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平成28年  9月 定例会(第4回) 10月05日−02号




平成28年  9月 定例会(第4回) − 10月05日−02号









平成28年  9月 定例会(第4回)





○議長(矢島成剛君) 皆さん、おはようございます。

 開議に先立ちまして、県政の発展に多大な貢献をされました田口義嘉壽名誉県民が九月二十二日に御逝去されましたので、哀悼の意を表し、黙祷をささげたいと存じます。御起立お願いいたします。

    〔一同起立〕



○議長(矢島成剛君) 黙祷。

    〔黙祷〕



○議長(矢島成剛君) 黙祷を終わります。御着席願います。

    〔一同着席〕



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△議事日程(第二号)



                平成二十八年十月五日(水)午前十時開議

 第一 議第九十一号から議第百八号まで

 第二 平成二十七年度岐阜県一般会計及び特別会計並びに公営企業会計決算の認定について

 第三 請願第二十三号から請願第二十五号まで

 第四 一般質問



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△本日の会議に付した事件



 一 日程第一 議第九十一号から議第百八号まで

 一 日程第二 平成二十七年度岐阜県一般会計及び特別会計並びに公営企業会計決算の認定について

 一 日程第三 請願第二十三号から請願第二十五号まで

 一 日程第四 一般質問



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△出席議員 四十六人



      一番   中川裕子君

      二番   恩田佳幸君

      三番   牧村範康君

      五番   澄川寿之君

      六番   山田実三君

      七番   若井敦子君

      八番   広瀬 修君

      九番   布俣正也君

      十番   伊藤英生君

     十一番   水野吉近君

     十二番   国枝慎太郎君

     十三番   山田 優君

     十四番   長屋光征君

     十五番   高殿 尚君

     十六番   田中勝士君

     十七番   加藤大博君

     十八番   酒向 薫君

     十九番   高木貴行君

     二十番   野村美穂君

    二十一番   太田維久君

    二十二番   山本勝敏君

    二十三番   松岡正人君

    二十四番   篠田 徹君

    二十五番   小原 尚君

    二十六番   水野正敏君

    二十七番   脇坂洋二君

    二十八番   野島征夫君

    二十九番   伊藤秀光君

     三十番   川上哲也君

    三十一番   松村多美夫君

    三十二番   平岩正光君

    三十三番   佐藤武彦君

    三十四番   森 正弘君

    三十五番   小川恒雄君

    三十六番   村下貴夫君

    三十七番   矢島成剛君

    三十八番   渡辺嘉山君

    三十九番   伊藤正博君

     四十番   足立勝利君

    四十一番   尾藤義昭君

    四十三番   駒田 誠君

    四十四番   藤墳 守君

    四十五番   早川捷也君

    四十六番   玉田和浩君

    四十七番   岩井豊太郎君

    四十八番   猫田 孝君



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△職務のため出席した事務局職員の職氏名



 事務局長         宗宮正典

 総務課長         松永吉平

 議事調査課長       山田 恭

 議事調査課管理調整監   福田勝司

 同    課長補佐    佐藤智紀

 同    係長      豊田弘行

 同    係長      佐橋 誠

 同    係長      堀 寛宜

 同    主査      森嶋 宏

 同    主査      桑山 保

 同    主査      高田昌司



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△説明のため出席した者の職氏名



 知事           古田 肇君

 副知事          岸 敬也君

 副知事          上手繁雄君

 会計管理者        宗宮康浩君

 秘書政策審議監      工藤 均君

 総務部長         坂口和家男君

 清流の国推進部長     神門純一君

 危機管理部長       市川篤丸君

 環境生活部長       桂川 淳君

 健康福祉部長       尾藤米宏君

 商工労働部長       河合孝憲君

 農政部長         高木敏彦君

 林政部長         瀬上繁隆君

 県土整備部長       高木善幸君

 都市建築部長       酒向仁恒君

 健康福祉部次長(医療・保健担当)

              森岡久尚君

 子ども・女性局長     鈴木裕子君

 観光国際局長       小原寿光君

 都市公園整備局長     足達正明君

 教育長          松川禮子君

 警察本部長        山本有一君

 代表監査委員       山本 泉君

 人事委員会事務局長    近田和彦君

 労働委員会事務局長    福井康博君



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△十月五日午前十時二分開議



○議長(矢島成剛君) ただいまから本日の会議を開きます。



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○議長(矢島成剛君) 諸般の報告をいたします。

 書記に朗読させます。

    (書記朗読)

 請願書の受理について

 請願第二十三号 私立高等学校に対する県費補助金の増額等についての請願ほか二件の請願書を受理しました。

 監査結果等の報告について

 監査委員からお手元に配付のとおり、平成二十八年九月二十八日付をもって、地方自治法第百九十九条第九項の規定により定期監査の結果について、並びに平成二十八年九月二十八日付をもって、地方自治法第二百三十五条の二第三項の規定により出納検査の結果について報告がありました。



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○議長(矢島成剛君) 日程第一から日程第三までを一括して議題といたします。



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○議長(矢島成剛君) 日程第四 一般質問を行います。あわせて議案に対する質疑を行います。

 発言の通告がありますので、順次発言を許します。四十五番 早川捷也君。

    〔四十五番 早川捷也君登壇〕(拍手)



◆四十五番(早川捷也君) おはようございます。

 議長から発言のお許しをいただきましたので、県政自民クラブを代表して質問をさせていただきます。

 まず初めに、知事の政治姿勢についてお伺いをいたします。

 知事は四年前、三期目を二期八年で蓄えた力を未来に向かって発揮していく飛躍の四年間と位置づけて、多くの県民の支持をもって県政運営を託されました。

 この間、「地域資源を生かした活力ある未来づくり」「確かな安全・安心の社会づくり」「本格的な清流の国づくり」という三本の政策の柱のもと、県民生活向上のため、さまざまなチャレンジを進めてこられました。好調な企業立地件数や全国平均を大きく上回る有効求人倍率、外国人の観光客の急増、特別支援学校の計画的な整備促進、清流の国ぎふ森林・環境税を活用した森林環境保全、さらには、昨年十二月に「清流長良川の鮎」が世界農業遺産に認定されるなど、これらを支える行財政改革の実行など、多くの分野でその成果が上がりつつあります。

 三期目、古田県政を振り返ると、地域の活性化に積極的に取り組みながら持続可能な行財政運営を行うという県政の厳しいかじ取りを行ってこられ、現場主義と対話重視という就任以来の一貫した姿勢で、県議会との連携・協力を密にし、着実に県政を推進されたことについて、二元代表制のもとでともに県政に責任を持つ県政自民クラブとしても、基本的には評価するものであります。

 一方で、知事がその政治姿勢の第一として掲げる現場主義、対話重視は果たして広く県土の津々浦々まで実践されているのか、選択と集中の名のもと、成果の出やすく、知事の興味ある分野のみに限られているのではないか、こういった評価が一面でなされていることもまた現実であります。また、県職員の職務意識についても、ハラスメント問題や長時間労働、さらには主要ポストの減少などにより、士気の低下が懸念されるところであります。

 総論として、古田県政三期目の評価としては、強いリーダーシップのもと、さまざまな成果を上げられておりますが、県全体のモチベーションを向上させていくにはさらに一層の活力ある県政に努めていかなくてはならない面もあるのではないかと考えられます。

 そこで、任期が残り四カ月を切る中、この四年間の県政が置かれた現状をどのように認識し、この間の県政をどのように総括するのか、知事の見解をお伺いします。

 次に、次期知事選挙に向けた決意と、今後の県政運営についてお尋ねをいたします。

 人口減少、少子・高齢化の進展、経済のグローバル化など、県政を取り巻く社会経済情勢はますます速く、大きなうねりを持って確実に変化しつつあります。今後、我々は否も応もなく、急速に進む少子・高齢化社会を生き抜いていく必要があり、県政もこれに的確に対応していかなければなりません。

 人口は確実に減少しており、平成二十七年国勢調査の速報値では、本県の人口は二百三万二千五百三十三人。平成十二年と比較すると七万五千人の減少であり、地方創生への取り組みは待ったなしの状況にあると言えます。

 働き、稼ぎ、消費し、納税し、地域社会を支えていく本県の現役世代は、今後十年間に九%も減少していくことが想定される中、若者や現役世代の生活と仕事を支える豊かな地域社会をいかに実現するのか。高齢者が安心して地域で生涯を過ごすための介護、医療体制をどのように構築していくのか。農林水産業従事者にとって、豊かでやりがいのある第一次産業とは何か。さらに、東海環状西回りの事業促進、リニア中央新幹線の開通を見据えたまちづくりや企業誘致、国内外からの観光誘客、県産品の輸出拡大に向けた海外戦略など、次の知事に託された課題は山積しております。こうした課題への対応を促進するためにも、知事の海外渡航が不可欠条件であるならば、原則年二回に限ることなく、必要に応じて知事自身が事に当たることも考えねばなりません。

 また、二〇二〇年には東京オリンピック・パラリンピックが開催され、本県にとっても大きな節目を迎えるとともに、それまでにも県内でインターハイや日本スポーツマスターズなど、全国的なスポーツイベントが開催される予定であります。

 一方で、財政構造の弾力性を示す経常収支比率は、平成二十七年度において九二・二%となる見込みであり、高どまりの傾向であります。また、県債発行残高は、国の借金を肩がわりする臨時財政対策債の増加によるものとはいえ、一兆五千二十一億円と過去最高を更新しており、大変気がかりなところであります。さらに、本県の行財政改革指針は平成三十年までとなっておりますが、それ以降の行財政運営の方向性はいまだ示されていない状況にあります。県税収入は増加しておりますが、景気に左右されるものであり、未来永劫保証されるものではありません。

 社会保障関係費は年々増加し、さきに示したように今後四年間に大規模イベントが幾つも控えており、県庁舎建てかえを初め、道路・橋梁の維持管理、過疎化が進む農山村の振興など、インフラ整備は待ったなしの状況にあります。特に、新たに計画されている県庁舎は、清流の国、木の国、山の国である本県の魅力にふさわしいものとすることが必要であり、冗費を使う余地は全くありません。現下の極めて厳しい財政状況の中で、これら山積する課題に対して知恵を出し、汗を流して立ち向かい、美しい清流の国を子供たちの世代に引き継いでいくことが我々の願いであり、責務であります。

 そこで、知事にお伺いします。

 次の四年間を知事は我々とともに県政を担う覚悟がおありなのか。次回の知事選への出馬の意向についてお伺いします。また、出馬を決意されるのであれば、次の四年間、県政に何が求められ、必要な政策の方向はどうあるべきとお考えか、以上二点について御所見を伺いまして、分割第一とします。



○議長(矢島成剛君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) おはようございます。

 まず、政治姿勢について二点お尋ねがございました。

 一点目が、三期目の成果と課題ということでございます。

 私としてまず申し上げなければならないことは、平成十七年二月に知事に就任させていただいて以来、十一年と八カ月の間、どうにか職責を全うしてこられましたのも、県議会の皆様、県民の皆様の御理解と御協力、そして県庁職員の不断の努力あってのことでございます。改めて心から感謝申し上げる次第でございます。

 さて、一期目と二期目を振り返ってみますと、まず就任早々行った政策総点検により、地域医療対策、少子化対策、切って使う森林づくりなど県民目線による新たな政策を進めてまいりました。そして、人口減少社会の到来にいち早く注目し、若手職員を中心とした政策研究会を立ち上げ、岐阜県長期構想を策定し、向こう十年間の県政運営の基本方針を打ち出してまいりました。

 こうした県政を進めるに当たりまして直面したのが、累積した多額の借金の返済などによる厳しい財政状況でございました。そのため、行財政改革アクションプランを策定し、県議会を初め県民の皆様、市町村、そして県職員の理解と協力により持続可能な財政基盤の確立に取り組んでまいりました。おかげさまで平成二十五年度決算をもって、起債許可団体から脱却することができたわけでございます。

 こうした二期八年を土台として、現在の三期目では、お触れになりましたように大きく三つの政策の柱、「成長・雇用戦略の展開」「確かな安全・安心の社会づくり」「「清流の国ぎふ」づくり」を立てまして、本県の魅力を国の内外に向けて強力に発信するべく取り組んでまいりました。

 まず、一つ目の「成長・雇用戦略の展開」につきましては、特に航空宇宙など成長産業の育成や観光産業の基幹産業化を図るとともに、強い農林業づくりにも取り組んでまいりました。具体的には、航空宇宙産業や食品などの成長分野における新規参入支援、人材の育成・確保などに大学、企業、金融機関などと連携して取り組んでまいりました。

 また、子供たちの夢を育む教育資源、さらには産業観光資源として、例えば、かかみがはら航空宇宙科学博物館の抜本的リニューアルを進めております。観光産業の基幹産業化につきましては、広域周遊観光を促進するとともに、その核となる関ケ原古戦場や県営四公園の再整備のためのグランドデザインを打ち出すなど、観光資源の魅力向上を図っているところでございます。

 また、観光・食・モノを一体的に売り込む飛騨・美濃じまん海外戦略プロジェクトを積極的に進めるとともに、海外著名デザイナーと連携した県産品の新しい販路開拓など、本県の魅力を発掘し、磨き、岐阜ブランドとして積極的に国内外に発信してまいりました。

 その結果、例えば、外国人宿泊者数は四年連続で過去最高を更新し、この四年間で七倍に、また飛騨牛の輸出量は海外戦略プロジェクト開始前の約七十倍となるなど、成果が着実にあらわれてきております。

 強い農林業づくりに向けては、各地に研修センターを整備し、研修から就農、定着に至るまで一貫して支援するいわゆる岐阜県方式による農業の担い手づくりを推進しております。また、全国育樹祭開催を契機とした百年先の森林づくりにも力を注いでいるところでございます。こうした成長を支える基盤として、東海環状自動車道西回り、中部縦貫自動車道、濃飛横断自動車道、リニア中央新幹線などネットワーク・インフラの整備にも着実に取り組んでまいりました。

 二つ目の「確かな安全・安心の社会づくり」といたしましては、医療・介護職員の確保を図ることはもちろんのこと、富山県とのドクターヘリの共同運航による救急医療体制の充実、在宅医療の拠点整備など医療と福祉の連携にも心を配ってまいりました。また、教育から福祉、医療、文化芸術活動、スポーツなど広範囲にわたって、障がいのある方に対する切れ目のない支援を行う総合拠点として、ぎふ清流福祉エリアの充実を図ってまいりました。

 防災面では、他県の災害もあすは我が身と受けとめて不断に検証し、岐阜大学と連携した防災人材の育成や緊急輸送道路の耐震化などに取り組むとともに、亜炭鉱廃坑対策にも着実に取り組んでおります。また、一昨年の御嶽山噴火を踏まえ、登山者の安全確保など火山防災対策の強化を図るとともに、登山届け出を義務化する対象エリアに御嶽山、焼岳、白山を追加するなど迅速な対応を進めてきております。

 加えて、食品安全をめぐる危機管理の強化にも努めてきており、例えば、昨年発覚いたしました食品廃棄物偽装問題では、発覚後直ちに食品安全と廃棄物監視の権限をあわせ持つ監視員を全保健所に配置するなど、スピード感を持って対応してきております。

 三つ目の「「清流の国ぎふ」づくり」といたしましては、全国植樹祭、全国豊かな海づくり大会、ぎふ清流国体・ぎふ清流大会という地方行幸啓三大行事を通じて得たレガシーを次代へとつないでいくため、その基本理念として清流の国ぎふ憲章を策定いたしました。

 清流はまさに本県のアイデンティティーであり、魅力であります。そして、この憲章が掲げる「知・創・伝」、すなわち知る・創る・伝えるの実践の一つとなりますが、新たな清流文化の創造と障がい者文化の発信の拠点として、ぎふ清流文化プラザのリニューアルを行い、初年度入館者数も約二十万人と、まずまずの成果を上げてまいりました。

 また、本県の未来を担う子供を産み育てやすい環境づくりとして、従業員の仕事と家庭の両立に取り組む子育て支援エクセレント企業の認定を促進し、全国有数の企業による子育て支援県となりました。加えて、多子世帯向けにぎふっこカードプラスを発行し、専用の住宅ローンの優遇等の特典の充実を図るとともに、非婚化・晩婚化対策、不妊治療支援にも取り組んでまいりました。

 さらに、スポーツ立県を掲げ、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックに向け、競技力の向上を図っております。さきのリオデジャネイロオリンピックでは、本県ゆかりの選手は過去最高の十九名を数え、金藤選手の金メダル獲得を初め、続々と入賞を果たすなど成果を上げております。

 また、飛騨御嶽高原高地トレーニングエリアについて、利用された国内外のトップ選手がリオオリンピックでの五つのメダルを初め、世界や国内の大会で大変に優秀な成績をおさめております。そして、英国オリンピック委員会やフランス陸上連盟などと東京オリンピック事前合宿に関する協定の締結に至っております。

 以上のように、三期につきましては、財政の再建・健全化に一定の道筋がついてきた中で、「清流の国ぎふ」の特色や強みを生かしつつ、未来への投資を進めてまいりました。

 こうした取り組みの成果のあらわれの一つとして、このところの世界遺産認定ラッシュ、あるいは移住者、外国人観光客の大幅な増加といったことが挙げられます。また同時に、懸案となっておりました県庁舎建てかえにもめどをつけるなど、県議会の御指導もいただきながら、山積する課題にきめ細かく対応してきたところでございます。

 一方で、御指摘いただきました県庁内、県職員のモチベーションにつきましては、日ごろ私としても大変気にかけているところでございます。今後とも、できる限り職員の声に耳を傾けながら、職員一人一人が成果を実感できる職場づくりを進め、全職員が一丸となって県民サービスの向上に取り組めるような環境整備を進めてまいりたいと考えております。

 次に、次期知事選に向けた決意と今後の運営方針ということでお尋ねがございました。

 ただいま申し上げましたように、これまで「清流の国ぎふ」づくり、そして本県の魅力発信に邁進してまいりましたが、今まさに道の途上にあると申しますか、ようやく本格的に動き出したところにあるというふうに感じております。また、厳しい財政再建に取り組まざるを得ない中で、未来への投資もまだまだ十分にできたとは言いがたい状況でございます。

 そうした中で改めて強く感じますのは、本県は誇るべき地域資源の宝庫であること、そして、これらはあまたの先人、県民の御努力によってしっかりと守り伝えてこられたことでございます。内外で岐阜県のキャンペーン、あるいはトップセールスを行い、例えば世界遺産、あるいは飛騨牛を初め高い評価をいただくごとに、このことを強く感じておる次第でございます。

 このように大変恵まれた地域に生まれ育ったことに心から感謝をし、清流憲章が掲げる「知・創・伝」の実践として、しっかりと次代に引き継ぐとともに、さらに大きく展開していくことは、私の責務であるというふうに考えております。もし仮に、四たび県民の皆様の負託に応える機会を得ることができますれば、私を育てていただいた故郷への御恩返しという初心を忘れることなく、ふるさと岐阜県の皆様が、岐阜県民であることの幸せ、岐阜県の豊かさを実感できるよう微力ながら力を尽くしてまいりたいというふうに考えております。

 そこで、今後の政策の方向性についてでございますが、持続的な財政運営、そして防災・減災、安全・安心、万全の危機管理体制の構築を大前提として、以下、五つの観点から政策の方向を述べさせていただきます。

 まずは、何といっても本県の活力を生み出す源泉である県経済の活性化でございます。

 現在、本県経済は製造品出荷額が平成二十六年までの五年間で国全体の伸びを上回るなど回復の兆しが見られるものの、全体としてはまだまだ足踏み状態にございます。他方、有効求人倍率は高どまりの状況で、一部業態では人手不足が懸念されております。将来を見据えても、我が国の人口が減少していくことに伴う国内市場の減少や、TPP協定発効に伴うグローバルな競争の激化が見込まれております。そのため、現在、岐阜県成長・雇用戦略の改定作業を進めておりますが、ものづくり企業へのIoT導入促進などを通じ、県内企業の生産性向上や付加価値を高める取り組みを加速し、稼ぐ力、国内外の競争に勝ち抜く力を強化してまいりたいと考えております。

 次に、本県の強み、魅力を生かした活力づくりでございます。

 人口減少時代にあっては、いかに人や消費を呼び込み、国内外から所得を得ていくかがますます重要になってまいります。このため、これまで取り組んでまいりました飛騨・美濃じまん海外戦略プロジェクトをさらに推し進め、ここにしかない、ここでしか味わえないオンリーワンの岐阜県の魅力を発信してまいります。そして、各地の地域資源を観光資源として発掘し、磨き上げるとともに、これらをネットワーク化した広域周遊観光の確立にも取り組んでまいりたいと考えております。

 また、平成三十九年の東京−名古屋間リニア中央新幹線の開通に向け、馬籠を初め中山道の宿場町、明治座などの地歌舞伎、そして岩村、明智など歴史や食もあるポテンシャルの高い周辺の観光地について、地元の御意見もお伺いしながら、本県の東の玄関口として、その魅力向上に取り組んでまいりたいと思っております。

 次に、これからの本県を支える人づくりであります。

 少子・高齢化が進む中、本県の産業や地域社会の担い手は急速に減少してまいります。このため、これまで以上に若者、女性、高齢者、あるいは障がいのある方を問わず、誰もが活躍できるような地域づくりを進めるとともに、航空宇宙産業分野や農業分野で既に先駆的に取り組んでおりますような一貫した地域ぐるみでの、あるいは産学金官連携での人材育成システムを広く他の産業分野にも展開してまいりたいと考えております。

 また、人口の減少傾向を少しでも食いとめるためには、結婚・子育て支援や女性の活躍推進などについて、総合的な支援体制の整備など、一段と強化していく時期に来ております。特に若い世代の流出をとめると同時に若い世代を岐阜に呼び込み、定着していただくために、結婚・出産・子育てに係る経済的負担のさらなる軽減、民間の力を活用した子育て支援の充実など、さらに踏み込んだ施策を推進してまいりたいと思っております。

 次に、医療と福祉の連携・充実でございます。

 高齢者が増加していく中で、在宅医療・介護の重要性が一段と増してまいります。現在、各地域において医療・福祉の連携体制が構築され、二十四時間三百六十五日体制でのサービスの提供に向け議論が始まったところでございますが、これがしっかりと機能するよう支援することが必要であるというふうに考えております。

 また、障がいのある子供たちの就労を見据えた教育の充実を求める声も多くなってきております。これまで、子どもかがやきプランに基づき、特別支援学校の整備を進めてまいりましたが、就労支援を強化するための高等特別支援教育機能の拡大も重要なテーマの一つではないかと考えております。

 最後でございますが、今後四年間には、東海環状自動車道西回りやリニア岐阜県駅へのアクセス道路など早急な基盤整備が求められております。このようなインフラ整備は、本県の発展、交流の促進、住民福祉の向上に必要不可欠なものであり、インフラの老朽化対策とあわせてしっかりと対応してまいる所存でございます。



○議長(矢島成剛君) 四十五番 早川捷也君。

    〔四十五番 早川捷也君登壇〕



◆四十五番(早川捷也君) 四選の出馬を表明されまして、お体に御自愛をいただきながら、ひとつ県政のために頑張っていただきたいと思います。

 次に、行財政運営について六点お伺いします。

 まず初めに、本定例会に上程されております九月補正予算について二点お伺いします。

 政府・与党は、景気の現状について、雇用・所得環境は改善する一方で、個人消費や民間投資は力強さを欠いた状況にあるとした上で、新興国経済の陰りやイギリスのEU離脱の選択等により、世界経済の需要の低迷と成長の減速リスクが懸念されるとして、事業規模で総額二十八兆円にも上る未来への投資を実現する経済対策を八月に閣議決定し、現在、開会中の臨時国会に提出している第二次補正予算案に四兆円超を計上しております。

 この内容を見てみますと、訪日外国人旅行者の受け入れ基盤の整備・加速化や、リニア中央新幹線の全線開業前倒し、大都市圏環状道路等の物流ネットワークの強化、地方創生推進交付金を含む地方創生の推進など、本県に関連すると思われる予算も多く含まれており、県政の推進に当たってはこれらを有効に活用していくことが必要であると考えます。

 また、本県の景気の状況は、岐阜財務事務所の発表によれば、一部に弱さが見られるものの、緩やかな回復の動きが続いており、先行きについても回復の動きが着実に続いていくことが期待されているが、海外の景気の下振れについて注視していく必要があるとされており、県としても、景気の動向に適切に対応していくことが求められます。

 こうした中、本定例会には、古田県政として最大となる総額二百六十億円余の補正予算案が上程されております。この補正予算の概要について、知事は開会日の提案説明で、熊本地震を踏まえた備蓄拠点の整備や、緊急輸送道路などの防災対策、治山事業等に加え、国の二次補正予算を活用した保育士修学資金貸付制度の拡充、木材加工施設の整備促進、その他関ケ原古戦場に関連する整備、ベトナム・ゲアン省との友好協力に関する覚書に基づく農業技術研修生の受け入れの体制整備などを進めると提案がありました。

 特に、熊本地震を踏まえた防災対策強化と地域資源を生かした清流の国づくりの推進として、県単独事業として八十億円が計上されておりますが、これは先ほど申しました海外景気の下振れのおそれを見越した県内景気の維持対策として思い切った予算措置をとられたものと推察しております。

 また、国補正予算に呼応した事業であっても、当然県負担も伴うものであります。したがって、国補正予算の内容を吟味し、本県の経済情勢や新たに呼応すべき政策課題を踏まえた上で、本県について緊急かつ必要な事業について取り組むことが求められるものであります。

 そこでお伺いします。

 今回上程されている補正予算について、本県の現在の経済情勢や課題を踏まえ、その背景と目的を明示した上で、県民の理解を得ながら速やかに取り組み、成果を上げていくことが必要でありますが、知事の御所見をお伺いします。

 次に、九月補正予算に関連してもう一点お伺いします。

 今回の補正予算にはさまざまな事業が計上されておりますが、その中で、特に新規事業として宇佐地区文化施設共同駐車場(仮称)の整備費が計上されております。

 事業目的としては、昨年の第五回定例会で知事が表明されたぎふ森の恵みのおもちゃ美術館、名称は仮称とのことでございますが、おもちゃ美術館の整備に伴い、同地区の駐車場不足を招かないよう、新たに駐車場を整備するとの説明がされております。

 このおもちゃ美術館については、本年一月一日の新聞で、昨年の全国育樹祭の成功を契機として、生活の中で木に触れ、使うことを通して森林の大切さを学ぶ木育を推進していくために、その拠点施設として岐阜市宇佐地区の県福祉友愛プール跡地がその候補として報じられました。同地区には、既に多くの来館者が訪れておる県図書館や美術館があり、これに加えて、森の恵みのおもちゃ美術館が新設されることになれば、駐車場不足は十分に想定されるところであります。なぜ、駐車場不足が十分に想定される同地区に整備されることになったのでしょうか。

