議事ロックス -地方議会議事録検索-


岐阜県 岐阜県

平成27年  9月 定例会(第4回) 10月01日−03号




平成27年  9月 定例会(第4回) − 10月01日−03号









平成27年  9月 定例会(第4回)



……………………………………………………………………………………………





△議事日程(第三号)



                平成二十七年十月一日(木)午前十時開議

 第一 議第百二十七号

 第二 議第百七号から議第百二十六号まで

 第三 平成二十六年度岐阜県一般会計及び特別会計並びに公営企業会計決算の認定について

 第四 請願第六号から請願第十一号まで

 第五 一般質問



……………………………………………………………………………………………





△本日の会議に付した事件



 一 日程第一 議第百二十七号

 一 日程第二 議第百七号から議第百二十六号まで

 一 日程第三 平成二十六年度岐阜県一般会計及び特別会計並びに公営企業会計決算の認定について

 一 日程第四 請願第六号から請願第十一号まで

 一 一般質問



……………………………………………………………………………………………





△出席議員 四十六人



      一番   中川裕子君

      二番   恩田佳幸君

      三番   牧村範康君

      五番   澄川寿之君

      六番   山田実三君

      七番   若井敦子君

      八番   広瀬 修君

      九番   布俣正也君

      十番   伊藤英生君

     十一番   水野吉近君

     十二番   国枝慎太郎君

     十三番   山田 優君

     十四番   長屋光征君

     十五番   高殿 尚君

     十六番   田中勝士君

     十七番   加藤大博君

     十八番   酒向 薫君

     十九番   高木貴行君

     二十番   野村美穂君

    二十一番   太田維久君

    二十二番   山本勝敏君

    二十三番   松岡正人君

    二十四番   篠田 徹君

    二十五番   小原 尚君

    二十六番   水野正敏君

    二十七番   脇坂洋二君

    二十八番   野島征夫君

    二十九番   伊藤秀光君

     三十番   川上哲也君

    三十一番   松村多美夫君

    三十二番   平岩正光君

    三十三番   佐藤武彦君

    三十四番   森 正弘君

    三十五番   小川恒雄君

    三十六番   村下貴夫君

    三十七番   矢島成剛君

    三十八番   渡辺嘉山君

    三十九番   伊藤正博君

     四十番   足立勝利君

    四十一番   尾藤義昭君

    四十三番   駒田 誠君

    四十四番   藤墳 守君

    四十五番   早川捷也君

    四十六番   玉田和浩君

    四十七番   岩井豊太郎君

    四十八番   猫田 孝君



……………………………………………………………………………………………





△職務のため出席した事務局職員の職氏名



 事務局長         宗宮正典

 総務課長         松永吉平

 議事調査課長       崎浦良典

 議事調査課管理調整監   福田勝司

 同    課長補佐    浅井珠美

 同    係長      豊田弘行

 同    係長      清水尚仁

 同    係長      堀 寛宜

 同    主査      森嶋 宏

 同    主査      高田昌司



……………………………………………………………………………………………





△説明のため出席した者の職氏名



 知事           古田 肇君

 副知事          藤野琢巳君

 副知事          上手繁雄君

 会計管理者        志村隆雄君

 秘書政策審議監      神門純一君

 総務部長         高木敏彦君

 清流の国推進部長     宗宮康浩君

 危機管理部長       河合孝憲君

 環境生活部長       安福正寿君

 健康福祉部長       石原佳洋君

 商工労働部長       郷  敦君

 農政部長         若宮克行君

 林政部長         瀬上繁隆君

 県土整備部長       高木善幸君

 都市建築部長       河合成司君

 子ども・女性局長     河野恭子君

 観光国際局長       市川篤丸君

 都市公園整備局長     足達正明君

 教育長          松川禮子君

 警察本部長        岡 真臣君

 代表監査委員       山本 泉君

 人事委員会事務局長    福井康博君

 労働委員会事務局長    伊藤誠紀君



……………………………………………………………………………………………





△十月一日午前十時開議



○議長(足立勝利君) おはようございます。ただいまから本日の会議を開きます。



……………………………………………………………………………………………





○議長(足立勝利君) 諸般の報告をいたします。

 書記に朗読させます。

    (書記朗読)

 監査結果等の報告について

 監査委員から、お手元に配付のとおり、平成二十七年九月三十日付をもって、地方自治法第百九十九条第九項の規定により定期監査の結果について、並びに平成二十七年九月三十日付をもって、地方自治法第二百三十五条の二第三項の規定により出納検査の結果について報告がありました。



……………………………………………………………………………………………





○議長(足立勝利君) 日程第一を議題といたします。

 ただいまから、議題とした案件について所管の委員長に審査の経過及び結果の報告を求めます。教育警察委員会委員長 水野正敏君。

    〔教育警察委員会委員長 水野正敏君登壇〕



◆教育警察委員会委員長(水野正敏君) 教育警察委員会に審査を付託されました議案一件の審査の経過及び結果について、御報告申し上げます。

 まず、議案の概要を申し上げます。

 議第百二十七号の控訴の提起については、留置業務をめぐる国家賠償等請求事件に係る平成二十七年九月十六日の岐阜地方裁判所における判決を不服として、名古屋高等裁判所に控訴するものであります。

 採決の結果、議第百二十七号については、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。

 なお、審査の過程において、過去の病歴や原告の意向を踏まえた治療を行っており、一定の診療義務は満たされている。また、原告の自己管理不足も認められる中、八割の過失割合は負担が重過ぎるとの意見がございました。

 以上、教育警察委員会の審査の経過と結果を御報告申し上げます。



○議長(足立勝利君) お諮りいたします。ただいま議題となっております議第百二十七号 控訴の提起についてを直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○議長(足立勝利君) 御異議なしと認めます。よって、本案を直ちに採決することに決定いたしました。

 ただいまから議第百二十七号を採決いたします。

 お諮りいたします。本案を委員長報告のとおり決することに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○議長(足立勝利君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり決定いたしました。



……………………………………………………………………………………………





○議長(足立勝利君) 日程第二から日程第四までを一括して議題といたします。



……………………………………………………………………………………………





○議長(足立勝利君) 日程第五 一般質問を行います。あわせて議案に対する質疑を行います。

 発言の通告がありますので、順次発言を許します。五番 澄川寿之君。

    〔五番 澄川寿之君登壇〕(拍手)



◆五番(澄川寿之君) 皆さん、おはようございます。

 岐阜県議会公明党の澄川寿之でございます。

 議長より発言のお許しをいただきましたので、岐阜県議会公明党を代表し、通告に従いまして質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。

 初めに、関東・東北豪雨被害について触れさせていただきます。

 内閣府の発表によりますと、平成二十七年九月関東・東北豪雨による被害状況は、九月二十五日時点で、死者八名、負傷者七十七名、住家全壊二十四棟、半壊十二棟、一部損壊九十四棟、床上浸水七千棟以上、床下浸水一万一千棟以上となっており、改めまして、お亡くなりになった方々とその御遺族に対し、哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。

 今回の豪雨災害を見ましても、改めて日本列島のどこで自然災害が起こるかわからないという危機認識を強くせざるを得ない結果となりました。

 本定例議会の開会日、知事の提案説明におきましても、「危機管理については、不断に注意を払い、万全を期しているところでありますが、このところの全国各地における深刻な風水害、新たな噴火活動などの報に接するにつけても、改めて気を引き締めている」とのお話がありました。本県におきましても、今回の災害についてしっかりと検証し、県民の生命と財産を守るために対策を進めていく必要があろうかと思います。

 つきましては、今回の関東・東北豪雨被害を踏まえ、本県の取り組みについて、以下三点、質問させていただきます。

 まず今回の災害の経緯を確認いたしますと、九月七日に発生した台風第十八号が、九日に愛知県知多半島に上陸した後、日本海に進み温帯低気圧に変わりましたが、引き続き南から湿った空気が流れ込んだ影響で、西日本から北日本にかけての広い範囲で大雨となり、特に関東地方と東北地方では記録的な大雨となりました。これにより、茨城・栃木・宮城の三県において計十九河川の堤防が決壊し、六十一河川で氾濫等の被害が発生しました。

 このうち、国が管理する河川では、利根川水系鬼怒川において堤防が決壊するとともに、鳴瀬川水系吉田川、荒川水系都幾川等、五河川において越水等による浸水被害が発生しました。特に、常総市における浸水被害は、国の速報資料によると鬼怒川の決壊等により約四千四百戸の床上浸水、約六千六百戸の床下浸水が発生しております。

 他方、都道府県が管理する河川では、宮城県が管理する鳴瀬川水系渋井川など十八河川において堤防が決壊し、宮城県、福島県、茨城県、栃木県を中心に五十六河川で浸水被害が多数発生しております。

 この台風は、岐阜県を南北に縦断しましたが、幸いにも大きな被害は発生しませんでした。しかし、今回の台風第十八号と第十七号が、仮に西側にずれていたら、岐阜県に線状降雨帯が発生し、あのような豪雨を降らせたであろうことは想像にかたくありません。

 豪雨災害については、近年、県下において、平成十六年台風第二十三号豪雨、平成二十年西濃豪雨、平成二十二年七・一五梅雨前線豪雨、及び平成二十三年台風第十五号豪雨による災害が生じており、昨年八月には、台風第十一号と大雨により飛騨地域から中濃地域を中心に豪雨となり、約二百四十戸の床上・床下浸水被害や、中濃・飛騨地域の各地で河岸の流出など被害が生じたことは記憶に新しいところであります。地球温暖化に伴う気候変動が一因とも言われておりますが、近年増加傾向にある局地的大雨や集中豪雨は、県下においても、いつ、どこで生じるかわかりません。

 そこで、知事にお伺いいたします。

 今回の関東・東北豪雨による浸水被害や、近年、我が県でも発生している浸水被害を踏まえ、改めて、本県の河川整備の現状と今後の方針についてどのように考えておられるかお聞かせください。

 次に、各市町村における風水害タイムラインの策定・運用状況についてお伺いいたします。

 平成二十六年九月議会において、村下議員より避難勧告の改善について質問された際に、風水害タイムラインの試行版を県として作成・配付し、市町村に対し積極的な活用をお願いしているとの答弁がありました。

 改めて確認ですが、風水害タイムラインというのは、風水害の発生前から関係機関等が迅速かつ的確な対応をとるために、いつ、誰が、どのように、何をするのかをあらかじめ明確にしておくとともに、他の関係機関等がどのような対応をとるのか把握するため、時間軸に沿った具体的な対応を一覧表としてまとめたものであります。

 今回のような災害があった場合に、実際に避難所の開設準備や避難勧告発令などについては、市町村で行っていただくこととなるわけですが、県下で対応の差が生まれないようにするために、県としてタイムラインを作成し、配付をされたと理解しております。このタイムラインにつきまして、当時の議会答弁で、「今後、この運用状況を踏まえながら、さらに充実してまいりたい」というお話でありました。大雨・豪雨被害がいつどこで起こるかわからない状況の中で、行政の事前準備に遺漏があってはなりません。しっかりと準備を進めていただきたいと思います。

 そこで、危機管理部長にお尋ねいたします。

 風水害タイムラインについて、各市町村における策定・運用状況をお聞かせください。

 続きまして、避難勧告・避難指示を受けた地域住民の避難行動についてお伺いします。

 今回の災害では、多くの報道局が住居等に取り残された住民を救助する自衛隊等の活動の様子を映し出しました。救出後には、その住居等が流されてしまう状況までが放映され、多くの方がその一部始終を見られ、心を痛められたことと思います。

 私もそういった報道を拝見し、改めて痛感したことは、避難勧告・避難指示に従って避難をしていただける住民がまだまだ少ないのではないかということであります。今回の自衛隊・消防・警察による救助活動も危険と隣り合わせであり、常日ごろから訓練をしていただいているということは大変に心強く思うことと半面、事前に正しく避難行動がとられていれば、その危険も回避できたのではないかと考えます。

 私ごとで恐縮ですが、昨年末に防災士の資格を勉強し取得いたしました。過去の災害等の事例についても勉強をさせていただきましたが、一般に災害被害の軽減は、自助・共助・公助の効率的な組み合わせで実現されると言われております。自助とは、家庭で日ごろから災害に備えたり、災害時には事前に避難したりするなど、自分で守ることをいい、共助とは、地域の災害時要援護者の避難に協力したり、地域の方々と消火活動を行うなど、周りの人たちと助け合うことをいいます。そして公助とは、行政や消防・警察による救助活動や支援物資の提供など、公的支援のことをいうわけであります。

 この中でも、災害対策の基本は自助であり、自分の命は自分で守るということが最重要です。地域住民の方に、避難勧告・避難指示の意味について改めて十分に御理解をいただき、自身と家族、大切な方の命を守るために、早期の避難行動をお願いしたいと強く願うところであります。

 そこで、危機管理部長にお尋ねいたします。

 今回の災害でも多くの地域住民が避難しなかったという課題を踏まえ、住民の早期避難を市町村にどのように呼びかけていくかお尋ねいたします。

 関東・東北豪雨被害を踏まえた県の取り組みについての質問は以上であります。

 続きまして、本県の観光施策の推進について二点お伺いさせていただきます。

 初めに、県内の周遊性を高めるための市町村観光プロジェクトとの連携についてお伺いいたします。

 本県では、岐阜県成長・雇用戦略において、観光分野を成長分野の一つとし、観光産業の基幹産業化プロジェクトを最重要プロジェクトとして位置づけ、養老公園、河川環境楽園、平成記念公園、花フェスタ記念公園の県営四公園の誘客推進プロジェクト、関ケ原古戦場や恵那山南山麓の観光資源の魅力向上プロジェクト、「岐阜の宝もの」プロジェクトなど観光資源のブラッシュアップや外国人観光客の受け入れ準備、プロモーションに力を入れ、県外・外国からの観光入り込み客数、宿泊客数をふやし、観光消費額の増加を図る取り組みを進めておられます。

 現在策定を進めている「清流の国ぎふ」創生総合戦略におきましても、しごとをつくるという側面から観光産業の基幹産業化として盛り込まれており、今議会で上程された一般会計補正予算におきましても、国の地方創生交付金を活用し、かかみがはら航空宇宙科学博物館リニューアルや関ケ原古戦場を核とした広域観光の推進のための予算が計上されております。

 これらの取り組みにより、県内への観光客の増加が期待されますが、せっかく岐阜県に来ていただいたからには、県内を周遊していただけるとよりよいのではないかと考えます。特に、市町村におきましても、地方創生総合戦略の中で観光プロジェクトを推進している自治体もあり、県が進めるプロジェクトと一緒に発信していくことで相乗効果が上がるのではないかと考えます。

 少し具体例を申し上げますと、関ケ原古戦場の観光戦略では、岐阜県と関ケ原町を中心に大垣市・垂井町などが連携して推進をしていただいておりますが、私の地元岐阜市で進めている「信長公四五〇プロジェクト」、このプロジェクトは二〇一七年に織田信長公が岐阜に入城し、地名を改めて四百五十年の節目を迎えるこのときに、まちづくり、人づくり、そして観光振興につなげようというプロジェクトですが、人気が高い戦国時代の観光資源としてリンクさせて発信していくことで、より魅力的なものとして発信ができるのではないかと考えます。岐阜市以外の市町村でも独自の取り組みを進めていることと思いますが、ぜひ、県がかじ取り役となって、県内周遊性を高める取り組みの推進をお願いしたいと思います。

 そこで、観光国際局長にお伺いいたします。

 観光客の県内での周遊性を高めるために、市町村が進める観光プロジェクトとの連携推進が必要かと思いますが、お考えをお聞かせください。

 続きまして、手続委託型輸出物品販売場制度の推進についてお伺いいたします。

 国は昨年十月、外国人旅行者など非居住者に対し、消費税を免税して物品を販売できる免税店の拡大に向け、制度改正に踏み切りました。それまで免税されてきたのは、電化製品や衣料品など一般物品に限られてきましたが、食料品や医薬品、地酒などの特産品といった消耗品も対象に追加されるとともに、消耗品を扱うスーパーやコンビニ、地方の土産物店も免税店になれるようになりました。

 免税店を訪れた旅行者は、レジで必要な手続を済ませた後、消費税分が引かれた金額を支払い、商品が引き渡されます。なお、免税となる買い物の条件は、一般物品は一万円を超える場合、消耗品は五千円を超える購入を同一店舗ですることとなっております。

 観光庁が取りまとめたデータによれば、県内の免税店の数は、昨年十月一日時点では五十七店舗でしたが、本年四月一日には百五十二店舗と増加数は九十五店舗、対前回比で約二・七倍と飛躍的な増加を遂げている状況であります。さらに地方への一層の拡大を目指し、ことし四月、免税手続の一括カウンターの設置を可能にする手続委託型輸出物品販売場制度が導入されました。商店街や複数店舗が入る物産センターなどが対象となり、これまで個々の店舗で実施してきた免税手続を、第三者が運営する一括カウンターに委託する仕組みであります。委託により手続の手間が省け、多くの店舗が免税店の許可を取得しやすくなるとともに、商店街が一体となって効果的な観光客誘致に取り組むこともできます。一つの店舗で対象金額分を購入しなくても、複数店舗での合計購入金額が対象額に達すれば免税されるため、旅行者の利便性も大幅に向上しました。

 一つ事例を紹介いたしますと、北海道旭川市の「旭川平和通商店街」では、今年六月から「免税手続一括カウンター」を設置し、注目を集めております。カウンターを運営する方の話では、中国や台湾からのお客さんを中心に、順調な滑り出しとのことですが、一方で、外国語で応対できるスタッフの確保や、加盟店の拡充などの面で改善の余地があることも指摘されております。しかし、この取り組みは、外国人観光客にも地域の商店街にもメリットがあり、観光施策を進める上で価値ある取り組みであると考えます。

 そこで、観光国際局長にお伺いいたします。

 手続委託型輸出物品販売場制度について、活用事例等を周知し、制度利用のアドバイスをするなど、推進を図るべきではないかと思いますが、御見解をお伺いいたします。

 以上で、一回目の質問を終わります。



○議長(足立勝利君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) おはようございます。

 まず私からも、今回の関東・東北豪雨によりお亡くなりになられました方々と御遺族に対しまして、深く哀悼の意を表しますとともに、被災された方々に心からお見舞い申し上げ、一日も早い復旧、復興を願うところでございます。

 さて、本県の河川整備でございますが、平成十九年度に策定した新五流域総合治水対策プランにのっとって進めてきておるわけでございます。このプランでは、長良川、揖斐川、木曽・飛騨川、土岐川、宮川、この主要な五つの流域において、優先的に整備すべき百三十の河川、五百八十一キロメートルを対象に、河川ごとに沿川地域の人口や地形の状況、緊急度に応じて安全に流す洪水の規模と整備する期間を定めております。その上で、整備計画を短期、中期、長期の三段階に分け、順次整備を進めてきておるところでございます。

 その中でも、近年、甚大な浸水被害が発生しております大谷川、長良川、曽部地川、可児川、宮川においては、重点的な投資を行っております。その結果、例えば可児川をとってみますと、平成二十二年の七・一五豪雨により浸水被害が発生いたしましたが、その後、緊急的な河道掘削を実施したことにより、平成二十三年、翌年でございますが、台風十五号豪雨がございましたが、同程度の出水が発生したにもかかわらず、浸水被害を防止することができたわけでございます。

 今後、気象状況の変化、災害発生状況、流域沿川の土地利用の状況をもとに、定期的に治水対策プランも見直しながら、計画的に河川整備を進めてまいります。

 一方、今回の関東・東北豪雨のような激甚災害に対応していくためには、ソフト対策ももちろん重要でございます。このため、沿川に住家が集中する河川やこれまでに浸水のあった河川などへの水位計や監視カメラの増設、ホームページやメールを使った水位情報の提供、洪水ハザードマップの公表、周知などを行っておるところでございます。

 特に、水位情報につきましては、全国で初めての取り組みになりますが、水位の設定地区を従来の三十三から二百八十一に細かく分割し、今年度より、それぞれの地区に設定した危険水位をもとに、きめ細かな情報提供を行っております。また、この情報提供に当たっては、避難勧告を迅速かつ的確に市町村が行えるよう、各地区ごとの危険水位、自治会代表者の連絡先、世帯数、避難施設などの情報を集めた伝達一覧表を活用しております。

 これに対し、今回の関東・東北豪雨では、河川水位の観測体制が十分であったかどうか、避難勧告等発令のタイミングはどうであったか、さらには、市町村域を超えた広域避難のあり方などが課題として指摘されております。

 本県といたしましては、今回の災害に照らして、水位情報の提供や周知について改めて検証するとともに、広域避難について、県事務所が中心となり市町村間の調整を図るなど、ソフト対策の充実に努めてまいります。



○議長(足立勝利君) 危機管理部長 河合孝憲君。

    〔危機管理部長 河合孝憲君登壇〕



◎危機管理部長(河合孝憲君) 二点お尋ねがございました。

 まず、市町村の風水害タイムラインの状況についてお答えをいたします。

 県では昨年九月、タイムラインの試行版を作成し、その後市町村や有識者の御意見を踏まえてさらに検討を重ね、本年三月に風水害タイムラインとしてお示しをいたしました。そして、市町村に対して、これをひな形に地域の状況に応じてカスタマイズするなど、それぞれにタイムラインを策定し活用するようお願いをしているところでございます。

 現在、五市、具体的には、恵那・土岐・可児・瑞穂・海津市が既にタイムラインを策定し運用中であり、そして高山市など五市町で鋭意策定が進められております。

 風水害による被害を最小限にとどめ、先を見越した漏れのない対応ができるよう、引き続きタイムラインの策定を市町村に働きかけてまいります。

 次に早期避難の市町村への呼びかけについてお答えをいたします。

 住民の早期避難のためには、まずは適切なタイミングで、適切な区域を対象に避難勧告を発令することが重要と考えております。

 このため、国の避難勧告等ガイドラインに沿った対応がとれるよう、アドバイザーチームを個別に派遣するなど指導した結果、現在では、全市町村でその運用が始められており、また真に避難が必要な区域に勧告が出せるよう、きめ細かく河川水位情報を提供する見直しを行いました。

 一方で、適切な情報が確実に住民に伝わることが重要であります。このため、避難区域ごとに作成した情報伝達一覧表の活用を初め、情報伝達手段の多様化、要支援者に対する個別支援対策などをさらに進めるとともに、あわせて平時より住民参加型の防災訓練などにより具体的な避難方法を地域住民と共有しておく必要がございます。

 こうしたことから、今回の豪雨災害を踏まえ、改めて市町村に対しタイムラインの策定を含め、災害時の的確な避難行動につなげる取り組みを徹底したところでございます。



○議長(足立勝利君) 観光国際局長 市川篤丸君。

    〔観光国際局長 市川篤丸君登壇〕



◎観光国際局長(市川篤丸君) 二点お尋ねがございました。

 まず、市町村観光プロジェクトとの連携についてお答えいたします。

 県では現在、主要観光地の再生を掲げ、関ケ原古戦場や恵那山南山麓・岩村の魅力向上に取り組んでおりますが、これらは各市町みずからも魅力向上事業を展開しているものであり、県と協働することにより、広域観光的視点からも効果が高まるプロジェクトであると考えております。

 例えば関ケ原町では、町が駅前観光交流館の整備を進めることにあわせ、第一級のブランド力を有する関ケ原古戦場の再整備を行うとともに、西濃地域の各市町とも連携し、武将観光の推進に取り組んでいるところです。また、恵那市岩村では、電線の地中化など地元主導で城下町の町並み整備が進められる中で、リニア中央新幹線開業を見据えた広域観光の核として、受け入れ環境整備の支援を行うとともに、周辺の苗木城や中山道とあわせたPRを実施しております。

 このように、各市町村の観光プロジェクトに呼応する形で、広域観光の核となる地域資源の魅力向上を進め、本県観光客の滞在時間延長につなげていきたいと考えております。

 次に、いわゆる免税手続一括カウンターの設置促進についてお答えいたします。

 外国人観光客が急増する中、外国人観光客の消費促進のため、県としても消費税免税店拡大を最重要課題として取り組んでおります。

 本県では、大型ショッピングモール内のチェーン店を中心に消費税免税店が急増しつつありますが、いわゆる免税手続一括カウンター制度は、小規模小売店の登録促進のため有効な手段であり、県としても商店街などでの積極的な活用を働きかけております。

 具体的には、県商店街振興組合連合会総会での出前説明会や全組合員への資料配付などを行っております。また、昨年度は観光庁及び国税局から講師を招き、消費税免税制度をテーマに、高山市内でセミナーを開催しております。

