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平成27年  6月 定例会(第3回) 07月01日−02号




平成27年  6月 定例会(第3回) − 07月01日−02号









平成27年  6月 定例会(第3回)



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△議事日程(第二号)



                平成二十七年七月一日(水)午前十時開議

 第一 議第八十四号から議第百五号まで

 第二 請願第一号から請願第五号まで

 第三 一般質問



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△本日の会議に付した事件



 一 日程第一 議第八十四号から議第百五号まで

 一 日程第二 請願第一号から請願第五号まで

 一 日程第三 一般質問



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△出席議員 四十六人



      一番   中川裕子君

      二番   恩田佳幸君

      三番   牧村範康君

      五番   澄川寿之君

      六番   山田実三君

      七番   若井敦子君

      八番   広瀬 修君

      九番   布俣正也君

      十番   伊藤英生君

     十一番   水野吉近君

     十二番   国枝慎太郎君

     十三番   山田 優君

     十四番   長屋光征君

     十五番   高殿 尚君

     十六番   田中勝士君

     十七番   加藤大博君

     十八番   酒向 薫君

     十九番   高木貴行君

     二十番   野村美穂君

    二十一番   太田維久君

    二十二番   山本勝敏君

    二十三番   松岡正人君

    二十四番   篠田 徹君

    二十五番   小原 尚君

    二十六番   水野正敏君

    二十七番   脇坂洋二君

    二十八番   野島征夫君

    二十九番   伊藤秀光君

     三十番   川上哲也君

    三十一番   松村多美夫君

    三十二番   平岩正光君

    三十三番   佐藤武彦君

    三十四番   森 正弘君

    三十五番   小川恒雄君

    三十六番   村下貴夫君

    三十七番   矢島成剛君

    三十八番   渡辺嘉山君

    三十九番   伊藤正博君

     四十番   足立勝利君

    四十一番   尾藤義昭君

    四十三番   駒田 誠君

    四十四番   藤墳 守君

    四十五番   早川捷也君

    四十六番   玉田和浩君

    四十七番   岩井豊太郎君

    四十八番   猫田 孝君



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△職務のため出席した事務局職員の職氏名



 事務局長         宗宮正典

 総務課長         松永吉平

 議事調査課長       崎浦良典

 議事調査課管理調整監   福田勝司

 同    課長補佐    城戸脇研一

 同    課長補佐    大野純生

 同    課長補佐    若野 明

 同    係長      清水尚仁

 同    係長      堀 寛宜

 同    主査      豊田弘行

 同    主査      高田昌司



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△説明のため出席した者の職氏名



 知事           古田 肇君

 副知事          藤野琢巳君

 副知事          上手繁雄君

 会計管理者        志村隆雄君

 秘書政策審議監      神門純一君

 総務部長         高木敏彦君

 清流の国推進部長     宗宮康浩君

 危機管理部長       河合孝憲君

 環境生活部長       安福正寿君

 健康福祉部長       石原佳洋君

 商工労働部長       郷  敦君

 農政部長         若宮克行君

 林政部長         瀬上繁隆君

 県土整備部長       高木善幸君

 都市建築部長       河合成司君

 子ども・女性局長     河野恭子君

 観光国際局長       市川篤丸君

 教育長          松川禮子君

 警察本部長        岡 真臣君

 代表監査委員       山本 泉君

 人事委員会事務局長    福井康博君

 労働委員会事務局長    伊藤誠紀君

 選挙管理委員会委員長   大松利幸君



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△七月一日午前十時開議



○議長(足立勝利君) おはようございます。ただいまから本日の会議を開きます。



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○議長(足立勝利君) 諸般の報告をいたします。

 書記に朗読させます。

    (書記朗読)

 請願書の受理について

 請願第一号 安全保障関連二法案(国際平和支援法案、平和安全法制整備法案)の廃案を求める意見書採択についての請願ほか四件の請願書を受理しました。

 監査結果等の報告について

 監査委員から、お手元に配付のとおり、平成二十七年六月二十六日付をもって、地方自治法第百九十九条第九項の規定により随時監査の結果について、並びに平成二十七年六月二十六日付をもって、地方自治法第二百三十五条の二第三項の規定により出納検査の結果について報告がありました。



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○議長(足立勝利君) 日程第一から日程第二までを一括して議題といたします。



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○議長(足立勝利君) 日程第三 一般質問を行います。あわせて議案に対する質疑を行います。

 発言の通告がありますので、順次発言を許します。四十三番 駒田 誠君。

    〔四十三番 駒田 誠君登壇〕(拍手)



◆四十三番(駒田誠君) おはようございます。

 議長のお許しをいただきましたので、県政自民クラブを代表して、県政各般にわたり、四分割で、大きく五点について質問をいたします。

 初めに、県政運営の諸課題についてといたしまして、四つの項目をお伺いいたします。

 まず「清流の国ぎふ」創生総合戦略の取りまとめの方向性についてであります。

 いよいよ国と地方が一体となって取り組む地方創生元年がスタートいたしました。県では、国の地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金を活用し、観光交流の拡大や子育て支援、地域経済の発展、雇用拡大に向けた各種事業が順次開始されております。また、飛騨地域におきましては、観光、移住対策に連携して取り組むこととなり、医療、介護、防災などの各分野で複数の自治体が連携、補完し、行政サービスを提供する新たな仕組みの構築についての検討も始まっております。

 地方創生においては、自治体が将来の目指す姿を明確にし、その実現に向けて自主性・独自性を最大限に発揮して施策を講ずることが重要であります。一方で、自治体が持つ強みをお互いに出し合い、それを生かす形で複数の自治体が連携し、補完し合いながら行政サービスを行うことにより、弱点の克服と将来にわたっての圏域全体の行政サービスの維持・向上につながると考えます。

 今後、自治体連携への議論が他の地域においても活発化することを期待するとともに、このような取り組みに対する県の積極的な支援を望むものであります。

 さて、報道機関がさきの統一地方選挙に先立ち、有権者を対象に行った政策の優先順位に係るアンケート結果によりますと、最も関心のある政策は「少子・高齢化・福祉」とした人が三二%で最多となり、人口減少を背景に県民が将来の暮らしに不安を感じている実態が浮かび上がっております。

 地方創生は始まったばかりでありますが、「人口減少への挑戦」にはタイミングを逸することなく的確に施策を講じることが必要であります。そのためには、県、市町村、産学官などのあらゆる主体が人口減少への危機感を持ち、地域の実情に応じて創意工夫を凝らし、今後五年間で集中的に施策を展開し、オール岐阜県による地方創生の大きな潮流をつくり出すとともに、一過性のブームに終わらせることなく、長期的に粘り強く取り組むことが重要であります。

 昨年施行された、「まち・ひと・しごと創生法」において、国及び県が策定する総合戦略を勘案して、市町村は総合戦略を策定することとされております。その意味で、県の総合戦略は、県下四十二市町村の総合戦略の方向性を示す大変重要なものであり、県として独自性のある事業を打ち出していくことが、ひいては市町村事業を促進することにつながると考えます。

 そこで、知事にお伺いします。

 現在、策定が進められている「清流の国ぎふ」創生総合戦略について、どのような方向性で取りまとめられるのか、伺います。

 次に、周辺県有施設を含めた県庁舎再整備の考え方について、お伺いをいたします。

 現在の県庁舎は、ことしで築四十九年を経過し、残り一年で法定耐用年数の五十年を迎えることになります。これまで、優先順位をつけて改修を実施してきたものの、施設全体として老朽化が進んでおり、南海トラフ地震など大規模災害が発生した場合、建物自体の損傷や設備機器類の破損により、県庁舎が災害対策の中枢拠点として機能できないことも想定されます。

 また、老朽化による執務環境の悪化、行政ニーズの多様化に伴う執務スペースの狭隘化、会議室の不足などが課題となっております。

 こうした中、県では、平成二十五年度三月補正予算以降、県有施設整備基金に県庁舎再整備分の積み立てを開始し、積立額が昨年度末で百億円となっております。また、昨年度には各界各層の代表者及び学識経験者から成る県庁舎再整備検討委員会において意見聴取を開始し、六月一日に開催された検討委員会では、新しい庁舎を二〇二二年度から二〇二五年度にかけて完成させるスケジュール案が示され、県庁舎の再整備に向けた検討が本格的に動き出したものと認識しております。

 一方で、県庁舎周辺には、ふれあい福寿会館、岐阜県シンクタンク庁舎などの県有施設が設置されておりますが、さまざまな課題があると聞いております。

 現在、ふれあい福寿会館には、旧岐阜総合庁舎の解体に伴い岐阜土木事務所など県の現地機関が入居しておりますが、執務室や来庁者対応スペースが十分ではありません。また、県の関係団体が入居する施設として設置されたものでありますが、入り切らず、隣接する岐阜県シンクタンク庁舎に分散して入居している団体もあります。

 例えば、ふれあい福寿会館にある県現地機関を県庁舎に集約すれば、シンクタンク庁舎に入居している県関係団体が、ふれあい福寿会館に入ることができます。

 また、直近で県庁舎の建てかえを実施した他の県では、勤務する職員数や延床面積が異なるものの、建築費だけで四百ないし五百億円程度を要しているとのことであります。起債許可団体から脱却したとはいえ、依然として県財政を取り巻く状況は厳しいことから、場合によっては不要となった施設は廃止することも考えなければなりません。

 今後、県庁舎の再整備を議論していく上では、県庁舎のみならず、周辺の県有施設に求められる機能や県民の利便性など、幅広い観点から検討しなければならないと考えます。

 そこで、知事にお伺いします。

 周辺の県有施設を含めた県庁舎再整備をどのように考えているのか、伺います。

 次に、今後の岐阜県美術館運営の方向性について、お伺いいたします。

 昨年四月の組織改正により、これまで教育委員会の所管であった県美術館及び現代陶芸美術館が、知事部局へ移管されました。移管の理由は、知事部局の文化振興、地域振興、観光誘客との連携による多様な文化行政の展開を図るためとの説明でありました。

 私は、美術館には重要な役割が二つあると思います。一つは、これまで生み出されてきた過去のすぐれた美術品を収集し、大切に守り、後世へと伝えていくことであります。そして、もう一つは、それらの美術作品を適切な環境条件のもとに広く一般に公開することなどを通じて、人々に芸術の喜びを伝え、生活を豊かにし、さらには新しい創造力を育てることであります。

 近年、全国の美術館では新たな取り組みが始まっております。二〇〇四年に開館した金沢二十一世紀美術館では、市内の小学四年生を学校ごとに招待して、コレクション展を鑑賞する機会を設けるなど教育普及活動を行っております。また、秋田県では、県立美術館が中心市街地に立地するロケーションを生かし、商店街やストリート、建築物などのエリア全体をアート空間に見立て、野外展示やアーティストによるパフォーマンス、地元産の食の提供によるおもてなしなど、官民の垣根を越えたアートによるまちのにぎわいづくりに取り組んでおります。

 これらに共通するのは、美術品を収蔵・展示するだけでなく、交流拠点として地域づくりの中核を担い、市民と深く結びついた活動を行っていることであり、今後の美術館の果たす新たな役割として参考になると考えます。

 県では、四月に本県出身で現代アートの専門家である日比野克彦氏が県美術館の新館長に就任しました。日比野氏は、舞台美術やパブリックアートで活躍するほか、二〇〇六年から、岐阜市の長良川などを舞台に、数字のあんどんを使ったイベント「こよみのよぶね」を地域住民との協働により開催しております。また、二〇一二年に本県で開催された「ぎふ清流国体・ぎふ清流大会」の総合プロデューサーを務めるなど、地域との連携や独創的な取り組みが高く評価されており、県美術館の運営においてその手腕が期待されるところであります。

 そこで、知事にお伺いいたします。

 県美術館の館長に日比野克彦氏を迎えた狙いと、今後の県美術館運営の方向性について伺います。

 次に、新たな教育委員会制度における今後の教育行政の推進について、二つの項目をお伺いいたします。

 まず、新教育長の今後の教育行政への所見についてであります。

 教育の政治的中立性、継続性、安定性を確保しつつ、地方教育行政における責任の明確化、迅速な危機管理体制の構築、首長との連携強化を図ることを目的とする新たな教育委員会制度が四月一日から開始されました。

 今回の制度改革では、教育委員会の代表者である教育委員長と教育長を一本化した新たな教育長を置くことにより、教育行政の第一義的な責任が新教育長に一本化され、責任体制の明確化が図られると考えられております。

 新教育長は、教育委員会を代表し、教育委員会会議の主宰や具体的事務の執行、教育委員会事務局の指揮監督権限を有することとなり、その職責はこれまで以上に重いものとなりました。

 現在、国では財政健全化に向けた歳出抑制策が検討されており、少子化が進む中で、将来的な教員の大幅削減が議論されております。また、不登校やいじめ、ネットトラブル、子供の貧困対策など、教育現場では多くの課題を抱えており、教育水準の維持・向上、子供が安心して学べる教育環境づくりが求められております。

 今回の制度改革を生かすことができるかは、運用にかかわる当事者の双肩にかかっております。未来を担う子供たちのために、地域の民意を代表する首長との連携を強化しつつ、本県教育行政の充実・発展のため、新教育長には強いリーダーシップを発揮していただくことを望むものであります。

 さきの定例会で議会同意を得て、松川禮子氏が新教育長に任命されましたが、新体制において今後どのように教育行政を推進していかれるのか、教育長の御所見をお伺いします。

 また、今回の制度改革では、首長と教育委員会が相互の連携を図りつつ、より一層民意を反映した教育行政を推進していくため、総合教育会議が設置されました。会議では、予算や条例提案など知事の権限にかかわる事項のほか、教科書その他の教材の取り扱いなど教育委員会のみの権限に属する事項についても自由に意見交換することが想定されております。

 新体制のもと、県教育委員会としてさまざまな課題に取り組まれると思いますが、教育基本法や学習指導要領の目標を達成するため、子供たちにとって最も適した教科書を公正に採択することは、今後の教育行政を推進していく上で重要な課題の一つと考えます。

 これまで、我が県政自民クラブとしましては、公立の小・中学校で使用する教科書について、教科によっては数年間にわたり同じ教科書を採択している前例主義であるとか、七つの採択地区全てで同じ教科書を採択している横並び主義の現状を指摘し、採択のプロセスに疑念を抱かれることのないよう、再三にわたり改善を求めてきたところであります。

 このため、県教育委員会では、採択地区協議会の議事録の公開や、採択結果及び理由の公表を市町村教育委員会に求めるなど、採択プロセスの透明性の確保に努めていることは評価しております。

 しかしながら、昨年度に行われた公立小学校で使用する教科書採択においては、前例・横並び主義の傾向に変化は見られておりません。全国的に同じプロセスを経て教科書が採択される中、他県においては教科ごとに複数の種類の教科書を採択している現状に鑑みますと、本県においても、採択地区ごとに多様な教科書が採択されるのが自然であり、採択結果を見る限り、これまでの県教育委員会の取り組みの効果には疑問を感じております。

 そこで、教育長にお伺いをいたします。

 小・中学校の教科書採択について、依然として前例・横並びの傾向が見受けられますが、現状をどう考えておられるのでしょうか。

 また、現在、四年に一度の文部科学省検定済み教科書の改訂を受けて、平成二十八年度から県内の公立中学校で使用する教科書の採択作業が進められていますが、市町村教育委員会に対して、どのように助言を行っているのか伺います。

 これで、第一回目の質問を終わります。



○議長(足立勝利君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) おはようございます。

 私のほうには、三点御質問がございました。

 まず、地方創生総合戦略の取りまとめについてということでございます。

 日本創成会議が「ストップ少子化・地方元気戦略」を発表し、全国で八百九十六の市町村が消滅すると衝撃を持って受けとめられてから、はや一年がたったわけであります。

 その後、「まち・ひと・しごと創生法」が成立いたしました。また、国の長期ビジョン、総合戦略も発表されておりますし、昨日には「まち・ひと・しごと創生基本方針二〇一五」が政府の手で発表されたところでございます。

 本県においては、既に平成二十年度に「人口減少時代への挑戦」とうたった岐阜県長期構想を策定し、この問題に正面から取り組んできております。昨今の地方創生をめぐる一連の動きの中で、岐阜県の問題意識が国を挙げての問題意識となってきたところに、改めて課題の重大さと対策の重要性を実感しているところであります。

 私自身も、全国知事会の地方創生対策本部長として、政策の方向性や具体の施策、あるいは国の取り組みの強化や使い勝手のよい制度への改正などに関する地方の声を国に届けてまいりました。

 そして、本県自身の地方創生に向けては、詳細な人口推計を行い、各界の代表者の方々に御参画いただいた「ぎふ創生県民会議」や、市町村連携会議などにおいて真剣な議論を行ってまいりました。

 そうした中で、大きく二つの視点を常に念頭に置いておく必要があるというふうに考えております。

 第一点は、人口の減少そのものを食いとめるという視点、第二点は、人口が減少しても、その中であっても地域の活力を維持し続けるために何をなすべきかという視点でございます。県の基本計画である岐阜県長期構想、そして、本年二月に公表いたしました「清流の国ぎふ」創生総合戦略(暫定版)は、そのような視点で検討を進めてきたものでございます。

 現在、総合戦略の最終版の取りまとめを進めておりますが、特にここでは「連携」というキーワードを重視しております。

 社会の担い手である現役世代を中心に人口が減少していくことにより、現在の社会構造のままでは地域の活力が減退していくおそれが十分にございます。また、行政にあっては、人口減少に伴い財政規模が縮小していく中で、自治体単独で現在のレベルの行政サービスを提供し続けられるかどうかという懸念もございます。

 こうした課題に対応するためには、議員からも御指摘がありましたように、他の地方自治体との連携はもちろんのこと、大学、事業者などあらゆる主体と連携して施策を実行していくことが必要不可欠であります。

 この連携の例として、例えば、四月には、飛騨圏域の三市一村の首長の皆様と私で意見交換の場を持ちました。以来、観光や移住・定住に関し、広域で連携事業に取り組むとともに、医療、福祉、防災などの行政サービスに関する連携も見据え、議論を深めてきておるところでございます。

 また、各務原市と連携し、航空宇宙産業の規模拡大に向けた次世代の担い手育成を視野に、産業界、研究・教育機関、関係省庁などの協力を得ながら、かかみがはら航空宇宙科学博物館のリニューアルにも取り組んでおります。

 加えて、県域を越える連携として、富山県と飛騨地域における救急医療を充実させるため、ドクターヘリを共同運航することとし、近日中に協定を結ぶ運びとなっております。

 さらに、北陸三県とは、北陸新幹線延伸を契機として広域観光戦略を本格化してまいります。

 そして、岐阜大学とは、共同で食品及び健康分野の企業を支援するため、仮称でございますが、食品科学研究所を新たに岐阜大学敷地内に整備する方向で調整を進めているところでございます。

 次に、周辺県有施設を含めた県庁舎再整備の考え方について、お答え申し上げます。

 現庁舎の再整備につきましては、昨年七月に県内部の検討組織を立ち上げ、十二月には外部有識者から成る岐阜県庁舎再整備検討委員会を設置し、御意見を伺いながら基本構想の検討を進めているところでございます。

 検討委員会では「大規模災害に備え、危機管理・防災機能を充実すべきである」、あるいは「県民に開かれた施設とすべきである」、さらには「災害時の中枢拠点としての役割を考えると、早期の再整備が必要である」といった意見が寄せられております。

 また、県庁舎周辺の県有施設の再編に関する御意見も多々いただいております。

 中でも、ふれあい福寿会館やシンクタンク庁舎につきましては、平成二十四年度末に岐阜総合庁舎を廃止したことに伴って、県の現地機関や関係団体が多く入居しております。その結果、事務スペースが十分ではないといったような問題が挙げられております。

 こうしたことから、ふれあい福寿会館の現地機関につきましては、新庁舎の設立の場合にはそちらに移転をし、その上で、シンクタンク庁舎などの入居団体はふれあい福寿会館に移転していただくなど、県有施設の再配置・機能集約を検討してまいりたいと考えております。

 この県庁舎再整備は、今後、基本構想に基づいて、基本設計、実施設計と進んでまいります。その上で、建設工事に着手することになるわけでありますが、完成まで、向こう六、七年から十年程度が必要というふうに見ております。財政状況も考慮しながら、できる限り早期の完成を目指してまいりたいと考えておるところでございます。

 最後に、県の美術館についてのお尋ねでございます。

 岐阜県美術館では、開館以来、芸術を通して豊かな心を育むことを目的として、県内ゆかりの作家の作品の収蔵展示や特別企画展を開催してまいりました。

 こうしたこれまでの実績を踏まえながら、今後は、県民の皆様が気軽に足を運んでいただける、開かれた美術館、そして、全国に向けて新しい芸術を発信する美術館という形で展開していきたいというふうに考えております。このため、日本を代表する芸術家であり、本県出身でもある日比野克彦氏に館長就任をお願いした次第でございます。日比野新館長は、人と人とがアートでつながり、地域のきずなを強める活動に積極的に取り組んでおられるわけでございます。

 具体的な展開としては、まず、本年九月から、この日比野館長みずからがプロデュースし、アートに親しみ、美術館の雰囲気を楽しんでいただくための企画として、「アートまるケット 花は色の棲家」と題する企画展を開催いたします。これは、IAMAS、森林文化アカデミーの学生らがワークショップを重ねて考えてきた、花をテーマとした造形物を美術館前の庭に制作展示するものであります。そして、これとあわせて、どなたも参加いただけるコケ玉づくりや県産材を利用したおもちゃの作成教室なども開催してまいります。

 また、従来の県展を刷新いたしまして、平成二十九年度には、全国の若手作家を対象とする公募展である、仮称でございますが、「マグマ二〇一七」の第一回開催を予定しております。これは、真四角なキューブの中で自由自在な発想で表現されるアートを展示するという構想でございまして、現在、日比野館長にも積極的に参加いただき、企画を煮詰めているところでございます。これに、全国の若手作家から多数の御応募をいただき、多くの方から注目を集めるような展覧会として、本美術館から発信してまいりたいと考えております。



○議長(足立勝利君) 教育長 松川禮子君。

    〔教育長 松川禮子君登壇〕



◎教育長(松川禮子君) 二点御質問をいただきました。

 初めに、新教育長としての今後の教育行政推進への所見についてお答えします。

 平成十九年、旧制度での教育長就任以来、八年余りになりますが、教育をめぐる課題は社会の変化に伴い複雑化するとともに、県民の皆様のニーズも多様化していると実感しているところです。

 例えば、スマートフォンの急速な普及により、いじめなどの問題行動の態様が複雑化しています。一方で、グローバル社会で活躍できる人材や地域の産業を担う人材の育成など、社会経済のボーダーレス化や、少子化・人口減少社会を見据えた教育への期待も高まっています。さらには、先般、選挙権年齢が十八歳に引き下げられたことを踏まえた主権者教育の推進など、今日的な課題も新たに生じています。

 これらの諸課題に的確に対応していくためには、知事部局の一般行政分野との連携をより強化していくことが不可欠であります。このため、新たに制度化された総合教育会議において、知事と教育委員会が議論を深めながら、教育施策の充実を図り、県民の皆様の期待に応えてまいりたいと決意を新たにしております。

 次に公立小・中学校の教科書採択の現状と、市町村教育委員会への助言についてお答えします。

 昨年度に行われました小学校で使用する教科書採択についても、同一の発行者の教科書が複数の地域で、長年にわたって採択されるという結果になりました。

 この点につきましては、例えば、ある採択地区では、算数科の教科書に関して、スキル重視の教科書と考え方重視の教科書のどちらが地域の児童に適しているのかという観点からの議論のほかに、教科書発行者を変更した場合に教員の負担がふえるという意見や、小・中学校の教科書に一貫性が必要という指摘もあるなど、さまざまな意見が交わされました。

 こうした過程を経て、各市町村教育委員会において、採択権者として、その権限と責任のもと、適正かつ公正に採択が行われているものと認識しております。

 今年度に行われる中学校で使用する教科書採択についても、このように十分な審議と採択過程のなお一層の透明性が確保されるよう、市町村教育委員会を指導しているところです。



○議長(足立勝利君) 四十三番 駒田 誠君。

    〔四十三番 駒田 誠君登壇〕



◆四十三番(駒田誠君) 次に、第二点目で、清流の国づくり全面展開についてとして、五つの項目をお伺いいたします。

 まず、花フェスタ二〇一五ぎふの開催結果と成果の活用についてであります。

 「花で育む 清流の国ぎふ」をテーマに、可児市にある花フェスタ記念公園におきまして、五月十六日から六月二十一日までの三十七日間にわたり、花フェスタ二〇一五ぎふが開催されました。

 今回の花フェスタでは、週がわりのテーマイベントの開催や夜間のバラ鑑賞など、工夫を凝らしたさまざまな催事が展開されました。入場者も、当初予定していた二十五万人を大幅に上回る約四十一万人となり、県内外の多くの方にバラを初めとする本県の魅力を知っていただく機会になったと思います。また、会場でおこした成功の火は、秋に開催される第三十九回全国育樹祭の成功に向けて、確実に引き継がれたところであります。