 木育については、平成二十五年三月にぎふ木育三十年ビジョンを策定しておりますが、その巻頭に掲げる知事の言葉には、岐阜県が進める「清流の国ぎふ」づくりの基礎は、人づくりです。子供を初め全ての人々がふるさと岐阜への愛着を持ち、身近にある地域の自然・歴史・文化・産業などについて学ぶふるさと教育を進め、次の世代にすばらしい岐阜の森や木の伝統を継承し、新しい文化の創造を目指していくとあります。

 言われるように、人づくりが基本であるのならば、広く県民が利用できる駐車場の心配の要らない場所、例えば里山である百年公園や、加えて、広く県外からも誘客を求めるのであれば、世界淡水魚園といった選択肢もあったのではないでしょうか。

 また、本体のおもちゃ美術館の機能や整備方針については、現在、有識者の意見を聞きながら議論されているとのことでございますが、いまだ具体的には示されていないのが現状でありますが、駐車場が本当に必要かどうかを判断するためには、その前におもちゃ美術館がどういった施設となるのか、それをお聞かせいただく必要があります。

 そこで、知事にお伺いします。

 宇佐地区で整備することとした根拠と、施設の機能及び整備方針について、現在の検討状況をお伺いいたします。

 次に、二点目として、本県の来年度当初予算編成に向けた財政上の諸課題についてお伺いします。

 予算編成に大きな影響を及ぼす国の来年度当初予算につきましては、八月末、各省庁の概算要求が取りまとめられましたが、その総額は百一兆円に達し、三年連続で百兆円を超えるとともに、看板政策の一億総活躍プランや成長戦略などに重点配分するための四兆円程度の特別枠が設けられているところであります。

 一方、地方交付税は二十八年度当初予算比四・四%減となる十五兆九千五百八十八億円の要求にとどまっているところであります。

 こうした中、県の財政状況は平成二十五年度に起債許可団体を脱却して以来、積極的な財政運営を求める声もありますが、一方で、行財政改革前のような巨額な財源不足に再び陥らないよう、継続的な行財政改革も必要とされております。平成二十一年に策定した行財政改革指針によれば、本県の規模を考慮すると、今後、年間の公債費は一千百億円程度で推移していくことが現実的とされております。

 アベノミクスによる企業収益の回復や消費税率の引き上げなどの影響により、県税収入は五年連続で増加しているところでありますが、先ほど述べたように先行きの経済情勢はまだまだ不透明な状況にあり、県税収入の増加も保証されているものではありません。

 そこで、引き続き国の動向や経済状況の的確な把握に努めながら、地方創生のため積極的な取り組みと健全財政の確立という難しい財政運営が求められているわけでありますが、来年度の本県の予算編成に向けた考え方について知事にお伺いをいたします。

 次に、三点目として、来年度以降の清流の国ぎふ森林・環境税のあり方についてお伺いします。

 本県が平成二十四年度から導入しております清流の国ぎふ森林・環境税につきましては、今年度、最終年度となる五年目を迎えており、来年度以降のあり方について決する時期に来ております。

 導入されて以来、森林や水環境を守るためのさまざまな取り組みが進められてきたところでありますが、来年度以降、税のあり方を考える上で、これまでの成果を十分に踏まえて判断する必要があります。森林・環境税は、本県が誇る豊かな森林を県民全体で支える大変意義のある仕組みと認識しており、本県が清流の国であり続けていくためには、必要不可欠な財源であります。引き続き県民の皆様に御理解・御協力をお願いいただきながら、これを財源として緑豊かな清流の国を守り育んでいく必要があります。

 そこで、二点お伺いいたします。

 一点目として、今年度最終期を迎える森林・環境税について、これまでの成果を踏まえた上で、その是非について知事にお伺いします。

 二点目、林政部長にお尋ねします。

 森林・環境税が継続されるとした場合、これまでどおりの活用をされるのか、その活用方策をお伺いいたします。

 次に、木材の生産性向上に向けた取り組みについてお伺いします。

 森林づくりについては、森林・環境税を活用して採算性の悪い奥山等の整備を進める一方で、採算面で林業が可能な森林については、木を育てて伐採し、利用して、伐採跡地に再び造林し、木を育てるといった循環により、森林を維持していくことが重要であります。

 これら木材生産林では、全国的に戦後造林した人工林が本格的な利用期を迎えていますが、需要の低迷や採算性の問題などにより木材の切り出し、搬出が進んでいない状況にあります。

 本県の人工林の木材蓄積量は約一億立方メートル、これは毎年増加しており、明らかに蓄積過多であります。こうした森林の状況を、森林文化アカデミーの涌井学長は、日本の森林はメタボで高齢化している−−私じゃないですよ−−と表現され、問題を提起されておりますが、こうした状況から脱却し、先ほど述べた循環により、健全な森林づくりを進めていく必要があります。

 本県では、近年、生きた森林づくりを進め、木材生産の拡大が進められてきたところでありますが、県内では、整備された大型製材工場等による需要増加を含めてさまざまな分野で木材需要が高まってきており、加えて木材輸出の増加や、国の政策面でも、六月に閣議決定された日本再興戦略二〇一六で、公共建築物などにおける木材の利用促進に関する法律の見直しを含め、これまで木造が少なかった建築物への木材活用などの方針が打ち出されているなど、さらなる需要拡大に向けた動きがあります。

 こうした木材需要の拡大に的確に対応し、安定かつ計画的な供給を行っていくことが循環による健全な森づくりにつながるものであり、そのためには木材の生産性向上を図っていく必要があります。

 現在、本県の木材生産は、路網が整備され、搬出が容易な比較的好条件な森林を対象にして行われておりますが、今後の木材需要の拡大に対応するためには、現在策定中の第三期岐阜県森林づくり基本計画にあるように、高性能林業機械の導入を含めた林業の機械化に加えて、人材育成などにより生産性の高い木材生産体制の確立を図ることが必要であります。さらに、現在搬出されていない森林からも搬出できるよう、路網、しかも大型機械の伐採搬出が可能な路網をしっかりと整備するなど、本県森林の急峻な地形においても効率的に搬出が可能となるよう、その体制の整備が重要であります。

 そこでお伺いします。

 健全な森づくりを進めるために木材の生産性向上をいかに図っていくのか、具体的な取り組みについて林政部長にお伺いします。

 次に、本県の活力を生み出す産業振興にかかわる課題として、岐阜県成長・雇用戦略にかかわる所見と今後の方針についてお伺いします。

 本県の産業振興は、これまで刃物、和紙、木工、陶磁器などの本県の風土に根づいた地場産業はもとより、時代の要請に対応した情報産業や航空宇宙産業など、新たな産業育成にも力を注いでまいりました。さらに、平成二十五年度には岐阜県成長・雇用戦略を策定し、活力ある岐阜県づくりを進めてきたところであります。

 こうした中、さきの定例会で知事が、策定から三年が経過し、新たな課題への対応が必要とされていることから、年度内に現在の成長・雇用戦略の見直しを行い、改定していきたいと答弁されたところでございます。岐阜県のさらなる振興につながる改定となることを大いに期待するところでありますが、経済雇用状況のみならず刻一刻と変化する我が国、さらには世界的な経済情勢を的確に把握し、それを踏まえ、最適な改定がなされるべきと考えるところであります。

 そこで、これまで経済産業省で国の経済振興にかかわってこられた岸副知事に、岐阜県成長・雇用戦略に基づく取り組みを含めたこれまでの本県の産業振興の取り組みや現在の経済雇用状況に対する評価と、その戦略の見直しの方向性について、その御所見をお伺いします。

 次に、六点目として、先月開催されました第七十回全国レクリエーション大会の成果と生涯スポーツなどの振興に向けた方針についてお伺いします。

 九月二十三日から二十五日の三日間にわたり、本県初となる全国レクリエーション大会in岐阜が開催されました。県内全市町村を会場に、三十八に上る種目の全国大会が県内各地で繰り広げられ、大会期間中、県内はもとより全国各地からも、過去最多となる六万四千五百十七人、大会前イベントを含めると約十七万人の愛好家や関係者が参加され、大いに盛り上がったところであります。

 一方、本大会の開催に当たっては、その方針として、多くの県民の方々に参加いただき、生涯スポーツ、生涯学習のすばらしさに触れてもらい、大会終了後もこの活動が継続されていくような大会とすることを掲げていたところです。

 知事は五月の定例記者会見で、このレクリエーション大会について、来年度以降は、これを一過性で終わらせることなく、全県的なレクリエーション大会を創設し、毎年開催するなど取り組みを進め、二〇二〇年に本県で予定されている、ねんりんピックにつなげていきたいと述べておられましたが、この大会を本県における生涯スポーツやレクリエーションの振興につなげてこそ、大会が成功したと言えるのではないかと考えるところです。

 そこで、第七十回全国レクリエーション大会in岐阜の開催結果と、これを本県の生涯スポーツなどの振興にいかにつなげていかれるのか、今後の方針について知事にお伺いをしまして、分割二を終わります。



○議長(矢島成剛君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 行政運営について幾つか御質問がございました。

 まず九月の補正予算について二点ございました。

 この編成方針でございますが、まず本県の経済情勢につきましては、各種統計調査の結果では、鉱工業生産指数が五カ月間連続して上昇するほか、八月の有効求人倍率では全国の一・三七倍に対しまして本県は一・六五倍となるなど、回復基調が見られます。また、本年上期の製造業の工場立地件数は二十一件と、全国第四位ということで大変健闘しております。

 しかしながら、マクロ的に見ますと、設備投資における投資意欲は三期連続で減少してきておりますし、また個人消費につきましても、消費回復への足取りは大変重いと、回復基調はあるものの景気回復に足踏み感が見られるというふうに評価をされております。

 他方、国においても世界経済の需要低迷、成長の減速リスクが懸念されるということから、未来への投資を実現する経済対策を取りまとめ、これを受けた補正予算案が臨時国会に現在提出されたところでございます。

 本県では、ただいま申し上げましたような本県の経済情勢を踏まえるとともに、こうした国の経済対策に呼応しながら、緊急に対応すべき施策について国の補正予算を最大限に活用することとし、予算編成を行った結果、二百六十億円を超える規模となったものでございます。

 主な事業を幾つか申し上げますと、まず、集中豪雨や土砂災害への備えとして、道路の冠水対策、河川改修などの防災・減災対策を実施してまいります。加えて、熊本地震の際、緊急輸送道路で通行どめが発生し、支援物資の輸送が滞る一因となったという検証結果を踏まえまして、道路等の公共土木施設の応急対策のために必要な資機材をあらかじめ県内の七カ所程度の拠点に備蓄をするという取り組みを進めてまいりたいと思っております。

 次に、保育士不足により県内で保育所待機児童が発生している状況の中で、資格を持ちながらも働いていない潜在保育士に対する就職準備金の貸付額を二十万円から四十万円に倍増することにより、再就職を促進してまいります。

 また、TPP協定の批准を見据え、農業の競争力強化を進めるために農地の大区画化、農業用水路の整備を実施するとともに、林業の生産性向上に向けて路網整備や木材加工流通施設の整備などを一段と進めてまいります。

 次に、仮称でございますが、森の恵みのおもちゃ美術館についてであります。

 これはお子さんを初め全ての人々へのふるさと教育を進め、新しい文化を目指すということで、ぎふ木育三十年ビジョンがございますが、このぎふ木育三十年ビジョンを実現する中で整備しようということでございます。

 こうしたことから、子供から大人まで幅広い方々が、森や木に親しむきっかけとして木のおもちゃに触れるとともに、岐阜県の多様な森林を体感できる総合的な木育拠点を目指しております。したがいまして、これは教育文化施設である県図書館や県美術館と親和性が高いものというふうに考えておるところでございます。

 この県美術館、県図書館には、年間、現在八十万人程度の来館者がございます。この両館と一体となっておもちゃ美術館を整備することは、これまで以上に子供、親子などさまざまな県民の方々が活用できる地域になるのではないかというふうに考えております。

 また、三館が併設されることにより、連携したイベントや事業を実施することができ、その相乗効果も期待できるのではないかと思います。こうしたことから、県図書館の隣接地にある福祉友愛プール跡地に整備することが最適と判断した次第でございます。なお、平成記念公園、あるいは世界淡水魚園など県営公園での設置も検討しております。しかしながら、例えば公共交通機関が十分でないこと、あるいは主に観光客がターゲットになっているということ、さらには県外の利用者が主であることなどから、おもちゃ美術館のターゲットとなる県内の子育て世代の客層が十分見込めないといったことを判断し、現計画になったところでございます。

 次に、施設の機能についてでございますが、木のおもちゃに触れたり、遊んだりすることができる二歳児以下向けの「赤ちゃん木育ひろば」、三歳児以上向けの「木育ひろば」、親子で木工が楽しめる「木工室」を設けるほか、企画展やイベントの開催が可能なエントランスホールなどを考えております。また、館内のバリアフリー化を図るとともに、できる限り壁や床等の内装材、家具・調度品に県産材を活用し、木の国ぎふらしさを前面に出してまいりたいというふうに考えております。

 これらの機能にあわせて、ソフト面の対応も検討してまいります。具体的には、県内の職人が制作する木のおもちゃを数多く取りそろえるとともに、本県の豊かな森林を身近に感ずる展示や、源流の森から清らかな川へといった「清流の国ぎふ」を体感できる映像演出などを企画してまいります。また、運営を支援する木育おもちゃ学芸員を養成するなど、サポート体制にも取り組んでまいります。さらに、県図書館、県美術館と共同して、清流の国イベントを開催するなど、三館の教育文化施設としての連携機能を一層強化する方途を検討してまいりたいというふうに考えております。

 次に、来年度の当初予算編成に向けた財政上の諸課題ということでございます。

 先日、国の概算要求とともに公表されました地方財政収支の仮試算によりますと、地方の一般財源総額は、来年度につきましては実質的には前年度と同額を確保するというふうに言われております。しかしながら、その内容としては地方交付税が減少となる一方で、地方の借金である臨時財政対策債、国にかわって地方が借金をするということでございますが、この臨時財政対策債が増額することにより収支が均衡する試算ということになっております。これは臨時財政対策債の縮減を求めている地方の要望とは異なるベクトルになっております。

 また、社会保障関係経費につきましては、毎年の自然増に加えて、消費税率の引き上げが再延期されたことにより、保育士や介護職員の処遇改善、保育や介護の受け皿整備など、社会保障に係る充実策がどこまで実施されるのか、その財源も含め不透明な状況にございます。

 こうした点を含め、年末の政府予算決定に向けては、国予算の動向を注視するとともに積極的に国へ働きかけてまいりたいというふうに考えております。

 他方で、本県が直面する政策課題といたしましては、まず熊本地震の検証結果を踏まえた防災・減災に向けた取り組みの強化が喫緊の課題でございます。

 また、高度経済成長期に整備した本県の公共施設が再整備の時期を迎えております。財政負担をにらみながら、人口減少等による需要の変化を踏まえた施設のあり方を検討していく必要がございます。

 さらに、いわゆる地方創生の取り組みとしては、結婚・出産・子育てへの切れ目のない支援、医療と福祉の充実・連携のほか、岐阜県成長・雇用戦略の見直し、移住定住の促進、観光産業の基幹産業化や都市公園の活性化などに積極的に取り組んでいかなければならないと考えております。

 こうした諸課題を踏まえ、来年度当初予算編成に向けては、持続可能な財政運営に意を用いながらも、地方創生と安全・安心を中心に直面する政策課題に積極的に取り組む、いわばめり張りのきいた予算編成に心がける必要があるのではないかということでございます。

 現時点における、来年度当初予算に対する考え方は以上のとおりでございます。

 次に、来年度以降の清流の国ぎふ森林・環境税のあり方についてでございます。

 平成二十四年度から清流の国ぎふ森林・環境税を活用して、「環境保全を目的とした水源林等の整備」「里山林の整備・利用の促進」「生物多様性・水環境の保全」「公共施設等における県産材の利用促進」「地域が主体となった環境保全活動の促進」と、この五つの柱で施策に取り組んできております。

 これまでの成果について御紹介申し上げますと、まず一点目の水源林の整備では、国庫補助の対象から外れ、管理が行き届かなくなった奥山林の間伐が進んでおります。間伐後のモニタリング調査で下層植生の回復が徐々に進んでいることを確認しておりまして、水源の涵養や災害防止など森林の持つ公益的機能が高まってきておるということでございます。

 二点目の里山林の整備についてでございますが、侵入竹の除去を初め倒木の危険性の高い樹木の除去、野生生物の集落への出没抑止のため、やぶを刈り払い見通しをよくする緩衝帯の整備が進んでおります。整備後の地元自治会等への満足度調査では、九八%の方からよかったと高い評価をいただいております。

 三点目の生物多様性・水環境の保全につきましては、外来種の駆除に地域が自主的に取り組む機運の醸成に加えて、深刻化する鳥獣被害対策として、五年間で一万八千頭のニホンジカの捕獲を進めております。

 四点目の県産材の利用促進でございますが、教育・福祉施設など公共施設の木造化、学校における木製の机・椅子や木育教材の導入が進んでおります。子供たちが木のよさ、本県の豊かな森林の恵みを理解するよい機会になっております。

 五点目の環境保全活動でございますが、自発的な森・川づくり活動が広がっております。この五年間で環境保全活動に取り組む団体は延べ百八十二団体、小・中、高校などでは延べ五百五十二校の参加を見込んでおります。これは当初目標の四割増しということでございます。これらを含め、今年度末までに提案事業など市町村・団体が事業主体である二十一の事業に税収の約八割、約四十四億円が活用されると、こういう見通しでございます。

 こうした中、市町村や各種団体からは、取り組みは緒についたばかりであり、継続が必要であるといった意見を強くいただいております。また、五圏域で開催いたしました事業報告会におきましては、県民もみずから事業を提案できると、こういう制度になっておって大変重要であるといったような継続を期待する声が多数寄せられております。

 こうしたことから、百年先の森林づくりなど新しい行政課題などにも対応しつつ、事業を一層充実していくため、清流の国ぎふ森林・環境税を今後五年間、平成三十三年度末まで延長してまいりたいというふうに考えております。

 最後に、全国レクリエーション大会の成果と生涯スポーツの振興に向けた方針ということでございます。

 さきの第七十回全国レクリエーション大会in岐阜は、大会史上初となる県内全市町村で、過去最多の三十八種目を実施いたしております。当日の参加者数は、御紹介にもありましたが、関連行事と合わせて延べ六万人超、会期前に行ったプレイベント等を含めると十七万一千人に達するなど、かつてない最大規模で盛大に開催することができました。日本レクリエーション協会からも、この岐阜県の大会については空前絶後であるということで、大変高い御評価をいただいたところでございます。

 その総合開会式など式典におきましては、来場者に「清流の国ぎふ」の魅力やレクリエーションの楽しさを伝えられるようさまざまな工夫を凝らし、またおもてなし広場では、栗きんとんなど本県の自慢のお土産品をそろえ、いずれも大好評でございました。大会を通じてのスローガンであります「清流に 楽しさ 笑顔 夢いっぱい」がまさに現実のものになったというふうに感じております。

 私自身もグラウンドゴルフ、車椅子レクダンス、3B体操の会場にお邪魔をしまして、その盛り上がりを目の当たりにいたしました。そして、実際にこれらの種目を体験してみて、レクリエーションが子供から高齢者まで、障がいのある方もない方も誰もが気楽に楽しめ、そして交流を深めるすばらしいものであることを改めて認識した次第でございます。そして、体、心、頭の健康を増進し、県民の健康寿命の延伸を図ることのできるレクリエーション振興の必要性を強く感じたところでございます。

 そこで、本大会を一過性のものとせず、その成果を未来につなげ、発展させていくため、オール岐阜でのレクリエーション大会を新たに創設し、来年から毎年開催してまいりたいと思っております。

 また、これまでに百七十四団体を認定しておりますが、レクリエーション推進団体、その拡大を図るなど、県民みんなが一つはレクリエーションを実践することを目指すミナレク運動、みんながレクをやると。ミナレク運動をさらに推進してまいりたいと考えております。

 そして、東京オリンピック・パラリンピックが開催される二〇二〇年、本県では全国健康福祉祭、いわゆるねんりんピックの開催を予定しております。今回の全国レクリエーション大会で生まれたレクリエーションの大きなうねりを広げながら、ねんりんピックにつなぎ、明るく健康で笑顔あふれる岐阜県づくりを進めてまいります。



○議長(矢島成剛君) 林政部長 瀬上繁隆君。

    〔林政部長 瀬上繁隆君登壇〕



◎林政部長(瀬上繁隆君) 私には二点お尋ねがございました。

 最初に清流の国ぎふ森林・環境税を継続する場合の活用方策についてお答えをいたします。

 森林・環境税を継続する場合の活用事業につきましては、四つの柱で施策に取り組んでまいりたいと考えております。

 一つ目は、百年先の森林づくりとして、奥山林の間伐に加え、集落周辺森林の危険木除去や鳥獣の集落への侵入を抑止する緩衝帯の整備を強化するとともに、新たに都市部の住宅団地など森林地域外の危険木除去の支援を検討しております。

 二つ目は、自然生態系の保全と再生として、鳥獣被害対策にイノシシ、カワウの捕獲を加えるほか、水面の段差解消による在来の魚類が生息しやすい水環境づくりを、三つ目には、環境にやさしい社会づくりとして、豊かな森林資源や水資源を活用した地産地消型エネルギーシステムの普及を検討しております。

 四つ目は、人づくり・仕組みづくりとして、環境学習の取り組みに加え、木育拠点施設の整備を行いたいと考えております。

 また、このほか、市町村や団体からの提案事業につきましては、継続して支援してまいりたいと考えております。

 続きまして、木材生産性向上に向けた取り組みについてお答えをいたします。

 木材生産性向上のためには、路網の整備、機械化の促進、施業の集約化の三つの取り組みが必要であると考えております。

 一点目の路網の整備は、林業の最も重要な生産基盤であることから、林道、林業専用道、森林作業道を適切に組み合わせた路網のネットワークづくりを進めてまいります。特に十トン級トラックや大型林業機械の進入が可能となる林業専用道の開設は、木材の生産性向上にとって重要であることから、市町村の要望を踏まえ、県代行事業の実施も含めて検討してまいりたいと考えております。

 二点目の機械化の促進では、急峻な地形が多い本県の林業現場に対応するため、架線集材機械の導入を促進するとともに、欧州派遣で養成している五名の技術者が講師となり、今後五年間で最新の架線集材技術を有した技術者を百名養成してまいります。

 三点目の施業の集約化では、境界の明確化作業や地域の森林の管理経営を行う森林施業プランナーの活動支援によって施業地の拡大を進め、効率的な木材生産を図ってまいります。



○議長(矢島成剛君) 副知事 岸 敬也君。

    〔副知事 岸 敬也君登壇〕



◎副知事(岸敬也君) 成長・雇用戦略についてお答え申し上げます。

 本県では、これまで地場産業はもとよりでございますが、東海環状自動車道東回り区間など道路交通網の整備を生かしながら、企業誘致を進めてまいりました。また、産業人材の育成、研究開発や新技術・新商品開発を積極的に支援してきております。

 ここで、現在の県経済のデータを改めて見てみますと、足元は全体として回復基調であるものの、足踏み感が見られる、こういうふうに捉えておりますけれども、製造品の出荷額を見てみますと、平成二十六年までの五年間で五・七%伸びてございます。これは国全体の伸びを上回る成果が上がっているということでございます。その中で、特に成長・雇用戦略の重点に位置づけた航空宇宙産業、これは三八・四%の大幅増となっております。既に自動車産業の伸び率五・二%を大きく上回っております。航空宇宙産業の製造品出荷額は、自動車産業の四割強の水準まで成長しております。もはや岐阜県の中核産業の一つに育ちつつあるというふうに考えてございます。

 一方、雇用情勢を見てみますと、平成二十五年に有効求人倍率が一倍を超え、高どまっている状況でございます。むしろ現在は、業種や地域ごとの温度差はあるものの、企業から労働力不足を懸念する声、これを多く伺っているところでございます。

 こうした中、一方で、この五年間における製造業の付加価値額と生産性でございますが、これは国全体の伸びを残念ながら下回っております。したがいまして、特に製造業を支える人材の育成と相まって、製造業の生産性の向上、これは岐阜県にとって大きな課題ではないかというふうに捉えてございます。このため、今後の取り組みにおいては、県内企業の大層を占めます中堅・中小企業にIoTを導入するなどによりまして、生産効率を革新していく視点が大変重要ではないかというふうに考えております。また、その際、ソフトピアジャパンに集積した情報サービス企業の力、これを県内企業の生産性向上に生かしていくという視点も大変重要ではないかというふうに感じております。

 また、我が国全体で少子・高齢化が進み、市場が縮小していくという中において、海外の成長や付加価値も積極的に取り込んでいかないと、成長はなかなか難しいだろうというふうに考えております。そこで、既に取り組みを始めてございますが、観光でありますとか、あるいは投資などのインバウンド、あるいは輸出などのアウトバウンドの両方、双方向で、岐阜というローカルと海外、グローバルを効果的に結びつけることも課題ではないかというふうに考えております。

 もともと岐阜県には大変すぐれた技術、あるいは潜在力を持つ企業が数多く存在をしております。こうした企業や製品の生産性、あるいは競争力をさらに高める、あるいは岐阜という立地の魅力を一層高めながら、こうしたことを国内外に一層魅力を発信し、具体的な付加価値、稼ぎに結びつけていくような方向性が大事ではないかと考えてございます。

 現在、岐阜県成長・雇用戦略、これについて、早速、事務的・実務的な検証を進めております。今申し上げましたような視点も含めまして、本年度内の戦略改定に向けてさらに検討を深めてまいりたいと考えております。



○議長(矢島成剛君) 四十五番 早川捷也君。

    〔四十五番 早川捷也君登壇〕



◆四十五番(早川捷也君) それでは最後に、安全・安心な岐阜県づくりについて、五点お伺いします。

 まず、熊本地震を踏まえた本県の地震対策についてお伺いをいたします。

 ことし四月に発生しました平成二十八年熊本地震は、亡くなられた方が百二十名、負傷された方が二千三百三十七人、道路、橋梁、建物などの被害も甚大であり、今なお約三百人の方が避難生活を余儀なくされております。改めてお悔やみとお見舞いを申し上げる次第であります。

 甚大な被害をもたらした今回の熊本地震については、御承知のとおり、一連の地震で震度七を史上初めて二回記録したほか、災害対策の拠点となる行政庁舎の耐震化や車中泊した避難者への対応、支援物資の集積・配布など、さまざまな課題が浮き彫りになったところであります。また、こうした地震そのものへの防災対策に加えて、熊本地震のような災害であっても商工業や農林水産業などの産業活動が継続的になされるよう、事前に対策を講じていくことの必要性も認識させられたところであります。