 そうした中、一括カウンター制度の導入に際しては、初期投資に対する負担感など幾つかの課題が挙げられたところでございます。このため、県としましては地元市町村とも連携し、国の補助制度の活用等も含め、一括カウンター制度の導入促進に努めてまいります。



○議長(足立勝利君) 五番 澄川寿之君。

    〔五番 澄川寿之君登壇〕



◆五番(澄川寿之君) 続きまして、子育て支援施策について、三点にわたり質問をさせていただきます。

 本年九月四日に、企業等に女性の登用を促す「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」が施行されました。この法が制定された背景には、女性の就業率全体は上昇してきてはいるものの、育児・介護等を理由に働いていない女性が約三百万人に上ること、さらに子育て期の女性に焦点を当てますと、第一子出産を機に約六割の女性が離職をされるなど、出産・育児を理由に離職する女性が依然多い状況であり、また平成二十六年の総務省労働力調査・基本集計によれば、いわゆる企業等の管理職における女性の割合が一一・三%と低い状況にとどまっております。

 一方、我が国は急速な人口減少局面を迎えており、将来の労働力不足が懸念され、さらに国民のニーズの多様化やグローバル化等に対応するために、企業等における人材の多様性、いわゆるダイバーシティーを確保することが不可欠であり、新たな価値を創造し、リスク管理等への適応能力を高めるためにも、女性の活躍の推進が重要と考えられております。

 しかし、女性の活躍を推進するには、さまざまな課題があります。大きな課題の一つが、働く女性が乳幼児を預ける保育園の整備がまだ不十分であることです。県内におきましても、待機児童の数は減少傾向にありますがゼロにはなっておらず、さらに潜在的な待機児童も含めれば、体制整備を早急に進めていく必要があります。

 そのような中で、子ども・子育て支援新制度が、本年四月にスタートいたしました。制度では、幼稚園、保育所に加えて、幼稚園と保育所の機能や特徴をあわせ持つ認定こども園や、施設より少人数の単位でゼロ歳から二歳の子供を預かる地域型保育が新設され、これにより待機児童の解消へ大きな期待が寄せられています。

 しかしながら、現時点では岐阜県の待機児童はゼロになっていないと伺っております。改めて制度がスタートしたといっても、まだまだ児童受け入れ施設の数が不足していること、また施設においても乳幼児を保育するために必要な保育士等の確保に苦慮しているのではないかと考えます。特にゼロ歳児保育に至っては、現在ゼロ歳児三名に対し一名の保育士が必要となっておりますが、四月から年度が始まりますと、保育施設の利用希望者がどんどんふえてくるわけであります。そうしますと、四月時点で必要な保育士の数と十二月に必要な保育士の数が変わってくるという現実もあります。

 そういったさまざまな課題をしっかり整理し、県として応援する取り組みを進める必要があると考えます。

 そこで、子ども・女性局長にお伺いいたします。

 県内保育所の待機児童の受け入れ体制を今後どのように支援をしていくのか、お考えをお聞かせください。

 次に、保育事故防止に係る取り組みについてお伺いいたします。

 認定こども園や小規模保育所など新たな子育て施設がふえる一方で、保育事故防止が重要な課題になっております。二〇一四年に保育施設で起きた重大事故は百七十七件であり、そのうち死亡事故が十七件に上っています。死亡事故のうち、八人はゼロ歳児、十一人は睡眠中に起きたもので、類似の事故が後を絶たない状況にあります。

 保育事故防止のために、政府は全国の保育所など子育て施設などで起きた死亡事故と全治三十日以上のけがをした事故の発生状況や要因分析などをデータベース化し、「特定教育・保育施設等における事故情報データベース」として、定期的に発表しております。このデータベースの狙いは、国内で起きた事故情報を広く共有することで、事故の抑制につなげることであり、最新では九月三十日に発表されております。

 このデータベースを私も実際に拝見いたしましたが、報告事項が非常に細かく規定してあります。事故発生時刻、発生時の場所、子供の年齢・性別、クラス年齢、子供の数や教育・保育従事者等の発生時の体制、事故の概要、マニュアル・研修・職員配置等ソフト面からの分析・改善策、施設、設備等ハード面からの分析・改善策、教育・保育の状況等の環境面からの分析・改善策、担当保育教諭・幼稚園教諭・保育士の状況等人的面からの分析・改善策等々、事故の発生を事細かに解析し、今後の予防活動まで取りまとめたものとなっており、次の事故抑制への貴重なデータになっていると考えます。

 大変ありがたいことに、現時点では本県の事例はないわけであります。これからも本県で事故を発生させないためにも、このデータベースをしっかり各保育施設等で御確認をいただき、生かしていただきたいと思います。

 そこで、子ども・女性局長にお尋ねいたします。

 県として、特定教育・保育施設等における事故情報データベースについて、県内施設にしっかり広報し、事故防止につなげていただきたいと思いますが、御見解をお伺いいたします。

 最後に、放課後児童クラブ、いわゆる学童保育の対象年齢の引き上げに係る対応状況についてお伺いいたします。

 学童保育を取り上げる上で、一般的に言われる課題が大きく二つございます。一つが県議会でも取り上げられたことがあります「小一の壁」、もう一つが「小四の壁」であります。

 確認の意味も含めて、改めて簡潔に御説明いたします。「小一の壁」とは、主に共働き家庭において、子供を保育園から小学校に上げる際、直面する問題であり、保育園では延長保育があるところも多く、ある程度遅い時間まで子供を預かってもらえますが、公的な学童保育では通常十八時で終わってしまうところも多く、保育園よりも預かり時間が短くなるため、子供が家で一人で過ごす時間が発生してしまいます。小学校に入学して、急にしっかりするわけでもありません。保護者は安全面でも精神面でも心配がつきず、自身の仕事を見直さざるを得なくなってしまうという課題であります。

 そして「小四の壁」とは、学童保育について多くの市町村で小学三年生までしか実施しておらず、小学四年生になると多くの子供が学童保育を利用しなくなり、一人で過ごす時間が長くなってしまい、保護者にとって、自分が帰宅するまでの時間をどう過ごさせるかは悩ましく、働き続けるのを諦めるケースもあるといった課題であります。

 この二つの課題につきましては、私も県民の方から直接相談を受けたこともあり、学童保育の拡大に向けた取り組みの必要性を感じております。

 そのような中で、本年四月に施行された児童福祉法の一部改正により、放課後に留守宅児童を預かる学童保育の対象が、おおむね十歳未満から小学生へと拡大されました。対象が広がることは小四の壁の打破に向けた大きな一歩でありますが、対象が広がっても、実際に児童を受け入れられなければ意味がありません。実際に地域によっては、そもそも対象が広がる前から希望者数が多く、一定条件を満たさなければ学童保育の利用ができないといったお話も伺ったこともあります。何といっても受け入れ人数を拡充していくことが最重要であり、そこで初めて学童保育の対象が広がった意味も出てくるわけであります。

 そこで、子ども・女性局長にお伺いいたします。

 学童保育の対象が六年生まで拡大されたことを受け、学童保育の受け入れ人数の増加を図る必要があると考えますが、県としてどのように取り組まれていくのかお答えください。

 以上で、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

    (拍手)



○議長(足立勝利君) 子ども・女性局長 河野恭子君。

    〔子ども・女性局長 河野恭子君登壇〕



◎子ども・女性局長(河野恭子君) 三点御質問をいただきました。

 初めに、待機児童の受け入れ体制の支援についてお答えいたします。

 県では、保育所の待機児童の解消に向け、全国で唯一、市町村保育所の施設整備について補助を行うとともに、年度途中の児童増加を見込み、あらかじめ保育士を多く配置するための人件費補助を県単独で実施しております。さらに、資格を持ちながら働いていない、いわゆる潜在保育士の就職あっせん等に取り組んでおります。その結果、本年七月一日の待機児童数は、昨年度に比べて三十三名少ない六名となりましたが、いまだ解消には至っておりません。その原因は、想定を超える児童の増加によるものであることから、今後、引き続き保育士の適正な配置について支援するとともに、就労を希望する潜在保育士のリストアップと保育所とのマッチングの機能強化などに取り組んでまいります。

 次に、保育施設等における事故情報データベースの広報についてお答えいたします。

 本年、内閣府が公開した事故情報データベースは、事故の発生要因が多角的な視点で分析されるとともに、その改善策が詳細に記載されるなど、これまで各施設で見過ごされてきた事故の誘発要因を見つけ出し、具体的な改善策を講じる上で有効なものであります。

 県といたしましては、保育所等を運営する市町村や事業者に対して周知を図るとともに、あわせまして、現場で対応することとなる保育士や子育て支援員等の子育て支援従事者に対して、データベースの活用方法や、それらを用いたケースワークの実施方法等についての研修を県としても実施してまいります。

 最後に、放課後児童クラブに係る県の取り組みについてお答えいたします。

 放課後児童クラブにつきましては、ニーズの増加を踏まえ、近年、各市町村で拡充されてきており、特に今年度は、子ども・子育て支援新制度において受け入れ年齢が小学校六年生まで拡大されたこと、また運営費の国庫補助基準額の引き上げが図られたこともあり、クラブ数は、昨年と比べ五十一クラブふえ四百二十八クラブ、登録児童数は、千六百九十人ふえて一万四千五百二十人と大幅に増加をしております。

 県といたしましては、国庫補助の対象とならない十人未満の少人数のクラブや保護者からの要請により夏休み期間に開設するクラブに対し、独自に補助を行い支援をしているところです。

 今後も、地域のニーズに応じたきめ細やかな支援を行い、働きながら子育てをしやすい環境づくりに努めてまいります。



○議長(足立勝利君) 二十二番 山本勝敏君。

    〔二十二番 山本勝敏君登壇〕(拍手)



◆二十二番(山本勝敏君) おはようございます。

 今回は、大きく四項目質問をさせていただきます。

 まず大きい一項目め、特定規模電気事業者−−PPS−−について、まずこの特定規模電気事業者、別名でPPSと呼ばれますが、その説明をさせていただきます。既存の大手電力会社、つまり中部電力であったり、関西電力、これを一般電気事業者といいます。特定規模電気事業者−−PPS、PPSというのはパワー・プロデューサー・アンド・サプライヤーの略です。このPPSは、一般電気事業者とは別の電気事業者のことで、契約電力が五十キロワット以上の需要家に対して一般電気事業者が有する電線路を通じて電力供給を行う事業者のことです。いわゆる小売自由化部門への新規参入者となります。電力の自由化の流れの中で、平成十二年に創設された制度に基づく新しい電気事業者です。

 もう少し説明いたしますと、このPPSは、簡単に言いますと、電気の商社のようなものです。PPSそのものが発電施設を持っていなくても、いろいろな事業者等から電気を買ってきて、それを売ると。例えば独立発電事業者から電気を買ってくる。あるいはソーラー発電などを備えた一般の家庭などから買ってくる。卸電力取引所、いわゆる電気の市場があります。そこから買ってくる、あるいは一般電気事業者、大手電力会社から買う、この場合は主にバックアップ電源として買っております。もちろん自前の発電所があれば、当然それも利用すると。自前の発電所がなくても、この商社的な取引を通じて、条件によりますが、一般電気事業者よりも安価に電気を供給している。

 なお、現在、このPPSは、今後の事業開始予定も含めると、七百五十一社あります。ですが、実際に供給実績があるのは、そのうち百社にも満たないようです。

 もう一つ、現在は五十キロワット以上の需要家への電力供給が対象になっていますが、来年にはこの制限が撤廃されて電気小売の全面自由化となります。そして、一般家庭に対しても供給ができるようになるということです。

 こういう中、現在、県でもPPSから電気を調達しております。県有施設のうち、県が直接管理する県管理施設での平成二十六年度の実績を紹介しますと、県庁舎ほか総合庁舎など五施設がエネットというPPSから、警察本部、県図書館ほか九施設が丸紅から、自動車税事務所がエネサーブから、岐阜商業高校ほか十八学校がエヌパワーから、大垣特別支援学校が日本ロジテック協同組合から電気を調達していると。これらは入札で電気調達契約を結んでおります。一般電気事業者から調達するよりコストが抑えられますので、大変この取り組みは歓迎できます。

 そこで、まず一点目の質問、総務部長に伺います。

 PPSからの電気調達による県管理施設における電気料金の削減効果について、現在県はPPSから電気を調達していますが、一般電気事業者から調達するよりもどれくらいコストが削減されているのかをお尋ねいたします。

 次は、このPPSを自治体が設立する、つまり岐阜県がPPSを設立してはどうかという提案です。自治体が設立するPPSをここでは自治体PPSと呼ばせていただきます。

 この自治体PPSの事例を幾つか御紹介します。群馬県中之条町では、平成二十五年八月に一般財団法人中之条電力を設立しました。これが全国初の自治体PPSになります。町内のメガソーラー等から電気を買って、町役場を初めとする町内公共施設三十カ所へ供給しています。なお、中之条電力の運営等には民間のPPSが協力をしています。中之条町では、このようにしてエネルギーの自給自足、電力の地産地消を推進しているということです。

 もう一つ、大阪府泉佐野市では、ことし一月に一般財団法人泉佐野電力を設立しました。ここは今のところ電気が購入できる市内の大規模な発電施設はなしで行っているようで、供給先はやはり公共施設となっています。運営等には同じように民間PPSが協力をしています。泉佐野市では、電気料金の値上がりや電力の自由化を背景にこの取り組みを始めて、太陽光発電によるクリーンエネルギーの活用や公共施設等の電気料金削減を期待しているということであります。この電気料金について言いますと、泉佐野市のデータによると、ことしの四月一カ月分の実績で、公共施設の電気料金は全体で四・一%安くなった。そして、泉佐野電力の収益が約三百三万円、電気料金換算で一六・八%、ちなみにこのパーセンテージはいずれも関西電力との比較になります。つまり、買う側で四・一%安くなったと。そして、泉佐野電力、売る側で一六・八%もうかったというわけですから、買う側も売る側も同じ泉佐野市になりますので、そう考えると全体で二〇%以上得をした、あるいは二〇%以上コストが削減できたということになります。

 ほかにも福岡県みやま市も既に取り組んでいる、山形県、それから群馬県太田市、秋田県鹿角市なども現在計画中というふうに聞いております。こうした事例も踏まえて、岐阜県がPPSを設立してはどうかと思います。市町で取り組むより、県レベルの広域で取り組んだほうがより効果的だと感じます。

 例えば電気の供給先は県有施設、需要が最初から見込めますので、計画が立てやすいと。将来的には、市町村の公共施設への供給も考えられます。そして、電気は、県内の発電事業者等から優先的に購入をすると。そして、専門的な運営は民間PPSに委託をすると。先ほどの事例と同じようで、こうすれば専門性はそれほど必要とはなりません。

 こういう枠組みで自治体PPSを設立することで、まず一つにはコストの削減ができる、あるいは余剰金が生まれてくると。泉佐野市のように、仮に二〇%以上のコスト削減ができるとするならば、この二〇%の生かし方次第でいろんな展開が考えられると。一つには、この二〇%を使って県有施設の電気料金を今以上に下げられる可能性があると。さきに述べたように、既に民間PPSから電気を調達していますので、その施設においては現状から二〇%丸ごとということにはなりませんが、民間PPSの利益分程度はさらに下げられる可能性があります。

 そして、もう一つ、この二〇%の一部を政策経費に充てるという考え方です。現在、県では、岐阜県次世代エネルギービジョンの改定作業中です。現行のビジョンでも改定案でも、理念として持続可能というキーワードが掲げられています。そして、改定案の柱としては、エネルギーの地産地消、省エネ、エネルギー産業の創出、育成などが挙げられています。こうした中、先ほどの仮に二〇%としたら、その一部を政策経費に充てることで、このエネルギービジョンの施策推進に役立てることができます。

 例えば、再生可能エネルギーに買い取りプレミアムをつけるというアイデア。つまり、県内の再生可能エネルギー発電事業者等から自治体PPSが高く電気を買ってあげると。高く電気を買えば、事業者等の県内での拡張や新規参入が促進されます。先ほどのエネルギービジョンにあったエネルギーの地産地消、エネルギー産業の創出・育成が進みます。高く買うための原資としては、二〇%の一部を利用すれば、県からの持ち出しはなしで済む。

 もう一つ、アイデアとして、省エネ割引価格、自治体PPSの電気供給先が省エネを実施して電気を節約した場合に、電気料金を通常料金以上に安くしてあげると。電気料金を安くすることで、より一層省エネが促進されます。これも原資として、二〇%の一部が利用できます。この省エネ割引、一般の電気事業者は、売電量をふやしたいわけですから、まず行わない取り組みと言えます。行政ならではと言えます。

 このように、エネルギービジョンの推進に役立てることができる、または県有施設の電気料金をさらに下げられる可能性を秘めた自治体PPS、十分検討してみる価値はあると思います。今は仮の数字で説明しましたが、しっかりと試算してみる価値はあると思います。

 そこで二点目の質問は、知事にお伺いをいたします。

 持続可能なエネルギー社会を実現する手法としての自治体PPSの設立について、持続可能なエネルギー社会の実現が求められている中、再生可能エネルギーの普及やエネルギーの地産地消、エネルギー産業の創出・育成等を目指す上で、自治体PPSの活用は非常に有望な手法の一つと考えます。そこで、県がPPSを設立することについて、一度検討してみてはどうかと思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。

 大きい二項目め、県図書館の今後の施策展開について。

 昨日、渡辺議員が代表質問で、七月十八日に開館した岐阜市立中央図書館との比較として、県図書館の今後の方向性について御質問をされました。私からは、もう少し違った観点で質問をいたします。

 まず最初に、最近の県図書館の利用実績を御紹介します。岐阜市立中央図書館がオープンした七月十八日から七月三十一日の間では、一日当たりの入館者数は二千三百四十人、対前年同期比がマイナス二一・六%、一日当たりの貸出冊数は二千五百六十冊、同じくマイナス一六・二%、八月の一カ月間では、一日当たりの入館者数は対前年同期比がマイナス四・五%、一日当たりの貸出冊数は同じくマイナス一七・一%となっていました。

 このように、岐阜市立中央図書館のオープンなど、取り巻く環境が変わり、県図書館の利用者が実際に減少している現状を考えると、県図書館としてもこのまま何もせずにいるわけにはいきません。何らかの一手に取り組むことが必要です。

 そのために、一つには県図書館としての特色を打ち出す。新たな特色づくりに取り組むこと、これまで重点的に取り組んできたことをさらに充実・強化することが考えられます。また、県民の図書館利用を促すために、読書活動を利用したイベントの開催など、多種多様な事業に取り組むことが考えられるのではないでしょうか。

 二つ目は、他の文化施設との連携という観点も重要だと思います。例えば県美術館では、ことし四月から日比野克彦氏を館長に迎え、九月五日からは県国際園芸アカデミー等四つの県の機関と連携した企画「アートまるケット」を開催し、ワークショップが数多く行われ、にぎわっています。また、九月二十三日には、ぎふ清流文化プラザがオープンしました。新たな文化の創造拠点として、他の文化施設との連携を含め、さまざまな形で情報発信がなされるものと期待をしています。

 このように、今後は県図書館だけでなく、他の文化施設とも連携するなど、その連携範囲を広げてより魅力的な情報発信をしていくことも必要と考えます。

 そこで教育長に二点質問します。

 一点目は、県図書館としての特色について、今後県図書館としての特色をどのように打ち出されるのか。二点目は、岐阜市立中央図書館、ぎふ清流文化プラザ、県美術館などの文化施設との連携について、これらの文化施設とどのように連携されるのかについて、そのお考えをお聞かせください。

 大きい三項目め、学校長の人事異動について。

 二年前の九月議会で同じ質問をしました。公立高等学校等の校長の人事異動が早過ぎる、一年で異動になる校長がたくさんいらっしゃる、在職年数をもっと延ばすべきだ、三年ぐらいが理想ではないかという趣旨で質問をしました。それに対して、教育長は次のようにお答えになられました。少し長いんですが、全文を読みます。

 「学校における課題の解決や特色ある学校づくりの推進を図るためには、校長の一校当たりの在職年数について、ある程度の年数が必要であると考えております。そのため、これまで二年ないし三年程度、同一校で勤務できるよう配慮してきましたが、今後は、できれば三年同一校勤務を念頭に校長人事を行ってまいりたいと考えております。また、学校マネジメントのできる人材育成も含めて、五、六年先まで見通した人事構想を持って、できる限り一年での異動がないように努めてまいります」と。大変よいお答えをいただいて、安心をしておりました。

 しかし、残念ながら、その後の現実はその答弁どおりになりませんでした。

 資料一をごらんください。(資料を示す)

 現在、全体で八十四校ございます。その八十四校を五年間にわたって在職年数について調べていただいております。

 この今の資料一で見ていただくと、平均在職年数、一番右側のところで見ますと、平成二十四年度末から年々悪くなっているわけです。平成二十四年度末が在職年数の平均二・三二年、そしてその後、私が質問したんですが、質問した後の平成二十五年度末が二・三〇年、平成二十六年度末が二・二一年と、どんどん悪くなっていると。そして、三年在職した校長、丸が書いてございます。異動と退職を合わせる形で見てください。平成二十四年度末が十六人。そして私が質問した後、平成二十五年度末が十二人。減りました。平成二十六年度末はさらに減って七人と、また減ってしまったわけです。三年同一校勤務を念頭に校長人事を行うはずでしたが、残念ながら逆に三年在職した校長は減ってきています。私が質問した後の二年間、平均在職年数も三年在職も悪化をしてしまいました。

 また、一年しか在職しなかった校長は、少なくはなっていますが、平成二十六年度末、今年の春の異動ではまだ二人いらっしゃいます。これもできる限り一年での異動がないように努めるはずでした。

 事情もわかります。人事異動のやりくりの難しさも想像できます。しかし、二年前にも言ったように、課題の把握から始まるPDCAサイクル、学校改革、生徒との関係づくり、部下である教職員との関係づくり、PTAや地域とのつながり等々考えると、教育長がおっしゃったように、三年ぐらいが理想と感じます。ぜひ理想に近づけていただきたいと思います。

 教育長に質問いたします。

 公立高等学校等の校長の在職年数のあり方に関するこれまでの取り組みと今後の取り組み方針について、この二年間の取り組み及びその反省を踏まえて、今後どのように取り組まれるのかお聞きいたします。

 最後、大きい四項目め、警察署長の人事異動について。

 今の質問、学校長の人事異動と同じ趣旨です。警察署長も人事異動が早過ぎると。一年で異動になる署長がたくさんいらっしゃると。在職年数をもっと延ばすべきだと思います。

 次は資料二をごらんください。(資料を示す)

 先ほどの校長のケースと同じ形式で資料をつくっていただいております。県内の警察署は二十二カ所あります。そのうち、今の資料の中で、一番下の平成二十六年度、つまりことしの春の異動を見ていただくと、在職年数一年で異動または退職になった署長が七名いらっしゃると。さかのぼっていきますと、平成二十五年度末が十三名、平成二十四年度末が十二名、平成二十三年度末が十三名、平成二十二年度末は十三名となっていまして、この五年間で平均すると、毎年十一・六人の署長が在職一年で交代されています。つまり、二十二人の警察署長の半分が一年で交代をしていると。これは何か問題があって一年で交代になったという方はいらっしゃらないようです。つまり、通常の人事異動ということです。

 もう一つ、署長の平均在職年数の五年間の平均を出してみると、一・三年ということで非常に短いと。もう少し在職年数を延ばすべきだと思います。平均一・三年では短過ぎると思います。学校長とは職種が違いますので、同じように三年とは言いませんが、せめて二年ぐらいをめどにしてほしいなあと。警察署長としてその地域や、その警察署の課題を把握して、マネジメントのPDCAを行う、地域との連携を図る、署員とのコミュニケーションを図る等々を考えたときに、一年ではさすがに難しいのではないのかなというふうに思います。

 もう一つ、最後に資料三をごらんください。(資料を示す)

 過去十年における二十二ある警察署ごとの在職年数をまとめてみました。白色が一年在職、黒色が二年在職ということになります。

 ここから言えることは、各務原署、養老署、飛騨署のようにおおむね二年で交代している署もありますが、中津川署のように、十年間全て一年交代だった署もあります。山県署、多治見署、恵那署のように一年交代が長く続いている署もあります。署による偏りは、何か理由がない限り避けるべきだと思います。