 さて、今回の花フェスタの開催に当たり、さきの定例会における県政自民クラブの玉田議員の代表質問において、会場となる花フェスタ記念公園の入園者や本県の花卉の生産額などが年々減少している現状に鑑み、花フェスタの成果が、今後の本県の花卉振興や公園利用者の拡大など、県民の花への関心を高めることにつながるよう取り組みの強化を求めたところであります。

 また、県議会におきましても、花フェスタの開催に先立ち、超党派の議員による岐阜県議会フラワー振興議員連盟を設置し、「花で彩る清流の国ぎふづくり」を県民とともに促進することとしたところであります。

 知事はこれまでの議会答弁において、花フェスタ二〇一五ぎふ開催の狙いについて、近年入園者数が減少している花フェスタ記念公園の魅力の再構築による本県観光誘客の拡大と、県全体の花卉振興の大きな契機とすることを明らかにしております。花フェスタ二〇一五ぎふを終えた今、具体的にどのように取り組んでいかれるのか、明確にお示しをいただきたい。

 そこで、知事にお伺いいたします。

 花フェスタ二〇一五ぎふの開催結果は、どのような状況であったのか。また、成果をどのように活用していかれるのか、伺います。

 次に、第三十九回全国育樹祭の準備状況について、お伺いをいたします。

 十月十一日に揖斐川町で開催される第三十九回全国育樹祭の開催まで、いよいよ残り三カ月となりました。

 育樹祭のプレイベントとして、県内五カ所で伐採した樹齢百年以上の丸太を、県内四十二市町村をめぐって運ぶ「一〇〇年の森づくりリレー」が、四月二十七日の中津川の伐採式を皮切りに開始されたところであります。現在、県内各地において、子供から大人まで幅広い世代の多くの皆さんがリレーしている丸太には、地域の方々の森の恵みに対する感謝の思いととともに、先人が長い年月をかけて守り育ててきた木のすばらしさを後世に伝えていこうとする強い意志が込められており、それらが一つに結集される全国育樹祭の開催が待ち遠しいところであります。

 さて、今回の育樹祭では、関連行事を含めて十万人規模で盛り上げていくことが明らかになっております。特に、本大会には県内外から出演者等を含め約五千人の参加が予定されており、式典会場となる揖斐川町の谷汲緑地公園には、一般の参加者も含め多くの方の来場が予想されます。

 しかしながら、式典会場は山間地域にあり、会場へのアクセスルートも限られていることから、式典当日には道路の渋滞など周辺住民の方の生活に影響が及ぶことが危惧されます。

 また、式典には、子供から高齢者、障がい者など配慮を要する方も参加されることから、安全性に配慮した施設・設備が必要であり、育樹祭の円滑な運営のため、式典会場及び周辺の環境整備に万全を期さなければなりません。

 そこで、まず知事にお伺いをいたします。

 全国育樹祭の開催に向けて県民の機運が高まる中、関連行事を含めた式典などはどのような内容になるのでしょうか。また、会場周辺の渋滞対策や式典会場及び周辺の環境整備など、ハード面での準備状況について、林政部長に伺います。

 次に、全国育樹祭を契機とする今後の森林整備のあり方について、お伺いをいたします。

 本県では、平成十八年三月に、岐阜県森林づくり基本条例を制定し、健全で豊かな森林づくり、林業及び木材産業の振興、人づくり・仕組みづくりの三つの方針を掲げております。そして、同年五月には「ありがとう 未来へつなげ 森の恵み」をテーマに、下呂市で開催した第五十七回全国植樹祭を契機に「植えて、育てる」そして「伐って、利用する」という資源循環型の「生きた森林づくり」に取り組んできました。また、平成二十二年六月に河川を舞台に開催した「第三十回全国豊かな海づくり大会〜ぎふ長良川大会〜」を通じて、森林が育む清流を森・川・海が一体となって保全することの大切さを全国に向けて発信したところであります。

 現在、第二期岐阜県森林づくり基本計画に基づき、平成二十四年度に導入した清流の国ぎふ森林・環境税を活用し、環境を重視し森林を守って生かす「恵みの森林づくり」に取り組んでおります。

 こうした中、本県の森林は、戦後を中心に植栽した人工林が成長し、成熟期を迎え、資源として利用する段階に移行しております。国においても、これまでの長伐期方式から皆伐・再造林へと方針を転換しつつある中、伐採後の植栽など、森林の再整備が重要な課題となっております。

 また、生態系保全や水源涵養など、森林が本来持つ公益的機能の確保に配慮することも必要であります。樹木がゆっくりと長い年月をかけて成長することから、森林づくりは五十年から百年以上にわたる長い視点で取り組んでいかなければならない課題であります。全国育樹祭のテーマである「手から手へ 豊かな緑で ぼくらの未来」にあるとおり、地域住民が先代から受け継いだ森林を守り育て、次の世代へ確実に引き継ぐため、今回の育樹祭の開催を契機に、改めて本県の将来の森林の姿を考えるべきと考えます。

 そこで、全国育樹祭の開催を契機として、今後の森林整備の方向性をどのようにお考えになっているのか、知事にお伺いします。

 次に、苗木の供給体制の整備と成果の活用について、お伺いをいたします。

 県内では、大型製材工場の進出や大規模な木質バイオマス発電施設の設置など、木材加工・利用施設の整備が進んでおります。また、産直住宅やぎふの家づくりなど県産材の活用を積極的に支援してきたことなどから、木材需要が増加しております。

 一方で、ある程度成長した樹木は成長量が少なく、地球温暖化の原因とされる二酸化炭素の吸収量も少ないと言われております。このため、森林資源の有効活用と環境保全の観点から、伐採して植える持続可能な森林づくりが必要となっております。

 しかしながら、林業では植栽から伐採まで数十年以上という長期にわたる投資に見合った収入が得られない現状から、伐採が控えられたり、間伐を実施しても搬出利用が進まない状況にあります。また、伐採や伐採後の植栽費用に対する公的支援が進んでおらず、森林所有者の大きな負担となっております。そして、全国的には、広範囲に伐採しても再び植栽されず、公益的機能の発揮に支障が生じる事態も数多く発生しております。

 一方で、伐採後に植える苗木の生産者は減少傾向にあります。また、ほとんどの苗木生産者は小規模あるいは零細であるため、設備投資により生産量を大幅にふやすことが期待できないことから、優良な苗木を安定的に供給できる体制の整備が急務となっております。

 こうした中、県では、県が所有する下呂林木育種事業地の一部を民間に貸し付け、苗木生産施設の整備を支援する全国初の取り組みを開始したと聞いております。

 そこで、林政部長にお伺いをいたします。

 苗木供給において民間事業者と連携する狙いと、取り組みの内容はどのようなものでしょうか。また、事業の成果をどのように活用していかれるのか、伺います。

 次に、ぎふ清流文化プラザにおける文化振興事業の展開について、お伺いをいたします。

 新たな文化芸術活動の拠点となる「ぎふ清流文化プラザ」が、九月二十三日に開館いたします。

 この施設では、文化系部活動で活躍する県内高校生によるステージ、県内の老若男女が演ずる創作オペラ、地歌舞伎や祭りばやしなど本県が誇る民俗芸能を集めた舞台公演の開催などが予定されております。また、障がい者による舞台発表、芸術作品の展示や世界遺産「白川郷合掌造り集落」、ユネスコ無形文化遺産「本美濃紙」など、世界に誇れる本県の遺産の展示も行われると聞いております。

 こうした中、六月一日からは、長良川ホール、セミナー室などの予約受け付けが開始されております。これらの施設は、演劇や演奏会、ワークショップや会議など多目的に利用することができます。

 ぎふ清流文化プラザが県民により身近な文化芸術の拠点となるには、施設が企画する文化事業に加え、より多くの県民の方が積極的に施設を利用していただくことが重要と考えますが、施設の魅力や再開後の事業展開が県民に対して十分に周知されているのでしょうか。また、県有施設であることからも、岐阜地域に限定することなく県全体で活用することが重要であり、そのためには、幅広く県民の文化芸術事業への関心を高めるとともに、参加を促す取り組みが必要と考えます。

 そこで、知事にお伺いをいたします。

 オープニングイベントの開催など、施設の魅力を発信し県民の利用を促すため、ぎふ清流文化プラザの開館をどのようにスタートしようとしているのか、伺います。

 これで第二回目の質問を終わります。



○議長(足立勝利君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 第二回目ということで、五点お尋ねがございました。

 まず、花フェスタ二〇一五ぎふでございますが、「美し、美味し、バラの祭典」と銘打ちまして、花とだんごの両方を楽しめるイベントを目指した次第でございます。その結果、四十一万人を超える多くの皆様に御来園いただきまして、大盛況のうちに幕を閉じることができた次第でございました。御支援、御協力いただきました皆様に厚く御礼を申し上げる次第でございます。

 今回の見どころは、何と言っても、本県が世界に誇る七千種類、三万株のバラ園でございます。来園者の皆様には、バラの香り・色・形を楽しんでいただくとともに、花卉団体による花飾りの体験教室など、花卉の文化、知識を学ぶ場として活用していただきました。

 また、ナイトローズガーデンでは、夜バラの観賞という新たな楽しみ方を提案させていただきました。加えて、幻想的な雰囲気のある「美濃和紙あかりアート」や、池に浮かぶ「こよみのよぶね」「花いかだ」そして間近に迫る花火という一連の演出には、多くの皆様に好評を博し、急遽七日間の追加開催を行ったところでございます。

 また、数量・期間限定ということで、食を提案させていただきましたところ、それを目当てに訪れるお客様も大変多くございました。

 パリ「ダ・ローザ」の日本初出店では、人気のレーズンチョコは連日完売、まとめ買いをされるお客様もあり、大急ぎで品ぞろえをするほどでございました。また、必ずしも知られていないモロッコ料理のテント前には大変な人だかりができ、その魅力を堪能していただきました。岐阜の食材を生かしたオリジナル弁当、県下の名店のスイーツも、多くの方々にお買い求めいただきました。このように、花にだんご、すなわち食を添えることで、それぞれの魅力が一層引き立てられることを再認識した次第であります。

 そして、本県の魅力ある地域資源をぜひとも知っていただくということで、全ての市町村において、個性豊かなステージイベントを行っていただきました。プリンセスホール雅では、三百二十五団体、延べ八千八百七十三名もの方が、我がまち自慢のアトラクションやイベントを実施していただきました。まさに、記憶に残る県民参加型イベントの成功モデルとなったのではないかというふうに考えております。

 さらに、地の利を得て、イベント期間中の来場者の約四割が愛知県からのお客様であることを確認しております。

 次に、この成果をどのように活用していくかということでございますが、今回、花というものが人の心に潤いと安らぎを与え、強く人の心を引きつけるものであるということを改めて実感いたしました。

 その成果を踏まえて、今後、おもてなしの花飾り、高齢者の生きがいづくり、子供たちの情操を養う花育の推進など、全ての県民が花に親しみ、心豊かに暮らせるふるさとづくりを目指してまいりたいと思っております。

 特に、花フェスタ記念公園におきましては、今回好評を博しました夜バラ観賞を定番化するほか、花の魅力をより一層楽しめる斬新かつ積極的な企画を行い、花卉振興の取り組みの拠点として大いに活用してまいります。

 次に、岐阜ならではの食や県産品、数量・期間限定といった特別感のある食やお土産を大々的に提供し、花と食の魅力を一体として今後とも訴えてまいります。

 さらに、県民活動の身近な発表の場としてプリンセスホール雅を広く開放していくなど、花フェスタ記念公園をより身近に、年間を通じて活用していただくための取り組みを推進してまいります。

 そして、東海環状自動車道の沿線という立地の強みを生かし、平成記念公園等、県内各地や隣県と積極的に連携するほか、ことし十月開催の第三十九回全国育樹祭へとつなぐことにより、いわば「清流と花の回廊」の拠点施設として、広域的な誘客を進めてまいりたいと思っております。

 次に全国育樹祭でございます。

 開催まで残すところ百二日となったわけでございます。現在、協賛行事として県内各地で「一〇〇年の森づくりリレー」などが進められております。

 このリレーでは、市町村の特色を生かした引き継ぎ式や丸太の引き回しが行われております。例えば郡上市では、県の重要無形民俗文化財の日吉神社大神楽のおはやしを先頭に市街地を引き回し、郡上踊りで締めくくっていただいております。また、高山市では陣屋から町なかにかけて引き回しを行うなど、大いに盛り上げていただいております。これまでに二十二の市町村で約一万二千人の方々に参加していただきましたが、育樹祭当日までに全ての市町村をリレーすることになっております。

 こうして県民総参加で揖斐川町まで運ばれる丸太は、会場に設置する皇族殿下の御席の資材として利用するほか、式典行事の演出にも活用したいと考えております。

 そして、十月十一日の育樹祭当日につきましては、まずお手入れ行事として、昭和三十二年の全国植樹祭の際に天皇皇后両陛下によりお手植えされました、そして約六十年が経過した杉を、間伐していただくことを予定しております。この間伐によるお手入れというやり方は、育樹祭では初めてのこととなります。

 式典行事では、俳優の竹下景子さんをナビゲーターに迎え、子供から年配の方々まで幅広い世代の方々に出演していただきます。木を切って利用する大切さを表現するなど、百年先まで森林を守り育てることの大切さを伝えてまいりたいと考えております。

 また、併催行事として、十月十一日と十二日に、高山市で森林・林業・環境機械展示実演会を開催いたします。国内外の最新林業機械の実演や、林業先進国のドイツのロッテンブルク大学と連携した講演会、巨樹・巨木林をめぐるツアーやツリークライミングを行うなど、これまでにない企画展にしたいと考えております。また、十日に郡上市で開催する育林技術交流集会では、アナウンサーの草野満代さんをゲストに迎えたトークセッションや、郡上高校の活動事例発表、パネルディスカッションなどを行い、森林保全に対する意識を深めてまいりたいと考えております。

 さらに、全市町村で育樹祭サテライト行事を予定しております。例えば、岐阜市ではぎふ清流文化プラザにおいて、親子が木のおもちゃで遊べる森のおもちゃ美術館を、下呂市では平成十八年の全国植樹祭会場において、市民による森林整備や子供たちの森林づくりの活動発表などを予定しております。

 このように全県を挙げて、十万人の方々にかかわっていただきながら、県民総参加の育樹祭を展開してまいります。

 次に、育樹祭を契機とする今後の森林整備のあり方ということについて、お尋ねでございます。

 これまで全国植樹祭、全国豊かな海づくり大会で得た成果を岐阜県森林づくり基本計画に反映させ、林業活動を重視した「生きた森林づくり」、環境保全を重視した「恵みの森林づくり」に取り組んでまいりました。来年度は、第二期森林づくり基本計画の終期を迎えます。そこで「次の世代へ森林をつなぐ」という今回の育樹祭の理念を、平成二十九年度から始まる第三期基本計画に反映してまいりたいというふうに考えております。

 これまでの「生きた森林づくり」や「恵みの森林づくり」の取り組みに加えて、新たに望ましい姿の森林づくりを目指す「一〇〇年先の森林づくり」に取り組んでまいりたいというふうに考えております。

 現在の本県の森林の年齢構成を見てみますと、四十六年生から五十年生をピークに、その大半が本格的な利用期を迎えております。しかし、一方で二十五年生までの比較的若い森林が全体のわずか六%ということで、本県の森林も日本社会と同様、少子・高齢化の状況が進行しております。

 このような状況では、将来的に林業経営が成り立たなくなることや、災害防止、二酸化炭素の吸収源といった森林の公益的機能の維持が困難となることが予想されるわけでございます。このため「一〇〇年先の森林づくり」として、県全体の森林の状況を総点検した上で、林業経営、環境保全、景観価値といった観点から、将来に望ましい森林の配置計画を策定したいと考えております。その上で、植栽に必要な苗木の供給や、苗木を植える技術の開発、人材育成を進めるとともに、欧州の高度な森林技術などを活用した低コスト伐採に取り組んでまいりたいと考えております。

 最後に、ぎふ清流文化プラザでございます。

 この清流文化プラザは、多くの県民の皆様が集い、発信をし、楽しんでいただく文化施設として、再開するものでございます。

 本施設は、二つのコンセプト、すなわち「子供、若者など次世代の文化芸術の担い手を育成し、県民参加による新たな文化を創造するための拠点」、そしてもう一つが「障がい者の文化芸術活動の拠点」、この二つのコンセプトのもとで、県民の皆さんが、気軽に利用していただける施設として再スタートしたいというふうに考えております。

 まずは、九月二十三日のオープニングで、施設のこれらのコンセプトを具体的に皆様方にお示ししたいというふうに考えております。メーンの長良川ホールでは、県内の幼稚園児や高校生、日本舞踊やバレエの活動団体、そして障がい者団体の方々に出演いただくオープニングステージを開催し、県民による文化芸術活動の発表の場であることをアピールしてまいります。

 また、東濃や飛騨地域の伝統文化を維持保存する団体に出演をお願いし、本県各地の多様な伝統文化を県民の皆さんに知っていただく機会とするとともに、子供・若者への伝承の場としてもお示しをしていきたいというふうに考えております。

 また、文化芸術県民ギャラリーにおきましては、障がいのある方の描いた絵画や障がい者向けの絵本の展示、セミナー室での絵画教室の開催を通じて、障がいのある方々が文化芸術に触れるとともに、みずからの活動を広げる場であることを明らかにしてまいります。そして、再整備した庭園では、美濃和紙あかりアートなどを展示し、庭園を使ったイベント展開も可能であることを御理解いただければというふうに考えております。

 このようなオープニングイベントを皮切りに、現在、広く開館後の施設利用予約の受け付けを募っているところでございます。既に本年中につきましては、稼働率七割を超える予約をいただいております。この場所ならではの企画を打ち出しながら積極的な利用促進に努めてまいりたいと考えております。



○議長(足立勝利君) 林政部長 瀬上繁隆君。

    〔林政部長 瀬上繁隆君登壇〕



◎林政部長(瀬上繁隆君) 私には二点御質問がございました。

 まず、第三十九回全国育樹祭の会場周辺の渋滞対策や式典会場などの準備状況についてお答えをいたします。

 会場周辺の渋滞対策につきましては、県外からの参加者については宿泊施設から、県内の参加者については総合庁舎など各地域の拠点から式典会場まで、約百三十台のバスでお送りすることといたしております。このため、式典会場周辺に輸送バス専用の乗降場を整備しております。また、運行ルートの一部には大型バスのすれ違いが困難な場所がありますが、育樹祭当日までには道路改良工事が完了する予定でございます。

 式典会場につきましては、来場者に円滑に入場していただくため、入り口に歩行者専用の仮設橋の整備などを行っております。また、トイレにつきましても、十分な数を確保するとともに、お子様連れの方や障がいをお持ちの方のために多目的トイレを設置するなど、幅広い世代の方々に参加していただけるよう準備を進めているところでございます。

 続きまして、苗木の供給において、民間事業者と連携する狙いと取り組みの内容及び事業の成果の活用についてお答えをいたします。

 今後、多くの杉・ヒノキの人工林が伐期を迎え、木材の利用が拡大していくことが想定されております。持続的な森林づくりを進めるには、計画的な植栽が必要であり、高品質な苗木を大量に供給することは重要な課題となっております。

 このため、民間企業のすぐれた生産技術を導入することといたしました。具体的には、県が住友林業株式会社に下呂の県有地を貸し付け、優良なコンテナ苗木の生産を行うものでございます。また、これにあわせて、県内の苗木生産者の施設整備に対する支援を実施しているところです。

 こうした取り組みにより、県全体で現在の十八万本から、三年後には五十万本、将来的には百五十万本の苗木を生産する計画といたしております。



○議長(足立勝利君) 四十三番 駒田 誠君。

    〔四十三番 駒田 誠君登壇〕



◆四十三番(駒田誠君) 次に、第三点目で、強靱な地域づくりの推進についてとして、二つの項目をお伺いいたします。

 まず、山岳遭難防止条例の効果と山岳遭難防止に向けた今後の取り組み強化についてであります。

 県では、登山者に登山届の届け出を義務づける「岐阜県北アルプス地区における山岳遭難の防止に関する条例」を制定し、昨年十二月から施行しております。

 また、昨年九月に発生した御嶽山噴火に際し、提出された登山届が迅速な安否確認及び捜索救助活動に有効であったことから、条例を改正し、本年四月から活火山である御嶽山及び焼岳の一部が届け出義務化の対象エリアに追加されております。

 このような取り組みにもかかわらず、昨年の県内における山岳遭難の発生件数は百六件、遭難者数は百三十二人で、いずれも前年から増加し、残念ながら統計が残る昭和四十一年以降で最多を記録しました。

 一方で、北アルプス地区の岐阜県側の登山届の届け出者は着実に増加しております。さきのゴールデンウイーク期間中における全国の山岳遭難事故は、件数・遭難者数とも過去最多を記録いたしましたが、県警察によりますと、本県においては、いずれも大幅に減少しております。期間中は天候に恵まれたことなどもありますが、北アルプス地区においては、登山者の危機管理意識の高まりが事故減少の要因の一つになっているとも考えられます。

 現在、国会では活動火山対策特別措置法改正案が審議されており、今後、登山届の提出などにより自治体が登山者の状況を把握することや、登山者側が携帯電話や無線などの連絡手段の確保に努めることが必要となります。

 また、夏の登山シーズンを控え、御嶽山の麓の下呂市では、ちょうどきょうにも五の池小屋付近まで入山規制を緩和するとの報道もあります。

 県では、他県に先駆けて山岳遭難事故防止対策に取り組んできておりますが、引き続き登山者が危険性を認識するよう、近隣県との連携など取り組みを強化する必要があります。

 そこで、危機管理部長にお伺いします。

 条例施行から半年を経過し、条例の効果をどう認識しているのでしょうか。また、隣接県との連携やさらなる普及啓発など、山岳遭難防止に向けた取り組みの強化について伺います。

 次に、県防災・減災センターにおける人材育成と防災施策への活用について、お伺いをいたします。

 局地的豪雨や台風などの風水害はもとより、南海トラフ地震などの大規模災害に対し、被害を軽減させるためには地域防災力の強化が不可欠であり、中心的な役割を担う地域の防災人材の養成は重要であります。また、災害の態様、形態はさまざまであり、災害発生時には活動環境等が激変し、平常時とは全く異なる状況の中で、人命にかかわる事項について迅速かつ的確な対処を行わなければなりません。

 このため、防災に携わる人材は、状況を分析・判断し理解する能力や、情報を伝達するプレゼンテーション能力、連携・助け合いのためのコミュニケーション能力などを備える必要があります。そして、地域、職域などさまざまな場面で適切に対応する能力とともに、平時における普及啓発の中心的な役割も求められます。

 これまで、県や市町村では研修等を通じて防災人材の育成に努めていますが、研修の受講者が地域で十分に活躍していないことや、市町村や企業によって防災への取り組みの温度差があるなどの課題がありました。

 こうした中、四月に県と岐阜大学が共同して、防災・減災に係る実践的シンクタンク機能を担う「清流の国ぎふ 防災・減災センター」が岐阜大学構内に設置され、防災・減災に係る人材育成と普及啓発など三つの柱での事業が開始されております。地域防災力の底上げを図るためには、将来を見据え、防災人材の育成と活用までをトータルに行う新たな仕組みづくりが必要であり、私も県防災・減災センターの取り組みに注目しております。

 そこで、危機管理部長にお伺いします。

 人材育成の観点において、岐阜大学と共同で施設を設置する狙いは何か。また、取り組みの成果を県防災施策へどのように活用していくのか、伺います。

 次に、第四点目で、少子・高齢化対策の推進についてとして、二つの項目をお伺いいたします。

 まず、健康立県を目指した県民の健康づくりの推進についてであります。

 財務省では、高齢化で七十五歳以上の後期高齢者が増加することに伴い、医療・介護に係る社会保障給付費が現在のペースでふえた場合には、二〇二五年度の給付費が百四十八・九兆円となり、二〇一二年度比で三六%増加すると見込んでおります。

 このため、国では介護保険の自己負担の上限額の引き上げや二割負担対象者の拡大など、社会保障分野に重点を置いた歳出抑制策が検討されております。既に四月からは、増加し続ける介護保険料の削減や地域包括ケアへの移行促進を目的に介護報酬が引き下げられていますが、介護事業を運営するJAなどから運営の存続を心配する声が相次いでいるとの報道もあり、農村部では、小規模なデイサービスや特別養護老人ホームの事業撤退を招きかねない状況となっております。

 このように、高齢化の進展とともに膨らむ医療・介護費について制約がかかる中、本当の健康とは何かを改めて考える時期にあると考えます。

 平均寿命日本一の長野県では、県内の広い地域で長年にわたり結核や生活習慣病などの年代ごとの健康課題に対して、医療関係者や食生活改善推進員などのボランティアがかかわってきたことや、県民が積極的に社会とかかわり、生きがいを持って暮らしていることが長寿の要因であると分析されています。

 一方で、平均寿命とともに健康寿命が注目を集めております。健康寿命とは、日常的に介護を必要としないで自立して生活できる期間を示しており、平均寿命との差が少ないほど、健康な生活を続けて寿命を終えることができるとされています。