 国においては、熊本地震の発生を受けて、その原因となった活断層の長期評価にかかわる表記の見直しを行い、地震発生の確率が最も高い三十年以内に地震発生確率が三%以上の断層はSランクと表記することにしました。それによれば、全国にはSランクとされた活断層が二十九カ所ありますが、そのうち県内には、阿寺断層帯、木曽山脈西縁断層帯、高山・大原断層帯の三つの活断層がSランクとされたところであります。

 熊本地震は、決して対岸の火事ではありません。本県においては、内陸型地震の発生する可能性は十分にあり、これを踏まえて日ごろから蓄えを講じていくことが必要であります。本県では、熊本地震発生後、地震防災対策の検証がなされ、八月末にはこれを踏まえた防災対策の強化方針が示されたところであります。

 そこで、八月末に示された防災対策の強化方針を踏まえた地震防災対策の具体的な強化策について、知事にお伺いをいたします。

 次に、神奈川県相模原市の社会福祉施設で発生した殺傷事件を踏まえた防犯体制の強化についてお伺いします。

 障がい者支援施設、津久井やまゆり園に、深夜、刃物を持った男が侵入し、入所者などを次々と刺すという凄惨な事件が発生してから、二カ月余りを経過しました。容疑者の極めて独善的な思想に基づき、弱い立場にある障がいを持った方のみを狙うという卑劣な犯罪に対し、大変強い憤りを感じるものであり、一刻も早く真相が解明されることを願うものであります。

 本県では、議員提案により制定した岐阜県障害のある人もない人も共に生きる清流の国づくり条例をこの四月から施行し、共生社会の実現に向けた取り組みを進めてきたところでありますが、今回の事件は、我々の目指す共生社会に真っ向から反するものであり、その背景にある差別意識に大変な危機感を覚えるものであります。

 本県では、今回の事件を受けて、県、警察、福祉施設代表者などによる緊急対策会議が開催され、防犯対策の強化について協議が行われたと聞いておりますが、実効性の高い防犯対策の強化を望むところであります。

 特に、県立の障がい者入所施設は古く、地域に開かれた施設づくりを進める中で、物理的にも防犯対策が困難な状態にあります。防犯対策を強化する余り、社会から隔絶してしまうことは望むべき施設のあり方ではありませんが、一方で、入所者、利用者の安全確保は設置者としての義務であり、必要であります。

 そこで、本県の障がい福祉施設に対する防犯対策の指導・強化の方針、さらには県立障がい者入所施設における対策について、健康福祉部長にお伺いをいたします。

 次に、今回の事件を踏まえ、もう一点お伺いします。

 事件は、施設の防犯体制のほか、容疑者が事件を引き起こす四カ月ほど前に、精神保健福祉法に基づき措置入院し、それが解除された後、相模原市内に居住していたにもかかわらず、退院時の症状消退届に八王子市の両親と同居するとの記載があり、同市の保健担当部局はそれを認識しておらず、また転出するとの情報は、個人情報保護の観点で八王子市にも伝えられず、結果として適切な支援がなされなかったため、措置入院解除後の対応に問題があったとの指摘も出ております。

 厚生労働省が九月十四日に公表した検証の中間取りまとめでも、入院中から退院後にかけての市の対応は不十分であったとされております。現行制度上、措置入院解除後の支援を検討することが県や政令市に明確には求められていないといった背景もあり、本県を含めた他の自治体においても、こうした不十分な対応が行われている可能性があります。

 そもそも措置入院については、防犯・治安の問題とは制度・趣旨が異なり、犯罪防止機能を期待すべきではありませんが、措置入院解除後も、県や政令市が状況を正確に把握し、患者が医療や福祉、生活などの地域社会から隔絶することなく、継続的に支援が受けられる状況にすることが、今回のような事件の再発防止につながるものと考えております。

 そこでお伺いします。

 措置入院解除後も患者に対する継続的な支援を徹底して行うべきと考えますが、本県ではどのように対応しているのか、またいかれるのか、現状について健康福祉部医療・保健担当次長にお伺いをいたします。

 次に、学校におけるいじめの現状と対策についてお尋ねをします。

 平成二十三年、滋賀県大津市で起きた中学生のいじめによる自殺事件を受けて、平成二十五年九月にいじめ防止対策推進法が施行されて三年が経過しました。

 これまで同法に基づき、さまざまな取り組みを進められてこられましたが、それでもいじめを苦に死を選ぶ児童・生徒が後を絶ちません。果たして万全の体制がとられているのでしょうか。

 このことについて、九月二十九日の朝日新聞によれば、同法施行後、いじめによる自殺と疑われるケースは全国で二十件。このうち、同法に基づく第三者委員会が調査を終えた十二件について分析したところ、生徒や保護者からいじめを訴えられたが、一部の教員で情報を抱え込んだり、いじめの兆候が出ていたにもかかわらず、それをいじめとして認識していなかったなど、校内でのいじめ情報共有ができていなかったケースは九件あったとなっております。

 同法では、いじめを広く定義するとともに、早期発見するための措置やいじめを防止するための複数の教員、心理・福祉などの専門家等で構成される組織を置くことを学校に義務づけておりますが、しっかりと機能しているのでしょうか。

 申し上げるまでもなく、未来を担う子供たちを自殺に追い込むことがあるいじめは、どんな理由があろうとも許される行為ではありませんが、子供たちだけで解決するには限界があります。教員を初め周囲の大人が早期にいじめをいじめとして認識し、情報を共有し、対応していくことが極めて重要であります。

 このいじめの情報共有について統計データを見ると、児童・生徒千人当たりのいじめの認知件数は、全国平均で、同法施行前の平成二十三年に五件であったものが、施行後の平成二十六年には十三・七件と大幅に増加しております。一方、本県では平成二十三年が十二・二件と、全国平均を大幅に上回っていますが、平成二十六年には十一・六件と減少し、全国平均を下回っているところであります。

 いじめそのものが減っているため認知件数が減っているのか、それとも、いじめを早期に発見し、共有する能力が低下しているのか、評価が分かれるところでありますが、後者であれば大変な問題であります。各学校に対し、いじめを早期に認識し、共有することをしっかり指導すべきであります。

 そこでお伺いします。

 法の施行から三年が経過した今、いじめ対策で最も重要と考えられる情報共有が県下の各学校で確実に行われているのか否か。本県のいじめ対策にかかわる現状認識と対策について、教育長にお伺いします。

 次に、県立高等学校の活性化についてお尋ねいたします。

 少子・高齢化、人口減少が進む中、現在、二万人台で推移している県内の中学校卒業者数が平成三十一年には二万人を割り込み、その後は長期的に減少していくことが予測されております。このため、県教育委員会では生徒減少期における高等学校の活性化方策を審議するための県立高等学校活性化計画策定委員会を設置し、議論を深めてきており、ことし三月にはその審議のまとめが公表されました。この審議まとめの趣旨を踏まえ、活性化計画が今年度末までに策定されるとのことでありますが、そのまとめにおいて、平成三十一年度に一学年三学級以下となることが見込まれる高校をグループ一とし、対象が十校あります。平成三十二年度から平成四十年度に三学級以下となることが見込まれている高等学校についてはグループ二として、その対象校が九校、再編統合の検討対象校とされております。

 このうち、グループ一とされた高等学校について、教育長は、本年第一回定例会における岩井議員の代表質問に対し、それぞれに地元の県議会議員や産業界代表なども加えた個別の協議会を速やかに設置し、各高等学校における活性化の取り組みを検討してまいりますと答弁されましたが、加えて、しかしながら、これらの高校ではその取り組みの成果があらわれる前に、入学者の急激な減少などにより学校の活力が低下することも懸念されるとした上で、活性化計画で一定の基準を示し、その基準に該当した場合には再編統合に着手せざるを得ないとの答弁がありました。現在、グループ一の各学校では協議会が設置されており、既に数回の協議会が開催されているやに聞いております。

 地域にとって、高校の統廃合は大きな問題でありますが、このような答弁もあったことから、地元では、活性化の成果が出る前に基準に達しなければ統廃合されるというのであれば、初めから統廃合の結論ありきなのではないか。議論しても意味がないのではないかといった声も上がっております。仮に、統合再編ありきだとするならば、地域で議論といっても、真に活性化につながる意見は出てきません。

 また、私が参加している協議会でも、例えば、著しく人口が減少する中、地域内で生徒を増員するといっても限界があるため、せっかく福祉課程があるのであれば、将来介護士を目指す生徒を広く募集するとか、外国人介護人材を高校時点から受け入れる学校として活用したらどうかという意見も真面目に出されております。しかし、こうした意見が県教育委員会の考えと異なる場合に、それを全く受け入れられないという姿勢、あるいは教育委員会が主体的に取り組む気がなく、地域に任せきりというのであれば、実現は困難であり、議論は全く無駄であります。実際、議論していても、学校当事者にも教育委員会にも主体性や熱意が感じられないところであります。

 そこで、二点お伺いします。

 岐阜県立高等学校活性化計画策定委員会の審議のまとめで、グループ一とされた高校について再編統合ありきなのかそうでないのか。再編統合ありきでないとするのならば、それはどの時点で判断するのか。

 二点目として、教育委員会として、グループ一の高等学校活性化に対し、主体的に取り組んでいくおつもりはあるのかないのか。地域の協議会から出された活性化策に対し、どう対応をしていくのか、教育委員会の姿勢について、いずれも教育長にお伺いします。

 最後に、本県の治安情勢に対する認識と今後の取り組み方針についてお伺いします。

 県内の治安情勢を見てみますと、統計上、刑法犯の認知件数は平成十四年をピークに減少傾向にあり、昨年は一万八千百六十件で、平成元年以来、二十七年ぶりに二万件を下回ったところであります。

 また、交通事故の発生状況については、人身事故件数が十一年連続で減少しており、統計上、治安情勢は回復が見られると考えられるところであります。

 しかしながら、人身事故のうち死者数は、昨年増加に転じており、その他ストーカー事案や配偶者からの暴力事案、児童・高齢者の虐待事案など、凶悪犯罪への発展が危惧され、人身の安全を早急に確保する必要がある事案や、高齢者などを狙った特殊詐欺事件などには依然として高い水準で発生しており、治安に対する県民のさまざまな不安はなかなか解消されない状況にあります。

 一方で、治安を守る警察組織は、昨年度の県議会でも意見書を提出しましたが、本県の警察官は全国的に見ても少なく、結果、一人当たりの負担は他の都道府県警と比べても大きい状況にあります。こうしたことから、県民の治安に対する不安を解消し、信頼と期待に応えていくためには、増員はもとより、柔軟かつ効率的な組織運営も求められるところであります。

 こうした中、この八月、新たな県警本部長として警察庁から山本本部長が着任されました。これまでの豊富な経験や幅広い知見をフルに活用していただき、県民の安全・安心を守る頼もしい岐阜県警をつくり上げていくことを期待するものであります。

 そこで、本県の治安情勢に対する認識と、今後の取り組みの方向性について警察本部長にお伺いをいたしまして、以上、質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

    (拍手)



○議長(矢島成剛君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 熊本地震を踏まえた震災対策について御質問がございました。

 熊本地震の発災後、本県ではあすは我が身という認識のもとで検証作業を進めてきたところでございます。有識者から成る岐阜県地震防災行動計画検討委員会での意見も踏まえるとともに、市町村とも協議を行いました。そして、洗い出した三十八項目の課題を、予防対策、応急対策、復旧対策に分け、計百十六項目の取り組みを地震防災対策の強化方針として八月三十日にまとめたところでございます。

 検証結果の主な内容を申し上げますと、まず一点目の予防対策としては、国などにおける活断層の実態解明を踏まえ、これまでの被害想定を見直していくほか、木造住宅の耐震化をさらに促進するため、岐阜県木造住宅耐震相談士を新たに三百名追加養成し、相談体制を充実してまいります。また、市町村における業務継続計画の策定を支援するため、市町村向けの研修会を開催してまいります。

 二点目の応急対策としては、仮に避難所が使用不能となっても別の避難所が確保できるよう、避難所の追加指定を市町村に働きかけるほか、市町村の避難所運営マニュアルの指針となる避難所運営ガイドラインを改定し、高齢者や障がい者、乳幼児等への具体的な配慮事項などを追加してまいります。

 また、応急物資の円滑な搬送のため、物資集積拠点の追加指定、物資輸送訓練の充実、交通網の復旧に必要な資機材の備蓄拠点や緊急輸送道路の整備を進めてまいります。

 三点目の復旧対策としては、罹災証明書の交付に関する市町村の実務研修を定期的に開催するとともに、県内市町村間の迅速な応援体制を確立するため、市町村の応援順位を事前に設定するなど、岐阜県及び市町村災害時相互応援協定の見直しを進めてまいります。

 そして、以上の対策をスピード感を持って取り組むため、説明会の開催、総合防災訓練の拡充、今議会への補正予算案提出などを進めているところでございます。

 さらに、県地震防災行動計画の見直し作業を年度内に完了し、市町村、それから関係機関と一層連携を深めてまいります。こうしたことに加えて、熊本地震に限らず、例えば、八月の台風十号による岩手県での水害など、他県の事例は常にあすは我が身と心得て、防災対策の不断の改善・見直しを行ってまいります。



○議長(矢島成剛君) 健康福祉部長 尾藤米宏君。

    〔健康福祉部長 尾藤米宏君登壇〕



◎健康福祉部長(尾藤米宏君) 障がい者施設の防犯対策についてお答えいたします。

 県では、事件発生後、直ちに県内の障がい者施設に対して防犯対策の徹底について通知するとともに、実態調査を行いました。その結果、全五十施設のうち、不審者対応マニュアルを整備していたのが十九施設、防犯訓練を実施していたのが二施設にとどまるなど、対策が不十分でありました。このため、八月四日には、県警とともに県内の施設代表者を集めました緊急防犯対策会議を開催し、外来者の入退所管理、不審者が侵入した場合の対応、警察等関係機関や地域との連携の必要性について確認しました。さらに、会議での御意見を踏まえ、九月十五日には不審者対応マニュアルのひな形を配付し、各施設の実態に即したマニュアルを速やかに作成するよう促したところです。また、県立施設におきましては、既にさすまたや防犯ブザー等を整備するとともに、専門家による防犯器具の使い方講習や不審者への対応訓練を実施したところです。

 現在、国においても再発防止策の検討が行われておりますので、その動向を注視しつつ、引き続き障がい者施設の防犯対策の強化に取り組んでまいります。



○議長(矢島成剛君) 健康福祉部次長医療・保健担当 森岡久尚君。

    〔健康福祉部次長医療・保健担当 森岡久尚君登壇〕



◎健康福祉部次長医療・保健担当(森岡久尚君) 措置入院解除後の体制についてお答えいたします。

 措置入院解除後の対応につきまして、県内では、精神保健指定医が解除時に外来での対応が可能と判断した場合、入院先での病院の精神保健福祉士等が地域の関係者と連携して、包括的な地域移行支援策を検討し、服薬確認や住居のあっせん等の支援を行っています。

 一方、県でも患者の家族等の求めに応じ、市町村等と連携し、患者やその家族に対して保健師による訪問、相談等を実施しています。

 今般、国において相模原市での事件の検証が行われ、九月十四日には、措置入院後も含む事件の再発防止に向けた検討課題が中間取りまとめとして公表されたところです。今後はさらに事実関係の精査が進められ、具体的な再発防止策が取りまとめられるものと承知をしています。

 県としましては、まずは退院後の支援が必要と見込まれる患者が地域で生活するための必要な支援についてのマニュアルを整備することによって、地域移行支援策の充実を図り、さらに国の検証結果を受けて必要な対応を検討してまいります。



○議長(矢島成剛君) 教育長 松川禮子君。

    〔教育長 松川禮子君登壇〕



◎教育長(松川禮子君) 初めに、学校におけるいじめの現状と対策についてお答えします。

 本県の公立学校のいじめ認知件数は、過去五年間を見ますと千人当たりおおむね十二件から十六件の間を増減しており、平成二十七年度の認知件数は、本県の調査によりますと十六・二件となります。各学校においては、児童・生徒や保護者の声を日常的に拾い上げるとともに、アンケート調査等からも子供のサインを捉え、幅広く職員会議等で教員間の情報共有に努めています。

 いじめを防止するための組織は、全ての学校に設置されており、定期的な会議において校内での情報共有を図るとともに、各学校のいじめ防止対策が基本方針どおりに進んでいるかどうかの検証がなされております。今年度は、本県の学校いじめ防止基本方針を策定してから三年目に当たることから、各学校におけるこの組織の運営がいじめ防止の観点から十分に機能しているかどうか点検を行い、各学校に実効的ないじめ防止対策を実施できるよう指導してまいります。

 次に、県立高校の活性化について、二点御質問がありました。

 初めに、グループ一とされた高校に係る再編統合についてお答えします。

 策定委員会の審議まとめでは、グループ一の高校について、再編統合を前提とするのではなく、地域が高校とより主体的にかかわる形で単独校としての活性化策を検討し、実施する必要があるとされ、既にそれぞれの協議会における取り組みが始まっております。

 また、審議まとめを受け、六月から学区別に実施した意見交換会では、入学者数という一律の評価だけではなく、進路状況なども含め、多面的に評価してほしいといった御意見をいただきました。さらに、七月の総合教育会議では、再編統合を検討する前に、それぞれの地域に合った活性化策を徹底的に議論し実施するべきであるとの御指摘があったところです。このため、県教育委員会といたしましては、学校の適正規模の観点による再編統合ありきということではなく、高校を核とした地方創生という観点も含め、生徒減少期における高校の活性化策を地域と一体となって推進してまいります。その後の対応については、その結果を見きわめた上で判断することになると考えております。

 次に、グループ一とされた高校の活性化に対する姿勢についてお答えします。

 グループ一の高校における協議会については、既に関係する全ての高校で第一回の会議を終え、地域との連携を主体とした学習活動などのほか、学科の改編などに関する提案もなされております。協議会において各委員から提案された活性化策については、県教育委員会として真摯に受けとめ、新たな学科の設置や県外からの生徒募集などについても、その実現性について高校と一緒に検討してまいります。その検討結果を協議会でさらに御議論いただき、地域が求める活性化策を実施してまいりたいと考えております。

 また、県教育委員会では、グループ一の高校における現時点での取り組みの状況を、十月末には中間発表する予定でおります。あわせて、それぞれの特色ある取り組みを紹介するパンフレットを作成し、高校が所在する学区内全ての公立中学校三年生に配付することで、地域と一体となった活動に取り組んでいる高校の魅力を、地域とともに歩む先進事例として積極的に伝えることとしてまいりたいと考えております。



○議長(矢島成剛君) 警察本部長 山本有一君。

    〔警察本部長 山本有一君登壇〕



◎警察本部長(山本有一君) 本県の治安情勢に対する認識と今後の取り組み方針についてお答えいたします。

 県警察では、現在、基本指針である安全・安心な「清流の国ぎふ」づくりのもと、犯罪の起きにくい社会づくりの推進、安全かつ快適な交通の確立など六項目の重点目標を定め、さまざまな対策を推進中であります。

 県内の治安情勢につきましては、数字の上では回復傾向にあるものの、例えば人口対比、人口当たりの数値を見ますと、平成二十七年の刑法犯認知件数が全国第十位、交通事故死者数が同じく第八位となるなど、全国平均を上回る指標も見られるところであります。また、県民の身近な不安要因である人身安全関連事案や特殊詐欺事件も依然として高い水準で発生するなど、県内の治安情勢は、議員御指摘のとおり、予断を許さない厳しい状況にあると認識しております。

 これに対しまして、警察官一人当たりの負担人口は、全国平均の五百三人を大きく上回る六百一人となっており、非常に負担が重い状況にあります。

 これに対しまして、今後の取り組み方針といたしましては、まずこれまでの諸対策の効果を検証しまして、必要な見直しを加えるとともに、その際、警察署協議会等を通じて把握した県民の皆様のニーズを今後の対策に反映させ、さらなる県民の安全・安心の確保につなげてまいりたいと考えております。

 また、本年六月には、国に対し地方警察官の増員を要望しているところでありますが、あわせて、業務の合理化と適正な人事配置による組織基盤の強化を図りつつ、職員一人一人の能力向上による組織全体のレベルアップと士気の高い職場づくりによって、県民の期待と信頼に応える力強い警察の構築を図ってまいる所存であります。



○議長(矢島成剛君) 四十五番 早川捷也君。

    〔四十五番 早川捷也君登壇〕



◆四十五番(早川捷也君) 教育長にずっとお尋ねしたいわけでございますが、きょうはこれ以上の原稿をまだつくっておりません。またこの次やりますので、以上で質問を終わります。ありがとうございました。



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○議長(矢島成剛君) しばらく休憩いたします。



△午前十一時四十四分休憩



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△午後一時再開



○副議長(佐藤武彦君) 休憩前に引き続き会議を開きます。



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○副議長(佐藤武彦君) 引き続き一般質問並びに議案に対する質疑を行います。三十九番 伊藤正博君。

    〔三十九番 伊藤正博君登壇〕(拍手)



◆三十九番(伊藤正博君) ただいま議長より発言のお許しをいただきましたので、県民クラブを代表して、大きく九項目、三分割で知事初め執行部の皆さんにお尋ねをしてまいりたいと存じます。ぜひ、それぞれについて誠意ある御答弁をお願い申し上げたいと存じます。

 最初は、知事の政治姿勢についてお聞きをしたいと存じます。

 本日、午前中の県政自民クラブの代表質問において、古田知事は来年一月に予定されております知事選挙において、四期目の挑戦の決意を力強く述べられました。私ども県民クラブや民進党としても大変重く受けとめさせていただきたいと思いますが、我が党本部の知事選挙への推薦に対する内規では、三期十二年までという定めがございます。したがって、今後、古田知事とは県民クラブや民進党との意見交換会などをぜひ早急に開催をさせていただき、その中で今後の対応については検討してまいりたいと存じます。

 とはいえ、これまでの三期約十二年間は推薦をさせていただきました。この約十二年間、県政発展のためにさまざまな取り組みを精力的に展開されてきた中には、大きく評価をさせていただく内容とともに、もう少し取り組みを考えていただければという内容があり、知事にはかなり耳の痛い話ではございますけれども、選挙を控えたこのときだからこそ、あえて幾つか申し上げたいと存じます。

 まず、岐阜県職員組合が実施をいたしました知事評価結果をもとに、今後の知事の県政の進め方についてお尋ねをしてまいりたいと存じます。

 岐阜県職員組合は、管理職でない課長補佐級以下の職員で構成されておりまして、組織率が現在約九八%で、ほぼ全員が加入している組合であります。

 県職員組合では、職場環境や業務量などの実態を把握するため、毎年組合員にアンケート調査を行っております。その中に知事に対する評価項目が幾つかあり、ことしも七月にアンケート調査を実施したということで、先日その結果を入手しましたので、御紹介したいと思います。

 お手元に配付をさせていただきました資料をごらんいただきたいと存じます。

 知事の三期目の政策に対する評価でございますが、今年度の調査では、「かなり評価する」「まあまあ評価する」が約二〇%、「やや評価できない」「ほとんど評価できない」「わからない」「どちらともいえない」というものが約八〇%という結果になっております。この傾向は、県職員組合がアンケートを始めた知事二期目の平成二十二年度からの県政全般の評価でも、ほぼ毎年同様の結果となっております。

 では、なぜこういった結果が出たかということでありますが、職員組合のアンケートの中にその参考となる職員のモチベーションについての調査があります。このことに関しては、二月定例会で、我が会派の渡辺嘉山議員が昨年の数値について触れたところでございますけれども、改めてことしの数値を紹介したいと存じます。

 現在のモチベーションについて「かなり高い」「まあまあ高い」が約三五%、「やや低い」「非常に低い」を含め、モチベーションが上がっていないと答えている職員が約六五%いるということになります。

 実は、アンケートの際に知事に対して記述式意見を求めておりまして、職員組合から代表的な意見を幾つか聞いておりますので、ここで紹介をさせていただきたいと思います。財政が逼迫している。人員削減の中でイベントが多く、それに伴う予算・人員の重点配分が本来の業務を行う職員を大きく圧迫していると感じ続けているといった意見や、人口は減るばかりであり、少子化対策にもっと予算を使うべきではないか。そして、イベントの効果より、もっと長期的に見据えて効果のある施策展開をすべきであり、それに見合った職員配置が必要ではないか。あるいは、イベントが多く、職員は疲弊をしており、本当に必要な行政事務ができない。さらには、イベントに莫大な経費を投入しているが、費用対効果が見えづらい。そして、イベントが多く、そのイベントに長期的かつ本格的な戦略を見出せないため、その経費をもっと日々の暮らし、健康・福祉へ充ててほしいなどといった意見がございました。

 このように、イベントに対する批判が大変多くなっております。イベントについては、とりわけ以前から多過ぎるのではないか、あるいは予算と職員をかけ過ぎではないかといった声が寄せられているところではありますけれども、職員アンケートでも同様の結果となっております。

 知事は就任後、これまで全国植樹祭、全国豊かな海づくり大会、国体、そして昨年度は全国育樹祭、花フェスタ二〇一五ぎふなど大きなイベントを盛大に開催されてきたところであります。

 昨年度からは、世界農業遺産の認定、関ケ原古戦場の活用、ぎふ清流文化プラザの開館、そして今年度も、先日全国レクリエーション大会が終了したばかりでありますが、全国レクリエーション大会推進室には二十名の職員が配置をされ、さらに三日間で延べ三百五十人の県職員が応援部隊として動員され、出席をしております。さらに十一月には、全国農業担い手サミットが予定されており、ここでも十六名の職員が配置をされ、二日間で七百名を超える県職員の動員が予定されているとのことであります。イベントももちろんいろいろな効果もあり、その全てを否定するものではありませんけれども、こうした現場からの多くの声は、しっかり受けとめる必要があるのではないかと考えます。

 県政に対する厳しい意見が多いことは、県政世論調査の数字からも見ることができるのではないかというふうに思います。県政世論調査は、県内に在住する満二十歳以上の男女個人三千人を対象に調査をしているものでありますが、「あなたは、県の取り組み全般についてどのように思いますか」という問いに対する、昨年度調査結果を御紹介いたします。「よくやっている」「どちらかといえばよくやっている」が約二六・二%、「どちらかといえば努力が足りない」、あるいは「努力が足りない」が約二六・六%、そして「わからない」と答えた方が四五・八%ということであります。県民が答えた「わからない」の四五・八%と、現場で働く職員が答えた「どちらともいえない」の四七・二五%が偶然にも近い数字となっているところであります。

 また、「どちらかといえば努力が足りない」、また「努力が足りない」と答えた県民に足りない分野は何かと尋ねた問いには、五六・四%が「福祉」、三〇・九%が「消費者保護、防犯」などといった県民生活を答えております。