 警察本部長に二点質問いたします。

 警察署長の在職年数のあり方に関するこれまでの方針について、警察署長の半分が一年交代、在職年数平均一・三年、そして署による偏りが見受けられますが、これまでどのような方針で人事異動を行ってこられたのか、お伺いをいたします。二点目は、今後の取り組み方針について、人事異動のやりくりの難しさも想像できますが、二年程度での交代が妥当だと考えます。今後、人事異動の取り組み方針を見直すおつもりはございませんか、お伺いをいたします。

 以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

    (拍手)



○議長(足立勝利君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 自治体PPSのお話がございました。

 この特定規模電気事業者−−パワー・プロデューサー・アンド・サプライヤー−−という制度の導入につきましては、従来の大手電力会社九社の地域独占を前提とした電力供給体制に対し、さまざまな業態の事業者の参入を認め、競争原理を導入する、そしてこれによって一般家庭や事業所へ安価な電力の供給の実現、あるいは通信やガスなどと組み合わせた多様な電力サービスの提供を生み出すということが期待されているわけでございます。

 平成二十八年四月から電力の小売・発電の全面自由化の予定であるわけでありますが、これに向けて、安価で質の高い電力サービスを継続的に提供するために、さまざまな創意工夫を重ねるPPSの取り組みは、大幅なエネルギーコストの削減の可能性を秘めているというふうに考えております。

 こうした中で、自治体が民間企業と連携してPPSを設立の上、電力供給事業に参入することは、エネルギーの地産地消を目指す際の有力な手段にもなるのではないかとの議員の御提案は、大変興味深いアイデアとして拝聴した次第であります。

 そこで御紹介のありました群馬県中之条町、あるいは大阪府の泉佐野市などの他の自治体の事例を十分に勉強させていただきたいというふうに思っております。

 ただ、一般論で申し上げますと、電力の自由化に際して、新たなビジネスチャンスが生まれる一方で、自由化により激しい価格競争が発生することになります。県が電力の消費者として今回の自由化のメリットを最大限に追求することからさらに進んで、PPSをみずから設立するということは、商社のようなものという言葉を使っておられましたが、電力の供給者、あるいは流通業者としてそうした厳しい自由競争下の電力ビジネスの主体となるということでございます。この点も十分に踏まえて、本件については慎重に検討してまいりたいと思っております。



○議長(足立勝利君) 総務部長 高木敏彦君。

    〔総務部長 高木敏彦君登壇〕



◎総務部長(高木敏彦君) 県管理施設におけるPPSによる電気料金の削減効果についてお答えします。

 従来、五十キロワット以上の電力につきましては、大手電力会社である一般電気事業者から随意契約により電気調達をしてまいりましたが、平成十二年三月より段階的に小売り自由化が進められた結果、競争入札によるPPSからの電気調達が可能となりました。

 それによりまして、私ども県管理施設におきましても、平成十三年度から県庁舎において導入を開始し、平成二十六年度は四十二施設、平成二十七年度では百二施設においてPPSからの調達を進めてまいりました。

 その削減効果につきましては、平成二十六年度の使用電気量から試算をしますと、一般電気事業者から調達するよりも、価格としてはおおむね六千万円、約一〇%程度のコスト削減になると考えております。



○議長(足立勝利君) 教育長 松川禮子君。

    〔教育長 松川禮子君登壇〕



◎教育長(松川禮子君) 三点御質問がありました。

 初めに、県図書館としての特色についてお答えします。

 今後の県図書館については、県内各地の地域情報が集まる唯一の図書館という特色を生かし、岐阜県のさまざまな魅力や資源を共有し、発信する「情報共有・発信型図書館」を目指し、三つの方針により進めてまいりたいと考えております。

 まず、一つ目の方針は「郷土作家を知り学ぶ機会の創出」です。そのために、老朽化した企画展示室を改装し、来館者が郷土作家について知り、学べる場として整備するなど、蔵書等を活用した情報発信を行い、ふるさとへの誇りと愛着を育んでまいります。

 次に、二つ目は「県民ニーズに応える図書サービスの提供」です。具体的には、子育て、障がいや高齢福祉といった県民ニーズが高まっている分野の関連図書の一層の充実や、職員のレファレンス能力の向上を図るなど、利用者の課題解決を支援してまいります。

 三つ目は「世界に開かれた交流の場の創出」として、海外情報コーナーの新設や、国内外の有識者による講演会、英語スピーチコンテストの開催など、グローバル人材の育成に力を入れてまいります。

 次に、他の文化施設との連携についてお答えします。

 県図書館では、毎年、隣接する県美術館の企画展と連動し、関連図書コーナーの設置などを行っています。また、今年度は開館二十周年を迎え、戦争体験を踏まえた読書の大切さに関する講演会や、二十年を振り返る回顧展に加え、県博物館などの協力を得て関ケ原合戦に関する講演会や特別展などを開催し、一万二千人を超える来館者にごらんいただきました。

 このように、他の文化施設と連携することにより、それぞれの施設の特色を生かした多彩な事業展開が可能になると考えられます。このため、今後は、さまざまな文化施設とのつながりを強め、多様な取り組みをさらに広げてまいりたいと考えており、まずは連携しやすい地理的条件にあるぎふ清流文化プラザ、岐阜市立中央図書館、県美術館に呼びかけ、例えば「世界遺産」というような共通のテーマを設定した合同イベントの開催などを検討してまいります。さらに、県博物館の収蔵品を展示する機能を新たに整備し、ふるさと岐阜について学ぶ場を提供してまいりたいと考えております。

 最後に、校長の在職年数のあり方についてお答えします。

 校長の人事異動については、専門高校には各学科の職業教育に、特別支援学校には特別支援教育に精通した人材を配置するなど、適材適所の配置が必要になります。また、大規模校等には、校長経験者など、多様なキャリアを積んだ人材を配置することも必要になってまいります。

 これらの点に意を用いながら、できれば三年同一校勤務を念頭に校長人事を行ってまいりたいと考えていますが、その実現のためには、校長としての通算在職年数を長くすることが必要になります。

 そこで、昨年度から、管理職登用年齢の若返りに取り組んでおり、この二年間に登用した五十五歳以下の校長数は、それまでの二年間の二倍以上になっています。今後は、若手管理職の積極的な登用をさらに進めるため、中堅教員の段階から計画的にマネジメント能力を養成するよう取り組んでまいります。こうしたことにより、校長の一校当たりの在職年数を長くしてまいりたいと考えております。



○議長(足立勝利君) 警察本部長 岡 真臣君。

    〔警察本部長 岡 真臣君登壇〕



◎警察本部長(岡真臣君) 警察署長の人事異動について、さまざま御指摘をいただきまして、まず在職年数のあり方に関するこれまでの方針についてという御質問でございますけれども、県警察の人事を取り巻くここ数年の状況について一点申し上げますと、毎年百人を超える警察官が退職している、多い年では百五十人程度になる年もございますが、そのような中で、警察署長を含めた相当数の幹部の異動を行っているところでございます。こうした組織全体の人事異動が行われる中で、警察署長の異動について、一年での異動、また退職年度の登用となっているところも出てきているところであります。

 警察署長の人事については、余りに短い任期での異動は好ましいものではないとは考えておりまして、できる限り二年程度となるよう配意することも考えに入れてきてはおりますけれども、管轄区域内における犯罪、交通事故・事件の発生状況、災害発生の危険性、居住人口等の管内情勢に加えまして、未解決事件の捜査、道路交通事情の変化、警察施設の整備といった直面する課題などに的確に対応し、地域住民の皆様に安全で安心して暮らしていただけるように、当該人物の人格、識見、勤務経歴等を総合的に勘案して適任者の配置に努めるなど、警察組織全体を見据えた適材適所の配置をしているところでございます。

 次に、今後の在職年数のあり方に関する取り組みの方針についてということで、二年程度での交代が妥当だと考える旨の御指摘がございました。

 県警察といたしましても、警察署における課題の解決や地域とのつながり、署員の人事・業務管理といったマネジメントの観点などから、警察署長の人事は、過度に短い任期での異動とならないよう配慮してまいりたいと思います。

 今後も、警察署長の職務の重要性に鑑み、将来を見越した人事構想を練り、適材適所の配置を行ってまいりたいと考えております。



○議長(足立勝利君) 十二番 国枝慎太郎君。

    〔十二番 国枝慎太郎君登壇〕(拍手)



◆十二番(国枝慎太郎君) ただいま議長より発言のお許しをいただきましたので、通告に従い質問をさせていただきます。

 私からは、一点目、全国育樹祭後の森林づくりについて、二点目、育樹祭式典会場跡地の今後の利活用について、そして三点目、結婚支援についてお尋ねをいたします。

 十月十一日、いよいよ第三十九回全国育樹祭の開催まで残り十日となりました。私にとりましては、第十一回目の結婚記念日もあわせて残り十日となりました。県民の皆様の育樹祭への関心の高まりから、さらなる盛り上がりが期待をされます。

 まずもって、育樹祭開催に御尽力されている関係者の皆様方に敬意を表するとともに、盛大に開催されることを願っております。

 私も、地元揖斐郡三町で行われました一〇〇年の森づくりリレーの引き継ぎ式に何度も参加をさせていただきました。特に開催地揖斐川町は、広大な森林に囲まれた自治体でもあり、多くの子供たちが森林を身近に感じながら育っております。その子供たちが一〇〇年の森づくりリレーや揖斐川町が独自に開催した「いびがわ森の恵み感謝祭」など、育樹祭に向けての取り組みに参加する中で、森林を守り育てていくことの大切さを学び、また将来、森林や林業に携わる仕事につくことを願う子供の声が私のところにも聞こえてまいりました。

 ちなみに、揖斐川町がいびがわ森の恵み感謝祭でつくった木曳車には、樹齢百年の揖斐川町北方地区で伐採されたヒノキが使用されました。そして、揖斐川町全域において多くの町民に引き回されたこのヒノキは、今後揖斐川町において建築される町立の幼児園にて使用されることが決定されていると聞いております。まさに、木を育てるためにかかる時間の長さとその時間の長さから与えられる木の恵みを、世代を超えて引き継ぐことを共有することができるすばらしい取り組みであったと私は思っております。

 岐阜県においても、全市町村をつないだ一〇〇年の森づくりリレーを含め、各地において育樹祭に向けたイベントや取り組みが行われておりますから、少なからず同じ思いを持った子供がいるのではないかと思っております。育樹祭の開催に当たっての成果となるものだと思いますが、ただ、親としては林業で生活ができるのかと、子供の職業としては不安に思われるのが正直なところだと思います。そんな林業に携わりたいという子供の声を受けとめ、願いをかなえるために、林業が魅力のある職業として、生業として持続できることが望ましく、林業の振興について改めて考えるところであります。

 平成二十七年二月の第一回定例会において、私の質問に対し、「生きた森林づくり」を加速させるためにも、林業の成長産業化を推進されるとの知事の御答弁をいただきました。私の所属する農林委員会の県内視察では、瑞穂市にある県内初の未利用木材を主燃料とする木質バイオマス発電プラント、そして郡上市にある日本最大の製材企業の中国木材株式会社と協同した大型製材工場の視察をさせていただきました。関係者の方々の説明を伺い、今後の県内の木材の需要創出に大きな成果が得られるのではないかと期待を持つことができましたが、林業の振興を図るには、需要と供給のバランスをよく、継続的に施策を実行することが大切ではないかと思っております。

 育樹祭開催に当たって得られた、森林や林業に携わる仕事につくことを願う子供たちの思いを、森林を守り育てたいという思いを、育樹祭後も持ち続けてもらえるような取り組みを続けていかなければなりません。

 そこで知事にお尋ねをいたします。

 さきの知事の答弁の中では、森林づくりにおいて生きた森林づくりなどを展開されるとのことでしたが、育樹祭開催に向けてのこれまでの成果を踏まえ、育樹祭後の森林づくりについて、どのような取り組みを行うのか御所見をお聞かせください。

 二点目、育樹祭の式典会場跡地の利活用についてお尋ねをいたします。

 式典会場となっている谷汲緑地公園ですが、御存じの方も多いとは思いますが、以前は広い芝生の広場を中心に、幼児から小学生までが遊べるいろいろな木製遊具などが設置され、ほかにもバンガローやコテージが整備されており、バーベキューを楽しむこともでき、小さなお子様を持つ家族から地元少年団の活動まで、大変幅広く、とても人気のある公園として利用されてきました。また、近接した林の中には、カブトムシやクワガタなど昆虫がいっぱいおり、虫好きの親子にも魅力的な公園であり、私も安全で安心して楽しめる森の公園として大変活用させていただいておりました。

 その谷汲緑地公園が、育樹祭の式典会場として整備されるに当たり、これらの施設については、老朽化も見られたことから撤去されており、今年度、揖斐川町において、町内外から訪れる家族連れの憩いの場として、谷汲緑地公園のリニューアル計画を策定すると伺っていたところ、先般の揖斐川町議会において、式典会場の跡地利用については、公園と公園に隣接する森林を一体的に活用して「森のようちえん」など木育を展開する場、高齢者などの健康づくりの場として再整備する方針との宗宮揖斐川町長の答弁が報道されました。また、その答弁の中では県の森林文化アカデミーの協力をいただき、連携を図りたいとの考えも示されました。

 木育の取り組みでは、育樹祭サテライト行事として今週十月三日土曜日に私の地元でもあります大野町において、「おおの木育フェア二〇一五」が開催をされますが、宇佐美大野町長からは、この開催に当たり、大野町としても第三十九回全国育樹祭を契機に子育ての施策として木育を積極的に推進するとコメントが出されています。

 県においてもこれまで、未来を担う人材の育成を推進するため、平成二十年度から木育を導入し、県民と自然・森林をつなぐ取り組みとして取り組まれてきたところだと思います。その「ぎふ木育」の推進の一環として、昆虫、植物、その生息環境を調べたり、野外でのキャンプや自然の素材を使った料理をして食べたり、森林が身近でない子供たちとその保護者の安全な森林体験の場として、森林や木にかかわる体験活動を実践、取り組みたいとお考えの方の木育活動の場としての活用をしたり、また高齢者などには、公園に隣接する森林の中で、自然を感じ、自然を見ながら行う森林浴を楽しんでいただき、心身の健康増進・疾病予防を目指す取り組みとして跡地会場の活用を図ることは、県のこれまでの施策とも合致するのではないかと思います。また、木育を展開する場、高齢者などの健康づくりの場の拠点としての整備が進むことで、地域の活性化にもつなげていくことができるのではないかと考えます。

 先月、九月二十日の日曜日には第二回目の「ツール・ド・西美濃」が開催をされました。西濃圏域二市九町の個性と風土、そして魅力あるそれぞれのまちのおもてなし品を全国から集まった多くのサイクリストが楽しまれました。このような活動のおかげもあり、全国育樹祭会場前を走る県道四十号山東本巣線にも、週末ともなると多くのサイクリストがこの森林コースを走りにお越しになられます。そして、昨日水野議員の質問にもあったように、現在県において存続に向けて御尽力いただいている養老鉄道は、サイクル鉄道でもあり、終点は揖斐駅であります。この揖斐駅から育樹祭後の跡地を拠点としたサイクリングのさまざまな森のコース設定を考えれば、鉄道を利用しての清流の国ぎふサイクルツーリズムということで、十分な観光振興としても図ることができると私は思います。

 この育樹祭を一過性のイベントにしてはなりません。一〇〇年の森づくりリレーの本当のスタートは、育樹祭後ではないでしょうか。だからこそ、この跡地は地元揖斐川町のみならず、岐阜県としても、先ほど知事に質問させていただいた育樹祭後の森林づくりのシンボル施設として、広く県民が森と親しむことができる施設にしなければならないと私は考えております。

 そこで林政部長にお尋ねいたします。

 育樹祭のテーマにもあるとおり、豊かな森林を次世代へと引き継ぐシンボル的な公園として、また県の「ぎふ木育」の推進に貢献できる公園に再整備していくため、揖斐川町と連携し、支援を行っていく必要があると考えますが、県として、どのように支援をしていくのか、林政部長にお尋ねをいたします。

 最後に三点目、結婚支援について質問させていただきます。

 現在の人口減少・少子化問題の要因の一つ、若い世代もほとんどの人が結婚をしたい、子供も欲しいという調査結果があるにもかかわらず、その希望をかなえることができない中で人口減少社会が進んでいることが大きな問題の一つと私は思っております。しかし、ことしの五月六日の新聞記事で、私は衝撃を受けました。それは「コスパ男子」の存在を知ったことです。

 皆さん「コスパ男子」という言葉を御存じでしょうか。コスパとはコストパフォーマンスの略であり、意味は費用対効果であります。恋愛も結婚、仕事など、全てに対して損得で考える今どき男子のことを指すそうです。

 その記事での二十四歳都内在住公務員の結婚しないコメントは、余りにも衝撃でしたので、御紹介は差し控えさせていただきますが、いつから恋愛や結婚にまで費用対効果が重要な価値観になってしまったのでしょうか。まだまだこのような若者はほんの一部だと信じたいところであります。

 そこで、今回は、現在岐阜県が第三次岐阜県少子化対策基本計画においても新たな柱とした非婚化・晩婚化対策としての結婚支援について、的を絞り質問させていただきます。

 では、本県の出生数や未婚化の現状についてですが、出生数は昭和四十八年をピークに減少傾向をたどり、平成二十六年に生まれた子供の数は一万五千百三十八人と、昭和四十八年の三万四千六百四十八人と比べると二分の一以下となっております。また、平成二十六年度の県民意識調査によると、独身者の九割が結婚を希望する一方で、五十歳時点の未婚の割合は、直近の平成二十二年の国勢調査では、男性の約六人に一人、女性の約十五人に一人が結婚していない状況となっています。

 ここで誤解のないように申し上げますが、私は、結婚するかしないかについては、個人の思想・信条に基づく選択の結果であると考えておりますし、個人の多様な価値観や生き方が尊重される社会であるべきことは言うまでもありません。とはいえ、結婚したくても希望どおり結婚できない独身者もたくさんいます。

 そして、日本において、全国で出生する子供の約九八%が婚姻関係にある男女から生まれています。このため、出生数が増加するには、まず婚姻数がふえる必要があることが想定されることから、新たな柱である結婚支援が最大のポイントであると考えております。

 こうした中、県は結婚を希望する独身者に対する結婚支援として、平成二十三年度から結婚を希望する独身者に出会いの場を提供する「ぎふ婚活サポートプロジェクト事業」に取り組み、事業開始から平成二十七年八月末までに五百二十六組のカップルが成立するなど、成果を上げていると聞いております。しかしながら、私は、婚活イベントでの出会いの機会をふやすことも大切と考えるものの、決してそれだけでは成婚につながるものではないという思いがあります。

 その背景には、我が国の結婚の仕方が戦後大きく転換したことが要因であると考えております。何が大きく転換したかというと、それはお見合い結婚の比率が戦前には約七割を占めていたのに、昭和四十年から昭和四十四年ごろに恋愛結婚と比率が逆転し、現在では結婚の九割近くが恋愛結婚に変わったことであります。

 私の場合を振り返ってみますと、恋愛と言えば恋愛結婚ですが、安心できる妻との共通の知り合い、つまりは世話やきさんがいたからこそ、紆余曲折はありましたが結婚することができました。やはり結婚をしたくても、恋愛相手を自力で探し得ないと婚姻までたどり着けない恋愛結婚が主流の昨今では、異性とのつき合いに消極的な方々にはなかなか結婚までできません。以前はそのような方々に地域や職場がどんどんお見合いの機会をつくり、一人一人に寄り添い、成婚までの道のりを支えてくれる人の存在が結婚まで結びつけていたのではないでしょうか。

 藤墳先生におかれましても、前職の間に六十数組の仲人をされたと伺っております。六十数組です。このような男女の仲を取り持って、世話をやいていただける方をふやしていくことも、今後の結婚支援には重要になると考えております。

 そのような中、県では、平成二十七年二月議会において、今年度新たに市町村の結婚相談所と連携した「ぎふマリッジサポートセンター」や「婚活サポーター」を設置し、出会いから成婚に至るまでの結婚支援を拡充するとの答弁をされております。ぜひ「清流の国ぎふキューピットプラン」を考えていただけないでしょうか。勝手に銘打っておりますが、出会いの結婚支援を実施するだけではなく、個人にきめ細かく支援を続けていただける世話やきさんならぬキューピットをふやしていくことが日本の婚姻には必要であることを、統計、そして歴史が物語っております。

 石破茂地方創生担当大臣も、これまでの少子化対策では、地域性という視点が必ずしも十分ではなかったのではという認識を持っているとの発言をされております。やはり地方創生は、このような少子化対策においても岐阜県ならではの支援を拡充することにもあると思います。

 そこで、子ども・女性局長にお伺いいたします。

 希望する個人に対しては、地域の世話やきさんが担ってきたような出会いから成婚に至るまでの積極的かつ継続的な支援が必要と思われますが、県として具体的にどのように取り組んでいくのかお答えください。

 以上で私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

    (拍手)



○議長(足立勝利君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) まず、私のほうには全国育樹祭後の森林づくりということでお尋ねがございましたが、この育樹祭の式典行事についてまず申し上げますが、既に発表しておりますように、俳優の竹下景子さん、池田町出身で演歌歌手の石原詢子さん、オカリナ奏者の宗次郎さんに御出演いただくこととしておるわけでございますが、このたびさらに、昨年、林業者の生活をテーマとして話題になりました映画「WOOD JOB!」に出演をし、またぎふ清流国体でも式典前演技の案内人として出演いただいた岐阜市出身の俳優、伊藤英明さんにも出演していただくことになりました。

 この映画「WOOD JOB!」は、育樹祭のPRを兼ねて、このところ岐阜市など県内三カ所で上映会を行ってきたところでございます。こうした、岐阜県ゆかりの著名な方々に支援していただくことで、育樹祭のメッセージを一段と強力に全国に発信してまいりたいというふうに考えております。

 そこで、お尋ねの育樹祭後の森林づくりについてでありますが、三つの柱で取り組んでいきたいというふうに考えております。

 まず第一は、林業経営を重視した「生きた森林づくり」ということでございます。

 県内ではここ数年、日本初の内陸型大型合板工場や、大型の木質バイオマス発電施設が稼働に入っておりますが、さらに先日は郡上市に大型製材工場が完成いたしました。こうしたことから、近年、木材需要が大幅に増加しており、木材の生産性向上と安定供給が課題になっております。

 このため、昨年スタートしました岐阜県森林技術開発・普及コンソーシアムと連携をして、次世代型架線集材機を活用した木材の搬出技術の普及に努めるなど、生産拡大を図ってまいります。

 また、今後、多くの人工林が利用期を迎え、本格的な伐採が必要となってまいります。これに伴い、植栽のための高品質な苗木の安定供給と低コストの育林技術の開発・普及が必要になってまいります。

 このため、来年度から苗木の生産を本格化し、年間の苗木生産量を県全体で、現在の十八万本から、将来的には百五十万本に増強するとともに、育林の省力化にも取り組んでまいります。

 二つ目は、環境を重視した「恵みの森林づくり」であります。

 森林・環境税を有効に活用し、水源地域の森林保全を初め、雪による倒木や野生鳥獣害の未然防止に役立つ里山林の整備を行ってまいります。

 また、これまで県内五カ所に環境保全モデル林を指定してまいりました。これに加えて、今後は地域の子供たちの環境学習や、世代を超えた交流イベントの開催の場として、新しい里山の利活用をモデル的に展開してまいります。

 三つ目は、新たに「百年先の森林づくり」に取り組んでまいりたいと考えております。

 先ほども申し上げましたとおり、今や多くの人工林が本格的な利用期を迎えております。このことから、自然条件や資源量、地域の生活環境、文化などを考慮し、伐採後のあるべき森林の姿を考える時期に来ております。

 そこで、百年先までも視野に入れて、地域ごとに森林づくりの基本方針を策定してまいります。今後、県民の皆さんの御意見を伺いながら、例えば林業経営として継続すべき地域、水源保全など環境を守るべき地域、あるいは観光資源として価値を高めるため、景観を保全すべき地域などのビジョンを明らかにし、これを平成二十九年度から始まる第三期岐阜県森林づくり基本計画に盛り込んでまいりたいと考えております。



○議長(足立勝利君) 林政部長 瀬上繁隆君。

    〔林政部長 瀬上繁隆君登壇〕



◎林政部長(瀬上繁隆君) 育樹祭の式典会場跡地の利活用に向けた揖斐川町との連携と支援についてお答えをいたします。

 式典会場の跡地につきましては、土地所有者で管理者である揖斐川町が木育を行う「森のようちえん」や高齢者の健康づくりなど、幅広い世代が交流できる施設として、来年度から整備に着手するとの方針が打ち出されております。県といたしましては、揖斐川町の考え方に全面的に協力してまいりたいと考えております。

