) 危機管理部長 市川篤丸君。

    〔危機管理部長 市川篤丸君登壇〕



◎危機管理部長(市川篤丸君) 熊本地震を踏まえた初動期における避難所運営対策についてお答えをいたします。

 さきの熊本地震の検証において、市町村職員だけで避難所を運営するということは難しく、自主防災組織など地域住民の参画が重要であることを再認識したところです。このため、市町村の避難所運営マニュアルが職員だけでなく、参画住民にもわかりやすく、より具体的な対応が可能となるよう、岐阜県避難所運営ガイドラインに住民参画という視点を明確に位置づけ、改定をしたいと思います。具体的には、職員と住民の役割分担を含む避難所の運営体制図や運営手順のチェックリスト、運営に必要な備品リスト、避難所の基本的なレイアウト図などを追加し、避難所の実情に合わせた市町村の運営マニュアルづくりを支援してまいります。

 さらに、清流の国ぎふ防災・減災センターにおいて、避難所運営の中心となる防災リーダーの育成講座や避難所運営指導者養成講座を継続開催するとともに、新たに地域住民や学校関係者に参加をいただき、避難所運営を体験する訓練の実施を検討してまいります。



○議長(矢島成剛君) 都市建築部長 酒向仁恒君。

    〔都市建築部長 酒向仁恒君登壇〕



◎都市建築部長(酒向仁恒君) 建築物の耐震化について二点お尋ねがございました。

 まず、木造住宅の耐震化促進についてお答えをいたします。

 熊本地震の発生以降、県民の住宅耐震化に対する関心の高まりは、耐震診断の申込件数にもあらわれており、九月末時点で昨年同月の約一・五倍、八百二十二件という申し込み状況です。今後、補強工事の申し込みも増加することが見込まれ、この機を逃さず、耐震化を進めることが重要です。

 国は、熊本地震を受け、耐震補強工事に対する補助について、一定の要件のもと、平成二十九年度末までの間、十五万円を加算する制度を設け、その経費を第二次補正予算案に盛り込んでおります。

 現在、県内の市町村では個別に住宅を訪問するなどの啓発活動が行われております。こうした取り組みの実施計画を策定することが国の加算の要件とされていることから、市町村に対し、実施計画の策定を支援し、加算措置制度の活用を働きかけてまいります。

 また、国に対しては、加算期間の延長や支援制度のさらなる拡充を求めるとともに、市町村と連携し、さまざまな機会を捉えて啓発を行い、木造住宅の耐震化を促進してまいります。

 次に、防災拠点施設や緊急輸送道路の沿道建築物の耐震化についてお答えいたします。

 耐震改修促進法の改正により、防災拠点建築物及び緊急輸送道路沿道建築物の耐震診断の義務づけが可能となり、県では、有識者の御意見を伺いながら、対象とする建築物の指定基準の検討を行っております。防災拠点建築物については、県地域防災計画の緊急輸送網における防災拠点を指定することとし、このうち、さきの熊本地震における被災状況を踏まえ、特に早急な耐震化が必要な市町村等の庁舎については、先行してことしの八月五日に指定したところです。

 緊急輸送道路沿道建築物については、県内各圏域相互や隣県までを含めた広域的な避難、救急、物資輸送の確保の観点から、第一次緊急輸送道路のうち、国道五路線の沿道建築物とする指定基準案を作成したところです。今後、パブリックコメントの実施や対象建築物の所有者等への指定の趣旨、補助制度について丁寧な説明を行った上で、平成二十九年四月を目途に指定し、防災拠点建築物などの耐震化促進に努めてまいります。



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○議長(矢島成剛君) ここでしばらく休憩いたします。



△午後零時六分休憩



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△午後一時再開



○副議長(佐藤武彦君) 休憩前に引き続き会議を開きます。



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○副議長(佐藤武彦君) 引き続き一般質問並びに議案に対する質疑を行います。二十二番 山本勝敏君。

    〔二十二番 山本勝敏君登壇〕(拍手)



◆二十二番(山本勝敏君) 皆さん、こんにちは。

 今回は、大きく二項目質問をさせていただきます。

 早速一項目め、県立多治見病院の中央診療棟の建てかえについて。

 地方独立行政法人岐阜県立多治見病院は、東濃地域及び可茂地域の基幹病院として、地域医療の中核を担っています。大きな役割としては、急性期医療、第三次救急医療、災害拠点病院としての救急医療、周産期高度医療、医療連携の拠点機能などが挙げられます。また、診療科としてはほぼ全ての疾患に対応しています。このように、県立多治見病院は地域にとってなくてはならない病院です。

 経営状況に触れておきますと、平成二十二年四月に地方独立行政法人化され、経営改善に取り組まれた結果、ここのところ経営収支も黒字基調で順調に推移しています。主な診療数値、経営数値を御紹介します。独法化初年度の平成二十二年度と二十六年度の対比で紹介しますと、入院患者数は九八・五%と微減しているものの、外来患者数は一〇六・四%、手術件数は一〇六・七%、医業収益は一一五・九%、純利益は六二三・三%となっております。医療スタッフも、医師数は一〇六・三%、看護師数は一一四・二%と増員しています。このように、経営的には順調と言えます。

 この順調な大きな要因として、独法化以外に中病棟と西病棟を平成二十二年二月に整備したことが挙げられます。病棟の整備で医師、看護師の確保につながり、診療単価が伸び、手術件数も増加するという好循環が生まれているようです。

 このような中、現在、中央診療棟の建てかえを柱とした病院再整備の計画が進められています。現在の中央診療棟は、機能としては受付、外来診療、検査、手術、管理部門などがあり、地上三階、地下一階、築三十五年が経過をしています。この中央診療棟には、次のような問題が現在生じています。外来患者の増加で外来部門のスペースが狭隘化している。手術件数の増加で手術室等が不足している。配管設備の老朽化で水漏れ等が随所で発生し、診療に支障が生じている。また後で補足説明しますが、大規模な地震などに十分に耐え得る施設整備になっていないなどの問題が生じています。また、東病棟にあります救命救急センターについても設備や機器が高度急性期医療に対応できなくなっています。

 ここで、中央診療棟の地震対策について補足説明ですが、現在の中央診療棟は、耐震構造ではあるんですけど、免震構造にはなっていない。県立三病院のうち、岐阜市にあります総合医療センター、下呂温泉病院、いずれも最近建てかえられまして、既に免震構造になっています。耐震であれば、建物の構造的な損傷は免れるかもしれませんけど、建物自体は揺れますので、医療設備や内装材等が損傷を受けて、医療行為ができなくなる可能性があります。

 四月の熊本地震では、熊本市民病院が被災しました。熊本市民病院の南館、北館は、県立多治見病院の中央診療棟とほぼ同じ時期、昭和五十年代に建てられており、やはり耐震ではあったんですけれども、免震ではなかったと。そのために、病棟の天井や壁が崩落し、給水設備も被害を受けて、入院患者三百十人全てが転院、または退院せざるを得なかったというふうに聞いております。

 県立多治見病院の中央診療棟も、現状のままではこのような被災の可能性があります。大規模な地震などに十分に耐え得る施設整備になっていません。免震構造にする必要があります。

 そこで、このような現在の問題を解消するために、中央診療棟の建てかえ等を行う必要があります。

 さらに、今年度策定した岐阜県地域医療構想において、県立多治見病院が東濃圏域の高度急性期医療及び急性期医療の中心的役割を担うこととされており、これに対応できる体制を整えるためにも、やはり中央診療棟の建てかえ等を行う必要があります。

 現在検討されている計画を大まかに御紹介しますと、南側の駐車場に中央診療棟を新築する。東病棟を改修して、そこに管理部門等を入れる。立体駐車場など駐車場を整備する。このようにお聞きしております。

 そして、この建てかえ計画により、いろいろなことが期待されます。利便性の向上、高度先進医療整備の拡充などはもちろんのこと、先ほど御説明したような地震対策など、地震及び水害のときでも機能が確保できるハード面の災害対策の強化、災害拠点病院としての機能強化などが期待されます。

 また、この地域で要望の強い重症心身障がい児者の短期入所や心身障がい児者の歯科医療など新たな役割も期待されます。さらには、現状では狭いアクセス道路の拡幅や歩道の整備、院内保育所の充実など患者やスタッフのアメニティーの充実も期待されます。また、中病棟、西病棟の整備が経営に好影響を与えたように、経営のさらなる好転も今回の建てかえには期待されるところです。

 以上、これは私の思いです。

 ここで質問に入ります。知事にお伺いをいたします。

 一点目の質問、県立病院はいずれも地方独立行政法人ですので、この県立多治見病院も県が直接建てかえを執行するわけではありませんが、法人の設立団体の長として、今回の建てかえに対してどのようなことを期待されますか。また、具体的にどのようなことが実現できそうですか、お尋ねします。

 二点目の質問、今回の建てかえに対して、県としてどのような財政支援を行われる予定でしょうか。また、建てかえに向けた今後のスケジュールとして、具体的にどのようにお考えでしょうか、お尋ねをいたします。

 大きい二項目め、共生社会実現に向けた障がい者福祉について。

 ことしの三月、議員提案により、障がい者の差別解消に向けた条例を制定しました。条例の名前は、岐阜県障害のある人もない人も共に生きる清流の国づくり条例。この条例の中で、障がいのある人も障がいのない人も分け隔てなく、ともに安心して暮らせる社会を共生社会と定義しています。さらに、この共生社会を実現するための施策を共生社会実現施策と定義をしています。そして、この共生社会実現施策の大きな柱として、教育の充実、そして交流の促進を掲げています。教育の充実では、県は学校教育において、障がいのある人に対する理解の促進を図る旨をうたっています。また、交流の促進では、県は障がいのある人と障がいのない人との相互理解を促進するため、幼児期から互いの交流を促進するものとして、保育所、学校、地域、その他のあらゆる場所において、交流の機会の拡大及び実現を図るよう努めるとうたっています。

 つまり簡単に言うと、健常者は障がい者に対する理解を深めようと。そのために、子供のころから障がい者と交流しようと言っているわけです。障がいを理由とする差別を解消するため、そして共生社会の実現を図るためには、理解と交流が大切だというふうに言っています。

 話は変わりますが、去る七月、相模原市の障がい者支援施設、神奈川県立津久井やまゆり園にて、知的障がいのある方々が襲われ、十九人の命が奪われ、二十人が負傷するというとても考えられない事件が起こってしまいました。この場をおかりして、亡くなられた方々の御冥福を心からお祈りするとともに、負傷された方々に心からお見舞いを申し上げます。

 昨日の県政自民クラブの代表質問で、早川議員がこの問題を取り上げられ、障がい者施設の防犯対策について等質問をされました。防犯対策については、県として既に取り組みを始めているとの答弁でしたので、今後このような事件が起こらないことを願うばかりです。

 さて、この事件を考えたとき、報道でもあったように、容疑者の障がい者に対する偏見が根本的な要因だったのではないかと考えられます。このような偏見をなくすために、先ほどの条例のところでお話ししましたように、障がい者に対する理解を深めていかなければならない、障がい者との交流を進めなければならないと、この事件を通じて改めて感じております。

 また、さきの条例によって新たに設置された県民会議の初会合でもこの事件が取り上げられました。次のような意見が出されたそうです。インターネット上に、障がい者には価値がないという考えに共感する意見があった。こうした考えをなくすことが重要で、そのための啓発が必要だとか、障がい者への理解促進には、教育の充実が重要、交流の促進を含めた教育が必要といった御意見があったとお聞きをしました。やはり総じて「理解」と「交流」というキーワードがここでも出されたようです。

 また、この事件に対して、全国手をつなぐ育成会連合会の久保厚子会長が声明文を出されています。その後段の一部を御紹介します。読ませていただきます。

 事件の容疑者は、障がいのある人の命や尊厳を否定するような供述をしていると伝えられています。しかし、私たちの子供は、どのような障がいがあっても、一人一人の命を大切に懸命に生きています。少し飛ばします。国民の皆様には、今回の事件を機に、障がいのある人一人一人の命の重さに思いをはせてほしいのです。そして、障がいのあるなしで特別視されることなく、お互いに人格と個性を尊重しながら、共生する社会づくりに向けてともに歩んでいただきますよう心からお願い申し上げますと結ばれています。

 私たちはこうした思いを受けとめ、共生する社会づくり、共生社会実現に向けて理解と交流を進めなければならないと意を強くするところです。

 次に、この理解と交流の実践例を御紹介します。

 多治見市に主な拠点を置く障がい者福祉施設陶技学園、ここは五十年以上の歴史ある障がい者施設ですが、特に近年は、施設利用者である障がい者と地元住民や児童・生徒らとの交流を盛んに行ってみえます。例えば三年前から始めた学園祭、この学園祭に地元住民を初め、地元の小学生、中学生や東濃・可茂地域の高校生などを積極的に招いて、さまざまな形で交流を図り、互いの理解を深める取り組みが行われています。内容の一部を紹介しますと、第一回学園祭から今週末に開催されます第四回までで、県立高校では、多治見高校が吹奏楽で参加されています。多治見北高校が合唱、坂下高校がマンドリン演奏、加茂農林高校が動物園や寄せ植え、ほかにも多治見工業高校、可児工業高校、中津川工業高校が展示などで参加しています。私立高校でも、多治見西高校がファッションショー、中京高校が吹奏楽、麗澤瑞浪高校が吹奏楽、このほか、地元の南姫中学校、小泉中学校、南姫小学校も参加しています。まさに子供のころからの障がい者との交流です。

 特別支援学校が充実した今日、健常者の子供たちが障がい者と接する機会が少なくなっています。だからこそ、こうした交流が今、より一層求められていると感じます。せっかくですので、参加された生徒さんの感想を少し御紹介します。合唱で参加した多治見北高校の生徒さんが、陶技学園の機関紙で次のように述べています。

 僕たち音楽部にとって非常に貴重な経験でした。どうしたら観客の方々と一緒になって音楽を楽しむ、すなわち理想の音楽がつくれるだろうか。限られた時間の中で僕たちがたどり着いたのは、歌とダンスの融合でした。少し飛ばします。目で見て、皆さんに楽しんでいただけるようにと、あの振りつけを考案しました。ぜひ直接見てみたかったと思います。こんなふうに、部員みんなで工夫したこと、障がい者とどう接したらいいか考えたこと、貴重な経験であったことをつづっています。こうしたところに、交流から生まれる理解があると感じます。

 このように、子供のころからの理解と交流に以前から積極的に取り組んでみえる陶技学園の理事長の宮嶋和弘元県議を初めスタッフの皆様並びに御理解、御協力されている学校関係者や地元の皆様に敬意と感謝の念を表したいと思います。

 ここでまず、健康福祉部長にお尋ねします。

 この陶技学園の例のように、また条例の趣旨にのっとって、障がい者福祉施設で学校を初めとする地域との交流を促進することによって、障がい者に対する理解が深まり、共生社会の実現に近づくものと考えます。

 そこで、このような地域に開かれた施設に向けて、県としてどのような促進策をお考えでしょうか。

 次に、教育長にお尋ねします。

 一点目の質問のように、施設側が学校を初めとする地域との交流を進めることも重要ですが、学校側も積極的に施設との交流を進めて、子供のころからの交流と理解に取り組むことが大切だと考えます。これは条例の趣旨にも合致します。

 そこで今回は、県教育委員会として、直接指導できる県立高校に絞って、障がい者福祉施設とどのように交流を進められるのか、お尋ねします。

 以上、よろしくお願いいたします。

    (拍手)



○副議長(佐藤武彦君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 県立多治見病院の建てかえについて御質問がございました。

 いろいろと御指摘がありましたが、議員のこの県立多治見病院に対する御理解、御支援に改めて感謝を申し上げる次第でございます。

 この県立多治見病院でございますが、昭和十四年の開院以来、救急医療、災害医療、周産期医療などを提供し、東濃地域における中核病院として必要不可欠な病院であると認識しております。この県立多治見病院の中心的機能を担っております中央診療棟は、昭和五十六年に建設されまして、既に三十五年が経過しております。老朽化、狭隘化が進んでおり、患者さんの利便性、病院スタッフの勤務環境の面で難が生じつつございます。さらには、スペースの関係で最先端の医療機器を新たに導入することが難しく、また大規模災害に備えるためには、耐震性などの面でさらなる対策が必要となっております。こうしたことから、中央診療棟の再整備が計画されているところでございます。

 これによりまして、地域の高度医療、急性期医療を中心的に担う機能の強化、東濃地域の医療機関の分化・連携の促進、若手医療従事者にとっての研修環境の充実などが期待され、東濃地域の医療水準の向上につながるものと考えております。

 新中央診療棟の整備のスケジュールでございますが、来年度より基本設計、実施設計に取りかかりまして、平成三十二年度の着工、平成三十四年度の供用開始を目指す計画になっております。また、県からの財政支援でございますが、建設に係る起債の償還費などに対し、過去の県立病院の整備と同様の支援を行っていく考えでございます。