 他方、「よくやっている」「どちらかといえば、よくやっている」と答えた県民に「あなたが、県の取り組みについてよくやっていると思うのは、どの分野ですか」という問いを尋ねたところ、次のように答えております。「消防・防災」が四三・一%、「福祉」が三四・〇%、「健康」が三三・八%ということで、要は、評価されている分野も、評価されていない分野も、福祉などの生活に直結する部分となっているということであります。さらに、特に重要だと思う県の施策については、全三十二施策中、上位から「防災対策」「高齢者福祉」「地域医療の確保」と続いております。もちろん、私が申し上げるまでもなく、県民が望む政策だけを行うことが県政ではないことは当然ではありますが、県民の皆様方からの負託に応えるべく、より一層県民の思いに耳を傾け、県政の運営に当たっていただきたいと思います。

 また、とりわけ職員は、直接県民サービスを現場で担当する重要な役割を担っているところであり、今回の職員の現場の声や、毎年実施されている県政世論調査の声を知事がしっかりと受けとめていただき、適切な対応をとらなければ、私は今後の県政運営が円滑に進まないのではないかと危惧をするところでもございます。

 さきの二月定例会でも渡辺県議が指摘しましたが、三年前には長時間労働と不適切な指導に起因する職員の公務災害事案があり、県が相手取られた民事訴訟においても、県はその責任を認め、九千六百万円の和解金が払われることがございました。

 そして、昨年度は三人の県庁勤務の優秀な管理職が心の病気で休まざるを得なくなったり、またことしの七月には県庁勤務の優秀な課長が突然退職するというようなことが起きております。精神疾患で三十日以上の病休者が、近年三十人を超えるという状況であることもお聞きをいたしました。さらに、県職員組合には、毎日のように相談の声が届いているとのことであります。繰り返しになりますが、職員あってこその県行政だと考えますし、そうであるからこそ、職員に対する知事からのねぎらいの言葉なども非常に重要であると思います。

 近年、公共サービスに対するニーズは複雑・多様化し、業務量は天井知らずとなっていることから、本年二月に策定した平成二十八年度から三十年度の行財政改革の取り組みの中の具体的な取り組みにもありますように、スクラップ・アンド・ビルドの徹底など事務事業の見直しの確実な実行が必要となります。また、現状でも不足している職員に関して、知事は、現状を維持しながら、効率的でめり張りをつけた組織運営や、再任用職員や非常勤専門職などで対応していくとこれまで答弁されておりますけれども、いま一度現状をしっかり把握をしていただき、定数の増加も最初から否定しない形での職員定数のあり方を整理する必要があるのではないかというふうに思っております。

 以上、いろいろ耳の痛い話を申し上げましたが、そこで知事に三点お尋ねをいたします。

 一つ目は、県政世論調査で示された県政に対する県民の声をどのように受けとめていらっしゃるのか。二つ目は、職員組合アンケート結果を踏まえて、今後、職員へのねぎらいやモチベーション対策などについてどのように対応をされるのか。そして三点目は、今後、とりわけ来年度に向けた事務事業の見直しの具体的な取り組みについて、どのように対応をしていくのか、知事の御所見をお尋ねいたします。

 次に、雇用問題についていろいろな視点から担当の商工労働部長にお伺いをいたします。

 現在、本県においては岐阜県成長・雇用戦略を中心として、さまざまな施策や事業が進められていることは承知をいたしております。県内各界の有識者による意見交換会を定期的に開催され、その都度、進捗状況の把握や状況に合わせた事業のブラッシュアップを図られていることも伺っております。

 県内の有効求人倍率は、四月が一・七七倍、五月が一・八〇倍、六月が一・七三倍、七月が一・七一倍、そして八月が一・六五倍と、全国トップクラスになっていますが、現場の皆さんの声は、人手は充足しているが、企業説明会を開催しても求職者は少なく、中期的にはやや懸念しているといった声や、建設業、介護関係、サービス業で人手不足感が慢性的に見られるといった金融関係者の声や、人材派遣会社からは、求職者は募集企業の増加によって職種や企業などの選択の幅が広がっており、じっくり慎重に選択する傾向にあるとの声や、障がい者雇用についても、雇用率の未達成の企業はいろんな課題を感じているとの声もお聞きをいたしました。

 少子・高齢化が急速に進み、どの業種も人手不足に直面をしています。例えば、国土交通省によりますと、建設業で働く人の四人に一人が六十歳以上で、若手の割合が低いと言われております。建設業はかかわる裾野が広い業種でありますけれども、県の調べでは県内の建設業者は八千社で、ピークより一千社以上減少しているとお聞きをいたしました。これは、公共投資減額が最大の原因ではありますけれども、担い手不足も減少の動きを加速させているように思われます。九月、十月は台風シーズン、重機を駆使する建設会社は地域防災のかなめの役割も果たしております。企業数の減は防災面にも影を落としているのが現状でもあると思います。

 一方、この平成二十八年三月卒業の県内大学、短大等の新卒者の就職状況は高い水準となっているようですが、依然として県外、愛知県への就職者が県内よりも多いというのが実態であるとお聞きいたしました。

 こうした中、大学生など若者の県内産業や企業への理解を深め、県内での就業を促進するため、県ではインターンシップ推進協議会の活動を支援しております。インターンシップ推進協議会を通じてインターンシップに参加した学生数は前年より三百二人多い千三百三十一人、受け入れ企業数は二百五十八社であったということであります。

 来年三月卒業予定者の就職内定状況も、現状では昨年並みとのことでありますが、しかし、一度就職しても雇用のミスマッチにて退職、離職する人も多いのが実情であります。県では、こうした離職者に対する訓練にも力を入れておられます。ここ三年間を見ても、二十五年度七百六十三人、二十六年度七百八十七人、二十七年度八百二十四人がこうした三カ月から四カ月の訓練を受け、その八〇%ほどの人が再就職しているとのことであります。

 また、県内に新たな雇用状況を生み出すための企業誘致も大変重要であります。東海環状西回りも工事は急ピッチで進められております。二〇二〇年の東京オリンピックが開催される年には全面開通を目指しているわけでありますが、この西回り周辺などでの新たな企業誘致も含め、大いに期待されているところであります。

 そこで、商工労働部長への質問は、県内労働者不足を少しでも解消するための施策として、どのようなことに力を入れ、取り組んでおられるのか。また、県内労働者を確保するために、企業誘致も大変重要だと考えますけれども、県内の企業誘致の現状と今後の見通しはどのようになっているのか、以上二点についてお聞きをいたします。

 次に、地域医療、福祉に関し、健康福祉部医療・保健担当次長にお尋ねをいたします。

 本日は、特に急速に進んでいる超高齢化社会における地域包括ケアシステムの構築と、約二年ほど前の平成二十六年七月に設置をされました岐阜県医療勤務環境改善支援センターの進捗管理、改善策の実施、結果検証などの現状と今後の計画などについてお聞きしたいと思います。

 本県では、平成二十五年三月に第六期岐阜県保健医療計画が策定をされ、昨年二十七年四月に施行された改正医療法に基づき、保健医療計画の一部として、平成三十七年、二〇二五年における医療提供体制、地域医療構想を策定されております。将来あるべき医療提供体制を実現するための施策の内容の大きな柱の一つに在宅医療・介護体制の充実が挙げられていますが、その中の地域包括ケアシステム、在宅医療・在宅介護体制の構築が非常に重要であります。在宅医療・介護体制の充実を図る地域包括ケアシステムの構築には、多職種における人材確保が大きな課題であると思います。住みなれた地域で安心して暮らすことができるよう、在宅医療を支える人材育成、体制の整備が求められております。

 昨年、平成二十七年度に改正された介護保険法により、要支援者に対するサービスは給付から市町村事業に移行をし、在宅介護事業所だけでなく、NPO法人やボランティアなど多様な担い手によってサービスが提供されるようになりました。したがって、県としては、これまで以上に市町村との連携や担い手となるボランティアの育成など共助の観点からも住民参加型のシステム構築が重要であると思います。

 そこで、まず二点、健康福祉部医療・保健担当次長にお尋ねをいたします。

 一点目は、これら地域包括ケアシステムの構築における市町村、医師会との連携はどのように進められているのか。二点目は、地域の専門職や医療従事者の人材確保に向け、どのような施策を講じておられるのか、現状と今後の計画はどのようになっているのか、お聞かせいただきたいと存じます。

 次に、三点目の質問は、岐阜県医療勤務環境改善支援センターに関する現状と今後の計画についてお聞きをいたします。同じく健康福祉部医療・保健担当次長にお尋ねをいたします。

 厳しい勤務環境に置かれている医師や看護職などの医療従事者が健康で安心して働ける環境の整備は、質の高い医療の提供や医療安全の確保などを図る上でも非常に重要であると考えます。

 平成二十六年の医療法改正により、医療機関の管理者が医療従事者の勤務環境の改善に取り組むこととする努力義務規定が創設をされました。そこで、岐阜県においては、平成二十六年七月一日付で岐阜県医療勤務環境改善支援センターが設置されました。設置後、約二年数カ月が経過した現在までに、さまざまな体制と活動内容にて毎年モデル病院を選定し、精力的な活動を展開されていると承知をいたしております。

 そこで、健康福祉部医療・保健担当次長への三つ目の質問は、この支援センターにて環境改善などを進めておられると思いますけれども、これまで具体的にどのような改善活動に取り組んでこられたのか。また、今後の活動計画はどのように考えられているのか、以上についてお聞きしたいと存じます。

 ここで一回目の質問を終わります。



○副議長(佐藤武彦君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 私の政治姿勢について三点御質問がございました。

 まず、県政世論調査についてでございますが、これは昭和四十二年から実施をしております県独自の調査でございます。県政推進の基礎資料とするため、県民意識の把握とともに、県行政の各施策に対する県民の関心、満足度を調査しているものでございます。その結果につきましては、丁寧に分析するとともに、県民の御意見を酌み取って、これらを施策に適切に反映するよう努めておる次第でございます。

 そこで、平成二十七年度の調査結果によりますと、県民の皆様が特に重視している分野は、生活に直結している防災対策、高齢者福祉といったところが上位に並んでおります。

 さらに見ていきますと、まず防災対策につきましては、災害が多いこともありまして、飛騨圏域を中心に重視している割合が高くなっております。実際、飛騨圏域では調査前年の平成二十六年に、御嶽山の噴火、あるいは豪雨被害も発生しておりまして、そうした危機感のあらわれがここに反映されているのではないかというふうに推察しております。

 また、県の取り組み全般に関して、「よくやっている」と評価している方の分野別評価では、消防・防災への評価が相対的には高くなっていると。また、圏域的に見ますと、特に飛騨圏域での評価が高くなっていると、こういうことがうかがえるわけでございます。このように一定の評価はいただいていますものの、今後の防災対策の必要性を強く感じているところでございます。

 次に、高齢者福祉につきましては、この分野を重視している方々が、この数年一貫して増加傾向にあるということでございます。

 他方、県民意識との関連で見ましても、日ごろの暮らしで感じる悩みや不安について、五七・六%の方が「健康・体力」を挙げておられます。また、今後重視したいことといった問いに対しても、五六・九%の方が「健康・体力づくり」ということを挙げておられまして、御自身の健康・体力に大変多くの方々が関心を持っておられるということがうかがえるわけでございます。

 加えて、暮らしが苦しくなったと答えた方々のうち二八・五%の方が医療・介護費で支出がふえたというふうに答えておられます。やはり高齢化の影響があらわれているものというふうに考えられるわけでありまして、今後、ますます高齢者福祉の重要性が高まってくるんではないかというふうに考えております。

 なお、重要視する施策を世代別に見てまいりますと、防災対策は各世代を通じて多くなってきているということでございます。一方、高齢者福祉は六十代と七十代、子育て支援は三十代が最も多くなっておりまして、県民の皆様も広く、いわゆる少子・高齢化といったものを実感されているというふうに感じられるわけであります。県といたしましては、以上を踏まえて、さらなる施策の充実が必要であるというふうに考えているところでございます。

 そのほか産業振興の分野では、就労支援を重要視する方が最も多く、また雇用対策につきましては、若年層を対象として重点的に取り組む必要があるとの意見が多くなっております。今後、人づくりや若者の就業支援などに一段と力を入れてまいりたいというふうに考えております。

 そうした中で、議員御指摘のとおり、県の取り組み全般について、四五・八%の方が「わからない」というふうに回答しておられます。これについては、やはり県の取り組みが十分身近に感じられていないということによるものではないかというふうに思っております。

 一方で、「清流」をキーワードとした取り組みにつきましては、過半数となる五〇・九%まで認知されるに至っております。ぎふ清流国体・ぎふ清流大会を契機として力を入れてきた「清流」という地域づくりのキーワードによる県の取り組みが、徐々にではありますが、県民の皆様に浸透してきているように思われるわけでございます。当初、「清流」とは何かとのお尋ねも多かったことを思い起こしますと、これは大変にありがたく、心強く感じておる次第でございます。

 いずれにしても、私としては、知事の就任以来、県民の皆様との対話と現場主義を重視しておるわけでございますが、こうした県政世論調査の結果を初め、県民の皆様からの御意見を真摯に受けとめさせていただくとともに、より効果的な広報対策等も含めて、一層開かれ、実感できる県政運営に努め、県の取り組みを県民の皆様にもっと身近に感じていただけるよう、さらに努力してまいりたいと考えております。

 次に、職員組合のアンケート調査の結果についてでございます。

 この三期十二年の間に、平成十八年の全国植樹祭に始まりまして、全国豊かな海づくり大会、ぎふ清流国体・清流大会、全国育樹祭、そして先月の全国レクリエーション大会など全国的な行事、あるいは皇室に関連した行事を通じまして、本県の魅力発信を進めてきたわけでございます。こうしたことについては、県職員の主体的な奮励努力なくしては実現できなかったというふうに考えております。また、こうした各種施策や行事の成功体験、あるいは岐阜県に対する評価といったものが職員にとっても励みとなり、力となっていることを期待しておるわけでございます。

 改めて職員の皆さんの努力・活躍に対して感謝するとともに、こうした経験による本県行政の企画力や対応力の確かな向上を心強く感じているところでございます。同時に、こうした行事の意義、成果、コストパフォーマンス、フォローのあり方、こういったことについてはしっかりと評価をしていくことが重要であるというふうに考えております。しかしながら、御指摘がありましたとおり、職員組合が組合員に対して行いましたアンケート結果では、イベントに対する批判が多いとの指摘も依然としてあるわけでございます。

 県政全般への評価について見てみますと、私の二期目の最後の年である平成二十四年度、いただいた資料でいきますと平成二十四年十一月と、それから今年度の結果を参照してみますと、この四年間の流れがうかがえるわけでございますが、ポジティブな評価が五・四三ポイント増の二一・九三%、ネガティブな評価が一三・三七ポイント減の二三・四三%ということでございまして、ネガティブな評価が依然としてポジティブな評価を上回ってはおりますが、この四年間の間にポジティブな評価がふえ、ネガティブな評価が減少するということになってきております。

 しかしながら、ネガティブな評価、そしてどちらともいえないという評価が相当数あるということから、職員の皆さんには県政全般の動向やその目指すところについて、より一層の理解をいただき、モチベーション高く業務に当たってもらえるよう、さらに努力していく必要があるというふうに考えております。

 職員の皆さんそれぞれにとっての仕事に対するモチベーションはさまざまであると思いますが、今回のアンケート結果を謙虚に受けとめながら、今年度におきましては、本庁における対策会議を制度化いたしております。そこでは、長時間労働の是正、職員の増員、機動的な人事異動など、具体的な職場環境の改善を積極的に進めようということで動いているところでございます。

 また、議員から、職員に対してもっとねぎらいの言葉をかけるべきだとの御指摘をいただきました。私としても、職員に対し、感謝の気持ちをより明確に伝えることは、業務へのやりがいにもつながり、大変重要であるというふうに考えております。今後、さらに機会を捉えて努力してまいりたいというふうに考えております。

 それから三番目に、来年度に向けた事務事業の見直しについてのお尋ねでございます。

 この三期十二年の間、政策総点検に始まりまして、行財政改革大綱、そして行財政改革アクションプランと、一連の行財政改革に取り組んでまいりました。これらによりまして、財政健全化に一定のめどがつき、持続可能な財政運営に道筋がつきつつあるということでございます。今後も、効率的で質の高い行政サービスを提供していくため、また職員の事務負担の軽減のためにも、事務事業の見直しを継続していくことが必要であるというふうに考えております。

 このような考えのもとで、行財政改革アクションプラン以来五年目に当たる来年度につきましては、大きく以下の二点について、取り組みを進めてまいりたいというふうに考えております。

 まず、事業の見直しに向けた取り組みでございます。

 日ごろから、各部局において事業の新陳代謝を図ってまいりましたが、改めて県全体を俯瞰し、向こう五年間の改革の方向性について見直しを行う必要があるというふうに考えております。このため、来年度は財政、人事、行革といった組織から成るチームを編成し、財政的な見地や組織、人事配置、仕事の進め方といった観点から見直しを行ってまいりたいと考えております。

 次に、もう一つの点は、事業の効率化、集約化、計画的な実施に向けた取り組みでございます。

 今年度から、各所属がそれぞれでこれまで計上しておりました広報予算を広報課に集約いたしております。広報をより効率的・効果的なものとする取り組みということでやっておるところでございますが、来年度に向けては、こうした取り組みを他の政策分野にも広げてまいりたいというふうに考えております。例えば、県有施設について、公共施設等総合管理基本方針に基づいて、予防保全の考え方を取り入れた維持保全などを行っていく個別施設計画を施設ごとに策定いたしております。これを契機に、各施設の修繕費予算を集約化し、県全体として予算の優先度を精査し、効率的で施設の長寿命化につながる効果的な維持修繕に向かっていくということを考えていきたいと思っております。



○副議長(佐藤武彦君) 商工労働部長 河合孝憲君。

    〔商工労働部長 河合孝憲君登壇〕



◎商工労働部長(河合孝憲君) 雇用問題について二点お尋ねがございました。

 まず、労働者不足に対する県の取り組みについてお答えをいたします。

 県内では、業種や地域ごとの温度差はあるものの、人手不足を危惧する声が高まっており、このため、昨年、産学金官による協議会を立ち上げ、連携して県内企業の人材確保を後押しする取り組みを進めているところでございます。

 具体的には、企業向けのアプローチとして、企業の人材採用力を高めるためのセミナーの開催や、中小企業にとっては費用負担の大きい大手就職情報サイト活用への支援などに新たに取り組んでおります。

 また、学生に対するアプローチとしては、大学の正規授業として、学生が県内企業の現場に出向き、設定した課題解決に挑む取り組みを初め、企業と大学のつながりを深める交流事業を積極的に展開しております。

 加えて、来月二十三日には、過去最大規模となる学生向け企業展「オール岐阜・企業フェス」をさまざまな産業分野から約二百社の参加を得て開催するなど、学生の県内企業への定着を促進してまいりたいと考えております。

 次に、企業誘致の現状と今後の見通しについてお答えをいたします。

 本年上半期、製造業の誘致立地件数は二十一件で全国四位、立地面積は十九ヘクタールで全国九位と、引き続き好調に推移をいたしております。企業誘致は、新たな雇用の創出に重要な役割を果たしており、平成十八年度から二十六年度までに県補助金を交付し、誘致した八十四社の新規雇用者は四千六百人余に上っております。

 一方で、分譲が可能な工場用地は減少しており、新たな工場用地の確保が喫緊の課題となっております。このため、平成三十二年度までに新たに三百ヘクタールを開発する目標を掲げ、昨年度からは、市町村にかわって県が直接候補地の開発可能性調査を実施するなど市町村を後押しし、その確保に努めておりますが、その結果、今年度末には約百四十ヘクタールの工場用地の開発に着手できるものと見込んでおります。



○副議長(佐藤武彦君) 健康福祉部次長医療・保健担当 森岡久尚君。

    〔健康福祉部次長医療・保健担当 森岡久尚君登壇〕



◎健康福祉部次長医療・保健担当(森岡久尚君) 地域医療・福祉について三点お尋ねがございました。

 まず一点目、地域包括ケアシステムの構築における市町村、医師会との連携についてお答えいたします。

 医療、介護、予防、生活支援を、住まいを中心として高齢者に対して包括的に提供する地域包括ケアシステムは、地域の特性に応じて構築することが重要であるとされています。このため、介護保険の運営やさまざまな住民サービスを提供する市町村や地域住民に医療を提供する診療所等の医師の関係団体である医師会と連携していくことが大変重要であると考えております。

 このような考え方のもと、県では地域包括ケアシステム構築に携わる関係者が抱えるさまざまな課題の共有などを目的として、県全体を六地域に分けて、関係機関、関係団体で構成する研究会を定期的に開催しており、その中に市町村、医師会も参加いただいているところです。

 さらに、県下二十二ある地域医師会で取り組んでいただいている在宅医療・介護連携のための会議や多職種連携を図るためのグループワーク、ICTを活用した情報共有などについても支援しているところです。今後も引き続き市町村、医師会と十分に連携をとりつつ、地域包括ケアシステムの構築を推進してまいります。

 次に二点目、地域の専門職や医療従事者の人材確保についてお答えいたします。

 地域包括ケアシステム構築に向けて、医師、看護師、介護士等の関係するさまざまな職種に対し、高齢者が安心して在宅療養を続けられるために必要な専門的知識・技術や多職種連携の進め方などに関する研修を実施しているところです。

 また、県内六地域ごとに開催しました研究会において、人材面では、医療分野と介護分野の両方の知識を持ち、介護関係者から医療に関する相談や、医療と介護の関係者が患者の情報交換を行う場の調整などを担うことができるコーディネーターが不足しているとの課題が判明したところです。このため、引き続き関係職種の研修等に加えて、介護保険法で平成三十年四月までに全市町村に配置することとされておりますコーディネーターについて、在宅医療と介護を一体的に提供するために必要な対応方法を習得するための事例検討会などを通じて、その育成に努めてまいります。

 最後に、岐阜県医療勤務環境改善支援センターにおけるこれまでの活動と今後についてお答えいたします。

 県では、平成二十六年七月に医療勤務環境改善支援センターを設置して、管理職経験を持つ看護職員を配置し、経営や労務管理の専門アドバイザーと連携して医療機関の勤務環境改善に向けた取り組みを支援しています。主な活動として、県内十三のモデル病院における職員の勤務環境調査を踏まえた課題対策への助言、研修会において成功事例の共有や他県も含めて先進的な取り組みの紹介を行うほか、二次医療圏ごとのセミナーの開催、労務管理等に関する電話相談や、これまで県内七十一の病院を個別訪問し啓発も行っています。

 今後は引き続き、これらの活動に取り組むとともに、県内百二ある病院のうち、残り三十一病院に対する個別訪問による啓発や、勤務環境調査を実施するモデル病院の増加を図るなど、支援センターの活動の充実に努めてまいります。



○副議長(佐藤武彦君) 三十九番 伊藤正博君。

    〔三十九番 伊藤正博君登壇〕



◆三十九番(伊藤正博君) それでは、続いて今後の県の防災・まちづくりに関してお聞きをいたします。特に、熊本地震を踏まえて見直しされた防災対策の強化に関する取り組みについてお伺いをいたします。

 ことしは、東日本大震災から五年半が経過した節目でもあります。四月には熊本地震の発生、また八月には台風十号による東北、北海道での大雨など大規模災害が相次ぎました。また、九月には台風十六号による大雨もこの地方にさまざまな影響を与えたところでありますし、そしてきょうも強い台風十八号が近づいております。被害が発生しないことを願っているわけであります。

 この九月一日の防災の日には、南海トラフ巨大地震を想定した政府の総合防災訓練も岐阜県を含む全国三十六都道府県で約百万人が参加して行われたところであります。これは、一日午前七時十分ごろ、和歌山県南方沖を震源とするマグニチュード九・一の巨大地震が発生をし、九州から東海の太平洋側を中心に最大震度七の揺れがあったとの想定であります。

 こうした中で、岐阜県においては、この四月の熊本地震で明らかになった課題を踏まえ、地震防災対策の強化について百十六項目の取り組み方針を新たにまとめられたところであります。

 新たな取り組み方針では、内陸直下型地震発生時における県の被害想定を見直すほか、木造住宅を中心とした住宅の耐震化を促進する、避難所運営ガイドラインを改訂し、車中泊やテント泊の避難者に対する実態を把握する、支援物資の提供方法などを追加するといったことが盛り込まれたとお聞きをいたしております。

 その中で特に社会的弱者といわれる高齢者、障がい者への対応がいつも課題として挙げられます。八月の台風十号による災害で岩手県の高齢者福祉グループホームで九名の方々がお亡くなりになったことも記憶に新しいところであります。

 これらの災害においても、行政だけでは災害対応はできず、住民みずからの避難に対する意識と行動や、住民みずからによる避難所運営が必要であることなど、改めて自助・共助の重要性が認識されたところでもあろうと思います。

 今回、県で取りまとめられた防災対策強化のための取り組み方針を踏まえ、県がみずから行うべき内容と県下各市町村がそれぞれ行うべき内容など、それぞれの役割を十分認識し、日ごろからの訓練と心がけが重要であろうというふうに思います。

 一方で、私たちもこの四月の熊本地震の発生で、ややもすると東日本大震災から五年半が経過をし、災害への備えが、また自助意識が薄れかけている現状をいま一度見直す機会にもなったのではないかというふうに思います。

 岐阜県民にとっても、大規模地震は人ごとではありません。県内には、国が長期評価の対象としている主要活断層が十一あると言われております。県が二〇一三年に公表した被害想定では、内陸直下型の阿寺断層系地震の被害想定は最悪のケースで、最大震度七で死者九百人、負傷者九千人、全壊建物は一万六千棟になると予想されております。大規模地震に備え、減災や防災の知識、技能を持つ防災リーダーの養成が急務と言われております。

 そこで、知事にお尋ねをいたします。

 熊本地震の検証を踏まえ、県民の災害への心構え、取り組むべきこととして、自助・共助の取り組みの強化が必要であり、地域防災の担い手となる防災リーダーの育成や、県民への普及啓発として災害から命を守る岐阜県民運動をさらに進めていくべきと考えますけれども、どのようにお考えなのか、知事にお尋ねをいたします。

 次に、県都市公園活性化基本戦略の今後の取り組みについてお聞きをいたします。

 この平成二十八年度より平成三十二年度までの五年間を戦略期間と定め、さまざまな取り組みがいよいよスタートをいたします。この基本戦略は、県内の主力公園である花フェスタ記念公園、養老公園、世界淡水魚園、平成記念公園の四つを中心として今後の取り組み方針と展開を示すものであります。

 そこで、本日はこの四つの県営公園のうち、私の地元であります各務原市にあります世界淡水魚園の今後の取り組みとそのあり方について、いろいろお尋ねをいたしたいと存じます。

 この世界淡水魚園は、今から約十七年前の平成十一年七月に河川環境楽園の中核施設として開園をし、約十二年前の平成十六年七月に世界淡水魚園水族館アクア・トトぎふが開館をいたしました。河川環境楽園は国営木曽三川公園、県営公園、世界淡水魚園、自然共生研究センター、岐阜県水産研究所、川島パーキングエリア、ハイウエーオアシスなどで構成された全体で約五十ヘクタールの環境共生型テーマパークであります。これらの施設の管理運営については、世界淡水魚園水族館を除く区域の平成二十七年度から平成三十三年度の指定管理者は株式会社オアシスパークに、世界淡水魚園水族館アクア・トトぎふは整備当初より株式会社江の島マリンコーポレーションを指定管理者としております。

