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平成27年 12月 定例会(第5回) 12月10日−03号




平成27年 12月 定例会(第5回) − 12月10日−03号









平成27年 12月 定例会(第5回)



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△議事日程(第三号)



               平成二十七年十二月十日(木)午前十時開議

 第一 議第百三十号から議第百七十一号まで

 第二 請願第十二号から請願第十五号まで

 第三 一般質問



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△本日の会議に付した事件



 一 日程第一 議第百三十号から議第百七十一号まで

 一 日程第二 請願第十二号から請願第十五号まで

 一 日程第三 一般質問



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△出席議員 四十六人



      一番   中川裕子君

      二番   恩田佳幸君

      三番   牧村範康君

      五番   澄川寿之君

      六番   山田実三君

      七番   若井敦子君

      八番   広瀬 修君

      九番   布俣正也君

      十番   伊藤英生君

     十一番   水野吉近君

     十二番   国枝慎太郎君

     十三番   山田 優君

     十四番   長屋光征君

     十五番   高殿 尚君

     十六番   田中勝士君

     十七番   加藤大博君

     十八番   酒向 薫君

     十九番   高木貴行君

     二十番   野村美穂君

    二十一番   太田維久君

    二十二番   山本勝敏君

    二十三番   松岡正人君

    二十四番   篠田 徹君

    二十五番   小原 尚君

    二十六番   水野正敏君

    二十七番   脇坂洋二君

    二十八番   野島征夫君

    二十九番   伊藤秀光君

     三十番   川上哲也君

    三十一番   松村多美夫君

    三十二番   平岩正光君

    三十三番   佐藤武彦君

    三十四番   森 正弘君

    三十五番   小川恒雄君

    三十六番   村下貴夫君

    三十七番   矢島成剛君

    三十八番   渡辺嘉山君

    三十九番   伊藤正博君

     四十番   足立勝利君

    四十一番   尾藤義昭君

    四十三番   駒田 誠君

    四十四番   藤墳 守君

    四十五番   早川捷也君

    四十六番   玉田和浩君

    四十七番   岩井豊太郎君

    四十八番   猫田 孝君



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△職務のため出席した事務局職員の職氏名



 事務局長         宗宮正典

 総務課長         松永吉平

 議事調査課長       崎浦良典

 議事調査課管理調整監   福田勝司

 同    課長補佐    大野純生

 同    係長      豊田弘行

 同    係長      清水尚仁

 同    係長      堀 寛宜

 同    主査      森嶋 宏

 同    主査      桑山 保



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△説明のため出席した者の職氏名



 知事           古田 肇君

 副知事          藤野琢巳君

 副知事          上手繁雄君

 会計管理者        志村隆雄君

 秘書政策審議監兼TPP対策統括監

              神門純一君

 総務部長         高木敏彦君

 清流の国推進部長     宗宮康浩君

 危機管理部長       河合孝憲君

 環境生活部長       安福正寿君

 健康福祉部長       石原佳洋君

 商工労働部長       郷  敦君

 農政部長         若宮克行君

 林政部長         瀬上繁隆君

 県土整備部長       高木善幸君

 都市建築部長       河合成司君

 教育長          松川禮子君

 警察本部長        岡 真臣君

 代表監査委員       山本 泉君

 人事委員会事務局長    福井康博君

 労働委員会事務局長    伊藤誠紀君



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△十二月十日午前九時五十九分開会



○議長(足立勝利君) おはようございます。ただいまから本日の会議を開きます。



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○議長(足立勝利君) 日程第一から日程第二までを一括して議題といたします。



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○議長(足立勝利君) 日程第三 一般質問を行います。あわせて議案に対する質疑を行います。

 発言の通告がありますので、順次発言を許します。十一番 水野吉近君。

    〔十一番 水野吉近君登壇〕(拍手)



◆十一番(水野吉近君) 皆さん、おはようございます。

 議長よりお許しをいただきましたので、岐阜県議会公明党を代表し、大きく七項目についてお伺いいたします。

 初めに、TPP大筋合意を受けた中小企業支援策についてお伺いします。

 本年十月五日、TPP、環太平洋パートナーシップ協定が大筋合意されました。政府はこの意義について、アジア太平洋地域において、物の関税だけではなく、サービス、投資の自由化を進め、さらには知的財産、金融サービス、電子商取引、国有企業の規律など、幅広い分野で二十一世紀型のルールを構築できるとしています。

 大筋合意されたTPP協定の効果を、真に我が国の経済再生、地方創生に直結させるため、国民の懸念・不安を払拭するとともに、国内産業の体質・競争力を強化するため、政府は先月末に総合的なTPP関連政策大綱を取りまとめました。この政策大綱の策定に当たっては、基本目標として、一、TPPの活用促進による新たな市場開拓等、二、TPPを契機としたイノベーションの促進・産業活性化、三、TPPの影響に関する国民の不安の払拭の三つを掲げており、これを受けた対策経費の来年度予算編成への反映や関連法案を含めた政策面での対応が今後行われることになります。

 政策大綱では、安価な外国産品との競争が特に懸念される米・麦・牛肉・豚肉・乳製品・砂糖等の重要品目を初めとする農林水産物について、生産者の不安を解消し再生産を可能なものにする経営安定化対策とともに、生産者の所得増大に向けた競争力・体質強化策が盛り込まれています。この政策大綱が県内生産者の方々にとって、安心と希望に変わるよう期待をしたいと思います。

 こうした農林水産物対策に加え、重要となるのがTPP協定大筋合意をチャンスと捉え、新たな市場開拓等に挑戦する中小企業への支援です。今回の質問ではこの点を取り上げ、知事にお伺いしたいと思います。

 TPPの交渉結果を見ると、日本からTPP参加十一カ国へ輸出される工業製品は九九・九%ほぼ全ての輸出品目の関税が撤廃され、特に参加十一カ国の中で、最も我が国との貿易額の割合が高いアメリカに対しては一〇〇%全ての工業製品の関税が撤廃されるなど、今後アジア太平洋地域への輸出が拡大され、日本にとってはチャンスと捉えることができます。

 しかし、こうしたTPPのメリットを活用しようとする中小企業があっても、例えば出荷製品がTPP加盟国内でつくられたものであることを証明する手続である原産地証明が必要になることなど、TPPにおけるルールを知っておく必要があったり、海外進出には輸出国ならではの経験上蓄積されたノウハウも必要です。こうした中小・小規模企業の自助努力だけでは難しい部分の情報提供や相談体制の整備等を行政が行い、TPPを活用した中小企業の海外展開を後押しするなど、今後、十分な支援が必要になってきます。

 一方、本県は、岐阜県成長・雇用戦略の最重要プロジェクトに企業支援機能強化プロジェクトを掲げており、その中の産業支援機関の機能強化として海外展開支援の強化を掲げています。この内容を見ると、主にアジア・アセアン地域がターゲットになっています。今後は、政府からTPP関連政策が示されたこともあり、海外展開支援の強化にTPP参加国であるアメリカやカナダなど太平洋地域もターゲットに加えた取り組み強化が必要になると考えます。

 政府は、TPPをチャンスと捉え関連政策を打ち出してきますが、県内産業界へのTPPに関する情報提供や意見交換などを通じ、本県にできる中小・小規模企業支援策をいち早く検討し、「清流の国ぎふ」創生総合戦略にある、「しごとをつくる」施策へ展開できるよう知事のリーダーシップをぜひとも発揮していただきたいと思います。

 そこで知事に、TPP大筋合意を受けた政府のTPP関連中小企業支援策をどのように評価し、TPPを契機とした県内中小企業への海外展開支援の強化等を県としてどのように取り組まれるか、お伺いをします。

 次に、英国で行った、初めてのトップセールスの狙いと英国における県産品販路拡大及び本県への誘客拡大における課題と今後の展開についてお伺いをします。

 知事は、十月三十日から十一月十一日まで、観光誘客、県産品・農産物輸出に向けたトップセールスや世界記憶遺産、世界農業遺産認定に向け関係機関を訪問し、協力要請を行うため欧州五カ国を訪問されました。本県では、平成二十一年度より、官民連携により主に成長著しいアジアをターゲットとして観光誘客と県産品・農産物の輸出促進を図る、飛騨・美濃じまん海外戦略プロジェクトを推進してきました。昨年からは欧州での取り組みにも力を入れ、昨年のフランス・スイスに続き、今回は、初めて世界の情報発信地である英国でトップセールスを実施されました。

 昨日も、知事から今回の欧州訪問に対する報告がありましたが、私は、今回知事が初めて英国でトップセールスを行ったことに注目し、取り上げさせていただきます。

 英国では、世界無形文化遺産に認定された美濃和紙の魅力の発信を初め、イギリス最大級の旅行業者向けBtoB旅行博で初めて本県の観光ブースを出展、さらには現地の各界関係者を招待して「岐阜県・飛騨牛フェア」を初めて開催し、飛騨牛の本格的なPRを行ったと伺っています。

 日本政府観光局の調査によれば、欧州全体の二〇一四年の訪日外国人客数は約百五万人で、英国はその約二一%を占める二十二万人で第一位となっています。二位はフランスで十八万人、三位はドイツで十四万人と続きます。欧州の日本への訪問客数はこの三カ国が約半数を占めており、一般観光、スポーツ観光、ビジネス旅行などの分野においても交流が活発なこの三カ国は、欧州インバウンド向け戦略の中心国と位置づけることができます。一方で、英国人のアジア各国・地域への訪問者数は、タイ、中国、香港の順に多く、タイが約九十一万人なのに対し、日本の二十二万人は約四分の一であり、タイの訪問者数が多いのはフランスやドイツも同じ傾向です。また英国人の都道府県別の訪問率は、東京、京都、神奈川、大阪と続き、大都市圏への訪問が中心となっています。今回、知事がフランスに続き、英国でトップセールスの、まさに「はじめの一歩」を行ったことは、本県が進める外国人観光客倍増プロジェクトにとって重要な取り組みであったと思います。

 さて、今回英国で本格的なPRを行った飛騨牛ですが、現在EU向けに和牛の輸出ができるのは、EUから輸出食肉取り扱い施設として認定を受けた本県と群馬県、鹿児島県の三県の四施設に限られています。欧州主要国の食肉卸事業者は和牛に関心を示しており、今後の市場拡大が期待されます。EU独自の安全基準を満たすための生産体制の整備や欧州の人々の味覚に合う調理方法の開拓やコストの問題などの課題に取り組み、EUで飛騨牛が和牛の代名詞となるよう期待したいと思います。

 観光誘客に関しては、現在、我が国全体としてインバウンドが好調で、日本政府観光局によれば、ことし一月から十月の訪日外国人数の推計値が、前年同期比四八・二%増の約一千六百三十二万人となり、これまで最高だった二〇一四年の年間実績を二百九十万人上回っているとのことです。本県においても、外国人観光客は右肩上がりですが、英国を初め欧州から本県を訪れる外国人観光客は、アジア諸国に比べまだまだ少ない状況であるため、今後、英国から本県への誘客を拡大するため、どのような手法が効果的であるのか、今回の訪問により明らかになったのではないでしょうか。

 また、英国では、美濃和紙を初めとする県産品のPRも精力的に実施されたということですが、県産品の知名度やブランド力向上のためには何が必要か、さまざまな課題が明確になったのではないかと思います。

 そこで、初めて英国でトップセールスを行った狙いと英国における県産品の販路拡大及び本県への誘客拡大に向けた課題と今後の展開について、知事の御所見をお伺いします。

 次に、来年度の予算編成における重要な政策課題についてお伺いします。

 この質問については、昨日も同様の議論が行われましたが、私なりに本県の課題を上げながら、来年度の重要政策課題に対する知事のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

 来年度から、「清流の国ぎふ」創生総合戦略の本格実施が始まります。私は、この総合戦略で掲げた五つの基本目標ごとに示された成果指標が、本県の重要な政策課題になると言えると思います。総合戦略は五年かけてPDCAサイクルを回すことから、五年にわたる安定した財源確保が必要で、国の地方創生関連予算であるまち・ひと・しごと創生事業費と各府省が従来から持つ地方創生に関連する事業・補助金、さらには平成二十八年度に新設する新型交付金の三種類の予算をうまく活用することが重要です。この新型交付金は、国から先駆性があり、既存事業の隘路・妨げを発見し、打開する取り組み等に対して支援対象とするなどの方針が示され、その負担割合は、国二分の一、地方二分の一となるため、どの施策にそれが当たり、新型交付金による財政支援のポイントは何かなどが課題となります。

 新聞報道によれば、二〇一四年度の本県への県外移住者数は七百八十二人となり、前年度比三一・二%増加し、過去五年間で最高になったとのことです。県外移住者七百八十二人のうち愛知県が最多の五百十二人で、前年度比四三・八%の増で、年齢別では四十代以下が八五・九%を占め、子育て世代や若年層が目立つとのことです。移住ブームや県内自治体のこれまでの移住定住支援策が数字にあらわれているとの分析でしたが、私は、まず県内に「しごと」があり、そこに「ひと」が集まり、子供から高齢者まで安心で住みやすい「まち」を形成する流れをつくることが重要だと思います。そういった意味では、基本目標の二番目にある「しごとをつくる」ための具体的な施策にこれまで以上の重点を置く予算編成に期待をしたいと思います。先日設置された産学金官連携人材育成・定着プロジェクト推進協議会は期待できる取り組みだと考えます。

 一方、さきの国会では、企業などに女性の登用を促す女性活躍推進法や若者の雇用環境に光を当てた若者雇用促進法が成立し、来年度も女性や若者の活躍を推進する施策が進められることになります。例えば、女性の起業支援として注目されているのは、本年成立した改正中小企業信用保険法により、中小企業などの資金繰りを支える信用保証制度の対象に、十月から地域に貢献するNPO法人が拡大されたことです。NPOの事業の継続・拡大には相応の資金が必要で、これまで個人からの借り入れに頼っていたり、担保がないため融資を断られたり、代表理事などに個人保証が求められるなどの問題点がありましたが、これによりNPO法人での女性の起業が広がります。若者の雇用促進についても、いわゆるブラック企業対策が整備されたり、緊急雇用創出事業など短期的な対策から、産官学等による連携や積極的な情報提供による人材育成支援にも力点が置かれるようになってきました。県として、女性や若者の活躍を支援する取り組みのさらなる充実と拡大に期待をしたいと思います。

 そのほかにも、岐阜県強靱化計画の着実な推進では、限られた予算の中で優先して取り組む課題の検討や、政府が掲げる一億総活躍社会の新三本の矢の一つである介護離職ゼロへの地方としての対応をどう考えるかなど、今後の国の予算編成を注視しながら対応を検討していく課題もあると考えます。

 そこで知事に、来年度の予算編成における重要政策課題についてどのようにお考えでしょうか、御所見をお伺いいたします。

 第一回目の質問は以上です。



○議長(足立勝利君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) おはようございます。

 三点御質問がございました。

 まず、TPPの合意を受けた中小企業支援策ということでございますが、昨日も議論がありましたように、TPPは成長経済センターたるアジア太平洋地域において深化した経済圏を構築する試みであって、輸出入の拡大のみならず、イノベーションの進展、生産性・競争性の向上等さまざまな効果をもたらすことから、県経済にとってもプラスの影響が期待できるものと認識しております。

 こうした中、先月発表された政府の総合的なTPP関連政策大綱において、TPPの効果は地方の中堅・中小企業にこそ幅広く及ぶものというふうにうたわれております。そして、中小企業等への丁寧な情報提供及び相談体制の整備、新市場開拓のための国や自治体、各種支援機関等から成る総合的支援コンソーシアムの創設、海外市場獲得に向けた製品・サービスの開発支援などさまざまな施策が掲げられております。詳細は、今後の国の補正予算、さらにはその先の本予算において明らかになっていくものと承知しておりますが、県内中小企業の海外展開の後押しとなり得るものというふうに捉えております。

 さらに大綱では、海外展開・事業拡大や生産性向上を一層進めるために必要となる政策については、平成二十八年秋を目途に政策の具体的内容を詰めるというふうにもうたわれております。今後の政府における検討状況を引き続き注視してまいりたいというふうに思っております。

 こうした国の動きもにらみながら、県としては、まずは情報提供を充実するべく、来年一月に経済産業省から講師を招いてTPP説明会を開催することにしております。また、新たな海外展開を希望する県内中小企業からの相談を県産業経済振興センターに設置するTPP専用相談窓口で受け付け、ジェトロ岐阜等の関連機関と連携して適切に対応してまいりたいと思っております。さらに、TPP参加国の投資環境やビジネス実務等を学ぶセミナーを開催するとともに、県内中小企業とともに海外の企業・工業団地等の視察を実施してまいりたいと思っております。あわせて、米国を初めとするTPP参加国を念頭に、新たな販路開拓のための国際展示会などへの出展支援や海外のセレクトショップ等を県産品の販売拠点とするグローバル・アンテナ・ショップの構築を推進してまいります。

 なお、現在議会におかれては、小規模企業振興基本法を踏まえた中小企業・小規模企業振興に関する条例を検討しておられ、県内中小企業の海外展開の促進も、振興施策の基本方針の一つとして盛り込まれる方向で議論が行われているというふうに伺っております。TPPを契機とする海外展開支援は、こうした基本方針の方向性にも沿うものと考えており、これを条例の中に織り込んでいただくのも一案かというふうにも思われます。いずれにせよ、県としても、今後明らかとなる国の各種施策の内容等を踏まえながら、取り組みの一層の充実を図ってまいります。

 次に、英国におけるトップセールスについてでございます。

 今回、パリと並んで世界最先端の情報・流行の発信地である英国において、初めてトップセールスを行った次第でございます。

 近年の状況を見てみますと、まずイギリスからの県内宿泊者数が平成二十年の三千八百五十人から、昨年は八千百五十人、本年は、既に九月時点で一万人を突破するということで、本県旅行への人気が大変高まってきておりますし、まだ大きく伸ばしていけるのではないかというふうに思っておるわけでございます。また、毎年ロンドンで開催される、世界中のワイン業者が最も注目するIWC−−インターナショナル・ワイン・チャレンジ−−におきまして、御案内のように、昨年、県内酒蔵の地酒が金賞に輝き、注目を集めつつあります。さらには、ロンドンを拠点に活躍する著名なデザイナー、コンラン兄妹が本県を訪問した際、県産品の質のよさを絶賛し、県内企業と連携した新商品開発に合意しております。このように、観光・食・モノそれぞれの分野で新たな成果が生まれ始めてきております。

 そこで、この機会を逃さず英国でプロモーションを行うことによって、同国での効果的な情報発信のみならず、世界中の国々への波及効果も期待し、トップセールスに至ったということでございます。また、その結果としてそれぞれの分野における課題や対策も明確になってきております。

 まず初めに、飛騨牛の販路拡大についてでありますが、英国で主にステーキとして食されている牛肉と私どもの飛騨牛とは、その肉質や価格等が異なっております。まずは、最高級の和牛としての評価やブランドを確立していくことが当面の課題であるというふうに考えております。そのため、影響力のある現地要人、メディア、高級料理店のオーナーやシェフ、食肉流通業者等をターゲットにして、飛騨牛の品質や特徴、その料理方法と共にPRするため、飛騨牛フェアを開催いたしました。本県から御一緒いただいた県議会の方々もこれに参加していただいたところでございます。大いに好評を得たところでありますが、その際、飛騨牛を実際に食べて大変感動され、その特集記事を掲載していただいた食品業界専門誌の編集長からは、英国における飛騨牛のプロモーション手法についての具体的なアイデアと協力の申し出をいただいております。このようなきっかけを大切に、ブランド価値を高め、着実に販路を拡大してまいりたいと思っております。

 次に、美濃和紙展示会を開催いたしましたが、同展示会へ招待した現地の高級セレクトショップの関係者からは、ぜひ岐阜を訪れて、美濃和紙その他の伝統工芸品を発掘し、販売したいという声が寄せられておりまして、早速、来年一月にも岐阜へ招請する方向で今、調整しているところでございます。今後、一層の知名度向上を図っていくために、著名デザイナーとの連携により、現地のニーズに対応した新商品を開発するとともに、グローバル・アンテナ・ショップを早期に設置して県産品をテスト販売するなど、その市場開拓やブランディングに努めていきたいというふうに考えております。

 さらに、イギリスからの誘客拡大につきましては、在英日本国大使館で行われたジャパン・ツーリズム・ウイーク・オープニングセレモニーに参加いたしました。他県からも参加がありましたが、本県としては、資料や情報の提供だけではなく、飛騨牛や地酒の提供、東濃地歌舞伎の公演を行ったところ、いずれも大好評を博しました。現地メディア関係者には、岐阜ブランドを圧倒的に印象づけることができたのではないかというふうに思っております。

 また、欧州最大級の旅行博であるワールド・トラベル・マーケットに初めて出展し、商談会を行いました。既に複数のメディアから取材ツアーの実施や文化体験プログラムの掲載について申し出があるなど、具体的な動きも出てきております。

 今回のプロモーションを通じまして、改めてイギリス人が訪日旅行に日本食や酒、伝統・歴史・文化を強く期待しているということがわかりましたが、こうした素材を官民連携のもとに、いかに効果的にPRするかが今後の課題であると実感したところでございます。

 このため、大使館や国際観光振興機構との連携の強化、あるいは現地旅行博への継続的な参加、美濃和紙などの展示やグルメ・観光情報の発信を行うとともに、早々にも現地旅行会社やメディアなどを本県へ招請するなど積極的にプロモーションを展開してまいります。さらに、英国に多い個人旅行客へ効果的なPRを行うため、新たに現地有力メディアへの広告掲載や外国人観光客向け旅行サイトと連携した情報発信を行うこととしております。