 政府においても、平均寿命の増加分を上回る健康寿命の増加を目標に掲げ、二〇二〇年までに健康寿命を一歳延ばすこととしております。既に関西地方のある自治体では、独自の健康体操の普及に力を入れており、現在、高齢者の一割に近い約二千四百人が参加していると聞いております。この自治体では、二〇〇五年度の要介護認定率一七・一%に対して二〇〇九年度は一五・四%に低下し、現在も全国平均を下回っているとのことであります。

 このほか、高齢化の進行で介護保険料が導入時の二倍になる自治体がある一方で、保険料が低い、あるいは減額した自治体では、高齢者の健康維持に力を入れていることも明らかになっております。

 かつて、県が健康立県を目指した南飛騨国際健康保養地構想は、結果的には実を結びませんでしたが、県民が健康で暮らすことは医療や介護に係る社会保障関係費を抑制していく上で極めて有効であり、構想の目指す方向性には間違いがなかったと考えております。現在、萩原町に自然治癒力や免疫力の向上を目的に、さまざまな健康法を楽しみながら実践・学習する南飛騨健康増進センターが地元住民主体で運営されており、県民の健康増進の拠点施設として一層の活用が望まれるところであります。

 また、県では、自分の健康は自分で守るという認識のもとに、家庭や地域、職場における自主的な健康づくりの機運を高めるため、自治会や老人クラブなど各種団体組織を活用し、健康情報の普及や指導のための知識や技術を持った地域の人材として、健康法実践リーダー一万人の養成を目指していたと記憶しております。現在、養成した人材はどのように活用されているのでしょうか。

 長野県の事例では、県民が積極的に健康づくりにかかわることが成功要因の一つとなっており、これまでに養成した人材を活用しつつ、現状に即した新たな仕組みづくりが必要と考えます。

 厚生労働省の調査によりますと、国内で緑茶を最も飲む静岡県民の健康寿命は、男女の合計で日本一であり、食習慣や地域の生活環境が健康づくりに寄与していることを示しております。

 本県は「清流の国ぎふ」の名のとおり、健康寿命の基礎となるおいしい空気、水、食が豊富にあります。健康で長生きすることは言葉ほどたやすくありませんが、県民みずからが健康増進に取り組み、本県が健康寿命日本一の健康立県になることを期待しております。

 そこで、知事にお伺いをいたします。

 人間が本来持つ自然治癒力の向上、健康寿命の延伸など、健康立県を目指した県民の健康づくりの推進への取り組みの強化について伺います。

 次に、子供の貧困対策における重点的な取り組みと子供の学習支援についてお伺いをいたします。

 二〇一三年に厚生労働省がまとめた国民生活基礎調査によりますと、我が国の平均的な可処分所得の二分の一を下回る世帯で暮らす十七歳以下の子供の割合を示す子供の貧困率は、二〇一二年時点で一六・三%と過去最悪を記録しております。これは、約六人に一人の子供が困窮していることになり、大きな問題となっております。

 また、この問題は、ひとり親世帯で特に深刻になっており、子供が塾に通いたくても通えないなど学習面で不利な状況に置かれているとされ、学力不足で高校進学を諦める、進学しても授業についていけずに中退する生徒が数多くあると聞いています。そして、貧困が学力の低下をもたらし、進学や就職にも不利に働いて、将来的に生まれ育った家庭と同じように経済的に困窮する、親から子への貧困の連鎖も指摘されているところであります。

 さらに、ひとり親がふえていることに加え、賃金が低い非正規労働者の増加が子供の貧困を押し上げていると言われております。子供の貧困は、親の収入がふえるなどして生活が安定しなければ、根本的な解決につながらないことから、親への支援も重要と考えます。

 こうした中、地域においても貧困に苦しむ子供たちへの支援が広まりつつあります。例えば、東京や東日本大震災の被災地では、NPO法人が市民センターなどを利用し、経済的に学習塾に行けない子供に大学生や社会人が無償で勉強を教える取り組みが行われています。

 現在、国では、国民の力を結集して全ての子供たちが夢と希望を持って成長していける社会の実現を目指し「子供の未来応援国民運動」を展開し、経済的に苦しい子供たちを支援する団体に助成する基金の創設など貧困対策に乗り出しており、子供の貧困問題に社会全体が関心を持つきっかけとなることが期待されております。

 子供の貧困問題は、単に経済的に苦しいといった問題ではなく、不登校や学力低下、虐待など子供の成長にマイナスの影響を与えます。そして問題を放置することは、将来の社会保障の担い手や労働力を失うことになることから、県においても部局横断的な施策の展開が必要と考えます。

 そこで、子ども・女性局長にお伺いいたします。

 県では、昨年度末に「第三次岐阜県少子化対策基本計画」を策定し、この計画を「都道府県子どもの貧困対策計画」としても位置づけ、困難を有する子供・保護者への支援を総合的に進めることとしておりますが、どのような分野に重点をおいて取り組まれるのでしょうか。また、経済的に苦しい子供の学習支援に具体的にどのように取り組まれるのか伺います。

 ここで第三回目の質問を終わります。



○議長(足立勝利君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 県民の健康づくりについて御質問がございました。

 駒田議員は、大変健康づくりに造詣が深い方でありますし、また、御自身の健康にも大変な注意を払っておられるということで、私もつとに見習わなければいかんと思っておるところでございます。

 そこで、県民の健康づくりでございますが、県民の皆様が心身ともに自立し健康的に生活できるとともに、累増する社会保障関係経費の抑制を図るということを念頭に、以下の二つの観点で進めてまいりたいと思っております。

 一つは、運動習慣の定着と食育の推進に取り組み、望ましい生活習慣を身につけるということでございます。

 まず、運動習慣の定着につきましては、競技スポーツに加え、日常的に気軽に運動できる軽スポーツやレクリエーションなどが効果的であると考えております。その点では、例えば、ぎふ清流国体の開催を機に、保育園や小学校、地域のイベントなどで取り入れられてきておりますミナモ体操、ミナモダンスは、大変覚えやすく、楽しみながらできる運動でございます。今後も、こうした運動が県民の日常的な運動習慣として定着するよう、普及活動に力を入れてまいりたいと思っております。

 また、平成二十八年度、来年度には、三十八種目、五万人が参加して行われる全国レクリエーション大会が本県で開催されることになっております。この大会を契機に、県民の皆様にさらにレクリエーションに楽しんでいただけるよう進めていきたいと思っております。

 次に、食育の推進につきましては、規則正しく、バランスが取れた食事をする食習慣を身につけていただくことが重要でございます。特に食塩の摂取量は、腎臓病、心臓病などの要因の一つである高血圧と関係が深いというように言われておるわけでありますが、一日八グラム以下という目標を掲げておるところでございますが、いまだ本県としては達成できていない状況でございます。こうしたことから、食生活改善推進員協議会など、関係機関とも連携をいたしまして、食育を通じた減塩対策に取り組んでまいりたいと思っております。

 二つ目の大きな柱が、生活習慣病対策の推進ということでございます。

 これまで、生活習慣病の発症予防策として特定健康診査や特定保健指導の啓発に努めてまいりました。また、新たな取り組みとして、本年度から、年々増加傾向にある慢性腎臓病への取り組みを強化するため、岐阜大学に寄附講座を設けております。この寄附講座により、かかりつけ医へのスキルアップ研修、腎臓専門医とかかりつけ医との医療連携の向上など、発症予防、あるいは重症化予防に努めてまいります。

 さらに、心疾患の予防につきましても、本格的に進めてまいりたいと考えております。まずは、医師や介護関係者、スポーツクラブの連携による運動を主体とする心臓リハビリテーションプログラムを開発するとともに、病院に限らず、スポーツクラブや介護施設など、住民に身近な場を利用して実践指導が行えるよう取り組みを進めてまいります。



○議長(足立勝利君) 危機管理部長 河合孝憲君。

    〔危機管理部長 河合孝憲君登壇〕



◎危機管理部長(河合孝憲君) 強靱な地域づくりの推進について三点お尋ねがございました。

 最初に、山岳遭難防止条例についてお答えをいたします。

 まず、その効果についてでございますが、条例を施行した昨年十二月からことし五月まで、半年間の北アルプスにおける登山届の提出者数は六千五百四十三人と、前年同期に比べ約二割増加しております。一方、この間の遭難件数は前年の十五件から九件へ、また死者数は八人から二人へと大幅に減少しております。

 山岳遭難は、気象条件などさまざまな要因から発生するものではありますが、登山届の提出促進、そして関係者と一丸となった普及啓発活動により、登山者みずからの事前準備の徹底や、安全登山に対する意識の向上が図られてきているものと考えております。

 次に、隣接県との連携、普及啓発などの取り組み強化についてお答えをいたします。

 現在、長野県、富山県と三県合同の連絡会議を設置し、山岳遭難防止のための啓発活動を連携して実施しており、今週末にも登山愛好家を対象にした安全登山セミナーを東京都内で開催いたします。

 また、長野県では、登山届け出の義務化に向けた条例の策定作業がいよいよ具体化の段階と伺っておりますが、今後は、登山届の提出促進に向けて、両県が連携し取り組んでまいりたいと考えております。

 一方、登山ルートごとの難易度を評価する山のグレーディング化を、県内の主要な山を対象に作業を進めているところであり、今後、そのPRも含め、隣接県等と連携した啓発活動を強化してまいります。あわせて、県単独で山岳専門誌への広告掲載や主要登山口でのPRなどにも取り組んでおりますが、さらに関係者の皆様と相談しながら、より効果的な山岳遭難防止対策に努めてまいります。

 最後に、「清流の国ぎふ 防災・減災センター」についてお答えをいたします。

 当センターは、実際に災害対応を行う県と、風水害や地震、災害医療等に関する先進的研究を行っている岐阜大学とが連携し、おのおのが持つノウハウを生かすことで、防災人材育成など防災・減災に係る実践的な活動を通し、地域防災力の強化を図ることを目的といたしております。

 このためセンターでは、これまで県で行ってきた災害図上訓練を近年の風水害の特徴等を反映させた内容に見直し実施するとともに、防災士など地域の防災リーダーの育成講座や、災害時に大きな役割を担う教員や観光事業者向けの講座を初め、さまざまな研修・講座を順次開催するなど、まずは地域の防災人材の育成に力を注いでおります。

 そして今後は、講座を受講された皆さんが各地域、職域で実際に活躍していただくことが重要であり、このため、センターにおいて、受講者それぞれが各地域で取り組む防災啓発、避難訓練指導などの活動を支援する仕組みを新たに整え、これを県内に広げていくことで、地域防災力の向上につなげてまいりたいと考えております。



○議長(足立勝利君) 子ども・女性局長 河野恭子君。

    〔子ども・女性局長 河野恭子君登壇〕



◎子ども・女性局長(河野恭子君) 子供の貧困対策における県の取り組みについてお答えします。

 昨年度策定した少子化対策基本計画では、子供の貧困対策として、教育支援、生活支援、保護者の就労支援、経済的支援の四つの分野に重点を置いて取り組むこととしております。

 教育支援については、奨学金の貸し付けや授業料以外の教育費負担を軽減するための奨学給付金の支給を行ってまいりました。一方、平成二十五年に県が実施した実態調査によれば、ひとり親家庭においては、子供についての悩みとして、進学の割合が最も高く、また、約七割が経済的理由により塾等を利用できないことがわかりました。ひとり親家庭の子供の高校・大学等への進学率が一般の家庭よりも低いことも踏まえ、今年度より、ひとり親家庭の子供に対して、教員OBや大学生等のボランティアにより教科指導を行う事業を新たにモデル事業として開始し、現在二十一人が利用しています。

 参加児童や保護者、ボランティアからの御意見を伺いながら、事業の実施効果の検証を行い、今後の事業の進め方について検討してまいりたいと考えております。



○議長(足立勝利君) 四十三番 駒田 誠君。

    〔四十三番 駒田 誠君登壇〕



◆四十三番(駒田誠君) 最後に第五点目で、地域経済の活性化についてとして、四つの項目をお伺いいたします。

 まず、北陸新幹線の延伸による県内観光交流人口の拡大についてであります。

 北陸新幹線の長野−金沢間が、三月十四日に延伸開業いたしました。報道によりますと、延伸から三カ月を経過し、金沢の兼六園、世界遺産の富山県五箇山集落など北陸地方の観光地では、首都圏からの旅行客が急増しており、延伸効果は絶大であります。

 県内におきましても、金沢駅からの直通バスのある世界遺産白川郷においては、延伸効果が出ていると推察されますが、飛騨古川や高山市、さらに南の下呂温泉においては、現在のところ目立った変化は見られていないと聞いております。

 金沢市や富山市から高山市までは、鉄道やバスなどでおよそ二時間の距離にあり、北陸新幹線の金沢延伸を契機に、首都圏から北陸へ向かう人の流れを、飛騨地域を中心に県内に呼び込むことは十分に可能であると考えます。そして、そのためには、広域観光に欠かせない鉄道やバスなど二次交通の充実が必要であります。

 私は、平成二十五年の第三回定例会においても質問しておりますが、JR高山本線では特急ひだ号が十本運行されていますが、北陸新幹線に接続する富山駅までは四本しか運行されておりません。北陸新幹線の延伸が現実になった今、飛騨地域の観光拡大には、列車の増発やスピードアップなど高山本線の強化が欠かせません。引き続き県による関係機関への働きかけを期待するとともに、アクセスの向上に向けた交通ネットワークの整備に取り組んでいただきたいと思います。

 また、今後は北陸地域を訪れる外国人観光客の増加も予想されることから、受け入れ環境の整備をさらに進める必要があります。

 飛騨地域には、高山市の古い町並み、下呂温泉、世界遺産の白川合掌集落など魅力ある観光資源に恵まれております。それら既存の観光資源を活用することに加え、地元消費の拡大に向けて、地域ならではの土産・特産品等の開発や、農業・自然体験など地域の日常の暮らしに着目した体験型観光の促進も考えるべきであります。

 そして、北陸新幹線の延伸開業効果を長期的に享受できるよう、連携を図りつつ、地域が互いに競争しながら、個々の観光資源の魅力をさらに磨き上げていくことが重要と考えます。

 そこで、知事にお伺いをいたします。

 北陸新幹線の延伸を契機として、二次交通の充実や広域連携、観光資源の魅力向上など、首都圏から北陸地方へ向かう観光客の流れを県内に呼び込むための取り組みの強化について伺います。

 次に、濃飛横断自動車道の整備推進について、お伺いをいたします。

 県が整備を計画している濃飛横断自動車道は、郡上市から下呂市を経由して中津川市を結ぶ延長約八十キロメートルの地域高規格道路であります。沿線は下呂温泉など日本有数の観光資源を有する地域でありながら、高速道路の空白地域となっております。このため、計画地沿線の住民の間には、生活圏の拡大や主要都市及び交通拠点へのアクセス改善とともに、中津川市から下呂市、郡上市を結び、東海北陸自動車道との接続により飛騨地域も含めた主要観光地を結び、県内広域観光を飛躍させる道路としても大きな期待が寄せられております。

 高速道路の整備は、沿線地域に大きなインパクトをもたらすとされ、現実に東海環状自動車道東回り区間では、工業団地開発と企業誘致が急速に進み、地域の活性化に大きく寄与しております。

 また、二〇二七年には、リニア中央新幹線「リニア岐阜県駅」の開業が決定しており、物流や観光誘客などリニア開業効果を一層高めるとともに、災害対策など国土の強靱化を進めるための県土の南北アクセス軸を形成する幹線道路として、濃飛横断自動車道は重要な役割を担うことになります。

 ぜひとも、県が二〇二〇年度の開通を要望している東海環状自動車道西回りルートとともに、早期の整備が望まれるところであります。

 この濃飛横断自動車道は、岐阜県リニア中央新幹線活用戦略において、二〇二七年度までに整備する第一次整備計画道路として、木曽川の手前までの約五キロメートルの整備が予定されております。

 しかしながら、木曽川美恵橋以北につきましては、リニア開業後の状況を見ながら整備する第二次整備計画道路に位置づけられており、下呂市に至る全体のルートは明らかになっておりません。リニア岐阜県駅との接続も重要でありますが、東海北陸自動車道につながる環状自動車道として整備されてこそ、その効果を最大限に発揮できると考えます。

 私は過去の県議会において同趣旨の質問をしてまいりましたが、濃飛横断自動車道の整備は県全体にとって重要な課題であり、県政発展の鍵になるとの強い信念のもと、改めてお尋ねするものであります。

 そこで、濃飛横断自動車道の全線開通に向けた今後の整備の考え方について、県土整備部長にお伺いいたします。

 次に、次期県農業・農村基本計画の策定について、お伺いをいたします。

 国では、飼料用米の生産拡大、担い手への農地集積、農業・農村所得の増大など、農業や食品産業の成長産業化を促進する産業政策と構造改革を後押ししつつ、農業・農村の多面的機能の維持、発揮を促進する地域政策を両輪とする新たな食料・農業・農村基本計画が三月末に閣議決定されました。

 都市部に先駆けて高齢化や人口減少が進んできた農村部では、今後高齢者のリタイアと農業就業者の減少により、地域によっては次世代への農業経営や技術等の伝承が途絶えてしまうおそれがあります。また、集落の人口減少等が進む中、農地・農業用水など農業生産基盤の喪失や生活に必要な社会基盤の崩壊も懸念されております。さらに、野生鳥獣による被害の拡大など、中山間地域を中心に直面する課題も多様化、深刻化が進んでおり、本県においても例外ではありません。

 農業の成長産業化に向けて、昨年度から開始されました農地中間管理機構による担い手への農地の貸し付けにおいて、本県の導入初年度の実績は、目標の三四%となり、全国的には高い水準を示した一方、中山間地域は全体の一二%にとどまっております。今後は、地域の実情に即した取り組みの強化が求められております。

 また、環太平洋戦略的経済連携協定−−TPP−−交渉においては、交渉内容が判然としないままに妥結されることについて、現場の生産者からは、農業経営の将来に対する不安の声が上がっております。そして、主要農産物における関税削減は、県経済に大きな影響を及ぼすことも予想されます。

 現在、県では今年度末に期限を迎える「ぎふ農業・農村基本計画」の改定を検討しているとのことでありますが、現在、県の農業・農村が抱える課題を的確に捉え、農業者や関係団体の意見を十分に踏まえた上で、県農業の成長産業化、農山村振興につながる取り組みの方向性を明確に示す必要があると考えます。

 そこで、次期「ぎふ農業・農村基本計画」策定の基本的な考え方とスケジュールについて、知事にお伺いをいたします。

 最後に、全国農業担い手サミットの開催準備と担い手育成の機運の醸成について、お伺いをいたします。

 本県におきましては、農業就業者の減少とともに高齢化が進んでおり、新規就農者の確保は、本年度策定予定の次期「ぎふ農業・農村基本計画」においても重要な課題の一つとなります。

 現在県では、昨年度から三年間で農業の担い手を千人ふやす「担い手育成プロジェクト一〇〇〇」に着手しております。その一環として、海津市に設置した岐阜県就農支援センターにおいて、冬春トマトの就農者育成研修が開始され、先ごろ、第一期研修者四名が研修期間を終了し、農業の担い手としての第一歩を踏み出したところであり、プロジェクトが着実に進みつつあると認識しております。

 このような中、プロジェクトの最終年度に当たる来年秋には、全国の意欲のある農業の担い手が一堂に会し、相互研さん・交流を行う第十九回全国農業担い手サミットが開催されることが決定しております。

 農業の担い手育成は、農業者を含めた関係者が共通の認識を持ち、一丸となって取り組むべき課題であります。サミット開催を意義あるものとするためには、県全体でいかに機運を盛り上げていくかが重要となります。

 そこで、農政部長にお伺いします。

 全国農業担い手サミットの開催の準備は、どのような状況でしょうか。また、サミットの開催に向けて、どのように担い手育成の機運を醸成していくのか、伺います。

 以上、県政全般にわたり、質問をさせていただきました。御清聴ありがとうございました。

    (拍手)



○議長(足立勝利君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 地域経済活性化という観点から、二点、お尋ねでございます。

 一つは、北陸新幹線の延伸による県内観光交流人口拡大に向けた取り組みということでございます。

 おふれになりましたように、北陸新幹線は、首都圏から本県へのさらなる誘客が期待できる新たなアクセスとして、大いに活用していきたいというふうに考えております。

 飛騨地域の五月の観光入り込み状況でございますが、高山市街地、飛騨古川、白川郷などの主要地点で前年を上回っておりまして、好調を維持しております。そのほかに、北陸からの高速バス利用者が対前年比で大きく増加しておりまして、北陸経由の入り込み客が着実にふえつつあるということでございます。そうした中で、先月、愛称変更により開通いたしました白山白川郷ホワイトロードの利用も大いに期待されるところでございます。

 北陸からのさらなる入り込み客の増加に向けましては、二次交通の充実が重要な課題でございます。金沢、白川郷、高山、松本をめぐる東西ルートにおきましては、バスの運行本数が増加するなど、好調に進んできております。しかしながら、一方で、富山、高山、下呂、美濃地域をめぐる南北ルートでは、高山本線の利便性向上が課題となって残っております。

 これまでにも、JRに対して、岐阜・富山両県から、特急ひだの増発、乗り継ぎ利便性の高いダイヤ改正などを要望してきておりますが、JR側からは、JR各社間のダイヤ調整の難しさ、あるいは経営的な判断を理由に、もう少し乗客の流れの変化を見きわめたいといった慎重な回答が続いております。県としても、利用状況を独自に調査するとともに、利便性向上による誘客効果について、粘り強く主張してまいりたいと考えておるところでございます。

 他方、首都圏におきましては、旅行会社の販売員でさえも、金沢・富山から飛騨が至近距離にあることを知らない人が少なくないといった現状もございます。このため、県としては飛騨地域三市一村と共同で、JR東日本管轄の店舗における飛騨エリアの旅行商品の販売、首都圏電車内でのポスター掲示等、首都圏でのPRを一段と強化してまいります。

 また、知事レベルでの協議も含めまして、北陸地域は飛騨地域との連携強化に大変意欲的でございます。本県としても、これらの地域とともに誘客を強力に進めたいと思っているところでございます。

 例えば、本年九月に東京で開催されます世界最大級の旅の祭典「ツーリズムEXPOジャパン」、あるいは、首都圏観光物産展等では、北陸隣接県と相互乗り入れで出展をすることを考えております。

 また、本年十月から十二月にかけての北陸三県やJRグループが行います「北陸デスティネーションキャンペーン」でございますが、この中でも「北陸プラス飛騨」ということで、一体的に誘客を図ってまいることとしております。

 さらに、今後は、地域ならではの体験メニューや御当地グルメにスポットを当てていくことにより、観光客に本県に長く滞在していただけるような工夫が必要であります。既に飛騨エリアには自然体験のほか、里山サイクリング、レールマウンテンバイクなどといったメニューが用意されております。また、グルメにつきましても、地元で人気の郷土料理など、首都圏では必ずしも十分知られていない逸品が数多くあるわけでございます。

 これら体験型メニューと一級の観光資源を組み合わせ、本県の魅力をパッケージで紹介してまいりたいというふうに考えております。

 次に、次期岐阜県の農業・農村基本計画についてでございます。

 現在、TPP協定交渉の行方が注目される中で、国の農業政策の改革が進むなど、我が国の農業は今、大転換期にございます。

 そうした中にありまして、本県では、農業就業者の減少と高齢化が急速に進展し、担い手不足がまことに深刻になってきております。また、農家一戸当たりの農業所得は、全国平均の四三%ということで、農業による収入はとても十分とは言えないわけであります。さらに、農村地域では、鳥獣害あるいは耕作放棄が深刻化するとともに、農業用施設の老朽化も進展し、営農環境だけではなしに生活環境の悪化も懸念されております。

 こうした課題に対して、次期「ぎふ農業・農村基本計画」策定に当たりましては、以下の三つの観点で対応してまいりたいと考えております。

 まず一つ目は、担い手づくりでございます。

 急激な担い手の減少に対応するため、県では、例えば海津市にトマトの就農支援センターを開設するなど、「担い手育成プロジェクト一〇〇〇」を進めております。今後さらに、これまでのイチゴやトマトに加えまして、柿やクリなど地域特産品についても、就農研修拠点の拡大や就農者の定着支援強化に取り組んでまいります。

 二つ目が、売れる農畜水産物づくりでございます。

 「清流長良川の鮎」の世界農業遺産認定を目指す取り組みを契機に、漁獲量全国第一位の鮎王国復活に取り組んでまいります。また、岐阜県花きの振興に関する条例の制定、花フェスタ二〇一五ぎふの成功を契機に、本格的な花卉の振興にも取り組んでまいります。さらに、飛騨牛やアユ、富有柿など本県が誇る農畜水産物の輸出について、アジア地域に加え、EUやイスラム圏諸国へも拡大してまいります。加えて、飛騨・美濃伝統野菜など特色ある食材や、郷土料理、伝統食などの地域の食資源を掘り起こすとともに、六次産業化も進め、魅力的な「食」の開発に取り組んでまいります。