 具体的には、樹齢百年を超える大木を活用した皇太子殿下の御席や、ランドマークの川湊灯台、森湊灯台につきましては、育樹祭開催の記念として活用できるよう、揖斐川町と協議してまいります。また、木育を行う「森のようちえん」につきましては、既に野外教育や木育の指導者育成などで実績のある県の森林文化アカデミーのサテライトとして、子供たちを対象としたワークショップを定期的に開催するなど積極的にかかわってまいりたいと考えております。



○議長(足立勝利君) 子ども・女性局長 河野恭子君。

    〔子ども・女性局長 河野恭子君登壇〕



◎子ども・女性局長(河野恭子君) 結婚支援の取り組みについてお答えします。

 市町村結婚相談所ではお見合いの機会が限られることから、県では、より多くの機会を提供するため、今年度新たに「ぎふマリッジサポートセンター」を設置し、市町村の枠を超えたお見合いを支援するとともに、より成婚率を上げるために、各結婚相談所の相談員に対し、結婚心理などに関する研修も実施しております。

 さらに、婚活イベントで成立したカップルのフォローやお見合いなどをボランティアでサポートする「ぎふ婚活サポーター」を養成いたしております。これには、独身者に接する機会の多い美容院やレストランなどを経営されている方々が積極的に参加をされており、こうした方々が、まさに地域の世話やきさんの役割を果たしていただけるものと期待しているところです。

 今後も、このような出会いから成婚までの支援に取り組んでまいります。



……………………………………………………………………………………………





○議長(足立勝利君) しばらく休憩いたします。



△午前十一時四十六分休憩



……………………………………………………………………………………………





△午後一時再開



○副議長(森正弘君) 休憩前に引き続き会議を開きます。



……………………………………………………………………………………………





○副議長(森正弘君) 引き続き一般質問並びに議案に対する質疑を行います。七番 若井敦子君。

    〔七番 若井敦子君登壇〕(拍手)



◆七番(若井敦子君) このたび初めて質問させていただきます、県政自民クラブの若井敦子でございます。

 議長よりお許しをいただきましたので、通告に従いまして四つの質問をさせていただきます。

 一点目は、二〇二〇年、東京オリンピック・パラリンピック等に向けた選手の強化策と、選手育成の進捗状況についてお尋ねいたします。

 岐阜県が策定いたしました清流の国ぎふスポーツ推進計画では、「スポーツ立県・ぎふ」を基本目標に掲げ、スポーツによる「清流の国ぎふ」の実現に向けて、六つの事項を柱として計画を推進されています。その六つの柱の一つである競技スポーツの推進の中では、地域に支えられ、世界や全国で活躍できるトップアスリートの育成を施策目標として、選手強化・選手育成の取り組みがスタートしております。

 県では、五年後に開催される二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックに向けた選手強化策として、県ゆかりの選手を二〇一六年のリオデジャネイロオリンピックでは二十名、同パラリンピックでは五名、また二〇一八年の平昌冬季オリンピックでは五名、そして二〇二〇年の東京オリンピックでは三十名、同パラリンピックでは十名輩出することを目標とされています。

 二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックは日本開催ということもあり、日本全国のトップアスリートたちが一生に一度経験できるか否かという憧れの夢の舞台を目指し、これまで以上に精力を傾注することと思われます。また、地元からオリンピック・パラリンピック選手を輩出するために、日本各地で岐阜県同様にトップアスリートの育成に取り組んでおられます。

 このように、オリンピック・パラリンピックでは高いレベルでの、また僅差での代表争いが予想されており、国際的な舞台で活躍する県ゆかりの選手を目標どおりに送り出すためには、県の総力を挙げて全力で選手の強化・育成を行う必要があります。

 二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックまであと五年という限られた時間の中で、僅差を制し、代表の座を獲得することは容易なことではなく、この先、オリンピックを目指す選手たちには多くの試練が待ち構えていることは言うまでもありません。まして、メダル獲得を目指すということは世界一を目指すということであり、登山で例えるならばエベレストの山頂に立つことと同じです。苛酷な練習を課さなければ、こうした夢を実現することも、レベルを向上させることもできるはずがありません。

 しかし、追い込み過ぎればオーバーワークとなり、けがを引き起こすこととなります。トップアスリートにとって、けがとは選手生命にかかわるほどのアクシデントであり、東京オリンピック・パラリンピックどころか、現役引退に至る危険性もあります。アスリートにとって、一番大切な資本とは自分自身の体であり、その体を最大限に躍動させられるかどうかが勝敗を左右する重要なポイントとなります。

 現在、県がオリンピックアスリート強化指定選手として認定をしている選手は、成年・少年を合わせて五十八名、パラリンピックアスリート強化指定選手が十六名、パラリンピックアスリート強化指定チームが四団体と伺っております。

 岐阜県のトップアスリートの方々が、けがなどで生存競争から外れることなく、とことん納得いくまで競技と向かい合い、「人事を尽くして天命を待つ」という心境になれるような練習環境の整備など、競技力向上のためにはさまざまな角度や視点からのサポートが必須であると、私自身が競技者として活動してきた経験から強く感じております。

 そこで、一点目の質問は、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックなどに県ゆかりの選手を輩出するために、どのような強化策を考えておられるのか。また、選手育成の進捗状況はどうなっているのか、清流の国推進部長にお尋ねいたします。

 続きまして二点目は、スポーツ指導者の指導力や資質向上に向けた取り組みについてお尋ねいたします。

 トップアスリートの不断なる努力、華麗で果敢な全力プレーは、見る人に夢と感動・勇気を与え、あすへの活力を与えてくれます。

 先月の九月二十六日から十月六日まで和歌山国体が開催されております。また、十月二十四日から二十六日までは和歌山大会が開催されますが、岐阜県勢の活躍を大いに期待せずにはいられません。

 胸に岐阜とつけられる選手は少数であり、選手たちは胸に岐阜をつけられることに誇りや名誉を感じ、岐阜県代表というプライドが、試合に挑む際の緊張感や恐怖心、これに打ちかつ大きな力を選手に与えます。また、地元選手を応援する自発的活動は、オール岐阜として地域の一体感や連帯感を醸成させ、県民に活力を生み出します。

 競技という視点でスポーツを捉えるならば、これはあくまでも競技としての捉え方ですが、勝利を求めて取り組むことが必要です。初めから負けてもいいというスタンスが許されるのであれば、苦しい練習を乗り越え、限界に挑戦する必要はありません。目指す先が日本一、世界一という多くの人々にとって未踏の領域だからこそ、かち取る価値と意義があり、目先の限界を本当の限界と思うことなく、苦しくても、涙を流してもなお、選手たちをたゆまぬ精進へと向かわせます。

 しかし、勝負は無情であります。多くの人々が頂点を目指して日々努力するものの、頂点である優勝の座をかち取ることができるのは一人、もしくは一つのチームだけなのです。例えば、トーナメント戦を思い浮かべてください。優勝者以外は、早い段階か遅い段階なのかは別といたしまして、必ず負けることとなります。すなわち、挑戦した者のほとんどは敗北という屈辱を味わうことになるのです。

 では、実際に負けてしまった場合、勝つことが全てであると教育されてきた選手はどうなるでしょうか。真っすぐ純粋に競技に取り組んできた選手にとって、結果が全てであり、その評価が自分自身の価値であると思い込み、存在を否定されたと思い込んでしまうケースもあります。

 競技スポーツにおいては、指導に携わる者や選手を支えていく者が、結果だけでなく結果に至るまでの過程をしっかりと評価をして、その努力をたたえてあげることが大切であると考えます。競技スポーツは取り組み方を間違えると、健全なものではなく、他者や自分自身の心や体を傷つける凶器にも変わるということを、指導に携わる者は十分に理解しなければなりません。

 勝負は強くなければ勝てません。しかし、永遠に勝ち続けるということは不可能です。それは強さゆえのおごりや限界を知ることの挫折、迷いや誘惑、また年齢的な衰えもあるでしょう。本当の強さとは、力で相手に打ち勝つことではなく、負けない心であるということを指導者は選手に教えていくことが必要であると考えます。挫折に打ちかつ心、誘惑に負けない心、自制心こそが本当の強さであり、競技スポーツといえども、人間教育に寄与できないものならば取り組む意味がないと断言いたします。

 かつて私は、日本代表の空手選手として胸に日の丸をつけ、ポールの一番高いところに日の丸を掲げることだけを目標に、一九九五年から十一年間、世界の空手の選手たちと戦ってまいりました。

 世界空手道選手権大会では三連覇を果たしていた二〇〇三年、静岡県で開催された「NEW!!わかふじ国体」に挑み、初戦で敗退したことがありました。現役世界チャンピオンが国体で一回戦敗退したことは、当時、「事実は小説よりも奇なり」と取り沙汰され、好奇の目にさらされ、毎日がつらく、現実社会から逃避することばかりを考えていました。そんな私を救ってくれたのは、支えてくれた人の温かさでした。自分一人の無力さを知り、人の真心に支えられているからこそ今の自分があり、支えられているからこそ初めて力が発揮できるということを知ることができました。

 競技スポーツに専念してきたこの十一年を振り返ると、ここからさまざまなことを学びました。スランプや挫折を乗り越えるにはどうしたらよいのか、自分を信じられなくなり、夢や目標をなくしてしまったときはどうしたらよいのかなど、これまで勝利だけを求めて競技スポーツと真剣に向かい合ってきたはずが、結果的にここから学んだものは、いかにして勝つかではなく、いかにして生きるのかということのように思えます。

 トップアスリートの選手寿命は決して長くはありません。選手を引退してからのほうが人生は長いのです。たとえ競技スポーツであっても、これから頂点を目指し、可能性に挑戦していく後進の人たちにとって、そこは単なる勝ち負けを競う場所ではなく、挫折や試練などをどう乗り越えていくのかを学び、生き方を練習する人生道場であるとともに、本当の強さである負けない心を養う場所であってほしいと願っています。それは、過去に敗北という挫折に負けてしまい、自分を見失ってしまった経験を持つ私からの切なる願いでもあります。

 もう一度申し上げます。スポーツは取り組み方を間違えると、自分自身や他者の心や体を傷つける凶器に変わります。選手にとって多大なる影響力があるのは指導者です。

 そこで二点目の質問です。

 トップアスリートの育成のために必要な指導者の指導力や資質向上についてどのように取り組んでおられるのか、清流の国推進部長にお尋ねをいたします。

 続きまして三点目は、女性アスリートの健康管理に関する考え方についてお尋ねいたします。

 女性競技の拡大や女性のスポーツへの参加に伴って、近年では女性アスリートの活躍を目にする機会がふえてまいりました。

 二〇一一年に開催された女子サッカーワールドカップで見事優勝を果たした女子サッカー日本代表やフィギュアスケート、レスリングを初め国内外で活躍している日本人女性アスリートを挙げれば切りがありません。しかし、夢を実現するために苛酷な練習に挑む一部の女性アスリートは、深刻な健康問題にさらされているのが現実です。

 女性アスリートには、陥りやすい三つの障害があると言われております。一つ目はエネルギー不足、二つ目は無月経、そして三つ目が骨粗鬆症です。これらは女性アスリートの三主徴と呼ばれております。

 アスリートの無月経は、苛酷な運動によるエネルギー不足が主な原因と言われ、運動によって消費されるエネルギーに対し、食事からとるエネルギーが極端に不足した状態を指します。

 また、無月経に続発する可能性が高いものが骨粗鬆症です。これは、骨量が減少し、骨の内部の構造がもろく変化をし、骨折しやすくなった状態をいい、閉経後の高齢者に起こりやすいことで知られており、寝たきりの原因とも言われています。しかし、若い女性アスリートにおいても、エネルギーの不足により成長ホルモンや女性ホルモンの一種であるエストロゲンの分泌が抑制された結果、無月経とともに骨の代謝異常を来し、骨粗鬆症を発症しやすくなります。そして、運動の繰り返しにより骨の疲労が進み、疲労骨折が起こる危険性が高まります。JISSのアンケート調査では、正常月経アスリートより無月経アスリートの方が疲労骨折の発症率が高いことが認められています。

 ところが、次世代を担う女性アスリートたちは、こうした知識もなく、正しい指導もされていないため、十代の選手にも無月経や疲労骨折が多発しております。若い女性アスリートの骨粗鬆症は、疲労骨折による競技生活の中断や引退のリスクがあるだけでなく、女性の一生の健康を左右するものです。無月経の状態を長く放置すればするほど、月経がある状態、排卵がある状態に回復するのが難しくなっていくと言われています。排卵がなければ自然に妊娠することはできませんので、将来的な妊娠できる力、妊孕能にも影響を与えます。

 将来の妊娠や出産を考慮するなら、無月経状態が長期間続くことは好ましくありません。しかし、現状は、女性トップアスリートの約四〇%がこうした無月経や不妊を助長する月経不順の問題を抱えております。これらの問題が起きる原因として、スポーツ指導者には男性が多く、女性特有の問題について理解していないことや、異性として話題に触れにくいこと、指導者への啓発がなされていないことなどが考えられます。

 また、女性アスリートの中には、無月経について、月経による好不調を試合で気にする必要がなくなる、競技のためには月経はない方が楽でよいなどといった誤った認識を持っていたり、問題意識を持っていても周囲に相談できずに悩んでいたりするケースもあり、指導に携わる側だけでなく選手側の意識も変えていく必要があります。

 女性アスリートの三主徴の問題は、事前に対策が可能なケースがほとんどです。女性アスリートとしても、女性としても、また競技引退後も、いつまでも健やかであるために、選手自身だけでなく、女性アスリートにかかわる周囲の人が女性特有の問題を理解し、指導者と選手、そして専門知識を持つ者がしっかりと連携し、選手をサポートしていく必要があると考えます。

 そこで、三点目の質問です。

 県として、女性アスリートの健康管理についてどのように考えておられるのか、清流の国推進部長にお尋ねいたします。

 最後となる四点目は、飛騨御嶽高原高地トレーニングエリアへの海外ナショナルチームなど合宿誘致の今後の見通しについてお尋ねをいたします。

 高地トレーニングとは、気圧が低く酸素濃度が薄い高地で運動することにより、全身持久力や筋持久力の向上など心肺機能を高めることができるということで、世界的にも効果が認められ、実施されているトレーニングであります。

 飛騨御嶽高原高地トレーニングエリアは、標高千二百メートルから二千二百メートルに位置し、全長十七キロメートルにわたるロードコースやアップダウンのあるクロスカントリーコースのほか、全天候型の四百メートルトラックが千七百メートルと千三百メートルの二カ所にあるなど、施設やコースがバラエティーに富んでおり、それぞれの目的に合わせたトレーニングが可能であるということから、国内だけでなく海外からも高い評価を得ております。記憶に新しいところでは、本年八月に開催された世界陸上北京大会の直前合宿で飛騨御嶽高原高地トレーニングエリアを利用したイギリスのモハメド・ファラー選手が、五千メートルと一万メートルを制し、二冠を果たしました。

 また、県とイギリスのオリンピック委員会は、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック事前合宿に関する包括協定に合意をし、イギリス代表の選手が本番に向けて最終調整などを行う施設を県が提供することとなりました。

 世界に誇るスポーツ施設が県内にあるということは、県民にとっても誇りであり、大変喜ばしいことでもあります。このような世界に誇る施設へと発展できたのは、地域資源を有効活用するために、県と高山市、下呂市が協力して施設の整備拡充を進めていただいた結果であります。

 この施設が本格的に利用され始めた平成十二年は、まだ施設の認知度が低く、当時の延べ利用人数は約九百人であったと伺っております。私自身も、世界空手道選手権大会とワールドゲームズ大会を控えていた平成十六年と十七年に、こちらで高地トレーニング合宿を何度かさせていただきました。当時は高地トレーニングというものが注目され始めた先駆けのころであり、設備もまだ充実していませんでした。トレーニングで使用するダンベルや、測定で使うパワーマックスなどの機材も整っておらず、手持ちのトレーニング機材一式を引っ越し業者に依頼をし、施設に搬入して合宿を行いました。

 また、トレーニング・食事・宿泊などの連携がとれていないこともありました。もろもろの不自由は感じておりましたが、県内という近場で高地トレーニングができるということが何よりも魅力であり、何度もこちらを利用させていただきました。そのトレーニング効果はしっかりと試合結果にあらわれ、競技ではベストを尽くすことができました。大変感謝しております。ありがとうございました。

 先日、視察で十年ぶりに飛騨御嶽高原高地トレーニングエリアに伺いました。そこで目にしたものは、当時ここで高地トレーニング合宿を実施する上で不自由と感じていたものが全て解決されている、すばらしい施設でした。トレーニングルームだけでなく低酸素室も設置され、まさに世界に誇るスポーツ施設へと進化していました。

 現在では、文部科学省指定のナショナルトレーニングセンター強化拠点施設となり、平成二十六年度の延べ利用人数は約二万四千人で、利用を本格化した十四年前と比較いたしますと約二十六倍の伸びとなっております。このように世界的にも認知度を増してきた当エリアではありますが、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、さらにブランド価値を高めていただきたいと考えております。

 そこで、四点目となる最後の質問は、飛騨御嶽高原高地トレーニングエリアへの海外ナショナルチームなど、合宿誘致の今後の見通しについて知事にお伺いいたします。

 以上、四つのスポーツ関連の質問をさせていただきましたが、私は競技を退いたその後に、長きにわたり岐阜県体育協会会長をお務めになられ、名誉県民でもあられる田口義嘉壽氏のもとで今後のスポーツにあり方について学ばせていただきました。

 二十一世紀のスポーツとは、これまでスポーツが果たしてきた役割に加えて、現代社会が直面する課題の解決に貢献できるものでなくてはなりません。それが実現してこそ、スポーツが誇れる未来への一歩となり、それを導き、実践していくことが、これからのスポーツに携わる者の責務だと思っております。「スポーツ立県・ぎふ」、スポーツによる「清流の国ぎふ」の実現を心より御期待申し上げまして、質問を終わらせていただきます。御清聴まことにありがとうございました。

    (拍手)



○副議長(森正弘君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 日ごろないことでありますけれども、質問が終わった後、大変な拍手が起こりましたが、まさにアスリートならではのお話でありまして、質問というよりは堂々たるスピーチということで、私も感動して拝聴しておった次第でございます。このところ、東京オリンピック・パラリンピックも混迷の中にあるわけでありまして、議員にも何らかの形で、今の勢いで御貢献いただければと、こんなことも思ったような次第でございます。

 さて、私への質問は、飛騨御嶽高原高地トレーニングエリアへの合宿誘致についてでございますが、既にお話のありましたように、国内の強豪チームの合宿を随分と誘致してまいりました。このところ、当エリアでトレーニングを行ったチームが、各種駅伝を初め全国規模の競技大会で数々のすばらしい成績を上げております。

 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの開催決定後は、JOC、日本陸上競技連盟などへの働きかけはもちろんでありますが、誘致対象を海外代表チームにも広げまして、各国の競技責任者による視察の招致でありますとか、イギリスオリンピック委員会、あるいはフランスの陸上競技連盟に対する私自身のトップセールスなど、積極的に誘致活動を展開してまいりました。

 その結果、本年八月に開催されました世界陸上北京大会に向けて、イギリス、アメリカ、ベルギーなどの代表選手が事前合宿に利用していただいております。先ほども御紹介のありましたモハメド・ファラー選手、九千九百メートルを走った後の残りの百メートルを十二秒で走るという圧倒的な走りで金メダルをとられたわけでありますが、この方を初め、合宿を行った十四選手のうち五選手が入賞するという好成績を上げるなど、国際的な合宿地、トレーニング地としての評価をさらに今回高めることができたのではないかと思っております。

 また、私どもの方から強くお願いしたわけでありますが、ファラー選手を初め、イギリス代表選手による地元小・中学生を対象とした陸上教室など住民との交流活動も行っていただきまして、地域の活性化という面でも大変有意義であったというふうに思っております。

 今後の合宿誘致でございますが、本年十一月に私自身欧州に赴くことになっておりますが、そこでは、イギリスオリンピック委員会との間で二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの事前合宿等に関する協定を締結する予定でございます。これにより、当エリアを含む県内の複数のスポーツ施設において、イギリスが合宿を行うことについて合意する見込みでございます。

 また、フランス陸上競技連盟との間でもパートナーシップ協定を締結する運びとなっております。これによって、二〇一七年から二〇二〇年までの間、毎年フランスの選手が当エリアを利用して合宿するため、フランス陸上競技連盟が調整を行うということになるわけでございます。

 そのほか、今回の世界陸上北京大会のための事前合宿を行ったアメリカに対するアプローチを継続するほか、本年四月に当エリアを視察したオーストラリアに対しても、引き続き誘致活動を行ってまいります。同時に、こうした海外のトップクラスの選手から寄せられた助言や要請を踏まえて、陸上競技場やクロスカントリーコースのトイレの増設、情報通信環境の整備など、トレーニング環境や滞在環境のさらなる改善に高山市、下呂市とともに取り組んでまいります。さらには、住民の皆さんによる海外代表チームへのおもてなし活動や地域との交流活動についても両市と連携し、大いに進めてまいります。



○副議長(森正弘君) 清流の国推進部長 宗宮康浩君。

    〔清流の国推進部長 宗宮康浩君登壇〕



◎清流の国推進部長(宗宮康浩君) スポーツに関しまして、三点の御質問をいただきました。

 まず、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックなどに向けた選手の強化策と選手の育成の進捗状況についてお答えいたします。

 県ではこれまで日本一を目指す選手をトップアスリートとして強化指定し、合宿や遠征に必要な経費を助成してまいりました。今年度からは新たにオリンピック・パラリンピックに出場可能性のある選手を強化指定し、オーバーワークやけがを防止するといった視点から、これまでの助成に加え、選手の疲労回復に効果のあるボディケアや、栄養補給のためのサプリメントの費用についても支援対象を拡大したところでございます。

 また、僅差での代表争いに勝ち抜けるよう、スポーツ科学センターにおいてフィジカルサポートや映像分析など、個々の選手のニーズに応じたサポートを実施しているところでございます。

 先般、女子バスケットボールや新体操の日本代表がリオオリンピックの出場枠を獲得いたしましたが、この中には、本県オリンピック強化指定選手が四名所属しており、強化策の成果であると考えております。

 今後もこれらの取り組みを進めるとともに、競技団体と連携し、有望選手の発掘と育成に取り組んでまいります。

 次に、スポーツ指導者の指導力や資質向上に向けた取り組みについてお答えいたします。

 スポーツ指導者の指導力や資質向上については、近年さまざまな議論がなされており、平成二十五年七月に国の有識者会議が取りまとめた報告書の中で、目先の成績でなく長期的な視野を持つことや、競技者に主体的な判断や行動を促すことについて提言されております。

 県といたしましても、スポーツ指導者は競技力だけでなく、相手の尊重や克己心といった人間力を教えることが重要と考えており、平成二十五年度からは指導者の人間性を育むための講習会への参加や、全国の優秀指導者のもとで、選手の心を育て、人として強く生きる指導法を学ぶことで、最適なコーチングができる指導者の育成を支援しており、これまで三百八名の参加があったところでございます。

 また、今年度より新たに実施するジュニア選手の指導者を対象とした研修会の中でも、高い倫理観の醸成やコミュニケーションスキルなどの習得に取り組んでいただくこととしております。こうした指導者の資質は、一朝一夕で向上するものではないため、長期的な視野に立った育成に努めてまいります。

 最後に、女性アスリートの健康管理に関する考え方についてお答えいたします。

 女性アスリート特有の、オーバーワークによる無月経や骨粗鬆症などの問題については、全ての関係者が正しい知識のもとで適切に対処することが重要であると考えております。こうした問題につきましては、県ではこれまで女性アスリート向けに専門家による問診や面談といった対応を行ってまいりました。

 しかし、御指摘のとおり、本問題の解決には指導者、選手それぞれが意識を変えていくことが必要でございます。このため、今年度新たに立ち上げた指導者育成・研修事業において、まずは指導者を対象に、この分野の第一人者である医師の江夏亜希子氏を講師とした研修会を十一月に開催することとしております。

 今後はさらに研修対象を選手自身や保護者に広げることを含め、選手の栄養管理と月経周期がパフォーマンスに及ぼす影響など、この問題に対する正しい理解が進むように努めてまいりたいと考えております。



○副議長(森正弘君) 二十四番 篠田 徹君。

    〔二十四番 篠田 徹君登壇〕(拍手)