 次に、来年度の当初予算編成における重要政策課題ということでございます。

 昨日も御答弁申し上げましたように、本県では、去る十月末に「清流の国ぎふ」創生総合戦略を策定したところでございます。策定に当たりましては、議員御指摘のありましたような、雇用の創出などを通じ人を呼び込むことや現役世代の人口が減少する中で、若者や女性が十分に能力を発揮し活躍できる環境の整備が重要であるといった面からも検討を重ねてまいりました。

 こうした議論を初め、県民の皆様からの幅広い意見を反映して策定した戦略を基本に、来年度は、本県の地方創生の実現に向けた取り組みを五カ年計画の初年度として本格化してまいりたいというふうに考えております。

 具体的には、「しごとをつくる」という観点からは、航空宇宙産業分野への新規参入を図るための人材育成を初めとして、県産品の販路開拓・海外展開に向けたブランド開発や見本市への出展支援などに取り組んでまいりたいと思っております。

 また、「人を呼び込む」という観点からは、都市部への情報発信の強化による移住定住政策を推進するとともに、工業用地の戦略的な確保を進めながら、企業誘致の推進にも努めてまいります。

 さらには、女性や若者の活躍といった観点からは、職業生活や社会参画を目指す女性への支援体制の強化や、県内学生と地元企業とのマッチングの場の提供などによる若者の就業支援強化にも努めてまいりたいと思っております。

 以上、申し上げましたことに加え、現在、補正予算を含め国において検討されておりますTPP対策、あるいは一億総活躍社会の実現に向けた予算の内容もにらみながら、来年度の予算編成に当たりましては、これらの重要課題にもしっかりと対応できるよう議論を進めてまいりたいと思っております。



○議長(足立勝利君) 十一番 水野吉近君。

    〔十一番 水野吉近君登壇〕



◆十一番(水野吉近君) 次に、介護ロボット導入促進事業の効果的な周知についてお伺いします。

 介護ロボット導入促進事業は、前回の第四回定例会で可決された補正予算事業です。介護ロボットは、介護が必要な方の自立を支える一方、介護職員の身体的な負担を減らす点で威力を発揮します。この事業は、国が公表した移乗支援など八つの重点分野に該当する介護ロボットの導入計画を作成した上で、実際にロボットを導入した県立の特別養護老人ホーム及び民間の介護保険施設を対象に、十万円を上限として購入費用の二分の一を補助するものです。

 さて、私は十一月十七日に岐阜産業会館で開催された「介護ロボットフェア」を視察させていただきました。この展示会は、歩行が困難な要介護者をばねの力で歩行をアシストする装置やベッドの隣に設置する給水装置が要らない水洗トイレ、認知症患者の行動をセンサーで見守り、異常があれば職員など関係者に通知してくれるシステム、要介護者をベッドや車椅子から移し、トイレや入浴を行う際に職員にかかる体の負担を軽減してくれるリフト型の装置などの介護ロボットが展示され、介護事業者や介護職員が開発者の説明を受けながら実際に体験し、その効果を実感することで介護現場への導入を検討してもらうためのものです。私も体験してみましたが、体重四十キロ台の職員が体重百キロ近い要介護者を一人で車椅子から移動させ、簡単なボタン操作で倒れる恐怖感を与えることなく安心してトイレに座ってもらえるロボットでは、これがあれば腰痛などを訴えやすい介護職員の負担を減らし、介護離職率の減少につながることを実感しました。政府は二〇二〇年までに介護ロボット市場を五百億円に拡大することを目指しており、実用化に向け、今後この流れがますます加速するものと考えます。

 本事業の今後の課題は、介護ロボットを導入した介護事業所の具体的な効果を導入していない他の施設に周知し、介護ロボットの導入を一層推進することにあります。そのためには、実際に介護ロボットを使用した要介護者や介護職員の声、ロボット導入による費用対効果などを具体的に伝えるとともに、介護ロボットを体験する展示会を複数開催するなど効果的な周知に努めていただきたいと考えます。

 そこで、介護ロボット導入促進事業による具体的成果の効果的な周知について、今後どのように取り組まれるのか、健康福祉部長にお伺いをします。

 次に、ICT等の新技術を活用した社会資本の維持管理についてお伺いをします。

 私は、十月に名古屋で開催された建設分野における新技術・新工法などの展示や実演を行う「建設技術フェア」を視察してまいりました。そこでは無人航空機ドローンを使った写真測量による地形モデルの生成や、車両に搭載した二台の全周囲カメラで同期撮影し、画像解析処理技術により三次元計測ができる技術、近接目視が義務化された定期点検において活用が考えられる新技術として、音波によりコンクリート表面を振動させ、その振動を評価・分析することで、橋梁床版やトンネル覆工の剥離箇所がわかる技術などが紹介されていました。また、これまでにも国土交通省では、超音波探査装置による道路や橋梁の空洞調査が展開されるなど、最新の画像解析技術やICTなどを活用した社会資本の維持管理に関する技術が着実に向上していることを実感しました。本県でも、道路管理における高精度な三次元画像データの活用や無人航空機ドローンを活用した砂防管理など、ICTを活用して効率的かつ効果的な維持管理を推進することでコストの縮減を図り、安全な社会資本を提供する取り組みが進められています。維持管理予算や土木技術者不足などさまざまな制約がある中で、ICT等の新技術を活用した効率的な維持管理費のあり方を今後積極的に検討すべきであると考えます。

 そこで、ICT等の新技術を活用した社会資本の維持管理の現況と今後の取り組み方針について、県土整備部長にお伺いをします。

 次に、県立高校生に対するマイナンバー制度の周知の必要性と今後の取り組みについてお伺いをします。

 十月からマイナンバーの通知が始まりました。当然、県内の児童・生徒にも個別に十二桁のマイナンバーが保護者を通じて通知されています。マイナンバーは一生使うものであり、漏えいして不正に使われるおそれがある場合を除いて、その番号は一生変更されないこと、また来年一月から社会保障、税、災害対策の行政手続にマイナンバーが必要になり、勤務先や金融機関から提示を求められる場合があること、またマイナンバーの漏えいを悪用した詐欺にだまされないようにすることなど、現在、国が国民に向け周知に努めているところです。

 先ほども触れたとおり、マイナンバーは保護者を通じて児童・生徒に通知されています。通知を受けた保護者が、同居する子供たちに対しマイナンバーが届いたことは伝えているものの、どのような意味があるのかを説明されている保護者は少ないと思われます。特に高校生には、主権者となり社会に出ることを目前に控え、また就職する高校生にとっては入社後すぐに勤務先からマイナンバーの提示を求められることになり、マイナンバー制度に対する正しい知識を伝えておくことは、大人あるいは社会の責任として必要なことであると思います。

 高校生へのマイナンバー制度の周知は、十八歳選挙権に伴う高校生への主権者教育にはなじまず、学習指導要領の公民科の中で学ぶことが考えられますが、制度の学習だけにとどまらず、マイナンバーは一生変わらないものであり、今後、自分に深くかかわる重要な制度であることの理解を深める取り組みをぜひ行っていただきたいと思います。

 この問題は、県立高校生に限らず私立高校生などにも同様なことが言えますが、今回は県立高校生への取り組みに絞って教育長にお伺いしたいと思います。県立高校生に対するマイナンバー制度の周知の必要性と今後の取り組みについて、教育長はどのようにお考えでしょうか、答弁をお願いいたします。

 最後に、全件通報制度の効果と対象となる高齢者への周知についてお伺いをします。

 県警察では、特殊詐欺対策として県内の金融機関千百六十七店舗に対し、高齢者が高額の現金を引き出す場合に全て警察に通報してもらう全件通報制度を十月十三日から導入しました。県内の一月から十月までの特殊詐欺被害は、前年に比べて減少しているものの、被害額は八億三千七百二十八万円と甚大です。新聞報道では、高山市の七十歳代の女性が架空請求詐欺にだまされ、五百万円を市内の郵便局から引き出そうとしましたが、この制度によって駆けつけた高山署員により詐欺と発覚し、被害を未然に防ぐことができたとのことです。

 これまでは特殊詐欺の疑いがあった場合、金融機関の自主的な判断で警察に通報していましたが、詐欺の被害に遭う方は精神的に追い込まれており、客である被害者に金融機関が確認や説得をするには限界があります。この制度により、今後、特殊詐欺被害が激減することを期待します。

 しかし、一方で、通報があってもそのほとんどが正規取引だったとのことで、高齢者の中には自分の財産なのに警察官から事情を聞かれることへの抵抗感や、全件通報制度を知らずに銀行に行き、警察官が駆けつける時間などを含め思わぬ時間が費やされることに対する苦情が出ているとのことです。

 そこで、多くの高齢者に全件通報制度への理解を図り、正規の取引に来た方が煩わしさを感じないような取り組みも必要ではないかと考えます。そこで、全件通報制度の効果と対象となる高齢者への周知をどのように進めるのか、警察本部長にお伺いします。

 以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

    (拍手)



○議長(足立勝利君) 健康福祉部長 石原佳洋君。

    〔健康福祉部長 石原佳洋君登壇〕



◎健康福祉部長(石原佳洋君) 介護ロボット導入促進事業の効果的な周知についてお答えいたします。

 県では、介護職員が働きやすい職場環境の構築を進めるため、先月から地域医療介護総合確保基金を活用して、介護保険施設への介護ロボット導入経費を支援する事業を開始しました。

 介護ロボットの普及は、介護職員の負担軽減等につながる取り組みであることから、「介護ロボットフェア」や施設職員等を対象とした研修の場などを活用して周知を行っているところです。

 これらに加え、今後は、介護ロボット導入促進事業により導入した介護ロボットを実際に使用した介護職員の声や職場環境の改善状況など、具体的な効果を発表する場を設けるとともに、本事業に参画した施設には他の施設からの見学依頼に対応していただくなど、介護ロボット導入による効果を広く周知することにより、介護ロボット導入に向けた、さらなる普及・支援に努めてまいります。



○議長(足立勝利君) 県土整備部長 高木善幸君。

    〔県土整備部長 高木善幸君登壇〕



◎県土整備部長(高木善幸君) ICT等の新技術を活用した社会資本の維持管理の現況と今後の取り組みについてお答えします。

 ICT等の新技術の活用については、昨年度より、道路の管理において道路を立体的に表示できる三次元画像データにより災害時の早期復旧や占用物件の確認事務の効率化を図っています。また、今年度からは、道路パトロールにおいてタブレット端末を利用し、現場の状況を土木事務所とリアルタイムに情報共有することで迅速な補修に努めています。こうしたタブレット端末による情報共有については、河川管理への活用の可能性についても試行・検証することとしています。さらに、砂防の管理では、災害現場の調査にドローンを活用しており、本年四月に高山市で発生した山腹崩壊の際には危険な崩壊斜面の状況をドローンにより空中から直ちに調査し、迅速な復旧作業に着手することができました。

 ICT等の新技術は、社会資本の効率的な維持管理に大変有効であることから、今後とも、その開発の動向に注視し、活用を検討してまいります。



○議長(足立勝利君) 教育長 松川禮子君。

    〔教育長 松川禮子君登壇〕



◎教育長(松川禮子君) マイナンバー制度の県立高校生への周知についてお答えします。

 マイナンバー制度は、行政を効率化し、国民の利便性を高め、公平・公正な社会を実現するための社会基盤となるものであり、高校生に本制度を周知することは大変重要であると考えております。特に、高校生でもアルバイトをする際や大学進学後に奨学金を申請する際には、マイナンバーの提示を求められることから、身近な制度として早期に理解させる必要があります。また、マイナンバーは、原則として一生涯使うものになりますので、本制度に便乗した不正な勧誘や情報取得などの被害に遭わないためにも取り扱いには注意し、提供が必要な場合とそうでない場合を峻別できるよう指導する必要もあります。

 このため、県教育委員会で制度の留意点をまとめた手引を作成し、現代社会や政治・経済の授業で活用するなど、生徒に必要な知識を身につけさせてまいります。



○議長(足立勝利君) 警察本部長 岡 真臣君。

    〔警察本部長 岡 真臣君登壇〕



◎警察本部長(岡真臣君) 特殊詐欺対策といたしまして、県警察として県下の全金融機関に要請をしております全件通報につきまして、その効果と対象となる高齢者への周知につきまして御質問をいただきました。

 まず、効果でございますけれども、この取り組みを開始いたしました十月十三日から十一月末日までの間に三百八十一件の通報をいただき、七件、約千百四十万円の被害を未然に防止したところであります。この取り組みの前後の被害の状況を見ますと、本年一月から十月までの被害は、一カ月平均で約二十一件、約八千四百万円であったのに対しまして、取り組みを開始した後、十一月一カ月間の被害は六件、約五百十万円にとどまっておりまして、被害件数、被害額とも大幅に減少しており、相当の効果が得られているものと考えております。

 次に、高齢者への周知についてでありますが、県警察といたしましては、この全件通報が県民の皆様方の大切な財産を守るためには必要不可欠な対策であると考えており、機会あるごとに広報を実施しているところであります。具体的には、新聞やポスターなどの各種の広報媒体を活用した広報を初め、県下五圏域で開催中の高齢者を中心とした安全・安心まちづくり推進大会や高齢者が集まる会合の場における広報などを繰り返し行っているところであります。

 特殊詐欺につきましては、先ほど申し上げましたとおり、最新の状況としては被害発生の減少が見られているとはいえ、依然として高齢者を含めた多くの被害者が出ているのも事実でありますので、今後とも、広く県民の皆様に全件通報への理解と協力を求め、特殊詐欺の被害防止に努めていくことといたしております。



○議長(足立勝利君) 二十三番 松岡正人君。

    〔二十三番 松岡正人君登壇〕(拍手)



◆二十三番(松岡正人君) 発言のお許しをいただきましたので、通告に従って、三項目八点について質問をさせていただきます。

 まず、大きく一項目の一点目として、公共交通機関の役割についてお尋ねをいたします。

 急速に高齢化社会が進展する中にあって、特にここ最近、高齢者の自動車事故に関するニュースが多くなっています。高齢化に伴い運転免許証を返納せざるを得ない人が増加する昨今の状況を考えると、公共交通の維持・充実は本県にとっても重要課題であると考えます。

 さきの第四回定例会における地方創生対策特別委員会においても、地域公共交通の確保施策が取り上げられたと伺っております。同特別委員会では、都市建築部から鉄道とバスの現状や課題が説明をされました。それによりますと、県内の鉄道については輸送人員が減少傾向で、経常損益が悪化傾向にあり、国・県が安全運行対策経費を支援し、沿線市町が赤字を含めて補填しながら維持している現状にあります。また、バスについては利用者の減少と事業者の収支が悪化しており、その結果、事業者の路線バスが撤退して、代替交通として市町村がバス運行をし、その財政負担が増大しているとのことです。

 このように、公共交通機関の運営は大きな課題を抱えています。地域の実情に応じて必要な輸送サービスを確保するために、公共交通に関する計画づくりとその着実な推進が必要だと考えます。

 財政面では、国費と県費による補助制度に加え、同補助の対象外となる部分について、さらに県単独で上乗せ補助するなどバックアップが行われております。

 私ども県政自民クラブでは、各界各層から来年度の県当初予算に対する要望を伺っておりますが、地域の幹線バス路線拡充や地方鉄道の運行維持など、公共交通機関に対する支援について多くの市町から要望が寄せられています。そうした声も踏まえて、県政自民クラブとしては、平成二十八年度県予算編成に対する要望の中で、新規重点項目として地域の活性化に資する第三セクター鉄道を初めとする地方鉄道やバスなどの公共交通機関が維持されるよう支援の拡充に努められたいという項目を挙げる予定です。

 そこで、知事に対してお尋ねいたします。

 高齢化社会への対応や環境負荷の低減の観点から公共交通の役割は非常に大きいと考えます。公共交通機関を維持していくために、県や市町村の財政負担は大きいと考えますが、そうした状況での公共交通機関の維持に対する知事の所見をお伺いいたします。

 次に、二点目に、職員の自家用車通勤の見直しについてお尋ねいたします。

 私は、今年度、県有施設再整備対策特別委員会に所属しております。同特別委員会で県庁舎再整備に係る検討内容の説明を受けた際、職員用の駐車場面積の占める大きさが大変気にかかりました。そこで、職員の皆さんの自家用車通勤状況を確認したところ、現在、約二千三十人が自家用車通勤しているそうで、その割合は、正職員で約八八%、臨時職員で約九八%という高い比率となっています。そして現状でも、県庁敷地約十七万五千平方メートルのうち職員駐車場が四万五千平方メートルという大きな面積を占め、無料で利用されています。

 およそ五十年前に県庁が現在の地へ移転してきたときには、自動車による通勤しか手だてがない状況だったかもしれません。しかし、その後社会資本も充実し、昭和六十一年に西岐阜駅ができ、バスも含めて県庁周辺の公共交通インフラも整いました。そして、むしろ今は人口減少社会を迎え、先ほど申し上げましたように、行政としても公共交通機関の維持や充実に、特に意を用いることが求められる状況になっています。こうしたことを踏まえると、県庁職員の通勤方法のあり方についても再検討する余地があるのではないでしょうか。

 先日、特別委員会による県庁舎再整備の先進事例視察で訪れた石川県は、主要駅からの距離など新庁舎の立地条件は岐阜県と似ていますが、職員の自家用車通勤率は五七・一%で、岐阜県よりも三〇%少ない状況です。また、職員用駐車場は四百十九台分、駐車場料金は月額四千五百円とのことです。岐阜県のように職員の駐車場利用が無料となっている都道府県は、全国でも珍しいのではないかと感じました。

 本県では、県庁へのバスの利便性が悪いから自家用車通勤者が多いという御意見もお聞きします。そこで、バス路線に注目してみますと、現在、県庁に発着するバスの路線は九路線百二十一便となっています。JR岐阜駅や名鉄岐阜駅のバスターミナルを起点として発着するバス路線網に比べると充実度が低く、結果、メモリアルセンターや清流文化プラザなど岐阜市北部にある県有施設と比べると、県庁を含めた県図書館や美術館、ふれあい福寿会館など岐阜市南部にある県有施設に対する公共交通機関のアクセス利便性が劣っており、県民サービスの観点からも問題だと思います。県民の県有施設へのアクセス向上、さらには県庁職員の通勤方法の見直しという視点に立って、JR東海道本線以南のバス路線の拡充について、バス事業者とともに考える必要があると思います。

 また、先ほども若干触れましたが、私は、昨年度の岐阜県庁舎再整備検討委員会と今年度の県有施設再整備対策特別委員会に所属して、県庁舎再整備に係る検討の議論に参加しております。その際、広い敷地がある中で、庁舎のさらなる高層化や駐車場面積の拡大が検討され、緑地面積の減少など岐阜県らしさの表現という点、そして県産材の積極的な活用や県内企業の受注機会の増大などの点で、まだまだ検討すべき課題は多いと感じています。申し上げるまでもなく、本県にとって県庁舎の再整備は紛れもないビッグプロジェクトとなります。単に建物整備として捉えるのではなく、岐阜県らしい敷地の活用や地域の公共交通インフラの維持・充実も見据えながら職員の通勤方法のあり方も検討するなど、幅広い視点を持って取り組むべきではないでしょうか。

 ここで、私から二つの御提案をさせていただきます。

 一つは、現在、県では職員駐車場の利用許可に当たって、一定の距離制限を設けることによって利用台数を制限していると伺っております。これに加えて、職員ごとに状況・事情を丁寧に確認した上で、十分公共交通機関で通勤することが可能と判断される職員については職員駐車場の利用を制限することとし、通勤方法の見直しを検討してもらってはどうでしょうか。こうした限定的な試みによって、職員の業務への影響やバス路線の拡充の必要性など、課題や効果も探ることができると思います。

 もう一点の御提案は、県庁敷地内に岐阜市南部のバス交通網の拠点となるバスターミナルを設置することを考えてみてはどうでしょうか。JR岐阜駅と西岐阜駅を循環するループ線の設置を初め、県庁を発着基点とする岐阜羽島駅への路線や岐阜市日置江地区からJR穂積駅への路線、さらには名鉄名古屋本線の笠松駅や岐南駅へ向かう路線など、県南部の市町をまたぐ公共交通機関拡充のハブとなり得るのではないでしょうか。

 申し上げるまでもなく、公共交通機関の維持・充実には利用者の増加が最も大切です。行政が幾ら補助金を出しても、赤字を補填したとしても、利用者がふえなければその維持には限界が生じます。現状さえ維持できない状態では、今後の高齢化に伴う路線やダイヤの拡充は全く夢物語になってしまいます。

 県職員の皆さんが率先して公共交通機関による通勤に転換することは、公共交通機関やまちの活性化のために大きな効果があるすばらしい施策であると考えます。県が脱自家用車通勤を推進すれば、市町村職員や県内企業の皆さんへもその動きが波及し、県内の公共交通機関の利用者増加につながるのではないでしょうか。

 そこで二点目を知事にお尋ねします。

 県内の公共交通機関やまちの活性化などに大きな影響を与えると考えられる、職員の自家用車通勤の見直しについて、知事の所見をお伺いいたします。

 次に、大きく二項目めとして、地方創生における金融機関との連携の状況とこれからの取り組みについて、三点お尋ねいたします。

 今年度は、地方創生元年と言われる年ですが、それに伴って産官学金労言という新しい連携が取り上げられています。今回は、この連携の中でも特に「金」、つまり金融機関との連携についてお尋ねいたします。