○副議長(佐藤武彦君) 健康福祉部長 尾藤米宏君。

    〔健康福祉部長 尾藤米宏君登壇〕



◎健康福祉部長(尾藤米宏君) 地域に開かれた施設に向けた県の促進策についてお答えいたします。

 共生社会実現のため、障がい者施設が保育所や学校などとの交流や地域への施設開放、あるいは地域の行事への参加などを通じて、地域と顔の見える関係を築くことは、障がいへの理解を進めるとともに、施設の安全確保を図る上でも重要であると認識しています。このため、交流の促進をテーマに、施設を対象とした研修会を新たに開催し、事例研究や情報交換を通じ、交流に積極的に取り組んでいる施設の工夫や経験などを他の施設にも波及させていきたいと考えております。

 さらには、障がい者施設と地域との交流に関する相談や、支援を通して交流をコーディネートできるような仕組みについて検討していきたいと考えております。



○副議長(佐藤武彦君) 教育長 松川禮子君。

    〔教育長 松川禮子君登壇〕



◎教育長(松川禮子君) 県立高校における障がい者福祉施設との交流についてお答えします。

 現在、県内の高校五十三校が加盟する学校家庭クラブの活動として、県内各地の障がい者支援施設のイベントや行事にボランティアとして参加している学校や、山県高等学校のように障がい者支援施設でインターンシップを行っている学校、本巣松陽高等学校や大垣西高等学校のように文化祭で障がい者支援施設でつくられた商品を販売する学校など、多くの県立高等学校が障がい者支援施設との交流を深めています。

 県教育委員会といたしましては、本年四月に岐阜県障害のある人もない人も共に生きる清流の国づくり条例が施行されたことを踏まえ、地域の障がい者支援施設と高校との交流活動がさらに拡大するよう、障がい者支援施設との交流による教育的な効果を幅広く周知するとともに、各地域の障がい者支援施設のニーズを聴取した上で、各高等学校と交流の推進方策について協議するなど、県立高等学校に対する指導等に努めてまいります。



○副議長(佐藤武彦君) 二十九番 伊藤秀光君。

    〔二十九番 伊藤秀光君登壇〕(拍手)



◆二十九番(伊藤秀光君) 議長よりお許しをいただきましたので、通告に従い二点についてお伺いいたします。

 まず初めに、グローバル教育についてお伺いいたします。

 文部科学省は、平成二十六年度から高等教育のグローバルリーダーの人材育成を図るため、世界トップレベルの大学との交流・連携を実現し、学生のグローバル対応能力の育成とその体制強化を進める大学を支援するため、三十七大学をスーパーグローバルユニバーシティー、通称SGUに指定しました。

 また、高等学校等にも、コミュニケーション能力、問題解決力等の国際的素養を身につけ、もって将来、国際的に活躍できるグローバルリーダーの育成を図るべく百二十三校をスーパーグローバルハイスクール、通称SGHに指定しました。岐阜県では、県立大垣北高等学校が初年度に当たる平成二十六年度から五年間の指定を受けています。また、県指定として県立関高等学校と私立の高山西高等学校、岐阜聖徳学園高等学校が同様の指定をされています。

 先日、既に三年目を迎える大垣北高等学校を訪れ、いろいろと伺ってきました。一・二年生では三百二十名全員が必須科目としてグローバル化に取り組む大学、東京大学、名古屋大学、岐阜大学等との連携や大垣のグローバル企業の積極的な協力を得て学んでみえました。グローバル化に向けて特色あるカリキュラムによる授業が展開されており、大いに期待もし、すばらしいとも感じました。三年になると希望者のみとなり、平成二十八年度は平成二十六年度からスタートして初めての三年生となりますが、十二名の生徒がSGHの課題研究を続けてみえます。一・二年生から公募により昨年は三十二名、ことしは二十八名がカンボジアとベトナムでの海外フィールドワークのインターンシップが五泊七日で実施され、カンボジア、ベトナムのトップクラスの高校、大学との交流をされたそうですが、先生のお話では、現地での交流は生徒たちにとってもとてもいい刺激になったと話されていました。

 こうした文科省の熱い思いとは裏腹に、ことし四月二十一日に発刊された週刊新潮には、「「グローバル教育」を掲げて「東大」世界ランキングを下げた「文科省」の大矛盾」と大見出しで載っていました。

 読んでみますと、平成二十四年、政府はグローバル人材育成戦略をまとめ、産学官のオールジャパン体制でグローバル化する国際情勢に合わせ、大学生をグローバル人材として育てる大方針を打ち出しました。その具体策の一つとして、文科省は、前述のように、平成二十六年に三十七校のスーパーグローバル大学を選定しています。文科省肝いりのSGUとは、グローバル教育を牽引し、世界の大学ランキングトップ百入りなどを目的とした、言いかえればグローバル化モデル大学です。東大、京大、早稲田、慶応などが選ばれています。SGUは、英語での授業数や外国人教員の数をふやしたり、大学の英語力を会話能力も含めて満点が百二十点のTOEFL iBTテストで八十点以上の学生の割合を向上させるといった目標が課せられています。

 また、平成二十五年には「トビタテ!留学JAPAN」と称して、日本人学生の海外への留学を推奨し、金銭的な支援もしています。「トビタテ!」プロジェクトは、半年から一年といった短期留学を前提としていて、海外の大学に移籍、進学することは想定していません。これでは、グローバル人材を育てるのにも限界があると述べています。全く同感です。

 論評は続きます。一般に、毎年「世界の大学ランキング」と称される英国の教育専門誌が発表する指標を見てみますと、SGUがスタートした平成二十六年にそのトップ百に入っていた日本の大学は東大と京大のみで、順位はそれぞれ二十三位と五十九位でしたが、翌年、平成二十七年のランキングでは東大が四十三位、京大は八十八位と、いずれも大幅に順位を落とし、東大はアジア首位の座をシンガポール国立大に奪われました。新たにトップ百に入った日本の大学もありません。世界の大学ランキングにおける順位アップを目指してスタートしたSGU制度が、皮肉なことに日本の大学の国際的な評価を低下させてしまったと掲載されています。

 こうして見てくると、SGUとともに行ってきたSGHの成果についてもその成果を危惧するところであります。ただ、私自身は全く無駄とは思っていません。それは、先日とてもいい機会をいただいたからです。

 それは八月二十八日、大垣で開かれました岐阜県日米協会主催の「英語で想いを語る会」に出席してきたことです。そこには県下の高校九校が出席、もちろん前に述べましたSGHのうち三校も入っていますが、それぞれの学校が持ち時間十五分間で、ふるさと自慢や留学体験から海外を見た日本など、それぞれのテーマでプレゼンをされ、質問の受け答えを英語で活発にされている姿になかなか大したもんだなと驚かされたからです。

 ただ、御講演いただいた在名古屋米国領事館のスティーブン・コバチーチ首席領事の講演の途中で出される幾つかの質問に手を挙げて答える生徒が少ないのには残念でした。ただ、日本人特有の恥ずかしさからだとは思いますが。

 そこで、教育長にお伺いいたします。

 文科省の指定、県の指定ともども、この三年間のSGHの成果と今後の課題についてお伺いをいたします。

 さて、私はことし二月に東京でグローバル教育研究所の渥美育子先生の講演を聞く機会を得ました。初めて聞く話が余りにもこれまでのグローバル教育とは違った視点で話され、驚きと同時に大変興味を持ちましたので、その後、はがき、手紙、メール、ファクス等で連絡をとったり資料をいただいたり交流を深めつつ、著書である「「世界で戦える人材」の条件」を読み、ますます興味を持ちました。

 そこで、渥美先生が提唱されているグローバル教育「地球村への十のステップ」という講座を受講、二泊三日にわたってマンツーマンで一日六時間の研修を東京で受けてきました。議場にはそのパンフレットを配付させていただきました。(資料を示す)地球村への十のステップがこのパンフレットであります。

 研修内容を詳しくお話しする時間はありませんが、初めに、日本の国内外で迫る危機、地理の世界地図ではなく、宗教などをベースにした文化の世界地図などを学びました。そして、八〇年代は、国と国との国際理解教育、インターナショナルの時代、九〇年代は、九一年ソビエト連邦の崩壊、九三年EUの設立、九五年WTOの設立等による市場経済への移行など世界の仕組みの大変化の時代になり、二十一世紀は世界市場が出現、地球丸ごとという意味のグローバル教育の時代に切りかわり、世界全体を心の目と情報処理能力でつかむ、目ききのできる人間になることを強調されました。研修はとてもハードでしたが、とてもいい勉強になりました。そして、この研修後、高校生を前にプレゼンをして、合格するとグローバル教育認定講師となって、学校や各企業でグローバル教育を教えることができることになります。認定講師は現在八名を数えるそうです。

 さて、ここで渥美育子先生について少し御紹介します。

 名古屋市出身、青山学院大学卒業、青山学院大学助教授を経て、ハーバード大学研究員となり、一九八三年にボストン郊外で米国初の異文化マネジメント研修会社を設立、二〇〇七年夏に日本に帰国するまで二十五年間で、アメリカの数多くのグローバル企業で人材育成や世界市場戦略策定を担当されてこられました。顧客企業にはIBM、ゼロックス、特にデュポンワールドワイドとユナイテッド・テクノロジーズの二社では十五年にわたって重役教育を担当されました。帰国後は、日本の大企業であります川重、トヨタグループ、日立製作所、野村證券などでグローバル人材教育を担当する一方で、子供のグローバル教育の普及にも尽力をしてみえます。

 そのかいあってか、ことし五月に文部科学省初等中等教育局国際教育課の官僚の皆さんにグローバル教育の重要性についてプレゼンされてみえます。また、八月二十日には、日本家庭教育学会の第三十一回大会では、「「グローバル時代の家庭教育」〜子供に世界の枠組みを教えよう」と題して基調講演をされてみえます。また、先ごろ下村元文部科学大臣ともお会いになられ、グローバル教育の重要性について訴えられました。

 さて、この「地球村への十のステップ」の研修を、私の少し前に受けられた麗澤瑞浪中学高等学校の中西純也先生は、プレゼンも終えられ、グローバル教育認定講師になられました。私はとても関心があったので、初めて麗澤瑞浪中学高等学校を訪問しました。とても緑豊かで広大な敷地と感じのいい生徒さんがいっぱいいました。井上教頭先生から、中西先生と相談しつつ、既存のカリキュラムもあり、少しずつグローバル教育の導入に向けて検討していきたいとも話されました。

 また、渥美先生からは、グローバル教育を今熱心に進めてみえる森村学園も推薦され、初めて森村学園も訪問しました。森村学園は、横浜にある創立百六年目を迎える中高一貫教育の名門の私立学校です。創立者は、TOTO、ノリタケなど日本のセラミック産業の創始者の明治の大実業家、森村市左衛門翁と言われるそうです。担当の大木先生からは、グローバル教育には英語だけではだめでプラスアルファが必要、それは異なる文化や宗教、歴史への適応力、マインドが必要と話され、そのため、これまでの海外研修とは別に新たに厳しい環境のもとでの研修をことしから導入されましたのが、マルタ島への二週間の研修です。アフリカ、中東、ヨーロッパという異文化が英国領の小さな島に凝縮されていること、世界各地から研修に来ている同世代との出会いから、生徒たちの成長を期待して始めましたと言われました。そして、海外研修に立つ前には、渥美先生のグローバル教育の研修を受けられたそうです。

 そのほか、議場に配付させていただきました資料、(資料を示す)「スクール四十二号」にも、百二十五年前、海軍予備校としてスタートした名門の海城中学高等学校での「地球村への十のステップ」の講演の記事ですが、生徒たちの素直な気づきと行動に熱いものを感じました。小さい字ですが、一度お読みいただきたいと思います。

 このように、渥美先生の指導のもと、グローバル教育は多くの高校でスタートしています。

 そこで、教育長にお伺いします。

 私はぜひ、岐阜県をグローバル教育の先進県にするためにも、教壇で毎日生徒と向き合われる教員の方に、まず一人でもいいのでこのセミナーに参加していただき、指定講師となっていただき、岐阜県のグローバル教育推進の原動力になっていただけたらと思います。また、グローバル教育を進めている高等学校には、渥美先生の講演を生徒たちに聞いてもらうのもいいと思います。どのようにお考えか、お聞かせください。

 私がグローバル教育について大変勉強になったことは、九月四日から九月九日までの四泊六日でアメリカのワシントンDC、ニューヨークを視察してきた中でも感じました。それは特にニューヨークで、たまたま地元の友人のお子さんが慶応義塾ニューヨーク学院に入学され、御両親が入学式に行ってみえたこともあり、学院とアポイントをとっていただき視察できたからです。信じられないような不思議な御縁に感謝をしています。その学校は、ニューヨークのグランドセントラル駅から電車に乗り約四十分、ホワイトプレーンズ駅で下車、タクシーで約十五分のところにありました。学院は、緑に囲まれた静かなたたずまいのきれいな学校でした。河野学院長との対談の後、教務、入学担当マネジャーのウォーリング里美先生に学校内の施設を案内していただき、授業中のクラスも見せていただきましたが、もちろん全て英語で、生徒のほとんどが日本人や日系人です。皆活発に手を挙げて発言する姿には感心しました。内容もオバマ大統領の活動についてのようで、政治的なことも授業で取り入れられていることにびっくりしました。

 里美先生からは、生徒たちはテストのたびに上級、中級というクラス分けもあること、上級クラスに入ると、ハーバード大学など一流大学から奨学金つきでスカウトされることもあるとか。土曜、日曜日はボランティア活動も盛んなこと、そしてグローバル社会で生き残っていくためには、本学院では、自分の意見をはっきり大勢の前でしゃべる積極性を養っていく授業を進めていますとも話されたことが心に残っています。全く同感です。

 日本では、以前ゆとり教育といった失敗もしています。今でもみんなと一緒といった平均的教育とは真逆のような印象を受けてきました。グローバル教育によるグローバルな人材の育成は、この学院の視察を通じても日本にも岐阜県にも急務な課題と感じました。

 さて、我が国の海外留学者数はどうなっているかといいますと、二〇〇四年の約八万三千人をピークに減少の一途をたどっています。中でも、海外留学者数の男女比はおよそ一対二と男子学生の少なさが際立っています。また反面、諸外国の中では、経済成長著しい中国、インドは海外留学者数を大きく増加させています。人口規模が我が国の半分の韓国も海外留学者の実数では我が国を上回り、しかもその差が拡大傾向にあります。政府もグローバル化が急速に進展する状況の中、この現状を打破し、将来の我が国を支える若者をより多く育成するため、平成二十五年六月十四日に閣議決定された日本再興戦略や第二期教育振興基本計画においても、四年後の平成三十二年までに日本人の海外留学者数を大学等で六万から十二万人、高校で三万から六万人と倍増させることを掲げ、将来グローバルに活躍する意欲と能力のある若者全員に留学機会を付与することとしています。国の意気込みと本県の取り組みに少しギャップがあるように感じます。つまり、留学生として高校生なら三年間学ぶことも考えられ、経済的な支援を一年という短期間ではなく、三年間見てあげることも必要だと思います。留学を考えている子供さんを持つ親さんからは、支援を受ける前に面接があり、落ちれば支援は受けられないこと、支援をいただけるかいただけないかは、ぎりぎりまでわからないということなど悩みを伺いました。

 そこで、教育長にお伺いします。

 本県の留学生への支援の現状はどのようになっているか、また国の方針を考えると、今後さらなる充実を図ることについてもどのようにお考えか、お聞かせください。

 また、昨年、ヒッポファミリークラブのメンバーからドイツの留学生を受け入れてくれる高校がないかと相談を受けました。聞いてみますと、県教育委員会としては県下の高等学校に指導はできないとのことのようです。母校の県立大垣南高等学校にお願いをしましたが、県教育委員会の方針もあるのか、初めはいい返事がいただけなかったわけですが、団体も世界的な組織ですし、生徒にとってもとてもいい体験になると強くお願いし、最終的には受け入れていただいたことは大変感謝しています。月日がたつにつれて、校長先生からは、とても日本語もお上手な子で、生徒たちにもとてもよい体験となり、刺激になってよかったと喜ばれました。

 留学生の派遣や受け入れをしている国際的な奉仕団体には、ロータリークラブ、ライオンズクラブ、AFS、ヒッポファミリークラブ等と多くあります。高校時代からグローバルな視野に立つために留学生の受け入れによる経験も大切だと思います。留学生数も平成二十六年の十八万四千百五十五人から、平成二十七年には二十万八千三百七十九人とふえています。私の所属する大垣西ロータリークラブでも、大垣商業高校に交換留学生のお世話になっています。私の家庭へもこれまでに交換留学生を三度、毎回二カ月受け入れますが、私の子供たちにとっても大変いい体験となりました。大垣ロータリークラブでは、大垣北高校に受け入れをお世話になっています。

 そこで、教育長にお伺いします。

 ホームステイ先が決まっていて、組織のしっかりした先の依頼であれば県立高校でも受け入れていただき、生徒の貴重な体験にしていただきたく思います。留学生の受け入れについて、教育長のお考えをお聞かせください。

 最後に、渥美先生の著書の一部を紹介して、この質問を終わります。

 日本のグローバル人材教育には多くの問題があるが、その一つが、日本人のアイデンティティーを無視しているということです。世界共通の価値の軸と民族の伝統である日本のDNAの軸、この両方をしっかり持つことこそが真のグローバル人材なのである。日本人のアイデンティティー、DNA、しっかりと大切に持ち続けていたいものだと思います。