◆二十四番(篠田徹君) ただいま質問された若井先生の質問する姿を見ていて、三期前、私も初めてここに登壇したとき、あのように自信を持って質問ができたのかどうなのか、改めて思い出しながらも、やはりそれぞれがこの壇上に立つということは、若井先生は世界の頂点をきわめられましたが、我々ここに集まる者一人一人がそれぞれのチャンピオンであるということを胸に思いながら、県政運営に対してしっかりとした質問をしていきたいと思います。

 そんな観点から、私も今回二点を質問させていただきます。

 まず初めに、今後の県営都市公園の活用促進についてお伺いいたします。

 皆さんは、公園での思い出はと尋ねられたら、どんなことを思い出しますか。若かりしころデートした場所であるとか、子供と一緒に広場を駆けめぐった、あるいは展示物を鑑賞しましたなどと多くのことが思い出されるのではないでしょうか。

 しかし、残念なことに、レジャーの多様化などにより、県営都市公園の多くで年々利用者数が減少傾向にあります。そうした中、ことしの五月から六月にかけて、可児市の花フェスタ記念公園で開催されました「花フェスタ二〇一五ぎふ」は、三十七日間で四十一万人を超える入園者数を達成し、アンケートによれば入園者の八割が満足されているということで、公園の持つ高いポテンシャルを改めて認識いたしました。四十一万人という数は、昨年度一年間の花フェスタ記念公園の入園者数が約三十五万人であったという事実から見ましても、極めて大きな驚くべき成果であったと思います。

 今回のイベントでは、公園の活用という観点から注目すべき多くの内容がありました。一例を挙げますと、五月二十九日、三十日の両日、大変好評であった、ナイトローズガーデンと銘打って公園を夜間開放したことであります。こよみのよぶね、電飾の花いかだを浮かべるとともに、美濃和紙のあかりアートを設置して幻想的な雰囲気を醸し出したり、花火の打ち上げなどが行われ、その迫力やすばらしさに感動を与えられました。

 バラのピークは限られていることから、バラを鑑賞することができる一日の時間を延長して、公園の魅力をより多くの方に楽しんでもらおうというこの企画は、それまで利用されていない公園の時間を効果的に活用したすばらしい企画であったと思います。

 また、バラの生産者により直接園内でバラの苗木が販売されたことも大変好評だったとのことですが、将来的には、バラの苗木の販売拠点として活用される可能性も見えてきたのではないかと考えられます。県では、「花フェスタ二〇一五ぎふ」の成果を生かして今後の花フェスタ記念公園の活用を進められるということであり、大いに期待しているところであります。

 花フェスタ記念公園は、こうして活用に向けた動きが始まりましたが、ほかの県営都市公園についてはいかがでしょうか。ほかの公園についても同様に、これからの活用を考えていく必要があるのではないでしょうか。

 県営都市公園は、現在、県内に七カ所設置されています。古くは明治十三年に養老町に開設された養老公園から、最近では平成十五年に美濃加茂市に開設された平成記念公園日本昭和村まで、それぞれの特性を生かして公園の運営がなされているところであります。

 また、本県の都市公園の一人当たりの面積は平成二十五年度末で十・〇七平米で、全国平均の十・〇三平米を上回っており、都市公園の整備については一定の水準にあると言えます。さらに、全ての県営都市公園に指定管理者制度を導入しており、施設の管理に民間のノウハウを活用しつつ、利用者サービスの向上や経費の節減等が図られています。

 都市公園の持つ機能には、緑豊かな良好な都市環境の形成、都市の防災性の向上、市民活動や憩いの場の提供、歴史や自然を活用した観光拠点の形成などが挙げられます。県営都市公園の場合も、広域のエリアをその対象として、こうした役割を果たしてきました。今回の「花フェスタ二〇一五ぎふ」の実施は、改めて県営都市公園全体の今後の活用の可能性について気づかされる機会となったのではないでしょうか。

 公園の活用の検討に当たっては、これまでの既成概念の枠組みにとらわれない柔軟な発想が必要となります。そして、県営都市公園を生まれ変わらせるためには、県が強力にイニシアチブを発揮して、新しいことに挑戦していく姿勢が不可欠であると考えます。

 また、公園への入園者数については、世界淡水魚園が周囲の国営木曽三川公園などを含めた一帯で年間四百五十万人を数えるほか、単独の公園では養老公園が約八十万人、花フェスタ記念公園が約三十五万人、平成記念公園が約三十二万人と、多くの県民や来県者に利用されています。これらの来園者数は、本県への観光客の約一割に匹敵するものであり、公園が観光拠点としていかに重要な役割を果たしているかがうかがわれます。

 ところが、残念なことに、世界淡水魚園を除き、近年は入園者数が減少傾向にあり、県ではそれを打開するために、年間約三十万人以上に利用されている四公園への誘客を重点的に進めてはいますが、この減少傾向を打開するまでには至っていません。

 例えば養老公園は、平成二十二年度までは年間百万人を超える入園者がありましたし、平成記念公園は、平成二十一年度までは五十万人を超えていました。その背景には何があったのかなどについての客観的な分析をもとに、新たな誘客につなげる戦略的な施策を立案することが必要ではないかと考えています。

 しかも、この四公園については、いずれも東海環状自動車道、東海北陸自動車道の高速道路沿線に立地しており、インターチェンジも近いことに加え、四公園のうち世界淡水魚園と平成記念公園の二公園にはハイウエーオアシスとなっており、インターチェンジで高速道路を出ることなく公園を利用できるという大きな利点があります。こうした地の利を生かして、公園の魅力をさらに向上させることに加えて、四公園の連携もさらに強力に推進する必要があります。さらに今後は、東海環状自動車道西回り区間の整備を初めとして高速道路ネットワークの整備が進むことから、その進捗に合わせた効果的な施策を展開する必要があると考えております。

 県では、昨年十一月に都市公園課を設置し、さらに本年七月には都市公園整備局を設置し、本格的に都市公園に注力していくこととしています。恐らく全国でも公園を名称に冠した部局を持つ県はごく限られていると思いますが、本県の県営公園が新しい時代の要請に応えたものとなり、組織の所期の目的をいかんなく果たされることを期待しております。

 そして、今回の「花フェスタ二〇一五ぎふ」の成功を契機に、それぞれの県営都市公園がどのような方向性のもとに整備し、運営されていくのか、公園の課題を的確に認識した上で、県営都市公園全体の活用について検討する必要があるのではないかと考えております。

 そこで、知事にお伺いいたします。

 県営都市公園の現在の課題をどのように捉え、今後の活用促進に向けてどのように取り組んでいかれるのでしょうか。

 次に、県産農畜産物のブランド戦略の促進についてお伺いいたします。

 先日、知人から「篠田さん、この前石川県金沢市に行ったときに買ったお土産が、地域限定の素材を使ったもので大変おいしかったので教えてあげるよ」と言われました。私は「えっ、お土産を買ってきてくれたので届けに来てくれたのではないんですか。土産話だけ。現物がよかったな」と返しながら話を進めていくと、石川県金沢市では、北陸新幹線の開業に伴い、大変多くの観光客が来訪して非常ににぎわっているが、単に路線開通だけであんなに多くの人が来るはずがない。やはり観光地としての魅力、すなわち人がそこを訪ねてみたい、ほかではできないことを体験してみたい、そして極めつけは御当地でしか味わえないものを食べてみたいなど、出かけていく価値があるかどうかが多くの人を呼び寄せているのではないだろうかなどと話が盛り上がりました。

 そこで、「当初のおいしいお土産とは何であったのか教えてください」と尋ねたところ、何でも「石川県以外門外不出のブドウを使ったジェラートがおいしかった」とのことで、「お菓子にしてもおいしいのだから、もとのブドウはどれぐらいおいしいのか食べてみようと思ったが、時期が少し早くてまだないと言われ、残念ながら食べられなかった。いつか食べてみたいと思うが、簡単には口に入りそうにないので、篠田さんに話をして、もし入手できたらぜひ試食会を開いてもらいたい」と話されて帰られました。そうまで言われるとやはり大変気になるので、早速ネットで検索してみたところ、朝日新聞の七月九日のデジタル版に記載がありました。その記事が驚くような内容でしたので、ここで紹介をさせていただきます。

 石川県が開発した高級ブドウ、ルビーロマンが七月九日、金沢市中央卸売市場で初競りにかけられ、最高で一房百万円の高値がついた。過去最高だった昨年の五十五万円を大きく更新した。

 このルビーロマンは、県が一九九五年から品種改良を重ね、巨峰の二倍という直径三センチ以上の大きな粒と鮮やかな赤い皮が特徴で、甘みも強い。初出荷した二〇〇八年の初競りでは、最高十万円だった。

 この日は重さ三百五十グラムから七百グラムの三十一房が競りにかけられ、七百グラムのブドウを百万円で競り落としたのは、JR金沢駅前にあるホテル日航金沢。同ホテルの調理部総料理長の平井優之さんは、北陸新幹線金沢開業の年なので、何としても競り落としたかった。加賀百万石にちなんだ百万円で縁起がよいとにっこり。この百万円のブドウは二十六粒あり、一粒で約三万八千五百円になる。ホテル内のレストランのコース料理に使うという。

 JA全農いしかわによると、ルビーロマンは石川県内で約百二十人が生産しており、ことしは過去最多の一万八千房の出荷を見込んでおり、出荷のピークは八月上旬から九月上旬。東京と大阪の市場にも出荷され、販売価格は例年どおり一房八千円から一万円ほどになりそう。

 記事はこのような内容でした。

 どうですか、皆さんも余りの高額にびっくりされませんでしたか。さすがに百万円もするものを手に入れることはできませんが、もう少しお手ごろなルビーロマンはないかとネットで探したところ、五粒で三千九百八十円の値がついた商品を見つけたので注文をいたしました。妻には値段は明かさずに、「ブドウをネットで注文したから、宅配便で届くから」と伝えたところ、「ブドウならスーパーにたくさんあるのに、なぜわざわざネットで注文したの」と聞くので、事のいきさつを話したところ、「五粒でその値段では、届いた日の夕食はそれで終わりですね」と冷めたコメントをいただきました。僕は「違うよ。晩御飯の後のお楽しみデザートタイムで食べるんでしょう」と言いたかったのですが、妻の様子を見ているとそんなことはとても言えず、黙って言葉をのみ込むのが精いっぱいでした。

 後日、待ちに待ったルビーロマンが届き、わくわくしながらあけてみると、なるほど案内にあったようにまさしく宝石のルビー色で、ゴルフボールに近いぐらいの大きさがあります。手にすると、一粒二十グラム以上が条件となっているのがわかる気がするぐらい存在感にあふれています。はやる気持ちを抑えながら、慌てて飲み込まないように食べてみると、いつも食べるデラウエアと比較すると、さすがに値段だけのことはあるな、ジューシーで品のある甘さかなと感じました。

 そこで、妻に話しかけると、「高くてもほかにはないもので、国産品の安全・安心なものがこうして売れているのね。岐阜県にもこうしたものはないの」と聞かれたので、「飛騨牛はもちろん、富有柿、イチゴの濃姫や美濃娘があるよ。加工品では、栗きんとんなども有名だね」と答えました。

 そこで、農政部長に三点お尋ねいたします。

 安全・安心に加え、開発や生産などにおける物語性など、農畜産物のブランド戦略における地域間競争はますます激しくなっており、さきに御紹介させていただいた石川県のブドウのように、県が新品種の開発に取り組み、生産者及び販売者の活力となるような県産農畜産物のブランド戦略の促進が望まれます。

 飛騨牛は、今や岐阜県が誇るブランドとして定着していますが、県では飛騨牛に続くような訴求力のある農産物の研究開発と普及について、どのように取り組んでいますか。

 次に、本県には、栗きんとんのほかにも、口コミやテレビのグルメ番組で日本一のトマトケチャップと紹介されて以来、生産が追いつかないほどの人気を博している明宝トマトケチャップのように、県産農畜産物を使ったすぐれた加工品があります。

 そこで、そのような県産農畜産物を活用した六次産業化商品の取り組みをさらに促進することも考えられますが、今後の見通しはいかがでしょうか。

 最後に、県では、農業六次産業化商品のテストマーケティングと農産物の販路拡大のため、大消費地である名古屋市栄のオアシス21にアンテナショップ「ジ・フーズ」を平成二十六年八月から設置していますが、つくり上手の売り下手とならないためには、これまで以上に積極的に消費者に情報発信をしていく必要があると思います。今後、「ジ・フーズ」において、県産農畜産物を含め六次産業化商品の情報発信をどのように行っていく予定かお伺いいたします。

 以上、県営都市公園の今後の活用促進について、県産農畜産物のブランド戦略の促進について、質問をさせていただきました。御清聴ありがとうございました。

    (拍手)



○副議長(森正弘君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 私への質問は県営都市公園の活用促進ですが、今ルビーロマンにあおられまして、質問はありませんけれども、一言だけ申し上げさせていただきますが、実は私もルビーロマンは五粒いただいております。中部圏知事会議で石川県知事が持ってこられまして、五粒ですから、たった五粒ですかと言いましたら、これは一粒三千円なんだと、一万五千円だと思って食べてくれということでございました。

 そのときに、確かにおいしくいただいたわけでございますが、石川県知事を初め他県の知事に申し上げましたのは、岐阜県には一粒五万円のイチゴがあると。私はそれを香港とタイで売っておりますという話をしたら、ぜひ食べたいということでしたが、いまだにまだ渡しておりません。

 この話をし出すと切りがありませんので、県営都市公園のほうに移りますが、御指摘がありましたように、本県には花フェスタ、それから養老、淡水魚園、平成記念公園、四つの集客力の高い県営都市公園がございます。昨年度は全体で六百万人に上る方々に御利用いただいているということでございます。

 ただ、五年前に比べますと、世界淡水魚園を除く他の三公園で合わせて四十万人来園数が減少しているということで、これらにつきましては、そのポテンシャルを最大限に生かして活性化の取り組みを進めていくことが不可欠でございます。

 まず、花フェスタ記念公園について申し上げますと、これまでのところ、バラの最盛期におけるバラの魅力を生かしたイベント等の取り組みが不十分かつマンネリ化しているわけでございます。さきの「花フェスタ二〇一五ぎふ」で好評を博したナイトローズガーデンのような新たな趣向を凝らしたイベントや、魅力的なバラの見本市や商談会の開催、ストーリー性のある設営などを積極的に導入し、名実ともに日本一のバラ園を目指すべきであるというふうに考えております。

 次に、養老公園につきましては、自然をめでる方、あるいは歴史に思いをはせる方など、公園に期待するニーズが多様であるにもかかわらず、十分これに対応できていないのではないかというふうに思われます。今後、平成二十九年に開催される養老改元一三〇〇年祭、あるいは養老鉄道の魅力増進といったこととタイアップをして、自然と歴史が融合した養老の持つ魅力に磨きをかけていくことや、今ブランド力向上に向けて急速に変わりつつある関ケ原と連携していくことも必要ではないかというふうに考えております。

 さらに、平成記念公園につきましては、時代の変遷とともに昭和という公園コンセプトによる集客力が低下しているのではないかというふうに思っております。まずは、コンセプトそのものから再検討していくことが必要であろうと思っております。

 なお、世界淡水魚園の中心的な施設である「アクア・トトぎふ」につきましては、平成十六年の開館以来、一時入館者数が減少しましたが、企画内容の充実や広報戦略の強化により、近年では増加傾向にあります。今後一段と魅力的な企画や効果的な広報に努めていくことが必要であるというふうに考えております。

 このように、都市公園それぞれに固有の課題がございますが、企画力の向上、あるいは県内はもとより全国、さらには海外へのアピールといった共通の課題もございます。

 そこで、本年十一月にも公園、観光、園芸などの各分野の有識者から成る検討組織を立ち上げ、以上申し上げた問題意識に立って、今後の県営都市公園の活用促進に取り組んでまいりたいと考えております。具体的には、二〇二〇年を見据え、県営都市公園の目指すべき姿を明らかにするとともに、公園相互、さらには県内の他の観光資源ともつながった、いわば「清流の国ぎふ回廊づくり」について、来年夏あたりを目途に基本戦略を取りまとめてはどうかと考えております。



○副議長(森正弘君) 農政部長 若宮克行君。

    〔農政部長 若宮克行君登壇〕



◎農政部長(若宮克行君) 県産農畜産物のブランド戦略の促進について、三点御質問がございました。

 まず、研究開発と普及についてお答えいたします。

 研究機関では生産現場の課題に応え、米、野菜、果樹、花の新品種開発や種畜などの改良、技術開発について、生産者等の意見をフィードバックしながら進めております。また、開発した新品種などは、生産者やJA、市町村などと連携して普及に努めております。例えば畜産研究所が開発した種豚「ボーノブラウン」は、霜降り割合が高くなり、生産された豚肉は高値で取引されております。養豚農家からは、受胎率の高い精液の供給が求められており、より高品質な精液の開発に取り組んでいるところでございます。

 また、昨年、中山間農業研究所が開発した栗新品種「えな宝来」「えな宝月」は、菓子業者などが求める濃い黄色のほくほくとした果肉を持ち、栗きんとんへの加工に適しています。ことしから苗木供給を開始し、恵那地域では新しく植栽した面積の四分の一に当たる約二・六ヘクタールに導入されています。今後、苗木の導入促進とともに、生産者とJAなどで構成する東美濃栗振興協議会、地元菓子組合などと連携し、ブランドとして定着するよう支援してまいります。

 次に、六次産業化への取り組みについてお答えいたします。

 現在、六次産業化事業計画に基づき、国の支援を受けながら商品開発に取り組んでいる県内事業者は六十三者あります。その中には、例えば富有柿のドライフルーツやハツシモの米粉パスタなど、全国の量販店に並ぶヒット商品もございますが、一方で消費者のニーズに即した商品開発ができない、加工設備が不足している、販路が拡大できないなどの課題を抱え、売り上げが伸びない商品もあります。

 このため、県では、商品企画やパッケージの改良などのアドバイザーの派遣、効率的で衛生的な加工を行うための機械導入への助成、商談会やアンテナショップへの出展誘導など、さらなる商品力と販売力の向上を支援してまいります。あわせて、新規就農者や集落営農組織、トマト等の産地部会の研修会などでこれらの支援内容や成功事例を紹介し、六次産業化に取り組む新たな事業者の掘り起こしにも努めてまいります。

 最後に、アンテナショップ「ジ・フーズ」における情報発信についてお答えします。

 六次産業化商品の販売促進には、商品の持つ新規性やこだわりなどの魅力を消費者に情報発信するとともに、常に消費者の動向を把握し、商品開発に反映することが重要だと考えております。そのため、「ジ・フーズ」では六次産業化商品の特徴やこだわりを直接消費者に伝える場を設けるとともに、購買動向を分析し、消費者の意見を生産者にフィードバックするなど、商品のブラッシュアップに取り組んでおります。

 こうした結果、今年度の売り上げは昨年度と比べ約一・七倍の一日平均約二十万円となり、特に国の交付金を活用し、県産品を三割引とした六月以降では約二・一倍に増加するなど、岐阜県の六次産業化商品に対するファンがふえつつあると実感しております。また、「ジ・フーズ」での売れ筋商品が県内のショッピングセンター等で取り扱われるなど、新たな販路も獲得しつつあります。今後も、県産野菜の販売拡大や農業者の対面販売に加え、フリーペーパーなどの各種広報媒体を通じて情報発信に努めてまいります。



○副議長(森正弘君) 三十九番 伊藤正博君。

    〔三十九番 伊藤正博君登壇〕(拍手)



◆三十九番(伊藤正博君) 議長より発言のお許しをいただきましたので、通告に基づきまして質問をさせていただきます。

 今回は、かかみがはら航空宇宙科学博物館リニューアル基本構想について、一本に絞っていろいろお伺いをいたしたいと存じます。

 ことし二月の県議会定例会においても、このかかみがはら航空宇宙科学博物館に関してお尋ねいたしましたが、この九月一日に知事と各務原市長との共同記者会見にて発表されました「かかみがはら航空宇宙科学博物館リニューアル基本構想」についてお聞きをいたしたいと存じます。

 二月議会でも申し上げましたが、このかかみがはら航空宇宙科学博物館は、私の地元であります各務原市のほぼ中央、航空自衛隊岐阜基地の南側、ホッケー競技の中心施設でもございます岐阜県グリーンスタジアムの隣に位置し、当時の市長の力強いリーダーシップのもと、市単独事業直営施設としてオープンし、ことしで二十年目を迎えることになりました。全国でも例を見ない、全国一の航空宇宙科学博物館として開館をいたしました。航空ファンを中心に、開館時の平成八年の入館者は四十八万人を上回る大変なにぎわいを見せたところであります。その後、十九年が経過し、ここ数年の入館者は残念ながら開館当初の四分の一ほどの十一万人から十二万人強という結果になっております。

 この博物館はSTOL実験機「飛鳥」やUF−XS実験飛行艇など、唯一無二の実験機を中心に展示機体数は三十七に上っているほか、展示面積も約五千平方メートルに及ぶなど、国内では有数の規模と展示内容となっております。また、サルムソン2A−2を初めとする収蔵物が経済産業省の「近代化産業遺産」に、XIG高揚力研究機とUF−XS実験飛行艇が日本航空協会の「重要航空遺産」に認定されているところでもあります。我が国における航空宇宙産業のメッカと呼ぶにふさわしい産業の集積と歴史を持つこの地域において、かかみがはら航空宇宙科学博物館はその歴史や功績を後世に伝えるべく設立された象徴とも言える施設でありますが、開館から二十年近くを経て、幾つかの課題が顕在化しているところであります。リニューアル基本構想の中でも示されている主な課題は、次の五点と言われております。

 まず一点目は、展示物がふえ、未整理の状況下で、歴史や功績を後世に伝えるという開館当初のコンセプトと展示との乖離が発生しているとともに、ターゲットが明確になっておらず、博物館として何を伝えたいのかはっきりしないということ。

 二点目は、レイアウト、説明パネルに統一感がなくわかりにくい。このため、航空のまち各務原の発信が十分になされていないということ。

 三点目は、展示物が開館時から大きな変化がなく、また目新しさを演出するような企画展・特別展等も余り開催されていない。特に宇宙ゾーン展示は、ロケットのフェアリング等の展示があるものの、規模も限定的で、展示物も見るべきものが限られているということ。

 四点目は、体験型設備が老朽化をし、一部は利用できない状態になっておりまして、また大型の映像施設が存在をせず、集客のためのアトラクションが存在しないということ。

 最後五点目は、博物館の運営体制が、博物館の魅力向上のための新たな取り組みを行うことのできる十分な体制となっていないということ。特に、人材の育成・確保が大きな課題となっている航空宇宙産業の状況を踏まえれば、産業振興・担い手育成につながる取り組みが求められておりますが、一部に限られているといった点であります。こうした点が課題として挙げられております。

 以上の課題を克服するには、残念ながら各務原市だけでは限界があり、これまでの古田知事の強いリーダーシップにより、岐阜県としてこのリニューアル構想に各務原市と一緒に取り組んでいただきました。心より地元議員として感謝を申し上げたいというふうに思います。

 また、航空宇宙科学博物館をリニューアルする大きな意義は三つあると基本構想の中でも指摘されております。

 大きな三つの意義を申し上げる前に、この施設は中部地域における航空宇宙産業の強みを発信する拠点施設であります。この航空宇宙科学博物館を今後も維持・運営していくためには、前に述べましたような課題をしっかり捉えてリニューアルを行い、この博物館の魅力を改めて高めていくことが不可欠であります。この博物館のリニューアルは、単に来館者数の反転拡大をもたらすのみならず、その魅力向上、機能強化を図ることにより、航空宇宙を初めとする産業の振興、人材育成や観光、あるいは地方創生の観点からも大きな効果が期待されるところであります。

 そこで、リニューアルの意義の一つ目は、産業振興・人材育成という視点であります。

 今後さらなる成長が期待される航空宇宙産業において、生産拡大に対応するための人材の育成・確保が大きな課題となっていることは、これまでも申し上げてまいりました。この博物館において、我が国の航空宇宙開発の歴史やすぐれた設計・製造技術に触れることのできる機会を提供することは、将来の航空宇宙産業を担う子供たちにこの産業の魅力や夢を伝え、就業意欲の醸成・喚起を図るためには極めて有効であります。

 また、この博物館のリニューアルは、子供たちのモノづくりに対する興味を育てるという意味においても有意義であり、航空宇宙のみならず、自動車や工作機械など多くの製造業が集積する当地域においては、モノづくり産業全体の担い手育成という観点からも効果が期待できるというものであります。