 御案内のとおり、本県には、大規模で安定経営をしている地方銀行二行を初め多くの金融機関が存在しており、いわゆる金融機関激戦区であります。そういう意味では、地方創生における金融機関との連携は、その環境が整い、効果も期待されるという恵まれた条件下にあると考えます。

 県内に本拠地を置く地方銀行二行は、既にこの四月に地方創生に関する専門部署を設置し、さまざまな取り組みを始めておられます。例えば、農林業の振興という観点での具体例を紹介すると、十六銀行では県内企業との間で「森林資産見える化プロジェクトに関する包括的連携協定」を締結し取り組みを開始、また大垣共立銀行では「OKBアグリビジネスファンド」の設立、アグリビジネスへの支援に取り組んでいただいているそうです。両行ともに、この六月には県との間で移住定住促進に関する協定を結んで、首都圏の支店での移住定住情報の提供や移住者向けの金融商品の発売などを始めていただきました。さらには、十一月から発行された、ぎふっこカードプラスにも、各種無担保ローンの金利を引き下げるサービスを提供いただき、多子世帯のライフスタイルに応じた応援をしていただいております。こうした連携がさらに広まっていくことで、県下全域で地方創生が進み、新たな岐阜県の活力が生まれていくことを期待します。

 県内には、これら地方銀行二行以外に、各エリアを主な基盤とする七つの信用金庫があります。それぞれ地域に密着して店舗展開しながら、地域経済に貢献していただいております。

 地方創生に関する県と地方銀行との連携については先ほど紹介したとおりですが、私は、信用金庫との連携についてももっと深めるべきではないかと感じています。一般的に、信用金庫は地方銀行より一層地域に密着した店舗展開や人員配置をしており、その信用金庫との連携は、きめ細かな地方創生実現の鍵の一つになるのではないかと思います。

 先日、岐阜市に本拠を置く信用金庫を訪問し、産官学金労言連携の状況について担当者の方と面談をさせていただきました。この信用金庫でも、地方銀行同様に、本年四月に地方創生デスクという新たな部署を設置して、地域や市町との連携や情報収集について、本部のみならず支店も含めて積極的に行っているとのことでした。しかしながら、県との連携をとるためのパイプや情報交換の仕組みについてはまだ不十分であり、どのように進めていくのか手探り状態であるように感じました。

 金融機関の監督官庁である金融庁も地方創生を推進しているようです。高齢化や人口減少によって市場が縮小していく地方に基盤を置く金融機関にとって、その生き残りは容易なことではありません。そのためには、地盤とする地方の活性化が不可欠であることから、金融機関にあっては銀行業務にとどまらず、積極的な地域との関係づくりが大切であるという考え方です。私ども県議会で議員発案を考えている中小企業・小規模企業振興に関する条例においても、金融機関の役割という条文を設けて、金融機関に県経済の発展や企業の経営持続のために貢献していただくことを期待しようと考えているところです。

 そこで、清流の国推進部長に二点お尋ねいたします。

 一点目に、今後、地方創生をさらに推進していくためには、地方銀行二行に加え、信用金庫とも連携していく必要があるのではないかと考えますが、現状と今後の方針についてお尋ねいたします。

 二点目として、そうした連携施策にしっかりと取り組んでいくためには、日ごろから実務レベルでの情報交換やお互いに事業を提案し合う機会が必要ではないかと考えます。その仕組みづくりに対しての方針や施策について、県が期待することを踏まえて御答弁をお願いいたします。

 三点目としては、プロフェッショナル人材戦略拠点の運営における金融機関との連携について、商工労働部長にお尋ねをします。

 岐阜県では、産業界、大学、金融機関と連携し、県内大学への進学者を県内に定着させていくため、全国でも先進的な取り組みとして産学金官連携人材育成・定着プロジェクト推進協議会を九月に設立しました。今までの産学官という枠組みだけではなく、金融機関とも連携して取り組んでいく点が大きな特徴だと思います。

 また県では、大都市圏等のプロフェッショナル人材を県内へ還流するため、岐阜県プロフェッショナル人材戦略拠点設置のための補正予算が九月議会で認められたところであり、十二月一日には岐阜県産業経済振興センター内に開設されたと伺っております。この拠点では、企業経営者に対する攻めの経営への意欲喚起や新たな商品・サービスの開発、また、その販路拡大や生産性向上など、企業の経営改善をサポートするプロフェッショナル人材の採用を支援するために、さまざまな取り組みが計画されているようです。この新たな拠点が、企業の経営課題やニーズを踏まえたプロフェッショナル人材の採用支援を行うには、日ごろから企業の経営改善をサポートし、企業ニーズを把握している地元金融機関との緊密な連携が大切なのではないかと考えます。

 そこで商工労働部長にお尋ねします。

 プロフェッショナル人材戦略拠点を運営していく上で、県は金融機関とどのように連携していくのでしょうか、御答弁をお願いいたします。

 次に、大きく三項目めとして、救急医療体制をより充実させていくために、メディカカードの普及についてと救急救命士の現状とスキルアップに対する支援についてお尋ねします。

 去る九月九日は「救急の日」ということで、新聞紙上で岐阜大学医学部附属病院の小倉真治病院長と岐阜県医師会の小林 博会長による「救急医療体制に関する対談」が大きく取り上げられていました。

 そこでは、高齢化社会が進む中で救急搬送は年々増加している現状であること、岐阜県は山間地が多いにもかかわらず全国でも最高レベルの医療体制が整っていること、そして、医師会としては時間外救急外来のコンビニ受診抑制を啓発して正しい救急の使い方の周知に努めていること、岐阜大学の医学部では臨床実習で救急車に搭乗して現場を体験させていることなど、岐阜県の救急医療現場の現状と今後の取り組みについて、それぞれの立場からコメントが行われていました。

 また、小倉病院長は、救急車に乗っている五二%は高齢者であり、搬送されている高齢者から情報を聞き取るのは難しいため、患者の病歴や常備薬などの情報が入ったメディカカードの普及に努めているという発言もしておられました。私自身の経験としても、父が救急搬送された際に既往症や薬についてしっかりと説明できなかったことへの反省があり、メディカカードのような患者情報を取り扱うシステムの必要性を強く感じています。そして、急な病状変化の可能性がある既往症のある患者について、かかりつけ医師が逐次情報を蓄積するという観点でもメディカカードは重要であると認識しています。

 メディカカードは、平成二十七年六月現在で約一万七千枚発行されています。その七五%が可茂地区で発行されており、県内全域にはまだまだ普及していないのが現状です。そこで、県総合医療センターにおいては、その中期計画にlCTの活用としてメディカカードの発行が掲げられています。今後、県立病院を中心としたメディカカードの導入を目指しているということであり、県民の皆さんにカードに対する理解や有効性をもっと深めていただくために、今回質問をさせていただきました。

 メディカカードは、救急医療の現場だけではなく、認知症や在宅医療などさまざまな状況で包括的に使える可能性を秘めており、県総合医療センターのみではなく、診療所やクリニックでも活用できる体制の確立と医師会とのより一層の連携を期待します。

 そこで健康福祉部長にお尋ねいたします。

 これらの状況を踏まえて、今後、メディカカードの県内各地への普及に向けた具体策をどのように考えているのでしょうか。

 次に、救急救命士の現状とスキルアップに対する支援について、二点、お尋ねいたします。

 命が危険な状態にある傷病者を救急車で病院まで搬送する時間は、一分一秒を争います。こうした差し迫った状況の中、命の危険を回避するための必要な応急処置を行うことができるのが救急救命士です。

 私は、四年前の平成二十三年六月議会でも救急救命士について質問していますが、その後の状況について、改めて今回お尋ねしたいと思います。

 救急救命士の行うことのできる処置は、平成十五年には除細動を行うことが可能となり、平成十六年七月には気管挿管が、平成十八年四月には心肺機能停止の傷病者に対するアドレナリンの投与というように順次拡大されてきました。そして、平成二十六年からは新たに二つの処置が可能となりました。一つ目は、心肺機能停止前の静脈路確保と輸液です。そして二つ目は血糖測定と低血糖発作症例へのブドウ糖溶液の投与です。これまで、救急救命士が医師の具体的な指示を受けて行うことができる処置は、心肺機能停止後の傷病者に対する処置に限られていましたが、この処置範囲拡大によって、心肺機能停止前の重度傷病者に対して救急現場や救急車内等で早期に処置を行うことができるようになったことは画期的なことだと考えます。

 このように、救急業務が高度化していく中で、救命処置を行う救急救命士は、進歩する医療や救急の技術及び症状を判断する能力を常に身につけ、さらにレベルアップを図っていくことが求められています。

 他方、救急件数は年々増加しており、平成二十三年の七万九千五百六十三件から、平成二十六年には、速報値ではありますが、八万三千五十一件と、約三千五百件の増加となっています。このうち救急救命士が乗車している救急隊が対応した救急件数の割合は、平成二十三年の九二・六%から九五・九%に上昇しています。県内各消防本部には救急救命士が順次配置されていると承知していますが、さらなる絶対数の確保も求められていると思います。

 このように、救急救命士については数とともに質の充実が不可欠であり、緊張感の中で激務をこなしながらスキルアップや自己啓発を求められている救急救命士に対して、県としてもしっかり支援してほしいと考えます。

 そこで危機管理部長にお尋ねいたします。

 一点目として、現在の救急救命士の運用状況をどのように認識しておられるのでしょうか。

 二点目として、救急救命士の教育・研修体制について、再教育を含めてどのように取り組んでおられるのかをお尋ねして質問を終わらせていただきます。御清聴、ありがとうございました。

    (拍手)



○議長(足立勝利君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 公共交通の役割、現状、課題、そして県庁職員の自家用車通勤の見直しについてということで御質問いただきました。

 御指摘がありましたとおり、今後さらに進展する高齢化社会への対応に加えて、温室効果ガス削減に向けた環境への配慮などを背景に、公共交通の役割は一層大きくなっているものと認識しております。他方で、近年では公共交通機関利用者の減少が続き、交通事業者の経営環境は厳しさを増しており、行政の財政負担のさらなる増大も懸念されるところでございます。さきの議会で議論されました養老鉄道もその一つの例でございます。

 こうした中、効率的で持続可能な公共交通網を構築していくためには、まずは市町村主導のもとに交通事業者や利用者、住民など関係者が連携し、地域における公共交通のあり方や役割分担について検討を重ねた上で、利用促進に向けた住民への意識啓発を含め実効性のある公共交通計画を策定していくことが肝要であります。そして、こうして地域が主体的に維持確保するシナリオを進めていかれる公共交通に対しては、それぞれのケースに応じて、国・県の財政支援もあり得るものというふうに考えております。

 県職員の自家用車通勤の見直しにつきましては、公共交通の活性化の観点も含め、これまでもいろいろと議論をしてきた経緯がございます。現在のところでは、県庁舎に勤務している職員のうち、御指摘がありましたように、近距離に居住する職員については駐車場使用の制限を行っております。そうした中で、多くの職員は子供の送迎、公共機関では遠回りで非効率的といったような理由から、自家用車での通勤を選択しているというのが実情でございます。また、県内の交通事情等から出張に自家用車を使用することもあり、見直しをする場合には、業務に与える影響や職員の意見も踏まえながら、幅広い検討が必要であるというふうに考えております。

 現在、県庁舎の再整備について議論を進めているところであります。今後、こうした自家用車通勤の見直しについても、その一環として議員御提案のアイデアも含めてよく検討してまいりたいというふうに考えております。



○議長(足立勝利君) 清流の国推進部長 宗宮康浩君。

    〔清流の国推進部長 宗宮康浩君登壇〕



◎清流の国推進部長(宗宮康浩君) 地方創生の推進に関しまして、信用金庫との連携の状況と今後の方針についてお答えいたします。

 県が各地域の特定課題の解消に向けて取り組んでいくに当たりましては、地域に根差した金融機関としての知見を参考とさせていただくべく、地方銀行のみならず、信用金庫との連携も進めてきております。例えば、県が企業誘致の推進に当たり、地域別に設置した企業誘致戦略推進協議会へそれぞれ御参画をいただいておりますし、地域別の企業向けセミナーを連携して開催するなど、信用金庫の特徴に合わせた事業を実施してきております。また、十九市町村において総合戦略策定へ御参画いただいているほか、地元市と連携したビジネス支援セミナーの開催などにも取り組んでいただいていると伺っております。

 県といたしましては、総合戦略を実行に移していくに当たっては、あらゆる主体と連携し、互いの強みを生かし、事業を実施していくこととしております。そうしたことから、信用金庫とも、特に地域に根差した課題の解消を図っていくため、さらに連携を深めてまいります。

 次に、金融機関との連携に当たっての仕組みづくりについてお答えいたします。

 地域金融機関は、地域に張りめぐらされた支店網、あるいは積極的に取り組んでおられる地域貢献活動を通じ、県民の生活、産業活動に深くかかわっておられます。その中で、県民の声や地域の課題、地域経済の動向といった情報、あるいはそれに対応する知見などを蓄積されております。こうした情報や知見が、県が把握する情報に加わることにより、より現場に近い効果的な施策が立案・実行できると考えられます。そのため、これまでも代表者の方に各種会議に御参画いただくなどしてまいりましたが、議員から御提案のありました実務レベルでの情報交換も積極的に行ってまいりたいと考えております。



○議長(足立勝利君) 商工労働部長 郷  敦君。

    〔商工労働部長 郷  敦君登壇〕



◎商工労働部長(郷敦君) プロフェッショナル人材戦略拠点の運営における金融機関との連携についてお尋ねがございました。

 地域の企業経営者と強固な信頼関係を有し、成長可能性に係る目ききや経営課題に精通している地域金融機関が、積極的な攻めの経営への転換を経営者に促し、有為な人材の活用を提案し、企業のニーズを踏まえた人材の確保を支援していくことは、経営支援の重要なツールの一つとなると認識しております。

 こうした観点から、プロフェッショナル人材戦略拠点の運営に当たって、関係者間の連携を強化するために設置するプロフェッショナル人材戦略協議会には、経営者団体、人材ビジネス事業者等に加え、地域金融機関にも参画いただくこととしております。

 さらに、同拠点のサブマネジャーのうち二人については地域金融機関から派遣していただくこととしており、地域金融機関と緊密な連携を図りつつ、そのネットワークも活用しながら、啓発セミナーの開催や徹底した企業訪問等を通じ、地域の企業によるプロフェッショナル人材の活用実現に向け取り組んでまいります。



○議長(足立勝利君) 健康福祉部長 石原佳洋君。

    〔健康福祉部長 石原佳洋君登壇〕



◎健康福祉部長(石原佳洋君) 救急医療体制の拡充について、メディカカードの普及についてお答えいたします。

 メディカカードは、救急搬送時に既往歴・投薬情報などの患者情報が瞬時にわかり、搬送先病院の選定や救急現場滞在時間の短縮といった救命率向上につながる取り組みであります。中でも、心疾患や脳疾患を有する方など、救急搬送されるリスクの高い方にとっては、既往歴などをカードに記録することは、救命上極めて有効であることから、率先してメディカカードを保有していただくことが重要と考えております。

 県としては、このような方に重点的にカードを発行するよう、主要な病院に対し積極的に働きかけてまいります。



○議長(足立勝利君) 危機管理部長 河合孝憲君。

    〔危機管理部長 河合孝憲君登壇〕



◎危機管理部長(河合孝憲君) 救急救命士に関連し、二点お尋ねがございました。

 まず、その運用状況についてでございますが、本県の救急救命士は、平成二十三年の四百九十人から二十六年には五百八十人へと年々増加し、県下消防本部百二十七の救急隊のうち百二十五隊で運用がなされています。

 しかし、交代制の勤務体系や研修派遣期間などにより、常に救急救命士が救急車に乗車する救急隊は九十五隊、また年間八万件を超える救急搬送事案のうち、救急救命士の乗車率は九六%にとどまっております。各消防本部により差異はありますが、常時乗車率一〇〇%に向けては、県下でおよそ五十人程度の救急救命士がさらに必要と見込まれることから、引き続き関係の本部とも相談しながら必要な支援を行ってまいりたいと考えております。

 一方、昨年から拡大された処置範囲については、現在、既に九十三人が認定され、順次運用が開始されています。引き続き、県消防学校において認定に必要な追加講習を継続的に開催するなど、さらなる認定者の確保に努めてまいります。

 次に、教育研修の取り組みについてお答えをいたします。

 救急救命士の教育研修は、今申し上げた拡大する処置認定に向けた養成に加えて、全ての救急救命士を対象とした再教育、そして指導的立場となる指導救命士の育成の三つに体系化し、取り組んでおります。

 再教育では、平成二十四年に策定した救急救命士に対する再教育ガイドラインに基づき、各消防本部において所定のカリキュラムを実施し、これを県メディカルコントロール協議会が評価、指導するとともに、県消防学校では集合研修を毎年実施しています。

 また、指導救命士の育成では、救急救命士の質の向上には指導的立場の救命士のさらなる養成が必要との同協議会の御意見を踏まえて、来年二月には、活動実績が七年以上など一定の要件を満たし、かつ教育技法などの指導者研修を修了した者を新たに岐阜県MC救命士として任命し、今後計画的に育成していくことで、救急救命士の教育指導体制の強化につなげてまいります。



○議長(足立勝利君) 二十三番 松岡正人君。

    〔二十三番 松岡正人君登壇〕



◆二十三番(松岡正人君) 知事に対して、公共交通機関の重要性と職員の自家用車通勤の見直しについて、再度質問をさせていただきます。

 御答弁の中に、市町村を中心に利用促進をしていくこと、地域が中心となって見直していくこと、そうした地域に対しては、県や国は支援していくという御答弁もございましたが、私自身は、県として率先して自家用車通勤を控える、そして公共交通機関を活性化していくという思いがあり、今回質問をさせていただいたところですが、知事の御所見として、県が率先した、そうした公共交通機関の活性化に対してどのようなお考えがあるのか、いま一度御答弁よろしくお願いいたします。



○議長(足立勝利君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 県が率先してこの問題に取り組むというときの政策が、職員の自家用車通勤規制にあるというふうには私は考えておりません。やはり、公共交通の活性化という観点から、さまざまな観点から市町村とも連携をとりながら、寄り添いながら政策を考えていくというのが王道であると思っております。

 それから、職員の自家用車通勤につきましては、先ほど申し上げましたように、いろんな事情があるわけでございますので、もちろん公共交通機関が、自家用車通勤がなくなるだけバス路線の拡充とか、公共交通の活性化とか、あるいは場合によっては時間外勤務の縮減とか、そういったこともあるかもしれませんし、逆に、場合によっては柳ケ瀬に寄って帰ると、玉宮町に寄って帰るということもあるかもしれませんし、この職員の通勤をどうするのかという問題は、先ほど申し上げましたように、県庁の再整備の中でいろんな角度から検討していきたいと思っておりますが、公共交通の活性化ということで、まず真っ先にこの問題に取りかかっていくということではないのではないかと思っております。



○議長(足立勝利君) 十四番 長屋光征君。

    〔十四番 長屋光征君登壇〕(拍手)



◆十四番(長屋光征君) 議長から発言のお許しをいただきましたので、今回は、四項目六点について順次質問をさせていただきたいと思います。

 皆さん方、きょうは何の日か御存じでしょうか。約七十年前に国連で、「全ての人間は生まれながらにして自由であり」から始まる世界人権宣言が採択された日であり、世界人権デーでもあります。また、我が国では十二月十日を含む形で十二月四日から十二月十日までの一週間が人権週間、十二月十日から十二月十六日までが北朝鮮人権侵害問題啓発週間でもあるわけであります。

 さて、一点目の質問は、今の話も踏まえ、個人の言論の自由や表現の自由、思想信条の自由に大きくかかわり、我々政治家が発信の一つ一つに気を使うのが当たり前となったインターネットの発信に関し、公務員の皆さんが、どこまでが個人で、どこまでが公人としてみなされるのかという難しい問題についての所見や対策をお伺いしたいと思います。

 近年、フェイスブックやツイッター、ブログなどソーシャル・ネットワーキング・サービス、いわゆるSNSを多くの国民が利用し、政治家であれば日々の活動を、芸能人であれば自身の私生活や活動内容を、商売であれば自社製品の売り込みを発信しています。また、個人についても、昔はインターネットは若者だけの専売特許のように言われていましたが、最近では中高年も含めて日記をつけるように利用をしたり、友人との連絡などのツールとして活用をしています。

 SNSは、使うことで、日本にいながら海外の方と容易に連絡をとることができますし、個人のどんな書き込みも、設定次第では世界中の人がインターネットを通じて見ることが可能であり、その可能性は無限大であります。その一方で、個人の自由な書き込みであるがゆえに、いじめや犯罪の温床になったりと大きな社会問題に発展する世の中にもなりました。

 SNSの書き込みで大きく世間が騒がれるようになったのは二〇一三年ごろだと思います。飲食店やコンビニエンスストア、交通機関などにおける不適切な写真の投稿が相次ぎ、各種報道においてSNSが注目されるようになりました。直近では、埼玉県の高校生が外国人Jリーガーに対して差別的な書き込みをし、サッカー界全体で大きな問題となり、本人が学校に申し出て選手に謝りたいとの反省が述べられ、選手やチーム、協会の理解の上解決することとなりました。また、他県の政治家が酔った勢いで同性愛者に対してのツイートをし、政治家が謝罪をする事案も発生しておりますが、その書き込みに対しての書き込みを本県職員がしていたことが先般の報道で取り上げられたところであります。

 近年、性的少数者、いわゆるLGBTの議論は国会でも取り上げられ、性同一性障がいの人々の戸籍変更などを認める性同一性障害特例法が成立する一方、安倍総理も同性カップルの保護と憲法についての答弁で、同性婚については我が国の家族のあり方の根幹にかかわる問題であり、極めて慎重な検討を要するものであると述べられており、価値観の多様性と我が国の家族のあり方を考えながら慎重に議論を進める必要があると私も考えます。