 三つ目は、住みやすい農村づくりでございます。

 現在、農村における買い物や燃料の給油、交通手段の確保などが、重要な課題となっております。こうした農村での生活上必要な機能とその拠点をどのように維持ないし集約するかについて、具体的な対策を検討してまいりたいと考えております。また、年々増加しております都市部からの移住の受け皿として、都市との交流を進めるグリーン・ツーリズム、六次産業化の推進による新たな就業機会の創出などにも努めてまいります。

 このほか、農山村にとりまして、現在、喫緊の地域課題となっております鳥獣害対策にも一層力を入れてまいります。

 以上、申し上げました方向での基本計画の内容は、現在策定中の「清流の国ぎふ」創生総合戦略にも反映させていくとともに、九月議会で骨子案を御説明させていただく予定でございます。

 そして、市町村、農業団体等関係者からも幅広く御意見を伺った上で、年度内に議案として議会に提出させていただくとしておりますのでよろしくお願いいたします。



○議長(足立勝利君) 農政部長 若宮克行君。

    〔農政部長 若宮克行君登壇〕



◎農政部長(若宮克行君) 全国農業担い手サミットに関連して、二つの御質問がございました。

 まず、サミットの開催準備についてですが、このサミットを、県内の農業者、関係団体が運営の主体となり、全国の担い手との情報交換を通じ、経営の相互研さんや交流を深める意義ある大会にしたいと考えております。

 そのため、本年二月、県内の担い手千人が一堂に会し、キックオフイベントを盛大に開催し、大会の成功を誓いました。また、五月には、指導農業士や女性農業経営アドバイザーなど、担い手で構成する実行委員会を設立したところです。

 現在、この委員会において、メーン会場となる岐阜メモリアルセンターでの開催行事の内容や、岐阜県ならではの演出について検討しております。また、全国からお越しいただいた方々と膝を突き合わせて意見交換できるよう、県内各地域での現地研修会の開催、地域の特色を生かしたおもてなしなどについて検討しているところです。

 次に、機運の醸成についてお答えします。

 「担い手育成プロジェクト一〇〇〇」の推進を通じ、県農業の将来を担う新規就農者育成の重要性が、農業者はもとより、市町村、農協などに浸透しつつあると感じております。

 例えば、県が海津市に設置した就農支援センターをモデルとして、農協主体のトマト研修施設が今年度、飛騨市で開設され、来年度、郡上市、下呂市で予定されています。また、今年度中に全県下で、県、市町村、農協、農業者で構成し、就農の相談から定着まで支援する地域就農支援協議会を設置することとしております。

 こうした中、サミットを開催し、農業者が運営に携わり、地域の課題や将来のあり方を考えていただくとともに、みずからが仲間づくりや次代を担うリーダーの育成に取り組んでいただくことが担い手育成の機運を一層高めることにつながると考えております。



○議長(足立勝利君) 県土整備部長 高木善幸君。

    〔県土整備部長 高木善幸君登壇〕



◎県土整備部長(高木善幸君) 濃飛横断自動車道の全線開通に向けた今後の整備の考え方についてお答えします。

 濃飛横断自動車道は、現在、和良−下呂間八・一キロメートルの整備を進めており、今年度中に完成する予定です。本区間の完成により、下呂市から郡上八幡インターチェンジへのアクセスが、約七十五分から五十分へと大幅に短縮されることとなります。

 また、リニア岐阜県駅へのアクセス道路と位置づけられた中津川工区五キロメートル区間について、リニア開業を見据えた整備を行うため、現在、都市計画決定の手続を進めています。

 県としましては、濃飛横断自動車道は、全体計画区間が約八十キロメートルと長く、多額の事業費が必要となるため、整備効果の高い区間から順次整備を進めており、和良−下呂間の完成後は、中津川工区の整備を優先したいと考えています。

 その他の区間につきましては、当面、既存の道路を活用することとしていますが、道路の利用状況や沿線の地域づくりの状況、県の財政状況などを考慮しながら、今後、整備について検討してまいります。



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○議長(足立勝利君) しばらく休憩いたします。



△午前十一時四十四分休憩



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△午後一時再開



○副議長(森正弘君) 休憩前に引き続き会議を開きます。



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○副議長(森正弘君) 引き続き一般質問並びに議案に対する質疑を行います。二十一番 太田維久君。

    〔二十一番 太田維久君登壇〕(拍手)



◆二十一番(太田維久君) 議長のお許しをいただきましたので、県民クラブを代表しまして質問をさせていただきます。

 四月の改選を経ました。県民クラブは生活者の立場、働く者の視点、女性の視点、弱い立場にある方々の視点を大事にしながら議案について討議し、政策を提言させていただきたいと思います。そして、開かれていて県民が参加しやすい県議会のための議会改革にも力を入れ、県議会を身近なものにするために努めていきます。

 日本の地方自治は二元代表制であります。本来、知事与党とか知事野党とかはありません。私たち県民クラブは県民の福利を第一に判断し、知事の背中を押すときには押し、ちょっと待ってくださいということも申し上げるという、是々非々の立場で臨んでいきたいと思います。

 それでは質問に移らせていただきます。

 最初に、地方創生、岐阜県版総合戦略に関してお尋ねをします。

 既に前々回、前回、午前中の代表質問などでもこのテーマでの質疑がありました。

 現在、政府は人口減少と地域経済の縮小を克服すべく、自治体を巻き込んで地方創生に取り組んでいるとしています。今年度は平成二十六年度補正予算を含めて、実に一兆円を超える予算がこのために用意されています。また、国の総合戦略に基づいて地方版総合戦略がつくられ、今後五年間に国、地方合わせて数兆円の予算がこのために投入されるということになります。人口減少の歯どめ、一極集中の是正、地域経済縮小の克服と地方創生の目的はもっともなことですが、多額の税金が投入されるだけに、今回の代表質問でもこのテーマを取り上げたいと思います。

 昨年秋に「まち・ひと・しごと創生本部」が立ち上がり、「まち・ひと・しごと創生法」が成立し、国の総合戦略が閣議決定されました。

 本県においても、県民の代表者で構成する「ぎふ創生県民会議」が立ち上げられ、各地の自治体でも同様の取り組みが進められてきました。今後、人口ビジョンと「清流の国ぎふ」創生総合戦略を正式に策定することになっています。

 また、先駆的な自治体の事業を選んで国が支援をするという地方創生先行型上乗せ交付金のタイプ?として、ことし秋には全体で三百億円が用意されます。これについては、都道府県当たり三億円から五億円、市町村当たり三千万円から五千万円が交付されるということです。交付対象となる事業分野は、人材の育成・確保、地域資源ブランド化、地域の観光資源の開発、コンパクトシティ、国土交通省が言う小さな拠点づくり、プレミアム商品券などと連携した地域商品開発などがあります。各事業は、事業の仕組みや先駆性の有無などを勘案の上、外部有識者によって審査されるということです。自治体当たりの交付額は少ないかもしれませんが、各自治体による創意工夫を凝らした取り組みに期待をしたいところです。

 とはいえ、地方創生には幾つもの疑問や課題があります。例えば、看板のかけかえの事業が多いこと。国会における指摘では、実に八五%がかけかえの事業であるという指摘もありました。また、既に自治体が自主的に実施をしている事業との重複が多くあること。その一方で、取り組む事業の枠を国がつくったことで、自治体がやりたくてもできない事業が出てくるおそれがあること。さらに、財政が厳しいことには変わりがないので、既存の施策との整理統合を進め、将来的な負担も十分考慮しないと、後々財政悪化につながりかねない点などが指摘をされています。また、国全体の人口の減少が進む中、住民にとって痛みを伴わないような魅力的な事業が乱立すると、自治体間の「ひと」の取り合いとなるとともに、人気取りの政策を招き、将来の財政悪化につながるおそれがあるということも指摘をされています。

 そして、何より住民が地方創生に関する議論や事業に参画する機会が乏しいといった問題があります。地方版総合戦略についても、規模の比較的小さな自治体などでは、その策定をコンサルタントに丸投げをするおそれがあるとの指摘もあり、本当に住民意見が総合戦略に反映されるのか危惧されます。真に地域に根差した地方創生を進めるのであれば、総合戦略を策定する段階から各地域でタウンミーティングなどを開催するなどして住民の意見を丁寧に聞き取り、それらの意見を総合戦略に反映させていくべきでしょう。

 以上のような課題はありますが、地方創生の目的の「人口減少と地域経済の縮小を克服しよう」というのはもっともなことであると思います。これから多額の税金を投入して各種の事業を行っていくわけですから、地方創生の目的が達成されているかどうかを厳しくチェックをしていく必要があると思います。

 総合戦略の政策五原則の中には、結果重視という文言が盛り込まれています。短期・中期の政策目標を設定し、地方版総合戦略の進捗を検証、具体的には重要業績評価指標−−KPI−−により政策の進捗を検証し、改善を行う仕組みであるPDCAサイクルを構築するということですので、県としても事業の評価をしっかりと行っていくことが強く求められます。

 そこで、知事にお尋ねします。

 まず、地方版総合戦略の策定に当たって、県民各地域の多様な意見をどのように、どの程度反映させていくのでしょうか。そして、総合戦略を県民に理解していただくために、県としてどのような取り組みをされるのでしょうか。

 次に、これからのタイプ?と言われる交付金事業について、国の有識者審議会は先駆的な事業を選ぶということですが、岐阜県はどのような方針で、どのような目的の事業を申請するのでしょうか。

 そして、この総合戦略にかかわる事業の検証をどのように行うのでしょうか。また、事業の検証結果を踏まえ、戦略の変更を行うのでしょうか。

 ここで一回目の質問を終わります。



○副議長(森正弘君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 地方創生について、三点お尋ねがございました。

 午前中の御答弁と若干重複するところもあろうかと思いますが、まず県民意見の反映と説明ということでございますが、日本創成会議が発表しました「ストップ少子化・地方元気戦略」、いわゆる増田レポートによって人口減少社会到来への危機感が全国的に高まったのは昨年のことでございます。

 本県にありましては、既にこれに先んじること六年、平成二十年度には人口減少を大きな課題として位置づけ、県民の皆さんと大いに議論し、向こう十年間の県政の歩むべき道を岐阜県長期構想として取りまとめ、一昨年度にはその中間見直しも行ったところであります。

 さらに、昨年八月には、これまでの取り組みを踏まえ、地方創生に向けた新たな施策に対する御意見をお聞きすべく、県内の産業界、教育機関、労働団体等の代表者の方々から成る「ぎふ創生県民会議」を設置した次第でございます。この県民会議での御議論を踏まえて、昨年八月末に開催されました安倍総理主催の有識者会議では、私のほうから本県の地方創生に向けた取り組みを御紹介しつつ、今後のあるべき政策の方向について御意見を申し上げたところでございます。さらに、本年二月に入りまして、岐阜県版の総合戦略の暫定版をまとめたところでございます。

 御質問の、県の総合戦略に対する県民意見の反映ということにつきましては、これまで、先ほど申し上げました「ぎふ創生県民会議」に加えて、県下四十二市町村連携会議、飛騨三市一村連携会議、さらには、県下市長、町村長との意見交換会などさまざまな形で開催をし、御意見を伺ってきております。

 今後、十月末を目途に作業をしております総合戦略の最終版の策定に向けまして、暫定版をお示ししつつ、さらに盛り込むべき具体的政策について、各方面から御意見を伺ってまいりたいと思っております。

 例えば、今後の岐阜県の政策を定める岐阜県森林づくり基本計画、あるいは、ぎふ農業・農村基本計画といった各政策分野における議論の中でも、地方創生の視点を踏まえた御意見を伺ってまいりたいと考えております。

 加えて、ちょうど本日からホームページ上で御意見を募集するなど、広く県民の皆さんからの総合戦略暫定版や本県の人口ビジョンに対する御意見も頂戴してまいります。

 次に、交付金に関しての御質問でございますが、いわゆる上乗せ交付金分につきましては、国制度要綱によりまして、人材の育成確保、観光資源の開発、魅力ある地域商品の開発を行う事業などが対象にされております。

 そして、事業採択に当たりましては、外部有識者が審査することとされておりますが、他の地方公共団体にも参考となるべき事業であることが重要な評価材料になるというふうに言われております。

 私としては、一段と進行する人口減少下の社会にあって、地域の活力を維持するとともに一定レベルの行政サービスを提供していくためには、さまざまな主体が連携し、さらには補完し合うことが特に有効かつ必要不可欠であると考えております。したがって、上乗せ交付金につきましても、地域連携をキーワードとして、本県の申請事業を検討しております。

 例えば、飛騨圏域三市一村が観光・移住・定住の面で共同で取り組むなど、複数の市町村による連携プロジェクトがあります。また、本県が内外に誇るべきブランドである関ケ原古戦場やかかみがはら航空宇宙科学博物館の再活性化のように、市町村と県との連携も考えられます。また、富山県とのドクターヘリの共同運航や北陸新幹線延伸を契機とした北陸三県との広域観光戦略の取り組みのように、医療や観光に関する県域を超える連携もございます。

 こうしたさまざまな主体と連携した取り組みを上乗せ交付金の申請対象とする方向で、現在、市町村や民間事業者、他県等との間で具体的な内容について詳細を検討・調整しているところでございます。今後、八月三十一日の事業計画書提出期限までに、しっかりとした計画を策定してまいりたいと思っております。

 最後に、総合戦略の検証と戦略の変更についてでございます。

 地方創生は、本格化する人口減少問題に向けた対策として、腰を据えた息の長い取り組みが必要であり、今回の総合戦略は、まずその始まりの五年間にどのように取り組むかを明示したものでございます。

 御指摘にもありましたように、これを進めるに当たっては、国の示した「まち・ひと・しごと創生政策五原則」においてPDCAサイクルのもとに数値目標を設定し、政策効果を客観的な指標により検証し、必要な改善を行うこととされております。

 本県としてもその趣旨にのっとり、五年間にわたる総合戦略の期間中、毎年検証を行い、必要な改善を進めるとともに、長期的な視点から五年間の次のステージ、またその次のステージと継続して息長く取り組んでいく方針であります。

 また、こうしたプロセスについては透明性を確保することが重要であり、事業の検証・評価に当たっては「ぎふ創生県民会議」を初め、広く県民の皆様の御意見を頂戴してまいりたいと考えております。



○副議長(森正弘君) 二十一番 太田維久君。

    〔二十一番 太田維久君登壇〕



◆二十一番(太田維久君) ありがとうございました。

 続きまして、高齢化社会への課題の対応についてお尋ねをします。

 人口減少社会、消滅可能性都市、昨年公表されて全国的に波紋を呼んだ増田レポート、日本創成会議の第二弾となる提言が先月公表されました。新聞やテレビでの報道のほかに雑誌・中央公論の七月号には特集として詳細な記載がありますので御存じのことと思います。今回の提言では、逼迫する東京圏−−東京、神奈川、千葉、埼玉の一都三県の介護基盤と人材を予測し、高齢者の地方移住を提言しており、再び注目を集めています。

 第一回の提言でも、既に東京圏の医療・介護の需要がこの先も高まり続けることが指摘をされていました。今回の提言では、東京圏の介護サービス利用者が、今後十年間で、つまり二〇二五年までに四五%も増加。これは全国的な傾向で、介護サービス利用者は二〇二五年までに百六十八万人増加、二〇四〇年までに三百十三万人増加すると推計をしています。東京圏の高齢化と医療・介護の基盤・人材の課題が全国に波及するとの推測です。介護施設や高齢者住宅の受け入れ人数は、現状でも東京二十三区部では大きく不足していることから、周辺の県に移る高齢者がいますが、二〇二五年には東京二十三区部だけでなく、埼玉、神奈川、東京都の多摩地区でも一斉に介護施設の収容能力がマイナスになると推計しています。医療については、現在でも埼玉、千葉、神奈川では急性期医療については全国的にも低い整備水準であり、このまま高齢化がさらに進むと、高齢者の肺炎や骨折などの急性期医療を中心に医療不足が深刻化するおそれがあると指摘をしています。

 一方、医療・介護の人材については、二〇二五年度には医師、看護職員、介護職員など七百四万人から七百三十九万人が必要と見込まれ、二〇一一年に比べて一・五倍程度の増加が必要とされており、特に東京圏では単身の高齢者が多いことなどから、介護人材がより必要になると指摘されています。こうした事態が進めば、地方から東京圏への医療・介護の人材移動に、より拍車がかかるおそれがあります。

 これらの事態への対策として、医療・介護分野の構造改革、例えばICTやロボットのさらなる導入や規制緩和などでの人材の効率的な活用、高齢者の集住化などを提言していますが、岐阜県初め地方にとってとりわけインパクトがあったのが、東京圏の高齢者が希望に沿って地方に移住できるようにするという提言だと思います。

 具体的には、全国三百四十四の二次医療圏−−つまり複数の市町村を単位にして各都道府県に複数設けられているもの−−この二次医療圏ごとに各地の医療・介護の基盤整備の状況と受け入れの余力を評価し、四十一の地域、二次医療圏を余力がある地域としています。全体的に見ると、首都圏や岐阜県を含めた東海地区ではこの四十一の地域に該当するところはなく、北海道、東北、北陸、四国、山陰、九州の中核市で該当しているところが多くなっています。

 こうした具体的な地域を列挙しての地方移住の提言には批判の声もあります。東京圏の高齢者を地方に押しつけるものになるのではないかとか、本当に地方に必要な政策は元気な若者をどう維持しふやしていくかということだとか、高齢者を受け入れるにもさらなる介護基盤・人材の充実をしなければならず、財源が不安であるなど。

 今、国が進めようとしている地域包括ケアシステムは、全国の市区町村でさまざまな取り組みがありますが、基本は高齢者を地域が支えるものです。その望ましい姿は、高齢者を施設だけ、家庭だけで支えるのではなく、施設も家庭もボランティア初めネットワークも含めた地域の総力を結集し、医療や介護、介護予防、生活支援が一体的に提供されるものです。

 実際に、地域によっては介護保険制度外のサービスとして、地域住民で組織される団体がやがてはみずからが支えられる側に回ることも考えながら支え合い活動を行っている事例もあります。そう考えますと、高齢者をこれまで暮らしてきた地域と切り離し、地方で将来を送ってもらうというあり方とは矛盾をするものです。

 しかしながら、人口動態の推計、特に東京圏や名古屋都市圏でも急速に高齢化が進み、医療や介護の資源が不足する予測を考えれば、これらの提言は批判や反発だけでは済まない問題です。岐阜県内の二次医療圏がさきの四十一の地域に該当していないからといって避けることなく、また地域包括ケアシステムのあるべき姿を考えながら、岐阜県でも研究し、課題として取り組むべきことと思います。

 そこで、知事にお尋ねします。

 東京圏の高齢者を地方が受け入れることについて、御所見はいかがでしょうか。また、知事会などではどのような議論をされるおつもりでしょうか。

 そして、健康福祉部長にお尋ねします。

 これからの介護をフォローする制度外サービスとしての地域支え合い活動の優良事例を県内に広く普及させる必要がありますが、県としてどのように取り組んでいかれるのでしょうか。

 三つ目に、続きまして、さきの高齢化の質問とも関連するのですが、地域医療の課題についてお尋ねをします。

 人口減少、少子・高齢化の進展や格差の拡大といった社会経済情勢の急速な変化など、医療制度を取り巻く環境の変化は激しく、その持続可能性も危機的な状況に直面していると思います。高齢者医療費のさらなる増大が見込まれる中で、その多くを負担する現役の労働力人口は一九九八年をピークに減少しています。増加する医療費を誰がどのように負担するのかは大きな課題になります。国は社会保障制度改革プログラム法に沿って順次改革を進めようとしています。

 昨年度、医療・介護総合確保推進法が制定されました。この医療・介護総合確保推進法にかかわる質問は昨年十月の代表質問でも行っています。その際には二〇二五年問題として指摘をいたしました。十年後、団塊の世代が七十五歳以上になり、この時点で三人に一人が六十五歳以上、五人に一人が七十五歳以上になるという、医療・介護のニーズが増大し、現在のままでは対応できないという問題です。この問題に対処するために、国としての方向性も出てきました。こうしたことから、今後の医療・介護のあり方に関しての重要なテーマでありますので、再度取り上げたいと思います。

 この法律では、病院完結型から地域完結型への転換を進め、その第一歩として地域包括ケアシステムを構築するとしています。そして、病床機能報告制度の創設と、それに基づく地域医療構想の策定、都道府県の医療介護事業のための新たな基金の創設などが定められました。これらの取り組みのうち、地域の病院の病床を高度急性期・急性期・慢性期・回復期と、機能によってどれだけ必要であるか検証をするという病床機能報告制度については、昨年度から取り組まれていまして、この病床機能報告制度をもとに、二〇二五年度を見据えた二次医療圏ごとの医療のあり方を示す地域医療構想の策定を初め、本格的な取り組みが今年度から進められております。こうした策定に当たっては、いわゆる協議の場となる調整会議が二次医療圏ごとに設けられることになっており、医療関係者を初め、さまざまな立場の人たちを入れて課題を抽出し検討することが求められています。国は地域医療構想の策定に当たって、住民への周知と意見反映としてタウンミーティングの開催も例に挙げて促しています。

 また、総務省はことし三月三十一日に新たな公立病院改革ガイドラインを公表しました。これまでも公立病院については、改革ガイドラインでもって経営の効率化、再編・ネットワーク化、地方独立行政法人など経営形態の見直しが提示されていました。今度の新改革ガイドラインでは、これらに加え、地域医療構想を踏まえた役割の明確化が新たに加わりました。そして、急速に進展する人口減少や少子・高齢化の中で求められる医療に対応するために、一層の改革を継続することが求められています。

 こうしたことに基づいて、公立病院を運営する自治体では、来年度までかけて新たな公立病院改革プランを策定することになっています。この中では、地域医療構想を念頭に置いて、医療機能の仕分けと連携の推進、在宅医療などを強化することが求められています。病床機能の実態をもとに、地域によっては救命救急の病床を減らしたり、自治体立の病院や日赤、大学病院や厚生連といった公立に準じる病院、また私立の病院など経営形態の異なる医療機関の間での再編・ネットワーク化も議論に上る可能性があります。そして、その中では現在も地域や診療科によって不足・偏在が指摘されている医師・看護師について、医療のニーズが一層高まる時代に対応できるかという重いテーマもあります。県民の生活に直結する課題であるだけに、適切な民意の反映が求められます。

 一方、数年来議論され続けてきた国民健康保険の財政運営主体の問題についても、社会保障改革プログラム法などに基づき都道府県が責任主体となることになります。国民健康保険が抱える財政上の問題の解決を図り、国・都道府県・市町村による医療費の支え合いの強化と、都道府県・市町村の適切な役割分担による保険者機能の強化によって安定運営を可能にすることを目指していて、二〇一八年四月実施に向けて、これもさまざまな準備が進むことになります。

 国民健康保険に関しては、都道府県はこれまで果たす役割は限られていましたが、財政運営の責任主体とされることに加え、標準保険料率の設定や市町村ごとの分賦金の決定、調整や事務の効率化、広域化など多くの役割を果たすことが求められています。市町村はこれまでの徴収業務、保健事業に加え、地域包括ケアシステムにも関与していきます。また、市町村など県内の保険者が共同で設立をしている国民健康保険団体連合会についても、診療報酬の審査支払い業務を初め重要な事務業務を担っていきますので、県としても市町村、国民健康保険団体連合会との一層の連携が求められます。

 今後の社会保障制度の中核となる地域包括ケアシステムの実現に向けて、病院完結型の医療から在宅医療への転換が進められる中、これまで述べてきたように、県においては医療費適正化計画と地域医療構想との整合性を図りながら、今後の社会保障制度の中核となる地域包括ケアシステムの実現を図ることになります。効率化を図りつつも、医療の質的な低下を招くことのないように、地域事情を踏まえた改革が求められます。

 そこで、健康福祉部長にお尋ねします。

 まず、地域医療構想について、医療の質的な低下を招かないためにも、県民の幅広い意見を聞きながら反映していく必要があると考えますが、どのようにされるのでしょうか。

 そして、この中で、現在の地域的な偏在を踏まえ、医師・看護師の確保と育成をどのようにお考えでしょうか。

 そして、国民健康保険の都道府県単位化について、財政的・事務的な新たな責務と市町村がこれまで担ってきた保健事業の今後について、県としていかに取り組んでいかれるのでしょうか。

 四つ目のテーマです。

 障がい者支援にかかわる課題をお尋ねします。

 山口県下関市の障がい者施設で、通っていた知的障がいのある男性を虐待したとして、この施設の職員だった男が暴行の疑いで山口県警に逮捕された事件がありました。容疑者と思われる男が、障がいのある男性に暴言を浴びせながら胸ぐらをつかんだり平手打ちにするビデオ映像がニュースなどでも何度も報道され、広く衝撃を与えました。

 二〇一三年秋に障害者虐待防止法が施行され、障がい者福祉施設などでの虐待の防止、虐待を察知した場合の通報が義務づけられましたが、この事件を初め、ことしになっても施設で障がい者を虐待していたという事件が報じられています。先日も京都府内の入所施設で男の子が職員に脅迫を受けたとして調査をされたケースや、青森県内の放課後等デイサービス事業所で女の子が性的な虐待を受けたとして調査されたケースが報道されていました。さきの下関市のケースでは、別の職員も虐待に加わっていたとの疑いもあり、問題が広がっていたことが伺われます。