 二点目は、観光という視点であります。

 航空や宇宙に対する夢や憧れは多くの子供たちが一度は胸に抱くものであることに加え、航空宇宙は老若男女を問わず幅広い愛好者が存在し、リニューアルにより同博物館の魅力向上を図ることで、来場者の増加が見込まれます。

 また、各務原市内にある内藤記念くすり博物館や関の刃物、東濃の美濃焼、ユネスコ無形文化遺産に登録された本美濃紙などの県内伝統産業との連携を図ることにより、誘客効果が期待できるとともに、県内のものづくり産業のPRにもつながってまいります。

 さらには航空宇宙をテーマとした、後ほど少し申し上げますが、愛知県が計画をしている県営名古屋空港見学者受け入れ拠点施設、三菱航空機が愛知県豊山町に現在建設中のMRJ量産工場などとの連携、乗り物をテーマとした愛知県名古屋市のリニア・鉄道館やトヨタ産業技術記念館、愛知県長久手市のトヨタ博物館などとの連携による産業観光ツアーを企画・実施することで、広域でのさらなる誘客が期待できると考えるところであります。

 三つ目は、地方創生という視点であります。

 新たな教育プログラムの開発などによって人材育成機能の強化を図り、この地域の集積する産業に係る将来の担い手を育て、地域への定着を図ることは、地域の特色を生かしたひとづくり、しごとづくりによる地方創生につながります。

 岐阜県では、本年二月に「清流の国ぎふ」創生総合戦略(暫定版)を策定いたしております。この戦略では、五つの基本目標のうち、しごとをつくるための具体的な施策として、人材育成や一貫生産体制構築などによって県内航空宇宙産業の製造品出荷額倍増を図るとともに、かかみがはら航空宇宙科学博物館を活用して県内航空宇宙産業のPRを図ること、まちをつなぐための具体的な施策として、かかみがはら航空宇宙科学博物館の魅力向上に挙げられております。

 このように、アジアナンバーワン航空宇宙産業クラスター形成特区に県下二十一市町が指定されている中、この博物館のリニューアルによる波及効果は、各務原市の航空宇宙産業にとどまることなく、県全体の航空宇宙産業、ひいては県内のモノづくり産業全体に広く及んでいくものと見込まれます。したがって、博物館のリニューアル及びリニューアル後の博物館の運営には、各務原市のみならず、岐阜県も積極的にかかわっていくことが適当であるとの考え方は、地元としても大いに歓迎をし、大変ありがたいわけであります。

 このかかみがはら航空宇宙科学博物館のリニューアルに向けては、これまでさまざまな検討が行われたとお聞きをいたしております。

 一つ目は、かかみがはら航空宇宙科学博物館リニューアルに関する意見交換会の開催であります。博物館のリニューアルに向けて、航空宇宙関連の企業・産業団体、研究機関、学術界、国関係機関など、全国レベルの有識者並びに岐阜県・各務原市で構成されるかかみがはら航空宇宙科学博物館リニューアルに関する意見交換会が開催されてきました。

 二点目は、かかみがはら航空宇宙科学博物館リニューアル構想検討委員会の開催であります。航空宇宙関連の企業・産業団体、学識経験者、ボランティア、県、各務原市、各務原市教育委員会などの地元メンバーで構成される委員会で、リニューアルの方向性、機体の収集・展示基準、レイアウト、料金体系などについて検討を行うとともに、グッズショップやレストラン、公共交通アクセスの充実など、県民・市民に親しまれる博物館とするための誘客機能の強化策や、持続可能な博物館とするための運営手法などについても検討を行ったとお聞きをいたしております。

 そして三点目は、国内外における先進事例の調査であります。リニューアルの参考とするため、先進事例として国内外の関連施設を訪問し、展示手法や教育・体験プログラムなどの取り組み、教育機関や他施設との連携、運営体制などに関する調査も行われました。国内では、青森県三沢市の三沢航空科学館や埼玉県所沢市の所沢航空発祥記念館、さらには千葉県芝山町の航空科学博物館、そして国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構、いわゆるJAXAの筑波宇宙センター・相模原キャンパスなどの調査を行うとともに、国外では平成二十六年十月にアメリカのスミソニアン国立航空宇宙博物館、国立アメリカ空軍博物館、NASAケネディ宇宙センター、そして平成二十七年六月には欧州のフランス、ル・ブルジェ航空宇宙博物館、イギリス科学博物館、ロンドン交通博物館、さらにはイギリス空軍博物館も調査されたとお聞きをいたしております。

 このように、これまでこの博物館リニューアルに向けてさまざまな検討が行われ、今回のリニューアル基本構想の発表となったと受けとめております。

 リニューアルの基本コンセプトは、航空宇宙産業のメッカである各務原並びに中部地域をアピールするとともに、次代の航空宇宙産業を担う子供たちにこの産業の魅力や夢を伝え、就業意欲の醸成、喚起を図ることとしており、「空・宇宙」と書いて「そら」と読ませるわけでありますけれども、「空・宇宙への挑み〜かかみがはらから日本へ、そして世界へ〜」となっております。

 そこで、リニューアル基本構想に関し、次の三点について知事及び担当部長であります商工労働部長にお伺いをいたします。

 まず、知事には次の二点をお伺いをいたします。

 一点目は、リニューアル計画の主な内容についてであります。どのような機能を重視されたのか、ハード面・ソフト面それぞれについてのお考えをお聞きをいたします。

 二点目は、リニューアル後の博物館の運営体制についてであります。これまでいろいろ申し上げましたが、新たな博物館をどのように運営、維持、発展させるかが重要であり、そのためには館長の位置づけはどのようにお考えなのか、お聞きをいたします。新たな館長の役割が非常に重要であり、どのような人物を配置するかが問われていると考えます。

 さらに、館長をサポートし、運営に対する助言・指導を行う運営協議会を新設されるとお聞きをしております。どのような体制の運営協議会をお考えなのかもお尋ねをいたします。

 そして、指定管理者制度の導入も検討されるとのことですが、具体的な考え方についてもお聞きいたします。

 産業界や関係省庁・関係機関の全面協力を初め、これまでも博物館の運営を支えてくれているボランティアの皆さんの充実も欠かせません。どのような協力体制を考えておられるのか、知事の思いも含め、お聞かせいただきたいと思います。

 三点目の質問は、商工労働部長にお聞きをいたします。

 これまでいろいろ申し上げてきましたが、この博物館をリニューアルするに当たって、各務原市との連携はもちろんですが、平成二十九年度末リニューアルオープンに向けての今後の主なスケジュールについてどのように考えられておられるのか、お尋ねをいたします。

 二十七年度中には、基本計画策定や建築・展示設計、さらにはワーキンググループによる詳細検討も行われるとのことですが、どのような形で進めていこうとされるのかも含めてお尋ねをいたします。

 質問としては以上でございますが、最後に、現在、愛知県が県営名古屋空港近くで計画されている、県営名古屋空港見学者受け入れ拠点施設とする「航空のフィールドミュージアム」構想について少し述べさせていただきます。

 ことし五月の愛知県議会臨時議会での説明によれば、MRJ量産初号機の納入が予定されている平成二十九年四月から六月の時期に、三菱重工業のMRJ最終組み立て工場内に見学コースがオープンすることに伴い、岐阜県同様に人材育成や産業観光の場として中核となる拠点施設を建設するとの話であります。これまでそのような計画は聞いたこともなく、何か突然、今回のかかみがはら航空宇宙科学博物館のリニューアル計画が進んでいく中で、愛知県もつくるみたいな印象が否めませんけれども、今後の計画進捗状況には注視をしなければいけないというふうに思います。正直、距離的にも各務原市と名古屋空港とはそんなに遠くはなく、驚きは隠せませんが、建設されるならば、このかかみがはら航空宇宙科学博物館との連携も必要と考えます。ぜひ岐阜県としても注視しながら、このかかみがはら航空宇宙科学博物館のリニューアル計画に取り組んでいただきたいことを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

    (拍手)



○副議長(森正弘君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) かかみがはら航空宇宙科学博物館のリニューアル基本構想につきまして、まずこの基本構想の基本的な内容でございますが、御承知のとおり、昨年九月からほぼ一年間をかけてオールジャパンクラスの有識者による意見交換会で議論を重ね、リニューアル基本構想を取りまとめたところでございます。

 リニューアル後の博物館には、「空・宇宙への挑み」という全体の基本コンセプトのもと、日本の航空宇宙技術史が俯瞰できる場、子供たちに感動を与え、夢と誇りを育む施設、岐阜県の航空宇宙産業の力、文化を国内外へ発信する拠点、岐阜県における観光拠点施設といった四つの機能を持たせることとしております。これにより、本県のみならず日本の航空宇宙産業の発展に資する我が国を代表する航空宇宙博物館としていきたいというふうに考えているところでございます。

 具体的には、まず我が国における航空宇宙技術の歴史に対する体系的な理解を深めていただくため、展示スペースを大幅に増床し、国産ロケットのエンジン等の実物や人工衛星等の実物大模型などの展示を充実するとともに、既存の展示機体を厳選して、世界の航空宇宙技術史における我が国の位置づけや先駆的実績をわかりやすく展示してまいります。

 また、次代の子供たちを育成する観点から、航空機の操縦ができるシミュレーター等の体験装置や3D映像にも対応できるシアターなど子供たちの五感に訴える新たな施設を整備するとともに、JAXAなどと連携した各種教育・体験プログラムの充実、宇宙飛行士や研究者らによる講演会やシンポジウムなどさまざまなイベントを開催してまいります。これにより、子供たちにとって何度訪れても新たな感動を得ることのできる施設にしてまいりたいと考えております。

 さらに、岐阜県そしてこの地域が、これまでも、そしてこれからも我が国の航空技術の発展を担う中心地であることを国内外に一層発信してまいります。このため、各務原市で製造され日本に唯一現存する「飛燕」を新たにシンボル展示に加えるとともに、国産ジェット旅客機、国際共同開発機などに込められた我が国航空機産業の最新技術についてもわかりやすく伝える展示・説明を行うこととしております。加えて、観光誘客の拠点施設としての機能を強化するため、オリジナルグッズの開発や、近隣の航空機産業工場等と連携した見学ツアー、愛知県など近県と連携した産業観光ツアーの実施等にも取り組んでまいります。

 このようなハード・ソフト両面からのさまざまな取り組みの相乗効果により、博物館の魅力の大幅な向上を図ってまいります。

 次に、運営体制でございますが、ただいま申し上げましたとおり、この博物館は名実ともに我が国を代表する博物館となることを目指しております。したがいまして、リニューアル後の運営体制につきましても、そのような国内随一のオールジャパンクラスの博物館にふさわしい体制を整える必要があるというふうに考えております。そのために、博物館を運営していく館長をどうするか、これは大変大事な点でございまして、航空宇宙に関する幅広い知見やアイデアと経営感覚をあわせ持ち、強力なリーダーシップを発揮できる方を選任したいと考えております。

 また、日々成長を続ける航空宇宙産業における最新の情報、話題をタイムリーに提供できる施設とするためには、展示・企画の内容面において、さまざまな分野の英知を結集して館長をサポートしていく必要がございます。館長のもとに、博物館の運営に関する助言・指導を行う運営協議会を新たに設置したいと考えております。この協議会には、産業界や教育・研究機関、その他の有識者、国行政の参加も得て、オールジャパンで支える体制としたいと考えております。

 県としてもリニューアル後の博物館の運営には積極的にかかわってまいります。また、オリジナルグッズの開発・販売やレストランの運営などといった民間ノウハウの活用により効率化や魅力の向上が見込まれる分野の業務については、指定管理者の導入も検討してまいりたいと思っております。

 同時に、最新の技術の紹介、展示物の入れかえ、教育・体験プログラムの開催、特別展・イベントの実施など、博物館の魅力を不断に向上させていくためには、御指摘のありましたとおり、産業界や関係府省・関係機関の全面的な協力が不可欠であります。宇宙航空研究開発機構JAXAとの間では、展示物の貸し出しや、教育プログラム・講演会などの開催を含めた包括的な連携協定を早期に締結すべく、現在、詳細について協議を進めておりますが、他の関係機関とも一層の協力体制を構築してまいります。加えて、御指摘のあった産業界のOBを初めとするボランティアスタッフの充実に加え、博物館の運営を全国から支援いただくための寄附金・協賛金制度、リピーターをふやすための個人会員制度の創設についても、今後その具体化を検討してまいります。

 なお、このたびのリニューアルにより同博物館が生まれ変わることを県内外の皆様に広く知っていただき、リニューアルに向けた機運の一層の醸成を図るため、各務原市とともに関係機関、企業の協力を仰ぎながら、さまざまなPRイベントをこの十月以降切れ目なく実施していきたいと考えております。例えば十一月二十一日にはリニューアルのコンセプトや我が国の宇宙政策における位置づけなどを紹介するセミナーの開催、翌二十二日には名古屋モーターショーにおけるリニューアルをテーマとした知事トークショーの開催、十一月二十四日のH−?Aロケットの打ち上げのパブリックビューイング、さらには来年三月二日には宇宙飛行士の山崎直子氏を招聘した講演会など、さまざまな魅力的なイベントを開催したいと考えております。



○副議長(森正弘君) 商工労働部長 郷  敦君。

    〔商工労働部長 郷  敦君登壇〕



◎商工労働部長(郷敦君) かかみがはら航空宇宙科学博物館リニューアルのスケジュールについてお尋ねをいただきました。

 今後、かかみがはら航空宇宙科学博物館リニューアル基本構想に基づき、今年度中に基本計画の策定並びに基本設計に着手いたします。作業を進めるに当たっては、意見交換会の中に産業界やJAXAなどの有識者によるワーキンググループを設置し、助言・監修をいただきながらスピーディーに詳細の検討を行ってまいります。また、地方創生の交付金を活用して、今年度末までにシミュレーターやシアター映像など展示の一部を先行して整備する予定です。そして、来年度からは具体的な展示製作や増築・改修工事に取りかかりたいと考えております。

 なお、先ほど知事からも答弁いたしましたが、これらの取り組みと並行して、同博物館が変わることを広く皆様に御認識いただき、リニューアルに向けた機運の一層の醸成を図るためのさまざまなPRイベントを、各務原市とともに関係機関、企業等の協力を仰ぎながら、本年十月以降切れ目なく実施してまいります。



○副議長(森正弘君) 十六番 田中勝士君。

    〔十六番 田中勝士君登壇〕(拍手)



◆十六番(田中勝士君) 議長から発言のお許しをいただきましたので、通告に従い質問させていただきます。

 今回は、国民健康保険の運営と医療費の適正化について質問させていただきます。よろしくお願いいたします。

 ことし五月、国民健康保険−−以下国保と呼ばせていただきます−−の財政運営を市町村から都道府県に移管することを柱とした医療保険制度改革法案が国会で可決・成立しました。

 皆さんも御承知のとおり、国保には所得の少ない年金生活者や非正規労働者などが多く加入しており、保険料収入が少ない一方で医療費が高いという特徴があります。そのため慢性的な赤字体質が続いており、岐阜県内でも約半数の市町村が赤字となっています。

 今回の法改正により、市町村国保の財政運営は二〇一八年度から都道府県へ移管することになるわけですが、その大きな狙いは、「規模の拡大による財政基盤の強化」と「将来に向けた持続可能性の確保」にあります。内容的には、地方の意向を反映する形で、国からの財政支援策として毎年約三千四百億円の国費を投入すること、保険料の賦課・徴収、資格管理・保険給付の決定、保健事業などは引き続き市町村が行うこと、持続可能な国保制度の堅持に向けて、地方からの提案について引き続き議論すること、国保の安定的な運営が持続するよう所要の措置を講じることなどが盛り込まれています。

 しかし、高齢化や医療の高度化等の要因により、我が国の医療費は今後も増加し続けることが見込まれており、先日発表された二〇一四年度の概算医療費は三十九兆九千五百五十六億円と十二年連続で過去最高を更新し続けており、これに労災分などを含んだ国民医療費は初めて四十兆円を超えることが確実になりました。こうした状況を鑑みると、仮に広域化したとしても、国民皆保険制度の最後のとりでとも言われる国保の先行きは非常に厳しいと言わざるを得ません。

 以前、私が社会保障財源の確保問題について質問した際、知事からは以下のような答弁をいただきました。社会保障制度改革の議論は、持続可能性を確保するための改革が不十分な場合には、さらなる負担を国民に求める必要が生じる可能性がある。また、見直しの内容によっては、国民や県民の受けるサービスの低下を伴う可能性がある。したがって、社会保障制度改革については、まずはその改革内容と影響などに関する国民的な議論を行い、持続的・安定的な制度づくりに関するコンセンサスをしっかりと構築していくことが必要であり、そのような方向で議論を深めた上で、将来の財源確保の問題も明らかにしていかなければならない。

 以上のような指摘を踏まえ、国保の制度改正について知事に質問いたします。質問は三点です。

 一点目、国保運営が市町村から県へ移管されることに伴い、県では国保の特別会計を組むことになりますが、それはどのぐらいの規模になるのでしょうか。また、県の負担についてはどのように見込まれているのでしょうか。

 二点目、今回の制度改正を知事はどのように捉えているのでしょうか。

 三点目、持続可能性の確保という観点から、国保運営における将来的な課題について知事はどのように考えているのでしょうか。

 以上、古田知事の答弁をお願いいたします。

 次は、国保の運営に関連して医療費の適正化問題について取り上げさせていただきます。

 現在、県の医療に関する主な役割は大きく二つあります。一つは、地域における基本計画の策定であり、もう一つはこの基本計画に基づく政策医療の実施です。政策医療とは、例えばドクターヘリの運航、医師確保対策、周産期医療体制の整備などがこれに当てはまります。

 今回、国保の制度改正に伴い、これらに加え、県には三つ目の柱として国保の保険者という役割が加わります。このことにより、県は医療計画の策定主体と国保の運営主体という双方の立場を兼ねることになり、地域医療における供給面と財政面双方の責任を担うことになります。

 言うまでもなく、医療費増大の問題は国保運営における持続可能性の問題と直結しています。今後も高齢化が続く限り医療費は増大し続け、それは県の国保財政をさらに圧迫することになるでしょう。そして、国保運営における財政問題は県の財政に直接影響を及ぼします。

 こうした状況を鑑みると、医療費の適正化という問題は、県が今後、今まで以上に本腰を入れて取り組むべき重要な課題と言えます。

 そこで、医療費の適正化について知事に質問いたします。

 一点目、今後も予想される医療費の増大について、知事はどのように認識されているのでしょうか。

 二点目、医療費の適正化に向けて県が果たすべき役割について、知事はどのように考えているのでしょうか。

 以上二点、古田知事の答弁をお願いいたします。

 ここからは、それぞれの具体的課題について、健康福祉部長に質問いたします。

 まずは国保運営に係る県と市町村の連携についての問題です。

 この問題については、昨年の九月議会の際、県政自民クラブの代表質問の中で村下先生に取り上げていただきました。そのときの部長答弁にもあったとおり、国保の制度改正に伴う第一の課題は、県内市町村の保険料の平準化の問題です。

 皆さんも御存じのとおり、国保は全国共通の制度であるにもかかわらず、保険料は市町村ごとに大きく異なっています。被保険者の立場から見た場合、こうした状況は不公平ではないかといった指摘は以前からなされていました。今回の制度改正に伴い、こうした問題もあわせて是正していこうというわけです。

 ちなみに、平成二十五年度の県内市町村の被保険者一人当たりの保険料を見てみると、一番高いところで十万九千五百円、一番安いところで六万八千九百円と、格差は約一・六倍にまで広がっています。これは、被保険者の年齢構成や所得水準の格差、医療提供体制の違いから来る医療水準や診療機会の格差、市町村間で保険料の算定方式が異なること、市町村ごとの判断で行われる一般財源からの法定外繰り入れなどの要因によるものです。

 先ほども申し上げたとおり、今後、国保の財政運営は県、保険料の賦課・徴収は市町村が担うことになります。そうした役割分担のもと、保険料の設定については納付金方式という方法がとられる予定になっています。これは、あらかじめ県が確保すべき保険料収納必要額を県が各市町村ごとに割り当てた上で、各市町村がそれぞれ保険料を設定・徴収し、県に納付するというやり方であり、今までと同様、市町村の裁量に委ねる部分が大きい方法です。

 県では国保改革対策検討会を立ち上げ、既に市町村との協議も進められていると聞いていますが、国保財政の安定化と被保険者の負担について、どうバランスをとるのか。中山間地域と都市部といった医療提供体制の違う地域の公平性をどう確保するのか。保健事業や収納率などといった市町村の努力をどのように反映するのか。先ほども指摘した現在約一・六倍ある格差をどう調整するのかなど、一口に平準化と言っても多くの課題があります。

 そこで質問させていただきます。

 保険料の設定について、県として基本的にどのような考え方を持っているのか。また、平準化に向けた最大の課題は何か。そして、今後の進め方についてどのように考えているのか。健康福祉部長の答弁をお願いいたします。

 制度移行を見据え、既に県では安定した国保運営を行うため、さまざまな取り組みを行っています。特に収納率の向上対策については、随時改定されている運営広域化・財政安定化支援方針にも盛り込まれており、具体的には、各市町村の規模や現状を勘案した目標を設定した上で、収納率またはその増加率が一定水準以上ある自治体に対し県特別調整交付金を交付するなど、既に対策が講じられています。

 ちなみに、この収納率について、平成二十五年度の県全体の平均は九二・三九%、これを各市町村ごとに見てみると、ここでもかなりの格差があり、一番高いところでは九九・四%、逆に一番低いところは八七・八五%と、実に十一ポイント以上の差があります。傾向としては、地域のつながりが希薄と言われる都市部ほど収納率は低くなる傾向があるようです。

 この保険料収納の問題については、真面目に納付している人が必要以上に過大な負担をしているのではないかといった懸念も指摘されており、こうした公平性の観点からも収納率の向上対策は重要だと思います。

 また、財政に対する影響という面で考えてみると、現在の県全体の保険料の総額は約五百六十億円。仮に収納率が一%上昇すれば約五億六千万円の増収になり、まさに収納率の問題は財政に直結する問題でもあります。さらには、財政責任が県に移管することに伴う収納率向上対策に対する市町村のモチベーションの低下も懸念されており、こうした点にも留意することが必要です。

 そこで質問させていただきます。

 保険料の収納率向上対策は、公平性の観点からも、財政的観点からも重要な問題だと思います。この問題について、県は今後どのように取り組んでいくのでしょうか。健康福祉部長の答弁をお願いいたします。

 次は、基本計画などで掲げた政策目標の実現に向けた取り組みや、その具体策について質問させていただきます。

 ことし六月、国は二〇二五年時点での望ましい病院ベッド数、以下、病床数といいます、に関する報告書を発表しました。これによると、国が試算した最も低い推計でも、将来病床が過剰になるとして、四十一都道府県に対し病床数の削減を求める内容となっています。ちなみに、岐阜県に対しては一八・九%の減。現在の約一万八千五百床から一万五千床程度と、三千五百床の削減が求められています。これは、病床が過剰だと、不必要な入院や長期の療養がふえて医療費がかさみやすくなる傾向があるため、病床の地域格差を是正し、年間約四十兆円に上る医療費を抑制することをその狙いとしています。

 この推計結果については、県が策定する地域医療構想に反映させるとされており、先日その骨子案が示されました。今後は保健医療計画の変更という形で、来年の第一回定例会に提案される予定です。

 また、具体的な取り組みとしては、国が示したガイドラインに沿った形で、まずは適正な病床機能報告に向けた助言・指導を行い、より実態に近い形になるように病床を機能別に分類し、不足する回復期病床への病床転換を行う医療機関に対する補助制度を創設するなどして、進めていくことになります。

 しかしながら、皆さんも御存じのとおり、医療機関も一般企業と同様に大変厳しい経営競争にさらされており、病床数の削減は病院経営の根幹にかかわる重要な問題です。

 その一方で、県が策定した削減方針には法的拘束力や強制力がないため、現実的には、各医療機関の自主的な取り組みに頼らざるを得ません。つまるところ、計画を策定したものの、その実現は非常に難しいと言えます。

 そこで質問させていただきます。

 県は、この病床数削減の問題にどのように取り組んでいくのでしょうか。健康福祉部長の答弁をお願いいたします。

 先ほども申し上げたとおり、今取り上げた必要病床数の問題などは、岐阜県保健医療計画の中に記載されることになります。このほかにも医療にかかわる県の基本計画には、岐阜県医療費適正化計画、岐阜県高齢者安心計画、ヘルスプランぎふ21、岐阜県がん対策推進計画などがあります。これらは国が定めた基本方針に沿って、その岐阜県版として策定されたもので、それぞれが補完的役割を担っています。