 技術やインターネットの環境が発達したことにより、いつどこでも書き込みできるようになった一方、先ほど述べたように、さまざまな人が見ることができ、また、どこまで個人としての自由な表現が許され、どこまでが許されないのか明確なルールがないため、今回の問題も全国ニュースとして捉えられてしまったものだと思います。

 ソーシャルメディアの特性は、手軽に思ったことを発信できる一方、一旦発信を行うとさまざまな媒体から拡散をし、当事者がアカウントや発信記事を削除しても第三者によって保存をされ、半永久的に拡散し続ける危険性があることです。このため、国では、平成二十五年六月に総務省人事・恩給局が国家公務員のソーシャルメディアの私的利用に当たって幾つかの留意点を作成し、ソーシャルメディアの特性を踏まえた適切な利用をするよう注意を促しています。守秘義務や信用失墜行為についての説明など参考になる部分も多く、こうした注意すべき事項がもっと利用者に周知・理解をされるとよいと思いますが、今回の本県職員の場合は、多くが勤務時間外、勤務時間内にも発信があったとのことでありますが、また、匿名ではあったものの、プロフィールや過去の発信記事などから本県職員であることがわかってしまったことなど、複雑な事案であると考えます。

 言論の自由や表現の自由、個人の思想信条などはあるにせよ、公務員という立場にある以上、さまざまな生活環境で暮らしている県民に対しての理解を示しながらSNSを活用しなければならないと思いますし、そうでなければ、個人であれば障がい者の方や先ほど述べた外国人に対して差別的な書き込みをしても問題ないということにもつながりかねないと思います。

 ただ、皆さん方に知っていただきたいのは、公務員の皆さんがSNSなどで書き込むことが問題であるというわけではないということです。他の本県職員さんの中には、個人の書き込みで公務員の日々の生活をアップしたり、本県の魅力を発信したりと有効に活用しておられ、我々議員もその書き込みを見ることで勉強をしたり、岐阜県以外の地方自治体の職員さんが書き込むものを見ることで他県がどのような施策を取り組んでいるのかがわかることもあります。

 今回の問題は、インターネットという新たなツールで発生し、全国的に余りない事例として報道され、どこまでが公務員として許され、どこまでが許されないのか一つの基準となり得る問題となりましたので、知事には本県のトップとしての所見と、総務部長には今後の対応についてお尋ねをさせていただきます。

 まず一点目として、今回の事案は、個人がその心情を私的に発信したことであるとはいえ、公務員である以上、さまざまな方に配慮をした上でSNSの投稿をするべきだと考えますが、今回の事案に対しての知事の御所見をお伺いしたいと思います。

 二点目として、今回のような事案もある一方で、県庁職員さんの中には岐阜県のよいところを多くの方に知っていただきたいとの思いでSNSを活用して本県のPRをしてみえる職員さんもお見えになるため、公務員としての適切な倫理観を養う職員教育を考えるなど対策を講じる必要があると考えますが、総務部長の御所見をお伺いしたいと思います。

 今回の事案に対しては、さまざまな御意見が本県にも寄せられているとのお話もありますし、本県職員の皆様にもさまざまな思いがあろうかと思いますが、県民の皆様や他県の皆様にも知られる事案となったため、私自身悩みながらの質問となりましたが、知事、総務部長には皆様にわかりやすい御答弁をよろしくお願いいたします。

 次に、災害時における聴覚障がい者への支援についてお尋ねをしたいと思います。

 私が当選した当時は、東日本大震災発生直後であり、私自身の政治活動にも大きく影響を与え、議会でも防災・減災対策について何度も質問をさせていただきました。震災後の被災地にも何度も伺わせていただいたり、先月には、さきの豪雨災害により大きな被害を受けた茨城県常総市に伺い、河川の氾濫により堤防が破壊された場所を地元の市議会議員の先生に御案内をいただき見てまいりましたが、規模は違うにせよ、東日本大震災で津波の被害を受けた場所とよく似た状態だと感じました。また、その風景は、私が生まれる前に発生し、写真しか見たことはありませんが、昭和五十一年九・一一、九・一二災害を想像させるものでもありました。常総市に伺った次の日は、津波の被害を受けまちの七割近くが流され、現在復興が大きく進み、町民の多くが復興を感じているとされている宮城県女川町を視察させていただき、現場や町長のお話を聞くことで、行政のトップや住民の理解でここまで復興が進むのかと驚かされました。

 一方で、この二つの地域を見て一つ感じたことは、やはり災害時における障がい者等の要救助者の存在をどうするかであります。今回は、障がいをお持ちの方の中で聴覚障がいの皆様に焦点を当てて質問をさせていただきますが、以前の議会で、私は福祉避難所の必要性を質問させていただきました。さまざまな障がいをお持ちの方が、災害発生時に安全に避難をしていただくことはもちろんですが、被災後の避難所で健常者とさまざまな障がいをお持ちの方が同じ空間で生活することは、期間が長くなればなるほど双方にストレスがたまると言われておりますし、障がいといってもさまざまな方がお見えになるため、福祉避難所でもその対応が変わります。

 改めて申し上げますが、今回は聴覚障がいをお持ちの方のために、手話と字幕の番組である「目で聴くテレビ」の制作元である特定非営利活動法人CS障害者放送統一機構と災害情報協定を締結し、県下各地域の福祉避難所に、手話・字幕つきのテレビ放送や緊急放送を受信することができる機器、アイドラゴン?を設置してはどうかという質問をさせていただきますが、これは聴覚障がい者向けの情報受信機器を設置することで正確な情報を得ることができ、避難所にいても情報から隔離をされることがなく、安心できるからであります。

 災害時における聴覚障がいをお持ちの皆さんの不安については、東日本大震災発生後に被災地に手話通訳者として赴き、岐阜新聞社が発刊した「東日本大震災ぎふ支援の記録」で、耳が聞こえぬ不安と恐怖を理解してあげてほしいと寄稿している岐阜県聴覚障害者情報センターの尾関裕子さんが、手話通訳者の必要性とともに書かれております。もちろん、尾関さんが述べられているとおり、手話通訳者を多く設置することができればいいのですが、いつ災害が発生するかわからない時代において、まず、できる最小限の整備をする必要もあると考えます。

 そこで健康福祉部長に御質問させていただきます。

 緊急事態や災害発生時に、音で情報を得ることができない聴覚障がいの皆さんが、避難所で正確な情報を取得するためのツールとして、手話と字幕の番組である「目で聴くテレビ」の制作元である特定非営利活動法人CS障害者放送統一機構と災害情報協定を締結し、県下各地域の福祉避難所にアイドラゴン?を設置することが必要であると考えますが、御所見をお伺いしたいと思います。

 次に、看護師、助産師に対する就労支援等について質問をさせていただきたいと思います。

 私は、年に一度は議会で看護職の就労支援や離職防止について質問をさせていただいておりますが、現場を視察させていただいたり、同世代の看護職の仲間の意見が県政に反映されるようにとの思いや、高齢化が進む中で、今後ますます看護職の必要性が出てくることを思ってであります。もちろん、私以外の先生方も看護職の皆さんについての質問をされていますので、我が県は、看護職に対する議会での質問が他の都道府県に比べて多いのではないかと感じております。

 また、昨年も質問させていただきましたが、少子化問題を考える上でも助産師の皆さんの重要性は言うまでもありません。産科医が減少する中で、いかに助産師の皆さんのお力をおかりし、岐阜県のどの地域にいても安心して産み育てることができる環境をつくるかも重要だと考えております。

 さて、今回の質問は、看護職の確保対策として、いわゆる潜在看護師、出産や育児などで離職はされているけれども、看護職の免許をお持ちの皆様にいかに現場に復帰をしていただくかについてであります。以前、議会でもお話をしましたが、離職をした看護職の皆様がなかなか職場復帰できない理由として、仕事の大変さのほかに、育児との両立、日進月歩で進化をしていく医療機器等を新たに使いこなすことへの不安、また職場復帰をしても就職先の勤務体系がわからない、希望する就職先が見つからないといったマッチングの問題がありました。職場復帰をしたのはいいけれども、自分の考えていた勤務体系との乖離があって働きにくい、結局離職をすることにつながることが多い中、本県では、ことし四月に県内初となる岐阜県ナースセンター多治見支所が開設をし、潜在看護師の皆さんが自分のライフスタイルに合わせた職探しができるようになりました。

 私は、この制度は大変評価をするべきものであると思います。現在、我が国では二百二十五万人の看護職に対し七十一万人の潜在看護師がいらっしゃることを考えると、統計的に本県でも全体の三分の一程度の潜在看護師がお見えになると推定されます。この制度を使って、潜在看護師の皆さんと勤務先のマッチングを行うことで効果的な看護職の確保対策につながると考えます。今後、ますます進んでいく高齢化社会において、看護職の皆さんの力は重要であります。東濃に引き続き、潜在看護師が千七百名程度いるであろうと言われている西濃地域でもナースセンターの支所を開設することが必要であるとの御要望をいただいており、私もぜひ検討する必要があると考えます。

 また、看護職と同じように助産師の皆様のお力をおかりすることも重要であります。産科医が少なくなっていることは、皆さん御存じのとおりだと思いますし、岐阜県内においても、岐阜市は比較的産婦人科がありますが、中山間地域においては不足しているのが現状であります。

 昨年の議会質問では、県内の助産師さんの現状をお伝えしました。県内の病院の分娩件数が減少したことにより、助産を学ぶ学生の学習機会が少なくなっているほか、就業中のスキルアップが困難な状況が続いています。また、その影響で、スキルアップを図ることができない助産師が増加したことにより、助産師が主体となって行う助産外来や院内助産が推進されなくなりました。

 本県においては、助産師の人的資源が有効活用されていないため、健康福祉部長に、助産師一人一人の助産実践能力を強化するためには、日本看護協会の助産実践能力開発プログラムである助産実践能力習熟段階、クリニカルラダーや、県内の分娩取り扱い施設内助産師が他の分娩取り扱い施設に出向できる助産師出向システムを、今後本県でも取り入れていく必要があるのではないかと質問させていただきましたが、今年度から国費を活用し、助産師実践能力強化支援事業の開始と助産師出向支援システムに向けての調整を進めていただけているとのことです。産科医不足が深刻化し、助産師の皆さんの人的資源が有効活用されていない現状の中で、本県も一歩ずつ踏み込んで形に変えていっていただけることはありがたいと感じますが、一方で現場からは、会議などの机上で議論するのでは、制度遂行のためのスピード感が足りないとの御意見も聞きます。国費を活用することも大切ですが、人的資源を速やかに有効活用するために県費も必要であると考えます。

 そこで健康福祉部長に、看護師、助産師に対する就労支援等について二点お尋ねをいたします。

 一点目は、今後、看護職確保対策の一環としてナースセンターのサテライトを設置することが必要であると考えますが、東濃地域に引き続き、設置要望のある西濃地域にも設置をすることについての御所見を伺いたいと思います。

 次に、昨年の議会での答弁では、この助産師出向システムの整備について関係機関と協議を進めていくとの御回答をいただきましたが、その後、県としてどのように関係機関と協議を進め、助産師出向システムの整備を進めていらっしゃるのかをお尋ねいたします。

 最後に、旅館等に対する耐震改修工事の補助について質問をさせていただきたいと思います。

 この質問は、以前、我が会派の駒田県議が、耐震改修促進法が改正され、後に県内の対象建築物の数や、耐震診断や耐震改修工事に係る助成について御質問をされました。当時、耐震診断が義務化となった大規模な建築物のうち、対象となるホテル・旅館で耐震診断が未実施なものが九件あることがわかり、その後、随時耐震診断を受け、今後その診断結果が公表されることとなっております。改修工事が必要との診断を受け、改修した上で今後も建物を利用していきたいと思っている関係者の皆様には、多額の改修費用の負担が生じることとなります。今回は、こうした改修の補助に関する県の施策について質問をしたいと思います。

 例えば、今回の対象建築物の中には旅館も含まれていると思いますが、現在、外国人観光客や国内の観光客の増加で旅館の稼働率が上がっている中、一時営業を中止して新館を建設することは難しいと思います。また、営業を中止している間も社員さんやパートさんの生活を維持していかなければいけないため、耐震改修工事を行う場合は営業しながら工事を行わなければなりません。さらに、耐震診断の補助率は高いものの、実際の改修費用が高額であるため多額の自己負担が必要となり、旅館経営をしている皆さんは対応に苦慮をされているとお聞きをいたします。

 突然の法改正に伴い、耐震診断が義務化された建築物の関係者は、お客様の安心・安全を確保するために診断を受け今後の対応を協議しているわけですから、対象の県内の旅館やホテル業等の皆さんが今後とも希望を持って経営ができるように、我々も考えていかなければいけないと思いますが、申し上げるまでもなく、この施策は県のみが補助をするものではなく、国や、特に関係市町の負担や協力が必要になりますが、県の補助等の拡充をすることで関係市町も協力をしやすくなると思います。

 そんな中、先日、岐阜市議会において、自民党所属の石井議員より耐震診断の補助についての質問や、今回私が提起をしている旅館等に対する耐震改修工事の補助についての岐阜市の対応についての質問がされました。この質問に対しての市側の答弁は、耐震診断が義務化となった大規模な建築物の耐震化を早急に進めるため、現在の県と市合わせた一一・五%の補助率の拡充を県に要望するとともに、岐阜市においても補助率の拡充に努めるというものでありました。つまり、該当自治体である岐阜市としても、建物所有者の経済的負担の軽減を図る必要があるため補助率を拡充するので、県にも協力をしていただきたいということであります。

 そこで、都市建築部長にお伺いをいたします。

 耐震改修促進法が改正をされ、耐震診断が義務化をされた旅館やホテルなどの大規模建築物の耐震診断結果が十二月末までに報告されるとお伺いをしておりますが、今後、耐震改修をしていく上で必要な県の補助制度の拡充についてどのようにお考えなのかをお尋ねいたします。

 民間の自助努力はもちろんのこと、関係市町の協力がなければならない制度でありますが、前向きに取り組みを考えている皆さんが希望を持てるような御答弁を期待して、私の質問を終わりたいと思います。御清聴、ありがとうございました。

    (拍手)(発言する者あり)



○議長(足立勝利君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) インターネット発信のあり方ということでございますが、私もおおむね議員と同様の問題意識を持っているところであります。いろんな事案が発生しているわけでありますけれども、現時点で厳格な発信のルールという話になりますと、言論表現の自由などいろいろと慎重に考えていくべきものが多々あるのではないかというふうに思っておるところであります。

 その上で申し上げますと、少なくとも今回のケースで言えることは、本県職員がソーシャルメディアにおいて同性愛者を差別したり、他県民や報道機関を中傷したりするなど不適切な書き込みを行ったということでありますし、これが県の信用を失墜させることにもなりかねないということでありまして、私としては大変遺憾なことであるというふうに考えております。当該職員は、私人の立場で書き込みを行えば問題はないのではないかといった誤った認識を持っておったのではないかと、あるいは、自分の言動が岐阜県庁職員の言動として捉えられることについての認識がなかったのではないかと、その結果としてこうした不適切な行為に至ったのではないかというふうに見ているわけであります。

 いずれにしましても、全体の奉仕者として公共の利益のために職務遂行していく公務員という立場からは、社会規範に反する差別的内容や他者を誹謗中傷する内容を発信したり、不快な思いをさせる低劣な表現を使用することは不適切であるというふうに言わざるを得ないのではないかというふうに思っております。

 今後につきましては、後ほどまた答弁があろうかと思いますが、再発防止の観点から、現在ありますところの職務上の利用を想定した岐阜県ソーシャルメディア利用ガイドラインでございますが、これに私的利用をする際の留意事項を加えるといったようなことで職員に対して周知徹底をしていきたいと、ここから始めるのかなというふうに思っております。



○議長(足立勝利君) 総務部長 高木敏彦君。

    〔総務部長 高木敏彦君登壇〕



◎総務部長(高木敏彦君) 今回の事案を踏まえた今後の対応策についてお答えをします。

 議員御指摘のとおり、ソーシャルメディアは、個々の職員が職務内外において県をPRしていく上で効果的なツールと認識をしております。一方で、今回の事案に関する再発防止の観点から、先ほど知事が御答弁申し上げましたとおり、岐阜県ソーシャルメディア利用ガイドラインに、私的利用であっても地方公務員法等の法令を遵守することや、例えば氏名や所属を明らかにして発信する場合においては、所属する組織の見解を示すものではないことを明記するなど、私的利用に関する留意事項を追加してまいりたいと考えております。

 さらに、このガイドラインにつきましては、職員研修所における倫理研修はもちろんのこと、職場内研修や情報セキュリティー研修など、あらゆる機会を通じまして職員に周知徹底を図ってまいります。



○議長(足立勝利君) 健康福祉部長 石原佳洋君。

    〔健康福祉部長 石原佳洋君登壇〕



◎健康福祉部長(石原佳洋君) 三項目について御質問いただきました。

 初めに、福祉避難所への聴覚障がい者向け情報受信機器の設置に向けた災害情報協定の締結についてお答えいたします。

 聴覚障がい者向けの字幕・手話放送受信機の設置については、平成十九年三月に発生した能登半島地震の際、石川県内で事業者からの寄附により設置した実績があります。本県でも、福祉避難所において、聴覚障がい者に情報を正しく迅速に提供することは行政の責務であると考えており、字幕・手話放送受信機の設置もその手法の一つであると考えております。

 県内で災害が発生した際の聴覚障がい者向け対応を十分に図っていくために、聴覚障がい者向けの放送を行っている事業者との協定締結を含め、多様な手段を確保していくべく検討を進めてまいります。

 次に、看護師の就労支援のためのナースセンターの設置についてお答えいたします。

 本年四月に、東濃圏域における看護人材確保のため、ナースセンターの多治見支所を設置いたしました。上半期の実績で、求職や求人に関する相談件数が約四百五十件となっており、支所設置の手応えを感じております。

 他方で、西濃圏域において、現在、民間のあっせん業者へ求人を出したり、施設見学会を実施するなど、独自で人材確保に取り組む医療機関から、医療機関の求人情報等を発信するための拠点を設置してもらいたいといった要望をいただいております。ナースセンター機能を西濃圏域に整備することで、求人・求職に関する情報を集約し、地域のニーズに応じた人材確保が可能となることから、再就業を希望する方が気軽に立ち寄っていただけるよう、大垣市内の人が多く集まる施設内に設置することを検討してまいります。

 最後に、助産師出向システムの整備についてでございます。

 本年十月から、国補助金を活用して、助産師出向に係る調整や出向助産師の支援などを行うコーディネーターの配置を岐阜県看護協会に委託し、取り組みの準備を開始したところです。

 今後、医師会等関係団体と調整して、本事業について具体的に検討していただくため、助産師出向支援導入事業協議会を設立し、医療施設に対する事業の周知と助産師出向や受け入れ希望施設の調査を年度内に行ってまいります。

 さらに、出向する助産師の労働条件や処遇について、出向元と出向先との間の調整などマッチングに必要な具体的条件を整え、来年度に助産師の出向が実現できるよう取り組みを進めてまいります。



○議長(足立勝利君) 都市建築部長 河合成司君。

    〔都市建築部長 河合成司君登壇〕



◎都市建築部長(河合成司君) 旅館等に対する耐震改修工事の補助についてお答えします。

 耐震改修促進法の改正により、多数の方が利用する大規模な建築物の耐震診断及びその結果の公表が義務化されました。県内の民間建築物では、ホテル・旅館や病院など二十六棟がその対象となっております。このうち半数を超える建築物について耐震性が不足していると見込まれ、早急に耐震化に取り組んでいただく必要があると考えております。

 現在、県では、国・市町村と協調して大規模建築物の耐震改修工事に対する補助制度を設けておりますが、工事費用が経営への大きな負担になることなどから耐震化が進んでおらず、ホテル・旅館業の関係団体からも補助制度の拡充について御要望をいただいております。

 県としましては、こうした状況や、民間の大規模建築物の中には被災時における避難者支援や物資調達など重要な機能を期待される施設もあることから、ホテル等のニーズも踏まえつつ、関係市町村の御意見も伺いながら、耐震改修に対する補助制度について、拡充も含め検討してまいります。



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○議長(足立勝利君) しばらく休憩いたします。



△午前十一時五十九分休憩



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△午後一時一分再開



○副議長(森正弘君) 休憩前に引き続き会議を開きます。



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○副議長(森正弘君) 引き続き一般質問並びに議案に対する質疑を行います。三十五番 小川恒雄君。

    〔三十五番 小川恒雄君登壇〕(拍手)



◆三十五番(小川恒雄君) 議長のお許しを得ましたので、通告に従い、順次質問をさせていただきます。大きく二点、三項目にわたりまして質問をさせていただきます。

 知事は、十月末から十一月にかけてリトアニア、イギリス、フランス、スイス、イタリアを延べ十三日間にわたり訪問をされました。岐阜県にとって得たものは大きいものではなかったかと思います。また、知事は次はイタリアへ行くということを本会議で述べられております。都合三回でございます。

 こうした海外でのトップによる我が県の紹介や宣伝のみならず、観光誘客や農産物の輸出等は、今後の海外戦略の基礎となり、将来岐阜県にとって貴重な実績となると思います。今後、知事が各国訪問を続けられることは、岐阜県の国際的な知名度を上げることにつながるため、知事の大事な仕事でもあると思います。私は、今後ももっと海外に目を向け、必要なときは海外訪問をし、よい結果次第が成果だと考えております。