 厚生労働省が昨年公表した調査によりますと、家族や福祉施設の職員から暴行や暴言、放置などの虐待を受けた障がい者が二〇一三年度に全国で二千二百六十六人に上り、うち三人が死亡しているということです。また、同じ年に職場で虐待を受けた障がい者が三百九十三人いたと発表されていることから、被害者は合計で二千六百五十九人になります。これらのおよそ七割が家族からの虐待被害ということですが、本来障がい者を支援するはずの施設での虐待も根絶されていないことが明らかになっています。

 障がい、特に知的な障がいの場合、他の人に意志表示をしにくいという方もいるということです。虐待が発生したと思われても、被害を言葉で伝えられず、虐待があったと判断できないという大阪府堺市で係争中の事案もありました。

 一方で、支援者側の課題として、暴力はともかく善意で指導したというつもりでも、それが現代の人権感覚からすれば問題とされるような事例もあると思われます。

 私も、障がい者支援ではないのですが、他のカテゴリーの福祉施設において、支援者側の言葉の暴力ではないかと思われるケースの相談を受けたことがあります。支援者に対するしっかりとした人権感覚の育成と障害者基本法、障がい者権利擁護、障害者虐待防止法、障害者差別解消法に基づいた研修が一層必要と思われます。

 高齢化する障がい者への対応についてもお尋ねします。

 社会全体の高齢化に伴い、障がいのある方の高齢化も進んでいます。現在の障害者総合支援法では障がい福祉サービスに相当する介護保険サービスがある場合には、原則介護保険サービスに係る保険給付を優先して受けることとなり、六十五歳以上は介護保険サービスに移行するとされています。しかし、国のワーキンググループなどでの意見でも、障がいの特性に応じた支援が必要であり、高齢でも障がい福祉サービスを受給できるようにしてほしいなどの意見があり、報道もされていましたが、介護保険制度との関係、これも議論されています。

 また、いわゆる親亡き後の問題、障がい者が高齢化し、親を初めとした家族の日常的な支援を受けにくくなった。あるいは親が亡くなった後の支援をどうするのかという課題は、当事者にとって非常につらい問題であると言えます。特に二十四時間どなたかの支援が必要な重症心身障がい者の場合、医療面でしっかり支えられる施設に入所できるのか、また在宅の場合、一層の負担となる家族のレスパイトケアにどう応じるのかも大きな課題です。受けるサービスについてだけでなく、成年後見、財産管理など日常の支援を家族にかわって行う仕組みづくりも問われます。

 岐阜県のここ数年の重要施策として障がい者支援が挙げられており、その中でも子供の障がい医療について力を入れて取り組まれていますが、高齢化が進む今日、高齢化する障がい者の医療や法律、人権面での支える仕組みづくりも必要と考えます。

 そこで、健康福祉部長にお尋ねします。

 県内における障がい者への虐待、特に施設内や支援する立場の職員による虐待の発生防止に向けた取り組み、そして虐待の情報を察知する体制をどのように考えているのかお聞かせください。

 また、高齢化する障がい者を支えるための仕組みづくり、支援者の育成や施設整備、家族を支える体制など、どのようにお考えでしょうか。

 ここで二回目の質問を終わります。



○副議長(森正弘君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 東京圏の高齢者の地方受け入れ問題についての御質問でございました。

 御指摘にありましたように、最近、日本創成会議が発表した東京圏高齢化危機回避戦略、いわゆる第二次増田レポートでございますが、東京圏において今後急速に高齢化が進み、医療・介護従事者や施設が大幅に不足するという指摘であります。この結果、地方からの人材流入がさらに進み、地方消滅が加速するというふうに指摘されておるわけであります。この第二次増田レポートは、こうした危機感のもと、首都圏で生ずる課題とその地方への波及に対して、深刻な問題提起をされたものというふうに受けとめております。

 一方、東京一極集中を是正するため、多くの方々が地方へ移住することは、一般論としては大いに歓迎するところであります。本来、地方への移住・定住は高齢者に限定して議論するものではなく、移住・定住施策全体をどのように進めるかの受け皿をどのように確保していくかなどの観点から幅広く議論すべきではないかと考えております。

 今回の増田レポートの提言では、ICTやロボットなどの活用による介護サービスの人材依存度の引き下げ、地域医療介護体制の整備と並んで高齢者の移住環境の整備が主な対策として挙げられております。

 このうち高齢者の移住環境の整備につきましては、元気な方もいずれは高齢となり、医療・介護といった社会保障制度のお世話になる可能性があるわけでございまして、この場合、議員御指摘のとおり、社会保障費の増加といった大きな課題が生ずるわけであります。

 現在、地方の施設に入所するため移住した高齢者にあっては、引き続き移住前の住所地において医療・介護の給付費を支払う住所地特例制度が設けられております。しかしながら、一旦、地方に移住した後になって、時を置いて施設に入所した場合には、この住所地特例制度の適用にならないため、移住先が負担をするということになるわけであります。また、当然のことながら給付費だけではなく、移住者向けの施設を整備する費用も移住先の負担となります。こうした移住先における社会保障の負担増について、いかに移住前の自治体と公平性を保つかが課題であります。このため、例えば住所地特例制度の拡充など、国において具体策を講じていくことが必要であります。

 さらに、既に医療・介護分野の人材不足が深刻な地域では、さらに医療・介護人材を確保しなければならないという課題も生じてまいります。

 このように、高齢者の地方受け入れをめぐっては、さまざまな課題が生ずることが見込まれ、今月下旬の全国知事会でも十分に議論を重ね、国へも必要な制度改正要望等も行うことになろうかと考えております。



○副議長(森正弘君) 健康福祉部長 石原佳洋君。

    〔健康福祉部長 石原佳洋君登壇〕



◎健康福祉部長(石原佳洋君) 六点にわたって御質問をいただきました。

 まずは、高齢化社会の課題について、地域支え合い活動の優良事例の普及等の取り組みについてでございます。

 従前より支え合い活動の担い手となる住民に対し、優良事例集を用いた活動の周知や見守り・支え合い活動ヒント集を用いた地域の課題解決策を紹介しております。また、活動の立ち上げ、組織運営、ボランティアの確保、周知方法などを学んでいただくセミナーを毎年開催しているところです。

 他方で、支え合い活動を普及・拡大させる役割を担う市町村や社会福祉協議会職員に対しては、活動の立ち上げ、事業の継続、新たな事業展開といった段階ごとの支援について、先進団体を交えた意見交換会を開催しております。

 今後は、活動に至っていない団体や活動が停滞している団体に対し、活動を妨げる要因の解消策を活動経験者が膝詰めで助言する支援方法について検討してまいります。

 次に、地域医療について、三点御質問いただきました。

 初めに、地域医療構想についてでございます。

 地域医療構想策定に当たっては、国が定めた枠組みや医療関係者の意見だけで進めるのではなく、医療を受ける立場にある県民の皆様の御意見も丁寧にお聞きして進める必要があると考えております。このため、二次医療圏ごとに関係者の意見をお聞きする地域医療構想調整会議の委員として保険者の代表や、医療を受ける側の代表として公募委員にも参加いただいているところです。

 さらに、県内各地で地域医療構想に関心のある方を対象にしたタウンミーティングを開催するとともに、県職員出前トークにより各地域にお邪魔して、生の声を直接お聞きする取り組みを進めてまいります。

 次に、地域的な偏在を踏まえた医師・看護師の確保と育成についてでございます。

 医師については、本年度より岐阜大学医学部の地域枠の定員増を行ったところであり、引き続き総数確保に努めてまいります。また、僻地市町村が連携し、広域的に医師を確保する取り組みも行っているところです。

 さらに、本年度より、地域で特に医師が不足している産婦人科、小児科、救急科及び麻酔科といった診療科の専門医を志す研修医に対し、新たな研修資金貸付制度を開始いたしました。

 看護職員については、身近な場所で就業相談を実施できるよう、ことし四月に看護職員向け無料職業紹介所である県ナースセンターの多治見支所を設置するなど、看護職員が不足している地域での確保策に取り組んでおります。

 三点目は、国保の都道府県化に伴う財政的・事務的な責務と保健事業の今後の取り組みについてでございます。

 県が財政運営を担うことを見据え、現在、三パターンある保険料算定方式について市町村別に試算を行っているところであり、結果がまとまり次第、速やかに市町村との間で標準保険料率の設定や分賦金の算定方法等についての協議を開始いたします。

 また、事務の効率化についても、例えば保険料の滞納整理について、複数の市町村が共同実施できないかなど協議してまいります。

 保健事業については、市町村に事業実施のインセンティブが働くよう、医療費適正化に努力している保険者への支援制度が創設される予定です。このため、各市町村に対し、特定健康診査とがん検診の同時開催、高齢者向け運動プログラムの導入、レセプト情報や特定健診結果を分析した生活習慣病予防対策など、積極的な保健事業の実施を指導してまいります。

 次に、障がい者支援について、二点ございました。

 初めに、障がい者支援施設での虐待防止についてでございます。

 障害者虐待防止法が施行された平成二十四年十月以降の県内の施設従事者における虐待件数は、二十六年度までの三年間で二件となっています。このうち一件は、まことに遺憾ながら、県立施設での心理的虐待事案であり、昨年十月に指定管理者に対する改善勧告を行い、全職員への研修、職員間の相互チェック体制の整備、施設長による巡回強化等の改善策を徹底したところです。

 虐待を察知する体制としては、岐阜県障がい者権利擁護センターに二十四時間三百六十五日の専用電話窓口を設置しており、また県内市町村及び労働局と相互に情報共有する体制を整備しています。

 また、未然防止策として人材育成研修に虐待防止を取り入れるとともに、施設管理者や従事者を対象として、実際の虐待事例のケーススタディー等を行う専門研修、集団指導を実施しています。

 さらに、施設の定期的な指導監査においては、施設内巡視や利用者への聞き取りを行うなど、虐待が隠蔽されることのないよう指導体制を強化しており、今後も虐待事案の発生防止に努めてまいります。

 最後に、保護者が高齢の障がい者や高齢化する障がい者の支援についてでございます。

 高齢の障がい者への支援としては、まず親亡き後の住まいの確保が重要です。特に重度の方については入所施設が必要であり、国が入所施設定員数の四%削減を示す中、県計画では待機者の状況を考慮し、現状の定員を維持することとしました。

 他方で、地域生活が可能な方には、グループホームの確保が必要であり、県条例で入所施設や病院と同じ敷地内にも設置できるよう基準を緩和し、設置促進に努めているところです。

 次に、支援者の育成ですが、県内の五百人を超える身体障害者相談員、知的障害者相談員に対する研修会を五圏域で開催し、制度利用時の手続や財産管理等、高齢化に伴い発生する課題に適切に対応できるよう資質向上に努めています。

 また、高齢化に伴い日常生活を支援する必要が高まることから、県では見守りや家事、買い物などの助け合いを行うボランティア団体等に対し活動費を助成するなどの支援を行っております。



○副議長(森正弘君) 二十一番 太田維久君。

    〔二十一番 太田維久君登壇〕



◆二十一番(太田維久君) ありがとうございました。

 続いて、先ほども触れました、岐阜県への移住・定住と岐阜県のブランド力向上についてお尋ねをします。

 知事は、今議会開会日の県政をめぐる最近の状況に関する御報告の中で、移住・定住の推進について述べられていました。岐阜県への移住者数は全国的に見てもトップクラスの水準で急増しているとして、さらに大都市圏に向けた情報発信を強化するために、東京有楽町に総合相談窓口「清流の国ぎふ移住・交流センター」を設置するとともに、地元銀行と移住・定住の促進に関する協定を締結されたと御説明をされました。

 清流の国ぎふ移住・交流センターでは、移住・定住を検討している人へのセミナーも開催されておりまして、例えば先週末、これは残念ながら伺えなかったんですが、「郡上ライフ・デザインcafe」ということで、実際に郡上市石徹白地区などに移り住んだ方々が体験談を語ったり、移住定住コンシェルジュの応対などイベントも開催されているということです。

 しかし、清流の国ぎふ移住・交流センターも、この東京有楽町の交通会館の中にあるNPO法人ふるさと回帰支援センターの中にほかの県のデスクと一緒に入居しているわけで、そのことを見ても移住・定住については多くの県が力を入れ、ある意味競い合っていると言っても過言ではありません。独自のホームページを設け、移住・定住についての情報を積極的に提供している自治体もあります。そうした中で、いかに差別化を図り、移住・定住を進めるのでしょうか。

 また、県産品の振興においても、他県との差別化を図り、競争力を高めることが重要視されています。以前も一般質問で取り上げられていましたが、東京を初め首都圏において県産品を販売するアンテナショップの開設もあってもいいかと思います。ラピロス六本木のことが教訓としてあり、現状はJR岐阜駅構内のギフトショップや名古屋市内の店舗など、近いところからの岐阜県産品の認知度向上ということで、これは望ましいことでありますが、ほかの道府県のショップのにぎわいや情報発信力を考えますと、以前の事業を検証しながらも情報が集まる東京都心での再開を前向きに考えてもいいことかと思います。

 そして、海外を含めた岐阜県産品、岐阜県自体のイメージ向上として、飛騨牛やアユなどの海外展開を知事も先頭に立たれて海外でも実施されておりますが、そんな中、より競争力のあるブランディングも求められます。これも知事が定例会の冒頭で触れられましたが、「手漉和紙技術」がユネスコの無形遺産に登録されたこともあり、美濃和紙のブランドイメージの向上とプロモーションに努めているということです。聞くところによりますと、経済産業省もかかわっている「JAPANプロジェクト美濃」として美濃和紙のブランディングが進められているということです。例えば、医療・メディカル関係の商品としてドイツで、またイスラム信者のカンドゥラやクトゥラと言われる衣料としてアラブ首長国連邦をターゲットに国内の技術開発と海外の市場調査や展示会出展、商品提供を図っていくということです。民間・外部の力をかりながら積極的な展開がさらに求められます。

 そこで、清流の国推進部長にお尋ねをします。

 移住・定住に関して、他県よりも競争力のある取り組みをどのように考えているのでしょうか。

 また、商工労働部長にお尋ねをします。

 東京都心でのアンテナショップの展開について、現在はいかがお考えでしょうか。そして、海外を含めた民間の力も生かした県産品のブランディングについて、今後いかに展開をされるのでしょうか。

 続きまして、都市再生についてのテーマでお尋ねをします。

 人口減少、そして高度成長期を中心に整備されてきた公共インフラや民間の建築物の老朽化も相まって、既存インフラを活用しながら効率よく居住性・利便性を保っていくとともに、活性化の芽をつくっていく都市再生は今後も重要なテーマであると思われます。

 都市再生につながる事業として、岐阜市の中心部では名鉄名古屋本線などの高架化事業が挙げられます。県内ではリニア中央新幹線を見据えた東濃地区中津川駅とそのアクセス手段との整備や東海環状自動車道の未開通区間の早期完成が挙げられますが、半世紀にわたるこの高架化事業の課題も、都市中心部の再開発や道路網の再整備にかかわるだけに、今後の進展が注目されます。来年度の都市計画決定に向けてさまざまな調査が行われるとお聞きしており、目に見える動きがまだないのですが、着実に事業を進めていただきたいと思います。

 こうした大規模な事業ですが、昨今の建設費の高騰による影響が指摘されています。人件費や資材の値上がりによる建築工事費の高騰が全国の事業に影響を及ぼしており、今回の定例会でも建設費の高騰による事業費の上乗せが議案として提出されています。自治体が関係する都市再開発でも、施工業者との間で契約見直しが必要になったり、計画の見直しや着工の先送りが生じたりしています。例えば、東京都の西品川一丁目地区市街地再開発組合は、先月中の着工を予定していましたが、建設費の高騰を理由に来年三月までの着工に方針を変更し、さまざまな事業スケジュールの再検討が必要になると報じられています。県内でも岐阜市内、大垣市内で、県も補助をしている再開発事業があります。これらへの影響はいかがでしょうか。

 そして、都市再生という観点で空き家・空きビルの問題もまた重要です。

 空き家の問題については県議会でもたびたびテーマとなっていましたが、ことし特別措置法が施行され、進展が期待できるようになりました。治安や防災上の問題が懸念される空き家の所有者に除却や修繕を勧告、命令できると規定、強制撤去も可能とし、税制上の課題も含め、市町村の権限に法的な位置づけができて、対策が本格化するものと見られています。具体的な取り組みの主体は市町村になりますが、県としても空き家等対策協議会を設け、対応指針・マニュアルの作成や岐阜県住宅供給公社の相談窓口の設置など対応をとられていると聞いています。

 今後求められるのは、各地から事例が報告されているように、空き家をきれいにして貸し出したり、地域の福祉の拠点として使うといった利活用の施策がありますが、都市部では空き家だけでなく、空きビルについても指摘をしたいと思います。老朽化して使用されていない、あるいは一部しか使用されず、景観だけでなく治安の面でも懸念されるビル、あるいはマンションなど集合住宅もあります。一戸建ての空き家と同様に実態の把握と対策が求められます。

 また、法的な措置ができる特定空き家だけでなく、その予備軍とも言うべき空き家−−これは見えない空き家などという表現もすることもあるということですが−−そうした予備軍と言える空き家の存在が相当数存在することにも考慮しなければなりません。これは特定空き家とされるほどの景観や衛生、治安の面での問題はないものの、建物や立地箇所の条件が悪いために資産価値が低く、転売や利活用なども難しく、所有者の高齢化に伴って数年から十数年後には特定空き家になる可能性のあるものです。社会の高齢化に伴って、こうした問題が近い将来浮上すると考えられます。再利用や土地の集約なども関係することから、不動産業や法律関係者、それに個々の地域とも連携した、先を見据えた対策が求められます。

 そこで、都市建築部長にお尋ねします。

 都市部での再開発事業について、県がかかわっているものの現状と建設費高騰に伴った問題等の発生の状況はいかがでしょうか。

 そして、空家等対策の推進に関する特別措置法が施行されましたが、空き家の利活用について対策はいかがでしょうか。

 ここで三回目の質問を終わります。



○副議長(森正弘君) 清流の国推進部長 宗宮康浩君。

    〔清流の国推進部長 宗宮康浩君登壇〕



◎清流の国推進部長(宗宮康浩君) 移住・定住に関する他県よりも競争力のある取り組みについてお答えいたします。

 地方への移住促進につきましては、地方創生の全国共通のテーマとなっており、各地方自治体がさまざまな施策を展開しているところであります。

 このような中、先月、本県と県内の二つの金融機関と中部圏で初となる移住促進に関する連携協定を締結し、共催による移住セミナーの開催や移住者専用ローンの開発・紹介など、官民挙げた取り組みを開始したところであります。

 また、県の強みであるIT関連機関の集積を生かし、就業場所を選ばないIT系エンジニアやクリエーターを対象にした移住応援プロジェクトも、先月から東京と大阪で展開し始めたところであります。

 今後は、移住希望者の関心が最も高い「仕事」に着目し、陶磁器や木工、林業など、地域と結びつきが深い仕事に就職・起業したい方にターゲットを絞ったセミナーを開催するなど、岐阜県への移住が具体的にイメージできるような移住施策に取り組んでまいります。



○副議長(森正弘君) 商工労働部長 郷  敦君。

    〔商工労働部長 郷  敦君登壇〕



◎商工労働部長(郷敦君) 県のブランド構築について、二点御質問をいただきました。

 まず、東京都心でのアンテナショップの展開についてお尋ねがございました。

 県では過去の経験や費用対効果を踏まえ、現在は首都圏においてみずから店舗を構えるのではなく、専門店の協力を得て、そのノウハウも活用しながら、県産品の展示・販売、販路開拓を図るとの方針で取り組んでおります。

 具体的には、東京ミッドタウン内の「ジカバーニッポン」において、厳選した県産品の販売に加え、テストマーケティング等を実施し、消費者の意見や市場動向を県内事業者にフィードバックするなど、県産品の販路拡大に努めております。また、国内最大級のオンラインショッピングモールである楽天市場の中に、県産品を紹介・販売するサイトが開設されており、県内事業者が首都圏を含む全国の消費者に直接アプローチできる環境が整えられております。こうしたサイトも活用しながら、県産品の販路拡大に取り組んでいるところでございます。まずは、こうした取り組みの成果等を見きわめていくことが大切と考えております。

 次に、海外も含めた民間の力も生かした県産品のブランディングの今後の展開についてお尋ねがございました。

 本県では、官民が連携し観光・食・モノを一体的に売り込む「飛騨・美濃じまん海外戦略プロジェクト」を展開するなど、清流に育まれた自然、歴史、伝統、文化等を伝えることが県産品のブランド構築には重要と考え、「清流の国ぎふ」のブランド力の強化を進めてまいりました。

 とりわけ、海外への県産品販売促進におきましては、グローバルアンテナショップ−−GAS−−の開拓を通じて、世界各国で県産品の魅力を紹介しております。

 また、世界で活躍する国内外の著名デザイナーと県内企業とのコラボレーションにより、県産品の魅力向上や高付加価値化を図るとともに、これまで販売ルートのなかった富裕層向けの店舗においても県産品の販売を実現するなど、県産品のブランド力向上に資する市場開拓も推進しております。

 今後も、商品の企画やマーケティング等に専門的な知見を有する民間の方々の力を最大限活用し、そのフィードバックもいただきながら、さらなる県産品の磨き上げや新たな販路開拓に取り組み、県産品の一層の知名度向上及びブランディングに努めてまいります。



○副議長(森正弘君) 都市建築部長 河合成司君。

    〔都市建築部長 河合成司君登壇〕



◎都市建築部長(河合成司君) 都市再生について、二点質問をいただきました。

 まず、再開発事業の現状についてお答えします。

 現在、県が関与する市街地再開発事業のうち、最も事業が進んでいる大垣駅南街区については、平成二十八年度完成に向けて現在事業中ですが、建設費高騰等に対し施設の設計変更によるコスト縮減を図るとともに、昨年度、必要な事業費の増額及び六カ月の工期延長を行ったところです。

 岐阜駅東地区については、今年度中の工事着工予定で、経済状況の急激な変化等による事業のおくれを防ぐことを目的とした国の緊急的な補助制度の活用を予定しているところです。

 高島屋南地区においては、現在、設計や工事を行う業者や参加組合員が募集されているところで、今後、建設費高騰等も視野に入れながら設計を進めていく予定です。

 このように、建設費高騰に対し、これまでのところ必要な対策がとられていますが、今後も事業が円滑に進捗するよう、県としては地元市と連携しながら各組合を支援してまいります。

 次に、空き家の利活用対策についてお答えします。

 空き家の利活用対策については、これまで岐阜県空家等対策協議会で策定した空家等対策に係る対応指針に基づき取り組みを進めております。

 具体的には、空き家の所有者等への啓発、所有者向け相談窓口の設置、中古住宅購入への利子補給制度やリフォーム施策の推進などによる中古住宅市場の活性化、移住・定住施策や福祉施設など他用途への転用、住みかえ支援制度についての普及啓発などについて、県、市町村及び民間団体が連携・協力して取り組んでおります。

 こうした中、本年五月に全面施行された空家等対策の推進に関する特別措置法において、市町村は空き家の活用促進に関する事項を盛り込んだ対策計画を定めることとされました。

 今後、県としましては、各市町村が対策計画に基づき適切に施策を進められるよう支援してまいります。



○副議長(森正弘君) 二十一番 太田維久君。

    〔二十一番 太田維久君登壇〕



◆二十一番(太田維久君) 四回目の質問です。

 学校の教職員の定数についてお尋ねをします。

 少子化が進んでいる中、子供を大切にするとともに、多様な子供の置かれた状況に的確に対応するために、教育にかける予算はしっかりと手当てするべきと考えます。特に、教職員については、人件費が教育予算の大部分を占めるだけに議論されることも多いわけですが、確保が必要です。

 先月一日、財務大臣の諮問機関である財政制度等審議会が建議書、つまり提言書を出しました。教職員定数について、少子化に合わせた合理化を図っていく必要があると、削減を視野に入れた提言をまた出しています。標準学級数が減少する中、教職員の加配の定数はふえているとして、中・長期的な定数合理化計画を策定した上で、外部人材の活用も計画的に進めることで、費用対効果の高い方法で教育環境の改善を図ることができるとしています。

 日本の教職員は、OECD諸国で最も多忙と言われています。これに対しては、「国が責任を持って徹底した事務作業の効率化を図るとともに、外部人材の活用に加え」と、改善のための具体策を示しておらず、また外部に投げるということで問題をやり過ごそうとしているのではないかと私は危惧を感じます。

 子供の数が少なくなっているという一方で、現代の義務教育に求められているさまざまなニーズに対応するには今の教職員数でも足りているのか、教育現場の実態からの検討がなされるべきです。

 これまでの県議会の質問でも触れられているように、障がいのある子供たちを支えるため、あるいは子供の貧困など、家庭の経済状況などを示唆する子供の兆候を察知して迅速な対応ができるような、子供に十分向き合い、目配りができるような教職員定数と配置こそが必要と考えます。