 また、各計画には具体的な政策目標が示されており、例えば医療費適正化計画を見てみると、特定健診の実施率、喫煙する者の割合、平均在院日数に関する目標などが定められており、県ではこうした政策目標実現のため、さまざまな事業に取り組んでいます。

 皆さんも予防医療という言葉を耳にされたことがあると思います。予防医療とは、つまり病気にならないようにすることが最も経費が安く経済的であり、県民に健康に暮らしてもらうことが、医療や介護などに係る社会保障関係経費を抑制していく上で極めて有効な策であるという考え方です。

 しかし、例えばスポーツや健康づくりといったことが体によいことは当然の認識としてあるわけですが、そうしたことを振興する事業が医療費の抑制にどの程度結びつくのかといった根拠や相関関係を明確に示すことはなかなか難しい問題です。そうした意味において、今議会に健康福祉部から提案されている運動管理システム導入による健康管理モデル事業は非常に興味深い事業であると思っています。

 この事業について簡単に解説すると、まず、糖尿病やメタボリック症候群の患者二百人に協力を依頼します。この二百人全員に対し、かかりつけ医がその人に応じた望ましい運動量の指示をします。このうちの半数の百人には何もつけず、そのまま過ごしてもらいます。残りの百人には活動量を管理する機器を身につけて過ごしてもらい、データの解析による医師の指導も受けてもらいます。この違いにより、健康状態や医療費にどれだけ差が出るか分析を実施するといったもので、例えば運動量と医療費の抑制の効果などが数値化されれば、そのデータをもとにした予防医療などの医療費適正化事業が実施できるようになるのではないかと考えられます。

 そこで最後の質問です。

 医療費の適正化に向けては、知恵を絞り、工夫を重ねて、いろいろな可能性に挑戦していくことが重要だと思います。岐阜県独自の取り組みでも、効果の上がるものは必ず見つかるはずです。医療費の適正化に向けた具体的事業展開について、県として今後どのように取り組んでいくのか、健康福祉部長の答弁をお願いいたします。

 今回の質問は以上です。明快な答弁をお願いして、私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。

    (拍手)



○副議長(森正弘君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 私のほうには五点質問がございました。

 まず国民健康保険の制度改正につきまして、県に移管後の財政規模、県負担の見込みということでございます。

 県は、国保の財政運営を行うための特別会計を設置することになるわけでありますが、その規模は県内四十二市町村の医療給付費の合計に相当するわけでございます。これを平成二十五年度決算ベースで見ますと約一千九百五十一億円、平成二十六年度見込みでは約一千九百六十一億円ということでございます。

 県内の医療費は、平成二十一年度から二十六年度までの五年で約一二%増加しておりますので、今後も仮に同程度の伸びを見込みますと、県が平成三十年度に設置する特別会計の規模は約二千二百億円規模になると、こういう見通しでございます。国保の医療給付費を賄う財源につきまして、都道府県の負担割合は新制度においても変更がございませんので、新制度への移行そのものに伴って県に新たな負担が生ずることはないものと考えております。

 次に、制度改正に対する認識ということでございます。

 都道府県が財政運営の主体となるに当たって、当初、全国知事会を通じて赤字構造の抜本的解決策を示すことが前提であるというふうに主張してまいったわけであります。これに対して、国が市町村による一般会計からの法定外繰り入れの解消ということで約三千四百億円の財政支援を表明されたことは、一定の前進ということで評価をしておるわけでございます。

 しかしながら、国保を持続可能な制度とするためには、この法定外繰り入れの解消にとどまらず、将来的な医療費の増加への対応、あるいは他の医療保険制度と比較して極めて重い保険料負担の軽減のため、さらに抜本的な財政基盤の強化を図る必要があるというふうに考えております。

 一方、市町村との役割分担につきましては、住民の基本情報を把握している市町村が資格管理、保険給付と保険料の賦課・徴収、保健事業を従来どおり一体的に担うものとされておりまして、これは妥当な役割分担ではないかと思っております。今後、県の財政運営のもとで、例えば滞納整理の共同実施など効率的な運営が図られるよう、市町村と十分協議をしてまいりたいと思っております。

 次に、国保運営における将来的な課題ということでございますが、今も申し上げましたけれども、当面の財政運営としては、三千四百億円の支援拡充は一定の前進でございます。しかし、その後も引き続き医療費は増加することが予想され、将来はこれを上回る財政赤字の発生も想定されるわけでございまして、これで十分ということは言えないわけであります。

 この点に関し、さきに成立しました改正国民健康保険法の附則におきましては、全国知事会の主張を入れた形になっておりまして、政府は、国保事業の運営状況を検証しつつ、持続可能な運営を確保する観点から、必要な措置を講ずるものとするというふうに書かれております。したがって、今後の医療費の増加に伴い、将来にわたる財政基盤の強化に国が責任を持って取り組むべきものというふうに理解をしております。

 同時に、そもそも構造的な問題として、議員も触れておられましたが、年齢構成が高いことにより医療費が多額であること、低所得の加入者が多いこと等から、被用者保険と比較して所得に占める保険料負担が極めて重いという問題は残されております。このため、全国知事会としては、今後の課題として他の医療保険者と統合し、医療保険制度を一本化することについて国民的な議論を行い、検討していく必要があるというふうに今主張しているところでございます。

 次に、今後の医療費増大についての認識ということでございました。

 国全体の平成二十六年度の医療費は四十兆円と十二年連続増加ということでございます。これを五年前の平成二十一年度と比較しますと約一三%、四・七兆円の増加ということでございます。本県の動向もほぼ国と同様でございまして、平成二十六年度の医療費は六千億円。これを五年前と比較しますと約一二%、六百五十億円増加しているということでございます。この主な原因は、世界にも類を見ない急速な高齢化の進展と、日進月歩の勢いで進歩する医療の高度化などが挙げられるわけでございます。平成二十六年度の一人当たり医療費を見てみますと、七十五歳未満の方の一人当たり医療費の年間二十一万円に対しまして、七十五歳以上の方は約九十三万円と四・五倍になっておるわけでございます。

 今後も七十五歳以上の人口は、平成四十二年度まで一貫して増加してまいります。これに伴って医療費も増加の一途をたどるものと考えられるわけでございます。これを医療提供体制の見直しや健康寿命の延伸などによって、どこまで抑制できるかが大変重要な課題であるということでございます。

 そこで、この医療費の適正化に向けて県が果たすべき役割ということでございますが、私どもとしては三つの観点から、地域の事情に即しながら取り組んでいく必要があるのではないかと思っております。

 この三つの観点といいますのは、まず第一に、急性期、回復期、慢性期それぞれの病床についての適正な役割分担、それから病床規模の適正化、経営基盤の効率化と、この三つが挙げられるのではないかというふうに思っております。

 これらにつきましては、地域の拠点病院、医師会、看護協会、市町村、そして保険者などの代表で構成される地域医療構想調整会議を圏域ごとに設けておりまして、適正化に向けた取り組みの具体策を議論していただくということになっております。本年度中に、これを地域医療構想ということで極力まとめていただきたいというふうに思っているところでございます。

 そこで、今申し上げました三つの観点について、もう少し触れさせていただきますと、まず一つ目の適正な役割分担では、高額な医療費を必要とする急性期病床とリハビリテーション機能を提供する回復期病床との適正なバランスをとる必要がございます。また、長期にわたり療養が必要な患者が入院する慢性期病床については、介護施設や在宅医療提供体制の整備を図ることによって、転換を進めていくということが可能と考えております。

 二つ目の病床規模の適正化につきましては、現在、県内で千四百床程度が休床状態にあるということでございます。各病院の稼働率を踏まえて、病床規模の適正化を図る必要があるというふうに考えております。

 三つ目の経営基盤の効率化では、病院の効率的な運営を図るため、今国会で成立した改正医療法に基づく地域医療連携推進法人制度の導入により、共同物品購入、医師・看護師の融通、病床の再編などによる業務の効率化を検討してまいります。

 さらには、病院の統合再編についても、圏域ごとに具体的な議論を進めていく必要があると考えております。



○副議長(森正弘君) 健康福祉部長 石原佳洋君。

    〔健康福祉部長 石原佳洋君登壇〕



◎健康福祉部長(石原佳洋君) 国民健康保険の運営と医療費の適正化について、四点御質問をいただきました。

 初めに保険料設定の基本的な考え方、平準化に向けた課題及び今後の進め方についてでございます。

 保険料の設定については、県が医療費の見込みを立て、その財源として国保事業費納付金を決定し、市町村から徴収することとなります。また、市町村は、納付金を確保するため保険料を設定することになります。県は、標準的保険料算定方式や標準保険料率を市町村へ提示して、市町村を支援することとしています。

 保険料平準化の最大の課題につきましては、市町村の間に医療費の格差が存在することと考えております。このため、特に医療費の高い地域においては、病床機能や病床規模の見直し、経営基盤の効率化といった取り組みに加え、生活習慣病対策などの健康寿命の延伸策などに重点的に取り組んでまいります。

 また、県は、納付金を算定する際、医療費水準を反映させる考えであり、医療費の高い市町村は納付金も高くなることから、県による納付金算定はある程度医療費の抑制につながるものと考えております。

 次に、保険料の収納率の向上対策についてでございます。

 現在、各市町村は保険料の収納率を向上させるため、例えば口座振替の原則化、コンビニ納付の推進、夜間・休日の滞納者訪問、税務担当課との共同徴収等、さまざまな取り組みを実施していますが、依然収納率に格差があるのが実態です。

 新たな国保制度においても、財政の安定化のため収納率の底上げを図る必要があり、さらなる対策を検討してまいります。例えば滞納整理については、高額や悪質な事案は複数の市町村が共同で実施した方が効率的な場合があります。今後、先進事例を踏まえ、地方税とあわせた徴収の可能性や、一部事務組合、広域連合などの組織化について、市町村とともに検討してまいります。

 次に、病床数削減に向けた取り組みについてでございます。

 まず病床の適正な役割分担については、過剰となっている急性期病床から今後求められる回復期病床への転換、慢性期病床から介護施設や在宅医療への移行などのために病院が行う施設整備を、地域医療介護総合確保基金を活用して財政支援してまいります。

 次に、病床規模の適正化につきましては、現在、病床が休床状態にある理由を把握するなど、地域で重複すると思われる病床の削減を地域医療構想調整会議の場などで働きかけてまいります。

 最後に、経営基盤の効率化については、統合再編のための議論を進めるとともに、当面は地域医療連携推進法人制度を活用するため、地域ごとに導入意欲のある病院等による研究会を立ち上げて導入促進を図ってまいります。

 最後に、医療費適正化に向けた具体的な事業展開についてでございます。

 地域医療構想は、医療提供体制の適正化策をまとめるものですが、医療を受ける側への対策として健康増進策も重要であります。特に、重症化予防として、放置すると多額の医療費につながるおそれのある糖尿病や慢性腎臓病対策の強化を目指し、今年度から岐阜大学に寄附講座を設け、腎臓専門医とかかりつけ医との医療連携の向上を目指した検討会を開催するとともに、今後はかかりつけ医へのスキルアップ研修を行ってまいります。

 また、心疾患の再発予防のために医師や介護施設、スポーツクラブとの連携による運動を主体とした心臓リハビリテーションプログラムを開発するとともに、スポーツクラブや介護施設など住民に身近な場を利用して実践指導が行えるよう取り組みを進めてまいります。

 さらに、県が特定健康診査データを集約・分析し、市町村ごとに適切な予防策を提案していきたいと考えております。



……………………………………………………………………………………………





○副議長(森正弘君) しばらく休憩いたします。



△午後三時七分休憩



……………………………………………………………………………………………





△午後三時三十分再開



○議長(足立勝利君) 休憩前に引き続き会議を開きます。



……………………………………………………………………………………………





○議長(足立勝利君) お諮りいたします。本日の会議時間をあらかじめ延長いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○議長(足立勝利君) 御異議なしと認めます。よって、本日の会議時間を延長することに決定いたしました。



……………………………………………………………………………………………





○議長(足立勝利君) 引き続き一般質問並びに議案に対する質疑を行います。十七番 加藤大博君。

    〔十七番 加藤大博君登壇〕(拍手)



◆十七番(加藤大博君) 議長のお許しをいただきましたので、通告に従い質問をさせていただきます。

 去る九月二十四日、八百津町が申請した杉原リスト、一九四〇年、杉原千畝が避難民救済のため人道主義・博愛精神に基づき大量発給した日本通過ビザ発給の記録が、群馬県の上野三碑とともに、二〇一七年のユネスコ国際諮問委員会での登録に向け、国内候補物件として選定されました。八百津町はもとよりですが、岐阜県にとっても大変名誉なことであり、登録に向け万全の体制で臨んでいただきたいと願っています。

 さて、今回の国内選考には、貴重な資料や文化財など十六件の申請がありました。しかし、そもそも多くの方がユネスコの世界記憶遺産について御存じないものと思います。

 一般的に私たちが世界遺産としてイメージするのは、文化遺産、自然遺産、そして文化遺産と自然遺産の両方の価値を備えている複合遺産といった有形の不動産を対象としたものではないかと思います。そこでまず、世界記憶遺産−−ユネスコ記憶遺産とはどのようなものか、日本ユネスコ国内委員会などの説明をもとに御紹介をいたします。

 ユネスコ記憶遺産とは、手書き原稿、書籍、ポスター、図画、地図、音楽、写真、映画等のいわゆる可動文化財を対象として、世界的重要性を有する物件をユネスコが認定・登録する事業として一九九二年から開始され、二年ごとに登録事業を行っています。その目的は、一つには、世界的に重要な記憶遺産の保存を最もふさわしい技術を用いて促進すること。二つ目に、重要な記憶遺産になるべく多くの人がアクセスできるようにすること。三つ目に、加盟国における記憶遺産の存在及び重要性への認識を高めることとなっています。

 正式名称がメモリー・オブ・ザ・ワールドであり、直訳すると世界の記憶ですが、登録の趣旨から考えると世界記録遺産のほうがふさわしいようにも思えます。現在の世界における登録数は三百一件。その中には、一七八九年のフランス人権宣言の文書や、ベートーベンの直筆による第九の楽譜、アンネの日記などが含まれています。我が国からは、明治末期から戦後に至る炭鉱の様子を描いた「山本作兵衛炭坑記録画・記録文書」、平安時代の貴族、藤原道長が記した日記「御堂関白記」、伊達政宗がイスパニア国王及びローマ教皇のもとに派遣した使節「慶長遣欧使節関係資料」の三件が現在までに登録されています。

 次に、杉原千畝氏については、日本のシンドラーとして近年注目を集め、その生涯がドラマや映画化されたことにより御存じの方もあるかと思いますが、その経歴を紹介したいと思います。

 杉原千畝氏は、一九〇〇年、明治三十三年に現在の岐阜県加茂郡八百津町に生まれ、旧制愛知県立第五中学校から一九一八年、大正七年に現在の早稲田大学教育学部英語英文科に入学。しかし、医者になることを望んでいた父の意に反し、医学部の受験に際しては白紙答案を提出、弁当だけを食べて帰宅するといった結果の進学であったため、仕送りなどは望めず、早朝の牛乳配達のアルバイトなどを行っていました。しかし、学費と生活費を賄うことは難しい状況であり、そうした中で、図書館で偶然目にした地方紙の掲示により外務省留学生試験の存在を知り、猛勉強の末この試験に合格。わずか一年余りで早稲田大学を中退後、一九一九年、大正八年に外務省ロシア語留学生として満州ハルビンへ渡り、その後、一九二四年、大正十三年に外務省書記生として採用されました。一九二六年、大正十五年には、六百ページ余りにわたる「ソヴィエト聯邦國民經濟大觀」を書き上げ、外務省内で高い評価を受け、二十六歳の若さにしてロシア問題のエキスパートとして頭角をあらわしました。

 一九三二年、昭和七年三月に満洲国の建国が宣言され、ハルビンの日本総領事館にいた千畝は、満洲国政府の外交部に出向。一九三三年、昭和八年には、満洲国外交部において政務局ロシア科長兼計画科長としてソ連との北満洲鉄道譲渡交渉を担当。鉄道及び附帯施設の周到な調査をソ連側に提示し、ソ連側の当初要求額の六億二千五百万円を一億四千万円にまで値下げさせました。ソ連側の提示額は、当時の日本の国家予算の一割強に値するものであり、杉原による有利な譲渡協定の締結は大きな外交的勝利をもたらしました。

 その後、一九三五年、昭和十年に満洲国外交部を退官し、一九三七年、昭和十二年にはフィンランドの在ヘルシンキ日本公使館に赴任します。ちなみに千畝は当初、念願であった在モスクワ大使館に赴任する予定でしたが、ソ連側が入国を拒否したため実現しませんでした。

 一九三九年、昭和十四年にはリトアニアの在カウナス日本領事館領事代理となり、八月二十八日にカウナスに着任します。そして翌年、一九四〇年、昭和十五年七月に領事館に救いを求めてやってきたユダヤ避難民等にビザを発給。その後、外務省からの退去命令に伴い在プラハ領事館に着任。独ソ開戦の情報をつかむなど、その後も外交官として東ヨーロッパを中心に活動し、終戦後ソ連軍に一時拘束された後、一九四七年、昭和二十二年に帰国し外務省を退官。退官後も卓越した語学力を生かし、貿易商や翻訳者として活躍されました。

 一九八五年、昭和六十年には、イスラエル政府より、多くのユダヤ人の命を救出した功績で日本人では初で唯一の「諸国民の中の正義の人」としてヤド・バシェム賞を受賞されましたが、翌年一九八六年、昭和六十一年に八十六歳でその生涯を閉じられました。

 以上、杉原千畝氏の経歴を簡単に紹介いたしました。

 私たちは杉原氏について、第二次世界大戦中、ドイツと同盟関係にある本国の意向に従わず、二千枚以上の通過ビザを発給し、約六千人のユダヤ人を救ったという、その傑出した功績にばかり目が行き、またそうした事実から杉原氏に対するイメージをつくってしまいがちです。杉原千畝氏は、経歴からもわかるようにキャリア官僚ではありません。たたき上げのインテリジェンス・オフィサーとして対象国の情報や動向に常に神経を研ぎ澄まし、またその情報や動向を分析することによって日本に大きな国益をもたらしてきた人物であったようです。ソ連からも入国を拒否されるほどですから、その功績に大きなものがあったことは確かです。実際、外務省もそうした杉原氏の能力を高く評価し、ソ連国境に近い東ヨーロッパを中心に活動させています。リトアニア在カウナス日本領事は、実質、杉原氏一人のためにつくられた領事館でもありました。

 国益のために活動し、またそれを高く評価されている立場の人間が、これまで築き上げてきたものとこれから積み上げていくことのできるものを全てなげうって、見ず知らずの人々のために自分と家族の人生をささげたと思うと大きな感慨を抱かずにはいられません。実際、杉原氏は、終戦後外務省を退職しており、その後外務省関係者との連絡を絶っておられたそうです。

 また、カウナスでの出来事も本人が他言されなかったこともありますが、戦後長らく忘れられたままでありました。日本政府による公式の名誉回復は、杉原氏が亡くなられた十四年後の二〇〇〇年、平成十二年まで時を待たなくてはなりません。

 杉原千畝氏のとった行動は、人としてまさに称賛されるべきものであり、また多くの方がそのことに異議を唱えることはないと信じますが、組織の一員としてその行動を検証すれば、ただの命令違反、服務規程違反でしかありません。カウナスでの出来事も、多くの方が助かったからこそ美談として語り継がれているだけで、そこで何も起きなければそれだけのことです。カウナスで杉原氏が通過ビザを発給しなくても、当時それを非難する人は誰もいなかったでしょうし、現在もいないでしょう。むしろ本人の出世や将来のためには有益だったかもしれません。

 私たちは、杉原氏の決断をたたえ、それを模範にしたいと願い、また口にします。しかし、我が身や家族にも死のにおいが漂ってくるような厳しい社会情勢の中で、何の迷いもなくそれが決断できたとは思えません。だからこそ人道の人・杉原千畝ではなく、人間・杉原千畝に触れる機会こそ私たちは持たなくてはならないと感じます。

 また、杉原千畝氏のなし遂げられたことは、もちろん杉原氏の功績ではありますが、それは外交官・杉原千畝だったからこそなし遂げられたものであり、個人としての杉原千畝氏の力ではありません。杉原氏自身も生前、「私のしたことは外交官として間違っていたかもしれない」と語ったと言われています。

 ビザの発給に際しても、ただやみくもに発給していたわけではなく、それが正規のものとしてきちんと扱われるようさまざまな配慮がなされており、またそうした外交官・杉原の行動に同調し、手助けした人々がいたことを忘れてはいけません。

 今回、八百津町から申請された資料は、ビザの発給リストだけではなく、当時の状況を示す外交公電や心情をつづった自筆の手記など多様な記録媒体が含まれており、今後さらなる関係資料の収集に向けた作業も進められているとのことであります。今回の世界記憶遺産への登録申請に伴い、改めて杉原千畝氏の人柄や功績が検証される機会がふえることを望みます。また、そうした機運をぜひこの岐阜県からつくり上げていかなくてはいけないと感じています。

 私たちは、ともすると杉原千畝氏の功績にのみ耳目を奪われ、偉大な人道の人として個人を偶像崇拝しがちですが、多様な資料とその検証に基づいて、外交官、そして何よりも人間としての杉原千畝氏を正しく理解することこそが、私たちにとってもより大きな学びにつながるものと信じています。

 「私のしたことは外交官として間違っていたかもしれない」の後には、実は続きがあります。「人間として当然のこと。私には彼らを見殺しにすることはできなかった」、当然の行動の裏にどれだけの苦悩や葛藤があったかを知ることは、杉原氏が特別な人間でなく、普通の人であったことを教えてくれると信じています。そのことは、日々懊悩煩悶しているごく普通の人である私にも、杉原氏のような行動をいつかとることもできるのだと証明してくれるのではないかと期待しています。

 さて、前述のとおり、八百津町が主体となり申請した「命のビザ」発給の記録が、国内選考を経て世界記憶遺産の国内候補に選ばれましたが、正式に記憶遺産としての登録が決定されるのは、記憶遺産国際諮問委員会の審議を経て二〇一七年になります。この間、登録に向け、国内外に杉原千畝氏の功績の重要性を伝えていく必要性があります。そのためには、申請主体である八百津町や外務省を初めとする関係機関と緊密に連携していくことが不可欠です。しかし、申請主体である八百津町においては、人的にも予算的にも大きな負担がかかることが予想されます。知事からも記者会見等を通じ支援の表明をいただいているところですが、具体的に県としてどのような支援が可能なのか、また検討を行っているのか、知事にお尋ねいたします。

 次に、杉原千畝氏の行動がどのような世界情勢、社会事情の中で行われたかを知ることは、その功績を正しく理解することにもつながると信じます。今回の登録内容は、国内選考において、人道上、世界史上で見ても大変有意義なものであるという評価を得ています。だからこそ、世界記憶遺産への登録は重要な目的ではありますが、それだけにとどまることがあってはなりません。登録に向けた活動を一過性のものとすることなく、活動を通じ多くの人々の共感を呼び、次世代にしっかりと継承していくことのできるものにしなくてはなりません。

 そのためには、「命のビザ」発給の記録の登録に向け、多様で複層的な取り組みが必要です。世界に向けたPRも重要ですが、県として登録に向けどのような活動を行うのか。また、その活動を通じ県民意識の醸成をいかに図っていくのか、知事にお尋ねいたします。

 次に、障がい者グループホーム整備に対する支援について、端的にお尋ねいたします。

 県では、ぎふ清流福祉エリアにおいて、障がい者のための各種施設整備を進めており、本年四月の障がい者総合相談センターを皮切りに、九月の希望が丘こども医療福祉センター、岐阜希望が丘特別支援学校のリニューアルオープン、来年オープン予定の新福祉友愛プールや再来年予定の障がい者用体育館など、障がい者支援のための拠点整備が着実に進められています。

 他方で、障がい者の地域生活への移行が求められる中で、身近な地域での住まいの場をその役割の中心とするグループホームの整備に対するニーズは非常に大きくなっています。また、利用者とその保護者の高齢化に伴い、在宅における生活支援が困難になっていることから、一日も早い在宅からグループホーム等への施設への移動を望む声も多くあり、そうした現状から、障がい者団体等からの要望も高まっていると伺っています。