 さて、来年五月には、三重県で伊勢志摩サミットが開催されます。三重県の魅力を世界に発信するチャンスとして、三重県では準備を進めていらっしゃいますが、隣県として何もしないで見ている場合ではありません。岐阜県にとっても千載一遇のチャンスであります。サミット開催まであと半年となり、岐阜県にとっても行動を起こすときだと考えます。

 知事は、かつて外務省、経済産業省に在籍され、サミットにかかわられた経験がおありですので、十分サミットについては熟知されていると思います。知事がこれまで海外訪問へ行かれた国の中で回数が多いのは、フランスが五回、中国、シンガポールが四回となっております。中国、シンガポールは今回のG8の中には入っておりませんので、伊勢志摩サミットの参加国の中で一番多く訪問をしていらっしゃるのはフランスということになります。知事はフランス語が堪能とお聞きしておりますし、留学経験もあり、フランスに精通していらっしゃると思います。

 新聞報道によると、伊勢志摩サミットを訪れる政府関係者は二千人、メディア関係は二千人から三千人に上るとされていることから、サミット関係者は総勢で四千人から五千人となり、海外戦略を行うに当たり、千載一遇のチャンスであります。

 私としては、主要国のトップが岐阜県へ来ていただけることが一番よいわけでありますが、時間等の制約もあると思うので、せめてフランス大統領ぐらいが半日でも数時間でもよいので来県をし、飛騨牛を食べていただき、メディア関係者が記事としてフランスで報道してくれればいい宣伝になるかなと勝手に思っております。場合によっては、知事がフランスへ百回トップセールスをされるより効果があると思います。

 ただし、これは実現不可能かもしれませんが、実現に向けて努力はすべきで、せめてメディア関係者が岐阜の宣伝に一役買ってくれるようなことを考えられないか、せっかくの地の利を使わないことはないと思います。三重県は開催地であり、愛知県は玄関口である空港を持つ地の利があります。三重県や愛知県に対抗するわけではありませんけれども、岐阜県も知恵を絞るときだと思います。

 そこで、知事にお伺いをいたします。

 この伊勢志摩サミットにおいて、フランスを中心とするサミット参加国に対し、岐阜県の観光や産業を知事のこれまでの経験、つながりを生かして、どのように宣伝をされていくのか、お伺いをいたします。ここで成功をすれば、海外訪問の成果は出たと胸が張れると思います。

 次に、公共工事について、建設業界の皆さんからお伺いした要望等をもとに、県土整備部長にお尋ねをいたします。

 平成二十七年度の各地区建設業協会との意見交換会の中身と重なる部分が多いと思います。建設業の皆さん方からは、次のようなお話を聞きました。

 一つには、設計単価についてはおおむね実態を反映しているが、一層の単価の見直しをお願いしたい。二番目に、業種、金額等の条件はあるものの、今後ますます技術者不足が予想され、急な技術者の養成が難しいことから、現場技術者が兼務可能な現場の件数の拡大と条件の緩和を望む。三つ目に、県では年度初めに、その年の工事の発注見通しを公表していますが、今後東日本大震災の復興工事が継続し、二〇二〇年オリンピックに向けた工事が本格化すれば、特殊技術者の不足から専門職の下請業者の確保が困難になるのではないかという危惧がありました。四番目に、請負業者が県に提出する工事に関する書類の一層の簡素化をお願いしたい。五番目に、道路等保守管理の単価契約について一層の単価の見直しをお願いしたい。六番目に、市町村の技術者不足の解消のため、トンネルとか橋といったような特殊な工事の県への委託ができないか。郡上市のように市の建設担当部門を県の施設内に設置してある事例もあるということでございます。それから、七つ目に、技術者や一般に三Kと言われる建設労働者の不足が目立つが、何とかできないか。八つ目に、これまで申し上げた問題も、仕事があれば解消しやすくなるので、工事量をふやしていただきたい。どうしても重点事業や災害を受けた地域に工事は偏りがちである。九番目に、年間、平準化した発注になるよう努めてほしい。

 以上、各般にわたって聞いた意見を述べさせていただきました。

 我が自民党も平成二十七年度の県の予算編成に対する知事への要望書の中で、公共工事の安定的確保、県内業者の受注の機会の増大、地域の実勢価格を反映した予定価格の設定等、さらなる入札契約制度の見直しを実行することも要望をいたしました。

 この中で、特に問題があると思われるのは、技術者の不足、建設労働者の不足といった人材不足、これは何ともならないかもしれませんが、さらなる公共工事の増加を期待する声であります。

 そこで、県土整備部長に二点お伺いをいたします。

 県土の八〇%以上が森林であるという岐阜県の特徴から、中山間地で生活をしている人や市町村にとって、県道は生命線であります。こうした道路あるいは河川等の保守管理は建設業者と協調して実施をしていますが、そのうちに人手不足で保守管理もままならなくなるという指摘もあり、建設業の人材不足は緊急の課題でありますが、これからどう考えているのか、お伺いをいたします。

 二つ目に、先ほど難しい問題ではあるがと申し上げましたが、工事量の増加ですが、予算がないので仕方がないということで納得できる話ではございません。何とか建設業者が元気なうちに、今後も存続できるように考えていくべきではないかと思います。考えてみると、工事と予算総額には限りがあり、この予算総額を減らさずに予算総額の範囲内で、ともに生きるための共存共栄も必要であります。先ほど述べたように、現在、重点事業や災害地域に偏りがちであることも間違いではないと思います。県土整備部長を筆頭に知恵を出し、効果的、効率的な策を練っていただきたいと思います。今、国土強靱化、地方創生等が言われておりますが、建設業は特に大きな意味を持つと思います。

 そこで、県土整備部では各種制度の実施に当たり、大変努力されておるのは承知の上で、安定的な公共事業の確保をどうしていくのか。特に、国土強靱化、地方創生等の観点も踏まえ、お答えをいただきたいと思います。

 以上で質問を終わらせていただきます。御清聴、感謝いたします。ありがとうございました。

    (拍手)



○副議長(森正弘君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 伊勢志摩サミットに関連しての御質問がございまして、一言で難問難題をいただいたような思いで伺っておりました。

 御案内のように、伊勢志摩サミットは、世界主要七カ国の首脳が集まって地球規模の課題について話し合うという会議であります。これまでに四十一回のサミットが行われてきておるわけでありますが、改めて振り返ってみますと、私自身は通産省、経済産業省時代を含めて、そのうちの九回、直接サミットにかかわってまいりました。そういう過去の古い経験でありますけれども、各国の首脳がまさに国益をかけて徹底討論するという国家事業ということでございます。何となくサミットというと、報道で見る限り華々しさのほうが前面に出ますけれども、まずは厳しいセキュリティー体制のもとで、安全にかつ実りある首脳会談をどう実現するかというところから始まるということでございます。

 実は、サミット首脳クラスであれ、閣僚クラスであれ、岐阜県に誘致するというアイデアもなかったわけではないんですけれども、かつてAPECの中小企業大臣会合を岐阜でやりましたけれども、非常にうまくできたということで御評価いただいておりましたので考えてはみたんですが、なかなか場所、インフラ、あるいはテーマと岐阜とのかかわり、いろいろな意味で難しいのではないのかということで、今回は私自身は見送らせていただいたような経緯がございます。また、首脳の滞在時間がこのところのサミットを見ていますと大体二十四時間前後ということでございますので、その二十四時間前後の滞在で、さて岐阜に連れてきたら百回分の海外出張だと言われましても、なかなか難題かなと思っております。

 実は、話はそれますけれども、話題性という意味では、今回のヨーロッパ出張といいますか、フランス出張で、実はあのカトリーヌ・ドヌーヴと一緒に飛騨牛を食べる予定であったわけです。これが直前になって体調がどうしてもということでキャンセルになりましたので、これまた千載一遇のチャンスを逃したので、また次回と思っておりますけれども、それはさておきまして、このサミットでは、お話ありましたように約五千人を超える関係者がこの圏域を訪問するというふうに言われておりまして、愛知・三重・岐阜、この東海エリアを世界にPRする一つの貴重な機会だということは私も同じ意見でございます。

 そこで、この九月に三県一市、名古屋市も入れまして知事・市長会議をやりまして、このサミットの機会を捉えて、連携してモノづくり、観光資源のPRをやっていこうということで、まず合意をしたわけでございます。そして、こうした東海地域のPRを十分行えるように国に対しても配慮をお願いするということで、この十一月上旬に三県一市で首長名で要望活動も行っておるところでございます。

 そして、その後、このもとで設置しております担当課長会議がございますが、どのような場面で、どのようなPRができるのか、国の担当官にも参加していただきながら今調整をしているというのが現状でございます。具体的可能なPR内容としては、設置が予定されている国際メディアセンターにおいて、ユネスコ無形文化遺産候補となっている、山・鉾・屋台行事の紹介でありますとか、美濃焼、瀬戸焼等、主要な産地が東海地域にある陶磁器、あるいは先端技術の象徴としてのMRJ、次世代自動車、こういったものをアピールできないだろうかと、東海地域共通のということでアピールできないだろうかということを今三県一市で検討しておるところでございます。

 いずれにしましても、昨今の情勢から、まずはセキュリティーから始まるわけでありまして、どういうスケジュールの中で何ができるかということの中で、東海三県一市で連携をしながら、限られたスペースではありますけれども、本県の魅力を大いに発信していきたいと思っております。



○副議長(森正弘君) 県土整備部長 高木善幸君。

    〔県土整備部長 高木善幸君登壇〕



◎県土整備部長(高木善幸君) 建設業に関して、二点御質問をいただきました。

 初めに、建設業の人材不足への対応についてお答えします。

 近年の建設業の人材不足は、社会資本の維持や災害時の対応に大変大きな影響があると危惧しています。建設業の人材を確保・定着させるためには、まずは適正な利潤の確保や魅力ある労働環境の整備などが必要と考えています。

 このため、県では労務・資材単価の適切な改定、工事の平準化、完全週休二日制に対応した工期の設定、社会保険の未加入対策、若手や女性を育成支援するモデル工事の試行などを行っています。また、建設業の役割や魅力を若年者に知ってもらい、入職につなげることも重要であることから、工業高校の生徒や、小・中学生と保護者を対象とした建設工事の現場見学会や、工業高校の教員と建設業者との意見交換会を開催するとともに、タウン誌や防災フェアの場を活用した広報を行うなど、県建設業協会と連携し、中・長期的な視点に立った取り組みも行っているところです。県としましては、こうした取り組みを継続し、その効果を検証しながら、関係機関と連携し、人材の確保に努めてまいります。

 次に、安定的な公共事業の確保についてお答えします。

 建設業は、地域の経済や雇用を支えるとともに、災害時の応急復旧や冬期の除雪作業を行うなど、地域防災力のかなめであり、建設業者が健全な経営基盤を維持することは、地方創生や国土強靱化の観点からも大変重要であると考えています。一方、県内建設業界からは、公共事業の増減が経営面における大きな不安要因であるとの御意見をいただいています。

 このため、県では国に対し、安定的・持続的な公共事業予算の確保を働きかけるとともに、年度内の工事の偏りを少なくするため、工事発注時期の平準化や債務負担行為の活用など、年間を通じた切れ目ない工事の執行に取り組んでいるところです。

 今後とも、地域の安全・安心を支える建設業を支援するため、公共事業の安定的な確保に努めてまいります。



○副議長(森正弘君) 十番 伊藤英生君。

    〔十番 伊藤英生君登壇〕(拍手)



◆十番(伊藤英生君) 議長よりお許しをいただきましたので、今回は大きく二項目についてお伺いいたします。

 初めに、生活困窮者自立支援制度についてお伺いいたします。

 二〇一四年に千葉県のある市で、住宅強制立ち退きの日に母親が無理心中を図り、中学生の子供を死なせるという大変痛ましい事件が発生いたしました。母子と行政は多様な接点を持っていたにもかかわらず、母子は社会的に孤立、実際には行政からの支援として母子救護施設の存在や家賃八割減免等を行うことが可能であったということでございますが、そういった情報はこの母子に共有されてはおりませんでした。

 こうした孤立が困窮感をより強めているさまざまな背景があります。

 二〇〇九年の内閣府の調査でも、頼れる人がいない、男性独居で二四・四%、女性独居で九・二%、家計が苦しい、男性独居で三二・三%、女性独居で二三・九%という結果が出ております。また、困窮化と高齢化の同時進行で、支え合いも困難になってきております。

 そうした時代の背景を踏まえまして、本年度、平成二十七年四月から生活困窮者自立支援法が施行されました。これは、生活保護受給者や生活困窮リスクの高い層の増加を踏まえ、生活保護に至る前の自立支援策の強化を図るとともに、生活保護から脱却した人が再び生活保護に頼ることのないようにすることを目的に、民主党政権の時代から検討が進められてきたものであります。

 そもそも、なぜ生活困窮者自立支援制度が必要になってきたか、改めてその背景を探ってみますと、まず生活保護受給者や、中でも稼働年齢層、すなわち就労により生活費を得ることのできる現役世代の受給者の増加が挙げられます。

 国全体のデータを見ますと、生活保護受給者数は過去最高を更新中であり、また十年前と比較すると稼働年齢層と考えられるその他の世帯が三倍強の増になっています。

 また、雇用の状況の変化も見逃すことができません。非正規雇用労働者は、平成十二年に二六・〇%だったものが、平成二十五年には三六・七%に、年収二百万円以下の給与所得者も平成十二年に一八・四%だったものが平成二十四年には二三・九%に増加しています。

 さらに、その他の困窮リスクとして高校中退者は約五・四万人、中高不登校は約十五・一万人、ニートは約六十万人、引きこもりは約二十六万世帯となっています。いずれも人間関係の構築がうまくいかず、困窮状態に至るリスクを抱えています。

 この法の対象となる生活困窮者は、生活保護受給者以外の生活困窮者です。失業者、多重債務者、ホームレス、ニート、引きこもり、高校中退者、障がいが疑われる者、矯正施設出所者、さまざまな人たちが考えられ、こうした複合的な課題を抱え、これまで制度のはざまに置かれてきた人たちへの対応が重要になります。

 さて、こうした背景を受けて開始した生活困窮者自立支援制度については、法律上の必須事業として自立相談支援事業と住居確保給付金の支給、任意事業として就労準備支援事業や家計相談支援事業等があります。このうち、必須となる自立相談支援事業は、生活困窮者からの相談を受け、支援員が相談者とともに具体的な支援プランを作成し、必要に応じて関係機関への連絡調整や支援の実施状況の確認などを行うものです。岐阜県においては、二十一の市と町村のエリアごとに、県庁や総合庁舎など四カ所に相談窓口が置かれています。この自立相談支援事業では、相談に来られた方を広く受けとめることが何より重要であると考えます。

 また、任意事業として、福祉事務所設置自治体は以下の四つの事業を行うことができるとされています。就労に必要な訓練を日常生活自立・社会生活自立段階から有期で実施する就労準備支援事業、家計に関する相談、家計管理に関する指導、貸付のあっせん等を行う家計相談支援事業、住居のない生活困窮者に対して一定期間、宿泊所や衣食の提供等を行う一時生活支援事業、生活困窮家庭の子供への学習支援事業、その他生活困窮者の自立の促進に必要な事業でございます。

 そこで、こちらをごらんください。議員の皆様にはお手元に資料が配ってあると思います。(資料を示す)こちらに、小さくて見えにくいと思いますけれども、お手元の資料を見ながらと思います。

 まず、最初のこの任意事業についてですけれども、就労準備支援事業の実施割合ということでございまして、全国平均がこちらの二八%となっておりますけれども、岐阜県においてはここの一八%ということになっております。そして、家計相談支援事業、こちらも全国二三%、このラインでございますけれども、こちらは岐阜県は全国平均と一緒で二三%ということになっております。そして、一時生活支援事業は全国実施割合が一九%でございますけれども、岐阜県は五%。そして、子供の学習支援事業でございますが、全国実施割合は三三%でございますが、岐阜県は五%というふうになっております。

 この任意事業につきましては、熊本県であるとか、京都府など一部の自治体がぬきんでて取り組んでおられるために、全体の平均値を押し上げているという側面もありまして、多くの自治体ではまだまだ様子見といった状況ではありますが、それを差し引いても、本県が四分野のどれをとっても全国平均を超えていない実態が浮かび上がってまいります。

 今日、疾病、障がい、失業、非正規化、貧困、家族関係など、多様で複合的な問題を抱える世帯が急増する中、個別の生活支援や貧困の連鎖を断ち切るための学習支援などは極めて重要な施策であり、その効果も実証されております。県においても、さまざまなニーズを受けながら、県内における任意事業の普及を進めていただきたいと思います。

 そこで、健康福祉部長に二点お伺いします。

 一点目として、本年四月から生活困窮者の自立支援制度が開始されましたが、半年以上が経過した現在の状況はどのようになっていますでしょうか。また、見えてきた課題について、あわせてお示しください。

 二点目として、県内における生活困窮者支援制度の任意事業については、事業分野によって濃淡があり、また全国平均と比較してみても、その実施割合が全体的に低い状況と考えられますが、県内において任意事業をさらに普及させるため、今後具体的にどのように取り組んでいくお考えでしょうか。

 続きまして、二項目め、大学生の奨学金制度についてお伺いいたします。

 今や大学生の二人に一人が何らかの奨学金を在学中の学費や生活のために利用しており、卒業時には数百万円の借金を背負って社会に出ていくという状況になっております。我が国の奨学金制度は、そのほとんどが貸与型奨学金であり、有利子奨学金の利用者が全体の三分の二を超えています。

 大学生を対象に、国が行う貸与型奨学金事業を実施する日本学生支援機構によると、奨学金の貸与人員は年々ふえており、また一方で、平成二十四年度の返還滞納者数は三十三万四千人、未返還額は過去最高の九百二十五億円となっています。非正規雇用や低賃金労働が拡大している今日、奨学金を返したくても返せない若者が多くなっており、これは大きな社会構造の問題であると考えます。

 さて、本県も独自の奨学金制度を持っております。県の大学生向け奨学金は無利息の貸与型奨学金であり、保護者が県内に住所を有することや経済的理由により修学が困難と認められることなどを要件に、県の奨学金のみの場合は月額三万二千円、日本学生支援機構の奨学金を併用する場合は一万六千円を貸与するものです。

 そもそも奨学金制度を持っている都道府県は半分もなく、厳しい財政状況の中、こうした制度を堅持している本県は、教育・子育てに力を注いでいるという意味において、大変よい取り組みをしていると考えます。

 一方で、その利用状況に目を向けてみますと、いろいろ課題も見えてまいります。例えば、平成二十二年度から平成二十六年度までの大学区分における新規貸与人員の推移を見てみますと、県のみの場合と併用の場合を合わせた人数は、二十二年度が百二十六人、二十三年度が百三十人、二十四年度が百八人、二十五年度七十九人、二十六年度七十人となっており、年々利用者が減少していることがわかります。これは、利用者が有利子であっても金額的に大きい国内のほかの奨学金制度に流れているのではないかと推察されます。

 ただ、子供の貧困や教育格差の拡大が指摘される中、私としては教育の機会均等につながるこの奨学金制度については、多くの学生に利用していただきたいと思っています。

 そこで、教育長にお伺いします。

 本県の大学生向け奨学金については年々利用者が減少している状況にありますが、この現状についてどのように認識されていますか。また、今後の活用を促すためどのように取り組まれるのでしょうか、お聞かせください。

 さて、このような状況の中、奨学金について特色のある取り組みをスタートしている県があります。

 例えば、香川県の大学生等奨学金制度では、若者の地元定着の促進を目的に、県内の大学等に進学した場合、貸付額の加算を行っています。利用者が県内の大学等に進学した場合には、学校種別、通学形態に応じた通常の貸付額の高いほうの金額に月一万円を加算した額を選択できるようになっています。さらに、奨学生が大学を卒業後、県内に居住し、県内で就業している場合には、奨学金の返還額の一部免除も行っています。

 また、鹿児島県の大学生入学時奨学金制度においても、地方創生枠を設けて、大学等を卒業後六カ月以内に鹿児島県内で「鹿児島県まち・ひと・しごと創生総合戦略」に位置づけられた分野に就業した者に対して、大学等入学時奨学金全額の返還免除を規定しています。さらに、鹿児島県では、明治維新百五十周年記念特別枠をつくり、経済的理由により大学進学が困難な高校生等のうち、特に学業成績がすぐれている者を支援するため、入学時に必要な費用相当額の奨学金を貸与し、後の手続で実質給付する制度も設けています。

 本県においても、学生・若者の県外流出は深刻な課題であり、学生・若者らが県内で学び、働き、活躍するインセンティブを働かせるように、将来的には本県の奨学金制度をさらにグレードアップさせる必要があると考えます。また、現在の利用者からは、金銭的に負担の大きい大学入学前の準備時期に必要なのに、実際に貸与が始まるのが入学してから数カ月後などの声も聞きます。利用者数の減少もあり、現行の県奨学金制度については、いま一度制度設計を見直す時期に来ているのではないでしょうか。こうした声を受け、支給方法の見直しを検討いただければと思います。

 さらには、OECDの加盟国のうち、大学の授業料が有償で給付型奨学金がないのは日本のみであり、極めて特異な存在と言えます。少子化の中、意欲と能力のある子供たちが家庭の経済状況や生まれ育った環境に左右されず、安心して学ぶ環境をつくるために、県による給付型奨学金の導入についても検討いただく余地があるのではないでしょうか。