 この施設へ、ここ十年ほどの入園者、入館者は、河川環境楽園へは四百万人前後、世界淡水魚園水族館アクア・トトぎふへは四十万から五十万人で推移をいたしております。この入園者数は、三菱UFJリサーチ・アンド・コンサルティングが二〇一五年度に行った年間集客数調査によりますと、県内では第一位であり、東海地区においても三重県の長島温泉、愛知県の刈谷ハイウェイオアシス、中部国際空港セントレアに次いで四位の入園者数を誇ります。

 また、この施設は、岐阜県の玄関口として、本県をPRする場として非常に適しており、さまざまな役割を担う施設として大変重要なものであり、今後の取り組みに注目しているのは私だけではないというふうに思います。この施設は水をテーマとして統一したコンセプトで運営されております。アクア・トトぎふは、淡水魚の水族館としては世界最大級の水族館であります。また、水族館の指定管理者、株式会社江の島マリンコーポレーションとは三十年間という長期にわたる指定管理契約となっておりまして、一昨年、十周年という節目を迎えたところであります。今後も中・長期的な視点でこの施設の充実を考えるとき、五年後のみならず十年後を見据えて、さまざまな検討が、県のみならず指定管理者とも必要ではないかというふうに考えます。

 また、平成二十七年十二月には「清流長良川の鮎」の世界農業遺産への登録が、平成二十八年七月には岐阜県水産研究所内における内水面漁業研修センターの開設などがあり、「清流の国ぎふ」を進めていくための中核エリアとしての役割が強化できる機会でもあるというふうに考えます。

 今後、現状の課題と言われる平日の入場者数の増加対策、土曜日、日曜日の駐車場対策、さらにいえば、東海北陸道上り線での川島パーキングエリアからの施設への動線、わかりづらいとか、駐車場のPR不足などがあるわけでありますが、こうした十分でないことを解消していく必要があるというふうに思います。

 そこで、担当である都市公園整備局長に次の二点についてお聞きをいたします。

 一点目は、世界淡水魚園、世界淡水魚園水族館アクア・トトぎふの十年先も見据えての向こう五年間の具体的な取り組みと年度計画は、指定管理者との役割分担も含め、どのように考えられているのか。そして、県のみならず、国や中日本高速道路株式会社を含めたより充実した施設づくりのために、新たな協議体を設置してはという考え方を持っているわけでありますけれども、こうしたことについての御意見はどのように考えられるのか、以上二点お伺いをいたします。

 次に、午前中の県政自民クラブの代表質問でも取り上げられましたけれども、清流の国ぎふ森林・環境税制度に関する現状と今後の計画について知事にお聞きをいたします。

 日本のほぼ真ん中に位置する本県は、森林面積が八十六万二千ヘクタールで全国五位にあります。県土面積の八一%、全国第二位を占める全国でも有数の森林県であります。また、豊かな森から生まれた清らかな水は、清流となって県全土にわたり、太平洋と日本海に向かって流れております。私が申し上げるまでもなく、こうした自然環境は、飲料水や産業活動のための水源保全や県土保全など私たちの身近な生活を支える公益的機能を有しております。

 こうした森林環境を取り巻く現状から、この公益的機能の維持・増進を図るための事業に必要な財源を確保するため、清流の国ぎふ森林・環境税として条例にて定め、県民の皆さんに負担いただき、基金への積み立てを平成二十四年四月一日から行い、来年三月末日で計画の五年間を迎えることとなりました。五年間で約六十億円、年間約十二億円の財源を見込み、これまでさまざまな事業が行われてきました。これまでの平成二十四年から二十七年までの四年間、県下四十二市町村への補助金が約三四%の十四億円強、各種団体等への補助が約半数の四六%、約十九億円強になります。そして県が事務費を含めて約一九%の八億円余りとなっております。

 そこで、来年度以降のこの森林・環境税をどうするのか。県ではこれまで市町村や各種団体にこれまでの現行制度への評価を含め聞き取り調査等を行ってきたとお聞きをいたしております。その結果、この制度継続に対する要請が大変多く寄せられているとのことであります。各種団体からは、延べ二十三団体等からの要望、森林・環境税事業報告会での意見でも、長期的な視点に立って、継続的かつきめ細やかな支援が必要などとの意見が多数であるとのことであり、また市町村へのアンケートでも、活用事例が少なく総合的判断が難しいとした三町を除く三十九市町村が継続を希望されているともお聞きをいたしました。

 私自身も、ぜひこの清流の国ぎふ森林・環境税は来年度以降も継続していただき、さまざまな事業を継続、あるいは新たな事業への展開も考えていただきたいと考えるところであります。

 そこで、これら森林・環境税に関し、知事にお聞きをいたします。

 この五年間の市町村や各種団体に対する現行施策の検証、総括を踏まえ、今後五年間の事業、継続または新規などを含めて、どのように考え、どのように対応をされようとしておられるのか、お聞きをいたしたいと思います。

 ここで二回目の質問を終わります。



○副議長(佐藤武彦君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 私のほうでは二点、防災・まちづくりということで、自助・共助の取り組みの強化等々についてお尋ねがございました。

 平成二十八年熊本地震、あるいは東日本大震災のような大規模災害の場合に、特に発災直後におきましては、混乱の中、行政の支援が被災者に行き届かないといった状況を何度も目の当たりにしております。本県では、あすは我が身として防災対策の不断の見直し・強化を図っておりますが、同時に行政だけの対応には限界があるということも痛感しております。そのため、みずからの命はみずから守るという自助と、みずからの地域はみんなで守るという共助の考え方も取り入れ、総合的な対応に万全を期するべく取り組んでいるところでございます。

 一つ目の自助につきましては、家具の固定や住宅の耐震化、非常持ち出し袋や非常食の備蓄など、県民みずからが平時から災害に備えることが重要でございます。これまでも、県内五圏域で防災フェアや地震体験車リレーキャラバンなど災害から命を守る岐阜県民運動を各種展開してまいりましたが、普及啓発にさらに一層の工夫を凝らし、繰り返し行うことが必要であると考えております。このため、今年度から新たに地域住民が地域の防災について学ぶ防災タウンミーティングを、市町村と連携して県内十カ所で順次開催しております。参加者からは、自助が大事であること、事前の備えが重要であることがよくわかったといった多くの声をいただいております。さらに、今後FMラジオの啓発放送を新たにシリーズ化するなど、メディアとのタイアップによる普及啓発も強化してまいります。

 二つ目は共助でございますが、自助に加えて、地域が協力して助け合い、地域コミュニティーの防災力を高めていくということが大切でございます。そのためには、中心的な担い手である防災リーダーの育成が鍵となります。このため、県では平成二十五年度から、防災士の受験資格も取得できる防災リーダー育成講座を開催しており、県内の防災士数は九月末現在で三千四百五十七人と、東日本大震災直後に比べて四倍に増加しております。昨年度から、岐阜大学と共同設置した清流の国ぎふ防災・減災センターの取り組みとして、「げんさい楽座」を県内各地で毎月開催し、防災リーダーと地域住民との交流を図っております。同時に、防災リーダーのネットワーク化にも取り組んでおります。さらに、今後、熊本地震の教訓も踏まえながら、防災リーダーを核とした実践的な避難所運営訓練を新たに実施する予定でございます。

 また、自助・共助を推進するに当たっては、基礎的な自治体である市町村の果たす役割が大変重要でございます。このため、平成二十五年度から、市町村長を対象に災害対応の研修を行うトップフォーラムを毎年開催しております。本年は来月に熊本地震や台風十号などの災害対応の検証や最新の知見に基づいた研修を行う予定でございます。このように、トップから県民一人一人に至るまでの意識啓発に努めてまいります。

 次に、清流の国ぎふ森林・環境税でございます。導入から今年度末までの五年間で、市町村と各種団体において税収の約八割に当たる約四十四億円が活用される予定でございます。

 森林部門では、奥山林や里山林の整備に二十六億円が活用され、管理が行き届かなかった森林の整備が進んでおります。環境部門では、一万八千頭のニホンジカの捕獲と水路の外来生物の駆除等に約三億三千万円を活用するなど、地域での生態系保全の取り組みが行われております。

 木造化・木質化など木材利用を進める取り組みにつきましては、市町村立の学校等で約六億三千万円が活用され、子供たちが学びの場にいながら、本県の自然を体感できる環境づくりが進んでおります。

 また、団体への活動支援は、約九千万円を活用し、延べ百八十二団体が森・川づくり、環境教育活動を実施するなど、県内各地に環境保全運動が広がっております。さらに、四億八千万円を充てる市町村提案事業では、都市部においても保育園での大型木造遊具設置や、住民参加型の河川清掃や生物調査など、地域の実情を踏まえ、創意工夫を凝らした多様な取り組みが行われております。

 こうした中、市町村からは取り組みを地域に広げるため拡充すべきであると、各種団体からはさまざまな事業が今後も継続・発展してほしいといったような意見をいただいております。県といたしましても、自然環境の保全の取り組みが着実に進展してきていると受けとめております。

 こうしたことから、今後五年間の取り組みでは、市町村・各種団体のニーズはもとより、新しい行政課題などにも対応しつつ事業を拡充してまいりたいと考えております。具体的には、要望の多い市町村や団体の提案事業を拡充するほか、イノシシ、カワウを加えた鳥獣害対策の強化などを予定しております。

 また、住宅団地など森林地以外の危険木の除去を初め、小水力発電施設の整備、魚類が生息しやすい水環境づくりなど、これまで以上に、中山間地域以外にも森林・環境税を活用してまいりたいと考えております。



○副議長(佐藤武彦君) 都市公園整備局長 足達正明君。

    〔都市公園整備局長 足達正明君登壇〕



◎都市公園整備局長(足達正明君) 県営都市公園の活性化について、二点御質問をいただきました。

 初めに、世界淡水魚園の具体的な取り組みについてでございますが、現在策定中の都市公園活性化基本戦略において、世界淡水魚園は、その基本コンセプトを「川が育む豊かな自然と文化に触れ、生き物に親しむ」とし、今後五年間をかけ、計画的に取り組みを進めることとしております。

 具体的には、「清流の国ぎふ」の南のゲートウエーとしての情報発信を強化するとともに、例えば世界淡水魚園水族館を起点に世界農業遺産「清流長良川の鮎」をたどるエコツアーの開催により里川の魅力と恵みを後世に伝承していく取り組みや、国営木曽三川公園を初め、内水面漁業研修センターなどの機関とも連携することにより、水辺の生き物について楽しく学ぶ取り組みなどを展開してまいりたいと考えております。基本戦略は指針とすべき方向性を示すものでありますが、年度ごとの具体的な実施に当たっては、指定管理者との連携が不可欠であり、各指定管理者と十分に協議を行ってまいります。

 次に、新たな協議体の設置についてですが、世界淡水魚園を含む一帯は、国営公園を初め多くの設置主体や運営主体から構成された、いわば複合的な公園となっており、これらが一体となって円滑かつ効果的な運営を確保していく上では、連携・協力を推進するための組織づくりが重要であると考えております。

 現在、園内のイベントの企画や実施に当たっては、関係機関から成る実行委員会を組織しているところですが、基本戦略の策定を機に、新たに国及び中日本高速道路株式会社にも参画を要請し、全ての関係機関をメンバーとする協議会を設置してまいりたいと考えております。この協議会の場を通じて、基本戦略を踏まえた魅力向上の取り組みを進めるとともに、駐車場相互の円滑な運用や施設へのわかりやすい誘導動線の確保などの課題にも対応してまいります。



○副議長(佐藤武彦君) 三十九番 伊藤正博君。

    〔三十九番 伊藤正博君登壇〕



◆三十九番(伊藤正博君) それでは、続いてかかみがはら航空宇宙科学博物館のリニューアルに関して、知事、並びに商工労働部長にお聞きをいたします。

 八月三十一日、県庁におきまして、二〇一八年、平成三十年三月に改装オープンするかかみがはら航空宇宙科学博物館の展示詳細が、知事と各務原市長からマスコミ各社に発表されました。

 その主な内容は、展示ゾーンを航空と宇宙の二つのエリアに分けるというものであり、航空エリアには国内で唯一現存する三式戦闘機「飛燕」とともに、ゼロ戦の試作初号機の原寸大模型を展示すると発表され、非常に注目されております。また、現在保有している三十七機の実機を年代ごとに配置し、日本の航空技術史を伝えるとしております。そして、宇宙エリアには国際宇宙ステーション−−ISS−−の日本実験機棟「きぼう」の原寸大模型のほか、日本の小惑星探査機「はやぶさ2」の実寸大模型も配置するとの計画とお聞をいたしました。

 このリニューアルにより、この博物館は大幅に充実をし、まさに日本を代表する航空と宇宙の博物館になると私も確信と期待をいたしているところであります。

 また、古田知事は去る九月三日から十一日までの九日間、訪米をされ、さまざまなトップセールスを行われたと承知をいたしております。その中で、このかかみがはら航空宇宙科学博物館のリニューアルに関して、アメリカ・ワシントンDCにある世界最大級のスミソニアン航空宇宙博物館を各務原市長らとともに訪問され、展示物の貸し出しについて協力を求めたとの報道もありました。

 そこで知事への質問ですけれども、今回の訪米によるスミソニアン航空宇宙博物館、さらにはアメリカ航空宇宙局−−NASA−−を訪問された成果と今後の連携のあり方についてお聞きをいたします。

 次に、隣の愛知県が小牧市にある県営名古屋空港ターミナルビルの南に計画をしている、あいち航空ミュージアムとの連携について、商工労働部長にお尋ねをいたします。

 先般、私が愛知県にお伺いをし、担当部局よりこのあいち航空ミュージアムの計画内容をお聞きしてまいりました。計画によれば、来年、平成二十九年秋ごろのオープンをめどとしており、地上二階と屋上階の構造で、一階にYS−11といった実機展示ゾーン三千八百平米、航空メッセプラザ六百五十平米などを設け、二階は名機百選に五百二十平米、見学通路四百十平米など、最上階は展望デッキ四百五十平米といった内容でありました。

 この計画を聞いて、正直はるかにかかみがはら航空宇宙科学博物館のリニューアル計画のほうが充実しているというふうに思ったところではあります。しかし、距離的にもそれほど遠くないところに二つの類似した博物館を有するわけですから、今後両館の連携は必要であろうというふうに思います。

 そこで、担当の商工労働部長に、かかみがはら航空宇宙科学博物館とあいち航空ミュージアムとの連携をどのように考え、また今後どのように愛知県と調整されるのかお尋ねをいたします。

 次に、高校改革について教育長にお尋ねをいたします。

 岐阜県は平成二十六年度から平成三十年度までの五年間を計画期間と定め、第二次岐阜県教育ビジョンをつくり、これまでさまざまな政策に取り組んでおられます。この中で、本日は高等学校の改革、産業教育の充実にスポットを当て、お聞きしたいと思います。

 これまでも、この本会議場にて産業教育の充実に関する質問や提言を申し上げてきました。第二次教育ビジョンの中でも中・長期的な将来を見据えた高等学校の改革を重点政策の一つとして取り上げ、さまざまな研究、検討がなされていると存じます。

 特に、魅力ある高校づくりとして、大きく二つに区分をし、一つは学校規模、学科構成、通学区域等の高校の枠組みを見直し、もう一つは新しいタイプの学校の設置、普通科高校の特色化、産業教育の改善・充実等の魅力ある高校づくりとされております。この第二次教育ビジョンも、平成二十六年度からスタートをして約二年半が経過し、計画年度からいえば残り二年半、まさに折り返し地点になっております。

 そこで、きょうは特に、これから中・長期的視野に立った県内の専門学科の見直し、検討をどのように進めておられるのかお尋ねをいたします。

 普通科と専門学科の比率を比較しますと、本県は他県に比べ専門学科の比率が高く、それぞれにニーズがある本県の魅力ある高校改革は、まさに喫緊の課題であります。すなわち、県内の工業科、商業科、農業科、あるいは家庭科系などについて、これからの中・長期を見据えたそれぞれの学科の改編等を、社会的ニーズを踏まえて検討がなされているかということであります。

 先日、隣の愛知県教育委員会にお邪魔をして、この高校改革についていろいろお聞きをしてまいりました。愛知県では、この平成二十八年度からこれらの学科改編がスタートをいたしております。本格的な学科改編は来年度、二十九年度からのようですが、農業科、工業科、商業科、家庭科などで学科改編が行われます。その愛知県では、農業科では六次産業化などのニーズに対応するための学科改編や、工業系では高度な資格取得のための実習やものづくり産業を支える実践的な技術・技能を身につけた人材を育成するなどの学科改編を検討されているようであります。

 その中で、特に私が注目したのは、小牧工業高校の機械科の一部を航空産業科に改編するというものであります。尾張地区に集積する航空宇宙産業の生産現場で活躍できる人材を育成するというものであります。ぜひ、岐阜県においても早急に学科改編に向け検討を加速するべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

 そこで、本県における今後の計画や検討のスケジュールはどのように考えられているのか、お聞きいたします。

 先日の新聞報道で、飛騨高山高校に新たに飛騨牛の設置を計画しているとの報道もありました。また、私個人としては、地元の要望もある各務原市内の高校に工業系の学科、特に航空機に関係する学科・コースの新設もぜひ検討、設置いただきたいと考えるところであります。こうした社会ニーズに対応する学科の見直し、検討を進めると同時に、大切なことは、これらを指導いただく先生方の研修がさらに必要ではないかということであります。

 そこで、これらの高校改革に関して、次の二点について教育長にお聞きをいたします。

 産業教育のさらなる充実を図るため、今後どのようなことを考えていかれるのか。また、キャリア教育と職業教育の一層の充実を図るために、現在の学科改編等が必要と思われますけれども、現在どのように考え、今後どのようなスケジュールで進めていこうとされるのか。そして、これらの充実を図るため、それぞれの先生方の知識を高めるための研修はどのように考えられているのか。以上、大きく二点について教育長にお尋ねをいたします。

 最後の質問は、本県における交通事故防止対策、並びに特殊詐欺対策について、新しく着任されました警察本部長にお聞きをいたします。

 まず、交通事故防止対策についてでありますが、ことしもつい先日の九月二十一日から九月三十日までの十日間、秋の全国交通安全運動が行われました。運動の重点は三つ、一つは夕暮れ時と夜間の歩行中、自転車乗用中の交通事故防止であります。秋口から年末にかけて、日没時間の急激な早まりとともに、例年、夕暮れ時から夜間にかけての、いわゆる魔の時間帯と言われる午後四時から午後八時に重大事故につながるおそれのある交通事故が多発する傾向にあるなどとの理由で、事故防止対策を行うというものであります。

 二つ目は、後部座席を含めた全ての座席のシートベルトとチャイルドシートの正しい着用の徹底であります。道路交通法では、全席のシートベルト着用と六歳未満のチャイルドシート利用を義務づけております。後部座席もシートベルトを着用するように定めております。

 そして、三つ目は飲酒運転の根絶であります。これから年末に向け、飲酒する機会もふえてまいります。飲酒運転は悪質犯罪であり、厳しい行政処分と罰則があります。これらを中心に、ますます交通安全運動を期待するところであります。

 ここ三年間の県内交通事故件数は、これまでのさまざまな対策・活動により減少しつつあります。平成二十六年度、人身件数は八千二百五十件、死者数は九十三人、物損件数も含めた総件数では七万七千五百十件、二十七年度は、人身件数が七千四百件、死者数が百六人、総件数は七万六千九百四十三件という現状をお聞きいたしました。さらに、ことし、平成二十八年八月末現在での状況は、人身件数は四千三百七十四件、昨年同時期でマイナスの五百二十件、死者数は五十八人、昨年同時期でマイナスの七人、総件数は四万九千七百七十六件、昨年同時期比でマイナス千四百三十九件という数字でありますけれども、まだまだ数多くの事故が発生し、多くの方が亡くなられ、けがをされております。

 私も、毎日自家用車を運転していて、信号が黄色から赤に変わっても何の減速もせずに交差点に入ってくる車、右折矢印が出ているのに直進してくる車などを多く見ます。さらに、まだまだ携帯電話をしながら走っている車など、一歩間違えば大事故につながる交通事情にある現状にあると思います。

 そこで、一点目の質問は、交通事故の現状認識と対策についてお聞きをいたします。

 二点目の質問は、特殊詐欺対策についてお聞きをいたします。

 依然として、多くの高齢者の方が巧妙な手口によって詐欺被害に遭ったという報道が後を絶ちません。過去三年間の県内における特殊詐欺被害の件数や被害額をお聞きしたところ、平成二十五年が認知件数二百十一件で、被害額が十一億二千四百十四万円、二十六年が二百八十五件で十二億八千五十一万円、二十七年度が二百三十三件で十億八百六十三万円という内容であります。二十六年でふえたものの、二十七年はやや減少し、ことしも減少傾向ではありますが、相変わらず多くの方が多額の被害に遭っています。さまざまな対策がとられていますけれども、こうした現状をしっかり捉えなければなりません。

 そこで、警察本部長への二点目の質問として、これらいわゆる振り込め詐欺など特殊詐欺の現状と被害防止対策についてお尋ねをいたします。

 以上で質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

    (拍手)



○副議長(佐藤武彦君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) かかみがはら航空宇宙科学博物館のリニューアルに関して、今回の米国訪問の成果についてのお尋ねがございました。

 私どもの成長・雇用戦略におきましては、航空宇宙産業は、今後の岐阜県経済を牽引する成長産業というふうに位置づけております。その振興と次世代を担う人材育成につなげることを目的として、このかかみがはら航空宇宙科学博物館の抜本的なリニューアルに取り組んでいるところでございます。

 このリニューアルでは、航空宇宙の技術史や人類の宇宙開発の挑戦史を俯瞰できる、まさに日本を代表する博物館を目指しており、国内はもとより海外の博物館や関係機関との連携が不可欠というふうに考えております。

 そうしたことから、今回のトップセールスでは、各務原市長とともに、NASA米国航空宇宙局及び年間八百万人を超える来客数を誇る世界屈指のスミソニアン航空宇宙博物館を訪問いたしました。その結果、まず、博物館の運営組織であるスミソニアン協会と岐阜県及び各務原市との間で連携協定を締結したところでございます。同協会とは、展示物の貸借、学芸員等の交流を進めるとともに、スミソニアン航空宇宙博物館から、航空宇宙分野の教育プログラム開発や人材育成に関し、アドバイスをいただくことになりました。こうした協定締結は、先方によりますと、アジアでは初めてのものであるということでございます。

 具体的には、スミソニアン航空宇宙博物館より、戦時中に中部地区で製造され、四式重爆撃機「飛龍」の改良型試作機に搭載された貴重なエンジンを無償で借り受けることになりました。このほか、同博物館が所蔵する展示物や写真・映像・図面などの資料の貸与を受ける予定であり、引き続き調整を進めているところでございます。

 また、学芸員や研究員を岐阜へ招聘し、講演会やワークショップを開催するなど、人的交流も進めてまいりたいと考えております。

 また、NASA米国航空宇宙局の本部では、副局長を初め幹部の方々にお会いしました。NASAとしては、本県とスミソニアン協会との連携協定を高く評価し、NASAとしても、保有する資料やアポロ計画、スペースシャトルなどの映像コンテンツの貸与等について積極的に協力したいという旨の表明がございました。

 今後は、借り受ける展示物や資料の選定を進めるとともに、NASAから関係者を招聘し、最新の米国宇宙開発政策について御紹介いただく講演会なども開催したいと考えております。

 こうした新たな取り組みを通じ、リニューアル後のかかみがはら航空宇宙科学博物館のさらなる充実、魅力向上につなげてまいりたいと思っております。



○副議長(佐藤武彦君) 商工労働部長 河合孝憲君。

    〔商工労働部長 河合孝憲君登壇〕



◎商工労働部長(河合孝憲君) かかみがはら航空宇宙科学博物館とあいち航空ミュージアムとの連携についてお答えをいたします。

 双方の博物館ともに、この十月に工事着工ということで、先月にも今後の連携に向け、意見交換を行いました。あいち航空ミュージアムは、YS−11など実機四機の展示を初めとする航空専門の展示施設として、またこれに近接するMRJ最終組み立て工場も同時に一般公開が予定されていると伺っております。MRJの製造には、多くの県内企業もかかわっており、本県に集積する航空宇宙産業を広く発信する観点からも、学校の社会見学や双方をめぐる産業観光ツアーなど、おのおのの特性を生かしつつ、集客に向けた相互の連携が重要と考えております。このため、さらに鉄道、自動車といった民間の産業博物館との連携も視野に、愛知県を初め関係者との調整に努めてまいります。



○副議長(佐藤武彦君) 教育長 松川禮子君。

    〔教育長 松川禮子君登壇〕



◎教育長(松川禮子君) 高等学校の改革について、二点御質問がありました。

 初めに、産業教育の充実と学科改編についてお答えします。

 第二次教育ビジョンを受け、御審議いただいた県立高校活性化計画策定委員会の審議まとめでは、産業教育について、今後とも一層の改善・充実を図るとともに、航空宇宙やリニア関連産業など、県内の成長産業として期待される分野についても、関連する学科やコースの設置を含めた研究を継続する必要があるとしております。

 また、本年度から開催する岐阜県地方産業教育審議会において、社会のニーズや産業構造の変化を踏まえた産業教育の充実について、より専門的な見地から御審議いただく予定です。

 さらに、航空宇宙産業に係る人材育成の先行事例として、モノづくり教育プラザの整備が岐阜工業高校内に予定されており、関連する学科の設置についても検討してまいります。

 今後は、こうした新たな取り組みや県産業教育審議会での議論のほか、地域からの提案も踏まえ、産業界からの需要や生徒の進路希望との整合性などの諸条件が整ったところから、必要な学科改編を実施してまいります。

 次に、専門学科における教員研修についてお答えします。

 産業教育に携わる専門学科の教員には、専門分野の基礎的・基本的な知識・技術から高い専門性まで幅広い指導力が求められるため、全ての教員が受講する経験年数に応じた研修に加え、より専門性の高い分野については、専門研修や産業教育実地研修で対応しています。

 専門研修では、例えば、工業科において、3Dプリンターを活用した部品製作やプログラミングによる機器の自動操作など、新しい技術に対応した内容を扱っています。

 また、企業への派遣を中心とした産業教育実地研修では、例えば、航空機産業に求められる人材育成に必要な指導力を培うため、中日本航空専門学校への三カ月の派遣研修も行っております。

 今後も、将来的な学科再編の検討を見据え、技術の高度化や情報化の進展等を踏まえ、産業界とも連携を図り、企業の技術者等を講師に招くなどして先端技術の指導に対応できるよう教員研修の充実に努めてまいります。