 次に、クラウドファンディングについてお伺いをします。

 クラウドファンディングとは、よく間違われるのに、自治体クラウドとかセキュリティクラウド、クラウドコンピューティングという言葉がありますが、これらのクラウドは雲を意味するもので、クラウドファンディングのクラウドとは全く関係ありません。アイデアはあるが、活動資金のないクリエーターや起業家、発明家が、クラウド、つまり群衆からファンディングする、つまり資金調達することを意味し、インターネットを通じて一般の人々から一口当たりは少額でも数多くの人々から資金提供を受けて、みずからのプロジェクトを実現する方法です。

 クラウドファンディングは、寄附型といって資金提供者にリターンという特典がないもの、購入型といって資金提供者に金銭以外の特典、物、サービスを受け取ることができるもの、投資型といって資金提供者は利益の中から配分を受け取ることができるもの、融資型といって資金提供者は元金と利子を受け取るものの四つに分けられます。

 これまでにクラウドファンディングを通じて集められた国内の調達金額規模は、平成二十四年度が七十二億円、平成二十五年度が百二十四億円、平成二十六年度が二百十六億円、平成二十七年度が三百六十三億円、今年度の見込みは四百七十八億円と、毎年物すごい勢いで規模が拡大しています。

 政府としても平成二十五年六月に閣議決定された国の成長戦略、日本再興戦略において、クラウドファンディングは、技術やアイデアを事業化するためのリスクマネーの供給を強化する手段の一つとして提起しています。また、平成二十六年十二月に閣議決定されたまち・ひと・しごと創生総合戦略においても、クラウドファンディングを活用した創業支援施策、つまり地域資源の活用やブランド化など地方創生に資する取り組みへの資金提供の仕組みとして、その普及・促進を図っています。

 実際にクラウドファンディングによる資金調達に成功した人たちは、自分がやりたいと思っているプロジェクトをまだ形も見えない段階から多くの人に支えてもらいながら徐々に実現していく喜びがあります。逆に資金を提供する立場の人から言えば、今までかかわることのできなかった、何かが実現される創造的なプロセスに気軽にかかわる権利を得ることができる方法と呼ばれています。

 私は、たまたま五月に名古屋で開かれたクラウドファンディングの研修会に参加することができました。研修後は、すぐに画用紙とマジックを使ってプレゼンをしなさいという少しハードなスケジュールでありましたが、勉強ができ、クラウドファンディングについて少し理解も深まりました。

 本県では、既に購入型として昨年十月の新聞報道で、関市、美濃加茂市、各務原市の三市が地域に特化したクラウドファンディング運営会社サーチフィールドのサイト、FAAVOのオーナーになり、「FAAVO美濃國」を立ち上げ、サイトに事業内容や達成金額などを掲載し、全国から応募を求めるなど、議場にお配りしましたように、各務原市の広報紙にこのように詳しく載っております。(資料を示す)中でも特化しているのは、関市の熊本県阿蘇神社の名刀「螢丸」復元のプロジェクトは、目標金額五百五十万円に対して、支援者三千百九十三人、四千五百十二万円というFAAVOのグループとしては最高のレコードをマークしています。

 私自身も各務原市、美濃加茂市を訪れ、関係者からいろいろとお話を伺ってきました。事務局となっている美濃加茂市が委託する女性起業家支援団体「姫Biz」の存在も大きいと感じました。まさに女性活躍時代です。毎月五、六件の相談を受けているそうです。私自身も仲間と麻のシンポジウムに活用できないか相談したところです。ちなみに、飛騨地方ではFAAVO飛騨・高山が活動してみえます。

 さて、こうした地域創生とは別に、投資型といって中小企業の新規事業で成長すると見込まれる中小企業を支援するクラウドファンディングを、大阪府が全国に先駆けて、平成二十五年、クラウドファンディング活用サポート事業をスタートさせました。府内の中小企業への認知度の向上を目的としたPR活動や府内各団体、企業、金融機関、商工団体等とのネットワークづくりを通じた府内の有望プロジェクトの発掘、事業計画案策定へのサポートのおかげで、平成二十五年七月から平成二十七年三月二十日までに三十二件のプロジェクトがサイトに掲載され、一億四千四百八十五万円の資金が集まりました。ことしの七月三十日の日経新聞には、「ネットを通じて資金集め、クラウドファンディング三十四都道府県活用、財源確保、新たな手段」と大きな見出しで報じています。年々クラウドファンディングによる資金調達が広がっています。

 先日訪れました愛知県もその一つです。議場に配付させていただきましたクラウドファンディング活用促進事業を実施しており、プラットホーム、つまりウエブサイトの運営をミュージックセキュリティーズ株式会社に支援を受け、平成二十七年度は、ミュージックセキュリティーズ内のホームページに「いいね!あいち応援ファンド」として九件掲載されています。(資料を示す)総額は五千二百三十四万円です。今年度も国の予算化に伴い十月から募集されるそうです。

 そこで、商工労働部長にお伺いします。

 本県でのクラウドファンディングを活用した中小企業への経営支援に向けた取り組みについてどのようにお考えか、お聞かせください。

 以上、大きく二点について質問させていただきました。誠意ある御答弁をお願いし、質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

    (拍手)



○副議長(佐藤武彦君) 教育長 松川禮子君。

    〔教育長 松川禮子君登壇〕



◎教育長(松川禮子君) グローバル教育の推進について四点御質問がありました。

 初めに、スーパーグローバルハイスクールの成果と今後の課題についてお答えします。

 県内のスーパーグローバルハイスクールでは、例えば、生徒たちが海外でのフィールドワークや留学生との交流などを通して、国際医療や環境問題、国際社会における日本の立場などについて研究したり、議論を行ったりします。また、取り組んできた研究の発表や質疑応答を全て英語で行うなど、英語によるコミュニケーション能力の育成にも力を入れています。このように、単なる英語力の向上にとどまらず、問題意識や意見をしっかり持った上で、それを他者に伝えることができる力を身につけることを目指しています。これらの取り組みを通して、国際的に活躍したいという生徒や社会が抱える課題を深く学びたいという生徒がふえるなどの成果が上がっています。

 一方、生徒の研究内容と地域課題との結びつきが希薄であることから、生徒自身が地域課題を踏まえた問題意識を持ち、それをグローバルな視点に立って考える力を育むための取り組みを推進することが今後の課題であると考えています。

 次に、教員研修のあり方や認定講師の活用についてお答えします。

 スーパーグローバルハイスクールでは、国際開発の研究に携わる大学教授や国際機関の職員、海外に拠点を持つ地元企業の方々などから、海外情勢や文化などについて講演を行っていただくなど、幅広い視野を持つ方々の御協力を得ながら取り組みを進めています。また、教員の資質・能力の向上のため、生徒が活発に議論を深めることができる指導のための研修などを行っています。

 議員御指摘の教員研修や外部人材の活用については、スーパーグローバルハイスクール事業の趣旨や学校の実態等を踏まえて、適切に検討してまいります。

 次に、日本人留学生への支援の充実についてお答えします。

 岐阜県では、平成二十四年度から一年間海外に留学する県内高等学校に在籍する生徒を対象として留学支援金を給付しています。今年度は三十三名の応募があり、書類審査や面接選考の結果、家庭の所得や他の団体からの奨学金の有無に応じて三十万円、または六十万円の留学支援金を二十二名に給付する予定です。今後も意欲と能力のある多くの高校生に対して海外留学の機会を提供できるよう、留学支援施策の充実に努めてまいります。

 最後に、外国人留学生の受け入れについてお答えします。

 海外からの留学生の受け入れにつきましては、議員御指摘の大垣商業高等学校や大垣北高等学校の取り組みを初め、県内各地の県立高等学校が各種の留学生派遣機関と協力しており、昨年度は十二校で十四人の留学生を受け入れています。留学生を受け入れた高等学校からは、留学生とのコミュニケーションを図ることで生徒の異文化理解につながっているなど好意的な意見を伺っています。

 海外からの留学生の受け入れについては、本県の高校生にも好影響を与えるものであり、県教育委員会といたしましては、各学校に対して積極的な受け入れを働きかけてまいります。



○副議長(佐藤武彦君) 商工労働部長 河合孝憲君。

    〔商工労働部長 河合孝憲君登壇〕



◎商工労働部長(河合孝憲君) クラウドファンディングを活用しました中小企業への経営支援についてお答えをいたします。

 インターネットを通じて多数から資金提供を募るクラウドファンディングは、中小企業にとって、資金調達、広告宣伝、販路開拓の新たな選択肢になり得る手法と考えており、その普及促進に向け、昨年九月、地域金融機関や商工会、商工会議所等との連絡会議を設置し、あわせて制度の仕組みや活用事例を紹介するセミナーを開催してまいりました。

 これを機に、県下金融機関とクラウドファンディング運営事業者との業務提携も進み、例えば美濃和紙を使った岐阜シャツの開発、川原町での長良川デパート湊町店の開設などの活用事例も生まれております。今後も連絡会議メンバー等と連携しながら、中小事業者向けのセミナーや、現在、県下十カ所に設けている「よろず支援拠点」等を通じて、中小企業への周知と活用の促進を図ってまいります。



○副議長(佐藤武彦君) 十九番 高木貴行君。

    〔十九番 高木貴行君登壇〕(拍手)



◆十九番(高木貴行君) 議長より発言のお許しをいただきましたので、通告に従い、質問をさせていただきます。

 まず最初に、少子化対策の推進について二点お伺いをいたします。

 今回は、私自身が経験したこと、またこうしたらいいなと思うこと、さらに我々の認識を変えていかなければならないことなどを伝えさせていただきながらお尋ねさせていただきたいと思います。

 人口減少問題、少子・高齢社会の問題が今後の日本の重要課題として大きく取り上げられてから数年がたとうとしております。私自身は、県議に当選させていただいたちょうど十年前から人口減少、少子化問題に対して警鐘を鳴らし、当時は非婚・晩婚や嫡出子などを取り上げ、しつこく質問していたことを懐かしく思いますとともに、当時とは打って変わって、日本創成会議による消滅可能性都市の発表以来、特にこの問題の重要性がクローズアップされてきたと感じております。

 人口減少の主な要因には、非婚化・晩婚化の進展が挙げられ、国としても各自治体としても少しでも解消できるよう予算措置を行い、さまざまな施策を講じてきておりますが、なかなか具体的な結果に結びつかず、また短期的な効果を求めることはできないとも思います。少子化対策については、きめ細かな施策を積み上げ、粘り強く進めていくことが必要になります。

 そうした中、近年では、結婚後、望んでもなかなか子供を授かることができない夫婦に対して不妊治療の助成制度も設けられるようになりました。恐らく昔の感覚からしたら、行政が非婚・晩婚化への施策や不妊治療の助成を行うことは余り考えられなかったのではないでしょうか。私自身も結婚後、望んでおりましたが、なかなか子供を授かることができませんでした。できない中において、勝手な思い込みかもしれませんが、周りからは「子供はまだ」との無言のプレッシャーがあったことも否定はできません。そんな中において、不妊の原因は何なのかと、夫婦で不妊治療を行うための検査を行いました。

 不妊治療と聞くと、恥ずかしながら、古い考えや偏見からかもしれませんが、大体は女性に原因があり、女性が治療を受けるものと思っておりましたが、実は私に問題があるという結果でありました。簡単に言うと、暴飲暴食、過度なストレスなど日ごろの不摂生により、量も質も活動も不健全だったという結果でありました。結果を聞いたとき、私はかなりのショックを受けました。幸い、その後、生活を改め、現在は二児の父親になれましたが、この不妊治療を勉強すると、実はかなりの割合で男性に問題がある現状と、男性に問題があったとしても、身体的、精神的に負担が大きいのは女性側であるということがわかりました。

 そして、その負担が大きい不妊治療の助成に対する昨年度の県への申請件数は二千件を超えているとの報告も聞いております。確かに助成制度は少しずつ充実しておりますが、経済的な負担はまだまだ厳しく、仕事と治療の両立には周囲の理解も求められます。今もって偏見もあると思います。今後とも、助成制度の充実や正しい理解を得るための啓発が必要になると考えます。

 その一方で、違う側面を見てみますと、平成二十六年度の人工妊娠中絶件数は二千三百九十九件であり、その件数の多さに驚くとともに、望んでもなかなか授かることができない方々が多くいる現実を踏まえると、望まない妊娠の現状に違和感を覚えました。私は、人工妊娠中絶を選択された方々は本当にいろいろな状況の中で十分に考えられた上での決断であることは理解しております。例えば、お金がなく、将来を考えると子供を育てることはできないから、また家庭内のDVなどによる状況の中で子供を産むことはできないからなどさまざまな理由があると思います。しかし、私も子供を授かってから多くのことを知ることができました。例えば出産費用についても、子供の医療費についても、また児童手当など産み育てるための制度が用意されているんだということを、やはり子供を授かってから理解していきました。また、どうしても子供を育てられないということであるならば、それはそれでしっかりと相談機関があり、最終的には養子縁組や里親制度などを利用していくことも可能になります。もし事前にこうした制度を知っていれば、このような選択をしなかったという方もいるのではないでしょうか。

 また、近年は児童虐待がふえてきております。昨年度の県の子ども相談センターにおける児童虐待の相談対応件数は千十八件と、三年連続で過去最高を更新しており、全国的にも悲惨な事件が後を絶ちません。厚生労働省によると、平成二十六年度に虐待を受け死亡した十八歳未満の子供の数は七十一人であり、このうち無理心中を除いた件数を年齢別に見てみると、三歳児以下が約九割、中でもゼロ歳児が六割超と高く、その背景として、加害者となった母親の半数以上が望まない妊娠であったことが報告されております。

 児童虐待については、過去にも多くの先生方から質問があり、それらの対応としては、主に子供が生まれた後の支援策が多かったと思います。しかし、望まぬ妊娠など問題を抱える妊婦は行政への相談をためらう傾向もあり、現在の支援策がうまく機能するのか疑問もあります。

 さらに、この望まぬ妊娠などの問題を調べる中で、近年において、戸籍がない無戸籍の人が多数いることを知り、改めて驚きました。日本に戸籍がない人がいることは普通の生活の中では考えられないと思いますが、何と一万人以上いるとも言われております。正直無戸籍でありますので、全てを把握できていない状況で、ふえているのか減っているのかもわかりませんが、無戸籍は多くの課題を抱えております。

 根本的な解決には、昔制定されました民法七百七十二条の法改正を議論していかなければならないとは感じておりますが、無戸籍となる一つの背景として、望まぬ妊娠からそのような状態になっている子供たちもおり、乳幼児健診や教育の機会も奪われ、将来の暮らしにも影響が出ている現状であります。

 こうした中、国では、児童虐待などを予防するため、望まぬ妊娠で未婚や貧困に悩む妊婦の支援として、妊娠の段階からケアをする事業を十の自治体でモデル的に取り組む費用を来年度の概算要求に盛り込んでおります。具体的には、妊婦との接点が多い産科医療機関などに児童虐待に対応する児童福祉司のOBなどを常駐させる計画で、妊婦健診や駆け込み出産の対応で望まない妊娠を把握した場合には相談相手となり、乳児院等の施設や生活保護の相談窓口などにつなげ、妊婦が希望すれば、児童相談所と連携をして養子縁組に向けた支援も検討していくということであります。

 私は、この取り組みはこれまでより一歩踏み込んだ対策として意義あるものと考えております。望まぬ妊娠に対して、妊娠初期の段階からケアを行うことで、出産後の児童虐待の防止にもつなげることができます。また、妊娠段階から接点を持つことは、人工妊娠中絶を考える方に対して、子育て支援の制度や相談窓口を紹介する機会ともなり得ます。岐阜県においても同様の取り組みを進めていただきたいと思います。

 少子・高齢社会、そして人口減少問題を真摯に考えいく中で、当然ながら非婚・晩婚化への対応や子育て支援策の充実など柱となる施策も推進していかなければなりませんが、今回お話しさせていただきました不妊治療への助成制度や望まぬ妊娠への支援を進めることで、女性が背負っている大きな負担を少しずつ減らしていくことができます。こうしたきめ細かな対策の積み重ねが、子供に優しい社会、子供を産み育てやすい社会につながることで人口減少の克服にもなるのではないかと思います。

 そこで、二点質問をさせていただきます。

 一点目は、不妊治療に関する助成制度の現状と課題。そして、それらを踏まえた今後の取り組みについて、健康福祉部医療・保健担当次長にお伺いをいたします。

 二点目は、望まぬ妊娠など問題を抱えた妊婦に対して、妊娠初期段階からの支援が必要であると考えますが、この点について今後どのように取り組まれるのか、子ども・女性局長にお伺いをいたします。

 次に、英国のEU離脱に伴う本県企業等への影響についてお伺いをいたします。

 前回本会議の一般質問最終日でありましたが、英国時間の平成二十八年六月二十三日、英国では、EU残留か離脱かを問う国民投票が実施され、予想外にもEU離脱が支持される結果となりました。はっきり私の記憶にも残っておりますが、県庁に到着した午前九時ごろにはEU残留が濃厚であり、為替も円安、株価も若干上がっておりましたが、午前の一般質問が終了してテレビを見てみますと、EU離脱が決定的とのニュースが流れ、その直後からジェットコースターのように一気に円高、株安に下振れしていたことには正直驚きました。