 そこで、教育長にお伺いいたします。

 現在の県奨学金制度は、入学後、四半期ごとに定額支給されるのが基本となりますが、経済的に負担の大きい大学入学前の準備段階については一定の配慮が必要になると思います。そこで、このような時期に配慮した支給方法の見直しについてどのようにお考えでしょうか。

 また、近年不安定な雇用や就職難などから、大学を卒業しても奨学金の返還が困難となる若者がふえていますが、県として給付型奨学金制度を導入することについてどのようにお考えでしょうか、お聞かせください。

 以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

    (拍手)



○副議長(森正弘君) 健康福祉部長 石原佳洋君。

    〔健康福祉部長 石原佳洋君登壇〕



◎健康福祉部長(石原佳洋君) 生活困窮者自立支援制度について、二点御質問いただきました。

 初めに、制度開始から半年以上が経過した現在の状況と課題についてでございます。

 自立相談支援事業を実施している県及び市への相談件数は、この十一月末までに二千二百二十件ございました。そのうち、四百六十九件で自立に向けたプランによる継続的な支援が行われており、百八十七件が就労に結びついております。

 各市の担当者や支援員からは、相談される内容は、家賃等が払えない、今食べるものがない、面接しても雇ってくれないなどですが、寄り添って話を聞いてみると、その背景には依存体質、発達障がいや精神疾患、DVや虐待、生活環境の問題、本人以外の家族問題などが隠れており、一つの相談につき、支援すべき課題は大変複雑で多様なものがあると聞いております。

 県としましては、これらの課題に対応してもらうためには、現場の支援員が相談内容に応じていかに適切な支援機関につなぐことができるかが重要だと考えております。このため、相談内容を正確に把握するための相談者の特性に応じた対応や、支援機関や地域とのネットワーク構築に向けた事例研究を取り入れた研修を行ってまいります。

 次に、任意事業の普及に向けた県の取り組みについてでございます。

 本年四月から自立相談支援事業を実施しておりますが、生活困窮者は家計管理能力の欠如や生活習慣上の問題などを抱えていることも多く、こうした背景にある課題を克服することが必要であるとわかってまいりました。このため、生活困窮者の実情に応じた支援策の企画が求められているところです。現在、既に八市において、金銭管理に関する指導や規則正しい生活を送るための訓練などの支援策が任意事業として取り組まれており、来年度は、新たに町村を所管する県と七つの市で実施が予定されていますが、残り六市については実施予定がないと聞いております。

 県としては、実施を予定していない市を直接訪問し、生活困窮者の把握方法や相談者が抱える課題の分析方法などについて意見交換を行うとともに、任意事業の効果に関する情報提供や実施方法の参考となる県内外の優良事例を紹介するなどの助言を行い、その実施を促してまいります。



○副議長(森正弘君) 教育長 松川禮子君。

    〔教育長 松川禮子君登壇〕



◎教育長(松川禮子君) 大学生の奨学金制度について、四点御質問をいただきました。

 初めに、利用者が減少傾向にある県奨学金の現状への認識についてお答えします。

 大学生を対象とした奨学金事業は、独立行政法人日本学生支援機構が主となって実施されていますが、その新規利用者数は、この十年間で約二十三万四千人から約三十万九千人と約一・三倍にふえております。一方、本県の奨学金利用者については、百三十二人から七十人とほぼ半減しております。

 この理由といたしましては、親世代の平均給与の減少傾向が続く中、家庭からの仕送りも減少していることを背景に、大学生の奨学金への依存度が高まった結果、貸与額の上限が十六万円と本県の五倍となっている同機構の奨学金利用者が増加し、相対的に本県の奨学金利用者が減少したものと推測しております。

 次に、今後の活用を促すための取り組みについてお答えします。

 本県の奨学金の利用を促進する取り組みといたしましては、大学進学者が新生活をスタートする際の経済的な不安感を軽減するために、今年度から、高校在学中に奨学金を申請できるように制度を改正いたしました。また、この新しい制度をより多くの高校生に利用していただけるよう、高校を通じ、三年生の保護者に周知したところです。この結果、既に四十人からの申し込みがあり、最終的には昨年度の新規利用者数の七十人を上回るのではないかと見込んでおります。

 次に、入学前の県奨学金の支給方法についてお答えします。

 入学金や親元を離れて生活するためのアパート敷金など、大学入学前に必要となる一時金を対象とする奨学金制度は全国で三県にあり、このうち入学前に貸与しているのは二県のみです。また、日本学生支援機構にも同様の制度がありますが、貸与時期は入学後となっています。

 県教育委員会といたしましては、こうした他県等の状況を踏まえつつ、利用者のニーズを把握した上で、入学前一時金の貸与制度の必要性について検討してまいります。

 最後に、給付型奨学金制度の導入についてお答えします。

 給付型奨学金制度の導入につきましては、平成二十六年度に文部科学省の学生への経済的支援のあり方に関する検討会が、将来的には給付型奨学金の創設に向けた検討もあわせて進めていくべきとの提言を行っているところです。

 現在のところ、文部科学省において具体的な動きはありませんが、県教育委員会といたしましては、国における今後の検討状況を注視してまいりたいと考えております。



○副議長(森正弘君) 十五番 高殿 尚君。

    〔十五番 高殿 尚君登壇〕(拍手)



◆十五番(高殿尚君) 通告に従い、私から大きく二項目について質問をさせていただきます。

 国の進める、まち・ひと・しごと創生長期ビジョン及び総合戦略がちょうど一年前の昨年十二月に閣議決定されました。私の昨年十二月議会の一般質問で御答弁いただいた、地域の自主性、独自性を最大限に発揮しながら地方創生に取り組んでいくためには、県、市町村が知恵と工夫を共有して連携していくことが欠かせないものであるということを受け、県と各市町村の連携を図り、地方創生に県全体で取り組んでいくために、知事及び県内市町村長との「清流の国ぎふ」創生市町村連携会議を経て、八月には「清流の国ぎふ」創生総合戦略(案)が示され、産学官金労言といった県内各界の代表者で構成するぎふ創生県民会議を経て、十月に岐阜県人口ビジョン及び「清流の国ぎふ」創生総合戦略の策定がなされました。

 今後、地方創生は、総合戦略の策定段階から本格的な事業推進の段階へとシフトしていく時期を迎え、いよいよ平成二十八年度当初予算に関連事業が盛り込まれ、具体的な地方創生の取り組みが大きく進捗することを期待しています。

 岐阜県人口ビジョンの基本的視点は、人口減少そのものへの挑戦、人口減少社会への挑戦の二つであり、人口減少がポイントになっています。総合戦略においてもこの視点を踏まえ、人口減少そのものを解消しようとする挑戦や人口減少に伴う地域の変化に柔軟に対応し、人口減少下にあっても地域の活力を維持し、住民が安心して暮らせる社会への挑戦に係る施策が盛り込まれています。

 私が、今回関心があるのは、総合戦略の五つの基本目標のうち、「岐阜に呼び込む」であります。

 「岐阜に呼び込む」ということは、大きく二種類あると思います。その一つは、岐阜県の魅力を最大限に発信し、国内外から観光客として「岐阜に呼び込む」、もう一つは、岐阜県の持つ魅力から、移住して岐阜県内に定住する「岐阜に呼び込む」ことです。

 そこで、今回はまず、そのうち移住定住促進について、昨日野村議員がこの件について触れましたが、私からは少し角度を変えて質問をさせていただきます。

 先日、東京を中心とする首都圏における移住総合相談窓口として岐阜県が設置した清流の国ぎふ移住・交流センターで、NPO法人ふるさと回帰支援センター代表理事と岐阜県の専任相談員の方に、移住を希望されている方々の傾向や現在の状況、今後の課題についてお話を聞きました。

 この清流の国ぎふ移住・交流センターが入っているふるさと回帰支援センターには、全国から三十四の県、八市町・地域が出展しており、専任相談員を配置している県は二十七県・一市、静岡県に至っては静岡県と静岡市がブースを隣接させ、双方の情報を共有し、長野県は県ブースと飯山市、駒ヶ根市、大町市が入り、移住するなら、おらが県、おらが町にとしのぎを削っています。これは、人口減少に対し危機感を募らせた移住定住に対する各自治体の本気度のあらわれかもしれません。

 移住を希望している方のリクエストは、例えば地方で子供を育てたい、農業を始めたい、移住先で起業したいなど百人百様であります。移住の決断は人生の一大決心であり、その本気度・不安度も含め、相当な覚悟が必要です。移住に関して、見ばえのいい広告や聞こえのいいキャッチコピー、いっときの移住補助制度くらいでは、移住希望者は新しい土地に一歩踏み出すことは決断できません。

 では、全国の中から岐阜県を、その岐阜県の中から県内のどの市町村にするかをどのように決めていただくか。そのためには、他の地域と比べていかに魅力的で暮らしやすく、自然が豊かで仕事があり、移住後、目指すことが、あるいは希望することが実現するのかなどなど、地方創生の総合戦略による差別化した強い魅力づくりと引きつける発信力が極めて重要であり、必要となります。

 先日の新聞記事によると、県外から県内自治体の支援を受けて移住した人が、上半期、四月から九月で五百十四人と過去六年間で最高のペースとのことです。

 お手元に配付させていただいた資料、裏表を見ていただきたいと思います。(資料を示す)

 愛知県からの移住が全体の六割、関東からが七十一人と続き、世代別では、子育て・若年層世代の四十歳代以下が全体の八割を超えています。移住の理由として、住宅の取得や子育て支援の充実に重きを置いているのであろう世代が移住しています。

 しかし、今年度上半期の移住先を市町村別に見ると、大垣市、飛騨市、八百津町に顕著な増加が見られるものの、移住者数は市町村ごとにばらつきがあります。ここで挙げた移住者数の定義は、市町村の相談窓口を通じ、あるいは市町村の移住定住に係る各種支援を受けて、県外から当該団体へ新たな生活の拠点を移した数となっており、移住支援を受けない地元出身者のUターン、Iターン、Jターン、さらには支援対象・支援内容に該当しない転入者は含まれておりません。

 県全体で、移住者数が過去六年間で最高のペースで好調であることは、岐阜県や各自治体の積み重ねた懸命な努力のたまものであり、一定の評価をいたします。しかし、県内へのトータルの移住者数に満足するのではなく、真に人口減少が顕著な各自治体に移住者数をふやすことのほうが大切なことではないでしょうか。

 市町村別で見ると、人口減少に危機感を持ち、本気で移住促進に取り組んでいる市町村や都市部に集中しており、市町村間に温度差があります。県として、移住定住促進策にかかわる次なる一手、さらなる一手を推し進めるための分析や連携、さらに今後打ち続ける施策に影響はないでしょうか。

 ふるさと回帰支援センターの資料によると、平成二十六年度の東京からの移住希望先の都道府県別のランキングは、一位の山梨県、二位の長野県、三位の岡山県と来て、岐阜県は二十位以内に入っておらず、首都圏における移住希望先としての岐阜県の知名度、魅力度はまだまだ低いと言えます。

 ふるさと回帰支援センターへの来場者アンケートによると、移住地選択の優先順位で最も多いのは、自然環境がよいことが二二・八%であります。これは、我が清流の国岐阜県は、他県と比べて極めて優位であると思います。次に、就労の場があることが一七・九%、気候がよいことが一三・六%、さらに住居があることが一三・四%と続いています。また、子育て・若年層世代の移住が大きな割合を占めることから察すると、移住希望者がリクエストされる仕事、住居、農業、教育、子育てなどにどうマッチングを図るかが重要になります。ゆえに、部局横断、組織の横串の連携、また県内市町村担当者との情報の共有化、連携の推進を密にしていく体制づくりが今後、いいえ、今すぐにも必要であります。

 各圏域と社会動態の傾向から見ると、都市類型であるダム機能都市型、ダム機能都市通勤圏型、愛知県通勤圏型、ハイブリッド型、自己完結型とをリンクさせての地域の状況に応じた対応、分析や県内各圏域内の自治体が情報共有をしての連携こそが今必要であると考えます。

 例えば、これまでそれぞれが行ってきた移住、その先の定住に関する取り組みを地域性ならではの歴史・文化などの結びつきが深い飛騨地域三市一村が、飛騨地域創生連携協議会を設立し、飛騨圏域合同で移住キャンペーンに取り組むのを見るに、県内のほかの圏域においても、東京と各自治体、本庁と県事務所の連携は言うまでもありませんが、県事務所内にも相談窓口の一元化や移住促進の発信を集約することや、県と市町村との政策間連携の必要性も不可欠であると考えます。

 さらに、県は五年間で六千人の移住者数が目標であります。それには、人口減少に危機感を本気で持ちながら、県独自の施策を推し進め、県、市町村もこれまで以上に努力をしないと達成は厳しいものとも思います。そのためには、県と市町村の役割分担や責任所在、また施策の差別化・個別化も必要と考えます。

 県は、岐阜県ならではの施策で、市町村は、おらが町ならではの施策を立案するプロセスこそが、ふるさとの魅力再発見、岐阜県の魅力の再構築につながり、結果として県と市町村がそれぞれ積み上げた成果が地方創生戦略の効果であると私は理解しています。これからは、よかったら岐阜県に住んでください程度の弱い発信ではなく、例えば、「岐阜県は鳥獣害対策のためにプロのハンターが必要なんです」、また、「岐阜県は外国人を受け入れるために、あなたの卓越した語学力が必要なんです」「あなたの積み上げてきた経験を生かし、移住後の人生に発揮できます」「岐阜県は、あなたを待ち望んでいます」「あなたが必要なんです」などなど、私は岐阜県に必要とされているという、心に響き、心動かすようなコピー、他県に移住が流れないような、また選んでくれるような、特化した強い発信も必要です。

 また、県内を離れている学生や、卒業後、都会で就職している岐阜県出身者に、地元岐阜県、ふるさとの地へ、仕事の採用情報や起業情報、さらに住居提供情報などを移住・帰住の可能性を秘めたターゲットを絞って、個々に情報発信はできないものでしょうか。

 単に移住人数ではなく、経済効果や損失の角度から、「人を呼び込む」必要性を観光庁からの資料で見ると、定住人口一人当たりの年間消費額は百二十四万円、定住人口が一人減ると外国人旅行者十人分、また宿泊を伴う国内旅行二十六人分、日帰り国内旅行者が八十三人分に匹敵する経済効果の減であると換算されています。岐阜県の将来を担う若い世代を一人でも流出させないことの施策、岐阜県の未来を担う若い世代を一人でも移住させ、定住・帰住に結びつける両方の本気の施策が、移住される方々、そしてふるさとを思う地元の若い世代の方々がこれからの地方創生の主役となり、岐阜県の近未来を開いていくことを確信しています。

 そこで、県は、岐阜県の差別化した魅力の発信や移住希望者のリクエストに応えるなど、人を「岐阜に呼び込む」移住定住促進のための施策を市町村とどのように連携をしていくかを清流の国推進部長にお尋ねいたします。

 次に、同じく「清流の国ぎふ」創生総合戦略の基本目標である「しごとをつくる」のうち、県産品の販路拡大・海外展開に関する質問を続けます。

 十一月に、議員派遣による海外事情調査で、イギリスのロンドン、フランスのパリを視察いたしました。今回の視察は、岐阜に人を呼び込むための観光誘客と世界レベルに認知されつつある県産品の本美濃紙、飛騨牛の販路拡大や、テストマーケティングを行った東濃の陶磁器、関の刃物を初めとした岐阜県が誇る県産品の販路拡大も視野に入れての視察であり、知事、高山市長、下呂市長、美濃市長とも現地で合流し、ともに視察を実施いたしました。

 岐阜県では、その重みも質も理解され、地元が誇る本美濃紙、二十数余年、確かな品質と差別化した味を技術者や畜産生産者の努力で、国内では本物と評価されている飛騨牛も、岐阜県、関係皆様の努力で海外進出の新たな一歩が踏み出されました。

 しかしながら、担当者レベルでは高い評価と可能性を期待していますが、消費者ニーズ、流通の仕組み、購買者のマッチングがまだまだ必要です。物を売るには、そのものができ上がるまでのプロセスも商品価値となります。例えば、本美濃紙も、購入が見込まれる方に美濃市の町並みやその背景にある歴史や文化、さらに生産者の商品に込められた思いや材料、そして商品完成までのこだわりを伝えることもその一つであると視察を通じて感じました。

 今議会の一般質問では、欧州各国におけるトップセールスの成果や県産品の販路拡大について質問される方がいらっしゃいますので、今回の海外派遣で視察した県産品の一つ、飛騨牛に絞って質問をいたします。

 飛騨牛の魅力、特化した商品価値、高い評価についてはあえて説明をいたしませんが、しかし飛騨牛は生き物で、生ものであり、産み、育て、商品となるためには、安心・安全な飼育、高い衛生環境での肥育、最終の商品加工にも万全な配慮が必要です。現実は、生産者の高齢化やさまざまな後継者不足、担い手不足が言われており、安定した高品質の飛騨牛の確保のためには畜産農家への支援が急務です。

 トンネルで例えるならば、海外販路拡大はトンネルの出口の部分で、飛騨牛の生産過程や生産に必要な時間がトンネルの内部であり、飛騨牛の安定生産が入り口だと思います。入り口がないと出口がなく、むしろ入り口を大事にすることで、よい出口が見つかるとも思います。さらに、よい牛づくりのための生産環境施策は、牛づくりのための人づくり施策であります。

 岐阜県が誇る飛騨牛が、来年から欧州などに加え、新たに北米にも輸出されると伺っております。このため、より一層の入り口の対策が重要となっていくと考えます。

 そこで、農政部長に二点お尋ねいたします。

 一点目に、飛騨牛の安定生産に向け、肥育素牛を安定的に供給するため、どのように繁殖雌牛の増頭に取り組んでいかれるのか。

 二点目に、飛騨牛の生産体制を強化するための生産者への技術支援や新たな担い手の確保といった人づくりにどのように取り組んでいかれるのか、お聞かせください。

 最後に、人口減少に歯どめがかからない地方の地方である、いわゆる僻地における医療対策について質問をいたします。

 さきの六月定例会での私からの一般質問において、地方の人口減少の歯どめの一助となる地域周産期医療センターにおける産科医確保の支援の必要性を問い、早速処遇改善の支援をしていただくことになったことに心から感謝しております。今後、さらに周産期医療に不可欠な小児科医の対応や看護師・助産師などの人材確保など、さらなる仕組みづくりにつながるように大きな期待をしております。

 しかし、高山市において、歯科診療所や出張所などを含めた僻地診療所は十二カ所あり、岐阜県の市町村の中では最も多く、常勤の医師が配置されている僻地診療所が県内最多の六カ所という状況であります。また、今後人口減少が進んでいく地域でありますが、山間地域、寒冷地域などの地理的環境と、さらに高齢化率の上昇が今後見込まれることから、今以上に僻地診療所の安定的な継続維持が求められています。

 このような状況の中、高山市の国保診療所において、医師一人体制の診療所の課題を洗い出し、一部地域の診療所をセンター化し、複数医師による診療体制をとることで、地域の医療情報の共有化を図り、外来診察や二十四時間の在宅医療、みとりまでの体制を整えるなど、地域住民への医療サービスの向上に努めつつ、医師の負担を軽減する一助となっております。

 さらに、県主導で実施された県北西部地域医療センターの協力医療機関として荘川診療所を登録され、診療医師への支援が図られました。しかしながら、郡上市のように公立病院という基幹となる医療機関も有しておらず、僻地診療所医師に対する十分なサポート体制が整っていない状況でもあります。そのため、僻地診療所の医師が学会などで出張する場合や急遽体調不良で休暇を取得する場合には、他の医療機関と医師派遣調整ができず、休診とせざるを得ない状況が生じ、地方に住まう住民に十分な医療を提供できない状況となっております。

 直近では、県から派遣をいただいた義務年限内の自治医科大学卒業医師、いわゆる県職員医師が年度いっぱいの産休を取得されることになっており、その代診調整に高山市がかなり苦慮したことを聞いていますし、女性医師にとっても、さまざまな意味で大きな負担になっているのではないかと考えます。聞くところによると、今後、自治医科大学を卒業する女性医師の増加が顕著になることもあり、これらの女性医師が安心して勤務できるようにするためにも、僻地医療の支援体制の整備が必要であると考えます。

 さらに、自治医科大学卒業の男性医師であっても、他県の自治医科大学卒業医師と結婚されている場合、結婚協定によって、夫婦ともにそれぞれの出身の県で二年なり三年なりの勤務を行うことになります。岐阜県での勤務であれば医師数がプラスになりますが、相手方の勤務であればマイナスになり、この場合はますます僻地診療所に派遣できる自治医科大学卒業の医師が手薄になってしまいます。

 前回の九月の定例会において、布俣県議が僻地医療に従事する医師確保の取り組みについて質問をされました。答弁では、自治医科大学卒業医師のみだけではなく、僻地医療に興味のある医師を対象にした新たな制度の創設を検討するとのことで、僻地を抱える飛騨地域選出議員としても大変心強く思います。さきにも述べた、さまざまな事情を抱える僻地の市町村に対応するような制度であることに大きな期待をしています。

 そこで、現在僻地医療に従事する医師の確保に係る新たな制度について、どの程度まで具体的な検討が行われているのかを健康福祉部長にお尋ねいたします。

 今後、岐阜県人口ビジョン、「清流の国ぎふ」創生総合戦略の実現に向けて、人口減少そのものに歯どめをかける積極的な戦略、人口減少社会に対応する適応戦略が推し進められ、今いる人が岐阜県にとどまり、そして新たに移住する人、訪れる人が岐阜県に呼び込める環境づくりが実現できる地方創生に大きな期待をしながら、私の質問を終わらせていただきます。御清聴、ありがとうございました。