 報道によりますと、財政制度等審議会の提言に対しては秋田県議会で反対をする意見書を審議しており、全国的に波紋を呼んでいます。岐阜県議会でも以前も問題となったことですが、改めて触れたいと思います。

 教育長にお尋ねします。

 財政制度等審議会が提言をしている教職員定数の計画的な合理化について、いかがお考えでしょうか。

 そして、障がいのある子供たちや複雑な家庭の状況の子供たちへの対応が急務な中、岐阜県教育委員会として子供たちにしっかり向き合える体制づくりのために、これからの教職員定数をどうお考えなのでしょうか。

 続きまして、マイナンバー制度の導入に当たって、個人情報の保護や対応についてお尋ねをします。

 日本年金機構がサイバー攻撃を受けて、年金受給者や加入者の情報が流出した問題。流出した百二十五万件の個人情報にパスワードがかけられていなかったことを初め、日本年金機構の管理のずさんさが批判をされています。そして、流出に便乗した詐欺の被害も報告がされています。情報が漏れた該当者は百一万人余り、岐阜県内でも一万四千九百二人が該当すると報告されました。情報社会は便利になることの反面、管理に問題があると、地域を問わず多くの人に多大な影響を与える事態を招きかねず、犯罪や不当な人権侵害にも利用されかねないことがこの問題でも浮かび上がっています。

 折しもマイナンバー法がことし十月に施行されます。来年一月からは法律で定められた分野で番号の利用を開始し、十二桁の個人番号カードの交付が始まります。今回の定例会でも、マイナンバー制度の導入に伴って個人情報を保護し、マイナンバーで管理される個人情報が目的以外で使用されないことを求めた条例案が提案されています。本格実施の前ですが、既に個人情報保護法及びマイナンバー法の改正案が今国会で審議されています。この法案によりますと、二〇一八年からマイナンバーを金融の分野のほか、医療分野でも活用できるようにすることや、匿名化した個人情報ならば本人の同意なくとも第三者への提供を可能なようにすること、その一方で罰則を強化して不正を防ぐということです。

 さらに政府の高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部、ことし五月に開催されたマイナンバー等分科会では、マイナンバー制度利活用のロードマップとしてさまざまな利用が提言されています。来年一月の国家公務員身分証に始まり、四月以降は民間企業の社員証やポイントカードとしての利用、興業チケットや携帯電話の本人確認販売、たばこや酒の自販機の年齢確認、クレジットカード・デビットカード・キャッシュカード・ポイントカードなどを一つのカードにし、免許証・健康保険証・お薬手帳などにも利用しようということです。

 確かに便利にはなるものの、個人の行動を含めたありとあらゆる情報が一元的に管理できるようになります。さきに挙げたサイバー攻撃などによる情報流出や、以前の年金記録の問題の際に見られたような内部の者による不正なアクセス、さらに流出した情報を用いたりかたったりして犯罪をすることなどを考えると、不安視する声も上がると思います。また、市民のプライバシーが保てるのか、番号管理社会につながったり人権侵害に用いられることはないのかといったことも危惧されます。

 社会保障のための個人番号としてでなく、ビジネスの面での利用が熱を帯びそうなマイナンバー制度ですが、今まで述べてきたような課題や、そもそもマイナンバー制度自体の周知徹底も必要だと思います。ことし一月の内閣府の調査では、国民が皆かかわることなのに、これについて知らないという回答がいまだに二八・六%と、回答の四分の一を占めていました。これらの周知も必要です。

 そして、自治体のさまざまな情報システムについても、マイナンバー導入に向けてセキュリティーを含めた対応ができていることが重要です。そして、膨大な件数の個人情報を扱うことになりますので、制度の開始に当たって問い合わせや混乱も起きかねません。こうした対応も問われてきます。

 マイナンバー制度は、利便性の向上や新たなサービスを生み出す可能性などさまざまなメリットがある反面、犯罪での利用や不当な監視といったデメリットも考えられます。こうしたプラス・マイナスの両面を踏まえた準備が必要だと思います。

 そこで、総務部長にお尋ねします。

 来年一月からのマイナンバーの利用開始に向けた、岐阜県のマイナンバーに関するシステムの整備やそのセキュリティー対策はいかがな状況でしょうか。

 次に、マイナンバー制度の利用に伴って県民からの相談も増加すると思われますが、そうした体制はいかがお考えでしょうか。

 最後になりましたが、選挙にかかわる課題についてお尋ねをします。

 私たちは、ことし四月に実施されました県議会議員選挙を経てきたわけですが、県議会議員選挙を含む今回の統一地方自治体選挙で指摘されたのは投票率の低迷でした。また、無投票が多いこと、地域によっては候補者となる人材に事欠くようになったことも指摘されています。全国的に見ますと、道府県議会議員選挙でも都市部の複数区で無投票が幾つも見られたことはそのあらわれとも言えます。

 日本の自治は二元代表制です。議会を構成する議員は、議決責任という極めて重い役割を果たしています。その議員になり手がない、そしてその議員を選ぶ選挙が低い投票率であるということは見過ごしてはならないことだと思います。

 岐阜県内でも、県議選では可児市選挙区が三六・二二%、岐阜市も激戦となった割には低く四〇・一六%でした。身近であると言われる市議選では、岐阜市でやはり四〇・八七%。背景はいろいろなことが考えられると思いますが、昨年話題になった当時の兵庫県議会議員の政務活動費をめぐる問題を初めとした一連の地方議員の不祥事がもたらした一層の政治不信を指摘することができるでしょう。

 また、県議選については、岐阜県議会を初め、幾つかの県で選挙公報が発行されていないということも、その一因ではないでしょうか。これについては岐阜県議会でも選挙公報に関する条例をつくり、候補者の政策を周知することを通して選挙への関心を高めるよう、次回は努める責任があると思います。

 それでは、やはり投票率向上に努める責務がある選挙管理委員会では、どのように取り組まれたのでしょうか。岐阜県選挙管理委員会では、県内では朝日大学の学生など、投票率の向上に取り組む若者グループに協力を求めて啓発活動を実施してきたことが報じられています。大学構内での啓発や若者グループに協力を求めたテレビコマーシャルを放送したりといった活動ということでした。

 一方で、他県ではどうでしょうか。これらは市町村選管が事務を行うことですが、これまでにも松山市選管と国立愛媛大学及び私立松山大学では大学構内に期日前投票所を設けてきました。

 また、ショッピングセンター内に期日前投票所を設ける市町もふえてきました。県内でも坂祝町や美濃加茂市で実施してきました。岐阜市なども、こうしたことを前向きに検討するとしています。選挙人名簿の管理など配慮すべき点や経費の問題がありますが、現代のライフスタイルを踏まえた取り組み、投票率向上のために市町村選管とともに有効と思われる手段を研究すべきと考えます。また、企業に対し、従業員の投票促進・棄権防止の要請をすることも取り組むべきことかと存じます。

 一方で、選挙権年齢を二十歳以上から十八歳以上に引き下げる改正公職選挙法が成立し、来年夏の参議院議員選挙から適用される見通しになりました。高校生を含む十八歳と十九歳の合計二百四十万人が有権者に加わることになります。岐阜県内でもおよそ四万人が有権者となります。

 選挙権年齢の引き下げに伴い、選挙運動も十八歳以上から解禁となりますが、連座制の対象となるような重大な選挙違反を犯した場合には、家庭裁判所が原則として検察官送致し、成人と同じ刑事手続がとられることになります。投票する権利とともに責任についても十分に自覚を促されることになり、国会でも議論されているような、いわゆる主権者教育がどうあるべきかも含めて重要になります。

 投票率の向上、政治参加を広げる努力はこれまでも行われてきました。投票時間の午後八時までの延長、そして最近はネット選挙の解禁。これらも話題を集めながら、今に至っては本当に効果があったのか、効果が持続できたのか疑問視される声もあります。しかし、投票は民主主義の基本でありますので、さまざまな知恵を使った投票しやすい環境の実現と情報の提供・公開などを通して投票できるようになる十八歳以上の若年層を含めた投票率の向上を実現できるよう、岐阜県全体で努力をする必要性を訴えたいと思います。

 そこで、選挙管理委員会委員長にお尋ねします。

 投票率向上のために、市町村選管とともに今後どのような取り組みを検討されるのでしょうか。ショッピングセンターや駅など多数の人が利用される施設での期日前投票を含めた投票所の設置について、いかがお考えでしょうか。

 そして、選挙権年齢が十八歳以上となることについて、中高生などを含む若年層への啓発をどのようにお考えなのでしょうか。

 そして、公職選挙法上の注意点について、周知をどのように取り組んでいくおつもりでしょうか。

 投票に行かれるのは比較的年齢層の高い方が多く、そのことから高齢者の意向が政治に反映されやすいシルバー民主主義であるとやゆする声も聞かれます。

 しかし、若い人たちも投票を通して積極的に政治に参加し、若者の雇用、教育支援など、特にその年代にかかわりの深い課題の解決に向けてみずからも努めていくことができるような仕組みづくりを進めなければなりません。

 そして、若者の積極的な政治参加を通して、人口減少社会など、重要な地域の課題への挑戦が一層前に進むことを願って、県民クラブの代表質問を終えさせていただきます。御清聴ありがとうございました。

    (拍手)



○副議長(森正弘君) 総務部長 高木敏彦君。

    〔総務部長 高木敏彦君登壇〕



◎総務部長(高木敏彦君) マイナンバー制度につきまして、二点御質問をいただいております。

 まず、県におけるシステム整備につきましては、マイナンバーの利用が開始される平成二十八年一月に向けまして、関係する二十の業務システムの改修と各システムを束ねる統合利用番号連携サーバーの構築、さらにはそれらシステムのセキュリティーにつきましてもさまざまな対策を講じてまいります。

 具体的には、芋づる式の情報漏えいを防止するため、個人情報をそれぞれのシステムで分散保有することや、マイナンバーの流出を防止するため、別の符号で情報連携を行うための措置をしてまいります。加えまして、システムにアクセスできる職員の制限や、誰がどのような操作をしたかの履歴管理、さらには通信する場合の暗号化といった措置も講じてまいります。

 なお、先般の日本年金機構の情報漏えいを踏まえ、全国知事会から国に対し、セキュリティー対策の再点検などを要請したところであり、今後も国の対応にも留意しつつ、システムの安全性確保に向けて取り組んでまいります。

 次に、県民からの相談体制でございますが、国におきましてはコールセンター並びにホームページを開設することなどによりまして、制度についてのさまざまな御相談に対応しているところでございます。

 本県におきましても、制度全般に関する問い合わせにつきましては情報企画課で、税や社会保障などそれぞれの分野に関する問い合わせにつきましては、関係各課において問い合わせ先を設けまして御質問に対応するとともに、必要に応じて国や市町村などの関係機関につなぐなど、全庁的な相談体制としております。

 特に、民間事業者の皆様方に対しましては、従業員やその御家族のマイナンバーの取り扱いについての御相談に対応できるよう、国や関係団体とも連携しながら、地域での説明会を順次開催してまいります。



○副議長(森正弘君) 教育長 松川禮子君。

    〔教育長 松川禮子君登壇〕



◎教育長(松川禮子君) 教職員定数について、二点御質問をいただきました。

 初めに、財政制度等審議会が提言している教職員定数の計画的な合理化に対する所見についてお答えします。

 本県では、岐阜県型少人数教育に加え、通級指導教室の充実、いじめ・不登校への対応、外国人児童・生徒への日本語指導などにも国の加配教員を活用して対応しているところです。

 加えて、社会は情報化・グローバル化に伴い急速に変化しており、創造性や課題解決力等を重視したアクティブ・ラーニングへの転換が求められております。そのためには、小集団での問題解決や個人での探究活動など、より主体的な学習を保障する指導体制の充実・強化が必要となります。

 したがいまして、少子化に伴う児童・生徒数の減少を理由に、加配を含めた教職員定数を機械的に削減することは到底受け入れられるものではないと考えております。

 次に、障がいのある子供たちや複雑な家庭状況の子供たちへの対応に必要な教職員定数の考え方についてお答えします。

 通級指導教室に通う児童・生徒数はこの十年で約三倍に、日本語指導を要する外国人児童・生徒数は二倍以上に増加しており、今後ともさらなる増加が見込まれます。また、いじめは減少しているものの、暴力行為の発生件数や不登校児童・生徒数は増加する傾向にあり、中には家庭環境に起因すると考えられる事例も見られるようになりました。

 このような状況を踏まえると、個別に支援が必要な児童・生徒に対して、家庭状況にも配慮したきめ細やかな対応を行うことが重要かつ喫緊の課題となっております。

 こうした課題を解決するためには、教職員が子供としっかり向き合える体制を築くことが必要であり、今後ともあらゆる機会を通して、加配を含めた教職員定数の改善を国に要望してまいります。



○副議長(森正弘君) 選挙管理委員会委員長 大松利幸君。

    〔選挙管理委員会委員長 大松利幸君登壇〕



◎選挙管理委員会委員長(大松利幸君) 投票率向上について、及び十八歳への選挙権年齢の引き下げに関することについての御質問に対し回答いたします。

 最初に、多数の人が利用する施設での期日前を含めた投票所の設置についてのお尋ねがございました。

 県選挙管理委員会では、大型商業施設や駅といった施設内に期日前投票所を設置することは投票率向上に有効な手法であると評価しており、これまでも各種の実施例等について県内市町村選挙管理委員会への周知を図ってまいりました。

 議員御指摘のとおり、県内では期日前投票所について、美濃加茂市及び坂祝町が大型商業施設内に設置した実績があるほか、岐阜市が大学構内での設置について検討を始めているとお聞きしております。

 期日前投票所及び当日投票所は、市町村選挙管理委員会の判断と決定において設置されるものですが、引き続き県委員会としても、市町村選管への助言及び周知等に努めてまいります。

 次に、中高生を含む若年層への啓発についてお答えします。

 県選挙管理委員会では、若者にも選挙に関心を持ってもらうため、以前より中学生向け小冊子を作成して県下の全中学校に対し副教材として毎年度配付するほか、二十歳となる新有権者に対して制度等の周知チラシを配付しております。

 今後、文部科学省及び総務省が高校生向けの副教材を全国で配付するとされており、その動向を注視しつつ、中学生及び新成人へのより効果的な啓発に取り組んでまいります。

 また、他の選挙啓発についても、近年は若者グループと連携した手法で実施しており、若者を中心とした啓発に力を入れてまいります。

 最後に、公職選挙法上の注意点の周知について、どのように取り組んでいくかについてお答えします。

 公職選挙法には、選挙の手続のほか、選挙運動等についての規制や違反に対する罰則も数多く定められております。従来、それらについては投票の方法に関する事項のほか、選挙違反とその罰則、寄附禁止など、ポイントを絞って有権者に対する周知等を行っているところであります。

 今後、特に若年層に対しては、インターネットになれ親しんでいるという世代の特性を考慮して、これを利用した選挙運動の注意点について重点的に周知するなど、より効果的な啓発活動を検討してまいります。



○副議長(森正弘君) 三十六番 村下貴夫君。

    〔三十六番 村下貴夫君登壇〕(拍手)



◆三十六番(村下貴夫君) 議長のお許しが出ましたので、通告により質問をいたします。

 今回は養老鉄道について質問いたします。

 養老鉄道は大正二年に養老−池野間の営業を開始して以来、現在に至るまで、揖斐川町と三重県桑名市を結ぶ地元の鉄道としてこの地域の方々に親しまれてきました。

 その間、運営会社は初代の養老鉄道に始まり、事業譲渡、会社の分離、合併を繰り返した後、昭和十九年から近鉄が長らく運営してまいりました。その後、平成十九年からは鉄道の運行は養老鉄道、施設・設備の管理は近鉄が行うという、いわゆる上下分離方式を採用し、現在の形になりました。

 一方、年間の利用客数は、他の地方鉄道と同じように、過疎化・少子化の進展やモータリゼーションの流れの中、昭和四十一年度の千六百八十三万人をピークに、昭和六十一年度は八百七十六万人、平成十八年度は七百七万人、昨年度は五百九十一万人と、ピーク時に比べ実に三五%にまで減少しており、非常に厳しい経営環境となっています。

 このため、上下分離方式に移行した平成十九年度から、沿線七市町と近鉄は養老鉄道に対し八億円から十億円にも及ぶ赤字の補填を行い、そのうち沿線七市町の負担は、初年度の平成十九年度がおよそ一億一千万円、平成二十年度から二十六年度まではおよそ三億円、平成二十七年度は三億七千五百万円に上っています。

 私は、平成十七年九月議会から今まで五回にわたり養老鉄道の存続が必要であるという立場から質問をいたしました。今回は六回目であります。

 一回目の質問の平成十七年当時は、大手民鉄の近鉄が養老線を運営していたことから、県の財政支援はありませんでした。

 それ以降の質問においても、養老鉄道の果たす役割がいかに大きいか、養老鉄道がなくなったらどれだけ大変なことになるか、それにもかかわらず経営状況がいかに厳しいかを言い続けてきましたが、県では、養老鉄道が行う設備の維持修繕経費に対する県補助金については平成二十五年度から、車両の関連経費に関する国・県の補助金については、養老鉄道が車両を保有することとなった平成二十六年度から支援が開始されることになりました。

 その結果、県の養老鉄道に対する支援額は、平成二十五年度はおよそ四千八百万円、平成二十六年度は六千五百万円の実績があり、平成二十七年度は八千万円の予算計上となっており、年々県の支援額も充実してまいりました。

 こうした中、近鉄は沿線市町に対し、鉄道として存続させるのであれば、平成二十九年度を目途に公有民営方式に移行することを提案してきました。

 この公有民営方式とは、養老鉄道でいいますと上下分離の下の部分、つまり鉄道施設・設備を沿線市町が管理を行い、上の部分、つまり鉄道の運行を養老鉄道株式会社が行うという方式であります。この方式が実現されますと、国の財政支援を重点的に受けられるなどのメリットもあると聞いております。

 行政が所有・管理する財産を使って、民間企業が事業を行うことに違和感を持たれる方がいらっしゃるかもしれませんが、路線バスと比べるとわかりやすいかもしれません。路線バスの事業は、鉄道の線路に当たる道路は市町村など行政が所有・管理をし、その上を走るバスの運行だけを担当しています。鉄道事業に置きかえれば、線路など鉄道のインフラを沿線市町が所有することになりますので、採算が見込めないような地域については、ある意味当然のスキームなのかもしれません。

 この方式は全国で広まりつつあり、三重県の四日市市でも、近鉄の内部・八王子線がことし四月から「四日市あすなろう鉄道」として公有民営方式で再出発したところであります。また、伊賀市では平成二十九年度から、近鉄伊賀線をこの方式とする準備を進めていると聞いています。

 現在、近鉄からの要請を受け、沿線市町において今後の養老鉄道のあり方を検討されていると聞いていますが、沿線七市町で同じ方針決定をして初めて存続ができるものと考えております。

 今回の沿線市町の議会の状況を見ますと、公有民営方式への移行について、大垣市議会の常任委員会において執行部から、課題が多く参加は困難と報告したという報道や、海津市議会において、市長が大垣市以外の二市四町は公有民営化での存続で一致していると答弁されたとの報道もあり、沿線七市町の間に大きな温度差があると聞いています。

 このような事態を受け、去る六月十六日に我が県政自民クラブにおいても、養老鉄道等存続対策検討委員会を設置し、翌週の六月二十三日に第一回の委員会を開催したところであります。

 言うまでもなく、地方創生の実現には地域を走る鉄道が極めて重要であり、また、さきの第一回定例会において議決された岐阜県強靱化計画にも、地方鉄道存続支援が明確に位置づけられたところであります。

 一方で、皆さんも御承知のように、かつての規制緩和の流れの中で鉄道の路線廃止については、許可から届け出に制度改正されており、事業者が廃止届を提出すれば路線の廃止は避けられないことになっています。そういうことから、当事者である全ての沿線市町におかれましては、一刻も早く養老鉄道の公有民営化への方針決定をし、鉄道を存続することを明らかにして、住民の方々を安心させていただきたいと思います。

 養老鉄道は、現在でも年間六百万人もの人々が、通学、通勤、買い物、通院など日常生活に欠かせない身近な交通手段であり、西濃地域のみならず、岐阜県全体にとって大切な公共交通機関であります。このため、一たび鉄道が廃線になれば、さまざまな問題が出てきます。

 車を運転できない高校生の通学の問題もその一つで、私も高校生のときに使っていましたが、沿線には県立・私立を含め多くの高校・特別支援学校が設置されています。

 例えば、大垣南高校では三百人以上の生徒が通学に養老鉄道を利用しており、これは実に全校生徒の四割以上を占め、これ以外にも大垣北、大垣東、大垣西、大垣養老、大垣日大高校など沿線の高校において、百人、二百人といった数多くの生徒が利用しています。この中には、鉄道を利用してしか通学できない子供もたくさんいます。養老鉄道がなくなれば、この子供たちは通学できなくなりますし、仮に他の移動手段で通学できたとしても時間がかかり、本来の勉学や部活動の時間にも影響が出てしまいます。さらには、現在中学生以下の子供たちの進路選択の幅を狭め、子供たちの希望がかなえられなくなってしまうことにつながりかねません。

 我々大人には、養老鉄道の存続について、真剣に考えなければならない重大な責任があると思います。また、この沿線に県立高校を設置したのは県であることから、県にも養老鉄道の存続に向け、沿線七市町と一緒に頑張っていただきたいと思っています。

 このほかにも、特別支援学校では単に通学手段ということにとどまらず、生徒の社会的自立を促す観点から、高等部になると公共交通機関による通学とするよう指導しており、障がいがある子供たちの教育にも支障が出ると考えます。

 仮にバスに転換した場合は、なかなか時刻表どおりにバスが来ないといったことから、どうしても鉄道を利用していた方は公共交通機関から逃げていきます。これを逸走率というそうですが、岐阜市周辺の名鉄廃線の例では、およそ四割であったと言われております。鉄道を使っていた方のおよそ四割に相当する分の自家用車がふえる可能性があるということであり、朝夕の短い時間帯に道路の交通渋滞に拍車をかけるという懸念が出てまいります。

 これに関して、福井県の京福電鉄で有名な話があります。それは、京福電鉄越前本線において、平成十二年十二月と翌年の六月に列車同士の衝突事故が二度も発生し、三国町から福井市を経由し勝山市に至る路線の鉄道事業継続を会社として断念したときのことです。

 二度目の列車事故直後から代替バスが運行されましたが、鉄道を利用していた人が自動車を使うようになったため幹線道路が大混雑し、特に冬の積雪時にあっては至るところで交通麻痺が発生しました。

 その結果、バスの大幅な遅延はもとより、おくれてきたバスが満員で乗車することすらできない方々が続出するとともに、普段自家用車を使って通勤していた人までもが通勤が困難となる事態に陥りました。こんな事態になれば、地域の経済的損失、活力の低下ははかり知れません。

 このような状況は、規模は小さいですが、平成十七年四月の名鉄美濃町線の廃止の際にも起こっています。

 廃線直後から代替バスの運行を既にあった路線バスの増便という形で行われましたが、朝のラッシュ時に乗車できなかった方が多数出るという問題が発生し、バスを大型化するなどのほか、増便も余儀なくされました。このような対策を立てても、従前の四割が自動車などに流失し、渋滞を引き起こしました。

 代替バスは、ダイヤ上は廃線前の美濃町線と同等でしたが、終点付近の徹明町では最大三十分程度のおくれが生じ、平成十八年の豪雪では、通常一時間のところを三時間かかったと聞いています。

 廃線当時の名鉄美濃町線の利用者数が年間百万人程度であったことを考えると、年間六百万人もの利用者のある養老鉄道が廃線となれば、道路交通への影響は避けられず、社会的・経済的な損失は莫大なものになるのではないでしょうか。

 このほか、沿線商店街や観光地への影響、環境問題、高齢者や障がいのある方など、いわゆる交通弱者の方々の移動手段確保の問題、さらには地域のイメージダウンや沿線の一体感、まちの誇らしさがなくなるなど、数値化できないような問題もあります。

 ここで、全国において鉄道事業の人の輸送以外の便益についても積極的に評価し、一度廃線が決まった鉄道を別の形で復活させる例が数多くありますが、一部を紹介させていただきます。

 初めに、富山市では、利用者の減少が著しいため、JR西日本が運行していた富山港線の廃線が決まりましたが、平成十八年度に富山ライトレールとして引き継ぎました。再生するに当たり、新駅設置や低床車両の導入、運行本数を約三倍にするとともに終電時刻をおくらせるなど、鉄道の利用拡大に向けた経営努力に取り組まれました。

 その結果、高齢者層などの新たな需要を拡大し、開業初年度においてJR時代よりも利用者がふえたとのことです。現在も利用拡大に向けた努力は続いており、北陸新幹線が開業した富山駅で橋上化事業が実施されていますが、完成後には駅南側路面電車の富山地方鉄道市内線と接続され、さらに利便性がよくなると聞いております。

 次に、和歌山市と当時の貴志川町では、南海電気鉄道が貴志川線の廃止届を提出した後に、事業を引き継ぐ事業者を全国公募したという例があります。

 その条件は、南海電気鉄道から地元市町が鉄道用地を買い取り、事業者に無償で貸し付けるとともに、移管後十年間の運営費の赤字について、八億二千万円を限度に支援をするというものであります。公募の結果、両備グループの岡山電気軌道が選定され、平成十八年度に和歌山電鐵として事業を引き継ぎました。