 かねてから離脱派と残留派の拮抗が伝えられておりましたが、当初の予想では、僅差ではあるもののEU残留が大勢の見方であり、この衝撃は大きなショックとともに世界中に広がり、経済を含めた今後の成り行きに懸念をもたらすこととなりました。決定当初は、今後の世界経済への懸念や日本経済への影響などが大々的に取り上げられ、大きな不安感が漂い、サミットでの安倍総理の増税延期の決断は神がかりとも言われておりましたが、あれから約三カ月が過ぎた現在、なぜか英国のEU離脱への危機感が薄れ、楽観視する気配すら出てきているように感じます。

 外務省の統計によりますと、昨年十月時点で英国に在留している日本人は約六万八千人で、アメリカ、中国、オーストラリアに次ぐ第四位。英国に拠点を置く日系企業は千二十一社で、ヨーロッパではドイツに次いで二番目となります。また、昨年の訪日観光客数はヨーロッパ一位となるなど、日本と英国は経済を中心に非常に深いつながりがあります。

 私自身は、実は高校時代に約一年間ですが、イギリスに留学をしていたことがありますし、また過去には金融機関に勤めていた経験もありますので、客観的に見て、英国のEU離脱が与える影響がプラスかマイナスかと問われれば、英国通貨のポンドや株価の下落を踏まえると、マイナスの影響が懸念されることは明らかでありますし、今後の動向に大変関心と危機感を持っております。

 近年、グローバルベースで見たユーロ建て取引の英国シェアは欧州各国や米国よりも圧倒的に高く、英国の繁栄はEUの金融センターとして、そしてEU事業への投資拠点としての役割を果たすことでもたらされたものでした。特に現在、英国のロンドンは米国のニューヨークと並び、金融取引を最も多く抱える国際金融センターとして世界一位、二位と圧倒的なシェアを占めており、金融セクターは英国の基幹産業として、経済や雇用創出に大きく貢献をしております。今後は、英国のEU離脱に伴い、EUに加盟している一つの国で許可を受ければ、ほかのEU加盟国内でも金融業務ができる、いわゆるシングルパスポートの取り扱いなどが金融関係では重要な争点となってくると思われます。

 また、グローバルトップ企業二百五十社のうち、本社もしくは欧州統括本部をイギリス、ロンドンに置く企業が約四〇%を占めているとも聞いております。英国からEUという巨大市場への自由なアクセスや非関税措置が認められなくなれば、EUが貿易総額の約半分を占める最大手である以上、大きな経済的打撃も予想されるのではないでしょうか。各企業とも、これらの状況を見きわめながら、活動拠点の移転など戦略を見直していかなければならなくなると思います。

 今後は、英国とEUの交渉によりさまざまな条件が決定していくことになり、正直まだわからないというのが本音であることはわかりますが、EU側から有利な条件を許すことは考えにくく、やはり今後のリスクを考えていかなければならないと感じております。

 交渉期間は約二年あるものの、交渉項目は、貿易、EU予算の拠出、移民政策、安全保障など多岐にわたり、正式な離脱のプロセスは数年を要する可能性もあります。その交渉ごとにさまざまな情報が流れ、為替の変動が起き、通貨であるポンド、ユーロから円を買う動きになることも予想されます。

 ここからは少し私見でございますが、為替は正直誰にも予想できず、コントロールできないものと言われております。最近も日銀が大規模な金融緩和を行ったことで確かに円安に動きましたが、その後の世界情勢、経済環境の変化により円高方向に振り戻されております。予想はできませんが、トレンドは残念ながら円高傾向であることは否定ができません。

 また、先ほどもお話ししましたが、英国に拠点を置く企業は千二十一社であり、業種別には、製造業が最も多く三百七十九社、次いで卸売・小売業百二十一社、金融・保険業が八十九社となっております。英国で生産し、日本から英国を経由し、EU各国に輸出している企業も多く、関税が課されれば非常に大きな影響があるとともに、人の移動が制約されれば、ビジネスの利便性や従業員の雇用にも影響があるかもしれません。また、物価の関係でEU内の他国に拠点を置き、そこから英国に製品等を移動しているとの話も聞いております。その意味では、実は英国に進出している企業以上にこのEU離脱の影響は波及する可能性があり、それどころか、進出している大企業はもちろん、中小企業にもこの影響は大きいのではないかと感じております。そして、岐阜県内の企業にも少なからず影響があるものと考えます。

 知事は、昨年十一月に、飛騨・美濃じまん海外戦略プロジェクトの一環として、初めて英国にトップセールスを実施されました。美濃和紙や飛騨牛等の県産品の紹介や観光ブースの出展など「清流の国ぎふ」の魅力をPRするとともに、各種イベントに出席され、将来に向けた種まきを行われましたが、当時の状況とEU離脱決定後の現在とでは、持たれる印象もまた異なってくると思います。県からも各企業に積極的にアプローチなどを行い、日ごろの連携を密に保っていくことが重要であると考えますし、EU離脱後の影響やリスクについてある程度想定しておくことも必要ではないかと感じております。

 そこで、知事にお尋ねをいたします。

 英国のEU離脱に伴い、本県の企業等にどのような影響が想定されるのか、御所見をお尋ねいたします。

 最後に、スマートフォンを活用した観光誘客の推進について質問をさせていただきます。

 アメリカで先行配信され、世界的な人気となりました「ポケモンGO」が、ことしの七月二十二日に日本に上陸して以降、各ニュースは一時この話題で盛り上がり、まちの風景、特にレアキャラが出現する場所や公園などの様子は一変し、スマートフォン片手に歩き回る方々を目にするようになりました。

 当時の熱気から比べると、現在はかなり落ちついてきたと感じていますし、歩きスマホやながら運転等に対して、国や自治体、警察などが警鐘を鳴らすとともに、立入禁止区域や私有地等への侵入が相次ぐなど、マイナス面も問題となってきております。議会棟にも「ポケモンGO」を持って侵入したと新聞報道で見ました。

 しかしながら、人々を外に連れ出す威力はすさまじく、この影響力をビジネスや地域振興に生かそうという動きも広がっております。地方自治体においても、岩手、宮城、福島、熊本の四県は、「ポケモンGO」と連携した観光誘客を進めており、最近では京都府が、地域の隠れた観光名所の発掘や紹介につなげる取り組みを始めたとのことです。

 さて、この「ポケモンGO」で使われている技術にAR、現実の風景にデジタル情報を重ねて表示する拡張現実と呼ばれる技術があり、その先駆けとなったのが「セカイカメラ」です。この言葉を聞き、ああ、そんなカメラあったなあと懐かしく思われる方もいるかもしれませんが、岐阜県としても平成二十二年ごろから、かなり大々的にPRするとともに、各観光名所においてこのセカイカメラの活用が行われていたと記憶しております。

 当時は斬新であった技術が、数年後には当たり前になる、技術革新は我々の想像をはるかに超えており、今後はARに加え、VR−−バーチャル・リアリティー−−などの技術も注目されておりますが、行政としてもアンテナを高くし、こうした技術を積極的に活用することが求められると思います。知事、たとえば、今議論されておりますかかみがはら航空宇宙科学博物館では、三式戦闘機「飛燕」を展示されていく予定でおりますが、スマートフォンを飛燕にかざすと飛行する姿が再現されるなど、いろんな活用ができていくと思います。

 そして、「ポケモンGO」や技術革新の背景には、やはりスマートフォンの急速な普及があります。総務省の調査によると、スマートフォンの普及率は今や七割近くであり、若い世代ほど高く、三十代では八二%、二十代に至っては九四%となっております。

 今後、あらゆる場面でスマートフォンの活用を意識する必要がありますが、中でも観光分野については大きな効果が期待できると考えます。「ポケモンGO」に代表されるゲームやアプリとの連携、現地でしか入手できない情報の発信、観光地への誘導や周遊性を高めるための仕掛けなど、スマートフォンを経由し、さまざまな動機づけを行うことで観光客を呼び込むことができると思います。

 私もまだ若い世代であると自負しておりますが、若者の多くは観光先でスマートフォンを持ち歩き、情報を入手しております。行政としても観光誘客に向け積極的な活用が求められるのではないでしょうか。

 そこで、観光国際局長にお尋ねをいたします。

 今後は、スマートフォンを活用した観光誘客を積極的に進めるべきと考えますが、この点についてどのように取り組まれるのか、お聞かせ願います。

 以上で、私からの質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

    (拍手)



○副議長(佐藤武彦君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 英国のEU離脱に伴う影響ということで御質問がございました。お話を伺いながら思い起こしていたんですが、もう四十年ほど前、ちょうどヨーロッパ共同体、当時のEECですね。そこにイギリス、アイルランド、デンマークが入ってくるというその時期に、ヨーロッパの新聞、とりわけフランスの新聞は、一面にトップにもちろん掲げたわけですが、その見出しは、「英語が共同体にやってくる」と。つまり、フランス、ドイツ、イタリア、ベネルクスでヨーロッパ共同体ができていたわけですから、そこに英、アイルランド、デンマークが入ってくると。英語に共同体が、ヨーロッパが席巻されるのではないかという懸念といいますか、英語がやってきたというふうにして、この三国を迎え入れたということでありまして、四十年たって、その逆のことが今起こっておるわけですから、そのことを思い出したのが一つと、それから、昨年の飛騨牛キャンペーンを思い出しておりましたが、とりあえず聞いておりますのは、イギリスのちゃんとしたレストランで飛騨牛がメニューで出ておりますが、先般、友人がロンドンに行ってきましたら、百グラム日本円換算で一万円というメニューが出ておったそうでありまして、引き続き超高級牛肉ということで売られておるということでございます。

 御質問は、本県の企業にどう影響があるかということでございますが、七月一日に産業経済振興センターに相談窓口を設けるとともに、ヒアリングをずっとやってきておりますけれども、本県の企業からは、ヨーロッパ経済の混乱による世界経済への影響が心配であるとか、あるいは為替変動の影響や原材料価格の動向を注視しているとか、あるいは主要な取引先が英国にあるので影響を受ける可能性があるとか、為替・株価、あるいは今後、取引先の売り上げへの影響を懸念するという声が聞こえておるわけでございます。

 注目していくべきポイントは二つあると思っておりますが、一つは、為替や株価の急激な変動ということであります。国民投票直後、一時、為替と株価は非常に大きく変動いたしております。EU離脱がドミノ式に連鎖し、これが信用不安につながるというリーマンショック型の再来も一時は懸念されたところでありますが、今のところは比較的落ちついた動きとなっておるということでございます。

 しかしながら、今後、英国のEU離脱に向けた交渉の動向、あるいはその不確実性が市場で懸念されることになれば、為替や株価の急激な変動につながるおそれもなしとしないということでございます。県内の製造企業の多くは円高を特に心配しておられまして、私どもとしても為替の動向、そしてその県内企業への影響については、引き続き十分注意をしてフォローしていきたいと思っております。

 二つ目は、関税や規制など輸出先等としてのイギリスやEUのビジネス環境の悪化ということの懸念でございます。現在、英国とEUとの間は当然でありますが、単一の市場として、無関税、同一規則で物やサービスが動いているわけでありますが、英国離脱後の取り扱いいかん、これは今後の離脱交渉の中で決まってくるわけでありますが、予断を許さない状況にあるということでございます。

 そうしますと、例えば県内には英国内の組み立てメーカーに向けて中間部品を輸出する企業がございますが、仮に英国とEUとの間で関税が復活し、英国メーカーからEUに向けた最終製品の売り上げにこれが影響を及ぼすということになりますと、翻って県内部品企業の売り上げにも影響が出るということでございます。

 また、検疫、食品安全基準といった規制が英国とEUで全く別物が適用されることになりますと、例えば先ほど申し上げました飛騨牛の輸出に当たり、英国とEUの双方に向け異なる手続が必要になるということになり、大変煩雑になるといった影響も想定されるわけでございます。

 日本政府も、こうした懸念を踏まえて、離脱プロセスにおける予見性確保、ビジネス環境の維持、または急激な変化の緩和などについて、イギリス及びEUの双方への働きかけを行っておられます。

 先ごろ、メイ英国首相は、EUへの離脱通告を来年三月末までに行う意向を表明したところであります。そうしますと、交渉は通告後、原則二年間かけて行われるというふうに言われておりますので、決着は二〇一九年三月末までというふうに見込まれるわけでございます。当面、こうした状況を見ながら、仮に情勢が変化し、県内企業に影響が及ぶような場合には、国とも連携をして機敏に対応してまいりたいと思っております。



○副議長(佐藤武彦君) 健康福祉部次長医療・保健担当 森岡久尚君。

    〔健康福祉部次長医療・保健担当 森岡久尚君登壇〕



◎健康福祉部次長医療・保健担当(森岡久尚君) 不妊治療に関する助成制度の現状と課題及び今後の取り組みについてお答えいたします。

 不妊治療のうち、体外受精や顕微授精は医療保険の適用とならず、高額な治療費を要するため、県では平成十六年度から特定不妊治療費助成事業として治療費の一部を助成しています。

 さらに、平成二十七年度からは、同じく医療保険の適用とならない人工授精や特定不妊治療の一環として行われた男性不妊治療に係る費用の一部助成を県単独事業として開始したところです。特定不妊治療費助成事業の申請数は平成二十七年度二千二百四十五件と五年前の約一・六倍となっており、不妊治療の普及などを背景に当該事業を利用される方は年々増加しています。

 不妊治療は、治療を受ける方が経済的な負担に加え、不安や悩みを抱えておられたり、周囲の理解が必ずしも十分に得られていない場合もあると承知をしています。このため、引き続き助成事業の実施を通じて経済的負担の軽減を図るとともに、県不妊相談センターにおける相談や交流会の活用による精神面での支援、講演会の開催や県ホームページ等による正しい知識の普及など、不妊治療を受ける方への多面的な支援に努めてまいります。



○副議長(佐藤武彦君) 子ども・女性局長 鈴木裕子君。

    〔子ども・女性局長 鈴木裕子君登壇〕



◎子ども・女性局長(鈴木裕子君) 望まぬ妊娠など問題を抱えた妊婦に対する妊娠初期段階からの支援についてお答えします。

 平成二十六年度に県内で発生した母親が出産したばかりの新生児を殺害するという児童虐待死亡事案では、望まない妊娠を誰にも相談できなかったことが虐待につながっており、望まない妊娠に悩む女性に対する支援は、児童虐待防止に有効であると認識しております。

 現在、県では、受診した医療機関の報告に基づき支援を要すると判断した妊婦に対しては、市町村に設置されている要保護児童対策地域協議会において、県子ども相談センター、医療機関、警察、民生委員などが情報共有を行い、必要な支援を行っているところです。

 今後は、公共施設、商業施設など目の届きやすい場所に相談窓口を記載したリーフレットを配布するなど医療機関を受診しないでいる妊婦に対しても支援が届くよう取り組んでまいります。

 なお、御提案のありました国のモデル事業につきましては、虐待防止に向けて有効な手段の一つであることから、今後、配置基準など制度の詳細について情報収集を行うとともに、医療機関、市町村などの意見も聞きながら実施の可能性を検討してまいります。



○副議長(佐藤武彦君) 観光国際局長 小原寿光君。

    〔観光国際局長 小原寿光君登壇〕



◎観光国際局長(小原寿光君) スマートフォンを活用した観光誘客の推進についてお答えいたします。

 スマートフォンは、旅行前の下調べや予約、現地散策マップやお得な情報の取得など、今や旅行にも必須のアイテムとなっております。このため、本県では、位置情報を活用した観光情報の発信やWi−Fi環境の整備の促進、市町村などが取り組む観光アプリの導入支援などにスマートフォンを活用した観光誘客に取り組んでおります。

 また、議員御指摘の観光スポットや展示施設での活用に加え、観光消費額の拡大や滞在時間の延長につながる仕掛けも考えられます。例えば、現在、長良川上・中流域で実施中の観光スタンプラリーは、位置情報を活用し、エリア内での宿泊や施設見学、体験プログラムの利用といった現地の消費により獲得ポイントが高くなるなど、エリア内の周遊と消費喚起につながる仕掛けを講じております。加えて、位置情報から観光客の動態把握が可能となるため、マーケティングに生かせることも大きなメリットとなっております。今後は、こうした取り組みを県内各地に広め、より広域的な誘客の拡大、消費の喚起につなげてまいります。



○副議長(佐藤武彦君) 十八番 酒向 薫君。

    〔十八番 酒向 薫君登壇〕(拍手)



◆十八番(酒向薫君) 議長よりお許しをいただきましたので、大きく二項目の五点について御質問をさせていただきます。

 初めに、道の駅の活用についてお尋ねいたします。

 道の駅は、高齢者や女性ドライバーの増加やマイカーによるレジャーの増加などを背景に、沿道での快適な休憩へのニーズの高まりを受け、平成五年に国土交通省が登録制度をスタートさせています。制度から二十年以上が経過し、ことし五月現在、全国で一千九十三駅の登録があります。年間の購買客数は約二億三千万人を超え、売上高はコンビニ業界五位に相当する約二千三百億円にも達するということです。

 お手元に配付いたしました資料をごらんいただきたいと思います。(資料を示す)岐阜県には、私の地元関市三カ所を含め五十五カ所の道の駅が登録され、登録数は北海道に次ぐ全国二位となっています。なお、おおむね県全体に道の駅はあるということでございます。