    (拍手)



○副議長(森正弘君) 清流の国推進部長 宗宮康浩君。

    〔清流の国推進部長 宗宮康浩君登壇〕



◎清流の国推進部長(宗宮康浩君) 移住定住の促進施策に関して、市町村との連携についての質問をいただきました。

 県では、これまで市町村と協働で、岐阜県の強みである日本のほぼ中心に位置するという立地特性、IT関連機関の集積、清流の恵みである自然、伝統文化、食などを大都市圏の移住希望者に対して発信し、その魅力を伝えてきたところでございます。

 今後、移住を一層促進させていくためには、県、市町村それぞれの役割に応じた施策を拡充するとともに、県と市町村の連携をさらに強化していく必要があると考えております。

 そのため、本年八月、県や市町村、産業、金融、教育機関などで構成するぎふ創生県民会議移住定住推進部会を立ち上げ、全県的な情報共有と連携体制を強化したところでございます。また、市町村が移住希望者に直接アプローチする機会を提供するため、首都圏の相談拠点、清流の国ぎふ移住・交流センターの機能拡充と相談拠点の増設を検討してまいります。加えて、移住者数が伸びていない市町村に対して、施策の見直しや拡充なども働きかけてまいりたいと考えております。



○副議長(森正弘君) 農政部長 若宮克行君。

    〔農政部長 若宮克行君登壇〕



◎農政部長(若宮克行君) 飛騨牛の生産体制強化について、二点御質問がございました。

 初めに、繁殖雌牛の増頭に係る取り組みについてお答えいたします。

 繁殖雌牛をふやすには、既存農家の規模拡大、新たな担い手の確保、肥育素牛を安定的に供給できる体制の強化が必要と考えております。施設の規模拡大の推進につきましては、国の補助制度を活用するとともに、補助対象とならない小規模な牛舎整備に対して、本年度から県独自の支援を始めております。また、担い手の確保や肥育素牛の安定供給などの課題解決を目指し、先月、飛騨牛生産者を中心とする飛騨牛振興プロジェクト推進協議会が設立されたところです。この協議会において、需給が逼迫している子牛の生産体制の強化に向け、主産地を中心とした繁殖センターの設置などについて検討してまいりたいと考えております。

 次に、生産者への技術支援や新たな担い手の確保対策についてお答えします。

 飛騨牛生産者への技術支援として、良質な子牛生産のための交配指針や子牛育成マニュアルを作成するとともに、繁殖や肥育技術の研修会、共進会の開催等を行っているところです。二年後の平成二十九年には、宮城県で第十一回全国和牛能力共進会が開催されることから、今後は各農家への巡回指導の頻度を高めるとともに、研修会や共進会等の充実・強化を行い、宮城全共で上位入賞を果たす飛騨牛生産者を育ててまいりたいと考えております。

 一方、新たな農業の担い手を確保するため、トマトやイチゴ、柿などでは、県やJAが就農研修施設を整備しており、こうした拠点整備を飛騨牛にも拡大していくことが必要だと考えております。このため、先ほどお答えしました飛騨牛振興プロジェクト推進協議会において、主産地に整備を検討する繁殖センターに、新たな担い手の育成機能を付与することについても検討してまいります。



○副議長(森正弘君) 健康福祉部長 石原佳洋君。

    〔健康福祉部長 石原佳洋君登壇〕



◎健康福祉部長(石原佳洋君) 僻地医療に従事する医師の確保に係る新たな制度の検討状況について御質問いただきました。

 現在、自治医科大学義務年限終了医師と僻地医療に関心のある医師を対象に、専門医を取得した後などに一定期間僻地で診療していただけることに対してインセンティブが働くような制度の創設を検討しております。

 具体的には、僻地医療拠点病院や一定規模以上の病床を有する病院に勤務する医師の中から、僻地医療に従事する意向のある医師を登録させていただき、県が指定する僻地診療所に一定期間勤務いただく場合に支援をすることを考えております。この支援は、僻地診療所で勤務する医師及び医師派遣を行う派遣元病院双方で享受し、積極的に地域医療にかかわっていただく仕組みを考えております。また、この制度は僻地診療所を抱える市町村全体で支える必要があるため、市町村も含め、支援制度の詳細について具体的な調整を進めているところです。



○副議長(森正弘君) 六番 山田実三君。

    〔六番 山田実三君登壇〕(拍手)



◆六番(山田実三君) 議長より発言のお許しをいただきましたので、県政の課題について、三点にわたり質問をさせていただきます。

 最初の質問は、東濃地科学センターが行っている瑞浪超深地層研究所に係る質問です。

 瑞浪超深地層研究所につきましては、長年岐阜県議会や私の地元の瑞浪市議会などでも、また議会外でも、同研究所が高レベル放射性廃棄物の処分場になるのではないかと心配する発言がありました。

 計画が表面化したのは二十年前です。平成七年十二月、岐阜県、瑞浪市、土岐市と研究を進める当時は動力炉・核燃料開発事業団の四者は、東濃地科学センターにおける地層科学研究に係る協定書を締結しました。協定書の最初の条項は、事業団は研究所について、放射性廃棄物を持ち込むことや使用することは一切しないし、将来においても廃棄物の処分場とはしないというものでした。

 翌年の平成八年から、超深地層研究所計画が開始されました。ただ、計画が発表されたときは、事前の地元説明がほとんどなかったことに加え、不安を駆り立てるような報道が一部に先行したこともあり、当初、旧動燃、現在の日本原子力研究開発機構が所有をしていた土地のある明世町月吉地区を中心に、地元では混乱した状況がしばらく続きました。順調に船出はしなかったわけです。

 周りから見て計画が動き出したのは、当初の月吉地区正馬様用地にかわり、平成十四年一月に瑞浪市有地を使用するために土地賃貸借契約が締結され、研究用地が瑞浪インター近くのサイエンスワールドに隣接する場所に変更になってからです。

 翌年、平成十五年七月にようやく立て坑の掘削工事が着手されました。また、これより以前の平成十二年には、特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律が成立しています。この法律によって、研究機関と処分実施主体は明確に区別されたこと、処分実施までには文献調査、概要調査、そして精密調査の三段階を踏まなければならず、その段階ごとに地元都道府県知事や地元市町村長の同意がなければ次の段階には進めないという規定も、事業の理解を得る上で後押しとなりました。

 平成十三年十月には、国から経済産業省資源エネルギー庁及び文部科学省から担当者を招き、瑞浪市総合文化センターで市民説明会が開催されました。このときには当時の梶原知事や経済産業副大臣だった古屋衆議院議員にも来ていただき、この地が決して処分場にはならないことを力説もしていただきました。市民の皆様にも一定の理解が得られたと感じました。

 岐阜県議会においても、処分場になるのではと心配する意見が何度もあったのを議事録で確認をしました。平成二十四年県議会第三回定例会でも、大須賀議員の質問に対する答弁において、古田知事は処分場に対する懸念に対して、県内には受け入れる考えはないこと、今後もこの方針には変更はないことを明言されています。

 そして、研究所の方向性について、研究は地下千メートル程度までの地質環境を対象としているもので、研究期間が二十年間であるが、必要に応じ見直しがある。期間延長が必要な場合は地元自治体と相談し、国から地元に相談があった場合は地元市と協議しつつ、研究が本来の研究計画と合致したものかどうか、四者協定に反しないかチェックすると答弁をされています。

 原子力発電は福島の事故で多くの教訓をもたらしました。東日本大震災と東京電力福島第一発電所の事故の発生から四年以上経過をしていますが、ことし三月三十一日の時点で、福島県全体の避難者は約十二万人になると、この九月に出されたエネルギー白書は報告をしています。福島の復興はまだまだという状況です。

 一方で、ことし七月には、長期エネルギー需給見通しにおける原子力発電の位置づけが発表されています。原子力発電については、安全性の確保を大前提としつつ、エネルギー自給率の改善、電力コストの低減及び欧米に遜色のない温室効果ガス削減の設定といった政策目標を同時に達成する中で、徹底した省エネ、再生可能エネルギーの最大限の拡大、火力の高効率化等により可能な限り依存度を低減することを見込むというものであります。

 震災前と比べ、今後原発依存度は大きく低減していくものと思います。ただ、仮にゼロになったとしても、過去半世紀に及ぶ原子力発電の利用の結果、約一万七千トンの使用済み燃料を保管中であり、これを再処理すれば、既に再処理した分と合わせ、ガラス固化体は約二万五千本相当になります。

 昨年四月のエネルギー基本計画を反映したことし五月の高レベル廃棄物の最終処分に関する基本方針の改定でも、原子力を利用し、廃棄物を発生させてきた現世代の責任として、将来世代に先送りをしないよう、その対策を確実に進めることが示されたところです。

 地層科学研究は、高レベル放射性廃棄物の地層処分の研究開発の基盤として、地下深部の地質調査、モデル化技術の実証、坑道掘削に伴う水圧・水質の変化の調査・評価手法の開発、安全に坑道を掘削する技術の確立などを行うものと報告されています。私は、地層処分技術が確立することは、日本だけでなく世界中に貢献できると考えますが、そういう議論は余りなく、目につかないのがとても残念であります。

 日本には結晶質岩と堆積岩の二つの地層があります。瑞浪では結晶質岩での研究が、もう一カ所は北海道の最北端、稚内近くの幌延町にある幌延深地層研究センターで堆積岩の深地層研究が行われています。ここでも平成十二年に機構と北海道、幌延町の三者が放射性廃棄物を持ち込まないことや使用しないことなどの協定書を結んでいます。そして、北海道はホームページで、計画に対する北海道の認識や国や機構の見解についてなど、幌延町における深地層研究所計画に対する基本的な考え方について、当初より発表をしています。

 私は、今回の知事答弁が岐阜県の基本的な考え方を示すものになればと願い、質問をするものであります。

 そこで、知事にお尋ねします。

 今、進められている超深地層研究所計画に基づく深度三百メートルや五百メートルでの研究坑道を利用した調査研究の内容及び今後の予定について、日本原子力研究開発機構からどのような報告を受け、それについてどのように評価しているのでしょうか、伺うものであります。

 次に移ります。

 国が進める高レベル放射性廃棄物の最終処分に係る政策に対する情報収集及び対応について質問をします。

 国は、最終処分に関するこれまでの取り組みを見直し、本年五月、東日本大震災以降初めて基本方針を改定したと先ほど述べましたが、今回は国が前面に立つという新方針のもと、科学的に適性の高いと思われる地域、科学的有望地を国が提示する予定と報告がされています。

 同じく五月の二十二日の新聞によれば、宮沢洋一経済産業大臣は会見で、科学的有望地について、自治体の数でいうと相当数になると思っていると発言し、最初は自治体を示すのではなく、全国を適性がより高い、ある、低いと三つ程度に区分したイメージを想定しているとも報道されています。

 五月から六月、十月と二回に分けて、経済産業省資源エネルギー庁と原子力発電環境整備機構−−NUMO−−が主催するシンポジウム「いま改めて考えよう地層処分」が開催されました。また、自治体向けに各都道府県での説明会も、総務省の協力のもと、岐阜県でも六月に開催されたと報道がありました。

 高レベル放射性廃棄物の最終処分は、現世代の責任において考えなくてはいけない問題であり、五月の閣議決定でも、国民や地域の理解を得て、国が前面に立った取り組みを行っていくとされています。一部地域だけが関心を持つだけでは進むものではなく、処分の実現が社会全体の利益であるという認識が共有され、広く国民・地域の理解と協力が必要と言われています。人類初めての仕事であり、次の世代のためにもなし遂げなければならない事業であり、日本国民としてしっかり向き合っていかなければならないと思います。

 そこで、本県において、国が進める政策に対してどのように情報収集を行い、対応をしていくのか、環境生活部長にお尋ねします。

 最後の質問に移ります。

 岐阜県長期構想について伺います。

 平成十七年、古田県政となって、平成六年度からの岐阜県第五次総合計画、次の県政の指針、そして県民協働宣言と、それまでに進められてきた県の計画が見直しをされて、平成十八年一月には「確かな明日の見えるふるさと岐阜県を目指して」のタイトルで政策総点検がまとめられました。そして、平成二十一年三月には「希望と誇りの持てるふるさと岐阜県をめざして」のタイトルで、サブタイトルを「人口減少時代への挑戦」とした岐阜県長期構想が発表されました。時代を先取りした、先進性あふれるものと言えると思います。長期構想は、あらゆるビジョン・計画の最上位に位置し、県政の基本目標、目指すべき将来像及びその実現のために県が取り組むべき政策の目的と方向性を明らかにする県政運営の指針と記されています。

 余談になりますが、私が気になったのは、平成十八年の政策総点検では、「はじめに」のページに、確かな明日の見えるふるさと岐阜県を目指して、今後とも着実な県政運営に努めてまいりますと記述され、ページの最後には古田知事の名前が記されています。これは、他の都道府県の総合計画も同様で、行政執行の最高責任者である知事が計画を運営していく主体者として挨拶があるものがほとんどでした。しかしながら、長期構想や二十六年三月に出された岐阜県長期構想中間見直しの巻末には、清流の国づくり政策課政策研究係とあります。体裁より構想の中身が重要なのは承知していますが、冒頭に知事からのメッセージもなく、巻末に研究係というのは最上位の計画としては重みがないように感じました。

 さて、今回はその中身について伺います。

 岐阜県のホームページにおいて、長期構想は総合計画に相当するものとされていますが、他の都道府県の総合計画では、圏域の将来図、各地域が目指す方向とその方策などが示されているものが多く見受けられます。岐阜県の総合計画で、過去圏域別の方向性を定めていた時期があります。十五年ほど前の県政の指針では、圏域別の振興方向が示されています。現在において、五圏域で全てきっちり区切ることが必ずしもよいとは言えない状況があるかもしれません。圏域がオーバーラップする部分もあるかもしれません。ただ、県のホームページでは、圏域・地域別の計画を策定しない理由を、都市部と中山間部によって問題の発生状況が異なるなど、圏域単位でも地域によっても課題が異なるためと記載されています。

 県としては、地方分権により国、県、市町村の役割が見直しをされ、国が県を指導、県が市町村を指導していたのが変わったとして、広域連携は各市町村の判断を待つということでしょうか。県として広域行政を担う立場から、地域の将来像を描く必要があると考えますが、いかがでしょうか。

 平成の合併が終わり、九十九あった市町村が四十二になりました。合併できたところ、できなかったところ、合併自体を模索しなかったところがあると思います。いずれにしても十年たち、新たな地域連携が必要なところがあるのではないでしょうか。

 例えば、消防や一般廃棄物処理の広域化ができているところと将来の課題を抱えているところがあると思います。一次・二次医療機関と三次医療機関の連携は現在のままでいいのでしょうか。医療圏域について課題はないのでしょうか。それらの課題は個別の計画で進めるだけでなく、総合計画の圏域の絵として概要を示すことも期待されていると考えるものであります。

 また、インフラ整備や産業・観光においては、国土強靱化計画、中央新幹線計画、中部圏広域地方計画や国土のグランドデザイン二〇五〇などの上位計画や他の計画との関係を圏域の将来像と組み合わせるべきと考えます。

 県のホームページでは、総合計画が人口増加・経済成長時代における開発計画・投資計画を中心とした計画であるのに対し、長期構想は財政的な制約を勘案しつつ、県政が何を目的に政策に取り組むのかを明確にする県政の指針と位置づけているとされています。

 私は、地域の絵を描くことは県が行うことができる投資的経費の多い少ないとは別の問題と思います。右肩上がりの時代に描くことができたものが総合計画で、財政的な理由で政策別の方針だけを描き、大きな圏域・地域の絵を描かないということでしょうか。将来を示すことは目標を示すことであり、地域住民に対する行政責任を果たすことになると思いますが、いかがでしょうか。

 そこで、清流の国推進部長に伺います。

 昨年三月に岐阜県長期構想中間見直しがされました。長期構想において、大きな施策の方向性は示されていますが、圏域がどのようになるかというイメージができるようには描かれてはいません。総合的、計画的な行政運営のため、かつ地域社会の将来の目標や目指すべき将来像を示すのは行政の役割であると考えます。各自治体の枠を超え、広域連携を模索し、活力ある圏域をつくることは県の役割ではないでしょうか。

 同時に、県民としては地域の将来の明るさというより、事実の提示や今後起こり得る課題の提示も期待されているはずです。それは個別の自治体より大きな枠である圏域であらわすことのほうが可能ではないでしょうか。

 そこで、次期岐阜県長期構想の策定時には、こういった点も考慮して圏域計画を策定すべきではないかについて伺い、今回の質問を終了いたします。御清聴ありがとうございました。

    (拍手)



○副議長(森正弘君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 瑞浪超深地層研究所計画に基づく研究内容、そして今後の予定に係る報告と評価ということでお尋ねがございました。

 この研究につきましては、設置主体である原子力機構から、これまでの研究内容及びその成果、そして今後の予定について、つとに報告を受けております。

 まず、この研究所では、大きく分けて掘削前の調査研究を第一段階、掘削中の調査研究を第二段階、そして坑道を使った調査研究を第三段階ということで研究を進めてきておるわけでございます。

 まず、第一段階として、掘削前に地上から振動を加えたり、ボーリングを行うことにより地下構造を予測するとともに、第二段階として坑道を掘削し、実際の地下構造と掘削前に地上からの調査により予測した地下構造が合致しているのかどうかを確認する研究を行っております。その結果、第一段階で推定した地下構造と実際とがほぼ合致しており、第一段階での成果の有効性が確認できたということでございます。さらに、掘削していくことにより生じる周辺の水圧、水質などの影響を調査し評価する手法の開発研究を行い、水質や水圧の変化を測定するために必要なモニタリング機器の開発に至っております。そして、平成二十五年度までに坑道が地下五百メートルまで到達し、安全に地下坑道を掘削する技術が確立できたというふうに報告を受けております。

 この間、研究計画は当初の予定よりも六年おくれておりまして、坑道については当初一千メートルの深さを予定していたものが五百メートルにとどめるといった計画変更もなされております。

 今後は、水平坑道を用いた研究が行われる計画でありますが、その開始がおくれ、一方、土地の賃貸借契約が平成三十四年一月に期限を迎えることから、当初の計画課題を絞り込むこととされております。具体的には、坑道内での湧水量を低減させる技術の開発、地震等の影響による岩盤内にある物質移動を予測する研究、坑道の埋め戻し後の原状回復に係る研究の三つに取り組んでいくという報告を受けております。

 県としましては、これまでのところ規模の縮小やおくれを伴いつつではありますが、順調に成果を上げてきているものと認識しております。また、これから予定されている研究についても、地層処分技術に関する研究の一環として、計画どおり研究を進めるよう意見を申し上げたところでございます。

 さらに、これらの研究成果の中には今後の土木技術、例えばトンネル掘削技術や当該工事に伴う湧水対策などにも応用できるものがあるのではないかというふうに思っております。

 今後も機構の研究開発の内容及びその成果について、関心を持ってフォローをしていきたいと考えております。



○副議長(森正弘君) 環境生活部長 安福正寿君。

    〔環境生活部長 安福正寿君登壇〕



◎環境生活部長(安福正寿君) 国が進める高レベル放射性廃棄物の最終処分に係る政策に対する情報収集、及びその対応についてお答えをいたします。

 本年五月の閣議決定を受け、本県では六月十七日に岐阜市において、資源エネルギー庁、原子力発電環境整備機構が主催する市町村担当者連絡会議が開催され、県としましても、国のエネルギー政策の動向や今回の閣議決定を受けた最終処分に関する基本方針が、今後どのようなプロセスを経て動いていくのかを把握しておく必要があるため、会議に出席をいたしました。

 今後も、国の進め方について、さまざまな機会を捉え、しっかりと把握してまいりたいと考えております。



○副議長(森正弘君) 清流の国推進部長 宗宮康浩君。

    〔清流の国推進部長 宗宮康浩君登壇〕



◎清流の国推進部長(宗宮康浩君) 次期長期構想における圏域計画の策定について御質問いただきました。

 現在、県内の三十二市町村がそれぞれの総合戦略を策定されておられますが、その策定に当たりましては、国や県の戦略を勘案しつつも、住民からの提案募集や住民対象のセミナー開催など、地域の将来像について工夫を凝らした真剣な議論がなされております。このような状況は、地域のことは地域に住む住民が決めるという地方自治のあるべき姿そのものではないかと考えております。

 一方で、人口減少社会では、自治体単独での行政サービスの提供、地域活性化施策の展開などが難しい状況となることが危惧されております。そのため、自治体間の連携がより重要になってまいりますが、おのおのが抱える課題解消のためには、互いに補完しつつ、相乗効果を発揮していくことが必要でございます。そして、住民にとって効果的で実効性の高いものとするためには、圏域にこだわらず検討していかなければならないものと考えており、既に圏域を越えた連携も出始めているところでございます。

 次期長期構想の策定は、現段階では白紙の状態でございますが、仮に策定するのであれば、今申し上げたようなことを踏まえつつ、県民との意見交換を重ねながら、丁寧な議論を行ってまいりたいと考えております。



○副議長(森正弘君) 四十三番 駒田 誠君。

    〔四十三番 駒田 誠君登壇〕(拍手)