 しかしながら、グループホーム等の施設整備を支援する国庫補助金の予算額が大幅に削減され、本年度の採択は要望額の一割程度であったと聞いています。そのため、予定どおりの施設整備が行えず、計画を見直したり、改めて資金調達を行うなどした事例があると伺っています。こうした状況を踏まえ、県内においても非常に高いニーズがあるとされるグループホームなどの施設整備を行う際、国庫補助金の交付の有無にかかわらず、県として何らかの支援を行う必要があると感じます。

 グループホームは、国の障がい者福祉に関する政策的要請からも、利用者とその家族の高齢化や単身障がい者の孤立化を防ぐ社会的要請からも、できるだけ迅速に施設整備がなされる必要があると考えます。まずは国が施設整備に関する予算を確保すべきですが、そうしたことを今ここで議論しても意味がありません。現在そうした施設を必要とする人々がいて、政策的にも社会的にもその必要性が認められるなら、県として思い切った投資をしていくことも必要であると信じます。

 そこで、健康福祉部長にお尋ねいたします。

 グループホームを初めとした施設整備に向け、県として何らかの支援を行う必要があると思うが、考えをお聞かせください。

 以上で質問を終わります。人道的な答弁を期待して退席させていただきます。ありがとうございました。

    (拍手)



○議長(足立勝利君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 杉原千畝の命のビザ、世界記憶遺産の認定に向けた動きということでございますが、まず、八百津町に対する支援のあり方ということであります。

 今回、この杉原リストが国内候補に選ばれたということは、戦後七十年の節目にふさわしい世界平和や命の大切さを発信するテーマであり、岐阜県民にとってもまことに喜ばしく名誉なことでございます。

 選考を行ったユネスコ国内委員会によれば、当時の状況を示す外交公電やビザ発給リスト、心情をつづった自筆手記など記録媒体の多様性に加え、多角的な観点から杉原氏が果たした人道的な業績につき世界的な重要性が説明されていた点が評価されたということでございます。八百津町を初め関係者の皆様のこれまでの御尽力に敬意を表する次第でございます。

 県としてはこのところ、私みずから赤塚八百津町長と二人三脚で国の関係方面へのプロモーションを積極的に行ってまいりました。また、八百津町が昨年度実施した杉原千畝記念館のリニューアルに対する財政支援も行ってまいりました。さらに、本年八月からは英語が堪能な県職員一名を八百津町に派遣し、協力をしてまいりました。今後、来年三月のパリのユネスコ本部への本申請に向け、世界にアピールできる申請書を作成するため、さらなる内容のブラッシュアップや資料収集など八百津町を全面的に支援してまいります。

 次に、県民意識の醸成あるいは海外へのPRということでございますが、戦争を知らない世代が多くなる中、戦争の悲惨さや命のとうとさ、世界平和の大切さに加え、困難な状況下での杉原氏による人道主義と博愛精神に基づく行為を広く県民に知ってもらうとともに、次世代にこれをしっかりと受け継いでいくことが必要だというふうに考えております。

 このため、昨年度、ふるさと岐阜について英語で紹介する学校の副教材に杉原千畝氏を掲載したところでありますが、今年度作成する「ふるさと教育実践集」にも取り上げ、広く県内の子供たちへの普及啓発に努めてまいりたいと思っております。

 また、県内の他の世界遺産とも連携して、世界に誇れる岐阜県の遺産群としてPRするとともに、ユダヤ難民が上陸した港を持つ福井県敦賀市、命の港という言葉を使っておりますが、この敦賀市とも連携した取り組みを行ってまいりたいと思っております。

 今後の具体的な活動としては、この十一月の欧州トップセールスの際に、赤塚八百津町長とともにリトアニア政府や旧日本領事館のあるカウナス市を訪問いたしまして、今後の相互の交流・連携の可能性について協議をする予定でございます。さらにパリのユネスコ本部を訪れ、大いにアピールをしてまいります。加えて、この機会にリトアニア及びフランスに駐在の日本大使にもお目にかかり、今後の登録に向けての御支援をお願いしてまいります。

 また、採択に向けて、イスラエルのホロコースト記念館ヤド・バシェムや、リトアニアの杉原記念館、アメリカのホロコースト記念博物館といった杉原千畝にゆかりのある施設との連携を強化していきたいと考えております。こうしたもろもろの取り組みを通じ、まさに人間・杉原千畝の人道主義と博愛精神及び彼を育んだ岐阜県の魅力を世界に発信してまいります。



○議長(足立勝利君) 健康福祉部長 石原佳洋君。

    〔健康福祉部長 石原佳洋君登壇〕



◎健康福祉部長(石原佳洋君) 障がい者グループホームの整備に対する支援についてお答えいたします。

 障がい者が身近な地域で暮らすための住まいの受け皿として、グループホームの整備充実を図る必要があり、県障がい者総合支援プランにおいても、平成二十七年度から二十九年度までの三年間で三百二十五人分の整備を進める計画としているところです。

 現在、国の補助制度により、グループホーム等の整備費に対して国二分の一、県四分の一の支援を行っていますが、このための国予算は大きく削減されております。本県主導により全国知事会要望を行うなど、国に対して財源確保を繰り返し訴えてきたところですが、全国的に採択待ちの計画が多くあると聞いており、次年度以降も厳しい状況が続くと考えられます。

 こうした状況の中で、多くの障がい者団体等からグループホームの充実を求める要望が寄せられているほか、事業所からも来年度に向けた整備計画が多数上げられており、県独自の支援策を創設する必要があると考えております。今後、地元市町村の意向も伺いながら、新たな支援策を検討してまいります。



○議長(足立勝利君) 三番 牧村範康君。

    〔三番 牧村範康君登壇〕(拍手)



◆三番(牧村範康君) 議長の許可をいただきましたので、事前通告に従いまして県議会における初めての一般質問を始めさせていただきます。何分ふなれではございますが、よろしくお願い申し上げます。

 今回は二項目についての質問であります。

 まず一項目めは、養老鉄道についてであります。

 養老鉄道の存続に関する質問は、六月の第三回定例会において、私と同様、沿線市町の村下先生より、養老鉄道のあり方についてと、昨年度、沿線市町や県が連携して行った養老鉄道のあり方に関する調査の結果についての的確な質問がありましたほか、昨日は水野正敏先生も県内地方鉄道に関する質問に立たれました。また、これまでも県議会において活発な議論が展開されておりますのと同時に、西濃地域沿線市町の議会においても、各首長に対して今日まで存続に向けて多くの一般質問や要望が出されております。また一方、県政自民クラブの先生方の存続に向けた協議やさまざまな取り組みにおいても敬意と感謝を申し上げる次第であります。

 私の地元、池田町は養老鉄道の三つの駅を抱えており、今日でも大垣駅までを「揖斐線」と呼称するほど、地域の皆様に親しんで利用していただいております。加えて、北の揖斐川町に終着駅を抱える揖斐郡の沿線住民の一人として、十年以上前から活性化と存続に向けた活動を展開してまいりましたが、県政に出させていただいた今、末席ではございますが、最初の質問として、これまでと若干視点を変えてお尋ねしたいと思います。何とぞ御理解のほどよろしくお願い申し上げます。

 御存じのように、平成十九年十月に近鉄の車両等を借り受けて運行を担う方式によりスタートした養老鉄道ですが、慢性的な赤字は解消されず、平成二十六年七月、親会社の近鉄からは、現状の経営体制で鉄道を維持していくのは困難であり、養老線を鉄道として存続させる場合は、地方自治体が鉄道施設を保有する公有民営方式へ平成二十九年度からの移行を検討してほしいとの提案がありました。それを踏まえ、沿線自治体を中心に、官民を問わず存続に向けた協議や運動が一層活発になってきております。

 また、県においては、岐阜県地域公共交通協議会において取りまとめた県の支援のあり方を踏まえ、二〇一三年より地方鉄道の安全対策事業への支援について、維持修繕費の補助対象を県内第三セクターの鉄道に加え養老鉄道まで拡充していただいておりますことには、沿線住民の一人として心から感謝いたしております。

 ところが、養老鉄道の沿線市町でつくる養老鉄道活性化協議会の報告によれば、昨年度の養老鉄道の乗客数は五百九十一万五千人と、初めて六百万人を下回り、同年度の経常損失は初めて十億円を超え、十億三千百万円に上ったということであります。

 今後、少子・高齢化や沿線人口の減少により利用者の確保がますます困難になると見込まれる中で、仮に近鉄側から提案された公有民営方式により赤字を減らし、近い将来黒字化を実現するためには、国、県、沿線自治体、三市四町の一層の支援協力体制が必要であります。また、沿線の皆様による継続的な利用のほか、社員のプロパー化等の経費節減策の確実な実施について、鉄道事業者の協力が不可欠であります。

 将来費用の負担についても、八月二十三日の中日新聞によれば、公有民営方式後に路線を廃止する場合の施設撤去費用におよそ四十七億円余りの負担が必要になるとも言われております。しかし、およそ二十一億円とも言われている現在の状態での施設撤去費用を、当然、将来に基金として近鉄側にお願いすべきとの見解もあります。

 また、製造約五十年を経過している車両の機器更新修繕費等車両維持費は、平成二十九年四月から公有民営化で近鉄と合意した伊賀鉄道の例に準じて車両数で計算すると、年間約一億円だそうです。

 さらに、鉄道技術に関するノウハウを持たない複数の行政が鉄道施設の保有にかかわることなどの課題もあることから、残されたわずかな時間の中で、新しい事業形態のあり方や支援体制について、一層、国、県、沿線自治体は検討を重ねなければなりません。

 ことしの春以降、県、県議会の議員連盟、沿線自治体、沿線自治体議長会、民間の支援団体も含め存続に向けた活動が連日のように繰り返されております。その中で、存続すべきという方向性の一致は見るものの、横の連携がいまだ十分ではないという声や、ゴールに向けたスケジュールが明確化、一本化されていないのではないかという声もあります。とりわけ三重県の対応が見えてこないとよく聞かされます。

 そこで、公有民営化の基本的な部分を都市公園整備局長にお尋ねいたします。

 近鉄側から提案された公有民営化方式で運営するに当たり、公の認識ですが、ことし三月に二年後の公有民営化移行が決まった伊賀鉄道のように、単独の自治体、単独の県の問題ではない今回のケースにおいて、法的に公有民営化は可能であるのか。特措法的な措置であれば諸問題は解決できるのか、この点について教えてください。

 また、沿線自治体では、民間レベルにおいては十年以上も前から存続活動が頻繁に繰り広げられてきておりますし、知事も県政自民クラブの先生方と国交省に運行費の補助や交付税措置など国の支援の拡充のお願いに行っていただけましたが、現在のように公を越県している県レベルで考える場合、県として同じ土俵に立つ三重県に対して、今日までどのような接触や事務レベル会合が持たれてきたのか、現在までの時系列で教えていただければ幸いでございます。

 また、同時に、恐縮でありますが、知事の御見解もお尋ねいたします。

 知事には、養老鉄道の公共性、文化性、さらには観光施策上の必要性を十分御理解いただいております。また、一方で、沿線自治体の足並みをそろえることが重要だと沿線自治体への苦言も呈していただいております。しかし、国交省への運行変更の許可は一年前と言われており、もう残りの時間も余りないことから、存続のために県の強いリーダーシップが必要だと考えますし、公有民営化の公に関して、揖斐から桑名まで、二県三市四町の現在の沿線を継続するの公であれば、既に同じ通産省の先輩後輩の間柄であります鈴木三重県知事に対して、より積極的協議を展開していただかなければいけない時期だと考えております。一方、公有民営化以外の第三セクター等の検討を始めるにしても、時間的な余裕は余りないという現実を含めてお伺いいたします。

 知事の公の認識と、今日まで三重県に対してはどのようなトップ間協議がなされてきたのでしょうか。また、今後どのような予定やゴールを検討されているのかお尋ねいたします。よろしくお願いいたします。

 次に、二項目めの言語聴覚士の普及についての質問に移らせていただきます。

 私たちは、言葉によってお互いの気持ちや考えを伝え合い、経験や知識を共有して日々の日常生活を送っております。言葉によるコミュニケーションには言語、聴覚、発声・発音、認知などの各機能が関係していますが、病気や交通事故、発達上の問題などで不幸にしてこのような機能が損なわれることがあります。

 言語・聴覚の障がいは、脳疾患によるもののほか、喉や口腔の手術による障がい、難聴、脳性麻痺、言語発達のおくれ、吃音など多岐にわたっています。

 例えば脳卒中などで脳の言語中枢が損傷されると、言いたい言葉が言えなくなったり、他人の話す言葉が理解できなくなったりする、いわゆる失語症という障がいが起こることがあります。また、麻痺などのために唇や舌をうまく動かすことができず、話し言葉が不明瞭になることもあります。

 このような対象となる患者さんは、乳幼児から高齢者までさまざまな上、身体的な面だけでなく精神面、環境面などの要因も関係してくることから、そのリハビリにはおのおのの疾患や治療、検査、訓練法に関する高度な専門知識と技術、そして障がいへの理解が必要とされます。

 言語聴覚士は、このような問題の本質や発現メカニズムを明らかにし、対処法を見出すために検査・評価を実施し、必要に応じて訓練、指導、助言、その他の援助を行う専門職であります。また、一般的にこのようなリハビリ活動は、医師、歯科医師、看護師、理学療法士、作業療法士などの医療専門職、ケースワーカー、介護福祉士、介護支援専門員などの保健・福祉専門職、教師、心理専門職などと連携し、幅広い領域で活動し、コミュニケーションの面から思いを伝え合って生きる喜びを持ち、豊かな生活が送れるよう、言葉や聞こえの問題を持つ方とその御家族に寄り添い、支援いたします。

 一方、食べ物をうまく飲み込めない嚥下障がいの訓練や、患者さんのハンディキャップを軽減するための御家族に対する助言・指導なども、言語聴覚士の重要な仕事であります。

 言語聴覚士は、今から約十八年前の平成九年に国家資格となりました。言語聴覚士になるには、国家試験に合格して、厚生労働大臣から免許を受けなければなりません。近年は毎年千五百名程度が言語聴覚士となり、有資格者数は二〇一二年三月には二万人を超えたものの、言語聴覚障がいは人口のおよそ五%に出現すると言われており、日本では約六百五十万人もの人が何らかの言語聴覚障がいを抱えて生活していると推測されております。

 法整備がなされた後の平成十二年時点での報告によると、言語聴覚障がい児者のニーズに応えるには、すぐにも約三万六千人の言語聴覚士が必要とされると言われていましたが、急速な少子・高齢化の社会において、発達障がい児の療育指導、高次脳機能障がい者の社会復帰支援、認知症高齢者の介護予防を含む指導、摂食嚥下障がい者への指導など、実質的にはこの概算の一・五倍は必要だという現場の意見もあったようです。

 また、アメリカには約十五万五千人の言語聴覚士がいるのに対し、日本にはまだ約二万五千人しかいません。言葉に対して何らかの障がいを持つ約六百五十万人の方々に対して、言語聴覚士は圧倒的に不足しているのが現状です。その中でも、とりわけ小児、子供を対象とした言語聴覚士が圧倒的に足りておらず、子供たちが十分にリハビリを受けられない状況となっております。

 過日、五月三十日、岐阜放送で「ぼくは言葉で伝えたい〜いま、言語聴覚士が足りない〜」という番組が放映されました。六月二十日にも再放送されましたので、ごらんになられた方も見えるのではないかと思います。

 その中で、ある病気がもとで、生まれて間もなく気管切開を余儀なくされ、声を出すことが難しくなった岐阜市に住む四歳の男の子が紹介されておりました。週に一回の言語聴覚士によるリハビリを受け、現在は少しずつ声を出せるようになってきたのですが、いまだに声を使って十分なコミュニケーションをとることができずにいました。しかし、言語聴覚士を必要とする子供に病院が対応できず、二週間に一度、さらにそれ以上の間隔が延び、複数の病院や施設を回るという治療、リハビリを受けざるを得なくなってしまいました。

 母親は、息子が伝えたいことを理解しようと必死に向き合ってきましたが、十分にリハビリが受けられないため回復がおくれ、思うようにいかない毎日に悩みを抱えているという内容でした。非常にやるせない気持ちになりました。

 もちろん、直ちに必要とされる言語聴覚士数を満たすことには難しい現状があります。私は、言語聴覚士はリハビリテーション関連では最も新しい職種であり、その役割が社会的に十分に認知されているとは言いがたいと思うのであります。

 私の暮らす地域にもサンビレッジ国際医療福祉専門学校という養成機関がありますが、言語聴覚学科は毎年定員を大きく割っております。言語聴覚士の知名度不足は養成機関での学生不足にもつながり、リハビリテーション病院で必要な数の言語聴覚士が確保できない、子供の言葉の相談に何カ月も待たなければいけない、地域の言葉の教室に言語聴覚士がいないという厳しい現実を引き起こしています。

 高齢化社会に伴い、国も県も政策の一つとして医療保険から介護保険への円滑な移行を進めており、在宅での生活を目指したリハビリテーションの必要性が高まっています。今後、通所リハビリテーションや訪問リハビリテーションといった介護保険の領域でも言語聴覚士が活躍する場は拡大していくと思われます。そのため、言語聴覚療法の必要性の啓発、言語聴覚士の仕事に関する情報の発信は不可欠であるとの認識を持っております。

 地域包括医療の柱として、チーム医療、多職種連携がキーワードとなっている昨今、言語聴覚士とは何をする職業か、言語聴覚障がい児者の現状など、医療・福祉関係はもとより、行政、教育機関、一般市民に対する幅広い啓発活動が欠かせないと考えます。そして、将来の職業を決める前の青少年に言語聴覚療法に関する情報を効果的に伝え、これから質の高い言語聴覚士となる人材を確保することが極めて大切であると考えております。

 そこで、健康福祉部長に二点お尋ねいたします。

 県の言語聴覚士の現状と認知度向上に向けた取り組みについて教えてください。

 また、あわせて言語聴覚士が不足している現場への支援について御答弁をお願いいたします。

 また一方、母子・父子家庭などひとり親家庭自立支援給付金事業であります高等職業訓練促進給付金等事業には、看護師や介護福祉士などの資格取得のために月額七万五百円から十万円を支給する制度があります。とても有意義な制度であると考えております。しかし、その対象資格には、看護師、介護福祉士、保育士、理学療法士、作業療法士とあり、言語聴覚士が対象ではありません。私は言語聴覚士も当然加わるべきだと考えます。

 そこで、子ども・女性局長にお尋ねいたします。

 言語聴覚士が不足している、また今後さらにニーズが高まっていくであろうという現状を踏まえ、本給付金事業に言語聴覚士が含まれない理由と、対象資格拡大に向けた今後の方向性をお聞かせください。

 以上で私の一般質問を閉じさせていただきます。御清聴まことにありがとうございました。

    (拍手)



○議長(足立勝利君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 養老鉄道についてお尋ねがございました。

 既に御答弁申し上げておりますが、養老鉄道の存続には、二県七市町にまたがるこの鉄道全体が沿線住民にとって大切な公共交通機関であるという立場に立って、まずは沿線市町が足並みをそろえて、その存続に向けた具体的方途について対処方針を固め、その上で養老鉄道の親会社である近鉄との間で粘り強く協議を重ねていくことが先決でございます。

 こうした考え方に基づき、先般、本県からの働きかけのもと、桑名市及び三重県も加わって、近鉄と実務レベルでの協議がスタートしたところでございます。具体的には、年々赤字を増してきている養老鉄道が公有民営化後、合理化による経費削減をどのように進め、その結果、どのように列車の運行を維持していくのか、論点ごとに近鉄と協議をしているところであります。この協議もようやく緒についたところであり、必ずしもスケジュールありきではありませんが、検討を加速させ、養老鉄道存続に向けての具体的な合意をつくり上げていく必要があるというふうに考えております。県としても引き続き積極的にこの協議に参加してまいります。

 これに加え、養老鉄道の存続のためには、利用者の減少に少しでも歯どめをかけるよう、沿線市町が中心となってイベント開催なども含めた利用促進策に取り組んでいくことも必要であります。その検討も協議会において始めることとしたところでございます。

 県といたしましても、例えば、沿線有数の観光資源である養老公園、あるいは養老改元一三〇〇年祭とタイアップした利用促進策など、公園の魅力向上や観光誘客にもつながるような取り組みについて協力してまいりたいと考えております。

 三重県との関係につきましては、私自身も三重県知事と知事会などの機会に、折に触れて本件については直接話をしており、以上申し上げました取り組みの進め方について、考え方を完全に共有しているところでございます。



○議長(足立勝利君) 都市公園整備局長 足達正明君。

    〔都市公園整備局長 足達正明君登壇〕



◎都市公園整備局長(足達正明君) 養老鉄道について二点御質問をいただきました。

 まず、公有民営化移行の法的な諸問題についてでございます。

 公有民営化については、さまざまな形態があります。沿線自治体が鉄道施設を保有する第三種鉄道事業者となり、第二種鉄道事業者へ当該施設を無償で使用させる場合について、地域公共交通活性化再生法及び鉄道事業法においては、一つの鉄道が複数の自治体にまたがるような場合であっても、沿線自治体がそれぞれ単独で、または複数の自治体が一部事務組合などを構成して第三種鉄道事業者となることも可能とされているところでございます。

 次に、三重県との事務レベル協議の進捗についてでございます。

 養老鉄道活性化協議会や同協議会の幹事会においては、桑名市がメンバーとして参加しており、三重県についても本県と同様、オブザーバーで参加しているところでございます。本年四月以降においても、協議会を初め計十回の会合に両県がそろって出席し、現状と課題の分析や近鉄と協議すべき事項の整理などについて、沿線市町とともに取り組んできております。

 また、三重県とは、県レベルでも必要に応じて随時連絡調整を行っております。



○議長(足立勝利君) 健康福祉部長 石原佳洋君。

    〔健康福祉部長 石原佳洋君登壇〕



◎健康福祉部長(石原佳洋君) 言語聴覚士の普及について、二点御質問いただきました。

 初めに、言語聴覚士の現状と認知度向上に向けた取り組みについてでございます。

 岐阜県言語聴覚士会によりますと、九月一日現在の県内の言語聴覚士の会員数は二百三十七人であり、医療機関が約六割、そのほか福祉施設、教育機関など幅広い分野で活躍されておられます。また、県内の言語聴覚士養成学校には、定員の二十倍もの求人があり、現場からのニーズは高くなっております。

 一方で、言語聴覚士養成学校における入学者数は定員に満たない状況が続いており、その要因としては、他のリハビリ資格職と比べて新しい職種であるため、認知度が低いことなどが挙げられます。

 このため、岐阜県言語聴覚士会において実施されております中学・高校への出前授業や、高校生向けの福祉施設等における一日体験事業などに対し、地域医療介護総合確保基金を活用した支援を検討してまいりたいと考えております。

 次に、言語聴覚士が不足している現場への支援についてでございます。

 現在、県におきましては、希望が丘こども医療福祉センターが市町村の要請に応じて言語聴覚士を初めとするチームを派遣し、現場の保育所等に出向いて助言・支援を行っております。

 また、県言語聴覚士会などのリハビリ関係団体が開催する介護予防事業を実施するための指導者養成研修に対し、財政支援を行う予算を今議会に上程しているところでございます。

 さらに、来年度からは、市町村の保育所等だけでなく、福祉施設や訪問看護ステーションなど新たなニーズにも対応できるよう、県言語聴覚士会と具体的に調整してまいりたいと考えております。



○議長(足立勝利君) 子ども・女性局長 河野恭子君。

    〔子ども・女性局長 河野恭子君登壇〕



◎子ども・女性局長(河野恭子君) 高等職業訓練促進給付金等事業の対象資格拡大についてお答えします。

 県において実施する高等職業訓練促進給付金等事業は、町村にお住まいのひとり親家庭の親の経済的自立を支援するために、ひとり親家庭の親の就業に結びつく可能性が高い五種類の資格の取得を対象とし、事業開始の平成十五年度から二十六年度までの十二年間で百三十五名の方が当該事業を活用して資格を取得し、ほぼ全員が医療機関や福祉施設などに就職されております。

 対象資格については、近年、これらとは別の国家資格を取得して就職につなげたいとの声が寄せられていること、また就業可能性の程度についても変化してきていることから、本年度見直しに着手したところです。

 言語聴覚士についても、このような観点から対象とすべきかについて検討を進めてまいります。



……………………………………………………………………………………………





○議長(足立勝利君) 以上をもって、本日の日程は全て終了いたしました。

 明日は午前十時までに御参集願います。

 明日の日程は追って配付いたします。

 本日はこれをもって散会いたします。



△午後四時二十三分散会



……………………………………………………………………………………………