 道の駅は、安全で快適な道路交通環境の形成並びに地域の振興に寄与することを目的に一般道路の沿線に整備され、一つ目に休憩機能、二つ目に道路利用者や地域の方々への道路情報、観光情報などの情報発信機能、三つ目として観光レクリエーション施設などの地域連携機能をあわせ持った施設となっています。

 道の駅を設置するには、一般的に市町村等と道路管理者が互いに道の駅の施設計画等の調整を行い、全体整備計画を策定。そして、市町村等が設置申請者となり、地域振興設備の一環として特産物販売所やレストランの整備を行う一方、道路管理者は、駐車場や休憩場所の整備を行うことになっています。

 当初は、通過する道路利用者へのサービスが中心でしたが、近年は、人口減少や高齢化といった社会情勢の変化を踏まえ、各施設が創意工夫して、農林水産業や観光産業などの産業振興や福祉・防災機能の強化などに取り組んでおり、多様で個性豊かなサービスにより活力ある地域づくりの拠点になることが期待されています。

 昨今、国土交通省も、地方創生の拠点となる道の駅の機能別に、地域の観光総合窓口機能、インバウンド観光や地方移住等の促進など、地域外からの活力を呼ぶゲートウエー型と、地域の産業振興、地域福祉の向上や高度な防災機能など地域の元気をつくる地域センター型に分類し、道の駅を経済の好循環を地方に行き渡らせる成長戦略の強力なツールと位置づけており、各省庁と連携し、すぐれた企画を選定し、重点支援する取り組みを実施しています。この重点「道の駅」としては、当県では、平成二十七年度に郡上市明宝、下呂市飛騨金山ぬく森の里温泉などが選定されているところであります。

 道路、観光、農林、商工、防災など多くの分野にわたる市町村の取り組みに対し、茨城県では、県部局を横断した「道の駅」地方創生ワーキングチームを結成し、市町村がよりよい整備計画を策定できるような助言や情報提供、整備や取り組みに活用できる交付金などに関する助言、既存の道の駅の取り組みについての支援を積極的に行っています。

 道の駅は、地方創生を具体的に実現していくための極めて有力な手段であり、地域の活性化のためにも国、市町村と連携をとり、県も積極的に道の駅の多様な取り組みに支援を行っていくとともに、道の駅の高い集客力、情報発信力を活用して県の施策との連携を図っていく必要があるのではないかと思います。

 県内の道の駅において、多いところでは年間五十万人から六十二万人ほどの観光客の利用者が訪れています。たとえ遠くても、たとえ並んで待っても、そこでしかないおいしいグルメが食べたい、欲しい特産品が買いたいとお客は押し寄せ、道の駅自体が立派な観光地、目的地ともなっております。しかし、道の駅自体は都市部よりも郊外や山間部に多くあることから、地元の供給事業者が少ないなど商品の開発や安定供給の面からは懸念されているところでもあります。

 そこで、道の駅相互の情報共有や連絡調整を行い、道の駅の活動を支援する取り組みを行っている岐阜県ブロック「道の駅」連絡会との連携を段階的に広げていきながら、例えば、飛騨地方の特産品を西濃地方の道の駅で販売するなど、それぞれの道の駅が市町村や地域の枠を超えて県産品を取り扱ったり、道の駅の人気商品がずらりと並んだ道の駅人気商品コーナーを設けたりすることで、観光客や県民に向けて、県産品の地産地消、販路拡大に活用することができるのではないかと思います。

 また、県は、道の駅で提供する県の観光情報やイベント情報等について、県下全域で連携を図りながら統一性を持たせ、道路利用者にとって魅力的な情報発信を推進することを目的に、今年度から新たな取り組みを始められたとのことであります。道の駅を活用し、魅力的な情報発信を進めるには、提供する情報の内容も魅力的でなければなりません。本来の道路情報に加え、地域の観光情報、県内の他地域の観光情報を発信することも有効なことだと考えております。

 例えば、県の重要施策である関ケ原古戦場やかかみがはら航空宇宙科学博物館などの情報を飛騨地域などで発信することで、県の魅力のPRとともに、ドライブなどで道の駅を訪れた利用客、観光客を県内各地域へ回遊させることにもつなげていけるものではないかと思います。

 そこで、二点お伺いをいたします。

 道の駅を活用した県産品の地産地消、販路拡大などの産業振興策についてどのようにお考えなのか、商工労働部長にお尋ねをいたします。

 次に、県は、国、地元市町村、道の駅駅長らと観光情報等の魅力的な情報発信を推進する取り組みを始められたとのことですが、現在の情報発信の状況と、今後どのように取り組みを進められていくのか、県土整備部長にお尋ねをいたします。

 次に、防災拠点としての整備と活用についてです。

 東日本大震災を初め中越地震や能登半島地震、そして熊本地震において道の駅が活用された例があり、道の駅には災害対応・防災拠点といった新たな機能も期待をされております。

 熊本地震においては、道の駅が果たした役割としては、一、避難場所の提供、飲食物の提供、炊き出しなどの緊急避難対応。二、前線、中継基地、支援物資の集積などの災害復旧対応。三、手書き地図等の配布、掲示やSNSなどへの情報掲載による被災箇所情報の発信などの情報提供対応。四、地域の生活復興支援などの災害復興支援対応などがあります。

 一定人数が収容できる施設があり、災害情報の受発信や備蓄の保管などが可能な道の駅を防災拠点として有効に活用する視点は今後改めて必要になってきます。

 また、平成十九年に当時の東濃振興局と東濃圏域の十の道の駅との間で災害発生時に応急生活物資を迅速かつ円滑に被災地へ供給並びに被災者等への支援を目的に、災害時における応急生活物資の供給及び被災者等への支援に関する協定が締結されています。これ以降は全県的な広がりにはなっておりません。災害時には、近隣のほか、遠隔地の道の駅との協力関係も有効と考えられることから、岐阜県ブロック「道の駅」連絡会などと協力して、ぜひ県と県内の道の駅と連携を深め、より広域での取り組みを進めていただきたいと考えております。

 実際に道の駅に高度な防災機能を備え災害時に活用するためには、非常用水の確保、非常用電源の確保、災害資材の備蓄倉庫などの整備が必要になるほか、閉館時間における災害対応、販売物の無償提供時などの経済的な負担など検討すべき課題も多く残っております。

 しかし、道の駅は、地震直後から発生する緊急物資の供給等に必要な輸送を円滑かつ確実に実施するための道路である緊急輸送道路に面していることや、施設によっては、一定のスペース、建物等の設備を有していることから、広域防災拠点となるなど災害時に有効な施設となる可能性が高いと考えております。道の駅の立地環境や施設の規模などにより期待される防災機能には違いがあることから、市町村と連携し、地域ごとに、それぞれの道の駅にふさわしい災害時に対応した防災機能を充実させる必要があると考えます。

 そこで、危機管理部長にお尋ねします。

 道の駅の防災機能を向上させ、県及び市町村において災害時の活用を図るべきだと考えますが、防災拠点としての整備と活用をどのように進めていかれるのでしょうか。

 次に、二番目でございます。障がい者に関するマークについてお尋ねをいたします。

 九月二十三日から二十五日の三日間に「清流に 楽しさ 笑顔 夢いっぱい」を大会スローガンに、第七十回全国レクリエーション大会in岐阜が県内全四十二市町村を会場に、全三十八種目と過去最大規模の大会が開催されました。大会期間中は約六万人、プレイベントを含めますと約十七万一千人の人々が参加され、成功裏に幕を閉じたわけでございます。その中には、障がいのある人たちも県下各地でたくさん参加され、楽しいひとときを過ごされたと聞いております。

 岐阜新聞の紹介においては、岐阜市の障がい福祉サービス多機能型事業所清流園においては、利用者が毎日作業に向かう前に、NHKのみんなの体操でストレッチをして体をほぐすことや恵那市の知的障がい者支援施設アメニティハウス・エナでは、週一回、入所者がミナモダンスを楽しんでいるなど、障がいのある人もオール岐阜で一人一レク運動を積極的に行ってみえると伺っております。

 また、リオデジャネイロのパラリンピックにおいては、百三十二人の日本選手団が大活躍し、銀メダル十個、銅メダル十四個の計二十四個のメダルを獲得し、国民に勇気と感動を与えてくれました。これは、前回ロンドン大会の十六個のメダルを八個上回るという好成績をおさめられました。

 その閉会式においては、下呂市出身の義足のダンサー大前光市さんが世界の大舞台で見事なパフォーマンスを披露され、感動を与えていただき、岐阜県をPRしていただきました。障がいのある人たちが本当に元気で活躍をされていると思います。

 さて、この四月より議員提案条例である岐阜県障害のある人もない人も共に生きる清流の国づくり条例が施行されました。私も発案当初から参加させていただきました。

 先般、長屋議員からの質問がありましたが、県では来年度から外見では障がいがあるとわからない方たちが手助けを必要とすることを知らせるためにヘルプマークを導入するとのことであります。ヘルプマークは、支援ニーズに着目したマークで、周囲に思いやりの行動を促し、見えない障がいへの理解を求めるものです。ヘルプマークの利用者は、主に内臓の機能障がいや難病、人工関節や義足を使っている方たちや妊婦の方たちです。自分の障がいや必要な配慮が書き込め、かばんなどにつけて使います。電車やバスで席を譲ってもらったり、災害時に支援を受けたりできる効果を期待しております。ヘルプマークは、二〇一二年、東京都が作成し、京都などの複数の府県で導入、または導入の検討がされております。共生社会の実現に向けてとても大切なものだと考えられます。

 そこで、健康福祉部長にお伺いをいたします。

 ヘルプマークの導入に当たっては、検討課題も多いと感じています。一つ、配付方法について、各方法に長所・短所があると思いますが、申請型か全交付型のどちらの方法でいかれるおつもりでしょうか。二つ、利用される障がい者などの人数がどのぐらいになると推定をされてみえるでしょうか。三つ、障がいのある人ない人ともにマークの効果が出るようにそれぞれにどのように推進していくのか。これらの課題を踏まえ、今後どのように取り組んでいくのか、お伺いをいたします。

 次に、障がい者に関するマークの認知度向上の取り組みについてお尋ねいたします。

 なぜ、障がいがない人は、上手に障がいのある人に声をかけられないのでしょうか。例えば、駅で一人白杖をついている人がいたら、「大丈夫ですか」と声をかけてほしい。「お願いします」と言われたら介助する。「大丈夫です」と言われたら「お気をつけて」と立ち去ればいい。ただそれだけのことであります。ところが、シャイな日本人は、声をかけるのもびくびくしているという状況でございます。私もシャイな男です。「大丈夫です」と言われたら、「余計なことを言ってしまった」と後悔をしてしまう。また、日本人はなかなか障がいがある人に声をかけられないのは、障がい者教育が別になっているためだと思われます。子供のころから障がいのある人と机を並べていれば、どう手伝えればよいかはおのずとわかってくるものだと思います。

 障がいのある人とない人がともに学ぶ。障がいのある子供を含め全ての子供に対して子供一人一人の教育的ニーズに合った適切な教育的支援を通常の学級において行うインクルーシブ教育は、まだ日本では始まったばかりであります。障がいのある人は別世界だという意識がまだまだ強いのではないでしょうか。自然に思いやりや配慮ができるようになるためには、このような課題を一つ一つ解決していかなければならないと思います。

 さて、まちを歩くと、エスカレーター、改札口、トイレなどでたくさん目にする絵文字。文字による文章で表現するかわりに、視覚的な図で表現することで言語に制約されずに内容の伝達を直感的に行う目的でピクトグラムが使用されています。視覚言語として世界的にその存在が注目され、日本では一九六四年、第一回の東京オリンピック開催時に、外国語によるコミュニケーションをとることが苦手な当時の日本人と外国人の間を取り持つために、国籍、年齢、性別を問わず、一目で何を表しているかがわかるようなシンプルなデザインとして、勝見 勝氏らによって開発されたのが始まりであります。八〇年代以降には、駅、空港などの公共空間を中心に広く普及しています。障がいのある方が安心して暮らせるよう、障がい者に関するさまざまなピクトグラムが作成されています。

 お手元に配付しました「障がい者マークの紹介」をごらんいただきたいと思います。(資料を示す)現在、内閣府が障がい者に関するマークとして、障がい者団体などがそれぞれの思いでつくった主な十のマークの普及を図っています。

 (資料を示す)これの上から三番目をごらんいただきたいと思います。これは車椅子のマークでございますが、多くの方が目にしたことがあると思います。このマークがどういった意味なのか、正しく理解されているでしょうか。このマークは、障がい者が利用できる建物、施設であることを明確にあらわすために世界共通のシンボルマークとなっています。しかし、この車椅子のマークは、昨今、個人の車に張ってあることをよく見ます。しかし、この車椅子マークを個人の車に表示することは、本来の趣旨とは異なっております。また、この車椅子マークは、車椅子の方を限定するものではなく、障がいのある人全てを対象としております。そうかといって、このステッカーが張ってあるといって駐車禁止などの道路交通法上の規制を逃れることや、障がい者専用駐車場が優先的に利用できるなどの証明にはなってはいないということでもあります。障がいを理由に、配慮される側、する側がともにマークの意味を理解し、正しく利用しなければトラブルの発生を招きかねません。

 資料に記載された他の障がい者に関するマークも含め、興味を持って学ぶ機会も少ないためか、認知度はまだまだ低いと言わざるを得ないわけであります。

 平成二十八年四月、国において障がいを理由とする差別の解消の推進に関する法律の施行もあり、障がい者への合理的配慮をしやすくする環境の整備が急務となっております。各自治体が活発に新たなマークの制作や普及に乗り出しています。

 こういった障がい者マークの導入に当たって、配慮される側、する側双方が気持ちよく過ごすためには、その認知度が必要となってきます。マークはどのように使われているのか、マークを身につけた方がいたらどうすればいいのか、双方に向けた周知にしっかり取り組むべきだと考えます。

 そこで、健康福祉部長にお尋ねいたします。

 配慮される側、する側双方の環境整備として、ヘルプマークとともに、障がい者に関するマークの認知度向上にどのように取り組んでいかれるのでしょうか。

 以上で質問を終わりますが、県民が安全で安心して暮らせる「清流の国ぎふ」、県民ファーストの御解答をいただくことを御期待申し上げ、質問を終わらせていただきます。御清聴どうもありがとうございました。

    (拍手)



○副議長(佐藤武彦君) 商工労働部長 河合孝憲君。

    〔商工労働部長 河合孝憲君登壇〕



◎商工労働部長(河合孝憲君) 道の駅を活用した県産品の産業振興策についてお答えをいたします。

 県内の道の駅は、その三分の二の施設で年間十万人以上の利用があり、地場産品の販売、PRの拠点として、有効かつ重要な施設となっております。

 道の駅は、市町村や施設管理者により、それぞれに活用が図られておりますが、東濃圏域など地域内の道の駅が連携して相互に地場産品を販売し合ったり、また岐阜県名産販売株式会社を通じて広く県内各地の地場産品を販売品に加え、その充実を図っているところもあります。このように、地元の農産物から県内各地の地場産品まで、それぞれの特色に合わせて幅広く展開することは、道の駅のさらなる活性化や県産品の販路拡大につながるものと考えております。

 このため、こうした取り組みにつきまして、岐阜県ブロック「道の駅」連絡会に提案を行うとともに、道の駅それぞれのニーズを伺いながら、岐阜県名産販売を初め県内企業とのマッチングを進めるなど、道の駅と連携した県産品振興を図ってまいります。



○副議長(佐藤武彦君) 県土整備部長 高木善幸君。

    〔県土整備部長 高木善幸君登壇〕



◎県土整備部長(高木善幸君) 道の駅での情報発信の現状と今後の取り組みについてお答えします。

 道の駅で発信する観光情報については、関係機関等から提供される情報の中から各道の駅が独自に選定しており、一部で情報の内容に漏れや偏りがあり、更新がおくれるなど効果的な情報発信ができない状況にありました。このため、今年度、県内を四地域に分け、各地域ごとに道の駅の駅長や道路管理者、関係市町村、県の広報、観光部局等から成る連絡調整会議を設置し、地域の道の駅が連携した魅力的な情報発信について発信する情報の種類や範囲、内容、方法などを研究するとともに、映像の活用や無料公衆無線LANの整備について検討を始めました。

 さらに、こうした連絡調整会議での取り組みを支援するため、各地域に道の駅情報管理員を配置したところです。引き続き、この連絡調整会議を活用しながら関係者と連携し、道の駅における魅力的な情報発信に努めてまいります。



○副議長(佐藤武彦君) 危機管理部長 市川篤丸君。

    〔危機管理部長 市川篤丸君登壇〕



◎危機管理部長(市川篤丸君) 防災拠点としての道の駅の活用についてお答えをいたします。

 道の駅は主要な道路に面しており、また広い駐車スペースや建物、トイレなどを有していることから、災害時には、観光客など帰宅困難者や熊本地震で多く見られた車中泊避難者などの一時的な受け入れなど、防災上の拠点となり得る施設であると考えております。このため、今年度新たに道の駅に非常用電源や防災トイレ、備蓄倉庫等を整備する市町村への補助制度を創設し、道の駅の防災機能の強化を図ることとしております。

 また、大規模災害時に医療搬送の拠点や物資の集積拠点として広域的な役割を担う県広域防災拠点として十五カ所の施設を指定しておりますが、年度内に新たに道の駅一カ所を追加指定し、防災拠点に必要な耐震性貯水槽等の整備を支援する予定です。