○副議長(佐藤武彦君) 警察本部長 山本有一君。

    〔警察本部長 山本有一君登壇〕



◎警察本部長(山本有一君) 御質問二点について、お答えいたします。

 まず初めに、交通事故の現状認識と対策についてお答えいたします。

 本年の交通事故情勢は、先ほど議員御指摘のとおりでございますが、とりわけ交通事故死者に着目いたしますと、ことしの初めから昨年を大きく上回るペースで推移しまして、四月末現在で前年同期比プラス十人の四十人に達しております。そこで、交通死亡事故に歯どめをかけるため、県警察では五月から、清流の国ぎふづくり「交通死亡事故シャットアウト作戦」をスローガンに、関係機関・団体、自治体と連携いたしまして、交通安全諸対策を強力に推進しましたところ、七月には減少に転じ、八月末で前年同期比マイナス七人の五十八人となっております。しかし、第十次岐阜県交通安全計画に示されました、平成三十二年までに死者数八十人以下とする数値目標の達成が危惧される厳しい状況にあると認識しております。

 また、死亡事故の特徴を見ますと、高齢者の死者が五割強を占めていること、シートベルト非着用の死者が目立つことなどが挙げられます。

 警察といたしましては、これから年末にかけまして、高齢者を中心とした薄暮・夜間事故対策、シートベルト着用対策、飲酒運転根絶対策を活動の柱といたしまして、事故の特徴を踏まえた参加・体験型の安全教育、広報啓発活動を推進するとともに、悪質・危険な飲酒運転や、議員から御指摘もありました交通事故に直結する信号無視や携帯電話使用等の違反につきまして、事故実態を分析し、取り締まりを強化してまいります。

 今後も、関係機関・団体、自治体と連携し、官民一体となった各種交通安全対策を推進し、県内における交通ルールの徹底と交通マナーの向上を図り、交通事故抑止に努めてまいります。

 次に、特殊詐欺の現状と被害防止対策についてお答えいたします。

 県内における特殊詐欺被害の状況につきましては、先ほど議員からも御指摘ありましたとおり、平成二十五年以降、毎年認知件数が二百件、被害金額が十億円を超える状況が続くなど、厳しい情勢で推移しております。

 また、被害者の約六割が六十五歳以上の高齢者で占められております。特にオレオレ詐欺、還付金等詐欺では、その割合がさらに高くなっております。

 こうしたことから、県警察といたしましては、金融機関に声かけを依頼したり、金融機関からの通報を受けて警察官が速やかに店舗に赴き、直接事情をお聞きしたり、高齢者とかかわる機会の多い団体と安全確保に関する協定を締結するなど被害防止に努めております。

 さらに、本年八月からは安全・安心コールセンター事業を開始いたしまして、来年一月末まで高齢者等に対しまして、直接電話による被害防止の呼びかけを行っております。

 こうした活動によりまして、本年八月末現在では、昨年同時期と比べまして認知件数が四十二件の減少、これは前年同期比マイナス二四%となります。被害金額では約五億三千万円の減少、これは前年同期比で約マイナス六九%の減少となり、一定の成果が出ているところではありますが、依然高い水準にございます。

 引き続き、犯行手口や被害に遭わないための情報を積極的に発信するとともに、関係機関、団体等と連携して、被害防止対策を推進してまいります。



○副議長(佐藤武彦君) 九番 布俣正也君。

    〔九番 布俣正也君登壇〕(拍手)



◆九番(布俣正也君) 議長より発言のお許しをいただきましたので、通告に従いまして、今回私からは三項目七点について質問をさせていただきます。

 まず一項目め、鳥獣被害対策の現状と課題についてでございます。

 この質問に関しましては、過去三年の間にも数名の議員の方々があらゆる角度から質問をされておられます。各自治体において、いろいろな施策を打ち出され、取り組まれていますが、成果の上がっている地域もあれば横ばいの地域等さまざまな状況であることを踏まえ、私の視点で改めて質問をさせていただきます。

 平成二十六年五月に鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律は、鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律となり、内容の一部が変更となりました。今回の改正の背景としましては、ニホンジカなどがふえ過ぎたことにより、自然生態系への影響や農林水産業への被害が深刻化していること、狩猟者の減少、高齢化により担い手の育成が必要となっていることなどが挙げられております。

 主な改正の内容としましては、法の目的に、これまでの鳥獣の保護、狩猟の適正化に加えて鳥獣の管理が追加されました。鳥獣の管理とは、生息数が著しく増加または生息地が拡大している鳥獣に対して、その生息数を適正な水準に減少させ、またはその生息地を適正な範囲に縮小させることであり、鳥獣の保護とは逆の内容となっております。

 管理の対象となる鳥獣の一つとしてニホンジカがあり、一事例として、現在、国内に三十三カ所ある国立公園のうち、二十の国立公園でニホンジカによる被害が確認をされております。平成二十五年八月、環境省において、ニホンジカの固体数推定及び将来予測が公表され、捕獲率が現状と同等程度で推移した場合、本州以南のニホンジカは、平成三十七年には、現在のほぼ倍の五百万頭まで増加する可能性があると言われております。また、生息域も倍にふえており、これらの状況を踏まえ、平成二十五年十二月、環境省と農林水産省は抜本的な鳥獣捕獲強化対策を共同で取りまとめ、当面の目標として、平成三十五年までに本州以南のニホンジカの個体数を半減させることを目指しておられます。

 平成二十六年中央環境審議会答申では、取り組むべき最優先事項を都道府県による鳥獣捕獲の強化、鳥獣管理体制強化とされておられます。鳥獣捕獲の強化については、平成二十二年度において、狩猟に必要な狩猟免許の所持者が、過去四十年間で六割以上減少をしていること、また、六十歳以上の高齢者の割合が六割を超えていること、つまり、狩猟者の減少と高齢化という大きな課題に対処することです。

 鳥獣管理体制強化については、前述のとおり、生息数が著しく増加または生息地が拡大している鳥獣を適正な生息数に減少させ、または生息地を適正な範囲に縮小させることです。著しく増加した鳥獣の例としてニホンジカが挙げられますが、その増加した理由としまして、手厚い保護政策や猟師の減少を言われる方がいらっしゃいます。

 これについて、私なりの検証を述べさせていただきますと、狩猟免許所持者が全国で約五十一万八千人いた昭和五十年度のニホンジカの捕獲数は一万三千頭だったそうであります。平成二十五年度の狩猟免許所持者は約十八万五千人、捕獲数は約五十一万三千頭となっており、狩猟免許所持者は減少しているにもかかわらず、捕獲数は増加をしております。当然のことながら、狩猟免許所持者全てが捕獲しているわけではありませんので、参考として見てみますと、狩猟免許所持者一人当たりの捕獲数は、昭和五十年度が約〇・〇二頭、平成二十五年度が約二・七七頭となっており、約百三十八倍も捕獲していることになります。これは、昔の猟師の方が下手だったためとれなかったわけではなく、昔はそもそもニホンジカが少なく、かつ雌のニホンジカの狩猟が禁じられており、雄のニホンジカの狩猟可能数は一人当たり一日一頭と制限されていたことによるものです。

 このような手厚い保護政策の結果、ニホンジカは着実かつ急速にふえ、これに対応しようと平成六年から一定の条件のもと、雌のニホンジカが狩猟可能となりましたが、全国的に雌のニホンジカの狩猟が解禁となったのは平成十九年からでございます。

 なお、現在でも環境省は狩猟によるニホンジカの捕獲可能頭数を一日一頭までとしており、それ以上の捕獲の規制緩和につきましては、各都道府県の第二種特定鳥獣管理計画に任せているのが現状であります。

 他方、県内の狩猟免許所持者に目を向けてみますと、平成二十七年度末時点の狩猟免許所持者の数は四千五百二十五名であり、その内訳は十代が一名、二十代が百四十名、三十代が三百三十七名、四十代が五百六名、五十代が六百九十五名、六十代以上が何と二千八百四十六名であり、本県でも狩猟免許所持者の高齢化が進んでおり、深刻な状況となっています。

 また、実際に狩猟を行うことができる者は、狩猟免許所持者で、かつ狩猟者登録を行い、原則として狩猟税を払った者のみであり、現在、県内の狩猟登録者は狩猟免許所持者の約七割となっております。狩猟免許所持者の約三割は狩猟登録者でないことから、これらの人に狩猟登録者になっていただけるように働きかけを行うことが効率的であると考えます。狩猟登録者にならない理由はさまざまでしょうが、金銭的負担が理由である場合には、狩猟税や猟友会費などの費用負担を見直したり、改善することが必要であると考えます。また、狩猟に関心を持ってもらうことで新たな狩猟登録者を掘り起こすことも必要であると考えます。

 各務原市に青山まゆさんという主婦の方がおられます。彼女は、実家が滋賀県で米農家を営んでおり、狩猟とは無縁の家庭で育ったわけですが、彼女が出産を控えて実家に戻っていたとき、新聞に掲載をされていました狩猟に縁のなかった人が狩猟免許を取ったという記事を読んで、私にもできるかもと狩猟に対する好奇心に火がついたそうでございます。

 その後、彼女は、わな猟免許と銃猟免許を取得され、さらには、先輩猟師が狩猟した動物の肉だけを持ち帰り、他の部位を利用されないことにもったいないと感じて、皮の加工を始めたそうです。現在、彼女は各務原市内の山で、子供と親が自由に遊べる保育活動を行っており、野生動物を捕獲した場所へ行って解体場面を見せることもあるそうです。

 このように、狩猟免許所持者を狩猟登録者になるように促すことや、若者や女性にも狩猟に関心を持ってもらうためのPRなどに取り組むなど、これまでとは異なる視点から取り組んでいくことも必要ではないかと思います。

 そこで、環境生活部長にお伺いをします。

 現在、狩猟免許所持者の減少や高齢化が進んでいる中、狩猟免許所持者の増加、狩猟に必要な狩猟登録者の確保を今後どのような方法で進めていかれるのかをお聞かせください。

 次に、市町村と連携をした鳥獣被害対策についてでございます。

 鳥獣被害対策の一つに防護柵の設置があります。防護柵を設置するためには、設置する集落において、その設置場所や防護柵の種類等について検討することが可能な体制整備を行うことが求められております。こうした体制整備が行われている集落は、平成二十六年度の四八%から平成二十七年度の九〇%に増加し、またそのうち防護柵を実際に設置された集落も、平成二十六年度の三四%から平成二十七年度の六八%に大幅に増加をしました。

 これらの増加については、各農林事務所に配置されている鳥獣被害対策専門指導員が集落の住民を対象に研修会を入念に行い、防護柵設置の指導を集中的に実施されたことによるところが大きいと思います。今年度は、さらにこれらの数値を上げていかれるとお聞きしていますが、今後の課題としては、防護柵の設置を検討可能な体制が整っていない集落をいかに解消していくかということです。

 ことし七月から八月にかけて、飛騨地区の鳥獣害対策現場を何カ所か視察させていただきました。当然ですが、その地区ごとで加害動物が異なることから、防護柵がタイトフェンスであったり、ワイヤーメッシュであったり、ステンレス入りネットプラス電気柵であったり、フェンスの高さが一・二メートルもあれば二メートルの高さもあるなど、加害動物の種類に応じた仕様となっておりました。また、山の形状に合わせて防護柵を設置するなど、独自に工夫を凝らした対策を行われている地域もありました。

 下呂市萩原町の対策地域では、森林・環境税を活用して、バッファゾーン、いわゆる緩衝帯に約二十メートルの傾斜地を設け、地域の鳥獣被害対策専門指導員と鳥獣被害対策委員、そして住民が連携をして効果的な鳥獣の捕獲を行っておられました。この鳥獣被害対策委員とは、自治会住民からの鳥獣被害対策の相談や、鳥獣被害対策専門指導員との連絡を担うために各自治体が任意で設置されているものでありますが、下呂市が県内で初めて設置された取り組みであります。

 防護柵の外側である林の中を歩いてわかったことですが、ニホンジカによる森林樹木への影響問題は、ニホンジカが直接樹木に与える被害よりも、ハイヒールのような形状の足を持つニホンジカが山の斜面を踏み込んで歩くことにより、斜面の土が掘り起こされてしまい、それが山崩れの原因になるということです。森林樹木そのものの被害よりも山崩れの被害のほうが甚大になります。このことから、治山の意味でもニホンジカの頭数を減らさないとだめだということです。そのためには、まず作業道と緩衝帯を整備しまして、捕獲しやすい環境を整えることが重要かと思われます。

 さらに肝心なことは、一度、防護柵を整備した地域はこれでもう大丈夫というわけではないということです。鳥獣も次から次へと学習をしていきます。地域での対策もそれに応じてバージョンアップしていかなければならないということです。

 現在、飛騨農林事務所管内、つまり高山市、飛騨市、白川村の二市一村には、鳥獣被害対策専門指導員が一名見えます。この指導員の活動などにより、現時点で存在する防護柵設置の検討可能な体制が整っていない集落が今年度中には解消される予定であると伺っております。鳥獣被害対策専門指導員がこうした成果を上げておみえになり、県の対応に感謝を申し上げたいと思います。

 今後、さらなる取り組みを進めていくためには、少々厳しい面もあろうかとは思いますが、鳥獣対策の重点地域の多い高山市と飛騨市、白川村に、それぞれ一名ずつ鳥獣被害対策専門指導員の配置をすることができれば、より高い成果が得られるのではないかと思っております。今後、地域の実情に応じた対策を検討していく上で、まず地域における被害状況など現状を十分に把握し、分析をすることが必要です。

 県におかれましては、毎年度、水稲や野菜、果物など九品目を対象に、イノシシ、鹿、猿、カモシカ、熊を初めとする二十三種類の野生鳥獣による農作物の被害面積、被害金額などの調査を行っているとお聞きしていますが、こうした調査結果を十分に分析をして、それぞれの地域に合った効果的な対策を講じていくことが求められております。

 そして、最も重要なことは、地域の被害状況などをよく把握している市町村と密に連携をした取り組みを行っていく必要があるということであります。

 そこで、農政部長にお尋ねをします。

 市町村と連携をした鳥獣被害対策を今後どのように取り組まれていくのか、御所見をお聞きしたいと思います。

 次に二項目め、食育と地産地消の推進についてお伺いをします。

 岐阜県では、平成十八年度に第一次岐阜県食育推進基本計画を、平成二十三年度には第一次計画の成果と課題を踏まえ、第二次岐阜県食育推進基本計画を策定され、計画に基づき、学校、家庭、医療機関、農林業者、食品関連事業者、消費者団体、行政機関などの食育にかかわる関係者が相互理解を深めながら、連携・協働して食育を推進してこられました。第二次基本計画では、心身の健康の増進と豊かな人間形成を実現するための三つの基本方針が定められていますが、今回はその一つであります食農教育と地産地消の推進についてお聞きしたいと思います。

 食育とは、食に関する知識と食を選択する力を習得して、食を生み出す農の重要性を認識しながら、健全な食生活を実践することができる人を育てることです。また、食農教育とは、生きることの最も基本的な要素である食と、それを支える農林水産物について体験をして学ぶことであります。

 食農教育に関する取り組みの一つに、飛騨農協で取り組んでみえる荒城農業小学校というのがございます。これは、入学から卒業までの一年間で、土をつくり、種をまいて、野菜を育て、食物を育てる苦労を学び、収穫の喜びを味わい、収穫祭では、親子、祖父母、そして地域の方々との触れ合いでコミュニケーションを養うといったすばらしい体験型農業です。こうした取り組みは、各農協でも形を変えて行われているとは思いますが、岐阜県とJAがより連携を深めていけば、さらにすばらしい成果が生まれるのではないかと考えます。

 また、岐阜県独自の取り組みとして、GIFU食のマイスタープロジェクト事業の家庭の食育マイスターがございます。これは、特別支援学校を含む県内小学六年生全員に家庭の食育マイスターとして委嘱をして、児童みずからが家庭において食育の話題を提供して、食に関する正しい知識と望ましい食習慣を身につけるものです。「食が分かる・食を作る・食を働きかけるぎふの子」をキャッチフレーズに、家庭で実践、家庭で拡大する県独自の食農教育です。

 また、中学生になると、学校ごとにチームをつくって競い合う中学生学校給食選手権があります。この取り組みにより、生徒みずから給食の献立を考える、地元の食材を使う、生産者との交流を行うといった仕組みが生まれます。こうした岐阜県独自の事業をグレードアップさせ、引き続き実施することにより食農教育のさらなる推進を図ることが重要です。そのためには、第三次岐阜県食育推進基本計画に実践事例として取り上げるべきと考えます。

 また、小学校の授業参観では家庭科が余り行われていないようですので、学校の授業で親と子供が一緒に食農教育について学び、意識を高めることを目的として、授業参観に家庭科を積極的に取り入れてはどうかとも考えております。

 学校給食における地産地消に目を向けてみますと、学校給食での地場産物の使用割合が平均で三〇%以上となっております。これは、基本計画の二十八年度の目標値をクリアしておりますが、その使用割合がかなり高い学校もあればそうでないところもあり、学校にばらつきがあるというのが現実でございます。

 学校の先生や児童・生徒の保護者が、給食に安心・安全を求められることもあり、地場産物の使用割合を高めることは必要であると思いますが、一方で、大規模な給食センターでは、食材の安定的供給や食材費の抑制もセンターの運営上重要なことであることから、供給量の少ない高価な地場産物を使用することが困難なことも理解ができます。

 さて、秋は収穫の秋とも言われ、県内各地で農業祭りや収穫祭が開催をされます。十月二十二、二十三日には、第三十回岐阜県農業フェスティバルが開催をされます。ことしで三十回を迎える本イベントは、県内でも最大級の農業イベントであり、昨年は延べ十八万人の方が来場されております。食に関するイベントである本イベントにおいて、地産地消をPRすることは絶好の機会であります。県としては、最大限のPR方法をお考えとは思いますが、来場者一人一人に行き渡るような有効な対策をとっていただきたいと思っております。

 そこでまず、健康福祉部医療・保健担当次長にお尋ねをします。

 今年度は第二次岐阜県食育推進基本計画の最終年度であることから、基本計画に上げた目標の達成状況がどのようであるか。また、第二次基本計画の成果と課題を踏まえ、例えば家庭の食育マイスター事業など優良事例を組み込むなど、より一層の食育が推進されるよう第三次基本計画を策定すべきと考えますが、御所見をお聞かせください。

 次に、農政部長にお尋ねをします。

 食農教育、地産地消をより一層推進していくためには、岐阜県とJAが今まで以上にタッグを組んで進めていくべきと考えますが、御所見をお聞かせください。また、ことしの農業フェスティバルでの地産地消のPRの方法もお聞かせ願えればと思います。

 次に、教育長にお尋ねをします。

 家庭の食育マイスターや中学生学校給食選手権の事業は、児童・生徒の食に対する意識をより高めていく上で重要な取り組みであると思います。今後、各学校において、これらの取り組みがどのように行われていくのかお聞かせください。あわせて授業参観の教科として家庭科を積極的に導入することに対しての御意見をお聞かせください。

 最後にユネスコ無形文化遺産登録を見据えた山・鉾・屋台行事による観光振興についてお伺いをします。

 観光振興ということで、少し話がそれますが、飛騨市の観光に関する話をさせていただきます。

 皆さん、アニメ映画「君の名は。」を御存じでしょうか。この映画は、山奥の田舎のまちで暮らす女子高生と東京に暮らす男子高生が、夢を通じて入れかわる不思議な体験を繰り返す物語です。この八月に公開をされ、九月二十二日までの約一カ月間で観客動員が七百七十四万人に達したと報道されるなど、大変な人気となっております。

 この映画には、飛騨地域の風景が随所にあらわれることから、多くの熱心なファンが聖地巡礼と称して、飛騨古川駅や市の図書館、バス停などを訪れております。映画やテレビに地元の風景や施設が登場することで、全国から多くの方が訪れることにより、観光などの経済効果が期待できることを改めて感じているところでございます。

 さて、現在、国指定重要無形民俗文化財の「山・鉾・屋台行事」三十三件については、ユネスコ無形文化遺産登録に向けて提案書が提出されており、ことしの十一月ごろにユネスコ政府間委員会において登録の可否に関する審議が行われる予定とのことです。三十三件の「山・鉾・屋台行事」には、本県の屋台行事である高山祭、古川祭の起し太鼓、●〔車へんに山〕行事である大垣祭が含まれており、ユネスコ無形文化遺産に登録されますと、昨年度の「清流長良川の鮎」の世界農業遺産登録に続いての快挙であり、岐阜県を挙げて喜ぶべき登録となります。

 御存じの方も多いと思いますが、飛騨市の起し太鼓は、裸男が太鼓を鳴らしながら町内をひしめき合う勇壮な祭りであり、毎年の開催日には、県内外から多くの方が訪れております。ユネスコ無形文化遺産登録は飛騨市にとっても誇りであり、大変喜ばしいことであります。このため、飛騨市では現在、登録を見据え、記念事業実行委員会を立ち上げ、古川祭及び飛騨市の知名度の向上と観光誘客促進を図るとともに、伝統文化の価値の再認識と祭り文化継承に対する意識の向上を図るべく、北陸圏、高岡市、南砺市、七尾市、魚津市との連携でシンポジウムなどを計画中であります。

 県においても、県内三つの屋台行事・●〔車へんに山〕行事を連携させたり、または他県の屋台行事等との連携を図ることにより、本県への観光誘客を図ることが可能であると考えます。さらには、県内の世界に誇る遺産や他の観光資源との連携を図り、本県の観光振興につなげていくことも重要であると考えます。

 そこで、観光国際局長にお伺いをします。

 大変すばらしい伝統・文化・地域性を兼ね備え、観光資源としての魅力も有する、岐阜県の三つの屋台行事、●〔車へんに山〕行事を県内への観光振興の起爆剤としてぜひ活用していくべきだと思いますが、ユネスコ無形文化遺産の登録を見据え、現在どのような取り組みをされているのか、また今後どのような取り組みをされるお考えか、伺いたいと思います。

 以上、三項目七点について質問をさせていただきました。答弁をよろしくお願い申し上げます。御清聴まことにありがとうございました。

    (拍手)



○副議長(佐藤武彦君) 環境生活部長 桂川 淳君。

    〔環境生活部長 桂川 淳君登壇〕



◎環境生活部長(桂川淳君) 狩猟免許所持者及び狩猟登録者の確保についてお尋ねがございました。

 県では、平日に受験することが困難な方を考慮した狩猟免許試験の土曜日開催や免許取得に関心のある方への無料講習会の開催など、免許所持者増加のための取り組みを進めています。この結果、平成二十七年度末の免許所持者数は、最も少なかった平成十八年度末に比べて約八百人増加しました。今後も若い世代への啓発を強化するなど、引き続き免許所持者の確保に努めてまいります。

 また、受験者へのアンケートの結果、実践的な技術を早く習得したいとの声が多いことから、県猟友会とも連携し、免許所持者が狩猟のベテランから知恵や経験を学ぶ現場研修を検討しており、これを通じて狩猟登録者の確保を図ってまいります。

 さらに、鳥獣保護管理法の改正で認定鳥獣捕獲等事業者制度が導入されました。これは捕獲技術や安全管理体制を有する法人を捕獲事業の担い手として県が認定するもので、将来的に免許所持者の活躍の場が拡大することも期待されるため、本制度の周知に努めてまいります。



○副議長(佐藤武彦君) 農政部長 高木敏彦君。

    〔農政部長 高木敏彦君登壇〕



◎農政部長(高木敏彦君) 私のほうには、三点御質問をいただきました。

 初めに、市町村と連携した今後の鳥獣被害対策についてお答えをします。

 昨年度から、県下全ての農林事務所に鳥獣被害対策専門指導員を配置し、市町村と連携して地域ぐるみでの対策を推進しているところでございます。

 昨年度当初の時点で、鳥獣被害対策に取り組んでいない集落は約一千二百ございましたが、これらに対し市町村と連携して対策の重要性を説明した結果、本年度には全ての集落で被害防止の取り組みが始まる見込みとなっております。

 今後は、こうした集落の中からモデル集落を選定いたしまして、有害鳥獣を効率的に捕獲するための技術研修会を開催するなど、地域ぐるみでの体制を整備してまいります。

 また、既に防護柵を設置した地域におきまして、新たな鳥獣の出現や侵入経路の変化などにより被害が発生している例が見受けられるわけでございます。こうした場合におきましても、市町村と協力いたしまして、鳥獣の種類に合わせて防護柵を高くしたり、電気柵を追加するなど機能向上にも取り組んでまいります。

 次に、JAと連携した食農教育及び地産地消の取り組みについてお答えをいたします。

 現在、全ての公立小・中学校の学校給食におきまして、県と市町村、JAが連携し、県産農産物の購入を支援しており、特に米につきましては、JAを通じて地元の学校に供給をされております。また、この事業では、生徒による生産圃場の見学や生産者との交流なども実施され、食農教育の一端を担っていると考えております。

 加えまして、JAが開設する朝市・直売所は、販売額において県内直売施設全体の半分以上を占める地産地消の重要な拠点となっておりますし、地元農産物のPRのため、イベントを各地で開催していただいております。

 私ども県におきましても、今月十五日から、「地産地消week秋の陣」として、県産農産物の販売フェアや県産食材を使ったメニュー提供を行うこととしておりますが、JAからも直売所やAコープなど四十四店舗に参加をいただきます。

 また、地元の農産物をPRする農業祭など十一件のイベントにも参加いただくこととしており、今後もJAを初めとした地域と連携して地産地消や食農教育の推進に取り組んでまいります。

 三項目めにありました農業フェスティバルにおける地産地消のPRについてお答えをします。

 今月二十二日と二十三日に開催する農業フェスティバルは、県内の農畜水産物やその加工食品などを一堂に集め、多くの方に来場いただく県下最大級の地産地消イベントでございます。

 今回のフェスティバルでは、県産米のおにぎりと県産食材を使ったみそ汁を味わう「JAのみんなのよい食プロジェクト」や、地産地消の推進に関し、県と協定を結んでおりますハウス食品による「スパイスで楽しむ地産地消コーナー」、さらには県産の鹿肉を使い親子でソーセージをつくる「ぎふジビエ料理体験」など、地産地消を広くアピールするイベントを計画しております。

 こうした多くの農畜水産物や加工品などが、フェスティバル終了後のリピーター獲得につながるよう、今回から県のホームページを活用いたしまして、出展者の商品紹介や連絡先などを情報発信することとしており、地産地消の推進により一層取り組んでまいります。



○副議長(佐藤武彦君) 健康福祉部次長医療・保健担当 森岡久尚君。

    〔健康福祉部次長医療・保健担当 森岡久尚君登壇〕



◎健康福祉部次長医療・保健担当(森岡久尚君) 第二次岐阜県食育推進基本計画の総括と次期計画策定に向けた取り組みについてお答えをいたします。

 第二次岐阜県食育推進基本計画では、生涯を通じて健全な食生活を送るため、食の重要性や安全性、適切な食習慣、食文化の継承及び農業への理解等に関する五つの目標を実現するための指標を設定し、食育マイスター制度等の施策を推進してきたところです。