◆四十三番(駒田誠君) 議長のお許しをいただきましたので、大きく四点について質問をさせていただきます。

 最初に、ウオームビズについてであります。

 近年、地球温暖化に関する記事が多く見受けられるようになり、その中でいろいろな警告がされております。ある記事によりますと、地球温暖化は地球環境や身近な生態系にさまざまな悪影響を及ぼしており、このまま温暖化が進みますと、一九八六年から二〇〇五年の平均気温に比べ、最悪の場合、二一〇〇年には気温が四・八度C上昇し、海面が八十二センチ上昇すると予測される中、人の健康に及ぼす影響として、二〇〇三年夏に欧州を襲った熱波などのように、直接人の死亡率などに影響が及ぶ場合や、間接的にではありますが、昨年夏に東京で話題となったデング熱といった病気を媒介とする動物や、そもそも日本に存在していなかった動物が生息し始めているなどの問題が発生してきています。また、気温が三度C以上上昇いたしますと、地球全体で生物多様性が減少して悪影響が強くなり、五・八度C近くまで上昇した場合は破滅的な影響をもたらすこともあると言われています。

 地球温暖化を引き起こす要因は多々ありますが、何よりも私たちが暮らしていく上で必要な電気やガスなどを使用することにより生じる温室効果ガスの一つである二酸化炭素の排出量の増加が大きく影響しているのではないかと考えられます。

 電気の使用量を減らし、温室効果ガスを抑制するといった意味で、国を挙げてクールビズが推し進められているところでありますが、十一月一日の新聞には、これからはウオームビズですよと呼びかけている記事がありました。ウオームビズもクールビズと同じ考えで、地球温暖化対策の一環で始まったものであります。

 環境省では、平成十七年度から冬の地球温暖化対策の一つとして推進しており、暖房時の室温二十度C設定で心地よく過ごすことのできるライフスタイル、つまりウオームビズを実践することは、クールチョイス−−賢い選択という意味のクールチョイス−−であるとして取り上げています。また、冬の節電対策は、夏の対策よりも省エネ効果や二酸化炭素排出量の削減効果が高いと言われています。

 今年度も十一月一日から三月三十一日までをウオームビズ期間とし、エネルギー全般の使い方を見直しながら、各主体が低炭素社会の構築に向けたビジネススタイル、ライフスタイルに変革することを目指し、オフィスや家庭でできるウオームビズ対策の普及啓発を進めています。

 また、昨年度に引き続き、一人一人が暖房を使うのではなく、みんなで暖かい場所に集まることでエネルギー消費の削減につなげるウオームシェアをさまざまな主体と連携して呼びかけています。みんなで集まることで、単に暖かさだけではなく、楽しさやうれしさをシェアできる上、暖房をとめてまちに出かけることで、まちの活性化にもつながるというわけであります。

 また、外気の温暖化とは違い、体は温暖化させたほうがよいという面からのウオームビズの勧めでありますが、クリニック真健庵−−真剣に健康を考えるという意味−−の院長の吉村尚美さんは、平熱三十七度が健康な体をつくると訴えてみえます。ちなみに、私の起きがけの体温は三十六・一度でございました。

 吉村さん御本人は乳がんの経験がありますが、最先端医療と正しい食習慣によって回復されています。免疫力を高め、体温を上げていかれ、十年経過しても再発がないそうであります。がん細胞は低体温を好む性質があって、特に活発にふえるのが三十五度C前後、逆に四十二度C以上の熱で死滅することが明らかになってきています。詳しくは、「致知」という月刊誌の十二月号に掲載されておりますので参考にしていただきたいと思いますが、このようにウオームビズは健康面でも大変な効果があると考えます。

 そこで、環境生活部長にお伺いいたします。

 現在、県において、向こう五年間の計画となる岐阜県環境基本計画を策定する準備を進めておられますが、今回第五次となる本計画の策定を契機に、地球温暖化対策の一つとしてウオームビズを推奨してはどうかと考えますが、ウオームビズ、ウオームシェアなどの今後の取り組みや運動についてお尋ねします。

 次に、薬用作物の振興についてであります。

 最近、私は薬草がとみに皆さんの注目を集めているように感じております。岐阜新聞の「くらし」のページの健康欄には、「漢方が効く」という連載記事がありました。十一月七日はヨモギが取り上げられております。記事によりますと、ヨモギはモチグサとも呼ばれ、香りがよく、草餅の材料として知られています。新芽をゆでて汁物の具にしたり、てんぷらや油いためにして食べるなど、食材として幅広く利用されてきました。ヨモギの葉を干したものは難しい漢字でガイヨウと呼ばれ、止血作用があるとされていますなどと紹介されており、多様な効能が述べられていました。身近なものが思いがけない効能を持つことに改めて驚きます。

 また、九月十一日から十一月十五日まで、岐阜県博物館主催で「自然のくすり箱」と題した特別展が開催されましたので見学しました。岐阜新聞社、ぎふチャンの共催で、後援はNHK岐阜放送局でありました。副題は「薬草とわたしたちの暮らし」でした。

 案内チラシには、薬草の歴史・民俗的な背景や植物が持つ薬としての有効性がひもとかれるとともに、博物館のコメントとして、当館が蓄積してきた岐阜県植物誌調査のデータをもとに、県内各地の薬草の分布とその活用方法を紹介します。私たちの身近には意外に多くの薬草が存在していることや、薬草の宝庫である岐阜の自然のすばらしさを再認識していただく機会になれば幸いですと書かれていました。

 館内に入ると、一に病と薬の歴史、二に薬草を科学する、三に自然の力で健やかにの三分野についてわかりやすく展示されていました。歴史の分野では、信長が伊吹山につくらせたとされる薬草園の記述がある「南蛮寺興廃記」や、大垣の蘭方医・植物学者である飯沼慾斎が残した県の重要文化財である「草木図説」や、南飛騨健康増進センターの薬草園についての紹介があり、岐阜薬科大学、岐阜県植物研究会、そして岐阜県植物誌調査会の協力も得ておられました。

 そのような中、十月二十七日付の岐阜新聞では、「薬草栽培じわり効能 休耕田活用、各地で特産化進む」という記事が掲載されていました。その内容は、漢方薬の原料となる薬草の栽培が各地に広がり始めているが、その背景は、漢方薬需要の高まりに加え、中国原材料の高騰があるという。製薬会社などでつくる東京生薬協会は、ここ数年、複数の自治体と協定を結び、薬草栽培を技術支援している。また、生産者が製薬会社と直接手を結ぶケースもあり、秋田県仙北市では、昨春、地元農家約三十軒が薬草生産組合を結成し、製薬大手と契約し、休耕田を活用して鎮痛剤の原料になるビャクシなどを栽培する。同じ作付面積当たりの買い取り価格は米の二、三倍であるというものでありました。

 さらに、慶応大学の環境情報学部の渡辺賢治さんは、今こそ世界から求められる生薬を大量に生産し、世界に輸出するときである。そうすれば、漢方関連の産業を我が国の基幹産業にできる。健康食品への利用なども含め、漢方の産業化を進めれば、社会保障費の削減と海外へのクールジャパンの輸出という両得を担うことができようと述べられていました。

 一方で、本年九月二十六日の中日新聞の記事によりますと、流通大手イオングループと大阪市のロート製薬は、三重県菰野町で年間百万人を集客している複合温泉施設の運営主体である温泉・飲食業のアクアイグニスなどと、新たに三重県多気町に国内最大級の滞在型複合施設「(仮称)アクアイグニス」をつくるとのことであります。この施設は、二〇一九年四月にオープンの予定で、年間八百万人の来場を目指しています。施設のコンセプトは「健康」で、地元産の薬草を使った薬湯などの温浴施設、薬膳料理などを提供するレストラン街、鮮魚や肉、野菜などの産直市場、漢方の土産横町などを建設するなど、薬草の利用が考えられています。

 このように、薬草を活用した地域の取り組みは全国的に進みつつあります。また、健康志向の高まりの中、薬草だけではなく、例えばウコンのように食品としての利用のほか、医薬品メーカーとの連携により漢方薬として用いられる薬用作物があります。私は、薬草のほかにも、ウコンなどの薬用作物は、特に中山間地域における耕作放棄地の発生防止・解消につながる作物として有効ではないかと考えております。

 そこで、農政部長にお尋ねします。

 県内における薬用作物の生産の現状と今後の栽培振興に向けた取り組みについて御答弁をお願いいたします。

 次に、清流の国ぎふ森林・環境税の今後の方針についてお尋ねをいたします。

 御承知のとおり、十月十一日に行われました第三十九回全国育樹祭は、今後の岐阜県の森林行政を推進していく上で、大変重要な意味を持つ大会でありました。特に、育樹祭のお手入れ行事において、歴史上初めて、皇太子殿下に間伐を実施していただくなど、岐阜県ならではの創意を凝らした演出は、農林水産大臣など御参加いただいた多数の方々から、間伐の重要性を再認識し、改めて真剣に取り組まねばならないという意を強くするものであったなどと高い評価をいただいたと聞き及んでおります。また、知事におかれましては、この成果を踏まえて「百年先の森林づくり」に取り組む旨を宣言されました。

 こうした創意工夫を凝らした全国育樹祭は、まさに「木の国・山の国ぎふ」に相ふさわしく、全国に岐阜県の進んだ取り組みを発信できた非常に得がたい大会であったと、岐阜県民の一人として大変誇らしく感じております。この育樹祭の成功を契機として、間伐などの森林整備に大きな注目が集まっているところでありますが、森林だけにとどまらず、川や海とのつながりの中で、「清流の国ぎふ」を豊かにするものであるということをあわせて県民の皆様に喚起しなければならないと考えております。

 例えば、現在、世界農業遺産認定に向けて正念場を迎えている「清流長良川の鮎〜里川における人と鮎のつながり〜」も、まさに岐阜県の豊かな森林・清流という自然環境・自然界における循環があってこそ成り立つものであります。

 全国育樹祭の成功、世界農業遺産の認定へと県民の環境に対する意識が大きく高まっている今こそ、森・川・海のつながりの中での環境保全を再認識し、清流の国づくりをさらに前進させる絶好の機会ではないでしょうか。

 さて、森・川・海のつながりの中での環境保全の必要性が認識されたのは、平成十八年の全国植樹祭、そして平成二十二年の全国豊かな海づくり大会がきっかけであり、ここを契機として県民の間に環境保全の議論が高まり、平成二十四年度に清流の国ぎふ森林・環境税が導入されました。以降、森林・環境税を活用し、間伐など環境を重視した森づくりばかりでなく、生物多様性や水環境の保全など幅広く対象とし、他県には例のない本県ならではの取り組みが行われてきたところであります。これが全国育樹祭の成功、世界農業遺産の認定申請という今日の状況を生み出す推進力となったのではないでしょうか。今後、清流の国づくりを前進させていくに当たっても、森林・環境税の存在は大きな鍵となってくると考えます。

 森林・環境税は、岐阜県の森林や清流の保全、生物多様性などの政策課題に限定し、集中的に取り組むことを県民の皆様にお約束し、五年間に必要とされる財源を約六十億円と試算した上で御負担をいただいておりますが、既に導入から四年を経過し、その終期が間近に迫っております。

 県が、十月に取りまとめた平成二十六年度清流の国ぎふ森林・環境基金事業成果報告書を見ますと、環境保全を目的とした水源林等の整備では、目標の三千三百ヘクタールの八割に当たる二千六百四十三ヘクタールで間伐が実施され、林業経営では採算が合わず、荒廃が進む水源林の下層植生が回復するなど、林内環境が改善していることが報告されています。

 また、里山林の整備では、目標の六百ヘクタールの約一・五倍に当たる九百二十四ヘクタールで整備が進み、各地域からの要望が非常に多く、事業実施後の地域住民の満足度も高いことが報告されています。

 さらに、生物多様性・水環境の保全では、ニホンジカの個体数調整のための捕獲が大きな成果を上げており、目標四千頭に対して五千六百五十三頭が捕獲されていること、県産材の利用では、公共施設の木造化や木質化が進み、癒やしなどの木材利用の利点が理解されつつあること、清流の国ぎふ地域活動支援事業では、森づくりや川づくりを行う三十五の団体に助成するなど、地域の環境保全への意識が高まっていることが報告されております。

 また、これら事業を監視する第三者機関の事業評価審議会では、全三十一事業のうち、進捗が悪い二事業については「努力が必要」としておりますが、残りの二十九事業は「引き続き推進すべきである」と評価されています。

 このように、取り組み状況や事業の評価を見ましても、森林・環境税を活用した事業は大いに成果を上げておられます。私自身も、こうした取り組みは、本県の清流を守り育て、緑豊かな清流の国ぎふづくりに欠かせないものと認識しており、環境保全のための施策を効果的に図る上では、ある程度長い期間にわたり、継続的に取り組んでいく必要があるのではないかと考えております。

 全国の状況を見ますと、森林税を導入しているのは全国で三十五県でありますが、既に長野県や茨城県などの二十県が第二期に入り、さらに高知県、鳥取県、鹿児島県など八県については第三期に入っているそうであります。つまり、税を導入した県の八割が、既に森林税の継続を実施していると聞いております。また、京都府と大阪府は森林税を来年度から導入する方針を明らかにしており、全国的に見ても地方の独自課税として森林税の必要性が浮き彫りになっているのではないでしょうか。

 岐阜県では、清流の国づくりのさらなる興隆が必要な時期を迎えていますが、平成二十八年度末をもって終期を迎える本県の清流の国ぎふ森林・環境税について、平成二十九年度以降、どのようにしていこうと考えているのか、知事にお尋ねをいたします。

 最後に、観光交流等の促進のための各道路管理者間の連携についてお尋ねをいたします。

 私は、県議会に参画させていただきまして二十年余りになります。その間、いろいろな時代がありましたが、岐阜県の道路整備は格段の進捗をしてきたと思います。当初は、新高速三道と言われる東海北陸自動車道、東海環状自動車道、中部縦貫自動車道が道路整備の表題であり、これらの道路の整備に力を入れていました。また、新高速三道の建設のほか、県土一時間交通圏構想というものもありました。

 しかし、最近は、余り新高速三道という言葉は聞かれなくなり、東海北陸自動車道の四車線化と東海環状自動車道西回りの完成に関する話をよく耳にいたします。それだけ、新高速三道の建設が進捗し、新高速三道の整備が完成に近づいたからだと思います。

 また、国道・県道・農道・林道・市町村道を全て道として捉え、国の道路整備の方向性をにらみながら、どんな道であれ、補助金を活用し、積極的に整備していこうという方針のときもありました。それは当時、県内の道路の整備が進んでおらず、とにかく道をつくってほしいという県民の声に応えた結果であったと思います。それが功を奏して、当時の大規模林道、広域農道、ふるさと農道等の整備が着実に進み、国道・県道を補完するまでになったと思います。

 とはいえ、現在県が管理する国道・県道の改良率は、全国的に見るとまだ低い状況にありますが、県土整備部、従前の土木部で建設された道路、農政部、林政部で建設された道路が、まさに道路としていろいろつながってきております。そこで、こうした既存の道路の資産を生かしつつ、新高速三道と連携させることで、その整備効果を効率的に出現させるような道路ネットワーク整備を進めていく必要があると思います。特に、観光立県として、県内の自然・温泉・歴史・文化・食などの県内に点在する魅力を、ここまで整備されてきた道路網を生かして、効果的に役立てたいものであります。

 道路を観光面で生かすという点では、先日、濃飛横断自動車道の整備促進にかかわる会議でも議論がありましたが、道路に別称をつけることも効果があると思います。最近では、国道四十一号をノーベル街道と呼ぼうという案がありました。また、かつては県道に植えた樹木の名前を県道の呼び名にした花街道整備事業という取り組みもありました。また、全国的には、以前にドイツのロマンチック街道が有名になり、その名前を使おうということで、日本ロマンチック街道と名づけた道路もできております。このように、愛される名称を道路に付与することも、一つの有効な手段であると考えます。

 そこで、県土整備部長にお尋ねします。

 国道・県道・農道・林道や市町村道の整備が進んできている中、県が進める観光交流を促進する上で、これらの道路を活用し、観光交流等に資する道路ネットワークの形成を図る必要があり、そのためには、各道路管理者間の連携が重要であると考えますが、県土整備部長のお考えをお尋ねいたします。

 それぞれ、前向きな答弁を期待し、質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

    (拍手)



○副議長(森正弘君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 清流の国ぎふ森林・環境税の平成二十九年度以降の方針ということでございますが、お話にありましたように、平成二十四年度から、この森林・環境税は県民・企業の皆様に広く御負担いただきまして、森林や河川の保全・再生に取り組んできたところでございます。

 森林・環境税活用事業のうち、提案型の公募事業では、税導入直後は八千五百万円前後の要望でありましたが、今年度は二億三千万円ということで、県民ニーズは年々ふえてきているところでございます。

 ことし六月に実施しました市町村へのアンケート調査では、活用可能な事案が地元にないといったような理由から判断ができないとした三町がございましたが、それ以外の三十九市町村において事業の継続を希望しております。また、岐阜県市長会、岐阜県町村会からは、平成二十九年度以降の事業の継続を求める要望もいただいているところでございます。

 この森林・環境税活用事業は、毎年、第三者機関に事業評価を行っていただいております。このところ、委員からは、水源林の整備を促進するためには森林境界を明確にする事業を実施するべきだという御意見をいただいたり、あるいは、市町村からの提案事業においては、事業効果を上げるために限度額を拡大するように見直すべきだといったさまざまな御意見をいただいておりまして、その都度、事業改善に努めてまいりました。

 また、実施団体向けのアンケートを見てみますと、森林関係団体は、森・川・海は全てつながっておって、山は非常に大切な存在であると、水源地などを守る環境保全林整備は重要な事業であるといった御意見が出ておりますし、住宅団地内の倒木をきっかけに、里山づくりに取り組んだ自治会からは、地域活動の発展や住民の安全・安心にも貢献しているという御意見をいただいております。また、水田・河川の生態系保全に取り組む団体からは、身近な水環境が改善され、住民の環境保全の意識が向上したといったような御意見もいただいております。

 こうした中、御指摘にもございましたが、現行の施策に加えて、全国育樹祭の成果を踏まえた百年先の森林づくり、各地域で深刻化する鳥獣被害への対策強化、雪による倒木対策など、新たな課題も出てきております。

 今後は、さらに県民の皆様の御意見を伺いながら、平成二十九年度以降の森林・環境税のあり方について検討を行い、来年の九月議会あたりで、その方針を打ち出してまいりたいと考えております。



○副議長(森正弘君) 環境生活部長 安福正寿君。

    〔環境生活部長 安福正寿君登壇〕



◎環境生活部長(安福正寿君) ウオームビズ、ウオームシェアなどの今後の取り組みや運動についてお答えをいたします。

 ウオームビズやウオームシェアの取り組みを進めることは、冬場の電力消費量を抑えることによる温室効果ガスの排出抑制を県民の皆様に意識していただく上で、一つの有効な手段であります。

 今後は、ウオームシェアや省電力を実践していただくモニター家庭を公募し、その取り組みによって減らすことのできた温室効果ガスの量に応じ、インターネット上で仮想の森に木が植えられていくといった様子をお子様と一緒に実感できる取り組みなどを進め、その啓発を図ってまいります。

 なお、現在策定中の第五次岐阜県環境基本計画や、中間見直しを行っております岐阜県地球温暖化対策実行計画においても、夏場におけるクールシェアとあわせて、その推進について議論を進めているところでございます。



○副議長(森正弘君) 農政部長 若宮克行君。

    〔農政部長 若宮克行君登壇〕



◎農政部長(若宮克行君) 薬用作物の生産現状と今後の栽培振興に向けた取り組みについてお答えいたします。

 県内の薬用作物は、大垣市のカミツレなど、八市町の約十六ヘクタールで栽培されており、揖斐川町でのNPO法人による耕作放棄地を活用したヨモギ栽培や、飛騨市でのドクダミなどを原料とする野草茶の商品化に取り組む女性グループの例などがございます。

 このように、薬用作物は中山間地域の活性化に貢献する有用な作物として期待できますが、品質が安定しないこと、機械による省力化が進んでいないことなどの課題がございます。

 このため、例えば、アルファリノレン酸などの機能性成分を多く含むエゴマについて、安定的な高品質生産に向け、機能性成分をより多く含む系統の選抜に取り組んでまいります。

 また、野菜定植機や大豆収穫機、米の乾燥機を利用・改良し、定植から収穫、乾燥に至る作業の機械化技術を中山間農業研究所で開発しております。今年度、下呂市でこれらの省力栽培体系を実証しており、来年度以降、各地へ広めてまいりたいと考えております。



○副議長(森正弘君) 県土整備部長 高木善幸君。

    〔県土整備部長 高木善幸君登壇〕



◎県土整備部長(高木善幸君) 観光交流等の促進のための各道路管理者間の連携についてお答えします。

 県内の国道・県道・農道・林道や市町村道を活用し、道路ネットワークを形成することは非常に重要であると考えており、大規模な農道や林道については、将来のネットワークを担う道路として、計画段階からルートの選定などについて関係部局と調整を行っています。また、案内標識について、道路利用者の利便性を考慮しながら、各道路管理者や交通管理者が連携し、表示内容の統一や表示位置の調整などを図っています。

 一方、近年、国内外からの観光客が自家用車やレンタカーを利用する割合が増加していることから、さらにわかりやすく、安心して道路を利用していただける環境を整える必要があります。

 このため、今後はこれまでの取り組みに加え、道路案内の観光ルートとの整合や多言語化、事故や災害発生時の迂回路の確保や誘導、愛称の付与の検討など、観光客等がよりわかりやすく、安心して利用できる道路ネットワークの形成に向け、各道路管理者や観光部局など、関係機関との連携を強化してまいります。



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○副議長(森正弘君) 以上をもって、本日の日程は全て終了いたしました。

 明日は午前十時までに御参集願います。

 明日の日程は追って配付いたします。

 本日はこれをもって散会いたします。



△午後三時十六分散会



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