 あわせて、熊本地震の事例などを参考に、市町村と意見交換を行いながら、必要となる設備等への補助対象の拡充など、道の駅における防災機能のさらなる強化を図ってまいります。



○副議長(佐藤武彦君) 健康福祉部長 尾藤米宏君。

    〔健康福祉部長 尾藤米宏君登壇〕



◎健康福祉部長(尾藤米宏君) 障がい者に関するマークについて二点御質問がありました。

 まず、ヘルプマークの今後の取り組みについてですが、県では、現在、ヘルプマークの来年度からの導入に向けて、議員提案条例に基づき設置しました県民会議や県審議会などの御意見を伺いながら、検討を進めております。

 まず配付方法ですが、ヘルプマークを広く普及させる観点から、希望者全員に無償配付し、配付窓口は県や市町村のほか、導入時には、団体を通じた配付も実施したいと考えております。

 次に、利用者数の見込みですが、県内二十九の障がい者関係団体にお尋ねしたところ、外見上、障がいとはわかりにくい難病の団体などから特に多数の希望があり、全体で約一万四千個の御要望をいただいております。

 最後に推進方法ですが、ヘルプマークを配付する際には、使用方法や特徴などを記載したリーフレットを配付するとともに、ヘルプマークの定着に向けて、駅などの公共施設でのポスター掲示や新聞広告の活用、学校でのチラシ配布など、幅広い啓発を実施したいと考えております。

 次に、マークの認知度向上の取り組みについてお答えいたします。

 障がい者マークは、障がいの特性や障がいに関する理解を視覚的に伝える効果的な手段であることから、これまでも県では、内閣府が公認するマークを障がい者福祉の手引などに掲載し、啓発してきたところです。しかしながら、マークを知らない県民も依然多く、その使われ方やマークを見かけた際に必要な対応がわからない県民も多いと考えております。

 このため、今後は、例えばクイズ形式のような形で小さなお子さんでも覚えられるような啓発など伝え方に工夫を凝らすとともに、ヘルプマークとあわせた啓発や、さまざまなイベントなどの機会を利用した啓発を、市町村や、あるいは障がい者関係団体などとも連携しながら実施し、マークの周知に努めてまいります。



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○副議長(佐藤武彦君) しばらく休憩いたします。



△午後三時八分休憩



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△午後三時三十七分再開



○議長(矢島成剛君) 休憩前に引き続き会議を開きます。



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○議長(矢島成剛君) お諮りします。本日の会議時間をあらかじめ延長いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○議長(矢島成剛君) 御異議なしと認めます。よって、本日の会議時間を延長することに決定いたしました。



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○議長(矢島成剛君) 引き続き一般質問並びに議案に対する質疑を行います。八番 広瀬 修君。

    〔八番 広瀬 修君登壇〕(拍手)



◆八番(広瀬修君) それでは、発言通告に従いまして順次質問をさせていただきます。

 今回は、大きく一つの項目、台風十号の豪雨災害を踏まえた取り組みについてに絞り、細かく五点についてお尋ねしていきます。

 さて、従来の台風のルートと言えば、まず沖縄地方から九州地方、そして本州を通り、関東、東北地方を抜けていくというものが通常ではなかったかと思います。それが近年変わり始め、特にことしにおいては、従来台風のルートではなかった北海道や東北北部にも台風が上陸しています。

 そのような中、本年、東北地方に上陸し、甚大な被害をもたらしたのが台風十号です。まずもって、この台風十号によりお亡くなりになられた皆様の御冥福をお祈りするとともに、被害を受けられました皆様に心よりお見舞いを申し上げるところでございます。

 また、先日、本県においては、台風十六号の通過に伴い、東濃地方などの市町で避難指示・勧告が一時出されましたが、瑞浪市で住宅一棟が床上浸水、そして瑞浪市、大垣市、多治見市、瑞穂市、土岐市及び恵那市で住宅など計二十一棟が床下浸水するという住家等の被害が出ました。幸いにも県内では人的被害はありませんでしたが、お隣、愛知県の清須市においては、冠水した県道で女性が水没した車両内から発見され、搬送先の病院で亡くなられるという痛ましい被害など、全国各地で人的被害が発生しました。

 ここで、台風十号に話を戻しますが、東北地方、特に岩手県岩泉町にある認知症高齢者グループホーム「楽ん楽ん」の居住者九人が、豪雨で氾濫した小本川の濁流にのまれて亡くなられたことについて、本県に照らし合わせてお尋ねしていきたいと思います。

 今回の台風十号の水害を受け、厚生労働省は各都道府県、指定都市、中核市の民生主管部局長宛てに、社会福祉施設等における非常災害対策及び入所者等の安全の確保について、改めて注意喚起、今後の水害等に備えた警戒避難体制の確保などについて周知依頼を通達いたしました。

 さらに、内閣府、消防庁からは、各都道府県防災担当主管部局長宛てに、今後の水害等に備えた警戒避難体制の確保について、適切な対応がとられるよう積極的な情報提供、助言を行い、各市町村に対してガイドラインのさらなる周知を図っていくよう通達がありました。これらの通達に先立ち、本県におかれては、高齢者福祉施設等における防災対策の強化及び徹底について、各施設、事業所の長に、避難マニュアル等が実態に即したものになっているかどうかの点検・再確認とともに、市町村等防災関係機関との連携など、施設利用者の安全確保の周知を図られました。

 さらには、浸水想定区域内、土砂災害警戒区域−−イエローゾーン−−、土砂災害特別警戒区域−−レッドゾーン−−内に位置する高齢者福祉施設、入所施設の状況を確認するため、介護老人福祉施設、いわゆる特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、養護老人ホーム、軽費老人ホーム、そしてサービスつき高齢者向け住宅を含む有料老人ホーム等に対して、非常災害対策に関する調査をされたとお聞きしております。この調査では、施設の立地状況のほか、非常災害マニュアルの整備状況や過去三年の避難訓練の実施状況を調査されており、早速基礎的データの収集に努められていることに対しては、大変ありがたく感じております。ただし、あくまでも基礎的なデータの収集であって、建物の形状や医療機器の配置、自家発電装置など、各施設に即した非常災害マニュアルの整備も必要ではないでしょうか。

 今回、死者九人を出してしまった認知症高齢者グループホーム「楽ん楽ん」においては、平家建てで、夜間入所者九人に対して所長一人という状況でした。これがもし平家建てではなく二階、三階建てであったり、職員が一人ではなく二人以上であったとしたならば、結果は変わっていたかもしれません。

 しかし、もともとこのような認知症高齢者グループホームは、少人数、五人から九人がワンユニットで暮らすというようなものが一般的で、職員の負担や建物のコストも考えて平家建てにしているという現状があると思います。ですから、必然的にコストを考えると、あえて安い土地、すなわち土砂災害や水害の危険が高いようなところに建てざるを得ないという事情もあるのでしょう。本来であれば、そんなことではいけないと思いますが、施設の収支を考えると、非常に悩ましいところであります。ただ、だからといって、施設側もそれでいいというわけではなく、施設の立地状況等を考慮した非常災害マニュアルの整備や避難訓練の実施などの備えをし、河川水位など防災気象情報の収集に努めるとともに、日ごろから行政や地域の人、水防団や消防団の皆さんとコミュニケーションをしっかりととっておくことも重要になってきます。

 国におかれては、平成二十五年七月十一日に、頻発する水害や構造物の老朽化等を踏まえ、河川管理者の水防活動への協力、事業者等の自主的な水防活動、河川管理施設の維持・修繕の基準の創設、河川協力団体の指定等、水防法及び河川法の一部を改正されました。

 さらに、昨年の平成二十七年七月十九日に、洪水のほか内水、高潮により現在の想定を超える浸水被害が多発している状況への対応を図るため、現行の洪水に係る浸水想定区域について想定し得る最大規模の降雨を前提とした区域に拡充する等、水防法等の一部が改正されました。しかしながら、今回の岩手県岩泉町の認知症高齢者グループホームでの豪雨災害では、浸水想定区域の指定のおくれが明らかになりました。

 本県におかれては、現在、水防法に基づき、二十五河川三十四市町で浸水想定区域を指定するとともに、そのほかにも県の任意により、氾濫によって甚大な被害をもたらすおそれがある河川を公表しております。現在、平成二十七年の水防法改正を受け、指定見直し作業を行っていると伺っておりますが、まだまだ全ての作業を完了するには時間がかかるということであります。ちなみに、愛知県は五年後、三重県では八年後に、この指定作業が完了するという予定であるということであります。県が浸水想定区域の指定を見直し、それを受けて区域内の市町村は避難に必要なハザードマップを作成するという順序になります。ですから、少しでも早い県の指定の見直し作業が必要となってくるわけです。

 そこで、以下の二点について、県土整備部長にお尋ねをいたします。

 一点目として、氾濫危険水位など河川水位の情報提供と浸水想定区域の見直し状況について、お聞きします。

 次に二点目として、今般のような暴風及び豪雨による水害などの災害が発生したときには、やはり地元の水防団がとても頼りになる存在です。現在、本県において単独で水防団を持っている市町村は、岐阜市、羽島市、各務原市、岐南町、笠松町の三市二町となっており、その他は消防・水防の兼務となっています。

 そこで、水防活動のかなめとなる水防団の強化について、これも県土整備部長にお尋ねをいたします。

 続きまして、先ほどもお話しさせていただきましたが、今般、岩手県の認知症高齢者グループホームにおいて、台風十号の影響でとうとい命が奪われた災害の発生を受けて行われた県の調査に関係してお尋ねをいたします。

 今回、県におかれては、県内の高齢者福祉施設、入所施設に対して、非常災害対策に関する調査をされました。この調査は、施設の位置が浸水想定区域、土砂災害警戒区域、土砂災害特別警戒区域に該当するか、また非常災害マニュアルの整備状況やそのマニュアルに水害、土砂災害についての記述があるかどうか、過去三年の避難訓練の実施状況や、その訓練において水害、土砂災害についての避難訓練を行っているかどうかという内容のものです。

 県内には、高齢者が入所する、いわゆる特別養護老人ホームなどの高齢者福祉施設が八百九十六施設あると伺っておりますが、そこで三点目として、今回の調査で判明した内容を含め、県内高齢者福祉施設の現状をどのように把握され、また今回調査された内容をどのように反映して今後の防災に向けて取り組んでいかれるのか、健康福祉部長にお尋ねいたします。

 次に、東日本大震災の教訓として、被災地においては、福祉・介護分野の支援を行う人材や施設が不足したということが認識されました。本県においても、近い将来、南海トラフ巨大地震や過去に経験したことがないような豪雨水害など、大災害の発生が危惧されます。

 そこで、国の国土強靱化アクションプラン二〇一四の中においては、都道府県単位の災害福祉広域支援ネットワークの構築が位置づけられました。

 本県におかれては、平成二十六年度に、県及び県社会福祉協議会を中心として、県内の福祉関係団体、市町村等による岐阜県災害福祉広域支援ネットワーク協議会を設立し、平常時から要支援者対策のネットワーク化を図られ、平成二十七年度には、緊急時には不足する人材を派遣できる体制、災害派遣福祉チーム、岐阜DCAT−−ディザスター・ケア・アシスタンス・チーム−−を構築し、人材の養成に取り組まれております。この岐阜DCATにおかれましては、さきの県議会におかれましても水野議員が質問されておりますが、このDCATは、現在の全国都道府県では十団体程度しか設置されていないということであり、本県のこの迅速な対応には非常に感謝しているところであります。

 また、平成二十八年度は、協定締結団体に対して岐阜DCATのさらなる養成を促し、協力を求め、より実践的に活動できるようフォローアップ研修を予定されております。

 現状、福祉、とりわけ介護分野においては、人材が大変不足していますが、その中で隊員をふやすとともに、研修・訓練を重ね体制を強化していく必要があり、今のところ派遣先を原則県内に限っているとのことであります。しかし、限られた地域内での支援だけでは限界がある近年の大災害を教訓とすると、この先、他県への派遣など、広域支援体制も行っていかなければならないと私は考えています。

 災害時の福祉支援においては、東日本大震災の被災地である岩手県の取り組みが有名ですが、先般の平成二十八年熊本地震の際にも、いち早く災害派遣福祉チームが熊本県に入り、熊本DCATと協働して支援活動に取り組んだと聞いています。

 災害時には、直接的な被害、すなわち命の危機に対応する医療活動と異なり、福祉支援の重要性は後回しにされがちです。しかしながら、東日本大震災や熊本地震においては、高齢者など要介護者ら弱者を中心に災害関連死が多く発生し、せっかく災害時に助かった命が失われてしまっている現状を考えると非常に残念でなりません。災害時に、今回の台風十号で犠牲になられた高齢者などのような要支援者を避難させることに二の足を踏むようなことがないように、福祉支援を充実していくことの重要性を痛感しているところであります。

 そこで、四点目として、県災害派遣福祉チーム、岐阜DCATの整備状況について、健康福祉部長にお尋ねをいたします。

 最後になりますけれども、ここでもう一度、福祉介護職員についてお話をさせていただきます。

 今般の台風十号による暴風・豪雨や熊本地震など、災害が発生した後、この職種がとても重要であると誰もが認識しているところであります。しかしながら、これは災害発生時のみではなく、現在の超高齢化社会においては平常時も同じことが言えます。

 内閣府の推計によると、平成三十七年には、六十五歳以上の認知症介護者数が約七百万人に増加し、高齢者の五人に一人になるとの見込みが出ています。一方、厚生労働省は、介護人材に係る需給推計において、同年度、平成三十七年度には介護人材が二百五十三万人必要で、今のままだと約三十八万人不足すると平成二十七年六月に公表をされました。さらに、特別養護老人ホーム等の増設により、人材不足がより悪化することが予測されます。ここ数年の慢性的な介護人材不足を背景に、介護職員による虐待事件も問題になっています。人材不足を補うため、誰彼構わず雇用しなければならないことも原因として考えられると言われています。

 介護労働安定センターがことし八月五日に公表した平成二十七年度の介護労働実態調査では、介護サービスに従事する従業員の過不足状況について、約六割の事業所が不足と感じていると回答し、不足の理由としては、賃金の低さによる採用困難が最も多くなっています。

 さらに、厚生労働省の職業安定業務統計における平成二十八年三月の介護分野の都道府県別有効求人倍率では、本県は全国で第三位の三・五六倍となっています。ちなみに、一位は東京都の四・七九倍、二位は愛知県の四・六一倍となっています。この有効求人倍率全国三位という結果は、非常に心配な数字であり、危機的状況であるとも言えるのではないでしょうか。もちろん本県が、このことに対する介護人材不足に対する対策を怠っているわけではないことも十分わかっております。

 一方、国におかれては、外国人介護人材受け入れについて、EPA−−経済連携協定−−や技能実習制度への介護職種の追加など、さまざまな検討が現在なされております。

 他方、本県におかれても、介護人材の確保などに取り組んでいらっしゃるわけですが、先ほどお示しした有効求人倍率の結果からしても、人材不足により、県福祉政策や県内福祉施設の経営の行き詰まりなど危機的状況が、ほかの都道府県よりも本県は早くやって来るのではないかと私は大変心配をしております。

 そこで、国の方策を待っているのではなく、全国に先駆けて一番に思い切った政策を打ち出さなければならないのではないでしょうか。

 ほとんどの介護サービスには介護保険が適用されており、介護人材の賃金は、介護サービスごとに国が単価を定めている介護報酬によって賄われていることなどは承知しておりますが、地域のサービスを持続可能にしていくために、給与面を踏まえた処遇改善や特区申請による外国人受け入れなど、あらゆる可能性を探らなければならないと考えます。

 そこで最後、五点目として、県独自の介護職員の人材確保と定着支援について、健康福祉部長にお尋ねします。

 今回の台風十号による水害により認知症高齢者グループホームで起きた死亡事故は、どこに原因があったのでしょうか。施設側の対応が悪かったのでしょうか、それとも行政側の対応が悪かったのでしょうか。仮に施設側の対応が悪かったとしても、もっと早く入所者を避難させることができなかったのかとか責めてみたところで、避難させたくても、夜、豪雨の中、寝たきりの入所者を職員一人でどのように移動させるのでしょうか。もしかして職員は、亡くなっていく入所者に対し無力さを感じ、涙しながら精いっぱいのことをしていたのかもしれません。

 全国で大きな災害が起きるたびに、国から県、県から市町村、市町村から各施設へと、それぞれ新たな対策を講じるよう示されますが、特にもともと人が少ない市町村や施設においてはできることが限られ、新たな対策への対応が限界に来ているのではないかとも考えます。かといって、想定外であったとか、人手もお金も足りていないなどという言いわけを言ってはいられません。地震や豪雨による災害は、とめることはできません。だからこそ、ふだんから心がけや備えをし、早目早目の行動をしなければなりません。

 深刻な人材不足などの大きな課題を抱える介護現場において、いわゆる災害弱者が犠牲となった台風十号による豪雨災害を取り上げた今回の質問においては、何が正しくて何が正しくないのかを言及することが、とても難しいということもよくわかっておりますが、あえて目を向けさせていただいて、今回登壇をさせていただきました。

 以上で私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

    (拍手)