 その鉄道運営は、最近死去したとの新聞報道があったので御存じの方も多いと思いますが、三毛猫のたまを駅長にする、あるいは、いちご電車やたま電車を導入するといった話題性を高めることによる利用促進で有名で、地域住民の交通手段の確保とともに、観光を切り口として鉄道を残していこうという取り組みであります。

 また、この事例は地元住民・企業が積極的に鉄道を守る活動に参加していることでも有名で、南海電鉄が貴志川線からの撤退を表明した後、地元住民有志が中心に「貴志川線の未来をつくる会」を結成し、活動経費を年会費として集めながら、積極的にイベント運営や乗車促進活動に取り組んでおられます。和歌山電鐵の母体である岡山電気軌道が地域住民に請われて公募に応じた最大の要因は、存続運動が地域一丸となって展開されていたことだそうです。

 また、和歌山電鐵は、開業前に行政、商工会、高校、住民などから構成される貴志川線運営委員会を設置しました。設置以降、毎月一回開催されております。活発な意見交換がいつも行われ、現場に対するアイデアや情報提供、年間五十を超える地域イベントへの支援などをこの委員会が行っております。

 さらに、地域からの資金的な支援も大きな特徴で、先ほど申しました、いちご電車・たま電車への改装や貴志駅の建てかえには、それぞれ一千万円前後の支援が沿線の個人・企業から寄せられました。

 このように、地元が鉄道を支え、何とか鉄道を残していこうとするのが、現在の日本の地方鉄道をめぐる趨勢でもあります。

 一方、養老鉄道の沿線市町団体でもさまざまな活動をしておられます。養老鉄道を守る会や養老鉄道の未来をひらく会など、地元駅の清掃活動はもとより、養老鉄道に乗ってアユを食べに行こうという催しを初めとして、沿線のさまざまな観光資源を活用した利用促進に取り組んだり、沿線市町の支援団体が集まって養老鉄道の歌「養老鉄道まっしぐら」を作成し、完成披露とともに住民交流会を開くなど、それぞれの立場で趣向を凝らし取り組んでおられます。

 また、沿線市町の議会では、ことし六月七日に神戸町議会において養老鉄道存続特別委員会が設置されたのを皮切りに、揖斐川町、海津市、池田町、養老町の議会でも特別委員会が設置され、議会としても真剣に取り組んでおられます。沿線市町の首長の議論においても、このような状況を十分に踏まえていただきたいと考えております。

 また、鉄道を支える役割は、先ほど紹介しました全国の事例にあります地元住民等の協力も必要でありますが、沿線市町や国や県にもあります。地方鉄道の経営は、全国どの事業者についても厳しい状況でありますので、支援の充実が必要であります。

 特に、公有民営方式に移行するのであれば、今の形態より沿線市町の負担がふえるため、この方式への移行による国の財政支援のメリットのさらなる充実や、県において国にあわせて行っている支援制度の充実などについても検討をしていただきたいと考えております。

 このようなことから、まずは国に対してこのような地方鉄道、とりわけ公有民営方式に移行した地方鉄道へ支援の充実を提案していくことが必要であります。

 県議会では、さきの第一回定例会で地域公共交通への総合的な支援を求める意見書を議決し、国に送付したところであります。

 県執行部においても、国に対し要望・提案活動を行っていただきたいと考えております。

 そこで、知事及び都市建築部長にお伺いいたします。

 私は、養老鉄道はこの地域の重要な公共交通機関であり、必ず存続していかなければならないと考えております。しかしながら、このところ養老鉄道をめぐる報道では沿線市町の足並みの乱れが見受けられます。このような中、県として養老鉄道のあり方についてどのように考えていくのか、知事にお尋ねします。また、昨年度、沿線市町や県が連携して養老鉄道のあり方について調査・検討したと聞いておりますが、その結果はどうだったのか、都市建築部長にお尋ねいたします。

 以上であります。御清聴ありがとうございました。

    (拍手)



○副議長(森正弘君) 知事 古田 肇君。

    〔知事 古田 肇君登壇〕



◎知事(古田肇君) 養老鉄道についてのお尋ねでございます。

 御指摘のとおり、年間およそ六百万人近くの方々に、通学・通勤などに利用されておるわけでありまして、依然として地域にとって重要な公共交通機関であると思っております。しかしながら、年々利用者の減少が続き、昨年度は十億円を超える赤字を計上し、近鉄と沿線市町でその赤字を補填しておるというのも現状でございます。

 こうした状況に鑑み、県としても従来第三セクター鉄道に限っていた安全運行を確保するための設備の更新や維持修繕への補助の対象を、平成二十五年度から養老鉄道にも拡大するなど支援を行ってきているところでございます。

 そうした中で、最近になり近鉄から公有民営方式への移行提案が行われたところでありますが、御承知のとおり、このところその対応をめぐって大垣市と他の沿線市町の基本的な考え方の違いが明らかになり混迷を来しております。県から見て、これら一連の動きについては、率直に申し上げて、唐突感と拙速感が否めないところであり、まことに残念なことであります。このままでは多くの利用者の方々の御理解を得ることは到底できないのではないかと危惧しております。

 まず大切なことは、この鉄道が沿線住民の皆さんにとって大切な公共交通機関であるという立場に立って、沿線七市町がしっかりと足並みをそろえていくことであります。

 これまで平成十九年以来、大垣市を中心として養老鉄道活性化協議会をベースに養老鉄道存続に尽力してこられたわけであります。困難な中にあっても、これまでどおり一体となって経営の合理化を初め、可能な選択肢について相互信頼のもとで徹底した議論を尽くしていただきたいというふうに思います。その上で、沿線市町に一致して、近鉄との間で協議を粘り強くぎりぎりまで進めていただくことが不可欠であります。

 県としても、引き続き協議会にも出席をし、きめ細かく議論に加わってまいります。

 同時に、国に対しても、従来の第三セクターに対する補助を超えて、新たに地方鉄道への支援の拡大を求めてまいる考えであります。



○副議長(森正弘君) 都市建築部長 河合成司君。

    〔都市建築部長 河合成司君登壇〕



◎都市建築部長(河合成司君) 養老鉄道について、昨年度の調査の結果についてお答えします。

 沿線市町が近鉄の提案について検討を進める上で、客観的な判断材料を得るために、県と連携し、地方鉄道再生のノウハウを持つ専門シンクタンクに調査を委託しました。その報告書によれば、バス転換を想定すると、現在の養老鉄道の輸送水準を確保するためには、バス八十九台、乗務員百十二人もの事業規模が必要となり、初期投資は三十四億円と試算されております。

 このように初期投資が多額であり、運転手の確保が困難であるなどから、鉄道存続のほうが優位であるとされております。

 さらに、鉄道存続の場合で、さまざまな事業形態で比較を行ったところ、全ての資産を自治体が保有する公有民営方式が減価償却費の計上や固定資産税の負担の必要がなく、国の補助制度も有利に活用できるというメリットがあり、最も優位であるとされております。加えて、人件費削減などの鉄道経営の合理化に取り組めば、沿線市町の負担を軽減する余地があることが示されております。



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○副議長(森正弘君) しばらく休憩いたします。



△午後二時五十分休憩



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△午後三時十五分再開



○議長(足立勝利君) 休憩前に引き続き会議を開きます。



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○議長(足立勝利君) お諮りいたします。本日の会議時間をあらかじめ延長いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○議長(足立勝利君) 御異議なしと認めます。よって、本日の会議時間を延長することに決定いたしました。



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○議長(足立勝利君) 引き続き一般質問並びに議案に対する質疑を行います。十八番 酒向 薫君。

    〔十八番 酒向 薫君登壇〕(拍手)



◆十八番(酒向薫君) 議長よりお許しをいただきましたので、通告に従い、大きく二点について質問をさせていただきます。

 初めに、障がい者用スポーツ施設についてお伺いいたします。

 現在、県では岐阜県障がい者総合支援プランに沿って、県の障がい者支援施策の中核拠点として、岐阜市早田、鷺山、則武にまたがる地域に福祉ゾーンの整備が進められています。

 平成二十七年四月の身体障害者更生相談所、知的障害者更生相談所、精神保健福祉センター及び発達障がい支援センターを移転集約し、三障がいへの一元的な相談支援体制を整えた「岐阜県障がい者総合相談センター」の開設を初めとして、平成三十年度までに希望が丘こども医療福祉センター、岐阜希望が丘特別支援学校、岐阜県中央子ども相談センターの整備が計画されています。

 この計画に、平成二十八年供用開始予定の通年型屋内温水プールとなる、現在仮称となっておりますが、新福祉友愛プールと、平成二十九年供用開始予定の障がい者用体育館の整備があります。このことについて、お尋ねをいたします。

 平成二十四年九月に開催された「ぎふ清流国体・ぎふ清流大会」を契機として、県民の障がい者スポーツを含むスポーツに対する関心が一層の高まりを見せるとともに、岐阜方式の活用等による競技力の向上やおもてなし活動等を通じた県民の地域のきずなづくりなど、スポーツを支える活動を含めたスポーツ推進がもたらす成果を強く実感したところであります。

 この成果を貴重な財産として活用すべく、議員提案による「岐阜県清流の国スポーツ推進条例」が平成二十五年第一回県議会定例会で可決され、平成二十五年三月二十六日より施行されているところであります。

 この条例では、県は、スポーツの推進に関する施策を総合的かつ建設的に推進することになっており、第二条の基本理念には、スポーツは、障がい者が自主的かつ積極的にスポーツを行うことができるよう、障がい者の種類及び程度に応じた必要な配慮をするとともに、障がい者の自立及び社会参加を促進する等、障がい者とともに生きる社会の推進に資するよう推進しなければならないと規定されております。

 第十二条には、障がい者スポーツ推進として、県は障がい者によるスポーツ活動を推進するため、障がいの種類及び程度に応じたスポーツ活動に参加する機会の提供など、必要な施策を講ずるとともに、障がい者が元気に安心して暮らせるための社会づくりに努めるとされており、また第十九条には、施設の整備等は、県はスポーツ施設の整備に当たり、安全の確保を図るとともに、障がい者等の利便性の向上を図るように努めるとされております。

 障がい者スポーツ施設の整備に当たっては、これらの規定に基づき、障がい者の種類及び程度に応じたスポーツ活動が行えるよう、利便性を高めた施設として、障がい者スポーツ振興の重要な施策と位置づけ、推進しなければならないと考えております。

 文部科学省が平成二十四年度に、地域における障害者のスポーツ・レクリエーション活動に関する調査研究として、障がい者スポーツ施設に関する調査を行っています。全国障がい者スポーツ施設百十四カ所の主な調査結果ですが、一.障がい者スポーツの施設の八割以上が指定管理者に管理運営を委託しており、指定管理者は社会福祉協議会等が六割以上である。二.障がい者スポーツ施設に整備されている施設で、最も多かったのは体育館であり、九割を占めております。三.利用者の大半は、肢体不自由者と知的障がい者となっている。四.都市部の大規模施設には、専門性の高い障がい者スポーツ指導員が配置されている。五.大規模施設では、施設から離れた地域の障がい者への出前にも積極的であるとのことでした。

 また、この調査の中では、障がい者スポーツ施設の特徴ある取り組みも紹介されており、例えば、障がい児を対象としたプログラムや障がい者への効果的なリハビリテーション・スポーツプログラム、障がい者が継続してスポーツを楽しめるプログラムなど、医師、理学療法士、栄養士と連携をしながら、多種多様なニーズに合わせた支援プログラムを提供している施設。風船バレー、車椅子バスケットボール、あとパラリンピックの正式種目となるボッチャという、ボールを投げたり転がしたりして、目標になっているボールにいかに近づけるかを争う競技ですが、誰もが楽しめるような障がい者スポーツの大会やスポーツ教室を開催している施設。地域スポーツクラブ、大学、専門学校、高校などと連携して、スポーツ活動を支える障がい者スポーツ指導員やボランティアの人材育成などの取り組みを行っている施設などがあります。

 この結果、利用者の大半が肢体不自由者と知的障がい者となるものの、健康づくり、リハビリテーションからレクリエーション、競技スポーツまで、障がいのある利用者が安全で安心して利用できる環境づくりのため、管理運営においても専門性の高いスタッフの配置が必要となってくると強く感じる次第であります。また、特徴ある取り組みを行っている施設は、やはり利用者が多くなっているのですが、本県においても、利用者の障がいやニーズに応じた特徴ある取り組みが必要ではないかと考えます。

 今回、岐阜地域での供用開始を予定しているわけですが、本県の障がい者のスポーツ施設の拠点として、利用者の満足度が高く、よい施設ができたとの実感を持っていただけるよう、充実した施設となるように願っておるわけでございます。また、施設での取り組みを契機に、岐阜地域のみならず、本県全域へ障がい者のスポーツ人口をふやす取り組みを推進していただきたいと思っております。

 そこで、健康福祉部長に二点お尋ねをいたします。

 平成二十六年二月定例会において、公明党 水野吉近議員が、新福祉友愛プールの概要や支援について質問されています。その際、当時の健康福祉部長は「現在の福祉友愛プールの単なる再整備ではなく、障がいのある方が快適に楽しめるプールという要素に加えて、障がい者スポーツの競技力向上という要素をあわせ持つプールにしていく」ということでありました。また、「全国や世界の舞台を目指す選手たちの活動の中心となるよう、このプールを活用した競技力向上への支援については、関係団体の方々から練習環境やトレーニング方法をお聞きし、効果的に運用をするためのルールづくりを進めている」という答えでございました。

 この点を踏まえまして、一点目は、新福祉友愛プールについて、その後の運用ルールづくりの進捗状況と来年度からの供用開始に向け、一般利用と東京パラリンピックを見据えた競技力の向上の二つの機能をどう使い分けていくのか、お尋ねをいたします。また、障がい者用体育館は、岐阜希望が丘特別支援学校の体育館の二階部分に整備するということでございますが、どのような機能を持たせていくのか、お聞かせをいただきたいと思います。

 二点目は、障がい者用スポーツ施設の管理運営について、障がいの多様化と重度化に対応するため、幅広い知識や高い技術などが求められると考えます。そこで、どのような対策を講じていかれるのか、お尋ねをいたします。

 次に、学校給食の食べ残しについてお尋ねをいたします。

 環境省の二〇一三年度の調査で、全国の公立小・中学校の学校給食で出るごみが、一人当たり年間約十七・二キログラムに上り、このうち食べ残し、食品ロスは七・一キログラム、残食率は六・九%になり、御飯茶わんでいえば約七十杯分に相当すると言われています。アフリカ初の女性のノーベル平和賞を受賞しましたワンガリ・マータイさんから言わせるのなら「もったいない」という言葉になるんではないかと思います。

 他の調査では、年間の食品ロスは全国で約八百万トンと言われております。各家庭においては一%、レストランは三・二%と食品ロスが少ない一方、注文されず料理が提供される点では、給食と共通点がある宴会では一〇・七%のデータがあります。ここにお見えになる皆様方は、宴会がお好きな方が非常に多いと思います。どうか残さずに、しっかりと食べていただきたいと思います。

 さて、平成二十六年度岐阜県の学校給食調査報告書におきまして、学校給食の実施状況が発表になっております。学校給食を実施している公立小・中学校は、小学校三百十七校、中学校百八十四校、学校給食実施人数は十七万一千四十人であります。米飯給食の実施状況は、県内全市町村の平均週三・一回であります。選べる食事の実施状況は、バイキング、セレクト、リクエスト給食の三つの方法で行われております。県の平成二十六年度の残食調査では、小学校五・三%、中学校四・八%でありました。

 また、個々の家庭における調査において、朝食欠食が、小学校三・三%、中学校六・二%でありました。その主な理由は、時間がない、食欲がない、習慣がない、準備がなっていないというものでございます。また、ひとりで食べる孤食調査では、小学生が二三・〇%、中学校が四四・四%と、両方とも大変危惧する結果となっております。改めて、家庭のあり方ということを考えさせられるものだと思っております。

 なお、残食とは直接関係ないかもしれませんが、食物アレルギーのある児童・生徒数がふえております。小学校では、前年より三百二十二人ふえ、三千八百六十一人、中学校では、前年より二百九十五人ふえ、千八百四十三人となっております。この食物アレルギーの対応も喫緊の課題であり、市町村を含め、本県も早急に対応を講ずる必要があると考えております。

 また、学校給食における栄養内容等の状況ですが、主食では、白飯の提供率が最も高く、麺、変わり飯、普通パンがこれに続き、おかずの提供は、汁物、あえもの、揚げ物、煮物、焼き物の順に高く、デザートは果物の提供率が高くなっております。

 次に、栄養教諭等の配置状況でございます。栄養教諭は百二十人、学校栄養職員等は八十三人で、合計二百三人となっております。

 また、学校給食費の一食当たりの保護者負担平均額は、平均で小学校が二百五十円二十二銭、中学校では二百九十円九十九銭となっております。

 食べ残しの問題については、先般、大阪市中学校の給食について、橋下徹市長と市教育委員らが、生徒がふりかけを使うことを認めるかどうかについて議論がなされました。御飯を食べさせる切り札としてはいいのではないか。また、反対に、塩分量など栄養バランスを考えて認めてはいけないのではないか。こういった議論が交わされたものでございます。

 食べ残しが減って、全国から注目を浴びているところもあります。

 二〇〇七年に就任された近藤やよい東京都足立区長が、日本一おいしい学校給食を目標に挙げ、さまざまな取り組みを実施されました。家庭やグループで、栄養価や栄養のバランスを配慮しながら、学校給食メニューを考えることで、食の重要性を知り、給食への食べる意欲を高めることを目的に、児童・生徒からメニューを募る、「おいしい給食メニューコンクール」が開かれました。各学校においても、クイズで食の話題を提供したり、シチューやカレーの中にハートマークのニンジンをほんの少し入れるだけで楽しく食べられる工夫や、栄養士さんがそれぞれの教室を回ってメニューや食材についての説明をしたり、食べ残しの少なかった教室を表彰したりするなどのさまざまな取り組みをしながら、食べ残しが大幅に減ったという結果を得たわけでございます。

 学校給食の食べ残しの要因については、給食がおいしくないから、給食に嫌いなものがあったからなどが大きくかかわっているのは否めませんが、別の調査では、中学校の食べ残しの多いクラスは、食事をとる時間が十五分未満であったことや、食べ残しに関する取り組みを実施する割合が少なかったことなどが挙げられております。配られた一人分を残さず食べるように呼びかけた、御飯やおかずを食べるまでデザートは食べてはいけない、食缶に残っているものを配って回った、きょうの給食内容に関する話をしたなど、取り組みをしているクラスは食べ残しの少ないクラスとなる割合が高くなっております。

 学校給食は、適切な栄養の摂取による健康保持増進を図るため、望ましい栄養量となっているとのことで、食べ残しが多いということは、栄養が偏ったり不足しがちになったりすることがあるわけでございます。児童・生徒の食べ残しの問題を解決することは、重要な課題であると考えております。

 ある教師は、子供たちに「あなたの食べてきたものが今あなたそのものです、と、食に関する知識、自然の恵みへの感謝、世界遺産の和食など伝統的な食文化、生き物への命をいただく感謝を訴えていきたい」と語っておられます。食べ残しを少しでも減らすには、何らかの取り組みを行うことが重要だと考えております。

 そこで、国の施策にスーパー食育スクールという事業があります。昨年は揖斐川町の大和小学校、今年度は同町の北和中学校が指定されています。栄養教諭を中心に、あらかじめ具体的な目標を設定した上で、大学、企業、行政機関、生産者等と連携し、児童・生徒の食育を通じた学力向上、健康増進、地産地消の推進、食文化理解、国際交流など、食育の多角的効果について科学的データに基づいて検証を行い、食育の一層の充実を図る事業でございます。今年度実施します北和中学校での取り組みテーマは「食生活の自己評価能力の向上と個に応じた体力向上プログラムの実施」となっております。

 今年度は、全国で三十校の小・中学校、高等学校が、食と健康、食とスポーツ、食文化など、さまざまなテーマを持って取り組むようになされております。本県においても、平成二十六年十二月に施行された岐阜県家庭教育支援条例や、平成三十年以降授業化され、本格的に授業として取り組む道徳において、食育を学校、家庭、地域で広める必要があるものと考えております。

 そこで、教育長に二点お尋ねをいたします。

 一点目は、食べ残しについて、少しでも減らすべきだと考えますが、教育委員会として、どのような対策をとられているのかお聞かせいただきます。

 二点目は、食育を進めることで食べ残しも減るのではないかと考えていますが、スーパー食育スクールの取り組みについて、食べ残し削減への効果の面からどのようにお考えになるのか、お聞かせをいただきたいと思います。

 以上、二点について御質問をさせていただきました。御清聴、まことにありがとうございました。

    (拍手)



○議長(足立勝利君) 健康福祉部長 石原佳洋君。

    〔健康福祉部長 石原佳洋君登壇〕



◎健康福祉部長(石原佳洋君) 障がい者用スポーツ施設について、二点御質問をいただきました。

 まず、施設の機能についてでございます。

 新福祉友愛プールにつきましては、日本水泳連盟公認施設を目指しており、パラリンピックに向けた選手の練習の場として利用いただける機能を備えております。他方で、障がい者の社会参加や障がい者スポーツの普及促進の観点から、子供や重度の方など、多様な障がいの種類に応じた水泳教室を開催するほか、体力づくりやリハビリなどの利用目的別、競技レベル別の利用設定を行ってまいります。

 障がい者用体育館につきましては、車椅子バスケットボールや重度障がい者の競技であるボッチャ、視覚障がい者競技のゴールボールやサウンドテーブルテニスなど、さまざまな障がい者競技に対応できる施設として整備してまいります。また、障がい者用体育館は施設が二階に位置することから、大型エレベーターやスロープを設置することで、車椅子の利用者が安全に移動できるよう配慮した計画としております。

 次に、障がいの多様化と重度化に対応した施設の管理運営についてでございます。

 施設の管理運営面では、障がいの種別や程度に対応することはもちろん、安全面にも十分配慮した施設にしたいと考えております。このため、利用者の特性や体調の把握、十分な監視体制や救急救命体制の確保など、障がい者へのきめ細かな支援や安全対策を行ってまいります。また、競技力向上に向け、指導ノウハウを持った障がい者スポーツ指導員などの専門性の高いスタッフを確保することといたします。さらに、隣接する希望が丘こども医療福祉センターや総合相談センターなどの医師や理学療法士等と連携し、利用者の特性に応じたサポートを行うための医学的な助言も得て、障がい者が安心してスポーツを楽しんでいただける環境を整えてまいります。



○議長(足立勝利君) 教育長 松川禮子君。

    〔教育長 松川禮子君登壇〕



◎教育長(松川禮子君) 学校給食の食べ残しについて、二点御質問をいただきました。

 初めに、学校給食の食べ残しを減らす対策についてお答えします。

 本県の公立小・中学校では、好き嫌いのない食習慣を児童・生徒に身につけさせるために、学校給食指導において、食物やその生産者への感謝の心を育むとともに、子供の体格や体調に応じて配膳量を調節するなどの配慮もしながら、給食の食べ残しがないよう指導しております。

 平成二十六年度の岐阜県学校給食残食量調査において、給食を全て食べた児童・生徒の割合が、主食九五%、おかず九五・三%となり、いずれも十年前と比べて十ポイント近く上昇しているのも、こうした食育指導が背景にあると考えております。

 このような学校での指導を児童・生徒に定着させるためには、家庭教育でも食育に取り組むことが不可欠であると考えております。このため、今後は、岐阜県家庭教育支援条例の制定を機に推進している「話そう!語ろう!我が家の約束」運動において、好き嫌いのない食習慣の定着をテーマに取り上げ、家庭教育学級などを通じ、家庭での食育の実践を促進してまいります。

 次に、スーパー食育スクール事業の取り組みの食べ残し削減への効果についてお答えします。

 昨年度の指定校の揖斐川町立大和小学校では、食物への関心を高める農業体験や生産者への感謝の心を育てる交流活動に取り組んでまいりました。地元の食材について学んだり、生産者の努力や苦労を理解したりすることで、児童に食事を残さず食べようとする心が育まれるなどの成果が得られております。平成二十六年度の岐阜県学校給食残食量調査で、給食を全て食べた児童の割合が、大和小学校では一〇〇%となったことも、こうした食育指導の効果によるものと受けとめております。

 今後、指定校の取り組みを県内の小・中学校に普及啓発し、各校での食育指導の充実を図ることで、給食の食べ残しの削減にもつなげていければと考えているところでございます。



○議長(足立勝利君) 二十九番 伊藤秀光君。

    〔二十九番 伊藤秀光君登壇〕(拍手)



◆二十九番(伊藤秀光君) 議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして質問させていただきます。

 二年ぶりにこの議場に立たせていただきました。改めて身の引き締まる思いで、初心に返って、県民の幸せと県政の発展のために頑張らせていただきます。よろしくお願いいたします。