 これらの指標のうち、地場産物の学校給食での使用割合や朝市等での販売額は、関係者の協力により増加してきており、計画策定時と比較して改善が認められています。

 一方、朝食欠食者については、三歳児や小学生における割合が増加しているほか、朝食などを家族とともに食べる人については、小学生や高校生においてその割合が低下していることから、今後の課題として捉えています。

 現在、策定に向け検討している第三次計画では、五つの目標は引き継ぎ、優良事例の普及に努めるとともに、家族形態の変化に伴う多様な暮らしを見据えた食生活支援、食べ残しの減少等の食の循環や環境への配慮などの取り組みを盛り込むことを検討してまいります。



○副議長(佐藤武彦君) 教育長 松川禮子君。

    〔教育長 松川禮子君登壇〕



◎教育長(松川禮子君) 学校における食育の取り組みについてお答えします。

 各小・中学校では、家庭の食育マイスターや中学生学校給食選手権を通じて、学校段階に応じた食に関する知識・技能や食生活を改善する実践力の育成を図っております。

 しかし、家庭の食育マイスターには六年生が委嘱されるため、低学年からの系統的な指導が必要となります。また、中学生学校給食選手権には、小学校段階における指導の積み重ねが求められます。このため、県教育委員会では、小学校低学年から中学生までの一貫した食育プログラムを作成しているところであり、今後、全ての小・中学校への普及啓発を図りたいと考えております。これにより、家庭の食育マイスターの取り組みの充実と中学生学校給食選手権への参加の促進につなげてまいります。

 また、授業参観に家庭科を積極的に取り入れることについては、学校給食試食会や料理教室等、親子行事の実施状況も踏まえ、学校の実情に応じて計画されるものと考えております。



○副議長(佐藤武彦君) 観光国際局長 小原寿光君。

    〔観光国際局長 小原寿光君登壇〕



◎観光国際局長(小原寿光君) 「山・鉾・屋台行事」による観光振興についてお答えいたします。

 ユネスコ無形文化遺産の登録を目指している県内三つの「山・鉾・屋台行事」につきましては、県といたしましても積極的にPRを行っております。例えば先月、東京で開催され、十八万人を超える来場者があった世界最大級の旅の祭典「ツーリズムEXPOジャパン二〇一六」において、岐阜県ブース内に祭り屋台の模型を展示するなど特別にコーナーを設け、一万人を超えるお客様に魅力を発信したところでございます。

 また、県の観光季刊紙においても重点的に紹介しており、先日の全国レクリエーション大会では、約二万人の参加者に配付するなど、各地のイベントにおいて広くPRを行っております。

 今後は、高山市、飛騨市、大垣市が実施する観光PR活動を支援していくとともに、北陸新幹線などを活用した周遊観光として、東京の富山県のアンテナショップでも誘客イベントを開催するなど、関係各市はもちろん、隣県とも連携し、また、他の観光資源との相乗効果も図りながら、広域的な誘客を強化してまいります。



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○副議長(佐藤武彦君) しばらく休憩いたします。



△午後三時十一分休憩



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△午後三時三十五分再開



○議長(矢島成剛君) 休憩前に引き続き会議を開きます。



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○議長(矢島成剛君) お諮りいたします。本日の会議時間をあらかじめ延長したいと思います。これに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○議長(矢島成剛君) 御異議なしと認めます。よって、本日の会議時間を延長することに決定いたしました。



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○議長(矢島成剛君) 引き続き一般質問並びに議案に対する質疑を行います。三十一番 松村多美夫君。

    〔三十一番 松村多美夫君登壇〕(拍手)



◆三十一番(松村多美夫君) ただいま議長さんから発言の許可をいただきましたので、早速質問に入らせていただきます。

 きょうは、大きく分けまして三点の問題について質問をさせていただきます。

 まず最初に、地方創生に向けた取り組みについて、大きく分けて二点お尋ねをいたします。

 一点目の企業版ふるさと納税につきましては、古田知事にお伺いいたします。

 平成二十年度税制改正におきまして、いわゆる個人向けのふるさと納税制度が導入をされました。企業版ふるさと納税は、個人向けと同じく、自治体にふるさと納税、すなわち寄附をすると税負担が軽くなる制度でございます。

 また、平成二十八年度税制改正におきまして地方創生応援税制が創設をされ、今回は寄附額の三割に相当する額の税額控除の特例措置によりまして、現行の地方公共団体に対する法人の寄附に係る損金算入措置による軽減効果の約三割と合わせますと、寄附額の約六割に相当する額が軽減をされます。これは都市部に偏る企業の税収を地方に移し、地方創生の財源に充てていこうというものでございます。しかし、この制度は個人向けとは違いまして、返礼品がないことから、企業の賛同が得られにくい欠点もございます。しかしながら、企業のイメージアップや地域貢献が期待でき、創業地や工場進出地に寄附できるほか、県及び市町村プロジェクト事業そのものに賛同してもらって寄附をすることもできます。

 各自治体は、まち・ひと・しごと・創生寄附活用事業を国に申請いたしまして、この中から事業対象を国が認定をいたします。ことしは第一弾として六県八十一市町村の百五事業の申請がございましたが、そのうちの百二事業が認定をされました。岐阜県が八件で最も多く、新潟県が七件、そして宮崎県、岡山県、兵庫県、鹿児島県がそれぞれ六件の認定を受けております。認定された百二事業をテーマ別に見てみますと、最も多いのが地域産業振興、人材育成、働く場づくりなど七十四件、続いて移住定住の促進など十二件、まちづくり十件、働き方改革六件などでございます。

 企業版ふるさと納税の対象事業に認定されますと、寄附の約束を取りつけているものの事業費が大きくなり、寄附予定額が集まらない場合は、寄附金の不足額は各自治体の負担になるということでございますので、各自治体のやる気、本気度、企業への営業力が試されます。政策の実現には、長期的な粘りと自治体の努力が求められます。

 そこで、古田知事にお伺いいたしますが、私は企業版ふるさと納税を継続してもらうと同時に、新たな企業を見つけ、地方創生実現のための財源確保にも積極的に取り組んでいく必要があるのではないかと考えます。岐阜県は企業版ふるさと納税のプロジェクトとして、航空宇宙科学博物館の宇宙教育プログラムの開発などの事業に積極的に取り組んでおられますが、どのような観点から、今後どのような事業に挑戦していかれるのか、トップリーダーとして企業版ふるさと納税の取り組みについて、知事の御所見をお伺いいたします。

 続きまして、個人向けのふるさと納税についてお伺いをいたします。

 個人向けふるさと納税の納税制度は、以前よりあった所得税及び個人住民税の寄附金控除の制度に、個人住民税の寄附金控除を上乗せした特例が導入されました。

 また、平成二十七年四月の税制改正によりまして、税金で控除される枠が約二倍になり、一定の条件を満たせば確定申告が不要となるワンストップ特例が新設され、一気に利用者が増加をいたしました。

 ここで、もう少しわかりやすく県民の皆様方にふるさと納税の仕組みについて御説明をいたしますと、所得税の納税義務者が自分の住んでいる自治体以外の都道府県または市町村に対してふるさと納税をした場合に、支出寄附金のうち二千円を超える部分については、一定の上限まで原則として所得税、個人住民税から寄附金の全額が控除されるというものでございます。

 一方、見方を変えますと、控除限度額内であれば、わずか二千円を負担するだけで、生まれたふるさとや自分の好きな地域などの応援のために寄附ができるという制度でございます。その上、ふるさと納税を受けた自治体のほとんどは、寄附金額に応じまして三〇%から五〇%のお礼の品を送ってくれますので、本当にありがたい制度であります。

 返礼品を争う状況は正しい姿ではないかもしれませんが、災害に見舞われた自治体への復興支援のため、ふるさと納税も定着をいたしまして、例えば四月に発生した熊本地震では、ことしの七月中旬までに約三十六億円の災害応援のためのふるさと納税が集まりました。昨年までのふるさと納税がわずか九千万円でしたから、実に昨年の四十倍のふるさと納税が集まったことになります。

 本来、ふるさと納税は地方の税収の減収に伴い、財源を確保するために始められた制度であり、自治体はいい政策を立案して広く国民から寄附をしてもらう。また、私たちは自分にゆかりのある自治体を応援するというのが趣旨であります。また、ふるさと納税のお礼を通じまして、応援をしてもらった納税者にはふるさとの魅力を再発見してもらい、また来年も応援してくださいといった趣旨も含まれております。

 しかし、ふるさとチョイスのポータルサイトや、(資料を示す)ここに持ってまいりましたふるさと納税ハンドブックなどを見てみますと、まるでカタログショッピングの様相が見えます。ふるさと納税については賛否両論、いろいろと御意見がございます。

 そこで、先日、私の地元の本巣市の現状についてお聞きをいたしました。

 本巣市は、根尾谷の淡墨桜の保護や、人形浄瑠璃真桑文楽、能郷の能狂言の伝承や保存などを目的にふるさとづくりのための寄附金として、ふるさと納税を募集いたしております。そのふるさと納税のお礼は、地元の特産品であります富有柿や根尾米、豊水梨など半額程度のお返しをしております。昨年から地元の木材を活用した高山市のオークヴィレッジと提携をし、木工おもちゃや、地元にうすずみ温泉があるんですけれども、うすずみ温泉宿泊特別プランを加えましたところ、平成二十六年度にはわずか百二十八万円のふるさと納税が、平成二十七年度、昨年は千六百十一万六千円にもふえました。また、ことしも返礼品をいろいろと工夫を凝らし、九月二十日現在、お聞きしましたところ、二千万を超えておるということでございます。

 ふるさと納税のポータルサイトを見てみますと、昨年の一位が宮崎県都城市で実に四十二億三千百万円、二位が静岡県焼津市で三十八億二千六百万円、三位が山形県天童市の三十二億二千八百万円と続きます。やはり地元の地酒や焼酎、牛肉、海産物などの特産品のあるまちが非常に人気があるようです。平成二十六年度ふるさと納税受け入れ額で日本一に輝いた長崎県平戸市の黒田成彦市長は、生産者とともに多くの平戸ファンをつくり、全国に広げていくことが消滅可能性自治体からの脱却となり、真の地方創生に向けた処方箋になるのではないかとも述べておられます。人口減少社会の中で、ふるさと納税を通じ地域の魅力を発信し、将来の移住定住につなげてもらえるようなきずなづくりをすることが大切ではないかと考えております。

 そこで一点目として、ふるさと納税の県及び県内市町村の現状をどのように捉え、分析しておられるのか、清流の国推進部長にお伺いをいたします。

 また、二点目として、ふるさと納税は地方と都市部との間に存在をする税収の格差是正を縮め、使途を明確にし、地方を応援してもらう仕組みになっておりますが、本県の活性化と地場産業の育成の観点から、ふるさと納税をふやす取り組みに力を入れるべきではないかと考えます。この点について、清流の国推進部長にお伺いをいたします。

 引き続きまして、運転免許の更新に係る諸課題について三点お伺いをいたします。

 一点目として、高齢者講習受講者の増加に伴う今後の対策についてお伺いをいたします。

 高齢者講習は、運転免許証の更新期間が満了する日の年齢が七十歳以上で、免許の更新を行う方を主な対象とした講習であります。免許証の更新期間満了日の六カ月前から更新期間満了日までの間に、事前に高齢者講習実施機関であります自動車教習所などへ直接電話をして受講を予約しなくてはなりません。

 高齢者講習の実施機関について、現在の状況を調べてみますと二十九校ございます。高齢者講習では、運転適性検査や実車指導などを行い、一人当たり三時間程度の受講時間がかかります。午前と午後の部の二回、もしくは三回に分けて実施をされておりますが、指導員一人で担当できる数は三人までと限られているため、一日に受講できる人数は指導員一人当たり六人から九人までとなっております。高齢者講習の案内が来てすぐに申し込めば、何とか近くの教習所で受けられますけれども、少しおくれて申し込みますと何カ月も先となり、中にはやむを得ず遠くの教習所まで行って受けておられる方もお見えになります。これは、夏休みや冬休みなど一般の教習生が集中する時期的なものもあるようですが、教習指導員や教習室の不足など、受け入れ体制の不備が原因のようでございます。

 そこで、議場に配付をいたしました年度別高齢者講習受講対象者の推移岐阜県版を見ていただければおわかりのように、年度別の受講対象者は平成二十八年度六万八千五百八十四人、平成三十一年度には十三万三百十二人、さらにふえて平成三十四年度には十六万七千四百三十四人、平成三十七年度には約二十万二千人と、対象者は現在の二倍から、ピーク時では三・四倍にまでなると予測されております。現在でも近くの教習所での予約がとりにくい状況でありますから、これからますます高齢者講習の受講が難しくなるのでないかと大変危惧をいたしております。そこで、高齢者講習受講者の増加に伴う今後の対策について、警察本部長にお伺いをいたします。

 二点目として、改正道路交通法施行に伴う課題への対応策についてお伺いをいたします。

 先ほど見ていただきました資料をもう一度ごらんいただきたいと思いますけれども、七十五歳以上の受講対象者の推移は、平成二十八年度を百といたしますと右肩上がりに伸びておりまして、平成三十四年度には二・二倍、また平成三十七年度には三・一五倍にもなっております。

 最近、高齢者ドライバーの逆走や信号無視、アクセルとブレーキの踏み間違いによる事故など認知機能の低下が疑われる事故が発生をいたしております。他人に危害を及ぼすおそれがあり、大変深刻な社会問題になっております。そうしたことを背景に、いよいよ来年の三月には改正道路交通法が施行されます。

 大きな改正点といいますと、七十五歳以上のドライバーが三年に一度の運転免許更新時に受けている認知機能検査で認知症のおそれがあると判定をされた場合は、全ての方にかかりつけ医や公安委員会が指定をした医療機関での診断が義務づけられます。また、認知機能が低下した場合に行われやすい信号無視など特定の違反をした場合、原則その都度臨時の認知機能検査が義務づけられ、認知症と診断されますと免許停止や取り消しとなります。現行制度では、認知症のおそれがあると判定されても原則免許更新ができますし、さきの違反があった場合にのみ診断が求められるものでありました。

 最近の新聞報道によりますと、認知症の診断が義務づけられております七十五歳以上のドライバーは全国で約六万五千人と推計されております。読売新聞の全国の四十七都道府県警の担当者へのアンケートの調査結果では、昨年一年間に現行制度で診断を受けた者はわずか千六百五十人、改正道路交通法が施行されますと、約四十倍の人が医師の診断を受けなければなりません。

 ちなみに、岐阜県でも平成二十七年度中に医師の診断を求められ、実際に診断を受けて診断書を提出した人はわずか三十八名で、改正道路交通法が施行されますと、千二百人もの人が医師の診断が必要になると言われております。

 新制度の施行では、そのほかにも課題は山積をいたしております。例えば、運転免許の担当部署の負担が大きくなること、医療機関が混み合い、免許更新に支障を来すこと、認知症を診断する医師が十分いないこと、またその財源はどうするのかなどなど、さまざまな問題が考えられます。

 そこで、警察本部長にお尋ねをいたしますが、改正道路交通法に円滑に対応するためにはどのような対策を講じていかれるのか、お伺いをいたします。

 続きまして三点目の、岐阜運転者講習センター移転に伴う課題の対応についてお伺いをいたします。

 昨年の九月二十四日に、岐阜運転者講習センターがぎふ清流文化プラザに移転をいたしました。私たち岐阜地域の者は、昔から運転免許の更新は三田洞へということで頭の中にしみついております。しかし、施設の老朽化や駐車場の問題から、おかげさまで本当に便利で設備の整ったぎふ清流文化プラザに機能移転され、おおむね評判はいいようであります。

 しかし、未来会館はわかっているが、ぎふ清流文化プラザというとなじみがなくて、ぎふ清流文化プラザの場所や駐車場についての問い合わせが多いように聞いております。また、中には思い込みで、運転免許証更新手続のはがきの日付だけを見て、今までのように三田洞へ走っている人もいるやに聞いております。

 そこで、岐阜運転者講習センターが移転をして一年が経過したものの、先ほど述べましたようなさまざまな問題点も指摘をされておりますが、どのような対応をされておられるのか、警察本部長にお伺いいたします。

 最後に、老朽化が進む基幹的農業水利施設の再整備についてお伺いいたします。

 現在、県では東海環状自動車道西回り区間の整備やリニア中央新幹線の開通を見据えた幹線道路、アクセス道路の整備など、新たなインフラ整備に積極的に取り組んでおられます。また、同時に岐阜県強靱化計画に基づく橋梁の耐震化対策、道路災害防除対策、広域河川改修、熊本地震を踏まえた防災対策など、安心・安全なまちづくりを着々と進められております。

 その中でも、高度成長期に一斉に建設された道路の老朽化対策と同じくして、河川内構造物の老朽化も重要な課題になってきております。

 岐阜県内には、かんがい受益面積がおおむね百ヘクタールを超える基幹的農業水利施設は四十五カ所の取水施設がございます。その一つであります地元の根尾川から取水をする山口頭首工は、昭和十一年から昭和二十二年にかけて築造された施設で、取水される大量の水は席田用水、そして真桑用水などに分水されまして、地域の生産性の高い効率的な農業経営を支え、農業の発展はもとより環境保全など多面的機能を発揮いたしております。昭和五十八年に書かれた岐阜県土地改良史を読んでみますと、根尾川からの取水に対しましては幾多の水紛争が起こり、現在の席田用水と真桑用水の慣行水利権が決定されたと記載されております。その後、昭和三十四年九月にあの伊勢湾台風で被害に遭い、また昭和五十一年九月の台風でも被害に遭いましたが、山口頭首工の災害復旧工事が施工され、現在に至っております。

 現在、農業従事者は減少しているものの、営農組合や大規模農業経営者の御尽力により、引き続き優良農地が確保され安定的な農業経営が継続をされております。

 しかしながら、山口頭首工は構築後六十八年余を経過し、土砂吐き、取水口とも流水部のコンクリートの摩耗がひどく、経年劣化により鋼材の腐食、巻き上げ機のふぐあいなども見られます。また、ゲート止水も劣化をし、取水ゲートでは水がとまらない箇所も数カ所見受けられます。最近の調査によりますと、施設の経年劣化や機能低下が著しくて、健全度は至急劣化対策を行う必要があるというS2と劣化対策が必要なS3で、かなりの危険度が増しております。このような状況から、取水不能となる事態になれば、広範な優良農地に被害が及ぶことになり、その影響ははかり知れません。

 また、最近見られます台風の大型化や、集中豪雨の多発などで一気に水位が増して水圧が強くなりますと、取水堰の破壊につながるのでないかと地域の住民は心配をいたしております。北海道の洪水、東北の台風豪雨災害、鬼怒川の堤防決壊を目の当たりにして、山口頭首工の早期再整備が待たれるところでございます。万が一、山口頭首工が洪水や地震災害により破壊されたときには、本巣市を初め下流域の北方町、瑞穂市の一部にも家屋の浸水や倒壊、流失など甚大な被害をもたらします。

 農業水利施設は、安定的な農産物を生産・供給していく上で必要不可欠な施設であり、適切な管理をもって将来にわたり維持していかなければならないことを鑑みれば、県は老朽化した基幹的農業施設の再整備や維持管理を重点的な課題と認識をし、着実に早急に整備していかなければならないと考えております。

 そこで、農政部長にお伺いをいたします。

 築六十八年が経過し、老朽化が進み危険な山口頭首工を初めとする基幹的農業水利施設の再整備を今後どのように進めていかれるのか、お伺いをいたします。

 以上、今回大きく分けて三点の問題について質問をさせていただきました。わかりやすい御答弁をお願い申し上げまして、私の一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

    (拍手)



○議長(矢島成剛君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 地方創生応援税制、いわゆる企業版ふるさと納税でございますが、議員からも御紹介がございましたように、企業が地方公共団体に寄附した場合の負担軽減割合がこれまでの二倍の約六割まで拡大されたということから、寄附をしやすい環境が一定程度整ったというふうに考えております。

 一方で、本社所在地の自治体への寄附は対象にならない。また、モラルハザード防止の観点から、寄附企業に対して寄附の代償として補助金を交付することなど、経済的利益を与えることは禁止されておるということでございます。したがいまして、企業にとっては、寄附をすることについてどのようなメリットがあるのか株主に説明しなければならないことから、相当にハードルが高いという声も伺っております。

 こうしたハードルを越えて、本制度を利用した寄附をしていただくため、県・市町村を挙げて企業から寄附を得られるようなプロジェクトを検討した結果、議員からも御紹介をいただきましたが、県内では全国で最も多い八件の地域再生計画の認定を受けることができたわけでございます。

 このうち、本県としては、企業のメリットも勘案しながら、日本の未来を支える子供たちに夢と希望を与え、さらに経済発展を支える上でも意義の大きい航空宇宙産業の人材育成・確保事業について、各務原市とともに認定を受けたところでございます。

 このほか、市町村のものとして、例えば美濃市での美濃和紙の活用による地域再生、養老町の養老改元一三〇〇年プロジェクトを核としたまちの魅力創出といったものがあるわけでございます。

 本県としては、本制度を積極的に活用するという立場から、現時点で可能性の高いものを十分精査した上で提案をしたところでございます。今後につきましては、引き続き市町村とも連携をしながら、より幅広く企業に対してこの制度の周知を図るとともに、企業の関心にも沿いながら、本制度を活用した寄附を募ってまいりたいと思います。



○議長(矢島成剛君) 清流の国推進部長 神門純一君。

    〔清流の国推進部長 神門純一君登壇〕



◎清流の国推進部長(神門純一君) ふるさと納税につきまして、二点御質問をいただいました。

 まず、県及び県内市町村の現状についてお答えをいたします。

 県への寄附実績といたしましては、制度開始当初の平成二十年度は三十七件、五百十二万円余りであった寄附が、昨年度は七百六十七件、二千六百八十六万円余りと伸びてきております。

 また、県内四十二市町村への寄附実績につきましては、総務省の調査結果によれば、平成二十年度に五百三十八件、一億七千四百万円余りであった寄附が、昨年度は九万十三件、十九億二千七百万円余りと、県と同様に伸びてきております。

 これは、国における特例控除上限額の拡大やワンストップ特例制度の導入による手続の簡素化に加えて、県内各自治体が寄附金の使途のメニュー、あるいは返礼品にその地域ならではの特徴を持たせるなど工夫を凝らしてきた成果であると考えております。

 次に、ふるさと納税をふやす取り組みについてお答えをいたします。

 本県では、より多くの寄附がいただけるよう、使途メニューの充実や返礼品の魅力向上、受け付け・納付手続の多様化・簡素化に努めてまいりました。

 このうち、使途メニューにつきましては、FC岐阜への活動支援など特別なメニューを設け、また返礼品につきましては、飛騨牛や富有柿など魅力ある県産品はもちろん、県への来訪者増を狙ってスキー場やホテルの利用券を加えるなど、多彩なメニューを取りそろえてまいりました。

 こうした取り組みによりまして、ふるさと納税制度は県政のPR、県産品の販路拡大、観光振興などにつながる有効な情報発信手段ともなってきております。引き続き多くの皆様に御寄附いただけますよう、一層工夫してまいりたいと考えております。



○議長(矢島成剛君) 警察本部長 山本有一君。

    〔警察本部長 山本有一君登壇〕



◎警察本部長(山本有一君) 御質問三点にお答えいたします。

 まず最初に、高齢者講習受講者の増加に伴う今後の対策についてでございます。

 高齢者講習は、県内二十九の自動車教習所に業務を委託して実施しておりますが、受講者の増加に伴い、受講待ちや地元以外の教習所での受講事例も見られるところでございます。

 この要因としましては、高校生や大学生など、一般の教習生が集中する繁忙期における講習体制の問題や、教習所の設置場所に地理的な偏りがあることなどが考えられます。今後、受講対象者の大幅な増加が見込まれることに加え、来年三月に施行される改正道路交通法により、講習内容が合理化・高度化され、よりきめ細かなものとなることから、さらなる対策を講じていく必要があります。このため、県警察では、改正道路交通法の施行後は、更新時の認知機能検査を公安委員会で実施しまして、教習所の負担の軽減を図ることとしております。あわせて、全ての教習所に対しまして講習回数をふやしていただくように依頼するとともに、今後十年間の実施目安を教習所ごとに個別に示しまして、その実施に必要な講習指導員や講習用車両の確保、施設の整備、予約状況の積極的な情報発信などを要請しております。

 既に幾つかの教習所においては、講習室や講習用車両を増強するなど、前向きに対応していただいているところであります。今後、県警察におきましても、認知機能検査を担当する専門職を新たに配置するなど、実施体制の強化を図り、高齢者講習の効果的かつ円滑な実施に努めてまいります。

 次に、改正道路交通法施行に伴う課題への対策についてお答えいたします。

 来年三月施行の改正道路交通法により、七十五歳以上の方は、運転免許の更新前に行われる認知機能検査の結果に応じて受講時間が二時間と三時間に分かれるほか、認知機能が低下していると判定された場合は、臨時適性検査の受検または医師の診断書の提出が義務化されるなど、高齢者講習の制度が大きく変わることとなります。

 議員御指摘のとおり、改正法施行後は認知症に係る医師の診断件数が大幅に増加し、五年後の平成三十三年には約二千三百人にまで増加していくことが予想されております。したがいまして、県警察では認知症等の病気に係る運転適性相談の実施及び運転免許の継続の可否を審査するための体制を法改正に先立ち本年拡充し、岐阜県医師会を初め関係機関との連携により認知症に係る医師の診断体制を確保し、高齢者の免許更新に支障を来すことのないよう鋭意準備を進めているところでございます。

 今回の法改正は、高齢化社会を見据えた社会全体に大きな影響が見込まれますことから、県警察といたしましては、引き続き法改正以後の状況を検証しつつ、必要な体制の整備及び予算の要求を行うなどして、法改正による高齢者対策が円滑に実施できるよう努めてまいります。

 三点目、岐阜運転者講習センター移転に伴う課題への対応についてお答えいたします。

 岐阜市三田洞にありました運転免許課関連施設のうち、岐阜自動車運転免許試験場を残し、平成二十七年九月二十四日に岐阜市学園町にありますぎふ清流文化プラザへ移転いたしました。

 この移転に当たりましては、利用者への周知を図るため、警察におけるあらゆる機会を通じた広報活動、各地域自治体ごとの回覧板への折り込み、各市町村が発行している広報紙への掲載等を通じて周知を図ってまいっております。

 ぎふ清流文化プラザへの移転後は、市街地に近く、駐車場が整備されたこともあり、またバリアフリーや乳幼児とともに聴講できる設備を備えるなど、受講者に利便を図った設備となっていること等により、利用者からも好評を得ているところでございます。多くの方々が利用する施設でありますので、混乱のないよう引き続き各種広報手段を活用するなどして、今後も広く周知に努めてまいりたいと考えております。