○議長(矢島成剛君) 県土整備部長 高木善幸君。

    〔県土整備部長 高木善幸君登壇〕



◎県土整備部長(高木善幸君) 二点御質問がありました。

 初めに、氾濫危険水位など、河川水位の情報提供と浸水想定区域の見直し状況についてお答えします。

 氾濫危険水位など、出水時の河川水位の情報提供については、洪水予報河川と水位周知河川をあわせ、二十五の河川で実施しています。昨年度からは、対象となる地区をより細分化するとともに、地区ごとに水位や連絡先等の情報を集めた伝達一覧表を整理するなど、市町村長が迅速かつ的確に避難指示等を行えるよう、きめ細かな情報提供に努めています。

 先月の台風十六号では、土岐川と飛騨川で氾濫危険水位に到達したため、土木事務所長から瑞浪市、下呂市に対し、避難勧告に関する助言を行いました。その結果、両市では速やかに避難勧告が発令されたところです。

 浸水想定区域については、水防法で指定した二十五の河川のほか、氾濫により大きな損害が発生するおそれのある三十七の河川で設定しており、関係する三十五市町がハザードマップを作成し、公表しています。

 平成二十七年の水防法改正により、想定される最大規模の降雨を前提とすることとなったことから、県では、今年度からおおむね五年を目途に浸水想定区域を順次見直すこととしています。

 次に、水防活動のかなめとなる水防団の強化についてお答えします。

 県内では、岐阜、西濃圏域など、従来より特に多くの水害に見舞われてきた地域において専任の水防団が組織されており、現在、約二千三百人の団員の方に活動していただいています。また、その他の地域では、消防団に水防活動を行っていただいています。

 県では、水防団の強化と支援のため、水防技術の向上や水防体制の充実に向け、必要な資機材の一部供与を行っているほか、団員の日ごろの献身的な活動に感謝するとともに、士気高揚のため、顕著な功績があった方々の表彰を行っています。

 また、市町や県などで組織する岐阜県水防協会においても、「ありがとね!消防団水防団応援事業所制度」の周知や、技術向上のための講習会の開催に対する助成、毎年五月の水防月間に合わせた団員募集のPR活動などを行っています。今後とも、水防団や関係市町村と連携を密にし、水防団の強化に取り組んでまいります。



○議長(矢島成剛君) 健康福祉部長 尾藤米宏君。

    〔健康福祉部長 尾藤米宏君登壇〕



◎健康福祉部長(尾藤米宏君) 台風十号の豪雨災害を踏まえた取り組みについて、三点御質問いただきました。

 まず、県内高齢者福祉施設の現状と防災に向けた今後の取り組みについて、お答えします。

 県では、今回の災害を受けて施設利用者の安全確保を周知するとともに、高齢者福祉施設等の立地状況等を調査した結果、約六割の施設が浸水想定区域等に所在しており、これらの施設のうち非常災害マニュアルに水害等への対応が定めてある施設は約四割、水害等を想定した避難訓練を実施している施設は約一割でございました。このため、今後これらの施設を対象として行う説明会や実地指導の際に、各種避難情報の意味を適切に理解していただいた上で、水害等に係る非常災害マニュアルの整備や避難訓練の実施、入所者の避難等に関する地域住民との連携体制の構築などについて、各施設の立地状況や建物構造、入所者の身体状況等に応じた対応をとるよう徹底するとともに、市町村が所管する施設に関しましては市町村に同様の対応をとるよう働きかけ、入所者の安全確保に努めてまいります。

 次に、県災害派遣福祉チーム、岐阜DCATの整備状況についてお答えいたします。

 現在、岐阜DCATには百八名の方に登録いただき、主に県内の福祉避難所への支援を想定した研修を行ってまいりました。しかしながら、先般の熊本地震の状況や今後発生が想定される南海トラフ地震を踏まえますと、今後は一般避難所での避難活動や、活動範囲の拡大などについても取り組んでいく必要があると考えております。そのため、引き続き隊員の確保に努めるとともに、新たに発災直後に一般避難所などに避難された要配慮者に対する心身の特性に応じた支援や相談業務に関する研修を行います。

 それに加えて、避難所の運営訓練にDCATの派遣を組み込んだ実践に近い実地訓練も実施するなど、さらなる体制の充実強化を図ってまいります。

 最後に、介護職員の人材確保と定着支援についてお答えします。

 県では介護人材の確保に向け、地域医療介護総合確保基金も活用しながら、若者の介護分野への就業促進や現場で働く介護人材の定着促進など、さまざまな面からの取り組みを行っているところです。今年度からは、全国的に取り組みが少ない介護事業者の人材育成の取り組みを評価する認定制度を開始するとともに、職員の介護技術の向上を図る介護キャリア段位制度の導入支援や、新人職員への適切な指導を行う新人育成担当者の養成研修などの取り組みを行っており、既に多くの事業者の皆様に活用いただいております。今後も、幅広い皆様の御意見を伺いながら、本県の状況を十分に踏まえ、効果的な対策を進めてまいります。



○議長(矢島成剛君) 三十番 川上哲也君。

    〔三十番 川上哲也君登壇〕(拍手)



◆三十番(川上哲也君) 通告に従い、質問をさせていただきます。

 最初に、災害規模による公的支援の格差を少なくするための対策について質問をさせていただきますが、この格差は意外に知られていないのが現実であります。

 ことしは災害が多い年となっております。四月に発生した熊本地震では、本震が発生した日の夕方に熊本入りし、被災状況が深刻だった熊本県東部六町村の各避難所で断熱シートを配布した後、西原村において、住民の危険性を減らすための緊急解体作業を行い、延べ一カ月間ほど活動を行ってまいりました。

 また、先月は、台風十号により被災した岩手県岩泉町において、家屋の泥除去作業のほか、入浴施設の設置を二カ所行い、「飛騨高山の湯」と名づけ、今も避難所に暮らす皆様に御利用いただいております。

 このように被災現場で支援活動を進める中、さまざまな課題も浮かび上がってきました。その一つが、今回質問させていただく公的支援の格差であります。

 熊本県西原村では、先ほども述べましたように、危険回避を目的とした家屋の緊急解体も行いましたが、その後行われる被災家屋の解体については、役場から住民への説明内容がどんどん変わっていったことからも、格差のあることがうかがわれます。

 最初のころの説明は、「被災程度によって違いますが、支援金として数百万円支払われ、解体もその中で行ってもらうこととなりますが、今後、情報は変わっていくと思われます」から始まり、次は「母屋だけは公費で解体を行うことになりますが、納屋等は個人対応になるでしょう」となり、さらに日がたつと「母屋も納屋も公費で解体を行います」と範囲が広くなっていったと記憶しております。

 熊本地震では、結果的には被災状況により百万円から三百万円程度の支援金が支払われた上に、東日本大震災と同じように、被災家屋の解体費用については国の補助事業、災害等廃棄物処理事業費補助金の特例として国費が支払われ、被災市町村、被災された方ともにほとんど負担なく事業が行われることとなりました。

 この熊本地震の四カ月半後、台風十号により岩手県岩泉町でも大きな被害が発生しました。その五日後、現地へ入りますと、多くのお年寄りが命を落とした施設のある乙茂という地域から小本という地域、その一面は深い泥に埋もれ、一時孤立した、安い家と書く安家地域では、河川の右岸側はほぼ全壊、跡形もなく流された家屋もありました。

 車を失い、遠くのお風呂へ通えない方も多く、冷たい川の水で体をきれいにする方も少なくありませんでした。そのため、岩泉町役場及び岩泉町社会福祉協議会からの要請を受け、入浴施設をつくったのですが、浴槽サイズとしては、大人の男性が足を伸ばして四人同時に入れるもので、達増岩手県知事のツイッター等でも紹介されたところであります。

 さて、ここで、この大きな被害を受けた岩泉町の家屋解体費及び支援金はどうなるかといいますと、熊本地震と同じように被災状況により支援金は出るとされておりますが、解体費用についてはまだ国費から出るかどうかわからない状況となっております。これまでの台風災害では出なかったケースも多かったため、これを仮に出ないというふうに仮定すると、熊本と同じ全壊被害を受けた家屋であっても、熊本地震と比べたら個人負担は家屋や納屋等の解体費の分、大きくなる計算となります。

 ここで、災害規模による個人負担の違いについてもう一つ。一昨年発生しました八月豪雨災害における高山市内の事例、全壊被害を受けた方にお話を伺ったところ、このときは解体費は自分持ち、支援金もなかったとのことであります。これは、生活家屋の全壊戸数が市内で十未満だったため、被災者生活再建支援法が適用されなかったためなのですが、被災した個人の側から考えてみますと、熊本地震で数百万円の支援金プラス母屋と納屋の解体費が公費負担。そして、岩手県の台風災害では、同じように支援金は出されるものの解体費用は出ないかもしれないということを考えると、ここに差があり、さらに一昨年の八月豪雨災害では解体費も支援金もなしということで、受けられる支援というもの、これは個人の側から見ますと大変大きな差が生じております。

 同じように全壊した家屋で、支援金を熊本と岩手がそれぞれ三百万円、実際の解体費用を二百万円と仮定した場合、岩手の被災者は熊本地震より二百万円多く支出しなければならず、さらに一昨年の八月豪雨災害被災者ですと、熊本地震より五百万円多く負担しなければならないこととなります。

 さらに、ここに加わるのは仮設住宅の費用であります。熊本地震では、もう既に仮設住宅での暮らしが始まった御家族もありますが、もちろん自分の家に住んでいるのとは全く違う不便な生活をされております。ただ、電気、水道料金等は必要ですが、家賃自体は不要となっております。これは、現在進められております岩手県岩泉町における仮設住宅でも同じ扱いとなる予定であります。

 では、一昨年の八月豪雨災害の被災者においてはどうだったでしょうか。自宅で住めなくなった方がこのときは少なかったということから、仮設住宅は建設されませんでした。先ほどの方のお話では、「公営住宅の話もいただきましたが、住める期間が短く、とてもお願いできる話ではなかったため、民間のアパートに二年間自力で暮らしました」とのことでした。通常、仮設住宅は二年とされておりますので、二年間として考えてみますと、家賃は、この方の場合、トータル二年間で百四十万円ほどかかったとのことであります。

 さて、これらの事例から、被災から二年間の数字をまとめてみますと、同じ全壊であっても、岩手県の台風被害では熊本地震より二百万円ほど個人負担が多くなる可能性があり、一昨年の八月豪雨災害では、熊本地震と比べると六百四十万円ほど被災者個人の負担が多いこととなります。

 さらにさらにもう一点というふうで加えさせていただきますと、全壊となった家屋を建てかえた際にかかる税金、この税金でも、東日本大震災などと一昨年の八月豪雨災害では、その対応に差が生じているのが現実であります。

 大きな災害で被災された方は、本当に大変です。その苦労を目の当たりにして、私も災害支援活動を続けておりますが、規模の大きな災害ばかりに目を向け、小さな災害の被災者を忘れてしまう、こんなことがあってはいけません。個人の側から見れば、全壊被害は、どの災害で受けても全壊は全壊であります。

 東日本大震災や熊本地震など、規模が大きい災害の場合は、個人への公的支援も大きくなりますが、被災者生活再建支援法の適用されないような小規模災害や局所災害では、同じ被災程度であっても個人への公的支援が小さくなり、被災者個人の負担としては、このように大きな差が生じることとなります。

 そこで、知事にお尋ねします。

 熊本地震のように、全体規模として大きな被害が生じた場合は、家屋解体費用や仮設住宅の費用等が公費で賄われることとなりますが、全体の災害規模が小さくなるにつれ公費支援の部分が小さくなり、被災者生活再建支援法が適用されないような局所的災害では、同じ全壊被害を受けても、熊本地震に比べて個人負担が数百万レベルで大きくなってしまいます。被害程度が同じである場合の格差をゼロにすることは当然難しいかもしれませんが、県全体として、その格差を縮小していく仕組みづくりを進めることは可能だと考えておりますが、災害規模による公的支援の格差を少なくするための対策について、知事はどのようにお考えか、お答えください。

 次に、災害時における危険回避を目的とした被災家屋等の緊急解体について質問させていただきます。

 熊本地震では、多くの家屋や納屋などが全壊や半壊となりましたが、二度目の地震、本震と言われる四月十六日の揺れによって大きなダメージを負った建物が多かったことは御承知のとおりであります。また、その後も余震が続いたため、次に大きな揺れが起こったら家が倒れてしまうかもしれないと不安に思ってみえた方も少なくありませんでした。

 私たちが支援活動を行っていた西原村においても、すぐに解体をしたいという方は多数あり、その理由は次のようなものでありました。

 一つ目として、家や納屋が傾き、人や車が通る道路へ倒れ込む危険性がある。

 二つ目として、隣の家に倒れ込み、巻き添えにしてしまう危険性がある。他人には迷惑をかけられないから、一刻も早く解体してほしい。余震があるたび不安になって仕方がないなどという声を多数耳にしました。

 三つ目として、一階が潰れて二階がその上にのしかかったところや、全体が倒壊したところでは、大切なもの、仏壇や思い出の品などを取り出すことができなかったため、取り出すために解体せざるを得ないケースなどであり、要望が最も多かったのは、コンバインやトラクターなど農業機械の取り出しでありました。また、家屋の解体ではありませんが、自宅敷地内に立つ十メートル以上もある大きな木が、地震や雨によって根元が不安定になったため、早急に切り倒してほしいという依頼もありました。

 こういったとき、国や自治体の対応が即座に決まれば、その仕組みの中で対応を考えることも可能なのかもしれませんが、なかなか決まらない問題であったため、住民の危険を減らすこと、財産を守ることを目的とし、西原村村長や副村長、担当の方と協議し、罹災証明の方法を確認した上で、これらの緊急解体や木の伐採を進めていきました。

 では、もし公的な資金による解体を待っていたらどうなるかでありますが、熊本地震では、国庫補助事業として半壊以上の判定を受けた家屋の解体が行われることとなりますが、被災した全ての解体には一年以上かかるとも言われており、その間、危険性や不安を減らせない状態が長く続くこととなります。

 さて、断層が多い岐阜県においても、二度連続して大きな地震が発生する可能性は否定できませんし、岐阜県は今、大きな地震の危険性が非常に高くなっているという研究者も見えますので、熊本と同じような、あるいはそれ以上の連続地震があることも想定し、危険を回避する緊急解体等をいかにして進めるか、その仕組みづくりについても検討しておかなければならないと考えております。

 そこで、知事にお尋ねします。

 大きな災害が発生した時、住民の危険性を減らすためにも、早期に解体すべき建物がある場合、国費等公費による解体は時間がかかり、なかなか危険を少なくする作業が進められないため、危険回避を目的とした被災家屋等の緊急的な解体を進めることができる対策を講じておくべきと考えておりますが、この点について知事のお考えをお答えください。

 次に、災害時における迅速な廃棄物処理に向けた取り組みについてお尋ねをします。

 発災から五年半経過いたしましたが、東日本大震災では廃棄物の山が多数、長い間残っていました。その原因は幾つかあり、最初から重機で押して圧力をかけ、分別しにくくしてしまったこともその一つだと言われております。

 しかし、あの災害においても、全く廃棄物の山ができなかった地域もありました。それは、瓦れきとなってしまったものを集積場へ排出する際、最初の段階でしっかりと分別することができていたからであります。が、残念ながら、そういった取り組みをしたにもかかわらず、分別して仮置き場へ排出した地域であっても、その後、仮置き場からなかなか廃棄物が消えなかったという地域もありました。それは、仮置き場へ出した分別と、その先の集積場における分別の区分、細かさが違い、再分別をしなければならなくなったからであります。当然のことでありますが、災害時に排出される廃棄物処理の流れがどこかで滞ると、それによって長い間消えない廃棄物の山ができてしまいます。

 今回の熊本地震ではどうだったでしょうか。西原村のケースしかお話しすることはできませんが、西原村の災害廃棄物集積場では、合計二十種類以上の分別となっており、分別の程度が悪いとダンプやトラックからおろすことさえできないという徹底ぶりでありました。危険を回避するため、斜めになった家を重機で引き倒すと、その後の分別に手間取りますが、この分別こそ、その後の対応に役立つものであったと感じております。毎日集積場へ持ち込まれた大量の廃棄物の山が、次の日にはほとんど消えてなくなっていました。災害廃棄物を広域で処理する場合、分別方法をそろえているか、最初の段階でより細かく分別していれば、次の段階へ進めやすくなります。が、最初の分別が粗いと、集積場からの搬出が遅くなるケースも見られるため、大災害に備え、この対策も進めなければならない課題であると考えております。

 そこで、環境生活部長にお尋ねをします。

 大災害発生時は廃棄物が大量に出ることとなり、この処理スピードが大きな課題となります。そこで広域処理も行われるわけでありますが、廃棄物を出す側の自治体と受け入れる側の自治体の分別に差がある場合、再分別などで手間と時間を要してしまうケースも考えられるため、岐阜県においては、いざというときに備え、あらかじめ災害時における廃棄物処理を迅速に対応できるよう見直していくべきと考えますが、これについてどのように取り組みを進めるお考えか、環境生活部長、お答えください。