 まず初めに、産業用大麻の振興について伺います。

 私が産業用大麻について質問させていただくのは、二回目になります。一回目は、平成二十四年十二月議会において、県の重要無形民俗文化財として、約千年の歴史を持つ神戸町の日吉神社の山王まつり、通称火まつりに関連して質問をさせていただきました。

 この火まつりのたいまつに使用されるのが、毎年保健所で検査を受けている産業用大麻です。平成二十三年にこの大麻の盗難事件が発生し、翌年、県より栽培自粛が要請され、千年も続く山王まつりが、たいまつが半減し寂しいものとなりました。これまで延々と受け継がれてきた伝統文化が、今、我々の時代に途絶えることは、御先祖様に申しわけないという思いがあります。また、私自身も若いときにこの祭りのみこしを担いだことがあることから、一日も早い復興を願って質問させていただきました。そんな御縁で、毎年のように参加していますが、その荘厳さは本当にすばらしいものです。結果として、柵の設置等管理体制の強化を図ることにより、県から許可をいただき、二年後の平成二十六年から以前の山王まつりになり、大変喜んでいる次第です。関係各位に感謝を申し上げます。

 ただ、問題が根本的に解決したわけではありません。また同じようなことが起こることも危惧されます。確かに、私自身も、大麻−−マリファナ−−といえば害のあるものと思っていましたが、産業用大麻には、陶酔性の薬理成分であるテトラヒドロカンナビノールが〇・三%未満で、麻薬としての効果がなく、この葉っぱを吸ったからといって精神が変容するものではありません。しかし、陶酔性のある大麻と同様に扱われ、多くの誤解や矛盾があることに気がつきました。

 最近では、産業用大麻とは、食用を初め、麻織物などの繊維、住宅用建材などの工業製品の原料のほか、土壌の浄化作用、バイオマス資源、強化プラスチックや麻の実の油を用いた健康食品、化粧品、家畜・競走馬の敷料など、二万五千種類以上の製品の原料となる農作物として有用な作物となる可能性を秘めており、OECDの加盟三十カ国のうち、栽培していないのは五カ国、許可制などのように抑制しているのは、日本と韓国とアメリカの三カ国で、そのほかイギリス、フランス、ドイツ、イタリア、カナダなど、二十二カ国は栽培を推進しています。その上、中国も、国策としても、また民間のアパレル業界のトップ企業であるヤンガーグループも、この産業用大麻の分野に進出してきたようです。我が国でも、大麻取締法の運用が改善されれば、十兆円から三十兆円の経済効果が期待できるとも言われております。

 我が国の大麻の歴史を顧みますと、戦前まで国も奨励していた重要作物で、全国で繊維生産を目的にした二万五千ヘクタールが栽培されていました。一九五二年には、全国で大麻農家約二万五千人、栽培面積五千ヘクタールに減少、今では栽培は栃木県と岐阜県を中心に全国で約四十人、栽培面積は五ヘクタールと激減しています。

 こうした日本の大麻の現状を憂うる人々が、ことしの五月三日の神戸町の山王まつりに合わせて、第一回日本麻協議会を開催されました。全国各地で麻の栽培に熱い思いで頑張ってみえる方々と出会いました。私もパネラーとして出席しましたが、今、最も熱く大麻栽培にかけているのが北海道であると知り、早速北海道にわたり、視察してまいりました。

 北海道で唯一の栽培免許を持っている北見市の舟山さんの尽力により、北見市は、北海道庁より産業用大麻栽培特区の指定を受けています。東川町では、行政のバックアップも受けて、試験栽培をスタートした松家農園さん、共同研究家で北海道産業用大麻協会の代表理事で農業博士の菊地先生、そして札幌の北海道議会全議員の約六〇%となる六十四名でつくる超党派の議員連盟、産業用ヘンプ普及研究会の役員の道議会議員三名の方にもお会いし、資料もいただきながら、熱い思いを伺ってまいりました。ヘンプとは大麻の英語名です。議場にその資料を配付させていただきましたので、ごらんください。

 北海道では、北見市、東川町以外でも、網走市、白糠町、上川町などで同様の研究会が立ち上がっています。戦前、北海道でも、開拓当初から大麻の栽培が奨励され、重要な換金作物として栽培されておりましたが、戦後は大麻取締法の制定により、大麻の栽培は衰退していきました。

 北海道では、今進められているTPP−−環太平洋パートナーシップ協定−−への参加が決まれば、北海道の主要な農畜産物として重要な米、小麦、砂糖、バレイショ、酪農製品などは、輸入品との価格競争に負けるおそれがあり、その結果、北海道農業は壊滅的な影響を受けることが懸念されています。生産者の間では、農業の先行きに強い不安を持つと同時に、新たな作物への関心が急速に高まっています。我が岐阜県も同じだと思います。こうした状況下で、最近注目されているのが産業用大麻というわけです。

 また、つい最近では、郡上市でも、この産業用大麻にかける同じ思いの議員さんにお会いしてきたところです。

 以上、述べてきましたように、北海道を初め、全国各地で、新しい成長産業を目指して産業用大麻の栽培に意欲を燃やす方や、日本人とともに一万年以上もかけて進化してきた貴重な資源としての大麻の栽培技術を継承し、遺伝資源を守っていこうとする方がふえてきました。ただ、現実問題として、栽培の免許を持った方が減少しつつあり、高齢化も進んでいるにもかかわらず、免許の取得は極めて厳しい現状です。このままでは、日本古来の大麻が絶滅することも危惧されます。

 栽培免許の発行は、免許権者が都道府県知事、担当課が本県では薬務水道課となっています。私自身としては、農業の専門家である農政部、地域振興を図る商工労働部、文化財の保護を図る教育委員会、そして地元自治体等の意見も踏まえて、総合的に判断されるのが重要だと考えますが、産業用大麻の栽培免許の発行について、どのようにお考えか、健康福祉部長にお伺いをいたします。

 さて、大麻栽培日本一を誇る栃木県では、戦後、大麻の盗難が後を絶たず、それを防ぐために、昼夜を問わず監視をしていましたが、農家の負担が大きいことから、栃木県農業試験場鹿沼分場にて大麻草の無毒化の研究が進められ、昭和五十七年に、とちぎしろという名前で品種登録が出願され、昭和五十九年までに栃木県の大麻草は全て無毒のとちぎしろに転換されたとのことです。日本で唯一の無毒の品種となっています。EU諸国では、同様の品種は五十二種もあります。

 栃木県の大麻の栽培は、柵もフェンスも何もせず、農作物として栽培されており、各地でこのとちぎしろの種を求める声があります。岐阜県においても、品種改良を重ねて、恒常的にどこでも普通の農作物として栽培できるよう、岐阜県独自の品種改良の試みをスタートしてほしいと願わずにはいられません。

 特に、我が岐阜県では、長い歴史を持つ伝統文化と産業用大麻のかかわりは、世界遺産の白川郷などのカヤぶき屋根の下地、花火に使用する麻炭、神戸町の火まつり、美濃の和紙、鵜飼いに使用する鵜匠と鵜をつなぐ綱、高山市丹生川町の伊太祁曾神社の管粥神事など、極めて深いものを感じます。全国的に見ても、文化財と大麻のつながりは極めて大きいのです。生産量も栃木に次いで第二位です。不思議な産業用大麻との御縁を感じます。

 そこで、農政部長に伺います。

 私は、産業用大麻が農作物という観点から、農政部が中心となって、外部の有識者の方々もメンバーに入れた産業用大麻の可能性や大麻産業の復興について話し合う検討会、そのようなものを設置していただけないかと思いますが、いかがでしょうか。既に、北海道では、さきに述べました議員連盟とは別に、産業用大麻可能性検討会が北大の松井名誉教授を座長にして発会しています。北海道を初め、他県との連携にも一役買っていただきたく思います。

 最後に、正しい大麻についての教育と啓蒙についてお伺いします。

 教育委員会前の掲示には、不正な大麻の栽培防止とケシの撲滅のポスターが張ってありますが、嗜好品としての大麻は、青少年の健全育成や健全な体のために厳しく法律で禁止されるべきであります。

 国民の多くは、大麻について正しい知識は持たず、漠然と恐ろしいものと捉えています。また逆に、インターネットなどでは、根拠に基づかない大麻乱用の危険性を軽視する情報も多く見られ、憂慮しています。学校教育の中でも、薬物乱用防止の授業があると思いますが、危険な薬物の恐ろしさとともに、本県の伝統文化に寄与している大麻のこと、広く経済活動にも有効な無害な大麻もあることも含めて、子供たちに伝えてほしいと思います。

 そこで、教育長に伺います。

 子供たちに、科学的に、その有害性などの性質も含めて、合理的で倫理的な判断ができるよう、正しい知識の啓蒙と薬物乱用防止のための教育の推進が必要だと思われますが、どのようにお考えかお聞かせください。

 戦後七十年を迎える節目のことし、その遺産ともいえる大麻取締法が、地方創生が声高々にうたわれている昨今、産業用大麻の栽培に地方創生をかける人々の思いを踏みにじっているとしたら、余りにも皮肉な気がします。今こそ、国から言われる地方創生でなく、地方からの声を国に届ける本物の地方創生を願わずにはいられません。北海道では、行政も議会も、一歩一歩ではありますが、進み始めています。本県においても、伝統文化に欠かせない大切な産業用大麻です。日本の真ん中に住む我々も、神戸町のたいまつのように全国にのろしを上げて、一歩も二歩も進み始める責任と義務があると思います。誠意ある答弁をお願いします。

 次に、フェアトレード、ESD及びユネスコスクールについて、お伺いします。

 私は、一昨年、東京商工会議所が主催し、試験は各商工会議所が実施する環境社会検定試験、通称ECO検定を受験しました。受験に際しては、東京商工会議所の通信講座事務局に通信教育を申し込み、郵送されたテキストで課題の添削を受け、勉強して受験に臨みました。その勉強の中で、持続可能な社会を目指して、国連機関、各国政府、地方自治体、企業、NPO、NGOなどが、それぞれの主体間で連携をとりながら、活発に環境問題、貧困問題に取り組む姿勢と、私たち一人一人のライフスタイルのあり方を学ぶことができました。そこで、いろいろと学んだうちで、通告しました三つのキーワードについてお伺いをします。

 まず初めに、フェアトレードについてお伺いします。

 フェアトレードとは、輸入相手先の有機栽培などの農作物を不当な安い値段で買うのではなく、輸入相手国の経済的自立を支援するために適正価格で取引しようというもので、環境保全活動だけでなく、貧困や差別など社会的問題にも目を向け、相手国、特に途上国の環境と暮らしを守り、世界が手をつなぐ一歩になろうというものです。フェアトレード商品としては、チョコレートやコーヒー豆などが有名ですが、農作物以外にも、衣類、アクセサリーなどの装飾品や小物まで多岐にわたります。

 さらに、フェアトレード運動とは、地域の市民、学校、企業、行政、NPO、NGOなどが一緒になって、町ぐるみでフェアトレードを推進する運動です。フェアトレードを知ることで、世界に視野を向け、足元の暮らしを見詰め直すきっかけをつくります。二〇一四年の七月現在、世界二十四カ国、千五百六の市町村がフェアトレードタウンとなっています。日本では、熊本市が二〇一一年六月、日本初、アジア初の認定を受けました。

 どうしたらフェアトレードタウンになれるのかを調べてみますと、六つの基準があります。基準一、フェアトレード運動を始めよう。基準二、フェアトレードをまちのみんなに知ってもらおう。基準三、学校や職場でフェアトレード商品を取り入れよう。基準四、地域でつながり、思いやりのまちづくりをしよう。基準五、フェアトレード商品を買える店をふやそう。基準六、自治体とともにフェアトレードを広めよう。

 今、このフェアトレードタウンを目指して頑張っているまちがあります。それは、大垣市のお隣の垂井町です。NPO法人泉京・垂井さんは、ことし五回目を迎えるフェアトレードデイ垂井を主催してみえます。私も、昨年、垂井町の朝倉公園で開かれました第四回に参加をしてきましたが、出店約五十店舗、約五千人の参加、ことしは出店約六十店舗、約六千人が参加されたそうです。行政ではなく、NPO主体で頑張ってみえ、年々盛んになっており、その情熱と熱意に感動させられます。議場にも新聞記事を配付させていただきました。

 代表の神田さんは、フェアトレードが若い世代で広がりを見せている背景には、一つは手軽な買い物で日常的に国際協力ができるという社会性に加え、もう一つは、環境面に配慮したフェアトレード商品は、安全・安心なものであるという商品への信頼性が、とりわけ子育て世代の関心と合致しているとお話しされてみえます。そして、フェアトレードタウンの称号を得ることは、生活の質を追求する若年層に対するアピール度が高く、移住対策にも大きな効果を発揮するとも言われました。垂井町では、昨年八月にフェアトレードタウンの推進委員会が発足し、日本で二つ目の認定を目指しています。

 また、名古屋市でも、先ごろ、議場に配付させていただきましたが、毎年五月第二土曜日の世界フェアトレードデーに当たることし五月九日に、フェアトレード名古屋ネットワークさんが行政のバックアップも受け、活発な活動を続けてみえ、同じく二つ目の認定を目指しています。

 さて、こうした活動の主体は、主に市町村でありますが、岐阜県にも、垂井町以外にも、日本の国際協力団体として国際的に高い評価を得ている認定NPO法人ムラのミライの本部がある高山市や、フェアトレード商品を扱う事業者が比較的多い岐阜市があります。垂井町に続くフェアトレードタウンの育成を、圏域別に立ち上げることも可能だと思われます。

 また、フェアトレードタウン第一号の発祥の地イギリスでは、ウェールズやスコットランドといった広範囲な地域でも推進体制が構築されています。県としての取り組みとなると、全国初となる可能性もあり、実現すればフェアトレードプリフェクチャーということにもなります。具体的には、県の主催するイベントにフェアトレード商品を売る店を出すとか、学校や職場にフェアトレード商品を取り入れるとか、これまでにも、本県では国際交流・国際理解に積極的に取り組んでこられた経緯があり、この運動への参加を望まずにはいられません。

 そこで、観光国際局長にお伺いします。

 フェアトレード運動を通じて、途上国の自立や貧困の撲滅を促していくことは、岐阜県にとってもイメージアップにつながる施策だと思います。フェアトレードによる国際貢献について、どのようにお考えか、お伺いをします。

 次に、ESDについてお伺いをします。

 ESD、つまりエデュケーション・フォー・サステーナブル・ディベロップメントの頭文字をとっていますが、直訳すると、持続可能な開発のための教育となります。もう少しわかりやすく言えば、ESDとは、環境、貧困、人権、開発といったさまざまな地球規模の課題について、自分のこととして捉え、その解決に向けて、みずから行動を起こすことのできる担い手を育てる教育のことです。そして、この発想の生みの親は日本と言えます。そのわけは、二〇〇二年のヨハネスブルクの地球サミットにて、市民の提言を受け、日本政府が、二〇〇五年から二〇一四年をESDの十年にしようと提言し、二〇〇二年第五十七回国連総会で採択されたからです。

 そして、日本において、この十年を統括し、今後の取り組みを話し合う会議が名古屋で開催されました。議場に新聞報道の一部を配付させていただきました。

 ユネスコ世界会議が、名古屋で十一月十日から十二日にわたって開催されたわけですが、世界会議には百五十三の国・地域から千九十一名、うち閣僚級七十六名を含む、一般参加者を含めると約三千名以上が参加して、盛大に開催されました。ESDの十年の成果を検証し、各国閣僚級会合ではESD政策が議論され、一般参加者の間では、教育、エネルギー、防災など、数多くの分科会も開かれ、最後に、あいち・なごや宣言を採択して幕を閉じました。議場に配付させていただきました新聞記事では、原本A2サイズからA4に縮小してあります。大きく取り上げていますが、ただ、日本が国連でESD十年計画を提唱した結果の割には、日本各地でこのESDの十年を、本当にどれだけの地域で、どんな十年間の活動をされてきたのか、甚だ疑問に感ずるところであります。

 そこで、環境生活部長にお伺いをします。

 お隣の名古屋市での開催ということもあり、本県としても、このESDのユネスコ世界会議に何らかの対応はされたかと思いますが、どのように対応をされたのか、お聞かせください。

 次に、ユネスコスクールについてお伺いをします。

 名古屋のユネスコ世界会議に先立ち、十一月五日から七日まで、高校生を中心とするユネスコスクール世界大会が岡山で開催されました。

 ユネスコスクールとは、ユネスコ憲章に示されたユネスコの理想を実現するため、平和や国際的な連携を実践する学校であり、ユネスコが認定する学校です。現在、世界百八十一の国・地域で一万校以上のユネスコスクールがあります。このユネスコスクール世界大会に関する新聞報道を見ますと、海外三十一カ国と国内を合わせて約二百人が参加し、ディスカッションでは、日常生活や社会において持続可能性を阻害する要素は何か、持続可能性を推進する際に何が必要かなどを高校生が熱心に討議し合い、七日には、二日間の議論のもとに、ESDの普及や持続可能性について学び続けたいという共同宣言を作成しました。

 日本国内の加盟校数は、昨年開催されたユネスコスクール世界大会の時点では七百五校、岐阜県での登録は、岐阜市立島小学校と岐阜聖徳学園高等学校の二校だけです。ただし、平成二十七年二月現在、全国で九百十三校とふえています。ユネスコスクールに加盟すると、世界のユネスコスクールの活動情報の提供や、交流する機会もふえますし、教員の交流プログラムもあります。また、ESDを実践する上での必要な教材の購入資金として、一校当たり十万円を上限に助成を受けられるというメリットもあります。文部科学省及び日本ユネスコ国内委員会では、ユネスコスクールをESDの推進拠点と位置づけて、ユネスコスクール加盟校の増加を図るとともに、その質を確保するため、ユネスコスクールガイドラインを策定しています。

 私は、こうしたユネスコスクールを通じて、若い時代に、国内はもとより世界の同世代の若者との、自分たちの未来のために、今、何をなすべきかを議論することは、とても大切なことだと思います。

 そこで、教育長に伺います。

 グローバル社会において、今後、ユネスコスクールの果たす役割は極めて大きいと思いますが、ユネスコスクールの現状と今後の取り組みについて、どのようにお考えかお聞かせください。

 これまで述べてきましたフェアトレード、ESD、ユネスコスクールは、どの運動もその底流に流れるものは、人類が住むのに一つしかない宇宙船地球号を、未来永遠に子孫が幸せに住み続けることができるように、人類みんなで助け合っていこうということだと理解いたしました。そのためには、教育の果たす役割の大切さを改めて知りました。

 こうした勉強ができたのも、ECO検定の受験にチャレンジしたおかげだと思います。そのECO検定のテキストの冒頭は、ハチドリのひとしずくという物語から始まります。最後に御紹介させていただきたいと思います。この物語は、南米アンデス地方に住むキチュアという先住民族に語り継がれてきたクリキンディの物語です。

 森が燃えていました。森の生き物たちは、我先にと逃げていきました。でも、クリキンディという名のハチドリだけは、行ったり来たり、くちばしで水の滴を一滴ずつ運んでは、火の上に落としています。動物たちがそれを見て、そんなことをして一体何になるんだと笑っています。クリキンディは、こう答えました。私は、私にできることをしているだけ。

 とても、感動させられました。私はクリキンディになれるか、いろいろと考えさせられます。

 以上、大きく二つの点について質問をさせていただきました。関係部長の誠意ある答弁を期待し、質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

    (拍手)



○議長(足立勝利君) 環境生活部長 安福正寿君。

    〔環境生活部長 安福正寿君登壇〕



◎環境生活部長(安福正寿君) ESDに関するユネスコ世界会議における本県の対応について、お答えをいたします。

 議員御指摘のとおり、環境やエネルギーといったさまざまな課題を世界規模で考え、そして次の世代の担い手を育てていく教育を行っていくことは重要であると考えます。

 こうしたことから、県としては、昨年十一月に名古屋市で開催されたESDユネスコ世界会議に併催されたESD交流フェスタにブースを出展し、「「清流の国ぎふ」づくりはESD!」をテーマに、本県の環境教育や環境保全活動などの取り組みの紹介を行いました。

 ことしは、五月に韓国で世界教育会議が開催され、持続可能な教育について盛んな議論が交わされたところですが、今後も、皆さんにESDについて関心を持っていただけるよう取り組んでまいりたいと考えております。



○議長(足立勝利君) 健康福祉部長 石原佳洋君。

    〔健康福祉部長 石原佳洋君登壇〕



◎健康福祉部長(石原佳洋君) 産業用大麻の振興に関し、栽培免許の発行についての御質問をいただきました。

 大麻の栽培は、大麻取締法に基づき、ほかに代替手段がなく、真に不可欠な場合に限定して知事の免許を与えることとなっており、本県では、栽培目的が神社の祭事での使用など、社会的・文化的な重要性が認められる場合に限定しているところです。

 御提案のありました産業用大麻は、幻覚成分が少ないとされていますが、多量に摂取することで乱用につながるおそれがあるほか、在来種との交配により、通常の大麻と同程度の幻覚成分を含むように変化する危険性もあり、盗難防止対策や幻覚成分の含有量検査など、厳格な管理が求められます。

 また、平成十九年度に、県内の業界団体から大麻栽培免許の要件緩和を求めた構造改革特区申請が出された際も、厚生労働省は、農業の活性化、産業振興による広域的な地域再生を目的とした大麻栽培について認めることは困難として、要件緩和を認めませんでした。

 こうした状況を踏まえますと、免許要件の緩和には課題も多く、現時点では慎重に審査する必要があるものと考えております。



○議長(足立勝利君) 農政部長 若宮克行君。

    〔農政部長 若宮克行君登壇〕



◎農政部長(若宮克行君) 産業用大麻の振興について、外部の有識者を含む検討会の設置について御質問がございました。

 ただいま、健康福祉部長の答弁にもございましたように、本県では、大麻の栽培は大麻取締法に基づき、神社の祭事での使用など限定的に認められているものです。このため、現時点では、新たに農業の活性化や産業振興を目的として大麻を生産することは困難であり、御提案のありました検討会の設置は慎重にならざるを得ないものと考えております。

 なお、他県の状況等につきましては、引き続き情報収集を行ってまいります。



○議長(足立勝利君) 観光国際局長 市川篤丸君。

    〔観光国際局長 市川篤丸君登壇〕



◎観光国際局長(市川篤丸君) フェアトレードについてお答えいたします。

 フェアトレードは、一般的には経済的・社会的に立場の弱い生産者に対して、適正な価格で継続的に農作物や手工芸品などを取引することで、発展途上国の自立を促すことが目的とされています。近年、身近にできる途上国支援の一つの方策として、また新たなビジネスモデルとして、国内でもその活動が広がりつつあります。

 県としましては、まず、県国際交流センターが県内国際交流団体等の活動を広く紹介するため毎年実施しておられますイベント「ハローギフ・ハローワールド」において、フェアトレードに携わる団体等にブース出展を促し、広く県民にPRするとともに、現に活動している団体等から意見を聞くなど、現状や課題把握に努め、普及啓発に向けた支援策等について検討してまいります。



○議長(足立勝利君) 教育長 松川禮子君。

    〔教育長 松川禮子君登壇〕



◎教育長(松川禮子君) 二点御質問をいただきました。

 初めに、大麻に関する正しい知識の啓蒙と薬物乱用防止のための教育の推進についてお答えします。

 大麻は、麻の別名で、古くから繊維をとる植物として利用されており、中学校の社会科や高等学校の家庭科の授業で衣服の素材として利用されていることや、繊維としての特徴などが取り上げられています。一方で、幻覚成分を含むことから乱用につながる危険性があり、無許可の栽培や所持等は法律で禁止されています。このため、大麻に関しては、青少年健全育成の観点から、薬物乱用防止のための教育を推進しているところです。

 今後、岐阜県の伝統文化等とのつながりについて、学校教育の中でどのように取り扱うかについては、まずは伝統文化等に携わっている関係者の御意見を伺ってまいりたいと考えております。

 次に、ユネスコスクールの現状と今後の取り組みについてお答えします。

 現在、県内では小・中・高等学校合わせて五校がユネスコスクールに加盟しており、各学校では、ユネスコ憲章に示された理念に沿って、質の高い教育を継続的に実践されています。

 例えば、県内最初の加盟校である岐阜市立島小学校では「地球規模の問題に対する国連システムの理解」などをテーマに、県ユネスコ協会と連携して、カンボジアの教育環境を学び、文房具を同国へ送ったり、学校で栽培した枝豆の販売収益をユネスコに寄附するなどの活動をしています。

 このようなユネスコスクールの活動は、児童・生徒が世界の諸課題に目を向け、みずから考え、よりよい社会を構築するために行動する契機となり、将来、グローバル社会で活躍できる人材を育成することにつながると期待されます。

 現在、十校が加盟に向けて申請中ですが、今後も引き続き県立学校の加盟を促すとともに、ユネスコスクールの教育効果について市町村教育委員会に周知を図り、加盟を呼びかけてまいります。



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○議長(足立勝利君) 以上をもって、本日の日程は全て終了いたしました。

 明日は午前十時までに御参集願います。

 明日の日程は追って配付いたします。

 本日はこれをもって散会いたします。



△午後四時十九分散会



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