○議長(矢島成剛君) 農政部長 高木敏彦君。

    〔農政部長 高木敏彦君登壇〕



◎農政部長(高木敏彦君) 老朽化が進む基幹的農業水利施設の再整備について、お答えをします。

 本県の基幹的農業水利施設は、取水施設のほか用水路約六百五十キロメートルで構成されており、現時点でその約四割は耐用年数を超えております。

 将来にわたり、これら施設を適切に維持していくためには、施設の状態を継続的に調査し、劣化状況に応じた補修や更新などを必要な時期に効率的に行うことが重要であると考えております。このため、本年四月にストックマネジメントセンターを設置し、施設の劣化状況などを一元的に管理することとしておりますが、このデータを活用し、施設管理者や市町村などと連携を図りながら、施設の適切な再整備を進めてまいります。

 なお、県内でも有数の基幹的農業水利施設であります山口頭首工につきましては、平成二十六年度に劣化状況の調査を行い、取水ゲートや固定堰の補修が必要であると判断しており、現在、用水量の調査や関係機関との調整を進めているところでございます。



○議長(矢島成剛君) 三番 牧村範康君。

    〔三番 牧村範康君登壇〕(拍手)



◆三番(牧村範康君) 議長より許可をいただきましたので、事前通告に従いまして大きく四項目の質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。

 まず最初は、子供の生活障害についてであります。

 本来ですと、質問項目を子供の貧困についてとするのがわかりやすいわけではありますが、子供が極めてデリケートな対象であることも考慮し、タイトルとしては子供の生活障害についてとさせていただきました。

 また、この課題については、本議会でこれまで太田議員や県政自民クラブの代表質問を初め、複数の先生方により取り上げられてきましたが、ここ数年で子供の貧困に関する報道がふえ、ますますクローズアップされてきておりますので、若干視点を変えて質問させていただきます。

 子供の貧困、生活障害は、何とかしなければいけないということは理解できても、その方法や優先順位などには認識に違いがあり、一枚岩というにはまだ遠いという状況であるかと思われます。

 そんな中、日本財団などが子どもの貧困の社会的損失推計として、二〇一三年に十五歳だった全国約百二十万人のうち、ひとり親家庭や生活保護世帯、児童養護施設で暮らす約十八万人を貧困状態と仮定して、国や自治体が進学援助などの新たな対策を講じた場合と講じなかった場合との差を試算いたしました。その結果、貧困世帯の十五歳の高校進学率や中退率、大学進学率などが一般世帯並みに改善されれば、卒業後の正社員の増加などで六十四歳までの生涯所得が二十二・六兆円から二十五・五兆円に増大し、同時に納税額や社会保険料がふえて、生活保護給付などが減り、国の財政負担は六・八兆円から五・七兆円に抑えられると推計されました。

 推計モデルとした十五歳の一年分だけでこの額であり、これをゼロ歳から十八歳までに当てはめると、生涯所得の損失だけで五十兆円程度の規模になり、また数字にあらわれない部分でも所得と消費の増加が経済成長を促すほか、貧困を原因とした犯罪の減少などが期待できると言われております。このことは、子供の貧困問題、生活障害を放置した場合に社会全体が負うリスクの大きさを提示したわけであり、経済問題としても取り組まなければならないと警鐘を鳴らしているということであります。

 さて、御存じのように厚生労働省は平成二十五年国民生活基礎調査の中で、平均的な所得の半分未満の世帯で暮らす十八歳未満の割合、いわゆる相対的貧困率を子供の貧困率として公表しています。その中で二〇一二年は貧困率が一六・三%であり、およそ六人に一人が貧困状態に該当し、過去最悪だったこと、またとりわけひとり親家庭の貧困率は五四・六%で、依然半数以上が貧困状態であったことなどを受け、二〇一四年に子どもの貧困対策推進法が施行されました。

 そして現在、三年半が経過し、その間、大綱の閣議決定や各都道府県等の対策計画策定、政府の子供の未来応援国民運動など、行政、地域、民間それぞれで貧困対策が前進していると思われます。

 しかし、この調査では、全国で二万六千世帯を無作為に抽出したサンプル調査のため、自治体単位の数字が存在せず、地域間格差などの実態を踏まえたきめ細かい対策にはつながらないという指摘もあります。

 子どもの貧困対策推進法では、都道府県に対策計画の策定を努力義務という形で求め、実際に四十七都道府県のうち四十六都道府県で策定がされたところであります。全国的にも貧困の実態を把握しにくいという課題を抱えながらも、手探りで対策づくりを進める様子がうかがえるところであります。

 そんな中、沖縄県は一月、独自に子供の貧困実態調査を行いました。先日、沖縄県の担当者から話を聞かせていただく機会がありましたが、沖縄県では市町村のデータから子供の貧困率を二九・九%と推計したほか、任意抽出の保護者と子供に調査票を配り、家庭の経済状況などを調べたようです。それによると、過去一年間で必要な食料を買えなかったことのあるひとり親世帯は四三%、中学二年生がいる貧困世帯の三三%は大学進学を諦めている、貧困世帯のほぼ半数は就学援助を利用していないなど、浮かび上がった数字は深刻ですが、子供の生活実態に近づき、支援を届けようとする姿勢には、学ぶべきものがあると感じました。

 そして、三月にまとめられた貧困対策計画では、子供の乳幼児期、小・中学生期、高校生期のそれぞれの課題に加えて、保護者等に対する指標や目標値を設定されてみえました。

 また、県はこの先、子どもの貧困対策推進基金として積み立てられた三十億円のうち二十七億円を市町村に配分し、地域の実情に応じた貧困対策に取り組んでいかれます。

 そこで、子ども・女性局長にお尋ねいたします。

 県としても、子どもの貧困対策推進法の大綱における都道府県子どもの貧困対策計画としても位置づけた上で策定された第三次岐阜県少子化対策基本計画により、教育支援、生活支援、保護者の就労支援、経済的支援の四つの分野に重点を置いて、現在取り組みが進められております。私は、さらに地域別貧困率の調査や地域に即した対策、目標値設定等の貧困対策計画の必要性を感じますが、どのような認識をお持ちでしょうか、御答弁をお願いいたします。

 また、本県の子供の実態を把握する取り組みでは、平成二十五年に、ひとり親家庭実態調査という形で母子・父子世帯二千三百世帯などに調査が行われました。

 ひとり親家庭の数は年々増加しており平成二十五年には二万五百四十四世帯となっています。特に、母子世帯の年間収入は五割弱が二百万円未満、四分の三が三百万円未満であったこと、ひとり親家庭の約七割が経済的理由により塾等を利用できないことや、ひとり親家庭の子供の高校・大学等への進学率が一般の家庭よりも低いことなどを踏まえ、ひとり親家庭の子供に対し、ボランティアにより教科指導を行うモデル事業も岐阜市など都市部では進んでいるようです。また、行政への要望として、児童扶養手当や就学援助の一層の充実と受給制限の緩和などが求められております。

 一方、岐阜県ひとり親家庭等自立促進計画の中では、子供の将来がその生まれ育った環境によって左右されることなく、貧困が世代を超えて連鎖することのないよう、必要な環境整備と教育の機会均等を図る必要があるとうたわれ、主にひとり親世帯の就業支援の充実が図られております。今後も、地域の実態に合わせた対策を推進していく上で、実態調査と同時に学校をプラットホームに、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの活用も重要であります。加えて、子供の新たな居場所づくりとして、地域とNPOやボランティアなどとの連携が必要であります。

 これまでの取り組みは、夏休みなどにおける学習支援が主流でありましたが、ここ一年は子供食堂や無料塾というスタイルが全国的に広がっております。十分な食事をとれなかったり、一人で食事をしていたりする子供たちを支援するためにNPO法人などが実施しており、県内でもその取り組みは広がってきております。子供食堂は、子供の貧困対策としての食の保障だけではなく、地域における子供の居場所の確保、無料塾を併設した学習支援、大人も含めた地域における交流など、子供の育ちを地域で支えるという意味で有意義な取り組みであると私も認識をいたしております。

 そこで、子ども・女性局長にお伺いいたします。

 県も、地域の子供食堂や無料塾などの学習支援に関しては一部助成を行っているようですが、現在までの具体的な支援の現状と、ますます高まっていくであろうニーズを踏まえ、地域間格差是正も含めた今後の方向性を教えてください。

 また、子供の生活障害、貧困の連鎖を食いとめるために、子どもの貧困対策推進基金の創設に関してはどのような見解をお持ちでしょうか。

 以上、御答弁よろしくお願い申し上げます。

 次の質問に移らせていただきます。

 二項目めは、道の駅へのRVパークの整備についてであります。

 まずは、熊本地震発生から半年近くが経過しましたが、今なお多くの皆様が避難所生活を送られ、親族や知人の方が熊本・大分で被災された本県県民の方も見えると存じます。被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げるとともに、一日も早い復興をお祈り申し上げます。

 さて、熊本地震発生以降、巨大地震発生への懸念が全国的に広がっており、南海トラフ地震の発生が改めて注目を集めております。

 内閣府の中央防災会議が二〇一三年五月に公表した南海トラフ巨大地震の地震像によりますと、南海トラフ地震での本県被害予想に関して、死者数は約二十人から二百人、負傷者数は約千百人から五千人、全壊及び焼失建物数は約四千三百棟から八千二百棟、断水の影響を受けて最大となる地震の発生から一週間後の避難所への避難者数は約二万五千人から四万五千人と推定されております。南海トラフから他の断層への影響や発生時間帯など、数字には幅があるものの、相当な被害になることは間違いないでしょう。

 このような状況の中、県も市町村も、熊本地震から見えてきた課題に対してはできる限り取り組んでいく必要があります。特に、住民の皆様が避難する避難所については、関連死等の二次災害を防ぐ対策が必要です。

 今回の熊本地震では、熊本県の想定の四倍の数の住宅が全半壊の被害を受け、指定避難所自体が被災し、使えないケースもありました。そして、車中泊によるエコノミークラス症候群での関連死により十一人がお亡くなりになり、エコノミークラス症候群の問題は東日本大震災以上にクローズアップされ、各メディアが報道しました。熊本県益城町では、発災一カ月後でも七カ所で七百八十二人が車中泊を余儀なくされました。これを受け、国は車中泊避難について新たな指針を策定する検討に入っております。

 熊本地震発生後、エコノミークラス症候群による被害がふえたことを受け、民間業者が県などと協力してキャンピングカーの無料貸し出しを行い、車中泊避難の環境改善に取り組まれました。

 また、益城町では福祉避難所の不足から、日本RV輸入協会から有料でトレーラーハウス十五台をレンタル、さらに日本トレーラーハウス協会から三台の無償貸与を受け、運用を始めたとの報道もありましたが、これについても約二百世帯の応募があったとされています。このような支援事例を考えると、仮設住宅完成や住宅復旧までの一時避難所としてこのキャンピングカー等による車中泊避難の取り組みは非常に重要と考えます。

 一方、本県には、ことし五月現在ですが、五十五の道の駅があります。この数は北海道に続いて全国二位の数であります。しかし、キャンピングカー等による快適な車中泊ができる、いわゆるRVパークの整備はおくれているようであります。RVパークとは、日本RV協会が車中泊旅行者に、施設内や周辺にお風呂やトイレがあり、快適に安心して車中泊ができる場所を提供するために認定している、車中泊専用のAC電源が引き込める有料駐車場のことです。現時点での提携施設数は、全国で八十件となっております。県内では、関市の上之保温泉ほほえみの湯が唯一認定されており、利用台数は五台となっています。ちなみに、お隣の長野県では、既に六カ所のRVパークが登録されています。

 また、私の地元、道の駅池田温泉では、連日多くのキャンピングカー等を利用した旅行者に御利用いただいておりますが、旅行者からは、有料でもいいからAC電源の整備をしてほしいと要望が寄せられております。

 現在、全国的に道の駅のRVパーク化が進んでいますが、一例を紹介しますと、山形県では今年度から、新規の取り組みとして、市町村が行う道の駅のRVパーク化に対して、一駅五百万円を上限とし、県が二分の一補助を行うという事業、やまがた道の駅緊急整備支援事業が展開されています。

 岐阜県としても、今後、道の駅は一層の観光の拠点、さらには防災の拠点としても考えていくべきであり、RVパークのAC電源も、太陽光などの蓄電設備との切りかえを可能にすれば、災害などの緊急時には防災・減災の観点からも極めて有用なものになると思います。その結果として、やむを得ず車中泊避難などをする場合にも、エコノミークラス症候群を防ぐことにもつながってくると思われます。

 このように、道の駅へのRVパークの普及は、広域周遊観光の利便性向上の意味でも、また災害時の避難所機能を充実させる意味でも重要であると考えますが、他方で、RVパークができることにより、それまでになかった問題が新たに発生する可能性があるため、道の駅へのRVパークの整備に当たっては、地域の実情や地元関係者、ユーザーなどの意向をよく考慮する必要があります。

 そこで、県土整備部長にお伺いいたします。

 関係者へのニーズ調査も含め、道の駅へのRVパークの整備についてどのようにお考えか、お考えをお聞かせください。

 次の質問に移らせていただきます。

 三項目めは地籍調査についてであります。

 地方の人口流出などに伴い、不動産登記上の所有者が変更されずに所有者不明となる土地がふえていることが、数年前から新聞紙上でも取り上げられてきております。その原因としては、相続人が名義変更、いわゆる相続登記を行わなかったり、都会に出た所有者が土地を放置し、周辺住民とのつながりも途切れ、そのために誰の土地かわからなくなると言われております。また、所有者不明の土地は荒廃し、産業廃棄物の不法投棄場になることもあります。

 都市部では、空き家が多く点在する原因にもなるわけですが、憲法や民法で財産権や所有権が保障されておりますし、登記は個人の財産を守ることが目的のため、名義変更は当人の任意に委ねられ、コストが見合わない登記はしないという個人の小さな放置の積み重ねが、やがて所有者不明の土地の拡大と所有者の同意が必要な公共事業を行う際に、土地利用上の制約要因を生み出しているようであります。

 東日本大震災では、復興工事の障害となっていた用地の収用に関して、復興特区法改正により土地収用法の事業認定手続の迅速化や決済手続の簡素化、緊急使用による工事着工の前倒しなどの措置がとられましたが、現在のところはあくまでも東日本大震災の被災地のみの限定的なものであります。

 また、民間の調査研究機関、東京財団が二〇一四年に、将来、所有者不明になる可能性のある山林などの面積を推計されました。長年、名義が個人のままになっていた山林を複数の親族が改めて名義を変更する場合、必要経費は五十万円に上ると試算、資産価値が必要経費に満たない土地は名義変更されないとみなして推計したところ、その面積は全国で約百七十万ヘクタールにも達したそうであります。

 さらに、地権者が複数いて相続の手続が煩雑となりがちな全国約百万ヘクタールの共有林や、約四十万ヘクタールの耕作放棄地も名義がかえられない可能性が高いとし、合計三百十万ヘクタールは、相続が発生する今後三十年内に所有者不明になると結論づけられています。国土交通省も、地方の人口減少が続いており、所有者不明の土地は今後もふえるであろう、抜本的解決には民法などの改正まで必要で、対策としては相続時の名義変更を呼びかけるしかないとしております。

 一方、固定資産税に関しても、相続登記がなされず放置されたままになると、新たな納税義務者を特定するための相続人調査に多大な時間と費用を要します。納税義務者をどこまでも追って徴税することはコスト面でも不可能に近いため、徴税コストの合理性を理由に完遂されなくなる可能性が高く、そのため市町村ではやむなく死亡者名義のまま課税するいわゆる死亡者課税のケースも生まれてくるわけであります。死亡者課税は法的には無効ですが、結果として課税保留、さらには時効などを理由に不納欠損処理で闇に消えてしまうケースがあり、税の公平性の観点からもいささか疑問を感じております。

 これらを解決するには、地籍調査のさらなる推進が不可欠であります。御存じのとおり、地籍調査とは、土地の境界、所有者などを確定する調査をいいますが、我が国では五一%しか完了しておらず、今後進めていくに当たっても、この所有者不明の土地が障害になってくるのではないかと危惧しております。所有者不明の土地が存在すれば、筆界が確定できず、隣接する全ての土地に影響を及ぼし、その所有者等に多大な不利益を与えることになります。

 御存じのように、地籍調査は自治事務として市町村等の地方公共団体が中心となって実施されています。その調査に必要な経費の二分の一は国が補助しており、また残りの経費の二分の一−−全体の四分の一−−は都道府県が補助しています。さらに、市町村や都道府県が負担する経費については、八〇%が特別交付税措置の対象となっていることから、実質的には市町村は五%の負担で地籍調査事業を実施することが可能です。当然、個人の負担はありません。

 一方、本県の地籍調査の進捗状況ですが、岐阜県のホームページによりますと、平成二十七年度末現在、要調査面積は、総面積一万六百二十一平方キロから国有林、湖、沼等の面積を除いた八千六百二十五平方キロであり、このうち千三百八十七平方キロが調査済みで、進捗率は一六・一%であります。県内市町村の着手状況においては、着手率は平成二十八年度当初で七一%ですが、未着手市町村は現在も十二市町あります。

 地籍調査は市町村が実施することについては十分承知をしておりますが、それでは大規模災害の復旧作業等に着手するとき、市町村の調査が終わるのを待って実施するということになります。恐らく復旧は相当おくれてしまうでしょう。平時である今から備えることが非常に大切であり、県民の安全確保にもつながるのではないでしょうか。個人の自由意思に委ねられている相続登記は、恐らく今後も進みにくく、それを補完するためには各市町村に地籍調査を進めていただくしかありません。

 予算の問題はありますが、地籍調査のおくれは税の公平性の問題や災害復旧のみならず、自然や山林保護の観点からも問題をもたらします。結果として県政にさまざまな支障を引き起こす可能性があるため、県として看過できるものではないと思います。この現状についてはどのようにお考えでしょうか。

 また、今後、市町村に対して、県としては新たにどのような実施を促していかれますか。その上で、進捗率向上と未着手市町の解消に向けた具体的な取り組みはどうなっておりますか。都市建築部長の御答弁よろしくお願いします。

 最後に、障害年金についてに移らせていただきます。

 障害年金とは、病気やけがによる障がいのため、日常生活や働くことに支障が出た場合、受給年齢に達する前の青年層でも受け取れる公的年金制度の一つであり、一定の障がいの状態にあること、公的年金制度に加入していること、さらには保険料の納付要件を満たしていることなどが申請の条件となっております。

 障害年金でいう一定の障がいとは、初診日が国民年金あるいは厚生年金の被保険者の期間中であり、原則として初診日から一年六カ月経過した時点での身体の状態のことであります。

 その状態とは、身体の機能が働くことに制限を受けたり、安定した日常生活が送れない状態となっている場合、あるいは働くこと自体が日常生活に著しい制限を加えるような状態を示し、精神疾病や進行性疾病、後遺症等も含みます。

 特に、がんの場合に理解しておきたいのは、人工肛門や新膀胱の造設、あるいは尿路変更術など、目に見えて身体の機能が変わった場合だけが障害年金の申請対象になるわけではなく、抗がん剤の副作用による倦怠感、だるさや末梢神経障害、しびれ、痛み、さらに貧血、下痢、嘔吐、体重減少など、客観的にわかりにくい内部障がいの場合でも、その原因ががんの治療によるものであり、現在の仕事に支障を来すことが認められれば支給される可能性があります。

 また、障害年金は、年金を納める方の当然の権利として受け取れるもので、恩恵的なものではなく、障害年金を受け取ることで将来受け取る老後の年金がカットされるものでもありません。ぜひこのことを広く県民の皆さんに周知していただき、経済的支援を必要としていたにもかかわらず、年金を受け取れない、あるいは受け取らないまま過ごしてしまったということがないことを願うばかりであります。

 市町村におけるがん患者などの障害年金の申請の状況は、県では把握できないと思いますが、潜在的には相当数あり、申請件数も年々ふえてはいるようですと地元の保険年金課職員も答えています。

 そこで、健康福祉部医療・保健担当次長にお尋ねいたします。

 抗がん剤の副作用による内部障がいの方々も含め、がん患者の方も障害年金の申請が可能であることは、イベントなどにおけるがんに関する知識の普及啓発の際に周知が可能かと思われますが、周知や啓発の方針について御所見をお願いします。

 以上で私の一般質問を閉じます。御清聴まことにありがとうございました。

    (拍手)



○議長(矢島成剛君) 子ども・女性局長 鈴木裕子君。

    〔子ども・女性局長 鈴木裕子君登壇〕



◎子ども・女性局長(鈴木裕子君) 子供の生活障害につきまして、二点御質問をいただきました。

 まず、地域別貧困率の調査等についてお答えします。

 県では、平成二十五年度にひとり親家庭実態調査を実施し、その結果を踏まえ、翌年度に策定した少子化対策基本計画に子供の貧困対策を盛り込み、教育支援などを進めております。加えて、御指摘のようなさらなる調査、計画策定、対策などの必要性についても、市町村と意見交換を重ねているところです。

 現時点では、子供の貧困率といっても定まった定義がない中、その実態や支援ニーズの把握、公表や施策の展開に関し、市町村の間にもさまざまな御意見があるため、地域ごとに異なる実情や取り巻く環境に十分配慮しつつ進めることが不可欠と感じております。このため、県としては、子供の貧困対策は地域ごとの実情を踏まえた市町村の取り組みを支援し、かつノウハウを共有することにより、県全体での施策推進につなげる必要があると考えております。

 こうしたことから、まずは市町村が行う貧困対策計画の策定やそのための実態調査について、国の助成制度の活用を促すとともに、県としてもさらなる支援策を検討してまいります。

 次に、学習支援事業等に関する県の取り組みの現状と今後の方向性、そして子どもの貧困対策推進基金の創設についてお答えします。

 県では現在、県内五市町で行われているひとり親世帯や生活困窮世帯などの子供を対象とした学習支援事業に対し、助成を行っております。また、ひとり親家庭など困難な事情を抱えた世帯を支援するNPO法人への助成を通じて、一部食事提供に対する支援を行っているところです。今後は、現在学習支援事業を行っていない市町村に対して事業化を働きかけるとともに、子供食堂も含めた子供の居場所の確保については、市町村の意見も聞きながら必要な支援策を検討してまいります。

 なお、御提案のありました基金の造成については、例えば沖縄県が基金を通じて行う事業については、基金以外の手段でも可能であり、地域によって事情も異なることなどから、必要性も含め、今後検討してまいります。



○議長(矢島成剛君) 県土整備部長 高木善幸君。

    〔県土整備部長 高木善幸君登壇〕



◎県土整備部長(高木善幸君) 道の駅へのRVパークの整備についてお答えします。

 RVパークは、レジャーの多様化やアウトドア志向の高まりから、気楽に車中泊を楽しむことができる施設として全国的に広がりを見せており、現在、全国で八十カ所、そのうち道の駅では十二カ所が認定されています。

 一方、道の駅では地元市町村が中心となって、温泉施設やキャンプ場の併設、防災機能の付加など、道の駅を活用したさまざまな取り組みが進められています。

 御提案の道の駅へのRVパークの整備については、こうした地域の取り組みの有効な一つと考えられますが、特定の利用者が一定のエリアを一定期間占用することや、発生するごみや夜間の騒音の問題など課題もあり、慎重に検討する必要があります。

 県としましては、まずは県下四地域に設置した市町村や道の駅など、関係者から成る連絡調整会議の場を利用し、RVパークの概要や先進事例などの情報を提供するとともに、ニーズ調査も検討してまいります。



○議長(矢島成剛君) 都市建築部長 酒向仁恒君。

    〔都市建築部長 酒向仁恒君登壇〕



◎都市建築部長(酒向仁恒君) 地籍調査の促進について、二点お尋ねがございました。

 まず、地籍調査のおくれについてお答えをいたします。

 地籍調査は、災害復旧・復興の迅速化、円滑な公共事業の実施に寄与するものであり、また土地の所有者が明確となり、境界紛争の防止等にも有効であることから、県としましては、その着実な推進を図ることが必要と考えております。

 しかし、本県における地籍調査の着手率や進捗率は、全国平均を下回る状況にあります。実施主体である市町村からは、人員不足の中で担当職員を長期にわたり配置することが難しい、あるいは事業の進め方がわからないといった声も多く聞かれ、こうしたことが地籍調査の進まない一因であると考えられます。そのため、県としましては、一つでも多くの市町に着手していただけるよう働きかけを続けていくとともに、進捗率を向上させるため、市町村が取り組みやすい環境づくりを進めていく必要があると考えております。

 次に、市町村に対する実施促進の方策と具体的な取り組みについてお答えをいたします。

 県では、地籍調査に着手していない十二市町について、直接首長と面談し、地籍調査の必要性などを御説明しながら、早期の着手を促しております。また、国の研修会や未着手市町の職員を対象とした県の説明会への参加を通じ、地籍調査への理解を深めていただけるよう努めております。

 今後は、着手に当たっての疑問点や不安を解消すべく、国の制度を活用し、地籍調査に精通した地籍アドバイザーを新たに市町へ派遣することで、早期かつ円滑な着手が可能となる環境を整えてまいります。

 また、地籍調査事業が着実に進むよう、実施中の市町村に対する技術的助言や情報提供、国に対する地方負担軽減や予算確保の要望などに引き続き取り組んでまいります。



○議長(矢島成剛君) 健康福祉部次長医療・保健担当 森岡久尚君。

    〔健康福祉部次長医療・保健担当 森岡久尚君登壇〕



◎健康福祉部次長医療・保健担当(森岡久尚君) がん患者に対する障害年金の周知・啓発の方針についてお答えいたします。

 日本年金機構によって運用されている障害年金は、がん治療により人工肛門の造設や喉頭摘出をした方のほか、がんそのものや抗がん剤の副作用による全身の衰弱や機能の障害などがあり、一定の要件を満たした場合に支給の対象になることがあるとされており、県としてもこのことは周知していく必要があると考えております。このため、現在、県内七カ所のがん診療連携拠点病院のがん相談支援センターで、がん患者の生活支援等の相談において障害年金のことも対応しているところです。また、がん患者の療養サポートブックやがんに関する情報サイト「ぎふがんねっと」においても障害年金の制度や窓口について啓発しています。

 今後、県としても、がん相談支援センターや情報サイトの認知度をさらに高め、利活用してもらえるよう啓発に取り組むとともに、障害年金を含むがん患者が療養中に利用できる制度等に関する啓発チラシを作成し、農業フェスティバル等の県主催のイベントで配布するなど、啓発に努めてまいります。



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○議長(矢島成剛君) 以上をもって、本日の日程は全て終了いたしました。

 明日は午前十時までに御参集願います。

 明日の日程は追って配付いたします。

 本日はこれをもって散会いたします。



△午後四時五十一分散会



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