 次に、避難勧告等の避難情報の出し方と受け方の改善について質問させていただきます。

 岩手県岩泉町の支援活動で知り合った消防団員さんの中に、多くの高齢者が命を落とした施設でお母さんを亡くされた方が見えました。災害発生の翌日、お昼のニュースで施設が被災したことを知り、慌てて現地へ駆けつけたものの、既にお母さんは変わり果てた姿だったそうであります。一緒にお昼を食べているとき、今回の災害について、このようにお話ししてくださいました。「母親を介護するため、広目の家を急いで新築している最中でした。もう少しで一緒に暮らせる予定だったのに非常に残念です。施設の現場で働く皆さんを責める気持ちは全くありませんが、役場からの避難情報の出し方がもう少し違っていたら。例えば、早い時間に避難勧告や避難指示に切りかわっていたら。そして、施設の運営側がもう少し災害時の避難を重要視していてくれたら。もしかすると、そのどちらかの対応が変わっていれば助かったかもしれないと思うと残念でなりません」ということでありました。

 さて、岐阜県内ではどうでしょうか。これまでの災害対応を振り返ってみますと、避難準備情報を出すべきときに出していなかったといいますか、台風災害などであれば、台風がだんだんと近づいてくるわけでありますので、避難勧告を出す前に避難準備情報を出せるはずなのに出していないとか、その避難準備情報を出しても避難所の開設には至らないとか、避難勧告を出すタイミングが遅いですとか、ここ数年でも情報発信方法が間違っていたのではないかと思われるケースが幾つも見られます。

 言うまでもなく、避難情報は空振りになることもあります。夜遅くに台風が近づくと予想されるときなどは、明るいうちに避難勧告を出しても、進路によっては全くの空振りになってしまうと避難情報を出さない、ちゅうちょする、そういった自治体も多く見られますし、トップの意識の違いにより、タイミングがおくれることもあります。が、まずは住民の命が第一と考え、空振りを恐れることなく避難情報が発信される仕組みをつくらなければなりません。

 それと同時に、住民に対する意識啓発も必要であります。最近の防災訓練でも、危険な状態の想定であるにもかかわらず、押し入れまで非常持ち出し袋をとりに行き、避難したという方が多数見えました。即避難ということにはなっていませんでした。これは、「まずは避難、命を守ることが第一」がきちんと伝わっていないことをあらわしております。以前も申し上げましたが、過去半世紀の災害で、安全な場所へ避難したけど、食料がなくて餓死したという方はゼロであります。が、非常持ち出し袋や食料をとりに行き、逃げられなくなって亡くなった方は数多く見えます。水位が急上昇すること、連続して地震が起きることも想定し、避難情報が出されたときは、命を守ることが第一を徹底したほうが、住民の命を守ることにつながることは間違いありません。

 そこで知事にお尋ねしますが、県内で進められている防災のタイムラインをさらに充実させることも含め、県内各自治体が避難勧告等をちゅうちょなく発信できるようなマニュアルを作成し、それを自治体だけでなく広く県民にも周知すること、そして各自治体も県民も避難勧告等の意味を正確に理解し、正しく行動できるよう徹底していく必要があると考えます。そして、「まずは避難、命を守ることが第一」との啓発をこれまで以上にしっかり行っていかなければならないと考えますが、これらについてどのようにお考えか、知事、お答えを願います。

 最後に、消防団協力事業所に対する支援制度の拡充について質問させていただきます。

 岐阜県では、消防団員の約八割がサラリーマンであることから、雇用する側の事業所にも消防団員が活動しやすい環境づくりを行っていただくため、本年四月から、消防団協力事業所支援減税制度が始まりました。これは、消防団協力事業所表示制度の認定を受けており、消防団員を一人以上雇用していること、そして消防団員の活動に配慮した就業規則等をつくっていることが要件となりますが、これによって事業税が減額されるということで、多くの方から一定の評価を得ており、また問い合わせも多いと伺っております。既に減税が適用された企業もあり、これからも利用される企業がふえ、消防団員の増加に対して力を発揮してほしいと期待をしているところでありますが、幾つかの点で改善・拡充できないかというお話もいただいております。

 その一点目としては、県内では事業税を納めている黒字の企業が少ないことであります。現在、県内企業の納税について調べてみますと、おおむね七割は赤字となっているため、幾ら消防団員を雇用し、地域防災に協力をしていてもメリットが得られないことであります。このため、赤字企業でもメリットがある制度にできないかという声を聞きます。

 二点目としては、事業所の形態や消防団員の事業所における役職によって、対象とならないケースがあるということ。息子は消防団員として頑張っている。だけど、うちの事業を継ぐため、一緒に働いているため対象にならない。事業所の形態を変えるわけにもいかないから、何とかならないかという声もありました。

 この二つのケース、どちらも中小零細企業に多いケースであります。県内の中小零細企業は、赤字である率が高い中で頑張って消防団員を雇用して地域防災に協力しております。社員数が少ないため、社員全体に占める消防団員の割合が高い事業所であり、また消防団協力事業所として申請しようという意欲のある事業所であります。しかし、そういった中で、メリットを受けられない事業所が多いのも現実であり、今の制度の課題となっております。

 そこで、危機管理部長にお尋ねします。

 現在施行されている消防団協力事業所減税制度では、企業形態や団員の事業所における役職によって適用の可否に違いがあり、また黒字でない企業にとってはメリットがない制度となっています。消防団員が頑張り、その活動に対して雇用する事業所も緊急出動への対応など汗をかいているわけですから、黒字赤字に関係なく、また事業所の形態、そして消防団員の事業所における役職等に関係なくメリットがある制度にすべきだと考えておりますが、こうした消防団協力事業所に対する支援制度の拡充について、危機管理部長、どのようにお考えか、お答えを願います。

 以上、前向きな答弁を期待し、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

    (拍手)



○議長(矢島成剛君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 災害に対する公的支援の格差の問題、そして緊急解体への対応のまた格差の問題、御指摘がございました。

 現実に熊本、岩手で説明がどんどん変わっていく、あるいは何がルールかよくわからないという事態が生じておるということでございますが、この問題は、まず何がルールであるかと、どこまでルールを定めるかと、災害によってさまざまな対応があるわけでございますので、どこまでをルールでカバーするか、そのうち行政がどこまで責任をとるのかと。そういう中で国・県・市町村の責任のとり方、どういうバランスがいいのかといったことをきちんと明らかにした上で、それにのっとってやっていくと。そして、ルールだけでは割り切れないところがもしあるとすれば、ケース・バイ・ケースの対応の余地を残していくかどうか、そこら辺もどの程度そういう余地を残すかといったこともルールの議論の一環として整理しておく必要があるわけでありまして、いざ何か起こったときに説明がどんどん変わっていく、どうなるかわからないということでは問題ですから、そういう意味ではきちっとした議論をしておく必要があるのではないかと思っております。

 そういうことを一般論として申し上げた上で、この公的支援の格差の問題、現在のルールがどうなっておるかということについて申し上げますと、まず一定規模以上の災害時に被災者に対して公的支援を行うこととしている被災者生活再建支援法という、御案内の法律があるわけでありますが、この法律自身の現状でいいのかどうかという議論が既にあるわけでありまして、その見直し作業が国において行われておるということであります。

 残念ながら、平成二十六年八月に中間取りまとめを国としてお出しになりましたけれども、そこで検討が中断されておるということでありまして、私どもとしては全国知事会を通じて、昨年度も今年度も、この被災者生活支援制度の拡充について提案もし、要望もしておるということで、まず国に根っことなっている被災者生活再建支援法のあり方をよくよく考えてもらう必要があると、この流れが一つあるわけであります。

 それから、今度は県内のいずれかの市町村で現行法による支援が適用される場合に、別の市町村でたまたま住宅全壊が十世帯未満であったということで、支援対象から外れる場合があると。これは同じ県の中で同じ災害で、これは不公平ではないかと、格差があるのではないかと、こういう議論もあるわけでございますが、この点についてはむしろ、当該市町村とともに県が支援を行うということで、平成十六年度から県独自の制度を定めておるというわけでありまして、これも国がどこまでカバーすべきかという議論が残っておりますけれども、当面いかにもこの格差はどうかということで、当該市町村と県が一緒になって支援をしていくという形ができておるわけでございます。

 今度は、そのどれにも属さない、県内のどこにも法の支援が適用されない小規模・局所災害については、国の支援制度も、それから今申し上げました県と市町村が独自で対応する制度も適用がないと、こういうことになりまして、これをどうするかという話になるわけであります。

 平成二十六年の八月の一昨年の高山の豪雨災害については、まさにこの最後のケースに当たるわけでありまして、どこにも適用がないということで、高山市としては独自に全壊家屋が一棟一世帯であったというケースでございますので、災害見舞金という格好で十万円を支給されたということで、ここでとまっておると、こういうことでございます。

 先ほどもお話がありましたように、いざ事態が起こっている熊本なり岩手でこういう混乱があるということでありますので、かつこの支援の対応については、一方では国に対する要望は続けますが、県と市町村でこの辺のルールについての認識、どういう場合にどういうルールが適用されるのかと、それからどういう場合におよそ適用がなくて、さてどうするのかと、もう少し柔軟にやる余地があるのかといったようなことを、県と市町村がやはり足並みをそろえて考え方を整理しておく必要があるのではないかというふうに思っておりまして、若干の議論はこれまでもしてきておるわけでありますけれども、御指摘でもございますし、改めて県と市町村の間できちんとした議論の場を設けて、実態についての認識も共通にしながら、あるいは他の地域での混乱状況も参照しながら議論を整理していきたいと、こういうふうに思っております。

 それから、緊急解体の問題でありますが、これもやはり一般論として申し上げますと、作業の緊急性をどう考えるかということ、それから解体をしたときに資金負担を誰がどうやることになるのかと。これも相当程度によってまずルールがどうなっておるかと、その上でどう考えたらいいのかと、こういうことかと思いますが、これも現状を申し上げますと、御案内かと思いますが、災害の際の建築物を行政が緊急的に解体することについては、災害救助法に基づく被災者の救出のための解体、消防法に基づく建物の延焼を防ぐための解体ということで、明確な生命、財産を守るということで、事態が明らかである一刻を争う場合に原則限られておるということであります。

 ただ、そうは言ってもそれだけかということでありまして、阪神・淡路大震災、それから東日本大震災、そして先般の熊本地震、この三つにつきましては、御指摘にもありましたように、環境省の災害廃棄物処理に係る補助制度という補助金制度をこの建物の解体・撤去にも特例的に拡大適用するということにしておりまして、二〇%以上損壊した家屋を市町村が解体・撤去する費用についても補助対象にすると、こういうことになっておるわけであります。と同時に、市町村の作業を待たずして個人がやったときにも、例外として、廃棄物事業者の立ち会いといいますか、間違いなくやったんだということが証明されれば、後になって市町村に申請すれば補助を受けられるということで、個人がやるケースも若干想定していると、こういうルールになっておるわけでありまして、このルール自身は全国共通のルールでありますから、これを前提に考えると、消防法、災害救助法以外のケースでいうと、その例外をどこまで柔軟に広げていけるかということと、それからこの場合は市町村がいわば中心になるわけでありますから、市町村がどこまで迅速に動けるかということが大事ではないかと、こういうことになるわけです。

 ところが、今回の熊本地震を見てみますと、国の特例措置は適用されるということになりましたが、発生から五カ月経過しても、公費による解体を終えた建築物はわずか一六%にとどまっておるというふうに承知しております。詳細な実態、理由については、まだ全貌は必ずしも明らかではありませんが、私どもとして理解しておりますのは、一つは、市町村が公費でやる解体に先立って、住家の被害認定をやるわけですが、この被害認定にえらく時間をかけている、直ちに動けないというケースもあるようでありますし、解体作業を地元の解体業者にやってもらおうということで、そこに集中する結果、解体業者が一遍に全部は取りかかれないと。ですから、地元以外の解体業者をなぜ使わないのかというような問題も指摘をされております。

 それから、解体に伴って災害廃棄物が出てくるわけでありますが、この処理に当たって、御指摘もありましたが、分別作業に非常に時間がかかっておって解体作業そのものがおくれるというようなことで、市町村における解体の進め方について、相当改善の余地があるのではないかということもあるわけであります。

 そこで、私どもとしては、こうした実態、問題について、まず岐阜県としても県内市町村にきちんとまず問題提起をすると、そこでいざ起こったときにどうしますかと、それだけの対応をするだけの体制がありますかということを問いかけをし、きちんと議論をしたいというのが一つ。

 もう一つは、市町村と連携をしながら、国の特例措置が適用される災害とか、それからその対象となる地域といったことについて、どこまで柔軟に拡大できるか、そこら辺についてはしっかりと要望し、議論を進めていくという、この二つの流れで物事をクリアにしていく必要があるのではないかというふうに思っております。

 三番目が避難勧告等の判断基準の改善と県民への周知啓発ということでありますが、御指摘のマニュアルでありますが、県のほうから相当働きかけをしたわけでありまして、現在全ての県内市町村において避難勧告等の判断・伝達マニュアルが策定されたというところまで来ております。今度は、この避難勧告等の判断を行う市町村において、このマニュアルが周知徹底されているかどうか、適切な運営を行うことができるかという、その実効性を確保することが重要であるというふうに考えております。

 そういう意味では、県としては側面から、例えば県みずから測定している水位に関する情報もあるわけでありまして、こういった情報提供をしながら、市町村長に対してこういう避難についてのもろもろの助言を行うということはやるんではないかというふうに思っておりますし、毎年六月、出水期に入りますので、県主催で全市町村を対象とした豪雨災害対応防災訓練を実施しておりますが、ここで特に避難情報の対象区域の特定と発令を的確に行っていただけるような訓練をやるということが重要ではないかと。

 加えて、これも触れておられましたが、昨年三月に風水害タイムラインのひな形を私どもつくりまして、市町村にその策定、活用について助言を行ってきておるわけでありまして、現在四十二市町村中十七の市町がタイムラインを策定しているということでありますが、まだ未策定のところもあるわけでありまして、その策定を働きかけると同時に、どう活用していくかということについても指導・助言をしていきたいということでございます。

 既に言われておりますけれども、さきの台風十号による岩手県の被害では、避難勧告や指示には至らないけれども、例えば高齢者、障がい者、乳幼児その他の特に配慮を要する人たちに避難を求めるといった避難準備情報の意味が十分理解されていなかったということが人的被害につながったというふうに指摘がございます。繰り返しおっしゃいましたとおり、県民一人一人に災害時には早目の避難、まずは逃げることということを常に意識をしていただいて、改めて避難準備情報とは何ぞやと、避難行動の時期はいつが適切なのかといったことについては、徹底的に理解をしていただく必要があるのではないかというふうに思っております。

 こうしたことから、清流の国ぎふ防災・減災センターによる啓発講座、あるいは年間を通じてメディアの特集等々でこういったことについて掲載をしていくといったようなことで、避難行動の周知徹底を引き続きやっていきたいと思っておりますし、それから地域住民が防災についてみずから考える防災タウンミーティングというのも各地でやっておりますが、こういった中でも県民の防災意識の向上、特に避難ということについて徹底をしていきたいというふうに考えております。



○議長(矢島成剛君) 環境生活部長 桂川 淳君。

    〔環境生活部長 桂川 淳君登壇〕



◎環境生活部長(桂川淳君) 迅速な廃棄物処理に向けた取り組みについてでございます。

 議員御指摘のとおり、平常時から災害廃棄物を迅速かつ適切に広域処理する体制を整えておくことは大変重要であると考えております。

 さきの熊本地震では、災害廃棄物の瓦れき類について、環境省より十二種類に分別する方針が提示されたところですが、避難所等において生活していく上で発生する避難所ごみについては、基準もないことから、受け入れ側の市町村の分別方法と異なる場合、処理に時間がかかる可能性もございます。このため県では、円滑な広域処理体制を確保していくため、まずは市町村担当者を集めた研修会を開催し、本年三月に策定いたしました岐阜県災害廃棄物処理計画において、広域処理が必要な災害廃棄物の量や処理に係るスケジュールなどを提示しまして、情報の共有化を図ったところでございます。

 今後、本県で災害が発生した場合の災害廃棄物の最適な分別方法などを市町村とともに検討し、円滑な広域処理体制を構築してまいりたいと考えております。



○議長(矢島成剛君) 危機管理部長 市川篤丸君。

    〔危機管理部長 市川篤丸君登壇〕



◎危機管理部長(市川篤丸君) 消防団協力事業所に対する支援制度の拡充についてお答えをいたします。

 消防団協力事業所に対する減税制度については、減税の要件であります市町村が認定する協力事業所の数がことし四月から五カ月間で約三百増加しており、事業所における消防団活動への理解や協力が着実に広がっております。

 しかしながら、御指摘のように事業税に適用する減税制度の特性上、中小企業の大半を占める赤字企業には恩恵が及ばないこと、また法人にあっては、常勤役員または雇用保険の被保険者である使用人が一人以上消防団に加入することが減税制度の要件ですが、雇用保険制度では、実質的に個人事業と同様であると認められる法人にあっては、その代表者と同居している親族は被保険者となれないということで、減税制度の対象から外れる法人があるということも承知をしております。このため、こうした企業、法人にも恩恵が及ぶような何らかの方策が考えられないか、その可能性について検討してまいります。



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○議長(矢島成剛君) 以上をもって、本日の日程は全て終了いたしました。

 明日は午前十時までに御参集願います。

 明日の日程は追って配付いたします。

 本日はこれをもって散会いたします。



△午後四時五十分散会



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